JP2019215204A - 粘度特性評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 温度変化を伴う成形の流動解析に利用することができる粘度特性を、温度依存性を含めて好適に評価することができる粘度特性評価方法を提供する。【解決手段】 本発明の粘度特性評価方法は、圧縮試験装置の加圧面と板状の試料の初期温度が等しい状態で、前記試料を複数の温度で圧縮して変位と荷重の関係を計測する第1計測工程と、圧縮試験装置の加圧面と板状の試料の初期温度が異なる状態で、前記試料を圧縮して変位と荷重の関係を計測する第2計測工程と、前記第1計測工程から得られる流動挙動における変位速度依存性と温度依存性を、前記第2計測工程における流動挙動に適用し、求めたモデル変位挙動と前記第2計測工程から得られる変位挙動とを比較することで、前記試料の粘度特性を決定する評価工程と、を含む。【選択図】 図10
Description
本発明は、圧縮試験装置を用いて行なう板状の試料の粘度特性評価方法に関し、特に炭素繊維テープ積層型の炭素繊維強化複合材料の圧縮挙動における粘度特性の評価方法として有用である。
炭素繊維強化複合材料であるCTT(Chopped carbon fiber Tape reinforced Thermoplastics)は、樹脂を含浸させた炭素繊維テープを積層した中間基材であり、成形法にはスタンピング成形が用いられている。スタンピング成形では、CTTの基材を赤外線ヒーターであらかじめ加熱した後、金型内に投入し圧縮成形するが、成形中に成形体の冷却過程を伴う(図1参照)。
CTTは炭素繊維含有率が50体積%と高充填であるが、テープが積層した構造のため流動性が良く、実部材のような複雑な形状においても成形しやすいことが特徴である。しかし、全長が1mを超える大型部材を成形する場合は、中間基材の大きさに制限があるため、金型内に複数の中間基材を配置する必要がある。
基材の初期配置は、様々な配置パターンが考えられるが、充填/未充填を左右するキーポイントであり、現在は試行錯誤により決定されているため、時間やコストに問題がある。この問題を解消するために、成形解析によって充填可能な初期配置を予測できれば、成形解析による予測は非常に有用な手段となる。
また、樹脂の流動挙動等を最適化した金型構造の設計は、樹脂成形品の製品品質にとって重要な因子である。従来、金型構造の決定は、熟練者の経験則を元に試行錯誤を繰り返すことにより行われていた。
しかしながら、最近のコンピュータ技術の進展に伴い、流動性樹脂を成形する際の、樹脂の流動挙動をコンピュータシミュレーションにより解析できるようになってきている。即ち、樹脂成形の金型設計や成形条件を検討する際に、樹脂の成形解析を行い、金型設計や成形条件等の最適化を検討することが実用化されている。
成形解析には材料の物性が必要となるが、CTTのせん断粘度やその温度依存性については測定方法が未だ確立されていない。一般的なキャピラリーレオメーターによる粘度測定については、テープ形状を有し炭素繊維が高充填されたCTTでは、細い管内を流すことができないという問題がある。
また、回転式レオメーターによる粘度測定では、炭素繊維テープの積層構造を有するCTTはテープ界面の影響が大きいため、成形時の挙動とは異なるという懸念がある。したがって、実際のスタンピング成形と同じ圧縮挙動から、せん断粘度を測定することが望ましい。
このように、圧縮挙動から粘度特性を評価する方法としては、例えば特許文献1のように、圧縮試験装置を用いて、一定温度における圧縮荷重と圧縮変位の速度とから粘度特性を評価する方法が知られている。また、特許文献2には、レーザ変位計を用いて圧縮変位を計測し、得られた変位データから一定温度におけるせん断速度と粘度を算出する流動性評価方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1のように、一定温度下で粘度特性を評価する方法や、特許文献2のように、一定温度下でせん断速度と粘度を算出する流動性の評価方法では、試料の粘度特性等の温度依存性を決定できないという問題がある。このため、成形体の冷却を伴うスタンピング成形の流動挙動を、コンピュータシミュレーションにより解析する際に、これらの評価方法で得られた粘度特性等を利用することが困難であった。
そこで、本発明の目的は、温度変化を伴う成形の流動解析に利用することができる粘度特性を、温度依存性を含めて好適に評価することができる粘度特性評価方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の如き本発明により達成することができる。
すなわち、本発明の粘度特性評価方法は、圧縮試験装置の加圧面と板状の試料の初期温度が等しい状態で、前記試料を複数の温度で圧縮して変位と荷重の関係を計測する第1計測工程と、圧縮試験装置の加圧面と板状の試料の初期温度が異なる状態で、前記試料を圧縮して変位と荷重の関係を計測する第2計測工程と、前記第1計測工程から得られる流動挙動における変位速度依存性と温度依存性を、前記第2計測工程における流動挙動に適用し、求めたモデル変位挙動と前記第2計測工程から得られる変位挙動とを比較することで、前記試料の粘度特性を決定する評価工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の粘度特性評価方法によると、第1計測工程において、試料が温度変化しにくい状態で、複数の温度で圧縮して変位と荷重の関係を計測するため、各温度でのひずみ速度と粘度の関係から、速度依存性と温度依存性のパラメータを同定することができる。また、第2計測工程において、圧縮試験装置の加圧面と板状の試料の初期温度が異なる状態で圧縮して変位と荷重の関係を計測することで、温度変化を伴う圧縮過程での流動挙動を計測できる。更に、評価工程において、上記パラメータを適用して求めたモデル変位挙動と第2計測工程から得られる変位挙動とを比較することで、温度依存性を有する粘度特性を決定することができる。
上記において、前記評価工程が、粘度特性として剪断粘度式を決定するものであり、前記第2計測工程における流動挙動を数値流体力学で解析して、前記剪断粘度式における剪断ひずみ速度を決定すると共に、前記剪断粘度式により求めた応力から前記モデル変位挙動の変位と荷重の関係とを決定する解析工程を含むことが好ましい。解析工程により剪断粘度式における剪断ひずみ速度を決定すると共に、前記剪断粘度式により求めた応力から前記モデル変位挙動の変位と荷重の関係とを決定することで、粘度特性として剪断粘度式を決定することができる。このため、スタンピング成形のように、せん断の影響が大きい流動挙動を解析する際に有用な粘度特性評価方法となる。
また、前記第1計測工程において、前記試料と前記加圧面の間にシリコーンオイルを塗布し、前記試料の熱変形温度以上の温度で圧縮して、伸長流動を生じさせることが好ましい。第1計測工程で伸長流動を生じさせることで、伸長粘度に対するひずみ速度依存性と温度依存性のパラメータを簡易に同定することができる。
その際、前記変位速度依存性と前記温度依存性を、前記第1計測工程から得られる流動挙動の降伏点に基づいて決定することが好ましい。この降伏点を利用することで、せん断の影響を受け始める前の伸長流動における降伏応力を求めることができ、降伏応力とひずみ速度から、剪断の影響を最小にした状態で、伸長粘度を計算することができる。
また、前記試料が円板状の形状を有し、直径と厚みの比率(直径/厚み)が5以上であることが好ましい。試料が円板状の形状を有することで、試料の圧縮過程で均一な広がりが生じ易く、上記の解析工程等が行ない易くなる。また、比率(直径/厚み)が5以上であると、実際の成形に近い流動挙動を示すので、より実用的な粘度特性評価方法となる。
更に、前記変位速度依存性と前記温度依存性の両方が、前記第2計測工程における流動挙動の剪断粘度の温度依存性と剪断速度依存性と等しいとして前記評価工程が行なわれることが好ましい。これにより、前記変位速度依存性と前記温度依存性を第2計測工程における流動挙動に適用したモデル変位挙動を、より簡易に求めることができる。
また、前記第2計測工程において、予め熱変形温度以上に加熱した前記試料を用いて、前記試料の熱変形温度以下の加圧面で圧縮することで、前記試料を冷却しつつ圧縮することが好ましい。これにより、スタンピング成形のように、冷却・固化を伴う成形における流動挙動を解析する際に有用な粘度特性評価方法となる。
本発明は、以上のような作用効果を奏するため、前記試料が熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂、及び強化繊維を含有する場合に、特に有効である。
本発明の粘度特性評価方法によると、温度変化を伴う成形の流動解析に利用することができる粘度特性を、温度依存性を含めて好適に評価することができる。
(本実施形態)
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しつつ説明する。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しつつ説明する。
本発明の粘度特性評価方法は、圧縮試験装置の加圧面と板状の試料の初期温度が等しい状態で、前記試料を複数の温度で圧縮して変位と荷重の関係を計測する第1計測工程と、圧縮試験装置の加圧面と板状の試料の初期温度が異なる状態で、前記試料を圧縮して変位と荷重の関係を計測する第2計測工程とを、含むものである。
これらの計測工程は、スタンピング成形等の基材の圧縮を伴う成形工程における流動挙動を、解析するために計測を行なうものである。このため、圧縮を伴う成形工程における金型壁面の境界条件による流動挙動について述べる。図2に示すように、基材と金型壁面で発生するせん断の影響をできるだけ排除した条件では、基材は圧縮により一様に変形するため、伸長流による流動挙動となる。一方、図3に示すように、金型壁面で基材の速度がゼロとなる条件では、せん断流が支配的な流動挙動となる。図1に示すような、実際のスタンピング成形では、後者の流動挙動又はこれに近い挙動となる。
本発明の粘度特性評価方法では、上記の流動挙動を利用した圧縮試験からCTTのせん断粘度を決定することができる。具体的には、第1及び第2計測工程では、圧縮試験専用に作成した熱盤を圧縮試験機の加圧面に設置し、CTTの圧縮を実施した。CTTの試料形状は、直径80mm、厚さ6mmの円盤状(比率(直径/厚み)=13.3)の試料を使用した。圧縮試験は等温下における第1計測工程と、非等温下における第2計測工程とを実施した。
第1計測工程における等温圧縮試験の概略図を図4に示した。熱盤と基材表面には、せん断の影響をできるだけ排除するように、潤滑剤としてシリコーンオイル(動粘度:100、000cSt)を塗布した。このように、第1計測工程では、伸長流動を生じさせることが好ましい。
潤滑剤を使用した圧縮試験(二軸伸長粘度測定)は、壁面を潤滑させた場合、円盤状の試料の一軸圧縮が等二軸伸長に対応することを利用した試験法である。圧縮試験は、試料の熱変形温度以上である180oC、200oC、220oCで実施した。また、圧縮速度は3mm/min、10mm/min、60mm/minである。
第2計測工程における非等温圧縮試験は、実際のスタンピング成形を模擬した圧縮試験である。図5に概略図を示した。基材は熱盤に設置する前に、赤外線ヒーターを用いて設定温度になるまで加熱した。基材温度は208oC、熱盤温度は130oCである。つまり、第2計測工程では、予め熱変形温度以上に加熱した試料を用いて、その熱変形温度以下の加圧面で圧縮することで、試料を冷却しつつ圧縮している。第2計測工程では、加熱した基材を一定の圧縮速度(60mm/min)で圧縮し、荷重が15tonに達するまで圧縮した。
本発明における評価工程は、前記第1計測工程から得られる流動挙動における変位速度依存性と温度依存性を、前記第2計測工程における流動挙動に適用し、求めたモデル変位挙動と前記第2計測工程から得られる変位挙動とを比較することで、前記試料の粘度特性を決定するものである。
第1計測工程における等温圧縮試験から得られた荷重−変位曲線を図6に示した。圧縮速度が速くなるにしたがって、荷重が高くなる傾向がみられた。図7に第1計測工程における応力−ひずみ曲線を示した。図から分かるように、圧縮を進めると降伏応力がみられた。本実施形態では、第1計測工程から得られる流動挙動の降伏点に基づいて、パラメータを決定する。
式1に従って降伏応力から伸長粘度を求め、各測定温度で圧縮ひずみ速度に対して伸長粘度をプロットすると、図8に示すようになる。なお、CTTは体積一定と仮定した。潤滑剤を使用した等温圧縮試験から、CTTの伸長粘度が得られた。つまり、降伏点に基づいて、前記伸長粘度の変位速度依存性(ひずみ速度依存性を含む)と温度依存性を決定できる。なお、第2計測工程における非等温圧縮試験から得られた荷重−変位曲線を図9に示した。
式1に従って降伏応力から伸長粘度を求め、各測定温度で圧縮ひずみ速度に対して伸長粘度をプロットすると、図8に示すようになる。なお、CTTは体積一定と仮定した。潤滑剤を使用した等温圧縮試験から、CTTの伸長粘度が得られた。つまり、降伏点に基づいて、前記伸長粘度の変位速度依存性(ひずみ速度依存性を含む)と温度依存性を決定できる。なお、第2計測工程における非等温圧縮試験から得られた荷重−変位曲線を図9に示した。
[式1]
CTTのせん断粘度を同定する手段として、第1計測工程における等温圧縮試験結果から得られた伸長粘度、および第2計測工程における非等温圧縮試験とその圧縮流動解析から得られた荷重−変位曲線を用いた。CTTのせん断粘度の粘度モデルは、式2に示したCross−WLF式を使用した。
[式2]
ここで、ηは剪断粘度、γは剪断ひずみ、ドット付きγは剪断ひずみ速度、Tは温度、η0は温度依存性パラメータA1、A2、D2と係数D1から計算される零せん断粘度、nとτはせん断速度依存性のパラメータである。
Cross−WLF式には、せん断速度依存性および温度依存性のフィッティングパラメータがあり、各パラメータは二段階の手順で同定した。第一段階では、第1計測工程における等温圧縮試験から、せん断速度依存性のパラメータn、τ、および温度依存性のパラメータであるA1、A2、D2を同定した。第二段階では、第2計測工程における非等温圧縮試験と圧縮流動解析からパラメータD1を同定した。これらにより、粘度特性として剪断粘度式を決定することができる。以下に、各段階における詳細を述べる。
図10に、それぞれのパラメータを同定する手順について示した。パラメータの同定には、第1計測工程における等温圧縮試験から得られた伸長粘度の圧縮ひずみ速度依存性を利用した。
一般的に、伸長粘度とせん断粘度の一般化せん断速度依存性および温度依存性は等しいとされている。したがって、CTT材においてもこの仮定が成り立つとすると、伸長粘度をCross−WLF式でフィッティングし、圧縮ひずみ速度依存性(n、τ)、および温度依存性(A1、A2、D2)のパラメータが決定すると、せん断粘度のパラメータを同定できる。つまり、本実施形態では、第1計測工程における変位速度依存性と温度依存性の両方が、第2計測工程における流動挙動の剪断粘度の温度依存性と剪断速度依存性と等しいと仮定して、前記評価工程が行なわれる。
図11中の各破線は、伸長粘度をCross−WLF式でフィッティングした結果である。グラフの右側には、フィッティング後の各パラメータが示されている。
パラメータD1は、圧縮流動解析ソフトウェアを使用して、非等温圧縮試験の荷重−変位曲線を再現する値を見つけて同定した。
CTTの圧縮流動解析は、解析ソフトウェア3DTIMON−CompositePRESS(東レエンジニアリング株式会社)を用いた。図12に使用した解析モデルを示した。解析モデルは、圧縮領域(直径240mm)の中心に、実際の基材の大きさと同じ直径80mmの基材を設置した。圧縮流動解析の結果を図13に示した。図から分かるようにD1=2.94E+07のとき、圧縮流動解析の結果は非等温圧縮試験の結果を精度よく再現していることが分かった。
つまり、本実施形態では、第2計測工程における流動挙動を数値流体力学で解析して、剪断粘度式(式2)における剪断ひずみ速度を決定すると共に、剪断粘度式により求めた応力から、図13のようなモデル変位挙動の変位と荷重の関係とを決定する解析工程を含んでいる。
本実施形態では、実際のスタンピング成形と同じ圧縮挙動からCTTのせん断粘度を同定することを目的として検討を実施した。せん断粘度の同定は、等温/非等温圧縮試験と圧縮流動解析を用いた。その結果、Cross−WLF式のパラメータを同定することができ、CTTのせん断粘度の同定方法を初めて確立することができた。
(他の実施形態)
(1)前述した実施形態では、試料としてCTTを用いた例を示したが、本発明では、強化繊維を含まない熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を用いることも可能である。但し、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂及び強化繊維を含有する試料を用いる場合、粘度特性が計測方法により、変化しやすくなるため、本発明のような圧縮挙動から粘度特性を計測方法が、圧縮を伴う成形の解析に利用するための粘度特性計測方法として、特に有効になる。
(1)前述した実施形態では、試料としてCTTを用いた例を示したが、本発明では、強化繊維を含まない熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を用いることも可能である。但し、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂及び強化繊維を含有する試料を用いる場合、粘度特性が計測方法により、変化しやすくなるため、本発明のような圧縮挙動から粘度特性を計測方法が、圧縮を伴う成形の解析に利用するための粘度特性計測方法として、特に有効になる。
樹脂の具体例としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビニルエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
強化繊維としては、一般的に繊維強化プラスチックに用いられているものを挙げることができ、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、シリコンカーバイド繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、芳香族ポリアミド繊維等が用いられる。なかでも、軽量であり且つ強固である観点から、炭素繊維が好ましい。
(2)前述した実施形態では、直径80mm、厚さ6mmの円盤状(比率(直径/厚み)=13.3)の試料を用いた例を示したが、本発明では、楕円形、正方形、長方形などの平面形状を有する試料を用いることも可能である。また、試料の直径と厚みの比率(直径/厚み)が5以上であることが好ましく、10〜30がより好ましい。なお、試料のサイズは、特に限定されないが、実際の成形に用いる基材に近いものが好ましい。
(3)前述した実施形態では、第1計測工程において潤滑剤としてシリコーンオイルを用いた例を示したが、本発明では、第1計測工程において、試料との界面に滑りを生じさせる方法として、他の潤滑剤を使用したり、潤滑性の高いシートを介在させたり、潤滑性の高い表面を有する加圧面を使用することも可能である。
(4)前述した実施形態では、剪断粘度式として、前記式2を用いた例を示したが、本発明では、これに限定されず、例えば剪断粘度式として、下記の式3を用いることも可能である。
[式3]
ここで、ηは剪断粘度、γは剪断ひずみ、ドット付きγは剪断ひずみ速度、Tは温度、nは剪断速度依存性の指数、cは温度依存性、kは粘度係数である。この式3を用いる場合、パラメータnおよびcの同定には、第1計測工程における等温圧縮試験から得られた伸長粘度の圧縮ひずみ速度依存性を利用する。また、これらを第2計測工程における流動挙動に適用して求めたモデル変位挙動を、第2計測工程から得られる荷重−変位曲線にフィッティングすることで、粘度係数kを求めることができる。その結果、粘度特性として温度依存性を有する剪断粘度式を決定することができる。
(5)前述した実施形態では、第1計測工程から得られる流動挙動における変位速度依存性と前記温度依存性を、第1計測工程から得られる流動挙動の降伏点に基づいて決定する例を示したが、本発明では、これに限定されず、例えば応力−ひずみ曲線における1点だけでなく複数点の応力や初期の応力の傾きに基づいても、変位速度依存性と温度依存性を決定することが可能である。
(6)前述した実施形態では、第2計測工程における流動挙動を数値流体力学で解析して、剪断粘度式における剪断ひずみ速度を決定すると共に、前記剪断粘度式により求めた応力から前記モデル変位挙動の変位と荷重の関係とを決定する解析工程を含む例を示した。その際、一定圧縮速度の試験で得られた荷重−変位の関係を用いたが、本発明では、その代わりに、一定圧縮荷重の試験に対する時間と変位の関係とを決定する解析工程を用いることも可能である。
Claims (8)
- 圧縮試験装置の加圧面と板状の試料の初期温度が等しい状態で、前記試料を複数の温度で圧縮して変位と荷重の関係を計測する第1計測工程と、
圧縮試験装置の加圧面と板状の試料の初期温度が異なる状態で、前記試料を圧縮して変位と荷重の関係を計測する第2計測工程と、
前記第1計測工程から得られる流動挙動における変位速度依存性と温度依存性を、前記第2計測工程における流動挙動に適用し、求めたモデル変位挙動と前記第2計測工程から得られる変位挙動とを比較することで、前記試料の粘度特性を決定する評価工程と、を含む粘度特性評価方法。 - 前記評価工程が、粘度特性として剪断粘度式を決定するものであり、
前記第2計測工程における流動挙動を数値流体力学で解析して、前記剪断粘度式における剪断ひずみ速度を決定すると共に、前記剪断粘度式により求めた応力から前記モデル変位挙動の変位と荷重の関係とを決定する解析工程を含む請求項1に記載の粘度特性評価方法。 - 前記第1計測工程において、前記試料と前記加圧面の間にシリコーンオイルを塗布し、前記試料の熱変形温度以上の温度で圧縮して、伸長流動を生じさせる請求項1又は2に記載の粘度特性評価方法。
- 前記変位速度依存性と前記温度依存性を、前記第1計測工程から得られる流動挙動の降伏点に基づいて決定する請求項1〜3いずれか1項に記載の粘度特性評価方法。
- 前記試料が円板状の形状を有し、直径と厚みの比率(直径/厚み)が5以上である請求項1〜4いずれか1項に記載の粘度特性評価方法。
- 前記変位速度依存性と前記温度依存性の両方が、前記第2計測工程における流動挙動の剪断粘度の温度依存性と剪断速度依存性と等しいとして前記評価工程が行なわれる請求項1〜5いずれか1項に記載の粘度特性評価方法。
- 前記第2計測工程において、予め熱変形温度以上に加熱した前記試料を用いて、前記試料の熱変形温度以下の加圧面で圧縮することで、前記試料を冷却しつつ圧縮する請求項1〜6いずれか1項に記載の粘度特性評価方法。
- 前記試料は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂、及び強化繊維を含有する請求項1〜7に記載の粘度特性評価方法。
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