JP2019218935A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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良文 中村
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

【課題】定常時において燃料の霧化の促進を図りつつも過渡時における要求噴射量の精度の低下を抑制できるようにした内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】CPU52は、燃焼室24内に充填される空気量に基づき、要求噴射量を算出し、その一部を、非同期第1噴射量として早期に噴射する。その後、CPU52は、新たに取得した空気量に基づき要求噴射量を更新し、更新に応じて、吸気バルブ18の開弁期間に同期して燃料を噴射する吸気同期噴射の噴射量である同期噴射量を算出し、要求噴射量から非同期第1噴射量と同期噴射量を減算した値を、非同期第2噴射量に代入する。そしてCPU52は、非同期第2噴射量の燃料の噴射の後、同期噴射量の燃料を噴射する。CPU52は、非同期第2噴射量の噴射時期を過渡時には定常時よりも遅角側とする。【選択図】図1

Description

本発明は、吸気通路に燃料を噴射するポート噴射弁を備える内燃機関に適用される内燃機関の制御装置に関する。
たとえば下記特許文献1には、高負荷領域において、吸入空気量に応じて定まる1燃焼サイクルにおいて必要な量(要求噴射量)の燃料を3回に分割して噴射する制御装置が記載されている(段落「0016」および図6(B))。
特開2015−59456号公報
ところで、上記のように要求噴射量の燃料を複数回に分割して噴射する場合において、要求噴射量を1回目の燃料噴射に先立って算出する場合、燃焼室内に実際に充填される空気量に対して要求噴射量の算出に利用した空気量がずれやすい。このため、空燃比を目標空燃比に制御する上で必要な燃料量に対して要求噴射量が誤差を持ちやすい。
上記課題を解決すべく、内燃機関の制御装置は、吸気通路に燃料を噴射するポート噴射弁を備える内燃機関に適用されるものであって、吸気バルブの開弁期間に同期して燃料を噴射する吸気同期噴射の噴射量である同期噴射量と、前記吸気同期噴射よりも進角側のタイミングにて燃料を噴射する吸気非同期噴射の噴射量である非同期噴射量とに1燃焼サイクルにおいて要求される燃料量である要求噴射量を分割し、前記ポート噴射弁を操作して前記吸気非同期噴射、前記吸気同期噴射の順に実行するマルチ噴射処理を実行し、前記マルチ噴射処理は、燃焼室に流入する空気量の予測値に基づき、前記要求噴射量を算出する要求噴射量算出処理と、前記要求噴射量に基づき、前記非同期噴射量の一部である非同期第1噴射量の燃料を噴射する非同期第1噴射処理と、前記非同期第1噴射処理の後に前記要求噴射量を更新する更新処理と、前記同期噴射量を算出する同期算出処理と、更新された前記要求噴射量から前記非同期第1噴射量と前記同期噴射量とを減算した値である非同期第2噴射量の燃料を噴射する非同期第2噴射処理と、前記非同期第2噴射処理の後に前記同期噴射量の燃料を噴射する同期噴射処理と、前記非同期第2噴射量の燃料を噴射する噴射開始時期である非同期第2噴射開始時期を、前記内燃機関の過渡時には定常時よりも遅角側に設定する設定処理と、を含む。
上記構成では、非同期第2噴射量の設定により、非同期第1噴射量と非同期第2噴射量と同期噴射量との和を更新された要求噴射量とすることができる。このため、更新される以前の要求噴射量に基づき非同期第1噴射量を算出し、この量の燃料を噴射することによって燃料の霧化を促進しつつも、噴射量の算出精度の低下を抑制することができる。
ただし、内燃機関の過渡運転時には、非同期第2噴射開始時期が早期であるほど、最終的な要求噴射量の算出に用いられる空気量の予測値の精度が低下する。そこで上記構成では、過渡時には定常時よりも非同期第2噴射開始時期を遅角側とすることにより、定常時においては非同期第2噴射開始時期を進角側として燃料の霧化の促進を図りつつも過渡時における要求噴射量の精度の低下を抑制できる。
一実施形態にかかる制御装置および内燃機関を示す図。 同実施形態における制御装置が実行する処理を示すブロック図。 同実施形態にかかる噴射弁操作処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる水温と非同期第1噴射開始時期の遅角量との関係を示す図。 同実施形態にかかる充填効率と霧化余裕時間との関係を示す図。 同実施形態にかかる噴射開始時期を示すタイムチャート。
以下、内燃機関の制御装置にかかる一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示す内燃機関10の吸気通路12には、スロットルバルブ14が設けられており、スロットルバルブ14の下流には、ポート噴射弁16が設けられている。吸気通路12に吸入された空気とポート噴射弁16から噴射された燃料とは、吸気バルブ18の開弁に伴って、シリンダ20およびピストン22によって区画された燃焼室24に流入する。燃焼室24において、燃料と空気との混合気は、点火装置26の火花放電によって燃焼に供され、その際生成される燃焼エネルギは、ピストン22を介してクランク軸28の回転エネルギに変換される。燃焼に供された混合気は、排気バルブ30の開弁に伴って、排気として排気通路32に排出される。排気通路32には、触媒34が設けられている。
クランク軸28の回転動力は、タイミングチェーン38を介して、吸気側カム軸40および排気側カム軸42に伝達される。なお、本実施形態では、吸気側カム軸40には、吸気側バルブタイミング調整装置44を介してタイミングチェーン38の動力が伝達される。吸気側バルブタイミング調整装置44は、クランク軸28と吸気側カム軸40との回転位相差を調整することによって、吸気バルブ18の開弁タイミングを調整するアクチュエータである。
制御装置50は、内燃機関10を制御対象とし、その制御量(トルク、排気成分比率等)を制御するために、上記スロットルバルブ14や、ポート噴射弁16、点火装置26、吸気側バルブタイミング調整装置44等の内燃機関10の操作部を操作する。この際、制御装置50は、クランク角センサ60の出力信号Scrや、エアフローメータ62によって検出される吸入空気量Ga、スロットルセンサ64によって検出されるスロットルバルブ14の開口度TA、排気通路32に設けられた空燃比センサ66によって検出される空燃比Afを参照する。また制御装置50は、吸気側カム角センサ68の出力信号Scaや、水温センサ70によって検出される内燃機関10の冷却水の温度(水温THW)、大気圧センサ72によって検出される大気圧Pa、アクセルセンサ74によって検出されるアクセルペダルの操作量(アクセル操作量ACCP)を参照する。
制御装置50は、CPU52、ROM54および制御装置50内の各箇所に電力を供給する電源回路56を備えており、ROM54に記憶されたプログラムをCPU52が実行することにより、上記制御量の制御を実行する。
図2に、制御装置50が実行する処理の一部を示す。図2に示す処理は、ROM54に記憶されたプログラムをCPU52が実行することにより実現される。
吸気位相差算出処理M10は、クランク角センサ60の出力信号Scrと吸気側カム角センサ68の出力信号Scaとに基づき、クランク軸28の回転角度に対する吸気側カム軸40の回転角度の位相差である吸気位相差DINを算出する処理である。目標吸気位相差算出処理M12は、内燃機関10の動作点に基づき、目標吸気位相差DIN*を可変設定する処理である。なお、本実施形態では、回転速度NEと充填効率ηとによって動作点を定義している。ここで、CPU52は、回転速度NEを、クランク角センサ60の出力信号Scrに基づき算出し、充填効率ηを回転速度NEおよび吸入空気量Gaに基づき算出する。なお、充填効率ηは、燃焼室24内に充填される空気量を定めるパラメータである。
吸気位相差制御処理M14は、吸気位相差DINを目標吸気位相差DIN*に制御するために吸気側バルブタイミング調整装置44を操作すべく、操作信号MS4を出力する処理である。
開口度目標値設定処理M16は、アクセル操作量ACCPに基づき、スロットルバルブ14の開口度の目標値(目標開口度TA*)を設定する処理である。具体的には、開口度目標値設定処理M16は、たとえば、アクセル操作量ACCPが大きい場合に小さい場合よりも目標開口度TA*を大きい値に設定する処理である。
遅延処理M18は、目標開口度TA*を所定の遅延時間遅延させた遅延開口度TArを算出する処理である。スロットル制御処理M20は、スロットルセンサ64によって検出される開口度TAを遅延開口度TArに制御するために、スロットルバルブ14を操作すべく、操作信号MS1を出力する処理である。
ローパスフィルタM22は、実際の開口度TAを目標開口度TA*に制御すると仮定した場合、目標開口度TA*の変化に対して実際の開口度TAが遅延することに鑑み、目標開口度TA*の1次遅れ処理値を予測開口度TAeとして出力する処理である。
スロットルモデルM24は、後述する処理によって算出される吸気圧Pm1と、予測開口度TAeおよび大気圧Paとに基づきスロットルバルブ14を通過する空気量であるスロットル流量mtを算出する処理である。具体的には、スロットルモデルM24は、大気圧Paが高い場合に低い場合よりもスロットル流量mtを大きい値に算出し、吸気圧Pm1が高い場合に低い場合よりもスロットル流量mtを小さい値に算出し、予測開口度TAeが大きい場合に小さい場合よりもスロットル流量mtを大きい値に算出する処理である。具体的には、スロットルモデルM24は、入力パラメータである予測開口度TAe、大気圧Paおよび吸気圧Pm1と、出力パラメータであるスロットル流量mtとを関係づけるモデル式に基づきスロットル流量mtを算出する処理である。なお、モデル式は、上記入力パラメータと出力パラメータとを直接結び付ける式とは限らず、たとえば式の係数が、入力パラメータによって可変設定されるものであってもよい。
インマニモデルM26は、後述する処理によって算出される閉弁時流入空気量Mc1と、スロットル流量mtとに基づき、上記吸気圧Pm1を算出する処理である。閉弁時流入空気量Mc1は、1燃焼サイクルにおける燃焼室24への流入空気量のうち吸気バルブ18の閉弁時期までに吸気通路12に吹き戻された量を除いた値である。具体的には、インマニモデルM26は、スロットル流量mtから閉弁時流入空気量Mc1を減算した値が大きい場合に小さい場合よりも吸気圧Pm1の増加速度が大きくなるように上記吸気圧Pm1を算出する処理である。
吸気弁モデルM28は、吸気圧Pm1と、吸気位相差DINと、回転速度NEとに基づき、上記閉弁時流入空気量Mc1を算出する処理である。吸気弁モデルM28は、吸気圧Pm1が高い場合に低い場合よりも閉弁時流入空気量Mc1を大きい値に算出する処理である。また、吸気弁モデルM28は、吸気位相差DINが、吸気バルブ18の閉弁時期をBDCよりも遅角側とする場合、より遅角側であるほど、閉弁時流入空気量Mc1を小さい値に算出する処理である。
定常値補正処理M30は、吸入空気量Gaや開口度TAに基づき、定常状態において、吸気圧Pm1を吸入空気量Gaに応じた値となるように補正するための補正量ΔPmを算出する処理である。補正処理M32は、吸気圧Pm1から補正量ΔPmを減算することによって吸気圧Pmを算出する処理である。吸気圧Pmは、定常状態においては吸入空気量Gaから把握される吸気圧に一致し、過渡状態においては吸気圧Pm1の応答性を重視した値となっている。
上記定常値補正処理M30は、たとえば吸気圧の推定処理として、次の2つの処理を実行し、それらの差を補正量ΔPmとして算出する処理とすればよい。すなわち、第1の推定処理は、スロットルモデルM24、インマニモデルM26および吸気弁モデルM28と同様のモデルを用いるものの、予測開口度TAeに代えて開口度TAを入力とする処理である。一方、第2の推定処理は、インマニモデルM26および吸気弁モデルM28と同様のモデルを用い、スロットル流量mtに代えて吸入空気量Gaを入力とする処理である。ここで、第1の推定処理によって推定される吸気圧は、定常状態においてはスロットル流量mt相当の量に基づく吸気圧となるため、補正量ΔPmは、定常状態においてはスロットル流量mtの吸入空気量Gaに対する誤差を補償する値となる。一方、過渡時においては、第1の推定処理によって推定される吸気圧の応答性は第2の推定処理によって推定された吸気圧の応答性に近似するため、補正量ΔPmは、過渡時においては吸気圧Pmに吸気圧Pm1の変化を顕在化させることができる値となっている。
吸気弁モデルM34は、吸気圧Pmと、吸気位相差DINと、回転速度NEとを入力パラメータとし、入力パラメータに基づき、出力パラメータとしての閉弁時流入空気量Mcを算出する処理である。吸気弁モデルM34は、吸気弁モデルM28とは入力パラメータが相違するものの、入力パラメータに基づき出力パラメータを算出する処理自体は同様の処理を実行する部分である。
閉弁時流入空気量Mcは、燃焼室24に吸入されている空気量の予測値であり、詳しくは上記遅延時間だけ未来におけるスロットルバルブ14の状態を反映した予測値となっている。これは、スロットルバルブ14が遅延開口度TArに制御されている一方、閉弁時流入空気量Mcは、スロットルバルブ14の開口度が目標開口度TA*に制御される場合の値であるからである。
噴射弁操作処理M36は、閉弁時流入空気量Mc、吸気位相差DIN、回転速度NE、水温THW、および空燃比Afを取り込み、ポート噴射弁16を操作する処理である。噴射弁操作処理M36は、1燃焼サイクルにおいて要求される燃料量である要求噴射量Qdの燃料を吸気非同期噴射と吸気同期噴射とに分割して噴射する処理である。
ここで、吸気同期噴射は、ポート噴射弁16から噴射された燃料が吸気バルブ18の開弁前の位置(吸気ポートの下流端、換言すれば燃焼室24への入り口部分)に到達する期間が吸気バルブ18の開弁期間に収まるように燃料を噴射するものである。ここで、「到達する期間」の始点は、ポート噴射弁16から噴射された燃料のうちの最も早いタイミングで噴射された燃料が開弁前の位置に到達するタイミングであり、終点は、ポート噴射弁16から噴射された燃料のうちの最も遅いタイミングで噴射された燃料が開弁前の位置に到達するタイミングである。これに対し、吸気非同期噴射は、ポート噴射弁16から噴射された燃料が吸気バルブ18が開弁する前に吸気バルブ18に到達するように燃料を噴射するものである。換言すれば、吸気非同期噴射は、ポート噴射弁16から噴射された燃料が、吸気バルブ18が開弁するまでは吸気通路12内で滞留し、開弁した後に燃焼室24内に流入する噴射である。なお、本実施形態において吸気非同期噴射は、ポート噴射弁16から噴射された燃料が吸気バルブ18の開弁前の位置に到達する期間が吸気バルブ18の閉弁期間に収まるように燃料を噴射するものとする。
本実施形態において吸気非同期噴射と吸気同期噴射とを実行するマルチ噴射処理は、PNを低減することを狙って実行される。すなわち、水温THWがある程度低い場合、充填効率ηがある程度大きい領域においてシングル噴射処理を実行すると、PNが増加する傾向がある。これは、充填効率ηが大きい場合には小さい場合よりもポート噴射弁16から噴射される燃料量が大きい値となり、結果、吸気通路12に付着する燃料量が多くなることに起因していると考えられる。詳しくは、吸気通路12に付着した燃料量がある程度多くなる場合、付着した燃料のせん断によって、付着した燃料の一部が液滴のまま燃焼室24に流入するためであると推察される。そこで本実施形態では、ポート噴射弁16から噴射される燃料量の一部を、吸気同期噴射によって噴射することにより吸気通路12に付着する燃料量を低減させ、ひいてはPNの低減を図る。
図3に、噴射弁操作処理M36の処理の手順を示す。図3に示す処理は、ROM54に記憶されたプログラムをCPU52がたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。なお、以下では、先頭に「S」を付与した数字によって各処理のステップ番号を表現する。
図3に示す一連の処理において、CPU52は、まず、2回の吸気非同期噴射のうちの1回目の噴射開始時期である、非同期第1噴射開始時期Ins1を算出する(S10)。ここで、CPU52は、図4に示すように、水温THWが高い場合に低い場合よりも吸気バルブ18の閉弁タイミングIVCに対する遅角量を大きい値に設定する。これは、水温THWが低い場合には高い場合よりも噴射された燃料が霧化しにくいため、霧化時間を確保すべく、圧縮上死点となるまでの期間を長くすることを狙ったものである。
そしてCPU52は、非同期第1噴射開始時期Ins1に燃料の噴射が間に合うタイミングで、上記閉弁時流入空気量Mcに基づき、要求噴射量Qdを算出する(S12)。具体的には、CPU52は、まず、燃焼室24内に充填される空気量の最大値に対する閉弁時流入空気量Mcの割合から充填効率ηを算出し、充填効率ηに、同充填効率ηの1単位に対して空燃比を目標空燃比とするうえで必要な噴射量を乗算することによってベース噴射量Qbを算出する。次にCPU52は、ベース噴射量Qbに、補正係数Kcを乗算することによって、要求噴射量Qdを算出する。本実施形態では、補正係数Kcを、フィードバック補正係数KAFと低温増量係数Kwとの積とする。ここで、フィードバック補正係数KAFは、空燃比Afを目標値にフィードバック制御するための操作量としてのベース噴射量Qbの補正係数である。また、低温増量係数Kwは、水温THWが低い場合に高い場合よりもベース噴射量Qbを増量する係数である。低温増量係数Kwは、燃焼室24に流入する燃料のうち燃焼に寄与しない燃料量を補償するためのものである。
次にCPU52は、要求噴射量Qdに第1噴射割合K1を乗算した値を、1回目の吸気非同期噴射の噴射量である非同期第1噴射量Qns1に代入する(S14)。第1噴射割合K1は、「0」よりも大きく「1」よりも小さい値であり、要求噴射量Qdのうちの非同期第1噴射量Q1の割合を定めるものである。
CPU52は、S14の処理が完了すると、非同期第1噴射開始時期Ins1となるまで待機し(S16:NO)、非同期第1噴射開始時期となる場合(S16:YES)、非同期第1噴射量Qns1の燃料を噴射すべくポート噴射弁16に操作信号MS2を出力して1回目の吸気非同期噴射を実行する(S18)。
次にCPU52は、2回目の吸気非同期噴射の噴射開始時期である非同期第2噴射開始時期Ins2を算出する(S20)。CPU52は、非同期第2噴射開始時期Ins2を、基準となるタイミングに対して、飛行時間と、燃料噴射時間と、無効噴射時間と、霧化余裕時間との和だけ離間したタイミングに設定する。ここで、飛行時間は、ポート噴射弁16から噴射された燃料が吸気通路12における流体の流通方向に直交する断面の図心付近に到達するまでに要する時間のことである。また、無効噴射時間は、ポート噴射弁16を開弁させる操作信号MS2を出力してからポート噴射弁16が実際に噴射を開始するまでの時間のことである。また、霧化余裕時間は、ポート噴射弁16から噴射された燃料が霧化するまでに要する時間から飛行時間を減算した値である。図5に示すように、CPU52は、充填効率ηが大きい場合に小さい場合よりも霧化余裕時間を長い値とする。
CPU52は、基準となるタイミングとして、図6に示す一対のタイミングのいずれかを用いる。ここで、第1のタイミングは、非同期第1噴射開始時期Ins1である。この場合、CPU52は、燃料噴射時間を、非同期第1噴射量Qns1の燃料を噴射するのに要する時間とする。したがって、CPU52は、非同期第2噴射開始時期Ins2を、非同期第1噴射開始時期Ins1に対して、非同期第1噴射量Qns1の燃料噴射時間と、無効噴射時間と、霧化余裕時間との和である遅延時間B1だけ遅延したタイミングとする。図6には、このタイミングを、非同期第2噴射開始時期Ins2(1)と記載している。これは、クランク角に換算すると、非同期第1噴射開始時期Ins1に対して「B1・NE・360/60」だけ遅角した角度となる。なお、ここでは、回転速度NEを、1秒当たりの回転数としている。
第2のタイミングは、吸気同期噴射の噴射開始時期である同期噴射開始時期Isである。CPU52は、同期噴射開始時期Isを算出すべく、まず、ポート噴射弁16から噴射された燃料のうち最も遅いタイミングで噴射された燃料が吸気バルブ18の閉弁期間における位置に到達するタイミングの目標値である図6に示す到達終了時期AEsを算出する。そしてCPU52は、到達終了時期AEsと同期噴射量Qsと回転速度NEとに基づき、同期噴射開始時期Isを算出する。詳しくはCPU52は、同期噴射量Qsから定まるポート噴射弁16による噴射時間と、ポート噴射弁16から噴射された燃料が吸気バルブ18の閉弁時の位置に到達するまでの時間等を加算した値だけ、到達終了時期AEsに対して進角したタイミングを同期噴射開始時期Isとする。なお、同期噴射量Qsは、この時点では正確にはわかっていないが、最新の閉弁時流入空気量Mc等に基づき、後述するS24の処理と同様の処理によって暫定的に定められた値を用いればよい。なお、到達終了時期AEsは、たとえば回転速度NEや充填効率η等に基づき算出すればよい。
CPU52は、第2のタイミングを用いる場合、噴射時間を、2回目の吸気非同期噴射の噴射量である非同期第2噴射量Qns2の噴射時間とする。なお、この時点では、非同期第2噴射量Qns2は正確にはわかっていないが、後述するS26の処理と同様の処理によって、暫定的に算出された非同期第2噴射量Qns2を用いればよい。そしてCPU52は、図6に示すように、非同期第2噴射開始時期Ins2を、同期噴射開始時期Isに対して、非同期第2噴射量Qns2の燃料噴射時間と、無効噴射時間と、霧化余裕時間との和である先行時間B2だけ先行したタイミングとする。図6には、このタイミングを、非同期第2噴射開始時期Ins2(2)と記載している。これは、クランク角に換算すると、同期噴射開始時期Isに対して「B2・NE・360/60」だけ進角した角度となる。
CPU52は、定常状態においては、第1のタイミングを用いる。これに対し、CPU52は、過渡時においては、第2のタイミングを用いる。ここでCPU52は、充填効率ηの単位時間当たりの変化量が所定量以上である場合や、回転速度NEの単位時間当たりの変化量が所定量以上である場合、開口度TAの単位時間当たりの変化量が所定量以上である場合、図示しない変速装置の変速状態が変化する場合に、過渡時と判定する。
図3に戻り、CPU52は、非同期第2噴射開始時期Ins2において燃料噴射を開始することが可能なタイミングであって極力遅角したタイミングにおいて、S12の処理以降に新たに算出された閉弁時流入空気量Mcのうち適切な値に基づき要求噴射量Qdを更新する(S22)。この処理は、要求噴射量Qdとしてより精度の高い値に更新する処理である。
そしてCPU52は、回転速度NE、充填効率η、水温THWおよび吸気位相差DINに基づき、同期噴射量Qsを算出する(S24)。詳しくは、回転速度NE、充填効率η、水温THWおよび吸気位相差DINを入力変数とし、同期噴射量Qsを出力変数とするマップデータが予めROM54に記憶された状態で、CPU52により同期噴射量Qsがマップ演算される。
なお、マップデータとは、入力変数の離散的な値と、入力変数の値のそれぞれに対応する出力変数の値と、の組データである。またマップ演算は、たとえば、入力変数の値がマップデータの入力変数の値のいずれかに一致する場合、対応するマップデータの出力変数の値を演算結果とし、一致しない場合、マップデータに含まれる複数の出力変数の値の補間によって得られる値を演算結果とする処理とすればよい。
次にCPU52は、S22の処理によって更新された要求噴射量Qdから、非同期第1噴射量Qns1と同期噴射量Qsとを減算した値を、非同期第2噴射量Qns2に代入する(S26)。これにより、非同期第1噴射量Qns1と、非同期第2噴射量Qns2と、同期噴射量Qsとの和は、S22の処理によって更新された要求噴射量Qdとなる。すなわち、1燃焼サイクルにおいて噴射される総噴射量が、S22の処理によって更新された要求噴射量Qdに基づき定まることとなる。
そして、CPU52は、2回目の吸気非同期噴射の噴射開始時期である非同期第2噴射開始時期となるまで待機し(S28:NO)、非同期第2噴射開始時期となると(S28:YES)、ポート噴射弁16に操作信号MS2を出力してポート噴射弁16から非同期第2噴射量Qns2の燃料を噴射させる(S30)。次に、CPU52は、同期噴射開始時期Isとなるまで待機し(S32:NO)、同期噴射開始時期Isとなると(S32:YES)、ポート噴射弁16に操作信号MS2を出力してポート噴射弁16から同期噴射量Qsの燃料を噴射させる(S34)。
なお、CPU52は、S34の処理が完了する場合、図3に示す一連の処理を一旦終了する。
ここで、本実施形態の作用および効果について説明する。
CPU52は、非同期第1噴射開始時期Ins1を、非同期第1噴射量Qns1の燃料の霧化時間を十分に確保できる時期とする一方、非同期第2噴射開始時期Ins2を、霧化時間を確保しつつも閉弁時流入空気量Mcの精度を確保できる時期以降とする。ここで、非同期第1噴射開始時期Ins1に先立つS12の処理がなされるタイミングにおいては、閉弁時流入空気量Mcの誤差が大きいものの、非同期第2噴射開始時期Ins2に先立つS22の処理がなされるタイミングにおいては、閉弁時流入空気量Mcの誤差が抑制されている。そして、非同期第1噴射量Qns1と非同期第2噴射量Qns2と同期噴射量Qsとの和が、S22の処理によって算出された要求噴射量Qdとなる。このため、噴射量の算出精度を確保することと燃料の霧化を促進することとの好適な両立を図ることができる。
特に、本実施形態では、閉弁時流入空気量Mcの誤差が定常時と比較して大きくなる傾向がある過渡時においては、上記第2のタイミングに基づき、非同期第2噴射開始時期Ins2を算出する。図6に示すように、第2のタイミングに基づき算出される非同期第2噴射開始時期Ins2(2)は、第1のタイミングに基づき算出される非同期第2噴射開始時期Ins2(1)よりも遅角側となる。このため、CPU52は、過渡時においては、定常時よりも非同期第2噴射開始時期Ins2をより遅角側とすることとなる。このため、過渡時における要求噴射量Qdの精度の低下を十分に抑制できる。
<対応関係>
上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。マルチ噴射処理は、図3に示した処理に対応する。要求噴射量算出処理は、S12の処理に対応し、非同期第1噴射処理は、S18の処理に対応し、更新処理は、S22の処理に対応し、同期算出処理は、S24の処理に対応し、非同期第2噴射処理は、S30の処理に対応し、同期噴射処理は、S34の処理に対応する。設定処理は、S20の処理および図5、図6によって示される処理に対応する。
<その他の実施形態>
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・非同期第2噴射開始時期Ins2の算出手法としては、上記実施形態で例示したものに限らず、たとえば定常時における基準値に対して過渡時には所定角度だけ遅角した時期に算出する処理であってもよい。
・S20の処理に用いる同期噴射開始時期Isを、BTDC270°CAに対して、同期噴射量Qsの噴射時間と飛行時間と霧化余裕時間と無効噴射時間だけ進角した時期としてもよい。
10…内燃機関、12…吸気通路、14…スロットルバルブ、16…ポート噴射弁、18…吸気バルブ、20…シリンダ、22…ピストン、24…燃焼室、26…点火装置、28…クランク軸、30…排気バルブ、32…排気通路、34…触媒、38…タイミングチェーン、40…吸気側カム軸、42…排気側カム軸、44…吸気側バルブタイミング調整装置、50…制御装置、52…CPU、54…ROM、56…電源回路、60…クランク角センサ、62…エアフローメータ、64…スロットルセンサ、66…空燃比センサ、68…吸気側カム角センサ、70…水温センサ、72…大気圧センサ、74…アクセルセンサ。

Claims (1)

  1. 吸気通路に燃料を噴射するポート噴射弁を備える内燃機関に適用され、
    吸気バルブの開弁期間に同期して燃料を噴射する吸気同期噴射の噴射量である同期噴射量と、前記吸気同期噴射よりも進角側のタイミングにて燃料を噴射する吸気非同期噴射の噴射量である非同期噴射量とに1燃焼サイクルにおいて要求される燃料量である要求噴射量を分割し、前記ポート噴射弁を操作して前記吸気非同期噴射、前記吸気同期噴射の順に実行するマルチ噴射処理を実行し、
    前記マルチ噴射処理は、
    燃焼室に流入する空気量の予測値に基づき、前記要求噴射量を算出する要求噴射量算出処理と、
    前記要求噴射量に基づき、前記非同期噴射量の一部である非同期第1噴射量の燃料を噴射する非同期第1噴射処理と、
    前記非同期第1噴射処理の後に前記要求噴射量を更新する更新処理と、
    前記同期噴射量を算出する同期算出処理と、
    更新された前記要求噴射量から前記非同期第1噴射量と前記同期噴射量とを減算した値である非同期第2噴射量の燃料を噴射する非同期第2噴射処理と、
    前記非同期第2噴射処理の後に前記同期噴射量の燃料を噴射する同期噴射処理と、
    前記非同期第2噴射量の燃料を噴射する噴射開始時期である非同期第2噴射開始時期を、前記内燃機関の過渡時には定常時よりも遅角側に設定する設定処理と、を含む内燃機関の制御装置。
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