以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係るV2X通信のシステム構成例を示した図である。図1には、車両1a,1bと、RSU(Road Side Unit)2と、P(Pedestrian)−UE3と、無線基地局4と、コアネットワーク装置5と、ITSサーバ6と、が示してある。
車両1a,1bのそれぞれは、V(Vehicle)−UE(図示せず)を備えている。車両1a,1bのそれぞれに搭載されているV−UEは、図1の矢印A1に示すように、無線基地局4を介さずに、無線通信(V2V(Vehicle-to-Vehicle)通信)を行う。
車両1a,1bのそれぞれに搭載されているV−UEは、図1の矢印A2a,A2bに示すように、無線基地局4を介さずに、RSU2と無線通信(V2I(Vehicle-to-Infrastructure)通信)を行う。
車両1a,1bのそれぞれに搭載されているV−UEは、図1の矢印A3a,A3bに示すように、無線基地局4を介さずに、歩行者が所持するP−UE3と無線通信(V2P(Vehicle-to-Pedestrian)通信)を行う。
車両1a,1bのそれぞれに搭載されているV−UEは、図1の点線矢印A4に示すように、無線基地局4とUL(UpLink)及びDL(DownLink)の無線通信を行う。RSU2は、図1の点線矢印A5に示すように、無線基地局4とUL及びDLの無線通信を行う。P−UE3は、図1の点線矢印A6に示すように、無線基地局4とUL及びDLの無線通信を行う。
無線基地局4は、コアネットワーク装置5と接続されている。コアネットワーク装置5は、ITSサーバ6と接続されている。車両1a,1bに搭載されているV−UE、RSU2、及びP−UE3のそれぞれは、無線基地局4を介して、コアネットワーク装置5及びITSサーバ6と通信を行う。
なお、図1の矢印A1,A2a,A2b,A3a,A3bに示す無線通信は、D2D通信(サイドリンク)ベースV2X通信と呼ばれてもよい。また、車両1a,1bに搭載されたV−UEと、RSU2又はP−UE3との間の、無線基地局4を介した無線通信は、セルラ通信(UL/DL)ベースV2X通信と呼ばれてもよい。
図2は、サイドリンクベースV2Xの一例を説明する図である。図2には、車両10a〜10cと、無線基地局11と、人工衛星12と、が示してある。車両10a〜10cのそれぞれは、V−UE(図示せず)を備えている。
サイドリンクベースV2X通信では、端末装置間の無線通信が同期している。例えば、車両10aのV−UEは、車両10bのV−UEとV2V通信を行っているとする。車両10aのV−UEは、車両10cのV−UEとV2V通信を行っているとする。車両10bのV−UEと車両10cのV−UEとは、互いの通信範囲の外にあり、V2V通信を行っていないとする。この場合、車両10aのV−UEと車両10bのV−UEとの間の無線通信と、車両10aのV−UEと車両10cのV−UEとの間の無線通信とは、同期している。
車両10a〜10cに搭載されているV−UEは、例えば、無線基地局11のカバレッジ内に存在している場合、無線基地局11が送信する同期信号によって無線通信を同期してもよい。また、車両10a〜10cに搭載されているV−UEは、例えば、人工衛星12と無線通信を行うことができる場合、人工衛星12が送信する同期信号によって無線通信を同期してもよい。
また、車両10a〜10cに搭載されているV−UEは、無線基地局11のカバレッジ外に存在している場合、及び人工衛星12と無線通信を行うことができない場合、他のV−UEから発せられる同期信号を参照し、無線通信を同期してもよい。また、車両10a〜10cに搭載されているV−UEは、無線基地局11のカバレッジ内に存在している場合、又は人工衛星12と無線通信を行うことができる場合であっても、他のV−UEから発せられる同期信号を参照し、無線通信を同期してもよい。
RSU及びP−UEにおいても同様に、無線通信は同期している。例えば、図1に示した矢印A1,A2a,A2b,A3a,A3bに示すそれぞれの無線通信は、同期している。
図3は、サイドリンクV2X通信における無線リソースの構成例を示した図である。図3に示すように、サイドリンクV2X通信における無線リソースは、複数のリソースブロックRB1によって構成される。リソースブロックRB1は、時間領域及び周波数領域によって構成されるリソース割り当て単位である。リソースブロックRB1の時間幅は、例えば、図3に示すように1msである。リソースブロックRB1の時間方向は、サブフレームと呼ばれてもよい。
図2で説明したように、V2X通信では、UE間の無線通信が同期している。従って、各UEは、同期した共通のリソースブロック群から、無線リソースを選択する。例えば、図3には、3台のUE1〜UE3が、同期した共通のリソースブロック群から、無線リソースを選択している様子を示している。
図4Aは、UEの無線リソース選択の一例を説明する図である。図4Bは、無線基地局による無線リソース割り当ての一例を説明する図である。図4Aには、車両21a,21bが示してある。図4Bには、車両21a,21bと、無線基地局22と、が示してある。車両21a,21bは、V−UE(図示せず)を搭載している。
図4Aに示すように、車両21a,21bに搭載されているV−UEは、自律的に無線リソースを選択してもよい。車両21a,21bに搭載されているV−UEは、無線基地局の無線通信圏内に位置するか、及び無線基地局の無線通信圏外に位置するかに関係なく、自律的に無線リソースを選択してもよい。
図4Bに示すように、車両21a,21bに搭載されているV−UEは、無線基地局22によって、無線リソースが割り当てられてもよい。車両21a,21bに搭載されているV−UEは、無線基地局22によって割り当てられた無線リソースを用いて、無線通信を行ってもよい。無線基地局22によって無線リソースが割り当てられた場合、車両21a,21bに搭載されているV−UEは、無線基地局22の無線通信圏内に位置する。
無線リソースの自律的選択について説明する。
図5は、サイドリンクV2X通信におけるセンシングウィンドウ及びセレクションウィンドウの一例を説明する図である。図5には、センシングウィンドウ31と、セレクションウィンドウ32と、が示してある。
センシングウィンドウ31は、UEがセンシングを行う予め決められた時間ウィンドウである。セレクションウィンドウ32は、UEがリソースブロックを選択する期間として予め定められた時間ウィンドウである。
例えば、UEは、図5の矢印A11に示すパケットの送信開始時、センシングウィンドウ31をセンシングし、センシングウィンドウ31内の空リソースブロックを探索する。UEは、探索したセンシングウィンドウ31内の空きリソースブロックに基づき、セレクションウィンドウ32内において、パケット送信に用いるリソースブロック33を選択する。
なお、センシングは、例えば、物理レイヤによって行われてもよい。UE(UEの物理レイヤ)は、センシングウィンドウ31内の受信信号の受信電力に基づいて、電力の干渉パターンを分析し、各リソースブロックが、空きリソースブロックであるか、それとも、占有リソースブロック(図5に示すOccupied Resource)であるかを判定する。電力の干渉パターンを分析する受信電力には、例えば、RSRP(Reference Signal Received Power)又はRSSI(Received Signal Strength Indicator)等がある。
また、UEは、センシングウィンドウ31内の受信パケットに含まれる制御情報(具体的にはリソース予約情報)に基づいて、占有リソースブロックを占有している他のUEを識別できる。リソース予約情報は、リソースブロックの予約状況を示す情報である。
また、センシングウィンドウ31の時間領域の幅は、例えば、1000ミリ秒(ms)であってもよい。センシングウィンドウ31の周波数領域の幅は、例えば、無線リソースを構成する全周波数帯であってもよい。
ここで、サイドリンクのブロードキャスト通信は、ACK/NACKを用いない通信であり、V2X通信では、無線通信の信頼性向上が重要である。
また、自律的に無線リソースを選択するサイドリンクV2X通信では、パケットロスが発生する場合がある。例えば、UEは、ハーフデュプレクスの制約によって、パケットの送受信を同時に行うことができない。より具体的には、UEは、信号送信に使用している無線リソースのサブフレームと同じサブフレームにて他のUEが信号を送信した場合、他のUEの信号を受信できず、パケットロスが発生する場合がある。
図6は、パケットロスが発生するケースの一例を説明する図である。図6には、車両41と、車両41に搭載されているV−UEのセレクションウィンドウ42と、が示してある。また、図6には、車両51と、車両51に搭載されているV−UEのセレクションウィンドウ52と、が示してある。
車両41のV−UEは、図6のリソースブロック43a,43bを用いて、信号を車両51のV−UEに送信する。この場合、車両41のV−UEは、ハーフデュプレクスの制約により、リソースブロック43a,44bと同じサブフレームの信号を受信できない。
例えば、車両51のV−UEが、リソースブロック44aを用いて、車両41のV−UEに信号を送信した場合、車両41のV−UEは、リソースブロック43aを用いて信号を送信しているため、リソースブロック44aの信号を受信できない。また、車両51のV−UEが、リソースブロック44bを用いて、車両41のV−UEに信号を送信した場合、車両41のV−UEは、リソースブロック43bを用いて信号を送信しているため、リソースブロック44bの信号を受信できない。
また、車両51のV−UEは、図6のリソースブロック53a,53bを用いて、信号を車両41のV−UEに送信する。この場合、車両51のV−UEは、ハーフデュプレクスの制約により、リソースブロック53a,53bと同じサブフレームの信号を受信できない。
例えば、車両41のV−UEが、リソースブロック54aを用いて、車両51のV−UEに信号を送信した場合、車両51のV−UEは、リソースブロック53aを用いて信号を送信しているため、リソースブロック54aの信号を受信できない。また、車両41のV−UEが、リソースブロック54bを用いて、車両51のV−UEに信号を送信した場合、車両51のV−UEは、リソースブロック53bを用いて信号を送信しているため、リソースブロック54bの信号を受信できない。
そこで、第1の実施の形態では、2台以上のUEが1台の車両内に存在する場合、1台のUEを、サイドリンク通信の信号の送信及び受信を行うUEと判定し、残りのUEを、サイドリンク通信の信号の送信を行わず、受信を行うUEと判定する。この処理により、V2X通信における信頼性の向上を図る。また、パケットロスを抑制する。
図7は、第1の実施の形態に係るV2X通信の一例を説明する図である。図7には、車両61,62が示してある。
車両61には、サイドリンク通信の機能を備えたUE71〜73が位置している。UE71は、例えば、車両61に予め固定されていてもよい。UE72,73は、例えば、スマートホンであり、車両61の搭乗者によって、車内に持ち込まれてもよい。
車両62には、サイドリンク通信の機能を備えたUE76が搭載されている。UE76は、例えば、V−UEであり、車両62に固定されていてもよい。
1台の車両61内に、サイドリンク通信の機能を備えた複数のUE(UE71〜73)が存在する場合、UE71〜73のうちの1台が、パケットの送受信及びセンシングを行うV−UEとして動作する。一方、残りのUEは、パケットの送信を行わず、パケット受信及びセンシングを行う。以下では、パケットの送信を行わず、パケット受信及びセンシングを行うUEを、受信UEと呼ぶことがある。
例えば、車両61内に存在しているUE71〜73のうち、車両61に予め固定されているUE71が、V−UEとして動作する。V−UEとして動作するUE71は、図7の両矢印A21に示すように、パケットの送受信及びセンシングを行う。一方、残りのUE72,73は、受信UEとして動作する。受信UEとして動作するUE72,73は、図7の矢印A22,23に示すように、パケットの送信を行わず、パケットの受信及びセンシングを行う。
なお、以下で詳述するが、UE71〜73のそれぞれは、車両61内に、サイドリンク通信の機能を備えたUE71〜73が存在するか否かの判定(検知)処理を行う。そして、UE71〜73のそれぞれは、車両61に存在するUE71〜73のうち、どのUEをV−UEとするかの判定(選出)処理を行う。
受信UEとして選出されたUE72,73は、図7の矢印A26及び矢印A27に示すように、UE76から受信したパケット及びセンシング結果を、V−UEとして選出されたUE71に送信する。V−UEとして選出されたUE71は、UE76から受信したパケットと、UE72,73から受信したパケットとを合成する。この処理により、V−UEとして選出されたUE71は、UE76との無線通信の信頼性を向上する。
また、受信UEとして選出されたUE72,73は、V−UEとして選出されたUE71が、ハーフデュプレクスの制約によって受信できない信号(パケット)を受信できる。この処理により、V−UEとして選出されたUE71は、パケットロスを抑制できる。
また、UEとして選出されたUE71は、UE71のセンシング結果と、UE72,73から受信したセンシング結果とに基づいて、送信する信号(パケットを含む)のリソースブロックを選択する。UE71は、ハーフデュプレクスの制約により受信できない信号のセンシング結果(UE72,73のセンシング結果)も利用して、送信する信号のリソースブロックを選択する。この処理により、V−UEとして選出されたUE71は、無線通信の信頼性を向上できる。
なお、UE71〜UE73は、車両62に搭載されたUE76との無線通信に限られない。UE71〜UE73は、上記で説明した方法と同様の方法によって、RSU又はP−UEと無線通信を行ってもよい。
図8は、UE71の構成例を示したブロック図である。図8に示すように、UE71は、SL(SideLink)通信部81と、通信部82と、制御部83と、を有している。制御部83は、車内外判定部83aと、動作判定部83bと、信号処理部83cと、を有している。
SL通信部81は、他のUEとサイドリンク通信を行う。例えば、SL通信部81は、図7に示したUE76とサイドリンク通信を行う。
通信部82は、SL通信部81とは異なる通信方式で他のUEと通信を行う。例えば、通信部82は、図7に示したUE72,73と通信を行う。通信部82は、例えば、wifi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、無線基地局を介した通信、有線、又は特定周波数でのD2D通信などによって、他のUEと通信を行う。
車内外判定部83aは、SL通信部81によって受信された信号の受信電力に基づいて、1台の車両61内に、他のUE72,73が存在するか否かを判定(検出)する。例えば、車内外判定部83aは、閾値P1[dBm]以上の受信電力の信号が、SL通信部81によって時間T1以上受信され続けた場合、車両61内に他のUE72,73が存在すると判定してもよい。
なお、1台の車両内に存在する複数のUEは、比較的距離が近く、一緒に移動する。そのため、各UEは、受信電力の大きい信号を長時間受信する可能性が高い。これに対し、車内に存在するUEと、車外に存在するUEとは、比較的距離が遠く、一時的に距離が近い場合があっても、その後は別々に移動する。そのため、車内のUEと、車外のUEとは、受信電力の大きい信号を長時間受信する可能性が低い。そこで、車内外判定部83aは、上記したように、閾値以上の受信電力の信号が、SL通信部81によって所定時間以上受信され続けた場合、車両61内に他のUE72,73が存在すると判定してもよい。
動作判定部83bは、車内外判定部83aによって、1台の車両61内に複数のUE72,72が存在していると判定された場合、車両61内のUE71〜73のそれぞれに対し、V−UEとして動作すべきか、受信UE(サイドリンク通信の送信を行わないUE)として動作すべきかの判定(決定)を行う。動作判定部83bは、車両61内に存在するUE71〜73のうち、V−UEとして動作すべきUEを1台選出する。
例えば、動作判定部83bは、他のUE72,73から通知される通信性能情報と、UE71の通信性能情報とを比較し、通信性能が最も高いUEを、V−UEとして動作すべきと判定し、残りのUEに対しては、受信UEとして動作すべきと判定する。
信号処理部83cは、動作判定部83bによって、UE71がV−UEとして動作すべきと判定された場合、UE71で受信したパケット(例えば、UE71が図7の車両62のUE76から受信したパケット)と、他のUE72,73が受信したパケット(例えば、UE72,73が図7の車両62のUE76から受信したパケット)との合成処理を行う。また、信号処理部83cは、動作判定部83bによって、UE71がV−UEとして動作すべきと判定された場合、UEでセンシングしたセンシング結果と、他のUE72,73がセンシングしたセンシング結果とに基づいて、送信する信号のリソースブロックを選択する。
一方、信号処理部83cは、動作判定部83bによって、UE71が受信UEとして動作すべきと判定された場合、SL通信部81によって受信されたパケットを、V−UEと判定したUEに、通信部82を介して送信する。また、信号処理部83cは、動作判定部83bによって、UE71が受信UEとして動作すべきと判定された場合、SL通信部81によって受信された信号に基づいてセンシングを行い、そのセンシング結果を、V−UEと判定したUEに、通信部82を介して送信する。
SL通信部81は、動作判定部83bによって、UE71が受信UEとして動作すべきと判定された場合、信号の送信(送信機能)を停止する。すなわち、SL通信部81は、信号の受信のみを行う。
また、SL通信部81は、車内外判定部83aによって、1台の車両61内に、複数のUEが存在すると判定された後、1台の車両61内に、複数のUEが存在しないと判定された場合、信号の送信停止(送信機能の停止)を解除する。そして、SL通信部81は、UE71が受信UEとして動作する前のサイドリンク通信を再開する。
通信部82は、動作判定部83bによって、UE71が受信UEとして動作すべきと判定された場合、SL通信部81によって受信されたUE76のパケット(UE76から送信された信号を復調及び復号して得たパケット)を、V−UEとして動作すべきと判定されたUE72,73に送信する。また、通信部82は、動作判定部83bによって、UE71が受信UEとして動作すべきと判定された場合、SL通信部81によって受信された信号のセンシング結果を、V−UEとして動作すべきと判定されたUE72,73に送信する。
なお、上記では、UE71のブロック構成例について説明したが、UE72,73も図8と同様のブロック構成例を有する。
また、UE71は、一例として、車両61に固定されたUE(例えば、V−UE)であってもよいとしたが、スマートホン等の移動端末であってもよい。この場合、例えば、V−UEを備えない車両61は、スマートホン等のサイドリンク通信の機能を備えるUE71〜UE73が車内に持ち込まれることにより、V−UEを備えた車両となる。
図9は、UE71の動作例を示したフローチャートである。UE71は、例えば、図9に示すフローチャートの処理を繰り返し実行する。
車内外判定部83aは、1台の車両61内に、サイドリンク(SL)通信をサポートする他のUE72,73が存在するか否かを判定する(ステップS1)。
車内外判定部83aは、1台の車両61内に、サイドリンク通信をサポートする他のUE72,73が存在しないと判定した場合(ステップS1の「No」)、当該フローチャートの処理を終了する。
一方、車内外判定部83aが、1台の車両61内に、サイドリンク通信をサポートする他のUE72,73が存在すると判定した場合(ステップS1の「Yes」)、動作判定部83bは、同一の車両61内のUE71〜UE73のそれぞれの動作(動作モード)を判定する(ステップS2)。すなわち、動作判定部83bは、同一の車両61内に存在する各UE71〜UE73に対し、V−UEとして動作すべきか、受信UEとして動作すべきかの判定を行う。
信号処理部83cは、ステップS2にて、UE71がV−UEとして動作すべきと判定された場合(ステップS2の「V−UE」)、V−UEとしての信号処理を行う(ステップS3)。例えば、信号処理部83cは、UE71で受信したパケットと、受信UEと判定された他のUE72,73が受信したパケットとの合成処理を行う。また、信号処理部83cは、UE71でセンシングしたセンシング結果と、受信UEと判定された他のUE72,73がセンシングしたセンシング結果とに基づいて、送信する信号のリソースブロックを選択する。
一方、信号処理部83cは、ステップS2にて、UE71が受信UEとして動作すべきと判定された場合(ステップS2の「受信UE」)、受信UEとしての信号処理を行う(ステップS4)。例えば、信号処理部83cは、SL通信部81によって受信されたパケットを、V−UEと判定したいずれか一方のUE72,73に、通信部82を介して送信する。また、信号処理部83cは、SL通信部81によって受信された信号に基づくセンシング結果を、V−UEと判定したいずれか一方のUE72,73に、通信部82を介して送信する。
なお、図9に示していないが、信号処理部83cは、1台の車両61内に、サイドリンク(SL)通信をサポートする他のUE72,73が存在しなくなると、動作を元の動作に戻してもよい。例えば、信号処理部83cは、ステップS3のV−UEとして動作する前の動作に戻してもよい。また、信号処理部83cは、ステップS3の受信UEとして動作する前の動作に戻してもよい。
また、UE72,73も図9のフローチャートと同様の動作を実行する。
<UEの動作例>
UEの動作例について説明する。UEの動作は、例えば、次のST1〜ST3の3つに分けられる。
・ST1:車両内に位置するUE(以下、このUEをUExと呼ぶことがある)は、同じ車両内に、サイドリンク(SL)通信をサポートする他のUEが存在するか否かを判定する。
・ST2:UExは、同じ車両内に他のUEの存在を判定すると、UEx及び他のUEの動作を判定(決定)する。ST2の動作は、さらに次の3つに分けることができる。
・・ST2−1:UExは、UEx及び他のUEのそれぞれが、V−UEとして動作すべきか、受信UEとして動作すべきかを判定する。
・・ST2−2:UExは、ST2−1によって判定した動作を開始する。
・・ST2−3:UExは、ST2−1にて判定した動作に基づく信号処理を行う。
・ST3:UExは、変更した機能を元に戻す。
(ST1の詳細)
UExは、同じ車両内にサイドリンク通信をサポートする他のUEが存在するか否かの判定を、例えば、下記の方法に基づいて行ってもよい。
・方法1
UExは、同じ信号源(UE)から、P1[dBm]以上のサイドリンクの信号を、T1時間以上受信し続けた場合、あるいは、N1回受信した場合に、当該送信源がUExと同じ車両内に存在すると判定してもよい。
なお、UEx及び他のUEは、サイドリンクの信号に、車両内判定を行うための情報を含めてもよい。情報には、例えば、位置情報、速度情報、進行方向、UE ID、サポートしている通信機能情報、通信性能情報、又はGPS(Global Positioning System)精度の情報が含まれてもよい。通信機能情報には、例えば、サイドリンク等の通信機能の有無の情報、GPS情報又はCAN(Controller Area Network)情報を車両から得ることができる機能の有無の情報等が含まれる。通信性能情報には、例えば、UEのバージョン情報等が含まれる。
・方法2
UExは、例えば、ネットワーク(例えば、無線基地局、コアネットワーク装置、又はITSサーバのいずれか)から、同じ車両内に他のUEが存在することを示す情報を受信してもよい。
この場合、サイドリンク通信をサポートするUEは、ネットワークに、定期的にUEの情報を通知する。ネットワークに通知する情報には、例えば、位置情報、速度情報、進行方向、又はUE ID等が含まれてもよい。また、サイドリンク通信をサポートするUEは、上述した通信機能情報又は通信性能情報等を、ネットワークに通知してもよい。
・方法3
UExは、他のUEとペアリングによって接続した場合に、UExと同じ車両内に他のUEが存在すると判定してもよい。
例えば、UExは、wifi又はブルートゥース等によって、他のUEとペアリングによって接続した場合、同じ車両内に他のUEが存在すると判定してもよい。UExは、ペアリングの際に、上述した通信機能情報又は通信性能情報等を、他のUEから受信してもよい。
・方法4
UExは、例えば、車両のCAN等の車内ネットワークに、有線接続(USB接続等)された場合に、サイドリンク通信をサポートする他のUEが存在するか(車内ネットワークに他のUEが接続されているか)を判定してもよい。UExは、車内ネットワークに有線接続された際、上述した通信機能情報又は通信性能情報等を、他のUEから受信してもよい。
(ST2−1の詳細)
UExは、UEx及び他のUEのそれぞれに対し、V−UEとして動作すべきか、受信UEとして動作すべきかの判定を、例えば、下記の方法に基づいて行ってもよい。
・方法1
UExは、UEx及び他のUEのうち、通信性能が最も高いUEを、V−UEとして動作すべきUEと判定し、それ以外のUEを、受信UEとして動作すべきUEと判定してもよい。通信性能の高さは、例えば、UEの端末バージョン、種類、サイドリンク信号の受信状況、又はバッテリ容量等で比較してもよい。
なお、種類は、例えば、UEがスマートホンであるか、又は予め車両に搭載されたUE(V−UE)であるかを示す。サイドリンク信号の受信状況は、例えば、サイドリンク信号の受信周期等を示す。UExは、例えば、サイドリンク信号の受信周期が短いUEを、V−UEとして動作すべきUEと判定する。
・方法2
UExは、UEx及び他のUEの車両内の設置位置に基づいて、UEx及び他のUEのそれぞれに対し、V−UEとして動作すべきか、受信UEとして動作すべきかを判定してもよい。
例えば、UExは、エンジンルーム又はボンネット等に配置されているUEを、V−UEとして動作すべきUEとして判定し、ダッシュボード、ドリンクホルダ、又は助手席と運転席との間のコンソールボックスに配置されているUEを受信UEとして動作すべきUEとして判定してもよい。
なお、UExは、通信性能が同じUEが、同じ車両内に複数存在する場合、又は同じ車両内の同じ場所に複数のUEが存在する場合には、車両外のUEのサイドリンク信号の受信電力が最も大きいUEを、V−UEとして動作すべきUEと判定してもよい。
また、UExは、V−UEとして動作すべきか、受信UEとして動作すべきかの判定を、自律的に行ってもよいし、ネットワークが決定してもよい。
また、V−UEとして動作するUEが、受信UEとして動作するUEに対し、受信UEであることを通知してもよい。また、ユーザが、V−UEとして動作すべきUEを選択してもよい。
(ST2−2の詳細)
UExは、UEx及び他のUEのそれぞれに対し、V−UEとして動作すべきか、受信UEとして動作すべきかの判定を行うと、判定した動作の開始を、例えば、下記の方法に基づいて行ってもよい。
・方法1
UEx及び他のUEは、例えば、判定した動作の開始を自律的に行ってもよい。また、UEx及び他のUEは、例えば、ネットワークからの指示に基づいて、判定した動作の開始を行ってもよい。
・方法2
V−UEとして動作するUEが、受信UEにパケットの受信及びセンシングの開始の指示を行ってもよい。また、受信UEとして動作するUEが、V−UEとして動作するUEに、パケットの受信及びセンシングの開始の指示を行ってもよい。
なお、V−UEとして動作するUEは、車両端末(例えば、車両に予め搭載されているUE)と同様の送信周期、送信回数、及びセンシング範囲で動作してもよい。
また、受信UEは、リソースプールの全範囲に対してセンシングを実行してもよいし、リソースプールの一部に対してセンシングを実行してもよい。また、受信UEは、V−UEとして動作するUEから指示されたリソースプールの範囲において、センシングを実行してもよい。
(ST2−3の詳細)
UExは、ST2−1にて判定した動作に基づく信号処理を、例えば、下記の方法に基づいて行ってもよい。
UExは、受信UEとして動作する場合、他の車両のUEから、サイドリンク通信によって送信されるパケットを受信し、同じ車両内のV−UEとして動作する他のUEに送信する。また、UExは、受信UEとして動作する場合、他の車両のUEから、サイドリンク通信によって送信される信号を受信し、受信した信号に基づいてセンシングを行い、センシング結果を、同じ車両内のV−UEとして動作する他のUEに送信する。受信UEとして動作するUExは、例えば、wifi、ブルートゥース、ネットワークを介した通信、有線、又は特定周波数でのD2D通信などによって、受信したパケット及びセンシング結果を、V−UEとして動作する他のUEに送信してもよい。
UExは、V−UEとして動作する場合、受信UEとして動作する他のUEから、パケットを受信する。V−UEとして動作するUExは、受信UEとして動作する他のUEから受信したパケットと、UExが受信したパケットとを合成し、他の車両のUEから送信されたパケットとしてもよい。また、UExは、V−UEとして動作する場合、受信UEとして動作する他のUEから受信したパケットと、UExが受信したパケットとのうち、タイムスタンプの時間が先のパケットを、他の車両のUEから送信されたパケットとしてもよい。また、UExは、V−UEとして動作する場合、UEx及び同じ車両に位置する他のUEの通信性能に基づいて、受信UEとして動作する他のUEから送信されたパケットと、UExが受信したパケットとのうち、他の車両のUEから送信されたパケットを選出してもよい。
UExは、V−UEとして動作する場合、受信UEとして動作する他のUEから受信したセンシング結果と、UExが受信した信号のセンシング結果とに基づいて、他の車両のUEに送信するサイドリンク通信の信号のリソースブロックを選択してもよい。
UExは、V−UEとして動作する場合、ハーフデュプレクスの制約又はパケット衝突により、受信できないパケットが発生すると、無線リソースの混雑度に応じて、サイドリンクで送信する信号のリソースブロックの再選択を行ってもよい。例えば、V−UEとして動作するUExは、無線リソースの混雑度が所定の閾値より小さい場合に、サイドリンクで送信する信号のリソースブロックの再選択を行う。この処理により、V−UEとして動作するUExが送信する信号のサブフレームと、他の車両のUEから送信されるパケットのサブフレームとのタイミングの重なりを抑制できる。
なお、UExは、V−UEとして動作する場合、例えば、受信UEとして動作する他のUEから受信したセンシング結果に基づいて、ハーフデュプレクスの制約によって受信できないパケット(例えば、図6のリソースブロック44a,44bで送信されるパケット)の存在の有無を判定できる。
また、UExは、V−UEとして動作する場合、無線リソースの混雑度を、CBR(Channel Busy Ratio)に基づいて判定してもよいし、ネットワークから通知される情報又はRSUから通知される情報に基づいて判定してもよい。なお、無線リソースの混雑度が高い場合に、送信する信号のリソースブロックの再選択を行うと、リソースブロックの再選択の処理が頻発する。そのため、V−UEとして動作するUExは、無線リソースの混雑度が小さい場合に、送信する信号のリソースブロックの再選択を行う。
図10Aは、UEのパケット受信及びセンシングの処理例を示したシーケンス図である。V−UEとして動作するUEは、受信UEとして動作するUEに対し、パケット受信及びセンシングの指示を行う(ステップS11)。
受信UEとして動作するUEは、ステップS11の指示に応じて、他の車両のUEからサイドリンクで送信されるパケットを受信し、またセンシングを行う(ステップS12)。
受信UEとして動作するUEは、ステップS12にて受信したパケット及びステップS12にてセンシングしたセンシング結果を、V−UEとして動作するUEに通知する(ステップS13)。
図10Bは、UEのパケット受信及びセンシングの他の処理例を示したシーケンス図である。受信UEとして動作するUEは、他の車両のUEからサイドリンクで送信されるパケットを自律的に受信し、またセンシングを行う(ステップS21)。受信UEとして動作するUEは、例えば、予め決められた周期で、他の車両のUEから送信されるパケットを受信し、またセンシングを行ってもよい。
受信UEとして動作するUEは、ステップS21にて受信したパケット及びステップS21にてセンシングしたセンシング結果を、V−UEとして動作するUEに通知する(ステップS22)。
(ST3の詳細)
動作を変更したUEは、変更した動作を、例えば、下記の方法に基づいて元に戻してもよい。
・方法1
V−UEとして動作するUE及び受信UEとして動作するUEは、同じ信号源(UE)から、P2[dBm]以上のサイドリングの信号をT2時間以上受信できなくなった場合、あるいは、P2[dBm]以上の信号の受信回数がN2回以下になった場合、動作(機能)を元に戻してもよい。
例えば、V−UEとして動作するUEは、V−UEとして動作する前の周期又は送信回数で信号を送信してもよい。また、V−UEとして動作するUEは、V−UEとして動作する前のセンシング範囲でセンシングを行ってもよい。
受信UEとして動作するUEは、停止していたサイドリンクの送信を再開し、受信UEとして動作する前の周期又は送信回数で信号を送信してもよい。また、受信UEとして動作するUEは、受信UEとして動作する前のセンシング範囲でセンシングを行ってもよい。
・方法2
受信UEとして動作するUEは、V−UEとして動作するUEから、P3[dBm]以上のサイドリンクの信号をT3時間以上受信できなくなった場合、あるいは、P3[dBm]以上のサイドリンクの信号の受信回数がN3回以下になった場合、機能を元に戻してもよい。
・方法3
V−UEとして動作するUE及び受信UEとして動作するUEは、車両のエンジンが停止したときに機能を元に戻してもよい。また、V−UEとして動作するUE及び受信UEとして動作するUEは、ペアリングが切れたときに機能を元に戻してもよい。
・方法4
V−UEとして動作するUE及び受信UEとして動作するUEは、給電が切れたときに機能を元に戻してもよい。例えば、USB接続によって車両から電源供給を受けていたUEは、USB接続が解除されたときに機能を元に戻してもよい。
・方法5
V−UEとして動作するUE及び受信UEとして動作するUEは、ネットワークから機能を元に戻す指示を受けた場合に機能を元に戻してもよい。
以上説明したように、UExは、同一の車両内に、サイドリンク通信の機能を備えた他のUEが存在するか否かを判定する。UExは、同一の車両内に他のUEが存在する場合、UEx及び他のUEのそれぞれに対し、V−UEとして動作すべきか、サイドリンク通信の送信動作を抑制又は停止する受信UEとして動作すべきかを判定する。UExは、V−UEとして動作する場合、受信UEが他の車両のUEから受信したパケット及びセンシング結果を受信する。V−UEとして動作するUExは、受信UEから受信したパケットと、UExが他の車両のUEから受信したパケットとを合成する。また、V−UEとして動作するUExは、受信UEから受信したセンシング結果と、UExのセンシング結果とに基づいて、他の車両のUEに送信するサイドリンク信号のリソースを選択する。これにより、V2X通信のUE間の無線通信の信頼性を向上できる。また、パケットロスの発生を抑制できる。
また、UExは、受信UEとして動作する場合、サイドリンク通信の送信機能を停止し、他の車両に搭載されているUEから送信されるパケットを、サイドリンク通信を用いて受信する。UExは、受信したパケットを、同じ車両内のV−UEと判定したUEに送信する。また、UExは、サイドリンク通信を用いて受信した信号に基づいてセンシングを行い、センシング結果を同じ車両内のV−UEと判定したUEに送信する。これにより、V2X通信のUE間の無線通信の信頼性を向上できる。また、パケットロスの発生を抑制できる。
なお、上記では、受信UEは、受信したパケット及びセンシング結果を、V−UEとして動作するUEに送信するとしたが、受信したパケット及びセンシング結果のいずれか一方を、V−UEとして動作するUEに送信してもよい。
また、上記では、UEは、車両内に存在する他の全てのUEの動作(V−UEとしての動作及び受信UEとしての動作)を判定したが、これに限られない。UEは、自UEの動作について判定し、他のUEの動作を判定しなくてもよい。
また、上記では、受信UEとして動作するUEは、サイドリンクの信号の送信を停止(サイドリンクの送信機能を停止)するとしたが、送信信号を送信する周期を、長周期(受信UEとして動作する前の信号送信周期より長い周期)に変更してもよい。言い換えれば、受信UEとして動作するUEは、サイドリンクの信号の送信動作を抑制(送信頻度の長周期化)又は停止してもよい。
また、UEは、同じ信号源から送信された信号であるか否かの判定を行うにあたり、受信した信号の復号結果又は無線リソースを用いて判定してもよい。同じ信号源から送信された信号であるか否かの判定を行う復号結果として、UE ID、パケットID、UEの位置情報、又は車種情報を用いてもよい。
また、UEは、V−UEとして動作するUEの判定を行うにあたり、UEの充電状態又はバッテリ状態に基づいて判定してもよい。充電状態とは、例えば、UEが充電ケーブルに接続されている状態又はワイヤレス給電されている状態等を指す。また、バッテリ状態とは、UEの電源が車両のバッテリから給電されている状態を指す。
また、UEは、サイドリンクの送信停止又は送信周期の長周期への変更を、特定周波数のサイドリンクの送信又は特定種別の車両での送信において実行してもよい。特定周波数とは、例えば、緊急車両が使用するサイドリンクの周波数である。特定種別の車両とは、緊急車両を指す。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、サイドリンク通信の無線リソースの再選択について説明する。
図11は、第2の実施の形態に係るサイドリンク通信の信号送信の一例を説明する図である。サイドリンク通信を行うUE(例えば、V−UE、P−UE、又は第1の実施の形態のV−UEとして動作するUE)は、サイドリンク信号を、2つの異なる周期で送信する。例えば、UEは、サイドリンク信号を、図11の矢印A31aで示す短周期と、矢印A31bで示す長周期とで、他の車両に搭載されているUEに送信する。
UEは、矢印A31bで示す長周期のサイドリンク信号を送信するとき、そのセレクションウィンドウ91においては、矢印A31aで示す短周期のサイドリンク信号を送信しない。つまり、UEは、長周期のサイドリンク信号を送信するセレクションウィンドウ91では、短周期のサイドリンク信号の送信を行わない。
UEは、長周期のサイドリンク信号の送信を行うセレクションウィンドウにおいては、短周期のサイドリンク信号の送信に用いられているリソースブロックと同じサブフレームのセンシングを行う。例えば、UEは、図11の矢印A32に示すサブフレームのセンシングを行う。
UEは、サブフレームのセンシングの結果、他のUEのサイドリンク信号の送信を検出した場合、無線リソースの混雑度に応じて、短周期で送信するサイドリンク信号のリソースブロックの再選択を行う。
例えば、図11のセレクションウィンドウ92は、短周期のサイドリンク信号の送信に用いられているリソースブロックと同じサブフレームのセンシングの結果、他のUEのサイドリンク信号の送信を検出した例が示してある(図11の点線枠A33を参照)。この場合、UEは、無線リソースの混雑度が所定の閾値より小さい場合、短周期で送信するサイドリンク信号のリソースブロックの再選択を行い、例えば、図11に示すリソースブロック93を選択する。
なお、UEは、制御情報を復号でき、かつ受信信号のPSSCH(Physical Sidelink Shared Channel)−RSRPの値が閾値Thを超える場合に、センシングを行ったサブフレームの無線リソースが他のUEに使用されていると判断してもよい。
また、UEは、リソースの混雑度を、CBRに基づいて判定してもよいし、ネットワークから通知される情報又はRSUから通知される情報に基づいて判定してもよい。
また、UEは、サブフレームのセンシングの結果、他のUEのサイドリンク信号の送信を検出した場合、セレクションウィンドウの中から、短周期T1でサイドリンク信号を送信するリソースブロックをN1個選択し、長周期T2でサイドリンク信号を送信するリソースブロックをN2個選択してもよい(例えば、T1=100ms、T2=400ms、N1=N2=1としてもよい)。このとき、UEは、短周期でサイドリンク信号を送信するリソースブロックのサブフレームと、長周期でサイドリンク信号を送信するリソースブロックとが重ならないようにする。
また、UEは、サイドリンク信号の短周期送信と長周期送信とのリセレクションカウンタを、それぞれC1(T2≦C1×T1),C2にセットする。UEは、短周期T1及び長周期T2に従った2つのサイドリンク信号の定期送信を、リセレクションカウンタが満了するまで実行する。UEは、リセレクションカウンタが満了すると、サイドリンク信号を送信するリソースブロックの再選択を実行する。
図12は、UE100のブロック構成例を示した図である。図12に示すように、UE100は、通信部101と、制御部102と、を有している。通信部101は、他のUEとサイドリンク通信を行う。
制御部102は、図11で説明したように、サイドリンク信号の送信を制御する。例えば、制御部102は、センシングを行って、サイドリンク信号を2つの周期(短周期と長周期)で送信する。また、制御部102は、長周期のサイドリンク信号の送信を行うセレクションウィンドウにおいては、短周期のサイドリンク信号の送信に用いられているリソースブロックと同じサブフレームのセンシングを行う。制御部102は、サブフレームのセンシングの結果、他のUEのサイドリンク信号の送信を検出した場合、無線リソースの混雑度に応じて、短周期で送信するサイドリンク信号のリソースブロックの再選択を行う。
なお、第1の実施の形態で説明したV−UEとして動作するUEが、図11で説明したリソースブロックの再選択の処理を行う場合、図8に示した制御部83が、図12の制御部102の機能を有してもよい。
以上説明したように、UEは、サイドリンク信号を短周期と長周期との2つの周期で送信し、長周期のサイドリンク信号を送信するセレクションウィンドウでは、短周期のサイドリンク信号を送信しない。UEは、長周期のサイドリンク信号を送信するセレクションウィンドウでは、短周期で送信するサイドリンク信号のサブフレームと同じサブフレームのセンシングを行い、センシング結果、他のUEのサイドリンク信号の送信を検出した場合、無線リソースの混雑度に応じて、短周期で送信するサイドリンク信号のリソースブロックの再選択を行う。これにより、UEは、パケットをロスの発生を抑制できる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。
(ハードウェア構成)
なお、上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、本発明の一実施の形態におけるUE71,100は、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図13は、第1及び第2の実施の形態に係るUE71,100のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のUE71,100は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。UE71,100のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサで実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法で、一以上のプロセッサで実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、一以上のチップによって実装されてもよい。
UE71,100における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、又は、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の制御部83,102などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述のSL通信部81及び通信部82,101などは、通信装置1004によって実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、UE71,100は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
(情報の通知、シグナリング)
また、情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
(適応システム)
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
(処理手順等)
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
(基地局の操作)
本明細書において基地局(無線基地局)によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局および/または基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)またはS−GW(Serving Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)によって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MMEおよびS−GW)であってもよい。
(入出力の方向)
情報及び信号等は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)に出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
(入出力された情報等の扱い)
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置に送信されてもよい。
(判定方法)
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
(ソフトウェア)
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
(情報、信号)
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナル)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
(「システム」、「ネットワーク」)
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
(パラメータ、チャネルの名称)
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素(例えば、TPCなど)は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
(基地局)
基地局(無線基地局)は、1つまたは複数(例えば、3つ)の(セクタとも呼ばれる)セルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、および/または基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部または全体を指す。さらに、「基地局」、「eNB」、「gNB」、「セル」、および「セクタ」という用語は、本明細書では互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、gNodeB(gNB)アクセスポイント(access point)、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
(端末)
UE(User Equipment)は、当業者によって、移動局、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、ユーザ端末、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
(用語の意味、解釈)
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。また、DMRSは、対応する別の呼び方、例えば、復調用RSまたはDM−RSなどであってもよい。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
上記の各装置の構成における「部」を、「手段」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
無線フレームは時間領域において1つまたは複数のフレームで構成されてもよい。時間領域において1つまたは複数の各フレームはサブフレーム、タイムユニット等と呼ばれてもよい。サブフレームは更に時間領域において1つまたは複数のスロットで構成されてもよい。スロットはさらに時間領域において1つまたは複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier-Frequency Division Multiple Access)シンボル等)で構成されてもよい。
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット、およびシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット、およびシンボルは、それぞれに対応する別の呼び方であってもよい。
例えば、LTEシステムでは、基地局が各移動局に無線リソース(各移動局において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力等)を割り当てるスケジューリングを行う。スケジューリングの最小時間単位をTTI(Transmission Time Interval)と呼んでもよい。
例えば、1サブフレームをTTIと呼んでもよいし、複数の連続したサブフレームをTTIと呼んでもよいし、1スロットをTTIと呼んでもよいし、1ミニスロットをTTIと呼んでもよい。
リソースユニットは、時間領域および周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域では1つまたは複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。また、リソースユニットの時間領域では、1つまたは複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、または1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つまたは複数のリソースユニットで構成されてもよい。また、リソースユニットは、リソースブロック(RB:Resource Block)、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、PRBペア、RBペア、スケジューリングユニット、周波数ユニット、サブバンドと呼ばれてもよい。また、リソースユニットは、1つ又は複数のREで構成されてもよい。例えば、1REは、リソース割当単位となるリソースユニットより小さい単位のリソース(例えば、最小のリソース単位)であればよく、REという呼称に限定されない。
上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、サブフレームに含まれるミニスロットの数、スロットに含まれるシンボルおよびリソースブロックの数、および、リソースブロックに含まれるサブキャリアの数は様々に変更することができる。
本開示の全体において、例えば、英語でのa, an, 及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
(態様のバリエーション等)
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)に行われてもよい。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。