[1.第1実施形態に係るパチンコ遊技機]
[遊技機の構成]
まず、図1〜図8を用いて、パチンコ遊技機1の外観について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機における外観を示す斜視図の一例である。図2は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機における外観を示す分解斜視図の一例である。図3は、操作ボタン群の一例を模式的に示す図である。図4は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機を背面側から示す斜視図の一例である。図5は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機における遊技盤ユニットの外観を示す正面図の一例である。図6は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機における遊技盤ユニットの外観斜視図を示す一例である。図7は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機における遊技盤ユニットを前方右斜め上から見た分解斜視図を示す一例である。図8は、第1及び第2特別図柄表示部を含むLEDユニットを示す正面図の一例である。また、図面に示されている方向は、正面視における方向である。したがって、例えば図面右方向に「左」と記載されているのは、当該図面が背面図であるため、図面上の「右」が正面視における「左」となる。同様に、図面左方向に「右」と記載されているものも、同様の理由により図面上の「左」が正面視における「右」となる。
なお、以下の説明では、特に説明がない限り、パチンコ遊技機1を遊技者から見て、手前側を前側とし、奥側を後側として、前後方向を規定する。また、パチンコ遊技機1を遊技者から見て、左手側を左側とし、右手側を右側として、左右方向を規定する。さらに、正面とは遊技者側から見た場合に視認できる側の面であり、背面とは遊技者の反対側から見た場合に視認できる側の面である。
図1、図2および図4〜図7に示すように、パチンコ遊技機1は、木枠11、ベースドア12、ガラスドア13、皿ユニット14、発射装置15、液晶表示装置16、遊技盤ユニット17、払出ユニット18、及び、基板ユニット19を具備する。
木枠11は、正面視略矩形状の枠体である。木枠11には、前後方向に貫通する開口21が設けられる。木枠11の開口21には、ベースドア12が嵌め込まれる。ベースドア12は、各種の部材を支持するものである。具体的には、ベースドア12は、裏面側に払出ユニット18及び基板ユニット19を支持すると共に、表面側にガラスドア13や、皿ユニット14、発射装置15、液晶表示装置16及び遊技盤ユニット17を支持する。
ガラスドア13は、ベースドア12に対して開閉自在に軸着されるものである。ガラスドア13には、開口22、操作ボタン群66が設けられる。ガラスドア13の開口22には、透過性を有する保護ガラス23が配設される。保護ガラス23は、ガラスドア13がベースドア12に対して閉鎖された状態で後述する遊技盤ユニット17と前後方向に対向するように配置される。また、ガラスドア13の上部には、スピーカ24及びLED25が配設される。スピーカ24は、例えば音声での告知や、演出、エラー報知等を行うものである。LED25は、例えば光での告知や、演出等を行う演出用の発光手段であり、発光演出を実行できればLEDに限られず、例えばランプ等であってもよい。
図3に示すように、操作ボタン群66は、メインボタン662とセレクトボタン664とを有する。セレクトボタン664は、上セレクトボタン664a、下セレクトボタン664b、左セレクトボタン664cおよび右セレクトボタン664dを有する。以下において、セレクトボタン664と称するときは、上下左右セレクトボタン664a〜664dの総称を意味する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、メインボタン662およびセレクトボタン664のうち少なくともいずれか一方または両方を用いて、後述するガイドメニュー画面やホールメニュー画面等で操作を行うことができる。なお、操作ボタン群66を設ける位置は、ガラスドア13に限られず、皿ユニット14、例えば上皿26上等に設けてもよい。
皿ユニット14は、上皿26及び下皿27を一体化したユニット体である。皿ユニット14は、ベースドア12の前下部であって、ガラスドア13の下方に配置される。
上皿26は、遊技球を貯留するものであって、上皿26に貯留される遊技球は、発射装置15から後述する遊技領域20に向けて発射される。上皿26には、払出口61及び演出ボタン62が設けられる。貸し出される遊技球や賞球として払い出される遊技球は、払出口61から上皿26に払い出される。演出ボタン62は、所謂「CHANCEボタン」や、「プッシュボタン」等と呼ばれるものである。演出ボタン62は、遊技者によって操作される操作機能の他、所定の演出機能を有してもよい。所定の演出機能としては、例えば後述する特別図柄の大当り判定の結果にもとづいて上方に突出するような機能が相当する。
下皿27は、主に上皿26から溢れた遊技球を貯留するためのものである。下皿27には、払出口63が設けられる。上皿26から溢れた遊技球は、払出口63から下皿27に払い出される。
発射装置15は、上皿26に貯留された遊技球を、遊技領域20に向けて発射するためのものである。発射装置15は、ベースドア12の前右下部であって、皿ユニット14の右下方に配置される。発射装置15は、パネル体31、駆動装置(不図示)及び発射ハンドル32を具備する。
パネル体31は、発射装置15において皿ユニット14の右下部と一体化されるものである。発射ハンドル32は、パネル体31の表面側に配置される。前記駆動装置は、パネル体31の裏面側に配置され、例えば発射ソレノイド(図示せず)により構成される。こうして、発射装置15において、遊技者によって発射ハンドル32が操作されると、操作に応じた前記駆動装置の動作により遊技球が発射される。
液晶表示装置16は、詳細は後述するが、特別図柄の大当り判定(以下、特別図柄の大当り判定を単に「大当り判定」と称することもある)の結果や、遊技に関する各種の演出画像を表示するものである。演出表示装置16の表示領域に表示される前記各種の演出画像には、例えば演出用識別図柄(装飾図柄)や、大当り判定の結果に応じた演出画像、大当り中の演出画像、デモ演出画像、特別図柄の変動表示(可変表示)の保留数等が含まれる。液晶表示装置16(より詳細には、液晶表示装置16の表示領域)は、遊技盤ユニット17の略中央(後述するセンターレール1742の内周側)に配置される。
なお、本実施形態では、上記各種の演出画像を表示するものとして一つの液晶表示装置16を備えているが、複数の液晶表示装置を設けて、当該複数の液晶表示装置を用いて演出画像を表示するようにしても良い。
また、図4に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御回路100(後述する図9参照)を有する主制御基板30と、サブ制御回路200(後述する図9参照)を有するサブ制御基板40と、遊技球の払出・発射を制御する払出・発射制御回路300(後述する図9参照)を有する払出・発射制御基板50と、電源を供給する電源供給回路338(後述する図9参照)を有する電源供給ユニット60と、電源スイッチ35と、バックアップクリアスイッチ330(後述する図9参照)とがそれぞれ設けられている。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、パチンコゲームにかかわる各種データが異なる複数の設定値(本実施形態では「1」〜「6」の6段階)が設けられている。設定「6」が遊技者に最も有利であり、設定値の値が小さくなるにつれて遊技者にとっての有利度も段階的に低くなる。
主制御基板30を収容する主基板ケース内には、設定値を変更する際に操作される設定スイッチ332、設定値を変更したり確認したりする際に操作される設定キー328、性能表示モニタ334およびエラー報知モニタ336(いずれも後述の図9参照)が収容されている。性能表示モニタ334には、例えば後述する性能表示データや設定値が表示される。エラー報知モニタ336には、例えば後述するエラーコード等が表示される。なお、設定スイッチ332および設定キー328が主制御基板ケース内に収容されているのは、セキュリティ面を考慮して、パチンコ遊技機1の管理責任者(以下、「遊技機管理責任者」と称する)以外の第三者(例えば遊技者)が設定スイッチ332や設定キー328に容易にアクセスできないようにするためである。尚主基板ケース内とは、正に主基板ケースを開放しないと設定スイッチ332または/および設定キー328にアクセスできないものに加え、主基板ケースの設定スイッチ332および設定キー328の対応箇所にのみ切欠きがあり、遊技機管理責任者が管理する鍵を使用してパチンコ遊技機1を設置している島設備から当該パチンコ遊技機1を回動させて背面を露出させたときに、遊技機管理責任者が設定スイッチ332または/および設定キー328にアクセスできるようにされているものも含む。
遊技盤ユニット17は、保護ガラス23の後方に位置するように、ベースドア12の前方に配置される。遊技盤ユニット17の前側面には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域20が形成される。
図5〜図7に示すように、遊技盤ユニット17は、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域20が形成される透明パネル172と、遊技領域20の略中央部に配置されるセンターユニット174と、普通電動役物ユニット400と、アタッカユニット500と、通過ゲート49と、裏ユニット176とを備える。センターユニット174、普通電動役物ユニット400、アタッカユニット500、及び通過ゲート49は、透明パネル172の前方側に設けられる。裏ユニット176は、遊技盤ユニット17を装飾するものであって、透明パネル172の後方側に設けられる。この裏ユニット176は、液晶表示装置16の表示領域の上部に配置される上部役物1000等(図7参照)の各役物を備える。これらの各役物1000は、特別抽選の結果にもとづいて動作可能な演出役物として機能する。
透明パネル172には、後述する液晶表示装置16の表示領域が配置される部位に開口1722が形成されている。図5及び図7に示すように、透明パネル172の前面には、ガイドレール26が設けられるとともに遊技釘等が植設されている。発射装置15から発射された遊技球は、ガイドレール26から遊技領域20に向けて飛び出し、遊技釘等と衝突して進行方向を変えながら遊技領域20の下方に向けて流下する。
ガイドレール26は、2つのレール状の部材(以下では、「外レール26a」及び「内レール26b」と称する。)により構成される。遊技領域20は、ガイドレール26によって区画(画定)される。内レール26bは、外レール26aと共に、発射された遊技球を遊技領域20の上部に案内するためのものである。内レール26bは、透明パネル172の左側において外レール26aの内側に配置される。
センターユニット174は、透明パネル172の開口1722の上方(液晶表示装置16の表示領域の上方)にセンターレール1742を備えており、正面視で円弧状に形成されている。センターレール1742は、遊技領域20の上部に配置されており、遊技領域20における遊技球の流下領域を、当該センターレール1742の左右に区分けするものである。
発射装置15によって発射された遊技球は、センターレール1742の左右に区分けされて遊技領域20を流下し、遊技領域20を流下する遊技球は、遊技盤ユニット17(詳しくは透明パネル172)に植設された遊技釘等との衝突により、進行方向を変えながら下方へ向けて流下する。発射された遊技球は、発射ハンドル52の操作量に応じて流下領域が振り分けられる。具体的には、発射ハンドル52の操作量が小さい場合、発射された遊技球はセンターレール1742の左側領域を流下する。一方、発射ハンドル52の操作量が大きい場合、発射された遊技球はセンターレール1742の右側領域を流下する。なお、センターレール1742の左側領域に遊技球を流下させる打ち方は所謂「左打ち」と呼ばれ、センターレール1742の右側領域に遊技球を流下させる打ち方は所謂「右打ち」と呼ばれ、遊技者によって打ち分け可能とされている。
アタッカユニット500は、第1始動口420、大入賞口540及び特別電動役物600を一体化したユニット体である。アタッカユニット500は、遊技領域20内の略右下部であって、通過ゲート49の下方に配置される。
大入賞口540は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態の場合に開放可能な部分である。大入賞口540には、カウントスイッチ541が配設される(図9参照)。大入賞口540に遊技球が入賞すると、当該入賞した遊技球がカウントスイッチ541に検知される。カウントスイッチ541に遊技球が検知されると、予め設定された数の遊技球が払出口61から上皿26(又は、払出口63から下皿27)に払い出される。
特別電動役物600は、前後方向に進退可能なシャッタ610、及び当該シャッタ610を駆動する大入賞口ソレノイド620(図9参照)を具備する。特別電動役物600は、大入賞口540の上方に配置される。特別電動役物600は、大入賞口ソレノイド620によりシャッタ610が駆動されることによって、大入賞口540への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放状態と、大入賞口540への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖状態と、に移行(駆動)可能に構成される。特別電動役物600(シャッタ610)による開放駆動は、第1始動口420又は後述する第2始動口440に遊技球が入賞したときに行われる大当り判定の結果に基づいて、大当り遊技状態に移行された場合に行われる。なお、第1始動口420又は後述する第2始動口440に遊技球が入賞したときに行われる大当り判定の結果は、第1特別図柄表示部73又は第2特別図柄表示部74において、特別図柄の停止表示態様によって示される。
なお、この明細書において、単に「特別図柄」と称するときは、第1特別図柄および第2特別図柄の両方を意味するものとする。ただし、本実施形態では特別図柄の数が2つ(第1特別図柄、第2特別図柄)であるが、特別図柄の数は1つであっても良い。
第1始動口420は、遊技球の入賞(通過)を条件に大当り判定の契機を与えると共に、大当り判定の結果を、液晶表示装置16や、後述する第1特別図柄表示部73に表示させる契機を与えるものである。第1始動口420には、第1始動口スイッチ421が配設される(図9参照)。第1始動口420に遊技球が入賞すると、当該入賞した遊技球が第1始動口スイッチ421に検知される。第1始動口スイッチ421に遊技球が検知されると、パチンコ遊技機1の内部(図9に示すメインCPU101)において大当り判定が行われると共に、予め設定された数の遊技球が払出口61から上皿26に又は払出口63から下皿27に払い出される(排出される)。なお、第1始動口420への遊技球の入賞は、左打ちによって行われる。
普通電動役物ユニット400は、第2始動口440、アウト口450及び普通電動役物460を一体化したユニット体である。普通電動役物ユニット400は、遊技領域20の略左下部に配置される。第2始動口440とアウト口450とは互いに隣接して配置されており、第2始動口440が正面視で右側に、アウト口450が正面視で左側に配置されている。従来、普通電動役物ユニット400は例えば第1始動口420の下方に配置されるものが多かった。しかし、近年、液晶表示装置16をより大型化することが要求されており、第1始動口420の下方に配置することが困難となっている。そこで本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技領域20の略左下部に普通電動役物ユニット400を配置するようにしている。
第2始動口440は、遊技球の入賞(通過)を条件に大当り判定の契機を与えると共に、大当り判定の結果を、液晶表示装置16や、後述する第2特別図柄表示部74に表示させる契機を与えるものである。第2始動口440には、第2始動口スイッチ441が配設される(図9参照)。第2始動口440に遊技球が入賞すると、当該入賞した遊技球が第2始動口スイッチ441に検知される。第2始動口スイッチ441に遊技球が検知されると、パチンコ遊技機1の内部(図9に示すメインCPU101)において大当り判定が行われると共に、予め設定された数の遊技球が、払出口61から上皿に又は払出口63から下皿27に払い出される(排出される)。第2始動口440は、普通電動役物460によって入賞困難性が決定される。なお、第2始動口440への遊技球の入賞は、原則として右打ちによって行われる。
普通電動役物460は、右方向に回動可能な羽根部材4620、始動口ソレノイド4630(例えば、図9参照)及び当該始動口ソレノイド4630の動力を羽根部材4620に伝達する動力伝達機構(不図示)を具備する。普通電動役物460は、始動口ソレノイド4630により羽根部材4620が駆動されることによって、遊技球の通過が容易な開放状態と遊技球の通過が困難な閉鎖状態との間で移行(駆動)可能に構成される。羽根部材4620が駆動されているときに当該羽根部材4620の上方を遊技球が通過すると、当該遊技球は、第2始動口440に入賞するか、アウト口450からパチンコ遊技機1の外部に排出される。普通電動役物460(羽根部材4620)による開閉駆動は、普通図柄表示部71において普通図柄が特定の停止表示態様となった場合に、所定の期間及び回数だけ行われる。
通過ゲート49は、遊技球の入賞(通過)を条件に普通図柄判定の契機を与えるものである。通過ゲート49は、センターユニット174の下方右側であって、アタッカユニット500の上方右側に配置される。通過ゲート49には、通過ゲートスイッチ49aが配設される(図9参照)。通過ゲート49に遊技球が通過すると、当該通過した遊技球が通過ゲートスイッチ49aに検知される。通過ゲートスイッチ49aに遊技球が検知されると、パチンコ遊技機1の内部(図2に示すメインCPU101)において普通図柄判定が行われる。なお、通過ゲート49への遊技球の通過は、右打ちによって行われる。
アタッカユニット500は、第1始動口420、大入賞口540及び特別電動役物600を一体化したユニット体である。アタッカユニット500は、遊技領域20の略右下部に配置される。アタッカユニット500が遊技領域20の略右下部に配置されるのは、近年、液晶表示装置16をより大型化することが要求されており、アタッカユニット500等の各種部材を遊技領域20に配置するには、かかる大型化された液晶表示装置16を回避する必要があるためである。
大入賞口540は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態の場合に開放可能な部分である。大入賞口540には、カウントスイッチ541が配設される(図9参照)。大入賞口540に遊技球が入賞すると、当該入賞した遊技球がカウントスイッチ541に検知される。カウントスイッチ541に遊技球が検知されると、予め設定された数の遊技球が払出口61から上皿26(又は、払出口63から下皿27)に払い出される(排出される)。
特別電動役物600は、前後方向に進退可能なシャッタ610、及び当該シャッタ610を駆動する大入賞口ソレノイド620(図9参照)を具備する。特別電動役物600は、大入賞口540の上方に配置される。特別電動役物600は、大入賞口ソレノイド620によりシャッタ610が駆動されることによって、大入賞口540への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放状態と、大入賞口540への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖状態と、に移行(駆動)可能に構成される。特別電動役物600(シャッタ610)による開放駆動は、第1特別図柄表示部73又は第2特別図柄表示部74において特別図柄が特定の停止表示態様となって、大当り遊技状態に移行された場合に行われる。
一般入賞口53・54・55は遊技盤ユニット17の左下部に配置され、一般入賞口56は遊技盤ユニット17の右下部に配置される。また、一般入賞口53・54・55・56には、一般入賞口スイッチ53a・54a・55a・56aが配設される(図9参照)。一般入賞口53・54・55・56に遊技球が入賞すると、当該入賞した遊技球が一般入賞口スイッチ53a・54a・55a・56aに検知される。一般入賞口スイッチ53a・54a・55a・56aに遊技球が検知されると、予め設定された数の遊技球が払出口61から上皿26(又は、払出口63から下皿27)に払い出される(排出される)。
なお、本実施形態においては、第1始動口420及び第2始動口440の賞球数は3個、一般入賞口53・54・55・56の賞球数は10個、大入賞口540の賞球数は15個にそれぞれ設定されている。この値(賞球数)は、任意に設計変更可能である。
アウト口57は、遊技領域20の中央最下部(遊技球の流下方向における最下流位置)に配置される。アウト口57は、発射された遊技球が、いずれの始動口や入賞口にも入賞しなかった場合に、最終的に流入される。
LEDユニット70は、遊技盤ユニット17の右下部であって、ガイドレール41の外側に配置される(図5、図6参照)。LEDユニット70は、各種の表示部を一体化したユニット体である。具体的には、LEDユニット70は、前記各種の表示部として、普通図柄表示部71、普通図柄用保留表示部72、第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74、第1特別図柄用保留表示部75及び第2特別図柄用保留表示部76を具備する。
普通図柄表示部71は、普通図柄ゲームに対する判定(普通図柄判定)の結果を表示するものである。ここで、普通図柄ゲームとは、判定(普通図柄判定)の結果によって普通電動役物460を駆動して開放状態とするか否かを決定するゲームを指す。普通図柄表示部71は、表示LED71a・71bを具備する。表示LED71a・71bは、変動表示(可変表示)の開始条件が成立すると、交互に点灯・消灯を繰り返す変動表示を開始する。表示LED71a・71bの点灯・消灯による組み合わせ(表示パターン)は、普通図柄として表示される。表示LED71a・71bは、変動表示を開始した後、所定の期間経過後に停止表示を行う。
判定(普通図柄判定)の結果が当り(以下「普通当り」と称する)である場合、表示LED71a・71bの点灯・消灯の組み合わせ(普通図柄)が特定の停止表示態様となる。こうして、普通図柄が特定の停止表示態様で停止表示されると、普通電動役物460を開放状態とすることが決定し、普通電動役物460が所定のパターンで開閉駆動し、第2始動口440への遊技球の入賞困難性が変更される。
普通図柄用保留表示部72は、保留されている普通図柄の変動表示の実行回数(以下、「普通図柄の変動表示の保留数」と称する)を表示するものである。普通図柄用保留表示部72は、表示LED72a・72bを具備する。普通図柄用保留表示部72は、表示LED72a・72bの点灯・消灯の組み合わせによって普通図柄の変動表示の保留数を表示する。例えば、普通図柄の変動表示の実行が1回分保留されている場合には、表示LED72aが点灯すると共に、表示LED72bが消灯する。また、普通図柄の変動表示の実行が2回分保留されている場合には、表示LED72aが点灯すると共に、表示LED72bが点灯する。また、普通図柄の変動表示の実行が3回分保留されている場合には、表示LED72aが点滅すると共に、表示LED72bが点灯する。また、普通図柄の変動表示の実行が4回分保留されている場合には、表示LED72aが点滅すると共に、表示LED72bが点滅する。
第1特別図柄表示部73及び第2特別図柄表示部74は、特別図柄ゲームに対する判定(大当り判定)の結果を表示するものである。ここで、特別図柄ゲームとは、判定(大当り判定)の結果によって遊技状態の移行又は維持を決定するゲームを指す。
第1特別図柄表示部73は、8個のLEDからなる表示LED群73aを具備する。表示LED群73aは、第1始動口420への遊技球の入賞(始動入賞)を契機として変動表示を行うと共に、当該遊技球の入賞に基づく大当り判定の結果を表示する。表示LED群73aは、変動表示の開始条件が成立すると、8個のLEDがそれぞれ点灯・消灯を繰り返す変動表示を開始する。表示LED群73aにおいて、8個のLEDの点灯・消灯による組み合わせ(表示パターン)は、特別図柄として表示される。表示LED群73aは、変動表示を開始した後、所定の期間経過後に停止表示を行う。
第1始動口420への遊技球の入賞に基づく大当り判定の結果が大当りである場合、表示LED群73aの8個のLEDの点灯・消灯の組み合わせ(特別図柄)が特定の停止表示態様となる。こうして、特別図柄が特定の停止表示態様で停止表示されると、遊技状態の移行が決定し、シャッタ610が所定のパターンで開閉駆動し、大入賞口540に遊技球が入賞可能な遊技状態となる。なお、以下の説明では、第1始動口420への遊技球の入賞に基づいて第1特別図柄表示部73に変動表示される特別図柄を、第1特別図柄と称する。
第2特別図柄表示部74は、8個のLEDからなる表示LED群74aを具備する。表示LED群74aは、第2始動口440への遊技球の入賞(始動入賞)を契機として変動表示を行うと共に、当該遊技球の入賞に基づく大当り判定の結果を表示する。表示LED群74aは、変動表示の開始条件が成立すると、8個のLEDがそれぞれ点灯・消灯を繰り返す変動表示を開始する。表示LED群74aにおいて、8個のLEDの点灯・消灯による組み合わせ(表示パターン)は、特別図柄として表示される。表示LED群74aは、変動表示を開始した後、所定の期間経過後に停止表示を行う。
第2始動口440への遊技球の入賞に基づく大当り判定の結果が大当りである場合、表示LED群74aの8個のLEDの点灯・消灯の組み合わせ(特別図柄)が特定の停止表示態様となる。こうして、特別図柄が特定の停止表示態様で停止表示されると、遊技状態の移行が決定し、シャッタ610が所定のパターンで開閉駆動し、大入賞口540に遊技球が入賞可能な遊技状態となる。なお、以下の説明では、第2始動口440への遊技球の入賞に基づいて第2特別図柄表示部74に変動表示される特別図柄を、第2特別図柄と称する。
このように、第1特別図柄表示部73及び第2特別図柄表示部74の表示LED群73a・74aにおいて、第1又は第2特別図柄が特定の停止表示態様で停止表示されると、通常の遊技状態(通常遊技状態)から遊技者に有利な状態である大当り遊技状態への移行が決定する。なお、本実施形態において、大当り判定は、第1始動口420への遊技球の入賞に基づく大当り判定と、第2始動口440への遊技球の入賞に基づく大当り判定と、が含まれる。すなわ+ち、大当り判定の結果が大当りである場合には、大入賞口540が開放されるラウンド遊技が所定ラウンド数にわたって実行される大当り遊技状態に移行される。
第1特別図柄用保留表示部75及び第2特別図柄用保留表示部76は、保留されている特別図柄の変動表示の実行回数(以下、「特別図柄の変動表示の保留数」と称する)を表示するものである。第1特別図柄用保留表示部75は、表示LED75a・75bを具備する。第2特別図柄用保留表示部76は、表示LED76a・76bを具備する。第1特別図柄用保留表示部75及び第2特別図柄用保留表示部76は、表示LED75a・75b及び76a・76bの点灯・消灯によって特別図柄の変動表示の保留数を表示する。表示LED75a・75b及び76a・76bの点灯・消灯の表示態様は、普通図柄用保留表示部72の表示LED72a・72bと同様である。
図7に示すように、裏ユニット176は、遊技盤ユニット17を装飾するものであって液晶表示装置16の表示領域の上部に配置される上部前面役物1000と、上部前面役物1000の後方側且つ液晶表示装置16の表示領域の上部に配置される上部背面役物1100と(例えば、図21参照)、液晶表示装置16の表示領域の下部に配置される下部役物1200と、液晶表示装置16の表示領域の4つの角部に後述する可動体が位置するように配置されるコーナー役物1300と(例えば、図21参照)、液晶表示装置16の表示領域の右部に配置されるサイド役物1400と、中パネル1500と、アタッカ球樋1600と、主基板ケース1700と、上記各役物を収容するとともに主基板ケース1700が取り付けられてユニット化するリアボックス1800とを備える。裏ユニット176が備える各役物1000,1100,1200,1300,1400についての詳細は後述する。
以下では、上述の如く構成されたパチンコ遊技機1において、遊技球が第一始動口5442又は第二始動口440に入賞した場合のメインCPU101による内部処理の概略について説明する。
遊技球が第一始動口5442に入賞すると、第一始動口スイッチ5472によって当該入賞した遊技球が検知され、当該第一始動口5442への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄についての始動記憶が保留される(第1特別図柄の変動表示が保留される)。第1特別図柄についての始動記憶の保留は、第1特別図柄表示部73による第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄表示部74による第2特別図柄の変動表示のいずれもが実行されていないことを条件に解除される。すなわち、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に第一始動口5442に遊技球が入賞した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されたのちに始動記憶の保留が解除され、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれについても変動表示が行われていないときに第一始動口5442に遊技球が入賞した場合には、ただちに始動記憶の保留が解除される。始動記憶の保留が解除されると、第1特別図柄表示部73による第1特別図柄の変動表示が開始される。
遊技球が第二始動口440に入賞すると、第二始動口スイッチ441によって当該入賞した遊技球が検知され、当該第二始動口440への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄の変動表示についての始動記憶が保留される(第2特別図柄の変動表示が保留される)。第2特別図柄についての始動記憶の保留は、第1特別図柄表示部73による第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄表示部74による第2特別図柄の変動表示のいずれもが実行されていないことを条件に解除される。すなわち、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に第二始動口440に遊技球が入賞した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されたのちに始動記憶の保留が解除され、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれについても変動表示が行われていないときに第二始動口440に遊技球が入賞した場合には、ただちに始動記憶の保留が解除される。始動記憶の保留が解除されると、第2特別図柄表示部74による第2特別図柄の変動表示が開始される。
なお、第1特別図柄表示部73及び第2特別図柄表示部74において、特別図柄(第1及び第2特別図柄)が互いに同時に変動することはない。すなわち、第1特別図柄表示部73及び第2特別図柄表示部74の一方の表示部で特別図柄の変動表示が行われている間は、他方の表示部で特別図柄の変動表示が行われない。本実施形態においては、第1特別図柄についての始動記憶及び第2特別図柄についての始動記憶の両方が保留されている場合、いずれの始動記憶が先に保留されたかにかかわらず、第2特別図柄についての始動記憶についての保留の解除を優先し、第2特別図柄表示部73による第2特別図柄の変動表示が行われる。
また、第1及び第2特別図柄の変動表示の保留回数には、上限が設定される。本実施形態においては、第1及び第2特別図柄の変動表示の保留回数は、それぞれ4回が上限として設定される。したがって、特別図柄の変動表示の最大の保留回数は、第一始動口5442及び第二始動口440への入賞による特別図柄の変動表示の保留回数を合計した8回となる。
また、第1特別図柄表示部73及び第2特別図柄表示部74において第1又は第2特別図柄の変動中においては、特定の場合を除いて、液晶表示装置16に数字からなる識別図柄が変動表示される。本実施形態においては、前記数字として、「1」から「8」までの記号が用いられる。また、液晶表示装置16に変動表示される識別図柄は、第1特別図柄表示部73及び第2特別図柄表示部74において変動表示中の第1又は第2特別図柄が停止表示されると共に、停止表示される。なお、識別図柄は、演出用の識別情報としても用いられる。
また、第1特別図柄表示部73及び第2特別図柄表示部74において停止表示された第1又は第2特別図柄が特定の停止表示態様である場合には、当りであることを遊技者に報知させる演出画像が液晶表示装置16に表示される。なお、本実施形態においては、後述するように、前記当りは複数種類設けられる。また、第1又は第2特別図柄が停止表示される場合の特定の停止表示態様は、当りの種類に対応してそれぞれ設定される。このような構成において、液晶表示装置16において停止表示される識別図柄の組み合わせは、第1又は第2特別図柄の特定の停止表示態様に応じて、遊技者が認識可能となるような特定の表示態様となる。これにより、遊技者は、当りであることに加え、当該当りの種類を認識することができる。なお、当りの種類のうち一部は、第1又は第2特別図柄の特定の停止表示態様に応じて、遊技者が認識困難となるような特定の表示態様となる。これによれば、遊技者は、当りであること、及び当該当りの種類を認識することが困難となる。
[遊技機の電気的構成]
次に、図9を用いて、パチンコ遊技機1の制御回路について説明する。
図9に示すように、パチンコ遊技機1は、主に、遊技の制御を行う主制御回路100と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路200と、払出・発射制御回路300と、電源供給回路338と、から構成される。
主制御回路100は、メインCPU101、メインROM102(読み出し専用メモリ)及びメインRAM103(読み書き可能メモリ)等を具備しており、主基板ケース内に収容されている。
メインCPU101には、メインROM102や、メインRAM103等が接続される。メインCPU101は、メインROM102に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインROM102には、メインCPU101によりパチンコ遊技機1の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
メインRAM103は、メインCPU101の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有し、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能である。なお、本実施形態においては、メインCPU101の一時記憶領域としてメインRAM103を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
メインRAM103には、特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される記憶領域が設けられる。具体的には、メインRAM103には、変動中の第1特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される第1特別図柄始動記憶領域(0)と、上限4回分の第1特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される第1特別図柄始動記憶領域(1)から第1特別図柄始動記憶領域(4)と、が設けられる。また同様に、メインRAM103には、変動中の第2特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される第2特別図柄始動記憶領域(0)と、上限4回分の第2特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される第2特別図柄始動記憶領域(1)から第2特別図柄始動記憶領域(4)と、が設けられる。
また、主制御回路100は、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路104や、I/Oポート105、コマンド出力ポート106、バックアップコンデンサ107等を具備する。初期リセット回路104は、メインCPU101に接続される。I/Oポート105は、各種のデバイスからの入力信号をメインCPU101に送信したり、メインCPU101からの出力信号を各種の装置に送信したりするものである。コマンド出力ポート106は、メインCPU101からのコマンドをサブ制御回路200に送信するものである。バックアップコンデンサ107は、電断(電源OFF)時において、例えばメインRAM103に対して速やかに電源を供給することにより、メインRAM103に記憶されている各種データを保持するものである。
また、主制御回路100には、各種の装置(部材)が接続されている。
例えば、主制御回路100には、普通図柄表示部71や、普通図柄用保留表示部72、第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74、第1特別図柄用保留表示部75、第2特別図柄用保留表示部76、普通電動役物460の羽根部材4620を駆動する始動口ソレノイド4630、シャッタ610を駆動する大入賞口ソレノイド620等が接続されている。主制御回路100は、信号を送信することにより、これらの装置(部材)の動作を制御することができる。また、主制御回路100には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)や、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ700にデータ送信するために用いる外部端子板323が接続されている。
また、主制御回路100には、第1始動口スイッチ421や、第2始動口スイッチ441、通過ゲートスイッチ49a、カウントスイッチ541、一般入賞口スイッチ53a・54a・55a・56a、性能表示モニタ334等が接続されている。主制御回路100には、これらの部材で遊技球が検知された場合に、当該部材から所定の検知信号が供給される。また、主制御回路100には、電断時におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ330等が接続されている。
さらに、主制御回路100には、設定キー328および設定スイッチ332も接続されている。設定キー328は、後述の設定変更処理や設定確認処理を実行するための契機となる鍵または鍵に類するものである。設定スイッチ332は、押下操作可能であり、後述の設定変更処理の際に、セットされている設定値を変更するためのものである。上述したとおり、設定キー328および設定スイッチ332は、遊技機管理責任者以外の第三者(例えば遊技者)が容易にアクセスできないように主基板ケース内に収容されている。
また、主制御回路100には、払出・発射制御回路300が接続されている。払出・発射制御回路300には、遊技球の払い出しを行う払出装置340や、遊技球の発射を行う発射装置15、カードユニット360等が接続されている。払出装置340は、払出ユニット18に設けられる。カードユニット360には、球貸し操作パネル370が接続され、当該球貸し操作パネル370への遊技者の操作に応じた信号が供給される。
払出・発射制御回路300は、主制御回路100から供給される賞球制御コマンドや、カードユニット360から供給される貸し球制御信号を受け取ると、払出装置340に対して所定の信号を送信し、払出装置340に遊技球を払い出させる制御を行う。また、払出・発射制御回路300は、発射ハンドル32が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されると、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
さらに、コマンド出力ポート106には、サブ制御回路200(コマンド入力ポート208)が接続されている。サブ制御回路200は、主制御回路100から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置16における表示制御や、スピーカ24から発生させる音声に関する制御、LED25の光に関する制御等を行う。
なお、本実施形態においては、主制御回路100からサブ制御回路200にコマンドを供給する一方、サブ制御回路200から主制御回路100に信号を供給できないように構成したが、これに限らず、サブ制御回路200から主制御回路100に信号を送信できるように構成してもよい。
サブ制御回路200は、サブCPU201、プログラムROM202、バックアップメモリとして機能するワークRAM203、表示制御回路204、音声制御回路205、LED制御回路206、役物制御回路207およびコマンド入力ポート208等を具備する。サブ制御回路200は、主制御回路100からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。また、サブ制御回路200には、演出ボタン62の操作によってON/OFFされる演出ボタンスイッチ621、メインボタン662の操作によってON・OFFされるメインボタンスイッチ6621、および、各セレクトボタン664a〜664dの操作によってON・OFFされるセレクトボタンスイッチ6641a〜6641dが接続されている。なお、実際には、各セレクトボタン664a〜664dに対応するセレクトボタンスイッチ6641a〜6641dが夫々設けられているが、図9では、便宜上、これらをまとめてセレクトボタンスイッチ6641と示している。
サブCPU201は、プログラムROM202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU201は、主制御回路100から供給される各種のコマンドに従って、サブ制御回路200の制御を行う。
プログラムROM202には、サブCPU201によりパチンコ遊技機1の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
なお、本実施形態においては、プログラムやテーブル等が記憶される記憶手段として、メインROM102及びプログラムROM202を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよい。例えば、前記記憶手段として、ハードディスク装置や、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体を用いてもよい。また、前記プログラムやテーブル等は、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にダウンロードされ、ワークRAM203等に記録されるものでもよい。さらに、前記プログラムやテーブル等は、各々異なる記憶媒体に記録されていてもよい。
ワークRAM203は、サブCPU201の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施形態においては、サブCPU201の一時記憶領域としてワークRAM203を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
表示制御回路204は、液晶表示装置16における表示制御を行うための回路である。表示制御回路204は、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する)や、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データをバッファするフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等を具備する。
表示制御回路204は、サブCPU201から供給されるデータに応じて、液晶表示装置16に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる。表示制御回路204は、サブCPU201から供給される画像表示命令に応じて、液晶表示装置16に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、液晶表示装置16に表示させるための画像データには、装飾図柄を示す装飾図柄画像データや、背景画像データ、演出用画像データ等の、遊技に関する各種の画像データが含まれる。
そして、表示制御回路204は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、当該変換した画像信号を所定のタイミングで液晶表示装置16に供給する。液晶表示装置16に画像信号が供給されると、液晶表示装置16に当該画像信号に関する画像が表示される。こうして、表示制御回路204は、液晶表示装置16に遊技に関する画像を表示させる制御を行うことができる。
音声制御回路205は、スピーカ24から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声制御回路205は、音声に関する制御を行う音源ICや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を具備する。
前記音源ICは、スピーカ24から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU201から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ24から音声を発生させる。
LED制御回路206は、装飾LED等を含むLED25の制御を行うための回路である。LED制御回路206は、LED制御信号を供給するためのドライブ回路や、複数種類のLED装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を具備する。
役物制御回路207は、各役物の制御を行うための回路である。役物制御回路207は、各役物に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や、点灯制御信号を供給するための点灯回路、動作パターンや点灯パターンが記憶されている役物データROM等を有する。
また、駆動回路は、サブCPU201から供給される役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、各役物の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU201から供給される点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物の点灯動作を制御する。
コマンド入力ポート208は、主制御回路100送信されたコマンドを受信するものである。
払出・発射制御回路300は、パチンコ遊技機1からの賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路300には、遊技球を払い出すための払出装置350、遊技球を発射するための発射装置340、電断時におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ330等が接続されている。
電源供給回路338は、パチンコ遊技機1で遊技を行うために必要な電源電圧を、主制御回路100、サブ制御回路200、払出・発射制御回路300等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路338には、電源スイッチ35等が接続されている。電源スイッチ35は、パチンコ遊技機1に必要な電源を供給するときにON操作するものである。
なお、設定キー328および設定スイッチ332は、上述したように主制御回路100に接続されているが、これに代えて、電源供給回路338に接続されるようにしても良い。この場合であっても、遊技機管理責任者以外の第三者(例えば遊技者)が設定スイッチ332や設定キー328に容易にアクセスできないように、所定のケース内に収容されていることが好ましい。このような場合であっても、所定のケース内とは、正に当該ケースを開放しないと設定スイッチ332や設定キー328にアクセスできないものに加え、上記ケースの設定スイッチ332および設定キー328の対応箇所にのみ切欠きがあり、遊技機管理責任者が管理する鍵を使用してパチンコ遊技機1を設置している島設備から当該パチンコ遊技機1を回動させて背面を露出させたときに、遊技機管理責任者が設定スイッチ332または/および設定キー328にアクセスできるようにされているものも含む。
ここで、性能表示モニタ334に表示される表示内容について説明する。性能表示モニタ334には、メインCPU101の制御により性能表示データが表示される。性能表示データは、例えば、所定数(例えば60000発)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外で払い出された遊技球の割合を示すデータであり、ベース値とも呼ばれる。
払出・発射制御回路300は、過去の遊技履歴に基づいてベース値を集計し、集計結果をメインRAM103の作業領域のうち後述する特定作業領域に記憶する。この特定作業領域については後述するが、後述のバックアップクリア処理が行われてもデータがクリアされない領域である。なお、ベース値の集計は、所定の操作が行われたことに基づいて行われるようにしても良いし、常に集計を行って性能表示モニタ334にベース値が常時表示されるようにしても良い。
払出・発射制御回路300は、初期電源投入(パチンコ遊技機1が製造されたのち初めての電源投入)から現在までの全遊技履歴に基づいて全ベース値の集計を実行する全履歴集計手段と、設定値毎の過去の遊技履歴に基づいて設定値別ベース値の集計を実行する設定値別履歴集計手段とを備える。
例えば遊技機管理責任者等によって全ベース値の表示操作が行われると、全履歴集計手段は、上記の全ベース値の集計を実行する。全履歴集計手段により集計された全ベース値は、メインCPU101によって性能表示モニタ334に表示される。また、設定値別ベース値の表示操作が行われると、設定値別履歴集計手段は、設定値別ベース値の集計を実行する。設定値別履歴集計手段により集計された設定値別ベース値は、メインCPU101によって性能表示モニタ334に表示される。
設定値別履歴集計手段は、要求(操作)に応じて、任意の設定値についてのベース値のみを集計することもできる。この場合、セットされている設定値についてのベース値だけでなく、セットされている設定値以外の他の設定値についてのベース値を集計することもできる。したがって、メインCPU101は、後述する設定変更処理を実行することなく、他の設定値についてのベース値を性能表示モニタ334に表示することができる。
なお、メインCPU101は、例えば遊技機管理責任者等による操作に応じて、全履歴集計手段により集計された全ベース値と、設定値別履歴集計手段により集計された設定値別ベース値との両方を性能表示モニタ334に表示することもできるし、これらのうちいずれか一方のみを選択的に性能表示モニタ334に表示することもできる。
また、メインCPU101は、特定の設定値のベース値のみを性能表示モニタ334に表示しても良いし、全設定値のベース値を一覧で表示しても良い。また、全ベース値と設定値別ベース値との両方を一覧で表示しても良い。全設定値のベース値を一覧で表示する場合や、全ベース値と設定値別ベース値との両方を一覧で表示する場合には、性能表示モニタ334と他の表示手段との両方を使って表示するようにしても良い。
また、メインCPU101は、全履歴集計手段と設定値別履歴集計手段とを備えるが、これらに加えてまたは設定値別履歴集計手段に代えて、後述する設定変更処理が実行されてから現在までの遊技履歴に基づいて設定変更後ベース値を集計する設定変更後履歴集計手段を備えるようにしても良い。この場合、メインCPU101は、設定変更後ベース値の表示操作に基づいて設定変更後の設定値別ベース値を性能表示モニタ334に表示することができる。
このように、全ベース値と、設定値別ベース値または/および設定変更後の設定値別ベース値とのうち全部または一部が性能表示モニタ334に表示されるようにすることで、パチンコ遊技機1における過去の遊技履歴に基づく情報を容易に確認することが可能となる。
なお、本実施例ではベース値を性能表示モニタ334に表示するようにしたが、遊技球の総払出数に対し、特別電動役物(大入賞口)、普通電動役物への入球により払い出された遊技球数(役物による払出)の割合を表示するようにしてもよい。また、それは総発射数に対する表示でもよく、さらに特別電動役物(大入賞口)により払い出された遊技球数の割合を表示するものでもよい。またそれらを設定別に表示してもよい。
また、エラー報知モニタ336には、後述するエラーコードが表示される。このエラー報知モニタ336には、エラーコードの他に、後述する設定変更処理中であることを示す設定変更中コード、後述設定確認処理中であることを示す設定確認中コード等を表示することもできる。なお、設定変更中において、特別図柄表示装置において通常では表示することのない図柄(設定変更図柄)を表示するようにしてもよい。
次に、図10を用いて、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の機能フローについて説明する。図10は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の機能フローを示す図である。
図10に示すように、パチンコゲームは、ユーザの操作により遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞した場合に遊技球の払出制御処理が行われるゲームである。また、パチンコゲームには、特別図柄を用いる特別図柄ゲーム、普通図柄を用いる普通図柄ゲームが含まれる。
特別図柄ゲームにおいて「大当り」となったときや、普通図柄ゲームにおいて「普通当り」となったときには、相対的に、遊技球が入賞する可能性が増大し、遊技球の払出制御処理が行われ易くなる。
また、各種入賞には、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の変動表示が行われるための一つの条件である特別図柄始動入賞や、普通図柄ゲームにおいて普通図柄の変動表示が行われるための一つの条件である普通図柄始動入賞も含まれる。
以下、特別図柄ゲーム及び普通図柄ゲームの処理フローの概要を説明する。特別図柄ゲーム及び普通図柄ゲームは、メインCPU101により制御処理として実行される。
(1)特別図柄ゲームにおいて特別図柄始動入賞があった場合には、各種カウンタ(例えば大当り判定用カウンタや図柄決定用カウンタ)からそれぞれ各種乱数値(例えば大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値)が抽出(取得)され、抽出された各乱数値が記憶される(図10に示す特別図柄ゲーム中の特別図柄始動入賞処理のフロー参照)。
また、図10に示すように、特別図柄ゲーム中の特別図柄制御処理では、最初に、特別図柄の変動表示を開始する条件が成立したか否かが判別される。この判別処理では、特別図柄始動入賞によって乱数値等の各種データが記憶されているか否かを参照し、乱数値等の各種データが記憶されていることを一つの条件として、特別図柄の変動表示を開始する条件が成立したと判別する。
次いで、特別図柄の変動表示を開始する場合、大当り判定用カウンタから抽出された大当り判定用乱数値が参照され、「大当り」とするか否かの大当り判定が行われる。その後、停止図柄決定処理が行われる。この処理では、図柄決定用カウンタから抽出された図柄決定用乱数値と、上述した大当り判定の結果とが参照され、停止表示させる特別図柄を決定する。
次いで、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、変動パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄とが参照され、特別図柄の変動パターン(可変表示パターン)を決定する。
次いで、演出パターン決定処理が行われる。この処理では、演出パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄と、上述した特別図柄の変動パターンとが参照され、特別図柄の変動表示に伴って実行する演出パターンを決定する。
次いで、決定された大当り判定の結果、停止表示させる特別図柄、特別図柄の変動パターン、及び、特別図柄の変動表示に伴う演出パターンが参照され、特別図柄の変動表示の制御を行う変動表示制御処理、及び、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
そして、変動表示制御処理及び演出表示制御処理が終了すると、「大当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「大当り」となったと判定されると、大当り遊技状態を行う大当り遊技状態制御処理が実行される。なお、大当り遊技状態では、上述した各種入賞の可能性が増大する。一方、「大当り」とならなかったと判定されると、大当り遊技状態制御処理が実行されない。
「大当り」とならなかったと判定された場合、又は、大当り遊技状態制御処理が終了した場合には、遊技状態を移行させるための遊技状態移行制御処理が行われる。この遊技状態移行制御処理では、大当り遊技状態とは異なる通常時の遊技状態の管理が行われる。
通常時の遊技状態としては、例えば、上述した大当り判定において、所定の確率で「大当り」と判定される遊技状態(以下、「通常遊技状態」という)や、「大当り」と判定される確率が通常遊技状態よりも増大する遊技状態(以下、「高確率遊技状態」という)や、後述する普通当り判定の結果として特別図柄始動入賞が得られやすくなる遊技状態(以下、「時短遊技状態」という)などが挙げられる。その後、再度、特別図柄の変動表示を開始させるか否かの判別処理を行い、その後は、上述した特別図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機において、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞時に抽出される各種データ(大当り判定用乱数値、図柄決定用乱数値等)が、特別図柄の変動表示を開始する条件が成立するまで記憶される。このように、特別図柄の変動表示を開始する条件が成立するまで各種データ(例えば大当り判定用乱数値等)を記憶することを「保留」といい、保留される各種データを始動記憶という。
すなわち、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞に対応する特別図柄の変動表示の実行が保留され、現在実行されている特別図柄の変動表示終了後に保留されている特別図柄の変動表示が順に開始される。以下では、保留されている特別図柄についての各種データを「保留球」ともいう。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、後述するように、2種類の特別図柄始動入賞(第1始動口入賞及び第2始動口入賞)を設け、各特別図柄始動入賞に対して最大4個まで特別図柄の変動表示の実行を保留することができる。すなわち、本実施形態では、第1特別図柄の4個と第2特別図柄の4個とで合計最大8個まで、特別図柄の変動表示の実行を保留することができる。
なお、図10には示されていないが、本実施形態のパチンコ遊技機1は、上述した保留球の情報に基づいて保留球の当落(「大当り」当選の有無)を判定し、さらに、その判定結果に基づいて所定の演出を行う機能、すなわち先読み演出機能を備えている。
(2)普通図柄ゲームにおいて普通図柄始動入賞があった場合には、普通当り判定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値が記憶される(図10に示す普通図柄ゲーム中の普通図柄始動入賞処理のフロー参照)。
また、図10に示すように、普通図柄ゲーム中の普通図柄制御処理では、最初に、普通図柄の変動表示を開始する条件が成立したか否かが判別される。この判別処理では、普通図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、普通図柄の変動表示を開始する条件が成立したと判別する。
次いで、普通図柄の変動表示を開始する場合、普通当り判定用カウンタから抽出された乱数値が参照され、「普通当り」とするか否かの普通当り判定が行われる。その後、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、普通当り判定の結果が参照され、普通図柄の変動パターンを決定する。
次いで、決定された普通当り判定の結果、及び、普通図柄の変動パターンが参照され、普通図柄の変動表示の制御を行う変動表示制御処理、及び、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
変動表示制御処理及び演出表示制御処理が終了すると、「普通当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「普通当り」となると判定されると、普通当り遊技を行う普通当り遊技制御処理が実行される。
普通当り遊技制御処理では、上述した各種入賞の可能性、特に、特別図柄ゲームにおける遊技球の特別図柄始動入賞の可能性が増大する。一方、「普通当り」とならないと判定されると、普通当り遊技制御処理が実行されない。その後、再度、普通図柄の変動表示を開始させるか否かの判別処理を行い、その後は、上述した普通図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
上述のように、パチンコゲームでは、特別図柄ゲームにおいて「大当り」となるか否か、遊技状態の移行状況、普通図柄ゲームにおいて「普通当り」となるか否か等の条件により、遊技球の払出制御処理の行われ易さが変化する。
なお、本実施形態において、各種の乱数値の抽出方式としては、メインCPU101によりプログラムを実行することによって所定の範囲(幅)内で乱数値を生成するソフト乱数方式を用いる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、パチンコ遊技機が、所定周期で乱数が更新される乱数発生器を備える場合には、その乱数発生器におけるカウンタ(いわゆる、リングカウンタ)から乱数値を抽出するハード乱数方式を、上述した各種乱数値の抽出方式として採用してもよい。
なお、ハード乱数方式を用いる場合は、所定周期とは異なるタイミングで、乱数値の初期値を決定することによって、所定周期で同じ乱数値が抽出されることを防止することができる。
[液晶表示装置]
液晶表示装置16は、液晶で構成され、その表示領域において各種演出表示を行う。
具体的に、本実施形態では、後述する特別図柄表示部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)に表示される特別図柄と関連する(対応する)演出画像が表示領域に表示される。この際、例えば、特別図柄部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)において特別図柄が変動表示中であるときには、特定の場合を除いて、例えば、1〜8までの数字や各種文字等からなる複数の演出用識別図柄(装飾図柄)が表示領域に変動表示される。
そして、特別図柄部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)において特別図柄が停止表示されると、表示領域にも、特別図柄に対応する複数の識別図柄が停止表示される。
そして、特別図柄部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)において停止表示された特別図柄が特定の態様である(停止表示の結果が「大当り」である)場合には、「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出画像が表示領域に表示される。
「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出としては、例えば、まず、停止表示された複数の識別図柄が特定の態様(例えば、同一の識別図柄が所定の方向に沿って並ぶ態様)となり、その後、「大当り」を報知する画像を表示するような演出が挙げられる。
また、本実施形態では、液晶表示装置16の表示領域に、後述する第1特別図柄用保留表示部75及び第2特別図柄用保留表示部76の表示内容と関連する演出画像が表示される。例えば、表示領域には、特別図柄の可変表示の保留個数(始動記憶個数)を報知する保留情報(例えば、保留個数と同じ数の保留用図柄)が表示される。また、例えば、本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の保留球の情報に基づいて先読み演出を行うが、この際の予告報知も表示領域に表示される。
また、本実施形態では、後述する普通図柄表示部71において停止表示された普通図柄が所定の態様であった場合に、その情報を遊技者に把握させる演出画像を液晶表示装置16の表示領域に表示させる機能をさらに設けてもよい。
[特別図柄表示部]
特別図柄表示部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)は、液晶表示装置16の表示領域の右下部に配置される。特別図柄表示部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)は、特別図柄ゲームにおいて、特別図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置である。本実施形態では、特別図柄を数字や記号等からなる図柄で表示する7セグ表示器により特別図柄表示部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)を構成する。
なお、本発明はこれに限定されず、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)を、例えば、複数のLEDにより構成してもよい。この場合には、複数のLEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを特別図柄として表す。
特別図柄表示部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)は、遊技球が第一始動口5442又は第二始動口440に入賞したこと(特別図柄始動入賞)を契機に、特別図柄(識別情報)の変動表示を行う。そして、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)は、所定時間、特別図柄の変動表示を行った後、特別図柄の停止表示を行う。
以下では、遊技球が第一始動口5442に入賞したときに変動表示される特別図柄を、第1特別図柄という。また、遊技球が第二始動口440に入賞したときに変動表示される特別図柄を、第2特別図柄という。
特別図柄表示部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)において、停止表示された第1特別図柄又は第2特別図柄が特定の態様(「大当り」の態様)である場合には、遊技状態が、大当り遊技状態ではない一般遊技状態から遊技者に有利な状態である大当り遊技状態に移行する。
すなわち、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)において、第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り遊技状態に移行する態様で停止表示されることが、「大当り」である。
大当り遊技状態では、大入賞口53が開放状態になる。具体的には、本実施形態では、遊技球が第一始動口5442に入賞し、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)において第1特別図柄が特定の態様で停止表示された場合には、大入賞口53が開放状態となる。
各大入賞口の開放状態は、遊技球が所定個数入賞するまで、又は、一定期間(例えば30秒)が経過するまで維持される。そして、このいずれかの条件を満たすと、開放状態であった大入賞口が閉鎖状態になる。
以下では、大入賞口53が遊技球を受け入れやすい状態(開放状態)となっている遊技をラウンドゲームという。ラウンドゲーム同士の間は、大入賞口が閉鎖状態となる。
また、ラウンドゲームは、1ラウンド、2ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、1回目のラウンドゲームを第1ラウンド、2回目のラウンドゲームを第2ラウンドと称する。
なお、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)において、停止表示された特別図柄が特定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、転落抽選に当選した場合を除き遊技状態は移行しない。
すなわち、特別図柄ゲームは、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)により、特別図柄が変動表示され、その後、特別図柄が停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームである。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第一始動口5442に入賞した場合、該入賞に対応する第1特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。
そして、現在、変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第1特別図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される第1特別図柄の可変表示の数(いわゆる、「保留個数(保留球の個数)」)を、最大4回(個)に規定する。
さらに、本実施形態では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第二始動口440に入賞した場合、該入賞に対応する第2特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。
そして、現在、変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第2特別図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される第2特別図柄の可変表示の数(保留個数)を、最大4回(個)に規定する。したがって、本実施形態では、特別図柄の可変表示の保留個数は、合わせて最大8個となる。
また、本実施形態では、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合、一方の特別図柄の変動表示を、他方の特別図柄の変動表示よりも優先的に実行する。具体的には、第1特別図柄の保留球よりも第2特別図柄の保留球が優先的に消化されるようになっている。なお、本発明はこれに限定されず、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合、保留された順番に特別図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。
[普通図柄表示部置]
普通図柄表示部71は、液晶表示装置16の表示領域の右下部に配置される。そして、本実施形態では、普通図柄表示部71は、遊技者側から見て、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)の左側に配置される。
普通図柄表示部71は、普通図柄ゲームにおいて、普通図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置であり、普通図柄表示部71は、複数のLED(普通図柄表示LED)により構成される。そして、普通図柄表示部71では、各普通図柄表示LEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを普通図柄として表す。
普通図柄表示部71は、遊技球が球通過検出器43を通過したことを契機に、2つの普通図柄表示LEDを交互に点灯・消灯して、普通図柄の変動表示を行う。そして、普通図柄表示部71は、所定時間、普通図柄の変動表示を行った後、普通図柄の停止表示を行う。
普通図柄表示部71において、停止表示された普通図柄が所定の態様(「当り」の態様)である場合には、普通電動役物46が所定の期間だけ閉鎖状態から開放状態になる。一方、停止表示された普通図柄が所定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、普通電動役物46は閉鎖状態を維持する。
すなわち、普通図柄ゲームは、普通図柄表示部71により、普通図柄が変動表示されて、その後、普通図柄が停止表示され、その結果に応じて普通電動役物46が動作するゲームである。
なお、普通図柄の変動表示中に遊技球が球通過検出器43を通過した場合には、普通図柄の可変表示が保留される。そして、現在、変動表示中の普通図柄が停止表示されると、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される普通図柄の可変表示の数(すなわち、「保留個数」)を、最大4回(個)に規定する。
[普通図柄保留表示装置]
普通図柄保留表示装置63は、液晶表示装置16の表示領域の右下部に配置される。
普通図柄保留表示装置63は、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する装置であり、普通図柄保留表示装置63は、複数の普通図柄保留表示LEDを備えており、普通図柄保留表示装置63では、各普通図柄保留表示LEDの点灯・消灯により、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する。
具体的には、普通図柄保留表示装置63は、普通図柄の可変表示の保留個数に応じて普通図柄保留表示LEDが表示され、普通図柄保留表示LEDは、普通図柄の可変表示の保留個数に応じて最大で4個点灯される。
[第1特別図柄保留表示装置]
第1特別図柄用保留表示部75は、液晶表示装置16の表示領域の右下部に配置される。
第1特別図柄用保留表示部75は、保留されている第1特別図柄の可変表示(第1特別図柄の保留球)に関する情報を表示する装置である。本実施形態では、第1特別図柄用保留表示部75は、複数の第1特別図柄保留表示LEDを備えている。
具体的に、第1特別図柄用保留表示部75は、第1特別図柄の可変表示の保留個数に応じて第1特別図柄保留表示LEDが表示され、第1特別図柄保留表示LEDは、第1特別図柄の可変表示の保留個数に応じて最大で4個点灯される。
[第2特別図柄保留表示装置]
第2特別図柄用保留表示部76は、液晶表示装置16の表示領域の右下部に配置される。
第2特別図柄用保留表示部76は、保留されている第2特別図柄の可変表示(第2特別図柄の保留球)に関する情報を表示する装置であり、第2特別図柄用保留表示部76は、複数の第2特別図柄保留表示LEDを備えている。
具体的には、第2特別図柄用保留表示部76は、第2特別図柄の可変表示の保留個数に応じて第2特別図柄保留表示LEDが表示され、第2特別図柄保留表示LEDは、第2特別図柄の可変表示の保留個数に応じて最大で4個点灯される。
次に、図11〜図13を用いて、主制御回路100のデータ構成等について説明する。
[当り乱数判定テーブル]
図11は、主制御回路100のメインROM102に記憶されている当り乱数判定テーブル(第1始動口、第2始動口)を示す図である。当り乱数判定テーブル(第1始動口)は、第一始動口5442に遊技球が入賞した際に取得される大当り判定用乱数値に基づいて、「大当り」、「小当り」、及び「ハズレ」のいずれかを抽選により決定するために参照される。当り乱数判定テーブル(第2始動口)は、第二始動口440に遊技球が入賞した際に取得される大当り判定用乱数値に基づいて「大当り」及び「ハズレ」のいずれかを抽選により決定する際に参照される。
大当り判定用乱数値は、始動口入賞を契機に行われる抽選結果を判定するための乱数値である。より具体的にいうと、大当り判定用乱数値は、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の抽選結果を示す値である。本実施形態において、大当り判定用乱数値は、0〜65535(65536種類)の中から選ばれる。
本実施形態では、第一始動口5442に遊技球が入賞した場合、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のいずれかが抽選により決定される。それゆえ、当り乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)には、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のそれぞれの当選が決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」、「小当り判定値データ」及び「ハズレ判定値データ」)との関係が規定される。確変フラグは、メインRAM73に格納される管理フラグの一つであり、遊技状態が「高確率遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「高確率遊技状態」である場合には、確変フラグは「1」となり、「低確率遊技状態」である場合には、確変フラグは「0」となる。
本実施形態では、第一始動口5442入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「204」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率(選択率))は、205/65536(≒1/319)となる。
また、第一始動口5442入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「205」〜「409」のいずれかである場合には、「小当り」が当選し、「小当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「小当り」の当選確率は、205/65536(≒1/319)となる。
さらに、第一始動口5442入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「409」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
一方、第一始動口5442入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「1637」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率(選択率))は、1638/65536(≒1/40)となり、確変フラグが「0」である場合のそれより高くなる。
また、第一始動口5442入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「1638」〜「1842」のいずれかである場合には、「小当り」が当選し、「小当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「小当り」の当選確率は、205/65536(≒1/319)となり、確変フラグが「0」である場合と同一となる。
さらに、第一始動口5442入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「1842」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
上述のように、本実施形態では、第一始動口5442に遊技球が入賞した場合には、入賞時の遊技状態が「高確率遊技状態」であるか否かによって、大当り確率が変動する。具体的には、遊技状態が「高確率遊技状態」である時に第一始動口5442に遊技球が入賞した場合の大当り確率は、遊技状態が「高確率遊技状態」でない時の約8倍程度高くなる。
同様に、第二始動口440入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「204」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率(選択率))は、205/65536(≒1/319)となる。
また、第二始動口440入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「204」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
一方、第二始動口440入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「1637」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率(選択率))は、1638/65536(≒1/40)となり、確変フラグが「0」である場合のそれより高くなる。
また、第二始動口440入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「1637」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
上述のように、本実施形態では、第二始動口440に遊技球が入賞した場合には、「小当り」に当選することなく、入賞時の遊技状態が「高確率遊技状態」であるか否かによって、大当り確率が変動し、遊技状態が「高確率遊技状態」である時の大当り確率は、「低確率遊技状態」である時の約8倍程度高くなる。
[図柄判定テーブル]
図12は、主制御回路100のメインROM102に記憶されている図柄判定テーブル(第1始動口、第2始動口)を示す図である。図柄判定テーブル(第1始動口、第2始動口)は、第一始動口5442あるいは第二始動口440に遊技球が入賞した際に取得される図柄乱数値と先述の判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「当り時選択図柄コマンド」及び「図柄指定コマンド」を選択するために参照される。「当り時選択図柄コマンド」は、当たり当選時の当たり種類に応じて定められる当り図柄を指定するためのコマンドであり、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の変動停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。図柄乱数値は、例えば0〜99(100種類)の中から抽出される。
本実施形態の図柄判定テーブル(第1始動口)によれば、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「0」〜「9」のいずれかである場合、10/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z0」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA1」が選択される。また、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「10」〜「19」のいずれかである場合、10/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z1」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA1」が選択される。また、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「20」〜「29」のいずれかである場合、10/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z2」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA1」が選択される。また、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「30」〜「39」のいずれかである場合、10/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z3」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA1」が選択される。また、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「40」〜「49」のいずれかである場合、10/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z4」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA1」が選択される。また、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「50」〜「95」のいずれかである場合、46/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z5」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA1」が選択される。また、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「96」または「97」である場合、2/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z6」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA4」が選択される。また、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「98」または「99」である場合、2/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z7」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA5」が選択される。また、小当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「0」〜「99」のいずれかである場合、当り時選択図柄コマンドとして「z8」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA6」が選択される。一方、ハズレ判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「0」〜「99」のいずれかである場合、当り時選択図柄コマンドが選択されず、図柄指定コマンドとして「zA7」が選択される。
また、本実施形態の図柄判定テーブル(第2始動口)によれば、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「0」〜「24」のいずれかである場合、25/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z9」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA8」が選択される。また、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「25」〜「49」のいずれかである場合、25/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z10」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA8」が選択される。また、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「55」〜「99」のいずれかである場合、50/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z11」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA9」が選択される。一方、ハズレ判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「0」〜「99」のいずれかである場合、当り時選択図柄コマンドが選択されず、図柄指定コマンドとして「zA10」が選択される。
[大当り種類決定テーブル]
図13は、主制御回路100のメインROM102に記憶されている大当り種類決定テーブルを示す図である。大当り種類決定テーブルは、大当りに係る当り時選択図柄コマンドに応じて、大当り遊技において実行されるラウンド数、大当り遊技が終了し大当り遊技状態から一般遊技状態に移行したのちの遊技状態において、確変フラグをオンするか否か及び時短フラグをオンするか否かといった、大当りの種類を決定するために参照される。なお、本実施形態では、大当りの種類に関係なく大当りに当選すれば、時短フラグが「1」にセットされる。このときの時短回数は、24回、30回、36回、42回、48回及び100回のうちいずれかに決定され、当該決定された時短回数がセットされる。確変フラグは、メインRAM73に格納される管理フラグの一つであり、遊技状態が「高確率遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「高確率遊技状態」である場合には、確変フラグは「1」となり、「低確率遊技状態」である場合には、確変フラグは「0」となる。同様に、時短フラグは、メインRAM73に格納される管理フラグの一つであり、遊技状態が「時短遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「時短遊技状態」である場合には、時短フラグは「1」となり、「非時短遊技状態」である場合には、時短フラグは「0」となる。時短回数は、時短遊技状態が継続可能な特別図柄ゲームの変動回数である。すなわち、時短遊技状態において大当りに当選することなく時短回数分(100回)の特別図柄変動(特別図柄の抽選)が行われると、時短遊技状態が終了して非時短遊技状態に移行する。確変フラグ及び時短フラグの両方が「1」となる遊技状態を、本明細書において「高確時短遊技状態」と称する。なお、本実施形態では、次回の大当りに当選するまで高確率遊技状態が継続する。ただし、大当りに当選することなく所定回数分の特別図柄変動(特別図柄の抽選)が行われると、高確率遊技状態が終了して低確率遊技状態に移行するようにしてもよい。
本実施形態の大当り種類決定テーブルによれば、当り時選択図柄コマンドが「z0」の場合、ラウンド数が「8」で、確変フラグオフ、時短フラグオンの大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z1」の場合、ラウンド数が「8」で、確変フラグオフ、時短フラグオンの大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z3」の場合、ラウンド数が「8」で、確変フラグオフ、時短フラグオンの大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z4」の場合、ラウンド数が「8」で、確変フラグオフ、時短フラグオンの大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z5」の場合、ラウンド数が「8」で、確変フラグオン、時短フラグオンの大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z6」の場合、ラウンド数が「5」で、確変フラグオン、時短フラグオンの大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z7」の場合、ラウンド数が「16」で、確変フラグオン、時短フラグオンの大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z9」の場合、ラウンド数が「5」で、確変フラグオフ、時短フラグオンの大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z10」の場合、ラウンド数が「5」で、確変フラグオン、時短フラグオンの大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z11」の場合、ラウンド数が「16」で、確変フラグオン、時短フラグオンの大当りが決定される。
なお、本実施形態では、当り時選択図柄コマンド(すなわち大当り判定値データ)がいずれであっても時短フラグオンの大当りが決定されるようになっているが、必ずしもこれに限られず、大当り判定値データに応じて時短フラグオフの大当りが決定されるようにしても良い。
また、本実施形態では、メインCPU101は、24回、30回、36回、42回、48回及び100回のうちいずれかに時短回数を決定するようになっているが、必ずしもこれに限られず、次回の大当りに当選するまで時短遊技状態が継続するように制御しても良いし、高確率遊技状態が継続する限り時短遊技状態が継続するように制御しても良い。
また、本実施形態では、メインCPU101は、次回の大当りに当選するまで高確遊技状態が継続するように制御しているが、必ずしもこれに限られず、予め決められた回数(例えば100回)まで高確遊技状態が継続する(その後、低確率遊技状態に移行する)ように制御しても良いし、大当りの当選確率との関係上、実質的に次回の大当りに当選するまで(例えば、10000回まで)高確遊技状態が継続するように制御しても良いし、次回の大当りに当選するまで高確遊技状態が継続するように制御しても良い。
[遊技球の流れ]
以下では、図14〜図16を用いて、遊技領域20に向けて発射された遊技球の流れについて説明する。図14は、普通電動役物460の羽根部材4620が開放されているときに、遊技球が右側領域を流下する態様を示す図の一例である。図15は、普通電動役物460の羽根部材4620が閉鎖されているときに、遊技球が右側領域を流下する態様を示す図の一例である。図16は、普通電動役物460の羽根部材4620が開放されているときに、遊技球が左側領域を流下する態様を示す図の一例である。
上述したとおり、アタッカユニット500は、遊技領域20内の略右下部であって、通過ゲート49の下方に配置される。そのため、大当り遊技状態では、所謂右打ちが行われる。シャッタ610により大入賞口540が開放状態であるときは、右打ちされた遊技球は大入賞口540に入賞しやすい。また、大当り遊技状態でなくとも、電サポ中にも右打ちが行われる。
しかし、遊技者が右打ちした場合、右側領域を流下した遊技球については、大入賞口540に入賞しなかった時点で期待感が喪失し、そのままアウト口57に流入することを待つだけの状態となってしまう。そのため、右打ちされた遊技球が大入賞口540に入賞しなかった時点で遊技者は不利益を感じ、興趣が低下する原因となっていた。とくに、近年は液晶表示装置16の大型化が要求されており、遊技領域20内にアタッカユニット500等を配置できる場所が制限されているのが現状である。そのため、液晶表示装置16の大型化の要求にこたえるためには、本実施形態のパチンコ遊技機1のように、遊技領域20の下部にアタッカユニット500を配置せざるを得ない。アタッカユニット500を遊技領域20内の下部に配置した場合、右打ちされた遊技球が大入賞口540に入賞しなければ、そのままアウト口57に流入してしまうことがより顕著となる。
この点、本実施形態のパチンコ遊技機1では、上述したように、遊技領域20の略左下部に普通電動役物ユニット400を配置している。さらに加えて、アタッカユニット500が遊技球誘導部材580を備えるようにしている。この遊技球誘導部材580は、右打ちされ(右側領域を流下し)且つ大入賞口540に入賞しなかった遊技球を、誘導釘700も含めて、アウト口57が配置される遊技領域20の中央を超えて左側領域に配置された羽根部材4620の上流まで導くものであり、遊技球の流下方向に向けての大入賞口540の延長線上に延設された遊技球の通り道を形成する部材である。ここで、「羽根部材4620の上流」は、羽根部材4620が開放していれば第二始動口440への遊技球の受け入れが可能となる領域(以下、この明細書において「第二始動口受入領域」と称する)である。この第二始動口受入領域は、例えば、図15において、羽根部材4620の上方に位置する遊技球223の周辺領域である。
なお、遊技領域20には、右打ちされ(右側領域を流下し)且つ大入賞口540に入賞せずに当該大入賞口540の出側まで至った遊技球の流下経路として、遊技球誘導部材580の出側部とアウト口57とを結ぶ流下経路が誘導釘700によって形成されている。そして、この流下経路を流下する遊技球は、アウト口57に至るまでの間に、必ず、第二始動口受入領域を経由するようになっている。
上述したとおり、本実施形態のパチンコ遊技機1では、大当り遊技状態の終了を契機として普通図柄判定が高確率遊技状態に移行するため、時短遊技状態中は電サポ状態であり、高い頻度で羽根部材4620が開放される。
図14に示すように、普通電動役物460の羽根部材4620が開放されているとき、右打ちされた(右側領域を流下した)遊技球が大入賞口540に入賞しなかった場合、当該遊技球は遊技球誘導部材580及び誘導釘700によって普通電動役物460の羽根部材4620の上流である第二始動口受入領域まで必ず導かれる。
右打ちされた(右側領域を流下した)遊技球のうち、大入賞口540に入賞しなかった遊技球は、必ず羽根部材4620の上流である第二始動口受入領域まで導かれるため、第二始動口受入領域まで遊技球が導かれたときに普通電動役物460の羽根部材4620が開放されていれば、アウト口57に流入することなく、羽根部材4620に受け入れられ、第二始動口440に入賞する可能性が高くなっている。すなわち、羽根部材4620が閉鎖されているときは、上述したとおりアウト口57が遊技領域20の最下流位置となるが、羽根部材4620が開放されているときは、アウト口57に代えて第二始動口440が最下流位置となる。このように、羽根部材4620は、遊技領域20における最下流位置を変更する機能を有する。
このように、右打ちされた(右側領域を流下した)遊技球が大入賞口540に入賞しなかったとしても、当該遊技球が第二始動口受入領域(羽根部材4620の上流)までは必ず導かれるので、第二始動口440に入賞する期待感が継続し、興趣を高めることができる。
とくに、電サポ状態では右打ちが行われる。そのため、電サポ中は大入賞口540が開放状態とはならないものの、羽根部材4620によって最下流位置がアウト口57から第二始動口440に変更されるため、電サポ状態での遊技の進行が促進され、興趣を高めることができる。
ところで、図15に示されるように、普通電動役物460の羽根部材4620が閉鎖されているときは、右打ちされ(右側領域を流下し)且つ大入賞口540に入賞しなかった遊技球は、必ず羽根部材4620の上流まで導かれるものの、羽根部材4620と誘導釘700との間(すなわち誘導釘700の左側)を通ってアウト口57に流入される。
なお、右打ちされた(右側領域を流下した)遊技球のうち大入賞口540に到達しなかった遊技球(例えば、一般入賞口56の右側からアウト口57へ続く流下通路を流下した遊技球)は、アウト口57へと導かれるように構成してもよい。このとき、右打ちされた遊技球のうち、大入賞口540に入賞しなかった遊技球として、大入賞口540に到達したものの入賞しなかった遊技球と、大入賞口540に到達せずに入賞しなかった遊技球とが存在するが、いずれの遊技球も羽根部材4620の上流まで導くようにしてもよいし、いずれか一方の遊技球のみ羽根部材4620の上流まで導くようにしてもよい。
ところで、図16に示すように、左打ちされた遊技球(左側領域を流下した遊技球)は、一般的には、第一始動口5442又は一般入賞口53,54,55に入賞するか、アウト口57又はアウト口450に流入する。遊技球が左打ちされたのち、第一始動口5442に向かう流路222を転動する遊技球224については第一始動口5442への入賞期待感が継続するが、第一始動口5442に向かう流路222から外れてさらに一般入賞口53,54,55にも入賞しなかった遊技球2226については、従来のパチンコ機では第一始動口(本実施の形態の第一始動口5442に相当)への入賞期待感が喪失してしまう。また、第一始動口5442に向かう流路222を転動した遊技球224であっても、第一始動口5442に入賞しなかった場合にはその時点で入賞期待感が喪失してしまう。本実施形態では、左打ちされた遊技球(左側領域を流下した遊技球)が、第一始動口5442に向かう流路222を転動したものの第一始動口5442に入賞しなかった場合、及び、第一始動口5442に向かう流路222から外れてさらに一般入賞口53,54,55にも入賞しなかった場合のいずれであっても、これらの遊技球は、アウト口57に至るまでの間に、第二始動口受入領域(普通電動役物460の羽根部材4620の上流)を必ず経由する。上述したように、羽根部材4620の上流は、羽根部材4620が開放していれば第二始動口440への遊技球の受け入れが可能となる領域(第二始動口受入領域)であるから、第一始動口5442に向かう流路222を転動したものの第一始動口5442に入賞しなかった場合、及び、第一始動口5442に向かう流路222から外れてさらに一般入賞口53,54,55にも入賞しなかった場合のいずれであっても、第二始動口440に入賞する期待感が継続し、興趣の低下を抑制することができる。
なお、本実施の形態では、通過ゲート49が右側領域に配置されているため、左打ちされたときには普通電動役物460の羽根部材4620が開放される期待感は低い。ただし、大当り遊技状態又は時短遊技状態が終了した直後は、普通図柄の変動表示が保留されていることがある。また、遊技者が左打ちを行っていたとしても、勢いよく遊技領域20に飛び出した遊技球は、右側領域を流下することもある。そのため、たとえ一般遊技状態であっても、普通電動役物460の羽根部材4620が開放されることが稀にある。しかも、誘導釘700は、右側領域を流下した遊技球のみならず左側領域を流下した遊技球が勢い余って誘導部材700側まで転動した遊技球についても、ただちにアウト口57に流入することを抑制する機能を有するため、羽根部材4620が開放されていれば第二始動口440に入賞する可能性がある。そのため、左打ちされた遊技球について第一始動口5442や一般入賞口53,54,55への入賞期待感が喪失してしまったとしても、第二始動口440に入賞する期待感が継続し、興趣の低下を抑制することができる。
本実施形態では、通過ゲート49が右側領域に配置されているが、これに代えて、左側領域に通過ゲートを配置するようにしてもよい。この場合、通過ゲート49が右側領域に配置されている場合と比べて普通電動役物460の羽根部材4620が開放される頻度が高められる可能性がある。そのため、左打ちされた遊技球について第一始動口5442への入賞期待感が喪失してしまったとしても、第二始動口440への入賞に関し、より高い期待感をもって継続させることが可能となる。
なお、左打ちされた遊技球(左側領域を流下した遊技球)のうち、普通電動役物ユニット400の上方に到達しなかった、または第一始動口5442に到達しなかった遊技球として、例えば普通電動役物ユニット400の下方に存在するアウト口450(例えば、図5,図51参照)またはアウト口57へと続く流下通路を流下した遊技球が存在するように構成してもよい。このとき、左打ちされた遊技球のうち、第一始動口5442に入賞しなかった遊技球として、普通電動役物ユニット400の上方または第一始動口5442に到達しなかった遊技球と、普通電動役物ユニット400の上方または第一始動口5442付近まで到達したものの入賞しなかった遊技球とが存在するが、いずれの遊技球も羽根部材4620の上流まで導くようにしてもよいし、いずれか一方の遊技球のみ羽根部材4620の上流まで導くようにしてもよい。
また、左打ちした遊技球(左側領域を流下した遊技球)のうち大入賞口540の方向へ転動した遊技球が遊技球誘導部材580を転動した場合、当該遊技球が大入賞口540のシャッタ610または遊技球誘導部材580に設けられたリブに衝突して第一始動口5442に入賞するか、アウト55またはアウト口450に流入するように構成されている。
また、本実施の形態では、右打ちされ(右側領域を流下し)且つ大入賞口540に入賞しなかった遊技球を、必ず、アウト口57が配置される遊技領域20の中央を超えて左側領域の第二始動口受入領域まで導く遊技球誘導部材580を備えている。ただし、遊技球誘導部材580は、このような遊技球(右打ちされ(右側領域を流下し)且つ大入賞口540に入賞しなかった遊技球)を、必ずしも第二始動口受入領域まで導く機能を有する必要はなく、遊技領域20の中央を超えて左側領域まで導くことにとどまるものであっても良い。例えば、遊技球誘導部材580は、このような遊技球を左側領域まで導く機能は有するものの、左側領域に導かれた遊技球がさらに第二始動口受入領域を含む複数の領域に振り分けられるような構成となっているものが相当する。
また、本実施の形態では、右打ちされ(右側領域を流下し)且つ大入賞口540に入賞しなかった遊技球は、遊技球誘導部材580によって左側領域に導かれるようになっているが、必ずしも遊技球誘導部材580は必須でなく、例えば、右打ちされ且つ大入賞口540に入賞しなかった遊技球を、誘導釘のみで左側領域に導くような構成であっても良い。
また、本実施の形態では、右打ちされ(右側領域を流下し)且つ大入賞口540に入賞せずに当該大入賞口540の出側まで至った遊技球の流下経路として、遊技球誘導部材580の出側部とアウト口57とを結ぶ流下経路が形成されており、この流下経路を流下する遊技球は、アウト口57に至るまでの間に、必ず、第二始動口受入領域を経由するようになっている。本実施形態では、第二始動口440が左側領域に形成されているため、上記流下経路を流下する遊技球は、必ず左側領域にまで導かれることとなる。しかし、上記経路を流下する遊技球がアウト口57に至るまでの間に必ず第二始動口受入領域を経由するといった思想に鑑みれば、このような場合において、第二始動口440が左側領域に配置されていることは必須ではない。
[裏ユニットの構成]
以下では、図17〜図22を用いて、裏ユニット176の構成について説明する。図17は、裏ユニット176の正面図の一例である。図18は、裏ユニット176の背面図の一例である。図19は、裏ユニット176を前方右斜め上から見た斜視図の一例である。図20は、裏ユニット176を背面左斜め上から見た斜視図の一例である。図21は、裏ユニット176を前方右斜め上から見た分解斜視図の一例である。図22は、裏ユニット176を背面左斜め上から見た分解斜視図の一例である。
上述したとおり、裏ユニット176は、上部前面役物1000と、上部背面役物1100と、下部役物1200と、コーナー役物1300と、サイド役物1400と、中パネル1500と、アタッカ球樋1600と、主基板ケース1700と、リアボックス1800とを少なくとも備える。なお、コーナー役物1300は、上部コーナー役物1320と、下部コーナー役物1350とを備える。
リアボックス1800は、箱型の形状であり、略中央には開口1820が形成されている。この開口1820には、液晶表示装置16等が配置される。
上部背面役物1100(詳しくは、後述するベース部材1180(例えば、図69参照))は、リアボックス1800の前面側の開口1820よりも上部に取付固定される。上部背面役物1100についての詳細は後述する。
下部役物1200(詳しくは、後述する下部役物固定ベース1220(例えば、図77参照))は、リアボックス1800の前面側の開口1820よりも下部に取付固定される。下部役物1200についての詳細は後述する。
サイド役物1400(詳しくは、後述する取付プレート1410(例えば、図107参照))は、リアボックス1800の前面側の開口1820よりも右側部に取付固定される。サイド役物1400についての詳細は後述する。
上部コーナー役物1320(例えば、図88参照)は、上部背面役物可動装飾体110よりも前方側となるように、第1可動体1330が液晶表示装置16の左上角部に、第2可動体1340が液晶表示装置16の右上角部に、それぞれ位置するようにリアボックス1800に取付固定される。下部コーナー役物1350は、下部役物1200よりも前方側となるように、第3可動体1355が液晶表示装置16の左下角部に、第4可動体1357が液晶表示装置16の右下角部に、それぞれ位置するようにリアボックス1800に取付固定される。第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357は、前後方向に略同じ位置となるように配置される。上部コーナー役物1320についての詳細は後述する。
上部前面役物1000(詳しくは、後述する装飾役物ベース部材1010(例えば、図61参照))は、上部背面役物1000よりも前方側に配置されるように、リアボックス1800に取付固定される。上部前面役物1000についての詳細は後述する。
中パネル1500は、透明パネル172の背面の遊技領域20の一部に対応する領域に配置されるものであり、第一中パネル1520と第二中パネル1550とを備える。第一中パネル1520は、前面に絵柄や模様が施された板状部材であり、透明パネル172を介して前面に施された絵柄や模様を視認することができる。第二中パネル1550は、詳細は後述するが、環状の開口窓1552を有する板状部材であり、所定の条件が成立すると、開口窓に所定の絵が浮かび上がるように構成されている。第二中パネル1550についての詳細は後述する。
アタッカ球樋1600は、一般入賞口56に入賞した遊技球を受け入れてパチンコ遊技機1の外部に排出する樋状のものである。本実施形態のパチンコ遊技機1では、大入賞口540に入賞した遊技球と合流してパチンコ遊技機1の外部に排出されるようになっている。
主基板ケース1700には、ランプ中継基板1710及び主制御中継基板1720等が収容されている。
裏ユニット176は、さらに、第一飾り意匠1900及び第二飾り意匠1920を備える。第一飾り意匠1900は、上部背面役物1100の前面側の右側に取り付けられている。第二飾り意匠1920は、上部背面役物1100の前面側の左側に取り付けられている。第一飾り意匠1900及び第二飾り意匠1920は、前面に装飾が施されており、いずれも可動することなく意匠的機能を有するものである。
[アタッカユニット]
以下では、図23〜図34を用いて、アタッカユニット500の構成について詳細に説明する。
アタッカユニット500は、ベース部材510、前側板部520、誘導路530、大入賞口540、後側ケース550及び特別電動役物600を具備する。
図23〜図28、並びに図30及び図31に示すベース部材510は、アタッカユニット500の基礎となる部材である。ベース部材510は、細長い略平板状に形成される。ベース部材510は、長手方向を左右方向へ向けると共に、その板面を前後方向へ向けて配置される。ベース部材510には、アタッカユニット500を構成する各種の部材が取り付けられる。ベース部材510には、スリット511が形成される。
スリット511は、ベース部材510を前後方向に貫通して形成される。スリット511は、ベース部材510の上部に、正面視で右方から左方へと緩やかに傾斜しながら延びる略直線状に形成される。スリット511には、後述するシャッタ610(より詳細には、シャッタ610の誘導部611)が配置される。
図23〜図27、及び図29に示す前側板部520は、アタッカユニット500の前端部に配置される部材である。前側板部520は、ベース部材510と略同一の形状かつ大きさに形成される。前側板部520は、その板面を前後方向へ向けて配置される。前側板部520は、ベース部材510と前後方向に対向し、当該ベース部材510から前方に離間した状態で配置される。こうして、前側板部520とベース部材510との間には、遊技球が入り込むことが可能な程度の隙間(以下では、「特電役物空間R2」と称する)が形成される。なお、特電役物空間R2は、正面視で前側板部520及びベース部材510と略同一の形状且つ大きさに形成される。前側板部520は、ネジ等を介してベース部材510に取り付けられる。前側板部520は、透明な樹脂材料により形成され、当該前側板部520の後方を遊技者に視認可能としている。
図23、図25〜図31に示す誘導路530は、移動してきた遊技球を所定方向へ適宜誘導するものである。誘導路530は、シャッタ610、及び前側板部520から後方へと立設された略板状の部材(壁部)によって形成される。誘導路530には、第一誘導路531、第二誘導路532及び第三誘導路533が含まれる。
なお、上述の如く誘導路530(より詳細には、第一誘導路531)は、シャッタ610により形成される。ここで、シャッタ610は、後述するように、スリット511を介して、ベース部材510に対して前後方向に進退可能に構成される。このようなシャッタ610の構成において、第一誘導路531は、当該シャッタ610がベース部材510に対して前方に進出した場合に形成される。したがって、以下では便宜上、シャッタ610がベース部材510に対して前方に進出した状態(第一誘導路531が形成された状態)であるものとして説明を行う。
第一誘導路531は、特電役物空間R2の上端部近傍に配置される。第一誘導路531は、右方から左方へと緩やかに傾斜しながら延びる略直線状に形成される。第一誘導路531の左右方向(長手方向)の長さは、ベース部材510よりも若干短く形成される。第一誘導路531の左端部は、特電役物空間R2の左端部近傍に形成される。第一誘導路531の右端部は、特電役物空間R2の右端部近傍に形成される。このように構成された第一誘導路531は、移動してきた遊技球を右方から左方へと誘導する。第一誘導路531は、減速リブ534を具備する。
減速リブ534は、第一誘導路531により誘導(移動)される遊技球の移動速度を減少させるもの(減速手段)である。減速リブ534は、ベース部材510から前方へ突出される複数の後側突起534aと、前側板部520から後方へと突出される複数の前側突起534bと、により構成される。本実施形態においては、後側突起534aは、6つ設けられる。また、前側突起534bは、5つ設けられる。これらの複数の後側突起534a及び前側突起534bは、第一誘導路531の延出方向(左右方向)に沿ってそれぞれ互いに適宜の間隔をあけて配置される。なお、前記適宜な間隔とは、少なくとも遊技球の直径よりは長くなるように設定される。また、これらの複数の後側突起534a及び前側突起534bは、正面視で重複しないように(前後方向に対向せず、左右方向にずれるように)配置される。
このような第一誘導路531の構成により、(当該第一誘導路531により移動される)遊技球は、後側突起534a及び前側突起534bに衝突しながら、平面視でジグザグ状に移動するため(遊技球のスムーズな移動が規制されるため)、その移動速度が減少することとなる。
このように、第一誘導路531により移動される遊技球の移動速度を減少させると、当該第一誘導路531上に複数の遊技球が移動している状況を作り出すことができる。このように、第一誘導路531上に複数の遊技球が移動している状況になった場合、シャッタ610が1回開けられるただけで、複数の遊技球を第三誘導路533へと案内し、大入賞口540に入賞させることができる。すなわち、大当り遊技におけるラウンド消化を素早く行うことができる。また、シャッタ610の開放時間が短くても、シャッタ610上に多くの遊技球が滞留していれば、多くの入賞を発生させることができる。また、一度に多くの遊技球を入賞させることができるため、大当り遊技の1回のラウンドにおける入賞可能数以上の入賞(いわゆるオーバー入賞)を発生させやすい。
第二誘導路532は、特電役物空間R2において第一誘導路531の直ぐ右方に配置される。第二誘導路532は、右方から左方へと緩やかに傾斜しながら延びる略直線状に形成される。なお、第二誘導路532の傾斜角度は、第一誘導路531の傾斜角度と略同一に形成される。こうして、第二誘導路532は、第一誘導路531と合わせて、右方から左方へと緩やかに傾斜する1つの略直線状の誘導路として構成される。このように構成された第二誘導路532は、移動してきた遊技球を右方から左方(第一誘導路531側)へと誘導する。
第三誘導路533は、上下方向において特電役物空間R2の略中央部に配置される。第三誘導路533は、右方から左方へと緩やかに傾斜しながら延びる略直線状に形成される。第三誘導路533は、第一誘導路531の下方に配置される。第三誘導路533は、正面視で第一誘導路531と略同一の形状且つ大きさに形成される。
また、図31等に示すように、第三誘導路533の左端部と第一誘導路531の左端部との間には、当該第三誘導路533と接続された壁部が配置される。また、第三誘導路533の右端部と第二誘導路532の右端部との間は、当該第三誘導路533と接続された壁部が配置される。こうして、第三誘導路533は、正面視で凹状に形成される。
このように構成された第三誘導路533は、移動してきた遊技球を右方から左方(大入賞口540側)へと誘導する。第三誘導路533は、ガイド部535を具備する。
ガイド部535は、第三誘導路533の最下部に形成される。ガイド部535は、平面視で略三角形状の板状の部材である。ガイド部535は、第三誘導路533により誘導(移動)されてきた遊技球を後方へ誘導可能に構成される。
図25、図28、図30及び図31に示す大入賞口540は、ベース部材510が前後方向に貫通することにより形成される。大入賞口540は、第三誘導路533の最下部の後方(ガイド部535の後方)に形成される。大入賞口540は、カウントスイッチ541を具備する。図27に示すように、カウントスイッチ541は、大入賞口540の後下方に配置される。
図23、図25〜図27、図31、図33及び図34に示す後側ケース550は、特別電動役物600を構成する各種の部材(シャッタ610、大入賞口ソレノイド620及びリンクアーム630等)を収容するものである。後側ケース550は、平面視で略矩形状の中空の略箱状に形成される。図33に示すように、後側ケース550は、平面視で略矩形状に形成された略平板状の載置部551によって、上側の空間と下側の空間とが区画される。すなわち、後側ケース550は、載置部551によって2階建て構造に形成され、上側の空間及び下側の空間それぞれに所定の部材が配置される。具体的には、前記上側の空間には、シャッタ610及びリンクアーム630等が配置される。また、前記下側の空間には、大入賞口ソレノイド620等が配置される。後側ケース550は、ネジ等を介してベース部材510の後側面に取り付けられる。後側ケース550の内部と外部(ベース部材510の前方)とは、スリット511を介して連通される。
[特別電動役物]
以下では、図35〜図50を用いて、他の例に係る特別電動役物6000の構成について詳細に説明する。
なお、特別電動役物6000は、遊技球の大入賞口540への入賞が容易な状態(開放状態)と遊技球の大入賞口540への入賞が困難な状態(閉鎖状態)と、を切り替えるために動作する部材であるが、以下では特に断りが無い限り、閉鎖状態であるものとして各種の部材の配置構成等を説明する。
特別電動役物6000は、図35〜図37に示すように、収容部6001、シャッタ6002、大入賞口ソレノイド6003、リンクアーム6004及び規制部材6005を具備する。
図35〜図38に示す収容部6001は、特別電動役物6000を構成する各種の部材(シャッタ6002、大入賞口ソレノイド6003、リンクアーム6004及び規制部材6005等)を収容する部材である。収容部6001は、上側及び前側が開放された略箱状に形成される。収容部6001は、ネジ等を介してベース部材510(図23等参照)の後側面に取り付けられる。収容部6001は、連通開口部6011、支持軸6012、ボス部6013及び誘導開口部6014を具備する。
連通開口部6011は、収容部6001の上側と下側とを連通させるものである。連通開口部6011は、収容部6001の右部に形成される。連通開口部6011は、収容部6001を上下方向に貫通するように形成される。連通開口部6011は、平面視で後述するボス部6013の後方から右方までを囲うように形成される。
支持軸6012は、後述するリンクアーム6004を回動自在に支持するものである。支持軸6012は、長手方向を上下方向へ向けた略円柱状に形成される。支持軸6012は、上方へ向けて突出するように形成される。支持軸6012は、収容部6001の右後部であって、連通開口部6011の後方に形成される。
ボス部6013は、後述する規制部材6005を回動自在に支持するものである。ボス部6013は、長手方向を上下方向へ向けた略円筒状に形成される。ボス部6013は、上方へ向けて突出するように形成される。ボス部6013は、平面視で収容部6001の中央近傍(中央から若干右方)であって、連通開口部6011の左前方に形成される。なお、図35〜図37等、適宜の図面において、ボス部6013は、規制部材6005を支持するためネジが取り付けられた状態を図示している。
誘導開口部6014は、後述する規制部材6005の誘導軸6056を挿通させるものである。より詳細には、後述するように、規制部材6005の誘導軸6056の移動(変位)経路を規定するものである。誘導開口部6014は、平面視で収容部6001の中央近傍(中央から若干右方であって、且つボス部6013の左方)に形成される。誘導開口部6014は、収容部6001を上下方向に貫通するように形成される。誘導開口部6014は、長手方向の一端部から他端部までの中途で屈曲した平面視で略L字状に形成される。より詳細には、図38(a)に示すように、誘導開口部6014は、第一誘導開口部6016及び第二誘導開口部6017を具備する。
第一誘導開口部6016は、左右方向に略直線状に延びるように形成される。第一誘導開口部6016は、ボス部6013の中心Pに対して、前後方向において後方に形成される。なお、第一誘導開口部6016の左右方向の長さは、後述する大入賞口ソレノイド6003の連結開口部6036の左右方向の長さと略同一となるように形成される。
第二誘導開口部6017は、平面視で円弧状に延びるように形成される。より詳細には、第二誘導開口部6017は、ボス部6013の中心Pを中心とした仮想円の一部と重複するように形成される(図38(a)の一点鎖線の矢印参照)。こうして、第二誘導開口部6017は、ボス部6013の近傍において、平面視で当該ボス部6013の外形に沿って延びるように形成される。第二誘導開口部6017の後端部は、第一誘導開口部6016の左端部と接続される。第二誘導開口部6017の前端部は、ボス部6013の中心Pに対して、前後方向において前方に形成される。
図35〜図37に示すシャッタ6002は、後述する大入賞口ソレノイド6003からの動力によって大入賞口540の開閉を行う部材(開放状態と閉鎖状態とを切り替える部材)である。なお、シャッタ6002の構成は、特別電動役物600のシャッタ610と略同様である(図31や図32(c)等参照)。シャッタ6002は、細長板部6021、接続板部6022及び連結軸6023を具備する。
細長板部6021は、第一誘導路531(図31等参照)を形成する部材である。細長板部6021は、細長い略平板状に形成される。細長板部6021は、平面視で長手方向を左右方向へ向けると共に、正面視で左下がりとなるように(上側面が左上方を向くように)形成される。
接続板部6022は、細長板部6021と後述する連結軸6023とを接続する部材である。接続板部6022は、平面視で略矩形の平板状に形成される。接続板部6022は、細長板部6021の左右方向における中央部から後方へ向けて延びるように形成される。
連結軸6023は、後述するリンクアーム6004と連結されるものである。連結軸6023は、長手方向を上下方向へ向けた略円柱状に形成される。連結軸6023は、上方へ向けて突出するように形成される。連結軸6023は、接続板部6022の後端部近傍に形成される。
このような構成のシャッタ6002は、細長板部6021がスリット511(図31等参照)に後方から挿入されると共に、接続板部6022が収容部6001の底面に載置された状態で当該収容部6001に収容される。シャッタ6002は、収容部6001に対して前後方向にスライド移動自在に構成される。
図36、図37及び図39に示す大入賞口ソレノイド6003は、シャッタ6002を駆動するための部材である。大入賞口ソレノイド6003は、ソレノイド収容部6031、動力発生部6032、プランジャ6033、動力伝達部6034及びスプリング6035を具備する。
ソレノイド収容部6031は、大入賞口ソレノイド6003を構成する各種の部材を収容する部材である。ソレノイド収容部6031は、上側が開口された略箱状に形成される。ソレノイド収容部6031は、長手方向を左右方向へ向けて配置される。ソレノイド収容部6031は、収容部6001に下方から取り付けられる。
動力発生部6032は、大入賞口ソレノイド6003の動力を発生させる部材である。動力発生部6032は、図示せぬコイルや固定鉄心等から構成される。動力発生部6032は、所定の電源からの通電に応じて、後述するプランジャ6033を吸引することができる。動力発生部6032は、略円筒状に形成される。動力発生部6032は、長手方向(軸心方向)を左右方向へ向けて、ソレノイド収容部6031の内側(左部)に収容される。
プランジャ6033は、略棒状に形成された部材(可動鉄心)である。プランジャ6033は、長手方向(軸心方向)を左右方向へ向けて配置される。プランジャ6033は、動力発生部6032から右方へ延びるように配置される。プランジャ6033は、動力発生部6032に対して左右方向に往復移動可能に構成される。
動力伝達部6034は、大入賞口ソレノイド6003で発生された動力を、他の部材(具体的には、リンクアーム6004)へと伝達する部材である。動力伝達部6034は、略直方体状に形成される。動力伝達部6034は、ソレノイド収容部6031の内側(右部)に収容され、プランジャ6033の右端部に取り付けられる。動力伝達部6034は、連結開口部6036及び連結突起部6037を具備する。
連結開口部6036は、後述するリンクアーム6004と連結されるものである。連結開口部6036は、平面視で動力伝達部6034の右部に形成される。連結開口部6036は、動力伝達部6034を上下方向に貫通するように形成される。
連結突起部6037は、後述する規制部材6005と連結されるものである。連結突起部6037は、上方に突き出るように形成された一対の板状部分により形成される。前記一対の板状部分は、それぞれ左右に互いに平行となるように形成される。このような構成により、連結突起部6037は、前記一対の板状部分の間に前後方向へ向けて延びる隙間を有する。連結突起部6037は、動力伝達部6034の左後端部に形成される。なお以下では、連結突起部6037とは、前記隙間を指すものとする。
スプリング6035は、いわゆる圧縮コイルばねである。スプリング6035は、プランジャ6033が挿通され、常に圧縮された状態で動力発生部6032と動力伝達部6034との間に配置される。こうして、スプリング6035は、プランジャ6033(動力伝達部6034)に対して常に右方への付勢力を与えている。
このような構成の大入賞口ソレノイド6003においては、動力発生部6032に通電が行われていない場合には、プランジャ6033がスプリング6035の付勢力により右方へ移動する。一方、動力発生部6032に通電が行われている場合には、動力発生部6032の吸引力によってプランジャ6033がスプリング6035の付勢力に抗って左方へ移動する。このように、大入賞口ソレノイド6003においては、動力発生部6032への通電を入り切りすることによって、プランジャ6033を動力発生部6032に対して左右方向に往復移動させ、動力を発生させることができる。
なお、本実施形態においては、プランジャ6033が右方へ移動している場合(すなわち、動力発生部6032に通電が行われていない場合)、シャッタ6002が前方へとスライド移動することにより、遊技球の大入賞口540への入賞が困難な状態(閉鎖状態)となる。一方、プランジャ6033が左方へ移動している場合(すなわち、動力発生部6032に通電が行われている場合)、シャッタ6002が後方へとスライド移動することにより、遊技球の大入賞口540への入賞が容易な状態(開放状態)となる。
図35〜図37、図40に示すリンクアーム6004は、大入賞口ソレノイド6003とシャッタ6002とを連動可能に連結(連動連結)し、大入賞口ソレノイド6003からの動力をシャッタ6002へと伝達する部材である。リンクアーム6004は、概ね左右方向に延びた部分(第一リンク延出部6041)と概ね前後方向に延びた部分(第二リンク延出部6042)とにより、平面視で略L字状に形成される。リンクアーム6004は、中央筒部6043、連結開口部6044、連結軸6045及び規制突起部6046を具備する。
中央筒部6043は、収容部6001の支持軸6012に挿通されるものである。中央筒部6043は、平面視でリンクアーム6004の略中央(第一リンク延出部6041と第二リンク延出部6042との接続部)に形成される。中央筒部6043は、長手方向を上下方向へ向けた略円筒状に形成される。なお、中央筒部6043に支持軸6012が挿通されると、リンクアーム6004が平面視で中央筒部6043を中心として時計回り又は反時計回りに回動自在に軸支される。
連結開口部6044は、シャッタ6002の連結軸6023に挿通されるものである。連結開口部6044は、第一リンク延出部6041の左(先)端部に形成される。連結開口部6044は、第一リンク延出部6041を上下方向に貫通するように形成される。連結開口部6044は、先端部側から基端部側(中央筒部6043側)へと直線状に延びた長孔状に形成される。連結開口部6044の平面視における短手方向の長さは、シャッタ6002の連結軸6023の外径と略同一となるように形成される。
連結軸6045は、大入賞口ソレノイド6003の連結開口部6036と連結されるものである。連結軸6045は、長手方向を上下方向へ向けた略円柱状に形成される。連結軸6045は、下方へ向けて突出するように形成される。連結軸6045は、第二リンク延出部6042の前(先)端部に形成される。連結軸6045の外径は、大入賞口ソレノイド6003のの連結開口部6036の内径(左右方向の長さ)よりも小さくなるように形成される。
規制突起部6046は、所定の場合に後述する規制部材6005の規制ブロック部6054と当接されるものである。規制突起部6046は、下方に突き出るような板状に形成される。規制突起部6046は、第一リンク延出部6041の基端部近傍であって、平面視で中央筒部6043の前左方に形成される。規制突起部6046の後側面は、後方へ向いた平面となるように形成される。
図35〜図37及び図41に示す規制部材6005は、シャッタ6002が閉鎖状態である場合に、当該シャッタ6002の意図せぬ開放を規制するための部材である。規制部材6005は、中央筒部6053、規制ブロック部6054、連結軸6055及び誘導軸6056を具備する。
中央筒部6053は、収容部6001のボス部6013に挿通されるものである。中央筒部6053は、平面視で規制部材6005の略中央に形成される。中央筒部6053は、長手方向を上下方向へ向けた略円筒状に形成される。また、中央筒部6053は、平面視で左右方向に延びた長孔状に形成される。
また、中央筒部6053の右後方には、平面視で広がるように延びた板状の部分(第一規制延出部6051)が形成される。また、中央筒部6053の左方には、平面視で広がるように延びた板状の部分(第二規制延出部6052)が形成される。こうして、中央筒部6053、第一規制延出部6051及び第二規制延出部6052は、互いの位置関係が平面視で略L字状に形成される。なお、中央筒部6053にボス部6013が挿通されると、規制部材6005が平面視で中央筒部6053を中心として時計回り又は反時計回りに回動自在に軸支される。
規制ブロック部6054は、所定の場合にリンクアーム6004の規制突起部6046と当接されるものである。規制ブロック部6054は、上方へ向けて突出された略直方体状(ブロック状)の部分である。規制ブロック部6054は、平面視で第一規制延出部6051の略中央(すなわち、中央筒部6053の右後方)に形成される。規制ブロック部6054の前側面は、前方へ向いた平面となるように形成される。
連結軸6055は、大入賞口ソレノイド6003と連結されるものである。連結軸6055は、長手方向を上下方向へ向けた略円柱状に形成される。連結軸6055は、下方へ向けて突出するように形成される。連結軸6055は、平面視で第一規制延出部6051の略中央(すなわち、中央筒部6053の右後方)に形成される。こうして、連結軸6055の軸心は、規制ブロック部6054の軸心と上下方向に概ね重複するように形成される。連結軸6055の外径は、動力伝達部6034の連結突起部6037(すなわち、連結突起部6037が有する隙間)の幅よりも小さくなるように形成される。
誘導軸6056は、収容部6001の誘導開口部6014に挿通されるものである。誘導軸6056は、長手方向を上下方向へ向けた略円柱状に形成される。誘導軸6056は、下方へ突出するように形成される。連結軸6055は、平面視で第二規制延出部6052の略中央(すなわち、中央筒部6053の左方)に形成される。誘導軸6056の外径は、誘導開口部6014(第一誘導開口部6016及び第二誘導開口部6017)の平面視における短手方向の長さと略同一となるように形成される。
以下では、図35〜図37、図42〜図46を用いて、特別電動役物6000における、収容部6001、シャッタ6002、大入賞口ソレノイド6003、リンクアーム6004及び規制部材6005の組み付け構成について説明する。
なお、図45以降の図面において、収容部6001を破線で示しているが、支持軸6012、ボス部6013及び誘導開口部6014については、説明の便宜上、実線で示している。また、図45以降の図面において、リンクアーム6004を破線で示しているが、規制突起部6046については、説明の便宜上、実線で示している。また、図46以降の図面においては、説明の便宜上、各部材の構成の図示を簡略化している。
まず、収容部6001に対する各種の部材(シャッタ6002、大入賞口ソレノイド6003、リンクアーム6004及び規制部材6005)の組み付け構成の概略について説明する。
シャッタ6002は、収容部6001の底面に載置される。こうして、シャッタ6002は、収容部6001に対して前後方向にスライド移動自在に配置される。
また、大入賞口ソレノイド6003は、収容部6001に下方から取り付けられる。こうして、収容部6001の上側と下側(大入賞口ソレノイド6003の動力伝達部6034)とが、連通開口部6011を介して連通される。
また、リンクアーム6004の中央筒部6043には、収容部6001の支持軸6012が下方から相対回転可能に挿通される。こうして、リンクアーム6004は、収容部6001に対して、収容部6001の支持軸6012を中心として平面視で時計回り又は反時計回りに回動自在に支持される。
また、規制部材6005の中央筒部6053には、収容部6001のボス部6013が下方から相対回転可能に挿通される。こうして、規制部材6005は、収容部6001に対して、収容部6001のボス部6013を中心として平面視で時計回り又は反時計回りに回動自在に支持される。
次に、各種の部材の組み付け構成の詳細について説明する。
上述の如く、リンクアーム6004が収容部6001の支持軸6012に支持された状態において、リンクアーム6004の連結軸6045は、収容部6001の連通開口部6011を介して、当該収容部6001の下方へと突出される。リンクアーム6004の連結軸6045は、収容部6001の下方において、大入賞口ソレノイド6003の連結開口部6036に上方から挿通される。こうして、リンクアーム6004と大入賞口ソレノイド6003とが、連結軸6045と連結開口部6036を介して、連動可能に連結される。
なお、図46(a)に示すように、リンクアーム6004の連結軸6045は、大入賞口ソレノイド6003の連結開口部6036の左側縁部と当接するように配置される。すなわち、リンクアーム6004の連結軸6045は、大入賞口ソレノイド6003の連結開口部6036の右側縁部との間に、平面視で左右方向に隙間をあけて配置される。
また、リンクアーム6004が収容部6001の支持軸6012に支持された状態において、リンクアーム6004の連結開口部6044には、シャッタ6002の連結軸6023が下方から挿通される。こうして、リンクアーム6004とシャッタ6002とが、連結開口部6044と連結軸6023を介して、連動可能に連結される。
また、リンクアーム6004が収容部6001の支持軸6012に支持された状態において、リンクアーム6004の規制突起部6046は、規制部材6005の規制ブロック部6054と当接される。
なお、図46(a)に示すように、リンクアーム6004の規制突起部6046の後側面と、規制部材6005の規制ブロック部6054の前側面とは、互いに平行となる平面であるため、(点接触ではなく)面接触している。
また、リンクアーム6004が収容部6001の支持軸6012に支持された状態において、図46(a)及び(b)に示すにように、収容部6001のボス部6013は、規制部材6005の中央筒部6053の左側縁部と当接するように配置される。
また、規制部材6005が収容部6001のボス部6013に支持された状態において、規制部材6005の連結軸6055は、収容部6001の連通開口部6011を介して、当該収容部6001の下方へと突出される。規制部材6005の連結軸6055は、収容部6001の下方において、大入賞口ソレノイド6003の連結突起部6037(すなわち、連結突起部6037が有する隙間)に上方から挿通される。こうして、リンクアーム6004と規制部材6005が、連結軸6055と連結突起部6037を介して、連動可能に連結される。
なお、図46(b)に示すように、規制部材6005の連結軸6055は、大入賞口ソレノイド6003の連結突起部6037(すなわち、連結突起部6037が有する隙間)の前部に配置される。
また、規制部材6005が収容部6001のボス部6013に支持された状態において、規制部材6005の誘導軸6056は、収容部6001の誘導開口部6014に上方から挿通される。
なお、図46(b)に示すように、規制部材6005の誘導軸6056は、収容部6001の誘導開口部6014の第一誘導開口部6016及び第二誘導開口部6017のうち、第一誘導開口部6016内に位置するように(より詳細には、第一誘導開口部6016の右端部と当接するように)配置される。
このように、上述の如く規制部材6005の中央筒部6053の左側縁部が収容部6001のボス部6013と当接している状態においては、規制部材6005の誘導軸6056が第一誘導開口部6016の右端部と当接している状態となる。
以下では、図46及び図50を用いて、シャッタ6002が閉鎖状態である場合における、規制部材6005及び収容部6001の誘導開口部6014(ロック手段)によるシャッタ6002の意図せぬ開放(より詳細には、リンクアーム6004の意図せぬ回動及びシャッタ6002の意図せぬ移動)の規制について詳細に説明する。
なお、本実施形態において、シャッタ6002の意図せぬ開放とは、大入賞口ソレノイド6003により発生した動力に応じた開放ではなく、シャッタ6002に直接付与された外力(例えば、シャッタ6002への遊技球の衝突や、不正行為者によって行われたシャッタ6002への不正行為)に応じた開放を指すものである。
なお、以下の説明において、各部材の回転方向は、特に断りが無い限り、平面視を基準としている。また、以下の説明において、規制部材6005及び収容部6001の誘導開口部6014(ロック手段)によりシャッタ6002の意図せぬ開放が規制された状態を「ロック状態」と称する。
上述の如く組み付けが行われた特別電動役物6000において、シャッタ6002に直接外力(シャッタ6002を後方へスライド移動させるような力)が付与されると、連結開口部6044と連結軸6023を介して、シャッタ6002からリンクアーム6004に時計回りに回動するような力が伝達される。
なお、図46(a)に示すように、リンクアーム6004の規制突起部6046は、後方(すなわち、リンクアームが時計回りに回動する場合の移動方向)において規制部材6005の規制ブロック部6054と当接される。したがって、シャッタ6002からリンクアーム6004に時計回りに回動するような力が伝達されると、規制突起部6046と規制ブロック部6054とを介して、リンクアーム6004から規制部材6005に反時計回りに回動するような力が伝達される。
ここで、図46(b)に示すように、規制部材6005の誘導軸6056は、第一誘導開口部6016内に位置するように(より詳細には、第一誘導開口部6016の右端部と当接するように)配置されている。すなわち、規制部材6005の誘導軸6056の前方(規制部材6005が反時計回りに回動する場合の移動方向)には、第一誘導開口部6016の縁部(以下、前側縁部)が配置される。したがって、図50(a)に示すように、リンクアーム6004から規制部材6005に反時計回りに回動するような力が伝達された場合であっても、規制部材6005の誘導軸6056が第一誘導開口部6016の前側縁部と干渉するため、当該規制部材6005は回動することができない。
このように、規制部材6005が回動することができないため、当該規制部材6005へと力を伝達しているリンクアーム6004も回動することができない。また、リンクアーム6004が回動することができないため、当該リンクアーム6004へと力を伝達しているシャッタ6002も移動することができない。すなわち、シャッタ6002に直接外力が付与された場合であっても、当該シャッタ6002は外力に抗って後方へと移動せず、閉鎖状態を維持することができる。
以上のように、規制部材6005の誘導軸6056が第一誘導開口部6016内に位置する場合には、規制部材6005及び収容部6001の誘導開口部6014(ロック手段)によって、シャッタ6002の意図せぬ開放(より詳細には、リンクアーム6004の意図せぬ回動及びシャッタ6002の意図せぬ移動)が規制された状態(ロック状態)となっている。
なお、ロック状態である場合に、リンクアーム6004から規制部材6005に反時計回りに回動するような力が伝達されると、リンクアーム6004の規制突起部6046の後側面と規制ブロック部6054の前側面とが互いに比較的強い力で押圧することとなる。しかしながら、リンクアーム6004の規制突起部6046の後側面と、規制部材6005の規制ブロック部6054の前側面とは、上述の如く互いに点接触ではなく面接触しているため、それぞれの耐久性を向上させることができる。
以下では、図46〜図50を用いて、シャッタ6002が閉鎖状態である場合において、大入賞口ソレノイド6003により発生した動力に応じてシャッタ6002が開放される構成について詳細に説明する。
なお、後述するように、大入賞口ソレノイド6003により発生した動力に応じてシャッタ6002が開放される場合は、当該シャッタ6002に直接外力が付与された場合とは異なり、規制部材6005及び収容部6001の誘導開口部6014(ロック手段)によるロック状態が解除されることとなる。
規制部材6005の誘導軸6056が第一誘導開口部6016内に位置する場合(シャッタ6002が閉鎖状態である場合)において、シャッタ6002を開放させる場合、大入賞口ソレノイド6003の動力発生部6032に通電が行われる。動力発生部6032に通電が行われると、図46及び図47に示すように、プランジャ6033の左方への移動が開始され、大入賞口ソレノイド6003による動力が発生される。また、プランジャ6033の左方への移動が開始されると、当該プランジャ6033の右端部に固定された動力伝達部6034(連結開口部6036及び連結突起部6037)も同様に左方へ移動する。
動力伝達部6034の連結突起部6037が左方へ移動すると、当該連結突起部6037と規制部材6005の連結軸6055を介して、大入賞口ソレノイド6003からの動力が規制部材6005へと伝達される。具体的には、動力伝達部6034の連結突起部6037が、規制部材6005の連結軸6055を左方へと押圧する。こうして、大入賞口ソレノイド6003からの動力が伝達されると、規制部材6005は収容部6001に対して左方へ移動する。
具体的には、規制部材6005の中央筒部6053は、収容部6001のボス部6013に対して左方へ移動し、当該中央筒部6053の右側縁部がボス部6013に当接する。また、規制部材6005の誘導軸6056は、収容部6001の第一誘導開口部6016に対して左方へ移動し、当該第一誘導開口部6016の左端部(第二誘導開口部6017の後端部)に当接する。
なお以下では、規制部材6005の中央筒部6053の右側縁部をボス部6013に当接させるまでの動力伝達部6034の移動(規制部材6005の誘導軸6056を収容部6001の第一誘導開口部6016の左端部に当接させるまでの移動)を、「動力伝達部6034の第一の移動」と称する。また、規制部材6005の中央筒部6053の右側縁部をボス部6013に当接させた後の動力伝達部6034の移動(規制部材6005の誘導軸6056を収容部6001の第一誘導開口部6016の左端部に当接させた後の移動)を、「動力伝達部6034の第二の移動」と称する。
また、動力伝達部6034の第一の移動によって当該動力伝達部6034の連結開口部6036が左方へ移動すると、当該連結開口部6036は、リンクアーム6004の連結軸6045に対して左方へ移動し、当該連結開口部6036の右側縁部が連結軸6045に当接する。なお、動力伝達部6034の第一の移動において、動力伝達部6034の連結開口部6036は、移動の途中でリンクアーム6004の連結軸6045を何ら押圧しない。すなわち、動力伝達部6034の第一の移動においては、リンクアーム6004には、大入賞口ソレノイド6003からの動力は伝達されない。
なお、動力伝達部6034の第一の移動においては、規制部材6005の誘導軸6056が第一誘導開口部6016の左端部(第二誘導開口部6017の後端部)に当接するタイミングと、規制部材6005の中央筒部6053の右側縁部がボス部6013に当接するタイミングと、動力伝達部6034の連結開口部6036の右側縁部がリンクアーム6004の連結軸6045に当接するタイミングとは、全て略同一に設定される。
また、動力伝達部6034の第一の移動においては、規制部材6005の誘導軸6056が第一誘導開口部6016内に位置し、当該誘導軸6056の前方(規制部材6005が反時計回りに回動する場合の移動方向)には、第一誘導開口部6016の前側縁部が配置される。すなわち、動力伝達部6034の第一の移動においては、リンクアーム6004から規制部材6005に反時計回りに回動するような力が伝達された場合であっても、規制部材6005の誘導軸6056が第一誘導開口部6016の前側縁部と干渉するため、規制部材6005及び収容部6001の誘導開口部6014(ロック手段)によるロック状態が継続されることとなる。
また、上述の如く、動力伝達部6034の第一の移動においては、リンクアーム6004には、大入賞口ソレノイド6003からの動力が伝達されない。すなわち、大入賞口ソレノイド6003からの動力は、動力伝達部6034から規制部材6005へと伝達されるものの、他の部材(例えば、リンクアーム6004)へと伝達されない。こうして、規制部材6005は左方へと移動するものの、リンクアーム6004及びシャッタ6002は、何れの方向にも回動(移動)せず、シャッタ6002が閉鎖状態である場合の姿勢を維持することとなる。
このような状態において、図47及び図48に示すように、動力伝達部6034がさらに左方へ移動すると(動力伝達部6034が第二の移動を行うと)、動力伝達部6034の連結突起部6037及び規制部材6005の連結軸6055を介して、大入賞口ソレノイド6003からの動力が規制部材6005へと伝達される。具体的には、動力伝達部6034の連結突起部6037が、規制部材6005の連結軸6055を左方へと押圧する。
ここで、動力伝達部6034が第二の移動を行う場合、規制部材6005の中央筒部6053の右側縁部がボス部6013に当接されている。すなわち、規制部材6005の中央筒部6053は、収容部6001のボス部6013に対して左方へ移動することができない。したがって、連結突起部6037が規制部材6005の連結軸6055を左方へと押圧すると、規制部材6005は、収容部6001のボス部6013を中心として反時計回りへ回動しようとする。
また、動力伝達部6034が第二の移動を行う場合、規制部材6005の誘導軸6056が収容部6001の第一誘導開口部6016の左端部(第二誘導開口部6017の後端部)に当接されている。なお、第二誘導開口部6017は、ボス部6013の中心Pを中心とした仮想円の一部と重複するように形成される。すなわち、規制部材6005の誘導軸6056の前方(規制部材6005が反時計回りに回動する場合の移動方向)には、当該誘導軸6056が移動する軌跡に沿った開口部が形成されている(誘導軸6056が移動する場合に干渉するものがない)。
こうして、連結突起部6037が規制部材6005の連結軸6055を左方へと押圧して、規制部材6005が、収容部6001のボス部6013を中心として反時計回りへ回動しようとすると、図50(b)に示すように、規制部材6005の誘導軸6056が収容部6001の第二誘導開口部6017により誘導され、当該第二誘導開口部6017を前方へ向けて移動していく。なお、規制部材6005が、収容部6001のボス部6013を中心として反時計回りへ回動しようとすると、規制部材6005の連結軸6055は、動力伝達部6034に対して相対的に後方へと移動していく。
なお、規制部材6005は、上述の如く動力伝達部6034が第一の移動を行う場合と、動力伝達部6034が第二の移動を行う場合とで、回動中心の位置を左右方向に異ならせている。具体的には、動力伝達部6034が第一の移動を行う場合には、規制部材6005の中央筒部6053の左側縁部と当接された収容部6001のボス部6013を回動中心の位置とする。また、動力伝達部6034が第二の移動を行う場合には、規制部材6005の中央筒部6053の右側縁部と当接された収容部6001のボス部6013を回動中心の位置とする。
こうして、規制部材6005は、回動中心の位置を異ならせることによって、誘導軸6056の前方(規制部材6005が反時計回りに回動する場合の移動方向)に、第一誘導開口部6016の前側縁部があるか、又は第二誘導開口部6017が延びているのかを切り替えている。
このように、動力伝達部6034が第二の移動を行う場合、規制部材6005及び収容部6001の誘導開口部6014(ロック手段)のロック状態が解除され、当該規制部材6005の誘導軸6056が収容部6001の第二誘導開口部6017を前方へ向けて移動することができる。すなわち、動力伝達部6034の連結突起部6037が規制部材6005の連結軸6055を左方へと押圧することによって、規制部材6005が、収容部6001のボス部6013を中心として反時計回りへ回動する。
また、動力伝達部6034が第二の移動を行う場合、動力伝達部6034の連結開口部6036の右側縁部がリンクアーム6004の連結軸6045に当接されている。すなわち、動力伝達部6034の連結開口部6036及びリンクアーム6004の連結軸6045を介して、大入賞口ソレノイド6003からの動力がリンクアーム6004へと伝達される。具体的には、動力伝達部6034の連結開口部6036が、リンクアーム6004の連結軸6045を左方へと押圧する。こうして、動力伝達部6034の連結開口部6036がリンクアーム6004の連結軸6045を左方へと押圧すると、リンクアーム6004は、反時計回りへ回動しようとする。
なお、動力伝達部6034が第一の移動を行っている場合(ロック状態である場合)において、リンクアーム6004が反時計回りへ回動しようとした場合、すなわちリンクアーム6004の規制突起部6046と規制部材6005の規制ブロック部6054とを介して、リンクアーム6004から規制部材6005に反時計回りに回動するような力が伝達された場合に、規制部材6005の誘導軸6056が第一誘導開口部6016の前側縁部と干渉するため、当該規制部材6005は回動することができなかった。
しかし、動力伝達部6034が第二の移動を行う場合、上述の如く規制部材6005の誘導軸6056が収容部6001の第二誘導開口部6017を前方へ向けて移動することができるため、規制部材6005の規制ブロック部6054も後方へ移動することとなる。なお、規制部材6005の規制ブロック部6054は、後方へ移動すると、リンクアーム6004の規制突起部6046から離間する方向へ移動することとなる。
したがって、動力伝達部6034が第二の移動を行う場合において、リンクアーム6004が反時計回りへ回動しようとした場合には、リンクアーム6004の規制突起部6046と規制部材6005の規制ブロック部6054と干渉しない。すなわち、リンクアーム6004は、反時計回りに回動することができる。
また、リンクアーム6004が反時計回りに回動すると、リンクアーム6004の連結開口部6044及びシャッタ6002の連結軸6023を介して、大入賞口ソレノイド6003からの動力がシャッタ6002へと伝達される。具体的には、リンクアーム6004の連結開口部6044が、シャッタ6002の連結軸6023を後方へと押圧する。こうして、リンクアーム6004の連結開口部6044がシャッタ6002の連結軸6023を後方へと押圧すると、シャッタ6002は後方へとスライド移動を開始する。
動力伝達部6034の第二の移動は、図49に示すように、規制部材6005の誘導軸6056が収容部6001の第二誘導開口部6017の前端部に到達した場合に終了する。こうして、規制部材6005の誘導軸6056が収容部6001の第二誘導開口部6017の前端部に到達した場合、シャッタ6002は開放状態となる。
なお、上述の如く、シャッタ6002が閉鎖状態から開放される構成について説明したが、シャッタ6002が開放状態から閉鎖される場合は、大入賞口ソレノイド6003の通電が停止された後、シャッタ6002が開放される場合とは逆の順序で、各種の部材(シャッタ6002、大入賞口ソレノイド6003、リンクアーム6004及び規制部材6005)がそれぞれ動作することとなる。
ここで、従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、例えば通過領域に対して遊技球の通過が容易となる位置と遊技球の通過が困難となる位置とに変位可能な変位部材を設ける技術は公知となっている。例えば、特開2008−307103号公報に記載の如くである。
特開2008−307103号公報に記載の技術においては、前記変位部材として入賞装置の扉部材が設けられる。また、扉部材を変位させる(開放させる位置と、閉鎖させる位置と、の間を往復移動させる)ための駆動源としては、ソレノイドが採用されている。
また、前記特開2008−307103号公報に記載の技術においては、ソレノイドの伝達手段に設けられたロック部と、扉部材に設けられた係合突起部と、が接触することで、前記閉鎖させる位置において扉部材が開放されることを規制(ロック)することができる。
しかしながら、ロック部と係合突起部とは互いの位置関係にある程度の正確さが求められるため、ソレノイドの経年劣化や、ソレノイドの駆動経路への異物の混入等があった場合には、互いに完全に接触しなくなる。このように、ロック部と係合突起部とが完全に接触しなくなると、閉鎖する位置において扉部材にガタが生じたり、扉部材が少しだけ開放されたりするおそれ(意図せぬ変位が行われる可能性)があり、不都合であった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、遊技球の通過が困難な位置に変位部材が変位されている場合に、当該変位部材の意図せぬ変位をより確実に規制することができる遊技機を提供することを目的とする。
以上のように、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、 遊技球が転動する遊技領域20を有する遊技盤17と、 前記遊技領域20に設けられ遊技球が通過可能な第二始動口440(通過領域)と、 前記第二始動口440(通過領域)に対して遊技球の通過が容易な位置と遊技球の通過が困難な位置とに変位可能な変位部材(シャッタ6002及びリンクアーム6004)と、 前記変位部材を駆動する大入賞口ソレノイド6003(駆動手段)と、 前記大入賞口ソレノイド6003(駆動手段)を制御可能な主制御回路100(駆動制御手段)と、を備えた遊技機であって、 前記変位部材が遊技球の通過が困難な位置に変位制御されている状態であり、かつ前記主制御回路100(駆動制御手段)が前記変位部材を遊技球の通過が容易な位置に変位させる制御を行っていない場合に、前記変位部材を遊技球の通過が困難な位置にてロック可能なロック手段(規制部材6005及び収容部6001の誘導開口部6014)を備え、 前記大入賞口ソレノイド6003(駆動手段)は、 動力を発生する動力発生部6032と、 前記変位部材の少なくとも一部と接することで、前記動力発生部6032により発生した動力を前記変位部材に伝達可能な動力伝達部6034と、を含み、 前記ロック手段は、 前記変位部材の少なくとも一部と接することで、前記変位部材の変位を規制する規制部材6005(規制部)と、前記規制部の変位経路を規定する誘導開口部6014(変位誘導部)と、を含み、前記変位経路は、第一誘導開口部6016(第1の変位区間)と、前記第一誘導開口部6016(第1の変位区間)とは異なる第二誘導開口部6017(第2の変位区間)とを含み、前記変位部材は、前記動力伝達部6034と少なくとも一部が接した状態で遊技球の通過が容易な位置と遊技球の通過が困難な位置とに変位制御され、前記規制部材6005(規制部)は、前記動力伝達部6034の変位に伴い前記誘導開口部6014(変位誘導部)に沿って変位制御可能であり、前記ロック手段は、前記規制部材6005(規制部)が前記第一誘導開口部6016(第1の変位区間)に位置する場合、前記変位部材のロック状態を維持し、前記規制部材6005(規制部)が前記第二誘導開口部6017(第2の変位区間)に位置する場合、前記変位部材のロック状態を解除するものである。
このような構成により、ロック手段(規制部材6005及び収容部6001の誘導開口部6014)は、例えば規制部材6005の誘導軸6056が第一誘導開口部6016の右端部に位置している場合だけでなく、誘導軸6056が第一誘導開口部6016内に位置している間には、変位部材(シャッタ6002及びリンクアーム6004)のロック状態を維持することができる。すなわち、規制部材6005及び収容部6001の誘導開口部6014の互いの位置関係が多少ずれた場合であっても(例えば、動力伝達部6034が正常な位置に配置されていなくとも)、当該ロック状態を維持することができる。したがって、遊技球の通過が困難な位置に変位部材(シャッタ6002及びリンクアーム6004)が変位されている場合に、当該変位部材(シャッタ6002及びリンクアーム6004)の意図せぬ変位をより確実に規制することができる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1において、前記規制部材6005(規制部)の変位には、移動及び回動が含まれ、前記ロック手段は、前記規制部材6005(規制部)が前記第一誘導開口部6016(第1の変位区間)に位置する場合、前記規制部材6005(規制部)の移動が可能な状態のまま、前記規制部材6005(規制部)の回動を規制してロック状態を維持し、前記規制部材6005(規制部)が前記第二誘導開口部6017(第2の変位区間)に位置する場合、前記規制部材6005(規制部)の回動中心の位置を前記規制部材6005(規制部)が前記第一誘導開口部6016(第1の変位区間)に位置する場合と異ならせることにより、前記規制部材6005(規制部)の回動を可能として前記ロック状態を解除するものである。
このような構成により、一つの部材である規制部材6005(規制部)が、2つの動作(移動及び回動)の組み合わせによってロック状態の維持と解除とを切り替えることができる。こうして、例えば2つの動作(移動及び回動)を行う部材をそれぞれ設ける場合と比較すると、部品点数の削減を図ることができる。特に本実施形態のように特別電動役物においては、部品の配置スペースが制限されるものであるため、このような構成を有することは有益である。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1において、 前記変位部材は、遊技球を誘導するシャッタ6002(遊技球誘導部)と、前記遊技球誘導部に接続されるリンクアーム6004(リンク部)とを含み、前記動力伝達部6034は、前記リンクアーム6004(リンク部)に接しているものである。
このような構成により、動力伝達部6034は、シャッタ6002(遊技球誘導部)ではなくリンクアーム6004(リンク部)と接しているため、当該シャッタ6002(遊技球誘導部)と直接接することなく、当該シャッタ6002(遊技球誘導部)をロック状態とすることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、ロック状態とする対象として特別電動役物6000を例にあげて説明を行ったが、ロック状態とする対象は、これに限定されず、普通電動役物等であってもよい。
また、動力伝達部6034の第一の移動が終了した場合、規制部材6005の規制ブロック部6054がリンクアーム6004に対して左方へ移動する。このように、規制部材6005の規制ブロック部6054がリンクアーム6004に対して左方へ移動した場合には、リンクアーム6004の規制突起部6046と規制部材6005の規制ブロック部6054との当接された状態を解除することができる。すなわち、リンクアーム6004の規制突起部6046と規制部材6005の規制ブロック部6054とが、前後方向に重複しないように配置することができる。
このような構成によれば、動力伝達部6034が第二の移動を行う場合において、リンクアーム6004が反時計回りへ回動しようとした場合に、リンクアーム6004の規制突起部6046と規制部材6005の規制ブロック部6054との干渉(リンクアーム6004の回動の規制)をより確実に防止することができる。
また、動力伝達部6034の第一の移動が終了した場合であっても、リンクアーム6004の規制突起部6046と規制部材6005の規制ブロック部6054との当接された状態を維持し、リンクアーム6004が反時計回りへ回動しようとした場合に、リンクアーム6004の規制突起部6046が規制部材6005の規制ブロック部6054を押圧することによって、規制部材6005の回動を補助を行うこともできる。
また、誘導開口部6014(第一誘導開口部6016及び第二誘導開口部6017)の構成は、本実施形態の構成に限定されない。例えば、誘導開口部6014(変位誘導部)は、動力伝達部6034が第一の移動を行っている場合(ロック状態である場合)において、リンクアーム6004が反時計回りへ回動しようとした場合に、誘導軸6056の前方(規制部材6005が反時計回りに回動する場合の移動方向)に当該誘導軸6056の移動を干渉するように形成されていればよい。なお、誘導軸6056の移動を円滑に促す観点においては、誘導軸6056の移動経路に沿って形成された本実施形態に係る構成が望ましい。
[普通電動役物ユニット400の構成]
図51及び図52を参照して、普通電動役物ユニット400の構成について簡単に説明する。図51は、普通電動役物ユニット400を前方右斜め上から見た分解斜視図の一例である。図52は、普通電動役物ユニット400を後方左(正面視における左)斜め上から見た分解斜視図の一例である。
普通電動役物ユニット400は、遊技領域20内の液晶表示装置16の左下方に取付固定される。普通電動役物ユニット400は、一般入賞口53,54,55と、第二始動口440と、第二始動口440への遊技球の入賞を検知する第二始動口スイッチ441と、アウト口450と、第二始動口440に入賞した遊技球及びアウト口450に受け入れられた遊技球を受け入れてパチンコ遊技機1の外に排出する収容部材443と、第二始動口440及びアウト口450の前面に設けられる前カバー445と、普通電動役物460とを備える。第二始動口440及びアウト口450は、板状の開口形成部材420に形成されている。この開口形成部材420には、後述する羽根部材4620の回転軸4622が貫通する孔442が形成されている。
第二始動口440とアウト口450とは隣接して配置されており、正面視で右側に第二始動口440が配置され、正面視で左側にアウト口450が配置されている。
前カバー445の背面には、第二始動口440とアウト口450を仕切る壁4452が形成されている。この壁4452は、羽根部材4620が開放されたときに当該羽根部材4620の上部を通過した遊技球(第二始動口440に入賞する遊技球)がアウト口450に受け入れられることを阻止するとともに、羽根部材4620が開放されていないときに遊技球が第二始動口440に入賞することを阻止する機能を有する。
第二始動口スイッチ441は、第二始動口440に入賞した遊技球を検知できるように、第二始動口440の背面側に配置される。
収容部材443は、第二始動口440及びアウト口450それぞれに対応する部位に開口4434及び開口4436が設けられており、第二始動口440に入賞して第二始動口スイッチ441に検知された遊技球は開口4434に収容され、アウト口450に受け入れられた遊技球は開口4436に収容される。開口4434,4436に収容された遊技球は、図示しない島設備に設けられた遊技球循環設備に回収される。また、収容部材443は、後述する羽根部材4620の回転軸4622が貫通する孔4432を有する。
[普通電動役物460の構成]
図51〜図55を参照して、普通電動役物460の構成について説明する。図53は、普通電動役物460と、第二始動口スイッチ441と、収容部材443とを示す図の一例である。図54は、普通電動役物460の背面図の一例である。図55は、普通電動役物460を右斜め上から見た背面図の一例である。
普通電動役物460は、ベースカバー4610と、羽根部材4620と、始動口ソレノイド4630と、始動口ソレノイド4630からの動力を羽根部材4620に伝達する動力伝達機構4640とを備える。
ベースカバー4610は、収容部材443との間で始動口ソレノイド4630及び動力伝達機構4640を収容した上で、開口形成部材420の背面側に取り付けられる。ベースカバー4610の背面側は、上述した透明パネル172に取付固定される。ベースカバー4610の正面側には、左右方向に長いガイド溝4612が形成されている。また、ベースカバー4610の正面側には、後述するピン4648を回転可能に軸支する軸受(図示せず)が形成されている。
羽根部材4620は、紙面下方に回転軸4622が設けられている。この回転軸4622は、開口形成部材420に形成された孔442及び収容部材443に形成された孔4432を貫通した上で、後述する羽根連結部材4642の軸受46444に回転可能に軸支される。回転軸4622は、羽根連結部材4642の軸受46444に軸支される部分が切り欠かれており、軸方向の断面形状が非円形となっている。また、動力伝達機構4640によって始動口ソレノイド4630からの動力が回転力として回転軸4622に伝達されると、羽根部材4620は、回転軸4622を回転中心として回転する。本実施の形態では、羽根部材4620は、起立しているときは閉鎖状態であり、閉鎖状態かから回転軸4622を回転中心として右方向に回転すると開放状態となる。
始動口ソレノイド4630は、正面視で左右方向に伸縮するプランジャ4632を備えており、プランジャ4632の先端(正面視右側の先端)にはフランジ4634を有する。始動口ソレノイド4630は、通常(非励磁)はプランジャ4632が正面視右方向に伸びた状態であり、励磁されるとプランジャ4632が正面視左方向(縮方向)に移動する。
動力伝達機構4640は、始動口ソレノイド4630のプランジャ4632が左右方向に伸縮することに伴って、かかる動力を羽根部材4620の回転軸4622に回転力に変換して伝達するものである。動力伝達機構4640は、羽根部材4620の回転軸4622に連結される羽根連結部材4642と、始動口ソレノイド4630のプランジャ4632の先端のフランジ4634に連結されるとともにフランジ連結部材4646と、羽根連結部材4642とフランジ連結部材4646との間に設けられるリンク部材4644とを備える。
羽根連結部材4642は、羽根部材4620の回転軸4622を軸支する軸受46444を有する。羽根連結部材4642の軸受46444は、軸支する回転軸4622の形状に対応している。そのため、羽根連結部材4642は、回転軸4622を回転中心として当該回転軸4622とともに回転するようになっている。また、羽根連結部材4642は、背面側に突出する支軸46426を有する。この支軸46426は、軸受46424に軸支される回転軸4622を中心として周回可能となっている。
リンク部材4644は、正面視で反く字状の部材であり、正面視下方の端部には長穴46442が形成されている。この長穴46442には、羽根連結部材4642の支軸46426が摺動可能に連結される。リンク部材4644の正面視上方の端部には、背面側に突出する支軸46446が形成されている。支軸46446の下方には、背面側に突出する係合軸46448が形成されている。リンク部材4644の中央部(く字の角度が変わる部位)には、ピン4648を回転可能に軸支する軸受46444が形成されている。リンク部材4644は、軸受46444に軸支されるピン4648を回転中心として回転可能となっている。軸受46444に軸支されるピン4648を回転中心としてリンク部材4644が回転すると、支軸46446及び係合軸46448も、軸受46444に軸支されるピン4648を回転中心として回転する。
フランジ連結部材4646は、フランジ挟持部46462と、連結孔46464と、係合溝46466とを有する。フランジ挟持部46462は、始動口ソレノイド4630のプランジャ4632の先端のフランジ4634を挟持しており、プランジャ4632の伸縮に伴ってフランジ連結部材4646がプランジャ4632の伸縮方向に移動する。連結孔46464には、リンク部材4644の支軸46446が当該連結孔46464内を移動できるように連結される。係合溝46466には、リンク部材4644の係合軸46448が係合される。ここで、係合軸46448は、長手方向を横切る断面の形状が、尖端部を有する雫形状となっている。そして、リンク部材4644は、この先端部において係合溝46466に係合する。また、フランジ連結部材4646は、背面側(ベースカバー4610側)に、左右方向に長いガイド片46468が形成されている。このガイド片46468は、ベースカバー4610に形成されたガイド溝4612にガイドされる。
[普通電動役物460の動作説明]
次に、図51〜図57を参照して、普通電動役物460の動作について説明する。図56は、羽根部材4620が閉鎖状態であるときの普通電動役物460の態様(一点鎖線で図示)と、羽根部材4620が閉鎖状態から開放状態に向けて移行中の状態であるときの普通電動役物460の態様(実線で図示)とを示す背面図の一例である。図57は、羽根部材4620が移行中の状態であるときの普通電動役物460の態様(一点鎖線で図示)と、羽根部材4620が開放状態であるときの普通電動役物460の態様(実線で図示)とを示す背面図の一例である。
始動口ソレノイド4630が励磁されると、プランジャ4632が縮方向(正面視で左方向(図56及び図57の右方向))に移動する。プランジャ4632が縮方向に移動すると、フランジ4634(図51,図52参照)が縮方向に移動する。フランジ4634が縮方向に移動すると、フランジ4634をフランジ挟持部46462で挟持するフランジ連結部材4646が縮方向に移動する。フランジ連結部材4646が縮方向に移動すると、フランジ連結部材4646の係合溝46466に係合されているリンク部材4644の係合軸46448の係合が外れる。フランジ連結部材4646の係合溝46466に係合されているリンク部材4644の係合軸46448の係合が外れると、ピン挿入孔46444に軸支されるピン4648を回転中心としてリンク部材4644が正面視で反時計周り(図56及び図57の時計周り)に回転する。なお、このときリンク部材4644は、フランジ連結部材4646の連結孔46464内を下方に移動できるようになっている。ピン挿入孔46444に軸支されるピン4648を回転中心としてリンク部材4644が正面視で反時計周りに回転すると、羽根連結部材4642の長穴46442内を摺動可能に連結される支軸46426が回転軸4622を回転中心として羽根連結部材4642が時計周りに周回し、羽根部材4620が開放状態に向けて作動する。
開放状態から閉鎖状態に向けての羽根部材4620の作動は、始動口ソレノイド4630が非励磁となることでプランジャ4632が伸びる方向に移動し、閉鎖状態から開放状態に向けての作動と反対の動きによって行われる。なお、開放状態から閉鎖状態に向けて羽根部材4620の作動時に係合溝46466への係合軸46448の係合がスムーズに行われるように、係合軸46448と接触する係合溝46466の部位が正面視で右斜め下方向(図56及び図57の左斜め下方向)に向けて傾斜している。
[普通電動役物460の機能説明]
次に、図58を参照して、普通電動役物460の機能について説明する。図58は、フランジ連結部材4646の機能を説明するための羽根部材4620及び動力伝達機構4640の背面図であって、(A)羽根部材4620の開放が阻止されていることを説明するための図、(B)羽根部材4620の開放が許容されていることを説明するための図である。なお、図58(A)及び(B)では始動口ソレノイド4630の図示を省略している。
羽根部材4620が閉鎖状態であるとき(始動口ソレノイド4630のプランジャ4632(いずれも、例えば図56参照)が非励磁であるとき)、リンク部材4644の係合軸46448が係合溝46466に係合しているため、リンク部材4644が回転(ピン挿入孔46444に軸支されるピン4648を回転中心として回転)することができない(図58(a)参照)。そのため、プランジャ4632が縮方向に移動しない限り(故障等の特殊事情を除いて始動口ソレノイド4630が励磁されない限り)、羽根部材4620を開放させようとしても開放させることができない。したがって、外部から力を加えて羽根部材4620を不正に開放させようとしてもこれを阻止することができる。
一方、始動口ソレノイド4630が励磁されると、上述したとおりプランジャ4632が縮方向に移動し、係合軸46448と係合溝46466との係合が解除され、羽根部材4620が開放される(図58(b)参照)。
このようにして、係合軸46448を構成するリンク部材4644と、係合溝46466を構成するフランジ連結部材4646と、始動口ソレノイド4630とは、羽根部材4620が不正に開放されることを阻止する不正開放阻止手段として機能する。
[上部前面役物1000の構成]
図59〜図62を参照して、上部前面役物1000の構成について説明する。図59は、通常態様(原点位置にあるときの態様)における上部前面役物1000の正面図の一例である。図60は、通常態様における上部前面役物1000の背面図の一例である。図61は、上部前面役物1000を前方右斜め上から見た分解斜視図の一例である。図62は、上部前面役物1000を後方左(正面視における左)斜め上から見た分解斜視図の一例である。
上部前面役物1000は、上部前面役物1000を構成する各種部材が取り付けられるベース板1010と、ベース板1010の前面側に取付固定される装飾プレート1030と、ベース板1010に対して作動可能に構成される可動装飾体1040と、可動装飾体1040を作動させるための駆動源としての駆動モータ1050と、駆動モータ1050の動力を可動装飾体1040に伝達することが可能な複数のギア1060と、これら複数のギア1060を介して駆動モータ1050からの動力を可動装飾体1040に伝達する力伝達部材1020と、可動装飾体1040を原点位置に向けて付勢する弾性部材の一例としてのコイルバネ1070と、可動装飾体1040の位置を検知するフォトセンサ1080(図62参照)とを備える。なお、ギア1060及び力伝達部材1020は、駆動モータ1050の動力を可動装飾体1040に伝達する力伝達機構として機能する。
ベース板1010は、上部背面役物1100よりも前方側に位置するように、上述した裏ユニット176のリアボックス1800の上部に取付固定される板状部材である。ベース板1010の前面側には、力伝達部材1020の各種部材と連結される第1支軸1011、第2支軸1012、第3支軸1013及び第4支軸1014が形成されている。また、ベース板1010には、可動装飾体1040が原点位置にあるときに、後述する第1伝達部材1022の軸受10226が位置する部位に形成された切欠部1016と、可動装飾体1040が原点位置にあるときに当該可動装飾体1040の裏面側に形成された後述するコイルバネ支軸1042(コイルバネ1070の下方側端部)に対応する位置に形成された切欠部1017とが形成されている。この明細書において、切欠部1016及び切欠部1017を、それぞれ、背面側第1切欠部1016及び背面側第2切欠部1017と称する。さらに、ベース板1010には、後述する第1ギア1062の中心に形成される中空のボス10662を軸支する軸受1054と、後述する第4ギア1067のボス10672の可動範囲に対応する孔1015と、後述する位置検出用ギア1068の位置検出片10682の可動範囲に対応する孔1018とが形成されている。
装飾プレート1030は、図示していないが前面側に装飾が施されている。装飾プレート1030には、可動装飾体1040が原点位置にあるときに、後述する第1伝達部材1022の軸受10226が位置する部位(背面側第1切欠部1016に対応する前方側の位置)に形成された切欠部1036と、コイルバネ1070の下方側端部が位置する部位(背面側第2切欠部1017に対応する前方側の位置)に形成された切欠部1038とが形成されている。この明細書において、切欠部1036及び切欠部1038を、それぞれ、前面側第1切欠部1036及び前面側第2切欠部1038と称する。
可動装飾体1040は、コイルバネ1070の下方側端部に連結されるコイルバネ支軸1042と、後述する第1伝達部材1022の軸受10226に軸支される第1伝達部材側支軸1044と、後述する第2伝達部材1026の軸受10264に軸支される第2伝達部材側支軸1046とが形成されている。
駆動モータ1050は、モータ取付部材1054を介してベース板1010に取付固定される。また、駆動モータ1050は、減速機付きのモータであり、駆動モータ1050の回転速度が減速されてモータ出力軸1052から動力が出力される。
ギア1060は、第1ギア1062、第2ギア1064、第3ギア1066、第4ギア1067及び位置検出用ギア1068を備える。これらのギアのうち、第1ギア1062、第2ギア1064、第3ギア1066及び第4ギア1067は、モータ出力軸1052から出力される動力を力伝達部材1020に伝達する機能を有するが、位置検出用ギア1068はそのような機能を有さない。
第1ギア1062の中心には、中空軸10622が形成されている。この中空軸10622にはモータ出力軸1052が圧入される。これにより、駆動モータ1050が回転すると、第1ギア1062は、当該第1ギア1062の中心(モータ出力軸1052)を回転中心として回転する。
第4ギア1067には、中心10674から径方向に所定距離離れた前面側の部位にボス10672が形成されている。位置検出用ギア1068には、中心10684から径方向に所定距離離れた前面側の部位に位置検出片10682が形成されている。位置検出用ギア1068は、第4ギア1067と径が略同じである。そのため、位置検出用ギア1068は、第4ギア1067の回転と同期して反対方向に同じ回転角度だけ回転する。このようにして、可動装飾体1040の位置を検知できるようになっている。本実施形態では、可動装飾体1040の位置検出は、原点位置にあるか否かを検知している。
力伝達部材1020は、駆動モータ1050からの動力がギア1060を介して伝達される第1伝達部材1022と、第1伝達部材1022に伝達された動力が伝達されるラック1024と、第1伝達部材1022からの動力がラック1024を介して伝達される第2伝達部材1026とを備える。
第1伝達部材1022は、扇型の板状部材であって、径方向の中心に軸受10222が形成されている。この軸受10222は、ベース板1010に形成された第1支軸1011を軸支する。第1伝達部材1022は、径方向の2つの辺1022a・1022bのうち、正面視左側の辺1022aに沿って、径方向の外側から内側(すなわち第1伝達部材1022の中心(軸受10222))に向かう方向に長穴10224が形成されている。この長穴10224には、孔1015を貫通する第4ギア1067のボス10672が長穴10224内を移動可能に連結される。第1伝達部材1022の径方向の2つの辺1022a・1022bのうち、正面視右側の辺1022bに沿った径方向外側の端部には、軸受10226が形成されている。この軸受10226は、可動装飾体1040に形成された支軸1044を軸支する。第1伝達部材1022の辺1022bは、可動装飾体1040が原点位置にあるときに略水平となる。また、第1伝達部材1022は、第1支軸1011(軸受10222)と同軸で、当該第1伝達部材1022の回転に同期して回転するギア10228を備える。
第2伝達部材1026は、可動装飾体1040が原点位置にあるときに略水平となる棒状の部材であって、正面視左側の端部に軸受10262が形成されるとともに、正面視右側端部に軸受10264が形成されている。軸受10262は、ベース板1010の第4支軸1014を軸支する。軸受10264は、可動装飾体1040の支軸1046を軸支する。また、第2伝達部材1026は、第4支軸1014(軸受10262)と同軸のギア10266を備える。このギア10266は、第1伝達部材1022に設けられたギア10228と径が略同じである。
第1伝達部材1022と第2伝達部材1026との間には、第1伝達部材1022から第2伝達部材1026に動力を伝達するラック1024が設けられている。ラック1024は、略水平に設けられる棒状の部材であって、正面視右側(第1伝達部材1022側)にギア10244が形成されており、正面視左側(第2伝達部材1026側)にギア10248が形成されている。ギア10244は、ギア10228と噛み合っており、当該ギア10228の回転方向の動力を略水平方向に変換するものである。ギア10248は、ギア10244によって略水平方向に変換された動力をさらに回転方向に変換して第2伝達部材1026に伝達するものである。ラック1024は、正面視右側(ギア10244側)に略水平方向に長い長穴10242が形成されており、正面視左側(ギア10248側)に略水平方向に長い長穴10246が形成されている。長穴10242には、ベース板1010に形成された第2支軸1012が連結されており、長穴10246には、ベース板1010に形成された第3支軸1013が連結されている。
コイルバネ1070は、可動装飾体1040を原点位置に向けて付勢するものである。このコイルバネ1070は、上方側の端部がベース板1010の裏面側に取付固定され、下方側の端部が可動装飾体1040の裏面に形成されたコイルバネ支軸1042に取付固定される。可動装飾体1040が原点位置にあるとき、コイルバネ1070の下方側の端部が前面側第2切欠部1038及び背面側第2切欠部1017に位置する。
フォトセンサ1080は、ベース板1010に形成されたフォトセンサ配置領域1019に位置するように設けられる。フォトセンサ1080は、位置検出用ギア1068に設けられた位置検出片10682を検知することで、可動装飾体1040の位置を検知している。本実施形態では、可動装飾体1040が原点位置にあるときに、位置検出片10682を検知できるようにフォトセンサ1080が設けられている。
[上部前面役物1000の動作説明]
次に、図61〜図65を参照して、上部前面役物1000の動作について説明する。図63は、原点位置にある上部前面役物1000を示す正面図の一例である。図64は、可動装飾体1040が下方に向けて移動中の上部前面役物1000を示す正面図の一例である。図65は、可動装飾体1040が作動限界位置まで下方に向けて移動したときの上部前面役物1000を示す正面図の一例である。なお、図63〜図65では、各部材の動きが分かるように、力伝達部材1020の構成部材等を破線で示している。
原点位置に可動装飾体1040があるとき、駆動モータ1050が回転し、モータ出力軸1052が正面視で反時計周りに回転すると、これに伴って第1ギア1062が正面視で反時計周りに回転する。第1ギア1062が正面視で反時計周りに回転すると、第1ギア1062の歯と噛み合う第2ギア1064が正面視で時計周りに回転する。第2ギア1064が正面視で時計周りに回転すると、第2ギア1064の歯と噛み合う第3ギア1066が正面視で反時計周りに回転する。第3ギア1066が正面視で反時計周りに回転すると、第3ギア1066と噛み合う第4ギア1067が、当該第4ギア1067の中心10674を回転中心として正面視で時計周りに回転する。第4ギア1067が中心10674を回転中心として正面視で時計周りに回転すると、ボス10672も中心10674を回転中心として周方向に回転し、孔1015内に沿って時計周りに移動する。ボス10672は長穴10224内を移動可能に連結されているので、ボス10672が中心10674を回転中心として正面視で時計周りに回転すると、第1伝達部材1022(すなわちギア10228)が第1支軸1011(軸受10222)を回転中心として正面視で時計周りに回転する。第1伝達部材1022が第1支軸1011を回転中心として正面視で時計周りに回転すると、軸受10226に軸支される支軸1044が、第1支軸1011を回転中心として正面視で時計周りに移動する。
また、ギア10228が第1支軸1011を回転中心として正面視で時計周りに回転すると、ギア10228の動力がギア10244に伝達され、ラック1024が正面視で右方向に略水平に移動する。ここで、長穴10242に連結される第2支軸1012及び長穴10246に連結される第3支軸1013は、ラック1024を略水平方向に移動させるためのガイドとして機能する。ラック1024が正面視で右方向に略水平に移動すると、この動力がギア10266に伝達され、ギア10266は第4支軸1014(軸受10262)を回転中心として正面視で時計周りに回転する。ギア10266が第4支軸1014を回転中心として正面視で時計周りに回転すると、第2伝達部材1026が第4支軸1014(軸受10262)を回転中心として正面視で時計周りに回転する。第2伝達部材1026が第4支軸1014を回転中心として正面視で時計周りに回転すると、軸受10264に軸支される支軸1046が、第4支軸1014を回転中心として正面視で時計周りに移動する。
ここで、ギア10228とギア10266とは同じ径であるとともに、第1支軸1011(軸受10222)から支軸1044(軸受10226)までの距離と、第4支軸1014(軸受10262)から支軸1046(軸受10264)までの距離とが同じである。そのため、モータ出力軸1052が正面視で反時計周りに回転すると、支軸1044及び支軸1046が同期して、それぞれ、第1支軸1011及び第4支軸1014を回転中心として正面視で時計周りに作動する。その結果、可動装飾体1040が略水平状態を維持しつつ正面視で時計周りに弧を描きつつ下方(すなわち液晶表示装置16の表示領域の前面に向けて)に作動することとなる。
なお、第3ギア1066が正面視で反時計周りに回転すると、第3ギア1066と噛み合う位置検出用ギア1068についても、当該位置検出用ギア1068の中心10684を回転中心として正面視で時計周りに回転する。位置検出用ギア1068は第4ギア1067とは噛み合っていないが、第4ギア1067及び位置検出用ギア1068は、径が同じであるとともに、いずれも第3ギア1066と噛み合っている。そのため、第4ギア1067の回転角度と位置検出用ギア1068の回転角度とは同じとなり、位置検出用ギア1068に形成された位置検出片10682の位置をフォトセンサ1080で検知することで、第4ギア1067の回転角度ひいては可動装飾体1040の位置を検知することができる。
駆動モータ1050が回転し、モータ出力軸1052が正面視で時計周りに回転すると、上述した動きを逆の動きによって、可動装飾体1040が略水平状態を維持しつつ正面視で反時計周りに弧を描きつつ上方に作動する。
このようにして、可動装飾体1040は、原点位置と作動限界位置との間を作動可能となっている。ここで、原点位置から液晶表示装置16の表示領域の前面に向けての可動装飾体1040の移動(可動体演出)は、第一始動口5442又は第二始動口440に遊技球が入賞したときに行われる当り判定の結果に基づいて行われる。一方、液晶表示装置16の表示領域の前面から原点位置に向けての移動は、今回の当り判定の結果に基づく可動体演出が終了したときに行われ、次回以降の当り判定の結果に基づいて行われる可動体演出に備えることとなる。
[上部背面役物1100の構成]
図66〜図72を参照して、上部背面役物1100の構成について説明する。図66は、通常態様(原点位置にあるときの態様)における上部背面役物1100の正面図の一例である。図67は、通常態様における上部背面役物1100の背面図の一例である。図68は、上部背面役物1100を前方右斜め上から見た斜視図の一例である。図69は、上部背面役物1100を前方右斜め上から見た分解斜視図の一例である。図70は、上部背面役物1100を後方左(正面視における左)斜め上から見た分解斜視図の一例である。図71は、(A)が図67に示すA−A線断面図の一例、(B)が(A)に示すX部の拡大図の一例である。図72は、(A)が図67に示すB−B線断面図の一例、(B)が(A)に示すY部の拡大図の一例である。
なお、図67に示すA−A線は、左上部アーム1172の延設部11741(後述する)に形成される軸受11724(後述する)の中心を通る鉛直方向の線であり、図67に示すB−B線は、左上部アーム1172の長手部分を鉛直方向に横切る線である。
上部背面役物1100は、略平板の金属製で構成され、下辺のない略額縁の形状であって、その面上に各種部材が取り付けられるベース部材1180と、左側モータ1151等を有する左側駆動機構1150と、右側モータ1161等を有する右側駆動機構1160と、左側モータ1151等を遊技者から視認できないように前方から被覆する装飾カバー1130と、右側モータ1161等を遊技者から視認できないように前方から被覆する装飾カバー1140と、左側駆動機構1150と右側駆動機構1160とにより、上下に移動可能な可動装飾体1110と、可動装飾体1110に軸支されるとともに可動可能な左右一対の被覆装飾体1120と、一端がベース部材1180に接続されるとともに他端が被覆装飾体1120に接続され、可動装飾体1110の上下動にともなって作動(略ひし形で収縮)するパンタグラフ機構1170と、パンタグラフ機構1170の作動を規制する部材であってベース部材1180の略中央部に取り付けられる規制部材1190と、前面に装飾が施された部材であってベース部材1180に固定的に取り付けられる静的装飾体1196とを備える。
ベース部材1180は、左右方向に伸びる中央板部1182と、中央板部1182の左側端部から下方に伸びる左縦板部1184と、中央板部1182の右側端部から下方に伸びる右縦板部1186とを有する。
中央板部1182の前面には、前面に装飾が施されるとともに作動しない装飾体として、静的装飾体1196が取り付けられる。中央板部1182の略中央の上端には、横長長方形の中央プレート1188が上方に向けて設けられている。中央プレート1188の前面には、前方に向けて突出する一対の左支軸11882及び右支軸11884を有する。
中央プレート1188の前面には、左支軸11882及び右支軸11884の下方に、パンタグラフ機構1170が一定以上に作動することを規制する規制部材1190が取り付けられている。規制部材1190は、台形状の板部材であり、左下方に向けて傾斜する左当接面1192と、右下方に向けて傾斜する右当接面1194とを有する。
左縦板部1184は、左側モータ1151が取り付けられる左側モータ取付部材1152の取り付けが可能に構成されている。左縦板部1184には、左側モータ取付部材1152が取り付けられたときに、左側モータ1151の出力軸に対応する部位に、孔11842が形成されている。また、左縦板部1184の前面には、左従動ギア取付軸11844と、左伝達アーム取付軸11848とが形成されている。左従動ギア取付軸11844の周囲には、正面視で略C字状の孔11846が形成されている。この孔11846は、後述する従動ギア1156が回転したときに、従動ギア1156に形成された支軸11562が移動する軌跡に対応して形成されたものである。
右縦板部1186は、右側モータ1161が取り付けられる右側モータ取付部材1162の取り付けが可能に構成されている。右縦板部1186には、右側モータ取付部材1162が取り付けられたときに、右側モータ1161の出力軸に対応する部位に、孔11862が形成されている。また、右縦板部1186の前面には、右従動ギア取付軸11864と、右伝達アーム取付軸11868とが形成されている。右従動ギア取付軸11864の周囲には、正面視で略C字状の孔11866が形成されている。この孔11866は、後述する従動ギア1166が回転したときに、従動ギア1166に形成された支軸11662が移動する軌跡に対応して形成されたものである。
左側駆動機構1150は、左側モータ1151と、左側モータ1151が取り付けられる左側モータ取付部材1152と、駆動ギア1157と、従動ギア1156と、左腕部材1155と、左伝達アーム1154とを有する。このうち、左腕部材1155、従動ギア1156及び駆動ギア1157については、左側モータ1151からの動力を左伝達アーム1154に伝達する左側駆動伝達部材として機能する。この左側駆動伝達部材の上下方向(可動装飾体1110の作動方向)における設置領域は、正面視で液晶表示装置16の表示領域よりも左外側に設けられており、可動装飾体1110の上下方向における作動範囲よりも小さくなっている。なお、左伝達駆動アーム1154の一方(右側)の端部に形成される中空軸11544は、上記の左側駆動伝達部材の設置領域内において、左伝達アーム取付軸11848に軸支されている。
左側モータ1151は、正転及び逆転可能なモータである。左側モータ1151は、左側モータ取付部材1152に取り付けられる。左側モータ1151が取り付けられた左側モータ取付部材1152は、左側モータ1151の出力軸が駆動ギア1157と同軸で、左縦板部1184に形成された孔11842を貫通するように、左縦板部1184に取り付けられる。したがって、左側モータ1151が回転すると、これに伴って、左側モータ1151の出力軸と同軸で駆動ギア1157が回転する。
従動ギア1156は、駆動ギア1157と噛み合っている。従動ギア1156は、駆動ギア1157が回転すると、当該回転の方向とは反対方向に回転する。従動ギア1156は、駆動ギア1157よりも径が大きいギアである。これにより、駆動ギア1157から伝達される左側モータ1151の回転力が増幅される。また、従動ギア1156は、中心に軸受11564を有するとともに、中心から所定距離離れた支軸11562を前面に有する。従動ギア1156は、左従動ギア取付軸11844を回転中心として回転できるように、当該左従動ギア取付軸11844に軸受11564が回転可能に軸支される。
左腕部材1155は、正面視略反C字状(後方から見て略C字状)の部材であり、一方の端部(紙面上方側の端部)に左腕軸受11552を有し、他方の端部(紙面下方側の端部)に左腕支軸11554を有する。左腕軸受11552は、従動ギア1156の支軸11562に、回転可能に軸支される。
左伝達アーム1154は、駆動ギア1157、従動ギア1156及び左腕部材1155を介して、左側モータ1151の回転力を可動装飾体1110に伝達する部材である。左伝達アーム1154は、一方(左側)の端部において前方に向けて突出する中空軸11544を有し、他方(中央側)の端部に長穴11542を有する。長穴11542には、後述するボス1112(可動装飾体1110の後面に形成されるボス)が摺動可能に連結されて、可動装飾体1110を支持している。また、左伝達アーム1154は、左腕部材1155の左腕支軸11554に回転可能に軸支される左腕用軸受11548を有する。左伝達アーム1154は、左伝達アーム取付軸11848を回転中心として回転(円弧運動)できるように、上記の左側駆動伝達部材の設置領域内において、当該左伝達アーム取付軸11848に中空軸11544が回転可能に軸支される。また、中空軸11544には、左伝達アーム1154を反時計周り(左回転方向)に付勢する弾性部材の一例としてコイルバネ1153が外挿されている。
右側駆動機構1160は、右側モータ1161と、右側モータ1161が取り付けられる右側モータ取付部材1162と、駆動ギア1167と、従動ギア1166と、右腕部材1165と、右伝達アーム1164とを有する。このうち、右腕部材1165、従動ギア1166及び駆動ギア1167については、右側モータ1161からの動力を右伝達アーム1164に伝達する右側駆動伝達部材として機能する。この右側駆動伝達部材の上下方向(可動装飾体1110の作動方向)における設置領域は、正面視で液晶表示装置16の表示領域よりも右外側に設けられており、可動装飾体1110の上下方向における作動範囲よりも小さくなっている。なお、右伝達駆動アーム1164の一方(右側)の端部に形成される中空軸11644は、上記の右側駆動伝達部材の設置領域内において、右伝達アーム取付軸11868に軸支されている。
右側モータ1161は、正転及び逆転可能なモータである。右側モータ1161は、右側モータ取付部材1162に取り付けられる。右側モータ1161が取り付けられる右側モータ取付部材1162は、右側モータ1161の出力軸が駆動ギア1167と同軸で、右縦板部1186に形成された孔11862を貫通するように、右縦板部1186に取り付けられる。したがって、右側モータ1161が回転すると、これに伴って、右側モータ1161の出力軸と同軸で駆動ギア1167が回転する。
従動ギア1166は、駆動ギア1167と噛み合っている。従動ギア1166は、駆動ギア1167が回転すると、当該回転の方向とは反対方向に回転する。従動ギア1166は、駆動ギア1167よりも径が大きいギアである。これにより、駆動ギア1167から伝達される右側モータ1161の回転力が増幅される。また、従動ギア1166は、中心に軸受11664を有するとともに、中心から所定距離離れた支軸11662を前面に有する。従動ギア1166は、右従動ギア取付軸11864を回転中心として回転できるように、当該右従動ギア取付軸11864に軸受11664が回転可能に軸支される。
右腕部材1165は、正面視略C字状(後方から見て略反C字状)の部材であり、一方の端部(紙面上方側の端部)に右腕軸受11652を有し、他方の端部(紙面下方側の端部)に右腕支軸11654を有する。右腕軸受11652は、従動ギア1166の支軸11662に、回転可能に軸支される。
右伝達アーム1164は、駆動ギア1167、従動ギア1166及び右腕部材1165を介して、右側モータ1161の回転力を可動装飾体1110に伝達する部材である。右伝達アーム1164は、一方(右側)の端部において前方に向けて突出する中空軸11644を有し、他方(中央側)の端部に長穴11642を有する。長穴11642には、後述するボス1114(可動装飾体1110の後面に形成されるボス)が摺動可能に連結されて、可動装飾体1110を支持している。また、右伝達アーム1164は、右腕部材1165の右腕支軸11654に回転可能に軸支される右腕用軸受11648を有する。右伝達アーム1164は、右伝達アーム取付軸11868を回転中心として回転(円弧運動)できるように、上記の右側駆動伝達部材の設置領域内において、当該右伝達アーム取付軸11868に中空軸11644が回転可能に軸支される。また、中空軸11644には、右伝達アーム1164を時計周り(右回転方向)に付勢する弾性部材の一例としてコイルバネ1163が外挿されている。
このようにして、左伝達アーム1154及び右伝達アーム1164によって、可動装飾体1110を左右両側から支持するとともに、左側モータ1154及び右側モータ1161からの動力を上述した左側駆動伝達部材及び右側駆動伝達部材を介して伝達している。
パンタグラフ機構1170は、左上部アーム1172と、左下部アーム1174と、右上部アーム1176と、右下部アーム1178とを有する。パンタグラフ機構1170は、左上部アーム1172、左下部アーム1174、右上部アーム1176及び右下部アーム1178の4つのアームにより略ひし形の辺を構成し、この略ひし形の形状を変形させる(左上部アーム1172と左下部アーム1174とによって形成される角度(右上部アーム1176と右下部アーム1178とによって形成される角度)を変化させる)動作を行う。なお、左上部アーム1172及び右上部アーム1176は、無色透明の樹脂で構成されている。左下部アーム1174及び右下部アーム1178は、黒色の樹脂で構成されている。
なお、上記の「略ひし形状」としては、左上部アーム1172,左下部アーム1174,右上部アーム1176および右下部アーム1178の4つのアームのうち、例えば向かい合う2組のアームが平行(例えば、左上部アーム1172と右下部アーム1178とが平行、左下部アーム1174と右上部アーム1176とが平行)であり4つのアーム1172,1174,1176,1178が同一の長さである場合に加え、平行四辺形や正方形である場合も想定される。また、4つのアーム1172,1174,1176,1178のうち、例えば向かい合う2組のアームが同じ長さ(例えば、左上部アーム1172と右下部アーム1178とが同じ長さ、左下部アーム1174と右上部アーム1176とが同じ長さ)であっても同じ長さでなくてもよく、さらには、例えば向かい合う2組のアームのうち一方の組のアームが同じ長さであって且つ他方の組のアームの長さが異なるといったものでもよい。すなわち、4つのアーム1172,1174,1176,1178の長さは特定の長さに限定されるものではなく、様々なバリエーションを採用することができる。また、各アームすなわち役物(可動装飾体1110および被覆装飾体1120)が作動することを考えると、常に向かい合うアームが平行である必要はなく、役物(可動装飾体1110および被覆装飾体1120)の駆動にあわせて向かい合うアームが平行でない状態から平行である状態へと変遷するような形態であってもよいし、平行な状態から平行でない状態へと変遷するような形態であってもよい。また、上記の「向かい合うアームが平行である」について、役物(可動装飾体1110および被覆装飾体1120)が駆動する場合の構造を考慮すれば、完全なる平行を求めることが困難である場合も想定されるため、向かい合うアームの傾斜方向が同じような方向を向いていれば平行(略平行)であると考えられる。また、4つのアーム1172,1174,1176,1178の各々が異なる長さである場合であっても、役物(可動装飾体1110および被覆装飾体1120)が移動可能(例えば原点位置から作動限界位置へと移動可能)であることを考えれば、4つのアーム1172,1174,1176,1178の長さは様々に変更可能である。
左上部アーム1172は、前後方向に所定の厚みを有するとともに、前後方向に略直交する仮想の面に沿う横長の平板状であって、中央側の端部に軸受11722を有し、左側の端部に軸受11724を有する。軸受11722は、左支軸11882に回転可能に軸支される。
左下部アーム1174は、前後方向に所定の厚みを有するとともに、前後方向に略直交する仮想の面に沿う横長の平板状であって、左側の端部には、長手部分の上端11743を超える位置まで上方(左上部アーム1172側)に向けて延びる延設部11741が形成されている。この延設部11741の前後方向における厚みは、左上部アーム1172の長手部分の前後方向における厚みよりも薄くなっている。延設部11741には、左下部アーム1174の長手部分の上端11743よりも上方の位置に、前後方向に伸びる支軸11742が形成されている。また、左上部アーム1172の中央側の端部には、前後方向に向けて中空軸11744が形成されている。
左上部アーム1172と左下部アーム1174とは、支軸11742に軸受11724が回転可能に軸支されることで互いに連結されている。左上部アーム1172と左下部アーム1174とは、原点位置(左上部アーム1172及び左下部アーム1174がいずれも水平状態となる位置であり、例えば図67に示される態様)では、互いの連結部(軸受11724及び支軸11742)を除いて前後方向に重なることなく、上下に略平行に並んで配置されている。このとき、左上部アーム1172及び左下部アーム1174それぞれの長手部分(軸受11724及び支軸11742を除く部分)は、側面から見て略同一平面上に配置される。これにより、パンタグラフ機構1170の前後方向の厚みを薄くすることが可能となる。また、中空軸11744は、可動装飾体1110の長穴11104を貫通してガイド軸11224に軸支される。なお、原点位置における上下方向が、左上部アーム1172及び左下部アーム1174の幅方向となる。
右上部アーム1176は、前後方向に所定の厚みを有するとともに、前後方向に略直交する仮想の面に沿う横長の平板状であって、中央側の端部に軸受11762を有し、右側の端部に軸受11764を有する。軸受11762は、右支軸11884に回転可能に軸支される。
右下部アーム1178は、前後方向に所定の厚みを有するとともに、前後方向に略直交する仮想の面に沿う横長の平板状であって、右側の端部には、長手部分の上端11783を超える位置まで上方(右下部アーム1178側)に向けて延びる延設部11781が形成されている。この延設部11781の前後方向における厚みは、右上部アーム1176の長手部分の前後方向における厚みよりも薄くなっている。延設部11781には、右下部アーム1178の長手部分の上端11783よりも上方の位置に、前後方向に伸びる支軸11782が形成されている。また、右下部アーム1178の中央側の端部には、前後方向に向けて中空軸11784が形成されている。
右上部アーム1176と右下部アーム1178とは、支軸11782に軸受11764が回転可能に軸支されることで互いに連結されている。右上部アーム1176と右下部アーム1178とは、原点位置(右上部アーム1176及び右下部アーム1178がいずれも水平状態となる位置であり、例えば図67に示される態様)では、互いに連結部(軸受11764及び支軸11782)を除いて前後方向に重なることなく、上下に略平行に並んで配置されている。このとき、右上部アーム1176及び右下部アーム1178それぞれの長手部分(軸受11764及び支軸11782を除く部分)は、側面から見て略同一平面上に配置される。これにより、パンタグラフ機構1170の前後方向の厚みを薄くすることが可能となる。本実施形態では、パンタグラフ機構1170の前後方向の厚みは、左側モータ1151及び右側モータ1161の厚み範囲内に収まるようになっている。また、中空軸11784は、可動装飾体1110の長穴11108を貫通してガイド軸11244に軸支される。なお、原点位置における上下方向が、右上部アーム1176及び右下部アーム1178の幅方向となる。
なお、上記では、左上部アーム1172と左下部アーム1174とが、各アーム1172,1174それぞれの長手部分が側面から見て略同一平面上に配置されると説明したが、以下において、左上部アーム1172と左下部アーム1174との前後方向における詳細な位置関係について説明する。
左上部アーム1172は、長手部分の前後方向(厚み方向)における最前面位置がF1であり、長手部分の前後方向における最後面位置がB1である(図71(B)、図72(B)を参照)。また、左下部アーム1174は、長手部分の前後方向(厚み方向)における最前面位置がF2であり、前後方向における最後面位置がB2である(図71(B)、図72(B)を参照)。ここで、左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最前面位置F1は、左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最前面位置F2よりも後方側に位置し、左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最後面位置B1は、左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最後面位置B2よりも後方側に位置する。ただし、左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最後面位置B2は、左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最前面位置F1よりも後方且つ左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最後面位置B1よりも前方(左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最前面位置F1と左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最後面位置B1との間)に位置している。すなわち、左上部アーム1172と左下部アーム1174とは、各アーム1172,1174の長手部分を垂直に横切る断面を見たときに、各アーム1172,1174の厚み部分が上下方向(各アームの幅方向)に重なる位置関係(各アーム1172,1174それぞれの長手部分が側面から見て略同一平面上に配置される位置関係)となる。
なお、本実施の形態では、左上部アーム1172の長手部分と左下部アーム1174の長手部分とが側面から見て略同一平面上に配置されているものの、詳細には、左下部アーム1174よりも左上部アーム1172が僅かに後方側に位置するように構成されている。ただし、これに代えて、左下部アーム1174よりも左上部アーム1172が前方側に僅かに位置するように構成しても良い。すなわち、本実施の形態では、左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最前面位置F1が左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最前面位置F2よりも後方側に位置し、左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最後面位置B1が左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最後面位置B2よりも後方側に位置するとともに、左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最後面位置B2が左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最前面位置F1よりも後方且つ左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最後面位置B1よりも前方に位置するように構成されているが、これに代えて、左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最前面位置が左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最前面位置よりも後方側に位置し、左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最後面位置が右上部アーム1176の長手部分の前後方向における最後面位置よりも後方側に位置するとともに、左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最後面位置が左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最前面位置よりも後方且つ左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最後面位置よりも前方(左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最後面位置が左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最前面位置と左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最後面一との間)に位置するように構成しても良い。
また、本実施の形態では、左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最後面位置B2が、左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最前面位置F1よりも後方且つ左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最後面位置B1よりも前方(左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最前面位置F1と左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最後面位置B1との間)に位置している。ただし、これに代えて、左上部アーム1172及び左下部アーム1174の総厚み(左上部アーム1172と左下部アーム1174とのうち、最も前方にあるアームの位置から最も後方にあるアームの位置までの厚み)を薄くできる範囲で、左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最後面位置と左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最後面位置とが略面一となるようにしても良いし、左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最前面位置と左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最前面位置とが略面一となるようにしても良い。さらには、左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最後面位置と左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最後面位置とが略面一であって、且つ左下部アーム1174の長手部分の前後方向における最前面位置と左上部アーム1172の長手部分の前後方向における最前面位置とが略面一(すなわち、左上部アーム1172と左下部アーム1174とが略同一平面上)となるように構成しても良い。
なお、右上部アーム1176と右下部アーム1178との前後方向における位置関係は、左下部アーム1174と右上部アーム1176との前後方向における位置関係と同様であるため、説明を省略する。
このように、左上部アーム1172の長手部分と左下部アーム1174の長手部分とを(右上部アーム1176の長手部分と右下部アーム1178の長手部分とを)、上下方向(各アームの幅方向)に重なる位置関係とすることで、各アーム1172,1174,1176,1178各々の厚みを薄くすることなく、左上部アーム1172及び左下部アーム1174の総厚み(右下部アーム1178の長手部分の前後方向における最前面位置から右上部アーム1176の長手部分の前後方向における最後面位置までの厚み)を薄くすることが可能となり、パンタグラフ機構1170が前後方向に占める領域を小さくすることができる。パチンコ遊技機がパチンコホールに設置される際には、前後方向の長さに制約を受けるが、パンタグラフ機構1170が前後方向に占める領域を小さくすることで、パンタグラフ機構1170の前後方向に他の役物を配置することが可能となり、前後方向に重なる複数の役物を用いたダイナミックな可動演出を実行することが可能となる。
また、パンタグラフ機構1170の収縮状態では、延設部11741が左下部アーム1174の上端11743を超える位置まで上方に延設されているため、原点位置では、左上部アーム1172と左下部アーム1174とが略水平状態となる。同様に、延設部11781が右下部アーム1178の上端11783を超える位置まで上方に延設されているため、原点位置では、右上部アーム1176と右下部アーム1178とが略水平状態となる。そして、延設部11741(延設部11781)が形成されている分、左上部アーム1172及び左下部アーム1174(右上部アーム1176及び右下部アーム1178)による可動範囲をより大きくすることが可能となる。しかも、各アーム1172,1174,1176,1178の各々に厚みを持たせることができるため、各アーム1172,1174,1176,1178の強度アップおよび作動時の安定につながる。さらには、各アーム1172,1174,1176,1178の強度アップを図ることが可能となることで、これら各アーム1172,1174,1176,1178の作動にともなって作動する可動役物の大型化を図ることが可能となり、よりダイナミックな可動演出を実行することも可能となる。
このように、左上部アーム1172と左下部アーム1174との位置関係(右上部アーム1176と右下部アーム1178との位置関係)を上記のとおりとすることで、前後方向に重なる複数の役物を用いたダイナミックな可動演出や、可動役物の大型化によるダイナミックな可動演出を実行可能となり、可動演出による遊技興趣をさらに高めることが可能となる。
可動装飾体1110は、前面に装飾が施されるとともに、左右略対称となる位置に開口1101,1105が形成されている。これらの開口1101,1105には、それぞれ、レンズ1103,1107がはめ込まれている。可動装飾体1110は、被覆装飾体1120とともに、左側駆動機構1150及び右側駆動機構1160によって上下に摺動可能となっている。可動装飾体1110は、孔11102と、長穴11104と、孔11106及び長穴11108と、ボス1112及びボス1114とを有する。孔11102及び孔11106は、互いに略左右対称となる位置に設けられた孔である。長穴11104及び孔11106は、互いに略左右対称となる位置に設けられており、縦長の長穴である。ボス1112及びボス1114は、可動装飾体1110の裏面側において互いに略左右対称となる位置に設けられている。また、可動装飾体1110は、レンズ1103,1107の後方に、多数のLEDが配置されたLED基板1116が取り付けられており、遊技の進行に応じて発光可能に構成されている。LED基板1116に配置されたLEDが発光すると、レンズ1103,1107を通し発光表示される。
被覆装飾体1120は、可動装飾体1110の左側に配置される被覆装飾体1122と、可動装飾体1110の右側に配置される被覆装飾体1124とを有する。被覆装飾体1122は、支軸11222及びガイド軸11224を有する。被覆装飾体1124は、支軸11242及びガイド軸11244を有する。
被覆装飾体1122は、支軸11222が可動装飾体1110の孔11102に回動自在に軸支されるとともに、ガイド軸11224が可動装飾体1110の長穴11104に摺動自在に挿通される。また、被覆装飾体1122は、パンタグラフ機構1170に連結されている(詳しくは、左下部アーム1174の中央側の端部の軸受11744に回転可能に軸支されている)。これにより、被覆装飾体1122は、可動装飾体1110の前面(レンズ1103)を被覆するとともに、支軸11222を回転中心として可動装飾体1110に対して可動可能に配置される。
被覆装飾体1124は、支軸11242が可動装飾体1110の孔11106に回動自在に軸支されるとともに、ガイド軸11244が可動装飾体1110の長穴11108に摺動自在に挿通される。また、被覆装飾体1124は、パンタグラフ機構1170に連結されている(詳しくは、右下部アーム1178の中央側の端部の軸受11784に回転可能に軸支されている)。これにより、被覆装飾体1124は、可動装飾体1110の前面(レンズ1107)を被覆するとともに、支軸11242を回転中心として可動装飾体1110にたいして可動可能に配置される。
なお、被覆装飾体1122及び被覆装飾体1124は、互いに略左右対称となるように配置されている。
[上部背面役物1100の動作説明]
次に、図73〜図77を参照して、上部背面役物1100の動作について説明する。図73は、作動開始前すなわち通常態様(原点位置にあるときの態様)における上部背面役物1100の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。図74は、上部背面役物1100が作動を開始してから、パンタグラフ機構1170の左上部アーム1172及び右上部アーム1176が限界位置に達する前の態様の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。図75は、パンタグラフ機構1170の左上部アーム1172及び右上部アーム1176が限界位置に達したときの態様の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。図76は、パンタグラフ機構1170の左上部アーム1172及び右上部アーム1176が作動限界位置まで作動したのち、さらに左側モータ1151及び右側モータ1161が回転し、左伝達アーム1154及び右伝達アーム1164によって可動装飾体1110が紙面下方に向けて作動したとき(被覆装飾体1120が可動装飾体1110に対して作動を開始したとき)の態様の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。図77は、可動装飾体1110に対して作動限界まで被覆装飾体1120が移動した態様の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。
なお、図73に示されるように、上部背面役物1100が原点位置にあるとき、パンタグラフ機構1170は閉じた状態(各アーム1172,1174,1176,1178の長手部分がいずれも略水平状態)である。ここで、可動装飾体1110が紙面下方に向けて作動したときに、当該可動装飾体1110で隠すことができる部材(左下部アーム1174および右下部アーム1178)については、当該可動装飾体1110の背面側に位置させて極力隠すようにし、当該可動装飾体1110で隠すことが困難な部材(左上部アーム1172および右上部アーム1176)については無色透明の部材で構成している。これにより、各アーム1172,1174,1176,1178によって液晶表示装置16の表示領域に表示される画像の視認が阻害するおそれが少なく、また遊技者からも気付かれ難くなっている。
そして、可動装飾体1110が紙面下方に向けて作動するにつれて、各アーム1172,1174,1176の長手部分が鉛直方向に向けて姿勢を変えていき、上部アーム1172,1176と下部アーム1174,1178とによって形成される角度が大きくなっていく。可動装飾体1110が紙面下方に向けて作動すると、左下部アーム1174および右下部アーム1178それぞれの長手部分が向く方向は鉛直方向に向かうが、可動装飾体1110が一定の作動範囲を超えるまでは、可動装飾体1110の背面側に左下部アーム1174および右下部アーム1178が位置したままである。
左側モータ1151が正面視で反時計周りに回転すると、駆動ギア1157も反時計周りに回転する。駆動ギア1157が反時計周りに回転すると、従動ギア1156が時計周りに回転する。支軸11562は、原点位置にあるとき(可動装飾体1110及び被覆装飾体1120が原点位置にあるとき)は紙面上方に位置しており、従動ギア1156が時計周りに回転すると、軸受11564(左従動ギア取付軸11844)を中心として時計周りに周回する。支軸11562が軸受11564(左従動ギア取付軸11844)を中心として時計周りに周回すると、左腕部材1155が左下方に向けて押し下げられる。左腕部材1155が左下方に向けて押し下げられると、中空軸11544(左伝達アーム取付軸11848)を回転中心とする時計周りの押圧力が左伝達アーム1154に対して作用する。左伝達アーム取付軸11848を回転中心とする時計周りの押圧力が左伝達アーム1154に対して作用すると、この左伝達アーム1154は、左伝達アーム取付軸11848を支点として時計周りに回転する。左伝達アーム1154が時計周りに回転すると、長穴11542に摺動可能に連結されるボス1112が長穴11542内を移動しつつ、可動装飾体1110を下方に移動させる。
右側モータ1161が正面視で時計周りに回転すると、駆動ギア1167も時計周りに回転する。駆動ギア1167が時計周りに回転すると、従動ギア1166が反時計周りに回転する。支軸11662は、原点位置にあるとき(可動装飾体1110及び被覆装飾体1120が原点位置にあるとき)は紙面上方に位置しており、従動ギア1166が反時計周りに回転すると、軸受11664(右伝達アーム取付軸11868)を中心として反時計周りに周回する。支軸11662が軸受11664(右従動ギア取付軸11864)を中心として反時計周りに周回すると、右腕部材1165が右下方に向けて押し下げられる。右腕部材1165が右下方に向けて押し下げられると、中空軸11644(右伝達アーム取付軸11868)を回転中心とする反時計周りの押圧力が右伝達アーム1164に対して作用する。右伝達アーム取付軸11868を回転中心とする反時計周りの押圧力が右伝達アーム1164に対して作用すると、この右伝達アーム1164は、右伝達アーム取付軸11868を支点として反時計周りに回転する。右伝達アーム1164が反時計周りに回転すると、長穴11642に摺動可能に連結されるボス1114が長穴11642内を移動しつつ、可動装飾体1110を下方に移動させる。
なお、可動装飾1110が下方に移動するとき、可動装飾体1110の移動に付随して被覆装飾体1122,1124も下方に移動する。これは、被覆装飾体1122,1124のガイド軸11224,11244が可動装飾体1110の長穴11104,11108に摺動自在に挿通されているため、可動装飾体1110が下方に移動したときに、重力作用によって被覆装飾体1122,1124も下方に移動するためである。
左側モータ1151が正面視で反時計周りに回転するとともにこれと同期して右側モータ1161が正面視で時計周りに回転すると、可動装飾体1110及び被覆装飾体1120が略水平状態を維持しつつ紙面下方に向けて作動する。
左側モータ1151が正面視で反時計周りに回転して可動装飾体1110及び被覆装飾体1120が紙面下方に向けて移動すると、被覆装飾体1122と連結されている下部中央側中空軸1744が紙面下方に向けて押し下げられる。これにより、左下部アーム1174が支軸11742を支点として時計周りに回転するとともに、左上部アーム1172が軸受11722(中央左支軸11882)を支点として反時計周りに回転する。右側モータ1161が正面視で時計周りに回転して可動装飾体1110及び被覆装飾体1120が紙面下方に向けて移動すると、被覆装飾体1124と連結されている中空軸11784が紙面下方に向けて押し下げられる。これにより、右下部アーム1178が支軸11782を支点として反時計周りに回転するとともに、右上部アーム1176が軸受11762(中央右支軸11884)を支点として時計周りに回転する。このようにして、パンタグラフ機構1170が作動する。
ところで、左上部アーム1172は、軸受11722(中央左支軸11882)を支点として反時計周りに回転すると、いずれ、規制部材1190の左当接面1192と当接する。また、右上部アーム1176は、軸受11762(中央右支軸11884)を支点として時計周りに回転すると、いずれ、規制部材1190の右当接面1194と当接する。左上部アーム1172は、左当接面1192と当接したときの位置が紙面下方に向けた作動限界位置であり、右上部アーム1176は、右当接面1194と当接したときの位置が紙面下方に向けた作動限界位置である。
左上部アーム1172が作動限界位置まで移動したのちさらに左側モータ1151が正面視で反時計周りに回転すると、可動装飾体1110がさらに紙面下方に向けて移動し、中空軸11744は、長穴11104の下端位置から上端位置に向けて移動する。これに伴って、被覆装飾体1122は、支軸11222を支点として時計周りに回転する。また、右上部アーム1176が作動限界位置まで移動したのちさらに右側モータ1161が正面視で時計周りに回転すると、可動装飾体1110がさらに紙面下方に向けて移動し、中空軸11784は、長穴11108の下端位置から上端位置に向けて移動する。これに伴って、被覆装飾体1124は、支軸11242を支点として反時計周りに回転する。このようにして、被覆装飾体1122及び被覆装飾体1124は、可動装飾体1110とともに原点位置から紙面下方に向けて作動し、左上部アーム1172及び右上部アーム1176が紙面下方に向けて上記の作動限界位置まで作動し、さらに可動装飾体1110が紙面下方に向けて移動すると、可動装飾体1110に対して被覆装飾体1120が相対的に作動する。可動装飾体1110に対して被覆装飾体1120が相対的に作動すると、開口1101,1105にはめ込まれたレンズ1103,1107が露出し、遊技者から視認可能となる。レンズ1103,1107の露出量は、可動装飾体1110に対する被覆装飾体1120の相対的な作動範囲が大きくなるにつれて大きくなる。
このように、上部背面役物1100は、原点位置(図73参照)と下降端位置(図75参照)との間を上下方向に移動可能となっている。詳しくは、可動装飾体1110は、原点位置と下降端位置との間を移動可能となっており、被覆装飾体1120は原点位置と左上部アーム1172及び右上部アーム1176の作動限界位置との間を移動可能となっている。作動限界位置は、可動装飾体1110及び被覆装飾体1120が下降端位置まで移動したのち、可動装飾体1110が下降端位置にある状態で、可動装飾体1110に対して被覆装飾体1120が限界まで作動した位置である。すなわち、可動装飾体1110の上下方向位置は、下降端位置と作動限界位置とで同じである。可動装飾体1110及び被覆装飾体1120は、原点位置にあるときは、液晶表示装置16の表示領域に表示される画像の視認を妨げない位置に待機している。一方、上部背面役物1100(詳しくは、可動装飾体1110及び被覆装飾体1120)が下降端位置にあるときは、被覆装飾体1120が作動限界位置にあるときも含めて、液晶表示装置16の表示領域の前方に位置する。すなわち、原点位置にある上部背面役物1100が下降端位置に向けて移動したとき、上部背面役物1100(可動装飾体1110及び被覆装飾体1120)は、原点位置から液晶表示装置16の表示領域に前方に向けて進出することとなる。原点位置から液晶表示装置16の表示領域に前方に向けての上部背面役物1100の進出は、遊技の進行(例えば、第一始動口762又は第二始動口752への遊技球の入賞(通過)を条件に実行される当り判定の結果)に応じて実行される。
なお、上部背面役物1100が液晶表示装置16の表示領域の前方に向けて進出したとき、右上部アーム1176及び左上部アーム1172が遊技者から視認できる位置に露出するが、右上部アーム1176及び左上部アーム1172はいずれも透明の樹脂で構成されているため、液晶表示装置16の表示領域に表示される演出画像の視認を妨げることがない。しかも、上部背面役物1100(詳しくは、可動装飾体1110及び被覆装飾体1120)がパンタグラフ機構によって昇降するため、右上部アーム1176と右下部アーム1178との支点、及び、左上部アーム1172と左下部アーム1174との支点は、いずれも液晶表示装置16の表示領域の側方となり、遊技者の視認の妨げとなりにくい(遊技者は中央部を注視する傾向にある)だけでなく、左側駆動機構1150及び右側駆動機構1160を、上部背面役物1100の上下方向の可動域よりも小さな範囲にコンパクトに設けることができる。なお、左下部アーム1174及び右下部アーム1178は黒色の樹脂製であるが、上部背面役物1100が液晶表示装置16の表示領域の前方に向けて進出したとしても、左下部アーム1174及び右下部アーム1178は可動装飾体1110の後方に隠れるように移動するため、左下部アーム1174及び右下部アーム1178が遊技者の視界に入りにくくなっている。また、パンタグラフ機構1170の前後方向の厚みを薄くすることで上部背面役物1100を全体的に薄くすることができる(本実施の形態では左側モータ1151及び右側モータ1161の略幅程度の厚みに収まっている)。
また、可動装飾体1110が作動を開始した当初は、可動装飾体1110及び被覆装飾体1120が原点位置からともに作動を開始し、途中から可動装飾体1110に対して被覆装飾体1120(被覆装飾体1122および被覆装飾体1124)が相対的に作動を開始することとなる。すなわち、可動装飾体1110が作動を開始した当初は可動装飾体1110に対して被覆装飾体1120が作動しているわけではないため、可動装飾体1110が作動を開始した当初から被覆装飾体1120の最終形を予測することが困難となっており、途中から可動装飾体1110が遊技者の予想を超えた作動を行うこととなり、興趣を高めることが可能となる。
なお、本実施形態では、可動装飾体1110が作動を開始した当初は可動装飾体1110に対して被覆装飾体1120(被覆装飾体1122および被覆装飾体1124)が作動しておらず、途中から可動装飾体1110に対して被覆装飾体1120が相対的に作動を開始するように構成されているが、これに限られず、可動装飾体1110の位置にかかわらず被覆装飾体1120が作動するような構成であってもよい。
ところで、左上部アーム1172および右上部アーム1176がそれぞれ左当接面1192および右当接面1194に当接したのち(作動限界位置にいたったのち)は、さらに左側モータ1151及び右側モータ1161が回転したとしても、左上部アーム1172および右上部アーム1176の姿勢(左上部アーム1172および右上部アーム1176それぞれの長手部分が向く方向)は変化しない。一方、左下部アーム1174および右下部アーム1178については、左上部アーム1172および右上部アーム1176がそれぞれ左当接面1192および右当接面1194に当接したのちも、左下部アーム1174および右下部アーム1178それぞれの長手部分が鉛直方向に向けて姿勢を変えていく。左下部アーム1174および右下部アーム1178それぞれの長手部分が鉛直方向に向けて姿勢を変えていくと、いずれ、左下部アーム1174および右下部アーム1178が可動装飾体1110の背面側から露出してしまう。
そこで、本実施の形態では、左下部アーム1174および右下部アーム1178が可動装飾体1110の背面側から露出してしまうことに先だって、可動装飾体1110に対して被覆装飾体1120(被覆装飾体1122および被覆装飾体1124)を相対的に作動させるようにしている。すなわち、可動装飾体1110が紙面下方に向けて作動すると左下部アーム1174および右下部アーム1178それぞれの長手部分が鉛直方向に向けて姿勢を変えるため、可動装飾体1110の背面側から左下部アーム1174および右下部アーム1178が正面視で視認できる位置にあらわれることとなるが、そのタイミングで被覆装飾体1120を可動装飾体1110に対して相対的に上方に作動させて、左下部アーム1174および右下部アーム1178が被覆装飾体1120の背面側に位置するようにしている。被覆装飾体1120が可動装飾体1110に対して相対的に作動すると、正面視で視認できる役物領域(可動装飾体1110と被覆装飾体1120とをあわせた領域)が大きくなるため、これを利用することで、遊技者にとって違和感なく自然な形で、左下部アーム1174および右下部アーム1178が露出することを防止している。
また、本実施の形態では、上述したように、原点位置にある上部背面役物1100が下降端位置に向けて作動を開始したのち、左上部アーム1172および右上部アーム1176がそれぞれ左当接面1192および右当接面1194に当接すると、下降端位置に向けての可動装飾体1110の作動を継続しつつ、当該可動装飾体1110に対して被覆装飾体1120(被覆装飾体1122および被覆装飾体1124)が上方に向けて作動する。ここで、可動装飾体1100に対する被覆装飾体1122の作動は、左側モータ1151を正面視で反時計周りに回転させるだけといった一の動作制御によって行われる。同様に、可動装飾体1100に対する被覆装飾体1124の作動は、右側モータ1161を正面視で時計周りに回転させるだけといった一の動作制御によって行われる。すなわち、被覆装飾体1122および被覆装飾体1124のいずれについても、それぞれに対応するモータ(被覆装飾体1122について左側モータ1151,被覆装飾体1124については右側モータ1161)を特定の方向に回転させるだけといった一の簡単な動作制御によって、可動装飾体1100の作動を継続しつつ、当該可動装飾体1100の作動とは独立して作動させることが可能となる。しかも、覆装飾体1122および被覆装飾体1124のいずれについても、それぞれ一つのモータを回転させるだけなので、簡単な構成且つ省スペースで、可動装飾体1100の作動を継続しつつ、当該可動装飾体1100の作動とは独立して作動させることが可能となる。とくに、近年は可動役物の大型化や複数の可動役物を配置することが主流となってきているので、省スペース化への貢献は大きな効果である。
ところで、従来より、役物を上下方向に略直線状に作動させる場合、役物の両側に駆動機構を設け、この駆動機構によって上下方向への直線運動を行っていた。役物の両側に駆動機構を設けた場合、少なくとも上下方向への役物の作動範囲にわたって駆動機構を設ける必要があり、かかる駆動機構の設置には大きな領域を必要としていた。役物を円弧運動によって作動することができれば省スペース化を図ることはできるが、この場合、役物も円弧運動によって作動することとなる。この点、本実施の形態では、左伝達アーム1154が左伝達アーム取付軸11848を支点として時計周りに回転し、長穴11542に摺動可能に連結されるボス1112が長穴11542内を移動しつつ、可動装飾体1110を下方に移動させている。また、これと同期して、右伝達アーム1164が右伝達アーム取付軸11868を支点として反時計周りに回転し、長穴11642に摺動可能に連結されるボス1114が長穴11642内を移動しつつ、可動装飾体1110を下方に移動させている。すなわち、本実施の形態によれば、左伝達アーム1154及び右伝達アーム1164のそれぞれを、一端を支点とする円弧運動をさせつつも、可動装飾体1110の姿勢を略水平に保持した状態で、当該可動装飾体1110を、駆動機構の設置領域よりも大きな作動範囲にわたって上下方向に略直線状に移動させることが可能となる。しかも、左伝達アーム1154及び右伝達アーム1164が円弧運動を行うため、可動装飾体1110を駆動させる駆動機構(左側駆動機構1150,右側駆動機構1160)の上下方向における設置領域を、可動装飾体1110の作動範囲よりも小さくすることができ、省スペース化に大きく貢献することができる。
また、本実施の形態では、可動装飾体1110、被覆装飾体1120、装飾カバー1130、装飾カバー1140、左伝達アーム1154、右伝達アーム1164及び静的装飾体1196の前面には、同系統の装飾が施されている。同系統の装飾とは、例えば同一の観念を想起させる装飾を意味し、色彩や模様や形状が外観上同じであると認識できる装飾が施されていれば、同一の観念を想起させうる。本実施の形態では、上記各部材1110,1120,1130,1140,1154,1164,1196の前面に、色彩が外観上同じであって同一の役物(上部背面役物1100)を構成する形状であると認識できる装飾が施されている。しかも上部背面役物1100は、遊技機のコンセプトにかかわるキャラクタ形であるから、同系統の装飾が前面に施された上記各部材1110,1120,1130,1140,1154,1164,1196によって一の同じキャラクタ形が形成されている。
従来の例えばパチンコ機などの遊技機では、とくに、可動部材(本実施の形態の可動装飾体1110に相当)を支持する支持部材や、可動部材を駆動させる駆動部材(本実施の形態の左伝達アーム1154、右伝達アーム1164が相当)については、可動役物が液晶表示装置の前方側に進出したときに正面視で視認できてしまう可能性があった。この点、本実施の形態では、このような従来の遊技機とは異なり、左伝達アーム1154や右伝達アーム1164をあえて正面視で視認できるようにした上で、他の部材(可動装飾体1110、被覆装飾体1120、装飾カバー1130,1140及び静的装飾体1196)とともに同一の役物(上部背面役物1100)を構成する部材であると遊技者に認識されるようにしている。しかも、可動装飾体1110が作動によって原点位置と作動限界位置との間のどこの位置にあったとしても、左伝達アーム1154及び右伝達アーム1164を、上記他の部材と同化させている(例えば、図73〜図77それぞれの(A)を参照)。詳述すると、左伝達アーム1154には、可動装飾体1110と装飾カバー1130との間に連続性を持たせる装飾が施されているとともに、右伝達アーム1164には、可動装飾体1110と装飾カバー1140との間に連続性を持たせる装飾が施されている。しかも、左伝達アーム1154、右伝達アーム1164及び上記他の部材の前面に同系統の装飾が施されて一のキャラクタ形が形成されている。このようにして、左伝達アーム1154や右伝達アーム1164をあえて正面視で視認できるようにしつつも、伝達アーム1154及び右伝達アーム1164が可動装飾体1110に連結されて当該可動装飾体1110を支持する部材であることを、遊技者に把握され難くしている。さらには、可動装飾体1110が目のような形をしているのに対し、左伝達アーム1154及び右伝達アーム1164は、可動装飾体1110の左右端部から目尻をイメージさせる形状となっている。そのため、伝達アーム1154及び右伝達アーム1164が可動装飾体1110を駆動させる部材であることを、より一層、遊技者からは把握され難いと思われる。
[下部役物1200の構成]
図78〜図83を参照して、下部役物1200の構成について説明する。図78は、通常態様(原点位置にあるときの態様)における下部役物1200の正面図の一例である。図79は、通常態様における下部役物1200の背面図の一例である。図80は、下部役物1200を前方右斜め上から見た斜視図の一例である。図81は、下部役物1200を左斜め上から見た背面斜視図の一例である。図82は、下部役物1200を前方右斜め上から見た分解斜視図の一例である。図83は、下部役物1200を後方左(正面視における左)斜め上から見た分解斜視図の一例である。
下部役物1200は、下部役物1200を構成する各種部材が取り付けられる下部役物固定ベース1220と、下部役物固定ベース1220に対して作動可能に構成される下部役物可動装飾体1210と、下部役物可動装飾体1210の上下動を左右両側で案内する左ガイド1260部材及び右ガイド1270部材と、上下動する下部役物可動装飾体1210に対して上方に向けた付勢力を作用させる補助アーム1280と、下部役物固定ベース1220に対して下部役物可動装飾体1210を作動させるための駆動源としての下部役物駆動モータ1230と、下部役物駆動モータ1230の動力を下部役物可動装飾体1210に伝達するギア1240と、ギア1240の後方に配置される透明樹脂性の後カバー1250とを備える。なお、後カバー1250は透明樹脂製であるが、後カバー1250の形状を把握しやすいように、図79及び図81ではギア1240等の各種部材を示していない。上記の下部役物固定ベース1220及び下部役物駆動モータ1230は、下部役物可動装飾体1210を上下動させる作動機構として機能する。
下部役物固定ベース1220は、横長矩形状の板状部材である。下部役物固定ベース1220は、上述した裏ユニット176のリアボックス1800に取付固定される。下部役物固定ベース1220の前面側の下部略中央には、下部役物駆動モータ1230が取り付けられている。下部役物固定ベース1220の前面の左側には、補助アーム1280を軸支する支軸12202が前方に向けて形成されている。下部役物固定ベース1220の背面側には、左右一対の支軸12203,12205が後方に向けて形成されている。下部役物固定ベース1220には、下部役物駆動モータ1230に対して左右略対称であって且つ下部役物駆動モータ1230よりも上方に、外側に膨らむ一対の半円状の孔12204,12206が形成されている。孔12204は、支軸12203を中心とする弧を描くように形成されている。孔12206は、支軸12205を中心とする弧を描きように形成されている。下部役物固定ベース1220の前面側であって下部役物駆動モータ1230の右側に、下部役物可動装飾体1210の位置を検知するフォトセンサ12208が配置されている。本実施形態では、フォトセンサ12208は、下部役物可動装飾体1210が原点位置にあるか否かを検知している。
下部役物可動装飾体1210は、横方向に長い装飾部材である。下部役物固定ベース1220の前方側に、下部役物固定ベース1220に対して上下方向に作動できるように取り付けられる。下部役物可動装飾体1210は、下部役物固定ベース1220に対して上下方向に作動可能な透明樹脂製の下部役物可動ベース12102と、前面に装飾が施されており下部役物固定ベース1220の前面を被覆し、下部役物可動ベース12102とともに上下動する下部役物装飾カバー12104とを備える。この下部役物装飾カバー12104は、後方からの光を前方に向けて透過可能に構成されている。
下部役物可動ベース12102の左右両側には一対の長穴12106,12108が形成されている。この長穴12106,12108は、横方向に長い長穴である。下部役物可動ベース12102には、補助アーム1280に係合するボス12110が、長穴12106の右側において前方に向けて形成されている。
また、下部役物可動ベース12102には、前面側に、発光源としての図示しないLEDが配置されたLED基板が搭載されている。このLED基板に配置されたLEDが発光すると、下部役物装飾カバー12104を通して前方に発光する。これにより、例えば下部役物可動装飾体1210の上下動にあわせた発光演出を行うことが可能となっている。
左ガイド部材1260は、縦長の板状部材であって、取付部12604,12606において下部役物固定ベース1220の左側に取り付けられる。左ガイド部材1260は、下部役物固定ベース1220とで下部役物可動ベース12102を挟むようにして下部役物固定ベース1220の左側に取り付けられる。そして、左ガイド部材1260と下部役物固定ベース1220との間に形成された溝が、下部役物固定ベース1220に対して下部役物可動ベース12102が上下に移動する際のガイド溝として機能する。
右ガイド部材1270は、縦長の板状部材であって、取付部12704,12706において下部役物固定ベース1220の右側に取り付けられる。右ガイド部材1270は、下部役物固定ベース1220とで下部役物可動ベース12102を挟むようにして下部役物固定ベース1220の右側に取り付けられる。そして、右ガイド部材1270と下部役物固定ベース1220との間に形成された溝が、下部役物固定ベース1220に対して下部役物可動ベース12102が上下に移動する際のガイド溝として機能する。
補助アーム1280は、下部役物装飾カバー12104の前方左側に設けられる棒状の部材である。補助アーム1280は、左側の端部に、下部役物固定ベース1220の支軸12202に軸支される軸受12804を有する。補助アーム1280は、右側の端部に、下部役物可動ベース12102に形成されたボス12110と係合する長穴12802が形成されている。
下部役物固定ベース1220に形成された支軸12202と補助アーム1280に形成された軸受12804との間には、弾性部材の一例として補助コイルバネ1290が設けられる。補助コイルバネ1290は、軸受12804(支軸12202)を回転中心として補助アーム1280を反時計周り(左回転方向)に向けて付勢するものである。この補助コイルバネ1290の反時計周りに向けた付勢力によって、下部役物固定ベース1220に対する下部役物可動装飾体1210の上方への移動が補助される。
下部役物駆動モータ1230は、ステッピングモータであり、役物制御回路207からのパルス信号により回転制御される。
ギア1240は、下部役物固定ベース1220の後方に設けられる。ギア1240は、下部役物駆動モータ1230と同軸に設けられる駆動ギア12402と、左従動ギア12404及び右従動ギア12406とを備える。
左従動ギア12404と右従動ギア12406とは同径であり、左従動ギア12404の回転中心の高さ方向位置と右従動ギア12406の回転中心の高さ方向位置とが同じとなるように左右に並べて配置されている。また、左従動ギア12404及び右従動ギア12406は、同期して互いに反対方向に回転する。
左従動ギア12404は、中心に軸受12404aを有する。この軸受12404aは、支軸12203を回転可能に軸支する。左従動ギア12404の歯は、駆動ギア12402の歯と噛み合っている。右従動ギア12406は、中心に軸受12406aを有する。この軸受12406aは、支軸12205を回転可能に軸支する。右従動ギア12406の歯は、左従動ギア12404の歯と噛み合っており、駆動ギア12402の歯とは噛み合っていない。つまり、下部役物駆動モータ1230の回転力は、駆動ギア12402を通じて左従動ギア12404に伝達され、左従動ギア12404に伝達された回転力はさらに右従動ギア12406に伝達される。このようにして、駆動ギア12402と右従動ギア12406の回転とが同期して回転する。
左従動ギア12404は、前面に、当該左従動ギア12404の中心から径方向に所定距離離れた部位にボス12405が形成されている。同様に、右従動ギア12406についても、前面に、当該右従動ギア12406の中心から径方向に所定距離離れた部位にボス12407が形成されている。なお、左従動ギア12404の中心からボス12405までの距離と、右従動ギア12406の中心からボス12407までの距離とは同じである。
なお、「左従動ギア12404と右従動ギア12406とは同径」、「左従動ギア12404の中心の高さ方向位置と右従動ギア12406の中心の高さ方向位置とが同じ」及び「左従動ギア12404の中心からボス12405までの距離と、右従動ギア12406の中心からボス12407までの距離とは同じ」について、いずれも、小数点以下まで同じ値であることが要求されるほど厳密なものではなく、下部役物駆動モータ1230の動力を下部役物可動装飾体1210に伝達する際に、外観で同じ姿勢を維持しつつ下部役物可動装飾体1210を安定して(左右方向にバランスよく)上下動できるように、下部役物可動装飾体1210の左右に略均等に同僚が伝わる範囲内であれば良い。
ボス12405は、下部役物固定ベース1220に形成された孔12204を貫通した上で、下部役物可動ベース12102に形成された長穴12106に摺動可能に連結される。ここで、孔12204は、左従動ギア12404が時計周りに回転したときにボス12405が支軸12203を中心として周回する軌跡に対応して形成されている。
ボス12407は、下部役物固定ベース1220に形成された孔12206を貫通した上で、下部役物可動ベース12102に形成された長穴12108に摺動可能に連結される。ここで、孔12206は、右従動ギア12406が反時計周りに回転したときにボス12407が支軸12205を中心として周回する軌跡に対応して形成されている。
ボス12405及びボス12407は、通常状態では、それぞれ、最も下方の最下端位置(図84に示される位置)に位置している。
なお、孔12204及び孔12206は、それぞれ、ボス12405及びボス12407の移動範囲(すなわち左従動ギア12404及び右従動ギア12406の回転範囲)を規定する機能も有する。
左従動ギア12404及び右従動ギア12406が回転した場合におけるボス12405及びボス12407の最も上方の位置を最上端位置としたとき、孔12204及び孔12206は、いずれも、少なくとも最下端位置と最上端位置との間をボス12405,12407が移動できるように形成されている必要がある。本実施形態では、孔12404は、最下端位置(図84参照)から時計回りに最上端位置を超える位置まで形成されている。また、孔12206は、最下端位置(図84参照)から反時計周りに最上端位置を超える位置まで形成されている。
ここで、左従動ギア12404の中心OLを通る鉛直方向線LLと孔12204とが交わる2つの位置のうち、上方がボス12405の最上端位置であり、下方がボス12405の最下端位置である。また、右従動ギア12406の中心ORを通る鉛直方向線LRと孔12206とが交わる2つの位置のうち、上方がボス12407の最上端位置であり、下方がボス12407の最下端位置である(いずれも、図86参照)。ただし、図86では、ボス12405およびボス12407のいずれも、最上端位置をわずかに超える位置まで移動している。
なお、ボス12405についての「最上端位置をわずかに超える位置」とは、左従動ギア12404の中心OLを通る鉛直方向線LLの線上よりも正面視右側(図86(A)の右側、図86(B)の左側)であって、略最上端位置を維持できる位置である。また、ボス12407についての「最上端位置を超える位置」とは、右従動ギア12406の中心ORを通る鉛直方向線LRの線上よりも正面視左側(図86(A)の左側、図86(B)の右側)である。ただし、「超える位置」の程度は、下部役物可動装飾体1210が上方に移動したときに、当該下部役物可動装飾体1210が下降したことを認識し難い程度に僅かであることが好ましい。ボス12405,12407が最上端位置を大きく超えてしまうと、下部役物可動装飾体1210が最上端位置よりも低い位置まで下降してしまうからである。
[下部役物1200の動作説明]
次に、図84〜図86を参照して、下部役物1200の動作について説明する。図84は、作動開始前すなわち通常態様(原点位置にあるときの態様)における下部役物1200の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。図85は、中間位置まで作動した場合における下部役物1200の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。図86は、作動限界まで作動した場合における下部役物1200の一例を示す図であって、(A)が正面図、(B)が背面図である。なお、図86では、ボス12407及び長穴12108の態様を把握できるようにこれらを図示している。
下部役物可動装飾体1210は、原点位置(図84参照)と作動限界位置(図86参照)との間を上下方向に移動可能となっている。なお、下部役物可動装飾体1210が原点位置にあるときは、センターユニット74の後方に隠れるため、遊技者から視認することが困難となっている。一方、下部役物可動装飾体1210が作動限界位置にあるときは、液晶表示装置16の表示領域の前方に位置する。すなわち、原点位置にある下部役物可動装飾体1210が作動限界位置に向けて移動したとき、下部役物可動装飾体1210は、センターユニット74の後方から液晶表示装置16の表示領域に前方に向けて進出することとなる。センターユニット74の後方から液晶表示装置16の表示領域に前方に向けての下部役物可動装飾体1210の進出は、遊技の進行(例えば、第一始動口762又は第二始動口752への遊技球の入賞(通過)を条件に実行される当り判定の結果)に応じて実行される。
下部役物駆動モータ1230が反時計周りに回転すると、左従動ギア12404が時計周りに回転するとともに、右従動ギア12406が反時計周りに回転する。左従動ギア12404が時計周りに回転すると、通常状態で最も下方に位置しているボス12405は、左従動ギア12404の中心12404aからボス12405までの直線距離RLを半径とする弧を描きながら時計周りに回転移動する。右従動ギア12406が反時計周りに回転すると、通常状態で最も下方に位置しているボス12407は、右従動ギア12406の中心12406aからボス12407までの直線距離RRを半径とする弧を描きながら反時計周りに回転移動する。すなわち、下部役物可動装飾体1210は、作動限界位置に向けて上昇する。
下部役物可動装飾体1210が原点位置(図84参照)から中間位置(図85参照)まで作動する間、ボス12405は、下部役物可動ベース12102に形成された長穴12106内を左方向(図84(B)及び図85(B)では右方向)に移動しつつ下部役物可動ベース12102を上方に押し上げる。ボス12407は、下部役物可動ベース12102に形成された長穴12108内を右方向(図84(B)及び図85(B)では左方向)に移動しつつ下部役物可動ベース12102を上方に押し上げる。このとき、孔12204及び孔12206は、それぞれ、ボス12405及びボス12407の作動を案内するガイド溝として機能するとともに、上述したとおり、ボス12405及びボス12407の作動範囲(左従動ギア12404及び右従動ギア12406の回転範囲)を規定する機能をも有する。
また、下部役物可動装飾体1210が中間位置(図85参照)から作動限界位置(図86参照)まで作動する間、ボス12405は、下部役物可動ベース12102に形成された長穴12106内を右方向(図85(B)及び図86(B)では左方向)に移動しつつ下部役物可動ベース12102を上方に押し上げ、ボス12407は、下部役物可動ベース12102に形成された長穴12108内を左方向(図85(B)及び図86(B)では右方向)に移動しつつ下部役物可動ベース12102を上方に押し上げる。なお、補助コイルバネ1290は、軸受12804を支点とする反時計周りの付勢力を補助アーム1280に対して与えているので、この補助コイルバネ1290によって下部役物可動装飾体1210を上方向に押し上げる力がサポートされる。
下部役物駆動モータ1230が時計周りに回転すると、左従動ギア12404が反時計周りに回転するとともに、右従動ギア12406が時計周りに回転する。左従動ギア12404が反時計周りに回転すると、ボス12405は、左従動ギア12404の中心12404aからボス12405までの直線距離RLを半径とする弧を描きながら反時計周りに回転移動する。右従動ギア12406が反時計周りに回転すると、ボス12407は、右従動ギア12406の中心12406aからボス12407までの直線距離RRを半径とする弧を描きながら時計周りに回転移動する。すなわち、下部役物可動装飾体1210は、原点位置に向けて下降する。
下部役物可動装飾体1210が作動限界位置(図86参照)から中間位置(図85参照)まで作動する間、ボス12405は、下部役物可動ベース12102に形成された長穴12106内を左方向(図85(B)及び図86(B)では右方向)に移動しつつ下部役物可動ベース12102を下方に押し下げ、ボス12407は、下部役物可動ベース12102に形成された長穴12108内を右方向(図85(B)及び図86(B)では左方向)に移動しつつ下部役物可動ベース12102を下方に押し下げる。また、下部役物可動装飾体1210が中間位置(図85参照)から原点位置(図84参照)まで作動する間、ボス12405は、下部役物可動ベース12102に形成された長穴12106内を右方向(図84(B)及び図85(B)では左方向)に移動しつつ下部役物可動ベース12102を下方に押し下げ、ボス12407は、下部役物可動ベース12102に形成された長穴12108内を左方向(図84(B)及び図85(B)では右方向)に移動しつつ下部役物可動ベース12102を下方に押し下げる。
なお、上述したとおり、左従動ギア12404の回転中心の高さ方向位置と右従動ギア12406の回転中心の高さ方向位置とが同じであるとともに、左従動ギア12404の径と右従動ギア12406の径とが同じである。また、左従動ギア12404の中心12404aからボス12405までの直線距離RLと、右従動ギア12406の中心12406aからボス12407までの直線距離RRとが同じ距離(長さ)である。そのため、下部役物駆動モータ1230が回転したとき、ボス12405の高さ方向位置と右従動ギア12406の高さ方向位置とが同じとなる。ここで、下部役物可動ベース12102にはLED基板が搭載されているため、上昇対象である下部役物可動装飾体1210は相当の重量がある。しかも、下部役物可動装飾体1210は左右方向に長い役物である。このような役物を上昇させるときには、左右いずれか一方に偏って動力が伝わる可能性がある。しかし、本実施形態の構成によれば、上昇対象物が多少重量があったり左右方向に長い役物であったりしても、一つの下部役物駆動モータ1230の回転力(動力)だけで、左右いずれか一方に動力が偏って伝達されることなく、原点位置(図84参照)にあるときの姿勢を維持しつつ、下部役物可動装飾体1210を安定して(左右方向にバランスよく)上下方向に作動することが可能となる。
ところで、下部役物可動装飾体1210を原点位置から作動限界位置まで作動させるに際し、役物制御回路207は、下部役物駆動モータ1230に対して、原点位置から作動限界位置まで作動するために必要な回転数よりも多く回転するように(作動限界位置を超えて回転するように)パルス信号を出力する。下部役物駆動モータ1230の回転により作動を開始した下部役物可動装飾体1210は、孔12204の終端部にボス12405が衝突するとともに孔12206の終端部にボス12407が衝突することによって物理的に停止される。このようにして、下部役物可動装飾体1210を、原点位置から作動限界位置まで迅速に作動させることが可能となる。
ここで、孔12204は、左従動ギア12404の中心OLを通る鉛直方向線LLの線上よりも中央側(図86(A)において鉛直方向線LLよりも紙面右側)まで形成されている。同様に、孔12206は、右従動ギア12406の中心ORを通る鉛直方向線LRの線上よりも中央側(図86(A)において鉛直方向線LRよりも紙面左側)まで形成されている。そのため、下部役物可動装飾体1210が作動限界位置まで移動すると、ボス12405が最上端位置をわずかに超える位置まで移動するとともにボス12407が最上端位置をわずかに超える位置まで移動する。すなわち、左従動ギア12404の中心OLを通る鉛直方向線LLの線上よりも中央側(図86(A)において鉛直方向線LLよりも紙面右側)にボス12405が位置し、右従動ギア12406の中心ORを通る鉛直方向船LRの線上よりも中央側(図86(A)において鉛直方向線LLよりも紙面左側)にボス12407が位置することとなる。
ボス12405が最上端位置をわずかに超える位置まで移動するとともにボス12407が最上端位置をわずかに超える位置まで移動すると、下部役物可動装飾体1210に対して下方に向けての力(例えば重力)が作用したとしても、孔12204,12206によって左従動ギア12404及び右従動ギア12406の回転が規制される。そのため、左従動ギア12404及び右従動ギア12406はいずれの方向にも回転することができず、この位置で左従動ギア12404及び右従動ギア12406の回転がロックされる。
このように、下部役物可動装飾体1210が作動限界位置まで移動すると、下部役物可動装飾体1210が重力で下降しないことは勿論、下部役物可動装飾体1210に対して振動等の外的な力が加わったとしても下降せず、原点位置に向かう方向(時計周り)に下部役物駆動モータ1230が回転しない限り、作動限界位置において保持される。これにより、ロック機構としての部材を新たに設けることなく簡易な構成で、下部役物可動装飾体1210を上方に移動させるための一連の動作のなかで下部役物可動装飾体1210がロックされ、下部役物可動装飾体1210を上方で維持することが可能となる。
ボス12405が左従動ギア12404の中心OLを通る鉛直方向線LLの線上よりも左側になければ(ボス12407が右従動ギア12406の中心ORを通る鉛直方向線LRの線上よりも右側になければ)、下方に向けての下部役物可動装飾体1210の移動がロックされる。したがって、ボス12405が左従動ギア12404の中心OLを通る鉛直方向線LLの線上にある場合(ボス12407が右従動ギア12406の中心ORを通る鉛直方向線LRの線上にある場合)も、下方に向けての下部役物可動装飾体1210の移動がロックされる。ボス12405が左従動ギア12404の中心OLを通る鉛直方向線LLの線上にある場合(ボス12407が右従動ギア12406の中心ORを通る鉛直方向線LRの線上にある場合)、下部役物可動装飾体1210の重力が鉛直方向に作用し、かかる重力の分力が左従動ギア12404(右従動ギア12406)の回転方向(最上端位置では、左従動ギア12404については正面視で水平左方向、右従動ギア12406については正面視で水平右方向)に作用しないからである。
なお、本実施の形態では、ボス12405が最上端位置をわずかに超える位置まで移動するとともにボス12407が最上端位置をわずかに超える位置まで移動したときに、左従動ギア12404及び右従動ギア12406の回転が規制されるようにしているが、これは、下部役物可動装飾体1210(より詳しくは、下部役物可動ベース12102)を最上端位置において保持したいためであり、上昇させる対象役物(本実施の形態の下部役物可動装飾体1210が相当)を保持したい位置に応じて、ボス12405,12407の移動範囲を適宜変更することができる。例えば、左従動ギア12404の回転範囲を、鉛直方向線LLの線上よりも正面視右側(図86(A)の右側、図86(B)の左側)にさらに90度回転させた位置にするとともに、右従動ギア12406の回転範囲を、鉛直方向線LRの線上よりも正面視左側(図86(A)の左側、図86(B)の右側)にさらに90度回転させた位置にすると、最上端位置と最下端位置との間の中間位置で下部役物可動装飾体1210を保持することができる。
また、本実施の形態では、左従動ギア12404および右従動ギア12406を回転させることによってボス12405およびボス12407を周回させて、下部役物可動装飾体1210(より詳しくは、下部役物可動ベース12102)を上下動させているが、必ずしも、下部役物可動装飾体1210を上下動させる態様はこれに限られず、下部役物可動装飾体1210に対して力を作用する力作用部材(本実施の形態のボス12405,12407が相当)が弧を描いて移動することによって下部役物可動装飾体1210を上下動させる態様であれば良い。したがって、上記の力作用部材の移動にギア(本実施の形態の左従動ギア12404および右従動ギア12406に相当)を用いるのではなく、例えば、中心から径方向に所定距離離れた部位に上記の力作用部材が形成された回転部材などを用いても良い。
また、上記の力作用部材(本実施の形態のボス12405,12407が相当)は、ギアを用いると真円の弧を描いて移動させることができるが、必ずしも真円の弧を描いて移動させる必要はなく、楕円の弧を描いて移動させるようにしても良い。すなわち、力作用部材の移動方向が水平方向になると、当該力作用部材の移動方向(水平方向)における対称役物(本実施形態の下部役物可動装飾体1210(より詳しくは、下部役物可動ベース12102)に相当)の荷重の分力が0となり、対象役物(本実施の形態の下部役物可動装飾体1210が相当)の荷重によって力作用部材が移動しない。そのため、対象役物が下降する方向に力作用部材の駆動源(本実施の形態の下部役物駆動モータ1230に相当)が駆動しない限り、ロック機構としての部材を新たに設けることなく簡易な構成で、対象役物を上方に移動させるための一連の動作のなかで当該対象役物が上方でロックすることが可能となる。
また、本実施の形態では、左従動ギア12404及び右従動ギア12406の回転(ボス12405及びボス12407の移動)を、下部役物駆動モータ1230の駆動を停止させることによって停止させるのではなく、孔12204,12206によって物理的に停止させている。例えば、モータ(本実施の形態の下部役物駆動モータ1230が相当)の制御によって対象役物(本実施の形態の下部役物可動装飾体1210が相当)を上方で停止させるようにすると、停止させたい上方位置付近でモータの回転を減速せざるを得ず、当該上方位置付近での対象役物の上昇速度が低下してしまうおそれがある。この点、本実施の形態のように、力作用部材(本実施の形態のボス12405,12407が相当)の移動を物理的に規制することによって、モータの回転を減速しない限り、対象役物を、停止させたい上方位置付近で失速させることなく、簡単な構成で高速移動を実現できる。しかも、左従動ギア12404及び右従動ギア12406を一対として左右に並べて配置しているので、対称役物が左右方向に長い横長形状であったとしても左右方向の安定性を維持しつつ当該対象役物の昇降を行うことができる。
また、本実施の形態では、左従動ギア12404及び右従動ギア12406が同期して互いに反対方向に回転する。すなわち、ボス12405及びボス12407が同期して互いに反対方向に移動する。これにより、下部役物可動装飾体1210(より詳しくは、下部役物可動ベース12102)に対して左右いずれかの方向に外的力(例えば振動等)が加わったとしても、下部役物駆動モータ1230を駆動しない限り、下部役物可動装飾体1210(より詳しくは、下部役物可動ベース12102)を最上端位置付近でロックすることができる。ボス12405とボス12407とが反対方向に移動しない限り、下部役物可動装飾体1210が下降しないからである。
[コーナー役物1300]
コーナー役物1300は、上述したとおり、上部コーナー役物1320と下部コーナー役物1350とを備える。ここでは、先ず上部コーナー役物1320について説明し、次に下部コーナー役物1350について説明し、その後、コーナー役物1300が作動限界位置まで作動したときの態様について説明する。
[上部コーナー役物1320の構成]
図87〜図90を参照して、上部コーナー役物1320の構成について説明する。図87は、上部コーナー役物1320の正面図の一例である。図88は、上部コーナー役物1320の背面図の一例である。図89は、上部コーナー役物1320を前方右斜め上から見た分解斜視図の一例である。図90は、上部コーナー役物1320を後方左(正面視における左)斜め上から見た分解斜視図の一例である。
上部コーナー役物1320は、上部コーナー役物1320を構成する各種部材が取り付けられる固定プレート1322と、固定プレート1322に対して作動可能に構成される第1可動体1330及び第2可動体1340と、第1可動体1330及び第2可動体1340を作動させるための駆動源としてのモータ1332と、モータ1332の動力を第1可動体1330及び第2可動体1340に伝達する機構としての動力伝達機構1333と、第1可動体1330及び第2可動体1340の原点位置を確認するフォトセンサ1345とを備える。
固定プレート1322は、上部前面役物1000の背面側且つ上部背面役物1100の前面側であって、上述した裏ユニット176のリアボックス1800の上部に取付固定される横長の板状部材である。固定プレート1322の前面側には、支軸13222,13224,13226が形成されている。左右方向における支軸13222と支軸13224との間であって且つ支軸13222,13224よりも上方に、孔13225が形成されている。支軸13226の周囲には、支軸13226の周囲の略上半分に孔13229が形成されている。
第1可動体1330は、文字等の装飾が施された装飾部13302と、装飾部13302と一体的に構成される腕部13304とを備える。腕部13304の基端部には、支軸13222を回転可能に軸支する軸受13306が形成されている。この軸受13306の正面視右上方には支軸13308が形成されている。第1可動体1330は、軸受13306(支軸13222)を中心として回転可能となっている。また、第1可動体1330の裏面には、当該第1可動体1330の移動方向に沿って長い線状のスロープ13307が形成されている。このスロープ13307は、長手方向の両側から中央に向けて高くなる山型形状となっている。
第2可動体1340は、文字等の装飾が施された装飾部13402と、装飾部13402と一体的に構成される腕部13404とを備える。腕部13404の基端部には、支軸13228を回転可能に軸支する軸受13406が形成されている。この軸受13406の正面視左上方には支軸13408が形成されている。第2可動体1340は、軸受13406(支軸13228)を中心として回転可能となっている。また、第2可動体1340の裏面には、当該第2可動体1340の移動方向に沿って長い線状のスロープ13407が形成されている。このスロープ13407は、長手方向の両側から中央に向けて高くなる山型形状となっている。
モータ1332は、モータ取付部材1331を介して固定プレート1322に取付固定される。また、モータ1332の動力は、モータ出力軸13322から出力される。
動力伝達機構1333は、第1ギア1334と、第2ギア1335と、第3ギア1336と、第1伝達アーム1337と、第2伝達アーム1338とを備える。第1ギア1334と第2ギア1335とは噛み合っており、第2ギア1335と第3ギア1336とは噛み合っている。第1可動体1330には、各ギア1334,1335を介してモータ1332からの動力が伝達される。第2可動体1340には、各ギア1334〜1336を介してモータ1332からの動力が伝達される。
第1ギア1334は、中心に中空軸13342が形成されている。この中空軸13342は、モータ出力軸13322と同軸でともに回転できるよう当該モータ出力軸13322に軸支されている。モータ出力軸13322に軸支された中空軸13342は、孔13225に位置する。
第2ギア1335は、中心に中空軸13352が形成されている。この中空軸13352は、支軸13224に回転可能に軸支される。また、第2ギア1335の前面側には、中心から径方向外側に所定距離離れた部位にボス13354が形成されている。
第3ギア1336は、中心に中空軸13362が形成されている。この中空軸13362は、支軸13226に回転可能に軸支される。また、第3ギア1336の前面側には、中心から径方向外側に所定距離離れた部位にボス13364が形成されている。第3ギア1336の背面側には、中心から径方向外側に所定距離離れた部位にボス13366が形成されている。このボス13366は、第3ギア1336が回転したときに、孔13229内を移動する。ボス13364とボス13366とは、互いに反対側の面に、第3ギア1336の中心に対して略対角に形成されている。第3ギア1336は、前面に、フォトセンサ1345によって検知可能な検知片13368が形成されている。
第1伝達アーム1337は、C字状の湾曲部13370と、棒状部13371とを有する。棒状部13371側の端部には軸受13372が形成されている。軸受13372は、支軸13308に回転可能に軸支される。湾曲部13370側の端部には軸受13374が形成されている。軸受13374は、ボス13354に回転可能に軸支される。
第2伝達アーム1338は、C字状の湾曲部13380と、棒状部13381とを有する。棒状部13381側の端部には軸受13382が形成されている。軸受13382は、支軸13408に回転可能に軸支される。湾曲部13380側の端部には軸受13384が形成されている。軸受13384は、ボス13364に回転可能に軸支される。
フォトセンサ1345は、第1可動体1330及び第2可動体1340の位置を検知するものであり、本実施形態では、第1可動体1330及び第2可動体1340が原点位置(後述する図91参照)にあるときに、検知片13368を検知できるように取り付けられている。
[上部コーナー役物1320の動作説明]
次に、図89〜図94を参照して、上部コーナー役物1320の動作について説明する。図91は、第1可動体1330及び第2可動体1340が原点位置にあるときを示す背面図の一例である。図92は、第1可動体1330及び第2可動体1340が原点位置から作動を開始したときを示す背面図の一例である。図93は、図92に示す位置から、第1可動体1330及び第2可動体1340がさらに作動したときを示す背面図の一例である。図94は、第1可動体1330及び第2可動体1340が作動限界位置まで作動したときを示す背面図の一例である。
第1可動体1330及び第2可動体1340が原点位置にあるとき、第1可動体1330は液晶表示装置16の左上コーナー部に位置し、第2可動体1340は液晶表示装置16の右上コーナー部に位置している。原点位置において、第1可動体1330及び第2可動体1340は上部前面役物1000の背後に配置されるため(例えば、図21を参照)、正面視で視認困難となっている。
原点位置(図91参照)に第1可動体1330及び第2可動体1340があるとき、モータ1332が回転し、モータ出力軸13322が正面視で反時計周り(図91〜図94では時計周り)に回転すると、第1ギア1334が正面視で反時計周りに回転する。第1ギア1334が正面視で反時計周りに回転すると、第2ギア1335が正面視で時計周りに回転する。第2ギア1335が正面視で時計周りに回転すると、第3ギア1336が正面視で反時計周りに回転する。
第2ギア1335が支軸13224(中空軸13352)を回転中心として正面視で時計周りに回転すると、ボス13354(図89参照)が中空軸13352(支軸13224)を中心として正面視で時計周りに周回する。ボス13354が中空軸13352を中心として正面視で時計周りに周回すると、これに伴ってボス13354に軸支される軸受13374も支軸13224を中心として正面視で時計周りに周回する。その結果、第1伝達アーム1337の軸受13372が正面視で左方向(図91〜図94では右方向)に移動する。第1伝達アーム1337の軸受13372は第1可動体1330の支軸13308に回転可能に軸支されているため、軸受13372が正面視で左方向に移動すると、支軸13308は、固定プレート1322に形成された支軸13222(軸受13306)を回転中心として正面視で反時計周りに回転する。すなわち、支軸13222を回転中心として第1可動体1330が正面視で反時計周りに回転することとなり、その結果、第1可動体1330が原点位置から、右下方(液晶表示装置16の表示領域の前方)に向けて移動する。
また、第2ギア1335が支軸13224(中空軸13352)を回転中心として正面視で時計周りに回転すると、第3ギア1336が中空軸13362(支軸13226)を回転中心として正面視で反時計周りに回転する。第3ギア1336が支軸13226を回転中心として正面視で反時計周りに回転すると、ボス13364(図89参照)が中空軸13362を中心として正面視で反時計周りに周回する。ボス13364が中空軸13362を中心として正面視で反時計周りに周回すると、第2伝達アーム1338の軸受13382が正面視で右方向(図91〜図94では左方向)に移動する。第2伝達アーム1338の軸受13382は第2可動体1340の支軸13408に回転可能に外挿されているため、軸受13382が正面視で右方向に移動すると、支軸13408は、固定プレート1322に形成された支軸13228(軸受13406)を回転中心として正面視で時計周りに回転する。すなわち、支軸13228を回転中心として第2可動体1340が原点位置から左下方(液晶表示装置16の表示領域の前方)に向けて移動する。
このようにして、一つのモータ1332の回転によって第1可動体1330と第2可動体1340とを同期して作動させることができる。
また、第1可動体1330及び第2可動体1340は、正面視で視認し難い原点位置から、第1可動体1330と第2可動体1340とが近接する方向に移動する。すなわち、第1可動体1330及び第2可動体1340は、正面視で視界の外方から内方に向けて挟み込むように移動してあらわれることとなる。
なお、モータ1332が回転し、モータ出力軸13322が正面視で時計周りに回転すると、上述した動きと逆の動きによって、第1可動体1330及び第2可動体1340が原点位置に戻る方向に作動する。
ところで、液晶表示装置16の表示領域に移動した第1可動体1330が原点位置に戻る際に、第1可動体1330と固定プレート1322とが干渉し、第1可動体1330が原点位置にスムーズに復帰できない虞がある。そこで本実施形態では、第1可動体1330の裏面に形成されたスロープ13307が固定プレート1322の平面部と摺動することによって、原点位置への第1可動体1330のスムーズな復帰が可能とされている。同様に、第2可動体1340についても、当該第2可動体1340の裏面に形成されたスロープ13407が固定プレート1322の平面部と摺動することによって、原点位置への第2可動体1340のスムーズな復帰が可能とされている。
[下部コーナー役物1350の構成]
図95〜図98を参照して、下部コーナー役物1350の構成について説明する。図95は、下部コーナー役物1350の正面図の一例である。図96は、下部コーナー役物1350の背面図の一例である。図97は、下部コーナー役物1350を正面右斜め上から見た分解斜視図である。図98は、下部コーナー役物1350を背面左斜め上から見た分解斜視図の一例である。
下部コーナー役物1350は、下部コーナー役物1350を構成する各種部材が取り付けられる固定プレート1352と、固定プレート1352に対して作動可能に構成される第3可動体1355及び第4可動体1357と、第3可動体1355及び第4可動体1357を作動させるための駆動源としてのモータ1354と、モータ1354の動力を第3可動体1355及び第4可動体1357に伝達する機構としての動力伝達機構1360と、第3可動体1355及び第4可動体1357の位置を確認するフォトセンサ1375とを備える。
固定プレート1352は、中パネル1500の背面側且つ下部役物1200の前面側であって、リアボックス1800の下部に固定して取り付けられる横長の板状部材である。固定プレート1352の前面側には、支軸13522,13523,13524,13525,13526,13527,13528,13529が形成されている。支軸13527の周囲には、支軸13527の周囲の略下半分に孔13530が形成されている。
第3可動体1355は、文字等の装飾が施された装飾部13552と、装飾部13552と一体的に構成される腕部13554とを備える。腕部13554の背面には腕カバー13559が設けられる。腕カバー13559の中央側端部には孔135592が形成されている。腕部13554の基端部には、支軸13524を軸支する軸受13556が形成されている。この軸受13556の正面視右下方には支軸13558が形成されている。第3可動体1355は、軸受13556が軸支される支軸13524を中心として回転可能となっている。また、腕部13554の軸受13556と腕カバー13559の孔135592との間には、コイルバネ1395が設けられている。このコイルバネ1395は、支軸13524を回転中心とする時計周りに付勢している。これにより、第3可動体1355には、支軸13524を回転中心とする時計周りの付勢力が作用する。さらに、第3可動体1355の裏面には、当該第3可動体1355の移動方向に沿って長い線状のスロープ13557が形成されている。このスロープ13557は、長手方向の両側から中央に向けて高くなる山型形状となっている。
第4可動体1357は、文字等の装飾が施された装飾部13572と、装飾部13572と一体的に構成される腕部13574とを備える。腕部13574の背面には腕カバー13579が設けられる。腕カバー13579の中央側端部には孔135792が形成されている。腕部13574の基端部には、支軸13529を軸支する軸受13576が形成されている。この軸受13576の正面視左下方には支軸13578が形成されている。第4可動体1357は、軸受13576が軸支される支軸13529を中心として回転可能となっている。また、腕部13574の軸受13576と腕カバー13579の孔135792との間には、コイルバネ1396が設けられている。このコイルバネ1396は、支軸13529を回転中心とする反時計周りに付勢している。これにより、第4可動体1357には、支軸13529を回転中心とする反時計周りの付勢力が作用する。さらに、第4可動体1357の裏面には、当該第4可動体1357の移動方向に沿って長い線状のスロープ13577が形成されている。このスロープ13577は、長手方向の両側から中央に向けて高くなる山型形状となっている。
モータ1354は、モータ取付部材1356を介して固定プレート1352に取付固定される。モータ1354の動力は、モータ出力軸13542から出力される。
動力伝達機構1360は、第1ギア1361と、第2ギア1362と、第3ギア1363と、第4ギア1364と、第5ギア1365と、第6ギア1366と、第7ギア1367と、各ギア1361,1362,1363,1364,1365,1366,1367の全部又は一部からの動力を第3可動体1355に伝達する第3伝達アーム1370と、各ギア1361,1362,1363,1364,1365,1366,1367の全部又は一部からの動力を第4可動体1357に伝達する第4伝達アーム1372とを備える。
第1ギア1361は、中心に中空軸13612が形成されている。この中空軸13612には、モータ出力軸13542と同軸でともに回転できるよう当該モータ出力軸13542が圧入されている。
モータ1354からの動力は、第1ギア1361、第2ギア1362、第3ギア1363、第4ギア1364、第5ギア1365、第6ギア1366、第7ギア1367の順に伝達される。第6ギア1366は、中心に中空軸13662が形成されているとともに、中心から径方向外側に所定距離離れた部位にボス13664が形成されている。また、第6ギア1366は、前面に、中心から径方向外側に所定距離離れた部位に、フォトセンサ1375によって検知可能な検知片13666が形成されている。また、第7ギア1367は、支軸13528を回転可能に軸支する中空軸13672が中心に形成されているとともに、中心から径方向外側に所定距離離れた部位にボス13674が形成されている。
第3伝達アーム1370は、C字状の湾曲部13702と、棒状部13704とを有する。棒状部13704側の端部には軸受13706が形成されている。軸受13706は、第3可動体1355の支軸13558を回転可能に軸支する。湾曲部13702側の端部には軸受13708が形成されている。軸受13708は、第6ギア1366のボス13664を回転可能に軸支する。
第4伝達アーム1372は、C字状の湾曲部13722と、棒状部13724とを有する。棒状部13724側の端部には軸受13726が形成されている。軸受13726は、支軸13578を回転可能に軸支する。湾曲部13722側の端部には軸受13728が形成されている。軸受13728は、ボス13674を回転可能に軸支する。
フォトセンサ1375は、第3可動体1355及び第4可動体1357の位置を検知するものであり、本実施形態では、第3可動体1355及び第4可動体1357が原点位置(後述する図99参照)にあるときに、検知片13666を検知できるように取り付けられている。
[下部コーナー役物1350の動作説明]
次に、図97〜図101を参照して、下部コーナー役物1350の動作について説明する。図99は、第3可動体1355及び第4可動体1357が原点位置にあるときを示す背面図の一例である。図100は、第3可動体1355及び第4可動体1357が原点位置から作動を開始したときを示す背面図の一例である。図101は、第3可動体1355及び第4可動体1357が作動限界位置まで作動したときを示す背面図の一例である。
第3可動体1355及び第4可動体1357が原点位置にあるとき、第3可動体1355は液晶表示装置16の表示領域の左下角部に位置し、第4可動体1357は液晶表示装置16の表示領域の右下角部に位置している。原点位置において、第3可動体1355及び第4可動体1357は、第一中パネル1520及び第二中パネル1550の背後に配置されるため、正面視で視認困難となっている。
原点位置(図99参照)に第3可動体1355及び第4可動体1357があるとき、モータ1354が回転し、モータ出力軸13542が正面視で時計周り(図99〜図101では反時計周り)に回転すると、第1ギア1361が正面視で時計周りに回転する。第1ギア1361が正面視で時計周りに回転すると、第2ギア1362が正面視で反時計周りに回転する。第2ギア1362が正面視で反時計周りに回転すると、第3ギア1363が正面視で時計周りに回転する。第3ギア1363が正面視で時計周りに回転すると、第4ギア1364が正面視で反時計周りに回転する。第4ギア1364が正面視で反時計周りに回転すると、第5ギア1365が正面視で時計周りに回転する。第5ギア1365が正面視で時計周りに回転すると、第6ギア1366が正面視で反時計周りに回転する。第6ギア1366が正面視で反時計周りに回転すると、第7ギア1367が正面視で時計周りに回転する。
第6ギア1366が支軸13527(中空軸13662)を回転中心として正面視で反時計周り(図99〜図101では時計周り)に回転すると、ボス13664(図97参照)が中空軸13662を中心として正面視で反時計周りに周回する。ボス13664が中空軸13662を中心として正面視で反時計周りに周回すると、第3伝達アーム1370の軸受13706が正面視で左方向(図99〜図101では右方向)に移動する。第3伝達アーム1370の軸受13706は第3可動体1355支軸13558を回転可能に軸支しているため、軸受13706が正面視で左方向に移動すると、支軸13558は、固定プレート1352に形成された支軸13524(軸受13556)を回転中心として正面視で時計周りに回転する。すなわち、支軸13524を回転中心として第3可動体1355が正面視で時計周りに回転することとなり、その結果、第3可動体1355が原点位置から上方に向けて移動する。
また、第6ギア1366が支軸13527(中空軸13662)を回転中心として正面視で反時計周りに回転すると、第7ギア1367が支軸13528(中空軸13672)を回転中心として正面視で時計周りに回転する。第7ギア1367が支軸13528を回転中心として正面視で時計周りに回転すると、ボス13674(図97参照)が中空軸13672を中心として正面視で時計周りに周回する。ボス13672が中空軸13672を中心として正面視で時計周りに周回すると、第4伝達アーム1372の軸受13726が正面視で右方向(図99〜図101では左方向)に移動する。第4伝達アーム1372の軸受13726は第4可動体1357の支軸13578を回転可能に軸支しているため、軸受13726が正面視で右方向に移動すると、支軸13578は、固定プレート1352に形成された支軸13529(軸受13576)を回転中心として正面視で反時計周りに回転する。すなわち、支軸13529を回転中心として第4可動体1357が原点位置から上方に向けて移動する。
このようにして、一つのモータ1354の回転によって第3可動体1355と第4可動体1357とを同期して作動させることができる。
また、第3可動体1355及び第4可動体1357は、正面視で視認し難い原点位置から、第3可動体1355と第4可動体1357とが近接する方向に移動する。すなわち、第3可動体1355及び第4可動体1357は、正面視で視界の外方から内方に向けて挟み込むように移動してあらわれることとなる。
なお、モータ1354が回転し、モータ出力軸1354が正面視で反時計周りに回転すると、上述した動きと逆の動きによって、第3可動体1355及び第4可動体1357が原点位置に戻る方向に作動する。
ところで、液晶表示装置16の表示領域に移動した第3可動体1355が原点位置に戻る際に、第3可動体1355と固定プレート1352とが干渉し、第3可動体1355が原点位置にスムーズに復帰できない虞がある。そこで本実施形態では、第3可動体1355の裏面に形成されたスロープ13557が固定プレート1352の平面部と摺動することによって、原点位置への第3可動体1355のスムーズな復帰が可能とされている。同様に、第4可動体1357についても、当該第4可動体1357の裏面に形成されたスロープ13577が固定プレート1352の平面部と摺動することによって、原点位置への第4可動体13570のスムーズな復帰が可能とされている。
[コーナー役物1300が作動限界位置まで作動したときの態様]
次に、図102〜図104を参照して、コーナー役物1300が作動限界位置まで作動したときの態様について説明する。図102は、コーナー役物1300のうち、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357の全部が作動限界位置まで作動したときの態様を示す裏ユニット176の正面図の一例である。図103は、コーナー役物1300のうち、第1可動体1330及び第2可動体1340が作動限界位置まで作動し、第3可動体1355及び第4可動体1357が原点位置に待機しているときの態様を示す裏ユニット176の正面図の一例である。図104は、コーナー役物1300のうち、第3可動体1355及び第4可動体1357が作動限界位置まで作動し、第1可動体1330及び第2可動体1340が原点位置に待機しているときの態様を示す裏ユニット176の正面図の一例である。ただし、図102〜図104では、説明の便宜上、上部前面役物1000、下部役物1200、中パネル1500およびアタッカ球樋1600の図示を省略している。
また、図示は省略されているが、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357のそれぞれに、一つの文字(例えば、漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベット)が付されている。
図102に示すように、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357が作動限界位置まで作動すると、液晶表示装置16(例えば、図5参照)の前方において、各可動体1330,1340,1355,1357に付された文字によって一つの意匠(例えば、熟語)が形成される。
また、図103に示すように、第1可動体1330および第2可動体1340が作動限界位置まで作動し、第3可動体1355及び第4可動体1357が原点位置に待機しているときは、液晶表示装置16(例えば、図5参照)の前方において、第1可動体1330および第2可動体1340に付された文字によって一つの意匠(例えば、熟語)が形成される。
さらに、図104に示すように、第3可動体1355および第4可動体1357が作動限界位置まで作動し、第1可動体1330及び第2可動体1340が原点位置に待機しているときは、液晶表示装置16(例えば、図5参照)の前方において、第3可動体1355および第4可動体1357に付された文字によって一つの意匠(例えば、熟語)が形成される。
このようにして、例えばサブCPU201が有する役物制御回路207(いずれも、図9参照)によってモータ1332(例えば、図89参照)およびモータ1354(例えば、図98参照)の駆動を、大当り判定処理の結果に応じて制御することで、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357の全部の文字で一つの意匠(以下、「第1意匠」と称する)を形成したり、上部コーナー役物1320(第1可動体1330および第2可動体1340)が有する一部(2つ)の文字で一つの意匠(以下、「第2意匠」と称する)を形成したり、下部コーナー役物1350(第3可動体1355及び第4可動体1357)が有する一部(2つ)の文字で一つの意匠(以下、「第3意匠」と称する)を形成したりすることが可能となる。これにより、役物の作動による可動演出によって遊技者に与える視覚的印象を、限られた数の役物だけで変化させることが可能となる。
また、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357のうち2つ以上の可動体によって形成される意匠は、遊技の進行にかかわる情報(例えば、大当り期待度の高い特定のリーチの実行示唆情報)として遊技者に認識させることもできる。例えば、第一始動口5442や第二始動口440への始動入賞による大当り判定が行われた結果として、遊技者に大当りであることを期待させる特定のリーチ演出が実行される場合に、当該特定のリーチ演出を示す(又は関連する)熟語を、液晶表示装置16の表示領域の前方において二つ以上の可動体(第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357のうちいずれか二つ以上の可動体)が近接して配置されたときに認識できる意匠(例えば、熟語)によってあらわすようにしても良い。
本実施の形態では、第1可動体1330及び第2可動体1340は、正面視で視認し難い原点位置から、第1可動体1330と第2可動体1340とが近接する方向に移動する。すなわち、第1可動体1330及び第2可動体1340は、正面視で視界の上方外方から下方内方に向けて挟み込むように移動してあらわれる。
また、第3可動体1355及び第4可動体1357は、正面視で視認し難い原点位置から、第3可動体1355と第4可動体1357とが近接する方向に移動に移動する。すなわち、第3可動体1355及び第4可動体1357は、正面視で視界の上方外方から下方内方に向けて挟む込むように移動してあらわれる。
ここで、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357の前面には、それぞれ、文字が施されているが、各可動体1330,1340,1355,1357のそれぞれに施された単体の各文字だけでは意味を成さず、遊技の進行にかかわる情報が遊技者に示されるものではない。
また、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357は、原点位置ではいずれも視認し難い位置に配置されているとともに、それぞれ、正面視左上、正面視右上、正面視左下及び正面視右下と互いに離れた部位に配置されている。そのため、1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357のうちの二つ以上の可動体が、正面視で遊技者の視界の外方から内方に向けて作動することとなり、当該作動の過程において、作動する二つ以上の可動体に付された文字によって形成される意匠(例えば、熟語)を遊技者が直ちに認識することは困難であり、液晶表示装置16の表示領域の前方において近接して停止されてようやく認識できるものである。
このように、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357のうち二つ以上の可動体が正面視で視界の外方から内方に向けて移動することによって、遊技者の注視を、奥方(液晶表示装置16の表示領域にて示される演出画像)から手前(液晶表示装置16の前方に進出した可動体の文字)に移動させることができる。これにより、従来より、例えば遊技の進行にかかわる情報は、例えば液晶表示装置に表示される演出画像等によって遊技者に示されていたところ、本実施の形態によれば、液晶表示装置16に表示される演出画像に頼ることなく、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357のうち液晶表示装置16の表示領域の前方に進出した二つ以上の可動体のみで、遊技の進行にかかわる情報を遊技者に示すことが可能となる。これにより、演出のリズムを変えるだけでなく遊技者にインパクトのある演出を行うことができ、興趣の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態では、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357が作動限界位置まで作動すると、液晶表示装置16(例えば、図5参照)の前方において、全部の可動体1330,1340,1355,1357に付された文字によって一つの意匠が形成されることが好ましいが、必ずしもこれに限られず、二以上の一部の可動体に付された文字のみによって一つの意匠が形成されるようにしても差し支えない。例えば、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357のうち、第1可動体1330および第3可動体1355に付された文字のみによって一つの意匠が形成され、第2可動体1340および第4可動体1357(文字は付されていなくてもよい)は意匠を構成せずに単なる別個の可動体として存在するような場合が相当する。
また、本実施形態では、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357のそれぞれに、一つの文字が付されているが、必ずしもこれに限られず、全部の可動体または一部の可動体については、二以上の文字が付されていてもよい。
また、本実施形態では、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357のそれぞれに付されたのは文字であるが、必ずしもこれに限られず、液晶表示装置16(例えば、図5参照)の前方において、一つの意匠を形成したり、意味のあるかたちをなすもの(例えば、特定の観念を想起させるもの)を形成するものであればよい。
また、本実施形態では、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357が液晶表示装置16(例えば、図5参照)の前方に位置しているとき、他の可動体との間に隙間を有しているが、これに限られず、全部または一部の可動体が合体して一つの意匠を形成するものであってもよい。
また、本実施形態では、一つのモータ1332(例えば、図89参照)の回転によって第1可動体1330と第2可動体1340とが同期して作動するとともに、一つのモータ1354の回転によって第3可動体1355と第4可動体1357とが同期して作動するように構成されているが、これに限られず、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357のそれぞれが単体で作動するように構成してもよい。
[サイド役物1400の構成]
図105〜図108を参照して、サイド役物1400の構成について説明する。図105は、通常態様(原点位置にあるときの態様)におけるサイド役物1400の正面図の一例である。図106は、通常態様におけるサイド役物1400の背面図の一例である。図107は、サイド役物1400を前方右斜め上から見た分解斜視図の正面図の一例である。図108は、サイド役物1400を後方左(正面視における左)斜め上から見た分解斜視図の一例である。なお、図106では、リンク部材1420等の各種部材を視認しやすいように取付プレート1410を透過させて図示しているが、実際は不透明部材である。
サイド役物1400は、サイド役物1400を構成する各種部材が取り付けられる取付プレート1410と、取付プレート1410に対して作動可能に構成される可動装飾体1450と、可動装飾体1450を作動させるための駆動源としてのサイド役物用モータ1440と、サイド役物用モータ1440の動力を可動装飾体1450に伝達する機構としての可動片1430及びL字状のリンク部材1420と、可動装飾体1450の位置を確認するフォトセンサ1464とを備える。
取付プレート1410は、上述した裏ユニット176のリアボックス1800の右側部に取付固定される縦長の板状部材である。取付プレート1410の前面側の上部には、リンク部材1420を軸支するリンク支軸1412が形成されている。取付プレート1410の下部には、可動装飾体1450を軸支する可動装飾体用支軸1414が形成されている。
可動装飾体1450は、前面に装飾が施された縦長の柄状の本体部1452と、本体部1452とともに作動可能であるとともに本体部1452に対しても単独で作動可能に構成される単独可動体1454とを備える。可動装飾体1450の本体部1452は、当該本体部1452の下部に、可動装飾体用支軸1414を軸支する可動装飾軸受1458を有する。可動装飾体1450は、可動装飾軸受1458において可動装飾体用支軸1414に軸支され、可動装飾体用支軸1414(可動装飾軸受1458)を回転中心として回転可能に構成されている。可動装飾体1450は、下方端部に原点確認可動片1456を有する。さらに、可動装飾体1450は、正面視右側において、後方に向けて突出する可動装飾ボス1455を有する。
サイド役物用モータ1440は、モータ取付部材1444を介して取付プレート1410に取付固定される。また、サイド役物用モータ1440は、減速機付きのモータであり、サイド役物用モータ1440の回転速度が減速されてモータ出力軸1442から動力が出力される。
可動片1430は、上記のモータ出力軸1442を軸支することによってサイド役物用モータ1440に連結されるギア軸受1432と、リンク部材1420に連結されるリンク部材用ボス1434とを有する。可動片1430は、サイド役物用モータ1440が回転すると、ギア軸受1432(モータ出力軸1442)を回転中心として回転する。
リンク部材1420は、取付プレート1410のリンク支軸1412を軸支するリンク軸受1422と、横方向に長い第1リンク1421と、第1リンク1421に対して略直角で下方向に長い第2リンク1425とを有する。リンク部材1420は、リンク軸受1422に軸支されたリンク支軸1412を回転中心として回転可能となっている。第1リンク1421には、可動片1430のリンク部材用ボス1434が摺動可能に連結される可動片用長穴1424が形成されている。リンク部材用ボス1434は、リンク部材1420がリンク軸受1422を回転中心として回転したときに、可動片用長穴1424の長穴方向に沿って摺動可能となっている。第2リンク1425には、可動装飾体1450の可動装飾ボス1455が摺動可能に連結される可動装飾体用長穴1426が形成されている。可動装飾ボス1455は、リンク部材1420がリンク軸受1422を回転中心として回転したときに、可動装飾体用長穴1426の長穴方向に沿って摺動可能となっている。
フォトセンサ1464は、フォトセンサ取付部材1460を介して取付プレート1410の下部に取付固定される。フォトセンサ1464は、可動装飾体1450の位置を検知している。上述したとおり、本実施形態では、可動装飾体1450の下方端部に原点確認可動片1456を有しており、フォトセンサ1464は、可動装飾体1450が原点位置にあるときに上記の原点確認可動片1456を検知できるようになっている。すなわち、フォトセンサ1464は、可動装飾体1450が原点位置にあるか否かを検出するものである。
[サイド役物1400の動作説明]
次に、図105、図106及び図109〜図113を参照して、サイド役物1400の動作について説明する。図109は、可動装飾体1450が液晶表示装置16の表示領域の前方に向けて移動中のサイド役物1400を示す正面図の一例である。図110は、可動装飾体1450が液晶表示装置16の表示領域の前方に向けて移動中のサイド役物1400を示す背面図の一例である。図111は、可動装飾体1450が液晶表示装置16の表示領域の前方に向けて最も進出したときのサイド役物1400を示す正面図の一例である。図112は、可動装飾体1450が液晶表示装置16の表示領域の前方に向けて最も進出したときのサイド役物1400を示す背面図の一例である。図113は、可動装飾体1450が液晶表示装置16の表示領域の前方に向けて最も進出した状態からさらにサイド役物用モータ1440を同じ方向に回転させたときのサイド役物1400を示す背面図の一例である。以下、この明細書において、可動装飾体1450が液晶表示装置16の表示領域の前方に向けて最も進出したときの位置を、「最進出位置」と称する。
なお、可動装飾体1450が原点位置にあるときのリンク部材1420の傾き度合いは背面視で概ね1時(図106参照)であり、可動装飾体1450が最進出位置にあるときのリンク部材1420の傾き度合いは背面視で概ね4時半(図112参照)である。本実施の形態では、サイド役物用モータ1440の減速比は、サイド役物用モータ1440が1回転したときにモータ出力軸1442が概ね1時から概ね4時半まで移動する(可動装飾体1450が原点位置から最進出位置まで移動する)ように設定されているが、減速比はこれに限られない。
図112に示される最進出位置では、可動装飾ボス1455が可動装飾体用長穴1426の端部まで移動していない。これは、可動装飾体用支軸1414(可動装飾体1450)を回転中心とする回転方向と、可動装飾体用長穴1426の長方向とが異なる方向となるため、可動装飾体用長穴1426の側面(長手方向の面)で可動装飾ボス1455の動きが規制されるからである。
原点位置(リンク部材1420の傾き度合いが背面視で概ね1時となる位置)に可動装飾体1450があるとき、サイド役物用モータ1440が回転し、モータ出力軸1442が正面視で反時計周り(図105、図109及び図111では反時計周り、図106、図110、図112及び図113では時計周り)に回転すると、可動片1430がモータ出力軸1442(ギア軸受1432)を回転中心として正面視で反時計周りに回転する。可動片1430がギア軸受1432を回転中心として正面視で反時計周りに回転すると、リンク部材用ボス1434が可動片用長穴1424内を摺動し、リンク部材1420に対して、リンク軸受1422(リンク支軸1412)を回転中心として正面視で時計周り(図109では時計周り、図110では反時計周り)に回転する力が作用する。そして、リンク部材1420がリンク軸受1422を回転中心として正面視で時計周りに回転すると、可動装飾ボス1455を介して、可動装飾体1450を液晶表示装置16の表示領域の前方に向けて押し出す力が作用する。リンク部材1420の傾き度合いが背面視で概ね4時半(図112参照)となり、サイド役物用モータ1440の回転が停止すると、可動装飾体1450は最進出位置で停止する。
リンク部材1420の傾き度合いが背面視で概ね4時半(図112参照)の状態からさらにサイド役物用モータ1440が回転し、モータ出力軸1442が正面視で反時計周り(図105、図109及び図111では反時計周り、図106、図110、図112及び図113では時計周り)に回転すると、可動片1430がモータ出力軸1442(ギア軸受1432)を回転中心として正面視で反時計周りに回転する。可動片1430がギア軸受1432を回転中心として正面視で反時計周りに回転すると、リンク部材用ボス1434が可動片用長穴1424内を摺動し、リンク部材1420に対して、リンク軸受1422(リンク支軸1412)を回転中心として正面視で時計周り(図109では時計周り、図110では反時計周り)に回転する力が作用する。そして、リンク部材1420がリンク軸受1422を回転中心として正面視で時計周りに回転すると、可動装飾ボス1455を介して、可動装飾体1450に対して当該可動装飾体1450を原点位置に戻す力が作用する。リンク部材1420の傾き度合いが背面視で概ね1時(図106参照)となり、サイド役物用モータ1440の回転が停止すると、可動装飾体1450が原点位置で停止する。
このように、サイド役物用モータ1440を正転・逆転させることなく、サイド役物用モータ1440を同じ方向(本実施の形態では正面視で反時計周り)に回転させるだけで、可動装飾体1450を、原点位置と最進出位置との間を往復移動させることが可能となる。なお、リンク部材1420が背面視で概ね1時(図106参照)から背面視で概ね4時半(図112参照)まで移動すると、可動装飾体1450は、原点位置から最進出位置まで移動する。一方、リンク部材1420が背面視で概ね4時半から背面視で概ね1時まで移動すると、可動装飾体1450は、最進出位置から原点位置まで移動する。すなわち、原点位置から最進出位置までの可動装飾体1450の移動は、リンク部材1420が背面視で概ね1時から背面視で概ね4時半まで移動するだけで実現できるが、最進出位置から原点位置までの可動装飾体1450の移動は、リンク部材1420が背面視で概ね4時半から1時まで移動することを要する。
したがって、サイド役物用モータ1440(モータ出力軸1442)の回転速度が一定であるときは勿論のこと、サイド役物用モータ1440の回転速度が大きく変動しない限り、原点位置から最進出位置までの可動装飾体1450の移動は相対的に迅速に行われ、最進出位置から原点位置までの可動装飾体1450の移動は相対的に緩やかに行われることとなる。ここで、原点位置から最進出位置に向けての可動装飾体1450の移動(可動体演出)は、第一始動口5442又は第二始動口440に遊技球が入賞したときに行われる当り判定の結果に基づいて行われるが、かかる可動装飾体1450の移動は迅速に行われることが要求される。一方、最進出位置から原点位置までの可動装飾体1450の移動は、原点位置から最進出位置に向けての移動と比べて迅速な移動が要求されない。そのため、サイド役物用モータ1440を一の方向(同じ方向)に回転させるだけで可動装飾体1450を原点位置と最進出位置との間を往復移動させることが可能でありながらも、可動装飾体1450が原点位置から最進出位置まで移動するために要するサイド役物用モータ1440の回転角度を、可動装飾体1450が最進出位置から原点位置まで移動するための要するサイド役物用モータ1440の回転角度よりも小さくすることで、サイド役物用モータ1440の回転速度に変更を加えることなく、最進出位置から原点位置までの移動と比べて、原点位置から最進出位置までの可動装飾体1450の移動を迅速に行うことが可能となる。
なお、単独可動体1454は、可動装飾体1450が原点位置から最進出位置まで移動するときに当該可動装飾体1450とともに原点位置から最進出位置まで移動するが、当該移動に伴って、単独可動体1454が本体部1452に対してあわせて作動するようにすることで、サイド役物1400の動作演出をよりダイナミックなものにすることができる。ただし、これに代えて又は加えて、可動装飾体1450が原点位置、最進出位置又は原点位置と再進出位置との間に待機しているときに、本体部1452に対して単独可能体1454を作動させるようにしても良い。
[第二中パネル1550の構成]
図114〜図116を参照して、第二中パネル1550の構成について説明する。図114は、第二中パネル1550を前方右斜め上から見た分解斜視図の一例である。図115は、第二中パネル1550を後方左(正面視における左)斜め上から見た分解斜視図の一例である。図116は、(A)第二中パネル1550の正面図の一例、(B)(A)に示すC−C線断面図の一例である。
第二中パネル1550は、第二中パネル1550を構成する各種部材が取り付けられるパネル取付ケース1556と、LED1562,1564が配置されるLED基板1560と、導光レンズ1570と、黒色シート1580と、インナーレンズ1583と、装飾シート1584と、ハーフミラー1585と、上述した開口窓1552を有する窓縁体1586と、パネルカバー1590とを備える。
パネル取付ケース1556は、上述した裏ユニット176のリアボックス1800の右下部に固定して取り付けられるケース状の部材である。
LED基板1560は、上述した開口窓1552に対応する形状の環状の突起1561が形成されるとともに平面領域1563を有する板状部材である。LED基板1560には、環状の突起1561の径方向内側に、複数(本実施形態では5個)のLED1562が環状に配置されているとともに、平面領域1563には複数のLED1564が配置されている。LED1562は、径方向の外側に向けて発光するように設けられる。LED1564は、正面視で前方に向けて発光するように設けられる。
導光レンズ1570は、パネル取付ケース1556との間でLED基板1560を収容するように設けられる。導光レンズ1570は、LED基板1560に配置されたLED1564から前方に向けて発光された光を分散して面状に発光する機能を有する。また、導光レンズ1570には、開口窓1552に対応する形状の孔が形成されている。
黒色シート1580は、パネルカバー1590の裏面に貼付される。黒色シート1580は、前面側が黒色であり、背面側には文字等のすかしが施されている。当該すかしは、通常時(LED1562,1564が発光していないとき)は前方から視認できないが、所定条件が成立してLED1562,1564が発光すると、パネルカバー1590に浮かび上がるようにあらわれる。黒色シート1580は、開口窓1552に対応する形状の孔が形成されている。
ハーフミラー1585、装飾シート1584及びインナーレンズ1583は、前方からこの順で重ねて、開口窓1552に臨むように配置される。このとき、インナーレンズ1583は、LED1562が径方向内側に収まる態様で(LED1562の径方向外側に位置するように)配置される。
インナーレンズ1583は、外周に沿って正面視で背面側に突出するフランジ15832(図116(B)参照)を有する。LED1562から径方向外側に向けて発光された光の一部はインナーレンズ1583に吸収され、当該吸収されなかった光はインナーレンズ1583を透過する。また、インナーレンズ1583は、5つの扇形領域15831,15833,15835,13837,13839に仕切られている(図115参照)。また、これら5つの各領域15831,15833,15835,13837,13839は、径方向に略直交する方向に、複数の切り欠きが形成されている。また、5つの各領域15831,15833,15835,13837,13839の境界は、周縁部から円の中心に向けて高さが低くなるように傾斜しているため、インナーレンズ1583に入射した光は、インナーレンズ1583に形成された切り欠きに沿って流れるとともに、インナーレンズ1583の径方向の中央に向けて集まる。インナーレンズ1583に光が入射したとき、径方向の中央部よりも外周部の方が光の強度が強いが、入射した光を径方向の中央に向けて集めることで、インナーレンズ1583の面をより均一に面発光させることが可能となる。
装飾シート1584は、前面にキャラクター等の絵が描かれた光透過性のシートである。装飾シート1584に描かれたキャラクターは、通常時(LED1562が発光していないとき)はハーフミラー1585によって前方から視認できないが、所定条件が成立してLED1562が発光すると、開口窓1552内の領域に浮かび上がるようにあらわれる。このように、LED1562が発光すると窓枠1552内の領域にキャラクターがあらわれるので、この明細書において、LED1562をキャラクタランプとも称する。
窓縁体1586は、光沢メッキが施されており、光を反射するように構成されている。また、窓縁体1586には、上述した開口窓1552が形成されており、外観の美観が保たれるように外周部に装飾が施されている。
パネルカバー1590は、透明の板状部材であり、上述したように、背面側に黒色シート1580が添付されている。また、パネルカバー1590は、開口窓1552に対応する孔が形成されている。
LED1562から発光された光は、径方向の外側に向けて発光する。当該光の一部は、インナーレンズ1583のフランジ15832(図116参照)に入射し、当該入射した光の一部はインナーレンズ1583内に吸収され、他の光はインナーレンズ1583を透過して径方向の外側に向けて発光される。インナーレンズ1583を透過して径方向の外側に向けて発光された光は、窓縁体1586の外周縁の径方向内側の面15862(図116参照)に反射する。窓縁体1586の外周縁の径方向内側の面15862に反射した光は、光の進行方向を径方向の内側に向かう方向に変えて、インナーレンズ1583に入射する。このようにして、LED1562から発光された光が外部に洩れることを極力防止し、極力インナーレンズ1583に吸収されるようにしている。また、インナーレンズ1583には、上記の一部の光も含めてインナーレンズ1583の外周部から光が入射するので、当該光をインナーレンズ1583の面に沿って分散させることができ、均一に面発光させることが可能となる。
以下に、パチンコ遊技機1のメインCPU101で実行される各種の処理を図117〜図135に示す。
[電源投入時処理]
図117は、メインCPU101による電源投入時処理の一例を示している。パチンコ遊技機1の電源が投入されると、同図に示すように、メインCPU101は、初期値をスタックポインタに設定する(ステップS11)。
次に、メインCPU101は、電断検知信号がONか否かを判別する(ステップS12)。電断検知信号は、例えば所定レベルまで電圧が降下するとONとなる。電断検知信号がONの場合、メインCPU101は、電断検知状態と判別し、電断検知信号がOFFになるまでS12の処理を繰り返し行う。電断検知信号がOFFの場合、メインCPU101は、電断検知状態と判別し、ステップS13の処理に移る。
ステップS13において、メインCPU101は、RWM(メインRAM103)に対するアクセスを許可する。
次に、メインCPU101は、サブ制御回路200が信号を受け付け可能になるまで待機する副制御受信受付ウェイト処理を行う(ステップS14)。
次に、メインCPU101は、CPU内蔵の各種デバイスについて初期化処理を行う(ステップS15)。
次に、メインCPU101は、バックアップクリア信号がONか否かを判別する(ステップS16)。バックアップクリア信号は、主制御回路70を構成するメインCPU101に備えられたメインRAM103や、払出・発射制御回路300を構成するRAM(図示せず)のバックアップ内容のクリアを指令するための信号である。バックアップクリア信号がONの場合、メインCPU101は、ステップS23の処理に移る。バックアップクリア信号がOFFの場合、メインCPU101は、ステップS17の処理に移る。
ステップS17において、メインCPU101は、電断検知フラグが設定オンであるか否かを判別する。電断検知フラグは、電断発生に応じて電断処理を実行したことを示すフラグである。電断検知フラグが設定オンである場合、メインCPU101は、ステップS18の処理に移る。電断検知フラグが設定オフである場合、メインCPU101は、ステップS23の処理に移る。
ステップS18において、メインCPU101は、メインRAM103について例えばチェックサムを用いて作業領域損傷チェックを行う。
次に、メインCPU101は、作業領域が正常か否かを判別する(ステップS19)。作業領域が正常である場合、メインCPU101は、ステップS20の処理に移る。作業領域が正常でない場合、メインCPU101は、ステップS23の処理に移る。
ステップS20において、メインCPU101は、電断復旧時に初期値を必要とする作業領域の初期設定を行う。
次に、メインCPU101は、電断復旧時の高確率遊技状態(確変遊技状態)についての報知設定を行う(ステップS21)。
次に、メインCPU101は、電断復帰時のコマンド(電断復帰コマンド)をサブ制御回路200に対して送信する処理を行う(ステップS22)。この処理を終了すると、メインCPU101は、電源投入時処理を終了する。
ステップS23において、メインCPU101は、メインRAM103の作業領域をクリアする処理を行う。
次に、メインCPU101は、RWM(メインRAM103)初期化時に初期値を必要とする作業領域の初期設定を行う(ステップS24)。
次に、メインCPU101は、RWM初期化時のコマンド(初期化コマンド)をサブ制御回路200に対して送信する処理を行う(ステップS25)。
[システムタイマ割込処理]
図118は、メインCPU101によるシステムタイマ割込処理の一例を示している。システムタイマ割込処理は、例えば2msごとに実行される。同図に示すように、メインCPU101は、各レジスタの値をメインRAM103のスタックエリアに退避する(ステップS31)。
次に、メインCPU101は、各種の乱数値を更新する乱数更新処理を行う(ステップS32)。
次に、メインCPU101は、各種スイッチからの入力信号を検出するためのスイッチ入力検出処理を実行する(ステップS33)。スイッチ入力検出処理については、図119を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、各種タイマの値を更新するタイマ更新処理を行う(ステップS34)。
次に、メインCPU101は、サブ制御回路200に各種コマンドを出力(送信)するコマンド出力処理を行う(ステップS35)。
次に、メインCPU101は、サブ制御回路200に各種遊技情報を出力(送信)する遊技情報出力処理を行う(ステップS36)。遊技情報は、主制御回路70、サブ制御回路200、払出・発射制御回路300などにおいて処理される遊技に関わる情報であり、サブ制御回路200や払出・発射制御回路300、ホールコンピュータに送信される。
次に、メインCPU101は、退避した各レジスタの値を復帰させる処理を行う(ステップS37)。この処理を終了すると、メインCPU101は、システムタイマ割込処理を終了する。
[スイッチ入力検出処理]
図119は、メインCPU101によるスイッチ入力検出処理の一例を示している。スイッチ入力検出処理は、先述したシステムタイマ割込処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU101は、始動口入賞検出処理を実行する(ステップS41)。始動口入賞検出処理については、図120を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、一般入賞口通過検出処理を行う(ステップS42)。一般入賞口通過検出処理では、例えば一般入賞口53・54・55への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。
次に、メインCPU101は、大入賞口通過検出処理を行う(ステップS43)。大入賞口通過検出処理では、例えば大入賞口540への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。
次に、メインCPU101は、球通過検出器通過検出処理を行う(ステップS44)。球通過検出器通過検出処理では、球通過検出器43による遊技球の通過検出に応じて普通図柄ゲームの抽選結果(乱数値)を取得する。この処理を終了すると、メインCPU101は、システムタイマ割込処理を終了する。
[始動口入賞検出処理]
図120は、メインCPU101による始動口入賞検出処理の一例を示している。始動口入賞検出処理は、先述したスイッチ入力検出処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、まず、メインCPU101は、第一始動口スイッチ5472で遊技球を検出したか否かを判別する(ステップS51)。第一始動口スイッチ5472で遊技球を検出した場合、メインCPU101は、ステップS52の処理に移る。第一始動口スイッチ5472で遊技球を検出していない場合、メインCPU101は、ステップS59の処理に移る。
ステップS52において、メインCPU101は、第一始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。
次に、メインCPU101は、第一始動口入賞の保留個数(第1特別図柄の保留個数)が4個未満であるか否かを判別する(ステップS53)。当該保留個数が4個未満の場合、メインCPU101は、ステップS54の処理に移る。当該保留個数が4個の場合、メインCPU101は、ステップS59の処理に移る。
ステップS54において、メインCPU101は、第一始動口入賞の保留個数を1加算する処理を行う。
次に、メインCPU101は、当り判定用乱数値及び図柄乱数値を取得し、これらの乱数値をメインRAM103に格納する処理を行う(ステップS55)。
次に、メインCPU101は、第1特別停止図柄判断処理を行う(ステップS56)。第1特別停止図柄判断処理では、当り判定用乱数値及び図柄乱数値に基づいて、当り乱数判定テーブル(第一始動口)及び図柄判定テーブル(第一始動口)、大当り種類決定テーブルを参照し、停止表示される予定の第1特別図柄に係る図柄指定コマンドや当り時選択図柄コマンド等を決定する。
次に、メインCPU101は、変動パターン決定処理を実行する(ステップS57)。変動パターン決定処理では、図柄指定コマンドや判定値データ、遊技状態やテーブルパターンに基づいて、遊技状態遷移テーブル及び変動パターン選択用テーブルを参照し、第1特別図柄に係る変動パターンを決定する。変動パターン決定処理については、図121を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、第一始動口入賞の保留個数増加コマンドをセットする処理を行う(ステップS58)。第一始動口入賞の保留個数増加コマンドは、第1特別図柄の保留個数を1増加する旨を示すコマンドであり、ステップS57の処理で決定された変動パターンを示すコマンド等とともにサブ制御回路200へと送信される。
次に、メインCPU101は、第二始動口スイッチ441で遊技球を検出したか否かを判別する(ステップS59)。第二始動口スイッチ441で遊技球を検出した場合、メインCPU101は、ステップS60の処理に移る。第二始動口スイッチ441で遊技球を検出していない場合、メインCPU101は、始動口入賞検出処理を終了する。
ステップS60において、メインCPU101は、第二始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。
次に、メインCPU101は、第二始動口入賞の保留個数(第2特別図柄の保留個数)が4個未満であるか否かを判別する(ステップS61)。当該保留個数が4個未満の場合、メインCPU101は、ステップS62の処理に移る。当該保留個数が4個の場合、メインCPU101は、始動口入賞検出処理を終了する。
ステップS62において、メインCPU101は、第二始動口入賞の保留個数を1加算する処理を行う。
次に、メインCPU101は、当り判定用乱数値及び図柄乱数値を取得し、これらの乱数値をメインRAM103に格納する処理を行う(ステップS63)。
次に、メインCPU101は、第2特別停止図柄判断処理を行う(ステップS64)。第2特別停止図柄判断処理も、第1特別停止図柄判断処理と同様に、当り判定用乱数値及び図柄乱数値に基づいて、当り乱数判定テーブル(第二始動口)及び図柄判定テーブル(第二始動口)、大当り種類決定テーブルを参照し、停止表示される予定の第2特別図柄に係る図柄指定コマンドや当り時選択図柄コマンド等を決定する。
次に、メインCPU101は、変動パターン決定処理を実行する(ステップS65)。この変動パターン決定処理も、図柄指定コマンドや判定値データ、遊技状態やテーブルパターンに基づいて、遊技状態遷移テーブル及び変動パターン選択用テーブルを参照し、第2特別図柄に係る変動パターンを決定する。変動パターン決定処理については、図121を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、第二始動口入賞の保留個数増加コマンドをセットする処理を行う(ステップS66)。第二始動口入賞の保留個数増加コマンドは、第2特別図柄の保留個数を1増加する旨を示すコマンドであり、ステップS65の処理で決定された変動パターンを示すコマンド等とともにサブ制御回路200へと送信される。この処理を終了すると、メインCPU101は、始動口入賞検出処理を終了する。
[変動パターン決定処理]
図121は、メインCPU101による変動パターン決定処理の一例を示している。変動パターン決定処理は、先述した始動口入賞検出処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU101は、後述するテーブルパターン、当り判定用乱数値及び図柄乱数値に基づいて、遊技状態遷移テーブル及び変動パターン選択用テーブルを参照し、変動パターン種別を選択する処理を行う(ステップS71)。
次に、メインCPU101は、選択された変動パターン種別の中から所定の抽選確率に基づいて前半及び後半変動パターンを選択する処理を行う(ステップS72)。この処理を終了すると、メインCPU101は、変動パターン決定処理を終了する。
なお、変動パターンには、識別図柄の可変表示時間が対応付けて記憶されているため、上記の変動パターン決定処理において決定された変動パターンは、実質的に、変動時間を表すことが可能な情報となる。
[主制御メイン処理]
図122は、メインCPU101による主制御メイン処理の一例を示している。パチンコ遊技機1に電源が投入されると、同図に示すように、メインCPU101は、初期設定処理を行う(ステップS81)。この処理において、メインCPU101は、先述の電源投入時処理等の処理を行う。
次に、メインCPU101は、初期値乱数更新処理を行う(ステップS82)。この処理において、メインCPU101は、初期値乱数カウンタを更新する処理を行う。
次に、メインCPU101は、特別図柄制御処理を行う(ステップS83)。特別図柄制御処理については、図123を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、普通図柄制御処理を行う(ステップS84)。普通図柄制御処理については、図129を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、図柄表示部制御処理を行う(ステップS85)。この処理において、メインCPU101は、ステップS83及びステップS84でメインRAM103に記憶された特別図柄制御処理の結果及び普通図柄制御処理の結果に応じて、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)及び普通図柄表示部71を駆動するための制御信号をメインRAM103に記憶する処理を行う。これにより、メインCPU101は、特別図柄表示表示部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)及び普通図柄表示部71に制御信号を送信し、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)及び普通図柄表示部71は、受信した制御信号に基づいて特別図柄や普通図柄についての可変表示及び停止表示を行う。
次に、メインCPU101は、遊技情報データ生成処理を行う(ステップS86)。この処理において、メインCPU101は、サブ制御回路200や払出・発射制御回路300、ホールコンピュータに送信するための遊技情報データに関する遊技状態コマンドを生成し、メインRAM103に記憶する。
次に、メインCPU101は、記憶・遊技状態データ生成処理を行う(ステップS87)。この処理において、メインCPU101は、確変フラグの値及び時短フラグの値に基づいて、サブ制御回路200に送信する記憶・遊技状態データを生成し、当該記憶・遊技状態データをメインRAM103に記憶する。この処理を終了すると、メインCPU101は、ステップS82の処理に移る。
[特別図柄制御処理]
図123は、メインCPU101による特別図柄制御処理の一例を示している。特別図柄制御処理は、先述した主制御メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。なお、同図に示す各処理の左方に括弧書きで記載した数値(「00」〜「08」)は、制御状態フラグの値を示す。この制御状態フラグは、メインRAM103内の所定の記憶領域に格納される。メインCPU101は、制御状態フラグの数値に応じた処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
図123に示すように、メインCPU101は、制御状態フラグをロードする処理を行う(ステップS91)。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された制御状態フラグの値を読み出す。メインCPU101は、読み出した制御状態フラグの値に基づいて、後述のステップS92〜S100の各処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの状態を示すものであり、ステップS92〜S100のいずれかの処理を実行可能にするものである。また、メインCPU101は、ステップS92〜S100の各処理に対して設定された待ち時間などに応じて決定された所定のタイミングで各処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各処理を実行せずに、他のサブルーチンに係る処理を実行する。もちろん、所定の周期で先述のシステムタイマ割込処理(図118参照)も実行する。
次に、メインCPU101は、特別図柄記憶チェック処理を行う(ステップS92)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、特別図柄の可変表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でない場合(保留球がある場合)には、始動口入賞検出処理で得られた当り判定結果、特別図柄の決定結果、特別図柄の変動パターンの決定結果等を取得する。また、メインCPU101は、この処理において、制御状態フラグに、後述の特別図柄可変表示時間管理処理(ステップS93)を示す値(「01」)にセットし、今回の処理で取得された変動パターンに対応する特別図柄の可変表示時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、始動口入賞検出処理で決定された変動パターンに対応する特別図柄の可変表示時間が経過した後、後述の特別図柄可変表示時間管理処理が実行されるように設定される。一方、保留個数が「0」である場合(保留球がない場合)、メインCPU101は、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。この特別図柄記憶チェック処理については、図124を参照して詳述する。
次に、メインCPU101は、特別図柄可変表示時間管理処理を行う(ステップS93)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄可変表示時間管理処理を示す値(「01」)であり、特別図柄の可変表示時間が経過した場合に、制御状態フラグに、後述の特別図柄表示時間管理処理(ステップS94)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、このステップS93の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の特別図柄表示時間管理処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、特別図柄表示時間管理処理を行う(ステップS94)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であり、ステップS93の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」であるか否かを判別する。そして、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」である場合、メインCPU101は、制御状態フラグに、後述の大当り開始インターバル管理処理(ステップS95)を示す値(「03」)をセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、このステップS94の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り開始インターバル管理処理が実行されるように設定される。一方、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」でない場合、メインCPU101は、制御状態フラグに、後述の特別図柄ゲーム終了処理(ステップS100)を示す値(「08」)をセットする。すなわち、この場合には、後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。この特別図柄表示時間管理処理については、図125を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、大当り開始インターバル管理処理を行う(ステップS95)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)であり、ステップS94の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口540を開放させるため、メインROM102から読み出されたデータに基づいて、メインRAM103に位置付けられた変数を更新する。また、この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグに、後述の大入賞口開放中処理(ステップS96)を示す値(「04)」をセットするとともに、大入賞口540の開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、後述の大入賞口開放中処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、大入賞口開放中処理を行う(ステップS96)。この処理において、まず、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(「04」)である場合に、大入賞口入賞カウンタが所定数以上であるという条件、及び、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされた(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判別する。一方の条件が満たされた場合、メインCPU101は、大入賞口540を閉鎖させるため、メインRAM103に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU101は、制御状態フラグに、後述の大入賞口内残留球監視処理(ステップS97)を示す値(「05」)をセットするとともに、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、ステップS97でセットされた大入賞口内残留球監視時間が経過した後、後述の大入賞口内残留球監視処理が実行されるように設定される。なお、この大入賞口開放中処理の終了直前には、サブ制御回路200に対してラウンド間表示コマンドが送信される。
次に、メインCPU101は、大入賞口内残留球監視処理を行う(ステップS97)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視処理を示す値(「05」)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上である(最終ラウンドである)という条件が満たされたか否かを判別する。上記条件を満たさないと判別した場合、メインCPU101は、大入賞口再開放待ち時間管理処理を示す値(「06」)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU101は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大入賞口再開放前待ち時間管理処理が実行されるように設定される。一方、ステップS97において、上記条件を満たしたと判別した場合、メインCPU101は、大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間(大当り終了インターバル時間)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理でセットされた大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り終了インターバル処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上ではないと判別した場合、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を行う(ステップS98)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(「06」)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値を「1」増加するように記憶更新する。また、メインCPU101は、大入賞口開放中処理を示す値(「04」)を制御状態フラグにセットする。そして、メインCPU101は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理で上述した大入賞口開放中処理(ステップS96)が再度実行されるように設定される。なお、大入賞口再開放前待ち時間管理処理の終了直前には、サブ制御回路200に対して大入賞口開放中表示コマンドが送信される。
また、メインCPU101は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上であると判別した場合に、大当り終了インターバル処理を行う(ステップS99)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、ステップS99の処理後に後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。なお、上述した当り時選択図柄コマンドが「z5」、「z6」、「z7」、「z10」及び「z11」のうちのいずれかである場合、メインCPU101は、遊技状態を確変遊技状態に移行させる制御を行い、述した当り時選択図柄コマンドが「z0」、「z1」、「z2」、「z3」、「z4」及び「z9」のうちのいずれかである場合には、遊技状態を非確変遊技状態にする制御を行う。なお、特別図柄の抽選結果が小当りである場合(大当り判定用乱数値が「小当り判定値データ」である場合)、メインCPU101は、遊技状態を維持する制御を行う。
次に、メインCPU101は、大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態が終了した場合、又は、「ハズレ」に当選した場合、特別図柄ゲーム終了処理を行う(ステップS100)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)である場合に、保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を「1」減少するように記憶更新する。また、メインCPU101は、次回の特別図柄の可変表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。さらに、メインCPU101は、特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、ステップS100の処理後、上述した特別図柄記憶チェック処理(ステップS92)が実行されるように設定される。この特別図柄ゲーム終了処理を終了すると、メインCPU101は、特別図柄制御処理を終了する。
上述したように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、制御状態フラグに各種値を順次セットすることにより、特別図柄ゲームを進行させる。具体的に、遊技状態が大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれでもなく、当り判定の結果が「ハズレ」である場合に、メインCPU101は、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「08」の順にセットする。これにより、メインCPU101は、上述した特別図柄記憶チェック処理(ステップS92)、特別図柄可変表示時間管理処理(ステップS93)、特別図柄表示時間管理処理(ステップS94)及び特別図柄ゲーム終了処理(ステップS100)をこの順で所定のタイミングで実行する。
また、メインCPU101は、遊技状態が大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれでもなく、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」である場合、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「03」の順でセットする。これにより、メインCPU101は、上述した特別図柄記憶チェック処理(ステップS92)、特別図柄可変表示時間管理処理(ステップS93)、特別図柄表示時間管理処理(ステップS94)及び大当り開始インターバル管理処理(ステップS95)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態又は小当り遊技状態への移行制御を実行する。
さらに、メインCPU101は、大当り遊技状態又は小当り遊技状態への移行制御が実行された場合、制御状態フラグを「04」、「05」、「06」の順でセットする。これにより、メインCPU101は、上述した大入賞口開放中処理(ステップS96)、大入賞口内残留球監視処理(ステップS57)及び大入賞口再開放前待ち時間管理処理(ステップS98)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技又は小当り遊技を実行する。
なお、大当り遊技状態中に、当該大当り遊技状態の終了条件が成立した場合、メインCPU101は、制御状態フラグを「04」、「05」、「07」、「08」の順でセットする。これにより、メインCPU101は、上述した大入賞口開放中処理(ステップS96)、大入賞口内残留球監視処理(ステップS97)、大当り終了インターバル処理(ステップS99)及び特別図柄ゲーム終了処理(ステップS100)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了する。
上述したように、特別図柄制御処理では、ステータスに応じて処理フローを分岐させている。また、図122に示す主制御メイン処理中のステップS84の普通図柄制御処理(後述の図129参照)もまた、特別図柄制御処理と同様に、ステータスに応じて処理フローを分岐させる。
本実施形態の処理プログラムは、ステータスに応じて処理を分岐させて行う場合にコール命令で、小モジュールから親モジュールへの純粋な戻り処理が可能となるように、プログラミングされている。その結果、上記処理を実行するためにジャンプテーブルを配置する場合と比較して、本実施形態では、プログラムの容量を削減することができる。
[特別図柄記憶チェック処理]
図124は、メインCPU101による特別図柄記憶チェック処理の一例を示している。特別図柄記憶チェック処理は、先述した特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、まず、メインCPU101は、メインRAM103内の所定の記憶領域から制御状態フラグをロード処理によって読み出す(ステップS111)。
次に、メインCPU101は、読み出した制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)であるか否かを判別する(ステップS112)。制御状態フラグが「00」でないと判別した場合、メインCPU101は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。一方、制御状態フラグが「00」であると判別した場合、メインCPU101は、ステップS113の処理に移る。
ステップS113において、メインCPU101は、第二始動口入賞(第2特別図柄の可変表示)の保留個数(第2始動記憶数)が「0」であるか否かを判別する。第二始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合、メインCPU101は、ステップS114の処理に移る。第二始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合、メインCPU101は、ステップS119の処理に移る。
ステップS114において、メインCPU101は、第二始動口入賞の保留個数に対応する第2始動記憶数の値を「1」減算する。本実施形態において、メインCPU101は、メインRAM103に設けられた第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、可変表示中又は保留中の第2特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームの始動記憶があるか否かを判別する。第2特別図柄始動記憶領域(0)には、可変表示中の第2特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。そして、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第2特別図柄の可変表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。なお、各第2特別図柄始動記憶領域の始動記憶情報には、例えば、第二始動口440の入賞時に取得した当り判定用乱数値や図柄乱数値、決定された変動パターン等を示すデータが含まれる。
次に、メインCPU101は、第二始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う(ステップS115)。この処理において、メインCPU101は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第2特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)にシフトする。このときまた、メインCPU101は、サブ制御回路200に対して保留減算コマンドを送信する。その後、メインCPU101は、ステップS116の処理に移る。
ステップS116において、メインCPU101は、制御状態フラグに特別図柄可変表示時間管理処理を示す値(「01」)をセットする処理を行う。このときまた、メインCPU101は、サブ制御回路200に対して特別図柄演出開始コマンドを送信する。
次に、メインCPU101は、大当り・小当り判定処理を行う(ステップS117)。この処理において、メインCPU101は、始動口入賞時に抽出され、かつ、第1特別図柄始動記憶領域(0)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた大当り判定用乱数値に基づき、入賞始動口の種別に対応する当り判定テーブル(図9参照)を参照して、判定値データを取得する。そして、メインCPU101は、取得した判定値データに基づいて、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のいずれに当選したかを判定(当り判定)する。
次に、メインCPU101は、決定された特別図柄の変動パターンに対応する可変表示時間を待ち時間タイマにセットする(ステップS118)。この処理を終了すると、メインCPU101は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
ステップS119において、メインCPU101は、第一始動口入賞(第1特別図柄の可変表示)の保留個数(第2始動記憶数)が「0」であるか否かを判別する。第一始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合、メインCPU101は、ステップS120の処理に移る。第一始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合、メインCPU101は、ステップS122の処理に移る。
ステップS120において、メインCPU101は、第一始動口入賞の保留個数に対応する第1始動記憶数の値を「1」減算する。本実施形態において、メインCPU101は、メインRAM103に設けられた第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、可変表示中又は保留中の第1特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームの始動記憶があるか否かを判別する。第1特別図柄始動記憶領域(0)には、可変表示中の第1特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。そして、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第1特別図柄の可変表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。なお、各第1特別図柄始動記憶領域の始動記憶情報には、例えば、第一始動口5442の入賞時に取得した当り判定用乱数値や図柄乱数値、決定された変動パターン等を示すデータが含まれる。
次に、第一始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う(ステップS121)。この処理において、メインCPU101は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第1特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)にシフトする。このときまた、メインCPU101は、サブ制御回路200に対して保留減算コマンドを送信する。その後、メインCPU101は、ステップS116の処理に移る。
ステップS122において、メインCPU101は、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。この処理において、メインCPU101は、サブ制御回路200に対してデモ表示コマンドを送信する。この処理を終了すると、メインCPU101は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
[特別図柄表示時間管理処理]
図125は、メインCPU101による特別図柄表示時間管理処理の一例を示している。特別図柄表示時間管理処理は、先述した特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であるか否かを判別する(ステップS131)。制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)でないと判別した場合、メインCPU101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。一方、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であると判別した場合、メインCPU101は、ステップS132の処理に移る。
ステップS132において、メインCPU101は、待ち時間タイマの値(待ち時間)が「0」であるか否かを判別する。この処理において、メインCPU101は、待ち時間タイマにセットされた可変表示確定後の待ち時間(可変表示開始待ち時間)が消化されたか否かを判別する。待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合、メインCPU101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。一方、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合、メインCPU101は、ステップS133の処理に移る。
ステップS133において、メインCPU101は、特別図柄ゲームが「大当り」であるか否かを判別する。特別図柄ゲームが「大当り」であると判別した場合、メインCPU101は、ステップS142の処理に移る。一方、特別図柄ゲームが「大当り」でないと判別した場合、メインCPU101は、ステップS134の処理に移る。
ステップS134において、メインCPU101は、さらに特別図柄ゲームが「小当り」であるか否かを判別する。特別図柄ゲームが「小当り」であると判別した場合、メインCPU101は、ステップS137の処理に移る。一方、特別図柄ゲームが「小当り」でないと判別した場合、すなわち特別図柄ゲームが「はずれ」の場合、メインCPU101は、ステップS135の処理に移る。
ステップS135において、メインCPU101は、時短回数減算処理を行う。この時短回数減算処理については、図126を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)をセットする処理を行う(ステップS136)。この処理を終了すると、メインCPU101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。
ステップS137において、メインCPU101は、小当りを示す小当りフラグをセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、ステップS138の処理に移る。
ステップS138において、メインCPU101は、制御状態フラグに大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)をセットする処理を行う。
次に、メインCPU101は、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に対応する大当り開始インターバル時間(例えば、5000ms)を待ち時間タイマにセットする処理を行う(ステップS139)。
次に、メインCPU101は、特別図柄に対応する大当り開始コマンド又は小当り開始コマンドをメインRAM103にセットする処理を行う(ステップS140)。これにより、サブ制御回路200には、大当り開始コマンド又は小当り開始コマンドが送信される。
次に、メインCPU101は、大当り種類決定テーブル(図13参照)を参照し、特別図柄(図柄指定コマンドの種別)に対応するラウンド数上限値(大入賞口開放回数上限値)をメインRAM103にセットし、ラウンド数表示LEDパターンフラグをセットする(ステップS141)。なお、ラウンド数表示LEDパターンフラグは、残りラウンド数を所定パターンで表示するか否かを示すフラグである。この処理を終了すると、メインCPU101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。
ステップS142において、メインCPU101は、大当りを示す大当りフラグをセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、ステップS143の処理に移る。
ステップS143において、メインCPU101は、時短回数カウンタ、並びに時短フラグ及び確変フラグをクリアする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、ステップS138の処理に移る。
[時短回数減算処理]
図126は、メインCPU101による時短回数減算処理の一例を示している。時短回数減算処理は、先述した特別図柄表示時間管理処理あるいは後述の大当り終了インターバル処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU101は、時短回数カウンタの値が0であるか否かを判別する(ステップS151)。時短回数カウンタは、セットされた時短回数(本実施形態では、24回、30回、36回、42回、48回及び100回のうちいずれかに決定される)が0になるまで計数する減算カウンタである。時短回数カウンタの値が0である場合、メインCPU101は、ステップS154の処理に移る。時短回数カウンタの値が0でない場合、メインCPU101は、時短回数減算処理を終了する。
ステップS152において、メインCPU101は、時短回数カウンタの値を1減算する処理を行う。
次に、メインCPU101は、再び時短回数カウンタの値が0であるか否かを判別する(ステップS153)。時短回数カウンタの値が0である場合、メインCPU101は、ステップS154の処理に移る。時短回数カウンタの値が0でない場合、メインCPU101は、時短回数減算処理を終了する。
ステップS154において、メインCPU101は、時短フラグとして「0」をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、時短回数減算処理を終了する。
[大当り終了インターバル処理]
図127は、メインCPU101による大当り終了インターバル処理の一例を示している。大当り終了インターバル処理は、先述した特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU101は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であるか否かを判別する(ステップS161)。制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)でないと判別した場合(ステップS161:NO)、メインCPU101は、大当り終了インターバル処理を終了する。一方、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であると判別した場合、メインCPU101は、ステップS162の処理に移る。
ステップS162において、メインCPU101は、待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する。この処理において、メインCPU101は、待ち時間タイマにセットされた大当り終了インターバル時間が消化されたか否かを判別する。待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合、メインCPU101は、大当り終了インターバル処理を終了する。一方、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合、メインCPU101は、ステップS163の処理に移る。
ステップS163において、メインCPU101は、大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグをクリアする。大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグは、大当り時のラウンド数をLEDの発光パターンによって表示するか否かを示す管理フラグとして用いられる。
次に、メインCPU101は、ラウンド数振り分けフラグをクリアする(ステップS164)。このラウンド数振り分けフラグは、メインRAM103に格納される管理フラグの一つであり、1ラウンド中にあっても予め決められた回数だけ大入賞口540を周期的に開閉させるか否かを示すためのフラグである。1ラウンド中でも大入賞口540を周期的に開閉させる場合は、ラウンド数振り分けフラグが「1」となる。このときまた、メインCPU101は、サブ制御回路200に対して特別図柄当り終了表示コマンドを送信する。
次に、メインCPU101は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)をセットする処理を行う(ステップS165)。
次に、メインCPU101は、特別図柄ゲームが「大当り」であるか否かを判別する(ステップS166)。特別図柄ゲームが「大当り」であると判別した場合、メインCPU101は、ステップS167の処理に移る。一方、特別図柄ゲームが「大当り」でないと判別した場合、メインCPU101は、ステップS174の処理に移る。
ステップS167において、メインCPU101は、メインRAM34の所定領域に大当りフラグをセットする処理を行う。
次に、メインCPU101は、確変大当りか否かを判別する(ステップS168)。確変大当りである場合、メインCPU101は、ステップS169の処理に移る。確変大当りでない場合、メインCPU101は、ステップS171の処理に移る。
ステップS169において、メインCPU101は、確変フラグとして「1」をセットする処理を行う。
次に、メインCPU101は、時短フラグとして「1」をセットする処理を行う(ステップS171)。
次に、メインCPU101は、時短回数カウンタに規定の時短回数(本実施形態では一例として100回)をセットする処理を行う(ステップS172)。
次に、メインCPU101は、変動パターンテーブル設定処理を実行する(ステップS173)。変動パターンテーブル設定処理については、図128を参照して後述する。この処理を終了すると、メインCPU101は、大当り終了インターバル処理を終了する。
ステップS174において、メインCPU101は、小当りフラグの値をクリアする処理を行う。
次に、メインCPU101は、先述の時短回数減算処理を実行する(ステップS175)。この処理を終了すると、メインCPU101は、大当り終了インターバル処理を終了する。
[変動パターンテーブル設定処理]
図128は、メインCPU101による変動パターンテーブル設定処理の一例を示している。変動パターンテーブル設定処理は、先述した電源投入時処理あるいは大当り終了インターバル処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU101は、電源投入時であるか否かを判別する(ステップS181)。電源投入時である場合、メインCPU101は、ステップS182の処理に移る。電源投入時でない場合、メインCPU101は、ステップS183の処理に移る。
ステップS182において、メインCPU101は、遊技状態遷移テーブルを参照する際のテーブルパターンとして、テーブルパターン1をセットする処理を行う。
次に、メインCPU101は、確変フラグの値が「1」であるか否かを判別する(ステップS183)。確変フラグの値が「1」である場合、メインCPU101は、ステップS184の処理に移る。確変フラグの値が「0」である場合、メインCPU101は、ステップS185の処理に移る。
ステップS184において、メインCPU101は、遊技状態遷移テーブルを参照する際のテーブルパターンとして、テーブルパターン2をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、変動パターンテーブル設定処理を終了する。
ステップS185において、メインCPU101は、遊技状態遷移テーブルを参照する際のテーブルパターンとして、テーブルパターン3をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、変動パターンテーブル設定処理を終了する。
[普通図柄制御処理]
図129は、メインCPU101による普通図柄制御処理の一例を示している。普通図柄制御処理は、先述した主制御メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。なお、図129に示すフローチャート中の各処理の左方に括弧書きで記載した数値(「00」〜「04」)は、普通図柄制御状態フラグを示し、この普通図柄制御状態フラグは、メインRAM103内の所定の記憶領域に格納される。メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグの数値に対応する各処理を実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。
図129に示すように、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグをロードする処理を行う(ステップS191)。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された普通図柄制御状態フラグを読み出す。メインCPU101は、読み出した普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、後述のステップS192〜S196の各種の処理を実行するか否かを判定する。この普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS162〜S166のいずれかの処理を実行可能にするものである。また、メインCPU101は、ステップS162〜S166の各処理に対して設定された待ち時間などに応じて決定される所定のタイミングで各処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各処理を実行せずに他のサブルーチン処理を実行する。もちろん、所定の周期で先述のシステムタイマ割込処理(図118参照)も実行する。
次に、メインCPU101は、普通図柄記憶チェック処理を行う(ステップS192)。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、普通図柄の可変表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でないときには、当り判定等の処理を行う。また、この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄可変表示時間監視処理(ステップS193)を示す値(「01」)をセットし、今回の処理で決定された変動時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、ステップS192の処理により、決定された普通図柄の変動時間が経過した後、後述の普通図柄変動時間監視処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、普通図柄可変表示時間監視処理を行う(ステップS193)。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間監視処理を示す値(「01」)であり、普通図柄の変動時間が経過した場合に、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄表示時間監視処理(ステップS194)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間(例えば0.5秒)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、ステップS193の処理により、セットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の普通図柄表示時間監視処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、普通図柄表示時間監視処理を行う(ステップS194)。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視処理を示す値(「02」)であり、ステップS193の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、当り判定の結果が「当り」であるか否かを判別する。そして、当り判定の結果が「当り」である場合、メインCPU101は、普通電動役物開放設定処理を行い、普通図柄制御状態フラグに後述の普通電動役物開放処理(ステップS195)を示す値(「03」)をセットする。すなわち、この処理により、後述の普通電動役物開放処理が実行されるように設定される。一方、当り判定の結果が「当り」でない場合、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄ゲーム終了処理(ステップS196)を示す値(「04」)をセットする。すなわち、この場合には、後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、ステップS194において当り判定の結果が「当り」であると判定された場合、普通電動役物開放処理を行う(ステップS195)。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通電動役物開放処理を示す値(「03」)である場合に、普通電動役物460の開放中において所定数の入賞があったという条件、及び、普通電動役物460の開放上限時間を経過した(普通電役開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされたか否かを判別する。上記一方の条件が満たされた場合、メインCPU101は、普通電動役物460の羽根部材4620(例えば、図5を参照)を閉鎖状態にするため、メインRAM103に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄ゲーム終了処理(ステップS196)を示す値(「04」)をセットする。すなわち、この処理により、後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、普通図柄ゲーム終了処理を行う(ステップS196)。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了処理を示す値(「04」)である場合に、普通図柄の可変表示の保留個数を示すデータを「1」減少させるように記憶更新する。また、メインCPU101は、次回の普通図柄の可変変動表示を行うために、普通図柄記憶領域の更新を行う。さらに、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグに普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)をセットする。すなわち、ステップS196の処理後、上述した普通図柄記憶チェック処理(ステップS192)が実行されるように設定される。この処理を終了すると、メインCPU101は、普通図柄制御処理を終了する。
[サブ制御回路メイン処理]
一方、サブCPU201は、サブ制御回路メイン処理を実行することとなる。このサブ制御回路メイン処理について図130を用いて説明する。なお、このサブ制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
図130に示すように、サブCPU201は、RAMアクセス許可、作業領域の初期化、ハードウェア初期化、デバイス初期化、アプリケーション初期化、バックアップ復帰初期化等といった初期化処理を行う(ステップS201)。
次に、サブCPU201は、ウォッチドッグタイマのカウンタ値をクリアする処理を行う(ステップS202)。ウォッチドッグタイマは、起動時にリセット時間(例えば2000ms)が設定され、サービスパルスの書き込みが行われなかった場合(タイムアウト時)に電断処理が実行されることとなる。
次に、サブCPU201は、操作手段入力処理を実行する(ステップS203)。
次に、サブCPU201は、コマンド解析処理を実行する(ステップS204)。コマンド解析処理については、図131を参照して後述する。
次に、サブCPU201は、演出態様決定処理を実行する(ステップS205)。演出態様決定処理は、後述するシナリオ事前設定処理、演出決定処理(秘匿Aステージ2002)、先読み演出選択処理(高確ステージ2004)、背景変化制御処理(高確ステージ2004)、背景変化連続可能回数判定処理(高確ステージ2004)、変動シナリオ決定処理(高確ステージ2004)、チャンスアップ制御処理(高確ステージ2004)、保留変化決定処理(高確ステージ2004)、キャラクタランプ演出制御処理、全画面演出制御処理等のサブルーチンにより構成される。これらの処理については、図136〜図167を参照して後述する。
次に、サブCPU201は、コマンド送信処理を実行する(ステップS206)。コマンド送信処理については、図132を参照して後述する。
次に、表示制御回路204は、描画制御処理を実行する(ステップS207)。この処理において、表示制御回路204は、サブCPU201から送信されたメッセージ(演出指定情報)に基づいて液晶表示装置16に画像を表示させるための描画制御を行う。
次に、音声制御回路205は、音声制御処理を実行する(ステップS208)。この処理において、音声制御回路205は、サブCPU201から送信されたメッセージ(演出指定情報)に基づいてスピーカ24に音声を出力させるための音声制御を行う。
次に、LED制御回路206は、ランプ制御処理を実行する(ステップS209)。この処理において、LED制御回路206は、サブCPU201から送信されたメッセージ(演出指定情報)に基づいてランプ25を点灯あるいは点滅させるための発光制御を行う。
次に、役物制御回路207は、役物制御処理を実行する(ステップS210)。この処理において、役物制御回路207は、サブCPU201から送信されたメッセージ(演出指定情報)に基づいて可動役物ユニットを作動させる演出用駆動モータを動作させるための駆動制御を行う。このようなサブ制御回路メイン処理においては、ステップS201の初期化処理が終了した後、ステップS202〜S210の各処理が繰り返し実行される。
[コマンド解析処理]
図131は、サブCPU201によるコマンド解析処理の一例を示している。コマンド解析処理は、先述したサブ制御回路メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、主制御回路70(メインCPU101)から受信後、ワークRAM203の受信バッファに格納されたコマンドを解析する処理を行う(ステップS241)。
次に、サブCPU201は、受信したコマンドに対して整合性チェックを行う(ステップS242)。整合性チェックは、コマンド受信に際して目的とするデータが存在し、そのデータに誤りや欠けが無いことを検証するために行われる。
次に、サブCPU201は、サブ抽選処理を行う(ステップS243)。この処理において、サブCPU201は、受信したコマンドが変動パターン指定コマンドである場合に、当該変動パターン指定コマンドに基づいて抽選により演出パターンを選択する。この処理を終了すると、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了する。なお、サブ抽選処理においては、演出パターンを含む演出に係る全ての事項について抽選で選択するようにしてもよいし、演出パターンとして演出の種類(セリフ予告の有無やSU予告の有無等)のみを抽選で選択し、当該演出において実行される演出内容(エフェクトの種類やカットインの種類等)は、別途サブルーチン化された他の処理で演出情報として選択されるようにしてもよい。本実施形態では、サブ抽選処理において演出の種類を示す演出パターンが選択され、その後、当該演出パターンに基づいて実行される演出内容が演出情報として後述の演出態様決定処理により選択されるようになっている。
[コマンド送信処理]
図132は、サブCPU201によるコマンド送信処理の一例を示している。コマンド送信処理は、先述したサブ制御回路メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、各制御回路204〜207に対して制御用のコマンド(メッセージ)を送信する際、メッセージ設定処理を実行する(ステップS251)。この処理において、サブCPU201は、演出態様決定処理で得られた演出情報に基づいてメッセージ(演出指定情報)を生成し、当該メッセージを一時的にワークRAM203のディレクトバッファに格納する処理を行う。このメッセージ設定処理については、図133を参照して後述する。
次に、サブCPU201は、ディレクトテーブル登録処理を実行する(ステップS252)。この処理において、サブCPU201は、ディレクトバッファに格納されたメッセージと演出情報とに基づいて、これらに対応するディレクトテーブルをワークRAM203の所定領域にセットする処理を行う。このディレクトテーブル登録処理については、図134を参照して後述する。
次に、サブCPU201は、メッセージ送信処理を実行する(ステップS253)。この処理において、サブCPU201は、ディレクトバッファに格納されたメッセージをディレクトテーブルに基づく所定のタイミングで読み出し、当該メッセージを所定の制御回路204〜207に送信する処理を行う。この処理を終了すると、サブCPU201は、コマンド送信処理を終了する。このメッセージ送信処理については、図135を参照して後述する。
[メッセージ設定処理]
図133は、サブCPU201によるメッセージ設定処理の一例を示している。メッセージ設定処理は、先述したコマンド送信処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、演出情報に基づいて送信するデバイス(制御回路204〜207)の設定を行う(ステップS261)。
次に、サブCPU201は、システム動作の有無を設定する処理を行う(ステップS262)。
次に、サブCPU201は、ステージ情報や各演出情報の設定を行う(ステップS263)。
次に、サブCPU201は、予告パターンの設定を行う(ステップS264)。これにより、ディレクトバッファには、送信先となるデバイス(制御回路204〜207)や、システム動作の有無、ステージ情報や各演出情報、予告パターンを示すメッセージが格納される。この処理を終了すると、サブCPU201は、メッセージ設定処理を終了する。
[ディレクトテーブル登録処理]
図134は、サブCPU201によるディレクトテーブル登録処理の一例を示している。ディレクトテーブル登録処理は、先述したコマンド送信処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、シングルテーブルを登録する処理を行う(ステップS271)。
次に、サブCPU201は、演出態様決定処理で決定された演出情報に基づいてマスターテーブルを登録する処理を行う(ステップS272)。
次に、サブCPU201は、マスターテーブルで使用するスレーブテーブルを登録する処理を行う(ステップS273)。
次に、サブCPU201は、ディレクトバッファにセットされたメッセージに対応するディレクトテーブルをスレーブテーブルとして登録する処理を行う(ステップS274)。この処理を終了すると、サブCPU201は、ディレクトテーブル登録処理を終了する。
[メッセージ送信処理]
図135は、サブCPU201によるメッセージ送信処理の一例を示している。メッセージ送信処理は、先述したコマンド送信処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、ディレクトテーブルに対応するディレクトバッファにメッセージが登録されていれば、当該メッセージに設定された「送信先デバイス」に従い各デバイス(制御回路204〜207)にメッセージを送信する処理を行う(ステップS281)。
次に、サブCPU201は、メッセージの送信完了後、不要なディレクトテーブルを破棄する処理を行う(ステップS282)。この処理を終了すると、サブCPU201は、メッセージ送信処理を終了する。
[サブCPU201による演出態様決定処理]
次に、サブCPU201の演出態様決定処理(ステップS205)の詳細について説明する。演出態様は、複数の演出ステージ毎に特徴を持って形成される。
[演出ステージ]
先ず、図136を参照して、複数の演出ステージの状態遷移について説明する。図136は、複数の遊技状態ステージの状態遷移の一例を示すブロック図である。
通常ステージ2000は、第一始動口5442又は第二始動口440に遊技球が入賞したときにメインCPU101の処理として行われる当り判定(以下、「大当り判定」と称する)の当選確率が相対的に低い低確率状態であって電サポなしの状態(すなわち、通常の遊技状態)である。演出状態が通常ステージ2000であれば、遊技状態が通常の遊技状態(低確率状態)であることを遊技者が把握できる。
高確ステージ2004は、大当り判定の当選確率が相対的に高い高確率遊技状態であって、電サポありの状態である。演出状態が高確ステージ2004であれば、遊技状態が高確率遊技状態であることを遊技者が把握できる。
秘匿Aステージ2002及び秘匿Bステージ2006は、いずれも、大当り判定の当選確率が相対的に高い高確率遊技状態であって且つ電サポありの状態、または、大当り判定の当選確率が相対的に低い低確率状態であって且つ電サポありの状態である。秘匿Aステージ2002及び秘匿Bステージ2006では、遊技状態が高確率遊技状態であるか低確率状態であるかを、液晶表示装置16にて行われる表示演出を見ても遊技者が把握できない又は把握困難である。ただし、本実施形態のパチンコ遊技機1では、秘匿Aステージ2002については、後述するバトル演出の最終結果により、高確率遊技状態であるか低確率状態であるかが開示されるようになっている。また、バトル演出中に行われる後述するキャラクタの減算演出は、バトル演出の最終結果に向けての中途演出であるため、味方キャラクタの減算演出であるか敵方キャラクタの減算演出であるかによって、遊技者を一喜一憂させることができる。
通常ステージ2000(低確率遊技状態、時短無し)において、8R大当り(大入賞口540が8ラウンド開閉する大当り)が抽選されると、大当り遊技終了後、遊技状態ステージは、秘匿Aステージ2002(高確率遊技状態で規定回数の電サポあり、又は、低確率遊技状態で規定回数の電サポあり)に遷移する。なお、「電サポあり」は時短遊技が実行される状態であり、「電サポなし」は時短遊技が実行されない状態である。
秘匿Aステージ2002において、大当り判定の結果が5R大当りであるか、又は、高確率遊技状態で規定回数の時短遊技が消化されると、演出ステージは、高確ステージ2004に遷移する。一方、秘匿Aステージ2002において、低確率遊技状態で規定回数の時短遊技が消化されると、通常ステージ2000に遷移する。通常ステージ2000において、大当り判定の結果が5R大当り又は15R大当たりであると、演出ステージは、高確ステージ2004に遷移する。
高確ステージ2004において、大当り判定の結果が8R大当りであると、演出ステージは、秘匿Aステージ2002に遷移する。秘匿Aステージ2002において、大当り判定の結果が5R大当りであると、演出ステージは、秘匿Bステージ2006に遷移する。秘匿Bステージ2006において、大当り判定の結果が8R大当りであると、演出ステージは、秘匿Aステージ2002に遷移する。秘匿Bステージ2006において、大当り判定の結果が15R大当りであると、演出ステージは、高確ステージ2004に遷移する。高確ステージ2004において、大当り判定の結果が5R大当りであると、演出ステージは、秘匿Bステージ2006に遷移する。秘匿Bステージ2006において、規定回数の時短が消化すると、演出ステージは、通常ステージ2000に遷移する。
なお、上述した大当りのラウンド数は一例である。既述の説明では、大当り判定の結果が8R大当りであるときに秘匿Aステージ2002の遊技状態に遷移するようにしているが、これに限られるものではなく、5R大当りや15R大当りであるときに、秘匿Aステージ2002に遷移する旨の演出を行い、サブCPU201は、大当り遊技中に昇格演出を行い、大当り終了後に、高確ステージ2004に遷移させてもよい。
秘匿Aステージ2002は、秘匿Bステージ2006より、例えば、高確率遊技状態の期待度が高いものであってよい。これら秘匿ステージでは、夫々特徴ある演出形態が実現されるものであり、例えば、秘匿Aステージ2002では、複数のキャラクタが敵味方に分かれて勝ち抜き戦を行うバトル演出が実行される。
図137は、秘匿Aステージ2002において液晶表示装置16に表示されるバトル演出の一例を示す図である。図137において、味方キャラクタCA1は画面左側に表示され、敵方キャラクタCA2は画面右側に表示されている。また、画面左側上部には、現在戦っている味方キャラクタの種別及び味方キャラクタの人数(残り人数)が表示され、画面右側上部には、現在戦っている敵方キャラクタの種別及び敵方キャラクタの人数(残り人数)が表示される。なお、図137では図示していないが、例えば識別図柄の可変表示情報や保留されている始動記憶数情報等の他の情報が適宜表示されるようにしても良い。
上記のバトル演出は、秘匿Aステージ2002において、高確率遊技状態である可能性が高いのか、それとも低確率遊技状態である可能性が高いのかの指標となる演出であり、一定の要件を満たすと高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかが確定される。例えば、敵方グループが全滅すると高確率遊技状態が確定し、味方グループが全滅すると低確率遊技状態が確定する。したがって、敵味方いずれかのグループが全滅するまでの過程の演出は、高確率遊技状態と低確率遊技状態とのうちいずれの可能性が高いかを示す指標演出となる。例えば、敵方グループの人数が減る減算演出が行われると、高確率遊技状態である可能性が高いとの期待感を遊技者に与えることができ、味方グループの人数が減る減算演出が行われると、高確率状態である可能性が低い(低確率遊技状態である可能性が高い)との印象を遊技者に与えうる。秘匿Aステージ2002では、このようなバトル演出の大まかなシナリオを、秘匿Aステージ2002がスタートする前に事前に決定し、秘匿Aステージ2002では、事前に決定されたシナリオを変更、補正等しながら演出が進められていく。以下において、シナリオ演出選択処理(秘匿Aステージ2002)について説明する。
また、例えば、秘匿Bステージ2006では、味方キャラクタのうち主人公のキャラクタと敵方キャラクタとが1対1で戦うバトル演出が実行される。大当り判定処理の結果が大当りであるときには、バトル演出において主人公のキャラクタが勝利する演出が実行される。秘匿Bステージ2006におけるバトル演出では、例えば、イ)主人公のキャラクタが攻撃すれば必ず敵方キャラクタを倒すことができる演出ゾーン、ロ)主人公のキャラクタと敵方キャラクタとのうちいずれが先制攻撃を行うか分からない演出ゾーン、ハ)敵方キャラクタが先制攻撃を行う演出ゾーンとが用意されている。また、この秘匿Bステージ2006では、上部前面役物1000の可動装飾体1040の作動によって高確率遊技状態であるか否かが報知される。例えば、最終の可変表示(時短遊技状態における最後の可変表示(特別図柄ゲーム)または高確率遊技状態であるか否かが秘匿とされる最後の可変表示(特別図柄ゲーム))において、上部前面役物1000の可動装飾体1040が作動限界位置に向けて落下(移動)すれば高確率遊技状態であり、可動装飾体1040が落下しなければ低確率遊技状態である。ただし、最終の可変表示において、可動装飾体1040が落下することを期待させる落下前兆演出を行っても良い。また、大当り判定処理の結果が大当りであるときには、可動装飾体1040の落下に加えて、第1可動体1330、第2可動体1340、第3可動体1355及び第4可動体1357の全部が作動限界位置まで作動することで(例えば、図102を参照)、大当り判定処理の結果が大当りであることが報知される。
また、秘匿Bステージ2006では、上述したイ)〜ハ)の演出ゾーンの各ゾーン間を、可変表示(特別図柄ゲーム)の実行回数に応じて随時移行する。例えば、大当り遊技状態が終了したのち、特別図柄ゲームの実行回数が、1〜10回の間は上記イ)の演出ゾーンに滞在し、11〜90回の間は上記ロ)の演出ゾーンに滞在し、91〜99回の間は上記ハ)の演出ゾーンに滞在し、100回目の特別図柄ゲームでは、秘匿Bステージ2006における最終ゲームであることを示す演出が行われる。なお、秘匿Bステージ2006での演出は上記に限られないことは言うまでもない。
なお、本実施形態では、上記指標演出を、秘匿Aステージ2002において高確率遊技状態と低確率遊技状態とのうちいずれの可能性が高いかを示しうるものとしているが、これに限らず、期待度の高さ度合いを示す他の演出に採用することもできる。例えば、上記指標演出を、以下の演出に採用するこができるが、以下の演出は例示にすぎず、他の演出に採用できることは言うまでもない。
・高確率遊技状態であることは開示されているものの当該高確率遊技状態の継続期間が秘匿とされているときに、当該継続期間の長短を示す演出(継続期間が長期間であることの期待度を示す演出)。
・時短遊技状態であることは開示されているものの当該時短遊技状態の継続期間が秘匿とされているときに、当該継続期間の長短を示す演出(継続期間が長期間であることの期待度を示す演出)。
・一または複数の始動記憶に対して演出区間が設定され、且つ当該演出区間に含まれる始動記憶のなかにリーチ変動演出や大当りが含まれていることの期待度を示す演出。
なお、各予告演出の大当りや高確率遊技状態といった所定の内部状態(すなわち、有利な状態)に対する期待度(信頼度)とは、各予告演出が実行されて「大当り」や「高確率遊技状態」となる確率を、各予告演出が実行されて「大当り」や「高確率遊技状態」となる確率と、各予告演出が実行されて「はずれ」や「低確率遊技状態」となる確率といった所定の内部状態(すなわち、不利な状態)となる確率との和で除算した数値である。ただし、「期待度」には、期待度が100%の場合と、期待度が0%の場合とが含み得るため、厳密には上記の除算が成立しない場合も存在する(例えば、演出が実行された場合に確定的に遊技状態や当落を報知する場合を含み得るため、1を0で割ることは適わず、この場合には期待度として100%や0%、又は有り無しの概念を含むこととなる)。
[シナリオ演出選択処理(秘匿Aステージ)]
サブCPU201は、敵味方のバトルで敗れた方のキャラクタを、参加キャラクタ数から減算する処理を行い、画面から敗れたキャラクタを消去する。秘匿Aステージ2002に関係する演出形態をさらに具体的に説明する。
演出形態のための処理は、秘匿Aステージ2002がスタートする前(具体的には、大当り遊技の実行中)にシナリオ演出を事前に決定するステップと、秘匿Aステージ2002が始まると、変動パターンに基づいて選択される演出に合わせて、シナリオを変更、補正等するステップと、から構成される。「シナリオ」とは、秘匿Aステージ2002での遊技の進行(時短回数)のどの時点でキャラクタが減算処理されるかという展開である。「シナリオ」は、時短回数とキャラクタ減算との対応を含むため、「演出マップ」と言い換えてもよい。サブCPU201は、秘匿Aステージ2002がスタートすると、決定されたシナリオを実行することによって、キャラクタの減算処理を進める。
サブCPU201は、秘匿Aステージ2002の演出がチーム対戦であるという性質上、チーム構成、そして、シナリオを事前に決定する。サブCPU201は、シナリオを、対戦するチームの属性、高確率遊技の期待度、そして、時短回数、との組み合わせに応じて設定する。図138は、シナリオ事前設定処理を示すフローチャートの一例である。サブCPU201は、このフローチャートを演出態様決定処理(ステップS205)のサブルーチンとして、所定タイミングで繰り返し実行する。サブCPU201は、大当り判定処理の結果が8R大当りであることを判定すると、図138のシナリオ事前設定処理を実行する。図136によれば、秘匿Aステージ2002以外のステージから秘匿Aステージ2002への移行は、大当り判定処理の結果が8R大当りであることが契機であることが分かる。
なお、本実施形態では、サブCPU201は、大当り判定処理の結果が8R大当りであるときに図138のシナリオ事前設定処理を実行するようにしているが、これに限られず、大当り判定処理の結果が8R以外の他の大当りであるときに図138のシナリオ事前設定処理を実行するようにしても良い。
サブCPU201は、秘匿Aステージ2002での高確率遊技の期待度を示唆するパラメータを抽選する(ステップS300)。このパラメータは、例えば、A〜Dの4段階を含み、Aが最も確変期待度が低いものとする。Bは確変期待度が中であり、Cは確変期待度が大である。Dは、高確率遊技の確定に相当する。サブCPU201は、決定したパラメータをワークRAM(図9において図示されず)の所定記憶領域に記録する。
次いで、サブCPU201は、敵味方夫々において、秘匿Aステージ2002でのキャラクタ登場順の態様、即ち、バトルの参加順の態様を抽選する(ステップS302)。抽選によって選択されたキャラクタROMの登場順もワークRAM203に記録される。なお、電断により、登場順の情報がワークRAMから喪失した場合、サブCPU201は、特定キャラクタ同士の一対一のバトル演出を設定する。このとき、一対一で対決する「特定キャラクタ」は、電断が発生することなく通常の演出が実行されたときに最終的に一対一で対決するキャラクタが設定されるようにしても良い。例えば、抽選により選択されたバトル演出の態様が、「主人公のキャラクタ+α」の味方グループと「主人公のライバルキャラクタ+β」の敵方グループとのバトル演出であって、最終的に主人公のキャラクタと主人公のライバルキャラクタとが一対一で対決する演出態様であるとき、電断により当該情報が喪失した場合、サブCPU201は、αとβとが対決する演出を行わずに、主人公のキャラクタと主人公のライバルキャラクタとの対決が設定されるように制御することができる。
次いで、サブCPU201は、味方キャラクタ及び敵キャラクタ夫々の人数の組み合せ(2×2、6×5等)を抽選する(ステップS304)。さらに、サブCPU201は、味方チーム、敵方チームの属性に基づいて、既述の演出マップ2102を抽選によって選択する。チームの属性は、確変パラメータと組み合せとによって定まるようにしてもよいし、確変パラメータと組み合せと時短回数とによって定まるようにしてよい。サブCPU201は、属性に基づいて変換テーブルを参照し、パターン値を決定し、パターン値に基づいて演出マップ2102を決定する。
図139に、対戦属性2100と演出マップ2102との対応関係の一例を示す。サブCPU201は、対戦属性2100に基づいてパターン値(図139の例ではパターン値が4)を決定し、パターン値をキーにして、対戦属性2100に対して演出マップ2102を割り当てる。パターン値は、対戦属性2100に対して、複数割り当てられてもよい。サブCPU201は、テーブルを参照して、対戦属性2100に対応するパターン値を決定する。サブCPU201は、パターン値の決定において、期待度パラメータと組み合せに加えて時短回数を含めることにより、対戦属性2100に対応するパターン値を増加させ、以って、対戦属性2100に割り当て可能な演出マップ2102を多彩にすることができる。
図139に示すように、演出マップ2102は複数の小マップ2110の集合からなり、小マップ2110は、秘匿Aステージ2002において、所定数(例えば、6)の時短回数を一単位とし、その範囲の可変表示内で減算処理される敵味方キャラクタの数(例えば、敵味方夫々で1〜3の範囲でのキャラクタ数)と、その可変表示数のどの可変表示数で減算処理されるかの情報から構成される。「味方−1」は、味方キャラクタが「1」減算されることを示す。「味方−0」は、味方キャラクタが減算されないことを示す。「敵−1」は、敵方キャラクタが「1」減算されることを示している。「敵方−0」は、敵方キャラクタが減算されないことを示す。演出マップ2102に組み合わされる小マップ2110の数は、規定回数(時短回数)によって異なる。
図140は、シナリオ抽選に用いられる演出マップ2102の一例を示す図である。本実施形態では、演出マップ2102は、複数の部分、例えば、前半マップと後半マップとの二つの組合せからなるものとし、サブCPU201は、パターン値をキーにして、例えば、夫々同一パターン値を持つ前半マップと後半マップとを夫々選択し(ステップS306、ステップS308)、これらを合わせて全体の演出マップ2102を形成する。その結果、サブCPU201は、人数組み合わせに応じたキャラクタ数が、時短遊技状態の全体に亘って万遍なく減算処理されるシナリオを形成することができる。この明細書において、キャラクタの人数が減算処理される演出を「減算演出」と称する。
サブCPU201は、全体演出マップを完成(又は選択)させると、全体演出マップに含まれる小マップ2110のうち、少なくとも一つのキャラクタが減算処理される小マップ2110について、どの時短回数で何れのキャラクタ(味方キャラクタ又は敵方キャラクタ)の減算処理(減算演出)を行うかを抽選テーブルに基づいて決定する(ステップS310)。サブCPU201は、この減算処理を行う時短回数やキャラクタの情報を演出マップ2102に組み合わせて、演出マップ2102をワークRAMに記録する。サブCPU201は、全体演出マップの内容に応じて、小マップ2110に対する抽選テーブルを切り替えてもよい。マップはワークRAMに記録される。
確変パラメータ、時短回数、及び、人数組合せを合わせた態様は、例えば、図140に示すとおりである。この態様の範囲は、秘匿Aステージでの高確率遊技への期待度が、低、中、高、確定のカテゴリ毎にテーブルとして規定されている。図140は、この態様に、前半マップと後半マップとを適用した例を示している。
サブCPU201は、確変パラメータ(ステップS300)と人数の組合せ(ステップS302)とを合わせたパターンがテーブルにない場合、例えば、確変パラメータが「D」であり、人数の組み合せが、確定のカテゴリーに定められた態様(2×2等)以外の場合には、D以外の確変パラメータであるA〜Cの何れかを再抽選して決定すればよい。なお、サブCPU201は、確変パラメータを優先して、人数組合せを再抽選によって変えるようにしてもよい。
サブCPU201は、味方チームの最後に登場する特定キャラクタAと敵方チームの最後に登場する特定キャラクタBとは、時短回数の最終でいずれかが減るようにするために、演出マップ2102にこれらキャラクタの減算処理情報を含めないようにすることができる。例えば、人数の組み合せが6×4(味方6、敵4)なら、味方5人、敵方3人まで減らすことができる。サブCPU201は、人数の組み合せにしたがって、秘匿Aステージ2002のスタート時にキャラクタを出現させるが、人数の組み合せと表示されるキャラクタ数とが一致しないようにすることもできる。例えば、敵方チームが特定キャラクタを含む人数の場合、当該特定キャラクタを戦いに参加することなく最終の可変表示で出現させるとして、秘匿Aステージ2002の突入時に表示される味方キャラクタの数は一人少なくし、かつ演出マップ2102に当該特定キャラクタを減算処理の対象として含めないようにすることができる。
サブCPU201は、小マップ2110の選択の処理(ステップS310)を終了すると、秘匿Aステージ2002の遊技におけるBGMを決定する(ステップS312)。どのBGMが選択されるかによって秘匿Aステージ2002における高確率遊技状態についての期待度の大小が示唆される。以上によって、サブCPU201によるシナリオ事前設定処理が終了する。
次に、秘匿Aステージ2002での演出決定のための処理について説明する。秘匿Aステージ2002では、時短遊技の時短毎に決定される演出の態様に合わせて、秘匿Aステージ2002のスタート前(具体的には、大当り遊技の実行中)に決定された敵味方キャラクタの減算処理のシナリオを調整、そして、補強等することにより、秘匿Aステージ2002での遊技結果に合わせてシナリオが多彩に展開されるようにしている。当初決定されたシナリオでは、キャラクタの減算処理が時短回数の全般に亘って万遍なく実行されるようにされており、サブCPU201は、秘匿Aステージ2002での演出態様の決定処理において、万遍なく実行されるキャラクタの減算処理のストーリーを損なわない範囲で、シナリオを調整することによって、秘匿Aステージ2002のスタート前に決定されたストーリーの大枠を維持しつつ、シナリオ展開の多彩さを遊技者に意識させることができる。
さらに、秘匿Aステージ2002では、サブCPU201は、保留情報(始動記憶情報)の表示、そして、時短回数情報を液晶表示装置に表示しないようにしながら、保留されている複数の始動記憶の消化に跨ってシナリオを実行することによって、遊技者が保留情報、時短回数を意識することなく、秘匿Aステージ2002の期間中一連のシナリオが継続的に展開している様子を、遊技者に注目させることができる。
なお、本明細書において、保留されている始動記憶を単に保留と称することもある。また、保留された始動記憶について識別図柄の可変表示が行われることを保留消化と称する。さらに、第一始動口5442への入賞に基づく始動記憶及び第二始動口440への入賞に基づく始動記憶は、それぞれ最大で4個まで保留することができ、この4個の保留をそれぞれ第1保留、第2保留、第3保留及び第4保留と称し、保留消化はこの順で行われる。
秘匿Aステージ2002では、シナリオ演出を、時短毎に決定される演出の態様に合わせて、多彩に展開させるために、シナリオ演出対象の範囲内にある各始動記憶に対して決定された仮変動(1個の始動記憶に対応する可変表示)を一または複数ブロックに変換し、そして、ブロック毎に演出を設定できるようにしている。なお、この変動を、保留の可変表示とは異なるという意味で、便宜上、「仮変動」と以後表記する。
図141は、第1保留〜第4保留の各保留に対する仮変動の設定を、タイムシーケンスとともに示す一例であり、保留が4個記録されているとして、サブCPU201は、保留消化の際の可変表示時間に合わせて仮変動の数を設定する。例えば、可変表示時間が3.5秒の場合は仮変動数:1、可変表示時間が7.5秒の場合は仮変動数:2、可変表示時間が11.5秒の場合は仮変動数:3を設定する。本実施形態では、可変表示時間3.5秒と可変表示時間7.5秒と可変表示時間11.5秒との選択比率は1対1対1となっているが、この選択比率は適宜変更しても良い。
図141によれば、第1保留の可変表示時間が3.5秒の場合、仮変動の、3.5秒とインターバル期間(0.5秒)とを合計した4.0秒に設定され、第2保留の可変表示時間が7.5秒の場合、第1の仮変動が4.0秒に、第2の仮変動が3.5秒とインターバル期間(0.5秒)とを合計した4.0秒に設定され、第3保留の可変表示時間が11.5秒の場合、第1及び第2夫々の仮変動が4.0秒に、第3の仮変動が、3.5秒とインターバル期間(0.5秒)とを合計した4.0秒に設定され、第4保留の可変表示時間が3.5秒の場合、仮変動が、3.5秒とインターバル期間(0.5秒)とを合計した4.0秒に設定される。インターバル期間を仮変動に含むようにしているのは、この期間を演出の処理に利用するためである。図141は、可変表示時間(変動パターン)に応じて、仮変動数が定まることを示しているが、これは一例であって、サブCPU201は、変動パターンに対して任意の仮変動数を選択することもできる。さらに、サブCPU201は、一つの仮変動の変動時間を所定の値に設定でき、また、仮変動の変動時間にインターバル期間を含まないようにすることもできるが、保留単位(始動記憶単位)での演出でないことを遊技者に意識させる観点から言えば、仮変動の変動時間にインターバル時間を含むようにした方が好ましい。
次に、秘匿Aステージ2002における演出を決定する処理を、図142のフローチャートに基づいて具体的に説明する。図142は、演出態様決定処理(ステップS205)のサブルーチンとして所定時間毎に繰り返し実行される演出決定処理(秘匿Aステージ2002)を示すフローチャートの一例である。サブCPU201は、演出ステージフラグを参照して、秘匿Aステージ2002であるか否かをチェックする(ステップS320)。ここで、秘匿Aステージ2002でなければ演出決定処理を終了し、秘匿Aステージ2002であれば第二始動口440への遊技球の入球の有無を判別する(ステップS322)。サブCPU201は、ステップS322において、第二始動口440への遊技球の入球がないと判別すると演出決定処理を終了し、第二始動口440への遊技球の入球があると判別すると、主制御基板のコマンドの解析結果にして変動パターンに基づいて仮変動数を決定、選択、或いは、設定する(ステップS324)。仮変動数は、変動パターン(例えば、図143を参照)によって一意に決定されるが、これに限られるものではなく、上述したとおり、任意の仮変動数に決定されるようにしても良い。なお、図143は、変動パターンテーブルの一例である。本例では、この変動パターンテーブルはサブ制御回路200に搭載されたプログラムROM202に記憶されており、メインCPU101からコマンド送信された可変表示時間に応じて、サブCPU201が、変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定するようにしているが、これに限られず、例えば、変動パターンテーブルを主制御回路100に搭載されたメインROMに記憶し、メインCPUが変動パターンテーブルを決定してサブ制御回路200にコマンド送信するようにしても良い。
サブCPU201は、仮変動数を選択すると、実行中のシナリオ演出があるか否かを判別する(ステップS326)。サブCPU201は、保留数の範囲でシナリオ抽選を行う。シナリオ抽選とは、キャラクタ減算処理を保留数の範囲のどの位置の保留変動で行うかを抽選によって決定することをいう。例えば、保留された始動記憶が4あると仮定した場合、サブCPU201は、第1保留〜第4保留のどの保留でキャラクタ減算処理を行うかを抽選する。ただし、シナリオ抽選は、キャラクタ減算処理を保留数の範囲のどの位置で行うかの抽選に加えて、キャラクタ減算処理は行わないものの敵方キャラクタと味方キャラクタとのバトル演出(引き分けとなるバトル演出)をどの位置で行うかの抽選を含むものであっても良い。
サブCPU201は、この抽選の際、演出マップ2102を参照して、第1保留〜第4保留の時短回数をカバーする小マップ2110にキャラクタ減算が記録されているか否かをチェックし、キャラクタ減算が記録されていると判別すると、保留数の範囲でキャラクタ減算処理を行い、キャラクタ減算が記録されていないと判別すると、キャラクタ減算処理を行わない。サブCPU201は、シナリオ抽選の対象となった第1保留〜第4保留の可変表示が終了するまで、ステップS326において実行中のシナリオ演出があると判別する。サブCPU201は、シナリオ演出の対象となった第1保留〜第4保留の可変表示が終了すると、ステップS326においてシナリオ実行中のシナリオ演出がないと判別し、その後、第1保留〜第4保留のいずれかに始動記憶が保留されているか否かを判別する(ステップS328)。
サブCPU201は、ステップS328において、第1保留〜第4保留のいずれかに始動記憶が保留されていると判別すると、当該保留されている始動記憶に対してシナリオ抽選を行うが、変動パターンに基いて決定された演出パターンに応じて、キャラクタ減算処理位置を調整するための一つの手段として、保留されている始動記憶の中に、リーチ変動演出が記録された始動記憶があるか否かを判別する(ステップS330)。サブCPU201は、ステップS330において、リーチ変動演出が記録された始動記憶があると判別すると、リーチ変動演出が記録されている始動記憶までをシナリオ抽選対象に決定する(ステップS332)。例えば、第1保留〜第4保留の全部に始動記憶が保留されていたとしても、第3保留にリーチ変動演出が記録された始動記憶が保留されている場合には、サブCPU201は、第1保留〜第3保留の始動記憶をシナリオ抽選対象に決定し(ステップS332)、第4保留に保留された始動記憶についてはシナリオ抽選対象としない。さらに、例えば、リーチ変動演出が記録された始動記憶が例えば第2保留及び第4保留といった複数保留されている場合には、先に保留が解除される(先に可変表示が行われる)第2保留までの始動記憶(第1保留及び第2保留の始動記憶)をシナリオ抽選対象に決定し(ステップS332)、第3保留及び第4保留に保留される始動記憶についてはシナリオ抽選対象としない。一方、ステップS330において、リーチ変動演出が記録された始動記憶がないと判別すると、サブCPU201は、保留されている始動記憶の全部をシナリオ抽選対象に決定する(ステップS334)。なお、ステップS330において、保留されている始動記憶の中にリーチ変動演出が記録された始動記憶がないと判別した場合、キャラクタの減算演出とリーチ変動演出とが重複しないようにする等の制御が不要であるため、保留されている始動記憶の中にリーチ変動演出が記録された始動記憶があるとステップS330において判別した場合と比べて制御負荷が小さい。、
サブCPU201は、シナリオ抽選としてのステップS328以降の処理を、実行中のシナリオ演出が終了した時点で第1保留〜第4保留に保留されている始動記憶(第二始動口440への入球にもとづいて保留された始動記憶)を対象として行う。すなわち、実行中のシナリオ演出があるときは次のシナリオ抽選が行われないものの、実行中のシナリオ演出が終了すると、その時点で第1保留〜第4保留に保留されている一または複数の始動記憶を対象としてシナリオ抽選が行われるため、秘匿Aステージ2002では、第1保留〜第4保留のいずれかに始動記憶が保留されている限り、シナリオ演出が途切れることなく繰り返し実行されることとなる。これにより、始動記憶単位での演出を遊技者に意識させないようにするとともにシナリオ演出に対して興味を持たせることが可能となり、比較的長期間にわたって遊技者の期待感を持続させることが可能となる。
なお、本例では、サブCPU201は、実行中のシナリオ演出があるときは次のシナリオ抽選を行わないようにしているが、これに限らず、実行中のシナリオ演出があったとしても、第1保留〜第4保留に少なくとも一以上の始動記憶が保留されていれば、シナリオ抽選を行っても良い。
サブCPU201が、リーチ変動演出を含む保留迄の始動記憶をシナリオ抽選の対象とし、リーチ変動演出の後の保留の始動記憶を抽選の対象としない理由は、リーチ変動演出に外れた後で、キャラクタ減算処理が行われることがあっても、キャラクタ同士の対戦結果に対する遊技者の興味が低下してしまうためである。このように、サブCPU201は、秘匿Aステージ2002の演出に基いて、キャラクタの減算処理位置を調整することができる。
なお、サブCPU201は、ステップS322において第二始動口440への遊技球の入球の有無を判別し、第二始動口440への遊技球の入球があると判別するとステップS324以降の処理を実行しているが、第二始動口440ではなく第一始動口5442への遊技球の入球があると判別したときは、当該第一始動口5442への入球に基づいて保留された一つの始動記憶のみでシナリオ抽選を行う。この場合、第一始動口5442への入球に基づいて保留された一つの始動記憶に対して複数個の仮変動を設定しても良いし、しなくても良い。そして、第一始動口5442への入球に基づいて保留された始動記憶についての可変表示において減算演出を行う旨がシナリオ事前設定処理において決定されていた場合には、当該第一始動口5442への入球に基づいて保留された始動記憶についての可変表示において減算演出が行われるようにしても良い。ただし、第一始動口5442への入球に基づいて保留された一つの始動記憶についての可変表示(又は当該一の始動記憶に対して設定された仮変動)と、当該一つの始動記憶の次に消化される第二始動口440への入球に基づいて保留された始動記憶に対して設定された仮変動とにまたがって減算演出が行われることはない。また、第一始動口5442への入球に基づいて始動記憶が保留された場合には、サブCPU201は、大当り判定処理の結果が大当りであるときにのみシナリオ抽選を行うようにし、大当りでないときには演出の選択を行わずに、例えば第1特別図柄表示部73や液晶表示装置16の画面端において識別図柄が可変表示されるだけとなるよう制御しても良い。
サブCPU201は、シナリオ抽選の対象である保留の範囲毎にキャラクタ減算処理位置を決定する等、シナリオ抽選範囲の保留を演出調整対象として処理する。そこで、サブCPU201は、シナリオ抽選範囲の最後の保留における演出の期待度合い、例えば、演出の熱さをチェックし(ステップS336)、その結果を、実行中のシナリオに属する保留の演出に反映してもよい。例えば、サブCPU201は、シナリオ抽選の範囲の最後の保留について演出の熱さを判別すると、演出の熱さに応じた先読み演出や連続予告演出を、シナリオ抽選対象の保留の演出に適用してもよい。
サブCPU201は、以上の処理を経ると、シナリオ抽選対象の保留の演出について、キャラクタ減算処理演出等の演出を仮変動に割当てるための処理を行う。そこで、サブCPU201は、キャラクタ減算処理に必要な仮変動数を決定するために、演出マップ2102を参照して、シナリオを抽選対象の始動記憶(例えば、第1保留〜第4保留に保留される始動記憶)について、減算処理が実行される始動記憶があるか否かを判別する(ステップS338)。
サブCPU201は、ステップS338において、シナリオ抽選対象の範囲内に、減算処理が実行される始動記憶があると判別すると、敵味方に分けて、減算処理するキャラクタをカウントする(ステップS340)。次いで、サブCPU201は、敵味方合わせた減算処理数が2以上である場合(ステップS342:Y)には、2以上のキャラクタの減算処理の順序を記録する(ステップS344)。なお、敵味方のキャラクタ間での順序は演出マップ2102において決定されていてもよいし、抽選によって決定されてもよい。
次に、サブCPU201は、シナリオ抽選対象の決定(ステップS332,ステップS334)の結果、シナリオ抽選対象となる保留に、リーチ変動演出と減算処理の演出とが重複するものがあるか否かを、演出マップ2102を参照して、判別する(ステップS346)。サブCPU201は、この結果に基づいて、リーチ前兆変動に利用可能な仮変動数を決定し、或いは、減算処理が行われる仮変動の位置を調整する等の演出調整処理を行うことができる。
図145及び図146は、第1保留〜第4保留に保留される始動記憶の一例を示す図である。図145は、第1保留〜第4保留の全部に始動記憶が保留されており、第1保留及び第4保留では減算処理もリーチ変動演出も実行されないこと、第2保留では敵方キャラクタの減算処理(敵方キャラクタの人数を1減算する処理)が行われること、第3保留ではリーチ変動演出が行われること、を示している。図146は、第1保留〜第4保留の全部に始動記憶が保留されており、第1保留、第2保留及び第4保留では減算処理もリーチ演出も実行されないこと、第3保留では敵方キャラクタの減算処理(敵方キャラクタの人数を1減算する処理)とリーチ変動演出とが重複して行われること、を示している。サブCPU201は、ステップS346において、リーチ変動演出と減算処理の演出とが重複するものがあると判別すると、ワークRAM領域の重複フラグをセットする(ステップS348)。
サブCPU201は、重複フラグのセットを確認すると、減算処理されるキャラクタが敵方のキャラクタである場合には、リーチ変動演出と減算処理との重複実行を許容し、例えば、減算処理の演出をリーチ変動演出の中で実行する。一方、サブCPU201は、重複フラグのセットを確認したものの、減算処理されるキャラクタが味方のキャラクタである場合には、リーチ変動演出において味方キャラが敗北する演出を行うことは、リーチ変動演出に対する期待度を不必要に低下させてしまうとして、リーチ変動演出と減算処理との重複実行を不許容し、減算処理の演出をリーチ変動演出の中で実行しないようにする。この際、味方のキャラクタの減算処理演出が、リーチ変動演出の直前の仮変動で実行されることを妨げるものではないが、敗れた味方キャラが復活して、攻撃を加えるなどの補償演出をリーチ変動演出で行うようにすればよい。あるいは、サブCPU201は、味方キャラクタの減算処理を、シナリオ抽選の対象の保留の範囲内で、リーチ変動演出から所定数離れた仮変動に割当ててもよい。なお、減算処理されるキャラクタが味方のキャラクタである場合、リーチ変動演出と減算処理との重複実行を不許容することに代えて、リーチ変動演出と減算処理との重複実行を許容するものの、リーチ変動演出と減算処理とが重複した場合には、減算処理を他の仮変動に割当てしなおすようにしても良い。
サブCPU201は、リーチ前兆演出を仮変動に割当てるために、リーチ変動演出と減算処理とが重複している保留(例えば、図146の第3保留)を含め、それ以前のシナリオ抽選対象の保留(例えば、図146の第1保留及び第2保留)の仮変動にリーチ前兆演出を割当て可能なものとして、使用し得る(ステップS350)。これは、敵方キャラクタの減算処理の演出がリーチ変動演出で実行されるためである。即ち、サブCPU201は、〔(シナリオ抽選対象となる保留の総仮変動数)−(減算処理数−1)〕をリーチ前兆演出に充当し得る仮変動数として使用できる。サブCPU201は、減算処理されるのが味方キャラクタである場合には、ステップS350を実行することなく、後述のステップS352を実行する。
サブCPU201は、ステップS346において、リーチ変動演出と減算処理の演出とが重複しないと判別すると、重複フラグをセットすることなく、ステップS352に移行する。サブCPU201は、キャラクタ(敵味方に限られない)の減算処理の演出が割当てられた仮変動数を、シナリオ抽選対象となる保留に対して決定された総仮変動数から除いた数の仮変動(残仮変動)をリーチ前兆演出に使用することができる。ここで、サブCPU201は、残仮変動数が0以上であると判別したときに限りリーチ前兆演出を行い、残仮変動数が0であるときはリーチ前兆演出を行わない旨を決定するため、制御処理を円滑なものとすることができ、このリーチ前兆演出によってリーチ変動演出を期待させるといった効果を期待できる。なお、残仮変動数が1であるときは、リーチ前兆を行わない旨を決定するようにしても良いし、1回を上限としてリーチ前兆の実行可否を決定するようにしても良い。
シナリオ抽選対象の範囲内に保留されている始動記憶にリーチ変動演出が記録された始動記憶が含まれておらず、且つ、シナリオ抽選対象のうち最後に消化される始動記憶の次の始動記憶がリーチ変動演出である場合には、当該次の始動記憶はシナリオ抽選対象ではないものの、サブCPU201は、シナリオ抽選対象のうち最後に消化される始動記憶に対して設定された仮変動にリーチ前兆演出を割当てて、次の保留に記憶される始動記憶の可変表示においてリーチ変動演出を行うようにしても良い。
なお、サブCPU201は、リーチ前兆演出の実行回数を決定し、この決定されたリーチ前兆演出の実行回数を、シナリオ抽選対象となる保留に対して決定された総仮変動数から除いた数の仮変動をキャラクタの減算処理の演出に使用するようにしても良い。
次に、図147を参照し、サブCPU201は、重複フラグがセットされているか否かに応じて、リーチ前兆の演出を選択する。詳しくは、サブCPU201は、ステップS354において、重複フラグのセットがあるか否かをチェックし、重複フラグのセットがあると判別すると、リーチ前兆演出を特定演出に決定し(ステップS356)、敵キャラクタがリーチ変動演出において敗北する期待感を遊技者に持たせる。ここで、特定の演出とは、遊技者に与えうる期待感が大きい演出である。一方、ステップS354において、重複フラグのセットがないと判別すると、リーチ前兆演出を、遊技者に与えうる期待感が特定演出よりも小さい演出に決定する(ステップS358)。サブCPU201は、リーチ前兆演出を、テーブルに設定された複数の演出の中から選択すればよい。サブCPU201は、シナリオ演出対象の範囲内でリーチ前兆演出を複数回行う場合、テーブルを変えて同一の演出が連続しないようにする。但し、特定演出については連続されてもよい。
次いで、サブCPU201は、ステップS350、又は、ステップS352において、計数した仮変動数からリーチ前兆に使用する仮変動数を選択する(ステップS360)。例えば、サブCPU201は、リーチ前兆演出内容によって必要な仮変動数が異なるため、テーブルを変えて仮変動数を選択してもよい。サブCPU201は、リーチ前兆演出に使用する仮変動を、シナリオ抽選対象の保留の仮変動のうち、消化順が遅い仮変動から選択する。これによって、リーチ変動演出に近い位置にリーチ前兆演出を配置することができる。サブCPU201は、「0変動」を選択の場合、リーチ前兆演出を仮変動に割当てることなく、リーチ前兆演出を行わない。この「0変動」の概念には、0仮変動と、第1保留〜第4保留のいずれにも始動記憶が保留されていないときとの両方が含まれる。すなわち、0仮変動が選択された場合、及び、第1保留〜第4保留のいずれにも始動記憶が保留されていない場合のいずれにおいても、サブCPU201は、リーチ前兆演出を仮変動に割当てることなく、リーチ前兆演出を行わないこととなる。また、シナリオ抽選対象の始動記憶にリーチ変動演出がない場合には、リーチ前兆演出はガセのリーチ前兆演出になる。なお、第1保留〜第4保留のいずれにも始動記憶が保留されていないときには、ガセのリーチ前兆演出も行われない。
ところで、上述したように、第1保留〜第4保留のいずれにもリーチ変動演出が記録される始動記憶が保留されていなければ、サブCPU201は、保留されている始動記憶の全部をシナリオ抽選の対象に決定するようにしている。しかし、秘匿Aステージ2002は時短遊技状態であるから、シナリオ抽選の対象を決定するときに第1保留〜第4保留の全部に始動記憶が保留されていることが多い。そのため、今回のシナリオ演出が4つの始動記憶を対象としたものであることを遊技者が把握すると、その時点で、今回のシナリオ演出対象の範囲内にリーチ変動演出が含まれていない可能性が高いことを遊技者に察知され、期待感を持続させることが難しくなるおそれがある。そこで、シナリオ抽選の対象を決定するときに、第1保留〜第4保留のいずれにもリーチ変動演出が記録された始動記憶がないとき、シナリオ抽選の対象となる始動記憶数が都度異なるように例えば抽選によりランダムに決定することで、今回のシナリオ演出の対象範囲にリーチ変動演出が含まれていないことを察知され難くなる。とくに、今回のシナリオ演出の対象範囲にリーチ変動演出が含まれていない可能性が高いことを遊技者に察知されたにもかかわらずガセのリーチ前兆演出が行われると不愉快極まりなくなる可能性がある。しかし、今回のシナリオ演出の対象範囲にリーチ変動演出が含まれていないことを察知され難くすることで、ガセのリーチ前兆演出は遊技者に期待感を持続させるものとなり、効果的な演出を行うことができる。
次いで、サブCPU201は、リーチ前兆演出に使用する仮変動数が0より大きいか否かを判別し(ステップS362)、リーチ前兆演出に始動する仮変動数が0より大きいと判別すると、リーチ前兆演出に使用する仮変動数をブロック化して、リーチ前兆演出を割当てるブロックパターンを選択する(ステップS364)。次いで、サブCPU201は、選択したブロックパターンのうち、リーチ前兆演出を割当て可能なブロックにリーチ前兆演出を割当てる(ステップS366)。例えば、リーチ前兆に使用し得る仮変動数が3であり、リーチ前兆演出に2仮変動が必要であるとすると、サブCPU201は、3つの仮変動をブロック化して、(1)1ブロック+1ブロック+1ブロックのパターンと、(2)1ブロック+2ブロックのパターンとを形成する。サブCPU201は、(2)のパターンを選択して、2ブロックにリーチ前兆演出を割当てることができる。このように、3つの仮変動をブロック化する態様を図148に示す。
次に、図149を参照し、サブCPU201は、ステップS368において、減算処理の演出を行うと判別すると、減算処理演出をどの仮変動のブロックで行うかを、例えば、ランダム抽選によって決定する(ステップS370)。次いで、サブCPU201は、減算処理の演出を割当てる仮変動を、シナリオ抽選対象の保留の仮変動のうちリーチ前兆演出が割当てられていない仮変動の中から、抽選等によって決定する(ステップS372)。複数のキャラクタの減算処理の順番がある場合(ステップS342)には、この順番に沿うように減算処理演出の仮変動を決定する。例を用いて説明すると次のとおりである。
例えば、シナリオ抽選対象の決定(ステップS332,ステップS334)によって、シナリオ抽選対象の範囲内に、味方キャラクタの減算処理が記録された始動記憶と、敵方キャラクタの減算処理が記録された始動記憶とがこの順で保留されているとする。そして、ステップS370において、サブCPU201が、敵方キャラクタの減算処理を比較的長い時間の中攻撃演出に決定し、味方キャラクタの減算処理を比較的短時間の弱攻撃演出に決定したとする。このとき、サブCPU201は、中攻撃演出を2つの仮変動に割当て、弱攻撃演出を1つの仮変動に割当て、前者の仮変動が後者の仮変動よりも先に消化されるように、これら仮変動の位置を決定することができる。このように、サブCPU201は、減算処理の演出内容に応じて、例えば、1又は複数の仮変動に対して減算演出を割当てる。
ここで、1回の減算処理の演出を仮変動に割り当てる例について、図150を参照して説明する。図150は、第1保留〜第3保留がシナリオ抽選対象になっている状態での仮変動のシーケンスの一例である。第1保留に記憶される始動記憶については変動時間が3.5秒であるから設定される仮変動数は1つ(#1)である。第2保留に記憶される始動記憶については可変表示時間が11.5秒であるから設定される仮変動数は3つ(#2〜#4)である。第3保留に記憶される始動記憶については可変表示時間が「11.5秒+リーチ変動演出」の時間であるから設定される仮変動数は3つ(#5〜#7)である。第3保留に記憶される始動記憶については、可変表示が行われるときにリーチ変動演出が行われるため、シナリオ抽選の対象となるのは第1保留〜第3保留に保留される始動記憶である。また、図149の例では、秘匿Aステージ2002のスタート前(具体的には、大当り遊技の実行中)に決定された演出マップ2102での減算処理数が、第1保留に保留される始動記憶において1回(弱攻撃演出)、第2保留に保留される始動記憶において0、第3保留に保留される始動記憶において2回(中攻撃演出、弱攻撃演出の順で1回ずつの計2回)の例が示される。
図150に示す例では、第1保留〜第3保留に保留される始動記憶がシナリオ抽選の対象であるため、サブCPU201は、弱攻撃演出、中攻撃演出、弱攻撃演出の順で、これらの演出を実行するタイミングを再決定する。図150に示す例では、第1保留に保留されている始動記憶に記録される弱攻撃演出は仮変動#2に割当てられ、第2保留に保留されている始動記憶に記録される中攻撃演出はブロック化された#4仮変動及び#5仮変動に割当てられ、第3保留に保留されている始動記憶に記録される弱攻撃演出は#6仮変動に割当てられている。このように、キャラクタの減算演出は、保留された始動記憶単位にかかわらず、一の始動記憶に対して設定された仮変動と、当該一の始動記憶の次に消化される始動記憶に対して設定された仮変動とにまたがることもある。これにより、1回の遊技結果(抽選結果)にとらわれずに演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができるため、時短の消化回数を遊技者に把握され難くすることができる。しかも、秘匿Aステージ2002において、高確率遊技状態であることの期待の度合いを示すものとして、所定の単位に分けられた(ブロック化された)仮変動の実行中に行われる演出態様が決定されるため、遊技者の意識を、時短の残り回数よりも減算演出に向かせることができ、より一層、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、図150に示す例では、第1保留〜第3保留に保留されている始動記憶に記録される3つの減算演出は全て仮変動(#1〜#7)のうちのいずれかで実行されるようになっているが、これに限られず、サブCPU201は、最後に実行される減算演出についてはリーチ変動において実行されるよう制御しても良い。
次いで、サブCPU201は、演出が割当てられていない仮変動に対して演出を決定する(ステップS374)。図151は、第1保留〜第4保留(例えば、図141を参照)がシナリオ抽選対象になっている状態での仮変動のシーケンスの一例である。仮変動#2、#4に減算処理の演出が割当てられ、仮変動#7にリーチ前兆演出が割当てられ、演出が割当てられていない仮変動#1、#3、#5、#6に、例えば、減算処理演出や、リーチ前兆演出よりも、遊技者への印象が弱めの単発演出を配置することができる。仮変動#1、#3、#5、#6に配置される演出の内容、演出を割当てる仮変動は、抽選によって決定されるようにしてよい。単発演出は、リーチ前兆演出よりも、若い番号の仮変動側に配置される。シーケンス内の全ての仮変動に演出が割当てられることによって、減算処理の実施位置が確定される。演出の内容によって、割当てられる仮変動数は変わってくる。サブCPU201は、全ての仮変動に演出が割当てられたシーケンスの情報を含めて演出指定情報を生成する。
次いで、サブCPU201は、シナリオ抽選対象の保留にリーチ変動演出が存在するか否かを判別し(ステップS376)、シナリオ抽選対象の保留にリーチ変動演出が存在するときにはリーチ演出を決定(ステップS378)して、演出決定処理を終了する。サブCPU201は、例えば、減算処理の結果を参照してリーチ演出を選択することができる。戦いに残ったキャラクタが登場するリーチ演出を選択することができる。
さらに、サブCPU201は、リーチ変動演出が記録された始動記憶について、カウンタを参照して、味方キャラクタ及び味方キャラクタの残り人数組合せを計算し、人数組合せ、及び/又は、消化された時短回数(または時短の残回数)に基づいて、リーチ演出の実行の有無、リーチ変動演出の態様を設定することができる。例えば、残り人数が2×2未満、かつ、保留が規定時短回転数の最終回転以外の場合には、たとえ、大当り判定結果が大当りであっても、特殊な態様のリーチ(SPリーチ)を実行することなく、例えばバトル演出において敵方グループのボスを倒して大当り遊技状態を実行するようにしても良い。一方、サブCPU201は、残り人数組合せが1×1で、保留が規定時短数の最終可変表示の場合には、専用のSPリーチの演出を実行するようにしてもよい。
また、シナリオ演出の対象範囲に、秘匿Aステージ2002において最後の可変表示が行われる始動記憶が含まれている場合(例えば、時短回数48回であるときに、時短遊技状態において48回目の可変表示が行われる始動記憶が含まれている場合)には、時短遊技状態の最終可変表示においてリーチ変動演出や大当り演出が行われなければ、最終可変表示においてバトル演出の勝敗が決着するようにキャラクタの減算演出を行うようにしても良い。この場合、時短遊技状態が規定回数に達したために秘匿Aステージ2002が終了した(高確率遊技状態であるか否かが開示された)といった印象ではなく、バトル演出の勝敗が決着したから秘匿Aステージ2002が終了したという印象を遊技者に与えることができる。
サブCPU201は、シナリオ抽選の対象の保留範囲を決定する処理(図142:S332,S334)によって、秘匿Aステージ2002のスタート前(具体的には、大当り遊技の実行中)に決定された演出マップ2102での減算処理が実行される時短回数を、秘匿Aステージ2002の変動パターンに応じて±3の範囲で移動させることができる。例えば、演算マップにおいて時短回転が8であるときに減算処理を実行する旨が決定されたとき、当該減算処理は、時短回数が5〜11の範囲内で移動することができる。詳述すると、時短回数が8の始動記憶が第4保留に保留されているときは時短回数5〜8の範囲内で移動でき、時短回数が8の始動記憶が第1保留に保留されているときは時短回数8〜11の範囲内で移動できる。したがって、サブCPU201は、減算処理の実行タイミングを秘匿Aステージ2002の遊技の展開に従って流動的に変化させることにより、演出のバリエーションを増加させながら、キャラタのチーム同士の戦いに伴うキャラクタの減算処理を確実に実行させることができる。
既述の実施形態では、サブCPU201は、ステップS326において実行中のシナリオ演出があると判別すると、抽選によって作成されたシナリオ演出が終了するまで、新たなシナリオ演出を抽選しない。そこで、サブCPU201は、実行中のシナリオ演出を多彩にするために、例えば、実行中のシナリオ演出の範囲内の保留を先読みして、これを、保留消化の可変表示中に実行される演出に適用してもよい。例えば、サブCPU201は実行中のシナリオ演出対象の始動記憶にリーチ変動演出が記録されていれば、リーチ変動演出までの始動記憶について先読みの抽選を行う。なお、リーチ変動演出がなければ、特定の変動パターン(リーチ変動演出)の存在を示唆する示唆演出を実行中の演出に適用する。なお、サブCPU201は、保留が存在しない場合には、示唆演出を行わない。
また、サブCPU201は、始動入賞時に保留される始動記憶を先読みして、これを入賞時の先読み演出に適用するのではなく、これを保留消化の変動中に実行される演出に適用してもよい。例えば、サブCPU201は、第1保留〜第3保留についてのシナリオ演出を実行中に、始動入賞により第4保留に始動記憶が保留された場合、第4保留の演出を先読みして、例えば、第2保留または/および第3保留の演出に第4保留の先読み演出を重ねることができる。
また、秘匿Aステージ2002では、液晶画面に保留を見せないため始動入賞時に先読み演出を行うことがないものの、始動入賞時に設定される保留の先読み演出は、始動入賞してから演出の表示までに余り時間をかけられないので、処理分岐の少ない演出を、例えば、保留色を変える程度の単純処理のものに成らざるを得ない。一方、サブCPU201が、第1保留〜第3保留の先読み演出のデータ(例えばシナリオ演出のデータ)の一部又は全部を利用して、第4保留に保留された始動記憶の先読み演出を行うことができれば、制御負荷を軽減することができ、その結果、第4保留に保留された始動記憶の先読み演出の態様を、保留色を変える程度に過ぎない単調なものに比較して、多彩なものとして実現できる。
なお、図152は、ステップS326(図142参照)において、実行中のシナリオ演出があると判別されたときの変形例を示すフローチャートの一例である。図152のフローチャートに示すように、サブCPU201は、ステップS326において実行中のシナリオ演出があると判別すると、遊技球が第二始動口440に入賞したか否かを判別し(ステップS400)、遊技球が第二始動口440に入賞したと判別すると、実行されているシナリオ対象の始動記憶のなかに、リーチ変動演出があるか否かを判別する(ステップS402)。サブCPU201は、ステップS402において、実行中のシナリオ演出の対象範囲にリーチ変動演出が記録された始動記憶があると判別すると、リーチ変動演出が記録された始動記憶より入賞が遅い始動記憶を先読み演出の対象として先読み演出を選択する(ステップS404)。サブCPU201が、ステップS402において、実行中のシナリオ演出の対象範囲にリーチ変動演出が記録された始動記憶がないと判別すると、既に先読み演出が実行中であるか否かを判別し(ステップS406)、既に先読み演出が実行中であれば、当該既に実行中の先読み演出を継続し(ステップS408)、先読み演出が実行中でなければ、実行されているシナリオ演出の対象範囲内に保留されている全ての始動記憶を対象として先読み演出を選択する(ステップS410)。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、始動記憶毎に演出が行われる従来のパチンコ機とは異なり、保留された各始動記憶に対して1回または複数回の仮変動の実行数が決定されるため、一の始動記憶に対する可変表示でありながらも、外観上は、複数の始動記憶に対する可変表示が行われているかのように見えることとなる。しかも、各始動記憶に対して決定された仮変動は、始動記憶の単位にかかわらず、複数の仮変動を用いて所定の単位にブロック化される。そして、この所定の単位にブロック化された仮変動中に行われる演出態様が決定される。また、上述したとおり、一の始動記憶に対して決定された複数の仮変動の一部と、当該一の始動記憶の次に可変表示が行われる他の始動記憶に対して決定された複数の仮変動の一部とにまたがる演出態様が決定されることもあり得る。これにより、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。このように、始動記憶の単位にとらわれずに演出態様が決定されるので、複数の始動記憶をまたがるように演出態様を決定することも可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができ、始動記憶毎の遊技結果を意識させ難いといった斬新な遊技を提供することができる。
また、大当り遊技状態とは別に遊技者に有利な特定遊技状態(時短遊技状態や高確率遊技状態)に制御される遊技機にあっては、特定遊技状態に制御される期間を長くすると大当り判定処理における当選確率を低くせざるを得ず、興趣が低下するおそれがある。その一方、特定遊技状態に制御される期間を短くすると、遊技者に不利益感を与えかねず、いずれにしても興趣が低下するおそれがある。この点、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、各始動記憶に対して一または複数の仮変動が設定されるので、時短回数を抑制しつつも、かかる抑制が遊技者に把握され難くなるとともに、大当り判定における当選確率を適度なものとすることができるので、遊技者に与えうる不利益感を軽減し、ひいては、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1のように、各始動記憶に対して一または複数の仮変動を設定することで、秘匿Aステージ2002の期間すなわち時短遊技状態の終了タイミングを遊技者に把握され難くすることができる。すなわち、時短回数は例えば当選時に予め決まっており、従来のパチンコ機では、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が高確率遊技状態であるか否かを秘匿にしたとしても、当選することなく一定の時短回数が消化されると、高確率遊技状態であるか否かが開示されていた。しかし、本実施形態のパチンコ遊技機1のように秘匿Aステージ2002の期間を遊技者に把握され難くすることで、消化された時短回数を把握し難くなり、期待感を持続することが可能となる。しかも、秘匿Aステージ2002中は、高確率遊技状態であることの期待の度合いを示す指標としてキャラクタの減算演出が行われるため、遊技者の注視を、終了タイミングを把握し難い時短の消化回数よりもむしろキャラクタの減算演出に向かせることができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、各始動記憶に対して一または複数の仮変動を設定することで秘匿Aステージ2002の終了タイミングを把握し難くすることに加えて、秘匿Aステージ2002において、高確率遊技状態であるか否かの指標となりうるキャラクタの減算演出を行っている。この減算演出のシナリオは、時短回数の最終回を含むシナリオ演出において敵方グループが全滅すると高確率遊技状態が確定し、味方グループが全滅すると低確率遊技状態が確定するように、秘匿Aステージ2002となる前に大枠が決定されている。そのため、従来のパチンコ遊技機1のように一定の時短回数が消化されたときに高確率遊技状態であるか否かが開示されるといった演出ではなく、バトル演出の勝敗が決着したときに高確率遊技状態であるか否かが開示されるといった演出を実行することが可能となる。
次に、BGMの変化演出について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1では、大当り遊技状態が終了し、その後に秘匿Aステージ2002に突入したとき、当該秘匿Aステージ2002が終了するタイミング(例えば、規定回数(例えば48回)の時短が消化されたタイミング)で、上述したバトル演出の最終結果により、高確率遊技状態であるか低確率状態であるかが開示されるようになっている。開示された結果が高確率遊技状態であったときには、その後、高確ステージ2004に移行する(開示された結果が低確率遊技状態であったときには、その後、通常ステージ2000に移行する)。
サブCPU201は、確変フラグがオンされる大当り遊技状態中と、秘匿されている遊技状態が高確率遊技状態であるときの秘匿Aステージ2002中とに、BGM変化抽選を行う。すなわち、確変フラグがオンされる大当りに当選したときには、大当り遊技状態が開始されてから秘匿Aステージ2002を経て高確ステージ2004に移行するまでの間に、BGM変化抽選が2回行われることとなる。ただし、大当り遊技状態において行われるBGM変化抽選に当選したときは、サブCPU201は、その後の秘匿Aステージ2002においてBGM変化抽選を行わない。
BGM変化抽選に当選すると、サブCPU201は、高確率遊技状態であることが確定する高確確定BGMを、音声制御回路205を通じてスピーカ24から出力する。したがって、秘匿Aステージ2002から高確ステージ2004に移行するときは常に高確確定BGMが出力されるわけではなく、秘匿Aステージ2002から高確ステージ2004に移行するときであっても一部でした高確確定BGMは出力されない。
なお、サブCPU201は、BGM変化抽選に当選したことに応じて高確確定BGMが出力されるように制御するものの、BGM変化抽選に当選したことに応じて液晶表示装置16に表示される演出画像を変えることはしない。そのため、高確確定BGMが出力されたとしても、液晶表示装置16に表示される演出画像の流れは変化せずにそのままである。
サブCPU201は、BGM変化抽選に当選すると、高確確定BGMを出力するタイミング(すなわち、通常のBGMから高確確定BGMに変更するタイミング)も決定する。高確確定BGMを出力するタイミングは、例えば、大当り遊技状態中や、秘匿Aステージ2002中である。
大当り遊技状態において行われるBGM変化抽選に当選した結果、大当り遊技状態中に高確確定BGMを出力する場合、サブCPU201は、当該大当り遊技状態が終了して秘匿Aステージ2002に移行したときにも、引き続き、高確確定BGMが出力されるよう制御する。ただし、液晶表示装置16に表示される演出画像については、サブCPU201は、秘匿Aステージ2002において通常表示される演出画像が表示されるよう制御する。
大当り遊技状態において行われるBGM変化抽選に当選した結果、秘匿Aステージ2002中に高確確定BGMを出力する場合、サブCPU201は、秘匿Aステージ2002のいずれのタイミングで出力するかを、大当り遊技状態中に事前決定する。高確確定BGMの出力タイミングは、先ずは一定の時短回数刻みで決定し、当該決定された時短回数の範囲内でさらにランダム抽選する。詳述すると、例えば時短回数が48回であるとき、1〜6回、7〜12回、13〜18回、19〜24回、25〜30回、31〜36回、37〜42回、43〜48回の各グループのうちいずれかのグループに事前決定する。次に、決定されたグループのうちいずれのタイミングで高確確定BGMを出力するかを事前決定する。例えば、13〜18回のグループに決定されると、サブCPU201は、この13〜18回の範囲内で高確確定BGMを出力するタイミングを事前決定する。例えば、16回に決定されると、サブCPU201は、時短16回目の可変表示において高確確定BGMを出力する。
なお、サブCPU201は、秘匿Aステージ2002において始動記憶が保留されると、上述したとおり、各始動記憶に対して仮変動を設定する。サブCPU201は、高確確定BGMの出力についても、キャラクタの減算演出と同様に、いずれの仮変動において出力するかを決定する。例えば、高確確定BGMを出力するタイミングが時短16回目に事前決定されていた場合には、サブCPU201は、当該16回目に保留された始動記憶に対して設定された仮変動の全部又は一部を用いて高確確定BGMを出力する。このとき、高確確定BGMは、キャラクタの減算演出としての中攻撃演出と同様に、一の始動記憶に対して設定された仮変動と、当該一の始動記憶の次に消化される始動記憶に対して設定された仮変動とにまたがって実行されることもある。このように、高確確定BGMについても、始動記憶単位での可変表示とはかかわりなく実行されうることとなり、より一層、始動記憶単位での可変表示を遊技者に意識させないようにすることができる。
[先読み演出選択処理(高確ステージ)]
次に、高確ステージ2004における先読み演出選択処理について図153〜図156を用いて説明する。図153は、先読み演出選択処理(高確ステージ2004)を示すフローチャートの一例である。
まず、サブCPU201は、現在の演出状態が高確ステージ2004であるか否かを判別する(図153のステップS500)。現在の演出状態が高確ステージ2004であると判別されると(ステップS500におけるYES)、サブCPU201は、始動入賞(第一始動口5442または第二始動口440への入賞)があったか否かを判別する(ステップS502)。始動入賞があったと判別されると(ステップS502におけるYES)、サブCPU201は、保留された始動記憶に対し、どの系統の演出を行うかを抽選する(ステップS504)。演出には、例えば、液晶表示装置16上に表示されるリーチ演出や、ランプ演出、いわゆる役物の可動演出や、擬似蓮演出、保留画像の変化のほか、後述する先読み演出等が含まれる。
ステップS506では、ステップS504の抽選にて選択された演出が、先読み演出か否かを判別する(図153のステップS506)。本実施の形態における先読み演出とは、高確ステージ2004中に保留された始動記憶と、当該始動記憶より前に入賞した始動記憶(複数の始動記憶を含む)にまたがって関連する演出を行う態様である。先読み演出の詳細については後述する。先読み演出を行う旨が判別されると(ステップS506におけるYES)、先読み演出区間決定処理を行う(ステップS508)。ここで、「先読み演出を行う旨が判別される」とは、先読み演出を行う抽選に当選したことを示す。
ここで、先読み演出区間決定処理について、図154を用いて説明する。図154は先読み演出を行う区間を決定する際のパターンの一例を示す図である。ここで図154(A)の上部枠は保留枠を示し、保留枠内の数字1〜4は第1保留〜第4保留を示す。保留枠の下に位置する下部枠は演出種別枠を示し、それぞれの保留においてどんな演出が行われる予定かが記載されている。本実施の形態において、第4保留が、高確ステージ2004中に入賞し(図153のステップS502におけるYES)、かつ先読み演出を行う旨が決定された保留(図153のステップS506におけるYES)である。そして、第1保留では墨演出を行うことが決定している(図154(A))。墨演出とは例えば、液晶表示装置16上の画面に墨を豪快にこぼしたように画面全体を一瞬で暗転させるような演出や、そのこぼした墨に重ねるようにして、「好機」や「チャンス」などの文字が筆で書かれるような演出があげられる。
先読み演出区間決定処理は、記憶されている全部の始動記憶に対して抽選で行なうため、本実施の形態においても第1保留〜第4保留に始動記憶が保留されている限り、これら全ての始動記憶において行なわれ得る。しかし、本実施の形態においては、第1保留にて既に墨演出が行われることが決定しているため、この場合には該当区間について先読み演出区間決定処理において決定される対象区間に含めないこととしてもよい。また、墨演出が行われることが決定している始動記憶の次に保留された始動記憶についても(図154(B)の第2保留に相当)、先読み演出区間決定処理において決定される対象区間に含めない。これは、第1保留として記憶される始動記憶についての可変表示にて行なわれる墨演出が、その演出単体で遊技者に期待を抱かせる可能性がある演出であるため、第1保留として記憶される始動記憶についての可変表示にて行なわれる墨演出と、第4保留の始動記憶に係る先読み演出(第3保留と第4保留とで行なわれる先読み演出)とは明確に隔てておくことが好ましいからである。つまり、第1保留で墨演出が行われ、第2保留では特に演出が行われないことにすることで、第4保留に係る先読み演出(第3保留と第4保留とで行なわれる演出)の期待感と面白みを高める効果があり得る。
なお、仮に第1保留で行なわれる墨演出を含めて第4保留に係る先読み演出を行う、つまり、第1保留〜第4保留の区間で先読み演出が行われることとすると、遊技者にとって、複数の演出が連続して行われることで期待感を抱くことができる一方、これら一連の演出が、異なるカテゴリの演出が連続して行われているのか、先読み演出として関連する演出が連続して行われているのかが判別しづらいというデメリットがあり、却って先読み演出としての面白みが削がれる結果となる可能性がある。
次に、図154(C)に示すように、先読み演出を行う区間が第3保留及び第4保留であることが決定すると(図153のステップS508)、これらの保留で行なう演出シナリオを設定する(図154のステップS510)。演出シナリオは、保留毎に大区分の抽選を行ない、当該抽選に当籤した保留に対してのみ演出シナリオを設定する。本実施の形態においては、例えば、第3保留について大区分の抽籤に当籤した場合(図154(D)の第3保留を参照)、第3保留に演出シナリオが設定され、第4保留は第3保留で決定されたシナリオに基づいた演出が行われることとなる。
演出シナリオには、先読みの展開によって当該保留(本実施の形態においては第4保留に相当)の展開に影響する演出と、先読みの展開によって当該保留の展開に影響しない演出とがある。先読みの展開によって当該保留の展開に影響するとは、先読み演出と同様の演出が当該保留でも行われることであり、例えば、上述の墨演出等が相当する。先読みの展開によって当該の展開に影響しない演出とは、例えば、役物の可動演出等のようにその保留でのみ行われる演出等が相当する。先読みの展開によって当該の展開に影響する演出は、当該保留以前の保留(本実施の形態においては第3保留に相当)についてシナリオ抽選を行なう。一方、先読みの展開によって当該の展開に影響しない演出は、当該保留(本実施の形態においては第4保留に相当)を含んでシナリオ抽選を行なう。
大区分の抽選に当籤した保留について演出シナリオが設定されると(図153のステップS510)、先読み演出の詳細を選択する(ステップS512)。先読み演出の詳細を選択する例については、図155を用いて説明する。図155は先読み演出の詳細を選択する一例を示す図である。図155(A)は、高確ステージ2004において第4保留に始動入賞し(図153のステップS500におけるYESおよびS502におけるYES)、先読み演出を行う旨が決定され(図153のステップS506におけるYES)、先読み演出区間、演出シナリオが決定された状態の一例を示している。
先読み演出区間、演出シナリオの決定について詳述すると、先読み演出を行う区間は記憶されている全部の始動記憶に対して抽選されるため、本実施の形態においては先読み演出を行う区間が第1保留〜第4保留であると決定されている(図153のステップS508)。そして、先読み演出の演出シナリオには少なくとも2種類あり、一つ目は先読みの展開によって当該保留(本実施の形態においては第4保留に相当)の展開に影響する演出、二つ目は先読みの展開によって当該の展開に影響しない演出がある。先読みの展開によって当該保留の展開に影響する演出としては当該保留以外の保留(第1保留〜第3保留)について抽選される。ここで当該保留は変動演出として抽選される。その結果、本実施の形態においては第2保留及び第3保留において墨演出が行われることが決定されている。先読みの展開によって当該の展開に影響しない演出については当該保留を含めて(第1保留〜第4保留)について抽選される。その結果、本実施の形態においては第1保留〜第4保留にかけて役物可動が行なわれることが決定されている。
この場合、第1保留〜第4保留に保留される始動記憶が消化される際に、役物が連続して可動しつつ墨演出が行われ、墨演出が終了したにも関わらず、役物が可動するという状況に遊技者は遭遇することになる。そうすると、これら一連の演出が個々の演出であったのか、関連する演出であったのかが遊技者には判断し難い。そこで、図155(B)に示すように、当該保留(本実施の形態においては第4保留に相当)において第3保留のような墨演出が行われないと決定した場合には、第4保留における、先読みの展開によって当該の展開に影響しない演出(本実施の形態においては役物可動)をキャンセル(「なし」に書き換える)する。
<カウントダウン演出>
図153のステップS512において選択された先読み演出の詳細がカウントダウン演出であるか否かを判別する(ステップS514)。本実施の形態におけるカウントダウン演出について、図156を用いて説明する。図156は先読み演出の詳細がカウントダウン演出であった場合の一例を示す図である。図156(A)は、高確ステージ2004中に第4保留に入賞し(図153のステップS500におけるYESおよびステップS502におけるYES)、先読み演出を行う旨が決定され(図153のステップS506におけるYES)、先読み演出区間、演出シナリオが決定された状態の一例を示している。
先読み演出区間、演出シナリオの決定について詳述すると、先読み演出を行う区間は記憶されている全部の始動記憶に対して抽選されるため、本実施の形態においては先読み演出を行う区間が第1保留〜第4保留であると決定されている(図153のステップS508)。そして、先読み演出の演出シナリオには少なくとも2種類あり、一つ目は、先読みの展開によって当該(本実施の形態においては第4保留に相当)の展開に影響する演出、二つ目は先読みの展開によって当該の展開に影響しない演出がある。先読みの展開によって当該保留の展開に影響する演出として第1保留〜第3保留においてカウントダウン演出が行われることが決定されている。ここで当該保留は変動演出として抽選される。先読みの展開によって当該の展開に影響しない演出については当該保留を含めて(第1保留〜第4保留)について抽選される。その結果、本実施の形態においては第1保留〜第4保留にかけて役物可動が行なわれることが決定されている。
この場合、第1保留〜第4保留が消化される際に、役物が連続して可動しつつカウントダウン演出が行われ、第4保留ではカウントダウン演出が行われないにも関わらず、役物が可動するという状況に遊技者は遭遇することになる。カウントダウンが0(ゼロ)となると大当り確定(メインCPU101における当選)であると設定していた場合に、カウントダウンが0にならないパターンはハズレ確定であるので、その場合に他の演出(本実施の形態においては第4保留における役物可動)が行なわれると、これら一連の演出が個々の演出であったのか、関連する演出であったのかが遊技者には判断し難いだけでなく、他の演出(本実施の形態においては役物可動)が遊技者にとって無意味なものに受け取られる可能性がある。
そこで、図153のステップS514において選択された演出がカウントダウン演出であると判別されると(ステップS514におけるYES)、選択されたカウントダウン演出の結果がガセであるか否かを判別する(ステップS516)。選択されたカウントダウン演出の結果がガセであると判別されると(ステップS516におけるYES)、他の演出シナリオが当該保留まで決定しているか否かを判別する(ステップS518)。他の演出シナリオが当該保留まで決定していると判別されると(ステップS518におけるYES)、当該保留における他の演出シナリオをキャンセルする(ステップS520)。
つまり、図156(B)に示すように、当該(本実施の形態においては第4保留に相当)変動において第1保留〜第3保留にまたがって行なわれるカウントダウン演出が行われないと決定した場合には、第4保留における、先読みの展開によって当該の展開に影響しない演出(本実施の形態においては役物可動)をキャンセル(「なし」に書き換える)する。
<背景変化制御処理>
本実施の形態の遊技機では、通常ステージ2000における遊技中に、液晶表示装置16上に表示される背景画像の変化を伴う、保留された始動記憶の先読み演出を行う。背景変化を伴う保留された始動記憶の先読み演出とは、始動入賞(第一始動口5442または第二始動口440への入賞)により保留された始動記憶(当該保留)に対し、演出として背景変化を行なうと抽選で決定された場合に、当該保留よりも前に保留された始動記憶にまたがって、当該保留の背景変化シナリオに基づいた演出を行い、当該保留の背景変化に連続性をもたせるものである。先読み演出のバリエーションとしては、画像予告のほか、ランプ予告、役物予告等が挙げられる。背景変化制御処理について図157〜図160を用いて説明する。
図157は、背景変化制御処理を示すフローチャートの一例である。図158は、背景変化連続可能回数判定処理を示すフローチャートの一例である。図159は、背景変化制御および背景変化シナリオに関するテーブルの一例である。図160は、本実施の形態に係る背景変化制御処理のフローを説明するための具体例を示す図である。
まず、サブCPU201は、始動入賞(第一始動口5442または第二始動口440への入賞)により保留された始動記憶(当該保留)が、背景変化抽選に当選したか否かを判別する(図157のステップS530)。当該保留が背景変化抽選に当選したと判別されると(ステップS530におけるYES)、背景変化連続可能回数判定処理により、当該保留の背景変化までに、当該保留より前に保留された始動記憶に基づいて何変動分にまたがって演出を行うことができるかが判別される(ステップS532)。背景変化連続可能回数判定処理については図158にて後述する。
サブCPU201は、背景変化連続可能回数判定処理において背景変化連続可能回数を決定すると、当該保留についての背景変化シナリオ抽選を行う(ステップS534)。背景変化シナリオ抽選は、図159(A)の背景変化シナリオテーブルから選択される。図159(A)の背景変化シナリオテーブルから所定の背景変化シナリオが選択されると(図157のステップS534)、サブCPU201は、背景変化シナリオに係る各始動記憶に設定されていた演出情報、例えば、「通常はずれ」や「リーチはずれ」などの変動演出に係る情報等を、背景変化シナリオに基づいた背景遷移テーブルに書き換える(図157のステップS536)。背景変化シナリオの例については後述する。
図157の背景変化制御処理内の背景変化連続可能回数判定処理について、図158を用いて説明する。サブCPU201は、背景変化制御処理におけるステップS530において、始動入賞により保留された始動記憶(当該保留)が背景変化抽選に当選したと判定すると(図157のステップS530におけるYES)、図158の背景変化連続可能回数判定処理において、当該保留の背景変化までに連続して演出可能な回数を決定する(図158のステップS540)。連続可能回数とは、背景変化対象となる保留(当該保留)からさかのぼり、通常はずれ変動で別途背景変化抽せんに当選していない区間の始動記憶の個数のことである。
仮に、入賞した始動記憶(当該保留)が4(第4保留)であった場合について、図160を用いて説明する。図160(A)は、当該保留が入賞した際には第1保留〜第3保留まで始動記憶が保留されており、第1保留〜第3保留にはそれぞれ「通常ハズレ」の演出内容が設定された状態である。つまり、保留個数は「4」である。サブCPU201は、図158の背景変化連続可能回数判定処理では、これら4つの始動記憶のうち、当該保留の始動記憶を除く3つの始動記憶について、当該保留の背景変化に係る連続演出が可能か否かについて判定する。
サブCPU201は、図158のステップS542において、保留個数をデクリメント(減算)すると、4−1=3となる。つまり、第1保留〜第3保留のうち、第3保留について連続可能か否かをを判別することになる。サブCPU201は、ステップS544において、保留個数が0ではないか否かを判別する(図158のステップS544)。上記の通り、保留個数3はゼロではないので(ステップS544におけるYES)、サブCPU201は、次に第3保留が連続可能条件をクリアしているか否かを判別する(ステップS546)。連続可能条件とは、図159(B)の連続可能条件テーブルに記載された条件である。
図159(B)の連続可能条件とは、参照した保留(始動記憶)が、「1」識別図柄の変動表示が通常変動である、「2」図159(A)の背景変化シナリオにおいて、「(無し)または通常系」である、「3」保留変化抽選に当選していない、つまり、液晶表示装置16に表示される保留表示が、保留変化抽選によってデフォルトの表示態様とは異なる態様で表示されているのではない、「4」先読み演出抽選に当選していない、つまり別の先読み演出の対象となっていないことである。サブCPU201は、上記「1」〜「4」の条件を全て具備した場合にのみ、連続可能と判別する。
ここで、図160(A)の第3保留は、「通常ハズレ」であるので、連続可能条件(1)〜(4)全てを具備する。したがって第3保留は先読み演出が可能な始動保留であることになる。そうすると、図158のステップS548にて連続可能回数をインクリメント(加算)する(図158のステップS548)。つまり、連続可能回数0+1=1となる。連続可能回数をインクリメントする処理は、保留個数がゼロになるか、連続可能条件にクリアできなくなるまで繰り返す。
本実施の形態においては、保留個数をデクリメントすると3−1=2となり(図158のステップS542)、第2保留について連続可能か否かについて判別する。保留個数2はゼロではないので、(ステップS544におけるYES)、次に第2保留が連続可能条件をクリアしているか否かを判別する(ステップS546)。図160(A)の第2保留は、「通常ハズレ」であるので、連続可能条件(1)〜(4)全てを具備する。つまり、第2保留も先読み演出可能であるので、図158のステップS548にて連続可能回数をインクリメントされる(図158ステップS548)ので、連続可能回数1+1=2となる。
さらに、保留個数をデクリメントすると2−1=1となり(図158のステップS542)、第1保留について連続可能か否かについて判別する。保留個数1はゼロではないので、(ステップS544におけるYES)、次に第1保留が連続可能条件をクリアしているか否かを判別する(ステップS546)。図160(A)の第1保留は、「通常ハズレ」であるので、連続可能条件(1)〜(4)全てを具備する。つまり、第1保留も先読み演出可能であるので、図158のステップS548にて連続可能回数をインクリメントされる(図158のステップS548)ので、連続可能回数2+1=3となる。次いで保留個数をデクリメントすると1−1=0となり(図158のステップS544)、保留個数=0となる(ステップS544におけるNO)ので、背景変化連続可能回数判定処理にて、連続可能回数が3であると判定される。
背景変化連続可能回数判定処理にて、連続可能回数が3であると判定されると(図157のステップS532)、背景変化シナリオを図159(A)の背景変化シナリオテーブルに基づいて抽選する。連続可能回数とは先読み可能回数のことを示すため、本実施の形態においては、図159(A)のうち先読み可能回数が3である、No.3、No.7〜No.9、No.13〜No.15、No.19〜No.21から選択される。
例えば、背景変化シナリオNo.3が選択された場合は、背景変化シナリオ種別としては「通常」であり、3変動前、2変動前、1変動前の背景変化シナリオは全て「通常系」である。また、例えば背景変化シナリオNo.20が選択された場合は、背景変化シナリオ種別としては「通常」であり、3変動前、2変動前、1変動前の背景変化シナリオは順に「通常系」、「夕方」、「夕方」となっている。これは、当該保留(第4保留)の変動時までに、背景が通常系から夕方背景になり、何らかのストーリー演出が連続して行われることが期待される。
他に、例えば、背景変化シナリオNo.9が選択された場合は、背景変化シナリオ種別としては「和風」であり、3変動前、2変動前、1変動前の背景変化シナリオが全て「和風屋敷」となっている。これは、背景変化シナリオ種別における「通常」とよりも期待感を有する演出として用いることができる。また、例えば、背景変化シナリオNo.13〜No.15が選択された場合は、背景変化シナリオ種別としては「襲来」となっており、上記「和風」の状態よりも更に期待感の高い演出として用いることができる。特に背景変化シナリオ種別「襲来」については、背景変化シナリオにおいて「敵襲来」なる演出がなされることから、何らかの特別なモード(ゾーン)への以降を示唆するものであってよい。
図160(B)の例について説明する。図160(B)は、当該保留が入賞した際には第1保留〜第3保留まで始動記憶が保留されており、第2保留〜第3保留にはそれぞれ「通常ハズレ」の演出内容が設定されているものの、第1保留には「背景変化」つまり、背景変化シナリオが設定されている状態であることがわかる。この場合、保留個数は「4」となり、図158の背景変化連続可能回数判定処理では、これら4つの始動記憶のうち、当該保留を除く3つの始動記憶について、当該保留の背景変化に係る連続演出が可能か否かについて判定する。
図158のステップS542において、保留個数をデクリメントすると、4−1=3となり、第3保留について連続可能か否かについて判別する。上記の通り、保留個数3はゼロではないので(ステップS544におけるYES)、第3保留が連続可能条件をクリアしているか否かを判別する(ステップS546)。図160(B)の第3保留は、「通常ハズレ」であるので、連続可能条件(1)〜(4)全てを具備する。したがって第3保留は先読み演出可能であるので、図158のステップS548において連続可能回数をインクリメントされる(図158のステップS548)。つまり、連続可能回数0+1=1となる。第2保留についても同様であるので、連続可能回数1+1=2となる。
そして、図158のステップS542において保留個数をデクリメントすると、2−1=1となり、第1保留について連続可能か否かについて判別する。上記の通り、保留個数1はゼロではないので(ステップS544におけるYES)、第1保留が連続可能条件をクリアしているか否かを判別する(ステップS546)。図160(B)の第1保留は、「背景変化」であるので、連続可能条件(1)〜(4)のうち、(2)の図159(A)の背景変化シナリオにおいて、「(無し)または通常系」であるという条件を満たしていない。
そうすると、図158のステップS546にて連続可能条件をクリアしていないと判別されるため(図158のステップS546におけるNO)、背景変化連続可能回数判定処理において、連続可能回数が2であると判定される。
<変動シナリオ決定処理>
保留された始動記憶(例えば、第1保留〜第4保留)が、変動開始時に行なう変動シナリオ決定処理について図161を用いて説明する。本実施の形態の遊技機において、始動入賞(第一始動口5442または第二始動口440への入賞)により保留された始動記憶は、当該保留より後に保留された始動記憶に係る背景演変化演出や、先読み演出によって、入賞当初とは異なる演出情報に書き換えられ得る。したがって、変動開始時に与えられている条件に従い、所定の演出を選択する。
図161は、変動シナリオ決定処理を示すフローチャートの一例である。変動シナリオ決定処理では、始動入賞または保留された始動記憶が当該変動により消化される変動開始時に、変動開始時か否かを判別する(図161のステップS550)。変動開始時であると判別すると(ステップS550におけるYES)、液晶表示装置16上に表示される背景が通常系か否かを判別する(ステップS552)。通常系とは例えば、後述する襲来や強襲のように、遊技者に何らかの興趣に影響を及ぼすような演出とは異なる演出があげられる。
液晶表示装置16上に表示される背景が通常系であると判別すると(ステップS552におけるYES)、通常系のうち、例外対象であるか否かについて判別する(ステップS554)。例外対象とは、例えば、上述の背景変化制御処理における背景変化シナリオ抽選で決定された演出のうち、「1」当該変動で和風屋敷に突入する演出であることが決定している場合、「2」当該変動で敵襲来演出に突入する演出であることが決定している場合、「3」当該変動が夕方背景最終の次変動に該当する場合があげられる。
例外対象であると判別されると(ステップS554におけるYES)、通常背景時例外処理にて、例外条件に応じた演出を実行する(ステップS556)。例えば、「1」当該変動で和風屋敷に突入する演出であることが決定している場合には、和風背景時シナリオ抽選を実行し、「2」当該変動で敵襲来演出に突入する演出であることが決定している場合には、通常背景時シナリオ抽選のうち、敵襲来に関する演出をセットし、「3」当該変動が夕方背景最終の次変動に該当する場合、何もしないという処理があげられる。一方、例外対象ではないと判別されると(ステップS554におけるNO)、通常背景時シナリオ抽選を行なう(ステップS558)。
液晶表示装置16上に表示される背景が通常系ではないと判別すると(ステップS552におけるNO)、背景が夕方であるか否かを判別する(ステップS560)。背景が夕方であると判別すると(ステップS560におけるYES)、夕方背景時シナリオ抽選を行なう(ステップS562)。一方、背景が夕方ではないと判別すると(ステップS560におけるNO)、背景が和風であるか否かを判別する(ステップS564)。背景が和風であると判別すると(ステップS564におけるYES)、和風背景時シナリオ抽選を行なう(ステップS566)。
一方、背景が和風ではないと判別すると(ステップS564におけるNO)、背景が襲来であるか否かを判別する(ステップS568)。背景が襲来であると判別すると(ステップS568におけるYES)、襲来背景時シナリオ抽選を行なう(ステップS570)。一方、背景が襲来ではないと判別すると(ステップS570におけるNO)、強襲背景時シナリオ抽選を行なう(ステップS572)。これらのシナリオ抽選の結果行なわれる演出における期待度は、通常背景時、夕方背景時、通常背景時例外、和風、襲来、強襲の順に高くなる。
<チャンスアップ制御処理>
本実施の形態に係る遊技機においては、通常ステージ2000、高確ステージ2004の別に関わらず、スーパーリーチに発展する変動中の演出として、最初に発生した演出に関連させた演出を発生させるチャンスアップ制御処理が可能である。チャンスアップ制御処理について図162を用いて説明する。図162は、チャンスアップ制御処理を示すフローチャートの一例である。
まず、サブCPU201は、現在の変動中に表示されている演出が変動中の演出であるか否かを判別する(図162のステップS580)。現在の変動中に表示されている演出が変動中の演出であると判別されると(ステップS580におけるYES)、チャンスアップを実行するか否かについて判別する(ステップS582)。チャンスアップを実行すると判別すると(ステップS582におけるYES)、当該変動において、既にチャンスアップが行なわれたか否かについて判別する。つまり、チャンスアップフラグが1ではないか否かについて判別する(ステップS584)。
ステップS584にてチャンスアップフラグが1ではないと判別されると(ステップS584におけるYES)、チャンスアップ導入演出を設定する(ステップS586)。これは、チャンスアップフラグが1ではないということは、当該変動では未だチャンスアップ演出が行われていないことを示す。したがってチャンスアップ演出の導入となり得る通常の演出を選択する。ステップS586にてチャンスアップ導入演出を設定すると(ステップS586)、チャンスアップフラグを1にする(ステップS588)。
一方、ステップS584にてチャンスアップフラグが1であると判別されると(ステップS584におけるNO)、前回実行された演出と関連するチャンスアップ演出を設定する(ステップS600)。例えば、前回実行された演出、つまりチャンスアップ導入演出に基づいて実行された演出が、キャラクタ甲が登場する会話演出であった場合に、チャンスアップ演出としてキャラクタ甲が再度登場し、さらに前回の会話に関連しつつも発展した会話となるような演出や、キャラクタ甲に関連するキャラクタ乙が登場してスーパーリーチに発展するような演出があげられる。このように、後に発生させる演出を、最初に発生させる演出に関連させたり、発展させたりする演出を行うように制御することで、スーパーリーチ演出に対する期待感を高めることが可能となる。
ステップS588でチャンスアップフラグを1にする(ステップS588)またはステップS600で前回実行された演出と関連するチャンスアップ演出を設定する(ステップS600)と、変動終了か否かを判別する(ステップS590)。変動終了であると判別すると(ステップS590におけるYES)、キャラクタランプフラグを0にする(ステップS592)。一方、変動終了ではないと判別すると(ステップS590におけるNO)、チャンスアップ制御処理は終了する。
<保留変化決定処理>
本実施の形態に係る遊技機においては、始動入賞(第一始動口5442または第二始動口440への入賞)により始動記憶が保留された際に、保留がなされたことが遊技者に視認できる態様で表示(または報知)する。表示の態様としては例えば、液晶表示装置16の一部にその個数を表示するものがあげられる。また、保留された始動記憶の表示(デザイン)は所定の条件を満たす場合に変化することが可能である。保留変化とは保留画像を変化させることである。保留変化決定処理について図163を用いて説明する。図163は、保留変化決定処理を示すフローチャートの一例である。
まず、サブCPU201は、保留入賞か否かを判別する(図163のステップS610)。保留入賞か否かとは、始動入賞(第一始動口5442または第二始動口440への入賞)があったか否かではなく、上記のように、始動記憶が保留され、保留がなされたことが遊技者に視認できる態様で表示され得る状態であることを示す。保留入賞であると判別すると(ステップS610におけるYES)、保留変化シナリオ抽選を行なう(ステップS612)。
ステップS612の保留変化シナリオ抽選では、保留変化に関するシナリオを抽選する。保留変化に関するシナリオとは具体的には、甲勢力と乙勢力との対決により、甲が勝利した場合にのみ保留の表示を変更するという条件において、何回対決を行なわせるのか(戦闘回数nの決定)、保留変化を行なうのか等を決定する。対決の態様は、例えば忍術対決等があげられる。なお、本実施の形態において、最大戦闘回数は8回である。ステップS612の保留変化シナリオ抽選にて所定のシナリオを決定すると(ステップS612)、次に甲勢力からどのキャラクタを選択するかについて決定する(ステップS614)。ここで選択されるキャラクタによっては必ず甲の勝利(保留変化確定)となるキャラクタがあってもよい。
次に、ステップS616にて甲と対決する乙キャラクタおよびシナリオを抽選する。ここで、本実施の形態において、ステップS614の甲キャラクタ抽選で選択される甲勢力のキャラクタは1人であるが、対決する乙勢力は最大8対決分のキャラクタが選択される。そして、登場する際のストーリー、カットイン等のシナリオについても対決乙キャラクタシナリオ抽選で決定する。ここで選択されるキャラクタによっては必ず甲の勝利(保留変化確定)となるキャラクタがあってもよい。
次にステップS618にて対決処理を行なう(ステップS618)。甲が勝利すると(ステップS6620におけるYES)、保留変化処理にて保留画像を変化させる。保留画像の変化は例えば、赤い手裏剣画像で表示していた始動記憶の画像を黄色い手裏剣画像に変化させたり、手裏剣画像で表示していたものを忍者の書(巻物)に変化させたりする等、現状の表示とは異なる表示であればよい。1回の戦闘が終了すると、ステップS624にて戦闘回数nから1を減算する(ステップS624)。ステップS624にて減算された後の対決回数が0ではないと判別すると(ステップS626におけるNO)再度対決が行なわれる。この処理は対決回数が0になるまで繰り返される。
ステップS626にて減算された対決回数が0になると(ステップS626におけるYES)、ステップS628にて発展演出処理を行う(ステップS628)。発展演出処理では、甲勢力と乙勢力の対決終了後にスーパーリーチに発展する演出があげられる。
一方、ステップS620において、甲と乙との対決において甲が勝利ではない場合(ステップS620におけるNO)、引き分けか否かを判別する(ステップS630)。引き分けであると判別すると(ステップS630におけるYES)、ステップS624にて対決回数nから1を減算する(ステップS624)。ステップS626にて減算された対決回数が0ではないと判別すると(ステップS626におけるNO)再度対決が行なわれる。この処理は対決回数が0になるまで繰り返される。
ステップS628にて発展演出処理が終了するまたはステップS630にて引き分けではないと判別すると(ステップS630におけるNO)、保留変化決定処理を終了する。なお、保留変化における甲勢力と乙勢力との対決に関する演出において、擬似連を用いてもよい。
[キャラクタランプ]
本実施形態において、キャラクタランプ(LED1562)が発光すると、開口窓1552の内側にキャラクター等の絵があらわれる。なお、以下において、キャラクタランプ(LED1562)を、単にキャラクタランプと表記する。
サブCPU201は、識別図柄の可変表示開始時にキャラクタランプが点灯する演出を選択する一方、図1に示す演出ボタン62を押下した時の演出抽選においてキャラクタランプが点灯する否かを抽選する場合もある。
そうすると、識別図柄の可変表示開始時に選択されたキャラクタランプが点灯するタイミングと、演出ボタン62を押下したときの抽選で選択されたキャラクタランプが点灯するタイミングとが、存在するため1回の可変表示中に複数回キャラクタランプが点灯するタイミングが存在することも考え得る。このため、キャラクタランプの点灯については、一番早いタイミングを採用し、サブCPU201は、一度点灯したらその後点灯しないように制御している。
図164(A)〜(C)は、それぞれ、キャラクタランプの点灯制御を示すシーケンスチャートの一例である。図164(A)〜(C)においては、識別図柄の可変表示開始から可変表示終了までの間に、演出として、可変表示開始時に1回目の演出抽選が実行され、その結果、前半に会話予告が実行されるとともに、途中で2回目の演出抽選が実行され、その結果、後半にスペシャルリーチ(以下「SPリーチ」という)が実行される。
図164(A)に示す例は、前提として、1回の可変表示中に2回ランプ点灯のタイミングが選択された場合を表している。図示の例では、前半の会話予告においては、キャラクタランプ演出の実行可能期間が存在しているとともに、後半のSPリーチにおいても、キャラクタランプ演出の実行可能期間が存在している。
図164(B)に示す例は、演出ボタン62が押下された場合を表している。図示の例では、サブCPU201は、前半の会話予告においては、演出ボタン62の押下を契機にキャラクタランプ演出を実行するとともに、後半のSPリーチにおいてはキャラクタランプ演出を実行しない。
図164(C)に示す例では、演出ボタン62が押下されなかった場合を表している。図示の例では、前半の会話予告においては、演出ボタン62が押下されない一方、後半のSPリーチにおいては、サブCPU201は、キャラクタランプ演出を実行することを表している。
仮に、可変表示開始時に演出ボタン62が押下されるとキャラクタランプの点灯を行うと決定していると、ボタン演出時に演出ボタン62が押下されなければ、その後にキャラクタランプの点灯タイミングが無いまま識別図柄の可変表示が終了してしまうことも考えられるが、可変表示開始時に抽選されるキャラクタランプが点灯する演出の抽選と、演出ボタン62押下時のキャラクタランプの点灯抽選とを各々別個に実行できるように制御しているため、キャラクタランプの点灯タイミングを様々用意することができる。
図165は、キャラクタランプ演出の制御処理を示すフローチャートの一例である。まず、サブCPU201は、可変表示中の演出か否かを判別し(ステップS801)、可変表示中の演出でない場合には可変表示終了であるか否かを判別する一方(ステップS807)、可変表示中の演出である場合には、キャラクタランプ演出の実行期間内であるか否かを判別する(ステップS802)。
サブCPU201は、キャラクタランプ演出の実行可能期間ではない場合には可変表示終了であるか否かを判別する一方(ステップS807)、キャラクタランプ演出の実行期間である場合にはキャラクタランプフラグが1であるか否かを判別する(ステップS803)。
サブCPU201は、キャラクタランプフラグが1である場合(キャラクタランプ演出実行済み)には可変表示終了であるか否かを判別する一方(ステップS807)、キャラクタランプフラグが1でない場合(キャラクタランプ演出未実行)にはキャラクタランプ演出の実行条件を満たしたか否かを判別する(ステップS804)。キャラクタランプ演出の実行条件とは、例えば、演出ボタン62の押下や、所定の可変表示時間が経過することをいう。
サブCPU201は、キャラクタランプ演出の実行条件を満たさない場合には可変表示終了であるか否かを判別する一方(ステップS807)、キャラクタランプ演出の実行条件を満たす場合には、キャラクタランプ演出を実行する(ステップS805)。
次にサブCPU201は、キャラクタランプフラグを1とする(ステップS806)。次にサブCPU201は、可変表示終了であるか否かを判別する(ステップS807)。サブCPU201は、可変表示終了でないと判別した場合には処理を終了する一方、可変表示終了であると判別した場合にはキャラクタランプフラグを0とする(ステップS808)。
上記内容は、可変表示中を一例として実施形態として記載したが、これに限られるものではなく先読み演出中や、先読み演出+可変表示中の演出を1つの期間として、キャラクタランプ演出の実行を制御するようにしても良い。
以上のように本実施形態では、図164(B)に示すように、演出ボタン62の操作が行われると、特定の報知態様として、例えばキャラクタランプ演出を実行可能な会話予告(第1演出実行手段)と、同一可変表示中に、識別図柄の可変表示が所定の時間となったときにキャラクタランプ演出を実行可能なSPリーチ(第2演出実行手段)とが設けられている。さらに、図164(C)に示すように、会話予告では、演出ボタン62の操作が行われない場合には、キャラクタランプ演出を実行しない一方、SPリーチでは、図164(C)に示すように、会話予告においてキャラクタランプ演出が実行された場合には、キャラクタランプ演出を実行せず、図164(C)に示すように、会話予告においてキャラクタランプ演出が実行されていない場合には、キャラクタランプ演出を実行する。
また、次のようにも換言することができる。すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機1は、所定の演出としてキャラクタランプ演出を実行可能であり、キャラクタランプ演出を第1の条件で(例えば、演出ボタン62の押下を契機に)実行する抽選を行いうる第1の抽選と、第1の抽選とは異なる第2の条件(例えば、時間経過)で実行する抽選を行いうる第2の抽選と、により各々が実行可能となりうる。上記各々が実行可能となった場合において、第1の条件は、遊技状況によって不成立となりうる。第1の条件が成立した場合には、キャラクタランプ演出が第1の条件の成立のもとで実行しうると共に第2の条件での成立を無効にし、第1の条件が不成立の場合及び無効時にのみ、第2の条件の成立を契機に、例えば第1の条件成立とは異なる実行タイミングで、所定の演出を実行しうる。
また、次のようにも換言することができる。すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機1は、所定の演出としてキャラクタランプ演出を実行可能であり、キャラクタランプ演出を第1の条件として、例えば、図164(A)のボタン押下を契機として実行する抽選を行いうる第1の抽選と、第1の抽選とは異なる第2の条件として例えば、図164(A)の時間で実行する抽選を行いうる第2の抽選と、により各々が実行可能となりうる。上記各々が実行可能となった場合において、上記第2の条件が成立するとキャラクタランプ演出が実行される一方、第1の条件は、遊技状況によって不成立となるまたは無効となる条件である。例えば、図164(B)に示したように、第1の条件が成立した場合には、キャラクタランプ演出が第1の条件の成立のもとで実行しうると共に、第2の条件での成立を無効(または破棄)とする。
[全画面予告]
図166は、全画面演出の制御を示すフローチャートの一例であり、図167(A)〜(C)は、画面表示の一例を表す画面図である。本実施形態では、サブCPU201は、図167(A)に示す通常演出の状態において全画面演出を実行すべき旨のコマンドを受け取ると、音声制御回路205に対してメッセージ(演出指定情報)を出力することにより音声制御回路205を制御し、特定チャンネル(図柄の音が再生されるチャンネル)の音量を0にする。
なお、音声制御回路205は、全画面演出のときは図柄音を出力しないように制御しているが、電断復帰後のエラー画面(すなわち、可変表示中であることを示す全画面のエラー画面)を表示している間は図柄音を出力するように制御する。
ただし、本例では、全画面のエラー画面を、電源復帰後のエラー画面としているが、全画面のエラー画面は、必ずしも電源復帰後のエラー画面である必要はなく、例えば、エラーが発生したときのメッセージ画面や、不正が行われたときの警告画面等、大当り判定とはかかわりのない遊技機に関する情報画面を、識別図柄の可変表示を視認できない態様で全画面表示するものを含む趣旨である。
音声制御回路205は、例えば報知音、図柄音、効果音及びBGM等の音声制御を行うための4チャンネル(実行系統)の音源を有し、サブCPU201からのメッセージ(演出指定情報)に基づいて、例えば4つのチャンネル(実行系統)でこれらを各々再生可能となっている。本実施形態では、各チャンネルにチャンネル番号が割り当てられており、例えばチャンネル番号1は報知音であり、チャンネル番号2は図柄音であり、チャンネル番号3は効果音であり、チャンネル番号4はBGMである。
図166に示すフローチャートに沿って説明すると、まず、サブCPU201は、全画面演出を実行中であるか否かを判別し(ステップS901)、全画面演出でない場合には処理を終了する。一方、全画面演出である場合には、サブCPU201が、図167(B)に示すような電断復帰であるか否かを判別する(ステップS902)。
電断復帰でなければ、サブCPU201は、全画面演出を設定する(ステップS903)。次にサブCPU201は、音声制御回路205に対して、図柄音のチャンネルであるチャンネル番号2を指定したメッセージを送信し、これを受けた音声制御回路205に、図柄音のチャンネルの音量を0にさせる(ステップS904)。
一方、図167(C)に示すように電断復帰である場合にはサブCPU201は、電断復帰中の画面を設定する(ステップS905)。これは、電断復帰時は演出を記憶していないため、単に電断復帰中の画面が表示されるためである。
次にサブCPU201は、音声制御回路205に対してメッセージを送信し、これを受けた音声制御回路205に図柄音のチャンネル番号2について図柄のチャンネルの音量を出力させる(ステップS906)。これは、通常演出のときの図柄の停止音よりも大きめの音に変更しても良い。
以上のような処理では、演出としての全画面演出のときは図柄の音を出さないようにするが、その後、電断が起こった場合に電断復帰時に再度、全画面演出のコマンドが送信されてくる場合も想定されるため、そのような場合には、図柄音のチャンネル(チャンネル番号:2)の音量を出力できるよう制御することによって、電断復帰の画面を覆い、液晶表示装置16に表示される識別図柄が見えない場合でも図柄停止音によって識別図柄が停止したことを把握することが可能となる。
以上のような実施形態を換言すると、表示演出の際に、複数のチャンネルにより演出音色を系統に応じて出力可能であり、表示演出の態様が変化することに合わせてチャンネル(例えば、チャンネル番号2、3、4の図柄音のチャンネル、効果音のチャンネル、BGMのチャンネル)より出力される演出音色を変更する一方、図柄系統のチャンネル(例えば、チャンネル番号2の図柄のチャンネル)は固定とするとともに、図柄表示の態様に応じて図柄系統のチャンネルからの出力音を消音としている。
以上のような構成によれば、遊技者の演出への興趣を高めつつも演出上必要の無い処理を低減させることができるため、円滑に処理を行うことができる。
また、以上のような実施形態の見方を変えると、複数のチャンネル、例えば、チャンネル番号1、2、3、4の報知音のチャンネル、図柄音のチャンネル、効果音のチャンネル、BGMのチャンネルにより演出音色を系統に応じて出力可能であり、表示演出の態様が変化するに合わせてチャンネルより出力される演出音色を変更可能な共有チャンネル、例えば、チャンネル番号2、3、4の図柄のチャンネル、効果音のチャンネル、BGMのチャンネルと、警告系統及び図柄系統の各チャンネル、例えば、チャンネル番号1、2の報知音及び図柄音のチャンネルとを有し、表示演出の態様に応じて共有チャンネルを通じて演出音色を変更させる一方、特定の表示演出、例えば、図167(B)に示す全画面表示が実行される際は、警告系統のチャンネルの状態は維持すると共に、図柄系統のチャンネルからの出力音を消音とすると云うこともできる。
なお、上述した実施形態では、図柄音のチャンネルのチャンネル番号が2と固定されている形態を例示したが(以下「固定チャンネル方式」ともいう)、これに限られず、音声制御回路205が、サブCPU201からのメッセージ(演出指定情報)に基づいて、例えば4つのチャンネル(実行系統)のうち空いている未使用チャンネルを動的に割り当てて、各音を各々再生するようにしても良い。
この場合、サブCPU201は、図柄音を再生している特定のチャンネルを表す特定のチャンネル番号を記憶しておき、例えば、全画面演出を実行する際、音声制御回路205に対して当該特定のチャンネル番号を指定したメッセージを送信し、これを受けた音声制御回路205に、図柄音のチャンネルの音量を0にさせるようにする。このようにしても固定チャンネル方式と同様の効果を挙げることができる。
[2.第2実施形態に係るパチンコ遊技機]
以上、本発明の第1実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明したが、例えば、設定機能を有するパチンコ遊技機としてもよい。この設定機能を有するパチンコ遊技機の一理を、第2実施形態に係るパチンコ遊技機として、以下に説明する。なお、第2実施形態に係るパチンコ遊技機の外観構成は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機の外観構成と同様である。また、上述した第1実施形態に係るパチンコ遊技機1と共通する構成については説明を省略する。
先ず、図168〜図171を用いて、第2実施形態に係るパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。図168は第2実施形態に係るパチンコ遊技機の大当りの確率を示すテーブルの一例を示す図であり、図169は、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときの当り種別(以下「メイン図柄」と称する)の選択率(大当り種類決定テーブル)についての一例を示す図であり、図170はメインROM102に記憶される特別図柄の変動時間(可変表示時間)決定テーブルの一例を示す図である。図171は、サブ制御回路200のプログラムROM202に記憶される装飾図柄決定テーブルの一例を示す図である。なお、以下の説明において、図168〜図171に示されていないメインCPU101およびメインRAM103の用語を用いているが、これらは図9に示されている。
図168に示される大当りの確率について説明するにあたり、先ず、パチンコ遊技機における大当りについて簡単に説明する。
メインCPU101は、第1始動口420(例えば図5参照)への遊技球の入賞を検出すると、大当り判定用カウンタから第1特別図柄の大当り判定用乱数を抽出し、メインRAM103に記憶される第1特別図柄大当り乱数判定テーブル(図示せず)を参照して、抽出された大当り判定用乱数についての大当り判定(以下、「第1特別図柄の大当り判定」と称する)を行う。なお、第1特別図柄の大当り判定用乱数の抽出は、大当り遊技状態に制御されているときであっても行われる。
同様に、メインCPU101は、第2始動口440(例えば図5参照)への遊技球の入賞を検出すると、大当り判定用カウンタから第2特別図柄の大当り判定用乱数を抽出し、メインRAM103に記憶される第2特別図柄大当り乱数判定テーブル(図示せず)を参照して、抽出された大当り判定用乱数についての大当り判定(以下、「第2特別図柄の大当り判定」と称する)を行う。なお、第2特別図柄の大当り判定用乱数の抽出は、大当たり遊技状態に制御されているときであっても行われる。
第1特別図柄の大当り判定が行われると、「大当り」および「ハズレ」のいずれかに決定される。また、第2特別図柄の大当り判定が行われると、第1特別図柄の大当り判定と同様に、「大当り」および「ハズレ」のいずれかに決定される。メインRAM103に記憶される第1特別図柄の大当り乱数判定テーブルおよび第2特別図柄の大当り乱数判定テーブルには、それぞれ、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」又は「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」及び「ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。
この第2実施形態では、第1特別図柄および第2特別図柄ともに、総乱数は65536である。すなわち、上記の大当り判定用乱数は0〜65535の範囲(幅)で発生する。この範囲は固定値として設定されている。大当り確率は、大当り判定用乱数の範囲に対する大当り判定値データの数によって定められる。なお、大当り判定用乱数の範囲(幅)は、適宜変更することができる。
なお、確変フラグは、メインRAM103に格納される管理フラグの一つであり、遊技状態が「高確率遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「高確率遊技状態」である場合には、確変フラグは「1」となり、「低確率遊技状態」である場合には、確変フラグは「0」となる。
また、時短フラグは、メインRAM103に格納される管理フラグの一つであり、遊技状態が「時短遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「時短遊技状態」である場合には、時短フラグは「1」となり、「非時短遊技状態」である場合には、時短フラグは「0」となる。なお、時短遊技状態では、時短回数もメインCPU101によって管理されており、特別図柄が1回変動する毎に、時短回数が1減算される。
なお、時短フラグがON設定される時短遊技状態では、非時短遊技状態と比べて、普通当り判定において普通当りと判別される確率(普通当り確率)が高められる。そのため、時短遊技状態では、非時短遊技状態と比べて、普通電動役物46が閉鎖状態から開放状態になる頻度、すなわち第2始動口440への遊技球の入賞頻度が高められる。ただし、時短遊技状態において、非時短遊技状態と比べて普通当り確率を高めることに代えて、例えば、普通当り抽選の実行頻度を高める(普通図柄の変動時間が短くする)ことで、普通電動役物46が閉鎖状態から開放状態になる頻度を高めるようにしても良いし、普通電動役物46の開放態様を変えることで当該普通電動役物46に入賞しやすくしても良い。また、上記の三態様のうち二態様または三態様を組み合わせても良い。
この第2実施形態に係るパチンコ遊技機では、確変フラグおよび時短フラグのいずれもがOFFの通常遊技状態と、確変フラグON且つ時短フラグONの確変時短遊技状態と、確変フラグOFF且つ時短フラグONの時短遊技状態とのうち、いずれかの遊技状態にメインCPU101により制御されるように構成されている。
メインCPU101は、第1始動口420(例えば図5参照)への遊技球の入賞を検出して第1特別図柄の大当り判定用乱数を抽出すると、当該抽出した第1特別図柄の大当り判定用乱数値を、第1特別図柄の変動表示が開始されるまで始動記憶として保留する。そして、第1特別図柄の変動表示を開始するときに、第1特別図柄の大当り判定を行い、大当りであるかハズレであるかを決定する。
メインCPU101は、第2始動口440(例えば図5参照)への遊技球の入賞を検出して第2特別図柄の大当り判定用乱数を抽出すると、当該抽出した第2特別図柄の大当り判定用乱数値を、第2特別図柄の変動表示が開始されるまで始動記憶として保留する。そして、第2特別図柄の変動表示を開始するときに、第2特別図柄の大当り判定を行い、大当りであるかハズレであるかを決定する。
[大当り確率]
図168に示されるように、第1特別図柄の大当り判定においては、セットされている設定値に応じて大当り確率が異なっている。大当り確率が相対的に低い低確率遊技状態(確変フラグOFF)であるとき、設定値毎の大当り確率は、設定1で約300分の1、設定2で約290分の1、設定3で約280分の1、設定4で約270分の1、設定5で約260分の1、設定6で約250分の1となっている。また、大当り確率が相対的に高い高確率遊技状態(確変フラグON)であるとき、設定値毎の大当り確率は、設定1で約30分の1、設定2で約29分の1、設定3で約28分の1、設定4で約27分の1、設定5で約26分の1、設定6で約25分の1となっている。
すなわち、上述したとおり、この第2実施形態では大当り判定用乱数の範囲(幅)が0〜65535の範囲に固定値として設定されているため、第1特別図柄の大当り判定値データの数を設定値に応じて変えることで、設定値に応じて大当り確率を異ならせている。例えば、第1特別図柄における低確率遊技状態では、固定値である大当り判定用乱数の範囲(0〜65535)に対して、大当り判定値データの数を、設定1で218個、設定2で226個、設定3で234個、設定4で243個、設定5で252個、設定6で262個とすることで、設定値に応じて大当り確率を異ならせている。また、高確率遊技状態における大当り判定値データの数は、設定1で21個、設定2で22個、設定3で23個、設定4で24個、設定5で25個、設定6で26個となっている。
また、第2特別図柄の大当り判定においても、セットされている設定値に応じて大当り確率が異なっている。大当り確率が相対的に低い低確率遊技状態(確変フラグOFF)であるとき、設定値毎の大当り確率は、設定1で300分の1、設定2で290分の1、設定3で280分の1、設定4で270分の1、設定5で260分の1、設定6で250分の1となっている。また、大当り確率が相対的に高い高確率遊技状態(確変フラグON)であるとき、設定値毎の大当り確率は、設定1で30分の1、設定2で29分の1、設定3で28分の1、設定4で27分の1、設定5で26分の1、設定6で25分の1となっている。
すなわち、第2特別図柄の大当り確率についても、大当り判定値データの数を設定値に応じて変えることで、設定値に応じて大当り確率を異ならせている。例えば、第2特別図柄における低確率遊技状態では、固定値である大当り判定用乱数の範囲(0〜65535)に対して、大当り判定値データの数を、設定1で218個、設定2で226個、設定3で234個、設定4で243個、設定5で252個、設定6で262個とすることで、設定値に応じて大当り確率を異ならせている。また、高確率遊技状態における大当り判定値データの数についても、設定1で21個、設定2で22個、設定3で23個、設定4で24個、設定5で25個、設定6で26個となっている。
なお、第1特別図柄の大当り判定と第2特別図柄の大当り判定とでは、設定に応じて定められる大当り確率が同じである。すなわち、設定値が同じであれば、第1特別図柄の大当り判定における大当り確率と、第2特別図柄の大当り判定における大当り確率とが同じである。例えば設定3であれば、第1特別図柄の大当り判定における大当り確率は低確率遊技状態で280分の1(高確率遊技状態で28分の1)であり、この大当り確率は、第2特別図柄の大当り判定における大当り確率(低確率遊技状態で280分の1、高確率遊技状態で28分の1)と同じである。
この第2実施形態では、設定値が設定1〜設定6の6段階であるが、必ずしも6段階である必要はなく、複数段階であれば任意に定めることができる。
また、この第2実施形態では、設定値が異なると大当り確率も異なるように構成しているが、これに限られず、複数の設定値で共通の大当り確率となるようにしても良い。例えば、設定1と設定2とで共通の大当り確率(第1の確率)とし、設定3と設定4とで共通の大当り確率(第1の確率よりも高い第2の確率)とし、設定5と設定6とで共通の大当り確率(第2の確率よりも高い第3の確率)となるようにしても良い。
また、この第2実施形態では、メインCPU101により発生される大当り判定用乱数の範囲(幅)が0〜65535の範囲に固定値として設定されており、固定値であるこの大当り判定用乱数の範囲に対して、大当り判定値データの数を設定値に応じて変えることで、設定値毎に大当り確率を異ならせているが、設定値毎に大当り確率を異ならせる手法はこれに限られず、大当り判定値データの数を全設定共通とし、総乱数としての大当り判定用乱数の範囲(幅)を設定値に応じて変えることで、設定値に応じて大当り確率を異ならせるようにしても良い。例えば、大当り判定値データの数を全設定共通の218個とし、大当り判定用乱数の範囲(幅)を、設定1で0〜65535の範囲(大当り確率が約300分の1)、設定2で0〜63219の範囲(大当り確率が290分の1)、設定3で0〜61039の範囲(大当り確率が280分の1)、設定4で0〜58859の範囲(大当り確率が270分の1)、設定5で0〜56679の範囲(大当り確率が260分の1)、設定6で0〜54499の範囲(大当り確率が250分の1)とし、メインCPU101が設定値に応じた範囲で大当り判定用乱数を発生させることで、設定値に応じて大当り確率を変えることができる。しかも、この手法によれば、分子(大当り判定値データの数)よりも桁数が多い分母(大当り判定用乱数の範囲)を変えることで大当り確率を変えることになるため、大当り判定用乱数の範囲を固定値として大当り判定値データの数を設定値に応じて変える手法と比べて、設定値毎の大当り確率を細かく設定することが可能となる。
なお、上記では、大当り判定値データの数を全設定共通とし、総乱数としての大当り判定用乱数の範囲(幅)を設定値に応じて変えているが、大当り判定値データの数を全設定共通とすることは必ずしも必須ではない。例えば、設定1では、大当り判定値データの数218個、大当り判定用乱数の範囲(幅)を0〜65535の範囲(大当り確率が約300分の1)とし、設定2では、大当り判定値データの数219個、大当り判定用乱数の範囲(幅)を0〜63509の範囲(大当り確率が約290分の1)とし、設定3では、大当り判定値データの数220個、大当り判定用乱数の範囲(幅)を0〜61599の範囲(大当り確率が約280分の1)とし、設定4では、大当り判定値データの数221個、大当り判定用乱数の範囲(幅)を0〜59669の範囲(大当り確率が約270分の1)とし、設定5では、大当り判定値データの数222個、大当り判定用乱数の範囲(幅)を0〜57719の範囲(大当り確率が約260分の1)とし、設定6では、大当り判定値データの数223個、大当り判定用乱数の範囲(幅)を0〜55749の範囲(大当り確率が約250分の1)としたように、大当り判定値データおよび大当り判定用乱数の範囲(幅)の両方を設定値に応じて変えた場合であっても、大当り判定用乱数の範囲を固定値として大当り判定値データの数を設定値に応じて変える手法と比べて、設定値毎の大当り確率を細かく設定することが可能となる。
なお、メインCPU101は、上記の総乱数としての大当り判定用乱数の範囲(幅)を設定値に応じて変えた場合には、後述するステップS3072やステップS3082の設定チェック処理(図188参照)において、設定値データが「0」〜「5」の範囲内であるか否かの判別に加えてまたはこれに代えて、例えば、総乱数としての大当り判定用乱数の範囲(幅)が設定値に応じた範囲であるか否か、または/および、大当り判定値データの数が設定値に規定された数であるか否か等をチェックするようにしても良い。そして、当該チェックで正常でない(例えば、総乱数としての大当り判定用乱数の範囲(幅)または/および大当り判定値データの数が設定値に応じた範囲外)と判別された場合(後述するステップS3721におけるNOに相当する場合)には、メインCPU101は、遊技許可フラグをOFFにし(後述するステップS3722)、遊技を進行させることが不可能となる。
[大当り振分け]
次に、図169を参照して、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときの大当り振分け、すなわち、特別図柄の停止図柄(メイン図柄)の選択率について説明する。図169に示される例では、メイン図柄の振分は全設定共通となっている。なお、図169に示されるテーブルの内容はメインROM102に記憶されている。
図169に示されるように、第1特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、メインCPU101は、抽出した図柄決定用乱数に基づいて、メイン図柄を、特図1−1(振分確率25.0%)、特図1−2(振分確率25.0%)、特図1−3(振分確率25.0%)、および特図1−4(振分確率25.0%)のうちいずれかに決定する。特図1−1は、ラウンド数4、確変フラグOFF、時短回数100回の大当りである。特図1−2は、ラウンド数4、確変フラグON、次回の大当り遊技状態が実行されるまで時短が継続する(時短フラグは次回の大当り遊技状態が開始されたときにOFFに設定される)大当りである。特図1−3は、ラウンド数10、確変フラグOFF、時短回数100回の大当りである。特図1−4は、ラウンド数10、確変フラグON、次回の大当り遊技状態が実行されるまで時短が継続する大当りである。第1特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、メインCPU101は、第1特別図柄を、後述する図170を参照して決定される変動時間にわたって変動表示したのち、上記決定されたメイン図柄で停止させる制御を実行する。
なお、この第2実施形態では、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、所定の条件が成立すると(この第2実施形態では、特図1−2や特図1−4のように確変フラグONとなる大当りであると)、大当り遊技状態が終了したのち、次回の大当り遊技状態が開始されるまで高確率遊技状態が継続する所謂「確変ループ機」と呼ばれるものである。このような確変ループ機では、高確率遊技状態における特別図柄の大当り判定の結果が大当りであって、所定の条件が成立すると、大当り遊技状態が終了したのち、再び、次回の大当り遊技状態が開始されるまで高確率遊技状態が継続する。そして、高確率遊技状態における特別図柄の大当り判定の結果が大当りであって、所定の条件が成立しなければ(この第2実施形態では、特図1−1や特図1−3のように確変フラグONとならない大当りであると)、大当り遊技状態が終了したのち、高確率遊技状態に制御されずに低確率遊技状態に制御される。
第2特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、メインCPU101は、抽出した図柄決定用乱数に基づいて、メイン図柄を、特図2−1(振分確率50.0%)または特図2−2(振分確率50.0%)に決定する。特図2−1は、ラウンド数10、確変フラグOFF、時短回数100回の大当りである。特図2−2は、ラウンド数10、確変フラグON、次回の大当り遊技状態が実行されるまで時短が継続する大当りである。第2特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、メインCPU101は、第2特別図柄を、後述する図170を参照して決定される変動時間にわたって変動表示したのち、上記決定されたメイン図柄で停止させる制御を実行する。
なお、特別図柄の大当り判定の結果がハズレであるとき、メインCPU101は、ハズレ図柄を決定し、当該決定されたハズレ図柄で特別図柄を停止させる制御を実行する。
また、ラウンド数とは、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技のラウンド数である。また、確変フラグがONであれば大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が高確率遊技状態(確変フラグがONに設定される遊技状態)に制御され、確変フラグがOFFであれば大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が低確率遊技状態(確変フラグがOFFに設定される遊技状態)に制御される。以下において、ラウンド数4、確変フラグOFF、時短回数100回の大当り(例えば、特図1−1の大当り)を「4R通常大当り」と称し、ラウンド数4、確変フラグON、次回の大当たり遊技が実行されるまで時短が継続する大当り(例えば、特図1−2の大当り)を「4R確変大当り」と称し、ラウンド数10、確変フラグOFF、時短回数100回の大当り(例えば、特図1−3、特図2−1の大当り)を「10R通常大当り」と称し、ラウンド数10、確変フラグON、次回の大当たり遊技が実行されるまで時短が継続する大当り(例えば、特図1−4、特図2−2の大当り)を「10R確変大当り」と称する。
また、この第2実施形態では、大当り判定の結果が大当りであるときは、常に時短フラグがONに設定されるようになっているが、必ずしもこれに限られず、抽出した図柄決定用乱数に基づいて決定されるメイン図柄に応じて、時短フラグをONに設定するかOFFに設定するかを決定するようにしても良い。
[特別図柄の変動時間]
次に、図170を参照して、特別図柄の変動時間が決定されるまでの流れについて説明する。特別図柄の変動時間は、特別図柄の変動パターンと対応しているため、メインCPU101は、特別図柄の変動時間と特別図柄の変動パターンとを同時に決定することとなる。また、特別図柄の変動パターンは、サブ制御回路200(サブCPU201)により液晶表示装置16(例えば図5参照)に表示される演出内容(例えば装飾図柄の変動パターン)とも対応している。この第2実施形態のパチンコ遊技機では、決定される特別図柄の変動パターンが(すなわち変動時間や演出内容についても)設定値に応じて異なりうるように構成されている。なお、図170に示されるテーブルの内容はメインROM102に記憶されている。また、特別図柄の保留個数に応じてリーチ演出の実行確率を変えたり、特別図柄の保留個数が多くなるにつれて通常変動における変動時間が短くなるものもあるが、図170ではこれらを省略している。
図170に示されるように、メインCPU101は、第1特別図柄の大当り判定の結果にもとづいて第1特別図柄の変動時間を決定し、第2特別図柄の大当り判定の結果にもとづいて第2特別図柄の変動時間を決定する。
図170に示されるように、この第2実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通のテーブルを用いて特別図柄の変動時間が決定されるようになっている。ただし、これに代えて、第1特別図柄と第2特別図柄とで別のテーブルを用いて特別図柄の変動時間が決定されるようにしても良い。
また、特別図柄の変動時間決定テーブルは、特別図柄の大当り判定の結果と、遊技状態と、リーチ判定用乱数範囲と、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときのメイン図柄と、演出選択用乱数範囲と、変動パターン(可変表示パターン)と、変動パターン指定コマンドと、変動時間と、演出内容との関係を規定している。ただし、特別図柄の変動時間を決定するにあたり、確変時短遊技状態と時短遊技状態とは識別されない。また、特別図柄の変動時間を決定する際のリーチ判定用乱数範囲と演出選択用乱数範囲とについては、設定値に応じて異なる乱数範囲が設定されている。
リーチ判定用乱数範囲は、特別図柄の大当り判定の結果がハズレである場合に、設定値毎に、リーチ演出を実行するか否かの決定に供される乱数である。メインCPU101は、第1始動口420や第2始動口440(いずれも例えば図5参照)に遊技球が入賞したときに、リーチ判定用カウンタからリーチ判定用乱数を抽出し、当該抽出したリーチ判定用乱数をメインRAM103に格納する。上述したとおり、メインCPU101は、特別図柄の変動表示を開始するときに大当り判定用乱数値を用いて大当り判定を行うが、この大当り判定の結果がハズレであるときに、メインRAM103に格納されたリーチ判定用乱数を用いてリーチ演出を実行するか否かを決定する。この第2実施形態では、リーチ判定用カウンタから抽出されるリーチ判定用乱数値が0〜249の範囲に設定されているが、この範囲は適宜変更することができる。
例えば、通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレの場合、リーチ演出を実行する旨が決定されるリーチ判定用乱数範囲は、設定1・2では0〜25に規定されており、設定3・4では0〜26に規定されており、設定5・6では0〜27に規定されている。また、確変時短遊技状態(確変フラグON且つ時短フラグON)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレの場合には、リーチ演出を実行する旨が決定されるリーチ判定用乱数範囲は、設定1・2では0〜10に規定されており、設定3・4では0〜11に規定されており、設定5・6では0〜12に規定されている。
このように、この第2実施形態に係るパチンコ遊技機における特別図柄の大当り判定の結果がハズレの場合、リーチ演出は、設定1・2よりも設定3・4の方が実行されやすく、さらに、設定3・4よりも設定5・6の方が実行されやすくなっている。すなわち、設定値に応じてリーチ演出の実行頻度が異なっており、設定値がより高いほどリーチ演出の実行頻度が高くなる。
なお、この第2実施形態では、リーチ演出を実行するか否かの決定に際し、リーチ判定用乱数範囲は、設定1と設定2とで共通し、設定3と設定4とで共通し、設定5と設定6とで共通しているが、これに限られず、全ての設定で異なるようにしても良い。
また、上述したリーチ演出を実行するか否かの決定は、特別図柄の大当り判定の結果がハズレである場合についての説明であるが、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合、メインCPU101は、リーチ判定用カウンタから抽出されたリーチ判定用乱数の値がいずれであるかにかかわらずリーチ演出を実行する旨を決定する。
演出選択用乱数範囲は、設定値毎に、特別図柄の変動時間の決定に供される乱数である。メインCPU101は、第1始動口420や第2始動口440(いずれも例えば図5参照)に遊技球が入賞したときに、演出選択用カウンタから演出選択用乱数を抽出し、当該抽出した演出選択用乱数をメインRAM103に格納する。メインCPU101は、遊技状態と、リーチ演出を実行するか否かの決定(特別図柄の大当り判定の結果がハズレである場合のみ)の結果とに応じて、メインRAM103に格納された演出選択用乱数を用いて特別図柄の変動時間を決定する。この第2実施形態では、演出選択用カウンタから抽出される演出選択用乱数値が0〜99の範囲に設定されているが、この範囲は適宜変更することができる。なお、メインCPU101は、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合には、遊技状態に応じて、メインRAM103に格納された演出選択用乱数を用いて特別図柄の変動時間を決定する。
具体的には、通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレであって且つリーチ演出を実行する旨が決定された場合の特別図柄の変動時間は、次のように決定される。すなわち、特別図柄の変動時間が20000msec(通常中ノーマルリーチ)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では0〜57に規定されており、設定3・4では0〜58に規定されており、設定5・6では0〜59に規定されている。また、特別図柄の変動時間が30000msec(通常中スーパーリーチA)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では58〜89に規定されており、設定3・4では59〜89に規定されており、設定5・6では60〜89に規定されている。さらに、特別図柄の変動時間が40000msec(通常中スーパーリーチB)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜6共通で90〜99に規定されている。
また、通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレであって且つリーチ演出を実行しない旨が決定された場合の特別図柄の変動時間は、次のように決定される。すなわち、特別図柄の変動時間が10000msec(通常変動A)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では0〜51に規定されており、設定3・4では0〜50に規定されており、設定5・6では0〜49に規定されている。また、特別図柄の変動時間が5000msec(通常変動B)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では52〜99に規定されており、設定3・4では51〜99に規定されており、設定5・6では50〜99に規定されている。
また、確変時短遊技状態(確変フラグON且つ時短フラグON)や通常時短遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグON)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレであって且つリーチ演出を実行する旨が決定された場合の特別図柄の変動時間は、次のように決定される。すなわち、特別図柄の変動時間が25000msec(時短中ノーマルリーチ)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では0〜57に規定されており、設定3・4では0〜58に規定されており、設定5・6では0〜59に規定されている。また、特別図柄の変動時間が35000msec(時短中スーパーリーチA)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では58〜89に規定されており、設定3・4では59〜89に規定されており、設定5・6では60〜89に規定されている。さらに、特別図柄の変動時間が45000msec(時短中スーパーリーチB)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜6共通で90〜99に規定されている。
また、確変時短遊技状態(確変フラグON且つ時短フラグON)や通常時短遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグON)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレであって且つリーチ演出を実行しない旨が決定された場合の特別図柄の変動時間は、次のように決定される。すなわち、特別図柄の変動時間が4000msec(短縮変動A)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では0〜51に規定されており、設定3・4では0〜50に規定されており、設定5・6では0〜49に規定されている。また、特別図柄の変動時間が2000msec(短縮変動B)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では52〜99に規定されており、設定3・4では51〜99に規定されており、設定5・6では50〜99に規定されている。
なお、メイン図柄は、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに決定されるものであるため、特別図柄の大当り判定の結果がハズレであるときは、特別図柄の変動時間の決定とはかかわらない。
通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)における特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合の特別図柄の変動時間は、全てのメイン図柄について共通で、次のように決定される。すなわち、特別図柄の変動時間が20000msec(通常中ノーマルリーチ)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では0〜1に規定されており、設定3・4では0〜2に規定されており、設定5・6では0〜3に規定されている。また、特別図柄の変動時間が30000msec(通常中スーパーリーチA)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では2〜49に規定されており、設定3・4では3〜49に規定されており、設定5・6では4〜49に規定されている。さらに、特別図柄の変動時間が40000msec(通常中スーパーリーチB)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜6共通で90〜99に規定されている。
また、確変時短遊技状態(確変フラグON且つ時短フラグON)や通常時短遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグON)における特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合の特別図柄の変動時間は、全てのメイン図柄について共通で、次のように決定される。すなわち、特別図柄の変動時間が25000msec(時短中ノーマルリーチ)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では0〜1に規定されており、設定3・4では0〜2に規定されており、設定5・6では0〜3に規定されている。また、特別図柄の変動時間が35000msec(時短中スーパーリーチA)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では2〜49に規定されており、設定3・4では3〜49に規定されており、設定5・6では4〜49に規定されている。さらに、特別図柄の変動時間が45000msec(時短中スーパーリーチB)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜6共通で50〜99に規定されている。
このように、この第2実施形態に係るパチンコ遊技機において、遊技状態と、特別図柄の大当り判定の結果と、リーチ演出を実行するか否かの決定の結果とが同じである限り、特別図柄の変動時間は、設定1・2よりも設定3・4の方が短い変動時間に決定されやすく、さらに、設定3・4よりも設定5・6の方が短い変動時間に決定されやすくなっている。そのため、設定値がより高いほど特別図柄の変動時間の平均が短くなり、単位時間あたりの特別図柄の変動回数(すなわち抽選回数)が多くなる。ひいては、単位時間で見たときの大当り遊技状態の実行回数が多くなる期待度が高く、また、単位時間内に大当り遊技状態が実行される確率も高くなり、設定値が高いほど、遊技者にとって有利なゲームの実行が可能となる。
なお、この第2実施形態では、特別図柄の変動時間の決定に際し、演出選択用乱数範囲は、設定1と設定2とで共通し、設定3と設定4とで共通し、設定5と設定6とで共通しているが、これに限られず、全ての設定値で異なるようにしても良い。
また、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合の特別図柄の変動時間は、全てのメイン図柄について共通で決定されるようにしているが、これに限られず、メイン図柄に応じて特別図柄の変動時間が異なるように構成しても良い。
変動パターンは、変動時間および演出内容を表すデータである。例えば、変動パターン「02H」は、変動時間40000msecの通常中スーパーリーチBを表す。
変動パターン指定コマンドは、変動時間及び演出内容を表すデータとして、主制御回路100からサブ制御回路200へ送信される。例えば、メインCPU101により決定された変動パターンが「05H」であれば、「83H05H」の変動パターン指定コマンドが主制御回路100からサブ制御回路200へ送信される。このとき、主制御回路100(メインCPU101)により決定されたメイン図柄を特定する図柄指定コマンドもサブ制御回路200へ送信される。
[装飾図柄の停止図柄]
次に、図171を参照して、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに、図169に示される選択率でメイン図柄が決定された場合の装飾図柄の停止図柄の一例について説明する。なお、図171に示されるテーブルの内容はサブ制御回路200のプログラムROM202に記憶されている。
サブ制御回路200(サブCPU201)は、主制御回路100から送信された図柄指定コマンドを受信すると、設定値にかかわらず、当該図柄指定コマンドにより特定されるメイン図柄にもとづいて装飾図柄の停止図柄を決定する。例えば、主制御回路100から送信された図柄指定コマンドにより特定されるメイン図柄が特図1−2であるとき、サブCPU201は、全ての装飾図柄が同一の特定図柄(例えば「7」図柄)となる態様の振分確率が0%であるから、全ての装飾図柄(この第2実施形態では3つの装飾図柄)が同一の偶数図柄となる態様(振分確率30.0%)、または、全ての装飾図柄が同一の奇数図柄となる態様(振分確率70.0%)に決定する。この第2実施形態では、特定図柄を「7」図柄としているが、これに限られず、遊技者からみて利益度合いの高い大当りであると認識できれば他の図柄(例えば、「V」図柄)を特定図柄としても良い。
なお、上述したとおり、図171に示されるメイン図柄は特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに決定されるものである。したがって、サブCPU201は、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに図171を参照して装飾図柄の停止図柄を決定し、特別図柄の大当り判定の結果がハズレであるときは、図171に示される図柄以外の図柄を、装飾図柄の停止図柄として決定する。図171に示される図柄以外の図柄とは、例えば、全ての装飾図柄のうち少なくとも一つの装飾図柄が他の装飾図柄と異なる図柄等が相当する。
このように、図171によると、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合、全ての装飾図柄が停止したときの態様は、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちいずれの大当り判定の結果であるのか、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が高確率遊技状態に制御される大当りであるか否か、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技のラウンド数が10Rであるか否か、によって異なりうる。
すなわち、図169を参照して決定されたメイン図柄が特図1−1、特図1−3または特図2−1(確変フラグがON設定されない4R通常大当りまたは10R通常大当り)であるときには、設定値に関係なく、必ず、全ての装飾図柄が同一の偶数図柄となる態様(以下「第1態様」と称する)で停止する。
また、メイン図柄が特図1−2(4R確変大当り)であるときには、設定値に関係なく、第1態様、または、全ての装飾図柄が同一の奇数図柄(特定図柄である「7」図柄以外の奇数図柄)となる態様(以下「第2態様」と称する)で停止する。
また、メイン図柄が特図1−4(10R確変大当り)であるときには、設定値に関係なく、全ての装飾図柄が同一の奇数図柄となる態様、または、全ての装飾図柄が同一の特定図柄となる態様(以下「特定態様」と称する)で停止する。
さらに、メイン図柄が特図2−2(10R確変大当り)であるときには、設定値に関係なく、特定態様で停止する。特図1−4および特図2−2はいずれも10R確変大当りであるが、特図1−4は第1始動口420への遊技球の入賞に基づく大当りであるから、通常遊技状態において大当りに当選した可能性が高い。また、特図2−2は第2始動口440への遊技球の入賞に基づく大当りであるから、高確率遊技状態または時短遊技状態において大当りに当選した可能性が高い。
このように、特定態様で停止すると、遊技者にとっての利益度合いが最も大きい10R確変大当りが確定し、全ての装飾図柄が同一の奇数図柄となる態様で停止すると、確変大当り(4R確変大当りまたは10R確変大当り)が確定する。一方、第1態様で停止した場合には、遊技者にとっての利益度合いが最も大きい10R確変大当りでないことは確定するものの、4R確変大当りの可能性は残されている。
なお、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであった場合、当該大当りがいずれの大当りであるかについては、装飾図柄が全て停止したときに遊技者に報知するようにしても良いし、大当り遊技状態の実行中に報知するようにしても良いし、大当り遊技状態が終了する際に報知するようにしても良い。また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機では採用されていないが、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が高確率遊技状態に制御される大当りであったにもかかわらず、当該高確率遊技状態に制御されることを遊技者に明示しない所謂「潜伏確変状態」に制御するようにしても良い。
[第2実施形態に係るパチンコ遊技機の基本仕様の他の例]
なお、第2実施形態に係るパチンコ遊技機の基本仕様は上述したとおりであるが、上述の仕様に限られず、適宜変更することができる。以下に、基本仕様を適宜変更した例について説明する。ただし、以下の説明は一例であり、これに限られないことは言うまでもない。
[特別図柄の変動時間の変形例]
次に、図172を参照して、特別図柄の変動時間(すなわち特別図柄の変動パターン)の変形例について説明する。図172は、メインROM102に記憶される特別図柄の変動時間決定テーブルの他の例を示す図である。なお、上述したとおり、特別図柄の保留個数に応じてリーチ演出の実行確率を変えたり、特別図柄の保留個数が多くなるにつれて通常変動における変動時間が短くなるものもあるが、図172においてもこれらを省略している。
また、図172を参照して説明する特別図柄の変動特別図柄の変形例にかかるパチンコ遊技機のメインCPUは、特別図柄の変動回数(すなわち特別図柄の抽選回数)の実行回数をカウントする抽選回数カウント手段(図示せず)を備えている。この抽選回数カウント手段は、例えば大当り遊技状態の開始時にリセットし、大当り遊技状態が終了したときを起点として特別図柄の変動回数のカウントを開始する。
図172に示されるように、他の例では、通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレの場合、リーチ演出を実行するか否かの決定は、大当り遊技状態が終了した時点を起点としてカウントされる特別図柄の変動回数と、設定値との両方に応じて行われる。
具体的には、特定の時点(例えば大当り遊技状態が終了した時点)を起点とする特別図柄の変動回数が0〜1000回の場合、リーチ演出を実行する旨が決定されるリーチ判定用乱数範囲は、設定1・2では0〜25に規定されており、設定3・4では0〜26に規定されており、設定5・6では0〜27に規定されている。これらは図170と同じである。
一方、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上になると、リーチ演出を実行する旨が決定されるリーチ判定用乱数範囲は、設定1・2では0〜10に規定されており、設定3・4では0〜5に規定されており、設定5・6では0〜1に規定されている。すなわち、特別図柄の大当り判定の結果がハズレであれば、設定1・2では設定3・4と比べてリーチ演出の実行確率が2倍と高く、設定3・4では設定5・6と比べてリーチ演出の実行確率が5倍と高い(設定1・2では設定5・6と比べてリーチ演出の実行確率が10と高い)。
このように、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上になると、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が0〜1000回の場合と比べて、リーチ演出の実行確率が設定に応じて顕著に異なっている。
また、通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレであって且つリーチ演出を実行する旨が決定された場合、特別図柄の変動時間についても、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が0〜1000回の場合と1001回以上の場合とで、設定差が顕著となっている。
具体的には、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が0〜1000回の場合、特別図柄の変動時間が20000msec(通常中ノーマルリーチ)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では0〜57に規定されており、設定3・4では0〜58に規定されており、設定5・6では0〜59に規定されている。また、特別図柄の変動時間が30000msec(通常中スーパーリーチA)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では58〜89に規定されており、設定3・4では59〜89に規定されており、設定5・6では60〜89に規定されている。さらに、特別図柄の変動時間が40000msec(通常中スーパーリーチB)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜6共通で90〜99に規定されている。これらは図170と同じである。
一方、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上になると、特別図柄の変動時間が20000msec(通常中ノーマルリーチ)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜4では規定されておらず、設定5・6では0〜99に規定されている。また、特別図柄の変動時間が30000msec(通常中スーパーリーチA)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜4では0〜89に規定されており、設定5・6では規定されていない。さらに、特別図柄の変動時間が40000msec(通常中スーパーリーチB)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜4共通で90〜99に規定されており、設定5・6では規定されていない。したがって、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上といった所謂大ハマリした状況下では、実行されるリーチ演出により、セットされている設定値を遊技者に示唆することが可能となる。
また、通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレであって且つリーチ演出を実行する旨が決定された場合、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上では、設定値が高いほどリーチ演出の実行確率が低い。また、リーチ演出が実行されたとしても、設定値が高いほど特別図柄の変動時間が短いリーチ演出の実行確率が高い。
このように、大当り遊技状態の終了を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上になると、より設定値が高いほど、1回あたりの特別図柄の変動時間の平均がより一層短くなり、単位時間あたりの特別図柄の変動回数(すなわち抽選回数)がより一層多くなる。ひいては、単位時間で見たときの大当り遊技の実行回数が多くなる期待度がより一層高く、また、単位時間内に大当り遊技が実行される確率もより一層高くなる。
また、大当り遊技状態の終了を起点とする特別図柄の変動回数が1000回未満においては、リーチ演出の実行頻度から、セットされている設定値を推測することは極めて困難であるが、大当り遊技状態の終了を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上になると、設定値に応じてリーチ演出の実行頻度が顕著に異なってくるため、所謂大ハマリしたときには、セットされている設定値を推測できる余地が生じうる。これにより、所謂大ハマリしたときには、ホールに対して直接的な損失を与えることなく(例えば遊技球を遊技者に付与する等を行うことなく)、遊技者に対してセットされている設定値を推測しうる機会を与えることで、遊技者に楽しみを与えることが可能となる。しかも、本来であればリーチ演出になって欲しいと遊技者が考えるところ、この第2実施形態では、所謂大ハマリしたときにリーチ演出の実行頻度が低いほど、設定値が高いのではないかといった期待を遊技者が抱くことができるため、リーチ演出の実行頻度が低くても遊技の続行意欲の低下を軽減することができる。
なお、この第2実施形態では、特別図柄の変動回数がカウントされる起点を、大当り遊技状態が終了した時点としたが、これに限られず、例えば、予め決められた期間を経過すると高確率遊技状態が終了する所謂ST機と呼ばれるパチンコ機において高確率遊技状態が終了したときや、時短遊技状態が終了したときなど、任意の時点を起点とすることができる。
また、この第2実施形態では、特定の時点を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上になると、リーチ演出の実行確率および特別図柄の変動時間が設定値に応じて顕著に異なるが、必ずしも1001回以上である必要はない。例えば、遊技者にとってハマリであると感じられる程度であれば、その回数は特定の回数に限られない。
また、この第2実施形態では、特定の時点を起点とする特別図柄の変動回数が規定回数以上になると、リーチ演出の実行確率および特別図柄の変動時間が設定値に応じて顕著に異なるが、設定値に応じて顕著に異なるのは、必ずしもリーチ演出の実行確率や特別図柄の変動時間に限られない。例えば、メインCPU101は、特別図柄の大当り抽選の結果が大当りであることが決定されてから実際に大当り遊技状態に制御するまでの間に所定の待機時間(以下「オープニング時間」と称する)を設けている。また、メインCPU101は、大当り遊技状態が終了してから特別図柄の変動表示を開始するまでの間にも所定の待機時間(以下「エンディング時間」と称する)を設けている。サブCPU201(表示制御回路204)は、上記のオープニング時間においてオープニング演出を液晶表示装置16に表示し、上記のエンディング時間においてエンディング演出を液晶表示装置16に表示する。オープニング演出では、例えば、特別抽選の結果が大当りであった旨を示す演出や、特別抽選の結果が大当りであった旨を祝福する演出、大当り遊技状態での遊技手法(例えば右打ち等)を教示する演出等が行われる。エンディング演出では、大当り遊技状態において払い出された賞球量を示す演出、大当り遊技状態が継続された回数(連荘回数)を示す演出、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が高確率遊技状態に制御されることを示す演出、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態での遊技手法(例えば左打ちに戻す等)を教示する演出、パチンコ遊技機の製造メーカーのロゴを表示する演出等が行われる。
具体的には、上記オープニング時間、上記インターバル時間、および、上記エンディング時間のうち、全部または少なくとも一つの時間を設定値が高くなるほど短くすることによって、設定値が高くなるほど大当り遊技状態に要する時間を短くすることができる。その結果、単位時間あたりの特別図柄の変動回数(すなわち抽選回数)の平均を多くすることが可能となり、設定値が高いほど、遊技者にとって有利なゲームの実行が可能となる。
また、例えば、高設定値ほど出玉期待値が高い(例えば高設定値ほど大当り確率が高い等)パチンコ遊技機にあっては、低設定値と比べて短時間で多量の賞球が払い出される可能性があることに鑑みれば、上記オープニング時間、上記インターバル時間、および、上記エンディング時間のうち、全部または少なくとも一つの時間を設定値が高くなるほど長くなるように構成しても良い。この場合、出玉期待値が高い高設定値ほど、上記オープニング時間、上記インターバル時間、および、上記エンディング時間のうち、全部または少なくとも一つの時間が長くなるため、高設定値による遊技の面白みを担保しつつ、単位時間で払い出される賞球を抑制することが可能となる。
なお、メインCPU101は、上記のオープニング時間、エンディング時間および大当り遊技状態に制御されているときであっても、始動口(第1始動口420,第2始動口440)への遊技球の入賞を検出すると各種乱数を抽出し、後述するステップS3074やステップS3082の設定チェック処理(図188参照)を実行する。そして、この設定チェック処理において設定値データが「0」〜「5」の範囲外であると判別された場合(後述するステップS3721におけるNO)には、たとえ大当り遊技状態に制御されていたとしても、メインCPU101は、遊技許可フラグをOFFにし(後述するステップS3722)、遊技を進行させることが不可能となる。
[大当り振分けおよび装飾図柄の停止図柄の変形例]
次に、図173〜図175を参照して、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときの大当り振分け(メイン図柄の選択率)についての第1変形例および第2変形例と、これら第1変形例および第2変形例のときの装飾図柄の停止図柄について説明する。第1変形例および第2変形例では、メイン図柄の選択率が設定値に応じて異なっている。なお、図173は特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときのメイン図柄の選択率(大当り種類決定テーブル)についての第1変形例を示す図であり、図174は特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときのメイン図柄の選択率(大当り種類決定テーブル)についての第2変形例を示す図である。また、図175は、サブ制御回路200のプログラムROM202に記憶される装飾図柄決定テーブルの変形例であり、第1変形例および第2変形例に共通で用いられる。
[第1変形例]
先ず、図173および図175を参照して、上記第1変形例について説明する。なお、図173に示されるテーブルの内容はメインROM102に記憶されており、図175に示されるテーブルの内容はサブ制御回路200のプログラムROM202に記憶されている。
図173に示されるように、第1変形例では、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、メインCPU101は、抽出した図柄決定用乱数に基づいて、メイン図柄を、設定値に応じた確率で、特図1−1、特図1−2、特図1−3、特図1−4、特図1−5、特図1−6、特図1−7、および、特図1−8のうちいずれかに決定する。ただし、この第1変形例では、特図1−1と特図1−3とが「4R通常大当り」、特図1−2と特図1−4とが「4R確変大当り」、特図1−5と特図1−7と特図2−1と特図2−3とが「10R通常大当り」、特図1−6と特図1−8と特図2−2と特図2−4とが「10R確変大当り」となっている。
具体的には、メインCPU101は、設定1〜設定4では共通確率で、メイン図柄を、特図1−1(振分確率12.5%)、特図1−2(振分確率12.5%)、特図1−3(振分確率12.5%)、特図1−4(振分確率12.5%)、特図1−5(振分確率12.5%)、特図1−6(振分確率12.5%)、特図1−7(振分確率12.5%)、および、特図1−8(振分確率12.5%)、のうちいずれかに決定する。これに対して、設定5では、メイン図柄を、特図1−1(振分確率10.0%)、特図1−2(振分確率10.0%)、特図1−3(振分確率15.0%)、特図1−4(振分確率15.0%)、特図1−5(振分確率10.0%)、特図1−6(振分確率10.0%)、特図1−7(振分確率15.0%)、および、特図1−8(振分確率15.0%)、のうちいずれかに決定する。また、設定6では、メイン図柄を、特図1−1(振分確率5.0%)、特図1−2(振分確率5.0%)、特図1−3(振分確率20.0%)、特図1−4(振分確率20.0%)、特図1−5(振分確率5.0%)、特図1−6(振分確率5.0%)、特図1−7(振分確率20.0%)、および、特図1−8(振分確率20.0%)、のうちいずれかに決定する。
すなわち、大当り種別が共通する特図1−2および特図1−4(いずれも4R確変大当り)は、両者の合成確率は設定に関係なくいずれも25.0%であるものの、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−2の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−4の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い(設定1〜4では共通)。
同様に、大当り種別が共通する特図1−6および特図1−8(いずれも10R確変大当り)は、両者の合成確率は設定に関係なくいずれも25.0%であるものの、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−6の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−8の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い(設定1〜4では共通)。
さらに、大当り種別が共通する特図2−2および特図2−4(いずれも10R確変大当り)についても、両者の合成確率は設定に関係なくいずれも50.0%であるものの、高設定値(例えば設定5・6)では、特図2−2の選択率(設定5で20.0%、設定6で10.0%)よりも特図2−4の選択率(設定5で30.0%、設定6で40.0%)の方が高い。
ところで、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合、サブCPU201は、図175に示されるように、特図1−1、特図1−3、特図1−5、特図1−7、特図2−1、特図2−3(確変フラグがON設定されない4R通常大当りまたは10R通常大当り)であるときには、設定値に関係なく、必ず、例えば液晶表示装置16に表示される装飾図柄が第1態様で停止するよう制御する。
一方、特図1−2(4R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、第1態様(選択率50.0%)、または、第2態様(選択率50.0%)で停止するよう制御する。また、メイン図柄が特図1−4(4R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、第1態様(選択率25.0%)、または、第2態様(選択率75.0%)で停止するよう制御する。ここで、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−2の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−4の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い。そのため、特図1−2と特図1−4とは大当り種別(いずれも4R確変大当り)が同じであるにもかかわらず、高設定値では、低設定値(例えば設定1〜4)と比べて、装飾図柄が第2態様(遊技者にとって第1態様よりも高い期待度を有する態様)で停止する確率が高くなる。
同様に、特図1−6(10R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、必ず、第2態様で停止するよう制御する。また、メイン図柄が特図1−8(10R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、第2態様(選択率50.0%)、または、特定態様(選択率50.0%)で停止するよう制御する。ここで、上述したとおり、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−6の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−8の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い。そのため、特図1−6と特図1−8とは大当り種別(いずれも10R確変大当り)が同じであるにもかかわらず、高設定値では、低設定値(例えば設定1〜4)と比べて、装飾図柄が特定態様(遊技者にとって最も高い期待度を有する態様)で停止する確率が高くなる。
さらに同様に、特図2−2(10R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、第2態様(選択率50.0%)または特定態様(選択率50.0%)で停止するよう制御する。また、メイン図柄が特図2−4(10R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、必ず、特定態様で停止するよう制御する。ここで、上述したとおり、高設定値(例えば設定5・6)では、特図2−2の選択率(設定5で20.0%、設定6で10.0%)よりも特図2−4の選択率(設定5で30.0%、設定6で40.0%)の方が高い。そのため、特図2−2と特図2−4とは大当り種別(いずれも10R確変大当り)が同じであるにもかかわらず、高設定値では、低設定値(例えば設定1〜4)と比べて、装飾図柄が特定態様で停止する確率が高くなる。
このように、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合には、大当り種別が同じであったとしても、設定値に応じて装飾図柄の停止態様が異なりうるようにすることが実現可能となる。とくに高設定値(例えば設定5・6)であるときには、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに特定の大当り種別(例えば10R確変大当り)に決定される合成確率が同じであったとしても、低設定値(例えば設定1〜4)であるときと比べて、高い確率で、遊技者にとって相対的に高い期待度を有する態様(例えば特定態様)で装飾図柄を停止させることが可能となる。
[第2変形例]
次に、図174および図175を参照して、上記第2変形例について説明する。なお、図174に示されるテーブルの内容はメインROM102に記憶されている。
第1変形例では、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに決定されるメイン図柄に応じて、確変フラグがON設定されるか否かが決定される。これに対して、第2変形例では、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに決定されるメイン図柄に応じて、確変フラグがON設定されるか否かがただちに決定されるわけではない。詳述すると、第2変形例では、第1変形例と異なり、確変アタッカー(図示せず)を例えば大入賞口540(例えば図5参照)の内部に備えている。そして、例えば大当り遊技状態に制御されているときに、確変アタッカーへの遊技球の進入が検出されると当該大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が高確率遊技状態に制御され、確変アタッカーへの遊技球の進入が検出されることなく大当り遊技状態が終了したときには当該大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が低確率遊技状態に制御されるようにしたものである。このように、確変アタッカーへの遊技球の進入にもとづいて高確率遊技状態に制御されるパチンコ遊技機も所謂「確変ループ機」である。
図174に示されるように、第2変形例では、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに決定されるメイン図柄に応じて、確変アタッカーへの遊技球の進入のしやすさが異なっている。例えば、特図1−1では確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様で大当り遊技状態に制御され、特図1−2では確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様で大当り遊技状態に制御される。この第2実施形態において、「確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様」での大当りであるときの時短回数は100回であり、「確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様」での大当りであるときは次回の大当たり遊技が実行されるまで時短が継続する。
この第2実施形態において、「確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様」は、大当り遊技状態に制御されている間に確変アタッカーに遊技球が進入する可能性がほぼないに等しい(ほぼ100%に近い確率で低確率遊技状態に制御される)態様である。また、「確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様」は、確変アタッカーの配置部位(例えば大入賞口540(例えば図5参照))に向けて遊技球を発射する限り、大当り遊技状態に制御されている間に確変アタッカーに遊技球がほぼ進入する(ほぼ100%に近い確率で高確率遊技状態に制御される)態様である。したがって、この第2変形例では、「確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様」での大当りを「通常大当り」と称し、「確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様」での大当りを「確変大当り」と称する。
ただし、「確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様」であれば100%に近い確率で高確率遊技状態に制御され、「確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様」であれば100%に近い確率で低確率遊技状態に制御されることに代えて、「確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様」であるときに、「確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様」よりも相対的に高い確率で高確率遊技状態に制御される態様であっても良い。
確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様と容易な態様とを作り出す方法として、例えば、確変アタッカーを内部に備える大入賞口540(例えば図5参照)とは別に、確変アタッカーを備えていない他の大入賞口(図示せず)を設けることが考えられる。そして、確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様(例えば、特図1−2、特図1−4、特図1−6、特図1−8、特図2−2、特図2−4)であるときには大入賞口540を開放する大当り遊技状態に制御し、確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様(例えば、特図1−1、特図1−3、特図1−5、特図1−7、特図2−1、特図2−3)であるときには大入賞口540を開放せずに他の大入賞口を開放する大当り遊技状態に制御することで、確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様と容易な態様とを作り出すことができる。なお、確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様と容易な態様とを作り出すことができれば、上記の態様に限定されない。
また、上記のように、確変アタッカーを内部に備える大入賞口540と、確変アタッカーを備えていない他の大入賞口(図示せず)とを設けた場合、大当り遊技状態において開放される大入賞口に設定差をもたせるようにしても良い。例えば、設定1などの低設定値では、大入賞口540よりも他の大入賞口が開放される大当り遊技状態が選択されやすく、設定6などの高設定値では、他の大入賞口よりも大入賞口540が開放される大当り遊技状態が選択されやすいといったように、高設定値であるほど大入賞口540が開放される大当り遊技状態が選択されやすいようにすることができる。
図174に示されるように、このような第2変形例では、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、メインCPU101は、抽出した図柄決定用乱数に基づいて、メイン図柄を、設定値に応じた確率で、特図1−1、特図1−2、特図1−3、特図1−4、特図1−5、特図1−6、特図1−7、および、特図1−8のうちいずれかに決定する。ただし、この第2変形例では、特図1−1と特図1−3とが「4R通常大当り」、特図1−2と特図1−4とが「4R確変大当り」、特図1−5と特図1−7と特図2−1と特図2−3とが「10R通常大当り」、特図1−6と特図1−7と特図2−2と特図2−4とが「10R確変大当り」となっている。
具体的には、メインCPU101は、設定1〜設定4では共通確率で、メイン図柄を、特図1−1(振分確率12.5%)、特図1−2(振分確率12.5%)、特図1−3(振分確率12.5%)、特図1−4(振分確率12.5%)、特図1−5(振分確率12.5%)、特図1−6(振分確率12.5%)、特図1−7(振分確率12.5%)、および、特図1−8(振分確率12.5%)、のうちいずれかに決定する。これに対して、設定5では、メイン図柄を、特図1−1(振分確率10.0%)、特図1−2(振分確率10.0%)、特図1−3(振分確率15.0%)、特図1−4(振分確率15.0%)、特図1−5(振分確率10.0%)、特図1−6(振分確率10.0%)、特図1−7(振分確率15.0%)、および、特図1−8(振分確率15.0%)、のうちいずれかに決定する。また、設定6では、メイン図柄を、特図1−1(振分確率5.0%)、特図1−2(振分確率5.0%)、特図1−3(振分確率20.0%)、特図1−4(振分確率20.0%)、特図1−5(振分確率5.0%)、特図1−6(振分確率5.0%)、特図1−7(振分確率20.0%)、および、特図1−8(振分確率20.0%)、のうちいずれかに決定する。
すなわち、大当り種別が共通する特図1−2および特図1−4(いずれも4R確変大当り)は、両者の合成確率は設定に関係なくいずれも25.0%であるものの、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−2の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−4の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い(設定1〜4では共通)。
同様に、大当り種別が共通する特図1−6および特図1−8(いずれも10R確変大当り)は、両者の合成確率は設定に関係なくいずれも25.0%であるものの、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−6の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−8の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い(設定1〜4では共通)。
さらに、大当り種別が共通する特図2−2および特図2−4(いずれも10R確変大当り)についても、両者の合成確率は設定に関係なくいずれも50.0%であるものの、高設定値(例えば設定5・6)では、特図2−2の選択率(設定5で20.0%、設定6で10.0%)よりも特図2−4の選択率(設定5で30.0%、設定6で40.0%)の方が高い。
ところで、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合、サブCPU201は、図175に示されるように、特図1−1、特図1−3、特図1−5、特図1−7、特図2−1、特図2−3(確変フラグがON設定されない4R通常大当りまたは10R通常大当り)であるときには、設定値に関係なく、必ず、例えば液晶表示装置16に表示される装飾図柄が第1態様で停止するよう制御する。
一方、特図1−2(4R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、第1態様(選択率50.0%)、または、第2態様(選択率50.0%)で停止するよう制御する。また、メイン図柄が特図1−4(4R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、第1態様(選択率25.0%)、または、第2態様(選択率75.0%)で停止するよう制御する。ここで、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−2の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−4の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い。そのため、特図1−2と特図1−4とは大当り種別(いずれも4R確変大当り)が同じであるにもかかわらず、高設定値では、低設定値(例えば設定1〜4)と比べて、装飾図柄が第2態様(遊技者にとって第1態様よりも高い期待度を有する態様)で停止する確率が高くなる。
同様に、特図1−6(10R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、必ず、第2態様で停止するよう制御する。また、メイン図柄が特図1−8(10R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、第2態様(選択率50.0%)、または、特定態様(選択率50.0%)で停止するよう制御する。ここで、上述したとおり、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−6の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−8の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い。そのため、特図1−6と特図1−8とは大当り種別(いずれも10R確変大当り)が同じであるにもかかわらず、高設定値では、低設定値(例えば設定1〜4)と比べて、装飾図柄が特定態様(遊技者にとって最も高い期待度を有する態様)で停止する確率が高くなる。
さらに同様に、特図2−2(10R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、第2態様(選択率50.0%)または特定態様(選択率50.0%)で停止するよう制御する。また、メイン図柄が特図2−4(10R確変大当り)であるときには、サブCPU201は、設定値に関係なく、必ず、特定態様で停止するよう制御する。ここで、上述したとおり、高設定値(例えば設定5・6)では、特図2−2の選択率(設定5で20.0%、設定6で10.0%)よりも特図2−4の選択率(設定5で30.0%、設定6で40.0%)の方が高い。そのため、特図2−2と特図2−4とは大当り種別(いずれも10R確変大当り)が同じであるにもかかわらず、高設定値では、低設定値(例えば設定1〜4)と比べて、装飾図柄が特定態様で停止する確率が高くなる。
このように、第2変形例においても、第1変形例と同様に、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合には、大当り種別が同じであったとしても、設定値に応じて装飾図柄の停止態様が異なりうるようにすることが実現可能となる。とくに高設定値(例えば設定5・6)であるときには、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに特定の大当り種別(例えば10R確変大当り)に決定される合成確率が同じであったとしても、低設定値(例えば設定1〜4)であるときと比べて、高い確率で、遊技者にとって相対的に高い期待度を有する態様(例えば特定態様)で装飾図柄を停止させることが可能となる。
なお、上述の第1変形例および第2変形例のいずれにおいても、設定値に応じてメイン図柄の選択率を異ならせることで、設定値に応じて装飾図柄の停止図柄が異なりうるように構成している。すなわち、サブCPU201は、設定値に応じて装飾図柄の停止図柄を制御しているのではなく、メイン図柄に応じて装飾図柄の停止図柄を制御し、その結果として、設定値に応じて装飾図柄の停止図柄が異なりうるようになっている。ただし、これに限られず、サブCPU201による制御によって、設定値に応じて装飾図柄の停止図柄が異なりうるように構成しても良い。
上述の第1変形例および第2変形例によれば、設定値に応じて特別図柄の選択率に差を設けること、すなわち、ラウンド数、確変突入率、時短突入率に設定差を設けることが可能となる。
[主制御回路による処理]
次に、図176〜図197を参照して、パチンコ遊技機のメインCPU101で実行される各種の処理について説明する。ただし、以下の説明(メインCPU101における処理の説明)において、電源スイッチ35、設定スイッチ332、設定キー328、性能表示モニタ334、エラー報知モニタ336、外部端子板323、ホールコンピュータ700の各用語を用いているが、これらは図9に示されている。
[電源投入処理]
図176は、メインCPU101による電源投入処理の一例を示すフローチャートである。例えばホール関係者が電源スイッチ35をON操作すると、パチンコ遊技機の電源が投入される。パチンコ遊技機の電源が投入されると、同図に示すように、メインCPU101は、電源投入時処理(ステップS3010)と、設定値にかかわる設定処理(ステップS3020)と、遊技復帰処理(ステップS3030)とを、順に実行する。以下に、これらの各処理について説明する。なお、図示はしていないが、メインCPU101は、所定レベルまで電圧が降下していないかを常にチェックしており、停電発生時や電源スイッチ35のOFF操作等により電圧が所定レベルまで降下すると、後述する電源断発生時処理を行う。
[電源投入時処理]
図177は、電源投入時処理の一例を示すフローチャートである。パチンコ遊技機の電源が投入されると、同図に示すように、メインCPU101は、初期値をスタックポインタに設定する(ステップS3011)。
次に、メインCPU101は、RWM(メインRAM103)に対するアクセスを許可(ステップS3012)したのち、サブ制御回路200が信号を受け付け可能になるまで待機するサブ制御受信受付ウェイト処理を行う(ステップS3013)。そしてその後、メインCPU101は、CPU内蔵の各種デバイスについて初期化処理を行う(ステップS3014)。
次に、メインCPU101は、設定値にかかわるスイッチを有効化する(ステップS3015)。設定値にかかわるスイッチとは、ステップS3020の設定処理を行う際に用いるスイッチであり、例えば、設定処理を開始・終了させるための設定キー328や、設定値を変更するための設定スイッチ332等が相当する。そして、メインCPU101は、設定にかかわるスイッチを有効化(ステップS3015)したのち、各スイッチの読込処理(ステップS3016)を行い、その後、遊技許可処理(ステップS3017)を行う。
図178は、遊技許可処理の一例を示すフローチャートである。ステップS3017(図177参照)の遊技許可処理では、遊技の実行を許可するための遊技許可フラグの管理が行われる。遊技許可フラグは、遊技の実行を許可するか否かを示すフラグであり、例えば、RWM(メインRAM103)の作業領域が正常でないとき等、遊技を実行することができないときにOFFに設定される。以下に遊技許可処理(ステップS3017)について説明する。
メインCPU101は、先ず、電断時状況識別フラグがONであるか否かを判別する(ステップS31710)。電断時状況識別フラグとは、前回の電断発生時の状況を識別するフラグである。すなわち、例えば後述する設定変更処理中等に電断が発生すると、設定変更処理が適正に完了する前に電断している可能性が高いため、電源を投入したときに、そのまま遊技の実行を許可することができない。そこで、電源を投入したときに、前回の電断発生時の状況を識別できるようにしている。この第2実施形態では、例えば、通常遊技中や後述する設定確認処理中に電断が発生したときには、電断されるまでの間に、電断時状況識別フラグがONに設定される。一方、後述する設定変更処理中に電断が発生したときには、電断されるまでの間に、電断時状況識別フラグがOFFに設定される。また、後述するステップS3722〜ステップS3727の異常状態中に電断が発生したときにも、電断時状況識別フラグがOFFに設定される。なお、未だ電源投入されたことがない初期状態、または長期間にわたって電源が投入されなかったためにメインRAM103のデータが消失したとき、電断時状況識別フラグはOFFである。上記の「通常遊技中」とは、設定変更処理および設定確認処理のいずれも行われていない遊技中を意味し、確変フラグおよび時短フラグのいずれもがOFFの通常遊技状態を意味するものではない(以下、同じ)。
ステップS31710において、メインCPU101は、電断時状況識別フラグがON(ステップS31710におけるYES)であるとステップS31720に移り、電断時状況識別フラグがOFF(ステップS31710におけるNO)であると遊技許可フラグをOFF(ステップS31750)にしたのちステップS31720に移る。
ステップS31720において、メインCPU101は、メインRAM103の作業領域のチェックを行う。この作業領域のチェックには、セットされている設定値データが規定の範囲内(第2実施形態では「0」〜「5」の範囲内)であるか否かのチェックも含まれる。
なお、メインRAM103の作業領域は、後述するバックアップクリア処理が行われたときにデータがクリアされる一般作業領域と、後述するバックアップクリア処理が行われてもデータが原則クリアされずに保持される特定作業領域とに分かれている。この特定作業領域には、例えば、性能表示データやセットされている設定値データ等が記憶されている。設定値を示すデータである。この第2実施形態では、6段階の設定値「1」〜「6」のそれぞれに、「0」〜「5」の設定値データが対応している。すなわち、例えばセットされている設定値が「4」であれば、メインRAM103に記憶される設定値データは「3」である。
ステップS31730において、メインCPU101は、メインRAM103の作業領域が正常であるか否かを判別し、正常(ステップS31730におけるYES)であるとステップS31740に移り、正常でないすなわち異常(ステップS31730におけるNO)であると遊技許可フラグをOFF(ステップS31760)にしたのちステップS31740に移る。例えば、設定値データが規定の範囲内(この第2実施形態では「0」〜「5」の範囲内)でないとき、メインCPU101は、メインRAM103の作業領域が正常でないと判別する。
ステップS31740において、メインCPU101は、遊技許可フラグがONであるか否かを判別する。このステップS31740では、通常遊技中や後述する設定確認処理中に電断が発生し(ステップS31710におけるYES)、メインRAM103の作業領域が正常であれば(ステップS31730におけるYES)、遊技許可フラグがONであると判別される。一方、設定変更処理中や異常状態中に電断が発生したとき(ステップS31710におけるNO)、および、メインRAM103の作業領域が正常でなければ(ステップS31730におけるNO)、遊技許可フラグがOFFであると判別される。そして、遊技許可フラグがON(ステップS31740におけるYES)である場合には、遊技許可処理を終了する。遊技許可フラグがOFF(ステップS31740におけるNO)である場合には、ステップS31770に移る。
なお、この明細書において、通常遊技中に発生する電断、設定確認処理中に発生する電断および設定変更処理中に発生する電断を、正常な電断とし、後述するステップS3722〜ステップS3727において発生する電断を異常な電断とする。
ステップS31770において、メインCPU101は、設定キー328がON操作された状態で電源投入された(電源スイッチ35がONとなる操作が行われた)か否か、すなわち設定キースイッチ信号がONであるか否かを判別し、設定キースイッチ信号がON(ステップS31770におけるYES)であるとステップS31780に移り、設定キースイッチ信号がOFF(ステップS31770におけるNO)であるとステップS31810に移る。
ステップS31780において、メインCPU101は、バックアップクリアスイッチ330の押下操作が行われたか否か、すなわちバックアップクリア信号がONであるか否かを判別し、バックアップクリア信号がON(ステップS31780におけるYES)であるとステップS31790に移り、バックアップクリア信号がOFFであるとステップS31810に移る。
ステップS31790において、メインCPU101は、遊技許可フラグをONに設定し、ステップS31800に移る。
このようにメインCPU101は、前回の電断発生時の状況やメインRAM103の作業領域が正常でないこと等によって遊技許可フラグがOFFであったとしても(ステップS31740におけるNO)、設定キースイッチ信号ON(ステップS31770におけるYES)且つバックアップクリア信号ON(ステップS31780におけるYES)であると、ステップS31790において遊技許可フラグをONに設定する。すなわち、設定キー328がON操作された状態で電源投入操作とバックアップクリアスイッチ330の押下操作との両方が行われた場合には、遊技許可フラグがたとえOFFであったとしても遊技許可フラグがONに設定されるが、設定キースイッチ信号とバックアップクリア信号とのうち少なくともいずれか一つでもOFFであれば、遊技許可フラグがOFFからONに設定されることがない。
ステップS31800において、メインCPU101は、バックアップクリアフラグをONに設定し、遊技許可処理を終了する。バックアップクリアフラグは、後述するバックアップクリア処理を行う必要があるか否かを示すフラグであり、バックアップクリア処理を行う必要があるときはバックアップクリアフラグがONに設定され、バックアップクリア処理が行われるとバックアップクリアフラグがOFFに設定される。
ステップS31810において、メインCPU101は、遊技の実行が許可されない(遊技許可フラグがOFFである)ことを示すエラーコードがエラー報知モニタ336に表示されるように報知設定する。メインCPU101は、ステップS31810の処理を行うと、遊技許可処理を終了する。このように、エラーコードをエラー報知モニタ336に表示することで、ホール関係者は、エラー報知モニタ336に表示されたエラーコードを確認することで、遊技を実行できる状態でない(遊技許可フラグがOFFである)ことを把握することができる。この第2実施形態では、遊技許可フラグがOFFであるとき、設定キースイッチ328がON操作された状態で電源投入操作とバックアップクリアスイッチ330の押下操作との両方が行われた場合に限り、遊技許可フラグをONに設定することが可能となっている。すなわち、遊技許可フラグがOFFであるときは、電断操作を行って電力の供給を一旦停止し、後述する設定変更処理が実行されない限り、遊技許可フラグがONにならない。なお、上記ではステップS31810の処理を行うと遊技許可処理を終了するようにしているが、これに代えて、ステップS31810の処理を行った後、ステップS31740に戻り、遊技許可フラグをONにする条件が成立するまで(図178で言えば、ステップS31780においてYESと判別されるまで)、ステップS31740〜ステップS31810の処理をループするようにしても良い。
[設定処理]
図179(a)は、ステップS3020(図176参照)の設定処理の一例を示すフローチャートであり、図179(b)は、ステップS3020の設定処理の他の例を示すフローチャートである。図179(a)と図179(b)とで異なる点は、ステップS3021において遊技許可フラグがOFFである(ステップS3021におけるNO)と判別されたときの処理が異なるだけで、その他の処理(ステップS3022〜ステップS3028の処理)は両者で共通する。以下に、設定処理について説明する。
図179(a)に示されるように、メインCPU101は、先ず、ステップS3021において、遊技許可フラグがONであるか否かを判別する。メインCPU101は、遊技許可フラグがON(ステップS3021におけるYES)であるとステップS3022に移り、遊技許可フラグがOFF(ステップS3021におけるNO)であると、設定変更処理(ステップS3024)および設定確認処理(ステップS3026)のいずれも実行せずに設定処理を終了する。
メインCPU101は、設定キースイッチ信号ON(ステップS3022におけるYES)且つバックアップクリア信号ON(ステップS3023におけるYES)であると、設定変更処理(ステップS3024)を行い、設定キースイッチ信号ON(ステップS3022におけるYES)且つバックアップクリア信号OFF(ステップS3023におけるNO)であると、設定確認処理(ステップS3026)を行う。したがって、設定キー328がON操作された状態で電源投入されると、バックアップクリア信号がONであれば設定変更処理(ステップS3024)が実行され、バックアップクリア信号がOFFであれば設定確認処理(ステップS3026)が実行される。
なお、メインCPU101は、設定キースイッチ信号OFF(ステップS3022におけるNO)且つバックアップクリア信号ON(ステップS3027におけるYES)であると、バックアップクリアフラグをONに設定し(ステップS3028)、設定変更処理(ステップS3024)および設定確認処理(ステップS3026)のいずれも実行せずに設定処理を終了する。また、メインCPU101は、設定キースイッチ信号OFF(ステップS3022におけるNO)且つバックアップクリア信号OFF(ステップS3027におけるNO)であると、ステップS3028の処理を実行せずに、設定処理を終了する(設定変更処理(ステップS3024)および設定確認処理(ステップS3026)についても実行されない)。
すなわち、前回の電断が通常遊技中や後述する設定確認処理中に発生した正常な電断であって、且つ、メインRAM103の作業領域が正常であれば、ステップS3021においてYESと判別される。このとき、メインCPU101は、電源が投入されたときの設定キー328の操作状況およびバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況に応じて、設定変更処理(ステップS3024)、設定確認処理(ステップS3026)またはバックアップクリアフラグ処理(ステップS3028)を実行する。なお、設定キー328およびバックアップクリアスイッチ330のいずれも操作されずに電源が投入された場合には、設定変更処理(ステップS3024)、設定確認処理(ステップS3026)およびバックアップクリアフラグ処理(ステップS3028)のいずれも実行することなく、遊技復帰処理(ステップS3030)に移り、この遊技復帰処理(ステップS3030)が実行されたのち、遊技の実行が可能となる。
一方、前回の電断が異常な電断であったり、前回の電断が正常な電断であったとしても設定変更処理中に発生した電断であれば、ステップS3021においてNOと判別される。このとき、メインCPU101は、電源が投入されたときの設定キー328の操作状況やバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況にかかわらず、設定変更処理(ステップS3024)、設定確認処理(ステップS3026)およびバックアップクリアフラグON(ステップS3028)のいずれも実行せずに、設定処理を終了する。したがって、設定変更処理中に電断が発生したり前回の電断が異常な電断である場合には、設定キースイッチ信号ON(ステップS31770におけるYES)且つバックアップクリア信号ON(ステップS31780におけるYES)と判別されて(すなわち、設定キー328がON操作された状態で電源投入操作とバックアップクリアスイッチ330の押下操作との両方が行われて設定変更状態に制御されて)設定値が確定されたときに限り、設定変更処理(ステップS3024)が実行されてステップS3030の遊技復帰処理に移り、この遊技復帰処理(ステップS3030)が実行されたのち、遊技の実行が可能となる。そのため、設定キー328およびバックアップクリアスイッチ330のいずれも操作されなかったり、操作されたとしてもいずれか一方のみが操作されただけであるときには、設定変更処理(ステップS3024)、設定確認処理(ステップS3026)およびバックアップクリアフラグ処理(ステップS3028)のいずれも実行されずに遊技復帰処理(ステップS3030)に移る。ただし、この遊技復帰処理(ステップS3030)では、異常時処理(後述の図183のステップS3038参照)が実行されることとなり、遊技を実行することができず、遊技停止状態となる。
このように、図179(a)のフローチャートで示される設定処理の一例では、設定変更処理中に電断が発生したり前回の電断が異常な電断である場合には、電源が投入されたときの設定キー328の操作状況やバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況にかかわらず、設定変更処理(ステップS3024)、設定確認処理(ステップS3026)およびバックアップクリアフラグON(ステップS3028)のいずれも実行せずに、設定処理を終了している。ただし、これに限られず、図179(b)のフローチャートで示される設定処理の他の例のように、設定変更処理中に電断が発生した場合または/および前回の電断が異常な電断である場合に、メインCPU101は、電源が投入されたときの設定キー328の操作状況やバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況にかかわらず、強制的に設定変更処理(ステップS3024)を実行するようにしてもよい。設定変更処理中に電断が発生したり前回の電断が異常な電断である場合に、電源が投入されたときの設定キー328の操作状況やバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況にかかわらず強制的に設定変更処理(ステップS3024)が実行されるようにすることで、設定キー328やバックアップクリアスイッチ330の操作をし忘れた状態で電源を投入してしまったときに、再び電断を強いるような煩わしさを軽減することが可能となる。
なお、図179(a)に示されるフローチャートでは、ステップS3021においてNOと判別されると、設定キー328の操作状況およびバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況のいずれも判別することなく設定処理を終了している。同様に、図179(b)に示されるフローチャートにおいても、ステップS3021においてNOと判別されると、設定キー328の操作状況およびバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況のいずれも判別することなく設定変更処理(ステップS3024)を実行している。ただし、これらに代えて、設定キー328の操作状況または/およびバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況を判別し、この判別結果にかかわらず、設定処理を終了したり設定変更処理(ステップS3024)を実行したりしてもよい。
[設定変更処理]
図180は、設定変更処理の一例を示すフローチャートである。ステップS3024(図179参照)の設定変更処理は、セットされている設定値を変更するための処理であるが、セットされている設定値と同じ設定値にして設定変更処理を終了することもできる。また、上述したように、遊技許可フラグがOFFであるときには、電断操作を行って電力の供給を一旦停止した上で設定変更処理を実行しない限り、遊技許可フラグがONにならない。
メインCPU101は、先ず、ステップS32410において、遊技許可フラグがONであるか否かを判別する。遊技許可フラグがOFF(ステップS32410におけるNO)であると、メインCPU101は、設定変更処理を実行することなく当該処理を終了する。なお、電源が投入された時点で遊技許可フラグがOFFであったとしても、設定キースイッチ信号ON且つバックアップクリア信号ONであるときは、ステップS31790(図178参照)において遊技許可フラグがONに設定されるため、設定変更処理が実行される。
メインCPU101は、遊技許可フラグがONであると(ステップS32410におけるYES)、ステップS32420に移り、バックアップクリア処理を実行する。このバックアップクリア処理については後述する。
メインCPU101は、ステップS32420のバックアップクリア処理を実行したのち、ステップS32430に移り、メインRAM103に記憶されている設定値データをレジスタに格納し、ステップS32440に移る。なお、バックアップクリア処理は、設定変更処理が開始されてから終了するまでの間であれば、どのタイミングで実行しても良い。
ステップS32440において、メインCPU101は、設定変更セキュリティ信号の出力設定を行う。この設定変更セキュリティ信号は、上述の外部端子板323を介してホールコンピュータ700に送信される。なお、設定変更セキュリティ信号は、同信号の出力期間内で一定時間以上(例えば50msec以上)出力される。
ステップS32450において、メインCPU101は、設定値情報が性能表示モニタ334に表示されるように報知設定する。この性能表示モニタ334には、レジスタに格納されている設定値データが設定値に変換されて表示される。例えば、レジスタに格納されている設定値データが「3」であるとき、性能表示モニタ334には、設定値データ「3」に対応する設定値「4」が表示される。ただし、レジスタに格納されている設定値データとセットされている設定値とが対応していれば、必ずしも、性能表示モニタには数字が表示される必要はない。例えば、設定値データ「0」〜「5」をそれぞれ「A」〜「F」と対応させて、レジスタに格納されている設定値データが例えば「3」であるときにはこれに対応する「D」が性能表示モニタ334に表示されるようにしても良い。なお、このステップ2450において、性能表示モニタ334には、レジスタに格納されている設定値データが設定値に変換されて表示されることとしたが、前のデータが破棄されることにより、予め定められた初期値(例えば「1」)が表示されるようにしても良い。また、このパチンコ遊技機に初めて電源が投入されたときには、メインCPU101は、予め定められた初期値(例えば「1」)や、通常では表示されない値(例えば「8」)などが性能表示モニタ334に表示されるように制御してもよい。メインCPU101は、通常では表示されない値を性能表示モニタ334に表示するときには、ステップS32510において設定スイッチ332が押下されたと判定されない限り、正当な設定値を設定せず、遊技許可フラグをOFFにするようにしてもよい。
ステップS32460において、メインCPU101は、設定変更中であることを示す設定変更中コードがエラー報知モニタ336に表示されるように報知設定する。これにより、ホール関係者は、エラー報知モニタ336の表示を確認することで、設定変更処理中であることを把握することができる。
ステップS32470において、メインCPU101は、設定キースイッチ信号がOFFであるか否かを判別し、設定キースイッチ信号がOFFでなければ(ステップS32470におけるNO)、ステップS32510に移る。
ステップS32510において、メインCPU101は、設定スイッチ332が押下されたか否かを判別し、設定スイッチ332が押下されていれば(ステップS32510におけるYES)、ステップS32520に移り、レジスタに格納されている設定値データを更新したのち、ステップS32440に戻る。一方、設定スイッチ332が押下されなければ(ステップS32510におけるNO)、ステップS32440に戻る。すなわち、設定変更処理では、設定キースイッチ信号がONであると判別されない限り(ステップS32470においてYESでない限り)、ステップS32510、ステップS32520、ステップS32440〜ステップS32470をループする(ステップS32510、ステップS32520、ステップS32440〜ステップS32470の処理が繰り返される)こととなる。
なお、メインCPU101は、設定スイッチ332が押下された(ステップS32510においてYESと判別した)とき、その後のステップS32450において、更新された設定値情報が性能表示モニタ334に表示されるように報知設定する。
また、メインCPU101は、設定キースイッチ信号がOFFである(ステップS32470におけるYES)と判別しない限り、設定スイッチ332が押下される都度、レジスタに格納されている設定値データを「0」〜「5」まで循環増加させる(設定値データが「5」であるときに設定スイッチ332が押下されると「0」に戻る)。これにより、設定スイッチ332が押下される都度、性能表示モニタ334における表示も循環表示される。ただし、設定スイッチ332が押下される都度、レジスタに格納されている設定値データを「5」〜「0」まで循環減少させるようにしても良いし、設定スイッチ332の押下態様によって循環増加と循環減少との両方を実行できるようにしても良い。
ステップS32470において、メインCPU101は、設定キースイッチ信号がOFF(ステップS32470におけるYES)と判別すると、ステップS32480に移る。ステップS32480に移ると、メインCPU101は、ステップS32510、ステップS32520、およびステップS32440〜ステップS32470のループを終了する。
ステップS32480において、メインCPU101は、レジスタに格納されている設定値データをメインRAM103に記憶する。ステップS32480の処理が実行されると、設定値が確定する。すなわち、設定変更処理では、設定キースイッチ信号がOFFとなる操作が実行されたこと(ステップS32470においてYESと判別されたこと)にもとづいて設定値が確定し、設定キースイッチ信号がOFFとなる操作を実行せずに設定スイッチ332が押下されるだけ(ステップS32510、ステップS32520、ステップS32440〜ステップS32470をループするだけ)であれば、レジスタに格納されている設定値データが更新されるだけで、メインRAM103に記憶されている設定値データの更新は行われない。
なお、ステップS32470において設定キースイッチ信号がOFF(ステップS32470におけるYES)と判別された後、再び設定キー328を戻す操作を行っても、当該操作は検出されず(設定キースイッチ信号がONと検出されず)、電源断操作(電源スイッチ35のOFF操作)を行わない限り、設定値を変更することができない。なお、その際(ステップS32470において設定キースイッチ信号がOFF(ステップS32470におけるYES)と判別された後、再び設定キー328を戻す操作を行った際)、メインCPU101は、レジスタに格納されている設定値データを性能表示モニタ334に表示し、設定確認ができる(設定確認処理を行う)ようにしても良い。その際(設定確認処理を行うようにした際)、メインCPU101は、遊技許可フラグを、設定キースイッチ信号がOFFになるまでOFFとするようにしてもよい。
ところで、設定変更処理中に電断が発生したり前回の電断が異常な電断であるときに、その後に電源が投入されたとき(電断復帰時)の設定キー328の操作状況やバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況(設定キースイッチ信号やバックアップクリア信号の状態)にかかわらず強制的に設定変更処理(図180参照)を実行するようにした場合(図179(b)参照)には、設定キー328がON操作されなくとも(設定キースイッチ信号がOFFのまま)設定変更処理が実行される。このように、設定キー328がON操作されずに設定変更処理(ステップS3024)が実行されたときには、設定キースイッチ信号がOFFのままであることがあるため、メインCPU101は、ステップS32470において設定キースイッチ信号がOFF(ステップS32470におけるYES)であるとただちに判別せずに、設定キー328が一旦ON操作された上でOFF操作されたことをもって、設定キースイッチ信号がOFFであると判別し、ステップS32480に移る(設定値を確定する)。なおこの場合、メインCPU101は、設定キースイッチ信号がONとなったことを検出し、さらに設定キースイッチ信号がOFFとなったことを検出したことをもって、ステップS32480においてYESと判別するようにしてもよいし、設定キースイッチ信号がONとなったことを検出しなくとも、設定キースイッチ信号がONからOFFとなったことを検出したことをもって、ステップS32480においてYESと判別するようにしてもよい。なお、上記において、設定変更処理中に電断が発生したり前回の電断が異常な電断であるとき、電断復帰時の設定キースイッチ信号やバックアップクリア信号の状態にかかわらず強制的に設定変更処理を実行すると記載したが、これに限られない。例えば、メインCPU101により、電断復帰時の設定キースイッチ信号やバックアップクリア信号の状態にかかわらず状態を強制的に設定変更状態に変更することとしてもよい。また、電断復帰時の設定キースイッチ信号やバックアップクリア信号の状態にかかわらず電断が発生したときの設定変更状態で電断復帰する(すなわち、電断発生時にその状態を保持し、その後の電断復帰時に、電断復帰時の設定キースイッチ信号やバックアップクリア信号の状態にかかわらず、保持した状態に戻す処理を実行する)ようにしてもよい。
ステップS32490において、メインCPU101は、性能表示データが性能表示モニタ334に表示されるように報知設定し、ステップS32500において、初期化コードがエラー報知モニタ336に表示されるように報知設定し、設定変更処理を終了する。
なお、ステップS32470において設定キースイッチ信号がOFF(ステップS32470におけるYES)と判別されることで、設定キースイッチ信号がOFFになったことを示すコマンド、すなわち設定変更処理が終了したことを示すコマンドとして初期化コマンドがサブCPU201に送信されることとなる。
ステップS3024(図179参照)の設定変更処理が終了すると、ステップS3020(図176参照)の設定処理が終了し、ステップS3030(図176参照)の遊技復帰処理に移る。
なお、ステップS3024(図179参照)の設定変更処理が実行されたのちに後述の遊技復帰処理を経て遊技の実行が可能となった場合、遊技が開始されたのちの一定期間において、または、遊技が開始されたのちの所定のタイミングにおいて、設定変更処理が実行された可能性があることを示唆する情報、設定変更処理によってより高設定値に変更された可能性があることを示唆する情報、設定変更処理によってより低設定値に変更された可能性があることを示唆する情報、設定変更処理によって設定値が複数段階以上変更された(例えば設定6から設定4といったように2段階以上変更された)可能性があることを示唆する情報等、設定変更処理にかかわる情報を、例えば液晶表示装置16等に表示するようにしても良い。例えば、液晶表示装置16等で行われる演出や装飾図柄の変動パターンを、設定変更処理が実行されたときと実行されていないときとで異なりうるようにしたり、設定変更処理によってより高設定値に変更されたときと低設定値に変更されたときとで異なりうるようにしたり、設定変更処理によって設定値が複数段階以上変更されたときと複数段階以上変更されていないときとで異なりうるようにしても良い。
また、上述した設定変更セキュリティ信号の出力期間、およびエラー報知モニタ336に設定変更中コードが表示される期間は、設定変更処理が開始されてから当該設定変更処理の終了処理が実行されるまでとなっている。ただし、これらの期間を完全に一致させる必要はない。
なお、上記の設定変更処理は、内部的に遊技許可フラグがONおよびOFFのいずれであったとしても実行される処理である。また、上記ステップS3024における設定変更処理が開始されたこと、ステップS32510において設定スイッチが押下されるごと、ステップS32480の処理を実行する際など、所定のタイミングにおいてサブ制御回路200に対しコマンドを送信することにより液晶表示装置16やスピーカ24、LED25などにおいて、設定変更中である旨の報知、設定値が変更されている旨の報知、設定変更が完了した旨の報知などを行うようにしてもよい。
[バックアップクリア処理]
図181は、ステップS32420(図180参照)のバックアップクリア処理の一例を示すフローチャートである。このバックアップクリア処理は、メインRAM103の作業領域に記憶されている情報をクリアする処理である。ただし、このバックアップクリア処理では、上述したとおり、一般作業領域に記憶されている情報はクリアされるが、特定作業領域に記憶されている情報は原則としてクリアされない。
メインCPU101は、先ず、ステップS32421において、バックアップクリアフラグがOFFであるか否かを判別する。メインCPU101は、バックアップクリアフラグがOFF(ステップS32421におけるYES)であるときはバックアップクリア処理を実行することなく当該処理を終了し、バックアップクリアフラグがON(ステップS32421におけるNO)であるときはステップS32422に移る。
ステップS32422において、メインCPU101は、RWM(メインRAM103)の作業領域をクリアする。ただし、前回の電断が設定変更処理中に発生していれば、前回の電断が発生した設定変更処理中にバックアップクリア処理の全部または一部が実行されている可能性がある。そのため、前回の電断が設定変更処理中に発生した場合には、前回の電断が発生した設定変更処理中に実行されたバックアップクリア処理とあわせてメインRAM103の作業領域をクリアするようにし、今回のバックアップクリア処理では部分的にクリアするだけとしても良い。
なお、ステップS32422の処理では、上述したように、特定作業領域に記憶されている性能表示データや設定値データは原則としてクリアされない。ただし、RWM(メインRAM103)に記憶されている設定値データが異常である(例えば、セットされている設定値データが規定の範囲外である)と判別されたときは、設定値データもクリアされる。また、RWM(メインRAM103)に記憶されている性能表示データが異常であると判別されたときは、性能表示データもクリアされる。なお、設定値データが異常であるときには設定値データもクリアされるようにしているが、その際は遊技許可フラグをOFFにして、設定変更処理(例えば、図180参照)を行わない限り遊技許可フラグをONにしないようにしてもよい。
ステップS32423において、メインCPU101は、バックアップクリア処理が実行されたことを示す情報(メインRAM103の作業領域がクリアされたことを示す情報)が表示されるように報知設定する。その後、ステップS32424において、メインCPU101は、バックアップクリアフラグをOFFに設定し、バックアップクリア処理を終了する。なお、上記の報知設定(バックアップクリア処理が実行されたことを示す情報)は例えばサブ制御回路200へコマンド送信され、表示制御回路204(図9参照)により、バックアップクリア処理が実行されたことを示す画像が例えば液晶表示装置16に表示される。
なお、設定変更処理(例えば、図180参照)に伴ってバックアップクリア処理が実行される場合、設定変更処理のステップS32450において、メインCPU101は、設定値情報が性能表示モニタ334に表示されるように報知設定する。これと同様に、設定変更処理を伴わずにバックアップクリア処理が実行される場合にも、設定値情報が性能表示モニタ334に表示されるように報知設定するようにするとよい。
[設定確認処理]
図182は、設定確認処理の一例を示すフローチャートである。ステップS3026(図179参照)の設定確認処理は、セットされている設定値を確認するための処理である。セットされている設定値はメインRAM103に格納される。
メインCPU101は、先ず、ステップS32610において、遊技許可フラグがONであるか否かを判別する。遊技許可フラグがOFF(ステップS32610におけるNO)であると、メインCPU101は、設定確認処理を実行することなく当該処理を終了する。
メインCPU101は、遊技許可フラグがONであると(ステップS32610におけるYES)、ステップS32620に移り、設定確認セキュリティ信号の出力設定を行う。この設定確認セキュリティ信号は、上述の外部端子板323を介してホールコンピュータ700に送信される。なお、設定確認セキュリティ信号は、同信号の出力期間内で一定時間以上(例えば50msec以上)出力される。
ステップS32630において、メインCPU101は、設定値情報が性能表示モニタ334に表示されるように報知設定する。この性能表示モニタ334に表示される設定値情報は、セットされている設定値データを示す情報である。例えば、メインRAM103に記憶されている設定値データが「3」であるとき、性能表示モニタ334には、設定値データ「3」に対応する「4」が設定値を示す情報として表示される。
ステップS32640において、メインCPU101は、設定確認中であることを示す設定確認中コードがエラー報知モニタ336に表示されるように報知設定する。これにより、ホール関係者は、エラー報知モニタ336の表示を確認することで、設定確認処理中であることを把握することができる。
ステップS32650において、メインCPU101は、設定キースイッチ信号がOFFであるか否かを判別し、設定キースイッチ信号がOFFでなければ(ステップS32650におけるNO)、ステップS32620に戻る。すなわち、設定確認処理では、設定キースイッチ信号がONであると判別されない限り(ステップS32650においてYESでない限り)、ステップS32620〜ステップS32650の処理をループする(ステップS32620〜ステップS32650の処理が繰り返される)こととなる。
ステップS32650において、メインCPU101は、設定キースイッチ信号がOFF(ステップS32650におけるYES)と判別すると、ステップS32660に移る。ステップS32660に移ると、メインCPU101は、ステップS32620〜ステップS32650の各処理を終了する。
なお、ステップS32650において設定キースイッチ信号がOFF(ステップS32650におけるYES)と判別されることで、後述するステップS37において、設定確認処理が終了したことを示すコマンドとして電断復帰コマンドがサブCPU201に送信されることとなる。
ステップS32660において、メインCPU101は、性能表示データが性能表示モニタ334に表示されるように報知設定し、ステップS32670において、エラー報知モニタ336に何らの情報も表示されないよう非報知設定し、設定確認処理を終了する。
ステップS3026(図179参照)の設定確認処理が終了すると、ステップS3020(図176参照)の設定処理が終了し、ステップS3030(図176参照)の遊技復帰処理に移る。
[遊技復帰処理]
図183は、遊技復帰処理の一例を示すフローチャートである。ステップS3030(図176参照)の設定処理では、遊技許可フラグがONであることを前提として、遊技が実行できる状態に復帰させる処理が行われる。以下に、遊技復帰処理について説明する。
メインCPU101は、先ず、ステップS3031において、遊技許可フラグがONであるか否かを判別する。遊技許可フラグがOFF(ステップS3031におけるNO)であると、メインCPU101は、ステップS3038の異常時処理を実行する。この異常時処理については後述する。
メインCPU101は、遊技許可フラグがON(ステップS3031におけるYES)であると、ステップS3032に移り、全スイッチを有効化する処理を行う。
ステップS3033において、メインCPU101は、バックアップクリア信号がOFFであるか否かを判別する。メインCPU101は、バックアップクリア信号がOFFであると(ステップS3033におけるYES)、ステップS3034に移る。
ステップS3034において、メインCPU101は、電断時状況識別フラグがONであるか否かを判別する。メインCPU101は、電断時状況識別フラグがONであれば(ステップS3034におけるYES)、ステップS3035に移る。上述したとおり、電断時状況識別フラグは、通常遊技中(設定変更処理および設定確認処理のいずれも行われていない遊技中)や設定確認処理中に電断が発生するとONに設定され、設定変更処理中に電断が発生するとOFFに設定される。したがって、前回の電断が通常遊技中や設定確認処理中に発生した場合に、ステップS3035の処理が行われる。
ステップS3035において、メインCPU101は、電断復旧時に初期値を必要とする作業領域の初期設定を行う。
次に、ステップS3036において、メインCPU101は、電断復旧時の遊技状態が高確率遊技状態である場合には、高確率遊技状態であることを示す報知設定を行う。
次に、ステップS3037において、メインCPU101は、電断復帰時のコマンド(電断復帰コマンド)をサブ制御回路200に対して送信する処理を行う。このコマンドには、セットされている設定値についての設定値情報も含まれる。この処理を終了すると、メインCPU101は、ステップS3030(図176参照)の遊技復帰処理を終了し、一連の電源投入処理が終了する。これにより、遊技の実行が可能となる。上記の電断復帰コマンドは、電断復帰時であることを示すコマンド、または、設定確認処理が終了したことを示すコマンドとして機能する。
ステップS3033において、メインCPU101は、バックアップクリア信号がON(ステップS3033におけるNO)であると判別すると、ステップS3039のバックアップクリア処理に移る。このバックアップクリア処理は、図180に示すステップS32420のバックアップクリア処理(図181に示すバックアップクリア処理)と同様であるため、説明を省略する。
ステップS3039のバックアップクリア処理が終了すると、メインCPU101は、ステップS3040に移り、RWM(メインRAM103)の初期化時に初期値を必要とする作業領域の初期設定を行う。
次に、ステップS3041において、メインCPU101は、RWM初期化時のコマンド(初期化コマンド)をサブ制御回路200に対して送信する処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、ステップS3030(図176参照)の遊技復帰処理を終了し、一連の電源投入処理が終了する。これにより、遊技の実行が可能となる。なお、上記の初期化コマンドは、設定変更処理が終了した(バックアップクリア処理も実行されている)ことを示すコマンド、または、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたことを示すコマンドとして機能する。
また、上記した設定確認セキュリティ信号の出力期間、およびエラー報知モニタ336に設定確認中コードが表示される期間は、設定確認処理が開始されてから当該設定確認処理の終了処理が実行されるまでとなっている。ただし、これらの期間を完全に一致させる必要はない。
[異常時処理]
図184は、異常時処理の一例を示すフローチャートである。ステップS3038(図183参照)の異常時処理は、上述したとおり、ステップS3031(図183参照)の処理において、遊技許可フラグがOFF(ステップS3031におけるNO)であると判別されたときに実行される処理である。
先ず、ステップS3381において、メインCPU101は、遊技許可フラグがOFFであること、すなわち遊技を実行することができないことを示す異常コマンドを、サブ制御回路200に対して送信する処理を行う。サブCPU201は、異常コマンドを受信するとバックアップ不良と判断し、パチンコ遊技機が正常でない旨の情報をサブCPU201(表示制御回路204)の制御により液晶表示装置16に表示することが可能となる。
なお、メインCPU101は、必ずしも異常コマンドを送信しなくてもよい。例えば、サブCPU201は、サブ制御回路200(図9参照)への電源供給が開始されてから所定時間(例えば30秒)、メインCPU101からの正常なコマンドを受信できなかった場合にバックアップ不良と判断するようにしてもよい。
ステップS3382において、メインCPU101は、異常セキュリティ信号の出力設定を行う。この異常セキュリティ信号は、上述の外部端子板323を介してホールコンピュータ700に送信される。
ステップS3383において、メインCPU101は、遊技の実行が許可されない(遊技許可フラグがOFFである)ことを示すエラーコードがエラー報知モニタ336に表示されるように報知設定する。これにより、ホール関係者は、エラー報知モニタ336の表示を確認することで、遊技を実行できる状態でない(遊技許可フラグがOFFである)ことを把握することができる。
ステップS3384において、メインCPU101は、電断検知信号がONであるか否かを判別する。電断検知信号は、電圧が所定レベルまで降下するとONとなる信号である。そして、メインCPU101は、電断検知信号がON(ステップS3384におけるYES)であると判別すると、ステップS3385に移り、電源断発生時処理が実行される。一方、電断検知信号がOFFの場合(ステップS3384におけるNO)、メインCPU101は、ステップS3382〜ステップS3384をループする(ステップS3382〜ステップS3384の処理が繰り返される)。
[電源断発生時処理]
図185は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、メインCPU101は、所定レベルまで電圧が降下していないかを常にチェックしており、電圧が所定レベルまで降下すると、電源断発生時処理を行う。
メインCPU101は、先ず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS33851)。そして、メインRAM103の作業領域におけるチェックサムを算出し、この算出結果と各種の遊技データをメインRAM103のバックアップ領域に記憶(保存)する(ステップS33852)。このチェックサムは、復電時に、停電前のメインRAM103の内容が適正に保持されているか否かをチェックするために使用される。このようにして、電力の供給が停止されたとしても、メインRAM103に記憶されている各種の遊技データを保持することが可能となっている。
次いで、メインCPU101は、メインRAM103の所定領域に設けられたバックアップフラグに、電断時状況識別フラグを設定する(ステップS33853)。すなわち、上述したとおり、メインCPU101は、電断が通常遊技中(設定変更処理および設定確認処理のいずれも行われていない遊技中)や設定確認処理中に発生したのであれば電断時状況識別フラグをONに設定し、設定変更処理中に発生したのであればOFFに設定する。
メインCPU101は、ステップS33851〜ステップS33853の処理を終えると、ステップS33854に移り、RWM(メインRAM103)へのアクセスを禁止し、無限ループに入って電力供給の停止に備える。
このように遊技許可フラグがOFFであるときは、上述したとおり、電断操作を行って電力の供給を一旦停止し、後述する設定変更処理が実行されない限り、遊技許可フラグがONにならないようになっている。
ところで、この処理では、ごく短時間の停電等(以下「瞬停」と称する)により電源電圧が不安定になって電源断発生時処理が開始されてしまうと、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施例のメインCPU101には、図示しないウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入ると、更新が行われなくなる。その結果、瞬停によって電源断発生時処理に入り、図185の無限ループに入った場合でも所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスでメインCPU101が起動することになる。
なお、RWM(メインRAM103)のバックアップ領域に代えて、書き換え可能な不揮発性メモリ(EEPROMなど)を備えるようにしてもよい。この場合、データをバックアップさせるために常時の電力供給を必要としないといったメリットがある。
若しくは、RWM(メインRAM103)の全領域を、電力の常時供給によってデータがバックアップされるバックアップ領域としてもよい。この場合、電源遮断時において、メインRAM103に記憶されているデータを他の領域に退避させる必要がなくなる。また、電源復帰時にも、退避データを処理領域に読み出す必要がなくなるため、これらの処理に要する負荷が軽減されるようになる。
[操作者側から見た電源投入処理の流れ]
以上がメインCPU101による電源投入処理の制御フローであるが、操作を行う者(例えばホール関係者等)から見た電源投入処理の流れについて簡単に説明する。
[設定変更処理の流れ]
先ず、設定変更処理、すなわちセットされている設定値を変更するための流れについて説明する。セットされている設定値を変更するためには、先ずは電源断操作(電源スイッチ35のOFF操作)を行う必要がある。そして、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作の両方を行う。
電源スイッチ35をON操作すると、全スイッチの操作が無効化を経て、全スイッチのうち設定にかかわる操作(例えば、設定キー328の操作、設定スイッチ332の操作)のみが有効化されて、設定変更処理が開始され、設定変更を行うことが可能な状態となる。
設定変更処理が開始されると、設定変更処理中であることを示す設定変更中コードがエラー報知モニタ336に表示される。さらに、性能表示モニタ334の表示は、電源スイッチ35がON操作された後、消灯状態から、セットされている設定値を示す情報に切り替わる。
設定変更処理において、バックアップクリア処理、すなわちメインRAM103の初期化処理(メインRAM103の作業領域のクリア、メインRAM103の作業領域のクリア報知、メインRAM103の作業領域の初期設定、RWMの初期化時のコマンド送信)が実行されると、バックアップクリア処理が実行された旨の音声がスピーカ24から出力される。なお、後述するとおり、バックアップクリア処理が実行された旨の表示は行われないが、スピーカ24からの音声出力に代えてまたは加えて、バックアップクリア処理が実行された旨を液晶表示装置16の表示領域に表示するようにしてもよい。
設定変更処理では、設定スイッチ332を押下する毎に、性能表示モニタ334に表示されている設定値を示す情報が循環増加表示される。すなわち、設定値を示す情報は、設定値が「1」〜「5」であるときは設定スイッチ332を押下する毎に1ずつ増加するが、設定値が「6」であるときは設定スイッチ332を押下すると「1」に戻って表示される。
設定変更処理中に設定キー328をOFF操作すると設定変更状態が終了し、性能表示モニタ334に表示されている設定値がセットされる。また、エラー報知モニタ336の表示は設定変更中コードから初期化コードに変更され、性能表示モニタ334には性能表示(ベース値)が表示され、全スイッチの操作が有効化される。
このように、設定変更処理中は、全スイッチのうち設定にかかわる操作(例えば、設定キー328の操作、設定スイッチ332の操作)のみが有効化され、その他のスイッチは全て無効化されたままである。そして、設定キー328をOFF操作すると、全スイッチが有効化される。
[設定確認処理の流れ]
次に、設定確認処理、すなわちセットされている設定値を確認するための流れについて説明する。設定確認処理は、内部的に遊技許可フラグがONであることを条件として実行される処理であり、内部的に遊技許可フラグがOFFであるときには実行されない。
セットされている設定値を確認するためには、内部的に遊技許可フラグがONであることを条件として、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアクリアスイッチ330を押下操作せずに、電源スイッチ35のON操作を行う。
電源スイッチ35をON操作すると、全スイッチの操作が無効化を経て、全スイッチのうち設定キー328の操作のみが有効化されて、設定確認処理が開始され、セットされている設定を確認できる状態となる。
設定確認処理が開始されると、設定確認処理中であることを示す設定確認中コードがエラー報知モニタ336に表示される。さらに、性能表示モニタ334の表示は、電源スイッチ35がON操作された後、消灯状態から、セットされている設定値を示す情報に切り替わる。
なお、設定確認処理中は、設定スイッチ332を押下操作したとしても、性能表示モニタ334に表示されている設定値を示す情報は変化しない。
設定確認処理中に設定キー328をOFF操作すると設定確認状態が終了し、エラー報知モニタ336の表示は設定確認中コードから非表示に変更され、性能表示モニタ334には性能表示(ベース値)が表示され、全スイッチの操作が有効化される。
このように、設定確認処理中は、全スイッチのうち設定キー328のみが有効化され、その他のスイッチは全て無効化されたままである。したがって、設定スイッチ332も無効化されたままである。そして、設定キー328をOFF操作すると、全スイッチが有効化される。なお、上記の通り設定確認処理においては電源スイッチ35の操作に関係なく、通常遊技中において実行可能な処理としてもよい。
[異常時処理における流れ]
上述したとおり、内部的に遊技許可フラグがOFFであるとき、設定変更処理を実行することはできるものの設定確認処理を実行することができない。そのため、内部的に遊技許可フラグがOFFであるときに、設定変更処理を実行するための操作(電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアクリアスイッチ330を押下操作し且つ電源スイッチ35のON操作)を行わずに、設定確認処理を実行するための操作を行った場合、設定変更処理を伴わないバックアップ処理(詳細は後述する)を行った場合、または、ただ単に電源を投入する操作だけを行った場合には、異常時処理が実行される。以下に、異常時処理における流れを説明する。
電源スイッチ35をON操作した後、全スイッチの操作が無効化を経て、全スイッチのうち設定にかかわる操作(例えば、設定キー328の操作、設定スイッチ332の操作)のみが有効化される(内部的には異常時処理が開始される)。設定にかかわる操作が有効化される理由は、設定変更処理の実行により遊技許可フラグをONにすることができるようにするためである。
異常時処理が開始されると、遊技を実行できない状態であることを示すエラーコードがエラー報知モニタ336に表示される。これにより、操作者は、遊技を実行できない状態であることを確認できる。さらに、性能表示モニタ334には、エラーであることを示す情報が表示される。
さらに、異常時処理が開始されると、設定にかかわる操作についても無効化される。すなわち、全スイッチの操作が無効化される。したがって、異常時処理が開始されると、いずれの操作を実行しても反応しなくなり、電源スイッチ35をOFF操作した上で上述の設定変更処理を行わない限り、遊技を実行できる状態にパチンコ遊技機を復旧させることができない。なお、全スイッチの操作が無効化とは、サブ制御回路200により制御される各デバイスも一切停止する遊技が一切できない状況であるもの、一部のサブ制御回路200により制御される各デバイス(例えばLED25)は制御可能な状態であるものも含む。
[システムタイマ割込処理]
図186は、メインCPU101によるシステムタイマ割込処理を示すフローチャートである。システムタイマ割込処理は、例えば2msごとに実行される。同図に示すように、メインCPU101は、各レジスタの値をメインRAM103のスタックエリアに退避する(ステップS3051)。
次に、メインCPU101は、各種の乱数値を更新する乱数更新処理を行う(ステップS3052)。
次に、メインCPU101は、各種スイッチからの入力信号を検出するためのスイッチ入力検出処理を実行する(ステップS3053。スイッチ入力検出処理については、図187を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、各種タイマの値を更新するタイマ更新処理を行う(ステップS3054)。
次に、メインCPU101は、サブ制御回路200に各種コマンドを出力(送信)するコマンド出力処理を行う(ステップS3055)。
次に、メインCPU101は、サブ制御回路200に各種遊技情報を出力(送信)する遊技情報出力処理を行う(ステップS3056)。遊技情報は、主制御回路100、サブ制御回路200、払出・発射制御回路300などにおいて処理される遊技に関わる情報であり、サブ制御回路200や払出・発射制御回路300、ホールコンピュータ700に送信される。
次に、メインCPU101は、退避した各レジスタの値を復帰させる処理を行う(ステップS3057)。この処理を終了すると、メインCPU101は、システムタイマ割込処理を終了する。
[スイッチ入力検出処理]
図187は、メインCPU101によるスイッチ入力検出処理を示すフローチャートである。スイッチ入力検出処理は、先述したシステムタイマ割込処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU101は、始動口入賞検出処理を実行する(ステップS3061)。始動口入賞検出処理については、図188を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、一般入賞口通過検出処理を行う(ステップS3062)。一般入賞口通過検出処理では、例えば一般入賞口53・54・55・56への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。
次に、メインCPU101は、大入賞口通過検出処理を行う(ステップS3063)。大入賞口通過検出処理では、例えば大入賞口540への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。
次に、メインCPU101は、球通過検出器通過検出処理を行う(ステップS3064)。球通過検出器通過検出処理では、通過ゲート49(例えば図5参照)への遊技球の通過検出を球通過検出器(図示せず)に検出されたことに基づいて普通図柄ゲームの抽選結果(乱数値)を抽出する。この処理を終了すると、メインCPU101は、スイッチ入力検出処理を終了する。
[始動口入賞検出処理]
図188は、メインCPU101による始動口入賞検出処理を示すフローチャートである。始動口入賞検出処理は、先述したスイッチ入力検出処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、まず、メインCPU101は、第1始動口スイッチ421で遊技球を検出したか否かを判別する(ステップS3071)。第1始動口スイッチ421で遊技球を検出した場合(ステップS3071におけるYES)、メインCPU101は、ステップS3052の処理に移る。第1始動口スイッチ421で遊技球を検出していない場合(ステップS3071におけるNO)、メインCPU101は、ステップS3081の処理に移る。
ステップS3072において、メインCPU101は、設定チェック処理を行う。この設定チェック処理については後述する。
ステップS3073において、メインCPU101は、第1特別図柄についての大当り判定乱数及び図柄決定用乱数等の各種乱数を抽出するとともに、第1始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。
次に、メインCPU101は、第1始動口入賞の保留個数(第1特別図柄の保留個数)が4個未満であるか否かを判別する(ステップS3074)。当該保留個数が4個未満の場合(ステップS3074におけるYES)、メインCPU101は、ステップS3075の処理に移る。当該保留個数が4個の場合(ステップS3074におけるNO)、メインCPU101は、第1始動口420への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数を破棄し、ステップS3080の処理に移る。
ステップS3075において、メインCPU101は、第1始動口入賞の保留個数を1加算する処理を行う。
次に、メインCPU101は、第1始動口420への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数を、第1特別図柄の変動開始条件(始動条件)が成立するまでメインRAM103に格納する処理を行う(ステップS3076)。これにより、抽出した乱数についての第1特別図柄の変動表示が、始動条件が成立するまで保留される。
次に、メインCPU101は、第1特別停止図柄判断処理を行う(ステップS3077)。第1特別停止図柄判断処理では、第1特別図柄について抽出された大当り判定用乱数値及び図柄決定用乱数値に基づいて、第1特別図柄用の大当り乱数判定テーブル、図柄判定テーブルおよび大当り種類決定テーブルを参照し、メイン図柄(停止表示される予定の第1特別図柄)に係る図柄指定コマンドや当り時選択図柄コマンド等を決定する。
次に、メインCPU101は、変動パターン決定処理を実行する(ステップS3078)。変動パターン決定処理は、先述した始動口入賞検出処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。また、メインCPU101は、図170(または図172)の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照し、大当り判定の結果、リーチ判定用乱数値および演出選択用乱数値に基づいて、変動パターンを選択し、決定する処理を行う。
なお、図170や図172に示されるように、変動パターンには、装飾図柄の変動表示時間が対応付けて記憶されているため、上記の変動パターン決定処理において決定された変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドは、実質的に、変動時間を表すことが可能な情報となる。
次に、メインCPU101は、第1始動口入賞の保留個数増加コマンドをセットする処理を行う(ステップS3079)。第1始動口入賞の保留個数増加コマンドは、第1特別図柄の保留個数を1増加する旨を示すコマンドであり、ステップS3078の処理で決定された変動パターンを示すコマンド等とともにサブ制御回路200へと送信される。
ステップS3080において、メインCPU101は、第1始動口入賞の保留個数オーバーフローコマンドをセットする処理を行い、ステップS3081に移る。第1始動口入賞の保留個数オーバーフローコマンドは、第1特別図柄の保留個数が上限(例えば4個)であるときに第1始動口入賞があった旨を示すコマンドであり、サブ制御回路200へと送信される。
なお、図188からも明らかであるが、第1始動口入賞の保留個数オーバーフローコマンドがサブ制御回路200に送信されるのは、後述するステップS3072の設定チェック処理において設定値データが正常で判別されることが前提である。
ステップS3081において、メインCPU101は、第2始動口スイッチ441で遊技球を検出したか否かを判別する(ステップS3081)。第2始動口スイッチ441で遊技球を検出した場合(ステップS3081におけるYES)、メインCPU101は、ステップS3082の処理に移る。第2始動口スイッチ441で遊技球を検出していない場合(ステップS3081におけるNO)、メインCPU101は、始動口入賞検出処理を終了する。
ステップS3082において、メインCPU101は、設定チェック処理を行う。この設定チェック処理については後述するが、ステップS3072と同様の処理である。
ステップS3083において、メインCPU101は、第2特別図柄についての大当り判定乱数及び図柄決定用乱数等の各種乱数を抽出するとともに、第2始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。
次に、メインCPU101は、第2始動口入賞の保留個数(第2特別図柄の保留個数)が4個未満であるか否かを判別する(ステップS3084)。当該保留個数が4個未満の場合(ステップS3084におけるYES)、メインCPU101は、ステップS3085の処理に移る。当該保留個数が4個の場合(ステップS3084におけるNO)、メインCPU101は、第2始動口440への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数を破棄し、始動口入賞検出処理を終了する。
ステップS3085において、メインCPU101は、第2始動口入賞の保留個数を1加算する処理を行う。
次に、メインCPU101は、第2始動口440への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数を、第2特別図柄の変動開始条件(始動条件)が成立するまでメインRAM103に格納する処理を行う(ステップS3086)。これにより、抽出した乱数についての第2特別図柄の変動表示が、始動条件が成立するまで保留される。
次に、メインCPU101は、第2特別停止図柄判断処理を行う(ステップS3087)。第2特別停止図柄判断処理も、第1特別停止図柄判断処理と同様に、第2特別図柄について抽出された抽出された大当り判定用乱数値及び図柄決定用乱数値に基づいて、第2特別図柄用の大当り乱数判定テーブル、図柄判定テーブルおよび大当り種類決定テーブルを参照し、メイン図柄(停止表示される予定の第2特別図柄)に係る図柄指定コマンドや大当り時選択図柄コマンド等を決定する。
次に、メインCPU101は、変動パターン決定処理を実行する(ステップS3088)。この変動パターン決定処理は、ステップS3078と同様に、先述した始動口入賞検出処理の実行中にサブルーチンとして呼び出され、メインCPU101は、図170(または図172)の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照し、大当り判定の結果、リーチ判定用乱数値および演出選択用乱数値に基づいて、変動パターンを選択する処理を行う。
次に、メインCPU101は、第2始動口入賞の保留個数増加コマンドをセットする処理を行う(ステップS3089)。第2始動口入賞の保留個数増加コマンドは、第2特別図柄の保留個数を1増加する旨を示すコマンドであり、ステップS3088の処理で決定された変動パターンを示すコマンド等とともにサブ制御回路200へと送信される。この処理を終了すると、メインCPU101は、始動口入賞検出処理を終了する。
なお、第1始動口420への遊技球入賞と第2始動口440への遊技球入賞とが同時検出された場合には、ステップS3072の設定チェック処理とステップS3082の設定チェック処理とのうちいずれか一方のみを行うようにしても良い。
また、この第2実施形態では、第2始動口スイッチ441で遊技球が検出された場合(ステップS3081におけるYES)に、第2始動口入賞の保留個数が4個(ステップS3084におけるNO)であったとしても、メインCPU101は、第2始動口入賞の保留個数オーバーフローコマンドをサブ制御回路200に送信せずに、第2始動口440への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数を破棄して始動口入賞検出処理を終了している。これは、後述する設定値示唆演出を効果的に行うことができるのは、非時短遊技状態のときであるからである。
[設定チェック処理]
図189は、メインCPU101による設定チェック処理の一例を示すフローチャートであり、この設定チェック処理はステップS3072とステップS3082(いずれも図188参照)とで同じ処理である。設定チェック処理は、セットされている設定値が正常であるか否かのチェックを行う処理である。この設定チェック処理では、例えばステップS31720(図178参照)において実行されるRWM(メインRAM103)の作業領域チェックと同様の処理を行っても良いが、この第2実施形態では、セットされている設定値が正常であるか否かのチェックに重点をおいている。
同図に示すように、メインCPU101は、先ず、ステップS3721において、メインRAM103に記憶されている設定値データが適正(例えば規定の範囲内)であるか否かをチェックする。上述したとおり、この第2実施形態では、設定値「1」〜「6」に対応する設定値データとして「0」〜「5」がメインRAM103に記憶されているため、ここでは、設定値データが「0」〜「5」の範囲内であるか否かが判別される。設定値データが「0」〜「5」の範囲内である場合(ステップS3721におけるYES)には、設定チェック処理を終了する。設定値データが「0」〜「5」の範囲外である場合(ステップS3721におけるNO)には、ステップS3722に移る。
ステップS3722において、メインCPU101は、遊技許可フラグをOFFに設定し、ステップS3723に移る。
ステップS3723において、メインCPU101は、特別図柄が変動表示中であるか否かを判別する。メインCPU101は、特別図柄が変動表示中であると判別すると(ステップS3723におけるYES)、ステップS3724に移り、特別図柄が変動表示中でないと判別すると(ステップS3723におけるNO)、ステップS3725に移る。
ステップS3724において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄の停止を禁止する。すなわち、図170(または図172)に示される特別図柄の変動時間決定テーブルを参照してステップS3078またはステップS3088(いずれも図188参照)で決定された特別図柄の変動時間が経過したとしても、特別図柄の変動表示が継続され、特別図柄が停止表示されない。そしてその後、ステップS3726に移る。
例えば、メインCPU101により特別図柄の変動表示が行われているときに始動口5442,440に遊技球が入賞すると、当該特別図柄の変動表示中(当該特別図柄の変動表示が終了する前)にステップS3072(またはステップS3082)の設定チェック処理が実行される場合がある。メインCPU101は、この設定チェック処理において正常でない(ステップS3721におけるNO)と判別すると、たとえ特別図柄の変動表示中であったとしても(変動表示中の特別図柄の大当り判定の結果が表示されていなくても)、遊技許可フラグをOFFにし、異常時処理を実行する。この場合、電源を一旦落として設定変更処理を実行しない限り遊技を実行することができないため、変動表示中の特別図柄の大当り判定の結果は、保留中のデータも含めてバックアップクリア処理においてクリアされることとなる。
ステップS3726において、メインCPU101は、遊技球の発射を禁止する。すなわち、払出・発射制御回路300(図9参照)から発射ソレノイド(図示せず)に電力の供給が行われないよう制御される。したがって、遊技者が発射ハンドル32を握持して時計回り方向へ回動操作したとしても、遊技球が発射されず、遊技を行うことが不可能な状態となる。
メインCPU101は、ステップS3726において遊技球の発射を禁止すると、ステップS3727の異常時処理に移る。
ステップS3725において、メインCPU101は、特別図柄の変動表示を禁止し、次の新しい変動表示が開始されないようにする。例えば、特別図柄が変動表示中でないときに特別図柄の変動表示が保留されたり、特別図柄の変動表示が停止して次の変動表示の開始待ちであったとしても、特別図柄の変動表示が開始されない。メインCPU101は、ステップS3725の処理を終了すると、ステップS3726に移る。
ステップS3727の異常時処理において、メインCPU101は、ステップS3038(図183参照)の異常時処理と同様の処理を行う。すなわち、電断検知信号ONが検出されるまで図184に示されるステップS3381〜ステップS3384の処理が行われ、電断検知信号ONが検出されると、ステップS3385の電源断発生時処理、すなわち図185に示されるステップS33851〜ステップS33854の処理が行われる。
このように、第2実施形態に係るパチンコ遊技機では、第1始動口420への遊技球の入賞時と第2始動口440への遊技球の入賞時とに設定チェック処理を行い、メインRAM103に記憶されている設定値データが正常でなければ遊技の実行が禁止されるようになっている。そのため、遊技の実行中であっても、設定値データが正常でないときは遊技を継続して行うことが不可能となり、電源を一旦落として再び電源を投入して設定変更処理を行わない限り、遊技を実行することができない。これにより、例えば設定が正常でない状態で遊技が継続して行われてしまうことを防止できる。
また、メインCPU101は、ステップS3721において設定値データが適正でないと判別したときには、特別図柄の変動表示が未だ開始されずに保留されていたとしても、上述したとおり、電源を一旦落として再び電源を投入して設定変更処理を行わない限り遊技を実行することができないため、メインRAM103に記憶されている上記保留にかかる各種データ(例えば大当り判定用乱数等)は全てクリアされることとなる。すなわち、保留されている各種データが、第1始動口420への遊技球の入賞に基づくものであるか、第2始動口440への遊技球の入賞に基づくものであるかにかかわらず、全てクリアされる。これにより、上記保留にかかる各種データが正常でない設定値に基づいて処理が行われてしまうことを防止でき、セキュリティ性を高めることが可能となる。
また、上述したとおり、設定チェック処理は、ステップS3072とステップS3082(いずれも図188参照)とで同じ処理が行われる。したがって、第1始動口420に遊技球が入賞したときに行われた設定チェック処理(ステップS3072)において設定値データが正常でないと判別されたとき(ステップS3721におけるNO)、ステップS3724において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄が第1特別図柄であるときのみならず第2特別図柄であるときも、当該変動表示中の第2特別図柄の停止を禁止する。同様に、第2始動口440に遊技球が入賞したときに行われた設定チェック処理(ステップS3082)において設定値データが正常でないと判別されたとき(ステップS3721におけるNO)も、ステップS3724において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄が第2特別図柄であるときのみならず第1特別図柄であるときも、当該変動表示中の第1特別図柄の停止を禁止する。
また、同様に、第1始動口420に遊技球が入賞したときに行われた設定チェック処理(ステップS3072)において設定値データが正常でないと判別されたとき(ステップS3721におけるNO)、ステップS3725において、メインCPU101は、変動表示が保留されている特別図柄が第1特別図柄であるときのみならず第2特別図柄であるときも、当該第2特別図柄の変動表示を禁止する。同様に、第2始動口440に遊技球が入賞したときに行われた設定チェック処理(ステップS3082)において設定値データが正常でないと判別されたとき(ステップS3721におけるNO)も、ステップS3725において、メインCPU101は、変動表示が保留されている特別図柄が第2特別図柄であるときのみならず第1特別図柄であるときも、当該第1特別図柄の変動表示を禁止する。
また、この第2実施形態では、電源投入時(図178のステップS31730参照)の他、第1始動口420・第2始動口440への遊技球の入賞時に設定チェック処理を行っているが、これに限られず、例えば、設定確認処理時(図179のステップS3024参照)、設定変更処理時(図179のステップS3026参照)、バックアップクリア処理の実行時(図181参照)、特別図柄の変動表示が開始されるとき、特別図柄の変動停止時、通過ゲートスイッチ49a(図9参照)による通過検出時、普通図柄の変動開始時、普通図柄の変動停止時等、所定のタイミングを契機として設定チェック処理を行うようにしても良い。なお、上記の所定のタイミングは例示列挙である。また、設定チェック処理は、特定のタイミングを契機として行うだけでなく、複数のタイミング(例えば、上記の全てまたは一部のタイミング)を契機として行うようにしても良い。このような場合であっても、例えば設定が正常でない状態で遊技が継続して行われてしまうことを防止できる。
また、この第2実施形態では、設定チェック処理において設定値データが正常でないと判別されると、大当り遊技状態中であるか否かにかかわらずただちに遊技許可フラグをOFFにして遊技を進行させることが不可能となるようにしているが、これに限られず、設定チェック処理において設定値データが正常でないと判別したタイミングと、遊技の実行を不可能にするタイミングとをずらすようにしても良い。これにより、第1始動口420または第2始動口440に遊技球が入賞したにもかかわらず変動表示が行われないことによって生じうる遊技者の損失感を軽減することができる。ただし、設定値データが正常でない状態で各種判定処理(例えば大当り判定処理等)が行われることは好ましくないため、各種判定処理を行わず、所定時間にわたって特別図柄の変動表示を行ったのち、当該特別図柄をハズレで停止させるようにすることが好ましい。
なお、図189では示されていないが、ステップS3722において遊技許可フラグがOFFに設定されると、普通図柄が変動表示中であれば当該普通図柄についても停止が禁止されるようにすることが好ましい。また、普通図柄が変動表示中でない場合には、普通図柄の変動表示を禁止にすることが好ましい。
[主制御メイン処理]
図190は、メインCPU101による主制御メイン処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機に電源が投入されると、同図に示すように、メインCPU101は、初期設定処理を行う(ステップS3091)。この処理において、メインCPU101は、先述の電源投入時処理等の処理を行う。
次に、メインCPU101は、初期値乱数更新処理を行う(ステップS3092)。この処理において、メインCPU101は、初期値乱数カウンタを更新する処理を行う。
次に、メインCPU101は、特別図柄制御処理を行う(ステップS3093)。特別図柄制御処理については、図191を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、普通図柄制御処理を行う(ステップS3094)。普通図柄制御処理については、図197を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、図柄表示部制御処理を行う(ステップS3095)。この処理において、メインCPU101は、ステップS3093及びステップS3094でメインRAM103に記憶された特別図柄制御処理の結果及び普通図柄制御処理の結果に応じて、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)及び普通図柄表示部71を駆動するための制御信号をメインRAM103に記憶する処理を行う。これにより、メインCPU101は、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)及び普通図柄表示部71に制御信号を送信し、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)及び普通図柄表示部71は、受信した制御信号に基づいて特別図柄や普通図柄についての変動表示及び停止表示を行う。
次に、メインCPU101は、遊技情報データ生成処理を行う(ステップS3096)。この処理において、メインCPU101は、サブ制御回路200や払出・発射制御回路300、ホールコンピュータ700に送信するための遊技情報データに関する遊技状態コマンドを生成し、メインRAM103に記憶する。
次に、メインCPU101は、記憶・遊技状態データ生成処理を行う(ステップS3097)。この処理において、メインCPU101は、確変フラグの値及び時短フラグの値に基づいて、サブ制御回路200に送信する記憶・遊技状態データを生成し、当該記憶・遊技状態データをメインRAM103に記憶する。この処理を終了すると、メインCPU101は、ステップS3092の処理に戻る。
[特別図柄制御処理]
図191は、メインCPU101による特別図柄制御処理を示すフローチャートである。特別図柄制御処理は、先述した主制御メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。なお、同図に示す各処理の左方に括弧書きで記載した数値(「00」〜「08」)は、制御状態フラグの値を示す。この制御状態フラグは、メインRAM103内の所定の記憶領域に格納される。メインCPU101は、制御状態フラグの数値に応じた処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
図191に示すように、メインCPU101は、制御状態フラグをロードする処理を行う(ステップS3101)。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された制御状態フラグの値を読み出す。メインCPU101は、読み出した制御状態フラグの値に基づいて、後述のステップS3102〜S110の各処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの状態を示すものであり、ステップS3102〜S110のいずれかの処理を実行可能にするものである。また、メインCPU101は、ステップS3102〜S110の各処理に対して設定された待ち時間などに応じて決定された所定のタイミングで各処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各処理を実行せずに、他のサブルーチンに係る処理を実行する。もちろん、所定の周期で先述のシステムタイマ割込処理(図186参照)も実行する。
次に、メインCPU101は、特別図柄記憶チェック処理を行う(ステップS3102)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、特別図柄の変動表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でない場合(保留球がある場合)には、始動口入賞検出処理で得られた大当り判定の結果、メイン図柄の決定結果、特別図柄の変動パターンの決定結果等を取得する。また、メインCPU101は、この処理において、制御状態フラグに、後述の特別図柄可変表示時間管理処理(ステップS3093)を示す値(「01」)にセットし、今回の処理で取得された変動パターンに対応する特別図柄の変動表示時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、始動口入賞検出処理で決定された変動パターンに対応する特別図柄の変動表示時間が経過した後、後述の特別図柄変動時間管理処理が実行されるように設定される。一方、保留個数が「0」である場合(保留球がない場合)、メインCPU101は、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。この特別図柄記憶チェック処理については、図192を参照して詳述する。
次に、メインCPU101は、特別図柄変動時間管理処理を行う(ステップS3103)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)であり、特別図柄の変動表示時間が経過した場合に、制御状態フラグに、後述の特別図柄表示時間管理処理(ステップS3104)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、このステップS3103の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の特別図柄表示時間管理処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、特別図柄表示時間管理処理を行う(ステップS3104)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であり、ステップS3103の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、大当り判定の結果が「大当り」であるか否かを判別する。そして、大当り判定の結果が「大当り」である場合、メインCPU101は、制御状態フラグに、後述の大当り開始インターバル管理処理(ステップS3105)を示す値(「03」)をセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、このステップS3104の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り開始インターバル管理処理が実行されるように設定される。一方、大当り判定の結果が「大当り」でない場合、メインCPU101は、制御状態フラグに、後述の特別図柄ゲーム終了処理(ステップS3110)を示す値(「08」)をセットする。すなわち、この場合には、後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。この特別図柄表示時間管理処理については、図193を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、大当り開始インターバル管理処理を行う(ステップS3105)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)であり、ステップS3104の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口540を開放させるため、メインROM102から読み出されたデータに基づいて、メインRAM103に位置付けられた変数を更新する。また、この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグに、後述の大入賞口開放中処理(ステップS3106)を示す値(「04)」をセットするとともに、大入賞口540の開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、後述の大入賞口開放中処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、大入賞口開放中処理を行う(ステップS3106)。この処理において、まず、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(「04」)である場合に、大入賞口入賞カウンタが所定数以上であるという条件、及び、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされた(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判別する。一方の条件が満たされた場合、メインCPU101は、大入賞口540を閉鎖させるため、メインRAM103に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU101は、制御状態フラグに、後述の大入賞口内残留球監視処理(ステップS3107)を示す値(「05」)をセットするとともに、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、ステップS3107でセットされた大入賞口内残留球監視時間が経過した後、後述の大入賞口内残留球監視処理が実行されるように設定される。なお、この大入賞口開放中処理の終了直前には、サブ制御回路200に対してラウンド間表示コマンドが送信される。
次に、メインCPU101は、大入賞口内残留球監視処理を行う(ステップS3107)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視処理を示す値(「05」)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上である(最終ラウンドである)という条件が満たされたか否かを判別する。上記条件を満たさないと判別した場合、メインCPU101は、大入賞口再開放待ち時間管理処理を示す値(「06」)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU101は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大入賞口再開放前待ち時間管理処理が実行されるように設定される。一方、ステップS3107において、上記条件を満たしたと判別した場合、メインCPU101は、大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間(大当り終了インターバル時間)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理でセットされた大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り終了インターバル処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上ではないと判別した場合、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を行う(ステップS3108)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(「06」)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値を「1」増加するように記憶更新する。また、メインCPU101は、大入賞口開放中処理を示す値(「04」)を制御状態フラグにセットする。そして、メインCPU101は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理で上述した大入賞口開放中処理(ステップS3106)が再度実行されるように設定される。なお、大入賞口再開放前待ち時間管理処理の終了直前には、サブ制御回路200に対して大入賞口開放中表示コマンドが送信される。
また、メインCPU101は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上であると判別した場合に、大当り終了インターバル処理を行う(ステップS3109)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、ステップS3109の処理後に後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。なお、上述したメイン図柄が特図1−2、特図1−8および特図2−2のうちのいずれかである場合、メインCPU101は、遊技状態を高確率遊技状態に移行させる制御を行い、上述したメイン図柄が特図1−1、特図1−3および特図2−1のうちのいずれかである場合には、遊技状態を低確率遊技状態(確変フラグOFF)にする制御を行う。
次に、メインCPU101は、大当り遊技状態が終了した場合、又は、大当り判定の結果が「ハズレ」であった場合、特別図柄ゲーム終了処理を行う(ステップS3110)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)である場合に、保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を「1」減少するように記憶更新する。また、メインCPU101は、次回の特別図柄の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。さらに、メインCPU101は、特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、ステップS3110の処理後、上述した特別図柄記憶チェック処理(ステップS3102)が実行されるように設定される。この特別図柄ゲーム終了処理を終了すると、メインCPU101は、特別図柄制御処理を終了する。
上述したように、第2実施形態に係るパチンコ遊技機では、制御状態フラグに各種値を順次セットすることにより、特別図柄ゲームを進行させる。具体的に、遊技状態が大当り遊技状態でなく、大当り判定の結果が「ハズレ」である場合に、メインCPU101は、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「08」の順にセットする。これにより、メインCPU101は、上述した特別図柄記憶チェック処理(ステップS3102)、特別図柄変動時間管理処理(ステップS3103)、特別図柄表示時間管理処理(ステップS3104)及び特別図柄ゲーム終了処理(ステップS3110)をこの順で所定のタイミングで実行する。
また、メインCPU101は、遊技状態が大当り遊技状態でなく、大当り判定の結果が「大当り」である場合、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「03」の順でセットする。これにより、メインCPU101は、上述した特別図柄記憶チェック処理(ステップS3102)、特別図柄変動時間管理処理(ステップS3103)、特別図柄表示時間管理処理(ステップS3104)及び大当り開始インターバル管理処理(ステップS3105)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態への移行制御を実行する。
さらに、メインCPU101は、大当り遊技状態への移行制御が実行された場合、制御状態フラグを「04」、「05」、「06」の順でセットする。これにより、メインCPU101は、上述した大入賞口開放中処理(ステップS3106)、大入賞口内残留球監視処理(ステップS3107)及び大入賞口再開放前待ち時間管理処理(ステップS3108)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を実行する。
なお、大当り遊技状態中に、当該大当り遊技状態の終了条件が成立した場合、メインCPU101は、制御状態フラグを「04」、「05」、「07」、「08」の順でセットする。これにより、メインCPU101は、上述した大入賞口開放中処理(ステップS3106)、大入賞口内残留球監視処理(ステップS3107)、大当り終了インターバル処理(ステップS3109)及び特別図柄ゲーム終了処理(ステップS3110)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了する。
上述したように、特別図柄制御処理では、ステータスに応じて処理フローを分岐させている。また、図190に示す主制御メイン処理中のステップS3094の普通図柄制御処理(後述の図197参照)もまた、特別図柄制御処理と同様に、ステータスに応じて処理フローを分岐させる。
この第2実施形態の処理プログラムは、ステータスに応じて処理を分岐させて行う場合にコール命令で、小モジュールから親モジュールへの純粋な戻り処理が可能となるように、プログラミングされている。その結果、上記処理を実行するためにジャンプテーブルを配置する場合と比較して、この第2実施形態では、プログラムの容量を削減することができる。
[特別図柄記憶チェック処理]
図192は、メインCPU101による特別図柄記憶チェック処理を示すフローチャートである。特別図柄記憶チェック処理は、先述した特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、まず、メインCPU101は、メインRAM103内の所定の記憶領域から制御状態フラグをロード処理によって読み出す(ステップS3111)。
次に、メインCPU101は、読み出した制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)であるか否かを判別する(ステップS3112)。制御状態フラグが「00」でないと判別した場合(ステップS3112におけるNO)、メインCPU101は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。一方、制御状態フラグが「00」であると判別した場合(ステップS3112におけるYES)、メインCPU101は、ステップS3113の処理に移る。
ステップS3113において、メインCPU101は、第2始動口入賞(第2特別図柄の変動表示)の保留個数(第2始動記憶数)が「0」であるか否かを判別する。メインCPU101は、第2始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合(ステップS3113におけるYES)、ステップS3114の処理に移り、第2始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合(ステップS3113におけるNO)、ステップS3121の処理に移る。
ステップS3114において、メインCPU101は、第1始動口入賞(第1特別図柄の変動表示)の保留個数(第1始動記憶数)が「0」であるか否かを判別する。メインCPU101は、第1始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合(ステップS3114におけるNO)、ステップS3115の処理に移り、第1始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合(ステップS3114におけるYES)、ステップS3120の処理に移る。
ステップS3115において、メインCPU101は、第1始動口入賞の保留個数に対応する第1始動記憶数の値を「1」減算する。この第2実施形態において、メインCPU101は、メインRAM103に設けられた第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、変動表示中又は保留中の第1特別図柄の変動表示に対応する特別図柄ゲームの始動記憶があるか否かを判別する。第1特別図柄始動記憶領域(0)には、変動表示中の第1特別図柄の変動表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。そして、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第1特別図柄の変動表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。なお、各第1特別図柄始動記憶領域の始動記憶情報には、例えば、第1始動口420の入賞時に抽出した大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値、決定された変動パターン等を示すデータが含まれる。
次に、ステップS3116において、メインCPU101は、第1始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第1特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)にシフトする。このときまた、メインCPU101は、サブ制御回路200に対して保留減算コマンドを送信する。その後、メインCPU101は、ステップS3117の処理に移る。
ステップS3117において、メインCPU101は、制御状態フラグに特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)をセットする処理を行う。このときまた、メインCPU101は、サブ制御回路200に対して特別図柄演出開始コマンドを送信する。
ステップS3118において、メインCPU101は、大当り判定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、始動口入賞時に抽出され、かつ、第1特別図柄始動記憶領域(0)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた大当り判定用乱数値に基づき、入賞始動口の種別に対応する大当り判定テーブル(図示せず)を参照して、判定値データを取得する。そして、メインCPU101は、取得した判定値データに基づいて、「大当り」であるか「ハズレ」であるかを判定(大当り判定)する。
次に、ステップS3119において、メインCPU101は、ステップS3078またはステップS3088(いずれも図188参照)の変動パターン決定処理で決定された特別図柄の変動パターンに対応する変動表示時間を待ち時間タイマにセットする。この処理を終了すると、メインCPU101は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
また、ステップS3120において、メインCPU101は、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。この処理において、メインCPU101は、サブ制御回路200に対してデモ表示コマンドを送信する。この処理を終了すると、メインCPU101は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
また、ステップS3121において、メインCPU101は、第2始動口入賞の保留個数に対応する第2始動記憶数の値を「1」減算する。この第2実施形態において、メインCPU101は、メインRAM103に設けられた第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、変動表示中又は保留中の第2特別図柄の変動表示に対応する特別図柄ゲームの始動記憶があるか否かを判別する。第2特別図柄始動記憶領域(0)には、変動表示中の第2特別図柄の変動表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。そして、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第2特別図柄の変動表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。なお、各第2特別図柄始動記憶領域の始動記憶情報には、例えば、第2始動口440の入賞時に抽出した大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値、決定された変動パターン等を示すデータが含まれる。
次に、メインCPU101は、第2始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う(ステップS3122)。この処理において、メインCPU101は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第2特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)にシフトする。このときまた、メインCPU101は、サブ制御回路200に対して保留減算コマンドを送信する。その後、メインCPU101は、ステップS3117の処理に移り、ステップS3118およびステップS3119の処理を実行したのち、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
[特別図柄表示時間管理処理]
図193は、メインCPU101による特別図柄表示時間管理処理を示すフローチャートである。特別図柄表示時間管理処理は、先述した特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であるか否かを判別する(ステップS3131)。制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)でないと判別した場合(ステップS3131におけるNO)、メインCPU101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。一方、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であると判別した場合(ステップS3131におけるYES)、メインCPU101は、ステップS3132の処理に移る。
ステップS3132において、メインCPU101は、待ち時間タイマの値(待ち時間)が「0」であるか否かを判別する。この処理において、メインCPU101は、待ち時間タイマにセットされた変動表示確定後の待ち時間(変動表示開始待ち時間)が消化されたか否かを判別する。待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(ステップS3132におけるNO)、メインCPU101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。一方、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(ステップS3132におけるYES)、メインCPU101は、ステップS3133の処理に移る。
ステップS3133において、メインCPU101は、特別図柄ゲームが「大当り」であるか否かを判別する。特別図柄ゲームが「大当り」であると判別した場合(ステップS3133におけるYES)、メインCPU101は、ステップS3134の処理に移る。一方、特別図柄ゲームが「大当り」でないと判別した場合(ステップS3133におけるNO)、メインCPU101は、ステップS3140の処理に移る。
ステップS3134において、メインCPU101は、大当りを示す大当りフラグをセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、ステップS3135の処理に移る。
ステップS3135において、メインCPU101は、時短回数カウンタ、並びに時短フラグ及び確変フラグをクリアする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、ステップS3136の処理に移る。
ステップS3136において、メインCPU101は、制御状態フラグに大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)をセットする処理を行う。
次に、メインCPU101は、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に対応する大当り開始インターバル時間(例えば、5000ms)を待ち時間タイマにセットする処理を行う(ステップS3137)。
次に、メインCPU101は、特別図柄に対応する大当り開始コマンドをメインRAM103にセットする処理を行う(ステップS3138)。これにより、サブ制御回路200には、大当り開始コマンドが送信される。
次に、メインCPU101は、大当り種類決定テーブル(図169、図173または図174参照)を参照し、特別図柄(図柄指定コマンドの種別)に対応するラウンド数上限値(大入賞口開放回数上限値)をメインRAM103にセットし、ラウンド数表示LEDパターンフラグをセットする(ステップS3139)。なお、ラウンド数表示LEDパターンフラグは、残りラウンド数を所定パターンで表示するか否かを示すフラグである。この処理を終了すると、メインCPU101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。
ステップS3140において、メインCPU101は、時短回数減算処理を行う。この時短回数減算処理については、図194を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)をセットする処理を行う(ステップS3141)。この処理を終了すると、メインCPU101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。
[時短回数減算処理]
図194は、メインCPU101による時短回数減算処理を示すフローチャートである。時短回数減算処理は、先述した特別図柄表示時間管理処理あるいは後述の大当り終了インターバル処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU101は、時短回数カウンタの値が0であるか否かを判別する(ステップS3151)。時短回数カウンタは、セットされた時短回数が0になるまで計数する減算カウンタである。時短回数カウンタの値が0である場合(ステップS3151におけるYES)、メインCPU101は、ステップS3154の処理に移る。時短回数カウンタの値が0でない場合(ステップS3151におけるNO)、メインCPU101は、時短回数減算処理を終了する。なお、詳細は後述するが、この第2実施形態において時短回数カウンタとしてセットされる回数は100回または10000回である。
ステップS3152において、メインCPU101は、時短回数カウンタの値を1減算する処理を行う。
次に、メインCPU101は、再び時短回数カウンタの値が0であるか否かを判別する(ステップS3153)。時短回数カウンタの値が0である場合(ステップS3153におけるYES)、メインCPU101は、ステップS3154の処理に移る。時短回数カウンタの値が0でない場合(ステップS3153におけるNO)、メインCPU101は、時短回数減算処理を終了する。
ステップS3154において、メインCPU101は、時短フラグとして「0」をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、時短回数減算処理を終了する。
[大当り終了インターバル処理]
図195は、メインCPU101による大当り終了インターバル処理を示すフローチャートである。大当り終了インターバル処理は、先述した特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU101は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であるか否かを判別する(ステップS3161)。制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)でないと判別した場合(ステップS3161におけるNO)、メインCPU101は、大当り終了インターバル処理を終了する。一方、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であると判別した場合(ステップS3161におけるYES)、メインCPU101は、ステップS3162の処理に移る。
ステップS3162において、メインCPU101は、待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する。この処理において、メインCPU101は、待ち時間タイマにセットされた大当り終了インターバル時間が消化されたか否かを判別する。待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(ステップS3162におけるNO)、メインCPU101は、大当り終了インターバル処理を終了する。一方、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(ステップS3162におけるYES)、メインCPU101は、ステップS3163の処理に移る。
ステップS3163において、メインCPU101は、大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグをクリアする。大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグは、大当り時のラウンド数をLEDの発光パターンによって表示するか否かを示す管理フラグとして用いられる。
次に、メインCPU101は、ラウンド数振り分けフラグをクリアする(ステップS3164)。このラウンド数振り分けフラグは、メインRAM103に格納される管理フラグの一つであり、1ラウンド中にあっても予め決められた回数だけ大入賞口540を周期的に開閉させるか否かを示すためのフラグである。1ラウンド中でも大入賞口540を周期的に開閉させる場合は、ラウンド数振り分けフラグが「1」となる。このときまた、メインCPU101は、サブ制御回路200に対して特別図柄大当り終了表示コマンドを送信する。
次に、メインCPU101は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)をセットする処理を行う(ステップS3165)。
次に、メインCPU101は、特別図柄ゲームが「大当り」であるか否かを判別する(ステップS3166)。特別図柄ゲームが「大当り」であると判別した場合(ステップS3166におけるYES)、メインCPU101は、ステップS3167の処理に移る。一方、特別図柄ゲームが「大当り」でないと判別した場合(ステップS3166におけるNO)、メインCPU101は、ステップS3174の処理に移る。
ステップS3167において、メインCPU101は、メインRAM34の所定領域に大当りフラグをONに設定する処理を行う。
次に、メインCPU101は、確変大当りか否かを判別する(ステップS3168)。確変大当りである場合(ステップS3168におけるYES)、メインCPU101は、ステップS3169の処理に移る。確変大当りでない場合(ステップS3168におけるNO)、メインCPU101は、ステップS3171の処理に移る。
ステップS3169において、メインCPU101は、確変フラグとして「1」をセットする処理を行う。
次に、メインCPU101は、時短フラグとして「1」をセットする処理を行う(ステップS3171)。
次に、メインCPU101は、時短回数カウンタに規定の時短回数をセットする処理を行う(ステップS3172)。この第2実施形態では、大当り種類決定テーブル(図169、図173または図174)を参照して、時短回数100回の大当り(例えば、特図1−1、特図1−3、特図2−1など)であるときには時短回数カウンタに100回をセットし、次回の大当り遊技状態が実行されるまで時短が継続する大当り(例えば、特図1−2、特図1−8、特図2−2など)であるときには時短回数カウンタに10000回をセットする。ただし、次回の大当り遊技状態が実行されるまで時短が継続する大当りであるときにセットされる時短回数カウンタは10000回に限定されるものではなく、ホールの開店から閉店まで遊技を継続したとしても現実的に起こりえない回数であれば良い。このように、ホールの開店から閉店まで遊技を継続したとしても現実的に起こりえない回数を時短回数カウンタにセットすることで、実質的に、次回の大当り遊技状態が実行されるまで時短が継続することとなる。さらには、時短回数100回の大当りであるときにはカウンタ処理を行い(時短回数カウンタに100回をセットし)、次回の大当り遊技状態が実行されるまで時短が継続する大当りであるときにはフラグ処理を行う(時短フラグがONである限り時短遊技状態を継続する)ようにしても良い。
次に、メインCPU101は、変動パターンテーブル設定処理を実行する(ステップS3173)。変動パターンテーブル設定処理については、図196を参照して後述する。この処理を終了すると、メインCPU101は、大当り終了インターバル処理を終了する。
ステップS3174において、メインCPU101は、大当りフラグをクリアする処理、すなわち、メインRAM34の所定領域にON設定されている大当りフラグをOFFに設定する処理を行う。
ステップS3175において、メインCPU101は、上述の時短回数減算処理を実行する(ステップS3175)。この処理を終了すると、メインCPU101は、大当り終了インターバル処理を終了する。
[変動パターンテーブル設定処理]
図196は、メインCPU101による変動パターンテーブル設定処理を示すフローチャートである。変動パターンテーブル設定処理は、先述した電源投入時処理あるいは大当り終了インターバル処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU101は、電源投入時であるか否かを判別する(ステップS3181)。電源投入時である場合(ステップS3181におけるYES)、メインCPU101は、ステップS3182の処理に移る。電源投入時でない場合(ステップS3181におけるNO)、メインCPU101は、ステップS3183の処理に移る。
ステップS3182において、メインCPU101は、図170(または図172)に示される特別図柄の変動時間決定テーブルを参照する際のテーブルパターンとして、テーブルパターン1をセットする処理を行う。テーブルパターン1は、図170(または図172)に示される特別図柄の変動時間決定テーブルのうち、確変フラグおよび時短フラグのいずれもがONの場合(大当りおよびハズレの両方)のテーブルパターンが相当する。
次に、メインCPU101は、時短フラグがONであるか否かを判別する(ステップS3183)。時短フラグがONである場合(ステップS3183におけるYES)、メインCPU101は、ステップS3184の処理に移る。時短フラグがOFFである場合(ステップS3183におけるNO)、メインCPU101は、ステップS3185の処理に移る。
ステップS3184において、メインCPU101は、図170(または図172)に示される特別図柄の変動時間決定テーブルを参照する際のテーブルパターンとして、テーブルパターン2をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、変動パターンテーブル設定処理を終了する。テーブルパターン2は、図170(または図172)に示される特別図柄の変動時間決定テーブルのうち、時短フラグがOFFの場合(大当りおよびハズレの両方)のテーブルパターンが相当する。
ステップS3185において、メインCPU101は、図170(または図172)に示される特別図柄の変動時間決定テーブルを参照する際のテーブルパターンとして、テーブルパターン3をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、変動パターンテーブル設定処理を終了する。テーブルパターン3は、図170(または図172)に示される特別図柄の変動時間決定テーブルのうち、時短フラグがONの場合(大当りおよびハズレの両方)のテーブルパターンが相当する。
[普通図柄制御処理]
図197は、メインCPU101による普通図柄制御処理を示すフローチャートである。普通図柄制御処理は、先述した主制御メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。なお、図197に示すフローチャート中の各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「00」〜「04」)は、普通図柄制御状態フラグを示し、この普通図柄制御状態フラグは、メインRAM103内の所定の記憶領域に格納される。メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグの数値に対応する各処理を実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。
図197に示すように、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグをロードする処理を行う(ステップS3191)。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された普通図柄制御状態フラグを読み出す。メインCPU101は、読み出した普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、後述のステップS3192〜S196の各種の処理を実行するか否かを判定する。この普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS3162〜S166のいずれかの処理を実行可能にするものである。また、メインCPU101は、ステップS3162〜S166の各処理に対して設定された待ち時間などに応じて決定される所定のタイミングで各処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各処理を実行せずに他のサブルーチン処理を実行する。もちろん、所定の周期で先述のシステムタイマ割込処理(図186参照)も実行する。
次に、メインCPU101は、普通図柄記憶チェック処理を行う(ステップS3192)。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、普通図柄の変動表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でないときには、大当り判定等の処理を行う。また、この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄変動時間監視処理(ステップS3193)を示す値(「01」)をセットし、今回の処理で決定された変動時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、ステップS3192の処理により、決定された普通図柄の変動時間が経過した後、後述の普通図柄変動時間監視処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、普通図柄変動時間監視処理を行う(ステップS3193)。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間監視処理を示す値(「01」)であり、普通図柄の変動時間が経過した場合に、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄表示時間監視処理(ステップS3194)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間(例えば0.5秒)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、ステップS3193の処理により、セットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の普通図柄表示時間監視処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、普通図柄表示時間監視処理を行う(ステップS3194)。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視処理を示す値(「02」)であり、ステップS3193の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、大当り判定の結果が「大当り」であるか否かを判別する。そして、大当り判定の結果が「大当り」である場合、メインCPU101は、普通電動役物開放設定処理を行い、普通図柄制御状態フラグに後述の普通電動役物開放処理(ステップS3195)を示す値(「03」)をセットする。すなわち、この処理により、後述の普通電動役物開放処理が実行されるように設定される。一方、大当り判定の結果が「大当り」でない場合、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄ゲーム終了処理(ステップS3195)を示す値(「04」)をセットする。すなわち、この場合には、後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、ステップS3194において大当り判定の結果が「大当り」であると判定された場合、普通電動役物開放処理を行う(ステップS3195)。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通電動役物開放処理を示す値(「03」)である場合に、普通電動役物460の開放中において所定数の入賞があったという条件、及び、普通電動役物460の開放上限時間を経過した(普通電役開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされたか否かを判別する。上記一方の条件が満たされた場合、メインCPU101は、普通電動役物460の羽根部材4620(例えば、図5を参照)を閉鎖状態にするため、メインRAM103に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄ゲーム終了処理(ステップS3196)を示す値(「04」)をセットする。すなわち、この処理により、後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、普通図柄ゲーム終了処理を行う(ステップS3196)。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了処理を示す値(「04」)である場合に、普通図柄の変動表示の保留個数を示すデータを「1」減少させるように記憶更新する。また、メインCPU101は、次回の普通図柄の変動表示を行うために、普通図柄記憶領域の更新を行う。さらに、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグに普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)をセットする。すなわち、ステップS3196の処理後、上述した普通図柄記憶チェック処理(ステップS3192)が実行されるように設定される。この処理を終了すると、メインCPU101は、普通図柄制御処理を終了する。
[サブ制御回路メイン処理]
一方、サブCPU201は、サブ制御回路メイン処理を実行することとなる。このサブ制御回路メイン処理について図198を用いて説明する。図198は、サブCPU201によるメイン処理の一例を示すフローチャートである。なお、このサブ制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
図198に示すように、サブCPU201は、RAMアクセス許可、作業領域の初期化、ハードウェア初期化、デバイス初期化、アプリケーション初期化、バックアップ復帰初期化等といった初期化処理を行う(ステップS3201)。
次に、サブCPU201は、ウォッチドッグタイマのカウンタ値をクリアする処理を行う(ステップS3202)。ウォッチドッグタイマは、起動時にリセット時間(例えば2000ms)が設定され、サービスパルスの書き込みが行われなかった場合(タイムアウト時)に電断処理が実行されることとなる。
次に、サブCPU201は、操作手段入力処理を実行する(ステップS3203)。
次に、サブCPU201は、コマンド解析処理を実行する(ステップS3204)。コマンド解析処理については、図199を参照して後述する。
次に、サブCPU201は、演出態様決定処理を実行する(ステップS3205)。演出態様決定処理は、主制御回路100から送信された各種コマンドに基づいて、液晶表示装置16に表示される演出態様を決定する処理である。
上記の演出態様決定処理(ステップS3205)で決定される演出態様には、セットされている設定値を示唆する設定示唆演出も含まれる。この設定示唆演出について、第1の例および第2の例を挙げて説明する。
(第1の例)
設定示唆演出の第1の例は、第1始動口420(例えば図5参照)への遊技球の入賞が保留上限を超えて行われたことを条件に行われる。例えば、サブCPU201は、第1始動入賞口オーバーフローポイントをカウントしており、第1始動口入賞の保留個数オーバーフローコマンドが主制御回路100から送信されると、第1始動入賞口オーバーフローポイントに1加算する。そして、この第1始動入賞口オーバーフローポイントが所定のポイント(例えば50ポイント)に達すると、メインCPU101は、上記の演出態様決定処理において、設定示唆演出を実行する旨を決定する。通常遊技状態等の時短フラグがOFFの非時短遊技状態では、第1始動口420への遊技球の入賞が容易でないため、第1始動入賞口オーバーフローが発生すると、遊技者の落胆ははかりしれない。そこで、非時短遊技状態において第1始動入賞口オーバーフローが発生したことを条件に設定示唆演出を行うようにすることで、ホールに直接的な損失を与えることなく遊技者の落胆を抑制することが可能となる。また、遊技者のなかには、第1始動口420への遊技球の入賞が保留上限であると、遊技球の発射を中断する遊技者もいる。この点、第1始動口420の遊技球の入賞が保留上限を超えたことを条件に設定示唆演出を行うようにすることで、遊技を促進させることも可能となる。
なお、上記設定示唆演出の第1の例では、第1始動入賞口オーバーフローポイントが所定のポイントに達したときに設定示唆演出を行っているが、必ずしもこれに限られず、第1始動口入賞の保留個数オーバーフローコマンドが主制御回路100から送信されたことをもって設定示唆演出を行うようにしても良い。この場合、設定示唆演出の実行頻度が高くなるため、例えば、設定示唆演出が1回行われただけでは設定を推測することが困難な演出であることが好ましい。例えば、1回の設定示唆演出から得られる情報だけでは設定を推測することが困難であるが、複数回の設定示唆演出から得られる複数の情報を集めることで設定を推測することが可能となるようにすることが考えられる。
また、上述したとおり、第1始動口入賞の保留個数オーバーフローコマンドがサブ制御回路200に送信されるのは、ステップS3072の設定チェック処理において設定値データが正常であると判別されることが前提である。そのため、設定チェック処理において設定値データが正常であると判別されなかったときには、たとえ、第1始動口420(例えば図5参照)への遊技球の入賞が保留上限を超えて行われたとしても、サブCPU201は、第1始動入賞口オーバーフローポイントへの加算を行わない。したがって、第1始動口420(例えば図5参照)への遊技球の入賞が保留上限を超えて行われると第1始動入賞口オーバーフローポイントが所定のポイントに達するような状況下(例えば所定のポイント50ポイントに対して49ポイントであるとき)において、第1始動口420(例えば図5参照)への遊技球の入賞が保留上限を超えて行われたときにステップS3072の設定チェック処理(図188参照)において正常でないと判別されると、サブCPU201による設定示唆演出が行われることなく、メインCPU101は、遊技許可フラグをOFFにし(後述するステップS3722)、遊技を進行させることが不可能となる。
また、上記設定示唆演出の第1の例では、第2始動口440(例えば図5参照)への遊技球の入賞が保留上限を超えて行われたとしても設定示唆演出が行われないが(図188参照)、第2始動口440への遊技球の入賞が保留上限を超えたことを条件に、第1始動口420への遊技球の入賞が保留上限を超えたときと同様に、設定示唆演出を行うようにしても良い。
(第2の例)
設定示唆演出の第2の例は、リーチ演出の実行中に、特定の入賞口に遊技球が入賞したときに行われる。例えば、サブCPU201は、リーチ演出の開始時に、第1始動口420、第2始動口440および各一般入賞口53・54・55(いずれも例えば図5参照)のうち特定の入賞口を、例えば抽選によりランダムに決定する。そして、リーチ演出の実行中に、上記決定された特定の入賞口への遊技球の入賞コマンドが主制御回路100から送信されると、設定示唆演出を実行する旨を決定する。例えば、遊技者のなかには、変動時間が長いリーチ演出が実行されると、遊技球の発射を中断する遊技者がいる。そこで、リーチ演出の実行中に、特定の入賞口への遊技球の入賞検出に基づいて設定示唆演出を実行することで、リーチ演出中であっても遊技球の発射を促すことが可能となる。また、リーチ演出には、リーチ演出が開始された時点で期待度が低いことがただちに分かる場合もある。このような場合、遊技者にとっては、リーチ演出が終了するまで次に変動表示が開始されず、興趣が低下する虞がある。この点、リーチ演出の実行中に、特定の入賞口への遊技球の入賞検出に基づいて設定示唆演出を実行することで、興趣の低下を抑制することが可能となる。しかも、設定値を遊技機管理責任者が設定できるようになると、遊技者は、自らが遊技を行うパチンコ遊技機の設定値が低いのではないかと疑心暗鬼になるおそれがあるが、この第2の例によれば、そのようなおそれを軽減することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、上記特定の入賞口を、第1始動口420、第2始動口440および各一般入賞口53・54・55(いずれも例えば図5参照)のなかから例えば抽選によりランダムに決定した場合、いずれが特定の入賞口であるかを開示せずに秘匿にすることが好ましい。これにより、遊技者は、いずれの入賞口を狙えばいいかといった点に面白みが生まれる。
また、上記設定示唆演出の第2の例では、上記特定の入賞口を、第1始動口420、第2始動口440および各一般入賞口53・54・55(いずれも例えば図5参照)のなかから例えば抽選によりランダムに決定するようにしているが、必ずしも特定の入賞口をランダムに決定することに限られず、固定の入賞口を特定の入賞口としても良い。
また、上記設定示唆演出の第1の例および第2の例では、いずれも、サブCPU201が設定示唆演出を実行する旨を決定しているが、メインCPU101が決定するようにしても良い。
なお、リーチ演出の実行中に、特定の入賞口に遊技球が入賞した場合、当該特定の入賞口が始動口であればステップS3072またはステップS3082(いずれも図188参照)の設定チェック処理が行われる。そしてこの場合の設定示唆演出は、上記の設定チェック処理で正常であると判別されたとき(ステップS3721におけるYES)に限り行われる。メインCPU101は、上記の設定チェック処理で正常でないと判別したとき(ステップS3721におけるNO)は、設定示唆演出を行わないのみならず、ステップS734の処理によって変動表示中の特別図柄についても停止を禁止する。また、サブCPU201についても、リーチ演出を伴う装飾図柄の変動演出中であったとしても、当該装飾図柄の変動演出を継続する。ただし、サブCPU201は、音声制御回路205による音演出の出力を停止しても良いし、出力される音量を小さくしても良い。
次に、サブCPU201は、コマンド送信処理を実行する(ステップS3206)。コマンド送信処理については、図200を参照して後述する。
次に、表示制御回路204は、描画制御処理を実行する(ステップS3207)。この処理において、表示制御回路204は、サブCPU201から送信されたメッセージ(演出指定情報)に基づいて液晶表示装置16に画像を表示させるための描画制御を行う。
次に、音声制御回路205は、音声制御処理を実行する(ステップS3208)。この処理において、音声制御回路205は、サブCPU201から送信されたメッセージ(演出指定情報)に基づいてスピーカ24に音声を出力させるための音声制御を行う。
次に、LED制御回路206は、LED25の発光態様についての制御処理を実行する(ステップS3209)。この処理において、LED制御回路206は、サブCPU201から送信されたメッセージ(演出指定情報)に基づいてLED25を点灯あるいは点滅させるための発光制御を行う。
次に、役物制御回路207は、役物制御処理を実行する(ステップS3210)。この処理において、役物制御回路207は、サブCPU201から送信されたメッセージ(演出指定情報)に基づいて可動役物ユニットを作動させる演出用駆動モータを動作させるための駆動制御を行う。このようなサブ制御回路メイン処理においては、ステップS3201の初期化処理が終了した後、ステップS3202〜S210の各処理が繰り返し実行される。
[コマンド解析処理]
図199は、サブCPU201によるコマンド解析処理を示すフローチャートである。コマンド解析処理は、先述したサブ制御回路メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、主制御回路100(メインCPU101)から受信後、ワークRAM203の受信バッファに格納されたコマンドを解析する処理を行う(ステップS3241)。
次に、サブCPU201は、受信したコマンドに対して整合性チェックを行う(ステップS3242)。整合性チェックは、コマンド受信に際して目的とするデータが存在し、そのデータに誤りや欠けが無いことを検証するために行われる。
次に、サブCPU201は、サブ抽選処理を行う(ステップS3243)。この処理において、サブCPU201は、受信したコマンドが変動パターン指定コマンドである場合に、当該変動パターン指定コマンドに基づいて抽選により演出パターンを選択する。この処理を終了すると、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了する。なお、サブ抽選処理においては、演出パターンを含む演出に係る全ての事項について抽選で選択するようにしてもよいし、演出パターンとして演出の種類(セリフ予告の有無やSU予告の有無等)のみを抽選で選択し、当該演出において実行される演出内容(エフェクトの種類やカットインの種類等)は、別途サブルーチン化された他の処理で演出情報として選択されるようにしてもよい。この第2実施形態では、サブ抽選処理において演出の種類を示す演出パターンが選択され、その後、当該演出パターンに基づいて実行される演出内容が演出情報として後述の演出態様決定処理により選択されるようになっている。
ところで、第2実施形態に係るパチンコ遊技機では、遊技の実行中、ステップS3072およびステップS3082(図188参照)において設定チェック処理を行い、この設定チェック処理において、設定値データが「0」〜「5」の範囲内でなければ(図189のステップS3721におけるNO)、ステップS3722〜ステップS3726の処理を実行した上で、ステップS3727の異常時処理を実行している。ただし、例えば、主制御基板30が不正に取り替えられたりした場合には、ステップS3072またはステップS3082の設定チェック処理が実行されない可能性が高い。また、不正信号が入力されてセットされている設定値が変更されるような場合には、設定値データが「0」〜「5」の範囲内である可能性がある。そこで、第2実施形態に係るパチンコ遊技機では、ステップS3072またはステップS3082において設定チェック処理が実行されない場合や、設定値が不正に変更された可能性があるにもかかわらず設定値データが「0」〜「5」の範囲内である場合(例えば、ステップS3721においてYESと判別される場合)を想定し、サブCPU201により設定値情報の適否を判定する設定判定処理を実行するようにしている。この設定判定処理について、図示せずに以下に説明する。
先ず、メインCPU101は、特定のタイミング(例えば、第1始動口420・第2始動口440への遊技球の入賞時、特別図柄の変動表示が保留されているとき、特別図柄の変動表示が開始されるときなど)で、メインRAM103に記憶されている設定値情報を示すコマンドを送信する。そして、このコマンドを受信したサブCPU201は、今回受信したコマンドで示される設定値情報(以下「今回設定値」と称する)の適否判定を行う。この適否判定は、例えば、前回受信したコマンドで示される設定値情報(以下「前回設定値」と称する)と今回設定値とが一致しているか否かを判別する処理である。
そして、サブCPU201は、前回設定値と今回設定値とが一致していれば設定値が正常であると判定し、前回設定値と今回設定値とが一致していなければ設定値が異常であると判定する。
また、受信した設定値情報が異常であるとき、サブCPU201は、設定値異常時処理を実行する。この異常時実行処理は、例えば、液晶表示装置16の表示領域に、設定値が異常である旨を報知する画像を表示したり、これに代えてまたは加えて、設定値が異常である旨を報知する音声を出力する処理である。
なお、上述した設定値情報の適否判定は、前回設定値と今回設定値とが一致しているか否かの判定に限られず、例えば、3回以上にわたって受信した設定値情報の全てが一致しているか否かを判定するようにしてもよいし、複数回にわたって受信した設定値情報のうち一部(例えば、前々回受信したコマンドで示される設定値および今回設定値)の設定値情報が一致しているか否かを判定するようにしてもよい。ただし、設定変更処理(図179のステップS3024参照)が実行された旨を示すコマンド(例えば、設定変更開始コマンドや初期化コマンド)をサブCPU201が受信したときには、今回設定値をワークRAM203に記憶するだけで、前回設定値を含む過去の設定値と今回設定値とが一致しているか否かの判定は行わない。
また、上述の設定判定処理(設定値情報の適否判定)は、遊技の実行中に限らず、電断後に電源投入された場合であっても、設定変更処理が実行されない限り実行することが好ましい。電断後に電源投入された場合に実行される設定判定処理については、図213を参照して後述する。
上述のサブCPU201により実行される設定判定処理は、コマンド解析処理(ステップS3204)において実行してもよいし、コマンド解析処理のサブルーチンを抜けた後に実行してもよい。
[コマンド送信処理]
図200は、サブCPU201によるコマンド送信処理を示すフローチャートである。コマンド送信処理は、先述したサブ制御回路メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、各制御回路204〜207に対して制御用のコマンド(メッセージ)を送信する際、メッセージ設定処理を実行する(ステップS3251)。この処理において、サブCPU201は、演出態様決定処理で得られた演出情報に基づいてメッセージ(演出指定情報)を生成し、当該メッセージを一時的にワークRAM203のディレクトバッファに格納する処理を行う。このメッセージ設定処理については、図201を参照して後述する。
次に、サブCPU201は、ディレクトテーブル登録処理を実行する(ステップS3252)。この処理において、サブCPU201は、ディレクトバッファに格納されたメッセージと演出情報とに基づいて、これらに対応するディレクトテーブルをワークRAM203の所定領域にセットする処理を行う。このディレクトテーブル登録処理については、図202を参照して後述する。
次に、サブCPU201は、メッセージ送信処理を実行する(ステップS3253)。この処理において、サブCPU201は、ディレクトバッファに格納されたメッセージをディレクトテーブルに基づく所定のタイミングで読み出し、当該メッセージを所定の制御回路204〜207に送信する処理を行う。この処理を終了すると、サブCPU201は、コマンド送信処理を終了する。このメッセージ送信処理については、図203を参照して後述する。
[メッセージ設定処理]
図201は、サブCPU201によるメッセージ設定処理を示すフローチャートである。メッセージ設定処理は、先述したコマンド送信処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、演出情報に基づいて送信するデバイス(制御回路204〜207)の設定を行う(ステップS3261)。
次に、サブCPU201は、システム動作の有無を設定する処理を行う(ステップS3262)。
次に、サブCPU201は、ステージ情報や各演出情報の設定を行う(ステップS3263)。
次に、サブCPU201は、予告パターンの設定を行う(ステップS3264)。これにより、ディレクトバッファには、送信先となるデバイス(制御回路204〜207)や、システム動作の有無、ステージ情報や各演出情報、予告パターンを示すメッセージが格納される。この処理を終了すると、サブCPU201は、メッセージ設定処理を終了する。
[ディレクトテーブル登録処理]
図202は、サブCPU201によるディレクトテーブル登録処理を示すフローチャートである。ディレクトテーブル登録処理は、先述したコマンド送信処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、シングルテーブルを登録する処理を行う(ステップS3271)。
次に、サブCPU201は、演出態様決定処理で決定された演出情報に基づいてマスターテーブルを登録する処理を行う(ステップS3272)。
次に、サブCPU201は、マスターテーブルで使用するスレーブテーブルを登録する処理を行う(ステップS3273)。
次に、サブCPU201は、ディレクトバッファにセットされたメッセージに対応するディレクトテーブルをスレーブテーブルとして登録する処理を行う(ステップS3274)。この処理を終了すると、サブCPU201は、ディレクトテーブル登録処理を終了する。
[メッセージ送信処理]
図203は、サブCPU201によるメッセージ送信処理を示すフローチャートである。メッセージ送信処理は、先述したコマンド送信処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、ディレクトテーブルに対応するディレクトバッファにメッセージが登録されていれば、当該メッセージに設定された「送信先デバイス」に従い各デバイス(制御回路204〜207)にメッセージを送信する処理を行う(ステップS3281)。
次に、サブCPU201は、メッセージの送信完了後、不要なディレクトテーブルを破棄する処理を行う(ステップS3282)。この処理を終了すると、サブCPU201は、メッセージ送信処理を終了する。
[第2実施形態に係る遊技機の拡張性]
上述したとおり、第2実施形態に係るパチンコ遊技機では、セットされている設定値に応じて、大当り確率、リーチ確率、特別図柄の変動時間、メイン図柄の選択率(ラウンド数、確変突入率、時短突入率)を変えるようにしたが、必ずしも、設定値に応じてこれらの全部を変える必要はなく、設定値に応じてこれらのうち1つだけ変えても良いし複数を変えても良い。
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機では、普通図柄表示部71において、停止表示された普通図柄が所定の態様(「普通当り」の態様)である場合には、普通電動役物46が所定の期間だけ閉鎖状態から開放状態になる。そこで、普通電動役物46が閉鎖状態から開放状態となるタイミングや開放状態から閉鎖状態となるタイミング(すなわち遊技球の発射タイミング)を遊技者に報知するようにしても良い。この場合、遊技球の発射タイミングの報知を行う頻度を、設定値に応じて変える(高設定値ほど発射タイミングの報知頻度を高める)ようにしても良い。
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機では、バックアップクリア処理(例えばステップS3039)を行うと、メインRAM103の作業領域のうちの一般作業領域に記憶されているデータがクリアされる。このバックアップクリア処理は、設定変更処理(ステップS3024)を実行したときにも必ず行われるため、バックアップクリア処理を行うと、必ず、メインRAM103の作業領域のうちの一般作業領域に記憶されているデータがクリアされる。ただし、これに代えて、設定変更処理を実行したときに行われるバックアップクリア処理と、設定変更処理を実行せずに行われるバックアップクリア処理とで、データがクリアされるメインRAM103のクリアアドレス範囲を異ならせるようにしても良い。例えば、大当り遊技状態が終了したのち、所定数のゲームが実行されるまで(特別図柄が所定回数変動表示されるまで)は高確率遊技状態とし、所定数のゲームの実行が終了したのちは低確率遊技状態に移行するパチンコ遊技機(所謂「ST機」と呼ばれるパチンコ遊技機)において、高確率遊技状態に制御されているとき(所定数のゲームの実行が終了する前)に、設定変更処理を伴わずにバックアップクリア処理が行われたときには確変フラグをOFF設定し、設定変更処理の実行にともなってバックアップクリア処理が行われたときには確変フラグのON設定を継続する(高確率遊技状態の残りゲーム数の記憶を保持する)ようにしても良い。さらには、設定変更処理の実行にともなってバックアップクリア処理が行われたときには、前回と同じ設定値にセットされたときは確変フラグのON設定を継続し、前回と異なる設定値にセットされたときは確変フラグをOFF設定するようにしても良い。
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機では、大当り遊技状態における各ラウンドゲームにおいて、大入賞口540は、当該大入賞口540に入賞した遊技球のカウントが10球に達したときと、開放状態の時間が30secに達したときとのうちいずれか一方の条件を満たすと、閉鎖状態となる。そこで、大当り遊技状態における各ラウンドゲームにおいて、大入賞口540が開放状態から閉鎖状態となる条件を、設定値に応じて変えるようにしても良い。例えば、大入賞口540が開放状態から閉鎖状態となる条件を複数用意し(例えば、1ラウンドの間に大入賞口540に遊技球を入賞させることができる遊技球数の期待値が異なる複数の条件を用意し)、設定値に応じてかかる条件を変えることで、高設定値ほど上記期待値が高い条件が選択されやすいようにしても良い。具体例としては、設定値に応じて、ラウンドゲームにおける大入賞口540の開放時間を抽選により決定することで、高設定値ほど大入賞口540の開放時間が長くなりやすいようにすることが考えられる。また、設定値に応じて、ラウンドゲームにおいて大入賞口540が開放状態から閉鎖状態となる遊技球のカウントを変えることで、高設定値ほど大入賞口540への遊技球数が多くなりやすいようにすることも考えられる。
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機では、停止表示された普通図柄が普通当りの態様である場合には、普通電動役物46が所定の期間だけ閉鎖状態から開放状態になるが、普通電動役物46が開放状態となる時間(開放時間)を、設定値に応じて異ならせることで、高設定値ほど、普通電動役物46の開放時間が長くなりやすいようにしても良い。
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機では、特図1−2や特図1−4のように確変フラグONとなる大当りであるとき、大当り遊技状態が終了したのち、次回の大当り遊技が実行されるまで高確率遊技状態が継続するが、必ずしもこれに限られず、特定のタイミング(例えば、第1始動口420・第2始動口440への遊技球の入賞時、特別図柄の変動表示が保留されているとき、特別図柄の変動表示が開始されるとき)で、高確率遊技状態から低確率遊技状態に移行させるか否かの移行抽選を、実行するようにしても良い。この場合、高確率遊技状態から低確率遊技状態への移行確率を設定値に応じて異ならることで、高設定値ほど高確率遊技状態の継続確率を高める(高確率遊技状態から低確率遊技状態への移行確率を低くする)ようにしても良い。なお、第2実施形態に係るパチンコ遊技機では、例えば第1始動口420・第2始動口440への遊技球の入賞時に設定チェック処理(ステップS3072、ステップS3082)を行っているが、この設定チェック処理で正常でないと判別されたとき(ステップS3721におけるNO)は、設定変更処理(ステップS3024)の実行によりバックアップクリア処理(ステップS32420)において上記移行抽選の結果もクリアされる(確変フラグもOFFに設定される)。
上記のとおり、この第2実施形態では、セットされている設定値に応じて、大当り確率、リーチ確率、特別図柄の変動時間、メイン図柄の選択率(ラウンド数、確変突入率、時短突入率)を変えるようにしたパチンコ遊技機について説明したが、設定差を設けることは上述の実施形態に限られず、一部構成を変更しても良い。以下に、一部構成を変更した他の拡張例について説明する。なお、以下の他の拡張例の説明において特に言及しない構成については、第2実施形態の構成と同様であるが、以下では、ステップ番号を除いて、例えばメインCPU等の各部材にあえて符号を付していない。
[拡張例1]
拡張例1のパチンコ遊技機は、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、所定の条件が成立すると、大当り遊技状態が終了したのち、次回の大当り遊技状態が開始されるまで高確率遊技状態が継続する所謂「確変ループ機」を例に挙げて説明する。この拡張例1では、大当り遊技状態と高確率遊技状態とが繰り返し実行される回数(以下「ループ回数」と称する)に上限を設け、ループ回数がこの上限に達すると、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を低確率遊技状態に制御するとともに、設定値に応じて、上記ループ回数の上限(以下「リミッタ回数」と称する)が異なりうるようにしている(このような遊技機は「リミッタ機」とも呼ばれる)。これについて、図204を参照して説明する。なお、図204は、拡張例1のパチンコ遊技機におけるリミッタ回数の選択率の一例を設定値毎に示すテーブルである。
拡張例1にかかるパチンコ遊技機のメインCPUは、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとループ回数をチェックするループ回数チェック手段と、ループ回数が0であるとリミッタ回数抽選を行うリミッタ回数抽選手段と、ループ回数が規定の範囲内(本例では1〜4の範囲内)であるとループ回数をインクリメントするループ回数カウント手段と、ループ回数が規定値(本例ではリミッタ上限の5)であると、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を低確率状態に制御する遊技状態制御手段と、ループ回数が規定値であるとループ回数をリセットするループ回数リセット手段とを備える。なお、リミッタ回数抽選は、大当り判定の結果が大当りであると判別したとき、大当り遊技状態の開始時、大当り遊技状態中、大当り遊技状態の終了時のどのタイミングで行っても良い。
図204に示すように、設定1では、リミッタ回数が、例えば、25%の確率で1回に決定され、30%の確率で2回に決定され、25%の確率で3回に決定され、15%の確率で4回に決定され、5%の確率で5回に決定される。設定2では、リミッタ回数が、例えば、25%の確率で1回に決定され、25%の確率で2回に決定され、25%の確率で3回に決定され、20%の確率で4回に決定され、5%の確率で5回に決定される。設定3では、リミッタ回数が、例えば、15%の確率で1回に決定され、25%の確率で2回に決定され、25%の確率で3回に決定され、20%の確率で4回に決定され、15%の確率で5回に決定される。設定4では、リミッタ回数が、例えば、15%の確率で1回に決定され、20%の確率で2回に決定され、25%の確率で3回に決定され、25%の確率で4回に決定され、15%の確率で5回に決定される。設定5では、リミッタ回数が、例えば、5%の確率で1回に決定され、20%の確率で2回に決定され、25%の確率で3回に決定され、25%の確率で4回に決定され、25%の確率で5回に決定される。設定6では、リミッタ回数が、例えば、5%の確率で1回に決定され、10%の確率で2回に決定され、25%の確率で3回に決定され、30%の確率で4回に決定され、25%の確率で5回に決定される。すなわち、高設定値になるほど、より大きなリミッタ回数に決定される期待度が高くなる。
このように、設定値に応じてリミッタ回数に対する期待度を異ならせて、高設定値ほど、大当り遊技状態と高確率遊技状態とがより多く繰り返されうるようにすることで、ワンチャンス(大当りに1回当選したときに低確率遊技状態に制御されるまでの機会)で遊技者に付与される賞球量を設定値に応じて異ならせることが可能となる。しかも、設定値に応じてリミッタ回数に対する期待値を異ならせてはいるものの、リミッタ回数を抽選により決定しているため、リミッタ回数によって設定値が遊技者に推測されてしまうといったことも防止可能となっている。
なお、上記拡張例1では、リミッタ回数を設置値に応じて抽選により決定しているが、必ずしも抽選は必須ではなく、例えば、設定値が遊技者に推測されてしまうといった懸念はあるものの、設定1・2では3回、設定3・4では4回、設定5・6では5回といったように、設定値に応じてリミッタ回数を一義的に決定するようにしても良い。
なお、上記のリミッタ回数は、第1特別図柄と第2特別図柄とのそれぞれに対して別に定めても良いし、第1特別図柄と第2特別図柄との両方に対してあわせて定めても良い。
例えば、上記のリミッタ回数を第1特別図柄と第2特別図柄とのそれぞれに対して別に定める場合、第1特別図柄の大当り判定の結果が大当りであれば第1特別図柄についての第1リミッタ回数を決定し、ループ中に第1特別図柄の大当り判定の結果に基づく大当り遊技状態に制御されると、第1特別図柄についてのループ回数をインクリメントする。ただし、上記ループ中に第2特別図柄の大当り判定の結果に基づく大当り遊技状態に制御されたときには、第1特別図柄についてのループ回数をインクリメントせずに、第2特別図柄についての第2リミッタ回数を決定する。この場合、第1リミッタ回数と第2リミッタ回数とのうちいずれかがリミッタ回数に達したときにループを終了(低確率遊技状態に制御)しても良いし、第1リミッタ回数と第2リミッタ回数との両方がリミッタ回数に達したときにループを終了するようにしても良い。
また、例えば、上記のリミッタ回数を第1特別図柄と第2特別図柄との両方に対してあわせて定める場合、第1特別図柄であるか第2特別図柄であるかを問わず大当り判定の結果が大当りであったときにリミッタ回数を決定し、ループ中に、第1特別図柄であるか第2特別図柄であるかを問わず大当り判定の結果に基づく大当り遊技状態に制御されると、ループ回数をインクリメントする。そして、このループ回数がリミッタ回数に達するとループを終了する。
さらに、上述した拡張例1のパチンコ遊技機は、所謂確変ループ機であるが、必ずしも確変ループ機である必要はなく、例えば、所謂「ST機」と呼ばれるパチンコ遊技機に上記の技術思想を適用することもできる。「ST機」とは、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を必ずまたは所定の抽選結果に基づいて高確率遊技状態に制御し、当該高確率遊技状態を所定回数(以下「ST回数」と称する)の特別図柄の変動表示が行われるまで継続し、上記所定回数の特別図柄の変動表示が行われると高確率遊技状態を終了して低確率遊技状態に制御するパチンコ遊技機である。このような「ST機」であっても、設定値に応じてリミッタ回数に対する期待度を異ならせることができる。すなわち、高設定値ほど、大当り遊技状態と高確率遊技状態とがより多く繰り返されうるようにすることで、ワンチャンス(大当りに1回当選したときに低確率遊技状態に制御されるまでの機会)で遊技者に付与される賞球量を設定値に応じて異ならせることが可能である。
なお、所謂「ST機」では、「ST回数」を予め定められた回数(例えば70回)に設定することが可能であるが、設定値に応じてST回数が異なりうるようにすることもできる。例えば、「ST機」のメインCPUは、ST回数を抽選により決定し、設定値に応じて決定されるST回数の期待値が異なるようにすることができる。具体例としては、抽選により決定されるST回数の期待値を、設定1で60回、設定2で63回、設定3で66回、設定4で69回、設定5で72回、設定6で75回とすることで、高設定値ほどST回数の期待値を高くすることができる。ただし、上記のST回数を抽選で決定することは必須ではなく、設定値に応じてST回数が一義的に決定されるようにしても良い。なお、設定値に応じてST回数が異なるようにしたときには、時短回数を全設定値で共通にすると好ましい。例えば、ST回数またはST回数の期待値が、設定1で60回、設定2で63回、設定3で66回、設定4で69回、設定5で72回、設定6で75回であるとき、全設定共通で時短回数を例えば60回にすることが考えられる。そして、サブCPUは、ST回数が一定ゲーム数(例えば60ゲーム)に達するまでは高確率遊技状態であることを把握できる演出を例えば液晶表示装置16で行い、ST回数が一定ゲーム数に達すると、高確率遊技状態であるか否かにかかわらず、高確率遊技状態であることを把握し難い演出を例えば液晶表示装置で行うことが好ましい。これにより、遊技者に設定値を察知されないようにしつつ、設定値に応じてST回数やST回数の期待値を異ならせることが可能となる。
また、拡張例1のパチンコ遊技機においても、例えば第1始動口・第2始動口への遊技球の入賞時等に設定チェック処理(ステップS3072、ステップS3082)が行われる。そして、この設定チェック処理で正常でないと判別されたとき(ステップS3721におけるNO)は、たとえループ中(すなわち、大当り遊技状態と高確率遊技状態とが繰り返し実行されているとき)であっても、ループ回数がリミッタ回数にいたることなく、設定変更処理(ステップS3024)の実行によりバックアップクリア処理(ステップS32420)において上記ループ回数もクリアされる(確変フラグもOFFに設定される)。
[拡張例2−1]
拡張例2のパチンコ遊技機は、特定口が設けられる特定領域を有している。この特定領域は、例えば役物によって遊技球の流下領域と区画形成されており、通常は特定領域内への遊技球の進入が困難(または不可能)とされている。また、特別図柄の大当り判定の結果として、大当りの他に小当りも用意されている。
具体的には、メインCPUは、設定値に応じて定められた大当り確率で特別図柄の大当り判定を行い、この大当り判定の結果がハズレであるときに小当りの当落判定を行う。そして、小当りの当落判定の結果が小当りであるときに小当り遊技を実行する。すなわち、上記大当りは条件装置の作動を伴う当りであるが、上記小当りは条件装置の作動を伴う当りではない。
また、この拡張例2において、例えば、時短フラグがOFFに設定される非時短遊技状態等の通常遊技状態では、第1始動口への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄ゲームと、第2始動口への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄ゲームとのうち、第1特別図柄ゲームが主として行われる。一方、時短フラグがONに設定される時短遊技状態等の例えば確変時短遊技状態では、第1特別図柄ゲームと第2特別図柄ゲームとのうち、第2特別図柄ゲームが主として行われる。また、第2特別図柄ゲームでは、大当り判定の結果がハズレであるときに、所定の確率で小当りに当選する。なお、第1特別図柄ゲームにおける大当り判定の結果がハズレであるとき、小当りの当落判定を行っても行わなくて良い。
また、メインCPUは、始動口への遊技球の進入(受け入れ)に基づいて行われる特別図柄についての大当り判定の結果が小当りであると、所定の可動片を作動させて特定領域を閉鎖態様から開放態様にする小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段と、小当り遊技の実行により開放態様となった特定領域に遊技球が入賞したことに基づいて、払出・発射制御回路を介して所定個数(例えば10球)の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを備える。
また、この拡張例2では、時短回数が例えば5回に設定されるとともに、特定領域内に特定口が設けられている。そして、例えば5回の時短遊技状態において普通当りとなって始動口に遊技球が入賞した結果、小当りになると、所定の可動片が作動し、特定領域が開放する。このとき、特定領域内に進入した遊技球がさらに特定口に進入したことが検出されると、メインCPUは、大当り遊技を実行する。また、5回の時短遊技状態において普通当りとならなかった場合には、メインCPUは時短遊技状態を終了し、非時短遊技状態に制御する。なお、時短遊技状態では、遊技領域の右側領域に向けて遊技球を発射させる右打ちで遊技が行われ、非時短遊技状態では、遊技領域の左側領域に向けて遊技球を発射させる左打ちで遊技が行われる。
このようなパチンコ遊技機にあって、この拡張例2では、少なくとも第2特別図柄ゲームにおける小当り確率を設定値に応じて異ならせることで、第2特別図柄ゲームが主として行われる例えば時短遊技状態において、特定領域の開放頻度ひいては出玉を設定値に応じて異ならせることが可能となる。
例えば、小当りの確率を、設定1で9分の1、設定2で8分の1、設定3で7分の1、設定4で6分の1、設定5で5分の1、設定6で4分の1とする。この場合、普通図柄の変動時間が高設定であるほど長かったり、普通電動役物の開放態様が高設定ほど始動口に遊技球が入賞し難い態様であったりしない限り、高設定値であるほど始動口に遊技球が入賞しやすくなる。その結果、高設定値であるほど特定領域への遊技球の入賞頻度が高くなり、ひいては、設定値に応じて出玉スピードに差を設けることが可能となる。
なお、この拡張例2では、時短遊技状態において、確変フラグをONに設定しても良いが、必ずしも確変フラグをONに設定する必要はない。
また、メインCPUにより特別図柄の変動表示が行われているときに第1始動口または第2始動口に遊技球が入賞すると、この場合も、ステップS3072またはステップS3082の設定チェック処理が実行される。メインCPUは、この設定チェック処理において正常でない(ステップS3721におけるNO)と判別すると、変動表示中の特別図柄についての大当り判定の結果がたとえ小当りであったとしても、遊技許可フラグをOFFにし、異常時処理を実行する。したがって、変動表示中の特別図柄についての大当り判定の結果が小当りであったとしても、設定チェック処理で正常でないと判別されたときには、メインCPUは、上記小当りに基づく小当り遊技を実行することなく、遊技許可フラグをOFFにし、異常時処理を実行する。したがって、変動表示中の特別図柄についての大当り判定の結果が小当りであった旨も含めて各種データがバックアップクリア処理においてクリアされない限り、遊技許可フラグがONに設定されないこととなる。
[拡張例2−2]
拡張例2−2のパチンコ遊技機は、第1始動口および第2始動口を備えている。メインCPUは、第1始動口への遊技球の入賞に基づいて第1特別図柄の大当り判定(以下、「第1特別抽選」と称する)を行い、第2始動口への遊技球の入賞に基づいて第2特別図柄の大当り判定(以下、「第2特別抽選」と称する)を行う。
また、メインCPUは、第1特別抽選と第2特別抽選とのうち、第1特別図柄の抽選(以下、「第1特別抽選」と称する)が主として行われる第1遊技状態(例えば、確変フラグおよび時短フラグの両方がOFFに設定される通常遊技状態)と、第2特別図柄の抽選(以下、「第2特別抽選」と称する)が主として行われる第2遊技状態(例えば、確変フラグがONに設定され且つ時短フラグがOFFに設定される有利遊技状態)とを含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段を備える。このパチンコ遊技機では、第1遊技状態において特定の図柄で大当りに当選すると、大当り遊技が終了したのち、第2遊技状態に制御される。
また、遊技領域の右側領域には普図ゲートが設けられており、普通ゲートに遊技球が通過すると普通抽選が行われる。この普通抽選の結果が特定の結果(例えば普通当り)であると、メインCPUは、所定の可動部材(例えば電動チューリップ)を開放し、これによって第2始動口への遊技球の入賞が容易化される。したがって、遊技領域の右側領域に向けて遊技球を発射させて遊技を行った場合には、遊技領域の左側領域に向けて遊技球を発射させて遊技を行った場合と比べて第2始動口への遊技球の入賞頻度が高められる。
メインCPUは、第1特別抽選において、設定値に応じて定められた大当り確率で第1特別図柄の大当り判定を行い、この大当り判定の結果が大当りであるときには、所定の大入賞口が複数ラウンド数にわたって開放される大当り遊技を実行する第1大当り遊技実行手段を備える。
また、メインCPUは、第2特別抽選において、設定値に応じて定められた大当り確率で第2特別図柄の大当り判定を行い、この大当り判定の結果が大当りであるときには、所定の大入賞口が複数ラウンド数にわたって開放される大当り遊技を実行する第2大当り遊技実行手段を備える。また、メインCPUは、上記第2特別抽選において、上記第2特別図柄の大当り判定の結果がハズレであるときには小当りの当落判定を行い、この小当りの当落判定の結果が小当りであるときに小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段も備える。
なお、第1特別抽選における大当り確率と第2特別抽選における大当り確率とは共通している。確変フラグがOFFに設定される第1遊技状態における大当り確率は、例えば、設定1で300分の1、設定2で290分の1、設定3で280分の1、設定4で270分の1、設定5で260分の1、設定6で250分の1とされている。また、確変フラグがONに設定される第2遊技状態における大当り確率は、例えば、設定1で30分の1、設定2で29分の1、設定3で28分の1、設定4で27分の1、設定5で26分の1、設定6で25分の1とされている。
メインCPUは、第1特別抽選の結果が大当りであるときに、所定の大入賞口が複数ラウンド数にわたって開放される大当り遊技を実行する第1大当り遊技実行手段と、第2特別抽選の結果が大当りであるときに、所定の大入賞口が複数ラウンド数にわたって開放される大当り遊技を実行する第2大当り遊技実行手段とを有している。第1特別抽選の結果が大当りであるときに開放される大入賞口と、第2特別抽選の結果が大当りであるときに開放される大入賞口とは、共通の大入賞口であっても良いし、異なる大入賞口であっても良い。
また、第1特別抽選における小当り確率は、確変フラグがONおよびOFFのいずれであっても0(設定1〜設定6で共通)である。また、第2特別抽選における小当り確率は、確変フラグがONおよびOFFのいずれであっても、例えば、設定1で9分の1、設定2で8分の1、設定3で7分の1、設定4で6分の1、設定5で6分の1とされている。このように、第2特別抽選における小当り確率は、セットされている設定値に応じて異なるものの、いずれの設定値であっても第1特別抽選における小当り確率より高い。
また、メインCPUは、第2特別抽選の結果が小当りであるとき、小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段を有している。小当り遊技では、第2特別抽選の結果が大当りであるときに開放される大入賞口と同じ大入賞口が開放される遊技である。この大入賞口に遊技球が入賞すると、払出・発射制御回路は、払出装置を作動させて、所定数の遊技球が賞として払い出されるよう制御する。ただし、小当り遊技では、大入賞口に入賞させることができる遊技球数が大当り遊技よりも少ないため、遊技者にとっての有利度合いは、大当り遊技よりも小当り遊技の方が低い。
また、上述したとおり、第1特別抽選における小当り確率は0である。すなわち、メインCPUは、第1特別図柄の大当り判定の結果がハズレであるときに、小当り確率が0の小当り判定を行っている。ただし、これに代えて、第1特別図柄の大当り判定の結果がハズレであるときに、メインCPUは、小当り判定そのものを行わないようにしても良い。
なお、上記大当りは条件装置の作動を伴う当りであるが、上記小当りは条件装置の作動を伴う当りではない。
また、メインCPUは、第1始動口への遊技球の入賞に基づいて第1特別図柄の変動表示を行う第1特別図柄変動表示制御手段と、第2始動口への遊技球の入賞に基づいて第2特別図柄の変動表示を行う第2特別図柄変動表示制御手段とを備える。第1特別図柄変動表示制御手段は、第1特別図柄を所定時間にわたって変動表示させた後、第1特別抽選の結果が表示されるように第1特別図柄を停止させる。また、第2特別図柄変動表示制御手段は、第2特別図柄を所定時間にわたって変動表示させた後、第2特別抽選の結果が表示されるように第2特別図柄を停止させる。
第1特別図柄変動表示制御手段による第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄変動表示制御手段による第2特別図柄の変動表示とは、同じタイミングで行うことが可能に構成されている。すなわち、第1始動口への遊技球の入賞に基づいて第1特別図柄の変動表示が行われているときに第2始動口に遊技球が入賞すると、第1特別図柄が変動表示中であっても第2特別図柄の変動表示が開始される。第2始動口への遊技球の入賞に基づいて第2特別図柄の変動表示が行われているときに第1始動口に遊技球が入賞すると、第2特別図柄が変動表示中であっても第1特別図柄の変動表示が開始される。
また、第1特別図柄変動表示制御手段により実行される第1特別図柄の変動時間の平均時間は、確変フラグがONである場合とOFFである場合とでほぼ同じであるが、第2特別図柄変動表示制御手段により実行される第2特別図柄の変動時間の平均時間は、確変フラグがONである場合とOFFである場合とで顕著に異なっている。例えば、第1特別図柄の変動時間の平均時間は、第1遊技状態で10sec、第2遊技状態で10secである一方、第2特別図柄の変動時間の平均時間は、第1遊技状態で1000sec、第2遊技状態で1secとされている。特別抽選(第1特別抽選、第2特別抽選)は、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示が開始されるときに行われるが、特別抽選の結果が表示されるのは特別図柄の変動表示が停止したときである。したがって、第1遊技状態において第2始動口に遊技球が入賞したとき、第2特別抽選はすでに行われているものの、当該第2特別抽選の結果が表示されるまでに相当の時間を要することとなる。
このように、確変フラグがOFFに設定される第1遊技状態では、遊技領域の例えば右側領域に向けて遊技球を発射させて第2始動口に遊技球が入賞したとしても、第2特別図柄の変動表示が停止されるまでに時間を要してしまう。しかも、第2特別図柄は、変動時間が異なる複数のパターンのうちいずれかのパターンで変動表示されるため、仮に第2特別図柄が小当りを示す態様で停止して(小当りであることが確定して)大入賞口が所定時間(例えば1.8秒)開放したとしても、第2特別図柄が小当りであることが確定するタイミングを掴みづらくなっている。そのため、第2特別図柄が小当りであることが確定するタイミングを狙って大入賞口に遊技球を入賞させるといった、所謂狙い打ちを行うことも困難となっている。さらに、第1遊技状態では、遊技領域の例えば右側領域に向けて遊技球を発射させた場合には、例えばサブCPUの制御によってスピーカから警告音が出力される。そのため、第1遊技状態では、遊技領域の例えば左側領域に向けて遊技球を発射させて遊技が行われる。一方、第2遊技状態では、普図ゲートに遊技球を通過させることによって普通抽選をつうじて第2始動口への遊技球の入賞が容易化されるだけでなく第2特別図柄の変動時間も1secと短く、しかも第2特別抽選ではいずれの設定値であっても10分の1よりも高い確率で小当りに当選するため、遊技領域の例えば右側領域に向けて遊技球を発射させる遊技が行われる。
第1遊技状態における第2特別図柄の変動時間の平均時間(例えば、1000sec)は、第1遊技状態における第1特別図柄の変動時間の平均時間(例えば、10sec)の例えば50倍以上であることが好ましいが、少なくとも10倍以上であることが好ましい。
なお、サブCPUは、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示と同期して、装飾図柄の変動表示が例えば液晶表示装置に表示されるよう制御する装飾図柄変動表示制御手段を備える。ただし、この装飾図柄変動表示制御手段は、第1遊技状態では、第2始動口に遊技球が入賞したとしても、第2特別図柄に同期させる装飾図柄の変動表示を目立つ態様で行わず、第1始動口に遊技球が入賞したときに第1特別図柄に同期させる装飾図柄の変動表示を目立つ態様で行う。
上記の「目立つ態様」の例について詳述すると、液晶表示装置は、例えば、表示領域の略中央において、左図柄(第1図柄)、中図柄(第2図柄)および右図柄(第3図柄)を変動表示させて特別抽選の結果を表示可能となっている。また、表示領域の四隅のうちの例えば一隅の小さな領域において、第1特別図柄および第2特別図柄それぞれに同期して変動表示(例えば点滅)させることが可能な第4図柄(例えば○や△のような形状)を表示可能となっている。第1図柄〜第3図柄が表示領域を占める割合は、第4図柄が表示領域を占める割合と比べると極めて大きいため、遊技者の注視は、第4図柄よりも第1図柄〜第3図柄に向くこととなる。そして、例えば、サブCPUは、第1遊技状態において、第2始動口に遊技球が入賞したときは第1図柄〜第3図柄を変動表示させずに第4図柄のみ変動表示を行う一方、第1始動口に遊技球が入賞したときは第1図柄〜第3図柄を変動表示させるとともに第4図柄の変動表示も行う。このようにして、第1遊技状態では、第2始動口に遊技球が入賞したとしても、第2特別図柄に同期させる装飾図柄の変動表示を目立つ態様で行わず、第1始動口に遊技球が入賞したときに第1特別図柄に同期させる装飾図柄の変動表示を目立つ態様で行うといったことを実現できる。
上述した拡張例2−2のパチンコ遊技機によれば、第1遊技状態では、たとえ第2始動口に遊技球が入賞したとしても第2特別抽選の結果がほとんど表示されないが、第2遊技状態では、第2始動口への遊技球の入賞が容易化されるだけでなく第2特別図柄の変動時間の平均時間が1secと短い。しかも、第2遊技状態では、第2始動口に遊技球が入賞したときに、第2特別抽選の結果が小当りとなる確率(設定に応じて9分の1〜4分の1)が大当りとなる確率(設定に応じて30分の1〜25分の1)よりも高いため、小当り遊技による大入賞口の開放が高い頻度で行われ、時短フラグをセットすることなく(すなわち普通抽選の実行頻度を高めることなく)、賞としての遊技球が払い出される機会を増加させることが可能となる。しかも、第2特別抽選の結果が小当りとなる確率はセットされている設定に応じて異なるため、大当り遊技が実行されていない状態であっても、セットされている設定値に応じて出玉を異ならせることが可能となる。
また、メインCPUにより特別図柄の変動表示が行われているときに第1始動口または第2始動口に遊技球が入賞すると、この場合も、ステップS3072またはステップS3082の設定チェック処理が実行される。したがって、メインCPUは、例えば第2遊技状態において、第2特別図柄の変動表示中に第1始動口に遊技球が入賞した場合にも、ステップS3072またはステップS3082の設定チェック処理を行う。そして、メインCPUは、この設定チェック処理において正常でない(ステップS3721におけるNO)と判別すると、遊技許可フラグをOFFにし、異常時処理を実行する。すなわち、第2遊技状態において、変動表示中の第2特別図柄についての大当り判定の結果がたとえ小当りであったとしても、設定チェック処理で正常でないと判別されたときには、メインCPUは、上記小当りに基づく小当り遊技を実行することなく、遊技許可フラグをOFFにし、異常時処理を実行する。したがって、第2遊技状態において変動表示中の第2特別図柄についての大当り判定の結果がたとえ小当りであったとしても、第2遊技状態である旨の情報および小当りである旨の情報も含めて各種データがバックアップクリア処理においてクリアされない限り、遊技許可フラグがONに設定されないこととなる。
[拡張例3]
拡張例3のパチンコ遊技機は、大当り遊技状態に制御されるためのルートが2つあるパチンコ遊技機であり、そのために、特定口が設けられる特定領域を有している。この特定領域は、例えば役物によって遊技球の流下領域と区画形成されており、通常は特定領域内への遊技球の進入が困難(または不可能)とされている。また、特別図柄の大当り判定の結果として、大当りの他に小当りも用意されている。
具体的には、メインCPUは、設定値に応じて定められた大当り確率で特別図柄の大当り判定を行い、この大当り判定の結果がハズレであるときに小当りの当落判定を行う。そして、小当りの当落判定の結果が小当りであるときに小当り遊技を実行する。すなわち、上記大当りは条件装置の作動を伴う当りであるが、上記小当りは条件装置の作動を伴う当りではない。
また、この拡張例3において、例えば、時短フラグがOFFに設定される非時短遊技状態等の通常遊技状態では、第1始動口への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄ゲームと、第2始動口への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄ゲームとのうち、第1特別図柄ゲームが主として行われる。一方、時短フラグがONに設定される時短遊技状態等の例えば確変時短遊技状態では、第1特別図柄ゲームと第2特別図柄ゲームとのうち、第2特別図柄ゲームが主として行われる。また、第2特別図柄ゲームでは、大当り判定の結果がハズレであるときに、所定の確率で小当りに当選する。なお、第1特別図柄ゲームにおける大当り判定の結果がハズレであるとき、小当りの当落判定を行っても行わなくて良い。
また、メインCPUは、始動口への遊技球の進入(受け入れ)に基づいて行われる特別図柄についての大当り判定の結果が小当りであると、所定の可動片を作動し、上記特定領域の内部への遊技球の進入を許容する小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段を備える。このように所定の可動片が作動したことによって上記特定領域の内部に遊技球の進入し、当該特定領域の内部に進入した遊技球が上記特定口に進入(受け入れ)が検出されると、メインCPUは、大当り遊技状態に制御する。すなわち、メインCPUは、始動口への遊技球の入賞に基づいて行われた大当り判定処理の結果が大当りであるときに、大入賞口を開放するラウンド遊技が複数ラウンドにわたって行われる第1大当り遊技状態に制御する第1大当り遊技制御手段と、上記小当り遊技が実行されたときに上記特定口に遊技球が進入したことに基づいて、上記所定の可動片を作動させるラウンド遊技が複数ラウンドにわたって行われる第2大当り遊技状態に制御する第2大当り遊技制御手段とを備える。
このようなパチンコ遊技機にあって、この拡張例3では、始動口への遊技球の入賞のしやすさ(例えば、小当り遊技の実行頻度や、普通電動役物の開放パターン)を設定値に応じて異ならせている。なお、この拡張例3においても、メインCPUは、遊技者が右打ちしたときに遊技球が通過しうるゲートへの通過を検出したことに基づいて行われる普通図柄判定の結果が普通当りであるときに、普通電動役物を閉鎖状態から開放状態に制御する。普通電動役物が開放状態になると始動口への遊技球の入賞が容易化される。設定値に応じて小当り遊技の実行頻度を異ならせる手法としては、例えば、普通図柄判定における普通当りの確率を設定値に応じて異ならせたり、普通図柄の変動時間を設定値に応じて異ならせたりすることで実現できる。
始動口への遊技球の入賞のしやすさを設定値に応じて異ならせる手法として、普通図柄判定における普通当りの確率を設定値に応じて異ならせる手法を例に挙げて説明する。
例えば、普通当りの確率を、設定1で60分の1、設定2で50分の1、設定3で40分の1、設定4で30分の1、設定5で20分の1、設定6で10分の1とする。この場合、普通図柄の変動時間が高設定であるほど長かったり、普通電動役物の開放態様が高設定ほど始動口に遊技球が入賞し難い態様であったりしない限り、高設定値であるほど始動口に遊技球が入賞しやすくなる。その結果、高設定値であるほど、小当り遊技の実行頻度が高くなり、ひいては、第2大当り遊技制御手段により大当り遊技状態に制御される機会が促進される。このようにして、設定値に応じて出玉スピードに差を設けることが可能となる。
なお、この拡張例3においても、インCPU101により特別図柄の変動表示が行われているときに第1始動口または第2始動口に遊技球が入賞すると、ステップS3072またはステップS3082の設定チェック処理が実行される。メインCPU101は、この設定チェック処理において正常でない(ステップS3721におけるNO)と判別すると、変動表示中の特別図柄についての大当り判定の結果がたとえ小当りであったとしても、遊技許可フラグをOFFにし、異常時処理を実行する。したがって、変動表示中の特別図柄についての大当り判定の結果が小当りであったとしても、設定チェック処理で正常でないと判別されたときには、メインCPU101は、上記小当りに基づく小当り遊技を実行することなく、遊技許可フラグをOFFにし、異常時処理を実行する。したがって、変動表示中の特別図柄についての大当り判定の結果が小当りであった旨も含めて各種データがバックアップクリア処理においてクリアされない限り、遊技許可フラグがONに設定されないこととなる。
[拡張例4]
拡張例4のパチンコ遊技機は、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであったとしても、それだけをもってただちに大当り遊技状態に制御されるのではなく、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであることに基づいて条件装置が作動し、条件装置が作動したことを前提として遊技球が所定の領域を通過(または進入)したことに基づいて役物連続作動装置が作動するようにしたものである。以下、図205および図206を参照して説明する。図205は役物連続作動右ゲートを遊技球が通過する態様の一例を示す図であり、図206は役物連続作動左ゲートを遊技球が通過する態様の一例を示す図である。
図205および図206に示されるように、この拡張例4のパチンコ遊技機は、遊技領域に、役物連続作動左ゲート3100および役物連続作動右ゲート3110を備えている。また、遊技領域を流下する遊技球を、役物連続作動左ゲート3100と役物連続作動右ゲート3110とのうちいずれかに振り分けることが可能な振分装置3120が、役物連続作動ゲート3100・3110の上方に配置されている。
役物連続作動左ゲート3100および役物連続作動右ゲート3110には、それぞれ、遊技球の通過を検出可能な左ゲートセンサおよび右ゲートセンサ(いずれも図示せず)が設けられている。この左ゲートセンサおよび右ゲートセンサは、通常時は遊技球の通過検出が無効化されており、条件装置が作動したことに基づいて有効化される。また、左ゲートセンサおよび右ゲートセンサは、条件装置が作動したことに基づいて有効化されたのち、役物連続作動左ゲート3100と役物連続作動右ゲート3110とのうちいずれかを遊技球が通過したことを検出したことに基づいて無効化される。
左ゲートセンサが役物連続作動左ゲート3100への遊技球の通過を検出すると、メインCPUは、例えば8ラウンドのラウンド遊技が実行される8R大当り遊技状態に制御する。また、右ゲートセンサが役物連続作動右ゲート3110への遊技球の通過を検出すると、メインCPUは、2ラウンドのラウンド遊技が実行される2R大当り遊技状態(選択率50%)と、16ラウンドのラウンド遊技が実行される16R大当り遊技状態(選択率50%)とのうちいずれを実行するかを抽選で決定し、当該抽選で決定された大当り遊技状態に制御する。
なお、左ゲートセンサが役物連続作動左ゲート3100への遊技球の通過を検出したときと、右ゲートセンサが役物連続作動右ゲート3110への遊技球の通過を検出したときとで、大当り遊技状態において払い出される賞球量の期待値は同じとなっている。
また、役物連続作動左ゲート3100または役物連続作動右ゲート3110を通過した遊技球は、そのまま遊技領域を流下するが、これに代えて、アウト口からパチンコ遊技機の機外に排出されるように構成しても良い。
振分装置3120は、規則的な動作により、当該振分装置3120の上方に到達した遊技球を、役物連続作動左ゲート3100と役物連続作動右ゲート3110とのうちいずれかに振り分ける。振分装置3120が左側に傾いた第1姿勢では遊技球が役物連続作動右ゲート3110を通過しやすく(図205参照)、振分装置3120が右側に傾いた第2姿勢では遊技球が役物連続作動左ゲート3100を通過しやすい(図206参照)。
この拡張例4では、設定値に応じて、役物連続作動左ゲート3100と役物連続作動右ゲート3110とで遊技球の通過のしやすさを異ならせている。例えば、振分装置3120の動作を、設定1では第1姿勢0.5秒と第2姿勢1.5秒とを繰り返す動作、設定2では第1姿勢0.7秒と第2姿勢1.3秒とを繰り返す動作、設定3では第1姿勢0.9秒と第2姿勢1.1秒とを繰り返す動作、設定4では第1姿勢1.1秒と第2姿勢0.9秒とを繰り返す動作、設定5では第1姿勢1.3秒と第2姿勢0.7秒とを繰り返す動作、設定6では第1姿勢1.5秒と第2姿勢0.5秒とを繰り返す動作とすることで、設定値に応じて、大当り遊技状態の態様に変化をもたせることが可能となる。
なお、この拡張例4では、左ゲートセンサが役物連続作動左ゲート3100への遊技球の通過を検出したときと、右ゲートセンサが役物連続作動右ゲート3110への遊技球の通過を検出したときとで、大当り遊技状態において払い出される賞球量の期待値が同じである。すなわち、設定値に応じて大当り遊技状態の態様に変化を持たせることはできるものの、設定値に応じて大当り遊技状態において払い出される賞球量に差がないが、これに限られず、左ゲートセンサが役物連続作動左ゲート3100への遊技球の通過を検出したときと、右ゲートセンサが役物連続作動右ゲート3110への遊技球の通過を検出したときとで、大当り遊技状態において払い出される賞球量の期待値を異ならせても良い。例えば、左ゲートセンサが役物連続作動左ゲート3100への遊技球の通過を検出したときは、2R大当り遊技状態(選択率70%)と16R大当り遊技状態(選択率30%)とのうちいずれを実行するかを上記の選択率で行なわれる抽選で決定し、右ゲートセンサが役物連続作動右ゲート3110への遊技球の通過を検出したときは、2R大当り遊技状態(選択率30%)と16R大当り遊技状態(選択率70%)とのうちいずれを実行するかを上記の選択率で行なわれる抽選で決定するようにしても良い。この場合、設定値に応じて大当り遊技状態において払い出される賞球量に差をもたせることができ、高設定値ほど、多量の遊技球が賞球として払い出される期待値の高い大当り遊技状態に制御される可能性を高めることが可能となる。
また、この拡張例4では、条件装置が作動した状況下で二つのゲート(役物連続作動左ゲート3100,役物連続作動右ゲート3110)のうちいずれかを遊技球が通過すると役物連続作動装置が作動して大当り遊技状態に制御されるように構成されている。ただし、始動口への遊技球の入賞に基づいて行われた特別図柄の大当り判定の結果が大当りであることに基づいて条件装置が作動したとしても、遊技球が上記二つのゲートのいずれをも通過する前に始動口に遊技球が入賞することがある。この場合、条件装置が作動したもものの未だ上記二つのゲートのいずれにも遊技球が通過していない状況下で、メインCPU101は、始動口への遊技球の入賞に基づいて設定チェック処理(例えば図188のステップS3072参照)を実行し、当該設定チェック処理において正常でない(例えば図189のステップS3721におけるNO)と判別されることがある。この場合、たとえ条件装置が作動したいたとしても、メインCPU101は、遊技許可フラグをOFFにし(後述するステップS3722)、遊技を進行させることが不可能となる。
また、この拡張例4では、振分装置3120の下方に、条件装置が作動していることを前提として遊技球の通過を検出すると役物連続作動装置が作動する二つのゲート(役物連続作動左ゲート3100,役物連続作動右ゲート3110)が設けられているが、振分装置3120の下方に設けるのは必ずしも役物連続作動ゲートに限られず、例えば、始動口および一般入賞口であっても良い。すなわちこの場合、振分装置3120は、規則的な動作により、当該振分装置3120の上方に到達した遊技球を、特別図柄の大当り判定契機となる始動口と、当該大当り判定契機とならない一般入賞口とのうちいずれかに振り分ける。そして、振分装置3120の動作を、例えば、設定1では第1姿勢0.5秒と第2姿勢1.5秒とを繰り返す動作、設定2では第1姿勢0.7秒と第2姿勢1.3秒とを繰り返す動作、設定3では第1姿勢0.9秒と第2姿勢1.1秒とを繰り返す動作、設定4では第1姿勢1.1秒と第2姿勢0.9秒とを繰り返す動作、設定5では第1姿勢1.3秒と第2姿勢0.7秒とを繰り返す動作、設定6では第1姿勢1.5秒と第2姿勢0.5秒とを繰り返す動作とすることで、設定値に応じて、始動口への入賞率を異ならせることが可能となる。しかも、このようなパチンコ遊技機によれば、設定値に応じて始動口への入賞率を異ならせることが可能ではあるものの、いかなる設定値であったとしても遊技者による遊技球の発射タイミングで始動口への入賞を狙うことができるという面白みをもたせることが可能となる。
[拡張例5]
拡張例5のパチンコ遊技機は、パチンコ遊技機の基本仕様にかかるデータを設定値に応じて異ならせるものではなく、パチンコ遊技機のゲーム性を設定値に応じて変更できるようにしたものである。なお、この拡張例5では、設定値を設定1〜設定5の5段階のうちいずれかにセットすることができるように構成されているが、必ずしも5段階である必要はなく、複数段階であれば任意に定めることができる。
具体的には、設定値が設定1にセットされた場合、メインCPUは、例えば99分の1の確率特別図柄の大当り判定を行い、当該大当り判定の結果が大当りであると、例えば5ラウンドの大当り遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定1にセットされると、大当り確率が100分の1未満と比較的高い代わりに、1回の大当り遊技状態で払い出される賞球量が比較的少ない、所謂甘デジと呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。
また、設定値が設定2にセットされた場合、メインCPUは、例えば300分の1の確率特別図柄の大当り判定を行い、当該大当り判定の結果が大当りであると、例えば12ラウンド(例えば出玉約1500個)の大当り遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定2にセットされると、大当り確率が300分の1、1回の大当り遊技状態で払い出される賞球量が約1500個といった、一般的なデジパチと呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。そしてこの遊技機において、メインCPUは、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を高確率遊技状態に制御し、予め決められた期間を経過すると高確率遊技状態が終了して低確率遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定2にセットされると、所謂ST機と呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。
また、設定値が設定3にセットされた場合、メインCPUは、例えば300分の1の確率特別図柄の大当り判定を行い、当該大当り判定の結果が大当りであると、例えば12ラウンド(例えば出玉約1500個)の大当り遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定2にセットされると、大当り確率が300分の1、1回の大当り遊技状態で払い出される賞球量が約1500個といった、一般的なデジパチと呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。そしてこの遊技機において、メインCPUは、大当り判定の結果が大当りであるとき、例えば図柄乱数を用いて確変フラグをON設定するか否かを決定し、確変フラグがON設定されると、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を、次回の大当り遊技状態が実行されるまで高確率遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定3にセットされると、所謂確変ループ機と呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。
また、設定値が設定4にセットされた場合、メインCPUは、例えば300分の1の確率特別図柄の大当り判定を行い、当該大当り判定の結果が大当りであると、例えば12ラウンド(例えば出玉約1500個)の大当り遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定2にセットされると、大当り確率が300分の1、1回の大当り遊技状態で払い出される賞球量が約1500個といった、一般的なデジパチと呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。そしてこの遊技機において、メインCPUは、大当り判定の結果が大当りであるとき、例えば図柄乱数を用いて確変フラグをON設定するか否かを決定し、確変フラグがON設定されると、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を、次回の大当り遊技状態が実行されるまで高確率遊技状態に制御する。ただし、大当り遊技状態と高確率遊技状態とが繰り返し実行される回数(上述した「ループ回数」)に上限を設け、ループ回数がこの上限に達すると、メインCPUは、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を低確率遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定4にセットされると、所謂リミッタ機と呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。なお、上記のゲーム性では、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が高確率遊技状態であれば、当該高確率遊技状態は次回の大当り遊技状態が実行されるまで継続するようにしているが、これに限られず、大当り遊技状態が終了したのちの高確率遊技状態を、予め決められた期間が経過すると終了して低確率遊技状態に制御される所謂ST機であっても良い。
また、設定値が設定5にセットされた場合、メインCPUは、例えば300分の1の確率特別図柄の大当り判定を行い、当該大当り判定の結果が大当りであると、例えば12ラウンド(例えば出玉約1500個)の大当り遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定2にセットされると、大当り確率が300分の1、1回の大当り遊技状態で払い出される賞球量が約1500個といった、一般的なデジパチと呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。そしてこの遊技機において、メインCPUは、大当り遊技状態が終了すると、必ずまたは一定の確率で確変フラグをON設定し、確変フラグがON設定されると、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を、高確率遊技状態に制御する。また、メインCPUは、高確率遊技状態において、特別図柄の大当り判定を行う際に遊技状態移行抽選を行い、当該遊技状態移行抽選において遊技状態を移行する旨を決定すると、確変フラグをOFF設定し、高確率遊技状態から低確率遊技状態に移行させる制御を実行する。すなわち、設定値が設定5にセットされると、高確率遊技状態において低確率遊技状態への移行抽選が行われるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。
このように、拡張例5のパチンコ遊技機では、設定値に応じて、例えば大当り確率のようなスペックではなく、パチンコ遊技機のゲーム性を変えることができ、バリエーションに富んだゲーム性でのパチンコゲームを1台で実行することが可能となる。
なお、上記では、設定1では所謂甘デジと呼ばれるゲーム性での遊技が実行可能であり、設定2では所謂ST機と呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能であり、設定3では所謂確変ループ機と呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能であり、設定4では所謂リミッタ機と呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能であり、設定5では高確率遊技状態において低確率遊技状態への移行抽選が行われるゲーム性での遊技を実行することが可能であるが、これらの全部のゲーム性を設定値に応じて実行できるようにすることは必須ではない。ただし、設定値に応じて、所謂ST機と呼ばれるゲーム性と、所謂確変ループ機と呼ばれるゲーム性とを切り替えて実行できる方が好ましい。所謂ST機と呼ばれるゲーム性および所謂確変ループ機と呼ばれるゲーム性は、いずれも、大当り遊技状態終了後に高確率遊技状態に制御される可能性がある点で共通するものの、当該高確率遊技状態が次回の大当り遊技状態まで継続するか中途で終了するかで大きく異なる。このように、一見は似ているものの実質的には異なる2つのゲーム性を切り替えて実行できるようにすることで、遊技機の管理責任者等によるパチンコ遊技機の活用の仕方に幅を持たせつつ興趣の向上を図ることが可能なパチンコ遊技機を提供することができる。
[その他の拡張例]
第2実施形態に係るパチンコ遊技機は、遊技媒体を用いて遊技を行い、その遊技の結果に基づいて特典が付与される形態全ての遊技機について、本発明を適用することができる。すなわち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が発射されたり投入されたりすることで遊技を行い、その遊技の結果に基づいて遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路100自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、封入された遊技球を循環させて行う遊技やメダルレスで行う遊技を可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路100に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。
主制御回路100に接続された遊技媒体管理装置が管理する場合、遊技媒体管理装置は、ROMおよびRWM(あるいはRAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱い装置と所定のインターフェイスを介して双方向通信機能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技媒体の投入操作を行う上で、必要な遊技媒体を提供する動作)若しくは遊技媒体の払出に係る役に入賞(当該役が成立)した場合の、遊技媒体の払出動作(すなわち、遊技者に対して遊技媒体の払出を行上で、必要な遊技媒体を獲得させる動作)、または遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、パチンコ遊技機の前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることができる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合の他、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられている場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際にはいずれかの返却操作手段を操作することにより遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンタ等に持っていくか、または他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
なお、上記例では全遊技媒体を遊技媒体取扱装置に対して送信したが、遊技機または遊技媒体取扱装置側で遊技者が所望する遊技媒体数のみを送信し、遊技者が所持する遊技媒体を分割して処理することとしてもよい。また、記録媒体を排出するだけに限らず、現金または現金等価物を排出するようにしてもよいし、携帯端末等に記憶させるようにしてもよい。また、遊技媒体取扱装置は遊技場の会員記録媒体を挿入可能とし、会員記録媒体に貯留して後日再遊技可能とするようにしてもよい。
また、遊技機または遊技媒体取扱装置において、図示しない所定の操作手段を操作することにより遊技媒体取扱装置または遊技媒体管理装置に対し遊技媒体または有価価値のデータ通信をロックするロック操作を実行可能としてもよい。その際にはワンタイムパスワード等遊技者にしか知り得ない情報を設定することや遊技媒体取扱装置に設けられた撮像手段により遊技者を記録するようにしてもよい。
また、上記では、遊技媒体管理装置を、パチンコ遊技機に適用する場合について説明しているが、パチスロ機や、遊技球を用いるスロットマシンや、封入式遊技機においても同様に遊技媒体管理装置を設け、遊技者の遊技媒体が管理されるようにすることもできる。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部の部品点数を減らすことができ、遊技機の原価および製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、部品を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
また、遊技媒体が外部に排出されずに遊技可能に構成された封入式の遊技機と、該遊技機に対して、遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータを通信ケーブルを介して光信号によって送受信が可能に接続された遊技媒体管理装置と、を有する遊技システムに本発明を適用した場合には、遊技システムを以下のように構成してもよい。
以下に、封入式の遊技機の概略を説明する。封入式の遊技機において、発射装置は、遊技領域の上方に位置し、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射する。遊技者がハンドルを操作すると、払出制御回路により球送りソレノイドが駆動させられ、球送り杵が発射台の方向へと、待機状態の遊技球を押し出す。これにより、遊技球が発射台へ移動する。また、待機位置から発射台への経路には減算センサが設けられており、発射台へ移動する遊技球を検出する。減算センサによって遊技球が検出された場合には、持ち球数が1減算される。このように、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射するように構成されているため、封入式の遊技機ではいわゆる戻り球(ファール球)を回避することができる。そして、遊技領域を転動した後に遊技領域から排出された遊技球は、球磨き装置によって磨かれる。球磨き装置によって磨かれた遊技球は、揚送装置によって上方へと搬送され、発射装置に導かれる。遊技球は封入式の遊技機の外部に排出されずに、当該遊技機において一定数(例えば、50個)の遊技球が一連の経路を循環するように構成されている。
封入式の遊技機では、遊技球が遊技機の外部に排出されないため、遊技球を一時的に保持するための上皿や下皿は設けられていない。封入式の遊技機では遊技球が外部に排出されないことから、遊技者の手元に遊技球が実際にあるわけではなく、遊技を行うことにより遊技球が現実に増減するわけではない。封入式の遊技機において、遊技者は遊技媒体管理装置からの貸出により持ち球を得てから遊技を開始する。ここで、持ち球を得るとは、遊技者が、データ管理上、遊技媒体を得ることをいう。そして、発射装置から遊技球が発射されることにより持ち球が消費され、持ち球数が減少する。また、遊技球が遊技領域に設けられた各入賞口等を通過することにより、入賞口に応じて設定された条件に従った数だけ払出が行われ、持ち球数が増加する。さらに、遊技媒体管理装置からの貸出によっても、持ち球数が増加する。なお、「遊技媒体の消費、貸出および払出」とは、持ち球の消費、貸出および払出が行われることを示す。また、「遊技媒体の増減」とは、消費、貸出および払出によって持ち球数が増減することを示す。また、「遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータ」とは遊技球が発射されることによる持ち球の減少と、貸出および払出による持ち球の増加とに関するデータである。
封入式の遊技機は、払出制御回路およびタッチパネル式である液晶表示装置を有している。払出制御回路は、遊技球が各入賞口等の通過を検出する各種センサに接続されている。払出制御回路は、持ち球数を管理している。例えば、遊技球が各入賞口を通過した場合には、そのことによる遊技球の払出個数を持ち球数に加算する。また、遊技球が発射されると持ち球数を減算する。払出制御回路は、遊技者の操作により、持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置へ送信する。また、上記の液晶表示装置は遊技機の上部に位置し、遊技媒体管理装置で管理する遊技価値から持ち球への変換(球貸し)や、持ち球の計数(返却)の要求を受け付ける。そして、これらの要求を遊技媒体管理装置を介して払出制御回路に伝え、払出制御回路が現在の持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置に送信するように指示する。ここで、「遊技価値」とは、貨幣・紙幣、プリペイド媒体、トークン、電子マネーおよびチケット等であり、遊技媒体管理装置によって持ち球に変換することが可能であるものを示す。なお、この第2実施形態において、遊技媒体管理装置は、いわゆるCRユニットであり、紙幣およびプリペイド媒体等を受付可能に構成されている。また、計数された持ち球は、遊技システムが設置される遊技場などにおいて、景品交換等に用いることができる。
また、封入式の遊技機は、バックアップ電源を有している。これにより、夜間等に電源をOFFにした場合であっても、OFFにする直前のデータを保持することができる。また、このバックアップ電源により、例えば、扉開放センサによる扉枠開放の検出を継続して実行させてもよい。これにより、夜間に不正行為を行われることも防止することができる。なお、この場合は、扉枠が開放された回数等の情報を記憶するものであってもよい。さらに、電源が投入された際に、扉枠が開放された回数等の情報を、遊技機の液晶表示装置等に出力するものであってもよい。
遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を有している。遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を介して、遊技機とのデータ(送信信号)の送受信を行うように構成されている。送受信されるデータは、主制御回路に設けられたCPUの固有ID、払出制御回路に設けられたCPUの固有ID、遊技機に記憶された遊技機製造業者コード、セキュリティチップの製造業者コード、遊技機の型式コードなどの情報である。そして、遊技機および前記遊技媒体管理装置のいずれか一方を送信元とし他方を送信先として、送信元が送信信号を送信した際に、上記送信信号を受信した送信先が上記送信信号と同じ信号である確認用信号を上記送信元に送信し、上記送信元は、上記送信信号と上記確認用信号とを比較して、これらが同一か否かを判別するようにしている。
このように、送信元において、送信先から送信された確認用信号を送信信号と比較して、これらが同一か否かを判別することにより、送信元から送信した信号が改ざんされることなく、送信元に送信されていることを確認することができる。これにより、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信元は信号を変調する変調部を有し、該変調部により変調された信号を上記送信信号として送信し、上記送信先は上記変調部により変調された信号を復調する復調部を有することとしてもよい。
これにより、仮に、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を読み取られたとしても、この信号の解読は困難であり、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信先は、上記送信元からの上記送信信号を受信した際に、上記送信信号を受信したことを示す信号である承認信号を、上記確認用信号とは別に上記送信元に送信することとしてもよい。
これにより、送信信号と確認用信号とを比較することにより、正規の信号の送受信が行われたことを確認するだけでなく、承認信号に基づいて正規の信号の送受信が行われたことを確認することができるので、不正行為の抑制をより強化することができる。
[ホールメニュータスク]
先ず、図207〜図210を参照してホールメニュータスクについて説明する。ホールメニュータスクはホールメニューを制御するタスクである。ホールメニュータスクは、サブCPU201によって、所定の周期、この第2実施形態では33msec毎に行われる。
図207は、サブCPU201により実行されるホールメニュータスクの一例を示すフローチャートである。
図207に示されるように、サブCPU201は、先ず、設定変更処理中または設定確認処理中であるかを判別する(ステップS3301)。具体的には、サブCPU201は、電源投入時にメインCPU101から送信される設定操作コマンド(設定変更開始コマンド、設定確認開始コマンド)を受信したか否かを判別する。
サブCPU201は、設定変更処理中または設定確認処理中であると判別、すなわち設定操作コマンドを受信したと判別すると(ステップS3301におけるYES)、ステップS3302のホールメニュー表示処理を実行する。このホールメニュー表示処理(ステップS3302)は、後述のホールメニュー画面を表示制御回路204により液晶表示装置16の表示領域に表示する処理である。なお、ホールメニュー画面は、後述のステップS3310の処理が実行されたときも液晶表示装置16の表示領域に表示されるが、ステップS3302において表示されるホールメニュー画面と、ステップS3310において表示されるホールメニュー画面とでは異なる点があり、これについては後述する。
ステップS3302のホールメニュー表示処理が実行されたときに液晶表示装置16の表示領域に表示される画像(画面)について、図208〜図210を参照して説明する。図208は、ステップS3302のホールメニュー表示処理が実行されたときに、ホールメニュー画面が液晶表示装置16の表示領域に表示されたときの一例を示す図である。図209および図210は、ステップS3302のホールメニュー表示処理が実行されたときに、液晶表示装置16の表示領域に表示されるホールメニュー画面の一例を示す図である。
図208〜図210に示されるように、ホールメニュー表示処理(ステップS3302)が実行されると、液晶表示装置16の表示領域にはホールメニュー画面が表示される。ホールメニュー画面は、図209および図210に示されるように、画面左側領域のホールメニュー項目表示領域31610と、画面下方の左右方向略中央の操作説明領域31620と、画面略中央に配置されるプレビュー表示領域31630と、を有する。
ホールメニュー項目表示領域31610には、ホールメニューの各項目が表示される。図208〜図210には、便宜上、ホールメニュー項目として、時刻設定、賞球情報、設定履歴・設定確認履歴、エラー情報履歴、監視履歴、警告表示設定のみが図示されているが、これらの項目の他に、報知設定、省電力設定(省電力モード)、メンテナンス、役物動作確認、液晶輝度設定、液晶確認、音量調節設定等の項目が表示されるようにしてもよい。ただし、ステップS3302は、設定変更処理中または設定確認処理中の処理であるため、ホールメニュー画面の表示を終了して遊技画面に復帰させることができない。そのため、ホールメニューの項目の中に、ホールメニュー終了の項目はない。
操作説明領域31620には、操作ボタン群66(図3参照)に対応する画像、すなわちメインボタン662および上下左右の各セレクトボタン664a〜664dに対応する画像が表示される。なお、ホールメニュー画面では、操作ボタン群66のうち有効化されている操作ボタンと無効化されている操作ボタンとを区別することができるように表示される。例えば図208〜図210では、有効化されている操作ボタンが白塗りで表示されており(メインボタン662および上下セレクトボタン664a,664bが有効化されており)、無効化されている操作ボタンが黒塗りで表示されている(左右セレクトボタン664c,664dが無効化されている)。
有効化されているセレクトボタン(上下セレクトボタン664a,664b)を操作者が操作することで、複数のホールメニューの項目のうちいずれかを選択することができる。図208および図209では、実線で囲まれたホールメニュー項目が選択されているホールメニュー項目である。例えば、図208では、実線で囲まれた「時刻設定」が選択されていることを示している。また、図210では、実線で囲まれた「設定変更・確認履歴」が選択されていることを示している。
第2実施形態に係るパチンコ遊技機において、サブCPU201は、選択されている項目をハイライト表示する。ただし、選択されている項目を操作者が把握しやすい態様であれば必ずしもハイライト表示に限られない。なお、時刻設定の項目が選択されている画面(図208および図209参照)が、ホールメニュー画面の初期画面である。
プレビュー表示領域31630には、複数のホールメニューの項目のうち選択されている項目についてのプレビュー画面が表示される。例えば、「時刻設定」の項目が選択されているときは、時刻設定画面がプレビュー表示され(図208および図209参照)、「設定変更・確認履歴」の項目が選択されているときは、設定変更・確認履歴画面がプレビュー表示される(図210参照)。ただし、設定変更・確認履歴画面のプレビュー画面では、設定値が表示されないようにすることが好ましい。なお、上記のプレビュー画面内では操作を行うことができない。例えば、時刻設定画面がプレビュー表示されているとき、プレビュー表示されている時刻設定画面において時刻を設定する操作を行うことができず、ホールメニュー項目として表示されている時刻設定が選択決定されたことによって表示される時刻設定画面において時刻を設定する操作を行うことができる。
さらに、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に、ホールメニュー画面とあわせて、ホールメニュー画面における操作を阻害しないように例えば右下の極小領域に、「設定変更中です」または「設定確認中です」といった文字を表示する。また同時に、サブCPU201は、音声制御回路205(図9参照)を介して「設定変更中です」または「設定確認中です」といった音声がスピーカ24から出力されるよう制御する。さらに、サブCPU201は、LED制御回路206(図9参照)を介してLED25(例えば、図1参照)を白色で全点灯させる制御を実行する。このようにして、設定変更中であるか設定確認中であるかを、ホールメニュー画面における操作を阻害することなく操作者に把握させるようにしている。
次に、図207に戻り、サブCPU201は、ステップS303において、ホールメニュー処理を実行する。このホールメニュー処理(ステップS3303)についての詳細は後述する。
サブCPU201は、ホールメニュー処理(ステップS3303)を実行したのち、設定変更処理または設定確認処理が終了したか否か、すなわち、設定変更処理が終了したことを示すコマンド(初期化コマンド)または設定確認処理が終了したことを示すコマンド(電断復帰コマンド)を、メインCPU101から受信したか否かを判別する(ステップS3304)。サブCPU201は、初期化コマンドおよび電断復帰コマンドのいずれをも受信していなければ(ステップS3304におけるNO)、ステップS3303のホールメニュー処理を継続して実行する。
また、メインCPU101は、初期化コマンドを送信する場合には、当該コマンドと同じタイミングで、変更後の設定値情報についてもサブCPU201に送信する。
なお、変更後の設定値情報は、初期化コマンドと必ずしも同じタイミングで送信される必要はなく、設定変更処理と対応付けることができれば異なるタイミングで送信されるようにしてもよい。
また、メインCPU101は、電断復帰コマンドを送信する場合には、設定値が変更されていないため設定値情報をサブCPU201に送信する必要はないが、設定値情報についてもサブCPU201に送信するようにしてもよい。
サブCPU201は、ステップS3304において、設定変更処理または設定確認処理が終了、すなわち初期化コマンドまたは電断復帰コマンドをメインCPU101から受信すると(ステップS3304におけるYES)、ワークRAM203に記憶されている履歴数が所定数N以上であるか否かを判別する(ステップS3305)。これは、ワークRAM203に記憶されている履歴数に応じて、データの上書きを行うか、空き領域にデータを書き込むかを適宜決定することで、極力多くの履歴データを残しつつ、履歴を記録したいときに記録できないといった事態が発生してしまうことを未然に防止するようにしたものである。なお、所定数Nは、ワークRAM203に記憶できる容量に応じて適宜設定することができるが、この第2実施形態では例えば500に設定されている。
ワークRAM203に記憶されている履歴情報の履歴数が所定数N以上であれば(ステップS3305におけるYES)、ステップS3306に移り、履歴情報の上書き処理(ステップS3306)を実行する。ステップS3306の履歴情報の上書き処理は、ワークRAM203に記憶されている履歴のうち、最も先に記憶された履歴(最も古い履歴情報)から順に上書きされる。
なお、ステップS3306の履歴情報の上書き処理では、ワークRAM203にすでに記憶されている履歴情報に対して新たな履歴情報を上書きすることで、ワークRAM203に記憶されている履歴情報が結果的に消去されるようにしているが、これに限られない。例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信したときに、新たな履歴情報をワークRAM203に記憶させると所定の上限を超えるおそれがあれば、ワークRAM203に記憶されている履歴情報の少なくとも一部を消去した上で、歴情報を記憶するようにしてもよい。また、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信していなくとも、これ以上の履歴情報をワークRAM203に記憶させると上限を超えるおそれがあるときに、ワークRAM203記憶されている設定履歴情報の少なくとも一部を消去するようにしてもよい。
サブCPU201は、ワークRAM203に記憶されている履歴数が所定数N未満であれば(ステップS3305におけるNO)、ステップS3307に移り、ワークRAM203の空き領域に履歴情報を記録する履歴情報記録処理(ステップS3307)を実行する。
なお、本明細書において、ステップS3306の履歴情報の上書き処理およびステップS3307の履歴情報記録処理を総称して、履歴記録処理と称する場合がある。
なお、履歴情報とは、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドをメインCPU101から受信したときの、RTC209により計時されている時間情報、操作種別情報(設定変更処理が実行された旨の情報または設定確認処理が実行された旨の情報)、および、設定値情報等の情報である。具体的には、初期化コマンドを受信した場合には、初期化コマンドを受信した時間情報と、設定変更処理が実行された旨の情報と、メインCPU101から送信された設定変更後の設定値情報とを対応付けた情報が履歴情報である。また、電断復帰コマンドを受信した場合には、電断復帰コマンドを受信した時間情報と、設定確認処理が実行された旨の情報と、メインCPU101から送信された現在の設定値情報とを対応付けた情報が履歴情報である。電断復帰コマンドを受信した場合に、メインCPU101から送信された現在の設定値情報を履歴情報に含むことは必須ではないが、上述した設定判定処理を実行するために、メインCPU101から送信された現在の設定値情報を履歴情報に含むことが好ましい。また、閲覧履歴も上記の履歴情報に含まれ、ホールメニュー処理(ステップS3303)において設定変更・確認履歴の閲覧が行われていれば、ステップS3306において閲覧履歴が履歴情報として上書き処理されるか、またはステップS3307においてワークRAM203の空き領域に閲覧履歴が履歴情報として記録される。
なお、正常な状態では、電源が投入されると、サブCPU201が起動した後にメインCPU101からはすぐに何らかのコマンド(例えば、電断復帰コマンド、設定操作コマンドなど)が送信されることとなるが、サブCPU201は、起動してから所定時間(例えば30秒)経過してもメインCPU101からのコマンドが受信されないときには異常と判断し、サブ制御回路200側において遊技停止状態とする。サブ制御回路200側において遊技停止状態となったときの表示出力、音声出力およびLED25の各態様については後述する。
また、ワークRAM203に記憶させる履歴情報の1つである時間情報は、日時の情報のみならず、時分までの情報あるいは時分秒までの情報まで記憶させることが好ましい。
サブCPU201は、ステップS3306またはステップS3307の処理を実行したのち、ステップS3308に移る。
サブCPU201は、ステップS3308において、設定変更が行われたか否か、すなわち、ステップS3304において初期化コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS3308)。なお、ステップS3301において受信した設定操作コマンドが設定変更開始コマンドであるときは、ステップS3304において電断復帰コマンドを受信することはなく、ステップS3301において受信した設定操作コマンドが設定確認開始コマンドであるときは、ステップS3304において初期化コマンドを受信することはない。また、ステップS3308の処理では、設定変更が行われたことをサブCPU201が判別できればよいため、ステップS3304において受信したコマンドが初期化コマンドであるか否かの判別に代えて、例えば変更後の設定値情報を受信したことをもって設定変更処理が行われたと判別するようにしてもよい。
サブCPU201は、設定変更が行われたと判別すると(ステップS3308におけるYES)、設定変更初期化処理を行い(ステップS3309)、ステップS3310に移る。
サブCPU201は、ステップS3310において、ホールメニュー再表示処理を実行する。このとき、再表示されるホールメニュー画面は、設定変更中または設定確認中に表示されるホールメニュー画面(ステップS3302において表示されるホールメニュー画面)とは異なり、設定変更処理が終了して遊技の実行が可能な状態(またはステップS3030の遊技復帰処理中)に表示される画面であり、例えば図211に示されるように、ホールメニューの項目の中の一つに、ホールメニュー終了の項目が表示される。なお、図211は、ステップS3310のホールメニュー再表示処理が実行されたときに、液晶表示装置16の表示領域に表示されるホールメニュー画面の一例を示す図である。
すなわち、設定変更中または設定確認中に表示されるホールメニュー画面(ステップS3302において表示されるホールメニュー画面)では、操作者の意思でホールメニュー画面の表示を終了することはできないが、設定変更処理が終了したのちに再表示されるホールメニュー画面(ステップS3310において表示されるホールメニュー画面)では、操作者の意思でホールメニュー画面の表示を終了することができるように構成されている。なお、ステップS3302において表示されるホールメニュー画面(例えば、図209参照)とステップS3310において表示されるホールメニュー画面(図211参照)とは、各項目のうちのいずれかを選択決定して操作できるといった機能面(例えば、設定変更・確認履歴画面を閲覧できるといった機能面)等は共通する。
また、サブCPU201は、ステップS3308において設定変更が行われたと判別したとき(ステップS3308におけるYES)、ステップS3310のホールメニュー再表示処理において、液晶表示装置16の表示領域に、ホールメニュー画面とあわせて、ホールメニュー画面における操作を阻害しないように例えば右下の極小領域に、「設定が変更されました」といった文字を表示する。選択されたホールメニュー項目の画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)が表示されたときにも、同様に、当該画面における操作を阻害しないように例えば右下の極小領域に、「設定が変更されました」といった文字を表示する。また同時に、サブCPU201は、音声制御回路205(図9参照)を介して「設定が変更されました。RAMが初期化されました」といった音声がスピーカ24から出力されるよう制御する。これにより、設定が変更されたこと(あわせてバックアップクリア処理が実行されたこと)を、ホールメニュー画面または選択されたホールメニュー項目の画面における操作を阻害することなく操作者に把握させることが可能となる。さらに、サブCPU201は、LED制御回路206(図9参照)を介してLED25(例えば、図1参照)を赤色で全点灯させる制御を実行する。
一方、ステップS3308において設定確認が行われたと判別したとき(ステップS3308におけるNO)、すなわちステップS3304において受信したコマンドが設定確認処理の終了を示す電断復帰コマンドであるとき、サブCPU201は、ステップS3309〜ステップS3314の処理を実行せずに、ステップS3315の遊技画面復帰処理を実行する。したがって、設定確認処理が終了したときは、ホールメニュー再表示処理(ステップS3310)は実行されない。また、液晶表示装置16の表示領域に設定確認が終了した旨を示す文字も表示しない。さらに、設定確認が終了した旨を示す音声も出力しない。ただし、LED制御回路206(図9参照)を介してLED25(例えば、図1参照)を赤色で全点灯させる制御がサブCPU201により実行される。
ところで、ステップS3302の処理が実行されるときおよびステップS3310の処理が実行されるときは、いずれも、液晶表示装置16の表示領域にホールメニュー画面が表示されるが、ステップS3302の処理が実行されるときは設定確認中または設定変更中であるため遊技を実行することができないのに対し、ステップS3310の処理が実行されるときは遊技を実行することができる。しかし、上述したように、ステップS3302の処理が実行されるときとステップS3310の処理が実行されるときとで、液晶表示装置16の表示領域への文字表示の態様(設定確認終了時は表示されない)、スピーカ24から出力させる音声の態様、および、LED25の発光態様が大きく異なっている。そのため、液晶表示装置16の表示領域にホールメニュー画面や選択されたホールメニュー項目の画面が表示されていたとしても、ホールメニュー画面や選択されたホールメニュー項目の画面における操作(例えば、ホールメニュー項目を選択する操作やページ更新するための操作等)を阻害することなく、パチンコ遊技機が遊技を実行することが可能な状態であるか不可能な状態であるかを、外観で容易に把握することが可能となっている。
サブCPU201は、ステップS3310の処理を実行すると、ステップS3311に移り、ホールメニュー処理を実行する。このステップS3311のホールメニュー処理は、基本的にステップS3303と同様の処理であるが、後述する図217のステップS33072におけるYESのときの処理が異なっており、これについては後述する。
サブCPU201は、ステップS3312において、再表示されたホールメニュー画面において、「ホールメニュー終了」が選択されたか否かを判別する。「ホールメニュー終了」が選択されたと判別すると(ステップS3312におけるYES)、サブCPU201は、遊技画面復帰表示処理(ステップS3315)を行う。この遊技画面復帰表示処理において、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に、遊技を行う際に表示する演出用の映像や、パチンコ遊技機(例えば発射ハンドル32)が所定期間操作されなかった場合に表示される初期映像を表示する。そして、サブCPU201は、ステップS3315の遊技画面復帰処理を実行した後、ステップS3316に移る。
一方、ステップS3312において「ホールメニュー終了」が選択されていないと判別すると(ステップS3312におけるNO)、サブCPU201は、所定時間(例えば30秒)が経過していないか否かを判別する(ステップS3313)。図207では図示を省略しているが、設定変更処理または設定確認処理が終了したとき(ステップS3304におけるYES)、ホールメニュー再表示処理(ステップS3310)を実行したとき、ホールメニュー処理(ステップS3311)においていずれかのホールメニュー項目が選択されたとき等、操作者が何らかの操作を行ったことにもとづいて計時を開始しており、ステップS3313の処理は、この計時時間が所定時間経過していないか否かを判別する処理であり、操作者が所定時間以上にわたって何らの操作も実行しなければ、サブCPU201は、ステップS3313においてYESと判別する。
サブCPU201は、無操作のまま所定時間(例えば30秒)が経過したと判別すると(ステップS3313におけるYES)、再表示されたホールメニュー画面の表示を終了し、ステップS3315の遊技画面復帰表示処理を実行する。
また、無操作のまま所定時間(例えば30秒)が経過していなければ(ステップS3313におけるNO)、サブCPU201は、演出制御オブジェクトを生成するコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS3314)。演出制御オブジェクトを生成するコマンドは、遊技が実行されると受信可能となるコマンドであり、例えば、図柄の変動開始コマンド、図柄の変動確定(変動停止)コマンド、大当り遊技の実行開始コマンド、大当り遊技におけるラウンド数を示すコマンド、大当り遊技におけるラウンドインターバルコマンド、大当り遊技の終了コマンド、初期化コマンド、電断復帰コマンド等である。サブCPU201は、ステップS3314において、これらの演出制御オブジェクトを生成するコマンドのうちいずれかのコマンドを受信したと判別すると、再表示されたホールメニュー画面の表示を終了し、ステップS3315の遊技画面復帰表示処理を実行する。これにより、メインCPU101による遊技の進行にあわせた遊技画面が液晶表示装置16の表示領域に表示されることとなり、例えばメインCPU101による遊技が進行しているにもかかわらず遊技とは無関係の画像が表示される等といった、遊技の進行が阻害されることを防止することが可能となる。一方、演出制御オブジェクトを生成するコマンドを受信していないと判別すると(ステップS3314におけるNO)、ステップS3311に戻る。
サブCPU201は、遊技画面復帰表示処理(ステップS3315)を実行すると、ステップS3316に移り、ホールメニュー表示禁止処理を実行する。このホールメニュー表示禁止処理は、液晶表示装置16の表示領域に、ホールメニュー画面が再び表示されることを禁止する処理である。すなわち、ホールメニュー表示禁止処理(ステップS3316)が実行されると、設定キー328を再びON操作したとしてもホールメニュー画面が表示されず、電源OFF操作を行って設定変更処理または設定確認処理が実行されない限りホールメニュー表示処理(ステップS3302)を実行することができない。
このように、ホールメニュー画面は、原則的には設定変更処理または設定確認処理の実行中に液晶表示装置16の表示領域に表示される画面である。ただし、設定変更処理が実行されたときには、この設定変更処理が終了したとしても、例えば、ホールメニュー画面において操作者自身が「ホールメニュー終了」の項目を選択しないこと(ステップS3312におけるNO)、無操作時間が所定時間経過しないこと(ステップS3313におけるNO)、演出制御オブジェクトを生成するコマンドを受信していないこと(ステップS3314におけるNO)といった一定条件下では、ステップS3311〜ステップS3314の処理が繰り返し実行され、ホールメニュー画面が継続して表示されることとなる。したがって、ホールメニュー画面または選択されたホールメニュー項目の画面(例えば設定変更・確認履歴画面)において操作者が何らかの操作を行っていれば、ホールメニュー画面または選択されたホールメニュー項目の画面の表示が終了することなく継続して表示されることとなる。これにより、設定変更処理または設定確認処理が終了したとしても、操作者がホームメニュー画面または選択されたホールメニュー項目の画面を操作する時間に猶予を持たせることが可能となる。しかも、操作者が「ホールメニュー終了」を選択し忘れたとしても、所定時間(例えば30秒)にわたって無操作であるとホールメニュー画面または選択されたホールメニュー項目の画面の表示が終了して遊技画面復帰処理(ステップS3315)が実行されるため、権限を有しない者(例えば遊技機管理者でないホール係員や遊技者)が設定変更履歴、設定確認履歴、閲覧履歴などの秘匿情報を容易に閲覧することができず、セキュリティ性を担保することが可能となる。
なお、この第2実施形態では、ステップS3314において、演出制御オブジェクトを生成するコマンドを受信したと判別したときに遊技画面復帰処理(ステップS3315)およびホールメニュー表示禁止処理(ステップS3316)を行っているが、必ずしもこれに限られず、例えば、発射ハンドル32が操作されたことを示すコマンドを受信したこと等、遊技の実行が開始されると受信可能となる特定のコマンドを受信したことにもとづいて、遊技画面復帰処理(ステップS3315)およびホールメニュー表示禁止処理(ステップS3316)を行うようにしてもよい。
ここで、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理を含めて、エラーが発生したときの報知態様について、図212を参照して説明する。図212は、液晶表示装置16の表示領域にエラー内容が表示された画面の一例であり、(a)設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたことを示す画面、(b)始動口異常入賞エラーが発生したことおよび設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたことを示す画面、(c)設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたことおよび始動口異常入賞エラーの両方が発生している状態で、バックアップクリア処理が実行されたことを示す報知期間(例えば30秒)が経過したのちの画面、を示す図である。
図212に示されるように、複数のエラーが発生した場合、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に発生したエラー内容を全て表示するとともに、優先順位の高いエラー順に、音声制御回路205(図9参照)を介してスピーカ24から音声を出力するとともに、LED制御回路206(図9参照)を介してLED25の発光制御を実行する。
設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたとき、他にエラーが発生していない場合には、サブCPU201は、図212(a)に示されるように、液晶表示装置16の表示領域内に「RAMがクリアされました」といった文字が表示されるよう制御するとともに、「RAMがクリアされました」といった音声がスピーカ24から出力されるよう制御し、さらに、LED制御回路206(図9参照)を介してLED25(例えば、図1参照)を赤色で全点灯させる制御を実行する。なお、「RAMがクリアされました」といった文字は、「設定が変更されました」といった文字が表示される上述の極小領域(図211参照)よりも大きな領域を用いて表示される。
すなわち、この第2実施形態では、設定変更処理を行うときはバックアップクリア処理も必ず実行され(図180参照)、設定変更処理終了後に実行されるステップS3310のホールメニュー再表示処理では、上述したとおり、「設定が変更されました」といった文字が液晶表示装置16の表示領域に表示されるものの、バックアップクリア処理が実行されたことについては表示されず、「設定が変更されました。RAMが初期化されました」といった音声がスピーカ24から出力されるだけにとどまる。これに対し、設定変更処理を伴わずにバックアップクリア処理が実行されたとき、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域内において、上述の極小領域(図211参照)よりも大きな領域を用いて「RAMがクリアされました」といった文字が表示されるよう制御するとともに、「RAMがクリアされました」といった音声がスピーカ24から出力されるよう制御する(図212(a)参照)。ここで、設定変更処理を伴うバックアップクリア処理における主たる目的は設定値を変更することである(バックアップクリア処理ではない)のに対し、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理ではバックアップクリア処理が主たる目的であると考えられる。そのため、設定変更処理を伴うバックアップクリア処理が実行されたときは、再表示されるホールメニュー画面の操作を阻害しない態様で、バックアップクリア処理が実行されたことを控えめに報知するようにしている。これに対し、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたときは、バックアップクリア処理が実行されたことを、設定変更処理を伴うバックアップクリア処理が実行されたときよりも目立つ態様で報知することで、バックアップクリア処理が不正に実行されることを抑制できるようにしている。
なお、バックアップクリア処理が実行されたあと、他のエラーとして例えば始動口異常入賞エラーも発生していれば、例えば図212(b)に示されるように、始動口異常入賞エラーが発生したことと、バックアップクリア処理が実行されたこととの両方が、液晶表示装置16の表示領域に文字として表示される。このとき、始動口異常入賞エラーよりもバックアップクリア処理が実行されたことの方が優先順位が高いため、発生した順にかかわらず、バックアップクリア処理が実行された旨を示す文字が上位に表示される。また、優先順位が高いバックアップクリア処理が実行されたことを報知する音声がスピーカ24から出力されるとともに、バックアップクリア処理が実行されたことを示す態様でLED25が発光される。
また、バックアップクリア処理が実行されたことおよび始動口異常入賞エラーの両方が発生している状態で、バックアップクリア処理が実行されたことについての報知期間(例えば30秒)が経過すると、バックアップクリア処理が実行されたことを示す文字が液晶表示装置16の表示領域から削除され、他のエラーが発生していなければ、始動口異常入賞エラーを示す文字のみが液晶表示装置16の表示領域に表示される。また、スピーカ24から出力される音声は、バックアップクリア処理が実行されたことを報知する音声から始動口異常入賞エラーが発生したことを報知する音声に変化するとともに、LED25の発光態様も、バックアップクリア処理が実行されたことを示す態様から始動口異常入賞エラーが発生したことを示す態様に変化する。このようにして、発生しているエラー内容を容易に把握することができるようになっている。
なお、上記では、設定変更処理中または設定確認処理中であると判別、すなわち設定操作コマンドを受信したと判別したとき(ステップS3301におけるYES)に、ホールメニュー表示処理(ステップS3302)を実行する旨を説明したが、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたときにも実行するようにするとよい。設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作せずに、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作の両方が行われると実行される(図179参照)。バックアップクリア処理が実行されると、メインCPU101は初期化コマンドをサブCPU201に送信するので、設定操作コマンドを受信せずに初期化コマンドを受信したサブCPU201は、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたと判別することができ、ホールメニュー表示処理(ステップS3302)およびホールメニュー処理(ステップS3303)を実行することができる。
[ホールメニュータスクの他の例]
ところで、第2実施形態に係るパチンコ遊技機のメインCPU101は、電源投入時処理(図177参照)の遊技許可処理(ステップS17)において、メインRAM103の作業領域が正常であるか否かを判別しており(図178のステップS31730参照)、例えば、設定値データが規定の範囲内(この第2実施形態では「0」〜「5」の範囲内)でないとき、メインRAM103の作業領域が正常でないと判別し(ステップS31730におけるNO)、遊技許可フラグをOFFにし(ステップS31760参照)、遊技を実行できないようにしている。ただし、例えば、主制御基板30が不正に取り替えられたりした場合には、RAM103の作業領域チェック処理(ステップS31720)が実行されない可能性が高い。また、不正信号が入力されてセットされている設定値が変更されるような場合には、設定値データが「0」〜「5」の範囲内である可能性がある。そこで、遊技の実行中に実行される上述の設定判定処理と同様に、ステップS31720において作業領域チェック処理が実行されない場合や、設定値が不正に変更された可能性があるにもかかわらず設定値データが「0」〜「5」の範囲内である場合(例えば、ステップS31730においてYESと判別される場合)を想定し、サブCPU201により設定値情報の適否を判定する設定判定処理(ステッ317およびステップS3318の処理)を実行するようにしてもよい。この場合のホールメニュータスクを図213に示す。図213は、サブCPU201により実行されるホールメニュータスクの他の例であって、サブCPU201により設定値情報の適否を判定する設定判定処理を実行する場合のフローチャートである。以下において、ホールメニュータスクの他の例について説明する。ただし、図207と共通する処理についての説明は省略し、設定判定処理についてのみ説明する。
先ず、メインCPU101は、設定確認処理が終了したことを示す電断復帰コマンドを送信する場合であっても、遊技の進行に用いられる現在の設定値としてメインRAM103に記憶されている設定値情報をサブCPU201に送信する。
一方、電断復帰コマンドを受信したサブCPU201は、設定変更が行われていないと判別し(ステップS3308におけるNO)、ステップS3317に移る。このステップS3317において、サブCPU201は、設定値チェック処理を実行する。この設定値チェック処理(ステップS3317)は、現在の設定値情報(電断前にメインCPU101から送信された、ワークRAM203に記憶されている設定値情報)およびメインCPU101から送信された設定値情報(電断後にメインCPU101から送信された設定値情報)を確認する処理である。なお、ステップS3308において設定変更が行われていないと判別したとき(ステップS3308におけるNO)、ステップS3309〜ステップS3314の処理は実行しない。
設定値チェック処理(ステップS3317)において現在の設定値情報およびメインCPU101から送信された設定値情報を確認した後、サブCPU201は、設定値適否判断処理すなわち設定値が適正であるか否かを判断する(ステップS3318)。このとき、現在の設定値情報とメインCPU101から送信された設定値情報とが一致していれば適正と判断し(ステップS3318におけるYES)、ステップS3315に移る。ステップS3315以降の処理は上述したとおりである。
一方、現在の設定値情報とメインCPU101から送信された設定値情報とが一致していなければ不適であると判断し(ステップS3318におけるNO)、ステップS3319に移り、サブCPU201は、設定値異常時処理を実行する。
上記の設定値異常時処理は、液晶表示装置16の表示領域に、設定値が異常である旨を報知する画像を表示する処理である。なお、この設定値異常時処理(ステップS3319)では、設定値が異常である旨を報知する画像を表示する処理に代えてまたは加えて、設定値が異常である旨を報知する音声を出力する処理を実行するようにしてもよい。
このように、メインCPU101から送信されたコマンドが設定確認処理の終了を示す電断復帰コマンドである場合に、サブCPU201は、設定判定処理(ステッ317およびステップS3318の処理)を実行し、設定値が適正でないと判断したときには(ステップS3318におけるNO)設定値異常時処理(ステップS3319)を実行することで、設定値が適正でないことを遊技機管理者に報知することが可能となる。
なお、上述の設定判定処理(ステップS3317およびステップS3318の処理)は、設定確認処理が終了したときに実行しているが、設定変更処理および設定確認処理のいずれも実行せずに、設定変更処理を伴わないバックアップ処理(電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作せずに、バックアップクリアスイッチ330の押下操作し且つ電源スイッチ35のON操作)を実行した場合や、ただ単に電源を投入しただけの場合にも実行することが好ましい。設定変更処理が実行されない限り、電断前に受信した設定値情報と電断後に受信した設定値情報とが一致しているか否かの判定を実行することで、サブCPU201により設定値情報の適否を判定することが可能だからである。
[ホールメニュー処理]
次に、図214を参照して、ホールメニュータスク(図207、図213参照)におけるホールメニュー処理(ステップS3303)について説明する。図214は、サブCPU201により実行されるホールメニュー処理の一例を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、セレクトボタン664または/およびメインボタン662が操作者に操作されたことに基づいて各種情報・設定の確認や各種設定の変更を行う対象であるホールメニュー項目を選択するホールメニュー選択処理を行う(ステップS33001)。なお、図214のホールメニュー選択処理では、ホールメニュー項目が、時刻設定、賞球情報、設定履歴・設定確認履歴、エラー情報履歴、監視履歴、警告表示設定、報知設定、省電力モード、メンテナンス、役物動作確認、液晶輝度設定、音量調節設定の場合について説明するが、ホールメニュー項目は、上述したとおりこれらに限られない。
次に、サブCPU201は、ステップS33001で選択したホールメニューは「時刻設定」であるか否かを判別する(ステップS33001)。ステップS33002において、選択したホールメニューが「時刻設定」であると判別した場合(ステップS33002におけるYES)、サブCPU201は、時刻設定処理を行う(ステップS33003)。この時刻設定処理では、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に時刻設定画面(不図示)を表示し、操作者が、設定されている時刻の確認及び変更を行うことを可能とする。
サブCPU201は、ステップS33001で選択したホールメニューが「時刻設定」でないと判別した場合(ステップS33002におけるNO)、ステップS33001で選択されたホールメニューが「賞球情報」であるか否かを判別する(ステップS33004)。サブCPU201は、選択したホールメニューが「賞球情報」であると判別した場合(ステップS33004におけるYES)、賞球情報処理を行う(ステップS33005)。この賞球情報処理では、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に賞球情報画面(不図示)を表示し、操作者によって、賞球情報の確認が行われることを可能とする。賞球情報は、例えば、本日払い出された賞球数情報、本日払い出された賞球数と発射された遊技球数との差分情報、過去数日間に払い出された日毎の賞球数情報、過去数日間に払い出された賞球数と発射された賞球数との差分情報(日毎)等である。
サブCPU201は、ステップS33001で選択したホールメニューが「賞球情報」でないと判別した場合(ステップS33004におけるNO)、ステップS33001で選択したホールメニューが「設定変更・確認履歴」であるか否かを判別する(ステップS33006)。サブCPU201は、選択したホールメニューが「設定変更・確認履歴」であると判別した場合(ステップS33006におけるYES)、設定変更・確認履歴処理を行う(ステップS33007)。この設定変更・確認履歴処理では、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に、後述する設定変更・確認履歴画面(例えば、後述の図218参照)を表示し、操作者が、設定の確認履歴、変更履歴及び閲覧履歴を確認することを可能とする。
また、サブCPU201は、セレクトボタン664が操作されて「設定変更・確認履歴」が選択されている状態で、メインボタン662が操作されたことを検知すると、液晶表示装置16の表示領域に、設定変更・確認履歴画面(例えば、後述の図218参照)を表示し、操作者が、設定(設定値)の変更履歴、設定(設定値)の確認履歴、閲覧履歴、確認した設定(設定値)及び変更後の設定(設定値)を確認することを可能とする。なお、設定変更・確認履歴処理の詳細については、図216および図217を参照して後述する。
サブCPU201は、ステップS33001で選択したホールメニューが「設定変更・確認履歴」でないと判別した場合(ステップS33006におけるNO)、ステップS33001で選択したホールメニューが「エラー情報履歴」であるか否かを判別する(ステップS33008)。サブCPU201は、選択したホールメニューが「エラー情報履歴」であると判別した場合(ステップS33008におけるYES)、エラー情報履歴処理を行う(ステップS33009)。このエラー情報履歴処理において、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域にエラー情報履歴画面(例えば、図215参照)を表示し、操作者がエラー情報履歴の確認や変更を行うことを可能とする。
なお、エラー情報履歴処理において表示されるエラー履歴は、例えば、サブCPU201がバックアップ不良と判断したときにエラー履歴としてワークRAM203に記憶された情報等である。サブCPU201がバックアップ不良と判断するのは、上述したとおり、メインCPU101から異常コマンドを受信したときであってもよいし、メインCPU101から異常コマンドを送信せずに、サブ制御回路200(図9参照)への電源供給が開始されてから所定時間(例えば30秒)、メインCPU101からの正常なコマンドを受信できなかったときであってもよい。
図215に示すように、エラー情報履歴画面の略中央には、エラー情報履歴表が配置されている。エラー情報履歴表は、エラーコードが表示されるエラー内容列、エラーコードが記録された日時が表示される発生日時列、エラーが解除された日時が表示される解除日時列を有している。また、エラー情報履歴画面の左下部には、エラー情報履歴画面における操作方法が表示されている。例えば、セレクトボタン664a〜664d(図3参照)を操作することでカーソル(不図示)を上下左右に移動することができる旨が示されており、メインボタン662を操作することで決定することができる旨が示されている。
サブCPU201は、ステップS33001で選択したホールメニューが「エラー情報履歴」でないと判別した場合(ステップS33008におけるNO)、ステップS33001で選択したホールメニューが「監視履歴」であるか否かを判別する(ステップS33010)。選択したホールメニューが「監視履歴」であると判別した場合(ステップS33010におけるYES)、サブCPU201は、監視履歴処理を行う(ステップS33011)。この監視履歴処理では、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に監視履歴処理画面(不図示)を表示し、操作者が監視履歴の確認を行うことを可能とする。
サブCPU201は、ステップS33001で選択したホールメニューが「監視履歴」でないと判別した場合(ステップS33010におけるNO)、ステップS33001で選択したホールメニューが「警告表示設定」であるか否かを判別する(ステップS33012)。選択したホールメニューが「警告表示設定」であると判別した場合(ステップS33012におけるYES)、サブCPU201は、警告表示設定処理を行う(ステップS33013)。この警告表示設定処理では、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に警告表示設定画面(不図示)を表示し、操作者が警告表示設定の確認及び変更を行うことを可能とする。
サブCPU201は、ステップS33001で選択したホールメニューが「警告表示設定」でないと判別した場合(ステップS33012におけるNO)、ステップS33001で選択したホールメニューが「報知設定」であるか否かを判別する(ステップS33014)。選択したホールメニューが「報知設定」であると判別した場合(ステップS33014におけるYES)、サブCPU201は、報知設定処理を行う(ステップS33015)。この報知設定処理では、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に報知設定画面(不図示)を表示し、操作者が報知設定の確認及び変更を行うことを可能とする。
サブCPU201は、ステップS33001で選択したホールメニューが「報知設定」でないと判別した場合(ステップS33014におけるNO)、ステップS33001で選択したホールメニューが「省電力モード」であるか否かを判別する(ステップS33016)。選択したホールメニューが「省電力モード」であると判別した場合(ステップS33016におけるYES)、サブCPU201は、省電力モード処理を行う(ステップS33017)。この省電力モード処理では、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に省電力モード画面(不図示)を表示し、操作者が省電力モードの設定の確認及び変更を行うことを可能とする。
サブCPU201は、ステップS33001で選択したホールメニューが「省電力モード」でないと判別した場合(ステップS33016におけるNO)、ステップS33001で選択したホールメニューが「メンテナンス」であるか否かを判別する(ステップS33018)。選択したホールメニューが「メンテナンス」であると判別した場合(ステップS33018におけるYES)、サブCPU201は、メンテナンス処理を行う(ステップS33019)。メンテナンス処理の詳細については図229を参照して後述する。
サブCPU201は、ステップS33001で選択したホールメニューが「メンテナンス」でないと判別した場合(ステップS33018におけるNO)、ステップS33001で選択したホールメニューが「役物動作確認」であるか否かを判別する(ステップS33020)。選択したホールメニューが「役物動作確認」であると判別した場合(ステップS33020におけるYES)、サブCPU201は、役物動作確認処理を行う(ステップS33021)。この役物動作確認処理では、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に役物動作確認画面(不図示)を表示し、操作者が役物の動作の確認を行うことを可能とする。
サブCPU201は、ステップS33001で選択したホールメニューが「役物動作確認」でないと判別した場合(ステップS33020におけるNO)、ステップS33001で選択したホールメニューが「液晶輝度設定」であるか否かを判別する(ステップS33022)。選択したホールメニューが「液晶輝度設定」であると判別した場合(ステップS33022におけるYES)、サブCPU201は、液晶輝度設定処理を行う(ステップS33023)。この液晶輝度設定処理では、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に液晶輝度設定画面(不図示)を表示し、操作者が液晶表示装置16の輝度の設定確認及び変更を行うことを可能とする。
サブCPU201は、ステップS33001で選択したホールメニューが「液晶輝度設定」でないと判別した場合(ステップS33022におけるNO)、ステップS33001で選択したホールメニューが「音量調整設定」であるか否かを判別する(ステップS33024)。選択したホールメニューが「音量調整設定」であると判別した場合(ステップS33024におけるYES)、サブCPU201は、音量調整設定処理を行う(ステップS33025)。この音量調整設定処理では、サブCPU201は、液晶表示装置16に音量調整設定画面(不図示)を表示し、操作者がスピーカ24から出力される音の音量の設定確認及び変更を行うことを可能とする。
ステップS33003、ステップS33005、ステップS33007、ステップS33009、ステップS33011、ステップS33013、ステップS33015、ステップS33017、ステップS33019、ステップS33021、ステップS33023、ステップS33025の処理後、及びステップS33001で選択したホールメニューが「音量調整設定」でないと判別した場合(ステップS33024におけるNO)、サブCPU201は、ホールメニュー処理を終了し、処理をホールメニュータスク(図207参照)のステップS3304に戻す。
[設定変更時・設定確認時における各種デバイスの態様等]
設定変更時・設定確認時における各種デバイス(液晶表示装置16、スピーカ24、LED25、メインRAM103、性能表示モニタ334)の態様等については上述したとおりであるが、理解しやすいように以下にまとめて説明する。
先ず、設定変更時について、各種操作が実行される順に沿って説明する。電源投入前の電源OFF状態では、電源スイッチ35はOFFとなっている。このとき、液晶表示装置16、スピーカ24、LED25および性能表示モニタ334は消灯している。設定変更処理を開始するためには、電源を投入する前に設定キー328をON操作する必要があるが、設定キー328をON操作したとしても、電源が投入されない限り、液晶表示装置16、スピーカ24、LED25および性能表示モニタ334は消灯したままである。
次に、設定キー328をON操作した状態でバックアップクリアスイッチ330および電源スイッチ35の両方をON操作すると、メインCPU101は、設定変更状態に制御し、設定操作コマンド(設定変更開始コマンド)を送信する。サブCPU201は、メインCPU101から送信された設定操作コマンド(設定変更開始コマンド)を受信したことに基づいて、設定変更状態に制御された(設定変更状態が開始された)と判断する。設定変更状態に制御されると、遊技を実行できない状態となり、サブCPU201は、表示制御回路204により、液晶表示装置16の表示領域に、ホールメニュー画面を表示するとともに「設定変更中です」といった文字を表示する。また同時に、サブCPU201は、音声制御回路205により「設定変更中です」といった音声をスピーカ24から出力するとともに、LED制御回路206によりLED25を白色で全点灯する。また、メインCPU101は、設定変更セキュリティ信号を、外部端子板323を介してホールコンピュータ700に送信する。さらに、メインCPU101は、メインRAM103の作業領域がクリアされるバックアップクリア処理を実行する。なお、性能表示モニタ334には、セットされている設定値がメインCPU101により表示される。
次に、設定変更状態において設定スイッチ332を操作すると、設定値が更新される。ただし、この段階ではまだ設定値が確定していない。性能表示モニタ334には更新された設定値が表示される。また、液晶表示装置16の表示領域には、ホールメニュー画面が表示されるとともに、「設定変更中です」といった文字が継続して表示されている。また同時に、「設定変更中です」といった音声がスピーカ24から継続して出力されるとともに、LED25が継続して白色で全点灯している。この第2実施形態では、設定値が更新されたとしても、確定するまではレジスタに格納されているだけでメインRAM103には記憶されていないが、設定値が確定しなくとも、更新された設定値をメインRAM103の作業領域に記憶するようにしてもよい。また、この第2実施形態では、設定スイッチ332を操作することによって設定値が更新されるようにしているが、他の操作手段(例えば、バックアップクリアスイッチ330)を操作することによって設定値が更新されるようにしてもよい。
次に、設定キー328をOFF操作すると、メインCPU101は、設定変更状態を終了し、初期化コマンドを送信する。サブCPU201は、メインCPU101から送信された初期化コマンドを受信したことに基づいて、設定変更状態が終了したと判断する。設定変更状態が終了すると、遊技を実行できる状態となる。ただし、設定変更状態が終了したとしても、遊技の実行が開始されない限り(例えば演出制御オブジェクトを生成するコマンドを受信しない限り)、サブCPU201は、少なくとも所定期間(例えば30秒)は、表示制御回路204により液晶表示装置16の表示領域に、ホールメニュー画面または選択されたホールメニュー項目の画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)を表示するとともに、「設定が変更されました」といった文字を液晶表示装置16の表示領域に表示する。ただし、バックアップクリア処理が実行されたことについは表示されない。また同時に、サブCPU201は、少なくとも所定期間(例えば30秒)は、音声制御回路205により「設定が変更されました。RAMが初期化されました。」といった音声をスピーカ24から出力するとともに、LED制御回路206によりLED25を赤色で全点灯する。このような、液晶表示装置16の表示領域における表示、スピーカ24からの出力およびLED25の赤色での全点灯は、ホールメニュー画面または選択されたホールメニュー項目の画面において何らかの操作が行われる限り継続され、無操作期間が所定期間継続するか、遊技の実行が開始されると終了する。なお、性能表示モニタ334には、ベース値がメインCPU101により表示される。ところで、上記ではバックアップクリア処理が実行されたことについては表示されないこととしたが、サブCPU201は、「設定が変更されました」という表示に加え、「RAMがクリアされました」という表示を併記するようにしてもよい。
このように、設定変更状態が終了したとしても、「設定が変更されました」といった文字表示、「設定が変更されました。RAMが初期化されました。」といった音声出力、LED25の赤色全点灯を少なくとも所定期間(例えば30秒)にわたって行うことで、例えば設定変更・確認履歴画面等が閲覧される等の不正が、権限を有しない第三者によって行われることを抑制することが可能となる。また、設定変更状態中と設定変更状態が終了したときとで少なくともLED25の発光態様が明確に異なるため、遊技を実行できる状態であるか否かを外観で容易に把握することができる。
以上が、設定変更時における各種デバイス(液晶表示装置16、スピーカ24、LED25、メインRAM103、性能表示モニタ334)の態様等である。
次に、設定確認時について、各種操作が実行される順に沿って説明する。電源投入前の電源OFF状態では、電源スイッチ35はOFFとなっている。このとき、液晶表示装置16、スピーカ24、LED25および性能表示モニタ334は消灯している。設定確認処理を開始するためには、電源を投入する前に設定キー328をON操作する必要があるが、設定キー328をON操作したとしても、電源が投入されない限り、液晶表示装置16、スピーカ24、LED25および性能表示モニタ334は消灯したままである。
次に、設定キー328をON操作した状態で電源スイッチ35をON操作すると(バックアップクリアスイッチ330はON操作しない)、メインCPU101は、設定確認状態に制御し、設定操作コマンド(設定確認開始コマンド)を送信する。サブCPU201は、メインCPU101から送信された設定操作コマンド(設定確認開始コマンド)を受信したことに基づいて、設定確認状態に制御された(設定確認状態が開始された)と判断する。設定確認状態に制御されると、遊技を実行できない状態となり、サブCPU201は、表示制御回路204により、液晶表示装置16の表示領域に、ホールメニュー画面を表示するとともに、「設定確認中です」といった文字を表示する。また同時に、サブCPU201は、音声制御回路205により「設定確認中です」といった音声をスピーカ24から出力するとともに、LED制御回路206によりLED25を白色で全点灯する。また、メインCPU101は、設定確認セキュリティ信号を、外部端子板323を介してホールコンピュータ700に送信する。なお、性能表示モニタ334には、セットされている設定値がメインCPU101により表示される。
次に、設定キー328をOFF操作すると、メインCPU101は、設定確認状態を終了し、電断復帰コマンドを送信する。サブCPU201は、メインCPU101から送信された電断復帰コマンドを受信したことに基づいて、設定確認状態が終了したと判断する。設定確認状態が終了すると、遊技を実行できる状態となる。また、サブCPU201は、メインCPU101から送信された電断復帰コマンドを受信したことに基づいて、遊技画面復帰表示処理(ステップS3316)を実行する。このとき、サブCPU201は、設定確認が終了した旨を示す文字については表示せず、設定確認が終了した旨を示す音声も出力しない。ただし、サブCPU201は、所定期間(例えば30秒)にわたってLED25を赤色で全点灯し、遊技の実行が開始されるとLED25の赤色全点灯を終了する。なお、性能表示モニタ334には、メインCPU101によりベース値が表示される。
このように、設定確認状態が終了したとしても、LED25の赤色全点灯を少なくとも所定期間(例えば30秒)にわたって行うことで、例えば設定変更・確認履歴画面等が閲覧される等の不正が、権限を有しない第三者によって行われることを抑制することが可能となる。また、設定変更状態中と設定変更状態が終了したときとで、少なくともLED25の発光態様が明確に異なるため、遊技を実行できる状態であるか否かを外観で容易に把握することができる。
なお、上述したとおり、サブCPU201は、起動してから所定時間(例えば30秒)経過してもメインCPU101から何らコマンドが受信されずに異常と判断したときには、遊技停止状態であると判断する。サブCPU201は、遊技停止状態であると判断すると、表示制御回路204および音声制御回路205により「設定値を決定してください」と表示出力および音声出力し、LED制御回路206によりLED25(例えば、図1参照)を白全点滅とする。この状態は、再度メインCPU101により設定変更状態に制御され、この設定変更状態の終了に基づく初期化コマンドをサブCPU201が受信するまで継続する。
以上が、設定確認時における各種デバイス(液晶表示装置16、スピーカ24、LED25、メインRAM103、性能表示モニタ334)の態様等である。
[設定変更・確認履歴処理]
次に、ホールメニュー処理(図207のステップS3303参照)における設定変更・確認履歴処理(ステップS33007)について説明する。設定変更・確認履歴処理においては、設定値の設定変更の履歴、設定値の確認の履歴、設定変更および確認を行った閲覧履歴を液晶表示装置16の表示領域に設定変更・確認履歴情報(後述の「設定変更履歴情報」および「設定確認履歴情報」の総称)として表示する。以下において、設定変更・確認履歴処理を説明する前に、まず、設定変更、設定確認および閲覧について説明する。
この第2実施形態において、設定変更操作は、上述したとおり、設定変更処理において行うことができる。この設定変更処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作の両方を行うことで開始される。設定変更処理が開始されると、性能表示モニタ334に設定値が表示されることは上述したとおりである。そして、例えば設定スイッチ332を押下することにより、性能表示モニタ334に表示される設定値を「1」〜「6」の範囲で増減させ、所望の設定値となったときに設定キースイッチ信号がOFFとなるように操作すると、複数の設定値のうち遊技の進行に供される一の設定値が決定され、設定変更処理が終了する。
設定変更の履歴を表示可能とするため、上述したとおり、メインCPU101は、設定変更処理を実行した後、設定変更処理が終了したことを示す初期化コマンドと、変更後の設定値情報とを、サブCPU201に送信する。
一方、サブCPU201は、設定変更処理が終了したことを示す初期化コマンドを受信すると、操作種別情報(設定変更処理が実行された旨の情報)、設定変更後の設定値を示す設定値情報、および、RTC209により現在計時されている日時データすなわち初期化コマンドを受信した日時データを、設定変更履歴情報としてワークRAM203に記憶させる。このときに記憶される設定変更履歴情報は、例えば、後述する図218に表示される設定変更・確認履歴画面中の「No.3」および「No.4」の欄に表示される情報に相当する。
また、この第2実施形態において、設定値の確認を行うときは、上述したとおり、メインCPU101によって設定確認処理が実行される必要がある。この設定確認処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作することで実行される。設定確認処理が開始されると、性能表示モニタ334に設定値が表示されることは上述したとおりである。そして、設定キースイッチ信号がOFFとなるように操作されると、設定確認処理が終了する。なお、設定キースイッチ信号がOFFとなるように操作された後、再び設定キースイッチ信号がONとなるように操作された場合に、再び設定確認処理が実行されるようにしてもよいことは上述したとおりである。
また、設定確認の履歴を表示可能とするため、上述したとおり、メインCPU101は、設定確認処理を実行した後、設定確認処理が終了したことを示すコマンドとして電断復帰コマンドを、サブCPU201に送信する。このとき、設定値は変更されていないが、上述の設定判定処理(ステップS3317およびステップS3318の処理、図213参照)を実行するために、設定値情報についても、メインCPU101からサブCPU201に送信されることが好ましい。
一方、サブCPU201は、設定確認処理が終了したことを示す電断復帰コマンドを受信すると、操作種別情報(設定確認処理が実行された旨の情報)、および、RTC209により現在計時されている日時データすなわち電断復帰コマンドを受信した日時データを、設定確認履歴情報としてワークRAM203に記憶させる。このときに記憶される設定確認履歴情報は、例えば、後述する図218に表示される設定変更・確認履歴画面中の「No.1」の欄に示される情報に相当する。なお、図218に表示される設定変更・確認履歴画面中の「No.1」の欄に示されるように、設定確認処理が実行された旨の情報および時間情報と対応付けて、設定値情報についてもあわせて表示するようにしてもよい。
なお、この第2実施形態に係るパチンコ遊技機のワークRAM203は、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能な記憶保持格納領域を構成している。したがって、操作者によってパチンコ遊技機の電源が断された場合や停電等によって電断された場合であっても、ワークRAM203に記憶される例えば設定変更・確認履歴情報の記憶が保持される。
この第2実施形態において、閲覧とは、ホールメニュー画面(図209、図210を参照)において、「設定変更・確認履歴」がハイライト表示されている状態でメインボタン662が押下されて、ワークRAM203に記憶されている設定変更・確認履歴情報が示される設定変更・確認履歴画面(例えば、後述する図218参照)が表示されることをいう。
閲覧の履歴(閲覧履歴)を表示可能とするため、サブCPU201は、以下の処理を実行する。すなわち、設定変更処理中または設定確認処理中であるとき(ステップS3301におけるYES)、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域にホールメニュー画面を表示する(ステップS3301)。そして、ホールメニュー処理(ステップS3303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定されると(ステップS33006におけるYES)、サブCPU201は、「設定変更・確認履歴」をハイライト表示する(図210参照)。この状態で、メインボタン662が押下されると、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶されている設定変更・確認履歴情報を読み出し、設定変更・確認履歴画面(例えば、後述する図218参照)を液晶表示装置16の表示領域に表示するとともに、閲覧が行われたことを示す操作種別情報(閲覧されたことを示す情報)と、RTC209により現在計時されている日時データ、すなわち、閲覧されたとき(メインボタン662が押下されたとき)の日時データとを対応付けてワークRAM203に記憶させる。これが、上述の履歴記録処理(ステップS3306、ステップS3307)において閲覧履歴が記録されるときの処理である。すなわち、閲覧履歴は、設定変更処理中および設定確認処理中のいずれであっても、設定変更・確認履歴画面が液晶表示装置16の表示領域に表示されると、ワークRAM203に記録される。サブCPU201は、閲覧履歴をワークRAM203に記憶させるとき、例えば、上記閲覧履歴を既に記憶されている設定変更・確認履歴情報に統合してワークRAM203に記憶させる。このときに記憶される閲覧履歴は、例えば、後述する図218に表示される設定変更・確認履歴画面中の「No.2」および「No.5」の欄に表示される情報に相当する。
ここで、ステップS3306、ステップS3307の履歴記録処理についてまとめると、以下のとおりである。先ず、ホールメニュー処理(ステップS3303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定され(ステップS33006におけるYES)、且つ、ステップS3304において受信したコマンドが設定変更処理の終了を示す初期化コマンドであるときは、サブCPU201は、設定の変更履歴および閲覧履歴の両方を行う。また、ホールメニュー処理(ステップS3303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定され(ステップS33006におけるYES)、且つ、ステップS3304において受信したコマンドが設定確認処理の終了を示す電断復帰コマンドであるときは、サブCPU201は、設定の確認履歴および閲覧履歴の両方を行う。また、ホールメニュー処理(ステップS3303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定されず(ステップS33006におけるNO)、且つ、ステップS3304において受信したコマンドが初期化コマンドであるときは、サブCPU201は、設定の変更履歴と閲覧履歴とのうち閲覧履歴については行わず設定の変更履歴のみを行う。さらに、ホールメニュー処理(ステップS3303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定されず(ステップS33006におけるNO)、且つ、ステップS3304において受信したコマンドが電断復帰コマンドであるときは、サブCPU201は、設定の確認履歴と閲覧履歴とのうち閲覧履歴については行わず設定の確認履歴のみを行う。したがって、ステップS3306、ステップS3307の履歴記録処理では、ステップS3304で受信したコマンドが初期化コマンドであるか電断復帰コマンドであるかにかかわらず、ホールメニュー処理(ステップS3303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定されると(ステップS33006におけるYES)、閲覧記録が行われる。
なお、設定変更処理中または設定確認処理中であるとき以外にも、上述したように設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたときにホールメニュー表示処理(ステップS3302)やホールメニュー処理(ステップS3303)を実行する場合には、上記の閲覧記録が行われるようにすることで、遊技店店員の不正監視にもなる。すなわち、設定変更処理または設定確認処理を行うためには専用の鍵(設定キー328の対応箇所にのみ切欠きがあり、遊技機管理責任者が管理する鍵)が必要となり、この専用の鍵を持たない例えば一般の店員では閲覧を行うことができないが、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理については、専用の鍵を持たない一般の遊技店店員や不正遊技者がバックアップ処理を行うことにより閲覧することが可能となる。そこで、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたときにもサブCPU201による閲覧記録が行われるようにすることで、その時刻に対応する防犯カメラ(通常店内に設置されている防犯カメラ)等の映像と照合し、閲覧を行った人物を特定することが可能となる。
なお、ステップS3306、ステップS3307の履歴記録処理において、ステップS3304で受信したコマンドが設定変更処理の終了を示す初期化コマンドであるか設定確認処理の終了を示す電断復帰コマンドであるかにかかわらず、ホールメニュー処理(ステップS3303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定されると(ステップS33006におけるYES)、閲覧記録が行われることは上述したとおりであるが、必ずしもこれに限られない。例えば、サブCPU201は、ホールメニュー処理(ステップS3303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定され(ステップS33006におけるYES)、且つ、ステップS3304において受信したコマンドが電断復帰コマンドであるときは、設定の確認履歴および閲覧履歴の両方を行うが、ホールメニュー処理(ステップS3303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定され(ステップS33006におけるYES)、且つ、ステップS3304において受信したコマンドが初期化コマンドであるときは、設定の変更履歴と閲覧履歴とのうち設定の変更履歴のみを記録し、閲覧履歴については記録しないようにしてもよい。これにより、閲覧履歴の記録回数を極力抑えることが可能となり、閲覧履歴が不必要に増えて不正を発見しづらくなってしまうことを抑制できる。これについて説明すると、設定変更を伴う不正が行われたときは、遊技機管理責任者の記憶にない設定の変更履歴をもって不正の可能性があることを察知可能であるが、設定の確認履歴を伴う不正については設定の確認履歴だけで不正の可能性があることを察知し難い。そこで、設定変更が行われたときは閲覧されたか否かにかかわらず閲覧履歴を記録せずに、設定確認が行われたときは閲覧(少なくとも設定値情報が閲覧)されていれば閲覧履歴を記録するようにしたものである。不正を行う者は、設定変更後に閲覧するよりも、設定確認後に閲覧することの方が主であると考えられるからである。すなわち、同じ時間帯において、閲覧履歴がなく設定確認履歴だけであれば不正の可能性が低いが、設定確認履歴および閲覧履歴の両方の履歴回数が多いと、不正の可能性があると考えられる。なお、ステップS3304において受信したコマンドが初期化コマンドであるか電断復帰コマンドであるかにかかわらず、ホールメニュー処理(ステップS3303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定されていれば(ステップS33006におけるYES)、設定の変更履歴または設定の確認履歴と閲覧履歴との両方を記録するようにし、液晶表示装置16の表示領域に設定変更・確認履歴画面を表示する際に、設定確認処理が実行された旨の操作種別情報であるときは閲覧履歴についてもあわせて表示するようにし、設定変更処理が実行された旨の操作種別情報であるときは閲覧履歴を表示しないようにしてもよい。
また、ステップS3306、ステップS3307の履歴記録処理は、ステップS3302のホールメニュー表示処理が開始されてからステップS3315の遊技画面復帰表示処理が実行されるまでの間に、複数回にわたって閲覧が行われたとしても、閲覧記録は、設定変更処理または設定確認処理が終了したときに実行されるステップS3306またはステップS3307の1回に限り実行される。例えば、ホールメニュー画面(例えば、図210参照)において「設定変更・確認履歴」を選択して決定すると(ステップS3046におけるYES)、設定変更・確認履歴画面(例えば、図218参照)が表示されるが、この設定変更・確認履歴画面において「戻る」を選択して決定すると再びホールメニュー画面に戻る。そして、このホールメニュー画面において「設定変更・確認履歴」を選択して決定すると再び設定変更・確認履歴画面が表示される。このように、ステップS3302〜ステップS3315の間に複数回にわたって設定変更・確認履歴画面が閲覧されたとしても、閲覧記録は1回となる。
ステップS3302〜ステップS3315の間に行われる閲覧記録を1回に限ることが好ましい理由は次のとおりである。すなわち、例えば不正を目的として設定変更、設定確認または閲覧を行った者は、意図的に閲覧記録を増やして履歴数を多くし、不正の発見を困難ならしめる行為を行う可能性がある。そこで、このような行為が行われたとしても、ステップS3301〜ステップS3312の間に、設定変更、設定確認または閲覧が複数回にわたって行われたとしてもこれらの履歴を1回に限り記録し、電源を一旦OFFにして再投入しない限り履歴が記録されないようにすることで、これらの履歴が徒に増えることを防止することが可能となる。
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機では、設定変更処理の終了後はホールメニュー再表示処理(ステップS3310)が実行され、設定確認処理の終了後はホールメニュー再表示処理が実行されずに遊技画面復帰処理(ステップS3315)が実行されるが、例えば、設定キー328をOFF操作して設定変更処理または設定確認処理が終了した後であっても、設定キー328を再びON操作すればホールメニュー画面が表示されるような仕様である場合には、遊技画面に復帰した後、再びホールメニュー画面を表示することができる。この場合、再び表示されたホールメニュー画面において「設定変更・確認履歴」を選択決定したり、設定キー328のON・OFF操作を繰り返し実行する都度、閲覧したことになるが、このような場合であっても閲覧記録を1回にすることが好ましい。
なお、パチンコ遊技機は、メインボタン662、セレクトボタン664の他に、電源スイッチ35、発射ハンドル32、ボリュームスイッチ108、設定スイッチ332、設定キー328、バックアップクリアスイッチ330等の操作手段を有している。このうち、メインボタン662、セレクトボタン664および発射ハンドル32は遊技者が操作することができる操作部であるが、電源スイッチ35、ボリュームスイッチ108、設定スイッチ332、設定キー328およびバックアップクリアスイッチ330については、遊技者が操作することができず、遊技機管理者といった特定の者のみが操作できる操作部である。
また、この第2実施形態では、設定値を確認可能な設定変更・確認履歴画面(例えば、図218参照)が表示されたことを閲覧履歴として記憶するようにしているが、設定値が表示されない設定変更・確認履歴画面(例えば、後述の図223参照)が表示されたことを閲覧履歴として記憶する構成としてもよい。
次に、図216、図217および図218〜図222を参照して、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理と、設定変更・確認履歴処理が実行されたときに液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面とを対比しつつ説明する。
なお、図216は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の一例を示すフローチャートである。図217は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の一例であって、図216から続くフローチャートである。図218は、液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面の初期画面(設定変更・確認履歴画面に移行したときの画面)の一例を示す図である。図219は、設定変更・確認履歴画面において「Page」が選択されたときの一例を示す図である。図220は、設定変更・確認履歴画面において、ページ更新を行うことができるページ更新画面の一例を示す図である。図221は、設定変更・確認履歴画面において「クリア」が選択されたときの一例を示す図である。図222は、設定変更・確認履歴画面において、各履歴データがクリアされたデータクリア画面の一例を示す図である。
ホールメニュー処理(図214参照)において「設定変更・確認履歴」が選択されると(図214のステップS33006におけるYES)、サブCPU201は、設定変更・確認履歴画面表示処理を行う(ステップS33051)。このとき、液晶表示装置16の表示領域には、設定変更・確認履歴画面の初期画面(図218参照)が表示される。この設定変更・確認履歴画面の初期画面では、「戻る」がハイライト表示されている。
なお、液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面(例えば図218参照)は、設定変更・確認履歴表示領域31640と、操作説明領域31650と、第1選択領域31660aと、第2選択領域31660bとを有する。図218では、第1選択領域31660aには「Page」が表示され、第2選択領域31660bには「クリア」および「戻る」が表示されている例が示されている。
例えば図218に示されるように、設定変更・確認履歴表示領域31640には、時間情報と、操作種別情報と、設定値情報とが対応付けられて、一覧で表示される。日時の欄には、設定変更・設定確認・閲覧が行われた日時が表示される。操作種別の欄には、操作種別(設定変更、設定確認、閲覧)が表示される。設定値の欄には、設定変更が行われたときは変更後の設定値が表示され、設定確認が行われたときはそのときの設定値が表示される。なお、操作種別の欄には、設定変更の場合は単に「変更」と表示され、設定確認の場合は単に「確認」と表示される。
このように、第2実施形態に係るパチンコ遊技機では、設定変更・確認履歴画面の初期画面において、時間情報と、操作種別情報(設定変更、設定確認、閲覧)とが対応付けられて表示される。さらに、操作種別が設定変更であるときには設定後の設定値が、設定確認であるときとにはそのときの設定値が、それぞれ、日時および操作種別と対応付けて表示される。
サブCPU201は、設定変更・確認履歴画面表示処置(ステップS33051)を実行したのち、計時処理を実行する(ステップS33052)。この計時処理は、サブCPU201に内蔵されるタイマの計時を開始する処理である。ここで、タイマの計時を開始するのは、設定変更・確認履歴画面表示処理(ステップS33051)が実行されてから(液晶表示装置16の表示領域に設定変更・確認履歴画面の初期画面(図218参照)が表示されてから)、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときに、ホールメニュー画面(例えば、図209参照)が表示されるようにするためである。
サブCPU201は、ステップS33053において、セレクトボタン664が操作されたか否かを判別する。セレクトボタン664が操作されなければ(ステップS33053におけるNO)、後述するステップS33071に移り、設定変更・確認履歴画面の初期画面(図218参照)において「戻る」に決定されたか否かを判別する。設定変更・確認履歴画面の初期画面では、上述したとおり「戻る」がハイライト表示(選択)されているため、セレクトボタン664が操作されずにメインボタン662を押下操作すると、「戻る」に決定される。
サブCPU201は、セレクトボタン664が操作されたと判別すると(ステップS33053におけるYES)、選択された項目をハイライト表示する(ステップS33054)。例えば、「戻る」がハイライト表示されている設定変更・確認履歴画面の初期画面(図218参照)において上セレクトボタン664aを操作すると、ハイライト表示が「戻る」から「Page」に移動する(図219参照)。
サブCPU201は、選択された項目をハイライト表示(ステップS33054)した後、計時処理を実行する(ステップS33055)。この計時処理は、ステップS33052で開始されたタイマの計時をクリアし、再び、サブCPU201に内蔵されるタイマの計時を開始する処理である。タイマの計時をクリアして再び計時を開始するのは、設定変更・確認履歴画面において選択された項目がハイライト表示(ステップS33054)されてから所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときに、ホールメニュー画面(例えば、図209参照)が表示されるようにするためである。
サブCPU201は、ステップS33056において、「Page」に決定されたか否かを判別する。液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面において「Page」が選択された状態(ハイライト表示された状態)で操作者がメインボタン662を押下すると、サブCPU201は、「Page」に決定されたと判別する。
サブCPU201は、「Page」に決定されたと判別すると(ステップS33056におけるYES)、ページ更新画面表示処理を実行する(ステップS33057)。ページ更新画面表示処理が実行されると、液晶表示装置16の表示領域には、設定変更・確認履歴画面におけるページ更新画面(図220参照)が表示される。この設定変更・確認履歴画面におけるページ更新画面では、「Page」の表記の左右に、左右セレクトボタン664c,664dを模した画像と、「次ページ」および「前ページ」とが表示される。これにより、左セレクトボタン664cを操作すると設定変更・確認履歴画面が前ページに更新され、下セレクトボタン664dを操作すると設定変更・確認履歴画面が次ページに更新されることを、操作者が把握することができる。なお、設定変更・確認履歴画面の1ページ目が表示されているときに左セレクトボタン664cを操作すると最終ページが表示され、最終ページが表示されているときに右セレクトボタン664dを操作すると1ページ目が表示されるように循環表示すると、利便性を高めることができる。
一方、「Page」に決定されていなければ(ステップS33056におけるNO)、サブCPU201は、後述するステップS33065に移り、設定変更・確認履歴画面において「クリア」に決定されたか否かを判別する。
サブCPU201は、ページ更新画面表示処理(ステップ3057)を実行すると、計時処理を実行する(ステップS33058)。この計時処理は、ステップS33055で開始されたタイマの計時をクリアし、再び、サブCPU201に内蔵されるタイマの計時を開始する処理である。タイマの計時をクリアして再び計時を開始するのは、ページ更新画面表示処理(ステップS33057)が実行されてから(設定変更・確認履歴画面におけるページ更新画面(図220参照)が表示されてから)、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときに、ホールメニュー画面(例えば、図209参照)が表示されるようにするためである。
サブCPU201は、ステップS33059において、ページ更新操作が行われたか否かを判別する。ページ更新操作が行われていなければ(ステップS33059におけるNO)、後述するステップS33062に移る。
サブCPU201は、ページ更新操作が行われたと判別すると(ステップS33059におけるYES)、ページ更新処理を実行する(ステップS33060)。液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面におけるページ更新画面(図220参照)において左右セレクトボタン664c,664dが操作されると、サブCPU201は、ページ更新処理が行われたと判別し、液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面を、次ページまたは前ページの設定変更・確認履歴画面に更新して表示する。なお、次ページまたは前ページの設定変更・確認履歴画面に更新されたときの設定変更・確認履歴画面の図示は省略している。
なお、この第2実施形態において、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面におけるページ更新画面(図220参照)において左右セレクトボタン664c,664dが操作されるとページ更新処理を行うようにしているが、ページ更新処理を行うための操作はこれに限られない。例えば、上下セレクトボタン664a,664bを操作することによって設定変更・確認履歴画面中の「No.1」〜「No.5」のうちいずれかを選択できるようにし、下セレクトボタン664bが操作され、且つ、最後の行であると判別されたときにページ更新処理を行うようにしてもよい。後述する設定変更・確認履歴処理の変形例におけるページ更新処理も同様である。
サブCPU201は、ページ更新処理(ステップ3060)を実行すると、計時処理を実行する(ステップS33061)。この計時処理は、ステップS33058で開始されたタイマの計時をクリアし、再び、サブCPU201に内蔵されるタイマの計時を開始する処理である。タイマの計時をクリアして再び計時を開始するのは、ページ更新処理(ステップS33060)が実行されてから(次ページまたは前ページの設定変更・確認履歴画面が表示されてから)、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときに、ホールメニュー画面(例えば、図209参照)が表示されるようにするためである。
サブCPU201は、ステップS33061の計時処理を実行した後、ステップS33059に戻り、ページ更新操作が行われたか否かを判別する。
サブCPU201は、ステップS33062において、セレクトボタン664が操作されたか否かを判別する。セレクトボタン664が操作されなければ(ステップS33062におけるNO)、後述するステップS33072に移る。この場合、ステップS33071ではなくステップS33072に移るのは、設定変更・確認履歴画面のページ更新画面では、設定変更・確認履歴画面の初期画面のように「戻る」がハイライト表示(選択)されているわけではないからである。
サブCPU201は、セレクトボタン664が操作されたと判別すると(ステップS33062におけるYES)、選択された項目をハイライト表示する(ステップS33063)。例えば、設定変更・確認履歴画面(図220参照)において下セレクトボタン664bを操作すると、ハイライト表示が「Page」から「クリア」に移動する(図221参照)。
サブCPU201は、選択された項目をハイライト表示(ステップS33063)した後、計時処理を実行する(ステップS33064)。この計時処理は、ステップS33061で開始されたタイマの計時をクリアし、再び、サブCPU201に内蔵されるタイマの計時を開始する処理である。タイマの計時をクリアして再び計時を開始するのは、設定変更・確認履歴画面において選択された項目がハイライト表示されてから所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときに、ホールメニュー画面(例えば、図209参照)が表示されるようにするためである。
サブCPU201は、ステップS33064の計時処理を実行した後、ステップS33065に移り、「クリア」に決定されたか否かを判別する。液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面において「クリア」が選択された状態(ハイライト表示された状態)で操作者がメインボタン662を押下すると、サブCPU201は、「クリア」に決定されたと判別する。
サブCPU201は、「クリア」に決定されたと判別すると(ステップS33065におけるYES)、設定変更・確認履歴データクリア処理を実行する(ステップS33066)。この設定変更・確認履歴データクリア処理は、ワークRAM203に記憶されている設定変更履歴、設定確認履歴および閲覧履歴の全てのデータを消去する処理である。設定変更・確認履歴データクリア処理が実行されると、液晶表示装置16の表示領域における設定変更・確認履歴表示領域31640に表示されていた各履歴データが全て消去される(図222参照)。ステップS33065の設定変更・確認履歴データクリア処理が実行されると、「戻る」の項目がハイライト表示される。
なお、上記の設定変更・確認履歴データクリア処理(ステップS33066)では、ワークRAM203に記憶されている設定変更履歴、設定確認履歴および閲覧履歴の全てのデータを消去しているが、必ずしも全てのデータを消去することに限られず、一部のデータのみを消去できるようにしてもよい。一部のデータを消去する態様としては、例えば、図221のNo.1〜No.5のうちの特定のNoに対応する時間(日時)情報と操作種別情報と設定値情報とを消去する態様、設定変更・確認履歴画面をページ毎に消去する態様、複数の操作種別(設定変更、設定確認、閲覧)のうち特定の操作種別に対応する日時(時間)情報と操作種別情報と設定値情報とを消去する態様、時間(日時)情報と操作種別情報と設定値情報とのうち特定の情報(例えば設定値情報)のみを消去する態様などが考えられる。
また、設定変更・確認履歴データクリア処理(ステップS33066)は、特定の条件を満たした者だけで実行されるようにすることが好ましい。例えば、設定変更・確認履歴画面において「クリア」が選択された状態(ハイライト表示された状態)では、例えばパスワードの入力を、メインボタン662の押下が有効化される条件としてもよい。この場合、パスワードを入力せずに操作者がメインボタン662を押下すると、パスワードを要求する画面が表示され、正しいパスワードが入力された場合に限り、設定変更・確認履歴データクリア処理が実行されるようにすることができる。これにより、設定変更履歴、設定確認履歴および閲覧履歴のデータを誤ってクリアしてしまうことを防止できる。また、例えば、不正を目的として設定変更処理や閲覧を行った者は、自らの不正を隠すために設定変更履歴、設定確認履歴および閲覧履歴のデータを消去するおそれがあると考えられる。そこで、例えばパスワードを知っている者等、特定の者だけが設定変更・確認履歴データクリア処理を実行できるようにすることで、不正を目的として設定変更処理や閲覧を行うことを抑制することが可能となる。
サブCPU201は、設定変更・確認履歴データクリア処理(ステップS33066)を実行すると、計時処理を実行する(ステップS33067)。この計時処理は、ステップS33064で開始されたタイマの計時をクリアし、再び、サブCPU201に内蔵されるタイマの計時を開始する処理である。タイマの計時をクリアして再び計時を開始するのは、設定変更・確認履歴データクリア処理(ステップS33066)が実行されてから(設定変更・確認履歴表示領域31640に表示されていた各履歴データが全て消去されてから)、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときに、ホールメニュー画面(例えば、図209参照)が表示されるようにするためである。
サブCPU201は、ステップS33068において、セレクトボタン664が操作されたか否かを判別する。セレクトボタン664が操作されなければ(ステップS33068におけるNO)、後述するステップS33072に移る。この場合、ステップS33072ではなくステップS33071に移るのは、各履歴データがクリアされたデータクリア画面では、セレクトボタン664が操作されない限り、「戻る」がハイライト表示(選択)されているからである。したがって、各履歴データがクリアされたデータクリア画面において「戻る」がハイライト表示されない仕様であれば、ステップS33072に移る。
サブCPU201は、セレクトボタン664が操作されたと判別すると(ステップS33068におけるYES)、選択された項目をハイライト表示する(ステップS33069)。
サブCPU201は、選択された項目をハイライト表示(ステップS33069)した後、計時処理を実行する(ステップS33070)。この計時処理は、ステップS33067で開始されたタイマの計時をクリアし、再び、サブCPU201に内蔵されるタイマの計時を開始する処理である。タイマの計時をクリアして再び計時を開始するのは、設定変更・確認履歴画面において選択された項目がハイライト表示(ステップS33069)されてから所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときに、ホールメニュー画面(例えば、図209参照)が表示されるようにするためである。
サブCPU201は、ステップS33071において、「戻る」に決定されたか否かを判別する。液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面において「戻る」が選択された状態(ハイライト表示された状態)で操作者がメインボタン662を押下すると、サブCPU201は、「戻る」に決定されたと判別する。
サブCPU201は、「戻る」に決定されたと判別すると(ステップS33071におけるYES)、ホールメニュー画面表示処理を実行し(ステップS33073)、設定変更・確認履歴処理を終了する。このホールメニュー画面表示処理は、液晶表示装置16の表示領域に、設定変更・確認履歴画面に代えて、ホールメニュー画面の初期画面(図209参照)を表示する処理である。
なお、ステップS33071において「戻る」に決定されなければ(ステップS33071におけるNO)、サブCPU201は、所定時間経過したか否かを判別する(ステップS33072)。
サブCPU201は、ステップS33072において所定時間経過したと判別すると(ステップS33072におけるYES)、ステップS33073に移り、液晶表示装置16の表示領域に表示されている設定変更・確認履歴画面を終了し、ホールメニュー画面の初期画面(図209参照)を表示する。すなわち、操作者の意思で「戻る」の項目を選択決定しなくても、無操作期間が所定期間継続すると、設定変更・確認履歴画面の表示が終了し、ホールメニュー画面の初期画面が表示されることとなる。
一方、ステップS33072において所定時間経過していなければ(ステップS33072におけるNO)、サブCPU201は、ステップS33053に戻り、ステップS33053以降の処理を継続する。
このように、設定変更中または設定確認中に液晶表示装置16に表示される設定変更・確認履歴画面では、何らの操作も行われることなく所定時間が経過すると、設定変更・確認履歴画面が終了し、ホールメニュー画面が表示されるように構成されている。ただし、ホールメニュー画面では、たとえ無操作であったとしても設定変更中または設定確認中である限りホールメニュー画面が終了することなく、サブCPU201は、ホールメニュー画面の表示が継続するよう制御する。この場合、ホールメニュー画面には、ホールメニュー終了の項目は表示されない。
なお、ステップS33072において所定時間経過した(ステップS33072におけるYES)と判別されたときにステップS33073に移る処理は、上述のステップS3303(図207、図213参照)のホールメニュー処理(すなわち設定変更中または設定確認中)における処理であり、ステップS3311(図207、図213参照)のホールメニュー処理(すなわち設定変更または設定確認が終了したのち)では異なる処理を実行する(不図示)。具体的には、ステップS3311のホールメニュー処理における設定変更・確認履歴処理(ステップS33007)において無操作のまま所定時間経過したとき(ステップS3311のホールメニュー処理におけるステップS33072において所定時間経過した(ステップS33072におけるYES)と判別されたとき)、サブCPU201は、ステップS3315(図207、図213参照)に移り、設定変更・確認履歴画面の表示を終了して遊技画面復帰表示処理(ステップS3315)およびホールメニュー表示禁止処理(ステップS3316)を実行する。すなわち、設定変更中または設定確認中における設定変更・確認履歴画面では、無操作時間が所定時間にわたって継続するとホールメニュー画面に戻るだけである(再び設定変更・確認履歴画面を閲覧することができる)が、設定変更処理が終了して再表示されたホールメニュー画面を経由して表示される設定変更・確認履歴画面では、無操作時間が所定時間にわたって継続すると、再び設定変更・確認履歴画面を閲覧することができなくなる。
また、ステップS33072において所定時間経過していない(ステップS33072におけるNO)と判別されたときにステップS33053に戻る処理についても、上述のステップS3303(図207、図213参照)のホールメニュー処理(すなわち設定変更中または設定確認中)における処理であり、ステップS3311(図207、図213参照)のホールメニュー処理(すなわち設定変更または設定確認が終了したのち)では異なる処理を実行する(不図示)。具体的には、ステップS3311のホールメニュー処理における設定変更・確認履歴処理(ステップS33007)において無操作期間が所定期間に至っていなくても(ステップS33072におけるNO)、例えば、演出制御オブジェクトを生成するコマンドを受信したと判別されたとき等の所定の終了条件が成立したことにもとづいて、遊技画面復帰処理(ステップS3315)およびホールメニュー表示禁止処理(ステップS3316)を実行する。すなわち、設定変更中または設定確認中における設定変更・確認履歴画面では、無操作時間が所定時間にわたって継続するとホールメニュー画面に戻るだけである(再び設定変更・確認履歴画面を閲覧することができる)が、設定変更処理が終了して再表示されたホールメニュー画面を経由して表示される設定変更・確認履歴画面では、無操作時間が所定時間にいたっていなくても、再び設定変更・確認履歴画面を閲覧することができなくなる。言い換えると、設定変更処理が終了したのちに再表示されたホールメニュー画面を経由して表示される設定変更・確認履歴画面では、所定期間にわたって無操作期間が継続されず、上記の所定の終了条件が成立しない限り、ステップS33053〜ステップS33072の処理が繰り返し実行されることとなる。
このように、設定変更処理が実行されたときには、この設定変更処理が終了したとしても、設定変更や設定確認の履歴といった秘匿情報を操作者が閲覧する時間に猶予を持たせつつ、所定時間(例えば30秒)にわたって無操作であると設定変更・確認履歴画面の表示が終了して遊技画面復帰処理(ステップS3315)およびホールメニュー禁止処理(ステップS3316)が実行されるため、権限を有しない者(例えば遊技機管理者でないホール係員や遊技者)が設定変更履歴、設定確認履歴、閲覧履歴などの秘匿情報を容易に閲覧することができず、セキュリティ性を担保することが可能となる。
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機では、例えば図218に示される設定変更・確認履歴画面では、操作種別(設定変更、設定確認、閲覧)にかかわらず、時間情報と操作種別情報と設定値情報との全部が示される一覧画面が表示される。すなわち、設定変更されたときの時間情報と設定値情報とが表示される第1の情報(例えば、図218のNo.3)と、設定確認されたときの時間情報と設定値情報とが表示される第2の情報(例えば、図218のNo.3、No.4)と、閲覧されたときの時間情報と設定値情報とが表示される第3の情報(例えば、図218のNo.2、No.5)とが一覧で表示される。しかし、操作者(例えば遊技機管理者)は、特定の操作種別情報にターゲットを絞り込んで表示させたい場合がある。そこで、時間情報と操作種別情報と設定値情報とが一覧で表示される画面(例えば、図218参照)と、上記の第1の情報と上記の第2の情報と上記の第3の情報とのうち特定の情報のみに絞り込まれた絞込画面とを、操作者の意思によって選択的に液晶表示装置16の表示領域に表示可能に構成するとよい。これにより、操作者の利便性を高めることが可能となる。とくに上記の第1の情報は、不正発見のみならず、その設定値で何日間営業を行ったか等の情報を知ることができるため、営業上における利便性も高い。上記の絞込画面は、特定の操作種別情報にターゲットを絞り込んで表示できればよいため、操作種別とは関係のない情報(例えば、現在時刻情報など)が表示されていてもよい。
[設定変更・確認履歴処理において表示される表示画面の他の例]
次に、設定変更・確認履歴処理において液晶表示装置16の表示領域に表示される表示画面の他の例について、図223〜図227を参照して説明する。ただし、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理は、図216および図217と同様であるため、この他の例では、液晶表示装置16の表示領域に表示される画面について説明し、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理についての説明は省略する。
図223は、液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面の他の例であって、初期画面の例を示す図である。図224は、液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面の他の例であって、「設定表示」が選択されたときの一例を示す図である。図225は、液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面の他の例であって、設定値が新たに加えて表示されたときの一例を示す図である。図226は、液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面の他の例であって、「Page」が選択されたときの一例を示す図である。図227は、液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面の他の例であって、ページ更新を行うことができるページ更新画面の例を示す図である。
例えば図223に示されるように、設定変更・確認履歴画面は、設定変更・確認履歴表示領域31670と、操作説明領域31680と、第1選択領域31690aと、第2選択領域31690bとを有する。
図223に示される設定変更・確認履歴画面の初期画面では、設定変更・確認履歴表示領域31670に、時間情報および操作種別情報は表示されるものの、設定値情報については表示されない。すなわち、図223に示される設定変更・確認履歴画面は、時間情報と操作種別情報と設定値情報とのうち時間情報および操作種別情報のみが表示される画面である。なお、時間情報が表示される日時の欄には、設定変更・設定確認・閲覧が行われた日時が表示され、操作種別情報が表示される操作種別の欄には、操作種別(設定変更、設定確認、閲覧)が表示される。
また、設定変更・確認履歴画面の初期画面では、第2選択領域31690bに、「クリア」および「戻る」の他に、「設定表示」も表示される。なお、設定変更・確認履歴の初期画面では、「戻る」が選択表示(ハイライト表示)されている。この他の例においても、セレクトボタン664を操作することによって、ハイライト表示される項目を選択することができるようになっている。
セレクトボタン664を操作して「設定表示」を選択すると、「設定表示」がハイライト表示される(図224参照)。そして、「設定表示」が選択(ハイライト表示)されている状態で、メインボタン662が押下されたことをサブCPU201が検知すると、時間情報および操作種別情報は表示されるものの設定値情報については表示されない設定変更・確認履歴画面の初期画面に代えて、時間情報と操作種別情報と設定値情報とが一覧で表示された設定変更・確認履歴画面(一覧画面)が表示される(図225参照)。このように、この他の例では、設定変更・確認履歴画面の初期画面では設定値が表示されていないものの、「設定表示」を選択して決定することで、日時および操作種別と対応付けて新たに設定値が一覧で表示されることとなる。なお、設定変更・確認履歴画面の初期画面に代えて、時間情報と操作種別情報と設定値情報とが表示された設定変更・確認履歴画面が表示されると、図225に示されるように「戻る」がハイライト表示される。
時間情報と操作種別情報と設定値情報とが表示された設定変更・確認履歴画面(図225参照)において、セレクトボタン664を操作して「Page」を選択すると、「Page」がハイライト表示される(図226参照)。そして、「Page」が選択(ハイライト表示)されている状態でメインボタン662が押下されたことをサブCPU201が検知すると、サブCPU201によってページ更新処理が実行される。このページ更新処理が実行されると、液晶表示装置16の表示領域には、設定変更・確認履歴画面におけるページ更新画面(図227参照)が表示される。このページ更新画面では、左右セレクトボタン664c,664dを操作することで、次ページまたは前ページに更新することができる。
また、時間情報および操作種別情報は表示されるものの設定値情報が表示されない設定変更・確認履歴画面の初期画面(図223参照)において、「Page」を選択してメインボタン662を押下した場合にも、サブCPU201によってページ更新処理が実行される。ただし、このページ更新処理が実行されたときは、液晶表示装置16の表示領域に、時間情報および操作種別情報は表示されるものの、設定値情報が表示されない設定変更・確認履歴画面におけるページ更新画面が表示される。このページ更新画面では、左右セレクトボタン664c,664dを操作すると、設定値が表示されない設定変更・確認履歴画面の次ページまたは前ページに更新することができる。ただし、時間情報および操作種別情報は表示されるものの設定値情報が表示されない設定変更・確認履歴画面では、ページ更新処理を実行できないように構成してもよい。
なお、この他の例では、例えば図223のように時間情報と操作種別情報と設定値情報とのうち時間情報および操作種別情報のみが画面と、例えば図225のように時間情報と操作種別情報と設定値情報とが一覧で表示される画面とを選択的に表示可能となっているが、図223の画面は、時間情報と操作種別情報と設定値情報とのうちいずれか一または二の情報のみが表示される画面であればよい。
また、時間情報と操作種別情報と設定値情報とが一覧で表示された設定変更・確認履歴画面は、特定の条件を満たした者(例えば、適正なパスワードを入力した者など)だけが閲覧できるようにしてもよいが、これについては後述する。
図228は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の液晶表示装置16の表示領域に表示されるホールメニュー画面において、設定値を確認することが可能な設定変更・確認履歴画面が表示されるまでの操作手順の一例を示すフロー図である。図228に示すように、第2実施形態に係るパチンコ遊技機は、設定変更・確認履歴情報を閲覧するための第1の手順として、設定変更処理または設定確認処理が実行されたときにホールメニュー画面を表示する。上述したとおり、設定変更処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作の両方を行うことで実行できる。また、設定確認処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作することで実行できる。なお、設定キー328は、一方向に回す操作を行うことにより設定キースイッチ信号をオンにすることができ、逆方向に回す(元の位置に戻す)ことで設定キースイッチ信号をオフにすることができる構成となっている。
なお、第2実施形態に係るパチンコ遊技機において、設定キー328のON操作は、設定変更処理および設定確認処理のいずれを実行する場合であっても行われる操作であるが、これに限られず、設定変更処理および設定確認処理のうち少なくともいずれか一方の処理を実行するときに行われる操作であってもよい。後述するいずれの変形例においても同様である。
第2の手順として、パチンコ遊技機は、ホールメニュー画面(例えば、図210参照)で、ホールメニューの中の「設定変更・確認履歴」が選択決定されることにより、「設定変更・確認履歴」がハイライト表示され、かつ、日時データおよび操作種別(設定変更、確認、閲覧のうちの対応する操作種別)のみが表示された設定変更・確認履歴情報を含む設定変更・確認履歴画面のプレビュー画面(図210参照)を表示する(設定値は表示されていない)。
第3の手順として、パチンコ遊技機は、第2の手順で表示されたホールメニュー画面(図210参照)において、「設定変更・確認履歴」がハイライト表示されている状態でメインボタン662が押下されることにより設定変更・確認履歴画面(図218参照)を、液晶表示装置16の表示領域に表示する。この設定変更・確認履歴画面には、日時データと操作種別(設定変更、確認、閲覧のうちの対応する操作種別)と設定値とが対応付けられている。
よって、設定キー328の使用及び操作することができる者(権限を有する者)は、上記第1〜第3の手順を経て表示される設定変更・確認履歴画面(図218参照)の設定変更・確認履歴を見ることで、出玉率を規定する設定値の設定変更、設定変更の確認、設定変更および確認の閲覧の各履歴と対応する設定値とを一目で確認することができるようになる。なお、権限を有する者とは、設定変更、設定変更の確認等に関する権限が与えられた者であって、ホールの店長等を意味する。以下、「権限を有する者」は、「管理権限者」と称することもある。
上述したように、本発明に係る遊技機を構成するパチンコ遊技機は、各種画像を表示する液晶表示装置16と、メインボタン662及びセレクトボタン664等の操作ボタン群66と、遊技に関わる制御を行う制御部であるメインCPU101と、液晶表示装置16の表示の制御を行う表示制御部であるサブCPU201と、を備え、制御部は、設定値(例えば、設定1〜6)の変更又は確認を可能にする設定手段である設定スイッチ332と、サブCPU201に各種データを送信するデータ送信手段と、を備え、表示制御部は、データ送信手段からの各種データを受信する受信手段と、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能なバックアップメモリとして機能するワークRAM203と、日時を計時するRTC209と、を備え、メインCPU101は、データ送信手段によって、設定変更又は設定確認と設定値とをサブCPU201に送信し、サブCPU201は、データ受信手段によって受信されたデータが設定変更又は設定確認の場合には、ワークRAM203に設定変更又は設定確認、設定値及びRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶し、メインRAM203に記憶された設定変更又は設定確認と日時データとを液晶表示装置16に表示する設定表示機能を備え、設定変更又は設定確認と日時データとが表示された状態で、メインボタン662が操作された場合にワークRAM203に記憶された設定値を表示する構成を有している。
この構成により、ワークRAM203に設定変更又は設定確認、設定値及びRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶するので、設定変更又は設定確認及び日時データが表示された状態で、メインボタン662が操作された場合にワークRAM203に記憶された設定値を表示することができる。したがって、ホールメニューの「設定変更・確認履歴」が選択された場合に、設定値に関する各履歴を確認することができ、不正な設定変更又は設定確認が行われたか否かを判断することができるようになる。
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機は、設定値を受信した日時データをRTC209から取得し、設定値と、日時データと、設定変更を表す情報と、を対応づけて記憶する構成としてもよい。
この構成により、変更後の設定値と、変更された日時データと、設定変更を表す情報と、を対応づけて記憶するので、権限を有する者が設定値の変更が行われた日時を特定することができ、設定値を変更する等の不正が行われていた場合にその不正を特定することが可能になる。
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機は、設定値を確認したこと表す情報を受信した日時をRTC209から取得し、日時データと、設定確認を表す情報と、を対応づけて記憶する構成としてもよい。
この構成により、設定値を確認した日時データと、設定確認を表す情報と、を対応づけて記憶するので、権限を有する者が設定値の確認が行われた日時を特定することができ、設定値を確認する等の不正が行われていた場合にその不正を特定することが可能になる。
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機は、ワークRAM203の設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16に閲覧履歴を表示する構成としてもよい。
この構成により、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、閲覧履歴を表示することができる。したがって、設定値が表示されないホールメニューの「設定変更・確認履歴」が選択された状態において、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認、設定値および日時データの表示に加えて、閲覧履歴を表示することができるので、ゴト行為などの不正の目的で設定変更又は設定確認の閲覧履歴の閲覧が行われたか否かを判断することができる。
上記構成によって、本実施形態では、設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとをそれぞれ対応づけた設定変更・確認履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する各履歴を確認することができ、不正な設定変更又は設定確認が行われたか否かを判断することができるパチンコ遊技機を提供することができる。
また、本発明に係る遊技機を構成するパチンコ遊技機は、各種画像を表示する液晶表示装置16と、メインボタン662及びセレクトボタン664等の操作部と、遊技に関わる制御を行う制御部であるメインCPU101と、液晶表示装置11の表示の制御を行う表示制御部であるサブCPU201と、を備え、制御部は、設定値(例えば、設定1〜6)の変更又は確認を可能にする設定手段である設定スイッチ332と、サブCPU201に各種データを送信するデータ送信手段と、を備え、表示制御部は、データ送信手段からの各種データを受信する受信手段と、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能なワークRAM203と、日時を計時するRTC209と、を備え、メインCPU101は、データ送信手段によって、設定変更又は設定確認と設定値とをサブCPU201に送信し、サブCPU201は、データ受信手段によって受信されたデータが設定変更又は設定確認の場合には、ワークRAM203に設定変更又は設定確認、設定値及びRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶し、ワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報を液晶表示装置16に表示する設定表示機能を備え、ワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報が液晶表示装置16に表示された場合には日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16に閲覧履歴を表示する構成を有している。
この構成により、ワークRAM203の設定変更・確認履歴情報が表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16の表示領域に閲覧履歴を表示することができる。したがって、不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できる。
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機は、設定変更・確認履歴情報が液晶表示装置16に表示された日時データをRTC209から取得し、日時データと、閲覧履歴を表す情報と、を対応づけて記憶する構成としてもよい。
この構成により、日時データと、閲覧履歴を表す情報と、を対応づけて記憶するので、設定値に関する情報の閲覧が行われた日時を特定することができ、設定値を変更する等の不正が行われていた場合にその不正を特定することが可能になる。
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機は、ワークRAM203の設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16に閲覧履歴を表示する構成としてもよい。
この構成により、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16に閲覧履歴を表示することができる。したがって、設定値が表示されないホールメニューの「設定変更・確認履歴」が選択された状態において、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認、設定値および日時データの表示に加えて、閲覧履歴を表示することができるので、ゴト行為などの不正の目的で設定変更又は設定確認の閲覧履歴の閲覧が行われたか否かを判断することができる。
上述した構成によって、本実施形態では、設定変更確認・履歴情報を閲覧した閲覧履歴と日時データとを対応づけた閲覧履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できるパチンコ遊技機を提供することができる。
[メンテナンス処理]
次に、図229〜図231を参照して、サブCPU201により実行されるメンテナンス処理(ステップS33019)と、メンテナンス処理が実行されたときに液晶表示装置16の表示領域に表示されるメンテナンス画面とを対比しつつ説明する。なお、図229は、サブCPU201により実行されるメンテナンス処理の一例を示すフローチャートである。図230は、メンテナンス画面が液晶表示装置16の表示領域に表示されたときの一例を示す図である。図231は、液晶表示装置16の表示領域に表示されるメンテナンス画面の一例である。
メンテナンス処理において、サブCPU201は、メンテナンス画面(図230および図231参照)を液晶表示装置16の表示領域に表示する。このメンテナンス処理では、例えば、演出ボタンスイッチ621、上部役物1000等の演出役物といった、サブCPU201に接続されたデバイス(例えば、各種センサ、作動する各種役物等)をメンテナンス処理の対象とし、これらのデバイスが正常に作動するか否かを操作者に確認させることができる。
図230および図231に示すように、サブCPU201は、メンテナンス画面(図230および図231参照)の略中央に、各種装置(各種センサや各種役物等)の動作状態表示表を表示する。この動作状態表示表は、例えば28個の各種装置の名称が表示されている名称列と、名称列に表示されている各種装置に付された通し番号(1〜28)が表示されている番号列と、各種装置の動作状態を示す動作状態列と、を有している。動作状態列の「OFF」表示は、各種装置からの入力がない旨を表している。各種装置から入力があると、動作状態列の表示は、「OFF」表示から「ON」表示に変更される。例えば、メンテナンス画面の表示中に、演出ボタン1が操作されると、サブCPU201は、演出ボタン1の動作状態列の表示を、「OFF」表示から「ON」表示に変更する。なお、「ON」表示は赤字で表示される。上記の「各装置から入力」とは、サブCPU201による入力ポート等の検出に基づくものである。また、演出役物のそれぞれには少なくとも通常位置(待機位置)に存在することを検出するセンサがあり、通常位置を検出するセンサがONの場合に表示をOFFとして、通常位置を検出するセンサがOFFの場合すなわち演出役物が移動した場合に表示をONとするものとする。
また、サブCPU201は、メンテナンス画面の下方に、メンテナンス画面における操作方法を表示する。具体的には、メインボタン662と上セレクトボタン664aと下セレクトボタン664bとを同時に押下すると、ホールメニュー画面の初期画面(図209参照)に戻る(再表示される)旨が表示されており、さらにその下方には、メインボタン662およびセレクトボタン664夫々に対応する画像が表示されている。図231では、全部のセレクトボタン664a〜624dに対応する画像が有効であることを示す白抜きで表示されている。
メンテナンス処理(図229参照)において、サブCPU201は、先ず、サブデバイス入力情報を取得する(ステップS33081)。サブデバイス入力情報は、図231に示す動作状態表示表の通し番号21〜28が付された各種装置の作動状態の検出結果である。サブデバイス入力情報には、上記各種装置において入力がある状態であるオン状態か入力がない状態であるオフ状態かを示すサブ入力状態情報が含まれている。
次に、サブCPU201は、取得したサブデバイス入力情報におけるサブ入力状態情報を読み出すサブ入力状態情報編集処理を行う(ステップS33082)。
次に、サブCPU201は、ステップS33082で読み出したサブ入力状態情報に基づいて、メンテナンス画面(図230、図231参照)を液晶表示装置16の表示領域に表示するメンテナンス画面表示処理を行う(ステップS33083)。この処理で、メンテナンス画面の表示及び表示の更新(例えば、「OFF」表示から「ON」表示への変更)が行われる。
次に、サブCPU201は、メインボタン662と上セレクトボタン664aと下セレクトボタン664bとが同時に操作されたか否かを判別する(ステップS33084)。メインボタン662と上セレクトボタン664aと下セレクトボタン664bとが同時に操作されたと判別した場合(ステップS33084におけるYES)、サブCPU201は、メンテナンス処理及びホールメニュー処理(図214参照)を終了し、処理をホールメニュータスク(図207参照)のステップS3304に戻す。
一方、メインボタン662と上セレクトボタン664aと下セレクトボタン664bとが同時に操作されていないと判別した場合(ステップS33084におけるNO)、サブCPU201は、処理をステップS33081に戻す。
ところで、近年のパチンコ遊技機やパチスロでは、1デバイスで複数の機能を有するものもある。例えば、第2実施形態に係るパチンコ遊技機でいえば、演出ボタン62に、操作ボタンとしての機能と、演出ボタンとしての機能とを持たせたような場合である。演出ボタンの機能としては、例えば、特別図柄の抽選結果にもとづいて上方に向けて突出移動するような機能が相当する。そして、図231に示される通し番号21の「演出ボタン1」が選択決定されると、サブCPU201は、演出ボタン62の操作機能についてのメンテナンスを実行する。また、図231に示される通し番号22の「演出ボタン2」が選択決定されると、サブCPU201は、演出ボタン62を上方に突出移動させて、演出機能についてのメンテナンスを実行する。メンテナンス操作の結果が正常判定であれば、サブCPU201は、メンテナンス画面表示処理(ステップS33083)を実行し、メンテナンス画面の表示処理を実行する(「OFF」表示から「ON」表示に変更する)。なお、「メインボタン2」が選択決定されたことによって上方に突出した演出ボタン62は、例えば、正常判定された場合、セレクトボタン664を操作して図231に示される他の通し番号の項目が選択された場合、メインボタン662と上セレクトボタン664aと下セレクトボタン664bとが同時に押下されてメンテナンスモードが終了した場合に、通常状態(上方に突出する前の状態)に戻るようサブCPU201により制御される。
また、近年のパチンコ遊技機やパチスロでは、駆動手段が異なる複数の演出役物が備えられているものもあり、このような遊技機では、駆動手段が異なる複数の演出役物を同時に作動させてメンテナンスを実行してもよいし、駆動手段が異なる複数の演出役物の夫々を異なるタイミングで作動させてメンテナンスを実行してもよいし、単独で作動させてメンテナンスを実行してもよい。例えば、駆動手段が夫々異なる演出役物1〜演出役物3を備える遊技機において、例えば図231に示される通し番号14の「演出役物1+2」が選択決定されると、サブCPU201は、演出役物1および演出役物2を同時に作動させてメンテナンスを実行する。また、例えば図231に示される通し番号17の「演出役物1→2」が選択決定されると、サブCPU201は、先ずは演出役物1を作動させ、その後に演出役物2を作動させてメンテナンスを実行する。さらに例えば図231に示される通し番号11の「演出役物1」が選択決定されると、サブCPU201は、演出役物1を単独で作動させてメンテナンスを実行する。なお、例えば演出1と演出3とが同時に作動すると干渉し合って作動不能となる場合には、例えば図231の通し番号15の「演出役物1+3」を選択できないか、または選択しても決定できない(メインボタン662の操作が有効化されない)ように構成されている。図231では、通し番号15の「演出役物1+3」を、選択できない項目として網掛け表示している。ただし、例えば演出1と演出3とが同時に作動した場合には干渉し合って作動不能となるものの、タイミングを異ならせて作動させた場合(例えば、先ずは演出役物1を作動させ、その後に演出役物3を作動させる場合)に干渉しなければ、例えば図231に示される通し番号18の「演出役物1→3」が選択決定できるようにするとよい。このように、複数の演出役物を、複数で作動させたり、タイミングを異ならせて作動させたり、単独で作動させたりすることを可能にするとともに、同時に作動すると干渉するような場合には同時に作動できないようにすることで、トラブルの発生を回避しつつメンテナンス性の向上を図ることが可能となる。
なお、図231には示されていないが、遊技球やメダルの払出センサ、払出担保球センサ、貸出ボタン(球貸ボタンとも称される)、CRカードの返却ボタン、パチスロの精算ボタン、封入された遊技球を循環させることで遊技を可能にしたパチンコ遊技機にあっては、遊技球の発射検出センサなどについても、メンテナンスの対象にすることが好ましい。また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機では、サブCPU201に接続されるデバイス(各種センサ、各種役物等)をメンテナンス処理の対象として説明したが、これに限られず、メインCPU101に接続されるデバイス(例えば、電源スイッチ35、第1始動口スイッチ421、第2始動口スイッチ441等)をメンテナンス処理の対象としてもよい。さらには、CR機において、貸出ボタンやCRカードの返却ボタンが操作されたことにもとづいて球貸機とパチンコ遊技機との間(CRパチスロの場合は球貸機とパチスロとの間)で擬似的な信号通信を行い、この信号通信の通常状態を検出し、正常であればメンテナンス画面の表示処理を実行する(「OFF」表示から「ON」表示に変更する)ようにしてもよい。
[携帯端末連携機能]
次に、図232〜図234を参照してパチンコ遊技機の携帯端末連携機能を例に説明する。
パチンコ遊技機の携帯端末連携機能は、パチンコ遊技機と携帯端末とを連携させる機能である。パチンコ遊技機の携帯端末連携機能を使用すると、遊技者が行った遊技に関する詳細な情報を記録したり、所定の条件を満たすことによりパチンコ遊技機の遊技結果に影響を与えない機能をカスタマイズしたりすることができる。
所定の条件としては、例えば、特別図柄の大当り判定の結果が条件装置の作動を伴わない小当りに決定されることや、特定の演出が実行されたことなどを挙げることができる。また、パチンコ遊技機の遊技結果に影響を与えない機能をカスタマイズすることとしては、例えば、大当り遊技中や高確率遊技状態中に出力される音楽を特別な曲に変更したり、液晶表示装置16に表示されるキャラクタの衣装を変更したりすること等が挙げられる。
携帯端末連携機能を使用する場合は、まず、液晶表示装置16の表示領域にガイドメニュー画面(ガイド初期画像)を表示させる。液晶表示装置16の表示領域に表示される装飾図柄の変動表示が行われていない状態で例えばメインボタン662に対する押圧操作を行うと、液晶表示装置16の表示領域にガイド初期画像が表示される。
図232は、液晶表示装置16の表示領域にガイド初期画像が表示されたときの一例を示す図である。ガイド初期画像は、「ユニメモ(登録商標)」という文字と、「好きなメニューを選んで下さい」という文字と、ガイドメニューとを含む。
図232に示すように、ガイドメニューの項目は、「ユニメモを始める」と、「大当り図柄・ラウンド数」と、「機種サイト」と、「遊技に戻る」とを含む。ガイド初期画像では、「ユニメモを始める」がハイライト表示されている。そして、これら複数のガイドメニューの項目のうちハイライト表示される項目を、上下セレクトボタン664a,664bを操作することによって選択できる。また、メインボタン662を操作すると、ハイライト表示されている項目に決定される。図232では、複数の各項目が実線の枠で囲まれており、ハイライト表示されている「ユニメモを始める」がより太い実線の枠で囲まれている。
ガイドメニューの「ユニメモを始める」を選択すると、液晶表示装置16の表示領域にユニメモ初期画像が表示される。また、「大当り図柄・ラウンド数」を選択すると、液晶表示装置16の表示領域に大当り図柄・ラウンド数が表示される(不図示)。そして、「機種サイト」を選択すると、液晶表示装置16の表示領域に機種サイト用登録コードが表示される(不図示)。
「ゲームに戻る」を選択すると、液晶表示装置16の表示領域に表示されるガイド初期画像の表示が終了する(ガイドメニューの表示も終了する)。そして、液晶表示装置16の表示領域には、遊技を行う際に表示される演出用の映像や、発射ハンドル32が所定期間操作されなかったり、第1始動口420及び第2始動口440のいずれにも所定期間入賞しなかったりした場合に表示されるデモ映像が表示される。また、ガイドメニューの項目の何れも選択せずに所定の時間が経過した場合も、液晶表示装置16の表示領域には、遊技を行う際に表示する演出用の映像や、上記のデモ映像が表示される。
図233は、液晶表示装置16の表示領域にユニメモ初期画像が表示されたときの一例を示す図である。ユニメモ初期画像は、「ユニメモ」という文字と、「好きなキャラクタをカスタマイズしよう」という文字と、ユニメモメニューとが表示される。ユニメモメニューの項目は、「パスワード入力」と、「記録する」と、「記録して終了する」と、「会員登録」と、「遊技に戻る」と、「戻る」とを含む。ユニメモ初期画像では、「パスワード入力」がハイライト表示されている。そして、これら複数のユニメモメニューの項目のうちハイライト表示される項目を、セレクトボタン664a〜664dを操作することによって選択できる。また、メインボタン662を操作すると、ハイライト表示されている項目に決定される。図233では、複数の各項目が実線の枠で囲まれており、ハイライト表示されている「パスワード入力」がより太い実線の枠で囲まれている。
そして、「パスワード入力」が選択されて決定されると、液晶表示装置16の表示領域にパスワード要求画面が表示される(図234参照)。
図234は、液晶表示装置16の表示領域にパスワード要求画面が表示されたときの一例を示す図である。パスワード表示画像は、「パスワードを入力して下さい」という文字と、パスワード入力メニューとを含む。
パスワード入力メニューには、複数のパスワード入力メニューの項目が表示される。パスワード入力メニューの項目は、「決定」と、「削除」と、「0」〜「9」の数字と、「A」〜「F」のアルファベットと、「遊技に戻る」と、「戻る」とを含む。パスワード表示画像では、「0」〜「9」及び「A」〜「F」のうち、ハイライト表示される項目を、セレクトボタン664a〜664dを操作することによって選択でき、メインボタン662を操作すると、ハイライト表示されている数字またはアルファベットに決定される。決定された数字またはアルファベットは、パスワード表示画像に表示される。パスワード入力メニューの「決定」が選択されて決定されると、パスワード表示画像に表示された複数の文字を、入力するパスワードとして決定する。そして、パスワード入力メニューの「削除」が選択されると、最後に入力した文字から1文字ずつ、パスワード表示画像から削除される。
パスワード入力メニューの「遊技に戻る」が選択されると、液晶表示装置16の表示領域には、遊技を行う際に表示する演出用の映像や、発射ハンドル32が所定期間操作されなかったり、第1始動口420及び第2始動口440のいずれにも所定期間入賞しなかったりした場合に表示されるデモ映像が表示される。また、パスワード入力メニューの「戻る」が選択されると、液晶表示装置16の表示領域にユニメモ初期画像が表示される。
[設定変更・確認履歴処理の変形例]
以下に、設定変更・確認履歴処理の変形例1〜3について説明する。
[設定変更・確認履歴処理の変形例1]
先ず、設定変更・確認履歴処理の変形例1について、図235〜図240を参照して、設定変更・確認履歴の変形例1について説明する。
この変形例1における設定変更・確認履歴処理は、設定値を閲覧するための認証機能を有する点以外は、図216および図217を参照して上述した設定変更・確認履歴処理と略同一である。以下においては、図216および図217を参照して上述した設定変更・確認履歴処理と異なる点について詳述する。なお、図216および図217を参照して上述した設定変更・確認履歴処理では、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときにホールメニュー画面(例えば、図209参照)が表示されるようにするために計時処理(図216のステップS33052等を参照)を行う旨を説明した。この変形例1においても、図216および図217を参照して上述した設定変更・確認履歴処理と同様に計時処理を行い、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときにホールメニュー画面を表示するようにしてもよいが、以下の説明では、計時処理の説明を省略する。
図235は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例1を示すフローチャートである。この設定変更・確認履歴処理は、図214のステップS33006において表示中のホールメニュー画面(図209、図210参照)の中から「設定変更・確認履歴」が選択(ハイライト表示)されている状態でメインボタン662が押下されることを条件に開始される。
設定変更・確認履歴処理が開始されると、サブCPU201は、管理者権限を認証する認証処理を行う(ステップS33100)。この認証処理について、図236を参照して説明する。図236は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例1において、認証処理の例を示すフローチャートである。
図236に示されるように、認証処理において、サブCPU201は、先ず、ホールメニュー画面が表示されている液晶表示装置16の表示領域に、例えば図237および図238に示されるように、パスワードを要求するパスワード要求画面をさらに表示する(ステップS33101)。図237は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例1において、設定変更・確認履歴処理が実行されたときに、パスワード要求画面が液晶表示装置16の表示領域に表示される例を示す図である。図238は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例1において、液晶表示装置16の表示領域に表示されるパスワード要求画面の例である。
なお、本変形例1では、設定変更・確認履歴処理が開始されると(ホールメニュー画面において「設定変更・確認履歴」が選択(ハイライト表示)されている状態でメインボタン662が押下されると)、例えば図237および図238に示されるように、ホールメニュー画面が表示されている状態でパスワード要求画面が表示されるが、必ずしもこれに限られない。例えば、設定変更・確認履歴が開始されると、時間情報と操作種別情報と設定値情報とのうち時間情報および操作種別情報のみが表示される(設定値が表示されない)設定変更・確認履歴画面を表示し、この設定変更・確認履歴画面が表示されている状態でパスワード要求画面が表示されるようにしてもよいし、ホールメニューおよび設定変更・確認履歴画面のいずれも表示することなくパスワード要求画面のみが表示されるようにしてもよい。
パスワードが入力されると、サブCPU201は、パスワード入力処理を実行し(ステップS33102)、ステップS33103に移る。
サブCPU201は、ステップS33103において、入力されたパスワードが適正であるか否かを判別し、入力されたパスワードが適正であれば(ステップS33103におけるYES)、認証処理を終了する。一方、入力されたパスワードが適正でないと判別すると(ステップS33103におけるNO)、サブCPU201は、認証NG表示処理を実行する(ステップS33104)。認証NG表示処理が実行されると、液晶表示装置16の表示領域には、例えば図239に示される画面が表示される。ここで、図239は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例1において、入力したパスワードが不適であったときに液晶表示装置16の表示領域に表示される画面の例を示す図である。
サブCPU201は、ステップS33100の認証処理を実行すると、認証結果が正しい、つまり、パスワードが適正であると判別した場合(ステップS33103におけるYES)には認証OKと判別し(ステップS33110におけるYES)、ステップS33120に移る。一方、パスワードが適正でないと判別した場合(ステップS33103におけるNO)に、サブCPU201は、認証OKでないと判別し(ステップS33110におけるNO)、設定変更・確認履歴処理を終了する。
なお、サブCPU201は、パスワード要求画面においてパスワードが入力された後、例えばメインボタン662が押下されると、入力されたパスワードの適否を判別する。入力されたパスワードが不適であったり、パスワードを入力せずにメインボタン662を押下した場合には、上述したステップS33103の認証NG処理が実行される。そして、正しいパスワードが入力されて例えばメインボタン662が押下されたた場合に限り、時間情報と操作種別情報と設定値情報とが表示された設定変更・確認履歴画面が表示されるようにすることができる。これにより、不正を目的として設定値の履歴情報が閲覧されてしまうことを防止することが可能となる。
サブCPU201は、ステップS33120において、設定変更・確認履歴画面表示処理を行う。このとき、液晶表示装置16の表示領域には、日時データと操作種別と設定値とが対応付けて示される設定変更・確認履歴画面(例えば、図218参照)が表示される。
ステップS33120の設定変更・確認履歴画面表示処理の後、サブCPU201は、ページ更新操作されたか否かを判別する(ステップS33130)。ページ更新操作が行われたと判別すると(ステップS33130におけるYES)、ページ更新処理を実行し(ステップS33140)、その後、ステップS33130に移る。一方、ページ更新操作が行われていなければ(ステップS33130におけるNO)、ステップS33150に移る。
サブCPU201は、ステップS33150において、「クリア」に決定されたか否かを判別する。液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面(例えば、図221参照)において「クリア」が選択された状態(ハイライト表示された状態)で操作者がメインボタン662を押下すると、サブCPU201は、「クリア」に決定されたと判別する。
サブCPU201は、「クリア」に決定されたと判別すると(ステップS33150におけるYES)、設定変更・確認履歴データクリア処理を実行し(ステップS33160)、ステップS33180に移る。上記の設定変更・確認履歴データクリア処理は、ワークRAM203に記憶されている設定変更履歴、設定確認履歴および閲覧履歴のデータを消去する処理である。設定変更・確認履歴データクリア処理が実行されると、液晶表示装置16の表示領域に表示されていた各履歴データが全て消去される(例えば、図222参照)。一方、「クリア」に決定されていなければ(ステップS33150におけるNO)、ステップS33170に移る。
サブCPU201は、ステップS33170において、「戻る」に決定されたか否かを判別する。液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面(例えば、図218参照)において「戻る」が選択された状態(ハイライト表示された状態)で操作者がメインボタン662を押下すると、サブCPU201は、「戻る」に決定されたと判別する。
サブCPU201は、「戻る」に決定されたと判別すると(ステップS33170におけるYES)、ホールメニュー画面表示処理を実行し(ステップS33180)、設定変更・確認履歴処理を終了する。一方、「戻る」に決定されなければ(ステップS33170におけるNO)、ステップS33130に移り、ステップS33130以降の処理を継続する。
図240は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例1における液晶表示装置16の表示領域に表示されるホールメニュー画面において、設定値を確認することが可能な設定変更・確認履歴画面が表示されるまでの操作手順の一例を示すフロー図である。図240に示すように、第2実施形態に係るパチンコ遊技機は、設定変更・確認履歴情報を閲覧するための第1の手順として、設定変更処理または設定確認処理が実行されたときにホールメニュー画面を表示する。上述したとおり、設定変更処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作の両方を行うことで実行できる。また、設定確認処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作することで実行できる。なお、設定キー328は、一方向に回す操作を行うことにより設定キースイッチ信号をオンにすることができ、逆方向に回す(元の位置に戻す)ことで設定キースイッチ信号をオフにすることができる構成となっている。
第2の手順として、パチンコ遊技機は、ホールメニュー画面(例えば、図210参照)で、ホールメニューの中の「設定変更・確認履歴」が選択決定されることにより、「設定変更・確認履歴」がハイライト表示され、かつ、日時データおよび操作種別(設定変更、確認、閲覧のうちの対応する操作種別)のみが表示された設定変更・確認履歴情報を含む設定変更・確認履歴画面のプレビュー画面(図210参照)を表示する(設定値は表示されていない)。
第3の手順として、パチンコ遊技機は、パスワードの入力を要求し(図237、図238参照)、入力されたパスワードの適否判定を行う。
第4の手順として、パチンコ遊技機は、第3の手順で入力されたパスワードが適正であれば、設定値情報、より詳しくは、日時データと操作種別(設定変更、確認、閲覧のうちの対応する操作種別)と設定値とが対応付けられている設定変更・確認履歴画面(例えば、図225参照)を、液晶表示装置16の表示領域に表示する。
よって、設定キー328の使用及び操作することができる者(権限を有する者)は、上記第1〜第4の手順を経て表示される設定変更・確認履歴画面(図218参照)の設定変更・確認履歴を見ることで、出玉率を規定する設定値の設定変更、設定変更の確認、設定変更および確認の閲覧の各履歴と対応する設定値とを一目で確認することができるようになる。なお、権限を有する者とは、設定変更、設定変更の確認等に関する権限が与えられた者であって、ホールの店長等を意味する。以下、「権限を有する者」は、「管理権限者」と称することもある。
上述したように、本発明に係る遊技機を構成するパチンコ遊技機は、各種画像を表示する液晶表示装置16と、メインボタン662及びセレクトボタン664等の操作ボタン群66と、遊技に関わる制御を行う制御部であるメインCPU101と、液晶表示装置16の表示の制御を行う表示制御部であるサブCPU201と、を備え、制御部は、設定値(例えば、設定1〜6)の変更又は確認を可能にする設定手段である設定スイッチ332と、サブCPU201に各種データを送信するデータ送信手段と、を備え、表示制御部は、データ送信手段からの各種データを受信する受信手段と、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能なバックアップメモリとして機能するワークRAM203と、日時を計時するRTC209と、を備え、メインCPU101は、データ送信手段によって、設定変更又は設定確認と設定値とをサブCPU201に送信し、サブCPU201は、データ受信手段によって受信されたデータが設定変更又は設定確認の場合には、ワークRAM203に設定変更又は設定確認、設定値及びRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶し、メインRAM203に記憶された設定変更又は設定確認と日時データとを液晶表示装置16に表示する設定表示機能を備え、設定変更又は設定確認と日時データとが表示された状態で、メインボタン662が操作された場合にワークRAM203に記憶された設定値を表示する構成を有している。
この構成により、ワークRAM203に設定変更又は設定確認、設定値及びRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶するので、設定変更又は設定確認及び日時データが表示された状態で、メインボタン662が操作された場合にワークRAM203に記憶された設定値を表示することができる。したがって、ホールメニューの「設定変更・確認履歴」が選択された場合に、設定値に関する各履歴を確認することができ、不正な設定変更又は設定確認が行われたか否かを判断することができるようになる。
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機は、設定値を受信した日時データをRTC209から取得し、設定値と、日時データと、設定変更を表す情報と、を対応づけて記憶する構成としてもよい。
この構成により、変更後の設定値と、変更された日時データと、設定変更を表す情報と、を対応づけて記憶するので、権限を有する者が設定値の変更が行われた日時を特定することができ、設定値を変更する等の不正が行われていた場合にその不正を特定することが可能になる。
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機は、設定値を確認したこと表す情報を受信した日時をRTC209から取得し、日時データと、設定確認を表す情報と、を対応づけて記憶する構成としてもよい。
この構成により、設定値を確認した日時データと、設定確認を表す情報と、を対応づけて記憶するので、権限を有する者が設定値の確認が行われた日時を特定することができ、設定値を確認する等の不正が行われていた場合にその不正を特定することが可能になる。
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機は、ワークRAM203の設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16に閲覧履歴を表示する構成としてもよい。
この構成により、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、閲覧履歴を表示することができる。したがって、設定値が表示されないホールメニューの「設定変更・確認履歴」が選択された状態において、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認、設定値および日時データの表示に加えて、閲覧履歴を表示することができるので、ゴト行為などの不正の目的で設定変更又は設定確認の閲覧履歴の閲覧が行われたか否かを判断することができる。
上記構成によって、本実施形態では、設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとをそれぞれ対応づけた設定変更・確認履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する各履歴を確認することができ、不正な設定変更又は設定確認が行われたか否かを判断することができるパチンコ遊技機を提供することができる。
また、本発明に係る遊技機を構成するパチンコ遊技機は、各種画像を表示する液晶表示装置16と、メインボタン662及びセレクトボタン664等の操作部と、遊技に関わる制御を行う制御部であるメインCPU101と、液晶表示装置11の表示の制御を行う表示制御部であるサブCPU201と、を備え、制御部は、設定値(例えば、設定1〜6)の変更又は確認を可能にする設定手段である設定スイッチ332と、サブCPU201に各種データを送信するデータ送信手段と、を備え、表示制御部は、データ送信手段からの各種データを受信する受信手段と、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能なワークRAM203と、日時を計時するRTC209と、を備え、メインCPU101は、データ送信手段によって、設定変更又は設定確認と設定値とをサブCPU201に送信し、サブCPU201は、データ受信手段によって受信されたデータが設定変更又は設定確認の場合には、ワークRAM203に設定変更又は設定確認、設定値及びRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶し、ワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報を液晶表示装置16に表示する設定表示機能を備え、ワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報が液晶表示装置16に表示された場合には日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16に閲覧履歴を表示する構成を有している。
この構成により、ワークRAM203の設定変更・確認履歴情報が表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16の表示領域に閲覧履歴を表示することができる。したがって、不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できる。
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機は、設定変更・確認履歴情報が液晶表示装置16に表示された日時データをRTC209から取得し、日時データと、閲覧履歴を表す情報と、を対応づけて記憶する構成としてもよい。
この構成により、日時データと、閲覧履歴を表す情報と、を対応づけて記憶するので、設定値に関する情報の閲覧が行われた日時を特定することができ、設定値を変更する等の不正が行われていた場合にその不正を特定することが可能になる。
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機は、ワークRAM203の設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16に閲覧履歴を表示する構成としてもよい。
この構成により、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16に閲覧履歴を表示することができる。したがって、設定値が表示されないホールメニューの「設定変更・確認履歴」が選択された状態において、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認、設定値および日時データの表示に加えて、閲覧履歴を表示することができるので、ゴト行為などの不正の目的で設定変更又は設定確認の閲覧履歴の閲覧が行われたか否かを判断することができる。
上述した構成によって、本実施形態では、設定変更確認・履歴情報を閲覧した閲覧履歴と日時データとを対応づけた閲覧履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できるパチンコ遊技機を提供することができる。
[設定変更・確認履歴処理の変形例2]
次に、設定変更・確認履歴処理の変形例2について、図241〜図245を参照して、設定変更・確認履歴の変形例2について説明する。
この設定変更・確認履歴処理の変形例2における設定変更・確認履歴処理は、認証機能の構成が異なる以外は変形例1のものと基本的な構成は略同一である。以下においては、特に変形例1との相違点について詳述する。
設定変更・確認履歴処理の変形例2に係るパチンコ遊技機は、スピーカ24の音量を調整する音量調整手段として例えばスライドスイッチを備えるようにし、複数の音量位置(ボリューム位置)、例えば音量「大」、「中」、「小」に対応する3つのボリューム位置のいずれかに切換操作するとともに、所定の操作順序で複数のボリューム位置に切り換え操作するように構成し、その切り換え操作順が予め設定した順序と一致するときに管理者権限を有するユーザとして認証するようにしている。なお、スピーカ24の音量を調整する音量調整手段は、スライドスイッチに限られず、例えば、ジョグダイヤルを回して音量を調整し、ジョグダイヤルを押圧すると音量が確定するようにしてもよい。
このように、設定変更・確認履歴処理の変形例2に係るパチンコ遊技機は、ボリューム位置の変更順序に対応するボリュームパスワードに基づいて認証を行う認証処理機能を有する。この変形例2では、例えば音声制御回路204に上記認証処理機能が付加された制御プログラムが記憶され、サブCPU201が、その制御プログラムにしたがってボリュームパスワードに基づく認証処理を実行する。
図241は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例2において、認証処理(図242参照)に適用されるボリュームパスワードを発生するボリュームスイッチ108の構成例を示す図である。ボリュームスイッチ108は、例えば、サブ制御回路200の回路基板内に配置されており、初期設定値を設定するスライド操作が可能になっている。例えば、ボリュームスイッチ108は、音量「小」、「中」、「大」に対応する3つのボリューム位置603a、603b、603c(以下、ボリューム位置1、2、3ということもある)のいずれかに切換操作されるとともに、所定の操作順序で複数のボリューム位置1、2、3に順次切り換え操作されるようになっている。具体的には、初期設定値を設定する場合、ボリュームスイッチ108を「大」→「中」→「小」→「中」のようにスライドさせることで、設定できる。すなわち、サブCPU201は、ボリュームスイッチ108のボリューム位置1、2、3を検出する位置検出部を構成する。
一方、管理者権限を有するユーザ(管理権限者)を設定する場合、所定の管理者設定手順に従って、ボリュームスイッチ108を初期設定時とは異なる順序で、複数のボリューム位置を経由する所定の認証操作パターンで操作し、その複数のボリューム位置および操作順序をメモリに記憶させておく。そして、設定値の変更履歴の閲覧等のために管理者権限が必要な場合に、ボリュームスイッチ108を所定の認証操作パターンで操作し、設定値の変更履歴の閲覧等を可能にする。
上記認証操作パターンとしては、例えば、図241におけるボリューム位置2(音量「中」)からボリューム位置1(音量「小」)への位置変更を表す操作パターン、またはボリューム位置2からからボリューム位置3(音量「大」)への位置変更を表す操作パターン等を予め保持しておくことができる。
これにより、サブCPU201は、ボリュームスイッチ108の上記各ボリューム位置を示すボリューム位置情報から操作パターンを認識し、該操作パターンが予め設定されている認証操作パターンと一致するか否かによって管理権限者から否かを判定することができる。
このように、設定変更・確認履歴処理の変形例2において、ボリュームスイッチ108は、ボリューム位置の操作パターンに対応したボリュームパスワードを入力する操作部として機能する。この設定変更・確認履歴処理の変形例2におけるボリュームスイッチ108は、設定スイッチ332、設定キー328、電源スイッチ35、バックアップクリアスイッチ330と同様に、遊技者が操作することができない操作部である。これに対し、例えば、メインボタン662、セレクトボタン664、発射ハンドル32等は、遊技者が操作することができる操作部である。
図242は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例2において、認証処理の一例を示すフローチャートである。この認証処理は、図214のステップS33006において表示中のホールメニュー(図209参照)の中から「設定変更・確認履歴」が選択され(ステップS33006におけるYES)、ホールメニュー画面で「設定変更・確認履歴」がハイライト表示されている状態(図210参照)でメインボタン662が押下されることにより開始される。
この認証処理が開始されると、サブCPU201は、ホールメニュー画面が表示されている液晶表示装置16の表示領域に、ボリュームパスワードの入力を促す画面を表示するボリュームパスワード要求表示処理(ステップS33201)を実行する。
図243は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例2において、設定変更・確認履歴処理が実行されたときに、パスワード要求画面が液晶表示装置16の表示領域に表示される例を示す図である。図244は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例2において、液晶表示装置16の表示領域に表示されるボリュームパスワード要求表示画面の例である。図243、図244に示すように、図242のステップS33201のボリュームパスワード要求表示処理において、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に、例えば、「※ボリュームスイッチを操作してパスワードを入力してください。パスワード入力後に設定値が表示されます。」等のメッセージを、設定変更・確認履歴情報とともに表示する。
なお、本変形例2では、設定変更・確認履歴処理が開始されると(ホールメニュー画面において「設定変更・確認履歴」が選択(ハイライト表示)されている状態でメインボタン662が押下されると)、例えば図243および図244に示されるように、ホールメニュー画面が表示されている状態でボリュームパスワード要求画面が表示されるが、必ずしもこれに限られない。例えば、設定変更・確認履歴が開始されると、時間情報と操作種別情報と設定値情報とのうち時間情報および操作種別情報のみが表示される(設定値が表示されない)設定変更・確認履歴画面を表示し、この設定変更・確認履歴画面が表示されている状態でボリュームパスワード要求画面が表示されるようにしてもよいし、ホールメニューおよび設定変更・確認履歴画面のいずれも表示することなくボリュームパスワード要求画面のみが表示されるようにしてもよい。
上記ボリュームパスワード要求表示画面の表示後、サブCPU201は、ボリュームスイッチ108のボリューム位置情報の変更順序、すなわち操作パターンを監視する操作パターン取得処理を継続的に実行する(ステップS33202)。
上記ボリューム位置情報の入力監視中にボリューム位置情報が入力されると、サブCPU201は、そのボリューム位置情報から当該ボリューム位置情報に対応する操作パターンを抽出して予め設定している認証操作パターンと照合し、両者が一致するか否かにより正しい操作がされたか否かを判定する(ステップS33203)。ここで、正しい操作が行われたことが判定された場合(ステップS33203におけるYES)、サブCPU201は、図235におけるステップS33120以降の処理を実行する。
これに対し、正しい操作が行われなかったことが判定された場合(ステップS33203におけるNO)、サブCPU201は、液晶表示装置16の表示領域に認証がNGである旨を表示する認証NG表示処理を行う(ステップS33204)。これにより、サブCPU201は、認証処理を終了して図235におけるステップS33110の処理に移行する。なお、上記認証NG表示処理では、液晶表示装置16の表示領域に、例えば、「ボリュームパスワードが間違っています。最初からやり直して下さい。」等のメッセージが表示される。
なお、図241においては、本発明に係る操作スイッチとして3つのボリューム位置を有するボリュームスイッチ108を用いる例を挙げているが、これに限らず、例えば、操作スイッチは、少なくとも3つ以上の任意の位置を取り得ることが可能なスイッチであってもよい。この場合、サブCPU201に、操作スイッチの各ボリューム位置を検出可能な位置検出機能を設け、この位置検出機能によって検出された位置情報(ボリューム位置情報を取得し、取得された順序とワークRAM203に予め記憶された所定の操作順序と一致したことを条件に、ワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報を表示するように構成してもよい。
図245は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例2において、設定変更・確認履歴情報の設定値確認手順の一例を示すフロー図である。図245に示すように、設定変更・確認履歴処理の変形例2では、設定変更・確認履歴情報の設定値確認の第1の手順として、設定変更処理または設定確認処理が実行されたときにホールメニュー画面を表示する。上述したとおり、設定変更処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作の両方を行うことで実行できる。また、設定確認処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作することで実行できる。なお、設定キー328は、一方向に回す操作を行うことにより設定キースイッチ信号をオンにすることができ、逆方向に回す(元の位置に戻す)ことで設定キースイッチ信号をオフにすることができる構成となっている。
第2の手順として、パチンコ遊技機は、ホールメニュー画面(例えば、図210参照)で、ホールメニューの中の「設定変更・確認履歴」が選択決定されることにより、「設定変更・確認履歴」がハイライト表示され、かつ、日時データおよび操作種別(設定変更、確認、閲覧のうちの対応する操作種別)のみが表示された設定変更・確認履歴情報を含む設定変更・確認履歴画面のプレビュー画面(図210参照)を表示する(設定値は表示されていない)。
第3の手順として、パチンコ遊技機は、ボリュームパスワードの入力を要求し(図243、図244参照)、入力されたボリュームパスワードを取り込み、取り込んだボリュームパスワードの適否判断を行う。ボリュームパスワードの適否判断は、取り込んだボリュームパスワードと認証操作パターン(認証用パスワード)とを照合することで行われ、両者が一致して認証OKが得られた場合に、ボリュームパスワードが適正であると判断する。
第4の手順として、パチンコ遊技機は、第3の手順で入力されたボリュームパスワードが適正であれば、設定値情報、より詳しくは、日時データと操作種別(設定変更、確認、閲覧のうちの対応する操作種別)と設定値とが対応付けられている設定変更・確認履歴画面(例えば、図225参照)を、液晶表示装置16の表示領域に表示する。
上述したように、本発明に係る遊技機を構成するパチンコ遊技機は、各種画像を表示する液晶表示装置16と、少なくとも遊技者の操作を受け付ける操作部であるメインボタン662及びセレクトボタン664と、遊技者が操作することのない非遊技操作部と、遊技に関わる制御を行う制御部であるメインCPU101と、液晶表示装置16の表示の制御を行う表示制御部であるサブCPU201と、を備え、制御部は、設定値(例えば、設定1〜6)の変更又は確認を可能にする設定スイッチ332と、表示制御部に各種データを送信するデータ送信手段と、を備え、表示制御部は、データ送信手段からの各種データを受信する受信手段と、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能なワークRAM203と、日時を計時するRTC209と、を備え、メインCPU101は、データ送信手段によって、設定変更又は設定確認と設定値をサブCPU201に送信し、サブCPU201は、データ受信手段によって受信されたデータが設定変更又は設定確認の場合には、ワークRAM203に設定変更又は設定確認、設定値及びRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶し、ワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報を液晶表示装置16に表示する設定表示機能を備え、非遊技操作部を所定の順序で操作されたことを条件にワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報を表示する構成を有している。
この構成により、非遊技操作部を所定の順序で操作されたことを条件にワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報を表示することができる。したがって、所定の操作順序を知った権限を有する者のみ、設定変更・確認履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できるようになる。
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機は、ワークRAM203の設定変更・確認履歴情報が表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16に閲覧履歴を表示する構成としてもよい。
この構成により、ワークRAM203の設定変更・確認履歴情報が表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16に閲覧履歴を表示することができる。したがって、不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できる。
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機において、非遊技操作部は、音量を調整する操作スイッチ、例えば、ボリュームスイッチ108である構成としてもよい。
この構成により、権限を有する者のみが知っている操作順序で認証することができるので、権限を有するものを識別する操作スイッチを追加することがなく、コストを低減することができる。なお、この操作順序は、パチンコ遊技機をホールに納品する際に示され、権限を有するもののみが設定変更や設定確認の際に用いる。
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機において、操作スイッチは、少なくとも3つ以上の任意の位置を取り得ることが可能なスイッチであって、サブCPU201が、操作スイッチの各ボリューム位置を検出可能な位置検出機能をさらに備え、設定表示機能は、位置検出機能によって検出されたボリューム位置情報を取得し、取得されたボリューム位置情報の順序と予め記憶された所定の操作順序と一致したことを条件に、ワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報を表示する構成としてもよい。
この構成により、3つ以上の任意のボリューム位置の操作順序を予め所定の操作順序として記憶しておき、当該操作順序を予め権限を有する者に知らしめておくことで、権限を有するものを識別する操作スイッチを追加することがなく、権限を有する者のみが知っている操作順序で認証することができる。
上述した構成によって、本実施形態では、権限を有する者のみ設定変更・確認履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できるパチンコ遊技機を提供することができる。
第2実施形態に係るパチンコ遊技機は、上述したように、設定変更・確認履歴情報を表示する際に、ホールにおける設定値に関する権限を有する者のみ、表示できるようボリュームスイッチ108による操作により認証する構成について説明したが、以下に説明する設定変更・確認履歴処理の変形例3に係るパチンコ遊技機のように、設定変更・確認履歴情報を表示する際に、パチンコ遊技機における入力部から入力されるパスワードを用いた認証するよう構成してもよい。
[設定変更・確認履歴処理の変形例3]
次に、設定変更・確認履歴処理の変形例3について、図246〜図253を参照して、設定変更・確認履歴の変形例3について説明する。
図246は、サブCPU201により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例3に係る遊技システム3210の構成例を示す図である。この遊技システム3210は、パチンコ遊技機Aと、携帯無線通信端末3220と、ネットワーク3230に配置されるサーバ装置3240と、を備えて構成される。遊技システム3210は、後述するように、パチンコ遊技機A、携帯無線通信端末3220、サーバ装置3240が協働して設定変更・確認履歴情報の確認に係る認証処理を行う。
遊技システム3210において、パチンコ遊技機Aは、上述したパチンコ遊技機の各機能に加えて、設定変更・確認履歴情報およびURL(Uniform Resource Locator)を含む二次元コードを生成する機能、該二次元コードを液晶表示装置16A(図249参照)の表示領域に表示する機能を備えている。二次元コードに含まれる設定変更・確認履歴情報は、具体的には、例えば図218に示す設定変更・確認履歴画面に表示されるような情報内容であり、設定値を含んでいる。パチンコ遊技機AにおけるサブCPUは、本発明に係る二次元コードを生成する生成手段を構成する。
携帯無線通信端末3220は、スマートホン等の移動通信端末であり、制御部3221、表示操作部3222、カメラ部(図示せず)等を備えて構成される。表示操作部3222は、表示部および操作部の機能を備えたものであり、タッチパネル等により構成される。カメラ部は、パチンコ遊技機Aの液晶表示装置16Aの表示領域に表示された二次元コード3161a等(図249参照)を読み取る(撮像する)機能部である。表示操作部3222、カメラ部は、それぞれ、本発明における操作表示部、撮像手段を構成する。
制御部3221は、CPU、ストレージデバイス(フラッシュメモリ、microSDメモリカード等)、RAM、通信回路等を有し、CPUが例えばストレージデバイス又はR AMに記憶されている制御プログラムに従った各種動作の制御を行う。本実施形態において、制御部3221は、撮像された二次元コードを解析し、設定変更・確認履歴情報およびURLを抽出する抽出部、表示操作部3222にパスワードを入力するパスワード入力画面(後述の図252参照)を表示する入力画面表示制御部、パスワード入力画面で入力された入力パスワードを上記URLに基づいてサーバ装置3240に送信し、サーバ装置3240から通知される認証結果を取得する認証結果取得部、取得した認証結果が正しい場合、設定変更・確認履歴情報を設定値を含む態様で表示操作部3222に表示する履歴情報表示制御部を有する。抽出部、表示制御部、認証結果取得部、履歴情報表示制御部は、上記ストレージデバイス等に予めインストールした専用アプリケーションに従って作動するCPUにより実現可能な機能である。本実施形態に係る制御部3221の構成要素である抽出部、入力画面表示制御部、認証結果取得部、履歴情報表示制御部は、それぞれ、本発明における抽出手段、入力画面表示制御手段、認証結果取得手段、履歴情報表示制御手段を構成する。
サーバ装置3240は、コンピュータにより実現され、上記URLで識別される認証サービスの専用サイトを管理する機能、上記URLへアクセスした携帯無線通信端末3220からの入力パスワードを受信し、予め設定されているパスワードと照合してパスワードが正しいか否かを判定し、その認証結果を携帯無線通信端末3220に通知する認証サービス機能等を備えている。サーバ装置3240は、本発明に認証手段を構成する。
図247は、変形例3に係る遊技システム3210を構成するパチンコ遊技機Aにおける設定変更・確認履歴処理の一例を示すフローチャートである。この設定変更・確認履歴処理は、パチンコ遊技機Aの液晶表示装置16Aの表示領域に表示されたホールメニュー画面(例えば図208参照)に表示される複数のホールメニューの項目の中から「設定変更・確認履歴」が選択決定され、ホールメニュー画面において「設定変更・確認履歴」がハイライト表示されている状態(例えば図210参照)でメインボタン662が押下されることを条件に開始される。
なお、図216および図217を参照して上述した設定変更・確認履歴処理では、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときにホールメニュー画面(例えば、図209参照)が表示されるようにするために計時処理(図216のステップS33052等を参照)を行う旨を説明した。この変形例3においても、図216および図217を参照して上述した設定変更・確認履歴処理と同様に計時処理を行い、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときにホールメニュー画面を表示するようにしてもよいが、この変形例3における説明では、計時処理の説明を省略している。
この設定変更・確認履歴処理が開始されると、サブCPUは、ワークRAMから設定変更・確認履歴情報を読み出し、この設定変更・確認履歴情報と認証サービスの専用サイトのURLとを含む二次元コード3161a(図249参照)を生成する二次元コード生成処理を行う(ステップS33301)。次いで、サブCPU201は、ステップS33301で読み出した設定変更・確認履歴情報と生成した二次元コード3161aとを、例えば図249に示す態様で液晶表示装置16Aの表示領域に表示する二次元コード表示処理を実行する(ステップS33302)。
上記ステップS33302における二次元コード表示処理の実行後、サブCPU201は、メインボタン662、セレクトボタン664の操作に基づくデータクリア要求、カーソル移動(改ページ)要求、処理戻し要求を受け付け可能な受付可能状態に移行する。メインボタン662は処理戻し要求を行うためのボタンである。セレクトボタン664は、カーソル移動(改ページ)要求を行うためのボタンである。また、メインボタン662とセレクトボタン664を一緒に操作することにより、データクリア要求を指示することができる。
上記受付可能状態に移行後、サブCPU201は、ステップS33303〜ステップS3305の処理を行う。なお、図247においては、図216に示されるステップS33056〜ステップS33064の処理が省略されているが、これらの処理を行うためには、図247のステップS33302とステップS33303との間に、図216に示されるステップS33056〜ステップS33064の処理を追加することになる。
図247において、ステップS33302の二次元コード表示処理の後、サブCPU201は、ステップS33303において、「クリア」に決定されたか否かを判別する。液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面(例えば図249参照)において「クリア」が選択された状態(ハイライト表示された状態)で操作者がメインボタン662を押下すると、サブCPU201は、「クリア」に決定されたと判別する。
サブCPU201は、「クリア」に決定されたと判別すると(ステップS33303におけるYES)、設定変更・確認履歴データクリア処理を実行し(ステップS33304)、ステップS33306に移る。上記の設定変更・確認履歴データクリア処理は、ワークRAM203に記憶されている設定変更履歴、設定確認履歴および閲覧履歴のデータを消去する処理である。設定変更・確認履歴データクリア処理が実行されると、液晶表示装置16の表示領域の設定変更・確認履歴表示領域に表示されていた各履歴データが全て消去される(図222参照)。一方、「クリア」に決定されていなければ(ステップS33303におけるNO)、ステップS33305に移る。
サブCPU201は、ステップS33305において、「戻る」に決定されたか否かを判別する。液晶表示装置16の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面(例えば、図249参照)において「戻る」が選択された状態(ハイライト表示された状態)で操作者がメインボタン662を押下すると、サブCPU201は、「戻る」に決定されたと判別する。
サブCPU201は、「戻る」に決定されたと判別すると(ステップS33305におけるYES)、ホールメニュー画面表示処理を実行し(ステップS33306)、設定変更・確認履歴処理を終了する。一方、「戻る」に決定されなければ(ステップS33305におけるNO)、ステップS33303に移り、ステップS33303以降の処理を継続する。
このように、本実施形態において、サブCPU201は、「クリア」に決定されたと判別すると(ステップS33303におけるYES)、二次元コード3161a(図249参照)とともに表示している設定変更・確認履歴情報をクリアするようにしてもよい。この場合、パチンコ遊技機Aは、二次元コード3161aを表示しているが、認証結果を取得していないため、認証結果がOKもしくはNGにかかわらず、設定変更・確認履歴情報をクリアすることができるようになっている。
図248は、変形例3に係る遊技システム3210の携帯無線通信端末3220およびサーバ装置3240における設定変更・確認履歴処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、パチンコ遊技機Aの液晶表示装置16Aの表示領域に表示された二次元コード3161aを携帯無線通信端末3220で撮影することを条件に開始される。
携帯無線通信端末3220で二次元コード3161aの撮影が行われると、制御部3221は、撮影により得られた画像データを読み込み、該画像データに基づき表示操作部3222に例えば図251に示す態様で二次元コード3222aを表示する二次元コード読込み表示処理を行う(ステップS33401)。
引き続き、携帯無線通信端末3220では、制御部3221が、読み込んだ二次元コードを解析し、その中に含まれる設定変更・確認履歴情報とURLを抽出して例えばRAM内の所定の記憶領域に一時的に保持する二次元コード取得処理を実行する(ステップS33402)。次いで、制御部3221は、上記URLに基づき認証サービスの専用サイトにアクセスしてパスワード入力画面(図252参照)を表示し、パスワードを受け付けるパスワード入力表示処理を実行する(ステップS33403)。
ステップS33403でパスワード入力表示処理を実行した後、携帯無線通信端末3220の制御部3221は、サーバ装置3240と連携し、以下のステップS33404およびステップS33405を経てパスワードの認証処理を行う。
パスワードの認証処理において、携帯無線通信端末3220の制御部3221は、まず、パスワード表示欄3222c(図252参照)に対してパスワードが入力されたか否かを監視しながら(ステップS33404)、テンキー3222bからのパスワードの入力を受け付ける処理を行う。ここで、パスワードが入力された場合(ステップS33404におけるYES)、制御部3221は、入力されたパスワードをサーバ装置3240へ伝送する。
サーバ装置3240では、携帯無線通信端末3220から送られてきたパスワードを予め登録されている登録パスワードと照合し、両者が一致するか否かによって認証OKか認証NGかを判定する。サーバ装置3240では、上記判定結果を携帯無線通信端末3220に通知する。このように、本実施形態では、認証だけサーバ装置3240で行っている。つまり、サーバ装置3240は、認証結果のみを携帯無線通信端末3220に返すようになっている。
これに対し、携帯無線通信端末3220の制御部3221は、ステップS33404で受け付けた入力パスワードを伝送した後、サーバ装置3240からの認証結果の通知を待ち、通知された認証結果が認証OKか認証NGかによってパスワードは正しいか否かを判定する(ステップS33405)。
ここで、パスワードは正しくないと判定された場合(ステップS33405におけるNO)、制御部3221は、表示操作部3222にパスワードが認証NGであることを示すメッセージ等を表示する認証NG表示処理を行い(ステップS33410)、その後、処理を終了する。認証NG表示処理では、メッセージ欄3222dに例えば、「パスワードが間違っています。最初からやり直して下さい。」等のメッセージが表示される。
これに対し、パスワードは正しいと判定された場合(ステップS33405におけるYES)、制御部3221は、ステップS33402で一時的に保持しておいた設定変更・確認履歴情報を表示操作部3222に表示する設定変更・確認履歴表示処理を行う(ステップS33406)。この設定変更・確認履歴表示処理において、制御部3221は、上記ステップS33402で保持しておいた設定変更・確認履歴情報を予め設定されている表示フォーマットに従って埋め込んだ(配置した)表示用の情報を作成し、この表示用の情報に基づき設定変更・確認履歴情報を表示操作部3222に表示する(図253参照)処理を行う。
図249は、変形例3に係る遊技システム3210のパチンコ遊技機Aにおける二次元コードを含む設定変更・確認履歴画面の一例を示す図である。
図249に示すように、パチンコ遊技機Aにおいて、サブCPU201は、図247の二次元コード表示処理(ステップS33302)において、パチンコ遊技機Aの液晶表示装置16Aの表示領域に設定変更・確認履歴情報と二次元コード3161aとを含む設定変更・確認履歴画面を表示する。設定変更・確認履歴画面116gに表示される二次元コード3161aは、上述したように、表液晶表示装置16Aの表示領域に表示中の設定変更・確認履歴情報と、認証サービスの専用サイトのURLとを含んでいる。
なお、ステップS33302の二次元コード表示処理(図247参照)で二次元コード3161aを表示する際、サブCPU201が、表液晶表示装置16Aの表示領域に、例えば、「※二次元コードを携帯端末で読み取って認証サービスにアクセスしてください。」等、認証サービスへの移行を促すメッセージを表示する構成としてもよい。
図250は、変形例3に係る遊技システム3210における設定変更・確認履歴情報の設定値確認手順の一例を示すフロー図である。この設定値確認手順については、便宜上、本実施形態の最後に説明する。
図251は、変形例3に係る遊技システム3210の携帯無線通信端末3220における二次元コード表示画面の一例を示す図である。携帯無線通信端末3220は、上記S1101の二次元コード読込み表示処理において、図251に示すような二次元コード3222aを表示操作部3222に表示する。
図252は、変形例3に係る遊技システム3210の携帯無線通信端末3220におけるパスワード入力画面の一例を示す図である。上記ステップS33403のパスワード入力表示処理(図248参照)では、携帯無線通信端末3220が、上記URLへアクセスし、図252に示すパスワード入力画面を表示操作部3222に表示する。
図252に示すように、パスワード入力画面には、「0」〜「9」及び「※」、「♯」のキーを有するテンキー3222bと、テンキー3222bにより入力されるパスワードを表示するパスワード表示欄3222cと、メッセージ欄3222dが表示される。メッセージ欄3222dには、例えば、「※パスワードを入力してください。パスワード入力後に設定値が表示されます。」等、パスワードの入力を促すメッセージが表示されている。携帯無線通信端末3220では、図252に示すパスワードワード入力画面において、テンキー22 2bを操作してパスワードを入力したパスワード表示欄3222cに隠し文字「*」に変換したパスワードを表示させることができる。
図253は、変形例3に係る遊技システム3210の携帯無線通信端末3220における設定変更・確認履歴画面222gの一例を示す図である。図253に示すように、設定変更・確認履歴画面222gは、上記S1102で一時的に保持したおいた設定変更・確認履歴情報が、例えば、図218に示す設定変更・確認履歴画面と同等の表示フォーマットで表示されたものである。すなわち、図253において、設定変更・確認履歴情報は、設定変更・確認日時に対応して設定値が表示されている。
携帯無線通信端末3220において、予めインストールした専用アプリケーションは、上述した表示フォーマット、図253に示す設定変更・確認履歴画面222gの上記表示フォーマット、設定変更・確認履歴情報のスクロール、一括削除の処理機能をサポートしている。これにより、制御部3221は、図248における設定変更・確認履歴処理中、設定変更・確認履歴処理後、設定変更・確認履歴情報とともに表示操作部3222に表示されている決定ボタン、セレクトボタンの操作に基づくページ更新要求を受け付け可能な受付可能状態に移行する。
上記受付可能状態に移行後、携帯無線通信端末3220の制御部3221では、ページ更新操作が行われたか否かを判別する(ステップS33407)。ページ更新操作が行われたか否かの判別は、セレクトボタンが操作され、且つ、最後の行に至ったと判別されると、ページ更新操作が行われたと判別し(ステップS33407におけるYES)、ページ更新処理を実行する(ステップS33408)。ここで、セレクトボタンが操作されてページ更新操作が行われたと判別される限り(すなわち、セレクトボタンが操作され、且つ、最後の行に至ったと判別される限り)、ページのスクロールを続行するページ更新処理を行う(ステップS33408)。
制御部222は、ページ更新操作が停止されたと判別すると(ステップS33407におけるNO)、すなわち、セレクトボタンの操作が停止され、決定ボタンが押下されていないと判別すると、ステップS33409に移る。このステップS33409において、「戻る」に決定されたと判別すると(ステップS33071におけるYES)、制御部222は、ホールメニュー画面表示処理(ステップS33410)を実行し、設定変更・確認履歴処理を終了する。一方、「戻る」に決定されていないと判別すると(ステップS33409におけるNO)、制御部222は、ステップS340に戻る。
なお、第2実施形態に係る遊技システム3210では、パチンコ遊技機A側で設定変更・確認履歴情報を所謂生データのままで二次元コードに変換して表液晶表示装置16Aの表示領域に表示し(図247のステップS33301、ステップS33302参照)、携帯無線通信端末3220側でパチンコ遊技機Aの表液晶表示装置16Aの表示領域に表示された二次元コードを撮影して設定変更・確認履歴情報を生データに戻す処理を行っている(図248のステップS33401、ステップS33402参照)。
一方で、近年の移動通信端末は、二次元コードを読み取って解析する機能が標準装備されているものも多い。
この点について、第2実施形態に係る遊技システム3210では、携帯無線通信端末3220に専用のアプリケーションをインストールし、この専用アプリケーションによってパチンコ遊技機A側と同等の表示フォーマットで表示することを可能としている。
言い換えると、専用アプリケーションをインストールしていない移動通信端末では、設定変更・確認履歴情報を生データとして見ることができても、パチンコ遊技機A側と同等の表示フォーマットで表示された状態で見ることができず、設定変更・確認履歴情報を認識することは困難である。
よって、第2実施形態において、携帯無線通信端末3220に専用アプリケーションをインストールして用いることで、権限のある者だけが設定値付きの設定変更・確認履歴情報をみることができるという、十分な機密性を確保することができる。
上述したように、第2実施形態では、二次元コードを読み取った段階で、それによって得られるデータはすべて携帯無線通信端末3220に取り込まれるが、専用アプリケーションが有する表示フォーマットに従って上記データが図253のように表示される。したがって、当該表示フォーマットを有する専用アプリケーションを有しなければ、汎用のバーコードリーダで読み取ったとしても、二次元コードを読み取った文字列がどのような表示であるかを理解させることができないので、一定の機密性を確保できる。当該アプリケーションは、パチンコ遊技機Aの納品時に配布され、権限を有する者だけが取得できるようになっている。
第2実施形態において、パスワードの認証をサーバ装置3240からの認証結果の通知を受け、通知された認証結果が認証OKか認証NGかによってパスワードは正しいか否かを判定したが、これに限定されず、サーバ装置3240からパスワードを携帯無線通信端末3220が受け取り、入力したパスワードとサーバ装置3240から受け取ったパスワードとの一致を判断して入力されたパスワードが正しいか否かを判断してもよく、又、機密性をさらに確保したい場合には、パチンコ遊技機A側で設定変更・確認履歴情報を暗号化してから二次元コードを生成して表示し、携帯無線通信端末3220にインストールする専用アプリケーションには上記暗号化に対応する設定変更・確認履歴情報の復号化機能を追加する構成としてもよい。
次に、第2実施形態に係る遊技システム3210における設定変更・確認履歴情報の設定値確認手順について図250のフロー図を参照して説明する。
図250に示すように、第2実施形態に係る遊技システム3210における設定変更・確認履歴情報の設定値確認のための第1の手順として、パチンコ遊技機Aは、設定変更処理または設定確認処理が実行されたときにホールメニュー画面を表示する。上述したとおり、設定変更処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作の両方を行うことで実行できる。また、設定確認処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作することで実行できる。なお、設定キー328は、一方向に回す操作を行うことにより設定キースイッチ信号をオンにすることができ、逆方向に回す(元の位置に戻す)ことで設定キースイッチ信号をオフにすることができる構成となっている。
第2の手順として、パチンコ遊技機Aは、ホールメニュー画面(例えば、図210参照)で、ホールメニューの中の「設定変更・確認履歴」が選択決定されることにより、「設定変更・確認履歴」がハイライト表示され、かつ、日時データおよび操作種別(設定変更、確認、閲覧のうちの対応する操作種別)のみが表示された設定変更・確認履歴情報を含む設定変更・確認履歴画面のプレビュー画面(図210参照)を表示する(設定値は表示されていない)。
第3の手順として、パチンコ遊技機Aは、設定変更・確認履歴画面のプレビュー画面(図210参照)において「設定変更・確認履歴」が選択されている(ハイライト表示されている)状態でメインボタン662が押下されると、ワークRAM203に保持している設定変更・確認履歴情報およびURLを含む二次元コードを生成し、該二次元コードを設定変更・確認履歴情報とともに表示させる(図249参照)。
第4の手順として、携帯無線通信端末3220は、パチンコ遊技機Aに表示された二次元コードを撮影する(図251参照)。二次元コードの撮影後、携帯無線通信端末3220は、二次元コードに含まれる設定変更・確認履歴情報およびURLを抽出する。
第5の手順として、携帯無線通信端末3220は、第3の手順で抽出したURLに基づき認証サービスの専用サイトにアクセスし、この専用サイトによって提供されるパスワード入力画面(図252参照)からパスワードの入力を行う。
このパスワードは、例えば、遊技システム3210のメーカーから取扱い説明書等で開示され、遊技システム3210、あるいは個々のパチンコ遊技機A等に関連付けて登録されているパスワードである。専用サイトでは、サーバ装置3240が携帯無線通信端末3220からの入力パスワードを受け付け、登録パスワードと照合してパスワード認証を行う。ここで、サーバ装置3240は、認証OKの場合にその旨を携帯無線通信端末3220に通知する。
第6の手順として、携帯無線通信端末3220は、第5の手順で認証OKが得られた場合に、第4の手順で抽出した設定変更・確認履歴情報を所定の表示フォーマットの画面(図253参照)として設定値を含む内容で表示操作部3222に表示する。これにより、パスワードを入力した管理権限者は、携帯無線通信端末3220の表示操作部3222に表示された画面上でこの設定変更・確認履歴情報を設定値とともに確認することができる。
上述したように、第2実施形態に係るパチンコ遊技機Aは、各種画像を表示する液晶表示装置16Aと、各種操作を受け付ける操作部であるメインボタン662及びセレクトボタン664と、遊技に関わる制御を行う制御部であるメインCPU101と、液晶表示装置16Aの表示の制御を行う表示制御部であるサブCPU201と、を備え、制御部は、設定値(例えば、設定1〜6)の変更又は確認を可能にする設定スイッチ332、表示制御部に各種データを送信するデータ送信手段と、を備え、表示制御部は、データ送信手段からの各種データを受信する受信手段と、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能なワークRAM203と、日時を計時するRTC209と、を備え、メインCPU101は、データ送信手段によって、設定変更又は設定確認と設定値とをサブCPU201に送信し、サブCPU201は、データ受信手段によって受信されたデータが設定変更又は設定確認の場合には、ワークRAM203に設定変更又は設定確認、設定値及びRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶し、ワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報を液晶表示装置16Aの表示領域に表示する設定表示機能を備え、設定表示機能によって設定変更又は設定確認及び日時データが表示された状態で、操作部であるメインボタン662が操作された場合に設定変更・確認履歴情報を二次元コードにより表示する構成を有している。
この構成により、ワークRAM203に設定変更又は設定確認、設定値及び日時計時手段からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶するので、設定変更又は設定確認及び日時データが表示された状態で、メインボタン662が操作された場合にワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報を二次元コードにより表示することができる。したがって、携帯無線通信端末3220において二次元コードを読み取って、パスワード認証した後に表示を許可するようにすれば、所定のパスワードを知った権限を有する者のみ、設定変更・確認履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できる。
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機Aにおいて、サブCPU201は、設定表示機能によってワークRAM203の設定変更・確認履歴情報が表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16Aの表示領域に閲覧履歴を表示する構成としてもよい。
この構成により、ワークRAM203の設定変更・確認履歴情報が表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてワークRAM203に記憶し、液晶表示装置16Aの表示領域に閲覧履歴を表示することができる。したがって、不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できる。
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機Aは、表示制御機能によって表示される二次元コードが携帯無線通信端末3220で読み込まれることを契機として所定のサーバ装置3240からの情報に基づいて携帯無線通信端末3220に設定変更・確認履歴情報を表示する構成としてもよい。
この構成により、表示制御機能によって表示される二次元コードが携帯無線通信端末2 20で読み込まれることを契機として所定のサーバ装置3240からの情報、例えば予め定められたパスワードと、携帯無線通信端末3220で入力されたパスワードとが一致したことを条件に、携帯無線通信端末3220に設定変更・確認履歴情報を表示することができる。したがって、権限を有する者のみが知っているパスワードで認証することができるので、権限を有するものを識別する入力手段をパチンコ遊技機A側に追加することがなく、コストを低減することができる。なお、このパスワードは、パチンコ遊技機Aをホールに納品する際に示され、権限を有するもののみが設定変更や設定確認の際に用いる。
また、第2実施形態に係る遊技システム3210は、上述したパチンコ遊技機Aと、ネットワーク3230に接続され、認証のためのサイトを管理するサーバ装置3240と、を有し、パチンコ遊技機Aは、ワークRAM203に記憶された設定変更・確認履歴情報およびサイトのURLの二次元コードを生成する生成機能をさらに有し、サーバ装置3240は、携帯無線通信端末3220からのパスワードを予め設定されたパスワードと比較して認証し、認証結果を携帯無線通信端末3220に通知する認証サービス機を有し、携帯無線通信端末3220は、表示および操作機能を備える表示操作部3222と、液晶表示装置16Aの表示領域に表示された二次元コードを撮像するカメラ部と、撮像された二次元コードを解析し、設定変更・確認履歴情報およびURLを抽出する抽出部と、パスワードを入力するパスワード入力画面を表示する入力画面表示制御部と、パスワード入力画面での入力パスワードをURLに基づいてサーバ装置3240に送信し、サーバ装置3240から通知される認証結果を取得する認証結果取得部と、取得した認証結果が正しい場合、設定変更・確認履歴情報を表示操作部3222に表示する履歴情報表示制御部と、を有する構成である。
この構成により、第2実施形態に係る遊技システムは、パチンコ遊技機Aの表示制御機能によって表示される二次元コードを携帯無線通信端末3220で読み取り、サーバ装置3240による認証を経て携帯無線通信端末3220に設定変更・確認履歴情報を表示できる。したがって、所定のパスワードを知った権限を有する者のみ、設定変更確認情報を保存および表示することができるので、設定値に関する不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できるようになる。
上述した構成により、第2実施形態では、権限を有する者のみ設定変更・確認履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できるパチンコ遊技機Aおよび遊技システム3210を提供することができる。
以上、本発明の各実施形態に係る遊技機について、その作用効果も含めて説明した。しかし、本発明は、ここで説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の実施形態を含むことは言うまでもない。
[パチスロへの適用例]
例えば、第2実施形態に係る発明をパチスロに適用することもできる。第2実施形態に係る発明をパチスロに適用する場合、設定変更処理および設定確認処理を実行する手順がパチンコ遊技機と異なる。
パチスロでは、電源OFFの状態で設定キーをOFFからONに操作したことを条件に設定変更処理に移行し、設定値の変更が可能となる。そして、スタートレバーの操作が検知されたか、もしくは設定キーがONからOFFになったことが検知された場合に、設定変更が確定する。
設定変更の履歴を表示可能とするため、パチスロのメインCPUは、上述した設定変更が行われ、設定キーの操作によって設定スイッチから発生する信号を入力し、次いで、スタートレバーが操作されたことを示す信号を受信すると、設定変更が行われたことを表すデータと、現在の設定値を示すコマンドとを、サブCPUに送信する。なお、パチスロのメインCPUは、遊技の進行に関わる制御を行う制御部を構成している。メインCPUはまた表示制御部に各種データを送信するデータ送信手段を構成している。
一方、サブCPUは、メインCPUから受信されたデータが設定変更が行われたことを表す初期化コマンドである場合、設定変更であることを示す操作種別情報(設定変更を表す情報)と、RTCにより現在計時されている日時データ、すなわち、初期化コマンドを受信した日時データとを設定変更確認履歴情報としてワークRAM203に記憶する。パチスロのサブCPUは、表示部の表示の制御を行う表示制御部を構成している。また、サブCPUは、データ送信手段からの各種データを受信する受信手段を構成している。
パチスロにおいて、設定値の確認とは、設定キーを操作(右方向に回動)し、設定用鍵型スイッチから発生する信号に基づいて7セグ表示機に現在の設定値を表示することをいう。このように、パチスロ1は、電源ON状態で設定キーをOFFからONに操作したことを条件に設定確認処理に移行し、7セグ表示機に設定値が表示されるようになっている。パチスロの設定スイッチは、メインCPUとともに設定値の変更又は確認を可能にする設定手段を構成している。
設定値の確認の履歴を表示可能とするため、メインCPUは、上述した操作により設定値の確認が行われ、設定キーの操作によって設定スイッチから発生する信号を入力すると、設定値を確認したことを表すデータと、現在の設定値である設定確認コマンドをサブCPUに送信する。
一方、サブCPUは、メインCPUから受信されたデータが設定値を確認したことを表す設定確認コマンドである場合、設定値の確認であることを示す操作種別情報(設定確認を表す情報)と、RTCにより現在計時されている日時データ、すなわち、設定値を確認したこと表す設定確認コマンドを受信した日時データとを設定変更確認履歴情報として、バックアップメモリとして機能するワークRAM203に記憶する。このワークRAM203は、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能となっている。
設定変更開始コマンドまたは設定確認コマンドを受信したサブCPUは、設定キーがOFFからONになったと判別する。そして、サブCPUは、設定キーがOFFからONになったと判別すると、パチスロが備える液晶表示装置のメイン画面に、ホールメニュー画面を表示するホールメニュー表示処理を行う。パチスロで表示されるホールメニュー画面は、第2実施形態に係るパチンコ遊技機の液晶表示装置16に表示されるホールメニュー画面(例えば図209参照)に表示されている「賞球情報」に代えて「トータルメダル情報」が表示されるなど細かい点で異なる箇所はあるものの、基本的には、第2実施形態に係るパチンコ遊技機の液晶表示装置16に表示されるホールメニュー画面と同様の画面である。
パチスロにおいて、閲覧とは、設定キーを操作(右方向に回動)し、液晶表示装置のメイン画面に表示されるホールメニュー画面中の「設定変更・確認履歴」が選択(ハイライト表示)されている状態でメインボタンが押下されることを条件に、ワークRAM203に記憶されている設定変更確認履歴情報を、例えば、設定変更・確認履歴画面として表示する。
なお、パチスロのサブCPUは、ホールメニュー処理、設定変更・確認履歴処理、メンテナンス処理、認証処理など、第2実施形態に係るパチンコ遊技機のサブCPU201によって実行される処理と同様の処理を実行することができる。また、パチンコ遊技機の実施形態をパチスロに適用した場合、パチンコ遊技機の実施形態において説明したホールメニュー画面、設定変更・確認履歴画面、エラー情報履歴画面、ガイドメニューの画面、パスワード要求画面、入力したパスワードが不適であったときに表示される画面、携帯無線通信端末に表示される画面などと同様の画面が、パチスロの液晶表示装置のメイン画面や携帯無線通信端末に表示される。
なお、パチスロでは、ボーナス抽選により「ボーナス当選」が決定されると、ボーナス振り分け抽選によって「SBB」、「BB」、「RB」の何れかを決定する。しかし、本発明の遊技機としては、ボーナス振り分け抽選によって「SBB又はBB」、「RB」の何れかを決定し、前兆ゲームの終了時に「SBB」、「BB」の何れかを決定するようにしてもよい。
また、パチスロでは、「SBB」又は「BB」の前兆ゲームが行われている場合に、「BB前兆フラグ」がオンになっている。つまり、「SBB」と「BB」の前兆ゲームは、「BB前兆フラグ」で管理している。しかし、本発明の遊技機としては、「SBB」用の前兆フラグと「BB」用の前兆フラグを設ける構成としてもよい。この場合は、「SBB」に対応する前兆ゲームの演出と、「BB」に対応する前兆ゲームの演出を異ならせてもよい。
また、パチスロでは、第1のART(「SBB」、「BB」、「RB」)及び第2のARTが、それぞれ滞在ゲーム数の遊技を消化したことを条件に終了するが、第1のART及び第2のARTとしては、所定回数のナビ(表示補助情報の報知)が行われたことを条件に終了する構成にしてもよい。
また、パチスロでは、第1のARTにおける「SBB」の滞在ゲーム数を例えば「100」に固定してもよいし、「BB」と同様に、「SBB」中に滞在ゲーム数に上乗せゲーム数が加算(上乗せ)される構成であってもよい。
また、パチスロでは、BRで発生する可能性がある追加上乗せA,B,Cの演出を行うゲーム数を例えば「2」に固定してもよい。すなわち、追加上乗せA,B,Cの演出が決定されると、追加上乗せゲーム数カウンタに「2」をセットする構成としてもよい。しかし、追加上乗せA,B,Cの演出を行うゲーム数としては、可変にしてもよい。例えば、追加上乗せ演出の種別(追加上乗せA,B,C)に応じて、追加上乗せゲーム数カウンタにセットする値を異ならせてもよい。
また、パチスロでは、第2のARTの滞在ゲーム数として、例えば「50」といった固定のゲーム数に決定されるようにしてもよいし、これに代えて、所定のゲーム数を1セットとし(例えば、1セット「50」ゲーム)、第2のARTのゲーム数を、抽選によって決定した複数のセット数で設定してもよい。例えば、第2のARTの滞在ゲーム数を、1セット「50」ゲームを2セット、すなわち合計「100」ゲームに設定してもよい。また、この場合、セット間に停止順序を報知せず、且つ、遊技毎にARTゲーム数カウンタの値を減算しない所定の期間を設けてもよい。また、この所定の期間における遊技毎に上乗せゲーム数抽選を行ってもよい。そして、この所定の期間が終了する前(この所定の期間を遊技回数が所定の遊技回数に達したときに終了させる場合は、この所定の遊技回数に達する前)に、順押し以外の停止順序で停止操作(変則押し)が行われた場合は、所定の期間を強制的に終了し、変則押しが行われた遊技の次の遊技からARTゲーム数カウンタの値を遊技毎に「1」減算してもよい。
また、パチスロでは、パチンコ遊技機に設ける役物として、ステッピングモータの駆動によって回転する回転役物123を有する回転役物ユニット122を例に説明した。しかし、これに限らず、パチンコ遊技機に、例えば、ステッピングモータやソレノイドなどの駆動によって左右方向や上下方向又は前後方向に移動する役物を設けてもよい。
[3.第3実施形態に係るパチンコ遊技機]
[小当り遊技を用いたゲーム性の拡張例等]
以上、本発明の第1実施形態に係るパチンコ遊技機1及び第2実施形態に係るパチンコ遊技機について説明したが、例えば小当り遊技を用いて、以下のとおりゲーム性の拡張を図るようにしても良い。すなわち、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1及び第2実施形態に係るパチンコ遊技機はいずれも、基本的には、大当り遊技状態において出玉を増加させるゲーム性であるが、これに加えて又は代えて、特定の遊技状態において小当り遊技の実行頻度を高めて出玉を増加させるゲーム性としても良い。以下に、特定の遊技状態において小当り遊技の実行頻度を高めて出玉を増加させる第3実施形態に係るパチンコ遊技機について説明する。
第3実施形態に係るパチンコ遊技機は、遊技盤ユニット17の盤面構成(例えば、図5〜図7及び図14〜図17等参照)、主制御回路を示すブロック図(例えば、図9参照)、主制御回路100のメインROM102に記憶されている当り乱数判定テーブル(例えば、図11参照)、主制御回路100のメインROM102に記憶されている図柄判定テーブル(例えば、図12参照)、及び、主制御回路100のメインROM102に記憶されている大当り種類決定テーブル(例えば、図13参照)等、上述した第1実施形態に係るパチンコ遊技機と一部異なる構成を有するが、特に言及しない点については、上述した第1実施形態に係るパチンコ遊技機1とほぼ同じである。また、第3実施形態に係るパチンコ遊技機は、第2実施形態に係るパチンコ機と同様に、設定機能を有していてもよい。
なお、第3実施形態に係るパチンコ遊技機は、様々なバリエーションの実施形態を採用することができるため、第1実施例〜第8実施例に分けて説明する。ただし、第3実施形態に係るパチンコ遊技機の第1実施例については、上述した第1実施形態に係るパチンコ遊技機と異なる構成について重点的に説明し、とくに言及しない限り、上述した第1実施形態に係るパチンコ遊技機1と同様の構成である。したがって、上述した第1実施形態に係るパチンコ遊技機1と共通する構成については説明を省略する。
なお、この明細書において、第3実施形態に係るパチンコ遊技機の第1実施例を、第3実施形態の第1実施例のパチンコ遊技機と称する(第2実施例〜第8実施例についても同様とする)。
また、第2実施例〜第8実施例の各パチンコ遊技機ついては、第1実施例のパチンコ遊技機と異なる構成について重点的に説明し、とくに言及しない限り、第1実施例のパチンコ遊技機と同様の構成である。したがって、第1実施例に係るパチンコ遊技機と共通する構成については説明を省略する。
また、第1実施例〜第8実施例の各パチンコ機を説明するにあたり、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1と同じ部材については、配置位置が異なっていたとしても、同一の符号を付している。例えば、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1が備え大入賞口540(例えば、図5参照)と、第1実施例のパチンコ遊技機が備える大入賞口540(例えば、後述する図254参照)とは、配置位置が異なるが、いずれも大入賞口であるため同一の符号を付している。
[第1実施例のパチンコ遊技機]
図254は、第1実施例のパチンコ遊技機において、遊技盤ユニットの外観を示す正面図の一例である。
(外観構成)
第1実施例のパチンコ遊技機は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1のアタッカユニット500に代えて、アタッカユニット5000を備えている。このアタッカユニット5000は、第一始動口5442、小当り入賞口5400、透明パネル172に対して前後方向に進退可能な小当り用シャッタ6100、及び当該小当り用シャッタ6100を駆動する小当り入賞口ソレノイド(図示せず)を備える一方、大入賞口540及び特別電動役物600については備えていない。大入賞口540及び特別電動役物600は、図254に示されるように、遊技領域20内の液晶表示装置16の右上方であって、アタッカユニット5000及び通過ゲート49のいずれよりも上流側に設けられている。なお、小当り入賞口5400に遊技球が入賞したときに払い出される賞球数は例えば15球である。
特別電動役物600は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1と同様に、大入賞口ソレノイドによりシャッタ610が駆動されることによって、大入賞口540への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放態様と、大入賞口540への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖態様と、に移行(駆動)可能に構成される。
右打ちされた遊技球は、緩衝部材950に衝突することによって遊技球の勢いが弱められる。そして、緩衝部材950に衝突して勢いが弱められた遊技球は、シャッタ610の上方に落下する。
なお、第一始動口5442、小当り入賞口5400、小当り用シャッタ6100、及び小当り入賞口ソレノイド(図示せず)は、必ずしもユニット化されている必要はなく、それぞれが別体であってもよいし、これらのうち一部(例えば、小当り入賞口5400、小当り用シャッタ6100、及び小当り入賞口ソレノイドだけがユニット化されていてもよい。
また、第1実施例のパチンコ遊技機では、右側領域に向けて遊技球を発射した(右打ちした)場合に、全部または殆どの遊技球が通過ゲート49を通過するように構成されている。通過ゲート49は、上述の第1実施形態に係るパチンコ遊技機1と同様に、遊技球の通過を条件に普通図柄判定の契機を与えるものであり、時短遊技状態では、第二始動口440への遊技球の入賞が容易化される電サポ状態となる。これに対し、第1実施例のパチンコ遊技機では、上述の第1実施形態に係るパチンコ遊技機1とは異なり、電サポ状態ではない非時短遊技状態であっても、時短遊技状態ほどではないものの、右打ちされた遊技球は、比較的、第二始動口440に入賞するように構成されている(少なくとも、左側領域に向けて遊技球を発射した左打ちされた遊技球が第一始動口5442に入賞することよりも極めて容易である)。ただし、第二始動口440に遊技球が入賞したとしても払い出される賞球数は1球である。
また、上述の第1実施形態に係るパチンコ遊技機1では、普通電動役物ユニット400が遊技領域20内の液晶表示装置16の左下方に配置されているが(例えば、図5参照)、第1実施例のパチンコ遊技機では、大入賞口540と小当り入賞口5400との間(すなわち、シャッタ610と小当り用シャッタ6100との間)に、普通電動役物ユニット400が配置されている。この普通電動役物ユニット400は、上述の第1実施形態に係るパチンコ遊技機1と同様に、第二始動口440、アウト口450及び普通電動役物460を一体化したユニット体であるが、必ずしもユニット化されている必要はなく、それぞれが別体であってもよいし、これらのうち一部(例えば、第二始動口440及び普通電動役物460だけがユニット化されていてもよい。
普通電動役物460は、上述の第1実施形態に係るパチンコ遊技機1の羽根部材4620に代えて、透明パネル172に対して前後方向に進退可能させることで第二始動口440への遊技球の入賞の容易さを変化させるか、又は、第二始動口440への遊技球の入賞が不可能な態様と可能な態様とに変化させることができる可動シャッタ4650を備えている。また、普通電動役物460は、始動口ソレノイド(図示せず)及び当該始動口ソレノイドの動力を可動シャッタ4650に伝達する動力伝達機構(図示せず)を備える。
なお、上述の第1実施形態に係るパチンコ遊技機1と同様に、第一始動口5442への遊技球の入賞は左打ちによって行われ、第二始動口440への遊技球の入賞は原則として右打ちによって行われる。
(当り判定テーブル)
図255は、第1実施例のパチンコ遊技機の主制御回路100のメインROM102に記憶されている当り乱数判定テーブルの一例である。
第1実施例のパチンコ遊技機では、図255に示されるように、上述の第1実施形態に係るパチンコ遊技機1とは異なり、メインCPU101は、第一始動口5442に遊技球が入賞した際に取得した大当り判定用乱数値を用いた大当り判定の結果を「小当り」に決定することがなく、「大当り」又は「ハズレ」に決定する(図255(a)参照)。また、メインCPU101は、第二始動口440に遊技球が入賞した際に取得した大当り判定用乱数値を用いた大当り判定では、当該大当り判定の結果を、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のうちいずれかに決定する(図255(b)参照)。
より詳しくは、メインCPU101は、第一始動口5442に遊技球が入賞した際に取得した大当り判定用乱数値を用いた大当り判定では、取得した大当り判定用乱数値から大当り判定値データ数を減算し、桁借り(マイナスになる)が発生した場合に「大当り」と判定し、桁借りが発生しなければハズレと判定する。また、メインCPU101は、第二始動口440に遊技球が入賞した際に取得される大当り判定用乱数値を用いた大当り判定では、取得した大当り判定用乱数値から先ずは大当り判定値データ数を減算し、桁借りが発生した場合に「大当り」と判定し、桁借りが発生しなければ小当り判定値データ数を減算し、桁借りが発生した場合に「小当り」と判定し、桁借りが発生しなければハズレと判定する。例えば、高確率遊技状態(確変フラグオン)において、第二始動口440に遊技球が入賞した際に取得した大当り判定用乱数値が13200の場合、「13200(取得した大当り判定用乱数値)−1311(大当り判定値データ数)=11889≠桁借り」であるため大当り判定の結果が「大当り」とは判定されず、「11889(取得した大当り判定用乱数値と大当り判定値データ数との差)−13107(小当り判定値データ数)=−1218=桁借り」となり、大当り判定の結果が「小当り」と判定される。なお、大当り判定の結果が「大当り」とは判定されなかった場合、取得した大当り判定用乱数値と大当り判定値データ数との差(上記の11889)を使わずに、取得した大当り判定用乱数値(上記では13200)を用いて、「13200(取得した大当り判定用乱数値)−14418(大当り判定値データ数と小当り判定値データ数との和)=−1218=桁借り」となり、大当り判定の結果が「小当り」と判定するようにしてもよい。
なお、図255(a)及び(b)においては大当り判定データの値として確変フラグ0のときには0−204、確変フラグ1のときには0−1310としており、特に図255(b)において、確変フラグの値に応じて小当り判定値データの値が205−13311、1311−14417とデータ数は変わらないがデータの値が変動している。ただし、これに限られず、別のデータの持ち方例として小当り判定データを確変フラグの値に関係なく0−13106として、大当り判定データの値として確変フラグ0のときには13107−13311、確変フラグ1のときには13107−14417とすることにより、状態によって小当りとなる乱数値が変化せず、また、プログラムにおける定数データの種別を削減することが可能となるためこのようにしてもよい。
なお、第1実施例のパチンコ遊技機では、第一始動口5442に遊技球が入賞した際に取得される大当り判定用乱数値を用いたメインCPU101による大当り判定において、「小当り」と判定されることはない(「小当り」と判定される確率0%である)が、必ずしも、「小当り」と判定される確率を0%にすることは必須ではない。例えば、第一始動口5442に遊技球が入賞した際に取得した大当り判定用乱数値を用いた大当り判定において、メインCPU101は、第2特別抽選と比べて極めて低い確率(例えば、通常遊技状態における遊技で出玉を増やすことができない範囲内の確率)であれば、「小当り」と判定するようにしてもよい。
(図柄判定テーブル)
図256は、第1実施例のパチンコ遊技機の主制御回路100のメインROM102に記憶されている図柄判定テーブル(第1始動口、第2始動口)の一例である。先ず、図柄判定テーブル(第1始動口)について、図256が図12と大きく異なる点は、判定値データに「小当り判定値データ」がないこと、及び、「大当り判定値データ」が得られた場合に選択される当り時選択図柄コマンド数が多いことである。また、図柄判定テーブル(第2始動口)について、図256が図12と大きく異なる点は、判定値データに「小当り判定値データ」があること、及び、「大当り判定値データ」が得られた場合に選択される当り時選択図柄コマンド数が多いことである。
(大当り種類決定テーブル)
図257は、第1実施例のパチンコ遊技機において、主制御回路100のメインROM102に記憶されている大当り種類決定テーブルの一例である。この大当り種類決定テーブルは、図13と同様に、メインCPU101が、大当りに係る当り時選択図柄コマンドに応じて、大当り遊技において実行されるラウンド数、大当り遊技が終了し大当り遊技状態から一般遊技状態(大当り遊技状態ではない遊技状態、以下同じ。)に移行したのちの遊技状態において確変フラグをオンするか否か及び時短フラグをオンするか否かといった、大当りの種類を決定するために参照するテーブルである。図257が図13と大きく異なる点は、メインCPU101が、確変フラグを「1」にセットする場合であっても時短回数を「100」に決定するとは限らず、24回、30回、36回、42回、48回及び100回のうちいずれかの規定回数に決定することがある点、及び、確変フラグを「0」にセットする場合であっても時短回数を「100」に決定することがある点である。
なお、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1も含めて第1実施例のパチンコ遊技機では、確変フラグ及び時短フラグの両方が「1」にセットされると、メインCPU101は、大当り遊技状態から一般遊技状態に移行したのちの遊技状態を、高確率遊技状態且つ時短遊技状態である「確変時短遊技状態」に制御する。この場合、高確率遊技状態は、次回の大当りに当選するまで(第一始動口5442又は第二始動口440に遊技球が入賞した際に取得される大当り判定用乱数値を用いたメインCPU101による大当り判定において「大当り」と判定されるまで)継続するが、時短遊技状態は、決定された規定回数の時短遊技が消化されると終了する。そのため、大当り遊技状態から高確時短遊技状態に移行し、規定回数の時短遊技を消化するまでの間に次回の大当りに当選しなかった場合、メインCPU101は、規定回数の時短遊技が消化されたのちの遊技状態を、高確率遊技状態且つ非時短遊技状態である「高確非時短遊技状態」に制御する。なお、この明細書において、低確率遊技状態且つ時短遊技状態を、「低確時短遊技状態」と称する。また、「時短遊技」とは、特別図柄の変動表示であり、第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示のいずれが行われた場合であっても、時短回数は消化される。
(特別図柄の変動時間)
次に、第1特別図柄表示部73又は第2特別図柄表示部74(いずれも、図8参照)において行われる第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間について、図258及び図259を参照して説明する。特別図柄の変動時間については、上述の第1実施形態に係るパチンコ遊技機1では詳細を説明していないが、第1実施例のパチンコ遊技機では重要な事項である。
図258は、第1実施例のパチンコ遊技機において、メインROM102に記憶されるテーブルであって、低スタート用の特別図柄の変動時間(可変表示時間)決定テーブルの一例である。図259は、第1実施例のパチンコ遊技機において、メインROM102に記憶されるテーブルであって、高スタート用の特別図柄の変動時間(可変表示時間)決定テーブルの一例である。単位時間あたりの特別図柄の可変表示の実行回数の期待値は、低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して特別図柄の変動時間を決定するときよりも、高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して特別図柄の変動時間を決定したときの方が大きい。
メインCPU101は、「通常の遊技状態」では、図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して、特別図柄の変動時間を決定する(以下、「変動時間を決定する」と称する)。また、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」では、図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して、特別図柄の変動時間を決定する。
なお、図259に示される高スタート用の特別図柄の変動回数の欄に示される「N回目」とは、大当り遊技状態から「高確時短遊技状態」または「低確時短遊技状態」に移行したときに、当該「高確時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」において最後となる可能性がある特別図柄の変動表示である。言い換えると、決定される可能性のある時短回数目の特別図柄の変動表示である。例えば、第1実施例のパチンコ遊技機では、上述したとおり、24回、30回、36回、42回、48回及び100回のうちいずれかに時短回数が決定されるので、24回目の特別図柄の変動表示、30回目の特別図柄の変動表示、36回目の特別図柄の変動表示、42回目の特別図柄の変動表示、48回目の特別図柄の変動表示及び100回目の特別図柄の変動表示が、N回目の特別図柄の変動表示となる。そして、N回目以外の特別図柄の変動表示が「N回目以外」である。
メインCPU101は、第1特別図柄又は/及び第2特別図柄の変動時間を決定すると、決定された変動時間に対応する変動パターンコマンドをサブCPU201に送信するとともに、決定された変動時間に対応する変動時間にわたって第1特別図柄又は/及び第2特別図柄の変動表示を行い、図256を参照して決定された図柄指定コマンドに基づいて、変動表示中の第1特別図柄又は/及び第2特別図柄を停止させる制御を実行する。これにより、第一始動口5442への遊技球の入賞に基づいて行われた大当り判定(以下、「第1特別抽選」と称する)又は/及び第二始動口440への遊技球の入賞に基づいて行われた大当り判定(以下、「第2特別抽選」と称する)の結果が導出される。メインCPU101により行われる第1特別図柄又は/及び第2特別図柄の変動表示及び停止させる制御は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1のステップS85(図122参照)の処理に相当する。
なお、この明細書において、メインCPU101により第1特別図柄表示部73又は第2特別図柄表示部74に特別抽選の結果が示されるものを「導出」と称し、サブCPU201により例えば液晶表示装置16に特別抽選の結果が示されるものを「表示」と称する。
メインCPU101から送信された変動パターンコマンドを受信したサブCPU201は、当該受信した変動パターンコマンドが第1特別図柄の変動パターンコマンドであるのか第2特別図柄の変動パターンコマンドであるのかを判断する。そして、特別図柄の変動開始時(変動パターンコマンドを受信した時)の遊技状態が「通常の遊技状態」であるとき、サブCPU201は、受信した変動パターンコマンドが第1特別図柄の変動パターンコマンドであれば、受信した変動パターンコマンドに基づいて決定される演出内容が液晶表示装置16に表示されるように表示制御回路204を介して制御し、受信した変動パターンコマンドが第2特別図柄の変動パターンコマンドであれば、当該制御(受信した変動パターンコマンドに基づいて決定される演出内容を液晶表示装置16に表示する制御)を実行しない。また、特別図柄の変動開始時(変動パターンコマンドを受信した時)の遊技状態が「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」であるとき、サブCPU201は、受信した変動パターンコマンドが第2特別図柄の変動パターンコマンドであれば、受信した変動パターンコマンドに基づいて決定される演出内容が液晶表示装置16に表示されるように表示制御回路204を介して制御し、受信した変動パターンコマンドが第1特別図柄の変動パターンコマンドであれば、当該制御(受信した変動パターンコマンドに基づいて決定される演出内容を液晶表示装置16に表示する制御)を実行しない。
なお、「通常の遊技状態」及び「高確時短遊技状態」については上述の第1実施形態に係るパチンコ遊技機1においても説明したが、ここであらためて、「通常の遊技状態」、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」について説明する。「通常の遊技状態」は、特別図柄の変動表示が行われて「大当り」の図柄組合せが導出される確率(特別抽選の結果が「大当り」となる確率)が相対的に低く、且つ、電サポなしの遊技状態である。「高確時短遊技状態」は、特別図柄の変動表示が行われて「大当り」の図柄組合せが導出される確率(特別抽選の結果が「大当り」となる確率)が相対的に高いとともに電サポ状態となる遊技状態である。「高確非時短遊技状態」は、特別図柄の変動表示が行われて「大当り」の図柄組合せが導出される確率が相対的に高いとともに電サポなしの遊技状態である。「低確時短遊技状態」は、特別図柄の変動表示が行われて「大当り」の図柄組合せが導出される確率が相対的に低いものの、電サポ状態となる遊技状態である。電サポ状態となる「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」であるとき、メインCPU101は、コマンド出力ポート106から外部端子板320を介してホールコンピュータ(いずれも図9参照)に、時短中信号を、コマンドを外部出力信号として出力している。これにより、ホールコンピュータは、各パチンコ遊技機1について、時短中(電サポ中)であるか否かを管理することができる。また、例えば、パチンコ遊技機の上方には当該パチンコ遊技機と直接又は間接的に接続されているデータ表示機が配置されているが、このデータ表示機においても時短中である旨を表示することが可能である。
第1実施例のパチンコ遊技機における特別図柄の変動時間の特徴的たる第1の項目は、特別図柄の変動開始時の遊技状態が「通常の遊技状態」であるときは、第1特別図柄の変動時間の平均時間よりも、第2特別図柄の変動時間の平均時間の方が極めて長い点である。また、特別図柄の変動開始時の遊技状態が「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」であるときは、第1特別図柄の変動時間の平均時間よりも、第2特別図柄の変動時間の平均時間の方が極めて短い点である。このような特徴的たる点は、とくに、第2特別抽選の結果が「小当り」または「ハズレ」であったときの変動時間によって引き出されている。
具体的には、図258に示されるように、確変フラグ及び時短フラグの両方がオフである「通常の遊技状態」において、第2特別抽選の結果が「小当り」または「ハズレ」であったとき、メインCPU101は、580000msec〜600000msecといった、極めて長い時間にわたって第2特別図柄の変動表示(長変動A、長変動Bまたは長変動C)を行う。
なお、第1実施例のパチンコ遊技機では、「通常の遊技状態」において、第2特別抽選の結果が「小当り」または「ハズレ」であったときの第2特別図柄の変動表示のパターンとして、変動時間が異なる長変動A〜長変動Cの3パターンだけ用意しているが、小当り入賞口5400が開放態様となるタイミングだけ遊技球を右打ちで発射させるといった行為を防止する観点からいえば、例えば500000msec〜600000msecの範囲で、さらに多くのパターン(例えば10パターン)を用意することが好ましい。
一方、特別図柄の変動開始時の遊技状態が、確変フラグON且つ時短フラグOFFの「高確非時短遊技状態」、確変フラグON且つ時短フラグONの「高確時短遊技状態」、又は、確変フラグOFF且つ時短フラグONの「低確時短遊技状態」である場合において、第2特別抽選の結果が「小当り」または「ハズレ」であったとき、一定条件の下、メインCPU101は、1000msecといった、極めて短い時間にわたって第2特別図柄の変動表示を行う(超速変動)。
なお、「通常の遊技状態」、「高確非時短遊技状態」、「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」は、いずれも一般遊技状態である。
また、第1実施例のパチンコ遊技機における特別図柄の変動時間の特徴的たる第2の項目は、高スタート用の特別図柄の変動時間テーブルを参照して特別図柄の変動決定が決定される「高確非時短遊技状態」、「高確時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」では、図259に示されるように、特別図柄の変動回数がN回目であるときは、必ずリーチ演出(高スタート用ノーマルリーチ、高スタート用スーパーリーチA、高スタート用スーパーリーチB)が行われる点である。なお、このようなリーチ演出は、メインCPU101から送信されたコマンドを受信したサブCPU201により複数の識別図柄の変動表示を用いて液晶表示装置16に表示される。
(第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示制御)
ところで、上述したとおり、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1では、第1特別図柄についての始動記憶及び第2特別図柄についての始動記憶の両方が保留されている場合、いずれの始動記憶が先に保留されたかにかかわらず、第2特別図柄についての始動記憶についての保留の解除(第2特別図柄の始動条件の成立)を優先し、第2特別図柄表示部73による第2特別図柄の変動表示が行われる(第2特別図柄の変動表示が行われている間、第1特別図柄の変動表示は行われない)が、この点、第1実施例のパチンコ遊技機では大きく異なる。
第1実施例のパチンコ遊技機において、第1特別図柄の始動条件は、第2特別図柄が変動表示中であったとしても、第1特別図柄についての始動記憶が保留されていること、第1特別図柄の変動表示が行われていないこと、及び、一般遊技状態(大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれでもない遊技状態)であることを条件に成立する。また、第2特別図柄の始動条件は、第1特別図柄が変動表示中であったとしても、第2特別図柄についての始動記憶が保留されていること、第2特別図柄の変動表示が行われていないこと、及び、一般遊技状態(大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれでもない遊技状態)であることを条件に成立する。したがって、第1実施例のパチンコ遊技機において、メインCPU101は、第1特別図柄及び第2特別図柄のうちいずれか一方の特別図柄の変動表示を行っていたとしても、他方の特別図柄についての始動条件が成立すると、当該他の特別図柄の変動表示を開始し、この場合、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並行して行うこととなる。
このように、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが並行して行われる場合、メインCPU101は、第1特別図柄及び第2特別図柄の両方が大当り図柄を示す図柄組合せで停止することがないように処理を行う。
詳述すると、メインCPU101は、第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が大当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合は、他方の特別図柄を、特別抽選の結果にかかわらずハズレを示す図柄組合せで強制的に停止させる制御を行う。一方の特別図柄が大当り図柄を示す図柄組合せで停止すると、上述したとおり一般遊技状態から大当り遊技状態に移行するが、この大当り遊技状態では、第1特別図柄の始動条件及び第2特別図柄の始動条件のいずれも成立せず、メインCPU101は、第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示のいずれも新たに行わない。
また、メインCPU101は、第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が小当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合は、一般遊技状態から小当り遊技状態への移行(小当り図柄を示す図柄組合せで停止したこと)に基づいて他方の特別図柄の変動時間の計時を中断し、小当り遊技状態から一般遊技状態への移行(小当り遊技の終了)に基づいて他方の特別図柄の変動時間の計時を再開する処理を行う。一方の特別図柄が小当り図柄を示す図柄組合せで停止すると、上述したとおり一般遊技状態から小当り遊技状態に移行するが、この小当り遊技状態では、第1特別図柄の始動条件及び第2特別図柄の始動条件のいずれも成立せず、メインCPU101は、第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示のいずれも新たに行わない。ただし、第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が小当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合、メインCPU101は、変動表示中の他方の特別図柄について、見掛け上は変動表示中と同様の態様でLED群73a又はLED群74a(いずれも図8参照)の変動表示を行うが、上述したとおり変動時間の計時は中断する。
なお、小当り遊技状態は、小当り遊技の実行が開始されるまでの待機期間(オープニングインターバル期間)と、1800msec未満の小当り遊技の実行期間と、小当り遊技が実行されたのちの待機期間(エンディングインターバル期間)とで構成される約5000msecの遊技状態である。
また、第1実施例のパチンコ遊技機において、メインCPU101は、第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が大当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合は、他方の特別図柄を、ハズレを示す図柄組合せで強制的に停止させる制御を行い、一方の特別図柄が小当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合は、他方の特別図柄の変動時間の計時を中断し、小当り遊技状態から一般遊技状態への移行(小当り遊技の終了)に基づいて他方の特別図柄の変動時間の計時を再開する処理を行うが、これに限られない。例えば、第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が大当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合は、他方の特別図柄の変動時間の計時を中断し、大当り遊技状態から一般遊技状態への移行(大当り遊技の終了)に基づいて他方の特別図柄の変動時間の計時を再開する処理を行い、一方の特別図柄が小当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合は、他方の特別図柄を、ハズレを示す図柄組合せで強制的に停止させる制御を行うようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が大当り図柄を示す図柄組合せで及び小当り図柄を示す図柄組合せのいずれで停止した場合であっても、他方の特別図柄の変動時間の計時を中断し、大当り遊技状態又は小当り遊技状態から一般遊技状態への移行に基づいて他方の特別図柄の変動時間の計時を再開する処理を行うようにしてもよい。さらには、第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が大当り図柄を示す図柄組合せで及び小当り図柄を示す図柄組合せのいずれで停止した場合であっても、他方の特別図柄を、ハズレを示す図柄組合せで強制的に停止させる制御を行うようにしてもよい。
また、メインCPU101は、第1特別抽選及び第2特別抽選のうちいずれか一方の特別抽選の結果が「大当り」であって、当該「大当り」に基づく特別図柄の変動表示中は、たとえ他方の特別図柄の始動条件が成立したとしても、他方の特別抽選を、「大当り」とならない非当選処理として実行する。この非当選処理は、第一始動口5442又は第二始動口440への遊技球の入賞に基づいて大当り判定用乱数値を取得したとしても、当り乱数判定テーブル(図255参照)における大当り判定値データを除外(ハズレ判定値データに置換)して判定が行われるため、他方の特別抽選の結果は「小当り」又は「ハズレ」となる。例えば、高確率遊技状態において、第二始動口440への遊技球の入賞に基づいて取得した大当り判定用乱数値が「650」であった場合、当り乱数判定テーブル(図255参照)によれば、本来であれば「大当り」であるところ「ハズレ」と判定される。ただし、非当選処理は、このような態様に限られず、第一始動口5442又は第二始動口440への遊技球の入賞に基づいて取得した大当り判定用乱数値を用いた大当り判定の結果が「大当り」であったとしても、当該「大当り」をクリアして「ハズレ」にする処理としてもよい。
また、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1のように、第1特別図柄の変動表示よりも第2特別図柄の変動表示が優先される場合には、第1特別抽選及び第2特別抽選の両方が同時に当選することはない。例えば図124の特別図柄記憶チェック処理に示されるように、メインCPU101は、第二始動口440への入賞に基づいて特別抽選を行った場合には、同一割込処理内では第一始動口5442への入賞に基づく特別抽選を行わないからである。
ところが、第1実施例のパチンコ遊技機のように第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが並行して行われる場合、メインCPU101は、遊技状態が「通常の遊技状態」、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」のいずれであってとしても、第1特別図柄の始動条件及び第2特別図柄の始動条件の両方が成立していれば、同一割込処理内で第2特別抽選及び第1特別抽選の両方をこの順に行う。このように、遊技状態にかかわらず、同一割込処理内において、予め決められた順序で第2特別抽選及び第1特別抽選の両方を行うことを可能にすることで、メインCPU101の制御負荷を軽減しつつ、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並行して行うことが可能となる。
ところで、第1特別図柄の始動条件及び第2特別図柄の始動条件の両方が同時に成立することは稀であるから、通常は、同一割込処理内において、第1特別抽選及び第2特別抽選のうちいずれか一方(始動条件が成立している方の特別抽選)がメインCPU101により行われるだけである。また、第1特別図柄の始動条件及び第2特別図柄のいずれも成立していない場合には、メインCPU101は、第1特別抽選及び第2特別抽選のうちいずれも行わない。しかし、例えば、大当り遊技状態において第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示のいずれについても停止しており(すなわち、第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示のいずれについても変動時間の計時が中断されておらず)、当該大当り遊技状態が終了した時点で第1特別図柄の始動記憶及び第2特別図柄の始動記憶の両方が保留されていれば、大当り遊技状態が終了したのちに、第1特別図柄の始動条件及び第2特別図柄の始動条件の両方が同時に成立しうる。そうすると、同一割込処理内で行われた第1特別抽選及び第2特別抽選の両方の結果が同時に「大当り」となることが生じうる。とくに、大当り遊技状態が終了して「高確時短遊技状態」又は「高確非時短遊技状態」に移行する場合には、第1特別抽選及び第2特別抽選の結果が「大当り」となる確率が相対的に高くなっているため、同一割込処理内で行われた第1特別抽選及び第2特別抽選の両方の結果が同時に「大当り」となることが生じうる。また、上記例よりも成立可能性は極めて稀であるが、例えば第1特別図柄の始動記憶及び第2特別図柄の始動記憶の両方に保留が無く、第一始動口5442及び第二始動口440に同時に遊技球が入球した場合や、第1特別図柄の始動記憶及び第2特別図柄の始動記憶の両方に保留があり且つ第1特別図柄及び第2特別図柄が同時に導出された後などにおいても、同一割込処理内で行われた第1特別抽選及び第2特別抽選の両方の結果が同時に「大当り」となることが生じうる。
そこで、メインCPU101は、第1特別図柄の始動条件及び第2特別図柄の始動条件の両方が同時に成立した場合には、上述したとおり、遊技状態にかかわらず、先ずは第2特別抽選を行い、その後に第1特別抽選を行うように処理していくが、第2特別抽選の結果が「大当り」である場合には大当りフラグを立て、その後に行なわれる第1特別抽選において、大当りフラグが立っているか否かを判断するようにしている。このとき、大当りフラグが立っていれば、メインCPU101は、第1特別抽選の結果が「大当り」とならないように、第1特別抽選を上述した非当選処理として実行することで、同一割込処理内で行われた第1特別抽選及び第2特別抽選の両方の結果が同時に「大当り」となることを防止するようにしている。ただし、これに代えて、同一割込処理内において先に行われた第2特別抽選の結果が「大当り」であることによって大当りフラグが立っているときには第1特別抽選自体を実行せず、大当りフラグが立っていなければ第1特別抽選を実行するようにしてもよい。ただし、同一割込処理内において先に行われた第2特別抽選の結果が「小当り」であるときには、他方の第1特別抽選を、非当選処理ではなく通常通りに行う。そのため、相対的に利益度合いが低い「小当り」によって、相対的に利益度合いが高い「大当り」が打ち消されることを防止できる。
このようにして、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが並行して行われたとしても、第1特別図柄及び第2特別図柄の両方が大当り図柄を示す図柄組合せで停止するといったことが生じないようにしている。
なお、同一割込処理内で行われた第1特別抽選及び第2特別抽選の両方の結果が同時に「大当り」となることは、大当り遊技状態が終了したのちに「高確時短遊技状態」又は「高確非時短遊技状態」に移行したときに生じる可能性が相対的に高い。そのため、「高確時短遊技状態」又は「高確非時短遊技状態」では、第一始動口5442よりも主として第二始動口440に入賞させて遊技を行う第1実施例のパチンコ遊技機では、同一割込処理内において第2特別抽選及び第1特別抽選をこの順で行うことが好ましい。ただし、これに限られず、同一割込処理内において第1特別抽選及び第2特別抽選をこの順で行うようにしてもよい。
(遊技の流れ)
確変フラグ及び時短フラグの両方がオフである「通常の遊技状態」において、遊技者が発射ハンドル32を操作して遊技領域20に向けて発射させた遊技球が第一始動口5442に入賞した場合は、リーチ演出(低スタート用ノーマルリーチ、低スタート用スーパーリーチA、低スタート用スーパーリーチB)が行われない限り、5000msec又は10000msecといった通常変動(通常変動A、通常変動B)が行われる。これに対し、「通常の遊技状態」において遊技者が発射ハンドル32を操作して遊技領域20に向けて発射させた遊技球が第二始動口440に入賞すると、上述したとおり、第2特別抽選の結果が「大当り」でない限り、580000msec〜600000msecといった、極めて長い時間にわたって第2特別図柄の変動表示(長変動A、長変動Bまたは長変動C)が行われる(図258参照)。第2特別抽選では、第1特別抽選とは異なり約5分の1といった比較的高い確率で「小当り」に当選するものの、このように極めて長い時間にわたって第2特別図柄の変動表示が行われるため、一般的な遊技者は、「通常の遊技状態」において、発射した遊技球が第二始動口440に入賞しうる右打ちよりも、第一始動口5442に入賞しうる左打ちで遊技を行うこととなる。
「通常の遊技状態」において、遊技領域20に向けて発射した遊技球が第一始動口5442に入賞すると、メインCPU101は、第1特別抽選を行う。この第1特別抽選は、約319分の1の確率で「大当り」となり、それ以外は「ハズレ」である。そして、第1特別抽選の結果が「大当り」であると、メインCPU101は、条件装置を作動させて、役物連続作動装置を作動させる。条件装置は、特別抽選の結果が「大当り」であることを条件に作動し、特別抽選の結果が「小当り」又は「ハズレ」であるときは作動しない。役物連続作動装置は、条件装置が作動したことを条件に作動する。メインCPU101は、役物連続作動装置が作動したことに基づいて、一般遊技状態から大当り遊技状態に移行させる制御を実行する。
大当り遊技状態に移行すると、メインCPU101は、遊技者に有利な大当り遊技を実行する。この大当り遊技は、上述の第1実施形態に係るパチンコ遊技機1において説明したとおり、大入賞口540が開放態様となるラウンドゲームが複数ラウンドにわたって実行される遊技である。開放態様となった大入賞口540に遊技球が入賞すると、上述の第1実施形態に係るパチンコ遊技機1において説明したように、賞球が払い出される。なお、大当り遊技において実行されるラウンド遊技のラウンド数は、上述したとおり、特別抽選の結果が「大当り」であったときに、図257の大当り種類決定テーブルに基づいてメインCPU101の制御により決定される。
第1特別抽選の結果が「大当り」であるとき、メインCPU101は、図256及び図257を参照して決定された大当り種類(当り時選択図柄コマンド)に基づいて、大当り遊技が終了したのちの遊技状態を決定する。例えば、当り時選択図柄コマンドが「z7」であるとき、大当り遊技の実行が終了すると、メインCPU101は、大当り遊技状態から「高確時短遊技状態」に移行させる制御を実行する。
「高確非時短遊技状態」、「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」では、遊技球が第二始動口440に入賞した場合、メインCPU101は、第2特別抽選の結果が「大当り」でない限り、変動時間が1000msecの超速変動を行う。また、第2特別抽選では、約5分の1といった比較的高い確率で「小当り」に当選する。そのため、一般的な遊技者は、「高確非時短遊技状態」、「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」において、発射した遊技球が第一始動口5442に入賞しうる左打ちよりも、第二始動口440に入賞しうる右打ちで遊技を行うこととなる。
ここで、一般遊技状態である「通常の遊技状態」、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」のそれぞれについて、遊技状態毎に、特別図柄が変動している間に払いだされる賞球数を発射された遊技球数で割った値の期待値(単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値[(単位時間あたりの賞球数の期待値)/(単位時間あたりの発射球数)])について説明する。なお、「単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値」に影響を及ぼすパラメータのうち、「単位時間あたりの発射球数」は、1分間あたり100球である。もう1つのパラメータである「単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値」については後述する。
なお、上述した封入式の遊技機の場合、遊技媒体としての遊技球が外部に排出されずに遊技可能に構成されているため、入賞したとき、賞球が払い出されることに代えて遊技媒体としてのデータ(この明細書において「賞球データ」と称する)が付与される。例えば、賞球数が15球の入賞口に入賞した場合、封入式の遊技機であれば、15球の賞球に対応する賞球データとして15が付与される。
先ず、「通常の遊技状態」では、発射球数に対する賞球数の期待値が「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」のいずれよりも極めて低く、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を大きく下回ることは、説明するまでもなく当業者であれば当然のことである。
次に、「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」では、上述したとおり電サポ状態となり、第二始動口440への遊技球の入賞が「通常の遊技状態」と比べて容易化される。また、第二始動口440への遊技の入賞に基づいて高い頻度で実行される第2特別抽選では、上述したとおり約5分の1の確率で「小当り」に当選する。そのため、メインCPU101は、「通常の遊技状態」と比べると、極めて高い頻度で、小当り入賞口5400が開放態様となる小当り遊技状態に制御する。しかし、右打ちされた全部または殆どの遊技球が通過ゲート49を通過するため、第二始動口440がほぼオープン状態となる。そのため、右打ちされた遊技球の全部又は殆どが第二始動口440に入賞することとなり、第二始動口440の下流側に配置されている小当り入賞口5400まで到達する遊技球は、多少のこぼれ球はあるもののほぼ皆無である。しかも、第二始動口440に遊技球が入賞したとしても賞球が1球である。そのため、「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」では、たとえ右打ちしたとしても、発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えることはない(1未満である)。ただし、第二始動口440への入賞が容易化されるため、「通常の遊技状態」のように、発射球数に対する賞球数の期待値が1を大きく下回ることもない。
次に、「高確非時短遊技状態」では、発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えることができる。これは、イ)「高確時短遊技状態」や「低確時短遊技状態」ほどではないものの、右打ちされた遊技球が、比較的、第二始動口440に入賞するように構成されていること、ロ)第2特別抽選の結果が「大当り」でない限り、変動時間が1000msecの超速変動で第2特別図柄の変動表示(可変表示)が行われること、ハ)第2特別抽選では、約5分の1といった比較的高い確率で「小当り」に当選すること、ニ)小当り遊技が実行されたとき、第二始動口440に入賞しなかった遊技球が小当り入賞口5400に入賞できる構成となっていること、ホ)小当り入賞口5400に遊技球が入賞したときに払い出される賞球数が比較的多いこと(例えば15球)、といったことで実現している。
なお、この明細書において、「高確非時短遊技状態」では単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えることを前提として説明するが、必ずしもこれに限られず、、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が、一般遊技状態のなかで「高確非時短遊技状態」に制御されているときが最も高ければよい。
なお、大当り遊技状態では、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を大きく超えることは、説明するまでもなく当業者であれば当然のことである。
また、第1実施例のパチンコ遊技機では、一般遊技状態において単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えるのは「高確非時短遊技状態」のときであり、例えば「高確時短遊技状態」では、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1未満となるようにしている。ただし、これに限られず、「高確時短遊技状態」として、特別図柄の変動表示が行われて「大当り」の図柄組合せが導出される確率(特別抽選の結果が「大当り」となる確率)が相対的に高いとともに電サポ状態とし、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1未満の「第1の高確時短遊技状態」と、特別図柄の変動表示が行われて「大当り」の図柄組合せが導出される確率が相対的に高いとともに電サポなしとし、第2特別図柄の変動時間を「通常の遊技状態」よりも短くすることで単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えるようにした「第2の高確時短遊技状態」と、を設けるようにしてもよい。この場合、「高確非時短遊技状態」を設けなくてもよい。
上述したように、メインCPU101は、時短中信号を外部出力信号としてホールコンピュータに出力しているが、「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行したとき、時短中信号をONからOFFにする必要がある。そのため、時短中信号がOFFであるときに単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えている場合、ホールコンピュータ側からすれば、「通常の遊技状態」であるにもかかわらず単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えているのか(この場合は不正が疑われる)、「高確非時短遊技状態」であるから単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えているのかを、判別することができない。しかし、「高確時短遊技状態」として「第1の高確時短遊技状態」と「第2の高確時短遊技状態」とを設けた場合、「第1の高確時短遊技状態」から「第2の高確時短遊技状態」に移行したとしても、メインCPU101は、時短中信号をOFFにする必要がない。そのため、ホールコンピュータ側からすれば、単位時間当たりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えていたとしても、時短中信号がONであれば、「第2の高確時短遊技状態」であると把握することが可能となる。また、「第1の高確時短遊技状態」と「第2の高確時短遊技状態」とが混在して連続発生するようなスペックである場合にはいずれも時短中信号がONであるため、上述したデータ表示機側においても、一連の連チャン状態である旨を報知することが可能となる。これにより、「高確非時短遊技状態」によるものである場合と比較してデータ表示機における遊技者への利便性を高めることが可能となる。
なお、「単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値」に影響を及ぼすパラメータのうち、「単位時間あたりの賞球数の期待値」は、賞球が払い出される入賞口への単位時間あたりの入賞期待値と、入賞口に入賞したときに払い出される賞球数とが重要な要素である。
賞球が払い出される入賞口への単位時間あたりの入賞期待値は、発射された遊技球の全部が入賞する入賞口であれば、単位時間あたりの入賞期待値は100球/分である。しかし、例えば小当り入賞口5400のように、特別図柄の変動表示を経た上で入賞可能となる入賞口であれば、特別図柄の変動表示に要する時間、「小当り」の当選確率、及び、小当り入賞口5400が開放態様(入賞可能な態様)となる時間が、単位時間あたりの入賞期待値に対して影響を及ぼす。
なお、第1実施例のパチンコ遊技機において、特別図柄の変動表示に要する時間は図258及び図259を参照して上述したとおりであるが、小当り入賞口5400が開放態様となる時間は1800msec未満(例えば1700msec)である。
また、第1実施例のパチンコ遊技機において、入賞口に入賞したときに払い出される賞球数は、第一始動口5442が3球(第1実施形態に係るパチンコ遊技機1と同じ)、第二始動口440が1球(第1実施形態に係るパチンコ遊技機1では3球)、小当り入賞口5400が15球(第1実施形態に係るパチンコ遊技機1には小当り入賞口5400が設けられていない)、一般入賞口53・54・55・56(例えば図14参照)が10球(第1実施形態に係るパチンコ遊技機1と同じ)である。
遊技の流れに戻って、大当り遊技が終了したのちの「高確時短遊技状態」において、「大当り」を示す特別図柄の組合せが導出されることなく時短遊技が消化されると(決定された時短回数の特別図柄の変動表示が行われると)、メインCPU101は、「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行させる制御を実行する。例えば、当り時選択図柄コマンドが「z7」であるときの時短回数は30回であるため、30回の時短遊技を消化すると、メインCPU101は、「高確時短遊技状態」に移行させる制御を実行する。
ここで、時短回数は、図257に示されるように、24回、30回、36回、42回、48回及び100回といった複数の時短回数のなかからメインCPU101の制御によっていずれかの回数に決定される。ただし、この第1実施例のパチンコ遊技機において、決定された時短回数は、当該時短回数の時短遊技が消化されるまで、メインCPU101及びサブCPU201のいずれによっても開示されずに秘密に保たれうる。そのため、遊技者は、発射球数に対する賞球数の期待値が1未満の「高確時短遊技状態」から、発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える「高確非時短遊技状態」に、どのタイミングでメインCPU101によって移行制御されるのかを、「高確非時短遊技状態」に移行されるまで把握することが困難となっている。なお、「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行する例を記載したが、上述の「第1の高確時短遊技状態」と「第2の高確時短遊技状態」を適用し、上述の時短回数に替えて電サポを実行する回数としてもよいのは当然である。この場合、電サポが終了しても時短状態であることには変わらず上述に記載した効果と同様の効果を奏することが可能となる。
このように、大当り遊技が終了したのちの遊技状態が「高確時短遊技状態」である場合には、遊技者からすれば、決定される時短回数は短い方が、早い段階で「高確非時短遊技状態」に移行するため、興趣が高められる。
ところで、第1実施例のパチンコ遊技機では、図257に示されるように、第1特別抽選の結果が「大当り」であって、当り時選択図柄コマンドが「z0」〜「z11」のうちのいずれかであるとき、メインCPU101は、大当り遊技が終了したのちの遊技状態を、「高確時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」に制御する。
「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」において、第1特別図柄の変動表示が行われて大当り図柄の組合せが導出されるとき(すなわち第1特別抽選の結果が「大当り」であるとき)、図259に示されるように、メインCPU101は、変動時間を、図柄決定用乱数値に基づいて「05H」〜「07H」のうちいずれかに決定する。同様に、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」において、第2特別図柄の変動表示が行われて大当り図柄の組合せが導出されるとき(すなわち第2特別抽選の結果が「大当り」であるとき)、図259に示されるように、メインCPU101は、変動時間を、図柄決定用乱数値に基づいて「16H」〜「18H」のうちいずれかに決定する。メインCPU101は、このようにして決定された変動時間に対応する変動パターンコマンドを、サブCPU201に送信する。サブCPU201は、メインCPU101から送信された変動パターンコマンドを受信すると、この受信した変動パターンコマンドに基づいて、リーチ演出(高スタート用ノーマルリーチ、高スタート用スーパーリーチA又は高スタート用スーパーリーチB)が液晶表示装置16に表示されるよう制御する。
また、上記の「高確時短遊技状態」、「高確時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」において、特別図柄の変動表示が行われて大当り図柄の組合せが導出されず、小当り図柄の組み合わせ又はハズレ図柄が導出されるとき(すなわち特別抽選の結果が「小当り」又は「ハズレ」であるとき)であっても、特別図柄の変動回数がN回目であるときは、当該N回目の特別図柄の変動表示が行われているとき、サブCPU201は、特別抽選の結果が「大当り」であるときに行われるリーチ演出と同じリーチ演出が液晶表示装置16に表示されるよう制御し、当該リーチ演出を行ったのち、「小当り」又は「ハズレ」であることを示す画像を表示する。ただし、上述したとおり、図259の特別図柄の変動回数の欄に示される「N回目」とは、決定される可能性のある時短回数目の特別図柄の変動表示であるから、時短が消化された「高確非時短遊技状態」では、常に「N回目以外」の欄が参照される。
このように、大当り遊技が終了したのちの遊技状態が「高確時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」において、N回目の特別図柄の変動表示中に、サブCPU201により液晶表示装置16にリーチ演出が表示されたのち、大当りを示す画像が表示されると大当り遊技状態に移行し、大当りを示す画像が表示されなかったとしても「高確非時短遊技状態」に移行する可能性があるといった所謂煽り演出を行うことが可能となる。なお、N回目におけるリーチ演出については、当落がハズレであっても、例えば味方キャラと敵キャラとが対決する対決リーチを実行し、現在の遊技状態が「低確時短遊技状態」であった場合には最終的に敗北する演出を実行し、現在の遊技状態が「高確時短遊技状態」であった場合には最終的に勝利する演出を実行し、遊技者にこれから開始する遊技状態が「通常の遊技状態」であるか「高確非時短遊技状態」であるかを報知するようにすることが望ましい。本件における「高確非時短遊技状態」は遊技者が遊技媒体を増加させながら次の大当りまで遊技を行える最も有利な遊技状態(一般遊技状態のなかで最も有利な遊技状態)であり、次の大当りが確約されているため、他の大当り時の演出と同等の演出を実行してもよい。大当りが当選していなくても当選したような演出を実行したとしても単なる大当りよりも有利度合いが高いため、遊技者に違和感を与えることが無い。言うまでもないが大当り演出と異なる専用演出としてもよいことは当然である。またさらに、変動時間決定テーブルにおいて、最後のN回目と最後以外のN回目とで変動パターンを異ならせるようにしてもよい。例えば最後以外のN回目(48回が決定されているときの24回目など)においては現在の遊技状態が「低確時短遊技状態」であっても「高確時短遊技状態」であってもその遊技状態が継続することが確定しているため、演出の結果「引き分け」の表示をおこなうための変動パターンが選択され、最後のN回目(48回が決定されているときの48回目など)においては現在の遊技状態が「低確時短遊技状態」であるか「高確時短遊技状態」であるかに応じて最終的な演出が異なる(「勝利」又は「敗北」)ため、その表示をおこなうための変動パターンが選択されるようにしてもよい。
通常、液晶表示装置16に表示されるリーチ演出の実行は抽選により決定されるため、「高確時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」において必ずリーチ演出が実行されるといった保証はない。しかし、第1実施例のパチンコ遊技機によれば、大当り遊技が終了したのちの「高確時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」におけるN回目の特別図柄の変動表示において、サブCPU201は、必ずリーチ演出が液晶表示装置16に表示されるように制御するため、興趣の低下を抑制することができる。また、「高確時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」においてリーチ演出が実行された場合、当該リーチ演出を、特別抽選の結果が「大当り」であることに基づいて行われた可能性があることを示す機能と、当該「高確時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」において最後となる可能性がある特別図柄の変動表示であることを示す機能とを有する。このように、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第1実施例のパチンコ遊技機では、図257に示されるように、当り時選択図柄コマンドが「z0」〜「z5」及び「z12」のうちのいずれかであった場合、メインCPU101は、大当り遊技が終了すると、大当り遊技状態から「低確時短遊技状態」に移行制御する。そこで、時短回数に加えて、大当り遊技が終了したのちの遊技状態が「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」のうちいずれに制御されるのかについても、少なくともサブCPU201により開示しない(例えば液晶表示装置16に表示される演出画像から把握することができない)ようにすることで、時短遊技が消化されたのちの移行先が「高確非時短遊技状態」であるのか「通常の遊技状態」であるのかについても、遊技者が把握することが困難となる。時短遊技が消化されたときの移行先が「高確非時短遊技状態」であれば、時短回数が少ない方が遊技者にとって好ましいが、時短遊技が消化されたときの移行先が「通常の遊技状態」であるときには、時短回数が多い方が遊技者にとって好ましい。そのため、時短回数のみならず、大当り遊技が終了したのちの遊技状態の移行先の把握を困難ならしめることで、これまでにない興趣を遊技者に与えることができる。
また、第1特別抽選の抽選結果として、メインCPU101が、遊技者が把握し難い態様で大当り遊技(以下、この段落において「2R大当り遊技」と称する)を実行可能とし、このような2R大当り遊技に当選したときに、サブCPU201は、2R大当り遊技に当選したことを示唆する特定演出を実行するようにするとよい。この場合、特別図柄の変動回数がN回目であるときに、当該N回目の特別図柄の変動表示が行われているとき、サブCPU201は、特別抽選の結果が2R大当り遊技であるときに行われる特定演出と同じか外観上把握し難い演出が液晶表示装置16に表示されるよう制御し、当該演出を行ったのち、「小当り」又は「ハズレ」であることを示す画像を表示するようにしてもよい。
ところで、「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」では、上述したように、極めて高い頻度で小当り入賞口5400が開放態様となるにもかかわらず、右打ちされた遊技球の全部又は殆どが第二始動口440に入賞するため(第二始動口440に入賞したときの賞球数は1球)、右打ちされた遊技球が小当り入賞口5400に入賞することはほぼ皆無となる。しかし、小当り遊技状態に制御されると、オープニングインターバル期間と、小当り遊技の実行期間と、エンディングインターバル期間とで約5000msecの時間を要する。すなわち、「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」では、遊技球の入賞がほとんど期待できないにもかかわらず、高い頻度で小当り遊技状態に制御されることとなり、その都度、遊技者にとっては不快感を与えかねない。
そこで、第1実施例のパチンコ遊技機では、「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」において小当り遊技状態に制御されたとき、この小当り遊技状態において、小当り遊技状態に制御されていることに対する遊技者の意識が軽減されるように、残りの時短回数を示唆する天井示唆演出が実行される。この天井示唆演出について、図260を参照して説明する。
図260は、第1実施例のパチンコ遊技機において、サブCPU201により実行される小当り当選時演出処理を示すフローチャートの一例である。第1実施形態に係るパチンコ遊技機1において説明したとおり、サブCPU201は、演出態様決定処理を実行する(図130のステップS205参照)。この演出態様決定処理は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1において説明したように、シナリオ事前設定処理(図138参照)、演出決定処理(図142、図144、図147及び図149参照)、先読み演出選択処理(図153参照)、背景変化制御処理(図157参照)、背景変化連続可能回数判定処理(図158参照)、変動シナリオ決定処理(図161参照)、チャンスアップ制御処理(図162参照)、保留変化決定処理(図163参照)、キャラクタランプ演出制御処理(図165参照)、全画面演出制御処理(図166参照)等のサブルーチンにより構成されるが、第1実施例のパチンコ遊技機では、小当り当選時演出処理も上記のサブルーチン処理を構成する。
図260を参照し、サブCPU201は、特別抽選の結果が「小当り」であるとき、現在の遊技状態を判別し、現在の遊技状態が「通常の遊技状態」であるとき(ステップS1001におけるYES)、特別抽選の結果が「小当り」であることを示す演出はとくに行わず、小当り当選時演出処理を終了する。また、現在の遊技状態が「高確非時短遊技状態」であるとき(ステップS1002におけるYES)、特別抽選の結果が「小当り」であることを示す小当り当選演出(ステップS1003)を実行した上で、小当り当選時演出処理を終了する。また、現在の遊技状態が「通常の遊技状態」及び「高確非時短遊技状態」のいずれでもないとき、すなわち「高確時短遊技状態」または「低確時短遊技状態」であるとき、「小当り」に基づいて行われる特別図柄の変動表示が、上述したN回目の特別図柄の変動表示であるか否か判別する(ステップS1004)。「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」において、特別図柄の変動回数がN回目以外であるとき(ステップS1004におけるNO)、サブCPU201は、天井示唆演出を行う(ステップS1005)。この天井示唆演出は、残りの時短回数を示唆する演出である。一方、「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」において、特別図柄の変動回数がN回目であるとき(ステップS1004におけるYES)、サブCPU201は、天井示唆演出(ステップS1005)を行わずに、小当り当選時演出処理を終了する。ところで、「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」において、特別図柄の変動回数がN回目以外であるとき、メインCPU101は、変動時間を「19H」に決定し、これに対応する変動パターンコマンド「83H19H」をサブCPU201に送信するとともに、第2特別図柄の変動表示を1000msecにわたって行い、第2特別抽選の結果が「小当り」であることを導出する。そこで、メインCPU101から送信された変動パターンコマンドを受信したサブCPU201は、上記の天井示唆演出を、1000msecの超速変動の演出を液晶表示装置16に表示したのち実行する。すなわち、サブCPU201は、上記の天井示唆演出を、5000msecの小当り遊技状態中に実行する。
これにより、遊技球の入賞がほとんど期待できない小当り遊技状態に高い頻度で制御されたとしても、その都度遊技者に与えうる不快感を軽減することが可能となる。
なお、「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」において、特別図柄の変動回数がN回目であるときは、このN回目の特別図柄の変動表示が終了すると「高確非時短遊技状態」に移行する可能性がある。そうすると、このN回目の特別図柄の変動表示が行われて、特別抽選の結果が「小当り」であることが導出されると、「高確非時短遊技状態」のもとで小当り遊技が実行される可能性がある。また、N回目の特別図柄の変動表示が終了したときに、たとえ「高確非時短遊技状態」に移行しなかったとしても、N回目の特別図柄の変動表示が行われているときに、リーチ演出(高スタート用ノーマルリーチ、高スタート用スーパーリーチA又は高スタート用スーパーリーチB)が液晶表示装置16に表示されるため、小当り遊技状態に制御されていることに対する遊技者の意識が軽減されると考えられる。そこで、「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」において、特別図柄の変動回数がN回目であるときは、残りの時短回数を示唆する天井示唆演出が実行されないようにしている。ただし、必ずしもこのようにする必要はなく、「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」における特別図柄の変動回数がN回目であるか否かにかかわらず、残りの時短回数を示唆する天井示唆演出が実行されるようにしてもよい。
また、残りの時短回数は、当り時選択図柄コマンド(図257参照)に基づいて決定された時短回数と消化された時短遊技の回数との差により算出することができるが、残りの時短回数の算出は、メインCPU101で行ってサブCPU201にコマンド送信するようにしてもよいし、サブCPU201が行うようにしてもよい。
また、第1実施例のパチンコ遊技機では、「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」のいずれに制御されているときであっても、小当り遊技状態に制御されたとき、この小当り遊技状態において残りの時短回数を示唆する天井示唆演出が実行されるが、これに限られず、「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」のうちいずれか一方の遊技状態においてのみ実行するようにしてもよい。
また、上記の残りの時短回数を示唆する演出は、残りの時短回数を確定する確定演出であってもよいし、例えば、「残りの時短回数が10回の可能性は80%」といったように、可能性示す演出であってもよい。
ところで、第1実施例のパチンコ遊技機では、第2特別抽選において「小当り」に当選する確率は約5分の1であるため、「高確時短遊技状態」又は/及び「低確時短遊技状態」において、小当り遊技状態に制御される都度、残り時短回数を示唆する演出が行われると、遊技者が鬱陶しさを感じるおそれがある。
そこで、小当り遊技状態に制御される際に、メインCPU101又はサブCPU201が例えば3分の1で当選する演出抽選を行い、この演出抽選に当選したときに限り、残り時短回数を示唆する演出がサブCPU201により行われるようにしてもよい。また、「低確時短遊技状態」において時短回数を消化すると不利な「通常の遊技状態」に移行することとなるため、「高確時短遊技状態」と「低確時短遊技状態」とで天井示唆演出の実行確率を変化させてもよい。例えば「高確時短遊技状態」であれば小当り遊技実行時の5分の1、「低確時短遊技状態」であれば小当り遊技実行時の20分の1で天井示唆演出を実行する。その場合「高確時短遊技状態」において天井示唆演出が発生する確率は「低確時短遊技状態」の4倍であり、仮に「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」それぞれへの移行割合が例えば50%ずつであった場合には天井示唆演出が発生したときの「高確時短遊技状態」滞在期待度は80%となり、天井示唆演出が発生し、時短回数を消化したにも関わらず「通常の遊技状態」に移行する頻度を低くでき、天井示唆演出の発生に対して興趣を持って遊技に望むことが可能となる。また『天井示唆演出発生=「高確時短遊技状態」確定』ではないため、「高確時短遊技状態」中に「高確非時短遊技状態」に移行することなく大当りが発生してしまったという損失感を与えることが無いという効果も奏することができる。
また、上記の演出抽選の当選確率は、当り時選択図柄コマンド(図257参照)に基づいて決定された時短回数(以下、この段落において単に「時短回数」と称する。)に応じて、変更するようにしてもよい。例えば、残り時短回数を示唆する演出を、時短回数が24回であれば5分の1の確率で実行し、時短回数が30回であれば6分の1の確率で実行し、時短回数が36回であれば7分の1の確率で実行し、時短回数が42回であれば8分の1の確率で実行し、時短回数が48回であれば9分の1の確率で実行し、時短回数が100回であれば10分の1の確率で実行するようにしてもよい。このように、時短回数に応じて、残り時短回数を示唆する演出の実行頻度が変わるようにすることで、残り時短回数を示唆する演出の実行頻度から、示唆された残り時短回数の信頼度を推測するといった楽しみを遊技者に与えることが可能となり、小当り遊技状態に制御されていることに対する遊技者の意識をより一層、軽減することが可能となる。
また、「高確時短遊技状態」において決定された時短回数の時短遊技が消化されると「高確非時短遊技状態」に移行するようにした場合、とくに時短回数が都度異なるときには、どのタイミングで第1有利遊技状態に移行されるのか分からず、遊技者が疑心暗鬼となり、興趣が低下しかねない。そこで、メインCPU101は、「高確時短遊技状態」に制御したときに、決定された時短回数を示すコマンドをサブCPU201に送信し、このコマンドを受信したサブCPU201は、「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行するタイミングを液晶表示装置16に表示するようにすると好ましい。「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行するタイミングの表示は、決定された時短回数を表示するようにしてもよいが、この第3実施形態に係るパチンコ遊技機では、「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行するタイミングの目安を、指標として表示している。すなわち、時短回数そのままを表示することもあるが、時短回数そのままではなく、ある程度の目安を表示することもある。以下に、図261を参照して、「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行するタイミングの目安を示す指標演出処理について説明する。
図261は、サブCPU201により実行される指標演出処理のフローチャートの一例である。
図261を参照し、サブCPU201は、先ず、大当り遊技状態が終了したか否か、すなわち、メインCPU101から大当り遊技状態終了コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS2001)。大当り遊技状態に制御されていない場合も含めて、大当り遊技状態が終了していないと判別すると(ステップS2001におけるNO)、サブCPU201は、後述するステップS2008に移る。
大当り遊技状態が終了したと判別すると(ステップS2001におけるYES)、サブCPU201は、移行先の遊技状態が「高確時短遊技状態」であるか否か、すなわち、メインCPU101から「高確時短遊技状態」に移行する旨のコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS2002)。
一方、移行先の遊技状態が「高確時短遊技状態」でなければ(ステップS2002におけるNO)、サブCPU201は、指標フラグがオンであるか否かを判別し(ステップS2015)、指標フラグがオンであれば(ステップS2015におけるYES)、指標フラグをオフにして(ステップS2016)、指標演出処理を終了する。また、指標フラグがオンでなければ(ステップS2015におけるNO)、ステップS2016の処理を行わすに、指標演出処理を終了する。
なお、指標フラグは、特別図柄の変動表示が行われて「大当り」が導出されたときにオンするフラグである。このような指標フラグを設けたのは、「大当り」が導出されると大当り遊技状態に制御されるが、この大当り遊技状態が終了して再び「高確時短遊技状態」に制御されたときに、前回の「高確時短遊技状態」において「大当り」が導出されたときに表示されていた指標から続きが開始されるようにするためであるが、このような指標フラグを用いて処理する方法は一例であって、これに限定されるものではない。
移行先の遊技状態が「高確時短遊技状態」であれば(ステップS2002におけるYES)、サブCPU201は、時短回数を示すコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS2003)。時短回数を示すコマンドを受信すると(ステップS2003におけるYES)、サブCPU201は、指標フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS2004)。
指標フラグがオンであれば(ステップS2004におけるYES)、メインRAM103に記憶されている指標、すなわち、前回の「高確時短遊技状態」において「大当り」が導出されたときに表示されていた指標を表示し(ステップS2005)、指標フラグをオフにする(ステップS2006)。指標フラグをオフにすると、ステップS2008に移る。
一方、指標フラグがオンでなければ(ステップS2004におけるNO)、初期指標を表示し(ステップS2007)、ステップS2008に移る。初期指標は、決定された時短回数を表示してもよいが、ここでは、決定された時短回数そのものではなく、決定された時短回数の目安として、抽選により決定された回数を表示する。なお、初期指標は、抽選により決定された回数に代えて、一律に所定の回数(例えば、100回)を表示してもよい。
サブCPU201は、ステップS2008において、特定条件が成立したか否かを判別する(ステップS2008)。特定条件とは、例えば、遊技者にミッション(例えば、「3分以内にリーチを2回発生させよ」等のミッション)を与え、そのミッションをクリアしたときに特定条件が成立するものとしてもよいし、一般入賞口に所定数の遊技球が入賞したときに特定条件が成立するものとしてもよいし、その条件は任意に決めることができる。
サブCPU201は、特定条件が成立したと判別すると(ステップS2008におけるYES)、現在の指標から所定数を減算し、指標を更新表示する(ステップS2009)。ここで、減算する数は、1であってもよいし、特定条件が成立させることが困難な条件であるときには例えば3減算する等、特定条件を成立させる困難さに応じて減算する数を変えるようにしてもよい。ステップS2009の処理を行った後、サブCPU201は、ステップS2010に移る。なお、特定条件が成立していない場合(ステップS2008におけるNO)も、ステップS2010に移る。ただし、ステップS2008において特定条件が成立しない場合には、指標を加算する処理を行ってもよい。例えば、遊技者に与えた遊技者にミッションが達成されなかったときに、指標を加算するようにしてもよい。
ただし、ステップS2009の処理では、残りの時短回数に応じて表示すべく指標の態様を変える必要がある。例えば、残りの時短回数が80回であるにもかかわらず、20回と表示する等、残りの時短回数とかけ離れた指標を表示すべきでない。そこで、サブCPU201は、あくまでも残りの時短回数に近しい値を表示するように制御する。さらに、このステップS2009の処理において、サブCPU201は、決定された時短回数の時短遊技が消化されるときには、指標が0となるように制御する。
サブCPU201は、ステップS2010において、特別図柄の可変表示が行われたか否か、すなわち、メインCPU101から送信された変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS2010)。
サブCPU201は、特別図柄の可変表示が行われたと判別すると(ステップS2010におけるYES)、現在の指標から1を減算し、指標を更新表示する(ステップS2011)。サブCPU201は、ステップS2011の処理を終了すると、ステップS2012に移る。一方、特別図柄の可変表示が行われていないと判別したとき(ステップS2010におけるNO)も、ステップS2012に移る。
なお、ステップS2011の処理では、決定された時短回数が消化されていないにもかかわらず、現在の指標から1を減算したことによって、「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行することを示す「0」を表示することはできない。特別図柄の可変表示が行われる都度、現在の指標から1を減算して更新表示することは、残り時短回数が0に近づいていくことを遊技者に把握させるために必要であるが、サブCPU201は、残り時短回数が0でないにもかかわらず0を表示することにならないように、ステップS2009の処理を行う必要がある。
サブCPU201は、ステップS2012において、特別図柄の変動表示が行われて「大当り」が導出されたか否か、すなわち、メインCPU101から大当りコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS2012)。
特別図柄の変動表示が行われて「大当り」が導出されると、すなわち、メインCPU101から送信されたコマンドに基づいて「大当り」が導出されたとサブCPU201が判別すると(ステップS2012におけるYES)、サブCPU201は、現在表示している指標をメインRAMの所定の記憶領域に記憶させる(ステップS2013)。その後、サブCPU201は、指標フラグをオンにし(ステップS2014)、指標演出処理を終了する。一方、「大当り」が導出されなければ(ステップS2012におけるNO)、ステップS2013及びステップS2014の処理を行わずに、指標演出処理を終了する。
このように、可変表示が行われる毎に、時短の残り回数が0に近づくように指標を減算して更新表示することで、「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行するタイミングを遊技者に示唆することができ、興趣の低下を抑制できる。
また、サブCPU201は、可変表示が行われたときに指標を減算して表示するだけでなく、特定条件が成立したときにも指標が加減算表示を行いうるため、「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行するまでの遊技興趣を高めることが可能となる。
また、「高確時短遊技状態」において、決定された時短回数の時短遊技が消化される前に「大当り」が導出され、この「大当り」に基づく大当り遊技状態が終了して再び「高確時短遊技状態」に制御されたとき、メインCPU101は、決定された時短回数の時短遊技が消化されないと「高確非時短遊技状態」に移行させる制御を実行しないものの、サブCPU201は、前回の「高確時短遊技状態」において「大当り」が導出されたときの指標を表示する。したがって、遊技者には、前回の「高確時短遊技状態」に表示されていた指標の続きから指標の態様が変化するように見せることが可能となる。これにより、内部的には決定された時短回数の時短遊技が消化されないと「高確非時短遊技状態」に移行しないものの、外観上は、前回の「高確時短遊技状態」において決定された時短回数の時短遊技が消化されることなく「大当り」が導出されたときに、前回消化された時短遊技から継続するかのように見せることができ、「高確非時短遊技状態」に移行されなかったことにより生じうる損失感を軽減することが可能となる。
ところで、第1実施例のパチンコ遊技機では、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1と同様に、第一始動口5442への入賞に基づく始動記憶及び第二始動口440への入賞に基づく始動記憶は、それぞれ最大で4個まで保留することができる。第1実施例のパチンコ遊技機では、上述したとおり、特別図柄の変動開始時の遊技状態が「通常の遊技状態」である場合と、特別図柄の変動開始時の遊技状態が「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」である場合とで、第2特別図柄の変動時間が顕著に異なる。
そのため、「通常の遊技状態」において、第二始動口440への入賞に基づく始動記憶が保留されると、この始動記憶について実行される第2特別抽選の結果が「大当り」でない限り、580000〜600000msecといった極めて長い時間にわたって第2特別図柄の変動表示が行われたのちに、第2特別抽選の結果が導出されることとなる。
上述したように、一般の遊技者は、「通常の遊技状態」では左打ちを行うため第二始動口440に遊技球が入賞する可能性は低い。しかし、「低確時短遊技状態」から「通常の遊技状態」に遊技状態が移行した場合には、「通常の遊技状態」に移行した時点で、第2特別図柄の始動記憶が4個保留されていることが生じうる。そして、この4個の保留のなかに「大当り」が含まれていなければ、この4個全てについての第2特別図柄の変動表示が終了するのは、約40分後(最後に第2特別図柄の変動表示が行われる始動記憶(4つ目の第2特別図柄の始動記憶)が「大当り」であったとしても約31分後)となる。
そうすると、例えば、第2特別図柄の始動記憶が4個保留された状態で遊技状態が「低確時短遊技状態」から「通常の遊技状態」に移行し、1〜3個目に保留されている始動記憶が「ハズレ」であって且つ4個目に保留されている始動記憶が「大当り」であった場合、この「大当り」が導出されるのは、1個目に保留されている始動記憶について第2特別図柄の変動表示が開始されてから30分以上経過したのちといった事態が生じうる。このような長時間にわたって遊技者を待機させることは好ましくない。
ところで、第1実施例のパチンコ遊技機は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1と同様に、保留されている始動記憶の情報に基づいて特別抽選の結果を判定する先読み機能をメインCPU101が備えている。そこで、この第1実施例のパチンコ遊技機では、「通常の遊技状態」において、メインCPU101は、第2特別図柄の始動記憶が保留されているときに特定の条件が成立すると、保留されている第2特別図柄の始動記憶のなかに「大当り」又は/及び「小当り」が含まれているか否かを判定(以下、「第2特別図柄の先読み判定」と称する)し、この第2特別図柄の先読み判定の結果を、サブCPU201にコマンド送信するようにしている。第2特別図柄の先読み判定の結果を受信したサブCPU201は、長時間にわたって遊技者を待機させることを抑制するために、メインCPU101から送信された第2特別図柄の先読み判定の結果に基づいて、保留されている第2特別図柄の始動記憶のなかに「大当り」が含まれているか否かを示す待機強要抑制演出を実行可能な待機強要抑制演出処理を行うように構成されている。以下に、待機強要抑制演出処理について説明する。
図262は、第1実施例のパチンコ遊技機において、サブCPU201により実行される待機強要抑制演出処理のフローチャートを示す一例である。この待機強要抑制演出処理も、演出態様決定処理のサブルーチン処理を構成する。
図262を参照し、サブCPU201は、メインCPU101から送信された第2特別図柄の先読み判定の結果を受信したか否かを判別する(ステップS1011)。サブCPU201は、第2特別図柄の先読み判定の結果を受信した場合(ステップS1011におけるYES)、現在の遊技状態が「通常の遊技状態」であるか否かを判別する(ステップS1012)。現在の遊技状態が「通常の遊技状態」であれば(ステップS1012におけるYES)、特定条件が成立したか否かを判別する(ステップS1013)。特定条件が成立していれば(ステップS1013におけるYES)、保留されている第2特別図柄の始動記憶の中に「大当り」が含まれているか否かを判別する(ステップS1015)。ここで、保留されている第2特別図柄の始動記憶の中に「大当り」又は「小当り」が含まれていれば(ステップS1015におけるYES)、待機強要抑制演出を実行する(ステップS1016)。この待機強要抑制演出は、保留されている第2特別図柄の始動記憶のなかに「大当り」又は「小当り」が含まれていることを示す演出であり、液晶表示装置16に表示される表示演出として行ってもよいし、スピーカ24からの出力による音声演出として行ってもよいし、表示演出及び音声演出の両方を行ってもよい。このように、特定条件が成立したことに基づいて待機強要抑制演出が行われるようにすることで、第2特別図柄の変動表示が開始されてから例えば30分以上といった長時間にわたる待機を遊技者に強いるといった事態を解消することが可能となる。
なお、上記では、「通常の遊技状態」において、待機強要抑制演出が行われるのは特定条件が成立したときであるが、この特定条件は、例えば、左打ちされた遊技球が一般入賞口53,54,55に入賞したこと等のように、左打ちを行うことによって成立しうる条件にすることが、遊技の促進を図る観点から好ましい。上記の待機強要抑制演出が行われるための条件は、例えば左打ちされた1球の遊技球が一般入賞口53,54,55のうちいずれかに入賞したことに基づいて成立するようにしてもよいし、例えば左打ちされた複数の遊技球が一般入賞口53,54,55のうちいずれかに入賞したことに基づいて成立するようにしてもよい。さらには、一般入賞口53,54,55のうちいずれかに入賞するだけでなく、加重条件(例えば、左打ちされた遊技球が全部の一般入賞口53,54,55に入賞する等)の成立に基づいて上記の待機強要抑制演出が行われるようにしてもよい。
また、上記の待機強要抑制演出は、保留されている第2特別図柄の始動記憶のなかに「大当り」又は「小当り」が含まれていることを示す演出であるが、「大当り」が含まれているのか「小当り」が含まれているのかを区別できる演出としてもよいし、区別できない演出としてもよい。
ところで、上記の待機強要抑制演出は、メインCPU101の先読み機能により、保留されている第2特別図柄の始動記憶の中に「大当り」が含まれていることを示す演出である。すなわち、この「大当り」と先読みされた第2特別図柄の始動記憶(以下、「特定の第2始動記憶」と称する)についての第2特別図柄の変動表示が未だ開始されていない段階で行われる。したがって、サブCPU201により、第2特別図柄の始動記憶の中に「大当り」が含まれていることを示す待機強要抑制演出が行われたにもかかわらず、第1特別抽選の結果が「大当り」であるときには、特定の第2始動記憶についての「大当り」が打ち消されてしまう場合がある。例えば、第1特別抽選の結果が「大当り」であって、この「大当り」に基づく第1特別図柄の変動表示が開始され且つ当該第1特別図柄の変動表示が終了する前に、特定の第2始動記憶についての第2特別図柄の変動表示が開始されたような場合である。
そこで、特定の第2始動記憶について待機強要抑制演出が行われたのちに、第1抽選の結果が「大当り」であることに基づいてサブCPU201によりリーチ演出が実行され、このリーチ演出の実行中に特定の第2始動記憶についての第2特別図柄の変動表示が開始されたとき、サブCPU201は、次のような演出を行う。先ず、実行中のリーチ演出を、ハズレを示す態様で仮停止表示する。そして、実行中のリーチ演出をハズレ態様で仮停止表示したのち、始動条件が成立したことによって新たな図柄変動が開始されたかのような演出を行う。このとき、例えば再変動演出や擬似連演出のように同じ始動記憶についての演出であることを察知し難いように、サブCPU201は、第1特別抽選の結果がハズレであったことを示唆する演出も行うと好ましい。また同時に、新たな図柄変動が開始されたかのような演出を行うにあたり、サブCPU201は、特定の第2始動記憶についての第2特別図柄の変動表示が開始されるかのような演出を行うと好ましい。この場合、上記のリーチ演出とは別のリーチ演出を行うことが好ましい。例えば、仮停止前のリーチ演出がスーパーリーチ演出Aであったならば、仮停止後に行われるリーチ演出を、スーパーリーチ演出Aとは全く演出態様が異なるスーパーリーチ演出Bやノーマルリーチとするとよい。これにより、特定の第2始動記憶が「大当り」であることを示す待機強要抑制演出が行われたにもかかわらず、この「大当り」が打ち消されてしまうことによって遊技者に与えうる落胆を軽減することが可能となる。
なお、実行中の第1特別図柄についてのリーチ演出を、ハズレを示す態様で仮停止表示したのち、新たな図柄変動が開始されたかのような演出を行うことに代えて、液晶表示装置16に表示される演出画像が、第1特別図柄についてのリーチ演出から第2特別図柄についてのリーチ演出に切り替わったかのような演出をサブCPU201により行ってもよい。すなわち、実際には、第1特別図柄についてのリーチ演出が内部的に継続しているものの、外観的には、あたかも、第2特別図柄についてのリーチ演出に画像が切り替わったかのように見せることで、特定の第2始動記憶についての「大当り」が打ち消されてしまうことによって遊技者に与えうる落胆を軽減することが可能となる。
ところで、この第1実施例のパチンコ遊技機では、「通常の遊技状態」に制御されているとき、液晶表示装置16には、主として第1特別抽選の結果に基づく演出画像がサブCPU201によって表示される。第2特別抽選の結果に基づく演出画像については、「通常の遊技状態」に制御されているときは液晶表示装置16に表示されないか、または、表示されたとしても遊技者に察知されない態様(例えば、液晶表示装置16の隅で小さく表示されるだけの態様)で表示されるだけである。一方、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」または「低確時短遊技状態」に制御されているときは、液晶表示装置16には、主として第2特別抽選の結果に基づく演出画像がサブCPU201によって表示され、第1特別抽選の結果に基づく演出画像については、液晶表示装置16に表示されないか、または、表示されたとしても遊技者に察知されない態様で表示されるだけである。
そのため、「通常の遊技状態」に制御されているときに、第2特別抽選の結果が特別の結果であったとしても、遊技者がそれを察知することは困難を極める。そこで、「通常の遊技状態」において、第2特別抽選の結果が「大当り」であるとき、サブCPU201は、液晶表示装置16に表示されている第1特別抽選の結果に基づく演出画像の視認を妨げない態様で、第2特別抽選の結果が「大当り」である旨を、遊技者に把握できる態様で示唆する示唆演出を行う。「液晶表示装置16に表示されている第1特別抽選の結果に基づく演出画像の視認を妨げない態様」とは、例えば、液晶表示装置16とは別の表示装置を用いて表示したり、発光LEDを特定の態様で発光させる(例えばレインボー発光させる)ことによって、第2特別抽選の結果が「大当り」である旨を遊技者に報知している。
ところが、第2特別抽選の結果が本来「大当り」であったとしても、第1特別抽選の結果が「大当り」であるときには、第2始動記憶についての「大当り」が打ち消されてしまう場合がある。例えば、第2特別図柄の変動表示を開始する際に、第1特別図柄の変動表示が行われており、この第1特別図柄の変動表示が「大当り」に基づく変動表示である場合である。このとき、「大当り」が導出されるはずであった第2始動記憶についての第2特別抽選において、メインCPU101は、非当選処理とするか、または、「大当り」に当選したとしても当該「大当り」を消滅させる処理を行う。そのため、第2特別抽選の結果が本来「大当り」であったにもかかわらず、この「大当り」が打ち消されてしまう場合には、本来であれば示唆演出が行われるはずであったところ、このような場合には常に示唆演出が行われないように、サブCPU201は、示唆演出の実行を不実行とする処理を行う。これにより、第2特別抽選の結果が「大当り」である旨を示す示唆演出が行われたにもかかわらず、この「大当り」が打ち消されてしまうといったことを防止することが可能となる。また、第2特別抽選の結果が本来「大当り」であったことを遊技者に察知されずに、第1特別抽選の結果が「大当り」であることに基づいて大当り遊技を実行することが可能となる。
また、上記の待機強要抑制演出は、保留されている第2特別図柄の始動記憶のなかに、「大当り」が含まれているときに限り行う(「小当り」のみが含まれているときには行わない)ようにしてもよいし、「小当り」が含まれているときに限り行う(「大当り」のみが含まれているときには行わない)ようにしてもよい。
また、上記の待機強要抑制演出は、必ずしもサブCPU201による制御によって実行する必要はなく、例えば、メインCPU101によって制御される第2特別図柄用保留表示部76(図8参照)の点灯態様を変える等によって実行するようにしてもよい。
ところで、「通常の遊技状態」において、保留されている第2特別図柄の始動記憶のなかに「小当り」が含まれていることを示す待機強要抑制演出が行われた場合、第2特別図柄の変動表示が1回あたり約10分と長時間にわたって行われるため、どのタイミングで小当り用シャッタ6100が作動して小当り入賞口5400が開放態様となるのかを遊技者が把握することは困難である。そのため、保留されている第2特別図柄の始動記憶のなかに「小当り」が含まれていることが明らかであるにもかかわらず、小当り遊技が実行されたときに小当り入賞口5400に遊技球を入賞させることができないといった事態が生じ、興趣が低下しかねない。
そこで、「通常の遊技状態」において、保留されている第2特別図柄の始動記憶のなかに「小当り」が含まれている場合、サブCPU201は、「小当り」が含まれていることを示す待機強要抑制演出を行うときには、必ず、小当り用シャッタ6100が作動するタイミング(小当り入賞口5400が開放態様となるタイミング)を示唆するタイミング示唆演出を行うようにするとよい。この場合、サブCPU201は、図260の小当り当選時演出処理に代えて、図263の小当り当選時演出処理を行う。図263は、第1実施例のパチンコ遊技機において、サブCPU201により実行される小当り当選時演出処理のフローチャートの別例である。図263の小当り当選時演出処理において、サブCPU201は、「通常の遊技状態」であるときに(ステップS1002におけるYES)、待機強要抑制演出(図262のステップS1016参照)を行ったか否かを判別し(ステップS1006)、待機強要抑制演出を行っていれば(ステップS1006におけるYES)、タイミング示唆演出(ステップS1007)を実行するようにした点が、図260の小当り当選時演出処理と異なるが、その他は同じである。
第1実施例のパチンコ遊技機では、第2特別抽選における「小当り」の当選確率が約5分の1と比較的高いため、「通常の遊技状態」において、保留されている第2特別図柄の始動記憶のなかに複数の「小当り」が含まれていることも多々あり得る。そのため、ステップS1007のタイミング示唆演出を行うことによって、遊技興趣を高めることが可能となる。とくに、第2特別図柄の始動記憶が4個保留された状態で遊技状態が「低確時短遊技状態」から「通常の遊技状態」に移行したときに、保留されている4個の第2特別図柄の始動記憶の全部が「小当り」であった場合には、遊技興趣を大きく高めることができる。
なお、ステップS1007のタイミング示唆演出は、「小当り」が含まれていることを示す待機強要演出が行われるとき(ステップS1006においてYESと判別されるとき)には必ず行われるようにしているが、これに限られず、例えば、「小当り」が含まれていることを示す待機強要演出が行われるときに、特定の条件が成立したときに限りタイミング示唆演出を行うようにしてもよい。例えば、「通常の遊技状態」において、保留されている第2特別図柄の始動記憶のなかに「小当り」が含まれている場合、サブCPU201は、タイミング示唆演出の実行抽選を行い、この実行抽選に当選したときに限り、タイミング示唆演出を行うようにしてもよい。このようにタイミング示唆演出の実行抽選を行う場合、タイミング示唆演出の実行抽選に当選するか否かを遊技者に期待させる演出を行うようにしてもよい。
また、上記のタイミング示唆演出は、小当り用シャッタ6100が作動するタイミングで行われるが、小当り入賞口5400に入賞させることが可能な演出であればこれに限られない。例えば、発射された遊技球が小当り入賞口5400に到達するまでの時間を考慮して、サブCPU201は、小当り用シャッタ6100が作動するタイミングよりも前に、遊技球を発射させるタイミングを示唆する演出を行うようにしてもよい。
ところで、サブCPU201は、保留されている第2特別図柄の始動記憶のなかに「小当り」が含まれていることを示す待機強要演出(ステップS1016)については保留されているときに行い、タイミング示唆演出(ステップS1007)については第2特別図柄の変動表示が開始されてから行うため、待機強要演出を行うタイミングとタイミング示唆演出を行うタイミングとの間に時間差を生じる。そこで、この時間差を利用して、サブCPU201は、「小当り」が含まれていることを示す待機強要演出を行ってから小当り遊技が実行されるまでの間に特定の条件(例えば、一般入賞口53,54,55に入賞すること等)が成立したときに限り、タイミング示唆演出(ステップS1007)を行うようにしてもよい。これにより、「小当り」が含まれていることを示す待機強要演出が行われてから小当り遊技が実行されるまでの間、遊技者に緊張感を与えることができるだけでなく、特定の条件を成立させようとするミニゲームによって、興趣を高めることが可能となる。
また、第1実施例のパチンコ遊技機のメインCPU101が、保留されている始動記憶の情報に基づいて特別抽選の結果を判定する先読み機能を備えることについては上述したとおりである。そこで、第1実施例のパチンコ遊技機では、メインCPU101が備える先読み機能を利用し、サブCPU201は、複数の特別抽選の結果として実行される複数の遊技(例えば小当り遊技及び大当り遊技)を、あたかも一つの遊技であるかのようなプレミア演出を実行可能なプレミア演出制御処理を行うように構成されている。以下に、プレミア演出制御処理について説明する。
図264は、第1実施例のパチンコ遊技機において、サブCPU201により実行されるプレミア演出制御処理のフローチャートを示す一例である。このプレミア演出制御処理も、演出態様決定処理のサブルーチン処理を構成する。
なお、サブCPU201がこのプレミア演出制御処理を実行する場合、メインCPU101は、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」における第2特別抽選の結果が「小当り」であるときの第2特別図柄の変動表示時間を、図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに代えて、図265のテーブルを参照して決定する。図265は、第1実施例のパチンコ遊技機において、メインROM102に記憶されるテーブルであって、高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルの一例である。この図265の変動時間決定テーブルは、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」において参照されるテーブルであって、第2特別抽選の結果が「小当り」であるとき、リーチ演出(高スタート用ノーマルリーチ、高スタート用スーパーリーチA、高スタート用スーパーリーチB)が行われる変動パターン(16H、17H、18H)に50%の確率で決定され、超速変動が行われる変動パターン(19H)に50%の確率で決定されるようにしたテーブルである。
図264を参照し、サブCPU201は、現在の遊技状態が「通常の遊技状態」でないか否かを判別する(ステップS1021)。サブCPU201は、「通常の遊技状態」でない、すなわち「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」のうちいずれかの遊技状態であると判別すると(ステップS1021におけるYES)、これから行われる特別図柄の変動表示が第2特別図柄の変動表示であるか否かを判別する(ステップS1022)。なお、現在の遊技状態が「通常の遊技状態」であるときは(ステップS1021におけるNO)、サブCPU201は、プレミア演出制御処理を終了する。現在の遊技状態が「通常の遊技状態」であるときにプレミア演出制御処理を行わないのは、「通常の遊技状態」では第2特別図柄の変動表示が約10分にわたって行われるため、複数の遊技(例えば小当り遊技及び大当り遊技)を、あたかも一つの遊技であるかのようなプレミア演出を行う実益に乏しいからである。
次に、これから行われる特別図柄の変動表示が第2特別図柄の変動表示であるとき(ステップS1022におけるYES)、サブCPU201は、この第2特別図柄の変動表示が、「小当り」が導出される変動表示であるか否か(すなわち、第2特別抽選の結果が「小当り」であるか否か)を判別する(ステップS1023)。なお、これから行われる特別図柄の変動表示が第2特別図柄の変動表示でなければ(ステップS1022におけるNO)、サブCPU201は、プレミア演出制御処理を終了する。これから行われる特別図柄の変動表示が第2特別図柄の変動表示でなければプレミア演出制御処理を行わないのは、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」において、液晶表示装置16に主として表示される演出が第2特別抽選の結果に基づくものであり、第1特別抽選の特別図柄の変動表示が行われていたとしても、遊技者に意識させない態様で行われるからである。
次に、これから行われる第2特別図柄の変動表示が、「小当り」が導出される変動表示であるとき(ステップS1023におけるYES)、サブCPU201は、リーチ演出(高スタート用ノーマルリーチ、高スタート用スーパーリーチA、高スタート用スーパーリーチB)が行われる変動パターン(13H、14H、15H)であるか否かを、メインCPU101から送信されたコマンドに基づいて判別する(ステップS1024)。リーチ演出が行われる変動パターン(13H、14H、15H)でなければ(ステップS1024におけるNO)、サブCPU201は、プレミア演出制御処理を終了する。
リーチ演出が行われる変動パターン(13H、14H、15H)であるとき(ステップS1024におけるYES)、サブCPU201は、これから変動表示される第2特別図柄の始動記憶の他に、第2特別図柄の始動記憶が保留されているか否かを判別する(ステップS1025)。
サブCPU201は、これから変動表示される第2特別図柄の始動記憶の他に、第2特別図柄の始動記憶が保留されていると判別すると(ステップS1025におけるYES)、これから変動表示される第2特別図柄の始動記憶の次に保留されている第2特別図柄の始動記憶について、メインCPU101から送信された第2特別図柄の先読み判定の結果に基づいて、「大当り」であるか否かを判別する(ステップS1026)。なお、これから変動表示される第2特別図柄の始動記憶の他に、第2特別図柄の始動記憶が保留されていなければ(ステップS1025におけるNO)、サブCPU201は、プレミア演出制御処理を終了する。
サブCPU201は、これから変動表示される第2特別図柄の始動記憶の次に保留されている第2特別図柄の始動記憶についての先読み判定の結果が「大当り」であると判別すると(ステップS1026におけるYES)、プレミア演出フラグをオンにセットする(ステップS1027)。すなわち、第2特別抽選の結果が「小当り」→「大当り」の順で連続する場合に、プレミア演出フラグがオンにセットされる。なお、これから変動表示される第2特別図柄の始動記憶の次に保留されている第2特別図柄の始動記憶についての先読み判定の結果が「大当り」でなければ(ステップS1026におけるNO)、第2特別抽選の結果が「小当り」→「大当り」の順で連続していないことになるので、サブCPU201は、プレミア演出制御処理を終了する。
そして、これから行われる第2特別図柄の変動表示が行われるときに、サブCPU201は、プレミア演出処理を実行し(ステップS1028)、プレミア演出制御処理を終了する。このプレミア演出処理は、小当り遊技状態と、この小当り遊技状態の次の大当り遊技状態とを、あたかも一つの有利遊技状態であるかのように見せる演出(すなわち、通常の大当り遊技よりも多くのラウンド遊技が行われる大当り遊技であるかのように見せる演出)を実行する処理である。
このプレミア演出処理が実行されると、小当り遊技状態において獲得できる賞球と、大当り遊技状態において獲得できる賞球とを合算した賞球の払い出しが可能となるため、1回の大当り遊技状態において獲得できる賞球よりも多量の賞球が払い出されうることとなり、遊技興趣を高めることが可能となる。
サブCPU201は、これから行われる第2特別図柄の変動表示が、「小当り」が導出される変動表示でないと判別したとき(ステップS1023におけるNO)、「大当り」が導出される変動表示であるか否かを判別する(ステップS1029)。
サブCPU201は、これから行われる第2特別図柄の変動表示が、「大当り」が導出される変動表示でないと判別すると(ステップS1029におけるNO)、ハズレ演出を行い(ステップS1032)、プレミア演出制御処理を終了する。
一方、これから行われる第2特別図柄の変動表示が、「大当り」が導出される変動表示であると判別すると(ステップS1029におけるYES)、サブCPU201は、プレミア演出フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS1030)。このステップS1030の処理は、一つ前の第2特別図柄の変動表示と、これから行われる第2特別図柄の変動表示との間で、第2特別抽選の結果が「小当り」→「大当り」の順で連続しているか否かを判別するための処理である。
サブCPU201は、プレミア演出フラグがオンでないと判別すると(ステップS1030におけるNO)、一つ前の第2特別図柄の変動表示と、これから行われる第2特別図柄の変動表示との間で、第2特別抽選の結果が「小当り」→「大当り」の順で連続していないと判断し、通常の大当り演出を実行し(ステップS1031)、プレミア演出制御処理を終了する。
これに対し、プレミア演出フラグがオンであると判別すると(ステップS1030におけるYES)、サブCPU201は、ステップS1028に進み、ステップS1031の大当り演出とは明らかに態様が異なるプレミア演出処理を実行し、プレミア演出制御処理を終了する。このプレミア演出処理(ステップS1028)において、サブCPU201は、一つ前の第2特別図柄の変動表示において行った演出と一連で繋がる演出を行うため、ステップS1031において行われる大当り演出とは明らかに態様が異なる。
このように、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」において、第2特別図柄の変動表示が行われた結果、単独で「大当り」が導出された場合(一つ前の第2特別図柄の変動表示において「小当り」が導出されなかった場合)には、大当り演出が行われる。これに対し、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」において、第2特別抽選の結果が「小当り」→「大当り」の順で連続するときには、「小当り」が導出される第2特別図柄の変動表示と、「大当り」が導出される第2特別図柄の変動表示とで、あたかも一つの遊技であるかのようなプレミア演出を実行することで、通常の大当り遊技よりも利益度合いが高い遊技が実行されたかのように見せることが可能となる。
なお、図264では図示していないが、サブCPU201によるプレミア演出の終了後(メインCPU101による大当り遊技状態の終了後)、サブCPU201は、プレミア演出フラグをオフにする。
次に、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」における、第2特別図柄の変動制御や大当り遊技状態への制御等のメインCPU101による制御と、液晶表示装置16に表示される装飾図柄の変動演出の制御等のサブCPU201に制御との関係性について、図266を参照して説明する。なお、図266は、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」において、メインCPU101による制御とサブCPU201による演出制御との関係性を示すタイムチャートであって、(a)従来のパチンコ遊技機において、第2特別抽選の結果が「ハズレ」→「小当り」→「大当り」の順で導出されるときの一例、(b)第1実施例のパチンコ遊技機において、第2特別抽選の結果が「ハズレ」→「小当り」→「大当り」の順で導出されるときの一例である。
図266(a)に示されるように、従来のパチンコ遊技機では、メインCPUによる制御によって第2特別抽選の結果が「ハズレ」で導出されると、これに対応して、サブCPU201による制御によって、例えば液晶表示装置に「ハズレ」を示す演出画像が表示される。同様に、メインCPUによる制御によって第2特別抽選の結果が「小当り」で導出されると、これに対応して、サブCPU201による制御によって「小当り」を示す演出画像が表示される。また、メインCPUによる制御によって第2特別抽選の結果が「大当り」で導出されると、これに対応して、サブCPU201による制御によって「大当り」を示す演出画像が表示される。そして、メインCPUは、第2特別抽選の結果が「大当り」で導出されると、大当り遊技状態に制御する。この大当り遊技状態では、複数ラウンドにわたってラウンド遊技を実行する。また、メインCPU101による制御によって小当り遊技状態に制御されているとき、サブCPU201は小当り演出を液晶表示装置16に表示し、メインCPU101による制御によって大当り遊技状態に制御されているとき、サブCPU201は大当り演出を液晶表示装置16に表示している。このように、従来のパチンコ遊技機では、メインCPUによる制御とサブCPU201による制御とが1対1で対応していた。
これに対し、第1実施例のパチンコ遊技機では、例えば図266(b)に示される態様で、メインCPU101およびサブCPU201による制御が実行される。具体的には、メインCPUによる制御によって第2特別抽選の結果が「ハズレ」で導出されたときは、これに対応して、サブCPU201による制御によって、例えば液晶表示装置に「ハズレ」を示す演出画像が表示される。
しかし、メインCPUによる制御によって第2特別抽選の結果が「小当り」で導出されたときは、メインCPU101の先読み機能によって「大当り」が導出される第2特別図柄の始動記憶が保留されていることを前提として、サブCPU201による制御によって、例えば液晶表示装置に「プレミア当り」を示す演出画像が表示される。この「プレミア当り」を示す演出画像は、例えば、1回の大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技のラウンド数(例えば15ラウンド)よりも多くのラウンドが実行されること(すなわち、1回の大当り遊技状態において払い出される賞球数の期待値よりも多くの賞球数が払い出される可能性があること)を示す演出画像である。
また、メインCPU101が小当り遊技状態に制御しているとき、サブCPU201は、あたかもラウンド遊技が実行されているかのような擬似ラウンド演出を行う。この擬似ラウンド演出は、実際の大当り遊技のラウンド遊技中に行われる演出と同じまたは極めて似た演出である。
ところで、プレミア演出を実行する際、小当り遊技状態と大当り遊技状態との間に、第2の特別図柄の変動表示が行われるため、この時間が長いと、不自然さを遊技者に与えかねないといった課題が生じる。そのため、小当り遊技状態と大当り遊技状態との間、すなわち第2の特別図柄の変動表示が行われる間、サブCPU201による演出をどのように行うかが重要である。
そこで、この第1実施例のパチンコ遊技機では、メインCPU101が第2特別図柄の変動表示を行っている間、サブCPU201は、あたかもラウンド遊技とラウンド遊技との間のインターバル中であるかのような擬似インターバル演出を行う。この擬似インターバル演出は、ラウンド遊技とラウンド遊技との間のインターバル中に実際に行われる演出と同じまたは極めて似た演出である。この擬似インターバル演出の具体例としては、例えば、サブCPU201が「プレミア当り表示」を行うときに、その後に導出される大当り(先読みされた大当り)が例えば確変大当り(大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態において確変フラグがオンされる大当り)であるにもかかわらず、通常大当り(大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態において確変フラグがオンされない大当り)であるかのような演出を行ったことを前提として、擬似インターバル演出において、通常大当りから確変大当りに昇格するか否かを示すような演出が相当する。このような昇格演出を行うことで、遊技者の意識を演出に惹きつけることができ、メインCPU101による第2特別図柄の変動表示がインターバル時間よりも多少長かったとしても、遊技者に与えうる違和感を軽減することが可能となる。
そして、メインCPU101による制御によって大当り遊技状態に制御されたのちは、サブCPU201は、通常行われるラウンド演出を行う。ただし、このラウンド演出では、メインCPU101により実行されているラウンド遊技が実際には例えば1ラウンド目のラウンド遊技であったとしても、サブCPU201は、1ラウンド目のラウンド遊技であることを明示しない演出を行うことが好ましい。
このように、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」における第2特別抽選の結果が「小当り」→「大当り」の順で連続する場合に、小当り遊技状態と大当り遊技状態とであたかも一つのプレミア大当り遊技状態に制御されるかのような一連の演出を行うことで、1回の大当り遊技状態で通常行われるラウンド遊技よりも多くのラウンド遊技が行われる大当り遊技状態に当選したかのような感覚を遊技者に与えることが可能となり、遊技興趣を高めることができる。
なお、小当り遊技状態と大当り遊技状態との間(第2の特別図柄の変動表示が行われる間、)に生じうる不自然さを解決するための手法として、上述した擬似インターバル演出の他に、例えば次のような手法が考えられる。
例えば、「大当り」に当選したことを示すオープニング演出は、通常は、特別抽選の結果が「大当り」であることが導出されたのちに行われるところ、メインCPU101により小当り遊技状態に制御されているときと第2特別図柄の変動表示が行われているときとにまたがって、大当り遊技状態が未だ開始されていない段階で、「大当り」に当選したことを示すオープニング演出をサブCPU201により行うようにしてもよい。すなわち、「大当り」に基づく第2特別図柄の変動表示中にリーチ演出は行わないといったものである。このような手法でも、小当り遊技状態と大当り遊技状態との間に生じうる不自然さを軽減することが可能となる。
また、上記課題を解決するための手法として、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」における第2特別抽選の結果が「大当り」であるときの変動時間を、必ずリーチ演出(高スタート用ノーマルリーチ、高スタート用スーパーリーチA又は高スタート用スーパーリーチB)に決定される態様(図259参照)に代えて、例えば、50%の確率でリーチ演出(高スタート用ノーマルリーチ、高スタート用スーパーリーチA、高スタート用スーパーリーチB)が行われる変動パターン(13H、14H、15H)に決定され、50%の確率で超速変動が行われる変動パターン(19H)に決定されるようにすることが考えられる。そして、第2特別抽選の結果が「大当り」であって且つメインCPU101によって超速変動に決定されるときに、上記のプレミア演出を実行することにより、小当り遊技状態と大当り遊技状態との間に生じうる不自然さを軽減することが可能となる。
なお、上記では、第2特別抽選において、「小当り」と「大当り」とが連続する場合について説明したが、小当り遊技状態と大当り遊技状態との間に生じうる不自然さを軽減することができれば必ずしもこれに限られず、第2特別抽選において、「小当り」と「大当り」との間に「ハズレ」があってもよい。この場合、「小当り」と「大当り」とが連続する場合と比べて、小当り遊技状態と大当り遊技状態との間に生じる時間が長くなる可能性が高いが、小当り遊技状態と大当り遊技状態との間に、上述した擬似インターバル演出を行ったり、第2特別抽選の結果が「大当り」であるときの変動表示を超速変動で行うことによって、小当り遊技状態と大当り遊技状態との間に生じうる不自然さを軽減することが可能である。なお、「小当り」と「大当り」との間の「ハズレ」についての第2特別図柄の変動表示がメインCPU101により行われている間、サブCPU201は、ハズレを示す画像を表示しないことが好ましい。
また、上記では、小当り遊技状態と大当り遊技状態とであたかも一つのプレミア大当り遊技状態に制御されるかのような一連の演出について説明したが、これは、例えば特別図柄対応図柄の演出を液晶表示装置16に表示することを否定するものではない。すなわち、通常、液晶表示装置16には、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる演出等の遊技者に見せるための演出と、これらとは別に、特別図柄の変動表示と対応して表示される特別図柄対応図柄等の遊技者に意識させない演出とが液晶表示装置16に表示される。上述した小当り遊技状態と大当り遊技状態とであたかも一つのプレミア大当り遊技状態に制御されるかのような一連の演出は、遊技者に見せるための演出であるから、このような演出とは別に表示される特別図柄対応図柄の演出が液晶表示装置16に表示されていたとしても、これは技者に意識させない演出であるから差し支えない。
ところで、上記のプレミア演出制御処理を実行する場合、メインCPU101により小当り遊技状態に制御される際に、サブCPU201によりプレミア演出を開始したにもかかわらず、メインCPU101の先読み機能により「大当り」であると先読み判定された第2特別図柄の始動記憶についての「大当り」が導出される前に、第1特別図柄の可変表示が行われて「大当り」が導出されてしまう可能性がある。この場合、メインCPU101の先読み機能により先読みされた第2特別図柄の始動記憶についての「大当り」が打ち消されて「ハズレ」が導出され、遊技者を落胆させてしまうおそれがある。また、すでに開始されているプレミア演出の表示制御も複雑となって、サブCPU201の制御負荷が増大してしまうおそれがある。そこで、サブCPU201は、プレミア演出を開始する際に、メインCPU101から送信されたコマンドに基づいて、記憶されている第1始動記憶(ステップS55(図120参照)において格納された第1始動記憶)のなかに、メインCPU101による先読み機能によって「大当り」が導出されうると判別された始動記憶が含まれていないか否かを判別するようにしている。そして、記憶されている第1始動記憶のなかに、「大当り」が導出されうると判別された始動記憶が含まれていないときに、サブCPU201は、プレミア演出を実行するようにしている。これにより、遊技者に与えうる落胆及び表示制御の負荷を軽減することが可能となる。
なお、上記では、第2特別抽選の結果が「大当り」よりも「小当り」が先に導出される例について説明したが「小当り」よりも「大当り」が先に導出される場合には、サブCPU201により次のような演出を行うことが可能である。
先ず、メインCPU101による先読み機能は、大当り遊技状態に制御されているときに、記憶されている第2始動記憶(ステップS63(図120参照)において格納された第2始動記憶)のなかに、「小当り」が含まれているか否かを判別する。この判別は、メインCPU101から送信されたコマンドに基づいてサブCPU201が行う。ここで、記憶されている第2始動記憶のなかに「小当り」が含まれていると判別されると、この大当り遊技状態が終了したのち、第2特別図柄の変動表示が行われて「小当り」が導出される。
そこで、サブCPU201は、大当り遊技状態が終了する前に、ラウンド数が擬似的に増加したことを示唆するラウンドアップ演出を行う。すなわち、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技の実行ラウンド数が変わるわけではないものの、小当り遊技の実行によりいかにもラウンド数が増加したかのように見せるラウンドアップ演出を行う。例えば、ラウンド数が15ラウンドの大当り遊技が行われているときに、記憶されている第2始動記憶が「小当り」であるとメインCPU101の先読み機能により判別されると、サブCPU201は、例えば「プラス1ラウンド」と液晶表示装置16に表示する。
ただし、上記のラウンドアップ演出は、大当り遊技状態が終了したのちに「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」または「低確時短遊技状態」に制御される場合に行う。なぜなら、これらの遊技状態に制御される場合には、第2特別図柄の変動表示時間が高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して決定されるからである。すなわち、大当り遊技状態が終了したのちに「通常の遊技状態」に制御される場合には、第2特別図柄の変動表示時間が低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して決定されるため、「小当り」が導出されるまでに長時間を要してしまうからである。
このようなラウンドアップ演出は、記憶されている第2始動記憶のうち、最初に始動条件が成立する第2始動記憶が「小当り」であると判別されたときに行うようにしてもよいし、大当り遊技状態が終了し最初に始動条件が成立する第2始動記憶が「ハズレ」であったとしても、記憶されている第2始動記憶に「小当り」が含まれていれば、ラウンドアップ演出を行うようにしてもよい。大当り遊技状態が終了し最初に始動条件が成立する第2始動記憶が「ハズレ」であったとしても、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」または「低確時短遊技状態」に制御されるときには、上述したとおり、第2特別図柄の変動表示時間が高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して超速変動に決定されうるため、ラウンドアップ演出に与える影響は少ないと考えられる。
また、記憶されている第2始動記憶について先読みされた結果、「小当り」が連続する場合、サブCPU201は、「プラス2ラウンド」と液晶表示装置16に表示してもよいし、「プラス1ラウンド」と液晶表示装置16に表示し、小当り遊技が1回行われたのちにさらに「プラス1ラウンド」と液晶表示装置16に表示するようにしてもよい。第1実施例のパチンコ遊技機においては、第2始動記憶の保留上限数である4つと現在変動中の1つを加えた最大5つの当たり判定結果を先読みでき、その中のうち少なくとも1つが大当たりであり、他の4つが小当たりであった場合には最大で「プラス4ラウンド」の表示が実行可能である。また、5つのうちに2以上の大当たりがあった場合にはさらに「プラス○ラウンド」の値を増やすことが可能となる。例えば保留されている5つの第2始動記憶のすべてが16R大当たりであった場合には最大で80Rという表示が可能となる。
ところで、サブCPU201は、大当り遊技状態の終了時には、大当り遊技状態の終了を示すエンディング演出を行う。しかし、ラウンドアップ演出を行うときには、大当り遊技状態の終了時にはエンディング演出を行わず、ラウンドアップ演出の対象となった小当り遊技が終了したのちに、エンディング演出を行うようにすると好ましい。このように、ラウンドアップ演出の対象となった小当り遊技が終了したのちにエンディング演出を行うことで、ラウンドアップされたことの信憑性を高めることが可能となる。
[第2実施例のパチンコ遊技機]
次に、第2実施例のパチンコ遊技機について説明する。第2実施例のパチンコ遊技機は、第1実施例のパチンコ遊技機と同様に、メインCPU101が、大当りの種類を決定する。大当りの種類とは、第1実施例のパチンコ遊技機でも説明したとおり、大当り遊技において実行されるラウンド数、大当り遊技が終了し大当り遊技状態から一般遊技状態(大当り遊技状態ではない遊技状態、以下同じ。)に移行したのちの遊技状態において確変フラグをオンするか否か及び時短フラグをオンするか否かといったことであり、これらは、大当りに係る当り時選択図柄コマンドに応じて決定される。この当り時選択図柄コマンドは、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1でも説明したとおり、第一始動口5442あるいは第二始動口440に遊技球が入賞した際に取得される判定値データと図柄乱数値(いずれも図256参照)とに基づいて決定される。
上述した第1実施例のパチンコ遊技機では、当り時選択図柄コマンドを決定するに際して、メインCPU101は、「通常の遊技状態」、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」のいずれの遊技状態であっても、図256の図柄判定テーブル(第1始動口、第2始動口)を参照して決定する。
これに対し、第2実施例のパチンコ遊技機では、当り時選択図柄コマンドを決定するに際して、メインCPU101は、電サポ状態ではない「通常の遊技状態」及び「高確非時短遊技状態」においては、図256の図柄判定テーブル(第1始動口、第2始動口)を参照して決定する点で同じであるものの、電サポ状態である「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」については、図256の図柄判定テーブル(第1始動口、第2始動口)に代えて、図267の図柄判定テーブル(第1始動口、第2始動口)を参照して決定する点で異なる。
図267は、第2実施例のパチンコ遊技機において、主制御回路100のメインROM102に記憶されている図柄判定テーブル(第1始動口、第2始動口)であって、「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」において参照されるテーブルの一例である。
図267の図柄判定テーブル(第1始動口)に示されるように、第2実施例のパチンコ遊技機のメインCPU101は、電サポ状態となる「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」において、第一始動口5442への遊技球の入賞に基づいて得られた判定値データが「大当り判定値データ」であるとき(第一始動口5442への入賞に基づいて実行される第1特別抽選の結果が「大当り」であるとき)、当り時選択図柄コマンドを、100%の確率で「z14」に決定する。当り時選択図柄コマンドが「z14」に決定されると、図257の大当り種類決定テーブルを参照すると分かるように、大当り遊技が終了したのちの遊技状態が必ず「高確非時短遊技状態」に制御される。
すなわち、電サポ状態となる「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」では、第一始動口5442への遊技球の入賞が可能となる左打ちを行うことで、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える「高確非時短遊技状態」に必ず制御されることとなる。しかし、「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」において、電サポの恩恵を受けることができるのは右打ちした場合であって、左打ちしたとしても電サポの恩恵を受けることができない。
したがって、電サポ状態となる「高確時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」に制御されているときに、遊技者が左打ちして行われる遊技は、電サポの恩恵を受けることができないというデメリットがあるものの、第1特別抽選の結果が「大当り」であったときは、大当り遊技状態が終了したのちに必ず「高確非時短遊技状態」に制御されるといった、後述の右打ちして行われる遊技と比べて高リスク高リターンのスリリングな遊技となる。
また、図267の図柄判定テーブル(第2始動口)に示されるように、第2実施例のパチンコ遊技機のメインCPU101は、電サポ状態となる「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」において、第二始動口440への遊技球の入賞に基づいて得られた判定値データが「大当り判定値データ」であるとき(第二始動口440への入賞に基づいて実行される第1特別抽選の結果が「大当り」であるとき)、当り時選択図柄コマンドを、「z15」〜「z21」のうちいずれかに決定する。すなわち、図256及び図257を参照すると分かるように、大当り遊技が終了したのちの遊技状態が、80%の確率で「高確時短遊技状態」に制御され、20%の確率「低確時短遊技状態」に制御される。「高確時短遊技状態」において、特別図柄の変動表示が行われて「大当り」が導出されずに、決定された回数の時短遊技が消化されると「高確非時短遊技状態」に制御されることはあるものの、大当り遊技状態が終了したのち、ただちに「高確非時短遊技状態」に制御されることはない。
すなわち、電サポ状態となる「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」では、第二始動口440への遊技球の入賞が可能となる右打ちを行うことで、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える「高確非時短遊技状態」にただちに制御されることがなく、一般的な確変ループ遊技となる。
したがって、電サポ状態となる「高確時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」に制御されているときに、遊技者が右打ちして行われる遊技は、大当り遊技状態が終了したのちにただちに「高確非時短遊技状態」に制御されることはないものの、電サポの恩恵を受けることができ、左打ちして行われる遊技と比べて低リスク低リターンの安定した遊技となる。
このように第2実施例のパチンコ遊技機によれば、相対的に高リスク高リターンのスリリングな遊技と、相対的に低リスク低リターンの安定した遊技とのうち、いずれの遊技を実行するかを、遊技球の発射態様(右打ち又は左打ち)により、遊技者に選択権を与えることが可能となる。ただし、右打ちしたときと左打ちしたときとで、最終的な発射球数に対する賞球数の期待値が同じとなるようにすることが好ましい。
なお、第2実施形態に係るパチンコ遊技機のように設定機能を有するパチンコ機、すなわち、特別抽選における「大当り」の確率が異なる複数(例えば6段階)の設定値のうち、いずれか一の設定値に基づいて特別抽選が実行される遊技機にあっては、「大当り」の確率が相対的に低い低設定値である場合、「大当り」の確率が相対的に高い高設定値である場合と比べて、特別図柄の変動表示が行われて「大当り」が導出される期待値が低い。右打ちしたときと左打ちしたときとで、最終的な発射球数に対する賞球数の期待値が同じとなるようにすることが好ましいとはいえ、このように「大当り」が導出される期待値が低い低設定値であるときは、高設定値であるときと比べて、「高確非時短遊技状態」において遊技者が獲得できる賞球数の期待値が大きくなる。したがって、低設定値であるときは、電サポ状態となる「高確時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」に制御されているときに左打ちした方が、右打ちした場合と比べて、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が高い。一方、高設定値であるときは、電サポ状態となる「高確時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」に制御されているときに右打ちした方が、左打ちした場合と比べて、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が高い。この場合、単に、相対的に高リスク高リターンのスリリングな遊技と、相対的に低リスク低リターンの安定した遊技とのうち、いずれの遊技を実行するかの選択権を遊技者に与えるだけでなく、設定値に応じて右打ちしたときと左打ちしたときとで単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が異なるといった、新たなゲーム性を提供することができる。さらに、設定値を推測可能な演出を行えば、上記と相俟ってより一層面白みのあるゲーム性を提供することができる。
第2実施形態のパチンコ遊技機においても説明したが、複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技が行われる遊技機が備える構成は、簡単に述べると次のとおりである。すなわち、この種の遊技機において、メインCPU101は、特別図柄の変動表示が行われて「大当り」が導出される確率が異なる複数の設定値が記憶される不揮発性の記憶手段を備える。また、メインCPU101は、記憶手段に記憶される複数の設定値のうち、いずれか一の設定値にもとづいて特別抽選を実行し、特別図柄の変動表示を行い、特別抽選の結果を導出する図柄変動制御手段を備える。上記の一の設定値は、遊技機管理者が操作可能な設定キーと呼ばれる操作手段と、主制御回路100やサブ制御回路200に対して電源供給回路からの電力の供給を開始・停止させるための電源操作手段と、バックアップクリアスイッチ330と、設定値を変更するための設定操作手段とを操作することで変更することができる。具体的には、先ずは電源断操作を行う必要がある。そして、電源が投入されていない状態で、設定キーと呼ばれる操作手段をON操作し、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチのON操作の両方を行うと、メインCPU101は、設定値を変更可能な設定変更状態に制御する。設定変更状態において、メインCPU101は、設定操作手段が押下される毎に、所定の表示モニタに、設定値を示す情報を循環増加表示する。設定変更状態において設定キーと呼ばれる操作手段をOFF操作すると、メインCPU101は、設定変更状態を終了し、所定の表示モニタに表示されている設定値を一の設定値としてセットする。このようにしてセットされた一の設定値に基づいて、メインCPU101による遊技が実行される。
[第3実施例のパチンコ遊技機]
次に、第3実施例のパチンコ遊技機について説明する。第3実施例のパチンコ遊技機は、遊技盤ユニット17の盤面構成(図268参照)において、第1実施例のパチンコ遊技機(図254参照)と一部異なる構成を有する。また、特別図柄の変動時間(可変表示時間)決定テーブルの変更契機についても、第1実施例のパチンコ遊技機と異なる。
図268は、第3実施例のパチンコ遊技機において、遊技盤ユニットの外観を示す正面図の一例である。
図268に示されるように、第3実施例のパチンコ遊技機は、第1実施例のパチンコ遊技機とは異なり、左側領域に通過ゲート49を備えている(右側領域に通過ゲート49がない)。また、通過ゲート49の下流側には、従来から備える第一始動口5442の他に、左打ちされた遊技球が入賞可能な他の第一始動口を備えている。両者を区別するために、便宜上、上記の他の第一始動口を第一始動口54421とするが、第一始動口5442に遊技球が入賞したときと第一始動口54421に遊技球が入賞したときとで、メインCPU101による制御はほぼ同じである。
また、透明パネル172に対して前後方向に進退可能させることで第一始動口54421への遊技球の入賞の容易さを変化させるか又は第一始動口54421への遊技球の入賞が不可能な態様と可能な態様とに変化させることができる可動部材54422を備えている。
可動部材54422は、透明パネル172に対して前後方向に進退可能に構成されており、普通図柄表示部71において普通図柄が特定の停止表示態様(当り)になると前方向に作動し、この可動部材54422上の遊技球を第一始動口54421(後方向)に導くように構成されている。このようにして、可動部材54422は、第一始動口54421を、遊技球の入賞が不可能又は困難な態様から可能な態様又は容易な態様に変化させる。メインCPU101は、電サポ状態では、可動部材54422を前方向に作動させて、第一始動口54421への遊技球の入賞が容易化されるようにしている。
この第3実施例のパチンコ遊技機では、通過ゲート49、第一始動口5442、第一始動口54421は、左打ちされた遊技球が通過又は入賞可能に構成されている。
また、第1実施例のパチンコ遊技機(図254参照)と同様に、大入賞口540及び特別電動役物600が、遊技領域20内の液晶表示装置16の右上方に配置されており、大入賞口ソレノイドによりシャッタ610が駆動されることによって、大入賞口540への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放態様と、大入賞口540への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖態様と、に移行(駆動)可能に構成される。
液晶表示装置16の右下方すなわち大入賞口540及び特別電動役物600の下流側には、第二始動口4401が配置されている。右打ちされ且つ大入賞口540に入賞しなかった遊技球は、概ね5球に1球程度、第二始動口4401に入賞するように構成されている。
第二始動口4401のさらに下流側には、小当り入賞口5400及び透明パネル172に対して前後方向に進退可能な小当り用シャッタ6100が配置されている。小当り用シャッタ6100は、小当り入賞口ソレノイド(図示せず)によって駆動させることができる。透明パネル172に対して前方向に小当り用シャッタ6100が作動すると小当り入賞口5400が閉鎖態様となり、透明パネル172に対して後方向に小当り用シャッタ6100が作動すると小当り入賞口5400が開放態様となる。小当り入賞口5400が開放態様であれば、第二始動口4401に入賞しなかった遊技球のほとんどが小当り入賞口5400に入賞するように構成されている。
このように、第3実施例のパチンコ遊技機では、大入賞口540、第二始動口4401及び小当り入賞口5400は、右打ちされた遊技球が通過又は入賞可能に構成されている。
また、第3実施例のパチンコ遊技機において、メインCPU101は、第1実施例のパチンコ遊技機と同様に、大当り遊技状態ではない一般遊技状態として、「通常の遊技状態」、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」のうちいずれかの遊技状態に制御する。具体的には、メインCPU101は、当り時選択図柄コマンド(図257参照)に基づいて、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を、「高確時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」に制御する。そして、第1実施例のパチンコ遊技機と同様に、「高確時短遊技状態」において、「大当り」を示す特別図柄の組合せが導出されることなく時短が消化されると、メインCPU101は、「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行させる制御を実行する。
ここで、図269は、第3実施例のパチンコ遊技機において、「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行したことを契機に、メインCPU101により実行される変動時間決定テーブル設定処理を示すフローチャートである。この変動時間決定テーブル設定処理は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1で実行されるステップS173(図127参照)の変動パターン設定処理を示すフローチャートの別例である。
図269を参照して、「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行したことを契機として実行される変動時間決定テーブル設定処理について説明する。メインCPU101は、先ず、遊技状態が移行したか否かを判別する(ステップS1811)。遊技状態が移行していなければ(ステップS1811におけるNO)、メインCPU101は、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する変動時間決定テーブルを変更することなく、変動時間決定テーブル設定処理を終了する。遊技状態が移行したと判別すると(ステップS1811におけるYES)、メインCPU101は、移行先の遊技状態が「高確非時短遊技状態」であるか否かを判別する(ステップS1812)。移行先の遊技状態が「高確非時短遊技状態」であるとき(ステップS1812におけるYES)、メインCPU101は、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する変動時間決定テーブルを、図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルにセットし(ステップS1813)、変動時間決定テーブル設定処理を終了する。一方、移行先の遊技状態が「高確非時短遊技状態」でないとき(ステップS1812におけるNO)、メインCPU101は、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する変動時間決定テーブルを、図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルにセットし(ステップS1814)、変動時間決定テーブル設定処理を終了する。
このように、「通常の遊技状態」において「大当り」を示す特別図柄の組合せが導出されて大当り遊技状態に移行され、この大当り遊技状態が終了して「高確時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」に移行したとしても、メインCPU101は、特別図柄の変動時間決定テーブルを変更せずに、図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して、特別図柄の変動時間を決定する。そして、「高確時短遊技状態」において「大当り」を示す特別図柄の組合せが導出されることなく時短が消化されると、メインCPU101は、遊技状態を「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行させる制御を実行するとともに、参照する特別図柄の変動時間決定テーブルを、図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルから、図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更する制御を実行する。
(遊技の流れ)
次に、第3実施例のパチンコ遊技機における遊技の流れについて説明する。メインCPU101は、「通常の遊技状態」、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」のうちいずれかの遊技状態に制御するが、「低確時短遊技状態」は必須の遊技状態ではない。これらの遊技状態において、一般的な遊技者は、左打ちにより遊技を行う。「高確非時短遊技状態」以外の遊技状態すなわち「通常の遊技状態」、「高確時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」では、右打ちしても、第2特別抽選の結果が「大当り」でない限り第二始動口4401への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄の変動表示が概ね10分といった長時間にわたって行われ(長変動A〜C)、遊技者が損するだけだからである。
左打ちされる「通常の遊技状態」において、第1特別図柄の変動表示が行われて「大当り」の図柄組合せが導出されると、メインCPU101は、図257に示されるように、当り時選択図柄コマンドに基づいて、時短回数を、24回、30回、36回、42回、48回及び100回といった複数の時短回数のなかからいずれかに決定する。また、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が行われて「大当り」の図柄組合せが導出されると、メインCPU101は、大当り遊技状態に制御する。この大当り遊技状態では、大入賞口540への遊技球の入賞が可能となるので、一般的な遊技者は、右打ちにより遊技を行う。
メインCPU101は、大当り遊技状態が終了すると、図柄指定コマンドが極めて低い確率で選択される「zA5」でない限り、遊技状態を「高確時短遊技状態」に移行させる制御を実行する。遊技状態が「高確時短遊技状態」に移行すると、一般的な遊技者は、右打ちから左打ちに戻して遊技を行うこととなる。この「高確時短遊技状態」では、上述したとおり、メインCPU101は、第一始動口5442又は/及び第二始動口4401への遊技球の入賞に基づいて、図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して、特別図柄の変動時間を決定する。なお、図柄指定コマンドが「zA5」であるとき、メインCPU101は、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を、「高確時短遊技状態」に移行させることなく「高確非時短遊技状態」に制御する。
「高確時短遊技状態」において、「大当り」を示す特別図柄の組合せが導出されることなく、決定された回数の時短遊技が消化されると、メインCPU101は、遊技状態を「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行制御させるとともに、上述したとおり、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する変動時間決定テーブルを、図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルから、図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更する。
このように、「通常の遊技状態」、「高確時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」では、第1特別図柄の変動表示が主として行われ、仮に遊技者が右打ちしたとしても第2特別図柄の変動表示が概ね10分といった長時間にわたって行われるため、小当り入賞口5400への遊技球が入賞となるように小当り入賞口5400が開放態様となる頻度は相対的に小さい。
これに対し、「高確非時短遊技状態」では、第二始動口4401に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示は殆どが超速変動されるだけでなく、約5分の1の確率で小当り入賞口5400への遊技球の入賞が可能となり、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える特定状態となる。
また、この第3実施例のパチンコ遊技機では、当り時選択図柄コマンドに基づいて決定された時短回数が、当該時短回数の時短遊技が消化されるまで、メインCPU101及びサブCPU201のいずれによっても演出上開示されずに秘密に保たれる。なお、時短回数のみならず、例えば、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1について図136を参照して説明したように、秘匿Aステージ2002又は秘匿Bステージ200のように、遊技状態が高確率遊技状態であるか低確率状態であるかを、液晶表示装置16にてサブCPU201のよって行われる表示演出を見ても遊技者が把握できない又は把握困難となっていることが好ましい。そして、遊技者は、発射球数に対する賞球数の期待値が1未満の「高確時短遊技状態」から、発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えうる「高確非時短遊技状態」に、どのタイミングでメインCPU101によって移行制御されるのかを、「高確非時短遊技状態」に移行されるまで把握することができないか又は困難であるように構成されている。そして、「高確時短遊技状態」において、「大当り」を示す特別図柄の組合せが導出されることなく時短遊技が消化されると、サブCPU201は、天井に到達した(時短が消化された)ことを示す天井演出を液晶表示装置16に表示する。これにより、遊技興趣を高めることが可能となる。
なお、上述した第3実施例のパチンコ遊技機では、極めて低い確率で(図柄指定コマンドが「zA5」であるとき)、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が「高確非時短遊技状態」に制御されるが、これに限られず、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が常に「高確時短遊技状態」に制御されるようにしてもよい。
また、上述した第3実施例のパチンコ遊技機では、第一始動口5442,54421への遊技球の入賞に基づいて大当り遊技状態に制御されたとき、及び、第二始動口4401への遊技球の入賞に基づいて大当り遊技状態に制御されたときのいずれにおいても、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態がほぼ「高確時短遊技状態」に制御されるが、これに限られず、例えば、第一始動口5442,54421への遊技球の入賞に基づいて大当り遊技状態に制御されたときは10%の確率で「高確非時短遊技状態」に制御されるようにし、第二始動口4401への遊技球の入賞に基づいて大当り遊技状態に制御されたときは50%の確率で「高確非時短遊技状態」に制御されるようにしてもよい。このように、第二始動口4401への遊技球の入賞に基づいて大当り遊技状態に制御されたときは、第一始動口5442,54421への遊技球の入賞に基づいて大当り遊技状態に制御されたときよりも高い確率で「高確非時短遊技状態」に制御されるようにすることで、一旦天井に到達すると(時短が消化されると)、その後は、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える特定状態(高確非時短遊技状態)となるだけでなく、このような特定状態がループする確率も高められることとなり、遊技興趣の高いゲーム性を実現することが可能となる。
なお、第4実施例のパチンコ遊技機及び第4実施例のパチンコ遊技機の第1変形例では、第一始動口5442とは別に第一始動口54421を設けるとともに、可動部材54422を透明パネル172に対して前後方向に進退可能させることで第一始動口54421への遊技球の入賞の容易さを変化させるようにしているが、これに限られない。例えば、羽根部材4620のような所謂電チューを第一始動口5442の上方に設け、電サポ状態では、上記の所謂電チューを作動させて第一始動口5442への入賞が容易化されるようにしてもよい。この場合、電サポ状態であるか否かにかかわらず、特別図柄の変動時間を、高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して決定する特定状態において単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えるように、第二始動口には遊技球がある程度入賞可能であればよい。なお、低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して特別図柄の変動時間を決定する際、第2特別図柄の変動表示は極めて長い時間(長変動A、長変動Bまたは長変動C)にわたって行われるため、第二始動口には遊技球がある程度入賞可能であったとしても、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えることはない。
[第4実施例のパチンコ遊技機]
次に、第4実施例のパチンコ遊技機について説明する。この第4実施例のパチンコ遊技機は、遊技盤ユニット17の盤面構成(図270参照)において、第1実施例のパチンコ遊技機(図254参照)と一部異なる構成を有する。また、特別図柄の変動時間(可変表示時間)決定テーブルの変更契機についても、第1実施例のパチンコ遊技機と異なる。
図270は、第4実施例のパチンコ遊技機において、遊技盤ユニットの外観を示す正面図の一例である。
図270に示されるように、第4実施例のパチンコ遊技機は、第1実施例のパチンコ遊技機とは異なり、左側領域に通過ゲート49を備えている(右側領域に通過ゲート49がない)。また、通過ゲート49の下流側には、第二始動口4401と、透明パネル172に対して前後方向に進退可能させることで第二始動口4401への遊技球の入賞の容易さを変化させるか又は第二始動口4401への遊技球の入賞が不可能な態様と可能な態様とに変化させることができる可動部材4651とを備えている。さらに、第二始動口4401の下流側には、小当り入賞口5400、透明パネル172に対して前後方向に進退可能な小当り用シャッタ6100、及び当該小当り用シャッタ6100を駆動する小当り入賞口ソレノイド(図示せず)が備えられている。
可動部材4651は、透明パネル172に対して前後方向に進退可能に構成されており、普通図柄表示部71において普通図柄が特定の停止表示態様(当り)になると前方向に作動し、この可動部材4651上の遊技球を第二始動口4401(後方向)に導くように構成されている。このようにして、可動部材4651は、第二始動口4401を、遊技球の入賞が困難な態様から容易な態様に変化させる。メインCPU101は、電サポ状態では、可動部材4651を前方向に作動させて、第二始動口4401への遊技球の入賞が容易化されるようにしている。なお、第二始動口4401への遊技球の入賞が容易化されていないとき(遊技球の入賞が困難な態様であるとき)、第二始動口4401への遊技球の入賞は、第一始動口5442への遊技球の入賞と同程度であるか、第一始動口5442よりも遊技球の入賞が若干困難な程度である。
このように、第4実施例のパチンコ遊技機では、通過ゲート49、第一始動口5442、第二始動口4401、及び、小当り入賞口5400は、いずれも左打ちされた遊技球が通過又は入賞可能に構成されている。また、大入賞口540は、右打ちされた遊技球が入賞可能に構成されている。
この第4実施例のパチンコ遊技機において、メインCPU101は、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する特別図柄の変動時間決定テーブルを、小当り遊技状態の終了を契機として、図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルから、図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更する制御を実行している。このときのメインCPU101による処理を、図271を参照して説明する。
図271は、第4実施例のパチンコ遊技機において、小当り遊技状態の終了を契機に、メインCPU101により実行される変動時間決定テーブル設定処理を示すフローチャートの一例である。
図271を参照して、小当り遊技状態の終了を契機として実行される変動時間決定テーブル設定処理について説明する。メインCPU101は、先ず、小当り遊技状態が移行したか否かを判別する(ステップS1821)。小当り遊技状態が実行されていないか又は小当り遊技状態の実行中であれば(ステップS1821におけるNO)、メインCPU101は、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する変動時間決定テーブルを変更することなく、変動時間決定テーブル設定処理を終了する。小当り遊技状態が終了したと判別すると(ステップS1821におけるYES)、メインCPU101は、セットされている変動時間決定テーブル、すなわち、現在参照用として用いている変動時間決定テーブルが、図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルであるか否かを判別する(ステップS1822)。セットされている変動時間決定テーブルが低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルであると(ステップS1822におけるYES)、メインCPU101は、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する変動時間決定テーブルを、図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルにセットし(ステップS1823)、変動時間決定テーブル設定処理を終了する。一方、セットされている変動時間決定テーブルが、図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルでなければ(ステップS1822におけるNO)、メインCPU101は、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する変動時間決定テーブルを変更せずに、変動時間決定テーブル設定処理を終了する。ステップS1822において、セットされている変動時間決定テーブルが図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルでなければ、現在セットされている変動時間決定テーブルは、図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルということになる。
したがって、特別図柄の変動時間を、低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して決定する間は、第二始動口4401に遊技球が入賞したとしても、第2特別抽選の結果が「大当り」でない限り、極めて長い時間にわたって第2特別図柄の変動表示(長変動A〜C)が行われるため、第1特別図柄の変動表示が主として行われる。そのため、小当り入賞口5400への遊技球が入賞となるように小当り入賞口5400が開放態様となる頻度は相対的に小さい。
これに対し、小当り遊技状態の終了を契機として、図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更されたのちは、右打ちされた遊技球が第二始動口4401に入賞すると、第2特別図柄の変動表示は殆どが超速変動されるだけでなく、約5分の1の確率で小当り入賞口5400への遊技球の入賞が可能となり、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える特定状態となる。
なお、上記では、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える状態を特定状態としたが、賞球数の期待値が1を超えないが極めて1に近い設計値(例えば0.99)とした状態を第2特定状態とするようにしてもよい。その際には時短状態中(電サポ中)に左打ちしたときの期待値(例えば0.90)よりも高い期待値であることが望ましい。左打ちの時短状態中に小当たりを契機に第2特定状態へ移行し、右打ちを開始し、その後時短回数を消化することでより有利な特定状態へ移行することで3段階の期待値上昇を行うことが可能となる。なお、小当りにより変動パターンが変化する本変形例は第4実施例に限らず、他の実施例に適用可能な範囲で適用可能である。
また、第4実施例のパチンコ遊技機の変形例では、上述したとおり、小当り遊技状態の終了を契機として低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブル(図258参照)から高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブル(図259参照)に変更されるため、低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して特別図柄の変動時間が決定されるとき(本変形例では遊技者が左打ちしているとき)に、「小当り」に当選可能となるようにすることが望ましい。例えば、「通常の遊技状態」における単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値の範囲(例えば55%〜60%)を超えない程度の確率で第1特別抽選において「小当り」に当選するようにしたり、左打ちしたときに「通常の遊技状態」における単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値の範囲を超えない程度の頻度で第二始動口4401に遊技球が入賞するようにするとよい。
このように、メインCPU101は、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する変動時間決定テーブルを、小当り遊技状態が終了したことに基づいて、図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルから、図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更することで、例えば小当り遊技状態に制御されたにもかかわらず小当り入賞口5400に遊技球を入賞させることができなかったときに生じうる遊技興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、メインCPU101は、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する変動時間決定テーブルを、小当り遊技状態の終了を契機として低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルから高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更したのち、予め決められた期間(例えば、特別図柄の変動表示が所定回数実行されるまでといった期間や、大当り遊技が終了するまでといった期間)が経過するまで、高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して、特別図柄の変動時間を決定する。メインCPU101は、当該期間が経過したことに基づいて低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更してもよいし、当該期間が経過したことに基づいて低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更するか高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを継続して参照するかを決定するようにしてもよい。
ところで、上記では、低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルがセットされているときに小当り遊技状態が終了すると、必ず、高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更されるようにしているが、これに限られない。例えば、低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルがセットされているときに小当り遊技状態が終了したときに、メインCPU101は、所定の条件(例えば、メインCPU101がテーブルを変更するか否かの抽選を行い、この抽選に当選することや、小当りの図柄を複数設け小当り図柄1であればテーブルを変更し小当り図柄2であればテーブルを変更しない等)が成立したか否かを判別し、所定の条件が成立しなければ低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルの参照を継続し、所定の条件が成立したことに基づいて高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更するようにしてもよい。
[第4実施例のパチンコ遊技機の変形例]
次に、第4実施例のパチンコ遊技機の変形例について説明する。この第4実施例のパチンコ遊技機の変形例の外観構成は、第4実施例のパチンコ遊技機(図270)と同様である。すなわち、通過ゲート49、第一始動口5442、第二始動口4401、及び、小当り入賞口5400は、いずれも左打ちされた遊技球が通過又は入賞可能に構成されている。また、大入賞口540は、右打ちされた遊技球が入賞可能に構成されている。
この第4実施例のパチンコ遊技機の変形例において、メインCPU101は、特別図柄の変動時間の決定を、原則として、「通常の遊技状態」では図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して行い、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」では図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して行っているが、バックアップクリアされたのちの所定期間に限り、図272に示される中スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して行うようにしたものである。
図272は、第4実施例のパチンコ遊技機の変形例において、メインROM102に記憶されるテーブルであって、中スタート用の特別図柄の変動時間(可変表示時間)決定テーブルを示す図である。この図272に示されるテーブルは、第2特別抽選の結果が「小当り」又は「ハズレ」であるときの第2特別図柄の変動表示を、図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに規定される時間(58000msec〜60000msec)よりも短く、図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに規定される時間(1000msec)よりも長い時間で行うようにしたものである。
図273は、第4実施例のパチンコ遊技機の変形例において、メインCPU101により実行される変動時間決定テーブル設定処理を示すフローチャートである。
図273を参照して、第4実施例のパチンコ遊技機の変形例における変動時間決定テーブル設定処理について説明する。
メインCPU101は、先ず、バックアップクリアスイッチ330が操作されてバックアップクリアされたか否かを判別する(ステップS1824)。メインCPU101は、バックアップクリアされていれば(ステップS1824におけるYES)、バックアップクリアされたことに基づいて、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する変動時間決定テーブルを、図272に示される中スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルにセットする(ステップS1825)。一方、バックアップクリアされていなければ(ステップS1824におけるNO)、メインCPU101は、ステップS1826に移る。次に、メインCPU101は、大当り遊技状態が終了したか否かを判別する(ステップS1826)。大当り遊技状態が終了していなければ(ステップS1826におけるNO)、メインCPU101は、変動時間決定テーブル設定処理を終了する。大当り遊技状態に未だ制御されていないときにも、メインCPU101は、ステップS1826においてNOと判別する。大当り遊技状態が終了すると(ステップS1826におけるYES)、メインCPU101は、「通常の遊技状態」に移行するか否かを判別する(ステップS1827)。大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態の移行先が「通常の遊技状態」であるとき(ステップS1827におけるYES)、メインCPU101は、「通常の遊技状態」への移行に基づいて、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する変動時間決定テーブルを、図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルにセットし(ステップS1828)、変動時間決定テーブル設定処理を終了する。一方、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態の移行先が「通常の遊技状態」でない、すなわち移行先が「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」であるとき(ステップS1827におけるNO)、メインCPU101は、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」への移行に基づいて、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する変動時間決定テーブルを、図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルにセットし(ステップS1829)、変動時間決定テーブル設定処理を終了する。
このように、第4実施例のパチンコ遊技機の変形例では、バックアップクリアが行われると、メインCPU101は、参照する特別図柄の変動時間決定テーブルを、図272に示される中スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更する制御を実行する。
そして、参照する特別図柄の変動時間決定テーブルが図272に示される中スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更されると、メインCPU101は、大当り遊技状態が終了するまで、特別図柄の変動時間を、図272に示される中スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して決定する。すなわち、バックアップクリアが行われたことによって特別図柄の変動時間決定テーブルが図272に示される中スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更されると、大当り遊技状態が終了するまで、このテーブルが変更されない。すなわち、図272に示される中スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに一旦変更されると、特別図柄が変動表示されて「大当り」が導出されない限り、このテーブルが変更されない。
なお、上記では、中スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更されると、大当り遊技状態が終了するまで、このテーブルが変更されないようにしたが、必ずしもこれに限られず、例えば、第2特別図柄の変動表示が所定回数(例えば50回)行われると、中スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルの参照を終了し、例えば図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照するようにしてもよい。この場合、例えばホールが開店してから所定期間(第2特別図柄の変動表示が所定回数(例えば50回)行われるまで)を、遊技機管理者の意思によって、遊技者に有利な状態とすることが可能となる。
なお、図273では図示されていないが、バックアップクリアが行われたとき(ステップS1824)、メインCPU101は、図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルから図272に示される中スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更する処理は行うが、図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルから図272に示される中スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更する処理は行わないようにしてもよい。
このように、メインCPU101は、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する変動時間決定テーブルを、バックアップクリアが行われたことに基づいて図272に示される中スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更することによって、例えばホールの開店時などに、遊技機管理者の意思で、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値を調整することが可能となる。
なお、第4実施例のパチンコ遊技機の変形例において、第2実施形態に係るパチンコ遊技機と同様に、特別抽選における「大当り」の確率が異なる複数(例えば6段階)の設定値のうち、いずれか一の設定値に基づいて特別抽選が実行される遊技機としてもよい。そして、一の設定値が特定の設定値(例えば設定値6)であるときに限り、例えばサブCPU201により、一の設定値を推測することができるような特定の演出を実行するようにすると、より面白みの遊技性を提供することが可能となる。
上記のように、特別抽選における「大当り」の確率が異なる複数の設定値のうち、いずれか一の設定値に基づいて特別抽選が実行される遊技機である場合に、一の設定値が特定の設定値であることを推測できる演出のみならず、例えば、一の設定値が奇数(例えば、設定値1、3、5)であるか偶数(例えば、設定値2、4、6)であるかを推測できる演出を実行してもよい。例えば、第4実施例のパチンコ遊技機の変形例では、第2特別抽選の結果が「ハズレ」であるとき、図272の中スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して決定される第2特別図柄の変動表示時間の平均は、一の設定値にかかわらず60000msecと一律である。これに代えて、第2特別図柄の変動表示時間の平均が例えば60000msecのテーブルと610000msecのテーブルとをメインROMに記憶し、メインCPU101は、一の設定値が奇数(例えば、設定値1、3、5)であるときは、第2特別図柄の変動表示時間の平均が例えば60000msecのテーブルを参照し、一の設定値が偶数(例えば、設定値2、4、6)であるときは、第2特別図柄の変動表示時間の平均が例えば61000msecのテーブルを参照して、第2特別図柄の変動表示時間を決定するようにしてもよい。これにより、遊技者は、第2特別図柄の変動表示時間に基づいて一の設定値を推測することが可能となり、より一層遊技興趣を高めることが可能となる。
[第5実施例のパチンコ遊技機]
次に、第5実施例のパチンコ遊技機について説明する。第5実施例のパチンコ遊技機は、遊技盤ユニット17の盤面構成(図274参照)において、第1実施例のパチンコ遊技機(図254参照)と一部異なる構成を有する。また、第5実施例のパチンコ遊技機は、第2特別図柄の変動表示が行われて「小当り」が導出される確率も、第1実施例のパチンコ遊技機と異なる。
図274は、第5実施例のパチンコ遊技機において、遊技盤ユニットの外観を示す正面図の一例である。
図274に示されるように、第5実施例のパチンコ遊技機は、第1実施例のパチンコ遊技機(図254参照)と同様に、大入賞口540及び特別電動役物600が、遊技領域20内の液晶表示装置16の右上方に配置されており、大入賞口ソレノイドによりシャッタ610が駆動されることによって、大入賞口540への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放態様と、大入賞口540への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖態様と、に移行(駆動)可能に構成される。なお、この第5実施例のパチンコ遊技機では、大入賞口540が開放態様であるとき、右打ちされた遊技球の全部又は殆どが大入賞口540に入賞するように構成されている。
また、大入賞口540の下流側であって液晶表示装置16の右下方には、普通電動役物ユニット400が配置されている。普通電動役物ユニット400は、第二始動口440及び普通電動役物460を一体化したユニット体であるが、必ずしもユニット化されている必要はなく、別体であってもよい。
普通電動役物460は、第1実施例のパチンコ遊技機と同様に、透明パネル172に対して前後方向に進退可能させることで第二始動口440への遊技球の入賞の容易さを変化させるか、又は、第二始動口440への遊技球の入賞が不可能な態様と可能な態様とに変化させることができる可動シャッタ4650を備えている。また、普通電動役物460は、始動口ソレノイド4630(例えば、図53及び図54参照)及び当該始動口ソレノイド4630の動力を可動シャッタ4650に伝達する動力伝達機構(図示せず)を備える。
第5実施例のパチンコ遊技機では、第二始動口440への入賞が容易化される開放態様であるとき、右打ちされた遊技球のうち、大入賞口540に入賞しなった遊技球の全部又は殆どが第二始動口440に入賞するように構成されている。
なお、普通電動役物460の右上方には、右打ちされた遊技球のうち大入賞口540に入賞しなかった遊技球を一旦受け止める受止部材3000が形成されている。この受止部材3000は、流下してくる遊技球の勢いを止めるか又は弱めた上で、当該遊技球を可動シャッタ4650の上流側(右側)に落下させる機能を有する。
上記の可動シャッタ4650は、遊技球が上面を左右方向に転動可能な板状部材であり、上述したとおり、透明パネル172に対して前後方向に進退可能に構成されている。透明パネル172に対して可動シャッタ4650が前方向に進出しているときに第二始動口440が開放態様となり、透明パネル172に対して可動シャッタ4650が後方向に退避しているときに第二始動口440が閉鎖態様となる。
可動シャッタ4650は、透明パネル172に対して前方向に進出しているとき、受止部材3000から落下した遊技球を上流側(右側)で受けることが可能となっており、この上流側で受けた遊技球は可動シャッタ4650の上面を下流側(左側)に向けて転動するように構成されている。
第二始動口440は、可動シャッタ4650の最下流側に配置されており、この可動シャッタ4650の上面を上流側から下流側に向けて転動する遊技球の受け入れができるように開口されている。ただし、可動シャッタ4650の上面を転動しているものの未だ第二始動口440まで到達していない遊技球が存在する状態で可動シャッタ4650が後方向に退避すると、当該可動シャッタ4650の上面を転動していた遊技球は第二始動口440に入賞せずに落下する。
普通電動役物ユニット400の下方には、第二始動口440に入賞しなかった遊技球の流下経路を形成する流下経路形成部5500が配置されている。この流下経路形成部5500は、可動シャッタ4650が後方向に退避しているときに受止部材3000から落下した遊技球が流下する第1流下経路5501と、可動シャッタ4650が後方向に退避したときに可動シャッタ4650の上面を転動していた遊技球が流下する第2流下経路5502とを形成するように構成されている。
なお、流下経路形成部5500は、必ずしも、可動シャッタ4650が後方向に退避したときに当該可動シャッタ4650の上面を転動していた全ての遊技球が第2流下経路5502を流下するように構成される必要はなく、例えば、可動シャッタ4650の最上流側にある遊技球(受止部材3000から落下してまもない遊技球)については、第1流下経路5501を流下するように構成されていてもよい。
流下経路形成部5500の下方には、小当り用ユニット5300が配置されている。小当り用ユニット5300は、小当り入賞口5400、透明パネル172に対して前後方向に進退可能な板状の小当り用シャッタ6100、及び当該小当り用シャッタ6100を駆動する小当り入賞口ソレノイド(図示せず)を備える。小当り用シャッタ6100が作動して小当り入賞口5400が開放態様であるとき、第1流下経路5501を流下した遊技球(右打ちされた遊技球のうち、小当り用ユニット5300に到達した遊技球)の全部又は殆どが小当り入賞口5400に入賞するように構成されている。
なお、第1実施例のパチンコ遊技機では、第一始動口5442、小当り入賞口5400、透明パネル172に対して前後方向に進退可能な小当り用シャッタ6100、及び当該小当り用シャッタ6100を駆動する小当り入賞口ソレノイドによってアタッカユニット5000を構成していたが、第5実施例のパチンコ遊技機の小当り用ユニット5300は、第一始動口5442が別体となっている。
小当り入賞口5400の下流側には、通過ゲート49が配置されている。通過ゲート49は、第1実施例のパチンコ遊技機と同様に、遊技球の通過を条件に普通図柄判定の契機を与えるものであり、時短状態では、第二始動口440への遊技球の入賞が容易化される電サポ状態となる。第1流下経路5501を流下したものの小当り入賞口5400が閉鎖していたために小当り入賞口5400に入賞できなかった遊技球、及び、第2流下経路5502を流下した遊技球の全部又は殆どが通過ゲート49を通過するように構成されている。
なお、大入賞口540と第二始動口440との間には、遊技球が流下可能な流下経路2500が形成されているが、この流下経路2500は、例えば障害釘や役物等によって、大入賞口540に入賞しなかった遊技球が第1流下経路5501を流下して小当り用ユニット5300に到達するまでに一定以上の時間を要するように構成されている。この一定以上の時間は、少なくとも、大当り遊技が終了したときのインターバル時間と、大当り遊技状態が終了して最初に変動が開始された第2特別図柄の変動時間とを足した時間よりも大きい時間であることが好ましい。その理由については後述する。
また、第1実施例のパチンコ遊技機では、第2特別図柄の変動表示が行われて「小当り」が導出される確率は約5分の1であったが、第5実施例のパチンコ遊技機では、第2特別図柄の変動表示が行われたときに、「大当り」が導出されないときは、必ず「小当り」が導出される。すなわち、第2特別抽選の結果が「ハズレ」となる確率が0であり、「大当り」以外は全て「小当り」である。なお、第2特別図柄の変動表示が行われたときに、必ず「小当り」が導出されることに限定されるものではなく、「小当り」が導出されるときと比べて極めて低い確率で「ハズレ」が導出されるようにしてもよい。
(遊技の流れ)
先ず、「通常の遊技状態」では、一般的な遊技者は左打ちを行う。左打ちされた遊技球が第一始動口5442に入賞すると、メインCPU101は、第1特別図柄の変動表示を行う。第1特別図柄の変動表示が行われて「大当り」が導出されると、メインCPU101は、「通常の遊技状態」から大当り遊技状態に移行させる制御を実行する。
なお、第5実施例のパチンコ遊技機は、電サポ状態ではない「通常の遊技状態」又は電サポ状態となる「時短状態」に制御可能な遊技機として構成されている。この「時短状態」は、特別図柄の変動表示が行われたときに、「大当り」が導出される確率が「通常の遊技状態」より高くても低くてもよい。
大当り遊技状態では、一般的な遊技者は右打ちで遊技を行う。また、大当り遊技状態が終了したのち、メインCPU101は、「通常の遊技状態」又は「時短状態」に移行させる制御を実行する。一般的な遊技者は、メインCPU101により「通常の遊技状態」に移行させる制御が実行されると左打ちに戻して遊技を行うが、メインCPU101により「時短状態」に移行させる制御が実行されると右打ちで遊技を行う。
大当り遊技状態では、右打ちされた全部又は殆どの遊技球が大入賞口540に入賞するため、通過ゲート49に遊技球を通過させたり、第二始動口440に遊技球を入賞させることが困難である。そのため、大当り遊技状態において第2特別図柄の始動記憶を保留することは困難となっている。一方、大当り遊技状態でないときは、右打ちで遊技が行われると、右打ちされた遊技球が小当り入賞口5400に入賞しない限り、第2特別図柄の始動記憶が保留されうるようになっている。ただし、「通常の遊技状態」では、一般的な遊技者は左打ちで遊技を行うため、第2特別図柄の始動記憶が保留されない。
したがって、「通常の遊技状態」から大当り遊技状態に移行し、当該大当り遊技状態が終了したときは、大当り遊技状態が終了した時点で、第2特別図柄の始動記憶が保留されていない可能性が高い。一方、「時短状態」から大当り遊技状態に移行し、当該大当り遊技状態が終了したときは、大当り遊技状態が終了した時点で、第2特別図柄の始動記憶が上限の4個まで保留されている可能性が高い。
大当り遊技状態が終了して「時短状態」に移行する制御が実行され、その時点で第2特別図柄の始動記憶が保留されていないとき、最初に右打ちされた遊技球は、流下経路2500を流下し、受止部材3000で一旦受止められた後、可動シャッタ4650の上面を転動せずに第1流下経路5501を流下して、小当り入賞口5400に入賞せずに、通過ゲート49を通過する。通過ゲート49を遊技球が通過すると、メインCPU101は、普通図柄判定を行う。普通図柄判定が行われると、メインCPU101は、ごく短時間の普通図柄の変動表示を行い、普通図柄判定の結果を、普通図柄表示部71(図8参照)に導出する。普通図柄判定の結果は、100%又は100%に近い確率で当りとなるため、通過ゲート49を遊技球が通過すると、ほぼ100%の確率で、可動シャッタ4650が透明パネル172に対して前方向に進出し、第二始動口440が開放態様となる。
第二始動口440が開放態様になると、流下経路2500を流下した遊技球は、受止部材3000で一旦受止められた後、可動シャッタ4650の上流側に落下し、この可動シャッタ4650の上面を上流側から下流側に向けて転動し、その後、第二始動口440に入賞する。
第二始動口440に遊技球が入賞すると、メインCPU101は、第2特別抽選を行い、この第2特別抽選の結果を、第2特別図柄の変動表示を行ったのちに導出する。「短遊技状態」では、メインCPU101は、第2特別図柄の変動表示を、変動時間が1000msecの超速変動で行う。第5実施例のパチンコ遊技機では、第1実施例のパチンコ遊技機と異なり、第2特別図柄の変動表示が行われたとき、メインCPU101は、「大当り」が導出されなかったときは必ず「小当り」を導出する。すなわち、メインCPU101は、第2特別抽選の結果が「大当り」でないときは必ず「小当り」となるように第2特別抽選を行う。ただし、「大当り」が導出されなかったときは必ず「小当り」が導出される態様に限定されるものではなく、「大当り」が導出されなかったときに、「小当り」が導出される確率よりも極めて低い確率で、ごく稀に「ハズレ」が導出されるようにしてもよい。
第2特別図柄の変動表示が行われて「小当り」が導出されると、透明パネル172に対して可動シャッタ4650が前方向に進出し、第二始動口440が開放態様となる。ところが、上述したとおり、第二始動口440が開放態様であると、受止部材3000から落下した遊技球の全部又は殆どが可動シャッタ4650の上面に落下し、第1流下経路5501への遊技球の進入が阻害され、小当り入賞口5400には遊技球が到達しない。
また、可動シャッタ4650の上面に落下した遊技球は、第二始動口440に入賞するか又は第2流下経路5502を流下して通過ゲート49を通過する。通過ゲート49を遊技球が通過すると、再び、ほぼ100%の確率で、可動シャッタ4650が透明パネル172に対して前方向に進出し、第二始動口440が開放態様となる。そうすると、再び、受止部材3000から落下した遊技球の全部又は殆どが可動シャッタ4650の上面に落下し、第1流下経路5501への遊技球の進入が阻害され、可動シャッタ4650の上面に落下した遊技球は、第二始動口440に入賞するか又は第2流下経路5502を流下して通過ゲート49を通過する。したがって、「時短状態」で遊技が行われると、第2特別図柄の始動入賞がメインCPU101によって上限まで保留されうる。
このように、第5実施例のパチンコ遊技機では、第二始動口440に遊技球が入賞すると、「大当り」が導出されなかったときはほぼ必ず「小当り」が導出されるため、右打ちされる「時短状態」では、小当り入賞口5400がほぼフルオープン状態となる。しかし、この「時短状態」では、右打ちされた遊技球の全部又は殆どが第二始動口440を通過するか通過ゲート49を通過することになるため、小当り入賞口5400への遊技球の入賞が阻害されてしまう。なお、通過ゲート49を通過した遊技球は、アウト口57から機外に排出される。
可動シャッタ4650が透明パネル172に対して後方向に退避したタイミングで、受止部材3000から落下した遊技球が第1流下経路5501を流下して小当り入賞口5400に入賞することもあり得るが、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えることはないようになっている。
第2特別図柄の始動入賞がメインCPU101によって例えば上限まで保留された状態で、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動表示されて「大当り」が導出されると、メインCPU101は、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態では第1特別図柄の始動条件及び第2特別図柄の始動条件のいずれも成立しないため、上限まで保留された第2特別図柄の始動記憶の保留を、大当り遊技状態が終了するまで維持する。
大当り遊技状態では、上述したとおり、右打ちされた遊技球の全部又は殆どが大入賞口540に入賞する。仮に、大当り遊技状態において右打ちされた遊技球のうち、大入賞口540に入賞しなかった遊技球があったとしても、メインCPU101は、大当り遊技状態であるか否かにかかわらず普通図柄判定を行い、ごく短時間の普通図柄の変動表示を行うため、大当り遊技状態が終了した時点で普通図柄の始動記憶が保留されていることは殆どない。
したがって、大当り遊技状態が終了した時点で、第2特別図柄の始動記憶が保留されている場合、大当り遊技状態が終了すると第2特別図柄の始動条件が成立し、メインCPU101は、小当り遊技状態に制御する(小当り用シャッタ6100を作動させて小当り入賞口5400を開放態様に制御する)。このとき、上述したとおり普通図柄の始動記憶が保留されていないため、可動シャッタ4650が透明パネル172に対して後方向に退避しており、受止部材3000から落下した遊技球は、第1流下経路5501を流下し、小当り入賞口5400への入賞が可能となり、一時的に、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える特定状態となる。この特定状態は、第2特別図柄の始動記憶が記憶されている個数分だけ維持される。ただし、この特定状態では、右打ちされた遊技球の全部又は殆どが第1流下経路5501を流下して小当り入賞口5400に入賞するため、通過ゲート49まで遊技球が到達することが困難となって第二始動口440が開放態様とならないため、第2特別図柄の始動記憶は、新たに保留されずに、保留されている始動記憶が消化されるだけだとなる。そして、第2特別図柄の始動記憶の保留が全部消化されると特定状態が終了する。
特定状態が終了すると、メインCPU101によって小当り遊技状態に制御されなくなり、通過ゲート49への遊技球の通過が可能となる。通過ゲート49を遊技球が通過すると、上述したとおり、ほぼ100%の確率で、可動シャッタ4650が透明パネル172に対して前方向に進出し、第二始動口440が開放態様となる。そうすると、再び、受止部材3000から落下した遊技球の全部又は殆どが可動シャッタ4650の上面に落下し、第1流下経路5501への遊技球の進入が阻害され、小当り入賞口5400への入賞が困難な状態となる。
なお、第5実施例のパチンコ遊技機では、第2特別図柄の変動表示が行われると、「大当り」でない限り「小当り」が導出されるように構成されているが、「通常の遊技状態」では、メインCPU101は、第2特別図柄の変動表示を長変動A〜C(例えば、図258参照)のいずれかで行うため、右打ちで遊技を行うメリットがない。
このように、大当り遊技状態が終了したのちの特定状態といった限られた期間を、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えるようにすることで、大当り遊技状態で獲得できる賞球に加えて、特定状態でも賞球を獲得できるようになるため、遊技興趣を高めることが可能となる。とくに、1回の小当り遊技状態において獲得できる賞球数が例えば100球であると、大当り遊技状態が終了した時点で第2特別図柄の始動記憶が上限の4個まで保留されていれば、約400球の賞球を獲得可能となり、遊技者の遊技意欲を大きく掻き立てることが可能となる。この際第1実施例と同様に4回の小当たりをその前の大当たりと一連の演出として見せるようにすることで本来獲得できる大当たりの賞球よりも多い賞球が獲得できることを報知してもよい。この特殊な状態は「通常の遊技状態」では発生しづらく、電サポ状態である「高確時短遊技状態」や「低確時短遊技状態」において発生しやすいことから「高確時短遊技状態」や「低確時短遊技状態」において発生しうる大当たりに対して大きな期待感を持たせることが可能となる。また、他の実施例と同様に大当たり後の4回だけでなく次の大当たりまで「確変非時短状態」として特定状態を継続させるような大当たり種別を持たせてもよい。
また、「時短状態」において、普通図柄の保留が途切れた際には可動シャッタ4650が閉鎖している期間が増え、小当り入賞口5400への入賞が設計者の意図とは異なり多くなってしまうことが起こりうる。その場合、普通図柄の保留を途切れさせないように可動シャッタ4650を開閉させるようにすることが望ましい。例えば普通図柄の1回の当選において、1000msec開放、50msec閉鎖、1000msec開放、50msec閉鎖を繰り返し合計開放時間が6000msecとなるように開放パターンを定義することが望ましい。この際、閉鎖の50msecについては可動シャッタ4650上を転動している遊技球が次の開放にて挟まれない程度の時間、可動シャッタ4650直上の遊技球が自然落下等によっても第1流下経路5501に流入しないような時間であることが望ましい。このようにすることで数球に1球の割合で第2流下経路5502を経由して通過ゲート49を通過する遊技球が発生することで普通図柄の保留が途絶えることなく第1流下経路5501への遊技球の流入を抑えることが可能となる。
なお、上記の特定状態は、大当り遊技状態が終了したのちの電サポ状態となる「時短状態」において実現できるが、必ずしも電サポ状態となる「時短状態」でしか実現できないわけではない。すなわち、電サポ状態となる「時短状態」とは、「通常の遊技状態」と比べて第二始動口440への遊技球の入賞が容易化される状態であるが、「通常の遊技状態」と比べて第二始動口440への遊技球の入賞が容易化されていなければ電サポ状態ではない。そのため、「通常の遊技状態」でも、右打ちした遊技球が通過ゲート49を通過したことに基づいて行われる普通図柄判定の結果が100%又は100%に近い確率で当りとなるようにし、第二始動口440への入賞に基づいて払い出される賞球数を1球とするとともに、第2特別図柄の変動時間を、「通常の遊技状態」では長変動とし、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態では超速変動とすることで、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を、電サポ状態となる「時短状態」にすることなく、特定状態を実現することが可能となる。
[第6実施例のパチンコ遊技機]
次に、第6実施例のパチンコ遊技機について説明する。第6実施例のパチンコ遊技機は、遊技盤ユニット17の盤面構成(図275参照)において、第1実施例のパチンコ遊技機(図254参照)と一部異なる構成を有する。また、第6実施例のパチンコ遊技機では、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が電サポ状態でない「通常の遊技状態」又は電サポ状態である「高確時短遊技状態」に制御される。また、第6実施例のパチンコ遊技機では、「高確時短遊技状態」及び「高確非時短遊技状態」において参照される特別図柄の変動時間(可変表示時間)決定テーブルについても、第1実施例のパチンコ遊技機と異なる。
図275は、第6実施例のパチンコ遊技機において、遊技盤ユニットの外観を示す正面図の一例である。
図275に示されるように、第6実施例のパチンコ遊技機は、第1実施例のパチンコ遊技機(図254参照)と同様に、大入賞口540及び特別電動役物600が、遊技領域20内の液晶表示装置16の右上方に配置されており、大入賞口ソレノイドによりシャッタ610が駆動されることによって、大入賞口540への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放態様と、大入賞口540への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖態様と、に移行(駆動)可能に構成される。なお、この第6実施例のパチンコ遊技機では、大入賞口540が開放態様であるとき、右打ちされた遊技球の全部又は殆どが大入賞口540に入賞するように構成されている。
また、大入賞口540の下流側であって液晶表示装置16の右方には、通過ゲート49が配置されている。通過ゲート49は、遊技球の通過を条件に普通図柄判定の契機を与えるものである。
また、第6実施例のパチンコ遊技機は、従来から備える第一始動口5442の他に、通過ゲート49の下流側にも、右打ちされた遊技球が入賞可能な第一始動口を備えている。両者を区別するために、便宜上、液晶表示装置16の右側に配置される第一始動口を、第一始動口5443とするが、第一始動口5442に遊技球が入賞したときと第一始動口5443に遊技球が入賞したときとで、メインCPU101による制御はほぼ同じである。
第一始動口5443の上方には、第一始動口5443への遊技球の入賞が不可能な態様(閉鎖態様)と可能な態様(開放態様)とに変化させることができる可動部材4652を備えている。メインCPU101は、「高確時短遊技状態」では、普通図柄判定の結果が当りであることに基づいてこの可動部材4652を「通常の遊技状態」よりも高い頻度で作動させて、第一始動口5443への入賞が容易化されるようにしている。
第一始動口5443の左側下方には、第二始動口440が配置されている。第二始動口440に遊技球が入賞すると、メインCPU101は第2特別図柄の変動表示を行うが、第1実施例のパチンコ遊技機と同様、「小当り」が導出される確率は約5分の1である。
第一始動口5443の下方には、小当り入賞口5400及び透明パネル172に対して前後方向に進退可能な小当り用シャッタ6100が配置されている。小当り用シャッタ6100は、小当り入賞口ソレノイド(図示せず)によって駆動させることができる。透明パネル172に対して前方向に小当り用シャッタ6100が作動すると小当り入賞口5400が閉鎖態様となり、透明パネル172に対して後方向に小当り用シャッタ6100が作動すると小当り入賞口5400が開放態様となる。第2特別抽選の結果が「小当り」であると、メインCPU101は、第2特別図柄の変動表示を行い、「小当り」である旨の結果を導出する。「小当り」である旨の結果が導出されると、メインCPU101は、小当り入賞口5400が開放態様となるように小当り用シャッタ6100を作動させる小当り遊技状態に制御する。
第一始動口5443の右上方には、入賞とせずに機外に遊技球を機外に排出するアウト口5444が配置されている。
また、右打ちされた遊技球は、第一始動口5443に向かう流下経路5450と、第二始動口440に向かう流下経路5451と、アウト口5444に向かう流下経路5452とのうち、いずれかの流下経路を流下するように、例えば障害釘によって構成されている。これら3つの流下経路のうち、最も遊技球の流下率が高いのが第一始動口5443に向かう流下経路5450であり、次いで二始動口440に向かう流下経路5451であり、最も遊技球の流下率が低いのがアウト口5444に向かう流下経路5452である。
第一始動口5443に向かう流下経路5450を流下した遊技球は、第一始動口5443が開放態様であるとき、全部又は殆どの遊技球が第一始動口5443に入賞するように構成されている。したがって、第一始動口5443が開放態様であるときは、たとえ小当り入賞口5400が開放態様であったとしても、第一始動口5443に向かう流下経路5450を流下した遊技球が小当り入賞口5400に入賞することが困難である。
一方、第一始動口544への遊技球の入賞が不可能な態様であるときに、第一始動口5443に向かう流下経路5450を流下した遊技球は、第一始動口5443よりも右側に導かれ、小当り入賞口5400に到達する。このとき、小当り入賞口5400が開放態様であれば、小当り入賞口5400に遊技球が入賞し、メインCPU101は、払出・発射制御回路300を介して、小当り入賞口5400への遊技球の入賞に基づいて賞球を払い出す。小当り入賞口5400に到達したものの小当り入賞口5400に入賞しなかった遊技球は、さらに下流側に流下し、いずれ、アウト口57から機外に排出される。したがって、「通常の遊技状態」と比べて高い頻度で第一始動口5443への入賞が容易となる「高確時短遊技状態」では、小当り入賞口5400が開放態様であったとしても当該小当り入賞口5400に遊技球が入賞し難いが、「高確時短遊技状態」と比べて第一始動口544への入賞頻度が少ない「高確非時短遊技状態」では、「高確時短遊技状態」のときと比べて多量の遊技球が小当り入賞口5400に向けて流下することとなり、これら多量の遊技球は、小当り入賞口5400が開放態様であれば当該小当り入賞口5400に入賞しうることとなる。
(遊技の流れ)
次に、第6実施例のパチンコ遊技機における遊技の流れについて説明する。メインCPU101は、「通常の遊技状態」、「高確時短遊技状態」及び「高確非時短遊技状態」のうちいずれかの遊技状態に制御する。ただし、これに加えて、必須ではないが、「低確時短遊技状態」に制御されるようにしてもよい。
「通常の遊技状態」において、遊技領域20に向けて発射した遊技球が第一始動口5442に入賞すると、メインCPU101は、第1特別抽選を行う。この第1特別抽選の結果が「大当り」であると、メインCPU101は、大当り遊技状態に移行させる制御を実行する。この「通常の遊技状態」において、メインCPU101は、第1実施例のパチンコ遊技機と同様に、図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して、特別図柄の変動時間を決定する。
メインCPU101は、大当り遊技状態が終了すると、第1実施例のパチンコ遊技機と同様に、大当りに係る当り時選択図柄コマンドに応じて大当りの種類を決定し、当該決定された大当りの種類に応じて、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を、「通常の遊技状態」又は「高確時短遊技状態」に移行させる制御を実行する。
メインCPU101は、「高確時短遊技状態」及びこの「高確時短遊技状態」において時短遊技が消化されたのちに制御される「高確非時短遊技状態」においては、第1実施例のパチンコ遊技機と異なり、図276の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して、特別図柄の変動時間を決定する。
図276は、第6実施例のパチンコ遊技機において、メインROM102に記憶されるテーブルであって、高スタート用の特別図柄の変動時間(可変表示時間)決定テーブルの別例(図259の別例)である。図276に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルが、図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルと異なる点は、第1特別抽選の結果が「大当り」であるとき、第1特別図柄の変動表示が、例えば300000msec(長変動F)〜600000msec(長変動D)といった極めて長い時間にわたって行われうるという点である。なお、第2特別抽選の結果が「ハズレ」であるとき、第2特別図柄の変動表示は、例えば1000msecといった極めて短い時間で超速変動が行われる。
第1実施例のパチンコ遊技機において説明したとおり、第1特別抽選及び第2特別抽選のうちいずれか一方の特別抽選の結果が「大当り」であって、当該「大当り」に基づく特別図柄の変動表示中は、たとえ他方の特別図柄の始動条件が成立したとしても、他方の特別抽選を、「大当り」とならない非当選処理として実行する。したがって、第1特別抽選の結果が「大当り」であるとき、この「大当り」に基づく第1特別図柄の変動表示中は、たとえ第2特別図柄の始動条件が成立したとしても、メインCPU101は、第2特別抽選を、「大当り」とならない非当選処理として実行する。
ただし、メインCPU101は、第2特別抽選を、「大当り」とならない非当選処理を実行したとしても、この非当選処理では約5分の1の確率で「小当り」に当選する。「高確時短遊技状態」では、第一始動口5443に向かう流下経路5450を流下した遊技球の全部又は殆どが第一始動口5443に入賞するため、小当り入賞口5400に入賞することは困難である。しかし、「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行すると、電サポ状態ではなくなるため、第一始動口5443に向かう流下経路5450を流下した遊技球は、第一始動口5443に入賞せずに小当り入賞口5400に入賞する頻度が高くなり、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が高くなる。
すなわち、「高確時短遊技状態」において第1特別抽選の結果が「大当り」となったときは、例えば600000msec(長変動D)といった極めて長い時間にわたる第1特別図柄の変動表示が行われている間(「大当り」である旨の結果が導出されるまでの間)、例えば1000msec(超速変動)といった極めて短い時間で第2特別図柄の変動表示が行われることにより時短遊技が消化されるが、決定された時短回数の時短遊技が消化されると、メインCPU101は、「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行させる制御を実行する。第1特別図柄の変動表示が終了して「大当り」である旨の結果が導出されるまでは、第2特別抽選の結果が「大当り」となることがなく、この間、例えば1000msec(超速変動)といった極めて短い時間で第2特別図柄の変動表示が行われるとともに約5分の1といった高い確率で「小当り」に当選することによって賞球を獲得し放題となり、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える特定状態となる。このように、賞球獲得し放題の特定状態を作り出すゲーム性の実現により遊技興趣を高めることが可能となる。なお、遊技者が右打ちした場合に、第2始動記憶の保留が常に上限(例えば4個)になる程度のゲージ構成であることが好ましい。
なお、時短回数は、常に一定回数(例えば100回)となるようにしてもよい。ただし、「高確時短遊技状態」における時短回数が、特別図柄の変動表示が行われて「大当り」が導出される都度異なるようにすると、より興趣を高めることが可能となる。例えば、「高確時短遊技状態」における時短回数を、「大当り」が導出される都度異なるようにすることで、「高確時短遊技状態」において第1特別抽選の結果が「大当り」となる(第1特別図柄の変動表示が長変動となる)タイミングとの関係上、次のような面白みが生じる。すなわち、「高確時短遊技状態」において第1特別抽選の結果が「大当り」となる(第1特別図柄の変動表示が長変動となる)タイミングが早ければいいというものでもない。例えば、時短回数が100回であるときは、早いタイミングで第1特別図柄の変動表示が長変動になると、特定状態の期間が短くなってしまいかねず、場合によっては特定状態となることなく第1特別図柄の変動表示が停止して大当り遊技状態に制御されてしまうおそれもある。また、時短回数が相対的に短い回数(例えば24回)であるときは、早いタイミングで第1特別図柄の変動表示が長変動になる方が、特定状態としての恩恵をより長く受けることができる。このように、時短回数を「大当り」が導出される都度異ならせうることで、遊技興趣を高めることが可能となるため、決定された時短回数を、例えばサブCPU201による制御によって示唆又は明示する演出を行ってもよい。
ただし、少なくとも「高確非時短遊技状態」に移行するまで時短回数がメインCPU101及びサブCPU201のいずれの制御によっても開示されないようにした場合も、遊技者は、どのタイミングで「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行するかを把握することが困難となるため、決定された時短回数を示唆又は明示する演出を行うときとはまた違った観点で、遊技興趣を高めることが可能となる。
なお、第6実施例のパチンコ遊技機では、図276に示されるように、「高確時短遊技状態」又は「高確非時短遊技状態」における第1特別抽選の結果が「大当り」であったとき、メインCPU101は、第1特別図柄の変動時間を、長変動D〜長変動Fのうちいずれの変動時間に、抽選により決定する。長変動D〜長変動Fは、それぞれ、変動時間が異なるため、最も変動時間の長い長変動Dが遊技者に最も有利であり、最も変動時間の短い長変動Fが遊技者に最も不利である。このように、第1特別図柄の変動時間が異なる複数の変動時間のうちいずれかに決定されるようにすることで、さらに遊技興趣を高めることができる。しかも、長変動D〜長変動Fのうちいずれに決定されたかを、メインCPU101及びサブCPU201のいずれによっても開示されないようにすれば、遊技者は、特定状態の終了タイミングが分からないため、遊技興趣をさらに高めることが可能となる。
また、図276では、第1特別抽選の結果が「大当り」であったとき、メインCPU101は、長変動D〜長変動Fのうちいずれかに決定するように構成されているが、所定の確率で、遊技者にとっての利益度合いが低い変動時間(例えば10000msec)に決定されるようにしてもよい。
また、上記では、大当り遊技状態が終了したのち、「高確時短遊技状態」を経て「高確非時短遊技状態」に制御されるように構成されているが、必ずしもこれに限られず、大当り遊技状態が終了したのち、ただちに「高確非時短遊技状態」に制御されるようにしてもよい。とくに、大当り遊技状態が終了したのち、「高確時短遊技状態」を経て「高確非時短遊技状態」に制御される普通大当りと、大当り遊技状態が終了したのち、「高確時短遊技状態」を経ることなく「高確非時短遊技状態」に制御されるプレミア大当りとを用意し、メインCPU101により実行される特別抽選において、当り時選択図柄コマンドに応じて所定の確率でプレミア大当りに当選するように構成してもよい。
また、上記では、第1特別抽選の結果が「大当り」であったときに、第1特別図柄の変動時間が長変動D〜長変動Fのうちいずれかの変動時間に決定されるようにしているが、必ずしも、全ての「大当り」について第1特別図柄の変動時間を長変動とする必要はなく、例えば、複数の大当り種別のうち特定の「大当り」であるときにのみ、第1特別図柄の変動時間が長変動D〜長変動Fの変動時間に決定されるようにしてもよい。
また、上記では「高確非時短遊技状態」においても「高確時短遊技状態」と同様に第1特別抽選の結果が「大当り」であったとき、メインCPU101は、第1特別図柄の変動時間を長変動D〜長変動Fのうちいずれかに決定するように構成されているが、これに代えて、「高確非時短遊技状態」においては図276と異なる変動時間決定テーブルを設け、「高確非時短遊技状態」において第1特別抽選の結果が「大当り」であったときには遊技者にとって利益度合いが低い変動時間(例えば1000msec)を高い確率で決定するようにしてもよい。すなわち、「高確時短遊技状態」において第1特別抽選の結果が「大当り」であったときには、第2特別図柄の変動時間を超速変動で行うことにより時短遊技を消化し、時短遊技が消化したのちの「高確非時短遊技状態」において単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が高められる一方、「高確非時短遊技状態」において第1特別抽選の結果が「大当り」であったときには、第1特別図柄の変動時間を例えば1000msecといった超速度変動を行うことでただちに大当り遊技状態に移行されるようにしてもよい。このようにした場合、実行可能回数があらかじめ定められている「高確時短遊技状態」において第1特別抽選の結果が「大当り」であったときにそれ以外の状態よりも多く遊技者にとって有利なプレミア当りを付与することが可能となり、本来「高確非時短遊技状態」よりも単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値において不利な「高確時短遊技状態」における遊技者の「大当り」への期待感を大きくすることができる。
なお、この第6実施例のパチンコ遊技機だけでなく、第3実施形態に係るパチンコ遊技機の第1実施例〜第8実施例の全てに共通することではあるが、上述したとおり、メインCPU101は、同一割込処理内において、予め決められた順序で第2特別抽選及び第1特別抽選の両方を行うため、メインCPU101の制御負荷を軽減しつつ、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並行して行うことが可能な構成となっている。
ところで、上述したように、同一割込処理内において、予め決められた順序で第2特別抽選及び第1特別抽選の両方が行われるのは稀である。しかし、同一割込処理内で行われた第1特別抽選及び第2特別抽選の両方の結果が同時に「大当り」とならないように、メインCPU101は、いずれか一方(先に特別抽選が行われた方)の特別抽選の結果が「大当り」となった場合には、他方の特別抽選を非当選処理として実行することで、同一割込処理内で行われた第1特別抽選及び第2特別抽選の両方の結果が同時に「大当り」となることを防止するようにしている。ただし、上述したが、同一割込処理内において、いずれか一方(先に特別抽選が行われた方)の特別抽選の結果が「小当り」であるときには、他方の特別抽選を、非当選処理ではなく通常通りの特別抽選を行うため、相対的に利益度合いが低い「小当り」によって、相対的に利益度合いが高い「大当り」が打ち消されることを防止できる。
このような遊技機において、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える「高確非時短遊技状態」に制御されること、及び、第1特別抽選の結果が「大当り」であって且つ第1特別図柄の変動表示が例えば600000msec(図276の長変動D)といった極めて長い時間にわたって行われること、の両方の条件を満たしたときには、第1特別図柄の変動表示が行われている間、第2抽選の結果が「大当り」となることもないため、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える特定状態が保証されるといった、新たな遊技性を提供することができる。
とくに、第1特別抽選の結果が「大当り」であるとき、第1特別図柄の変動表示が例えば、変動時間が異なる長変動D〜F(図276参照)のうちいずれかにメインCPU101により決定されるようにすることで、特定状態が保証される時間が異なることとなり、遊技興趣を高めることが可能となる。とくに、変動時間が最も長い長変動Dに決定されたときには、遊技者を高揚させる特別な演出をサブCPU201により行うようにしてもよい。また、長変動D〜FのうちメインCPU101によりいずれに決定されたかを、メインCPU101及びサブCPU201のいずれによっても開示されないようにすると、特定状態がどこまで継続するか遊技者は把握することができず、この場合も興趣を高めることができる。
なお、このように、第1特別抽選の結果が「大当り」であるとき、第1特別図柄の変動表示が行われている間に、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える特定状態とする遊技機では、同一割込処理内において、第1特別抽選、第2特別抽選の順で特別抽選を行う方が好ましい。なぜなら、第1特別抽選が先に行われてその結果が「大当り」であったときには、第2特別抽選が非当選処理とされて特定状態となるからである。ただし、これは必須の要件ではなく、第2特別抽選、第1特別抽選の順で特別抽選を行うようにしてもよい。
[第6実施例のパチンコ遊技機の変形例]
次に、第6実施例のパチンコ遊技機の変形例について説明する。第6実施例のパチンコ遊技機では、従来から備える第一始動口5442の他に、液晶表示装置16の右側にも第一始動口を備えているが、この第6実施例のパチンコ遊技機の変形例では、第一始動口5442を備えていない点で構成が異なる。すなわち、第6実施例のパチンコ遊技機では、「通常の遊技状態」では左打ちで遊技を行い、「高確時短遊技状態」又は「高確非時短遊技状態」では右打ちで遊技を行う構成であったが、この第6実施例のパチンコ遊技機の変形例では、「通常の遊技状態」、「高確時短遊技状態」及び「高確非時短遊技状態」のいずれにおいても右打ちで遊技を行う構成である。
なお、第6実施例のパチンコ遊技機と同様に、この第6実施例のパチンコ遊技機の変形例においても、第一始動口5443に向かう流下経路5450を流下した遊技球は、第一始動口5443が開放態様であるとき、全部又は殆どの遊技球が第一始動口5443に入賞するように構成されている。したがって、第一始動口5443が開放態様であるときは、たとえ小当り入賞口5400が開放態様であったとしても、第一始動口5443に向かう流下経路5450を流下した遊技球が小当り入賞口5400に入賞することが困難である。また、第一始動口544への遊技球の入賞が不可能な態様であるときに、第一始動口5443に向かう流下経路5450を流下した遊技球は、第一始動口5443よりも右側に導かれ、小当り入賞口5400に到達する。このとき、小当り入賞口5400が開放態様であれば、小当り入賞口5400に遊技球が入賞し、メインCPU101は、払出・発射制御回路300を介して、小当り入賞口5400への遊技球の入賞に基づいて賞球を払い出す。小当り入賞口5400に到達したものの小当り入賞口5400に入賞しなかった遊技球は、さらに下流側に流下し、いずれ、アウト口57から機外に排出される。
この第6実施例のパチンコ遊技機の変形例において、メインCPU101は、特別図柄の変動時間を決定するに際し、「通常の遊技状態」、「高確時短遊技状態」及び「高確非時短遊技状態」のいずれにおいても、後述する特定の条件が成立しない限り、図277の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して決定する。
図277は、第6実施例のパチンコ遊技機において、メインROM102に記憶されるテーブルであって、低スタート用の特別図柄の変動時間(可変表示時間)決定テーブルの別例(図258の別例)である。図277に示されるテーブルが、図258に示されるテーブルと異なる点は、第1特別抽選の結果が「大当り」であるとき、第1特別図柄の変動表示を、例えば300000msec(長変動G)といった極めて長い時間にわたって変動表示が行われうるという点である。
(遊技の流れ)
次に、第6実施例のパチンコ遊技機の変形例における遊技の流れについて説明する。上述したとおり、メインCPU101は、「通常の遊技状態」、「高確時短遊技状態」及び「高確非時短遊技状態」のうちいずれかの遊技状態に制御する。ただし、これに加えて、必須ではないが、右打ちで遊技が行われる「低確時短遊技状態」に制御されるようにしてもよい。
「通常の遊技状態」、「高確時短遊技状態」及び「高確非時短遊技状態」において、遊技領域20に向けて発射した遊技球が第一始動口5443に入賞すると、メインCPU101は、第1特別抽選を行い、この第1抽選の結果に基づいて、図277に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して、第1特別図柄の変動時間を決定する。
電サポ状態である「高確時短遊技状態」において、右打ちされた遊技球は、第一始動口5443に向かう流下経路5450を流下した遊技球の全部又は殆どが第一始動口5443に入賞するため、小当り入賞口5400に入賞することは困難である。しかし、「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行すると、電サポ状態ではなくなるため、第一始動口5443に向かう流下経路5450を流下した遊技球は、第一始動口5443に入賞せずに小当り入賞口5400付近まで到達しうる。しかし、第6実施例のパチンコ遊技機の変形例では、上述したとおり、メインCPU101は、特別図柄の変動時間を決定する際に、特定の条件が成立しない限り、図277の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して決定する。すなわち、電サポ状態でなくなっただけでは、第2特別抽選の結果が「大当り」でない限り、580000msec〜600000msecといった極めて長い時間にわたって第2特別図柄の変動表示が行われるため、小当り入賞口5400が開放態様となることが皆無又は殆どない。
そこで、第6実施例のパチンコ遊技機の変形例において、メインCPU101は、上述した特定の条件として、第1特別図柄の変動時間が極めて長い変動パターン(長変動G)に決定されたことに基づいて、図277に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルから、図278に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更する制御を実行している。この図278の高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルは、図277の低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルと異なり、第2特別抽選の結果が「小当り」であるとき及び「ハズレ」であるときに、第2特別図柄の変動表示を、例えば1000msec(超速変動)といった極めて短い時間だけ行いうるという点である。
図279は、第6実施例のパチンコ遊技機の変形例において、第1特別図柄の変動時間が極めて長い変動パターン(長変動G)に決定されたことを契機に、メインCPU101により実行される変動時間決定テーブル設定処理を示すフローチャートである。
図279を参照して、第1特別図柄の変動時間が極めて長い変動パターン(長変動G)に決定されたことを契機として実行される変動時間決定テーブル設定処理について説明する。メインCPU101は、先ず、第1特別抽選が実行されたか否かを判別する(ステップS1831)。第1特別抽選が実行されていなければ(ステップS1831におけるNO)、メインCPU101は、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する変動時間決定テーブルを変更することなく、変動時間決定テーブル設定処理を終了する。第1特別抽選が実行されたと判別すると(ステップS1831におけるYES)、メインCPU101は、第1特別図柄の変動パターンが長変動Gに決定されたか否かを判別する(ステップS1832)。第1特別図柄の変動パターンが長変動Gに決定されていなければ(ステップS1832におけるNO)、メインCPU101は、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する変動時間決定テーブルを変更することなく、変動時間決定テーブル設定処理を終了する。第1特別図柄の変動パターンが長変動Gに決定されると(ステップS1832におけるYES)、メインCPU101は、セットされている変動時間決定テーブル、すなわち、現在参照用として用いている変動時間決定テーブルが、図277に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルであるか否かを判別する(ステップS1833)。セットされている変動時間決定テーブルが低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルであると(ステップS1833におけるYES)、メインCPU101は、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する変動時間決定テーブルを、図278に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルにセットし(ステップS1834)、変動時間決定テーブル設定処理を終了する。一方、セットされている変動時間決定テーブルが、図277に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルでなければ(ステップS1833におけるNO)、メインCPU101は、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する変動時間決定テーブルを変更せずに、変動時間決定テーブル設定処理を終了する。ステップS1833において、セットされている変動時間決定テーブルが図277に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルでなければ、現在セットされている変動時間決定テーブルは、図278に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルということになる。
したがって、特別図柄の変動時間を、図277に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して決定する間は、第二始動口440に遊技球が入賞したとしても、第2特別抽選の結果が「大当り」でない限り、極めて長い時間にわたって第2特別図柄の変動表示(長変動A〜C)が行われるため、第1特別図柄の変動表示が主として行われる。そのため、小当り入賞口5400への遊技球が入賞となるように小当り入賞口5400が開放態様となる頻度は相対的に小さい。
これに対し、第1特別図柄の変動時間が極めて長い変動パターン(長変動G)に決定されたことを契機として、図278に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更されたのちは、右打ちされた遊技球が第二始動口4401に入賞すると、第2特別図柄の変動表示は殆どが超速変動されるだけでなく、約5分の1の確率で小当り入賞口5400への遊技球の入賞が可能となり、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える特定状態となる。
このように、メインCPU101は、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する変動時間決定テーブルを、第1特別図柄の変動時間が極めて長い変動パターン(長変動G)に決定されたことに基づいて、図277に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルから、図278に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更することで、第1特別図柄の変動時間が継続している間、第2特別図柄が変動表示されて「大当り」が導出されることがない。そのため、上記の特定状態において獲得できる賞球と、その後の大当り遊技状態において獲得できる賞球とにより、遊技者に多量の賞球が払いだされるプレミアム大当りとすることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、このようなプレミアム大当りとされるとき、サブCPU201は、第1特別抽選の結果が「大当り」である旨が導出される前(大当り遊技状態に制御される前)に、上記の特定状態と大当り遊技状態とが連続して実行されるプレミアム大当りであることを示すプレミアム演出を、例えば表示制御回路204を介して液晶表示装置16において実行すると、遊技興趣を高めることができる。
なお、第1特別抽選の抽選結果として、メインCPU101が、遊技者が把握し難い態様で大当り遊技(以下、この段落において「2R大当り遊技」と称する)を実行可能とし、このような2R大当り遊技に当選したときに第2特別図柄を長変動Gの可変表示を行うようにするとともに、当該2R大当り遊技が終了したのちに「高確非時短遊技状態」に制御した場合、遊技状態は、特定状態、2R大当り遊技、特定状態の順に移行する。したがって、このような場合には、特定状態が継続して実行されたように遊技者に思わせることが可能となる。なお、2R大当り遊技とは、例えば大入賞口540を約18000msecだけ開放態様とするラウンド遊技を2ラウンドだけ実行する大当り遊技である。ただし、遊技者が把握し難い態様で実行できるのであれば、上記の2R大当り遊技に代えて、他の大当り遊技としてもよい。
また、メインCPU101は、第1特別図柄の変動時間が極めて長い変動パターン(長変動G)に決定されたことを契機として低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルから高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更したのち、予め決められた期間(例えば、特別図柄の変動表示が所定回数実行されるまでといった期間や、大当り遊技が終了するまでといった期間)が経過するまで、高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して、特別図柄の変動時間を決定する。メインCPU101は、当該期間が経過したことに基づいて低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更してもよいし、当該期間が経過したことに基づいて低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更するか高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを継続して参照するかを決定するようにしてもよい。
ところで、上記では、低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルがセットされているときに、第1特別図柄の変動時間が極めて長い変動パターン(長変動G)に決定されたことを契機として、必ず、高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更されるようにしているが、これに限られない。例えば、低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルがセットされているときに第1特別図柄の変動時間が極めて長い変動パターン(長変動G)に決定されたときに、メインCPU101は、所定の条件(例えば、メインCPU101がテーブルを変更するか否かの変更抽選を行い、この変更抽選に当選すること等)が成立したか否かを判別し、所定の条件が成立しなければ低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルの参照を継続し、所定の条件が成立したことに基づいて高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更するようにしてもよい。また、上記の変更抽選に変えて、変動時間決定テーブルを変更する長変動G−1、変動時間決定テーブルを変更しない長変動G−2、を備え、それぞれ50%の選択率としてもよい。
なお、第6実施例のパチンコ遊技機の変形例では、「通常の遊技状態」、「高確時短遊技状態」及び「高確非時短遊技状態」のいずれにおいても右打ちで遊技を行う構成であるが、これに代えて、「通常の遊技状態」、「高確時短遊技状態」及び「高確非時短遊技状態」のいずれにおいても左打ちで遊技を行う構成としてもよい。この場合、左打ちされた遊技球が第一始動口及び第二始動口のいずれも入賞可能となる(1球の遊技球が第一始動口及び第二始動口の両方に入賞するという意味ではない)が、第1特別抽選の結果が「大当り」であることに基づいて第1特別図柄が変動表示しているときに、第2特別図柄の変動表示が超速変動されやすくすることで、「通常の遊技状態」であっても、大当り遊技状態に移行される前に、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える特定状態とすることが可能となる。
[第7実施例のパチンコ遊技機]
次に、第7実施例のパチンコ遊技機について説明する。第7実施例のパチンコ遊技機は、遊技盤ユニット17の盤面構成(図280参照)において、第1実施例のパチンコ遊技機(図254参照)と一部異なる構成を有する。また、第7実施例のパチンコ遊技機では、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が電サポ状態でない「通常の遊技状態」又は電サポ状態である「高確時短遊技状態」に制御される。この「高確時短遊技状態」において「大当り」が導出されずに一定回数(例えば100回)の時短遊技が消化されると、電サポ状態ではない「高確非時短遊技状態」に移行する。このように、時短回数が一定である点が第1実施例のパチンコ遊技機と異なるが、第1実施例のパチンコ遊技機のように、複数の時短回数のなかからいずれかの時短回数に決定されるものであってもよい。また、第7実施例のパチンコ遊技機では、「高確時短遊技状態」及び「高確非時短遊技状態」における特別図柄の変動時間(可変表示時間)決定テーブルについても、第1実施例のパチンコ遊技機の高スタート用の特別図柄の変動時間(可変表示時間)決定テーブル(図259参照)と異なる。
図280は、第7実施例のパチンコ遊技機において、遊技盤ユニットの外観を示す正面図の一例である。
図280に示されるように、第7実施例のパチンコ遊技機は、第1実施例のパチンコ遊技機(図254参照)と同様に、大入賞口540及び特別電動役物600が、遊技領域20内の液晶表示装置16の右上方に配置されており、大入賞口ソレノイドによりシャッタ610が駆動されることによって、大入賞口540への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放態様と、大入賞口540への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖態様と、に移行(駆動)可能に構成される。なお、この第7実施例のパチンコ遊技機では、大入賞口540が開放態様であるとき、右打ちされた遊技球の全部又は殆どが大入賞口540に入賞するように構成されている。
また、液晶表示装置16の右方に、通過ゲート49が配置されている。この通過ゲート49は、右打ちされた遊技球のうち大入賞口540に入賞しなかった遊技球の大半が通過できるように構成されている。なお、通過ゲート49は、遊技球の通過を条件に普通図柄判定の契機を与えるものである。
また、第7実施例のパチンコ遊技機は、第6実施例のパチンコ遊技機と同様に、従来から備える第一始動口5442の他に、通過ゲート49の下流側にも、右打ちされた遊技球が入賞可能な第一始動口を備えている。この第一始動口を、第6実施例のパチンコ遊技機と同様に、第一始動口5443とする。また、第6実施例のパチンコ遊技機と同様に、第一始動口5442に遊技球が入賞したときと第一始動口5443に遊技球が入賞したときとで、メインCPU101による制御は同じである。
第一始動口5443の上方には、メインCPU101による制御によって一定周期で常時作動する可動部材4653が設けられている。この可動部材4653は、例えば、「3000msec秒閉鎖→100msec開放→10000msec開放→200msec開放→7000msec閉鎖→300開放→10000msec閉鎖→700msec閉鎖→300msec開放」のように、多数の開放パターンによる多数回の開閉動作を一周期とすることで、一定周期で常時作動しつつも開放タイミングが分かり難くなっている。
右打ちされた遊技球は、可動部材4653が開放していれば、通過ゲート49を通過した遊技球の全部又は殆どが第一始動口5443に入賞するように構成されている。一方、可動部材4653が閉鎖していれば、右打ちされた遊技球は、第一始動口5443に入賞することなく、第一始動口5443よりも下流側に流下する。
第一始動口5443よりも下流側には、第二始動口440が配置されている。第二始動口440に遊技球が入賞すると、メインCPU101は第2特別図柄の変動表示を行うが、第1実施例のパチンコ遊技機と同様、「小当り」が導出される確率は約5分の1である。
第二始動口440の上方には、透明パネル172に対して前後方向に進退可能な第二始動口用シャッタ4654が配置されている。第二始動口用シャッタ4654は、第二始動口用ソレノイド(図示せず)によって駆動させることができる。透明パネル172に対して前方向に第二始動口用シャッタ4654が作動すると第二始動口440が閉鎖態様となり、透明パネル172に対して後方向に第二始動口用シャッタ4654が作動すると第二始動口440が開放態様となる。メインCPU101は、「高確時短遊技状態」では、普通図柄判定の結果が当りであることに基づいて、第二始動口440が開放態様となるように第二始動口用シャッタ4654を「通常の遊技状態」よりも高い頻度で作動させて、第二始動口440への入賞が容易化されるようにしている。
第二始動口440の下流側には、小当り入賞口5400及び透明パネル172に対して前後方向に進退可能な小当り用シャッタ6100が配置されている。小当り用シャッタ6100は、小当り入賞口ソレノイド(図示せず)によって駆動させることができる。透明パネル172に対して前方向に小当り用シャッタ6100が作動すると小当り入賞口5400が閉鎖態様となり、透明パネル172に対して後方向に小当り用シャッタ6100が作動すると小当り入賞口5400が開放態様となる。
なお、第二始動口440が開放態様であるときは、右打ちされた遊技球の全部又は殆どが第二始動口440に入賞し、第二始動口440が閉鎖態様であるときに、右打ちされた遊技球が小当り用シャッタ6100まで到達するように構成されている。
また、小当り入賞口5400が開放態様であるときは、小当り用シャッタ6100に到達した遊技球の全部又は殆どが小当り入賞口5400に入賞し、小当り入賞口5400が閉鎖態様であるときは、アウト口57から機外に排出されるように構成されている。
(遊技の流れ)
次に、第7実施例のパチンコ遊技機における遊技の流れについて説明する。メインCPU101は、「通常の遊技状態」、「高確時短遊技状態」及び「高確非時短遊技状態」のうちいずれかの遊技状態に制御する。ただし、これに加えて、必須ではないが、「低確時短遊技状態」に制御されるようにしてもよい。
「通常の遊技状態」において、遊技領域20に向けて発射した遊技球が第一始動口5442に入賞すると、メインCPU101は、第1特別抽選を行う。この第1特別抽選の結果が「大当り」であると、メインCPU101は、大当り遊技状態に移行させる制御を実行する。この「通常の遊技状態」において、メインCPU101は、第1実施例のパチンコ遊技機と同様に、図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して、特別図柄の変動時間を決定する。
メインCPU101は、大当り遊技状態が終了すると、第1実施例のパチンコ遊技機と同様に、大当りに係る当り時選択図柄コマンドに応じて大当りの種類を決定し、当該決定された大当りの種類に応じて、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を、「通常の遊技状態」又は「高確時短遊技状態」に移行させる制御を実行する。
メインCPU101は、「高確時短遊技状態」及びこの「高確時短遊技状態」において時短遊技が消化されたのちに制御される「高確非時短遊技状態」においては、第1実施例のパチンコ遊技機と異なり、第1特別抽選の結果が「大当り」であるときに、第1特別図柄の変動表示を、例えば300000msec(長変動F)〜600000msec(長変動D)といった極めて長い時間にわたって変動表示を行ったのちに「大当り」を導出しうる特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して、特別図柄の変動時間を決定する。この点については第6実施例のパチンコ遊技機と同様である。また、第2特別抽選の結果が「ハズレ」であるとき、第2特別図柄の変動表示が、例えば1000msecといった極めて短い時間で超速変動が行われる点についても第6実施例のパチンコ遊技機と同様である。
この第7実施例のパチンコ遊技機においても、第1実施例のパチンコ遊技機や第6実施例のパチンコ遊技機と同様に、第1特別抽選の結果が「大当り」であるとき、この「大当り」に基づく第1特別図柄の変動表示中は、たとえ第2特別図柄の始動条件が成立したとしても、メインCPU101は、第2特別抽選を、「大当り」とならない非当選処理として実行する。
ただし、第6実施例のパチンコ遊技機と同様に、メインCPU101は、第2特別抽選を、「大当り」とならない非当選処理を実行したとしても、この非当選処理では約5分の1の確率で「小当り」に当選する。「高確時短遊技状態」では、第一始動口5443に入賞しなかった遊技球の全部又は殆どが、第二始動口440に入賞するため(第二始動口440に入賞したときの賞球数は1球)、小当り入賞口5400に入賞することは困難である。しかし、「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行すると、電サポ状態ではなくなるため、第一始動口5443に入賞しなかった遊技球は、第二始動口440に入賞せずに小当り入賞口5400に入賞する頻度が高くなり、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が高くなる。
すなわち、第6実施例のパチンコ遊技機と同様に、「高確時短遊技状態」において第1特別抽選の結果が「大当り」となったときは、例えば600000msec(長変動D)といった極めて長い時間にわたる第1特別図柄の変動表示が行われている間(「大当り」である旨の結果が導出されるまでの間)、例えば1000msec(超速変動)といった極めて短い時間で第2特別図柄の変動表示が行われることにより時短遊技が消化されるが、決定された時短回数の時短遊技が消化されると、メインCPU101は、「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行させる制御を実行する。第1特別図柄の変動表示が終了して「大当り」である旨の結果が導出されるまでは、第2特別抽選の結果が「大当り」となることがなく、この間、例えば1000msec(超速変動)といった極めて短い時間で第2特別図柄の変動表示が行われるとともに約5分の1といった高い確率で「小当り」に当選することによって賞球を獲得し放題となり、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える特定状態となる。このように、賞球獲得し放題の特定状態を作り出すゲーム性の実現により遊技興趣を高めることが可能となる。なお、遊技者が右打ちした場合、第2始動記憶の保留は常に上限(例えば4個)になるように構成されている。
なお、時短回数は、常に一定回数(例えば100回)となるようにしてもよい。ただし、「高確時短遊技状態」における時短回数が、特別図柄の変動表示が行われて「大当り」が導出される都度異なるようにすると、第6実施例のパチンコ遊技機と同様に、より興趣を高めることが可能となる。例えば、「高確時短遊技状態」における時短回数を、「大当り」が導出される都度異なるようにすることで、第1特別抽選の結果が「大当り」となる(第1特別図柄の変動表示が長変動となる)タイミングとの関係上、次のような面白みが生じる。すなわち、第1特別抽選の結果が「大当り」となる(第1特別図柄の変動表示が長変動となる)タイミングが早ければいいというものでもない。例えば、時短回数が100回であるときは、早いタイミングで第1特別図柄の変動表示が長変動になると、特定状態の期間が短くなってしまいかねず、場合によっては特定状態となることなく第1特別図柄の変動表示が停止して大当り遊技状態に制御されてしまうおそれもある。また、時短回数が相対的に短い回数(例えば24回)であるときは、早いタイミングで第1特別図柄の変動表示が長変動になる方が、特定状態としての恩恵をより長く受けることができる。このように、時短回数が「大当り」が導出される都度異なるようにすることで、遊技興趣を高めることが可能となるため、決定された時短回数を、例えばサブCPU201による制御によって示唆又は明示する演出を行ってもよい。
ただし、時短回数がメインCPU101及びサブCPU201のいずれの制御によっても開示されないようにした場合も、第6実施例のパチンコ遊技機と同様に、遊技者は、どのタイミングで「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行するかを把握することが困難となるため、決定された時短回数を示唆又は明示する演出を行うときとはまた違った観点で、遊技興趣を高めることが可能となる。
なお、第6実施例のパチンコ遊技機と同様に、図276に示されるように、第1特別抽選の結果が「大当り」であったとき、メインCPU101は、第1特別図柄の変動時間を、長変動D〜長変動Fのうちいずれの変動時間に、抽選により決定する。このように、第1特別図柄の変動時間が異なる複数の変動時間のうちいずれかに決定されるようにすることで、さらに遊技興趣を高めることができる。しかも、第6実施例のパチンコ遊技機と同様に、長変動D〜長変動Fのうちいずれに決定されたかを、メインCPU101及びサブCPU201のいずれによっても開示されないようにすれば、遊技者は、特定状態の終了タイミングが分からないため、遊技興趣をさらに高めることが可能となる。
また、図276では、第1特別抽選の結果が「大当り」であったとき、メインCPU101は、長変動D〜長変動Fのうちいずれかに決定するように構成されているが、第6実施例のパチンコ遊技機でも述べたように、所定の確率で、遊技者にとっての利益度合いが低い変動時間(例えば10000msec)に決定されるようにしてもよい。
また、上記では、大当り遊技状態が終了したのち、「高確時短遊技状態」を経て「高確非時短遊技状態」に制御されるように構成されているが、必ずしもこれに限られず、第6実施例のパチンコ遊技機でも述べたように、大当り遊技状態が終了したのち、ただちに「高確非時短遊技状態」に制御されるようにしてもよい。とくに、大当り遊技状態が終了したのち、「高確時短遊技状態」を経て「高確非時短遊技状態」に制御される普通大当りと、大当り遊技状態が終了したのち、「高確時短遊技状態」を経ることなく「高確非時短遊技状態」に制御されるプレミア大当りとを用意し、メインCPU101により実行される特別抽選において、当り時選択図柄コマンドに応じて所定の確率でプレミア大当りに当選するように構成してもよい。
また、上記では、第1特別抽選の結果が「大当り」であったときに、第1特別図柄の変動時間が長変動D〜長変動Fのうちいずれかの変動時間に決定されるようにしているが、必ずしも、全ての「大当り」について第1特別図柄の変動時間を長変動とする必要はなく、第6実施例のパチンコ遊技機でも述べたように、例えば、複数の大当り種別のうち特定の「大当り」であるときにのみ、第1特別図柄の変動時間が長変動D〜長変動Fの変動時間に決定されるようにしてもよい。
[第8実施例のパチンコ遊技機]
次に、第8実施例のパチンコ遊技機について説明する。第8実施例のパチンコ遊技機は、遊技盤ユニット17の盤面構成(図281参照)において、第1実施例のパチンコ遊技機(図254参照)と一部異なる構成を有する。また、第8実施例のパチンコ遊技機では、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が電サポ状態でない「通常の遊技状態」又は電サポ状態である「高確非時短遊技状態」に制御される。なお、「高確時短遊技状態」や「低確時短遊技状態」に制御されるようにしてもよいが、第8実施例のパチンコ遊技機では必須ではない。また、第1実施例のパチンコ遊技機のように、複数の時短回数のなかからいずれかの時短回数に決定し、「高確時短遊技状態」において決定された回数の時短遊技が消化されると「高確非時短遊技状態」に制御されるものであってもよい。以下に、第8実施例のパチンコ遊技機の外観構成について、図281を参照して説明する。
図281は、第8実施例のパチンコ遊技機において、遊技盤ユニットの外観を示す正面図の一例である。
図281に示されるように、第8実施例のパチンコ遊技機は、第1実施例のパチンコ遊技機(図254参照)と同様に、大入賞口540及び特別電動役物600が、遊技領域20内の液晶表示装置16の右上方に配置されており、大入賞口ソレノイドによりシャッタ610が駆動されることによって、大入賞口540への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放態様と、大入賞口540への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖態様と、に移行(駆動)可能に構成される。なお、この第8実施例のパチンコ遊技機では、大入賞口540が開放態様であるとき、右打ちされた遊技球の全部又は殆どが大入賞口540に入賞するように構成されている。
また、液晶表示装置16の右方には、大入賞口540の下流側に役物装置3500が配置されており、右打ちされた遊技球がこの役物装置3500内に進入可能に構成されている。ただしこれに限られず、役物装置3500は、左打ちされた遊技球が進入可能に配置されていてもよい。
役物装置3500は、遊技球を内部に取り込むことが可能な進入口3502と、進入口3502から内部に進入した遊技球が転動可能な転動面3530とを有しており、内部に進入した遊技球は、この転動面3530を転動することによって、役物装置3500の内部に一時的に滞留される。
転動面3530の略中央には、常に回転し、転動面3530を転動する遊技球が接触したときに当該遊技球に対して動きに変化を与える干渉部材3520が設けられている。遊技球は、転動面3530を転動するだけであればこの干渉部材3520の周囲を転動するだけであるが、干渉部材3520に干渉すると弾き飛ばされるようになっている。この弾き飛ばされた遊技球は、第1受入口3540または第2受入口3550に受け入れ可能となっている。役物装置3500の内部に一旦取り込まれた遊技球は、第1受入口3540または第2受入口3550に受け入れられるまで転動面3530を転動するため、役物装置3500の内部に滞留される時間はその都度異なることとなる。また、第1受入口3540及び第2受入口3550は、遊技球を受け入れ可能な口に限られず、遊技球が通過可能な領域であってもよい。
なお、進入口3502の上方には、透明パネル172に対して前後方向に進退可能な
可動部材3510が設けられており、この可動部材3510は、常には役物装置3500の内部への遊技球の進入を阻止するように、透明パネル172に対して前方向に位置している。そして、後述する特定の条件が成立したときに限り可動部材3510が後方向に作動して進入口3502が開放され、遊技球を1球だけ、役物装置3500の内部に取り込むことが可能となっている。なお、図281では示されていないが、可動部材3510が作動したときに複数の遊技球が進入口3502に進入したときは、1球の遊技球だけが役物装置3500の内部に取り込まれ、その他の遊技球は、機外に排出される。また、遊技球が発射されなければ、メインCPU101は、1球の遊技球が役物装置3500の内部に取り込まれるまで、進入口3502を開放態様で維持する。
役物装置3500の上方に設けられている上述した大入賞口540は、第1特別図柄の変動表示が行われて「大当り」が導出されて大当り遊技状態に制御されたときに遊技球の入賞が可能となるものであり、以下、この第8実施例のパチンコ遊技機の説明において、第1大入賞口540と称する。この第1大入賞口540は、第1大入賞口ソレノイド(図示せず)によりシャッタ610が駆動されることによって、遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放態様と、遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖態様と、に移行(駆動)可能に構成される。
役物装置3500の下方には、普通図柄判定の契機となる通過ゲート49が配置されており、この通過ゲート49を遊技球が通過すると、メインCPU101は、普通図柄判定を行う。普通図柄判定の結果が当りであると、メインCPU101は、羽根部材4620を、例えば約5900msec開放態様とし、その後閉鎖態様とする。羽根部材4620が開放態様の間、第二始動口440への遊技球の入賞が容易化される。なお、第二始動口440は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1(図5参照)と同様に、右打ちしたときに入賞できるように構成されている。
通過ゲート49の下流側には、第2特別図柄の変動表示が行われて「大当り」が導出されたことを条件として大当り遊技状態に制御されたときに、遊技球の入賞が可能となる第2大入賞口5403が設けられている。この第2大入賞口5403は、第2大入賞口ソレノイド(図示せず)によりシャッタ6103が駆動されることによって、遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放態様と、遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖態様と、に移行(駆動)可能に構成される。
第2大入賞口5403の下流側には、小当り入賞口5400が設けられている。この小当り入賞口5400は、小当り入賞口ソレノイド(図示せず)により小当り用シャッタ6100が駆動されることによって、遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放態様と、遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖態様と、に移行(駆動)可能に構成される。
右打ちされた遊技球は、第1大入賞口540、役物装置3500、第2大入賞口5403、小当り入賞口5400及び第二始動口440のいずれにも入賞しなければ、アウト口57から機外に排出される。
この第8実施例のパチンコ遊技機が第1実施例〜第7実施例のパチンコ遊技機と大きく異なる点は、大当り遊技状態に制御されるまでの過程である。この第8実施例のパチンコ遊技機において大当り遊技状態に制御されるまでの過程について説明する。
先ず、「通常の遊技状態」において、メインCPU101は、図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して、特別図柄の変動時間を決定する。そのため、第二始動口440に遊技球を入賞させるメリットがないため、第一始動口5442に遊技球を入賞させることが可能な左打ちにより遊技が行われる。左打ちされた遊技球が第一始動口5442に入賞すると、メインCPU101は、第1特別抽選を実行する。そして、第1特別図柄の変動表示を行い、第1特別抽選の結果を導出する。この「通常の遊技状態」において、メインCPU101は、図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して、特別図柄の変動時間を決定する。このとき、第1特別抽選の結果として「大当り」が導出されると、メインCPU101は、シャッタ610を駆動させて、第1大入賞口540を開放態様と閉鎖態様とに移行させるラウンド遊技が複数ラウンドにわたって行われる特別遊技状態に制御する。このように、第一始動口5442に遊技球が入賞したときは、大当り遊技状態に制御されるまでの過程は、第1実施例〜第6実施例のパチンコ遊技機と大きく異なる点はない。
次に、大当り遊技状態が終了して「高確非時短遊技状態」に制御されると、メインCPU101は、大当り遊技状態の終了を契機として、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する特別図柄の変動時間決定テーブルを、図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更する。そして、「高確非時短遊技状態」において、メインCPU101は、図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して、特別図柄の変動時間を決定する。また、第1実施例のパチンコ遊技機と同様に、第二始動口440への遊技球の入賞に基づいて行われる第2特別抽選では、約5分の1の確率で「小当り」に当選し、第一始動口5442への遊技球の入賞に基づいて行われる第1特別抽選では、「小当り」に当選しないかまたは当選したとしても第2特別抽選と比べて極めて低い確率で当選するだけとなっている。そのため、この「高確非時短遊技状態」では、右打ちにより遊技が行われる。右打ちされた遊技球が第二始動口440に入賞すると、メインCPU101は、第2特別抽選を実行する。そして、第2特別図柄の変動表示を行い、第2特別抽選の結果を導出する。この「高確非時短遊技状態」では、第1実施例のパチンコ遊技機と同様に、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える特定状態となる。そのため、サブCPU201は、大当り遊技状態が終了して「高確非時短遊技状態」に制御されたとき、大当り遊技状態とは別の遊技者に有利な特定状態に制御されることを示す演出として、遊技者を歓喜させる歓喜画像を液晶表示装置16に表示する。
第二始動口440への遊技球の入賞に基づいて第2特別図柄の変動表示が行われて「大当り」が導出されたとしても、メインCPU101は、ただちに大当り遊技状態に制御するのではなく、先ずは、大当り遊技状態に制御するための条件の一つである第1の条件として、条件装置を作動させるだけである。メインCPU101は、条件装置を作動させたのちも、第二始動口440への遊技球の入賞に基づいて、例えば図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して第2特別図柄の変動時間を決定し、これに基づいて第2特別図柄の変動表示を行うため、小当り遊技が高い頻度で実行され、小当り入賞口5400への遊技球の入賞頻度が高められる。小当り入賞口5400に遊技球が入賞すると例えば15球の賞球が払い出され、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える。
なお、上記では、第二始動口440への遊技球の入賞に基づいて「大当り」が導出されたことによって条件装置が作動したときに、第二始動口440への遊技球の入賞に基づいて小当り遊技が高い頻度で実行されて賞球を獲得できるようになっているが、第二始動口440への遊技球の入賞に基づいて条件装置が作動したときは、当該条件装置の作動に基づいて大当り遊技状態が終了するまで第二始動口440への遊技球の入賞に基づいて第2特別図柄の変動表示が行われないのが一般的である。そこで、上記に代えて、第二始動口440への遊技球の入賞に基づいて「大当り」が導出されたことによって条件装置が作動したときに、例えば通過ゲート49への遊技球の通過に基づいて行われる普通図柄判定の結果が当りと判定される確率を高める等により普通電動役物460(羽根部材4620)による開閉駆動によって容易化された入賞口(本実施例では第二始動口440)への遊技球の入賞頻度を高めて、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値を高めるようにしてもよい。この場合、普通電動役物460(羽根部材4620)による開閉駆動によって容易化された入賞口に遊技球が入賞した場合、少なくとも2以上の遊技球が賞球として払い出されるようにする必要がある。また、条件装置が作動していないときに単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が高められることがないように、メインCPU101は、条件装置が作動する前は相対的に長い時間にわたって普通図柄の変動時間を行い、条件装置が作動したことに基づいて、普通図柄の変動時間を相対的に短い時間に変更することが好ましい。
条件装置が作動すると、メインCPU101は、可動部材3510を作動させて、遊技球を1球だけ、役物装置3500の内部に取り込む。そして、役物装置3500の内部に取り込まれた遊技球が第1受入口3540または第2受入口3550に受け入れられると、メインCPU101は、大当り遊技状態に制御するためのさらなる条件である第2条件として、役物連続作動装置を作動させる。メインCPU101は、条件装置が作動していることを前提として、役物連続作動装置が作動すると、シャッタ610を駆動させて、第2大入賞口5403を開放態様と閉鎖態様とに移行させるラウンド遊技が複数ラウンドにわたって行われる特別遊技状態に制御する。このように、第二始動口440に遊技球が入賞したときは、大当り遊技状態に制御されるまでの過程が、第1実施例〜第7実施例のパチンコ遊技機と大きく異なる。
なお、役物装置3500の内部に取り込まれた遊技球が第1受入口3540に受け入れられたときと第2受入口3550に受け入れられたときとで、例えば大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技のラウンド数に差を設ける等、有利度合いに差を設けるようにするとよい。ただし、必ずしも、役物連続装置を作動させる条件として機能する受入口を、第1受入口3540及び第2受入口3550のように複数設ける必要はなく、一つの受入口とし、この一つの受入口に遊技球が受け入れられたことによって、メインCPU101により役物連続作動装置を作動させるようにしてもよい。
また、上記において、メインCPU101は、第一始動口5442への遊技球の入賞に基づいて制御される大当り遊技状態では、シャッタ610を駆動させて第1大入賞口540を開放態様と閉鎖態様とに移行させるラウンド遊技を行い、第二始動口440への遊技球の入賞に基づいて制御される大当り遊技状態では、シャッタ6103を駆動させて第2大入賞口5403を開放態様と閉鎖態様とに移行させるラウンド遊技を行うといった、異なる大入賞口を用いてラウンド遊技を行っている。ただし、これに限られず、第一始動口5442への遊技球の入賞に基づいて制御される大当り遊技状態と、第二始動口440への遊技球の入賞に基づいて制御される大当り遊技状態とで、同じ大入賞口を用いてラウンド遊技を行うようにしてもよい。
また、第1特別図柄の変動表示が行われて「大当り」が導出されたときは、役物装置3500の内部に遊技球を取り込んで第1受入口3540または第2受入口3550に受け入れられるといった過程を経ることなく大当り遊技状態に制御されるが、これは、第1特別抽選の結果が導出されたことをもって、メインCPU101が条件装置と役物連続作動装置とを作動させているからである。
ところで、役物装置3500の内部に取り込まれた遊技球は、上述したように、第1受入口3540または第2受入口3550に受け入れられるまで、役物装置3500の内部に一時的に滞留される。これにより、条件装置が発生してから役物連続作動装置が作動するまでの間に、時間差を生じさせることができる。すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われて「大当り」が導出されたにもかかわらず、役物連続作動装置が作動するまで大当り遊技状態に制御されないため、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える特定状態が延長して行われることとなる。そのため、この第8実施例のパチンコ遊技機において、サブCPU201は、第2特別図柄の変動表示が行われて「大当り」が導出されたときに、上記特定状態が延長することを示す演出として、遊技者を歓喜させる歓喜画像を液晶表示装置16に表示する。また、上記特定状態は、条件装置が作動したのちは、いつまで続くか分からない期間限定となるため、サブCPU201は、第1受入口3540または第2受入口3550に遊技球が受け入れられないように遊技者を応援する応援演出を液晶表示装置16に表示する。
このように、第二始動口440に入賞したときは、第2特別図柄の変動表示が行われて「大当り」が導出されるといった条件装置の作動(第1の条件成立)のみならず、条件装置が作動したことを前提として、時間差を設けてさらに役物連続作動装置が作動(第2の条件が成立)したときに大当り遊技状態に制御することで、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える特定状態が延長させることが可能となり、遊技興趣を高めることが可能となる。
しかも、第1の条件としての条件装置が作動してから、第2の条件としての役物連続作動装置が作動するまでの時間が都度異なるため、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える特定状態がどこまで続くか遊技者が予想することが困難となり、さらに遊技興趣を高めることが可能となる。
なお、第8実施例のパチンコ遊技機では、条件装置の作動及び役物連続装置の作動を、大当り遊技状態に制御されるための第1の条件及び第2の条件としたが、これに限られず、例えば、所謂1種2種複合機において、1種当選及び2種当選を、大当り遊技状態に制御されるための第1の条件及び第2の条件としてもよい。例えば、所謂1種2種複合機において、第8実施例のパチンコ遊技機で説明した役物装置3500と同じ役物装置3500を設ける。メインCPU101は、通常時(1種当り及び2種当りのいずれも発生していないとき)、例えば図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して、特別図柄の変動時間を決定する。そして、特別図柄の変動表示が行われて「当り」が導出される1種当りとなったときに、メインCPU101は、1球だけ遊技球を役物装置3500に取り込むように可動部材3510を作動させる。また、メインCPU101は、1種当りとなったのちも特別図柄の変動表示を行うことを前提として、例えば図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して、特別図柄の変動時間を決定する。一方、役物装置3500の内部に取り込まれた1球の遊技球は、転動面3530を転動し、干渉部材3520に接触すると弾かれる。干渉部材3520に弾かれた遊技球が例えば第1受入口3540に受け入れられると2種当りとなって、メインCPU101は、大当り遊技状態に制御する。このような所謂1種2種複合機では、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える特定状態が延長するといった概念を持たせることはできないが、1種当り及び2種当りを、大当り遊技状態に制御されるための第1の条件及び第2の条件とすることができ、第1の条件としての1種当りとなってから、第2の条件としての2種当りとなるまでの時間が都度異なるため、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える特定状態がどこまで続くか遊技者が予想することが困難となり、遊技興趣を高めることが可能となる。
[第8実施例のパチンコ遊技機の変形例]
次に、第8実施例のパチンコ遊技機の変形例について説明する。この第8実施例のパチンコ遊技機の変形例が、第8実施例のパチンコ遊技機と大きく異なる点は、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する特別図柄の変動時間決定テーブルを、例えば図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルから、例えば図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更する契機である。メインCPU101は、第8実施例のパチンコ遊技機では、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する特別図柄の変動時間決定テーブルを、大当り遊技状態の終了を契機として変更したが、この第8実施例のパチンコ遊技機の変形例では、条件装置の作動を契機として変更する。
また、メインCPU101が、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する特別図柄の変動時間決定テーブルを、条件装置が作動したことに基づいて、例えば図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルから、例えば図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更するようにした場合、第一始動口5442に遊技球が入賞したときにも、条件装置が発生してから役物連続作動装置が作動するまでの間に、時間差を生じさせることが可能となる。
また、この第8実施例のパチンコ遊技機の変形例では、大入賞口は、図281に示される第1大入賞口540及び第2大入賞口5403のうちいずれか一方のみでよい。同様に、シャッタについても、シャッタ610及びシャッタ6103のうちいずれか一方のみでよい。したがって、この第8実施例のパチンコ遊技機の変形例では、第2大入賞口5403及びシャッタ6103がなく、第1大入賞口540及びシャッタ610が設けられているものとする。したがって、第1大入賞口540を他の大入賞口と区別する必要がないため、この第8実施例のパチンコ遊技機の変形例では、単に大入賞口540と称する。
具体的には、先ず、「通常の遊技状態」において、メインCPU101は、図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して特別図柄の変動時間を決定するため、左打ちにより遊技が行われる。左打ちされた遊技球が第一始動口5442に入賞すると、メインCPU101は、第1特別抽選を実行する。そして、第1特別図柄の変動表示を行い、第1特別抽選の結果として「大当り」が導出されると、メインCPU101は、第8実施例のパチンコ遊技機のようにただちに大当り遊技状態に制御するのではなく、先ずは、大当り遊技状態に制御するための第1の条件として、条件装置を作動させる。
また、メインCPU101は、条件装置が作動したことを契機として、特別図柄の変動時間を決定する際に参照する特別図柄の変動時間決定テーブルを、図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更する。ここで、第二始動口440への遊技球の入賞に基づいて行われる第2特別抽選では、約5分の1の確率で「小当り」に当選し、第一始動口5442への遊技球の入賞に基づいて行われる第1特別抽選では、「小当り」に当選しないかまたは当選したとしても第2特別抽選と比べて極めて低い確率で当選するだけであるから、条件装置が作動したのちは、右打ちにより遊技が行われる。この右打ちにより遊技が行われると、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える特定状態となる。
また、メインCPU101は、条件装置を作動させたのちも、第二始動口440への遊技球の入賞に基づいて、例えば図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して第2特別図柄の変動時間を決定し、これに基づいて第2特別図柄の変動表示を行うため、小当り遊技が高い頻度で実行され、小当り入賞口5400への遊技球の入賞頻度が高められる。小当り入賞口5400に遊技球が入賞すると例えば15球の賞球が払い出され、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える。
なお、この第8実施例のパチンコ遊技機の変形例においても、第8実施例のパチンコ遊技機と同様に、例えば普通電動役物460(羽根部材4620)による開閉駆動によって容易化された入賞口(本実施例では第二始動口440)への遊技球の入賞頻度を高めて、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値を高めるようにしてもよい。
また、役物装置3500についても、第8実施例のパチンコ遊技機と同様に、右打ちされた遊技球が進入可能となるように構成されているが、これに限られず、左打ちされた遊技球が進入可能に配置されていてもよい。
条件装置が作動したのちは、第8実施例のパチンコ遊技機において第2特別図柄の変動表示が行われて「大当り」が導出されたときと同様に、メインCPU101は、可動部材3510を作動させて、遊技球を1球だけ、役物装置3500の内部に取り込む。そして、役物装置3500の内部に取り込まれた遊技球が第1受入口3540または第2受入口3550に受け入れられると、メインCPU101は、大当り遊技状態に制御するためのさらなる条件である第2条件として、役物連続作動装置を作動させる。メインCPU101は、条件装置が作動していることを前提として、役物連続作動装置が作動すると、シャッタ610を駆動させて、大入賞口540を開放態様と閉鎖態様とに移行させるラウンド遊技が複数ラウンドにわたって行われる特別遊技状態に制御する。このように、この第8実施例のパチンコ遊技機の変形例では、第一始動口5442に遊技球が入賞したときにも、大当り遊技状態に制御されるための第1の条件として先ずは条件装置を作動させ、条件装置が作動したことを前提として、時間差を生じさせて第2の条件である役物連続作動装置を作動させることができる。この場合、メインCPU101は、条件装置が作動しただけでは第2特別図柄の変動時間の計測を止めずに、役物連続作動装置が作動したことに基づいて第2特別図柄の変動時間の計測を止める制御を実行する。
したがって、条件装置が作動したのち、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える特定状態を、いつまで続くか分からない期間限定で作りだすことが可能となり、遊技興趣を高めることが可能となる。
なお、大当り遊技状態が終了したのちに「高確非時短遊技状態」に制御された場合には、第8実施例のパチンコ遊技機と同様に、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える特定状態にすることができ、条件装置が作動してから役物連続作動装置が作動するまでの間に時間差を生じさせることができる。
[第8実施例のパチンコ遊技機の変形例の変形例]
なお、第8実施例のパチンコ遊技機の変形例は、さらに次のように変形することができる。この第8実施例のパチンコ遊技機の変形例の変形例では、遊技盤ユニット17の盤面構成が、図281に示される盤面構成に代えて、例えば図282に示される盤面構成とされている。以下に、第8実施例のパチンコ遊技機の変形例の変形例の外観構成について、図221を参照して説明する。
図282は、第8実施例のパチンコ遊技機の変形例の変形例において、遊技盤ユニットの外観を示す正面図の一例である。
図282に示される盤面構成は、図275に示される盤面構成と、図281に示される盤面構成とを組み合わせたものである。具体的には、図282に示されるように、大入賞口540及び特別電動役物600が、遊技領域20内の液晶表示装置16の右上方に配置されている。大入賞口540は、大入賞口ソレノイド(図示せず)によりシャッタ610が駆動されることによって、遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放態様と、大入賞口540への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖態様と、に移行(駆動)可能に構成される。大入賞口540が開放態様であるとき、右打ちされた遊技球の全部又は殆どが大入賞口540に入賞するように構成されている。
液晶表示装置16の右方であって大入賞口540の下流側には、第8実施例のパチンコ遊技機や第8実施例のパチンコ遊技機の変形例で説明した役物装置3500と同じ役物装置3500が配置されている。
大入賞口540の下流側であって役物装置3500の右方には、通過ゲート49が配置されている。通過ゲート49は、遊技球の通過を条件に普通図柄判定の契機を与えるものである。
また、第8実施例のパチンコ遊技機や第8実施例のパチンコ遊技機の変形例(図281参照)と同様に、従来から備える第一始動口5442の他に、通過ゲート49の下流側に、右打ちされた遊技球が入賞可能な第一始動口5443(第一始動口5443に入賞したときの賞球数は例えば1球)と、この第一始動口5443への遊技球の入賞の容易さを変化させることができる可動部材4652と、第一始動口5443の左側下方に配置される第二始動口440(第二始動口440に入賞したときの賞球数は例えば1球)とを備えている。メインCPU101は、「高確時短遊技状態」や「低確時短遊技状態」では、普通図柄判定の結果が当りであることに基づいてこの可動部材4652を「通常の遊技状態」よりも高い頻度で作動させて、第一始動口5443への入賞が容易化されるようにしている。なお、第二始動口440に遊技球が入賞すると、メインCPU101は第2特別図柄の変動表示を行うが、ここでは、第1実施例のパチンコ遊技機等とは異なり、「小当り」が導出される確率は、「大当り」が導出されないときは全部又は殆ど「小当り」が導出される確率となっているが、「小当り」が導出される確率はこれに限られない。
また、図281とは異なり、図254と同様に、第一始動口5443の下方には、小当り入賞口5400(小当り入賞口5400に入賞したときの賞球数は例えば15球)及び透明パネル172に対して前後方向に進退可能な小当り用シャッタ6100が配置されている。小当り用シャッタ6100は、小当り入賞口ソレノイド(図示せず)によって駆動させることができる。透明パネル172に対して前方向に小当り用シャッタ6100が作動すると小当り入賞口5400が閉鎖態様となり、透明パネル172に対して後方向に小当り用シャッタ6100が作動すると小当り入賞口5400が開放態様となる。第2特別抽選の結果が「小当り」であると、メインCPU101は、第2特別図柄の変動表示を行い、「小当り」である旨の結果を導出する。「小当り」である旨の結果が導出されると、メインCPU101は、小当り入賞口5400が開放態様となるように小当り用シャッタ6100を作動させる小当り遊技状態に制御する。
第一始動口5443の右上方には、図254と同様に、機外に遊技球を機外に排出するアウト口5444が配置されているが、必ずしも必須の構成ではない。
また、図281と同様に、右打ちされた遊技球のうち大入賞口540に入賞せず且つ役物装置3500にも進入しなかった遊技球は、第一始動口5443に向かう流下経路5450と、第二始動口440に向かう流下経路5451と、アウト口5444に向かう流下経路5452とのうち、いずれかの流下経路を流下するように、例えば障害釘によって構成されている。これら3つの流下経路のうち、最も遊技球の流下率が高いのが第一始動口5443に向かう流下経路5450であり、次いで第二始動口440に向かう流下経路5451であり、最も遊技球の流下率が低いのがアウト口5444に向かう流下経路5452である。
また、第一始動口5443に向かう流下経路5450を流下した遊技球は、図281と同様に、第一始動口5443が開放態様であるとき、全部又は殆どの遊技球が第一始動口5443に入賞するように構成されている。したがって、第一始動口5443が開放態様であるときは、たとえ小当り入賞口5400が開放態様であったとしても、第一始動口5443に向かう流下経路5450を流下した遊技球が小当り入賞口5400に入賞することが困難である。一方、第一始動口544への遊技球の入賞が不可能な態様であるときに、第一始動口5443に向かう流下経路5450を流下した遊技球は、第一始動口5443よりも右側に導かれ、小当り入賞口5400に到達する。このとき、小当り入賞口5400が開放態様であれば、小当り入賞口5400に遊技球が入賞し、メインCPU101は、払出・発射制御回路300を介して、小当り入賞口5400への遊技球の入賞に基づいて賞球を払い出す。小当り入賞口5400に到達したものの小当り入賞口5400に入賞しなかった遊技球は、さらに下流側に流下し、いずれ、アウト口57から機外に排出される。
また、メインCPU101は、第8実施例のパチンコ遊技機の変形例と同様に、「通常の遊技状態」では、例えば図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して特別図柄の変動時間を決定し、左打ちされた遊技球が入賞可能な第一始動口5442への遊技球の入賞に基づいて第1特別図柄の変動表示を行い、「大当り」である旨の結果が導出されると、条件装置と役物連続作動装置とのうち条件装置のみを作動させる。メインCPU101は、条件装置が作動したことを契機として、例えば図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更する。このように、「通常の遊技状態」において、第一始動口5442への遊技球の入賞に基づいて条件装置が発生した場合でも、条件装置が発生してから役物連続作動装置が作動するまでの間に時間差を生じさせることが可能となる。そして、第一始動口5442への遊技球の入賞に基づいて条件装置が発生してから役物連続作動装置が作動するまでの間、条件装置が作動している状態では第2特別図柄の変動表示が行われたとしても「大当り」である旨の結果が導出されることはなく、メインCPU101は、第二始動口440への遊技球の入賞に基づいて高い頻度で小当り遊技状態に制御することとなり、小当り入賞口5400に遊技球を入賞させることで賞球を獲得し放題となる。このようにして、条件装置が発生してから役物連続作動装置が作動するまでの間、「大当り」である旨の結果が導出されることなく小当り遊技状態による賞球獲得し放題の状態が担保され、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える特定状態とすることができる。
また、メインCPU101は、「通常の遊技状態」では例えば図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して特別図柄の変動時間を決定し、大当り遊技状態が終了したのちに例えば「高確時短遊技状態」に制御されるときに、大当り遊技状態が終了したことを契機として、例えば図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルに変更するようにしてもよい。この場合、メインCPU101は、大当り遊技状態が終了したのちの「高確時短遊技状態」において、右打ちされた遊技球が入賞可能な第一始動口5443への遊技球の入賞に基づいて第1特別図柄の変動表示を行い、「大当り」である旨の結果が導出されると、条件装置と役物連続作動装置とのうち条件装置のみを作動させることで、条件装置が発生してから役物連続作動装置が作動するまでの間に時間差を生じさせることが可能となる。そして、「高確時短遊技状態」において、決定された時短回数の時短遊技が消化されると、メインCPU101は遊技状態を「高確非時短遊技状態」に移行させる制御を行う。この「高確非時短遊技状態」では、第一始動口544への遊技球の入賞が不可能または困難となる非電サポ状態となるため、第一始動口5443に向かう流下経路5450を流下した遊技球は、小当り入賞口5400に到達することとなる。すなわち、「高確時短遊技状態」では、条件装置が発生してから役物連続作動装置が作動するまでの間、条件装置が作動している状態では第2特別図柄の変動表示が行われたとしても「大当り」である旨の結果が導出されることはなく、第二始動口440への遊技球の入賞に基づいて小当り遊技状態に制御されたときに、小当り入賞口5400に遊技球を入賞させることが可能となり、賞球を獲得し放題となる。このようにして、大当り遊技状態が終了したのちに「高確時短遊技状態」に制御された場合にも、条件装置が発生してから役物連続作動装置が作動するまでの間、「高確非時短遊技状態」に移行されたことを条件に、「大当り」である旨の結果が導出されることなく小当り遊技状態による賞球獲得し放題の状態が担保され、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超える特定状態とすることができる。
なお、第8実施例のパチンコ遊技機の変形例及び第8実施例のパチンコ遊技機の変形例の変形例のいずれにおいても、第一始動口5442への遊技球の入賞に基づいて条件装置が作動しうるため、条件装置が作動していることを前提として遊技者が左打ちした場合であっても役物連続作動装置が作動しうるように、液晶表示装置16の左方に、役物連続作動ゲート3560を設けることが好ましい。この場合、メインCPU101は、条件装置が作動していることを前提として遊技球が役物連続作動ゲート3560を通過したことに基づいて、役物連続作動装置を作動させる制御を実行する。このように、役物装置3500とは異なる発射態様で遊技球を発射させたときに遊技球が通過可能な役物連続作動ゲート3560を設けることにより、例えばホールの閉店時間間際に条件装置のみが作動しているときに、遊技球を役物装置3500に進入させずに、あえて役物連続作動ゲート3560を通過させることにより、いち早く大当り遊技状態に移行させることが可能となる。
[4.第4実施形態に係るパチンコ遊技機]
[遊技領域における各種部材の配置等によるゲーム性の拡張例等]
以上、本発明の第1実施形態に係るパチンコ遊技機1及び第3実施形態に係るパチンコ遊技機について説明したが、例えば遊技領域20における各種部材(例えば大入賞口等)の配置等を工夫して、以下のとおりゲーム性の拡張を図るようにしても良い。以下に、第4実施形態に係るパチンコ遊技機について説明する。
なお、第4実施形態に係るパチンコ遊技機は、以下の説明で言及しない構成(例えば、パチンコ遊技機の遊技領域に配置される各種部材(特に左側領域)、メインCPU101による制御及びサブCPU201による制御等の基本構成)は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1(図5参照)と同じである。ただし、第3実施形態に係るパチンコ遊技機(図254参照)と同じ基本構成としてもよい。また、第4実施形態に係るパチンコ遊技機は、第2実施形態に係るパチンコ機と同様に、設定機能を有していてもよい。
また、第4実施形態に係るパチンコ遊技機は、様々なバリエーションの実施形態を採用することができるため、第1実施例〜第4実施例に分けて説明する。
なお、第4実施形態に係るパチンコ遊技機を構成する部材には、第1実施形態〜第3実施形態に係るパチンコ機にも備えられているものがあるが(例えば大入賞口等)、第4実施形態に係るパチンコ機では、便宜上、同じ符号を付しているものもあれば、異なる符号を付しているものもある。
なお、この明細書において、第4実施形態に係るパチンコ遊技機の第1実施例を、第4実施形態の第1実施例のパチンコ遊技機と称する(第2実施例〜第4実施例についても同様とする)。これに対し、第3実施形態に係るパチンコ遊技機の第1実施例については、単に、第1実施例のパチンコ遊技機と称する(第2実施例〜第7実施例についても同様)。すなわち、実施例の前に「第4実施形態の」が記載されている実施例は第4実施形態に係るパチンコ遊技機の実施例を意味し、実施例の前に「第4実施形態の」が記載されていない実施例は第3実施形態に係るパチンコ遊技機の実施例を意味する。
[第4実施形態の第1実施例のパチンコ遊技機]
図283は、第4実施形態の第1実施例のパチンコ遊技機において、遊技盤ユニットの外観を示す正面図の一例である。図283に示されるように、第4実施形態の第1実施例に係るパチンコ遊技機は、液晶表示装置16の右下方に特殊遊技部材4000が配置されている。この特殊遊技部材4000は、大入賞口5401、特別電動役物6010、一般入賞口560、及び、右打ちされた遊技球の流下経路を形成する流下経路形成部材590等で構成されている。図283に示される特殊遊技部材4000は、この特殊遊技部材4000を構成する各種部材がユニット化されていないが、ユニット化されていてもよい。
特別電動役物6010は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1や第3実施形態に係るパチンコ遊技機と同様に、大入賞口ソレノイド(図示せず)によりシャッタ6020が駆動されることによって、大入賞口5401への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放態様と、大入賞口5401への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖態様と、に移行(駆動)可能に構成される。
なお、シャッタ6020の右上方には、右打ちされた遊技球を一旦受け止める受止部材3001が形成されている。この受止部材3001は、流下してくる遊技球の勢いを止めるか又は弱めた上で、当該遊技球をシャッタ6020の上流側(右側)に落下させる機能を有する。
上記のシャッタ6020は、遊技球が上面を左右方向に転動可能な板状部材であり、透明パネル172に対して前後方向に進退可能に構成されている。透明パネル172に対してシャッタ6020が前方向に進出しているときに大入賞口5401が開放態様となり、透明パネル172に対してシャッタ6020が後方向に退避しているときに大入賞口5401が閉鎖態様となる。大入賞口5401に遊技球が入賞すると、メインCPU101は、払出・発射制御回路300を介して、例えば15球の賞球を払い出す。
シャッタ6020は、透明パネル172に対して前方向に進出しているとき、右打ちされて受止部材3000から落下した遊技球を上流側(右側)で受けることが可能となっており、この上流側で受けた遊技球は可動シャッタ6020の上面を下流側(左側)に向けて転動するように構成されている。
大入賞口5401は、シャッタ6020の最下流側に配置されており、このシャッタ6020の上面を上流側から下流側に向けて転動する遊技球の受け入れができるように開口されている。ただし、シャッタ6020の上面を転動しているものの未だ大入賞口5401まで到達していない遊技球が存在する状態でシャッタ6020が後方向に退避すると、当該シャッタ6020の上面を転動していた遊技球は大入賞口5401に入賞せずに落下する。
特別電動役物6010の下方、より詳しくはシャッタ6020の下方には、大入賞口5401に入賞しなかった遊技球の流下経路を形成する流下経路形成部材590が配置されている。この流下経路形成部材590は、シャッタ6020が後方向に退避しているときに受止部材3001から落下した遊技球が流下する第1流下経路5901と、シャッタ6020が後方向に退避したときにシャッタ6020の上面を転動していた遊技球が流下する第2流下経路5902とを形成するように構成されている。
なお、流下経路形成部材590は、シャッタ6020が後方向に退避したときに当該シャッタ6020の上面を転動していた遊技球が第2流下経路5902を流下するように構成されていればよく、必ずしも、シャッタ6020が後方向に退避したときに当該シャッタ6020の上面を転動していた全ての遊技球が第2流下経路5902を流下するように構成される必要はない。したがって、シャッタ6020の上面を転動していた遊技球のうち、上流側の一部の遊技球(例えば受止部材3001から落下してまもない遊技球)については、第1流下経路5901を流下するように構成されていてもよい。
第1流下経路5901を流下した遊技球は、いずれの入賞口にも入賞することなく、アウト口57から機外に排出される。
第2流下経路5902の下流側には一般入賞口560が配置されており、第2流下経路5902を流下した遊技球は、全部又は殆どが一般入賞口560に入賞するように構成されている。一般入賞口560に遊技球が入賞すると、メインCPU101は、払出・発射制御回路300を介して、例えば4球の賞球を払い出す。
また、第4実施形態の第1実施例のパチンコ遊技機は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1や第3実施形態に係るパチンコ遊技機と同様に、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が行われて「大当り」が導出されると、メインCPU101は、遊技者に有利な大当り遊技状態に制御する。
メインCPU101は、大当り遊技状態では、大入賞口5401を所定の態様で開放するラウンド遊技を、複数ラウンドにわたって実行する。1ラウンドのラウンド遊技は、大入賞口5401を例えば所定期間(例えば30000msec)開放させたり、大入賞口5401に所定数(例えば9球)の遊技球が入賞するまで開放させたりする遊技である。すなわち、大入賞口5401は、1ラウンド毎に開放と閉鎖とを繰り返す。
したがって、1ラウンドのラウンド遊技が終了してシャッタ6020が後方向に退避する都度、シャッタ6020の上面を転動していた遊技球が、第2流下経路5902を流下し、一般入賞口560に入賞する。例えば、大当り遊技状態において15ラウンドのラウンド遊技が実行される場合であれば、1回の大当り遊技状態において、シャッタ6020が後方向に退避する回数が15回となる。シャッタ6020が後方向に退避する際に、シャッタ6020の上面を転動している遊技球数の平均が例えば3球であれば、1回の大当り遊技状態において約45球の遊技球が一般入賞口560に入賞するチャンスがあることになる。そうすると、一般入賞口560に1球の遊技球が入賞したときの賞球数が4球であるとすると、約180球の賞球が払い出される可能性がある。
このように、遊技領域20に、上述したように特殊遊技部材4000を配置することにより(各種構造部材の配置位置を工夫するだけで)、大当り遊技(大入賞口5401への入賞)によって払い出される賞球数に加えて、一般入賞口560への入賞に基づいて賞球が払い出されるため、遊技興趣を高めることが可能となる。
なお、ラウンド遊技における大入賞口5401の開放態様(すなわちシャッタ6020の作動態様)は、規則性があれば、必ずしも1ラウンドにつき1回の開閉動作を行うものに限られず、1ラウンドにつき複数回の開閉動作を行うものであってもよい。例えば、10000msecの開放を3回繰り返し行う態様を1ラウンドの遊技とする態様が考えられる。このように、1ラウンドのラウンド遊技において、大入賞口5401の開閉動作(シャッタ6020の作動態様)を複数回にわたって実行する態様であれば、さらに多量の遊技球が払い出される可能性が生じ、遊技興趣をさらに高めることが可能となる。
[第4実施形態の第2実施例のパチンコ遊技機]
図284は、第4実施形態の第2実施例のパチンコ遊技機において、遊技盤ユニットの外観を示す正面図の一例である。図284に示されるように、第4実施形態の第2実施例に係るパチンコ遊技機は、液晶表示装置16の右側の領域に、特殊遊技部材4100が配置されている。この特殊遊技部材4100は、大入賞口5401、特別電動役物6010、一般入賞口560、一般入賞口560を開放態様と閉鎖態様とに変化させることが可能な板状の可動部材5602、第二始動口440、通過ゲート49、小当り入賞口5400、小当り用シャッタ6100、及び、小当り用シャッタ6100を駆動する小当り入賞口ソレノイド(図示せず)等で構成されている。図284に示される特殊遊技部材4100は、この特殊遊技部材4100を構成する各種部材がユニット化されていないが、ユニット化されていてもよい。
特別電動役物6010は、液晶表示装置16の右上方に配置されており、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1や第3実施形態に係るパチンコ遊技機と同様に、大入賞口ソレノイド(図示せず)によりシャッタ6020が駆動されることによって、大入賞口5401への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放態様と、大入賞口5401への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖態様と、に移行(駆動)可能に構成される。
右打ちされた遊技球は、緩衝部材950に衝突することによって遊技球の勢いが弱められる。そして、緩衝部材950に衝突して勢いが弱められた遊技球は、シャッタ6020の上流側(右側)に落下する。
上記のシャッタ6020は、遊技球が上面を左右方向に転動可能な板状部材であり、透明パネル172に対して前後方向に進退可能に構成されている。透明パネル172に対してシャッタ6020が前方向に進出しているときに大入賞口5401が開放態様となり、透明パネル172に対してシャッタ6020が後方向に退避しているときに大入賞口5401が閉鎖態様となる。
シャッタ6020は、透明パネル172に対して前方向に進出しているとき、右打ちされて緩衝部材950で勢いが弱められた遊技球を上流側(右側)で受けることが可能となっており、この上流側で受けた遊技球はシャッタ6020の上面を下流側(左側)に向けて転動するように構成されている。
大入賞口5401は、シャッタ6020の最下流側に配置されており、このシャッタ6020の上面を上流側から下流側に向けて転動する遊技球の受け入れができるように開口されている。ただし、シャッタ6020の上面を転動しているものの未だ大入賞口5401まで到達していない遊技球が存在する状態でシャッタ6020が後方向に退避すると、当該シャッタ6020の上面を転動していた遊技球は大入賞口5401に入賞せずに落下する。
特別電動役物6010の下方、より詳しくはシャッタ6020の下方には、大入賞口5401に入賞しなかった遊技球の流下経路を形成する流下経路形成部材591が配置されている。この流下経路形成部材591は、シャッタ6020が後方向に退避しているときに右打ちされた遊技球が流下する第1流下経路5903と、シャッタ6020が後方向に退避したときにシャッタ6020の上面を転動していた遊技球が流下する第2流下経路5904とを形成するように構成されている。第1流下経路5903と第2流下経路5904とは、遊技球が互いに行き来できないよう区画壁594によって区画されている。
なお、流下経路形成部材591は、シャッタ6020が後方向に退避したときに当該シャッタ6020の上面を転動していた遊技球が第2流下経路5904を流下するように構成されていればよく、必ずしも、シャッタ6020が後方向に退避したときに当該シャッタ6020の上面を転動していた全ての遊技球が第2流下経路5904を流下するように構成される必要はない。したがって、シャッタ6020の上面を転動していた遊技球のうち、上流側の一部の遊技球については、第1流下経路5903を流下するように構成されていてもよい。
第1流下経路5903には、上流側から下流側に向けて、一般入賞口560、第二始動口440及び小当り入賞口5400がこの順で配置されている。なお、小当り入賞口5400は、第4実施形態の第1実施例のパチンコ遊技機において必須の構成ではない。
一般入賞口560は、可動部材5602によって閉鎖されて遊技球の入賞が不可能な閉鎖態様と、可動部材5602が作動することによって遊技球の入賞が可能となる開放態様とに変位可能となっている。一般入賞口560が開放態様であるときは、一般入賞口560に入賞せずに第1流下経路5903を流下した遊技球の全部又は殆どが入賞可能となるように構成されている。
第二始動口440の上方には、右打ちされた遊技球のうち大入賞口540に入賞せずに第1流下経路5903を流下し、さらに一般入賞口560にも入賞しなかった遊技球を一旦受け止める受止部材3002が形成されている。この受止部材3002は、流下してくる遊技球の勢いを止めるか又は弱めた上で、当該遊技球を第二始動口440の上方に落下させる機能を有する。
第二始動口440の上方には、第二始動口440に遊技球を導く誘導釘が植設されており、受止部材3002から第二始動口440の上方に落下した遊技球は、この誘導釘に導かれて、概ね4分の3くらいの確率で第二始動口440に入賞するように構成されている。なお、第二始動口440への遊技球入賞時の賞球を1個とすることで通常の遊技状態において右打ちを行ったとしても期待度は1未満となる。
小当り入賞口5400は、透明パネル172に対して前後方向に進退可能な小当り用シャッタ6100によって閉鎖態様と開放態様とに変位可能に構成されている。すなわち、透明パネル172に対して前方向に小当り用シャッタ6100が進出すると小当り入賞口5400が閉鎖態様となり、透明パネル172に対して後方向に小当り用シャッタ6100が退避すると小当り入賞口5400が開放態様となる。なお、受止部材3002から第二始動口440の上方に落下したものの第二始動口440に入賞しなかった遊技球は、小当り用シャッタ6100の上流側(右側)に流下する。
右打ちされた遊技球が大入賞口5401に入賞せずに第1流下経路5903を流下したものの、一般入賞口560、第二始動口440及び小当り入賞口5400のいずれにも入賞しなかった遊技球は、アウト口57から機外に排出される。
第2流下経路5904には、普通図柄判定の契機となる通過ゲート49が配置されており、この通過ゲート49を遊技球が通過すると、メインCPU101は、普通図柄判定を行う。この普通図柄判定では、100%又は極めて100%に近い確率で当りと判定される。普通図柄判定の結果が当りであると、メインCPU101は、可動部材5602を、例えば約5900msec開放態様とし、その後閉鎖態様とする。可動部材5602が開放態様の間、一般入賞口560への遊技球の入賞が容易化される。一般入賞口560に遊技球が入賞すると、メインCPU101は、払出・発射制御回路300を介して、例えば15球の賞球を払い出す。ない、一般入賞口560は、遊技球が入賞しても賞球払い出しの契機となるだけであり、例えば特別図柄の変動表示を開始させる契機(特別抽選の実行契機)となるものではない。
また、第4実施形態の第2実施例のパチンコ遊技機は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1、第3実施形態に係るパチンコ遊技機、第4実施形態の第1実施例のパチンコ遊技機と同様に、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が行われて「大当り」が導出されると、メインCPU101は、遊技者に有利な大当り遊技状態に制御する。
メインCPU101は、大当り遊技状態では、大入賞口5401を所定の態様で開放するラウンド遊技を、複数ラウンドにわたって実行する。1ラウンドのラウンド遊技は、大入賞口5401を例えば所定期間(例えば30000msec)開放させたり、大入賞口5401に所定数(例えば9球)の遊技球が入賞するまで開放させたりする遊技である。すなわち、大入賞口5401は、1ラウンド毎に開放と閉鎖とを繰り返す。
なお、複数ラウンドにわたってラウンド遊技が実行される大当り遊技状態では、ラウンド遊技とラウンド遊技との間にインターバル期間が設けられており、このインターバル期間中は、透明パネル172に対してシャッタ6020が後方向に退避し、大入賞口5401が閉鎖態様となる。
1ラウンドのラウンド遊技が終了してシャッタ6020が後方向に退避すると、シャッタ6020の上面を転動していた遊技球が、第2流下経路5904を流下する。この第2流下経路5904を流下した遊技球は、通過ゲート49を通過し、メインCPU101は、ごく短時間の普通図柄の変動表示を行い、普通図柄判定の結果として、上述したとおり100%又は100%に近く確率で当りを導出する。普通図柄判定の結果として当りが導出されると、メインCPU101は、一般入賞口560への遊技球の入賞が可能となるように可動部材5602を約5900msecにわたって開放態様とし、約5900msecの時間が経過すると閉鎖態様とする。
この第4実施形態の第2実施例のパチンコ遊技機において、メインCPU101は、ラウンド遊技とラウンド遊技との間のインターバル期間中に、一般入賞口560が開放態様となるように、可動部材5602を作動させる。すなわち、少なくとも可動部材5602の作動により一般入賞口560が開放態様となっている間(約5900msec)は、大入賞口5401が閉鎖態様となるため、右打ちされた遊技球が第1流下経路5903を流下し、その全部または殆どが一般入賞口560に入賞し、大当り遊技(大入賞口5401への入賞)によって払い出される賞球数に加えて、一般入賞口560への入賞に基づいて賞球が払い出されるため、遊技興趣を高めることが可能となる。なお、可動部材5602の開放終了条件として5900msとしているがその条件の他に1回の開放において一般入賞校560へ所定数(例えば10球)の入賞が行われたときには直ちに閉鎖するようにしてもよい。その場合、発射を継続していれば5900ms経過前に所定数入賞することの可能性の方が高いため、インターバル期間を5900msよりも短く設定してもよい。または、普通図柄を4つまで保留可能とし、インターバル期間を5900msと設定し、所定数入賞後再度普通図柄の当選により可動部材5602を開放させ、さらに入賞させることが可能となる。
このように、遊技領域20に配置される各種構造部材の配置位置を工夫するだけで、大当り遊技(大入賞口5401への入賞)によって払い出される賞球数に加えて、一般入賞口560への入賞に基づいて賞球が払い出されるようにすることが可能となる。
例えば、1回のインターバル期間において平均約7球の遊技球が一般入賞口560に入賞するとし、一般入賞口560に1球の遊技球が入賞したときの賞球数が上述したとおり15球であるとすると、1回のインターバル期間において、約105球の賞球が払い出される可能性がある。大当り遊技状態に実行されるラウンド遊技のラウンド数が例えば15ラウンドであるとすると、大当り遊技(大入賞口5401への入賞)によって払い出される賞球数とは別に、約1575球の賞球が払い出されることとなる。
なお、メインCPU101は、通過ゲート49を遊技球が通過したことに基づいて普通図柄の始動記憶を保留しないようにすることが好ましいが、普通図柄の始動記憶を保留したとしても差し支えない。
[第4実施形態の第3実施例のパチンコ遊技機]
図285は、第4実施形態の第3実施例のパチンコ遊技機において、遊技盤ユニットの外観を示す正面図の一例である。この第4実施形態の第3実施例のパチンコ遊技機は、所謂1種2種複合機と呼ばれるものであり、特別図柄の変動表示が行われて「大当り」が導出されたときだけでなく、所定条件が成立したことによって開放された特定領域に遊技球が進入し、この遊技球がVアタッカーと呼ばれる特定口に遊技球が受け入れられたときにも、メインCPU101は、大当り遊技状態に制御する。
図285に示されるように、第4実施形態の第3実施例に係るパチンコ遊技機は、液晶表示装置16の右側の領域に、特殊遊技部材4200が配置されている。この特殊遊技部材4200は、通過ゲート49、大入賞口5402、特別電動役物6015、特定口777、非特定口778、一般入賞口560、一般入賞口560を開放態様と閉鎖態様とに変化させることが可能な板状の可動部材5602、第二始動口440等で構成されている。図285に示される特殊遊技部材4200は、この特殊遊技部材4200を構成する各種部材がユニット化されていないが、ユニット化されていてもよい。
液晶表示装置16の右上方には、普通図柄判定の契機となる通過ゲート49が配置されており、この通過ゲート49を遊技球が通過すると、メインCPU101は、普通図柄乱数を抽出し、普通図柄判定を行う。この普通図柄判定では、100%又は極めて100%に近い確率で当りと判定される。また、メインCPU101は、抽出した普通図柄乱数に基づいて、普通図柄の変動パターンを決定する。そして、決定された変動パターンで普通図柄の変動表示を行い、普通図柄判定の結果を導出する。
通過ゲート49の下流側には、大入賞口5402及び特別電動役物6015が配置されている。特別電動役物6015は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1、第3実施形態に係るパチンコ遊技機、第4実施形態の第1実施例・第2実施例のパチンコ遊技機と同様に、大入賞口ソレノイド(図示せず)によりシャッタ6030が駆動されることによって、大入賞口5402への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放態様と、大入賞口5402への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖態様と、に移行(駆動)可能に構成される。
大入賞口5402の下流側より詳しくはシャッタ6030の下流側には、特定口777及び非特定口778が配置されている。メインCPU101は、特別図柄の変動表示が行われて「小当り」が導出されると(特別抽選の結果が「小当り」であると)、開閉部材5603を作動させて、特定口777又は非特定口778への遊技球の進入を可能とする。
ただし、特定口777又は非特定口778への遊技球の受け入れが可能となるように開閉部材5603が作動したとき、非特定口778に遊技球が受け入れられることは殆どなく、100%又は極めて100%に近い確率で特定口777に遊技球が進入する。特定口777は、遊技球が進入すると大当り遊技状態の発生契機となる口であり、非特定口778は、遊技球が進入したとしても大当り遊技状態の発生契機とはならない口である。また、特定口777及び非特定口778は、遊技球を受け入れ可能な口に限られず、遊技球が通過可能な領域であってもよい。
特定口777に遊技球が進入すると、メインCPU101は、大当り遊技状態に制御する。一方、非特定口778に遊技球が受け入れられたとしても、大当り遊技状態に制御されるための契機とはならない。
特定口777、非特定口778及び開閉部材5603の下流側には、一般入賞口560が配置されている。この一般入賞口560は、可動部材5602によって閉鎖態様とされている。そして、普通図柄判定の結果が当りであると、メインCPU101は、可動部材5602を開放態様とし、一般入賞口560への遊技球の入賞が容易化される。メインCPU101は、一定時間が経過したら、可動部材5602を閉鎖態様とする。一般入賞口560に遊技球が入賞すると、メインCPU101は、払出・発射制御回路300を介して、例えば1球の賞球を払い出す。この一般入賞口560は、遊技球が入賞しても賞球を1球だけ払い出す契機となるだけであり、例えば特別図柄の変動表示を開始させる契機(特別抽選の実行契機)となるものではない。
一般入賞口560の下流側には、第二始動口440が配置されている。しかし、可動部材5602が開放態様であるときは、右打ちされて可動部材5602にまで到達した遊技球の全部又は殆どが一般入賞口560に入賞するため、第二始動口440への遊技球の入賞は困難となっている。一方、可動部材5602が閉鎖態様であるときは、右打ちされて可動部材5602まで到達した遊技球は、一般入賞口560に入賞せずに、第二始動口440の上方まで導かれる。ただし、右打ちされた遊技球が可動部材5602付近まで到達したとしても、可動部材5602に到達した遊技球の全部が可動部材5602上に落下するわけではなく、可動部材5602の右側から抜けて、いずれの入賞口にも入賞せずにアウト口57から機外に排出される遊技球も存在する。
なお、第4実施形態の第3実施例のパチンコ遊技機において、メインCPU101は、普通図柄判定を100%又は極めて100%に近い確率で当りと判定するように行い、しかも普通図柄の変動表示時間が短いため、可動部材5602はほぼフルオープンに近い状態となる。したがって、右打ちされて可動部材5602まで到達した遊技球の全部又は殆どが一般入賞口560に入賞し、第二始動口440まで到達することは殆どない。
(遊技の流れ)
次に、遊技の流れについて説明する。大当り遊技状態に制御されていないとき、遊技者が右打ちを行うと、遊技球が先ずは通過ゲート49を通過する。メインCPU101は、遊技球が通過ゲート49を通過したことに基づいて普通図柄の変動表示を行い、普通図柄判定の結果を導出する。
普通図柄判定の結果が導出されると、100%又は極めて100%に近い確率で普通当たりとなって可動部材5602が開放態様となる。通常は、可動部材5602の上流側に遊技球が落下した時点では可動部材5602が閉鎖態様であったとしても、普通図柄の変動表示時間が短いために、当該遊技球が可動部材5602を通過するまでの間(可動部材5602の上流側に落下した遊技球が下流側に向けて転動して可動部材5602を通過するまでの間)に可動部材5602が開放態様となって第二始動口440への遊技球の入賞が阻害されるため、第二始動口440に遊技球が入賞する可能性が極めて低い。すなわち、可動部材5602はほぼフルオープンに近い状態であるといえる。
ところで、通過ゲート49を遊技球が通過すると、これに基づいてメインCPU101は普通図柄の変動表示を行うが、普通図柄の変動表示は、オープニングインターバル時間と、普通図柄が可変表示される時間と、エンディングインターバル時間とで構成されている。メインCPU101は、普通図柄の変動表示が行われて当りが導出されたこと(エンディングインターバル時間も経過して普通図柄の変動表示が終了したこと)に基づいて可動部材5602を作動させて開放態様とし、所定時間が経過すると閉鎖態様にする。そのため、例えばオープニングインターバル時間やエンディングインターバル時間を長めに設定して、普通図柄の変動表示時間を、遊技球が開閉部材5602を通過するために必要な時間(可動部材5602の上流側に落下した遊技球が下流側に向けて転動して可動部材5602を通過するまでの時間)よりも長くなるようにすると、当該可動部材5602を通過した遊技球が第二始動口440に入賞する可能性が生じる。
第二始動口440に遊技球が入賞すると、メインCPU101は、第2特別抽選を行い、この第2特別抽選の結果を、第2特別図柄の変動表示を行ったのちに導出する。第4実施形態の第3実施例のパチンコ遊技機において、第2特別図柄の変動表示が行われて「大当り」が導出される確率は例えば319分の1であり、「小当り」が導出される確率は例えば319分の318であり、「ハズレ」はない。ただし、極めて低い確率(例えば319分の1)で「ハズレ」となるようにしてもよい。
第2特別図柄の変動表示が行われて「小当り」が導出されると、メインCPU101は、可動部材5602を作動させる。可動部材5602が開放態様になると、上述したとおり、100%又は極めて100%に近い確率で特定口777に遊技球が進入し、非特定口778に遊技球が進入することは殆どない。
特定口777に遊技球が進入すると、メインCPU101は、大当り遊技状態に制御し、複数ラウンドにわたってラウンド遊技を実行する。
なお、上述したとおり、右打ちされて可動部材5602付近まで到達した遊技球の全部が可動部材5602に向かうわけではなく、アウト口57に向かう遊技球も存在する。また、可動部材5602はほぼフルオープン状態であるため、遊技球は第二始動口440にはほとんど入賞せずに一般入賞口560に入賞する。しかし、一般入賞口560に遊技球が入賞したとしても賞球数は1球である。そのため、常時右打ちしたとしても、大当り遊技状態でない通常時は、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えることがない。
ところで、上述したように、例えばオープニングインターバル時間やエンディングインターバル時間の設定により普通図柄の変動時間を長めに設定すると、可動部材5602を通過した遊技球が第二始動口440に入賞する可能性が生じる。
そこで、第4実施形態の第3実施例のパチンコ遊技機では、普通図柄の変動パターンとして、普通図柄の変動時間が相対的に短い第1パターンと、普通図柄の変動時間が相対的に長い第2パターンとを用意している。なお、普通図柄の変動パターンは例えばメインROM102(図9参照)に記憶されている。上記の第1パターンは、遊技球が開閉部材5602を通過するために必要な時間よりも短い時間であり、上記の第2パターンは、遊技球が開閉部材5602を通過するために必要な時間よりも長い時間である。そして、メインCPU101は、例えば通過ゲート49を通過したことに基づいて普通図柄乱数を抽出し、この抽出された普通図柄乱数を用いて、普通図柄の変動パターンを決定し、決定された普通図柄の変動パターンで普通図柄の変動表示を行う。したがって、決定された普通図柄の変動パターンが第1パターンであれば、遊技球が第二始動口440に入賞する可能はほとんどなく、決定された普通図柄の変動パターンが第2パターンであれば、遊技球が第二始動口440に入賞する可能性が生じる。
メインCPU101は、普通図柄の変動パターンを、例えば、300分の299の確率で第1パターンに決定し、300分の1の確率で第2パターンに決定する。普通図柄の変動パターンが第2パターンに決定されて第二始動口440に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が行われ、上述したとおり、319分の1の確率で「大当り」が導出され、「大当り」が導出されなかったとしても319分の318の確率で「小当り」が導出される。「小当り」が導出されると、メインCPU101は、特定口777又は非特定口778への遊技球の進入が可能となるように開閉部材5603を作動させる制御を実行する。開閉部材5603が作動すると、100%又は極めて100%に近い確率で特定口777に遊技球が進入するため、メインCPU101は、大当り遊技状態に制御することとなる。
このように、第4実施形態の第3実施例のパチンコ遊技機によれば、これまでにない新規な遊技性を備えた遊技機を提供することが可能となる。
なお、普通図柄の変動パターンは、多数の変動パターンが用意されていてもよい。ただし、その殆どの変動パターンは、遊技球が開閉部材5602を通過するために必要な時間よりも短い時間であることが好ましい。遊技球が開閉部材5602を通過するために必要な時間よりも長い時間の変動パターンを多数用意すると、第二始動口440への遊技球の入賞頻度が高くなってしまい、大当り遊技状態が高い頻度で実行されてしまうことになりかねないからである。
また、普通図柄の変動パターンが第2パターンに決定される確率があまりにも低いと、開閉部材5603を通過する遊技球が皆無に近いため、興趣が低下するおそれがある。そこで、開閉部材5602を通過した遊技球の第二始動口440への入賞率、第二始動口440に遊技球が入賞したことに基づいて行われる第2特別図柄の変動表示において「小当り」が導出される確率、及び、第2特別図柄の変動表示において「小当り」が導出されたことに基づいて開閉部材5603が作動したときに遊技球が特定口777に進入する確率のうち少なくとも一つ以上を適宜変更することで、第2パターンに決定される確率を高めることが可能となる。そうすると、遊技球がただ単に開閉部材5603を通過するかどうかといった楽しみだけでなく、開閉部材5603を通過した遊技球が第二始動口440に入賞するかどうか、第二始動口440に遊技球が入賞したときに「小当り」が導出されるかどうか、「小当り」が導出されたときに特定口777に遊技球が進入するかどうか、といった多段階にわたって遊技者を楽しませることが可能となる。
[第4実施形態の第4実施例のパチンコ遊技機]
図286は、第4実施形態の第4実施例のパチンコ遊技機において、遊技盤ユニットの外観を示す正面図の一例である。
図286に示されるように、第4実施形態の第4実施例に係るパチンコ遊技機は、従来から備える第一始動口5442の他に、液晶表示装置16の右側にも第一始動口を備えている。両者を区別するために、便宜上、液晶表示装置16の右側に配置される第一始動口を、第一始動口5443とするが、第一始動口5442に遊技球が入賞したときと第一始動口5443に遊技球が入賞したときとで、メインCPU101による制御はほぼ同じである。ただし、第1始動口5442に遊技球が入賞したときには賞球数は4球であるのに対し第1始動口5443に遊技球が入賞したときには賞球数は1球である点では異なる。
液晶表示装置16の右側の領域には、特殊遊技部材4300が配置されている。この特殊遊技部材4300は、大入賞口540、特別電動役物600、通過ゲート49、上述した第一始動口5443、第二始動口440、普通電動役物6300等で構成されている。
大入賞口540及び特別電動役物600は、遊技領域20内の液晶表示装置16の右上方に配置されている。
特別電動役物600は、大入賞口ソレノイド(図示せず)によりシャッタ610が駆動されることによって、大入賞口540への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放態様と、大入賞口540への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖態様と、に変位(駆動)可能に構成される。大入賞口540への遊技球の入賞が容易化された開放態様であるとき、右打ちされた遊技球の全部又は殆どが大入賞口540に入賞するように構成されている。なお、この大入賞口540は、内部に確変アタッカー(図示せず)を有しており、例えば大当り遊技状態に制御されているときに確変アタッカーへの遊技球の進入が検出されると、メインCPU101は、当該大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を「高確時短遊技状態」又は「高確非時短遊技状態」に制御し、確変アタッカーへの遊技球の進入が検出されることなく大当り遊技状態が終了したときには、当該大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を「通常の遊技状態」又は「低確時短遊技状態」に制御する。
大入賞口540及び特別電動役物600の下流側には、普通図柄判定の契機となる通過ゲート49が配置されている。この通過ゲート49を遊技球が通過すると、メインCPU101は、普通図柄乱数を抽出し、普通図柄判定を行う。
なお、普通図柄判定では、電サポ状態ではない「通常の遊技状態」または「高確非時短遊技状態」では、左打ちした時よりも右打ちした時の方が有利になることがないように相対的に低い確率でしか当りと判定されないが、電サポ状態である「高確時短遊技状態」または「低確時短遊技状態」では100%又は極めて100%に近い確率で当りと判定される。
通過ゲート49の下流側であって、液晶表示装置16の右下方には、第一始動口5443および普通電動役物6300が配置されている。普通電動役物6300は、板状のシャッタ6310と、ソレノイド(図示せず)及び当該ソレノイドの動力をシャッタ6310に伝達する動力伝達機構(図示せず)とを備える。
第4実施形態の第4実施例のパチンコ遊技機では、第一始動口5443への入賞が容易化される開放態様であるとき、右打ちされた遊技球のうち、大入賞口540に入賞しなった遊技球の全部又は殆どが第一始動口5443に入賞するように構成されている。
なお、普通電動役物6300の右上方には、右打ちされた遊技球のうち大入賞口540に入賞しなかった遊技球を一旦受け止める受止部材3000が形成されている。この受止部材3000は、流下してくる遊技球の勢いを止めるか又は弱めた上で、当該遊技球をシャッタ6310の上流側(右側)に落下させる機能を有する。
上記のシャッタ6310は、遊技球が上面を左右方向に転動可能な板状部材であり、上述したとおり、透明パネル172に対して前後方向に進退可能に構成されている。透明パネル172に対してシャッタ6310が前方向に位置しているときに第一始動口5443が閉鎖態様となり、透明パネル172に対してシャッタ6310が後方向に位置しているときに第一始動口5443が開放態様となる。普通図柄の変動表示が行われて当りが導出されると、メインCPU101は、このシャッタ6310を作動させて、第一始動口5443を閉鎖態様から開放態様とする。
シャッタ6310は、透明パネル172に対して前方向に進出しているとき、受止部材3000から落下した遊技球を上流側(右側)で受けることが可能となっており、この上流側で受けた遊技球はシャッタ6310の上面を下流側(左側)に向けて転動するように構成されている。
第一始動口5443及びシャッタ6310の下流側には、第二始動口440が配置されている。しかし、シャッタ6310により第一始動口5443が開放態様とされているとき、右打ちされてシャッタ6310まで到達した遊技球の全部又は殆どが第一始動口5443に入賞するため、第二始動口440への遊技球の入賞は困難となっている。一方、シャッタ6310により第一始動口5443が閉鎖態様されているときは、右打ちされてシャッタ6310まで到達した遊技球は、第一始動口5443に入賞せずに、第二始動口440の上方まで導かれる。ただし、右打ちされた遊技球がシャッタ6310付近まで到達(受止部材3000から遊技球が落下)したとしても、当該遊技球の全部がシャッタ6310に導かれるわけではなく、シャッタ6310の右側から抜けて、いずれの入賞口にも入賞せずにアウト口57から機外に排出される遊技球も存在する。また、第二始動口440の上方まで導かれても、第二始動口440を含むいずれの入賞口にも入賞せずにアウト口57から機外に排出される遊技球も存在する。
なお、第4実施形態の第4実施例のパチンコ遊技機において、メインCPU101は、電サポ状態である「高確時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」では、普通図柄判定を100%又は極めて100%に近い確率で当りと判定するように行い、しかも普通図柄の変動表示時間が短いため、シャッタ6310はほぼフルオープンに近い状態となる。したがって、「高確時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」では、右打ちされてシャッタ6310まで到達した遊技球の全部又は殆どが第一始動口5443に入賞し、第二始動口440まで到達することは殆どない。なお、第一始動口5443に遊技球が入賞したとき、メインCPU101は、払出・発射制御回路300を介して賞球を払い出すが、このときの賞球数は1球である。また、シャッタ6310の右側から抜けてアウト口57に向かう遊技球も存在するため、「高確時短遊技状態」や「低確時短遊技状態」では、右打ちによって単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えることがない。電サポ状態ではない「通常の遊技状態」または「高確非時短遊技状態」では、左打ちした時よりも右打ちした時の方が有利になることがないように、メインCPU101は、普通図柄判定を相対的に低い確率でしか当りと判定しないように行う。
一方、「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行すると又は「低確時短遊技状態」から「通常の遊技状態」に移行すると電サポ状態ではなくなるため、普通図柄判定では相対的の低い確率でしか当りと判定されなくなり、ほぼフルオープンに近い状態であったシャッタ6310が閉鎖するようになる。そうすると、第一始動口5443への遊技球の入賞が阻害され、第二始動口440への遊技球の入賞が可能となる。
なお、この第4実施形態の第4実施例のパチンコ遊技機において、メインCPU101は、「通常の遊技状態」では、例えば図258に示される低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して、特別図柄の変動時間を決定する。また、メインCPU101は、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」では、例えば図259に示される高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照して、特別図柄の変動時間を決定する。したがって、一般の遊技者は、「通常の遊技状態」では左打ちで遊技を行い、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」及び「低確時短遊技状態」のいずれかの遊技状態では右打ちで遊技を行うこととなる。「通常の遊技状態」では、右打ちしても、シャッタ6310が閉鎖しているため第一始動口5443に遊技球が入賞することはほとんどなく、第二始動口440に遊技球が入賞したとしても第2特別抽選の結果が「大当り」でない限り第2特別図柄の変動表示が概ね10分といった長時間にわたって行われ(長変動A〜C)、遊技者が損するだけだからである。
ところで、第1特別抽選又は第2特別抽選の結果が「大当り」であるとき、メインCPU101は、図287及び図288を参照して決定された大当り種類(当り時選択図柄コマンド)に基づいて、大当り遊技状態において実行するラウンド遊技のラウンド数、大当り遊技が終了したのちの遊技状態等を決定する。
図287は、第4実施形態の第4実施例のパチンコ遊技機において、主制御回路100のメインROM102に記憶されている図柄判定テーブル(第1始動口、第2始動口)の一例である。また、図288は、第4実施形態の第4実施例のパチンコ遊技機において、主制御回路100のメインROM102に記憶されている大当り種類決定テーブルの一例である。この大当り種類決定テーブルは、図13や図257と同様に、メインCPU101が、大当りに係る当り時選択図柄コマンドに応じて、大当り遊技において実行されるラウンド数、大当り遊技が終了し大当り遊技状態から一般遊技状態(大当り遊技状態ではない遊技状態、以下同じ。)に移行したのちの遊技状態において確変フラグをオンするか否か及び時短フラグをオンするか否かといった、大当りの種類を決定するために参照するテーブルである。また、図257と同様に、時短回数についても、24回、30回、36回、42回、48回及び100回のうちいずれかの規定回数に決定するよう構成されている。
図287及び図288が、図12、図13、図256、図257と異なるのは、確変フラグをオンするか否かの決定手法である。すなわち、この第4実施形態の第4実施例のパチンコ遊技機では、特別抽選の結果が「大当り」であったとしても、特別抽選の結果(当り時選択図柄コマンド)に基づいて確変フラグをオンするか否かを決定するのではなく、上述したとおり、大当り遊技状態において確変アタッカーへの遊技球の進入が検出されたか否かで決定される。
図288の大当り種類決定テーブルに示されるように、特別図柄の大当り判定の結果が「大当り」であるとき、当り時選択図柄コマンドに応じて、確変アタッカーへの遊技球の進入のしやすさが異なっている。例えば、当り時選択図柄コマンドが「z3」であれば、メインCPU101は、確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様で大当り遊技状態に制御し、当り時選択図柄コマンドが「z10」であれば、確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様で大当り遊技状態に制御する。
この第4実施形態の第4実施例のパチンコ遊技機において、「確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様」は、大当り遊技状態に制御されている間に確変アタッカーに遊技球が進入する可能性がほぼないに等しい態様である。また、「確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様」は、大当り遊技状態に制御されている間に確変アタッカーに遊技球がほぼ進入する(ほぼ100%に近い確率で高確率遊技状態に制御される)態様である。
確変アタッカーへの遊技球の進入のしやすさは、例えば大入賞口540内に設けられた可動片の動作態様によって変えることができる。すなわち、当り時選択図柄コマンドが例えば「z3」であれば、メインCPU101は、大当り遊技状態において、可動片の動作態様を、確変アタッカーへの遊技球の進入が困難となるように作動させる。一方、当り時選択図柄コマンドが例えば「z10」であれば、メインCPU101は、大当り遊技状態において、可動片の動作態様を、確変アタッカーへの遊技球の進入が容易となるように作動させる。
なお、確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様と容易な態様とを作り出す方法は、これに限られない。例えば、確変アタッカーを内部に備える大入賞口540とは別に、確変アタッカーを備えていない他の大入賞口(図示せず)を設けることが考えられる。そして、確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様(例えば、当り時選択図柄コマンドが例えば「z10」)であるときには大入賞口540を開放する大当り遊技状態に制御し、確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様(例えば、当り時選択図柄コマンドが例えば「z3」)であるときには大入賞口540を開放せずに他の大入賞口を開放する大当り遊技状態に制御することで、確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様と容易な態様とを作り出すことができる。なお、確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様と容易な態様とを作り出すことができれば、上記の態様に限定されない。
また、この第4実施形態の第4実施例のパチンコ遊技機では、図287及び図288を参照すると分かるように、第1特別抽選の結果が「大当り」であるとき、確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様(当り時選択図柄コマンドが「z6」〜「z11」、「z13」)で大当り遊技状態に制御される確率は50%である。一方、第2特別抽選の結果が「大当り」であるとき、確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様(当り時選択図柄コマンドが「z20」〜「z25」、「z27」)で大当り遊技状態に制御される確率は80%である。
したがって、大当り遊技状態が終了して「高確時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」に移行したとき、これらの遊技状態では第二始動口440への遊技球の入賞が困難又は不可能であるから、これらの遊技状態において特別図柄の変動表示が行われて「大当り」が導出されたとき、メインCPU101は、50%の確率で、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を、確変フラグがオンとなる遊技状態(「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」)に制御することとなる。
そして、「高確時短遊技状態」において特別抽選の結果として「大当り」が導出されずに決定された時短回数の時短遊技が消化されると、メインCPU101は、「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行させる制御を実行する。この「高確非時短遊技状態」では、特別図柄の変動表示が行われて「大当り」が導出されたとき、メインCPU101は、80%の確率で、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を、確変フラグがオンとなる遊技状態(「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」)に制御することとなる。
このように、第4実施形態の第4実施例のパチンコ遊技機では、遊技球の発射態様を変えることなく、特別抽選の結果が「大当り」であったときに確変フラグがオンとなる遊技状態(「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」)に制御される確率(以下、「確変確率」と称する)を変えることができるといった、新たなゲーム性を提供することが可能となる。
また、第4実施形態の第4実施例のパチンコ遊技機では、大当り遊技状態から「高確時短遊技状態」に移行したときに、確変確率が変わるタイミング(「高確時短遊技状態」から「高確非時短遊技状態」に移行するまでの時短回数)が都度異なるため、遊技興趣を高めることができる。
また、決定された時短回数を、メインCPU101及びサブCPU201のいずれによっても開示しないようにすることで、遊技者は、確変確率が変わるタイミングを把握することが困難となり、より一層、遊技興趣を高めることができる。
さらに、大当り遊技状態が終了して「高確時短遊技状態」又は「低確時短遊技状態」に移行したときに、「高確時短遊技状態」であるか「低確時短遊技状態」であるかを、メインCPU101及びサブCPU201のいずれによっても開示しないようにすることで、より面白みのあるゲーム性を提供することが可能となる。すなわち、「高確時短遊技状態」であるときには、早い段階で「高確非時短遊技状態」に移行する(確変確率が高められる)方が、遊技者にとってのメリットが大きい。その一方、「低確時短遊技状態」であるときには、極力「低確時短遊技状態」に長く制御される方が、遊技者にとってのメリットが大きい。そのため、現在の遊技状態が「高確時短遊技状態」であるのか「低確時短遊技状態」であるのかによって、時短遊技の終了タイミングが早い方がいいのか遅い方がいいのか異なり、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、この第4実施形態の第4実施例のパチンコ遊技機では、特別抽選の結果が「大当り」であったときに、時短回数が0の場合もある(当り時選択図柄コマンドが「z12」、「z13」、[z26]、「z27」の場合)。この場合、時短回数が同じ0であったとしても、大当り遊技状態が終了したのち、ただちに「高確非時短遊技状態」に制御されるか又は「通常の遊技状態」に制御されるといった刺激的なゲーム性を提供することができる。なお、第4実施形態の第4実施例のパチンコ遊技機では、第1特別抽選及び第2特別抽選のいずれであっても、大当り遊技状態が終了したのち、ただちに「高確非時短遊技状態」に制御される確率(当り時選択図柄コマンドが「z13」又は「z27」に選択される確率)と、ただちに「通常の遊技状態」に制御される確率(当り時選択図柄コマンドが「z12」又は「z26」に選択される確率)とが同じであるが、これに限られず、第1特別抽選と第2特別抽選とで、ただちに「高確非時短遊技状態」に制御される確率を変えるようにしてもよい。
なお、上述した全ての実施形態、実施例及び変形例について共通して言えることであるが、特定の態様(例えば右打ち)で遊技球を発射させたときに遊技球が高い頻度で入賞可能な入賞口(例えば、図284の第二始動口440等)については、電サポが機能する入賞口であるか電サポが機能しない入賞口であるかを問わず、遊技球が入賞したときにメインCPU101(払出・発射制御回路300)によって払い出される賞球数を1とすることが好ましい。これにより、例えば「通常の遊技状態」であるときに遊技者が特定の態様で遊技球を発射させたとしても、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えることがありえないようにすることができる。
[その他の拡張例等]
上述の各実施形態、各実施例及び各変形例は例示であり、各実施形態、各実施例及び各変形例で示した各構成を、他の実施形態、他の実施例及び他の変形例において部分的に置換したり組み合わせたりすることが可能であることは言うまでもない。すなわち、各実施形態、各実施例及び各変形例に記載の各構成要素は、互いに任意に組み合わせることが可能である。
以上説明したように、本実施の形態のパチンコ遊技機によれば、以下のような遊技機を提供することができる。
[付記1]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が受け入れられると図柄の変動ゲームの実行が保留され、保留された図柄の変動ゲームが実行されて大当りを示す図柄組合せが表示されると、大当り遊技が実行される遊技機が知られている。
この種の遊技機では、図柄の変動ゲームが行われているときに、大当りとなる可能性を示唆する大当り予告としての第1ボタン演出と、保留された図柄の変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆する第2ボタン演出とが行われるようにしたものがある(例えば、特開2015−192817号公報の段落0067及び段落0075を参照)。
近年、例えば特開2015−192817号公報に記載された遊技機のように、演出の種類を増加させて演出効果を高めようとする傾向にある。
しかし、演出の種類を増加させると演出効果は高められるものの、遊技の進行上、かかる演出は短時間で処理することが要求される。特に、例えば映像等のデータのようにデータ容量が大きいデータを処理するためには所定以上の時間を要するものの、このような場合であっても、処理が円滑に実行できるようにすることが求められている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制しつつ、円滑に処理を行うことが可能な遊技機を提供することにある。
(1)付記1の遊技機は、定条件が成立したことに基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報(例えば、大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値等)を、始動記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段により記憶される一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われるよう制御する表示制御手段(例えば、ステップS205等)と、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数を決定可能な図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶(リーチや大当り)が含まれているとき、当該特定の始動記憶についての可変表示が行われるまでの始動記憶に対しての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記特定の始動記憶についての可変表示が行われるまでの始動記憶に対して前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、前記始動記憶の単位にかかわらず当該所定の単位に分けられた図柄演出(例えば、仮変動)の実行中に行われる演出態様(例えば、キャラクタの減算演出)を決定する特定演出決定手段(例えば、ステップS372等)を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶が含まれているとき、この特定の始動記憶についての可変表示が行われるまでの始動記憶(すなわち、可変表示が未だ行われていない始動記憶)に対しての演出態様を、可変表示が開始される以前に決定することができるため、データ容量が大きかったとしても、円滑な処理を行うことが可能となる。しかも、保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回または複数回の図柄演出の実行数が決定されるため、一の始動記憶に対する可変表示でありながらも、外観上は、複数の始動記憶に対する可変表示が行われているかのように見え、演出効果を高めることもできる。また、決定された図柄演出の実行数を所定の単位に分けて、この所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定されるので、さらなる演出効果を高めつつも、円滑な処理を行うことが可能となる。
なお、保留手段により記憶される始動記憶のなかに特定の態様(例えば、リーチ変動)で可変表示が行われる特定の始動記憶が含まれている場合、特定の態様で可変表示が行われたにもかかわらず当落判定の結果が外れであったとき、その後に、相対的に高い期待度を有する演出態様が行われる(例えば、キャラクタ減算処理が行われる)ことがあっても、かかる演出態様に対する遊技者の興味が低下してしまう。そこで、上記(1)の遊技機によれば、保留手段により記憶される複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶が複数含まれているときには、当該複数の特定の始動記憶のうち最も先に可変表示される最先の特定の始動記憶までの始動記憶に対しての演出態様を決定し、最先の特定の始動記憶よりも後に可変表示される始動記憶に対しては演出態様を決定しないようにしたため、興趣の低下を抑制することができる。
なお、ここでいう「識別図柄の可変表示」とは、一の始動記憶に対して識別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの一連の表示を意味し、一の始動記憶に対して識別図柄の変動演出と停止演出とが複数回にわたって繰り返し行われたとしても、可変表示の回数は1回である。
また、識別図柄の「停止演出」とは、1回の可変表示の中途で行われる識別図柄の停止演出(例えば、仮停止)及び1回の可変表示が終了したときに行われる識別図柄の停止演出(例えば、本停止)の両方を含む趣旨である。
さらに、「一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる」とは、一の始動記憶について可変表示が行われる時間のみならず、次の始動記憶についての可変表示が行われるまでのインターバルに要する時間の全部または一部も含む趣旨である。したがって、「識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出」とは、可変表示の中途であれば識別図柄の停止演出が行われるまでであり、可変表示の最後であれば上記インターバルも含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が前記表示手段に表示されるよう制御する保留演出制御手段(例えば、ステップS205等)をさらに備え、前記保留演出制御手段は、少なくとも前記特定演出決定手段により決定された演出態様が表示されているときは、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示されないよう制御することを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示手段に表示されないため、始動記憶単位での可変表示を遊技者に意識させないようにすることができる。その結果、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となり、演出効果を高めることができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、前記演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに前記特定の始動記憶が含まれていないとき、前記保留手段により記憶される全部の始動記憶に対して演出態様を決定するとともに、前記保留手段により記憶される始動記憶のうち最後に記憶された始動記憶に対する演出態様を、当該始動記憶が前記特定の始動記憶でないにもかかわらず、特定の態様で前記識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様に決定する示唆演出決定手段(例えば、ステップS358等)を有し、前記示唆演出決定手段は、前記保留手段により始動記憶が記憶されていないときには、前記特定の態様で前記識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様に決定することがないよう構成されることを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶が含まれていないときは、演出態様を決定しなおす必要が生じないため制御上の負担が大きくなる可能性は低いものの、表示演出に対する遊技者の期待感を持続させることが難しいと考えられる。そこで、保留手段により記憶される始動記憶のうち最後に記憶された始動記憶に対する演出態様を、特定の始動記憶でないにもかかわらず、特定の態様で識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様に決定することで、表示演出に対する遊技者の期待感を持続することが可能となる。しかも、保留手段により始動記憶が記憶されていないときには、特定の態様で識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様が決定されないので、制御上の負荷が増大することもない。
付記1の遊技機によれば、興趣の低下を抑制しつつ円滑に処理を行うことが可能となる。
[付記2]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が受け入れられると図柄の変動ゲームの実行が保留され、保留された図柄の変動ゲームが実行されて大当りを示す図柄組合せが表示されると、大当り遊技が実行される遊技機が知られている。
この種の遊技機では、図柄の変動ゲームが行われているときに、大当りとなる可能性を示唆する大当り予告としての第1ボタン演出と、保留された図柄の変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆する第2ボタン演出とが行われるようにしたものがある(例えば、特開2015−192817号公報の段落0067及び段落0075を参照)。
近年、例えば特開2015−192817号公報に記載された遊技機のように、演出の種類を増加させて演出効果を高めようとする傾向にある。
しかし、演出の種類を増加させると演出効果は高められるものの、遊技の進行上、かかる演出は短時間で処理することが要求される。特に、例えば映像等のデータのようにデータ容量が大きいデータを処理するためには所定以上の時間を要するものの、このような場合であっても、処理が円滑に実行できるようにすることが求められている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制しつつ、円滑に処理を行うことが可能な遊技機を提供することにある。
(1)付記2の遊技機は、所定条件が成立したことに基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報(例えば、大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値等)を、始動記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段により記憶される一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われるよう制御する表示制御手段(例えば、サブCPU201)と、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数を決定可能な図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶に対しての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶される始動記憶に対して前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、前記始動記憶の単位にかかわらず当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様(例えば、キャラクタの減算演出)を決定する特定演出決定手段(例えば、ステップS370等)、及び前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに前記特定の始動記憶が含まれていないとき、前記保留手段により記憶される全部の始動記憶に対して演出態様を決定するとともに、前記保留手段により記憶される始動記憶のうち最後に記憶された始動記憶に対する演出態様を、当該始動記憶が前記特定の始動記憶でないにもかかわらず、前記特定の態様で前記識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様様(例えば、ガセのリーチ前兆演出)に決定する示唆演出決定手段(例えば、ステップS358等)を有し、前記示唆演出決定手段は、前記保留手段により始動記憶が記憶されていないときには、前記特定の態様で前記識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様に決定することがないよう構成されることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、保留手段により記憶される一または複数の始動記憶に対しての演出態様を、可変表示が開始される以前に決定することができるため、データ容量が大きかったとしても、円滑な処理を行うことが可能となる。しかも、保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回または複数回の図柄演出の実行数が決定されるため、一の始動記憶に対する可変表示でありながらも、外観上は、複数の始動記憶に対する可変表示が行われているかのように見え、演出効果を高めることもできる。また、決定された図柄演出の実行数を所定の単位に分けて、この所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定されるので、さらなる演出効果を高めつつも、円滑な処理を行うことが可能となる。
また、保留手段により記憶される始動記憶のなかに特定の態様(例えば、リーチ変動)で可変表示が行われる特定の始動記憶が含まれていないとき、表示演出に対する遊技者の期待感を持続させることが難しくなるおそれがある。そこで、この場合には、保留手段により記憶される全部の始動記憶に対して演出態様を決定し、保留手段により記憶される始動記憶のうち最後に記憶された始動記憶に対する演出態様を、当該始動記憶が特定の始動記憶でないにもかかわらず、特定の態様で識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様に決定することで、表示演出に対する遊技者の期待感が持続されるようにしている。
なお、ここでいう「識別図柄の可変表示」とは、一の始動記憶に対して識別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの一連の表示を意味し、一の始動記憶に対して識別図柄の変動演出と停止演出とが複数回にわたって繰り返し行われたとしても、可変表示の回数は1回である。
また、識別図柄の「停止演出」とは、1回の可変表示の中途で行われる識別図柄の停止演出(例えば、仮停止)及び1回の可変表示が終了したときに行われる識別図柄の停止演出(例えば、本停止)の両方を含む趣旨である。
さらに、「一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる」とは、一の始動記憶について可変表示が行われる時間のみならず、次の始動記憶についての可変表示が行われるまでのインターバルに要する時間の全部または一部も含む趣旨である。したがって、「識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出」とは、可変表示の中途であれば識別図柄の停止演出が行われるまでであり、可変表示の最後であれば上記インターバルも含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、遊技球が入賞可能な始動口(例えば、第二始動口440)と、前記始動口への遊技球の入賞に基づいて、前記識別図柄の可変表示が行われるときの変動パターンを決定する変動パターン決定手段(例えば、メインCPU101)と、をさらに備え、前記保留手段(例えば、メインCPU101)は、前記始動口に遊技球が入賞したことに基づいて前記始動記憶を保留可能に構成されており、前記図柄演出実行数決定手段(例えば、サブCPU201)は、前記始動口に遊技球が入賞したときに、前記保留手段に記憶される始動記憶についての前記図柄演出の実行数を、前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンに基づいて決定することを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶に対して決定される図柄演出の実行数は、変動パターンに基づいて決定されるようにしている。より詳しくは、変動時間が相対的に長い変動パターンであれば図柄演出の実行数が多くなり、変動時間が相対的に短い変動パターンであれば図柄演出の実行数が少なくなる。そのため、1回の図柄演出に要する時間のばらつきが小さくなり、一の始動記憶に対して1または複数の図柄演出が実行されている旨を遊技者に把握され難くなる。また、保留手段に記憶される始動記憶に対して決定される図柄演出の実行数は、変動パターンに基づいて決定されるため、御上の負荷を増大させることなく、各始動記憶に対する図柄演出の実行数を容易に決定することができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が前記表示手段に表示されるよう制御する保留演出制御手段(例えば、ステップS205等)をさらに備え、前記保留演出制御手段は、少なくとも前記特定演出決定手段により決定された演出態様が表示されているときは、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示されないよう制御することを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示手段に表示されないため、始動記憶単位での可変表示を遊技者に意識させないようにすることができる。その結果、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となり、演出効果を高めることができる。
付記2の遊技機によれば、興趣の低下を抑制しつつ円滑に処理を行うことが可能となる。
[付記3]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が受け入れられると図柄の変動ゲームの実行が保留され、保留された図柄の変動ゲームが実行されて大当りを示す図柄組合せが表示されると、大当り遊技が実行される遊技機が知られている。
この種の遊技機では、図柄の変動ゲームが行われているときに、大当りとなる可能性を示唆する大当り予告としての第1ボタン演出と、保留された図柄の変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆する第2ボタン演出とが行われるようにしたものがある(例えば、特開2015−192817号公報の段落0067及び段落0075を参照)。
近年、例えば特開2015−192817号公報に記載された遊技機のように、演出の種類を増加させて演出効果を高めようとする傾向にある。
しかし、演出の種類を増加させると演出効果は高められるものの、遊技の進行上、かかる演出は短時間で処理することが要求される。特に、例えば映像等のデータのようにデータ容量が大きいデータを処理するためには所定以上の時間を要するものの、このような場合であっても、処理が円滑に実行できるようにすることが求められている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、演出効果を高めつつ、円滑に処理を行うことが可能な遊技機を提供することにある。
(1)付記3の遊技機は、遊技領域に設けられる始動口(例えば、第二始動口440)と、前記始動口への遊技球の受け入れに基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報(例えば、大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値等)を、始動記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記識別図柄の可変表示が行われるときに、前記保留手段により記憶されている始動記憶を対象として第1演出態様を決定し、当該決定された第1演出態様にかかる演出データをセットする第1演出態様決定手段と、前記始動口に遊技球が受け入れられたときに、前記保留手段により記憶される始動記憶を対象として第2演出態様を決定し、当該決定された第2演出態様にかかる演出データをセットする第2演出態様決定手段と、を備え、前記第2演出態様決定手段は、前記第1演出態様決定手段により決定された前記第1演出態様にかかる演出データを用いて前記第2演出態様を決定することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、始動口に遊技球が受け入れられたときに保留手段により記憶される始動記憶を対象として演出態様が決定される第2演出態様は、保留手段により記憶されたときにただちに表示されるようにするには時間的余裕がないものの、識別図柄の可変表示が行われるときに保留手段により記憶されている始動記憶を対象として決定される第1演出態様にかかる演出データを用いて決定されるため、データ容量が大きかったとしても、円滑な処理を行うことが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数を決定可能な図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)をさらに備え、前記第1演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、前記始動記憶の単位にかかわらず当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定するものであることを特徴とするものである。
上記(2)の遊技機によれば、保留手段により記憶された始動記憶に対して1回または複数回の図柄演出の実行数が決定されるため、一の始動記憶に対する可変表示でありながらも、外観上は、複数の始動記憶に対する可変表示が行われているかのように見え、演出効果を高めることもできる。また、決定された図柄演出の実行数を所定の単位に分けて、この所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定されるので、さらなる演出効果を高めることが可能となる。
付記3の遊技機によれば、演出効果を高めつつ円滑に処理を行うことが可能となる。
[付記4]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が受け入れられると図柄の変動ゲームの実行が保留され、保留された図柄の変動ゲームが実行されて大当りを示す図柄組合せが表示されると、大当り遊技が実行される遊技機が知られている。
この種の遊技機では、図柄の変動ゲームが行われているときに、大当りとなる可能性を示唆する大当り予告としての第1ボタン演出と、保留された図柄の変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆する第2ボタン演出とが行われるようにしたものがある(例えば、特開2015−192817号公報の段落0067及び段落0075を参照)。
近年、例えば特開2015−192817号公報に記載された遊技機のように、演出の種類を増加させて演出効果を高めようとする傾向にある。
しかし、演出の種類を増加させると演出効果は高められるものの、遊技の進行上、かかる演出は短時間で処理することが要求される。特に、例えば映像等のデータのようにデータ容量が大きいデータを処理するためには所定以上の時間を要するものの、このような場合であっても、処理が円滑に実行できるようにすることが求められている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制しつつ、円滑に処理を行うことが可能な遊技機を提供することにある。
(1)付記4の遊技機は、所定条件の成立に基づいて当落判定(例えば、大当り判定)を行う抽選手段(例えば、ステップS117等)と、前記当落判定の結果に基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報(例えば、大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値等)を、始動記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段により記憶される一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われるよう制御する表示制御手段(例えば、ステップS205等)と、前記当落判定の結果が特定の結果であることに基づいて遊技者に有利な特別遊技(例えば、大当り遊技状態)を実行可能な特別遊技状態実行手段(例えば、ステップS96等)と、前記特別遊技が実行されたのちの遊技状態を、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、時短遊技状態や高確率遊技状態)に、都度異なる期間にわたって制御可能な有利状態制御手段と、前記表示手段に表示される表示演出を制御する演出制御手段(例えば、ステップS205等)と、を備え、前記演出制御手段は、遊技状態について所定の期待度を有する指標演出(キャラクタの減算演出)の実行回数及び当該指標演出を前記有利遊技状態におけるいずれの可変表示において実行するかの実行タイミングを、少なくとも、前記有利遊技状態の遊技状態にかかわる情報(例えば、高確率遊技状態であるか否かの情報)と前記有利遊技状態に制御される期間(例えば、時短回数)とに応じて、当該有利遊技状態に制御される前に決定する演出事前決定手段(例えば、シナリオ事前設定処理(図138))と、前記有利遊技状態において、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶に対しての演出態様を決定する特定演出決定手段(例えば、ステップS370等)と、を有し、前記特定演出決定手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに前記指標演出が実行される指標始動記憶が含まれているとき、前記指標演出を、前記演出事前決定手段により決定された実行タイミングに代えて、前記一または複数の始動記憶のうちいずれかの始動記憶にかかる可変表示において実行する旨を決定する演出再決定手段(例えば、ステップS358等)を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技状態について所定の期待度を有する指標演出は、有利遊技状態における可変表示において実行されるものであるものの、指標演出の実行タイミングは、有利遊技状態に制御される前に決定される。そのため、データ容量が大きかったとしても、指標演出が行われるまでに時間的余裕があるため、円滑な処理を行うことが可能となる。しかし、有利遊技状態に制御される前は、指標演出にかかる始動記憶が未だ保留されていないときであるから、可変表示が行われるときの状況によっては、有利遊技状態に制御される前に決定された実行タイミングにおいて必ずしも指標演出を行うことができるとは限らない。そこで、かかる事態を回避するために、保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに指標始動記憶が含まれているときには、指標演出の実行タイミングを、一または複数の始動記憶のうちいずれかの始動記憶にかかる可変表示において実行するよう再決定するようにしている。これにより、データ容量が大きかったとしても、指標演出を、円滑な処理によって行うことができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記演出事前決定手段により決定された前記指標演出の実行タイミングを、前記特別遊技が実行されたのちの遊技状態においてM番目の前記可変表示が行われるときであるとし、前記保留手段により始動記憶として記憶可能な前記所定数をNとしたとき、前記演出再決定手段は、前記演出事前決定手段により決定された前記指標演出の実行タイミングに代えて、前記特別遊技が実行されたのちの遊技状態において[M−(所定数N−1)]〜[M+(所定数N−1)]の範囲のうちいずれかのタイミングの前記可変表示において前記指標演出を行う旨を決定するものである。
上記(2)の遊技機によれば、演出再決定手段により決定される指標演出の実行タイミングを、有利遊技状態に制御される前に決定される指標演出の実行タイミングと大きくずれることなく決定することができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに、特定の態様で前記可変表示が行われる特定始動記憶が含まれているか否かを判断する特定始動判断手段(例えば、ステップS330等)をさらに備え、前記演出再決定手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに前記特定始動記憶が含まれていると判断されたとき、当該特定始動記憶にかかる可変表示が行われるまでの始動記憶のうちいずれかの可変表示において行う旨を決定することを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段により記憶される始動記憶のなかに特定の態様(例えば、リーチ変動)で可変表示が行われる特定始動記憶が含まれていたとしても、制御上の負担が過度に増大することなく、円滑な処理によって指標演出を行うことができる。すなわち、保留手段により記憶される始動記憶のなかに特定始動記憶が含まれていると、演出態様を決定しなおす必要が生じ、制御上の負担が大きくなってしまうおそれがある。この点、上記(3)の遊技機によれば、保留手段により記憶される始動記憶のなかに特定始動記憶が含まれているときには、当該特定始動記憶についての可変表示が行われるまでの始動記憶に対しての演出態様を決定するようにしたため、制御上の負担を極力軽減することができる。
付記4の遊技機によれば、興趣の低下を抑制しつつ円滑に処理を行うことが可能となる。
[付記5]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が受け入れられると図柄の変動ゲームの実行が保留され、保留された図柄の変動ゲームが実行されて大当りを示す図柄組合せが表示されると、大当り遊技が実行される遊技機が知られている。
この種の遊技機では、図柄の変動ゲームが行われているときに、大当りとなる可能性を示唆する大当り予告としての第1ボタン演出と、保留された図柄の変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆する第2ボタン演出とが行われるようにしたものがある(例えば、特開2015−192817号公報の段落0067及び段落0075を参照)。
近年、例えば特開2015−192817号公報に記載された遊技機のように、演出の種類を増加させて演出効果を高めようとする傾向にある。
しかし、演出の種類を増加させると演出効果は高められるものの、遊技の進行上、かかる演出は短時間で処理することが要求される。特に、例えば映像等のデータのようにデータ容量が大きいデータを処理するためには所定以上の時間を要するものの、このような場合であっても、処理が円滑に実行できるようにすることが求められている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制しつつ。円滑に処理を行うことが可能な遊技機を提供することにある。
(1)付記5の遊技機は、所定条件の成立に基づいて当落判定(例えば、大当り判定)を行う抽選手段(例えば、ステップS117等)と、前記当落判定の結果に基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報(例えば、大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値等)を、始動記憶として所定数まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段により記憶される一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われるよう制御する表示制御手段(例えば、ステップS205等)と、前記当落判定の結果が特定の結果であることに基づいて遊技者に有利な特別遊技(例えば、大当り遊技状態)を実行可能な特別遊技状態実行手段と、前記特別遊技が実行されたのちの遊技状態を、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、時短遊技状態や高確率遊技状態)に、都度異なる期間にわたって制御可能な有利状態制御手段と、遊技状態について所定の期待度を有する指標演出(キャラクタの減算演出)の実行回数及び当該指標演出を前記有利遊技状態におけるいずれの可変表示において実行するかの実行タイミングを、少なくとも、前記有利遊技状態の遊技状態にかかわる情報(例えば、高確率遊技状態であるか否かの情報)と前記有利遊技状態に制御される期間(例えば、時短回数)とに応じて、当該有利遊技状態に制御される前に決定する演出事前決定手段(例えば、シナリオ事前設定処理(図138))と、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数を決定可能な図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記有利遊技状態において、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶に対しての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに、前記指標演出が実行される指標始動記憶が含まれているか否かを判断する指標演出実行判断手段(例えば、ステップS338等)と、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに前記指標始動記憶が含まれている旨が前記指標演出実行判断手段により判断されたとき、前記演出事前決定手段により決定された前記実行タイミングに代えて、前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けるとともに当該所定の単位に分けられたいずれの図柄演出において前記指標演出を実行するかを決定する演出再決定手段(例えば、ステップS358等)と、を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技状態について所定の期待度を有する指標演出は、特別遊技状態が実行されたのちの遊技状態において実行されるものであるものの、指標演出の実行タイミングは、有利遊技状態に制御される前に決定される。そのため、データ容量が大きかったとしても、指標演出が行われるまでに時間的余裕があるため、円滑な処理を行うことが可能となる。しかし、有利遊技状態に制御される前は、指標演出にかかる始動記憶が未だ保留されていないときであるから、可変表示が行われるときの状況によっては、有利遊技状態に制御される前に決定された実行タイミングにおいて必ずしも指標演出を行うことができるとは限らない。そこで、かかる事態を回避するために、保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに指標始動記憶が含まれているときには、指標演出の実行タイミングを、一または複数の始動記憶のうちいずれかの始動記憶にかかる可変表示において実行するよう再決定するようにしている。これにより、データ容量が大きかったとしても、指標演出を、円滑な処理によって行うことができる。
しかも、保留手段により記憶された始動記憶に対して1回または複数回の図柄演出の実行数が決定されるため、一の始動記憶に対する可変表示でありながらも、外観上は、複数の始動記憶に対する可変表示が行われているかのように見え、演出効果を高めることもできる。また、決定された図柄演出の実行数を所定の単位に分けるとともに当該所定の単位に分けられたいずれかの図柄演出において指標演出が実行されるので、さらなる演出効果を高めることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記指標演出実行判断手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに、前記指標演出が実行される指標始動記憶が含まれているか否かについては判断するものの、前記保留手段により記憶される始動記憶が複数であるとき、当該複数の始動記憶のうちいずれの始動記憶で前記指標演出が実行されるかまでは判断しないよう構成されることを特徴とするものである。
上記(2)の遊技機によれば、保留手段により記憶される始動記憶が複数であったとき、指標始動記憶が含まれているか否かについては判断するものの、複数の始動記憶のうちいずれの始動記憶で指標演出が実行されるかまでは判断しないため、制御上の負荷を増大させることがなく、演出効果を高めることができる。複数の始動記憶のうちいずれの始動記憶で指標演出が実行されるかまで判断しないのは、複数の始動記憶のなかに指標始動記憶が含まれていたとしても、演出事前決定手段により決定された実行タイミングが再決定されるからである。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、前記演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに、特定の態様で前記可変表示が行われる特定始動記憶(リーチや大当り)が含まれているとき、当該特定の始動記憶についての可変表示が行われるまでの始動記憶に対しての演出態様を決定するよう構成されることを特徴とするものである。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段により記憶される始動記憶のなかに特定の態様(例えば、リーチ変動)で可変表示が行われる特定の始動記憶が含まれていたとしても、興趣の低下を抑制することができる。すなわち、保留手段により記憶される始動記憶のなかに特定の態様(例えば、リーチ変動)で可変表示が行われる特定の始動記憶が含まれている場合、特定の態様で可変表示が行われたにもかかわらず当落判定の結果が外れであったとき、その後に、相対的に高い期待度を有する演出態様が行われる(例えば、キャラクタ減算処理が行われる)ことがあっても、かかる演出態様に対する遊技者の興味が低下してしまう。この点、上記(3)の遊技機によれば、保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶(リーチや大当り)が含まれているときには、当該特定の始動記憶についての可変表示が行われるまでの始動記憶に対しての演出態様を決定し、特定の始動記憶よりも後に可変表示される始動記憶に対しては演出態様を決定しないようにしたため、興趣の低下を抑制することができる。
付記5の遊技機によれば、興趣の低下を抑制しつつ円滑に処理を行うことが可能となる。
[付記6]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が受け入れられると図柄の変動ゲームの実行が保留され、保留された図柄の変動ゲームが実行されて大当りを示す図柄組合せが表示されると、大当り遊技が実行される遊技機が知られている。
この種の遊技機では、図柄の変動ゲームが行われているときに、大当りとなる可能性を示唆する大当り予告としての第1ボタン演出と、保留された図柄の変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆する第2ボタン演出とが行われるようにしたものがある(例えば、特開2015−192817号公報の段落0067及び段落0075を参照)。
近年、例えば特開2015−192817号公報に記載された遊技機のように、演出の種類を増加させて演出効果を高めようとする傾向にある。
しかし、演出の種類を増加させると演出効果は高められるものの、遊技の進行上、かかる演出は短時間で処理することが要求される。特に、例えば映像等のデータのようにデータ容量が大きいデータを処理するためには所定以上の時間を要するものの、このような場合であっても、処理が円滑に実行できるようにすることが求められている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制しつつ、円滑に処理を行うことが可能な遊技機を提供することにある。
(1)付記6の遊技機は、所定条件の成立に基づいて当落判定(例えば、大当り判定)を行う抽選手段(例えば、ステップS117等)と、前記当落判定の結果に基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報(例えば、大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値等)を、始動記憶として所定数まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段により記憶される一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われるよう制御する表示制御手段(例えば、ステップS205等)と、前記当落判定の結果が特定の結果であることに基づいて遊技者に有利な特別遊技(例えば、大当り遊技状態)を実行可能な特別遊技状態実行手段(例えば、ステップS96等)と、前記特別遊技が実行されたのちの遊技状態を、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、時短遊技状態や高確率遊技状態)に、都度異なる期間にわたって制御可能な有利状態制御手段と、遊技状態について所定の期待度を有する指標演出(キャラクタの減算演出)の実行回数および当該指標演出を前記有利遊技状態におけるいずれの可変表示において実行するかの実行タイミングを、少なくとも、前記有利遊技状態の遊技状態にかかわる情報(例えば、高確率遊技状態であるか否かの情報)と前記有利遊技状態に制御される期間(例えば、時短回数)とに応じて、当該有利遊技状態に制御される前に決定する演出事前決定手段(例えば、シナリオ事前設定処理(図138))と、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数を決定可能な図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記有利遊技状態において、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶に対しての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記指標演出には、相対的に高い期待度を有する第1指標演出(例えば、敵方キャラクタの減算演出)と、当該第1指標演出よりも相対的に低い期待度を有する第2指標演出(例えば、味方キャラクタの減算演出)とが少なくとも含まれるとともに、前記演出事前決定手段は、前記第1指標演出および前記第2指標演出のそれぞれについての実行タイミングを決定するものであり、前記演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに、前記第1指標演出が実行される第1指標始動記憶または/および前記第2指標演出が実行される第2指標始動記憶が含まれているか否かを判断する指標演出実行判断手段(例えば、ステップS338等)と、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに前記第1指標始動記憶または/および前記第2指標始動記憶が含まれている旨が前記指標演出実行判断手段により判断されたとき、前記演出事前決定手段により決定された前記実行タイミングに代えて、前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けるとともに当該所定の単位に分けられたいずれの図柄演出において前記第1指標演出または/および前記第2指標演出を実行するかを決定する演出再決定手段(例えば、ステップS358等)と、を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技状態について所定の期待度を有する指標演出として、相対的に高い期待度を有する第1指標演出と、当該第1指標演出よりも相対的に低い期待度を有する第2指標演出とが用意されている。そして、第1指標演出および第2指標演出は、いずれも、有利遊技状態における可変表示において実行されるものであるものの、第1指標演出または/および第2指標演出の実行タイミングは、有利遊技状態に制御される前に決定される。そのため、データ容量が大きかったとしても、第1指標演出または/および第2指標演出が行われるまでに時間的余裕があるため、円滑な処理を行うことが可能となる。しかし、有利遊技状態に制御される前は、第1指標演出または/および第2指標演出にかかる始動記憶が未だ保留されていないときであるから、可変表示が行われるときの状況によっては、有利遊技状態に制御される前に決定された実行タイミングにおいて必ずしも第1指標演出または/および第2指標演出を行うことができるとは限らない。そこで、かかる事態を回避するために、保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに指標始動記憶が含まれているときには、第1指標演出または/および第2指標演出の実行タイミングを、一または複数の始動記憶のうちいずれかの始動記憶にかかる可変表示において実行するよう再決定するようにしている。これにより、データ容量が大きかったとしても、指標演出を、円滑な処理によって行うことができる。なお、第1指標演出または/および第2指標演出の実行タイミングの再決定は、演出事前決定手段により決定された第1指標演出または/および第2指標演出の実行順序が維持されることが好ましい。
しかも、保留手段により記憶された始動記憶に対して1回または複数回の図柄演出の実行数が決定されるため、一の始動記憶に対する可変表示でありながらも、外観上は、複数の始動記憶に対する可変表示が行われているかのように見え、演出効果を高めることもできる。また、決定された図柄演出の実行数を所定の単位に分けるとともに当該所定の単位に分けられたいずれかの図柄演出において第1指標演出または/および第2指標演出が実行されるので、さらなる演出効果を高めることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記指標演出実行判断手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに、前記第1指標始動記憶または/および前記第2指標始動記憶が含まれているか否かについては判断するものの、前記保留手段により記憶される始動記憶が複数であるとき、当該複数の始動記憶のうちいずれの始動記憶で前記第1指標演出または/および前記第2指標演出が実行されるかまでは判断しないよう構成されるとともに、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに前記第1指標始動記憶および前記第2指標始動記憶の両方が含まれているとき、前記第1指標演出および前記第2指標演出の実行順序については判断することを特徴とするものである。
上記(2)の遊技機によれば、保留手段により記憶される始動記憶が複数であったとき、第1指標始動記憶または/および第2指標始動記憶が含まれているか否かについては判断するものの、複数の始動記憶のうちいずれの始動記憶で第1指標演出または/および第2指標演出が実行されるかまでは判断しないため、制御上の負荷を増大させることがなく、演出効果を高めることができる。複数の始動記憶のうちいずれの始動記憶で第1指標演出または/および第2指標演出が実行されるかまで判断しないのは、複数の始動記憶のなかに第1指標記憶または/および第2指標記憶が含まれていたとしても、演出事前決定手段により決定された実行タイミングが再決定されるからである。ただし、保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに第1指標始動記憶および第2指標始動記憶の両方が含まれているときは、第1指標演出および第2指標演出の実行順序については判断するようにしている。これは、第1指標演出および第2指標演出の実行タイミングを再決定する際に、演出事前決定手段により決定された第1指標演出および第2指標演出の実行順序を維持するようにしているからである。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、前記演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶(リーチや大当り)が含まれているとき、当該特定の始動記憶についての可変表示が行われるまでの始動記憶に対しての演出態様を決定するよう構成されることを特徴とするものである。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段により記憶される始動記憶のなかに特定の態様(例えば、リーチ変動)で可変表示が行われる特定の始動記憶が含まれていたとしても、興趣の低下を抑制することができる。すなわち、保留手段により記憶される始動記憶のなかに特定の態様(例えば、リーチ変動)で可変表示が行われる特定の始動記憶が含まれている場合、特定の態様で可変表示が行われたにもかかわらず当落判定の結果が外れであったとき、その後に、相対的に高い期待度を有する演出態様が行われる(例えば、キャラクタ減算処理が行われる)ことがあっても、かかる演出態様に対する遊技者の興味が低下してしまう。この点、上記(3)の遊技機によれば、保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶(リーチや大当り)が含まれているときには、当該特定の始動記憶についての可変表示が行われるまでの始動記憶に対しての演出態様を決定し、特定の始動記憶よりも後に可変表示される始動記憶に対しては演出態様を決定しないようにしたため、興趣の低下を抑制することができる。
付記6の遊技機によれば、興趣の低下を抑制しつつ円滑に処理を行うことが可能となる。
[付記7]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が受け入れられると図柄の変動ゲームの実行が保留され、保留された図柄の変動ゲームが実行されて大当りを示す図柄組合せが表示されると、大当り遊技が実行される遊技機が知られている。
この種の遊技機では、図柄の変動ゲームが行われているときに、大当りとなる可能性を示唆する大当り予告としての第1ボタン演出と、保留された図柄の変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆する第2ボタン演出とが行われるようにしたものがある(例えば、特開2015−192817号公報の段落0067及び段落0075を参照)。
近年、例えば特開2015−192817号公報に記載された遊技機のように、演出の種類を増加させて演出効果を高めようとする傾向にある。
しかし、演出の種類を増加させると演出効果は高められるものの、遊技の進行上、かかる演出は短時間で処理することが要求される。特に、例えば映像等のデータのようにデータ容量が大きいデータを処理するためには所定以上の時間を要するものの、このような場合であっても、処理が円滑に実行できるようにすることが求められている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制しつつ、円滑に処理を行うことが可能な遊技機を提供することにある。
(1)付記7の遊技機は、所定条件の成立に基づいて当落判定(例えば、大当り判定)を行う抽選手段(例えば、ステップS117等)と、前記当落判定の結果に基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報(例えば、大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値等)を、始動記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段により記憶される一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われるよう制御する表示制御手段(例えば、ステップS205等)と、前記当落判定の結果が特定の結果であることに基づいて遊技者に有利な特別遊技(例えば、大当り遊技状態)を実行可能な特別遊技状態実行手段(例えば、ステップS96等)と、前記特別遊技が実行されたのちの遊技状態を、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、時短遊技状態や高確率遊技状態)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、ステップS171等)と、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数を決定可能な図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記有利遊技状態において、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶に対しての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、前記始動記憶の単位にかかわらず当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定する特定演出決定手段(例えば、サブCPU201)、遊技状態について所定の期待度を有する指標演出(減算演出)の実行タイミングを決定するタイミング決定手段(例えば、シナリオ事前設定処理(図138)、ステップS370等)、及び前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに特定演出(例えば、リーチ変動)が実行される特定始動記憶が含まれ且つ前記特定演出の実行タイミングと前記指標演出の実行タイミングとが重複していない場合に、前記保留手段により記憶された一または複数の始動記憶のそれぞれに対して決定された前記図柄演出(例えば、仮変動)の実行数の総数のうち前記特定演出が実行されるまでの図柄演出の実行数から前記指標演出が行われる図柄演出の実行数を減算し、前記特定演出に先だって、前記特定演出が行われる旨を示唆する示唆演出(リーチ前兆)を実行可能な図柄演出数を決定する示唆演出実行決定手段(例えば、ステップS358等)を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、保留手段により記憶される一または複数の始動記憶に対しての演出態様を、可変表示が開始される以前に決定することができるため、データ容量が大きかったとしても、円滑な処理を行うことが可能となる。しかも、保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回または複数回の図柄演出の実行数が決定されるため、一の始動記憶に対する可変表示でありながらも、外観上は、複数の始動記憶に対する可変表示が行われているかのように見え、演出効果を高めることもできる。また、決定された図柄演出の実行数を所定の単位に分けて、この所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定されるので、さらなる演出効果を高めつつも、円滑な処理を行うことが可能となる。
また、保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに特定始動記憶が含まれているものの、当該特定始動記憶にかかる特定演出の実行タイミングと指標演出の実行タイミングとが重複していない場合には、特定演出が実行されるまでの図柄演出の実行数の総数から指標演出の実行数を減算し、示唆演出(リーチ前兆)を実行できる図柄演出数が決定される。したがって、特定演出、指標演出および示唆演出のいずれについても、可変表示が開始される前に実行タイミングを決めることができるため、円滑な処理を行うことができる。しかも、好適なタイミングで指標演出及び示唆演出を実行できるので、演出効果を高めることもできる。
なお、ここでいう「識別図柄の可変表示」とは、一の始動記憶に対して識別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの一連の表示を意味し、一の始動記憶に対して識別図柄の変動演出と停止演出とが複数回にわたって繰り返し行われたとしても、可変表示の回数は1回である。
また、識別図柄の「停止演出」とは、1回の可変表示の中途で行われる識別図柄の停止演出(例えば、仮停止)及び1回の可変表示が終了したときに行われる識別図柄の停止演出(例えば、本停止)の両方を含む趣旨である。
さらに、「一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる」とは、一の始動記憶について可変表示が行われる時間のみならず、次の始動記憶についての可変表示が行われるまでのインターバルに要する時間の全部または一部も含む趣旨である。したがって、「識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出」とは、可変表示の中途であれば識別図柄の停止演出が行われるまでであり、可変表示の最後であれば上記インターバルも含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記示唆演出実行決定手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに前記特定始動記憶が含まれ且つ前記特定演出の実行タイミングと前記指標演出の実行タイミングとが重複している場合に、前記保留手段により記憶された一または複数の始動記憶のそれぞれに対して決定された前記図柄演出(例えば、仮変動)の実行数の総数から、前記指標演出が行われる図柄演出の実行数から1を差し引いた数を減算し、前記特定演出に先だって行われる前記示唆演出(リーチ前兆)を実行可能な図柄演出数を決定することを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特定演出の実行タイミングと指標演出の実行タイミングとが重複している場合に、特定演出が実行されているときに指標演出が実行されるので、上記の示唆演出の流れから特定演出と指標演出とが重複して行われるため、演出効果を高めることができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が前記表示手段に表示されるよう制御する保留演出制御手段をさらに備え、前記保留演出制御手段は、少なくとも前記特定演出決定手段により決定された演出態様が表示されているときは、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示されないよう制御することを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示手段に表示されないため、始動記憶単位での可変表示を遊技者に意識させないようにすることができる。その結果、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となり、演出効果を高めることができる。
付記7の遊技機によれば、興趣の低下を抑制しつつ円滑に処理を行うことが可能となる。
[付記8]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が受け入れられると図柄の変動ゲームの実行が保留され、保留された図柄の変動ゲームが実行されて大当りを示す図柄組合せが表示されると、大当り遊技が実行される遊技機が知られている。
この種の遊技機では、図柄の変動ゲームが行われているときに、大当りとなる可能性を示唆する大当り予告としての第1ボタン演出と、保留された図柄の変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆する第2ボタン演出とが行われるようにしたものがある(例えば、特開2015−192817号公報の段落0067及び段落0075を参照)。
近年、例えば特開2015−192817号公報に記載された遊技機のように、演出の種類を増加させて演出効果を高めようとする傾向にある。
しかし、演出の種類を増加させると演出効果は高められるものの、遊技の進行上、かかる演出は短時間で処理することが要求される。特に、例えば映像等のデータのようにデータ容量が大きいデータを処理するためには所定以上の時間を要するものの、このような場合であっても、処理が円滑に実行できるようにすることが求められている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制しつつ、円滑に処理を行うことが可能な遊技機を提供することにある。
(1)付記8の遊技機は、所定条件が成立したことに基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報(例えば、大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値等)を、始動記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記表示手段に特定の結果が表示されると遊技者に有利な特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段(例えば、ステップS96等)と、前記特別遊技が実行されたのちの遊技状態において実行される演出として、相対的に高い期待度を有する第1指標演出(例えば、敵方キャラクタの減算演出)及び当該第1指標演出よりも相対的に低い期待度を有する第2指標演出(例えば、味方キャラクタの減算演出)が少なくとも用意されているとともに、前記第1指標演出及び前記第2指標演出それぞれの実行タイミングを決定する指標演出タイミング決定手段(例えば、シナリオ事前設定処理(図138)、ステップS370等)と、特定の態様で前記可変表示が行われる特定演出(例えば、リーチ演出)と、前記第1指標演出または/および前記第2指標演出とが、同一の可変表示において行われるか否かを判断する重複判断手段(例えば、ステップS346等)と、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶についての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記特定演出と前記第1指標演出とが同一の可変表示において行われる旨が判断されたとき、前記特定演出が行われる可変表示において前記第1指標演出を行う旨を決定する第1演出態様決定手段(例えば、ステップS350等)、及び前記特定演出と前記第2指標演出とが同一の可変表示において行われる旨が判断されたとき、前記特定演出が行われる可変表示において前記第2指標演出を行わない旨を決定する第2演出態様決定手段を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技状態について所定の期待度を有する指標演出として、相対的に高い期待度を有する第1指標演出と、当該第1指標演出よりも相対的に低い期待度を有する第2指標演出とが用意されている。また、第1指標演出または/および前記第2指標演出は、特定演出(例えば、リーチ演出)が行われているときに実行されるか否か判断される。ここで、特定演出が行われているときに実行される指標演出が第1指標演出であるときは、同一の可変表示において特定演出と第1指標演出とが行われる。これに対し、特定演出が行われているときに実行される指標演出が第2指標演出であるときは、同一の可変表示において特定演出と第2指標演出とが行われない。すなわち、特定の態様で行われる可変表示の実行中に第1指標演出が行われると、両演出とも遊技者に相対的に高い期待感を与えうるため、同一の可変表示において特定演出と第1指標演出とが行われるようにしている。一方、特定の態様で行われる可変表示の実行中に第2指標演出が行われたとしても、当該可変表示に遊技者は期待感を持つことが難しい。とくに、当該可変表示がさらに期待度合いの高い可変表示に発展したとしても、それでも遊技者は期待感を持つことが難しい。そのため、同一の可変表示において特定演出と第2指標演出とが行われないようにしている。このようにして、好適に演出効果が高められている。
なお、ここでいう「識別図柄の可変表示」とは、一の始動記憶に対して識別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの一連の表示を意味し、一の始動記憶に対して識別図柄の変動演出と停止演出とが複数回にわたって繰り返し行われたとしても、可変表示の回数は1回である。なお、識別図柄の「停止演出」とは、1回の可変表示の中途で行われる識別図柄の停止演出(例えば、仮停止)及び1回の可変表示が終了したときに行われる識別図柄の停止演出(例えば、本停止)の両方を含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数を決定可能な図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、前記始動記憶の単位にかかわらず当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定する特定演出決定手段(例えば、サブCPU201)と、をさらに備えるとともに、前記演出態様決定手段は、前記特定演出に先だって、前記特定演出が行われる旨を示唆する示唆演出(リーチ前兆)を実行可能な図柄演出数を決定する示唆演出実行決定手段(例えば、ステップS358等)を有することを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特定演出に先だって、特定演出が行われる旨を示唆する示唆演出(リーチ前兆)が実行されるため、さらに演出効果を高めることができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が前記表示手段に表示されるよう制御する保留演出制御手段をさらに備え、前記保留演出制御手段は、少なくとも前記特定演出決定手段により決定された演出態様が表示されているときは、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示されないよう制御することを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示手段に表示されないため、始動記憶単位での可変表示を遊技者に意識させないようにすることができる。その結果、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となり、演出効果を高めることができる。
付記8の遊技機によれば、興趣の低下を抑制しつつ円滑に処理を行うことが可能となる。
[付記9]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が受け入れられると図柄の変動ゲームの実行が保留され、保留された図柄の変動ゲームが実行されて大当りを示す図柄組合せが表示されると、大当り遊技が実行される遊技機が知られている。
この種の遊技機では、図柄の変動ゲームが行われているときに、大当りとなる可能性を示唆する大当り予告としての第1ボタン演出と、保留された図柄の変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆する第2ボタン演出とが行われるようにしたものがある(例えば、特開2015−192817号公報の段落0067及び段落0075を参照)。
近年、例えば特開2015−192817号公報に記載された遊技機のように、演出の種類を増加させて演出効果を高めようとする傾向にある。
しかし、演出の種類を増加させると演出効果は高められるものの、例えば映像等のデータはデータ容量が大きいため、演出を効果的に行わないと興趣が低下するだけでなく、制御負荷が増大し、好ましくない。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、演出を効果的に行うことが可能な遊技機を提供することにある。
(1)付記9の遊技機は、所定条件が成立したことに基づいて当落判定(例えば、大当り判定)を行う抽選手段(例えば、ステップS117等)と、前記当落判定の結果に基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報(例えば、大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値等)を、始動記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、特定の始動記憶よりも先に前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記特定の始動記憶についての当落判定の結果に対して所定の期待度を有する第1演出(例えば、墨演出)を実行するか否かを決定するとともに、当該特定の始動記憶に対しても前記第1演出を実行するか否かを決定する第1演出実行決定手段(例えば、ステップS205等)と、前記第1演出とは別の演出であって、前記保留手段により記憶されている始動記憶のうち、最後に記憶された特定の始動記憶についての当落判定の結果に対して所定の期待度を有する第2演出(例えば、可動役物演出)を、前記保留手段により記憶されている全部の始動記憶に対して実行するか否かを決定する第2演出実行決定手段(例えば、ステップS205等)と、前記第1演出については前記特定の始動記憶に対して実行しない旨が決定され、前記第2演出については前記特定の始動記憶に対して実行する旨が決定されたとき、前記特定の始動記憶に対して第2演出を実行しないよう変更する第2演出不実行決定手段と、を備えることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定の始動記憶に対して第2演出を実行する旨が決定されていたとしても、特定の始動記憶に対して第1演出を実行しない旨が決定されているときには、特定の始動記憶に対して第2演出を実行しないよう変更されるので、無意味な演出を行う必要がなくなり、興趣の低下が抑制されるだけでなく、演出を効果的に行うことが可能となる。すなわち、特定の始動記憶に対して第2演出を実行する旨が決定されていたとしても、特定の始動記憶に対して第1演出を実行しない旨が決定されていれば、特定の始動記憶に対する期待度はそれほど高くない。そこで、特定の始動記憶に対して第2演出を実行する旨が決定されていたとしても、かかる第2演出が実行されないよう変更されるようにすることで無意味な演出の実行を省略し、効果的な演出が行われるようにしたものである。
なお、「始動記憶に対して第1演出(第2演出)を実行する」とは、始動記憶が記憶されていることを示す保留演出画像自体に変化を与える第1演出(第2演出)を実行すること、始動記憶が記憶されていることを示す保留演出画像に対して第1演出(第2演出)を実行すること、始動記憶についての可変表示が行われているときに第1演出(第2演出)を実行すること、のいずれも含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記特定の始動記憶よりも先に前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記特定の始動記憶とは別の始動記憶についての当落判定の結果に対して所定の期待度を有する第3演出を実行する旨が決定されているか否かを確認する第3演出確認手段(例えば、ステップS205等)をさらに備え、前記第1演出実行決定手段は、前記特定の始動記憶よりも先に前記保留手段により記憶された先始動記憶に対して前記第3演出を実行する旨が決定されているとき、前記特定の始動記憶と前記先始動記憶との間の始動記憶に対して前記第1演出を実行するか否かを決定することを特徴とするものである。
上記(2)の遊技機によれば、第3演出を実行する旨が決定されている始動記憶に対しては第1演出を実行するか否かを決定せずに、特定の始動記憶と先始動記憶との間の始動記憶に対して第1演出を実行するようにしたので、制御負荷を徒に増大させることなく、効果的な演出を行うことができる。
付記9の遊技機によれば、演出を効果的に行うことが可能な遊技機を提供することができる。
[付記10]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が受け入れられると図柄の変動ゲームの実行が保留され、保留された図柄の変動ゲームが実行されて大当りを示す図柄組合せが表示されると、大当り遊技が実行される遊技機が知られている。
この種の遊技機では、図柄の変動ゲームが行われているときに、大当りとなる可能性を示唆する大当り予告としての第1ボタン演出と、保留された図柄の変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆する第2ボタン演出とが行われるようにしたものがある(例えば、特開2015−192817号公報の段落0067及び段落0075を参照)。
近年、例えば特開2015−192817号公報に記載された遊技機のように、演出の種類を増加させて演出効果を高めようとする傾向にある。
しかし、演出の種類を増加させると演出効果は高められるものの、例えば映像等のデータはデータ容量が大きいため、演出を効果的に行わないと興趣が低下するだけでなく、制御負荷が増大し、好ましくない。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、演出を効果的に行うことが可能な遊技機を提供することにある。
(1)付記10の遊技機は、所定条件が成立したことに基づいて当落判定(例えば、大当り判定)を行う抽選手段(例えば、メインCPU101)と、前記当落判定の結果に基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報(例えば、大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値等)を、始動記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段により保留されている始動記憶のうち最後に保留された特定の始動記憶についての当落判定の結果を示唆しうる第1演出(例えば、カウントダウン演出)を、前記特定の始動記憶よりも先に記憶された始動記憶についての可変表示から当該特定の始動記憶についての可変表示まで継続して実行するか否かを決定する第1演出実行決定手段(例えば、ステップS205等)と、少なくとも前記特定の始動記憶についての可変表示が行われるときに、当該特定の始動記憶についての当落判定の結果を示唆しうる第2演出(例えば、可動役物演出)を実行するか否かを、前記第1演出を実行するか否かとは別に決定する第2演出実行決定手段(例えば、ステップS205等)と、を備える遊技機であって、前記特定の始動記憶よりも先に記憶された始動記憶についての可変表示から実行された前記第1演出が、前記特定の始動記憶についての可変表示まで継続して実行されたときは当該特定の始動記憶についての当落判定の結果が当りであることが確定するかまたは当りである可能性が高いとともに、前記特定の始動記憶についての可変表示まで継続して実行されなかったときは当該特定の始動記憶についての当落判定の結果が外れであることが確定するかまたは外れである可能性が高いように構成されており、前記特定の始動記憶についての可変表示まで前記第1演出を継続して実行しない旨が決定されるとともに、当該特定の始動記憶についての可変表示において前記第2演出を実行する旨が決定されたとき、当該特定の始動記憶についての可変表示において前記第2演出を実行しないよう変更する第2演出不実行決定手段(例えば、ステップS205等)をさらに備えることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、定の始動記憶についての可変表示まで第1演出を継続して実行しない旨が決定されるとともに、特定の始動記憶についての可変表示において第2演出を実行する旨が決定されたときには、特定の始動記憶についての可変表示において第2演出を実行しないよう変更されるので、無意味な演出を行う必要がなくなり、興趣の低下が抑制されるだけでなく、演出を効果的に行うことが可能となる。すなわち、特定の始動記憶についての可変表示まで第1演出が継続して実行されなければ、特定の始動記憶についての当落判定の結果が外れであることが確定するかまたは外れである可能性が高い。このような場合にまで、特定の始動記憶についての可変表示において第2演出を行うと、無意味な演出が行われるだけでなく、却って興趣が低下するおそれがある。そこで、特定の始動記憶についての可変表示において第2演出を実行する旨が決定されていたとしても、かかる第2演出を実行しないよう変更することで、無意味な演出の実行を省略し、効果的な演出が行われるようにしたものである。
付記10の遊技機によれば、演出を効果的に行うことが可能な遊技機を提供することができる。
[付記11]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が受け入れられると図柄の変動ゲームの実行が保留され、保留された図柄の変動ゲームが実行されて大当りを示す図柄組合せが表示されると、大当り遊技が実行される遊技機が知られている。
この種の遊技機では、図柄の変動ゲームが行われているときに、大当りとなる可能性を示唆する大当り予告としての第1ボタン演出と、保留された図柄の変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆する第2ボタン演出とが行われるようにしたものがある(例えば、特開2015−192817号公報の段落0067及び段落0075を参照)。
近年、例えば特開2015−192817号公報に記載された遊技機のように、演出の種類を増加させて演出効果を高めようとする傾向にある。
しかし、演出の種類を増加させると演出効果は高められるものの、遊技の進行上、かかる演出は短時間で処理することが要求される。特に、例えば映像等のデータのようにデータ容量が大きいデータを処理するためには所定以上の時間を要するものの、このような場合であっても、処理が円滑に実行できるようにすることが求められている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制しつつ、円滑に処理を行うことが可能な遊技機を提供することにある。
(1)付記11の遊技機は、所定条件の成立に基づいて当落判定を行う抽選手段(例えば、ステップS117)と、所定の演出画像が表示される表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、識別図柄の変動演出にかかる制御を実行可能であるとともに、前記当落判定の結果に基づく期待演出画像にかかる制御を実行可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路204)と、所定の演出音が出力されるよう制御する音出力制御手段(例えば、音声制御回路205)と、を備える遊技機であって、前記表示制御手段は、前記当落判定の結果に対して所定の期待度を有する演出として、前記識別図柄の変動演出が表示されずに前記期待演出画像が表示されるよう制御する特定演出制御手段(例えば、ステップS903)、及び前記識別図柄の変動演出が表示されずに、遊技機にかかわる情報画像が前記表示手段に表示されるよう制御する情報画像表示制御手段(例えば、ステップS905)を有し、前記音出力制御手段は、前記特定演出制御手段によって前記識別図柄の変動演出が表示されないときは当該識別図柄の変動演出にかかる変動音を出力しない消音手段(例えば、ステップS904)、及び前記情報画像表示制御手段によって前記識別図柄の変動演出が表示されないときは当該識別図柄の変動演出にかかる変動音を出力する変動音制御手段(例えば、ステップS906)を有することを特徴とするものである。
上記(1)の遊技機によれば、遊技者に違和感を与えることなく不要な処理を省略し、興趣の低下を抑制しつつ円滑に処理を行うことが可能となる。なお、遊技機にかかわる情報画像として、例えば、当落判定の結果にかかわらず、遊技者やホール係員に伝達したい情報等が該当する。その具体例としては、エラーが発生したときのエラーメッセージ画面、不正が行われたときの警告画像、電断後の復旧画面等が相当する。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記情報画像表示制御手段は、前記遊技機にかかわる情報画像として、前記識別図柄の変動演出が表示されているときに電断し、その後復旧したときの復旧画像(例えば、図167(C))が表示されるよう制御するものである。
上記(2)の遊技機によれば、電断後の復旧画像において、復旧画像が表示されて識別図柄の変動演出を視認できなくとも、識別図柄の変動演出が行われていることを把握できる。
付記11の遊技機によれば、興趣の低下を抑制しつつ円滑に処理を行うことが可能となる。
[付記12]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が受け入れられると図柄の変動ゲームの実行が保留され、保留された図柄の変動ゲームが実行されて大当りを示す図柄組合せが表示されると、大当り遊技が実行される遊技機が知られている。
この種の遊技機では、図柄の変動ゲームが行われているときに、大当りとなる可能性を示唆する大当り予告としての第1ボタン演出と、保留された図柄の変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆する第2ボタン演出とが行われるようにしたものがある(例えば、特開2015−192817号公報の段落0067及び段落0075を参照)。
近年、例えば特開2015−192817号公報に記載された遊技機のように、演出の種類を増加させて演出効果を高めようとする傾向にある。
しかし、演出の種類を増加させると演出効果は高められるものの、遊技の進行上、かかる演出は短時間で処理することが要求される。特に、例えば映像等のデータのようにデータ容量が大きいデータを処理するためには所定以上の時間を要するものの、このような場合であっても、処理が円滑に実行できるようにすることが求められている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制しつつ、円滑に処理を行うことが可能な遊技機を提供することにある。
(1)付記12の遊技機は、所定の始動条件が成立したときに識別図柄の可変表示を行い、当該識別図柄が停止したときに当落判定の結果が示される表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン62)と、所定期間内に前記操作手段が操作されたことに基づいて、前記当落判定の結果に基づく特定演出の実行抽選を行い、当該実行抽選に基づいて前記特定演出を実行する第1演出実行手段(図164(B))と、所定時間が経過したことに基づいて前記特定演出の実行抽選を行い、当該実行抽選に基づいて前記特定演出を実行する第2演出実行手段(図164(C)と、を備え、前記第1演出実行手段は、前記所定期間内に前記操作手段が操作されなかったときには前記特定演出を実行せず、前記第2演出実行手段は、前記同一の可変表示内で前記第1演出実行手段により前記特定演出が実行されたときには前記特定演出を実行しない一方、前記所定期間内に前記操作手段が操作されなかったことにより前記第1演出実行手段により前記特定演出が実行されなかったときには前記特定演出を実行することを特徴とするものである。
上記(1)の遊技機によれば、操作手段の操作が行われない場合には特定の報知態様が実行されず、上記特定の報知態様が実行されていた場合にはさらに特定の報知態様が実行さることはない。一方、まだ特定の報知態様が実行されていない場合には特定の報知態様が実行されうる。これにより、違和感なく不要な処理を省略し、興趣の低下を抑制しつつ円滑に処理を行うことが可能となる。
付記12の遊技機によれば、興趣の低下を抑制しつつ円滑に処理を行うことが可能となる。
[付記13]
従来、パチンコ機等の遊技機において、図柄の可変表示を行い、図柄が停止表示されると、遊技の結果が示される遊技機が知られている。そして、遊技の結果が特定の結果であると、遊技者に有利な特別遊技が行われる。図柄の可変表示は例えば4個まで始動記憶として保留され、1つの始動記憶ずつ可変表示が行われる。
この種の遊技機では、遊技の結果が表示される前に、特別遊技が行われる可能性がある旨を期待させる表示演出を行い、演出効果が高められるようにしたものがある(例えば、特開2006−246964号公報参照)。
しかし、特許文献1に記載された遊技機は、あくまでも始動記憶単位に対して表示演出が行われるため、特別遊技が行われることを期待できるような表示演出でなかった場合には、変動中の図柄の可変表示に対して期待感が喪失し、その時点で興趣が低下しまうおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、始動記憶単位での表示演出を遊技者に意識させないようにし、好適に、興趣の低下を抑制することにある。
(1)付記13の遊技機は、所定条件が成立したことに基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報(例えば、大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値等)を、始動記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段により記憶される一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われるよう制御する表示制御手段と、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数を決定可能な図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶(例えば、リーチ変動演出が記録された始動記憶)が含まれているとき、当該特定の始動記憶についての可変表示が行われるまでの始動記憶に対しての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS332等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶される複数の始動記憶のなかに前記特定の始動記憶が複数含まれているとき、当該複数の特定の始動記憶のうち最も先に可変表示が行われる最先の特定の始動記憶についての可変表示が行われるまでの始動記憶に対しての演出態様を決定するとともに、前記最先の特定の始動記憶についての可変表示が行われるまでの始動記憶に対して前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出(例えば、仮変動)を所定の単位に分けて、前記始動記憶の単位にかかわらず当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様(例えば、キャラクタの減算演出)を決定する特定演出決定手段(例えば、ステップS372等)を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、保留手段により記憶された始動記憶に対して、識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数が決定される。すなわち、本来であれば保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回の図柄演出が行われるところ、保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回または複数回の図柄演出の実行数が決定されるため、一の始動記憶に対する可変表示でありながらも、外観上は、複数の始動記憶に対する可変表示が行われているかのように見えることとなる。しかも、各始動記憶に対して決定された図柄演出は、始動記憶の単位にかかわらず所定の単位に分けられる。そして、この所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定される。したがって、一の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部と、当該一の始動記憶についての可変表示の次に可変表示が行われる他の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部とにまたがる演出態様が決定されることもあり得る。これにより、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、保留手段により記憶される始動記憶のなかに特定の態様(例えば、リーチ変動演出)で可変表示が行われる特定の始動記憶が含まれている場合、特定の態様で可変表示が行われたにもかかわらず当落判定の結果が外れであったとき、その後に、高い期待感を遊技者に与えうる演出態様が行われる(例えば、キャラクタ減算処理が行われる)ことがあっても、かかる演出態様に対する遊技者の興味が低下してしまう。そこで、上記(1)の遊技機によれば、保留手段により記憶される複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶が複数含まれているときには、当該複数の特定の始動記憶のうち最も先に可変表示される最先の特定の始動記憶までの始動記憶に対しての演出態様を決定し、最先の特定の始動記憶よりも後に可変表示される始動記憶に対しては演出態様を決定しないようにしたため、興趣の低下を抑制することができる。
なお、ここでいう「識別図柄の可変表示」とは、一の始動記憶に対して識別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの一連の表示を意味し、一の始動記憶に対して識別図柄の変動演出と停止演出とが複数回にわたって繰り返し行われたとしても、可変表示の回数は1回である。
また、識別図柄の「停止演出」とは、1回の可変表示の中途で行われる識別図柄の停止演出(例えば、仮停止)及び1回の可変表示が終了したときに行われる識別図柄の停止演出(例えば、本停止)の両方を含む趣旨である。
さらに、「一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる」とは、一の始動記憶について可変表示が行われる時間のみならず、次の始動記憶についての可変表示が行われるまでのインターバルに要する時間の全部または一部も含む趣旨である。したがって、「識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出」とは、可変表示の中途であれば識別図柄の停止演出が行われるまでであり、可変表示の最後であれば上記インターバルも含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が前記表示手段に表示されるよう制御する保留演出制御手段(例えば、ステップS205等)をさらに備え、前記保留演出制御手段は、少なくとも前記特定演出決定手段により決定された演出態様が表示されているときは、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示されないよう制御することを特徴とするものである。
上記(2)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示手段に表示されないため、より一層、始動記憶単位での可変表示を遊技者に意識させないようにすることができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、前記演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに前記特定の始動記憶が含まれていないとき、前記保留手段により記憶される全部の始動記憶に対して演出態様を決定するとともに、前記保留手段により記憶される始動記憶のうち最後に記憶された始動記憶に対する演出態様を、当該始動記憶が前記特定の始動記憶でないにもかかわらず、特定の態様(例えば、リーチ変動演出)で前記識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様(例えば、ガセのリーチ前兆演出)に決定する示唆演出決定手段(例えば、ステップS366等)を有し、前記示唆演出決定手段は、前記保留手段により始動記憶が記憶されていないときには、前記特定の態様で前記識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様に決定することがないよう構成されることを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶が含まれていないときは、演出態様を決定しなおす必要が生じないため制御上の負担が大きくなる可能性は低いものの、表示演出に対する遊技者の期待感を持続させることが難しいと考えられる。そこで、保留手段により記憶される始動記憶のうち最後に記憶された始動記憶に対する演出態様を、特定の始動記憶でないにもかかわらず、特定の態様で識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様に決定することで、表示演出に対する遊技者の期待感を持続することが可能となる。しかも、保留手段により始動記憶が記憶されていないときには、特定の態様で識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様に決定することがないため、制御上の負荷の増大も抑制される。
付記13の遊技機によれば、始動記憶単位での表示演出を遊技者に意識させないようにし、好適に、興趣の低下を抑制することができる。
[付記14]
従来、パチンコ機等の遊技機において、図柄の可変表示を行い、図柄が停止表示されると、遊技の結果が示される遊技機が知られている。そして、遊技の結果が特定の結果であると、遊技者に有利な特別遊技が行われる。図柄の可変表示は例えば4個まで始動記憶として保留され、1つの始動記憶ずつ可変表示が行われる。
この種の遊技機では、遊技の結果が表示される前に、特別遊技が行われる可能性がある旨を期待させる表示演出を行い、演出効果が高められるようにしたものがある(例えば、特開2006−246964号公報参照)。
しかし、特許文献1に記載された遊技機は、あくまでも始動記憶単位に対して表示演出が行われるため、特別遊技が行われることを期待できるような表示演出でなかった場合には、変動中の図柄の可変表示に対して期待感が喪失し、その時点で興趣が低下しまうおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、始動記憶単位での表示演出を遊技者に意識させないようにし、好適に、興趣の低下を抑制することにある。
(1)付記14の遊技機は、所定条件が成立したことに基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報(例えば、大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値等)を、始動記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段により記憶される一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われるよう制御する表示制御手段(例えば、サブCPU201)と、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数を決定可能な図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶に対しての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶される始動記憶に対して前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、前記始動記憶の単位にかかわらず当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定する特定演出決定手段、及び前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶(例えば、リーチ変動演出が記録された始動記憶)が含まれていないとき、前記保留手段により記憶される全部の始動記憶に対して演出態様を決定するとともに、前記保留手段により記憶される始動記憶のうち最後に記憶された始動記憶に対する演出態様を、当該始動記憶が前記特定の始動記憶でないにもかかわらず、前記特定の態様で前記識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様(例えば、ガセのリーチ前兆演出)に決定する示唆演出決定手段(例えば、ステップS356等)を有することを特徴とするものである。
上記(1)の遊技機によれば、保留手段により記憶された始動記憶に対して、識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数が決定される。すなわち、本来であれば保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回の図柄演出が行われるところ、保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回または複数回の図柄演出の実行数が決定されるため、一の始動記憶に対する可変表示でありながらも、外観上は、複数の始動記憶に対する可変表示が行われているかのように見えることとなる。しかも、各始動記憶に対して決定された図柄演出は、始動記憶の単位にかかわらず所定の単位に分けられる。そして、この所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定される。したがって、一の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部と、当該一の始動記憶についての可変表示の次に可変表示が行われる他の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部とにまたがる演出態様が決定されることもあり得る。これにより、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、保留手段により記憶された始動記憶のなかに特定の態様(例えば、リーチ変動演出)で可変表示が行われる特定の始動記憶が含まれていないとき、表示演出に対する遊技者の期待感を持続させることが難しくなるおそれがある。そこで、この場合には、保留手段により記憶される全部の始動記憶に対して演出態様を決定し、保留手段により記憶される始動記憶のうち最後に記憶された(最後に可変表示が行われる)始動記憶に対する演出態様を、当該始動記憶が特定の始動記憶でないにもかかわらず、特定の態様で識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様に決定することで、表示演出に対する遊技者の期待感が持続されるようにしている。
なお、ここでいう「識別図柄の可変表示」とは、一の始動記憶に対して識別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの一連の表示を意味し、一の始動記憶に対して識別図柄の変動演出と停止演出とが複数回にわたって繰り返し行われたとしても、可変表示の回数は1回である。
また、識別図柄の「停止演出」とは、1回の可変表示の中途で行われる識別図柄の停止演出(例えば、仮停止)及び1回の可変表示が終了したときに行われる識別図柄の停止演出(例えば、本停止)の両方を含む趣旨である。
さらに、「一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる」とは、一の始動記憶について可変表示が行われる時間のみならず、次の始動記憶についての可変表示が行われるまでのインターバルに要する時間の全部または一部も含む趣旨である。したがって、「識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出」とは、可変表示の中途であれば識別図柄の停止演出が行われるまでであり、可変表示の最後であれば上記インターバルも含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、遊技球が入賞可能な始動口(例えば、第二始動口440)と、前記始動口への遊技球の入賞に基づいて、前記識別図柄の可変表示が行われるときの変動パターンを決定する変動パターン決定手段(例えば、メインCPU101)と、をさらに備え、前記保留手段(例えば、メインCPU101)は、前記始動口に遊技球が入賞したことに基づいて前記始動記憶を保留可能に構成されており、前記図柄演出実行数決定手段(例えば、サブCPU201)は、前記始動口に遊技球が入賞したときに、前記保留手段に記憶される始動記憶についての前記図柄演出の実行数を、前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンに基づいて決定することを特徴とするものである。
上記(2)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶に対して決定される図柄演出の実行数は、変動パターンに基づいて決定されるようにしている。より詳しくは、変動時間が相対的に長い変動パターンであれば図柄演出の実行数が多くなり、変動時間が相対的に短い変動パターンであれば図柄演出の実行数が少なくなる。そのため、1回の図柄演出に要する時間のばらつきが小さくなり、一の始動記憶に対して1または複数の図柄演出が実行されている旨を遊技者に把握され難くなる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が前記表示手段に表示されるよう制御する保留演出制御手段をさらに備え、前記保留演出制御手段は、少なくとも前記特定演出決定手段により決定された演出態様が表示されているときは、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示されないよう制御することを特徴とするものである。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示手段に表示されないため、より一層、始動記憶単位での可変表示を遊技者に意識させないようにすることができる。
付記14の遊技機によれば、可動体演出により演出効果を高めて興趣の低下を抑制することができる。
[付記15]
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行い、この当落判定の結果に応じて遊技者に有利なゲームを実行する遊技機が知られている。
この種の遊技機では、当落判定の結果が表示される前に、当落判定の結果が遊技者に有利な結果であることを期待させるために可動体を作動させる可動体演出を行い、演出効果が高められるようにしたものがある。
このような可動体演出としては、例えばパンタグラフの伸縮動作によって可動体を移動させるとともに、パンタフラフの伸縮動作が始まると同時に可動体を傾斜させる技術が公知である(例えば、特開2011−229582号公報参照)。
しかしながら、例えば特許文献1の遊技機では、可動体の作動が開始された時点で、可動体の移動及び傾斜といった当該可動体による複数の作動を把握できてしまい、演出効果を高めるには限界があり、興趣が低下する虞があった。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、可動体演出により演出効果を高めて興趣の低下を抑制することにある。
(1)付記15の遊技機は、所定条件が成立したことに基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報(例えば、大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値等)を、始動記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段により記憶される一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われるよう制御する表示制御手段と、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数を決定可能な図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶に対しての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶(例えば、リーチ変動演出が記録された始動記憶)が含まれていないとき、前記演出態様の決定対象となる始動記憶の数を、都度異なる数となるように決定する演出対象数決定手段、前記演出態様の決定対象となる始動記憶に対して演出態様を決定するにあたり、前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出(例えば、仮変動)を所定の単位に分けて、前記始動記憶の単位にかかわらず当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様(例えば、キャラクタの減算演出)を決定する特定演出決定手段、及び前記保留手段により記憶される始動記憶のうち最後に記憶された始動記憶に対する演出態様を、当該始動記憶が前記特定の始動記憶でないにもかかわらず、前記特定の態様で前記識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様(例えば、ガセのリーチ前兆演出)に決定する示唆演出決定手段(例えば、ステップS356)を有することを特徴とするものである。
上記(1)の遊技機によれば、保留手段により記憶された始動記憶に対して、識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数が決定される。すなわち、本来であれば保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回の図柄演出が行われるところ、保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回または複数回の図柄演出の実行数が決定されるため、一の始動記憶に対する可変表示でありながらも、外観上は、複数の始動記憶に対する可変表示が行われているかのように見えることとなる。しかも、各始動記憶に対して決定された図柄演出は、始動記憶の単位にかかわらず所定の単位に分けられる。そして、この所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定される。したがって、一の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部と、当該一の始動記憶についての可変表示の次に可変表示が行われる他の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部とにまたがる演出態様が決定されることもあり得る。これにより、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、保留手段により記憶された始動記憶のなかに特定の態様(例えば、リーチ変動)で可変表示が行われる特定の始動記憶が含まれていないとき、表示演出に対する遊技者の期待感を持続させることが難しくなるおそれがある。そこで、この場合には、演出態様の決定対象となる始動記憶の数を、都度異なる数となるように決定し、保留手段により記憶される始動記憶のうち最後に記憶された(最後に可変表示が行われる)始動記憶に対する演出態様を、当該始動記憶が特定の始動記憶でないにもかかわらず、特定の態様で識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様に決定することで、表示演出に対する遊技者の期待感が持続されるようにしている。
また、演出態様の決定対象となる始動記憶の数を、都度異なる数となるように決定するようにしたのは、演出態様の決定対象となる始動記憶の数から、特定の態様で識別図柄の変動表示が行われないこと(特定の態様で識別図柄の変動表示が行われる旨を示唆する演出態様が表示されたとしても、当該示唆する演出態様がガセであること)を容易に把握されないようにするためである。
なお、ここでいう「識別図柄の可変表示」とは、一の始動記憶に対して識別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの一連の表示を意味し、一の始動記憶に対して識別図柄の変動演出と停止演出とが複数回にわたって繰り返し行われたとしても、可変表示の回数は1回である。
また、識別図柄の「停止演出」とは、1回の可変表示の中途で行われる識別図柄の停止演出(例えば、仮停止)及び1回の可変表示が終了したときに行われる識別図柄の停止演出(例えば、本停止)の両方を含む趣旨である。
さらに、「一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる」とは、一の始動記憶について可変表示が行われる時間のみならず、次の始動記憶についての可変表示が行われるまでのインターバルに要する時間の全部または一部も含む趣旨である。したがって、「識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出」とは、可変表示の中途であれば識別図柄の停止演出が行われるまでであり、可変表示の最後であれば上記インターバルも含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、遊技球が入賞可能な始動口(例えば、第二始動口440)と、前記始動口への遊技球の入賞に基づいて、前記識別図柄の可変表示が行われるときの変動パターンを決定する変動パターン決定手段(例えば、ステップS57等)と、をさらに備え、前記保留手段は、前記始動口に遊技球が入賞したことに基づいて前記始動記憶を保留可能に構成されており、前記図柄演出実行数決定手段は、前記始動口に遊技球が入賞したときに、前記保留手段に記憶される始動記憶についての前記図柄演出の実行数を、前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンに基づいて決定することを特徴とするものである。
上記(2)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶に対して決定される図柄演出の実行数は、変動パターンに基づいて決定されるようにしている。より詳しくは、変動時間が相対的に長い変動パターンであれば図柄演出の実行数が多くなり、変動時間が相対的に短い変動パターンであれば図柄演出の実行数が少なくなる。そのため、1回の図柄演出に要する時間のばらつきが小さくなり、一の始動記憶に対して1または複数の図柄演出が実行されている旨を遊技者に把握され難くなる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が前記表示手段に表示されるよう制御する保留演出制御手段をさらに備え、前記保留演出制御手段は、少なくとも前記特定演出決定手段により決定された演出態様が表示されているときは、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示されないよう制御することを特徴とするものである。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示手段に表示されないため、より一層、始動記憶単位での可変表示を遊技者に意識させないようにすることができる。
付記15の遊技機によれば、可動体演出により演出効果を高めて興趣の低下を抑制することができる。
[付記16]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が受け入れられると図柄の変動ゲームの実行が保留され、保留された図柄の変動ゲームが実行されて大当りを示す図柄組合せが表示されると、大当り遊技が実行される遊技機が知られている。
この種の遊技機では、図柄の変動ゲームが行われているときに、大当りとなる可能性を示唆する大当り予告としての第1ボタン演出と、保留された図柄の変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆する第2ボタン演出とが行われるようにしたものがある(例えば、特開2015−192817号公報の段落0067及び段落0075を参照)。
近年、例えば特開2015−192817号公報に記載された遊技機のように、演出の種類を増加させて演出効果を高めようとする傾向にある。
しかし、演出の種類を増加させると演出効果は高められるものの、遊技の進行上、かかる演出は短時間で処理することが要求される。特に、例えば映像等のデータのようにデータ容量が大きいデータを処理するためには所定以上の時間を要するものの、このような場合であっても、処理が円滑に実行できるようにすることが求められている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制しつつ、円滑に処理を行うことが可能な遊技機を提供することにある。
(1)付記16の遊技機は、所定条件が成立したことに基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報(例えば、大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値等)を、始動記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記表示手段に特定の結果が表示されると遊技者に有利な特別遊技(例えば、大当り遊技状態)を実行可能な特別遊技実行手段(例えば、ステップS96等)と、前記特別遊技が実行されたのちの遊技状態において実行される演出として、遊技状態について所定の期待度を有する指標演出(減算演出)の実行タイミングを事前に決定する指標演出タイミング決定手段(例えば、シナリオ事前設定処理(図138)等)と、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶についての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS374等)と、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに、特定の態様(例えば、リーチ変動演出)で前記可変表示が行われる特定の始動記憶と、前記指標演出が行われる指標始動記憶とが含まれるか否かを判断する演出情報判断手段(例えば、ステップS346等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに前記指標始動記憶が含まれているとき、前記指標演出を、前記指標演出タイミング決定手段により決定された実行タイミングに代えて、前記一または複数の始動記憶のうちいずれかの始動記憶にかかる可変表示において実行する旨を決定する演出再決定手段(例えば、ステップS372等)を有し、前記演出再決定手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに前記特定の始動記憶と前記指標始動記憶とが含まれている旨が前記演出情報判断手段により判断されたとき、前記指標演出タイミング決定手段により決定された実行タイミングにかかわらず、前記特定の始動記憶についての可変表示に先だって前記指標始動記憶についての指標演出が行われるよう決定しうることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、指標演出の実行タイミングが事前に決定されるため、指標演出のデータ容量が大きかったとしても、指標演出が行われるまでに時間的余裕があるため、円滑な処理を行うことが可能となる。また、保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶と指標始動記憶とが含まれているとき、指標演出タイミング決定手段により決定された実行タイミングにかかわらず、特定の始動記憶についての可変表示に先だって指標始動記憶についての指標演出が行われるように決定されるため、演出効果も高めることができる。すなわち、特定の態様で行われる可変表示の実行中に指標演出が行われた場合、かかる指標演出に対していだきうる期待度合いが相対的に低い指標演出であったときには、当該可変表示に遊技者は期待感を持つことが難しい。とくに、当該可変表示がさらに期待度合いの高い可変表示に発展したとしても、それでも遊技者は期待感を持つことが難しい。そこで、保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶と指標始動記憶とが含まれているとき、特定の始動記憶についての可変表示に先だって指標演出が行われるようにすることで、演出効果を高めることができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに前記特定の始動記憶(リーチや大当り)が含まれているとき、当該特定の始動記憶についての可変表示が行われるまでの始動記憶に対しての演出態様を決定するよう構成されることを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、保留手段により記憶される始動記憶のなかに特定の態様(例えば、リーチ変動演出)で可変表示が行われる特定の始動記憶が含まれていたとしても、興趣の低下を抑制することができる。すなわち、保留手段により記憶される始動記憶のなかに特定の態様(例えば、リーチ変動演出)で可変表示が行われる特定の始動記憶が含まれている場合、特定の態様で可変表示が行われたにもかかわらず当落判定の結果が外れであったとき、その後に、高い期待感を遊技者に与えうる演出態様が行われる(例えば、キャラクタ減算処理が行われる)ことがあっても、かかる演出態様に対する遊技者の興味が低下してしまう。この点、上記(2)の遊技機によれば、保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶(リーチや大当り)が含まれているときには、当該特定の始動記憶についての可変表示が行われるまでの始動記憶に対しての演出態様を決定するようにしたため、興趣の低下を抑制することができる。
付記16の遊技機によれば、興趣の低下を抑制しつつ円滑に処理を行うことが可能となる。
[付記17]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が受け入れられると図柄の変動ゲームの実行が保留され、保留された図柄の変動ゲームが実行されて大当りを示す図柄組合せが表示されると、大当り遊技が実行される遊技機が知られている。
この種の遊技機では、図柄の変動ゲームが行われているときに、大当りとなる可能性を示唆する大当り予告としての第1ボタン演出と、保留された図柄の変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆する第2ボタン演出とが行われるようにしたものがある(例えば、特開2015−192817号公報の段落0067及び段落0075を参照)。
近年、例えば特開2015−192817号公報に記載された遊技機のように、演出の種類を増加させて演出効果を高めようとする傾向にある。
しかし、演出の種類を増加させると演出効果は高められるものの、遊技の進行上、かかる演出は短時間で処理することが要求される。特に、例えば映像等のデータのようにデータ容量が大きいデータを処理するためには所定以上の時間を要するものの、このような場合であっても、処理が円滑に実行できるようにすることが求められている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制しつつ、円滑に処理を行うことが可能な遊技機を提供することにある。
(1)付記17の遊技機は、所定条件が成立したことに基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報(例えば、大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値等)を、始動記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記表示手段に特定の結果が表示されると遊技者に有利な特別遊技(例えば、大当り遊技状態)を実行可能な特別遊技実行手段(例えば、ステップS96等)と、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数を決定可能な図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記特別遊技が実行されたのちの遊技状態において実行される演出として、相対的に高い期待度を有する第1指標演出(例えば、敵方キャラクタの減算演出)および当該第1指標演出よりも相対的に低い期待度を有する第2指標演出(例えば、味方キャラクタの減算演出)が少なくとも用意されているとともに、前記第1指標演出及び前記第2指標演出それぞれの実行タイミングを事前に決定する指標演出タイミング決定手段(例えば、シナリオ事前設定処理(図138))と、特定の態様で前記識別図柄の変動演出が行われる特定演出(例えば、リーチ変動演出)が行われるときに、前記第1指標演出または/および前記第2指標演出が行われるか否かを判断する重複判断手段(例えば、ステップS346)と、前記保留手段により記憶される始動記憶についての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記演出態様の決定対象となる前記一または複数の始動記憶に対して演出態様を決定するにあたり、前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、前記始動記憶の単位にかかわらず当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定する特定演出決定手段、及び前記特定演出が行われるときに前記第2指標演出が行われる旨が前記重複判断手段により判断されたとき、前記特定演出が行われるよりも前の図柄演出において前記第2指標演出が行われるよう決定することで、前記特定演出が行われるときに前記第2指標演出が行われないようにする指標演出タイミング再決定手段(例えば、ステップS358等)を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1指標演出および第2指標演出それぞれの実行タイミングが事前に決定されるため、第1指標演出および/または第2指標演出のデータ容量が大きかったとしても、第1指標演出および/または第2指標演出が行われるまでに時間的余裕があるため、円滑な処理を行うことが可能となる。また、特定演出(例えば、リーチ変動演出)が行われるときに第2指標演出が行われる旨が判断されたとき、特定演出が行われるよりも前の図柄演出において第2指標演出が行われるよう決定されることで、特定演出が行われるときに第2指標演出が行われないようにしているため、演出効果も高めることができる。すなわち、特定の態様で行われる可変表示の実行中に第2指標演出が行われた場合には、当該可変表示に遊技者は期待感を持つことが難しい。とくに、当該可変表示がさらに期待度合いの高い可変表示に発展したとしても、それでも遊技者は期待感を持つことが難しい。そこで、特定演出が行われるよりも前の図柄演出において第2指標演出が行われるようにすることで、演出効果を高めることができる。
なお、第1指標演出は、第2指標演出が所定回数実行される前(例えば、味方キャラクタが全滅する前)に所定回数実行されると(例えば、敵方キャラクタが全滅すると)、有利な状態(例えば、高確率遊技状態)である旨を報知する機能を有する。また、第2指標演出は、第1指標演出が所定回数実行される前(例えば、敵方キャラクタが全滅する前)に所定回数実行されると(例えば、味方キャラクタが全滅すると)、相対的に不利な遊技状態(例えば、低確率遊技状態)である旨を報知する機能を有する。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記指標演出タイミング決定手段は、前記第1指標演出及び前記第2指標演出それぞれの実行タイミングを、前記特別遊技の実行中に決定し、前記演出態様決定手段は、前記特別遊技が実行されたのちの遊技状態において、前記可変表示が行われるときに前記保留手段により記憶されている始動記憶についての演出態様を決定することを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第1指標演出及び前記第2指標演出それぞれの実行タイミングが特別遊技の実行中に決定されるので、より一層、円滑な処理を行うことができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が前記表示手段に表示されるよう制御する保留演出制御手段をさらに備え、前記保留演出制御手段は、少なくとも前記特定演出決定手段により決定された演出態様が表示されているときは、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示されないよう制御することを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示手段に表示されないため、始動記憶単位での可変表示を遊技者に意識させないようにすることができる。その結果、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となり、演出効果を高めることができる。
付記17の遊技機によれば、興趣の低下を抑制しつつ円滑に処理を行うことが可能となる。
[付記18]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が受け入れられると図柄の変動ゲームの実行が保留され、保留された図柄の変動ゲームが実行されて大当りを示す図柄組合せが表示されると、大当り遊技が実行される遊技機が知られている。
この種の遊技機では、図柄の変動ゲームが行われているときに、大当りとなる可能性を示唆する大当り予告としての第1ボタン演出と、保留された図柄の変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆する第2ボタン演出とが行われるようにしたものがある(例えば、特開2015−192817号公報の段落0067及び段落0075を参照)。
近年、例えば特開2015−192817号公報に記載された遊技機のように、演出の種類を増加させて演出効果を高めようとする傾向にある。
しかし、演出の種類を増加させると演出効果は高められるものの、遊技の進行上、かかる演出は短時間で処理することが要求される。特に、例えば映像等のデータのようにデータ容量が大きいデータを処理するためには所定以上の時間を要するものの、このような場合であっても、処理が円滑に実行できるようにすることが求められている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制しつつ、円滑に処理を行うことが可能な遊技機を提供することにある。
(1)付記18の遊技機は、所定条件が成立したことに基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報(例えば、大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値等)を、始動記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記表示手段に特定の結果が表示されると遊技者に有利な特別遊技(例えば、大当り遊技状態)を実行可能な特別遊技実行手段と、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数を決定可能な図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記特別遊技が実行されたのちの遊技状態(例えば、時短遊技状態)において実行される演出として、相対的に高い期待度を有する第1指標演出(例えば、敵方キャラクタの減算演出)及び当該第1指標演出よりも相対的に低い期待度を有する第2指標演出(例えば、味方キャラクタの減算演出)が少なくとも用意されているとともに、前記第1指標演出及び前記第2指標演出それぞれの実行タイミングを事前に決定する指標演出タイミング決定手段と、特定の態様で前記識別図柄の変動演出が行われる特定演出(例えば、リーチ変動演出)が行われるときに、前記第1指標演出または/および前記第2指標演出が行われるか否かを判断する重複判断手段(例えば、ステップS346等)と、前記保留手段により記憶される始動記憶についての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記演出態様の決定対象となる前記一または複数の始動記憶に対して演出態様を決定するにあたり、前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、前記始動記憶の単位にかかわらず当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定する特定演出決定手段(例えば、ステップS372等)、及び前記特定演出が行われるときに前記第2指標演出が行われる旨が前記重複判断手段により判断されたとき、前記特定演出が行われるよりも前の図柄演出において前記第2指標演出が行われるよう決定することで、前記特定演出が行われるときに前記第2指標演出が行われないようにする指標演出タイミング再決定手段(例えば、ステップS358等)を有し、前記特定演出が行われるときに前記第1指標演出が行われる旨が前記重複判断手段により判断されたときには、前記特定演出が行われるときに前記第1指標演出が行われるよう構成されることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1指標演出および第2指標演出それぞれの実行タイミングが事前に決定されるため、第1指標演出および/または第2指標演出のデータ容量が大きかったとしても、第1指標演出および/または第2指標演出が行われるまでに時間的余裕があるため、円滑な処理を行うことが可能となる。また、特定演出(例えば、リーチ変動演出)が行われるときに第2指標演出が行われる旨が判断されたとき、特定演出が行われるよりも前の図柄演出において第2指標演出が行われるよう決定されることで、特定演出が行われるときに第2指標演出が行われないようにしているため、演出効果も高めることができる。すなわち、特定の態様で行われる可変表示の実行中に第2指標演出が行われた場合には、当該可変表示に遊技者は期待感を持つことが難しい。とくに、当該可変表示がさらに期待度合いの高い可変表示に発展したとしても、それでも遊技者は期待感を持つことが難しい。そこで、特定演出が行われるよりも前の図柄演出において第2指標演出が行われるようにすることで、演出効果を高めることができる。
なお、第1指標演出は、第2指標演出が所定回数実行される前(例えば、味方キャラクタが全滅する前)に所定回数実行されると(例えば、敵方キャラクタが全滅すると)、有利な状態(例えば、高確率遊技状態)である旨を報知する機能を有する。また、第2指標演出は、第1指標演出が所定回数実行される前(例えば、敵方キャラクタが全滅する前)に所定回数実行されると(例えば、味方キャラクタが全滅すると)、相対的に不利な遊技状態(例えば、低確率遊技状態)である旨を報知する機能を有する。
また、特定演出が行われるときに第1指標演出が行われる旨が判断されたときには、特定演出が行われるときに第1指標演出が行われる。これは、特定の態様で行われる可変表示の実行中に第1指標演出が行われた場合には、当該可変表示に対して遊技者が期待感を持つ可能性が高く、第1指標演出及び可変表示のいずれによっても演出効果が高められるからである。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記指標演出タイミング決定手段は、前記第1指標演出及び前記第2指標演出それぞれの実行タイミングを、前記特別遊技の実行中に決定し、前記演出態様決定手段は、前記特別遊技が実行されたのちの遊技状態において、前記可変表示が行われるときに前記保留手段により記憶されている始動記憶についての演出態様を決定することを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第1指標演出及び前記第2指標演出それぞれの実行タイミングが特別遊技の実行中に決定されるので、より一層、円滑な処理を行うことができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が前記表示手段に表示されるよう制御する保留演出制御手段(例えば、ステップS205等)をさらに備え、前記保留演出制御手段は、少なくとも前記特定演出決定手段により決定された演出態様が表示されているときは、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示されないよう制御することを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示手段に表示されないため、始動記憶単位での可変表示を遊技者に意識させないようにすることができる。その結果、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となり、演出効果を高めることができる。
付記18の遊技機によれば、興趣の低下を抑制しつつ円滑に処理を行うことが可能となる。
[付記19]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が受け入れられると図柄の変動ゲームの実行が保留され、保留された図柄の変動ゲームが実行されて大当りを示す図柄組合せが表示されると、大当り遊技が実行される遊技機が知られている。
この種の遊技機では、図柄の変動ゲームが行われているときに、大当りとなる可能性を示唆する大当り予告としての第1ボタン演出と、保留された図柄の変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆する第2ボタン演出とが行われるようにしたものがある(例えば、特開2015−192817号公報の段落0067及び段落0075を参照)。
近年、例えば特開2015−192817号公報に記載された遊技機のように、演出の種類を増加させて演出効果を高めようとする傾向にある。
しかし、演出の種類を増加させると演出効果は高められるものの、遊技の進行上、かかる演出は短時間で処理することが要求される。特に、例えば映像等のデータのようにデータ容量が大きいデータを処理するためには所定以上の時間を要するものの、このような場合であっても、処理が円滑に実行できるようにすることが求められている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制しつつ、円滑に処理を行うことが可能な遊技機を提供することにある。
(1)付記19の遊技機は、所定条件が成立したことに基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報(例えば、大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値等)を、始動記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記表示手段に特定の結果が表示されると遊技者に有利な特別遊技(例えば、大当り遊技状態)を実行可能な特別遊技実行手段(例えば、ステップS96等)と、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数を決定可能な図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記特別遊技が実行されたのちの遊技状態において実行される演出として、遊技状態について所定の期待度を有する指標演出の実行タイミングを事前に決定する指標演出決定手段(例えば、シナリオ事前設定処理(図138))と、特定の態様で前記識別図柄の可変表示が行われる特定演出(例えば、リーチ変動演出)が行われるときに、前記指標演出が行われるか否かを判断する重複判断手段(例えば、ステップS346等)と、前記保留手段により記憶される始動記憶についての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記演出態様の決定対象となる前記一または複数の始動記憶に対して演出態様を決定するにあたり、前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、前記始動記憶の単位にかかわらず当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定する特定演出決定手段、及び前記特定演出が行われるときに前記指標演出が行われない旨が前記重複判断手段により判断されたとき、前記演出態様の決定対象となる前記一または複数の始動記憶に対して決定された前記図柄演出の実行数の総数から前記指標演出の実行回数を減算した図柄演出の実行数が存在する場合に限り、前記特定演出に先だって、前記特定演出が行われる旨を示唆する示唆演出を実行する旨を決定する示唆演出実行決定手段を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、指標演出の実行タイミングが事前に決定されるため、指標演出のデータ容量が大きかったとしても、指標演出が行われるまでに時間的余裕があるため、円滑な処理を行うことが可能となる。また、特定演出(例えば、リーチ変動演出)が行われるときに指標演出が行われない旨が判断されたとき、演出態様の決定対象となる一または複数の始動記憶に対して決定された図柄演出の実行数の総数から指標演出の実行回数を減算した図柄演出の実行数が存在する場合に限り(すなわち、0より大きい場合に限り)、特定演出が行われる旨を示唆する示唆演出を、特定演出に先だって実行するようにしているため、円滑な処理を行いつつ、示唆演出によって特定演出を期待させるといった効果的な演出を行うことができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記示唆演出実行決定手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに前記特定演出(例えば、リーチ変動)が実行される特定始動記憶が含まれ且つ前記特定演出が行われるときに前記指標演出が行われる旨が前記重複判断手段により判断された場合に、前記保留手段により記憶された一または複数の始動記憶のそれぞれに対して決定された前記図柄演出(例えば、仮変動)の実行数の総数から、前記指標演出が行われる図柄演出の実行数から1を差し引いた数を減算し、前記特定演出に先だって行われる前記示唆演出(リーチ前兆)を実行可能な図柄演出数を決定することを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特定演出が行われるときに指標演出が行われる旨が重複判断手段により判断された場合には、特定演出に先だって示唆演出が適正なタイミングで行なわれることとなり、より効果的な演出を行うことができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が前記表示手段に表示されるよう制御する保留演出制御手段をさらに備え、前記保留演出制御手段は、少なくとも前記特定演出決定手段により決定された演出態様が表示されているときは、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示されないよう制御することを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示手段に表示されないため、始動記憶単位での可変表示を遊技者に意識させないようにすることができる。その結果、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となり、演出効果を高めることができる。
付記19の遊技機によれば、興趣の低下を抑制しつつ円滑に処理を行うことが可能となる。
[付記20]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が受け入れられると図柄の変動ゲームの実行が保留され、保留された図柄の変動ゲームが実行されて大当りを示す図柄組合せが表示されると、大当り遊技が実行される遊技機が知られている。
この種の遊技機では、図柄の変動ゲームが行われているときに、大当りとなる可能性を示唆する大当り予告としての第1ボタン演出と、保留された図柄の変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆する第2ボタン演出とが行われるようにしたものがある(例えば、特開2015−192817号公報の段落0067及び段落0075を参照)。
近年、例えば特開2015−192817号公報に記載された遊技機のように、演出の種類を増加させて演出効果を高めようとする傾向にある。
しかし、演出の種類を増加させると演出効果は高められるものの、遊技の進行上、かかる演出は短時間で処理することが要求される。特に、例えば映像等のデータのようにデータ容量が大きいデータを処理するためには所定以上の時間を要するものの、このような場合であっても、処理が円滑に実行できるようにすることが求められている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制しつつ、円滑に処理を行うことが可能な遊技機を提供することにある。
(1)付記20の遊技機は、所定の演出画像が表示される表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、少なくとも識別図柄の変動演出が表示されるよう制御する表示制御手段(例えば、表示制御回路204)と、所定の演出音が出力されるよう制御する音出力制御手段(例えば、音声制御回路205)と、を備え、前記音出力制御手段は、複数のチャンネルにより演出音色を系統に応じて出力可能であり、前記表示手段に表示される演出画像の態様が変化することにあわせて前記チャンネルより出力される演出音色を変更する一方、前記識別図柄の系統のチャンネルは固定とするとともに、前記識別図柄の変動演出の態様に応じて前記識別図柄の系統のチャンネルからの出力音を消音とすることを特徴とするものである。
上記(1)の遊技機によれば、遊技者に違和感を与えることなく不要な処理を省略し、興趣の低下を抑制しつつ円滑に処理を行うことが可能となる。なお、遊技機にかかわる情報画像として、例えば、当落判定の結果にかかわらず、遊技者やホール係員に伝達したい情報等が該当する。その具体例としては、エラーが発生したときのエラーメッセージ画面、不正が行われたときの警告画像、電断後の復旧画面等が相当する。
なお、本発明は、例えば、当落判定の結果に対して遊技者に期待感を与えうる演出として、以下の構成を採用することもできる。すなわち、電源の供給を受けて遊技の進行が可能に構成される遊技機であって、所定条件の成立に基づいて当落判定を行う抽選手段と、所定の演出画像が表示される表示手段と、識別図柄の変動演出にかかる制御を主演出として実行するとともに、他の演出にかかる制御を副演出として実行可能な表示制御手段と、演出音が出力されるスピーカと、前記表示手段にて表示される演出画像にあわせた演出音が前記スピーカから出力されるよう制御する音出力制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記当落判定の結果に対して所定の期待度を有する演出として、前記キャラクタ演出にかかる制御を主演出として実行するとともに、前記識別図柄の変動演出にかかる制御を副演出として実行する特定演出制御手段、及び前記識別図柄の変動演出にかかる制御を主演出として実行されているときに前記電源の供給が停止し且つその後に前記電源の供給が復帰したときの演出として、前記識別図柄の変動演出にかかる制御が副演出として実行されるものの、前記電源の復帰にかかる演出画像が主として表示されるよう制御する復帰演出制御手段を有し、前記音出力制御手段は、前記特定演出制御手段によって前記識別図柄の変動演出が表示されないときは当該識別図柄の変動演出にかかる変動音を出力しないものの、前記復帰演出制御手段によって前記識別図柄の変動演出が表示されないときは当該識別図柄の変動演出にかかる変動音を出力する変動音出力制御手段を有する遊技機である。このような遊技機にあっても、遊技者に違和感を与えることなく不要な処理を省略し、興趣の低下を抑制しつつ円滑に処理を行うことが可能となる。なお、主演出とは、演出の主体となる側であって遊技者の注視が向く側の演出であり、副演出とは、主演出とともに表示手段に表示されているものの、遊技者の注視が向かいにくい側の演出である。
付記20の遊技機によれば、興趣の低下を抑制しつつ円滑に処理を行うことが可能となる。
[付記21]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が受け入れられると図柄の変動ゲームの実行が保留され、保留された図柄の変動ゲームが実行されて大当りを示す図柄組合せが表示されると、大当り遊技が実行される遊技機が知られている。
この種の遊技機では、図柄の変動ゲームが行われているときに、大当りとなる可能性を示唆する大当り予告としての第1ボタン演出と、保留された図柄の変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆する第2ボタン演出とが行われるようにしたものがある(例えば、特開2015−192817号公報の段落0067及び段落0075を参照)。
近年、例えば特開2015−192817号公報1に記載された遊技機のように、演出の種類を増加させて演出効果を高めようとする傾向にある。
しかし、演出の種類を増加させると演出効果は高められるものの、遊技の進行上、かかる演出は短時間で処理することが要求される。特に、例えば映像等のデータのようにデータ容量が大きいデータを処理するためには所定以上の時間を要するものの、このような場合であっても、処理が円滑に実行できるようにすることが求められている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制しつつ、円滑に処理を行うことが可能な遊技機を提供することにある。
(1)付記21の遊技機は、所定のエラーが生じたときに警告音が出力される遊技機であって、所定条件の成立に基づいて当落判定を行う抽選手段(例えば、ステップS117)と、所定の演出画像が表示される表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、識別図柄の変動演出にかかる制御を実行可能であるとともに、前記当落判定の結果に基づく期待演出画像にかかる制御を実行可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路204)と、演出音が出力されるスピーカ(例えば、スピーカ24)と、前記警告音を含めて、前記表示手段にて表示される演出画像にあわせた演出音が前記スピーカから出力されるよう制御する音出力制御手段(例えば、音声制御回路205)と、を備え、前記音出力制御手段は、前記当落判定の結果に対して所定の期待度を有する特定の演出が実行されたときに、前記警告音についての出力は維持する一方で、前記識別図柄の変動演出についての出力は消音とする特定出力制御手段(例えば、ステップS904)を有することを特徴とするものである。
上記(1)の遊技機によれば、遊技者に違和感を与えることなく不要な処理を省略し、興趣の低下を抑制しつつ円滑に処理を行うことが可能となる。なお、遊技機にかかわる情報画像として、例えば、当落判定の結果にかかわらず、遊技者やホール係員に伝達したい情報等が該当する。その具体例としては、エラーが発生したときのエラーメッセージ画面、不正が行われたときの警告画像、電断後の復旧画面等が相当する。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、複数のチャンネルにより演出音色を系統に応じて出力可能であり、前記表示手段に表示される演出画像にあわせてチャンネルより出力される演出音色を変更可能な共有チャンネル、警告系統のチャンネル及び前記識別図柄の系統のチャンネルを備え、前記特定出力制御手段は、前記表示手段に表示される演出画像に応じて前記共有チャンネルを通じて演出音色を変更する一方、前記特定の演出が実行されたときには、前記警告系統のチャンネルの状態は維持するとともに、前記識別図柄の系統のチャンネルからの出力は消音とすることを特徴とするものである。
上記(2)の遊技機は、上記(1)をより具体的に示したものであって、遊技者に違和感を与えることなく不要な処理を省略し、興趣の低下を抑制しつつ円滑に処理を行うことが可能となる。
付記21の遊技機によれば、興趣の低下を抑制しつつ円滑に処理を行うことが可能となる。
[付記22]
従来、パチンコ機等の遊技機において、当落判定を行うとともに図柄の変動表示を行い、変動表示される図柄が停止表示されると、遊技の結果が示される遊技機が知られている。そして、遊技の結果が特定の結果であると、遊技者に有利な特別遊技が行われる。
この種の遊技機では、当落判定の結果が表示される前に、特別遊技が行われる可能性がある旨を期待させる表示演出を行い、演出効果が高められるようにしたものがある(例えば、特開2006−246964号公報参照)。
しかし、特許文献1に記載された遊技機は、あくまでも当落判定単位に対して表示演出が行われるため、特別遊技が行われることを期待できるような表示演出でなかった場合には、変動中の図柄の変動表示に対して期待感が喪失し、その時点で興趣が低下しまうおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、当落判定単位での表示演出を遊技者に意識させないようにし、興趣の低下を抑制することにある。
(1)付記22の遊技機は、所定条件が成立したことに基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、一の可変表示が行われてから次の可変表示が行われるまでの間に、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われるよう制御する表示制御手段(例えば、表示制御回路204)と、各可変表示に対して前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出の実行数を決定可能な図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、複数の可変表示に対しての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定する特定演出決定手段(例えば、ステップS372等)を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、各可変表示に対して、識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数が決定される。すなわち、本来であれば各可変表示に対して1回の図柄演出が行われるところ、各始動記憶に対して1回または複数回の図柄演出の実行数が決定されるため、一の可変表示(1回の遊技)でありながらも、外観上は、複数の可変表示(複数回の遊技)が行われているかのように見えることとなる。しかも、各図柄演出は、遊技単位にかかわらず所定の単位に分けられる。そして、この所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定される。これにより、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には遊技単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、ここでいう「識別図柄の可変表示」とは、1回の遊技に対して識別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの一連の表示を意味し、1回の遊技に対して識別図柄の変動演出と停止演出とが複数回にわたって繰り返し行われたとしても、可変表示の回数は1回である。
また、識別図柄の「停止演出」とは、1回の可変表示の中途で行われる識別図柄の停止演出(例えば、仮停止)及び1回の可変表示が終了したときに行われる識別図柄の停止演出(例えば、本停止)の両方を含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記演出態様決定手段は、一または複数の可変表示を演出区間として決定し、当該演出区間において行われる区間演出として、当該演出区間に含まれる可変表示に対しての演出態様を決定するものであるとともに、前記演出区間に含まれる可変表示に対して前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、前記可変表示の単位にかかわらず当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定する区間演出態様決定手段を有することを特徴とするものである。
上記(2)の遊技機によれば、演出区間に含まれる複数の可変表示に対して図柄演出の実行数が決定されるので、より一層、遊技単位での可変表示を遊技者に意識させないようにすることができる。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、前記演出態様決定手段は、前記演出区間に含まれる一の可変表示に対して決定された実行数の図柄演出の一部と、前記演出区間に含まれる他の可変表示に対して決定された実行数の図柄演出の一部とを、複数の可変表示をまたがる所定の単位として分けることが可能に構成されることを特徴とするものである。
上記(3)の遊技機によれば、
演出区間に含まれる一の可変表示に対して決定された図柄演出の一部と、演出区間に含まれる他の可変表示に対して決定された複数の図柄演出の一部とにまたがる演出態様が決定されることもあり得る。これにより、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には遊技単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
付記22の遊技機によれば、当落判定単位での表示演出を遊技者に意識させないようにすることで、興趣の低下を抑制することが可能となる。
[付記23]
従来、パチンコ機等の遊技機において、当落判定を行うとともに図柄の変動表示を行い、変動表示される図柄が停止表示されると、遊技の結果が示される遊技機が知られている。そして、遊技の結果が特定の結果であると、遊技者に有利な特別遊技が行われる。
この種の遊技機では、当落判定の結果が表示される前に、特別遊技が行われる可能性がある旨を期待させる表示演出を行い、演出効果が高められるようにしたものがある(例えば、特開2006−246964号公報参照)。
しかし、特許文献1に記載された遊技機は、あくまでも当落判定単位に対して表示演出が行われるため、特別遊技が行われることを期待できるような表示演出でなかった場合には、変動中の図柄の変動表示に対して期待感が喪失し、その時点で興趣が低下しまうおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、当落判定単位での表示演出を遊技者に意識させないようにしつつ、好適に、興趣の低下を抑制することにある。
(1)付記23の遊技機は、所定条件が成立したことに基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報(例えば、大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値等)を、始動記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等))により記憶される一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われるよう制御する表示制御手段(例えば、ステップS205等)と、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数を決定可能な図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶(リーチや大当り)が含まれているとき、当該特定の始動記憶についての可変表示が行われるまでの始動記憶に対しての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記特定の始動記憶についての可変表示が行われるまでの始動記憶に対して前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、前記始動記憶の単位にかかわらず当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定する特定演出決定手段を有し、前記特定演出決定手段は、前記所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定するにあたり、前記特定の始動記憶よりも先に記憶された始動記憶と当該特定の始動記憶とをまたがる演出態様を決定しうるものの、前記特定の始動記憶と当該特定の始動記憶よりも後に記憶された始動記憶とをまたがる演出態様を決定しないよう構成されることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、保留手段により記憶された始動記憶に対して、識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数が決定される。すなわち、本来であれば保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回の図柄演出が行われるところ、保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回または複数回の図柄演出の実行数が決定されるため、一の始動記憶に対する可変表示でありながらも、外観上は、複数の始動記憶に対する可変表示が行われているかのように見えることとなる。しかも、各始動記憶に対して決定された図柄演出は、始動記憶の単位にかかわらず所定の単位に分けられる。そして、この所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定される。したがって、一の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部と、当該一の始動記憶についての可変表示の次に可変表示が行われる他の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部とにまたがる演出態様が決定されることもあり得る。これにより、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、保留手段により記憶される始動記憶のなかに特定の態様(例えば、リーチ変動演出)で可変表示が行われる特定の始動記憶が含まれている場合、特定の態様で可変表示が行われたにもかかわらず当落判定の結果が外れであったとき、その後に、高い期待感を遊技者に与えうる演出態様が行われる(例えば、キャラクタの減算処理が行われる)ことがあっても、かかる演出態様に対する遊技者の興味が低下してしまう。そこで、上記(1)の遊技機によれば、保留手段により記憶される複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶が複数含まれているときには、当該複数の特定の始動記憶のうち最も先に可変表示される最先の特定の始動記憶までの始動記憶に対しての演出態様を決定し、最先の特定の始動記憶よりも後に可変表示される始動記憶に対しては演出態様を決定しないようにしたため、興趣の低下を抑制することができる。
また、所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定するにあたり、特定の始動記憶よりも先に記憶された始動記憶と当該特定の始動記憶とをまたがる演出態様を決定しうる。これにより、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。その一方で、特定の始動記憶と当該特定の始動記憶よりも後に記憶された始動記憶とをまたがる演出態様については決定されないようになっている。これにより、遊技者の注視を、図柄演出の実行中に行われる演出態様よりも、特定の態様で行われる識別図柄の変動演出に向けさせることができ、当該変動演出に期待感を持たせることができる。
なお、ここでいう「識別図柄の可変表示」とは、一の始動記憶に対して識別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの一連の表示を意味し、一の始動記憶に対して識別図柄の変動演出と停止演出とが複数回にわたって繰り返し行われたとしても、可変表示の回数は1回である。
また、識別図柄の「停止演出」とは、1回の可変表示の中途で行われる識別図柄の停止演出(例えば、仮停止)及び1回の可変表示が終了したときに行われる識別図柄の停止演出(例えば、本停止)の両方を含む趣旨である。
さらに、「一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる」とは、一の始動記憶について可変表示が行われる時間のみならず、次の始動記憶についての可変表示が行われるまでのインターバルに要する時間の全部または一部も含む趣旨である。したがって、「識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出」とは、可変表示の中途であれば識別図柄の停止演出が行われるまでであり、可変表示の最後であれば上記インターバルも含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が所定の表示領域に表示されるよう制御する保留演出制御手段をさらに備え、前記保留演出制御手段は、少なくとも前記特定演出決定手段により決定された演出態様が表示されているときは、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示されないよう制御することを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示手段に表示されないため、より一層、始動記憶単位での可変表示を遊技者に意識させないようにすることができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、前記演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに前記特定の始動記憶が含まれていないとき、前記保留手段により記憶される全部の始動記憶に対して演出態様を決定するとともに、前記保留手段により記憶される始動記憶のうち最後に記憶された始動記憶に対する演出態様を、当該始動記憶が前記特定の始動記憶でないにもかかわらず、特定の態様で前記識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様に決定する示唆演出決定手段(例えば、ステップS358等)を有することを特徴とするものである。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶が含まれていないときは、演出態様を決定しなおす必要が生じないため制御上の負担が大きくなる可能性は低いものの、表示演出に対する遊技者の期待感を持続させることが難しいと考えられる。そこで、保留手段により記憶される始動記憶のうち最後に記憶された始動記憶に対する演出態様を、特定の始動記憶でないにもかかわらず、特定の態様で識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様に決定することで、表示演出に対する遊技者の期待感を持続することが可能となる。
付記23の遊技機によれば、当落判定単位での表示演出を遊技者に意識させないことで、興趣の低下を抑制することが可能となる。
[付記24]
従来、パチンコ機等の遊技機において、当落判定を行うとともに図柄の変動表示を行い、変動表示される図柄が停止表示されると、遊技の結果が示される遊技機が知られている。そして、遊技の結果が特定の結果であると、遊技者に有利な特別遊技が行われる。
この種の遊技機では、当落判定の結果が表示される前に、特別遊技が行われる可能性がある旨を期待させる表示演出を行い、演出効果が高められるようにしたものがある(例えば、特開2006−246964号公報参照)。
しかし、特許文献1に記載された遊技機は、あくまでも当落判定単位に対して表示演出が行われるため、特別遊技が行われることを期待できるような表示演出でなかった場合には、変動中の図柄の変動表示に対して期待感が喪失し、その時点で興趣が低下しまうおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、当落判定単位での表示演出を遊技者に意識させないようにし、好適に、興趣の低下を抑制することにある。
(1)付記24の遊技機は、所定条件が成立したことに基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報(例えば、大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値等)を、始動記憶として所定数まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段により記憶される一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われるよう制御する表示制御手段と、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数を決定可能な図柄演出実行数決定手段段(例えば、ステップS324等)と、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶に対しての演出態様を決定可能な演出態様決定手段段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに前記特定の始動記憶が含まれていないとき、当該保留手段により記憶される全部の始動記憶に対して演出態様を決定するとともに、前記保留手段により記憶される全部の始動記憶に対して演出態様を決定するにあたり、前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、(前記始動記憶の単位にかかわらず)当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定する特定演出決定手段を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、保留手段により記憶された始動記憶に対して、識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数が決定される。すなわち、本来であれば保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回の図柄演出が行われるところ、保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回または複数回の図柄演出の実行数が決定されるため、一の始動記憶に対する可変表示でありながらも、外観上は、複数の始動記憶に対する可変表示が行われているかのように見えることとなる。しかも、各始動記憶に対して決定された図柄演出は、始動記憶の単位にかかわらず所定の単位に分けられる。そして、この所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定される。したがって、一の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部と、当該一の始動記憶についての可変表示の次に可変表示が行われる他の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部とにまたがる演出態様が決定されることもあり得る。これにより、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ところで、保留手段により記憶された始動記憶のなかに特定の態様(例えば、リーチ変動演出)で可変表示が行われる特定の始動記憶が含まれていないとき、保留手段により記憶された始動記憶のなかに特定の始動記憶が含まれているときと比べて制御上の負担が少なく、より多くの始動記憶を対象として演出態様を決定することができるため、保留手段により記憶される全部の始動記憶に対して演出態様を決定するようにしている。
なお、ここでいう「識別図柄の可変表示」とは、一の始動記憶に対して識別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの一連の表示を意味し、一の始動記憶に対して識別図柄の変動演出と停止演出とが複数回にわたって繰り返し行われたとしても、可変表示の回数は1回である。
また、識別図柄の「停止演出」とは、1回の可変表示の中途で行われる識別図柄の停止演出(例えば、仮停止)及び1回の可変表示が終了したときに行われる識別図柄の停止演出(例えば、本停止)の両方を含む趣旨である。
さらに、「一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる」とは、一の始動記憶について可変表示が行われる時間のみならず、次の始動記憶についての可変表示が行われるまでのインターバルに要する時間の全部または一部も含む趣旨である。したがって、「識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出」とは、可変表示の中途であれば識別図柄の停止演出が行われるまでであり、可変表示の最後であれば上記インターバルも含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
遊技球が入賞可能な始動口(例えば、第二始動口440)と、前記始動口への遊技球の入賞に基づいて、前記識別図柄の可変表示が行われるときの変動パターンを決定する変動パターン決定手段(例えば、ステップS173等)と、をさらに備え、前記保留手段は、前記始動口に遊技球が入賞したことに基づいて前記始動記憶を保留可能に構成されており、前記図柄演出実行数決定手段(例えば、サブCPU201)は、前記始動口に遊技球が入賞したときに、前記保留手段に記憶される始動記憶についての前記図柄演出の実行数を、前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンに基づいて決定することを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶に対して決定される図柄演出の実行数は、変動パターンに基づいて決定されるようにしている。より詳しくは、変動時間が相対的に長い変動パターンであれば図柄演出の実行数が多くなり、変動時間が相対的に短い変動パターンであれば図柄演出の実行数が少なくなる。そのため、1回の図柄演出に要する時間のばらつきが小さくなり、一の始動記憶に対して1または複数の図柄演出が実行されている旨を遊技者に把握され難くなる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が前記表示手段に表示されるよう制御する保留演出制御手段(例えば、ステップS205等)をさらに備え、前記保留演出制御手段は、少なくとも前記特定演出決定手段により決定された演出態様が表示されているときは、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示されないよう制御することを特徴とするものである。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示手段に表示されないため、より一層、始動記憶単位での可変表示を遊技者に意識させないようにすることができる。
付記24の遊技機によれば、当落判定単位での表示演出を遊技者に意識させないことで、興趣の低下を抑制することが可能となる。
[付記25]
従来、パチンコ機等の遊技機において、当落判定を行うとともに図柄の変動表示を行い、変動表示される図柄が停止表示されると、遊技の結果が示される遊技機が知られている。そして、遊技の結果が特定の結果であると、遊技者に有利な特別遊技が行われる。
この種の遊技機では、当落判定の結果が表示される前に、特別遊技が行われる可能性がある旨を期待させる表示演出を行い、演出効果が高められるようにしたものがある(例えば、特開2006−246964号公報参照)。
しかし、特許文献1に記載された遊技機は、あくまでも当落判定単位に対して表示演出が行われるため、特別遊技が行われることを期待できるような表示演出でなかった場合には、変動中の図柄の変動表示に対して期待感が喪失し、その時点で興趣が低下しまうおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、当落判定単位での表示演出を遊技者に意識させないようにし、好適に、興趣の低下を抑制することにある。
(1)付記25の遊技機は、所定条件が成立したことに基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報(例えば、大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値等)を、始動記憶として所定数まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段により記憶される一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われるよう制御する表示制御手段(例えば、ステップS205等)と、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数を決定可能な図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶に対しての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶(例えば、リーチ変動演出が記録された始動記憶)が含まれていないとき、当該保留手段により記憶される全部の始動記憶に対して演出態様(例えば、キャラクタの減算演出)を決定するとともに、前記保留手段により記憶される全部の始動記憶に対して演出態様を決定するにあたり、前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定する特定演出決定手段、及び前記保留手段により記憶される始動記憶のうち最後に記憶された始動記憶に対する演出態様を、当該始動記憶が前記特定の始動記憶でないにもかかわらず、前記特定の態様で前記識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様(例えば、ガセのリーチ前兆演出)に決定する示唆演出決定手段(例えば、ステップS358等)を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、保留手段により記憶された始動記憶に対して、識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数が決定される。すなわち、本来であれば保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回の図柄演出が行われるところ、保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回または複数回の図柄演出の実行数が決定されるため、一の始動記憶に対する可変表示でありながらも、外観上は、複数の始動記憶に対する可変表示が行われているかのように見えることとなる。しかも、各始動記憶に対して決定された図柄演出は、始動記憶の単位にかかわらず所定の単位に分けられる。そして、この所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定される。したがって、一の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部と、当該一の始動記憶についての可変表示の次に可変表示が行われる他の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部とにまたがる演出態様が決定されることもあり得る。これにより、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、保留手段により記憶された始動記憶のなかに特定の態様(例えば、リーチ変動)で可変表示が行われる特定の始動記憶が含まれていないとき、表示演出に対する遊技者の期待感を持続させることが難しくなるおそれがある。そこで、この場合には、保留手段により記憶される全部の始動記憶に対して演出態様を決定し、保留手段により記憶される始動記憶のうち最後に記憶された始動記憶に対する演出態様を、当該始動記憶が特定の始動記憶でないにもかかわらず、特定の態様で識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様に決定することで、表示演出に対する遊技者の期待感が持続されるようにしている。
なお、保留手段により記憶される始動記憶のなかに特定の態様(例えば、リーチ変動)で可変表示が行われる特定の始動記憶が含まれている場合、特定の態様で可変表示が行われたにもかかわらず当落判定の結果が外れであったとき、その後に、相対的に高い期待度を有する演出態様が行われる(例えば、キャラクタ減算処理が行われる)ことがあっても、かかる演出態様に対する遊技者の興味が低下してしまう。そこで、上記(1)の遊技機によれば、保留手段により記憶される複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶が複数含まれているときには、当該複数の特定の始動記憶のうち最も先に可変表示される最先の特定の始動記憶までの始動記憶に対しての演出態様を決定し、最先の特定の始動記憶よりも後に可変表示される始動記憶に対しては演出態様を決定しないようにしたため、興趣の低下を抑制することができる。
なお、ここでいう「識別図柄の可変表示」とは、一の始動記憶に対して識別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの一連の表示を意味し、一の始動記憶に対して識別図柄の変動演出と停止演出とが複数回にわたって繰り返し行われたとしても、可変表示の回数は1回である。
また、識別図柄の「停止演出」とは、1回の可変表示の中途で行われる識別図柄の停止演出(例えば、仮停止)及び1回の可変表示が終了したときに行われる識別図柄の停止演出(例えば、本停止)の両方を含む趣旨である。
さらに、「一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる」とは、一の始動記憶について可変表示が行われる時間のみならず、次の始動記憶についての可変表示が行われるまでのインターバルに要する時間の全部または一部も含む趣旨である。したがって、「識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出」とは、可変表示の中途であれば識別図柄の停止演出が行われるまでであり、可変表示の最後であれば上記インターバルも含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、遊技球が入賞可能な始動口(例えば、第二始動口440)と、前記始動口への遊技球の入賞に基づいて、前記識別図柄の可変表示が行われるときの変動パターンを決定する変動パターン決定手段(例えば、メインCPU101)と、をさらに備え、前記保留手段(例えば、メインCPU101)は、前記始動口に遊技球が入賞したことに基づいて前記始動記憶を保留可能に構成されており、前記図柄演出実行数決定手段(例えば、サブCPU201)は、前記始動口に遊技球が入賞したときに、前記保留手段に記憶される始動記憶についての前記図柄演出の実行数を、前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンに基づいて決定することを特徴とするものである。
上記(2)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶に対して決定される図柄演出の実行数は、変動パターンに基づいて決定されるようにしている。より詳しくは、変動時間が相対的に長い変動パターンであれば図柄演出の実行数が多くなり、変動時間が相対的に短い変動パターンであれば図柄演出の実行数が少なくなる。そのため、1回の図柄演出に要する時間のばらつきが小さくなり、一の始動記憶に対して1または複数の図柄演出が実行されている旨を遊技者に把握され難くなる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が前記表示手段に表示されるよう制御する保留演出制御手段(例えば、ステップS205等)をさらに備え、前記保留演出制御手段は、少なくとも前記特定演出決定手段により決定された演出態様が表示されているときは、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示されないよう制御するものである。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示手段に表示されないため、より一層、始動記憶単位での可変表示を遊技者に意識させないようにすることができる。
付記25の遊技機によれば、当落判定単位での表示演出を遊技者に意識させないことで、興趣の低下を抑制することが可能となる。
[付記26]
従来、パチンコ機等の遊技機において、当落判定を行うとともに図柄の変動表示を行い、変動表示される図柄が停止表示されると、遊技の結果が示される遊技機が知られている。そして、遊技の結果が特定の結果であると、遊技者に有利な特別遊技が行われる。
この種の遊技機では、当落判定の結果が表示される前に、特別遊技が行われる可能性がある旨を期待させる表示演出を行い、演出効果が高められるようにしたものがある(例えば、特開2006−246964号公報参照)。
しかし、特許文献1に記載された遊技機は、あくまでも当落判定単位に対して表示演出が行われるため、特別遊技が行われることを期待できるような表示演出でなかった場合には、変動中の図柄の変動表示に対して期待感が喪失し、その時点で興趣が低下しまうおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、当落判定単位での表示演出を遊技者に意識させないようにし、好適に、興趣の低下を抑制することにある。
(1)付記26の遊技機は、所定条件が成立したことに基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報(例えば、大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値等)を、始動記憶として所定数まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段により記憶される一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われるよう制御する表示制御手段と、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数を決定可能な図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶に対しての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに前記特定の始動記憶が含まれていないとき、前記演出態様の決定対象となる始動記憶の数を、都度異なる数となるように決定する演出対象数決定手段、前記演出態様の決定対象となる始動記憶に対して演出態様を決定するにあたり、前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定する特定演出決定手段、及び前記保留手段により記憶される始動記憶のうち最後に記憶された始動記憶に対する演出態様を、当該始動記憶が前記特定の始動記憶でないにもかかわらず、前記特定の態様で前記識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様に決定する示唆演出決定手段を有するとを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、保留手段により記憶された始動記憶に対して、識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数が決定される。すなわち、本来であれば保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回の図柄演出が行われるところ、保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回または複数回の図柄演出の実行数が決定されるため、一の始動記憶に対する可変表示でありながらも、外観上は、複数の始動記憶に対する可変表示が行われているかのように見えることとなる。しかも、各始動記憶に対して決定された図柄演出は、始動記憶の単位にかかわらず所定の単位に分けられる。そして、この所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定される。したがって、一の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部と、当該一の始動記憶についての可変表示の次に可変表示が行われる他の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部とにまたがる演出態様が決定されることもあり得る。これにより、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、保留手段により記憶された始動記憶のなかに特定の態様(例えば、リーチ変動)で可変表示が行われる特定の始動記憶が含まれていないとき、表示演出に対する遊技者の期待感を持続させることが難しくなるおそれがある。そこで、この場合には、演出態様の決定対象となる始動記憶の数を、都度異なる数となるように決定し、保留手段により記憶される始動記憶のうち最後に記憶された始動記憶に対する演出態様を、当該始動記憶が特定の始動記憶でないにもかかわらず、特定の態様で識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様に決定することで、表示演出に対する遊技者の期待感が持続されるようにしている。
演出態様の決定対象となる始動記憶の数を、都度異なる数となるように決定するようにしたのは、演出態様の決定対象となる始動記憶の数から、特定の態様で識別図柄の変動表示が行われないこと(特定の態様で識別図柄の変動表示が行われる旨を示唆する演出態様が表示されたとしても、当該示唆する演出態様がガセであること)を容易に把握されないようにするためである。
なお、保留手段により記憶される始動記憶のなかに特定の態様(例えば、リーチ変動)で可変表示が行われる特定の始動記憶が含まれている場合、特定の態様で可変表示が行われたにもかかわらず当落判定の結果が外れであったとき、その後に、相対的に高い期待度を有する演出態様が行われる(例えば、キャラクタ減算処理が行われる)ことがあっても、かかる演出態様に対する遊技者の興味が低下してしまう。そこで、上記(1)の遊技機によれば、保留手段により記憶される複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶が複数含まれているときには、当該複数の特定の始動記憶のうち最も先に可変表示される最先の特定の始動記憶までの始動記憶に対しての演出態様を決定し、最先の特定の始動記憶よりも後に可変表示される始動記憶に対しては演出態様を決定しないようにしたため、興趣の低下を抑制することができる。
なお、ここでいう「識別図柄の可変表示」とは、一の始動記憶に対して識別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの一連の表示を意味し、一の始動記憶に対して識別図柄の変動演出と停止演出とが複数回にわたって繰り返し行われたとしても、可変表示の回数は1回である。
また、識別図柄の「停止演出」とは、1回の可変表示の中途で行われる識別図柄の停止演出(例えば、仮停止)及び1回の可変表示が終了したときに行われる識別図柄の停止演出(例えば、本停止)の両方を含む趣旨である。
さらに、「一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる」とは、一の始動記憶について可変表示が行われる時間のみならず、次の始動記憶についての可変表示が行われるまでのインターバルに要する時間の全部または一部も含む趣旨である。したがって、「識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出」とは、可変表示の中途であれば識別図柄の停止演出が行われるまでであり、可変表示の最後であれば上記インターバルも含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記演出対象数決定手段は、前記演出態様の決定対象となる始動記憶の数を、抽選により決定することを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、演出態様の決定対象となる始動記憶の数が抽選により決定されるので、演出態様の決定対象となる始動記憶の数を、容易に、ランダムに決定することができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が前記表示手段に表示されるよう制御する保留演出制御手段(例えば、サブCPU201)をさらに備え、前記保留演出制御手段は、少なくとも前記特定演出決定手段により決定された演出態様が表示されているときは、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示されないよう制御するものである。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示手段に表示されないため、より一層、始動記憶単位での可変表示を遊技者に意識させないようにすることができる。
付記26の遊技機によれば、当落判定単位での表示演出を遊技者に意識させないことで、興趣の低下を抑制することが可能となる。
[付記27]
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行うとともに図柄の変動表示を行い、変動表示される図柄が停止表示されると、遊技の結果が示される遊技機が知られている。そして、遊技の結果が特定の結果であると、遊技者に有利な特別遊技が行われる。
この種の遊技機では、特別遊技が終了したのちの遊技状態を、例えば時短遊技状態のような遊技者に有利な特定遊技状態に制御する遊技機が知られている(例えば、特開2006−122447号公報参照)。
しかし、特別遊技とは別に遊技者に有利な特定遊技状態に制御される遊技機にあっては、特定遊技状態に制御される期間を長くすると当落判定における当選確率を低くせざるを得ず、興趣が低下するおそれがある。その一方、特定遊技状態に制御される期間を短くすると、遊技者に不利益感を与えかねず、いずれにしても興趣が低下するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、特別遊技とは別に行われる特定遊技状態を好適に行い、興趣の低下を抑制することにある。
(1)付記27の遊技機は、所定条件の成立に基づいて当落判定(例えば、大当り判定)を行う抽選手段(例えば、ステップS117等)と、前記当落判定の結果に基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)とを備え、前記当落判定の結果が特定の結果であることに基づいて遊技者に有利な特別遊技(例えば、大当り遊技状態)を実行可能な遊技機であって、通常の遊技状態と比べて前記当落判定を促進させる制御(例えば、時短遊技状態)を実行可能な抽選促進制御手段と、前記当落判定における当選確率を、通常の遊技状態と比べて高確率(例えば、高確率遊技状態)とすることが可能な確率変更手段と、前記当落判定における当選確率が前記高確率とされているか否かを非明示とする秘匿演出(例えば、秘匿Aステージ2002)を実行可能な秘匿演出実行手段(例えば、ステップS205等)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報を、始動記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段により記憶される一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われるよう制御する表示制御手段(例えば、表示制御回路204)と、少なくとも前記当落判定を促進させる制御が実行されている遊技状態において、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出の実行数を決定する図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶に対しての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、前記始動記憶の単位にかかわらず当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定する特定演出決定手段を有し、前記特定演出決定手段は、前記秘匿演出が実行されているときに、前記当落判定における当選確率が前記高確率とされていることの期待の度合いを示すものとして、前記所定の単位に分けられた前記図柄演出の実行中に行われる演出態様(例えば、キャラクタの減算演出)を決定するものであることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、なくとも当落判定を促進させる制御が実行されている遊技状態において、保留手段により記憶された始動記憶に対して、識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数が決定される。すなわち、本来であれば保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回の図柄演出が行われるところ、保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回または複数回の図柄演出の実行数が決定されるため、一の始動記憶に対する可変表示でありながらも、外観上は、複数の始動記憶に対する可変表示が行われているかのように見えることとなる。そのため、当落判定を促進させる制御が実行される期間を抑制しつつも、かかる期間が抑制されていることを遊技者に把握され難くなるとともに、当落判定における当選確率を適度なものとすることができるので、遊技者に与えうる不利益感を軽減し、ひいては、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、各始動記憶に対して決定された図柄演出は、始動記憶の単位にかかわらず所定の単位に分けられる。そして、この所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定される。したがって、一の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部と、当該一の始動記憶についての可変表示の次に可変表示が行われる他の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部とにまたがる演出態様が決定されることもあり得る。これにより、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができるため、当落判定を促進させる制御が実行されている期間を遊技者に把握され難くすることができる。しかも、秘匿演出が実行されているときに、当落判定における当選確率が高確率とされていることの期待の度合いを示すものとして、所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定されるため、当落判定を促進させる制御の実行期間が抑制されたとしても、遊技者の注視を上記演出態様に向かせることができ、より一層、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、ここでいう「識別図柄の可変表示」とは、一の始動記憶に対して識別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの一連の表示を意味し、一の始動記憶に対して識別図柄の変動演出と停止演出とが複数回にわたって繰り返し行われたとしても、可変表示の回数は1回である。
また、識別図柄の「停止演出」とは、1回の可変表示の中途で行われる識別図柄の停止演出(例えば、仮停止)及び1回の可変表示が終了したときに行われる識別図柄の停止演出(例えば、本停止)の両方を含む趣旨である。
さらに、「一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる」とは、一の始動記憶について可変表示が行われる時間のみならず、次の始動記憶についての可変表示が行われるまでのインターバルに要する時間の全部または一部も含む趣旨である。したがって、「識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出」とは、可変表示の中途であれば識別図柄の停止演出が行われるまでであり、可変表示の最後であれば上記インターバルも含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が前記表示手段に表示されるよう制御する保留演出制御手段(例えば、ステップS205等)をさらに備え、前記保留演出制御手段は、少なくとも前記特定演出決定手段により決定された演出態様が表示されているときは、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示されないよう制御することを特徴とするものである。
上記(2)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示手段に表示されないため、保留手段により記憶された始動記憶に対して図柄演出の実行数が決定されることと相俟って、当落判定を促進させる制御が開始されてからの進行度合い(すなわち、当落判定を促進させる制御が実行されている間において、始動記憶が消化された数(実行された遊技数))を把握することが困難となる。その結果、当落判定における当選確率が高確率とされていることの期待の度合いを示すものとして行われる演出態様に遊技者を注視させることができ、当落判定を促進させる制御の実行期間を、より一層遊技者に意識させないようにすることができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、前記演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに、特定の態様で前記可変表示が行われる特定の始動記憶が含まれていないとき、前記保留手段により記憶される全部の始動記憶に対して演出態様を決定するとともに、前記保留手段により記憶される始動記憶のうち最後に記憶された始動記憶に対する演出態様を、当該始動記憶が前記特定の始動記憶でないにもかかわらず、特定の態様で前記識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様に決定する示唆演出決定手段(例えば、ステップS358等)を有するようにした
ものである。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶が含まれていないときは、演出態様を決定しなおす必要が生じないため制御上の負担が大きくなる可能性は低いものの、表示演出に対する遊技者の期待感を持続させることが難しいと考えられる。そこで、保留手段により記憶される始動記憶のうち最後に記憶された始動記憶に対する演出態様を、特定の始動記憶でないにもかかわらず、特定の態様で識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様に決定することで、表示演出に対する遊技者の期待感を持続することが可能となる。
付記27の遊技機によれば、可動体演出により演出効果を高めて興趣の低下を抑制することができる。
[付記28]
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行うとともに図柄の変動表示を行い、変動表示される図柄が停止表示されると、遊技の結果が示される遊技機が知られている。そして、遊技の結果が特定の結果であると、遊技者に有利な特別遊技が行われる。
この種の遊技機では、特別遊技が終了したのちの遊技状態を、例えば時短遊技状態のような遊技者に有利な特定遊技状態に制御する遊技機が知られている(例えば、特開2006−122447号公報参照)。
しかし、特別遊技とは別に遊技者に有利な特定遊技状態に制御される遊技機にあっては、特定遊技状態に制御される期間を長くすると当落判定における当選確率を低くせざるを得ず、興趣が低下するおそれがある。その一方、特定遊技状態に制御される期間を短くすると、遊技者に不利益感を与えかねず、いずれにしても興趣が低下するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、特別遊技とは別に行われる特定遊技状態を好適に行い、興趣の低下を抑制することにある。
(1)付記28の遊技機は、所定条件の成立に基づいて当落判定(例えば、大当り判定)を行う抽選手段(例えば、ステップS117等)と、前記当落判定の結果に基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)とを備え、前記当落判定の結果が特定の結果であることに基づいて遊技者に有利な特別遊技(例えば、大当り遊技状態)を実行可能な遊技機であって、通常の遊技状態と比べて前記当落判定を促進させる制御(例えば、時短遊技状態)を実行可能な抽選促進制御手段と、前記当落判定における当選確率を、通常の遊技状態と比べて高確率(例えば、高確率遊技状態)とすることが可能な確率変更手段と、前記当落判定における当選確率が前記高確率とされているか否かを非明示とする秘匿演出(例えば、秘匿Aステージ2002)を実行可能な秘匿演出実行手段(例えば、ステップS205等)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報を、始動記憶として所定数まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段により記憶される一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われるよう制御する表示制御手段(例えば、ステップS205等)と、少なくとも前記当落判定を促進させる制御が実行されている遊技状態(例えば、時短遊技状態)において、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数を決定する図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶に対しての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、前記始動記憶の単位にかかわらず当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定する特定演出決定手段(例えば、ステップS372等)を有し、前記特定演出決定手段は、前記保留手段により特定の始動記憶が記憶されているとき、当該特定の始動記憶よりも先に記憶された始動記憶と当該特定の始動記憶とをまたがる演出態様を決定しうるものの、当該特定の始動記憶と当該特定の始動記憶よりも後に記憶された始動記憶とをまたがる演出態様を決定しないよう構成されるとともに、前記秘匿演出が実行されているときに、前記当落判定における当選確率が前記高確率とされていることの期待の度合いを示すものとして、前記所定の単位に分けられた前記図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定するものである。.
上記(1)の遊技機によれば、なくとも当落判定を促進させる制御が実行されている遊技状態において、保留手段により記憶された始動記憶に対して、識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数が決定される。すなわち、本来であれば保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回の図柄演出が行われるところ、保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回または複数回の図柄演出の実行数が決定されるため、一の始動記憶に対する可変表示でありながらも、外観上は、複数の始動記憶に対する可変表示が行われているかのように見えることとなる。そのため、当落判定を促進させる制御が実行される期間を抑制しつつも、かかる期間が抑制されていることを遊技者に把握され難くなるとともに、当落判定における当選確率を適度なものとすることができるので、遊技者に与えうる不利益感を軽減し、ひいては、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、各始動記憶に対して決定された図柄演出は、始動記憶の単位にかかわらず所定の単位に分けられる。そして、この所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定される。したがって、一の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部と、当該一の始動記憶についての可変表示の次に可変表示が行われる他の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部とにまたがる演出態様が決定されることもあり得る。これにより、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができるため、当落判定を促進させる制御が実行されている期間を遊技者に把握され難くすることができる。しかも、秘匿演出が実行されているときに、当落判定における当選確率が高確率とされていることの期待の度合いを示すものとして、所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定されるため、当落判定を促進させる制御の実行期間が抑制されたとしても、遊技者の注視を上記演出態様に向かせることができ、より一層、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定するにあたり、特定の始動記憶(例えば、リーチ変動演出)よりも先に記憶された(先に可変表示される)始動記憶と当該特定の始動記憶とをまたがる演出態様を決定しうる。これにより、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。一方、特定の始動記憶と当該特定の始動記憶よりも後に記憶された(後に可変表示される)始動記憶とをまたがる演出態様については決定されないようになっている。これにより、遊技者の注視を、図柄演出の実行中に行われる演出態様よりも、特定の態様で行われる識別図柄の変動演出に向けさせることができ、当該変動演出に期待感を持たせることができる。ここで、「特定の始動記憶」とは、例えば、リーチ変動等のように、当落判定の結果が特定の結果であることの期待感を遊技者に与えうる可変表示が行われる始動記憶が相当する。
なお、ここでいう「識別図柄の可変表示」とは、一の始動記憶に対して識別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの一連の表示を意味し、一の始動記憶に対して識別図柄の変動演出と停止演出とが複数回にわたって繰り返し行われたとしても、可変表示の回数は1回である。
また、識別図柄の「停止演出」とは、1回の可変表示の中途で行われる識別図柄の停止演出(例えば、仮停止)及び1回の可変表示が終了したときに行われる識別図柄の停止演出(例えば、本停止)の両方を含む趣旨である。
さらに、「一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる」とは、一の始動記憶について可変表示が行われる時間のみならず、次の始動記憶についての可変表示が行われるまでのインターバルに要する時間の全部または一部も含む趣旨である。したがって、「識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出」とは、可変表示の中途であれば識別図柄の停止演出が行われるまでであり、可変表示の最後であれば上記インターバルも含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が前記表示手段に表示されるよう制御する保留演出制御手段(例えば、サブCPU201)をさらに備え、前記保留演出制御手段は、少なくとも前記特定演出決定手段により決定された演出態様が表示されているときは、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示されないよう制御することを特徴とするものである。
上記(2)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示手段に表示されないため、保留手段により記憶された始動記憶に対して図柄演出の実行数が決定されることと相俟って、当落判定を促進させる制御が開始されてからの進行度合い(すなわち、当落判定を促進させる制御が実行されている間において、始動記憶が消化された数(実行された遊技数))を把握することが困難となる。その結果、当落判定における当選確率が高確率とされていることの期待の度合いを示すものとして行われる演出態様に遊技者を注視させることができ、当落判定を促進させる制御の実行期間を、より一層遊技者に意識させないようにすることができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、前記演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに前記特定の始動記憶が含まれていないとき、前記保留手段により記憶される全部の始動記憶に対して演出態様を決定するとともに、前記保留手段により記憶される始動記憶のうち最後に記憶された始動記憶に対する演出態様を、当該始動記憶が前記特定の始動記憶でないにもかかわらず、特定の態様で前記識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様に決定する示唆演出決定手段(例えば、ステップS358等)を有するようにしたものである。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶が含まれていないときは、演出態様を決定しなおす必要が生じないため制御上の負担が大きくなる可能性は低いものの、表示演出に対する遊技者の期待感を持続させることが難しいと考えられる。そこで、保留手段により記憶される始動記憶のうち最後に記憶された始動記憶に対する演出態様を、特定の始動記憶でないにもかかわらず、特定の態様で識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様に決定することで、表示演出に対する遊技者の期待感を持続することが可能となる。
付記28の遊技機によれば、特別遊技とは別に行われる特定遊技状態を好適に行うことができるので、興趣の低下を抑制すること可能となる。
[付記29]
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行うとともに図柄の変動表示を行い、変動表示される図柄が停止表示されると、遊技の結果が示される遊技機が知られている。そして、遊技の結果が特定の結果であると、遊技者に有利な特別遊技が行われる。
この種の遊技機では、特別遊技が終了したのちの遊技状態を、例えば時短遊技状態のような遊技者に有利な特定遊技状態に制御する遊技機が知られている(例えば、特開2006−122447号公報参照)。
しかし、特別遊技とは別に遊技者に有利な特定遊技状態に制御される遊技機にあっては、特定遊技状態に制御される期間を長くすると当落判定における当選確率を低くせざるを得ず、興趣が低下するおそれがある。その一方、特定遊技状態に制御される期間を短くすると、遊技者に不利益感を与えかねず、いずれにしても興趣が低下するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、特別遊技とは別に行われる特定遊技状態を好適に行い、興趣の低下を抑制することにある。
(1)付記29の遊技機は、所定条件の成立に基づいて当落判定(例えば、大当り判定)を行う抽選手段(例えば、ステップS117等)と、前記当落判定の結果に基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)とを備え、前記当落判定の結果が特定の結果であることに基づいて遊技者に有利な特別遊技(例えば、大当り遊技状態)を実行可能な遊技機であって、通常の遊技状態と比べて前記当落判定を促進させる制御(例えば、時短遊技状態)を実行可能な抽選促進制御手段と、前記当落判定における当選確率を、通常の遊技状態と比べて高確率(例えば、高確率遊技状態)とすることが可能な確率変更手段と、前記当落判定における当選確率が前記高確率とされているか否かを非明示とする秘匿演出(例えば、秘匿Aステージ2002)を実行可能な秘匿演出実行手段(例えば、ステップS205等)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報を、始動記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段により記憶される一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われるよう制御する表示制御手段(例えば、ステップS205等)と、少なくとも前記当落判定を促進させる制御が実行されている遊技状態において、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出の実行数を決定する図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶に対しての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶される始動記憶のなかに特定の始動記憶が含まれていないとき、当該保留手段により記憶される全部の始動記憶に対して演出態様を決定するとともに、前記保留手段により記憶される全部の始動記憶に対して演出態様を決定するにあたり、前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様(例えば、キャラクタの減算演出)を決定する特定演出決定手段(例えば、ステップS372等)を有することを特徴とする遊技機。
上記(1)の遊技機によれば、なくとも当落判定を促進させる制御が実行されている遊技状態において、保留手段により記憶された始動記憶に対して、識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数が決定される。すなわち、本来であれば保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回の図柄演出が行われるところ、保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回または複数回の図柄演出の実行数が決定されるため、一の始動記憶に対する可変表示でありながらも、外観上は、複数の始動記憶に対する可変表示が行われているかのように見えることとなる。そのため、当落判定を促進させる制御が実行される期間を抑制しつつも、かかる期間が抑制されていることを遊技者に把握され難くなるとともに、当落判定における当選確率を適度なものとすることができるので、遊技者に与えうる不利益感を軽減し、ひいては、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、各始動記憶に対して決定された図柄演出は、始動記憶の単位にかかわらず所定の単位に分けられる。そして、この所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定される。したがって、一の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部と、当該一の始動記憶についての可変表示の次に可変表示が行われる他の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部とにまたがる演出態様が決定されることもあり得る。これにより、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができるため、当落判定を促進させる制御が実行されている期間を遊技者に把握され難くすることができる。しかも、秘匿演出が実行されているときに、当落判定における当選確率が高確率とされていることの期待の度合いを示すものとして、所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定されるため、当落判定を促進させる制御の実行期間が抑制されたとしても、遊技者の注視を上記演出態様に向かせることができ、より一層、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ところで、保留手段により記憶された始動記憶のなかに特定の態様(例えば、リーチ変動)で可変表示が行われる特定の始動記憶が含まれていないときは、保留手段により記憶された始動記憶のなかに特定の始動記憶が含まれているときと比べて制御上の負担が少なく、より多くの始動記憶を対象として演出態様を決定することができるため、保留手段により記憶される全部の始動記憶に対して演出態様を決定するようにしている。
なお、ここでいう「識別図柄の可変表示」とは、一の始動記憶に対して識別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの一連の表示を意味し、一の始動記憶に対して識別図柄の変動演出と停止演出とが複数回にわたって繰り返し行われたとしても、可変表示の回数は1回である。
また、識別図柄の「停止演出」とは、1回の可変表示の中途で行われる識別図柄の停止演出(例えば、仮停止)及び1回の可変表示が終了したときに行われる識別図柄の停止演出(例えば、本停止)の両方を含む趣旨である。
さらに、「一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる」とは、一の始動記憶について可変表示が行われる時間のみならず、次の始動記憶についての可変表示が行われるまでのインターバルに要する時間の全部または一部も含む趣旨である。したがって、「識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出」とは、可変表示の中途であれば識別図柄の停止演出が行われるまでであり、可変表示の最後であれば上記インターバルも含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、遊技球が入賞可能な始動口(例えば、第二始動口440)と、前記始動口への遊技球の入賞に基づいて、前記識別図柄の可変表示が行われるときの変動パターンを決定する変動パターン決定手段(例えば、メインCPU101)と、をさらに備え、前記保留手段(例えば、メインCPU101)は、前記始動口に遊技球が入賞したことに基づいて前記始動記憶を保留可能に構成されており、前記図柄演出実行数決定手段(例えば、サブCPU201)は、前記始動口に遊技球が入賞したときに、前記保留手段に記憶される始動記憶についての前記図柄演出の実行数を、前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンに基づいて決定することを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶に対して決定される図柄演出の実行数は、変動パターンに基づいて決定されるようにしている。より詳しくは、変動時間が相対的に長い変動パターンであれば図柄演出の実行数が多くなり、変動時間が相対的に短い変動パターンであれば図柄演出の実行数が少なくなる。そのため、1回の図柄演出に要する時間のばらつきが小さくなり、一の始動記憶に対して1または複数の図柄演出が実行されている旨を遊技者に把握され難くなる。その結果、当落判定を促進させる制御が実行されている期間を、より一層、遊技者に把握され難くすることができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が前記表示手段に表示されるよう制御する保留演出制御手段(例えば、ステップS205等)をさらに備え、前記保留演出制御手段は、少なくとも前記特定演出決定手段により決定された演出態様が表示されているときは、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示されないよう制御することを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示手段に表示されないため、保留手段により記憶された始動記憶に対して図柄演出の実行数が決定されることと相俟って、当落判定を促進させる制御が開始されてからの進行度合い(すなわち、当落判定を促進させる制御が実行されている間において、始動記憶が消化された数(実行された遊技数))を把握することが困難となる。その結果、当落判定における当選確率が高確率とされていることの期待の度合いを示すものとして行われる演出態様に遊技者を注視させることができ、当落判定を促進させる制御の実行期間を、より一層遊技者に意識させないようにすることができる。
付記29の遊技機によれば、特別遊技とは別に行われる特定遊技状態を好適に行うことができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
[付記30]
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行うとともに図柄の変動表示を行い、変動表示される図柄が停止表示されると、遊技の結果が示される遊技機が知られている。そして、遊技の結果が特定の結果であると、遊技者に有利な特別遊技が行われる。
この種の遊技機では、特別遊技が終了したのちの遊技状態を、例えば時短遊技状態のような遊技者に有利な特定遊技状態に制御する遊技機が知られている(例えば、特開2006−122447号公報参照)。
しかし、特別遊技とは別に遊技者に有利な特定遊技状態に制御される遊技機にあっては、特定遊技状態に制御される期間を長くすると当落判定における当選確率を低くせざるを得ず、興趣が低下するおそれがある。その一方、特定遊技状態に制御される期間を短くすると、遊技者に不利益感を与えかねず、いずれにしても興趣が低下するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、特別遊技とは別に行われる特定遊技状態を好適に行い、興趣の低下を抑制することにある。
(1)付記30の遊技機は、所定条件の成立に基づいて当落判定(例えば、大当り判定)を行う抽選手段(例えば、ステップS117等)と、前記当落判定の結果に基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)とを備え、前記当落判定の結果が特定の結果であることに基づいて遊技者に有利な特別遊技(例えば、大当り遊技状態)を実行可能な遊技機であって、通常の遊技状態と比べて前記当落判定を促進させる制御(例えば、時短遊技状態)を実行可能な抽選促進制御手段と、前記当落判定における当選確率を、通常の遊技状態と比べて高確率(例えば、高確率遊技状態)とすることが可能な確率変更手段と、前記当落判定における当選確率が前記高確率とされているか否かを非明示とする秘匿演出(例えば、秘匿Aステージ2002)を実行可能な秘匿演出実行手段(例えば、ステップS205等)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報を、始動記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段により記憶される一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われるよう制御する表示制御手段(例えば、ステップS205等)と、少なくとも前記当落判定を促進させる制御が実行されている遊技状態において、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出の実行数を決定する図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶に対しての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに特定の始動記憶が含まれていないとき、当該保留手段により記憶される全部の始動記憶に対して演出態様を決定するとともに、前記保留手段により記憶される全部の始動記憶に対して演出態様を決定するにあたり、前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、(前記始動記憶の単位にかかわらず)当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様(例えば、キャラクタの減算演出)を決定する特定演出決定手段、及び前記保留手段により記憶される始動記憶のうち最後に記憶された始動記憶に対する演出態様を、当該始動記憶が前記特定の始動記憶でないにもかかわらず、前記特定の態様で前記識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様(例えば、ガセのリーチ前兆演出)に決定する示唆演出決定手段(例えば、ステップS358等)を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、なくとも当落判定を促進させる制御が実行されている遊技状態において、保留手段により記憶された始動記憶に対して、識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数が決定される。すなわち、本来であれば保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回の図柄演出が行われるところ、保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回または複数回の図柄演出の実行数が決定されるため、一の始動記憶に対する可変表示でありながらも、外観上は、複数の始動記憶に対する可変表示が行われているかのように見えることとなる。そのため、当落判定を促進させる制御が実行される期間を抑制しつつも、かかる期間が抑制されていることを遊技者に把握され難くなるとともに、当落判定における当選確率を適度なものとすることができるので、遊技者に与えうる不利益感を軽減し、ひいては、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、各始動記憶に対して決定された図柄演出は、始動記憶の単位にかかわらず所定の単位に分けられる。そして、この所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定される。したがって、一の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部と、当該一の始動記憶についての可変表示の次に可変表示が行われる他の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部とにまたがる演出態様が決定されることもあり得る。これにより、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができるため、当落判定を促進させる制御が開始されてからの進行度合い(すなわち、当落判定を促進させる制御が実行される残り期間)を遊技者に把握され難くすることができる。しかも、秘匿演出が実行されているときに、当落判定における当選確率が高確率とされていることの期待の度合いを示すものとして、所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定されるため、当落判定を促進させる制御の実行期間が抑制されたとしても、遊技者の注視を上記演出態様に向かせることができ、より一層、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、保留手段により記憶された始動記憶のなかに特定の態様(例えば、リーチ変動演出)で可変表示が行われる特定の始動記憶が含まれていないとき、表示演出に対する遊技者の期待感を持続させることが難しくなるおそれがある。そこで、この場合には、保留手段により記憶される全部の始動記憶に対して演出態様を決定し、保留手段により記憶される始動記憶のうち最後に記憶された始動記憶に対する演出態様を、当該始動記憶が特定の始動記憶でないにもかかわらず、特定の態様で識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様に決定することで、表示演出に対する遊技者の期待感が持続されるようにしている。
なお、ここでいう「識別図柄の可変表示」とは、一の始動記憶に対して識別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの一連の表示を意味し、一の始動記憶に対して識別図柄の変動演出と停止演出とが複数回にわたって繰り返し行われたとしても、可変表示の回数は1回である。
また、識別図柄の「停止演出」とは、1回の可変表示の中途で行われる識別図柄の停止演出(例えば、仮停止)及び1回の可変表示が終了したときに行われる識別図柄の停止演出(例えば、本停止)の両方を含む趣旨である。
さらに、「一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる」とは、一の始動記憶について可変表示が行われる時間のみならず、次の始動記憶についての可変表示が行われるまでのインターバルに要する時間の全部または一部も含む趣旨である。したがって、「識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出」とは、可変表示の中途であれば識別図柄の停止演出が行われるまでであり、可変表示の最後であれば上記インターバルも含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、遊技球が入賞可能な始動口と、前記始動口への遊技球の入賞に基づいて、前記識別図柄の可変表示が行われるときの変動パターンを決定する変動パターン決定手段(例えば、ステップS173等)と、をさらに備え、前記保留手段は、前記始動口に遊技球が入賞したことに基づいて前記始動記憶を保留可能に構成されており、前記図柄演出実行数決定手段は、前記始動口に遊技球が入賞したときに、前記保留手段に記憶される始動記憶についての前記図柄演出の実行数を、前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンに基づいて決定することを特徴とするものである。
上記(2)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶に対して決定される図柄演出の実行数は、変動パターンに基づいて決定されるようにしている。より詳しくは、変動時間が相対的に長い変動パターンであれば図柄演出の実行数が多くなり、変動時間が相対的に短い変動パターンであれば図柄演出の実行数が少なくなる。そのため、1回の図柄演出に要する時間のばらつきが小さくなり、一の始動記憶に対して1または複数の図柄演出が実行されている旨を遊技者に把握され難くなる。その結果、当落判定を促進させる制御が実行されている期間を、より一層、遊技者に把握され難くすることができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が前記表示手段に表示されるよう制御する保留演出制御手段(例えば、ステップS205等)をさらに備え、前記保留演出制御手段は、少なくとも前記特定演出決定手段により決定された演出態様が表示されているときは、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示されないよう制御することを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示手段に表示されないため、保留手段により記憶された始動記憶に対して図柄演出の実行数が決定されることと相俟って、当落判定を促進させる制御が開始されてからの進行度合い(すなわち、当落判定を促進させる制御が実行される残り期間)を把握することが困難となる。その結果、当落判定における当選確率が高確率とされていることの期待の度合いを示すものとして行われる演出態様に遊技者を注視させることができ、当落判定を促進させる制御の実行期間を、より一層遊技者に意識させないようにすることができる。
付記30の遊技機によれば、特別遊技とは別に行われる特定遊技状態を好適に行うことができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
[付記31]
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行うとともに図柄の変動表示を行い、変動表示される図柄が停止表示されると、遊技の結果が示される遊技機が知られている。そして、遊技の結果が特定の結果であると、遊技者に有利な特別遊技が行われる。
この種の遊技機では、特別遊技が終了したのちの遊技状態を、例えば時短遊技状態のような遊技者に有利な特定遊技状態に制御する遊技機が知られている(例えば、特開2006−122447号公報参照)。
しかし、特別遊技とは別に遊技者に有利な特定遊技状態に制御される遊技機にあっては、特定遊技状態に制御される期間を長くすると当落判定における当選確率を低くせざるを得ず、興趣が低下するおそれがある。その一方、特定遊技状態に制御される期間を短くすると、遊技者に不利益感を与えかねず、いずれにしても興趣が低下するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、特別遊技とは別に行われる特定遊技状態を好適に行い、興趣の低下を抑制することにある。
(1)付記31の遊技機は、所定条件の成立に基づいて当落判定(例えば、大当り判定)を行う抽選手段(例えば、ステップS117等)と、前記当落判定の結果に基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)とを備え、前記当落判定の結果が特定の結果であることに基づいて遊技者に有利な特別遊技(例えば、大当り遊技状態)を実行可能な遊技機であって、通常の遊技状態と比べて前記当落判定を促進させる制御(例えば、時短遊技状態)を実行可能な抽選促進制御手段と、前記当落判定における当選確率を、通常の遊技状態と比べて高確率(例えば、高確率遊技状態)とすることが可能な確率変更手段と、前記当落判定における当選確率が前記高確率とされているか否かを非明示とする秘匿演出(例えば、秘匿Aステージ2002)を実行可能な秘匿演出実行手段(例えば、ステップS205等)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報を、始動記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段により記憶される一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われるよう制御する表示制御手段(例えば、ステップS205等)と、少なくとも前記当落判定を促進させる制御が実行されている遊技状態において、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出の実行数を決定する図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶に対しての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶のなかに、特定の態様で前記識別図柄の変動演出が行われる特定の始動記憶(リーチや大当り)が含まれていないとき、当該保留手段により記憶される始動記憶のうち、都度異なる数の始動記憶に対しての演出態様を決定する演出対象数決定手段、前記演出態様の決定対象となる始動記憶に対して演出態様を決定するにあたり、前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、(前記始動記憶の単位にかかわらず)当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様(例えば、キャラクタの減算演出)を決定する特定演出決定手段、及び前記都度異なる数の始動記憶のうち最後に記憶された始動記憶に対する演出態様を、当該始動記憶が前記特定の始動記憶でないにもかかわらず、前記特定の態様で前記識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様(例えば、ガセのリーチ前兆演出)に決定する示唆演出決定手段(例えば、ステップS358等)を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、少なくとも当落判定を促進させる制御が実行されている遊技状態において、保留手段により記憶された始動記憶に対して、識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数が決定される。すなわち、本来であれば保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回の図柄演出が行われるところ、保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回または複数回の図柄演出の実行数が決定されるため、一の始動記憶に対する可変表示でありながらも、外観上は、複数の始動記憶に対する可変表示が行われているかのように見えることとなる。そのため、当落判定を促進させる制御が実行される期間を抑制しつつも、かかる期間が抑制されていることを遊技者に把握され難くなるとともに、当落判定における当選確率を適度なものとすることができるので、遊技者に与えうる不利益感を軽減し、ひいては、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、各始動記憶に対して決定された図柄演出は、始動記憶の単位にかかわらず所定の単位に分けられる。そして、この所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定される。したがって、一の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部と、当該一の始動記憶についての可変表示の次に可変表示が行われる他の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部とにまたがる演出態様が決定されることもあり得る。これにより、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができるため、当落判定を促進させる制御が開始されてからの進行度合い(すなわち、当落判定を促進させる制御が実行される残り期間)を遊技者に把握され難くすることができる。しかも、秘匿演出が実行されているときに、当落判定における当選確率が高確率とされていることの期待の度合いを示すものとして、所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定されるため、当落判定を促進させる制御の実行期間が抑制されたとしても、遊技者の注視を上記演出態様に向かせることができ、より一層、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、保留手段により記憶された始動記憶のなかに特定の態様(例えば、リーチ変動演出)で可変表示が行われる特定の始動記憶が含まれていないとき、表示演出に対する遊技者の期待感を持続させることが難しくなるおそれがある。そこで、この場合には、演出態様の決定対象となる始動記憶の数を、都度異なる数となるように決定し、保留手段により記憶される始動記憶のうち最後に記憶された始動記憶に対する演出態様を、当該始動記憶が特定の始動記憶でないにもかかわらず、特定の態様で識別図柄の変動演出が行われる旨を示唆する演出態様に決定することで、表示演出に対する遊技者の期待感が持続されるようにしている。
演出態様の決定対象となる始動記憶の数を、都度異なる数となるように決定するようにしたのは、演出態様の決定対象となる始動記憶の数から、特定の態様で識別図柄の変動表示が行われないこと(特定の態様で識別図柄の変動表示が行われる旨を示唆する演出態様が表示されたとしても、当該示唆する演出態様がガセであること)を容易に把握されないようにするためである。
なお、ここでいう「識別図柄の可変表示」とは、一の始動記憶に対して識別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの一連の表示を意味し、一の始動記憶に対して識別図柄の変動演出と停止演出とが複数回にわたって繰り返し行われたとしても、可変表示の回数は1回である。
また、識別図柄の「停止演出」とは、1回の可変表示の中途で行われる識別図柄の停止演出(例えば、仮停止)及び1回の可変表示が終了したときに行われる識別図柄の停止演出(例えば、本停止)の両方を含む趣旨である。
さらに、「一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる」とは、一の始動記憶について可変表示が行われる時間のみならず、次の始動記憶についての可変表示が行われるまでのインターバルに要する時間の全部または一部も含む趣旨である。したがって、「識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出」とは、可変表示の中途であれば識別図柄の停止演出が行われるまでであり、可変表示の最後であれば上記インターバルも含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記演出対象数決定手段は、前記演出態様の決定対象となる始動記憶の数を、抽選により決定することを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、演出態様の決定対象となる始動記憶の数が抽選により決定されるので、演出態様の決定対象となる始動記憶の数を、容易に、ランダムに決定することができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が前記表示手段に表示されるよう制御する保留演出制御手段(例えば、ステップS205等)をさらに備え、前記保留演出制御手段は、少なくとも前記特定演出決定手段により決定された演出態様が表示されているときは、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示されないよう制御することを特徴とするものである。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示手段に表示されないため、より一層、始動記憶単位での可変表示を遊技者に意識させないようにすることができる。
付記31の遊技機によれば、特別遊技とは別に行われる特定遊技状態を好適に行うことができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
[付記32]
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行うとともに図柄の変動表示を行い、変動表示される図柄が停止表示されると、遊技の結果が示される遊技機が知られている。そして、遊技の結果が特定の結果であると、遊技者に有利な特別遊技が行われる。
この種の遊技機では、特別遊技が終了したのちの遊技状態を例えば時短遊技状態等の特定遊技状態にするとともに、当落判定における当選確率が高確率であるか否かを秘匿とし、予め決められた遊技回数が消化されたときに高確率であるか否かが開示されるようにした遊技機が知られている(例えば、特開2009−240529号公報参照)。
上記のように特定遊技状態において高確率であるか否かを秘匿とする遊技機には、特定遊技状態において高確率であることの期待度を示唆する演出が行われるものがある。
しかし、予め決められた遊技回数が消化されると特定遊技状態が終了する遊技機にあっては、消化された遊技回数を把握するだけで特定遊技状態の終了タイミングを遊技者が容易に分かってしまう。特定遊技状態の終了タイミングが近づいてくると、高確率であることの期待度を示唆する演出がたとえ行われたとしても、高確率であることに対する期待感が薄れ、興趣が低下するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、特定遊技状態の終了タイミングを把握し難くし、興趣の低下を抑制することにある。
(1)付記32の遊技機は、所定条件の成立に基づいて当落判定(例えば、大当り判定)を行う抽選手段(例えば、ステップS117等)と、前記当落判定の結果に基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)とを備え、前記当落判定の結果が特定の結果であることに基づいて遊技者に有利な特別遊技(例えば、大当り遊技状態)を実行可能な遊技機であって、通常の遊技状態と比べて前記当落判定を促進させる制御(例えば、時短遊技状態)を、前記当落判定が所定回数行われるまで実行可能な抽選促進制御手段と、前記当落判定における当選確率を、少なくとも前記当落判定を促進させる制御が実行されている間、通常の遊技状態と比べて高確率(例えば、高確率遊技状態)とすることが可能な確率変更手段と、前記当落判定における当選確率が前記高確率とされているか否かを非明示とする秘匿演出(例えば、秘匿Aステージ2002)を実行可能な秘匿演出実行手段(例えば、ステップS205等)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報を、始動記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段により記憶される一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われるよう制御する表示制御手段(例えば、サブCPU201)と、少なくとも前記当落判定を促進させる制御が実行されている遊技状態において、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出の実行数を決定する図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶に対しての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、前記始動記憶の単位にかかわらず当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定する特定演出決定手段(例えば、ステップS372等)を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、なくとも当落判定を促進させる制御が実行されている遊技状態において、保留手段により記憶された始動記憶に対して、識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数が決定される。すなわち、本来であれば保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回の図柄演出が行われるところ、保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回または複数回の図柄演出の実行数が決定されるため、一の始動記憶に対する可変表示でありながらも、外観上は、複数の始動記憶に対する可変表示が行われているかのように見えることとなる。そのため、当落判定を促進させる制御が実行される期間の終了タイミングが予め決まっていたとしても、かかる実行期間の終了タイミングを遊技者が把握することが困難となっている。
また、各始動記憶に対して決定された図柄演出は、始動記憶の単位にかかわらず所定の単位に分けられる。そして、この所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定される。したがって、一の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部と、当該一の始動記憶についての可変表示の次に可変表示が行われる他の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部とにまたがる演出態様が決定されることもあり得る。これにより、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができるため、当落判定を促進させる制御が開始されてからの進行度合い(すなわち、当落判定を促進させる制御が実行される残り期間)を遊技者に把握され難くすることができる。しかも、秘匿演出が実行されているときに、当落判定における当選確率が高確率とされていることの期待の度合いを示すものとして、所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定されるため、遊技者の意識を、当落判定を促進させる制御が実行される残り期間よりも上記の演出態様に向かせることができ、より一層、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、ここでいう「識別図柄の可変表示」とは、一の始動記憶に対して識別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの一連の表示を意味し、一の始動記憶に対して識別図柄の変動演出と停止演出とが複数回にわたって繰り返し行われたとしても、可変表示の回数は1回である。
また、識別図柄の「停止演出」とは、1回の可変表示の中途で行われる識別図柄の停止演出(例えば、仮停止)及び1回の可変表示が終了したときに行われる識別図柄の停止演出(例えば、本停止)の両方を含む趣旨である。
さらに、「一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる」とは、一の始動記憶について可変表示が行われる時間のみならず、次の始動記憶についての可変表示が行われるまでのインターバルに要する時間の全部または一部も含む趣旨である。したがって、「識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出」とは、可変表示の中途であれば識別図柄の停止演出が行われるまでであり、可変表示の最後であれば上記インターバルも含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が前記表示手段に表示されるよう制御する保留演出制御手段をさらに備え、前記保留演出制御手段は、少なくとも前記特定演出決定手段により決定された演出態様が表示されているときは、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示されないよう制御することを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示手段に表示されないため、保留手段により記憶された始動記憶に対して図柄演出の実行数が決定されることと相俟って、当落判定を促進させる制御が開始されてからの進行度合い(すなわち、当落判定を促進させる制御が実行される残り期間)を把握することが困難となる。その結果、当落判定における当選確率が高確率とされていることの期待の度合いを推測させうる指標演出に遊技者の興味を持たせることができ、当落判定を促進させる制御の終了タイミングを、より一層遊技者に把握され難くすることができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、前記演出態様決定手段は、記保留手段により記憶される始動記憶が複数であるとき、当該複数の始動記憶のうち、一の始動記憶に対して決定された実行数の図柄演出の一部と、他の始動記憶に対して決定された実行数の図柄演出の一部とを、複数の始動記憶をまたがる所定の単位として分けて、前記始動記憶の単位にかかわらず当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定可能な特定演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)を有することを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、1回の遊技結果にとらわれずに、複数の始動記憶をまたがるように演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができ、当落判定を促進させる制御の終了タイミングを、より一層遊技者に把握され難くすることができる。
付記32の遊技機によれば、特定遊技状態の終了タイミングを把握し難くすることで、興趣の低下を抑制することが可能となる。
[付記33]
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行うとともに図柄の変動表示を行い、変動表示される図柄が停止表示されると、遊技の結果が示される遊技機が知られている。そして、遊技の結果が特定の結果であると、遊技者に有利な特別遊技が行われる。
この種の遊技機では、特別遊技が終了したのちの遊技状態を例えば時短遊技状態等の特定遊技状態にするとともに、当落判定における当選確率が高確率であるか否かを秘匿とし、予め決められた遊技回数が消化されたときに高確率であるか否かが開示されるようにした遊技機が知られている(例えば、特開2009−240529号公報参照)。
上記のように特定遊技状態において高確率であるか否かを秘匿とする遊技機には、特定遊技状態において高確率であることの期待度を示唆する高確示唆演出が行われるものがある。
しかし、特定遊技状態において高確率であるか否かを秘匿にするとともに当該特定遊技状態において高確率であることの期待度を示唆する高確示唆演出が行われる遊技機にあっては、高確率でないときには期待度合いの低い演出が選ばれやすいため、このような期待度合いの低い演出が行われると、興趣が低下するおそれがある。
一方、高確率でないにもかかわらず期待度合いの高い演出が行われると、遊技者に無用な期待感を与えるだけであり、特定遊技状態の終了時に遊技者に与える落胆ははかりしれない。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、特定遊技状態において行われる表示演出に面白みを持たせて、興趣の低下を抑制することにある。
(1)付記33の遊技機は、定条件の成立に基づいて当落判定(例えば、大当り判定)を行う抽選手段(例えば、ステップS117等)と、前記当落判定の結果に基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)とを備え、前記当落判定の結果が特定の結果であることに基づいて遊技者に有利な特別遊技(例えば、大当り遊技状態)を実行可能な遊技機であって、通常の遊技状態と比べて前記当落判定を促進させる制御(例えば、時短遊技状態)を、所定期間にわたって実行可能な抽選促進制御手段(例えば、ステップS171等)と、前記当落判定における当選確率を、少なくとも前記当落判定を促進させる制御が実行されている間、通常の遊技状態と比べて高確率(例えば、高確率遊技状態)とすることが可能な確率変更手段と、前記当落判定における当選確率が前記高確率とされているか否かを明示しない表示演出を実行可能な秘匿期間(例えば、秘匿Aステージ2002)を設けるとともに、当該秘匿期間において、前記当落判定における当選確率が前記高確率であることの期待感を与えうる指標演出を実行可能な指標演出実行手段(例えば、ステップS370等)と、前記秘匿期間における全体の演出として行われる前記指標演出のシナリオを、前記当落判定を促進させる制御が実行される前に、あらかじめ決定するシナリオ決定手段(例えば、シナリオ事前設定処理(図138))と、を備え、前記シナリオ決定手段は、前記当落判定を促進させる制御が終了する際に、前記当落判定における当選確率が前記高確率とされているか否かが明示されるように前記指標演出のシナリオを決定することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、秘匿期間における全体の演出として行われる指標演出のシナリオが、当落判定を促進させる制御が実行される前にあらかじめ決定されるため、秘匿期間にあわせて指標演出のシナリオを進行させることができる。すなわち、秘匿期間が終了する前に、指標演出によって遊技者にとって有利であるか不利であるかが確定してしまうと興ざめしてしまいかねない。この点、本願発明によれば、秘匿期間が終了するまで指標演出に対する興味を持続させることができ、興趣の低下を抑制することができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、未だ行われていない前記可変表示についての情報を、始動記憶として所定数まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数を決定可能な図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶に対しての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、をさらに備え、前記演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶される始動記憶に対して前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、前記始動記憶の単位にかかわらず当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定する特定演出決定手段(例えば、ステップS372等)を有するものである。
上記(2)の遊技機によれば、留手段により記憶された始動記憶に対して、識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数が決定される。すなわち、本来であれば保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回の図柄演出が行われるところ、保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回または複数回の図柄演出の実行数が決定されるため、一の始動記憶に対する可変表示でありながらも、外観上は、複数の始動記憶に対する可変表示が行われているかのように見えることとなる。しかも、各始動記憶に対して決定された図柄演出は、始動記憶の単位にかかわらず所定の単位に分けられる。そして、この所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定される。したがって、一の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部と、当該一の始動記憶についての可変表示の次に可変表示が行われる他の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部とにまたがる演出態様が決定されることもあり得る。これにより、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、「可変表示」とは、一の始動記憶に対して識別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの一連の表示を意味し、一の始動記憶に対して識別図柄の変動演出と停止演出とが複数回にわたって繰り返し行われたとしても、可変表示の回数は1回である。
また、識別図柄の「停止演出」とは、1回の可変表示の中途で行われる識別図柄の停止演出(例えば、仮停止)及び1回の可変表示が終了したときに行われる識別図柄の停止演出(例えば、本停止)の両方を含む趣旨である。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が所定の表示領域に表示されるよう制御する保留演出制御手段(例えば、サブCPU201)をさらに備え、前記保留演出制御手段は、少なくとも前記特定演出決定手段により決定された演出態様が表示されているときは、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示されないよう制御する
ものである。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示手段に表示されないため、保留手段により記憶された始動記憶に対して図柄演出の実行数が決定されることと相俟って、当落判定を促進させる制御が開始されてからの進行度合い(すなわち、当落判定を促進させる制御が実行される残り期間)を把握することが困難となる。その結果、当落判定における当選確率が高確率とされていることの期待感を与えうる指標演出に遊技者の興味を持たせることができる。
付記33の遊技機によれば、特定遊技状態において行われる表示演出に面白みを持たせることができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
[付記34]
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行うとともに図柄の変動表示を行い、変動表示される図柄が停止表示されると、遊技の結果が示される遊技機が知られている。そして、遊技の結果が特定の結果であると、遊技者に有利な特別遊技が行われる。
この種の遊技機では、特別遊技が終了したのちの遊技状態を例えば時短遊技状態等の特定遊技状態にするとともに、当落判定における当選確率が高確率であるか否かを秘匿とし、予め決められた遊技回数が消化されたときに高確率であるか否かが開示されるようにした遊技機が知られている(例えば、特開2009−240529号公報参照)。
上記のように特定遊技状態において高確率であるか否かを秘匿とする遊技機には、特定遊技状態において高確率であることの期待度を示唆する高確示唆演出が行われるものがある。
しかし、特定遊技状態において高確率であるか否かを秘匿にするとともに当該特定遊技状態において高確率であることの期待度を示唆する高確示唆演出が行われる遊技機にあっては、高確率でないときには期待度合いの低い演出が選ばれやすいため、このような期待度合いの低い演出が行われると、興趣が低下するおそれがある。
一方、高確率でないにもかかわらず期待度合いの高い演出が行われると、遊技者に無用な期待感を与えるだけであり、特定遊技状態の終了時に遊技者に与える落胆ははかりしれない。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、特定遊技状態において行われる表示演出に面白みを持たせて、興趣の低下を抑制することにある。
(1)付記34の遊技機は、所定条件の成立に基づいて当落判定(例えば、大当り判定)を行う抽選手段(例えば、ステップS117等)と、前記当落判定の結果に基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)とを備え、前記当落判定の結果が特定の結果であることに基づいて遊技者に有利な特別遊技(例えば、大当り遊技状態)を実行可能な遊技機であって、未だ行われていない前記可変表示についての情報を、始動記憶として所定数まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段により記憶される一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われるよう制御する表示制御手段(例えば、ステップS205等)と、通常の遊技状態と比べて前記当落判定を促進させる制御(例えば、時短遊技状態)を、所定期間にわたって実行可能な抽選促進制御手段と、前記当落判定における当選確率を、少なくとも前記当落判定を促進させる制御が実行されている間、通常の遊技状態と比べて高確率(例えば、高確率遊技状態)とすることが可能な確率変更手段と、前記当落判定における当選確率が前記高確率とされているか否かを明示しない表示演出を実行可能な秘匿期間を設けるとともに、当該秘匿期間において、前記当落判定における当選確率が前記高確率であることの期待感を与えうる指標演出を実行可能な指標演出実行手段(例えば、ステップS370等)と、前記秘匿期間における全体の演出として行われる前記指標演出のシナリオを、前記当落判定を促進させる制御が実行される前に、あらかじめ決定するシナリオ決定手段(例えば、シナリオ事前設定処理(図138))と、少なくとも前記秘匿期間において、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出の実行数を決定する図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、を備え、前記指標演出実行手段は、前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、前記始動記憶の単位にかかわらず当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出として前記指標演出を行う旨を決定する特殊演出決定手段を有するとともに、前記シナリオ決定手段は、前記当落判定を促進させる制御が終了する際に、前記当落判定における当選確率が前記高確率とされているか否かが明示されるように前記指標演出のシナリオを決定することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、少なくとも秘匿期間において、保留手段により記憶された始動記憶に対して、識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数が決定される。すなわち、本来であれば保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回の図柄演出が行われるところ、少なくとも秘匿期間では、保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回または複数回の図柄演出の実行数が決定されるため、一の始動記憶に対する可変表示でありながらも、外観上は、複数の始動記憶に対する可変表示が行われているかのように見えることとなる。そのため、秘匿期間の終了タイミングを遊技者が把握することが困難となっている。さらには、各始動記憶に対して決定された図柄演出は、始動記憶の単位にかかわらず所定の単位に分けられるため、秘匿期間の終了タイミングを把握することはより一層困難となっている。
また、所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出として、当落判定における当選確率が高確率であることの期待感を与えうる指標演出が決定される。この指標演出は、秘匿期間における全体の演出として行われるシナリオが当落判定を促進させる制御が実行される前にあらかじめ決定されており、当落判定を促進させる制御が終了する際に、当落判定における当選確率が高確率とされているか否かが明示されるようになっている。
このように、秘匿期間の終了タイミングひいては当落判定を促進させる制御の終了タイミングを遊技者に意識させないようにしつつ、当落判定における当選確率が高確率であることの期待感を与えうる指標演出が行われるとともに、当落判定を促進させる制御が終了する際に、当落判定における当選確率が高確率とされているか否かが指標演出によって明示される。したがって、秘匿期間が一定期間経過したときに当落判定における当選確率が高確率であるか否かが開示されるといった従来の遊技機と異なり、秘匿期間の終了タイミングひいては当落判定を促進させる制御の終了タイミングを遊技者に意識させないようにして、指標演出の帰趨により、当落判定における当選確率が高確率とされているか否かが明示されるといった演出を実行することが可能となる。指標演出が例えば味方と敵との勝負演出である場合には、味方が勝利したときに高確率確定といった演出を実現することができる。
なお、ここでいう「識別図柄の可変表示」とは、一の始動記憶に対して識別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの一連の表示を意味し、一の始動記憶に対して識別図柄の変動演出と停止演出とが複数回にわたって繰り返し行われたとしても、可変表示の回数は1回である。
また、識別図柄の「停止演出」とは、1回の可変表示の中途で行われる識別図柄の停止演出(例えば、仮停止)及び1回の可変表示が終了したときに行われる識別図柄の停止演出(例えば、本停止)の両方を含む趣旨である。
さらに、「一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる」とは、一の始動記憶について可変表示が行われる時間のみならず、次の始動記憶についての可変表示が行われるまでのインターバルに要する時間の全部または一部も含む趣旨である。したがって、「識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出」とは、可変表示の中途であれば識別図柄の停止演出が行われるまでであり、可変表示の最後であれば上記インターバルも含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が前記表示手段に表示されるよう制御する保留演出制御手段(例えば、サブCPU201)をさらに備え、前記保留演出制御手段は、少なくとも前記特定演出決定手段により決定された演出態様が表示されているときは、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示されないよう制御することを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示手段に表示されないため、保留手段により記憶された始動記憶に対して図柄演出の実行数が決定されることと相俟って、当落判定を促進させる制御が開始されてからの進行度合い(すなわち、当落判定を促進させる制御が実行される残り期間)を把握することが困難となる。その結果、当落判定における当選確率が高確率とされていることの期待感を与えうる指標演出に遊技者の興味を持たせることができ、指標演出の帰趨によって当落判定における当選確率が高確率であるか否かが開示されるといった印象を遊技者に与えることができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、前記特殊演出決定手段は、前記保留手段により記憶される始動記憶が複数であるとき、当該複数の始動記憶のうち、一の始動記憶に対して決定された実行数の図柄演出の一部と、他の始動記憶に対して決定された実行数の図柄演出の一部とを、複数の始動記憶をまたがる所定の単位として分けて、前記始動記憶の単位にかかわらず当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定可能な特定演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)を有することを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、1回の遊技結果にとらわれずに、複数の始動記憶をまたがるように演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができ、秘匿期間の終了タイミングひいては当落判定を促進させる制御の終了タイミングをより一層遊技者に把握され難くすることができる。
付記34の遊技機によれば、特定遊技状態において行われる表示演出に面白みを持たせることができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
[付記35]
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行うとともに図柄の変動表示を行い、変動表示される図柄が停止表示されると、遊技の結果が示される遊技機が知られている。そして、遊技の結果が特定の結果であると、遊技者に有利な特別遊技が行われる。
この種の遊技機では、特別遊技が終了したのちの遊技状態を例えば時短遊技状態等の特定遊技状態にするとともに、当落判定における当選確率が高確率であるか否かを秘匿とし、予め決められた遊技回数が消化されたときに高確率であるか否かが開示されるようにした遊技機が知られている(例えば、特開2009−240529号公報参照)。
上記のように特定遊技状態において高確率であるか否かを秘匿とする遊技機には、特定遊技状態において高確率であることの期待度を示唆する高確示唆演出が行われるものがある。
しかし、特定遊技状態において高確率であるか否かを秘匿にするとともに当該特定遊技状態において高確率であることの期待度を示唆する高確示唆演出が行われる遊技機にあっては、高確率でないときには期待度合いの低い演出が選ばれやすいため、このような期待度合いの低い演出が行われると、興趣が低下するおそれがある。
一方、高確率でないにもかかわらず期待度合いの高い演出が行われると、遊技者に無用な期待感を与えるだけであり、特定遊技状態の終了時に遊技者に与える落胆ははかりしれない。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、特定遊技状態において行われる表示演出に面白みを持たせて、興趣の低下を抑制することにある。
(1)付記35の遊技機は、所定条件の成立に基づいて当落判定(例えば、大当り判定)を行う抽選手段(例えば、ステップS117等)と、前記当落判定の結果に基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)とを備え、前記当落判定の結果が特定の結果であることに基づいて遊技者に有利な特別遊技(例えば、大当り遊技状態)を実行可能な遊技機であって、通常の遊技状態と比べて前記当落判定を促進させる制御(例えば、時短遊技状態)を、所定期間にわたって実行可能な抽選促進制御手段と、前記当落判定における当選確率を、少なくとも前記当落判定を促進させる制御が実行されている間、通常の遊技状態と比べて高確率(例えば、高確率遊技状態)とすることが可能な確率変更手段と、前記当落判定における当選確率が前記高確率とされているか否かを明示しない表示演出を実行可能な秘匿期間(例えば、秘匿Aステージ2002)を設けるとともに、当該秘匿期間において、前記当落判定における当選確率が前記高確率であるか否かを推測させうる指標演出(例えば、キャラクタの減算演出)を実行可能な指標演出実行手段と、前記秘匿期間における全体の演出として行われる前記指標演出のシナリオを、前記当落判定を促進させる制御が実行される前に、あらかじめ決定するシナリオ決定手段と、を備え、前記抽選促進制御手段は、前記当落判定を促進させる制御を実行する期間が都度異なるように、複数の期間のうちいずれかの期間に決定する促進期間決定手段(例えば、ステップS172等)を有しており、前記シナリオ決定手段は、前記促進期間決定手段により決定された期間に応じて前記当落判定を促進させる制御が終了する際に、前記当落判定における当選確率が前記高確率とされているか否かが明示されるように前記指標演出のシナリオを決定することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、秘匿期間における全体の演出として行われる指標演出のシナリオが、当落判定を促進させる制御が実行される前に、あらかじめ決定されており、当落判定を促進させる制御が終了する際に、当落判定における当選確率が高確率とされているか否かが明示されるようになっている。ここで、指標演出とは、当落判定における当選確率が前記高確率であるか否かを推測させうる演出である。また、当落判定を促進させる制御の実行期間は、都度異なるように決定されるため、秘匿期間の終了タイミングを遊技者が把握することが困難となっている。
このように、秘匿期間の終了タイミングひいては当落判定を促進させる制御の終了タイミングを遊技者に意識させないようにしつつ、当落判定における当選確率が高確率であるか否かを推測させうる指標演出が行われるとともに、当落判定を促進させる制御が終了する際に、当落判定における当選確率が高確率とされているか否かが指標演出によって明示される。したがって、秘匿期間が一定期間経過したときに当落判定における当選確率が高確率であるか否かが開示されるといった従来の遊技機と異なり、秘匿期間の終了タイミングひいては当落判定を促進させる制御の終了タイミングを遊技者に意識させないようにして、指標演出の帰趨により、当落判定における当選確率が高確率とされているか否かが明示されるといった演出を実行することが可能となる。指標演出が例えば味方と敵との勝負演出である場合には、味方が勝利したときに高確率確定といった演出を実現することができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、未だ行われていない前記可変表示についての情報を、始動記憶として所定数まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数を決定可能な図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記保留手段により記憶される一または複数の始動記憶に対しての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記保留手段により記憶される始動記憶に対して前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、前記始動記憶の単位にかかわらず当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定する特定演出決定手段(例えば、ステップS370等)を有することを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、保留手段により記憶された始動記憶に対して、識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数が決定される。すなわち、本来であれば保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回の図柄演出が行われるところ、保留手段により記憶された各始動記憶に対して1回または複数回の図柄演出の実行数が決定されるため、一の始動記憶に対する可変表示でありながらも、外観上は、複数の始動記憶に対する可変表示が行われているかのように見えることとなる。しかも、各始動記憶に対して決定された図柄演出は、始動記憶の単位にかかわらず所定の単位に分けられる。そして、この所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様が決定される。したがって、一の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部と、当該一の始動記憶についての可変表示の次に可変表示が行われる他の始動記憶に対して決定された複数の図柄演出の一部とにまたがる演出態様が決定されることもあり得る。これにより、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、「可変表示」とは、一の始動記憶に対して識別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの一連の表示を意味し、一の始動記憶に対して識別図柄の変動演出と停止演出とが複数回にわたって繰り返し行われたとしても、可変表示の回数は1回である。
また、識別図柄の「停止演出」とは、1回の可変表示の中途で行われる識別図柄の停止演出(例えば、仮停止)及び1回の可変表示が終了したときに行われる識別図柄の停止演出(例えば、本停止)の両方を含む趣旨である。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が所定の表示領域に表示されるよう制御する保留演出制御手段をさらに備え、前記保留演出制御手段は、少なくとも前記特定演出決定手段により決定された演出態様が表示されているときは、前記保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示されないよう制御するものである。
上記(3)の遊技機によれば、保留手段に記憶される始動記憶にかかわる画像が表示手段に表示されないため、保留手段により記憶された始動記憶に対して図柄演出の実行数が決定されることと相俟って、当落判定を促進させる制御が開始されてからの進行度合い(すなわち、当落判定を促進させる制御が実行される残り期間)を把握することが困難となる。その結果、当落判定における当選確率が高確率とされていることの期待の度合いを推測させうる指標演出に遊技者の興味を持たせることができる。
付記35の遊技機によれば、特定遊技状態において行われる表示演出に面白みを持たせることができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
[付記36]
従来、パチンコ機あるいはパチスロ機といった遊技機において、当落判定を行うとともに図柄の変動表示を行い、変動表示される図柄が停止表示されると、遊技の結果が示される遊技機が知られている。そして、遊技の結果が特定の結果であると、遊技者に有利な特別遊技が行われる。
この種の遊技機では、当落判定の結果が表示される前に、特別遊技が行われる可能性がある旨を期待させる表示演出を行い、演出効果が高められるようにしたものがある(例えば、特開2006−246964号公報参照)。
しかし、特許文献1に記載された遊技機は、あくまでも当落判定単位に対して表示演出が行われるため、特別遊技が行われることを期待できるような表示演出でなかった場合には、変動中の図柄の変動表示に対して期待感が喪失し、その時点で興趣が低下しまうおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、当落判定単位での表示演出を好適に遊技者に意識させないようにし、興趣の低下を抑制することにある。
(1)付記36の遊技機は、所定条件が成立したことに基づいて識別図柄の可変表示が行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、未だ行われていない前記可変表示についての情報(例えば、大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値等)を、始動記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能な保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)と、前記保留手段(例えば、ステップS54、ステップS55等)により記憶される一の始動記憶について前記可変表示が行われると、当該一の始動記憶の次の始動記憶についての可変表示が行われるまでの演出時間を用いて前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われるよう制御する表示制御手段と、前記保留手段により記憶された始動記憶に対して、前記識別図柄の変動演出と停止演出とが行われる図柄演出(例えば、仮変動)の実行数を決定可能な図柄演出実行数決定手段(例えば、ステップS324等)と、前記保留手段により記憶される始動記憶のうち一または複数の始動記憶を演出区間として決定し、当該演出区間において行われる区間演出として、当該演出区間に含まれる始動記憶に対しての演出態様を決定可能な演出態様決定手段(例えば、ステップS372等)と、を備え、前記演出態様決定手段は、前記区間演出を実行中であるか否かを判断し、前記区間演出を実行中でないと判断されたとき、再び、前記演出区間を決定するとともに当該演出区間において行われる区間演出の演出態様を決定することで、前記区間演出が途切れることなく繰り返し行われるようにしたことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、保留手段により記憶される始動記憶のうち一または複数の始動記憶を演出区間として決定される。そして、このような区間演出は、途切れることなく繰り返し行われるようにしたので、始動記憶単位の演出であることを遊技者に意識させないようにし、期待感を長期間にわたって持続させることができる。
なお、上記の区間演出が「途切れることなく繰り返し行われる」といった態様には、保留されている始動記憶がある限り途切れることなく行われる態様が含まれるのは勿論のこと、保留されている始動記憶がなくなって例えばデモ演出が途中で実行された場合であっても、その後に始動記憶が保留されると区間演出が実行されるのであれば、上記の「途切れることなく繰り返し行われる」に含まれる。また、始動口が複数ある場合(例えば、第一始動口5442と第二始動口440とがある場合)に、一方の始動口(例えば、第一始動口5442)に遊技球が入球した場合には区間演出が行われないものの、他方の始動口(例えば第二始動口440)に遊技球が入球した場合には区間演出が途切れることなく繰り返し行われる態様も含む。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、前記演出態様決定手段は、前記演出区間に含まれる始動記憶に対して前記図柄演出実行数決定手段により決定された実行数の前記図柄演出を所定の単位に分けて、前記始動記憶の単位にかかわらず当該所定の単位に分けられた図柄演出の実行中に行われる演出態様を決定する区間演出態様決定手段(例えば、サブCPU201)を有するものである。
上記(2)の遊技機によれば、始動記憶の単位にとらわれずに演出態様が決定されるので、複数の始動記憶をまたがるように演出態様を決定することも可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができ、始動記憶毎の遊技結果を意識させ難いといった斬新な遊技を提供することができる。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、前記区間演出態様決定手段は、前記演出区間に含まれる一の始動記憶に対して決定された実行数の図柄演出の一部と、前記演出区間に含まれる他の始動記憶に対して決定された実行数の図柄演出の一部とを、複数の始動記憶をまたがる所定の単位として分けることが可能に構成されるものである。
上記(3)の遊技機によれば、1回の遊技結果にとらわれずに演出態様を決定することが可能となる。また、遊技者には始動記憶単位での可変表示を意識させない表示演出を実行することができることで演出の幅が広がり、興趣の低下を抑制することができる。
付記36の遊技機によれば、当落判定単位での表示演出を遊技者に意識させないようにすることができるので、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、上記の各付記に記載された「期待度」について、各予告演出の大当りや高確率遊技状態といった所定の内部状態(すなわち、有利な状態)に対する期待度(信頼度)とは、各予告演出が実行されて「大当り」や「高確率遊技状態」となる確率を、各予告演出が実行されて「大当り」や「高確率遊技状態」となる確率と、各予告演出が実行されて「はずれ」や「低確率遊技状態」となる確率といった所定の内部状態(すなわち、不利な状態)となる確率との和で除算した数値である。ただし、「期待度」には、期待度が100%の場合と、期待度が0%の場合とが含み得るため、厳密には上記の除算が成立しない場合も存在する(例えば、演出が実行された場合に確定的に遊技状態や当落を報知する場合を含み得るため、1を0で割ることは適わず、この場合には期待度として100%や0%、又は有り無しの概念を含むこととなる)。
[付記37−1〜付記37−8]
従来、パチンコ機等の遊技機において、所定の条件が成立すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて、例えば液晶表示器などに演出画像が表示される。抽選の結果が大当りであると、大当り遊技が開始されて、大入賞口が所定の開閉パターンで開閉する。上記の大当りが確変大当りであると、大当り遊技が終了したのち、高確率遊技状態に制御される。
この種の遊技機として、入球口への入球率や出玉傾向を左右する遊技要素(構造的要素や制御的要素)の状態を、あらかじめ所定の設定入力手段によって入力された遊技設定値に対応する状態に設定するぱちんこ遊技機が開示されている(例えば、特開2015−065977号公報参照)。
このような特開2015−065977号公報に記載の遊技機によれば、遊技台ごとの出玉傾向を任意に設定できるため、遊技釘や役物などの遊技盤構成に対する調整や整備ができなくなったとしても、遊技店ごとまたは遊技台ごとの出玉傾向の均一化を防止できる。
(第1の課題)
しかし、特開2015−065977号公報に記載の遊技機によれば、遊技台ごとの出玉傾向を任意に設定できるものの、入球口への入球率や出玉傾向を左右する構造的要素または制御的要素の状態を設定値に応じて変えることができるだけで、遊技興趣の向上への貢献度合いが必ずしも大きいとは言えない。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の向上を図りつつ設定に応じて遊技要素の状態を好適に変えることが可能な遊技機を提供することにある。
上記第1の課題を解決するために、以下のような構成の付記37−1の遊技機を提供する。
(1)付記37−1の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS3024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
所定条件の成立にもとづいて抽選を実行可能な抽選手段(例えば、ステップS3073、ステップS3083、ステップS3118の処理を実行可能なメインCPU101)と、
所定の変動時間にわたって所定の変動パターンで図柄(例えば、特別図柄)の変動表示が行われる表示手段(例えば、第1特別図柄表示部73,第2特別図柄表示部74)と、
前記表示手段において行われる変動パターンを、前記抽選の結果に基づいて決定する変動パターン決定手段(例えば、ステップS3078の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記変動パターンの決定に供される変動パターンテーブルを記憶する変動パターンテーブル記憶手段(例えば、メインROM102)と、
前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンに対応する変動時間にわたって前記図柄の変動表示(例えば、特別図柄の変動表示)を行い、前記抽選の結果を示す態様で停止表示する図柄表示制御手段(例えば、ステップS3093の処理を実行可能なメインCPU101)と、
を備え、
前記変動パターンテーブル記憶手段は、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値が高くなるにつれて変動時間が相対的に短変動パターン(例えば通常変動B)に決定される確率が高くなるように規定された変動パターンテーブル(例えば、図170に示される特別図柄の変動時間決定テーブルテーブル)を記憶している
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、設定変更制御手段によりセットされた設定値が高くなるほど変動時間が短くなるため、高設定値ほど単位時間あたりの抽選回数が多くなり、ひいては抽選の結果に対する期待度が高められ、遊技興趣を向上させることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
特定時からの前記抽選の実行回数をカウントする抽選回数カウント手段(例えば、メインCPU101)をさらに備えるとともに、
前記変動パターンテーブル記憶手段は、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値が高くなるにつれて前記短変動パターンに決定される確率が、前記変動パターンテーブルよりも高くなるように規定された他の変動パターンテーブル(例えば、図172に示される変動回数が1001以上であるときの特別図柄の変動時間決定テーブルテーブル)をさらに記憶しており、
前記変動パターン決定手段は、
前記抽選回数カウント手段によりカウントされた前記抽選の実行回数が所定の条件を満たしたとき(例えば、大当り遊技状態が終了してから1001回以上の特別図柄の大当り抽選が行われたとき)は、前記他の変動パターンテーブルを用いて前記変動パターンを決定可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、抽選回数カウント手段によりカウントされた抽選の実行回数が所定の条件を満たしたときは、他の変動パターンテーブルを用いて変動パターンが決定可能とされているため、高設定値ほど単位時間あたりの抽選回数が顕著に多くなり、抽選の実行回数が特定の実行回数においては遊技者の期待度が高められ、遊技興趣を向上させることが可能となる。なお、「所定の条件」は、例えば、大当り遊技状態が終了してから所定以上(例えば1001回以上)の特別図柄の大当り抽選が行われたとき等が相当するが、これに限られない。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値を含む遊技の進行にかかわる遊技情報(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶可能な遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
所定のタイミングで前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報についての適・不適を判別する適正判定手段(ステップS3072,ステップS3082の処理を行うメインCPU101)と、
前記図柄の変動表示が行われているときに、前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報が前記適正判定手段により不適であると判別されると、前記図柄の変動表示についての抽選の結果を示す態様で前記図柄が停止表示されていなかったとしても、遊技を進行できないよう制御する遊技制御手段(例えば、ステップS3722の処理を実行するメインCPU101)と、
を備えることを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、図柄の変動表示(例えば、特別図柄の変動表示)が行われているときに、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報についての適・不適が判別されることがある。この場合、たとえ、図柄の変動表示についての抽選の結果を示す態様で図柄が停止表示されていなかったとしても、遊技情報についての適・不適の判別において不適であると判別された場合には、遊技を進行できないよう構成されている。これにより、セキュリティを担保することが可能となる。
上記第1の課題を解決するために、以下のような構成の付記37−2の遊技機を提供する。
(1)付記37−2の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS3024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
所定条件の成立にもとづいて抽選を実行可能な抽選手段(例えば、ステップS3073、ステップS3083、ステップS3118の処理を実行可能なメインCPU101)と、
所定の図柄による図柄演出(例えば、装飾図柄の変動演出)が行われ、前記図柄の停止態様によって前記抽選の結果が示されうる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、
前記表示手段において示されうる前記図柄の停止態様を、前記抽選の結果に基づいて決定する停止態様決定手段(例えば、ステップS3205の処理を実行可能なサブCPU201)と、
前記停止態様決定手段による前記図柄の停止態様の決定に供される停止態様テーブル(例えば、図171の装飾図柄決定テーブル)を記憶する停止態様テーブル記憶手段(例えば、プログラムROM202)と、
前記停止態様決定手段により決定された停止態様で前記図柄が停止されるよう制御する図柄演出制御手段(例えば、ステップS3207の処理を実行可能なサブCPU201)と、
前記抽選の結果が特定の結果(例えば、大当り)であることを示す態様(例えば、第1態様、第2態様、特定態様)で前記図柄が表示されると、遊技者に有利な複数の利益(例えば、4R通常大当り、4R確変大当り、10R通常大当り、10R確変大当り)のうちいずれかの利益を付与する利益付与手段(例えば、図10の大当り遊技制御を実行するメインCPU101)と、
を備え、
前記利益付与手段は、
前記抽選の結果が前記特定の結果(例えば、大当り)であることを示す停止態様で前記図柄が表示され、当該停止態様が特定停止態様(例えば、特定態様)であるとき、前記複数の利益のなかで相対的に有利度が高い特定利益(例えば、10R確変大当り)を付与可能に構成されており、
前記停止態様決定手段は、
前記抽選の結果が前記特定の結果(例えば、大当り)であるとき、前記設定変更制御手段によりセットされた設定値が高くなるにつれて、前記図柄の停止態様が前記特定停止態様で停止される確率が高められるように前記図柄の停止態様を決定可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、設定変更制御手段によりセットされた設定値が高くなるほど、図柄の停止態様を、複数の利益のなかで相対的に有利度が高い特定停止態様で停止される確率を高めることが可能となり、遊技興趣を向上させることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記停止態様決定手段は、
前記抽選の結果が前記特定の結果(例えば、大当り)であるとき、前記設定値によらず前記特定利益が付与される確率が同じでありながらも、前記設定変更制御手段によりセットされた設定値が高くなるにつれて、前記図柄の停止態様が前記特定停止態様で停止される確率が高められるように前記図柄の停止態様を決定可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、抽選の結果が前記特定の結果(例えば、大当り)であるとき、設定がいずれであっても特定利益が付与される確率を同じとしつつも、設定変更制御手段によりセットされた設定値が高くなるにつれて特定停止態様で停止される確率が高められるため、遊技興趣を向上させることが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値を含む遊技の進行にかかわる遊技情報(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶可能な遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
所定のタイミングで前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報についての適・不適を判別する適正判定手段(ステップS3072,ステップS3082の処理を行うメインCPU101)と、
前記図柄演出が行われているときに、前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報が前記適正判定手段により不適であると判別されると、前記抽選の結果が前記特定の結果であって且つ前記図柄の停止態様が前記特定停止態様で停止される旨が前記停止態様決定手段により決定されていたとしても、遊技を進行できないよう制御する遊技制御手段(例えば、ステップS3722の処理を実行するメインCPU101)と、
を備えることを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、図柄演出(例えば、装飾図柄の変動演出)が行われているときに、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報についての適・不適が判別されることがある。この場合、たとえ、抽選の結果が特定の結果であって且つ図柄の停止態様が特定停止態様で停止される旨が決定されていたとしても、遊技情報についての適・不適の判別において不適であると判別された場合には、遊技を進行できないよう構成されている。これにより、セキュリティを担保することが可能となる。
上記第1の課題を解決するために、以下のような構成の付記37−3の遊技機を提供する。
(1)付記37−3の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS3024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
所定条件の成立にもとづいて抽選を実行可能な抽選手段(例えば、ステップS3073、ステップS3083、ステップS3118の処理を実行可能なメインCPU101、大当り抽選とメイン図柄決定抽選との両方を含む)と、
前記抽選に用いられる抽選テーブル(例えば、図173または図174の特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときのメイン図柄の選択率を示すテーブル)を記憶する抽選テーブル記憶手段と、
少なくとも図柄の変動表示が行われる表示手段(例えば、第1特別図柄表示部73,第2特別図柄表示部74)と、
前記図柄の変動表示を行い、前記抽選の結果を示す態様で停止表示する図柄表示制御手段(例えば、ステップS3093の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記抽選の結果が特定の結果(例えば、大当り)であることを示す態様(例えば、特図1−1〜特図1−8,特図2−1〜特図2−4)で前記図柄が表示されると、遊技者に有利な複数の利益(例えば、4R通常大当り、4R確変大当り、10R通常大当り、10R確変大当り)のうちいずれかの利益を付与する利益付与手段(例えば、図10の大当り遊技制御を実行するメインCPU101)と、
を備え、
前記抽選テーブル記憶手段は、
前記複数の利益のうち相対的に有利度が高い特定利益(例えば、10R確変大当り)についての抽選確率が設定値に応じて異なる複数の抽選テーブルを記憶しており、
前記抽選手段は、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じた抽選テーブルを用いて前記抽選を行いうるよう構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、相対的に有利度が高い特定利益についての抽選確率が設定値に応じて異なる複数の抽選テーブルを用いて抽選が行われるため、設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて遊技者に付与される利益度合いを異ならせることが可能となり、遊技興趣を向上させることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記利益付与手段は、
前記特定利益として、遊技者に有利な特別遊技状態と、当該特別遊技状態が終了したのちの遊技状態を相対的に高い確率で前記利益が付与される高確率遊技状態と、を少なくとも付与するものであり、
前記抽選テーブル記憶手段は、
前記高確率遊技状態に制御される確率が設定値に応じて異なる複数のテーブルを記憶している
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、高確率遊技状態に制御される確率が設定値に応じて異なるため、遊技興趣を向上させることが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記利益付与手段は、
前記特定利益として、前記抽選が促進される特定遊技状態(例えば、時短遊技状態)をさらに付与するものであり、
前記抽選テーブル記憶手段は、
前記特定遊技状態に制御される確率が設定値に応じて異なる複数のテーブルを記憶している
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特定遊技状態に制御される確率が設定値に応じて異なるため、遊技興趣を向上させることが可能となる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値を含む遊技の進行にかかわる遊技情報(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶可能な遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
所定のタイミングで前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報についての適・不適を判別する適正判定手段(ステップS3072,ステップS3082の処理を行うメインCPU101)と、
前記図柄の変動表示が行われているときに、前記適正判定手段により前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報が不適であると判別されると、前記図柄の変動表示にかかる抽選の結果が前記特定利益の付与する旨の結果であったとしても、遊技を進行できないよう制御する遊技制御手段(例えば、ステップS3722の処理を実行するメインCPU101)と、
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、図柄の変動表示が行われているときに、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報についての適・不適が判別されることがある。この場合、たとえ図柄の変動表示にかかる抽選の結果が特定利益の付与する旨の結果であったとしても、遊技を進行できないよう構成されている。これにより、セキュリティを担保することが可能となる。
上記第1の課題を解決するために、以下のような構成の付記37−4の遊技機を提供する。
(1)付記37−4の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS3024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
遊技領域に設けられる第1の始動口及び第2の始動口を含む複数の始動口と、
前記複数の始動口のそれぞれへの遊技球の進入(例えば、受け入れ)にもとづいて異なる抽選態様で特別抽選を行う特別抽選手段(例えば、ステップS3073、ステップS3083、ステップS3118の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記特別抽選の結果が特別の結果(例えば、大当り)であることにもとづいて作動する特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段(例えば、図10の大当り遊技制御を実行するメインCPU101)と、
前記特別抽選の結果が特定の結果(例えば、小当り)であることにもとづいて、前記特別遊技よりも有利度合の低い特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
を備え、
前記特別抽選手段は、
前記始動口への遊技球の進入(例えば、受け入れ)にもとづいて前記特別抽選を行うに際し、当該特別抽選を、前記特定の結果となる確率が前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異なりうるように行うことが可能であるとともに、
前記特定遊技実行手段は、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値にかかわらず、前記第1の始動口に遊技球が進入したときよりも、前記第2の始動口に遊技球が進入したときの方が高い頻度で前記特定遊技を実行可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定の結果となる確率が設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異なりうるとともに、設定変更制御手段によりセットされた設定値にかかわらず、第1始動口に遊技球が進入したときよりも、第2始動口に遊技球が進入したときの方が高い頻度で特定遊技が実行される。すなわち、第2始動口に遊技球を入賞させると、高い頻度で特定遊技が実行されることを前提とした上で、設定値に応じて特定遊技の実行頻度を異ならせることが可能となり、遊技興趣を向上させることが可能となる。
なお、「前記第1の始動口に遊技球が進入したときよりも、前記第2の始動口に遊技球が進入したときの方が高い頻度で前記特定遊技を実行可能」とは、第1の始動口に遊技球が進入したときに、特定の結果についての当落判定(確率0を含む)を行うものの当該当落判定において特定の結果となる確率が第2の始動口に遊技球が進入したときよりも低い態様のみならず、第1の始動口に遊技球が進入したときに、特定の結果についての当落判定事態を行わない態様も含む。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
遊技領域に設けられる普通始動口(例えば、通過ゲート49)と、
前記普通始動口への遊技球の進入(例えば、通過)にもとづいて普通抽選を行う普通抽選手段(例えば、図10の普通ゲームにおいて普通当り判定を行うメインCPU101)と、
前記普通抽選の結果が所定の結果(例えば、普通当り)であることにもとづいて、前記始動口への遊技球の進入(例えば、受け入れ)を容易化させることが可能な始動可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1の始動口(第1始動口420)への遊技球の進入にもとづいて第1特別図柄の変動表示を行い、前記第2の始動口(第1始動口440)への遊技球の進入にもとづいて第2特別図柄の変動表示を行う特別図柄変動表示制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第2特別図柄の変動表示の時間(例えば、平均時間1000sec)が遊技の進行に影響をおよぼす程度に長い第1遊技状態(例えば、確変フラグおよび時短フラグの両方がOFFに設定される通常遊技状態)、または、前記第1特別図柄の変動表示の時間(例えば、平均時間10sec)よりも前記第2特別図柄の変動表示(例えば、平均時間1sec)の方が短い第2遊技状態(例えば、確変フラグがONに設定され且つ時短フラグがOFFに設定される有利遊技状態)に制御可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
をさらに備えることを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第2遊技状態では、第1特別図柄の変動表示の時間よりも第2特別図柄の変動表示の方が短いため、高い頻度で特定遊技を実行しつつ、設定値に応じて特定遊技の実行頻度を異ならせることを、普通抽選の実行頻度を高めることなく実現することが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値を含む遊技の進行にかかわる遊技情報(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶可能な遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
前記特別抽選の結果を表示する表示手段(例えば、第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)と、
所定のタイミングで前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報についての適・不適を判別する適正判定手段(ステップS3072,ステップS3082の処理を行うメインCPU101)と、
前記始動口(例えば、第2始動口)に遊技球が進入したものの前記特別抽選の結果が表示される前に、前記適正判定手段により前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報が不適であると判別されると、前記特別抽選(例えば、第2特別抽選)の結果が前記特定の結果であったとしても、前記特定遊技実行手段により前記特定遊技を実行することなく遊技を進行できないよう制御する遊技制御手段(例えば、ステップS3722の処理を実行するメインCPU101)と、
を備えることを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、始動口(例えば、第2始動口)に遊技球が進入したとしても、当該始動口への遊技球の進入にもとづいて行われた特別抽選(例えば、第2特別抽選)の結果が示される前(例えば、特別図柄の変動表示中)に、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報についての適・不適が判別されることがある。この場合、たとえ始動口(例えば、第2始動口)への遊技球の進入にもとづいて行われた特別抽選(例えば、第2特別抽選)の結果が特定の結果(例えば、小当り)であったとしても、遊技情報についての適・不適の判別において不適であると判別された場合には、特定遊技(例えば、小当り遊技)が実行される前に遊技を進行できないよう構成されている。これにより、セキュリティを担保することが可能となる。
上記第1の課題を解決するために、以下のような構成の付記37−5の遊技機を提供する。
(1)付記37−5の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS3024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
遊技領域に設けられる始動口と、
前記始動口への遊技球の進入(例えば、受け入れ)にもとづいて特別抽選を行う特別抽選手段と、
前記特別抽選の結果が特別の結果(例えば、大当り)であることにもとづいて作動する第1特別遊技を実行可能な第1特別遊技実行手段と、
遊技領域に設けられる普通始動口(例えば、通過ゲート49)と、
前記普通始動口への遊技球の進入(例えば、通過)にもとづいて普通抽選を行う普通抽選手段(例えば、図10の普通ゲームにおいて普通当り判定を行うメインCPU101)と、
前記普通抽選の結果が所定の結果(例えば、普通当り)であることにもとづいて、前記始動口への遊技球の進入(例えば、受け入れ)を容易化させることが可能な始動可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記始動口への遊技球の進入(例えば、受け入れ)にもとづいて行われた前記特別抽選の結果が特定の結果(例えば、小当り)であることにもとづいて、特定口が設けられる特定領域内への遊技球の進入(例えば、受け入れ)が容易となるよう所定の可動片を作動させることが可能な特定領域可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特定領域内に設けられた前記特定口に遊技球が受け入れられたことにもとづいて作動する第2特別遊技を実行可能な第2特別遊技実行手段と、
を備え、
前記特定領域可変制御手段は、
前記特定領域内への遊技球の進入の容易さが前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異なりうるように前記所定の可動片を作動させることが可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定の結果となる確率が設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異なりうるように行われるため、当該セットされた設定値に応じて所定の可動片の作動頻度が異なり、ひいては特典が付与される機会を当該セットされた設定値に応じて異ならせることが可能となり、遊技興趣を向上させることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特定領域可変制御手段による前記所定の可動片の作動は、
前記始動口への遊技球の進入(例えば、受け入れ)の容易化さを前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異ならせて(例えば、普通当りの確率を異ならせる、普通図柄の変動時間を短くする等)前記特別抽選の実行頻度が当該セットされた設定値に応じて異なるようにすることで、前記特定領域内への遊技球の進入の容易さが当該セットされた設定値に応じて異なりうるように行われる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、始動口(例えば、第2始動口440)への遊技球の進入の容易さが設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異なりうるように普通抽選がおこなわれるので、特定領域への遊技球の進入にもとづいて付与される特典の量が当該セットされた設定値に応じて異なることとなり、遊技興趣を向上させることが可能となる
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記特定領域可変制御手段による前記所定の可動片の作動は、
前記特別抽選において前記特定の結果(例えば、小当り)となる確率を前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異ならせることで、前記特定領域内への遊技球の進入の容易さが当該セットされた設定値に応じて異なりうるように行われる
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、始動口(例えば、第2始動口440)への遊技球の進入の容易さが設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異なりうるように普通抽選がおこなわれるので、特定領域への遊技球の進入にもとづいて付与される特典の量が当該セットされた設定値に応じて異なることとなり、遊技興趣を向上させることが可能となる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一に記載の遊技機において、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値を含む遊技の進行にかかわる遊技情報(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶可能な遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
前記特別抽選の結果を表示する表示手段(例えば、第1特別図柄表示部73、第2特別図柄表示部74)と、
所定のタイミングで前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報についての適・不適を判別する適正判定手段(ステップS3072,ステップS3082の処理を行うメインCPU101)と、
前記始動口に遊技球が進入したものの前記特別抽選の結果が表示される前に、前記適正判定手段により前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報が不適であると判別されると、前記特別抽選の結果が特定の結果であったとしても、前記特定領域可変制御手段により前記所定の可動片を作動させることなく遊技を進行できないよう制御する遊技制御手段(例えば、ステップS3722の処理を実行するメインCPU101)と、
を備えることを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、始動口に遊技球が進入したとしても、当該始動口への遊技球の進入にもとづいて行われた特別抽選の結果が示される前(例えば、特別図柄の変動表示中)に、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報についての適・不適が判別されることがある。この場合、たとえ始動口への遊技球の進入にもとづいて行われた特別抽選の結果が特定の結果であったとしても、遊技情報についての適・不適の判別において不適であると判別された場合には、所定の可動片が作動する前に遊技を進行できないよう構成されている。これにより、セキュリティを担保することが可能となる。
上記第1の課題を解決するために、以下のような構成の付記37−6の遊技機を提供する。
(1)付記37−6の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS3024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
所定条件の成立にもとづいて抽選を実行可能な抽選手段(例えば、ステップS3073、ステップS3083、ステップS3118の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記抽選の結果が特別の結果(例えば、大当り)であることにもとづいて特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、図10の大当り遊技制御を実行するメインCPU101)と、
前記特別遊技状態が終了されたのちの遊技状態を、通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、高確率遊技状態)に制御可能な遊技状態制御手段(例えば、ステップS3169において確変フラグをセットした上で遊技を進行するメインCPU101)と、
前記特別遊技状態に制御されたのち、前記通常遊技状態に制御されることなく前記特別遊技状態と前記有利遊技状態とが繰り返された回数(例えば、ループ回数)をカウントするカウント手段(例えば、メインCPU101)と、
を備え、
前記遊技状態制御手段は、
前記有利遊技状態における前記抽選の結果が前記特別の結果であるときにも、前記特別遊技状態に制御可能に構成されているとともに、
前記カウント手段によりカウントされた回数が規定回数となったときに、前記特別遊技状態が終了したのちの遊技状態を前記通常遊技状態に制御し、
前記規定回数は、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異なりうるように構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特別遊技状態と有利遊技状態とを規定回数まで繰り返しことが可能であり、この規定回数が設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異なるため、遊技興趣を向上させることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記規定回数を抽選により決定する規定回数決定手段(例えば、リミッタ回数抽選を行うメインCPU101)をさらに備え、
前記規定回数決定手段は、
前記規定回数を決定する抽選を、前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて前記規定回数に対する期待値が異なるように行うよう構成されている
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特別遊技状態と有利遊技状態とを繰り返すことができる規定回数が抽選により決定され、しかもこの規定回数に対する期待値が設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異なるため、遊技興趣を向上させることが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値を含む遊技の進行にかかわる遊技情報(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶可能な遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
所定のタイミングで前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報についての適・不適を判別する適正判定手段(ステップS3072,ステップS3082の処理を行うメインCPU101)と、
前記適正判定手段により前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報が不適であると判別されると、前記カウント手段によりカウントされた回数が前記規定回数未満であったとしても、前記カウント手段によりカウントされる回数が前記規定回数にいたることなく遊技を進行できないよう制御する遊技制御手段と(例えば、ステップS3722の処理を実行するメインCPU101)、
を備えることを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、通常遊技状態に制御されることなく特別遊技状態と有利遊技状態とが繰り返された回数(すなわちループ回数)が規定回数にいたっていないとき(すなわちループ中)に、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報についての適・不適が判別されることがある。この場合、たとえループ中であったとしても、遊技情報についての適・不適の判別において不適であると判別された場合には、ループ回数が規定回数にいたることなく遊技を進行できないよう構成されている。これにより、セキュリティを担保することが可能となる。
上記第1の課題を解決するために、以下のような構成の付記37−7の遊技機を提供する。
(1)付記37−7の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS3024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
所定条件の成立(例えば、第1始動口440への遊技球の受け入れ)にもとづいて抽選を実行可能な抽選手段(例えば、ステップS3073、ステップS3083、ステップS3118の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記抽選の結果が特別の結果(例えば、大当り)であることにもとづいて特別遊技状態に制御することも含めて、遊技の進行を制御可能な遊技制御手段(例えば、図10の大当り遊技制御を実行するメインCPU101)と、
前記特別遊技状態の開始に際して行われるオープニング演出と、当該特別遊技状態の終了に際して行われるエンディング演出とを少なくとも実行可能な演出制御手段(例えば、サブCPU201(表示制御回路204))と、
を備え、
前記抽選手段は、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値が高いほど有利度が高い態様で前記抽選を行うとともに、
前記演出制御手段は、
前記オープニング演出に要する時間と前記エンディング演出に要する時間とのうち少なくともいずれか一方を前記設定変更制御手段によりセットされた設定値が高いほど長くなりうるように、前記オープニング演出および前記エンディング演出を実行するよう構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、セットされた設定値が高いほど有利度が高い態様で抽選が行われる一方で、オープニング演出に要する時間とエンディング演出に要する時間とのうち少なくともいずれか一方はセットされた設定値が高いほど長くなりうる。そのため、高設定にでは、遊技興趣の向上を図りつつ、単位時間で払い出される賞球を抑制することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記抽選の結果にもとづいて図柄の変動表示を行う図柄変動表示制御手段(例えば、ステップS3093の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値を含む遊技の進行にかかわる遊技情報(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶可能な遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
所定のタイミングで前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報についての適・不適を判別する適正判定手段(ステップS3072,ステップS3082の処理を行うメインCPU101)と、
をさらに備え、
前記抽選手段は、
前記特別遊技状態に制御されているときであるか否かにかかわらず、前記始動口への遊技球の入賞にもとづいて乱数を抽出可能であるとともに、
前記適正判定手段は、
前記特別遊技状態に制御されているときであったとしても、前記遊技情報についての適・不適を判別可能に構成されており、
前記遊技制御手段は、
前記適正判定手段により前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報が不適であると判別されると、前記特別遊技状態に制御されていたとしても遊技を進行できないよう制御する遊技進行不許可手段(例えば、ステップS3722の処理を実行するメインCPU101)を有する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特別遊技状態に制御されているときであったとしても遊技情報についての適・不適の判別が実行されることがある。このような場合において、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報が不適であると判別されると、特別遊技状態に制御されていたとしても遊技を進行できないようになるため、セキュリティを担保しつつ、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
上記第1の課題を解決するために、以下のような構成の付記37−8の遊技機を提供する。
(1)付記37−8の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS3024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも第1進入口(例えば、役物連続作動左ゲート3100)および第2進入口(例えば、役物連続作動右ゲート3110)を有する複数の進入口と、
前記複数の進入口のうちいずれかに遊技球が進入可能となるように構成される進入許容手段(例えば、振分装置1120)と、
前記第1進入口に遊技球が進入したときと前記第2進入口に遊技球が進入したときとで異なる利益(例えば、ラウンド数が異なる、進入口の下方に始動口がある場合は抽選が実行されるか否か異なる等)を遊技者に付与可能な利益付与手段(例えば、図10の大当り遊技制御を実行するメインCPU101)と、
を備え、
前記進入許容手段は、
前記第1進入口と前記第2進入口とのうち前記遊技球の進入のしやすさが前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異なりうるように構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1進入口に遊技球が進入したときと第2進入口に遊技球が進入したときとで遊技者に付与される利益が異なる可能性があるなかで、第1進入口と第2進入口とのうち遊技球の進入のしやすさが設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異なりうるように構成されている。しかも、第1進入口と第2進入口とのうちいずれに遊技球が進入するかについては、遊技者が狙うことができうるため、遊技興趣の向上を図りつつ設定に応じて遊技要素の状態を好適に変えることが可能となる。
なお、「前記第1進入口に遊技球が進入したときと前記第2進入口に遊技球が進入したときとで異なる利益を遊技者に付与可能」とは、例えば、第1進入口に遊技球が進入したときと第2進入口に遊技球が進入したときとで大当り遊技状態におけるラウンド数が異なる場合の他、一方の進入口は抽選契機となる始動口である他方の進入口は抽選契機とならない一般入賞口である場合等が相当する。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
遊技領域に設けられる始動口(例えば、第1始動口5442、第2始動口440)と、
前記始動口に遊技球が受け入れられたことにもとづいて抽選を行う抽選手段(例えば、ステップS3073、ステップS3083、ステップS3118の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記抽選の結果にもとづいて図柄の変動表示が行われる表示手段(例えば、第1特別図柄表示部73,第2特別図柄表示部74)と、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値の情報を含む遊技の進行にかかわる遊技情報(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶可能な遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
所定のタイミングで前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報についての適・不適を判別する適正判定手段(例えば、ステップS3072,ステップS3082の処理を行うメインCPU101)と、
前記適正判定手段により前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報が不適であると判別されると、前記第1進入口または前記第2進入口に遊技球が進入したとしても遊技者に利益を付与することなく遊技を進行できないよう制御する遊技制御手段(例えば、ステップS3722の処理を実行するメインCPU101)と、
を備えることを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、図柄の変動表示中、第1進入口または第2進入口に遊技球が進入したものの未だ利益が付与されていないとき等に、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報についての適・不適が判別されることがある。この場合、遊技者に利益が付与される可能性があるにもかかわらず遊技情報についての適・不適の判別において不適であると判別されたときには、遊技者に利益を付与することなく遊技を進行できないよう構成されている。これにより、セキュリティを担保することが可能となる。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、
前記抽選の結果が特別の結果であることにもとづいて、少なくとも前記第1進入口と前記第2進入口とについて遊技球の進入を有効化する進入有効化手段(例えば、条件装置を作動させるメインCPU101)をさらに備え、
前記利益付与手段は、
前記第1進入口に遊技球が進入したときは所定の利益(例えば、8R大当り遊技状態)を遊技者に付与可能であるとともに、
前記第2進入口に遊技球が進入したときは前記所定の利益よりも利益度が大きい特定利益(例えば、16R大当り遊技状態)を遊技者に付与可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、遊技者は、より利益が大きい特定利益が付与される可能性がある第2進入口を狙って遊技を行うこととなり、遊技興趣を向上させることが可能となる。
上記構成の本発明の付記37−1〜付記37−8の遊技機によれば、興趣の向上を図りつつ設定に応じて遊技要素の状態を好適に変えることが可能となる。
[付記38]
従来、パチンコ機等の遊技機において、所定の条件が成立すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて、例えば液晶表示器などに演出画像が表示される。抽選の結果が大当りであると、大当り遊技が開始されて、大入賞口が所定の開閉パターンで開閉する。上記の大当りが確変大当りであると、大当り遊技が終了したのち、高確率遊技状態に制御される。
この種の遊技機として、入球口への入球率や出玉傾向を左右する遊技要素(構造的要素や制御的要素)の状態を、あらかじめ所定の設定入力手段によって入力された遊技設定値に対応する状態に設定するぱちんこ遊技機が開示されている(例えば、特開2015−065977号公報参照)。
このような特開2015−065977号公報に記載の遊技機によれば、遊技台ごとの出玉傾向を任意に設定できるため、遊技釘や役物などの遊技盤構成に対する調整や整備ができなくなったとしても、遊技店ごとまたは遊技台ごとの出玉傾向の均一化を防止できる。
(第2の課題)
しかし、特開2015−065977号公報に記載の遊技機によれば、遊技台ごとの出玉傾向を任意に設定できるものの、例えば遊技設定値等に異常が発生する場合があり、セキュリティが万全とは言い難い。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、セキュリティの向上を図りつつ設定に応じて遊技要素の状態を変えることが可能な遊技機を提供することにある。
上記第2の課題を解決するために、以下のような構成の付記38の遊技機を提供する。
(1)付記38の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS3024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値を含む遊技の進行にかかわる遊技情報(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶する遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
所定条件の成立(例えば、第1始動口440への遊技球の受け入れ)にもとづいて抽選を行う抽選手段(例えば、ステップS3073、ステップS3083、ステップS3118の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記抽選の結果にもとづいて図柄の変動表示を行う図柄変動表示制御手段(例えば、ステップS3093の処理を実行可能なメインCPU101)と、
所定のタイミング(例えば、第1始動口440への遊技球の受け入れタイミング)で前記遊技情報についての適・不適を判別する適正判定手段(例えば、ステップS3072,ステップS3082の処理を行うメインCPU101)と、
前記図柄の変動表示が行われているときに、前記適正判定手段により前記遊技情報に記憶されている前記遊技情報が不適であると判別されると、前記図柄の変動表示が行われていたとしても遊技を進行できないよう制御する遊技制御手段(例えば、ステップS3722の処理を実行するメインCPU101)と、
を備えることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、図柄の変動表示が行われているときに遊技情報についての適・不適の判別が行われることがある。このような場合において、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報が不適であると判別されると、図柄の変動表示が行われていたとしても遊技の進行を不許可とするので、セキュリティを向上することが可能となる。
上記構成の本発明の付記38の遊技機によれば、セキュリティの向上を図りつつ設定に応じて遊技要素の状態を変えることが可能となる。
[付記39]
従来、パチンコ機等の遊技機において、所定の条件が成立すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて、例えば液晶表示器などに演出画像が表示される。抽選の結果が大当りであると、大当り遊技が開始されて、大入賞口が所定の開閉パターンで開閉する。上記の大当りが確変大当りであると、大当り遊技が終了したのち、高確率遊技状態に制御される。
この種の遊技機として、入球口への入球率や出玉傾向を左右する遊技要素(構造的要素や制御的要素)の状態を、あらかじめ所定の設定入力手段によって入力された遊技設定値に対応する状態に設定するぱちんこ遊技機が開示されている(例えば、特開2015−065977号公報参照)。
このような特開2015−065977号公報に記載の遊技機によれば、遊技台ごとの出玉傾向を任意に設定できるため、遊技釘や役物などの遊技盤構成に対する調整や整備ができなくなったとしても、遊技店ごとまたは遊技台ごとの出玉傾向の均一化を防止できる。
(第3の課題)
しかし、特開2015−065977号公報に記載の遊技機によれば、遊技台ごとの出玉傾向を任意に設定できるものの、設定値に応じて出玉傾向を変えることは、必ずしも設計負荷が軽いとは言い難い。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、設計負荷の軽減を図りつつ設定に応じて遊技要素の状態を好適に変えることが可能な遊技機を提供することにある。
上記第3の課題を解決するために、以下のような構成の付記39の遊技機を提供する。
(1)付記39の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS3024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
所定幅で乱数を発生させる乱数発生手段(例えば、プログラムを実行することによって乱数値を生成するメインCPU101)と、
所定条件の成立にもとづいて乱数を抽出する乱数抽出手段(例えば、ステップS3073の処理を実行するメインCPU101)と、
総乱数(例えば、大当り判定用乱数の範囲)と特定乱数(例えば、大当り判定値データ)とを規定する抽選テーブル(例えば、大当り乱数判定テーブル)を記憶するテーブル記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
前記乱数抽出手段により抽出された乱数を用いて抽選(例えば、ステップS3118の処理)を行い、前記抽出された乱数が特定乱数(例えば、大当り判定値データ)であるときに、特別遊技状態に制御可能な特別遊技状態制御手段と、
を備え、
前記テーブル記憶手段は、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて少なくとも前記総乱数の数が異なる抽選テーブルを記憶しており、
前記乱数発生手段は、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて前記抽選テーブルに規定されている数の総乱数を発生させるよう構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、分子(大当り判定値データの数)よりも桁数が多い分母(大当り判定用乱数の範囲)を変えることで、特別遊技状態に制御される確率(すなわち大当り確率)を変えることになるため、大当り判定用乱数の範囲を固定値として大当り判定値データの数を設定値に応じて変える手法と比べて、設定値毎の大当り確率を細かく設定することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記抽選の結果にもとづいて図柄の変動表示を行う図柄変動表示制御手段(例えば、ステップS3093の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値を含む遊技の進行にかかわる遊技情報(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶可能な遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
前記所定条件の成立にもとづいて乱数が抽出されると、前記図柄の変動表示が開始されるまでに、前記乱数発生手段により発生された総乱数についての適・不適を判別する適正判定手段(ステップS3072,ステップS3082の処理を行うメインCPU101)と、
前記乱数発生手段により発生された総乱数が前記適正判定手段により不適であると判別されると、遊技を進行できないよう制御する遊技制御手段(例えば、ステップS3722の処理を実行するメインCPU101)と、
を備えることを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、乱数発生手段により発生された総乱数が不適であると判別されたときには、遊技を進行できないように構成されているため、セキュリティを担保しつつ、設定値毎の大当り確率を細かく設定することが可能となる。
上記構成の本発明の付記39の遊技機によれば、設計負荷の軽減を図りつつ設定に応じて遊技要素の状態を好適に変えることが可能となる。
[付記40、付記41]
従来、パチンコ機等の遊技機において、所定の条件が成立すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて、例えば液晶表示器などに演出画像が表示される。抽選の結果が大当りであると、大当り遊技が開始されて、大入賞口が所定の開閉パターンで開閉する。上記の大当りが確変大当りであると、大当り遊技が終了したのち、高確率遊技状態に制御される。
この種の遊技機として、入球口への入球率や出玉傾向を左右する遊技要素(構造的要素や制御的要素)の状態を、あらかじめ所定の設定入力手段によって入力された遊技設定値に対応する状態に設定するぱちんこ遊技機が開示されている(例えば、特開2015−065977号公報参照)。
このような特開2015−065977号公報に記載の遊技機によれば、遊技台ごとの出玉傾向を任意に設定できるため、遊技釘や役物などの遊技盤構成に対する調整や整備ができなくなったとしても、遊技店ごとまたは遊技台ごとの出玉傾向の均一化を防止できる。
(第4の課題)
しかし、特開2015−065977号公報に記載の遊技機によれば、遊技台ごとの出玉傾向を任意に設定できる一方、遊技者にとっては、出玉傾向を任意に設定できることによって疑心暗鬼になり、興趣が低下するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、設定に応じて遊技要素の状態を変えつつ、好適に興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
上記第4の課題を解決するために、以下のような構成の付記40の遊技機を提供する。
(1)付記40の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS3024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
遊技領域に設けられ、始動口を含む複数の入賞口(例えば、第1始動口5442、第2始動口440、一般入賞口53〜56)と、
前記複数の入賞口のうちいずれかに遊技球が受け入れられたことにもとづいて特典(例えば、賞球)を付与する特典付与手段(例えば、払出装置350)と、
前記始動口に遊技球が受け入れられたことにもとづいて抽選を実行可能な抽選手段(例えば、ステップS3073、ステップS3083、ステップS3118の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記抽選の結果にもとづいて行われる図柄の変動演出が少なくとも行われる表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、
前記抽選の結果が特定の結果である可能性があることを示す特定態様(例えば、リーチ演出)で前記図柄の変動演出が行われているときに、前記複数の入賞口のうち特定の入賞口に遊技球が受け入れられたことにもとづいて、前記設定変更制御手段によりセットされた設定値についての設定値情報を示唆可能な設定示唆手段(例えば、サブCPU201)と、
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定態様(例えば、リーチ演出)で図柄の変動演出が行われているときに特定の入賞口に遊技球が受け入れられたことにもとづいて、設定変更制御手段によりセットされた設定値についての設定値情報が示唆される可能性があるため、遊技者が疑心暗鬼になることを軽減することができる。また、特定態様で図柄の変動演出が行われると、遊技者が遊技球の発射をやめてしまうおそれもあるが、そのようなことも抑制することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記規定回数を抽選により決定する規定回数決定手段(例えば、リミッタ回数抽選を行うメインCPU101)をさらに備え、
前記図柄の変動演出を前記特定態様(例えば、リーチ演出)で行うか否かを決定する特定態様決定手段(例えば、ステップS3078の処理を実行するメインCPU101)と、
前記特定態様決定手段により前記図柄の変動演出を前記特定態様で行う旨が決定されたとき、前記複数の入賞口のうちのいずれかを前記特定の入賞口にランダムに決定する特定入賞口決定手段(例えば、メインCPU101)と、
をさらに備えることを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特定入賞口は、固定の入賞口ではなく複数の入賞口のうちのいずれかにランダムに決定されるため、遊技興趣を高めることが可能となる。なお、ランダムに決定された特定入賞口は、開示せずに秘匿にすることが好ましい。これにより、遊技者は、いずれの入賞口を狙えばいいかといった点に面白みが生まれる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値を含む遊技の進行にかかわる遊技情報(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶可能な遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
所定のタイミングで前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報についての適・不適を判別する適正判定手段(ステップS3072,ステップS3082の処理を行うメインCPU101)と、
前記適正判定手段により前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報が不適であると判別されると、前記特定の入賞口に遊技球が受け入れられたとしても、前記設定変更制御手段によりセットされた設定値についての設定値情報を示唆することなく遊技を進行できないよう制御する遊技制御手段(例えば、ステップS3722の処理を実行するメインCPU101)と、
を備えることを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、図柄の変動演出が行われているときや、特定の入賞口に遊技球が受け入れられたものの未だ設定値情報が示唆されていないときに、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報についての適・不適が判別されることがある。この場合、設定値情報が示唆される可能性があったとしても、遊技情報についての適・不適の判別において不適であると判別された場合には、設定変更制御手段によりセットされた設定値についての設定値情報を示唆することなく遊技を進行できないよう構成されている。これにより、セキュリティを担保することが可能となる。
上記第4の課題を解決するために、以下のような構成の付記41の遊技機を提供する。
(1)付記41の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS3024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
遊技領域に設けられる始動口(例えば、第1始動口5442、第2始動口440)と、
前記始動口に遊技球が受け入れられたことにもとづいて抽選を行う抽選手段(例えば、ステップS3073、ステップS3083、ステップS3118の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記抽選の結果にもとづいて図柄の変動表示が行われる表示手段(例えば、第1特別図柄表示部73,第2特別図柄表示部74)と、
前記抽選の結果が特別の結果(例えば、大当り)であることにもとづいて特別遊技状態に制御することも含めて、遊技の進行を制御可能な遊技制御手段(例えば、図10の大当り遊技制御を実行するメインCPU101)と、
前記始動口への遊技球の受け入れにかかわる所定の条件を満たしたこと(例えば、オーバーフローポイントが所定ポイントに達したこと等)にもとづいて、前記設定変更制御手段によりセットされた設定値についての設定値情報を示唆可能な設定示唆手段(例えば、サブCPU201)と、
を備えることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、始動口への遊技球の受け入れにかかわる所定の条件を満たしたことにもとづいて、現在の設定値(設定変更制御手段によりセットされた設定値)についての設定値情報が示唆されうるため、遊技者が疑心暗鬼になることを軽減することができる。また、始動口に遊技球が受け入れられるように遊技の実行が促される。なお、「始動口への遊技球の受け入れにかかわる所定の条件を満たしたこと」とは、例えば、始動口に遊技球が受け入れられたにもかからず保留上限であったがために保留されなかった場合や、始動口に遊技球が受け入れられたにもかからず保留上限であったがために保留されなかったときにポイントを貯めて当該ポイントが所定ポイントに達した場合等が想定されるが、これらに限られない。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値を含む遊技の進行にかかわる遊技情報(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶可能な遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
所定のタイミングで前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報についての適・不適を判別する適正判定手段(ステップS3072,ステップS3082の処理を行うメインCPU101)と、
をさらに備え、
前記遊技制御手段は、
前記適正判定手段により前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報が不適であると判別されると、前記始動口に遊技球が受け入れられると前記所定の条件を満たす可能性があった(例えば、オーバーフローポイントが所定ポイントに達した等)としても、前記設定変更制御手段によりセットされた設定値についての設定値情報を示唆することなく遊技を進行できないよう制御する遊技進行不許可手段(例えば、ステップS3722の処理を実行するメインCPU101)を有する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、図柄の変動表示が行われているときに、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報についての適・不適が判別されることがある。この場合、始動口に遊技球が受け入れられると所定の条件を満たす可能性があったとしても、当該遊技球が始動口に受け入れられたことによって行われた遊技情報についての適・不適の判別において不適であると判別された場合には、設定変更制御手段によりセットされた設定値についての設定値情報を示唆することなく遊技を進行できないよう構成されている。これにより、セキュリティを担保することが可能となる。
上記構成の本発明の付記40の遊技機、付記41の遊技機によれば、設定に応じて遊技要素の状態を変えつつ好適に興趣の低下を抑制することが可能となる。
[付記42]
従来、パチンコ機等の遊技機において、所定の条件が成立すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて、例えば液晶表示器などに演出画像が表示される。抽選の結果が大当りであると、大当り遊技が開始されて、大入賞口が所定の開閉パターンで開閉する。上記の大当りが確変大当りであると、大当り遊技が終了したのち、高確率遊技状態に制御される。
この種の遊技機として、入球口への入球率や出玉傾向を左右する遊技要素(構造的要素や制御的要素)の状態を、あらかじめ所定の設定入力手段によって入力された遊技設定値に対応する状態に設定するぱちんこ遊技機が開示されている(例えば、特開2015−065977号公報参照)。
このような特開2015−065977号公報に記載の遊技機によれば、遊技台ごとの出玉傾向を任意に設定できるため、遊技釘や役物などの遊技盤構成に対する調整や整備ができなくなったとしても、遊技店ごとまたは遊技台ごとの出玉傾向の均一化を防止できる。
(第5の課題)
しかし、特開2015−065977号公報に記載の遊技機によれば、遊技台ごとの出玉傾向を任意に設定できるものの、出玉管理が容易でなくなるおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、出玉管理を容易に行うことが可能な遊技機を提供することにある。
上記第5の課題を解決するために、以下のような構成の付記42の遊技機を提供する。
(1)付記42の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS3024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値にもとづいて遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技の結果として入賞にもとづいて遊技媒体を払い出す払出手段(例えば、払出装置350)と、
所定条件の成立にもとづいて行われた抽選の結果が特定の結果(例えば、大当り)であったことにもとづいて、前記入賞の頻度が高められる特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段(例えば、図10の大当り遊技制御を実行するメインCPU101)と、
前記払出手段により払い出された遊技媒体にかかわるデータを集計可能なデータ集計手段(例えば、払出・発射制御回路300)と、
前記データ集計手段により集計されたデータを所定の表示領域(性能表示モニタ334)に表示するデータ表示制御手段(メインCPU101)と、
を備え、
前記データ集計手段は、
全遊技履歴にもとづいて前記データを集計する全履歴集計手段と、
前記設定値毎の遊技履歴にもとづいて前記データを集計する設定値別履歴集計手段とを有し、
前記データ表示制御手段は、
前記全履歴集計手段により集計されたデータまたは/および前記設定値別履歴集計手段により集計されたデータを表示可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機。
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、全履歴集計手段により集計されたデータと、設定値別履歴集計手段により集計されたデータとのうちいずれか一方または両方を表示することができるため、出玉管理を容易に行うことが可能となる。
上記構成の本発明の付記42の遊技機によれば、出玉管理を容易に行うことが可能な遊技機を提供することにある。
[付記43]
従来、パチンコ機等の遊技機において、所定の条件が成立すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて、例えば液晶表示器などに演出画像が表示される。抽選の結果が大当りであると、大当り遊技が開始されて、大入賞口が所定の開閉パターンで開閉する。上記の大当りが確変大当りであると、大当り遊技が終了したのち、高確率遊技状態に制御される。
この種の遊技機として、スペックを変更することができる遊技機が開示されている(例えば、特開2011−010833号公報参照)。
このような特開2011−010833号公報に記載の遊技機によれば、容易に遊技機のスペックを変更することができるため、演出を実行するために必要な演出データを記憶した記憶手段の交換が不要となり、無駄を排除することが可能である。
(第6の課題)
しかし、特開2011−010833号公報に記載の遊技機によれば、無駄を排除することは可能ではあるものの、スペックを変更するだけでは面白みに欠けるおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
上記第6の課題を解決するために、以下のような構成の付記43の遊技機を提供する。
(1)付記43の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、設定値に応じてゲーム性が異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS3024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値にもとづくゲーム性での遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、メインCPU101)と、
を備え、
前記遊技制御手段は、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じたゲーム性にもとづいて抽選(例えば、ステップS3073、ステップS3083、ステップS3118の処理)を実行可能な抽選手段と、
前記抽選の結果にもとづいて、前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じた特典が付与される特別遊技(例えば、図10の大当り遊技制御)を実行可能な特別遊技実行手段と、
を少なくとも有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、設定変更制御手段によりセットされた設定値にもとづく異なるゲーム性での遊技を1台の遊技機で実行することが可能となり、遊技機管理責任者等による遊技機の活用の仕方に幅を持たせることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記複数の設定値のうち第1の設定値に設定されたときは、相対的に高い確率で前記抽選が行われる高確率状態において、所定期間内に前記抽選に当選しなければ当該高確率状態を終了するゲーム性(例えば、ST仕様)のもとで遊技を実行する第1遊技制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記複数の設定値のうち第2の設定値に設定されたときは、相対的に高い確率で前記抽選が行われる高確率状態において、前記抽選に当選するまで当該高確率状態が終了せずに継続するゲーム性(例えば、確変ループ仕様)のもとで遊技を実行する第2遊技制御手(例えば、メインCPU101)段と、
を少なくとも有する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第1遊技制御手段によるゲーム性および第2遊技制御手段によるゲーム性のいずれも高確率遊技状態に制御される点で共通するものの、第1遊技制御手段によるゲーム性では高確率遊技状態が次回の大当り遊技状態まで継続することなく中途で終了することがあり、第2遊技制御手段によるゲーム性では高確率遊技状態が次の特別遊技状態に制御されるまで継続して実行される点で大きく異なる。このように、一見は似ているものの実質的には異なる2つのゲーム性を切り替えて実行できるようにすることで、遊技機の管理責任者等によるパチンコ遊技機の活用の仕方に幅をもたせつつ興趣の向上を図ることが可能な遊技機を提供することができる。
上記構成の本発明の付記43の遊技機によれば、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することが可能となる。
[付記44〜付記56]
従来より、所定の条件が成立すると抽選を行い、この抽選の結果にもとづいて図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、抽選の結果が特定の結果であることを示す特定の表示結果で表示されると、遊技者に有利な遊技状態に制御される。
この種の遊技機では、上記抽選の結果が特定の結果となる確率等、遊技において遊技者の有利不利に関わる確率を示す複数の設定値のうちいずれか1つの設定値を設定し、以後、設定された設定値にもとづいて遊技の進行が制御される遊技機が知られている(例えば、特開2011−206588号公報の段落[0063]参照)。上記の設定値は、例えばホールの遊技機管理者等、権限を有する者が設定することができる。
(第7の課題)
しかし、設定された設定値にもとづいて遊技の進行が制御される遊技機では、例えば、権限を有しない者によって不正に設定値の変更や設定値の確認が行われたり、ノイズ等により設定値が変更されてしまう等といった様々な問題が発生することが懸念される。
また、上記の設定値は、ホールおよび遊技者のいずれにとっても重要な要素であるから、権限を有する者によって厳重に管理されるべきものであり、その管理には利便性も要求される。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、設定値にかかわる問題に対応可能な利便性の高い遊技機を提供することにある。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記44の遊技機を提供する。
(1)付記44の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路200)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS3024またはステップS3026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な第1記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS3055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、コマンド入力ポート208)と、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、ワークRAM203)と、
所定の操作にもとづいて、前記履歴情報が示される情報画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)を表示可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路204)と、を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定の操作を行うことで、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示される情報画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
なお、設定操作情報は、設定値の変更が行われたときは設定値の変更が行われた旨を示す設定値変更情報であり、設定値の確認が行われたときは設定値の確認が行われた旨を示す設定値確認情報である。また、設定操作情報が設定値変更情報であるとき、設定値情報は、変更後の一の設定値についての設定値情報である。設定操作情報が設定値確認情報であるときは、設定されている一の設定値についての設定値情報を第2制御手段に送信してもよいが、一の設定値の変更が行われていないため、設定値情報を第2制御手段に送信することは必須ではない。
また、「当該設定操作情報にかかわる時間情報」は、設定操作情報を第1制御手段から第2制御手段に送信した時間情報であってもよいし、設定操作情報を第2制御手段が受信した時間であってもよい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、
前記設定操作手段が操作された状態で電源が投入されると前記情報画面を表示可能であり、遊技の実行中は前記所定の操作が行われたとしても前記情報画面の表示を制限する情報画面制限手段(例えば、ステップS3301においてNOと判別したときにホールメニュータスクを終了するサブCPU201、ステップS3314においてYESと判別したときにステップS3315の処理を実行するサブCPU201)を有する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、情報画面は、設定操作手段が操作された状態で電源が投入されると表示される画面であり、遊技の実行中は所定の操作が行われたとしても表示が制限される画面である。すなわち、設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されないと、情報画面が表示されない。そのため、権限のない第三者が不正を目的として情報画面を容易に閲覧することが困難であり、セキュリティを担保することが可能となる。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記45の遊技機を提供する。
(1)付記45の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路200)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS3024またはステップS3026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な第1記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)と、前記一の設定値についての設定値情報とを送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS3055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、コマンド入力ポート208)と、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)と、前記設定値情報とを、履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、ワークRAM203)と、
所定の操作にもとづいて、前記履歴情報が示される情報画面を表示可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路204)と、を有し、
前記表示制御手段は、
前記所定の操作にもとづいて、前記履歴情報のうち前記設定値情報を含まない履歴情報が示される第1画面(例えば、図223の設定変更・確認履歴画面)を表示する第1画面表示制御手段(例えば、図223の設定変更・確認履歴画面を表示するサブCPU201)と、
前記第1画面が表示されたことを条件に、少なくとも前記設定値情報を含む履歴情報が示される第2画面(例えば、図225の設定変更・確認履歴画面)を表示する第2画面表示制御手段(例えば、図225の設定変更・確認履歴画面を表示するサブCPU201)と、を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定の操作を行うことで、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報と設定値情報とが履歴情報として示される情報画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
しかも、所定の操作が行われると、先ずは、履歴情報のうち設定値情報を含まない履歴情報が示される第1画面(例えば、図223の設定変更・確認履歴画面)を表示し、第1画面が表示されたことを条件に、設定値情報を含む履歴情報が示される第2画面(例えば、図225の設定変更・確認履歴画面)が表示されるように構成されている。
なお、各種情報を第2制御手段に送信可能な送信手段は、設定操作情報と設定値情報とを、ともに送信してもよいし別々に送信してもよい。設定操作情報は、設定値の変更が行われたときは設定値の変更が行われた旨を示す設定値変更情報であり、設定値の確認が行われたときは設定値の確認が行われた旨を示す設定値確認情報である。また、設定操作情報が設定値変更情報であるとき、設定値情報は、変更後の一の設定値についての設定値情報である。設定操作情報が設定値確認情報であるときは、設定されている一の設定値についての設定値情報を第2制御手段に送信してもよいが、一の設定値の変更が行われていないため、設定値情報を第2制御手段に送信することは必須ではない。
また、「当該設定操作情報にかかわる時間情報」は、設定操作情報を第1制御手段から第2制御手段に送信した時間情報であってもよいし、設定操作情報を第2制御手段が受信した時間であってもよい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記第2画面表示制御手段は、
前記第2画面を、特定の条件を満たした場合に限り表示するよう構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特定の条件を満たした場合に限り、設定値情報を含む履歴情報が示される第2画面が表示されるので、設定値情報を容易に閲覧することができず、不正を目的として設定値情報が閲覧されることを抑制できる。なお、特定の条件とは、例えば、適正なパスワードが入力された場合等である。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
前記表示制御手段は、
前記設定操作手段が操作された状態で電源が投入されたときに前記情報画面を表示可能であり、遊技の実行中は前記所定の操作が行われたとしても前記情報画面の表示を制限する情報画面制限手段を有する
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、情報画面は、設定操作手段が操作された状態で電源が投入されると表示される画面であり、遊技の実行中は所定の操作が行われたとしても表示が制限される画面である。すなわち、設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されないと、情報画面が表示されない。そのため、権限のない第三者が不正を目的として情報画面を容易に閲覧することが困難であり、セキュリティを担保することが可能となる。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記46の遊技機を提供する。
(1)付記46の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路200)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS3024またはステップS3026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な第1記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS3055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、コマンド入力ポート208)と、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、ワークRAM203)と、
所定の操作にもとづいて、前記履歴情報が示される情報画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)を表示可能な表示制御手段と、
前記情報画面が表示されたのち、所定条件が成立するまで(例えば、演出制御オブジェクトを生成するコマンドを受信するまで)は前記情報画面を表示可能であるものの、前記所定条件が成立すると、前記情報画面の表示を制限する情報画面表示制限手段(例えば、ステップS3316のホールメニュー表示禁止処理を実行するサブCPU201)と、を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定の操作を行うことで、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示される情報画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
しかも、表示された情報画面は、所定条件が成立するまでは表示可能であるものの、所定条件が成立すると表示が制限されるよう構成されている。そのため、所定条件が一旦成立すると、情報画面を閲覧することができなくなるため、権限を有しない者が不正に閲覧を行おうとしても容易に閲覧することができず、セキュリティを担保することが可能となる。
なお、設定操作情報は、設定値の変更が行われたときは設定値の変更が行われた旨を示す設定値変更情報であり、設定値の確認が行われたときは設定値の確認が行われた旨を示す設定値確認情報である。また、設定操作情報が設定値変更情報であるとき、設定値情報は、変更後の一の設定値についての設定値情報である。設定操作情報が設定値確認情報であるときは、設定されている一の設定値についての設定値情報を第2制御手段に送信してもよいが、一の設定値の変更が行われていないため、設定値情報を第2制御手段に送信することは必須ではない。
また、「当該設定操作情報にかかわる時間情報」は、設定操作情報を第1制御手段から第2制御手段に送信した時間情報であってもよいし、設定操作情報を第2制御手段が受信した時間であってもよい。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記47の遊技機を提供する。
(1)付記47の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路200)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS3024またはステップS3026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な第1記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS3055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、コマンド入力ポート208)と、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、ワークRAM203)と、
不特定の者(例えば、遊技者)が閲覧することが可能な通常画面(例えば、ガイド初期画像)と、特定の者(例えば、遊技機管理者)に限り閲覧することが可能であって前記履歴情報が示される情報画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)とを含む複数の画面のうち、いずれかの画面を前記表示手段に表示可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路204)と、を有し、
前記表示制御手段は、
前記通常画面については電源が投入されている限り表示可能である一方、前記情報画面については、少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されたときに表示するよう構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定の表示手段には、不特定の者(例えば、遊技者)が閲覧することが可能な通常画面と、特定の者(例えば、遊技機管理者)に限り閲覧することが可能な情報画面とが表示される。そして、通常画面については電源が投入されている限り表示可能である一方、情報画面については、電源が投入されているだけでは表示されず、少なくとも設定操作手段が操作された状態で電源が投入されなければ表示されないように構成されている。そのため、情報画面については、権限を有しない不特定の者が容易に閲覧することができず、不正に閲覧されることを抑制できるようになっている。
ところで、上記の通常画面は、例えば会員登録を行った遊技者だけしか閲覧できないような場合には不特定の者が閲覧することが可能であると解釈できないかもしれないが、会員登録さえ行えば(すなわち、閲覧したいという意思さえあれば)誰でも閲覧することができるため、不特定の者が閲覧することが可能な通常画面であるといえる。これに対し、情報画面は、閲覧したいという意思があったとしても閲覧できるものではなく、例えば遊技機管理者のような権限を持つ者だけが閲覧できる画面である。
さらに、特定の者に限り閲覧できる情報画面では、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示されるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
なお、設定操作情報は、設定値の変更が行われたときは設定値の変更が行われた旨を示す設定値変更情報であり、設定値の確認が行われたときは設定値の確認が行われた旨を示す設定値確認情報である。また、設定操作情報が設定値変更情報であるとき、設定値情報は、変更後の一の設定値についての設定値情報である。設定操作情報が設定値確認情報であるときは、設定されている一の設定値についての設定値情報を第2制御手段に送信してもよいが、一の設定値の変更が行われていないため、設定値情報を第2制御手段に送信することは必須ではない。
また、「当該設定操作情報にかかわる時間情報」は、設定操作情報を第1制御手段から第2制御手段に送信した時間情報であってもよいし、設定操作情報を第2制御手段が受信した時間であってもよい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、
前記設定操作手段が操作された状態で電源が投入されると前記情報画面を表示可能であり、遊技の実行中は前記情報画面の表示を制限する情報画面制限手段(例えば、ステップS3301においてNOと判別したときにホールメニュータスクを終了するサブCPU201、ステップS3314においてYESと判別したときにステップS3315の処理を実行するサブCPU201)を有する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、情報画面は、設定操作手段が操作された状態で電源が投入されると表示される画面であり、遊技の実行中は所定の操作が行われたとしても表示が制限される画面である。すなわち、設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されないと、情報画面が表示されない。そのため、権限のない第三者が不正を目的として情報画面を容易に閲覧することが困難であり、セキュリティを担保することが可能となる。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記48の遊技機を提供する。
(1)付記48の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路200)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS3024またはステップS3026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な第1記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS3055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、コマンド入力ポート208)と、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、ワークRAM203)と、
所定の操作にもとづいて、前記履歴情報が示される情報画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)を表示可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路204)と、
特定の操作を受け付けると、前記履歴情報を前記第2記憶手段から消去する情報消去手段(例えば、ステップS3306やステップS33160などの処理を実行するサブCPU201)と、を有し、
前記情報消去手段は、
特定の条件を満たしたときに限り前記特定の操作を受け付けるよう構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定の操作を行うことで、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示される情報画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
しかも、特定の操作(例えば、「クリア」の項目を選択した上でメインボタン662の押下操作)を受け付けると、履歴情報が消去されるよう構成されており、さらに上記特定の操作は、特定の条件を満たしたとき(例えば、入力されたパスワードが適正であったとき)に限り受け付け可能となっている。そのため、例えば権限を有しない者が不正を目的として設定値の変更や設定値の確認や閲覧が行われた履歴を消去しようとしても、特定の条件を満たさないとかかる消去を実行することができないため、不正の履歴が意図的に消去されてしまうことを防止できる。また、権限を有する者にとっては、履歴情報を消去することができるため利便性を高めることができる。
なお、設定操作情報は、設定値の変更が行われたときは設定値の変更が行われた旨を示す設定値変更情報であり、設定値の確認が行われたときは設定値の確認が行われた旨を示す設定値確認情報である。また、設定操作情報が設定値変更情報であるとき、設定値情報は、変更後の一の設定値についての設定値情報である。設定操作情報が設定値確認情報であるときは、設定されている一の設定値についての設定値情報を第2制御手段に送信してもよいが、一の設定値の変更が行われていないため、設定値情報を第2制御手段に送信することは必須ではない。
また、「当該設定操作情報にかかわる時間情報」は、設定操作情報を第1制御手段から第2制御手段に送信した時間情報であってもよいし、設定操作情報を第2制御手段が受信した時間であってもよい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記送信手段は、
前記一の設定値についての設定値情報をさらに送信可能であり、
前記第2記憶手段は、
前記設定値情報についても前記履歴情報として記憶可能であるとともに、
前記表示制御手段は、
前記履歴情報に前記設定値情報が含まれる情報画面(例えば、図225の設定変更・確認履歴画面)を表示可能であり、
前記情報消去手段は、
前記設定値情報が含まれる履歴情報を、前記第2記憶手段から消去するよう構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、情報画面が表示されると、設定値情報といったより有益な情報を閲覧することが可能となる。しかも、このような有益な情報についても、権限を有する者が消去することができるため利便性を高めることができる。
なお、送信手段は、設定操作情報と設定値情報とを、ともに送信してもよいし別々に送信してもよい。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記情報消去手段は、
前記履歴情報を前記第2記憶手段から消去するにあたり、履歴情報として前記第2記憶手段に記憶されている履歴情報のうちの一部のみを消去可能に構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、第2記憶手段に記憶されている履歴情報のうち消去する履歴情報を、権限を有する者が取捨選択できるため、利便性が高められる。例えば、履歴情報は、一の設定操作情報と一の日時情報と一の設定値情報とが対応付けられて表示される(例えば、図225参照)。情報消去手段は、対応付けられた履歴情報(例えば、図225に示されるNo毎)に消去してもよいし、履歴情報に含まれる複数項目の情報のうち項目毎に消去してもよい(例えば、図225に示される日時の項目、操作種別の項目、設定値の項目のうちいずれかの項目の全部を消去してもよい)。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記49の遊技機を提供する。
(1)付記49の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路200)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS3024またはステップS3026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な第1記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS3055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、コマンド入力ポート208)と、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、ワークRAM203)と、
所定の操作にもとづいて、前記履歴情報が示される情報画面を表示可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路204)と、を有し、
前記設定操作情報は、
前記一の設定値の変更が行われたことを示す情報であるか、前記一の設定値の確認が行われたことを示す情報であるかの操作種別を区別することが可能な情報であり、
前記表示制御手段は、
前記設定操作情報の種別にかかわらず、前記設定操作情報、前記時間情報および前記設定値情報の全部が履歴情報として示される一覧の情報画面(例えば、一覧画面)と、
前記設定操作情報のうち特定の種別に対応する、前記設定操作情報、前記時間情報および前記設定値情報が履歴情報として示される特定の情報画面(例えば、絞込画面)とを選択的に表示可能に構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定の操作を行うことで、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示される情報画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
しかも、設定操作情報の種別にかかわらず、前記設定操作情報、前記時間情報および前記設定値情報の全部が履歴情報として示される一覧の情報画面と、設定操作情報のうち特定の種別に対応する、前記設定操作情報、前記時間情報および前記設定値情報が履歴情報として示される特定の情報画面とを選択的に表示可能であるため、操作者(例えば、遊技機管理者)の利便性を高めることができる。
なお、設定操作情報は、設定値の変更が行われたときは設定値の変更が行われた旨を示す設定値変更情報であり、設定値の確認が行われたときは設定値の確認が行われた旨を示す設定値確認情報である。また、設定操作情報が設定値変更情報であるとき、設定値情報は、変更後の一の設定値についての設定値情報である。設定操作情報が設定値確認情報であるときは、設定されている一の設定値についての設定値情報を第2制御手段に送信してもよいが、一の設定値の変更が行われていないため、設定値情報を第2制御手段に送信することは必須ではない。
また、「当該設定操作情報にかかわる時間情報」は、設定操作情報を第1制御手段から第2制御手段に送信した時間情報であってもよいし、設定操作情報を第2制御手段が受信した時間であってもよい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、
特定の条件を満たした場合に限り、前記一覧の情報画面と前記特定の情報画面とを選択的に表示可能に構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特定の条件を満たした場合に限り、一覧の情報画面と特定の情報画面とを選択的に表示可能となるので、不正を目的として履歴情報が閲覧されることを抑制できる。なお、特定の条件とは、例えば、適正なパスワードが入力された場合等である。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
前記送信手段は、
前記一の設定値についての設定値情報をさらに送信可能であり、
前記第2記憶手段は、
前記設定値情報についても前記履歴情報として記憶可能であるとともに、
前記表示制御手段は、
前記履歴情報に前記設定値情報が含まれる情報画面を表示可能に構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、情報画面が表示されると、設定値情報といったより有益な情報を閲覧することが可能となる。しかも、このような有益な情報についても、権限を有する者が消去することができるため利便性を高めることができる。
なお、送信手段は、設定操作情報と設定値情報とを、ともに送信してもよいし別々に送信してもよい。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記50の遊技機を提供する。
(1)付記50の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路200)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS3024またはステップS3026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な第1記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS3055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、コマンド入力ポート208)と、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、ワークRAM203)と、
所定の操作にもとづいて、前記履歴情報が示されない通常画面(例えば、ホールメニュー画面)を表示可能であるとともに、当該通常画面において所定の操作が行われると、前記履歴情報が示される情報画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)を表示可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路204)と、
所定条件が成立するまで(例えば、ステップS3312、ステップS3313またはステップS3314においてYESと判別されるまで)は前記情報画面を表示可能であるものの、前記所定条件が成立すると、前記情報画面の表示を制限する情報画面表示制限手段(例えば、ステップS3312、ステップS3313またはステップS3314においてYESと判別されたときにステップS3315の処理を実行するサブCPU201)と、を有し、
前記第2記憶手段は、
前記通常画面において前記所定の操作が行われることによって前記情報画面が表示されると、前記情報画面が閲覧されたことを示す閲覧履歴を、前記履歴情報の一つとして記憶可能であるとともに、
前記情報画面の表示が制限されるまでの間に、前記通常画面において前記所定の操作が行われることによって前記情報画面が表示される回数が複数回にわたったとしても、1回の閲覧履歴として記憶するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定の操作を行うことで、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示される情報画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
また、情報画面は、所定条件が成立するまでは表示可能であるものの、所定条件が成立すると表示が制限される。そのため、権限のない第三者が不正を目的として情報画面を容易に閲覧することが困難であり、セキュリティを担保することが可能となる。
また、情報画面は、通常画面において所定の操作が行われることによって表示される。そしてこのとき、閲覧履歴が第2記憶手段に記憶される。ただし、情報画面の表示が制限されるまでの間に、通常画面において所定の操作が行われることによって情報画面が表示される回数が複数回にわたったとしても、1回の設定履歴情報として記録される。これにより、不正を目的として設定変更、設定確認、情報画面の閲覧等を行った者が、数多くの閲覧履歴を意図的に作ることを困難ならしめることが可能となる。とくに、閲覧履歴の場合は、設定値の変更や確認と異なり、設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されるといった過程を経ることなく複数回にわたって閲覧することが可能であり、それ故数多くの履歴を意図的に作りやすいため、その効果は大きい。
なお、設定操作情報は、設定値の変更が行われたときは設定値の変更が行われた旨を示す設定値変更情報であり、設定値の確認が行われたときは設定値の確認が行われた旨を示す設定値確認情報である。また、設定操作情報が設定値変更情報であるとき、設定値情報は、変更後の一の設定値についての設定値情報である。設定操作情報が設定値確認情報であるときは、設定されている一の設定値についての設定値情報を第2制御手段に送信してもよいが、一の設定値の変更が行われていないため、設定値情報を第2制御手段に送信することは必須ではない。
また、「当該設定操作情報にかかわる時間情報」は、設定操作情報を第1制御手段から第2制御手段に送信した時間情報であってもよいし、設定操作情報を第2制御手段が受信した時間であってもよい。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記51の遊技機を提供する。
(1)付記51の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路200)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS3024またはステップS3026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な第1記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更が行われたのか前記一の設定値の確認が行われたのかを区別可能な設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS3055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、コマンド入力ポート208)と、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、設定変更履歴情報または設定確認履歴情報を含む履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、ワークRAM203)と、
所定の操作にもとづいて、前記履歴情報が示されない通常画面(例えば、ホールメニュー画面)を表示可能であるとともに、当該通常画面において所定の操作が行われると、前記履歴情報が示される情報画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)を表示可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路204)と、を有し、
前記第2記憶手段は、
前記通常画面において前記所定の操作が行われることによって前記情報画面が表示されると、当該情報画面が閲覧されたことを示す閲覧履歴情報を、前記履歴情報の一つとして記憶可能であり、
さらに、前記設定操作手段が操作された状態で電源が投入された場合において、
前記一の設定値の確認と前記情報画面の閲覧とが行われたときは、前記設定確認履歴情報と前記閲覧履歴情報とのいずれもが表示される一方、
前記一の設定値の変更と前記情報画面の閲覧とが行われたときは、前記設定変更履歴情報と前記閲覧履歴情報とのうち前記閲覧履歴情報のみが表示されるよう構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定の操作を行うことで、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示される情報画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
ところで、設定変更を伴う不正が行われたときは、遊技機管理責任者の記憶にない設定の変更履歴をもって不正の可能性があることを察知可能であるが、設定の確認履歴を伴う不正については、設定の確認履歴だけで不正の可能性があることを察知し難い。また、不正を行う者は、設定変更後に閲覧するよりも、設定確認後に閲覧することの方が主であると考えられる。そこで、設定操作手段が操作された状態で電源が投入された場合において、一の設定値の確認と情報画面の閲覧とが行われたときは、設定確認履歴情報と閲覧履歴情報とのいずれもが表示されるようにし、一の設定値の変更と情報画面の閲覧とが行われたときは、設定変更履歴情報と閲覧履歴情報とのうち閲覧履歴情報のみが表示されるようにしている。これにより、表示手段に表示される履歴情報量を極力抑えることが可能となり、履歴総数が不必要に増えて不正を発見しづらくなってしまうことを抑制できる。
なお、「前記一の設定値の変更と前記情報画面の閲覧とが行われたときは、前記設定変更履歴情報と前記閲覧履歴情報とのうち前記閲覧履歴情報のみが表示される」は、「設定変更履歴情報と閲覧履歴情報とのうち閲覧履歴情報のみを第2記憶手段に記憶することで、閲覧履歴情報のみが表示される態様」および「設定変更履歴情報および閲覧履歴情報のいずれもが第2記憶手段に記憶されるものの、これらの情報のうち閲覧履歴情報のみが表示制御手段による制御によって表示される態様」のいずれであってもよいが、第2記憶手段の負荷を軽減させる観点からいえば前者の方が好ましい。
また、「当該設定操作情報にかかわる時間情報」は、設定操作情報を第1制御手段から第2制御手段に送信した時間情報であってもよいし、設定操作情報を第2制御手段が受信した時間であってもよい。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記52の遊技機を提供する。
(1)付記52の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路200)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS3024またはステップS3026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な第1記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS3055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、コマンド入力ポート208)と、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、ワークRAM203)と、
所定の操作にもとづいて、前記履歴情報が示される情報画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)を表示可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路204)と、
前記第2記憶手段に記憶されている履歴情報量が所定量を超えるとき、当該第2記憶手段に記憶されている履歴情報のうちの少なくとも一部を消去する制御を実行する履歴消去手段(例えば、ステップS3306の処理を実行するサブCPU201)と、を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定の操作を行うことで、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示される情報画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
ところで、上記の履歴情報は第2記憶手段(例えば、ワークRAM203)に記憶されるが、第2記憶手段に記憶可能な履歴情報量には上限があるため、第2記憶手段に記憶されている履歴情報量が多くなると、履歴情報を第2記憶手段に記録したいときに記録できないといった事態が発生してしまうおそれがある。そこで、第2記憶手段に記憶されている履歴情報が所定量を超えるとき、第2記憶手段に記憶されている履歴情報のうちの少なくとも一部を消去することで、新たな履歴情報を記録することができないといった事態が生じることを防止している。
なお、「前記第2記憶手段に記憶されている履歴情報量が所定量を超えるとき、当該第2記憶手段に記憶されている履歴情報のうちの少なくとも一部を消去する」とは、第2記憶手段にすでに記憶されている履歴情報に対して新たな履歴情報を上書きすることで結果的に履歴情報が消去されるようにしてもよいし、新たな履歴情報を第2記憶手段に記憶させるに際して所定量を超えるおそれがあるときは、第2記憶手段に記憶されている履歴情報の少なくとも一部を消去した上で履歴情報を記憶するようにしてもよい。また、新たな履歴情報を第2記憶手段に記憶させるときでなくとも、これ以上の履歴情報を第2記憶手段に記憶させると上限を超えるおそれがあるときに、第2記憶手段に記憶されている履歴情報の少なくとも一部を消去するようにしてもよい。
また、設定操作情報は、設定値の変更が行われたときは設定値の変更が行われた旨を示す設定値変更情報であり、設定値の確認が行われたときは設定値の確認が行われた旨を示す設定値確認情報である。また、設定操作情報が設定値変更情報であるとき、設定値情報は、変更後の一の設定値についての設定値情報である。設定操作情報が設定値確認情報であるときは、設定されている一の設定値についての設定値情報を第2制御手段に送信してもよいが、一の設定値の変更が行われていないため、設定値情報を第2制御手段に送信することは必須ではない。
また、「当該設定操作情報にかかわる時間情報」は、設定操作情報を第1制御手段から第2制御手段に送信した時間情報であってもよいし、設定操作情報を第2制御手段が受信した時間であってもよい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、
前記設定操作手段が操作された状態で電源が投入されたときに前記情報画面を表示可能であり、遊技の実行中は前記所定の操作が行われたとしても前記情報画面の表示を制限する情報画面制限手段(例えば、ステップS3301においてNOと判別したときにホールメニュータスクを終了するサブCPU201、ステップS3314においてYESと判別したときにステップS3315の処理を実行するサブCPU201)を有する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、情報画面は、設定操作手段が操作された状態で電源が投入されると表示される画面であり、遊技の実行中は所定の操作が行われたとしても表示が制限される画面である。すなわち、設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されないと、情報画面が表示されない。そのため、権限のない第三者が不正を目的として情報画面を容易に閲覧することが困難であり、セキュリティを担保することが可能となる。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記53の遊技機を提供する。
(1)付記53の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路200)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更することが可能な設定変更状態または前記一の設定値を確認することが可能な設定確認状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS3024またはステップS3026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な第1記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更または確認が行われることを示す設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS3055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、コマンド入力ポート208)と、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、ワークRAM203)と、
前記設定変更状態または/および前記設定確認状態において前記履歴情報が示される情報画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)を前記表示手段に表示可能であるとともに、前記設定変更状態または/および前記設定確認状態が終了すると前記情報画面が表示されないよう当該情報画面の表示を制限可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路204)と、を有し、
前記表示制御手段は、
少なくとも前記設定変更状態が終了したときには、当該設定変更状態が終了したとしても所定時間が経過するまでは前記情報画面の表示を制限せずに前記情報画面を表示可能(例えば、ステップS3310、ステップS311の処理を実行可能)であるとともに、
前記設定変更状態が終了したとしても、当該設定変更状態が終了したのちに表示される情報画面において当該情報画面にかかる所定の操作が行われる限り、前記情報画面の表示が制限されないよう制御可能(ステップS311〜ステップS3314の処理を繰り返し可能)に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、少なくとも、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示される情報画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
また、上記の情報画面は設定変更状態または/および設定確認状態において表示されるため、例えば権限を有しない第三者が容易に情報画面を閲覧することができないといったセキュリティ性が担保されている。しかも、少なくとも設定変更状態に制御されたときには、設定変更状態が終了してから所定時間が経過するまでは、情報画面にかかる所定の操作が行われる限り情報画面の表示が制限されないようにしたので、操作者の利便性を高めることも可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記送信手段は、
少なくとも前記一の設定値の変更が行われたときには、前記一の設定値についての設定値情報についても送信可能であり、
前記表示制御手段は、
前記設定変更状態または/および前記設定確認状態において、前記一の設定値についての設定値情報が前記履歴情報に含まれる情報画面を前記表示手段に表示可能に構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、履歴画面を表示するにあたり、一の設定値についての設定値情報も表示されるため、権限を有する者がより詳しい履歴情報を閲覧することが可能となる。とくに、一の設定値についての設定値情報は営業上にも有益な情報であるため、ホール経営に役立てることが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、
前記設定変更状態が終了したのちに表示される情報画面において当該情報画面にかかる所定の操作が行われていたとしても、前記受信手段により遊技の進行にかかわる特定の情報を受信すると、前記情報画面の表示を終了する強制終了手段(例えば、ステップS3314においてYESとは判別したときにステップS3315の処理を実行するサブCPU201)を有する
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、情報画面において当該情報画面に係る所定の操作が行われていたとしても、受信手段により遊技の進行にかかわる特定の情報を受信すると情報画面の表示が強制的に終了するため、遊技の実行が阻害されない。そのため、遊技が実行できる状態を担保しつつ、権限を有する者による操作の利便性を確保できたり、権限を有しない第三者による不正を抑制できたりすることが可能となる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記設定変更状態が終了したのちに表示される情報画面において、当該情報画面にかかる前記所定の操作を阻害することなく、遊技を実行可能な状態であることを把握可能に構成されてなる(例えば、設定変更中または設定確認中はLED25が白色で全点灯されるのに対し、設定変更または設定確認が終了したときにLED25が赤色で全点灯される)
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、設定変更状態が終了したのちに表示される情報画面において、当該情報画面にかかる所定の操作が行われることを阻害することなく、遊技を実行可能な状態であることを把握することが可能であるため、遊技を実行できるにもかかわらずそれを把握できずに遊技が実行されないといった不具合の発生を防止することが可能となる。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記54の遊技機を提供する。
(1)付記54の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路200)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS3024またはステップS3026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な第1記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更または確認が行われることを示す設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS3055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、コマンド入力ポート208)と、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、ワークRAM203)と、
前記設定状態において、種々の情報が示されうる情報画面(例えば、ホールメニュー画面、ホールメニュー項目の画面)を前記表示手段に表示可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路204)と、を有し、
前記情報画面は、
前記履歴情報が示される履歴画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)と、前記履歴情報は示されないものの所定の操作を行うことで前記履歴情報が示されることとなる非履歴画面(例えば、ホールメニュー画面)とを少なくとも含む複数の情報画面を有し、
前記表示制御手段は、
前記表示手段に前記複数の情報画面のうちのいずれか一の情報画面が表示されているときに所定の操作が行われると他の情報画面が表示されるよう制御する画面更新手段(例えば、ステップS33051、ステップS33057、ステップS33073等の処理を実行するサブCPU201)と、
前記設定状態において、前記非履歴画面が表示されているときは前記所定の操作が行なわれなくとも当該非履歴画面を継続して表示する(例えば、ステップS302のホールメニュー表示処理が実行されたのちのステップS3303の処理においていずれの項目も選択されなかったときはホールメニュー画面を継続して表示する)一方、前記履歴画面が表示されているときは前記所定の操作が所定時間以上にわたって行われなければ当該履歴画面の表示が終了されるよう制御する特定表示制御手段(例えば、ステップS33072においてYESと判別したときにステップS3315の処理を実行するサブCPU201)と、を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、少なくとも、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示される履歴画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、履歴画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
また、履歴情報が示されない非履歴画面については所定の操作が行われなくとも継続して表示されるが、履歴情報が示される履歴画面については所定の操作が所定時間以上にわたって行われなければ終了する。そのため、履歴情報が継続して表示され続けてしまうことによって権限のない第三者によって閲覧されてしまうということを防止できる。なお、上記の「継続して表示」には、一旦表示を終了して再表示することも含まれる。すなわち、所定の操作が所定時間以上にわたって行われなかった場合であっても表示されるのか、表示がなされなくなるのかが重要である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記送信手段は、
少なくとも前記一の設定値の変更が行われたときには、前記一の設定値についての設定値情報についても送信可能であり、
前記表示制御手段は、
前記設定状態において前記履歴画面を前記表示手段に表示するにあたり、前記一の設定値についての設定値情報についても表示するよう構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、履歴画面を表示するにあたり、一の設定値についての設定値情報も表示されるため、権限を有する者がより詳しい履歴情報を閲覧することが可能となる。とくに、一の設定値についての設定値情報は営業上にも有益な情報であるため、ホール経営に役立てることが可能となる。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記55の遊技機を提供する。
(1)付記55の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能であり、前記一の設定値についての設定値情報を含む遊技の進行にかかわる情報を記憶可能な第1記憶手段を有する第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路200)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
前記第1記憶手段に記憶される情報を消去する操作に用いられる特定操作手段(例えば、バックアップクリアスイッチ330)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で前記特定操作手段が操作され且つ電源が投入されると、前記一の設定値を変更することが可能な設定変更状態に制御する設定変更状態制御手段(例えば、ステップS3024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更が行われることを示す設定変更情報(例えば、設定変更開始コマンド)、前記一の設定値についての設定値情報(例えば、設定値の変更が行われたときの変更後の設定値情報)、および、前記第1記憶手段に記憶される情報を消去する消去処理が実行されたときには当該消去処理が実行されたことを示す情報(例えば、初期化コマンド)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS3055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、コマンド入力ポート208)と、
前記設定変更情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定変更情報と、当該設定変更情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、ワークRAM203)と、
少なくとも前記設定変更状態において前記履歴情報が示される情報画面を前記表示手段に表示可能な情報表示制御手段(例えば、表示制御回路204)と、
前記消去処理が実行されたことを報知可能な消去実行情報報知手段(例えば、表示制御回路104、スピーカ24の音声出力を制御する音声制御回路205およびLED25の点灯態様を制御するLED制御回路206)と、を有し、
前記消去実行情報報知手段は、
前記設定変更状態に制御されることなく前記消去処理(例えば、バックアップクリア処理)が実行されたとき、当該消去処理が実行されたことを把握できる第1態様(例えば、液晶表示装置16の表示領域内に「RAMがクリアされました」といった文字表示、「RAMがクリアされました」といった音声出力、LED25の赤色全点灯)で報知する第1報知手段(サブCPU201)と、
前記設定変更状態に制御されたことにともなって前記消去処理が実行されたとき、前記情報画面の視認が阻害されないよう当該消去処理が実行されたことを前記第1態様よりも把握し難い第2態様(例えば、液晶表示装置16での表示を行わず、「設定が変更されました。RAMが初期化されました」といった音声出力およびLED25の赤色全点灯のみ)で報知する第2報知手段(サブCPU201)と、を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、少なくとも、設定変更情報と当該設定変更情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示される情報画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更等が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
また、第1記憶手段に記憶される情報を消去する消去処理(例えば、バックアップクリア処理)は、設定変更状態に制御されることなく実行される場合と、設定変更状態に制御されたことにともなって実行される場合とがある。設定変更状態に制御されることなく消去処理が実行されたときは、消去処理が実行されたことを把握できる第1態様で報知されるため、例えば権限を有しない第三者によって消去処理が実行されることを抑制することが可能となる。これに対し、設定変更状態に制御されたことにともなって消去処理が実行されたときは、一の設定値を変更することが主たる目的であり、消去処理はそれにともなって実行されただけであると考えられるため、第1態様よりも把握し難い第2態様で報知されるようにしている。さらに、設定変更状態に制御されたことにともなって消去処理が実行されたときは、履歴情報が示される情報画面が表示されるが、第2態様では、かかる情報画面の視認が阻害されないように消去処理の実行が報知されるため、利便性も担保することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
所定の音声を出力可能な音声出力手段(例えば、スピーカ24)をさらに備えるとともに、
前記第2制御手段は、
前記音声出力手段から出力される音声を制御可能な音声制御手段(例えば、音声制御回路206)をさらに有しており、
前記第1報知手段は、
前記消去処理が実行されたことを、前記表示手段と前記音声出力手段との両方を用いて報知し、
前記第2報知手段は、
前記消去処理が実行されたことを、前記表示手段と前記音声出力手段とのうち前記音声出力手段のみを用いて報知するよう構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、設定変更状態に制御されることなく消去処理(例えば、バックアップクリア処理)が実行されたときは、表示手段と音声出力手段との両方を用いて報知するため、消去処理が実行されたことを明確に把握することが可能となる。これに対し、設定変更状態に制御されたことにともなって消去処理が実行されたときは、表示手段と音声出力手段とのうち音声出力手段のみを用いて報知するため、情報画面の視認が阻害されないようにしつつも、消去処理の実行を把握することが可能となり、利便性を高めつつ、例えば権限を有しない第三者によって消去処理が実行されることを抑制することが可能となる。
上記構成の本発明の付記44〜付記55の遊技機によれば、設定値にかかわる問題に対応可能な利便性の高い遊技機を提供することが可能となる。
[付記56]
従来より、所定の条件が成立すると抽選を行い、この抽選の結果にもとづいて図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、抽選の結果が特定の結果であることを示す特定の表示結果で表示されると、遊技者に有利な遊技状態に制御される。
この種の遊技機では、上記抽選の結果が特定の結果となる確率等、遊技において遊技者の有利不利に関わる確率を示す複数の設定値のうちいずれか1つの設定値を設定し、以後、設定された設定値にもとづいて遊技の進行が制御される遊技機が知られている(例えば、特開2011−206588号公報の段落[0063]参照)。上記の設定値は、例えばホールの遊技機管理者等、権限を有する者が設定することができる。
(第8の課題)
しかし、設定された設定値にもとづいて遊技の進行が制御される遊技機では、例えば、権限を有しない者によって不正に設定値の変更や設定値の確認が行われたり、ノイズ等により設定値が変更されてしまったり、制御基板が不正に取り替えられる等といった様々な問題が発生することが懸念される。
また、上記の設定値は、ホールおよび遊技者のいずれにとっても重要な要素であるから、権限を有する者によって厳重に管理されるべきものである。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、設定値にかかわる問題に対応可能な遊技機を提供することにある。
上記第8の課題を解決するために、以下のような構成の付記56の遊技機を提供する。
(1)付記56の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路200)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS3024またはステップS3026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS3055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された前記設定値情報を受信可能な受信手段(例えば、コマンド入力ポート208)と、
前記受信手段により前記設定値情報を受信したことにもとづいて、当該受信した設定値情報と、当該設定値情報に先だって受信した設定値情報とを用いて、前記一の設定値についての適否を判定する設定判定手段(例えば、前回設定値と今回設定値とが一致しているか否かを判別するサブCPU201)と、
前記設定判定手段により前記一の設定値が不適であると判定されると異常時処理を実行する異常時処理実行手段(例えば、設定値異常時処理を実行するサブCPU201)と、を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1制御手段から複数回にわたって送信された一の設定値についての設定値情報を用いて、第2制御手段が一の設定値についての適否を判定することが可能となる。すなわち、第1制御手段において一の設定値についての適否を判定することが可能であったとしても、例えば第1制御手段が不正に交換された場合等には、一の設定値が正常であるか異常であるかにかかわらず、第1制御手段では一の設定値が正常であると判定されてしまう。そこで、第2制御手段が一の設定値についての適否を判定することができるようにすることで、例えば第1制御手段が不正に交換された場合等であっても、一の設定値についての適否をただちに発見することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記送信手段は、
前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)についても送信可能であり、
前記第2制御手段は、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報とを、履歴情報として記憶可能な前記記憶手段とは別の記憶手段(例えば、ワークRAM203)と、
所定の操作にもとづいて、前記履歴情報が示される情報画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)を所定の表示手段に表示可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路204)と、を有する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、所定の操作を行うことで、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示される情報画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
なお、各種情報を第2制御手段に送信可能な送信手段は、設定操作情報および設定値情報の両方を送信する場合、これらの情報をともに送信してもよいし別々に送信してもよい。設定操作情報は、設定値の変更が行われたときは設定値の変更が行われた旨を示す設定値変更情報であり、設定値の確認が行われたときは設定値の確認が行われた旨を示す設定値確認情報である。また、設定操作情報が設定値変更情報であるとき、設定値情報は、変更後の一の設定値についての設定値情報である。設定操作情報が設定値確認情報であるときは、設定されている一の設定値についての設定値情報を第2制御手段に送信してもよいが、一の設定値の変更が行われていないため、設定値情報を第2制御手段に送信することは必須ではない。
また、「当該設定操作情報にかかわる時間情報」は、設定操作情報を第1制御手段から第2制御手段に送信した時間情報であってもよいし、設定操作情報を第2制御手段が受信した時間であってもよい。
上記構成の本発明の付記56の遊技機によれば、設定値にかかわる問題に対応可能な遊技機を提供することが可能となる。
[付記57]
従来より、所定条件の成立にもとづいて抽選を行い、この抽選の結果にもとづいて遊技者に有利な遊技が実行される遊技機が知られている。
この種の遊技機として、1つのデバイスで複数の機能を有する遊技機が提案されている。例えば、特開2012−170505号公報には、遊技者によって押下されるとともに、遊技者にインパクトを与えるために、遊技者の操作とは無関係に遊技機の本体から大きく突出した位置へ飛び出すようにした押しボタンが開示されている。
(第9の課題)
ところで、役物や各種センサ等の動作確認を行う場合、例えば特開2012−170505号公報に記載された押ボタンのように1つのデバイスで複数の機能を有するものについては、メンテナンス性が低下する虞が懸念される。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、1つのデバイスで複数の機能を有するものについてのメンテナンス性の向上を図ることが可能な遊技機を提供することにある。
上記第9の課題を解決するために、以下のような構成の付記57の遊技機を提供する。
(1)付記57の遊技機は、
所定条件の成立にもとづいて抽選(例えば、特別抽選)を行い、当該抽選の結果にもとづいて遊技者に有利な遊技を実行可能な遊技機であって、
前記抽選の結果にもとづいて動作可能な役物(例えば、役物1000)と、
一つで複数の機能を有する複合手段(例えば、演出ボタン62)と、
遊技の進行に供される各種センサ(例えば、第1始動口スイッチ421等)と、
所定の表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、
少なくとも、前記役物の動作確認、前記複合手段の機能確認および前記各種センサの検出確認を含む複数のメンテナンス項目のうち実行されるメンテナンス項目を決定するメンテナンス項目決定手段(例えば、ステップS33084の処理を実行可能なサブCPU201)と、
前記メンテナンス項目を決定するにあたり、前記役物の動作確認、前記複合手段の機能確認および前記各種センサの検出確認を含む複数のメンテナンス項目のうちいずれかを選択可能な選択画面(例えば、図231のメンテナンス画面)を少なくとも表示するメンテナンス画面表示制御手段(例えば、ステップS33083の処理を実行可能なサブCPU201)と、
を備え、
前記メンテナンス項目決定手段は、
前記メンテナンス画面表示制御手段により表示された前記選択画面において選択されたメンテナンス項目に決定可能であり、
前記メンテナンス画面表示制御手段は、
一つでありながらも複数の機能を有する前記複合手段については、前記選択画面において、機能毎に項目を選択できるよう表示可能に構成される(例えば、図231の「演出ボタン1」の項目と「演出ボタン2」の項目とのうちいずれかを選択できるように表示される)
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、一つでありながらも複数の機能を有する複合手段については、複数のメンテナンス項目のうちいずれかを選択可能な選択画面において機能毎に項目を選択できるよう表示されるため、メンテナンス性の向上を図ることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記複合手段は、
少なくとも、操作機能と、前記抽選の結果にもとづいて実行されうる演出機能とを有しており、
前記メンテナンス項目決定手段は、
前記選択画面において、前記操作機能の項目(例えば、演出ボタン1)が選択されたときは当該操作機能にかかるメンテナンス項目に決定し、前記演出機能の項目(例えば、演出ボタン2)が選択されたときは当該演出機能にかかるメンテナンス項目に決定可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、操作機能の項目が選択されたときは当該操作機能にかかるメンテナンス項目に決定し、演出機能の項目が選択されたときは当該演出機能にかかるメンテナンス項目に決定可能に構成されるため、操作機能および演出機能のいずれについても適切にメンテナンスを行うことが可能となる。
上記構成の本発明の付記57の遊技機によれば、1つのデバイスで複数の機能を有するものについてのメンテナンス性の向上を図ることが可能な遊技機を提供することができる。
[付記58]
従来より、所定条件の成立にもとづいて行われる抽選の結果にもとづいて遊技者に有利な遊技を実行する遊技機において、抽選の結果にもとづいて動作する可動役物を備える遊技機が知られている。
この種の遊技機として、抽選の結果にもとづいて動作する可動役物として、駆動源がそれぞれ異なる第1可動役物および第2可動役物を備える遊技機が開示されている(例えば、特開2018−15273号公報参照)。
(第10の課題)
ところで、駆動源が異なる複数の可動役物を備える例えば特開2018−15273号公報に記載された遊技機では、メンテナンス作業が煩雑で煩わしい虞がある。とくに駆動源が異なる複数の可動役物が互いに干渉する可能性があるときにはそれが顕著である。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動源が異なる複数の可動役物を備える場合であっても、メンテナンス作業の煩わしさを軽減することが可能な遊技機を提供することにある。
上記第10の課題を解決するために、以下のような構成の付記58の遊技機を提供する。
(1)付記58の遊技機は、
所定条件の成立にもとづいて抽選(例えば、特別抽選)を行い、当該抽選の結果にもとづいて遊技者に有利な遊技を実行可能な遊技機であって、
前記抽選の結果にもとづいて動作可能であり、駆動源がそれぞれ異なる第1役物および第2役物と、
遊技の進行に供される各種センサ(例えば、第1始動口スイッチ421等)と、
所定の表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、
少なくとも、前記第1役物の動作確認、前記第2役物の動作確認および前記各種センサの検出確認を含む複数のメンテナンス項目のうち実行されるメンテナンス項目を決定するメンテナンス項目決定手段(例えば、ステップS33084の処理を実行可能なサブCPU201)と、
前記メンテナンス項目を決定するにあたり、前記第1役物の動作確認、前記第2役物の動作確認および前記各種センサの検出確認を含む複数のメンテナンス項目のうちいずれかを選択可能な選択画面(例えば、図231のメンテナンス画面)を少なくとも表示するメンテナンス画面表示制御手段(例えば、ステップS33083の処理を実行可能なサブCPU201)と、
を備え、
前記メンテナンス項目決定手段は、
前記メンテナンス画面表示制御手段により表示された前記選択画面において選択されたメンテナンス項目に決定可能であり、
前記メンテナンス画面表示制御手段は、
前記第1役物および前記第2役物それぞれ単独での動作確認のみならず、前記第1役物および前記第2役物の両方を動作させたときの動作確認についても、前記選択画面において選択できるよう表示可能に構成されてなる(例えば、図231の「演出役物1+2」の項目等が表示されてなる)
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1役物および第2役物それぞれ単独での動作確認のみならず、第1役物および第2役物の両方を動作させたときの動作確認についても選択画面において選択できるため、メンテナンス作業の煩わしさを軽減することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記メンテナンス画面表示制御手段は、
前記第1役物を動作したのちに前記第2役物を動作させたときの動作確認を、前記選択画面において選択できるよう構成されてなる(例えば、図231の「演出役物1→2」の項目等が表示されてなる)
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第1役物の動作開始タイミングと第2役物の動作開始タイミングが異なりうる場合であっても、第1役物を動作したのちに第2役物を動作させたときの動作確認を選択画面において選択できるため、メンテナンス作業の煩わしさを軽減し、さらにはメンテナンス性を向上させることが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記抽選の結果にもとづいて動作可能であり、前記第1役物および前記第2役物のいずれとも駆動源が異なる第3役物をさらに備え、
前記メンテナンス画面表示制御手段は、
前記第1役物または/および前記第2役物と前記第3役物とがいずれも動作したときに互いに干渉する可能性があるときは、前記第1役物または/および前記第2役物と前記第3役物とのいずれをも動作させることができない態様で前記選択画面を表示可能に構成されてなる(例えば、図231の「演出役物1+3」の項目を選択できないように表示されてなる)
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、第1役物または/および第2役物と第3役物とがいずれも動作したときに互いに干渉する可能性があるときは、選択画面において、第1役物または/および第2役物と第3役物とのいずれをも動作させる態様を選択することができないため、メンテナンス性の向上を図ることが可能となる。
上記構成の本発明の付記58の遊技機によれば、1つのデバイスで複数の機能を有するものについてのメンテナンス性の向上を図ることが可能な遊技機を提供することができる。
[付記59、付記60]
従来より、所定の条件が成立すると抽選を行い、この抽選の結果にもとづいて図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、抽選の結果が特定の結果であることを示す特定の表示結果で表示されると、遊技者に有利な遊技状態に制御される。
この種の遊技機では、上記抽選の結果が特定の結果となる確率等、遊技において遊技者の有利不利に関わる確率を示す複数の設定値のうちいずれか1つの設定値を設定し、以後、設定された設定値にもとづいて遊技の進行が制御される遊技機が知られている(例えば、特開2011−206588号公報の段落[0063]参照)。上記の設定値は、例えばホールの遊技機管理者等、権限を有する者が設定することができる。
(第11の課題)
ところで、設定された設定値にもとづいて遊技の進行が制御される遊技機において、設定値は、出玉にかかわるため、ホールおよび遊技者のいずれにとっても重要な要素である。しかし、例えば電断等の発生により設定値に異常が生じる虞がある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、設定値が適正に維持されることが可能な遊技機を提供することにある。
上記第11の課題を解決するために、以下のような構成の付記59の遊技機を提供する。
(1)付記59の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能であり、前記一の設定値についての設定値情報を含む遊技の進行にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM103)を有する制御手段(例えば、主制御回路100)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
前記記憶手段に記憶される情報を消去する操作に用いられる特定操作手段(例えば、バックアップクリアスイッチ330)と、
電源が投入されると前記制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記制御手段は、
前記設定操作手段がON操作された状態で前記特定操作手段がON操作され且つ電源が投入されると、前記一の設定値を変更することが可能な設定変更状態に制御する状態制御手段(例えば、ステップS3024の処理を実行可能なメインCPU101)を有し、
前記状態制御手段は、
前記設定変更状態において電源の供給が停止されたとき、前記設定操作手段のON操作または/および前記特定操作手段のON操作が行われることなく電源が投入されたとしても、前記設定変更状態に制御可能又は電源の供給が停止されたときの前記設定変更状態で復電可能である(例えば、ステップS3021においてNOと判別したときにステップS3024の処理を実行する)
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、設定変更状態に制御されているときに例えば電断等が発生したとしても、その後に電源投入されると、設定変更状態に制御されるか又は電源の供給が停止されたときの設定変更状態で復電されるため、必ず設定値が設定され、設定値が適正に維持されることとなる。すなわち、例えば設定変更状態において意図しない電断等の発生により設定値が設定されていないといった事態の発生を防止することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記制御手段は、
前記設定変更状態において前記一の設定値が変更されたのち、前記設定操作手段がOFF操作されると、前記一の設定値を、変更されたのちの設定値に確定する設定値確定手段(例えば、ステップS32480の処理を実行するメインCPU101)をさらに有し、
前記設定値確定手段は、
前記設定操作手段がON操作されることなく前記設定変更状態に制御されるか又は電源の供給が停止されたときの前記設定変更状態で復電されたときは、前記設定操作手段がON操作された後さらにOFF操作されたときに、前記一の設定値を、変更されたのちの設定値に確定するよう構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、設定操作手段がON操作されることなく設定変更状態に制御されるか又は電源の供給が停止されたときの設定変更状態で復電された場合、設定操作手段を一旦ON操作する必要があるものの、設定操作手段をOFF操作するといった通常と変わらない操作を行うことで、一の設定値を確定させることが可能となる。これにより、設定操作手段がON操作されることなく設定変更状態に制御されるか又は電源の供給が停止されたときの設定変更状態で復電された場合であっても、煩雑な操作を行うことなく、好適に、設定値が設定されていないといった事態の発生を防止することが可能となる。
上記第11の課題を解決するために、以下のような構成の付記60の遊技機を提供する。
(1)付記60の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能であり、前記一の設定値についての設定値情報を含む遊技の進行にかかわる情報を記憶可能な記憶手段を有する制御手段(例えば、主制御回路100)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
前記記憶手段に記憶される情報を消去する操作に用いられる特定操作手段(例えば、バックアップクリアスイッチ330)と、
電源が投入されると前記制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記制御手段は、
前記設定操作手段の操作状態と前記特定操作手段の操作状態とに応じて、電源が投入されたのちの状態を、前記一の設定値を変更することが可能な設定変更状態および前記一の設定値を確認することが可能な設定確認状態を含む複数の状態のうちいずれかに制御可能な状態制御手段(例えば、ステップS3024、ステップS3026、ステップS3028等の処理を実行可能なメインCPU101)を有し、
前記状態制御手段は、
前記設定確認状態において電源の供給が停止され、その後電源が投入されたとき、前記設定操作手段の操作状態と前記特定操作手段の操作状態とに応じて、前記複数の状態のうちいずれかに制御し(例えば、ステップS3022〜ステップS3028の処理を実行し)、
前記設定変更状態において電源の供給が停止され、その後電源が投入されたとき、前記設定操作手段および前記特定操作手段の操作状態にかかわらず前記設定変更状態に制御可能又は電源の供給が停止されたときの設定変更状態で復電可能である(例えば、ステップS3021においてNOと判別したときにステップS3024の処理を実行する)。
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、操作者の利便性を確保しつつ、電断等の発生により設定値が設定されていないといった事態の発生を防止することが可能となる。すなわち、設定確認状態は、一の設定値を確認することができるだけで一の設定値の変更を行うことができない状態であるため、例えば意図しない電断等が発生したとしても、一の設定値に影響を及ぼすことは考えにくい。その一方、設定変更状態は、一の設定値を変更することができる状態であるため、例えば意図しない電断等が発生すると、一の設定値に影響を及ぼす虞がある。そこで、設定確認状態において電源の供給が停止されたときは、その後電源が投入されたときに、設定操作手段の操作状態と特定操作手段の操作状態とに応じて複数の状態のうちいずれかに制御されるようにし、設定変更状態において電源の供給が停止されたときは、その後に電源投入されると、設定変更状態に制御されるか又は電源の供給が停止されたときの設定変更状態で復電されるようにすることで、操作者の利便性を確保しつつ、意図しない電断等の発生により設定値が設定されていないといった事態の発生の防止を図るようにしたものである。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記状態制御手段は、
前記設定操作手段がON操作された状態で前記特定操作手段がON操作され且つ電源が投入されると、前記設定変更状態に制御するものであり、
前記制御手段は、
前記設定変更状態において前記一の設定値が変更されたのち、前記設定操作手段がOFF操作されると、前記一の設定値を、変更されたのちの設定値に確定する設定値確定手段をさらに有し、
前記設定値確定手段は、
前記設定操作手段がON操作されることなく前記設定変更状態に制御されるか又は電源の供給が停止されたときの前記設定変更状態で復電されたときは、前記設定操作手段がON操作された後さらにOFF操作されたときに、前記一の設定値を、変更されたのちの設定値に確定するよう構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、設定操作手段がON操作されることなく設定変更状態に制御されるか又は電源の供給が停止されたときの設定変更状態で復電された場合、設定操作手段を一旦ON操作する必要があるものの、設定操作手段をOFF操作するといった通常と変わらない操作を行うことで、一の設定値を確定させることが可能となる。これにより、設定操作手段がON操作されることなく設定変更状態に制御されるか又は電源の供給が停止されたときの設定変更状態で復電された場合であっても、煩雑な操作を行うことなく、好適に、設定値が設定されていないといった事態の発生を防止することが可能となる。
上記構成の付記59の遊技機、付記60の遊技機によれば、設定値が適正に維持されることが可能な遊技機を提供することができる。
[付記61]
従来より、所定の条件が成立すると抽選を行い、この抽選の結果にもとづいて図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、抽選の結果が特定の結果であることを示す特定の表示結果で表示されると、遊技者に有利な遊技状態に制御される。
この種の遊技機では、上記抽選の結果が特定の結果となる確率等、遊技において遊技者の有利不利に関わる確率を示す複数の設定値のうちいずれか1つの設定値を設定し、以後、設定された設定値にもとづいて遊技の進行が制御される遊技機が知られている(例えば、特開2011−206588号公報の段落[0063]参照)。上記の設定値は、例えばホールの遊技機管理者等、権限を有する者が設定することができる。
(第12の課題)
ところで、設定された設定値にもとづいて遊技の進行が制御される遊技機において、設定値は、出玉にかかわるため、ホールおよび遊技者のいずれにとっても重要な要素である。しかし、例えばノイズの発生や不正行為等により設定値に異常が生じる虞がある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、設定値が適正に維持されることが可能な遊技機を提供することにある。
上記第12の課題を解決するために、以下のような構成の付記61の遊技機を提供する。
(1)付記61の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能であり、前記一の設定値についての設定値情報を含む遊技の進行にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM103)を有する制御手段(例えば、主制御回路100)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
前記記憶手段に記憶される情報を消去する操作に用いられる特定操作手段(例えば、バックアップクリアスイッチ330)と、
電源が投入されると前記制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記制御手段は、
前記設定操作手段がON操作された状態で前記特定操作手段がON操作され且つ電源が投入されると、前記一の設定値を変更することが可能な設定変更状態に制御する設定変更状態制御手段(例えば、ステップS3024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報の適・不適を判別する適正判定手段(例えば、ステップS3721の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が不適であると判別されると異常状態(例えば、ステップS3722〜ステップS3727の処理が実行される状態)に制御する異常制御手段(ステップS3722〜ステップS3727の処理を実行するメインCPU101)と、
前記異常状態において電源の供給が停止された場合において、電源投入後に前記設定変更状態に制御されなかったときは、前記記憶手段に記憶される情報を消去する操作が行われたとしても遊技を実行できないよう制御する(例えば、ステップS31770においてNOと判別したときにステップS31790の処理を実行しない)一方、電源投入後に前記設定変更状態に制御されたときに遊技を実行できるよう制御する(例えば、ステップS31770においてYES且つステップS31780においてYESと判別したときにステップS31790の処理を実行する)する遊技実行手段(例えば、ステップS17の処理を実行するメインCPU101)と、を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、例えばノイズの発生や不正行為等により異常状態が発生し、かかる異常状態において電源の供給が停止された場合において、電源投入後に設定変更状態に制御されなかったときは、たとえ、記憶手段に記憶される情報を消去する操作が行われたとしても遊技を実行することができず、電源投入後に設定変更状態に制御されたときに遊技を実行可能となる。異常状態が発生したとき、記憶手段に記憶される一の設定値情報が異常である可能性が高いため、一の設定値が必ず変更されるように設定変更状態に制御されたときに限り、遊技を実行することができるようにし、設定値が適正に維持されるようにしたものである。
上記構成の本発明の付記61の遊技機によれば、設定値が適正に維持されることが可能な遊技機を提供することができる。
[付記62]
従来より、所定の条件が成立すると抽選を行い、この抽選の結果にもとづいて図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、抽選の結果が特定の結果であることを示す特定の表示結果で表示されると、遊技者に有利な遊技状態に制御される。
この種の遊技機では、上記抽選の結果が特定の結果となる確率等、遊技において遊技者の有利不利に関わる確率を示す複数の設定値のうちいずれか1つの設定値を設定し、以後、設定された設定値にもとづいて遊技の進行が制御される遊技機が知られている(例えば、特開2011−206588号公報の段落[0063]参照)。上記の設定値は、例えばホールの遊技機管理者等、権限を有する者が設定することができる。
(第13の課題)
しかし、設定された設定値にもとづいて遊技の進行が制御される遊技機では、例えば、権限を有しない者によって不正に設定値の変更や設定値の確認が行われたり、ノイズ等により設定値が変更されてしまう等といった様々な問題が発生することが懸念される。
また、上記の設定値は、ホールおよび遊技者のいずれにとっても重要な要素であるから、権限を有する者によって厳重に管理されるべきものである。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、設定値にかかわる問題に対応可能な遊技機を提供することにある。
上記第13の課題を解決するために、以下のような構成の付記62の遊技機を提供する。
(1)付記62の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、液晶表示装置16)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路200)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段がON操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する状態制御手段(例えば、ステップS3024、ステップS3026、ステップS3028などの処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記設定状態では遊技を実行できないものの前記設定状態が終了すると遊技を実行できるよう制御可能な遊技実行手段(例えば、ステップS3030の遊技復帰処理が未だ実行されていないステップS3020の設定処理では遊技を実行できないもののステップS3020の設定処理が終了するとステップS3030の遊技復帰処理が実行されて遊技の実行を可能とする電源投入時処理を実行するメインCPU101)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更または確認が行われることを示す設定操作情報(例えば、操作種別情報)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS3055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、コマンド入力ポート208)と、
前記受信手段により前記設定操作情報を受信したとき、前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す演出を、遊技を実行できない前記設定状態において実行可能な設定操作演出実行手段(例えば、LED制御回路206を介してLED25を赤色で全点灯させる制御を実行するサブCPU201)と、を有し、
前記設定操作演出実行手段は、
前記設定状態が終了して遊技を実行できる状態になったとしても、所定期間が経過するまでは、前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す演出を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、受信手段により設定操作情報を受信したとき、一の設定値の変更または確認が行われることを示す演出を、遊技を実行できない設定状態において実行する。さらには、設定状態が終了して遊技を実行できる状態になったとしても、所定期間が経過するまでは、一の設定値の変更または確認が行われたことを示す演出が実行される。そのため、不正に設定値の変更や設定値の確認が行われるような場合にかかる不正を容易に発見することが可能であるとともに、不正が行われることそのものを抑制することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記設定操作演出実行手段は、
前記設定状態が終了して遊技を実行できる状態になったのち、前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す演出を、遊技を実行できる状態であることを外観で把握できる態様で実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、遊技を実行できる状態であることを外観で把握できる態様で一の設定値の変更または確認が行われたことを示す演出が実行されるため、一の設定値の変更または確認が行われたことを示す演出が実行されつつも、遊技の進行が阻害されることを防止することが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記状態制御手段は、
前記一の設定値を変更することが可能な設定変更状態に制御する設定変更状態制御手段(例えば、ステップS3024の処理を実行可能なメインCPU101)を有するとともに、
前記第2制御手段は、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、履歴情報として記憶可能な記憶手段(例えば、ワークRAM203)と、
前記設定状態において前記履歴情報が示される情報画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)を前記表示手段に表示可能であるとともに、前記設定状態が終了すると前記情報画面が表示されないよう前記情報画面の表示を制限可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路204)と、をさらに有し、
前記表示制御手段は、
前記受信手段により前記設定変更状態が終了したことを示す設定操作情報を受信したとき、前記設定変更状態が終了したとしても、所定時間が経過するまでは前記情報画面の表示を制限せずに前記情報画面を表示可能(例えば、ステップS3310〜ステップS3314の処理を実行可能)に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、設定状態では履歴情報が示される情報画面を表示手段に表示可能であるとともに、設定状態が終了すると情報画面の表示が制限される。そのため、設定状態では、履歴情報が示される情報画面を閲覧することにより、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。さらに、設定状態が終了すると情報画面の表示が制限されるなかで、設定変更状態が終了したことを示す設定操作情報を受信したときには、設定変更状態が終了したとしても、所定時間が経過するまでは情報画面を表示可能となっている。そのため、仮に不正が行われたとしてもかかる不正を容易に発見することが可能であるとともに、不正が行われることそのものを抑制することが可能となる。
上記構成の本発明の付記62の遊技機によれば、設定値にかかわる問題に対応可能な遊技機を提供することが可能となる。
[付記63−1〜付記63−26]
従来より、第1始動口に遊技球が入賞すると第1特別図柄の可変表示を行い、第2始動口に遊技球が入賞すると第2特別図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、第1特別図柄または第2特別図柄が特定の結果であることが表示されると、遊技者に有利な特別遊技状態に制御される。
この種の遊技機として、第1特別図柄の可変表示と第2特別図の可変表示とを同時に行う機能を利用した遊技機が開示されている。例えば、第1特別図柄よりも第2特別図柄の小当り確率を高くし、抽選確率が高く且つ第1始動口への入賞が容易化される高確時短遊技状態において規定回数の可変表示が行われると、第1始動口への入賞の容易化を終了させて高確非時短遊技状態に移行させて小当り遊技が実行されやすい状態とし、出球を増加させることができる遊技機が開示されている(例えば特開2016−174800号公報参照)。
特開2016−174800号公報に記載の遊技機は、第1特別図柄の可変表示と第2特別図の可変表示とを同時に行う機能を利用した新たな遊技性を備えたものであるが、近年、さらに新たな遊技性を備える遊技機が望まれている。
付記63−1〜付記63−26の各発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、新たな遊技性を備える遊技機を提供することにある。
(1)付記63−1の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して行われる遊技の結果として賞球または賞球データを付与可能な遊技機であって、
遊技領域に向けて通常の態様(例えば、左打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第1始動口(例えば、図254の第一始動口5442)と、
第1始動口への遊技球の受け入れに基づいて第1抽選(例えば、第1特別抽選)を行う第1抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1抽選の結果を導出する第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技領域に向けて特定の態様(例えば、右打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第2始動口(例えば、図254の第二始動口440)と、
第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて第2抽選(例えば、第2特別抽選)を行う第2抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果を導出する第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別の結果が導出されなかったとしても特定の条件が成立したとき(例えば、特別抽選の結果が小当りであるとき)には、所定の可動部材(例えば、図254の小当り用シャッタ6100)を作動させて、遊技球が受け入れられると賞球または賞球データが付与される入賞口への受け入れが容易となる特定遊技(例えば、小当り遊技)を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段と、
を備え、
前記第2抽選手段は、
前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行うものであり、
前記遊技状態制御手段は、
前記特別の結果の導出確率が相対的に低い通常遊技状態(例えば、通常の遊技状態)と、
前記特別の結果の導出確率が相対的に高く、前記特定の態様で遊技球が発射されると前記第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて前記特定遊技が実行されるものの、前記入賞口への遊技球の受け入れが阻害されることにより、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が1未満である有利遊技状態(例えば、高確時短遊技状態)と、
前記特別の結果の導出確率が相対的に高く、前記入賞口への遊技球の受け入れが前記有利遊技状態よりも容易となることにより、前記特定の態様で遊技球が発射されると単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が前記通常遊技状態および前記有利遊技状態のいずれよりも大きい特定遊技状態(例えば、高確非時短遊技状態)と、
を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能であるとともに、
前記有利遊技状態に制御されているとき、都度異なりうるタイミングで当該有利遊技状態から前記特定遊技状態に移行させる制御を実行可能な状態移行制御手段(例えば、メインCPU101)を有し、
前記演出制御手段は、
前記有利遊技状態において前記特定遊技が実行されたときに、当該特定遊技の実行に供する時間を用いて、前記特定遊技状態に移行されるタイミング(消化された時短遊技の回数、規定回数から消化された時短回数を引いた時短遊技の残り回数)を示唆する演出を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、有利遊技状態では、第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて特定遊技が高い頻度で実行されるにもかかわらず、入賞口への遊技球の受け入れが阻害されるため、遊技者に不快感を与えかねない。そこで、有利遊技状態において特定遊技が実行されたときに、特定遊技の実行に供する時間を用いて、特定遊技状態に移行されるタイミングを示唆する演出を行うことにより、遊技者に与えかねない不快感を軽減するといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
なお、「前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行う」とは、第1抽選が行われたときに、特定の条件が成立すること(例えば、小当りに当選すること)は必須ではない。例えば、第1抽選は、特定の条件が成立したか否かの判定を行うものの特定の条件が成立する確率が0の態様(例えば、小当り抽選を行うものの小当りの当選確率が0の態様)、及び、特定の条件が成立したか否かの判定自体を行わない態様(例えば、小当り抽選自体を行わない態様)の両方を含む。
また、「特定遊技状態に移行されるタイミングを示唆する演出」とは、例えば、規定回数(決定された時短回数)から消化された時短遊技の回数を引いた残り時短遊技の回数などのように、有利遊技状態から特定遊技状態に移行されるタイミングを把握できる態様であれば、その態様は限られない。
(1)付記63−2の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して行われる遊技の結果として賞球または賞球データを付与可能な遊技機であって、
遊技領域に向けて通常の態様(例えば、左打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第1始動口(例えば、図254の第一始動口5442)と、
(前記第1始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて、第1始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第1保留手段と、)
第1始動口への遊技球の受け入れに基づいて第1抽選(例えば、第1特別抽選)を行う第1抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1抽選の結果を導出する第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技領域に向けて特定の態様(例えば、右打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第2始動口(例えば、図254の第二始動口440)と、
第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて第2抽選(例えば、第2特別抽選)を行う第2抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果を導出する第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別の結果が導出されなかったとしても特定の条件が成立したとき(例えば、特別抽選の結果が小当りであるとき)には、所定の可動部材(例えば、図254の小当り用シャッタ6100)を作動させて、遊技球が受け入れられると賞球または賞球データが付与される入賞口への受け入れが容易となる特定遊技(例えば、小当り遊技)を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段と、
を備え、
前記第2抽選手段は、
前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行うものであり、
前記遊技状態制御手段は、
前記特別の結果の導出確率が相対的に低い通常遊技状態(例えば、通常の遊技状態)と、
前記特別の結果の導出確率が相対的に高く、前記特定の態様で遊技球が発射されると前記第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて前記特定遊技が実行されるものの、前記入賞口への遊技球の受け入れが阻害されることにより、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が1未満である有利遊技状態(例えば、高確時短遊技状態)と、
前記特別の結果の導出確率が相対的に高く、前記入賞口への遊技球の受け入れが前記有利遊技状態よりも容易となることにより、前記特定の態様で遊技球が発射されると単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が前記通常遊技状態および前記有利遊技状態のいずれよりも大きい特定遊技状態(例えば、高確非時短遊技状態)と、
を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能であるとともに、
前記有利遊技状態に制御されているとき、都度異なりうるタイミングで当該有利遊技状態から前記特定遊技状態に移行させる制御を実行可能な状態移行制御手段(例えば、メインCPU101)を有し、
前記演出制御手段は、
前記有利遊技状態において前記特定遊技が実行されるときに、前記特定遊技状態への移行タイミングを示唆するタイミング示唆演出を実行するか否かを決定する演出決定手段(例えば、サブCPU201)と、
前記演出決定手段により前記タイミング示唆演出を実行する旨が決定されると、前記特定遊技の実行に供する時間を用いて、前記特定遊技状態に移行されるタイミングを示唆する演出を実行するタイミング示唆演出実行手段(例えば、サブCPU201)とを有し、
前記演出決定手段は、
前記タイミング示唆演出の実行頻度が前記移行タイミング(例えば、時短回数)に応じて異なりうるように、前記タイミング示唆演出を実行するか否かを決定する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、有利遊技状態では、第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて特定遊技が高い頻度で実行されるにもかかわらず、入賞口への遊技球の受け入れが阻害されるため、遊技者に不快感を与えかねない。そこで、有利遊技状態において特定遊技が実行されたときに、特定遊技の実行に供する時間を用いて、特定遊技状態に移行されるタイミングを示唆する演出を行うことにより、遊技者に与えかねない不快感を軽減するといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
ところで、特定遊技状態では、第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて特定遊技が高い頻度で実行されるため、タイミング示唆演出の実行頻度が高いと、かえって興趣の低下を招きかねない、そこで、タイミング示唆演出の実行抽選の実行頻度が、有利遊技状態から特定遊技状態への移行条件(例えば、時短遊技の消化が移行条件である場合であれば、都度異なりうる規定回数(決定される時短回数))に応じて異なるようにすることで、バランスの取れたタイミング示唆演出を実行することが可能となる。さらに、遊技者は、タイミング示唆演出の実行頻度から規定回数を推測することも可能となり、タイミング示唆演出により示唆された特定遊技状態への移行タイミングと、自ら推測した規定回数とを比較する面白みを与えることもできる。
なお、「前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行う」とは、第1抽選が行われたときに、特定の条件が成立すること(例えば、小当りに当選すること)は必須ではない。例えば、第1抽選は、特定の条件が成立したか否かの判定を行うものの特定の条件が成立する確率が0の態様(例えば、小当り抽選を行うものの小当りの当選確率が0の態様)、及び、特定の条件が成立したか否かの判定自体を行わない態様(例えば、小当り抽選自体を行わない態様)の両方を含む。
また、「特定遊技状態に移行されるタイミングを示唆する演出」とは、例えば、規定回数(決定された時短回数)から消化された時短遊技の回数を引いた残り時短遊技の回数などのように、有利遊技状態から特定遊技状態に移行されるタイミングを把握できる態様であれば、その態様は限られない。
(1)付記63−3の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して行われる遊技の結果として賞球またはこれに代わるデータを付与可能な遊技機であって、
遊技領域に向けて通常の態様(例えば、左打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第1始動口(例えば、図254の第一始動口5442)と、
第1始動口への遊技球の受け入れに基づいて第1抽選(例えば、第1特別抽選)を行う第1抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1抽選の結果を導出する第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技領域に向けて特定の態様(例えば、右打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第2始動口(例えば、図254の第二始動口440)と、
第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて第2抽選(例えば、第2特別抽選)を行う第2抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果を導出する第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別の結果が導出されなかったとしても特定の条件が成立したとき(例えば、特別抽選の結果が小当りであるとき)には、所定の可動部材(例えば、図254の小当り用シャッタ6100)を作動させて、遊技球が受け入れられると賞球または賞球データが付与される入賞口への受け入れが容易となる特定遊技(例えば、小当り遊技)を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段と、
を備え、
前記第2抽選手段は、
前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行うものであり、
前記遊技状態制御手段は、
前記特別の結果の導出確率が相対的に低い通常遊技状態(例えば、通常の遊技状態)と、
前記特別の結果の導出確率が相対的に高く、前記特定の態様で遊技球が発射されると前記第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて前記特定遊技が実行されるものの、前記入賞口への遊技球の受け入れが阻害されることにより、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データの期待値が1未満である有利遊技状態(例えば、高確時短遊技状態)と、
前記特別の結果の導出確率が相対的に高く、前記入賞口への遊技球の受け入れが前記有利遊技状態よりも容易となることにより、前記特定の態様で遊技球が発射されると単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が前記通常遊技状態および前記有利遊技状態のいずれよりも大きい特定遊技状態(例えば、高確非時短遊技状態)と、
を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能であるとともに、
前記有利遊技状態に制御されているとき、都度異なりうるタイミングで当該有利遊技状態から前記特定遊技状態に移行させる制御を実行可能な状態移行制御手段(例えば、メインCPU101)を有し、
前記演出制御手段は、
前記有利遊技状態に制御されたとき、前記特定遊技状態への移行タイミングを示唆しうる指標(例えば、決定された時短回数)を表示し、当該有利遊技状態から前記特定遊技状態に移行するときには前記指標が特定態様(例えば、0)となるように、前記可変表示が行われる毎に、前記特定態様に近づくように前記指標を変化させる(例えば、減算表示する)指標表示手段(例えば、サブCPU201)を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、有利遊技状態に制御されたとき、どのタイミングで特定遊技状態に移行されるのか分からず、遊技者が疑心暗鬼となり、興趣が低下しかねない。そこで、特定遊技状態への移行タイミングを示唆しうる指標を表示し、有利遊技状態から特定遊技状態に移行するときには指標が特定態様となるように、可変表示が行われる毎に特定態様に近づくように指標を変化させることで、指標が特定態様になると特定遊技状態に移行することを遊技者が把握することができ、興趣の低下を抑制できる。
(2)上記(1)の遊技機において、
前記指標表示手段は、
前記有利遊技状態に制御されたとき、前記特定遊技状態への移行タイミングとは異なるタイミングを示唆しうる指標を初期指標として表示し、前記可変表示とは別に、特定条件が成立したとき(例えば、ミッション達成したとき等)にも、前記特定態様に近づくように前記指標を変化させる特定指標表示手段(例えば、サブCPU201)を有する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、ただ単に可変表示が行われて指標が特定態様に近づくことを待つだけでなく、特定条件が成立したときにも指標が変化するため、有利遊技状態から特定遊技状態に移行するまでの遊技興趣を高めることが可能となる。
なお、「特定遊技状態への移行タイミングとは異なるタイミング」とは、例えば特別図柄の可変表示が規定回数(例えば、決定された時短回数)行われたときに特定遊技状態に移行する場合、規定回数とは異なる偽りの回数を意味する。
また、「指標を変化させる」とは、特定態様に近づく変化(例えば、0に近づく変化)だけでなく、特定態様から遠ざかる変化(例えば、0から遠ざかる変化)も含む。例えば、特定条件が成立したとき(例えば、ミッション達成したとき)には特定態様に近づくように指標を変化させ、特定条件が成立しなかったとき(例えば、ミッション失敗したとき)には特定態様から遠ざかる指標を変化させるようにしてもよい。
(3)上記(2)の遊技機において、
前記有利遊技状態において前記移行タイミングにいたる前に前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて前記特別の結果が導出され、当該特別の結果が導出されたことに基づいて実行された特別遊技が終了し、さらに前記有利遊技状態に制御されたとき、
前記特定指標表示手段は、
前記初期指標に代えて、前記特別の結果が導出されたときに表示されていた指標から継続して表示できるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、有利遊技状態において移行タイミングにいたる前(例えば、決定された時短遊技を消化する前)に特別の結果が導出されて特別遊技が実行され、この特別遊技が終了して再び有利遊技状態に制御されたときに、特別の結果が導出されたときに表示されていた指標から継続して表示される。そのため、遊技者には、前回の続きから指標の態様が変化するように見せることができ、前回の有利遊技状態において指標が特定態様に変化する前に特別遊技が実行されたことによって生じうる損失感を軽減することが可能となる。
なお、「前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行う」とは、第1抽選が行われたときに、特定の条件が成立すること(例えば、小当りに当選すること)は必須ではない。例えば、第1抽選は、特定の条件が成立したか否かの判定を行うものの特定の条件が成立する確率が0の態様(例えば、小当り抽選を行うものの小当りの当選確率が0の態様)、及び、特定の条件が成立したか否かの判定自体を行わない態様(例えば、小当り抽選自体を行わない態様)の両方を含む。
(1)付記63−4の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して行われる遊技の結果として賞球または賞球データを付与可能な遊技機であって、
遊技領域に向けて通常の態様(例えば、左打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第1始動口(例えば、図254の第一始動口5442)と、
第1始動口への遊技球の受け入れに基づいて第1抽選(例えば、第1特別抽選)を行う第1抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1抽選の結果を導出する第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技領域に向けて特定の態様(例えば、右打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第2始動口(例えば、図254の第二始動口440)と、
第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて第2抽選(例えば、第2特別抽選)を行う第2抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果を導出する第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別の結果が導出されなかったとしても特定の条件が成立したとき(例えば、抽選の結果が小当りであるとき)には、所定の可動部材(例えば、図254の小当り用シャッタ6100)を作動させて、遊技球が受け入れられると賞球または賞球データが付与される入賞口への受け入れが容易となる特定遊技(例えば、小当り遊技)を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果(例えば、大当り)が導出されるとき、特定の演出が行われるよう制御する演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
を備え、
前記第2抽選手段は、
前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行うものであり、
前記遊技状態制御手段は、
前記特別の結果の導出確率が相対的に低い通常遊技状態(例えば、通常の遊技状態)と、
前記特別の結果の導出確率が相対的に高く、前記特定の態様で遊技球が発射されると、前記第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて前記特定遊技が実行されるものの、前記入賞口への遊技球の受け入れが阻害されることにより、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が1未満である有利遊技状態(例えば、高確時短遊技状態)と、
前記特別の結果の導出確率が相対的に高く、前記入賞口への遊技球の受け入れが前記有利遊技状態よりも容易となることにより、前記特定の態様で遊技球が発射されると、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が前記通常遊技状態および前記有利遊技状態のいずれよりも大きい特定遊技状態(例えば、高確非時短遊技状態)と、
を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能であるとともに、
前記有利遊技状態に制御されたとき、都度異なりうる規定回数の前記可変表示が行われたのちに前記特定遊技状態に移行させる制御を実行可能な状態移行制御手段(例えば、メインCPU101)を有し、
前記演出制御手段は、
前記規定回数の最後の可変表示として前記第2特別図柄の可変表示が行われたときに、当該第2特別図柄の可変表示中に、前記特別の結果(例えば、大当り)が導出されるときに行われうる前記特定の演出と同じ演出または区別し難い演出(例えば、リーチ演出)を実行する特定演出実行手段を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、有利遊技状態に制御されたときは、可変表示が規定回数行われたのちに特定遊技状態に移行させて制御することが可能に構成されている。また、規定回数の最後の可変表示として第2特別図柄の可変表示が行われたときに、当該第2特別図柄の可変表示中に、特別の結果が導出されるときに行われうる特定の演出と同じ演出または特定の演出と区別し難い演出が実行されるといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。とくに規定回数の最後の可変表示では、特定遊技状態に移行される可能性があることが示唆され、遊技者の遊技意欲を煽ることが可能となる。また、通常は、有利遊技状態や特定遊技状態において、必ず特定の演出が実行されるといった保証はないが、規定回数の最後の可変表示では特定の演出と同じ演出または区別し難い演出が実行されるため、興趣の低下を抑制することができる。
なお、「前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行う」とは、第1抽選が行われたときに、特定の条件が成立すること(例えば、小当りに当選すること)は必須ではない。例えば、第1抽選は、特定の条件が成立したか否かの判定を行うものの特定の条件が成立する確率が0の態様(例えば、小当り抽選を行うものの小当りの当選確率が0の態様)、及び、特定の条件が成立したか否かの判定自体を行わない態様(例えば、小当り抽選自体を行わない態様)の両方を含む。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記規定回数を、複数の規定回数のうちいずれかに決定する規定回数決定手段(例えば、時短回数を決定するメインCPU101)をさらに備え、
前記特定演出実行手段は、
前記規定回数決定手段により決定された規定回数に限らず、前記複数の規定回数のうち少なくとも一の規定回数における前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示中に、前記特定の演出を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、規定回数は複数の規定回数のうちいずれかに決定される。また、特定の演出と同じ演出または区別し難い演出は、決定された規定回数に限らず、複数の規定回数のうち少なくとも一の規定回数における特別図柄の可変表示中に実行されるため、その都度、遊技者を煽ることが可能となり、規定回数目の遊技は、遊技者にとって非常に熱い遊技とすることができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記特別遊技には、
前記第1の特別の結果が導出されたときに実行される特別遊技として、多量の賞球または賞球データが付与される第1の特別遊技(例えば、8Rの大当り遊技)と、
前記第2の特別の結果が導出されたときに実行される特別遊技として、前記第1の特別遊技よりも付与される賞球または賞球データが少ない第2の特別遊技(例えば、2Rの大当り遊技)とが含まれており、
前記演出制御手段は、
前記第1の特別の結果が導出される可能性があるときに、第1の特別演出を実行可能な第1特別演出実行手段と、
前記第2の特別の結果が導出される可能性があるときに、第2の特別演出を実行可能な第2特別演出実行手段と、
を有し、
前記特定演出実行手段は、
前記特定演出を、前記第2の特別演出と同じ態様または外観上区別できない態様で実行する
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、有利遊技状態から特定遊技状態に移行するときに、第2の特別遊技が実行される可能性があるときと同じ態様または外観上区別できない態様で特定の演出が実行されるので、有利遊技状態から特定遊技状態に移行したときに、特別遊技でなかったことによって生じうる落胆を軽減することが可能となる。
(1)付記63−5の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して行われる遊技の結果として賞球または賞球データを付与可能な遊技機であって、
遊技領域に向けて通常の態様(例えば、左打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第1始動口(例えば、図254の第一始動口5442)と、
前記第1始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて、第1始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第1保留手段(例えば、メインCPU101)と、
第1始動条件が成立したことに基づいて、前記第1始動記憶についての第1抽選(例えば、第1特別抽選)を行う第1抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1抽選の結果を導出する第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技領域に向けて特定の態様(例えば、右打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第2始動口(例えば、図254の第二始動口440)と、
前記第2始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて、第2始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第2保留手段(例えば、メインCPU101)と、
第2始動条件が成立したことに基づいて、前記第2始動記憶についての第2抽選(例えば、第2特別抽選)を行う第2抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果を導出する第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別の結果が導出されなかったとしても特定の条件が成立したとき(例えば、抽選の結果が小当りであるとき)には、所定の可動部材(例えば、図254の小当り用シャッタ6100)を作動させて、遊技球が受け入れられると賞球または賞球データが付与される入賞口への受け入れが容易となる特定遊技(例えば、小当り遊技)を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段と、
前記第1保留手段に記憶されている前記第1始動記憶または/および前記第2保留手段に記憶されている前記第2始動記憶について、前記第1抽選または/および前記第2抽選に先だって、前記特別の結果が導出されうるか否かおよび前記特定の条件が成立しうるか否かを判別する事前判別手段(例えば、メインCPU101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
を備え、
前記第2抽選手段は、
前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行うものであり、
前記遊技状態制御手段は、
前記特別の結果の導出確率が相対的に低い通常遊技状態(例えば、通常の遊技状態)と、
前記特別の結果の導出確率が相対的に高く、前記特定の態様で遊技球が発射されると前記第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて実行される前記特定遊技の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高められる特定遊技状態(例えば、高確非時短遊技状態)と、
を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能に構成されており、
前記演出制御手段は、
前記特定遊技状態において、前記第2保留手段により記憶されている一の第2始動記憶および当該一の第2始動記憶の次に記憶されている他の第2始動記憶について、それぞれ、前記特定の条件が成立しうる旨および前記特別の結果が導出されうる旨が前記事前判別手段により判別されたとき、前記特定遊技と前記特別遊技とで一つの有利な遊技であるかのように見せることが可能な一連演出(例えば、プレミア演出)を実行可能な一連演出実行手段(例えば、メインCPU101)を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定遊技状態において、特定遊技と特別遊技とが実行されると事前判別手段により判別されたとき、特定遊技と特別遊技とで一つの有利な遊技であるかのように見せることが可能な一連演出が行われるといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。この一連演出が行われると、特定遊技において付与される賞球数または賞球データ数と、特別遊技において付与される賞球数または賞球データ数とを合算した賞球数または賞球データ数の付与が可能となるため、1回の特別遊技において付与される賞球数または賞球データ数よりも多量の賞球または賞球データが払い出されうることとなり、遊技興趣を高めることが可能となる。
なお、「前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行う」とは、第1抽選が行われたときに、特定の条件が成立すること(例えば、小当りに当選すること)は必須ではない。例えば、第1抽選は、特定の条件が成立したか否かの判定を行うものの特定の条件が成立する確率が0の態様(例えば、小当り抽選を行うものの小当りの当選確率が0の態様)、及び、特定の条件が成立したか否かの判定自体を行わない態様(例えば、小当り抽選自体を行わない態様)の両方を含む。
また、「特定の条件が成立しうる」及び「特別の結果が導出されうる」の記載は、それぞれ、特定の条件が成立しない可能性及び特別の結果が導出されない可能性があることを含む記載であるが、これは、第1特別図柄及び第2特別図柄のうち、いずれか一方において特別の結果(例えば、「大当り」)が導出されたときに、他方の抽選結果がたとえ「特別の結果」であったとしてもハズレが表示される場合があることを考慮したものである。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて前記特別の結果が導出される可能性があるときに、前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示中に特別演出(例えば、リーチ演出)を実行する特別演出実行手段(例えば、サブCPU201)と、
前記特別遊技が開始されたのち、一のラウンド遊技が終了してから次のラウンド遊技が開始されるまでの間にインターバル演出を実行するインターバル演出実行手段(例えば、サブCPU201)と、
を有し、
前記一連演出実行手段は、
前記特定遊技が実行されたのち、前記特別の結果が導出される旨が前記事前判別手段により判別された前記第2始動記憶についての前記第2特別図柄の可変表示中に、前記特別演出を実行せずに、前記インターバル演出と同じ態様または外観上区別できない態様での演出を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特別の結果が導出される旨が事前判別手段により判別された第2始動記憶についての第2特別図柄の可変表示中、本来であれば、特別演出が実行されるところ、一連演出実行手段は、特定遊技が実行されたのち、特別の結果が導出される旨が事前判別手段により判別された第2始動記憶についての第2特別図柄の可変表示中に、特別演出を実行せずに、インターバル演出と同じ態様または外観上区別できない態様での演出を実行するので、特定遊技と特別遊技との間に生じうる不自然さを軽減することが可能となる。
(1)付記63−6の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して行われる遊技の結果として賞球または賞球データを付与可能な遊技機であって、
遊技領域に向けて通常の態様(例えば、左打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第1始動口(例えば、図254の第一始動口5442)と、
前記第1始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて、第1始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第1保留手段(例えば、メインCPU101)と、
第1始動条件が成立したことに基づいて、前記第1始動記憶についての第1抽選(例えば、第1特別抽選)を行う第1抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1抽選の結果を導出する第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技領域に向けて特定の態様(例えば、右打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第2始動口(例えば、図254の第二始動口440)と、
前記第2始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて、第2始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第2保留手段(例えば、メインCPU101)と、
第2始動条件が成立したことに基づいて、前記第2始動記憶についての第2抽選(例えば、第2特別抽選)を行う第2抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果を導出する第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別の結果が導出されなかったとしても特定の条件が成立したとき(例えば、抽選の結果が小当りであるとき)には、所定の可動部材(例えば、図254の小当り用シャッタ6100)を作動させて、遊技球が受け入れられると賞球または賞球データが付与される入賞口への受け入れが容易となる特定遊技(例えば、小当り遊技)を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段と、
前記第1保留手段に記憶されている前記第1始動記憶または/および前記第2保留手段に記憶されている前記第2始動記憶について、前記第1抽選または/および前記第2抽選に先だって、前記特別の結果が導出されうるか否かおよび前記特定の条件が成立しうるか否かを判別する事前判別手段(例えば、メインCPU101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
を備え、
前記第2抽選手段は、
前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行うものであり、
前記遊技状態制御手段は、
前記特別の結果の導出確率が相対的に低い通常遊技状態(例えば、通常の遊技状態)と、
前記特別の結果の導出確率が相対的に高く、前記特定の態様で遊技球が発射されると前記第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて実行される前記特定遊技の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高められる特定遊技状態(例えば、高確非時短遊技状態)と、
を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能に構成されており、
前記演出制御手段は、
前記特定遊技状態において、前記第2保留手段により複数の第2始動記憶が記憶されており、当該複数の第2始動記憶のなかに、前記特定の条件が成立しうる第2始動記憶と前記特別の結果が導出されうる第2始動記憶との両方が含まれていると前記事前判別手段により判別されたとき、前記特定遊技と前記特別遊技とで一つの有利な遊技であるかのように見せることが可能な一連演出(例えば、プレミア演出)を実行可能な一連演出実行手段(例えば、メインCPU101)を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定遊技状態において、第2保留手段により複数の第2始動記憶が記憶されているとき、これら複数の第2始動記憶の全部について、特別の結果が導出されうるか否かおよび特定の条件が成立しうるか否かを第2抽選に先だって判別する。そして、第2保留手段により記憶されている複数の第2始動記憶のなかに、特定の条件が成立しうる始動記憶と、前記特別の結果が導出されうる始動記憶との両方が含まれていると判別されたとき、特定遊技と特別遊技とで一つの有利な遊技であるかのように見せることが可能な一連演出が行われるといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。この一連演出が行われると、特定遊技において付与される賞球数または賞球データ数と、特別遊技において付与される賞球数または賞球データ数とを合算した賞球数または賞球データ数の付与が可能となるため、1回の特別遊技において付与される賞球数または賞球データ数よりも多量の賞球または賞球データが払い出されうることとなり、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、「前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行う」とは、第1抽選が行われたときに、特定の条件が成立すること(例えば、小当りに当選すること)は必須ではない。例えば、第1抽選は、特定の条件が成立したか否かの判定を行うものの特定の条件が成立する確率が0の態様(例えば、小当り抽選を行うものの小当りの当選確率が0の態様)、及び、特定の条件が成立したか否かの判定自体を行わない態様(例えば、小当り抽選自体を行わない態様)の両方を含む。
また、特定の条件が成立しうる第2始動記憶と特別の結果が導出されうる第2始動記憶とは、連続して第2保留手段に記憶されている必要はなく、例えば、特定の条件が成立しうる始動記憶と特別の結果が導出されうる始動記憶との間に、ハズレと事前判別された始動記憶が含まれていてもよい。
また、「特定の条件が成立しうる」及び「特別の結果が導出されうる」の記載は、それぞれ、特定の条件が成立しない可能性及び特別の結果が導出されない可能性があることを含む記載であるが、これは、第1特別図柄及び第2特別図柄のうち、いずれか一方において特別の結果(例えば、「大当り」)が導出されたときに、他方の抽選結果がたとえ「特別の結果」であったとしてもハズレが表示される場合があることを考慮したものである。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて前記特別の結果が導出される可能性があるときに、前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示中に特別演出(例えば、リーチ演出)を実行する特別演出実行手段(例えば、サブCPU201)と、
前記特別遊技が開始されたのち、一のラウンド遊技が終了してから次のラウンド遊技が開始されるまでの間にインターバル演出を実行するインターバル演出実行手段(例えば、サブCPU201)と、
を有し、
前記一連演出実行手段は、
前記特定遊技が実行されたのち、前記特別の結果が導出される旨が前記事前判別手段により判別された前記第2始動記憶についての前記第2特別図柄の可変表示中に、前記特別演出を実行せずに、前記インターバル演出と同じ態様または外観上区別できない態様での演出を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特別の結果が導出される旨が事前判別手段により判別された第2始動記憶についての第2特別図柄の可変表示中、本来であれば、特別演出が実行されるところ、一連演出実行手段は、特定遊技が実行されたのち、特別の結果が導出される旨が事前判別手段により判別された第2始動記憶についての第2特別図柄の可変表示中に、特別演出を実行せずに、インターバル演出と同じ態様または外観上区別できない態様での演出を実行するので、特定遊技と特別遊技との間に生じうる不自然さを軽減することが可能となる。
(1)付記63−7の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して行われる遊技の結果として賞球または賞球データを付与可能な遊技機であって、
遊技領域に向けて通常の態様(例えば、左打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第1始動口(例えば、図254の第一始動口5442)と、
前記第1始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて、第1始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第1保留手段(例えば、メインCPU101)と、
第1始動条件が成立したことに基づいて、前記第1始動記憶についての第1抽選(例えば、第1特別抽選)を行う第1抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1抽選の結果を導出する第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技領域に向けて特定の態様(例えば、右打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第2始動口(例えば、図254の第二始動口440)と、
前記第2始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて、第2始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第2保留手段(例えば、メインCPU101)と、
第2始動条件が成立したことに基づいて、前記第2始動記憶についての第2抽選(例えば、第2特別抽選)を行う第2抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果を導出する第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別の結果が導出されなかったとしても特定の条件が成立したとき(例えば、抽選の結果が小当りであるとき)には、所定の可動部材(例えば、図254の小当り用シャッタ6100)を作動させて、遊技球が受け入れられると賞球または賞球データが付与される入賞口への受け入れが容易となる特定遊技(例えば、小当り遊技)を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段と、
前記第1保留手段に記憶されている前記第1始動記憶または/および前記第2保留手段に記憶されている前記第2始動記憶について、前記第1抽選または/および前記第2抽選に先だって、前記特別の結果が導出されうるか否かおよび前記特定の条件が成立しうるか否かを判別する事前判別手段(例えば、メインCPU101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
を備え、
前記第2抽選手段は、
前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行うものであり、
前記遊技状態制御手段は、
前記特別の結果の導出確率が相対的に低い通常遊技状態(例えば、通常の遊技状態)と、
前記特別の結果の導出確率が相対的に高く、前記特定の態様で遊技球が発射されると前記第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて実行される前記特定遊技の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高められる特定遊技状態(例えば、高確非時短遊技状態)と、
を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能に構成されており、
前記演出制御手段は、
前記特定遊技状態において、前記第2保留手段により複数の第2始動記憶が記憶されており、当該複数の第2始動記憶のなかに、前記特定の条件が成立しうる第2始動記憶と前記特別の結果が導出されうる第2始動記憶との両方が含まれていると前記事前判別手段により判別されたとき、前記特定遊技と前記特別遊技とで一つの有利な遊技であるかのように見せることが可能な一連演出(例えば、プレミア演出)を実行可能な一連演出実行手段(例えば、メインCPU101)を有し、
前記一連演出実行手段は、
前記第1保留手段により記憶されている前記第1始動記憶のなかに、前記特別の結果が導出されうる始動記憶が含まれていないと前記事前判別手段により判別されたときに、前記一連演出を実行するよう構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定遊技状態において、第2保留手段により複数の第2始動記憶が記憶されているとき、これら複数の第2始動記憶の全部について、特別の結果が導出されうるか否かおよび特定の条件が成立しうるか否かを第2抽選に先だって判別する。そして、第2保留手段により記憶されている複数の第2始動記憶のなかに、特定の条件が成立しうる始動記憶と、前記特別の結果が導出されうる始動記憶との両方が含まれていると判別されたとき、特定遊技と特別遊技とで一つの有利な遊技であるかのように見せることが可能な一連演出が行われるといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。この一連演出が行われると、特定遊技において付与される賞球数または賞球データ数と、特別遊技において付与される賞球数または賞球データ数とを合算した賞球数または賞球データ数の付与が可能となるため、1回の特別遊技において付与される賞球数または賞球データ数よりも多量の賞球または賞球データが払い出されうることとなり、遊技興趣を高めることが可能となる。
ところで、特定遊技と特別遊技とで一つの有利な遊技であるかのように見せることが可能な一連演出を行う場合、一連演出を開始したものの、特別の結果が導出されうる第2始動記憶について「大当り」が導出される前に、第1特別図柄の可変表示が行われて特別の結果が導出されてしまうといった事態が生じるおそれがある。そこで、第1保留手段により記憶されている第1始動記憶のなかに、特別の結果が導出されうる始動記憶が含まれていないと事前判別手段により判別されたときに一連演出を実行することで、このような事態が生じることを抑制するようにしている。
なお、特定の条件が成立しうる第2始動記憶と特別の結果が導出されうる第2始動記憶とは、連続して第2保留手段に記憶されている必要はなく、例えば、特定の条件が成立しうる始動記憶と特別の結果が導出されうる始動記憶との間に、ハズレと事前判別された始動記憶が含まれていてもよい。
また、「特定の条件が成立しうる」及び「特別の結果が導出されうる」の記載は、それぞれ、特定の条件が成立しない可能性及び特別の結果が導出されない可能性があることを含む記載であるが、これは、第1特別図柄及び第2特別図柄のうち、いずれか一方において特別の結果(例えば、「大当り」)が導出されたときに、他方の抽選結果がたとえ「特別の結果」であったとしてもハズレが表示される場合があることを考慮したものである。
また、「前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行う」とは、第1抽選が行われたときに、特定の条件が成立すること(例えば、小当りに当選すること)は必須ではない。例えば、第1抽選は、特定の条件が成立したか否かの判定を行うものの特定の条件が成立する確率が0の態様(例えば、小当り抽選を行うものの小当りの当選確率が0の態様)、及び、特定の条件が成立したか否かの判定自体を行わない態様(例えば、小当り抽選自体を行わない態様)の両方を含む。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて前記特別の結果が導出される可能性があるときに、前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示中に特別演出(例えば、リーチ演出)を実行する特別演出実行手段(例えば、サブCPU201)と、
前記特別遊技が開始されたのち、一のラウンド遊技が終了してから次のラウンド遊技が開始されるまでの間にインターバル演出を実行するインターバル演出実行手段(例えば、サブCPU201)と、
を有し、
前記一連演出実行手段は、
前記特定遊技が実行されたのち、前記特別の結果が導出される旨が前記事前判別手段により判別された前記第2始動記憶についての前記第2特別図柄の可変表示中に、前記特別演出を実行せずに、前記インターバル演出と同じ態様または外観上区別できない態様での演出を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特別の結果が導出される旨が事前判別手段により判別された第2始動記憶についての第2特別図柄の可変表示中、本来であれば、特別演出が実行されるところ、一連演出実行手段は、特定遊技が実行されたのち、特別の結果が導出される旨が事前判別手段により判別された第2始動記憶についての第2特別図柄の可変表示中に、特別演出を実行せずに、インターバル演出と同じ態様または外観上区別できない態様での演出を実行するので、特定遊技と特別遊技との間に生じうる不自然さを軽減することが可能となる。
(1)付記63−8の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して行われる遊技の結果として賞球または賞球データを付与可能な遊技機であって、
遊技領域に向けて通常の態様(例えば、左打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第1始動口(例えば、図254の第一始動口5442)と、
前記第1始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて、第1始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第1保留手段(例えば、メインCPU101)と、
第1始動条件が成立したことに基づいて、前記第1始動記憶についての第1抽選(例えば、第1特別抽選)を行う第1抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1抽選の結果を導出する第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技領域に向けて特定の態様(例えば、右打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第2始動口(例えば、図254の第二始動口440)と、
前記第2始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて、第2始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第2保留手段(例えば、メインCPU101)と、
第2始動条件が成立したことに基づいて、前記第2始動記憶についての第2抽選(例えば、第1特別抽選)を行う第2抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果を導出する第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別の結果が導出されなかったとしても特定の条件が成立したとき(例えば、抽選の結果が小当りであるとき)には、所定の可動部材(例えば、図254の小当り用シャッタ6100)を作動させて、遊技球が受け入れられると賞球または賞球データが付与される入賞口への受け入れが容易となる特定遊技(例えば、小当り遊技)を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段と、
前記第1保留手段に記憶されている前記第1始動記憶または/および前記第2保留手段に記憶されている前記第2始動記憶について、前記第1抽選または/および前記第2抽選に先だって、前記特別の結果が導出されうるか否かおよび前記特定の条件が成立しうるか否かを判別する事前判別手段(例えば、メインCPU101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
を備え、
前記第2抽選手段は、
前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行うものであり、
前記遊技状態制御手段は、
前記特別の結果の導出確率が相対的に低い通常遊技状態(例えば、通常の遊技状態)と、
前記特別の結果の導出確率が相対的に高く、前記特定の態様で遊技球が発射されると前記第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて実行される前記特定遊技の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高められる特定遊技状態(例えば、高確非時短遊技状態)と、
を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能に構成されており、
前記特別の結果には、
前記特別遊技が実行されたのちに、前記特別の結果の導出確率が相対的に低い遊技状態に制御される第1の特別の結果、および
前記特別遊技が実行されたのちに、前記特別の結果の導出確率が相対的に高い遊技状態に制御される第2の特別の結果が含まれるとともに、
前記事前判別手段は、
前記特別の結果が導出されると判別したとき、当該特別の結果が前記第1の特別の結果であるか前記第2の特別の結果であるかについても判別しうるものであり、
前記演出制御手段は、
前記特定遊技状態において、前記第2保留手段により複数の第2始動記憶が記憶されており、当該複数の第2始動記憶のなかに、前記特定の条件が成立しうる特定第2始動記憶と前記特別の結果が導出されうる特別第2始動記憶との両方が含まれていると前記事前判別手段により判別されたとき、前記特定遊技と前記特別遊技とで一つの有利な遊技であるかのように見せることが可能な一連演出(例えば、プレミア演出)を実行可能な一連演出実行手段(例えば、メインCPU101)を有し、
前記一連演出実行手段は、
前記特別第2始動記憶が前記事前判別手段により前記第2の特別の結果であると判別されたとき、先ずは前記特別第2始動記憶が前記第1の特別の結果であることを示す演出を行い、当該特別第2始動記憶についての前記第2特別図柄の可変表示中に、前記第1の特別の結果から前記第2の特別の結果に昇格した旨を示す昇格演出を実行可能に構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定遊技状態において、第2保留手段により複数の第2始動記憶が記憶されているとき、これら複数の第2始動記憶の全部について、特別の結果が導出されうるか否かおよび特定の条件が成立しうるか否かを第2抽選に先だって判別する。そして、第2保留手段により記憶されている複数の第2始動記憶のなかに、特定の条件が成立しうる始動記憶と、前記特別の結果が導出されうる始動記憶との両方が含まれていると判別されたとき、特定遊技と特別遊技とで一つの有利な遊技であるかのように見せることが可能な一連演出が行われるといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。この一連演出が行われると、特定遊技において付与される賞球数または賞球データ数と、特別遊技において付与される賞球数または賞球データ数とを合算した賞球数または賞球データ数の付与が可能となるため、1回の特別遊技において付与される賞球数または賞球データ数よりも多量の賞球または賞球データが払い出されうることとなり、遊技興趣を高めることが可能となる。
ところで、特定遊技と特別遊技とで一つの有利な遊技であるかのように見せることが可能な一連演出を行うようにした場合、特定遊技と特別遊技との間、とくに特別遊技が導出されるときに第2特別図柄の可変表示が行われるため、この可変表示によって、特定遊技と特別遊技との間に時間が生じるといった不自然な状態となるおそれがある。そこで、事前判別手段により特別の結果であると判別された第2始動記憶が第2の特別の結果であるときに、特別第2始動記憶が第2の特別の結果であるにもかかわらず先ずは第1の特別の結果であることを示す演出を行い、当該特別第2始動記憶についての第2特別図柄の可変表示中に、第1の特別の結果から第2の特別の結果に昇格した旨を示す昇格演出を実行するようにしている。これにより、特定遊技と特別遊技との間に生じうる不自然さを抑制することが可能となる。
なお、特定の条件が成立しうる特定第2始動記憶と特別の結果が導出されうる特別第2始動記憶とは、連続して第2保留手段に記憶されている必要はなく、例えば、特定の条件が成立しうる特定第2始動記憶と特別の結果が導出されうる特別第2始動記憶との間に、ハズレと事前判別された始動記憶が含まれていてもよい。
また、「特定の条件が成立しうる」及び「特別の結果が導出されうる」の記載は、それぞれ、特定の条件が成立しない可能性及び特別の結果が導出されない可能性があることを含む記載であるが、これは、第1特別図柄及び第2特別図柄のうち、いずれか一方において特別の結果(例えば、「大当り」)が導出されたときに、他方の抽選結果がたとえ「特別の結果」であったとしてもハズレが表示される場合があることを考慮したものである。
また、「前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行う」とは、第1抽選が行われたときに、特定の条件が成立すること(例えば、小当りに当選すること)は必須ではない。例えば、第1抽選は、特定の条件が成立したか否かの判定を行うものの特定の条件が成立する確率が0の態様(例えば、小当り抽選を行うものの小当りの当選確率が0の態様)、及び、特定の条件が成立したか否かの判定自体を行わない態様(例えば、小当り抽選自体を行わない態様)の両方を含む。
(1)付記63−9の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して行われる遊技の結果として賞球または賞球データを付与可能な遊技機であって、
遊技領域に向けて通常の態様(例えば、左打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第1始動口(例えば、図254の第一始動口5442)と、
前記第1始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて、第1始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第1保留手段(例えば、メインCPU101)と、
第1始動条件が成立したことに基づいて、前記第1始動記憶についての第1抽選(例えば、第1特別抽選)を行う第1抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1抽選の結果を導出する第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技領域に向けて特定の態様(例えば、右打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第2始動口(例えば、図254の第二始動口440)と、
前記第2始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて、第2始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第2保留手段(例えば、メインCPU101)と、
第2始動条件が成立したことに基づいて、前記第2始動記憶についての第2抽選(例えば、第2特別抽選)を行う第2抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果を導出する第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別の結果が導出されなかったとしても特定の条件が成立したとき(例えば、抽選の結果が小当りであるとき)には、所定の可動部材(例えば、図254の小当り用シャッタ6100)を作動させて、遊技球が受け入れられると賞球または賞球データが付与される入賞口への受け入れが容易となる特定遊技(例えば、小当り遊技)を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段と、
前記第1保留手段に記憶されている前記第1始動記憶または/および前記第2保留手段に記憶されている前記第2始動記憶について、前記第1抽選または/および前記第2抽選に先だって、前記特別の結果が導出されるか否かおよび前記特定の条件が成立するか否かを判別する事前判別手段(例えば、メインCPU101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
を備え、
前記第2抽選手段は、
前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行うものであり、
前記遊技状態制御手段は、
前記特別の結果の導出確率が相対的に低い通常遊技状態(例えば、通常の遊技状態)と、
前記特別の結果の導出確率が相対的に高く、前記特定の態様で遊技球が発射されると前記第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて実行される前記特定遊技の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高められる特定遊技状態(例えば、高確非時短遊技状態)と、
を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能に構成されており、
前記第2特別図柄可変制御手段は、
前記第2特別図柄の可変表示を、所定の時間だけ可変表示される通常の可変表示(例えば、高スタート用ノーマルリーチ、高スタート用スーパーリーチA、高スタート用スーパーリーチB)と、前記所定の時間よりも短い短時間だけ可変表示される短時間可変表示(例えば、超速変動)とを含む複数の可変表示時間のうちいずれかで行うものであるとともに、
前記演出制御手段は、
前記特定遊技状態において、前記第2保留手段により記憶されている一の第2始動記憶および当該一の第2始動記憶の次に記憶されている他の第2始動記憶について、それぞれ、前記特定の条件が成立しうる旨および前記特別の結果が導出されうる旨が前記事前判別手段により判別されたとき、前記特定遊技と前記特別遊技とで一つの有利な遊技であるかのように見せることが可能な一連演出(例えば、プレミア演出)を実行可能な一連演出実行手段(例えば、メインCPU101)を有し、
前記一連演出実行手段は、
前記他の第2始動記憶について行われる前記第2特別図柄の可変表示が前記短時間可変表示で行われるときに、前記一連演出を実行するように構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定遊技状態において、特定遊技と特別遊技とが実行されると事前判別手段により判別されたとき、特定遊技と特別遊技とで一つの有利な遊技であるかのように見せることが可能な一連演出が行われるといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。この一連演出が行われると、特定遊技において付与される賞球数または賞球データ数と、特別遊技において付与される賞球数または賞球データ数とを合算した賞球数または賞球データ数の付与が可能となるため、1回の特別遊技において付与される賞球数または賞球データ数よりも多量の賞球または賞球データが払い出されうることとなり、遊技興趣を高めることが可能となる。
ところで、特定遊技と特別遊技とで一つの有利な遊技であるかのように見せることが可能な一連演出を行うようにした場合、特定遊技と特別遊技との間、とくに特別遊技が導出されるときに第2特別図柄の可変表示が行われるため、この可変表示によって、特定遊技と特別遊技との間に時間が生じるといった不自然な状態となるおそれがある。そこで、他の第2始動記憶(事前判別手段により特別の結果が導出される旨が判別された第2始動記憶)について行われる第2特別図柄の可変表示が短時間可変表示で行われるときに、一連演出を実行するようにしている。これにより、特定遊技と特別遊技との間に生じうる不自然さを抑制することが可能となる。
なお、「前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行う」とは、第1抽選が行われたときに、特定の条件が成立すること(例えば、小当りに当選すること)は必須ではない。例えば、第1抽選は、特定の条件が成立したか否かの判定を行うものの特定の条件が成立する確率が0の態様(例えば、小当り抽選を行うものの小当りの当選確率が0の態様)、及び、特定の条件が成立したか否かの判定自体を行わない態様(例えば、小当り抽選自体を行わない態様)の両方を含む。
また、「特定の条件が成立しうる」及び「特別の結果が導出されうる」の記載は、それぞれ、特定の条件が成立しない可能性及び特別の結果が導出されない可能性があることを含む記載であるが、これは、第1特別図柄及び第2特別図柄のうち、いずれか一方において特別の結果(例えば、「大当り」)が導出されたときに、他方の抽選結果がたとえ「特別の結果」であったとしてもハズレが表示される場合があることを考慮したものである。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記特別遊技の実行が開始されるときに、所定の時間にわたってオープニング演出を実行するオープニング演出実行手段(例えば、メインCPU101)をさらに有し、
前記第2特別図柄可変制御手段は、
前記特定遊技状態において、前記第2特別図柄の可変表示が行われて前記特別の結果が導出されるときに、当該第2特別図柄の可変表示を、所定の確率(例えば、50%の確率)で、前記所定の時間よりも短い短時間(例えば、超速変動の1000msec)だけ実行可能であり、
前記一連演出実行手段は、
前記他の第2始動記憶について行われる前記第2特別図柄の可変表示が前記短時間だけ行われるときに、前記一の第2始動記憶について行われる前記第2特別図柄の可変表示中に前記一連演出を実行するように構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果が導出されるときに、第2特別図柄の可変表示が、所定の時間よりも短い短時間だけ行われるときに、一の第2始動記憶について行われる第2特別図柄の可変表示中に一連演出が実行されるので、特定遊技と特別遊技との間に生じうる不自然さを軽減することが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて前記特別の結果が導出される可能性があるときに、前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示中に特別演出(例えば、リーチ演出)を実行する特別演出実行手段(例えば、サブCPU201)と、
前記特別遊技が開始されたのち、一のラウンド遊技が終了してから次のラウンド遊技が開始されるまでの間にインターバル演出を実行するインターバル演出実行手段(例えば、サブCPU201)と、
を有し、
前記一連演出実行手段は、
前記特定遊技が実行されたのち、前記特別の結果が導出される旨が前記事前判別手段により判別された前記第2始動記憶についての前記第2特別図柄の可変表示中に、前記特別演出を実行せずに、前記インターバル演出と同じ態様または外観上区別できない態様での演出を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、特別の結果が導出される旨が事前判別手段により判別された第2始動記憶についての第2特別図柄の可変表示中、本来であれば、特別演出が実行されるところ、一連演出実行手段は、特定遊技が実行されたのち、特別の結果が導出される旨が事前判別手段により判別された第2始動記憶についての第2特別図柄の可変表示中に、特別演出を実行せずに、インターバル演出と同じ態様または外観上区別できない態様での演出を実行するので、特定遊技と特別遊技との間に生じうる不自然さを軽減することが可能となる。
(1)付記63−10の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して行われる遊技の結果として賞球または賞球データを付与可能な遊技機であって、
遊技領域に向けて通常の態様(例えば、左打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第1始動口(例えば、図254の第一始動口5442)と、
前記第1始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて、第1始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第1保留手段(例えば、メインCPU101)と、
第1始動条件が成立したことに基づいて、前記第1始動記憶についての第1抽選(例えば、第1特別抽選)を行う第1抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1抽選の結果を導出する第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技領域に向けて特定の態様(例えば、右打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第2始動口(例えば、図254の第二始動口440)と、
前記第2始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて、第2始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第2保留手段(例えば、メインCPU101)と、
第2始動条件が成立したことに基づいて、前記第2始動記憶についての第2抽選(例えば、第2特別抽選)を行う第2抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果を導出する第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果(例えば、大当り)が導出されると、所定の可動部材を開閉させるラウンド遊技が所定のラウンド数にわたって行われる特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別の結果が導出されなかったとしても特定の条件が成立したとき(例えば、抽選の結果が小当りであるとき)には、所定の可動部材(例えば、図254の小当り用シャッタ6100)を作動させて、遊技球が受け入れられると賞球または賞球データが付与される入賞口への受け入れが容易となる特定遊技(例えば、小当り遊技)を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段と、
前記第1保留手段に記憶されている前記第1始動記憶または/および前記第2保留手段に記憶されている前記第2始動記憶について、前記第1抽選または/および前記第2抽選に先だって、前記特別の結果が導出されうるか否かおよび前記特定の条件が成立しうるか否かを判別する事前判別手段(例えば、メインCPU101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
を備え、
前記第2抽選手段は、
前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行うものであり、
前記遊技状態制御手段は、
前記特別の結果の導出確率が相対的に低い通常遊技状態(例えば、通常の遊技状態)と、
前記特別の結果の導出確率が相対的に高く、前記特定の態様で遊技球が発射されると前記第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて実行される前記特定遊技の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高められる特定遊技状態(例えば、高確非時短遊技状態)と、
を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能に構成されており、
前記事前判別手段は、
前記特別遊技が実行されているとき、少なくとも、前記第2保留手段に記憶されている前記第2始動記憶について、前記第2抽選に先だって、前記特定の条件が成立しうるか否かを判別するものであり、
前記演出制御手段は、
前記特別遊技が終了したのちに前記特定遊技状態に制御される場合に、当該特別遊技の実行中に、前記第2保留手段に記憶されている前記第2始動記憶について前記特定の条件が成立しうる旨が前記事前判別手段により判別されると、当該特別遊技において実行されるラウンド遊技のラウンド数が擬似的に増加したことを示唆する特定演出を行う特定演出実行手段(例えば、サブCPU201)を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特別遊技が終了したのちに特定遊技状態に制御される場合に、特定遊技状態に制御される前の当該特別遊技の実行中に、第2保留手段に記憶されている第2始動記憶について特定の条件が成立しうると事前判別手段により判別されたとき、当該特別遊技において実行されるラウンド遊技のラウンド数が擬似的に増加したことを示唆する特定演出が行われるといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。このような特定演出が行われると、特別遊技において実行されるラウンド遊技は変わらないもののいかにもラウンド数が増加したかのように見せることが可能となり、本来実行されるはずのラウンド数よりも多くのラウンドにわたってラウンド遊技を行われると遊技者に思わせることで、遊技興趣を高めることが可能となる。
なお、「前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行う」とは、第1抽選が行われたときに、特定の条件が成立すること(例えば、小当りに当選すること)は必須ではない。例えば、第1抽選は、特定の条件が成立したか否かの判定を行うものの特定の条件が成立する確率が0の態様(例えば、小当り抽選を行うものの小当りの当選確率が0の態様)、及び、特定の条件が成立したか否かの判定自体を行わない態様(例えば、小当り抽選自体を行わない態様)の両方を含む。
また、「特別の結果が導出されうる」及び「特定の条件が成立しうる」の記載は、それぞれ、特別の結果が導出されない可能性及び特定の条件が成立しない可能性があることを含む記載であるが、これは、第1特別図柄及び第2特別図柄のうち、いずれか一方において特別の結果(例えば、「大当り」)が導出されたときに、他方の抽選結果がたとえ「特別の結果」であったとしてもハズレが表示される場合があることを考慮したものである。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記特別遊技が終了するときに、当該特別遊技の終了を示す終了演出(例えば、エンディング演出)を行う終了演出制御手段を有し、
前記終了演出制御手段は、
前記特定演出が行われるとき、前記終了演出を、前記特別遊技が終了するときに行わず、前記特別遊技が終了したのちに実行されうる前記特定遊技が終了するときに行うよう構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特定演出が行われるとき、本来特別遊技が終了するといに行われる終了演出を、特定演出が行われるときには行わず、特別遊技が終了したのちに実行されうる特定遊技が終了するときに行うため、ラウンド数が増加したことの信憑性を高めることが可能となる。
(1)付記63−11の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して行われる遊技の結果として賞球または賞球データを付与可能な遊技機であって、
遊技領域に向けて通常の態様(例えば、左打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第1始動口(例えば、図254の第一始動口5442)と、
前記第1始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて、第1始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第1保留手段(例えば、メインCPU101)と、
第1始動条件が成立したことに基づいて、前記第1始動記憶についての第1抽選(例えば、第1特別抽選)を行う第1抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1抽選の結果を導出する第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技領域に向けて特定の態様(例えば、右打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第2始動口(例えば、図254の第二始動口440)と、
前記第2始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて、第2始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第2保留手段(例えば、メインCPU101)と、
第2始動条件が成立したことに基づいて、前記第2始動記憶についての第2抽選(例えば、第2特別抽選)を行う第2抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果を導出する第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別の結果が導出されなかったとしても特定の条件が成立したとき(例えば、抽選の結果が小当りであるとき)には、所定の可動部材(例えば、小当り用シャッタ6100)を作動させて、遊技球が受け入れられると賞球または賞球データが付与される入賞口への受け入れが容易となる特定遊技(例えば、小当り遊技)を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
少なくとも前記第2保留手段に記憶されている前記第2始動記憶について、前記第2抽選に先だって、前記特別の結果が導出されうるか否かを判別する事前判別手段(例えば、メインCPU101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
を備え、
前記第1特別図柄可変制御手段による前記第1特別図柄の可変表示と、前記第2特別図柄可変制御手段による前記第2特別図柄の可変表示とを並行して行うことが可能であるとともに、
前記第2抽選手段は、
前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行うものであり、
前記遊技状態制御手段は、
単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値よりも、単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値の方が大きい第1遊技状態(例えば、通常の遊技状態)、および
単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値よりも、単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値の方が大きい第2遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態)
を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能であるとともに、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行させることが可能に構成されており、
前記演出制御手段は、
前記第1遊技状態において、前記第2保留手段により前記第2始動記憶が記憶されているとき、当該第2始動記憶についての前記事前判別手段による判別結果を示唆する演出を、所定の条件が成立したことに基づいて実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1遊技状態では、単位時間あたりの第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値よりも、単位時間あたりの第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値の方が大きいため、通常の態様で遊技球を発射させて遊技が行われる。また、第2遊技状態では、単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値よりも、単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値の方が大きいため、特定の態様で遊技球を発射させて遊技が行われる。そうすると、第2遊技状態から第1遊技状態に移行したときに、第2保留手段により第2始動記憶が記憶されていることがありうる。第1遊技状態では、単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が低いため、第2抽選の結果を導出が遅延し、興趣が低下するおそれがある。そこで、第1遊技状態において、第2保留手段により第2始動記憶が記憶されているときは、当該第2始動記憶についての事前判別手段による判別結果を示唆する演出を、所定の条件が成立したことに基づいて実行するといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。これにより、第2抽選の結果の導出が遅延したとしても、事前判別手段による判別結果が示唆されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。とくに、第2遊技状態から第1遊技状態に移行したときに第2保留手段に複数の第2始動記憶が記憶されていたとしても、当該複数の第2始動記憶の全部についての第2始動条件の成立を待つことなく事前判別手段による判別結果が示唆されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。なかでも、第2遊技状態から第1遊技状態に移行したときに第2保留手段に記憶されている第2始動記憶が上限である所定数であるとき、その効果は顕著である。
なお、「前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行う」とは、第1抽選が行われたときに、特定の条件が成立すること(例えば、小当りに当選すること)は必須ではない。例えば、第1抽選は、特定の条件が成立したか否かの判定を行うものの特定の条件が成立する確率が0の態様(例えば、小当り抽選を行うものの小当りの当選確率が0の態様)、及び、特定の条件が成立したか否かの判定自体を行わない態様(例えば、小当り抽選自体を行わない態様)の両方を含む。
また、「特別の結果が導出されうる」の記載は、特別の結果が導出されない可能性があることを含む記載であるが、これは、第1特別図柄及び第2特別図柄のうち、いずれか一方において特別の結果(例えば、「大当り」)が導出されたときに、他方の抽選結果がたとえ「特別の結果」であったとしてもハズレが表示される場合があることを考慮したものである。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記所定の条件として、前記通常の態様で発射された遊技球が前記第1始動口とは異なる所定の受入口に受け入れられたことに基づいて、前記第2始動記憶についての前記事前判別手段による判別結果を示唆する演出を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、通常の態様で発射された遊技球が第1始動口とは異なる所定の受入口への遊技球の受け入れに基づいて所定の条件が成立し、第2始動記憶についての事前判別手段による判別結果を示唆する演出が実行される。そのため、特定の態様で遊技球を発射させる第2遊技状態から、通常の態様で遊技球を発射させる第1遊技状態に移行したとしても、遊技の促進を促すことが可能となる。
なお、上記の所定の条件は、通常の態様で発射された1球の遊技球が所定の受入口に受け入れられたことに基づいて成立するようにしてもよいし、通常の態様で発射された複数の遊技球が所定の受入口に受け入れられたことに基づいて成立するようにしてもよい。さらには、上記の条件に加えてさらに加重条件の成立に基づいて所定の条件が成立するようにしてもよい。
(1)付記63−12の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して行われる遊技の結果として賞球または賞球データを付与可能な遊技機であって、
遊技領域に向けて通常の態様(例えば、左打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第1始動口(例えば、図254の第一始動口5442)と、
前記第1始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて、第1始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第1保留手段(例えば、メインCPU101)と、
第1始動条件が成立したことに基づいて、前記第1始動記憶についての第1抽選(例えば、第1特別抽選)を行う第1抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1抽選の結果を導出する第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技領域に向けて特定の態様(例えば、右打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第2始動口(例えば、図254の第二始動口440)と、
前記第2始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて、第2始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第2保留手段(例えば、メインCPU101)と、
第2始動条件が成立したことに基づいて、前記第2始動記憶についての第2抽選(例えば、第2特別抽選)を行う第2抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果を導出する第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別の結果が導出されなかったとしても特定の条件が成立したとき(例えば、抽選の結果が小当りであるとき)には、所定の可動部材(例えば、小当り用シャッタ6100)を作動させて、遊技球が受け入れられると賞球または賞球データが付与される入賞口への受け入れが容易となる特定遊技(例えば、小当り遊技)を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
少なくとも前記第2保留手段に記憶されている前記第2始動記憶について、前記第2抽選に先だって、前記特別の結果が導出されうるか否かを判別する事前判別手段(例えば、メインCPU101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
を備え、
前記第1特別図柄可変制御手段による前記第1特別図柄の可変表示と、前記第2特別図柄可変制御手段による前記第2特別図柄の可変表示とを並行して行うことが可能であるとともに、
前記第2抽選手段は、
前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行うものであり、
前記遊技状態制御手段は、
単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値よりも、単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値の方が大きい第1遊技状態(例えば、通常の遊技状態)、および
単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値よりも、単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値の方が大きい第2遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態)
を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能であるとともに、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行させることが可能に構成されており、
前記演出制御手段は、
前記第1遊技状態において、前記第2保留手段により前記第2始動記憶が記憶されているとき、当該記憶されている第2始動記憶のうち特定の第2始動記憶についての前記事前判別手段による判別結果が前記特別の結果である旨を示唆する特別示唆演出(例えば、待機強要抑制演出)を、所定の条件が成立したことに基づいて実行可能な第2始動結果事前演出手段(例えば、サブCPU201)と、
前記第1抽選の結果が少なくとも前記特別の結果であるときに、前記第1特別図柄の可変表示が行われたのちに前記特別の結果が導出される可能性があることを示す第1リーチ演出を実行するリーチ演出実行手段(例えば、サブCPU201)と、
を有し、
前記リーチ演出実行手段は、
前記特別示唆演出が前記第2始動結果事前演出手段により実行されたにもかかわらず、前記第1抽選の結果が前記特別の結果であることに基づいて前記第1リーチ演出が実行され、当該第1リーチ演出の実行中に前記特定の第2始動記憶についての前記第2特別図柄の変動表示が開始されたとき、前記第1リーチ演出を、前記第1抽選の結果がハズレである旨を示すハズレ態様で仮停止したのち、前記第1リーチ演出とは別の第2リーチ演出を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1遊技状態では、単位時間あたりの第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値よりも、単位時間あたりの第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値の方が大きいため、通常の態様で遊技球を発射させて遊技が行われる。また、第2遊技状態では、単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値よりも、単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値の方が大きいため、特定の態様で遊技球を発射させて遊技が行われる。そうすると、第2遊技状態から第1遊技状態に移行したときに、第2保留手段により第2始動記憶が記憶されていることがありうる。第1遊技状態では、単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が低いため、第2抽選の結果を導出が遅延し、興趣が低下するおそれがある。そこで、第1遊技状態において、特別の結果が導出される特定の第2始動記憶が第2保留手段により記憶されているときは、当該特定の第2始動記憶についての事前判別手段による判別結果を示唆する演出を、所定の条件が成立したことに基づいて実行するといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。これにより、第2抽選の結果の導出が遅延したとしても、事前判別手段による判別結果が示唆されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
ところで、特別示唆演出は、特定の第2始動記憶についての第2特別図柄の変動表示が未だ開始されていない段階で行われる。そこで、第1抽選の結果が特別の結果であることに基づいて第1リーチ演出が実行され、この第1リーチ演出の実行中に特定の第2始動記憶についての第2特別図柄の変動表示が開始される場合がある。そこで、第1抽選の結果が特別の結果であることに基づいて第1リーチ演出が実行され、この第1リーチ演出の実行中に特定の第2始動記憶についての第2特別図柄の変動表示が開始された場合には、第1リーチ演出をハズレ態様で仮停止したのち、第1リーチ演出とは別の第2リーチ演出を開始するようにしている。この第2リーチ演出は、第1リーチ演出から引き継いで第1抽選の結果が特別の結果であることに基づいて行われるものであるが、第1リーチと第2リーチとは別のリーチ演出であるから、第2リーチ演出が、第1抽選の結果が特別の結果であることに基づくものであることを遊技者に察知され難い。これにより、遊技者に違和感を与えることなく、第2抽選の結果ではなく、第1抽選の結果に基づいて特別遊技状態に制御することが可能となる。
なお、「前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行う」とは、第1抽選が行われたときに、特定の条件が成立すること(例えば、小当りに当選すること)は必須ではない。例えば、第1抽選は、特定の条件が成立したか否かの判定を行うものの特定の条件が成立する確率が0の態様(例えば、小当り抽選を行うものの小当りの当選確率が0の態様)、及び、特定の条件が成立したか否かの判定自体を行わない態様(例えば、小当り抽選自体を行わない態様)の両方を含む。
また、「特別の結果が導出されうる」の記載は、特別の結果が導出されない可能性があることを含む記載であるが、これは、第1特別図柄及び第2特別図柄のうち、いずれか一方において特別の結果(例えば、「大当り」)が導出されたときに、他方の抽選結果がたとえ「特別の結果」であったとしてもハズレが表示される場合があることを考慮したものである。
また、「所定の条件が成立」とは、例えば、遊技者が遊技を行った結果として成立しうる条件であることが、遊技促進の観点から好ましい。例えば、遊技球が入賞すると賞球または賞球データが付与される一般入賞口への入賞に基づいて成立してもよいし、当該一般入賞口に所定数以上の遊技球が入賞したことに基づいて成立してもよいし、第1始動口への遊技球の入賞に基づいて成立してもよい。
(2)上記(1)の遊技機において、
前記リーチ演出実行手段は、
前記第1抽選の結果が前記特別の結果であることに基づいて前記第2リーチ演出を行うものであるにもかかわらず、当該第2リーチ演出を、前記第2抽選の結果が前記特別の結果であることに基づいて行われるかのように見せる演出である
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第2リーチ演出は、第2抽選の結果が特別の結果であることに基づいて行われるかのように見せる演出であるため、より一層、遊技者に違和感を与えることなく第1抽選の結果に基づいて特別遊技状態に制御することが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記第2始動結果事前演出手段は、
前記所定の条件として、前記通常の態様で発射された遊技球が前記第1始動口とは異なる所定の受入口に受け入れられたことに基づいて、前記第2始動記憶についての前記事前判別手段による判別結果を示唆する演出を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、通常の態様で発射された遊技球が第1始動口とは異なる所定の受入口への遊技球の受け入れに基づいて所定の条件が成立し、第2始動記憶についての事前判別手段による判別結果を示唆する演出が実行される。そのため、特定の態様で遊技球を発射させる第2遊技状態から、通常の態様で遊技球を発射させる第1遊技状態に移行したとしても、遊技の促進を促すことが可能となる。
なお、上記の所定の条件は、通常の態様で発射された1球の遊技球が所定の受入口に受け入れられたことに基づいて成立するようにしてもよいし、通常の態様で発射された複数の遊技球が所定の受入口に受け入れられたことに基づいて成立するようにしてもよい。さらには、上記の条件に加えてさらに加重条件の成立に基づいて所定の条件が成立するようにしてもよい。
(1)付記63−13の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して行われる遊技の結果として賞球または賞球データを付与可能な遊技機であって、
遊技領域に向けて通常の態様(例えば、左打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第1始動口(例えば、図254の第一始動口5442)と、
前記第1始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて、第1始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第1保留手段(例えば、メインCPU101)と、
第1始動条件が成立したことに基づいて、前記第1始動記憶についての第1抽選(例えば、第1特別抽選)を行う第1抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1抽選の結果を導出する第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技領域に向けて特定の態様(例えば、右打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第2始動口(例えば、図254の第二始動口440)と、
前記第2始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて、第2始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第2保留手段(例えば、メインCPU101)と、
第2始動条件が成立したことに基づいて、前記第2始動記憶についての第2抽選(例えば、第2特別抽選)を行う第2抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果を導出する第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別の結果が導出されなかったとしても特定の条件が成立したとき(例えば、抽選の結果が小当りであるとき)には、所定の可動部材(例えば、小当り用シャッタ6100)を作動させて、遊技球が受け入れられると賞球または賞球データが付与される入賞口への受け入れが容易となる特定遊技(例えば、小当り遊技)を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
を備え、
前記第1特別図柄可変制御手段による前記第1特別図柄の可変表示と、前記第2特別図柄可変制御手段による前記第2特別図柄の可変表示とを並行して行うことが可能であるとともに、
前記第2抽選手段は、
前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行うものであり、
前記遊技状態制御手段は、
単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値よりも、単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値の方が大きい第1遊技状態(例えば、通常の遊技状態)、および
単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値よりも、単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値の方が大きい第2遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態)
を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能であるとともに、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行させることが可能に構成されており、
前記演出制御手段は、
前記第1遊技状態に制御されているときは、前記第1抽選の結果に基づく演出画像を所定の表示領域に表示するものであって、
前記第1遊技状態において、前記第2抽選の結果が前記特別の結果であるとき、前記所定の表示領域に表示されている前記第1抽選の結果に基づく演出画像の視認を妨げない態様で、前記第2抽選の結果が前記特別の結果である旨を、遊技者に把握できる態様で示唆する示唆演出を行う示唆演出手段(例えば、サブCPU201)を有し、
前記示唆演出手段は、
前記第2特別図柄の変動表示が開始される際に行われている第1特別図柄の変動表示が前記特別の結果に基づくものであるとき、常に前記示唆演出が行われないよう不実行処理を行う
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1遊技状態では、第1抽選の結果に基づく演出画像が所定の表示領域に表示されるため、第2抽選の結果が特別の結果であったとしても、遊技者がそれを察知することは困難を極める。そこで、第1遊技状態において、第2抽選の結果が特別の結果であるとき、第1抽選の結果に基づく演出画像の視認を妨げない態様で、第2抽選の結果が特別の結果である旨を、遊技者に把握できる態様で示唆する示唆演出を行う。これにより、第2抽選の結果が特別の結果である旨を遊技者に報知することができる。ところが、第2特別図柄の変動表示を開始する際に、第1特別図柄の変動表示が行われており、この第1特別図柄の変動表示が特別の結果に基づく変動表示である場合がある。このような場合には、常に示唆演出が行われないように、サブCPU201は、示唆演出の実行を不実行とする処理を行うといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。これにより、第2特別図柄の変動表示が行われて特別の結果が導出される可能性があったことを遊技者に察知されずに、第1抽選の結果が特別の結果であることに基づいて特別遊技状態に制御することが可能となる。
なお、「前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行う」とは、第1抽選が行われたときに、特定の条件が成立すること(例えば、小当りに当選すること)は必須ではない。例えば、第1抽選は、特定の条件が成立したか否かの判定を行うものの特定の条件が成立する確率が0の態様(例えば、小当り抽選を行うものの小当りの当選確率が0の態様)、及び、特定の条件が成立したか否かの判定自体を行わない態様(例えば、小当り抽選自体を行わない態様)の両方を含む。
(1)付記63−14の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して行われる遊技の結果として賞球または賞球データを付与可能な遊技機であって、
遊技領域に向けて通常の態様(例えば、左打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第1始動口(例えば、図254の第一始動口5442)と、
前記第1始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて、第1始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第1保留手段(例えば、メインCPU101)と、
第1始動条件が成立したことに基づいて、前記第1始動記憶についての第1抽選(例えば、第1特別抽選)を行う第1抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1抽選の結果を導出する第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技領域に向けて特定の態様(例えば、右打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第2始動口(例えば、図254の第二始動口440)と、
前記第2始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて、第2始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第2保留手段(例えば、メインCPU101)と、
第2始動条件が成立したことに基づいて、前記第2始動記憶についての第2抽選(例えば、第2特別抽選)を行う第2抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果を導出する第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別の結果が導出されなかったとしても特定の条件が成立したとき(例えば、抽選の結果が小当りであるとき)には、所定の可動部材(例えば、小当り用シャッタ6100)を作動させて、遊技球が受け入れられると賞球または賞球データが付与される入賞口への受け入れが容易となる特定遊技(例えば、小当り遊技)を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
を備え、
前記第1特別図柄可変制御手段による前記第1特別図柄の可変表示と、前記第2特別図柄可変制御手段による前記第2特別図柄の可変表示とを並行して行うことが可能であるとともに、
前記第2抽選手段は、
前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行うものであり、
前記遊技状態制御手段は、
単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値よりも、単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値の方が大きい第1遊技状態(例えば、通常の遊技状態)、および
単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値よりも、単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値の方が大きい第2遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態)
を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能であるとともに、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行させることが可能に構成されており、
前記演出制御手段は、
前記第1遊技状態において、前記第2特別図柄の可変表示が行われて前記特定の条件が成立するとき、当該特定の条件の成立に基づいて実行される前記特定遊技の実行タイミングを示唆する演出を、所定の条件が成立したことに基づいて実行されるタイミング示唆演出実行手段を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1遊技状態では、単位時間あたりの第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値よりも、単位時間あたりの第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値の方が大きいため、通常の態様で遊技球を発射させて遊技が行われる。また、第2遊技状態では、単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値よりも、単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値の方が大きいため、特定の態様で遊技球を発射させて遊技が行われる。そうすると、第2遊技状態から第1遊技状態に移行したときに、第2特別図柄の可変表示が実行中であることがありうる。第1遊技状態では、単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が低いため、実行中の第2特別図柄の可変表示がなかなか終了せずに、第2抽選の結果の導出が遅延し、興趣が低下するおそれがある。とくに、第2抽選の結果の導出が遅延したあとに特定の条件が成立した旨の結果が導出されると、興趣の低下が著しい。そこで、第1遊技状態において、第2特別図柄の可変表示が行われて特定の条件が成立するとき、当該特定の条件の成立に基づいて実行される特定遊技の実行タイミングを示唆する演出を、所定の条件が成立したことに基づいて実行するといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。これにより、第2抽選の結果の導出が遅延したあとに特定の条件が成立した旨の結果が導出されたとしても、特定遊技の実行タイミングが示唆されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、「前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行う」とは、第1抽選が行われたときに、特定の条件が成立すること(例えば、小当りに当選すること)は必須ではない。例えば、第1抽選は、特定の条件が成立したか否かの判定を行うものの特定の条件が成立する確率が0の態様(例えば、小当り抽選を行うものの小当りの当選確率が0の態様)、及び、特定の条件が成立したか否かの判定自体を行わない態様(例えば、小当り抽選自体を行わない態様)の両方を含む。
また、「所定の条件が成立」とは、例えば、遊技者が遊技を行った結果として成立しうる条件であることが、遊技促進の観点から好ましい。例えば、遊技球が入賞すると賞球または賞球データが付与される一般入賞口への入賞に基づいて成立してもよいし、当該一般入賞口に所定数以上の遊技球が入賞したことに基づいて成立してもよいし、第1始動口への遊技球の入賞に基づいて成立してもよい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
少なくとも前記第2保留手段に記憶されている前記第2始動記憶について、前記第2抽選に先だって、前記特定の条件が成立しうるか否かを判別する事前判別手段(例えば、メインCPU101)をさらに備え、
前記タイミング示唆演出実行手段は、
前記第2保留手段により前記第2始動記憶が記憶されているとき、当該第2始動記憶についての前記事前判別手段により前記特定の条件が成立しうる旨が判別されると、当該特定の条件の成立に基づいて実行される前記特定遊技の実行タイミングを示唆する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第1遊技状態から第2遊技状態に移行したときに、第2特別図柄の可変表示が実行中であることのみならず、第2保留手段により第2始動記憶が記憶されていることがありうる。第1遊技状態では、単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が低いため、第2抽選の結果を導出が遅延し、興趣が低下するおそれがある。とくに、第2抽選の結果を導出が遅延したあとに特定の条件が成立した旨の結果が導出されると、興趣の低下が著しい。そこで、第1遊技状態において、第2保留手段により第2始動記憶が記憶されているとき、当該第2始動記憶についての事前判別手段により特定の条件が成立しうる旨が判別されると、この特定の条件の成立に基づいて実行される特定遊技の実行タイミングを示唆することにより、第2抽選の結果の導出の遅延によって生じうる興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、「特定の条件が成立しうる」の記載は、特定の条件が成立しない可能性があることを含む記載であるが、これは、第1特別図柄及び第2特別図柄のうち、いずれか一方において特別の結果(例えば、「大当り」)が導出されたときに、他方の抽選結果がたとえ「特定の結果」であったとしてもハズレが表示される場合がありうることを考慮したものである。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記タイミング示唆演出実行手段は、
前記所定の条件として、前記通常の態様で発射された遊技球が前記第1始動口とは異なる所定の受入口に受け入れられたことに基づいて、前記第2特別図柄の可変表示が行われて前記特定の条件が成立したときに実行される前記特定遊技の実行タイミングを示唆する演出を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、通常の態様で発射された遊技球が第1始動口とは異なる所定の受入口への遊技球の受け入れに基づいて所定の条件が成立し、第2特別図柄の可変表示が行われて特定の条件が成立したときに実行される特定遊技の実行タイミングを示唆する演出が実行される。そのため、特定の態様で遊技球を発射させる第2遊技状態から、通常の態様で遊技球を発射させる第1遊技状態に移行したとしても、所定の受入口への遊技球の受け入れに基づいて特定遊技の実行タイミングが示唆されるため、遊技の促進を促すことが可能となる。
なお、上記の所定の条件は、通常の態様で発射された1球の遊技球が所定の受入口に受け入れられたことに基づいて成立するようにしてもよいし、通常の態様で発射された複数の遊技球が所定の受入口に受け入れられたことに基づいて成立するようにしてもよい。さらには、上記の条件に加えてさらに加重条件の成立に基づいて所定の条件が成立するようにしてもよい。
(1)付記63−15の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して行われる遊技の結果として賞球または賞球データを付与可能な遊技機であって、
遊技領域に向けて発射された遊技球を受け入れ可能な第1始動口(例えば、図254の第一始動口5442)及び第2始動口(例えば、図254の第二始動口440)と、
前記第1始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて第1始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶し、前記第2始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて第2始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶する保留手段(例えば、メインCPU101)と、
第1始動条件が成立したことに基づいて前記第1始動記憶についての第1抽選(例えば、第1特別抽選)を行い、第2始動条件が成立したことに基づいて前記第2始動記憶についての第2抽選(例えば、第2特別抽選)を行う抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1抽選の結果に基づいて第1特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果に基づいて第2特別図柄の可変表示を行う特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
を備え、
前記抽選手段は、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われていたとしても、前記第1始動条件または前記第2始動条件が成立する限り、当該成立した始動条件に対応する特別図柄についての抽選を行う通常抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1始動条件及び前記第2始動条件のいずれもが成立しているときには、前記第1抽選及び前記第2抽選の両方を所定の順で行う特定抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
を有し、
前記特定抽選手段は、
前記第1抽選及び前記第2抽選の両方を所定の順で行うものの、前記第1抽選及び前記第2抽選のうち先に行われたいずれか一の抽選の結果が前記特別の結果であるとき、他の抽選の結果が前記特別の結果とならないよう非当選処理を実行する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、予め決められた順序で第1特別抽選及び第2特別抽選の両方を行うため、制御負荷を軽減しつつ、第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示とを並行して行うことが可能となる。しかも、第1抽選及び第2抽選の両方の結果が同時に特別の結果とならないように、いずれか一方の抽選の結果が特別の結果となった場合には、他方の抽選を非当選処理として実行することで、第1抽選及び第2抽選の両方が同時に特別の結果となることを防止することができるといった、新たな遊技性を提供することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が相対的に大きい通常の可変表示パターンと、単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が相対的に小さい長時間可変表示パターンとを少なくとも記憶する記憶手段(例えば、メインROM102)と、
前記第1特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを、前記複数の可変表示パターンのうちいずれかに決定する可変表示パターン決定手段(例えば、メインCPU101)と、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御する遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
をさらに備え、
前記遊技状態制御手段は、
単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値よりも、単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値の方が小さく、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が1より小さい第1遊技状態(例えば、通常の遊技状態)と、
単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値よりも、単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値の方が大きく、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が前記第1遊技状態よりも大きい第2遊技状態(例えば、高確非時短遊技状態)と、
を含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能であり、
前記可変表示パターン決定手段は、
前記第1特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを、少なくとも前記第1遊技状態では前記通常の可変表示パターンに決定可能であり、前記第2遊技状態における前記第1抽選の結果が前記特別の結果であることに基づいて前記長時間可変表示パターンに決定可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第2遊技状態における第1抽選の結果が特別の結果であるとき、第1特別図柄の可変表示が長時間可変表示パターンで行われる。しかも、第1抽選の結果が特別の結果であると、第2抽選の結果が特別の結果とならない非当選処理が実行されるため、第1特別図柄の可変表示が長時間可変表示パターンで行われている間、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が第1遊技状態での遊技が保証されるといった、新たな遊技性を提供することができる。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、
前記記憶手段は、
前記長時間可変表示パターンとして、単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が異なる複数の長時間可変表示パターンを記憶しており、
前記可変表示パターン決定手段は、
前記第2遊技状態における前記第1抽選の結果が前記特別の結果であることに基づいて決定する前記第1特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを、前記複数の長時間可変表示パターンのうちいずれかに決定するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、第2遊技状態における第1抽選の結果が特別の結果であるとき、第1特別図柄の可変表示は、単位時間あたりの可変表示の実行回数の期待値が異なる複数の長時間可変表示パターンのうちいずれかに決定されるので、複数の長時間可変表示パターンのうちいずれに決定されるかによって、第1遊技状態での遊技が保証される期間が異なることとなり、遊技興趣を高めることが可能となる。
(1)付記63−16の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して行われる遊技の結果として賞球または賞球データを付与可能な遊技機であって、
遊技領域に向けて発射された遊技球を受け入れ可能な第1始動口(例えば、図254の第一始動口5442)及び第2始動口(例えば、図254の第二始動口440)と、
前記第1始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて第1始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶し、前記第2始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて第2始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶する保留手段(例えば、メインCPU101)と、
第1始動条件が成立したことに基づいて前記第1始動記憶についての第1抽選(例えば、第1特別抽選)を行い、第2始動条件が成立したことに基づいて前記第2始動記憶についての第2抽選(例えば、第2特別抽選)を行う抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1抽選の結果に基づいて第1特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果に基づいて第2特別図柄の可変表示を行う特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別の結果が導出されなくても特定の条件が成立すると(例えば、小当りに当選すると)、前記特別遊技が実行されるときよりも利益度合いが低い特定遊技(例えば、小当り遊技)を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
を備え、
前記抽選手段は、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われていたとしても、前記第1始動条件または前記第2始動条件が成立する限り、当該成立した始動条件に対応する特別図柄についての抽選を行う通常抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1始動条件及び前記第2始動条件のいずれもが成立しているときには、前記第1抽選及び前記第2抽選の両方を所定の順で行う特定抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
を有し、
前記特定抽選手段は、
前記第1抽選及び前記第2抽選の両方を所定の順で行うものの、前記第1抽選及び前記第2抽選のうち先に行われたいずれか一の抽選の結果が前記特別の結果であるとき、他の抽選の結果が前記特別の結果とならないよう非当選処理を実行し、
前記第1抽選及び前記第2抽選のうち先に行われたいずれか一の抽選において前記特定の条件が成立したとき、前記非当選処理を実行せずに、他の抽選の結果が前記特別の結果となりうるように抽選を行う
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、予め決められた順序で第1特別抽選及び第2特別抽選の両方を行うため、制御負荷を軽減しつつ、第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示とを並行して行うことが可能となる。しかも、第1抽選及び第2抽選の両方の結果が同時に特別の結果とならないように、いずれか一方の抽選の結果が特別の結果となった場合には、他方の抽選を非当選処理として実行することで、第1抽選及び第2抽選の両方が同時に特別の結果となることを防止することができるといった、新たな遊技性を提供することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が相対的に大きい通常の可変表示パターンと、単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が相対的に小さい長時間可変表示パターンとを少なくとも記憶する記憶手段(例えば、メインROM102)と、
前記第1特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを、前記複数の可変表示パターンのうちいずれかに決定する可変表示パターン決定手段(例えば、メインCPU101)と、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御する遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
をさらに備え、
前記遊技状態制御手段は、
単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値よりも、単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値の方が小さく、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が1より小さい第1遊技状態(例えば、通常の遊技状態)と、
単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値よりも、単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値の方が大きく、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が前記第1遊技状態よりも大きい第2遊技状態(例えば、高確非時短遊技状態)と、
を含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能であり、
前記可変表示パターン決定手段は、
前記第1特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを、少なくとも前記第1遊技状態では前記通常の可変表示パターンに決定可能であり、前記第2遊技状態における前記第1抽選の結果が前記特別の結果であることに基づいて前記長時間可変表示パターンに決定可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第2遊技状態における第1抽選の結果が特別の結果であるとき、第1特別図柄の可変表示が長時間可変表示パターンで行われる。しかも、第1抽選の結果が特別の結果であると、第2抽選の結果が特別の結果とならない非当選処理が実行されるため、第1特別図柄の可変表示が長時間可変表示パターンで行われている間、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が第1遊技状態での遊技が保証されるといった、新たな遊技性を提供することができる。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、
前記記憶手段は、
前記長時間可変表示パターンとして、単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が異なる複数の長時間可変表示パターンを記憶しており、
前記可変表示パターン決定手段は、
前記第2遊技状態における前記第1抽選の結果が前記特別の結果であることに基づいて決定する前記第1特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを、前記複数の長時間可変表示パターンのうちいずれかに決定するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、第2遊技状態における第1抽選の結果が特別の結果であるとき、第1特別図柄の可変表示は、単位時間あたりの可変表示の実行回数の期待値が異なる複数の長時間可変表示パターンのうちいずれかに決定されるので、複数の長時間可変表示パターンのうちいずれに決定されるかによって、第1遊技状態での遊技が保証される期間が異なることとなり、遊技興趣を高めることが可能となる。
(1)付記63−17の遊技機は、
遊技領域に向けて所定の態様(例えば、左打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第1始動口(例えば、図270の第一始動口5442)と、
前記第1始動口への遊技球の受け入れに基づいて第1抽選を行う第1抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1抽選手段の結果に基づいて第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1抽選(例えば、第1特別抽選)の結果を導出する第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技領域に向けて前記所定の態様(例えば、左打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第2始動口(例えば、図270の第二始動口4401)と、
前記第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて第2抽選(例えば、第2特別抽選)を行う第2抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果を導出する第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンが用意された複数のテーブルを記憶する記憶手段(例えば、メインROM102)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを、前記複数のテーブルのうちいずれかのテーブルを用いて決定する可変表示パターン決定手段(例えば、図271の変動時間決定テーブル設定処理を実行するメインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果(例えば、「大当り」)が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別の結果が導出されなかったとしても特定の条件が成立したとき(例えば、抽選の結果が小当りであるとき)には、所定の可動部材(例えば、図270の小当り用シャッタ6100)を作動させて、遊技球が受け入れられると賞球または賞球データが付与される入賞口(例えば、小当り入賞口5400)への受け入れが容易となる特定遊技(例えば、小当り遊技)を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
を備え、
前記第2抽選手段は、
前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行うものであり、
前記記憶手段は、
前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンの決定に用いるテーブルとして、
単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が相対的に小さい複数の可変表示パターンが用意された第1テーブル(例えば、図258の低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブル)、および
単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が相対的に大きい複数の可変表示パターンが用意された第2テーブル(例えば、図259の高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブル)
を少なくとも記憶しており、
前記可変表示パターン決定手段は、
前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを、常には前記第1テーブルを用いて決定し、前記第1始動口への遊技球の受け入れに基づいて前記第1特別図柄の可変表示が行われて前記特定の条件が成立したことに基づいて、前記第1テーブルに代えて前記第2テーブルを用いて決定可能な第2特別図柄可変表示パターン決定手段を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを、第1始動口への遊技球の受け入れに基づいて特定の条件が成立したことに基づいて、第1テーブルから第2テーブルに変更するといった、新たな遊技性を備えた遊技機を提供することが可能となる。しかも、例えば特定遊技が実行されたにもかかわらず入賞口に遊技球を入賞させることができなかったときに生じうる遊技興趣の低下を抑制することも可能になる。
なお、「前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行う」とは、第1抽選が行われたときに、特定の条件が成立すること(例えば、小当りに当選すること)は必須ではない。例えば、第1抽選は、特定の条件が成立したか否かの判定を行うものの特定の条件が成立する確率が0の態様(例えば、小当り抽選を行うものの小当りの当選確率が0の態様)、及び、特定の条件が成立したか否かの判定自体を行わない態様(例えば、小当り抽選自体を行わない態様)の両方を含む。
(1)付記63−18の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して行われる遊技の結果として賞球または賞球データが付与されうる遊技機であって、
遊技領域に向けて発射された遊技球を受け入れ可能な第1始動口(例えば、図268の第一始動口5442)と、
前記第1始動口への遊技球の受け入れに基づいて第1抽選を行う第1抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1抽選の結果を導出する第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球を受け入れ可能な第2始動口(例えば、図268の第二始動口4401)と、
前記第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて第2抽選を行う第2抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果を導出する第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別の結果が導出されなかったとしても特定の条件が成立したとき(例えば、抽選の結果が小当りであるとき)には、所定の可動部材(例えば、図268の小当り用シャッタ6100)を作動させて、遊技球が受け入れられると賞球または賞球データが付与される特定入賞口(例えば、図268の小当り入賞口5400)への受け入れが容易となる特定遊技(例えば、小当り遊技)を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段と、
を備え、
前記遊技状態制御手段は、
前記特別の結果の導出確率が相対的に低い通常遊技状態(例えば、「通常の遊技状態」)と、
前記特別の結果の導出確率が相対的に高く、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が1未満である有利遊技状態(例えば、「高確時短遊技状態」)と、
前記特別の結果の導出確率が相対的に高く、前記特定遊技の実行により前記特定入賞口への遊技球の受け入れ頻度が高められることで、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が前記通常遊技状態および前記有利遊技状態のいずれよりも大きい特定遊技状態(例えば、「高確非時短遊技状態」)と、
を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能であるとともに、
前記有利遊技状態において特別図柄の可変表示が規定回数(例えば、決定された時短回数)行われると、当該有利遊技状態から前記特定遊技状態に移行させる制御を実行可能な状態移行制御手段(例えば、メインCPU101)を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、有利遊技状態において特別図柄の可変表示が規定回数行われると、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が通常遊技状態および有利遊技状態のいずれよりも大きい特定遊技状態に移行する。そのため、有利遊技状態において特別の結果が導出されなかったとしても特定遊技状態に移行させることで興趣の低下を抑制できるといった、新たな遊技性を備えた遊技機を提供することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記規定回数を複数の規定回数(例えば、24回、30回、36回、42回、48回及び100回)のうちいずれかに決定することで、前記有利遊技状態から前記特定遊技状態への移行タイミングを都度異ならせることが可能な移行タイミング決定手段(例えば、メインCPU101)と、
前記移行タイミング決定手段により決定された規定回数を明示することなく所定の演出を行う演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
をさらに備えることを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、有利遊技状態から特定有利遊技状態への移行タイミングを、遊技者が把握することを困難または不可能にすることが可能となるため、より一層興趣を高めることが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
少なくとも前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを決定する可変表示パターン決定手段(例えば、メインCPU101)と、
単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が、相対的に小さい複数の可変表示パターンが用意された第1テーブル(例えば、図258の低スタート用の特別図柄の変動時間(可変表示時間)決定テーブル)および相対的に大きい複数の可変表示パターンが用意された第2テーブル(例えば、図259の高スタート用の特別図柄の変動時間(可変表示時間)決定テーブル)を少なくとも記憶する記憶手段(例えば、メインROM102)と、
をさらに備え、
前記可変表示パターン決定手段は、
前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを、少なくとも前記有利遊技状態においては前記第1テーブルを参照して決定し、前記有利遊技状態から前記特定遊技状態に移行されたことに基づいて、前記第1テーブルに代えて前記第2テーブルを参照して決定するよう構成され、
前記第2抽選手段は、
前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行うよう構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、有利遊技状態から特定遊技状態に移行されたことに基づいて、第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを、単位時間あたりの第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が相対的に大きい可変表示パターンに決定するようになり、しかも、第2抽選では第1抽選が行われたときよりも高い確率で特定の条件が成立するため、高い頻度で特定遊技が実行されることとなる。このようにして、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が通常遊技状態および有利遊技状態のいずれよりも大きい特定遊技状態を実現することが可能となる。
(1)付記63−19の遊技機は、
所定の可動部材が作動すると、遊技球の受け入れが容易または可能となる特別始動口と、
前記遊技球を受け入れ可能な普通始動領域(例えば、図274の通過ゲート49)と、
前記普通始動領域を遊技球が通過したことに基づいて、抽選の全てまたは大略が普通当りとなる態様で普通抽選を行うことが可能な普通抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
前記普通抽選の結果が前記普通当りであることに基づいて、前記所定の可動部材を作動させて、前記特別始動口への遊技球の受け入れを容易または可能にする可動制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別始動口に遊技球が受け入れられたことに基づいて、始動記憶を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な保留手段(例えば、メインCPU101)と、
始動条件が成立したことに基づいて、前記始動記憶についての特別抽選を行う特別抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
特別図柄の可変表示が行われて特別の結果(例えば、大当り)が導出されると、特別入賞口(例えば、図274の大入賞口540)への遊技球の受け入れを可能にする特別遊技(例えば、大当り遊技)を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別抽選の結果が前記特別の結果でなかったときの全てまたは大略の結果である特定の結果(例えば、小当り)であることに基づいて、特定可動部材(例えば、小当り用シャッタ6100)を作動させて特定入賞口(例えば、図274の小当り入賞口5400)への遊技球の受け入れを可能にする特定遊技(例えば、小当り遊技)を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別遊技が終了したのちの遊技状態を、前記特別抽選の結果が前記特別の結果でない限り全てまたは大略が前記特定の結果となることで前記特定可動部材が大略作動状態となる有利遊技状態(例えば、時短状態)に制御可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
少なくとも、前記特別入賞口に遊技球が受け入れられたときと、前記特定入賞口に遊技球が受け入れられたときとに、賞球または賞球データを付与可能な賞付与手段(例えば、メインCPU101からの指令により賞球を払い出す払出・発射制御回路)と、
を備え、
少なくとも前記特別遊技の実行中は、前記特別始動口への遊技球の受け入れに基づいて前記始動記憶が前記保留手段により記憶されるものの、前記始動条件が成立しないように構成されており、
前記普通始動領域は、
前記特別遊技の実行中は前記特別入賞口に遊技球が受け入れられることによって当該普通始動領域への遊技球の通過が困難または不可能となるように構成されるとともに、前記特別遊技の実行中でなかったとしても、前記特定可動部材が作動状態であるときは前記特定入賞口に遊技球が受け入れられることによって当該普通始動領域への遊技球の通過が困難または不可能となるように構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特別遊技の実行中は普通始動領域への遊技球の通過が困難または不可能となっており、特別遊技の実行中でなかったとしても、特定可動部材が作動状態であれば普通始動領域への遊技球の通過が困難または不可能となっている。そのため、特別遊技が終了したときに保留手段に記憶されている始動記憶についての特別抽選が実行されるまでの間、特定可動部材が大略作動状態になるとともに特定遊技の実行中は普通始動領域への遊技球の通過が困難または不可能となることで、特別遊技が実行されると、特別遊技の実行中に付与される賞球または賞球データと、保留手段に記憶されている始動記憶数分の特定遊技が実行されることによって付与される賞球または賞球データとの両方を付与することが可能となり、特別遊技が1回実行されたときに付与される賞球数または賞球データ数の期待値を増やすことができる。これにより、新たな遊技性を備えた遊技機を提供することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特別遊技が終了したのち、前記有利遊技状態に制御されるまでの間に、インターバル状態に制御するインターバル制御手段(例えば、メインCPU101)をさらに備え、
前記始動条件は、
前記特別遊技が終了したときに前記始動記憶が前記保留手段に記憶されていたとしても、前記インターバル状態に制御されている限り成立しないように構成されており、
前記特定入賞口は前記特別入賞口の下流側に設けられているとともに、
前記特別入賞口と前記特定入賞口との間の遊技球の球経路が、
前記インターバル状態に制御される時間と、前記始動条件が成立することによって前記特定可動部材が作動するまでの時間との合計時間よりも、前記特別入賞口に受け入れられなかった遊技球が前記特定入賞口に到達するまでの時間の方が長くなるように構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、インターバル状態に制御される時間と、始動条件が成立することによって特定可動部材が作動するまでの時間との合計時間よりも、特別入賞口に受け入れられなかった遊技球が特定入賞口に到達するまでの時間の方が長くなる。そのため、特別遊技が終了した直後に特別入賞口に至ったために当該特別入賞口に入賞できなかった遊技球が特定入賞口に到達するときには特定可動部材が作動することになるため、特定入賞口に遊技球が受け入れられるとともに普通始動領域への遊技球の通過が困難または不可能となる。これにより、特別遊技が終了した時点で保留手段に記憶されている始動記憶数分の特定遊技の実行中は、確実に特定入賞口に遊技球が受け入れられ、特定入賞口への遊技球の入賞に基づいて賞球または賞球データが付与される機会を保証することが可能になる。
(1)付記63−20の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して行われる遊技の結果として賞球または賞球データが付与されうる遊技機であって、
遊技領域に向けて所定の態様(例えば、右打ち)で発射された遊技球の受け入れが容易または可能となる第1始動口(例えば、図275の第一始動口5443)と、
前記第1始動口への遊技球の受け入れに基づいて第1特別抽選を行うことが可能な第1特別抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1特別抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技領域に向けて前記所定の態様で発射され且つ前記第1始動口に受け入れられなかった遊技球を受け入れ可能な第2始動口(例えば、図275の第二始動口440)と、
前記第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて第2特別抽選を行うことが可能な第2特別抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2特別抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果が導出されると、遊技者に有利な特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別の結果が導出されなかったとしても特定の条件が成立したとき(例えば、抽選の結果が小当りであるとき)には、所定の可動部材(例えば、図275の小当り用シャッタ6100)を作動させて、遊技球が受け入れられると賞球または賞球データが付与される特定入賞口(例えば、図275の小当り入賞口5400)への受け入れが容易となる特定遊技(例えば、小当り遊技)を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
を備え、
前記遊技状態制御手段は、
単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値よりも、単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値の方が大きい第1遊技状態(例えば、通常の遊技状態)、
前記第1始動口への遊技球の受け入れが前記第1遊技状態よりも容易となる第2遊技状態(例えば、高確時短遊技状態)、及び
前記第1始動口への遊技球の受け入れが前記第2遊技状態よりも困難となり、前記第2遊技状態と比べて多量の遊技球が前記特定入賞口に向けて流下可能であるとともに、単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が前記第1遊技状態における単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値よりも大きい(例えば、高確非時短遊技状態)と、
を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能であるとともに、
前記第2遊技状態において特別図柄の可変表示が規定回数(例えば、決定された時短回数)行われると、当該第2遊技状態から前記第3遊技状態に移行させる制御を実行可能な状態移行制御手段(例えば、メインCPU101)を有しており、
前記第2特別図柄可変制御手段は、
前記第1特別図柄が可変表示中であっても前記第2特別図柄の可変表示を行うことが可能であり、前記第1特別図柄の可変表示が行われて前記特別の結果が導出されるときには、当該第1特別図柄の可変表示中、前記特別の結果が導出されないように前記第2特別図柄の可変表示を行うよう構成されており、
前記第1特別図柄可変制御手段は、
少なくとも前記第2遊技状態における前記第1特別抽選の結果が前記特別の結果であるとき、一定時間以上にわたる長変動パターン(例えば、図276の長変動D〜F)で前記第1特別図柄の可変表示を行った上で前記特別の結果を導出可能とすることで、前記第2遊技状態から移行された前記第3遊技状態において、前記長変動パターンで第1特別図柄の可変表示が行われている間、前記第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて前記特定遊技が実行されうることにより賞球または賞球データの付与機会を増大可能とすることで、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態のいずれよりも高められるように構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第2遊技状態において行われた第1特別抽選の結果が特別の結果であるとき、第1特別図柄の可変表示が長時間にわたって行われうる。第1特別抽選の結果が特別の結果であるとき、当該特別の結果が導出されるまでの間、第2特別図柄の可変表示は、特別の結果が導出されないように行われる。第2遊技状態において特別図柄の可変表示が規定回数行われると、第2遊技状態から第3遊技状態に移行される。この第3遊技状態では、第2遊技状態と比べて多量の遊技球が特定入賞口に向けて流下する。そのため、第1特別抽選の結果が特別の結果であって第1特別図柄の可変表示が長時間にわたって行わるとき、当該長時間にわたって行われる第1特別図柄の可変表示中は、第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて特定遊技が実行されたときに特定入賞口に向けて流下する遊技球が当該特定入賞口に受け入れ可能となるため、賞球または賞球データを獲得し放題の機会が付与されるといった、新たな遊技性を備えた遊技機を提供することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
複数の識別図柄による図柄変動演出を前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示と同期させて行い、前記第1特別抽選または前記第2特別図柄の結果が表示されるよう制御する図柄演出制御手段(例えば、サブCPU201)をさらに備え、
前記図柄演出制御手段は、
前記第1特別抽選または前記第2特別抽選の結果が特別の結果であるとき、複数のリーチ演出パターン(例えば、図277の低スタート用ノーマルリーチ、低スタート用スーパーリーチA、低スタート用スーパーリーチB)のうちいずれかのリーチ演出パターンで前記図柄変動演出を行うリーチ演出制御手段(例えば、サブCPU201)を有し、
前記一定時間以上にわたる長変動パターンは、
前記複数のリーチ演出パターンのいずれよりも長時間にわたって前記第1特別図柄の可変表示が行われるパターンである
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第1特別抽選または第2特別抽選の結果が特別の結果であるとき、複数のリーチ演出パターンのうちいずれかのリーチ演出パターンで図柄変動演出が行われるが、第2遊技状態において行われた第1特別抽選の結果が特別の結果であるときは、これらの複数のリーチ演出パターンのいずれよりも長時間にわたって第1特別図柄の可変表示が行われるため、特定入賞口への受け入れが容易となる特定遊技の実行により賞球または賞球データが付与される機会をより安心して確保でき、より一層興趣を高めることが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記規定回数を複数の規定回数(24回、30回、36回、42回、48回、100回)のうちいずれかに決定することで、前記第2遊技状態から前記第3遊技状態への移行タイミングを都度異ならせることが可能な移行タイミング決定手段(例えば、メインCPU101)と、
前記移行タイミング決定手段により決定された規定回数(例えば、決定された時短回数)を明示することなく所定の演出を行う演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
をさらに備えることを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、第1特別抽選の結果が特別の結果となるタイミングと、第3遊技状態から第2遊技状態への移行タイミングとの関係に面白みを持たせることが可能となる。すなわち、第3遊技状態態において第1特別抽選の結果が特別の結果となるタイミングが早ければいいというものでもない。例えば、第3遊技状態から第2遊技状態への移行タイミングが遅ければ、早いタイミングで第1特別図柄の結果が特別の結果になると、第2遊技状態の期間が短くなってしまいかねない。また、第3遊技状態から第2遊技状態への移行タイミングが早ければ、早いタイミングで第1特別図柄の結果が特別の結果となる方が、第2遊技状態としての恩恵をより長く受けることができる。このように、第3遊技状態において第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示が行われる所定回数をる都度異ならせうることで、遊技興趣を高めることが可能となる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記長変動パターンで前記第1特別図柄の可変表示が行われている間に前記第2遊技状態から前記第3遊技状態に移行したときに、前記特別遊技状態とあわせて一連の有利な遊技が実行されることを示す特定演出を実行可能な特定演出制御手段(例えば、サブCPU201)をさらに備える
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、特定状態になると、未だ特別遊技状態に制御されていない段階で、1回の特別遊技状態で払い出される賞球を超える遊技者に有利な遊技が実行されることが示されるので、より一層遊技興趣を高めることが可能となる。
(1)付記63−21の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して行われる遊技の結果として賞球または賞球データが付与されうる遊技機であって、
所定の可動部材(例えば、図280の可動部材4653)が作動すると、遊技領域に向けて所定の態様で発射された遊技球の受け入れが容易または可能となる第1始動口(例えば、図280の第一始動口5443)と、
前記所定の可動部材を作動させて、前記第1始動口への遊技球の受け入れを容易または可能にする可動制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1始動口への遊技球の受け入れに基づいて第1特別抽選を行うことが可能な第1特別抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1特別抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技領域に向けて前記所定の態様で発射され且つ前記第1始動口に受け入れられなかった遊技球を受け入れ可能な第2始動口(例えば、図280の第二始動口440)と、
前記第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて第2特別抽選を行うことが可能な第2特別抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2特別抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果(例えば、「大当り」)が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別の結果が導出されなかったとしても特定の条件が成立したとき(例えば、抽選の結果が小当りであるとき)には、特定可動部材(例えば、図280の小当り用シャッタ6100)を作動させて、遊技球が受け入れられると賞球または賞球データが付与される特定入賞口(例えば、図280の小当り入賞口5400)への受け入れが容易となる特定遊技を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
を備え、
前記第2特別抽選手段は、
前記第1特別抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2特別抽選を行うものであり、
前記第2特別図柄可変制御手段は、
前記第1特別図柄が可変表示中であっても前記第2特別図柄の可変表示を行うことが可能であり、前記第1特別図柄の可変表示が行われて前記特別の結果が導出されるときには、当該第1特別図柄の可変表示中、前記特別の結果が導出されないように前記第2特別図柄の可変表示を行うよう構成されており、
前記第1特別図柄可変制御手段は、
前記第1特別抽選の結果が前記特別の結果であるとき、一定時間以上にわたる長変動パターン(例えば、図276の長変動D〜F)で前記第1特別図柄の可変表示を行った上で前記特別の結果を導出可能とすることで、前記長変動パターンで第1特別図柄の可変表示を行っている間、前記第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて前記特定遊技が実行されたときに前記特定入賞口への遊技球の受け入れが可能となることにより賞球または賞球データの付与機会が増大可能となるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1特別抽選の結果が特別の結果であるとき、第1特別図柄の可変表示が長時間にわたって行われうる。第1特別抽選の結果が特別の結果であるとき、当該特別の結果が導出されるまでの間、第2特別図柄の可変表示は、特別の結果が導出されないように行われる。そのため、第1特別抽選の結果が特別の結果であって第1特別図柄の可変表示が長時間にわたって行わるとき、当該長時間にわたって行われる第1特別図柄の可変表示中は、第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて特定遊技が実行されたときに特定入賞口への遊技球の受け入れが可能となることにより賞球または賞球データの付与機会が増大し、賞球または賞球データを獲得し放題の機会が付与されるといった、新たな遊技性を備えた遊技機を提供することが可能となる。
なお、「前記第1特別抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2特別抽選を行う」とは、第1特別抽選が行われたときに、特定の条件が成立すること(例えば、小当りに当選すること)は必須ではない。例えば、第1特別抽選は、特定の条件が成立したか否かの判定を行うものの特定の条件が成立する確率が0の態様(例えば、小当り抽選を行うものの小当りの当選確率が0の態様)、及び、特定の条件が成立したか否かの判定自体を行わない態様(例えば、小当り抽選自体を行わない態様)の両方を含む。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段をさらに備え、
前記所定の可動部材は、
一定の規則性のある態様で常に作動しており、
前記特定入賞口は、
遊技領域に向けて前記所定の態様で発射され且つ前記第1始動口および前記第2始動口のいずれにも受け入れられなかった遊技球を受け入れ可能に構成されており、
前記遊技状態制御手段は、
単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値よりも、単位時間あたりの前記第1特別図柄の可変表示の実行回数の期待値の方が大きい第1遊技状態(例えば、通常の遊技状態)、
遊技領域に向けて前記所定の態様で発射され且つ前記第1始動口に受け入れられなかった遊技球の全てまたは大略が前記第2始動口に受け入れ可能となるように、前記第2始動口への遊技球の受け入れが前記第1遊技状態よりも容易となる第2遊技状態(例えば、高確時短遊技状態)、及び
単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が前記第1遊技状態よりも大きく、前記第2始動口への遊技球の受け入れが前記第2遊技状態よりも困難となることで前記第2遊技状態よりも多量の遊技球が前記特定入賞口に向けて流下可能となる第3遊技状態(例えば、高確非時短遊技状態)、
を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能であるとともに、
前記第2遊技状態において特別図柄の可変表示が規定回数行われると、当該第2遊技状態から前記第3遊技状態に移行させる制御を実行可能な状態移行制御手段(例えば、メインCPU101)を有する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第2遊技状態において特別図柄の可変表示が規定回数行われると、第2遊技状態から第3遊技状態に移行される。この第3遊技状態では、第2始動口への遊技球の受け入れが前記第2遊技状態よりも困難となることで、第2遊技状態と比べて多量の遊技球が特定入賞口に向けて流下する。特定入賞口は、遊技領域に向けて所定の態様で発射され且つ第1始動口および第2始動口のいずれにも受け入れられなかった遊技球の受け入れが可能に構成されているため、第3遊技状態では、長時間にわたって行われる第1特別図柄の可変表示中、賞球または賞球データを獲得し放題となり、より一層遊技興趣を高めることが可能となる。
(1)付記63−22の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して行われる遊技の結果として賞球または賞球データが付与されうる遊技機であって、
遊技の進行にかかわる遊技情報を記憶可能な遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
所定の操作が行われると、前記遊技情報記憶手段(例えば、メインRAM103)に記憶される遊技情報をクリアすることが可能なデータクリア手段(例えば、ステップS23の処理を実行するメインCPU101)と、
遊技領域に向けて所定の態様(例えば、左打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第1始動口(例えば、図270の第一始動口5442)と、
前記第1始動口への遊技球の受け入れに基づいて第1抽選(例えば、第1特別抽選)を行う第1抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1抽選手段の結果に基づいて第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1抽選の結果を導出する第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技領域に向けて前記所定の態様(例えば、左打ち)で発射された遊技球を受け入れ容易な第2始動口(例えば、図270の第二始動口4401)と、
前記第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて第2抽選(例えば、第2特別抽選)を行う第2抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果を導出する第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンが用意された複数のテーブルを記憶する記憶手段(例えば、メインROM102)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを、前記複数のテーブルのうちいずれかのテーブルを用いて決定する可変表示パターン決定手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果(例えば、「大当り」)が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別の結果が導出されなかったとしても特定の条件が成立したとき(例えば、抽選の結果が小当りであるとき)には、所定の可動部材(例えば、図270の小当り用シャッタ6100)を作動させて、遊技球が受け入れられると賞球または賞球データが付与される入賞口への受け入れが容易となる特定遊技(例えば、小当り遊技)を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
を備え、
前記第2抽選手段は、
前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行うものであり、
前記記憶手段は、
前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンの決定に用いるテーブルとして、
単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が相対的に小さい複数の可変表示パターンが用意された第1テーブル(例えば、図258の低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブル)、および
単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が相対的に大きい複数の可変表示パターンが用意された第2テーブル(例えば、図272の中スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブル)
を少なくとも記憶しており、
前記可変表示パターン決定手段は、
前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを、常には前記第1テーブルを用いて決定するものの、前記データクリア手段により前記遊技情報記憶手段に記憶される遊技情報がクリアされたときに限り、前記第2テーブルを用いて決定可能な第2特別図柄可変表示パターン決定手段を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを、遊技情報記憶手段に記憶される遊技情報がクリアされたことに基づいて、第1テーブルから第2テーブルに変更するといった、新たな遊技性を備えた遊技機を提供することが可能となる。とくに、例えば遊技機管理者が、ホール開店前に遊技情報記憶手段に記憶される遊技情報をクリアすると、遊技領域に向けて所定の態様で発射されたときの単位時間あたりの第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値を高めることができるので出玉調整も可能となる。
なお、「前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行う」とは、第1抽選が行われたときに、特定の条件が成立すること(例えば、小当りに当選すること)は必須ではない。例えば、第1抽選は、特定の条件が成立したか否かの判定を行うものの特定の条件が成立する確率が0の態様(例えば、小当り抽選を行うものの小当りの当選確率が0の態様)、及び、特定の条件が成立したか否かの判定自体を行わない態様(例えば、小当り抽選自体を行わない態様)の両方を含む。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値のうち、いずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な遊技制御手段(例えば、メインCPU101)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(例えば、サブCPU201)と、
をさらに備え、
前記演出制御手段は、
前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンが前記第2テーブルを用いて決定され、且つ前記一の設定値が特定の設定値であるときに、特定の演出を実行可能な特定演出実行手段を有する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、遊技者は、第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンから一の設定値を推測することが可能となるので、より一層遊技興趣を高めることができる。
(1)付記63−23の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して行われる遊技の結果として賞球または賞球データが付与されうる遊技機であって、
遊技領域に向けて発射された遊技球を受け入れ可能な第1始動口(例えば、図275の第一始動口5443)と、
前記第1始動口への遊技球の受け入れに基づいて第1抽選(例えば、第1特別抽選)を行う第1抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1抽選手段の結果に基づいて第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1抽選の結果を導出する第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球を受け入れ可能な第2始動口(例えば、図275の第二始動口440)と、
前記第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて第2抽選(例えば、第2特別抽選)を行う第2抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果を導出する第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンが用意された複数のテーブルを記憶する記憶手段(例えば、メインROM102)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを、前記複数のテーブルのうちいずれかのテーブルを用いて決定する可変表示パターン決定手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果(例えば、大当り図柄の組み合わせ)が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別の結果が導出されなかったとしても特定の条件が成立したとき(例えば、抽選の結果が小当りであるとき)には、所定の可動部材(例えば、小当り用シャッタ6100)を作動させて、遊技球が受け入れられると賞球または賞球データが付与される入賞口(例えば、小当り入賞口5400)への受け入れが容易となる特定遊技(例えば、小当り遊技)を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
を備え、
前記第2抽選手段は、
前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行うものであるとともに、
前記第2特別図柄可変制御手段は、
前記第1特別図柄が可変表示中であっても前記第2特別図柄の可変表示を行うことが可能であり、前記第1特別図柄の可変表示によって前記特別の結果が導出されるときには、前記第2特別図柄の可変表示においては前記特別の結果が導出されないように当該第2特別図柄の可変表示を行うよう構成されており、
前記記憶手段は、
前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンの決定に用いるテーブルとして、
単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が相対的に小さい複数の可変表示パターンが用意された第1テーブル(図277の低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブル)、および
単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が相対的に大きい複数の可変表示パターンが用意された第2テーブル(図278の高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブル)
を少なくとも記憶しており、
前記可変表示パターン決定手段は、
前記特別の結果が導出されることとなる前記第1特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを、規定時間以上に長い特定の可変表示パターン(例えば、図277の長変動G)に決定可能な第1特別図柄表示パターン決定手段(例えば、ステップS1832の処理を実行するメインCPU101)と、
前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを、常には前記第1テーブルを用いて決定し、前記第1特別図柄の可変表示が前記特定の可変表示パターンで開始されたことに基づいて、前記第1テーブルに代えて前記第2テーブルを用いて決定可能な第2特別図柄可変表示パターン決定手段(例えば、ステップS1834の処理を実行するメインCPU101)とを有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、通常は第1テーブルを参照して第2特別図柄の変動時間が決定されるところ、第1特別図柄の変動時間が規定時間以上に長い変動パターンに決定されたことに基づいて、第1テーブルから第2テーブルに変更することで、第1特別図柄の変動時間が継続している間、特定遊技が保証され、遊技興趣を高めることが可能となる。
なお、「前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行う」とは、第1抽選が行われたときに、特定の条件が成立すること(例えば、小当りに当選すること)は必須ではない。例えば、第1抽選は、特定の条件が成立したか否かの判定を行うものの特定の条件が成立する確率が0の態様(例えば、小当り抽選を行うものの小当りの当選確率が0の態様)、及び、特定の条件が成立したか否かの判定自体を行わない態様(例えば、小当り抽選自体を行わない態様)の両方を含む。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記第1特別図柄の可変表示が前記特定の可変表示パターンで行われるとき、前記特別遊技が未だ実行されていない段階で、前記特定遊技と前記特別遊技とで一連の有利な遊技が実行されることを示す特定演出を実行可能な演出制御手段(例えば、サブCPU201)をさらに備える
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第1特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンが特定の可変表示パターンに決定されて特定遊技が実行されると、未だ特別遊技が実行されていない段階で、特別遊技が1回実行されるよりも遊技者に有利な遊技が実行されることが示されるので、より一層遊技興趣を高めることが可能となる。
(1)付記63−24の遊技機は、
遊技領域に向けて通常の態様(例えば、左打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第1始動口(例えば、図254の第一始動口5442)と、
前記第1始動口への遊技球の受け入れに基づいて、第1抽選(例えば、第1特別抽選)を行うことが可能な第1抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
所定の可動部材(例えば、図254の可動シャッタ4650)が作動すると、遊技領域に向けて特定の態様(例えば、右打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第2始動口(例えば、図254の第二始動口440)と、
前記第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて、第2抽選(例えば、第2特別抽選)を行うことが可能な第2抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別の結果が導出されなかったとしても特定の条件が成立したとき(例えば、抽選の結果が小当りであるとき)には、特定可動部材(例えば、小当り用シャッタ6100)を作動させて、遊技球が受け入れられると賞球または賞球データが付与される特定入賞口(例えば、小当り入賞口5400)への受け入れが容易となる特定遊技(例えば、小当り遊技)を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別遊技が実行されたのちの遊技状態を、複数の遊技状態のうちいずれかに制御する遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
を備え、
前記第2抽選手段は、
前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行うものであり、
前記遊技状態制御手段は、
前記特別の結果が導出される確率が相対的に低く、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が1より小さい通常遊技状態(例えば、通常の遊技状態)と、
前記特別の結果が導出される確率が相対的に高く、前記第2始動口への遊技球の受け入れが相対的に容易であり、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が1未満である有利遊技状態(例えば、高確時短遊技状態)と、
前記特別の結果が導出される確率が相対的に高く、前記第2始動口への遊技球の受け入れが相対的に困難であり、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が前記通常遊技状態及び前記有利遊技状態のいずれよりも大きい特定遊技状態(例えば、高確非時短遊技状態)と、
を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能であるとともに、
前記第2始動口への遊技球の受け入れが相対的に容易な遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)において、
前記通常の態様で遊技球が発射されて前記第1始動口に受け入れられ、前記第1特別図柄の可変表示が行われて前記特別の結果が導出されたときには、前記特別遊技が実行されたのちの遊技状態を、前記通常遊技状態または前記特定遊技状態に制御し、
前記特定の態様で遊技球が発射されて前記第2始動口に受け入れられ、前記第2特別図柄の可変表示が行われて前記特別の結果が導出されたときには、前記特別遊技が実行されたのちの遊技状態を、前記有利遊技状態に制御するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第2始動口への遊技球の受け入れが相対的に容易な遊技状態であるにもかかわらず通常の態様で遊技球を発射させ、第1特別図柄の可変表示が行われて特別の結果が導出されると、特別遊技が実行されたのち、遊技者にとっての利益度合いが相対的に高い(単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が通常遊技状態及び有利遊技状態のいずれよりも大きい)特定遊技状態に制御される。また、第2始動口への遊技球の受け入れが相対的に容易な遊技状態において、特定の態様で遊技球が発射させ、第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果が導出されると、特別遊技が実行されたのち、遊技者にとっての利益度合いが相対的に低い(単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が1未満である)有利遊技状態に制御される。すなわち、第2始動口への遊技球の受け入れが相対的に容易な遊技状態において通常態様で遊技球を発射させると、第2始動口への遊技球の受け入れが容易であるという恩恵を受けることができないというデメリットがあるものの、特定遊技状態に制御される可能性がある。一方、第2始動口への遊技球の受け入れが相対的に容易な遊技状態において特定態様で遊技球を発射させると、第2始動口への遊技球の受け入れが容易であるという恩恵を受けることができるというメリットを享受できるものの、特定遊技状態ではなく有利遊技状態に制御されうる。このように、相対的に高リスク高リターンのスリリングな遊技と、相対的に低リスク低リターンの安定した遊技とのうち、いずれの遊技を実行するかを、遊技球の発射態様(右打ち又は左打ち)により遊技者に選択権を与えることが可能になるといった、新たな遊技性を備えた遊技機を提供することが可能となる。
なお、「前記第1抽選が行われたときよりも高い確率で前記特定の条件が成立するように前記第2抽選を行う」とは、第1抽選が行われたときに、特定の条件が成立すること(例えば、小当りに当選すること)は必須ではない。例えば、第1抽選は、特定の条件が成立したか否かの判定を行うものの特定の条件が成立する確率が0の態様(例えば、小当り抽選を行うものの小当りの当選確率が0の態様)、及び、特定の条件が成立したか否かの判定自体を行わない態様(例えば、小当り抽選自体を行わない態様)の両方を含む。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記第2始動口への遊技球の受け入れが相対的に容易な遊技状態において、前記通常の態様で遊技球が発射されたときと前記特定の態様で遊技球が発射されたときとで、単位時間あたりの前記発射球数に対する賞球数または賞球データ数の比率が略同じとなるように構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、通常の態様で遊技球が発射されたときと特定の態様で遊技球が発射されたときとで、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の比率が略同じであるから、遊技者は、有利不利を考慮することなく、自らの所望により、遊技球の発射態様を決めることが可能となる。
(1)付記63−25の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して行われる遊技の結果として賞球または賞球データが付与されうる遊技機であって、
遊技領域に向けて特定の態様で発射された遊技球を受け入れ可能な第1始動口(例えば、図282の第一始動口5443)と、
前記第1始動口への遊技球の受け入れに基づいて第1抽選(例えば、第1特別抽選)を行う第1抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1抽選手段の結果に基づいて第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1抽選の結果を導出する第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1始動口に受け入れられなかった遊技球を受け入れ可能であり、遊技球が受け入れられると所定数の賞球または賞球データが付与される特定入賞口(例えば、図282の小当り入賞口5400)と、
遊技領域に向けて前記特定の態様(例えば、右打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第2始動口(例えば、図282の第二始動口440)と、
前記第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて第2抽選を行う第2抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果を導出する第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
少なくとも前記第1特別図柄の可変表示が行われて特別の結果(例えば、「大当り」)が導出されると、遊技者に有利な特別遊技の実行条件である第1の条件(例えば、条件装置の作動)および第2の条件(例えば、役物連続作動装置の作動)のうち、前記第1の条件のみを成立させる第1条件成立手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1の条件が成立したことに基づいて前記遊技球の進入を可能とし、当該進入した遊技球を、一時的に滞留させることが可能な一時滞留手段(例えば、図282の役物装置3500)と、
前記一時滞留手段に滞留する遊技球を受け入れ可能な特定口(例えば、図282の特定口3540)と、
前記特定口に遊技球が受け入れられると、前記第2の条件を成立させる第2条件成立手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1の条件が成立し且つ前記第2の条件が成立したことに基づいて、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第2特別図柄の可変表示が行われて特定の条件が成立したとき(例えば、「小当り」である旨の結果が導出されたとき)には、特定可動部材(例えば、図282の小当り用シャッタ6100)を作動させて、前記特定入賞口への受け入れが容易となる特定遊技を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1始動口への遊技球の受け入れが容易となる第1状態(例えば、「高確時短遊技状態」)と、当該第1状態よりも前記第1始動口への遊技球の受け入れが困難であるかまたは不可能な第2状態(例えば、「高確非時短遊技状態」)とのうちいずれかに制御可能な状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
を備え、
前記状態制御手段は、前記第1状態において所定条件が成立すると(例えば、決定された時短回数の時短遊技が消化されると)、当該第1状態から前記第2状態に状態を移行させることが可能に構成されており、
前記第1始動口への遊技球の受け入れに基づいて前記第1の条件が成立してから前記第2の条件が成立するまでの間であって且つ前記第2状態において、前記第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて前記特定遊技が実行されたとき、前記特定の態様で発射された遊技球が前記特定入賞口に受け入れ容易となることで単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が高められるように構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1始動口への遊技球の受け入れが容易となる第1状態では、特定可動部材が作動していたとしても、特定の態様で発射された遊技球が特定入賞口に受け入れられる可能性がないかまたは低い。一方、第1始動口への遊技球の受け入れが困難であるかまたは不可能な第2状態では、特定可動部材が作動していれば特定の態様で発射された遊技球が特定入賞口に受け入れられうる。また、第1特別図柄の可変表示が行われて特別の結果が導出されたことによって第1の条件が成立している状態では、たとえ第2始動口に遊技球が受け入れられたとしても特別の結果が導出されることなく、特定の条件が成立しうるように第2特別図柄の可変表示が行われる。そのため、第1始動口への遊技球の受け入れに基づいて第1の条件が成立すると、第2の条件が成立するまでの間、第2状態であることを条件に、第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて特定遊技が実行されると賞球または賞球データを獲得し放題となり、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値を高めることが可能になるといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
なお、上記(1)の遊技機では、第2特別図柄の可変表示が行われて特定の条件が成立したときに特定遊技が実行されるようにしているが、第1特別図柄の可変表示が行われたときに、第2特別図柄の可変表示が行われて特定遊技が実行される確率(例えば、5分の1)よりも極めて低い確率(例えば、320分の1)で特定遊技が実行される態様を排除する趣旨ではない。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
少なくとも前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンが用意された複数のテーブルを記憶する記憶手段(例えば、メインROM102)と、
少なくとも前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを、前記複数のテーブルのうちいずれかのテーブルを参照して決定する可変表示パターン決定手段(例えば、メインCPU101)と、
をさらに備え、
前記記憶手段は、
前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンの決定に用いるテーブルとして、
単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が相対的に小さい複数の可変表示パターンが用意された第1テーブル(例えば、図258の低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブル)、および
単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が相対的に大きい複数の可変表示パターンが用意された第2テーブル(例えば、図259の高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブル)、
を少なくとも記憶しており、
前記可変表示パターン決定手段は、
通常の遊技状態(例えば、「通常の遊技状態」)では前記第1テーブルを参照して前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを決定し、前記特別遊技が実行されたのちの遊技状態(例えば、「高確時短遊技状態」、「高確非時短遊技状態」)では前記第2テーブルを参照して前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを決定可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、通常の遊技状態では、第1テーブルを参照して第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンが決定されるため、相対的に長時間にわたって第2特別図柄の変動時間が行われる。一方、特別遊技が実行されたのちの遊技状態では、第2テーブルを参照して第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンが決定されるため、相対的に短時間の第2特別図柄の変動表示が行われる。そのため、特別遊技が実行されたのちの遊技状態では通常の遊技状態と比べて小当り遊技の実行頻度を高めることができるとともに、通常の遊技状態では小当り遊技の実行頻度を抑制することが可能となる。そして、特別遊技が実行されたのちの遊技状態において第1の条件が成立すると、第2の条件が成立するまでの間、第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて特定遊技が実行されることにより賞球または賞球データを獲得し放題の状態とすることができ、興趣を高めることが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記一時滞留手段は、
前記進入した遊技球を一時的に滞留させる時間が都度異なりうるように構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、遊技球が滞留手段に滞留される時間が都度異なりうる。すなわち、第1の条件が成立したのち、第2の条件が成立するまでの時間が都度異なるため、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が大きい状態がどこまで続くか遊技者が予想することが困難となり、さらに遊技興趣を高めることが可能となる。
(1)付記63−26の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して行われる遊技の結果として賞球または賞球データが付与されうる遊技機であって、
遊技領域に向けて発射された遊技球を受け入れ可能な第1始動口(例えば、図281の第一始動口5442)と、
前記第1始動口への遊技球の受け入れに基づいて第1抽選(例えば、第1特別抽選)を行う第1抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1抽選手段の結果に基づいて第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1抽選の結果を導出する第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球を受け入れ可能な第2始動口(例えば、図281の第二始動口440)と、
前記第2始動口への遊技球の受け入れに基づいて第2抽選(例えば、第2特別抽選)を行う第2抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果を導出する第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
少なくとも前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンが用意された複数のテーブルを記憶する記憶手段(例えば、メインROM102)と、
少なくとも前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを、前記複数のテーブルのうちいずれかのテーブルを参照して決定する可変表示パターン決定手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果(例えば、「大当り」)が導出されると、遊技者に有利な特別遊技の実行条件である第1の条件(例えば、条件装置の作動)および第2の条件(例えば、役物連続作動装置の作動)のうち、前記第1の条件のみを成立させる第1条件成立手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1の条件が成立したことに基づいて前記遊技球の進入を可能とし、当該進入した遊技球を、一時的に滞留させることが可能な一時滞留手段(例えば、図281の役物装置3500)と、
前記一時滞留手段に滞留する遊技球を受け入れ可能な特定口(例えば、図281の特定口3540)と、
前記特定口に遊技球が受け入れられると、前記第2の条件を成立させる第2条件成立手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1の条件が成立し且つ前記第2の条件が成立したことに基づいて、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第2特別図柄の可変表示が行われて特定の条件が成立したとき(例えば、「小当り」である旨の結果が導出されたとき)には、特定可動部材(例えば、図281の小当り用シャッタ6100)を作動させて、遊技球が受け入れられると所定数の賞球または賞球データが付与される特定入賞口(例えば、図281の小当り入賞口5400)への受け入れが容易となる特定遊技を実行する特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
を備え、
前記記憶手段は、
前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンの決定に用いるテーブルとして、
単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が相対的に小さい複数の可変表示パターンが用意された第1テーブル(例えば、図258の低スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブル)、および
単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が相対的に大きい複数の可変表示パターンが用意された第2テーブル(例えば、図259の高スタート用の特別図柄の変動時間決定テーブル)、
を少なくとも記憶しており、
前記可変表示パターン決定手段は、
通常の遊技状態において、前記第1テーブルを参照して前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを決定可能な第1パターン決定手段(例えば、メインCPU101)、及び
少なくとも前記第1の条件が成立してから前記第2の条件が成立するまでの間、前記第2テーブルを参照して前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを決定可能な第2パターン決定手段(例えば、メインCPU101)、
を有し、
前記第1始動口への遊技球の受け入れに基づいて前記第1の条件が成立してから前記第2の条件が成立するまでの間、前記第2始動口への遊技球の受け入れに基づく前記特定遊技の実行頻度を高めることで単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が高められるように構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、通常の遊技状態では、第1テーブルを参照して第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンが決定されるため、相対的に長時間にわたって第2特別図柄の変動時間が行われる。一方、第1の条件が成立してから第2の条件が成立するまでの間は、第2テーブルを参照して第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンが決定されるため、相対的に短時間の第2特別図柄の変動表示が行われる。そのため、第1始動口への遊技球の受け入れに基づいて第1の条件が成立すると、相対的に短時間の第2特別図柄の変動表示が行われるため、第2の条件が成立するまでの間、第2始動口への遊技球の受け入れに基づく特定遊技の実行頻度が高められ、賞球または賞球データを獲得し放題となり、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値を高めることが可能になるといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
なお、上記(1)の遊技機では、第2特別図柄の可変表示が行われて特定の条件が成立したときに特定遊技が実行されるようにしているが、第1特別図柄の可変表示が行われたときに、第2特別図柄の可変表示が行われて特定遊技が実行される確率(例えば、5分の1)よりも極めて低い確率(例えば、320分の1)で特定遊技が実行される態様を排除する趣旨ではない。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記一時滞留手段は、
前記進入した遊技球を一時的に滞留させる時間が都度異なりうるように構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、遊技球が滞留手段に滞留される時間が都度異なりうる。すなわち、第1の条件が成立したのち、第2の条件が成立するまでの時間が都度異なるため、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数または賞球データ数の期待値が大きい状態がどこまで続くか遊技者が予想することが困難となり、さらに遊技興趣を高めることが可能となる。
付記63−1〜付記63−26の各発明によれば、新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
[付記64−1〜付記64−4]
従来より、一般入賞口や始動口など、各種入賞装置が遊技領域に設けられた遊技機が知られている。遊技球に向けて発射された遊技球が各種入賞装置に入賞すると、入賞した入賞装置に応じた賞球が払い出される。
この種の遊技機として、特定の領域に発射された遊技球のうち、所定の入球口に入球した遊技球を、第1の場所又は第2の場所に向けて振り分けて放出する振分装置を備え、第1の場所に向けて放出されたときと第2の場所に向けて放出されたときとで得られる利益が異なる遊技機が開示されている(例えば、特開2015−047336号公報参照)。
特開2015−047336号公報に記載の遊技機によれば、第1の場所に向けて放出されたときと第2の場所に向けて放出されたときとで得られる利益の大きさを異ならせことができ、振分装置により放出される遊技球の流下ルート振り分けに加えて利益の振り分けまでをも実現できる。
しかし、近年、さらに新たな遊技性を備える遊技機が望まれている。
付記64−1〜付記64−4の各発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、新たな遊技性を備える遊技機を提供することにある。
(1)付記64−1の遊技機は、
遊技領域が形成される遊技盤(例えば、透明パネル172)と、
遊技球が転動可能な転動面(例えば、図283のシャッタ6020の上面)を有し、前記遊技盤よりも前記転動面が後方に位置する通常位置(例えば、図283の大入賞口5401が閉鎖態様)と、前記遊技盤よりも前記転動面が前方に位置する進出位置(例えば、図283の大入賞口5401が開放態様)との間を作動可能に構成される特別可動部材(例えば、図282のシャッタ6020)と、
前記特別可動部材が前記進出位置に向けて作動すると、前記転動面を転動する遊技球が受け入れられうる特別入賞口(例えば、図283の大入賞口5401)と、
前記特別入賞口に受け入れられなかった遊技球の流下経路である第1の流下経路(例えば、図283の第1流下経路5901)および第2の流下経路(例えば、図283の第2流下経路5902)と、
前記第1の流下経路を流下する遊技球を受け入れ可能な排出口(例えば、図283のアウト口57)と、
前記第2の流下経路を流下する遊技球を受け入れ可能な普通入賞口(例えば、図283の一般入賞口560)と、
前記排出口に遊技球が受け入れられたときは賞球または賞球データを付与せず、少なくとも前記特別入賞口または前記普通入賞口に遊技球が受け入れられると、前記特別入賞口および前記普通入賞口それぞれに規定された量の賞球または賞球データを付与可能な賞付与手段(例えば、メインCPU101からの指令により賞球を払い出す払出・発射制御回路300を)と、
遊技の結果として特別の結果が導出されると、前記特別可動部材を前記通常位置と前記進出位置との間を作動させるラウンド遊技を行うことで、前記特別入賞口への遊技球の受け入れが容易となる特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
を備え、
前記特別可動部材が前記通常位置にあるときは、前記遊技領域を流下する遊技球が前記第1の流下経路を流下するとともに、
前記転動面を遊技球が転動している状態で前記特別可動部材が前記進出位置から前記通常位置に向けて作動したときは、前記転動面を転動する遊技球が前記第2の流下経路を流下可能に構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特別可動部材の転動面を転動している状態で特別可動部材が進出位置から通常位置に向けて作動すると、転動面を転動している遊技球が第2流下経路を流下可能に構成されている。また、第2流下経路を流下した遊技球は、全部又は殆どが普通入賞口に入賞するように構成されている。このように、各種構造部材の配置位置を工夫するだけで、ラウンド遊技が行われる都度、普通入賞口への入賞に基づいて賞球または賞球データが付与されうるといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。また、特別遊技が実行されたときに、特別入賞口への入賞に基づいて付与される賞球または賞球データに加えて、普通入賞口への入賞に基づいて賞球または賞球データが付与されるため、遊技興趣を高めることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特別遊技実行手段は、
前記特別可動部材を前記通常位置と前記進出位置との間を作動させるラウンド遊技を、複数のラウンド遊技にわたって実行するものであるとともに、
前記複数のラウンド遊技のうち少なくとも一のラウンド遊技において、前記転動面を転動する遊技球が前記第2の流下経路を流下する機会が複数回付与可能となるように、前記通常位置と前記進出位置との間を複数回にわたって作動させるよう構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、上記一のラウンド遊技において、転動面を転動する遊技球が第2の流下経路を流下する機会が複数回付与されるため、普通入賞口への入賞に基づいて付与される賞球数または賞球データ数が増えうることとなり、遊技興趣をさらに高めることが可能となる。
(1)付記64−2の遊技機は、
遊技領域が形成される遊技盤(例えば、透明パネル172)と、
遊技球が転動可能な転動面(例えば、図284のシャッタ6020の上面)を有し、前記遊技盤よりも前記転動面が後方に位置する通常位置(例えば、図284の大入賞口5401が閉鎖態様)と、前記遊技盤よりも前記転動面が前方に位置する進出位置(例えば、図284の大入賞口5401が開放態様)との間を作動可能に構成される特別可動部材(例えば、図284のシャッタ6020)と、
前記特別可動部材が前記進出位置に向けて作動すると、前記転動面を転動する遊技球が受け入れられうる特別入賞口(例えば、図284の大入賞口5401)と、
前記特別入賞口に受け入れられなかった遊技球の流下経路である第1の流下経路(例えば、図284の第1流下経路5903)および第2の流下経路(例えば、図284の第2流下経路5904)と、
所定の可動部材(例えば、可動部材5602)が作動すると、前記第1の流下経路を流下する遊技球を受け入れ可能となる一般入賞口(例えば、一般入賞口560)と、
少なくとも前記特別入賞口または前記一般入賞口に遊技球が受け入れられると、前記特別入賞口および前記一般入賞口それぞれに規定された量の賞球または賞球データを付与可能な賞付与手段(例えば、メインCPU101からの指令により賞球を払い出す払出・発射制御回路300を)と、
遊技の結果として特別の結果が導出されると、前記特別可動部材を前記通常位置と前記進出位置との間を作動させるラウンド遊技を、複数ラウンドにわたって行うことで、前記特別入賞口への遊技球の受け入れが容易となる特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第2の流下経路を流下する遊技球が通過可能な普通領域(例えば、図284の通過ゲート49)と、
前記普通領域への遊技球の通過に基づいて前記所定の可動部材を作動させることが可能であり、当該所定の可動部材を作動させることにより前記一般入賞口への遊技球の受け入れを可能にする可動制御手段(例えば、メインCPU101)と、
を備え、
前記特別可動部材が前記通常位置にあるときは、前記遊技領域を流下する遊技球が前記第1の流下経路を流下することで前記普通領域には到達しないよう構成されるとともに、
前記転動面を遊技球が転動している状態で前記特別可動部材が前記進出位置から前記通常位置に向けて作動したときは、前記転動面を転動する遊技球が前記第2の流下経路を流下することで前記普通領域に到達可能に構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特別可動部材が進出位置から通常位置に向けて作動したとき、転動面を転動する遊技球が第2の流下経路を流下して普通領域を通過するため、ラウンド遊技とラウンド遊技との間に、一般入賞口が開放態様となるように、可動部材が作動する。すなわち、少なくとも可動部材の作動により一般入賞口が開放態様となっている間は、特別入賞口が閉鎖態様となるため、右打ちされた遊技球が第1流下経路を流下し、その全部または殆どが一般入賞口に入賞する。このように、各種構造部材の配置位置を工夫するだけで、特別入賞口への入賞に基づいて払い出される賞球または賞球データに加えて、一般入賞口への入賞に基づいて賞球または賞球データが付与されるといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。また、特別遊技が実行されたときに、特別入賞口への入賞に基づいて付与される賞球または賞球データに加えて、一般入賞口への入賞に基づいて賞球または賞球データが付与されるため、遊技興趣を高めることが可能となる。
(1)付記64−3の遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能な普通始動領域(例えば、図285の通過ゲート49)と、
前記普通始動領域への遊技球の通過に基づいて、普通始動記憶を所定数まで保留する普通保留手段(例えば、メインCPU101)と、
普通始動条件が成立したことに基づいて、必ずまたは大略が所定の結果となるように前記普通始動記憶についての普通抽選を行う普通抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
普通図柄の可変表示を行い、前記普通抽選の結果を導出する普通図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
所定の可動部材(例えば、図285の可動部材5602)が作動することにより、遊技球の受け入れが不可能な閉鎖態様と遊技球の受け入れが可能な開放態様とに変更可能な一般入賞口(例えば、図285の一般入賞口560)と、
前記所定の可動部材の作動パターンとして複数の作動パターンを記憶する記憶手段(例えば、メインROM102)と、
前記普通図柄の可変表示が行われて所定の結果(例えば、当り)が導出されると、前記複数の作動パターンのうちいずれかの作動パターンで前記所定の可動部材を作動させて、前記閉鎖態様から前記可能な開放態様に変更可能な可動制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記一般入賞口が前記開放態様であるときは遊技球がほぼ受け入れられず、前記一般入賞口が前記閉鎖態様となって当該一般入賞口に受け入れられなかった遊技球に限り受け入れ可能な特別始動口(例えば、第二始動口440)と、
前記特別始動口への遊技球の受け入れに基づいて、大略が特定の結果(例えば、小当り)となるように特別抽選を行う特別抽選手段と、
特別図柄の可変表示を行い、前記特別抽選の結果を導出する特別図柄可変制御手段と、
前記特別図柄の可変表示が行われて特定の結果が導出されると、特定の可動部材(例えば、図285の開閉部材5603)を作動させて、遊技球の受け入れが可能となる特定入賞口(例えば、特定口777)と、
前記特定入賞口に遊技球が受け入れられたことに基づいて、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
を備え、
前記普通始動条件は、
前記普通保留手段に前記普通始動記憶が保留されている限り、前記一般入賞口が前記閉鎖態様になったことを条件に成立するものであり、
前記記憶手段は、
前記所定の結果が導出されてから前記一般入賞口が前記開放態様となるまでのオープニング時間と、前記一般入賞口が前記閉鎖態様になってから前記普通始動条件が成立するまでのエンディング時間とのいずれもが相対的に短い通常作動パターン(例えば、第1パターン)、および
前記オープニング時間と前記エンディング時間とのうち少なくともいずれか一方が相対的に長い特別作動パターン(例えば、第2パターン)
を少なくとも記憶しており、
前記可動制御手段は、
常には、前記通常作動パターンで前記所定の可動部材を作動させることにより、前記特別始動口への遊技球の受け入れを阻害し、特別条件が成立したとき(例えば、普通図柄の変動パターンが第2パターンに決定されたとき)に限り、前記特別作動パターンで前記所定の可動部材を作動させることにより、前記遊技球が前記特別始動口に受け入れられるようにして前記特定入賞口への遊技球の受け入れを可能ならしめる
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、普通抽選では必ずまたは大略が所定の結果となるため、一般入賞口は、オープニング時間およびエンディング時間を除いてほぼフルオープン状態となる。一般入賞口が開放態様であるときは、ほぼ全部の遊技球が一般入賞口に遊技球が受け入れられるため、特別始動口への遊技球の受け入れが阻害される。ただし、特定条件が成立したときは、所定の可動部材が、オープニング時間とエンディング時間とのうち少なくともいずれか一方が相対的に長い特別作動パターンで作動するため、その間一般入賞口が閉鎖態様となり、特別始動口への遊技球の受け入れが可能となる。そして、特別始動口への遊技球の受け入れに基づいて特定の可動部材が作動し、特定入賞口への遊技球の受け入れが可能となり、特別遊技が実行されるといった、これまでにない新たな遊技性で遊技を行うことが可能となる。
(1)付記64−4の遊技機は、
所定の可動部材(例えば、図286のシャッタ6310)が作動すると、遊技領域に向けて特定の態様(例えば、右打ち)で発射された遊技球を受け入れ可能な第1特別始動口(例えば、図286の第一始動口5443)と、
所定条件が成立したこと(例えば、普通図柄判定の結果が当りであること)に基づいて、前記所定の可動部材を作動させて前記第1特別始動口への遊技球の受け入れを容易にする可動制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別始動口への遊技球の受け入れに基づいて、第1抽選(例えば、第1特別抽選)を行うことが可能な第1抽選手段と(例えば、メインCPU101)、
第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別始動口に受け入れられなかった遊技球に限り受け入れ可能に構成される第2特別始動口(例えば、図286の第二始動口440)と、
前記第2特別始動口への遊技球の受け入れに基づいて、第2抽選(例えば、第1特別抽選)を行うことが可能な第2抽選手段(例えば、メインCPU101)と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特別遊技の実行中に特定条件が成立すると(確変アタッカーに進入すると)、前記特別遊技が終了したのちの遊技状態を、前記特別結果の導出確率が高められる特定遊技状態(例えば、高確時短遊技状態)に制御する特定遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1特別始動口への遊技球の受け入れが相対的に容易な第1状態(例えば、電サポ状態)と、前記第1特別始動口への遊技球の受け入れが相対的に困難な第2状態(例えば、非電サポ状態)とのち、いずれかに制御可能な状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
を備え、
前記特別遊技の実行中において前記特定条件が成立する期待値(例えば、確変アタッカーへの進入の容易さ)は、前記第1抽選が行われたときと前記第2抽選が行われたときとで異なるように構成されており、
前記状態制御手段により前記第1状態(例えば、高確時短遊技状態)に制御されているときは、前記第1特別始動口への遊技球の受け入れが相対的に容易となることで、前記第2特別始動口への遊技球の受け入れが前記第1特別始動口よりも困難であるとともに、
前記状態制御手段により前記第2状態(例えば、高確非時短遊技状態)に制御されているときは、前記第1特別始動口への遊技球の受け入れが相対的に困難となることで、前記第2特別始動口への遊技球の受け入れが前記第1状態よりも容易となる
ように構成されてなることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技領域に向けた遊技球の発射態様を変えることなく、特別結果の導出確率が高められる特定遊技状態に制御される確率を変えることができるといった、新たなゲーム性を提供することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特別遊技の実行中において前記特定条件が成立する期待値は、前記第1抽選が行われたときよりも前記第2抽選が行われたときの方が高くなるように構成されており、
前記状態制御手段は、
前記第1状態において特別図柄の可変表示が規定回数(例えば、24回、30回、36回、42回、48回及び100回)行われると、当該第1状態から前記第2状態に移行させる制御を実行可能な状態移行制御手段を有する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第2特別始動口への遊技球の受け入れが第1特別始動口よりも困難な第1状態において特別図柄の可変表示が規定回数行われると、第2特別始動口への遊技球の受け入れが第1状態よりも容易となる第2状態に移行される。すなわち、第1状態から第2状態に移行されると、第1状態と比べて第2抽選が行われる頻度が高くなる。特別遊技の実行中において特定条件が成立する期待値は、第1抽選が行われたときよりも第2抽選が行われたときの方が高いため、第1状態において特別結果がなかなか導出されなかったとしても、遊技者を落胆させることなくかえって興趣が高められることとなる。
付記64−1〜付記64−4の各発明によれば、新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
[その他の拡張例等]
なお、本実施の形態及び他の実施の形態に記載された全ての発明は、その発明の趣旨を逸脱しない範囲で、パチンコ機、ゲームマシン、スロットマシンその他の全ての遊技機において適用することができる。
また、上記の付記を含め、上述の各実施形態、各実施例及び各変形例は例示である。各実施形態、各実施例及び各変形例で示した各構成を、他の実施形態、他の実施例及び他の変形例において部分的に置換したり組み合わせたりすることが可能であることは言うまでもない。すなわち、各実施形態、各実施例及び各変形例に記載の各構成要素は、互いに任意に組み合わせることが可能である。