JP2019205610A - 遊技機 - Google Patents

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和樹 北川
勝大 植田
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【課題】遊技設定を利用した新たな遊技性を提供する。【解決手段】遊技機は、遊技の有利性が異なりうる複数の遊技仕様に対応する複数の設定のいずれかに変更するための設定変更手段と、設定変更手段により設定された設定値を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された設定値に応じた演出を実行可能な演出実行手段と、を備える。複数の設定として、第1設定と、抽選手段による抽選が特別遊技への移行が可能であることを示す結果となる確率が第1設定と同じである第2設定とがあり、演出実行手段は、設定値が第1設定である場合、設定値が第2設定である場合とは異なる態様の演出を実行可能である。【選択図】図1

Description

設定変更機能を備える遊技機に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当りと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、図柄等の画像にキャラクタを用いて変動表示にストーリーを持たせる演出や、特別遊技への移行期待度の高さを予告的に示唆する予告演出によっても遊技者の期待感を高めている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−230714号公報
近年、弾球遊技機に設定変更機能を導入することが検討されている。例えば、大当り確率といった遊技の有利性が異なりうる複数の遊技仕様に対応する複数の設定が用意され、例えば6段階の設定が可能となる。各遊技機の設定は、遊技機の管理者のみが変更可能であり、実際の設定値を遊技者が直接的に知ることはできない。本発明者は、遊技者に秘匿される設定の違いに応じて新たな遊技性を提供できるのではと考えた。
本願発明は上記課題に鑑みたもので、遊技設定を利用した新たな遊技性を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の遊技機は、所定の遊技動作を契機として、通常遊技より遊技者に有利な特別遊技への移行可否を判定するための抽選を実行する抽選手段と、抽選手段による抽選が特別遊技への移行が可能であることを示す結果となって所定条件が満たされた場合に特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、遊技の有利性が異なりうる複数の遊技仕様に対応する複数の設定のいずれかに変更するための設定変更手段と、設定変更手段により設定された設定値を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された設定値に応じた演出を実行可能な演出実行手段と、を備える。複数の設定として、第1設定と、抽選手段による抽選が特別遊技への移行が可能であることを示す結果となる確率が第1設定と同じである第2設定とがあり、演出実行手段は、設定値が第1設定である場合、設定値が第2設定である場合とは異なる態様の演出を実行可能である。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の遊技機によれば、遊技設定を利用した新たな遊技性を提供できる。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 メイン基板の機能構成を示すブロック図である。 当否判定テーブルを模式的に示す図である。 設定値ごとの当否抽選値の範囲設定を模式的に示す図である。 図柄判定テーブルを模式的に示す図である。 変動パターンテーブルを模式的に示す図である。 事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。 遊技設定に対応した事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。 サブ基板の構成を示すブロック図である。 携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。 メイン基板およびサブ基板のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 演出制御装置のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 ぱちんこ遊技機におけるメイン基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図15におけるS124の設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。 図15におけるS126の設定確認処理を詳細に示すフローチャートである。 図15におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 割込処理の詳細を示すフローチャートである。 ぱちんこ遊技機におけるサブ基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図20におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 メイン基板からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 サブCPUが制御CPUからコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 特別遊技の過程を示すフローチャートである。 小当り遊技の過程を示すフローチャートである。 スロットマシンの外面における基本的な構造を示す斜視図である。 筐体扉部を開放したときに露出する筐体扉部の背面図である。 筐体扉部を開放したときに露出する筐体基部の内部構成を示す正面図である。 リールの図柄配列を示す図である。 スロットマシンの機能ブロック図である。 スロットマシンにおける基本的な遊技の流れを示すフローチャートである。 主制御装置および副制御装置のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 演出表示制御部のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 スロットマシンにおける主制御装置の主なプログラム制御処理を示すフローチャートである。 主制御装置におけるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 第1特定入球口が設けられた遊技盤の構成を模式的に示す図である。 設定示唆演出の表示例を模式的に示す図である。 設定示唆演出の予告表示の変形例を模式的に示す図である。 設定示唆に係るカウント演出の表示例を模式的に示す図である。 設定示唆演出の別の表示例を模式的に示す図である。 第2特定入球口が設けられた遊技盤の構成を模式的に示す図である。
(前提技術1)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるように設計される。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が大当りした際の特別遊技を構成する単位遊技数が多い(大入賞口の開放時間が長い長開放単位遊技と開放時間が短い短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされている。その上で、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカー108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカー108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。なお、本明細書において「入球」「入賞」「落入」は相互に同義としてもよい。また、各入賞口や各入球口は、遊技球が通過するタイプの「通過口」(「ゲート」や「スルーチャッカー」等とも呼ぶ)で構成される場合があってもよく、「入球」「入賞」「落入」と「通過」もまた相互に同義としてもよい。
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電動役物ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
第1作動口31は、遊技領域81の左側方位置に設けられ、第1通過検出装置36を含む。第1通過検出装置36は、第1作動口31への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第2作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、第2通過検出装置37を含む。第2通過検出装置37は、第2作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第1作動口31または第2作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示部45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開され、第2始動口12への入球可能性が高まる。なお、変形例として作動口の個数を1個とし、遊技領域81の左側方位置に設ける構成としてもよい。
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口20は、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置25と、大入賞口20を開閉させるための大入賞口ソレノイド92を備える。大入賞検出装置25は、大入賞口20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口20は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口20はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や大入賞口20の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。アウト口34は、各入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球が排出される排出口であり、アウト検出装置39を備える。アウト検出装置39は、アウト口34を通過して排出される遊技球を検出するセンサであり、検出時にその検出を示す排出情報を生成する。アウト口34は、各入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球がすべて誘導されて通過し得るよう、遊技領域81の中央最下端部に設けられる。アウト口34の球詰まりを防止するために十分な幅の遊技球通路を確保しつつ、アウト検出装置39を複数個並べて設ける仕様としてもよい。
遊技盤80における遊技領域81の外側下方に、図柄等表示ユニット120が配置される。図柄等表示ユニット120には、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42、第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普通図柄表示部45、普図保留表示部75、遊技状態表示部76、異常報知部77等の各表示部が設けられる。具体的には、第1の遊技に対応する第1特別図柄表示部41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示部42とが左側下位置に左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機とする第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機とする第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42へ表示され、または、所定の表示(例えば「−」)と非表示(例えば全消灯)とが所定時間繰り返された後に判定結果に対応した図柄が表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。なお、第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
また、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく、例えば液晶ディスプレイ等の他の表示装置に表示させる構成としてもよい。
第1特別図柄表示部41の上方には第1の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第1特図保留表示部71が設けられ、第2特別図柄表示部42の上方には第2の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第2特図保留表示部72が設けられる。第1特図保留表示部71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留されている数(以下、当否抽選値の保留されている数を単に「保留数」ともいう)を表示する。第1特図保留表示部71における保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留表示部72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における保留数を表示する。第2特図保留表示部72における保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
図柄等表示ユニット120における右側には、普通図柄表示部45が設けられる。普通図柄表示部45は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらの点灯組合せによって普通図柄の表示状態が表現される。まず、第1のランプと第2のランプを同時に点滅表示させることにより普通図柄の変動が表現され、最終的には第1のランプと第2のランプの点灯状態の組合せで普通図柄の停止図柄が表現される。例えば、第1のランプの点灯と第2のランプの消灯で外れの停止図柄が表現され、第1のランプの消灯と第2のランプの点灯で第1の当り態様が表現され、第1のランプと第2のランプの両方の点灯で第2の当り態様が表現される。
また、普通図柄表示部45の右側には普通図柄変動の保留ランプとして普図保留表示部75が設けられる。普図保留表示部75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に第1作動口31または第2作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
なお、図柄等表示ユニット120には遊技状態表示部76、異常報知部77が設けられている。遊技状態表示部76は、後述する特定遊技状態等の遊技状態に対応した表示をする表示部であり、例えば1つのランプと1つの7セグメントLEDで構成される。例えば、確率変動中の場合にランプを点灯表示、入球容易状態中の場合に点滅表示、通常状態の場合に消灯表示することにより各遊技状態を報知し、特別遊技の実行中は7セグメントLEDによりその特別遊技で実行する単位遊技数(ラウンド数)を表示する。異常報知部77は、遊技機の一部の異常を報知する表示部であり、例えば複数のランプで構成され、異常の種類に応じた点灯パターンにより異常を報知する。なお、これらの表示部を図柄等表示ユニット120に集約配置せず、各表示部を個別に構成してもよいし、または、適宜まとめた複数の表示装置に分けて構成してもよい。また、特定遊技状態等の遊技状態の報知は、例えば電源断から復帰した後の一定時間といった所定期間に限りなされるよう構成してもよい。
遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクタが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
演出表示装置60は、高精細なドットマトリクス型表示装置である液晶ディスプレイで構成されるが、その表示領域の横幅は遊技領域の横幅の半分程度であってもよいし、半分を超える大型サイズであってもよい。大型サイズの場合、演出表示装置の右側の遊技球通路は遊技球1個が通過できる程度の通路幅にて形成され、遊技者はいわゆる「右打ち」として最大強度で打ち出せばほぼ確実に右側通路へ遊技球を通過させることができ、いわゆる「左打ち」との打ち分けができる。演出表示装置60は、単一の表示装置で構成される場合だけでなく、複数の表示装置の組合せで構成されてもよい。複数の場合、メイン液晶とサブ液晶の組合せといった大小異なる大きさのディスプレイを組み合わせてもよく、サブ液晶はメイン液晶に隣接する位置に配置されてもよいし、遊技盤以外の位置、例えば発射ハンドルの近傍(上球皿、右側装飾ランプなど)に設置されてもよい。発射ハンドルの近傍に設置される場合、遊技者が操作入力可能なタッチパネルの形で構成されてもよい。演出表示装置60は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなどの表示装置で構成されてもよいし、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、前枠102に設けられる。演出ボタン109は、通常、前枠102内に格納されているが、演出ボタン109の裏側には棒状の部材が取り付けられており、棒状の部材と演出ボタン109とを盤面に略垂直な方向に突出させることができるように設けられる。棒状の部材と演出ボタン109は、外部に突出した状態においてレバー112として機能し、遊技者は演出ボタン109を握持してレバー112を下方へ引くことができるようになっている。これによっても、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力することができる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
以上のような構成の遊技機においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車、センター飾り64等に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。セーフ球の排出はアウト検出装置39による検出の対象外とする仕様としてもよいし、セーフ球もアウト検出装置39が設けられた領域に誘導してその排出をすべてアウト検出装置39により検出する仕様としてもよい。あるいは、セーフ球の誘導およびアウト検出装置39によるセーフ球の検出はせず、セーフ球の検出球数をアウト球の検出球数に加算した合計を排出球数とする仕様としてもよい。
また、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、普通図柄表示部45において普通図柄が変動表示され、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止表示される。普通図柄が第1の当り態様または第2の当り態様で停止表示された場合、停止表示された図柄の当り態様と停止表示された際の遊技状態に基づいて普通電動役物90を拡開する。すなわち、図柄停止時の遊技状態が通常遊技状態で、普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として0.1秒間の短開放が実行される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合、通常時および特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第2の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として6秒間の長開放が実行される。ここで、普通図柄の当選確率と長開放の実行確率は、遊技状態によって異なるように設定される。具体的には、通常状態における開放抽選では、1/100の確率で普通図柄が当りとなり、その場合の短開放の実行確率(第1の当り態様の当り図柄が選択される確率)は1/3、長開放の実行確率(第2の当り態様の当り図柄を選択する確率)は2/3に設定される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)における開放抽選では、99/100の確率で普通図柄が当りとなり、第1の当り態様と第2の当り態様の選択確率は通常遊技状態と変わらないものの、いずれの態様で当選しても長開放が実行されるように設定される。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能(1/100から99/100に確率変動)と開放時間の延長機能(第1の当り態様で停止表示した場合の開放時間を0.1秒から6.0秒に延長)により、第2始動口12への入球容易性を高めている。なお、普通電動役物90の作動期間を延長させる機能(長開放)を「開放延長」と呼ぶこともある。
なお、上述のように通常状態では長開放となる確率の方が短開放の確率より高い仕様とすることで、普通図柄の当選時には通常状態でも一定の割合で長開放が実行されるようにする。変形例として、通常状態では逆に短開放となる確率の方が長開放の確率より高い仕様としてもよいし、両者の確率を同じにする仕様としてもよいし、必ず短開放となる仕様としてもよい。また、入球容易状態のときには、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。なお、通常状態における開放抽選の当り確率をゼロ(0/100)に設定し、入球容易状態において開放抽選がなされた場合に限り普通電動役物90が拡開されうる仕様としてもよい。さらに、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
一方、第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。以下、変動演出パターンにしたがって表示される装飾図柄61の変動表示を例示するとともに、変動演出パターンについて簡単に説明する。なお、変動パターンおよび変動演出パターンの決定方法等の詳細は別途説明する。
装飾図柄61の変動表示の一例としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。なお、装飾図柄190の変動停止時の動作として、1列ずつではなく複数列同時に停止させるよう制御して変動表示中に装飾図柄以外の演出表示を注目させてもよいし、より短い変動時間で図柄変動を表示できるようにしてもよい。また、装飾図柄190の変動開始時の動作として当該変動におけるその後の展開(演出パターンの種類等)に応じて一部の列の変動開始を遅延させるように制御して、期待感を演出するようにしてもよい。
次に、変動演出パターンについて簡単に説明する。変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。ただし、通常状態であっても、第2始動口12への入球に対応する第2図柄変動であった場合は、大当りが確変を伴う確率や特別遊技の単位遊技数が多くなる確率が第1始動口11への入球に対応する第1変動より高いチャンス状態といえるため、相対的に有利な大当りが発生するチャンスであることを表示するチャンス演出用のパターンを用いてもよい。なお、実施例では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
なお、当否抽選の保留数が所定数(例えば3個)になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口20が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口20の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口20の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば4回または16回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、16回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。16回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「16R大当り」とも称し、4回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「4R大当り」とも称する。なお、単位遊技は16回繰り返されるものの、一部の単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間(例えば1.6秒)開放させることで実質的に少数回の単位遊技が繰り返されたものと同様の通常特別遊技(「実質nR大当り」と称する場合もある)を実現することもできる。
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間が短く、または、ほとんどなく(0.1秒など)、1回の単位遊技で大入賞口20を1.6秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の大入賞口20の開放を2回繰り返すだけであるため、大入賞口20にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロに等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。なお、単位遊技の回数は通常特別遊技と同じものの、全ての単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間開放させることで短縮特別遊技を実現することもできる。
また、上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口20が約1.6秒間だけ開放され、外観上は2R大当りと近似する動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様(例えば「777」)であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。なお、所定条件が成立した場合に確変であるか非確変であるかを演出表示装置60に明示してもよい。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出装置154等を含む。払出装置154は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出装置154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源基板158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。メイン基板200の基板上には、性能表示部159が設けられる。性能表示部159は、セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する総賞球数の比率を、例えば4桁の数字を表示する4つの7セグメントLEDで構成される。
メイン基板200の基板上には、設定変更装置170が設けられる。設定変更装置170は、複数の遊技仕様に対応する複数の設定(遊技設定ともいう)のいずれかに設定を変更するための装置である。遊技設定として例えば6段階の設定(設定1〜設定6)が用意され、遊技設定に応じて大当りとなる確率を異ならせることができる。具体的には、設定1から設定6のうち数値が大きいほど遊技者に有利な遊技仕様にでき、設定1から設定6までの大当り確率のそれぞれをM1〜M6とした場合、M1≦M2≦M3≦M4≦M5≦M6となるように各設定の大当り確率を定めることができる。異なる遊技設定に対して異なる大当り確率を割り当てることは必須ではなく、異なる遊技設定間で大当り確率が同一となるようにしてもよい。例えば、設定1から設定6までの全ての遊技設定に対して同一の大当り確率を割り当ててもよい。
設定変更装置170は、遊技店の従業員が持つ設定キーを挿入する設定キーシリンダ171と、複数の遊技設定のいずれかに設定を変更するための設定変更ボタン172と、設定された設定値を点灯表示する設定表示部173と、設定された設定値を記憶する設定メモリとを含む。設定キーシリンダ171は、設定を変更できる状態(以下「設定変更状態」という)や設定を確認できる状態(以下「設定確認状態」という)へ移行するためのターンキー型のスイッチである。まず、電源スイッチ150をオフにし、設定キーシリンダ171に設定キーを挿入して設定キーを回してオン状態にしてから、電源スイッチ150をオンにすると、設定変更状態または設定確認状態へ移行する。設定変更状態へ移行するためには、RAMクリアスイッチ(「RWMクリアスイッチ」と呼称する場合もある)を押下しながら電源スイッチ150をオンにする。一方、設定確認状態へ移行するには、RAMクリアスイッチを押下せずに電源スイッチ150をオンにする。
設定変更状態へ移行した場合、設定表示部173に遊技設定の初期値として設定1を示す「1」の数字が表示され、設定変更ボタン172を押下することで設定を変更できる。設定表示部173は、1桁の数字を表示する7セグメントLEDで構成される。設定変更ボタン172を1回押下するごとに設定表示部173に表示される設定値が1→2→3→4→5→6→1→・・・というように順番に変更される。設定を変更した後に設定キーシリンダ171に挿入した設定キーを元に戻してオフ状態にすると、そのときに設定表示部173に表示されている設定値が設定メモリに記憶されて設定変更が確定し、遊技可能な状態となる。一方、設定確認状態へ移行した場合、設定メモリに記憶された設定値が設定表示部173に表示される。設定確認状態では、設定変更ボタン172を押下しても設定表示部173に表示される設定値は切り替わらず、設定を変更することはできない。その後、設定キーシリンダ171に挿入した設定キーを元に戻してオフ状態にすると、遊技可能な状態となる。なお、設定キーをオフ状態にして遊技可能な状態にすると、設定表示部173が消灯し、現在の設定値を視認できない状態となる。
なお、設定変更ボタン172は、RAMクリアスイッチと兼用されてもよい。この場合、設定キーが回されていない状態(設定キーオフ状態)でRAMクリアスイッチが押されたまま電源投入があれば、RAMクリアが実行される。一方、設定キーが回された状態(設定キーオン状態)でRAMクリアスイッチが押されたまま電源投入があれば、RAMクリアの実行とともに設定変更状態へ移行する。また、設定キーオフ状態でRAMクリアスイッチが押されずに電源投入があれば、RAMクリアを伴わない電源復帰となる。一方、設定キーオン状態でRAMクリアスイッチが押されずに電源投入があれば、設定確認状態へ移行する。また、設定表示部173は、性能表示部159と兼用されてもよい。この場合、兼用表示部は、遊技可能状態の場合には性能表示部159として機能し、設定変更状態または設定確認状態の場合には設定表示部173として機能してもよい。その他、設定変更装置170を設けないこととし、遊技設定の変更が不可となるようにしてもよい。
<機能ブロック>
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。以下、各構成を用いて実現される機能を説明するが、本明細書中では、物理構成と機能構成を整合させるため、例えばメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157等、物理構成として既に説明している部分については便宜上その用語をそのまま使用する場合がある。
ぱちんこ遊技機100は、遊技機外部から供給される交流電源(AC24V等)に基づいて遊技機内で使用する電源を生成する電源基板158と、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、賞球払出しを制御する枠制御装置としての払出制御基板155と、遊技領域への遊技球の発射を制御する発射制御基板157と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。
メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口群(第1一般入賞口33a,第2一般入賞口33b)、アウト口34、図柄等表示ユニット120、外部情報出力端子160と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。払出制御基板155は、メイン基板200、発射制御基板157、払出装置154と電気的に接続されている。払出制御基板155は、メイン基板200から送信される賞球払出やメイン基板200の制御状態を示す信号等に基づいて発射の許可信号を発射制御基板157に送信して発射制御基板157を間接的に制御するとともに、払出装置154による賞球の払出を制御する。払出装置154は、払出モータ166と球計数センサ167を含む。発射制御基板157は、払出制御基板155、発射装置156、球送装置164と電気的に接続されており、払出制御基板155から送信される発射の許可信号等に基づいて球送装置164および発射装置156を制御して遊技球を発射させる。サブ基板300は、演出表示装置60、可動役物66(駆動モータ67、位置検出センサ68)、スピーカー108、演出用入力操作装置115(演出ボタン109、十字キー110)、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。
メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向となるよう一方向でのデータ送受信にて全体動作を実現するための各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、サブ基板300は、メイン基板200で生成された情報が送信されない限りその情報を参照することはできない。また、メイン基板200と払出制御基板155の間、払出制御基板155と発射制御基板157の間は、双方向でデータ送受信がなされる。ただし、メイン基板200とサブ基板300の間と同様、メイン基板200から払出制御基板155への一方向でのデータ送受信とする構成や、払出制御基板155から発射制御基板157への一方向でのデータ送受信とする構成にしてもよい。
なお、以下に説明するメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157、サブ基板300に含まれる各機能ブロックはあくまで例示にすぎず、変形例として、一部の機能ブロックが他の基板に搭載されてもよい。例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックがサブ基板300に搭載される形で構成してもよいし、発射制御基板157に含まれる機能ブロックが払出制御基板155に搭載される形で構成してもよい。また、例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックの一部がメイン基板200に搭載される形で構成してもよいし、残りの部分が払出制御基板155に搭載される等、機能ブロックの一部を複数の基板に分割して設け、全体として1つの機能ブロックが構成されるようにしてもよい。
<メイン基板200>
図4は、メイン基板200の機能構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、性能表示部159、乱数生成手段202、第1抽選手段211、第2抽選手段212、事前判定手段235、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276、メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284、設定変更手段286、設定確認手段287、コマンド通信手段205を備える。
<入球判定手段201>
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口20に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断する。入球判定手段201は、排出情報を受け取ると遊技球がアウト口34を通過したと判断する。入球判定手段201は、セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する総賞球数の比率を算出して性能表示部159に表示させる。入球判定手段201は、大当りとなる確率が通常確率状態かつ通常入球状態(いわゆる低確率かつ低入球である低低状態)のときの「払出球数」÷「アウト球数」×100の値を性能表示部159に表示させる。したがって、性能表示部159は、低ベース状態でのベースを表示する。
<乱数生成手段202>
乱数生成手段202は、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213での各種決定に用いるための乱数を生成する。具体的には、乱数生成手段202は、第1当否判定手段221、第2当否判定手段222による当否抽選で使用する乱数(「当否抽選値」ともいう)として「0」から「65535」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1図柄決定手段226、第2図柄決定手段227による図柄決定(図柄抽選)で使用する乱数(「図柄決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1変動パターン決定手段231、第2変動パターン決定手段232による変動パターンの決定で使用する乱数(「変動パターン決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普図抽選手段213による当否抽選で使用する乱数として「0」から「99」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普通図柄の決定の際に使用する乱数として「0」〜「2」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。なお、ここでいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数のほか、16ビットカウンタを利用した乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウェア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数を組み合わせて生成する乱数でもよい。また、第1抽選手段211および第2抽選手段212で取得する乱数は、同じ生成手段により生成された乱数を取得してもよいし、別の生成手段により生成された乱数を取得してもよい。
<普図抽選手段213>
普図抽選手段213は、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過したときに、普通図柄の当否抽選に用いる乱数と普通図柄の停止図柄決定に用いる乱数とを乱数生成手段202から取得して抽選を実行する。普図抽選手段213は、普通図柄の当否判定のために参照する普通図柄当否判定テーブル(不図示)と、普通図柄表示部45に表示させる普通図柄の停止図柄決定のために参照する普通図柄判定テーブルとを保持する。普通図柄当否判定テーブルには当否抽選用の抽選値と当りとの対応関係が、普通図柄判定テーブルには停止図柄決定用の抽選値と普通図柄との対応関係がそれぞれ定められており、前述した当り確率と図柄の選択確率に基づいて普通図柄の当否および停止図柄が決定される。普図抽選手段213は、普通図柄の当否抽選用の抽選値が当りに該当する場合、普通図柄判定テーブルを参照して普通図柄の停止図柄を決定し、普通図柄の当否抽選用の抽選値が外れに該当する場合はつねに1の外れ図柄の態様を決定する。普通図柄の当否判定の結果が当りに該当し、普通図柄が所定の図柄(第1の当り態様または第2の当り態様)で停止すると、後述する開閉制御手段275が停止図柄の態様と遊技状態に応じて第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、後述する保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
<第1抽選手段211および第2抽選手段212>
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1抽選手段211による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第1特別図柄表示部41において第1特別図柄51の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2抽選手段212による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第2特別図柄表示部42において第2特別図柄52の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。
<第1抽選値取得手段216および第2抽選値取得手段217>
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1抽選手段211による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の第1当否抽選値、第1図柄決定手段226による第1特別図柄51の停止態様決定用の第1図柄抽選値、第1変動パターン決定手段231による第1特別図柄51の変動パターン(変動時間)決定用の第1パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2抽選手段212による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第2当否判定手段222による当否判定用の第2当否抽選値、第2図柄決定手段227による第2特別図柄52の停止態様決定用の第2図柄抽選値、第2変動パターン決定手段232による第2特別図柄52の変動パターン(変動時間)決定用の第2パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。
第1当否判定手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段222は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。当否判定では、より具体的には、特別遊技へ移行することを示す「大当り」、小当り遊技へ移行することを示す「小当り」、特別遊技および小当り遊技には移行しないことを示す「外れ」、のいずれに該当するかが判定される。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、後述する事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。なお、本明細書において「テーブル」や「選択基準」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルとして、それぞれの当否判定に対応するテーブルを保持する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の当否判定テーブル(「第1当否判定テーブル」ともいう)と、第2当否判定手段222による当否判定用の当否判定テーブル(「第2当否判定テーブル」ともいう)を保持し、実行する当否判定に応じて参照するテーブルを選択する。複数の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。また、複数の遊技設定に対応する複数種類の当否判定テーブルが用意され、例えば設定1から設定6までの遊技設定のそれぞれに対し、当否抽選値と当否判定結果との対応関係が異なる当否判定テーブルが用意される。なお、複数の遊技設定間で大当り、小当り、外れの確率が同一である場合には、複数の遊技設定で共通となる当否判定テーブルが用意されてもよい。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図は、特定の遊技設定に対応する当否判定テーブルを示し、設定6に対応する当否判定テーブルを示す。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が56500〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段222が取得する当否抽選値が64000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2当否抽選よりも第1当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。すなわち、「当否」を「大当りか否か」の観点で捉える場合は、「小当り」は「大当りではない」という意味で広義の「外れ」に含めて考えてもよい。また、「当否」を「当りか否か」の観点で捉える場合には、「小当り」は「大当り」とともに広義の「当り」に含めて考えてもよい。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。また、「小当り」については、第1の遊技と第2の遊技の一方のみに設けることとしてもよいし、いずれの遊技にも設けないこととしてもよい。その場合、対応する当否判定テーブルに小当りに対応する値が設定されない。
図6は、設定値ごとの当否抽選値の範囲設定を模式的に示す。本図(a)は、第1当否判定手段221が取得する第1当否抽選値と当否判定結果の対応関係を示す。本図(b)は、第2当否判定手段222が取得する第2当否抽選値と当否判定結果の対応関係を示す。通常時および確変時に大当りとなる第1当否抽選値および第2当否抽選値の範囲は、設定値「1」であれば0〜294、設定値「2」であれば0〜295、設定値「3」であれば0〜296、設定値「4」であれば0〜297、設定値「5」であれば0〜298、設定値「6」であれば、0〜299である。したがって、設定値が大きくなるほど通常時に大当りとなる当否抽選値の範囲が増え、通常時に大当りとなる確率が高められる。また、確変時にのみ大当り(つまり、通常時は外れ)となる第1当否抽選値および第2当否抽選値の範囲は、設定値「1」であれば295〜2949、設定値「2」であれば296〜2959、設定値「3」であれば297〜2969、設定値「4」であれば298〜2979、設定値「5」であれば299〜2989、設定値「6」であれば、300〜2999である。したがって、設定値が大きくなるほど確変時に大当りとなる当否抽選値の範囲も増え、確変時に大当りとなる確率も高められる。なお、通常時に大当りとなる通常時大当り確率と、確変時に大当りとなる確変時大当り確率との比は、設定値に拘わらず一定となるように当否抽選値の範囲が定められる。本図では、通常時大当り確率に対して確変時大当り確率が10倍となるように当否抽選値の範囲が定められており、全ての設定値「1」〜「6」において共通となっている。また、小当りとなる確率も設定値に拘わらず一定となるように当否抽選値の範囲が定められる。全ての設定値「1」〜「6」において、第1当否抽選値の範囲が56500〜65535に該当した場合に小当りとなり、第2当否抽選値の範囲が64000〜65535に該当した場合に小当りとなる。大当りまたは小当りとなる範囲外の当否抽選値の範囲は「外れ」となる。本図では、設定値ごとに大当り確率を異ならせているが、異なる設定値間で大当り確率が同一となるように当否抽選値と当否判定結果の対応関係を定めてもよい。
<第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227>
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、乱数生成手段202から取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルを保持する。具体的には、第1図柄決定手段226は第1当否判定手段221による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持し、第2図柄決定手段227は第2当否判定手段222による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持する。第1当否判定手段221は、大当り時に参照する大当り時第1図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第1図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第1図柄判定テーブルを保持する。第2当否判定手段222は、大当り時に参照する大当り時第2図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第2図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第2図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定の結果に応じて参照する図柄判定テーブルを選択する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、後述する事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図7は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図7(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図7(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図7(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「4」が大当りに対応し、「5」〜「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図7(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」〜「4」が大当りおよび大当り後の確率変動の有無に対応付けられている。具体的には、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う16R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜144」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う4R大当り(または「実質4R当り」)を示し、第1図柄抽選値の場合は「100〜149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145〜149」に対応付けられる。種類「2」は確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「2」が対応付けられる。種類「3」は通常大当りとして確変を伴わない16R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「3」が対応付けられる。種類「4」は通常大当りとして確変を伴わない4R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「230〜255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類(すなわち、大当りの内容とその後の確率変動の有無)ごとの選択確率が定まる。
なお、特別図柄の種類をより多く設けることも可能であり、その場合には複数の特別図柄の種類に対応して1の大当り種類が定まるように構成することで、図柄種類を増やしつつ大当りの種類を少なく設定することができる。あるいは、増加した図柄種類に対応させてより多くの大当りの種類に細分化することも可能である。さらに、第1の抽選時と第2の抽選時とで異なる図柄種類を設けることも可能である。この場合には、第1の抽選時に選択される特別図柄の種類、第2の抽選時に選択される特別図柄の種類のそれぞれに対応するように1の大当り種類が定まるように構成される。ただし、第1の抽選と第2の抽選とで確率変動の割合が同一となるように設定することが望ましい。
図7(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。したがって、外れの場合には必ず同じ特別図柄が停止表示することが決定される。なお、外れの場合に停止表示する特別図柄を複数設けることも可能である。
図7(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」〜「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
なお、本実施例においては、メイン基板200における記憶領域を節約するために、事前図柄判定においても図7のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。なお、事前図柄判定テーブルとして、さらに細分化し複雑な判定を実施可能としたもの、または同様の特別遊技を実行する大当り図柄の判定範囲をまとめて簡易的にしたものを利用するようにしてもよい。また、本実施例のように外れの際に一律に図柄が定まる場合は、取得した図柄抽選値を参照することなく、また、外れ時用の図柄判定テーブルを用意することなく、特定の図柄を決定してもよい。
<第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232>
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示部41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232、メイン基板200の制御手段は、変動開始条件を満たした際に変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと、始動口への入球時に先読み処理の実行判定のための情報生成に使用する事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、図柄変動の表示過程が定められた各変動パターンには、実質的には、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。また、後述する装飾図柄の変動演出パターンの選択に資するため、同一の変動時間でありながら異なる種類の変動パターンとして定義する場合もある。
図8は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態においては本図(a)のテーブルを参照し、時短状態においては本図(b)のテーブルを参照する。
図8(a)の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0〜4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5〜9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10〜19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20〜29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30〜255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0〜2のときは10秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは4秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図(a)に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
通常状態において当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りとなった場合、パターン抽選値が0〜123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124〜248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249〜252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253〜255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
通常状態において当否判定結果が2R大当りまたは小当りとなった場合、パターン抽選値が0〜122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123〜255であればパターン範囲番号「10」のノーマルリーチである「ノーマル3」を選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番号の値(0〜10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。なお、図8に示す実施例では、事前パターン判定にて当否判定結果別にテーブルを有するように例示しているが、当否抽選結果にかかわらず1の事前パターン判定テーブルを用いて、乱数値がおよそどの範囲に位置するかに関する情報のみを導き出すようにするとともに、サブ基板300の制御手段側で、事前当否判定結果とともに、いかなる変動が実行されるかを判断するように制御してもよい。
時短状態において参照する図8(b)の変動パターンテーブルは、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて図8(a)と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、図8(a)における「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターンである。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2〜4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。なお、第1変動パターン決定手段231と第2変動パターン決定手段232で異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよいし、遊技状態に応じて異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよい。例えば、第2の抽選を第1の抽選より有利な設定とし、第2の抽選を第1の抽選に優先して処理するような遊技機では、時短に伴う入球容易状態にもかかわらず第2の抽選の保留が枯渇して第1の抽選が連続実行されてしまう状況は遊技者にとって好ましくない。そのため、入球容易状態における第1の抽選における外れ変動では、変動時間を短縮しない長時間(例えば10秒)の変動パターンが保留数に拘らず一律に選択されるような変動パターンテーブルを参照することとしてもよい。
<保留制御手段240>
図4に戻り、保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選値または第2当否抽選値が取得されるときに、それ以前に取得されていた第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動が表示されている場合、新たに取得された第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。ここで、第1特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第1当否抽選値、第1図柄抽選値、第1パターン抽選値を記憶し、第2特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第2当否抽選値、第2図柄抽選値、第2パターン抽選値を記憶する。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普図保留表示部75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
<メイン表示制御手段250>
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示部41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示部42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、後述するコマンド通信手段205により変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示部45に表示させる。
<特図調整手段276>
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
<事前判定手段235>
事前判定手段235は、第1抽選事前判定手段236と第2抽選事前判定手段237を含む。第1抽選事前判定手段236は、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231による各種判定の実行前に、第1抽選値取得手段216が取得した各種乱数を用いて第1特図制御手段251による第1特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。第2抽選事前判定手段237は、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232による各種判定の実行前に、第2抽選値取得手段217が取得した各種乱数を用いて第2特図制御手段252による第2特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。
第1抽選事前判定手段236は、第1抽選手段211に係る事前判定用の判定テーブルとして、第1事前当否抽選値判定テーブル、第1事前図柄抽選値判定テーブル、第1事前変動パターン乱数値判定テーブルを保持する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前当否抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1当否抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前図柄抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1図柄抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前変動パターン判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1変動パターン抽選値が属する乱数グループを判定する。そしてこれらの判定結果を事前判定結果として一時的に記憶して、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により事前判定結果に関する情報をサブ基板300に送信する。
図9は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)は、第1始動口11への入球時に図9(a)の第1事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000〜56499」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「56500〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第1事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1図柄抽選値が「0〜99」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「100〜149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「150〜189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「190〜229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「230〜255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第1事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1パターン抽選値が「0〜9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「10〜29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「30〜255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第1始動口11への入球を示す(第1当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)は、第2始動口12への入球時に図9(b)の、第2事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000〜63999」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「64000〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第2事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2図柄抽選値が「0〜144」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「145〜149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「150〜189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「190〜229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「230〜255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第2事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2パターン抽選値が「0〜9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「10〜29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「30〜255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第2始動口12への入球を示す(第2当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
なお、事前判定手段235による事前判定結果として一時記憶された各種情報は、保留記憶数と同様に、それぞれ4個を上限に所定の事前判定結果記憶領域に記憶する。なお、事前判定結果を保留制御手段240が記憶する保留記憶領域を用いて記憶してもよい。事前判定手段235による事前判定結果を後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により演出決定手段303に送信したことに基づいて当該情報を消去するようにしてもよい。このように、他の領域と共用したり、送信完了に基づいて情報を消去することにより、メイン基板200における記憶領域の効率利用が期待できる。また、事前判定用の判定テーブルとして、事前判定専用のテーブルを設けずに、本判定用の判定テーブルを用いてもよく、第1の遊技に関する事前当否判定と第2の遊技に関する事前判定とで一部または全部が共通の事前判定テーブルを共用してもよい。このように、他の判定テーブルと共用することで、メイン基板200におけるデータ容量の削減が期待できる。なお、事前判定手段235の判定結果として送信する内容は、例えば、当否の判定結果のみを送信するなど、適宜選択することも可能である。また、事前判定手段235により判定することなく、第1抽選値取得手段216、第2抽選値取得手段217で取得した乱数の値を前述のコマンド通信手段205によりサブ基板300に送信し、サブ基板300により事前判定の内容を判断するように構成してもよい。
事前判定手段235は、設定変更装置170により設定される設定値に応じて、当否抽選値と事前当否判定結果との対応関係が異なる事前当否抽選値判定テーブルを参照してもよい。上述の当否判定テーブルと同様、複数の遊技設定に対応する複数種類の事前当否抽選値判定テーブルを用意し、遊技設定の設定値に応じて参照する事前当否抽選値判定テーブルを切り替えてもよい。その他、複数の遊技設定間で共通利用できる事前当否抽選値判定テーブルを用いてもよい。この場合、遊技設定の設定値と事前当否判定結果の値の組み合わせにより当否が事前判定されてもよい。
図10は、遊技設定に対応した事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図(a)は、第1抽選事前判定手段236が参照する事前当否判定テーブルであり、本図(b)は、第2抽選事前判定手段237が参照する事前当否判定テーブルである。当否抽選値が「0〜294」の場合には事前当否判定結果が「11」となり、全設定1〜6において大当りとなることを示す。当否抽選値が「295」の場合には事前当否判定結果が「12」となり、通常時の設定2以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「296」の場合には事前当否判定結果が「13」となり、通常時の設定3以上または確変時の全設定にて大当りとなることを示す。当否抽選値が「297」の場合には事前当否判定結果が「14」となり、通常時の設定4以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「298」の場合には事前当否判定結果が「15」となり、通常時の設定5以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「299」の場合には事前当否判定結果が「16」となり、通常時の設定6または確変時の全設定にて大当りとなることを示す。また、当否抽選値が「300〜2949」の場合には事前当否判定結果が「21」となり、確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2950〜2959」の場合には事前当否判定結果が「22」となり、確変時の設定2以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2960〜2969」の場合には事前当否判定結果が「23」となり、確変時の設定3以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2970〜2979」の場合には事前当否判定結果が「23」となり、確変時の設定4以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2980〜2989」の場合には事前当否判定結果が「25」となり、確変時の設定5以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2990〜2999」の場合には事前当否判定結果が「26」となり、確変時の設定6において大当りとなることを示す。さらに、(a)に示す第1当否抽選値が「3000〜56499」となる場合、および、(b)に示す第2当否抽選値が「3000〜63999」となる場合、事前当否判定結果が「30」となり、全設定において小当りとなることを示す。また、(a)に示す第1当否抽選値が「56500〜65535」となる場合、および、(b)に示す第2当否抽選値が「64000〜65535」となる場合、事前当否判定結果が「40」となり、全設定において外れとなることを示す。このような事前当否判定テーブルを用いることにより、遊技設定の設定値ごとに適切な事前当否判定結果を示すことができる。
<特別遊技制御手段260>
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、大入賞口20の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を16回繰り返す16R大当りと、単位遊技を4回繰り返す4R大当りと、16R大当りおよび4R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。16R大当りは第2当否抽選での大当りであり、4R大当りは第1当否抽選での大当りである。16R大当りおよび4R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を約1.6秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、16R大当りおよび4R大当りと同様の開放態様で大入賞口20を開放させてもよい。
<小当り遊技制御手段265>
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において大入賞口20を2回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり大入賞口20を約1.6秒間だけ開放させた後、大入賞口20を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
<特定遊技制御手段270>
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するまで継続される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および第2始動口12の開放延長の双方、または第2始動口12の開放延長のみが実施される。すなわち、特定遊技制御手段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
<開閉制御手段275>
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や大入賞口20の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド92に開放指示を送り、大入賞口20を開放させる。
<メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284>
メイン初期処理実行手段280は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるメイン基板200の制御開始処理を実行する。メイン電断処理実行手段282は、電源断などの電源異常発生時にメイン基板200における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。メインエラー検出手段284は、メイン基板200における異常検知処理を実行する。なお、メイン基板200の制御開始処理、異常時対応処理、および異常検知処理については後述する。
<設定変更手段286、設定確認手段287>
設定変更手段286は、遊技設定を変更するための「設定変更処理」を実行する。設定変更手段286は、設定キーシリンダ171がオン状態のときにRAMクリアスイッチを押しながら電源スイッチ150がオンにされた場合、上述の設定変更状態へ移行させる。設定変更手段286は、設定変更状態へ移行された場合、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173に表示させる。設定変更手段286は、設定変更ボタン172の押下に応じて設定表示部173に表示される設定値を1→2→3→4→5→6→1→・・・のように順番に変更し、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173の表示と同じ値に更新する。設定変更手段286は、設定キーシリンダ171がオフ状態にされた場合、設定変更状態を終了させ、設定表示部173を消灯させる。
設定確認手段287は、遊技設定を確認するための「設定確認処理」を実行する。設定確認手段287は、設定キーシリンダ171がオン状態のときにRAMクリアスイッチが押されずに電源スイッチ150がオンにされた場合、上述の設定確認状態へ移行させる。設定確認手段287は、設定確認状態へ移行された場合、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173に表示させる。設定確認手段287は、上述の設定変更手段286と異なり、設定変更ボタン172が押下されたとしても設定表示部173に表示される設定値を変更せず、設定メモリに記憶される設定値も更新しない。設定確認手段287は、設定キーシリンダ171がオフ状態にされた場合、設定確認状態を終了させ、設定表示部173を消灯させる。
なお、設定メモリで管理する設定値データは「1」〜「6」の数値ではなく、代わりに「0」〜「5」の数値を用いてもよい。この場合、設定値「0」が設定1に対応し、設定値「1」が設定2に対応し、設定値「2」が設定3に対応し、設定値「3」が設定4に対応し、設定値「4」が設定5に対応し、設定値「5」が設定6に対応してもよい。設定値データの正常値として「0」を用いることにより、RAM異常時にRAMクリア処理をして設定値データを初期値「0」にセットしたときに異常判定されなくなるため、異常時のRAMクリア処理を簡易化できる。また、設定値データを利用して何らかの抽選を実行する場合、例えば、先読み処理において設定値毎に異なるテーブルやデータを選択する場合に、その選択のためのオフセット処理を簡略化できるという利点もある。例えば、設定値データとして「1」〜「6」を用いる場合、テーブルやデータ選択のオフセットデータとしてこれらの値をそのまま使用する際には開始アドレスを−1する等の追加処理が必要となる。一方、設定値データとして「0」〜「5」を用いる場合には、設定値データの数値をそのままオフセットデータとして使用できる。なお、設定変更手段286および設定確認手段287は、設定値データとして「0」〜「5」の数値を用いる場合、設定値データの数値をそのまま設定表示部173に表示してもよいし、設定値データの数値に+1を加えた数値を設定表示部173に表示してもよい。後者の場合、「0」〜「5」の数値データが遊技設定における設定1〜設定6の数値に変換されて表示されるため、遊技機の管理者にとって分かりやすい表示とすることができる。
<コマンド通信手段205>
コマンド通信手段205は、払出等の実行に必要な制御コマンドを払出制御基板155に送信する払出制御コマンド通信手段206と、演出制御等の実行に必要な制御コマンドをサブ基板300に送信するサブ制御コマンド送信手段207を含む。払出制御コマンド通信手段206は、入球判定手段201による各入賞口への入球の判定に基づいて各入賞口に対応した数の賞球の払出を指示する払出コマンドを送信し、メイン基板200で発生したエラーの状態等を示すコマンドを送信する。サブ制御コマンド送信手段207は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
サブ制御コマンド送信手段207は、第1特図制御手段251および第2特図制御手段252が第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。また、サブ制御コマンド送信手段207は、事前判定手段235による事前判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず事前判定結果に対応する入賞口(第1始動口11、第2始動口12)の種別情報、保留個数の情報、遊技状態等と併せて演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。これにより、サブ基板300の側にとっては受信した事前判定結果により、図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。なお、サブ基板300が行う事前判定情報に基づく処理等については後述する。サブ制御コマンド送信手段207は、特別遊技制御手段260による特別遊技に関する情報、小当り遊技制御手段265による小当り遊技に関する情報、普通図柄抽選手段213による抽選結果の情報、設定変更手段286により設定される遊技設定の設定値情報をサブ基板300に送信する。また、サブ制御コマンド送信手段207は、メイン初期処理実行手段280およびメインエラー検出手段284等による初期処理に関する情報やエラーに関する情報等、メイン基板200での各種制御、または、メイン基板200に送信される各種信号等に関する情報を適宜、サブ基板300に送信する。
図11は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304、計時手段307、演出設定手段308、サブ初期処理実行手段360、サブ電断処理実行手段362、サブエラー検出手段364、コマンド受信手段370、サブ側事前判定手段371を備える。
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
コマンド受信手段370は、コマンド通信手段205から送信される各種コマンドを受信し、サブ側事前判定手段371は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を保持する。演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374を含む。通常演出決定手段373は、コマンド通信手段205から送信される第1当否抽選の判定結果または第2当否抽選の判定結果の情報に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。演出決定手段303は、コマンド通信手段205から送信される遊技設定の設定値に応じて演出内容を決定する。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。通常演出決定手段373は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定され、コマンド通信手段205から送信された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。通常演出決定手段373は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。通常演出決定手段373は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。なお、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を参照して通常演出決定手段373により変動演出パターンを決定する場合があってもよく、先読み演出決定手段374による先読み演出の内容と併せて変動演出パターンを決定する場合があってもよい。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205からの事前判定結果と、サブ基板300に保持する過去の事前判定結果や遊技状態情報等に基づいて本判定の結果をより精度よく特定し、その特定した結果に基づいて本判定前から先読み演出を実行するか否か、および、その実行内容を決定する。具体的には、先読み演出決定手段374は、現在の遊技状態が確率変動遊技中であるかを判定した上で、今回受信した事前判定結果より前の事前判定結果に基づいて通常遊技状態に移行するか否かを判定する。その判定結果を踏まえ、今回受信した事前判定結果に係る本判定の当否結果や選択される変動パターン等を特定し、当該特定結果に基づいて先読み演出の実行可否、先読み演出の実行内容を決定する。なお、演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374とが協同している部分が多いため、特に必要な部分を除き、両者を包括した演出決定手段303として説明する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が4R大当りや16R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターン(リーチ後予告)と、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターン(リーチ前予告)とがある。
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出制御手段304は、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことを新たな装飾図柄の変動表示の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯や、可動役物66の動作をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305、音声制御手段306、ランプ制御手段309を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカー108からの音声出力を制御する。ランプ制御手段309は、装飾ランプ111の点灯および消灯を制御する。
第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中、演出表示装置60には図柄変動中であることを示す画像を表示する必要がある。通常、ある程度の大きさを持つ通常サイズの装飾図柄61を変動表示させるが、通常サイズの装飾図柄61の変動表示の視認性を阻害する態様で、装飾図柄61の変動以外を主要な演出内容とする特殊な演出を表示させてもよい。この場合、通常サイズの装飾図柄より小さいサイズの装飾図柄である代替図柄を変動表示させることにより図柄変動中であることを遊技者に提示する。以下、単に装飾図柄と呼ぶ場合は通常サイズの装飾図柄を意味するが、代替図柄と区別する場合、通常サイズの装飾図柄を「通常装飾図柄」や「メイン装飾図柄」とも呼ぶ。
代替図柄は、通常装飾図柄の視認性が阻害される間、例えば通常装飾図柄が非表示となる間に表示される。代替図柄は、当否判定結果を演出的に示唆するための装飾図柄の一形態であり、通常装飾図柄よりも簡略化(言い換えれば簡易化、簡素化)された表示形態を有し、通常装飾図柄よりも簡略化された変動過程にて表示される。代替図柄は、通常装飾図柄の図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有し、例えば、図柄種類を示す数字、文字、記号を表す表示形態を有する。また代替図柄は、通常装飾図柄が変動表示される領域よりも狭い領域で変動表示され、典型的には図柄以外の要素によるメイン演出を阻害しにくい位置、例えば演出表示装置60の画面の隅で変動表示される。代替図柄は、通常装飾図柄よりも相対的に小さく表示されるが、少なくとも図柄種類が外観上識別可能となる表示形態を有する。なお代替図柄は、通常装飾図柄をそのまま縮小したものでもよく、サイズ以外は通常装飾図柄と同一であってもよい。
複数の通常装飾図柄の代わりに表示される複数の代替図柄は、変動終了時の停止態様の組合せによって当否抽選の結果が遊技者に有利な状態となる期待度の高さを示唆する。例えば、複数の代替図柄は、3つの代替図柄のうち2つの図柄種類が揃ったリーチ状態となることによって当該変動における大当りの期待度が高いことを示唆する。また、リーチ状態となる左右図柄が「3」や「7」などの期待度が相対的に高いことを示唆する特定種類の図柄となることや、「1」や「2」などの期待度が相対的に低いことを示唆する種類の図柄となることによって、そのリーチ状態の期待度の高低を示唆してもよい。なお代替図柄は、外観上、確定的な停止状態になることはなく、微小な揺れが維持される仮停止状態になる。代替図柄の仮停止後に、代替図柄に代えて通常装飾図柄を表示させ、その通常装飾図柄を確定停止の状態で表示させてもよい。また、通常装飾図柄と代替図柄を排他的に表示するのではなく、表示期間の重複があってもよい。さらにまた、通常装飾図柄の視認性が阻害される所定の演出時に、通常装飾図柄の変動表示を継続するとともに代替図柄の変動を表示させてもよい。代替図柄とは異なり、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中に演出表示装置60の所定の領域において、代替図柄と同程度かそれよりも小さい画像にて特別図柄が変動中であることを示唆する簡易図柄を変動表示してもよい。簡易図柄は、通常装飾図柄と同様に3つの図柄組合せの変動表示で構成してもよいし、一つの図柄の変動表示で構成してもよいし、単なる記号(「○」「×」など)を順次切り替える形で構成してもよい。簡易図柄は通常装飾図柄や代替図柄の変動表示態様とは関連性を持たせず、特別図柄の変動開始から変動終了まで一定の変動を表示し、停止表示時には通常装飾図柄の停止表示態様と関連した表示をしてもよい。なお、簡易図柄は、特別図柄の変動表示中であることの示唆および特別図柄の結果が最低限報知されるものであればよく、2つの図柄組合せで表示するものなど適宜変更可能である。また、簡易図柄を「サブ装飾図柄」「サブ装図」「ミニ装飾図柄」「ミニ装図」などと呼んでもよい。演出表示装置60とは別に簡易図柄と同等の表示をLED等の発光態様によって示す第4図柄と呼ばれる装飾図柄の変動表示を用いてもよい。第4図柄は、演出表示装置60に不具合が発生した場合などにおいて、遊技の進行(特別図柄の変動中表示、結果表示)を示すために用いられる。第4図柄の表示態様の一例として、LEDが「白」、「青」、「緑」、「黄」、「橙」、「赤」と順次点灯(消灯を含む点滅としても可)していくことで変動表示してもよいし、特別図柄の種類に応じてある単色で点滅することで変動表示を示唆し、停止表示した際の発光色で外れや大当りの種類を示唆してもよい。
計時手段307は、遊技に使用する時間情報を出力する計時回路である。計時手段307は、電源投入時からの時間をカウンタで計測して時間情報として出力するタイマ回路である。ただし、電池を内蔵してぱちんこ遊技機100の電源オフ時や停電時も電池によって日時を計測し続けられるリアルタイムクロック回路でもよい。リアルタイムクロック回路の場合、個体差や時刻ズレによって遊技台ごとの時刻に微差が生じる可能性があるのに対し、タイマ回路の場合、同時に電源投入する限り複数の遊技台の間で時刻の差が生じる可能性は小さい。
演出決定手段303は、計時手段307により出力される時間情報が所定の時間を示したことを契機とする所定タイミングに開始する同調演出を実行する。同調演出は、図柄変動の変動期間や遊技状態とは実質的に非同期の期間である同調演出期間にて演出表示装置60に表示させる演出である。同調演出期間は数分間に及び、その長さは1回分の図柄変動時間よりも長く、複数回の図柄変動期間を包含し得る。同調演出の演出パターンはパターン記憶手段302に格納されており、その演出パターンには所定の楽曲と映像の再生が定められている。同調演出の演出パターンは複数種類用意され、月、日付、曜日、時刻などの日時によって異なる種類の演出パターンが選択され得る。
同調演出は通常遊技中か特別遊技中かを問わず実行される。ここで「通常遊技中」には、いわゆる待機デモ画面の表示中も含まれる。すなわち「通常遊技中」には、(1)図柄が変動表示されている「変動表示中通常遊技」、(2)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中でもない「変動停止中通常遊技」、(3)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中である「待機デモ画面表示中通常遊技」、が含まれる。(1)〜(3)のいずれの期間中も同調演出は実行され得るが、(2)および(3)のときは同調演出における音量低減や輝度低減などの制御をする出力態様が(1)のときとは異なり得る。また、待機デモ画面表示中は、遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作によって後述の携帯連携システムに関する情報を入力でき、その操作入力があったときは同調演出の映像および音声の出力が抑制され、携帯連携システムによる演出カスタマイズなどの画面表示が優先される。
同調演出は、例えば所定の楽曲の演奏や映像を所定の時間(「同調演出開始時間」と呼ぶ)に再生する演出である。同調演出を再生する契機となる時間は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間であってもよいし、標準時を基準とした毎正時または正時半の時刻であってもよい。あるいは、日付または曜日によって異なり得る時刻が設定されてもよく、「1時間ごと」のように一定間隔ではなく、最初は1時間後、次は3時間後、というように間隔が異なったり、その間隔が日付や曜日によって異なったりしてもよい。遊技店ごとに遊技店員によって時間を指定できる可変設定であってもよい。ただし、同じ遊技店に設置される複数台の同一機種間において少なくとも同じ時刻で同じ同調演出が実行されるようあらかじめ設定される。例えば、電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間を契機とする仕様の場合、遊技店においては複数台を同時に電源投入する。これにより、所定時間となったことを契機にそれら複数の遊技台において一斉に同じ同調演出が実行される。その結果、あたかも複数台で同期しているように同時に演出が表示され、同時に同じ楽曲や映像が流れることでその場でライブ演奏や映画の上映がなされているかの如く臨場感のある相乗的な演出効果が得られる。
同調演出の機能は同じ機種の別の遊技台にも同様に内蔵されており、同じ遊技島における複数の遊技台は毎日遊技店員によって同時に電源投入される。そして、同時に電源投入される複数の遊技台はすべてほぼ同時に同調演出開始時間を迎えることとなり、一斉に同時進行で同調演出を実行し得ることになる。これを複数台同期演出と呼ぶ。その場合、映像の表示が複数台で同調するだけでなく、効果音や背景音楽の出力もまた複数台で同調することとなり、同調する台数が多いほど一斉に演出を実行することによる相乗効果も高まる。
演出設定手段308は、遊技者の遊技履歴を記憶する。遊技履歴とは、遊技結果の履歴および演出結果の履歴を含む。遊技結果の履歴は、打球数、賞球数、大当り回数、確変回数、時短回数といった遊技の結果として遊技者が得られる出玉につながる遊技の結果である。演出結果の履歴は、遊技上の利益とは異なり、演出の内容や種類を変更できる権利や特定種類の演出を出現しやすくできる権利が付与されるといった利益を獲得するために記録される演出上の得点等の情報である。例えば、所定の演出の出現回数やミニゲームの結果などを得点化して遊技者に付与するために、その得点や遊技履歴を示す符号化情報、例えば二次元コードを画面に表示する。その二次元コードを遊技者が自分の携帯端末のカメラで読み取って復号すると、復号により得られた得点や遊技履歴の情報が遊技者の携帯端末に蓄積される。二次元コードを介した遊技機と遊技者の携帯端末との連携システムについては後述する。なお、ここでいう得点は、後述の演出カスタマイズの幅を広げるために必要となるもので、得点が所定の累積値に達すること(例えば1000ポイントに到達することや、100ポイント到達ごと、など)を契機として、カスタマイズ可能な項目が増加する仕様である。
演出設定手段308は、遊技者の選択指示および遊技履歴に基づき、演出カスタマイズとして複数種類の演出内容の選択肢からいずれを選択するかの設定を記憶する。例えば、特別遊技中に表示させる演出パターンとして、表示されるモチーフやキャラクタや楽曲が異なる複数種類の演出パターンがパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの演出を表示させるかを遊技者に選択させることとする。または、図柄変動させる装飾図柄に含まれる絵柄のデザインとして複数種類のモチーフまたはキャラクタの絵柄がパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの絵柄を表示させるかを遊技者に選択させることとする。それらの場合に、待機デモ画面の表示中に遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作を受け付け、その操作を介して演出パターンの選択がなされると、演出設定手段308はその選択内容を記憶する。演出決定手段303は、演出設定手段308により記憶された設定に応じて、特別遊技中の演出パターンの種類を選択する。
サブ初期処理実行手段360は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるサブ基板300の制御開始処理を実行する。サブ電断処理実行手段362は、電源断などの電源異常発生時にサブ基板300における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。サブエラー検出手段364は、サブ基板300における異常検知処理を実行する。サブエラー検出手段364が電源断を検出すると、サブ電断処理実行手段362は、電源断処理としてRAMのデータをバックアップ用RAMにバックアップする。
図12は、携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。携帯連携システムの前提として、遊技者はあらかじめ携帯端末354で専用サイトが設けられた遊技履歴サーバ358にアカウントおよびパスワードを設定することでユーザ登録しておく。遊技開始時において遊技者により演出ボタン109が押下されたとき、演出表示制御手段305が演出表示装置60の画面に遊技履歴サーバ358の専用サイトのアドレスを符号化した二次元コード350を表示させ、それを遊技者に携帯端末のカメラで読み取らせて遊技履歴サーバ358の専用サイトにアクセスさせる。その専用サイトから遊技者の識別情報や演出得点履歴を符号化した文字情報(これを「パスワード情報」とも呼ぶ)が携帯端末に送信され、携帯端末の画面に表示される。そのパスワード情報の入力画面を演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示させ、十字キー110等のボタン操作を介して遊技者に入力させる。入力されたパスワード情報を演出設定手段308が復号して遊技者の識別情報や演出得点履歴として登録することにより、その遊技者の前回までの遊技内容や演出得点状態を引き継ぐことができる。このパスワード情報の入力が、その遊技者の遊技履歴の記録開始指示および各種演出要素を選択する演出カスタマイズの開始指示となる。以降、ぱちんこ遊技機100においては遊技や演出の進行に伴い、演出設定手段308がその遊技者に対して演出上の利益として付与する得点を随時加算して演出得点履歴として累積させるとともに、遊技者は随時、演出カスタマイズを実施して、各種演出要素として好みの要素を選択して設定することができる。演出上の得点付与は、図柄変動ごとに加算することを基本とし、特別遊技への移行期待度が高い演出種類ほど高い得点を付与し、特別遊技へ移行したときも高い得点を付与する。
演出カスタマイズとして、遊技者は累積的に獲得した得点の一部を利用し、その利用するポイント数に応じて、演出表示装置60に表示される演出内容を構成する色、背景、形状、キャラクタ、楽曲などの演出要素を好みの種類に変更することができる。演出設定手段308は、遊技者によるボタン操作を介した演出要素の変更指示を受け取り、その指示に応じて各種演出要素を変更する。カスタマイズできる演出要素は、その要素ごとに複数種類の項目が用意され、項目ごとに必要なポイント数として異なる値が設定されている。したがって、累積された得点が所定値に達することを契機にカスタマイズ可能な項目が増え、あるいはカスタマイズ可能項目を増加させるチャンスが付与されることとなる。遊技者が遊技ないし演出カスタマイズの終了指示としてボタン操作をすると、演出設定手段308は、演出上の特典や演出得点履歴などの情報を符号化した二次元コード350を生成し、これを演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示する。その二次元コード350を遊技者が自身の携帯端末のカメラで読み取り、その読み取った二次元コード352を復号することにより情報を取得して携帯端末354に蓄積できる。またその情報は携帯端末354から専用サイトのある遊技履歴サーバ358へネットワーク356を経由して送信され、自身のアカウント情報と紐付けられて管理される。このように、演出上の特典や演出得点履歴などの情報が二次元コード350の表示およびその読み取りという伝送手段を介して携帯端末354へ伝達され、遊技履歴サーバ358にて管理されることで、次回の遊技で遊技や演出の内容を引き継ぐことができる。また、長く遊技を続けることで図柄変動回数や演出回数が増える分、得点を得ることができる。
図13は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデータと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目の通信で下位バイトであるEVENTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出制御装置313などの電子部品を含む。サブROM312は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出制御装置313、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカー108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータおよび音声パターンデータを演出制御装置313へ送信する。なお、本実施例ではサブ基板300が演出制御装置313を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出制御装置313とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図14は、演出制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出制御装置313は、制御CPU320、制御RAM322、データROM324、表示制御回路326、音声制御回路314を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データおよびモーションデータや、音声出力に用いられる音声データなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。音声データは、演出中に出力される楽曲、背景音、効果音、キャラクタのセリフといった音声のデータである。
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から制御RAM322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が制御CPU320によって実行される。その結果、制御CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。同様にして、制御CPU320から音声制御回路314へ音声出力に関するコマンド、音声データが送信され、音声制御回路314により音声出力制御がなされる。
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレームバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
制御CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、制御CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
なお、データROM324には、表示制御回路326によりなされる表示制御過程が定義された「詳細表示パターンデータ」が保持されている。このとき、サブCPU310から送られる表示パターンデータは、演出表示過程の概要が定義される「概略表示パターンデータ」ということができる。例えば、概略表示パターンデータには、装飾図柄の変動開始および変動停止タイミングや、複数の動画像の再生順序や、再生開始および停止のタイミングなど、一連の演出表示過程の大まかな流れが定義される。一方、詳細表示パターンデータには、装飾図柄の変動表示を実現するためのスプライト画像の表示順序や、モーションデータに基づく動画像を表示するためのフレーム単位での表示処理順序など、細かな表示制御過程が定義される。
演出制御装置313は、サブCPU310から送られた「概略表示パターンデータ」に基づく表示制御をする場合、その処理に必要な「詳細表示パターンデータ」をデータROM324から読み出し、双方の表示パターンデータを用いて表示処理を実行する。したがって、演出制御装置313は、「概略表示パターンデータ」および「詳細表示パターンデータ」を含む表示パターデータに基づいて表示制御処理を実行するということができる。そこで、本明細書においては、明示的に言及しない限り、サブROM312に格納される「概略表示パターンデータ」とデータROM324に格納される「詳細表示パターンデータ」を区別せず、単に「表示パターンデータ」という。例えば、演出制御手段が、データ格納手段に保持される表示パターンデータに基づき特定の処理をするという場合、この表示パターンデータには、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」を含むものとする。なお、変形例においては、表示パターンデータが、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」とに分かれておらず、双方を兼ねる表示パターンデータがサブROM312またはデータROM324に保持されていてもよい。
本実施例では、演出制御装置313のハードウェア構成として、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が含まれる構成を示している。変形例においては、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、表示制御回路326によって実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。例えば、演出制御装置313に含まれる制御CPU320が、表示制御回路326に含まれるデコーダ332、描画回路336、表示回路340により実行されるとした処理を実行してもよい。また、演出制御装置313に含まれる制御RAM322が描画メモリ334やフレームバッファ338の機能を兼ねてもよい。その他、演出制御装置313に表示制御回路326が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、表示制御回路326により実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。
また、本実施例では、サブ基板300のハードウェア構成として、サブCPU310、サブRAM311およびサブROM312の他に、演出制御装置313が含まれる構成を示している。変形例においては、サブCPU310、サブRAM311、ROM312および演出制御装置313が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、演出制御装置313によって実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。例えば、サブCPU310が制御CPU320の処理を実行してもよいし、サブRAM311が制御RAM322の機能を兼ねてもよいし、サブROM312がデータROM324の機能を兼ねてもよい。その他、サブ基板300に演出制御装置313が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、演出制御装置313により実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。
図15は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、メイン初期処理実行手段280により実行されるが、以降、メイン初期処理実行手段280として機能するメインCPU290が実行するものとして説明する。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
メインCPU290は、設定キーの操作状態を確認し、設定キーがON状態であれば(S105のY)、RAMクリアスイッチの操作状態を確認する。RAMクリアスイッチがONされていれば(S122のY)、設定変更処理を実行する(S124)。一方、RAMクリアがOFFであれば(S122のN)、設定確認処理を実行する(S126)。なお、S105にいて、設定キーがOFF状態であれば(S105のN)、S122〜S126の処理をスキップする。
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納されているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び大入賞口20の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。なお、S116の初期化処理では、設定変更装置170の設定メモリに記憶される設定値はクリアされず、S124の設定変更処理で設定された設定値がそのまま保持される。
電源断復帰処理(S114)、RAM初期化処理(S116)又は遊技設定処理(S118)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
図16は、図15におけるS124の設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。遊技設定の設定値が記憶されるべき設定メモリの値を確認し、設定メモリ値が正常でなければ(S132のN)、設定値を初期化して初期値にする(S134)。設定値データとして「1」〜「6」を用いる場合、初期値として「1」をセットし、設定値データとして「0」〜「5」を用いる場合、初期値として「0」をセットする。設定メモリ値が正常であれば(S132のY)、S134の処理をスキップする。つづいて、設定変更状態へ移行し(S136)、設定メモリに記憶された設定値を設定表示部173に表示させる(S138)。設定変更ボタン172による変更操作があれば(S140のY)、設定表示部173に表示される設定値を更新するとともに、設定メモリに記憶される設定値を更新する(S142)。変更操作がなければ(S140のN)、S142の処理をスキップする。設定キーがONのままであれば(S144のN)、S138〜S142の処理を繰り返す。設定キーシリンダ171に挿入される設定キーが元に戻されてOFFになれば(S144のY)、設定表示部173を非表示にして設定値が視認できない状態にし(S146)、リターンする。
図17は、図15におけるS126の設定確認処理を詳細に示すフローチャートである。遊技設定の設定値が記憶されるべき設定メモリの値を確認し、設定メモリ値が正常でなければ(S152のN)、設定値を初期化して初期値にする(S154)。設定メモリ値が正常であれば(S152のY)、S154の処理をスキップする。設定確認状態へ移行し(S156)、設定メモリに記憶された設定値を設定表示部173に表示させる(S158)。設定キーがONのままであれば(S160のN)、S158の処理を繰り返して設定値の表示を継続し、設定キーがOFFになれば(S160のY)、設定表示部173を非表示にして設定値が視認できない状態にし(S162)、リターンする。
図18は、図15におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源基板158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200〜S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202〜S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。なお、上記の電源断時の処理は、メインCPU290により実現されるメイン電断処理実行手段282が実行する。
図19は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力ポートのデータを監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。なお、この入力状態を示すデータは、レベルデータ(今回の割込時における入力ポートのデータ)と、立ち上がりデータまたは立ち下がりデータ(今回の割込時における入力ポートのデータと前回の割込時における入力ポートのデータを排他的論理和で比較して切り替わりが見られたスイッチを示すデータ)である。
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。各種制御用のタイマの値をそれぞれテーブルにしたがってメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値を順次デクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。第2始動口12には、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の第1作動口31、第2作動口32の通過を監視し、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示部45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を行って、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電動役物ソレノイド91の作動設定を実行する。はずれの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、事前判定情報(事前当否判定情報、事前図柄判定情報、事前パターン判定情報)、保留球数の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。なお、上記の例では、メインCPU290において、事前判定処理のためのコマンドの送信を制御したが、別の例では、始動口への入球がある場合には一様に送信を行い、先読み可能期間であるか否かなどの各種の状況判断は、サブCPU310が行ってもよい。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理において、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。大当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求(「右打ち」など推奨発射位置を示唆する演出を実行させるためのコマンド要求)を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果がはずれである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、大入賞口20の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)〜(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、はずれのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、はずれであった場合、はずれ図柄が決定される。
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果がはずれであった場合、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
異常検知処理(S336)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様をエラー状態に応じて制御してもよい。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
入球通過時間異常検出処理(S338)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、連続オン時間(例えば、スイッチがオンであるとき割込み毎にインクリメントするカウンタの値)が異常値であったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様を入球通過時間異常に応じて制御してもよい。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示、エラーの表示、賞球比率の表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データの取得を行った後、発射の禁止/許可の信号の出力を実行する。
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電動役物ソレノイド91及び大入賞口ソレノイド92の出力データを出力するために、普通電動役物ソレノイド91の出力データの取得、大入賞口ソレノイド92の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
外部情報出力処理(S354)において、外部情報出力端子160に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数(ハード乱数)、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期値更新型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0〜232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0〜999(図7の例では0〜255)の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
変動パターン乱数は、例えば0〜49999(図8の例では0〜255)の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
図20は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、サブ初期処理実行手段360により実行されるが、以降、サブ初期処理実行手段360として機能するサブCPU310が実行するものとして説明する。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、制御CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
図21は、図20におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。図20のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S540はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS540の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。サブエラー検出手段364として機能するサブCPU310は、エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パターンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
図22は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信したデータを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)。
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、図21のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
図23は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から制御CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、制御CPU320へ送信する(S626)。なお、制御CPU320へのコマンドデータの送信は、制御CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が制御CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
図24は、サブCPU310が制御CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が制御CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から制御CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。制御CPU320からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
図25は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミングを計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や制御CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
タスク制御には処理0〜15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが制御CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。制御CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、制御CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
なお、制御CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に制御CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から制御CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した制御CPU320はリセットを実行する。制御CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
図26は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否判定手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否判定手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否判定手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否判定手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始する(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
図27は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。
図28は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が大入賞口20を開放する(S802)。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、大入賞口20への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、大入賞口20への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が大入賞口20を閉鎖させる(S810)。
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
図29は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。小当り遊技において、1回だけ実行される単位遊技を開始し(S819)、大入賞口20を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、大入賞口20を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
前提技術においては、第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方が概ね多い、すなわち、第1の遊技よりも第2の遊技の方が1回の大当りにおける賞球獲得期待値が多くなるように設計されていたが、別の例では、第1の遊技の方が第2の遊技よりも賞球獲得期待値が多くなるように設計されてもよいし、第1の遊技と第2の遊技の賞球獲得期待値が概ね等しくなるように設計されてもよい。後者の場合、第1の遊技において実行される特別遊技と第2の遊技において実行される特別遊技に含まれる単位遊技の数の平均が等しくなるように設計されてもよい。例えば、第1の遊技においては、100%の確率で単位遊技が10回実行される特別遊技が実行され、第2の遊技においては、50%の確率で単位遊技が4回実行される特別遊技が、50%の確率で単位遊技が16回実行される特別遊技が実行されてもよい。また、いずれの場合においても、大入賞口に特定領域が設けられ、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球または特定領域を通過した場合に、特別遊技終了後の通常遊技において確変状態などの特定遊技が実施されるように構成されてもよい。この場合、第1の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技よりも、第2の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技の方が、特定領域への入球容易性が高く、特別遊技の終了後に確変状態の通常遊技が実行される確率が高くなるように構成されてもよい。例えば、特定領域への入球が相対的に困難となる特別遊技が実行される第1当りと、特定領域への入球が相対的に容易となる特別遊技が実行される第2当りとが設けられ、第1の遊技よりも第2の遊技の方が第2当りとなる確率が高いように構成されてもよい。または、第1の遊技において第2当りとなる確率は100%未満であるが、第2の遊技において第2当りとなる確率は100%であるように構成されてもよい。
(前提技術2)
次に、前提技術としてスロットマシンの基本構成を説明する。
図30は、スロットマシン1010の外面における基本的な構造を示す斜視図である。スロットマシン1010は、主に箱状体である筐体基部1102と、筐体基部1102の前面に設けられた筐体扉部1104と、筐体基部1102および筐体扉部1104に設けられた各種装置と、を備える。筐体扉部1104は、筐体基部1102の開口部に開閉自在に取り付けられた扉体であり、筐体基部1102と筐体扉部1104とが一体となることによりスロットマシン1010の筐体を形成する。筐体扉部1104は、遊技店の営業時間中は施錠され、スロットマシン1010の内部への不正なアクセスが防止される。遊技店の従業員によって筐体扉部1104が解錠されたときにはじめて内部へのアクセスが可能となる。
筐体扉部1104には、その前面略中央に透明窓1132が設けられ、内部で回転するリールが透明窓1132を通じて視認される。筐体扉部1104の前面上部には、演出的な内容が表示される演出表示装置1130が設けられる。筐体扉部1104における透明窓1132の下方に設けられた操作領域には、第1ベットボタン1112a、第2ベットボタン1112b、精算ボタン1113、十字キー1118、演出ボタン1120、メダル投入口1110が設けられる。第1ベットボタン1112aは、メダルを1枚掛ける(以下、「ベットする」ともいう)ためのボタンであり、第2ベットボタン1112bは、いわゆるマックスベットボタンであり、最大ベット枚数である3枚のメダルを掛けるためのボタンである。精算ボタン1113は、メダル投入口1110から投入されて貯留メダルとして記憶されたメダルまたはベットされたメダルを遊技者に払い出す指示をするボタンである。十字キー1118および演出ボタン1120は演出としての遊技者の操作入力を受け付ける操作入力手段である。ベットボタン1112a、bの下方には、遊技者がリールの回転開始を指示するためのスタートレバー1114が設けられる。スタートレバー1114の右方には、3つのリールの回転停止をそれぞれ指示するための左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cが設けられる。筐体扉部1104の下方にはメダルの払出口1108とその前方にメダル受け皿1106が設けられ、払出口1108の左右にスピーカー1122が設けられる。筐体扉部1104の外周など複数箇所に複数の演出ランプ1124が設けられる。
演出表示装置1130の図示しない上部には、状態表示ランプ、回数表示ランプ、貯留枚数表示ランプ、払出数表示ランプが設けられる。状態表示ランプは、例えばボーナス遊技やAT(アシストタイム)が開始されると点灯し、終了すると消灯する。回数表示ランプは、ボーナス遊技やATの実行回数等を表示する7セグメント表示器である。貯留枚数表示ランプは、貯留(クレジット)された遊技メダルの枚数を表示する7セグメント表示器である。払出数表示ランプは、小役が成立した際に払い出される遊技メダルの枚数を表示する7セグメント表示器である。払出数表示ランプは、スロットマシン1010に何らかの異常(エラー)が発生した際に、そのエラーの種類を示すアルファベット文字を表示する。例えば、ホッパーエンプティエラー、遊技メダル払出エラー、遊技メダル滞留エラー、遊技メダル逆流エラー、補助収納庫満杯エラー、回胴停止エラー、設定値エラー等がある。ホッパーエンプティエラーは、ホッパータンク1162の中の遊技メダルが空になった場合のエラーである。遊技メダル払出エラーは、本来とは異なるタイミングで遊技メダルが払い出された場合のエラーである。遊技メダル滞留エラーは、メダル投入口1110の内部に遊技メダルが詰まった場合のエラーである。遊技メダル逆流エラーは、メダル投入口1110とは異なる位置から遊技メダルが侵入するなど、本来の順路とは異なる方向へ遊技メダルが進んだ場合のエラーである。補助収納庫満杯エラーは、ホッパータンク1162の中の遊技メダルが満杯となった場合のエラーである。回胴停止エラーは、予め定められた位置に各リールが停止しない場合のエラーである。設定値エラーは、予め定められた数値範囲外の設定値となった場合のエラーである。
図31は、筐体扉部1104を開放したときに露出する筐体扉部1104の背面図である。略中央には、透明窓1132が設けられる。上部には、遊技における演出を制御する、いわゆるサブ基板と呼ばれる副制御装置1300が設置される。透明窓1132の下方には、メダルセレクタ1150と、その右方にメダル誘導路1152、下方にメダル返却路1154が設けられる。メダルセレクタ1150は、後述するメダル投入口にメダルが投入されたとき、メダルを受付可能な状態の場合はメダル誘導路1152に振り分け、受付不可の状態の場合はメダル返却路1154に振り分ける。メダル誘導路1152に振り分けられたメダルは、メダル誘導路1152を通じて後述するホッパータンクに貯留される。
図32は、筐体扉部1104を開放したときに露出する筐体基部1102の内部構成を示す正面図である。筐体基部1102の略中央部には、左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cが回転可能に設けられる。左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cは、それらの外周面に複数の図柄が印字された回転部材であり、それぞれステッピングモータの駆動力によって回転することで図柄の回転移動が透明窓1132を通じて遊技者に視認される。
筐体基部1102の上部には、遊技の進行を制御する、いわゆるメイン基板である主制御装置1200が設置される。主制御装置1200において、その右部分に設定変更スイッチ1168が設けられる。設定変更スイッチ1168は、6段階ある遊技仕様を変更するためのボタンと、遊技店の従業員が持つ設定キーを挿入する鍵穴と、設定された設定値を記憶する設定メモリと、を含む。それぞれ異なる遊技仕様に対応付けられた6段階の設定値は、設定1から設定6までのうち数値が大きいほど遊技者に有利な遊技仕様となる。遊技店の従業員が設定キーを鍵穴に挿入して回すと、ボタンを操作して設定変更できる状態となる。
筐体基部1102の下部にはホッパータンク1162が設けられ、ホッパータンク1162の下方にはメダルを払出口1108から払い出す払出装置1164(以下、「ホッパー」とも称する)が設けられる。ホッパータンク1162の左方には、スロットマシン1010の各部へ電力を供給する電源基板1166が設けられる。
図33は、リールの図柄配列を示す図である。左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cのそれぞれの外周面には、図の表に示されるような図柄列が印字されている。各リールには、それぞれ図柄番号0〜19に対応する20個の図柄が等間隔で配置されている。これらの図柄のうち有効ライン上に停止した図柄の組合せが所定の役が成立する所定の同じ図柄や所定の組合せとなった場合に、その役の入賞が決まる。一方、図柄が並ぶラインには、有効ラインとして設定されないラインであって所定の同じ図柄や所定の組合せが停止したとしても役の入賞とは扱わないこととする組合せラインも含まれる。
以上のスロットマシン1010において、遊技者はメダル投入口1110から1枚〜3枚のメダルを投入することでメダルを掛ける。クレジットとしてメダルが貯留されている場合は、遊技者は第1ベットボタン1112a、第2ベットボタン1112b、または精算ボタン1113を押下することで1枚または3枚のメダルを掛ける。遊技者がスタートレバー1114を操作すると、左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転が開始し、リール上の図柄列が縦方向に高速移動する。遊技者が任意の順序で左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cを押下すると、その押下順序に対応する順序で左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転が停止し、それぞれいずれかの図柄が停止位置に表示される。所定の有効ライン上に停止した図柄の組合せ態様が複数種類の役のいずれかに該当した場合に「入賞」と判定され、その役の種類に応じた数のメダルが払い出され、または遊技状態の移行が実行される。
図34は、スロットマシン1010の機能ブロック図である。スロットマシン1010は、主制御装置1200と副制御装置1300とを備える。主制御装置1200は、リール1160a〜c、ベットボタン1112a、b、精算ボタン1113、スタートレバー1114、ストップボタン1116a〜c、設定変更スイッチ1168と電気的に接続され、副制御装置1300は、演出ランプ1124、演出表示装置1130、スピーカー1122、十字キー1118、演出ボタン1120と電気的に接続される。主制御装置1200および副制御装置1300は、それぞれハードウェア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成されるが、本図では主にソフトウェア的な観点から捉えた機能ブロックを説明する。
なお、主制御装置1200に含まれる各機能ブロックは、いずれかが主制御装置1200ではなく副制御装置1300に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、副制御装置1300に含まれる各機能ブロックは、いずれかが副制御装置1300ではなく主制御装置1200に搭載されるかたちで構成されてもよい。ただし、主制御装置1200と副制御装置1300の間におけるデータの送受信は主制御装置1200から副制御装置1300への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成が主制御装置1200と副制御装置1300に配置される。このように主制御装置1200から副制御装置1300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、副制御装置1300に含まれる構成から主制御装置1200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、主制御装置1200で生成された情報は、主制御装置1200が副制御装置1300へ一方的に送信しない限り副制御装置1300から参照することはできない。
主制御装置1200は、役抽選手段1202、乱数判定手段1204、当選フラグ制御手段1206、リール制御手段1208、停止位置決定テーブル1210、操作順序検出手段1212、入賞判定手段1214、払出手段1216、特別遊技制御手段1218、設定変更手段1220を備える。
役抽選手段1202は、遊技者によりスタートレバー1114の操作がなされたことを契機として、複数種類の役から当選役を決定する役抽選を実行するとともに、役抽選の結果を副制御装置1300へ送信する。役の種類には、小役、特別役、再遊技役があり、いずれの当選役も決定されない場合は外れとなる。小役には複数種類があり、その種類に応じた数のメダルが払い出される。特別役には、レギュラーボーナス(「RB」ともいう)とビッグボーナス(「BB」ともいう)がある。再遊技役は「リプレイ」とも呼ばれ、新たなメダル投入をせずに同数のメダルが投入されたのと同じ状態となり、再び遊技ができる役である。乱数判定手段1204は、役抽選に用いる乱数の値を抽選値として取得する。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。役抽選手段1202は、役抽選として、乱数判定手段1204により取得される抽選値が役ごとに割り当てられたいずれかの抽選値範囲に該当するか否かによって当選役を決定する。
当選フラグ制御手段1206は、各役に対応する複数のフラグのうち、当選役に対応するフラグをオンする。フラグをオンした当選役が小役の場合、その当選の持ち越しはないため、当該遊技が終了するときに入賞有無を問わずフラグをオフする。フラグをオンした当選役が特別役の場合、その当選は入賞まで持ち越されるため、入賞があるまでフラグをオンのまま維持し、入賞した時にフラグをオフする。フラグをオンした当選役が再遊技役の場合、その当選も持ち越しはないため、当該遊技が終了するときにフラグをオフする。
リール制御手段1208は、スタートレバー1114の操作がなされたことを契機として、左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転を開始させる制御をするとともに、スタートレバー1114の操作を示す情報を副制御装置1300へ送信する。リール制御手段1208は、役抽選の結果に応じて、複数の停止位置決定テーブル1210からいずれかを選択する。リール制御手段1208は、左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cの個別の押下を契機とし、その押下に対応して左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転を停止させる制御をするとともに、ストップボタンの押下を示す情報を副制御装置1300へ送信する。リール制御手段1208は、それぞれに設けられるステッピングモータの駆動を制御することによって左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cを回転および停止を制御する。
リール制御手段1208は、停止位置決定テーブル1210に基づき、左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cが押下されたタイミングおよび押下順序に応じて左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの停止位置を決定する。操作順序検出手段1212は、左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cが押下された順序を検出する。リール制御手段1208は、左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転位置を、それぞれに対応するフォトセンサによって基準位置を検出する。
停止位置決定テーブル1210には、役抽選の結果と、ストップボタン1116a〜cが押下されたときのリール1160a〜cの位置と、ストップボタン1116a〜cの押下順序と、リール1160a〜cの複数の図柄のうちいずれを有効ライン上に停止させるかの対応関係が定められる。すなわち、小役の種類、特別役の種類、再遊技役の種類に応じて個別の停止位置決定テーブル1210が用意され、役ごとの入賞条件として、ストップボタン1116a〜cが押下タイミングおよび押下順序がそれぞれの停止位置決定テーブル1210に定められる。いずれかの役に当選している場合、その当選役に応じた停止位置決定テーブル1210に基づき、ストップボタン1116a〜cの押下タイミングおよび押下順序が入賞条件を満たした場合に、リール制御手段1208は当選役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃うようにリール1160a〜cの停止位置を決定する。いずれかの役に当選している場合であっても、ストップボタン1116a〜cの押下タイミングおよび押下順序が入賞条件を満たしていない場合は、リール制御手段1208はその当選役に応じた停止位置決定テーブル1210に基づいて当選役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃わないようにリール1160a〜cの停止位置を決定する。いずれの役にも当選していない場合、外れに対応する停止位置決定テーブル1210に基づき、リール制御手段1208は役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃わないようにリール1160a〜cの停止位置を決定する。
なお、本明細書において「テーブル」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」とも称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組み合わせで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
入賞判定手段1214は、いずれかの役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃った場合に入賞したと判定し、入賞した役に対応する払出メダル数を決定する。払出手段1216は、入賞判定手段1214で決定された払出メダル数を貯留メダル数に加算する。ただし、貯留メダル数が50を超えるときは超えた分のメダルを払出装置1164により払い出す。また、入賞した役が再遊技役の場合は前回遊技で掛けられた投入メダル数と同数のメダルが再び掛けられた状態にする。入賞判定手段1214は、入賞に関する情報や払出メダル数の情報を副制御装置1300へ送信する。
特別遊技制御手段1218は、特別役に入賞した場合に通常遊技から特別遊技へ移行させ、特別遊技の終了条件を満たしたときに特別遊技から通常遊技へ移行させる制御をする。特別遊技としては、RBに入賞した場合に移行するRB遊技と、BBに入賞した場合に移行するBB遊技がある。RB遊技は、所定の図柄または所定の組合せが有効ライン上に8回停止したとき、または、12回の遊技結果が得られたときに終了する。BB遊技は、所定の図柄または所定の組合せが有効ライン上に停止したことによるメダルの払出枚数の合計が465枚を超えるときに終了する。
設定変更手段1220は、6段階の遊技仕様のうち、設定変更スイッチ1168により設定された設定値に対応する遊技仕様に決定し、役抽選手段1202による役抽選における各役の当選確率を変更する。6段階の遊技仕様は、設定1から設定6までのうち数値が大きいほど当選確率が高い。設定変更スイッチ1168を操作するたびに「設定1」→「設定2」→「設定3」→・・・→「設定6」→「設定1」のように設定値を1ずつインクリメントするとともに、「設定6」から「設定1」に戻すことによりインクリメントを循環させる。最後にスタートレバー1114を操作することにより、その時点で選択されている設定値に決定され、設定変更が確定する。
副制御装置1300は、パターン記憶手段1302、演出決定手段1304、演出制御手段1306を備える。パターン記憶手段1302は、複数種類の演出パターンを記憶する。演出パターンには、遊技の進行に合わせて演出表示装置1130に表示させる演出内容や、演出ランプ1124の点灯パターン、スピーカー1122から出力する音声パターンなどが定められている。演出決定手段1304は、スタートレバー1114の操作を示す情報やストップボタン1116の押下を示す情報、役抽選の結果を示す情報、入賞に関する情報、払出メダル数の情報などの情報を主制御装置1200から受信する。演出決定手段1304は、スタートレバー1114やストップボタン1116a〜cの操作やリール1160a〜cの停止を契機として、役抽選手段1202による役抽選の結果や入賞状況、遊技状態にしたがってパターン記憶手段1302に記憶される複数種類の演出パターンからいずれかを選択する。演出制御手段1306は、演出決定手段1304により選択された演出パターンにしたがい、演出表示装置1130の表示、演出ランプ1124の点灯、およびスピーカー1122からの出力を制御する。演出制御手段1306は、演出ボタン1120や十字キー1118の入力内容に応じて演出表示装置1130への表示内容や演出ランプ1124の点灯パターン、スピーカー1122からの音声出力などを変化させる。演出パターンによる演出を制御する間に、あらたにベットボタン1112a,bやスタートレバー1114の操作がなされた場合、演出制御手段1306は表示中の演出をキャンセルし、演出決定手段1304はあらたな遊技に対応する演出パターンを選択し、選択した演出パターンによる演出を演出制御手段1306が開始する。
図35は、スロットマシン1010における基本的な遊技の流れを示すフローチャートである。まず、リール1160a〜cのいずれもまだ回転していない場合であって(S1010のN)、メダルのベットもされていない状態(S1012のN)を想定する。その状態において、クレジットとしてメダルの貯留がある場合(S1014のY)、ベットボタン1112a、bのいずれかが押下されれば(S1016のY)、押下されたベットボタンに対応するメダル枚数のベットを設定する(S1018)。クレジットがない場合はメダル投入等がなされるまで本フローのルーチンを抜けて残りの処理をスキップする(S1014のN)。S1016においてベットボタン1112a、bの押下がない場合も押下がなされるまで本フローのルーチンを抜けて残りの処理をスキップする(S1016のN)。S1012においてすでにベットがなされた状態であればS1014からS1018までをスキップする(S1012のY)。
ベットが設定された状態で、スタートレバー1114の操作があれば(S1020のY)、役抽選手段1202が役抽選を実行し(S1022)、当選フラグ制御手段1206は役抽選の結果に応じて当選役に対応するフラグをオンし(S1024)、役抽選の結果に応じた停止位置決定テーブル1210を選択する(S1025)。前の遊技終了から4.1秒が経過していなければ待機し(S1026のN)、経過していれば(S1026のY)、リール制御手段1208はリール1160a〜cの回転を開始して(S1028)、本フローのルーチンを抜ける。S1020においてスタートレバー1114の操作がなければ本フローのルーチンを抜けて残りの処理をスキップする(S1020のN)。
S1010において、リール1160a〜cのうち少なくともいずれかが回転中の場合(S1010のY)、ストップボタン1116a〜cのいずれかの押下があれば(S1030のY)、当選役を示すフラグの状態、ストップボタンの押下タイミング、押下順序、および停止位置決定テーブル1210に基づいてリールの停止位置を決定し(S1032)、押下されたストップボタンに対応するリールを停止させる(S1034)。ストップボタンの押下がなければS1032およびS1034をスキップする(S1030のN)。リール1160a〜cがすべて停止状態となった場合(S1036のY)、それらの停止位置に基づいて当選役の入賞を判定し(S1038)、入賞があれば当選役に対応する払出数にてメダルを払い出す(S1040)。全リールが停止された状態でなければS1038およびS1040をスキップする(S1036のN)。
なお、リール停止管理処理としては、ウエイト時間をセットし、リールの回転開始の待機中を示す情報を含む制御コマンドを生成してコマンドバッファに書き込み、リールの加速に用いる各種データの初期値を所定の記憶領域に記憶する。全リールが定速回転しているか否かを判定し、定速回転していないと判定した場合には、全リールの回転が異常であるか否かを判定し、異常である場合には、再び、リールの加速に用いる各種データの初期値を所定の記憶領域に記憶して全リールの確認を終了する。一方、定速回転していると判定した場合や、回転が異常ではないと判定した場合はそのまま全リールの確認を終了する。
なお、メダルの払出において払出の貯留が不可の場合、ホッパー払出を実行する。このホッパー払出処理では、まず、ホッパーの駆動を開始し、払出しが検出されるまで待機する(所定時間が経過するまで払出しが検出されない場合は、ホッパーエンプティエラーとなる)。払出しが検出された場合は払出数を加算し、払出終了か否かを判定し、払出終了でなければ払出処理を繰り返し、払出終了であればホッパーの駆動を終了する。
図36は、主制御装置1200および副制御装置1300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。主制御装置1200は、メインCPU1250、メインRAM1252、メインROM1254などの電子部品を含む。メインROM1254には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM1254からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM1252へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU1250によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。メダルの投入を示す信号、ベットボタン1112a、bの押下を示す信号、精算ボタン1113の押下を示す信号、スタートレバー1114の操作を示す信号、ストップボタン1116a〜cの押下を示す信号、リール1160a〜cの位置を示す信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU1250により取得される。メインCPU1250は、図示しない各種駆動回路によりリール1160a〜cのステッピングモータなどの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU1250から副制御装置1300へ演出制御に必要なコマンドが役抽選の結果や入賞情報、各ボタンやレバーの操作を示す情報とともに送信される。
副制御装置1300は、サブCPU1350、サブRAM1352、サブROM1354、演出表示制御部1360などの電子部品を含む。サブROM1354は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つであり、図30でいうパターン記憶手段1302として機能するハードウェア構成である。サブROM1354から演出パターンデータや表示パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM1352へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU1350によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれ、互いに信号の送受信が可能な双方向通信にて接続される。例えば、サブCPU1350から演出表示制御部1360へコマンドを送信する場合は複数回コマンドを送信し、演出表示制御部1360はコマンドを少なくとも1回適切に受信し次第、サブCPU1350へ確認応答(ACK)を返信することにより、ノイズ等による通信エラーを回避する。仮に複数のコマンドの受信順序が通常と異なる場合は演出表示制御部1360はACKを返信せずに無視し、適切なコマンドに対してのみ返信する。演出ボタン1120などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU1350により取得され、その信号の受信または受信回数に応じて演出表示制御部1360へ対応するコマンドを送信する。サブCPU1350は、演出パターンデータにしたがって、図示しない各種駆動回路や制御回路によりスピーカー1122などの外部装置を駆動して音声出力による演出を制御する。また、サブCPU1350は、表示パターンデータを演出表示制御部1360へ送信する。サブCPU1350および演出表示制御部1360は、図30でいう演出決定手段1304および演出制御手段1306として機能するハードウェア構成である。なお、本実施例では副制御装置1300が演出表示制御部1360を内包する例を説明するが、副制御装置1300と演出表示制御部1360とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図37は、演出表示制御部1360のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出表示制御部1360は、制御CPU1362、制御RAM1364、データROM1366、表示制御回路1370を含む。データROM1366は、演出表示に用いられる演出画像データやモーションデータ、三次元画像のオブジェクト定義データなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つであり、図30でいうパターン記憶手段1302として機能するハードウェア構成である。演出画像データは、入賞判定結果などを示す演出オブジェクトとして演出表示に用いられる画像であり、例えば各種演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。オブジェクト定義データは、三次元オブジェクトの形状が定義されたデータである。
サブCPU1350から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータ、オブジェクト定義データなどの素材データがデータROM1366から制御RAM1364へ読み出され、その素材データを用いた演出表示が制御CPU1362によって実行される。その結果、制御CPU1362から表示制御回路1370へ演出表示に関するコマンドや素材データが送信され、表示制御回路1370により表示制御がなされる。演出表示中にあらたなベットボタン1112a,bやスタートレバー1114の操作を示す信号を受信した場合は、サブCPU1350はあらたな演出パターンを決定してあらたな演出表示を示すコマンドを制御CPU1362に送信する。サブCPU1350および表示制御回路1370は、図30でいう演出決定手段1304および演出制御手段1306として機能するハードウェア構成である。
表示制御回路1370は、デコーダ1374、描画メモリ1376、描画回路1378、フレームバッファ1380、表示回路1382を含み、それぞれがバス1372を介して接続される。本図のバス1372は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
制御CPU1362から送られた演出画像データやモーションデータ、オブジェクト定義データなどの素材データは描画メモリ1376に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ1374によって復号される。描画メモリ1376は、演出画像データやモーションデータをデコーダ1374により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路1378による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路1378は、描画メモリ1376に格納されたデータを用い、制御CPU1362から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ1380に格納する。フレームバッファ1380は、演出表示装置1130へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。なお、フレームバッファ1380と描画メモリ1376は単一のVRAMで構成して領域を分け合う形で形成されてもよい。
表示回路1382は、フレームバッファ1380に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置1130へ出力する。フレームバッファ1380は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路1382が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路1378が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
スロットマシン1010は、電源装置として機能する電源基板1166から電力供給される。電源装置には、電源スイッチおよびリセットスイッチが接続されており、これら各スイッチからの信号がメインCPU1250に送信される。電源スイッチは、電源装置からスロットマシン1010への電源投入および電源断の操作を受け付けるスイッチである。リセットスイッチは、スロットマシン1010においてエラーが発生した際等に、主制御装置1200に搭載された各回路等をリセットするためのスイッチである。電源装置からの電力は、主制御装置1200および副制御装置1300に供給される。電源装置から主制御装置1200および副制御装置1300への電力供給経路上には、供給電圧を監視してその電圧が所定電圧以下に低下する電源断を検出する電源監視手段が設けられる。電源監視手段は、供給電圧が所定電圧まで低下したときに電源断と判定し、電源断検出信号をメインCPU1250またはサブCPU1350に出力する。なお、主制御装置1200の電源断を検出するときの基準電圧値は、副制御装置1300の電源断を検出するときの基準電圧値よりも高い値に設定され、副制御装置1300よりも先に主制御装置1200が電断時に実行するようにプログラムされた処理(電源断処理)を実行する。
図38は、スロットマシン1010における主制御装置1200の主なプログラム制御処理を示すフローチャートである。主制御装置1200で実行される遊技制御処理では、まず、遊技開始処理を実行し(S1100)、遊技メダル管理処理を実行し(S1102)、開始条件としてベット数が規定数に一致し、かつ、スタートレバーの操作が受け付けられた場合は(S1104のY)、レバー受付時処理を実行し(S1106)、少なくともいずれかの開始条件が満たされていない場合は(S1104のN)、S1102に戻る。S1106に続き、役決定処理を実行し(S1108)、フリーズ抽選処理としてフリーズ(演出)を実行するか否かと、フリーズ中の演出態様を決定する(S1110)。フリーズ抽選において擬似遊技フリーズが選択された場合は擬似遊技を実行する(S1112)。ウエイト時間待機等のリール停止管理処理を実行し(S1114)、停止表示図柄判定処理を実行して遊技役の成立有無を判定する(S1116)。次いで、遊技メダル払出処理を実行し(S1118)、遊技終了処理を実行し(S1120)、S1100に戻って本図のフローを繰り返す。
図39は、主制御装置1200におけるタイマ割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込処理においては、遊技者によりなされるベット操作等の遊技操作に応じて出力される各遊技操作信号の読込みや信号レベルの検出(確認)、各制御コマンドの送信等の処理が、一定の時間(例えば2.235ミリ秒)ごとに実施される。まず、割込初期処理(レジスタの退避、割込禁止等)を実行し(S1200)、電源断が検知されたか否かが判定され、電源断が検知された場合は(S1202のY)、電源断処理が実行される(S1204)。電源断処理では、レジスタの退避やスタックポインタの保存、割込み状態の保存等がなされる。また、所定の記憶領域に記憶されている、役決定結果に関する情報やRT遊技状態に関する情報の保持や、チェックサムの算出および記憶等が処理される。電源断が検知されなかった場合は(S1202のN)、タイマ計測を実行する(S1206)。タイマ計測は、遊技制御処理においてセットされた任意のタイマの経過時間等を計測するものである。次いで、表示用ランプの制御(出力ポートに出力された制御データに基づく表示用ランプにおける表示値の更新等)を実行し(S1208)、さらに入力ポートの読込みを実行する(S1020)。入力ポートの読込みでは、入力ポートに入力された各遊技操作信号の信号レベルの読込みと格納、信号レベルの判定等がなされる。
次いで、リールの回転の加速、減速、定速維持や停止維持等を制御するためのリール駆動制御(S1212)を、全リールが終了するまで繰り返す(S1214)。次に、リールやホッパー、ブロッカ等の励磁出力を行うポート出力処理を実行し(S1216)、制御コマンド送信処理を実行する(S1218)。所定の記憶領域に記憶されていた外端信号データを読出し外端信号を出力し(S1220)、割込終了処理(レジスタの復帰、割込許可等)を実行して(S1222)、割込リターンする。
なお、主制御装置1200において実行される他の制御処理として、主制御電源投入処理がある。主制御電源投入処理は、主制御装置1200への電力供給開始時(電源投入時)になされる処理であり、仮スタックポインタのセットやチェックサムの算出、チェック等がなされ、電源復帰処理を実行できるように処理される。スタックポインタの復帰や割込みの起動がなされ、電源断時に所定の記憶領域に記憶されていた、役決定結果に関する情報やRT遊技状態に関する情報等に基づき遊技が行われる。
(実施例)
以下、本実施例の特徴的な構成について説明する。本実施例では、設定変更手段により設定された設定値を遊技者に示唆するための設定示唆演出を実行可能とする。各遊技機の設定値は設定変更状態または設定確認状態においてのみ確認できるため、遊技店の従業員といった遊技機の管理者しか確認することができず、遊技者が直接的に設定値を知ることはできない。一方で、遊技機の設定値は大当り確率に影響を与えうるため、遊技者に有利な遊技仕様に対応する遊技設定となっているか否かは遊技者にとって非常に重要である。そこで本実施例では、設定示唆演出を実行可能とするとともに、特定条件が充足されることを契機として設定示唆演出を実行可能にする。設定示唆演出の実行に条件を付すことで、その条件が充足されるよう遊技をするという新たな遊技性を提供できる。また、本実施例では、設定値に応じて演出傾向や設定示唆演出の内容や頻度に差を付けることにより、同じ遊技機であっても設定値の変更を通じて多様な遊技性を提供できる。
<設定示唆演出>
本実施例では、以下の条件の充足を契機として設定示唆演出が実行可能である。
1.特別遊技中の大入賞口の閉鎖中に大入賞口に向かう遊技球の検出
2.特別遊技中の大入賞口の開放中に大入賞口に向かわない遊技球の検出
3.特別遊技の開始または継続条件となる特定領域に入球しない遊技球の検出
4.遊技中の止め打ちが好ましい状況下での遊技球の検出
5.有利な遊技状態から不利な遊技状態への移行
6.単位遊技の開始から所定時間経過以降に大入賞口に入球する遊技球の検出
7.その他、遊技者に不利となる状況の発生
遊技球の検出を契機として設定示唆演出を実行する場合、遊技球の検出ごとに設定示唆演出を実行してもよいし、遊技球の検出回数が所定数に達するごとに設定示唆演出を実行してもよい。また、遊技球の1回または所定回数の検出ごとに抽選値を取得し、その抽選値が所定結果となることを条件として設定示唆演出を実行してもよい。また、遊技球の検出の直後に設定示唆演出を実行してもよいし、遊技球の検出後の所定タイミングに設定示唆演出を実行してもよい。後者の場合、遊技球の検出後であって、遊技進行上または演出進行上の設定示唆演出が実行可能なタイミングとなることを条件として設定示唆演出を実行してもよい。
遊技状態の移行を契機として設定示唆演出を実行する場合、遊技状態の移行後の図柄の変動開始時、変動中または変動停止時に設定示唆演出が実行されてもよい。また、遊技状態が移行してから初回の図柄変動期間に設定示唆演出が実行されてもよいし、遊技状態が移行してから図柄が所定回数変動された後に設定示唆演出が実行されてもよい。その他、遊技状態の移行後にリーチ変動などの特定の変動パターンによる図柄変動がなされる場合に設定示唆演出が実行されてもよい。
設定示唆演出は、様々な態様で実行可能である。設定示唆演出は、演出表示装置60に表示される演出画像を用いて実行されてもよいし、可動役物66の動作による役物作動演出であってもよいし、スピーカー108から出力される演出音声を用いて実行されてもよいし、装飾ランプ111の点灯を用いて実行されてもよく、これらの任意の組み合わせにより実行されてもよい。設定示唆演出は、演出ボタン109やレバー112の操作を契機として実行されてもよい。
設定示唆演出は、遊技機の設定値が複数の設定(例えば設定1〜設定6)のいずれであるかが特定可能な態様で実行されてもよい。例えば、複数の設定のそれぞれに対応する複数種類(例えば6種類)の設定示唆演出を用意しておき、そのいずれが実行されるかによって設定値がいずれであるかが示唆されてもよい。なお、遊技機の設定値と実行される設定示唆演出の種類とが完全に対応しなくてもよく、複数種類の設定示唆演出のいずれが実行されるかの確率を設定値に応じて異ならせてもよい。例えば、相対的に高設定であることを示唆する第1設定示唆演出と、相対的に低設定であることを示唆する第2設定示唆演出とを用意し、より有利な設定の場合には第1設定示唆演出の実行確率を高くし、第2設定示唆演出の実行確率を低くしてもよい。その他、特定以上の設定であることが確定する設定示唆演出を実行してもよく、例えば、第3設定示唆演出が実行される場合に相対的に有利な設定値(例えば設定4〜設定6)であることが示唆されてもよい。また、特定種類の設定示唆演出が実行される場合には設定値がいずれであることが確定する一方、特定種類とは異なる設定示唆演出が実行される場合には設定値がいずれであることが確定しないこととしてもよい。
設定示唆演出は、遊技機の設定値に応じて実行頻度が異なってもよい。例えば、より有利な設定の場合には設定示唆演出の実行頻度が高く、より不利な設定の場合には設定示唆演出の実行頻度が低くてもよい。この場合、遊技球の検出を契機として取得される抽選値が所定結果となる確率を設定値に応じて異ならせてもよい。その他、設定値の違いによる設定示唆演出の実行頻度の差異に応じて、実行される設定示唆演出の信頼度を異ならせてもよい。例えば、特定の設定値(例えば設定6)では設定示唆演出の実行頻度を相対的に低くくする一方で、高信頼度の設定示唆演出が実行されるようにしてもよい。具体例を挙げれば、設定6では特定条件の充足を契機とする設定示唆演出の実行確率を5%とし、設定4、5では特定条件の充足を契機とする設定示唆演出の実行確率を10%とする。さらに設定6では、高設定を示唆する第1示唆演出の実行確率を90%以上とする一方、設定4,5では高設定を示唆する第1示唆演出の実行確率を60%〜80%とする。この場合、実行される設定示唆演出の実行頻度と種類の組み合わせにより、遊技機の設定値を示唆できる。
以下、設定示唆演出の実行契機となる上述の特徴1〜7について詳述する。
(1.特別遊技中の大入賞口の閉鎖中に大入賞口に向かう遊技球の検出を契機として実行可能な設定示唆演出)
特別遊技では、大入賞口20を所定の開放時間(基準時間ともいう)経過までもしくは所定個数の遊技球入球まで開放とする単位遊技が所定回数実行され、大入賞口20の開放期間と閉鎖期間とが繰り返される。大入賞口20の閉鎖期間に大入賞口20に向かう遊技球の多くは、大入賞口20に入球せずにアウト口34へ向かうため、賞球に寄与せず無駄球となりやすい。このような無駄球を防ぐため、遊技者によっては、特別遊技中の大入賞口20の閉鎖期間に対応するタイミングで遊技球の発射操作を一時的に止める「止め打ち」をすることがある。止め打ちに慣れた遊技者であれば、特別遊技中に遊技球の発射操作を適切に調整して無駄球を減らすことができる。一方、遊技の初心者や止め打ちを知らない遊技者であれば、特別遊技中に止め打ちしないことによる一定程度の無駄球が生じることが予想される。その結果、遊技の巧拙によって遊技者間で生じうる賞球獲得期待度の差が大きくなり、公平の見地から好ましくない結果となりうる。また、無駄球が顕著に減少することで遊技店の売上低下につながるおそれがある。
そこで本特徴1では、特別遊技中の大入賞口の閉鎖中に大入賞口に向かう遊技球を検出し、その検出を契機として設定示唆演出の実行を可能とする。つまり、特別遊技中に無駄球となりうる遊技球の検出を契機に設定示唆演出の実行を可能とし、特別遊技中にあえて無駄球を生じさせることで設定値を示唆するという利益を遊技者に付与できる。これにより、止め打ちに慣れた遊技者であれば、設定値を知るためにあえて無駄球を発生させるという新たな遊技性を提供できる。また、初心者や止め打ちをそもそも知らない遊技者であれば、特別遊技中に自然と生じる無駄球を通じて設定値を示唆できる。さらに、設定示唆演出を通じて特別遊技中に一定程度の無駄球が生じるようにすることで、遊技者間の公平性を担保するとともに、遊技店の売上低下を抑制できる。
図40は、第1特定入球口501が設けられた遊技盤の構成を模式的に示す。特別遊技中の大入賞口20の閉鎖中に大入賞口20に向かう遊技球は、大入賞口20の開放中に入球不可または入球困難となり、大入賞口20の閉鎖中に入球可能または入球容易となる入球口(第1特定入球口ともいう)を設けることで検出できる。本図では、大入賞口20の開放が下方に回転変位するフラップで実現され、大入賞口20の開放中には遊技球が大入賞口20の真下に向かわないように構成されるため、大入賞口20の直下に第1特定入球口501が設けられる。第1特定入球口501には、第1特定入球口501への入球を検出する第1特定入球検出装置511が設けられる。
第1特定入球口501は、大入賞口20の直下に設けられなくてもよく、大入賞口20の直下から進入可能な遊技球の経路上に設けられてもよい。大入賞口20の開放が左右方向に回転変位する羽根で実現される場合、大入賞口20の左下または右下に第1特定入球口が設けられてもよく、大入賞口20の左下または右下から進入可能な遊技球の経路上に第1特定入球口が設けられてもよい。大入賞口20の上方でスライド変位するスライド部材により大入賞口20の開閉が実現される場合、大入賞口20の真横に第1特定入球口が設けられてもよく、大入賞口20の真横から進入可能な遊技球の経路上に第1特定入球口が設けられてもよい。したがって、第1特定入球口は、大入賞口20の開閉を実現する可変部材が開位置にあるときに可変部材により入球が阻害され、可変部材が閉位置にあるときに可変部材により入球が阻害されない位置に設けることができる。なお、第1特定入球口は、入球により賞球が付与される入賞口(一般入賞口)であってもよいし、入球により賞球が付与されない通過口やアウト口であってもよい。
本特徴1において、特別遊技中の大入賞口の閉鎖中における第1特定入球口への入球を契機として設定示唆演出を実行可能としてもよいし、特別遊技中の大入賞口の開放中における第1特定入球口への入球を契機として設定示唆演出を実行可能としてもよい。後者の条件を含めることで、単位遊技の開始直前に閉鎖中の大入賞口20の手前を通過し、その後の大入賞口20の開放直後に第1特定入球口に入球する遊技球を検出して設定示唆演出を実行可能にできる。なお、大入賞口の閉鎖中の第1特定入球口への入球のみを設定示唆演出の実行契機とし、大入賞口の開放中の第1特定入球口への入球を設定示唆演出の実行契機から除外してもよい。逆に、大入賞口の閉鎖中の第1特定入球口への入球を設定示唆演出の実行契機から除外し、大入賞口の開放中の第1特定入球口への入球のみを設定示唆演出の実行契機としてもよい。この場合、単位遊技の開始直前に大入賞口に向かう遊技球のみが設定示唆演出の実行契機となりうるため、大入賞口の開放直前に大入賞口に入球させずに第1特定入球口に入球させるという新たな遊技性を提供できる。
特別遊技中に第1特定入球口に入球する確率を高めるため、大入賞口が一定時間にわたって閉鎖される期間が設けられてもよい。例えば、単位遊技間に設けられる大入賞口の閉鎖期間として、相対的に短時間(例えば5秒未満)の短閉鎖期間と、相対的に長時間(例えば5秒以上)の長閉鎖期間とを設けてもよい。これにより、長閉鎖期間の開始後に大入賞口に向けて遊技球を発射する場合であっても、その長閉鎖期間中に第1特定入球口に遊技球がほぼ確実に入球するようにできる。この長閉鎖期間は、1回の特別遊技中に1回だけ設けられてもよいし、2回以上設けられてもよい。全ての特別遊技にて長閉鎖期間が設けられてもよいし、一部の特別遊技のみに長閉鎖期間が設けられてもよい。例えば、単位遊技が第1回数である特別遊技には長閉鎖期間が設けられる一方で、単位遊技が第1回数とは異なる第2回数である特別遊技には長閉鎖期間が設けられなくてもよい。その他、単位遊技が特定回数である特別遊技のうち、長閉鎖期間を伴う特別遊技と、長閉鎖期間を伴わずに単位遊技間が全て短閉鎖期間で構成される特別遊技の双方があってもよい。
特別遊技中に第1特定入球口に入球することを契機として設定示唆演出を実行可能とする場合、特別遊技中に第1特定入球口を狙わせるための演出を実行してもよい。例えば、演出表示装置60に第1特定入球口を狙わせる文言や画像を表示してもよく、「設定報知ゲートを狙え!」の文言を表示したり、第1特定入球口を模した画像を表示してもよい。また、第1特定入球口を狙うための発射方向を示す文言を表示してもよく、右打ちにより第1特定入球口への入球が可能な場合には「右打ちを継続せよ!」の文言を表示してもよい。また、「閉口チャンス!」の文言の表示などにより、大入賞口の閉鎖により第1特定入球口を狙うことのできるチャンス状態であることを演出的に示してもよい。このような第1特定入球口を狙わせるための演出は、特別遊技中の任意のタイミングに実行されてもよく、特別遊技の開始デモ中、単位遊技の実行中、単位遊技間の大入賞口の閉鎖期間中に実行されてもよい。上述の長閉鎖期間に対応するタイミングに実行されてもよく、例えば、長閉鎖期間の開始直前の単位遊技中や長閉鎖期間の開始時などに第1特定入球口を狙わせるための演出が実行されてもよい。
1回の特別遊技中に第1特定入球口に複数入球することを契機として設定示唆演出を実行可能とする場合、第1特定入球口への入球数を数えていくカウント演出が実行されてもよい。第1特定入球口への入球数は、数字や文字で表示されてもよいし、ゲージやメータなどを模した画像により表示されてもよいし、累積的に表示されるオブジェクト画像の表示数により示されてもよい。カウント演出は、第1特定入球口への入球ごとに数値が1つずつ増えていくカウントアップ演出であってもよいし、所定の目標数から数値が1つずつ減っていくカウントダウン演出であってもよい。また、カウント演出の演出過程によってその後の設定示唆演出にて示唆される設定値の期待度を示唆してもよい。例えば、カウントアップまたはカウントダウンされる数字や文字、ゲージやメータまたはオブジェクト画像の表示色や大きさなどの表示態様を第1特定入球口への入球を契機として変化させ、その表示態様の変化の有無や変化の内容によって設定示唆演出にて示唆される設定値の期待度を示唆してもよい。
特別遊技中に第1特定入球口に入球させるべき期間が限られている場合、その期間の開始から終了までの時間をカウントダウンするタイマー演出が実行されてもよい。例えば、1回の長閉鎖期間内に第1特定入球口に複数入球することを契機に設定示唆演出を実行可能とする場合、その長閉鎖期間の開始前にタイマー画像を表示させ、長閉鎖期間の開始とともにタイマー画像に表示される残り時間数を減らしていくタイマー演出を実行してもよい。このとき、タイマー画像の表示色や大きさなどの表示態様や、その表示態様の変化の有無や変化の内容によってその後の設定示唆演出にて示唆される設定値の期待度を示唆してもよい。タイマー演出は、単位遊技間の1回の閉鎖期間においてのみ実行されてもよいし、1回以上の単位遊技をまたぐ複数回の閉鎖期間にわたって実行されてもよい。タイマー演出が実行される場合、タイマー演出の実行中に第1特定入球口に入球することを契機としてのみ設定示唆演出を実行可能にしてもよいし、タイマー演出の終了後であっても第1特定入球口への入球を契機として設定示唆演出を実行可能としてもよい。
図41は、設定示唆演出の表示例を模式的に示す図である。本図は、第6ラウンドと第7ラウンドの間の閉鎖期間にて実行される演出の流れを示す。図41(a)は、第6ラウンドの単位遊技における大入賞口の開放時の表示例を示し、次のラウンド間の閉鎖期間において第1特定入球口への入球による設定示唆演出が実行可能であることを示唆する「次のラウンド間で閉口チャンス!」の予告表示がなされている。また、第1特定入球口への入球を促すための「右打ちを継続せよ」の文言も表示されている。この表示は、所定方向への遊技球の発射(例えば右打ち)をすべき遊技状態であることを示すために画面上部に継続的に表示される案内表示(右打ち表示)とは別に表示され、遊技者に右打ちをより強く促すために表示される。
図41(b)は、第6ラウンドの単位遊技の終了後の大入賞口の閉鎖期間における表示例を示し、大入賞口が閉鎖してその下の第1特定入球口への入球が可能な「閉口チャンス!」に突入したことを示す。画面左側には「閉口チャンス!」の文言とともに「閉鎖アタッカー下のSゲートの狙え!!」の文言が表示され、第1特定入球口への入球を遊技者に強く促す指令が文字で表示される。また、画面右側には大入賞口20およびその下の第1特定入球口501を模した画像が表示され、第1特定入球口への遊技球の入球を促す指令が図形的に表示される。
図41(c)は、第6ラウンドの単位遊技の終了後の大入賞口の閉鎖期間における表示例を示し、(b)の表示後に第1特定入球口への入球が検出されていないときに表示される画面例を示す。画面左側には第1特定入球口への入球を促す文言が表示されるとともに、閉口チャンスが終了するまでの残り時間、つまり、第7ラウンドの単位遊技が開始されるまでの残り時間がカウントダウン表示される。このようなカウントダウン表示により、次のラウンドの開始までの閉鎖期間中に第1特定入球口への入球を遊技者により強く促すことができる。
図41(d)は、設定示唆演出の表示例を示し、閉口チャンス中に第1特定入球口への入球が検出された場合に表示される設定示唆演出を示す。図示されるように、画面中央に「激熱設定中」の文言が表示され、相対的に高期待度の設定値が設定されていることが示唆される。設定示唆演出では、設定値を具体的に報知してもよく、例えば「設定6確定!」などの表示がなされてもよいし、「設定4以上確定!」などの表示がなされてもよい。その他、役物作動演出などの実行態様により設定値の期待度が示唆されてもよい。
図42は、設定示唆演出の予告表示の変形例を模式的に示す図であり、上述の図41(a)の表示例の変形例を示す。図42(a)は、閉口チャンス中であることを明示的に示す代わりに、画面上部に継続的に表示される「右打ち」の帯状の案内表示とは別に画面右上に「右打ち⇒」の案内が表示され、右打ちすべき状態であることが強調表示される。画面右上の「右打ち⇒」の表示は、継続的な帯状の案内表示の表示領域に重ならないように表示され、継続的な帯状の案内表示における「右打ち」よりも大きな文字で表示される。図42(b)は、別の変形例であり、「右打ちを継続せよ!」の文言が継続的な帯状の案内表示における「右打ち」よりも大きな文字で表示される。図42(c)は、図42(a)さらに別の変形例であり、「右打ちを継続せよ!」の文言が大きく表示されるとともに、画面上部の継続的な帯状の案内表示における「右打ち」の文言が通常時よりも大きく表示される。このようにして案内表示をより強調された態様で表示することにより、大入賞口が閉鎖される止め打ちポイントにおいて、第1特定入球口への入球をより確実に遊技者に促すことができる。なお、遊技者の発射操作の状況に応じて第1特定入球口への入球を促す指令の表示態様を変化させてもよく、例えば、遊技球の発射が検出されない場合や遊技盤の右側通路にあるゲート等への入球が検出されない場合に、第1特定入球口への入球をより強く促すように指令の表示態様を変化させてもよい。具体的には、遊技球の発射条項に応じて、図41(a)や図42(a)に示される表示を図42(b)や図42(c)の表示に切り替えてもよい。
図43は、設定示唆に係るカウント演出の表示例を模式的に示す図である。本図は、複数回のラウンドにわたって実行されるカウント演出の流れを示す。図43(a)は、第2ラウンド(2R)の単位遊技中の演出表示例を示し、カウント演出の開始前の状態を示す。大入賞口が閉鎖される単位遊技間に第1特定入球口への入球を促すために「右打ち継続でいいことあるかも〜」の文言で右打ち継続を促す表示がなされる。この表示は、所定方向への遊技球の発射(例えば右打ち)をすべき遊技状態であることを示すために画面上部に継続的に表示される案内表示(右打ち表示)とは別に表示され、案内表示よりも遊技者に右打ちをより強く促すために表示される。
図43(b)は、カウント演出の開始時の演出表示例を示す。図43(b)は、第2ラウンドの単位遊技が終了して大入賞口が閉鎖され、第3ラウンドの単位遊技が開始する前の状態に相当し、例えば、第1特定入球口への1球目の入球の検出後に表示される。画面右下には第1特定入球口への入球をカウントするためのメータが表示され、入球によりメータが増加したことを示す「+1」の表示がなされている。また画面右上には「満タンを目指せ!!」の文言でメータが満タンとなるように第1特定入球口への所定数の入球を促す表示がなされる。なお、一定時間が経過しても第1特定入球口への入球が検出されない場合、「右打ちを継続せよ!」の文言を図43(a)よりも強調した表示態様にて表示し、第1特定入球口に向かう遊技球の発射操作がより確実になされるようにしてもよい。例えば、図43(a)よりも大きな文字で「右打ちを継続せよ!」を表示したり、「右打ちを継続せよ!」の表示を点滅させることで強調度を高めてもよい。図42(b)や(c)に示されるような表示を用いてもよい。
図43(c)は、カウント演出の途中経過の演出表示例を示し、第5ラウンドの単位遊技が終了して大入賞口が閉鎖され、第6ラウンドの単位遊技が開始する前の状態に相当する。画面右下のメータが8まで増えており、第1特定入球口への入球ペースが順調であることを示す「いいぞ、その調子!!」の文言が表示されている。なお、メータの蓄積数に応じて表示される文言の内容を変えてもよく、例えば、想定される入球ペースよりも入球数が少ない場合には、「右打ちを頑張れ!!」などの右打ちを強く促すような表示をしてもよい。つまり、第1特定入球口への入球数に応じて、第1特定入球口への入球を促す指令の表示態様を変化させてもよい。例えば、特定のラウンド数に達しても第1特定入球口への入球数が少ない場合、第1特定入球口への入球がより強く指令されるように、指令する文字の大きさや色、文言の内容を変化させてより強調した表示態様となるようにしてもよい。
図43(d)は、カウント演出の終了時の演出表示例を示し、第1特定入球口への累積入球数が所定数に達してメータが最大値となった状態を示す。画面右下のメータが最大値の13に達しており、メータが満タンになったことを示す「MAX」の文言が表示される。またメータの背後には期待度が高いこと示す炎やオーラの背景画像が表示される。このようにしてメータが満タンになると、満タンを契機として設定示唆演出が実行可能となる。設定示唆演出は、メータが満タンになった直後に実行されてもよいし、メータが満タンになった後の所定タイミングで実行されてもよい。また、満タンになったメータの表示態様によって設定値を示唆してもよく、メータのMAX表示そのものが設定示唆演出であってもよい。例えば、MAX表示の文字色、満タンとなったメータの表示色、背景画像の炎やオーラの表示色などにより設定値の期待度の高さを示唆してもよい。具体的には、青色や緑色の場合には期待度が低く、赤色や金色の場合には期待度が高く、虹色やキリン柄の場合には設定値が最大または一定以上であることが示唆されてもよい。
なお、図43に示したカウント演出は、連続して実行される複数回の単位遊技にわたって継続的に実行されなくてもよく、複数回のラウンドのうちの一部において間欠的に実行されてもよい。例えば、奇数回目の単位遊技の終了後の閉鎖期間においてのみ第1特定入球口への入球検出を有効としてカウント演出を実行する一方、偶数回目の単位遊技の終了後の閉鎖期間では第1特定入球口への入球検出を無効としてカウント演出を実行しないようにしてもよい。その他、各回の単位遊技の終了時までに抽選を実行し、その単位遊技の終了後にカウント演出を実行するかを決定してもよい。つまり、抽選結果に応じて、特定回の単位遊技の終了後にカウント演出が継続実行されたり、実行されなかったりしてもよい。
上述のカウント演出の実行中に電断が生じた場合、電断復帰後から所定時間(例えば10秒、20秒、30秒など)は第1特定入球口への入球を促す指令やカウント演出の表示を一時的に中止してもよい。例えば、電断復帰後から所定時間においては、復帰処理に伴う報知や大当り中であることを示す報知、右打ちをすべき遊技状態であることを示す報知を優先的に実行してもよい。これらの報知を実行して所定時間が経過してから、第1特定入球口への入球を促す「右打ちを継続せよ!」などの表示や、上述のカウント演出を再開させてもよい。
図44は、設定示唆演出の別の表示例を模式的に示す図である。本図は、特別遊技の終了デモにて実行されるカウント演出および設定示唆演出の流れを示す。図44(a)は、特別遊技の最終ラウンド(10R)における表示例を示し、最終ラウンドの終了後の大入賞口の閉鎖期間中に右打ちの継続を促す表示がなされる。図44(b)は、特別遊技の終了デモの開始時の表示例を示し、画面中央にこれまでの大当りの連続発生回数、今回の大当りにて獲得された賞球数、連続発生した大当りにて獲得された賞球の総獲得数などが表示される。さらに、終了デモ中の第1特定入球口への入球を検出したことを示す「激熱+1」のオブジェクト画像が表示される。このオブジェクト画像は、第1特定入球口への入球ごとに表示可能である。図44(b)の表示例では、「激熱+1」と「激熱+2」のオブジェクト画像により第1特定入球口に合計で2球入球したことが示される。図44(c)は、第1特定入球口への累計入球数がさらに増えた状態を示しており、合計で9個のオブジェクト画像が表示されている。図44(d)は、第1特定入球への10球目の入球を契機とする設定示唆演出の表示例を示し、設定値が最高の設定6であることが確定的に報知される。
本特徴1の変形例として、大入賞口20の閉鎖中に大入賞口に向かわない遊技球の検出を契機としてもよい。例えば、右打ちによって大入賞口への入球が可能である盤面構成において、右打ちでは入球不可または入球困難であり、左打ちによって入球可能または入球容易な入球口に特別遊技中に入球することを契機として設定示唆演出を実行してもよい。このときの第1特定入球口は、大入賞口への入球が可能または容易となる発射方向または発射態様の発射操作をしたときに入球不可または入球困難となる位置に設けられ、大入賞口への入球が不可または困難となる発射方向または発射態様の発射操作をしたときに入球可能または入球容易となる位置に設けられる。このときの第1特定入球口は、始動口であってもよいし、一般入賞口であってもよいし、作動口やアウト口であってもよい。例えば、図40の第2作動口32や一般入賞口33を第1特定入球口としてもよい。このような変形例においても、大入賞口の閉鎖中に生じる無駄球を契機として設定示唆演出を実行することができ、特別遊技中に無駄球をあえて発生させることによるメリットを遊技者に付与できる。
(2.特別遊技中の大入賞口の開放中に大入賞口に向かわない遊技球の検出を契機として実行可能な設定示唆演出)
本特徴2は、大入賞口の開放中に大入賞口へ入球させることを狙って遊技球を発射させたにも拘わらず、惜しくも大入賞口に入球しなかった遊技球が生じることを契機として設定示唆演出を実行可能とする。このような大入賞口に入球できなかった遊技球は、無駄球とも言えるが、上記の特徴1で述べたような「止め打ち」をすべき遊技球とは異なり、大入賞口への入球による賞球を狙うために積極的に発射させるべき遊技球であると言える。つまり、止め打ちによって防ぐことのできる性質の無駄球ではなく、やむを得ず生じてしまう無駄球であると言える。このような無駄球が増えることは、大入賞口に入球しづらい状況であることも加味されるため、遊技者にとって非常にストレスとなりうる。
そこで、本特徴2では、遊技者にストレスとなる状況の発生を契機として設定示唆演出を実行可能とする。具体的には、特別遊技中の大入賞口の開放中に大入賞口に入球しない遊技球が発生することを契機として設定示唆演出を実行可能にする。これにより、ストレスとなる状況下で設定値を示唆するという利益を遊技者に付与でき、やむを得ない無駄球の発生によるストレスを緩和させることができる。また、可能な範囲内で大入賞口の開放中にあえて無駄球を発生させることにより設定示唆演出を実行させるという新たな遊技性を提供できる。
図45は、第2特定入球口502が設けられた遊技盤の構成を模式的に示す。特別遊技中の大入賞口20の開放中に大入賞口20に向かわない遊技球は、大入賞口20に入球可能な遊技球の経路上を避けた位置に入球口(第2特定入球口ともいう)を設けることで検出できる。第2特定入球口502は、上述の第1特定入球口501とは異なり、大入賞口20の開放中であっても入球可能な位置に設けられる。第2特定入球口502は、大入賞口20への入球が可能または容易となる発射方向または発射態様の発射操作をしたときに入球可能または入球容易となる位置に設けられる。具体的には、右打ちによって大入賞口20への入球が可能である盤面構成において、同じく右打ちによって入球可能な位置に第2特定入球口502が設けられる。第2特定入球口502は、図示されるように、大入賞口20へ向かう遊技球の経路の一部を通過した後、大入賞口20への到達前に大入賞口20の左側に逸れる遊技球の経路上に設けられる。第2特定入球口502は、大入賞口20の右側に設けられてもよい。このような位置に第2特定入球口を設けることで、大入賞口20を狙ったにも拘わらず、大入賞口20へ向かう経路から途中で逸れてしまった遊技球を検出できる。第2特定入球口502には、第1特定入球口502への入球を検出する第2特定入球検出装置512が設けられる。
本特徴2において、特別遊技中の大入賞口の開放中における第2特定入球口への入球を契機として設定示唆演出を実行可能としてもよいし、特別遊技中の大入賞口の閉鎖中における第2特定入球口への入球を契機として設定示唆演出を実行可能としてもよい。後者の条件を含めることで、単位遊技間の大入賞口の閉鎖中に生じた無駄球を検出して設定示唆演出を実行可能にできる。なお、大入賞口の開放中の第2特定入球口への入球のみを設定示唆演出の実行契機とし、大入賞口の閉鎖中の第2特定入球口への入球を設定示唆演出の実行契機から除外してもよい。逆に、大入賞口の開放中の第2特定入球口への入球を設定示唆演出の実行契機から除外し、大入賞口の閉鎖中の第2特定入球口への入球のみを設定示唆演出の実行契機としてもよい。
第2特定入球口への入球を契機に実行可能な設定示唆演出は、1回の特別遊技中に第2特定入球口に複数入球したことを契機に実行可能にしてもよい。つまり、第2特定入球口に1球のみ入球したことを契機とした設定示唆演出を実行しないようにしてもよい。大入賞口に向けて発射させた遊技球が開放中の大入賞口に全て入球することは稀なケースであり、多くの場合には大入賞口から逸れて第2特定入球口に入球しうるからである。また、1回の単位遊技中に第2特定入球口に複数入球したことを契機に設定示唆演出を実行可能としてもよく、1回の特別遊技中に実行される複数回の単位遊技のそれぞれにおいて第2特定入球口への複数入球が継続することを契機に設定示唆演出を実行可能としてもよい。この場合、上述の特徴1で述べたようなカウント演出を1回の単位遊技中または複数回の単位遊技にわたって実行してもよい。
本特徴2の設定示唆演出は、当否判定結果が大当りとなって実行される特別遊技中の大入賞口の開放中における第2特定入球口への入球を契機としてもよいし、当否判定結果が小当りとなって実行される小当り遊技中の大入賞口の開放中における第2特定入球口への入球口を契機としてもよい。また、いわゆる「小当りV」といわれる仕様であれば、小当りを契機に大入賞口が開放される第1単位遊技中の大入賞口の開放中における第2特定入球口への入球を契機としてもよいし、第1単位遊技にて開放される大入賞口内の特定領域への入球を契機に実行される第2単位遊技中の大入賞口の開放中における第2特定入球口への入球を契機としてもよい。さらに、いわゆる「羽根モノ」といわれる2種仕様であれば、始動口への入球を契機に大入賞口が開放される第1単位遊技中の大入賞口の開放中における第2特定入球口への入球を契機としてもよいし、第1単位遊技にて開放される大入賞口内の特定領域への入球を契機に実行される第2単位遊技中の大入賞口の開放中における第2特定入球口への入球を契機としてもよい。
本特徴2の設定示唆演出は、いわゆる「小当りRUSH」といわれる遊技仕様において、小当りを契機に開放される大入賞口の開放中における第2特定入球口への入球を契機としてもよい。小当りRUSHの遊技機では、例えば、左打ちにより第1始動口を狙い、右打ちにより第2始動口を狙う盤面構成となっており、第1特別図柄と第2特別図柄が同時に変動可能な並列構成となっている。並列構成では、第1特別図柄および第2特別図柄の同時変動中に一方の図柄が大当りとなって停止した場合、他方の図柄は外れとなって強制停止される。第1特別図柄は、小当りが発生しないか、小当り確率が低く設定され、第2特別図柄は、小当り確率が高く設定される。第2特別図柄は、例えば、小当り確率が50%以上、80%以上、90%以上または95%以上となるように設定されている。第2特別図柄は、小当りとなる変動パターン(小当り変動パターン)の変動時間が遊技状態に応じて大きく異なるよう定められており、小当り時の変動時間が極めて長い(5分以上、例えば10分程度)遊技状態と、小当り時の変動時間が極めて短い(10秒以下、例えば2〜5秒程度)遊技状態とがある。後者の第2特別図柄の小当り時の変動時間が極めて短い遊技状態に移行されると、第2始動口を狙うことで短時間のうちに小当りが頻発して大入賞口が開放され、小当り遊技による賞球を多く獲得可能な「小当りRUSH」の状態となる。一方で、前者の第2特別図柄の小当り時の変動時間が極めて長い遊技状態では、1回の小当りが発生するまでの時間が非常に長いため、小当り遊技による賞球を短時間で多く獲得することはできない。したがって、第2特別図柄の小当り時の変動時間が極めて長い遊技状態では、第2始動口ではなく、第1始動口を狙って第1特別図柄が大当りとなることを目指す遊技性となる。
小当りRUSHの遊技機では、第2始動口に普通電動役物が設けられ、遊技状態として、通常確率状態かつ通常入球状態である低低状態と、通常確率状態かつ入球容易状態である低高状態(または時短状態)と、確率変動状態かつ通常入球状態である高低状態(または潜伏確変状態)と、確率変動状態かつ入球容易状態である高高状態(確変状態)の4種類がある。このうち、通常確率状態(低低または低高状態)が第2特別図柄の小当り時の変動時間が極めて長い遊技状態となり、確率変動状態(高低または高高状態)が第2特別図柄の小当り時の変動時間が極めて短い遊技状態となる。さらに、確率変動状態のうち、高低状態(潜伏確変状態)のみが小当りRUSHの状態となり、小当り時に開放される大入賞口に遊技球が入球可能または入球容易となる態様で大入賞口が開放される。一方、確率変動状態のうち、高高状態(確変状態)では小当り時に開放される大入賞口に遊技球が入球不可または入球困難となる態様で大入賞口が開放され、小当り遊技による賞球が実質的に獲得できない状態とされる。代わりに、高高状態(確変状態)では、第2特別図柄が大当りとなることを狙う遊技性となる。
なお、小当りRUSHの遊技機において、第2始動口に普通電動役物を設けない構成としてもよく、代わりに第1始動口に普通電動役物を設けてもよいし、第1始動口にも普通電動役物が設けられなくてもよい。第1始動口に普通電動役物が設けられる場合、第1始動口の入球容易性が低い通常入球状態を小当りRUSH状態としてもよい。また、普通電動役物が設けられない場合、特定種類の大当りを契機に実行される特別遊技後に移行される通常遊技を小当りRUSH状態としてもよい。
(特徴3.特別遊技の開始または継続条件となる特定領域に入球しない遊技球の検出を契機として実行可能な設定示唆演出)
特別遊技の開始条件または継続条件として、大入賞口内の特定領域に遊技球が入球することを条件とする種類の遊技機がある。いわゆる「小当りV」といわれる種類の遊技機では、当否判定結果が小当りとなった場合に大入賞口が開放される第1単位遊技が1回だけ実行される。第1単位遊技にて開放される大入賞口に遊技球が入球し、かつ、大入賞口内の特定領域(いわゆるV領域)に遊技球が入球した場合に、大入賞口を所定の基準時間経過までもしくは所定個数の遊技球入球まで開放可能とする第2単位遊技が実行される。第2単位遊技は1回または複数回実行可能である。一方、第1単位遊技にて開放される大入賞口に遊技球が入球しない場合や、第1単位遊技にて開放される大入賞口に遊技球が入球するものの、大入賞口内の特定領域とは異なる領域(外れ領域ともいう)に遊技球が入球した場合、その後の第2単位遊技は実行されない。小当りを契機に実行される第1単位遊技は、大入賞口の開放時間が1秒程度と短いため、第1単位遊技中に複数球が大入賞口に入球することは稀であり、1球だけ入球するか、1球も入球しないことがほとんどである。さらに、大入賞口内で特定領域を通過する確率は1/5〜1/10程度であり、第1単位遊技中に開放される大入賞口に入球したとしても、その多くは特定領域以外を通過することとなる。大入賞口内の特定領域以外を通過する遊技球は無駄球となるため、上述の特徴2と同様、このような無駄球が頻発することは遊技者にストレスのかかる状況と言える。
そこで、本特徴3では、このような遊技者にストレスとなる状況の発生を契機として設定示唆演出を実行可能とする。具体的には、大入賞口内の特定領域の通過が特別遊技の開始または継続条件となる場合に、大入賞口内の特定領域とは異なる領域(外れ領域)の通過を契機として設定示唆演出を実行可能とする。これにより、ストレスとなる状況下で設定値を示唆するという利益を遊技者に付与でき、やむを得ない無駄球の発生によるストレスを緩和できる。
大入賞口内の外れ領域への入球を契機に実行可能な設定示唆演出は、その入球ごとに実行可能としてもよいし、次に特別遊技が開始されるまでの間に大入賞口内の外れ領域に所定数入球したことを契機に実行可能としてもよい。後者の場合、上述の特徴1で述べたようなカウント演出を次に特別遊技が開始されるまでの通常遊技中および小当り遊技中に実行してもよい。例えば、初回の外れ領域への入球を契機としてカウント演出を開始し、その後に設定示唆演出が実行されるまで外れ領域への入球数をカウントしてもよい。この場合のカウント演出は、複数回の図柄変動期間にわたって実行されてもよい。
本特徴3は、いわゆる「羽根モノ」といわれる2種仕様にも適用できる。2種の遊技機では、始動口への入球を契機として大入賞口を開放させる第1単位遊技が1回だけ実行され、第1単位遊技にて開放される大入賞口に遊技球が入球し、かつ、大入賞口内の特定領域(V領域)に遊技球が入球した場合に、大入賞口を所定の基準時間経過までもしくは所定個数の遊技球入球まで開放可能とする第2単位遊技が実行される。第2単位遊技は1回または複数回実行可能である。一方、第1単位遊技にて開放される大入賞口に遊技球が入球しない場合や、第1単位遊技にて開放される大入賞口に遊技球が入球するものの、大入賞口内の特定領域とは異なる領域(外れ領域)に遊技球が入球した場合、その後の第2単位遊技は実行されない。このような第1単位遊技中に大入賞口内の外れ領域に入球することを契機として、設定示唆演出を実行可能としてもよい。なお、1種と2種を混合させた遊技機に適用してもよく、例えば、第1始動口が1種仕様であり、第2始動口が2種仕様となる遊技機において、第2始動口への入球を契機に開放される大入賞口内の特定領域とは異なる外れ領域の入球を契機として設定示唆演出を実行可能としてもよい。
(特徴4.遊技中の止め打ちが好ましい状況下での遊技球の検出を契機として実行可能な設定示唆演出)
本特徴4では、上述の特徴1と同様、遊技中に止め打ちすることが好ましいと考えられる状況下において遊技球を検出することを契機として設定示唆演出を実行可能とする。上述の特徴1では、特別遊技中の大入賞口の閉鎖中に着目したが、本特徴4ではそれ以外の止め打ちが好ましい状況に着目する。例えば、保留制御手段240に保留される抽選値の保留数が所定数以上であり、保留数をさらに増やすメリットが少ない状況や、小当り遊技や大当り遊技といった特別遊技の開始デモや終了デモの時間帯などが止め打ちが好ましい状況に該当する。このような状況下において、始動口、一般入賞口、作動口、アウト口などの入球口への入球を契機として設定示唆演出を実行可能とする。
保留数に着目する場合、特図保留手段241に保留される当否抽選値の保留数が所定数以上(例えば2個以上、3個以上)または上限数(例えば4個)である状況下で、始動口または始動口とは異なる入球口への入球を契機として、設定示唆演出を実行可能とする。第1当否抽選値の保留数が所定数以上または上限数である状況下でのみ設定示唆演出を実行可能としてもよいし、第2当否抽選値の保留数が所定数以上または上限数である状況下でのみ設定示唆演出を実行可能としてもよいし、第1当否抽選値または第2当否抽選値のいずれかの保留数が所定数以上または上限数である状況下で設定示唆演出を実行可能としてもよい。第1当否抽選値と第2当否抽選値の保留数の合計が所定数以上(例えば5個、6個、7個以上)または上限数(例えば8個)である状況下で設定示唆演出を実行可能としてもよい。保留数に応じて、入球口への入球を契機とする設定示唆演出の実行頻度または実行確率を異ならせてもよい。例えば、入球口への入球を契機に取得する抽選値が所定の結果となることを条件に設定示唆演出を実行する場合、保留数が多いほどその抽選値が所定の結果となる確率が高まるようにしてもよい。また、第1当否抽選値の保留数が所定数以上または上限数となる場合と、第2当否抽選値の保留数が所定数以上または上限数となる場合とで、入球口への入球を契機とする設定示唆演出の実行頻度または実行確率を異ならせてもよい。例えば、第1当否抽選値の保留数が所定数以上または上限数となる場合よりも、第2当否抽選値の保留数が所定数以上または上限数となる場合の方が入球口への入球を契機とする設定示唆演出の実行頻度または実行確率を高めてもよい。
第1当否抽選値の保留数に応じて設定示唆演出を実行可能とする場合、第1始動口への入球のみを実行契機としてもよいし、第1始動口以外の入球口への入球を実行契機としてもよい。第1始動口への入球と第1始動口以外の入球の双方を実行契機とする場合、それぞれの入球を契機とする設定示唆演出の実行頻度または実行確率を異ならせてもよい。例えば、第1始動口への入球を契機とする場合の方が、第1始動口以外への入球を契機とする場合よりも設定示唆演出の実行頻度または実行確率を高めてもよい。同様に、第2当否抽選値の保留数に応じて設定示唆演出を実行可能とする場合、第2始動口への入球のみを実行契機としてもよいし、第2始動口以外の入球口への入球を実行契機としてもよい。
また、普図保留手段242に保留される普図抽選値の保留数に応じて、設定示唆演出を実行可能としてもよい。この場合、普図保留手段242に保留される普図抽選値の保留数が所定数以上または上限数である状況下で、第1作動口31または第2作動口32の入球を契機として設定示唆演出を実行可能としてもよいし、第1作動口31および第2作動口32とは異なる入球口への入球を契機として設定示唆演出を実行可能としてもよい。また、第1作動口31、第2作動口32またはそれ以外の入球口のいずれに入球するかに応じて、その入球を契機とする設定示唆演出の実行頻度または実行確率を異ならせてもよい。さらに、特図保留手段241に保留される当否抽選値の保留数と、普図保留手段242に保留される普図抽選値の保留数の合計が所定数以上または上限数である状況下で、始動口又は作動口もしくはそれ以外の入球口への入球を契機として設定示唆演出を実行可能としてもよい。
小当り遊技中や大当り遊技中といった図柄変動がなされない状況下において、始動口や作動口またはそれ以外の入球口への入球を契機として設定示唆演出を実行可能としてもよい。図柄変動がなされない状況下では、始動口への入球があったとしても新たな図柄変動が開始されず、抽選値が消化されて新たな図柄変動が開始されることもなく、特に抽選値の保留数が上限に達している場合にはそれ以上保留が増えないため、止め打ちのメリットが大きい。そこで、このような状況下において、無駄球とも言える遊技球の検出を契機として設定示唆演出を実行可能としてもよい。この場合、開始デモや終了デモといった大入賞口の開放を伴わない状況下における入球のみを契機として設定示唆演出を実行可能としてもよい。
本特徴4の変形例として、止め打ちがなされずに継続的に遊技球が発射された場合に設定示唆演出を実行可能とする一方、止め打ちによって遊技球が発射されない期間が一定時間以上継続した場合に設定示唆演出を実行不可としてもよい。例えば、始動口、作動口、一般入賞口といった特定の入球口への入球から一定時間内に次の入球がなされない場合に設定示唆演出を実行不可とし、一定時間内に次の入球がなされた場合にその入球を契機として設定示唆演出を実行可能としてもよい。また、特定の入球口への一定時間内の次の入球が複数回連続して発生したことを契機として設定示唆演出を実行可能にしてもよい。その他、図柄変動が途切れることなく所定回数連続して実行されることを契機として設定示唆演出を実行可能とし、図柄変動の連続回数が所定回数に達する前に図柄変動が途切れた場合には設定示唆演出を実行不可としてもよい。この場合、連続して実行される図柄変動が所定回数に到達し、かつ、そのときの図柄変動中に特定の入球口に入球することを契機として設定示唆演出を実行可能としてもよい。
また、発射ハンドル107の操作状況に応じて、設定示唆演出を実行可能としたり、設定示唆演出を実行不可としたりしてもよい。例えば、発射ハンドル107の発射強度が所定時間以上にわたって連続して所定強度以上である場合に設定示唆演出を実行可能としてもよい。発射ハンドル107の操作状況とその他の条件を組み合わせてもよく、発射ハンドル107に関する条件が充足した状況下で他の条件が充足された場合に設定示唆演出を実行可能としてもよい。
(特徴5.有利な遊技状態から不利な遊技状態への移行を契機として実行可能な設定示唆演出)
遊技の流れとして、初回の大当り後に有利な遊技状態へ移行し、移行後の有利な遊技状態において大当りを複数回発生させて(いわゆる連荘させて)多くの賞球を狙うということが一般的である。このときに有利な遊技状態が継続すれば遊技者に多くの利益が与えられるが、有利な遊技状態へ移行した後に不利な遊技状態に戻ってしまった場合、不利な遊技状態において再度初回大当りを発生させなければならないため、遊技を継続せずに中止するという動機が生じうる。そこで、有利な遊技状態から不利な遊技状態へ移行されることを契機として設定示唆演出を実行可能とし、不利な遊技状態へ移行されたとしてもその後の遊技を継続することで設定値が示唆されるという利益が遊技者に付与されるようにする。これにより、不利な遊技状態に移行されたとしても遊技を継続する動機付けを遊技者に与え、遊技店の売上向上に寄与できる。また、設定示唆演出により高設定であることが示唆される場合には、その後に初回大当りとなる確率が高いことが分かるため、遊技継続の動機付けをより強めることができる。
本特徴5において、有利な遊技状態とは、確率変動状態、入球容易状態および時短状態の少なくとも一つを伴う遊技状態である。また、有利な遊技状態から不利な遊技状態への移行とは、確率変動状態、入球容易状態および時短状態の少なくとも一つが終了し、通常確率状態、通常入球状態および非時短状態の少なくともいずれかに移行することである。有利な遊技状態から不利な遊技状態への移行後の初回の図柄変動中に設定示唆演出を実行可能としてもよいし、不利な遊技状態に移行してから図柄が所定回数変動表示されることを契機として設定示唆演出を実行可能としてもよい。また、不利な遊技状態への移行契機となる特別遊技の実行中または終了時に設定示唆演出を実行可能としてもよい。
特別遊技の終了後に確率変動状態かつ時短状態(高高状態)または通常確率状態かつ時短状態(低高状態)のいずれかに移行され、確変の有無が秘匿されるいわゆる潜伏モードとなる場合、潜伏モードに移行後の所定回数の図柄変動時に設定示唆演出を実行可能としてもよい。この場合、時短状態の終期に対応する図柄変動時に設定示唆演出を実行可能としてもよい。時短状態の終期が複数あり、例えば、時短終期が30回、40回、50回のいずれかの図柄変動終了時である場合、30回目、40回目、50回目の図柄変動のそれぞれにおいて設定示唆演出を実行可能としてもよい。また、通常確率状態の潜伏モードである場合にのみ設定示唆演出を実行可能とし、確率変動状態の潜伏モードである場合には設定示唆演出の代わりに確率変動状態であることを示唆または報知する遊技状態示唆演出を実行してもよい。設定示唆演出が実行可能となる回数の図柄変動においては、相対的に変動時間の長い変動パターンが固定的に選択されるように変動パターン選択基準を定めてもよい。これにより、固定的な変動パターンに対応する時間にわたって設定示唆演出を実行可能となる。
また、確率変動状態であるか否かを秘匿する潜伏モードにおいて大当りが発生し、特別遊技が実行された後に再度潜伏モードへ移行されることを契機として設定示唆演出を実行可能としてもよい。さらに、大当りを経由して複数回潜伏モードが連続発生することを契機として設定示唆演出を実行可能としてもよい。また、上述の潜伏モードにて実行可能とする設定示唆演出を初回の潜伏モードでは実行不可とし、連続発生する2回目や3回目といった複数回目の潜伏モードにおいてのみ設定示唆演出を実行可能としてもよい。
また、特別遊技の終了後に移行される確率変動状態に所定の終期が定められる場合、その終期に達して確率変動状態から通常確率状態に移行されることを契機として設定示唆演出を実行してもよい。また、確率変動状態の終期に達した後に通常確率状態である特殊モードに移行させ、特殊モードの終期となる所定回数(例えば15回目の)図柄変動中に設定示唆演出を実行可能としてもよい。その他、有利な遊技状態から通常確率状態かつ非時短状態である低低状態に移行された場合にのみ選択される特殊モードへ移行された場合に、その特殊モードの滞在中または終了時に設定示唆演出を実行可能としてもよい。
また、入球容易状態である第2の遊技において小当りVを狙う遊技機において、入球容易状態の終期(例えば100回の図柄変動)に達するまでにV入賞せず、入球容易状態が終了してしまったことを契機として設定示唆演出を実行可能としてもよい。例えば、第1特別図柄に比べて第2特別図柄が小当りとなる確率が高く設定され、小当り確率が例えば5%〜20%程度の高確率となる場合に、小当りに複数回当選するにも拘わらずにV入賞せずに入球容易状態が終了したことを契機として設定示唆演出を実行可能としてもよい。
また、確率変動状態に所定の終期(例えば、20回、30回、50回の図柄変動など)が定められる場合において、通常確率状態にて大当りとなって確率変動状態に移行された後、確率変動状態にて大当りが発生せずに通常確率状態に戻ってしまった場合に設定示唆演出を実行可能としてもよい。この場合、確率変動状態で大当りが発生して連荘状態となり、確率変動状態がさらに継続した後に確率変動状態の終期に達して通常確率状態に移行された場合には設定示唆演出を実行しないこととしてもよい。つまり、いわゆる初当りによって確率変動状態へ移行されたものの、大当りが連荘せずに通常確率状態に戻ってしまった場合にのみ設定示唆演出を実行可能とし、大当りが連荘してから通常確率状態への移行した場合には設定示唆演出を実行不可としてもよい。
また、特別遊技の終了後に確率変動状態に移行される種類の大当り(確変付き大当り)が所定回数連続して発生した場合に強制的に通常確率状態へ移行させるいわゆる「リミッター」が発動したことを契機として設定示唆演出を実行してもよい。このリミッターは、初回大当りによる確率変動状態への移行後に通常確率状態へ移行されることなく特別遊技が所定回数実行された場合に発動してもよい。この場合、リミッター発動直前の特別遊技中に設定示唆演出が実行されてもよく、リミッターが発動するまでの大当りの連荘により獲得した総賞球数を演出的に示す特別遊技演出の一部として設定示唆演出が実行されてもよい。また、特別遊技中に設定示唆演出が実行されなくてもよく、リミッター発動後に移行される通常遊技中に設定示唆演出が実行可能であってもよい。
また、上述の「リミッター」が設けられる遊技機において、特別遊技の終了後に通常確率状態へ移行される種類の大当り(確変なし大当り)がリミッター発動条件の充足前に発生した場合に設定示唆演出を実行可能としてもよい。この場合、確変なし大当りとなる前に連続発生した確変付き大当りの回数に応じて、設定示唆演出の実行確率や設定示唆演出の実行内容を異ならせてもよい。例えば、確変なし大当りとなる前に連続発生した確変付き大当りの回数が少ないほど、設定示唆演出の実行確率を高めたり、設定示唆演出の信頼度を高めたり、設定示唆の内容をより分かりやすくしたりしてもよい。具体的には、確変付き大当りのリミッターが8回に設定される場合、確変に移行してから1回目の大当りが確変なしとなる場合には設定示唆演出の実行確率を高くし、確変に移行してから確変付き大当りが6回発生し、7回目に確変なし大当りとなる場合には設定示唆演出の実行確率を低くしてもよい。これにより、確変なし大当りとなる前に発生した確変付き大当りの回数が少ないという遊技者にとってより不利な状況において、遊技者にとってより有利な設定示唆演出を提供できる。
また、特別遊技の終了後に確率変動状態に移行させるか、通常確率状態へ移行させるかを抽選により決定するいわゆる転落抽選が実行される場合、転落抽選に当選して通常確率状態へ移行されることを契機として設定示唆演出を実行可能としてもよい。その他、特別遊技の終了後に時短状態に移行される種類の大当りが所定回数連続して発生した場合に強制的に非時短状態へ移行させるリミッターの発動を契機に設定示唆演出を実行可能としてもよい。この場合、特別遊技の終了後に確率変動状態へ移行される種類の大当りと、特別遊技の終了後に通常確率状態へ移行される種類の大当りの双方があってもよく、非時短状態へ移行されることなく所定回数の大当りが発生することでリミッターを発動させ、その後に設定示唆演出を実行可能としてもよい。
また、入球容易状態や時短状態を終了させる転落抽選が実行される遊技機において、入球容易状態や時短状態の所定の終期(例えば100回の図柄変動)に到達する前に転落抽選の当選を契機として入球容易状態や時短状態が終了した場合に設定示唆演出を実行可能としてもよい。この場合、所定の終期までの残存変動回数が多いほど、つまり、入球容易状態や時短状態の通常遊技が開始してから転落するまでの図柄変動回数が少ないほど、設定示唆演出の実行確率を高めたり、設定示唆演出の信頼度を高めたり、設定示唆の内容をより分かりやすくしたりしてもよい。その他、所定の終期までの残存変動回数が一定以上である場合のみ設定示唆演出を実行可能としてもよい。例えば、入球容易状態や時短状態の終期が100回である場合に、入球容易状態や時短状態の通常遊技が開始してから30回以下や50回以下といった図柄変動回数において転落抽選に当選した場合に設定示唆演出を実行可能とし、50回を超えてから転落抽選を当選した場合には設定示唆演出を実行不可としてもよい。
(特徴6.単位遊技の開始から所定時間経過以降に大入賞口に入球する遊技球の検出を契機として実行可能な設定示唆演出)
本特徴6では、設定示唆演出を利用した新たな遊技性を提供するため、1回の単位遊技にて大入賞口を開放可能な基準時間(例えば30秒)のうち、所定時間(例えば10秒、15秒、20秒)経過以降に大入賞口に入球することを契機として設定示唆演出を実行可能とする。1回の単位遊技で開放可能な基準時間が20秒〜30秒程度と長い場合、基準時間に到達する前に所定個数(例えば9個)の遊技球が入球して大入賞口が閉鎖されることが多く、大入賞口の開放から5秒〜10秒程度で閉鎖されることもよくある。そこで、このような単位遊技の特性を逆手に取り、大入賞口が開放されてから所定時間経過以降に大入賞口を入球することを契機として設定示唆演出を実行可能とする。これにより、大入賞口が開放されてから所定時間経過するまでの間は大入賞口を狙って遊技球を発射させず、その後に大入賞口を狙うという新たな遊技性を提供できる。さらに、入球タイミングが大入賞口を閉鎖させる基準時間の経過に近づくほど設定示唆演出の実行確率を高めることにより、大入賞口が閉鎖されるギリギリまで待ってから大入賞口への入球を狙うという新たな遊技性を提供できる。
1回の単位遊技で大入賞口が開放可能な期間として、第1期間と、第1期間経過後の第2期間がある場合、第1期間における大入賞口への入球を契機とする設定示唆演出を実行せず、第2期間における大入賞口の入球を契機として設定示唆演出を実行可能としてもよい。第1期間の長さは、例えば基準時間のうちの30%〜80%であってよく、第2期間の長さは、第1期間の残りであってもよい。また、第1期間における大入賞口への入球を契機とする設定示唆演出の実行確率を低くし、第2期間における大入賞口への入球を契機とする設定示唆演出の実行確率を高くしてもよい。例えば、第1期間における大入賞口への入球を契機とする設定示唆演出の実行確率を1%程度とし、第2期間における大入賞口への入球を契機とする設定示唆演出の実行確率を10%程度としてもよい。また、1回の単位遊技で大入賞口が開放可能な期間として、第2期間経過後の第3期間を設け、第3期間における大入賞口へ入球を契機とする設定示唆演出の実行確率を20%程度とし、第2期間よりも高確率で設定示唆演出が実行されるようにしてもよい。
1回の単位遊技中の経過時間に応じて設定示唆演出の実行可否または実行確率を異ならせる場合、各期間に対応するタイミングを演出表示装置60に演出的に表示してもよい。例えば、大入賞口が開放されてからの経過時間をゲージやメータ、タイマーなどで演出的に示すとともに、第1期間中は遊技球の発射を抑えるよう指令する一方、第2期間中に積極的に大入賞口を狙うよう指令する演出表示をしてもよい。また、大入賞口に遊技球が入球するごとに入球を示すオブジェクト画像を表示するとともに、いずれの期間に入球したかが判別可能となるように入球タイミングに応じてオブジェクト画像の表示態様を異ならせてもよい。例えば、第1期間における大入賞口の入球は期待度が低い青色や緑色のオブジェクト画像とし、第2期間における大入賞口の入球は期待度が高い赤色のオブジェクト画像としてもよい。また、単位遊技の開始前に「赤色が溜まるといいことがあるよ!」などの演出表示をすることにより、第2期間における大入賞口への入球を促してもよい。
また、1回の単位遊技で大入賞口が開放可能な期間として、第1期間および第2期間がある場合、第1期間における大入賞口への入球数が所定数以下であることを条件として設定示唆演出を実行可能としてもよい。例えば、第1期間における大入賞口の入球数の合計が3個以下、2個以下、1個以下である場合に第1期間の終了を契機として設定示唆演出を実行可能としてもよい。その他、第1期間と第2期間のそれぞれにおいて規定数の遊技球を大入賞口に入球させることを契機に設定示唆演出を実行可能としてもよい。例えば、第1期間内に大入賞口に2球だけ入球させた場合や、さらに第2期間内に大入賞口に5球以上入球させた場合に設定示唆演出を実行可能としてもよい。この場合、各期間に規定数の入球を促すような演出表示をしてもよい。例えば、単位遊技の開始時に「10秒以内に2球だけ入球させろ!」などの演出表示をし、第1期間の終了時に規定数の入球がなされた場合には「ミッション成功!」などの演出表示をする一方、規定数とは異なる入球がなされた場合には「ミッション失敗・・・」などの演出表示をしてもよい。
本特徴6は、1回の単位遊技中の所定期間に遊技球を入球させることを契機として設定示唆演出を実行可能としてもよいし、複数回の単位遊技のそれぞれにおいて所定期間に遊技球を入球させることを契機として設定示唆演出を実行可能としてもよい。後者の場合、複数回の単位遊技にて達成すべき入球タイミングや入球数が共通であってもよいし、単位遊技の回数に応じて異なっていてもよい。単位遊技の回数に応じて設定示唆演出を実行可能とする条件を異ならせることにより、多様な遊技性を提供できる。
(特徴7.遊技者に不利となる状況の発生を契機として実行可能な設定示唆演出)
賞球獲得期待度の異なる特別遊技が実行可能である場合、相対的に賞球獲得期待度の低い特別遊技が所定回数連続して実行された場合に上述の設定示唆演出を実行可能としてもよい。例えば、実質3Rと実質10Rの特別遊技が実行可能であり、大当り時の図柄種類に応じて50%の確率で3Rまたは10Rとなる場合に、3回連続で3Rの大当りが発生した場合に設定示唆演出を実行可能としてもよい。この場合、3回目の3R大当りの発生時、つまり、大当り図柄の停止時に設定示唆演出が実行可能であってもよいし、3回目の3R大当りとなって実行される特別遊技中(開始デモ中、単位遊技中、単位遊技間または終了デモ中)に実行されてもよい。その他、相対的に賞球獲得期待度の低い特別遊技の連続回数が2の倍数や3の倍数となったときに設定示唆演出を実行可能としてもよい。例えば、3R大当りが所定回数連続した場合に、2回目の3R大当り、4回目の3R大当り、6回目の3R大当りといった2の倍数の回数において設定示唆演出を実行可能としてもよい。また、相対的に賞球獲得期待度の低い特別遊技の連続回数が増えるほど、設定示唆演出の実行確率を高めてもよいし、設定示唆演出により示唆される内容の信頼度が高まるようにしてもよい。
通常入球状態において第1始動口に入球させて第1特別図柄の大当りを狙う第1の遊技を行い、入球容易状態において第2始動口に入球させて第2特別図柄の大当りを狙う第2の遊技を行う構成の遊技機において、入球容易状態において第1特別図柄が大当りとなることを契機として設定示唆演出を実行可能としてもよい。このような構成では、通常、第1の遊技で得られる利益の期待度よりも、第2の遊技で得られる利益の期待度が高いため、第1特別図柄よりも優先して消化される第2特別図柄で大当りを発生させることが望ましい。しかしながら、一時的に止め打ちするなどして第2特別図柄の保留を全て消化したタイミングで第1特別図柄の保留が残存していた場合、第1特別図柄の保留が消化されて大当りが発生し、さらに、確変なし大当りや時短なし大当りなどの相対的に不利な大当りとなって有利な遊技状態が終了するという不遇の事態が生じうる。そこで、このような状況が発生した場合、つまり、相対的に有利な第2の遊技中に不運にも第1の遊技で大当りとなった場合に上述の設定示唆演出を実行可能としてもよい。また、第2の遊技中に第1の遊技で確変なし大当りや時短なし大当りといった相対的に不利な大当りとなった場合にのみ設定示唆演出を実行可能としてもよい。つまり、第2の遊技中に第1の遊技で大当りとなる場合であっても、その大当りが確変付き大当りや時短付き大当りである場合には設定示唆演出を実行不可としてもよい。その他、第2の遊技中に第1の遊技で大当りとなった場合の大当りの種類に応じて、設定示唆演出の実行確率を異ならせてもよく、相対的に不利な種類の大当りとなった場合に設定示唆演出の実行確率を高めてよい。
入球容易状態において第2始動口に入球させて第2特別図柄の小当りVを狙う構成の遊技機において、小当りVに失敗したことを条件として設定示唆演出を実行可能としてもよい。例えば、第2特別図柄の抽選値が最大4個保留可能であり、入球容易状態の終期が5回に設定される場合、小当りとなりうる機会が保留を含めて最大で9回生じる。このとき、第2特別図柄の小当り確率が14%程度に設定されれば、理論的には9回中1回以上の小当りが発生し、小当りを契機に実行される第1単位遊技にて開放される大入賞口内の特定領域に入球させることで、大当りを発生させることができる。例えば、第1単位遊技における大入賞口の開放時間を10秒以上、15秒以上、20秒以上とし、第1単位遊技中の大入賞口に複数の遊技球が容易に入球しうる状況を作り出すことで、V通過による大当りをほぼ確実に発生させることができる。
このような小当りV発生が非常に容易な構成にも拘わらず、小当りVを発生させることができなかったという遊技者に不利な状況となった場合に設定示唆演出を実行可能としてもよい。例えば、入球容易状態にて小当りVまたは大当りが発生せず、かつ、入球容易状態にて保留された第2特別図柄の保留が全て消化されても小当りVまたは大当りが発生しなかった場合に、第2特別図柄の最後の保留消化による図柄変動の終了後に設定示唆演出を実行可能としてもよい。また、第2特別図柄が小当りとなって第1単位遊技が実行されたにも拘わらず、大入賞口内の特定領域に入球しなかったことを契機として設定示唆演出を実行可能としてもよい。この場合、入球容易状態中に設定示唆演出が実行されてもよいし、入球容易状態の終了後の第2特別図柄の保留消化による図柄変動中または図柄停止後に設定示唆演出が実行されてもよい。その他、入球容易状態での小当りVの失敗時には設定示唆演出を実行不可とし、入球容易状態の終了後の第2特別図柄の保留消化により発生した小当りにて小当りVに失敗した場合にのみ設定示唆演出を実行可能としてもよい。
上述の限定された変動回数内で小当りVを狙う構成において、第2特別図柄の保留の先読み結果を用いて設定示唆演出の実行可否を決定したり、設定示唆演出の実行可否を事前に示唆してもよい。例えば、第2特別図柄の当該変動や保留内に複数の小当りがある場合、その複数の小当りのうちの第1の小当りにてV通過に失敗した場合に設定示唆演出を実行可能にする一方、第2の小当りにてV通過に失敗した場合には設定示唆演出を実行不可としてもよい。この場合、第2特別図柄の保留が小当りとなる期待度を示唆する保留オブジェクトや変動中の第2特別図柄が小当りとなる期待度を示唆する当該変動オブジェクトを演出表示装置60に表示させるとともに、設定示唆演出の実行可否に応じて保留オブジェクトや当該変動オブジェクトの表示態様を異ならせてもよい。例えば、設定示唆演出が実行不可となる小当りについては、保留オブジェクトや当該変動オブジェクトを単に「V」と表示する一方、設定示唆演出が実行可能となる小当りについては、保留オブジェクトや当該変動オブジェクトを「設定V」と表示するようにしてもよい。この場合、「設定V」と表示される小当りについては、あえて小当りVが発生しないように止め打ちすることで、設定示唆演出が実行されるようにするという新たな遊技性を提供できる。
なお、上述の特徴1〜6のいずれか一つを実行契機として設定示唆演出を実行可能にしてもよいし、特徴1〜6のうちの二以上を実行契機として設定示唆演出を実行可能にしてもよい。さらに、上述の特徴で述べた実行契機を組み合わせ、二以上の実行契機となる条件の全てが成立した場合に設定示唆演出を実行可能としてもよい。
また、特別遊技の開始条件として、当否判定が大当りとなることを示す図柄の停止後に、いわゆる「役連作動ゲート」と言われる所定の入球口への入球を必要とする仕様の遊技機において、複数の役連作動ゲートを遊技盤上に設け、いずれの役連作動ゲートに入球するかに応じて設定示唆演出の実行態様を異ならせてもよい。例えば、第1ゲートに入球した場合、設定示唆演出の発生頻度が少ないが、設定示唆演出が高信頼度で実行されたり、より分かりやすい態様で設定示唆演出が実行されたりする第1モードに移行されるようにしてもよい。一方、第2ゲートに入球した場合、設定示唆の発生頻度が多いが、設定示唆演出が低信頼度で実行されたり、分かりにくい態様で設定示唆演出が実行されたりする第2モードに移行されるようにしてもよい。
<設定に応じた演出傾向>
本実施例では、さらに、設定値に応じて遊技進行に伴う演出傾向や演出内容を異ならせることができる。例えば、大当り確率が同一となる複数の遊技設定を用意し、複数の遊技設定間で演出傾向や演出内容のみを異ならせることで、賞球獲得期待度が同一で演出傾向のみが異なるような実質的に複数種類の遊技機を1台で提供できる。その結果、遊技店は1機種の遊技機を複数台用意するだけで、日によって遊技機の演出傾向を変化させたり、遊技者の動向を見ながら人気のある演出傾向の設定とした遊技機の割合を増やしたりできる。また、設定変更による賞球獲得期待度に差がないため、売上等を考慮せずに気軽に設定変更することも可能となる。遊技者から見れば、演出傾向の違いによって賞球獲得期待度が異なるということがないため、高設定と思われる演出傾向の遊技機を無理に選ばなくて済み、自分の好みの演出傾向となる遊技機を選んで遊技を楽しむことができる。
本実施例では、以下の演出的特徴を遊技設定に応じて異ならせることができる。
A.設定値を示唆する設定示唆演出
B.大当りとなる期待度を示唆する予告演出
C.遊技状態を秘匿、示唆または報知する遊技状態示唆演出
D.演出に登場するキャラクタやステージ
E.遊技者による演出傾向の選択可能性
F.計時手段を用いた同調演出
本実施例では、複数の遊技設定(例えば設定1〜設定6)の全ての大当り確率を同一とし、演出的特徴のみを異ならせるように複数の遊技仕様を定めてもよい。一方で、大当り確率の違いと演出的特徴の違いを組み合わせて複数の遊技仕様を定めてもよい。例えば、2種類の大当り確率を用意し、3種類の演出設定を用意し、2×3の6通りの遊技仕様を用意してもよい。この場合、設定1を低確率の第1演出設定とし、設定2を低確率の第2演出設定とし、設定3を低確率の第3演出設定とし、設定4を高確率の第1演出設定とし、設定5を高確率の第2演出設定とし、設定6を高確率の第3演出設定とすることができる。
(特徴A.設定値を示唆する設定示唆演出)
上述の特徴1〜6にて述べた設定示唆演出について、設定値に応じてその実行態様を異ならせることができる。例えば、設定示唆演出について2種類の演出設定を用意し、第1演出設定では設定示唆演出が実行されるか、高頻度または高確率で実行されるようにし、第2演出設定では設定示唆演出が実行されないか、低頻度または低確率で実行されるようにしてもよい。また、3種類の大当り確率を用意し、2種類の演出設定と組み合わせて6種類の遊技仕様を設定してもよい。例えば、設定1を大当り低確率かつ設定示唆低頻度とし、設定2を大当り低確率かつ設定示唆高頻度とし、設定3を大当り中確率かつ設定示唆低頻度とし、設定4を大当り中確率かつ設定示唆高頻度とし、設定5を大当り高確率かつ設定示唆低頻度とし、設定6を大当り高確率かつ設定示唆高頻度とすることができる。例えば、イベント日といった特別な営業日には設定示唆が高頻度となる設定2,4,6を使用し、通常の営業日には設定示唆が低頻度となる設定1,3、5を使用するといった使い分けができる。
(特徴B.大当りとなる期待度を示唆する予告演出)
複数の演出設定間でリーチ演出の実行態様や、大当りとなる期待度を示唆する予告演出の実行態様を異ならせてもよい。予告演出の実行態様として、例えば、実行可能な予告演出の種類、予告演出全般の実行頻度、特定種類の予告演出の実行頻度、予告演出の信頼度などに差を付けることができる。例えば、第1演出設定では、先読みによる予告演出の実行頻度が高く設定され、第2演出設定では、先読みによる予告演出の実行頻度が低く設定され、第3演出設定では、先読みによる予告演出が全く実行されないように設定できる。その他、ある演出設定では、ステップアップ予告演出が高頻度で実行される一方、別の演出設定では、ステップアップ予告演出が低頻度で実行されるか、全く実行されないように設定されてもよい。また、ある演出設定では可動役物66の作動を伴う役物作動演出が高頻度で実行される一方、別の演出設定では、役物作動演出が低頻度で実行されるか、全く実行されないように設定されてもよい。
先読みを用いた予告演出では、先読みを用いた複数回の図柄変動期間にわたる連続予告演出パターンが用意されてもよい。例えば、先読みによる事前判定情報として、大当りに対応する事前当否判定情報や、特定のスーパーリーチ変動に対応する事前パターン判定情報が取得された場合に、連続予告演出パターンにしたがった演出表示を開始する。連続予告演出パターンとして、演出の実行期間が異なる複数の演出パターンが用意され、例えば、2回、3回または4回の図柄変動期間のそれぞれに対応する演出パターンが用意される。演出決定手段303は、連続予告演出の実行契機となった保留位置に応じて演出パターンを決定し、当該保留が消化される図柄の変動まで連続予告演出パターンにしたがって演出を実行させることができる。
連続予告演出では、当該保留が消化される前の一回以上の図柄変動において、装飾図柄を特定の表示態様にて停止表示させたり、特定のキャラクタを登場させたりすることにより高期待度を示唆する演出がなされる。また、当該保留が消化される前に二回以上の図柄変動がなされる場合には、図柄停止のたびに期待度が段階的に高められることを示唆するステップアップ予告演出が表示される。このステップアップ予告演出では、例えば、連続予告演出の開始を契機に特定のキャラクタが登場し、連続予告演出の実行期間にわたってそのキャラクタを継続表示させ、図柄停止のたびにキャラクタの表示態様を変化させることにより期待度が段階的に高まることが示唆される。例えば、キャラクタの表示サイズを段階的に大きくしたり、登場するキャラクタ数を増やしたり、キャラクタのモーションをより大きくしたりすることにより、期待度が段階的に高まることが示唆されてもよい。その他、同一演出ステージ内において背景表示パターンを切り替えることにより、より期待度が高い状態にステップアップしたことを示唆してもよい。
連続予告演出では、連続予告の実行契機となる保留(トリガ保留)よりも先に消化される1以上の保留に係る図柄変動まで特定パターンの予告演出がなされる第1連続予告演出が実行されてもよい。その他、トリガ保留よりも先に消化される1以上の保留に係る図柄変動まで特定パターンの予告演出がなされ、その後、トリガ保留が消化される図柄変動においても特定パターンの予告演出と同じ又は類似する予告演出が実行される第2連続予告演出が実行されてもよい。第1連続予告演出では、トリガ保留よりも先に消化される1以上の保留に係る図柄変動にて、装飾図柄を特定の図柄組合せ(例えば、123の順目や445のずれ目など)で停止させる図柄演出や、保留表示(保留オブジェクト)の表示態様を変化させる保留変化演出がなされてもよい。一方、第2連続予告演出の場合、トリガ保留よりも先に消化される1以上の保留に係る図柄変動では保留表示(保留オブジェクト)の表示態様を変化させる保留変化演出を行い、トリガ保留が消化される図柄変動では保留変化演出と類似した演出である当該変動の期待度を示唆する当該変動オブジェクトの表示態様を変化させる当該変動オブジェクト変化演出を行う一連の連続予告演出が実行されてもよい。その他、第2連続予告演出として、トリガ保留よりも先に消化される1以上の保留に係る図柄変動及びトリガ保留が消化される図柄変動のいずれにも亘って背景演出の表示態様を特殊態様へと変化させる背景先読み演出が実行されてもよい。
複数回の図柄変動期間にわたる連続予告演出では、トリガ保留に対応する入球を契機として複数回の変動演出の内容が一括的に決定されてもよいし、各回の図柄変動の開始時にトリガ保留の位置に応じて各回の変動演出の内容が個別的に決定されてもよい。第1連続予告演出の場合、トリガ保留の入球を契機にトリガ保留の消化時の変動演出も含めて決定されてもよい。一方、第2連続予告演出の場合には、トリガ保留の入球を契機にトリガ保留が消化される前の変動までの変動演出が一括的に決定される一方、トリガ保留の消化時の変動演出はトリガ保留が消化される図柄変動の開始時に決定されてもよい。また、各回の変動演出の内容を個別的に決定する場合、各回の図柄変動の開始時に各回の変動演出の内容が決定されてもよい。
可動役物作動演出は、主に大当りとなることを示唆する演出として用いられ、可動役物を特定色(例えば虹色)に点灯させながら作動させることで、確変を伴う大当りの確定や賞球期待度の高い(ラウンド数の多い)大当りの確定などを示唆する高期待度演出として用いられる。このような可動役物作動演出は、ある演出設定では、大当りとなる図柄の停止後または停止直前にのみ実行されてもよい。一方、別の演出設定では、図柄変動中であっても可動役物作動演出の実行を可能としてもよい。つまり、演出設定に応じて、図柄変動期間の異なるタイミングで可動役物演出が実行され、特定の演出設定では図柄の変動停止に近いタイミングで可動役物演出が実行されてもよい。その他、ある演出設定では、同一変動内で可動役物作動演出が複数回実行されてもよく、スーパーリーチ演出への発展タイミングや当落分岐タイミングにおいて可動役物作動演出が実行されてもよい。一方、別の演出設定では、同一変動内で可動役物作動演出が実行されないか、最大で1回しか実行されなくてもよい。
(特徴C.遊技状態を秘匿、示唆または報知する遊技状態示唆演出)
複数の演出設定間で、遊技状態を秘匿、示唆または報知する遊技状態示唆演出の実行態様を異ならせてもよい。遊技状態を秘匿する演出態様として、例えば、確率変動状態であるか否かを秘匿する潜伏モードが挙げられる。ある演出設定では、特別遊技の終了後に潜伏モードに移行され、確変状態であるか否かが秘匿された状態で遊技が進行する頻度または確率が高く設定され、別の演出設定では、特別遊技の終了後に潜伏モードに移行されないか、移行される頻度または確率が低く設定される。潜伏モードに移行されない場合、特別遊技の終了後の遊技状態が確定的に報知され、確変状態であるか否かが判別可能な態様で遊技が進行してもよい。
また、確変状態や時短状態に複数の終期が設定される場合、その終期を秘匿した状態で遊技が進行するか、その終期を報知した状態で遊技が進行するかの傾向を複数の演出設定間で異ならせてもよい。例えば、確変状態や時短状態の終期を秘匿する場合には、その終期に達するまでにその終期を示唆する遊技状態示唆演出が実行されてもよく、複数の終期のそれぞれに対応する図柄変動(例えば、30回、40回、50回)において確変状態や時短状態が終わるか否かを煽るような遊技状態示唆演出が実行されてもよい。一方、確変状態や時短状態の終期を秘匿しない場合には、その終期に到達するまでの残り変動回数を表示させ、新たな図柄変動が開始されるごとにカウントダウンしていく遊技状態示唆演出を実行してもよい。
(特徴D.演出に登場するキャラクタやステージ)
複数の演出設定間で、演出の主役となるメインキャラクタや、キャラクタの滞在場所などを示すステージ(背景画像)、楽曲(BGM)などを異ならせてもよい。例えば、6人のメインキャラクタが登場する遊技機であれば、設定1〜設定6のそれぞれに異なるメインキャラクタを割り当ててもよい。この場合、特定の設定にすることで、特定のキャラクタのみが固定的に登場するようにしてもよいし、特定のキャラクタの登場確率が高まるようにしてもよい。メインキャラクタと敵キャラクタがバトルする結果に応じて期待度を示唆するバトル演出が実行される場合には、特定の設定にすることで特定の敵キャラクタ(例えばライバルキャラクタ)の登場確率が高まるようにしてもよい。
遊技状態の変化や所定回数の図柄変動(10回や20回)を契機として演出モードやステージが切り替えられる場合、切替後の演出モードやステージにおいて特定のキャラクタが登場する確率を高めてもよい。その他、確率変動状態、入球容易状態、時短状態といった遊技者に有利な遊技状態へ移行された場合に特定のキャラクタに対応する演出モードやステージに必ず移行されるようにしてもよい。逆に、特定の設定にすることで、特定のキャラクタのみが全く登場しないようにしてもよく、特定のキャラクタの登場確率が低くなるようにしてもよい。また、特定のキャラクタに特化しない演出設定が設けられてもよく、複数のキャラクタがランダムに登場するような汎用的な演出設定が設けられてもよい。例えば、通常の営業日では汎用的な演出設定とする一方、イベント日や特定のキャラクタにちなんだ日(誕生日など)には複数台の遊技機を特定のキャラクタに対応する設定に統一するような使い方ができる。
また、複数の演出設定間で、エラー発生時の音声や遊技開始前のメニュー画面の表示態様を異ならせてもよい。例えば、特定の設定にすることで、特定のキャラクタの音声によるエラー報知が出力されるようにしたり、メニュー画面の操作方法を特定のキャラクタの画像や音声で案内したりしてもよい。その他、特定の設定にすることで、特定のキャラクタの装飾図柄を表示させたり、一部の図柄(例えば7)を特定のキャラクタの画像を用いて表示させたりしてもよい。さらに、演出設定に応じて、リーチ演出や予告演出で表示されるキャラクタを異ならせてもよいし、特別遊技中に登場するキャラクタを異ならせてもよい。
さらに、上述の特徴A〜Cと組み合わせることにより、キャラクタに応じて設定示唆演出、予告演出、リーチ演出、遊技状態示唆演出の実行態様を異ならせてもよい。例えば、正義感に溢れるようなキャラクタであれば、設定示唆演出、予告演出、リーチ演出、遊技状態示唆演出などにより示唆される内容の信頼度が高くなるようにしてもよい。一方、悪役キャラクタであれば、設定示唆演出、予告演出、リーチ演出、遊技状態示唆演出などにより示唆される内容の信頼度を低くしたり、これらの示唆演出の実行頻度を下げて秘匿するようにしてもよい。
(特徴E.遊技者による演出傾向の選択可能性)
遊技開始前のメニュー画面や通常遊技中に遊技者による入力操作によって演出傾向を切替または選択できる場合、その切替または選択ができる演出傾向の選択肢の数や種類を複数の演出設定間で異ならせてもよい。例えば、遊技者の入力操作によってメインキャラクタの変更が可能な場合、演出設定に応じて選択可能なキャラクタの種類や数を異ならせてもよい。具体例を挙げれば、設定1ではキャラクタA,Bを選択可能とし、設定2ではキャラクタA,Cを選択可能とし、設定3ではキャラクタD,Eを選択可能とし、設定4ではキャラクタF,Gを選択可能とし、設定5ではキャラクタA,B,Cを選択可能とし、設定6ではキャラクタD,E,F,Gを選択可能としてもよい。また、一部の演出設定において、遊技者による演出傾向の切替または選択を不可としてもよいし、遊技機に用意されている全ての選択肢が選択可能となるようにしてもよい。
(特徴F.計時手段を用いた同調演出)
複数の演出設定間で、計時手段を用いた同調演出の演出傾向を異ならせてもよい。例えば、ある演出設定では同調演出を実行可能とする一方、別の演出設定では同調演出を実行不可としてもよい。また、複数の演出設定間で同調演出にて実行される演出傾向を異ならせてもよい。例えば、設定1ではキャラクタAの同調演出が実行され、設定2ではキャラクタBの同調演出が実行されるように演出内容を異ならせてもよい。演出設定間で同調演出の実行タイミングを異ならせてもよく、例えば、設定1では毎時0分に同調演出が実行され、設定2では毎時30分に同調演出が実行されるようにし、設定3では毎時0分と30分の双方に同調演出が実行されるようにしてもよい。
なお、複数の遊技設定間で上述の特徴A〜Fのいずれか一つについてのみ差を設けてもよいし、特徴A〜Fのうちの二以上について差を設けることで演出傾向のバリエーションを増やしてもよい。また、上述の特徴A〜Fの少なくともいずれかの演出的特徴を異ならせた複数の遊技設定間において、あえて大当り確率を異ならせてもよい。この場合、上述の特徴A〜Fの少なくともいずれかの演出的特徴が異なることによって設定値がいずれであるかが示唆されてもよい。つまり、遊技機の演出傾向の違いそのものが設定示唆演出であってもよい。
また、上述の特徴A〜Fにて示した「設定に応じた演出傾向」は、前提技術2にて示したスロットマシンに適用することも可能であり、カジノやゲームセンタ等に設置されるスロットマシンやゲーミングマシンに適用することも可能である。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
以下、本実施例のいくつの態様を挙げる。
(態様1−1)
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放される大入賞口と、
前記当否判定が所定の結果となる場合、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記大入賞口の開放中に入球不可または入球困難となり、前記大入賞口の閉鎖中に入球可能または入球容易となるよう構成される入球口と、
遊技の有利性が異なりうる複数の遊技仕様に対応する複数の設定のいずれかに変更するための設定変更手段と、
前記設定変更手段により設定された設定値を記憶する記憶手段と、
前記特別遊技の実行中における前記入球口への入球を契機として、前記記憶手段に記憶された設定値を示唆する設定示唆演出を実行可能な演出実行手段と、を備える弾球遊技機。
(態様1−2)
前記設定示唆演出は、前記特別遊技の実行中における前記入球口への入球を契機として取得した抽選値に基づく判定が特定の結果となることを条件として実行されてもよい。
(態様1−3)
前記設定示唆演出は、前記特別遊技の実行中における前記入球口への入球が所定数に達することを契機として実行されてもよい。
(態様2−1)
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放される大入賞口と、
前記当否判定が所定の結果となる場合、前記大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記遊技領域のうち前記大入賞口に入球可能な遊技球の経路上を避けた位置に設けられる入球口と、
遊技の有利性が異なりうる複数の遊技仕様に対応する複数の設定のいずれかに変更するための設定変更手段と、
前記設定変更手段により設定された設定値を記憶する記憶手段と、
前記大入賞口の開放中における前記入球口への入球を契機として、前記記憶手段に記憶された設定値を示唆する設定示唆演出を実行可能な演出実行手段と、を備える弾球遊技機。
(態様2−2)
前記設定示唆演出は、前記大入賞口の開放中における前記入球口への入球を契機として取得される抽選値が所定値となることを条件として実行されてもよい。
(態様2−3)
前記設定示唆演出は、前記大入賞口の開放中に前記入球口への入球が所定数に達することを契機として実行される請求項1に記載の弾球遊技機。
(態様2−4)
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放される大入賞口と、
前記当否判定が所定の結果となる場合、前記大入賞口を開放させる第1単位遊技を行い、前記第1単位遊技にて開放される前記大入賞口内に設けられる特定領域への入球を条件として前記大入賞口を所定の基準時間経過までもしくは所定個数の遊技球入球まで開放可能とする第2単位遊技を所定回数行う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
遊技の有利性が異なりうる複数の遊技仕様に対応する複数の設定のいずれかに変更するための設定変更手段と、
前記設定変更手段により設定された設定値を記憶する記憶手段と、
前記第1単位遊技にて開放される前記大入賞口内の前記特定領域とは異なる領域への入球を契機として、前記記憶手段に記憶された設定値を示唆する設定示唆演出を実行可能な演出実行手段と、を備える弾球遊技機。
(態様2−5)
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、所定条件の充足を条件として開放される大入賞口と、
前記始動口への入球を契機として前記大入賞口を開放させる第1単位遊技を行い、前記第1単位遊技にて開放される前記大入賞口内に設けられる特定領域への入球を条件として前記大入賞口を所定の基準時間経過までもしくは所定個数の遊技球入球まで開放可能とする第2単位遊技を所定回数行う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
遊技の有利性が異なりうる複数の遊技仕様に対応する複数の設定のいずれかに変更するための設定変更手段と、
前記設定変更手段により設定された設定値を記憶する記憶手段と、
前記第1単位遊技にて開放される前記大入賞口内の前記特定領域とは異なる領域への入球を契機として、前記記憶手段に記憶された設定値を示唆する設定示唆演出を実行する演出実行手段と、を備える弾球遊技機。
(態様3−1)
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記始動口への入球を契機として新たに取得される抽選値をその抽選に対応する図柄の変動開始まで保留する保留制御手段と、
前記遊技領域の前記始動口とは異なる位置に設けられる入球口と、
遊技の有利性が異なりうる複数の遊技仕様に対応する複数の設定のいずれかに設定を変更するための設定変更手段と、
前記設定変更手段により設定された設定値を記憶する記憶手段と、
前記保留制御手段に保留される抽選値の保留数が所定数以上である状況下、および、前記図柄の変動停止中であって前記保留制御手段に保留される抽選値の消化による又は前記始動口への入球による前記図柄の新たな変動が開始されない状況下の少なくとも一方における前記始動口または前記入球口への入球を契機として、前記記憶手段に記憶された設定値を示唆する設定示唆演出を実行可能な演出実行手段と、を備える弾球遊技機。
(態様4−1)
所定の遊技動作を契機として、通常遊技より遊技者に有利な特別遊技への移行可否を判定するための抽選を実行する抽選手段と、
前記抽選手段による抽選が前記特別遊技への移行が可能であることを示す結果となって所定条件が満たされた場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
遊技の有利性が異なりうる複数の遊技仕様に対応する複数の設定のいずれかに変更するための設定変更手段と、
前記設定変更手段により設定された設定値を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された設定値に応じた演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記複数の設定として、第1設定と、前記抽選手段による抽選が前記特別遊技への移行が可能であることを示す結果となる確率が前記第1設定と同じである第2設定とがあり、
前記演出実行手段は、前記設定値が前記第1設定である場合、前記設定値が前記第2設定である場合とは異なる態様の演出を実行可能である遊技機。
(態様4−2)
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果が大当りとなる場合、通常遊技よりも遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
遊技の有利性が異なりうる複数の遊技仕様に対応する複数の設定のいずれかに変更するための設定変更手段と、
前記設定変更手段により設定された設定値を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された設定値に応じた演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記複数の設定として、第1設定と、前記当否判定の結果が大当りとなる確率が前記第1設定と同じである第2設定とがあり、
前記演出実行手段は、前記設定値が前記第1設定である場合、前記設定値が前記第2設定である場合とは異なる態様の演出を実行可能である弾球遊技機。
(態様4−3)
前記演出実行手段は、所定条件の充足を契機として、前記記憶手段に記憶された設定値を示唆する設定示唆演出を実行可能であり、
前記演出実行手段は、前記設定値が前記第1設定である場合、前記設定値が前記第2設定である場合とは異なる態様の設定示唆演出を実行可能であってもよい。
(態様4−4)
前記演出実行手段は、前記設定値が前記第1設定である場合、所定条件の充足を契機として、前記記憶手段に記憶された設定値を示唆する設定示唆演出を実行可能とする一方、前記設定値が前記第2設定である場合、設定示唆演出を実行しない請求項1に記載の弾球遊技機。
(態様4−5)
前記複数の設定として、さらに、前記当否判定の結果が大当りとなる確率が前記第1設定と異なる第3設定があり、
前記演出実行手段は、前記設定値が前記第3設定である場合、前記設定値が前記第1設定である場合と共通する態様の演出を実行可能であってもよい。
(態様4−6)
遊技者から複数の演出種類のいずれかを選択する入力操作を受け付ける入力操作手段をさらに備え、
前記演出実行手段は、前記入力操作手段により複数の演出種類のいずれかが選択された場合、選択された演出種類に応じた態様の演出を実行可能であり、
前記設定値が前記第1設定である場合、前記設定値が前記第2設定である場合と比べて、前記入力操作手段により選択可能な演出種類が少なくとも部分的に異なってもよい。
(態様5−1)
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる第1始動口と、
前記遊技領域の前記第1始動口とは異なる位置に設けられ、遊技球の入球容易性を高めるよう作動可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値または前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果が大当りとなる場合、通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記当否判定の結果が大当りとなる確率が通常確率状態よりも高い確率変動状態へ移行させるための条件が充足された場合、前記特別遊技の終了後から第1の終期に達するまで前記確率変動状態へ移行させる確率変動手段と、
前記第2始動口への入球容易性が通常入球状態より高くなるよう前記入球変動機構が作動される入球容易状態へ移行させる条件が充足された場合、前記特別遊技の終了後から第2の終期に達するまで前記入球容易状態へ移行させる入球変動手段と、
遊技の有利性が異なりうる複数の遊技仕様に対応する複数の設定のいずれかに設定を変更するための設定変更手段と、
前記設定変更手段により設定された設定値を記憶する記憶手段と、
前記確率変動状態から前記通常確率状態への移行および前記入球容易状態から前記通常入球状態への移行の少なくとも一方の状態変化がなされ、かつ、所定条件が充足されることを契機として、前記記憶手段に記憶された設定値を示唆する設定示唆演出を実行可能な演出実行手段と、を備える弾球遊技機。
(態様5−2)
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置をさらに備え、
前記演出実行手段は、前記状態変化がなされてから前記図柄が所定回数変動表示されることを契機として設定示唆演出を実行可能であってもよい。
(態様5−3)
前記演出実行手段は、前記確率変動状態への移行後に前記通常確率状態へ移行されることなく前記特別遊技が所定回数実行された後に前記確率変動状態から前記通常確率状態に移行されることを契機として設定示唆演出を実行可能であってもよい。
(態様5−4)
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、所定条件の充足を条件として開放される大入賞口と、
前記遊技領域の前記始動口および前記大入賞口とは異なる位置に設けられる複数の入球口と、
前記当否判定の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記当否判定が所定の結果となることを示す図柄の停止後、前記複数の入球口のいずれかに入球することを条件として、前記大入賞口を開放させる特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
遊技の有利性が異なりうる複数の遊技仕様に対応する複数の設定のいずれかに変更するための設定変更手段と、
前記設定変更手段により設定された設定値を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された設定値を示唆する設定示唆演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記演出実行手段は、前記当否判定が所定の結果となることを示す図柄の停止後に前記複数の入球口のいずれに入球するかに応じて異なる態様の設定示唆演出をその入球後の所定条件の充足を契機として実行する弾球遊技機。
(態様5−5)
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記当否判定の結果に応じて開放される大入賞口と、
前記当否判定の結果が所定の結果となる場合、前記大入賞口を所定の基準時間経過までもしくは所定個数の遊技球入球まで開放可能とする単位遊技を所定回数行う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
遊技の有利性が異なりうる複数の遊技仕様に対応する複数の設定のいずれかに変更するための設定変更手段と、
前記設定変更手段により設定された設定値を記憶する記憶手段と、
前記大入賞口への入球を契機として、前記記憶手段に記憶された設定値を示唆する設定示唆演出を実行可能とする演出実行手段と、を備え、
前記単位遊技にて前記大入賞口が開放されうる期間として、前記所定の基準時間未満の第1期間と、前記第1期間経過後の第2期間とがあり、
前記演出実行手段は、前記単位遊技の前記第2期間に前記大入賞口に入球することを契機として前記設定示唆演出を実行可能である弾球遊技機。
(態様5−6)
前記演出実行手段は、前記単位遊技の前記第1期間に前記大入賞口に入球することを契機として前記設定示唆演出を実行可能であり、
前記単位遊技の前記第1期間に前記大入賞口に入球することを契機として前記設定示唆演出が実行される確率よりも、前記単位遊技の前記第2期間に前記大入賞口に入球することを契機として前記設定示唆演出が実行される確率が高くてもよい。
11 第1始動口、 12 第2始動口、 60 演出表示装置、 80 遊技盤、 81 遊技領域、 210 抽選手段、 213 普図抽選手段、 220 当否判定手段、 230 変動パターン決定手段、 260 特別遊技制御手段、 275 開閉制御手段、 303 演出決定手段、 304 演出制御手段。

Claims (1)

  1. 所定の遊技動作を契機として、通常遊技より遊技者に有利な特別遊技への移行可否を判定するための抽選を実行する抽選手段と、
    前記抽選手段による抽選が前記特別遊技への移行が可能であることを示す結果となって所定条件が満たされた場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
    遊技の有利性が異なりうる複数の遊技仕様に対応する複数の設定のいずれかに変更するための設定変更手段と、
    前記設定変更手段により設定された設定値を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された設定値に応じた演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
    前記複数の設定として、第1設定と、前記抽選手段による抽選が前記特別遊技への移行が可能であることを示す結果となる確率が前記第1設定と同じである第2設定とがあり、
    前記演出実行手段は、前記設定値が前記第1設定である場合、前記設定値が前記第2設定である場合とは異なる態様の演出を実行可能である遊技機。
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