JP2019214941A - Internal combustion engine - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は内燃機関に関する。 The present invention relates to an internal combustion engine.
ピストンの往復運動をクランク機構により回転運動に変換して出力する内燃機関が公知である(例えば、特許文献1参照)。このような内燃機関では、ストローク長をシリンダボア径よりも大きく設定すると、燃料消費率が低減されることも知られている。 2. Description of the Related Art An internal combustion engine that converts a reciprocating motion of a piston into a rotary motion by a crank mechanism and outputs the converted motion is known (for example, see Patent Document 1). It is also known that in such an internal combustion engine, when the stroke length is set larger than the cylinder bore diameter, the fuel consumption rate is reduced.
しかしながら、例えばストローク長をシリンダボア径よりも大きくすると、クランク半径が大きくなり、内燃機関の寸法が大きくなってしまう。したがって、クランク機構を用いる限り内燃機関のコンパクト化には限界がある。 However, for example, when the stroke length is larger than the cylinder bore diameter, the crank radius increases, and the size of the internal combustion engine increases. Therefore, there is a limit in downsizing the internal combustion engine as long as the crank mechanism is used.
クランク機構を用いない新たな構成を採用することで内燃機関をコンパクトにできるかもしれないけれども、この新たな構成を採用したことで燃焼室のシール性能が低下するのは好ましくない。 Although it may be possible to make the internal combustion engine compact by adopting a new configuration that does not use a crank mechanism, it is not preferable that the adoption of this new configuration lowers the sealing performance of the combustion chamber.
本発明によれば、内燃機関であって、回転軸線回りに回転可能なシリンダと、前記シリンダ内に画定された燃焼室と、駆動部と、を備え、前記駆動部は、前記回転軸線方向に摺動可能に前記シリンダ内に収容され、前記燃焼室を画定するピストンと、前記ピストンに関し前記燃焼室と反対側の前記シリンダの周面に形成されたスロットと、前記スロットの周囲に定置されたカムであって、前記回転軸線の周方向に環状をなしつつ前記回転軸線方向に振動するプロフィールを有するカムと、前記ピストンから前記スロットを通過して前記カムまで延び、前記ピストンとともに前記カムのプロフィールに従い移動するように構成されたフォロワと、を備え、前記スロットは、前記フォロワが前記ピストンとともに前記シリンダに対し前記回転軸線方向に相対移動するのを許容しつつ前記シリンダに対し前記回転軸線の周方向に相対移動するのを制限するように構成されており、前記燃焼室で燃焼が行われると、前記ピストンが前記フォロワとともに前記カムのプロフィールに従い移動され、それにより前記シリンダが前記回転軸線回りに回転され、前記シリンダの回転が機関出力として取り出され、前記内燃機関が更に、前記燃焼室に連通するように前記シリンダの周面に形成された連通孔と、前記シリンダの周囲に定置された外周部材と、前記シリンダの回転角があらかじめ定められた吸気角範囲内にあるときに前記連通孔に連通するように前記外周部材に形成された吸気孔と、前記シリンダの回転角があらかじめ定められた排気角範囲内にあるときに前記連通孔に連通するように前記外周部材に形成された排気孔と、前記シリンダの外周面と前記外周部材の内周面との間でかつ前記回転軸線方向に関し前記連通孔、前記吸気孔及び前記排気孔の両側に配置されたシール部材と、を備え、前記シール部材は、前記シリンダが前記外周部材に対し回転したときに動圧効果を発生するように構成されている、内燃機関が提供される。 According to the present invention, there is provided an internal combustion engine, comprising: a cylinder rotatable around a rotation axis; a combustion chamber defined in the cylinder; and a drive unit, wherein the drive unit is arranged in the direction of the rotation axis. A piston slidably received in the cylinder and defining the combustion chamber, a slot formed in a peripheral surface of the cylinder opposite to the combustion chamber with respect to the piston, and fixed around the slot; A cam having a profile that vibrates in the rotation axis direction while forming an annular shape in a circumferential direction of the rotation axis; and a cam profile extending from the piston through the slot to the cam, and the piston and the cam. And a follower configured to move along the axis of rotation with respect to the cylinder along with the piston. In the circumferential direction of the rotation axis with respect to the cylinder while permitting relative movement in the direction of rotation, and when combustion is performed in the combustion chamber, the piston moves the follower. With the profile of the cam, whereby the cylinder is rotated about the rotation axis, the rotation of the cylinder is taken out as the engine output, and the internal combustion engine is further moved to communicate with the combustion chamber. A communicating hole formed in a peripheral surface, an outer peripheral member fixed around the cylinder, and the outer peripheral member communicating with the communicating hole when a rotation angle of the cylinder is within a predetermined intake angle range. When the rotation angle of the cylinder is within a predetermined exhaust angle range, the suction hole formed in the member is connected to the communication hole so as to communicate with the communication hole. An exhaust hole formed in an outer peripheral member, between the outer peripheral surface of the cylinder and the inner peripheral surface of the outer peripheral member, and disposed on both sides of the communication hole, the intake hole, and the exhaust hole in the rotation axis direction. And a seal member, wherein the seal member is configured to generate a dynamic pressure effect when the cylinder rotates with respect to the outer peripheral member.
燃焼室を確実にシールしつつ、内燃機関をよりコンパクトにすることができる。 The internal combustion engine can be made more compact while reliably sealing the combustion chamber.
図1から図7は本発明による実施例の内燃機関1を示している。この内燃機関1は全体として、長手中心軸線を有する円筒状又は円柱状をなす(例えば、図1,3,4参照)。この長手中心軸線は後述する回転軸線Lに一致する。また、本発明による実施例の内燃機関1は、回転軸線Lに垂直な対称面Pに関し概ね対称的に形成される(例えば、図3,4参照)。
1 to 7 show an
本発明による実施例の内燃機関1は4ストローク機関である。本発明による別の実施例(図示しない)では内燃機関1は2ストローク機関である。一方、本発明による実施例の内燃機関1では火花着火燃焼が行われる。本発明による別の実施例(図示しない)の内燃機関では、圧縮着火燃焼又は予混合圧縮着火燃焼(HCCIもしくはPCCI)が行われる。燃料として、ガソリン、軽油、アルコールのような液体燃料、液化石油ガス(LPG)、圧縮天然ガス(CNG)、水素のようなガス燃料が用いられる。
The
本発明による実施例の内燃機関1は、回転軸線L回りに回転可能な単一のシリンダ10を備える(例えば、図2から4参照)。シリンダ10は全体として、中空円筒状をなす。シリンダ10の円筒状の内周面11及び円筒状の外周面12の長手中心軸線はそれぞれ回転軸線Lに一致する。本発明による実施例では、シリンダ10はR方向に回転可能である(例えば、図3,4参照)。
The
本発明による実施例の内燃機関1は更に、外周部材20を備える(例えば、図2から4参照)。この外周部材20は全体として、中空円筒状をなす。外周部材20の円筒状の内周面21の長手中心軸線は回転軸線Lに一致する。上述のシリンダ10はこの外周部材20内に、回転軸線L回りに回転可能に収容され、したがって外周部材20はシリンダ10の周囲に位置する。一方、本発明による実施例の外周部材20は定置される。すなわち、外周部材20は回転軸線L回りに回転不能に、かつ、回転軸線L方向に移動不能に、設置又は搭載される。
The
本発明による実施例の外周部材20は、複数の部材から構成される。具体的には、外周部材20は、中央部分22、2つの端部分23,23、及び、2つのハウジング24,24を備える(例えば、図2から4参照)。中央部分22は回転軸線L方向両端が開放した中空円筒状をなし、対称面P上に配置される。端部分23,23はそれぞれ、回転軸線L方向外端が閉鎖され、回転軸線L方向内端が開放された中空円筒状をなし、中央部分22から回転軸線L方向に間隙25をもって配置される(例えば、図2,4参照)。この間隙25は回転軸線Lの周方向に環状をなす。ハウジング24,24はそれぞれ、回転軸線L方向両端が開放した中空円筒状をなし、中央部分22とそれぞれ対応する端部分23,23とに例えばボルト26,26によって固定される(例えば、図3,4参照)。その結果、中央部分22と端部分23,23とがハウジング24,24によってそれぞれ互いに連結されるとともに、間隙25,25がハウジング24,24によって外部から隔離される。この場合、外周部材20の内周面21は、中央部分22の内周面及び端部分23,23の内周面から構成される。別の実施例(図示しない)では、外周部材20は一体部材から構成される。
The outer
本発明による実施例では、シリンダ10の外周面12が中央部分22の内周面に対し摺動するように、シリンダ10が外周部材20内に収容される(例えば、図3,4参照)。また、シリンダ10の回転軸線L方向両端にそれぞれ設けられた突出部13,13が、外周部材20の回転軸線L方向両端にそれぞれ設けられた貫通孔27,27内に、回転軸線L回りに回転可能に保持される(例えば、図2から4参照)。このようにして、シリンダ10が外周部材20に、回転軸線L回りに回転可能に保持される。なお、本発明による実施例では、シリンダ10の外周面12と端部分23,23の内周面とは互いに離間される。また、本発明による実施例では、一方の突出部13に出力軸(図示しない)が連結される。
In the embodiment according to the present invention, the
本発明による実施例の内燃機関1は更に、シリンダ10内に画定された単一の燃焼室30を備える(例えば、図3,4参照)。燃焼室30は、シリンダ10内に画定される。この燃焼室30は対称面P上に位置する。
The
本発明による実施例の内燃機関1は更に、回転軸線Lに沿って並べられた2つの駆動部40,40を備える(例えば、図1から4参照)。
The
本発明による実施例の駆動部40,40はそれぞれ、単一のピストン50を備える(例えば、図2から4参照)。ピストン50は回転軸線L方向に摺動可能にシリンダ10内に収容される。この場合、一方の駆動部40のピストン50と他方の駆動部40のピストン50とは、シリンダ10内において互いに対向し、これらピストン50,50同士の間のシリンダ10内に上述の燃焼室30が画定される。なお、ピストン50の長手中心軸線は回転軸線Lに一致する。
The
本発明による実施例では、ピストン50の頂面51に凹部52が形成される(例えば、図6参照)。この凹部52はピストン50の直径方向に延び、ピストン50の周面に到る。その結果、ピストン50の頂面51に隣接するピストン50の周面には、回転軸線Lの周方向に180度離間した2つの切り欠き52a,52bが形成される。また、本発明による実施例では、一方のピストン50の凹部52と他方のピストン50の凹部52とは、回転軸線Lの周方向に関し互いに整列される。したがって、一方のピストン50の切り欠き52a,52bと他方のピストン50の切り欠き52a,52bも、回転軸線Lの周方向に関し互いにそれぞれ整列される。
In an embodiment according to the present invention, a
また、本発明による実施例の駆動部40,40はそれぞれ、回転軸線Lの周方向に等間隔に離間されつつシリンダ10の周面に形成された複数のスロット60を更に備える(例えば、図2から4参照)。本発明による実施例では、スロット60は、回転軸線Lの周方向に互いに180度離間された2つのスロット60a,60bを備える。スロット60a,60bはそれぞれ、ピストン50に関し燃焼室30と反対側のシリンダ10の周面に形成される(例えば、図2から4参照)。すなわち、燃焼室30はピストン50に関し回転軸線L方向内側に位置し、スロット60a,60bはピストン50に関し回転軸線L方向外側に位置する。なお、スロット60a,60bは回転軸線L方向に互いに整列される。
Further, each of the driving
本発明による実施例のスロット60a,60bはそれぞれ、回転軸線L方向に細長い長方形状をなし、回転軸線Lの周方向に互いに離間しつつ回転軸線L方向に拡がる2つの係合面61u,61dを備える(例えば、図4,7参照)。この場合、回転軸線L回りの回転方向Rに関し、係合面61uは上流側に位置し、係合面61dは下流側に位置する。
Each of the
本発明による実施例の駆動部40,40はそれぞれ、単一のカム70を更に備える(例えば、図3,4参照)。このカム70は、スロット32の周囲に定置される。また、カム70は回転軸線Lの周方向に環状をなしつつ回転軸線L方向に振動するプロフィールを有する。更に、本発明による実施例では、2つの駆動部40,40のピストン50,50が互いに同期するように、カム70,70のプロフィールがそれぞれ形成されている。
The
本発明による実施例では、カム70は、溝カムから構成される。具体的には、カム70は、中央部分22の回転軸線L方向外端面22oと、端部分23の回転軸線L方向内端面23iと、これら端面22o,23iにより画定される外周部材20の間隙25と、を備える(例えば、図3,4,7参照)。これら端面22o,23iはカム70のカム面として機能する。この場合、カム70が外周部材20によって保持されていると見ることもできる。また、一方の駆動部40のカム70と他方の駆動部40のカム70とが共通の外周部材20によって保持されていると見ることもできる。
In an embodiment according to the present invention,
本発明による実施例の駆動部40,40はそれぞれ、回転軸線Lの周方向に等間隔に離間されつつピストン50と一体に設けられた複数のフォロワ80を備える(例えば、図2から4参照)。本発明による実施例のフォロワ80では、フォロワ80は、回転軸線Lの周方向に互いに180度離間された2つのフォロワ80a,80bを備える。なお、フォロワ80a,80bは回転軸線L方向には互いに整列される。フォロワ80a,80bはそれぞれ、ピストン50からスロット60a,60bを通過してカム70まで延び、カム70のプロフィールに従い移動するように構成されている(例えば、図3,4参照)。
Each of the driving
具体的には、本発明による実施例のフォロワ80a,80bはそれぞれ、スライダ81と、アーム82と、ローラ83と、を備える(例えば、図3,4,6参照)。スライダ81は、ピストン50の周壁に形成された貫通穴53内に嵌合される。また、スライダ81は、回転軸線L方向に延びる2つの係合面81u,81dを有する。一方、アーム82は、スライダ81を貫通して半径方向外向きに延びる。本発明による実施例では、一方のフォロワ80aのアーム82と、他方のフォロワ80bのアーム82とは一体的に形成される。アーム82の先端には、ローラ83がアーム82の長手中心軸線L1回りに回転可能に取り付けられる。フォロワ80a,80bは固定スリーブ84によってピストン50に固定される。
More specifically, each of the
組立状態において(例えば、図3,4,7参照)、ローラ83はカム70と係合する。すなわち、ローラ83の周面がカム70のカム面22o,23iに当接する。その結果、フォロワ80a,80bがピストン50とともに、カム70のプロフィールに従い移動することが可能になる。
In the assembled state (for example, see FIGS. 3, 4, and 7), the
また、組立状態において(例えば、図3,4,7参照)、スライダ81,81はスロット60a,60b内に収容される。その結果、スライダ81の係合面81uがスロット60a,60bの係合面61uに係合し、スライダ81の係合面81dがスロット60a,60bの係合面61dに係合する。このため、スライダ81がシリンダ10に対し、回転軸線Lの周方向に相対移動するのがスロット60a,60bにより制限される。このことは、フォロワ80a,80bが回転軸線L回りに回転するとシリンダ10がフォロワ80a,80bとともに回転軸線L回りに回転され、シリンダ10が回転軸線L回りに回転するとフォロワ80a,80bがシリンダ10とともに回転軸線L回りに回転される、ということを意味している。一方、スライダ81がシリンダ10に対し回転軸線L方向に相対移動するのが許容される。すなわち、本発明による実施例のスロット60は、フォロワ80がピストン50とともにシリンダ10に対し回転軸線L方向に相対移動するのを許容しつつシリンダ10に対し回転軸線Lの周方向に相対移動するのを制限するように構成されている。
In an assembled state (for example, see FIGS. 3, 4, and 7), the
本発明による実施例の内燃機関1は更に、回転軸線Lの周方向に等間隔に離間されつつ、燃焼室30に連通するようにシリンダ10の周面に形成された複数の連通孔90を備える。本発明による実施例では、連通孔90は、回転軸線Lの周方向に互いに180度離間された2つの連通孔90a,90bを備える(例えば、図3,5参照)。これら連通孔90a,90bは回転軸線L方向に互いに整列され、例えば対称面P上に配置される(例えば、図3,4参照)。
The
本発明による実施例の内燃機関1は更に、外周部材20の中央部分22に形成された単一の吸気孔90iを備える(例えば、図5参照)。吸気孔90iは回転軸線L方向に連通孔90a,90bに整列される。また、本発明による実施例の吸気孔90iは、シリンダ10の回転軸線L回りの回転角θがあらかじめ定められた吸気角範囲内にあるときに吸気孔90iが連通孔90a,90bに連通するように、外周部材20に形成される。本発明による実施例では上述したように、シリンダ10の外周面12は、外周部材20の中央部分22の内周面21と摺接する。このため、連通孔90a,90bが外周部材20の内周面21に対面しているときには、連通孔90a,90bはこの内周面21により閉鎖され、したがって燃焼室30は封止される。これに対し、シリンダ10が回転軸線L回りに回転して連通孔90a,90bが吸気孔90iに対面すると、連通孔90a,90bが吸気孔90iと連通し、したがって燃焼室30が連通孔90a,90bを介して吸気孔90iと連通する。この吸気孔90iには吸気管91iが連結される。(例えば、図1,5参照)吸気管91i内には、例えば、吸気管91i内に燃料を噴射するための燃料噴射弁(図示しない)、吸気管91i内を流れる吸気量を制御するためのスロットル弁(図示しない)、などが配置される。
The
本発明による実施例の内燃機関1は更に、外周部材20の中央部分22に形成された単一の排気孔90eを備える(例えば、図5参照)。排気孔90eは回転軸線L方向に連通孔90a,90bに整列され、したがって吸気孔90iにも整列される。また、本発明による実施例の排気孔90eは、シリンダ10の回転角θがあらかじめ定められた排気角範囲内にあるときに排気孔90eが連通孔90a,90bに連通するように、外周部材20に形成され又は位置決めされる。シリンダ10が回転軸線L回りに回転して連通孔90a,90bが排気孔90eに対面すると、連通孔90a,90bが排気孔90eと連通し、したがって燃焼室30が連通孔90a,90bを介して排気孔90eと連通する。この排気孔90eには排気管91eが連結される(例えば、図1,5参照)。排気管91e内には、例えば、排気を浄化するための触媒(図示しない)などが配置される。
The
本発明による実施例の内燃機関1は更に、外周部材20に形成された単一の点火プラグ収容孔90sを備える(例えば、図5参照)。点火プラグ収容孔90sは回転軸線L方向に連通孔90a,90bに整列され、したがって吸気孔90i及び排気孔90eにも整列される。この点火プラグ収容孔90sには、点火プラグ91sが封密に収容される。本発明による実施例の点火プラグ収容孔90sは、シリンダ10の回転角θがあらかじめ定められた点火角範囲内にあるときに点火プラグ91sが連通孔90a,90bに対面するように、外周部材20に形成され又は位置決めされる。
The
図8は、本発明による実施例のピストン50の挙動を示している。図8において、横軸は、或る上死点TDCeを基準としたシリンダ10の回転角θを、縦軸は、対称面Pを基準としたピストン50の頂面51の回転軸線L方向変位量を、それぞれ表している。上述したように、ピストン50はフォロワ80とともにカム70のプロフィールに従って移動する。したがって、図8に示されるピストン50の挙動はカム70のプロフィールを示している。図8からわかるように、シリンダ10が回転軸線L回りに回転するにつれて、ピストン50が回転軸線L方向に往復動する。
FIG. 8 shows the behavior of the
上述したように、本発明による実施例の内燃機関1は4ストローク機関である。4ストローク機関では、1燃焼サイクルを構成する吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程が順次繰り返し行われる。本発明による実施例では、吸気行程は上死点TDCeから下死点BDCcまでに相当する。圧縮行程は下死点BDCcから上死点TDCcまでに相当する。膨張行程は上死点TDCcから下死点BDCeまでに相当する。排気行程は下死点BDCeから上死点TDCeまでに相当する。したがって、本発明による実施例では、上死点TDCeは排気上死点であり、下死点BDCcは圧縮下死点であり、上死点TDCcは圧縮上死点であり、下死点BDCeは排気下死点である、ということになる。
As described above, the
また、本発明による実施例では、シリンダ10が回転軸線L回りに180度回転すると、1燃焼サイクルが行われる。言い換えると、シリンダ10が回転軸線L回りに1回転するごとに2燃焼サイクルが行われるように、カム70のプロフィールが形成されている。したがって、シリンダ10の回転角θが0から180度までのカム70のプロフィールと、シリンダ10の回転角θが180から360度までのカム70のプロフィールと、は互いに等しい。言い換えると、或る回転角θ(0≦θ≦180度)におけるピストン50又はフォロワ80a,80bの回転軸線L方向位置と、回転角θ+180度におけるピストン50又はフォロワ80a,80b回転軸線L方向位置と、が互いに等しい。更に言い換えると、本発明による実施例では、カム70のプロフィールは、回転軸線L回りに180度対称に形成される。ただし、本発明による実施例のカム70のプロフィールは、回転軸線L回りに90度対称でない。
Further, in the embodiment according to the present invention, when the
更に、本発明による実施例では、上述した吸気角範囲INは排気上死点TDCeから圧縮下死点BDCcまで、すなわち吸気行程に設定される(例えば、図8参照)。別の実施例(図示しない)では、吸気角範囲INは排気上死点TDCeとは異なるシリンダ10の回転角θから始まる。また、別の実施例(図示しない)では、吸気角範囲INは圧縮下死点BDCcとは異なるシリンダ10の回転角θで終わる。また、本発明による実施例では、排気角範囲EXは排気下死点BDCeから排気上死点TDCeまで、すなわち排気行程に設定される(例えば、図8参照)。別の実施例(図示しない)では、排気角範囲EXは排気下死点BDCeとは異なるシリンダ10の回転角θから始まる。また、別の実施例(図示しない)では、排気角範囲EXは排気上死点TDCeとは異なるシリンダ10の回転角θで終わる。
Further, in the embodiment according to the present invention, the above-described intake angle range IN is set from the exhaust top dead center TDCo to the compression bottom dead center BDCc, that is, the intake stroke (see, for example, FIG. 8). In another embodiment (not shown), the intake angle range IN starts from the rotation angle θ of the
本発明による実施例では更に、点火角範囲SPは圧縮上死点TDCc周りに設定される(例えば、図8参照)。別の実施例(図示しない)では、点火角範囲SPは圧縮上死点TDCc周りとは異なるシリンダ10の回転角θに設定される。
Further, in the embodiment according to the present invention, the ignition angle range SP is set around the compression top dead center TDCc (for example, see FIG. 8). In another embodiment (not shown), the ignition angle range SP is set to a rotation angle θ of the
図9(A),9(B),9(C)には吸気行程における本発明による実施例の内燃機関1が概略的に示される。吸気行程では、ピストン50,50は互いに離れるように移動する。その結果、燃焼室30の容積が増大する。このとき、連通孔90aは吸気孔90iに連通している。その結果、吸気管91iから吸気ガス(例えば、混合気)が燃焼室30内に流入する。
9 (A), 9 (B) and 9 (C) schematically show the
図10(A),10(B),10(C)には圧縮行程における本発明による実施例の内燃機関1が概略的に示される。圧縮行程では、ピストン50,50は互いに近づくように移動する。このとき、連通孔90a,90bは閉鎖されており、したがって燃焼室30内の吸気ガスが圧縮される。
10 (A), 10 (B) and 10 (C) schematically show the
図11(A),11(B),11(C)には、シリンダ10の回転角θが点火角範囲SP内又は圧縮上死点TDCc周りにあるときの本発明による実施例の内燃機関1が概略的に示される。点火角範囲SPが設定される圧縮上死点TDCc周りでは、燃焼室30は主として、互いに対向するピストン50,50の凹部52,52内に画定される。一方、本発明による実施例では、シリンダ10の回転角θが点火角範囲SP内にあるときに、ピストン50の切り欠き52a,52bが連通孔90a,90bとそれぞれ対面するように、ピストン50,50がそれぞれ形成されている。その結果、シリンダ10の回転角θが点火角範囲SP内に到達すると、点火プラグ91sが連通孔90a及び切り欠き52a又は連通孔90b及び切り欠き52bを介して、燃焼室30に対面する(図11,12参照)。このとき、点火プラグ91sによる点火作用が行われる。その結果、燃焼室30内の混合気が着火燃焼される。
FIGS. 11A, 11B, and 11C show the
図13(A),13(B),13(C)には、膨張行程における本発明による実施例の内燃機関1が概略的に示される。膨張行程では、連通孔90a,90bは閉鎖されている。したがって、燃焼により、ピストン50,50は互いに離れるように移動する。
FIGS. 13A, 13B and 13C schematically show the
図14(A),14(B),14(C)には、排気行程における本発明による実施例の内燃機関1が概略的に示される。排気行程では、ピストン50,50は互いに近づくように移動する。このとき、連通孔90bが排気孔90eに連通している。その結果、燃焼室30から排気ガスが排気管91e内に流入する。
14 (A), 14 (B) and 14 (C) schematically show the
次の燃焼サイクルでは、吸気行程において吸気孔90iは連通孔90bと連通し、圧縮上死点TDCc周りにおいて点火プラグ91sは連通孔90bを介して燃焼室30に対面し、排気行程において排気孔90eは連通孔90aと連通する。
In the next combustion cycle, the intake hole 90i communicates with the
ここで、シリンダ10が回転軸線L回りに1回転するごとに行われる燃焼サイクルの数を燃焼サイクル数と称すると、本発明による実施例の燃焼サイクル数は2に設定される(例えば、図8参照)。別の実施例(図示しない)では、燃焼サイクル数は1又は3以上に設定される。また、本発明による実施例では、単一の吸気孔90i、単一の排気孔90e、及び単一の点火プラグ収容孔90sが設けられるとともに、燃焼サイクル数の連通孔が回転軸線Lの周方向に等間隔に離間して設けられる。別の実施例(図示しない)では、燃焼サイクル数の吸気孔、燃焼サイクル数の排気孔、及び燃焼サイクル数の点火プラグ収容孔90sが回転軸線Lの周方向に等間隔に離間して設けられるとともに、単一の連通孔が設けられる。
Here, if the number of combustion cycles performed each time the
次に、図15から図17を参照しながら、本発明による実施例の内燃機関1を更に説明する。なお、図15から図17は、例えば図3及び図4における右方の駆動部40を示している。また、回転軸線L方向外向きは上死点から下死点に向かう向きを、回転軸線L方向内向きは下死点から上死点に向かう向きを、それぞれ意味する。
Next, the
膨張行程では、燃焼室30内で生じた燃焼により、図15に示されるように、回転軸線L方向外向きの力F11がピストン50及びこれと一体のフォロワ80a,80bに作用する。その結果、フォロワ80a,80bのローラ83,83と、カム70のカム面23iとの間の係合を介し、カム面23iに垂直方向の抗力F12がフォロワ80a,80bに作用する。その結果、フォロワ80a,80bのスライダ81,81の係合面81d,81dと、シリンダ10のスロット60a,60bの係合面61d,61dとの間の係合を介し、回転軸線Lの周方向の力F13がシリンダ10に作用する。したがって、シリンダ10が回転軸線Lの周方向Rに回転される。すなわち、燃焼室30で燃焼が行われると、ピストン50がフォロワ80a,80bとともにカム70のプロフィールに従い移動され、それによりシリンダ10が回転軸線L回りに回転される。このようにして、ピストン50の回転軸線L方向の運動が回転軸線L回りの回転運動に変換される。この回転運動は、シリンダ10の突出部13(例えば、図2から4参照)に連結された出力軸(図示しない)により、機関出力として取り出される。
In the expansion stroke, as shown in FIG. 15, a force F11 directed outward in the direction of the rotation axis L acts on the
一方、圧縮行程及び排気行程では、図16に示されるように、シリンダ10の回転軸線Lの周方向Rの回転により、シリンダ10のスロット60a,60bの係合面61u,61uと、フォロワ80a,80bのスライダ81,81の係合面81uとの間の係合を介し、回転軸線Lの周方向の力F21がフォロワ80a,80bに作用する。その結果、フォロワ80a,80bのローラ83,83と、カム70のカム面23iとの間の係合を介し、カム面23iに垂直方向の抗力F22がフォロワ80a,80bに作用する。その結果、回転軸線L方向内向きの力F23がフォロワ80a,80b及びピストン50に作用する。したがって、ピストン50が回転軸線L方向内向きに移動される。
On the other hand, in the compression stroke and the exhaust stroke, as shown in FIG. 16, the rotation of the rotation axis L of the
吸気行程では、図17に示されるように、シリンダ10の回転軸線Lの周方向Rの回転により、シリンダ10のスロット60a,60bの係合面61u,61uと、フォロワ80a,80bのスライダ81,81の係合面81uとの間の係合を介し、回転軸線Lの周方向の力F31がフォロワ80a,80bに作用する。その結果、フォロワ80a,80bのローラ83,83と、カム70のカム面22oとの間の係合を介し、カム面22oに垂直方向の抗力F32がフォロワ80a,80bに作用する。その結果、回転軸線L方向外向きの力F33がフォロワ80a,80b及びピストン50に作用する。したがって、ピストン50が回転軸線L方向外向きに移動される。
In the intake stroke, as shown in FIG. 17, the rotation of the rotation axis L of the
このように本発明による実施例では、リンク機構を用いることなく、ピストン50の往復運動が回転運動に変換される。したがって、内燃機関1を、よりコンパクトにすることができる。また、リンク機構を用いる従来の内燃機関とは異なり、ピストンにスラスト力が発生しない。更に、シリンダ10自体が回転されるので、部品点数が減少される。
Thus, in the embodiment according to the present invention, the reciprocating motion of the
また、本発明による実施例では、上述したように、2つの駆動部40,40、したがって2つのピストン50,50が設けられ、これらピストン50,50の位相が互いに同期するようにカム70,70のプロフィールが形成されている。その結果、吸気行程及び膨張行程ではピストン50,50が互いに離れるように移動し、圧縮行程及び排気行程ではピストン50,50が互いに近づくように移動する。したがって、ピストン50,50の往復運動による振動が打ち消される。
Further, in the embodiment according to the present invention, as described above, the two driving
再び図8を参照すると、本発明による実施例では、圧縮下死点BDCcから圧縮上死点TDCcまでのストローク長STcが、圧縮上死点TDCcから排気下死点BDCeまでのストローク長STeよりも短くなるように、カム70,70のプロフィールが形成されている。その結果、内燃機関1において、膨張比が圧縮比よりも大きいミラーサイクルが実現される。したがって、内燃機関1の運転効率がより高められる。別の実施例(図示しない)では、圧縮下死点BDCcから圧縮上死点TDCcまでのストローク長STcと、圧縮上死点TDCcから排気下死点BDCeまでのストローク長STeとが互いに等しくなるように、カム70,70のプロフィールが形成される。この場合、内燃機関1では、膨張比と圧縮比とが互いに等しいオットーサイクルが実現される。
Referring again to FIG. 8, in the embodiment according to the present invention, the stroke length STc from the compression bottom dead center BDCc to the compression top dead center TDCc is larger than the stroke length STe from the compression top dead center TDCc to the exhaust bottom dead center BDDCe. The profiles of the
本発明による実施例の内燃機関1は、電子制御ユニット(図示しない)を備える。この電子制御ユニットは、デジタルコンピュータからなり、互いに接続されたプロセッサ、メモリ、入力ポート、及び出力ポートを備える。入力ポートには、例えば、シリンダ10の回転角を検出する回転角センサ(図示しない)、内燃機関1の負荷を検出する負荷センサが接続され、出力ポートには、例えば、点火プラグ91s、燃料噴射弁、スロットル弁が接続される。電子制御ユニットのメモリに記憶されたプログラムが電子制御ユニットのプロセッサで実行されることにより、種々の制御が実行される。
The
図18は、本発明による別の実施例の内燃機関1を示している。別の実施例の内燃機関1は、単一の駆動部40を備える点で、上述の実施例の内燃機関1と構成を異にしている。この場合、燃焼室30は、ピストン50の頂面と、シリンダ10の回転軸線L方向端面14との間に画定される。内燃機関1xの他の構成は内燃機関1の構成と同様であるので、その説明を省略する。
FIG. 18 shows an
図19(A),19(B)は、フォロワ80aの別の実施例を示している。図19(A),19(B)に示される実施例では、フォロワ80aのアーム82は2つの分岐部82a,82aを備え、分岐部82a,82aはそれぞれローラ83a,83aを回転可能に保持する。一方のローラ83aはカム70の一方のカム面22oに係合し、他方のローラ83aは他方のカム面23iに係合する。
FIGS. 19A and 19B show another embodiment of the
図20(A),20(B)は、カム70及びフォロワ80aの別の実施例を示している。図20(A),20(B)に示される実施例でも、フォロワ80aのアーム82は2つの分岐部82a,82aを備え、分岐部82a,82aはそれぞれローラ83a,83aを回転可能に保持する。一方、カム70は、外周部材20の内周面21から突出する突起の形をなす。この突起の両側面はカム面を構成する。一方のローラ83aはカム70の一方のカム面に係合し、他方のローラ83aは他方のカム面に係合する。
FIGS. 20A and 20B show another embodiment of the
これまで述べてきた本発明による種々の実施例では、吸気管91iに取り付けられた燃料噴射弁から、吸気管91i内に燃料が噴射される。本発明による別の実施例(図示しない)では、外周部材20に取り付けられた燃料噴射弁から、燃焼室30内に燃料が直接噴射される。この場合、燃料噴射弁は、外周部材20に形成された燃料噴射弁収容孔内に収容され、シリンダ10の回転角があらかじめ定められた噴射角範囲内にあるときに連通孔90a,90bに対面するように外周部材20の内周面21に配置される。
In the various embodiments according to the present invention described above, fuel is injected into the
また、これまで述べてきた本発明による種々の実施例では、カム70のプロフィールは、回転軸線Lの周方向に90度対称ではなく180度対称に形成される。本発明による別の実施例(図示しない)では、カム70のプロフィールは、回転軸線Lの周方向にあらかじめ定められた設定角度対称に形成される。一例では、設定角度の一例は90度である。更に別の実施例(図示しない)では、カム70のプロフィールは、回転軸線Lの周方向に非対称に形成される。
Also, in the various embodiments according to the invention described thus far, the profile of the
一方、これまで述べてきた本発明による種々の実施例では、駆動部40は2つのスロット60a,60bを備える。本発明による別の実施例(図示しない)では、駆動部40は、単一又は3つ以上のスロット60を備える。
On the other hand, in the various embodiments according to the present invention described above, the driving
また、これまで述べてきた本発明による種々の実施例では、駆動部40は2つのフォロワ80a,80bを備える。本発明による別の実施例(図示しない)では、駆動部40は、単一又は3つ以上のフォロワ80を備える。ここで、フォロワ80の数はスロット60の数と同じかこれよりも少ない。
In the various embodiments according to the present invention described above, the driving
ただし、カム70のプロフィールが回転軸線L回りに90度対称でなく180度対称の場合には、フォロワ80の数は1又は2である。カム70のプロフィールが回転軸線L回りに90度対称の場合には、フォロワ80の数は1、2、又は4である。したがって、包括的に表現すると、カム70のプロフィールが、回転軸線Lの周方向にあらかじめ定められた設定角度対称に形成されており、フォロワ80が、回転軸線Lの周方向に互いに等間隔に離間された複数のフォロワを備え、フォロワの数は設定角度に応じて定まる、ということになる。フォロワ80の数が多くなると、それぞれのフォロワ80に作用する荷重が低減され、抑制される。
However, if the profile of the
本発明による別の実施例(図示しない)では、フォロワ80のスライダ81が省略される。この場合、例えば、アーム82がスロット60aの係合面61u,61dと係合する。本発明による更に別の実施例(図示しない)では、フォロワ80のローラ83が省略される。この場合、例えば、アーム82がカム70のカム面に係合する。
In another embodiment (not shown) according to the present invention, the
再び図3及び4を参照すると、本発明による実施例の内燃機関1は、シール部材100,100を備える。シール部材100,100はそれぞれ、シリンダ10の外周面12と外周部材20の内周面21との間を、回転軸線Lの周方向に環状に延びる。また、シール部材100,100は、回転軸線L方向に関し連通孔90a,90b、吸気孔90i及び排気孔90eの両側に配置される。図18に示される別の実施例でも同様である。
Referring again to FIGS. 3 and 4, the
図21は、本発明による実施例のシール部材100周りの概略部分拡大断面図である。図21に示されるように、本発明による実施例では、シリンダ10の外周面12に、回転軸線Lの周方向に環状に延びる凹溝101が形成されており、シール部材100はこの凹溝101内に収容され、シリンダ10に固定される。この場合、シール部材100の外周面102が外周部材20の内周面21に対する摺動表面を提供する。なお、図21において、SCはシール部材100に関し連通路90a,90b側、すなわち燃焼室30側の領域を、SOはシール部材100に関し外気側の領域を、それぞれ示している。
FIG. 21 is a schematic partial enlarged sectional view around the
本発明による実施例では、摺動表面を提供するシール部材100の外周面102に、凹凸パターン又はテクスチャが形成される。図21に示される例では、凹凸パターンは、シール部材100の長手方向又は進行方向に沿いつつ互いに離間された複数のV字状の凹部103を備え、凹部103はそれぞれの突出部がシール部材100の進行方向、すなわちシリンダ10の回転方向Rに関し下流側を指向するようそれぞれ配置される。このような凹凸パターンはヘリンボーンとも称される。別の実施例(図示しない)では凹凸パターンはV字状の凸部を備える。
In an embodiment according to the present invention, a concavo-convex pattern or texture is formed on the outer
このような凹凸パターンは、シリンダ100が回転軸線L回りに回転したときに動圧効果を発生する。すなわち、図21に示される例では、シリンダ10が回転方向Rに回転されると、シール部材100の外周面102と外周部材20の内周面21との間に動圧が発生する。その結果、図23に矢印で示されるように、シール部材100からシール部材100の周囲へ向けて圧力が作用する。したがって、燃焼室側領域SCと外気側領域SOとの間の連通がシール部材100により確実に制限される。すなわち、燃焼室30が確実にシールされる。
Such a concavo-convex pattern generates a dynamic pressure effect when the
例えば吸気行程では、外気側領域SOの圧力が燃焼室側領域SCの圧力よりも高く、したがってシリンダ10と外周部材20との間の隙間から燃焼室30内にガスが流入するおそれがある。一方、例えば膨張行程では、燃焼室側領域SCの圧力が外気側領域SOの圧力よりも高く、したがってシリンダ10と外周部材20との間の隙間から燃焼室30内のガスが流出するおそれがある。この点、本発明による実施例では、上述のように、シリンダ10と外周部材20との間にシール部材100が設けられているので、燃焼室30を確実にシールすることができる。
For example, in the intake stroke, the pressure in the outside air side region SO is higher than the pressure in the combustion chamber side region SC, and therefore, gas may flow into the
図24には凹凸パターンの種々の別の実施例が示される。図24(A)に示される例では、凹凸パターンは、シール部材100の長手方向に沿いつつ互いに離間された複数の直線状の凹部103を備え、凹部113はシール部材100の長手方向に対し傾斜するようそれぞれ配置される。このようなパターンはスパイラルとも称される。図24(B)に示される例では、凹凸パターンは、シール部材100の幅方向に並べられた2つのヘリンボーン104,104を備える。図24(C)に示される例では、凹凸パターンは、シール部材100の幅方向に並べられた2つのスパイラル105,105と、これらスパイラル105,105の間をシール部材100の長手方向に延びる凹部106,106と、を備える。凹溝106,106は、動圧効果をほとんど発生しない。このように、シール部材100の凹凸パターンは、動圧効果を生ずる種々のパターンと、動圧効果を生じない種々のパターンとを互いに組み合わせることで得られる。
FIG. 24 shows various alternative embodiments of the concavo-convex pattern. In the example shown in FIG. 24A, the concave / convex pattern includes a plurality of linear
本発明による別の実施例(図示しない)では、シール部材100は外周部材20に固定され、シール部材100の内周面がシリンダ10の外周面12に対する摺動表面を提供する。更に別の実施例(図示しない)では、上述の凹部の一部又はすべてが凸部に置換される。更に別の実施例(図示しない)では、シール部材100は、動圧効果だけでなく、ラビリンス効果を発生するように構成される。
In another embodiment (not shown) according to the present invention, the
1 内燃機関
10 シリンダ
20 外周部材
30 燃焼室
40 駆動部
50 ピストン
60 スロット
70 カム
80 フォロア
90a,90b 連通孔
90i 吸気孔
90e 排気孔
100 シール部材
L 回転軸線
DESCRIPTION OF
Claims (1)
回転軸線回りに回転可能なシリンダと、
前記シリンダ内に画定された燃焼室と、
駆動部と、
を備え、
前記駆動部は、
前記回転軸線方向に摺動可能に前記シリンダ内に収容され、前記燃焼室を画定するピストンと、
前記ピストンに関し前記燃焼室と反対側の前記シリンダの周面に形成されたスロットと、
前記スロットの周囲に定置されたカムであって、前記回転軸線の周方向に環状をなしつつ前記回転軸線方向に振動するプロフィールを有するカムと、
前記ピストンから前記スロットを通過して前記カムまで延び、前記ピストンとともに前記カムのプロフィールに従い移動するように構成されたフォロワと、
を備え、
前記スロットは、前記フォロワが前記ピストンとともに前記シリンダに対し前記回転軸線方向に相対移動するのを許容しつつ前記シリンダに対し前記回転軸線の周方向に相対移動するのを制限するように構成されており、
前記燃焼室で燃焼が行われると、前記ピストンが前記フォロワとともに前記カムのプロフィールに従い移動され、それにより前記シリンダが前記回転軸線回りに回転され、
前記シリンダの回転が機関出力として取り出され、
前記内燃機関が更に、
前記燃焼室に連通するように前記シリンダの周面に形成された連通孔と、
前記シリンダの周囲に定置された外周部材と、
前記シリンダの回転角があらかじめ定められた吸気角範囲内にあるときに前記連通孔に連通するように前記外周部材に形成された吸気孔と、
前記シリンダの回転角があらかじめ定められた排気角範囲内にあるときに前記連通孔に連通するように前記外周部材に形成された排気孔と、
前記シリンダの外周面と前記外周部材の内周面との間でかつ前記回転軸線方向に関し前記連通孔、前記吸気孔及び前記排気孔の両側に配置されたシール部材と、
を備え、
前記シール部材は、前記シリンダが前記外周部材に対し回転したときに動圧効果を発生するように構成されている、
内燃機関。 An internal combustion engine,
A cylinder rotatable about a rotation axis,
A combustion chamber defined in the cylinder;
A drive unit;
With
The drive unit is
A piston that is slidably accommodated in the cylinder in the direction of the rotation axis and that defines the combustion chamber;
A slot formed in a peripheral surface of the cylinder opposite to the combustion chamber with respect to the piston;
A cam fixed around the slot, the cam having a profile that vibrates in the rotation axis direction while forming an annular shape in the circumferential direction of the rotation axis;
A follower extending from the piston through the slot to the cam and configured to move with the piston according to the profile of the cam;
With
The slot is configured to limit relative movement in the circumferential direction of the rotation axis with respect to the cylinder while allowing the follower to move relative to the cylinder in the rotation axis direction with the piston. Yes,
When combustion takes place in the combustion chamber, the piston moves with the follower according to the profile of the cam, thereby rotating the cylinder about the rotation axis,
The rotation of the cylinder is taken out as an engine output,
The internal combustion engine further comprises:
A communication hole formed in the peripheral surface of the cylinder so as to communicate with the combustion chamber;
An outer peripheral member fixed around the cylinder;
An intake hole formed in the outer peripheral member so as to communicate with the communication hole when the rotation angle of the cylinder is within a predetermined intake angle range;
An exhaust hole formed in the outer peripheral member so as to communicate with the communication hole when the rotation angle of the cylinder is within a predetermined exhaust angle range;
A seal member disposed between the outer peripheral surface of the cylinder and the inner peripheral surface of the outer peripheral member and on both sides of the communication hole, the intake hole and the exhaust hole in the rotational axis direction,
With
The seal member is configured to generate a dynamic pressure effect when the cylinder rotates with respect to the outer peripheral member,
Internal combustion engine.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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