JP2019201879A - 大腰筋領域画定装置および大腰筋領域画定方法 - Google Patents

大腰筋領域画定装置および大腰筋領域画定方法 Download PDF

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【課題】より簡便に断層画像において大腰筋の領域を画定することができる装置および方法を提供する。【解決手段】大腰筋領域画定装置1は、ヒトを含む動物の二次元断層画像または三次元断層画像において大腰筋の領域を画定する装置であって、前処理部11、椎骨領域画定部12、シード点設定部13、筋肉領域画定部14を備える。前処理部11は、X線CT装置等により取得された断層画像に対してノイズ低減処理を行って、SN比が改善された断層画像を作成する。椎骨領域画定部12は、前処理後の画像において椎骨の領域を画定する。シード点設定部13は、椎骨領域画定部12により画定された椎骨の領域に基づいて、前処理後の画像において大腰筋の領域を画定するためのシード点を設定する。筋肉領域画定部14は、動的輪郭法を用いて断層画像においてシード点の周りに大腰筋の領域を画定する。【選択図】図1

Description

本発明は、ヒトを含む動物の二次元断層画像または三次元断層画像において大腰筋の領域を画定する装置および方法に関するものである。
ヒトを含む動物の大腰筋は、体幹と下肢とを繋ぐ筋肉であり、股関節の屈伸および外旋だけでなく、脊椎の生理的湾曲を保持する役割を果たす。大腰筋は腰痛や筋骨格系の疾患に関連があり、大腰筋の筋肉量の低下によって歩行能力の低下が生じる可能性があるとの報告がある。また、大腰筋は、下肢の筋肉より早期に低下を示すとされている。したがって、運動器疾患の予防改善及び運動器の健康維持改善には、大腰筋の筋肉量の減少の早期発見が重要であるとされている。
X線CT(Computed Tomography)装置またはMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置による被験者の断層画像を医師または技師が観察することで、その断層画像において大腰筋領域をマニュアルで画定することができ、そして、その大腰筋領域の面積から大腰筋の筋肉量を推定することができる。しかし、このような医師等によるマニュアルの大腰筋領域の画定は、長時間を要し、また、医師等の熟練を要する。そこで、断層画像において大腰筋領域を画定する技術の自動化が望まれている。
非特許文献1には、X線CT装置による断層画像において大腰筋領域を画定する技術が記載されている。この文献に記載された大腰筋領域画定技術は具体的には次のとおりである。X線CT装置により100人の被験体それぞれの断層画像を取得し、そのうちの20人の断層画像(学習用データ)を大腰筋形状モデルを構築し(ステップA)、その後に、残りの80人の断層画像(検証用データ)および大腰筋形状モデルを用いて各人の大腰筋領域を画定する(ステップB)。
大腰筋形状モデルを構築するステップAでは、医師等は、断層画像(学習用データ)における大腰筋領域をマニュアルでスケッチし、また、大腰筋の起始および停止をマニュアルで決定する。起始は、大腰筋が椎骨(第12胸椎、第1腰椎〜第5腰椎)に繋がる位置である。停止は、大腰筋が大腿骨小転子に繋がる位置である。その後、医師等は、起始と停止とを結ぶ線分を求め、その線分に対して大腰筋の表面の曲線を近似する二次関数式を求めることで、大腰筋形状モデルを構築する。
各人の大腰筋領域を画定するステップBでは、非特許文献2に記載された手法を用いて断層画像(検証用データ)から大腰筋の起始および停止を自動的に決定し、その後、起始と停止とを結ぶ線分を求める。そして、この線分および大腰筋形状モデルを用いてモデルカーブフィッティングを行い、大腰筋領域を画定する。
非特許文献1には、大腰筋形状モデルを用いたモデルカーブフィッティングにより画定された三次元の大腰筋領域R1と、医師等のスケッチにより画定された三次元の大腰筋領域R2との間では、類似度を表すJSC(Jaccard similarity coefficient)の平均値は72.3%であったと記載されている。JSCは、領域R1と領域R2との論理積を、領域R1と領域R2との論理和で除算して得られる値である。JSCが100%に近いほど、領域R1と領域R2との類似度は高い。
非特許文献1に記載された大腰筋領域画定技術は、大腰筋形状モデルを構築するステップAが必要であり、そのステップAでは医師等によるマニュアルの大腰筋領域画定作業等が必要である。また、非特許文献1に記載された大腰筋領域画定技術は、大腰筋の起始および停止の情報が必要であることから、三次元断層画像が必要である。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、より簡便に断層画像において大腰筋の領域を画定することができる装置および方法を提供することを目的とする。
本発明の大腰筋領域画定装置は、動物の二次元断層画像または三次元断層画像において大腰筋の領域を画定する装置であって、動物の椎骨に対して略垂直な二次元断層画像において椎骨の領域を画定する椎骨領域画定部と、椎骨領域画定部により画定された椎骨の領域に基づいて二次元断層画像において大腰筋の領域を画定するためのシード点を設定するシード点設定部と、動的輪郭法を用いて二次元断層画像または三次元断層画像においてシード点の周りに大腰筋の領域を画定する筋肉領域画定部と、を備える。
本発明の大腰筋領域画定装置は、断層画像に対してノイズ低減処理を行う前処理部を更に備え、椎骨領域画定部および筋肉領域画定部それぞれは、前処理部による処理の後の断層画像において領域の画定を行うのが好適である。椎骨領域画定部は、二次元断層画像において横突起および棘突起の形状を消去するのが好適である。
本発明の大腰筋領域画定方法は、動物の二次元断層画像または三次元断層画像において大腰筋の領域を画定する方法であって、動物の椎骨に対して略垂直な二次元断層画像において椎骨の領域を画定する椎骨領域画定ステップと、椎骨領域画定ステップにより画定された椎骨の領域に基づいて二次元断層画像において大腰筋の領域を画定するためのシード点を設定するシード点設定ステップと、動的輪郭法を用いて二次元断層画像または三次元断層画像においてシード点の周りに大腰筋の領域を画定する筋肉領域画定ステップと、を備える。
本発明の大腰筋領域画定方法は、断層画像に対してノイズ低減処理を行う前処理ステップを更に備え、椎骨領域画定ステップおよび筋肉領域画定ステップそれぞれは、前処理ステップによる処理の後の断層画像において領域の画定を行うのが好適である。椎骨領域画定ステップは、二次元断層画像において横突起および棘突起の形状を消去するのが好適である。
本発明によれば、より簡便に断層画像において大腰筋の領域を画定することができる。
図1は、本実施形態の大腰筋領域画定装置1の構成を示す図である。 図2は、本実施形態の大腰筋領域画定方法を説明するフローチャートである。 図3は、X線CT装置により取得された被験体(ヒト)の断層画像(原画像)の例を示す図である。 図4は、前処理ステップS11後の断層画像の例を示す図である。 図5は、椎骨領域画定ステップS12において閾値処理により椎骨領域を抽出した画像の例を示す図である。 図6は、椎骨領域画定ステップS12において横突起および棘突起の形状を消去する途中の画像の例を示す図である。 図7は、椎骨領域画定ステップS12において横突起および棘突起の形状を消去する途中の画像の例を示す図である。 図8は、椎骨領域画定ステップS12において横突起および棘突起の形状を消去した結果の画像の例を示す図である。 図9は、シード点設定ステップS13において前処理後の画像(図4)上にシード点を設定する処理について説明する図である。 図10は、筋肉領域画定ステップS14においてレベルセット法により大腰筋領域を画定した画像の例を示す図である。 図11は、筋肉領域画定ステップS14においてレベルセット法により大腰筋領域を画定した後にクロージング処理をした画像の例を示す図である。 図12は、筋肉領域画定ステップS14においてレベルセット法により大腰筋領域を画定した三次元画像の例を示す図である。 図13は、筋肉領域画定ステップS14においてレベルセット法により大腰筋領域を画定した三次元画像の例を示す図である。 図14は、筋肉領域画定ステップS14においてレベルセット法により大腰筋領域を画定した三次元画像の例を示す図である。 図15は、サンプルAの原画像、動的輪郭法により画定した大腰筋領域の画像、技師スケッチにより画定した大腰筋領域の画像を示す図である。 図16は、サンプルBの原画像、動的輪郭法により画定した大腰筋領域の画像、技師スケッチにより画定した大腰筋領域の画像を示す図である。 図17は、サンプルCの原画像、動的輪郭法により画定した大腰筋領域の画像、技師スケッチにより画定した大腰筋領域の画像を示す図である。 図18は、サンプルDの原画像、動的輪郭法により画定した大腰筋領域の画像、技師スケッチにより画定した大腰筋領域の画像を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1は、本実施形態の大腰筋領域画定装置1の構成を示す図である。本実施形態の大腰筋領域画定装置1は、ヒトを含む動物の二次元断層画像または三次元断層画像において大腰筋の領域を画定する装置であって、前処理部11、椎骨領域画定部12、シード点設定部13、筋肉領域画定部14、記憶部15および表示部16を備える。
前処理部11、椎骨領域画定部12、シード点設定部13および筋肉領域画定部14は、例えばCPU(Central Processing Unit)を備えるコンピュータ等の処理装置であり、記憶部15により記憶されたプログラムおよびデータを用いて断層画像について所要の処理を行う。記憶部15は、例えばハードディスク装置等であり、前処理部11、椎骨領域画定部12、シード点設定部13および筋肉領域画定部14が処理の際に用いるプログラムおよびデータ、処理対象の断層画像データ、処理途中のデータならびに処理結果のデータ等を記憶する。表示部16は、例えば液晶ディスプレイ等であり、処理対象の断層画像、処理途中の断層画像および処理結果の断層画像等を表示する。
図2は、本実施形態の大腰筋領域画定方法を説明するフローチャートである。本実施形態の大腰筋領域画定方法は、ヒトを含む動物の二次元断層画像または三次元断層画像において大腰筋の領域を画定する方法であって、前処理ステップS11、椎骨領域画定ステップS12、シード点設定ステップS13および筋肉領域画定ステップS14を備える。前処理ステップS11は、前処理部11により行われる処理である。椎骨領域画定ステップS12は、椎骨領域画定部12により行われる処理である。シード点設定ステップS13は、シード点設定部13により行われる処理である。筋肉領域画定ステップS14は、筋肉領域画定部14により行われる処理である。
処理対象の断層画像は、大腰筋領域を含む画像である。処理対象の断層画像は、X線CT装置により取得されたものであってもよいし、MRIにより取得されたものであってもよい。処理対象の断層画像は、動物の椎骨に対して略垂直な二次元断層画像(axial断面の画像)であってもよいし、三次元断層画像であってもよい。ただし、処理対象の断層画像が三次元断層画像である場合、椎骨領域画定ステップS12およびシード点設定ステップS13においては、その三次元断層画像に基づいて作成された二次元断層画像について処理を行う。
以下では、各ステップの処理の前後の断層画像の例を示しながら詳細に説明する。以下に示す断層画像は、X線CT装置(SIEMENS Biograph40)により取得された被験体(ヒト)の断層画像(原画像)、または、この原画像に対して所定の処理がなされた後の画像である。図3は、原画像の例を示す図である。この原画像は、被験体の臍の辺りの二次元断層画像である。原画像の画素数は512×512であり、各画素値はCT値を16ビットデータで表したものである。
前処理ステップS11において、前処理部11は、原画像(図3)に対してノイズ低減処理を行って、SN比が改善された断層画像を作成する。このノイズ低減処理で用いるフィルタは、任意でよいが、例えば、ガウシアン・フィルタ(Gaussian Filter)、メディアン・フィルタ(Median Filter)、ガイディド・フィルタ(Guided Filter)またはノンローカル・ミーンズ・フィルタ(Non-Local Means Filter)を用いることができる。なお、原画像のSN比が良好であって、原画像のノイズが以降の処理において問題が生じない程度であれば、前処理ステップS11においてノイズ低減処理を行わなくてもよい。また、原画像の各画素値のビット数が多いことにより以降の処理の負荷が大きい場合には、前処理ステップS11において各画素値のビット数を小さくする処理をしてもよい。
図4は、前処理ステップS11後の断層画像の例を示す図である。この前処理後の画像(図4)は、原画像(図3)に対して、各画素値のビット数を16から8へ変換した後、メディアン・フィルタによりノイズ低減処理をしたものである。
椎骨領域画定ステップS12において、椎骨領域画定部12は、前処理後の画像(図4)において椎骨の領域を画定する。椎骨領域の画定に際しては、前処理後の画像(図4)において、椎骨領域の画素値が他の領域の画素値と比べて大きいことを利用して、或る閾値より画素値が大きい高輝度領域を椎骨領域とする。また、被験者によって横突起および棘突起の形状が異なることから、椎骨領域画定部12は、横突起および棘突起の形状を消去するのが好ましい。横突起および棘突起の形状の消去は、最大値フィルタおよび最小値フィルタを用いてクロージングおよびオープニング処理を行うことにより可能である。
図5は、椎骨領域画定ステップS12において閾値処理により椎骨領域を抽出した画像の例を示す図である。各画素値のビット数が8であって画素値が0〜255の範囲であるのに対して、閾値を175とした。この閾値より画素値が大きい高輝度領域を椎骨領域として抽出した。
図6〜図8は、椎骨領域画定ステップS12において横突起および棘突起の形状を消去する途中および結果の画像の例を示す図である。図6は、骨抽出画像(図5)に対して最大値フィルタ(Radius=5.0)を施した後の画像である。図7は、図6の画像に対して最小値フィルタ(Radius=20.0)を施した後の画像である。図8は、図7の画像に対して最大値フィルタ(Radius=15.0)を施した後の画像である。図8に示される画像において、横突起および棘突起の形状が消去された後の椎骨領域が高輝度領域として示されている。また、図8に示される画像において、X線CT装置による断層画像の取得の際に被験体が寝かされていた寝台部の像も消去されている。
シード点設定ステップS13において、シード点設定部13は、椎骨領域画定部12により画定された椎骨の領域に基づいて、前処理後の画像(図4)において大腰筋の領域を画定するためのシード点を設定する。解剖学的に大腰筋領域は椎骨領域に対して左右双方に存在するので、二次元断層画像において椎骨領域の外縁から左右に一定距離だけ離れた位置にシード点を設定する。
図9は、シード点設定ステップS13において前処理後の画像(図4)上にシード点を設定する処理について説明する図である。図中の矩形は、椎骨領域画定部12により画定された椎骨領域に外接する。図中の2つの円形は、椎骨領域の外縁(椎骨領域に外接する矩形)から左右に一定距離だけ離れた位置に設定されたシード点を示す。
筋肉領域画定ステップS14において、筋肉領域画定部14は、動的輪郭法(Active contour method)を用いて断層画像においてシード点の周りに大腰筋の領域を画定する。動的輪郭法は、逐次計算により物体の輪郭を抽出する手法である。動的輪郭法は、画像中の物体輪郭に最も近い形状において最小となるエネルギー関数等を定義(モデル化)し、エネルギー最小化問題として解く。動的輪郭法としては、スネーク(Snake)法およびレベルセット(Level set)法が知られている。レベルセット法は、画像において輝度に高低差がある位置を認識し、隣接する画素の間の輝度の差分を偏微分方程式をベースに解いていく手法である。レベルセット法では、輪郭の曲率の状態(収縮、膨張、曲率変化等)を解く問題であり、領域の分離、結合を自然な形で表現できる。
また、筋肉領域画定部14は、動的輪郭法により画定された大腰筋領域についてクロージング処理をしてもよい。動的輪郭法により画定された大腰筋領域では、その内部に空洞(筋肉が存在しないとされる領域)が生じる場合があるが、実際には、そのような空洞は存在しない。そこで、クロージング処理をすることで空洞を埋めて、大腰筋領域の外縁で囲まれる領域の全体が大腰筋領域であるとすることができる。
図10は、筋肉領域画定ステップS14においてレベルセット法により大腰筋領域を画定した画像の例を示す図である。図中の2つの矢印が指し示す領域が、筋肉領域画定ステップS14において前処理後の画像(図4)上で画定された大腰筋領域である。
図11は、筋肉領域画定ステップS14においてレベルセット法により大腰筋領域を画定した後にクロージング処理をした画像の例を示す図である。この図において、大腰筋領域高輝度領域として示されている。
このようにして大腰筋領域の外縁が分かれば、大腰筋の断面積を求めることができる。また、二次元断層画像が表す被験体の位置(起始と停止との間における位置)が分かれば、大腰筋の筋肉量を評価することができる。本実施形態によれば、より簡便に断層画像において大腰筋の領域を画定することができる。
筋肉領域画定ステップS14において、筋肉領域画定部14は、動的輪郭法を用いて三次元断層画像においてシード点の周りに大腰筋の領域を画定することもできる。図12〜図14は、筋肉領域画定ステップS14においてレベルセット法により大腰筋領域を画定した三次元画像の例を示す図である。図12は、体軸断面(axial断面)を示す。図13は、矢状断面(sagittal断面)を示す。図14は、冠状断面(coronal断面)を示す。これらの図において、矢印が指し示す領域が、画定された大腰筋領域である。このように動的輪郭法を用いて三次元断層画像において大腰筋の領域を画定することにより、より正確に大腰筋の筋肉量を評価することができる。
次に、4人の健常者を被験体としてX線CT装置(SIEMENS Biograph40)により取得した二次元断層画像を用いて行った検証の結果について説明する。4つの断層画像のサンプルA〜Dそれぞれについて、上記のようにして動的輪郭法により大腰筋領域を画定するとともに、技師のスケッチにより大腰筋領域を画定して、両者間の類似度を表すJSCを求めた。
図15は、サンプルAの原画像、動的輪郭法により画定した大腰筋領域の画像、技師スケッチにより画定した大腰筋領域の画像を示す図である。図16は、サンプルBの原画像、動的輪郭法により画定した大腰筋領域の画像、技師スケッチにより画定した大腰筋領域の画像を示す図である。図17は、サンプルCの原画像、動的輪郭法により画定した大腰筋領域の画像、技師スケッチにより画定した大腰筋領域の画像を示す図である。図18は、サンプルDの原画像、動的輪郭法により画定した大腰筋領域の画像、技師スケッチにより画定した大腰筋領域の画像を示す図である。図15〜図18それぞれにおいて、(a)は原画像を示し、(b)は動的輪郭法により画定した大腰筋領域の画像を示し、(c)は技師スケッチにより画定した大腰筋領域の画像を示す。
4つの断層画像のサンプルA〜DそれぞれのJSCは、86.0%、89.8%、81.2%、88.0%であった。JSCの平均値は86.3%であった。本実施例のJSCの平均値は、非特許文献1に記載された技術におけるJSCの平均値72.3%と比べて高い。本実施形態は、学習用データを用意する必要がなく、大腰筋形状モデルを構築する必要がないので、より簡便に断層画像において大腰筋の領域を画定することができる。また、本実施形態は、二次元断層画像においても大腰筋の領域を画定することができ、この点でも簡便である。
高齢化を迎えた社会において要支援・要介護の予防は急務である。要支援・要介護の原因の約25%は、関節疾患、転倒・骨折、骨粗鬆症などの運動器疾患によるものとされている。それ故、運動器疾患の予防改善及び運動器の健康維持改善が求められている。運動器疾患の中でも腰痛の有訴者率は、男性では第1位、女性では第2位と高いことが示されている。大腰筋は、腰痛の原因を明らかにするための重要な因子であり、歩行や転倒と関連することが示されている。
本実施形態では、より簡便に断層画像において大腰筋の領域を画定することができ、大腰筋の筋肉量の減少を早期に発見することができる。大腰筋は下肢の筋肉より早期に低下を示すとされている。大腰筋領域の画定に基づく大腰筋の筋肉量と腰部運動器疾患との間の関連性を明らかにすることで、腰部運動器疾患の発症予測が可能となることが期待される。また、取得した推定筋肉量を被験者の健康診断結果にフィードバックすることで、被験者に有益な情報を提供することができる。
1…大腰筋領域画定装置、11…前処理部、12…椎骨領域画定部、13…シード点設定部、14…筋肉領域画定部、15…記憶部、16…表示部。

Claims (6)

  1. 動物の二次元断層画像または三次元断層画像において大腰筋の領域を画定する装置であって、
    前記動物の椎骨に対して略垂直な二次元断層画像において前記椎骨の領域を画定する椎骨領域画定部と、
    前記椎骨領域画定部により画定された椎骨の領域に基づいて前記二次元断層画像において大腰筋の領域を画定するためのシード点を設定するシード点設定部と、
    動的輪郭法を用いて前記二次元断層画像または前記三次元断層画像において前記シード点の周りに大腰筋の領域を画定する筋肉領域画定部と、
    を備える大腰筋領域画定装置。
  2. 断層画像に対してノイズ低減処理を行う前処理部を更に備え、
    前記椎骨領域画定部および前記筋肉領域画定部それぞれは、前記前処理部による処理の後の断層画像において領域の画定を行う、
    請求項1に記載の大腰筋領域画定装置。
  3. 前記椎骨領域画定部は、前記二次元断層画像において横突起および棘突起の形状を消去する、
    請求項1または2に記載の大腰筋領域画定装置。
  4. 動物の二次元断層画像または三次元断層画像において大腰筋の領域を画定する方法であって、
    前記動物の椎骨に対して略垂直な二次元断層画像において前記椎骨の領域を画定する椎骨領域画定ステップと、
    前記椎骨領域画定ステップにより画定された椎骨の領域に基づいて前記二次元断層画像において大腰筋の領域を画定するためのシード点を設定するシード点設定ステップと、
    動的輪郭法を用いて前記二次元断層画像または前記三次元断層画像において前記シード点の周りに大腰筋の領域を画定する筋肉領域画定ステップと、
    を備える大腰筋領域画定方法。
  5. 断層画像に対してノイズ低減処理を行う前処理ステップを更に備え、
    前記椎骨領域画定ステップおよび前記筋肉領域画定ステップそれぞれは、前記前処理ステップによる処理の後の断層画像において領域の画定を行う、
    請求項4に記載の大腰筋領域画定方法。
  6. 前記椎骨領域画定ステップは、前記二次元断層画像において横突起および棘突起の形状を消去する、
    請求項4または5に記載の大腰筋領域画定方法。
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