JP2019213742A - 放射線撮像装置、放射線撮像システム、および、放射線撮像装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アーチファクトを低減するために有利な技術を提供する。【解決手段】放射線撮像装置は、放射線画像を撮像するための複数の撮像画素を有する画素アレイと、前記画素アレイを駆動する駆動回路とを備える。前記複数の撮像画素は、複数の第1画素と、複数の第2画素とを含む。前記駆動回路は、放射線の照射の開始に応じて前記複数の撮像画素の少なくとも1つによる信号の蓄積がなされる蓄積期間が開始され、前記蓄積期間の終了後に、前記蓄積期間に含まれる第1期間に照射された放射線に応じた信号が前記複数の第1画素から出力され、前記蓄積期間に含まれ、前記第1期間とは異なる第2期間に照射された放射線に応じた信号が前記複数の第2画素から出力されるように、前記画素アレイを駆動する。【選択図】図4
Description
本発明は、放射線撮像装置、放射線撮像システム、および、放射線撮像装置の制御方法に関する。
放射線撮像装置を応用した撮影方法としてエネルギーサブトラクション法がある。エネルギーサブトラクション法は、被検体に照射する放射線のエネルギーを異ならせて複数回にわたって撮像して得た複数の画像を処理することによって新たな画像(例えば、骨画像および軟部組織画像)を得る方法である。
特許文献1には、エネルギーサブトラクション撮影を行う放射線撮影装置が記載されている。特許文献1に記載された放射線撮影装置のセンサ部は、2種類の画素を有する。以下、2種類の画素の一方を第1画素、他方を第2画素として、特許文献1に記載された放射線撮影装置を説明する。該放射線撮影装置は、信号検出部によってサンプリングされたデジタルデータに基づいて、放射線の照射が開始された後に、第1画素に暗電流等によって蓄積されていた電荷を除去し、照射された放射線量に応じた電荷の蓄積を開始する。その後、該放射線撮影装置は、信号検出部からのデジタルデータの累積値の変化量(微分値)が減少する変曲点を検出したら、第1画素から信号を読み出して画像データに変換し記憶する。その後、該放射線撮影装置は、第2画素に暗電流等によって蓄積されていた電荷を除去し、照射された放射線量に応じた電荷の蓄積を開始する。その後、該放射線撮影装置は、変曲点の検出から所定タイミングが経過した後に、第2画素から信号を読み出して画像データに変換し記憶する。これにより、放射線の照射の開始から変曲点までの放射線の照射による放射線画像と、変曲点以降の放射線の照射による放射線画像とが得られる。これらの放射線画像は、互いに異なるエネルギーの放射線画像である。
複数の放射線画像を撮像する場合において、連続する放射線画像の撮影時間差は、1枚の放射線画像の撮像に要する時間(信号の読出時間を含む)に依存する。1枚の放射線画像の撮像に要する時間は、例えば、静止画撮像用の放射線撮像装置では数秒以上、通常の動画用の放射線撮像装置では100ミリ秒程度であり、高速の動画用の放射線撮像装置でも10ミリ秒程度である。連続する放射線画像の撮影時間差の間に被検体が動くと、その動きによるアーチファクトが生じてしまう。したがって、心臓などのように動きが速い被検体の放射線画像をエネルギーサブトラクション法によって得ることは困難である。
特許文献1に記載された放射線撮影装置では、放射線が照射されている間に、変曲点までに照射された放射線に対応する信号を第1画素から読み出す。したがって、放射線の照射期間は、第1画素からの信号の読み出しに要する時間よりも十分に長くなくてはならない。この照射期間に被検体が動くと、第1画素によって得られる放射線画像と第2画素によって得られる放射線画像とからエネルギーサブトラクション法によって得られる放射線画像にアーチファクトが生じてしまう。
本発明は、上記の課題認識を契機としてなされたものであり、アーチファクトを低減するために有利な技術を提供することを目的とする。
本発明の1つの側面は、放射線画像を撮像するための複数の撮像画素を有する画素アレイと、前記画素アレイを駆動する駆動回路とを備える放射線撮像装置に係り、前記複数の撮像画素は、複数の第1画素と、複数の第2画素とを含み、前記駆動回路は、放射線の照射の開始に応じて前記複数の撮像画素の少なくとも1つによる信号の蓄積がなされる蓄積期間が開始され、前記蓄積期間の終了後に、前記蓄積期間に含まれる第1期間に照射された放射線に応じた信号が前記複数の第1画素から出力され、前記蓄積期間に含まれ、前記第1期間とは異なる第2期間に照射された放射線に応じた信号が前記複数の第2画素から出力されるように、前記画素アレイを駆動する。
本発明によれば、アーチファクトを低減するために有利な技術が提供される。
以下、添付図面を参照しながら本発明をその例示的な実施形態を通して説明する。
図1には、本発明の第1実施形態の放射線撮像システム200の構成が示されている。放射線撮像システム200は、放射線で形成される光学像を電気的に撮像し、電気的な放射線画像(即ち、放射線画像データ)を得るように構成されている。放射線は、典型的には、X線でありうるが、α線、β線、γ線などであってもよい。放射線撮像システム200は、例えば、放射線撮像装置210、放射線源430、放射線源制御部420およびコンピュータ440を備えうる。
放射線源430は、放射線源制御部420からの曝射指令(放射指令)に従って放射線の放射を開始する。放射線源430から放射された放射線は、不図示の被検体を通って放射線撮像装置210に照射される。放射線源430はまた、放射線源制御部420からの停止指令に従って放射線の放射を停止する。放射線撮像装置210は、放射線検出パネル212と、放射線検出パネル212を制御する制御部214とを含みうる。
制御部214は、放射線検出パネル212から得られる信号に基づいて、放射線源430からの放射線の放射を停止させるための停止信号を発生しうる。停止信号は、放射線源制御部420に提供されうる。放射線源制御部420は、停止信号に応答して、放射線源430に対して停止指令を送りうる。制御部214は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Arrayの略。)などのPLD(Programmable Logic Deviceの略。)、又は、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略。)、又は、プログラムが組み込まれた汎用コンピュータ、又は、これらの全部または一部の組み合わせによって構成されうる。
コンピュータ440は、放射線撮像装置210および放射線源制御部420を制御したり、放射線撮像装置210から放射線画像データを受信し、それを処理したりしうる。一例において、放射線源制御部420は、曝射スイッチを有し、ユーザによって曝射スイッチがオンされると、曝射指令を放射線源430に送るほか、放射線の放射の開始を示す開始通知をコンピュータ440に送るように構成されうる。該開始通知を受けたコンピュータ440は、該開始通知に応じて、放射線の放射の開始を放射線撮像装置210の制御部214に通知するように構成されうる。
制御部214の機能の全部または一部は、コンピュータ440に組み込まれてもよい。あるいは、コンピュータ440の機能の全部または一部は、放射線撮像装置210に組み込まれてもよい。放射線源制御部420の機能の全部または一部は、コンピュータ440または放射線撮像装置210に組み込まれてもよい。
図2には、放射線検出パネル212の構成例が示されている。放射線検出パネル212は、画素アレイ112を備えている。画素アレイ112は、放射線を検出する複数の撮像画素PIX、および、複数の列信号線Sig(Sig1〜Sig4)を有する。複数の撮像画素PIXは、複数の行および複数の列を構成するように配置されている。放射線検出パネル212はまた、画素アレイ112を駆動する駆動回路114、および、画素アレイ112の複数の列信号線Sigに現れる信号を検出する読出回路113を備えている。なお、図2では、記載の簡単化のために、画素アレイ112は、4行×4列の撮像画素PIXで構成されているが、実際には、より多くの撮像画素PIXが配列されうる。一例において、放射線検出パネル212は、17インチの寸法を有し、約3000行×約3000列の撮像画素PIXを有しうる。
各撮像画素PIXは、例えば、放射線を検出する変換素子Cと、変換素子Cと列信号線Sig(複数の信号線Sigのうち変換素子Cに対応する列信号線Sig)とを接続するスイッチSWとを含みうる。変換素子Cは、それに入射した放射線の量に対応する電気的な信号をスイッチSWを介して信号線Sigに出力しうる。変換素子Cは、例えば、ガラス基板等の絶縁性基板上に配置されアモルファスシリコンを主材料とするMIS型フォトダイオードを含みうる。あるいは、変換素子Cは、PIN型フォトダイオードを含みうる。変換素子Cは、放射線をシンチレータで光に変換した後に、光を検出する間接型として構成される。間接型においては、シンチレータが複数の画素PIXによって共有されうる。
スイッチSWは、例えば、制御端子(ゲート)と2つの主端子(ソース、ドレイン)とを有する薄膜トランジスタ(TFT)などのトランジスタで構成されうる。変換素子Cは、2つの主電極を有し、変換素子Cの一方の主電極は、スイッチSWの2つの主端子のうちの一方に接続され、変換素子の他方の主電極は、共通のバイアス線Bsを介してバイアス電源103に接続されうる。バイアス電源103は、バイアス電圧Vsを発生する。第1行の撮像画素PIXのスイッチSWの制御端子は、ゲート線Vg1に接続されている。第2行の撮像画素PIXのスイッチSWの制御端子は、ゲート線Vg2に接続されている。第3行の撮像画素PIXのスイッチSWの制御端子は、ゲート線Vg3に接続されている。第4行の撮像画素PIXのスイッチSWの制御端子は、ゲート線Vg4に接続されている。ゲート線Vg1、Vg2、Vg3・・・には、駆動回路114によってゲート信号が供給される。つまり、ゲート線Vg1、Vg2、Vg3は、駆動回路114によって駆動される。
第1列の撮像画素PIXのスイッチSWの1つの主端子は、第1列の列信号線Sig1に接続されている。第2列の撮像画素PIXのスイッチSWの1つの主端子は、第2列の列信号線Sig2に接続されている。第3列の撮像画素PIXのスイッチSWの1つの主端子は、第3列の列信号線Sig3に接続されている。第4列の撮像画素PIXのスイッチSWの1つの主端子は、第4列の列信号線Sig4に接続される。
図2では、複数の撮像画素PIXを相互に区別するために、符号P11〜P44が使用されている。また、図2では、複数の変換素子Cを相互に区別するために、符号C11〜C44が使用され、複数のスイッチSWを相互に区別するために、符号T11〜T44が使用されている。例えば、P11は、第1行かつ第1列に配置された撮像画素PIXを示す。また、C11は、第1行かつ第1列に配置された撮像画素PIXの変換素子Cを示し、T11は、第1行かつ第1列に配置された撮像画素PIXのスイッチSWを示す。
読出回路113は、1つの列信号線Sigに1つの列増幅部CAが対応するように複数の列増幅部CAを有しうる。各列増幅部CAは、例えば、積分増幅器105、可変増幅器104、サンプルホールド回路107およびバッファ回路106を含みうる。積分増幅器105は、それに対応する列信号線Sigに現れた信号を増幅する。積分増幅器105は、例えば、演算増幅器と、該演算増幅器の反転入力端子と出力端子との間に並列に接続された積分容量およびリセットスイッチとを含みうる。該演算増幅器の非反転入力端子には、基準電位Vrefが供給される。該リセットスイッチをオンさせることによって該積分容量がリセットされるとともに列信号線Sigの電位が基準電位Vrefにリセットされる。該リセットスイッチは、制御部214から供給されるリセットパルスRCによって制御されうる。
可変増幅器104は、積分増幅器105から供給される信号を設定された増幅率で増幅する。サンプルホールド回路107は、可変増幅器104からの信号をサンプルホールドする。サンプルホールド回路107は、例えば、サンプリングスイッチとサンプリング容量とによって構成されうる。バッファ回路106は、サンプルホールド回路107からの信号をバッファリング(インピーダンス変換)して出力する。該サンプリングスイッチは、制御部214から供給されるサンプリングパルスによって制御されうる。
読出回路113はまた、複数の列信号線Sigのそれぞれに対応するように設けられた複数の列増幅部CAからの信号を所定の順序で選択して出力するマルチプレクサ108を含みうる。マルチプレクサ108は、例えば、シフトレジスタを含み、該シフトレジスタは、制御部214から供給されるクロック信号に従ってシフト動作を行い、該シフトレジスタによって複数の列増幅部CAからの1つの信号が選択される。読出回路113はまた、マルチプレクサ108から出力される信号をバッファリングするバッファ109、および、バッファ109から出力される信号であるアナログ信号をデジタル信号(放射線画像データ)に変換するAD変換器110を含みうる。AD変換器110の出力、即ち、放射線画像データは、コンピュータ440に供給される。
図3には、1つの画素PIXの断面構造の一例が模式的に示されている。以下、図3に示された例について説明する。画素PIXは、ガラス基板等の絶縁性基板10の上に形成される。画素PIXは、絶縁性基板10の上に、第1の導電層11、第1の絶縁層12、第1の半導体層13、第1の不純物半導体層14および第2の導電層15を有する。第1の導電層11は、スイッチSWを構成するトランジスタ(例えばTFT)のゲートを構成する。第1の絶縁層12は、第1の導電層11を覆うように配置され、第1の半導体層13は、第1の絶縁層12を介して第1の導電層11のうちゲートを構成する部分の上に配置されている。第1の不純物半導体層14は、スイッチSWを構成するトランジスタの2つの主端子(ソース、ドレイン)を構成するように第1の半導体層13の上に配置されている。第2の導電層15は、スイッチSWを構成するトランジスタの2つの主端子(ソース、ドレイン)にそれぞれ接続された配線パターンを構成している。第2の導電層15の一部は、列信号線Sigを構成し、他の一部は、変換素子CとスイッチSWとを接続するための配線パターンを構成している。
画素PIXは、更に、第1の絶縁層12および第2の導電層15を覆う層間絶縁膜16を有し、層間絶縁膜16には、第2の導電層15(スイッチSW)と変換素子Cとを接続するためのコンタクトプラグ17が設けられている。画素PIXは、更に、層間絶縁膜16の上に配置された変換素子Cを含む。図3に示された例では、変換素子Cは、放射線を光に変換するシンチレータ層25を含む間接型の変換素子として構成されている。変換素子Cは、層間絶縁膜16の上に積層された第3の導電層18、第2の絶縁層19、第2の半導体層20、第2の不純物半導体層21、第4の導電層22、保護層23、接着層24およびシンチレータ層25を有する。第3の導電層18、第2の絶縁層19、第2の半導体層20、第2の不純物半導体層21、第4の導電層22、保護層23、接着層24およびシンチレータ層25は、変換素子Cを構成している。
第3の導電層18、第4の導電層22は、それぞれ、変換素子Cを構成する光電変換素子の下部電極、上部電極を構成する。第4の導電層22は、例えば、透明材料で構成される。第3の導電層18、第2の絶縁層19、第2の半導体層20、第2の不純物半導体層21、第4の導電層22は、該光電変換素子としてのMIS型センサを構成している。第2の不純物半導体層21は、例えば、n型の不純物半導体層で形成される。シンチレータ層25は、例えば、ガドリニウム系の材料、または、CsI(ヨウ化セシウム)の材料で構成されうる。
変換素子Cは、入射した放射線を直接に電気信号(電荷)に変換する直接型の変換素子として構成されてもよい。直接型の変換素子Cとしては、例えば、アモルファスセレン、ガリウム砒素、ガリウムリン、ヨウ化鉛、ヨウ化水銀、CdTe、CdZnTe等を主材料とする変換素子を挙げることができる。変換素子Cは、MIS型に限定されず、例えば、pn型やPIN型のフォトダイオードでもよい。
以下、図4を参照しながら放射線撮像装置210および放射線撮像システム200の動作を説明する。放射線撮像システム200の動作は、コンピュータ440によって制御される。放射線撮像装置210の動作は、コンピュータ440による制御の下で、制御部214によって制御される。
まず、放射線源430からの放射線の放射(換言すると、放射線撮像装置210への放射線の照射)が開始されるまで、制御部214は、駆動回路114および読出回路113に空読みを実施させる。空読みは、駆動回路114が画素アレイ112の複数の行のゲート線Vg1、Vg2、Vg3、Vg4に供給されるゲート信号を順にアクティブレベルに駆動することによって、変換素子Cに蓄積されているダーク電荷をリセットする動作である。ここで、空読みの際、積分増幅器105のリセットスイッチには、アクティブレベルのリセットパルスが供給され、列信号線Sigが基準電位Vrefにリセットされる。ダーク電荷とは、変換素子Cに放射線が入射しないにも拘わらず発生する電荷である。
制御部214は、例えば、放射線源制御部420からコンピュータ440を介して供給される開始通知に基づいて、放射線源430からの放射線の放射の開始を認識することができる。あるいは、画素アレイ112のバイアス線Bsまたは列信号線Sig等を流れる電流を検知する検知回路を設けてもよい。制御部214は、該検知回路の出力に基づいて放射線源430からの放射線の放射の開始を認識することができる。
本実施形態では、駆動回路114は、放射線の照射期間の終了後に、第1期間に照射された放射線に応じた信号が複数の第1画素から出力され、第2期間に照射された放射線に応じた信号が複数の第2画素から出力されるように、画素アレイ112を駆動する。駆動回路114は、画素アレイ112を行単位に駆動するように構成され、第1画素と第2画素は、画素アレイ112の列方向に交互に配置されうる。
ここで、画素アレイ112の複数の撮像画素PIXは、複数の第1画素および複数の第2画素を含む。複数の第1画素は、複数の撮像画素PIXの一部であり、複数の第2画素は、複数の撮像画素PIXの他の一部である。複数の第1画素と複数の第2画素とは、駆動回路114による駆動のタイミング、より具体的には、スイッチSWがオン状態にされる期間(期間の長さ)が互いに異なる。図4に示された例では、奇数行、即ち第1行および第3行の撮像画素PIXが第1画素であり、偶数行、即ち第2行および第4行の撮像画素PIXが第2画素である。他の例において、奇数行、即ち第1行および第3行の撮像画素PIXを第2画素として、偶数行、即ち第2行および第4行の撮像画素PIXを第1画素とすることができる。複数の第1画素および複数の第2画素は、互いに同一の構造を有してもよいし、互いに異なる構造を有してもよい。
本実施形態では、複数の放射線画像を連続的に撮像する動画撮像では、各フレームにおいて、放射線源430が発生する放射線のエネルギーが放射線源制御部420によって2段階に制御される。より具体的には、動画撮像の各フレームにおいて、放射線源430が発生する放射線のエネルギーが放射線源制御部420によって、第1エネルギーRと第2エネルギーBとの2段階に制御される。この例では、第2エネルギーBは、第1エネルギーRよりも大きい。放射線源430が発生する放射線のエネルギーは、放射線源制御部420が放射線源430の管電圧を変更することによって変更されうる。あるいは、放射線源430は、フィルタを備え、放射線源制御部420が放射線源430のフィルタを制御することによって変更されうる。フィルタは、例えば、透過させる波長が互いに異なる複数のフィルタ要素が配置されたターレットとして構成され、ターレットの回転角によって、使用するフィルタ要素が選択されうる。
1つの放射線画像を撮像する静止画撮像においては、1回の撮像のために、放射線源430が発生する放射線のエネルギーが放射線源制御部420によって2段階に制御される。より具体的には、静止画撮像においては、1回の撮像のために、放射線源430が発生する放射線のエネルギーが放射線源制御部420によって、第1エネルギーRと第2エネルギーBとの2段階に制御される。
画素アレイ112の動作期間は、空読み期間、蓄積期間および本読み期間を含みうる。動画撮像では、画素アレイ112の1フレームの動作期間は、少なくとも蓄積期間および本読み期間を含みうる。動画撮像の一例においては、画素アレイ112の1フレームの動作期間は、空読み期間、蓄積期間および本読み期間を含みうる。空読み期間は、空読みを行う期間であり、換言すると、複数の撮像画素PIXをリセットする動作を繰り返す待機期間である。蓄積期間は、複数の撮像画素PIXの少なくとも1つによる信号の蓄積がなされる期間である。本読み期間は、読出回路113によって画素アレイ112(の複数の撮像画素PIX)から信号を読み出す期間であり、換言すると、画素アレイ112(の複数の撮像画素PIX)から信号が出力される出力期間である。駆動回路114は、放射線の照射の開始に応じて蓄積期間が開始されるように画素アレイ112を駆動する。
以下、図4に示された動作を説明する。最初のフレームの開始前は、空読み期間(待機期間)であり、空読みが繰り返される。放射線源430による第1エネルギーRでの放射線の照射の開始に応じて、空読み期間から蓄積期間に移行する。図4に示された例では、コンピュータ440からの開始通知に基づいて、制御部214が放射線の照射が開始されることを認識し、空読み期間から蓄積期間に移行しうる。放射線源430が放射線を照射する期間である照射期間IPは、例えば、蓄積期間の開始後に開始し、蓄積期間の終了前に終了してもよい。
蓄積期間の開始に応じて、駆動回路114は、列信号線Sigが基準電位Vrefにリセットされた状態で、奇数行、即ち第1行および第3行の撮像画素PIX(第1画素)のためのゲート線Vg1、Vg3をアクティブレベルに駆動する。これにより、スイッチT11、T12、T13、T14、T31、T32、T33、T34が閉じられ、変換素子C11、C12、C13、C14、C31、C32、C33、C34がリセット状態にされる。したがって、第1行および第3行の撮像画素PIX(第1画素)の変換素子C11、C12、C13、C14、C31、C32、C33、C34では、放射線の照射により発生する電荷が蓄積されない。列信号線Sigを基準電位Vrefにリセットする動作は、制御部214によって積分増幅器105のリセットスイッチにアクティブレベルが供給されることによってなされる。
一方、駆動回路114は、偶数行、即ち第2行および第4行の撮像画素PIX(第2画素)のためのゲート線Vg2、Vg4については、インアクティブレベルに維持する。したがって、偶数行、即ち第2行および第4行の撮像画素PIX(第2画素)では、照射期間IPまたは蓄積期間の開始とともに、放射線の照射に応じた信号の蓄積が変換素子C21、C22、C23、C24、C41、C42、C43、C44において開始される。
照射期間IPまたは蓄積期間の所定タイミングttにおいて、放射線源430は、放射線源制御部420による制御に従って、放射線のエネルギーを第1エネルギーRから第2エネルギーBに変更する。所定タイミングttにおいて、駆動回路114は、奇数行、即ち第1行および第3行の撮像画素PIX(第1画素)のためのゲート線Vg1、Vg3をインアクティブレベルに駆動する。これにより、スイッチT11、T12、T13、T14、T31、T32、T33、T34が開かれる。したがって、所定タイミングttにおいて、放射線の照射に応じた信号の蓄積が変換素子C11、C12、C13、C14、C31、C32、C33、C34において開始される。
ここで、ゲート線Vg1、Vg3をアクティブレベルにするタイミングは、変換素子C11、C12、C13、C14、C31、C32、C33、C34が所定タイミングttまでにリセットされるのであれば、照射期間IPまたは蓄積期間の開始後であってもよい。換言すると、駆動回路114は、放射線の照射期間IPにおける所定タイミングttまでに奇数行の撮像画素PIXに蓄積された信号がリセットされるように、奇数行の撮像画素PIX(第1画素)のスイッチSWを制御するように構成されうる。
奇数行の撮像画素PIX(第1画素)が放射線の照射に応じた信号を蓄積する期間T1(第1期間)の開始タイミングは、所定タイミングttである。換言すると、駆動回路114は、照射期間IPのうち所定タイミングttの後に照射された放射線に応じた信号が奇数行の撮像画素PIX(第1画素)で蓄積されるように奇数行の撮像画素PIX(第1画素)のスイッチSWを制御する。
その後、例えば、照射期間IPの終了後に蓄積期間が終了する。蓄積期間の終了タイミングは、本読み期間の開始タイミングによって規定されうる。奇数行、即ち第1行および第3行の撮像画素PIX(第1画素)が放射線の照射に応じた信号を蓄積する期間T1(第1期間)の終了タイミングは、照射期間IPの終了タイミングおよび蓄積期間の終了タイミングのうち早いタイミングである。偶数行、即ち第2行および第4行の撮像画素PIX(第2画素)が放射線の照射に応じた信号を蓄積する期間T2(第2期間)の開始タイミングは、照射期間IPの開始タイミングである。また、偶数行、即ち第2行および第4行の撮像画素PIX(第2画素)が放射線の照射に応じた信号を蓄積する期間T2(第2期間)の終了タイミングは、照射期間IPの終了タイミングおよび蓄積期間の終了タイミングのうち早いタイミングである。期間T1(第1期間)および期間T2(第2期間)は、蓄積期間に含まれる期間である。
この例では、期間T1(第1期間)は、期間T2(第2期間)より短く、期間T2の一部と期間T1とが重複している。また、期間T1に照射される放射線のエネルギーの最大値と、期間T2に属し第1期間T1に属しない期間に照射される放射線のエネルギーの最大値とが互いに異なる。より具体的には、この例では、期間T1に照射される放射線のエネルギーの最大値は、期間T2に属し第1期間T1に属しない期間に照射される放射線のエネルギーの最大値より大きい。
本読み期間(出力期間)では、駆動回路114は、第1行から第4行のゲート線Vg1〜Vg4を順次にアクティブレベルに駆動する。これに同期して、読出回路113は、第1行から第4行の撮像画素PIXから列信号線Sig1〜Sig4に出力される信号を読み出す。具体的には、第1行の画素PIX(第1画素)から第2エネルギーBの放射線に対応する信号が列信号線Sig1〜Sig4に出力され、読出回路113によって読み出される。次いで、第2行の画素PIX(第2画素)から第1エネルギーRおよび第2エネルギーBの放射線に対応する信号が列信号線Sig1〜Sig4に出力され、読出回路113によって読み出される。次いで、第3行の画素PIX(第1画素)から第2エネルギーBの放射線に対応する信号が列信号線Sig1〜Sig4に出力され、読出回路113によって読み出される。次いで、第4行の画素PIX(第2画素)から第1エネルギーRおよび第2エネルギーBの放射線に対応する信号が列信号線Sig1〜Sig4に出力され、読出回路113によって読み出される。
読出回路113によって読み出された信号は、マルチプレクサ108およびバッファ109を介してAD変換器110に供給される。AD変換器110は、その信号をAD変換して、放射線画像データとして、コンピュータ440に供給しうる。
本実施形態によれば、蓄積期間(他の観点では照射期間)の終了後に画素アレイ112の複数の撮像画素PIX(複数の第1画素および複数の第2画素)からの信号の読み出しを行うので、照射期間IPを短くすることができる。これにより、第2エネルギーBの放射線によって形成される放射線画像と第1エネルギーRおよび第2エネルギーBの放射線によって形成される放射線画像との読出時間差を小さくすることができる。したがって、被検体の動きによるアーチファクトを低減することができる。
第2エネルギーBの放射線によって形成される放射線画像、および、第1エネルギーRおよび第2エネルギーBの放射線によって形成される放射線画像は、オフセット補正がなされてもよい。第2エネルギーBの放射線によって形成される放射線画像のオフセット補正は、該放射線画像からオフセット画像を減じることによってなされうる。第1エネルギーRおよび第2エネルギーBの放射線によって形成される放射線画像のオフセット補正は、該放射線画像からオフセット画像を減じることによってなされうる。オフセット画像は、図4の2つ目のフレームのように、放射線が照射されない状態で、上記の空読み期間、蓄積期間および本読み期間で構成される動作を実行することによってなされうる。第2エネルギーBの放射線によって形成される放射線画像、および、第1エネルギーRおよび第2エネルギーBの放射線によって形成される放射線画像は、更にゲイン補正がなされうる。
図4の例では、1フレーム目で1つの放射線画像が撮像され、2フレーム目では、オフセット画像が取得される。動画を撮像する際には、2フレーム目の蓄積期間の開始と放射線の照射の開始とが同期するように放射線が照射される。
図5を参照しながら、放射線検出パネル212からコンピュータ240に供給された放射線画像データをコンピュータ440が処理する例を説明する。コンピュータ240は、放射線検出パネル212からコンピュータ440に供給された放射線画像データに対してオフセット補正およびゲイン補正を実行しうる。
図5のaには、放射線検出パネル212からコンピュータ240に供給された放射線画像、あるいは、該放射線画像にオフセット補正およびゲイン補正がなされた放射線画像データが模式的に示されている。コンピュータ440は、図5のaに示された放射線画像を、図5のbに示された第2エネルギーBの放射線画像と、図5のcに示された、第1エネルギーRおよび第2エネルギーBの放射線画像とに分離する。
また、コンピュータ240は、図5のbに示された第2エネルギーBの放射線画像における偶数行の画素データを補間によって生成し、図5のdに示された第2エネルギーBの放射線画像を生成する。また、コンピュータ240は、図5のcに示された、第1エネルギーRおよび第2エネルギーBの放射線画像における奇数行の画素データを補間によって生成し、図5のeに示された、第1エネルギーRおよび第2エネルギーBの放射線画像を生成する。
更に、コンピュータ240は、図5のeに示された、第1エネルギーRおよび第2エネルギーBの放射線画像から図5のdに示された第2エネルギーBの放射線画像を減じることによって、図5のgに示された第1エネルギーRの放射線画像を生成する。図5のgに示された第1エネルギーRの放射線画像を生成する処理は、エネルギーサブトラクション法による画像処理の一例である。エネルギーサブトラクション法は、被検体に照射する放射線のエネルギーを異ならせて複数回にわたって撮像して得た複数の放射線画像を処理することによって新たな放射線画像(例えば、骨画像および軟部組織画像)を得る方法である。
以上の例では、1回の撮像のために、放射線源230が発生する放射線のエネルギーが放射線源制御部420によって2段階に制御される。しかし、1回の撮像のために、放射線源230が発生する放射線のエネルギーが放射線源制御部220によって3段階以上に制御されてもよい。図6には、1回の撮像のために、放射線源230が発生する放射線のエネルギーが放射線源制御部220によって3段階に制御される例が示されている。この3段階は、第1エネルギーRと、第1エネルギーRより大きい第2エネルギーGと、第2エネルギーGより大きい第3エネルギーBとで構成される。
例えば、複数の撮像画素PIXのうち第1画素は、第2エネルギーGおよび第3エネルギーBの放射線画像を撮像するために使用されうる。また、複数の撮像画素PIXのうち第2画素は、第3エネルギーBの放射線画像を撮像するために使用されうる。複数の撮像画素PIXのうち第3画素は、第1エネルギーR、第2エネルギーGおよび第3エネルギーBの放射線画像を撮像するために使用されうる。第1画素、第2画素および第3画素は、画素アレイ112において、交互に配置されうる。
上記の第1実施形態では、放射線源制御部220が放射線源230を制御することによって1つの照射期間IPにおいて放射線のエネルギーが第1エネルギーRから第2エネルギーBに変更される。このような方式に代えて、1つの設定されたエネルギーの下で放射線源230が放射する放射線のエネルギーの波形が利用されてもよい。図7には、1つの設定されたエネルギーの下で放射線源230が放射する放射線のエネルギーの波形を利用して2つのエネルギーの放射線画像を得る例が示されている。ここで言及しない事項は、図4を参照しながら説明した事項に従いうる。放射線源430から放射される放射線のエネルギーが設定されたエネルギーまで立ち上がるには相当の時間を要しうる。そこで、放射線の照射の開始から放射線のエネルギーが所定レベルに到達するまでの放射線のエネルギーを第1エネルギーRとし、それ以降の放射線のエネルギーを第2エネルギーBとして上記の実施形態を適用することができる。このような方式によれば、特別な放射線源を用いることなくエネルギーサブトラクション法のための放射線画像を得ることができる。
図8、図9を参照しながら本発明の第2実施形態を説明する。図8には、放射線検出パネル212の構成が示され、図9には、放射線検出パネル212を有する放射線撮像装置210および放射線撮像システム200の動作が示されている。第2実施形態として言及しない事項は、第1実施形態(図7に示された例を含む)に従いうる。第2実施形態では、放射線検出パネル212が検知回路150を備えている。検知回路150は、放射線検出パネル212に照射された放射線のエネルギーを検知する。検知回路150は、例えば、放射線検出パネル212に照射された放射線のエネルギーを検知し、そのエネルギーを示す情報を制御部214に供給しうる。この場合、制御部214は、検知回路150から供給される情報に基づいて、放射線のエネルギーが第1エネルギーRから第2エネルギーBに変化するタイミングを検知し、放射線検出パネル212にその結果を通知することができる。放射線検出パネル212の駆動回路114は、この通知に応じて、奇数行の撮像画素PIX(第1画素)のゲート線Vg1、Vg3に供給されるゲート信号をアクティブレベルからインアクティブレベルに変化させうる。これにより、全てのフレームにおいて、奇数行の撮像画素PIX(第1画素)のゲート線Vg1、Vg3に供給されるゲート信号をアクティブレベルからインアクティブレベルに変化させる際の放射線のエネルギーを同じレベルにすることができる。これは、例えば、動画におけるチラツキを抑えるために有利である。検知回路150は、例えば、バイアス線Bsを流れる電流を検出することによって放射線検出パネル212に照射されている放射線のエネルギーを検知することができる。
あるいは、読出回路113が列信号線Sig1〜4を流れる電流を検知することによって放射線検出パネル212に照射されている放射線のエネルギーを検知してもよい。ここで、奇数行の撮像画素PIXのゲート線Vg1、Vg3に供給されるゲート信号がアクティブレベルである状態では、奇数行の撮像画素PIXから列信号線Sig1〜4に、照射された放射線のエネルギーに応じた信号が出力される。奇数行の撮像画素PIXのゲート線Vg1、Vg3に供給されるゲート信号を継続してアクティブレベルにする代わりに、アクティブレベルとインアクティブレベルとを交互に繰り返してもよい。この場合には、ゲート信号がアクティブレベルにされている状態で放射線のエネルギーレベルが検出され、インアクティブレベルにされている状態でノイズレベルが検出されうる。エネルギーレベルとノイズレベルとの差分を演算することによって、ノイズレベルが除去されたエネルギーレベルを得ることができる。
図10、図11を参照しながら本発明の第3実施形態を説明する。図10には、放射線検出パネル212の構成が示され、図11には、放射線検出パネル212を有する放射線撮像装置210および放射線撮像システム200の動作が示されている。第3実施形態として言及しない事項は、第1又は第2実施形態に従いうる。第3実施形態では、放射線検出パネル212は、2つの読出回路、即ち、第1読出回路113aおよび第2読出回路113bを備えている。ここで、画素アレイ112は、第1行から第2n行(nは自然数)までの複数の行を有するものとする。この場合、第1読出回路113aは、複数の撮像画素PIXのうち第1から第n行までに配置された撮像画素PIXから信号を読み出す。また、第2読出回路113bは、複数の撮像画素PIXのうち第(n+1)行から第2n行までに配置された撮像画素PIXから信号を読み出す。図10に示された例は、説明の便宜のために、n=4とされている。
一例において、第1読出回路113aは第1行から第n行までの行の撮像画素PIXの信号を第1行から順に読み出し、第2読出回路113aは第(n+1)行から第2n行までの行の撮像画素PIXの信号を第2n行から順に読み出しうる。この場合、図5を参照して説明した補間を良好に行うためには、第n行の撮像画素PIXが検出する放射線のエネルギーと、第n行の隣の第(n+1)行の撮像画素PIXが検出する放射線のエネルギーとは異なることが好ましい。例えば、第n行の撮像画素PIXが検出する放射線のエネルギーが第1エネルギーRである場合、第n行の隣の第(n+1)行の撮像画素PIXが検出する放射線のエネルギーは第2エネルギーBであることが好ましい。また、第n行の撮像画素PIXが検出する放射線のエネルギーが第2エネルギーBである場合、第n行の隣の第(n+1)行の撮像画素PIXが検出する放射線のエネルギーは第1エネルギーRであることが好ましい。換言すると、同一の列に属する第n行の撮像画素PIXと第(n+1)行の撮像画素PIXの一方は第1画素であり、他方は第2画素であることが好ましい。
図11に例示されるように、あるフレームで奇数行を第1画素、偶数行を第2画素とした場合、次のフレームでは偶数行を第1画素、奇数行を第2画素とするように、フレームごとに各撮像画素PIXが検出する放射線のエネルギーを入れ替えることが好ましい。この場合は、2種類のオフセット画像を準備することが好ましい。
図12、図13、図14を参照しながら本発明の第4実施形態を説明する。図12には、放射線検出パネル212の構成が示され、図13には、放射線検出パネル212を有する放射線撮像装置210および放射線撮像システム200の動作が示されている。図14には、第1画素および第2画素の配置が例示されている。この例では、第1画素P11、P13、P22、P24、P31、P33、P42、P44が第2エネルギーBの放射線を検出する撮像画素である。また、第2画素P12、P14、P21、P23、P32、P34、P41、P43が第1エネルギーRおよび第2エネルギーBの放射線を検出する撮像画素である。
第4実施形態として言及しない事項は、第1乃至第3実施形態に従いうる。第4実施形態では、第1画素と第2画素とは、画素アレイ112の列方向に交互に配置され、かつ、画素アレイ112の行方向に交互に配置されている。例えば、第1行には、第1画素としての撮像画素P11、P13と第2画素としての撮像画素P12、P14が交互に、即ち、第1画素、第2画素、第1画素、第2画素の順に配置されている。また、第1列には、第1画素としての撮像画素P11、P31と第2画素としての撮像画素P21、P41が交互に、即ち、第1画素、第2画素、第1画素、第2画素の順に配置されている。このような構成は、図5を参照して説明した補間を良好に行うために有利である。
また、互いに隣り合う行にそれぞれ配置された第1画素(例えば、P22、P24、P31、P33)が同一のゲート線(信号線)を介して駆動回路114によって駆動されうる。このような構成は、ゲート線の数を減らすために有利である。
図15を参照しながら本発明の第5実施形態を説明する。第5実施形態として言及しない事項は、第1乃至第4実施形態に従いうる。第5実施形態では、各撮像画素PIXが、放射線を電気的な信号に変換する変換素子Cと、変換素子Cからの信号に応じた信号を複数の列信号線のうち対応する列信号線Sigに出力する出力回路部202とを含む。駆動回路114は、第1期間に照射された放射線に応じた信号が複数の第1画素から出力され、第2期間に照射された放射線に応じた信号が複数の第2画素から出力されるように、複数の撮像画素PIXの各々の出力回路部202を制御する。
出力回路部202は、リセットスイッチ221(リセット部)、増幅回路230、感度変更部240、クランプ回路260、サンプルホールド回路(保持部)270、280、出力回路310を含む。
変換素子Cは、放射線を電気信号に変換する。変換素子Cは、例えば、複数の画素で共有されうるシンチレータと、光電変換素子とで構成されうる。変換素子Cは、変換された電気信号(電荷)、即ち放射線に応じた電気信号を蓄積する電荷蓄積部を有し、電荷蓄積部は、増幅回路230の入力端子に接続されている。
増幅回路230は、MOSトランジスタ235、236、電流源237を含みうる。MOSトランジスタ235は、MOSトランジスタ236を介して電流源237に接続されている。MOSトランジスタ235および電流源237によってソースフォロア回路が構成される。MOSトランジスタ236は、イネーブル信号ENが活性化されることによってオンして、MOSトランジスタ235および電流源237によって構成されるソースフォロア回路を動作状態にするイネーブルスイッチである。
変換素子Cの電荷蓄積部およびMOSトランジスタ235のゲートは、電荷蓄積部に蓄積された電荷を電圧に変換する電荷電圧変換部CVCとして機能する。即ち、電荷電圧変換部CVCには、電荷蓄積部に蓄積された電荷Qと電荷電圧変換部が有する容量値Cとによって定まる電圧V(=Q/C)が現れる。電荷電圧変換部CVCは、リセットスイッチ221を介してリセット電位Vresに接続されている。リセット信号PRESが活性化されるとリセットスイッチ221がオンして、電荷電圧変換部の電位がリセット電位Vresにリセットされる。リセットスイッチ221は、変換素子Cの電荷蓄積部に接続された第1主電極(ドレイン)と、リセット電位Vresが与えられる第2主電極(ソース)と、制御電極(ゲート)とを有するトランジスタを含みうる。該トランジスタは、該制御電極にオン電圧が与えられることによって該第1主電極と該第2主電極とを導通させて変換素子Cの電荷蓄積部をリセットする。
クランプ回路260は、リセットされた電荷電圧変換部CVCの電位に応じて増幅回路230から出力されるリセットノイズレベルをクランプ容量261によってクランプする。クランプ回路260は、変換素子Cで変換された電荷(電気信号)に応じて増幅回路230から出力される信号(放射線信号)からリセットノイズレベルをキャンセルするための回路である。リセットノイズベルは、電荷電圧変換部CVCのリセット時のkTCノイズを含む。クランプ動作は、クランプ信号PCLを活性化することによってMOSトランジスタ262をオンさせた後に、クランプ信号PCLを非活性化することによってMOSトランジスタ262をオフさせることによってなされる。
クランプ容量261の出力側は、MOSトランジスタ263のゲートに接続されている。MOSトランジスタ263のソースは、MOSトランジスタ264を介して電流源265に接続されている。MOSトランジスタ263と電流源265とによってソースフォロア回路が構成されている。MOSトランジスタ264は、そのゲートに供給されるイネーブル信号EN0が活性化されることによってオンして、MOSトランジスタ263と電流源265とによって構成されるソースフォロア回路を動作状態にするイネーブルスイッチである。
出力回路310は、MOSトランジスタ311、313、315、行選択スイッチ312、314を含む。MOSトランジスタ311、313、315は、それぞれ、列信号線321、322に接続された不図示の電流源とともにソースフォロア回路を構成する。
変換素子Cで発生した電荷に応じてクランプ回路260から出力される信号である放射線信号は、サンプルホールド回路280によってサンプルホールド(保持)されうる。サンプルホールド回路280は、スイッチ281および容量282を有しうる。スイッチ281は、サンプルホールド信号TSが活性化されることによってオンする。クランプ回路260から出力される放射線信号は、サンプルホールド信号TSが活性化されることによって、スイッチ281を介して容量282に書き込まれる。
リセットスイッチ221によって電荷電圧変換部CVCの電位がリセットされ、MOSトランジスタ262がオンした状態では、クランプ回路260からは、クランプ回路260のノイズレベル(オフセット成分)が出力される。クランプ回路260のノイズレベルは、サンプルホールド回路270によってサンプルホールド(保持)されうる。サンプルホールド回路270は、スイッチ271および容量272を有しうる。スイッチ271は、サンプルホールド信号TNが活性化されることによってオンする。クランプ回路260から出力されるノイズレベルは、サンプルホールド信号TNが活性化されることによって、スイッチ271を介して容量272に書き込まれる。
行選択信号VSTが活性化されると、サンプルホールド回路270、280に保持されている信号に応じた信号が列信号線Sigとしての第1列信号線321、第2列信号線322に出力される。具体的には、サンプルホールド回路270によって保持されているノイズレベルに応じた信号NがMOSトランジスタ311および行選択スイッチ312を介して列信号線321に出力される。また、サンプルホールド回路280によって保持されている放射線信号に応じた信号SがMOSトランジスタ313および行選択スイッチ314を介して列信号線322に出力される。
撮像画素PIXは、複数の撮像画素PIXの信号を加算するための加算スイッチ301、302を含んでもよい。加算モード時は、加算モード信号ADDN、ADDSが活性化される。加算モード信号ADDNの活性化により複数の撮像画素PIXの容量272同士が接続され、信号(ノイズレベルまたは放射線信号)が平均化される。加算モード信号ADDSの活性化により複数の撮像画素PIXの容量282同士が接続され、放射線信号が平均化される。
撮像画素PIXは、感度変更部240を含みうる。感度変更部240は、スイッチ241、242、容量243、244、MOSトランジスタ245、246を含みうる。第1変更信号WIDEが活性化されると、スイッチ241がオンして、電荷電圧変換部CVCの容量値に第1付加容量243の容量値が付加される。これによって、撮像画素PIXの感度が低下する。更に第2変更信号WIDE2も活性化されると、スイッチ242もオンして、電荷電圧変換部CVCの容量値に第2付加容量244の容量値が付加される。これによって撮像画素PIXの感度が更に低下する。撮像画素PIXの感度を低下させる機能を追加することによって、ダイナミックレンジを広げることができる。第1変更信号WIDEが活性化される場合には、イネーブル信号ENWが活性化されてもよい。この場合、MOSトランジスタ246がソースフォロア動作をする。
読出回路113は、以上のような撮像画素PIXから列信号線Sigを介して信号を読み出してバッファ109を介してAD変換器110に供給する。AD変換器110は、その信号をAD変換して、放射線画像データとして、コンピュータ240に供給しうる。
第1乃至第4実施形態では、撮像画素PIXのスイッチSWの制御端子に供給されるゲート信号を制御することによって、第2エネルギーBの放射線に対応する信号と、第1エネルギーRおよび第2エネルギーBの放射線に対応する信号とが検出される。第5実施形態では、撮像画素PIXの出力回路部202を制御によって、第2エネルギーBの放射線に対応する信号と、第1エネルギーRおよび第2エネルギーBの放射線に対応する信号とが検出される。あるいは、第5実施形態では、撮像画素PIXの出力回路部202を制御によって、第1エネルギーRの放射線に対応する信号と、第1エネルギーRおよび第2エネルギーBの放射線に対応する信号とが検出される。撮像画素PIXの出力回路部202の制御は、例えば、行単位または列単位で以下のような駆動方法になされうる。
第1の駆動方法では、第1エネルギーRの放射線の照射中は奇数行の撮像画素PIXのクランプ信号PCLをアクティブレベルにしてMOSトランジスタ262をオン状態にし、第2エネルギーBへの遷移に応じてクランプ信号PCLをインアクティブレベルにする。これにより、第1エネルギーRの放射線に応じて増幅回路230から出力される信号がクランプ容量261によってクランプされる。次いで、第2エネルギーBの放射線の照射に応じた信号が増幅回路230からクランプ容量261に供給され、クランプ回路260からは、第2エネルギーBの放射線の照射に応じた信号が出力される。一方、偶数行の撮像画素PIXについては、第1エネルギーRの放射線の照射の前にクランプ信号PCLがインアクティブレベルにされる。したがって、クランプ回路260からは、第1エネルギーRおよび第2エネルギーBの放射線に応じた信号が出力される。これにより、奇数行の撮像画素PIXからは、第2エネルギーBの放射線に応じた信号が出力され、偶数行の撮像画素PIXからは、第1エネルギーRおよび第2エネルギーBの放射線に応じた信号が出力される。以上の動作において、奇数行の撮像画素PIXの駆動方法と偶数行の撮像画素PIXの駆動方法とを入れ替えてもよい。
第2の駆動方法では、第1エネルギーRの放射線の照射中は、奇数列のリセット信号PRESをアクティブレベルにして、リセットスイッチ221をオン状態にし、変換素子Cをリセット状態に維持する。そして、第2エネルギーBの放射線の照射の開始に応じて、奇数列のリセット信号PRESをインアクティブレベルに変更し、第2エネルギーBの放射線に応じた信号を奇数列の撮像画素PIXの容量282に書き込む。一方、偶数列については、第1エネルギーRの放射線の照射の前に、リセット信号PRESをインアクティブレベルにする。これにより、第1エネルギーRおよび第2エネルギーBの放射線に応じた信号を偶数列の撮像画素PIXの容量282に書き込む。このような動作により、奇数行の撮像画素PIXからは、第2エネルギーBの放射線に応じた信号が出力され、偶数行の撮像画素PIXからは、第1エネルギーRおよび第2エネルギーBの放射線に応じた信号が出力される。
第3の駆動方法では、第1エネルギーRの放射線の照射中に、奇数列の光信号サンプリング信号TSをアクティブレベルにすることにより、第1エネルギーRの放射線に応じた信号を奇数列の撮像画素PIXの容量282に書き込む。その後、第2エネルギーBの放射線の照射の直前に、奇数列の光信号サンプリング信号TSをインアクティブレベルにする。これにより、奇数列の撮像画素PIXの容量282には、第1エネルギーRの放射線に応じた信号のみが書き込まれる。一方、偶数列については、第2エネルギーBの放射線の照射の終了後に、光信号サンプリング信号TSをアクティブレベルにした後にインアクティブレベルにする。これにより、偶数列の撮像画素PIXの容量282には、第1エネルギーRおよび第2エネルギーBの放射線に応じた信号が書き込まれる。このような動作により、奇数行の撮像画素PIXからは、第1エネルギーRの放射線に応じた信号が出力され、偶数行の撮像画素PIXからは、第1エネルギーRおよび第2エネルギーBの放射線に応じた信号が出力される。
212:放射線検出パネル、214:制御部、112:画素アレイ、113:読出回路、114:駆動回路、PIX:撮像画素、C:変換素子、SW:スイッチ、Sig:列信号線
Claims (20)
- 放射線画像を撮像するための複数の撮像画素を有する画素アレイと、前記画素アレイを駆動する駆動回路とを備える放射線撮像装置であって、
前記複数の撮像画素は、複数の第1画素と、複数の第2画素とを含み、
前記駆動回路は、放射線の照射の開始に応じて前記複数の撮像画素の少なくとも1つによる信号の蓄積がなされる蓄積期間が開始され、前記蓄積期間の終了後に、前記蓄積期間に含まれる第1期間に照射された放射線に応じた信号が前記複数の第1画素から出力され、前記蓄積期間に含まれ、前記第1期間とは異なる第2期間に照射された放射線に応じた信号が前記複数の第2画素から出力されるように、前記画素アレイを駆動する、
ことを特徴とする放射線撮像装置。 - 放射線の照射の開始に応じて、前記複数の撮像画素の少なくとも1つによる信号の蓄積がなされる蓄積期間が開始され、前記第1期間および前記第2期間は、前記蓄積期間に属する、
ことを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。 - 前記画素アレイの動作期間は、前記複数の撮像画素をリセットする動作を繰り返す待機期間、前記複数の撮像画素の少なくとも1つによる信号の蓄積がなされる蓄積期間、および、前記画素アレイから信号が出力される出力期間を含み、
前記第1期間および前記第2期間は、前記蓄積期間に属する、
ことを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。 - 前記第1期間は、前記第2期間より短く、前記第2期間の一部と前記第1期間とが重複している、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。 - 前記第1期間に照射される放射線のエネルギーの最大値と、前記第2期間に属し前記第1期間に属しない期間に照射される放射線のエネルギーの最大値とが互いに異なる、
ことを特徴とする請求項4に記載の放射線撮像装置。 - 前記第1画素と前記第2画素とは、交互に配置されている、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。 - 前記駆動回路は、前記画素アレイを行単位に駆動するように構成され、
前記第1画素と前記第2画素は、前記画素アレイの列方向に交互に配置されている、
ことを特徴とする請求項6に記載の放射線撮像装置。 - 前記第1画素と前記第2画素とは、前記画素アレイの列方向に交互に配置され、かつ、前記画素アレイの行方向に交互に配置されている、
ことを特徴とする請求項6に記載の放射線撮像装置。 - 前記複数の撮像画素は、複数の第3画素を更に含み、前記第1画素、前記第2画素および前記第3画素は、交互に配置されている、
ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。 - 前記画素アレイは、複数の列信号線を含み、
前記複数の撮像画素の各々は、放射線を検出する変換素子と、前記変換素子と前記複数の列信号線のうち対応する列信号線とを電気的に接続するスイッチと、を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。 - 前記画素アレイの各行には、前記第1画素と前記第2画素とが交互に配置され、
互いに隣り合う行にそれぞれ配置された前記第1画素が同一の信号線を介して前記駆動回路によって駆動される、
ことを特徴とする請求項10に記載の放射線撮像装置。 - 前記駆動回路は、前記蓄積期間の開始後に開始し前記蓄積期間の終了前に終了する放射線の照射期間における所定タイミングまでに前記複数の第1画素で蓄積された信号がリセットされ、前記照射期間のうち前記所定タイミングの後に照射された放射線に応じた信号が前記複数の第1画素で蓄積されるように前記複数の第1画素の前記スイッチを制御し、前記第1期間は、前記照射期間のうち前記所定タイミングの後の期間である、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の放射線撮像装置。 - 前記画素アレイは、第1行から第2n行(nは自然数)までの複数の行を有し、
前記放射線撮像装置は、前記複数の撮像画素のうち第1から第n行までに配置された撮像画素から信号を読み出す第1読出回路と、前記複数の撮像画素のうち第(n+1)行から第2n行までに配置された撮像画素から信号を読み出す第2読出回路とを更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。 - 同一の列に属する前記第n行の撮像画素と前記第(n+1)行の撮像画素の一方が前記第1画素であり、他方が前記第2画素である、
ことを特徴とする請求項13に記載の放射線撮像装置。 - 前記画素アレイは、複数の列信号線を含み、
前記複数の撮像画素の各々は、放射線を電気的な信号に変換する変換素子と、前記変換素子からの信号に応じた信号を前記複数の列信号線のうち対応する列信号線に出力する出力回路部と、を含み、
前記駆動回路は、前記第1期間に照射された放射線に応じた信号が前記複数の第1画素から出力され、前記第2期間に照射された放射線に応じた信号が前記複数の第2画素から出力されるように、前記複数の撮像画素の各々の前記出力回路部を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。 - 前記複数の第1画素から出力された信号と前記複数の第2画素から出力された信号とに基づいてエネルギーサブトラクションによる画像が生成される、
ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の放射線撮像装置。 - 放射線を発生する放射線源と、
前記放射線源を制御する放射線源制御部と、
請求項1乃至16のいずれか1項に記載の放射線撮像装置と、を備え、
前記放射線源制御部は、前記放射線源によって前記放射線撮像装置に照射される放射線のエネルギーを制御する機能を有する、
ことを特徴とする放射線撮像システム。 - 前記放射線源制御部は、前記放射線源の管電圧を制御することによって前記放射線撮像装置に照射される放射線のエネルギーを制御する、
ことを特徴とする請求項17に記載の放射線撮像システム。 - 前記放射線源は、フィルタを有し、
前記放射線源制御部は、前記フィルタを制御することによって前記放射線撮像装置に照射される放射線のエネルギーを制御する、
ことを特徴とする請求項17に記載の放射線撮像システム。 - 複数の第1画素および複数の第2画素を有する画素アレイを有する放射線撮像装置の制御方法であって、
放射線の照射の開始に応じて前記複数の第1画素および前記複数の第2画素の少なくとも1つによる信号の蓄積がなされる蓄積期間が開始され、前記蓄積期間の終了後に、前記蓄積期間に含まれる第1期間に照射された放射線に応じた信号を前記複数の第1画素から出力し、前記蓄積期間に含まれ、前記第1期間と長さが異なる第2期間に照射された放射線に応じた信号を前記複数の第2画素から出力する、
ことを特徴とする放射線撮像装置の制御方法。
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