JP2019199036A - ガラス樹脂積層体の製造方法及びガラス樹脂積層体 - Google Patents

ガラス樹脂積層体の製造方法及びガラス樹脂積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】端面の外観の品位を向上させることが可能な、ガラス樹脂積層体の製造方法の提供。【解決手段】樹脂層3の端面3cに加工跡M1が残存するガラス樹脂積層体2を用意する準備工程と、樹脂層3の端面3cから加工跡M1を除去する除去工程と、樹脂層3の端面3cに鏡面加工を施す鏡面加工工程とを備える、樹脂層3とガラスシート4A、4Bを接着層5A,5Bを介して積層してなるガラス樹脂積層体2の製造方法。【選択図】図6

Description

本発明は、樹脂層とガラスシートとを積層してなるガラス樹脂積層体及びその製造方法に関する。
樹脂層とガラスシートとを積層してなるガラス樹脂積層体は、ガラスに由来する高硬度、高耐久性、高気密性、ガスバリヤ性および高級感などといった諸特性と、樹脂に由来する軽量性や高耐衝撃性などといった諸特性とを兼ね備えている(特許文献1参照)。したがって、ガラス樹脂積層体は、フラットパネルディスプレイ、携帯用電子デバイス、太陽電池などの電気・電子機器のパネル材料に限らず、各種車両の構造体や建築物の構造体のパネル材料としても普及しつつある。
例えば、オフィスビル等の出入口に設置されるセキュリティゲートには、通路を開閉するフラップドアが設けられている(特許文献2参照)。近年では、保安性(耐衝撃性)や意匠性に優れたガラス樹脂積層体がこのフラップドアに使用される傾向にある。
特開2013−107245号公報 特開2017−90880号公報
セキュリティゲートのフラップドアにガラス樹脂積層体を用いる場合、その端面が露出した状態でゲートに設置されることになる。したがって、フラップドアの全体の意匠性を高めるには、ガラス樹脂積層体の表面だけでなく、端面の外観の品位を向上させる必要がある。
本発明は上記の事情に鑑みて為されたものであり、端面の外観の品位を向上させることが可能なガラス樹脂積層体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、樹脂層とガラスシートとを接着層を介して積層してなるガラス樹脂積層体の製造方法において、前記樹脂層の端面に加工跡が残存する前記ガラス樹脂積層体を用意する準備工程と、前記端面から前記加工跡を除去する除去工程と、前記端面に鏡面加工を施す鏡面加工工程と、を備えることを特徴とする。
上記のように、ガラス樹脂積層体に係る樹脂層の端面に残存する加工跡を除去工程により除去した後に、鏡面加工工程において当該端面を鏡面化させることで、ガラス樹脂積層体の端面の外観の品位を大幅に向上させることができる。
前記準備工程は、樹脂層とガラスシートとを接着層を介して積層してなるマザーガラス樹脂積層体を切断して前記ガラス樹脂積層体を形成する切断工程を備えることが望ましい。樹脂層とガラスシートとが積層化されたマザーガラス樹脂積層体を切断工程によって切断することで、ガラス樹脂積層体を所望の形状に効率良く形成できる。
前記加工跡は、前記ガラス樹脂積層体の厚さ方向に沿って形成される筋目を有しており、前記除去工程では、前記筋目に交差する方向に除去具を移動させることにより前記樹脂層の前記端面から前記加工跡を除去することが望ましい。これにより、加工跡の筋目を効率良く除去できる。
前記除去具は、切削工具を含むことが望ましく、或いは研削工具を含んでいてもよい。これにより、樹脂層の端面に残存する加工跡を効率良くかつ確実に除去できる。
また、本方法は、前記除去工程によって前記加工跡が除去された後に、前記除去具によって前記樹脂層の前記端面に形成された第二の加工跡を除去する研磨工程を備えることが望ましい。これにより、樹脂層の端面を可及的に平滑化できる。
また、前記鏡面加工工程では、バーナの火炎により前記樹脂層の前記端面を加熱することが望ましい。このように、樹脂層の端面を加熱して軟化させることで、当該端面を好適に鏡面化させることが可能になる。
上記の製造方法において、前記樹脂層は、第一の面と第二の面とを備え、前記ガラスシートは、前記樹脂層の前記第一の面に接合される第一ガラスシートと、前記樹脂層の前記第二の面に接合される第二ガラスシートとを含み、前記接着層は、前記第一ガラスシートを前記樹脂層の前記第一の面に接合する第一接着層と、前記第二ガラスシートを前記樹脂層の前記第二の面に接合する第二接着層とを含み、前記樹脂層の厚さは、前記第一ガラスシートの厚さと前記第二ガラスシートの厚さを加えた厚さよりも厚く、前記鏡面加工工程では、前記バーナの前記火炎によって前記樹脂層の前記端面のみを加熱することが望ましい。
かかる構成によれば、樹脂層の第一面と第二面の両面にガラスシートを接合し、かつガラス樹脂積層体の厚さ方向の中央部(第一ガラスシートと第二ガラスシートとの間)に位置する樹脂層の端面のみを鏡面化することで、当該ガラス樹脂積層体の端面の外観を効率的に高品位なものにできる。すなわち、樹脂層の厚さは、第一ガラスシートの厚さと第二ガラスシートの厚さを加えた厚さよりも厚いため、ガラス樹脂積層体の端面の外観には、専ら樹脂層の端面の品位が寄与することとなる。一方、第一ガラスシート、及び、第二ガラスシートは、厚さが薄いため、第一ガラスシート及び第二ガラスシートの端面の品位は、ガラス樹脂積層体の端面の外観に影響を与え難い。従って、樹脂層の端面のみを鏡面化することで、ガラス樹脂積層体における端面の外観の品位を効率的に向上させることができる。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、樹脂層とガラスシートとを接着層を介して積層してなるガラス樹脂積層体において、前記樹脂層の厚さは、前記ガラスシートの厚さよりも厚く、前記ガラスシートの端面が非鏡面であり、前記樹脂層の端面が鏡面であることを特徴とする。かかる構成によれば、樹脂層の端面を鏡面とすることで、ガラス樹脂積層体における端面の外観の品位を効率的に向上させることができる。
本発明によれば、ガラス樹脂積層体の端面の外観の品位を向上させることが可能である。
ガラス樹脂積層体の製造方法を示すフローチャートである。 マザーガラス樹脂積層体の一部を示す側面図である。 切断装置を示す斜視図である。 準備工程を示す平面図である。 準備工程により形成されたガラス樹脂積層体の平面図である。 準備工程により形成されたガラス樹脂積層体の端面を示す部分側面図である。 面取工程を示す平面図である。 面取工程を示す側面図である。 面取工程を示す側面図である。 面取工程後のガラス樹脂積層体を示す部分断面図である。 除去工程を示す平面図である。 除去工程を示す側面図である。 除去工程を示す側面図である。 研磨工程を示す側面図である。 研磨工程を示す側面図である。 鏡面加工工程を示す平面図である。 鏡面加工工程を示す側面図である。 鏡面加工工程を示す側面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。図1乃至図18は、本発明に係るガラス樹脂積層体及びその製造方法の一実施形態を示す。
図1に示すように、本方法は、準備工程S1と、面取工程S2と、除去工程S3と、研磨工程S4と、鏡面加工工程S5とを備える。
図2乃至図5に示すように、準備工程S1は、マザーガラス樹脂積層体1を切断してガラス樹脂積層体2を形成する切断工程を含む。図2に示すように、マザーガラス樹脂積層体1は、樹脂層3とガラスシート4A,4Bとを接着層5A,5Bで接合することにより構成される。
樹脂層3は、第一の面3aと、第二の面3bと、第一の面3aと第二の面3bとの間に形成される端面3cとを有する。樹脂層3は、第一の面3aと第二の面3bとがほぼ同じ面積を有する樹脂製の板により構成される。樹脂層3の厚さは、1mm以上50mm以下とされ、より好ましくは3mm以上20mm以下とされ、最も好ましくは5mm以上15mm以下とされる。
樹脂層3は、ポリカーボネートにより構成されるが、これに限らず、ポリメタアクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンナフタレート等の各種樹脂材料により構成され得る。
ガラスシート4A,4Bは、第一ガラスシート4Aと第二ガラスシート4Bとを含む。各ガラスシート4A,4Bは、樹脂層3の各面3a,3bに接合される第一の面4aと、この第一の面4aとは反対側に位置する第二の面4bと、第一の面4aと第二の面4bとの間に形成される端面4cとを有する。
各ガラスシート4A,4Bは、樹脂層3よりも薄板のものが好適に使用される。更に、各ガラスシート4A,4Bの夫々の厚さを加えた厚さが、樹脂層3の厚さよりも薄いことが好ましい。各ガラスシート4A,4Bの厚さは、1000μm以下とされ、好ましくは50μm以上700μm以下とされ、最も好ましくは200μm以上500μm以下とされる。
ガラスシート4A,4Bの材料としては、ケイ酸塩ガラス、シリカガラスが用いられ、好ましくはホウ珪酸ガラス、ソーダライムガラス、アルミノ珪酸塩ガラス、化学強化ガラスが用いられ、最も好ましくは無アルカリガラスが用いられる。ここで、無アルカリガラスとは、アルカリ成分(アルカリ金属酸化物)が実質的に含まれていないガラスのことであって、具体的には、アルカリ成分の重量比が3000ppm以下のガラスのことである。本発明におけるアルカリ成分の重量比は、好ましくは1000ppm以下であり、より好ましくは500ppm以下であり、最も好ましくは300ppm以下である。
ガラスシート4A,4Bは、公知のフロート法、ロールアウト法、スロットダウンドロー法、リドロー法等を使用することで成形できるが、オーバーフローダウンドロー法によって成形されていることが好ましい。
接着層5A,5Bは、樹脂層3と第一ガラスシート4Aとを接合する第一接着層5Aと、樹脂層3と第二ガラスシート4Bとを接合する第二接着層5Bとを含む。各接着層5A,5Bは、樹脂層3に接触する第一の面5aと、ガラスシート4A,4Bに接触する第二の面5bと、第一の面5aと第二の面5bの間に形成される端面5cとを備える。各接着層5A,5Bの厚さは、1μm以上1000μm以下とされることが好ましい。
接着層5A,5Bとしては、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)、及びUV硬化樹脂が好適に使用され得るが、その他に、アクリル系粘着剤、ウレタン系接着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、紫外線硬化性アクリル系接着剤、紫外線硬化性エポキシ系接着剤、熱硬化性エポキシ系接着剤、熱硬化性メラミン系接着剤、熱硬化性フェノール系接着剤等が使用され得る。
図3は、準備工程S1において使用される切断装置6を示す。本実施形態では、切断装置6としてアブレイシブ型ウォータジェット加工装置を例示する。切断装置6は、マザーガラス樹脂積層体1が設置される固定台7と、噴射ノズル8と、噴射ノズル8に高圧水W1を供給する高圧水供給装置9と、噴射ノズル8に砥粒AGを供給する砥粒供給サイロ10とを主に備える。
固定台7には緩衝材11が配置されている。緩衝材11は発泡ポリエチレン等の材料によりシート状に構成される。切断対象であるマザーガラス樹脂積層体1は、この緩衝材11上に設置される。
噴射ノズル8は、下方を向いた状態で、固定台7の上方に配置されている。噴射ノズル8は、駆動機構により上下方向及び水平方向に移動可能に構成される。噴射ノズル8は、高圧水供給装置9から供給される高圧水W1と、砥粒供給サイロ10から供給される砥粒AGとを混合してなる高圧混合水W2をマザーガラス樹脂積層体1に向かって噴射する。
準備工程S1では、図3及び図4に示すように、噴射ノズル8から高圧混合水W2を噴射し、当該高圧混合水W2をマザーガラス樹脂積層体1に貫通させる。この状態で噴射ノズル8を移動させ、マザーガラス樹脂積層体1に設定される切断予定線CLに沿って高圧混合水W2を走査することで、当該マザーガラス樹脂積層体1を切断する。これにより、図5に示すように、所定形状のガラス樹脂積層体2が形成される。ガラス樹脂積層体2は、マザーガラス樹脂積層体1と同様に、樹脂層3と、ガラスシート4A,4Bと、接着層5A,5Bとにより構成される。
本実施形態では、オフィスビル等の出入口に設置されるセキュリティゲートのフラップドアに使用されるガラス樹脂積層体2を例示するが、当該ガラス樹脂積層体2の用途はこれに限定されるものではない。ガラス樹脂積層体2は、長方形状に構成されるとともに、その一辺に凹部2aを有する。
図6は、準備工程S1の直後におけるガラス樹脂積層体2の端面2b(切断面)を示す。ガラス樹脂積層体2の端面2bは、樹脂層3の端面3c、各ガラスシート4A,4Bの端面4c及び各接着層5A,5Bの端面5cにより構成される。端面2bには、切断装置6の高圧混合水W2がマザーガラス樹脂積層体1を貫通することにより、ハキメと呼ばれる加工跡(以下「第一の加工跡」という)M1が残存する。第一の加工跡M1は、図6に示すように、ガラス樹脂積層体2の厚さ方向TDに沿って直線状に構成される筋目である。第一の加工跡M1は、ガラス樹脂積層体2の端面2bの全周に亘って複数の筋目を含む。
図7乃至図9に示すように、面取工程S2では、研削工具12によってガラス樹脂積層体2の端面2bをその全周に亘って加工する。図7及び図8に示すように、研削工具12は、断面V字状の研削面12aを有する回転工具により構成される。研削工具12としては、ダイヤモンド砥石等の研削砥石が好適に使用される。面取工程S2では、研削工具12をその軸心回りに回転させながら、その研削面12aをガラス樹脂積層体2の端面2bに押し付けることにより、当該端面2bの一部を研削する(図9参照)。
図10は、面取工程S2後におけるガラス樹脂積層体2の一部を示す。面取工程S2により、樹脂層3の端面3cには、厚さ方向TDの中央領域に形成される第一端面3c1と、厚さ方向TDにおける第一端面3c1の各端部に繋がる第二端面3c2とが形成される。第一端面3c1は、面取工程S2において研削工具12による研削加工が施されていない部分である。したがって、第一端面3c1には準備工程S1で形成された第一の加工跡M1が残存する。第二端面3c2は、面取工程S2によって新たに形成された傾斜面である。第一端面3c1及び第二端面3c2は、各ガラスシート4A,4Bの端面4cから突出(露出)した状態となっている。
図10に示すように、各ガラスシート4A,4Bには、研削工具12の研削加工によって新たな端面4cが形成される。各端面4cは、樹脂層3の第二端面3c2と面一に構成される傾斜面である。同様に、各接着層5A,5Bには、研削工具12の研削加工によって新たな傾斜状の端面5cが形成される。
図11に示すように、除去工程S3では、樹脂層3の第一端面3c1に残存する第一の加工跡M1を除去具13によって除去する。除去具13としては、例えば切削工具14や研削工具15が使用される。
切削工具14としては、例えば超硬刃を備えた工具が使用されるが、この構成に限定されない。除去工程S3では、切削工具14の超硬刃を樹脂層3の第一端面3c1に接触させた状態で、当該切削工具14を第一の加工跡M1の筋目に交差する方向、例えば厚さ方向TDに直交する方向(以下「周方向」という)CDに移動させることで、第一の加工跡M1を除去する(図11参照)。
研削工具15としては、フラップホイルを有するエアーハンドグラインダが好適に使用される。フラップホイルとしては、複数のダイヤモンドシートによるもの、或いは複数のダイヤモンドシートと複数のSiCシートを交互に配置したもの等が好適に使用される。研削工具15は、切削工具14による加工が困難な部位、例えば凹部2aを加工する場合に使用される。
図12及び図13に示すように、除去工程S3では、研削工具15のフラップホイルを回転させながら凹部2aを構成する樹脂層3の第一端面3c1に接触させ、当該フラップホイルを第一の加工跡M1の筋目に交差する方向(例えば周方向CD)に移動させる。これにより、凹部2aに対応する第一端面3c1から第一の加工跡M1が除去される。
上記のように除去工程S3を行うと、準備工程S1において形成された第一の加工跡M1が除去されるが、樹脂層3の第一端面3c1には、切削工具14及び研削工具15の加工によって第二の加工跡M2が新たに形成される。図13に示すように、第二の加工跡M2は、準備工程S1で形成された第一の加工跡M1よりも長さ寸法が小さな複数の筋目を含む。第二の加工跡M2に係る筋目は、除去具13(切削工具14及び研削工具15)の移動方向、すなわち周方向CDに沿って第一端面3c1に形成される。
図14及び図15に示すように、研磨工程S4では、研磨工具16によって樹脂層3の第一端面3c1から第二の加工跡M2を除去する。研磨工具16としては、不織布により構成されるホイルを有するエアーハンドグラインダが好適に使用される。ホイルとしては、ポリライト(登録商標)ホイルが好適に使用される。
研磨工程S4では、研磨工具16のホイルを回転させながら第一端面3c1に接触させ、周方向CDに沿って移動させる。これにより、第一端面3c1はその全周に亘って研磨加工される。研磨工程S4を行うと、第二の加工跡M2が除去されるが、第一端面3c1には、研磨加工によって、第二の加工跡M2よりも寸法が小さな第三の加工跡M3が形成される(図15参照)。第三の加工跡M3は、極微小な複数の凹凸を含む。
図16乃至図18に示すように、鏡面加工工程S5では、バーナ17a,17bの火炎F1,F2により樹脂層3の第一端面3c1及び第二端面3c2を加熱して鏡面化(艶出し)させる。ここで、「鏡面」とは、算術平均粗さRaが300nm以下である面をいう。なお、「非鏡面」とは、算術平均粗さRaが300nmを超える面をいう。
鏡面加工工程S5は、第一バーナ17aの第一の火炎F1による第一鏡面加工工程と、第二バーナ17bの第二の火炎F2による第二鏡面加工工程とを備える。
図17に示すように、第一鏡面加工工程では、第一バーナ17aの第一の火炎F1によって、樹脂層3の第一端面3c1及び第二端面3c2をその全周に亘って順次加熱する。すなわち、第一バーナ17aの第一の火炎F1を第一端面3c1及び第二端面3c2に接触させ、当該各端面3c1,3c2を軟化させる。この軟化により、第一端面3c1は、第三の加工跡M3が除去された鏡面となる。同様に、第二端面3c2も軟化によって鏡面化する。この動作を繰り返しながら第一バーナ17aを周方向CDに移動させることで、第一端面3c1及び第二端面3c2をその全周(全面)に亘って鏡面化させることができる。第一バーナ17aの移動速度は、0.3m/分以上10m/分以下とされることが好ましい。
なお、第一バーナ17aの第一の火炎F1は、幅寸法D1(最大幅)を有する。第一の火炎F1の幅寸法D1は、樹脂層3の厚さ寸法よりも小さく設定されることが望ましい。
図18に示すように、第二鏡面加工工程では、第一鏡面加工工程後に、第二バーナ17bの第二の火炎F2によって、樹脂層3の第一端面3c1をその全周に亘って加熱する。第二の火炎F2は、第一の火炎F1の幅寸法D1よりも小さな幅寸法D2を有する。第二鏡面加工工程においても、第二の火炎F2を第一端面3c1に接触させ、当該第一端面3c1を軟化させる。第二鏡面加工工程により、樹脂層3の第一端面3c1は、さらに平滑化された鏡面となる。第二バーナ17bの移動速度は、0.3m/分以上10m/分以下とされることが好ましい。
なお、各ガラスシート4A,4Bの端面4cに対しては、鏡面加工工程S5を実行しなくともよい。すなわち、各ガラスシート4A,4Bの端面4cは非鏡面とされる。ガラスシート4A,4Bの厚さ寸法が樹脂層3の厚さ寸法よりも小さいため、各ガラスシート4A,4Bの端面4cがガラス樹脂積層体2の端面2bに占める割合は小さい。加えて、ガラスシート4A,4Bの端面4cは、面取工程S2によって、強度の観点から十分な品位が確保される。したがって、ガラスシート4A,4Bの端面4cは、非鏡面であってもガラス樹脂積層体2の端面2bの美観を損なうことはない。
以上説明した本実施形態に係るガラス樹脂積層体2の製造方法によれば、準備工程S1で用意されたガラス樹脂積層体2に残存する第一の加工跡M1を除去工程S3によって樹脂層3から除去した後に、鏡面加工工程S5によって当該樹脂層3の第一端面3c1及び第二端面3c2を鏡面化することで、ガラス樹脂積層体2の端面2bの外観を高品位なものにできる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態では、鏡面加工工程S5において、バーナ17a,17bの火炎F1,F2によって樹脂層3の端面3c(第一端面3c1及び第二端面3c2)を加熱する例を示したが、本発明はこの構成に限定されない。鏡面加工工程S5は、第一バーナ17aの第一の火炎F1によって樹脂層3の第一端面3c1のみを加熱し、第二バーナ17bの第二の火炎F2による樹脂層3の第二端面3c2の加熱を省略しても良い。この場合、面取工程S2で使用する研削工具12の研削面12aの角度を適宜調節することで、第二端面3c2の厚さ方向TDの幅を可及的に小さくし、第一端面3c1の幅を可及的に大きくすることが好ましい。第二端面3c2の幅を小さくすれば、鏡面化していなくても、ガラス樹脂積層体2の端面2bの外観に与える影響は小さいものとなる。
上記の実施形態では、鏡面加工工程S5において、バーナ17a,17bの火炎F1,F2によって樹脂層3の端面3c(第一端面3c1及び第二端面3c2)を加熱する例を示したが、本発明はこの構成に限定されない。鏡面加工工程S5は、表面処理剤を端面3cに塗布し、当該端面3cを溶かすことで鏡面化させてもよい。表面処理剤としては、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等の溶剤が好適に使用され得る。
上記の実施形態では、準備工程S1において、ウォータジェット加工装置からなる切断装置6によってマザーガラス樹脂積層体1を切断する例を示したが、これに限らず、例えば、エンドミルやホイルカッタ(丸ノコ)等の切断工具を用いてマザーガラス樹脂積層体1からガラス樹脂積層体2を切り出してもよい。なお、ホイルカッタによってマザーガラス樹脂積層体1を切断すると、その切断面には、厚さ方向TDに対して傾斜状の筋目を有する第一の加工跡M1が残存することになる。このような場合であっても、第一の加工跡M1の筋目に交差する方向(例えば周方向CD)に除去具13(切削工具14又は研削工具15)を移動させることで(除去工程S3)、当該第一の加工跡M1を効率良く除去できる。
上記の実施形態では、準備工程S1においてマザーガラス樹脂積層体1を切断することで、その端面2b(第一端面3c1)に第一の加工跡M1が残存するガラス樹脂積層体2を形成する例を示したが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、準備工程S1において、ガラス樹脂積層体2は、マザー樹脂板から所定形状に切断されてなる樹脂層3(樹脂板)と、マザーガラスシートから切断された所定形状のガラスシート4A,4Bとを接着層5A,5Bで接合することにより構成してもよい。この場合においても、マザー樹脂板を切断したときに樹脂層3の端面3cに形成される加工跡を除去し、当該端面3cを鏡面化できる。
上記の実施形態では、面取工程S2において、断面V字状の研削面12aを有する回転工具により構成されている研削工具12を使用して、ガラス樹脂積層体2の端面2bの加工を行う例を示したが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、研削工具12として、ディスクグラインダを使用して、ガラス樹脂積層体2の端面2bの加工を行ってもよい。
1 マザーガラス樹脂積層体
2 ガラス樹脂積層体
3 樹脂層
3a 樹脂層の第一の面
3b 樹脂層の第二の面
3c 樹脂層の端面
3c1 樹脂層の第一端面
3c2 樹脂層の第二端面
4A 第一ガラスシート
4B 第二ガラスシート
4c ガラスシートの端面
5A 第一接着層
5B 第二接着層
13 除去具
14 切削工具
15 研削工具
17a 第一バーナ
17b 第二バーナ
F1 第一の火炎
F2 第二の火炎
S1 準備工程
S3 除去工程
S4 研磨工程
S5 鏡面加工工程
M1 第一の加工跡
M2 第二の加工跡
TD 厚さ方向

Claims (9)

  1. 樹脂層とガラスシートとを接着層を介して積層してなるガラス樹脂積層体の製造方法において、
    前記樹脂層の端面に加工跡が残存する前記ガラス樹脂積層体を用意する準備工程と、前記端面から前記加工跡を除去する除去工程と、前記端面に鏡面加工を施す鏡面加工工程と、を備えることを特徴とするガラス樹脂積層体の製造方法。
  2. 前記準備工程は、樹脂層とガラスシートとを接着層を介して積層してなるマザーガラス樹脂積層体を切断して前記ガラス樹脂積層体を形成する切断工程を備える請求項1に記載のガラス樹脂積層体の製造方法。
  3. 前記加工跡は、前記ガラス樹脂積層体の厚さ方向に沿って形成される筋目を有しており、
    前記除去工程では、前記筋目に交差する方向に除去具を移動させることにより前記樹脂層の前記端面から前記加工跡を除去する請求項1又は2に記載のガラス樹脂積層体の製造方法。
  4. 前記除去具は、切削工具を含む請求項3に記載のガラス樹脂積層体の製造方法。
  5. 前記除去具は、研削工具を含む請求項3に記載のガラス樹脂積層体の製造方法。
  6. 前記除去工程によって前記加工跡が除去された後に、前記除去具によって前記樹脂層の前記端面に形成された第二の加工跡を除去する研磨工程を備える請求項3から5のいずれか一項に記載のガラス樹脂積層体の製造方法。
  7. 前記鏡面加工工程では、バーナの火炎により前記樹脂層の前記端面を加熱する請求項1から6のいずれか一項に記載のガラス樹脂積層体の製造方法。
  8. 前記樹脂層は、第一の面と第二の面とを備え、
    前記ガラスシートは、前記樹脂層の前記第一の面に接合される第一ガラスシートと、前記樹脂層の前記第二の面に接合される第二ガラスシートとを含み、
    前記接着層は、前記第一ガラスシートを前記樹脂層の前記第一の面に接合する第一接着層と、前記第二ガラスシートを前記樹脂層の前記第二の面に接合する第二接着層とを含み、
    前記樹脂層の厚さは、前記第一ガラスシートの厚さと前記第二ガラスシートの厚さを加えた厚さよりも厚く、
    前記鏡面加工工程では、前記バーナの前記火炎によって前記樹脂層の前記端面のみを加熱する請求項7に記載のガラス樹脂積層体の製造方法。
  9. 樹脂層とガラスシートとを接着層を介して積層してなるガラス樹脂積層体において、
    前記樹脂層の厚さは、前記ガラスシートの厚さよりも厚く、
    前記ガラスシートの端面が非鏡面であり、前記樹脂層の端面が鏡面であることを特徴とするガラス樹脂積層体。
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