JP2019198431A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技機の動作について高い信頼性を確保する。【解決手段】遊技機は、特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、判定手段による判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、第1の状態を少なくとも含む複数の状態を特定可能な状態情報を記憶する状態記憶手段と、を備える。遊技回実行手段は、特別情報が所定の条件を満たすものである場合に、遊技回の開始時に、状態情報を第1の状態以外の状態を特定する情報から第1の状態を特定する情報に移行させる状態情報移行手段と、状態情報移行手段によって移行がなされた場合に、当該移行によって移行される前の状態情報によって特定される状態に基づいて遊技動作の態様を設定する遊技動作設定手段と、設定された遊技動作の態様に基づいて遊技動作を開始させる遊技動作開始手段とを備える。【選択図】図459

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている(例えば、特許文献1)。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
特開2011−172988号公報
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、構造の簡素化、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
[形態](本形態は、主に、下記の第9実施形態に基づく)
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
第1の状態を少なくとも含む複数の状態を特定可能な状態情報を記憶する状態記憶手段と、
を備える遊技機において、
前記遊技回実行手段は、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすものである場合に、前記遊技回の開始時に、前記状態情報を前記第1の状態以外の状態を特定する情報から前記第1の状態を特定する情報に移行させる状態情報移行手段と、
前記状態情報移行手段によって前記移行がなされた場合に、当該移行によって移行される前の状態情報によって特定される状態に基づいて前記遊技動作の態様を設定する遊技動作設定手段と、
設定された前記遊技動作の態様に基づいて前記遊技動作を開始させる遊技動作開始手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
上記形態の遊技機によれば、遊技機の動作について高い信頼性を確保することができる。
第1実施形態αにおけるパチンコ機の斜視図である。 遊技盤の正面図である。 図柄表示装置において変動表示される図柄及び表示面を示す説明図である。 V入賞機構を説明する説明図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。 第1始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。 第2始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。 振分テーブルの内容を示す説明図である。 電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。 ケース1として第1始動口への遊技球の入球を契機とした当たり抽選において大当たりに当選した場合について説明をするタイムチャートである。 ケース2として第1始動口への遊技球の入球を契機とした当たり抽選において小当たりに当選した場合について説明をするタイムチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 始動口用の入球処理を示すフローチャートである。 先判定処理を示すフローチャートである。 大当たり・リーチ情報取得処理を示すフローチャートである。 変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。 スルー用の入球処理を示すフローチャートである。 種別決定ゲート用の入球処理を示すフローチャートである。 大入賞口用の入球処理を示すフローチャートである。 クルーン用の入球処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 遊技回制御処理を示すフローチャートである。 データ設定処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 特定処理実行判定処理を示すフローチャートである。 変動時間の設定処理を示すフローチャートである。 遊技状態移行処理を示すフローチャートである。 種別決定処理を示すフローチャートである。 開閉シナリオ設定処理を示すフローチャートである。 本実施形態における開閉シナリオについて説明する説明図である。 オープニング時間設定処理を示すフローチャートである。 大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。 エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。 V入賞処理を示すフローチャートである。 電役サポート用処理を示すフローチャートである。 電役開閉制御処理を示すフローチャートである。 音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成を中心として示すブロック図である。 音光側MPUにおいて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。 入球時の更新処理を示すフローチャートである。 遊技回演出設定処理を示すフローチャートである。 待機期間演出設定処理を示すフローチャートである。 オープニング期間演出設定処理を示すフローチャートである。 開閉処理期間演出設定処理を示すフローチャートである。 1回目チャンス演出設定処理を示すフローチャートである。 非貯留時2回目チャンス演出設定処理を示すフローチャートである。 V入賞演出設定処理を示すフローチャートである。 V非入賞時2回目チャンス演出設定処理を示すフローチャートである。 エンディング期間演出設定処理を示すフローチャートである。 表示制御装置のMPUにおいて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 表示制御装置のMPUにおいて実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。 表示制御装置のMPUにおいて実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。 第1実施形態βにおけるパチンコ機の斜視図である。 遊技盤の正面図である。 図柄表示装置において変動表示される図柄及び表示面を示す説明図である。 V入賞機構を説明する説明図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。 第1始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。 第2始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。 振分テーブルの内容を示す説明図である。 電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。 ケース1として第1始動口への遊技球の入球を契機とした当たり抽選において大当たりに当選した場合について説明をするタイムチャートである。 ケース2として第1始動口への遊技球の入球を契機とした当たり抽選において小当たりに当選した場合について説明をするタイムチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 始動口用の入球処理を示すフローチャートである。 先判定処理を示すフローチャートである。 大当たり・リーチ情報取得処理を示すフローチャートである。 変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。 スルー用の入球処理を示すフローチャートである。 種別決定ゲート用の入球処理を示すフローチャートである。 大入賞口用の入球処理を示すフローチャートである。 クルーン用の入球処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 遊技回制御処理を示すフローチャートである。 データ設定処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 特定処理実行判定処理を示すフローチャートである。 変動時間の設定処理を示すフローチャートである。 遊技状態移行処理を示すフローチャートである。 種別決定処理を示すフローチャートである。 開閉シナリオ設定処理を示すフローチャートである。 本実施形態における開閉シナリオについて説明する説明図である。 オープニング時間設定処理を示すフローチャートである。 大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。 V入賞処理を示すフローチャートである。 エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。 電役サポート用処理を示すフローチャートである。 電役開閉制御処理を示すフローチャートである。 音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成を中心として示すブロック図である。 音光側MPUにおいて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。 入球時の更新処理を示すフローチャートである。 遊技回演出設定処理を示すフローチャートである。 待機期間演出設定処理を示すフローチャートである。 オープニング期間演出設定処理を示すフローチャートである。 開閉処理期間演出設定処理を示すフローチャートである。 1回目チャンス演出設定処理を示すフローチャートである。 非貯留時2回目チャンス演出設定処理を示すフローチャートである。 V入賞演出設定処理を示すフローチャートである。 V非入賞時2回目チャンス演出設定処理を示すフローチャートである。 エンディング期間演出設定処理を示すフローチャートである。 表示制御装置のMPUにおいて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 表示制御装置のMPUにおいて実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。 表示制御装置のMPUにおいて実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。 第2実施形態におけるパチンコ機10の斜視図である。 遊技盤の正面図である。 液晶表示装置において変動表示される図柄及び表示面を示す説明図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。 第1始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。 第2始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。 振分テーブルの内容を示す説明図である。 電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。 遊技機における遊技の流れを示す説明図である。 特別ボーナス処理を説明するタイムチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 始動口用の入球処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 遊技回制御処理を示すフローチャートである。 第1始動口用の変動開始処理を示すフローチャートである。 第1始動口用保留情報シフト処理を示すフローチャートである。 第1始動口用の判定処理を示すフローチャートである。 第1始動口用の変動時間の設定処理を示すフローチャートである。 第1変動停止処理を示すフローチャートである。 第2始動口用の変動開始処理を示すフローチャートである。 第2始動口用保留情報シフト処理を示すフローチャートである。 第2始動口用の判定処理を示すフローチャートである。 第2始動口用の変動時間の設定処理を示すフローチャートである。 低確時変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。 高確高頻度時変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。 高確低頻度時変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。 第2変動停止処理を示すフローチャートである。 遊技状態移行処理を示すフローチャートである。 開閉シナリオ設定処理を示すフローチャートである。 オープニング時間設定処理を示すフローチャートである。 大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。 エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。 電役サポート用処理を示すフローチャートである。 電役開閉処理を示すフローチャートである。 音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成を中心として示すブロック図である。 音声発光制御装置のMPUにおいて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 状態記憶処理を示すフローチャートである。 表示態様切替処理を示すフローチャートである。 特1用遊技回演出用処理を示すフローチャートである。 メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理を示すフローチャートである。 特1用遊技回演出実行処理を示すフローチャートである。 特1用変動時間計測処理を示すフローチャートである。 特2用遊技回演出用処理を示すフローチャートである。 メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理を示すフローチャートである。 特別ボーナス時の小当たり用の演出パターンの設定処理を説明する説明図である。 特2用遊技回演出実行処理を示すフローチャートである。 特2用変動時間計測処理を示すフローチャートである。 特別ボーナス演出設定処理を示すフローチャートである。 表示制御装置のMPUにおいて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 表示制御装置のMPUにおいて実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。 表示制御装置のMPUにおいて実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。 第3実施形態におけるパチンコ機の斜視図である。 遊技盤の正面図である。 普通電動役物の動作態様を説明する説明図である。 液晶表示装置において変動表示される図柄及び表示面を示す説明図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。 特図始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。 特図始動口用の振分テーブルの内容を示す説明図である。 電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。 遊技者が遊技を実行した場合にパチンコ機が実行する処理の一例を示すタイムチャートである。 非特定期間にパチンコ機が実行する処理の一例を示すタイムチャートである。 特定期間にパチンコ機が実行する処理の一例を示すタイムチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 特図始動口用の入球処理を示すフローチャートである。 先判定処理を示すフローチャートである。 大当たり・リーチ情報取得処理を示すフローチャートである。 変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。 スルー用の入球処理を示すフローチャートである。 特電始動口用の入球処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 遊技回制御処理を示すフローチャートである。 データ設定処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 変動時間の設定処理を示すフローチャートである。 遊技状態移行処理を示すフローチャートである。 オープニング時間設定処理を示すフローチャートである。 第1大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。 エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。 電役サポート用処理を示すフローチャートである。 電役開閉処理を示すフローチャートである。 第2大入賞口用処理を示すフローチャートである。 第2大入賞口用開閉シナリオ設定処理を示すフローチャートである。 第2大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。 音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成を中心として示すブロック図である。 音声発光制御装置のMPUにおいて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 状態記憶処理を示すフローチャートである。 遊技回演出用処理を示すフローチャートである。 演出パターンの設定処理を示すフローチャートである。 オープニング演出用処理を示すフローチャートである。 特電始動口入球演出用処理を示すフローチャートである。 第2大入賞口開放演出用処理を示すフローチャートである。 表示制御装置のMPUにおいて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 表示制御装置のMPUにおいて実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。 表示制御装置のMPUにおいて実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。 変形例における普通電動役物53と第2可変入賞装置55とを示す説明図である。 第4実施形態としてのパチンコ機の斜視図である。 パチンコ機の背面図である。 遊技盤の正面図である。 液晶表示装置において変動表示される図柄及び表示面を示す説明図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明する説明図である。 当否テーブル記憶エリアに格納されている当否テーブルについて説明する説明図である。 パチンコ機に設定されている振分テーブルの内容を説明する説明図である。 音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成を中心として示すブロック図である。 比較例1のパチンコ機において転落抽選に当選した場合の処理の一例を説明するタイムチャートである。 比較例1のパチンコ機において大当たり当選した場合の処理の一例を説明するタイムチャートである。 バトル演出および結果告知演出の一例を示す説明図である。 バトル演出または結果告知演出が実行されているときの液晶表示装置の表示面の説明をする説明図である。 比較例1のパチンコ機において転落抽選に当選した場合の処理の他の例を説明するタイムチャートである。 比較例1のパチンコ機において大当たり当選した場合の処理の他の例を説明するタイムチャートである。 比較例2のパチンコ機において大当たり当選した場合の処理の一例を説明するタイムチャートである。 第4実施形態のパチンコ機において起動後に最初に転落抽選に当選した場合の処理の一例を説明するタイムチャートである。 第4実施形態のパチンコ機において起動後に最初に大当たり当選した場合の処理の一例を説明するタイムチャートである。 第4実施形態のパチンコ機において起動後に最初に転落抽選に当選した場合の処理の他の例を説明するタイムチャートである。 第4実施形態のパチンコ機において起動後に最初に大当たり当選した場合の処理の他の例を説明するタイムチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 始動口用の入球処理を示すフローチャートである。 先判定処理を示すフローチャートである。 スルー用の入球処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 遊技回制御処理を示すフローチャートである。 データ設定処理を示すフローチャートである。 遊技状態判定処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 転落判定処理を示すフローチャートである。 当たり判定処理を示すフローチャートである。 変動時間の設定処理を示すフローチャートである。 遊技状態移行処理を示す説明図である。 大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。 開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。 電役サポート用処理を示すフローチャートである。 電役開閉制御処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおいて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 コマンド対応処理を示すフローチャートである。 保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。 入球時の更新処理を示すフローチャートである。 演出設定処理を示すフローチャートである。 高確・高サポ時演出設定処理を示すフローチャートである。 変動開始時の更新処理を示すフローチャートである。 表示制御装置のMPUにおいて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 表示制御装置のMPUにおいて実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。 表示制御装置のMPUにおいて実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。 第4実施形態の変形例1のパチンコ機において起動後に最初に大当たり当選した場合の処理の一例を説明するタイムチャートである。 第4実施形態の変形例1のパチンコ機において起動後に最初に大当たり当選した場合の処理の他の例を説明するタイムチャートである。 第4実施形態の変形例1における変動開始処理を示すフローチャートである。 第4実施形態の変形例1における転落判定処理を示すフローチャートである。 第4実施形態の変形例1における当たり判定処理を示すフローチャートである。 第4実施形態の変形例1における起動時表示部制御処理を示すフローチャートである。 第5実施形態としてのパチンコ機の斜視図である。 パチンコ機の背面図である。 遊技盤の正面図である。 液晶表示装置において変動表示される図柄及び表示面を示す説明図である。 弁体が閉じた状態の遊技球振分装置を示す断面図である。 弁体が開いた状態の遊技球振分装置を示す断面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明する説明図である。 当否テーブル記憶エリアに格納されている当否テーブルについて説明する説明図である。 パチンコ機に設定されている振分テーブルの内容を説明する説明図である。 音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成を中心として示すブロック図である。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 始動口用の入球処理を示すフローチャートである。 先判定処理を示すフローチャートである。 スルー用の入球処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 遊技回制御処理を示すフローチャートである。 データ設定処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 当たり判定処理を示すフローチャートである。 変動時間の設定処理を示すフローチャートである。 遊技状態移行処理を示す説明図である。 大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。 開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。 電役サポート用処理を示すフローチャートである。 電役開閉制御処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおいて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 コマンド対応処理を示すフローチャートである。 保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。 入球時の更新処理を示すフローチャートである。 遊技回演出設定処理を示すフローチャートである。 演出パターン設定処理を示すフローチャートである。 変動開始時の更新処理を示すフローチャートである。 表示制御装置のMPUにおいて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 表示制御装置のMPUにおいて実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。 表示制御装置のMPUにおいて実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。 変形例1のパチンコ機に備えられる遊技球振分装置を示す説明図である。 変形例2のパチンコ機に備えられる遊技球振分装置を示す説明図である。 変形例3のパチンコ機に備えられる遊技球振分装置とその周辺を示す説明図である。 変形例3のパチンコ機に備えられる遊技球貯留装置と強制放出装置とを示す斜視図である。 変形例4のパチンコ機に備えられる遊技球振分装置を示す説明図である。 第6実施形態としてのパチンコ機の斜視図である。 パチンコ機の背面図である。 遊技盤の正面図である。 液晶表示装置において変動表示される図柄及び表示面を示す説明図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明する説明図である。 当否テーブル記憶エリアに格納されている当否テーブルについて説明する説明図である。 パチンコ機に設定されている振分テーブルの内容を説明する説明図である。 音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成を中心として示すブロック図である。 第1始動口とその周辺を示す斜視図である 一対の釘と第1始動口とを示す説明図である。 従来例を示す説明図である。 変形例1のパチンコ機に備えられる一対の釘と第1始動口とを示す説明図である。 変形例2のパチンコ機に備えられる一対の釘と第1始動口とを示す説明図である。 変形例3のパチンコ機に備えられる一対の釘と第1始動口とを示す説明図である。 変形例4のパチンコ機に備えられる一対の釘と第1始動口とを示す説明図である。 変形例5のパチンコ機に備えられる一対の釘と第1始動口とを示す説明図である。 変形例6のパチンコ機に備えられる一対の釘と第1始動口とを示す説明図である。 変形例7のパチンコ機に備えられる一対の釘と第1始動口とを示す説明図である。 変形例8のパチンコ機に備えられる一対の釘と第1始動口とを示す斜視図である。 変形例9のパチンコ機に備えられる一対の釘と第1始動口とを示す斜視図である。 変形例9において第1始動口を分解した斜視図である。 変形例10のパチンコ機に備えられる電動役物とその周辺を示す斜視図である。 変形例11のパチンコ機に備えられる電動役物とその周辺を示す斜視図である。 変形例12のパチンコ機に備えられる電動役物の第1の可動片を示す正面図である。 第7実施形態におけるパチンコ機10の斜視図である。 遊技盤30の正面図である。 振分機構120を説明する説明図である。 普通電動役物53を説明する説明図である。 液晶表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。 パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。 当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。 第1始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。 第2始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。 振分テーブルの内容を示す説明図である。 電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。 パチンコ機10が実行可能なサポートモードの種類について説明をする説明図である。 低頻度サポートモードの実行時に遊技球が流通する態様を説明する説明図である。 高頻度サポートモードAの実行時に遊技球が流通する態様を説明する説明図である。 高頻度サポートモードBの実行時に遊技球が流通する態様を説明する説明図である。 パチンコ機10における遊技の流れを示す説明図である。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 始動口用の入球処理を示すフローチャートである。 先判定処理を示すフローチャートである。 大当たり・リーチ情報取得処理を示すフローチャートである。 変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。 スルー用の入球処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 遊技回制御処理を示すフローチャートである。 データ設定処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 変動時間の設定処理を示すフローチャートである。 遊技状態移行処理を示すフローチャートである。 大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。 エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。 電役サポート用処理を示すフローチャートである。 電役開閉処理を示すフローチャートである。 音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。 音声発光制御装置90のMPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 状態記憶処理を示すフローチャートである。 サポートモード演出用処理を示すフローチャートである。 遊技回演出用処理を示すフローチャートである。 演出パターンの設定処理を示すフローチャートである。 表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。 表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。 変形例1における振分機構120普通電動役物53および各始動口を示す説明図である。 変形例1における高頻度サポートモードAを説明する説明図である。 変形例1における高頻度サポートモードBを説明する説明図である。 変形例2における振分機構120普通電動役物53および各始動口を示す説明図である。 変形例2における高頻度サポートモードAを説明する説明図である。 変形例2における高頻度サポートモードBを説明する説明図である。 変形例3における振分機構120、普通電動役物53、および各始動口を示す説明図である。 変形例3における高頻度サポートモードAを説明する説明図である。 変形例3における高頻度サポートモードBを説明する説明図である。 変形例4における振分機構120、普通電動役物53、および各始動口を示す説明図である。 変形例4における高頻度サポートモードAを説明する説明図である。 変形例4における高頻度サポートモードBを説明する説明図である。 変形例5における振分機構120、普通電動役物53、および各始動口を示す説明図である。 変形例5における高頻度サポートモードAを説明する説明図である。 変形例5における高頻度サポートモードBを説明する説明図である。 変形例6における振分機構120、普通電動役物53、および各始動口を示す説明図である。 変形例6における高頻度サポートモードAを説明する説明図である。 変形例6における高頻度サポートモードBを説明する説明図である。 普通電動役物53の構成の一例を示す説明図である。 変形例12における変動時間の設定処理を示すフローチャートである。 低頻度サポートモード用変動時間設定処理を示すフローチャートである。 高頻度サポートモードA用変動時間設定処理を示すフローチャートである。 高頻度サポートモードB用変動時間設定処理を示すフローチャートである。 変形例12における演出パターンの設定処理を示すフローチャートである。 低頻度サポートモード用演出パターン設定処理を示すフローチャートである。 高頻度サポートモードA用演出パターン設定処理を示すフローチャートである。 高頻度サポートモードAの第1始動口遊技回における演出パターンを説明する説明図である。 高頻度サポートモードAの第1始動口遊技回における連続演出を説明する説明図である。 高頻度サポートモードAの第2始動口遊技回における演出パターンを説明する説明図である。 高頻度サポートモードB用演出パターン設定処理を示すフローチャートである。 第8実施形態としてのパチンコ機の斜視図である。 パチンコ機の背面図である。 遊技盤の正面図である。 図柄表示装置において変動表示される図柄及び表示面を示す説明図である。 V獲得チャレンジ機構部を示す説明図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明する説明図である。 第1始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。 第2始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。 振分テーブルの内容を示す説明図である。 電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブルの内容を示す説明図である。 音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成を中心として示すブロック図である。 第1開閉シナリオを説明するためのタイミングチャートである。 V獲得チャレンジ機構部における遊技球の動きを示す説明図である。 V獲得チャレンジ機構部における遊技球の動きを示す説明図である。 V獲得チャレンジ機構部における遊技球の動きを示す説明図である。 第2開閉シナリオを説明するためのタイミングチャートである。 第3開閉シナリオを説明するためのタイミングチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 始動口用の入球処理を示すフローチャートである。 先判定処理を示すフローチャートである。 スルー用の入球処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 遊技回制御処理を示すフローチャートである。 データ設定処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 当たり判定処理を示すフローチャートである。 変動時間の設定処理を示すフローチャートである。 遊技状態移行処理を示すフローチャートである。 大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。 シャッター開閉処理を示すフローチャートである。 V入賞判定処理を示すフローチャートである。 エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。 電役サポート用処理を示すフローチャートである。 電役開閉制御処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおいて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 コマンド対応処理を示すフローチャートである。 保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。 入球時の更新処理を示すフローチャートである。 遊技回演出設定処理を示すフローチャートである。 演出パターン設定処理を示すフローチャートである。 変動開始時の更新処理を示すフローチャートである。 表示制御装置のMPUにおいて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 コマンド割込み処理を示すフローチャートである。 V割込み処理を示すフローチャートである。 変形例2のパチンコ機に備えられる遅延ユニットを示す説明図である。 変形例19のパチンコ機に備えられる可変入賞装置を示す説明図である。 変形例22における振分テーブルの内容を示す説明図である。 第9実施形態としてのパチンコ機の斜視図である。 パチンコ機の背面図である。 遊技盤の正面図である。 図柄表示装置において変動表示される図柄及び表示面を示す説明図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明する説明図である。 当否テーブルの内容を示す説明図である。 振分テーブルの内容を示す説明図である。 転落抽選を実行する際に用いられる転落抽選用当否テーブルの内容を示す説明図である。 電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブルの内容を示す説明図である。 音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成を中心として示すブロック図である。 保証遊技回数に達した以後の遊技回において、転落抽選に当選した場合の処理を説明するタイミングチャートである。 バトル演出または結果告知演出が実行されているときの、図柄表示装置の表示面の説明をする説明図である。 バトル演出および結果告知演出の一例を示す説明図である。 比較例1のパチンコ機において、保証遊技回数に達した以後の遊技回において、当たり抽選において大当たりに当選した場合の処理を説明するタイミングチャートである。 第9実施形態のパチンコ機において、保証遊技回数に達した以後の遊技回において、当たり抽選において大当たりに当選した場合の処理を説明するタイミングチャートである。 高確率モードフラグ、高頻度サポートモードフラグ、および転落フラグの各フラグ値に対する遊技状態判定値を示す説明図である。 第9実施形態のパチンコ機において、保証遊技回数に達した以後の遊技回における処理の手順を説明するタイミングチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 始動口用の入球処理を示すフローチャートである。 先判定処理を示すフローチャートである。 スルー用の入球処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 遊技回制御処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 保留情報シフト処理を示すフローチャートである。 転落判定処理を示すフローチャートである。 当たり判定処理を示すフローチャートである。 遊技状態判定処理を示すフローチャートである。 変動時間設定処理を示すフローチャートである。 低確率低頻度状態用の変動時間設定処理を示すフローチャートである。 低確率高頻度状態用の変動時間設定処理を示すフローチャートである。 高確率高頻度状態用の変動時間設定処理を示すフローチャートである。 転落低確率高頻度状態用の変動時間設定処理を示すフローチャートである。 転落低確率低頻度状態用の変動時間設定処理を示すフローチャートである。 変動終了処理を示すフローチャートである。 遊技状態移行処理を示すフローチャートである。 大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。 エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。 電役サポート用処理を示すフローチャートである。 電役開閉制御処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおいて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 遊技回演出用処理を示すフローチャートである。 遊技回演出設定処理を示すフローチャートである。 演出パターン設定処理を示すフローチャートである。 低確率低頻度状態用の演出パターン設定処理を示すフローチャートである。 低確率高頻度状態用の演出パターン設定処理を示すフローチャートである。 高確率高頻度状態用の演出パターン設定処理を示すフローチャートである。 転落低確率高頻度状態用の演出パターン設定処理を示すフローチャートである。 転落低確率低頻度状態用の演出パターン設定処理を示すフローチャートである。 遊技回演出実行用処理を示すフローチャートである。 表示制御装置のMPUにおいて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 コマンド割込み処理を示すフローチャートである。 V割込み処理を示すフローチャートである。 変形例1のパチンコ機において、保証遊技回数に達した以後の遊技回における処理の手順を説明するタイミングチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 当たり判定処理を示すフローチャートである。 遊技状態判定処理を示すフローチャートである。 変形例16における当たり判定処理を示すフローチャートである。 遊技状態判定処理を示すフローチャートである。 変動時間設定処理を示すフローチャートである。 高確率低頻度状態用の変動時間設定処理を示すフローチャートである。 演出パターン設定処理を示すフローチャートである。 高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理を示すフローチャートである。 変形例18における遊技回演出設定処理を示すフローチャートである。 演出パターン設定処理を示すフローチャートである。 潜伏確変時高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理を示すフローチャートである。 サポートモード擬似化時高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理を示すフローチャートである。
本発明にかかる遊技機の実施形態について、図面を参照しながら以下の順序で説明する。
《A》第1実施形態(主に、下記の《Z》における特徴aA群〜特徴aK群に対応):
《B》第2実施形態(主に、下記の《Z》における特徴bA群〜特徴bN群に対応):
《C》第3実施形態(主に、下記の《Z》における特徴cA群〜特徴cG群に対応):
《D》第4実施形態(主に、下記の《Z》における特徴dA群〜特徴dG群に対応):
《E》第5実施形態(主に、下記の《Z》における特徴eA群〜特徴eG群に対応):
《F》第6実施形態(主に、下記の《Z》における特徴fA群〜特徴fF群に対応):
《G》第7実施形態(主に、下記の《Z》における特徴gA群〜特徴gP群に対応):
《H》第8実施形態(主に、下記の《Z》における特徴hA群〜特徴hF群に対応):
《I》第9実施形態(主に、下記の《Z》における特徴iA群〜特徴iH群に対応):
《Y》他の構成への適用:
《Z》上記各実施形態等から抽出される特徴群について:
《A》第1実施形態α:
《A1》遊技機の構造:
図1は、第1実施形態αにおけるパチンコ機10の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる当たり抽選時、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
また、上皿20の周縁部の正面視左側には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
なお、本実施形態においては、遊技球発射ボタン26は、上皿20の周縁部の正面視左側に配置される構成を採用したが、遊技球発射ボタン26が他の位置に配置される構成を採用してもよい。例えば、遊技球発射ボタン26を、ウェイトボタン25bと同様に、操作ハンドル25の内部(周縁部)に配置する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者が、操作ハンドル25、ウェイトボタン25b、遊技球発射ボタン26を、右手のみで操作することを可能にする。
図2は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、種別決定ゲート202及び、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、V入賞機構210が設けられている。さらに、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口である。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する当たり抽選が実行される。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30の右側に設けられている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する当たり抽選が実行される。また、第2始動口34には、電動役物34aが設けられている。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行う。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35を遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる第1大入賞口36aと、当該第1大入賞口36aを開閉する第1開閉扉36bとを備えている。第1開閉扉36bは、通常は遊技球が第1大入賞口36aに入球できない閉鎖状態となっている。第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球すると、主制御装置60は、当たり抽選(内部抽選)を実行する。当たり抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選すると、パチンコ機10は、開閉実行モードに移行する。開閉実行モードとは、可変入賞装置36の第1開閉扉36bおよび、後述するV入賞機構210が備える第2開閉扉213の開閉処理を実行するモードである。具体的には、可変入賞装置36の第1開閉扉36bは、開閉実行モードに移行すると、遊技球が入球できない閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされた後に、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、可変入賞装置36の第1大入賞口36aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
種別決定ゲート202は当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に、当該大当たりの種別を決定するために用いられる入球口である。具体的には、所定の遊技回における当たり抽選において大当たりに当選し、当該遊技回の終了後に、開閉実行モードが開始される。本実施形態のパチンコ機10は、開閉実行モードが開始されると、遊技球を遊技盤30の右側に向けて発射するように遊技者を案内する演出(右打ち示唆演出)が実行される。当該右打ち示唆演出に従って遊技者が操作ハンドル25を操作して遊技盤30の右側に遊技球を発射させ、種別決定ゲート202に遊技球が入球すると、当該遊技球の入球を契機として大当たりの種別を決定する種別決定処理が主制御装置60によって実行される。そして、当該種別決定処理によって、大当たりの種別が決定される。なお、主制御装置60によって実行される種別決定処理、および、パチンコ機10において設定されている大当たり種別については後述する。
遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第1始動口33への遊技球の入球を契機として当たり抽選が実行される遊技回を第1始動口用遊技回とも呼ぶ。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第2始動口34への遊技球の入球を契機として当たり抽選が実行される遊技回を第2始動口用遊技回とも呼ぶ。
ここで、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間とも呼ぶ。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間とも呼び、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間とも呼ぶ。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cおよび第2保留表示部37dを備えている。
第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。本実施形態では、第1始動口33に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35の通過を契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプ(以下、ラウンドランプとも呼ぶ)が所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、第1開閉扉36bまたは第2開閉扉213の開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始され、種別決定ゲート202に遊技球が入球したことを契機として実行された種別決定処理において大当たり種別が決定した場合に、当該決定した大当たり種別に対応したラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了した場合に終了する。換言すれば、開閉実行モードが開始された場合であっても、開閉実行モードの開始後に種別決定ゲート202に遊技球が入球していない期間は、種別決定処理が開始されず、大当たり種別(ラウンド遊技の回数を含む)が決定されないので、ラウンド表示部39へのラウンド遊技の回数の表示はされない。その後、種別決定ゲート202に遊技球が入球した場合には、種別決定処理が開始され、大当たり種別(ラウンド遊技の回数を含む)が決定されるので、ラウンド表示部39にラウンド遊技の回数が表示される。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、及びラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、可変表示ユニット40が備える表示装置の構成は、図柄表示装置41に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は抽選結果の予告等に基づく所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機とした図柄の変動表示又は所定の表示をすることに限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の演出表示なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図3は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図3(a)は、図柄表示装置41において変動表示される液晶用図柄を示す説明図である。液晶用図柄は、図柄表示装置41に表示される画像であって、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄および第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄に対応した図柄である。第1始動口33への遊技球の入球を契機とした遊技回が実行されている場合には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄に対応した液晶用図柄が表示面41aに表示され、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした遊技回が実行されている場合には、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄に対応した液晶用図柄が表示面41aに表示される。
図3(a)に示すように、図柄表示装置41には、液晶用図柄として、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの図柄が付された図柄を採用してもよい。
図3(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、メイン表示領域MAが表示される。メイン表示領域MAには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図3(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図3(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入球すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、遊技回とは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを言い、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入球に基づいて取得された特別情報についての当たり抽選の抽選結果を、遊技者に報知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1回の当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄として図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
図3(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入球に基づく保留遊技回の数に対応した表示がされる。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入球に基づく保留遊技回の数に対応した表示がされる。保留遊技回とは、未実行の遊技回であって、第1始動口33または第2始動口34への入球に基づいて取得された特別情報について、当たり抽選の抽選結果を報知するための変動表示が開始されていない遊技回を言う。第1始動口33への入球に基づいて保留可能な保留遊技回の数は4つである。従って、図示するように、第1保留表示領域Ds1には4つの保留遊技回に対応した保留表示(以下、第1保留遊技回表示とも呼ぶ)が表示可能である。また、第2始動口34への入球に基づいて保留可能な保留遊技回の数は4つである。従って、図示するように、第2保留表示領域Ds2には4つの保留遊技回に対応した保留表示(以下、第2保留遊技回表示とも呼ぶ)が表示可能である。
また、図3(b)に示すように、表示面41aには、特図ユニット37の第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第1同期表示部Sync1と、特図ユニット37の第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第2同期表示部Sync2とを備える。具体的には、第1図柄表示部37aが変動表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点滅表示をし、第1図柄表示部37aが停止表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点灯表示をする。また、第2図柄表示部37bが変動表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点滅表示をし、第2図柄表示部37bが停止表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、表示面41aは、メイン表示領域MA、第1保留表示領域Ds1、第2保留表示領域Ds2、第1同期表示部Sync1、および、第2同期表示部Sync2を表示する構成としたが、表示面41aがこれらの表示の一部または全部を表示しない構成を採用してもよい。
図4は、V入賞機構210を説明する説明図である。図4(a)に示すように、V入賞機構210は、クルーン220と、遊技盤30の右側を流下する遊技球をクルーン220まで流通させる流路211と、遊技盤30の右側を流下する遊技球が流路211へ流入するための第2大入賞口212の開閉を行う第2開閉扉213と、第2大入賞口212から遊技球が流入したことを検出する検出センサー214と、遊技領域の背面側に連通する排出口215と、第2大入賞口212から流入した遊技球を流路211の貯留部218に一時的に貯留させる貯留弁216と、当該貯留弁216を駆動させる貯留弁駆動機構217とを備える。また、クルーン220は、V入賞口222を1つ、非V入賞口224を5つ備える。V入賞口222は、遊技球が入球すると大当たりとなる入賞口である。非V入賞口224は、遊技球が入球しても大当たりとはならず、遊技領域から遊技球を排出する。
次に、V入賞機構210の動作について説明する。遊技回における当たり抽選において特定の種別の大当たり、または、小当たりに当選し、当該遊技回の終了後に開閉実行モードが開始された場合、第2開閉扉213の開放条件が成立することによって、図4(a)に示すように第2開閉扉213が開放する。
遊技者が操作ハンドル25を操作することによって遊技盤30の右側に遊技球を発射させ、第2開閉扉213の開放中に当該第2開閉扉213の近傍を遊技球が流通すると、図4(b)に示すように、開放した第2開閉扉213に案内されて遊技球が第2大入賞口212から流路211に流入する。第2開閉扉213の開放後に最初に流路211に流入した遊技球は、閉鎖された貯留弁216によって貯留部218に貯留される。また、本実施形態においては、貯留部218に貯留可能な遊技球の数は1つである。なお、変形例として、貯留部218に複数個の遊技球を貯留可能な構成を採用してもよい。
図4(c)に示すように、貯留部218に遊技球が1つ貯留された状態において、第2大入賞口212から遊技球が流入した場合には、当該遊技球は、先に貯留部218に貯留されている遊技球によって当該貯留部218への流通が阻止され、流路211における排出口215の方向に流通し、排出口215から遊技領域の背面側に排出される。
図4(d)に示すように、第2開閉扉213の閉鎖条件が成立すると、第2開閉扉213は閉鎖される。閉鎖条件の詳細については後述する。その後、図4(e)に示すように、貯留弁駆動機構217が貯留弁216を開放方向に駆動させ、貯留部218に貯留されていた遊技球は、流路211におけるクルーン220の方向へ流通する。そして、流路211から排出された遊技球は、クルーン220の上面を流通し、その後、V入賞口222または非V入賞口224に入球する。上述のように、V入賞口222に遊技球が入球すると大当たりとなり、非V入賞口224に遊技球が入球すると、大当たりとはならず遊技領域から排出される。
また、本実施形態では、V入賞機構210の第2大入賞口212に遊技球が1個入球(流入)する毎に、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。第2大入賞口212への遊技球の入球は、検出センサー214によって検出される。
なお、上述したように、変形例として、貯留部218に複数個の遊技球を貯留可能な構成を採用した場合、貯留弁216が開放されることによって、複数個の遊技球がクルーン220の上面を流通するため、遊技球がV入賞口222に入球する確率を向上させることができ、遊技者の期待感を向上させることができる。この場合において、仮にV入賞口222に2個の遊技球が入球した場合であっても、最初にV入賞口222に入球した遊技球のみに基づいて大当たりとして扱い、V入賞口222への2個目の遊技球の入球については大当たりとして取り扱わず、非V入賞口224への遊技球の入球と同様に、遊技領域の背面に排出される。
《A2》遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、主制御基板61の入力側には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36などの各種の入球口やスルーゲートに設けられた各種検出センサーが接続されている。主制御基板61のMPU62は、これらの検出センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲートを通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて当たり抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、可変入賞装置36の第1開閉扉36bを開閉動作させる第1開閉扉駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、第2開閉扉213を開閉動作させる第2開閉扉駆動部213bと、貯留弁216を駆動させる貯留弁駆動機構217と、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、第1開閉扉36bが開閉されるように第1開閉扉駆動部36cを駆動制御し、第2開閉扉213が開閉されるように第2開閉扉駆動部213bを駆動制御する。特定の大当たりおよび小当たりを契機とした開閉実行モードにおいては、MPU62は、貯留弁216が開閉されるように貯留弁駆動機構217を駆動制御する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部44bの駆動制御を実行する。さらに、各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行する。また、開閉実行モードにおいて大当たり種別が決定され開閉実行モードにおいて実行されるラウンド遊技の回数が決定した場合には、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入球判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への遊技球の入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。さらに、発射制御装置80には、遊技球発射ボタン26が接続されている。遊技者によって遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、第1液晶用図柄や第2液晶用図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄が停止表示している時間である停止時間は一定ある。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技回時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図6は、当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が当たり抽選、大当たり種別の振分け、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、当たり抽選には当たり乱数カウンタC1が用いられる。大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
また、RAM64には保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cと、種別判定処理実行エリア64iとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。
当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。当たり乱数カウンタC1は、上述のように当たり抽選に用いられる。当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜1199)。
当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、第1始動口33または第2始動口34に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。そして、実行エリアAEに移動した当たり乱数カウンタC1は、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、開閉実行モード中に種別決定ゲート202に遊技球が入球したタイミング、または、V入賞口222に遊技球が入球したタイミングで、保留情報記憶エリア64dに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行なう。さらに、MPU62は、これらの当たり乱数カウンタC1の値を用いて第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。また、当たり抽選の結果が大当たりである場合には、開閉実行モードの開始後に種別決定ゲート202に遊技球が入球したことを契機として取得され種別判定処理実行エリア64iに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。種別判定処理によって決定された大当たり種別(ラウンド遊技回の実行回数)は、ラウンド表示部39に表示される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図3(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とを、MPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電役実行エリア64eに移動した後、電役実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0,1であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=2〜465であれば、電動役物34aを閉鎖状態に維持する。
なお、取得された当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、電動役物開放カウンタC4の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つが本発明における特別情報に相当する。また、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つを保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、当たり乱数カウンタC1に基づいて当たり抽選を行う際に、当該当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。また、本実施形態においては、パチンコ機10は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶された当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルと、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで判定処理実行エリア64cに記憶された当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルとを、それぞれ別のテーブルデータとして記憶している。具体的には、パチンコ機10は、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)の4つの当否テーブルを、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶している。
図7は、第1始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図示するように、第1始動口用の当否テーブルには、大当たりとなる当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。0〜1199の値のうち、5〜9の5個の値は、小当たり(外れ)として設定されている。小当たり(外れ)については後述する。そして、0〜9の10個の値以外の値(10〜1199)が通常の外れである。
図8は、第2始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図示するように、第2始動口用の当否テーブルには、大当たりとなる当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜4の5個の値以外の値(5〜1199)が小当たり(外れ)である。
ここで、小当たり(外れ)とは、第1開閉扉36bまたは第2開閉扉213の開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機とはなるが、サポートモードについて、移行契機とならない当否結果である。これに対して、通常の外れは、開閉実行モードの移行契機とはならず、さらに、サポートモードについても移行契機とならない当否結果である。なお、以降の説明においては、小当たり(外れ)を、単に「小当たり」とも呼び、通常の外れを単に「外れ」とも呼ぶ。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213の開閉回数(ラウンド数)
(2)開閉実行モードにおける第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213の開閉制御の態様
(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様
上記の(2)開閉実行モードにおける第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213への遊技球の入球(入賞)の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける第1開閉扉36bの1回の開放は30秒が経過するまで又は第1開閉扉36bへの遊技球の入球個数が10個となるまで継続するように設定することができる。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける第1開閉扉36bの1回の開放が1.6秒が経過するまで又は第1開閉扉36bへの入球個数が10個となるまで継続するよう設定することができる。
第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213の1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36またはV入賞機構210への入球の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213の開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36およびV入賞機構210への入球が発生しない構成としてもよい。
本実施形態では、当たり抽選の結果大当たりとなり当該大当たりを契機として実行される開閉実行モード中に種別決定ゲート202に遊技球が入球した場合、または、V入賞口222に遊技球が入球した場合に、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図9は、振分テーブルの内容を示す説明図である。図9(a)には、第1始動口用の振り分けテーブル(大当たり当選時)を示した。当該振り分けテーブルは、第1始動口への入球を契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選した場合に参照される。
図9(b)には、第1始動口への入球を契機としたV入賞時の振分テーブルを示した。当該振り分けテーブルは、第1始動口への入球を契機として実行された遊技回において小当たりとなり、当該小当たりを契機として実行された開閉実行モード中にV入賞口222に入球し大当たりとなった場合に参照される。
図9(c)には、第2始動口用の振り分けテーブル(大当たり当選時および第2始動口への入球を契機としたV入賞時)を示した。当該振り分けテーブルは、第2始動口への入球を契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選した場合、および、第2始動口への入球を契機として実行された遊技回において小当たりとなり、当該小当たりを契機として実行された開閉実行モード中にV入賞口222に入球し大当たりとなった場合に参照される。
図9(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口への入球を契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選した場合の大当たり種別として、5R第1種大当たり、5R第2種大当たり、10R通常大当たりが設定されている。
5R第1種大当たりは、開閉実行モード中に実行されるラウンド遊技の実行回数が5回であり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードである大当たりである。但し、本実施形態における第1種大当たりは、開閉実行モードの終了後の高頻度サポートモードにおいて実行可能な遊技回の回数が90回に制限される。すなわち、高頻度サポートモードにおいて遊技回が90回実行された後には、低頻度サポートモードに移行する。
5R第2種大当たりは、開閉実行モード中に実行されるラウンド遊技の実行回数が5回であり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードである大当たりである。但し、本実施形態における第2種大当たりは、開閉実行モードの終了後の高頻度サポートモードにおいて実行可能な遊技回の回数が5回に制限される。すなわち、高頻度サポートモードにおいて遊技回が5回実行された後には、低頻度サポートモードに移行する。
10R通常大当たりは、開閉実行モード中に実行されるラウンド遊技の実行回数が10回であり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが低頻度サポートモードである大当たりである。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜99」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜44」が5R第1種大当たりに対応しており、「45〜60」が5R第2種大当たりに対応しており、「61〜99」が10R通常大当たりに対応している。
図9(b)の第1始動口への入球を契機としたV入賞時の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口への入球を契機として実行された遊技回において小当たりとなり、当該小当たりを契機として実行された開閉実行モード中にV入賞口222に入球し大当たりとなった場合の大当たり種別として、5R第1種大当たり、10R通常大当たりが設定されている。
5R第1種大当たり、および10R通常大当たりについては、上記の図9(a)の第1始動口用の振分テーブルにおいて説明したので、説明を省略する。
第1始動口への入球を契機としたV入賞時の振分テーブルでは、「0〜99」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜64」が5R第1種大当たりに対応しており、「65〜99」が10R通常大当たりに対応している。
図9(c)の第2始動口用の振り分けテーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口への入球を契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選した場合、および、第2始動口への入球を契機として実行された遊技回において小当たりとなり、当該小当たりを契機として実行された開閉実行モード中にV入賞口222に入球し大当たりとなった場合の大当たり種別として、15R第1種大当たり、4R第1種大当たり、4R第2種大当たりが設定されている。
15R第1種大当たりは、開閉実行モード中に実行されるラウンド遊技の実行回数が15回であり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードである大当たりである。但し、本実施形態における第1種大当たりは、開閉実行モードの終了後の高頻度サポートモードにおいて実行可能な遊技回の回数が90回に制限される。すなわち、高頻度サポートモードにおいて遊技回が90回実行された後には、低頻度サポートモードに移行する。
4R第1種大当たりは、開閉実行モード中に実行されるラウンド遊技の実行回数が4回であり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードである大当たりである。但し、本実施形態における第1種大当たりは、開閉実行モードの終了後の高頻度サポートモードにおいて実行可能な遊技回の回数が90回に制限される。すなわち、高頻度サポートモードにおいて遊技回が90回実行された後には、低頻度サポートモードに移行する。
4R第2種大当たりは、開閉実行モード中に実行されるラウンド遊技の実行回数が4回であり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードである大当たりである。但し、本実施形態における第2種大当たりは、開閉実行モードの終了後の高頻度サポートモードにおいて実行可能な遊技回の回数が5回に制限される。すなわち、高頻度サポートモードにおいて遊技回が5回実行された後には、低頻度サポートモードに移行する。
第2始動口用の振り分けテーブルでは、「0〜99」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜49」が15R第1種大当たりに対応しており、「50〜57」が4R第1種大当たりに対応しており、「58〜99」が4R第2種大当たりに対応している。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりとなった場合の大当たり種別の振分態様は、第1始動口への入球を契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選した場合と、第1始動口への入球を契機として実行された遊技回において小当たりとなり、当該小当たりを契機として実行された開閉実行モード中にV入賞口222に入球し大当たりとなった場合と、第2始動口への入球を契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選した場合、および、第2始動口への入球を契機として実行された遊技回において小当たりとなり、当該小当たりを契機として実行された開閉実行モード中にV入賞口222に入球し大当たりとなった場合とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行なうとともに、種別判定処理実行エリア64iに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの当たり乱数カウンタC1の値を用いて第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定するとともに、大当たり種別カウンタC2の値を用いてラウンド表示部39の表示態様を決定する。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様の決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して遊技球の発射が同様の態様で継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、本実施形態におけるパチンコ機10は、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aの1回の開放時間が長く設定されている。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われるまでに確保される時間が相対的に短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
図10は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図10(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図10(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0、1の2個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として2〜465の464個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、1/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.4秒である。
図10(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図10(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0〜461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462〜465の4個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.6秒である。
このように、電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。
《A3》遊技の流れ:
次に、本実施形態における遊技機の遊技の大凡の流れについて図2を用いて説明をする。
遊技者が遊技を開始すると、操作ハンドル25を操作して、遊技球を遊技盤30の左側に向けて発射させる。以下、遊技球を遊技盤30の左側に向けて発射させることを「左打ち」とも呼び、遊技球を遊技盤30の右側に向けて発射させることを「右打ち」とも呼ぶ。
遊技者が左打ちを開始し、遊技球を第1始動口33に入球させると、第1始動口33への入球を契機とした当たり抽選の抽選結果を報知するための遊技回が開始される。当該当たり抽選において大当たりに当選した場合には、当該遊技回の終了後に、開閉実行モードが開始される。ここで、本実施形態における遊技機においては、当たり抽選において大当たりに当選した時点においては、大当たりの種別(図9参照)は決定していない。大当たりの種別は、当該当たり抽選に当選した遊技回の終了後に実行される開閉実行モードにおいて決定される。
大当たりに当選した遊技回が終了すると、開閉実行モードが開始される。開閉実行モードが開始されると、遊技者に対して、遊技球を遊技盤30の右側に向けて発射(右打ち)させることを示唆する演出(右打ち示唆演出)が実行される。遊技者が当該右打ち示唆演出を認識し、遊技球を遊技盤30の右側へ向けて発射させ、遊技球が種別決定ゲート202に入球(通過)すると、開閉実行モードの開始後における種別決定ゲート202への遊技球の最初の入球(通過)を契機として種別決定処理が実行される。種別決定処理は、大当たり種別を決定するための処理である。種別決定処理の詳細については、後述する。
種別決定処理が実行されることによって大当たり種別が決定すると、当該大当たり種別毎に設定された開閉シナリオに基づいて第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213が開閉動作を実行するラウンド遊技が開始される。開閉シナリオは、第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213の開閉動作のパターンを予め定めたプログラムである。開閉シナリオの詳細は後述する。
ラウンド遊技が実行されている期間(以下、開閉処理期間とも呼ぶ)に遊技者が右打ちした遊技球が第1大入賞口36aまたは第2大入賞口212に入球すると、各大入賞口に設定された個数の遊技球が特典(賞球)として遊技者に付与される。
本実施形態においては、特定の場合のみ、第2開閉扉213が開放する開閉シナリオが設定され、第2大入賞口212に遊技球を入球させることができる。そして、図4において説明したように、第2大入賞口212に遊技球が入球すると、第2大入賞口212に入球した遊技球のうち1個の遊技球が貯留部218に貯留され、その後、貯留弁216が開放した後に、流路211からクルーン220へと流通する(図4(e)参照)。そして、クルーン220を流通する遊技球がV入賞口222に入球した場合には、新たな大当たりが確定する。V入賞口222に遊技球が入球したことを契機として新たな大当たりが確定すると、実行中の開閉実行モードは中断し、V入賞口222への遊技球の入球に基づいた新たな開閉実行モードが開始される。なお、上述したように、第1始動口33に遊技球が入球したことを契機とした当たり抽選において大当たりに当選した場合には、当該大当たりに当選した遊技回の終了後の開閉実行モード中に種別決定ゲート202に遊技球が入球することによって大当たり種別が決定されたが、本実施形態においては、V入賞口222に遊技球が入球したことを契機として大当たりとなった場合には、大当たりの確定とともに大当たりの種別が決定される。
図9において説明したように、第1始動口33への遊技球の入球を契機とする大当たりにおける大当たり種別の振り分け(図4(a))と、第1始動口への入球を契機としたV入賞時の大当たりにおける大当たり種別の振り分け(図4(b))とは異なる。本実施形態においては、第1始動口への入球を契機としたV入賞時の大当たりにおける大当たり種別の振り分けの方が、遊技者に付与される特典が多くなる可能性が高い。従って、遊技者は、第1始動口33への遊技球の入球を契機とする大当たりが確定していても、ラウンド遊技中に第2開閉扉213が開放する場合には、遊技球を第2大入賞口212に入球させ、さらに、V入賞口222への遊技球の入球を望む。従って、ラウンド遊技中においても、遊技者の期待感を向上させることができる。
仮に、第2開閉扉213が開放し第2大入賞口212に遊技球を入球させることができたにもかかわらず、遊技球をV入賞口222に入球させることができなかった場合には、そのまま、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たりに基づくラウンド遊技が継続される。
ラウンド遊技が終了し、その後開閉実行モードが終了すると、当該開閉実行モードの実行の契機となった大当たりの種別に高頻度サポートモードが設定されている場合には、開閉実行モードの終了後に実行される遊技回におけるサポートモードが高頻度サポートモードとなる。この場合、遊技者は、右打ちをして遊技球をスルーゲート35に入球させ、電動役物開放抽選を実行させる。電動役物開放抽選に当選した場合には、電動役物34aが開放し第2始動口34に遊技球を入球させることができ、その結果、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が実行される。
第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選における当否結果は、大当たり又は小当たりとなる。大当たりに当選した場合には、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選において大当たりに当選した場合と同様に、当該大当たりに当選した遊技回が終了した後に実行される開閉実行モード中に種別決定ゲート202に遊技球を入球させることによって、大当たりの種別が決定される。そして決定した大当たり種別に設定されたラウンド遊技が実行される。
一方、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選において小当たりに当選した場合には、当該小当たりに当選した遊技回の終了後に第2開閉扉213が1回開放する開閉実行モードが実行される。そして、第2開閉扉213の開放中に第2大入賞口212に遊技球を入球させ、その後にV入賞口222に遊技球が入球した場合には、大当たりが確定し、当該大当たりを契機とした開閉実行モードが開始される。開閉実行モードにおいては、当該大当たりの種別に設定されているラウンド遊技が実行されることによって遊技者に特典が付与される。
次に、遊技者が遊技を開始し、左打ちをすることによって遊技球を第1始動口33に入球させ、第1始動口33への入球を契機とした当たり抽選において小当たりに当選した場合について説明する。
第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選において小当たりに当選した場合には、当該小当たりに当選した遊技回の終了後に第2開閉扉213が1回開放する開閉実行モードが実行される。開閉実行モードの開始後に、遊技者に対して右打ちをすることを示唆する右打ち示唆演出が実行される。遊技者が、当該右打ち示唆演出に従って右打ちを実行し、第2開閉扉213の開放中に第2大入賞口212に遊技球を入球させ、その後にV入賞口222に遊技球が入球した場合には、大当たりが確定し、当該大当たりを契機とした開閉実行モードが開始される。開閉実行モードにおいては、当該大当たりの種別に設定されているラウンド遊技が実行されることによって遊技者に特典が付与される。以上、本実施形態における遊技機の遊技の大凡の流れについて説明をした。
《A4》遊技機による処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。
図11は、ケース1として、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選において大当たりに当選した場合について説明をするタイムチャートである。また、以下に説明する処理の概要は、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選に大当たりに当選した全ての場合に実行されるのではなく、特定の場合にのみ実行される。
遊技者が左打ちを実行し、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として遊技回U1が開始されると、第1図柄表示部37aの図柄の変動が開始する。このとき、遊技回U1においては所定の演出が実行される。その後、当該第1図柄表示部37aにおける図柄の変動が停止する。このとき、第1図柄表示部37aには、大当たりを示す図柄のパターンは表示されるが、図柄表示装置41への画像の表示や音声の出力によって大当たりに当選したことを明確に示唆する演出は実行されず、大当たりに当選したか小当たりに当選したかが遊技者にとって識別しにくい演出が実行される。従って、図柄表示装置41への画像の表示や音声の出力によって当たり抽選の抽選結果を認識している遊技者は、遊技回U1に対応する当たり抽選において大当たりに当選していることを認識することができない。
当たり抽選に当選した遊技回U1が終了した後、開閉実行モードが開始される。上述のように、第1始動口33への入球を契機とした当たり抽選において大当たりに当選した場合には、当たり抽選において大当たりに当選した時点において大当たりの種別は決定していない。大当たりの種別は、開閉実行モードの開始後に遊技球が種別決定ゲート202に入球することによって決定される。従って、当たり抽選に当選した遊技回が終了した時点においてもラウンド表示部39に、開閉実行モードにおいて実行されるラウンド遊技の実行回数を示す表示はされない。なお、本実施形態においては、開閉実行モードの開始した時点から大当たりの種別が決定するまでの期間を「待機期間」とも呼ぶ。
当たり抽選に当選した遊技回U1が終了した後、開閉実行モードが開始されると同時に、右打ちを示唆する演出(右打ち示唆演出)が実行されるとともに、遊技者に特典が付与される可能性があることを示す演出、より具体的には、大当たりに当選するための機会(チャンス)が2回分用意されていることを示唆する演出(以下「Wチャンス演出」とも呼ぶ)が実行される。
右打ち示唆演出およびWチャンス演出が実行されたことを認識した遊技者が右打ちを実行し、種別決定ゲート202に遊技球が入球すると、種別決定処理が実行され、大当たり種別が決定される。大当たり種別が決定されると待機期間は終了し、オープニング期間が開始される。オープニング期間においても右打ち示唆演出が実行される。オープニング期間の終了後、開閉処理期間が開始される。開閉処理期間においては、決定された大当たり種別に対応した回数のラウンド遊技が実行される。このとき、大当たり種別に対応した回数のラウンド遊技の1回目のラウンド遊技(1R目)に、第2開閉扉213が開放するラウンド遊技が実行される。また、開閉処理期間が開始されると、用意されている2回分の大当たりに当選するための機会(チャンス)のうちの1回目が開始されたことを示唆する演出(以下、1回目チャンス演出とも呼ぶ)が実行される。
より具体的には、1回目チャンス演出において、遊技者に右打ちを促すとともに、第2大入賞口212に遊技球を入球させ、さらに、V入賞口222に遊技球を入球させることを促す演出が実行される。
実行される1回目チャンス演出を遊技者が認識して右打ちを実行し、第2開閉扉213が開放しているタイミングで遊技球を第2大入賞口212に入球させることができ、貯留部218(図4参照)に遊技球を貯留させることができた場合(タイムチャートに示した[貯留部に貯留]に進む)、第2開閉扉213が閉鎖後に、貯留弁216が開閉動作を1回実行する。このとき、貯留部218に貯留されていた1個の遊技球は、流路211を流通しクルーン220に流入する。
クルーン220を流通する遊技球は、V入賞口222または非V入賞口224に入球する。クルーン220を流通する遊技球がV入賞口222に入球した場合(タイムチャートに示した[V入賞口に入球]に進む)、処理上は、遊技回U1での当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技が継続され、V入賞口222に遊技球が入球したことを契機とした大当たりは確定せず、V入賞口222への遊技球の入球に基づく新たな開閉実行モードも開始されない。さらに、V入賞口222への遊技球の入球によって遊技者に対してなんらかの特典が付与されることや、遊技状態が変更されることはない。
しかしながら、本実施形態においては、V入賞口222に遊技球が入球したことを契機としてV入賞大当たり演出を実行する。V入賞大当たり演出は、V入賞口222に遊技球が入球したことを示唆するとともに、大当たりを示唆する演出である。本実施形態においては、表示面41aに「V」の文字を表示するとともに、「大当たり」の文字を表示する。
V入賞口222に遊技球が入球したことを契機としてV入賞大当たり演出を実行することによって、遊技者に対して、V入賞口222に遊技球が入球したことにより新たな大当たりが確定したかのように認識させることができるとともに期待感を付与することができる。また、V入賞口222への遊技球の入球に基づく開閉実行モードが開始されたかのように遊技者に認識させることができる。
そして、V入賞大当たり演出が実行された後に、遊技回U1での当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技の1R目が終了し、2ラウンド目(2R目)が開始される。2ラウンド目以降においては、新たな開閉実行モードが開始されたことを示唆する演出を実行する。このようにすることで、V入賞口222への遊技球の入球に基づく新たな開閉実行モードが開始されたかのように遊技者を認識させることができ、遊技者に対して期待感を付与することができる。すなわち、実質的には遊技回U1での当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技中に、遊技者に対して、新たな期待感を付与することができる。
一方、クルーン220を流通する遊技球が非V入賞口224に入球した場合(タイムチャートに示した[V入賞口に非入球]に進む)、用意されている2回分の大当たりに当選するための機会(チャンス)のうちの2回目が開始されたことを示唆する演出(以下、2回目チャンス演出とも呼ぶ)が実行される。2回目チャンス演出は、演出操作ボタン24を操作することを遊技者に促す演出であり、所定期間以内に遊技者が演出操作ボタン24を操作した場合には、遊技者によって演出操作ボタン24が操作されたタイミングで大当たりが確定したことを示す演出を実行する。また、演出操作ボタン24を操作することを遊技者に促す演出を実行後の所定期間以内に遊技者によって演出操作ボタン24が操作されなかった場合には、所定期間の経過後に大当たりが確定したことを示す演出を実行する。この場合も、処理上は、遊技回U1での当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技が継続され、2回目チャンス演出において演出操作ボタン24が操作されたことを契機として大当たりは確定せず、新たな開閉実行モードも開始されない。さらに、2回目チャンス演出において演出操作ボタン24が操作されたことを契機として遊技者に対してなんらかの特典が付与されることや、遊技状態が変更されることはない。
しかしながら、本実施形態においては、2回目チャンス演出において演出操作ボタン24が操作されたことを契機として、大当たりを示唆する大当たり演出を実行する。または、演出操作ボタン24を操作することを遊技者に促す演出を実行後の所定期間以内に遊技者によって演出操作ボタン24が操作されなかった場合には、所定期間の経過後に大当たりが確定したことを示す演出を実行する。このように2回目チャンス演出の実行後に大当たり演出を実行することによって、遊技者に対して、2回目チャンス演出によって新たな大当たりが確定したかのように認識させることができるとともに、期待感を付与することができる。
そして、大当たり演出が実行された後に、遊技回U1での当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技の1R目が終了し、2ラウンド目(2R目)が開始される。2ラウンド目以降においては、新たな開閉実行モードが開始されたことを示唆する演出を実行する。このようにすることで、2回目チャンス演出よる大当たりに基づく新たな開閉実行モードが開始されたかのように遊技者を認識させることができ、遊技者に対して期待感を付与することができる。すなわち、実質的には遊技回U1での当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技中に、遊技者に対して、新たな期待感を付与することができる。
なお、クルーン220を流通する遊技球がV入賞口222に入球した場合の2R目以降のラウンド遊技中に実行する演出と、クルーン220を流通する遊技球が非V入賞口224に入球した場合の2R目以降のラウンド遊技中に実行する演出とを異なる演出に設定するように構成してもよい。例えば、クルーン220を流通する遊技球がV入賞口222に入球した場合には、2R目以降のラウンド遊技中の演出として、V入賞口222への遊技球の入球に基づく開閉実行モードが実行されていることを示唆する演出を実行し、クルーン220を流通する遊技球が非V入賞口224に入球し2回目チャンス演出によって大当たり演出が実行された場合に、2R目以降のラウンド遊技中の演出として、2回目チャンス演出による新たな大当たりに基づく開閉実行モードが実行されていることを示唆する演出を実行する。このように、いずれの場合も、実質的には、実質的には遊技回U1での当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されている同じラウンド遊技中であるものの、2R目以降のラウンド遊技中の演出を異なる演出にすることで、遊技者に対して異なる期待感を付与することができ、遊技性の幅を広げることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
次に、1回目チャンス演出を遊技者が認識をして右打ちを実行したにも関わらず、第2開閉扉213が開放しているタイミングで遊技球を第2大入賞口212に入球させることができず、貯留部218に遊技球を貯留させることができなかった場合(タイムチャートに示した[貯留部に非貯留]に進む)について説明する。この場合、第2開閉扉213が閉鎖後に、2回目チャンス演出が実行される。この場合の2回目チャンス演出も、演出操作ボタン24を操作することを遊技者に促す演出であり、所定期間以内に遊技者が演出操作ボタン24を操作した場合には、遊技者によって演出操作ボタン24が操作されたタイミングで大当たりが確定したことを示す演出を実行する。また、演出操作ボタン24を操作することを遊技者に促す演出を実行後の所定期間以内に遊技者によって演出操作ボタン24が操作されなかった場合には、所定期間の経過後に大当たりが確定したことを示す演出を実行する。この場合も、タイムチャートに示した[V入賞口に非入球]に進んだ場合と同様に、処理上は、遊技回U1での当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技が継続され、2回目チャンス演出において演出操作ボタン24が操作されたことを契機として大当たりは確定せず、新たな開閉実行モードも開始されない。さらに、2回目チャンス演出において演出操作ボタン24が操作されたことを契機として遊技者に対してなんらかの特典が付与されることや、遊技状態が変更されることはない。
しかしながら、本実施形態においては、2回目チャンス演出において演出操作ボタン24が操作されたことを契機として、大当たりを示唆する大当たり演出を実行する。または、演出操作ボタン24を操作することを遊技者に促す演出を実行後の所定期間以内に遊技者によって演出操作ボタン24が操作されなかった場合には、所定期間の経過後に大当たりが確定したことを示す演出を実行する。このように2回目チャンス演出の実行後に大当たり演出を実行することによって、遊技者に対して、2回目チャンス演出によって新たな大当たりが確定したかのように認識させることができるとともに、期待感を付与することができる。
そして、大当たり演出が実行された後に、遊技回U1での当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技の1R目が終了し、2ラウンド目(2R目)が開始される。2ラウンド目以降においては、新たな開閉実行モードが開始されたことを示唆する演出を実行する。このようにすることで、2回目チャンス演出よる大当たりに基づく新たな開閉実行モードが開始されたかのように遊技者を認識させることができ、遊技者に対して期待感を付与することができる。すなわち、実質的には遊技回U1での当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技中に、遊技者に対して、新たな期待感を付与することができる。以上、ケース1について説明した。
図12は、ケース2として、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選において小当たりに当選した場合について説明をするタイムチャートである。本実施形態においては、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選において小当たりに当選した全ての場合において、以下に説明をする処理が実行される。
遊技者が左打ちを実行し、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として遊技回U2が開始されると、第1図柄表示部37aの図柄の変動が開始する。このとき、遊技回U2においては所定の演出が実行される。その後、当該第1図柄表示部37aにおける図柄の変動が停止する。このとき、第1図柄表示部37aには、小当たりを示す図柄のパターンは表示されるが、図柄表示装置41への画像の表示や音声の出力によって小当たりに当選したことを明確に示唆する演出は実行されず、大当たりに当選したか小当たりに当選したかが遊技者にとって識別しにくい演出が実行される。従って、図柄表示装置41への画像の表示や音声の出力によって当たり抽選の抽選結果を認識している遊技者は、遊技回U1に対応する当たり抽選において小当たりに当選していることを認識することができない。
小当たりに当選した遊技回U2が終了した後、開閉実行モードが開始される。第1始動口33への入球を契機とした当たり抽選において小当たりに当選した場合には、開閉実行モードが開始される。そして、開閉実行モードにおけるオープニング期間において、右打ち示唆演出が実行されるとともに、遊技者に特典が付与される可能性があることを示す演出、より具体的には、大当たりに当選するための機会(チャンス)が2回分用意されていることを示唆する演出(以下「Wチャンス演出」とも呼ぶ)が実行される。
そして、オープニング期間が終了した後、開閉処理期間が開始される。開閉処理期間においては、第2開閉扉213が1回のみ開放するラウンド遊技が実行される。また、開閉処理期間が開始されると、用意されている2回分の大当たりに当選するための機会(チャンス)のうちの1回目が開始されたことを示唆する演出(以下、1回目チャンス演出とも呼ぶ)が実行される。
より具体的には、1回目チャンス演出において、遊技者に右打ちを促すとともに、第2大入賞口212に遊技球を入球させ、さらに、V入賞口222に遊技球を入球させて大当たりを確定させることを促す演出が実行される。
実行される1回目チャンス演出を遊技者が認識をして右打ちを実行し、第2開閉扉213が開放しているタイミングで遊技球を第2大入賞口212に入球させることができ、貯留部218(図4参照)に遊技球を貯留させることができた場合(タイムチャートに示した[貯留部に貯留]に進む)、第2開閉扉213が閉鎖後に、貯留弁216が開閉動作を1回実行する。このとき、貯留部218に貯留されていた1個の遊技球は、流路211を流通しクルーン220に流入する。
クルーン220を流通する遊技球は、V入賞口222または非V入賞口224に入球する。クルーン220を流通する遊技球がV入賞口222に入球した場合(タイムチャートに示した[V入賞口に入球]に進む)、大当たりが確定する。そして、大当たりが確定したことを契機として、V入賞大当たり演出が実行される。V入賞大当たり演出は、V入賞口222に遊技球が入球したことを示唆するとともに、大当たりを示唆する演出である。本実施形態においては、表示面41aに「V」の文字を表示するとともに、「大当たり」の文字を表示する。なお、ケース1において実行されるV入賞大当たり演出と、ケース2において実行されるV入賞大当たり演出とが同一または類似した内容の演出であってもよいし、全く異なる演出であってもよい。本実施形態においては、ケース1において実行されるV入賞大当たり演出と、ケース2において実行されるV入賞大当たり演出とが同一または類似した内容の演出である。このようにすることで、遊技者に対して、実行中の遊技の進行状態が、ケース1であるのかケース2であのかを判定しにくくすることができ、遊技者に種々の推測をさせ、期待感を付与することができる。
その後、第1始動口33への入球を契機とした当たり抽選において小当たりに当選したことを契機とする開閉実行モードは終了する。そして、V入賞口222への遊技球の入球に基づいた大当たりを契機とする新たな開閉実行モードが開始される。なお、V入賞口222に遊技球が入球したことを契機として大当たりとなった場合には、大当たりの確定とともに大当たりの種別が決定される。
また、ケース1においてV入賞口222に遊技球が入球した場合に実行する大当たり演出と、ケース2においてV入賞口222に遊技球が入球した場合に実行する大当たり演出とを、同一または類似の演出とする構成を採用してもよい。このような構成を採用することによって、V入賞口222への遊技球の入球によって大当たりが確定したのかしていないのかを遊技者に判定しにくくし、遊技者に種々の推測をさせることができるとともに、遊技者に期待感を付与することができる。
一方、クルーン220を流通する遊技球が非V入賞口224に入球した場合(タイムチャートに示した[V入賞口に非入球]に進む)、用意されている2回分の大当たりに当選するための機会(チャンス)のうちの2回目が開始されたことを示唆する演出(以下、2回目チャンス演出とも呼ぶ)が実行される。2回目チャンス演出は、演出操作ボタン24を操作することを遊技者に促す演出であり、所定期間以内に遊技者が演出操作ボタン24を操作した場合には、遊技者によって演出操作ボタン24が操作されたタイミングで外れが確定したことを示す演出を実行する。また、演出操作ボタン24を操作することを遊技者に促す演出を実行後の所定期間以内に遊技者によって演出操作ボタン24が操作されなかった場合には、所定期間の経過後に外れが確定したことを示す演出を実行する。なお、2回目チャンス演出において示唆する外れの確定は、遊技回U2における当たり抽選において外れとなったこと(または、外れであったこと)を示唆する内容である。
2回目チャンス演出を実行した後、遊技回U2での当たり抽選において小当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技は終了し、その後、開閉実行モードは終了する。そして、遊技者に対して、左打ちをするよう促す演出(左打ち示唆演出)を実行する。遊技者は、左打ちを実行し、再度、第1始動口33に遊技球を入球させることを試みる。
次に、1回目チャンス演出を遊技者が認識をして右打ちを実行したにも関わらず、第2開閉扉213が開放しているタイミングで遊技球を第2大入賞口212に入球させることができず、貯留部218に遊技球を貯留させることができなかった場合(タイムチャートに示した[貯留部に非貯留]に進む)について説明する。この場合、第2開閉扉213が閉鎖後に、2回目チャンス演出が実行される。この場合の2回目チャンス演出も、演出操作ボタン24を操作することを遊技者に促す演出であり、所定期間以内に遊技者が演出操作ボタン24を操作した場合には、遊技者によって演出操作ボタン24が操作されたタイミングで外れが確定したことを示す演出を実行する。また、演出操作ボタン24を操作することを遊技者に促す演出を実行後の所定期間以内に遊技者によって演出操作ボタン24が操作されなかった場合には、所定期間の経過後に外れが確定したことを示す演出を実行する。
2回目チャンス演出を実行した後、遊技回U2での当たり抽選において小当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技は終了し、その後、開閉実行モードは終了する。そして、遊技者に対して、左打ちをするよう促す演出(左打ち示唆演出)を実行する。遊技者は、左打ちを実行し、再度、第1始動口33に遊技球を入球させることを試みる。
以上説明したように、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された当たり抽選において大当たりに当選した場合(ケース1の場合)も、小当たりに当選した場合(ケース2の場合)も、第1図柄表示部37aには、当たり抽選の結果を示す図柄のパターンは表示されるが、図柄表示装置41への画像の表示や音声の出力による当たり抽選の抽選結果を示唆する演出は実行されない。よって、図柄表示装置41への画像の表示や音声の出力によって当たり抽選の抽選結果を認識している遊技者は、遊技回の終了した時点において当該遊技回における抽選結果を認識できない。その結果、仮に、小当たりに当選していたとしても、大当たりに当選したのではないかといった期待感を遊技者に付与することができる。
さらに、遊技回が終了した後に、ケース1の場合も、ケース2の場合も、右打ち示唆演出、Wチャンス示唆演出を実行するので、遊技回が終了した後に当該演出が実行されている期間中も、当たり抽選において小当たりではなく大当たりに当選しているのではないかといった期待感を付与することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、第1始動口33への入球を契機とした当たり抽選において大当たりに当選した場合には、当たり抽選において大当たりに当選した時点において大当たりの種別は決定されず、開閉実行モードの実行中に遊技球が種別決定ゲート202に入球することによって決定される。そして、大当たり種別が決定すると、ラウンド表示部39のラウンドランプが、大当たりの種別に対応したラウンド遊技の実行回数に応じた表示で点灯する。一方、小当たりに当選している場合は、ラウンドランプは点灯しない。すなわち、大当たりに当選している場合であっても小当たりに当選している場合であっても、遊技回の終了直後にはラウンドランプは点灯しないので、遊技回の終了後において、ラウンドランプに基づいて当該遊技回において大当たりに当選しているのか小当たりに当選しているのかを遊技者が識別することを回避することができる。
その結果、遊技回の終了後に、遊技者が右打ちをして、種別決定ゲート202に遊技球を入球させるまでは、遊技者に、当該当たり抽選の抽選結果を認識させず、遊技者に対して、比較的長い期間、小当たりではなく大当たりに当選しているのではないかといった期待感を付与することができる。すなわち、遊技回が終了し、大当たりまたは小当たりに基づく開閉実行モードが開始された後の期間においても、比較的長い期間に亘って遊技者に期待感を付与することができ、遊技に対して注目させることができる。また、大当たり種別の決定に際し、遊技者に右打ちをさせて、種別決定ゲート202に遊技球を入球させるので、大当たり種別の決定に関して遊技者に積極的に関与させることとなり、遊技者に対して、開閉実行モードの期間においてさら遊技に注目させることができる。
また、ケース1においては、遊技回U1での当たり抽選において大当たりに当選し、その後に遊技球がV入賞口222に入球したにも関わらず、遊技回U1での当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技が継続され、V入賞口222に遊技球が入球したことを契機とした大当たりは確定せず、V入賞口222への遊技球の入球に基づく新たな開閉実行モードも開始されない。さらに、V入賞口222への遊技球の入球によって遊技者に対してなんらかの特典が付与されることや、遊技状態が変更されることはない。一方、ケース2においては、遊技回U2での当たり抽選において小当たりに当選し、その後に遊技球がV入賞口222に入球すると、大当たりが確定し、遊技回U2における当たり抽選において小当たりに当選したことを契機とする開閉実行モードが終了した後に、V入賞口222への遊技球の入球に基づいた大当たりを契機とする新たな開閉実行モードが開始される。すなわち、遊技球がV入賞口222に入球したことを契機として遊技者に特典が付与される場合と付与されない場合とがあるので、遊技中に遊技球がV入賞口222に入球した場合に、特典が付与されるのか付与されないのかを遊技者に推測させるとともに、特典が付与されるのではないかといった期待感を遊技者に付与することができる。
さらに、遊技球がV入賞口222に入球した場合に、V入賞口222に遊技球が入球する契機となった遊技回における当たり抽選の結果が大当たりであるのか小当たりであるのかを遊技者に推測させ、遊技者により一層大きな期待感を付与することができる。
また、ケース1においては、遊技球がV入賞口222に入球した場合に、当該V入賞口222への遊技球の入球を契機とする特典が付与されないにも関わらず、遊技球がV入賞口222に入球したことを契機としてV入賞大当たり演出を実行する。ケース2においては、遊技球がV入賞口222に入球した場合に、当該V入賞口222への遊技球の入球を契機とする特典が付与されるとともに、遊技球がV入賞口222に入球したことを契機としてV入賞大当たり演出を実行する。よって、V入賞口222への遊技球の入球を契機とする特典が付与されない場合であっても、V入賞大当たりが実行されたことを認識した遊技者に対して、特典が付与されるのではないかといった期待感を付与することができる。
ケース1の場合には、遊技球がV入賞口222に入球しても当該入球を契機とする特典が付与されないにも関わらず、1回目チャンス演出においてV入賞口222に遊技球を入球させることを促す演出を実行するので、当該演出が実行されたことを認識した遊技者に対して、特典が付与されるかもしれないと言った期待感を付与することができる、さらに、V入賞口222に遊技球が入球する態様での遊技球の発射を促すことができる。
さらに、ケース1において、遊技球がV入賞口222に入球した場合に、遊技回U1での当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技の1R目が終了し、2ラウンド目(2R目)が開始されるにも関わらず、2ラウンド目以降においては、新たな開閉実行モードが開始されたことを示唆する演出を実行する。このようにすることで、V入賞口222への遊技球の入球に基づく新たな開閉実行モードが開始されたかのように遊技者を認識させることができ、遊技者に対して期待感を付与することができる。すなわち、実質的には遊技回U1での当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技中に、遊技者に対して、新たな期待感を付与することができる。
《A5》主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において実行される具体的な処理の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<タイマ割込み処理>
図13は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップSa0101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサの状態を読み込み、当該センサの状態を判定して検出情報(入球検知情報)を保存する。その後、ステップSa0102に進む。
ステップSa0102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップSa0103に進む。
ステップSa0103では、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4の値の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップSa0104に進む。なお、変動種別カウンタCSは、後述する通常処理(図22)において、その値を更新する。
ステップSa0104では、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。ステップSa0104の始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSa0104を実行した後、ステップSa0105に進む。
ステップSa0105では、スルーゲート35への遊技球の入球(通過)に伴うスルー用の入球処理を実行する。ステップSa0105におけるスルー用の入球処理の詳細については後述する。ステップSa0105を実行した後、ステップSa0106に進む。
ステップSa0106では、種別決定ゲートへの遊技球の入球に伴う種別決定ゲート用の入球処理を実行する。ステップSa0106における種別決定ゲート用の入球処理の詳細については後述する。ステップSa0106を実行した後、ステップSa0107に進む。
ステップSa0107では、大入賞口への遊技球の入球に伴う大入賞口用の入球処理を実行する。ステップSa0107における大入賞口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSa0107を実行した後、ステップSa0108に進む。
ステップSa0108では、クルーンへの遊技球の入球に伴うクルーン用の入球処理を実行する。ステップSa0108におけるクルーン用の入球処理の詳細については後述する。ステップSa0108を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図13:Sa0104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図14は、始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSa0201では、遊技球が第1始動口33に入球(始動入賞)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップSa0201において、遊技球が第1始動口33に入球したと判定した場合には(Sa0201:YES)、ステップSa0202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSa0203に進む。
ステップSa0203では、第1始動口33に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップSa0204に進む。
ステップSa0204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップSa0209に進む。
ステップSa0201において、遊技球が第1始動口33に入球していないと判定した場合には(Sa0201:NO)、ステップSa0205に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。
ステップSa0205において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(Sa0205:YES)、ステップSa0206に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSa0207に進む。一方、ステップSa0205において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(Sa0205:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップSa0207では、第2始動口34に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップSa0208に進む。
ステップSa0208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップSa0209に進む。
ステップSa0209では、上述したステップSa0204又はステップSa0208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップSa0209において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(Sa0209:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップSa0209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(Sa0209:YES)、ステップSa0210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップSa0211に進み、合計保留個数記憶エリアに記憶された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップSa0212に進む。
ステップSa0212では、ステップSa0103(図13)において更新した当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、および、通常処理(図22)において更新している変動種別カウンタCSの各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSa0210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSa0103(図13)にて更新した当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSa0210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに記憶する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSa0103(図13)にて更新した当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSa0210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに記憶する。ステップSa0212を実行した後、ステップSa0213に進む。
ステップSa0213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて、当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無、遊技回の変動時間などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップSa0213を実行した後、ステップSa0214に進む。
ステップSa0214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果(先判定情報)を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果(先判定情報)を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図22:ステップSa1003)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主側MPU62は、ステップSa0214を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入球処理のサブルーチン(図14:Sa0213)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図15は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定、遊技回の変動時間の判定などを、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップSa0301では、大当たり・リーチ情報取得処理を実行する。当該処理は、当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定を行う処理である。大当たり・リーチ情報取得処理の詳細については後述する。ステップSa0301を実行した後、ステップSa0302に進む。
ステップSa0302では、変動時間情報取得処理を実行する。当該処理は、遊技回の変動時間の判定を行う処理である。変動時間情報取得処理の詳細については後述する。
ステップSa0302を実行した後、本先判定処理を終了する。
<大当たり・リーチ情報取得処理>
次に、大当たり・リーチ情報取得処理について説明する。大当たり・リーチ情報取得処理は、先判定処理のサブルーチン(図15:Sa0301)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図16は、大当たり・リーチ情報取得処理を示すフローチャートである。ステップSa0401では、始動口用の入球処理(図14)における始動口への入球によって記憶エリア(保留エリア)に記憶された当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップSa0402に進む。
ステップSa0402では、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が第1保留エリアRaに基づくものであるか否かを判定する。すなわち、先判定処理を実行する対象となる保留情報が、第1始動口33への遊技球の入球を契機として取得された情報か、第2始動口34への遊技球の入球を契機として取得された情報かを判定する。ステップSa0402において、読み出した保留エリアが第1保留エリアRaに基づくものであると判定した場合には(Sa0402:YES)、ステップSa0403に進み第1始動口用の当否テーブルを参照する。その後、ステップSa0405に進む。
一方、ステップSa0402において、読み出した保留エリアが第1保留エリアRaに基づくものではないと判定した場合、すなわち読み出した保留エリアが第2保留エリアRbに基づくものである場合には(Sa0402:NO)、ステップSa0404に進み、第1始動口用の当否テーブルを参照する。その後、ステップSa0405に進む。
ステップSa0405では、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において大当たりに当選しているか否かを判定する。ステップSa0405において、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において大当たりに当選していると判定した場合には(Sa0405:YES)、ステップSa0406に進む。
ステップSa0406では、大当たり情報を先判定処理結果記憶エリア64hに記憶させる。その後、大当たり・リーチ情報取得処理を終了する。
一方、ステップSa0405において、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において大当たりに当選していないと判定した場合には(Sa0405:NO)、ステップSa0407に進む。
ステップSa0407では、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において小当たりに当選しているか否かを判定する。ステップSa0407において、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において小当たりに当選していると判定した場合には(Sa0407:YES)、ステップSa0408に進む。
ステップSa0408では、小当たり情報を先判定処理結果記憶エリア64hに記憶させる。その後、大当たり・リーチ情報取得処理を終了する。
ステップSa0407において、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において小当たりに当選していないと判定した場合には(Sa0407:NO)、ステップSa0409に進む。
ステップSa0409では、今回の始動口への入球によって記憶エリアに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値を読み出す。その後、ステップSa0410に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップSa0411に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回読み出したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップSa0411において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(Sa0411:YES)、ステップSa0412に進み、先判定処理結果記憶エリア64hにリーチ発生情報を記憶させる。その後、大当たり・リーチ情報取得処理を終了する。一方、ステップSa0411において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(Sa0411:NO)、そのまま大当たり・リーチ情報取得処理を終了する。
<変動時間情報取得処理>
次に、変動時間情報取得処理について説明する。変動時間情報取得処理は、先判定処理のサブルーチン(図15:Sa0302)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図17は、変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップSa0501では、始動口用の入球処理(図14)における始動口への入球によって記憶エリアに記憶された変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSa0502に進む。
ステップSa0502では、今回の遊技回に係る当たり抽選が当選であるか否かを判定する。具体的には、大当たり・リーチ情報取得処理によって判定した当たり抽選の抽選結果に基づいて大当たりの有無を判定し、大当たりである場合には(Sa0502:YES)、ステップSa0503に進む。
ステップSa0503では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSa0503を実行した後、ステップSa0509に進む。
ステップSa0509では、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶する。その後、本変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSa0502において、当たり抽選の抽選結果が大当たりではないと判定した場合には(ステップSa0502:NO)、ステップSa0504に進み、今回の遊技回に係る当たり抽選において小当たりに当選しているか否かを判定する。ステップSa0504において、小当たりに当選していると判定した場合には(Sa0504:YES)、ステップSa0505に進む。
ステップSa0505では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている小当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSa0505を実行した後、ステップSa0509に進む。
ステップSa0509では、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶する。その後、本変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSa0504において、今回の遊技回に係る当たり抽選において小当たりに当選していないと判定した場合には(Sa0504:NO)、ステップSa0506に進み、リーチが発生するか否かを判定する。ステップSa0506において、リーチが発生すると判定した場合には(Sa0506:YES)、ステップSa0507に進む。
ステップSa0507では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップSa0509に進み、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶した後、本変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSa0506において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(ステップSa0506:NO)、ステップSa0508に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップSa0509に進み、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶した後、本変動時間情報取得処理を終了する。
<スルー用の入球処理>
次に、スルー用の入球処理について説明する。スルー用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図13:ステップSa0105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図18は、スルー用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSa0601では、遊技球がスルーゲート35に入球したか否かを判定する。ステップSa0601において、遊技球がスルーゲート35に入球したと判定した場合には(Sa0601:YES)、ステップSa0602に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入球数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップSa0601において、スルーゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(Sa0601:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。
ステップSa0602において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(Sa0602:YES)、ステップSa0603に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップSa0604に進む。
ステップSa0604では、ステップSa0103(図13)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64cの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに記憶する。その後、スルー用の入球処理を終了する。
一方、ステップSa0602において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(Sa0602:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を記憶することなく、スルー用の入球処理を終了する。
<種別決定ゲート用の入球処理>
次に、種別決定ゲート用の入球処理について説明する。種別決定ゲート用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図13:ステップSa0106)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図19は、種別決定ゲート用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSa0701では、遊技球が種別決定ゲート202に入球したか否かを判定する。ステップSa0701において、遊技球が種別決定ゲート202に入球したと判定した場合には(Sa0701:YES)、ステップSa0702に進む。一方、ステップSa0701において、遊技球が種別決定ゲート202に入球していないと判定した場合には(Sa0701:NO)、そのまま種別決定ゲート用の入球処理を終了する。
ステップSa0702では、種別決定許可フラグがONであるか否かを判定する。種別決定許可フラグは、当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードが開始され種別決定処理(図29参照)が実行された場合にONにされ、本種別決定ゲート用の入球処理において、大当たり種別を決定するための大当たり種別カウンタC2の値を記憶エリアに記憶させた後にOFFにされる(Sa0705)。
ステップSa0702において、種別決定許可フラグがONであると判定した場合には(Sa0702:YES)、ステップSa0703に進む。ステップSa0702において、種別決定許可フラグがONではないと判定した場合には(Sa0702:NO)、そのまま種別決定ゲート用の入球処理を終了する。
ステップSa0703では、大当たり種別カウンタC2の値を、対応する記憶エリア(種別判定処理実行エリア64i)に記憶する。その後、ステップSa0704に進む。
ステップSa0704では、大当たり種別カウンタ記憶完了フラグをONにする。大当たり種別カウンタ記憶完了フラグは、大当たり種別カウンタC2の値が種別判定処理実行エリア64iに記憶された場合にONにされ、後述する種別決定処理(図29参照)において大当たり種別が決定した場合にOFFにされる。ステップSa0704を実行した後、ステップSa0705に進む。
ステップSa0705では、種別決定許可フラグをOFFにする。その後、種別決定ゲート用の入球処理を終了する。
<大入賞口用の入球処理>
次に、大入賞口用の入球処理について説明する。大入賞口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図13:ステップSa0107)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図20は、大入賞口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSa0801では、遊技球が第1大入賞口36aに入球したか否かを判定する。ステップSa0801において、遊技球が第1大入賞口36aに入球したと判定した場合には(Sa0801:YES)、ステップSa0802に進む。一方、ステップSa0801において、遊技球が第1大入賞口36aに入球したと判定しなかった場合には(Sa0801:NO)、ステップSa0804に進む。
ステップSa0802では、第1大入賞口36aに入球したことに基づいて払い出される賞球の数を設定する。本実施形態においては、第1大入賞口36aに1個の遊技球が入球した場合には、15個の遊技球が賞球として払い出される。ステップSa0802を実行した後、ステップSa0803に進む。
ステップSa0803では、第1大入賞口入球コマンドを設定する。第1大入賞口入球コマンドは、第1大入賞口36aに遊技球が入球したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第1大入賞口入球コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図22:ステップSa1003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa0803を実行した後、ステップSa0804に進む。
ステップSa0804では、遊技球が第2大入賞口212に入球したか否かを判定する。ステップSa0804において、遊技球が第2大入賞口212に入球したと判定した場合には(Sa0804:YES)、ステップSa0805に進む。一方、ステップSa0804において、遊技球が第2大入賞口212に入球していないと判定した場合には(Sa0804:NO)、そのまま大入賞口用の入球処理を終了する。
ステップSa0805では、第2大入賞口212に入球したことに基づいて払い出される賞球の数を設定する。本実施形態においては、第2大入賞口212に1個の遊技球が入球した場合には、15個の遊技球が賞球として払い出される。ステップSa0805を実行した後、ステップSa0806に進む。
ステップSa0806では、第2大入賞口入球コマンドを設定する。第2大入賞口入球コマンドは、第2大入賞口212に遊技球が入球したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第2大入賞口入球コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図22:ステップSa1003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa0806を実行した後、大入賞口用の入球処理を終了する。
<クルーン用の入球処理>
次に、クルーン用の入球処理について説明する。クルーン用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図13:ステップSa0108)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図21は、クルーン用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSa0901では、クルーン入球許可フラグがONであるか否かを判定する。クルーン入球許可フラグは、大入賞口開閉処理(図32)において貯留弁216を開放した場合にONにされ、クルーン220が備えるV入賞口222または非V入賞口224に遊技球が入球した場合にOFFにされる(図21:Sa0910)。このようにすることで、貯留弁216が開放動作を実行していないにも関わらず、貯留弁駆動機構217や貯留弁216の損傷や異常によって、意図せずクルーンに遊技球が流通し、V入賞口222に入球して大当たりとなってしまうことを回避することができる。ステップSa0901において、クルーン入球許可フラグがONであると判定した場合には(Sa0901:YES)、ステップSa0902に進む。一方、ステップSa0901において、クルーン入球許可フラグがONではないと判定した場合には(Sa0901:NO)、そのままクルーン用の入球処理を終了する。
ステップSa0902では、V入賞口222に遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSa0902において、V入賞口222に遊技球が入球したと判定した場合には(Sa0902:YES)、ステップSa0903に進む。
ステップSa0903では、小当りフラグがONであるか否かを判定する。すなわち、本処理においては、遊技球がV入賞口222に入球した契機が、当たり抽選において小当りに当選したことであるのか、または、当たり抽選において大当たりに当選したことであるのかを判定している。図11のケース1において説明したように、当たり抽選における小当りに当選したことを契機としてV入賞口222に遊技球が入球した場合には大当たりが確定するが、当たり抽選における大当りに当選したことを契機としてV入賞口222に遊技球が入球した場合には、遊技回での当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技が継続され、V入賞口222に遊技球が入球したことを契機とした大当たりは確定せず、V入賞口222への遊技球の入球に基づく新たな開閉実行モードも開始されない。さらに、V入賞口222への遊技球の入球によって遊技者に対してなんらかの特典が付与されることや、遊技状態が変更されることはない。よって、ステップSa0903では、遊技球がV入賞口222に入球した契機が、当たり抽選において小当りに当選したことであるのか、または、当たり抽選において大当たりに当選したことであるのかを判定することによって、大当たりを確定するのかしないのかを判定する。ステップSa0903において、小当りフラグがONであると判定した場合には(Sa0903:YES)、ステップSa0904に進む。
ステップSa0904では、大当たり種別カウンタC2の値を、対応する記憶エリア(種別判定処理実行エリア64i)に記憶する。上述したように、本実施形態においては、第1始動口33または第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行された当たり抽選において大当たりに当選した場合には、開閉実行モードの実行中に種別決定ゲート202に遊技球が入球したことを契機として、種別決定ゲート用の入球処理において大当たり種別カウンタC2の値を対応する記憶エリア(種別判定処理実行エリア64i)に記憶させたが、V入賞口222への遊技球の入球を契機とする大当たりの場合には、V入賞口222への遊技球の入球によって大当たり種別カウンタC2の値を対応する記憶エリア(種別判定処理実行エリア64i)に記憶させる。ステップSa0904を実行した後、ステップSa0905に進む。
ステップSa0905では、V入賞大当たりフラグをONにする。V入賞大当たりフラグは、遊技球がV入賞口222に入球した場合にONにされ、V入賞による大当たりによる開閉実行モードのオープニング時間の設定が完了した後にOFFにされる(図32:Sa1910)。ステップSa0905を実行した後、ステップSa0906に進む。
ステップSa0906では、V入賞コマンドを設定する。V入賞コマンドは、当たり抽選における小当りを契機としてV入賞口222に遊技球が入球したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。V入賞コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図22:ステップSa1003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa0906を実行した後、ステップSa0910に進む。
一方、ステップSa0903において、小当りフラグがONではない判定した場合には(Sa0903:NO)、ステップSa0907に進む。
ステップSa0907では、ダミーV入賞コマンドを設定する。ダミーV入賞コマンドは、当たり抽選における大当りを契機としてV入賞口222に遊技球が入球したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。ダミーV入賞コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図22:ステップSa1003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa0907を実行した後、ステップSa0910に進む。
ステップSa0902において、V入賞口222に遊技球が入球していないと判定した場合には(Sa0902:NO)、ステップSa0908に進む。
ステップSa0908では、非V入賞口224に遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSa0908において、非V入賞口224に遊技球が入球したと判定した場合には(Sa0908:YES)、ステップSa0909に進む。一方、ステップSa0908において、非V入賞口224に遊技球が入球していないと判定した場合には(Sa0908:NO)、そのままクルーン用の入球処理を終了する。
ステップSa0909では、非V入賞コマンドを設定する。非V入賞コマンドは、非V入賞口224に遊技球が入球したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。非V入賞コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図22:ステップSa1003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa0909を実行した後、ステップSa0910に進む。
ステップSa0910では、クルーン入球許可フラグをOFFにする。その後、クルーン用の入球処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図22は、通常処理を示すフローチャートである。ステップSa1001では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップSa1002に進む。
ステップSa1002では、立ち上げコマンドを設定する。立ち上げコマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップSa1003に進む。
ステップSa1003では、ステップSa1002において設定された立ち上げコマンドや、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、立ち上げコマンド、変動用コマンド、変動種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップSa1003を実行した後、ステップSa1004に進む。
ステップSa1004では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップSa1005に進む。
ステップSa1005では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップSa1006に進む。ステップSa1006では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップSa1006を実行した後、ステップSa1007に進む。
ステップSa1007では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップSa1008に進む。
ステップSa1008では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップSa1009に進む。
ステップSa1009では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップSa1003のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップSa1009において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(Sa1009:NO)、ステップSa1010及びステップSa1011において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップSa1010において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。また、ステップSa1011において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。一方、ステップSa1009において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(Sa1009:YES)、ステップSa1003に戻り、ステップSa1003からステップSa1008までの各処理を実行する。
なお、ステップSa1003からステップSa1008の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図22:Sa1006)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図23は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップSa1101では、特別遊技状態中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、当たり抽選において大当たりに当選、または小当たりに当選した遊技回における図柄の変動が終了した場合にONにされ(Sa1112)、遊技状態移行処理(図28)において開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる(図28:Sa1629)。
ステップSa1101において開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(Sa1101:YES)、特別遊技状態中であると判定し、ステップSa1102以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、特別遊技状態中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップSa1101において、開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合、すなわち、特別遊技状態中でないと判定した場合には(Sa1101:NO)、ステップSa1102に進む。
ステップSa1102では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける変動表示中フラグ記憶エリアの変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップSa1102において、メイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には(Sa1102:NO)、ステップSa1103〜ステップSa1107の遊技回開始用の処理に進む。ステップSa1103では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップSa1103において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(Sa1103:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップSa1103において、合計保留個数CRNが「0」でないと判定した場合には(Sa1103:NO)、ステップSa1104に進む。
ステップSa1104では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するためのデータ設定処理を実行し、ステップSa1105に進む。データ設定処理の詳細は後述する。
ステップSa1105では、メイン表示部45における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。その後、ステップSa1106に進む。
ステップSa1106では、PNCカウントフラグがONであるか否かを判定する。PNCカウントフラグは、高頻度サポートモードが設定された大当たりを契機として実行された開閉実行モードが終了する場合にONにされ(図35参照)、高頻度サポートモードが終了する場合にOFFにされる(図34参照)。PNCカウントフラグは、高頻度サポートモード中の遊技回の実行回数のカウントを開始するタイミングを確認するために設定されている。ステップSa1106において、PNCカウントフラグがONであると判定した場合には(Sa1106:YES)、ステップSa1107に進む。
ステップSa1107では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードにおいて実行された遊技回の数をカウントするためのカウンタである。ステップSa1107を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップSa1106において、PNCカウントフラグがONではないと判定した場合には(Sa1106:NO)、そのまま遊技回制御処理を終了する。
ステップSa1102において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(Sa1102:YES)、ステップSa1108〜ステップSa1113の遊技回進行用の処理を実行する。
ステップSa1108では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップSa1108では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64f)に記憶されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図27)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップSa1108において、変動時間が経過していないと判定した場合には(Sa1108:NO)、ステップSa1109に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る図柄表示部における表示態様を変更する処理である。ステップSa1109を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
ステップSa1108において、変動時間が経過していると判定した場合には(Sa1108:YES)、ステップSa1110に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理は、後述する変動開始処理(図25)において決定された図柄表示部に表示させる図柄の態様が、今回の遊技回に係る図柄表示部にて表示されるように当該図柄表示部を表示制御する。ステップSa1110を実行した後、ステップSa1111に進む。
ステップSa1111では、大当たりフラグまたは小当たりフラグのいずれかがONであるか否かを判定する。大当たりフラグは、後述する変動開始処理(図25)において、当たり抽選の抽選結果が大当たりである場合にONにされる。小当たりフラグは、後述する変動開始処理(図25)において、当たり抽選の抽選結果が小当たりである場合にONにされる。また、大当たりフラグおよび小当たりフラグは、後述するエンディング期間終了時の移行処理(図35)におけるフラグ消去処理においてOFFにされる。
ステップSa1111において、大当たりフラグまたは小当たりフラグのいずれかがONであると判定した場合には(Sa1111:YES)、ステップSa1112に進み、開閉実行モードフラグをONにする。その後、ステップSa1113に進み、開閉実行モード開始コマンドを設定する。開閉実行モード開始コマンドは、開閉実行モードが開始されることをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。開閉実行モード開始コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図22:ステップSa1003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa1113を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップSa1111において、大当たりフラグまたは小当たりフラグのいずれかがONではないと判定した場合には(Sa1111:NO)、そのまま遊技回制御処理を終了する。
<データ設定処理>
次に、データ設定処理について説明する。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図23:Sa1104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図24は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップSa1201では、データ設定処理を実行する処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaであるか否かを判定する。具体的には、第1保留エリアRa(図6)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されている保留情報)の方が、第2保留エリアRb(図6)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されている保留情報)よりも先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第1保留エリアRaであると判定する。一方、第1保留エリアRaに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報よりも、第2保留エリアRbに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報の方が先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第2保留エリアRbであると判定する。すなわち、ステップSa1201の処理を実行することにより、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された順に、保留情報を処理対象とすることができる。
ステップSa1201において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaであると判定した場合には(ステップSa1201:YES)、ステップSa1202〜ステップSa1207の第1保留エリア用のデータ設定処理を実行する。一方、ステップSa1201において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップSa1201:NO)、ステップSa1208〜ステップSa1213の第2保留エリア用のデータ設定処理を実行する。
ステップSa1202では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップSa1203に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップSa1204に進む。ステップSa1204では、第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップSa1205に進む。
ステップSa1205では、第1保留エリアRaの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSa1205を実行した後、ステップSa1206に進む。
ステップSa1206では、各種フラグ記憶エリア64gの第2図柄表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2図柄表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップSa1207へ進む。
ステップSa1207では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、データ設定処理を終了する。
ステップSa1207において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図22)におけるステップSa1003において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
ステップSa1201において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップSa1201:NO)、ステップSa1208に進む。
ステップSa1208では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップSa1209に進む。ステップSa1209では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップSa1210に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップSa1211に進む。
ステップSa1211では、第2保留エリアRbの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSa1211を実行した後、ステップSa1212に進む。
ステップSa1212では、各種フラグ記憶エリア64gの第2図柄表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップSa1213に進む。
ステップSa1213では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップSa1213において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図22)におけるステップSa1003において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図23:Sa1105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図25は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSa1301では、始動口用の入球処理(図14)における始動口への入球によって記憶エリア(保留エリア)に記憶された当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップSa1302に進む。
ステップSa1302では、第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。すなわち、処理対象となっている当たり乱数カウンタC1の値が、第1始動口33への遊技球の入球を契機として取得された情報か、第2始動口34への遊技球の入球を契機として取得された情報かを判定する。
ステップSa1302において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sa1302:NO)、ステップSa1303に進む。ステップSa1303では、第1始動口用の当否テーブルを参照し、その後、ステップSa1305に進む。
ステップSa1302において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sa1302:YES)、ステップSa1304に進む。ステップSa1304では、第2始動口用の当否テーブルを参照し、その後、ステップSa1305に進む。
ステップSa1305では、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において大当たりに当選しているか否かを判定する。ステップSa1305において、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において大当たりに当選していると判定した場合には(Sa1305:YES)、ステップSa1306に進む。
ステップSa1306では、大当たり用の停止結果設定処理を実行する。大当たり用の停止結果設定処理とは、大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている大当たり用の停止結果テーブルを参照することで大当たりに対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSa1306を実行した後、ステップSa1307に進む。
ステップSa1307では、大当たりフラグをONにする。その後、ステップSa1308に進み、特定処理実行判定処理を実行する。特定処理実行判定処理は、大当たりに当選した遊技回の終了後に実行される開閉実行モードにおいて、図11において説明した処理、すなわち、Wチャンス示唆演出の実行を含む処理を実行するか否かを決定するための処理である。特定処理実行判定処理の詳細は後述する。ステップSa1308を実行した後、ステップSa1315に進む。
一方、ステップSa1305において、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において大当たりに当選していないと判定した場合には(Sa1305:NO)、ステップSa1309に進む。
ステップSa1309では、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において小当たりに当選しているか否かを判定する。ステップSa1309おいて、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において小当たりに当選していると判定した場合には(Sa1309:YES)、ステップSa1310に進む。
ステップSa1310では、小当たり用の停止結果設定処理を実行する。小当たり用の停止結果設定処理とは、小当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。ステップSa1310を実行した後、ステップSa1311に進む。
ステップSa1311では、小当たりフラグをONにする。ステップSa1311を実行した後、ステップSa1315に進む。
ステップSa1309において、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において小当たりに当選していないと判定した場合には(Sa1309:NO)、ステップSa1312に進む。
ステップSa1312では、実行される今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。具体的には、今回の始動口への入球によって記憶エリアに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値を読み出す。そして、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回読み出したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップSa1312において、実行される今回の遊技回においてリーチが発生すると判定した場合には(Sa1312:YES)、ステップSa1313に進む。
ステップSa1313では、リーチ用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、リーチ用の停止結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理を実行する。より具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおけるリーチ用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSa1313を実行した後、ステップSa1315に進む。
ステップSa1312において、実行される今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(Sa1312:NO)、ステップSa1314に進む。
ステップSa1314では、外れ用の停止結果設定処理を実行する。外れ用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSa1314を実行した後、ステップSa1315に進む。
ステップSa1315では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理とは、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップSa1315を実行した後、ステップSa1316に進む。
ステップSa1316では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSa1316において、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sa1316:NO)、ステップSa1317に進み、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップSa1315で設定された変動時間の情報が含まれている。
一方、ステップSa1316において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sa1316:YES)、ステップSa1318に進み、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップSa1315で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップSa1317又はステップSa1318を実行した後、ステップSa1319に進む。
ステップSa1319では、変動種別コマンドを設定する。変動種別コマンドには、大当たりの有無、リーチ発生の有無、特定処理の実行の有無の情報が含まれる。
ステップSa1317〜ステップSa1319にて設定された変動用コマンド及び変動種別コマンドは、通常処理(図22)におけるステップSa1003によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び変動種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSa1319を実行後、ステップSa1320に進む。
ステップSa1320では、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第1図柄表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2図柄表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第2図柄表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップSa1320を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<特定処理実行判定処理>
次に、特定処理実行判定処理について説明する。特定処理実行判定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図25:Sa1308)として主制御装置60のMPU62によって実行される。ここで、特定処理は、図11で説明した一連の処理を意味する。特定処理実行判定処理は、特定処理を実行するか否かを決定(判定)するための処理である。
図26は、特定処理実行判定処理を示すフローチャートである。ステップSa1401では、第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。上述したように、図11で説明した処理は、当該遊技回が第1始動口33への遊技球の入球を契機として実行される当たり抽選において大当たりに当選している場合に実行する。従って、処理対象である遊技回が第1始動口33への遊技球の入球を契機として実行されるのか、第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行されるのかを判定するために、第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。
ステップSa1401において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sa1401:NO)、ステップSa1402に進む。一方、ステップSa1401において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sa1401:YES)、そのまま特定処理実行判定処理を終了する。
ステップSa1402では、当たり抽選において大当たりに当選することとなる当該遊技回における当たり乱数カウンタC1の値が、予め定められた特定の値であるかを判定する。図11において説明したように、当該図11で示した処理は、第1始動口33への遊技球の入球を契機として実行される当たり抽選において大当たりに当選している全ての場合において実行するのではなく、特定の場合にのみ実行する。従って、当該遊技回における当たり乱数カウンタC1の値が、予め定められた特定の値であるか否かを判定し、特定の値である場合には、特定処理の実行を決定する。本実施形態においては、特定の値は、図7に示した第1始動口用の当否テーブルにおいて大当たりとなる当たり乱数カウンタC1の値「0〜4」のうち、2つの値「0、1」に設定されている。従って、ステップSa1402においては、当たり抽選において大当たりに当選することとなる当該遊技回における当たり乱数カウンタC1の値が、「0」または「1」であるかを判定する。ステップSa1402において、当たり乱数カウンタC1の値が特定の値であると判定した場合には(Sa1402:YES)、ステップSa1403に進む。一方、ステップSa1402において、当たり乱数カウンタC1の値が特定の値ではないと判定した場合には(Sa1402:NO)、そのまま特定処理実行判定処理を終了する。
ステップSa1403では、特定処理フラグをONにする。図11において説明した処理においては、開閉実行モードにおける開閉処理期間において、第2開閉扉213が開放する開閉シナリオ(開放パターン)が設定される必要がある。特定処理フラグは、開閉シナリオを決定する処理(図30:開閉シナリオ設定処理)において、特定処理が実行されるか否かを識別するために設けられている。ステップSa1403を実行した後、ステップSSa1404に進む。
ステップSa1404では、特定処理コマンドを設定する。特定処理コマンドは、特定処理が実行されることをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。特定処理コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図22:ステップSa1003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa1404を実行した後、特定処理実行判定処理を終了する。
<変動時間の設定処理>
次に、変動時間の設定処理について説明する。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図25:Sa1015)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図27は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップSa1501では、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSa1502に進む。
ステップSa1502では、今回の遊技回に係る当たり抽選において大当たりに当選しているか否かを判定する。具体的には、RAM64の、大当たりフラグがONであるか否かを判定し、大当たりフラグがONである場合には(Sa1502:YES)、ステップSa1503に進む。
ステップSa1503では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップSa1509に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップSa1502において、今回の遊技回に係る当たり抽選において大当たりに当選していないと判定した場合には(Sa1502:NO)、ステップSa1504に進み、今回の遊技回に係る当たり抽選において小当たりに当選しているか否かを判定する。具体的には、RAM64の、小当たりフラグがONであるか否かを判定し、小当たりフラグがONである場合には(Sa1504:YES)、ステップSa1505に進む。
ステップSa1505では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている小当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップSa1509に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップSa1504において、今回の遊技回に係る当たり抽選において小当たりに当選していないと判定した場合には(Sa1504:NO)、ステップSa1506に進む。
ステップSa1506では、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップSa1502において今回の遊技回に係る当たり抽選において大当たりに当選していない場合および小当たりに当選していない場合に本処理(Sa1506)を実行することから、ステップSa1506においては、当たり抽選において大当たりおよび小当たりに当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(Sa1506:YES)、ステップSa1507に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップSa1507では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、リーチ発生用の変動時間は一定である。その後、ステップSa1509に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップSa1506において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(Sa1506:NO)、ステップSa1508に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップSa1509に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、上述のように、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定されている。すなわち、変動種別カウンタCSの値が同じであっても、当該遊技回の変動時間を決定するときの第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値によって、参照する変動時間テーブルのデータが異なる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定される構成としたが、その他、例えば、合計保留個数CRNの値が大きいほど、変動時間が短くなるように設定される構成としてもよい。また、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動時間テーブル、通常大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図22:Sa1007)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図28は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップSa1601では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、特別遊技状態における開閉処理期間の終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、特別遊技状態においてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップSa1601において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(Sa1601:NO)、ステップSa1602に進み、開閉処理期間フラグがONであるか否かを判定する。上述のように、開閉処理期間フラグは、遊技状態を開閉処理期間に移行させる場合にONにされ、開閉処理期間を終了させる場合にOFFにされる。
ステップSa1602において、開閉処理期間フラグがONではないと判定した場合には(Sa1602:NO)、ステップSa1603に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。
ステップSa1603において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(Sa1603:NO)、ステップSa1604に進み、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップSa1604において、変動表示が終了したタイミングではないと判定した場合には(Sa1604:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSa1604において、変動表示が終了したタイミングであると判定した場合には(Sa1604:YES)、ステップSa1605に進み、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、開閉実行モードが開始される契機となった遊技回が終了する場合にONにされ(図23:Sa1112)、開閉実行モードが終了する場合にOFFにされる(図28:Sa1629)。
ステップSa1605において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(Sa1605:YES)、ステップSa1606に進む。一方、ステップSa1605において、開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(Sa1605:NO)、そのまま遊技状態移行処理を終了する。
ステップSa1606では、今回の遊技回の遊技結果(当たり抽選の結果)が小当たりであるか否かを判定する。具体的には、小当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップSa1606において、今回の遊技回の遊技結果(当たり抽選の結果)が小当たりではないと判定した場合には(Sa1606:NO)、ステップSa1607に進む。
ステップSa1607では、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。ステップSa1606において、今回の遊技回の遊技結果(当たり抽選の結果)が小当たりではないと判定されているため、今回の遊技回における当たり抽選の結果は大当たりである。大当たりに当選したことを契機として実行される開閉実行モードの実行中のサポートモードを低頻度サポートモードにするため、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。ステップSa1607を実行した後、ステップSa1608に進む。
ステップSa1608では、種別決定完了フラグがONであるか否かを判定する。種別決定完了フラグは、大当たり種別が決定しているか否かを判定するためのフラグであり、大当たり種別を決定する種別決定処理において大当たり種別が決定した場合にONにされ(図29:Sa1709)、開閉シナリオ設定処理が実行される直前にOFFにされる(Sa1610)。ステップSa1608において、種別決定完了フラグがONではないと判定した場合には(Sa1608:NO)、ステップSa1609に進む。
ステップSa1609では、種別決定処理を実行する。種別決定処理については、後述する。
ステップSa1608において、種別決定完了フラグがONであると判定した場合には(Sa1608:YES)、ステップSa1610に進み、種別決定完了フラグをOFFにする。その後、ステップSa1611に進む。
また、ステップSa1606において、今回の遊技回の遊技結果(当たり抽選の結果)が小当たりであると判定した場合にも(Sa1606:YES)、ステップSa1611に進む。
ステップSa1611では、開閉シナリオ設定処理を実行する。上述のように、開閉シナリオ設定処理は、ラウンド遊技における第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213の開放パターンが設定された開閉シナリオを設定するための処理である。開閉シナリオ設定処理については後述する。ステップSa1611を実行した後、ステップSa1612に進む。
ステップSa1612では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、特別遊技状態におけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。オープニング時間設定処理については後述する。ステップSa1612を実行した後、ステップSa1613に進む。
ステップSa1613では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図22)におけるステップSa1003にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定したオープニング時間の情報、大当たり種別の情報、および、今回の開閉実行モードが実行される契機となった大当たりまたは小当たりに関する情報が含まれる。大当たりまたは小当たりに関する情報とは、第1始動口33への遊技球の入球によって実行された当たり抽選によって大当たりに当選したのか、または小当たりに当選したのか、または、当該大当たりまたは小当たりによって実行されたラウンド遊技中にV入賞口222に遊技球が入球することによって新たに大当たりに当選したのか、または、第2始動口34への遊技球の入球によって実行された当たり抽選によって大当たりに当選したのか、または小当たりに当選したのか、または、当該大当たりまたは小当たりによって実行されたラウンド遊技中にV入賞口222に遊技球が入球することによって新たに大当たりに当選したのかといった情報である。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間および開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSa1613を実行した後、ステップSa1614に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSa1603において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(Sa1603:YES)、ステップSa1615に進む。
ステップSa1615では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、第3タイマカウンタエリアT3の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSa1615において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(Sa1615:YES)、ステップSa1616に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSa1617に進む。
ステップSa1617では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、種別決定処理によって大当たり種別が決定した場合には、当該決定した大当たり種別に設定されているラウンド遊技の実行回数を示す表示をラウンド表示部39に表示させ、V入賞口222に遊技球が入球することによって大当たりが確定した場合には、当該大当たりの確定によって決定された大当たり種別に設定されているラウンド遊技の実行回数を示す表示をラウンド表示部39に表示させる。ステップSa1617を実行した後、ステップSa1618に進む。
ステップSa1618では、開閉処理期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSa1602において、開閉処理期間フラグがONであると判定した場合には(Sa1602:YES)、ステップSa1619に進み、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理については後述する。ステップSa1619を実行した後、ステップSa1620に進む。
ステップSa1620では、大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定し、大入賞口開閉処理が終了したと判定した場合には(Sa1620:YES)、ステップSa1621に進む。一方、ステップSa1620において、大入賞口開閉処理が終了していないと判定した場合には(Sa1620:NO)、そのまま大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSa1621では、開閉処理期間フラグをOFFにし、その後、ステップSa1622に進む。
ステップSa1622では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップSa1622を実行した後、ステップSa1623に進む。
ステップSa1623では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。ステップSa1623を実行した後、ステップSa1624に進む。
ステップSa1624では、エンディングコマンドを設定する。設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図22)におけるステップSa1003にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、当該エンディング期間に対応した演出を開始させる。ステップSa1624を実行した後、ステップSa1625に進む。
ステップSa1625では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSa1601において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(Sa1601:YES)、ステップSa1626に進む。
ステップSa1626では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(Sa1623)において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSa1626において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であると判定した場合には(Sa1626:YES)、ステップSa1627に進む。
ステップSa1627では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSa1628に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップSa1628を実行した後、ステップSa1629に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップSa1626において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」ではないと判定した場合には(Sa1626:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
なお、図28において、「A」の文字が付された図形から延びる矢印からステップSa1611へ進む処理が表示されているが、「A」の文字が付された図形は、図34に表示された「A」の文字が付された図形に対応している。すなわち、エンディング期間終了時の移行処理(図34)におけるステップSa2112から、遊技状態移行処理(図28)におけるステップSa1611へ処理が進むことを示している。以上、遊技状態移行処理について説明した。
<種別決定処理>
次に、種別決定処理について説明する。種別決定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図28:Sa1609)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図29は、種別決定処理を示すフローチャートである。ステップSa1701では、大当たり種別カウンタ記憶完了フラグがONであるか否かを判定する。大当たり種別カウンタ記憶完了フラグは、大当たり種別カウンタC2の値が種別判定処理実行エリア64iに記憶された場合にONにされ、大当たり種別が決定した場合にOFFにされる。
ステップSa1701において、大当たり種別カウンタ記憶完了フラグがONではないと判定した場合には(Sa1701:NO)、ステップSa1702に進む。
ステップSa1702では、種別決定許可フラグがONであるか否かを判定する。種別決定許可フラグは、当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードが開始され種別決定処理が実行された場合にONにされ、種別決定ゲート用の入球処理(図19)において、大当たり種別を決定するための大当たり種別カウンタC2の値を記憶エリアに記憶させた後にOFFにされる(図19:Sa0705)。
ステップSa1702において、種別決定許可フラグがONではないと判定した場合には(Sa1702:NO)、ステップSa1703に進み、種別決定許可フラグをONにして、その後、種別決定処理を終了する。一方、ステップSa1702において、種別決定許可フラグがONであると判定した場合には(Sa1702:YES)、そのまま種別決定処理を終了する。
ステップSa1701において、大当たり種別カウンタ記憶完了フラグがONであると判定した場合には(Sa1701:YES)、ステップSa1704に進む。
ステップSa1704では、第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。
ステップSa1704において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sa1704:NO)、ステップSa1705に進み、第1始動口用の振り分けテーブルを参照し、取得した大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別(振り分け結果)を特定する。その後、ステップSa1707に進む。
ステップSa1704において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sa1704:YES)、ステップSa1706に進み、第2始動口用の振り分けテーブルを参照し、取得した大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別(振り分け結果)を特定する。その後、ステップSa1707に進む。
ステップSa1707では、ステップSa1705またはステップSa1706において特定した大当たり種別を、今回の大当たりにおける大当たり種別に設定する。ステップSa1707を実行した後、ステップSa1708に進む。
ステップSa1708では、種別決定完了フラグをONにし、その後、ステップSa1709に進む。ステップSa1709では、大当たり種別カウンタ記憶完了フラグをOFFにする。その後、種別決定処理を終了する。
<開閉シナリオ設定処理>
次に、開閉シナリオ設定処理について説明する。開閉シナリオ設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図28:Sa1611)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図30は、開閉シナリオ設定処理を示すフローチャートである。ステップSa1801では、大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップSa1801において、大当たりフラグがONであると判定した場合には(Sa1801:YES)、ステップSa1802に進む。
ステップSa1802では、特定処理フラグがONであるか否かを判定する。ステップSSa1802において、特定処理フラグがONではないと判定した場合には(Sa1802:NO)、ステップSa1803に進む。
ステップSa1803では、大当たりの種別に応じた通常の場合(特定処理を実行しない場合)の大当たりの開閉シナリオに設定する。
図31は、本実施形態における開閉シナリオについて説明する説明図である。本実施形態においては、開閉シナリオは、大きく3つに分類して設定されている。
1つ目は、図31(a)に示した、通常の場合の大当たりの開閉シナリオである。通常の場合の大当たりの開閉シナリオとは、大当たりとなった場合に、特定処理を実行しない開閉実行モードにおける第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213の開閉パターンが設定された開閉シナリオである。図示するように、本実施形態における大当たり種別に設定されたラウンド遊技の実行回数(4R、5R、10R、15R)毎に開閉シナリオは設定されている。本実施形態においては、通常の場合の大当たりの開閉シナリオとして設定されている各開閉シナリオには、ラウンド遊技として第1開閉扉36bのみが開閉する開閉パターンが設定されている。
2つ目は、図31(b)に示した、特定処理が実行される場合の大当たりの開閉シナリオである。特定処理が実行される場合の大当たりの開閉シナリオとは、大当たりとなった場合であって特定処理をする開閉実行モードにおける第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213の開閉パターンが設定された開閉シナリオである。図示するように、本実施形態における大当たり種別に設定されたラウンド遊技の実行回数(4R、5R、10R、15R)毎に開閉シナリオは設定されている。本実施形態においては、特定処理が実行される場合の大当たりの開閉シナリオとして設定されている各開閉シナリオには、ラウンド遊技として1ラウンド目(1R目)に第2開閉扉213が1回開閉し、それ以降のラウンド遊技においては、第1開閉扉36bのみが開閉する開閉パターンが設定されている。より具体的には、1ラウンド目に、図4で説明した第2開閉扉213および貯留弁216の動作が実行される。
3つ目は、図31(c)に示した、小当たりの開閉シナリオである。本実施形態においては、小当たりの開閉シナリオとは、小当たりとなった場合の開閉実行モードにおける第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213の開閉パターンが設定された開閉シナリオである。本実施形態においては、小当たりの開閉シナリオとして設定されている各開閉シナリオには、ラウンド遊技として1ラウンド目(1R目)に第2開閉扉が1回のみ開閉する開閉パターンが設定されている。
説明を図30に戻す。ステップSa1803において、大当たりの種別に応じた通常の場合の大当たりの開閉シナリオ(図31(a))が設定されると、その後、開閉シナリオ設定処理を終了する。
ステップSa1802において、特定処理フラグがONであると判定した場合には(Sa1802:YES)、ステップSa1804に進む。
ステップSa1804では、大当たりの種別に応じた特定処理が実行される場合の大当たりの開閉シナリオ(図31(b))に設定する。その後、開閉シナリオ設定処理を終了する。
ステップSa1801において、大当たりフラグがONではないと判定した場合には(Sa1801:NO)、ステップSa1805に進む。
ステップSa1805では、小当たりの場合の開閉シナリオ(図31(c))に設定する。その後、開閉シナリオ設定処理を終了する。
<オープニング時間設定処理>
次に、オープニング時間設定処理について説明する。オープニング時間設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図28:Sa1612)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図32は、オープニング時間設定処理を示すフローチャートである。ステップSa1901では、大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップSa1901において、大当たりフラグがONであると判定した場合には(Sa1901:YES)、ステップSa1902に進む。
ステップSa1902では、第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSa1902において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sa1902:NO)、ステップSa1903に進む。
ステップSa1903では、特定処理フラグがONであるか否かを判定する。ステップSa1903において、特定処理フラグがONであると判定した場合には(Sa1903:YES)、ステップSa1904に進む。
ステップSa1904では、特定処理に対応したオープニング時間を設定する。具体的には、図11において説明した特定処理におけるオープニング期間に対応した時間を設定する。当該オープニング期間においては、図11において説明したように、右打ち示唆演出が実行される。従って、右打ち示唆演出が実行可能な時間が、オープニング時間として設定される。ステップSa1904を実行した後、ステップSa1905に進み、特定処理フラグをOFFにする。その後、オープニング時間設定処理を終了する。
ステップSa1903において、特定処理フラグがONではないと判定した場合には(Sa1903:NO)、ステップSa1906に進む。
ステップSa1906では、第1始動口用の大当たり種別に対応したオープニング時間を設定する。当該オープニング期間においては右打ち示唆演出が実行される。従って、右打ち示唆演出が実行可能な時間が、オープニング時間として設定される。その後、オープニング時間設定処理を終了する。
ステップSa1902において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sa1902:YES)、ステップSa1907に進む。
ステップSa1907では、第2始動口用の大当たり種別に対応したオープニング時間を設定する。当該オープニング期間においては右打ち示唆演出が実行される。従って、右打ち示唆演出が実行可能な時間が、オープニング時間として設定される。その後、オープニング時間設定処理を終了する。
ステップSa1901において、大当たりフラグがONではないと判定した場合には(Sa1901:NO)、ステップSa1908に進む。
ステップSa1908では、V入賞大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップSa1908において、V入賞大当たりフラグがONであると判定した場合には(Sa1908:YES)、ステップSa1909に進む。
ステップSa1909では、V入賞大当たりに対応したオープニング時間を設定する。当該オープニング期間においては、V入賞口222に遊技球が入球し大当たりとなったことを示唆する演出(V入賞報知演出)、および、右打ち示唆演出が実行される。従って、V入賞報知演出および右打ち示唆演出が実行可能な時間が、オープニング時間として設定される。ステップSa1909を実行した後、ステップSa1910に進み、V入賞大当たりフラグをOFFにする。その後、オープニング時間設定処理を終了する。
ステップSa1908において、V入賞大当たりフラグがONではないと判定した場合には(Sa1908:NO)、ステップSa1911に進む。
ステップSa1911では、第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSa1911において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sa1911:NO)、ステップSa1912に進む。
ステップSa1912では、第1始動口用の小当たりに対応したオープニング時間に設定する。第1始動口33への遊技球の入球を契機として実行された当たり抽選において小当たりに当選した場合には、図12で説明した処理を実行する。図12に示したように、オープニング期間おいては、右打ち示唆演出、および、Wチャンス示唆演出が実行される。従って、右打ち示唆演出、および、Wチャンス示唆演出が実行可能な時間が、オープニング時間として設定される。その後、オープニング時間設定処理を終了する。
ステップSa1911において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sa1911:YES)、ステップSa1913に進む。
ステップSa1913では、第2始動口用の小当たりに対応したオープニング時間を設定する。当該オープニング期間においては右打ち示唆演出、および、V入賞口222に遊技球を入球させることを促す演出が実行される。従って、右打ち示唆演出、および、V入賞口222に遊技球を入球させることを促す演出が実行可能な時間が、オープニング時間として設定される。その後、オープニング時間設定処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図28:Sa1619)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図33は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。本大入賞口開閉処理は、大きく3つの制御処理から構成されている。具体的には、ステップSa2001〜ステップSa2007が第1開閉扉36bの開閉制御処理、ステップSa2008〜ステップSa2014が第2開閉扉213の開閉制御処理、ステップSa2015〜ステップSa2022が貯留弁216の開閉制御処理である。
ステップSa2001では、第1開閉扉36bは開放中であるか否かを判定する。ステップSa2001において、第1開閉扉36bは開放中ではないと判定した場合には(Sa2001:NO)、ステップSa2002に進む。
ステップSa2002では、第1開閉扉36bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、第1開閉扉36bの開放のタイミングであるか否かを判定する。ステップSa2002において、第1開閉扉36bの開放条件が成立したと判定した場合には(Sa2002:YES)、ステップSa2003に進む。
ステップSa2003では、第1開閉扉36bを開放する。その後、ステップSa2004に進む。
ステップSa2004では、第1開閉扉開放コマンドを設定する。第1開閉扉開放コマンドは、第1開閉扉36bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第1開閉扉開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図22:ステップSa1003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa2004を実行した後、ステップSa2008に進む。
ステップSa2002において、第1開閉扉36bの開放条件が成立していないと判定した場合には(Sa2002:NO)、そのままステップSa2008に進む。
ステップSa2001において、第1開閉扉36bは開放中であると判定した場合には(Sa2001:YES)、ステップSa2005に進む。
ステップSa2005では、第1開閉扉36bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。第1開閉扉36bの閉鎖条件は、開閉シナリオに設定された第1開閉扉36bの継続開放時間(例えば15秒)が経過したか、または、第1大入賞口36aに予め設定された数の遊技球が入球したことが検出された場合に成立する。ステップSa2005において、第1開閉扉36bの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(Sa2005:YES)、ステップSa2006に進む。
ステップSa2006では、第1開閉扉36bを閉鎖する。その後、ステップSa2007に進む。
ステップSa2007では、第1開閉扉閉鎖コマンドを設定する。第1開閉扉閉鎖コマンドは、第1開閉扉36bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第1開閉扉閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図22:ステップSa1003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa2007を実行した後、ステップSa2008に進む。
ステップSa2005において、第1開閉扉36bの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(Sa2005:NO)、そのままステップSa2008に進む。
ステップSa2008では、第2開閉扉213は開放中であるか否かを判定する。ステップSa2008において、第2開閉扉213は開放中ではないと判定した場合には(Sa2008:NO)、ステップSa2009に進む。
ステップSa2009では、第2開閉扉213の開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、第2開閉扉213の開放のタイミングであるか否かを判定する。ステップSa2009において、第2開閉扉213の開放条件が成立したと判定した場合には(Sa2009:YES)、ステップSa2010に進む。
ステップSa2010では、第2開閉扉213を開放する。その後、ステップSa2011に進む。
ステップSa2011では、第2開閉扉開放コマンドを設定する。第2開閉扉開放コマンドは、第2開閉扉213が開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第2開閉扉開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図22:ステップSa1003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa2011を実行した後、ステップSa2015に進む。
ステップSa2009において、第2開閉扉213の開放条件が成立していないと判定した場合には(Sa2009:NO)、そのままステップSa2015に進む。
ステップSa2008において、第2開閉扉213は開放中であると判定した場合には(Sa2008:YES)、ステップSa2012に進む。
ステップSa2012では、第2開閉扉213の閉鎖条件が成立したか否かを判定する。第2開閉扉213の閉鎖条件は、開閉シナリオに設定された第2開閉扉213の継続開放時間(例えば、15秒)が経過したか、または、第2大入賞口212に予め設定された数の遊技球が入球したことが検出された場合に成立する。ステップSa2012において、第2開閉扉213の閉鎖条件が成立したと判定した場合には(Sa2012:YES)、ステップSa2013に進む。
ステップSa2013では、第2開閉扉213を閉鎖する。その後、ステップSa2014に進む。
ステップSa2014では、第2開閉扉閉鎖コマンドを設定する。第2開閉扉閉鎖コマンドは、第2開閉扉213が閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第2開閉扉閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図22:ステップSa1003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa2014を実行した後、ステップSa2015に進む。
ステップSa2012において、第2開閉扉213の閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(Sa2012:NO)、そのままステップSa2015に進む。
ステップSa2015では、貯留弁216は開放中であるか否かを判定する。ステップSa2015において、貯留弁216は開放中ではないと判定した場合には(Sa2015:NO)、ステップSa2016に進む。
ステップSa2016では、貯留弁216の開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、貯留弁216の開放のタイミングであるか否かを判定する。ステップSa2016において、貯留弁216の開放条件が成立したと判定した場合には(Sa2016:YES)、ステップSa2017に進む。
ステップSa2017では、貯留弁216を開放する。その後、ステップSa2018に進む。
ステップSa2018では、クルーン入球許可フラグをONにする。クルーン入球許可フラグは、貯留弁216の構造に欠損や異常が生じ、意図せず貯留部218から遊技球が流路211を介してクルーン220に流通しV入賞口222に入球した場合であっても、V入賞による大当たりとならないようにするために設けられたフラグである。クルーン入球許可フラグは、大入賞口開閉処理において貯留弁216を開放した場合にONにされ、クルーン220が備えるV入賞口222または非V入賞口224に遊技球が入球した場合にOFFにされる。ステップSa2018を実行した後、ステップSa2019に進む。
ステップSa2019では、貯留弁開放コマンドを設定する。貯留弁開放コマンドは、貯留弁216が開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。貯留弁開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図22:ステップSa1003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa2019を実行した後、大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSa2016において、貯留弁216の開放条件が成立していないと判定した場合には(Sa2016:NO)、そのまま大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSa2015において、貯留弁216は開放中であると判定した場合には(Sa2015:YES)、ステップSa2020に進む。
ステップSa2020では、貯留弁216の閉鎖条件が成立したか否かを判定する。貯留弁216の閉鎖条件は、開閉シナリオに設定された貯留弁216の継続開放時間(例えば、2秒)が経過したことが検出された場合に成立する。ステップSa2020において、第2開閉扉213の閉鎖条件が成立したと判定した場合には(Sa2020:YES)、ステップSa2021に進む。
ステップSa2021では、貯留弁216を閉鎖する。その後、ステップSa2022に進む。
ステップSa2022では、貯留弁閉鎖コマンドを設定する。貯留弁閉鎖コマンドは、貯留弁216が閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。貯留弁閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図22:ステップSa1003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa2022を実行した後、大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSa2020において、貯留弁216の閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(Sa2020:NO)、そのまま大入賞口開閉処理を終了する。
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図28:Sa1628)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図34は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップSa2101では、V入賞大当たりフラグがONであるか否かを判定する。図12の[ケース2]において、遊技回U2において小当たりとなり、その後、開閉実行モード中にV入賞口222に遊技球が入球した場合、新たな大当たりが確定し、当該開閉実行モードの終了後に、新たな大当たりに基づく開閉実行モードが開始される。本ステップSa2101では、そのような処理を進行するのか否かを判定するために、エンディング期間終了時の移行処理において、V入賞大当たりフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSa2101において、V入賞大当たりフラグがONではないと判定した場合には(Sa2101:NO)、ステップSa2102に進む。
ステップSa2102では、今回の大当たりが高頻度サポートモード付きの大当たりであるか否かを判定する。ステップSa2102において、今回の大当たりが高頻度サポートモード付きの大当たりであると判定した場合には(Sa2102:YES)、ステップSa2103に進む。
ステップSa2103では、大当たり種別に対応した遊技回数カウンタPNCの値を設定する。すなわち、高頻度サポートにおいて実行可能な遊技回の回数を遊技回数カウンタPNCに設定する。高頻度サポートにおいて実行可能な遊技回の回数は、各大当たり種別に設定されている。各大当たり種別に設定されている高頻度サポートにおいて実行可能な遊技回の回数は、図9において説明をしたので、ここでは説明を省略する。
ステップSa2103を実行した後、ステップSa2104に進み、PNCカウントフラグをONにする。その後、ステップSa2105に進む。
ステップSa2105では、高頻度サポートモードコマンドを設定する。高頻度サポートモードコマンドは、高頻度サポートにおいて実行可能な遊技回の回数に関する情報をサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。高頻度サポートモードコマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図22:ステップSa1003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa2105を実行した後、ステップSa2106に進む。
ステップSa2106では、フラグ消去処理を実行する。具体的には、大当たりフラグ、第2図柄表示部フラグをOFFにする。ステップSa2106を実行した後、ステップSa2107に進む。
ステップSa2107では、高頻度サポートモードフラグをONにする。その後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
ステップSa2102において、今回の大当たりが高頻度サポートモード付きの大当たりではないと判定した場合には(Sa2102:NO)、ステップSa2108に進む。
ステップSa2108では、フラグ消去処理を実行する。具体的には、大当たりフラグ、V入賞大当たりフラグ、第2図柄表示部フラグをOFFにする。その後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
一方、ステップSa2101において、V入賞大当たりフラグがONであると判定した場合には(Sa2101:YES)、ステップSa2109に進む。
ステップSa2109では、V入賞処理を実行する。V入賞処理については後述する。ステップSa2109を実行した後、ステップSa2110。ステップSa2110では、高頻度サポートモードコマンドを設定する。上述したように、高頻度サポートモードコマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図22:ステップSa1003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa2110を実行した後、ステップSa2111に進む。
ステップSa2111では、開閉実行モード開始コマンドを設定する。上述したように、開閉実行モード開始コマンドは、開閉実行モードが開始されることをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。開閉実行モード開始コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図22:ステップSa1003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa2111を実行した後、ステップSa2112に進む。
ステップSa2112では、V入賞大当たりフラグをOFFにする。ステップSa2112を実行した後、処理を遊技状態移行処理(図28)におけるステップSa1611に進める。上述のように、図12の[ケース2]において、遊技回U2において小当たりとなり、その後、開閉実行モード中にV入賞口222に遊技球が入球した場合、新たな大当たりが確定し、当該開閉実行モードの終了後に、新たな大当たりに基づく開閉実行モードが開始される。このような理由から、ステップSa2112を実行した後、処理を遊技状態移行処理(図28)におけるステップSa1611に進める。遊技状態移行処理(図28)については既に説明をしたので、説明は省略する。以上、エンディング期間終了時の移行処理について説明をした。
<V入賞処理>
次に、V入賞処理について説明する。V入賞処理は、エンディング期間終了時の移行処理のサブルーチン(図34:Sa2109)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図35は、V入賞処理を示すフローチャートである。ステップSa2201では、第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSa2201において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sa2201:NO)、ステップSa2202に進む。
ステップSa2202では、第1始動口への入球を契機としたV入賞時の振分テーブル(図9(b))を参照し、クルーン用の入球処理(図21)において記憶した大当たり種別カウンタC2の値に基づいて、V入賞大当たりにおける大当たり種別を特定する。ステップSa2202を実行した後、ステップSa2204に進む。
一方、ステップSa2201において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sa2201:YES)、ステップSa2203に進む。
ステップSa2203では、第2始動口用の振り分けテーブル(図9(c))を参照し、クルーン用の入球処理(図21)において記憶した大当たり種別カウンタC2の値に基づいて、V入賞大当たりにおける大当たり種別を特定する。ステップSa2203を実行した後、ステップSa2204に進む。
ステップSa2202とステップSa2203とから分かるように、遊技球が同じV入賞口222に入球しV入賞大当たりになった場合であっても、第1始動口33への遊技球の入球によって小当たりとなり、その結果、第2開閉扉213が開放し遊技球がV入賞口222に入球しV入賞大当たりとなった場合と、第2始動口34への遊技球の入球によって小当たりとなり、その結果、第2開閉扉213が開放し遊技球がV入賞口222に入球しV入賞大当たりとなった場合とでは、参照する振り分けテーブルが異なる。
ステップSa2204では、ステップSa2202またはステップSa2203で特定した大当たり種別を、V入賞大当たりにおける大当たり種別に設定する。ステップSa2204を実行した後、V入賞処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図22:Sa1008)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図36は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップSa2301では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップSa2301において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(Sa2301:NO)、ステップSa2302に進む。
ステップSa2302では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップSa2302において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(Sa2302:NO)、ステップSa2303に進む。
ステップSa2303では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップSa2303において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sa2303:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sa2303:YES)、ステップSa2304に進む。
ステップSa2304では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップSa2304において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(Sa2304:YES)、ステップSa2305に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップSa2304において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(Sa2304:NO)、ステップSa2306に進む。
ステップSa2306では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップSa2306において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(Sa2306:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSa2306において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(Sa2306:YES)、ステップSa2307に進む。
ステップSa2307では、高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。具体的には、高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSa2307において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(Sa2307:YES)、ステップSa2308に進む。
ステップSa2308では、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜461であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる(図10(b)参照)。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップSa2309に進む。
ステップSa2309では、ステップSa2308の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSa2309において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(Sa2309:YES)、ステップSa2310に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、ステップSa2311に進む。
一方、ステップSa2309において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(Sa2309:NO)、ステップSa2310の処理を実行することなく、ステップSa2311に進む。
ステップSa2311では、遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。ステップSa2311において、遊技回数カウンタエリアが「0」でないと判定した場合には(Sa2311:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSa2311において、遊技回数カウンタエリアが「0」であると判定した場合には、ステップSa2312に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。ステップSa2312を実行した後、ステップSa2313に進む。
ステップSa2313では、PNCカウントフラグをOFFにする。その後、ステップSa2314に進む。
ステップSa2314では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、電役サポート用処理を終了する。
ステップSa2314にて設定された低頻度サポートモードコマンドは、通常処理の外部出力処理(図22:ステップSa1003)にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、低頻度サポートモードコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
ステップSa2307において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(Sa2307:NO)、ステップSa2315に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップSa2316に進む。
ステップSa2316では、ステップSa2315の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSa2316において、サポート当選でないと判定した場合には(Sa2316:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSa2316において、サポート当選であると判定した場合には(Sa2316:YES)、ステップSa2317に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSa2302において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(Sa2302:YES)、ステップSa2318に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSa2318において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sa2318:NO)、普図ユニット38における図柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSa2318において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sa2318:YES)、ステップSa2319に進む。
ステップSa2319では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。その後、ステップSa2320に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSa2301において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(Sa2301:YES)、ステップSa2321に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。電役開閉制御処理については後述する。ステップSa2321を実行した後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図36:Sa2321)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図37は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップSa2401では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(Sa2401:YES)、ステップSa2402に進む。
ステップSa2402では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSa2402において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sa2402:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップSa2402において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sa2402:YES)、ステップSa2403に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップSa2403を実行した後、ステップSa2404に進む。
ステップSa2404では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップSa2405に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSa2405において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(Sa2405:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップSa2405において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(Sa2405:YES)、ステップSa2406に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップSa2401において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(Sa2401:NO)、ステップSa2407に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSa2407において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(Sa2407:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップSa1507において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(Sa2407:YES)、ステップSa2408に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップSa2409に進む。
ステップSa2409では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(Sa2409:NO)、ステップSa2410に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップSa2410において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(Sa2410:YES)、ステップSa2411に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップSa2409において開閉実行モードであると判定した場合(Sa2409:YES)、又は、ステップSa2410において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(Sa2410:NO)、ステップSa2412に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
《A6》音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図38は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種大当たりフラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、演出操作ボタン24、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
《A7》音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図39は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSa3101では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップSa3101を実行した後、ステップSa3102に進む。
ステップSa3102では、保留コマンド対応処理を実行する。保留コマンド対応処理では、主側MPU62から保留コマンドを受信したか否かを判定し、保留コマンドを受信していると判定した場合に、当該保留コマンドに対応した処理を実行する。保留コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップSa3102を実行した後、ステップSa3103に進む。
ステップSa3103では、遊技回演出設定処理を実行する。遊技回演出設定処理では、主側MPU62から変動用コマンド及び変動種別コマンドを受信しているか否かを判定し、これらのコマンドを受信していると判定した場合に、遊技回において実行する演出の内容(種別)を決定し、決定した演出を当該遊技回において実行するように設定する。遊技回演出設定処理の詳細については後述する。ステップSa3103を実行した後、ステップSa3104に進む。
ステップSa3104では、待機期間演出設定処理を実行する。待機期間演出設定処理では、上述した待機期間において実行する演出の内容(種別)を決定し、決定した演出を当該待機期間において実行するように設定する。待機期間演出設定処理の詳細については後述する。ステップSa3104を実行した後、ステップSa3105に進む。
ステップSa3105では、オープニング期間演出設定処理を実行する。オープニング期間演出設定処理では、主側MPU62からオープニングコマンドを受信したか否かを判定し、オープニングコマンドを受信していると判定した場合に、オープニング期間において実行する演出の内容(種別)を決定し、決定した演出を当該オープニング期間において実行するように設定する。オープニング期間演出設定処理の詳細については後述する。ステップSa3105を実行した後、ステップSa3106に進む。
ステップSa3106では、開閉処理期間演出設定処理を実行する。開閉処理期間演出設定処理では、開閉処理期間において実行する演出の内容(種別)を決定し、決定した演出を当該開閉処理期間において実行するように設定する。開閉処理期間演出設定処理の詳細については後述する。ステップSa3106を実行した後、ステップSa3107に進む。
ステップSa3107では、エンディング期間演出設定処理を実行する。エンディング期間演出設定処理では、主側MPU62からエンディングコマンドを受信したか否かを判定し、エンディングコマンドを受信していると判定した場合に、エンディング期間において実行する演出の内容(種別)を決定し、決定した演出を当該エンディング期間において実行するように設定する。エンディング期間演出設定処理の詳細については後述する。ステップSa3107を実行した後、ステップSa3108に進む。
ステップSa3108では、コマンド送信処理を実行する。コマンド送信処理では、上述した各種の演出設定処理において設定された演出に対応した動画を表示させるための各種演出コマンドを表示制御装置100に対して送信する。ステップSa3108を実行した後、ステップSa3109に進む。
ステップSa3109では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップSa3102からステップSa3107の処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。すなわち、上記ステップSa3102からステップSa3107において設定された演出に対応した発光態様となるように、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップSa3109を実行した後、ステップSa3110に進む。
ステップSa3110では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップSa3102からステップSa3107の処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。すなわち、上記ステップSa3102からステップSa3107において設定された演出に対応した音声が出力されるように、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップSa3110を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<保留コマンド対応処理>
次に、保留コマンド対応処理について説明する。保留コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図39:Sa3102)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図40は、保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。ステップSa3201では、主側MPU62から保留コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSa3201において、保留コマンドを受信していると判定した場合には(Sa3201:YES)、ステップSa3202に進む。一方、ステップSa3201において、保留コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa3201:NO)、本保留コマンド対応処理を終了する。
ステップSa3202では、入球時の更新処理を実行する。入球時の更新処理では、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された保留情報の個数と、これらの保留情報の合計個数とを音光側MPU92において特定可能とするための処理を実行する。ステップSa3202の入球時の更新処理の詳細については後述する。以下では、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて取得された保留情報の個数を「第1保留個数」とも呼び、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された保留情報の個数を「第2保留個数」とも呼び、第1保留個数と第2保留個数との合計数を「合計保留個数」とも呼ぶ。ステップSa3202を実行した後、ステップSa3203に進む。
ステップSa3203では、保留表示制御処理を実行する。具体的には、ステップSa3202において特定された第1始動口33への遊技球の入球に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された保留情報の個数とに基づいて、第1保留表示領域Ds1および第2保留表示領域Ds2の表示態様を制御する。ステップSa3203を実行した後、本保留コマンド対応処理を終了する。
<入球時の更新処理>
次に、入球時の更新処理について説明する。入球時の更新処理は、保留コマンド対応処理のサブルーチン(図40:Sa3202)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図41は、入球時の更新処理を示すフローチャートである。ステップSa3301では、今回のタイマ割込み処理において読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への遊技球の入球に基づいて送信されたものであるか否かを判定する。ステップSa3301において、今回のタイマ割込み処理において読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への遊技球の入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には(Sa3301:YES)、ステップSa3302に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第1保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第1保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第1保留個数カウンタエリアの更新処理では、第1保留個数カウンタエリアの情報を、今回のタイマ割込み処理において読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップSa3302を実行した後、後述するステップSa3304に進む。
ステップSa3301において、今回のタイマ割込み処理において読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への遊技球の入球に基づいて送信されたものでないと判定した場合(Sa3301:NO)、すなわち、当該保留コマンドが第2始動口34への遊技球の入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には、ステップSa3303に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第2保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第2保留個数カウンタエリアは、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第2保留個数カウンタエリアの更新処理では、第2保留個数カウンタエリアの情報を、今回のタイマ割込み処理において読み出し対象となったコマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップSa3303を実行した後、ステップSa3304に進む。
ステップSa3302及びステップSa3303の処理を上記のようにした理由について説明する。本実施形態では、パチンコ機10の電源遮断中において、主制御装置60のRAM64に対してはバックアップ電力が供給されるのに対して、音声発光制御装置90のRAM94に対してはバックアップ電力が供給されない。このため、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に係る保留情報が主制御装置60のRAM64に記憶されている状況において電源が遮断されると、主制御装置60では保留情報が記憶保持されるのに対して、音声発光制御装置90では保留情報が0個であると把握される。この場合に、仮に、音声発光制御装置90において保留コマンドを受信する度に第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアをカウントアップする構成を採用すると、主制御装置60において実際に保留記憶されている保留情報の数と、音声発光制御装置90において把握している保留情報の数とが一致しなくなるといった不都合が生じ得る。これに対して、上記の本実施形態のように、主制御装置60は、保留個数の情報を含めて保留コマンドを送信するとともに、音声発光制御装置90では保留コマンドを受信する度にそのコマンドに含まれる保留個数の情報を第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアに設定する構成を採用することによって、上記のような不都合の発生を抑制することができる。
ステップSa3304では、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた合計保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。合計保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて取得された保留情報の個数と第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された保留情報の個数との和を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。当該更新処理では、合計保留個数カウンタエリアの情報を、第1保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報と第2保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報との和の情報に更新する。ステップSa3304を実行した後、本入球時の更新処理を終了する。
<遊技回演出設定処理>
次に、遊技回演出設定処理について説明する。遊技回演出設定処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図39:Sa3103)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図42は、遊技回演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSa3401では、主側MPU62から変動用コマンド及び変動種別コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSa3401において、変動用コマンド及び変動種別コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa3401:NO)、本遊技回演出設定処理を終了する。一方、ステップSa3401において、変動用コマンド及び変動種別コマンドを受信していると判定した場合には(Sa3401:YES)、ステップSa3402に進む。
ステップSa3402では、受信した変動用コマンド及び変動種別コマンドに含まれている情報を読み出して記憶する。具体的には、開始される遊技回が第1始動口33への遊技球の入球に基づくものであるのか第2始動口34への遊技球の入球に基づくものであるのか、当該遊技回における当たり抽選の結果である大当たりの有無、小当たりの有無、リーチ発生の有無及び当該遊技回における変動時間を読み出して記憶する。その後、ステップSa3403に進む。
ステップSa3403では、主側MPU62から特定処理コマンドを受信しているか否かを判定する。上述したように、特定処理コマンドは、遊技回における当たり抽選の結果が大当たりであり、かつ、上述したケース1に示した特定処理を実行すると判定した場合に主側MPU62から送信されるコマンドである。ステップSa3403において、主側MPU62から特定処理コマンドを受信していると判定した場合には(Sa3403:YES)、ステップSa3404に進み、特定処理(ケース1に示した処理)を実行する遊技回に対応した演出パターンを、当該遊技回において実行するように設定する。その後、本遊技回演出設定処理を終了する。
一方、ステップSa3403において、主側MPU62から特定処理コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa3403:NO)、ステップSa3405に進み、今回の遊技回の当たり抽選の結果が第1始動口33への遊技球の入球に基づいた小当たりであるか否かを判定する。本実施形態では、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて当選した小当たりを「特1小当たり」とも呼び、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて当選した小当たりを「特2小当たり」とも呼ぶ。
ステップSa3405において、今回の遊技回の当たり抽選の結果が特1小当たりであると判定した場合には(Sa3405:YES)、ステップSa3406に進み、特1小当たりに対応した演出パターンを当該遊技回において実行するように設定する。なお、特1小当たりに対応した演出パターンは、上述したケース2に示した遊技回において実行する演出を含む演出パターンである。その後、本遊技回演出設定処理を終了する。
一方、ステップSa3405において、今回の遊技回の当たり抽選の結果が特1小当たりではないと判定した場合には(Sa3405:NO)、ステップSa3407に進み、当たり抽選のその他の結果(特定処理を実行しない大当たりや、特1小当たりではない小当たり、外れ等)に対応した演出パターンを当該遊技回において実行するように設定する。その後、本遊技回演出設定処理を終了する。
<待機期間演出設定処理>
次に、待機期間演出設定処理について説明する。待機期間演出設定処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図39:Sa3104)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図43は、待機期間演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSa3501では、主側MPU62から特定処理コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSa3501において、主側MPU62から特定処理コマンドを受信していると判定した場合には(Sa3501:YES)、ステップSa3502に進み、音光用特定処理フラグをONにする。音光用特定処理フラグは、音光側RAM94に記憶されているフラグであり、上述した特定処理(ケース1)に対応した演出を開閉実行モードにおいて実行するか否かを音声発光制御装置90において判定するためのフラグである。したがって、音光用特定処理フラグがONの状態で開閉実行モードが開始された場合には、当該開閉実行モードにおいて上述した特定処理(ケース1)に対応した演出が実行されることになる。ステップSa3502を実行した後、ステップSa3503に進む。一方、ステップSa3501において、主側MPU62から特定処理コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa3501:NO)、ステップSa3502を実行せずに、ステップSa3503に進む。
ステップSa3503では、主側MPU62から開閉実行モード開始コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSa3503において、主側MPU62から開閉実行モード開始コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa3503:NO)、そのまま本待機期間演出設定処理を終了する。一方、ステップSa3503において、主側MPU62から開閉実行モード開始コマンドを受信していると判定した場合には(Sa3503:YES)、ステップSa3504に進み、上述した音光用特定処理フラグがONであるか否かを判定する。
ステップSa3504において、音光用特定処理フラグがONであると判定した場合、すなわち、上述したケース1に該当する場合には(Sa3504:YES)、ステップSa3505に進み、待機期間において右打ち示唆演出及びWチャンス示唆演出を実行するように設定する。その後、本待機期間演出設定処理を終了する。一方、ステップSa3504において、音光用特定処理フラグがONではないと判定した場合には(Sa3504:NO)、ステップSa3506に進み、待機期間において右打ち示唆演出を実行するように設定する。その後、本待機期間演出設定処理を終了する。
<オープニング期間演出設定処理>
次に、オープニング期間演出設定処理について説明する。オープニング期間演出設定処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図39:Sa3105)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図44は、オープニング期間演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSa3601では、主側MPU62からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。なお、本実施形態では、上述したように、オープニングコマンドには、今回の開閉実行モードへの移行(オープニング期間の開始)の契機となった当たり抽選の結果(大当たり、小当たり等)が含まれている。したがって、音声発光制御装置90は、受信したオープニングコマンドに含まれる情報に基づいて、今回の開閉実行モードへの移行(オープニング期間の開始)の契機となった当たり抽選の結果(大当たり、小当たり等)を把握することができる。ステップSa3601において、主側MPU62からオープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(Sa3601:NO)、本オープニング期間演出設定処理を終了する。一方、ステップSa3601において、主側MPU62からオープニングコマンドを受信していると判定した場合には(Sa3601:YES)、ステップSa3602に進む。
ステップSa3602では、受信したオープニングコマンドに含まれる情報に基づいて、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップSa3602において、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が大当たりであると判定した場合には(Sa3602:YES)、ステップSa3603に進み、大当たりの種別に対応したオープニング演出をオープニング期間において実行するように設定する。具体的には、本実施形態では、右打ち示唆演出をオープニング期間において実行するように設定する。その後、本オープニング期間演出設定処理を終了する。一方、ステップSa3602において、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が大当たりではないと判定した場合(Sa3602:NO)、すなわち、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が小当たりである場合には、ステップSa3604に進む。
ステップSa3604では、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が特1小当たりであるか否かを判定する。ステップSa3604において、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が特1小当たりであると判定した場合には(Sa3604:YES)、ステップSa3605に進み、特1小当たりに対応したオープニング演出をオープニング期間において実行するように設定する。具体的には、本実施形態では、上述したケース1に示したように、右打ち示唆演出及びWチャンス示唆演出をオープニング期間において実行するように設定する。その後、本オープニング期間演出設定処理を終了する。一方、ステップSa3604において、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が特1小当たりではないと判定した場合(Sa3604:NO)、すなわち、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が特2小当たりである場合には、ステップSa3606に進み、特2小当たりに対応したオープニング演出をオープニング期間において実行するように設定する。具体的には、本実施形態では、右打ち示唆演出をオープニング期間において実行するように設定する。その後、本オープニング期間演出設定処理を終了する。
<開閉処理期間演出設定処理>
次に、開閉処理期間演出設定処理について説明する。開閉処理期間演出設定処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図39:Sa3106)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図45は、開閉処理期間演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSa3701では、1回目チャンス演出設定処理を実行する。1回目チャンス演出設定処理では、上述したケース1及びケース2における1回目チャンス演出の設定に関する処理を実行する。1回目チャンス演出設定処理の詳細については後述する。ステップSa3701を実行した後、ステップSa3702に進む。
ステップSa3702では、非貯留時2回目チャンス演出設定処理を実行する。非貯留時2回目チャンス演出設定処理では、上述したケース1及びケース2において貯留部218に遊技球が貯留されたか否かを判定し、遊技球が貯留部218に貯留されなかった場合に、2回目チャンス演出を実行するように設定する。非貯留時2回目チャンス演出設定処理の詳細については後述する。ステップSa3702を実行した後、ステップSa3703に進む。
ステップSa3703では、V入賞演出設定処理を実行する。V入賞演出設定処理では、V入賞口222に遊技球が貯留したか否かを判定し、V入賞口222に遊技球が入球した場合に、V入賞演出を実行するように設定する。V入賞演出設定処理の詳細については後述する。ステップSa3703を実行した後、ステップSa3704に進む。
ステップSa3704では、V非入賞時2回目チャンス演出設定処理を実行する。V非入賞時2回目チャンス演出設定処理では、上述したケース1及びケース2において貯留部218に遊技球が貯留されたが、V入賞口222に遊技球が入球せず、非V入賞口224に遊技球が入球した場合に、2回目チャンス演出を実行するように設定する。V非入賞時2回目チャンス演出設定処理の詳細については後述する。ステップSa3704を実行した後、ステップSa3705に進む。
ステップSa3705では、他の大当たり種別に対応した開閉処理期間用の演出を実行するように設定する。具体的には、開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が、第2開閉扉213が開放しない開閉シナリオが選択される大当たり種別であった場合に、当該開閉実行モードの開閉処理期間において実行する演出を設定する。ステップSa3705を実行した後、本開閉処理期間演出設定処理を終了する。
<1回目チャンス演出設定処理>
次に、1回目チャンス演出設定処理について説明する。1回目チャンス演出設定処理は、開閉処理期間演出設定処理のサブルーチン(図45:Sa3701)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図46は、1回目チャンス演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSa3801では、主側MPU62から第2開閉扉開放コマンドを受信しているか否かを判定する。本実施形態では、第2開閉扉213は、当たり抽選において、特定処理を実行する大当たりに当選した場合及び小当たりに当選した場合に開放する。また、第2開閉扉開放コマンドには、第2開閉扉231の開放の契機となった当たり抽選の結果(大当たり、小当たり等)が含まれている。したがって、音声発光制御装置90は、受信した第2開閉扉開放コマンドに含まれる情報に基づいて、第2開閉扉231の開放の契機となった当たり抽選の結果(大当たり、小当たり等)を把握することができる。ステップSa3801において、主側MPU62から第2開閉扉開放コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa3801:NO)、本1回目チャンス演出設定処理を終了する。一方、ステップSa3801において、主側MPU62から第2開閉扉開放コマンドを受信していると判定した場合には(Sa3801:YES)、ステップSa3802に進む。
ステップSa3802では、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップSa3802において、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が大当たりであると判定した場合(Sa3802:YES)、すなわち、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が特定処理を実行する大当たりである場合には、ステップSa3803に進み、上述したケース1における1回目チャンス演出を実行するように設定する。ステップSa3803を実行した後、本1回目チャンス演出設定処理を終了する。一方、ステップSa3802において、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が大当たりではないと判定した場合には(Sa3802:NO)、ステップSa3804に進む。
ステップSa3804では、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が特1小当たりであるか否かを判定する。ステップSa3804において、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が特1小当たりであると判定した場合には(Sa3804:YES)、ステップSa3805に進み、上述したケース2における1回目チャンス演出を実行するように設定する。ステップSa3805を実行した後、本1回目チャンス演出設定処理を終了する。一方、ステップSa3804において、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が特1小当たりではないと判定した場合には(Sa3804:NO)、そのまま本1回目チャンス演出設定処理を終了する。
<非貯留時2回目チャンス演出設定処理>
次に、非貯留時2回目チャンス演出設定処理について説明する。非貯留時2回目チャンス演出設定処理は、開閉処理期間演出設定処理のサブルーチン(図45:Sa3702)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図47は、非貯留時2回目チャンス演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSa3901では、主側MPU62から第2大入賞口入球コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSa3901において、主側MPU62から第2大入賞口入球コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa3901:NO)、後述するステップSa3904に進む。一方、ステップSa3901において、主側MPU62から第2大入賞口入球コマンドを受信していると判定した場合には(Sa3901:YES)、ステップSa3902に進み、音光用第2大入賞口入球フラグがONであるか否かを判定する。音光用第2大入賞口入球フラグは、音光側RAM94に記憶されているフラグであり、第2大入賞口212に遊技球が入球したか否か、すなわち、遊技球が貯留部218に貯留されたか否かを音声発光制御装置90において判定するためのフラグである。
ステップSa3902において、音光用第2大入賞口入球フラグがONではないと判定した場合には(Sa3902:NO)、ステップSa3903に進み、音光用第2大入賞口入球フラグをONにする。その後、ステップSa3904に進む。一方、ステップSa3902において、音光用第2大入賞口入球フラグがONであると判定した場合には(Sa3902:YES)、そのままステップSa3904に進む。すなわち、遊技球が第2大入賞口212に入球した場合であって、音光用第2大入賞口入球フラグがONになっていない場合に限り、当該音光用第2大入賞口入球フラグをONにする。
ステップSa3904では、主側MPU62から第2開閉扉閉鎖コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSa3904において、主側MPU62から第2開閉扉閉鎖コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa3904:NO)、本非貯留時2回目チャンス演出設定処理を終了する。一方、ステップSa3904において、主側MPU62から第2開閉扉閉鎖コマンドを受信していると判定した場合には(Sa3904:YES)、ステップSa3905に進む。
ステップSa3905では、音光用第2大入賞口入球フラグがONであるか否か、すなわち、遊技球が第2大入賞口212に入球して貯留部218に貯留されたか否かを判定する。ステップSa3905において、音光用第2大入賞口入球フラグがONであると判定した場合には(Sa3905:YES)、本非貯留時2回目チャンス演出設定処理を終了する。一方、ステップSa3905において、音光用第2大入賞口入球フラグがONではないと判定した場合には(Sa3905:NO)、ステップSa3906に進む。
ステップSa3906では、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップSa3906において、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が大当たりであると判定した場合(Sa3906:YES)、すなわち、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が特定処理を実行する大当たりである場合には、ステップSa3907に進み、上述したケース1における2回目チャンス演出及び大当たり告知演出を開閉処理期間の2R目が開始するまでに実行するように設定する。その後、ステップSa3908に進み、2R目以降の開閉処理期間において実行する演出を設定する。その後、本非貯留時2回目チャンス演出設定処理を終了する。
ステップSa3906において、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が大当たりではないと判定した場合には(Sa3906:NO)、ステップSa3909に進み、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が特1小当たりであるか否かを判定する。ステップSa3909において、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が特1小当たりであると判定した場合には(Sa3909:YES)、ステップSa3910に進み、上述したケース2における2回目チャンス演出及び外れ告知演出を実行するように設定する。その後、本非貯留時2回目チャンス演出設定処理を終了する。
<V入賞演出設定処理>
次に、V入賞演出設定処理について説明する。V入賞演出設定処理は、開閉処理期間演出設定処理のサブルーチン(図45:Sa3703)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図48は、V入賞演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSa4001では、主側MPU62からV入賞コマンドを受信しているか否かを判定する。V入賞コマンドは、当たり抽選における小当りを契機としてV入賞口222に遊技球が入球した場合に主側MPU62から送信されるコマンドである。
ステップSa4001において、主側MPU62からV入賞コマンドを受信していると判定した場合には(Sa4001:YES)、ステップSa4002に進み、V入賞大当たり演出を実行するように設定する。上述のように、V入賞大当たり演出は、V入賞口222に遊技球が入球したことを示唆するとともに、大当たりを示唆する演出である。ステップSa4002を実行した後、ステップSa4005に進む。
一方、ステップSa4001において、主側MPU62からV入賞コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa4001:NO)、ステップSa4003に進む。
ステップSa4003では、主側MPU62からダミーV入賞コマンドを受信しているか否かを判定する。ダミーV入賞コマンドは、当たり抽選における大当りを契機としてV入賞口222に遊技球が入球した場合に主側MPU62から送信されるコマンドである。
ステップSa4003において、主側MPU62からダミーV入賞コマンドを受信していると判定した場合には(Sa4003:YES)、ステップSa4004に進み、V入賞大当たり演出を実行するように設定する。上述のように、V入賞大当たり演出は、V入賞口222に遊技球が入球したことを示唆するとともに、大当たりを示唆する演出である。なお、上述したように、本実施形態においては、ステップSa4002において実行するように設定したV入賞大当たり演出と、ステップSa4004において実行するように設定したV入賞大当たり演出とは同一または類似した内容の演出である。ステップSa4004を実行した後、ステップSa4005に進む。
ステップSa4005では、上述した音光用第2大入賞口入球フラグをOFFにする。その後、本V入賞演出設定処理を終了する。
<V非入賞時2回目チャンス演出設定処理>
次に、V非入賞時2回目チャンス演出設定処理について説明する。V非入賞時2回目チャンス演出設定処理は、開閉処理期間演出設定処理のサブルーチン(図45:Sa3704)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図49は、V非入賞時2回目チャンス演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSa4101では、主側MPU62からV非入賞コマンドを受信しているか否かを判定する。V非入賞コマンドは、遊技球が非V入賞口224に入球した場合に主側MPU62から送信されるコマンドである。ステップSa4101において、主側MPU62からV非入賞コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa4101:NO)、本V非入賞時2回目チャンス演出設定処理を終了する。一方、ステップSa4101において、主側MPU62からV非入賞コマンドを受信していると判定した場合には(Sa4101:YES)、ステップSa4102に進む。
ステップSa4102では、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップSa4102において、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が大当たりであると判定した場合(Sa4102:YES)、すなわち、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が特定処理を実行する大当たりである場合には、ステップSa4103に進み、上述したケース1における2回目チャンス演出及び大当たり告知演出を実行するように設定する。ステップSa4103を実行した後、ステップSa4104に進み、上述した音光用第2大入賞口入球フラグをOFFにする。その後、本V非入賞時2回目チャンス演出設定処理を終了する。一方、ステップSa4102において、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が大当たりではないと判定した場合には(Sa4102:NO)、ステップSa4105に進む。
ステップSa4105では、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が特1小当たりであるか否かを判定する。ステップSa4105において、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が特1小当たりであると判定した場合には(Sa4105:YES)、ステップSa4106に進み、上述したケース2における2回目チャンス演出及び外れ告知演出を実行するように設定する。その後、上述したステップSa3804に進み、音光用第2大入賞口入球フラグをOFFにする。その後、本V非入賞時2回目チャンス演出設定処理を終了する。一方、ステップSa4105において、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が特1小当たりではないと判定した場合には(Sa4105:NO)、上述したステップSa3804に進み、音光用第2大入賞口入球フラグをOFFにする。その後、本V非入賞時2回目チャンス演出設定処理を終了する。
<エンディング期間演出設定処理>
次に、エンディング期間演出設定処理について説明する。エンディング期間演出設定処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図39:Sa3107)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図50は、エンディング期間演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSa4201では、主側MPU62からエンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。なお、本実施形態では、エンディングコマンドには、今回の開閉実行モードへの移行(エンディング期間の開始)の契機となった当たり抽選の結果(大当たり、小当たり等)が含まれている。したがって、音声発光制御装置90は、受信したエンディングコマンドに含まれる情報に基づいて、今回の開閉実行モードへの移行(エンディング期間の開始)の契機となった当たり抽選の結果(大当たり、小当たり等)を把握することができる。ステップSa4201において、主側MPU62からエンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(Sa4201:NO)、本エンディング期間演出設定処理を終了する。一方、ステップSa4201において、主側MPU62からエンディングコマンドを受信していると判定した場合には(Sa4201:YES)、ステップSa4202に進む。
ステップSa4202では、受信したエンディングコマンドに含まれる情報に基づいて、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップSa4202において、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が大当たりであると判定した場合には(Sa4202:YES)、ステップSa4203に進み、大当たりの種別に対応したエンディング演出をエンディング期間において実行するように設定する。その後、本エンディング期間演出設定処理を終了する。一方、ステップSa4202において、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が大当たりではないと判定した場合(Sa4202:NO)、すなわち、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が小当たりである場合には、そのまま本エンディング期間演出設定処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図51は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSa4301では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップSa4302に進む。
ステップSa4302では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図52は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップSa4401では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図53は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップSa4501では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図52)によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが記憶されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが記憶されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(Sa4501)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や液晶用図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップSa4502では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(Sa4501)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップSa4503に進む。
ステップSa4503では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(Sa4502)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップSa4504に進む。
ステップSa4504では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(Sa4503)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップSa4505に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
以上説明したように、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された当たり抽選において大当たりに当選した場合(ケース1の場合)も、小当たりに当選した場合(ケース2の場合)も、第1図柄表示部37aには、当たり抽選の結果を示す図柄のパターンは表示されるが、図柄表示装置41への画像の表示や音声の出力による当たり抽選の抽選結果を示唆する演出は実行されない。よって、図柄表示装置41への画像の表示や音声の出力によって当たり抽選の抽選結果を認識している遊技者は、遊技回の終了した時点において当該遊技回における抽選結果を認識できない。その結果、仮に、小当たりに当選していたとしても、大当たりに当選したのではないかといった期待感を遊技者に付与することができる。
さらに、遊技回が終了した後に、ケース1の場合も、ケース2の場合も、右打ち示唆演出、Wチャンス示唆演出を実行するので、遊技回が終了した後に当該演出が実行されている期間中も、当たり抽選において小当たりではなく大当たりに当選しているのではないかといった期待感を付与することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、第1始動口33への入球を契機とした当たり抽選において大当たりに当選した場合には、当たり抽選において大当たりに当選した時点において大当たりの種別は決定されず、開閉実行モードの実行中に遊技球が種別決定ゲート202に入球することによって決定される。そして、大当たり種別が決定すると、ラウンド表示部39のラウンドランプが、大当たりの種別に対応したラウンド遊技の実行回数に応じた表示で点灯する。一方、小当たりに当選している場合は、ラウンドランプは点灯しない。すなわち、大当たりに当選している場合であっても小当たりに当選している場合であっても、遊技回の終了直後にはラウンドランプは点灯しないので、遊技回の終了後において、ラウンドランプに基づいて当該遊技回において大当たりに当選しているのか小当たりに当選しているのかを遊技者が識別することを回避することができる。
その結果、遊技回の終了後に、遊技者が右打ちをして、種別決定ゲート202に遊技球を入球させるまでは、遊技者に、当該当たり抽選の抽選結果を認識させず、遊技者に対して、比較的長い期間、小当たりではなく大当たりに当選しているのではないかといった期待感を付与することができる。すなわち、遊技回が終了し、大当たりまたは小当たりに基づく開閉実行モードが開始された後の期間においても、比較的長い期間に亘って遊技者に期待感を付与することができ、遊技に対して注目させることができる。また、大当たり種別の決定に際し、遊技者に右打ちをさせて、種別決定ゲート202に遊技球を入球させるので、大当たり種別の決定に関して遊技者に積極的に関与させることとなり、遊技者に対して、開閉実行モードの期間においてさら遊技に注目させることができる。
さらに、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技球がV入賞口222に入球したことを契機として大当たりが確定した場合には、当該V入賞口222に遊技球が入球したことを契機として、V入賞口222に入球したことを契機とする大当たりの種別を決定する。従ってV入賞口222に遊技球が入球した場合の遊技の進行に関して遊技者にスピード感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された当たり抽選において大当たりに当選した場合には、種別決定ゲート202に遊技球を入球させることによって大当たり種別を決定し、ラウンド遊技が開始されるまでの遊技の進行に関して比較的スピード感がない。結果として、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された当たり抽選において大当たりに当選した場合と、遊技球がV入賞口222に入球したことを契機として大当たりが確定した場合とで、遊技の進行に緩急をつけることができ、遊技者の遊技に対する期待感に抑揚を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
ケース1においては、遊技回U1での当たり抽選において大当たりに当選し、その後に遊技球がV入賞口222に入球したにも関わらず、遊技回U1での当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技が継続され、V入賞口222に遊技球が入球したことを契機とした大当たりは確定せず、V入賞口222への遊技球の入球に基づく新たな開閉実行モードも開始されない。さらに、V入賞口222への遊技球の入球によって遊技者に対してなんらかの特典が付与されることや、遊技状態が変更されることはない。一方、ケース2においては、遊技回U2での当たり抽選において小当たりに当選し、その後に遊技球がV入賞口222に入球すると、大当たりが確定し、遊技回U2における当たり抽選において小当たりに当選したことを契機とする開閉実行モードが終了した後に、V入賞口222への遊技球の入球に基づいた大当たりを契機とする新たな開閉実行モードが開始される。すなわち、遊技球がV入賞口222に入球したことを契機として遊技者に特典が付与される場合と付与されない場合とがあるので、遊技中に遊技球がV入賞口222に入球した場合に、特典が付与されるのか付与されないのかを遊技者に推測させるとともに、特典が付与されるのではないかといった期待感を遊技者に付与することができる。
さらに、遊技球がV入賞口222に入球した場合に、V入賞口222に遊技球が入球する契機となった遊技回における当たり抽選の結果が大当たりであるのか小当たりであるのかを遊技者に推測させ、遊技者により一層大きな期待感を付与することができる。
また、ケース1においては、遊技球がV入賞口222に入球した場合に、当該V入賞口222への遊技球の入球を契機とする特典が付与されないにも関わらず、遊技球がV入賞口222に入球したことを契機としてV入賞大当たり演出を実行する。ケース2においては、遊技球がV入賞口222に入球した場合に、当該V入賞口222への遊技球の入球を契機とする特典が付与されるとともに、遊技球がV入賞口222に入球したことを契機としてV入賞大当たり演出を実行する。よって、V入賞口222への遊技球の入球を契機とする特典が付与されない場合であっても、V入賞大当たりが実行されたことを認識した遊技者に対して、特典が付与されるのではないかといった期待感を付与することができる。
ケース1の場合には、遊技球がV入賞口222に入球しても当該入球を契機とする特典が付与されないにも関わらず、1回目チャンス演出においてV入賞口222に遊技球を入球させることを促す演出を実行するので、当該演出が実行されたことを認識した遊技者に対して、特典が付与されるかもしれないと言った期待感を付与することができる、さらに、V入賞口222に遊技球が入球する態様での遊技球の発射を促すことができる。
さらに、ケース1において、遊技球がV入賞口222に入球した場合に、遊技回U1での当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技の1R目が終了し、2ラウンド目(2R目)が開始されるにも関わらず、2ラウンド目以降においては、新たな開閉実行モードが開始されたことを示唆する演出を実行する。このようにすることで、V入賞口222への遊技球の入球に基づく新たな開閉実行モードが開始されたかのように遊技者を認識させることができ、遊技者に対して期待感を付与することができる。すなわち、実質的には遊技回U1での当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技中に、遊技者に対して、新たな期待感を付与することができる。
また、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された当たり抽選において大当たりに当選した場合、特定処理実行判定処理によって特定処理の実行の有無を決定して、その後、当該大当たりに対応するラウンド遊技の実行回数を決定する。すなわち、ラウンド遊技として第2開閉扉213を開閉するか否かと、ラウンド遊技の実行回数とを別に決定するので、第2開閉扉213の開閉の有無とラウンド遊技の実行回数との組み合わせ方によってラウンド遊技における第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213の様々な動作態様を実現することが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる。
《A8》第1実施形態αの変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
《A8−1》変形例1:
上記第1実施形態αにおいて、ケース1の場合に実行される遊技回において実行する演出、すなわち、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選し、かつ、特定処理実行判定処理において、特定処理を実行することを決定した場合の当該遊技回において実行する演出と、上記ケース2の場合に実行される遊技回において実行する演出、すなわち、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された遊技回における当たり抽選において小当たりに当選した場合の当該遊技回において実行する演出とを、同じ演出パターンに設定する構成としてもよい。ケース1の場合およびケース2の場合に同じ演出パターンに設定することで、ケース1の場合であるのかケース2の場合であるのかの遊技者の判断をさらにしにくくし、当該遊技回が当たり抽選に当選しているのではないかという期待感を遊技者により一層付与することができる。
その他、ケース1の場合およびケース2の場合に用いる専用の演出パターンが遊技回の変動時間に対応して複数設定された演出パターンテーブルを設け、当該演出パターンテーブルから当該遊技回の変動時間に応じた演出パターンを選択する構成としてもよい。ケース1の場合およびケース2の場合に同じ演出パターンテーブルから演出パターンを選択することによって、ケース1の場合であるのかケース2の場合であるのかの遊技者の判断をしにくくし、当該遊技回が当たり抽選に当選しているのではないかという期待感を遊技者に付与することができる。
《A8−2》変形例2:
上記第1実施形態αにおいては、遊技球がV入賞口222に入球したことを契機として大当たりが確定した場合には、当該V入賞口222に遊技球が入球したことを契機として大当たりの種別を決定する構成を採用したが、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選した場合と同様に、遊技球がV入賞口222に入球して大当たりが確定した後に、種別決定ゲート202に遊技球を入球させることによって大当たり種別が決定する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選した場合と、遊技球が第2始動口34に入球したことを契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選した場合と、遊技球がV入賞口222に入球して大当たりが確定した場合との3つの場合において、大当たりの種別を決定する処理を統一することができ、処理を簡易化することができる。
また、遊技球がV入賞口222に入球したことを契機とした大当たりの種別を決定するための専用の入球部(V入賞大当たり用種別決定ゲート)を設ける構成を採用してもよい。そして、V入賞大当たり用種別決定ゲートをV入賞口222より遊技球の流通方向に対して下流に配置する構成を採用してもよい。この場合、V入賞大当たり用種別決定ゲートに遊技球が入球したことを契機として実行する大当たり種別の決定を、上記第1実施形態αにおける種別決定処理と同じ処理を用いて行うことで、処理の簡易化を実現することができる。
その他、V入賞大当たり用種別決定ゲートをV入賞口222より遊技球の流通方向に対して下流ではない位置に配置する構成を採用してもよい。例えば、遊技球がV入賞口222に入球したことを契機として大当たりが確定した場合に、遊技球を発射させる態様を変更させないと入球しない位置にV入賞大当たり用種別決定ゲートを配置する。このようにすることで、操作ハンドル25の操作態様を種々に変化させて遊技を遊技者に実行させることとなり、遊技の流れを頻繁に変化させることができ、遊技への遊技者の積極的な関与を促進し、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。
《A8−3》変形例3:
上記第1実施形態αにおいては、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選した場合には、当該遊技回の終了後に遊技球を種別決定ゲート202に入球させたことを契機として種別決定処理を実行し大当たり種別を決定する構成を採用したが、他の構成を採用することができる。例えば、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として大当たり種別カウンタC2を取得し、当該遊技回における変動開始処理において大当たり種別を判定する構成を採用してもよい。すなわち、遊技回が終了する前に大当たり種別を決定する。そして、当該遊技回が大当たりである場合、当該遊技回が終了した場合には決定した大当たり種別に対応した表示態様でラウンドランプを点灯させるが、当該点灯のタイミングを、開閉実行モードにおけるオープニング期間の終了時点(開閉処理期間の開始直前)とし、かつ、オープニング期間を通常より長くするように設定する。このようにすることで、ラウンドランプが点灯するまでは、当該当たり抽選の抽選結果を認識させず、遊技者に対して、比較的長い期間、大当たりに当選しているのではないかといった期待感を付与することができる。すなわち、遊技回が終了し、大当たりまたは小当たりに基づく開閉実行モードが開始された後の期間においても、比較的長い期間に亘って遊技者に期待感を付与することができ、遊技に対して注目させることができる。なお、上記第1実施形態αにおいては、ラウンドランプを点灯させるタイミングは、オープニング期間の終了時であったが、オープニング期間の開始時に点灯させる構成を採用してもよい。
《A8−4》変形例4:
上記第1実施形態αにおいては、ケース1の場合、および、ケース2の場合に実行する開閉処理においては、第2開閉扉213が1回のみ開閉する開閉シナリオに設定したが、第2開閉扉213が複数回開閉する開閉シナリオを採用してもよい。このようにすることで、遊技球がV入賞口222に入球する確率が向上し、遊技者の期待感を向上させることができる。
《A8−5》変形例5:
上記第1実施形態αにおいては、特定処理実行判定処理は、遊技球が第1始動口33に入球したことによって実行される遊技回の変動開始時、より具体的には、変動開始処理(図25)において実行したが、当該遊技回が終了して待機期間が開始されるまでであれば、他のタイミングで実行してもよい。例えば、遊技状態移行処理において実行してもよい。このようにすることで、例えば、遊技球が第1始動口33に入球したことによって実行される遊技回中に遊技者に演出操作ボタン24を操作させる演出を実行し、当該演出の実行に応じて遊技者が演出操作ボタン24を操作したか否かに基づいて特定処理を実行するか否かの判定をする特定処理実行判定処理を行う構成を採用してもよい。また、例えば、遊技球が1始動口33に入球したことによって実行される遊技回中に特定の入球口に遊技球が入球したか否かに基づいて特定処理を実行するか否かの判定をする特定処理実行判定処理を行う構成を採用してもよい。すなわち、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選している場合に、当該遊技回中における遊技の進行の態様に応じて、当該遊技回の終了後に実行される開閉実行モードにおける処理の態様を決定する構成を採用してもよい。このような構成を採用することによって、大当たりに当選した場合に、当該遊技回の終了後の開閉実行モードにおいても遊技者を遊技に集中させることができる。
《A8−6》変形例6:
上記第1実施形態αにおいて、保留されている遊技回における当たり抽選の抽選結果を先判定処理によって判定し、先判定処理の結果、当該保留遊技回の当たり抽選において大当たりに当選している場合に、当該先判定処理における処理として特定処理実行判定処理を実行し、保留遊技回が遊技回として実行されるよりも前に、ケース1に示したような特定処理を実行するか否かを判定してもよい。そして、当該保留遊技回が遊技回として実行されるよりも前に実行される遊技回において、後に特定処理が実行されることを示唆する演出(特定処理実行示唆演出)を実行してもよい。このようにすることで、遊技者に、後に実行される保留遊技回についての期待感を付与することができる。また、保留遊技回においてケース2の場合に該当するかを先判定処理によって判定し、同じように、特定処理実行示唆演出を実行してもよい。このようにすることで、遊技者が、保留遊技回が遊技回として実行された際の帰趨についての推測の幅が広がり、遊技の興趣向上を図ることができる。
《A8−7》変形例7:
上記第1実施形態αにおいて、当たり抽選において大当たりに当選し、当該当たり抽選において大当たりに当選した遊技回の終了した時点からオープニング期間が開始するまでの期間である待機期間(図11参照)に実行する右打ち示唆演出を、待機期間の時間の経過とともに段階的に変化させる構成を採用してもよい。待機期間は、当たり抽選において大当たりに当選した遊技回の終了した時点を始点として種別決定ゲート202に遊技球が入球するまで継続される。換言すれば、種別決定ゲート202に遊技球が入球しないとオープニング期間は開始されない。遊技者が右打ちをしなければならないことを認識せず、左打ちをしている場合には、遊技は、意図したように進行せず、遊技者の期待感を低下させてしまう。
そこで、当たり抽選において大当たりに当選した遊技回の終了した時点からの待機期間の時間が経過するにつれて、遊技者に対する右打ちの示唆を段階的に強くする構成を採用してもよい。例えば、待機期間の経過時間が0秒〜5秒までに実行する右打ち示唆演出と比較して、待機期間の経過時間が5秒〜10秒までに実行する右打ち示唆演出の方が遊技者に対して強く右打ちを促す内容であり、さらに、待機期間の経過時間が5秒〜10秒までに実行する右打ち示唆演出と比較して、待機期間の経過時間が10秒〜15秒までに実行する右打ち示唆演出の方が遊技者に対して強く右打ちを促す内容である構成を採用してもよい。
待機期間に実行する右打ち示唆演出として、例えば、待機期間の時間が経過するにつれて右打ちを示唆する音声を段階的に大きくする(または小さくする)ことによって、遊技者に対して右打ちを促す態様を段階的に強くしてもよいし、待機期間の時間が経過するにつれて右打ちを示す画像(例えば右向きの矢印の画像)の大きさを段階的に大きくすることによって、遊技者に対して右打ちを促す態様を段階的に強くしてもよいし、待機期間の時間が経過するにつれて右打ちを示す画像の輝度、明度、色彩等を段階的に変化させる(例えば、大きくする、または小さくする)ことによって、遊技者に対して右打ちを促す態様を段階的に強くする構成を採用してもよいし、待機期間の時間が経過するにつれて右打ちを案内する音声案内の口調を段階的に強くすることによって、遊技者に対して右打ちを促す態様を段階的に強くする構成を採用してもよい。
このような構成を採用することによって、待機期間中において、遊技者に対して右打ちをすることを認識させやすくなり、遊技の円滑な進行を促すことができる。その結果、遊技者の期待感の低下を抑制することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
《A8−8》変形例8:
上記第1実施形態αにおいては、パチンコ機10は種別決定ゲートを1つ備える構成であったが、種別決定ゲートを複数備える構成を採用してもよい。例えば、左打ちをしている場合に遊技球が入球しやすい位置(例えば遊技盤30の左側)に種別決定ゲート(以下、左側種別決定ゲートとも呼ぶ)を1つ設け、右打ちをしている場合に遊技球が入球しやすい位置(例えば遊技盤30の右側)に種別決定ゲート(以下、右側種別決定ゲート)を1つ設ける構成を採用してもよい。そして、第1始動口用の当否テーブル(図7参照)において大当たりに当選するように設定されている当たり乱数カウンタC1の各値に対して、大当たりに当選した後に、左側種別決定ゲートまたは右側種別決定ゲートのいずれの種別決定ゲートへの遊技球の入球によって大当たり種別を決定するかを予め設定しておく。そして、大当たりに当選した遊技回の終了後に、大当たりとなった当たり乱数カウンタC1の値に応じで左打ちをするように示唆する演出(左打ち示唆演出)を実行するか、右打ち示唆演出を実行するかを判定し、判定の結果に応じた示唆演出を実行する。このようにすることによって、大当たりに当選した遊技回の終了後において、遊技者が操作ハンドル25の操作方法を判断する必要があり、遊技者を積極的に遊技に関与させることができ、その結果、遊技者を遊技に注目させることができる。
また、第1始動口用の当否テーブル(図7参照)において大当たりに当選するように設定されている当たり乱数カウンタC1の各値に対して、左側種別決定ゲートへの遊技球の入球によって大当たり種別を決定する値、右側種別決定ゲートへの遊技球の入球によって大当たり種別を決定する値、左側種別決定ゲートまたは右側種別決定ゲートのいずれか一方への遊技球の入球によって大当たり種別を決定する値が設定されている構成としてもよい。
《A8−9》変形例9:
上記第1実施形態αでは、ケース1における待機期間、および、ケース2におけるオープニング期間に、各々、大当たりに当選するための機会(チャンス)が2回分用意されていることを示唆する演出(Wチャンス演出)を実行する構成であったが、大当たりに当選するための機会(チャンス)が1回分用意されていることを示唆する演出(シングルチャンス演出)を実行する構成を採用してもよい。この場合、各ケースにおいて、2回目チャンス演出を省略することができるので、当該2回目チャンス演出を実行するために必要な処理を省略することができ、処理を簡易化することができる。
また、ケース1およびケース2において、Wチャンス演出を実行する場合とシングルチャンス演出を実行する場合とを組み合わせた構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技回が終了した後の期間において、より一層、遊技者を遊技に注目させることができる。
《A8−10》変形例10:
上記第1実施形態αにおいては、当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されている開閉実行モード中のV入賞口222への入球は実質的に無効であり、当たり抽選において小当たりに当選したことを契機として実行されている開閉実行モード中のV入賞口222への入球のみ実質的に有効となる構成である。そこで当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されている開閉実行モード中のみV入賞口222への遊技球の入球を補助する動作機構(以下、V入賞補助機構とも呼ぶ)を備える構成を採用してもよい。
V入賞補助機構として、例えば、クルーン220に設けられたV入賞口222と非V入賞口224のうち、非V入賞口224のみ一時的に閉鎖する機構(以下、非V入賞口閉鎖機構とも呼ぶ)を採用してもよい。この場合、非V入賞口閉鎖機構は、当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されている開閉実行モード中のV入賞口222への入球が実質的に無効である場合のみ、V入賞口222への遊技球の入球を補助するので、非V入賞口閉鎖機構の動作は遊技の進行状態に実質的に影響を与えない。
しかしながら、非V入賞口閉鎖機構が動作することによって、V入賞口222への遊技球の入球が補助され、遊技球がV入賞口222に入球したことを認識した遊技者の期待感を向上させることができる。すなわち、非V入賞口閉鎖機構を動作させることによって、遊技の進行状態に実質的に影響を与えずに、遊技者に期待感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、V入賞補助機構の動作の制御を、主制御装置60以外の制御手段(例えば、音声発光制御装置90)が実行する構成を採用してもよい。例えば、ケース1の場合において、音声発光制御装置90が特定処理コマンドを受信することによってV入賞補助機構を動作させることを決定し、開閉処理期間の開始とともにV入賞補助機構の動作を制御することによって非V入賞口224を閉鎖する構成を採用してもよいし、遊技球が貯留部218に貯留された場合であって、貯留弁216を開放するタイミングで、非V入賞口224を閉鎖する構成を採用してもよい。このような構成を採用すると、V入賞補助機構の動作の制御を主制御装置60以外の制御手段によって行うので、主制御装置60による処理の負担を軽減することができる。
なお、V入賞補助機構としては、上記説明した非V入賞口閉鎖機構に限定されることなく、V入賞口222への遊技球の入球を補助する機構であれば、他の機構を採用してもよい。例えば、流路211のうちクルーン220へ遊技球を流出させる流出口がV入賞口222の真上に位置するように流路211を移動させる機構を採用してもよい。また、V入賞口222の近傍に一時的に磁石を配置させる機構を採用してもよい。
《B》第1実施形態β:
次に第1実施形態βについて説明する。第1実施形態βと上記第1実施形態αとの主な差異点は、第1実施形態βにおいては、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された遊技回における当たり抽選にいおて大当たりとなった場合に、当該大当たりと契機として実行されるラウンド遊技中に遊技球がV入賞口222に入球した場合には、V入賞口222への遊技球の入球に基づく大当たりが確定し、実行中のラウンド遊技を中断して、V入賞口222への遊技球の入球によって新たに確定した大当たりに基づくラウンド遊技が実行される点である。以下、詳細に説明する。
《B1》遊技機の構造:
図54は、第1実施形態βにおけるパチンコ機10の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる当たり抽選時、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
また、上皿20の周縁部の正面視左側には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
なお、本実施形態においては、遊技球発射ボタン26は、上皿20の周縁部の正面視左側に配置される構成を採用したが、遊技球発射ボタン26が他の位置に配置される構成を採用してもよい。例えば、遊技球発射ボタン26を、ウェイトボタン25bと同様に、操作ハンドル25の内部(周縁部)に配置する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者が、操作ハンドル25、ウェイトボタン25b、遊技球発射ボタン26を、右手のみで操作することを可能にする。
図55は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、種別決定ゲート202及び、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、V入賞機構210が設けられている。さらに、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口である。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する当たり抽選が実行される。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30の右側に設けられている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する当たり抽選が実行される。また、第2始動口34には、電動役物34aが設けられている。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行う。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35を遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる第1大入賞口36aと、当該第1大入賞口36aを開閉する第1開閉扉36bとを備えている。第1開閉扉36bは、通常は遊技球が第1大入賞口36aに入球できない閉鎖状態となっている。第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球すると、主制御装置60は、当たり抽選(内部抽選)を実行する。当たり抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選すると、パチンコ機10は、開閉実行モードに移行する。開閉実行モードとは、可変入賞装置36の第1開閉扉36bおよび、後述するV入賞機構210が備える第2開閉扉213の開閉処理を実行するモードである。具体的には、可変入賞装置36の第1開閉扉36bは、開閉実行モードに移行すると、遊技球が入球できない閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされた後に、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、可変入賞装置36の第1大入賞口36aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
種別決定ゲート202は当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に、当該大当たりの種別を決定するために用いられる入球口である。具体的には、所定の遊技回における当たり抽選において大当たりに当選し、当該遊技回の終了後に、開閉実行モードが開始される。本実施形態のパチンコ機10は、開閉実行モードが開始されると、遊技球を遊技盤30の右側に向けて発射するように遊技者を案内する演出(右打ち示唆演出)が実行される。当該右打ち示唆演出に従って遊技者が操作ハンドル25を操作して遊技盤30の右側に遊技球を発射させ、種別決定ゲート202に遊技球が入球すると、当該遊技球の入球を契機として大当たりの種別を決定する種別決定処理が主制御装置60によって実行される。そして、当該種別決定処理によって、大当たりの種別が決定される。なお、主制御装置60によって実行される種別決定処理、および、パチンコ機10において設定されている大当たり種別については後述する。
遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第1始動口33への遊技球の入球を契機として当たり抽選が実行される遊技回を第1始動口用遊技回とも呼ぶ。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行なわせる。以下、第2始動口34への遊技球の入球を契機として当たり抽選が実行される遊技回を第2始動口用遊技回とも呼ぶ。
ここで、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間とも呼ぶ。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間とも呼び、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間とも呼ぶ。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cおよび第2保留表示部37dを備えている。
第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。本実施形態では、第1始動口33に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35の通過を契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプ(以下、ラウンドランプとも呼ぶ)が所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、第1開閉扉36bまたは第2開閉扉213の開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始され、種別決定ゲート202に遊技球が入球したことを契機として実行された種別決定処理において大当たり種別が決定した場合に、当該決定した大当たり種別に対応したラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了した場合に終了する。換言すれば、開閉実行モードが開始された場合であっても、開閉実行モードの開始後に種別決定ゲート202に遊技球が入球していない期間は、種別決定処理が開始されず、大当たり種別(ラウンド遊技の回数を含む)が決定されないので、ラウンド表示部39へのラウンド遊技の回数の表示はされない。その後、種別決定ゲート202に遊技球が入球した場合には、種別決定処理が開始され、大当たり種別(ラウンド遊技の回数を含む)が決定されるので、ラウンド表示部39にラウンド遊技の回数が表示される。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、及びラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、可変表示ユニット40が備える表示装置の構成は、図柄表示装置41に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は抽選結果の予告等に基づく所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球を契機とした図柄の変動表示又は所定の表示をすることに限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の演出表示なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図56は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図56(a)は、図柄表示装置41において変動表示される液晶用図柄を示す説明図である。液晶用図柄は、図柄表示装置41に表示される画像であって、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄および第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄に対応した図柄である。第1始動口33への遊技球の入球を契機とした遊技回が実行されている場合には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄に対応した液晶用図柄が表示面41aに表示され、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした遊技回が実行されている場合には、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄に対応した液晶用図柄が表示面41aに表示される。
図56(a)に示すように、図柄表示装置41には、液晶用図柄として、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの図柄が付された図柄を採用してもよい。
図56(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、メイン表示領域MAが表示される。メイン表示領域MAには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図56(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図56(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入球すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、遊技回とは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを言い、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入球に基づいて取得された特別情報についての当たり抽選の抽選結果を、遊技者に報知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1回の当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄として図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
図56(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入球に基づく保留遊技回の数に対応した表示がされる。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入球に基づく保留遊技回の数に対応した表示がされる。保留遊技回とは、未実行の遊技回であって、第1始動口33または第2始動口34への入球に基づいて取得された特別情報について、当たり抽選の抽選結果を報知するための変動表示が開始されていない遊技回を言う。第1始動口33への入球に基づいて保留可能な保留遊技回の数は4つである。従って、図示するように、第1保留表示領域Ds1には4つの保留遊技回に対応した保留表示(以下、第1保留遊技回表示とも呼ぶ)が表示可能である。また、第2始動口34への入球に基づいて保留可能な保留遊技回の数は4つである。従って、図示するように、第2保留表示領域Ds2には4つの保留遊技回に対応した保留表示(以下、第2保留遊技回表示とも呼ぶ)が表示可能である。
また、図56(b)に示すように、表示面41aには、特図ユニット37の第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第1同期表示部Sync1と、特図ユニット37の第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第2同期表示部Sync2とを備える。具体的には、第1図柄表示部37aが変動表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点滅表示をし、第1図柄表示部37aが停止表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点灯表示をする。また、第2図柄表示部37bが変動表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点滅表示をし、第2図柄表示部37bが停止表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、表示面41aは、メイン表示領域MA、第1保留表示領域Ds1、第2保留表示領域Ds2、第1同期表示部Sync1、および、第2同期表示部Sync2を表示する構成としたが、表示面41aがこれらの表示の一部または全部を表示しない構成を採用してもよい。
図57は、V入賞機構210を説明する説明図である。図57(a)に示すように、V入賞機構210は、クルーン220と、遊技盤30の右側を流下する遊技球をクルーン220まで流通させる流路211と、遊技盤30の右側を流下する遊技球が流路211へ流入するための第2大入賞口212の開閉を行う第2開閉扉213と、第2大入賞口212から遊技球が流入したことを検出する検出センサー214と、遊技領域の背面側に連通する排出口215と、第2大入賞口212から流入した遊技球を流路211の貯留部218に一時的に貯留させる貯留弁216と、当該貯留弁216を駆動させる貯留弁駆動機構217とを備える。また、クルーン220は、V入賞口222を1つ、非V入賞口224を5つ備える。V入賞口222は、遊技球が入球すると大当たりとなる入賞口である。非V入賞口224は、遊技球が入球しても大当たりとはならず、遊技領域から遊技球を排出する。
次に、V入賞機構210の動作について説明する。遊技回における当たり抽選において特定の種別の大当たり、または、小当たりに当選し、当該遊技回の終了後に開閉実行モードが開始された場合、第2開閉扉213の開放条件が成立することによって、図57(a)に示すように第2開閉扉213が開放する。
遊技者が操作ハンドル25を操作することによって遊技盤30の右側に遊技球を発射させ、第2開閉扉213の開放中に当該第2開閉扉213の近傍を遊技球が流通すると、図57(b)に示すように、開放した第2開閉扉213に案内されて遊技球が第2大入賞口212から流路211に流入する。第2開閉扉213の開放後に最初に流路211に流入した遊技球は、閉鎖された貯留弁216によって貯留部218に貯留される。また、本実施形態においては、貯留部218に貯留可能な遊技球の数は1つである。なお、変形例として、貯留部218に複数個の遊技球を貯留可能な構成を採用してもよい。
図57(c)に示すように、貯留部218に遊技球が1つ貯留された状態において、第2大入賞口212から遊技球が流入した場合には、当該遊技球は、先に貯留部218に貯留されている遊技球によって当該貯留部218への流通が阻止され、流路211における排出口215の方向に流通し、排出口215から遊技領域の背面側に排出される。
図57(d)に示すように、第2開閉扉213の閉鎖条件が成立すると、第2開閉扉213は閉鎖される。閉鎖条件の詳細については後述する。その後、図57(e)に示すように、貯留弁駆動機構217が貯留弁216を開放方向に駆動させ、貯留部218に貯留されていた遊技球は、流路211におけるクルーン220の方向へ流通する。そして、流路211から排出された遊技球は、クルーン220の上面を流通し、その後、V入賞口222または非V入賞口224に入球する。上述のように、V入賞口222に遊技球が入球すると大当たりとなり、非V入賞口224に遊技球が入球すると、大当たりとはならず遊技領域から排出される。
また、本実施形態では、V入賞機構210の第2大入賞口212に遊技球が1個入球(流入)する毎に、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。第2大入賞口212への遊技球の入球は、検出センサー214によって検出される。
なお、上述したように、変形例として、貯留部218に複数個の遊技球を貯留可能な構成を採用した場合、貯留弁216が開放されることによって、複数個の遊技球がクルーン220の上面を流通するため、遊技球がV入賞口222に入球する確率を向上させることができ、遊技者の期待感を向上させることができる。この場合において、仮にV入賞口222に2個の遊技球が入球した場合であっても、最初にV入賞口222に入球した遊技球のみに基づいて大当たりとして扱い、V入賞口222への2個目の遊技球の入球については大当たりとして取り扱わず、非V入賞口224への遊技球の入球と同様に、遊技領域の背面に排出される。
《B2》遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図58は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、主制御基板61の入力側には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36などの各種の入球口やスルーゲートに設けられた各種検出センサーが接続されている。主制御基板61のMPU62は、これらの検出センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲートを通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて当たり抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、可変入賞装置36の第1開閉扉36bを開閉動作させる第1開閉扉駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、第2開閉扉213を開閉動作させる第2開閉扉駆動部213bと、貯留弁216を駆動させる貯留弁駆動機構217と、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、第1開閉扉36bが開閉されるように第1開閉扉駆動部36cを駆動制御し、第2開閉扉213が開閉されるように第2開閉扉駆動部213bを駆動制御する。特定の大当たりおよび小当たりを契機とした開閉実行モードにおいては、MPU62は、貯留弁216が開閉されるように貯留弁駆動機構217を駆動制御する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部44bの駆動制御を実行する。さらに、各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行する。また、開閉実行モードにおいて大当たり種別が決定され開閉実行モードにおいて実行されるラウンド遊技の回数が決定した場合には、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入球判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への遊技球の入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。さらに、発射制御装置80には、遊技球発射ボタン26が接続されている。遊技者によって遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、第1液晶用図柄や第2液晶用図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄が停止表示している時間である停止時間は一定ある。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技回時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図59は、当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が当たり抽選、大当たり種別の振分け、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、当たり抽選には当たり乱数カウンタC1が用いられる。大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
また、RAM64には保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cと、種別判定処理実行エリア64iとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。
当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。当たり乱数カウンタC1は、上述のように当たり抽選に用いられる。当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜1199)。
当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値は、第1始動口33または第2始動口34に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。そして、実行エリアAEに移動した当たり乱数カウンタC1は、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、開閉実行モード中に種別決定ゲート202に遊技球が入球したタイミング、または、V入賞口222に遊技球が入球したタイミングで、保留情報記憶エリア64dに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行なう。さらに、MPU62は、これらの当たり乱数カウンタC1の値を用いて第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。また、当たり抽選の結果が大当たりである場合には、開閉実行モードの開始後に種別決定ゲート202に遊技球が入球したことを契機として取得され種別判定処理実行エリア64iに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。種別判定処理によって決定された大当たり種別(ラウンド遊技回の実行回数)は、ラウンド表示部39に表示される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図56(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とを、MPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電役実行エリア64eに移動した後、電役実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0,1であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=2〜465であれば、電動役物34aを閉鎖状態に維持する。
なお、取得された当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、電動役物開放カウンタC4の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つが本発明における特別情報に相当する。また、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つを保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、当たり乱数カウンタC1に基づいて当たり抽選を行う際に、当該当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。また、本実施形態においては、パチンコ機10は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶された当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルと、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで判定処理実行エリア64cに記憶された当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルとを、それぞれ別のテーブルデータとして記憶している。具体的には、パチンコ機10は、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)の4つの当否テーブルを、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶している。
図60は、第1始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図示するように、第1始動口用の当否テーブルには、大当たりとなる当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。0〜1199の値のうち、5〜9の5個の値は、小当たり(外れ)として設定されている。小当たり(外れ)については後述する。そして、0〜9の10個の値以外の値(10〜1199)が通常の外れである。
図61は、第2始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図示するように、第2始動口用の当否テーブルには、大当たりとなる当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜4の5個の値以外の値(5〜1199)が小当たり(外れ)である。
ここで、小当たり(外れ)とは、第1開閉扉36bまたは第2開閉扉213の開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機とはなるが、サポートモードについて、移行契機とならない当否結果である。これに対して、通常の外れは、開閉実行モードの移行契機とはならず、さらに、サポートモードについても移行契機とならない当否結果である。なお、以降の説明においては、小当たり(外れ)を、単に「小当たり」とも呼び、通常の外れを単に「外れ」とも呼ぶ。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213の開閉回数(ラウンド数)
(2)開閉実行モードにおける第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213の開閉制御の態様
(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様
上記の(2)開閉実行モードにおける第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213への遊技球の入球(入賞)の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける第1開閉扉36bの1回の開放は30秒が経過するまで又は第1開閉扉36bへの遊技球の入球個数が10個となるまで継続するように設定することができる。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける第1開閉扉36bの1回の開放が1.6秒が経過するまで又は第1開閉扉36bへの入球個数が10個となるまで継続するよう設定することができる。
第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213の1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36またはV入賞機構210への入球の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213の開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36およびV入賞機構210への入球が発生しない構成としてもよい。
本実施形態では、当たり抽選の結果大当たりとなり当該大当たりを契機として実行される開閉実行モード中に種別決定ゲート202に遊技球が入球した場合、または、V入賞口222に遊技球が入球した場合に、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図62は、振分テーブルの内容を示す説明図である。図62(a)には、第1始動口用の振り分けテーブル(大当たり当選時)を示した。当該振り分けテーブルは、第1始動口への入球を契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選した場合に参照される。
図62(b)には、第1始動口への入球を契機としたV入賞時の振分テーブルを示した。当該振り分けテーブルは、第1始動口への入球を契機として実行された遊技回において小当たりとなり、当該小当たりを契機として実行された開閉実行モード中にV入賞口222に入球し大当たりとなった場合に参照される。
図62(c)には、第2始動口用の振り分けテーブル(大当たり当選時および第2始動口への入球を契機としたV入賞時)を示した。当該振り分けテーブルは、第2始動口への入球を契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選した場合、および、第2始動口への入球を契機として実行された遊技回において小当たりとなり、当該小当たりを契機として実行された開閉実行モード中にV入賞口222に入球し大当たりとなった場合に参照される。
図62(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口への入球を契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選した場合の大当たり種別として、5R第1種大当たり、5R第2種大当たり、10R通常大当たりが設定されている。
5R第1種大当たりは、開閉実行モード中に実行されるラウンド遊技の実行回数が5回であり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードである大当たりである。但し、本実施形態における第1種大当たりは、開閉実行モードの終了後の高頻度サポートモードにおいて実行可能な遊技回の回数が90回に制限される。すなわち、高頻度サポートモードにおいて遊技回が90回実行された後には、低頻度サポートモードに移行する。
5R第2種大当たりは、開閉実行モード中に実行されるラウンド遊技の実行回数が5回であり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードである大当たりである。但し、本実施形態における第2種大当たりは、開閉実行モードの終了後の高頻度サポートモードにおいて実行可能な遊技回の回数が5回に制限される。すなわち、高頻度サポートモードにおいて遊技回が5回実行された後には、低頻度サポートモードに移行する。
10R通常大当たりは、開閉実行モード中に実行されるラウンド遊技の実行回数が10回であり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが低頻度サポートモードである大当たりである。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜99」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜44」が5R第1種大当たりに対応しており、「45〜60」が5R第2種大当たりに対応しており、「61〜99」が10R通常大当たりに対応している。
図62(b)の第1始動口への入球を契機としたV入賞時の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口への入球を契機として実行された遊技回において小当たりとなり、当該小当たりを契機として実行された開閉実行モード中にV入賞口222に入球し大当たりとなった場合の大当たり種別として、5R第1種大当たり、10R通常大当たりが設定されている。
5R第1種大当たり、および10R通常大当たりについては、上記の図62(a)の第1始動口用の振分テーブルにおいて説明したので、説明を省略する。
第1始動口への入球を契機としたV入賞時の振分テーブルでは、「0〜99」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜64」が5R第1種大当たりに対応しており、「65〜99」が10R通常大当たりに対応している。
図62(c)の第2始動口用の振り分けテーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口への入球を契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選した場合、および、第2始動口への入球を契機として実行された遊技回において小当たりとなり、当該小当たりを契機として実行された開閉実行モード中にV入賞口222に入球し大当たりとなった場合の大当たり種別として、15R第1種大当たり、4R第1種大当たり、4R第2種大当たりが設定されている。
15R第1種大当たりは、開閉実行モード中に実行されるラウンド遊技の実行回数が15回であり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードである大当たりである。但し、本実施形態における第1種大当たりは、開閉実行モードの終了後の高頻度サポートモードにおいて実行可能な遊技回の回数が90回に制限される。すなわち、高頻度サポートモードにおいて遊技回が90回実行された後には、低頻度サポートモードに移行する。
4R第1種大当たりは、開閉実行モード中に実行されるラウンド遊技の実行回数が4回であり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードである大当たりである。但し、本実施形態における第1種大当たりは、開閉実行モードの終了後の高頻度サポートモードにおいて実行可能な遊技回の回数が90回に制限される。すなわち、高頻度サポートモードにおいて遊技回が90回実行された後には、低頻度サポートモードに移行する。
4R第2種大当たりは、開閉実行モード中に実行されるラウンド遊技の実行回数が4回であり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードである大当たりである。但し、本実施形態における第2種大当たりは、開閉実行モードの終了後の高頻度サポートモードにおいて実行可能な遊技回の回数が5回に制限される。すなわち、高頻度サポートモードにおいて遊技回が5回実行された後には、低頻度サポートモードに移行する。
第2始動口用の振り分けテーブルでは、「0〜99」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜49」が15R第1種大当たりに対応しており、「50〜57」が4R第1種大当たりに対応しており、「58〜99」が4R第2種大当たりに対応している。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりとなった場合の大当たり種別の振分態様は、第1始動口への入球を契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選した場合と、第1始動口への入球を契機として実行された遊技回において小当たりとなり、当該小当たりを契機として実行された開閉実行モード中にV入賞口222に入球し大当たりとなった場合と、第2始動口への入球を契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選した場合、および、第2始動口への入球を契機として実行された遊技回において小当たりとなり、当該小当たりを契機として実行された開閉実行モード中にV入賞口222に入球し大当たりとなった場合とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行なうとともに、種別判定処理実行エリア64iに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの当たり乱数カウンタC1の値を用いて第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定するとともに、大当たり種別カウンタC2の値を用いてラウンド表示部39の表示態様を決定する。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様の決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して遊技球の発射が同様の態様で継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、本実施形態におけるパチンコ機10は、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aの1回の開放時間が長く設定されている。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われるまでに確保される時間が相対的に短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
図63は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図63(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図63(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0、1の2個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として2〜465の464個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、1/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.4秒である。
図63(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図63(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0〜461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462〜465の4個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.6秒である。
このように、電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。
《B3》遊技の流れ:
次に、本実施形態における遊技機の遊技の大凡の流れについて図55を用いて説明をする。
遊技者が遊技を開始すると、操作ハンドル25を操作して、遊技球を遊技盤30の左側に向けて発射させる。以下、遊技球を遊技盤30の左側に向けて発射させることを「左打ち」とも呼び、遊技球を遊技盤30の右側に向けて発射させることを「右打ち」とも呼ぶ。
遊技者が左打ちを開始し、遊技球を第1始動口33に入球させると、第1始動口33への入球を契機とした当たり抽選の抽選結果を報知するための遊技回が開始される。当該当たり抽選において大当たりに当選した場合には、当該遊技回の終了後に、開閉実行モードが開始される。ここで、本実施形態における遊技機においては、当たり抽選において大当たりに当選した時点においては、大当たりの種別(図62参照)は決定していない。大当たりの種別は、当該当たり抽選に当選した遊技回の終了後に実行される開閉実行モードにおいて決定される。
大当たりに当選した遊技回が終了すると、開閉実行モードが開始される。開閉実行モードが開始されると、遊技者に対して、遊技球を遊技盤30の右側に向けて発射(右打ち)させることを示唆する演出(右打ち示唆演出)が実行される。遊技者が当該右打ち示唆演出を認識し、遊技球を遊技盤30の右側へ向けて発射させ、遊技球が種別決定ゲート202に入球(通過)すると、開閉実行モードの開始後における種別決定ゲート202への遊技球の最初の入球(通過)を契機として種別決定処理が実行される。種別決定処理は、大当たり種別を決定するための処理である。種別決定処理の詳細については、後述する。
種別決定処理が実行されることによって大当たり種別が決定すると、当該大当たり種別毎に設定された開閉シナリオに基づいて第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213が開閉動作を実行するラウンド遊技が開始される。開閉シナリオは、第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213の開閉動作のパターンを予め定めたプログラムである。開閉シナリオの詳細は後述する。
ラウンド遊技が実行されている期間(以下、開閉処理期間とも呼ぶ)に遊技者が右打ちした遊技球が第1大入賞口36aまたは第2大入賞口212に入球すると、各大入賞口に設定された個数の遊技球が特典(賞球)として遊技者に付与される。
本実施形態においては、特定の場合のみ、第2開閉扉213が開放する開閉シナリオが設定され、第2大入賞口212に遊技球を入球させることができる。そして、図57において説明したように、第2大入賞口212に遊技球が入球すると、第2大入賞口212に入球した遊技球のうち1個の遊技球が貯留部218に貯留され、その後、貯留弁216が開放した後に、流路211からクルーン220へと流通する(図57(e)参照)。そして、クルーン220を流通する遊技球がV入賞口222に入球した場合には、新たな大当たりが確定する。V入賞口222に遊技球が入球したことを契機として新たな大当たりが確定すると、実行中の開閉実行モードは中断し、V入賞口222への遊技球の入球に基づいた新たな開閉実行モードが開始される。なお、上述したように、第1始動口33に遊技球が入球したことを契機とした当たり抽選において大当たりに当選した場合には、当該大当たりに当選した遊技回の終了後の開閉実行モード中に種別決定ゲート202に遊技球が入球することによって大当たり種別が決定されたが、本実施形態においては、V入賞口222に遊技球が入球したことを契機として大当たりとなった場合には、大当たりの確定とともに大当たりの種別が決定される。
図62において説明したように、第1始動口33への遊技球の入球を契機とする大当たりにおける大当たり種別の振り分け(図57(a))と、第1始動口への入球を契機としたV入賞時の大当たりにおける大当たり種別の振り分け(図57(b))とは異なる。本実施形態においては、第1始動口への入球を契機としたV入賞時の大当たりにおける大当たり種別の振り分けの方が、遊技者に付与される特典が多くなる可能性が高い。従って、遊技者は、第1始動口33への遊技球の入球を契機とする大当たりが確定していても、ラウンド遊技中に第2開閉扉213が開放する場合には、遊技球を第2大入賞口212に入球させ、さらに、V入賞口222への遊技球の入球を望む。従って、ラウンド遊技中においても、遊技者の期待感を向上させることができる。
仮に、第2開閉扉213が開放し第2大入賞口212に遊技球を入球させることができたにもかかわらず、遊技球をV入賞口222に入球させることができなかった場合には、そのまま、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした大当たりに基づくラウンド遊技が継続される。
ラウンド遊技が終了し、その後開閉実行モードが終了すると、当該開閉実行モードの実行の契機となった大当たりの種別に高頻度サポートモードが設定されている場合には、開閉実行モードの終了後に実行される遊技回におけるサポートモードが高頻度サポートモードとなる。この場合、遊技者は、右打ちをして遊技球をスルーゲート35に入球させ、電動役物開放抽選を実行させる。電動役物開放抽選に当選した場合には、電動役物34aが開放し第2始動口34に遊技球を入球させることができ、その結果、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が実行される。
第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選における当否結果は、大当たり又は小当たりとなる。大当たりに当選した場合には、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選において大当たりに当選した場合と同様に、当該大当たりに当選した遊技回が終了した後に実行される開閉実行モード中に種別決定ゲート202に遊技球を入球させることによって、大当たりの種別が決定される。そして決定した大当たり種別に設定されたラウンド遊技が実行される。
一方、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選において小当たりに当選した場合には、当該小当たりに当選した遊技回の終了後に第2開閉扉213が1回開放する開閉実行モードが実行される。そして、第2開閉扉213の開放中に第2大入賞口212に遊技球を入球させ、その後にV入賞口222に遊技球が入球した場合には、大当たりが確定し、当該大当たりを契機とした開閉実行モードが開始される。開閉実行モードにおいては、当該大当たりの種別に設定されているラウンド遊技が実行されることによって遊技者に特典が付与される。
次に、遊技者が遊技を開始し、左打ちをすることによって遊技球を第1始動口33に入球させ、第1始動口33への入球を契機とした当たり抽選において小当たりに当選した場合について説明する。
第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選において小当たりに当選した場合には、当該小当たりに当選した遊技回の終了後に第2開閉扉213が1回開放する開閉実行モードが実行される。開閉実行モードの開始後に、遊技者に対して右打ちをすることを示唆する右打ち示唆演出が実行される。遊技者が、当該右打ち示唆演出に従って右打ちを実行し、第2開閉扉213の開放中に第2大入賞口212に遊技球を入球させ、その後にV入賞口222に遊技球が入球した場合には、大当たりが確定し、当該大当たりを契機とした開閉実行モードが開始される。開閉実行モードにおいては、当該大当たりの種別に設定されているラウンド遊技が実行されることによって遊技者に特典が付与される。以上、本実施形態における遊技機の遊技の大凡の流れについて説明をした。
《B4》遊技機による処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。
図64は、ケース1として、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選において大当たりに当選した場合について説明をするタイムチャートである。また、以下に説明する処理の概要は、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選に大当たりに当選した全ての場合に実行されるのではなく、特定の場合にのみ実行される。
遊技者が左打ちを実行し、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として遊技回U1が開始されると、第1図柄表示部37aの図柄の変動が開始する。このとき、遊技回U1においては所定の演出が実行される。その後、当該第1図柄表示部37aにおける図柄の変動が停止する。このとき、第1図柄表示部37aには、大当たりを示す図柄のパターンは表示されるが、図柄表示装置41への画像の表示や音声の出力によって大当たりに当選したことを明確に示唆する演出は実行されず、大当たりに当選したか小当たりに当選したかが遊技者にとって識別しにくい演出が実行される。従って、図柄表示装置41への画像の表示や音声の出力によって当たり抽選の抽選結果を認識している遊技者は、遊技回U1に対応する当たり抽選において大当たりに当選していることを認識することができない。
当たり抽選に当選した遊技回U1が終了した後、開閉実行モードが開始される。上述のように、第1始動口33への入球を契機とした当たり抽選において大当たりに当選した場合には、当たり抽選において大当たりに当選した時点において大当たりの種別は決定していない。大当たりの種別は、開閉実行モードの実行後に遊技球が種別決定ゲート202に入球することによって決定される。従って、当たり抽選に当選した遊技回が終了した時点においてもラウンド表示部39に、開閉実行モードにおいて実行されるラウンド遊技の実行回数を示す表示はされない。なお、本実施形態においては、開閉実行モードの開始した時点から大当たりの種別が決定するまでの期間を「待機期間」とも呼ぶ。
当たり抽選に当選した遊技回U1が終了した後、開閉実行モードが開始されると同時に、右打ちを示唆する演出(右打ち示唆演出)が実行されるとともに、遊技者に特典が付与される可能性があることを示す演出、より具体的には、大当たりに当選するための機会(チャンス)が2回分用意されていることを示唆する演出(以下「Wチャンス演出」とも呼ぶ)が実行される。
右打ち示唆演出およびWチャンス演出が実行されたことを認識した遊技者が右打ちを実行し、種別決定ゲート202に遊技球が入球すると、種別決定処理が実行され、大当たり種別が決定される。大当たり種別が決定されると待機期間は終了し、オープニング期間が開始される。オープニング期間においても右打ち示唆演出が実行される。オープニング期間の終了後、開閉処理期間が開始される。開閉処理期間においては、決定された大当たり種別に対応した回数のラウンド遊技が実行される。このとき、大当たり種別に対応した回数のラウンド遊技の1回目のラウンド遊技(1R目)に、第2開閉扉213が開放するラウンド遊技が実行される。また、開閉処理期間が開始されると、用意されている2回分の大当たりに当選するための機会(チャンス)のうちの1回目が開始されたことを示唆する演出(以下、1回目チャンス演出とも呼ぶ)が実行される。
より具体的には、1回目チャンス演出において、遊技者に右打ちを促すとともに、第2大入賞口212に遊技球を入球させ、さらに、V入賞口222に遊技球を入球させて大当たりを確定させることを促す演出が実行される。
実行される1回目チャンス演出を遊技者が認識して右打ちを実行し、第2開閉扉213が開放しているタイミングで遊技球を第2大入賞口212に入球させることができ、貯留部218(図57参照)に遊技球を貯留させることができた場合(タイムチャートに示した[貯留部に貯留]に進む)、第2開閉扉213が閉鎖後に、貯留弁216が開閉動作を1回実行する。このとき、貯留部218に貯留されていた1個の遊技球は、流路211を流通しクルーン220に流入する。
クルーン220を流通する遊技球は、V入賞口222または非V入賞口224に入球する。クルーン220を流通する遊技球がV入賞口222に入球した場合(タイムチャートに示した[V入賞口に入球]に進む)、新たに大当たりが確定する。V入賞口222に遊技球が入球したことを契機として新たな大当たりが確定すると、実行中の開閉実行モードは中断し、V入賞口222への遊技球の入球に基づいた新たな開閉実行モードが開始される。なお、上述したように、第1始動口33に遊技球が入球したことを契機とした当たり抽選において大当たりに当選した場合には、当該大当たりに当選した遊技回の終了後の開閉実行モード中に種別決定ゲート202に遊技球が入球することによって大当たり種別が決定されたが、本実施形態においては、V入賞口222に遊技球が入球したことを契機として大当たりとなった場合には、大当たりの確定とともに大当たりの種別が決定される。
一方、クルーン220を流通する遊技球が非V入賞口224に入球した場合(タイムチャートに示した[V入賞口に非入球]に進む)、用意されている2回分の大当たりに当選するための機会(チャンス)のうちの2回目が開始されたことを示唆する演出(以下、2回目チャンス演出とも呼ぶ)が実行される。2回目チャンス演出は、演出操作ボタン24を操作することを遊技者に促す演出であり、所定期間以内に遊技者が演出操作ボタン24を操作した場合には、遊技者によって演出操作ボタン24が操作されたタイミングで大当たりが確定したことを示す演出を実行する。また、演出操作ボタン24を操作することを遊技者に促す演出を実行後の所定期間以内に遊技者によって演出操作ボタン24が操作されなかった場合には、所定期間の経過後に大当たりが確定したことを示す演出を実行する。なお、2回目チャンス演出において示唆する大当たりの確定は、遊技回U1における当たり抽選において大当たりに当選したこと(または、当選していたこと)を示唆する内容である。
2回目チャンス演出を実行した後、遊技回U1での当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技の1R目が終了し、2ラウンド目(2R目)が開始される。
次に、1回目チャンス演出を遊技者が認識をして右打ちを実行したにも関わらず、第2開閉扉213が開放しているタイミングで遊技球を第2大入賞口212に入球させることができず、貯留部218に遊技球を貯留させることができなかった場合(タイムチャートに示した[貯留部に非貯留]に進む)について説明する。この場合、第2開閉扉213が閉鎖後に、2回目チャンス演出が実行される。この場合の2回目チャンス演出も、演出操作ボタン24を操作することを遊技者に促す演出であり、所定期間以内に遊技者が演出操作ボタン24を操作した場合には、遊技者によって演出操作ボタン24が操作されたタイミングで大当たりが確定したことを示す演出を実行する。また、演出操作ボタン24を操作することを遊技者に促す演出を実行後の所定期間以内に遊技者によって演出操作ボタン24が操作されなかった場合には、所定期間の経過後に大当たりが確定したことを示す演出を実行する。
2回目チャンス演出を実行した後、遊技回U1での当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技の1R目が終了し、2ラウンド目(2R目)が開始される。以上、ケース1について説明した。
図65は、ケース2として、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選において小当たりに当選した場合について説明をするタイムチャートである。本実施形態においては、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選において小当たりに当選した全ての場合において、以下に説明をする処理が実行される。
遊技者が左打ちを実行し、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として遊技回U2が開始されると、第1図柄表示部37aの図柄の変動が開始する。このとき、遊技回U2においては所定の演出が実行される。その後、当該第1図柄表示部37aにおける図柄の変動が停止する。このとき、第1図柄表示部37aには、小当たりを示す図柄のパターンは表示されるが、図柄表示装置41への画像の表示や音声の出力によって小当たりに当選したことを明確に示唆する演出は実行されず、大当たりに当選したか小当たりに当選したかが遊技者にとって識別しにくい演出が実行される。従って、図柄表示装置41への画像の表示や音声の出力によって当たり抽選の抽選結果を認識している遊技者は、遊技回U1に対応する当たり抽選において小当たりに当選していることを認識することができない。
小当たりに当選した遊技回U2が終了した後、開閉実行モードが開始される。第1始動口33への入球を契機とした当たり抽選において小当たりに当選した場合には、開閉実行モードが開始される。そして、開閉実行モードにおけるオープニング期間において、右打ち示唆演出が実行されるとともに、遊技者に特典が付与される可能性があることを示す演出、より具体的には、大当たりに当選するための機会(チャンス)が2回分用意されていることを示唆する演出(以下「Wチャンス演出」とも呼ぶ)が実行される。
そして、オープニング期間が終了した後、開閉処理期間が開始される。開閉処理期間においては、第2開閉扉213が1回のみ開放するラウンド遊技が実行される。また、開閉処理期間が開始されると、用意されている2回分の大当たりに当選するための機会(チャンス)のうちの1回目が開始されたことを示唆する演出(以下、1回目チャンス演出とも呼ぶ)が実行される。
より具体的には、1回目チャンス演出において、遊技者に右打ちを促すとともに、第2大入賞口212に遊技球を入球させ、さらに、V入賞口222に遊技球を入球させて大当たりを確定させることを促す演出が実行される。
実行される1回目チャンス演出を遊技者が認識をして右打ちを実行し、第2開閉扉213が開放しているタイミングで遊技球を第2大入賞口212に入球させることができ、貯留部218(図57参照)に遊技球を貯留させることができた場合(タイムチャートに示した[貯留部に貯留]に進む)、第2開閉扉213が閉鎖後に、貯留弁216が開閉動作を1回実行する。このとき、貯留部218に貯留されていた1個の遊技球は、流路211を流通しクルーン220に流入する。
クルーン220を流通する遊技球は、V入賞口222または非V入賞口224に入球する。クルーン220を流通する遊技球がV入賞口222に入球した場合(タイムチャートに示した[V入賞口に入球]に進む)、大当たりが確定する。V入賞口222に遊技球が入球したことを契機として大当たりが確定すると、実行中の開閉実行モードは中断し、V入賞口222への遊技球の入球に基づいた新たな開閉実行モードが開始される。なお、V入賞口222に遊技球が入球したことを契機として大当たりとなった場合には、大当たりの確定とともに大当たりの種別が決定される。
一方、クルーン220を流通する遊技球が非V入賞口224に入球した場合(タイムチャートに示した[V入賞口に非入球]に進む)、用意されている2回分の大当たりに当選するための機会(チャンス)のうちの2回目が開始されたことを示唆する演出(以下、2回目チャンス演出とも呼ぶ)が実行される。2回目チャンス演出は、演出操作ボタン24を操作することを遊技者に促す演出であり、所定期間以内に遊技者が演出操作ボタン24を操作した場合には、遊技者によって演出操作ボタン24が操作されたタイミングで外れが確定したことを示す演出を実行する。また、演出操作ボタン24を操作することを遊技者に促す演出を実行後の所定期間以内に遊技者によって演出操作ボタン24が操作されなかった場合には、所定期間の経過後に外れが確定したことを示す演出を実行する。なお、2回目チャンス演出において示唆する外れの確定は、遊技回U2における当たり抽選において外れとなったこと(または、外れであったこと)を示唆する内容である。
2回目チャンス演出を実行した後、遊技回U2での当たり抽選において小当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技は終了し、その後、開閉実行モードは終了する。そして、遊技者に対して、左打ちをするよう促す演出(左打ち示唆演出)を実行する。遊技者は、左打ちを実行し、再度、第1始動口33に遊技球を入球させることを試みる。
次に、1回目チャンス演出を遊技者が認識をして右打ちを実行したにも関わらず、第2開閉扉213が開放しているタイミングで遊技球を第2大入賞口212に入球させることができず、貯留部218に遊技球を貯留させることができなかった場合(タイムチャートに示した[貯留部に非貯留]に進む)について説明する。この場合、第2開閉扉213が閉鎖後に、2回目チャンス演出が実行される。この場合の2回目チャンス演出も、演出操作ボタン24を操作することを遊技者に促す演出であり、所定期間以内に遊技者が演出操作ボタン24を操作した場合には、遊技者によって演出操作ボタン24が操作されたタイミングで外れが確定したことを示す演出を実行する。また、演出操作ボタン24を操作することを遊技者に促す演出を実行後の所定期間以内に遊技者によって演出操作ボタン24が操作されなかった場合には、所定期間の経過後に外れが確定したことを示す演出を実行する。
2回目チャンス演出を実行した後、遊技回U2での当たり抽選において小当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技は終了し、その後、開閉実行モードは終了する。そして、遊技者に対して、左打ちをするよう促す演出(左打ち示唆演出)を実行する。遊技者は、左打ちを実行し、再度、第1始動口33に遊技球を入球させることを試みる。
以上説明したように、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された当たり抽選において大当たりに当選した場合(ケース1の場合)も、小当たりに当選した場合(ケース2の場合)も、第1図柄表示部37aには、当たり抽選の結果を示す図柄のパターンは表示されるが、図柄表示装置41への画像の表示や音声の出力による当たり抽選の抽選結果を示唆する演出は実行されない。よって、図柄表示装置41への画像の表示や音声の出力によって当たり抽選の抽選結果を認識している遊技者は、遊技回の終了した時点において当該遊技回における抽選結果を認識できない。その結果、仮に、小当たりに当選していたとしても、大当たりに当選したのではないかといった期待感を遊技者に付与することができる。
さらに、遊技回が終了した後に、ケース1の場合も、ケース2の場合も、右打ち示唆演出、Wチャンス示唆演出を実行するので、遊技回が終了した後に当該演出が実行されている期間中も、当たり抽選において小当たりではなく大当たりに当選しているのではないかといった期待感を付与することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、第1始動口33への入球を契機とした当たり抽選において大当たりに当選した場合には、当たり抽選において大当たりに当選した時点において大当たりの種別は決定されず、開閉実行モードの実行中に遊技球が種別決定ゲート202に入球することによって決定される。そして、大当たり種別が決定すると、ラウンド表示部39のラウンドランプが、大当たりの種別に対応したラウンド遊技の実行回数に応じた表示で点灯する。一方、小当たりに当選している場合は、ラウンドランプは点灯しない。すなわち、大当たりに当選している場合であっても小当たりに当選している場合であっても、遊技回の終了直後にはラウンドランプは点灯しないので、遊技回の終了後において、ラウンドランプに基づいて当該遊技回において大当たりに当選しているのか小当たりに当選しているのかを遊技者が識別することを回避することができる。
その結果、遊技回の終了後に、遊技者が右打ちをして、種別決定ゲート202に遊技球を入球させるまでは、遊技者に、当該当たり抽選の抽選結果を認識させず、遊技者に対して、比較的長い期間、小当たりではなく大当たりに当選しているのではないかといった期待感を付与することができる。すなわち、遊技回が終了し、大当たりまたは小当たりに基づく開閉実行モードが開始された後の期間においても、比較的長い期間に亘って遊技者に期待感を付与することができ、遊技に対して注目させることができる。また、大当たり種別の決定に際し、遊技者に右打ちをさせて、種別決定ゲート202に遊技球を入球させるので、大当たり種別の決定に関して遊技者に積極的に関与させることとなり、遊技者に対して、開閉実行モードの期間においてさら遊技に注目させることができる。
《B5》主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において実行される具体的な処理の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<タイマ割込み処理>
図66は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップSa5101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサの状態を読み込み、当該センサの状態を判定して検出情報(入球検知情報)を保存する。その後、ステップSa5102に進む。
ステップSa5102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップSa5103に進む。
ステップSa5103では、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4の値の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップSa5104に進む。なお、変動種別カウンタCSは、後述する通常処理(図75)において、その値を更新する。
ステップSa5104では、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。ステップSa5104の始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSa5104を実行した後、ステップSa5105に進む。
ステップSa5105では、スルーゲート35への遊技球の入球(通過)に伴うスルー用の入球処理を実行する。ステップSa5105におけるスルー用の入球処理の詳細については後述する。ステップSa5105を実行した後、ステップSa5106に進む。
ステップSa5106では、種別決定ゲートへの遊技球の入球に伴う種別決定ゲート用の入球処理を実行する。ステップSa5106における種別決定ゲート用の入球処理の詳細については後述する。ステップSa5106を実行した後、ステップSa5107に進む。
ステップSa5107では、大入賞口への遊技球の入球に伴う大入賞口用の入球処理を実行する。ステップSa5107における大入賞口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSa5107を実行した後、ステップSa5108に進む。
ステップSa5108では、クルーンへの遊技球の入球に伴うクルーン用の入球処理を実行する。ステップSa5108におけるクルーン用の入球処理の詳細については後述する。ステップSa5108を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図66:Sa5104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図67は、始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSa5201では、遊技球が第1始動口33に入球(始動入賞)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップSa5201において、遊技球が第1始動口33に入球したと判定した場合には(Sa5201:YES)、ステップSa5202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSa5203に進む。
ステップSa5203では、第1始動口33に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップSa5204に進む。
ステップSa5204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップSa5209に進む。
ステップSa5201において、遊技球が第1始動口33に入球していないと判定した場合には(Sa5201:NO)、ステップSa5205に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。
ステップSa5205において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(Sa5205:YES)、ステップSa5206に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSa5207に進む。一方、ステップSa5205において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(Sa5205:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップSa5207では、第2始動口34に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップSa5208に進む。
ステップSa5208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップSa5209に進む。
ステップSa5209では、上述したステップSa5204又はステップSa5208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップSa5209において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(Sa5209:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップSa5209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(Sa5209:YES)、ステップSa5210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップSa5211に進み、合計保留個数記憶エリアに記憶された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップSa5212に進む。
ステップSa5212では、ステップSa5103(図66)において更新した当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、および、通常処理(図75)において更新している変動種別カウンタCSの各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSa5210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSa5103(図66)にて更新した当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSa5210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに記憶する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSa5103(図66)にて更新した当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSa5210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに記憶する。ステップSa5212を実行した後、ステップSa5213に進む。
ステップSa5213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて、当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無、遊技回の変動時間などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップSa5213を実行した後、ステップSa5214に進む。
ステップSa5214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果(先判定情報)を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果(先判定情報)を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図75:ステップSa6003)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主側MPU62は、ステップSa5214を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入球処理のサブルーチン(図67:Sa5213)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図68は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定、遊技回の変動時間の判定などを、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップSa5301では、大当たり・リーチ情報取得処理を実行する。当該処理は、当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定を行う処理である。大当たり・リーチ情報取得処理の詳細については後述する。ステップSa5301を実行した後、ステップSa5302に進む。
ステップSa5302では、変動時間情報取得処理を実行する。当該処理は、遊技回の変動時間の判定を行う処理である。変動時間情報取得処理の詳細については後述する。
ステップSa5302を実行した後、本先判定処理を終了する。
<大当たり・リーチ情報取得処理>
次に、大当たり・リーチ情報取得処理について説明する。大当たり・リーチ情報取得処理は、先判定処理のサブルーチン(図68:Sa5301)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図69は、大当たり・リーチ情報取得処理を示すフローチャートである。ステップSa5401では、始動口用の入球処理(図67)における始動口への入球によって記憶エリア(保留エリア)に記憶された当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップSa5402に進む。
ステップSa5402では、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が第1保留エリアRaに基づくものであるか否かを判定する。すなわち、先判定処理を実行する対象となる保留情報が、第1始動口33への遊技球の入球を契機として取得された情報か、第2始動口34への遊技球の入球を契機として取得された情報かを判定する。ステップSa5402において、読み出した保留エリアが第1保留エリアRaに基づくものであると判定した場合には(Sa5402:YES)、ステップSa5403に進み第1始動口用の当否テーブルを参照する。その後、ステップSa5405に進む。
一方、ステップSa5402において、読み出した保留エリアが第1保留エリアRaに基づくものではないと判定した場合、すなわち読み出した保留エリアが第2保留エリアRbに基づくものである場合には(Sa5402:NO)、ステップSa5404に進み、第1始動口用の当否テーブルを参照する。その後、ステップSa5405に進む。
ステップSa5405では、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において大当たりに当選しているか否かを判定する。ステップSa5405において、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において大当たりに当選していると判定した場合には(Sa5405:YES)、ステップSa5406に進む。
ステップSa5406では、大当たり情報を先判定処理結果記憶エリア64hに記憶させる。その後、大当たり・リーチ情報取得処理を終了する。
一方、ステップSa5405において、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において大当たりに当選していないと判定した場合には(Sa5405:NO)、ステップSa5407に進む。
ステップSa5407では、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において小当たりに当選しているか否かを判定する。ステップSa5407において、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において小当たりに当選していると判定した場合には(Sa5407:YES)、ステップSa5408に進む。
ステップSa5408では、小当たり情報を先判定処理結果記憶エリア64hに記憶させる。その後、大当たり・リーチ情報取得処理を終了する。
ステップSa5407において、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において小当たりに当選していないと判定した場合には(Sa5407:NO)、ステップSa5409に進む。
ステップSa5409では、今回の始動口への入球によって記憶エリアに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値を読み出す。その後、ステップSa5410に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップSa5411に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回読み出したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップSa5411において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(Sa5411:YES)、ステップSa5412に進み、先判定処理結果記憶エリア64hにリーチ発生情報を記憶させる。その後、大当たり・リーチ情報取得処理を終了する。一方、ステップSa5411において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(Sa5411:NO)、そのまま大当たり・リーチ情報取得処理を終了する。
<変動時間情報取得処理>
次に、変動時間情報取得処理について説明する。変動時間情報取得処理は、先判定処理のサブルーチン(図68:Sa5302)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図70は、変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップSa5501では、始動口用の入球処理(図67)における始動口への入球によって記憶エリアに記憶された変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSa5502に進む。
ステップSa5502では、今回の遊技回に係る当たり抽選が当選であるか否かを判定する。具体的には、大当たり・リーチ情報取得処理によって判定した当たり抽選の抽選結果に基づいて大当たりの有無を判定し、大当たりである場合には(Sa5502:YES)、ステップSa5503に進む。
ステップSa5503では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSa5503を実行した後、ステップSa5509に進む。
ステップSa5509では、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶する。その後、本変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSa5502において、当たり抽選の抽選結果が大当たりではないと判定した場合には(ステップSa5502:NO)、ステップSa5504に進み、今回の遊技回に係る当たり抽選において小当たりに当選しているか否かを判定する。ステップSa5504において、小当たりに当選していると判定した場合には(Sa5504:YES)、ステップSa5505に進む。
ステップSa5505では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている小当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSa5505を実行した後、ステップSa5509に進む。
ステップSa5509では、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶する。その後、本変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSa5504において、今回の遊技回に係る当たり抽選において小当たりに当選していないと判定した場合には(Sa5504:NO)、ステップSa5506に進み、リーチが発生するか否かを判定する。ステップSa5506において、リーチが発生すると判定した場合には(Sa5506:YES)、ステップSa5507に進む。
ステップSa5507では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップSa5509に進み、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶した後、本変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSa5506において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(ステップSa5506:NO)、ステップSa5508に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップSa5509に進み、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶した後、本変動時間情報取得処理を終了する。
<スルー用の入球処理>
次に、スルー用の入球処理について説明する。スルー用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図66:ステップSa5105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図71は、スルー用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSa5601では、遊技球がスルーゲート35に入球したか否かを判定する。ステップSa5601において、遊技球がスルーゲート35に入球したと判定した場合には(Sa5601:YES)、ステップSa5602に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入球数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップSa5601において、スルーゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(Sa5601:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。
ステップSa5602において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(Sa5602:YES)、ステップSa5603に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップSa5604に進む。
ステップSa5604では、ステップSa5103(図66)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64cの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに記憶する。その後、スルー用の入球処理を終了する。
一方、ステップSa5602において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(Sa5602:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を記憶することなく、スルー用の入球処理を終了する。
<種別決定ゲート用の入球処理>
次に、種別決定ゲート用の入球処理について説明する。種別決定ゲート用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図66:ステップSa5106)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図72は、種別決定ゲート用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSa5701では、遊技球が種別決定ゲート202に入球したか否かを判定する。ステップSa5701において、遊技球が種別決定ゲート202に入球したと判定した場合には(Sa5701:YES)、ステップSa5702に進む。一方、ステップSa5701において、遊技球が種別決定ゲート202に入球していないと判定した場合には(Sa5701:NO)、そのまま種別決定ゲート用の入球処理を終了する。
ステップSa5702では、種別決定許可フラグがONであるか否かを判定する。種別決定許可フラグは、当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードが開始され種別決定処理(図82参照)が実行された場合にONにされ、本種別決定ゲート用の入球処理において、大当たり種別を決定するための大当たり種別カウンタC2の値を記憶エリアに記憶させた後にOFFにされる(Sa5705)。
ステップSa5702において、種別決定許可フラグがONであると判定した場合には(Sa5702:YES)、ステップSa5703に進む。ステップSa5702において、種別決定許可フラグがONではないと判定した場合には(Sa5702:NO)、そのまま種別決定ゲート用の入球処理を終了する。
ステップSa5703では、大当たり種別カウンタC2の値を、対応する記憶エリア(種別判定処理実行エリア64i)に記憶する。その後、ステップSa5704に進む。
ステップSa5704では、大当たり種別カウンタ記憶完了フラグをONにする。大当たり種別カウンタ記憶完了フラグは、大当たり種別カウンタC2の値が種別判定処理実行エリア64iに記憶された場合にONにされ、後述する種別決定処理(図82参照)において大当たり種別が決定した場合にOFFにされる。ステップSa5704を実行した後、ステップSa5705に進む。
ステップSa5705では、種別決定許可フラグをOFFにする。その後、種別決定ゲート用の入球処理を終了する。
<大入賞口用の入球処理>
次に、大入賞口用の入球処理について説明する。大入賞口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図66:ステップSa5107)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図73は、大入賞口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSa5801では、遊技球が第1大入賞口36aに入球したか否かを判定する。ステップSa5801において、遊技球が第1大入賞口36aに入球したと判定した場合には(Sa5801:YES)、ステップSa5802に進む。一方、ステップSa5801において、遊技球が第1大入賞口36aに入球したと判定しなかった場合には(Sa5801:NO)、ステップSa5804に進む。
ステップSa5802では、第1大入賞口36aに入球したことに基づいて払い出される賞球の数を設定する。本実施形態においては、第1大入賞口36aに1個の遊技球が入球した場合には、15個の遊技球が賞球として払い出される。ステップSa5802を実行した後、ステップSa5803に進む。
ステップSa5803では、第1大入賞口入球コマンドを設定する。第1大入賞口入球コマンドは、第1大入賞口36aに遊技球が入球したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第1大入賞口入球コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図75:ステップSa6003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa5803を実行した後、ステップSa5804に進む。
ステップSa5804では、遊技球が第2大入賞口212に入球したか否かを判定する。ステップSa5804において、遊技球が第2大入賞口212に入球したと判定した場合には(Sa5804:YES)、ステップSa5805に進む。一方、ステップSa5804において、遊技球が第2大入賞口212に入球していないと判定した場合には(Sa5804:NO)、そのまま大入賞口用の入球処理を終了する。
ステップSa5805では、第2大入賞口212に入球したことに基づいて払い出される賞球の数を設定する。本実施形態においては、第2大入賞口212に1個の遊技球が入球した場合には、15個の遊技球が賞球として払い出される。ステップSa5805を実行した後、ステップSa5806に進む。
ステップSa5806では、第2大入賞口入球コマンドを設定する。第2大入賞口入球コマンドは、第2大入賞口212に遊技球が入球したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第2大入賞口入球コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図75:ステップSa6003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa5806を実行した後、大入賞口用の入球処理を終了する。
<クルーン用の入球処理>
次に、クルーン用の入球処理について説明する。クルーン用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図66:ステップSa5108)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図74は、クルーン用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSa5901では、クルーン入球許可フラグがONであるか否かを判定する。クルーン入球許可フラグは、大入賞口開閉処理(図85)において貯留弁216を開放した場合にONにされ、クルーン220が備えるV入賞口222または非V入賞口224に遊技球が入球した場合にOFFにされる(図74:Sa5908)。このようにすることで、貯留弁216が開放動作を実行していないにも関わらず、貯留弁駆動機構217や貯留弁216の損傷や異常によって、意図せずクルーンに遊技球が流通し、V入賞口222に入球して大当たりとなってしまうことを回避することができる。ステップSa5901において、クルーン入球許可フラグがONであると判定した場合には(Sa5901:YES)、ステップSa5902に進む。一方、ステップSa5901において、クルーン入球許可フラグがONではないと判定した場合には(Sa5901:NO)、そのままクルーン用の入球処理を終了する。
ステップSa5902では、V入賞口222に遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSa5902において、V入賞口222に遊技球が入球したと判定した場合には(Sa5902:YES)、ステップSa5903に進む。
ステップSa5903では、大当たり種別カウンタC2の値を、対応する記憶エリア(種別判定処理実行エリア64i)に記憶する。上述したように、本実施形態においては、第1始動口33または第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行された当たり抽選において大当たりに当選した場合には、開閉実行モードの実行中に種別決定ゲート202に遊技球が入球したことを契機として、種別決定ゲート用の入球処理において大当たり種別カウンタC2の値を対応する記憶エリア(種別判定処理実行エリア64i)に記憶させたが、V入賞口222への遊技球の入球を契機とする大当たりの場合には、V入賞口222への遊技球の入球によって大当たり種別カウンタC2の値を対応する記憶エリア(種別判定処理実行エリア64i)に記憶させる。ステップSa5903を実行した後、ステップSa5904に進む。
ステップSa5904では、V入賞大当たりフラグをONにする。V入賞大当たりフラグは、遊技球がV入賞口222に入球した場合にONにされ、V入賞による大当たりによる開閉実行モードのオープニング時間の設定が完了した後にOFFにされる(図85:Sa6910)。ステップSa5904を実行した後、ステップSa5905に進む。
ステップSa5905では、V入賞コマンドを設定する。V入賞コマンドは、V入賞口222に遊技球が入球したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。V入賞コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図75:ステップSa6003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa5905を実行した後、ステップSa5908に進む。
一方、ステップSa5902において、V入賞口222に遊技球が入球していないと判定した場合には(Sa5902:NO)、ステップSa5906に進む。
ステップSa5906では、非V入賞口224に遊技球が入球したか否かを判定する。ステップSa5906において、非V入賞口224に遊技球が入球したと判定した場合には(Sa5906:YES)、ステップSa5907に進む。一方、ステップSa5906において、非V入賞口224に遊技球が入球していないと判定した場合には(Sa5906:NO)、そのままクルーン用の入球処理を終了する。
ステップSa5907では、非V入賞コマンドを設定する。非V入賞コマンドは、非V入賞口224に遊技球が入球したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。非V入賞コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図75:ステップSa6003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa5907を実行した後、ステップSa5908に進む。
ステップSa5908では、クルーン入球許可フラグをOFFにする。その後、クルーン用の入球処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図75は、通常処理を示すフローチャートである。ステップSa6001では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップSa6002に進む。
ステップSa6002では、立ち上げコマンドを設定する。立ち上げコマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップSa6003に進む。
ステップSa6003では、ステップSa6002において設定された立ち上げコマンドや、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、立ち上げコマンド、変動用コマンド、変動種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップSa6003を実行した後、ステップSa6004に進む。
ステップSa6004では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップSa6005に進む。
ステップSa6005では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップSa6006に進む。ステップSa6006では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップSa6006を実行した後、ステップSa6007に進む。
ステップSa6007では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップSa6008に進む。
ステップSa6008では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップSa6009に進む。
ステップSa6009では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップSa6003のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップSa6009において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(Sa6009:NO)、ステップSa6010及びステップSa6011において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップSa6010において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。また、ステップSa6011において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。一方、ステップSa6009において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(Sa6009:YES)、ステップSa6003に戻り、ステップSa6003からステップSa6008までの各処理を実行する。
なお、ステップSa6003からステップSa6008の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図75:Sa6006)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図76は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップSa6101では、特別遊技状態中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、当たり抽選において大当たりに当選、または小当たりに当選した遊技回における図柄の変動が終了した場合にONにされ(Sa6112)、遊技状態移行処理(図81)において開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる(図81:Sa6631)。
ステップSa6101において開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(Sa6101:YES)、特別遊技状態中であると判定し、ステップSa6102以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、特別遊技状態中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップSa6101において、開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合、すなわち、特別遊技状態中でないと判定した場合には(Sa6101:NO)、ステップSa6102に進む。
ステップSa6102では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける変動表示中フラグ記憶エリアの変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップSa6102において、メイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には(Sa6102:NO)、ステップSa6103〜ステップSa6107の遊技回開始用の処理に進む。ステップSa6103では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップSa6103において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(Sa6103:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップSa6103において、合計保留個数CRNが「0」でないと判定した場合には(Sa6103:NO)、ステップSa6104に進む。
ステップSa6104では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するためのデータ設定処理を実行し、ステップSa6105に進む。データ設定処理の詳細は後述する。
ステップSa6105では、メイン表示部45における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。その後、ステップSa6106に進む。
ステップSa6106では、PNCカウントフラグがONであるか否かを判定する。PNCカウントフラグは、高頻度サポートモードが設定された大当たりを契機として実行された開閉実行モードが終了する場合にONにされ(図87参照)、高頻度サポートモードが終了する場合にOFFにされる(図88参照)。PNCカウントフラグは、高頻度サポートモード中の遊技回の実行回数のカウントを開始するタイミングを確認するために設定されている。ステップSa6106において、PNCカウントフラグがONであると判定した場合には(Sa6106:YES)、ステップSa6107に進む。
ステップSa6107では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードにおいて実行された遊技回の数をカウントするためのカウンタである。ステップSa6107を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップSa6106において、PNCカウントフラグがONではないと判定した場合には(Sa6106:NO)、そのまま遊技回制御処理を終了する。
ステップSa6102において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(Sa6102:YES)、ステップSa6108〜ステップSa6113の遊技回進行用の処理を実行する。
ステップSa6108では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップSa6108では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64f)に記憶されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図80)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップSa6108において、変動時間が経過していないと判定した場合には(Sa6108:NO)、ステップSa6109に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る図柄表示部における表示態様を変更する処理である。ステップSa6109を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
ステップSa6108において、変動時間が経過していると判定した場合には(Sa6108:YES)、ステップSa6110に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理は、後述する変動開始処理(図78)において決定された図柄表示部に表示させる図柄の態様が、今回の遊技回に係る図柄表示部にて表示されるように当該図柄表示部を表示制御する。ステップSa6110を実行した後、ステップSa6111に進む。
ステップSa6111では、大当たりフラグまたは小当たりフラグのいずれかがONであるか否かを判定する。大当たりフラグは、後述する変動開始処理(図78)において、当たり抽選の抽選結果が大当たりである場合にONにされる。小当たりフラグは、後述する変動開始処理(図78)において、当たり抽選の抽選結果が小当たりである場合にONにされる。また、大当たりフラグおよび小当たりフラグは、後述するエンディング期間終了時の移行処理(図87)におけるフラグ消去処理においてOFFにされる。
ステップSa6111において、大当たりフラグまたは小当たりフラグのいずれかがONであると判定した場合には(Sa6111:YES)、ステップSa6112に進み、開閉実行モードフラグをONにする。その後、ステップSa6113に進み、開閉実行モード開始コマンドを設定する。開閉実行モード開始コマンドは、開閉実行モードが開始されることをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。開閉実行モード開始コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図75:ステップSa6003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa6113を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップSa6111において、大当たりフラグまたは小当たりフラグのいずれかがONではないと判定した場合には(Sa6111:NO)、そのまま遊技回制御処理を終了する。
<データ設定処理>
次に、データ設定処理について説明する。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図76:Sa6104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図77は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップSa6201では、データ設定処理を実行する処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaであるか否かを判定する。具体的には、第1保留エリアRa(図59)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されている保留情報)の方が、第2保留エリアRb(図59)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されている保留情報)よりも先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第1保留エリアRaであると判定する。一方、第1保留エリアRaに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報よりも、第2保留エリアRbに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報の方が先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第2保留エリアRbであると判定する。すなわち、ステップSa6201の処理を実行することにより、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された順に、保留情報を処理対象とすることができる。
ステップSa6201において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaであると判定した場合には(ステップSa6201:YES)、ステップSa6202〜ステップSa6207の第1保留エリア用のデータ設定処理を実行する。一方、ステップSa6201において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップSa6201:NO)、ステップSa6208〜ステップSa6213の第2保留エリア用のデータ設定処理を実行する。
ステップSa6202では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップSa6203に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップSa6204に進む。ステップSa6204では、第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップSa6205に進む。
ステップSa6205では、第1保留エリアRaの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSa6205を実行した後、ステップSa6206に進む。
ステップSa6206では、各種フラグ記憶エリア64gの第2図柄表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2図柄表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップSa6207へ進む。
ステップSa6207では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、データ設定処理を終了する。
ステップSa6207において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図75)におけるステップSa6003において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
ステップSa6201において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップSa6201:NO)、ステップSa6208に進む。
ステップSa6208では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップSa6209に進む。ステップSa6209では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップSa6210に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップSa6211に進む。
ステップSa6211では、第2保留エリアRbの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSa6211を実行した後、ステップSa6212に進む。
ステップSa6212では、各種フラグ記憶エリア64gの第2図柄表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップSa6213に進む。
ステップSa6213では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップSa6213において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図75)におけるステップSa6003において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図76:Sa6105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図78は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSa6301では、始動口用の入球処理(図67)における始動口への入球によって記憶エリア(保留エリア)に記憶された当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップSa6302に進む。
ステップSa6302では、第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。すなわち、処理対象となっている当たり乱数カウンタC1の値が、第1始動口33への遊技球の入球を契機として取得された情報か、第2始動口34への遊技球の入球を契機として取得された情報かを判定する。
ステップSa6302において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sa6302:NO)、ステップSa6303に進む。ステップSa6303では、第1始動口用の当否テーブルを参照し、その後、ステップSa6305に進む。
ステップSa6302において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sa6302:YES)、ステップSa6304に進む。ステップSa6304では、第2始動口用の当否テーブルを参照し、その後、ステップSa6305に進む。
ステップSa6305では、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において大当たりに当選しているか否かを判定する。ステップSa6305において、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において大当たりに当選していると判定した場合には(Sa6305:YES)、ステップSa6306に進む。
ステップSa6306では、大当たり用の停止結果設定処理を実行する。大当たり用の停止結果設定処理とは、大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている大当たり用の停止結果テーブルを参照することで大当たりに対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSa6306を実行した後、ステップSa6307に進む。
ステップSa6307では、大当たりフラグをONにする。その後、ステップSa6308に進み、特定処理実行判定処理を実行する。特定処理実行判定処理は、大当たりに当選した遊技回の終了後に実行される開閉実行モードにおいて、図64において説明した処理、すなわち、Wチャンス示唆演出の実行を含む処理を実行するか否かを決定するための処理である。特定処理実行判定処理の詳細は後述する。ステップSa6308を実行した後、ステップSa6315に進む。
一方、ステップSa6305において、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において大当たりに当選していないと判定した場合には(Sa6305:NO)、ステップSa6309に進む。
ステップSa6309では、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において小当たりに当選しているか否かを判定する。ステップSa6309おいて、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において小当たりに当選していると判定した場合には(Sa6309:YES)、ステップSa6310に進む。
ステップSa6310では、小当たり用の停止結果設定処理を実行する。小当たり用の停止結果設定処理とは、小当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。ステップSa6310を実行した後、ステップSa6311に進む。
ステップSa6311では、小当たりフラグをONにする。ステップSa6311を実行した後、ステップSa6315に進む。
ステップSa6309において、読み出した当たり乱数カウンタC1の値が当たり抽選において小当たりに当選していないと判定した場合には(Sa6309:NO)、ステップSa6312に進む。
ステップSa6312では、実行される今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。具体的には、今回の始動口への入球によって記憶エリアに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値を読み出す。そして、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回読み出したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップSa6312において、実行される今回の遊技回においてリーチが発生すると判定した場合には(Sa6312:YES)、ステップSa6313に進む。
ステップSa6313では、リーチ用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、リーチ用の停止結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理を実行する。より具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおけるリーチ用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSa6313を実行した後、ステップSa6315に進む。
ステップSa6312において、実行される今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(Sa6312:NO)、ステップSa6314に進む。
ステップSa6314では、外れ用の停止結果設定処理を実行する。外れ用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されている当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSa6314を実行した後、ステップSa6315に進む。
ステップSa6315では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理とは、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップSa6315を実行した後、ステップSa6316に進む。
ステップSa6316では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSa6316において、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sa6316:NO)、ステップSa6317に進み、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップSa6315で設定された変動時間の情報が含まれている。
一方、ステップSa6316において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sa6316:YES)、ステップSa6318に進み、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップSa6315で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップSa6317又はステップSa6318を実行した後、ステップSa6319に進む。
ステップSa6319では、変動種別コマンドを設定する。変動種別コマンドには、大当たりの有無、リーチ発生の有無、特定処理の実行の有無の情報が含まれる。
ステップSa6317〜ステップSa6319にて設定された変動用コマンド及び変動種別コマンドは、通常処理(図75)におけるステップSa6003によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び変動種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSa6319を実行後、ステップSa6320に進む。
ステップSa6320では、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第1図柄表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2図柄表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第2図柄表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップSa6320を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<特定処理実行判定処理>
次に、特定処理実行判定処理について説明する。特定処理実行判定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図78:Sa6308)として主制御装置60のMPU62によって実行される。ここで、特定処理は、図64で説明した一連の処理を意味する。特定処理実行判定処理は、特定処理を実行するか否かを決定(判定)するための処理である。
図79は、特定処理実行判定処理を示すフローチャートである。ステップSa6401では、第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。上述したように、図64で説明した処理は、当該遊技回が第1始動口33への遊技球の入球を契機として実行される当たり抽選において大当たりに当選している場合に実行する。従って、処理対象である遊技回が第1始動口33への遊技球の入球を契機として実行されるのか、第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行されるのかを判定するために、第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。
ステップSa6401において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sa6401:NO)、ステップSa6402に進む。一方、ステップSa6401において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sa6401:YES)、そのまま特定処理実行判定処理を終了する。
ステップSa6402では、当たり抽選において大当たりに当選することとなる当該遊技回における当たり乱数カウンタC1の値が、予め定められた特定の値であるかを判定する。図64において説明したように、当該図64で示した処理は、第1始動口33への遊技球の入球を契機として実行される当たり抽選において大当たりに当選している全ての場合において実行するのではなく、特定の場合にのみ実行する。従って、当該遊技回における当たり乱数カウンタC1の値が、予め定められた特定の値であるか否かを判定し、特定の値である場合には、特定処理の実行を決定する。本実施形態においては、特定の値は、図60に示した第1始動口用の当否テーブルにおいて大当たりとなる当たり乱数カウンタC1の値「0〜4」のうち、2つの値「0、1」に設定されている。従って、ステップSa6402においては、当たり抽選において大当たりに当選することとなる当該遊技回における当たり乱数カウンタC1の値が、「0」または「1」であるかを判定する。ステップSa6402において、当たり乱数カウンタC1の値が特定の値であると判定した場合には(Sa6402:YES)、ステップSa6403に進む。一方、ステップSa6402において、当たり乱数カウンタC1の値が特定の値ではないと判定した場合には(Sa6402:NO)、そのまま特定処理実行判定処理を終了する。
ステップSa6403では、特定処理フラグをONにする。図64において説明した処理においては、開閉実行モードにおける開閉処理期間において、第2開閉扉213が開放する開閉シナリオ(開放パターン)が設定される必要がある。特定処理フラグは、開閉シナリオを決定する処理(図83:開閉シナリオ設定処理)において、特定処理が実行されるか否かを識別するために設けられている。ステップSa6403を実行した後、ステップSSa6404に進む。
ステップSa6404では、特定処理コマンドを設定する。特定処理コマンドは、特定処理が実行されることをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。特定処理コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図75:ステップSa6003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa6404を実行した後、特定処理実行判定処理を終了する。
<変動時間の設定処理>
次に、変動時間の設定処理について説明する。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図78:Sa6015)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図80は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップSa6501では、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSa6502に進む。
ステップSa6502では、今回の遊技回に係る当たり抽選において大当たりに当選しているか否かを判定する。具体的には、RAM64の、大当たりフラグがONであるか否かを判定し、大当たりフラグがONである場合には(Sa6502:YES)、ステップSa6503に進む。
ステップSa6503では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップSa6509に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップSa6502において、今回の遊技回に係る当たり抽選において大当たりに当選していないと判定した場合には(Sa6502:NO)、ステップSa6504に進み、今回の遊技回に係る当たり抽選において小当たりに当選しているか否かを判定する。具体的には、RAM64の、小当たりフラグがONであるか否かを判定し、小当たりフラグがONである場合には(Sa6504:YES)、ステップSa6505に進む。
ステップSa6505では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている小当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップSa6509に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップSa6504において、今回の遊技回に係る当たり抽選において小当たりに当選していないと判定した場合には(Sa6504:NO)、ステップSa6506に進む。
ステップSa6506では、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップSa6502において今回の遊技回に係る当たり抽選において大当たりに当選していない場合および小当たりに当選していない場合に本処理(Sa6506)を実行することから、ステップSa6506においては、当たり抽選において大当たりおよび小当たりに当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(Sa6506:YES)、ステップSa6507に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップSa6507では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、リーチ発生用の変動時間は一定である。その後、ステップSa6509に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップSa6506において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(Sa6506:NO)、ステップSa6508に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップSa6509に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、上述のように、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定されている。すなわち、変動種別カウンタCSの値が同じであっても、当該遊技回の変動時間を決定するときの第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値によって、参照する変動時間テーブルのデータが異なる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定される構成としたが、その他、例えば、合計保留個数CRNの値が大きいほど、変動時間が短くなるように設定される構成としてもよい。また、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動時間テーブル、通常大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図75:Sa6007)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図81は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップSa6601では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、特別遊技状態における開閉処理期間の終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、特別遊技状態においてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップSa6601において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(Sa6601:NO)、ステップSa6602に進み、開閉処理期間フラグがONであるか否かを判定する。上述のように、開閉処理期間フラグは、遊技状態を開閉処理期間に移行させる場合にONにされ、開閉処理期間を終了させる場合にOFFにされる。
ステップSa6602において、開閉処理期間フラグがONではないと判定した場合には(Sa6602:NO)、ステップSa6603に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。
ステップSa6603において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(Sa6603:NO)、ステップSa6604に進み、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップSa6604において、変動表示が終了したタイミングではないと判定した場合には(Sa6604:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSa6604において、変動表示が終了したタイミングであると判定した場合には(Sa6604:YES)、ステップSa6605に進み、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、開閉実行モードが開始される契機となった遊技回が終了する場合にONにされ(図76:Sa6112)、開閉実行モードが終了する場合にOFFにされる(図81:Sa6631)。
ステップSa6605において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(Sa6605:YES)、ステップSa6606に進む。一方、ステップSa6605において、開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(Sa6605:NO)、そのまま遊技状態移行処理を終了する。
ステップSa6606では、今回の遊技回の遊技結果(当たり抽選の結果)が小当たりであるか否かを判定する。具体的には、小当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップSa6606において、今回の遊技回の遊技結果(当たり抽選の結果)が小当たりではないと判定した場合には(Sa6606:NO)、ステップSa6607に進む。
ステップSa6607では、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。ステップSa6606において、今回の遊技回の遊技結果(当たり抽選の結果)が小当たりではないと判定されているため、今回の遊技回における当たり抽選の結果は大当たりである。大当たりに当選したことを契機として実行される開閉実行モードの実行中のサポートモードを低頻度サポートモードにするため、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。ステップSa6607を実行した後、ステップSa6608に進む。
ステップSa6608では、種別決定完了フラグがONであるか否かを判定する。種別決定完了フラグは、大当たり種別が決定しているか否かを判定するためのフラグであり、大当たり種別を決定する種別決定処理において大当たり種別が決定した場合にONにされ(図82:Sa6709)、開閉シナリオ設定処理が実行される直前にOFFにされる(Sa6610)。ステップSa6608において、種別決定完了フラグがONではないと判定した場合には(Sa6608:NO)、ステップSa6609に進む。
ステップSa6609では、種別決定処理を実行する。種別決定処理については、後述する。
ステップSa6608において、種別決定完了フラグがONであると判定した場合には(Sa6608:YES)、ステップSa6610に進み、種別決定完了フラグをOFFにする。その後、ステップSa6611に進む。
また、ステップSa6606において、今回の遊技回の遊技結果(当たり抽選の結果)が小当たりであると判定した場合にも(Sa6606:YES)、ステップSa6611に進む。
ステップSa6611では、開閉シナリオ設定処理を実行する。上述のように、開閉シナリオ設定処理は、ラウンド遊技における第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213の開放パターンが設定された開閉シナリオを設定するための処理である。開閉シナリオ設定処理については後述する。ステップSa6611を実行した後、ステップSa6612に進む。
ステップSa6612では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、特別遊技状態におけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。オープニング時間設定処理については後述する。ステップSa6612を実行した後、ステップSa6613に進む。
ステップSa6613では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図75)におけるステップSa6003にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定したオープニング時間の情報、大当たり種別の情報、および、今回の開閉実行モードが実行される契機となった大当たりまたは小当たりに関する情報が含まれる。大当たりまたは小当たりに関する情報とは、第1始動口33への遊技球の入球によって実行された当たり抽選によって大当たりに当選したのか、または小当たりに当選したのか、または、当該大当たりまたは小当たりによって実行されたラウンド遊技中にV入賞口222に遊技球が入球することによって新たに大当たりに当選したのか、または、第2始動口34への遊技球の入球によって実行された当たり抽選によって大当たりに当選したのか、または小当たりに当選したのか、または、当該大当たりまたは小当たりによって実行されたラウンド遊技中にV入賞口222に遊技球が入球することによって新たに大当たりに当選したのかといった情報である。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間および開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSa6613を実行した後、ステップSa6614に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSa6603において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(Sa6603:YES)、ステップSa6615に進む。
ステップSa6615では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、第3タイマカウンタエリアT3の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSa6615において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(Sa6615:YES)、ステップSa6616に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSa6617に進む。
ステップSa6617では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、種別決定処理によって大当たり種別が決定した場合には、当該決定した大当たり種別に設定されているラウンド遊技の実行回数を示す表示をラウンド表示部39に表示させ、V入賞口222に遊技球が入球することによって大当たりが確定した場合には、当該大当たりの確定によって決定された大当たり種別に設定されているラウンド遊技の実行回数を示す表示をラウンド表示部39に表示させる。ステップSa6617を実行した後、ステップSa6618に進む。
ステップSa6618では、開閉処理期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSa6602において、開閉処理期間フラグがONであると判定した場合には(Sa6602:YES)、ステップSa6619に進み、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理については後述する。ステップSa6619を実行した後、ステップSa6620に進む。
ステップSa6620では、V入賞大当たりフラグがONであるか否かを判定する。V入賞大当たりフラグは、遊技球がV入賞口222に入球した場合にONにされ、V入賞による大当たりによる開閉実行モードのオープニング時間の設定が完了した後にOFFにされる(図85:Sa6910)。
ステップSa6620において、V入賞大当たりフラグがONであると判定した場合には(Sa6620:YES)、ステップSa6621に進み、V入賞処理を実行する。V入賞処理については後述する。
ステップSa6621において、V入賞処理を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップSa6620において、V入賞大当たりフラグがONではないと判定した場合には(Sa6620:NO)、ステップSa6622に進む。
ステップSa6622では、大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定し、大入賞口開閉処理が終了したと判定した場合には(Sa6622:YES)、ステップSa6623に進む。一方、ステップSa6622において、大入賞口開閉処理が終了していないと判定した場合には(Sa6622:NO)、そのまま大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSa6623では、開閉処理期間フラグをOFFにし、その後、ステップSa6624に進む。
ステップSa6624では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップSa6624を実行した後、ステップSa6625に進む。
ステップSa6625では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。ステップSa6625を実行した後、ステップSa6626に進む。
ステップSa6626では、エンディングコマンドを設定する。設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図75)におけるステップSa6003にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、当該エンディング期間に対応した演出を開始させる。ステップSa6626を実行した後、ステップSa6627に進む。
ステップSa6627では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSa6601において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(Sa6601:YES)、ステップSa6628に進む。
ステップSa6628では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(Sa6625)において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSa6628において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であると判定した場合には(Sa6628:YES)、ステップSa6629に進む。
ステップSa6629では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSa6630に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップSa6630を実行した後、ステップSa6631に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップSa6628において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」ではないと判定した場合には(Sa6628:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
<種別決定処理>
次に、種別決定処理について説明する。種別決定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図81:Sa6609)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図82は、種別決定処理を示すフローチャートである。ステップSa6701では、大当たり種別カウンタ記憶完了フラグがONであるか否かを判定する。大当たり種別カウンタ記憶完了フラグは、大当たり種別カウンタC2の値が種別判定処理実行エリア64iに記憶された場合にONにされ、大当たり種別が決定した場合にOFFにされる。
ステップSa6701において、大当たり種別カウンタ記憶完了フラグがONではないと判定した場合には(Sa6701:NO)、ステップSa6702に進む。
ステップSa6702では、種別決定許可フラグがONであるか否かを判定する。種別決定許可フラグは、当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として開閉実行モードが開始され種別決定処理が実行された場合にONにされ、種別決定ゲート用の入球処理(図72)において、大当たり種別を決定するための大当たり種別カウンタC2の値を記憶エリアに記憶させた後にOFFにされる(図72:Sa5705)。
ステップSa6702において、種別決定許可フラグがONではないと判定した場合には(Sa6702:NO)、ステップSa6703に進み、種別決定許可フラグをONにして、その後、種別決定処理を終了する。一方、ステップSa6702において、種別決定許可フラグがONであると判定した場合には(Sa6702:YES)、そのまま種別決定処理を終了する。
ステップSa6701において、大当たり種別カウンタ記憶完了フラグがONであると判定した場合には(Sa6701:YES)、ステップSa6704に進む。
ステップSa6704では、第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。
ステップSa6704において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sa6704:NO)、ステップSa6705に進み、第1始動口用の振り分けテーブルを参照し、取得した大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別(振り分け結果)を特定する。その後、ステップSa6707に進む。
ステップSa6704において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sa6704:YES)、ステップSa6706に進み、第2始動口用の振り分けテーブルを参照し、取得した大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別(振り分け結果)を特定する。その後、ステップSa6707に進む。
ステップSa6707では、ステップSa6705またはステップSa6706において特定した大当たり種別を、今回の大当たりにおける大当たり種別に設定する。ステップSa6707を実行した後、ステップSa6708に進む。
ステップSa6708では、種別決定完了フラグをONにし、その後、ステップSa6709に進む。ステップSa6709では、大当たり種別カウンタ記憶完了フラグをOFFにする。その後、種別決定処理を終了する。
<開閉シナリオ設定処理>
次に、開閉シナリオ設定処理について説明する。開閉シナリオ設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図81:Sa6611)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図83は、開閉シナリオ設定処理を示すフローチャートである。ステップSa6801では、大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップSa6801において、大当たりフラグがONであると判定した場合には(Sa6801:YES)、ステップSa6802に進む。
ステップSa6802では、特定処理フラグがONであるか否かを判定する。ステップSSa6802において、特定処理フラグがONではないと判定した場合には(Sa6802:NO)、ステップSa6803に進む。
ステップSa6803では、大当たりの種別に応じた通常の場合(特定処理を実行しない場合)の大当たりの開閉シナリオに設定する。
図84は、本実施形態における開閉シナリオについて説明する説明図である。本実施形態においては、開閉シナリオは、大きく3つに分類して設定されている。
1つ目は、図84(a)に示した、通常の場合の大当たりの開閉シナリオである。通常の場合の大当たりの開閉シナリオとは、大当たりとなった場合に、特定処理を実行しない開閉実行モードにおける第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213の開閉パターンが設定された開閉シナリオである。図示するように、本実施形態における大当たり種別に設定されたラウンド遊技の実行回数(4R、5R、10R、15R)毎に開閉シナリオは設定されている。本実施形態においては、通常の場合の大当たりの開閉シナリオとして設定されている各開閉シナリオには、ラウンド遊技として第1開閉扉36bのみが開閉する開閉パターンが設定されている。
2つ目は、図84(b)に示した、特定処理が実行される場合の大当たりの開閉シナリオである。特定処理が実行される場合の大当たりの開閉シナリオとは、大当たりとなった場合であって特定処理をする開閉実行モードにおける第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213の開閉パターンが設定された開閉シナリオである。図示するように、本実施形態における大当たり種別に設定されたラウンド遊技の実行回数(4R、5R、10R、15R)毎に開閉シナリオは設定されている。本実施形態においては、特定処理が実行される場合の大当たりの開閉シナリオとして設定されている各開閉シナリオには、ラウンド遊技として1ラウンド目(1R目)に第2開閉扉213が1回開閉し、それ以降のラウンド遊技においては、第1開閉扉36bのみが開閉する開閉パターンが設定されている。より具体的には、1ラウンド目に、図57で説明した第2開閉扉213および貯留弁216の動作が実行される。
3つ目は、図84(c)に示した、小当たりの開閉シナリオである。本実施形態においては、小当たりの開閉シナリオとは、小当たりとなった場合の開閉実行モードにおける第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213の開閉パターンが設定された開閉シナリオである。本実施形態においては、小当たりの開閉シナリオとして設定されている各開閉シナリオには、ラウンド遊技として1ラウンド目(1R目)に第2開閉扉が1回のみ開閉する開閉パターンが設定されている。
説明を図83に戻す。ステップSa6803において、大当たりの種別に応じた通常の場合の大当たりの開閉シナリオ(図84(a))が設定されると、その後、開閉シナリオ設定処理を終了する。
ステップSa6802において、特定処理フラグがONであると判定した場合には(Sa6802:YES)、ステップSa6804に進む。
ステップSa6804では、大当たりの種別に応じた特定処理が実行される場合の大当たりの開閉シナリオ(図84(b))に設定する。その後、開閉シナリオ設定処理を終了する。
ステップSa6801において、大当たりフラグがONではないと判定した場合には(Sa6801:NO)、ステップSa6805に進む。
ステップSa6805では、小当たりの場合の開閉シナリオ(図84(c))に設定する。その後、開閉シナリオ設定処理を終了する。
<オープニング時間設定処理>
次に、オープニング時間設定処理について説明する。オープニング時間設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図81:Sa6612)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図85は、オープニング時間設定処理を示すフローチャートである。ステップSa6901では、大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップSa6901において、大当たりフラグがONであると判定した場合には(Sa6901:YES)、ステップSa6902に進む。
ステップSa6902では、第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSa6902において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sa6902:NO)、ステップSa6903に進む。
ステップSa6903では、特定処理フラグがONであるか否かを判定する。ステップSa6903において、特定処理フラグがONであると判定した場合には(Sa6903:YES)、ステップSa6904に進む。
ステップSa6904では、特定処理に対応したオープニング時間を設定する。具体的には、図64において説明した特定処理におけるオープニング期間に対応した時間を設定する。当該オープニング期間においては、図64において説明したように、右打ち示唆演出が実行される。従って、右打ち示唆演出が実行可能な時間が、オープニング時間として設定される。ステップSa6904を実行した後、ステップSa6905に進み、特定処理フラグをOFFにする。その後、オープニング時間設定処理を終了する。
ステップSa6903において、特定処理フラグがONではないと判定した場合には(Sa6903:NO)、ステップSa6906に進む。
ステップSa6906では、第1始動口用の大当たり種別に対応したオープニング時間を設定する。当該オープニング期間においては右打ち示唆演出が実行される。従って、右打ち示唆演出が実行可能な時間が、オープニング時間として設定される。その後、オープニング時間設定処理を終了する。
ステップSa6902において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sa6902:YES)、ステップSa6907に進む。
ステップSa6907では、第2始動口用の大当たり種別に対応したオープニング時間を設定する。当該オープニング期間においては右打ち示唆演出が実行される。従って、右打ち示唆演出が実行可能な時間が、オープニング時間として設定される。その後、オープニング時間設定処理を終了する。
ステップSa6901において、大当たりフラグがONではないと判定した場合には(Sa6901:NO)、ステップSa6908に進む。
ステップSa6908では、V入賞大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップSa6908において、V入賞大当たりフラグがONであると判定した場合には(Sa6908:YES)、ステップSa6909に進む。
ステップSa6909では、V入賞大当たりに対応したオープニング時間を設定する。当該オープニング期間においては、V入賞口222に遊技球が入球し大当たりとなったことを示唆する演出(V入賞報知演出)、および、右打ち示唆演出が実行される。従って、V入賞報知演出および右打ち示唆演出が実行可能な時間が、オープニング時間として設定される。ステップSa6909を実行した後、ステップSa6910に進み、V入賞大当たりフラグをOFFにする。その後、オープニング時間設定処理を終了する。
ステップSa6908において、V入賞大当たりフラグがONではないと判定した場合には(Sa6908:NO)、ステップSa6911に進む。
ステップSa6911では、第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSa6911において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sa6911:NO)、ステップSa6912に進む。
ステップSa6912では、第1始動口用の小当たりに対応したオープニング時間に設定する。第1始動口33への遊技球の入球を契機として実行された当たり抽選において小当たりに当選した場合には、図65で説明した処理を実行する。図65に示したように、オープニング期間おいては、右打ち示唆演出、および、Wチャンス示唆演出が実行される。従って、右打ち示唆演出、および、Wチャンス示唆演出が実行可能な時間が、オープニング時間として設定される。その後、オープニング時間設定処理を終了する。
ステップSa6911において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sa6911:YES)、ステップSa6913に進む。
ステップSa6913では、第2始動口用の小当たりに対応したオープニング時間を設定する。当該オープニング期間においては右打ち示唆演出、および、V入賞口222に遊技球を入球させることを促す演出が実行される。従って、右打ち示唆演出、および、V入賞口222に遊技球を入球させることを促す演出が実行可能な時間が、オープニング時間として設定される。その後、オープニング時間設定処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図81:Sa6619)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図86は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。本大入賞口開閉処理は、大きく3つの制御処理から構成されている。具体的には、ステップSa7001〜ステップSa7007が第1開閉扉36bの開閉制御処理、ステップSa7008〜ステップSa7014が第2開閉扉213の開閉制御処理、ステップSa7015〜ステップSa7022が貯留弁216の開閉制御処理である。
ステップSa7001では、第1開閉扉36bは開放中であるか否かを判定する。ステップSa7001において、第1開閉扉36bは開放中ではないと判定した場合には(Sa7001:NO)、ステップSa7002に進む。
ステップSa7002では、第1開閉扉36bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、第1開閉扉36bの開放のタイミングであるか否かを判定する。ステップSa7002において、第1開閉扉36bの開放条件が成立したと判定した場合には(Sa7002:YES)、ステップSa7003に進む。
ステップSa7003では、第1開閉扉36bを開放する。その後、ステップSa7004に進む。
ステップSa7004では、第1開閉扉開放コマンドを設定する。第1開閉扉開放コマンドは、第1開閉扉36bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第1開閉扉開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図75:ステップSa6003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa7004を実行した後、ステップSa7008に進む。
ステップSa7002において、第1開閉扉36bの開放条件が成立していないと判定した場合には(Sa7002:NO)、そのままステップSa7008に進む。
ステップSa7001において、第1開閉扉36bは開放中であると判定した場合には(Sa7001:YES)、ステップSa7005に進む。
ステップSa7005では、第1開閉扉36bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。第1開閉扉36bの閉鎖条件は、開閉シナリオに設定された第1開閉扉36bの継続開放時間(例えば15秒)が経過したか、または、第1大入賞口36aに予め設定された数の遊技球が入球したことが検出された場合に成立する。ステップSa7005において、第1開閉扉36bの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(Sa7005:YES)、ステップSa7006に進む。
ステップSa7006では、第1開閉扉36bを閉鎖する。その後、ステップSa7007に進む。
ステップSa7007では、第1開閉扉閉鎖コマンドを設定する。第1開閉扉閉鎖コマンドは、第1開閉扉36bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第1開閉扉閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図75:ステップSa6003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa7007を実行した後、ステップSa7008に進む。
ステップSa7005において、第1開閉扉36bの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(Sa7005:NO)、そのままステップSa7008に進む。
ステップSa7008では、第2開閉扉213は開放中であるか否かを判定する。ステップSa7008において、第2開閉扉213は開放中ではないと判定した場合には(Sa7008:NO)、ステップSa7009に進む。
ステップSa7009では、第2開閉扉213の開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、第2開閉扉213の開放のタイミングであるか否かを判定する。ステップSa7009において、第2開閉扉213の開放条件が成立したと判定した場合には(Sa7009:YES)、ステップSa7010に進む。
ステップSa7010では、第2開閉扉213を開放する。その後、ステップSa7011に進む。
ステップSa7011では、第2開閉扉開放コマンドを設定する。第2開閉扉開放コマンドは、第2開閉扉213が開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第2開閉扉開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図75:ステップSa6003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa7011を実行した後、ステップSa7015に進む。
ステップSa7009において、第2開閉扉213の開放条件が成立していないと判定した場合には(Sa7009:NO)、そのままステップSa7015に進む。
ステップSa7008において、第2開閉扉213は開放中であると判定した場合には(Sa7008:YES)、ステップSa7012に進む。
ステップSa7012では、第2開閉扉213の閉鎖条件が成立したか否かを判定する。第2開閉扉213の閉鎖条件は、開閉シナリオに設定された第2開閉扉213の継続開放時間(例えば、15秒)が経過したか、または、第2大入賞口212に予め設定された数の遊技球が入球したことが検出された場合に成立する。ステップSa7012において、第2開閉扉213の閉鎖条件が成立したと判定した場合には(Sa7012:YES)、ステップSa7013に進む。
ステップSa7013では、第2開閉扉213を閉鎖する。その後、ステップSa7014に進む。
ステップSa7014では、第2開閉扉閉鎖コマンドを設定する。第2開閉扉閉鎖コマンドは、第2開閉扉213が閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。第2開閉扉閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図75:ステップSa6003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa7014を実行した後、ステップSa7015に進む。
ステップSa7012において、第2開閉扉213の閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(Sa7012:NO)、そのままステップSa7015に進む。
ステップSa7015では、貯留弁216は開放中であるか否かを判定する。ステップSa7015において、貯留弁216は開放中ではないと判定した場合には(Sa7015:NO)、ステップSa7016に進む。
ステップSa7016では、貯留弁216の開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、貯留弁216の開放のタイミングであるか否かを判定する。ステップSa7016において、貯留弁216の開放条件が成立したと判定した場合には(Sa7016:YES)、ステップSa7017に進む。
ステップSa7017では、貯留弁216を開放する。その後、ステップSa7018に進む。
ステップSa7018では、クルーン入球許可フラグをONにする。クルーン入球許可フラグは、貯留弁216の構造に欠損や異常が生じ、意図せず貯留部218から遊技球が流路211を介してクルーン220に流通しV入賞口222に入球した場合であっても、V入賞による大当たりとならないようにするために設けられたフラグである。クルーン入球許可フラグは、大入賞口開閉処理において貯留弁216を開放した場合にONにされ、クルーン220が備えるV入賞口222または非V入賞口224に遊技球が入球した場合にOFFにされる。ステップSa7018を実行した後、ステップSa7019に進む。
ステップSa7019では、貯留弁開放コマンドを設定する。貯留弁開放コマンドは、貯留弁216が開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。貯留弁開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図75:ステップSa6003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa7019を実行した後、大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSa7016において、貯留弁216の開放条件が成立していないと判定した場合には(Sa7016:NO)、そのまま大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSa7015において、貯留弁216は開放中であると判定した場合には(Sa7015:YES)、ステップSa7020に進む。
ステップSa7020では、貯留弁216の閉鎖条件が成立したか否かを判定する。貯留弁216の閉鎖条件は、開閉シナリオに設定された貯留弁216の継続開放時間(例えば、2秒)が経過したことが検出された場合に成立する。ステップSa7020において、第2開閉扉213の閉鎖条件が成立したと判定した場合には(Sa7020:YES)、ステップSa7021に進む。
ステップSa7021では、貯留弁216を閉鎖する。その後、ステップSa7022に進む。
ステップSa7022では、貯留弁閉鎖コマンドを設定する。貯留弁閉鎖コマンドは、貯留弁216が閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。貯留弁閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図75:ステップSa6003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa7022を実行した後、大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSa7020において、貯留弁216の閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(Sa7020:NO)、そのまま大入賞口開閉処理を終了する。
<V入賞処理>
次に、V入賞処理について説明する。V入賞処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図81:Sa6621)として主制御装置60のMPU62によって実行される。図81に示すように、V入賞処理は、クルーン用の入球処理(図74)においてV入賞口222に遊技球が入球したことが検出されてV入賞大当たりフラグがONとなった場合に(図74:Sa5904)、当該V入賞大当たりフラグがONであることを判定して(図81:Sa6620:YES)実行される。
図87は、V入賞処理を示すフローチャートである。ステップSa7101では、第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSa7101において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sa7101:NO)、ステップSa7102に進む。
ステップSa7102では、第1始動口への入球を契機としたV入賞時の振分テーブル(図62(b))を参照し、クルーン用の入球処理(図74)において記憶した大当たり種別カウンタC2の値に基づいて、V入賞大当たりにおける大当たり種別を特定する。ステップSa7102を実行した後、ステップSa7104に進む。
一方、ステップSa7101において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sa7101:YES)、ステップSa7103に進む。
ステップSa7103では、第2始動口用の振り分けテーブル(図62(c))を参照し、クルーン用の入球処理(図74)において記憶した大当たり種別カウンタC2の値に基づいて、V入賞大当たりにおける大当たり種別を特定する。ステップSa7103を実行した後、ステップSa7104に進む。
ステップSa7102とステップSa7103とから分かるように、遊技球が同じV入賞口222に入球しV入賞大当たりになった場合であっても、第1始動口33への遊技球の入球によって小当たりとなり、その結果、第2開閉扉213が開放し遊技球がV入賞口222に入球しV入賞大当たりとなった場合と、第2始動口34への遊技球の入球によって小当たりとなり、その結果、第2開閉扉213が開放し遊技球がV入賞口222に入球しV入賞大当たりとなった場合とでは、参照する振り分けテーブルが異なる。
ステップSa7104では、ステップSa7102またはステップSa7103で特定した大当たり種別を、V入賞大当たりにおける大当たり種別に設定する。その後、ステップSa7105に進む。
ステップSa7105では、種別決定完了フラグをONにする。その後、ステップSa7106に進み、開閉処理期間フラグをOFFにする。図81のステップSa6602から分かるように、開閉処理期間フラグをOFFにすることで、実行中であった開閉実行モードを終了し、V入賞大当たりを契機とした新たな開閉実行モードを開始させることができる。ステップSa7106を実行した後、V入賞処理を終了する。
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図81:Sa6630)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図88は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップSa7201では、今回の大当たりが高頻度サポートモード付きの大当たりであるか否かを判定する。ステップSa7201において、今回の大当たりが高頻度サポートモード付きの大当たりであると判定した場合には(Sa7201:YES)、ステップSa7202に進む。
ステップSa7202では、大当たり種別に対応した遊技回数カウンタPNCの値を設定する。すなわち、高頻度サポートにおいて実行可能な遊技回の回数を遊技回数カウンタPNCに設定する。高頻度サポートにおいて実行可能な遊技回の回数は、各大当たり種別に設定されている。各大当たり種別に設定されている高頻度サポートにおいて実行可能な遊技回の回数は、図62において説明をしたので、ここでは説明を省略する。
ステップSa7202を実行した後、ステップSa7203に進み、PNCカウントフラグをONにする。その後、ステップSa7204に進む。
ステップSa7204では、高頻度サポートモードコマンドを設定する。高頻度サポートモードコマンドは、高頻度サポートにおいて実行可能な遊技回の回数に関する情報をサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。高頻度サポートモードコマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図75:ステップSa6003)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSa7204を実行した後、ステップSa7205に進む。
ステップSa7205では、フラグ消去処理を実行する。具体的には、大当たりフラグ、V入賞大当たりフラグ、第2図柄表示部フラグをOFFにする。ステップSa7205を実行した後、ステップSa7206に進む。
ステップSa7206では、高頻度サポートモードフラグをONにする。その後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
一方、ステップSa7201において、今回の大当たりが高頻度サポートモード付きの大当たりではないと判定した場合には(Sa7201:NO)、ステップSa7207に進む。
ステップSa7207では、フラグ消去処理を実行する。具体的には、大当たりフラグ、V入賞大当たりフラグ、第2図柄表示部フラグをOFFにする。その後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図75:Sa6008)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図89は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップSa7301では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップSa7301において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(Sa7301:NO)、ステップSa7302に進む。
ステップSa7302では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップSa7302において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(Sa7302:NO)、ステップSa7303に進む。
ステップSa7303では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップSa7303において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sa7303:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sa7303:YES)、ステップSa7304に進む。
ステップSa7304では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップSa7304において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(Sa7304:YES)、ステップSa7305に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップSa7304において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(Sa7304:NO)、ステップSa7306に進む。
ステップSa7306では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップSa7306において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(Sa7306:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSa7306において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(Sa7306:YES)、ステップSa7307に進む。
ステップSa7307では、高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。具体的には、高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSa7307において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(Sa7307:YES)、ステップSa7308に進む。
ステップSa7308では、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜461であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる(図63(b)参照)。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップSa7309に進む。
ステップSa7309では、ステップSa7308の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSa7309において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(Sa7309:YES)、ステップSa7310に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、ステップSa7311に進む。
一方、ステップSa7309において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(Sa7309:NO)、ステップSa7310の処理を実行することなく、ステップSa7311に進む。
ステップSa7311では、遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。ステップSa7311において、遊技回数カウンタエリアが「0」でないと判定した場合には(Sa7311:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSa7311において、遊技回数カウンタエリアが「0」であると判定した場合には、ステップSa7312に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。ステップSa7312を実行した後、ステップSa7313に進む。
ステップSa7313では、PNCカウントフラグをOFFにする。その後、ステップSa7314に進む。
ステップSa7314では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、電役サポート用処理を終了する。
ステップSa7314にて設定された低頻度サポートモードコマンドは、通常処理の外部出力処理(図75:ステップSa6003)にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、低頻度サポートモードコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
ステップSa7307において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(Sa7307:NO)、ステップSa7315に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップSa7316に進む。
ステップSa7316では、ステップSa7315の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSa7316において、サポート当選でないと判定した場合には(Sa7316:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSa7316において、サポート当選であると判定した場合には(Sa7316:YES)、ステップSa7317に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSa7302において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(Sa7302:YES)、ステップSa7318に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSa7318において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sa7318:NO)、普図ユニット38における図柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSa7318において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sa7318:YES)、ステップSa7319に進む。
ステップSa7319では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。その後、ステップSa7320に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSa7301において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(Sa7301:YES)、ステップSa7321に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。電役開閉制御処理については後述する。ステップSa7321を実行した後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図89:Sa7321)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図90は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップSa7401では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(Sa7401:YES)、ステップSa7402に進む。
ステップSa7402では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSa7402において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sa7402:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップSa7402において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sa7402:YES)、ステップSa7403に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップSa7403を実行した後、ステップSa7404に進む。
ステップSa7404では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップSa7405に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSa7405において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(Sa7405:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップSa7405において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(Sa7405:YES)、ステップSa7406に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップSa7401において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(Sa7401:NO)、ステップSa7407に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSa7407において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(Sa7407:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップSa7407において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(Sa7407:YES)、ステップSa7408に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップSa7409に進む。
ステップSa7409では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(Sa7409:NO)、ステップSa7410に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップSa7410において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(Sa7410:YES)、ステップSa7411に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップSa7409において開閉実行モードであると判定した場合(Sa7409:YES)、又は、ステップSa7410において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(Sa7410:NO)、ステップSa7412に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
《B6》音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図91は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種大当たりフラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、演出操作ボタン24、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
《B7》音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図92は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSa8101では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップSa8101を実行した後、ステップSa8102に進む。
ステップSa8102では、保留コマンド対応処理を実行する。保留コマンド対応処理では、主側MPU62から保留コマンドを受信したか否かを判定し、保留コマンドを受信していると判定した場合に、当該保留コマンドに対応した処理を実行する。保留コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップSa8102を実行した後、ステップSa8103に進む。
ステップSa8103では、遊技回演出設定処理を実行する。遊技回演出設定処理では、主側MPU62から変動用コマンド及び変動種別コマンドを受信しているか否かを判定し、これらのコマンドを受信していると判定した場合に、遊技回において実行する演出の内容(種別)を決定し、決定した演出を当該遊技回において実行するように設定する。遊技回演出設定処理の詳細については後述する。ステップSa8103を実行した後、ステップSa8104に進む。
ステップSa8104では、待機期間演出設定処理を実行する。待機期間演出設定処理では、上述した待機期間において実行する演出の内容(種別)を決定し、決定した演出を当該待機期間において実行するように設定する。待機期間演出設定処理の詳細については後述する。ステップSa8104を実行した後、ステップSa8105に進む。
ステップSa8105では、オープニング期間演出設定処理を実行する。オープニング期間演出設定処理では、主側MPU62からオープニングコマンドを受信したか否かを判定し、オープニングコマンドを受信していると判定した場合に、オープニング期間において実行する演出の内容(種別)を決定し、決定した演出を当該オープニング期間において実行するように設定する。オープニング期間演出設定処理の詳細については後述する。ステップSa8105を実行した後、ステップSa8106に進む。
ステップSa8106では、開閉処理期間演出設定処理を実行する。開閉処理期間演出設定処理では、開閉処理期間において実行する演出の内容(種別)を決定し、決定した演出を当該開閉処理期間において実行するように設定する。開閉処理期間演出設定処理の詳細については後述する。ステップSa8106を実行した後、ステップSa8107に進む。
ステップSa8107では、エンディング期間演出設定処理を実行する。エンディング期間演出設定処理では、主側MPU62からエンディングコマンドを受信したか否かを判定し、エンディングコマンドを受信していると判定した場合に、エンディング期間において実行する演出の内容(種別)を決定し、決定した演出を当該エンディング期間において実行するように設定する。エンディング期間演出設定処理の詳細については後述する。ステップSa8107を実行した後、ステップSa8108に進む。
ステップSa8108では、コマンド送信処理を実行する。コマンド送信処理では、上述した各種の演出設定処理において設定された演出に対応した動画を表示させるための各種演出コマンドを表示制御装置100に対して送信する。ステップSa8108を実行した後、ステップSa8109に進む。
ステップSa8109では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップSa8102からステップSa8107の処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。すなわち、上記ステップSa8102からステップSa8107において設定された演出に対応した発光態様となるように、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップSa8109を実行した後、ステップSa8110に進む。
ステップSa8110では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップSa8102からステップSa8107の処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。すなわち、上記ステップSa8102からステップSa8107において設定された演出に対応した音声が出力されるように、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップSa8110を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<保留コマンド対応処理>
次に、保留コマンド対応処理について説明する。保留コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図92:Sa8102)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図93は、保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。ステップSa8201では、主側MPU62から保留コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSa8201において、保留コマンドを受信していると判定した場合には(Sa8201:YES)、ステップSa8202に進む。一方、ステップSa8201において、保留コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa8201:NO)、本保留コマンド対応処理を終了する。
ステップSa8202では、入球時の更新処理を実行する。入球時の更新処理では、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された保留情報の個数と、これらの保留情報の合計個数とを音光側MPU92において特定可能とするための処理を実行する。ステップSa8202の入球時の更新処理の詳細については後述する。以下では、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて取得された保留情報の個数を「第1保留個数」とも呼び、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された保留情報の個数を「第2保留個数」とも呼び、第1保留個数と第2保留個数との合計数を「合計保留個数」とも呼ぶ。ステップSa8202を実行した後、ステップSa8203に進む。
ステップSa8203では、保留表示制御処理を実行する。具体的には、ステップSa8202において特定された第1始動口33への遊技球の入球に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された保留情報の個数とに基づいて、第1保留表示領域Ds1および第2保留表示領域Ds2の表示態様を制御する。ステップSa8203を実行した後、本保留コマンド対応処理を終了する。
<入球時の更新処理>
次に、入球時の更新処理について説明する。入球時の更新処理は、保留コマンド対応処理のサブルーチン(図93:Sa8202)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図94は、入球時の更新処理を示すフローチャートである。ステップSa8301では、今回のタイマ割込み処理において読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への遊技球の入球に基づいて送信されたものであるか否かを判定する。ステップSa8301において、今回のタイマ割込み処理において読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への遊技球の入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には(Sa8301:YES)、ステップSa8302に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第1保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第1保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第1保留個数カウンタエリアの更新処理では、第1保留個数カウンタエリアの情報を、今回のタイマ割込み処理において読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップSa8302を実行した後、後述するステップSa8304に進む。
ステップSa8301において、今回のタイマ割込み処理において読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への遊技球の入球に基づいて送信されたものでないと判定した場合(Sa8301:NO)、すなわち、当該保留コマンドが第2始動口34への遊技球の入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には、ステップSa8303に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第2保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第2保留個数カウンタエリアは、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第2保留個数カウンタエリアの更新処理では、第2保留個数カウンタエリアの情報を、今回のタイマ割込み処理において読み出し対象となったコマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップSa8303を実行した後、ステップSa8304に進む。
ステップSa8302及びステップSa8303の処理を上記のようにした理由について説明する。本実施形態では、パチンコ機10の電源遮断中において、主制御装置60のRAM64に対してはバックアップ電力が供給されるのに対して、音声発光制御装置90のRAM94に対してはバックアップ電力が供給されない。このため、第1始動口33又は第2始動口34への遊技球の入球に係る保留情報が主制御装置60のRAM64に記憶されている状況において電源が遮断されると、主制御装置60では保留情報が記憶保持されるのに対して、音声発光制御装置90では保留情報が0個であると把握される。この場合に、仮に、音声発光制御装置90において保留コマンドを受信する度に第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアをカウントアップする構成を採用すると、主制御装置60において実際に保留記憶されている保留情報の数と、音声発光制御装置90において把握している保留情報の数とが一致しなくなるといった不都合が生じ得る。これに対して、上記の本実施形態のように、主制御装置60は、保留個数の情報を含めて保留コマンドを送信するとともに、音声発光制御装置90では保留コマンドを受信する度にそのコマンドに含まれる保留個数の情報を第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアに設定する構成を採用することによって、上記のような不都合の発生を抑制することができる。
ステップSa8304では、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた合計保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。合計保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて取得された保留情報の個数と第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された保留情報の個数との和を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。当該更新処理では、合計保留個数カウンタエリアの情報を、第1保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報と第2保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報との和の情報に更新する。ステップSa8304を実行した後、本入球時の更新処理を終了する。
<遊技回演出設定処理>
次に、遊技回演出設定処理について説明する。遊技回演出設定処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図92:Sa8103)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図95は、遊技回演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSa8401では、主側MPU62から変動用コマンド及び変動種別コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSa8401において、変動用コマンド及び変動種別コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa8401:NO)、本遊技回演出設定処理を終了する。一方、ステップSa8401において、変動用コマンド及び変動種別コマンドを受信していると判定した場合には(Sa8401:YES)、ステップSa8402に進む。
ステップSa8402では、受信した変動用コマンド及び変動種別コマンドに含まれている情報を読み出して記憶する。具体的には、開始される遊技回が第1始動口33への遊技球の入球に基づくものであるのか第2始動口34への遊技球の入球に基づくものであるのか、当該遊技回における当たり抽選の結果である大当たりの有無、小当たりの有無、リーチ発生の有無及び当該遊技回における変動時間を読み出して記憶する。その後、ステップSa8403に進む。
ステップSa8403では、主側MPU62から特定処理コマンドを受信しているか否かを判定する。上述したように、特定処理コマンドは、遊技回における当たり抽選の結果が大当たりであり、かつ、上述したケース1に示した特定処理を実行すると判定した場合に主側MPU62から送信されるコマンドである。ステップSa8403において、主側MPU62から特定処理コマンドを受信していると判定した場合には(Sa8403:YES)、ステップSa8404に進み、特定処理(ケース1に示した処理)を実行する遊技回に対応した演出パターンを、当該遊技回において実行するように設定する。その後、本遊技回演出設定処理を終了する。
一方、ステップSa8403において、主側MPU62から特定処理コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa8403:NO)、ステップSa8405に進み、今回の遊技回の当たり抽選の結果が第1始動口33への遊技球の入球に基づいた小当たりであるか否かを判定する。本実施形態では、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて当選した小当たりを「特1小当たり」とも呼び、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて当選した小当たりを「特2小当たり」とも呼ぶ。
ステップSa8405において、今回の遊技回の当たり抽選の結果が特1小当たりであると判定した場合には(Sa8405:YES)、ステップSa8406に進み、特1小当たりに対応した演出パターンを当該遊技回において実行するように設定する。なお、特1小当たりに対応した演出パターンは、上述したケース2に示した遊技回において実行する演出を含む演出パターンである。その後、本遊技回演出設定処理を終了する。
一方、ステップSa8405において、今回の遊技回の当たり抽選の結果が特1小当たりではないと判定した場合には(Sa8405:NO)、ステップSa8407に進み、当たり抽選のその他の結果(特定処理を実行しない大当たりや、特1小当たりではない小当たり、外れ等)に対応した演出パターンを当該遊技回において実行するように設定する。その後、本遊技回演出設定処理を終了する。
<待機期間演出設定処理>
次に、待機期間演出設定処理について説明する。待機期間演出設定処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図92:Sa8104)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図96は、待機期間演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSa8501では、主側MPU62から特定処理コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSa8501において、主側MPU62から特定処理コマンドを受信していると判定した場合には(Sa8501:YES)、ステップSa8502に進み、音光用特定処理フラグをONにする。音光用特定処理フラグは、音光側RAM94に記憶されているフラグであり、上述した特定処理(ケース1)に対応した演出を開閉実行モードにおいて実行するか否かを音声発光制御装置90において判定するためのフラグである。したがって、音光用特定処理フラグがONの状態で開閉実行モードが開始された場合には、当該開閉実行モードにおいて上述した特定処理(ケース1)に対応した演出が実行されることになる。ステップSa8502を実行した後、ステップSa8503に進む。一方、ステップSa8501において、主側MPU62から特定処理コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa8501:NO)、ステップSa8502を実行せずに、ステップSa8503に進む。
ステップSa8503では、主側MPU62から開閉実行モード開始コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSa8503において、主側MPU62から開閉実行モード開始コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa8503:NO)、そのまま本待機期間演出設定処理を終了する。一方、ステップSa8503において、主側MPU62から開閉実行モード開始コマンドを受信していると判定した場合には(Sa8503:YES)、ステップSa8504に進み、上述した音光用特定処理フラグがONであるか否かを判定する。
ステップSa8504において、音光用特定処理フラグがONであると判定した場合、すなわち、上述したケース1に該当する場合には(Sa8504:YES)、ステップSa8505に進み、待機期間において右打ち示唆演出及びWチャンス示唆演出を実行するように設定する。その後、本待機期間演出設定処理を終了する。一方、ステップSa8504において、音光用特定処理フラグがONではないと判定した場合には(Sa8504:NO)、ステップSa8506に進み、待機期間において右打ち示唆演出を実行するように設定する。その後、本待機期間演出設定処理を終了する。
<オープニング期間演出設定処理>
次に、オープニング期間演出設定処理について説明する。オープニング期間演出設定処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図92:Sa8105)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図97は、オープニング期間演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSa8601では、主側MPU62からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。なお、本実施形態では、上述したように、オープニングコマンドには、今回の開閉実行モードへの移行(オープニング期間の開始)の契機となった当たり抽選の結果(大当たり、小当たり等)が含まれている。したがって、音声発光制御装置90は、受信したオープニングコマンドに含まれる情報に基づいて、今回の開閉実行モードへの移行(オープニング期間の開始)の契機となった当たり抽選の結果(大当たり、小当たり等)を把握することができる。ステップSa8601において、主側MPU62からオープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(Sa8601:NO)、本オープニング期間演出設定処理を終了する。一方、ステップSa8601において、主側MPU62からオープニングコマンドを受信していると判定した場合には(Sa8601:YES)、ステップSa8602に進む。
ステップSa8602では、受信したオープニングコマンドに含まれる情報に基づいて、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップSa8602において、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が大当たりであると判定した場合には(Sa8602:YES)、ステップSa8603に進み、大当たりの種別に対応したオープニング演出をオープニング期間において実行するように設定する。具体的には、本実施形態では、右打ち示唆演出をオープニング期間において実行するように設定する。その後、本オープニング期間演出設定処理を終了する。一方、ステップSa8602において、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が大当たりではないと判定した場合(Sa8602:NO)、すなわち、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が小当たりである場合には、ステップSa8604に進む。
ステップSa8604では、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が特1小当たりであるか否かを判定する。ステップSa8604において、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が特1小当たりであると判定した場合には(Sa8604:YES)、ステップSa8605に進み、特1小当たりに対応したオープニング演出をオープニング期間において実行するように設定する。具体的には、本実施形態では、上述したケース1に示したように、右打ち示唆演出及びWチャンス示唆演出をオープニング期間において実行するように設定する。その後、本オープニング期間演出設定処理を終了する。一方、ステップSa8604において、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が特1小当たりではないと判定した場合(Sa8604:NO)、すなわち、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が特2小当たりである場合には、ステップSa8606に進み、特2小当たりに対応したオープニング演出をオープニング期間において実行するように設定する。具体的には、本実施形態では、右打ち示唆演出をオープニング期間において実行するように設定する。その後、本オープニング期間演出設定処理を終了する。
<開閉処理期間演出設定処理>
次に、開閉処理期間演出設定処理について説明する。開閉処理期間演出設定処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図92:Sa8106)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図98は、開閉処理期間演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSa8701では、1回目チャンス演出設定処理を実行する。1回目チャンス演出設定処理では、上述したケース1及びケース2における1回目チャンス演出の設定に関する処理を実行する。1回目チャンス演出設定処理の詳細については後述する。ステップSa8701を実行した後、ステップSa8702に進む。
ステップSa8702では、非貯留時2回目チャンス演出設定処理を実行する。非貯留時2回目チャンス演出設定処理では、上述したケース1及びケース2において貯留部218に遊技球が貯留されたか否かを判定し、遊技球が貯留部218に貯留されなかった場合に、2回目チャンス演出を実行するように設定する。非貯留時2回目チャンス演出設定処理の詳細については後述する。ステップSa8702を実行した後、ステップSa8703に進む。
ステップSa8703では、V入賞演出設定処理を実行する。V入賞演出設定処理では、V入賞口222に遊技球が貯留したか否かを判定し、V入賞口222に遊技球が入球した場合に、V入賞演出を実行するように設定する。V入賞演出設定処理の詳細については後述する。ステップSa8703を実行した後、ステップSa8704に進む。
ステップSa8704では、V非入賞時2回目チャンス演出設定処理を実行する。V非入賞時2回目チャンス演出設定処理では、上述したケース1及びケース2において貯留部218に遊技球が貯留されたが、V入賞口222に遊技球が入球せず、非V入賞口224に遊技球が入球した場合に、2回目チャンス演出を実行するように設定する。V非入賞時2回目チャンス演出設定処理の詳細については後述する。ステップSa8704を実行した後、ステップSa8705に進む。
ステップSa8705では、他の大当たり種別に対応した開閉処理期間用の演出を実行するように設定する。具体的には、開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が、第2開閉扉213が開放しない開閉シナリオが選択される大当たり種別であった場合に、当該開閉実行モードの開閉処理期間において実行する演出を設定する。ステップSa8705を実行した後、本開閉処理期間演出設定処理を終了する。
<1回目チャンス演出設定処理>
次に、1回目チャンス演出設定処理について説明する。1回目チャンス演出設定処理は、開閉処理期間演出設定処理のサブルーチン(図98:Sa8701)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図99は、1回目チャンス演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSa8801では、主側MPU62から第2開閉扉開放コマンドを受信しているか否かを判定する。本実施形態では、第2開閉扉213は、当たり抽選において、特定処理を実行する大当たりに当選した場合及び小当たりに当選した場合に開放する。また、第2開閉扉開放コマンドには、第2開閉扉231の開放の契機となった当たり抽選の結果(大当たり、小当たり等)が含まれている。したがって、音声発光制御装置90は、受信した第2開閉扉開放コマンドに含まれる情報に基づいて、第2開閉扉231の開放の契機となった当たり抽選の結果(大当たり、小当たり等)を把握することができる。ステップSa8801において、主側MPU62から第2開閉扉開放コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa8801:NO)、本1回目チャンス演出設定処理を終了する。一方、ステップSa8801において、主側MPU62から第2開閉扉開放コマンドを受信していると判定した場合には(Sa8801:YES)、ステップSa8802に進む。
ステップSa8802では、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップSa8802において、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が大当たりであると判定した場合(Sa8802:YES)、すなわち、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が特定処理を実行する大当たりである場合には、ステップSa8803に進み、上述したケース1における1回目チャンス演出を実行するように設定する。ステップSa8803を実行した後、本1回目チャンス演出設定処理を終了する。一方、ステップSa8802において、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が大当たりではないと判定した場合には(Sa8802:NO)、ステップSa8804に進む。
ステップSa8804では、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が特1小当たりであるか否かを判定する。ステップSa8804において、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が特1小当たりであると判定した場合には(Sa8804:YES)、ステップSa8805に進み、上述したケース2における1回目チャンス演出を実行するように設定する。ステップSa8805を実行した後、本1回目チャンス演出設定処理を終了する。一方、ステップSa8804において、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が特1小当たりではないと判定した場合には(Sa8804:NO)、そのまま本1回目チャンス演出設定処理を終了する。
<非貯留時2回目チャンス演出設定処理>
次に、非貯留時2回目チャンス演出設定処理について説明する。非貯留時2回目チャンス演出設定処理は、開閉処理期間演出設定処理のサブルーチン(図98:Sa8702)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図100は、非貯留時2回目チャンス演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSa8901では、主側MPU62から第2大入賞口入球コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSa8901において、主側MPU62から第2大入賞口入球コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa8901:NO)、後述するステップSa8904に進む。一方、ステップSa8901において、主側MPU62から第2大入賞口入球コマンドを受信していると判定した場合には(Sa8901:YES)、ステップSa8902に進み、音光用第2大入賞口入球フラグがONであるか否かを判定する。音光用第2大入賞口入球フラグは、音光側RAM94に記憶されているフラグであり、第2大入賞口212に遊技球が入球したか否か、すなわち、遊技球が貯留部218に貯留されたか否かを音声発光制御装置90において判定するためのフラグである。
ステップSa8902において、音光用第2大入賞口入球フラグがONではないと判定した場合には(Sa8902:NO)、ステップSa8903に進み、音光用第2大入賞口入球フラグをONにする。その後、ステップSa8904に進む。一方、ステップSa8902において、音光用第2大入賞口入球フラグがONであると判定した場合には(Sa8902:YES)、そのままステップSa8904に進む。すなわち、遊技球が第2大入賞口212に入球した場合であって、音光用第2大入賞口入球フラグがONになっていない場合に限り、当該音光用第2大入賞口入球フラグをONにする。
ステップSa8904では、主側MPU62から第2開閉扉閉鎖コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSa8904において、主側MPU62から第2開閉扉閉鎖コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa8904:NO)、本非貯留時2回目チャンス演出設定処理を終了する。一方、ステップSa8904において、主側MPU62から第2開閉扉閉鎖コマンドを受信していると判定した場合には(Sa8904:YES)、ステップSa8905に進む。
ステップSa8905では、音光用第2大入賞口入球フラグがONであるか否か、すなわち、遊技球が第2大入賞口212に入球して貯留部218に貯留されたか否かを判定する。ステップSa8905において、音光用第2大入賞口入球フラグがONであると判定した場合には(Sa8905:YES)、本非貯留時2回目チャンス演出設定処理を終了する。一方、ステップSa8905において、音光用第2大入賞口入球フラグがONではないと判定した場合には(Sa8905:NO)、ステップSa8906に進む。
ステップSa8906では、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップSa8906において、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が大当たりであると判定した場合(Sa8906:YES)、すなわち、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が特定処理を実行する大当たりである場合には、ステップSa8907に進み、上述したケース1における2回目チャンス演出及び大当たり告知演出を開閉処理期間の2R目が開始するまでに実行するように設定する。その後、ステップSa8908に進み、2R目以降の開閉処理期間において実行する演出を設定する。その後、本非貯留時2回目チャンス演出設定処理を終了する。
ステップSa8906において、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が大当たりではないと判定した場合には(Sa8906:NO)、ステップSa8909に進み、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が特1小当たりであるか否かを判定する。ステップSa8909において、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が特1小当たりであると判定した場合には(Sa8909:YES)、ステップSa8910に進み、上述したケース2における2回目チャンス演出及び外れ告知演出を実行するように設定する。その後、本非貯留時2回目チャンス演出設定処理を終了する。
<V入賞演出設定処理>
次に、V入賞演出設定処理について説明する。V入賞演出設定処理は、開閉処理期間演出設定処理のサブルーチン(図98:Sa8703)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図101は、V入賞演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSa9001では、主側MPU62からV入賞コマンドを受信しているか否かを判定する。V入賞コマンドは、遊技球がV入賞口222に入球した場合に主側MPU62から送信されるコマンドである。ステップSa9001において、主側MPU62からV入賞コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa9001:NO)、そのまま本V入賞演出設定処理を終了する。一方、ステップSa9001において、主側MPU62からV入賞コマンドを受信していると判定した場合には(Sa9001:YES)、ステップSa9002に進み、V入賞口222に遊技球が入球したことを示す演出であるV入賞演出を実行するように設定する。その後、ステップSa9003に進み、上述した音光用第2大入賞口入球フラグをOFFにする。その後、本V入賞演出設定処理を終了する。
<V非入賞時2回目チャンス演出設定処理>
次に、V非入賞時2回目チャンス演出設定処理について説明する。V非入賞時2回目チャンス演出設定処理は、開閉処理期間演出設定処理のサブルーチン(図98:Sa8704)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図102は、V非入賞時2回目チャンス演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSa9101では、主側MPU62から非V入賞コマンドを受信しているか否かを判定する。非V入賞コマンドは、遊技球が非V入賞口224に入球した場合に主側MPU62から送信されるコマンドである。ステップSa9101において、主側MPU62から非V入賞コマンドを受信していないと判定した場合には(Sa9101:NO)、本V非入賞時2回目チャンス演出設定処理を終了する。一方、ステップSa9101において、主側MPU62から非V入賞コマンドを受信していると判定した場合には(Sa9101:YES)、ステップSa9102に進む。
ステップSa9102では、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップSa9102において、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が大当たりであると判定した場合(Sa9102:YES)、すなわち、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が特定処理を実行する大当たりである場合には、ステップSa9103に進み、上述したケース1における2回目チャンス演出及び大当たり告知演出を実行するように設定する。ステップSa9103を実行した後、ステップSa9104に進み、上述した音光用第2大入賞口入球フラグをOFFにする。その後、本V非入賞時2回目チャンス演出設定処理を終了する。一方、ステップSa9102において、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が大当たりではないと判定した場合には(Sa9102:NO)、ステップSa9105に進む。
ステップSa9105では、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が特1小当たりであるか否かを判定する。ステップSa9105において、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が特1小当たりであると判定した場合には(Sa9105:YES)、ステップSa9106に進み、上述したケース2における2回目チャンス演出及び外れ告知演出を実行するように設定する。その後、上述したステップSa8804に進み、音光用第2大入賞口入球フラグをOFFにする。その後、本V非入賞時2回目チャンス演出設定処理を終了する。一方、ステップSa9105において、第2開閉扉213の開放の契機となった当たり抽選の結果が特1小当たりではないと判定した場合には(Sa9105:NO)、上述したステップSa8804に進み、音光用第2大入賞口入球フラグをOFFにする。その後、本V非入賞時2回目チャンス演出設定処理を終了する。
<エンディング期間演出設定処理>
次に、エンディング期間演出設定処理について説明する。エンディング期間演出設定処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図92:Sa8107)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図103は、エンディング期間演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSa9201では、主側MPU62からエンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。なお、本実施形態では、エンディングコマンドには、今回の開閉実行モードへの移行(エンディング期間の開始)の契機となった当たり抽選の結果(大当たり、小当たり等)が含まれている。したがって、音声発光制御装置90は、受信したエンディングコマンドに含まれる情報に基づいて、今回の開閉実行モードへの移行(エンディング期間の開始)の契機となった当たり抽選の結果(大当たり、小当たり等)を把握することができる。ステップSa9201において、主側MPU62からエンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(Sa9201:NO)、本エンディング期間演出設定処理を終了する。一方、ステップSa9201において、主側MPU62からエンディングコマンドを受信していると判定した場合には(Sa9201:YES)、ステップSa9202に進む。
ステップSa9202では、受信したエンディングコマンドに含まれる情報に基づいて、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップSa9202において、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が大当たりであると判定した場合には(Sa9202:YES)、ステップSa9203に進み、大当たりの種別に対応したエンディング演出をエンディング期間において実行するように設定する。その後、本エンディング期間演出設定処理を終了する。一方、ステップSa9202において、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が大当たりではないと判定した場合(Sa9202:NO)、すなわち、今回の開閉実行モードへの移行の契機となった当たり抽選の結果が小当たりである場合には、そのまま本エンディング期間演出設定処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図104は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSa9301では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップSa9302に進む。
ステップSa9302では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図105は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップSa9401では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図106は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップSa9501では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図105)によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが記憶されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが記憶されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(Sa9501)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や液晶用図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップSa9502では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(Sa9501)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップSa9503に進む。
ステップSa9503では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(Sa9502)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップSa9504に進む。
ステップSa9504では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(Sa9503)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップSa9505に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
以上説明したように、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された当たり抽選において大当たりに当選した場合(ケース1の場合)も、小当たりに当選した場合(ケース2の場合)も、第1図柄表示部37aには、当たり抽選の結果を示す図柄のパターンは表示されるが、図柄表示装置41への画像の表示や音声の出力による当たり抽選の抽選結果を示唆する演出は実行されない。よって、図柄表示装置41への画像の表示や音声の出力によって当たり抽選の抽選結果を認識している遊技者は、遊技回の終了した時点において当該遊技回における抽選結果を認識できない。その結果、仮に、小当たりに当選していたとしても、大当たりに当選したのではないかといった期待感を遊技者に付与することができる。
さらに、遊技回が終了した後に、ケース1の場合も、ケース2の場合も、右打ち示唆演出、Wチャンス示唆演出を実行するので、遊技回が終了した後に当該演出が実行されている期間中も、当たり抽選において小当たりではなく大当たりに当選しているのではないかといった期待感を付与することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、第1始動口33への入球を契機とした当たり抽選において大当たりに当選した場合には、当たり抽選において大当たりに当選した時点において大当たりの種別は決定されず、開閉実行モードの実行中に遊技球が種別決定ゲート202に入球することによって決定される。そして、大当たり種別が決定すると、ラウンド表示部39のラウンドランプが、大当たりの種別に対応したラウンド遊技の実行回数に応じた表示で点灯する。一方、小当たりに当選している場合は、ラウンドランプは点灯しない。すなわち、大当たりに当選している場合であっても小当たりに当選している場合であっても、遊技回の終了直後にはラウンドランプは点灯しないので、遊技回の終了後において、ラウンドランプに基づいて当該遊技回において大当たりに当選しているのか小当たりに当選しているのかを遊技者が識別することを回避することができる。
その結果、遊技回の終了後に、遊技者が右打ちをして、種別決定ゲート202に遊技球を入球させるまでは、遊技者に、当該当たり抽選の抽選結果を認識させず、遊技者に対して、比較的長い期間、小当たりではなく大当たりに当選しているのではないかといった期待感を付与することができる。すなわち、遊技回が終了し、大当たりまたは小当たりに基づく開閉実行モードが開始された後の期間においても、比較的長い期間に亘って遊技者に期待感を付与することができ、遊技に対して注目させることができる。また、大当たり種別の決定に際し、遊技者に右打ちをさせて、種別決定ゲート202に遊技球を入球させるので、大当たり種別の決定に関して遊技者に積極的に関与させることとなり、遊技者に対して、開閉実行モードの期間においてさら遊技に注目させることができる。
さらに、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技球がV入賞口222に入球したことを契機として大当たりが確定した場合には、当該V入賞口222に遊技球が入球したことを契機として、V入賞口222に入球したことを契機とする大当たりの種別を決定する。従ってV入賞口222に遊技球が入球した場合の遊技の進行に関して遊技者にスピード感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された当たり抽選において大当たりに当選した場合には、種別決定ゲート202に遊技球を入球させることによって大当たり種別を決定し、ラウンド遊技が開始されるまでの遊技の進行に関して比較的スピード感がない。結果として、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された当たり抽選において大当たりに当選した場合と、遊技球がV入賞口222に入球したことを契機として大当たりが確定した場合とで、遊技の進行に緩急をつけることができ、遊技者の遊技に対する期待感に抑揚を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技中に、V入賞口222に遊技球が入球して新たな大当たりが確定した場合、第1始動口33に遊技球が入球したことを契機として実行された当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技は停止されるが、V入賞口222に遊技球が入球したことによる大当たりを契機とした新たなラウンド遊技が開始されるので、新たなラウンド遊技に対する期待感を遊技者に付与することができる。
また、この場合、第1始動口33に遊技球が入球したことを契機として実行された当たり抽選において大当たりに当選した場合に振り分けられていた大当たり種別よりも、V入賞口222に遊技球が入球して新たな大当たりが確定した場合に振り分けられる大当たり種別の方が不利になってしまうのではないかといった不安を遊技者が抱くことが想定される。
しかしながら、本実施形態におけるパチンコ機10は、図62に示したように、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された当たり抽選において大当たりに当選した場合の大当たり種別の振り分け(図62(a))と、第1始動口33への遊技球の入球を契機としたV入賞口222への遊技球の入球によって大当たりが確定した場合の大当たり種別の振り分け(図62:(b))とを比較した場合、遊技者にとって最も有利な特典が付与される振り分け結果である5R第1種大当たりに振り分けられる確率は、第1始動口33への遊技球の入球を契機としたV入賞口222への遊技球の入球によって大当たりが確定した場合の方が高い。従って、上記のような遊技者の不安を低減することができるとともに、遊技者に対して、より一層大きな期待感を付与することができる。
また、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技盤30における遊技球が流通する方向に対して種別決定ゲート202の下流にV入賞口222が配置されている。さらに、第2大入賞口212の下流にV入賞口222が配置されている。従って、上記ケース1の場合において、遊技者が種別決定ゲート202へ向けて遊技球を発射した場合、種別決定ゲート202へ遊技球が入球したことを契機として大当たり種別が決定し開閉処理期間に突入し第2開閉扉213が開放した場合、種別決定ゲート202へ向けて遊技球を発射した遊技球がV入賞口222へ入球しやすい。よって、第1始動口33に入球したことを契機として実行された当たり抽選において大当たりに当選した場合にラウンド遊技が開始した後に、自然な流れで第2大入賞口212に遊技球が入球して、その後、V入賞口222に遊技球が入球し、V入賞口222に遊技球が入球したことを契機とするラウンド遊技へと移行させることができる。よって、遊技の進行を円滑に進行させることができる。結果として、第1始動口33に入球したことを契機として実行された当たり抽選において大当たりに当選した場合に振り分けられていた大当たり種別よりも、V入賞口222に遊技球が入球して新たな大当たりが確定した場合に振り分けられる大当たり種別の方が不利になってしまうのではないかといった不安を遊技者が抱く間を作らず、または、そのような遊技者の不安を低減することができる。そして、遊技者に対して、より一層大きな期待感を付与することができる。
また、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された当たり抽選において大当たりに当選した場合、特定処理実行判定処理によって特定処理の実行の有無を決定して、その後、当該大当たりに対応するラウンド遊技の実行回数を決定する。すなわち、ラウンド遊技として第2開閉扉213を開閉するか否かと、ラウンド遊技の実行回数とを別に決定するので、第2開閉扉213の開閉の有無とラウンド遊技の実行回数との組み合わせ方によってラウンド遊技における第1開閉扉36bおよび第2開閉扉213の様々な動作態様を実現することが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる。
《B8》第1実施形態βの変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
《B8−1》変形例1:
上記第1実施形態βにおいて、ケース1の場合に実行される遊技回において実行する演出、すなわち、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選し、かつ、特定処理実行判定処理において、特定処理を実行することを決定した場合の当該遊技回において実行する演出と、上記ケース2の場合に実行される遊技回において実行する演出、すなわち、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された遊技回における当たり抽選において小当たりに当選した場合の当該遊技回において実行する演出とを、同じ演出パターンに設定する構成としてもよい。ケース1の場合およびケース2の場合に同じ演出パターンに設定することで、ケース1の場合であるのかケース2の場合であるのかの遊技者の判断をさらにしにくくし、当該遊技回が当たり抽選に当選しているのではないかという期待感を遊技者により一層付与することができる。
その他、ケース1の場合およびケース2の場合に用いる専用の演出パターンが遊技回の変動時間に対応して複数設定された演出パターンテーブルを設け、当該演出パターンテーブルから当該遊技回の変動時間に応じた演出パターンを選択する構成としてもよい。ケース1の場合およびケース2の場合に同じ演出パターンテーブルから演出パターンを選択することによって、ケース1の場合であるのかケース2の場合であるのかの遊技者の判断をしにくくし、当該遊技回が当たり抽選に当選しているのではないかという期待感を遊技者に付与することができる。
《B8−2》変形例2:
上記第1実施形態βにおいては、遊技球がV入賞口222に入球したことを契機として大当たりが確定した場合には、当該V入賞口222に遊技球が入球したことを契機として大当たりの種別を決定する構成を採用したが、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選した場合と同様に、遊技球がV入賞口222に入球して大当たりが確定した後に、種別決定ゲート202に遊技球を入球させることによって大当たり種別が決定する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選した場合と、遊技球が第2始動口34に入球したことを契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選した場合と、遊技球がV入賞口222に入球して大当たりが確定した場合との3つの場合において、大当たりの種別を決定する処理を統一することができ、処理を簡易化することができる。
また、遊技球がV入賞口222に入球したことを契機とした大当たりの種別を決定するための専用の入球部(V入賞大当たり用種別決定ゲート)を設ける構成を採用してもよい。そして、V入賞大当たり用種別決定ゲートをV入賞口222より遊技球の流通方向に対して下流に配置する構成を採用してもよい。この場合、V入賞大当たり用種別決定ゲートに遊技球が入球したことを契機として実行する大当たり種別の決定を、上記第1実施形態βにおける種別決定処理と同じ処理を用いて行うことで、処理の簡易化を実現することができる。
その他、V入賞大当たり用種別決定ゲートをV入賞口222より遊技球の流通方向に対して下流ではない位置に配置する構成を採用してもよい。例えば、遊技球がV入賞口222に入球したことを契機として大当たりが確定した場合に、遊技球を発射させる態様を変更させないと入球しない位置にV入賞大当たり用種別決定ゲートを配置する。このようにすることで、操作ハンドル25の操作態様を種々に変化させて遊技を遊技者に実行させることとなり、遊技の流れを頻繁に変化させることができ、遊技への遊技者の積極的な関与を促進し、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。
《B8−3》変形例3:
上記第1実施形態βにおいては、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選した場合には、当該遊技回の終了後に遊技球を種別決定ゲート202に入球させたことを契機として種別決定処理を実行し大当たり種別を決定する構成を採用したが、他の構成を採用することができる。例えば、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として大当たり種別カウンタC2を取得し、当該遊技回における変動開始処理において大当たり種別を判定する構成を採用してもよい。すなわち、遊技回が終了する前に大当たり種別を決定する。そして、当該遊技回が大当たりである場合、当該遊技回が終了した場合には決定した大当たり種別に対応した表示態様でラウンドランプを点灯させるが、当該点灯のタイミングを、開閉実行モードにおけるオープニング期間の終了時点(開閉処理期間の開始直前)とし、かつ、オープニング期間を通常より長くするように設定する。このようにすることで、ラウンドランプが点灯するまでは、当該当たり抽選の抽選結果を認識させず、遊技者に対して、比較的長い期間、大当たりに当選しているのではないかといった期待感を付与することができる。すなわち、遊技回が終了し、大当たりまたは小当たりに基づく開閉実行モードが開始された後の期間においても、比較的長い期間に亘って遊技者に期待感を付与することができ、遊技に対して注目させることができる。なお、上記第1実施形態βにおいては、ラウンドランプを点灯させるタイミングは、オープニング期間の終了時であったが、オープニング期間の開始時に点灯させる構成を採用してもよい。
《B8−4》変形例4:
上記第1実施形態βにおいては、ケース1の場合、および、ケース2の場合に実行する開閉処理においては、第2開閉扉213が1回のみ開閉する開閉シナリオに設定したが、第2開閉扉213が複数回開閉する開閉シナリオを採用してもよい。このようにすることで、遊技球がV入賞口222に入球する確率が向上し、遊技者の期待感を向上させることができる。
《B8−5》変形例5:
上記第1実施形態βにおいては、特定処理実行判定処理は、遊技球が第1始動口33に入球したことによって実行される遊技回の変動開始時、より具体的には、変動開始処理(図78)において実行したが、当該遊技回が終了して待機期間が開始されるまでであれば、他のタイミングで実行してもよい。例えば、遊技状態移行処理において実行してもよい。このようにすることで、例えば、遊技球が第1始動口33に入球したことによって実行される遊技回中に遊技者に演出操作ボタン24を操作させる演出を実行し、当該演出の実行に応じて遊技者が演出操作ボタン24を操作したか否かに基づいて特定処理を実行するか否かの判定をする特定処理実行判定処理を行う構成を採用してもよい。また、例えば、遊技球が1始動口33に入球したことによって実行される遊技回中に特定の入球口に遊技球が入球したか否かに基づいて特定処理を実行するか否かの判定をする特定処理実行判定処理を行う構成を採用してもよい。すなわち、遊技球が第1始動口33に入球したことを契機として実行された遊技回における当たり抽選において大当たりに当選している場合に、当該遊技回中における遊技の進行の態様に応じて、当該遊技回の終了後に実行される開閉実行モードにおける処理の態様を決定する構成を採用してもよい。このような構成を採用することによって、大当たりに当選した場合に、当該遊技回の終了後の開閉実行モードにおいても遊技者を遊技に集中させることができる。
《B8−6》変形例6:
上記第1実施形態βにおいて、保留されている遊技回における当たり抽選の抽選結果を先判定処理によって判定し、先判定処理の結果、当該保留遊技回の当たり抽選において大当たりに当選している場合に、当該先判定処理における処理として特定処理実行判定処理を実行し、保留遊技回が遊技回として実行されるよりも前に、ケース1に示したような特定処理を実行するか否かを判定してもよい。そして、当該保留遊技回が遊技回として実行されるよりも前に実行される遊技回において、後に特定処理が実行されることを示唆する演出(特定処理実行示唆演出)を実行してもよい。このようにすることで、遊技者に、後に実行される保留遊技回についての期待感を付与することができる。また、保留遊技回においてケース2の場合に該当するかを先判定処理によって判定し、同じように、特定処理実行示唆演出を実行してもよい。このようにすることで、遊技者が、保留遊技回が遊技回として実行された際の帰趨についての推測の幅が広がり、遊技の興趣向上を図ることができる。
《B8−7》変形例7:
上記第1実施形態βにおいて、当たり抽選において大当たりに当選し、当該当たり抽選において大当たりに当選した遊技回の終了した時点からオープニング期間が開始するまでの期間である待機期間(図64参照)に実行する右打ち示唆演出を、待機期間の時間の経過とともに段階的に変化させる構成を採用してもよい。待機期間は、当たり抽選において大当たりに当選した遊技回の終了した時点を始点として種別決定ゲート202に遊技球が入球するまで継続される。換言すれば、種別決定ゲート202に遊技球が入球しないとオープニング期間は開始されない。遊技者が右打ちをしなければならないことを認識せず、左打ちをしている場合には、遊技は、意図したように進行せず、遊技者の期待感を低下させてしまう。
そこで、当たり抽選において大当たりに当選した遊技回の終了した時点からの待機期間の時間が経過するにつれて、遊技者に対する右打ちの示唆を段階的に強くする構成を採用してもよい。例えば、待機期間の経過時間が0秒〜5秒までに実行する右打ち示唆演出と比較して、待機期間の経過時間が5秒〜10秒までに実行する右打ち示唆演出の方が遊技者に対して強く右打ちを促す内容であり、さらに、待機期間の経過時間が5秒〜10秒までに実行する右打ち示唆演出と比較して、待機期間の経過時間が10秒〜15秒までに実行する右打ち示唆演出の方が遊技者に対して強く右打ちを促す内容である構成を採用してもよい。
待機期間に実行する右打ち示唆演出として、例えば、待機期間の時間が経過するにつれて右打ちを示唆する音声を段階的に大きくする(または小さくする)ことによって、遊技者に対して右打ちを促す態様を段階的に強くしてもよいし、待機期間の時間が経過するにつれて右打ちを示す画像(例えば右向きの矢印の画像)の大きさを段階的に大きくすることによって、遊技者に対して右打ちを促す態様を段階的に強くしてもよいし、待機期間の時間が経過するにつれて右打ちを示す画像の輝度、明度、色彩等を段階的に変化させる(例えば、大きくする、または小さくする)ことによって、遊技者に対して右打ちを促す態様を段階的に強くする構成を採用してもよいし、待機期間の時間が経過するにつれて右打ちを案内する音声案内の口調を段階的に強くすることによって、遊技者に対して右打ちを促す態様を段階的に強くする構成を採用してもよい。
このような構成を採用することによって、待機期間中において、遊技者に対して右打ちをすることを認識させやすくなり、遊技の円滑な進行を促すことができる。その結果、遊技者の期待感の低下を抑制することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
《B8−8》変形例8:
上記第1実施形態βにおいては、パチンコ機10は種別決定ゲートを1つ備える構成であったが、種別決定ゲートを複数備える構成を採用してもよい。例えば、左打ちをしている場合に遊技球が入球しやすい位置(例えば遊技盤30の左側)に種別決定ゲート(以下、左側種別決定ゲートとも呼ぶ)を1つ設け、右打ちをしている場合に遊技球が入球しやすい位置(例えば遊技盤30の右側)に種別決定ゲート(以下、右側種別決定ゲート)を1つ設ける構成を採用してもよい。そして、第1始動口用の当否テーブル(図60参照)において大当たりに当選するように設定されている当たり乱数カウンタC1の各値に対して、大当たりに当選した後に、左側種別決定ゲートまたは右側種別決定ゲートのいずれの種別決定ゲートへの遊技球の入球によって大当たり種別を決定するかを予め設定しておく。そして、大当たりに当選した遊技回の終了後に、大当たりとなった当たり乱数カウンタC1の値に応じで左打ちをするように示唆する演出(左打ち示唆演出)を実行するか、右打ち示唆演出を実行するかを判定し、判定の結果に応じた示唆演出を実行する。このようにすることによって、大当たりに当選した遊技回の終了後において、遊技者が操作ハンドル25の操作方法を判断する必要があり、遊技者を積極的に遊技に関与させることができ、その結果、遊技者を遊技に注目させることができる。
また、第1始動口用の当否テーブル(図60参照)において大当たりに当選するように設定されている当たり乱数カウンタC1の各値に対して、左側種別決定ゲートへの遊技球の入球によって大当たり種別を決定する値、右側種別決定ゲートへの遊技球の入球によって大当たり種別を決定する値、左側種別決定ゲートまたは右側種別決定ゲートのいずれか一方への遊技球の入球によって大当たり種別を決定する値が設定されている構成としてもよい。
《B8−9》変形例9:
上記第1実施形態βでは、ケース1における待機期間、および、ケース2におけるオープニング期間に、各々、大当たりに当選するための機会(チャンス)が2回分用意されていることを示唆する演出(Wチャンス演出)を実行する構成であったが、大当たりに当選するための機会(チャンス)が1回分用意されていることを示唆する演出(シングルチャンス演出)を実行する構成を採用してもよい。この場合、各ケースにおいて、2回目チャンス演出を省略することができるので、当該2回目チャンス演出を実行するために必要な処理を省略することができ、処理を簡易化することができる。
また、ケース1およびケース2において、Wチャンス演出を実行する場合とシングルチャンス演出を実行する場合とを組み合わせた構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技回が終了した後の期間において、より一層、遊技者を遊技に注目させることができる。
《B8−10》変形例10:
上記第1実施形態βにおいては、当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技中に、遊技球がV入賞口222に入球した場合には、当該ラウンド遊技を中断し、V入賞口222への遊技球の入球を契機とするラウンド遊技を実行する構成を採用したが、他の構成を採用してもよい。
例えば、当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技中に、遊技球がV入賞口222に入球した場合には、当該V入賞口222への遊技球の入球によって遊技の進行状態は変化せず、当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技が最後まで実行される構成を採用してもよい。この場合、当該V入賞口222への遊技球の入球を契機とするラウンド遊技は実行されない。すなわち、当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されている開閉実行モード中のV入賞口222への入球は実質的に無効であり、当たり抽選において小当たりに当選したことを契機として実行されている開閉実行モード中のV入賞口222への入球のみ実質的に有効となる。
このような構成を採用することによって、当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されているラウンド遊技中に、遊技球がV入賞口222に入球した場合であっても、遊技の進行状態を維持することができる。よって、大当たりに当選したことを契機とする開閉実行モードを中断する処理を回避することができ、処理を簡易化することができる。
さらに、当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されている開閉実行モード中のV入賞口222への入球は実質的に無効であり、当たり抽選において小当たりに当選したことを契機として実行されている開閉実行モード中のV入賞口222への入球のみ実質的に有効となる構成において、当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されている開閉実行モード中のみV入賞口222への遊技球の入球を補助する動作機構(以下、V入賞補助機構とも呼ぶ)を備える構成を採用してもよい。
V入賞補助機構として、例えば、クルーン220に設けられたV入賞口222と非V入賞口224のうち、非V入賞口224のみ一時的に閉鎖する機構(以下、非V入賞口閉鎖機構とも呼ぶ)を採用してもよい。この場合、非V入賞口閉鎖機構は、当たり抽選において大当たりに当選したことを契機として実行されている開閉実行モード中のV入賞口222への入球が実質的に無効である場合のみ、V入賞口222への遊技球の入球を補助するので、非V入賞口閉鎖機構の動作は遊技の進行状態に実質的に影響を与えない。
しかしながら、非V入賞口閉鎖機構が動作することによって、V入賞口222への遊技球の入球が補助され、遊技球がV入賞口222に入球したことを認識した遊技者の期待感を向上させることができる。すなわち、非V入賞口閉鎖機構を動作させることによって、遊技の進行状態に実質的に影響を与えずに、遊技者に期待感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、V入賞補助機構の動作の制御を、主制御装置60以外の制御手段(例えば、音声発光制御装置90)が実行する構成を採用してもよい。例えば、ケース1の場合において、音声発光制御装置90が特定処理コマンドを受信することによってV入賞補助機構を動作させることを決定し、開閉処理期間の開始とともにV入賞補助機構の動作を制御することによって非V入賞口224を閉鎖する構成を採用してもよいし、遊技球が貯留部218に貯留された場合であって、貯留弁216を開放するタイミングで、非V入賞口224を閉鎖する構成を採用してもよい。このような構成を採用すると、V入賞補助機構の動作の制御を主制御装置60以外の制御手段によって行うので、主制御装置60による処理の負担を軽減することができる。
なお、V入賞補助機構としては、上記説明した非V入賞口閉鎖機構に限定されることなく、V入賞口222への遊技球の入球を補助する機構であれば、他の機構を採用してもよい。例えば、流路211のうちクルーン220へ遊技球を流出させる流出口がV入賞口222の真上に位置するように流路211を移動させる機構を採用してもよい。また、V入賞口222の近傍に一時的に磁石を配置させる機構を採用してもよい。
《B》第2実施形態:
《B1》遊技機の構造:
本実施形態における遊技機の構造について説明する。なお、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素には同じ符号を用いて説明する。
図107は、第2実施形態におけるパチンコ機10の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる当たり抽選時、当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
また、上皿20の周縁部の正面視左側には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。また、以降の説明においては、操作ハンドル25が操作されることによって遊技球が発射され、遊技球が遊技盤の正面視左側に流れるとともに遊技盤の左側を流下する場合を、遊技者が「左打ち」をすると表現する場合がある。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
なお、本実施形態においては、遊技球発射ボタン26は、上皿20の周縁部の正面視左側に配置される構成を採用したが、遊技球発射ボタン26が他の位置に配置される構成を採用してもよい。例えば、遊技球発射ボタン26を、ウェイトボタン25bと同様に、操作ハンドル25の内部(周縁部)に配置する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者が、操作ハンドル25、ウェイトボタン25b、遊技球発射ボタン26を、右手のみで操作することを可能にする。
図108は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、一般入賞口32、上側第1始動口33(以下、単に第1始動口33とも呼ぶ)、下側第1始動口44(以下、単に第1始動口44とも呼ぶ)、第2始動口34、スルーゲート35、及び、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
上側第1始動口33、および、下側第1始動口44は、遊技球が入球可能な入球口である。上側第1始動口33は、遊技盤30の中央上方に設けられており、下側第1始動口44は、遊技盤30の中央下方に設けられている。本実施形態では、上側第1始動口33、または、下側第1始動口44に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する当たり抽選が実行される。また、下側第1始動口44には、左右一対の可動片よりなる電動役物44aが設けられている。電動役物44aが閉鎖状態のときには、遊技球は下側第1始動口44に入球することはできない。一方、電動役物44aが開放状態のときには、遊技球は下側第1始動口44に入球することができる。電動役物44aは、スルーゲート35に遊技球が通過することを契機として実行される抽選に当選した場合に、所定の期間、開放状態となるように構成されている。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30の右側上方に設けられている。よって、第2始動口34は、遊技者が操作ハンドル25を操作することによって右打ちをした場合に遊技球が入球する位置に設けられている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、1個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する当たり抽選が実行される。
スルーゲート35は、電動役物44aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具多的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行なう。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物44aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して下側第1始動口44よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して下側第1始動口44へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35を遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aと、当該大入賞口36aを開閉する開閉扉36bとを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入球できない閉鎖状態となっている。上述したように、上側第1始動口33、下側第1始動口44又は第2始動口34に遊技球が入球すると、主制御装置60は、当たり抽選(内部抽選)を実行する。当たり抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選すると、パチンコ機10は、開閉実行モードに移行する。開閉実行モードとは、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理を実行するモードである。具体的には、可変入賞装置36の開閉扉36bは、開閉実行モードに移行すると、遊技球が入球できない閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされた後に、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、上側第1始動口33または下側第1始動口44への遊技球の入球を契機とした当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、上側第1始動口33または下側第1始動口44への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行なわせる。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行なわせる。
ここで、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間という。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間といい、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間という。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cと第2保留表示部37dとを備えている。
第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)の保留個数を表示する。本実施形態では、上側第1始動口33または下側第1始動口44に入球した遊技球は、当該2つの第1始動口の合計として最大4個まで保留される。
第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35を遊技球が通過したことを契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了した場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、及びラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、液晶表示装置41を備える。液晶表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。液晶表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、可変表示ユニット40が備える表示装置の構成は、液晶表示装置41に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
液晶表示装置41は、上側第1始動口33または下側第1始動口44への遊技球の入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、液晶表示装置41は、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。液晶表示装置41は、上側第1始動口33、下側第1始動口44又は第2始動口34への遊技球の入球を契機とした図柄の変動表示又は所定の表示をすることに限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の演出表示なども行なう。以下、液晶表示装置41の詳細について説明する。
図109は、液晶表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図109(a)は、液晶表示装置41において変動表示される第1液晶用図柄または第2液晶用図柄を示す説明図である。第1液晶用図柄は、液晶表示装置41に表示される画像であって、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄に対応した図柄である。第2液晶用図柄は、液晶表示装置41に表示される画像であって、第2図柄表示部37bに表示される第1の図柄に対応した図柄である。
図109(a)に示すように、液晶表示装置41には、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄として、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図109(b)は、液晶表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、メイン表示領域MAと、サブ表示領域SAとが表示される。メイン表示領域MAには、第1液晶用図柄の画像が表示される場合と、第2液晶用図柄の画像が表示される場合とがある。同様に、サブ表示領域SAには、メイン表示領域MAと同様に、第1液晶用図柄の画像が表示される場合と、第2液晶用図柄の画像が表示される場合とがある。メイン表示領域MAに第1液晶用図柄の画像が表示される場合には、サブ表示領域SAに第1液晶用図柄の画像が表示され、メイン表示領域MAに第2液晶用図柄の画像が表示される場合には、サブ表示領域SAに第1液晶用図柄の画像が表示される。メイン表示領域MAおよびサブ表示領域SAに、第1液晶用図柄および第2液晶用図柄のいずれが表示されるかは、遊技の状態によって決定される。
メイン表示領域MAには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図109(a)に示した第1液晶用図柄または第2液晶用図柄として数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図109(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL1上に停止した状態で表示される。
具体的には、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)又は第2始動口34に遊技球が入球すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。なお、メイン表示領域MAにおける第1液晶用図柄および第2液晶用図柄の態様は、上述の態様に限定されることはない。例えば、メイン表示領域MAにおける図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、第1液晶用図柄および第2液晶用図柄の表示の態様は種々の態様を採用可能である。
サブ表示領域SAには、左、中、右の3つの図柄列Z4、Z5、Z6が表示される。各図柄列Z4〜Z6には、図109(a)に示した第1液晶用図柄または第2液晶用図柄として数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図109(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL2上に停止した状態で表示される。
具体的には、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)に遊技球が入球すると、各図柄列Z4〜Z6の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z4、図柄列Z6、図柄列Z5の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z4〜Z6に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL2上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL2上に形成される。なお、サブ表示領域SAにおける第1液晶用図柄および第2液晶用図柄の態様は、上述の態様に限定されることはない。例えば、サブ表示領域SAにおける図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、第1液晶用図柄および第2液晶用図柄の表示の態様は種々の態様を採用可能である。
さらに、図109(b)に示すように、液晶表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)への入賞に基づく保留個数が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留個数が表示される。なお、上述したように、本実施形態では、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)及び第2始動口34に入賞した遊技球の保留個数は、それぞれ最大4つまでである。
また、図109(b)に示すように、表示面41aには、特図ユニット37の第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第1同期表示部Sync1と、特図ユニット37の第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第2同期表示部Sync2とを備える。具体的には、第1図柄表示部37aが変動表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点滅表示をし、第1図柄表示部37aが停止表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点灯表示をする。また、第2図柄表示部37bが変動表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点滅表示をし、第2図柄表示部37bが停止表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、表示面41aは、メイン表示領域MA、サブ表示領域SA、第1同期表示部Sync1、および、第2同期表示部Sync2を表示する構成としたが、表示面41aがこれらの表示の一部または全部を表示しない構成を採用してもよい。
《B2》遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図110は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、主制御基板61の入力側には、一般入賞口32、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36などの各種の入球口やスルーゲートに設けられた各種検出センサーが接続されている。主制御基板61のMPU62は、これらの検出センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲートを通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて当たり抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、下側第1始動口44の電動役物44aを開閉動作させる電動役物駆動部44bと、開閉扉48aを開閉動作させる開閉扉駆動部48bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物44aが開放されるように電動役物駆動部44bの駆動制御を実行する。さらに、各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入球判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への遊技球の入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への遊技球の入球を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。さらに、発射制御装置80には、遊技球発射ボタン26が接続されている。遊技者によって遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、液晶表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、液晶表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、第1液晶用図柄や第2液晶用図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図111は、当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、液晶表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。液晶表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに液晶表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物44aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
また、RAM64には保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。本実施形態では、上側第1始動口33または下側第1始動口44に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜1199)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの第1実行エリアに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの第2実行エリアに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)に遊技球が入球した場合に、第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を、判定処理実行エリア64cの第1実行エリアに移動して、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合し、大当たりとなるか否かの判定を行う処理と、第2始動口34に遊技球が入球した場合に、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を、判定処理実行エリア64cの第2実行エリアに移動して、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合し、大当たりとなるか否かの判定を行う処理とを、並列的に実行する。以下では、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)への遊技球の入球を契機とした大当たりとなるか否かの判定処理と、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした大当たりとなるか否かの判定処理とを並列的に実行するとともに、第1図柄表示部37aの変動表示と第2図柄表示部37bの変動表示とを並列的に実行することが可能なパチンコ機を同時変動機とも呼ぶ。
なお、以降の説明において、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)への遊技球の入球を契機として実行される遊技(遊技回とも呼ぶ)を第1始動口用遊技回と表現し、第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行される遊技(遊技回とも呼ぶ)を第2始動口用遊技回と表現する場合がある。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜39の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行なうとともに、当たり抽選の結果が大当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、液晶表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図109(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
その他の具体例としては、図109(b)の表示面41aのサブ表示領域SAにおいて、最初に図柄列Z4において図柄が停止表示され、次に図柄列Z6においてZ4と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z5において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z5に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、液晶表示装置41における図柄の変動時間とをMPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び液晶表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電動役物用実行エリア64eに移動した後、電動役物用実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物44aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜463であれば、電動役物44aを開放状態に制御し、C4=464,465であれば、電動役物44aを閉鎖状態に維持する。
なお、取得された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値及び電動役物開放カウンタC4の値の少なくとも一つが本発明における特別情報に相当する。また、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値およびリーチ乱数カウンタC3の値を保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、大当たり乱数カウンタC1に基づいて当たり抽選を行う際に、当該大当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。また、本実施形態においては、パチンコ機10は、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルと、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで判定処理実行エリア64cに記憶された大当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルとを、それぞれ別のテーブルデータとして記憶している。具体的には、パチンコ機10は、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)の4つの当否テーブルを、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶している。
図112は、第1始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図112(a)は第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図112(b)は第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図112(a)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜3の4個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜3の4個の値以外の値(4〜1199)が外れである。一方、図112(b)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜19の20個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜19の20個の値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
また、本実施形態では、低確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、当たり抽選の結果、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たりとなる確率が高くなるのであれば、大当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
図113は、第2始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図113(a)は第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図113(b)は第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図113(a)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として0〜3の4個の値が設定されている。また、小当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として4〜1195の1192個の値が設定され、外れとなる大当たり乱数カウンタC1の値として1196〜1199の4個の値が設定されている。
ここで、「小当たり」とは、可変入賞装置36の開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機とはなるが、後述する抽選モードおよびサポートモードの両方について、移行契機とならない当否結果である。これに対して、「外れ」は、開閉実行モードの移行契機とはならず、さらに、抽選モードおよびサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。また、本実施形態においては、小当たりは、開閉実行モードとして、開放期間が1.6secの可変入賞装置36の開放が1回発生する。
図113(b)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として0〜19の20個の値が設定されている。また、小当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として20〜1195の1176個の値が設定され、外れとなる大当たり乱数カウンタC1の値として1196〜1199の4個の値が設定されている。
このように、第2始動口用の当否テーブルにおいても、第1始動口用の当否テーブルと同様に、高確率モードは、低確率モードに比べて、当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。さらに、第2始動口用の当否テーブルにおいては、低確率モード用の当否テーブルおよび高確率モード用の当否テーブルのいずれにおいても、小当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値が設定されており、第2始動口に遊技球が入球したことを契機として当たり抽選が実行された場合には、所定の確率で小当たりとなるように設定されている。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉回数(ラウンド数)
(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(3)開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モード(低確率モード又は高確率モード)
上記の(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への遊技球の入球(入賞)の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。
上記の(1)から(3)のほか、当選した場合に特定の処理の実行を伴う大当たりを設定することもできる。後述するように、本実施形態においては、「特定確変大当たり」という大当たり種別を設定する。特定確変大当たりは、当選した場合に、特定の処理の実行を伴う。詳細は後述する。
本実施形態では、当たり抽選の結果、大当たりとなった場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図114は、振分テーブルの内容を示す説明図である。図114(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図114(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。第1始動口用の振分テーブルは、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)への遊技球の入球に基づく当たり抽選の際に参照され、第2始動口用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく当たり抽選の際に参照される。
図114(a)に示すように、第1始動口用の振分テーブルには、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、10R確変大当たり、10R特定確変大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
10R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が10回(10ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、10R確変大当たりは、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードが高確率モードであり、その後に実行される当たり抽選において大当たりに当選するまで、高確率モードは継続する。さらに、10R確変大当たりは、開閉実行モード終了後に、後述する高頻度サポートモードの状態となり、低頻度サポートモードの状態より電動役物44aが開放しやすい状態となる。10R確変大当たりの場合、その後に実行される当たり抽選において大当たりに当選するまで、高頻度サポートモードは継続する。高頻度サポートモードおよび低頻度サポートモードの詳細は後述する。
10R特定確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が10回(10ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、10R特定確変大当たりは、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードが高確率モードであり、その後に実行される当たり抽選において大当たりに当選するまで、高確率モードは継続する。さらに、10R特定確変大当たりは、開閉実行モード終了後に、高頻度サポートモードの状態となり、低頻度サポートモードの状態より電動役物44aが開放しやすい状態となる。10R特定確変大当たりの場合、その後に実行される当たり抽選において大当たりに当選するまで、高頻度サポートモードは継続する。
また、10R特定確変大当たりは、上述したように、当選した場合に、特定の処理の実行を伴う。詳細は後述する。
8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、8R通常大当たりは、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードが低確率モードである。また、8R通常大当たりは、開閉実行モード終了後に、高頻度サポートモードの状態となり、低頻度サポートモードの状態より電動役物44aが開放しやすい状態となる。但し、8R通常大当たりの場合、高頻度サポートモードにおいて実行される遊技回の回数は100回に制限されており、高頻度サポートモードにおいて実行される遊技回の実行回数の合計が100回に達すると、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜11」が10R確変大当たりに対応し、「12〜19」が10R特定確変大当たりに対応し、「20〜39」が8R通常大当たりに対応するように設定されている。
図114(b)に示すように、第2始動口用の振分テーブルには、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、2R確変大当たり、及び、2R通常大当たりが設定されている。
2R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が2回(2ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、2R確変大当たりは、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードが高確率モードであり、その後に実行される当たり抽選において大当たりに当選するまで、高確率モードは継続する。さらに、2R確変大当たりは、開閉実行モード終了後に、後述する高頻度サポートモードの状態となり、低頻度サポートモードの状態より電動役物44aが開放しやすい状態となる。2R確変大当たりの場合、その後に実行される当たり抽選において大当たりに当選するまで、高頻度サポートモードは継続する。高頻度サポートモードおよび低頻度サポートモードの詳細は後述する。
2R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が2回(2ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、2R通常大当たりは、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードが低確率モードである。また、2R通常大当たりは、開閉実行モード終了後に、高頻度サポートモードの状態となり、低頻度サポートモードの状態より電動役物44aが開放しやすい状態となる。但し、2R通常大当たりの場合、高頻度サポートモードにおいて実行される遊技回の回数は100回に制限されており、高頻度サポートモードにおいて実行される遊技回の実行回数の合計が100回に達すると、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。
第2始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜19」が2R確変大当たりに対応し、「20〜39」が2R通常大当たりに対応するように設定されている。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりとなった場合の大当たり種別の振分態様は、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の下側第1始動口44の電動役物44aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して遊技球の発射が同様の態様で継続されている状況で比較した場合に、下側第1始動口44の電動役物44aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、本実施形態におけるパチンコ機10は、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物44aの1回の開放時間が長く設定されている。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物44aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下側第1始動口44への遊技球の入球が発生する確率が高くなり、遊技球が下側第1始動口44へ入球しやすくなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
図115は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図115(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図115(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0、1の2個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として2〜465の464個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、1/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物44aが1回開放し、その開放時間は1.4秒である。
図115(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図115(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0〜461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462〜465の4個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物44aが1回開放し、その開放時間は1.6秒である。
このように、電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。
《B3》遊技の流れ:
次に、本実施形態における遊技機の遊技の大凡の流れについて図116を用いて説明をする。
図116は、遊技機における遊技の流れを示す説明図である。
遊技を開始すると、ステップF101において、遊技者に左打ちをさせ、遊技領域PAの左側に遊技球を流下させ、上側第1始動口33に遊技球を入球させる。このとき、抽選モードは低確率モードであり、サポートモードは低頻度サポートモードである。上側第1始動口33に遊技球が入球すると第1始動口用遊技回が実行され当たり抽選が行われる。
第1始動口用遊技回における当たり抽選が外れの場合には(F101:NO)、繰り返し上側第1始動口33に遊技球を入球させ第1始動口用遊技回を実行させる。
第1始動口用遊技回で実行される当たり抽選において大当たりに当選した場合(F102:YES)、当選した大当たりの種別が通常大当たりである場合には(F103:NO)、第1始動口用遊技回の終了後に遊技者に付与される特典としてラウンド遊技が実行される(F104)。具体的には、遊技者に対して右打ちを促す示唆演出を実行する。遊技者は当該示唆演出に従って第1始動口用遊技回の終了後に右打ちを実行し、大入賞口36aに遊技球を入球させ賞球を得る。
ラウンド遊技が終了すると、抽選モードは低確率モード、サポートモードは高頻度サポートモード(遊技回100回限定)となる。遊技者に対して左打ちを促す示唆演出が実行され、遊技者は左打ちを行い、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)に遊技球を入球させ第1始動口用遊技回を実行させる(F105)。
高頻度サポートモードは遊技回が100回実行されるまで継続され(F106:NO→F107:NO)、100回以内に大当たりに当選した場合には(F106:YES)、ステップF103から遊技が進行する。
一方、高頻度サポートモードにおける遊技回100回以内に大当たりに当選しなかった場合には(F106:NO→F107:YES)、ステップF101から遊技が進行する。
説明をステップF103に戻す。ステップF103において、当選した大当たりの大当たり種別が確変大当たりであった場合であって(F103:YES)、特定確変大当たりではない場合には(F108:NO)、第1始動口用遊技回の終了後に遊技者に付与される特典としてラウンド遊技が実行される(F109)。具体的には、遊技者に対して右打ちを促す示唆演出を実行する。遊技者は当該示唆演出に従って第1始動口用遊技回の終了後に右打ちを実行し、大入賞口36aに遊技球を入球させ賞球を得る。
ラウンド遊技が終了すると、抽選モードは高確率モード、サポートモードは高頻度サポートモード(次回大当たり当選まで)となる。遊技者に対して左打ちを促す示唆演出が実行され、遊技者は左打ちを行い、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)に遊技球を入球させ第1始動口用遊技回を実行させる(F110)。
高頻度サポートモードは当たり抽選において大当たりに当選するまで継続される(F110→F111:NO)。
第1始動口用遊技回を実行し、大当たりに当選した場合には(F110→F111:YES)、ステップF103から遊技が進行する。
説明をステップF108に戻す。ステップF108において、当選した大当たりの大当たり種別が特定確変大当たりであった場合には(F108:YES)、第1始動口用遊技回の終了後に遊技者に付与される特典としてラウンド遊技が実行される(F112)。具体的には、遊技者に対して右打ちを促す示唆演出を実行する。遊技者は当該示唆演出に従って第1始動口用遊技回の終了後に右打ちを実行し、大入賞口36aに遊技球を入球させ賞球を得る。
ラウンド遊技が終了すると、抽選モードは高確率モード、サポートモードは高頻度サポートモードとなる。遊技者に対して左打ちを促す示唆演出が実行され、遊技者は左打ちを行い、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)に遊技球を入球させ第1始動口用遊技回を実行させる(F113)。
第1始動口用遊技回を実行し、実行される第1始動口用遊技回における当たり抽選において大当たりに当選している場合には(F114:YES)、当該第1始動口用遊技回の開始時に、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度ポートモードに移行する(F115)。通常の遊技機においては実行される第1始動口用遊技回における当たり抽選において大当たりに当選している場合には、当該第1始動口用遊技回の終了後に高頻度サポートモードから低頻度ポートモードに移行するが、本実施形態のパチンコ機10においては、当該第1始動口用遊技回の開始時に、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度ポートモードに移行する。
またこのとき、当該第1始動口用遊技回の開始時に、遊技者に対して右打ちを促す示唆演出が実行される。
当たり抽選において大当たりに当選している第1始動口用遊技回が実行されている期間に、遊技者は、右打ちを促す示唆演出に従って右打ちを行い、第2始動口34に遊技球を入球させ、第2始動口用遊技回を実行させる(F116)。このとき、抽選モードは高確率モードであり、サポートモードは低頻度サポートモードである。
当たり抽選において大当たりに当選している第1始動口用遊技回が実行されている期間(以下、第1始動口用当選遊技回実行期間とも呼ぶ)に実行される第2始動口用遊技回において小当たりに当選すると(F117:YES)、小当たりに対する特典として1ラウンドのラウンド遊技が実行される(F118)。遊技者は、大入賞口36aに遊技球を入球させ賞球を得る。
一方、実行される第2始動口用遊技回において小当たりに当選しなかった場合であっても(F117:NO)、第2始動口34に遊技球が入球すれば、再び、第2始動口用遊技回が実行される。
当該第1始動口用当選遊技回実行期間においては、第2始動口用遊技回の遊技時間の平均値が、他の期間における第2始動口用遊技回の遊技時間の平均値と比較して短くなるように設定されており、第1始動口用当選遊技回実行期間に複数回の第2始動口用遊技回が実行可能である。また、図113(b)の第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)からもわかるように、第2始動口用遊技回が実行された場合には、高い確率で小当たりに当選する。よって、第1始動口用当選遊技回実行期間に第2始動口用遊技回を複数回実行し、小当たりに複数回当選することが可能であり、遊技者は、小当たりによって付与される特典を複数回取得することが可能である。以下、第1始動口用当選遊技回実行期間に第2始動口用遊技回による小当たり当選によって遊技者に特典を付与する処理を「特別ボーナス処理」とも呼ぶ。
特別ボーナス処理は、第1始動口用当選遊技回実行期間が終了するまで実行される。すなわち、ステップF114において開始された大当たりに当選している第1始動口用遊技回が終了するまで実行される(F119:NO)。大当たりに当選している第1始動口用遊技回が終了すると(F119:YES)、ステップF103から遊技が進行する。すなわち、当該大当たりに当選している第1始動口用遊技回の大当たりの種別が、通常大当たりであるか、確変大当たりであるか、特定確変大当たりであるかによって、異なる方向へ遊技が進行する。以下、特別ボーナス処理についてタイムチャートを用いて説明する。
図117は、特別ボーナス処理を説明するタイムチャートである。
図117においては、時刻T0から遊技者が遊技を開始し、特別ボーナス処理が終了するまでを示している。図示した時刻T0は、図116におけるステップF101の遊技の進行状態に対応する。遊技者が時刻T0において遊技を開始し、上側第1始動口33に遊技球を入球させ第1始動口用遊技回を実行させる。このとき、図117に示すように、液晶表示装置41における表示面41a(図109(b)参照)のメイン表示領域MAには第1始動口用遊技回に対応する演出画像(以下、第1始動口用演出画像とも呼ぶ)が表示され、サブ表示領域SAには第2始動口用遊技回に対応する演出画像(以下、第2始動口用演出画像とも呼ぶ)が表示される。
時刻T1において第1始動口用遊技回において8R特定確変大当たりに当選すると(図116のF108:YESに対応)、8R特定確変大当たりに当選した第1始動口用遊技回の終了後に(時刻T2)、ラウンド遊技が実行される(図116のF112に対応)。主制御装置60による内部処理としては、ラウンド遊技を実行することを示す開閉実行モードフラグがONになる。このとき、液晶表示装置41には第1始動口用遊技回の大当たりを契機とするラウンド演出画像が表示される。
時刻T3において、開閉実行モードフラグがOFFとなりラウンド遊技が終了すると、主制御装置60による内部処理としては高頻度サポートモードであることを示す高頻度サポートモードフラグがONになる。また、主制御装置60による内部処理としては高確率モードであることを示す高確率モードフラグがONになる。なお、図117における時刻T3の状態は、図116におけるステップF113の遊技進行状態に対応する。
高頻度サポートモードおよび高確率モードの状態において、遊技者が左打ちをして第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)に遊技球を入球させると、第1始動口用遊技回が実行される。このとき実行される第1始動口用遊技回は、他の期間と比較して遊技回の遊技時間の平均値が短い。
その後、時刻T4において大当たりに当選している第1始動口用遊技回が開始されると、特別ボーナス処理が開始される。具体的には、大当たりに当選している第1始動口用遊技回が開始されると、高頻度サポートモードフラグがOFFとなる。また、第1始動口用当選遊技回実行期間においては、第2始動口用遊技回の遊技時間の平均値が、他の期間における第2始動口用遊技回の遊技時間の平均値と比較して短くなるように設定される。また、遊技者に右打ちをするように促す示唆演出が実行される。なお、図117における時刻T4における処理は、図116におけるステップF114およびステップF115に対応する。さらに、図117の液晶表示装置の欄に示すように、特別ボーナス処理が開始されると、メイン表示領域MAに第2始動口用演出画像が表示され、サブ表示領域SAに第1始動口用演出画像が表示される。
遊技者が、右打ちを行い第2始動口34に遊技球を入球させ第2始動口用遊技回を実行し小当たりに当選すると、小当たりに当選した各第2始動口用遊技回の終了後に1ラウンドのラウンド遊技が実行され、主制御装置60における内部処理として、各小当たりとなった第2始動口用遊技回の終了後に開閉実行モードフラグがONとなり、ラウンド遊技の終了後にOFFとなる。
このとき、図117に示すように第1始動口用遊技回は実行中であるが、第2始動口用遊技回の小当たりに伴ってラウンド遊技が実行されている期間は、主制御装置60の内部処理として、第1始動口用遊技回の遊技時間の計測を中断する。第1始動口用遊技回の遊技時間の計測が中断されている期間を、図117における第1始動口用遊技回を示すチャートに斜線で示した。図示するように、第1始動口用当選遊技回実行期間において第2始動口用遊技回の小当たりに伴って開閉実行モードフラグがONになっている期間は、第1始動口用遊技回の実行時間の計測は中断される。
そして、内部処理によって計測されていた第1始動口用遊技回の遊技時間が、あらかじめ定められた所定時間を経過すると、時刻T5において、第1始動口用遊技回は終了し、特別ボーナス処理は終了する。
第1始動口用遊技回の遊技時間が、あらかじめ定められた所定時間を経過すると、大当たりに当選していた第1始動口用遊技回に対応するラウンド遊技が時刻T5〜時刻T6の期間において実行され、開閉実行モードフラグが時刻T5でONになり、時刻T6でOFFになる。
なお、時刻T5以降は、第2始動口用遊技回に設定される遊技時間は5分〜10分の間の値に設定される。よって、遊技者が右打ちをして第2始動口用遊技回を実行させ小当たりに当選させても、1回の遊技時間が非常に長いため遊技者に不利な状態となる。このようにすることで、パチンコ機10の正当な遊技の流れに沿わない遊技者の行為を抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態におけるパチンコ機10は、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の実行中に特典を付与する処理である特別ボーナス処理を実行するので、遊技者に対して、大当たりに当選している遊技回の終了後に付与される特典としてのラウンド遊技(開閉実行モード)についての期待感を付与するだけでなく、さらに、大当たりに当選している遊技回の実行中にも期待感を付与することができる。
また、特別ボーナス処理が実行される期間においては、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の実行中に、第2始動口用遊技回において小当たりに当選したことを契機として特別ボーナスとしての特典(1Rのラウンド遊技)が付与されるので、第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合であっても、さらに、第2始動口用遊技回を実行させ、かつ、小当たりに当選させることによる、より一層大きな期待感を付与することができる。
さらに、特別ボーナス処理が実行される第1始動口用遊技回の終了後には、当該第1始動口用遊技回における大当たり当選に対応してラウンド遊技が実行されるので、さらに大きな期待感を遊技者に付与することができる。
さらに、本実施形態におけるパチンコ機10は、特別ボーナス処理が実行される第1始動口用遊技回の開始時に、サポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替えるので、特別ボーナス処理が実行される場合に、遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
また、本実施形態においては、特別ボーナス処理において第2始動口遊技回の実行可能な回数の上限は、特別ボーナス処理の期間に対応する第1始動口用遊技回の遊技時間に基づく。換言すれば、特定確変大当たりに当選した後、次に大当たりに当選する遊技回の遊技時間を制御することによって、特別ボーナス処理によって遊技者に付与する特典の上限を制御することができる。
なお、図116に示した時刻T1における大当たりの種別が特定確変大当たりであれば、時刻T4における大当たりの大当たり種別に関係無く、時刻T1における大当たり当選の第1始動口遊技回の開始を契機として特別ボーナス処理は開始される。
《B4》主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において実行される具体的な処理の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<タイマ割込み処理>
図118は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップSb0101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサの状態を読み込み、当該センサの状態を判定して検出情報(入球検知情報)を保存する。その後、ステップSb0102に進む。
ステップSb0102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップSb0103に進む。
ステップSb0103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップSb0104に進む。なお、変動種別カウンタCSは、後述する通常処理(図120)において、その値を更新する。
ステップSb0104では第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)及び第2始動口34への遊技球の入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。ステップSb0104の始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSb0104を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図118:Sb0104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図119は、始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSb0201では、遊技球が第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)に入球(始動入賞)したか否かを、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップSb0201において、遊技球が第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)に入球したと判定した場合には(Sb0201:YES)、ステップSb0202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSb0203に進む。
ステップSb0203では、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップSb0204に進む。
ステップSb0204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップSb0209に進む。
ステップSb0201において、遊技球が第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)に入球していないと判定した場合には(Sb0201:NO)、ステップSb0205に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。
ステップSb0205において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(Sb0205:YES)、ステップSb0206に進み、払出制御装置70に遊技球を1個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSb0207に進む。一方、ステップSb0205において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(Sb0205:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップSb0207では、第2始動口34に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップSb0208に進む。
ステップSb0208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップSb0209に進む。
ステップSb0209では、上述したステップSb0204又はステップSb0208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップSb0209において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(Sb0209:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップSb0209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(Sb0209:YES)、ステップSb0210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップSb0211に進み、合計保留個数記憶エリアに記憶された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップSb0212に進む。
ステップSb0212では、ステップSb0103(図118)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSb0210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSb0103(図118)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSb0210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに記憶する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSb0103(図118)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSb0210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに記憶する。ステップSb0212を実行した後、ステップSb0213に進む。
ステップSb0213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて、当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。ステップSb0213を実行した後、ステップSb0214に進む。
ステップSb0214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果(先判定情報)を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)又は第2始動口34への入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果(先判定情報)を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図120:ステップSb0302)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、液晶表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、液晶表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主側MPU62は、ステップSb0214を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図120は、通常処理を示すフローチャートである。ステップSb0301では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップSb0302に進む。
ステップSb0302では、タイマー割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップSb0302を実行した後、ステップSb0303に進む。
ステップSb0303では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップSb0304に進む。
ステップSb0304では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップSb0305に進む。ステップSb0305では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選、液晶表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップSb0305を実行した後、ステップSb0306に進む。
ステップSb0306では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップSb0307に進む。
ステップSb0307では、右側第1始動口44に設けられた電動役物44aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物44aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップSb0308に進む。
ステップSb0308では、今回の通常処理の開始(2巡目以降では、ステップSb0302のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。
ステップSb0308において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(Sb0308:NO)、ステップSb0309及びステップSb0310において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップSb0309において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。また、ステップSb0310おいて、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。
一方、ステップSb0308において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(Sb0308:YES)、ステップSb0302に戻り、ステップSb0302からステップSb0307までの各処理を実行する。
なお、ステップSb0302からステップSb0307の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図120:Sb0305)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図121は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップSb0401では、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、後述するように、大当たりに当選した遊技回における図柄の変動が終了し、開閉実行モードに移行するタイミングでONにされ、開閉実行モードが終了するタイミングでOFFにされる。ステップSb0401において開閉実行モードが実行されているか否かを判定することによって、以下の2つの機能を実現する。1つ目の機能として、開閉実行モードが実行されている期間にステップSb0403(およびステップSb0406)を実行しないようにすることによって、開閉実行モードが実行されている期間に遊技回を開始しないようにすることができる。また、2つ目の機能として、遊技回の実行中に開閉実行モードが実行された場合に、後述するステップSb0404(およびステップSb0407)を実行しないようにすることによって、開閉実行モードが実行されている期間に当該実行中の遊技回の変動時間の計測を中断するようにすることができる。以下、詳細を説明する。
ステップSb0401において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(Sb0401:YES)、開閉実行モード中であると判定し、ステップSb0402以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、第1始動口(上側第1始動口33と下側第1始動口44)又は第2始動口34への遊技球の入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップSb0401において、開閉実行モード中ではないと判定した場合には(Sb0401:NO)、ステップSb0402に進む。
ステップSb0402では、第1遊技実行中フラグがONであるか否かを判定する。第1遊技実行中フラグは、第1始動口用遊技回が開始されるとONになり、第1始動口用遊技回が終了するとOFFになるフラグである。ステップSb0402において、第1遊技実行中フラグがONではないと判定した場合には(Sb0402:NO)、ステップSb0403に進む。
ステップSb0403では、第1始動口用の変動開始処理を実行する。第1始動口用の変動開始処理は、第1始動口用遊技回を開始するための処理である。第1始動口用の変動開始処理の詳細は後述する。ステップSb0403を実行した後、ステップSb0405に進む。
一方、ステップSb0402において、第1遊技実行中フラグがONである判定した場合には(Sb0402:YES)、ステップSb0404に進む。
ステップSb0404では、第1変動停止処理を実行する。第1変動停止処理は、開始された第1始動口用遊技回の図柄の変動を停止させるための処理である。第1変動停止処理の詳細は後述する。ステップSb0404を実行した後、ステップSb0405に進む。
ステップSb0405では、第2遊技実行中フラグがONであるか否かを判定する。第2遊技実行中フラグは、第2始動口用遊技回が開始されるとONになり、第2始動口用遊技回が終了するとOFFになるフラグである。ステップSb0405において、第2遊技実行中フラグがONではないと判定した場合には(Sb0405:NO)、ステップSb0406に進む。
ステップSb0406では、第2始動口用の変動開始処理を実行する。第2始動口用の変動開始処理は、第2始動口用遊技回を開始するための処理である。第2始動口用の変動開始処理の詳細は後述する。ステップSb0406を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップSb0405において、第2遊技実行中フラグがONであると判定した場合には(Sb0405:YES)、ステップSb0407に進む。
ステップSb0407では、第2変動停止処理を実行する。第2変動停止処理は、開始された第2始動口用遊技回の図柄の変動を停止させるための処理である。第2変動停止処理の詳細は後述する。ステップSb0407を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
<第1始動口用の変動開始処理>
次に、第1始動口用の変動開始処理について説明する。第1始動口用の変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図121:Sb0403)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図122は、第1始動口用の変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSb0501では、第1始動保留個数RaN=0であるか否かを判定する。ステップSb0501において、第1始動保留個数RaN=0ではないと判定した場合には(Sb0501:NO)、ステップSb0502に進む。一方、ステップSb0501において、第1始動保留個数RaN=0であると判定した場合には(Sb0501:YES)、本第1始動口用の変動開始処理を終了する。
ステップSb0502では、第1始動口用保留情報シフト処理を実行する。第1始動口用保留情報シフト処理では、第1保留エリアRaに記憶された保留情報をシフトさせる。第1始動口用保留情報シフト処理の詳細については後述する。ステップSb0502を実行した後、ステップSb0503に進む。
ステップSb0503では、第1始動口用の判定処理を実行する。第1始動口用の判定処理では、判定処理実行エリア64cに記憶された特別情報に基づいて当たり抽選を実行する。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶された大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいて、大当たりや小当たりの有無を判定する当否判定、大当たり種別を振り分ける振分判定、リーチ発生の有無を判定するリーチ判定を行なう。第1始動口用の判定処理の詳細については後述する。ステップSb0503を実行した後、ステップSb0504に進む。
ステップSb0504では、第1始動口用の変動時間の設定処理を実行する。第1始動口用の変動時間の設定処理では、図柄が変動を開始してから停止するまでの時間である変動時間を設定する。第1始動口用の変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップSb0504を実行した後、ステップSb0505に進む。
ステップSb0505では、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)への遊技球の入球に基づいて取得された特別情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及びステップSb0504において設定された変動時間の情報が含まれている。ステップSb0505を実行した後、ステップSb0506に進む。
ステップSb0506では、第1種別コマンドを設定する。第1種別コマンドには、大当たりの有無の情報及び大当たり種別の情報が含まれている。具体的には、第1種別コマンドには、10R確変大当たりの情報、10R特定確変大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、または外れの情報が含まれる。
ステップSb0505及びステップSb0506において設定された変動用コマンド及び第1種別コマンドは、通常処理(図120)におけるステップSb0302によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び第1種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSb0506を実行後、ステップSb0507に進む。
ステップSb0507では、第1図柄表示部37aにおける変動表示を開始させ、ステップSb0508に進み、第1遊技実行中フラグをONにする。その後、ステップSb0509に進み、第1変動中フラグをONにする。
第1遊技実行中フラグは、第1始動口用遊技回が開始される場合にONにされ、第1図柄表示部37aにおける変動表示が停止表示となり、図柄の表示が停止している期間である第1図柄表示停止時間が終了した場合にOFFにされるフラグである。一方、第1変動中フラグは、第1始動口用遊技回が開始される場合にONにされ、第1図柄表示部37aにおける変動表示が停止表示となった場合にOFFにされるフラグである。
ステップSb0509を実行した後、ステップSb0510に進む。
ステップSb0510では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードが開始された場合に、遊技回数カウンタPNCに値が設定され、遊技回が実行される毎にカウンタ値が1減算される。ステップSb0510を実行した後、本第1始動口用の変動開始処理を終了する。
<第1始動口用保留情報シフト処理>
次に、第1始動口用保留情報シフト処理について説明する。第1始動口用保留情報シフト処理は、第1始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図122:Sb0502)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図123は、第1始動口用保留情報シフト処理を示すフローチャートである。ステップSb0601では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算する。その後、ステップSb0602に進む。
ステップSb0602では、第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されているデータ(保留情報)を判定処理実行エリア64cの第1実行エリアに移動させる。その後、ステップSb0603に進む。
ステップSb0603では、第1保留エリアRaの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSb0603を実行した後、本保留情報シフト処理を終了する。
<第1始動口用の判定処理>
次に、第1始動口用の判定処理について説明する。第1始動口用の判定処理は、第1始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図122:Sb0503)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図124は、第1始動口用の判定処理を示すフローチャートである。ステップSb0701では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、次回の大当たりの当選に係る開閉実行モードの開始に際してOFFにされる。ステップSb0701において、高確率モードであると判定した場合には(Sb0701:YES)、ステップSb0702に進む。
ステップSb0702では、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を参照して当否判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図112(b)に示す第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)において大当たりとして設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSb0704に進む。一方、ステップSb0701において高確率モードではないと判定した場合には(Sb0701:NO)、ステップSb0703に進む。
ステップSb0703では、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を参照して当否判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図112(a)に示す第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)において大当たりとして設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSb0704に進む。
ステップSb0704では、ステップSb0702又はステップSb0703における当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップSb0704において、当否判定の結果が大当たりであると判定した場合には(Sb0704:YES)、ステップSb0705に進む。
ステップSb0705では、第2始動口用の確変または通常の大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップSb0705において、第2始動口用の確変または通常の大当たりフラグがONであると判定した場合には(Sb0705:YES)、ステップSb0722に進み、第1始動口用遊技回の抽選結果を示す停止図柄を外れ用の停止図柄に設定する。その後、本第1始動口用の判定処理を終了する。すなわち、第1始動口用遊技回の変動の開始時に、大当たり当選した第2始動口用遊技回が実行中の場合には、第1始動口用遊技回の停止図柄を開閉実行モードが実行されない図柄の組み合わせに設定する。
一方、ステップSb0705において、第2始動口用の確変または通常の大当たりフラグがONではないと判定した場合には(Sb0705:NO)、ステップSb0706に進み、特定処理フラグがONであるか否かを判定する。特定処理フラグは、判定対象となっている第1始動口用の遊技回よりも前に実行された遊技回において、特定確変大当たりに当選している場合にONにされ、当該特定確変大当たりに対して特別ボーナス処理が実行された場合にOFFにされるフラグである。ステップSb0706において、特定処理フラグがONであると判定した場合には(Sb0706:YES)、ステップSb0707に進む。
ステップSb0707では、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。すなわち、特別ボーナス処理に対応する処理を実行する。ステップSb0707を実行した後、ステップSb0708に進む。
ステップSb0708では、特別ボーナス開始コマンドを設定する。特別ボーナス開始コマンドは、音声発光制御装置90に、特別ボーナス処理が開始されることを通知するためのコマンドである。当該コマンドは、通常処理(図120)のコマンド出力処理(Sb0302)によって、音声発光制御装置90に送信される。ステップSb0708を実行した後、ステップSb0709に進む。
ステップSb0709では、特定処理フラグをOFFにする。その後、ステップSb0710に進む。
一方、ステップSb0706において、特定処理フラグがONではないと判定した場合には(Sb0706:NO)、そのままステップSb0710に進む。
ステップSb0710では、では、第1始動口用の振分テーブル(図114(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、いずれの大当たり種別の数値範囲に含まれているかを判定する。ステップSb0710を実行した後、ステップSb0711に進む。
ステップSb0711では、ステップSb0710における振分判定の結果(大当たり種別)が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップSb0711において、振り分けた大当たり種別が確変大当たりであると判定した場合には(Sb0711:YES)、ステップSb0712に進む。
ステップSb0712では、ステップSb0711において振り分けた大当たり種別に対応した確変大当たりフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。ステップSb0712を実行した後、ステップSb0713に進む。
ステップSb0713では、当該確変大当たりが特定確変大当たりであるか否かを判定する。ステップSb0713において、当該確変大当たりが特定確変大当たりであると判定した場合には(ステップSb0713:YES)、ステップSb0714に進む。
ステップSb0714では、特定確変大当たりフラグをONにする。その後、ステップSb0715に進み、特定確変大当たりコマンドを設定する。特定確変大当たりコマンドは、判定対象の第1始動口用遊技回において特定確変大当たりに当選したことを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。当該コマンドは、通常処理(図120)のコマンド出力処理(Sb0302)によって、音声発光制御装置90に送信される。ステップSb0715を実行した後、ステップSb0716に進む。
一方、ステップSb0713において、当該確変大当たりが特定確変大当たりではないと判定した場合には(ステップSb0713:NO)、そのままステップSb0716に進む。
ステップSb0716では、確変大当たり用の停止図柄設定処理を実行する。確変大当たり用の停止図柄設定処理では、確変大当たりとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37aに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、ステップSb0711において振り分けた大当たり種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSb0716を実行した後、本第1始動口用の判定処理を終了する。
ステップSb0711において、振り分けた大当たり種別が確変大当たりではないと判定した場合には(Sb0711:NO)、すなわち、振り分けた大当たり種別が通常大当たりである場合には、ステップSb0717に進む。
ステップSb0717では、ステップSb0711において振り分けた大当たり種別に対応した通常大当たりフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。ステップSb0717を実行した後、ステップSb0718に進む。
ステップSb0718では、通常大当たり用の停止図柄設定処理を実行する。通常大当たり用の停止図柄設定処理では、通常大当たりとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37aに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、ステップSb0711において振り分けた大当たり種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSb0718を実行した後、本第1始動口用の判定処理を終了する。
ステップSb0704において、ステップSb0702又はステップSb0703における当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(Sb0704:NO)、ステップSb0719に進み、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照して、リーチが発生するか否かのリーチ判定を行なう。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値が、参照したリーチ判定用テーブルにおいてリーチ発生として設定されている値と一致しているか否かを判定する。このステップSb0719の処理は、上記ステップSb0704における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たりでない場合に実行される。すなわち、ステップSb0719においては、当否判定の結果が大当たりではない遊技回のうち、リーチが発生する遊技回であるか否かの判定を行う。ステップSb0719を実行した後、ステップSb0720に進む。
ステップSb0720では、ステップSb0719におけるリーチ判定の結果がリーチ発生であるか否かを判定する。ステップSb0720において、リーチ発生であると判定した場合には(Sb0720:YES)、ステップSb0721に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのリーチ発生フラグをONにする。ステップSb0721を実行した後、ステップSb0722に進む。
ステップSb0722では、外れ用の停止図柄設定処理を実行する。外れ用の停止図柄設定処理では、外れとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37aに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ用の停止結果テーブルを参照することによって、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSb0722を実行した後、本第1始動口用の判定処理を終了する。
<第1始動口用の変動時間の設定処理>
次に、第1始動口用の変動時間の設定処理について説明する。第1始動口用の変動時間の設定処理は、第1始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図122:Sb0504)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図125は、第1始動口用の変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップSb0801では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタバッファに記憶されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSb0802に進む。
ステップSb0802では、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(Sb0802:YES)、ステップSb0803に進む。
ステップSb0803では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSb0803を実行した後、ステップSb0807に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、本第1始動口用の変動時間の設定処理を終了する。
ステップSb0802において、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(Sb0802:NO)、ステップSb0804に進み、今回の遊技回に係るリーチ判定の結果がリーチ発生であるか否かを判定する。具体的には、リーチ発生フラグがONであるか否かを判定し、リーチ発生フラグがONであると判定した場合には(Sb0804:YES)、ステップSb0805に進む。
ステップSb0805では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSb0805を実行した後、ステップSb0807に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、本第1始動口用の変動時間の設定処理を終了する。
ステップSb0804において、今回の遊技回に係るリーチ判定の結果がリーチ発生ではないと判定した場合には(Sb0804:NO)、ステップSb0806に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。ステップSb0806を実行した後、ステップSb0807に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、本第1始動口用の変動時間の設定処理を終了する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、リーチ非発生用変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、第1始動保留個数RaNの数に依存しない構成としてもよく、第1始動保留個数RaNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動時間テーブル、通常大当たり用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<第1変動停止処理>
次に、第1変動停止処理について説明する。第1変動停止処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図121:Sb0404)として主制御装置60の主側MPU62によって実行される。
図126は、第1変動停止処理を示すフローチャートである。ステップSb0901では、第1変動中フラグがONであるか否かを判定する。ステップSb0901において、第1変動中フラグがONであると判定した場合には(Sb0901:YES)、ステップSb0902に進む。
ステップSb0902では、第1変動時間計測処理を実行する。具体的には、第1始動口用遊技回の変動時間(第1図柄表示部の変動時間)を計測するための第1変動時間用カウンタPTC1をダウンカウントする。当該処理は、ステップSb0902のスレッドを通る度に第1変動時間用カウンタPTC1の値をダウンカウントする。すなわち、ステップSb0902のスレッドを通ったときのみ、第1変動時間用カウンタPTC1の値をダウンカウントする。ステップSb0902を実行した後、ステップSb0903に進む。
ステップSb0903では、第1図柄表示部の変動時間が終了したか否かを判定する。具体的には、ステップSb0902の処理によってダウンカウントされる第1変動時間用カウンタPTC1が0になったか否かを判定する。ステップSb0903において、第1図柄表示部の変動時間が終了したと判定した場合には(Sb0903:YES)、ステップSb0904に進み、第1図柄表示部の変動を停止する。その後、ステップSb0905に進む。
ステップSb0905では、第1変動中フラグをOFFにする。その後、ステップSb0906に進む。
一方、ステップSb0903において、第1図柄表示部の変動時間が終了していないと判定した場合には(Sb0903:NO)、そのまま本第1変動停止処理を終了する。
ステップSb0901において、第1変動中フラグがONではないと判定した場合には(Sb0901:NO)、そのままステップSb0906に進む。
ステップSb0906では、第1図柄停止表示時間設定処理を実行する。第1図柄停止表示時間は、第1図柄が停止表示している時間である。ステップSb0906では、第1図柄停止表示時間を設定する。但し、既に第1図柄停止表示時間が設定されている場合には、当該設定は行わない。本実施形態においては、全ての第1始動口用遊技回の第1図柄停止表示時間を同じ長さの時間に設定する。ステップSb0906を実行した後、ステップSb0907を実行する。
ステップSb0907では、第1図柄停止表示時間計測処理を実行する。具体的には、第1図柄停止表示時間を計測するためのカウンタのダウンカウントを行う。当該処理は、ステップSb0907のスレッドを通る度に第1図柄停止表示時間を計測するためのカウンタの値をダウンカウントする。ステップSb0907を実行した後、ステップSb0908に進む。
ステップSb0908では、第1図柄停止表示時間が終了したか否かを判定する。具体的には、第1図柄停止表示時間を計測するためのカウンタの値が0になったか否かを判定する。ステップSb0908において。第1図柄停止表示時間が終了したと判定した場合には(Sb0908:YES)、ステップSb0909に進む。一方、ステップSb0908において。第1図柄停止表示時間が終了していないと判定した場合には(Sb0908:NO)、そのまま本第1変動停止処理を終了する。
ステップSb0909では、第1遊技実行中フラグをOFFにする。その後、ステップSb0910に進む。
ステップSb0910では、大当たりフラグ(各大当たり種別に応じた大当たりフラグ)または小当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップSb0910において、大当たりフラグまたは小当たりフラグがONであると判定した場合には(Sb0910:YES)、ステップSb0911に進む。一方、ステップSb0910において、大当たりフラグおよび小当たりフラグのいずれもONではないと判定した場合には(Sb0910:NO)、そのまま本第1変動停止処理を終了する。
ステップSb0911では、開閉実行モードフラグをONにする。その後、ステップSb0912に進み、開閉実行モード開始コマンドを設定した後、本第1変動停止処理を終了する。
<第2始動口用の変動開始処理>
次に、第2始動口用の変動開始処理について説明する。第2始動口用の変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図121:Sb0406)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図127は、第2始動口用の変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSb1001では、第2始動保留個数RbN=0であるか否かを判定する。ステップSb1001において、第2始動保留個数RbN=0ではないと判定した場合には(Sb1001:NO)、ステップSb1002に進む。一方、ステップSb1001において、第2始動保留個数RbN=0であると判定した場合には(Sb1001:YES)、本第2始動口用の変動開始処理を終了する。
ステップSb1002では、第2始動口用保留情報シフト処理を実行する。第2始動口用保留情報シフト処理では、第2保留エリアRbに記憶された保留情報をシフトさせる。第2始動口用保留情報シフト処理の詳細については後述する。ステップSb1002を実行した後、ステップSb1003に進む。
ステップSb1003では、第2始動口用の判定処理を実行する。第2始動口用の判定処理では、判定処理実行エリア64cに記憶された特別情報に基づいて当たり抽選を実行する。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶された大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の値に基づいて、大当たりや小当たりの有無を判定する当否判定、大当たり種別を振り分ける振分判定、リーチ発生の有無を判定するリーチ判定を行なう。第2始動口用の判定処理の詳細については後述する。ステップSb1003を実行した後、ステップSb1004に進む。
ステップSb1004では、第2始動口用の変動時間の設定処理を実行する。第2始動口用の変動時間の設定処理では、図柄が変動を開始してから停止するまでの時間である変動時間を設定する。第2始動口用の変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップSb1004を実行した後、ステップSb1005に進む。
ステップSb1005では、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への遊技球の入球に基づいて取得された特別情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及びステップSb1004において設定された変動時間の情報が含まれている。ステップSb1005を実行した後、ステップSb1006に進む。
ステップSb1006では、第2種別コマンドを設定する。第2種別コマンドには、大当たりの有無の情報及び大当たり種別の情報が含まれている。具体的には、第2種別コマンドには、2R確変大当たりの情報、2R通常大当たりの情報、小当たりの情報、または外れの情報が含まれる。
ステップSb1005及びステップSb1006において設定された変動用コマンド及び第2種別コマンドは、通常処理(図120)におけるステップSb0302によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び第2種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSb1006を実行後、ステップSb1007に進む。
ステップSb1007では、第2図柄表示部37bにおける変動表示を開始させ、ステップSb1008に進み、第2遊技実行中フラグをONにする。その後、ステップSb1009に進み、第2変動中フラグをONにする。
第2遊技実行中フラグは、第2始動口用遊技回が開始される場合にONにされ、第2図柄表示部37bにおける変動表示が停止表示となり、図柄の表示が停止している期間である第2図柄表示停止時間が終了した場合にOFFにされるフラグである。一方、第2変動中フラグは、第2始動口用遊技回が開始される場合にONにされ、第2図柄表示部37bにおける変動表示が停止表示となった場合にOFFにされるフラグである。
ステップSb1009を実行した後、ステップSb1010に進む。
ステップSb1010では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードが開始された場合に、遊技回数カウンタPNCに値が設定され、遊技回が実行される毎にカウンタ値が1減算される。ステップSb1010を実行した後、本第2始動口用の変動開始処理を終了する。
<第2始動口用保留情報シフト処理>
次に、第2始動口用保留情報シフト処理について説明する。第2始動口用保留情報シフト処理は、第2始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図127:Sb1002)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図128は、第2始動口用保留情報シフト処理を示すフローチャートである。ステップSb1101では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップSb1102に進む。
ステップSb1102では、第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されているデータ(保留情報)を判定処理実行エリア64cの第2実行エリアに移動させる。その後、ステップSb1103に進む。
ステップSb1103では、第2保留エリアRbの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSb1103を実行した後、本保留情報シフト処理を終了する。
<第2始動口用の判定処理>
次に、第2始動口用の判定処理について説明する。第2始動口用の判定処理は、第2始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図127:Sb1003)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図129は、第2始動口用の判定処理を示すフローチャートである。ステップSb1201では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、通常大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してOFFにされる。ステップSb1201において、高確率モードであると判定した場合には(Sb1201:YES)、ステップSb1202に進む。
ステップSb1202では、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を参照して当否判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図113(b)に示す第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)において大当たりとして設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSb1204に進む。一方、ステップSb1201において高確率モードではないと判定した場合には(Sb1201:NO)、ステップSb1203に進む。
ステップSb1203では、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を参照して当否判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図113(a)に示す第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)において大当たりとして設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSb1204に進む。
ステップSb1204では、ステップSb1202又はステップSb1203における当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップSb1204において、当否判定の結果が大当たりであると判定した場合には(Sb1204:YES)、ステップSb1205に進む。
ステップSb1205では、第1始動口用の確変または通常の大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップSb1205において、第1始動口用の確変または通常の大当たりフラグがONであると判定した場合には(Sb1205:YES)、ステップSb1218に進み、第2始動口用遊技回の抽選結果を示す停止図柄を外れ用の停止図柄に設定する。その後、本第2始動口用の判定処理を終了する。すなわち、第2始動口用遊技回の変動の開始時に、大当たり当選した第1始動口用遊技回が実行中の場合には、第2始動口用遊技回の停止図柄を開閉実行モードが実行されない図柄の組み合わせに設定する。
一方、ステップSb1205において、第1始動口用の確変または通常の大当たりフラグがONではないと判定した場合には(Sb1205:NO)、ステップSb1206に進む。
ステップSb1206では、では、第2始動口用の振分テーブル(図114(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、いずれの大当たり種別の数値範囲に含まれているかを判定する。ステップSb1206を実行した後、ステップSb1207に進む。
ステップSb1207では、ステップSb1206における振分判定の結果(大当たり種別)が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップSb1207において、振り分けた大当たり種別が確変大当たりであると判定した場合には(Sb1207:YES)、ステップSb1208に進む。
ステップSb1208では、ステップSb1206において振り分けた大当たり種別に対応した確変大当たりフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。ステップSb1208を実行した後、ステップSb1209に進む。
ステップSb1209では、確変大当たり用の停止図柄設定処理を実行する。確変大当たり用の停止図柄設定処理では、確変大当たりとなる今回の遊技回において、第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、ステップSb1206において振り分けた大当たり種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSb1209を実行した後、本第2始動口用の判定処理を終了する。
ステップSb1207において、振り分けた大当たり種別が確変大当たりではないと判定した場合には(Sb1207:NO)、すなわち、振り分けた大当たり種別が通常大当たりである場合には、ステップSb1210に進む。
ステップSb1210では、ステップSb1206において振り分けた大当たり種別に対応した通常大当たりフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。ステップSb1210を実行した後、ステップSb1211に進む。
ステップSb1211では、通常大当たり用の停止図柄設定処理を実行する。通常大当たり用の停止図柄設定処理では、通常大当たりとなる今回の遊技回において、第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、ステップSb1206において振り分けた大当たり種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSb1211を実行した後、本第2始動口用の判定処理を終了する。
ステップSb1204において、ステップSb1202又はステップSb1203における当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(Sb1204:NO)、ステップSb1212に進む。
ステップSb1212では、ステップSb1202又はステップSb1203における当否判定の結果が小当たりであるか否かを判定する。ステップSb1212において、当否判定の結果が小当たりであると判定した場合には(Sb1212:YES)、ステップSb1213に進む。
ステップSb1213では、小当たりフラグをONにする。ステップSb1213を実行した後、ステップSb1214に進む。
ステップSb1214では、小当たり用の停止図柄設定処理を実行する。小当たり用の停止図柄設定処理では、小当たりとなる今回の遊技回において、第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている小当たり用の停止結果テーブルを参照することによって、小当たりに対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSb1214を実行した後、本第2始動口の判定処理を終了する。
ステップSb1212において、当否判定の結果が小当たりではないと判定した場合には(Sb1212:NO)、ステップSb1215に進む。
ステップSb1215では、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照して、リーチが発生するか否かのリーチ判定を行なう。具体的には、判定処理実行エリア64cに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値が、参照したリーチ判定用テーブルにおいてリーチ発生として設定されている値と一致しているか否かを判定する。このステップSb1215の処理は、上記ステップSb1204における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たりでない場合に実行される。すなわち、ステップSb1215においては、当否判定の結果が大当たりではない遊技回のうち、リーチが発生する遊技回であるか否かの判定を行う。ステップSb1215を実行した後、ステップSb1216に進む。
ステップSb1216では、ステップSb1215におけるリーチ判定の結果がリーチ発生であるか否かを判定する。ステップSb1216において、リーチ発生であると判定した場合には(Sb1216:YES)、ステップSb1217に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのリーチ発生フラグをONにする。ステップSb1217を実行した後、ステップSb1218に進む。
ステップSb1218では、外れ用の停止図柄設定処理を実行する。外れ用の停止図柄設定処理では、外れとなる今回の遊技回において、第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了(停止表示)させるかを設定するための処理を実行する。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ用の停止結果テーブルを参照することによって、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSb1218を実行した後、本第2始動口用の判定処理を終了する。
<第2始動口用の変動時間の設定処理>
次に、第2始動口用の変動時間の設定処理について説明する。第2始動口用の変動時間の設定処理は、第2始動口用の変動開始処理のサブルーチン(図127:Sb1004)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図130は、第2始動口用の変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップSb1301では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタバッファに記憶されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSb1302に進む。
ステップSb1302では、高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSb1302において、高確率モードフラグがONではないと判定した場合には(Sb1302:NO)、ステップSb1303に進む。
ステップSb1303では、低確時変動時間情報取得処理を実行する。低確時変動時間情報取得処理は、抽選モードが低確率モードの時に第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。具体的には、図116におけるステップF101の遊技の進行状態のとき、および、ステップF105の遊技の進行状態のときに、第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。低確時変動時間情報取得処理の詳細は後述する。ステップSb1303を実行した後、ステップSb1307に進む。
一方、ステップSb1302において、高確率モードフラグがONであると判定した場合には(Sb1302:YES)、ステップSb1304に進む。
ステップSb1304では、高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSb1304において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(Sb1304:YES)、ステップSb1305に進む。
ステップSb1305では高確高頻度時変動時間情報取得処理を実行する。高確高頻度時変動時間情報取得処理は、抽選モードが高確率モードであってサポートモードが高頻度サポートモードの時に第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。具体的には、図116におけるステップF110の遊技の進行状態のとき、および、ステップF113の遊技の進行状態のときに、第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。高確高頻度時変動時間情報取得処理の詳細は後述する。ステップSb1305を実行した後、ステップSb1307に進む。
一方、ステップSb1304において、高頻度サポートモードフラグがONではないと判定した場合には(Sb1304:NO)、ステップSb1306に進む。
ステップSb1306では高確低頻度時変動時間情報取得処理を実行する。高確低頻度時変動時間情報取得処理は、抽選モードが高確率モードであってサポートモードが低頻度サポートモードの時に第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。具体的には、図116におけるステップF116の遊技の進行状態のときに、第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。高確低頻度時変動時間情報取得処理の詳細は後述する。ステップSb1306を実行した後、ステップSb1307に進む。
ステップSb1307では、ステップSb1303、ステップSb1305、ステップSb1306の各処理で取得した変動時間情報を、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、本第2始動口用の変動時間の設定処理を終了する。
<低確時変動時間情報取得処理>
次に、低確時変動時間情報取得処理について説明する。低確時変動時間情報取得処理は、第2始動口用の変動時間の設定処理のサブルーチン(図130:Sb1303)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
上述したように、低確時変動時間情報取得処理は、図116におけるステップF101の遊技の進行状態のとき、および、ステップF105の遊技の進行状態のときに、第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。すなわち、本来なら左打ちをして第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)に遊技球を入球させて第1始動口用遊技回が実行されるべき期間に、右打ちをして第2始動口34に遊技球を入球させ第2始動口用遊技回が実行された場合に実行される処理であり、遊技者が第2始動口用遊技回を実行させ小当たり当選によって本来なら得るべきではない期間に特典を得ようとする行為が行われている可能性があるので、当該行為を防ぐために、低確時変動時間情報取得処理において取得される変動時間情報(変動時間)は比較的長い時間に設定されている。以下、本低確時変動時間情報取得処理について説明する。
図131は、低確時変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップSb1401では、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(Sb1401:YES)、ステップSb1402に進む。
ステップSb1402では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている低確時大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態においては低確時大当たり用変動時間テーブルに設定されている変動時間は5分〜10分の間の値であり、変動時間として取得される値の平均値は7分である。ステップSb1402を実行した後、本低確時変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSb1401において、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(ステップSb1401:NO)、ステップSb1403に進む。
ステップSb1403では、今回の遊技回でリーチが発生するか否かを判定する。ステップSb1403において、今回の遊技回でリーチが発生すると判定した場合には(ステップSb1403:YES)、ステップSb1404に進む。
ステップSb1404では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている低確時リーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態においては低確時リーチ発生用変動時間テーブルに設定されている変動時間は5分〜10分の間の値であり、変動時間として取得される値の平均値は7分である。ステップSb1404を実行した後、本低確時変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSb1403において、今回の遊技回でリーチが発生しないと判定した場合には(ステップSb1403:NO)、ステップSb1405に進む。
ステップSb1405では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている低確時リーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態においては低確時リーチ非発生用変動時間テーブルに設定されている変動時間は5分〜10分の間の値であり、変動時間として取得された値の平均値は7分である。ステップSb1405を実行した後、本低確時変動時間情報取得処理を終了する。
このように、低確時変動時間情報取得処理において取得される変動時間情報は比較的長い時間に設定されている。
<高確高頻度時変動時間情報取得処理>
次に、高確高頻度時変動時間情報取得処理について説明する。高確高頻度時変動時間情報取得処理は、第2始動口用の変動時間の設定処理のサブルーチン(図130:Sb1305)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
上述したように、高確高頻度時変動時間情報取得処理は、図116におけるステップF110の遊技の進行状態のとき、および、ステップF113の遊技の進行状態のときに、第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。すなわち、本来なら左打ちをして第1始動口(上側第1始動口33、下側第1始動口44)に遊技球を入球させて第1始動口用遊技回が実行されるべき期間に、右打ちをして第2始動口34に遊技球を入球させ第2始動口用遊技回が実行された場合に実行される処理であり、遊技者が第2始動口用遊技回を実行させ小当たり当選によって本来なら得るべきではない期間に特典を得ようとする行為が行われている可能性があるので、当該行為を防ぐために、高確高頻度時変動時間情報取得処理において取得される変動時間情報(変動時間)は比較的長い時間に設定されている。なお、高確高頻度時変動時間情報取得処理において取得される変動時間の平均値は、低確時変動時間情報取得処理において取得される変動時間の平均値よりも短い値に設定されている。これは、低確時変動時間情報取得処理が実行されれる期間と比較した場合、高確高頻度時変動時間情報取得処理が実行される期間の方が遊技者に有利な状態であるので、低確時変動時間情報取得処理の場合ほど、遊技者が第2始動口用遊技回を実行させ小当たり当選によって利益を得る行為の不当性が大きくないことを理由とする。以下、本高確高頻度時変動時間情報取得処理について説明する。
図132は、高確高頻度時変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップSb1501では、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(Sb1501:YES)、ステップSb1502に進む。
ステップSb1502では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高確高頻度時大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態においては高確高頻度時大当たり用変動時間テーブルに設定されている変動時間は2分〜5分の間の値であり、変動時間として取得された値の平均値は3分である。ステップSb1502を実行した後、本高確高頻度時変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSb1501において、今回の遊技回に係る当否判定の結果が大当たりではないと判定した場合には(ステップSb1501:NO)、ステップSb1503に進む。
ステップSb1503では、今回の遊技回でリーチが発生するか否かを判定する。ステップSb1503において、今回の遊技回でリーチが発生すると判定した場合には(ステップSb1503:YES)、ステップSb1504に進む。
ステップSb1504では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高確高頻度時リーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態においては高確高頻度時リーチ発生用変動時間テーブルに設定されている変動時間は2分〜5分の間の値であり、変動時間として取得された値の平均値は3分である。ステップSb1504を実行した後、本高確高頻度時変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSb1503において、今回の遊技回でリーチが発生しないと判定した場合には(ステップSb1503:NO)、ステップSb1505に進む。
ステップSb1505では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高確高頻度時リーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態においては高確高頻度時リーチ非発生用変動時間テーブルに設定されている変動時間は2分〜5分の間の値であり、変動時間として取得された値の平均値は3分である。ステップSb1505を実行した後、本高確高頻度時変動時間情報取得処理を終了する。
このように、高確高頻度時変動時間情報取得処理において取得される変動時間情報は比較的長い時間に設定されているが、高確高頻度時変動時間情報取得処理において取得される変動時間の平均値は、低確時変動時間情報取得処理において取得される変動時間の平均値よりも短い値に設定されている。
<高確低頻度時変動時間情報取得処理>
次に、高確低頻度時変動時間情報取得処理について説明する。高確低頻度時変動時間情報取得処理は、第2始動口用の変動時間の設定処理のサブルーチン(図130:Sb1306)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
上述したように、高確低頻度時変動時間情報取得処理は、図116におけるステップF116の遊技の進行状態のときに、第2始動口用遊技回が実行される場合に、当該第2始動口用遊技回の変動時間情報を取得する処理である。すなわち、特別ボーナス処理が実行されている期間に、右打ちをして第2始動口34に遊技球を入球させ第2始動口用遊技回が実行された場合に実行される処理であるので、本来の遊技の流れに沿った処理である。高確低頻度時変動時間情報取得処理において取得される変動時間情報(変動時間)は非常に短い時間に設定されている。以下、本高確低頻度時変動時間情報取得処理について説明する。
図133は、高確低頻度時変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップSb1601では、今回の遊技回に係る当否判定の結果が小当たりであるか否かを判定する。具体的には、小当たりフラグがONであるか否かを判定し、小当たりフラグがONである場合には(Sb1601:YES)、ステップSb1602に進む。なお、本高確低頻度時変動時間情報取得処理が実行される特別ボーナス処理の期間は、第2始動口用遊技回の変動の開始時に、大当たり当選した第1始動口用遊技回が実行中であるので、第2始動口用遊技回の図柄を開閉実行モードが実行されない図柄の組み合わせで停止表示させる(図129/Sb1205:NOを参照)。よって、本高確低頻度時変動時間情報取得処理が実行される特別ボーナス処理の期間には第2始動口用遊技回が大当たり当選をすることがないので、図130および図131の処理と異なり、大当たり当選しているか否かの判定処理がない。
ステップSb1602では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態においては高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルに設定されている変動時間は2秒〜5秒の間の値であり、変動時間として取得された値の平均値は3秒である。ステップSb1502を実行した後、本高確低頻度時変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSb1601において、今回の遊技回に係る当否判定の結果が小当たりではないと判定した場合には(ステップSb1601:NO)、ステップSb1603に進む。
ステップSb1603では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高確低頻度時非小当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態においては高確低頻度時非小当たり用変動時間テーブルに設定されている変動時間は1秒〜3秒の間の値であり、変動時間として取得された値の平均値は2秒である。ステップSb1603を実行した後、本高確低頻度時変動時間情報取得処理を終了する。
このように、高確低頻度時変動時間情報取得処理において取得される変動時間情報(変動時間)は非常に短い時間に設定されている。そのため、特別ボーナス処理の実行期間中、すなわち、大当たり当選している第1始動口用遊技回が実行されている期間に複数回の第2始動口遊技回を実行することができる。その結果、複数回の小当たりへの当選によって、第1始動口用遊技回の実行中に遊技者は特典を取得することができる。
<第2変動停止処理>
次に、第2変動停止処理について説明する。第2変動停止処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図121:Sb0407)として主制御装置60の主側MPU62によって実行される。
図134は、第2変動停止処理を示すフローチャートである。ステップSb1701では、第2変動中フラグがONであるか否かを判定する。ステップSb1701において、第2変動中フラグがONであると判定した場合には(Sb1701:YES)、ステップSb1702に進む。
ステップSb1702では、第2変動時間計測処理を実行する。具体的には、第2始動口用遊技回の変動時間(第2図柄表示部の変動時間)を計測するための第2変動時間用カウンタPTC2をダウンカウントする。当該処理は、ステップSb1702のスレッドを通る度に第2変動時間用カウンタPTC2の値をダウンカウントする。すなわち、ステップSb1702のスレッドを通った後に継続的にダウンカウントを行うのではなく、当該スレッドを通ったときのみ、第2変動時間用カウンタPTC2の値をダウンカウントする。ステップSb1702を実行した後、ステップSb1703に進む。
ステップSb1703では、第2図柄表示部の変動時間が終了したか否かを判定する。具体的には、ステップSb1702の処理によってダウンカウントされる第2変動時間用カウンタPTC2が0になったか否かを判定する。ステップSb1703において、第2図柄表示部の変動時間が終了したと判定した場合には(Sb1703:YES)、ステップSb1704に進み、第2図柄表示部の変動を停止する。その後、ステップSb1705に進む。
ステップSb1705では、第2変動中フラグをOFFにする。その後、ステップSb1706に進む。
一方、ステップSb1703において、第2図柄表示部の変動時間が終了していないと判定した場合には(Sb1703:NO)、そのまま本第2変動停止処理を終了する。
ステップSb1701において、第2変動中フラグがONではないと判定した場合には(Sb1701:NO)、そのままステップSb1706に進む。
ステップSb1706では、第2図柄停止表示時間設定処理を実行する。第2図柄停止表示時間は、第2図柄が停止表示している時間である。ステップSb1706では、第2図柄停止表示時間を設定する。但し、既に第2図柄停止表示時間が設定されている場合には、当該設定は行わない。本実施形態においては、全ての第2始動口用遊技回の第2図柄停止表示時間を同じ長さの時間に設定する。ステップSb1706を実行した後、ステップSb1707を実行する。
ステップSb1707では、第2図柄停止表示時間計測処理を実行する。具体的には、第2図柄停止表示時間を計測するためのカウンタのダウンカウントを行う。当該処理は、ステップSb1707のスレッドを通る度に第2図柄停止表示時間を計測するためのカウンタの値をダウンカウントする。ステップSb1707を実行した後、ステップSb1708に進む。
ステップSb1708では、第2図柄停止表示時間が終了したか否かを判定する。具体的には、第2図柄停止表示時間を計測するためのカウンタの値が0になったか否かを判定する。ステップSb1708において。第2図柄停止表示時間が終了したと判定した場合には(Sb1708:YES)、ステップSb1709に進む。一方、ステップSb1708において。第2図柄停止表示時間が終了していないと判定した場合には(Sb1708:NO)、そのまま本第2変動停止処理を終了する。
ステップSb1709では、第2遊技実行中フラグをOFFにする。その後、ステップSb1710に進む。
ステップSb1710では、大当たりフラグ(各大当たり種別に応じた大当たりフラグ)または小当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップSb1710において、大当たりフラグまたは小当たりフラグがONであると判定した場合には(Sb1710:YES)、ステップSb1711に進む。一方、ステップSb1710において、大当たりフラグおよび小当たりフラグのいずれもONではないと判定した場合には(Sb1710:NO)、そのまま本第2変動停止処理を終了する。
ステップSb1711では、開閉実行モードフラグをONにする。その後、ステップSb1712に進み、開閉実行モード開始コマンドを設定した後、本第2変動停止処理を終了する。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図120:Sb0306)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図135は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップSb1801では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、開閉実行モードにおける開閉処理期間の終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、開閉実行モードにおいてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップSb1801において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(Sb1801:NO)、ステップSb1802に進み、開閉処理期間フラグがONであるか否かを判定する。上述のように、開閉処理期間フラグは、遊技状態を開閉処理期間に移行させる場合にONにされ、開閉処理期間を終了させる場合にOFFにされる。
ステップSb1802において、開閉処理期間フラグがONではないと判定した場合には(Sb1802:NO)、ステップSb1803に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。
ステップSb1803において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(Sb1803:NO)、ステップSb1804に進み、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、開閉実行モードが開始される契機となった遊技回が終了する場合にONにされ、開閉実行モードが終了する場合にOFFにされる。
ステップSb1804において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(Sb1804:YES)、ステップSb1805に進む。一方、ステップSb1804において、開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(Sb1804:NO)、そのまま遊技状態移行処理を終了する。
ステップSb1805では、小当たりであるか否かを判定する。具体的には、小当たりフラグがONであるか否かを判定することにより、開閉実行モードが開始される契機が小当たりの当選であるか否かを判定する。ステップSb1805において、小当たりではないと判定した場合には(Sb1805:NO)、ステップSb1806に進む。
ステップSb1806では、高確率モードフラグをOFFにする。ステップSb1805において、今回の遊技回の遊技結果(当たり抽選の結果)が小当たりではないと判定されているため、今回の遊技回における当たり抽選の結果は大当たりである。大当たりに当選したことを契機として実行される開閉実行モードの実行中の抽選モードを低確率モードにするため、高確率モードフラグをOFFにする。ステップSb1806を実行した後、ステップSb1807に進む。
ステップSb1807では、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。ステップSb1805において、今回の遊技回の遊技結果(当たり抽選の結果)が小当たりではないと判定されているため、今回の遊技回における当たり抽選の結果は大当たりである。大当たりに当選したことを契機として実行される開閉実行モードの実行中のサポートモードを低頻度サポートモードにするため、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。ステップSb1807を実行した後、ステップSb1808に進む。
ステップSb1808では、大当たり開閉実行モードコマンドを設定する。大当たり開閉実行モードコマンドは、大当たり当選を契機として開閉実行モードが開始されることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。大当たり開閉実行モードコマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図120:ステップSb0302)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSb1808を実行した後、ステップSb1809に進む。
ステップSb1809では、開閉実行モード開始コマンドを設定する。開閉実行モード開始コマンドは、大当たり当選を契機として、または、小当たりを契機として開閉実行モードが開始されることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。すなわち、開閉実行モード開始コマンドは、大当たりまたは小当たりに関係無く開閉実行モードが開始された場合に設定される。開閉実行モード開始コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図120:ステップSb0302)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSb1809を実行した後、ステップSb1810に進む。
ステップSb1810では、開閉シナリオ設定処理を実行する。開閉シナリオ設定処理は、ラウンド遊技における開閉扉36bの開放パターンが設定された開閉シナリオを設定するための処理である。開閉シナリオ設定処理については後述する。ステップSb1810を実行した後、ステップSb1811に進む。
ステップSb1811では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、特別遊技状態におけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、オープニング時間として第3タイマカウンタエリアT3に所定の値を設定する。オープニング時間設定処理については後述する。ステップSb1811を実行した後、ステップSb1812に進む。
ステップSb1812では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図120)におけるステップSb0302にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定したオープニング時間の情報、大当たり種別の情報、および、今回の開閉実行モードが実行される契機となった大当たりまたは小当たりに関する情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間および開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSb1812を実行した後、ステップSb1813に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSb1803において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(Sb1803:YES)、ステップSb1814に進む。
ステップSb1814では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、オープニング時間設定処理において設定した第3タイマカウンタエリアT3の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSb1814において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(Sb1814:YES)、ステップSb1815に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSb1816に進む。
ステップSb1816では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、大当たり種別をラウンド表示部39に表示させる。ステップSb1816を実行した後、ステップSb1817に進む。
ステップSb1817では、開閉処理期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSb1802において、開閉処理期間フラグがONであると判定した場合には(Sb1802:YES)、ステップSb1818に進み、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理については後述する。ステップSb1818を実行した後、ステップSb1819に進む。
ステップSb1819では、大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定し、大入賞口開閉処理が終了したと判定した場合には(Sb1819:YES)、ステップSb1820に進む。一方、ステップSb1819において、大入賞口開閉処理が終了していないと判定した場合には(Sb1819:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSb1820では、開閉処理期間フラグをOFFにし、その後、ステップSb1821に進む。
ステップSb1821では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップSb1821を実行した後、ステップSb1822に進む。
ステップSb1822では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、エンディング時間として第4タイマカウンタエリアT4に所定の値を設定する。ステップSb1822を実行した後、ステップSb1823に進む。
ステップSb1823では、エンディングコマンドを設定する。設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図120)におけるステップSb0302にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、当該エンディング期間に対応した演出を開始させる。ステップSb1823を実行した後、ステップSb1824に進む。
ステップSb1824では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSb1801において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(Sb1801:YES)、ステップSb1825に進む。
ステップSb1825では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(Sb1822)において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSb1825において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であると判定した場合には(Sb1825:YES)、ステップSb1826に進む。
ステップSb1826では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSb1827に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップSb1827を実行した後、ステップSb1828に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。その後、ステップSb1829に進み、開閉実行モード終了コマンドを設定する。開閉実行モード終了コマンドは、開閉実行モードが終了したことを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。開閉実行モード終了コマンドは、通常処理(図120)におけるステップSb0302にて、音声発光制御装置90に送信される。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップSb1825において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」ではないと判定した場合には(Sb1825:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
<開閉シナリオ設定処理>
次に、開閉シナリオ設定処理について説明する。開閉シナリオ設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図135:Sb1810)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図136は、開閉シナリオ設定処理を示すフローチャートである。ステップSb1901では、大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップSb1901において、大当たりフラグがONであると判定した場合には(Sb1901:YES)、ステップSb1902に進む。
ステップSb1902では、大当たりの種別に応じた大当たり用開閉シナリオに設定する。なお、開閉シナリオは、ラウンド遊技における開閉扉36bの開放パターンが設定されたプログラムである。ステップSb1902を実行した後、本開閉シナリオ設定処理を終了する。
ステップSb1901において、大当たりフラグがONではないと判定した場合には(Sb1901:NO)、ステップSb1903に進む。
ステップSb1903では、小当たり用開閉シナリオに設定する。なお、本実施形態においては、小当たり用開閉シナリオには、ラウンド遊技において開閉扉36bが1回開閉する開閉パターンが設定されている。ステップSb1903を実行した後、本開閉シナリオ設定処理を終了する。
<オープニング時間設定処理>
次に、オープニング時間設定処理について説明する。オープニング時間設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図135:Sb1811)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図137は、オープニング時間設定処理を示すフローチャートである。ステップSb2001では、今回の開閉実行モードの契機が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、大当たりフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSb2001において、今回の開閉実行モードの契機が大当たり当選であると判定した場合には(Sb2001:YES)、ステップSb2002に進む。
ステップSb2002では、オープニング時間として第3タイマカウンタエリアT3に3000(約6.0sec)を設定する。その後、本オープニング時間設定処理を終了する。
一方、ステップSb2001において、今回の開閉実行モードの契機が大当たり当選ではないと判定した場合、すなわち、今回の開閉実行モードの契機が小当たりであると判定した場合には(Sb2001:NO)、ステップSb2003に進む。
ステップSb2003では、オープニング時間として第3タイマカウンタエリアT3に0(0sec)を設定する。その後、本オープニング時間設定処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図135:Sb1818)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図138は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップSb2101では、開閉扉36bは開放中であるか否かを判定する。ステップSb2101において、開閉扉36bは開放中ではないと判定した場合には(Sb2101:NO)、ステップSb2102に進む。
ステップSb2102では、開閉扉36bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、開閉扉36bの開放のタイミングであるか否かを判定する。ステップSb2102において、開閉扉36bの開放条件が成立したと判定した場合には(Sb2102:YES)、ステップSb2103に進む。
ステップSb2103では、開閉扉36bを開放する。その後、ステップSb2104に進む。
ステップSb2104では、開閉扉開放コマンドを設定する。開閉扉開放コマンドは、開閉扉36bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。開閉扉開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図120:Sb0302)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSb2104を実行した後、本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSb2102において、開閉扉36bの開放条件が成立していないと判定した場合には(Sb2102:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSb2101において、開閉扉36bは開放中であると判定した場合には(Sb2101:YES)、ステップSb2105に進む。
ステップSb2105では、開閉扉36bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。開閉扉36bの閉鎖条件は、開閉シナリオに設定された開閉扉36bの継続開放時間が経過したか、または、大入賞口36aに予め設定された数の遊技球が入球したことが検出された場合に成立する。ステップSb2105において、開閉扉36bの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(Sb2105:YES)、ステップSb2106に進む。
ステップSb2106では、開閉扉36bを閉鎖する。その後、ステップSb2107に進む。
ステップSb2107では、開閉扉閉鎖コマンドを設定する。開閉扉閉鎖コマンドは、開閉扉36bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。開閉扉閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図120:Sb0302)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSb2107を実行した後、本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSb2105において、開閉扉36bの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(Sb2105:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図135:Sb1827)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図139は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップSb2201では、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグのいずれかがONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定する。
ステップSb2201において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりであると判定した場合には(Sb2201:YES)、ステップSb2202に進み、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている確変大当たりフラグがONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりであると判定する。
ステップSb2202において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりであると判定した場合には(Sb2202:YES)、ステップSb2203に進む。一方、ステップSb2202において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりではないと判定した場合には(Sb2202:NO)、ステップSb2212に進む。
ステップSb2203では、対応する確変大当たりフラグをOFFにする。具体的には、10R確変大当たりフラグ、2R確変フラグのうち、ONになっているフラグをOFFにする処理を実行する。ステップSb2203を実行した後、ステップSb2204に進む。
ステップSb2204では、RAM64に記憶されている高確率モードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードに移行する。ステップSb2204を実行した後、ステップSb2205に進む。
ステップSb2205では、特定確変大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップSb2205において、特定確変大当たりフラグがONであると判定した場合には(Sb2205:YES)、ステップSb2209に進む。
ステップSb2209では、特定確変大当たりフラグをOFFにする。その後、ステップSb2210において、特定処理フラグをONにする。ステップSb2210を実行した後、ステップSb2211に進み、特定処理コマンドを設定する。特定処理コマンドは、特定処理(特別ボーナス処理)が実行されることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。特定処理コマンドは、通常処理(図120)におけるステップSb0302にて、音声発光制御装置90に送信される。ステップSb2211を実行した後、ステップSb2206に進む。
一方、ステップSb2205において、特定確変大当たりフラグがONではないと判定した場合には(Sb2205:NO)、そのままステップSb2206に進む。
ステップSb2206では、高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。高確率モードコマンドは、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。ステップ06を実行した後、ステップ07に進む。
ステップSb2207では、高頻度サポートモードフラグをONにする。その後、ステップSb2208に進み、高頻度サポートモードコマンドを設定する。高頻度サポートモードコマンドは、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードであることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。高頻度サポートモードコマンドは、通常処理(図120)におけるステップSb0302にて、音声発光制御装置90に送信される。その後、本エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
ステップSb2202において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりではないと判定した場合には(Sb2202:NO)、ステップSb2212に進み、対応する通常大当たりフラグをOFFにする。ステップSb2212を実行した後、ステップSb2213に進む。
ステップSb2213では、低確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。低確率モードコマンドは、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが低確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである。ステップSb2213を実行した後、ステップSb2214に進む。
ステップSb2214では、高頻度サポートモードフラグをONにする。その後、ステップSb2215に進み、遊技回数カウンタPNCにカウンタ値として100を設定する。ステップSb2215を実行した後、ステップSb2216に進む。
ステップSb2216では、高頻度サポートモードコマンドを設定する。高頻度サポートモードコマンドは、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードであることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。高頻度サポートモードコマンドは、通常処理(図120)におけるステップSb0302にて、音声発光制御装置90に送信される。その後、本エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
ステップSb2201において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が大当たりではないと判定した場合(Sb2201:NO)、すなわち、今回の開閉実行モードへの移行の契機が小当たりである場合には、ステップSb2217に進み、小当たりフラグをOFFにする。ステップSb2217を実行した後、本エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図120:Sb0307)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図140は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップSb2301では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、下側第1始動口44の電動役物44aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップSb2301において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(Sb2301:NO)、ステップSb2302に進む。
ステップSb2302では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物44aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップSb2302において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(Sb2302:NO)、ステップSb2303に進む。
ステップSb2303では、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマーカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマーカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマー割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップSb2303において、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sb2303:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sb2303:YES)、ステップSb2304に進む。
ステップSb2304では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップSb2304において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(Sb2304:YES)、ステップSb2305に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップSb2304において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(Sb2304:NO)、ステップSb2306に進む。
ステップSb2306では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップSb2306において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(Sb2306:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSb2306において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(Sb2306:YES)、ステップSb2307に進む。
ステップSb2307では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップSb2308に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップSb2307において開閉実行モードではなく(Sb2307:NO)、且つ、ステップSb2308において高頻度サポートモードである場合には(Sb2308:YES)、ステップSb2309に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64dに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマーカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマーカウンタエリアT2は、タイマー割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップSb2310に進む。
ステップSb2310では、ステップSb2309の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSb2310において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(Sb2310:YES)、ステップSb2311に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物44aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、ステップSb2312に進む。一方、ステップSb2310において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(Sb2310:NO)、ステップSb2311の処理を実行することなく、ステップSb2312に進む。
ステップSb2312では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。ステップSb2312において、当否抽選モードが低確率モードであると判定した場合には(Sb2312:YES)、ステップSb2313に進む。一方、ステップSb2312において、当否抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(Sb2312:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
ステップSb2313では、遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。ステップSb2313において、遊技回数カウンタエリアが「0」でないと判定した場合には(Sb2313:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSb2313において、遊技回数カウンタエリアが「0」であると判定した場合には、ステップSb2314に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップSb2315に進む。
ステップSb2315では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、電役サポート用処理を終了する。
ステップSb2315にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図120:Sb0302)にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
ステップSb2307において開閉実行モードであると判定した場合(Sb2307:YES)、又は、ステップSb2308において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(Sb2308:NO)、ステップSb2316に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64dに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマーカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップSb2317に進む。
ステップSb2317では、ステップSb2316の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSb2317において、サポート当選でないと判定した場合には(Sb2317:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSb2317において、サポート当選であると判定した場合には(Sb2317:YES)、ステップSb2318に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSb2302において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(Sb2302:YES)、ステップSb2319に進み、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマーカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSb2319において、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sb2319:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSb2319において、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sb2319:YES)、ステップSb2320に進む。
ステップSb2320では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップSb2321に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSb2301において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(Sb2301:YES)、ステップSb2322に進み、電動役物44aを開閉制御するための電役開閉処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉処理>
次に、電役開閉処理について説明する。電役開閉処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図140:Sb2322)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図141は、電役開閉処理を示すフローチャートである。ステップSb2401では、電動役物44aが開放中であるか否かを判定する。電動役物44aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部44bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物44aが開放されていると判定した場合には(Sb2401:YES)、ステップSb2402に進む。
ステップSb2402では、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマーカウンタエリアT2は、電動役物44aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSb2402において、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sb2402:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。すなわち、電動役物44aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉処理を終了する。
ステップSb2402において、第2タイマーカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sb2402:YES)、ステップSb2403に進み、電動役物44aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマーカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物44aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマーカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物44aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマーカウンタエリアT2を電動役物44aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマーカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップSb2403を実行した後、ステップSb2404に進む。
ステップSb2404では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップSb2405に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSb2405において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(Sb2405:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。一方、ステップSb2405において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(Sb2405:YES)、ステップSb2406に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉処理を終了する。
ステップSb2401において、電動役物44aが開放中でないと判定した場合には(Sb2401:NO)、ステップSb2407に進み、第2タイマーカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマーカウンタエリアT2は、電動役物44aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSb2407において、第2タイマーカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(Sb2407:NO)、そのまま本電役開閉処理を終了する。一方、ステップSb2407において、第2タイマーカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(Sb2407:YES)、ステップSb2408に進み、電動役物44aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップSb2409に進む。
ステップSb2409では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(Sb2409:NO)、ステップSb2410に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップSb2410において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(Sb2410:YES)、ステップSb2411に進み、第2タイマーカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉処理を終了する。
一方、ステップSb2409において開閉実行モードであると判定した場合(Sb2409:YES)、又は、ステップSb2410において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(Sb2410:NO)、ステップSb2412に進み、第2タイマーカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉処理を終了する。
《B5》音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図142は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。
音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60、演出操作ボタン24が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、液晶表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して液晶表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、液晶表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、液晶表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより液晶表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
《B6》音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音声発光制御装置90のMPU92において実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図143は、音声発光制御装置90のMPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSb3101では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップSb3101を実行した後、ステップSb3102に進む。
ステップSb3102では、状態記憶処理を実行する。状態記憶処理は、主側MPU62から受信したコマンドに基づいて、実行中の遊技の状態をフラグを用いて記憶する処理である。フラグとして記憶された遊技の状態は、実行する演出の決定に用いられる。状態記憶処理の詳細については後述する。ステップSb3102を実行した後、ステップSb3103に進む。
ステップSb3103では、表示態様切替処理を実行する。表示態様切替処理は、第1始動口用演出画像と第2始動口用演出画像とを表示する領域を切り替える処理である。具体的には、メイン表示領域MAに第1始動口用演出画像を表示してサブ表示領域SAに第2始動口用演出画像を表示する場合と、メイン表示領域MAに第2始動口用演出画像を表示してサブ表示領域SAに第1始動口用演出画像を表示する場合とを切り替える処理を実行する。なお、第1始動口用演出画像には第1液晶用図柄が含まれ、第2始動口用演出画像には第2液晶用図柄が含まれる。表示態様切替処理の詳細については後述する。ステップSb3103を実行した後、ステップSb3104に進む。
ステップSb3104では、特1用遊技回演出用処理を実行する。特1用遊技回演出用処理は、第1始動口用遊技回に対応する演出の設定および実行を行う処理である。特1用遊技回演出用処理の詳細については後述する。ステップSb3104を実行した後、ステップSb3105に進む。
ステップSb3105では、特2用遊技回演出用処理を実行する。特2用遊技回演出用処理は、第2始動口用遊技回に対応する演出の設定および実行を行う処理である。特2用遊技回演出用処理の詳細については後述する。ステップSb3105を実行した後、ステップSb3106に進む。
ステップSb3106では、特別ボーナス演出設定処理を実行する。特別ボーナス演出設定処理は、特別ボーナス処理が実行されている期間に実行する演出を設定するための処理である。特別ボーナス演出設定処理の詳細については後述する。ステップSb3106を実行した後、ステップSb3107に進む。
ステップSb3107では、その他の表示用処理を実行する。その他の表示用処理は、主側MPU62から受信した種々のコマンドに基づいて、表示に関する種々の設定等を実行する処理である。例えば、主側MPU62から保留コマンドを受信した場合に、第1保留表示領域Ds1および第2保留表示領域Ds2に表示している保留の個数を更新するための処理を行う。ステップSb3107を実行した後、ステップSb3108に進む。
ステップSb3108では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップSb3103からステップSb3107の処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。すなわち、上記ステップSb3103からステップSb3107において設定された演出に対応した発光態様となるように、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップSb3108を実行した後、ステップSb3109に進む。
ステップSb3109では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップSb3103からステップSb3107の処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。すなわち、上記ステップSb3103からステップSb3107において設定された演出に対応した音声が出力されるように、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップSb3109を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<状態記憶処理>
次に、状態記憶処理について説明する。状態処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図143:Sb3102)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
図144は、状態記憶処理を示すフローチャートである。ステップSb3201では、主側MPU62から特定確変大当たりコマンドを受信したか否かを判定する。特定確変大当たりコマンドは、特定確変大当たりに当選した遊技回の開始時に、主側MPU62から送信される。ステップSb3201において、主側MPU62から特定確変大当たりコマンドを受信したと判定した場合には(Sb3201:YES)、ステップSb3202に進み、音光側特定確変大当たりフラグをONにする。ステップSb3202を実行した後、ステップSb3203に進む。
一方、ステップSb3201において、主側MPU62から特定確変大当たりコマンドを受信していないと判定した場合には(Sb3201:NO)、そのままステップSb3203に進む。
ステップSb3203では、主側MPU62から特定処理コマンドを受信したか否かを判定する。特定処理コマンドは、特定確変大当たりに当選した遊技回が終了し、当該特定確変大当たり当選に対応する開閉実行モードの終了時に、主側MPU62から送信される。ステップSb3203において、主側MPU62から特定処理コマンドを受信したと判定した場合には(Sb3203:YES)、ステップSb3204に進み、音光側特定処理フラグをONにする。ステップSb3204を実行した後、ステップSb3205に進む。
一方、ステップSb3203において、主側MPU62から特定処理コマンドを受信していないと判定した場合には(Sb3203:NO)、そのままステップSb3205に進む。
ステップSb3205では、主側MPU62から特別ボーナス開始コマンドを受信したか否かを判定する。特別ボーナス開始コマンドは、特定確変大当たりに当選した後、その後の遊技回において大当たりに当選した場合に、当該遊技回の開始時に主側MPU62から送信される。ステップSb3205において、主側MPU62から特別ボーナス開始コマンドを受信したと判定した場合には(Sb3205:YES)、ステップSb3206に進み、音光側特定処理フラグをOFFにする。その後、ステップSb3207に進み、特別ボーナス開始フラグをONにする。ステップSb3207を実行した後、ステップSb3208に進む。
一方、ステップSb3205において、主側MPU62から特別ボーナス開始コマンドを受信していないと判定した場合には(Sb3205:NO)、そのままステップSb3208に進む。
ステップSb3208では、主側MPU62から大当たり開閉実行モードコマンドを受信したか否かを判定する。大当たり開閉実行モードコマンドは、大当たり当選を契機とした開閉実行モードの開始時に主側MPU62から送信される。ステップSb3208において、主側MPU62から大当たり開閉実行モードコマンドを受信したと判定した場合には(Sb3208:YES)、ステップSb3209に進む。
ステップSb3209では、特別ボーナス開始フラグがONであるか否かを判定する。ステップSb3209において、特別ボーナス開始フラグがONであると判定した場合には(Sb3209:YES)、ステップSb3210に進む。ステップSb3210では、特別ボーナス開始フラグをOFFにする。その後、本状態記憶処理を終了する。
一方、ステップSb3208において主側MPU62から大当たり開閉実行モードコマンドを受信していないと判定した場合(Sb3208:NO)、および、ステップSb3209において特別ボーナス開始フラグがONではないと判定した場合には(Sb3209:NO)、そのまま本状態記憶処理を終了する。
<表示態様切替処理>
次に、表示態様切替処理について説明する。表示態様切替処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図143:Sb3103)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
図145は、表示態様切替処理を示すフローチャートである。ステップSb3301では、特別ボーナス開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSb3301において、特別ボーナス開始コマンドを受信したと判定した場合には(Sb3301:YES)、Sb3302に進む。ステップSb3302では、特2メイン表示フラグをONにする。特2メイン表示フラグは、第1液晶用図柄を含む第1始動口用演出画像を液晶表示装置41のメイン表示領域MAに表示するとともに第2液晶用図柄を含む第2始動口用演出画像を液晶表示装置41のサブ表示領域SAに表示する場合にはOFFにされ、第2液晶用図柄を含む第2始動口用演出画像を液晶表示装置41のメイン表示領域MAに表示するとともに、第1液晶用図柄を含む第1始動口用演出画像を液晶表示装置41のサブ表示領域SAに表示する場合にはONにされるフラグである。ステップSb3302においては、特別ボーナス処理が開始される場合に、特2メイン表示フラグをONにする。図117に示すように、特別ボーナス処理が実行されている期間は、第2始動口用遊技回が複数回実行され、遊技者にとっても第2始動口用遊技回における抽選結果が小当たりであるかに注目しているため、本実施形態においては、特別ボーナス処理が開始される場合に、特2メイン表示フラグをONにする。ステップSb3302を実行した後、ステップSb3303に進む。
ステップSb3303では、特2メイン表示コマンドを表示制御装置100に送信する。特2メイン表示コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の表示制御をすることによって、第2始動口用演出画像を液晶表示装置41のメイン表示領域MAに表示するとともに、第1液晶用図柄を含む第1始動口用演出画像を液晶表示装置41のサブ表示領域SAに表示する。ステップSb3303を実行した後、ステップSb3304に進む。
一方、ステップSb3301において、特別ボーナス開始コマンドを受信していないと判定した場合には(Sb3301:NO)、そのままステップSb3304に進む。
ステップSb3304では、大当たり開閉実行モードコマンドを受信したか否かを判定する。ステップSb3304において、大当たり開閉実行モードコマンドを受信したと判定した場合には(Sb3304:YES)、ステップSb3305に進む。
ステップSb3305では、特2メイン表示フラグがONであるか否かを判定する。ステップSb3305において、特2メイン表示フラグがONであると判定した場合には(Sb3305:YES)、Sb3306に進み、特2メイン表示フラグをOFFにする。その後、ステップSb3307に進み、特1メイン表示コマンドを表示制御装置100に送信する。すなわち、大当たり当選を契機として開閉実行モードが開始された場合には、第1液晶用図柄を含む第1始動口用演出画像を液晶表示装置41のメイン表示領域MAに表示するとともに第2液晶用図柄を含む第2始動口用演出画像を液晶表示装置41のサブ表示領域SAに表示する表示態様にする。
本実施形態においては、正当な遊技の流れに沿って遊技を実行した場合、第2始動口用遊技回における当たり抽選で大当たりに当選する確率は低く、大当たり当選を契機として実行された開閉実行モードは、高い確率で第1始動口用遊技回における大当たりに当選である。したがって、大当たり当選に起因して開閉実行モードが実行される場合には、第1液晶用図柄を含む第1始動口用演出画像を液晶表示装置41のメイン表示領域MAに表示する。
ステップSb3307では、上述したように、特1メイン表示コマンドを表示制御装置100に送信する。特1メイン表示コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の表示制御をすることによって、第1始動口用演出画像を液晶表示装置41のメイン表示領域MAに表示するとともに、第2液晶用図柄を含む第2始動口用演出画像を液晶表示装置41のサブ表示領域SAに表示する。ステップSb3307を実行した後、本表示態様切替処理を終了する。
一方、ステップSb3304において大当たり開閉実行モードコマンドを受信していないと判定した場合(Sb3304:NO)、および、ステップSb3305において特2メイン表示フラグがONではないと判定した場合には(Sb3305:NO)、そのまま本表示態様切替処理を終了する。
<特1用遊技回演出用処理>
次に、特1用遊技回演出用処理について説明する。特1用遊技回演出用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図143:Sb3104)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図146は、特1用遊技回演出用処理を示すフローチャートである。ステップSb3401では、主側MPU62から特1変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSb3401において、特1変動用コマンドを受信していると判定した場合には(Sb3401:YES)、ステップSb3402に進む。
ステップSb3402では、今回受信した特1変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たりの有無、大当たりの種別、リーチ発生の有無、および、変動時間の情報を読み出す。そして、読み出した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップSb3403に進む。
ステップSb3403では、特2メイン表示フラグがONであるか否かを判定する。ステップSb3403において、特2メイン表示フラグがONではないと判定した場合には(Sb3403:NO)、ステップSb3404に進み、メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理を実行する。メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理は、ステップSb3402において読み出した情報に基づいて、メイン表示領域MAに表示する予告演出およびリーチ演出の内容を設定する処理である。メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理の詳細は後述する。ステップSb3404を実行した後、ステップSb3406に進む。
一方、ステップSb3403において、特2メイン表示フラグがONであると判定した場合には(Sb3403:YES)、ステップSb3405に進み、サブ表示領域用の特1演出パターンの設定処理を実行する。具体的には、ステップSb3402において読み出した情報に基づいて、サブ表示領域SAに表示する予告演出およびリーチ演出の内容を設定する。
ここで、ステップSb3405の処理、つまり、サブ表示領域用の特1演出パターンの設定処理を実行するのは、特別ボーナス処理が実行されている期間である。つまり、特別ボーナス処理を実行して期間に、サブ表示領域SAに第1始動口用演出画像を表示する。図117において説明したように、特別ボーナス処理を実行している期間は、大当たり当選している第1始動口用遊技回の実行中に、第2始動口用遊技回が実行され高い確率で小当たりに当選し1ラウンドのラウンド遊技が実行される。そして、第2始動口用遊技回の小当たりに伴ってラウンド遊技が実行されている期間は、主制御装置60の内部処理として、第1始動口用遊技回の遊技時間の計測を中断する。従って、この期間にサブ表示領域SAに表示する第1始動口用演出画像の表示時間は、可変的であり、サブ表示領域SAに第1始動口用演出画像の表示を開始した時点では特定できない。そこで、サブ表示領域SAに表示する第1始動口用演出画像として、どのようなタイミングで表示が終了しても遊技者に違和感を与えないような画像を設定する。例えば、物語性がなく第1液晶用図柄が単調に変化している画像や、所定のキャラクターが単調な動作を繰り返しているような画像を設定する。このようにすることで、表示時間が可変的であるサブ表示領域SAの第1始動口用演出画像の表示を、遊技者に違和感のない表示にすることが可能である。
ステップSb3405を実行した後、ステップSb3406に進む。
ステップSb3406では、停止する液晶用図柄の設定処理を実行する。液晶用図柄の設定処理では、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、大当たりである場合には、有効ラインL(L1またはL2)上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の液晶用図柄の情報として設定する。また、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、外れである場合には、特1変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL(L1またはL2)上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL(L1またはL2)上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL(L1またはL2)上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL(L1またはL2)上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の液晶用図柄の情報として設定する。ステップSb3406を実行した後、ステップSb3407に進む。
ステップSb3407では、今回の遊技回の変動表示パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している特1変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップSb3406において特定した液晶用図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。この変動表示パターンの選択に際しては、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。ステップSb3407を実行した後、ステップSb3408に進む。
ステップSb3408では、保留情報の更新処理を実行する。保留情報の更新処理では、音光側RAM94の第1保留個数カウンタエリアに記憶されている第1保留個数が1減算されるように、当該第1保留個数カウンタエリアの情報を更新する。ステップSb3408を実行した後、ステップSb3409に進む。
ステップSb3409では、特1演出設定フラグをONにする。特1演出設定フラグは、第1始動口用遊技回における演出パターン、停止液晶図柄、変動表示パターン等が設定されたことを示すフラグである。ステップSb3409を実行した後、ステップSb3410に進む。
一方、ステップSb3401において、特1変動用コマンドを受信していないと判定した場合には、そのままステップSb3410に進む。
ステップSb3410では、特1用遊技回演出実行処理を実行する。特1用遊技回演出実行処理は、第1始動口用遊技回に対応する液晶用図柄の変動の開始や変動の終了を制御する処理である。特1用遊技回演出実行処理の詳細については後述する。ステップSb3410を実行した後、ステップSb3411に進む。
ステップSb3411では、特1変動用時間計測処理を実行する。特1変動用時間計測処理は、第1始動口用遊技回の液晶用図柄を変動表示させる時間を計測する処理である。特1変動用時間計測処理の詳細については後述する。ステップSb3411を実行した後、本特1用遊技回演出用処理を終了する。
<メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理>
次に、メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理について説明する。メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理は、特1用遊技回演出用処理のサブルーチン(図146:Sb3404)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図147は、メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理を示すフローチャートである。ステップSb3501では、受信した特1変動用コマンドに基づいて、処理対象である遊技回が大当たりに当選した遊技回であるか否かを判定する。ステップSb3501において、処理対象である遊技回が大当たり当選した遊技回であると判定した場合には(Sb3501:YES)、ステップSb3502に進む。
ステップSb3502では、受信した特1変動用コマンドに基づいて、処理対象である遊技回が確変大当たりに当選した遊技回であるか否かを判定する。ステップSb3502において、処理対象である遊技回が確変大当たりに当選した遊技回であると判定した場合には(Sb3502:YES)、ステップSb3503に進む。
ステップSb3503では、音光側特定確変大当たりフラグがONであるか否かを判定する。ステップSb3503において、音光側特定確変大当たりフラグがONではないと判定した場合、すなわち、10R確変大当たりであると判定した場合には(ステップSb3503:NO)、ステップSb3504に進む。
ステップSb3504では、メイン表示領域MAに表示する特1演出パターン(第1始動口用演出画像)として、確変大当たり用の演出パターンを設定する。その後、本メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理を終了する。
ステップSb3503において、音光側特定確変大当たりフラグがONであると判定した場合には(Sb3503:YES)、ステップSb3505に進む。ステップSb3505では、メイン表示領域MAに表示する特1演出パターン(第1始動口用演出画像)として、特定確変大当たり用の演出パターンを設定する。ステップSb3505を実行した後、ステップSb3506に進む。
ステップSb3506では、音光側特定確変大当たりフラグをOFFにする。その後、本メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理を終了する。
なお、ステップSb3504で設定する確変大当たり用の演出パターンと、ステップSb3506で設定する特定確変大当たり用の演出パターンとを、同じまたは類似した演出パターンにする構成を採用してもよい。このようにすることで、今回の大当たりが確変大当たりであるのか特定確変大当たりであるのかを識別しにくいようにして、いずれの種別の大当たりであるのかといった期待感を遊技者に対して付与することができる。
ステップSb3502において、処理対象である遊技回が確変大当たりに当選した遊技回ではないと判定した場合には(Sb3502:NO)、ステップSb3507に進む。
ステップSb3507では、メイン表示領域MAに表示する特1演出パターン(第1始動口用演出画像)として、通常大当たり用の演出パターンを設定する。その後、本メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理を終了する。
ステップSb3501において、処理対象である遊技回が大当たりに当選した遊技回ではないと判定した場合には(Sb3501:NO)、ステップSb3508に進む。
ステップSb3508では、音光側特定処理フラグがONであるか否かを判定する。ステップSb3508において、音光側特定処理フラグがONではないと判定した場合には(Sb3508:NO)、ステップSb3509に進む。
ステップSb3509では、メイン表示領域MAに表示する特1演出パターン(第1始動口用演出画像)として、外れ用の演出パターンを設定する。その後、本メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理を終了する。
ステップSb3508において、音光側特定処理フラグがONであると判定した場合には(Sb3508:YES)、ステップSb3510に進む。
ステップSb3510では、特定処理用の外れ用の演出パターンの設定処理を実行する。当該処理が実行されるのは、第1始動口用遊技回において特定確変大当たりに当選し、当該当選に対応する開閉実行モードが終了した後に、第1始動口用遊技回が実行される場合である。すなわち、当該処理は、図117の時刻T3〜時刻T4の期間に実行される第1始動口用遊技回における外れ用の演出パターンを設定する処理である。本実施形態においては、当該期間に実行される第1始動口用遊技回における外れ用の演出パターンとして、次に大当たりに当選した場合には特別ボーナス処理が開始されることを示唆する演出パターンを採用する。このようにすることで、遊技者に対して、期待感を付与することができる。その後、本メイン表示領域用の特1演出パターンの設定処理を終了する。
<特1用遊技回演出実行処理>
次に、特1用遊技回演出実行処理について説明する。特1用遊技回演出実行処理は、特1用遊技回演出用処理のサブルーチン(図146:Sb3410)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図148は、特1用遊技回演出実行処理を示すフローチャートである。ステップSb3601では、特1演出設定フラグがONであるか否かを判定する。ステップSb3601において、特1演出設定フラグがONであると判定した場合には(ステップSb3601:YES)、ステップSb3602に進む。一方、ステップSb3601において、特1演出設定フラグがONではないと判定した場合には(ステップSb3601:NO)、そのまま本特1用遊技回演出実行処理を終了する。
ステップSb3602では、特1変動表示開始フラグがONであるか否かを判定する。ステップSb3602において、特1変動表示開始フラグがONではないと判定した場合には(Sb3602:NO)、ステップSb3603に進む。
ステップSb3603では、第1液晶用図柄の変動を開始する処理を実行する。具体的には、特1用遊技回演出用処理のステップSb3404からステップSb3408において設定した今回の遊技回の演出パターン、停止液晶用図柄、変動表示パターンに基づいて、スピーカー46、各種ランプ47、表示制御装置100などの動作内容の設定を行う。ステップSb3603を実行した後、ステップSb3604に進む。
ステップSb3604では、第1液晶用図柄変動開始コマンドを表示制御装置100に送信する。具体的には、今回の遊技回において設定された演出パターン、停止液晶用図柄、変動表示パターンの情報を第1液晶用図柄変動開始コマンドに設定し、表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、第1液晶用図柄変動開始コマンドの内容に基づいた演出パターン、停止液晶用図柄、変動表示パターンを、第1始動口用演出画像として液晶表示装置41の表示面41aに表示する。ステップSb3604を実行した後、ステップSb3605に進む。
ステップSb3605では、特1変動表示開始フラグをONにする。その後、本特1用遊技回演出実行処理を終了する。
ステップSb3602において、特1変動表示開始フラグがONであると判定した場合には(Sb3602:YES)、ステップSb3606に進む。
ステップSb3606では、音光側変動時間カウンタSPTC1の値が0であるか否かを判定する。音光側変動時間カウンタSPTC1は、第1始動口用遊技回における変動時間を計測するためのカウンタである。音光側変動時間カウンタSPTC1は、後述する特1用変動時間計測処理においてダウンカウントされ、音光側変動時間カウンタSPTC1が0となるタイミングを認識することで、音光側MPU92は、第1始動口用遊技回における変動時間の終了するタイミングを特定する。ステップSb3606において、音光側変動時間カウンタSPTC1の値が0であると判定した場合には(Sb3606:YES)、ステップSb3607に進む。一方、ステップSb3606において、音光側変動時間カウンタSPTC1の値が0ではないと判定した場合には(Sb3606:NO)、そのまま本特1用遊技回演出実行処理を終了する。
ステップSb3607では、第1液晶用図柄の変動を終了する処理を実行する。具体的には、第1液晶用図柄の変動を終了(停止図柄を表示)するためのスピーカー46、各種ランプ47、表示制御装置100などの動作内容の設定を行う。ステップSb3603を実行した後、ステップSb3608に進む。
ステップSb3608では、第1液晶用図柄変動終了コマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、第1液晶用図柄変動開始コマンドの内容に基づいて、液晶表示装置41の表示面41aに表示している第1液晶用図柄を停止させる。ステップSb3608を実行した後、ステップSb3609に進む。
ステップSb3609では、特1演出設定フラグおよび特1変動表示開始フラグをOFFにする。その後、本特1用遊技回演出実行処理を終了する。
<特1用変動時間計測処理>
次に、特1用変動時間計測処理について説明する。特1用変動時間計測処理は、特1用遊技回演出用処理のサブルーチン(図146:Sb3411)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
本特1用変動時間計測処理は、第1始動口用遊技回の変動時間を計測する処理である。また、本処理は、開閉実行モードが実行されている期間には変動時間の計測を中断する機能を備える。
図149は、特1用変動時間計測処理を示すフローチャートである。ステップSb3701では、特1変動表示開始フラグがONであるか否かを判定する。ステップSb3701において、特1変動表示開始フラグがONであると判定した場合には(Sb3701:YES)、ステップSb3702に進む。一方、ステップSb3701において、特1変動表示開始フラグがONではないと判定した場合には(Sb3701:NO)、そのまま本特1用変動時間計測処理を終了する。
ステップSb3702では、開閉実行モード開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSb3702において、開閉実行モード開始コマンドを受信したと判定した場合には(Sb3702:YES)、ステップSb3703に進む。
ステップSb3703では、特1用カウント停止フラグをONにする。その後、ステップSb3706に進む。
一方、ステップSb3702において、開閉実行モード開始コマンドを受信していないと判定した場合には(Sb3702:NO)、ステップSb3704に進む。
ステップSb3704では、開閉実行モード終了コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSb3704において、開閉実行モード終了コマンドを受信したと判定した場合には(Sb3704:YES)、ステップSb3705に進み、特1用カウント停止フラグをOFFにする。ステップSb3705を実行した後、ステップSb3706に進む。一方、ステップSb3704において、開閉実行モード終了コマンドを受信していないと判定した場合には(Sb3704:NO)、そのままステップSb3706に進む。
ステップSb3706では、特1用カウント停止フラグがONであるか否かを判定する。ステップSb3706において、特1用カウント停止フラグがONではないと判定した場合には(Sb3706:NO)、ステップSb3707に進む。
ステップSb3707では、音光側変動時間カウンタSPTC1をダウンカウントする。当該処理は、ステップSb3707のスレッドを通る度に音光側変動時間カウンタSPTC1の値をダウンカウントする。すなわち、ステップSb3707のスレッドを通ったときのみ、音光側変動時間カウンタSPTC1の値をダウンカウントする。ステップSb3707を実行した後、本特1用変動時間計測処理を終了する。
一方、ステップSb3706において、特1用カウント停止フラグがONである判定した場合には(Sb3706:YES)、そのまま本特1用変動時間計測処理を終了する。
このような処理を実行することによって、本特1用変動時間計測処理は、開閉実行モードが実行されている期間に変動時間の計測を中断する機能を備えた第1始動口用遊技回の変動時間の計測を実現することができる。
このように、遊技回の実行中に開閉実行モードの開始を示す開閉実行モード開始コマンドを主側MPU62から受信することによって、音光側MPU92における遊技回の変動時間の計測を中断し、遊技回の実行中に開閉実行モードの終了を示す開閉実行モード終了コマンドを主側MPU62から受信することによって、中断していた音光側MPU92における遊技回の変動時間の計測を再開する。このような処理を実行した場合、例えば、特別ボーナス処理が実行されている期間など、頻繁に変動時間の計測の停止と再開が繰り返されると、主側MPU62において計測している変動時間と、音光側MPU92において計測している変動時間とにズレが生じてしまう可能性もある。従って、例えば、主側MPU62が送信する開閉実行モード開始コマンドや、開閉実行モード終了コマンドに、主側MPU62で計測している変動時間の現在の値に関する情報を含める構成を採用してもよい。音光側MPU92は、受信した開閉実行モード開始コマンドおよび開閉実行モード終了コマンドに含まれる主側MPU62で計測している変動時間の現在の値に関する情報に基づいて、音光側MPU92で計測している変動時間の値を補正する構成を採用してもよい。その他、主側MPU62で計測している変動時間と比較して音光側MPU92で計測している変動時間に誤差が生じることが分かっている場合には、予めその誤差の値、または誤差の値の平均値を特定し、音光側MPU92において変動時間の計測を実行する場合に、その誤差の値を補正する構成を採用してもよい。このようにすることで、主側MPU62と音光側MPU92との間で、変動時間の計測について精度良く同期させることができる。
<特2用遊技回演出用処理>
次に、特2用遊技回演出用処理について説明する。特2用遊技回演出用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図143:Sb3105)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図150は、特2用遊技回演出用処理を示すフローチャートである。ステップSb3801では、主側MPU62から特2変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSb3801において、特2変動用コマンドを受信していると判定した場合には(Sb3801:YES)、ステップSb3802に進む。
ステップSb3802では、今回受信した特2変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たりの有無、大当たりの種別、小当たりの有無、および、変動時間の情報を読み出す。そして、読み出した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップSb3803に進む。
ステップSb3803では、特2メイン表示フラグがONであるか否かを判定する。ステップSb3803において、特2メイン表示フラグがONではないと判定した場合には(Sb3803:NO)、ステップSb3804に進み、メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理を実行する。メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理は、ステップSb3802において読み出した情報に基づいて、メイン表示領域MAに表示する予告演出およびリーチ演出の内容を設定する処理である。メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理の詳細は後述する。ステップSb3804を実行した後、ステップSb3806に進む。
一方、ステップSb3803において、特2メイン表示フラグがONであると判定した場合には(Sb3803:YES)、ステップSb3805に進み、サブ表示領域用の特2演出パターンの設定処理を実行する。具体的には、ステップSb3802において読み出した情報に基づいて、サブ表示領域SAに表示する予告演出およびリーチ演出の内容を設定する。
ステップSb3805を実行した後、ステップSb3806に進む。
ステップSb3806では、停止する液晶用図柄の設定処理を実行する。液晶用図柄の設定処理では、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、大当たりである場合には、有効ラインL(L1またはL2)上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の液晶用図柄の情報として設定する。また、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、外れである場合には、特2変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL(L1またはL2)上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL(L1またはL2)上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL(L1またはL2)上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL(L1またはL2)上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の液晶用図柄の情報として設定する。ステップSb3806を実行した後、ステップSb3807に進む。
ステップSb3807では、今回の遊技回の変動表示パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している特2変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップSb3806において特定した液晶用図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。この変動表示パターンの選択に際しては、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。ステップSb3807を実行した後、ステップSb3808に進む。
ステップSb3808では、保留情報の更新処理を実行する。保留情報の更新処理では、音光側RAM94の第2保留個数カウンタエリアに記憶されている第2保留個数が1減算されるように、当該第2保留個数カウンタエリアの情報を更新する。ステップSb3808を実行した後、ステップSb3809に進む。
ステップSb3809では、特2演出設定フラグをONにする。特2演出設定フラグは、第2始動口用遊技回における演出パターン、停止液晶図柄、変動表示パターン等が設定されたことを示すフラグである。ステップSb3809を実行した後、ステップSb3810に進む。
一方、ステップSb3801において、特2変動用コマンドを受信していないと判定した場合には、そのままステップSb3810に進む。
ステップSb3810では、特2用遊技回演出実行処理を実行する。第2始動口用遊技回に対応する液晶用図柄の変動の開始や変動の終了を制御する処理である。特2用遊技回演出実行処理の詳細については後述する。ステップSb3810を実行した後、ステップSb3811に進む。
ステップSb3811では、特2変動用時間計測処理を実行する。特2変動用時間計測処理は、第2始動口用遊技回の液晶用図柄を変動表示させる時間を計測する処理である。特2変動用時間計測処理の詳細については後述する。ステップSb3811を実行した後、本特2用遊技回演出用処理を終了する。
<メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理>
次に、メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理について説明する。メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理は、特2用遊技回演出用処理のサブルーチン(図150:Sb3804)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図151は、メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理を示すフローチャートである。ステップSb3901では、受信した特2変動用コマンドに基づいて、処理対象である遊技回が大当たりに当選した遊技回であるか否かを判定する。ステップSb3901において、処理対象である遊技回が大当たりに当選した遊技回であると判定した場合には(Sb3901:YES)、ステップSb3902に進む。
ステップSb3902では、確変大当たりおよび通常大当たりを含む大当たり用の演出パターンの設定をする。その後、本メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理を終了する。
ステップSb3901において、処理対象である遊技回が大当たりに当選した遊技回ではないと判定した場合には(Sb3901:NO)、ステップSb3903に進む。
ステップSb3903では、特別ボーナス開始フラグがONであるか否かを判定する。ステップSb3903において、特別ボーナス開始フラグがONではないと判定した場合には(Sb3903:NO)、ステップSb3904に進む。
ステップSb3904では、受信した特2変動用コマンドに基づいて、処理対象である遊技回が小当たりに当選した遊技回であるか否かを判定する。ステップSb3904において、受信した特2変動用コマンドに基づいて、処理対象である遊技回が小当たりに当選した遊技回であると判定した場合には(Sb3904:YES)、ステップSb3905に進む。
ステップSb3905では、通常時(特別ボーナス時ではない時)の小当たり用の演出パターンの設定をする。その後、本メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理を終了する。
ステップSb3904において、受信した特2変動用コマンドに基づいて、処理対象である遊技回が小当たりに当選した遊技回ではないと判定した場合には(Sb3904:NO)、ステップSb3906に進む。
ステップSb3906では、通常時(特別ボーナス時ではない時)の外れ用の演出パターンの設定をする。その後、本メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理を終了する。
ステップSb3903において、特別ボーナス開始フラグがONであると判定した場合には(Sb3903:YES)、ステップSb3907に進む。
ステップSb3907では、受信した特2変動用コマンドに基づいて、処理対象である遊技回が小当たりに当選した遊技回であるか否かを判定する。ステップSb3907において、受信した特2変動用コマンドに基づいて、処理対象である遊技回が小当たりに当選した遊技回であると判定した場合には(Sb3907:YES)、ステップSb3908に進む。
ステップSb3908では、特別ボーナス時の小当たり用の演出パターンの設定をする。特別ボーナス時の小当たり用の演出パターンの設定は、当該処理の実行時の遊技の状態に応じて設定方法が異なる。特別ボーナス時の小当たり用の演出パターンの設定処理の詳細については後述する。ステップSb3908を実行した後、本メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理を終了する。
ステップSb3907において、受信した特2変動用コマンドに基づいて、処理対象である遊技回が小当たりに当選した遊技回ではないと判定した場合には(Sb3907:NO)、ステップSb3909に進む。
ステップSb3909では、特別ボーナス時の外れ用の演出パターンの設定をする。その後、本メイン表示領域用の特2演出パターンの設定処理を終了する。
図152は、ステップSb3908における特別ボーナス時の小当たり用の演出パターンの設定処理を説明する説明図である。
特別ボーナス時の小当たり用の演出パターンの設定処理では、当該処理対象である遊技回の変動時間と演出パターンとを対応付けた演出パターンテーブルデータ(TB1〜TB9)を参照して演出パターンを設定する。図152は、特別ボーナス時の小当たり用の演出パターンの設定処理の実行時の遊技の状態ごとに、参照する演出パターンテーブルデータを対応付けた対応表である。
図示するように、特別ボーナス処理の開始の契機となった第1始動口用遊技回の大当たりの種別(図117の時刻T4における第1始動口用遊技回の大当たりの種別)と、当該大当たりとなった第1始動口用遊技回の変動が開始されてからの残時間RTごとに、特別ボーナス処理が実行されている期間に実行される第2始動口用遊技回の演出の設定に用いられる演出パターンテーブルデータが対応付けて設定されている。
例えば、特別ボーナス処理の開始の契機となった第1始動口用遊技回の大当たりの種別(図117の時刻T4における第1始動口用遊技回の大当たりの種別)が10R特定確変大当たりである場合であって、第2始動口用遊技回の演出を設定するタイミングにおける第1始動口用遊技回の変動時間の残時間RTが30秒以上であって60秒未満の場合には、演出パターンテーブルデータTB2を参照して小当たりとなった第2始動口用遊技回の演出パターンを決定する。
図示するように、各演出パターンテーブルデータは、第2始動口用遊技回の変動時間UTごとに演出パターンが対応付けて設定されており、当該変動時間に応じた演出パターンが選択され設定される。
このように、特別ボーナス時における第2始動口用遊技回の演出パターンの設定方法を、当該演出パターンを設定するときの遊技の状態によって決定することで、遊技者に対して種々の示唆演出を実行することができる。
例えば、特別ボーナス処理が実行されている期間における第1始動口用遊技回の残時間RTが少なくなった場合に、特別ボーナス処理の残時間が少ないことを示唆する演出を実行し、遊技者に焦燥感を付与することができる。その他、第1始動口用遊技回の残時間RTが十分にある場合に、特別ボーナス処理の残時間が少ないことを示唆する演出を実行し、その後、特別ボーナス処理の残時間が十分に残っていことを示唆する演出を実行することで、遊技者に期待感を付与することができる。
また、特別ボーナス処理の開始の契機となった第1始動口用遊技回の大当たりの種別毎に、演出パターンの設定方法を変えることによって、当該第1始動口用遊技回の大当たりの種別を示唆する演出を実行することができる。
<特2用遊技回演出実行処理>
次に、特2用遊技回演出実行処理について説明する。特2用遊技回演出実行処理は、特2用遊技回演出用処理のサブルーチン(図150:Sb3810)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図153は、特2用遊技回演出実行処理を示すフローチャートである。ステップSb4001では、特2演出設定フラグがONであるか否かを判定する。ステップSb4001において、特2演出設定フラグがONであると判定した場合には(ステップSb4001:YES)、ステップSb4002に進む。一方、ステップSb4001において、特2演出設定フラグがONではないと判定した場合には(ステップSb4001:NO)、そのまま本特2用遊技回演出実行処理を終了する。
ステップSb4002では、特2変動表示開始フラグがONであるか否かを判定する。ステップSb4002において、特2変動表示開始フラグがONではないと判定した場合には(Sb4002:NO)、ステップSb4003に進む。
ステップSb4003では、第2液晶用図柄の変動を開始する処理を実行する。具体的には、特2用遊技回演出用処理のステップSb3404からステップSb3408において設定した今回の遊技回の演出パターン、停止液晶用図柄、変動表示パターンに基づいて、スピーカー46、各種ランプ47、表示制御装置100などの動作内容の設定を行う。ステップSb4003を実行した後、ステップSb4004に進む。
ステップSb4004では、第2液晶用図柄変動開始コマンドを表示制御装置100に送信する。具体的には、今回の遊技回において設定された演出パターン、停止液晶用図柄、変動表示パターンの情報を第2液晶用図柄変動開始コマンドに設定し、表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、第2液晶用図柄変動開始コマンドの内容に基づいた演出パターン、停止液晶用図柄、変動表示パターンを、第2始動口用演出画像として液晶表示装置41の表示面41aに表示する。ステップSb4004を実行した後、ステップSb4005に進む。
ステップSb4005では、特2変動表示開始フラグをONにする。その後、本特1用遊技回演出実行処理を終了する。
ステップSb4002において、特2変動表示開始フラグがONであると判定した場合には(Sb4002:YES)、ステップSb4006に進む。
ステップSb4006では、音光側変動時間カウンタSPTC2の値が0であるか否かを判定する。音光側変動時間カウンタSPTC2は、第2始動口用遊技回における変動時間を計測するためのカウンタである。音光側変動時間カウンタSPTC2は、後述する特2用変動時間計測処理においてダウンカウントされ、音光側変動時間カウンタSPTC2が0となるタイミングを認識することで、音光側MPU92は、第2始動口用遊技回における変動時間の終了するタイミングを特定する。ステップSb4006において、音光側変動時間カウンタSPTC2の値が0であると判定した場合には(Sb4006:YES)、ステップSb4007に進む。一方、ステップSb4006において、音光側変動時間カウンタSPTC2の値が0ではないと判定した場合には(Sb4006:NO)、そのまま本特2用遊技回演出実行処理を終了する。
ステップSb4007では、第2液晶用図柄の変動を終了する処理を実行する。具体的には、第2液晶用図柄の変動を終了(停止図柄を表示)するためのスピーカー46、各種ランプ47、表示制御装置100などの動作内容の設定を行う。ステップSb4003を実行した後、ステップSb4008に進む。
ステップSb4008では、第2液晶用図柄変動終了コマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、第2液晶用図柄変動開始コマンドの内容に基づいて、液晶表示装置41の表示面41aに表示している第2液晶用図柄を停止させる。ステップSb4008を実行した後、ステップSb4009に進む。
ステップSb4009では、特2演出設定フラグおよび特2変動表示開始フラグをOFFにする。その後、本特2用遊技回演出実行処理を終了する。
<特2用変動時間計測処理>
次に、特2用変動時間計測処理について説明する。特2用変動時間計測処理は、特2用遊技回演出用処理のサブルーチン(図150:Sb3811)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
本特2用変動時間計測処理は、第2始動口用遊技回の変動時間を計測する処理である。また、本処理は、開閉実行モードが実行されている期間には変動時間の計測を中断する機能を備える。
図154は、特2用変動時間計測処理を示すフローチャートである。ステップSb4101では、特2変動表示開始フラグがONであるか否かを判定する。ステップSb4101において、特2変動表示開始フラグがONであると判定した場合には(Sb4101:YES)、ステップSb4102に進む。一方、ステップSb4101において、特2変動表示開始フラグがONではないと判定した場合には(Sb4101:NO)、そのまま本特2用変動時間計測処理を終了する。
ステップSb4102では、開閉実行モード開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSb4102において、開閉実行モード開始コマンドを受信したと判定した場合には(Sb4102:YES)、ステップSb4103に進む。
ステップSb4103では、特2用カウント停止フラグをONにする。その後、ステップSb4106に進む。
一方、ステップSb4102において、開閉実行モード開始コマンドを受信していないと判定した場合には(Sb4102:NO)、ステップSb4104に進む。
ステップSb4104では、開閉実行モード終了コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSb4104において、開閉実行モード終了コマンドを受信したと判定した場合には(Sb4104:YES)、ステップSb4105に進み、特2用カウント停止フラグをOFFにする。ステップSb4105を実行した後、ステップSb4106に進む。一方、ステップSb4104において、開閉実行モード終了コマンドを受信していないと判定した場合には(Sb4104:NO)、そのままステップSb4106に進む。
ステップSb4106では、特2用カウント停止フラグがONであるか否かを判定する。ステップSb4106において、特2用カウント停止フラグがONではないと判定した場合には(Sb4106:NO)、ステップSb4107に進む。
ステップSb4107では、音光側変動時間カウンタSPTC2をダウンカウントする。当該処理は、ステップSb4107のスレッドを通る度に音光側変動時間カウンタSPTC2の値をダウンカウントする。すなわち、ステップSb4107のスレッドを通ったときのみ、音光側変動時間カウンタSPTC2の値をダウンカウントする。ステップSb4107を実行した後、本特2用変動時間計測処理を終了する。
一方、ステップSb4106において、特2用カウント停止フラグがONである判定した場合には(Sb4106:YES)、そのまま本特2用変動時間計測処理を終了する。
このような処理を実行することによって、本特2用変動時間計測処理は、開閉実行モードが実行されている期間に変動時間の計測を中断する機能を備えた第2始動口用遊技回の変動時間の計測を実現することができる。
<特別ボーナス演出設定処理>
次に、特別ボーナス演出設定処理について説明する。特別ボーナス演出設定処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図143:Sb3106)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図155は、特別ボーナス演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSb4201では、特別ボーナス開始コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSb4201において、特別ボーナス開始コマンドを受信したと判定した場合には(Sb4201:YES)、ステップSb4202に進む。
ステップSb4202では、特別ボーナス用演出を設定する。特別ボーナス用演出は、特別ボーナス処理の実行されている期間に、表示面41aのメイン表示領域MAおよびサブ表示領域SA以外の領域において特別ボーナス処理の期間用の画像の表示、音声の出力、ランプの点灯等を実行するための設定処理である。ステップSb4202を実行した後、本特別ボーナス演出設定処理を終了する。
一方、ステップSb4201において、特別ボーナス開始コマンドを受信していないと判定した場合には(Sb4201:NO)、そのまま本特別ボーナス演出設定処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図156は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSb4301では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップSb4302に進む。
ステップSb4302では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図157は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップSb4401では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図158は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップSb4501では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図157)によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが記憶されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが記憶されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(Sb4501)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や液晶用図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップSb4502では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(Sb4501)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップSb4503に進む。
ステップSb4503では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(Sb4502)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップSb4504に進む。
ステップSb4504では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(Sb4503)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップSb4505に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態におけるパチンコ機10は、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の実行中に特典を付与する処理である特別ボーナス処理を実行するので、遊技者に対して、大当たりに当選している遊技回の終了後に付与される特典としてのラウンド遊技(開閉実行モード)についての期待感を付与するだけでなく、さらに、大当たりに当選している遊技回の実行中にも期待感を付与することができる。
また、第1始動口用遊技回において大当たりに当選している場合であっても、当該遊技回の実行中に特別ボーナス処理が実行される場合と実行されない場合とがあるので、大当たりに当選している第1始動口用遊技回が開始された場合に、特別ボーナス処理が実行されるのか否かといった緊迫感を遊技者に付与することができる。
また、特別ボーナス処理が実行される期間においては、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の実行中に、第2始動口用遊技回において小当たりに当選したことを契機として特別ボーナスとしての特典(1Rのラウンド遊技)が付与されるので、第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合であっても、さらに、第2始動口用遊技回を実行させ、かつ、小当たりに当選させることによる、より一層大きな期待感を付与することができる。
さらに、特別ボーナス処理が実行される第1始動口用遊技回の終了後には、当該第1始動口用遊技回における大当たり当選に対応してラウンド遊技が実行されるので、さらに大きな期待感を遊技者に付与することができる。
また、特別ボーナス処理が実行されている期間に実行可能な第2始動口用遊技回の実行回数の上限値は、当該期間に実行中である第1始動口用遊技回が実行されている時間に依存する。すなわち、特別ボーナスとして付与される特典の量の上限値は、当該期間に実行中である第1始動口遊技回が実行されている時間によって決定される。従って、遊技者に対して、特別ボーナス処理が実行されている期間に実行中の第1始動口用遊技回がより長く続いて欲しいといった期待感を付与することができる。また、当該第1始動口用遊技回の終了が近づくにつれて特別ボーナスとしての特典を少しでも多く獲得したい、すなわち、第2始動口用遊技回を実行し小当たりに少しでも多く当選させたいといった期待感や、第1始動口用遊技回の終了時期に関する焦燥感を付与することができ、る、遊技者の感情に抑揚を付与することができる。
さらに、本実施形態におけるパチンコ機10は、特別ボーナス処理が実行される第1始動口用遊技回の開始時に、サポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替えるので、特別ボーナス処理が実行される場合に、遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
また、当たり抽選に当選した第1始動口用遊技回において、特別ボーナス処理を実行するか否かは、特別ボーナス処理が実行される当該第1始動口用遊技回よりも先に実行され大当たりに当選した第1始動口用遊技回に対応する大当たり種別に基づいて決定する。具体的には、本実施形態においては、特別ボーナス処理が実行される当該第1始動口用遊技回よりも先に実行され大当たりに当選した第1始動口用遊技回に対応する大当たり種別が特定確変大当たりである場合に、その後に大当たりに当選した第1始動口用遊技回において特別ボーナス処理が実行される。すなわち、特別ボーナス処理が実行されるよりも前に予め、次に第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合には特別ボーナス処理が実行されることを特定することができる。その結果、例えば、特定確変大当たりに当選した第1始動口用遊技回の実行中に、次に第1始動口用遊技回で大当たりに当選したら特別ボーナス処理が実行されることを予告(示唆)する演出を実行したり、特定確変大当たりに当選した第1始動口用遊技回の実行後から特別ボーナス処理が実行される第1始動口用遊技回の開始時までの間に、特別ボーナス処理が実行されることを予告(示唆)する演出を実行することができる。その他、第1始動口用遊技回において特定確変大当たりに当選したことを、次に第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合にサポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替える条件の一つとすることができる。このように、当たり抽選に当選した第1始動口用遊技回において、特別ボーナス処理を実行するか否かの判定を、特別ボーナス処理が実行される当該第1始動口用遊技回よりも先に実行され大当たりに当選した第1始動口用遊技回に対応する大当たり種別に基づいて決定することで、特別ボーナス処理が実行されることに対する種々の対応処理を実行することができる。
また、本実施形態におけるパチンコ機10は、特別ボーナス処理を実行する期間と、それ以外の期間とで、第2始動口用遊技回の変動時間の設定方法を切り替える。より具体的には、特別ボーナス処理を実行する期間に設定される第2始動口用遊技回の変動時間の平均値は、他の期間に設定される第2始動口用遊技回の変動時間の平均値よりも短い。従って、特別ボーナス処理を実行する期間を、遊技者に有利な状態にすることができる。またこのような処理を実行する場合、遊技者に過度に有利になってしまう虞があるが、本実施形態においては、特別ボーナス処理を実行する期間は、サポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替えるので、遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
さらに本実施形態のパチンコ機10は、特別ボーナス処理が実行される期間に実行される第1始動口用遊技回の大当たり種別に基づいて、当該期間に実行される第2始動口用遊技回の演出パターンを決定する。よって、第2始動口用遊技回の演出を介して間接的に第1始動口用遊技回の抽選結果(大当たり種別)について遊技者に推測させることできる。すなわち、第2始動口用遊技回において実行する演出を利用して第1始動口用遊技回に対する期待感を付与することができる。また、特別ボーナス処理が実行される期間に実行される第1始動口用遊技回の終了後の抽選モード(高確率モードまたは低確率モード)に基づいて、特別ボーナス処理が実行される期間に実行される第2始動口用遊技回の演出パターンを決定する。従って、第2始動口用遊技回において実行する演出を利用して、第1始動口用遊技回の終了後の抽選モードについて遊技者に期待感を付与することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、特別ボーナス処理が実行される期間に実行される第2始動口用遊技回の演出の設定について、当該演出の設定をするタイミングにおける第1始動口用遊技回の経過時間に基づいて当該第2始動口用遊技回の演出パターンの設定を行う。よって、実行された第2始動口用遊技回に対応する演出を認識した遊技者に対して、第1第1始動口用遊技回が実行されてからの経過時間や第1始動口用遊技回が終了するまでの残時間を推測させ、第2始動口用特別情報遊技回に対応する演出を介して間接的に第1始動口用特別情報遊技回に対する期待感を付与することができる。また、このような処理、すなわち、第1始動口用遊技回の経過時間に基づいて当該第2始動口用遊技回の演出パターンの設定を行う処理を実行する条件の一つとして、当該第1始動口用遊技回が大当たりに当選していることが条件となっている。従って、仮に第1始動口用遊技回の実行中に第2始動口用遊技回を実行し、第2始動口用遊技回の演出が第1始動口用遊技回の経過時間に基づいているか否かを遊技者に推測させることによって、第1始動口用遊技回が大当たりに当選しているか否かを推測させることができる。すなわち、第2始動口用遊技回の演出を介して第1始動口用遊技回の当たり抽選の当否について期待感を付与することができる。また、このような処理、すなわち、第1始動口用遊技回の経過時間に基づいて当該第2始動口用遊技回の演出パターンの設定を行う処理を実行する条件の一つとして、当該第1始動口用遊技回より先に実行された第1始動口用遊技回において特定確変大当たりに当選していることが条件となっている。従って、仮に第1始動口用遊技回の実行中に第2始動口用遊技回を実行し、第2始動口用遊技回の演出が第1始動口用遊技回の経過時間に基づいているか否かを遊技者に推測させることによって、当該第1始動口用遊技回より先に実行された第1始動口用遊技回において特定確変大当たりに当選していたか否か、すなわち、当該実行中の第1始動口用遊技回において特別ボーナス処理が実行されるのかを推測させることができ、遊技者に大きな期待感を付与することができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合であっても、当該第1始動口用遊技回が実行された状態によって、第1液晶用図柄を表示する表示領域と第2液晶用図柄を表示する表示領域とを入れ替える処理が実行される場合と実行されない場合とがある。具体的には、大当たりに当選した第1始動口用遊技回が実行されるより先に、特定確変大当たりに当選していた状態の場合、大当たりに当選した第1始動口用遊技回が開始されたことを契機として第1液晶用図柄と第2液晶用図柄を表示する表示領域を入れ替える処理を行う。一方、大当たりに当選した第1始動口用遊技回が実行されるより先に、特定確変大当たり以外の大当たりに当選していた状態の場合、大当たりに当選した第1始動口用遊技回が開始されたことを契機として第1液晶用図柄と第2液晶用図柄を表示する表示領域を入れ替える処理は行われない。従って、表示領域の入れ替えが実行されたか否かを遊技者に認識させることによって、当該第1始動口用遊技回が実行された状態が、特定確変大当たりに当選した遊技回の後であるのか、または、特定確変大当たり以外の大当たりに当選した遊技回の後であるのかを推測させることができる。結果として、表示領域の入れ替えが実行されたか否かを遊技者に認識させることによって、特別ボーナス処理が実行されるのか否かを遊技者に推測させ、大きな期待感を付与することができる。また、表示領域の入れ替えの可否を利用した演出を実行することによって、遊技者に、特別ボーナス処理が実行されるのか否かといった期待感をより一層付与することができる。
《B7》第2実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
《B7−1》変形例1:
上記第2実施形態において、大当たりに当選した第1始動口用遊技回において特別ボーナス処理を実行するか否かの判定を、当該特別ボーナス処理を実行する第1始動口用遊技回の開始時に抽選よって行ってもよいし、当該第1始動口用遊技回における大当たり種別に基づいて行ってもよい。すなわち、上記実施形態においては、大当たりに当選した第1始動口用遊技回において特別ボーナス処理を実行するか否かの判定は、当該大当たりに当選した第1始動口用遊技回(後実行第1始動口用遊技回)より先に実行された大当たりに当選した第1始動口用遊技回(先実行第1始動口用遊技回)において特定確変大当たりに当選しているか否かに基づいて決定したが、本変形例においては、先実行第1始動口用遊技回における大当たり種別は参照せず、後実行第1始動口用遊技回における大当たり種別による判定や、後実行第1始動口用遊技回の開始時に抽選による判定を行う。このようにすることで、先に実行され大当たりに当選した第1始動口用遊技回の大当たり種別を記憶しておく処理(例えば、フラグによる記憶)を実行する必要がなく、処理負荷の軽減を図ることができる。
その他、大当たり種別の種類として確変大当たりと通常大当たりが設定可能であり、第1始動口用遊技回において確変大当たりに当選した場合には、次に第1始動口用遊技回において確変大当たりまたは通常大当たりに当選したタイミングで特別ボーナス処理を実行する構成を採用してもよい。このようにすることで、特定確変大当たりといった大当たり種別の設定および特定確変大当たりフラグの設定が不要となり、処理を簡易化することができる。
その他、大当たり種別として、高頻度サポートモードに種類を設け、大当たりに当選し開閉実行モードが終了した後に実行される遊技回において設定される高頻度サポートモードが特定の高頻度サポートモードである場合であって、当該特定の高頻度サポートモードの実行中に第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合に、特別ボーナス処理を実行する構成を採用してもよい。具体的には、大当たり種別として、電動役物44aの開放パターンがパターンAである高頻度サポートモードAが実行される10R確変大当たりAと、電動役物44aの開放パターンがパターンBである高頻度サポートモードBが実行される10R確変大当たりBとが設定可能な構成を採用する。そして、例えば、当該高頻度サポートモードBの実行中に第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合に、特別ボーナス処理を実行するといった構成を採用する。
より具体的には、高頻度サポートモードの種類に応じた高頻度サポートモードフラグを用意する。そして、10R確変大当たりBに当選した場合に、当該大当たりに対応するラウンド遊技(開閉実行モード)の終了時に実行されるエンディング期間終了時の移行処理:図139)において、高頻度サポートモードBに対応する高頻度サポートモードフラグ(以下、パターンB用高頻度サポートモードフラグ)をONにする。その後、電動役物44aの開放パターンがパターンBである高頻度サポートモードBの実行中に、第1始動口用遊技回が実行され大当たりの当否の判定を行い大当たりに当選していると判定した場合には、パターンB用高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定し、当該フラグがONであると判定した場合には、特別ボーナス処理を実行することを決定する。すなわち、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の開始時にパターンB用高頻度サポートモードフラグをOFFにする。なお、第1始動口用遊技回における大当たりの当否の判定を行ってからパターンB用高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する構成を採用してもよいし、パターンB用高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定してから第1始動口用遊技回における大当たりの当否の判定を行う構成を採用してもよく、高頻度サポートモードBの実行中に、第1始動口用遊技回において大当りに当選したことが認識可能な処理であれば、種々の処理の態様を採用することができる。
このような構成を採用することによって、特定確変大当たりに当選した後の遊技回において、特定処理フラグを用いずに、先の遊技回において特定確変大当たりに当選していたことを認識することができる。すなわち、高頻度サポートモードを複数種類設け、高頻度サポートモードが特定の高頻度サポートモードであるか否か(上記の例では、高頻度サポートモードBであるか否か)を判定することによって、先の遊技回において特定確変大当たりに当選していたことを認識することができる。
また、このような構成を採用した場合、遊技者に実行される高頻度サポートモードの種類に注目させることができる。そして、特定の高頻度サポートモード(上記の例では、高頻度サポートモードB)が実行されている場合には、遊技者に対して、第1始動口用遊技回の開始時に、当該遊技回における大当たりの当否結果についてより一層大きな期待感を付与することができる。すなわち、特定の高頻度サポートモードの実行中の第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合には、特別ボーナス処理が実行されるので、特定の高頻度サポートモードが実行されていない場合に実行される第1始動口用遊技回の大当たりの当否と比較して、遊技者により一層大きな期待感を付与することができる。
さらに、特定の高頻度サポートモード(上記の例では、高頻度サポートモードB)の実行中に第1始動口用遊技回において大当たりに当選し特別ボーナス処理が実行される場合には、高頻度サポートモードフラグ(パターンB用高頻度サポートモードフラグ)がOFFになり、サポートモードが切り替わる。具体的には、低頻度サポートモードに切り替わる。よって、特定の高頻度サポートモードの実行中にサポートモードが切り替わるか否かといった期待感を遊技者に付与することができる。また、特定の高頻度サポートモード(上記の例では、高頻度サポートモードB)の実行中に第1始動口用遊技回において大当たりに当選し特別ボーナス処理が実行された場合には、第2始動口用遊技回の変動時間の設定方法が切り替わる(図117、図130参照)。従って、特定の高頻度サポートモードの実行中に第2始動口用遊技回の変動時間の設定方法が切り替わるか否かといった期待感を遊技者に付与することができる。
なお、高頻度サポートモードとして1種類のみ実行可能であり、高頻度サポートモードの実行中に第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合に、特別ボーナス処理を実行するといった構成を採用してもよい。具体的には、高頻度サポートモードの実行中に第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合に、当該大当たりとなった第1始動口用遊技回の開始時に高頻度サポートモードを低頻度サポートモードに切り替える。また、高頻度サポートモードの実行中に第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合に、当該大当たりとなった第1始動口用遊技回の開始時に、第2始動口用遊技回の変動時間の設定方法を切り替える。このような構成を採用してもよい。
《B7−2》変形例2:
上記実施形態においては、第1始動口用遊技回の開始時にサポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替える構成を採用したが、第1始動口用遊技回の開始時にサポートモードを低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに切り替える処理を実行する構成を採用してもよい。このような構成を採用することで、第1始動口用遊技回の実行中に、過度に遊技者が不利になることを抑制することができる。
《B7−3》変形例3:
上記実施形態においては、特別ボーナス処理を、大当たりに当選した第1始動口用遊技回の第1の図柄の変動開始時に開始したが、変形例として、大当たりに当選した第1始動口用遊技回の第1の図柄の変動表示が終了し、第1の図柄が停止した時点から開始する構成を採用してもよい。すなわち、大当たりに当選した第1始動口用遊技回の第1の図柄の変動が停止した時点から当該停止した第1の図柄の表示が終了するまでの期間(以下、停止表示期間とも呼ぶ)において、特別ボーナス処理を実行する構成を採用してもよい。具体的には、停止表示期間の開始時に第2始動口用遊技回の変動時間の設定方法を変更し、変動時間として比較的長い時間(5分〜10分)が設定される設定方法から、比較的短い時間(2秒〜5秒)が設定される設定方法に切り替える。そして、停止表示期間の開始時に、サポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに切り替える。また、特別ボーナス処理を実行する場合の停止表示期間を30秒〜1分といった比較的長い時間に設定する。このようにすることで、当該変形例の構成を実現することができる。
B6−4.変形例4:
上記実施形態においては、確変大当たりに当選した場合には、当該当選した遊技回の後に実行される開閉実行モードの終了時から抽選モードが高確率モードとなり、次に大当たりに当選するまで高確率モードが維持されたが、このような構成に限定されず、変形例として、確変大当たりに当選した場合に、当該当選した遊技回の後に実行される開閉実行モードの終了時から抽選モードが高確率モードとなり、所定回数の遊技回が実行された後に低確率モードに移行する構成を採用してもよい。すなわち高確率モードで実行される遊技回の回数に制限が設けられている構成である。このようにすることで、例えば、特定確変大当たりに当選した場合に、その後に大当たりに当選すれば特別ボーナス処理が実行されるが、本変形例の構成は、高確率モードで実行可能な遊技回の回数に制限があるため、制限回数の遊技回が実行されるまでに大当たりに当選しなければ特別ボーナス処理が実行されない。よって、特定確変大当たりに当選し、その後に高確率モードで遊技回が実行されている期間に、遊技者に緊迫感や焦燥感を付与することができ、感情に抑揚を付与することができる。
《B7−5》変形例5:
上記実施形態においては、第1始動口用遊技回においていずれの大当たり種別の大当たりに当選しても、その後に、高頻度サポートモードが実行される。従って、高頻度サポートモードを実行している期間に、当該高頻度サポートモードが実行される契機となった大当たりの大当たり種別を示唆する演出を実行することによって、高頻度サポートモード中に遊技者に期待感を付与することができる。例えば、高頻度サポートモードを実行している期間に、当該当選した大当たりの大当たり種別が10R特定確変大当たり又は10R確変大当たりであることを示唆する演出を実行した場合、当該演出を認識した遊技者に対して、次に大当たりに当選した場合に特別ボーナス処理が開始される可能性があるといった期待感を付与することができる。
また、高頻度サポートモードを実行している期間に、当該高頻度サポートモードが実行される契機となった大当たりの大当たり種別が10R特定確変大当たり又は8R通常大当たりのいずれであるのかを遊技者に推測させる演出を実行した場合、第1始動口用遊技回の開始時に高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行したことを認識した遊技者は、当該サポートモードの移行が、特別ボーナス処理が開始されたことに起因するものであるのか、高頻度サポートモードとして実行される遊技回数(100回)が終了したことに起因するのかを判別しにくく、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができる。
《B7−6》変形例6:
上記実施形態においては、先に大当たりに当選した第1始動口用遊技回における大当たり種別が特定確変大当たりであった場合に、後に実行された第1始動口用遊技回において大当たりに当選したことを契機として、当該第1始動口用遊技回の開始時に高頻度サポートモードを低頻度サポートモードに切り替えたが、そのような構成に限らず、他の構成を採用してもよい。例えば、先に大当たりに当選した第1始動口用遊技回における大当たり種別に関わりなく、実行された第1始動口用遊技回において大当たりに当選したこと、または、特定の大当たり種別の大当たりに当選したことを契機として、当該第1始動口用遊技回の開始時に高頻度サポートモードを低頻度サポートモードに切り替える構成を採用してもよい。このようにすることで、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードに切り替わったことを認識した遊技者に、その後の遊技の進行に対する期待感を付与することができる。
B6−7.変形例7:
上記実施形態では、大当たりに当選した第1始動口用遊技回の開始時の処理は先に大当たりに当選した第1始動口用遊技回における大当たり種別が特定確変大当たりであるか否かによって、後に大当たりに当選した第1始動口用遊技回の開始時に特別ボーナス処理が開始されるか否かが決定されたが、このような構成に限らず、先に大当たりに当選した遊技回における大当たり種別に基づいて、後に大当たりに当選した遊技回の開始時の処理を決定する構成であれば他の構成を採用してもよい。例えば、先に大当たりに当選した遊技回における大当たり種別が確変大当たりである場合には、後に大当たりに当選した遊技回の開始時に、特定の演出を開始する構成や、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードに切り替える構成や、低頻度サポートモードを高頻度サポートモードに切り替える構成や、遊技回の変動時間の設定方法を変更する構成など、種々の構成を採用してもよい。
《B7−8》変形例8:
本実施形態においては、特別ボーナス処理の開始を契機として、第2始動口用遊技回の変動時間は他の期間と比較して設定された変動時間の平均値が短くなるにも関わらず、高頻度サポートモードを低頻度サポートに切り替えたが、そのような構成に限定されず、特定の契機に基づいて設定される遊技回の変動時間の平均値が短くなるにも関わらず高頻度サポートモードを低頻度サポートに切り替える構成であれば他の構成を採用してもよい。例えば、高確率モードから低確率モードに移行したことを契機として、設定される遊技回の変動時間の平均値が短くなるように変動時間の設定方法を切り替え、かつ、高頻度サポートモードを低頻度サポートに切り替える構成を採用してもよい。このような構成を採用しても、遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
《B7−9》変形例9:
上記実施形態においては、第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合、特に、第1始動口用遊技回において大当たりに当選し特別ボーナス処理が実行される場合には、当該第1始動口用遊技回が実行されている期間に実行される第2始動口用遊技回は、他の期間に実行される第2始動口用遊技回に対して第2始動口用遊技回において実行する演出の決定方法が異なる構成であったが、そのような構成に限定されず、1回の第1始動口用遊技回が開始されてから終了するまでの期間に実行される第2始動口用遊技回において実行する演出を、当該1回の第1始動口用遊技回に対応する図柄(抽選結果)に基づいて決定する構成であれば他の構成を採用してもよい。例えば、当該1回の第1始動口用遊技回に対応する抽選結果が確変大当たりである場合と通常大当たりである場合とで、当該1回の第1始動口用遊技回が開始されてから終了するまでの期間に実行される第2始動口用遊技回において実行する演出(または演出の設定方法)が異なる構成を採用してもよい。このようにしても、第2始動口用遊技回において実行する演出を利用して第1始動口用遊技回に対する期待感を付与することができる。
《B7−10》変形例10:
上記実施形態においては、大当たりに当選している第1始動口用遊技回が実行されている期間に、特別ボーナス処理という形態で遊技者に特典が付与される構成を採用したが、大当たりに当選している遊技回が実行されている期間に遊技者に特典が付与される構成であれば他の構成を採用してもよい。例えば、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の実行中に、低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに切り替わり遊技者に特典が付与される構成を採用してもよい。その他、本実施形態におけるパチンコ機は、第1始動口用遊技回と第2始動口用遊技回とが並行して実行されるいわゆる同時変動機のパチンコ機であったが、第1始動口用遊技回と第2始動口用遊技回とが排他的に実行されるパチンコ機を採用してもよい。この場合において、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の実行中に、低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに切り替わり、第2始動口に遊技球が入球しやすくなり、特典として当該第2始動口に遊技球が入球することによって賞球を払い出す構成を採用してもよい。
《B7−11》変形例11:
上記実施形態において、第1始動口用遊技回が開始されてから所定のタイミングまでの経過時間に関する情報である経過時間情報、または、第1始動口用遊技回の残時間に関する情報(残時間RT)を取得し、当該経過時間情報に基づいて、当該経過時間情報の取得対象である第1始動口用遊技回が実行されている期間に実行される第2始動口用遊技回に対応する演出を設定する構成であれば、他の構成を採用してもよい。例えば、第1始動口用遊技回の残時間に基づいて、第1始動口用遊技回が実行されている期間に実行される第2始動口用遊技回において残時間に対応する情報を表示したり、実際の第1始動口用遊技回の残時間よりも多くの時間が残時間として残っていることを示唆する演出を当該実際の残時間に基づいて実行する構成を採用してもよい。このようにしても、実行された第2始動口用遊技回に対応する演出を認識した遊技者に対して、第1始動口用遊技回が実行されてからの経過時間や第1始動口用遊技回が終了するまでの残時間を推測させ、第2始動口用遊技回に対応する演出を介して間接的に第1始動口用遊技回に対する期待感を付与することができる。
《B7−12》変形例12:
上記実施形態において、特別ボーナス処理が実行されている期間中に、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の図柄の変動を、第2始動口用遊技回において特定の小当たりに当選したことを契機として停止させる構成を採用してもよい。例えば、第2始動口用当否テーブル(図113参照)に、小当たりとして第1小当たりと、第2小当たりの2種類が設定されている構成を採用する。そして、特別ボーナス処理が実行されている期間中、すなわち、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の図柄が変動中に、第2始動口用遊技回が実行され、抽選結果が第2小当たりであった場合には、上記実施形態と同様に、第1始動口用遊技回の変動は停止せずに、変動が継続される。一方、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の図柄が変動中に、第2始動口用遊技回が実行され、抽選結果が第1小当たりであった場合には、当該第2始動口用遊技回の図柄の変動が停止するタイミングで、第1始動口用遊技回の図柄の変動も停止させる。このとき、第1始動口用遊技回の図柄は外れを示す図柄で停止させる。すなわち、第1始動口用遊技回が終了し、特別ボーナス処理は終了する。また、このとき、第1始動口用遊技回の図柄は外れを示す図柄で停止するので、当該第1始動口用遊技回の終了後に、開閉実行モードは実行されず、特別ボーナス処理としての第1始動口用遊技回が終了した後のサポートモードも、低頻度サポートモードとなる。
つまり、このような構成を採用することによって、特別ボーナス処理が実行されている期間中、すなわち、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の図柄が変動中の第2始動口用遊技回の抽選結果が第1小当たりであった場合には、遊技者に付与される特典が、抽選結果が第1小当たりとならなかった場合と比較して減少してしまう。よって、遊技者に対して、特別ボーナス処理が実行されている期間中、すなわち、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の図柄が変動中であっても、緊迫感や期待感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、本変形例においても、上記実施形態と同様に、特別ボーナス処理が実行されている期間中、すなわち、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の図柄が変動中の第2始動口用遊技回の抽選結果が大当たりとならない構成を採用することができる。
《B7−13》変形例13:
上記実施形態においては、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の変動中に第2始動口用遊技回が実行された場合、当該第2始動口用遊技回が大当たりに当選していた場合には大当たりに当選していないことを示す図柄で停止するように設定されているにも関わらず、小当たりに当選していた場合には小当たりに当選していることを示す図柄で停止する構成であったが、特定の小当たりに当選している場合のみ当該小当たりに当選していることを示す図柄で停止し、それ以外の小当たりに当選していたとしても小当たりに当選していないことを示す図柄で停止するように設定される構成を採用してもよい。
《B7−14》変形例14:
上記実施形態においては、先に当選した第1始動口用遊技回において特定確変大当たりに当選している状態において、第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合、すなわち、特別ボーナス処理が実行される場合には、第1液晶用図柄と第2液晶用図柄が表示される表示領域が切り替わる構成を採用したが、そのような構成に限らず他の構成を採用してもよい。例えば、高確率モードの状態において大当たりに当選する遊技回が実行された場合に、第1液晶用図柄と第2液晶用図柄が表示される表示領域が切り替わる構成を採用してもよいし、高頻度サポートモードの状態において大当たりに当選する遊技回が実行された場合に、第1液晶用図柄と第2液晶用図柄が表示される表示領域が切り替わる構成を採用してもよい。その他、先に実行された遊技回において特定の小当たりに当選していた状態において大当たりに当選する遊技回が実行された場合に、第1液晶用図柄と第2液晶用図柄が表示される表示領域が切り替わる構成を採用してもよい。また、表示領域が切り替わる図柄の対象は、第1液晶用図柄と第2液晶用図柄に限定されず、第1液晶用図柄と電役開放抽選用の図柄や、第2液晶用図柄と電役開放抽選用の図柄であってもよい。このようにしても、表示領域の入れ替えが実行されたか否かを遊技者に認識させることによって、遊技者に種々の推測をさせ、遊技者に期待感を付与することができる。
その他、大当たりに当選した先の第1始動口用遊技回における大当たり種別に関係無く、各第1始動口用遊技回において大当りに当選した場合には、当該遊技回における大当たり種別に基づいて、メイン表示領域MAとサブ表示領域SAに表示する演出画像の入れ替えを実行する構成を採用してもよいし、大当たりに当選していない場合であっても、例えば、リーチが発生する遊技回において、当該遊技回の開始時にメイン表示領域MAとサブ表示領域SAに表示する演出画像の入れ替えを実行する構成を採用してもよい。また、これらの構成を組み合わせてもよい。組み合わせることによって、メイン表示領域MAとサブ表示領域SAに表示する演出画像の入れ替えを認識した遊技者に対して、開始された遊技回における種々の推測を促し、期待感を付与することができる。
《B7−15》変形例15:
上記実施形態においては、特別ボーナス処理が実行される期間には、特典として付与される特典の量の上限値、すなわち、小当たりに当選することができる第2始動口用遊技回の実行可能回数は、特別ボーナス処理に対応する第1始動口用遊技回の変動時間の長さに基づいて決定される構成であったが、特典の量の上限値が、特定の条件を満たす遊技回の変動時間の長さに基づいて決定されていれば、他の構成を採用してもよい。例えば、第1始動口用遊技回の実行中に第2始動口に入球可能な遊技球の個数の上限値が、当該第1始動口用遊技回の変動時間の長さに基づいて決定される構成を採用してもよい。このようにしても、遊技者に対して、遊技回の終了が近づくにつれて特典を少しでも多く取得したいといった期待感や、当該遊技回の終了時期に関する焦燥感を付与することができ、遊技者の感情に抑揚を付与することができる。
《B7−16》変形例16:
上記実施形態においては、大当たりに当選している第1始動口用遊技回の開始時に、高頻度サポートモードフラグをONからOFFにする構成を採用したが、さらに、第1始動口用遊技回の当たり抽選を実行する前に転落抽選を実行する構成を採用してもよい。ここで転落抽選とは、抽選モードが高確率モードである場合に、低確率モードにするか否かを決定する抽選である。本変形例においては、転落抽選は、遊技回における当たり抽選の前に実行する。既に高頻度サポートモードにおいて遊技回が100回以上実行された後である場合には、第1始動口用遊技回において転落抽選に当選すると、当該遊技回の開始時に、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行するとともに、高頻度サポートモードフラグがONからOFFになる。
このような構成を採用すると、先に実行された第1始動口用遊技回において特定確変大当たりに当選しており、次に第1始動口用遊技回において大当たりに当選すれば特別ボーナス処理が実行される状態であって、かつ、既に高頻度サポートモードにおいて遊技回が100回以上実行されている状態において、第1始動口用遊技回が開始されたと同時にサポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行した場合には、遊技者に対して、大当たりに当選して特別ボーナス処理が開始されたことに起因してサポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行したのか、転落抽選に当選して高確率モードから低確率モードに移行したことに起因してサポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行したのかといった推測をさせることができ、遊技者に大きな緊迫感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
《B7−17》変形例17:
上記実施形態において、第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合に、当該遊技回において、先に大当たりに当選した第1始動口用遊技回における当該大当たりの種別に関する情報を示唆する演出を実行してもよい。すなわち、大当たりに当選した第1始動口用遊技回において実行する演出を、当該第1始動口用遊技回よりも先に大当たりに当選した第1始動口用遊技回における大当たりの種別に基づいて決定する。
例えば、第1始動口用遊技回において大当たりに当選した場合に一つ前に大当たりに当選した第1始動口用遊技回における当該大当たりの種別が特定確変大当たりであったことを示唆する演出を実行した場合、現在実行中である第1始動口用遊技回は、特別ボーナス処理が実行される対象である遊技回であることを遊技者に認識させることができ、遊技者に期待感を付与することができる。その他、先に大当たりに当選した第1始動口用遊技回における当該大当たりの種別が特定確変大当たりであった場合に、後に大当たりに当選した第1始動口用遊技回において、先に大当たりに当選した第1始動口用遊技回における当該大当たりの種別が、特定確変大当たりであったのか、または、通常大当たりであったのかを遊技者に推測させるような演出を実行してもよい。このような演出を実行することによって、遊技者に対して、現在実行中である第1始動口用遊技回は、特別ボーナス処理が実行される対象である遊技回であるのか否かを推測させることができ、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができる。
《B7−18》変形例18:
上記実施形態においては、特別ボーナス処理の開始時に、第2始動口用遊技回の変動時間の設定方法を切り替える構成を採用した。具体的には、高確高頻度変動時間情報取得処理(図130:Sb1305)から、高確低頻度時変動時間取得処理(図130:Sb1306)に処理を移行し、特別ボーナス処理として実行される第1始動口用遊技回が実行されている期間における第2始動口用遊技回に対して設定される変動時間の平均値が、特別ボーナス処理が実行される前に第2始動口用遊技回に対して設定される変動時間の平均値より短くなる構成であったが、さらに、特別ボーナス処理として実行される第1始動口用遊技回が実行されている期間における第2始動口用遊技回の変動時間の設定方法を複数種類有する構成を採用してもよい。
具体的には、高確低頻度時変動時間取得処理(図133参照)において、小当たりであった場合に選択される高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルを複数種類備える。各高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルは、第2始動口用遊技回に設定される変動時間の平均値が互いに異なる。例えば、第1高確低頻度時小当たり用変動時間テーブル、第2高確低頻度時小当たり用変動時間テーブル、第3高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルを備える。第1高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルの方が第2高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルよりも第2始動口用遊技回に設定される変動時間の平均値が短く、第2高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルの方が第3高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルよりも第2始動口用遊技回に設定される変動時間の平均値が短い。そして、特別ボーナス処理として実行される第1始動口用遊技回が実行されている期間における第2始動口用遊技回において当たり抽選の結果が小当たりとなる場合には、当該小当たりとなる第2始動口用遊技回における変動時間を設定するための変動時間テーブルは、当該特別ボーナス処理に対応する第1始動口用遊技回の大当たり種別や、変動時間など、当該第1始動口用遊技回において取得された所定のパラメーター(大当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS)に基づいて決定する。
例えば、特別ボーナス処理として実行される第1始動口用遊技回の大当たり種別が、10R確変大当たりである場合には、当該特別ボーナス処理として実行される第1始動口用遊技回が実行されている期間における第2始動口用遊技回において当たり抽選の結果が小当たりとなる場合の当該第2始動口用遊技回の変動時間を、第1高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルに基づいて決定する。また、特別ボーナス処理として実行される第1始動口用遊技回の大当たり種別が10R特定確変大当たりである場合には、当該特別ボーナス処理として実行される第1始動口用遊技回が実行されている期間における第2始動口用遊技回において当たり抽選の結果が小当たりとなる場合の当該第2始動口用遊技回の変動時間を、第2高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルに基づいて決定する。さらに、特別ボーナス処理として実行される第1始動口用遊技回の大当たり種別が8R通常大当たりである場合には、当該特別ボーナス処理として実行される第1始動口用遊技回が実行されている期間における第2始動口用遊技回において当たり抽選の結果が小当たりとなる場合の当該第2始動口用遊技回の変動時間を、第3高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルに基づいて決定する。
このような構成を採用すると、選択される高確低頻度時小当たり用変動時間テーブルの種類によって、特別ボーナス処理が実行されている期間中の第2始動口用遊技回の実行回数の上限値が異なることとなる。よって、特別ボーナス処理が開始されたことに対する期待感とは別に、遊技者に対して、特別ボーナス処理期間中の第2始動口用遊技回の変動時間の設定方法について期待感を付与することができる。
《B7−19》変形例19:
上記実施形態において、特別ボーナス処理の開始時には、高頻度サポートモードフラグがONからOFFとなり、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへと移行する。高頻度サポートモードフラグがONからOFFとなった時点から、電動役物44aの動作が低頻度サポートモードの動作態様で動作する時点までの期間(以下、サポートモード移行期間とも呼ぶ)における電動役物44aの動作の態様は、種々の態様を採用することができる。例えば、上記実施形態の場合、高頻度サポートモード中における1回の電役開放当選で電動役物44aが3回開閉動作を実行する。1回の電役開放当選に対する電動役物44aの開閉回数は第2ラウンドカウンタエリアRC2(図141:電役開閉処理参照)の値によって決定される。すなわち、上記実施形態においては、高頻度サポートモード中に電役開放抽選に当選すると第2ラウンドカウンタエリアRC2に値「3」が設定される。
上記実施形態の電役開閉処理(図141)の処理態様の場合、仮に高頻度サポートモードでの3回の電動役物44aの開放動作が実行されている途中に、高頻度サポートモードフラグがOFFとなった場合、残りの開閉回数分は、低頻度サポートモードが設定された場合の電動役物44aの開放時間で開閉処理が実行される。例えば、高頻度サポートモード中に電役開放抽選に当選して、電動役物44aが1回開閉動作をした時点で、高頻度サポートモードフラグがOFFとなった場合、残りの開放回数(以下、残開放回数とも呼ぶ)2回分の電動役物44aの開放動作は、開放時間が低頻度サポートモードが設定された場合の電動役物44aの開放時間で実行される。以下、サポートモード移行期間における電動役物44aのこのような動作態様を第1動作態様とも呼ぶ。すなわち、高頻度サポートモードフラグがOFFになった時点で、残開放回数が「0」ではない場合に、残開放回数分の電動役物44aの開放動作を、開放時間が低頻度サポートモードが設定された場合の電動役物44aの開放時間で実行する。この場合、高頻度サポートモードフラグがOFFとなったと同時、または直後に、電動役物44aの動作が急に変更される。したがって、電動役物44aの動作が急に変更されたことを認識した遊技者は、特別ボーナス処理が開始されたことを認識し、すぐに右打ちを開始する。
しかし上記実施形態の構成に限らず、例えば、高頻度サポートモードフラグがONからOFFとなった時点で、残開放回数すなわち第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」ではない場合、残開放回数分の電動役物44aの動作を、高頻度サポートモードが設定されている場合の開放時間で実行する構成を採用してもよい。以下、サポートモード移行期間における電動役物44aのこのような動作態様を第2動作態様とも呼ぶ。このようにすることで、高頻度サポートモードフラグがONからOFFになっても、電動役物44aの動作が急に変更されることがなく、遊技者に、高頻度サポートモードフラグがONからOFFになったことを認識させるまでの時間を遅らせることができ、その結果、特別ボーナス処理が開始されたことを遊技者に認識させるまでの時間を遅らせることができる。よって、特別ボーナス処理が開始されてから遊技者が右打ちを開始するまでの時間を遅らせることができる。結果として、特別ボーナス処理によって遊技者が得ることができる特典の量を抑制(減少)させることができる。なお、特別ボーナス処理によって遊技者が得ることができる特典の量は減少するが、特別ボーナス処理の開始後も、電動役物44aの残回数分は高頻度サポートモードにおける開放時間で開閉処理を実行するので、第1始動口44に遊技球を入球させることによって遊技者は特典を得ることができる。
さらに、上記実施形態の構成と、本変形例に示した構成を組み合わせてもよい。すなわち、電動役物44aがサポートモード移行期間において第1動作態様で動作する場合と、第2動作態様で動作する場合がある。例えば、特別ボーナス処理に対応する第1始動口用遊技回の大当たり種別に基づいて、サポートモード移行期間において、電動役物44aを、第1動作態様で動作させるか、または、第2動作態様で動作させるかを決定してもよい。より具体的には、特別ボーナス処理に対応する第1始動口用遊技回の大当たり種別が10R確変大当たり、または、10R特定確変大当たりの場合には、サポートモード移行期間において、電動役物44aを、第1動作態様で動作させ、特別ボーナス処理に対応する第1始動口用遊技回の大当たり種別が8R通常大当たりの場合には、サポートモード移行期間において、電動役物44aを、第2動作態様で動作させるなどの構成を採用してもよい。このように、サポートモード移行期間における電動役物44aの動作態様を制御することによって、特別ボーナス処理期間において、遊技者が取得することができる特典の量を制御することができる。
その他、サポートモード移行期間における電動役物44aの動作態様として、第1動作態様、第2動作態様の他に、さらに異なる動作態様を実行可能であるとしてもよい。そして、例えば、特別ボーナス処理に対応する第1始動口用遊技回の大当たり種別に基づいて、サポートモード移行期間において、電動役物44aを、第1動作態様で動作させるか、第2動作態様で動作させるか、または、他の動作態様で動作させるのかを決定する構成を採用してもよい。このように、サポートモード移行期間における電動役物44aの動作態様を制御することによって、特別ボーナス処理期間において、遊技者が取得することができる特典の量を制御することができる。さらに、サポートモード移行期間における電動役物44aを認識した遊技者に対して種々の推測をさせ、遊技者に期待感を付与することができる。
《C》第3実施形態:
《C1》遊技機の構造:
本実施形態における遊技機の構造について説明する。なお、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素には同じ符号を用いて説明する。
図159は、第3実施形態におけるパチンコ機10の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる当たり抽選時、当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサ25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサ25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
また、上皿20の周縁部の正面視左側には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。また、以降の説明においては、操作ハンドル25が操作されることによって遊技球が発射され、遊技球が遊技盤の正面視左側に流れるとともに遊技盤の左側を流下する場合を、遊技者が「左打ち」をすると表現する場合がある。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサ25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサ25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
なお、本実施形態においては、遊技球発射ボタン26は、上皿20の周縁部の正面視左側に配置される構成を採用したが、遊技球発射ボタン26が他の位置に配置される構成を採用してもよい。例えば、遊技球発射ボタン26を、ウェイトボタン25bと同様に、操作ハンドル25の内部(周縁部)に配置する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者が、操作ハンドル25、ウェイトボタン25b、遊技球発射ボタン26を、右手のみで操作することを可能にする。
図160は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、一般入賞口32、スルーゲート35、特図始動口51、特電始動口52、普通電動役物53、第1可変入賞装置54、第2可変入賞装置55が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
特図始動口51は、遊技球が入球可能な入球口である。特図始動口51は、遊技盤30の中央の下部に設けられている。本実施形態では、特図始動口51に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する当たり抽選が実行される。
第1可変入賞装置54は、遊技盤30の背面側へと通じる第1大入賞口54aと、当該第1大入賞口54aを開閉する第1開閉扉54bとを備えている。第1開閉扉54bは、通常は遊技球が第1大入賞口54aに入球できない閉鎖状態となっている。特図始動口51に遊技球が入球すると、主制御装置60は、当たり抽選(内部抽選)を実行する。当たり抽選の結果、大当たりに当選すると、パチンコ機10は、開閉実行モードに移行する。開閉実行モードとは、第1可変入賞装置54の第1開閉扉54bの開閉処理を実行するモードである。具体的には、第1可変入賞装置54の第1開閉扉54bは、開閉実行モードに移行すると、遊技球が入球できない閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされた後に、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、第1可変入賞装置54の第1大入賞口54aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
スルーゲート35は、普通電動役物53を動作させるための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行なう。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、普通電動役物53は、所定の態様で動作する電役開放状態へと移行する。なお、スルーゲート35を通過した遊技球は、最大4つまで保留される。
普通電動役物53は、可動片53aと、可動片53aに配置される凸部53b、および、可動片駆動部53cとを備える。以下、普通電動役物53の動作態様について説明する。
図161は、普通電動役物53の動作態様を説明する説明図である。図161(a)には、閉鎖状態の普通電動役物53を示した。遊技球がスルーゲート35を通過したことを契機として実行された電動役物開放抽選において電役開放に当選すると、図161(b)に示すように、可動片53aが遊技盤30の手前側に向かって突出(以下、開放とも呼ぶ)する。図161(c)に示すように、突出した可動片53aは遊技球が特電始動口52に入球するのを補助する。また、可動片53aの上面には凸部53bが配置されており、可動片53aの上面を流通する遊技球の速度を調整する。
特電始動口52は、遊技球が入球可能な入球口である。特電始動口52は、遊技盤30の中央の特図始動口51より下方に設けられている。特電始動口52に遊技球が入球すると所定の動作パターンで第2可変入賞装置55が作動する。特電始動口52に遊技球が入球した場合における第2可変入賞装置55の動作パターンについては後述する。また、本実施形態では、特電始動口52に遊技球が入球すると、1個の遊技球が賞球として払い出される。
第2可変入賞装置55は、遊技盤30の背面側へと通じる第2大入賞口55aと、当該第2大入賞口55aを開閉する第2開閉扉55bとを備えている。第2開閉扉55bは、通常は遊技球が第2大入賞口55aに入球できない閉鎖状態となっている。特電始動口52に遊技球が入球すると、主制御装置60は、第2可変入賞装置55の第2開閉扉55bの開閉処理を実行する。具体的には、第2可変入賞装置55の第2開閉扉55bは、遊技球が入球できない閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされた後に、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、第2可変入賞装置55の第2大入賞口55aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
特図ユニット37は、特別図柄表示部37aを備えている。特別図柄表示部37aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
特別図柄表示部37aは特別図柄を表示するための表示部である。特別図柄とは、特図始動口51への遊技球の入球を契機とした当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。特別図柄表示部37aは、特図始動口51への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、特別図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、特別図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した特別図柄の停止表示を行なわせる。
ここで、特別図柄表示部37aに表示される特別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間という。具体的には、特別図柄表示部37aに表示される特別図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間という。
特図ユニット37は、さらに、特別図柄表示部37aに隣接した位置に、LEDランプからなる保留表示部37cを備えている。
保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、特図始動口51の保留個数を表示する。本実施形態では、特図始動口51に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35を遊技球が通過したことを契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が第1大入賞口54aに入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、第1開閉扉54bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了した場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、及びラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、液晶表示装置41を備える。液晶表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。液晶表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、可変表示ユニット40が備える表示装置の構成は、液晶表示装置41に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
液晶表示装置41は、特図始動口51への遊技球の入球に基づいて特別図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。液晶表示装置41は、特図始動口51への遊技球の入球を契機とした図柄の変動表示又は所定の表示をすることに限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の演出表示なども行なう。以下、液晶表示装置41の詳細について説明する。
図162は、液晶表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図162(a)は、液晶表示装置41において変動表示される液晶用図柄を示す説明図である。液晶用図柄は、液晶表示装置41に表示される画像であって、特別図柄表示部37aに表示される特別図柄に対応した図柄である。
図162(a)に示すように、液晶表示装置41には、液晶用図柄として、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図162(b)は、液晶表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、メイン表示領域MAが表示される。メイン表示領域MAには、液晶用図柄の画像が表示される。
メイン表示領域MAには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図162(a)に示した液晶用図柄として数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図162(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL1上に停止した状態で表示される。
具体的には、特図始動口51に遊技球が入球すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。なお、メイン表示領域MAにおける液晶用図柄の態様は、上述の態様に限定されることはない。例えば、メイン表示領域MAにおける図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、液晶用図柄の表示の態様は種々の態様を採用可能である。
さらに、図162(b)に示すように、液晶表示装置41の表示面41aには、保留表示領域Dsが表示される。保留表示領域Dsには、特図始動口51への入球に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、特図始動口51に入球した遊技球の保留個数は、最大4つまでである。
また、図162(b)に示すように、表示面41aには、特図ユニット37の特別図柄表示部37aに表示される特別図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う同期表示部Syncを備える。具体的には、特別図柄表示部37aが変動表示をしている場合には同期表示部Syncは点滅表示をし、特別図柄表示部37aが停止表示をしている場合には同期表示部Syncは点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、表示面41aは、メイン表示領域MA、同期表示部Syncを表示する構成としたが、表示面41aがこれらの表示の一部または全部を表示しない構成を採用してもよい。
《C2》遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図163は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、主制御基板61の入力側には、一般入賞口32、スルーゲート35、特図始動口51、特電始動口52、第1可変入賞装置54、第2可変入賞装置55などの各種の入球口やスルーゲートに設けられた各種検出センサが接続されている。主制御基板61のMPU62は、これらの検出センサからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲートを通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、特図始動口51への遊技球の入球に基づいて当たり抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、第1可変入賞装置54の第1開閉扉54bを開閉動作させる第1可変入賞駆動部54cと、第2可変入賞装置55の第2開閉扉55bを開閉動作させる第2可変入賞駆動部55cと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、第1開閉扉54bが開閉されるように第1可変入賞駆動部54cの駆動制御を実行する。また、特電始動口52に遊技球が入球したことを検知した場合には、第2開閉扉55bが開閉されるように第2可変入賞駆動部55cの駆動制御を実行する。さらに、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、普通電動役物53が動作(開放)するように普通電動役物駆動部53cの駆動制御を実行する。また、各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における特別図柄表示部37aの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入球判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への遊技球の入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、特図始動口51への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、特電始動口52への遊技球の入球を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1大入賞口54aおよび第2大入賞口55aへの遊技球の入球を特定した場合には15個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサ25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサ25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。さらに、発射制御装置80には、遊技球発射ボタン26が接続されている。遊技者によって遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサ25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、液晶表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、液晶表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、液晶用図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図164は、当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、液晶表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。液晶表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の特別図柄表示部37a並びに液晶表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、普通電動役物53を開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
また、RAM64には保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、保留エリアRaが設けられている。本実施形態では、特図始動口51に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が保留情報記憶エリア64bの保留エリアRaに時系列的に記憶される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜1199)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、特図始動口51に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの保留エリアRaに記憶される。
保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
なお、以降の説明において、特図始動口51への遊技球の入球を契機として実行される遊技を遊技回と呼ぶ。遊技回とは、特図始動口51への遊技球の入球に基づいて取得された特別情報としての大当たり乱数カウンタC1についての当たり抽選の抽選結果を、遊技者に告知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1つの特別情報(大当たり乱数カウンタC1)についての当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、特図始動口51への遊技球の入球に基づいて特別情報(大当たり乱数カウンタC1)を取得すると、1遊技回毎に、特別図柄表示部37aにおいて、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報(大当たり乱数カウンタC1)の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、特図始動口51への遊技球の入球に基づいて特別情報(大当たり乱数カウンタC1)を取得すると、1遊技回毎に、液晶表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。なお、特別情報には、大当たり乱数カウンタC1に限らず、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCSが含まれる。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜39の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、特図始動口51に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの保留エリアRaに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行なうとともに、当たり抽選の結果が大当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、特別図柄表示部37aに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、特図始動口51に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの保留エリアRaに記憶される。保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、液晶表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図162(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、特別図柄表示部37aにおける変動時間と、液晶表示装置41における図柄の変動時間とをMPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特別図柄表示部37aにおける変動表示の開始時及び液晶表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。特別図柄表示部37aにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電動役物用実行エリア64eに移動した後、電動役物用実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて普通電動役物53を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜461であれば、普通電動役物53を開放状態に制御し、C4=462〜465であれば、普通電動役物53を閉鎖状態に維持する。
なお、上述したように、取得された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値及び電動役物開放カウンタC4の値の少なくとも一つが本発明における特別情報に相当する。また、保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値およびリーチ乱数カウンタC3の値を保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、大当たり乱数カウンタC1に基づいて当たり抽選を行う際に、当該大当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。具体的には、パチンコ機10は、特図始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、特図始動口用の当否テーブル(高確率モード用)の2つの当否テーブルを、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶している。
図165は、特図始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図165(a)は特図始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図165(b)は特図始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図165(a)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜4の5個の値以外の値(5〜1199)が外れである。一方、図165(b)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜15の16個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜15の16個の値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
また、本実施形態では、低確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、当たり抽選の結果、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たりとなる確率が高くなるのであれば、大当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける第1可変入賞装置54の第1開閉扉54bの開閉回数(ラウンド数)
(2)開閉実行モードにおける第1可変入賞装置54の開閉制御の態様
(3)開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モード(低確率モード又は高確率モード)
上記の(2)開閉実行モードにおける第1可変入賞装置54の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における第1可変入賞装置54への遊技球の入球(入賞)の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。
上記の(1)から(3)のほか、当選した場合に特定の処理の実行を伴う大当たりを設定することもできる。本実施形態においても、大当たりに当選した場合に、ラウンド遊技としての特典以外に遊技者に特典を付与する大当たりが設定されている。本実施形態においては、ラウンド遊技としての特典以外に遊技者に付与する特典を「特別ボーナス」とも呼ぶ。特別ボーナスの詳細は後述する。
本実施形態では、当たり抽選の結果、大当たりとなった場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図166は、特図始動口用の振分テーブルの内容を示す説明図である。特図始動口用の振分テーブルは、特図始動口51への遊技球の入球に基づく当たり抽選の際に参照される。
図166に示すように、特図始動口用の振分テーブルには、特図始動口51への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
16R確変大当たりは、開閉実行モードにおける第1可変入賞装置54の第1開閉扉54bの開放回数が16回(16ラウンド)であり、開閉実行モードにおける第1可変入賞装置54の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、16R確変大当たりは、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードが高確率モードであり、その後に実行される当たり抽選において大当たりに当選するまで、高確率モードは継続する。さらに、16R確変大当たりは、開閉実行モード終了後に、後述する高頻度サポートモードの状態となり、低頻度サポートモードの状態より普通電動役物53が開放しやすい状態となる。16R確変大当たりの場合、その後に実行される当たり抽選において大当たりに当選するまで、高頻度サポートモードは継続する。高頻度サポートモードおよび低頻度サポートモードの詳細は後述する。
8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける第1可変入賞装置54の第1開閉扉54bの開放回数が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおける第1可変入賞装置54の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、8R確変大当たりは、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードが高確率モードであり、その後に実行される当たり抽選において大当たりに当選するまで、高確率モードは継続する。さらに、8R確変大当たりは、開閉実行モード終了後に、後述する高頻度サポートモードの状態となり、低頻度サポートモードの状態より普通電動役物53が開放しやすい状態となる。8R確変大当たりの場合、その後に実行される当たり抽選において大当たりに当選するまで、高頻度サポートモードは継続する。高頻度サポートモードおよび低頻度サポートモードの詳細は後述する。
8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける第1可変入賞装置54の第1開閉扉54bの開放回数が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおける第1可変入賞装置54の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、8R通常大当たりは、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードが低確率モードである。また、8R通常大当たりは、開閉実行モード終了後に、高頻度サポートモードの状態となり、低頻度サポートモードの状態より普通電動役物53が開放しやすい状態となる。但し、8R通常大当たりの場合、高頻度サポートモードにおいて実行される遊技回の回数は50回に制限されており、高頻度サポートモードにおいて実行される遊技回の実行回数の合計が50回に達すると、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。
特図始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜7」が16R確変大当たりに対応し、「7〜19」が8R確変大当たりに対応し、「20〜39」が8R通常大当たりに対応するように設定されている。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の普通電動役物53のサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して遊技球の発射が同様の態様で継続されている状況で比較した場合に、普通電動役物53が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、本実施形態におけるパチンコ機10は、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に普通電動役物53の1回の開放時間が長く設定されている。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードで電役開放当選となり普通電動役物53の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも特電始動口52への遊技球の入球が発生する確率が高くなり、遊技球が特電始動口52へ入球しやすくなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特電始動口52への遊技球の入球を補助する手段として機能する。
図167は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図167(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図167(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0〜461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462〜456の4個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、普通電動役物53が1回開放し、その開放時間は0.5秒である。
図167(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図167(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0〜463の464個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として464〜465の2個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、232/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、普通電動役物53が1回開放し、その開放時間は1.0秒である。
このように、電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも特電始動口52への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。
《C3》遊技の流れ:
次に、本実施形態における遊技機の遊技の大凡の流れについて図168を用いて説明をする。
図168は、遊技者が遊技を実行した場合にパチンコ機10が実行する処理の一例を示すタイムチャートである。本タイムチャートには、遊技回、開閉実行モードフラグ、開閉処理期間フラグ、高頻度サポートモードフラグ、高確率モードフラグおよび第1開閉扉の各状態を示した。遊技回は、特図始動口51への遊技球の入球によって実行される。開閉実行モードフラグは、開閉実行モードの実行を特定するためのフラグであり、開閉実行モードが実行される場合にONとなり、開閉実行モードが終了する場合にOFFとなる。開閉処理期間フラグは、開閉実行モードが開始され、実際に第1開閉扉54bを所定の開閉パターンで開閉処理を行う場合にONとなり、開閉処理が終了する場合にOFFとなる。高頻度サポートモードフラグは、サポートモードが高頻度サポートモードに移行する場合にONとなり、サポートモードが低頻度サポートモードと移行する場合にOFFとなる。高確率モードフラグは、抽選モードが高確率モードに移行する場合にONとなり、抽選モードが低確率モードに移行する場合にOFFとなる。第1開閉扉54bは、ラウンド遊技中に開閉処理が実行される。
遊技者は遊技を開始すると、操作ハンドル25を操作することによって遊技盤30に遊技球を発射させ、特図始動口51に遊技球を入球させる。特図始動口51に遊技球が入球するとパチンコ機10によって遊技回が実行される。図示した遊技回U1および遊技回U2は、当たり抽選において「外れ」となった遊技回を示している。時刻T1から開始された遊技回U3は、当たり抽選において大当たりに当選した遊技回を示している。遊技回U3においては、リーチ演出が実行された後、当たり抽選の抽選結果として大当たりに当選していることが遊技者に報知される。図168に示した例では、遊技回U3において8R確変大当たりに当選している。
時刻T2において8R確変大当たりに当選した遊技回U3が終了すると、開閉実行モードフラグがOFFからONとなる。すなわち、当たり抽選に当選した遊技回U3の終了後に、開閉実行モードが開始される。
時刻T2において開閉実行モードが開始され、時刻T3から開閉処理期間フラグがONとなり、第1開閉扉54bの開閉処理が実行される。本実施形態においては、開閉実行モードが開始されてから、開閉処理期間が開始されるまでの期間、すなわち実際に第1可変入賞装置54の開閉扉が開閉動作を行うまでの期間をオープニング期間と呼ぶ。すなわち、時刻T2から時刻T3までがオープニング期間である。オープニング期間においては演出(以下、オープニング演出とも呼ぶ)が実行される。本実施形態においては、オープニング演出として、第1開閉扉54bが開閉するラウンド遊技が開始されることを示唆する演出が実行される。オープニング期間の終了後、時刻T3から、第1開閉扉54bの開閉処理を行うラウンド遊技が開始され、第1開閉扉54bが開閉動作を行い、遊技球が第1大入賞口54aに入球可能な状態となる。ラウンド遊技が実行されると、遊技者は第1開閉扉54bに遊技球を容易に入球させ賞球を得ることができる。すなわち、ラウンド遊技は大当たりに当選したことに起因する特典として位置付けられる。
その後、開閉処理期間フラグがOFFとなりラウンド遊技が終了する。開閉処理期間フラグがOFFになった後、時刻T4において、開閉実行モードフラグがOFFになる。本実施形態においては、開閉処理期間フラグがOFFになってから、開閉実行モードフラグがOFFになるまでの期間をエンディング期間と呼ぶ。エンディング期間においては演出(以下、エンディング演出とも呼ぶ)が実行される。本実施形態においては、エンディング演出として、開閉実行モードが終了することを示唆する演出が実行される。
遊技回U3における当たり抽選においては8R確変大当たりに当選しているため、時刻T4から、高頻度サポートモードフラグがONとなり、また、高確率モードフラグがONとなる。すなわち、時刻T4から実行される遊技回の抽選モードは高確率モードである。本例においては図示するように、時刻T4から当たり抽選において「外れ」である遊技回が複数回(遊技回U4〜遊技回U7)実行された後、時刻T5から、当たり抽選に当選した遊技回U8が実行される。本例においては、遊技回U8における当たり抽選において8R確変大当たりに当選している。
時刻T6において8R確変大当たりに当選した遊技回U8が終了すると、開閉実行モードフラグがOFFからONとなる。すなわち、当たり抽選に当選した遊技回U8の終了後に、開閉実行モードが開始される。また、時刻T6において、高頻度サポートモードフラグがONからOFFとなる。しかしながら、本実施形態におけるパチンコ機10は、時刻T6において高確率モードフラグはONからOFFには切り替わらない。すなわち、時刻T6から、抽選モードは高確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態となる。高確率モードかつ低頻度サポートモードの状態は、高確率モードであることが外部から認識しにくい状態であることから潜伏確変状態とも呼ぶ。そして、高確率モードフラグは、開閉処理期間フラグがOFFからONとなる時刻T7においてONからOFFとなる。すなわち、本実施形態におけるパチンコ機10においては、オープニング期間、より具体的には、大当たりとなった遊技回の終了時からラウンド遊技が開始されるまでの期間に、潜伏確変状態に移行する場合がある。本実施形態において潜伏確変状態に移行するのは、高確率モードある状態で大当たりに当選し、当該大当たりに当選した遊技回(本例では遊技回U8)が終了した後のオープニング期間が開始された場合である。図168の最下部に示したように、本実施形態においては、潜伏確変状態であるオープニング期間を「特定期間」とも呼ぶ。また、特定期間以外の期間を「非特定期間」とも呼ぶ。本実施形態においては、特定期間において特定の処理(以下、特定処理とも呼ぶ)を実行する。特定期間に実行する特定処理の詳細は後述する。なお、本実施形態において「非特定期間」は、潜伏確変状態ではないオープニング期間、および、オープニング期間以外の期間のいずれをも含めた意味で用いるが、「非特定期間」をオープニング期間のうち潜伏確変状態ではないオープニング期間のみを意味するものとして用いてもよい。
時刻T7からは、高確率モードフラグはONからOFFとなるため、潜伏確変状態は終了する。そして、時刻T7から、開閉処理期間フラグがOFFからONとなり、第1開閉扉54bが開閉動作を行うラウンド遊技が開始される。
ラウンド遊技の終了後、時刻T8から高頻度サポートモードはOFFからONとなり、また、高確率モードフラグもOFFからONとなり、新たな遊技回(遊技回U9や遊技回U10)が開始される。
次に特定期間に実行する特定処理について説明する。先に、比較例として非特定期間における処理を説明した後に、特定期間における処理について説明する。
図169は、非特定期間にパチンコ機10が実行する処理の一例を示すタイムチャートである。本タイムチャートには、高頻度サポートモードフラグ、高確率モードフラグ、スルーゲート35の遊技球の通過の有無、普通電動役物53の動作、特電始動口52への遊技球の入球の有無、および、第2開閉扉55bの開閉動作について示した。
本説明においては、図示するように、高確率モードフラグがONであり、高頻度サポートモードフラグがONである場合、すなわち、高確率モードかつ高頻度サポートモードの状態の非特定期間における処理について説明する。
時刻T11においてスルーゲート35に遊技球が入球すると、主制御装置60において電役開放抽選が実行される。電役開放抽選において開放当選した場合、スルーゲート35への遊技球の入球から2.0秒後の時刻T12に普通電動役物53が動作(開放)し、1.0秒間、開放状態を維持し、特電始動口52への遊技球の入球を補助する。なお、本実施形態におけるパチンコ機10は、高頻度サポートモードの場合、スルーゲート35に遊技球が入球してから2.0秒後に普通電動役物53が1.0秒間開放する。低頻度サポートモードの場合には、スルーゲート35に遊技球が入球してから3.0秒後に普通電動役物53が0.5秒間開放する。
時刻T12において普通電動役物53が開放状態となり、特電始動口52に遊技球が入球しやすい状態となり、時刻T13において特電始動口52に遊技球が入球すると、特電始動口52の遊技球の入球から10秒後である時刻T17に第2開閉扉55bが開放される。第2開閉扉55bは、5秒間の経過または1個の遊技球の第2大入賞口55aへの入球を条件として閉鎖される。本実施形態においては、第2大入賞口55aに遊技球が1個入球すると、15個の遊技球が賞球として払い出される。
また、本実施形態においては、特電始動口52には遊技球の入球が保留されない。すなわち、特電始動口52に遊技球が入球してから当該入球を契機として第2開閉扉55bの開放動作が終了するまでの間に、新たに遊技球が特電始動口52に入球したとしても、当該遊技球の入球を契機とした第2開閉扉55bの開放動作は実行されない。なお、特電始動口52に遊技球が入球したことによる賞球として1個の遊技球の払い出しは行われる。
次に特定期間に実行する特定処理について説明する。
図170は、特定期間にパチンコ機10が実行する処理の一例を示すタイムチャートである。上述のように、特定期間においては潜伏確変状態である。従って、図示するように、高頻度サポートモードフラグはOFFであり、高確率モードフラグはONである。本例において説明する特定期間は、図168における時刻T6から時刻T7の間の期間に相当する。すなわち、高確率モードの状態で当たり抽選に当選し、当該大当たりに当選した遊技回が終了した後の開閉実行モードが開始された時から、開閉処理期間(ラウンド遊技が実行される期間)が開始されるまでの間の期間である。
特定期間の時刻T21においてスルーゲート35に遊技球が入球すると、主制御装置60において電役開放抽選が実行される。電役開放抽選において開放当選した場合、スルーゲート35への遊技球の入球から3.0秒後の時刻T22に普通電動役物53が動作(開放)し、0.5秒間、開放状態を維持し、特電始動口52への遊技球の入球を補助する。特定期間は潜伏確変状態であり、サポートモードは低頻度サポートモードであるため、上述のようにスルーゲート35に遊技球が入球してから3.0秒後に普通電動役物53が0.5秒間開放する。
時刻T22において普通電動役物53が開放状態となり、特電始動口52に遊技球が入球しやすい状態となり、時刻T23において特電始動口52に遊技球が入球すると、特電始動口52への遊技球の入球から0.5秒後である時刻T24に第2開閉扉55bが開放される。図169の比較例である非特定期間においては、特電始動口52の遊技球の入球から10秒後に第2開閉扉55bが開放されるのに対し、特定期間においては、特電始動口52の遊技球の入球から0.5秒後に第2開閉扉55bが開放される。本実施形態におけるパチンコ機10が行う処理において、非特定期間の処理と特定期間の処理との大きな違いは、特電始動口52の遊技球から第2開閉扉55bが開放するまでの時間である。
特定期間においては、特電始動口52への遊技球の入球から0.5秒後である時刻T24に第2開閉扉55bが開放されるので、特電始動口52が遊技球の入球を保留しなくても、次に特電始動口52に遊技球が入球したときには既に一つ前の特電始動口52への遊技球の入球を契機とした第2開閉扉55bの開閉動作は終了している可能性が高く、当該次の特電始動口52への遊技球の入球によって第2開閉扉55bが開放される可能性が高い。すなわち、特定期間においては、非特定期間と比較して、単位時間当たりに第2開閉扉55bの開閉動作が実行される回数が多く、遊技者に賞球としての遊技球が非特定期間よりも多く払い出される。この特定期間における第2開閉扉55bの開閉動作による遊技者への遊技球の払い出しは、大当たりに当選したことに起因する特典として位置付けられる。
特定期間において、特電始動口52への遊技球の入球から0.5秒後に第2開閉扉55bが開放される処理が特定処理であり、特定期間に遊技者に付与される特典を特別ボーナスとも呼ぶ。特定期間の時間的長さが長いほど、特電始動口52への遊技球の入球を契機として第2開閉扉55bが開放される回数が多くなる可能性が高く、その結果、遊技者に付与される特別ボーナスの量も多くなる。本実施形態におけるパチンコ機10においては、特定期間の開始直前の大当たりに当選した遊技回における大当たり種別ごとに特定期間の長さが設定されており、設定されている各特定期間の長さは各々異なる。本実施形態においては、特定期間の開始直前の大当たりに当選した遊技回において16R確変大当たりに当選した場合には特定期間は20秒であり、8R確変大当たりに当選した場合には特定期間は30秒であり、8R通常大当たりに当選した場合には特定期間は40秒である。すなわち、遊技者に有利な大当たり種別ほど、特定期間は短い。換言すれば、遊技者に有利ではない大当たり種別ほど特定期間は長く、特定期間において遊技者が獲得できる特別ボーナスの量も多くなる可能性が高い。特定期間の長さをこのように設定することによって、当たり抽選に当選した場合には、いずれの大当たり種別であっても遊技者に期待感を付与することができる。
なお、変形例として、大当たり種別にかかわらず、特定期間の長さを一定に設定する構成を採用してもよいし、大当たり種別が確変大当たりか通常大当たりかによって特定期間の長さを設定する構成を採用してもよい。
本実施形態におけるパチンコ機10における主制御装置60は、特電始動口52への遊技球の入球から第2開閉扉55bを開放させるまでの時間の制御を、特定期間であるか否か、すなわち、潜伏確変状態であるか否かの判定によって行っている。より具体的には、高確率モードフラグの状態と高頻度サポートモードフラグの状態とに基づいて、特電始動口52への遊技球の入球から第2開閉扉55bを開放させるまでの時間の制御を行っている。
このように、大当たりに当選した場合に、特典としてのラウンド遊技を実行することに加え、ラウンド遊技の前のオープニング期間に特典としての特別ボーナスを付与することによって、遊技者に、高確率モード状態時における大当たり当選に対するより一層の期待感を付与することができる。
また、本実施形態においては、オープニング期間のうち、潜伏確変状態である特定期間においては、特定期間専用の演出(特別ボーナス用演出とも呼ぶ)が実行される。従って、特別ボーナスが付与されている期間に遊技者に対して優越感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
《C4》主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において実行される具体的な処理の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<タイマ割込み処理>
図171は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップSc0101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサの状態を読み込み、当該センサの状態を判定して検出情報(入球検知情報)を保存する。その後、ステップSc0102に進む。
ステップSc0102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップSc0103に進む。
ステップSc0103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップSc0104に進む。なお、変動種別カウンタCSは、後述する通常処理(図178)において、その値を更新する。
ステップSc0104では、特図始動口51への入球に伴う特図始動口用の入球処理を実行する。ステップSc0104の特図始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSc0104を実行した後、ステップSc0105に進む。
ステップSc0105では、スルーゲート35への入球に伴うスルー用の入球処理を実行する。ステップSc0105におけるスルー用の入球処理の詳細については後述する。ステップSc0105を実行した後、ステップSc0106に進む。
ステップSc0106では、特電始動口用の入球処理を実行する。ステップSc0106における特電始動口用の入球処理の詳細は後述する。ステップSc0106を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、特図始動口用の入球処理について説明する。特図始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図171:Sc0104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図172は、特図始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSc0201では、遊技球が特図始動口51に入球(始動入賞)したか否かを、特図始動口51に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップSc0201において、遊技球が特図始動口51に入球したと判定した場合には(Sc0201:YES)、ステップSc0202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSc0203に進む。一方、ステップSc0201において、遊技球が特図始動口51に入球していないと判定した場合には(Sc0201:NO)、そのまま特図始動口用の入球処理を終了する。
ステップSc0203では、特図始動口51に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップSc0204に進む。
ステップSc0204では、保留エリアRaの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RaNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップSc0204において、始動保留個数RaNが上限値未満でない場合には(Sc0204:NO)、本特図始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップSc0204において、始動保留個数RaNが上限値未満である場合には(Sc0204:YES)、ステップSc0205に進み、始動保留個数RaNに1を加算した後、ステップSc0206に進む。
ステップSc0206では、ステップSc0103(図171)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および、通常処理(図178)において更新している変動種別カウンタCSの各値を、保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSc0205において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。ステップSc0206を実行した後、ステップSc0207に進む。
ステップSc0207では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて、当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無、遊技回の変動時間などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップSc0207を実行した後、ステップSc0208に進む。
ステップSc0208では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果(先判定情報)を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、特図始動口51への入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果(先判定情報)を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図178:ステップSc0803)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、特図始動口51への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の保留表示領域Dsにおける表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の保留表示領域Dsにおける表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主側MPU62は、ステップSc0208を実行した後、特図始動口用の入球処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、特図始動口用の入球処理のサブルーチン(図172:Sc0207)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図173は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定、遊技回の変動時間の判定などを、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップSc0301では、大当たり・リーチ情報取得処理を実行する。当該処理は、当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定を行う処理である。大当たり・リーチ情報取得処理の詳細については後述する。ステップSc0301を実行した後、ステップSc0302に進む。
ステップSc0302では、変動時間情報取得処理を実行する。当該処理は、遊技回の変動時間の判定を行う処理である。変動時間情報取得処理の詳細については後述する。
ステップSc0302を実行した後、本先判定処理を終了する。
<大当たり・リーチ情報取得処理>
次に、大当たり・リーチ情報取得処理について説明する。大当たり・リーチ情報取得処理は、先判定処理のサブルーチン(図173:Sc0301)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図174は、大当たり・リーチ情報取得処理を示すフローチャートである。ステップSc0401では、特図始動口用の入球処理(図172)における特図始動口51への入球によって記憶エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップSc0402に進み、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入球よりも前の入球によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入球による当たり抽選よりも前に実行される当たり抽選の抽選結果を判定することによって、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップSc0402において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(Sc0402:YES)、ステップSc0403に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップSc0405に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップSc0402において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(Sc0402:NO)、ステップSc0404に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。その後、ステップSc0405に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップSc0405において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(Sc0405:YES)、ステップSc0406に進み、今回の特図始動口51への入球によって記憶エリアに記憶された大当たり種別カウンタC2の値を読み出す。その後、ステップSc0407に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、特図始動口用振分テーブルを参照し、大当たり種別カウンタC2の値と照合することによって、今回の特図始動口51への入球によって記憶エリアに記憶された大当たり種別カウンタC2に対応する大当たり種別を特定する。ステップSc0407を実行した後、ステップSc0408に進む。
ステップSc0408では、振分テーブルを参照した結果、特定された大当たり種別を大当たり情報として先判定処理結果記憶エリア64fに記憶する。その後、先判定処理を終了する。
一方、ステップSc0405において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(Sc0405:NO)、ステップSc0409に進み、今回の特図始動口51への入球によって記憶エリアに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値を読み出す。その後、ステップSc0410に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップSc0411に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回読み出したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップSc0411において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(Sc0411:YES)、ステップSc0412に進み、先判定処理結果記憶エリア64hにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップSc0411において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(Sc0411:NO)、そのまま先判定処理を終了する。
<変動時間情報取得処理>
次に、変動時間情報取得処理について説明する。変動時間情報取得処理は、先判定処理のサブルーチン(図173:Sc0302)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図175は、変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップSc0501では、特図始動口用の入球処理(図172)における特図始動口への入球によって記憶エリアに記憶された変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSc0502に進む。
ステップSc0502では、今回の遊技回に係る当たり抽選が当選であるか否かを判定する。具体的には、大当たり・リーチ情報取得処理によって判定した当たり抽選の抽選結果に基づいて大当たりの有無を判定し、大当たりである場合には(Sc0502:YES)、ステップSc0503に進む。
ステップSc0503では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSc0503を実行した後、ステップSc0507に進む。
ステップSc0507では、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶する。その後、本変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSc0502において、当たり抽選の抽選結果が大当たりではないと判定した場合には(ステップSc0502:NO)、ステップSc0504に進み、リーチが発生するか否かを判定する。ステップSc0504において、リーチが発生すると判定した場合には(Sc0504:YES)、ステップSc0505に進む。
ステップSc0505では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップSc0507に進み、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶した後、本変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSc0504において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(ステップSc0504:NO)、ステップSc0506に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップSc0507に進み、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶した後、本変動時間情報取得処理を終了する。
本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、始動保留個数RaNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定されている。すなわち、変動種別カウンタCSの値が同じであっても、当該遊技回の変動時間を決定するときの始動保留個数RaNの値によって、参照する変動時間テーブルのデータが異なる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、始動保留個数RaNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定される構成としたが、これに限定されることはなく、例えば、始動保留個数RaNの数に依存しない構成としてもよく、始動保留個数RaNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。
<スルー用の入球処理>
次に、スルー用の入球処理について説明する。スルー用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図171:ステップSc0105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図176は、スルー用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSc0601では、遊技球がスルーゲート35に入球(通過)したか否かを判定する。ステップSc0601において、遊技球がスルーゲート35に入球したと判定した場合には(Sc0601:YES)、ステップSc0602に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入球数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップSc0601において、スルーゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(Sc0601:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。
ステップSc0602において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(Sc0602:YES)、ステップSc0603に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップSc0604に進む。
ステップSc0604では、ステップSc0103(図171)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64cの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに記憶する。その後、スルー用の入球処理を終了する。
一方、ステップSc0602において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(Sc0602:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を記憶することなく、スルー用の入球処理を終了する。
<特電始動口用の入球処理>
次に、特電始動口用の入球処理について説明する。特電始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図171:ステップSc0106)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図177は、特電始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSc0701では、遊技球が特電始動口52に入球したか否かを、特電始動口52に対応した検知センサの検知状態により判定する。
ステップSc0701において、遊技球が特電始動口52に入球したと判定した場合には(Sc0701:YES)、ステップSc0702に進み、払出制御装置70に遊技球を1個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSc0703に進む。一方、ステップSc0701において、遊技球が特電始動口52に入球していないと判定した場合には(Sc0701:NO)、そのまま特電始動口用の入球処理を終了する。
ステップSc0703では、特電作動フラグがONであるか否かを判定する。特電作動フラグは、特電始動口52に遊技球が入球した場合にONになり、特電始動口52に遊技球が入球したことを契機とする第2可変入賞装置55の第2開閉扉55bの開閉動作が終了した場合にOFFとなるフラグである。本実施形態におけるパチンコ機10においては、特電始動口52への遊技球の入球を契機とした第2開閉扉55bの開閉動作が終了していない状態で、次の特電始動口52への遊技球の入球を契機とした第2開閉扉55bの開閉動作が実行されることを回避するために、特電作動フラグが設けられている。
ステップSc0703において、特電作動フラグがONではないと判定した場合には(Sc0703:NO)、ステップSc0704に進む。一方、ステップSc0703において、特電作動フラグがONであると判定した場合には(Sc0703:YES)、そのまま特電始動口用の入球処理を終了する。
ステップSc0704では、特電作動フラグをONにする。ステップSc0704を実行した後、ステップSc0705に進む。
ステップSc0705では、特電始動口入球コマンドを設定する。特電始動口入球コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図178:ステップSc0803)において音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、特電始動口入球コマンドを受信すると、特電始動口52に遊技球が入球したことを遊技者に報知する演出を実行する。
ステップSc0705を実行した後、特電始動口用の入球処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図178は、通常処理を示すフローチャートである。ステップSc0801では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップSc0802に進む。
ステップSc0802では、立ち上げコマンドを設定する。立ち上げコマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップSc0803に進む。
ステップSc0803では、ステップSc0802において設定された立ち上げコマンドや、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、立ち上げコマンド、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップSc0803を実行した後、ステップSc0804に進む。
ステップSc0804では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップSc0805に進む。
ステップSc0805では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップSc0806に進む。ステップSc0806では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、特別図柄表示部37aの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップSc0806を実行した後、ステップSc0807に進む。
ステップSc0807では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップSc0808に進む。
ステップSc0808では、普通電動役物53を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、可動片53aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップSc0809に進む。
ステップSc0809では、第2大入賞口用処理を実行する。第2大入賞口用処理は、特電始動口52に遊技球が入球したことを契機として第2開閉扉55bを開閉動作させるための処理である。第2大入賞口用処理の詳細は後述する。ステップSc0809を実行した後、ステップSc0810に進む。
ステップSc0810では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップSc0803のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップSc0810において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(Sc0810:NO)、ステップSc0811及びステップSc0812において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップSc0811において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。また、ステップSc0812において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。一方、ステップSc0810において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(Sc0810:YES)、ステップSc0803に戻り、ステップSc0803からステップSc0809までの各処理を実行する。
なお、ステップSc0803からステップSc0809の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図178:Sc0806)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図179は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップSc0901では、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、開閉実行モードの開始時にONにされ、開閉実行モードの終了時にOFFにされるフラグである。
ステップSc0901において開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(Sc0901:YES)、開閉実行モード中であると判定し、ステップSc0902以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、特図始動口51への入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップSc0901において、開閉実行モード中でないと判定した場合には(Sc0901:NO)、ステップSc0902に進む。
ステップSc0902では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、特別図柄表示部37aが変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種大当たりフラグ記憶エリア64gにおける変動表示中フラグ記憶エリアの変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、特別図柄表示部37aの変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップSc0902において、メイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には(Sc0902:NO)、ステップSc0903〜ステップSc0905の遊技回開始用の処理に進む。ステップSc0903では、始動保留個数RaNが「0」であるか否かを判定する。始動保留個数RaNが「0」である場合とは、特図始動口51について保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップSc0903において、始動保留個数RaNが「0」であると判定した場合には(Sc0903:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップSc0903において、始動保留個数RaNが「0」でないと判定した場合には(Sc0903:NO)、ステップSc0904に進む。
ステップSc0904では、保留エリアRaに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するためのデータ設定処理を実行し、ステップSc0905に進む。データ設定処理の詳細は後述する。
ステップSc0905では、メイン表示部45における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。ステップSc0905を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
ステップSc0902において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(Sc0902:YES)、ステップSc0906〜ステップSc0915の遊技回進行用の処理を実行する。
ステップSc0906では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップSc0906では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64f)に記憶されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図182)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップSc0906において、変動時間が経過していないと判定した場合には(Sc0906:NO)、ステップSc0907に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る図柄表示部における表示態様を変更する処理である。ステップSc0907を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
ステップSc0906において、変動時間が経過していると判定した場合には(Sc0906:YES)、ステップSc0908に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理は、後述する変動開始処理(図181)において決定された図柄表示部に表示させる図柄の態様が、今回の遊技回に係る図柄表示部にて表示されるように当該図柄表示部を表示制御する。ステップSc0908を実行した後、ステップSc0909に進む。
ステップSc0909では、いずれかの大当たりフラグ(16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグ)がONであるか否かを判定する。ステップSc0909において、いずれかの大当たりフラグがONである場合には(Sc0909:YES)、ステップSc0910に進む。
ステップSc0910では、開閉実行フラグをONにする。その後、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップSc0909において、いずれの大当たりフラグもONではない場合には(Sc0909:NO)、ステップSc0911に進む。
ステップSc0911では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。ステップSc0911を実行した後、ステップSc0912に進む。
ステップSc0912では、現在の抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSc0912において、抽選モードが低確率モードではないと判定した場合には(Sc0912:NO)、そのまま遊技回制御処理を終了する。
ステップSc0912において、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には(Sc0912:YES)、ステップSc0913に進み、遊技回数カウンタPNCの値が0であるか否かを判定する。
ステップSc0913において、遊技回数カウンタPNCの値が0ではないと判定した場合には(Sc0913:NO)、そのまま遊技回制御処理を終了する。ステップSc0913において、遊技回数カウンタPNCの値が0であると判定した場合には(Sc0913:YES)、ステップSc0914に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップSc0915に進み、低頻度サポートモードコマンドを設定する。低頻度サポートモードコマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図178:ステップSc0803)において音声発光制御装置90に送信される。低頻度サポートモードコマンドを受信した音声発光制御装置90は、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行したことを認識するとともに、低頻度サポートモードに対応した演出を実行する。ステップSc0915を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
<データ設定処理>
次に、データ設定処理について説明する。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図179:Sc0904)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図180は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップSc1001では、第1保留エリアRaの始動保留個数RaNを1減算した後、ステップSc1002に進む。
ステップSc1002では、保留エリアRaの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップSc1003に進む。
ステップSc1003では、保留エリアRaの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSc1003を実行した後、ステップSc1004に進む。
ステップSc1004では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。
ステップSc1004において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図178)におけるステップSc0803において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の保留表示領域Dsにおける表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の保留表示領域Dsにおける表示を保留個数の減少に対応させて変更する。ステップSc1004を実行した後、データ設定処理を終了する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図179:Sc0905)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図181は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSc1101では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種大当たりフラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグである。ステップSc1101において、高確率モードであると判定した場合には(Sc1101:YES)、ステップSc1102に進む。
ステップSc1102では、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、図165(b)に示す特図始動口用の当否テーブル(高確率モード用)において大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSc1104に進む。一方、ステップSc1101において高確率モードではないと判定した場合には(Sc1101:NO)、ステップSc1103に進む。
ステップSc1103では、低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図165(a)に示す特図始動口用の当否テーブル(低確率モード用)において大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSc1104に進む。
ステップSc1104では、ステップSc1102又はステップSc1103における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSc1104において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(Sc1104:YES)、ステップSc1105に進む。
ステップSc1105では、特図始動口用の振分テーブル(図166)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップSc1105を実行した後、ステップSc1106に進む。
ステップSc1106では、対応する大当たり用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、特別図柄表示部37aにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップSc1105において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSc1106を実行した後、ステップSc1107に進む。
ステップSc1107では、ステップSc1105において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R確変大当たりである場合には16R確変大当たりフラグをONにし、8R確変大当たりである場合には8R確変大当たりフラグをONにし、8R通常大当たりである場合には8R通常大当たりフラグをONにする。その後、ステップSc1110に進む。
一方、ステップSc1104において、ステップSc1102又はステップSc1103における当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(Sc1104:NO)、ステップSc1108に進み、当該遊技回においてリーチが発生するか否かの判定をする。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルにおいて、リーチが発生として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップSc1108において、当該遊技回においてリーチが発生すると判定した場合には(Sc1108:YES)、ステップSc1109に進む。
ステップSc1109では、リーチ用の停止結果設定処理を実行する。リーチ用の停止結果となる今回の遊技回において、特別図柄表示部37aにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおけるリーチ用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSc1109を実行した後、ステップSc1111に進む。
ステップSc1108において、当該遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(Sc1108:NO)、ステップSc1110に進む。
ステップSc1110では、外れ用の停止結果設定処理を実行する。外れ時用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、特別図柄表示部37aにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSc1110を実行した後、ステップSc1111に進む。
ステップSc1111では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理とは、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、特別図柄表示部37aにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップSc1110を実行した後、ステップSc1112に進む。
ステップSc1112では、変動用コマンドを設定する。変動用コマンドには、今回の遊技回が特図始動口51への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップSc1111で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップSc1112を実行した後、ステップSc1113に進む。
ステップSc1113では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果、リーチ発生の有無の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R確変大当たりの情報、8R確変大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、または、リーチ発生の有無の情報および外れ結果の情報が含まれている。
ステップSc1112およびステップSc1113にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図178)におけるステップSc0803によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSc1113を実行後、ステップSc1114に進む。
ステップSc1114では、特図図柄表示部37aに図柄の変動表示を開始させる。ステップSc1114を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<変動時間の設定処理>
次に、変動時間の設定処理について説明する。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図181:Sc1111)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図182は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップSc1201では、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSc1202に進む。
ステップSc1202では、今回の遊技回に係る当たり抽選が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、いずれかの大当たりフラグ(16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグ)がONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(Sc1202:YES)、ステップSc1203に進む。
ステップSc1203では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップSc1207に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップSc1202において、今回の遊技回に係る当たり抽選が大当たり当選ではないと判定した場合には(Sc1202:NO)、ステップSc1204に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップSc1202において今回の遊技回に係る当たり抽選が大当たり当選していない場合に本処理(Sc1204)を実行することから、ステップSc1204においては、当たり抽選に大当たり当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(Sc1204:YES)、ステップSc1205に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップSc1205では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、リーチ発生用の変動時間は一定である。その後、ステップSc1207に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップSc1204において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(Sc1204:NO)、ステップSc1206に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップSc1207に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、上述のように、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、始動保留個数RaNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定されている。すなわち、変動種別カウンタCSの値が同じであっても、当該遊技回の変動時間を決定するときの始動保留個数RaNの値によって、参照する変動時間テーブルのデータが異なる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、始動保留個数RaNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定される構成としたが、これに限定されることはなく、例えば、始動保留個数RaNの数に依存しない構成としてもよく、始動保留個数RaNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図178:Sc0807)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図183は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップSc1301では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、開閉実行モードにおける開閉処理期間の終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、開閉実行モードにおいてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップSc1301において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(Sc1301:NO)、ステップSc1302に進み、開閉処理期間フラグがONであるか否かを判定する。上述のように、開閉処理期間フラグは、遊技状態を開閉処理期間に移行させる場合にONにされ、開閉処理期間を終了させる場合にOFFにされる。
ステップSc1302において、開閉処理期間フラグがONではないと判定した場合には(Sc1302:NO)、ステップSc1303に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。
ステップSc1303において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(Sc1303:NO)、ステップSc1304に進み、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、開閉実行モードが開始される契機となった遊技回が終了する場合にONにされ、開閉実行モードが終了する場合にOFFにされる。
ステップSc1304において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(Sc1304:YES)、ステップSc1305に進む。一方、ステップSc1304において、開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(Sc1304:NO)、そのまま遊技状態移行処理を終了する。
ステップSc1305では、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。大当たりに当選したことを契機として実行される開閉実行モードの実行中のサポートモードを低頻度サポートモードにするため、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。ステップSc1305を実行した後、ステップSc1306に進む。
ステップSc1306では、低頻度サポートモードコマンドを設定する。低頻度サポートモードコマンドは、音声発光制御装置90に、サポートモードが低頻度サポートモードに移行したことを通知するコマンドである。ステップSc1306を実行した後、ステップSc1307に進む。
ステップSc1307では、開閉実行モードコマンドを設定する。開閉実行モードコマンドは、大当たり当選を契機として開閉実行モードが開始されることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。開閉実行モードコマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図178:ステップSc0803)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSc1307を実行した後、ステップSc1308に進む。
ステップSc1308では、第1大入賞口用開閉シナリオ設定処理を実行する。開閉シナリオ設定処理は、ラウンド遊技における第1開閉扉54bの開放パターンが設定された開閉シナリオを設定するための処理である。具体的には、16R確変大当たりに当選した場合には、第1開閉扉54bが16回の開閉動作をする開閉パターンが設定されている。8R確変大当たりに当選した場合、および、8R通常大当たりに当選した場合には、第1開閉扉54bが8回の開閉動作をする開閉パターンが設定されている。ステップSc1308を実行した後、ステップSc1309に進む。
ステップSc1309では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。上述したように、本実施形態のパチンコ機10においては、設定されるオープニング時間は、大当たりの種別に基づいて決定される。オープニング時間設定処理については後述する。ステップSc1309を実行した後、ステップSc1310に進む。
ステップSc1310では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図178)におけるステップSc0803にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定したオープニング時間の情報、大当たり種別の情報など、今回の開閉実行モードが実行される契機となった大当たりに関する情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間および開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSc1310を実行した後、ステップSc1311に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップSc1303において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(Sc1303:YES)、ステップSc1312に進む。
ステップSc1312では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、オープニング時間設定処理において設定されるタイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。ステップSc1312において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(Sc1312:YES)、ステップSc1313に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSc1314に進む。一方、ステップSc1312においてオープニング期間が終了していないと判定した場合には、そのまま遊技状態移行処理を終了する。
ステップSc1314では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、大当たり種別をラウンド表示部39に表示させる。ステップSc1314を実行した後、ステップSc1315に進む。
ステップSc1315では、開閉処理期間フラグをONにする。その後、ステップSc1316に進む。
ステップSc1316では、高確率モードフラグをOFFにする。図168において説明したように、本実施形態のパチンコ機10は、開閉実行モードが実行される契機となった大当たり当選した遊技回において高確率モードフラグ及び高頻度サポートモードフラグがONであった場合には、高頻度サポートモードフラグをONからOFFにするタイミングより遅れて、高確率モードフラグをOFFにする。具体的には、高頻度サポートモードフラグは、開閉実行モードの開始時にステップSc1305によってONからOFFにするが、高確率モードフラグは、ステップSc1312においてオープニング期間が終了したと判定した後にステップSc1316においてONからOFFにする。本実施形態においては、このような処理を実行することによってオープニング期間を潜伏確変状態にし、特定期間としている。ステップSc1316を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSc1302において、開閉処理期間フラグがONであると判定した場合には(Sc1302:YES)、ステップSc1317に進み、第1大入賞口開閉処理を実行する。第1大入賞口開閉処理については後述する。ステップSc1317を実行した後、ステップSc1318に進む。
ステップSc1318では、第1大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定し、第1大入賞口開閉処理が終了したと判定した場合には(Sc1318:YES)、ステップSc1319に進む。一方、ステップSc1318において、第1大入賞口開閉処理が終了していないと判定した場合には(Sc1318:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSc1319では、開閉処理期間フラグをOFFにし、その後、ステップSc1320に進む。
ステップSc1320では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップSc1320を実行した後、ステップSc1321に進む。
ステップSc1321では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、エンディング時間をカウントするためのタイマカウンタに所定の値(本実施形態においては5秒)を設定する。ステップSc1321を実行した後、ステップSc1322に進む。
ステップSc1322では、エンディングコマンドを設定する。設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図184)におけるステップSc0803にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、当該エンディング期間に対応した演出を開始させる。ステップSc1322を実行した後、ステップSc1323に進む。
ステップSc1323では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSc1301において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(Sc1301:YES)、ステップSc1324に進む。
ステップSc1324では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(Sc1321)において、エンディング時間として設定したタイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。ステップSc1324において、エンディング時間として設定したタイマカウンタの値が「0」であると判定した場合には(Sc1324:YES)、ステップSc1325に進む。
ステップSc1325では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSc1326に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップSc1326を実行した後、ステップSc1327に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。その後、ステップSc1328に進み、開閉実行モード終了コマンドを設定する。開閉実行モード終了コマンドは、開閉実行モードが終了したことを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。開閉実行モード終了コマンドは、通常処理(図178)におけるステップSc0803にて、音声発光制御装置90に送信される。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップSc1324において、エンディング時間として設定したタイマカウンタの値が「0」ではないと判定した場合には(Sc1324:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
<オープニング時間設定処理>
次に、オープニング時間設定処理について説明する。オープニング時間設定処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図183:Sc1309)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図184は、オープニング時間設定処理を示すフローチャートである。ステップSc1401では、高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。本処理を実行するタイミングでは、ステップSc1305において既に高頻度サポートモードフラグはOFFにされ低頻度サポートモードとなっている。よって、ステップSc1401は、実行される開閉実行モードのオープニング期間が、低頻度サポートモードかつ高確率モードであるのか、低頻度サポートモードかつ低確率モードであるのかを判定している。換言すれば、潜伏確変状態であるか否かを判定している。
ステップSc1401において、高確率モードフラグがONである、すなわち、潜伏確変状態であると判定した場合には(Sc1401:YES)、ステップSc1402に進む。
ステップSc1402では、大当たり種別に応じた特別ボーナス用のオープニング時間を設定する。上述したように、本実施形態においては、潜伏確変状態であるオープニング期間は特定期間として、遊技者に特別ボーナスが付与される処理が実行される。従って、特別ボーナス用のオープニング時間を設定する。上述したように、本実施形態においては、特定期間の開始直前の大当たりに当選した遊技回において16R確変大当たりに当選した場合にはオープニング時間(特定期間)は20秒であり、8R確変大当たりに当選した場合にはオープニング時間は30秒であり、8R通常大当たりに当選した場合にはオープニング時間は40秒である。すなわち、遊技者に有利な大当たり種別ほど、特定期間は短い。換言すれば、遊技者に有利ではない大当たり種別ほど特定期間は長く、特定期間において遊技者が獲得できる特別ボーナスの量も多くなる可能性が高い。特定期間の長さをこのように設定することによって、当たり抽選に当選した場合には、いずれの大当たり種別であっても遊技者に期待感を付与することができる。
ステップSc1402を実行した後、オープニング時間設定処理を終了する。
一方、ステップSc1401において、高確率モードフラグがONではない、すなわち、潜伏確変状態ではないと判定した場合には(Sc1401:NO)、ステップSc1403に進む。
ステップSc1403では、非特別ボーナス用のオープニング時間を設定する。本実施形態においては、特別ボーナスを付与しないオープニング期間に設定するオープニング時間は、大当たり種別に関わらず一定であり20秒である。すなわち、オープニング期間の開始直前の大当たりに当選した遊技回において16R確変大当たりに当選した場合、8R確変大当たりに当選した場合、8R通常大当たりに当選した場合において、オープニング時間は20秒である。ステップSc1403を実行した後、オープニング時間設定処理を終了する。
<第1大入賞口開閉処理>
次に、第1大入賞口開閉処理について説明する。第1大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図183:Sc1317)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図185は、第1大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップSc1501では、第1開閉扉54bが開放中であるか否かを判定する。ステップSc1501において、第1開閉扉54bが開放中ではないと判定した場合には(Sc1501:NO)、ステップSc1502に進む。
ステップSc1502では、設定された開閉シナリオの開放条件が成立しているか否かの判定を行う。具体的には、実行されるラウンド数をカウントするとともに、実行中のラウンドにおいて第1開閉扉54bの閉鎖状態を維持する時間が経過し開放するタイミングに達したかをタイマカウンタでカウントすることによって、第1開閉扉54bを開放状態に移行する条件が成立したか否かを判定する。ステップSc1502において、開閉シナリオの開放条件が成立してないと判定した場合には(Sc1502:NO)、本第1大入賞口開閉処理を終了する。
一方、ステップSc1502において、開閉シナリオの開放条件が成立していると判定した場合には(Sc1502:YES)、ステップSc1503に進む。
ステップSc1503では、第1開閉扉54bを開放状態にする。ステップSc1503を実行した後、ステップSc1504に進む。
ステップSc1504では、第1開閉扉開放コマンドを設定する。第1開閉扉開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図178:ステップSc0803)において音声発光制御装置90に送信される。第1開閉扉開放コマンドを受信した音声発光装置は、第1開閉扉開放用の演出を実行するための設定を実行する。その後、第1大入賞口開閉処理を終了する。
一方、ステップSc1501において、第1開閉扉54bが開放中ではないと判定した場合には(Sc1501:YES)、ステップSc1505に進む。
ステップSc1505では、第1開閉扉54bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。第1開閉扉54bの閉鎖条件は、「開放状態の第1大入賞口54aに7個の遊技球が入球したこと」または「開放状態で10秒間が経過したこと」のいずれか一方が成立することである。ステップSc1505において、閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(Sc1505:NO)、本第1大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップSc1505において、閉鎖条件が成立したと判定した場合には(Sc1505:YES)、ステップSc1506に進む。
ステップSc1506では、第1開閉扉54bを閉鎖状態にする。ステップSc1506を実行した後、ステップSc1507に進む。
ステップSc1507では、第1開閉扉閉鎖コマンドを設定する。第1開閉扉閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図178:ステップSc0803)において音声発光制御装置90に送信される。第1開閉扉閉鎖コマンドを受信した音声発光装置は、第1開閉扉閉鎖用の演出を実行するための設定を実行する。その後、第1大入賞口開閉処理を終了する。
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図183:Sc1326)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図186は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップSc1601では、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に記憶されている確変大当たりフラグ(本実施形態においては、16R確変大当たりフラグまたは8R確変大当たりフラグ)がONである場合には、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりであると判定する。
ステップSc1601において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりであると判定した場合には(Sc1601:YES)、ステップSc1602に進む。一方、ステップSc1601において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりではないと判定した場合には(Sc1601:NO)、ステップSc1607に進む。
ステップSc1602では、対応する確変大当たりフラグをOFFにする。具体的には、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグのうち、ONになっているフラグをOFFにする処理を実行する。ステップSc1602を実行した後、ステップSc1603に進む。
ステップSc1603では、RAM64に記憶されている高確率モードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードに移行する。ステップSc1603を実行した後、ステップSc1604に進む。
ステップSc1604では、高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。高確率モードコマンドは、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。ステップSc1604を実行した後、ステップSc1605に進む。
ステップSc1605では、高頻度サポートモードフラグをONにする。その後、ステップSc1606に進み、高頻度サポートモードコマンドを設定する。高頻度サポートモードコマンドは、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードであることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。高頻度サポートモードコマンドは、通常処理(図178)におけるステップSc0803にて、音声発光制御装置90に送信される。その後、本エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
ステップSc1601において、今回の開閉実行モードへの移行の契機が確変大当たりではないと判定した場合には(Sc1601:NO)、ステップSc1607に進み、対応する通常大当たりフラグをOFFにする。ステップSc1607を実行した後、ステップSc1608に進む。
ステップSc1608では、低確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。低確率モードコマンドは、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが低確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである。ステップSc1608を実行した後、ステップSc1609に進む。
ステップSc1609では、高頻度サポートモードフラグをONにする。その後、ステップSc1610に進み、遊技回数カウンタPNCにカウンタ値として50を設定する。ステップSc1610を実行した後、ステップSc1611に進む。
ステップSc1611では、高頻度サポートモードコマンドを設定する。高頻度サポートモードコマンドは、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードであることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。高頻度サポートモードコマンドは、通常処理(図178)におけるステップSc0803にて、音声発光制御装置90に送信される。その後、本エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図178:Sc0808)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図187は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップSc1701では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種大当たりフラグ記憶エリア64eのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、普通電動役物53を開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップSc1701において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(Sc1701:NO)、ステップSc1702に進む。
ステップSc1702では、RAM64の各種大当たりフラグ記憶エリア64eのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップSc1702において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(Sc1702:NO)、ステップSc1703に進む。
ステップSc1703では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップSc1703において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sc1703:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sc1703:YES)、ステップSc1704に進む。
ステップSc1704では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップSc1704において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(Sc1704:YES)、ステップSc1705に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップSc1704において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(Sc1704:NO)、ステップSc1706に進む。
ステップSc1706では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップSc1706において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(Sc1706:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSc1706において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(Sc1706:YES)、ステップSc1707に進む。
ステップSc1707では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップSc1708に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップSc1707において開閉実行モードではなく(Sc1707:NO)、且つ、ステップSc1708において高頻度サポートモードである場合には(Sc1708:YES)、ステップSc1709に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜463であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる(図167(b)参照)。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「1000」(すなわち2.0sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップSc1710に進む。
ステップSc1710では、ステップSc1709の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSc1710において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(Sc1710:YES)、ステップSc1711に進み、サポート当選フラグをONにする。ステップSc1711を実行した後、ステップSc1712に進む。
ステップSc1712では、高頻度サポートモード用電役開閉シナリオ設定処理を実行する。本処理は、高頻度サポートモードにおいて電動役物開放抽選に当選した場合の普通電動役物53の開放パターンが設定された開閉シナリオを設定する処理である。具体的には、高頻度サポートモード中に電動役物開放抽選に当選した場合に当選した場合には、普通電動役物53の開閉動作を1回行うことが設定されるとともに、普通電動役物53の開放状態で1秒が経過することまたは特電始動口52に遊技球が1個入球することを条件として普通電動役物53を閉鎖することが開閉パターンとして設定される。なお、ステップSc1712を実行した後、電役サポート用処理を終了する。
ステップSc1707において開閉実行モード中ではないと判定した場合(Sc1707:YES)、または、ステップSc1708において高頻度サポートモードではないと判定した場合(Sc1708:NO)には、ステップSc1713に進む。
ステップSc1713では、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜461であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる(図167(a)参照)。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「1500」(すなわち3.0sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップSc1714に進む。
ステップSc1714では、ステップSc1713の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSc1714において、サポート当選でないと判定した場合には(Sc1714:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSc1714において、サポート当選であると判定した場合には(Sc1714:YES)、ステップSc1715に進み、サポート当選フラグをONにする。ステップSc1715を実行した後、ステップSc1716に進む。
ステップSc1716では、低頻度サポートモード用電役開閉シナリオ設定処理を実行する。本処理は、低頻度サポートモードにおいて電動役物開放抽選に当選した場合の普通電動役物53の開放パターンが設定された開閉シナリオを設定する処理である。具体的には、低頻度サポートモード中に電動役物開放抽選に当選した場合に当選した場合には、普通電動役物53の開閉動作を1回行うことが設定されるとともに、普通電動役物53の開放状態で0.5秒が経過することまたは特電始動口52に遊技球が1個入球することを条件として普通電動役物53を閉鎖することが開閉パターンとして設定される。なお、ステップSc1716を実行した後、電役サポート用処理を終了する。
ステップSc1702において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(Sc1702:YES)、ステップSc1717に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSc1717において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sc1717:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSc1717において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sc1717:YES)、ステップSc1718に進む。
ステップSc1718では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップSc1719に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSc1701において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(Sc1701:YES)、ステップSc1720に進み、普通電動役物53を開閉制御するための電役開閉処理を実行する。電役開閉処理の詳細は後述する。ステップSc1720を実行した後、ステップSc1721に進む。
ステップSc1721では、電役開閉処理が終了したかを判定する。ステップSc1721において、電役開閉処理が終了していないと判定した場合には(Sc1721:NO)、そのまま電役サポート用処理を終了する。ステップSc1721において、電役開閉処理が終了したと判定した場合には(Sc1721:YES)、ステップSc1722に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉処理>
次に、電役開閉処理について説明する。電役開閉処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図187:Sc1720)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図188は、電役開閉処理を示すフローチャートである。ステップSc1801では、普通電動役物53が開放中であるか否かを判定する。ステップSc1801において、普通電動役物53が開放中ではないと判定した場合には(Sc1801:NO)、ステップSc1802に進む。
ステップSc1802では、設定された開閉シナリオの開放条件が成立しているか否かの判定を行う。具体的には、1回の電役開放抽選に当選した場合の普通電動役物53の開放回数をカウントするとともに、普通電動役物53の閉鎖状態を維持する時間が経過し開放するタイミングに達したかをタイマカウンタでカウントすることによって、普通電動役物53を開放状態に移行する条件が成立したか否かを判定する。ステップSc1802において、開閉シナリオの開放条件が成立していないと判定した場合には(Sc1802:NO)、電役開閉処理を終了する。
一方、ステップSc1802において、開閉シナリオの開放条件が成立していると判定した場合には(Sc1802:YES)、ステップSc1803に進む。
ステップSc1803では、普通電動役物53を開放状態にする。ステップSc1803を実行した後、ステップSc1804に進む。
ステップSc1804では、電役開放コマンドを設定する。電役開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図178:ステップSc0803)において音声発光制御装置90に送信される。電役開放コマンドを受信した音声発光装置は、電役開放用の演出を実行するための設定を実行する。その後、電役開閉処理を終了する。
一方、ステップSc1801において、普通電動役物53が開放中ではないと判定した場合には(Sc1801:YES)、ステップSc1805に進む。
ステップSc1805では、普通電動役物53の閉鎖条件が成立したか否かを判定する。具体的には、高頻度サポートモード時における普通電動役物53の閉鎖条件は、「普通電動役物53が開放中に1個の遊技球が特電始動口52に入球したこと」または「開放状態で1秒間が経過したこと」のいずれか一方が成立することである。低頻度サポートモード時における普通電動役物53の閉鎖条件は、「普通電動役物53が開放中に1個の遊技球が特電始動口52に入球したこと」または「開放状態で0.5秒間が経過したこと」のいずれか一方が成立することである。ステップSc1805において、閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(Sc1805:NO)、電役開閉処理を終了する。一方、ステップSc1805において、閉鎖条件が成立したと判定した場合には(Sc1805:YES)、ステップSc1806に進む。
ステップSc1806では、普通電動役物53を閉鎖状態にする。ステップSc1806を実行した後、ステップSc1807に進む。
ステップSc1807では、電役閉鎖コマンドを設定する。電役閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図178:ステップSc0803)において音声発光制御装置90に送信される。電役閉鎖コマンドを受信した音声発光装置は、電役閉鎖用の演出を実行するための設定を実行する。その後、電役開閉処理を終了する。
<第2大入賞口用処理>
次に、第2大入賞口用処理について説明する。第2大入賞口用処理は、通常処理のサブルーチン(図178:Sc0809)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図189は、第2大入賞口用処理を示すフローチャートである。ステップSc1901では、特電作動フラグがONであるか否かを判定する。ステップSc1901において特電作動フラグがONであると判定した場合には(Sc1901:YES)、ステップSc1902に進む。ステップSc1901において特電作動フラグがONではないと判定した場合には(Sc1901:NO)、そのまま第2大入賞口用処理を終了する。
ステップSc1902では、開閉シナリオ設定完了フラグがONであるか否かを判定する。開閉シナリオ設定完了フラグは、第2大入賞口用の開閉シナリオが設定された場合にONとなり、当該設定された開閉シナリオに従った第2大入賞口55aの開閉動作が終了した場合にOFFになるフラグである。ステップSc1902において、開閉シナリオ設定完了フラグがONではないと判定した場合には(Sc1902:NO)、ステップSc1903に進む。
ステップSc1903では、第2入賞口用開閉シナリオ設定処理を実行する。第2入賞口用開閉シナリオ設定処理の詳細は後述する。ステップSc1903を実行した後、ステップSc1904に進む。
ステップSc1902において、開閉シナリオ設定完了フラグがONであると判定した場合には(Sc1902:YES)、ステップSc1903を実行せずに、ステップSc1904に進む。
ステップSc1904では、第2大入賞口開閉処理を実行する。第2大入賞口開閉処理の詳細は後述する。ステップSc1904を実行した後、ステップSc1905に進む。
ステップSc1905では、第2大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定する。ステップSc1905において、第2大入賞口開閉処理が終了したと判定した場合には(Sc1905:YES)、ステップSc1906に進み、特電作動フラグをOFFにする。ステップSc1906を実行した後、ステップSc1907に進み、開閉シナリオ設定完了フラグをOFFにする。その後、第2大入賞口用処理を終了する。
ステップSc1905において、第2大入賞口開閉処理が終了していないと判定した場合には(Sc1905:NO)、第2大入賞口用処理を終了する。
<第2大入賞口用開閉シナリオ設定処理>
次に、第2大入賞口用開閉シナリオ設定処理について説明する。第2大入賞口用開閉シナリオ設定処理は、第2大入賞口用処理のサブルーチン(図189:Sc1903)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図190は、第2大入賞口用開閉シナリオ設定処理を示すフローチャートである。ステップSc2001では、高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSc2001において、高確率モードフラグがONであると判定した場合には(Sc2001:YES)、ステップSc2002に進む。
ステップSc2002では、高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSc2002において、高頻度サポートモードフラグがONではないと判定した場合には(Sc2002:NO)、ステップSc2003に進む。具体的には、高確率モードかつ低頻度サポートモードである場合、すなわち、潜伏確変状態である場合にステップSc2003に進む。
ステップSc2003では、第2大入賞口用の開閉シナリオとして特別ボーナス用開閉シナリオを設定する。特別ボーナス用開閉シナリオは、開放条件として後述する第2大入賞口開閉処理が開始されてから0.5秒後に第2開閉扉55bを開放するという条件が設定されている。また、閉鎖条件として、開放状態で1個の遊技球が第2大入賞口55aに入球した場合または開放状態で5秒間が経過した場合に閉鎖するという条件が設定されている。さらに、特別ボーナス用開閉シナリオには、第1大入賞口用の開閉処理が実行されている場合には第2大入賞口55aは開閉しないという条件が設定されている。ステップSc2003を実行した後、ステップSc2005に進む。
一方、ステップSc2001において高確率モードフラグがONではないと判定した場合(Sc2001:NO)、または、ステップSc2002において高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(Sc2002:YES)、ステップSc2004に進む。すなわち、潜伏確変状態ではない場合(通常状態とも呼ぶ)には、ステップSc2004に進む。
ステップSc2004では、第2大入賞口用の開閉シナリオとして通常用開閉シナリオを設定する。通常用開閉シナリオは、開放条件として後述する第2大入賞口開閉処理が開始されてから10秒後に第2開閉扉55bを開放するという条件が設定されている。また、閉鎖条件として、開放状態で1個の遊技球が第2大入賞口55aに入球した場合または開放状態で5秒間が経過した場合に閉鎖するという条件が設定されている。さらに、通常用開閉シナリオには、第1大入賞口用の開閉処理が実行されている場合には第2大入賞口55aは開閉しないという条件が設定されている。ステップSc2004を実行した後、ステップSc2005に進む。
ステップSc2005では、開閉シナリオ設定完了フラグをONにする。その後、第2大入賞口用開閉シナリオ設定処理を終了する。
<第2大入賞口開閉処理>
次に、第2大入賞口開閉処理について説明する。第2大入賞口開閉処理は、第2大入賞口用処理のサブルーチン(図189:Sc1904)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図191は、第2大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップSc2101では、第2開閉扉55bが開放中であるか否かを判定する。ステップSc2101において、第2開閉扉55bが開放中ではないと判定した場合には(Sc2101:NO)、ステップSc2102に進む。
ステップSc2102では、設定された開閉シナリオの開放条件が成立しているか否かの判定を行う。第2大入賞口用の開閉シナリオの開放条件の内容については図190において上述したので省略する。ステップSc2102において、開閉シナリオの開放条件が成立してないと判定した場合には(Sc2102:NO)、本第2大入賞口開閉処理を終了する。
一方、ステップSc2102において、開閉シナリオの開放条件が成立していると判定した場合には(Sc2102:YES)、ステップSc2103に進む。
ステップSc2103では、第2開閉扉55bを開放状態にする。ステップSc2103を実行した後、ステップSc2104に進む。
ステップSc2104では、第2開閉扉開放コマンドを設定する。第2開閉扉開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図178:ステップSc0803)において音声発光制御装置90に送信される。第2開閉扉開放コマンドを受信した音声発光装置は、第2開閉扉開放用の演出を実行するための設定を実行する。その後、第2大入賞口開閉処理を終了する。
一方、ステップSc2101において、第2開閉扉55bが開放中ではないと判定した場合には(Sc2101:YES)、ステップSc2105に進む。
ステップSc2105では、第2開閉扉55bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。第2大入賞口用の開閉シナリオの閉鎖条件の内容については図190において上述したので省略する。ステップSc2105において、閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(Sc2105:NO)、本第2大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップSc2105において、閉鎖条件が成立したと判定した場合には(Sc2105:YES)、ステップSc2106に進む。
ステップSc2106では、第2開閉扉55bを閉鎖状態にする。ステップSc2106を実行した後、ステップSc2107に進む。
ステップSc2107では、第2開閉扉閉鎖コマンドを設定する。第2開閉扉閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図178:ステップSc0803)において音声発光制御装置90に送信される。第2開閉扉閉鎖コマンドを受信した音声発光装置は、第2開閉扉閉鎖用の演出を実行するための設定を実行する。その後、第2大入賞口開閉処理を終了する。
《C5》音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図192は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。
音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60、演出操作ボタン24が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、液晶表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して液晶表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、液晶表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、液晶表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより液晶表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
《C6》音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音声発光制御装置90のMPU92において実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図193は、音声発光制御装置90のMPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSc2201では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップSc2201を実行した後、ステップSc2202に進む。
ステップSc2202では、状態記憶処理を実行する。状態記憶処理は、主側MPU62から受信したコマンドに基づいて、実行中の遊技の状態をフラグを用いて記憶する処理である。フラグとして記憶された遊技の状態は、実行する演出の決定に用いられる。状態記憶処理の詳細については後述する。ステップSc2202を実行した後、ステップSc2203に進む。
ステップSc2203では、遊技回演出用処理を実行する。遊技回演出用処理は、遊技回における演出を設定するための処理である。遊技回演出用処理の詳細は後述する。ステップSc2203を実行した後、ステップSc2204に進む。
ステップSc2204では、オープニング演出用処理を実行する。オープニング演出用処理は、オープニング期間における演出を設定するための処理である。オープニング演出用処理の詳細は後述する。ステップSc2204を実行した後、ステップSc2205に進む。
ステップSc2205では、特電始動口入球演出用処理を実行する。特電始動口入球演出用処理は、特電始動口52に遊技球が入球したときに実行する演出(以下、特電始動口入球演出とも呼ぶ)を設定するための処理である。特電始動口入球演出用処理の詳細は後述する。ステップSc2205を実行した後、ステップSc2206に進む。
ステップSc2206では、第2開閉扉開放演出用処理を実行する。第2開閉扉開放演出用処理は、第2開閉扉55bが開放したときに実行する演出(以下、第2開閉扉開放演出とも呼ぶ)を設定するための処理である。第2開閉扉開放演出用処理の詳細は後述する。ステップSc2206を実行した後、ステップSc2207に進む。
ステップSc2207では、その他の表示用処理を実行する。その他の表示用処理は、主側MPU62から受信した種々のコマンドに基づいて、表示に関する種々の設定等を実行する処理である。例えば、主側MPU62から保留コマンドを受信した場合に、保留表示領域Dsに表示している保留の個数を更新するための処理を行う。ステップSc2207を実行した後、ステップSc2208に進む。
ステップSc2208では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップSc2203からステップSc2207の処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。すなわち、上記ステップSc2203からステップSc2207において設定された演出に対応した発光態様となるように、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップSc2208を実行した後、ステップSc2209に進む。
ステップSc2209では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップSc2203からステップSc2207の処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。すなわち、上記ステップSc2203からステップSc2207において設定された演出に対応した音声が出力されるように、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップSc2209を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<状態記憶処理>
次に、状態記憶処理について説明する。状態記憶処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図193:Sc2202)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
図194は、状態記憶処理を示すフローチャートである。ステップSc2301では、高確率モードコマンドを受信したか否かを判定する。ステップSc2301において、高確率モードコマンドを受信したと判定した場合には(Sc2301:YES)、ステップSc2302に進み、音光側高確率モードフラグをONにする。その後、ステップSc2303に進む。一方、ステップSc2301において、高確率モードコマンドを受信していないと判定した場合には(Sc2301:NO)、ステップSc2302を実行せずにステップSc2303に進む。
ステップSc2303では、低確率モードコマンドを受信したか否かを判定する。ステップSc2303において、低確率モードコマンドを受信したと判定した場合には(Sc2303:YES)、ステップSc2304に進み、音光側高確率モードフラグをOFFにする。その後、ステップSc2305に進む。一方、ステップSc2303において、低確率モードコマンドを受信していないと判定した場合には(Sc2303:NO)、ステップSc2304を実行せずにステップSc2305に進む。
ステップSc2305では、高頻度サポートモードコマンドを受信したか否かを判定する。ステップSc2305において、高頻度サポートコマンドを受信したと判定した場合には(Sc2305:YES)、ステップSc2306に進み、音光側高頻度サポートモードフラグをONにする。その後、ステップSc2307に進む。一方、ステップSc2305において、高頻度サポートモードコマンドを受信していないと判定した場合には(Sc2305:NO)、ステップSc2306を実行せずにステップSc2307に進む。
ステップSc2307では、低頻度サポートモードコマンドを受信したか否かを判定する。ステップSc2307において、低頻度サポートモードコマンドを受信したと判定した場合には(Sc2307:YES)、ステップSc2308に進み、音光側高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップSc2309に進む。一方、ステップSc2307において、低頻度サポートモードコマンドを受信していないと判定した場合には(Sc2307:NO)、ステップSc2308を実行せずにステップSc2309に進む。
ステップSc2309では、音光側高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSc2309において、音光側高確率モードフラグがONであると判定した場合には(Sc2309:YES)、ステップSc2310に進む。
ステップSc2310では、音光側高頻度サポートモードフラグがOFFであるか否かを判定する。ステップSc1310において、音光側高頻度サポートモードフラグがOFFであると判定した場合には(Sc2310:YES)、ステップSc2311に進む。
ステップSc2311では、潜伏確変状態フラグをONにする。潜伏確変状態フラグは、遊技の状態が潜伏確変状態であることを特定するためのフラグである。その後、状態記憶処理を終了する。
一方、ステップSc2309において音光側高確率モードフラグがONではないと判定した場合(Sc2309:NO)、または、ステップSc1310において音光側高頻度サポートモードフラグがOFFではない判定した場合(Sc2310:NO)には、ステップSc2312に進む。ステップSc2312では、潜伏確変状態フラグをOFFにする。その後、状態記憶処理を終了する。
本処理においては、ステップSc2311およびステップSc2312からわかるように、主制御装置60において制御している遊技の状態が潜伏確変状態であるか否かを、音声発光制御装置90において常に特定する。
<遊技回演出用処理>
次に、遊技回演出用処理について説明する。遊技回演出用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図193:Sc2203)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図195は、遊技回演出用処理を示すフローチャートである。ステップSc2401では、主側MPU62から変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSc2401において、変動用コマンドを受信していると判定した場合には(Sc2401:YES)、ステップSc2402に進む。
ステップSc2402では、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たりの有無、大当たりの種別、リーチ発生の有無、および、変動時間の情報を読み出す。そして、読み出した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップSc2403に進む。
ステップSc2403では、演出パターンの設定処理を実行する。当該処理は、処理対象である遊技回における演出のパターンを設定する処理である。演出パターンの設定処理の詳細は後述する。ステップSc2403を実行した後、ステップSc2404に進む。
ステップSc2404では、停止する液晶用図柄の設定処理を実行する。液晶用図柄の設定処理では、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、大当たりである場合には、有効ラインL1上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の液晶用図柄の情報として設定する。また、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、外れである場合には、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL1上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL1上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL1上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL1上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の液晶用図柄の情報として設定する。ステップSc2404を実行した後、ステップSc2405に進む。
ステップSc2405では、遊技回演出コマンドを表示制御装置100に送信する。遊技回演出コマンドは、ステップSc2403で設定した演出パターンおよびステップSc2404で設定した停止する液晶図柄の内容を含む情報である。遊技回演出コマンドを受信した表示制御装置100は、遊技回コマンドに含まれる情報に基づいて液晶表示装置41に演出用の画像や液晶用図柄の画像を表示させる。ステップSc2405を実行した後、ステップSc2406に進む。
ステップSc2406では、保留情報の更新処理を実行する。保留情報の更新処理では、音光側RAM94の保留個数カウンタエリアに記憶されている保留個数が1減算されるように、当該保留個数カウンタエリアの情報を更新する。ステップSc2408を実行した後、遊技回演出用処理を終了する。
<演出パターンの設定処理>
次に、演出パターンの設定処理について説明する。演出パターンの設定処理は、遊技回演出用処理のサブルーチン(図195:Sc2403)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図196は、演出パターンの設定処理を示すフローチャートである。ステップSc2501では、演出を設定する対象である遊技回が当たり抽選において大当たりに当選しているか否かを判定する。具体的には、受信した変動用コマンドに含まれる大当たりの有無に関する情報に基づいて判定する。ステップSc2501において、処理対象である遊技回が当たり抽選において大当たりに当選していると判定した場合には(Sc2501:YES)、ステップSc2502に進む。
ステップSc2502では、音光側高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSc2502において、音光側高確率モードフラグがONであると判定した場合には(Sc2502:YES)、ステップSc2503に進む。
ステップSc2503では、当該処理対象である大当たりに当選した遊技回の大当たり種別が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップSc2503において、当該処理対象である大当たりに当選した遊技回の大当たり種別が確変大当たりであると判定した場合には(Sc2503:YES)、ステップSc2504に進む。
ステップSc2504では、特別ボーナス確変大当たり用の演出パターンの設定処理を実行する。上述したように、本処理は、音光側高確率モードフラグがONであり、当該処理対象遊技回で確変大当たりに当選している場合に実行する。音光側高確率モードフラグがONであるということは、当該処理対象の遊技回が高確率モードで実行されたことを示す。すなわち、高確率モード中に大当たりに当選しているので、当該遊技回が終了した後は、オープニング期間が潜伏確変状態となる特定期間となり、特別ボーナスが遊技者に付与される。よって、ステップSc2504では、遊技回において実行する演出の演出パターンとして、特別ボーナスが付与される可能性があることを示唆する内容および確変大当たりに当選する可能性があることを示唆する内容を含んだ演出パターンを設定する。ステップSc2504を実行した後、演出パターンの設定処理を終了する。
ステップSc2503において、当該処理対象である大当たりに当選した遊技回の大当たり種別が確変大当たりではない、すなわち通常大当たりであると判定した場合には(Sc2503:NO)、ステップSc2505に進む。
ステップSc2505では、特別ボーナス通常大当たり用の演出パターンの設定処理を実行する。上述したように、本処理は、音光側高確率モードフラグがONであり、当該処理対象遊技回で通常大当たりに当選している場合に実行する。上述のように、音光側高確率モードフラグがONであるということは、当該処理対象の遊技回が高確率モードで実行されたことを示す。すなわち、高確率モード中に大当たりに当選しているので、当該遊技回が終了した後は、オープニング期間が潜伏確変状態となる特定期間となり、特別ボーナスが遊技者に付与される。よって、ステップSc2505では、遊技回において実行する演出の演出パターンとして、特別ボーナスが付与される可能性があることを示唆する内容および通常大当たりに当選する可能性があることを示唆する内容を含んだ演出パターンを設定する。ステップSc2505を実行した後、演出パターンの設定処理を終了する。
ステップSc2502において、音光側高確率モードフラグがONではないと判定した場合には(Sc2502:NO)、ステップSc2506に進む。ステップSc2506では、当該処理対象である大当たりに当選した遊技回の大当たり種別が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップSc2506において、当該処理対象である大当たりに当選した遊技回の大当たり種別が確変大当たりであると判定した場合には(Sc2506:YES)、ステップSc2507に進む。
ステップSc2507では、確変大当たり用の演出パターン設定処理を実行する。本処理は、音光側高確率モードフラグがOFFであり、当該処理対象遊技回で確変大当たりに当選している場合に実行する。音光側高確率モードフラグがOFFであるということは、当該処理対象の遊技回が低確率モードで実行されたことを示す。すなわち、低確率モード中に大当たりに当選しているので、当該遊技回が終了した後は、オープニング期間が潜伏確変状態ではない状態(非潜伏確変状態)となる非特定期間となり、遊技者に特別ボーナスは付与されない。よって、ステップSc2507では、遊技回において実行する演出の演出パターンとして、確変大当たりに当選する可能性があることを示唆する内容を含んだ演出パターンを設定する。ステップSc2507を実行した後、演出パターンの設定処理を終了する。
ステップSc2506において、当該処理対象である大当たりに当選した遊技回の大当たり種別が通常大当たりであると判定した場合には(Sc2506:NO)、ステップSc2508に進む。
ステップSc2508では、通常大当たり用の演出パターン設定処理を実行する。本処理は、音光側高確率モードフラグがOFFであり、当該処理対象遊技回で通常大当たりに当選している場合に実行する。よって、ステップSc2508では、遊技回において実行する演出の演出パターンとして、通常大当たりに当選する可能性があることを示唆する内容を含んだ演出パターンを設定する。ステップSc2508を実行した後、演出パターンの設定処理を終了する。
ステップSc2501において、処理対象である遊技回が当たり抽選において大当たりに当選していない(外れ)と判定した場合には(Sc2501:NO)、ステップSc2509に進む。ステップSc2509では、外れ用の演出パターン設定処理を実行する。なお、当該処理には、処理対象である遊技回の当たり抽選がリーチ(外れ)である場合に演出パターンを設定する処理も含まれる。ステップSc2501を実行した後、演出パターンの設定処理を終了する。
<オープニング演出用処理>
次に、オープニング演出用処理について説明する。オープニング演出用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図193:Sc2204)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図197は、オープニング演出用処理を示すフローチャートである。ステップSc2601では、オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSc2601において、オープニングコマンドを受信していると判定した場合には(Sc2601:YES)、ステップSc2602に進む。
ステップSc2602では、オープニング時間の読み出しを実行する。具体的には、受信したオープニングコマンドに含まれるオープニング時間に関する情報を読み出す。ステップSc2602を実行した後、ステップSc2603に進む。
ステップSc2603では、潜伏確変状態フラグがONであるか否かを判定する。ステップSc2603において、潜伏確変状態フラグがONであると判定した場合には(Sc2603:YES)、ステップSc2604に進む。
ステップSc2604では、オープニング時間に応じた特別ボーナス用のオープニング演出パターンに設定する。具体的には、潜伏確変状態であるオープニング期間には特別ボーナスが付与されるので、オープニング演出パターンとして、特別ボーナスが付与されること示唆する内容や、特電始動口52に遊技球を入球させ第2開閉扉55bを開放させて第2大入賞口55aに遊技球を入球させることを促す内容を含む演出パターンに設定する。また、本実施形態においては、オープニング演出を実行する契機となった大当たりに当選した遊技回における大当たり種別ごとにオープニング演出パターンが用意されており、大当たり種別に応じたオープニング演出パターンに設定する。その他、特別ボーナス用のオープニング演出として、オープニング期間の残時間をカウントダウンする演出を実行する構成を採用してもよい。また、オープニング時間が上乗せされたかのうような示唆を促す特別ボーナス用のオープニング演出を実行してもよい。具体的には、実際に設定されたオープニング時間より少ない残時間で、オープニング期間における残時間のカウントダウンを開始し、残時間が所定時間以下に達したタイミングで、残時間を増やす演出を実行する。その他、オープニング期間中に遊技者に特典として払い出した遊技球の個数をリアルタイムに表示するオープニング演出を実行してもよい。このような演出を実行することによって、遊技者に期待感を付与することができる。
このような特別ボーナス用のオープニング演出の演出パターンに設定した後、オープニング演出用処理を終了する。
ステップSc2603において、潜伏確変状態フラグがONではないと判定した場合には(Sc2603:NO)、ステップSc2605に進む。
ステップSc2605では、オープニング時間に応じた通常用のオープニング演出パターンに設定する。具体的には、潜伏確変状態ではない通常状態であるオープニング期間には特別ボーナスは付与されないので、オープニング演出パターンとして、オープニング期間終了後にラウンド遊技が開始されることを示唆する内容を含む演出パターンに設定する。また、本実施形態においては、オープニング演出を実行する契機となった大当たりに当選した遊技回における大当たり種別ごとにオープニング演出パターンが用意されており、大当たり種別に応じたオープニング演出パターンに設定する。その後、オープニング演出用処理を終了する。
<特電始動口入球演出用処理>
次に、特電始動口入球演出用処理について説明する。特電始動口入球演出用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図193:Sc2205)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
特電始動口入球演出用処理は、特電始動口52に遊技球が入球した場合に実行する演出の演出パターンを設定する処理である。本実施形態においては、特定期間と、非特定期間とで、特電始動口52に遊技球が入球した場合に実行する演出が異なる。
図198は、特電始動口入球演出用処理を示すフローチャートである。ステップSc2701では、特電始動口入球コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSc2701において、特電始動口入球コマンドを受信したと判定した場合には(Sc2701:YES)、ステップSc2702に進む。一方、ステップSc2701において、特電始動口入球コマンドを受信していないと判定した場合には(Sc2701:NO)、そのまま特電始動口入球演出用処理を終了する。
ステップSc2702では、潜伏確変状態フラグがONであるか否かを判定する。ステップSc2702において、潜伏確変状態フラグがONであると判定した場合には(Sc2702:YES)、ステップSc2703に進む。
ステップSc2703では、特別ボーナス用の特電始動口入球演出パターンに設定する。具体的には、特電始動口52に遊技球が入球した時に実行する演出のパターンとして、すぐに(0.5秒後に)第2大入賞口55aが開放することを示唆する内容や、特典の付与を示唆する内容の演出パターンが設定される。ステップSc2703を実行した後、ステップSc2705に進む。
一方、32702において、潜伏確変状態フラグがONではないと判定した場合には(Sc2702:NO)、ステップSc2704に進む。ステップSc2704では、通常用の特電始動口入球演出パターンに設定する。具体的には、特電始動口52に遊技球が入球した時に実行する演出のパターンとして、10秒後に第2大入賞口55aが開放することを示唆する内容の演出パターンが設定される。ステップSc2704を実行した後、ステップSc2705に進む。
ステップSc2705では、特電始動口入球演出用コマンドを表示制御装置100に送信する。特電始動口入球演出用コマンドには、ステップSc2703またはステップSc2704において設定された特電始動口入球演出の演出パターンに関する情報が含まれる。特電始動口入球演出用コマンドを受信した表示制御装置100は、設定された演出パターンに応じた映像を液晶表示装置41に表示させる。ステップSc2705を実行した後、特電始動口入球演出用処理を終了する。
<第2大入賞口開放演出用処理>
次に、第2大入賞口開放演出用処理について説明する。第2大入賞口開放演出用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図193:Sc2206)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
第2大入賞口開放演出用処理は、第2大入賞口55aが開放した場合に実行する演出の演出パターンを設定する処理である。本実施形態においては、特定期間と、非特定期間とで、第2大入賞口55aが開放した場合に実行する演出が異なる。
図199は、第2大入賞口開放演出用処理を示すフローチャートである。ステップSc2801では、第2開閉扉開放コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSc2801において、第2開閉扉開放コマンドを受信したと判定した場合には(Sc2801:YES)、ステップSc2802に進む。一方、ステップSc2801において、第2開閉扉開放コマンドを受信していないと判定した場合には(Sc2801:NO)、そのまま第2大入賞口開放演出用処理を終了する。
ステップSc2802では、潜伏確変状態フラグがONであるか否かを判定する。ステップSc2802において、潜伏確変状態フラグがONであると判定した場合には(Sc2802:YES)、ステップSc2803に進む。
ステップSc2803では、第2大入賞口開放演出パターンに設定する。具体的には、第2大入賞口55aが開放した時に実行する演出のパターンとして、第2大入賞口55aが開放したことを示唆する内容や、特典の付与を示唆する内容の演出パターンが設定される。ステップSc2803を実行した後、ステップSc2805に進む。
一方、ステップSc2802において、潜伏確変状態フラグがONではないと判定した場合には(Sc2802:NO)、ステップSc2804に進む。ステップSc2804では、通常用の第2大入賞口開放演出パターンに設定する。具体的には、第2大入賞口55aが開放した時に実行する演出のパターンとして、第2大入賞口55aが開放したことを示唆する内容の演出パターンが設定される。ステップSc2804を実行した後、ステップSc2805に進む。
ステップSc2805では、第2大入賞口開放演出用コマンドを表示制御装置100に送信する。第2大入賞口開放演出用コマンドには、ステップSc2803またはステップSc2804において設定された第2大入賞口開放演出の演出パターンに関する情報が含まれる。第2大入賞口開放演出コマンドを受信した表示制御装置100は、設定された演出パターンに応じた映像を液晶表示装置41に表示させる。ステップSc2805を実行した後、第2大入賞口開放演出用処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図200は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSc2901では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップSc2902に進む。
ステップSc2902では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図201は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップSc3001では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図202は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップSc3101では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図157)によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが記憶されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが記憶されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(Sc3101)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や液晶用図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップSc3102では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(Sc3101)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップSc3103に進む。
ステップSc3103では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(Sc3102)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップSc3104に進む。
ステップSc3104では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(Sc3103)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップSc3105に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機10においては、大当たりに当選した遊技回の終了後のオープニング期間に、潜伏確変状態に移行するので、当該潜伏確変状態に移行することを利用して種々の処理を実行することができる。本実施形態におけるパチンコ機10においては、潜伏確変状態ではない非特定状態と、潜伏確変状態である特定期間とで、特電始動口52に遊技球が入球してから第2可変入賞装置55の第2開閉扉55bが開放するまでの時間を異なる時間に設定する。すなわち潜伏確変状態か否かに基づいて、処理の態様を変更することができる。
高頻度サポートモードフラグと高確率モードフラグとを制御することによって潜伏確変状態に移行させたり、潜伏確変状態から他の状態に移行させたりすることができる。よって、オープニング期間に、高頻度サポートモードフラグを切り替えるタイミングと、高確率モードフラグを切り替えるタイミングとを制御することによって、潜伏確変状態(特定状態)の継続時間を制御することができる。換言すれば、特定期間に実行する処理の実行時間を高頻度サポートモードフラグを切り替えるタイミングと、高確率モードフラグを切り替えるタイミングとによって制御することができる。よって、簡易な処理によって、種々の処理の実行制御を行うことができる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、高確率モードにおいて実行された遊技回において大当たりに当選した場合に、2種類の方法によって遊技者に特典を付与する。具体的には、オープニング期間の特定期間において特電始動口52に遊技球が入球してから第2開閉扉55bが開放するまでの時間を、非特定期間より短い時間(0.5秒)にすることで特典を付与する。そして、特定期間の終了後のラウンド遊技においてさらに特典を付与する。したがって、抽選モードが高確率モードである場合には、低確率モードである場合と比較して、大当たりに当選することへの期待感に加え、大当たりに当選した後の特典の付与についても期待感を遊技者に付与することができる。
また、特典の付与方法を2種類設けることによって、特典を付与する処理の態様が切り替わったことを認識した遊技者に対して、意外性を付与することができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10は、特定期間の長さは、当該特定期間が開始される契機となった大当たりに当選した遊技回における大当たり種別によって異なる。従って、大当たりに当選した場合に、遊技者に、より一層、大当たり種別に注目させることができる。本実施形態においては、特定期間の開始直前の大当たりに当選した遊技回において16R確変大当たりに当選した場合には特定期間は20秒であり、8R確変大当たりに当選した場合には特定期間は30秒であり、8R通常大当たりに当選した場合には特定期間は40秒である。すなわち、遊技者に有利な大当たり種別ほど、特定期間は短い。換言すれば、遊技者に有利ではない大当たり種別ほど特定期間は長く、特定期間において遊技者が獲得できる特別ボーナスの量も多くなる可能性が高い。特定期間の長さをこのように設定することによって、当たり抽選に当選した場合には、いずれの大当たり種別であっても遊技者に期待感を付与することができる。また、特定期間の長さを複数種類設けることによって、遊技者に特定期間の長さを推測させ、より一層の期待感や緊迫感を遊技者に付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。換言すれば、遊技者に対して、大当たりに当選することの期待感に加え、特定期間の長さについても期待感を付与することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、遊技の状態、具体的には潜伏確変状態か否か(特定状態か非特定状態か)に基づいて、特電始動口52に遊技球が入球してから第2開閉扉55bが開放するまでの時間を決定している。従って、第2開閉扉55bの開放を期待する遊技者に対して、遊技の状態について注目をさせることができる。また、逆に、遊技の状態(潜伏確変状態か否か)について把握をしようとする遊技者に対して、特電始動口52に遊技球が入球してから第2開閉扉55bが開放するまでの時間に注目をさせることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、スルーゲート35への遊技球の入球→普通電動役物53が開放→特電始動口52への遊技球の入球→第2開閉扉55bの開放→第2大入賞口55aへの遊技球の入球といったように、種々の遊技の要素が関連しているので、種々の遊技要素について遊技者に注目をさせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10は、高確率モード時に大当たりに当選した場合と、低確率モード時に大当たりに当選した場合とで、特典が付与される方法が異なる。具体的には、高確率モード時に大当たりに当選した場合には、大当たりに当選した遊技回の終了後に、特典としての特別ボーナスが付与され、その後、特典としてのラウンド遊技が付与される。低確率モード時に大当たりに当選した場合には、大当たりに当選した遊技回の終了後に、特典としてのラウンド遊技のみが付与される。よって、遊技回が実行されている際の抽選モードについて遊技者により一層の注目をさせることができる。また、遊技者が抽選モードを把握することなく大当たりに当選した遊技回が終了し特典の付与が開始された場合に、特典が付与される態様を把握することによって、大当たりに当選した遊技回における抽選モードを推測する楽しみを遊技者に提供することができる。このように、大当たりに当選した遊技回における抽選モードと、大当たりに当選した遊技回の終了後における特典を付与する処理の方法とを関連させることによって、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、上述のように、本実施形態のパチンコ機10は、高確率モード時に大当たりに当選した場合と、低確率モード時に大当たりに当選した場合とで、特典が付与される方法が異なる。すなわち、当該大当たりに当選した遊技回より先に実行された大当たりに当選した遊技回(以下、先当選遊技回とも呼ぶ)における大当たり種別が確変大当たりであったのか、または、通常大当たりであったのかに基づいて、その後に実行され大当たりに当選した遊技回(以下、後当選遊技回とも呼ぶ)の終了後に付与される特典の付与方法が決定される。よって大当たりに当選した場合に、その大当たりに当選した遊技回の終了後の特典の付与方法について遊技者に期待感を付与することに加えて、その遊技回から見て後当選遊技回の終了後の特典の付与方法についても期待感を付与することができる。
また、大当たりに当選した場合に、その大当たりに当選した遊技回の終了後の特典の付与方法について、遊技者に対して、その大当たりに当選した遊技回から見て先当選遊技回における大当たり種別に基づいて推測させることができる。従って、大当たりに当選した遊技回が実行された場合には、その大当たりに当選した遊技回から見て先当選遊技回における大当たり種別に基づいて、その大当たりに当選した遊技回の終了後の特典の付与方法の推測をさせることができ、また、その大当たりに当選した遊技回から見て後当選遊技回における特典の付与方法の推測をさせることができ、大当たりに当選した遊技回の1回の実行で、遊技者に対して種々の推測を促し、さらに、期待感を付与することができる。
また、先当選遊技回において確変大当たりに当選した場合には、当該先当選遊技回の終了後に付与される特典について遊技者に期待感を付与することができることに加え、後当選遊技回の終了後に付与される特典についても遊技者に期待感を付与することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、大当たりに当選した遊技回の終了後のオープニング期間の時間であるオープニング時間は、その大当たりに当選した遊技回の抽選モード(高確率モードであるか、低確率モードであるか)に基づいて決定される。すなわち、大当たりに当選した遊技回の終了後のオープニング期間の時間であるオープニング時間は、その大当たりに当選した遊技回から見て先当選遊技回における大当たり種別に基づいて決定されている。よって、その大当たりに当選した遊技回の終了後のオープニング期間のオープニング時間の長さを、先当選遊技回における大当たり種別に基づいて遊技者に推測させ、新たな遊技性を提供することができる。また、そのオープニング期間が特定期間となる場合には、より一層、先当選遊技回における大当たり種別に基づいてオープニング時間について遊技者に推測を促し、特別ボーナスについて、さらなる期待感を付与することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、大当たりに当選した遊技回の終了後のオープニング期間に実行するオープニング演出は、その大当たりに当選した遊技回の抽選モード(高確率モードであるか、低確率モードであるか)に基づいて決定される。すなわち、大当たりに当選した遊技回の終了後のオープニング期間におけるオープニング演出は、その大当たりに当選した遊技回から見て先当選遊技回における大当たり種別に基づいて決定されている。よって、その大当たりに当選した遊技回の終了後のオープニング期間におけるオープニング演出を、先当選遊技回における大当たり種別に基づいて遊技者に推測させ、新たな遊技性を提供することができる。逆に、その大当たりに当選した遊技回の終了後のオープニング期間におけるオープニング演出に基づいて、遊技者に対して、先当選遊技回における大当たり種別など先当選遊技回における各種情報を推測させ、新たな遊技性を提供することができる。
《C7》第3実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
《C7−1》変形例1:
上記第3実施形態では、大当たりに当選した場合の大当たり種別である16R確変大当たり、および、8R確変大当たりは、抽選モードが高確率モードとなった後、次回に大当たりに当選するまで当該高確率モードが継続する構成を採用したが、他の構成を採用してもよい。具体的には、16R確変大当たり、および、8R確変大当たりなど、確変大当たりに当選した場合に、抽選モードが高確率モードとなった後、当該高確率モードでの遊技回の実行回数に制限がある構成を採用してもよい。
例えば、16R確変大当たり、または8R確変大当たりに当選した場合、抽選モードが高確率モードとなった後、当該高確率モードでの遊技回の実行回数が100回に達した後は、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する。したがって、本例の構成の場合、高確率モードにおいて実行される遊技回の実行回数が100回に達する前に大当たりに当選した場合には、高確率モードにおいて大当りに当選しているので、当該大当たりとなった遊技回の終了後に潜伏確変状態となり、特典として特別ボーナスが付与される。しかしながら、高確率モードにおいて実行される遊技回の実行回数が100回に達した後は、抽選モードが低確率モードとなるため、大当たりに当選したとしても、当該大当たりとなった遊技回の終了後に潜伏確変状態とならず、特別ボーナスは付与されない。
このような構成を採用することによって、確変大当たりに当選し、高確率モードで遊技回が実行されている場合に、遊技者に対して、100回の遊技回が実行される前に大当たりに当選したいと強く所望させることができ、高確率モードにおける1回1回の遊技回における当たり抽選結果に強く注目させることができ、遊技者に緊迫感や期待感を付与することができる。結果として、遊技の興趣向上を図ることができる。
《C7−2》変形例2:
上記第3実施形態においては、特定期間においては、普通電動役物53の開放動作中に、特電始動口52に遊技球が入球してから、第2開閉扉55bが開放するまでの時間を0.5秒に設定する構成を採用したが、他の構成を採用してもよい。
図203は、変形例2としての一例を説明する説明図である。図143(a)の状態から、普通電動役物53が開放して図203(b)の状態となった場合に、普通電動役物53が閉鎖するタイミングで第2開閉扉55bが開放し、図203(c)に示したように、可動片53aの上面を流通していた複数の遊技球が第2大入賞口55aに入球する構成を採用する。具体的には、可動片53aの上面を遊技球が流通する速度を凸部53bの数等で調整することによって、可動片53aの上面を複数の遊技球が同時に流通し得る構成とする。そして、1個の遊技球が特電始動口52に入球したことを契機として、普通電動役物53は閉鎖し、第2開閉扉55bは開放するが、普通電動役物53の閉鎖のタイミングと第2開閉扉55bの開放するタイミングを調整し、図203(c)に示したように、可動片53aの上面を流通していた複数の遊技球が第2大入賞口55aに入球する構成とする。第2大入賞口55aに複数の遊技球が入球した場合には、入球した遊技球の数に応じた数の遊技球が賞球として払い出される。
このような構成を採用することによって、特定期間中に、1回の特電始動口52への遊技球の入球で、多くの特典を遊技者に付与することができ、遊技者に対して特電始動口52への入球に注目させ、大きな期待感を付与することができる。
《C7−3》変形例3:
上記第3実施形態においては、特定期間であるオープニング期間(特別ボーナスが付与されるオープニング期間)には、特別ボーナス用のオープニング演出を実行したが、特定期間であるオープニング期間に通常用のオープニング演出(特別ボーナスが付与されないオープニング演出)を実行する構成を採用してもよい。
このような構成を採用した場合、特定期間であるオープニング期間に通常用のオープニング演出が実行されたことを認識した遊技者は、一時的に、特別ボーナスは付与されないものと認識しているにもかかわらず、実際には特別ボーナスが付与されるので、遊技者に意外性を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
《C7−4》変形例4:
上記第3実施形態において、オープニング期間におけるオープニング時間を、潜伏確変状態である場合(特定期間である場合)と、潜伏確変状態ではない場合(特定期間ではない場合)とで、同じにしてもよい。このようにすることで、状態に応じたオープニング時間を設定する処理(オープニング時間設定処理:図184参照)を簡略化することができ、処理負担の軽減を図ることができる。
C7−5.変形例5:
上記第3実施形態においては、高確率モード時に大当たりに当選した場合、その大当たりの大当たり種別が有利であるほど、特別ボーナスが付与されるオープニング期間の時間的長さを短くする構成を採用したが、その大当たりの大当たり種別が有利であるほど、特別ボーナスが付与されるオープニング期間の時間的長さを長くする構成を採用してもよい。このような構成を採用することによって、高確率モード時に大当たりに当選した場合、その大当たり種別が有利な大当たり種別であることを遊技者に、より一層強く所望させ、大当たり種別について遊技者に大きな期待感を付与することができる。
《C7−6》変形例6:
上記第3実施形態において、オープニング時間を決定する抽選を別に実行する構成を採用してもよい。このようにすることで、特定期間の時間的長さを、遊技者が大当たり種別から推測することが困難となり、特別ボーナスが付与される場合に、特定期間の時間的長さについて遊技者に新たな期待感を付与することができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
《C7−7》変形例7:
上記第3実施形態においては、スルーゲート35に遊技球が入球した場合に、電役開放抽選を実行し、電役開放抽選において開放当選した場合に普通電動役物53を電動で開放する構成を採用したが、普通電動役物53に換えて非電動役物を備える構成を採用してもよい。この場合、スルーゲート35と当該非電動役物とが電気を用いない機械的構造によって接続されており、スルーゲート35を遊技球が通過した場合に機械的構造を介して非電動役物が動作する。このような構成を採用することによって、電役開放抽選に関連する処理を省略することができ、処理の簡略化を図ることができる。
《C7−8》変形例8:
上記第3実施形態では、オープニング期間が潜伏確変状態である場合に特別ボーナスを付与し、オープニング期間が潜伏確変状態ではない場合に特別ボーナスを付与しない構成を採用したが、その逆の処理を実行する構成を採用してもよい。すなわち、オープニング期間が潜伏確変状態である場合に特別ボーナスを付与せず、オープニング期間が潜伏確変状態ではない場合に特別ボーナスを付与する構成を採用する。このような構成を採用すると、抽選モードが低確率モードである場合に大当たりに当選すると、オープニング期間において特電始動口52への遊技球の入球から第2開閉扉55bの開放までの時間が0.5秒となり、特別ボーナスが付与される。通常、高確率モードである場合には大当たりに当選する確率が高いので遊技者に大きな期待感を付与することができ、低確率モードである場合には大当たりに当選する確率が低いので高確率モードである場合と比較して遊技者に期待感を付与しにくいが、本変形例の構成を採用した場合、低確率モードある場合には、大当たりに当選すると特別ボーナスが付与されるので、低確率モードである場合にも遊技者に大きな期待感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。なお、この構成を採用する場合、オープニング期間フラグがON、高頻度サポートモードフラグがOFF、高確率モードフラグがOFFであることを条件として、特別ボーナスの付与を行うことで、本構成を実現することができる。
《C7−9》変形例9:
上記第3実施形態において、普通電動役物53が配置される位置が第2可変入賞装置55の上部でない構成を採用してもよい。例えば、特電始動口52の上部に、いわゆる電動チューリップ型の構造で配置される構成を採用してもよい。この場合、低頻度サポートモード時に特電始動口52に遊技球が入球しにくくすることができ、過度に賞球を付与することを抑制することができる。
また、普通電動役物53を備えない構成を採用してもよい。この構成を採用した場合、構造を簡易化することができる。また、電役開放抽選の処理を省略することができるので、処理を簡易化することができる。
《C7−10》変形例10:
上記第3実施形態においては、特電始動口52に遊技球が入球してから第2開閉扉55bが開放するまでの時間が、特定期間と非特定期間とで異なる構成を採用したが、特電始動口52に遊技球が入球してから第2開閉扉55bが開放するまでの時間が、特定期間と非特定期間とで同じである構成を採用してもよい。このような構成を採用することによって、特電始動口52に遊技球が入球してから第2開閉扉55bが開放するまでの時間を遊技の状態によって変更する処理を省略することができ、処理を簡略化することができる。
《C7−11》変形例11:
上記第3実施形態においては、潜伏確変状態(特定期間)と潜伏確変状態ではない状態(非特定期間または非潜伏確変状態とも呼ぶ)とで、特電始動口52への遊技球の入球を契機とする第2開閉扉55bの制御処理を変更したが、潜伏確変状態と非潜伏確変状態とで他の処理を変更する構成を採用してもよい。例えば、潜伏確変状態と非潜伏確変状態とで、駆動役物の動作態様を変更する構成や、出力する音声の種類を変更する構成や、普通電動役物53の開放パターンを変更する構成など、潜伏確変状態と非潜伏確変状態とで、処理の態様を変更する構成であればどのような構成を採用してもよい。
《C7−12》変形例12:
上記第3実施形態において、潜伏確変状態となる確変大当たり(以下、潜伏確変大当たりとも呼ぶ)を、大当たり種別として有する構成を採用してもよい。すなわち、当該潜伏確変大当たりに当選した場合には、その後の遊技回において、高確率モードかつ低頻度サポートモードとなる。よって、遊技者は、抽選モードが高確率モードであることを認識しにくい。従って、次に大当たりに当選した場合に、特別ボーナスが付与されるが、遊技者は特別ボーナスが付与されることを予期していないので、特別ボーナスの付与が開始されると、遊技者に意外性を付与することができるとともに、遊技者に突発的な期待感を付与することができ、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。結果として、遊技の興趣向上を図ることができる。
《C7−13》変形例13:
上記第3実施形態においては、オープニング期間における時間的長さであるオープニング時間は、当該オープニング期間の直前に実行された遊技回における大当たり種別に基づいて決定される構成を採用したが、他の構成を採用してもよい。具体的には、大当たりに当選した遊技回の終了後の期間において遊技球が特定の入球部またはスルーゲート(以下、まとめて特定入球部とも呼ぶ)に入球することを、ラウンド遊技が開始される条件とする遊技機を採用する。すなわち、大当たりに当選した遊技回が終了した後であっても、その後に遊技球が特定入球に入球するまではラウンド遊技が開始されない。よって、大当たりに当選した遊技回が終了した後であって特定入球部に遊技球が入球するまでの期間をオープニング期間とすることができる。
また、特定入球部を、特図始動口51や特電始動口52や第1可変入賞装置54や第2可変入賞装置55の近傍に配置する。さらに、特定入球部の入球口の周囲に釘42や役物を配置することによって、特定入球部に遊技球が比較的入球しにくいような構成とする。このようにすることで、オープニング時間を比較的長く確保することができる。また、遊技者は、特定入球部に遊技球が入らないことを所望するので、オープニング期間中、遊技者に緊迫感を付与することができる。
さらに、特定入球部に遊技球が入球した場合に賞球を払い出す構成としてもよい。この場合、特定入球部に遊技球が入球しやすい構成とすると、特定入球部への遊技球の入球によって賞球を得ることができるが、オープニング期間は短くなる可能性が高く、特別ボーナスとしての賞球は獲得しにくくすることができる。また、逆に、特定入球部に遊技球が入球しにくい構成とすると、特定入球部への遊技球の入球による賞球は獲得しにくいが、オープニング期間が長くなる可能性があるので、特別ボーナスとしての賞球を獲得しやすくすることができる。このように、特定入球部を備える構成とすることで、種々の遊技性を創出することができる。
《C7−14》変形例14:
低確率モード時に当たり抽選に当選した場合と、高確率モード時に当たり抽選に当選した場合とで、大当たり抽選に当選した遊技回の後に実行されるラウンド遊技における第1可変入賞装置54の動作態様(第1開閉扉54bの開放シナリオ)が異なる構成の遊技機を採用してもよい。具体的には、第1開閉シナリオ設定処理において、当たり抽選の当選時の判定モードを特定し、当該判定モードに基づいて、ラウンド遊技における第1開閉扉54bの開放シナリオを決定する。すなわち、当たり抽選に当選した遊技回の実行後に特典を付与する処理の方法を、当該特典を付与する契機となった大当たり当選した遊技回の実行時におけるに抽選モードに基づいて決定する。
《C7−15》変形例15:
上記第3実施形態において、開閉実行モードを実行する期間の時間的長さを、当該開閉実行モードを実行する契機となった大当たり当選となった遊技回の大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2やリーチ乱数カウンタC3に基づいて決定してもよい。
《D》第4実施形態:
《D1》遊技機の構造:
図204は、本発明の第4実施形態としてのパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」ともいう)の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる各遊技回、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサーと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタンと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器とが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサーがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図205は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53と、電源ユニット58とを備えている。具体的には、これらユニットは、内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能を有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、液晶表示装置を制御する。液晶表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
電源ユニット58は、電源装置85と、電源スイッチ88とを備えている。電源装置85は、パチンコ機10の動作に必要な電力を供給する。電源装置85には、電源スイッチ88が接続されている。電源スイッチ88のON/OFF操作により、パチンコ機10に電力が供給されている供給状態と、パチンコ機10に電力が供給されていない非供給状態とが切り換えられる。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図206は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、前後方向に貫通する複数の開口部が形成されている。各開口部には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39と、起動時表示部39aとを有している。
図示するように、一般入賞口32は、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入賞すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
第1始動口33及び第2始動口34は、共に上向きに開放されており、第1始動口33が第2始動口34よりも上方となるように鉛直方向に並んで配置されている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入賞すると3個の遊技球が賞球として払い出される。第2始動口34には、左右一対の可動片よりなる電動役物34aが設けられている。電動役物34aが閉鎖状態のときには、遊技球は第2始動口34に入賞することはできない。一方、電動役物34aが開放状態のときには、遊技球は第2始動口34に入賞することができる。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入賞すると4個の遊技球が賞球として払い出される。なお、遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。遊技球がスルーゲート35へ入賞すると、すなわち、遊技球がスルーゲート35の貫通孔を通過すると、主制御装置60は、当該入賞をトリガとして内部抽選(電動役物開放抽選)を行う。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35に入賞した遊技球は、入賞後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入賞することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35に遊技球が入賞しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aを備えるとともに、大入賞口36aを開閉する開閉扉36bを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入賞できない閉鎖状態になっている。主制御装置60による内部抽選(当たり抽選)の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行した場合には、開閉扉36bは、遊技球が入賞可能な開放状態と閉鎖状態とを繰り返す。開閉実行モードとは、第1始動口33又は第2始動口34への入賞をトリガとした主制御装置60による当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に移行し、開閉扉36bが開放状態と閉鎖状態とを繰り返すモードである。すなわち、第1始動口33への入賞に基づく当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合には、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能になる開閉実行モードへ移行する。同様に、第2始動口34への入賞に基づく当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合にも、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能な開閉実行モードへと移行する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入賞すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への入賞をトリガとした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行わせるまでの表示態様として、変動表示又は所定の表示を行わせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行わせる。
第2図柄表示部37bは、第2始動口34への入賞をトリガとした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行わせるまでの表示態様として、変動表示又は所定の表示を行わせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行わせる。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cと第2保留表示部37dとを備えている。本実施形態では、第1始動口33に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。また、本実施形態では、第2始動口34に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35への入賞をトリガとした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。なお、特図ユニット37及び普図ユニット38は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了し新たな遊技回が開始される場合に終了する。
起動時表示部39aは、1つのLEDランプによって構成されており、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替えられた時(電源オン時)に、後述する高確率モードが引き継がれている場合に、点灯する。パチンコ機10の前回動作時に、高確率モードのままで電源スイッチ88がオン状態からオフ状態に切り替えられた場合、次の電源オン時には、高確率モードフラグの記憶内容が保持され、高確率モードが引き継がれる。なお、電源オン時に換えて、停電からの復旧時においても、高確率モードが引き継がれている場合に、同様に点灯する。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、液晶表示装置41を備える。液晶表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。液晶表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、液晶表示装置41は、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置に換えてもよい。
液晶表示装置41は、第1始動口33への入賞に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、液晶表示装置41は、第2始動口34への入賞に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。液晶表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への入賞をトリガとした表示演出に限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の表示演出なども行う。以下、液晶表示装置41の詳細について説明する。
図207は、液晶表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図207(a)は、液晶表示装置41において変動表示される図柄を示す説明図である。図207(a)に示すように、液晶表示装置41には、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図207(b)は、液晶表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図207(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図207(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、液晶表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、「遊技回」とは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを言い、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報についての当たり抽選の抽選結果を、遊技者に告知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1つの特別情報についての1つの当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、液晶表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
さらに、図207(b)に示すように、液晶表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留個数が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、上述したように、第1始動口33及び第2始動口34に入賞した遊技球の保留個数は、それぞれ最大4つまでである。
《D2》遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図208は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
MPU62には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU62の入力側には、各種検知センサ67a〜67eと、払出制御装置70と、電源装置85とが接続されている。MPU62は、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。
電源装置85は、停電監視回路86と、バックアップ電源回路87とを備える。停電監視回路86は、電源を監視することによって、停電発生時に停電情報信号を出力する。「停電発生時」とは、商用電源の停電が発生した時に限らず、電源スイッチ88がオン状態からオフ状態に切り替えられた時(電源オフ時)も含む。
バックアップ電源回路87は、コンデンサを備え、停電監視回路86から停電情報信号を受信した場合に、各装置への電力供給を継続する。具体的には、主制御装置60に備えられたRAM64に電力供給がなされ、RAM64の記憶情報の少なくとも一部を電源オフ後も保持し続ける。保持する情報としては、本実施形態では、後述する高確率モードフラグと高頻度サポートモードフラグと遊技回数カウンタPNCとを少なくとも含むもので、遊技状態の情報が該当する。
なお、本実施形態では、バックアップ電源回路87によって、停電発生時(例えば、電源スイッチ88がオフ状態にある時)でもRAM64に電力を供給し、上述した遊技状態の情報を保持し続けているが、これに換えて、停電発生時に、バックアップ電源回路87によって、所定の期間(例えば、10秒)だけ各装置への電力供給を継続し、その所定の期間に、遊技状態の情報をフラッシュメモリやハードディスクドライブ等の不揮発性メモリに退避し、その後、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替えられた時に、待避した情報をRAM64に復元する構成としても良い。要は、パチンコ機10に電力が供給されている供給状態から非供給状態へ切り替わる直前に記憶している遊技状態の情報を、非供給状態から供給状態に切り替わったときに継続して記憶し得る構成であれば、いずれの構成としても良い。
また、MPU62は、各種検知センサ67a〜67eとして、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36などの各種の入賞口に設けられた複数の検知センサと接続されており、遊技中に遊技領域PAを流下する遊技球が各入賞口に入賞したか否かの入賞判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33及び第2始動口34への入賞に基づいて当たり抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいて電動役物開放抽選を実行する。
MPU62の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部34bの駆動制御を実行する。各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、MPU62の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、MPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gを参照する。具体的には、一般入賞口32への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への入賞を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への入賞を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、液晶表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、液晶表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、各遊技回において実行される予告演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、図柄の組み合わせが停止表示している時間である停止時間は一定である。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図209は、当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明する説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、液晶表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。液晶表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ抽選にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。高確率モード(高確率遊技状態とも呼ぶ)を終了させるか否かの転落抽選には転落乱数カウンタC4が用いられる。なお、高確率モードは、確変大当たりに当選することによって開始される遊技状態であって、当たり抽選において大当たりに当選する確率が、低確率モードより相対的に高い遊技状態を言う。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに液晶表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC5が用いられる。
各カウンタC1〜C4、CINI、CS、C5は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜格納される。
RAM64には保留情報格納エリア64bが設けられている。保留情報格納エリア64bは、第1保留エリアRaと、第2保留エリアRbと、実行エリアAEと、合計保留個数記憶エリアとから構成されている。第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が順次入賞すると、入賞のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び転落乱数カウンタC4の各値が保留情報格納エリア64bに時系列的に格納される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。具体的には、大当たり乱数カウンタC1の更新値は、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64bの第1保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64bの第2保留エリアRbに格納される。大当たり当選となる乱数の値は、ROM63の当否テーブル記憶エリア63a(図208)に当否テーブルとして記憶されている。
図210は、当否テーブル記憶エリア63aに格納されている当否テーブルについて説明する説明図である。パチンコ機10には、当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されている。図210(a)は低確率モード用の当否テーブルを示し、図210(b)は高確率用の当否テーブルを示している。図210(a)に示すように、当たり抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、図210(b)に示すように、当たり抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は20個である。また、低確率モードで大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードで大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、当選となる乱数の数及び値は任意である。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。より詳しくは、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64b(RAM64)の第1保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64b(RAM64)の第2保留エリアRbに格納される。
ここで、パチンコ機10における大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(2)開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モード
(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモード
パチンコ機10には、上記の(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が15回行われるとともに、1回の開放は30secが経過するまで又は開閉扉36bへの入賞個数が10個となるまで継続するように設定可能である。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が2回行われるとともに、1回の開放は0.2secが経過するまで又は開閉扉36bへの入賞個数が6個となるまで継続するよう設定可能である。
遊技者により操作ハンドル25が操作されている場合、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構81が駆動制御される。上記具体例の場合、低頻度入賞モードでは、1回の開閉扉36bの開放時間は0.2secである。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の開閉扉36bの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。ただし、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードにおいても、遊技球の入賞が発生し得るように設定してもよい。
なお、開閉扉36bの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入賞の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入賞が発生しない構成としてもよい。
パチンコ機10には、上記の(2)開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードの態様として、当否テーブルとして高確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う確変抽選モードと、当否テーブルとして低確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う通常抽選モードとを設定することができる。図210を用いて説明したように、高確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う場合の方が、低確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う場合と比較して、大当たりに当選する確率が高い。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC5を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率は同一であるが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定され、さらに1回の開放時間が長く設定されてもよい。また、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への入賞が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
低頻度サポートモードでは、第2始動口34よりも第1始動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1始動口33よりも第2始動口34への入賞が発生する確率が高くなる。第2始動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする、及び当選確率を高くするのうち、いずれか1つ又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
上述したように、パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することが可能である。本実施形態では、当たり抽選において大当たりに当選した場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、複数種類の大当たりの種別を振分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たりの種別の振分先は、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図211は、パチンコ機10に設定されている振分テーブルの内容を説明する説明図である。図211(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図211(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。
図211(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口33に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
16R確変大当たり及び8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当たり抽選の抽選モード(以下、単に「抽選モード」とも呼ぶ)が高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
16R通常大当たり及び8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の抽選モードが低確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜13」が16R確変大当たりに対応しており、「14〜27」が8R通常大当たりに対応しており、「28〜33」が16R通常大当たりに対応しており、「34〜39」が8R通常大当たりに対応している。
上記のように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの種別として、4種類の大当たりが設定されている。したがって、大当たりの態様が多様化する。この4種類の大当たりを比較した場合、遊技者にとっての有利度合は、16R確変大当たりが最も高く、8R確変大当たりが次に高く、次に16R通常大当たり、最後に8R通常大当たりと続く。このように遊技者にとって有利度の異なる複数種類の大当たりが設定されていることにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
次に、図211(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たりが設定されている。第2始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜27」が16R確変大当たりに対応しており、「28〜39」が8R確変大当たりに対応している。すなわち、本実施形態におけるパチンコ機10では、第2始動口34への入賞に基づく大当たりは、全て確変大当たりとなる。上記のように本実施形態のパチンコ機10では、大当たり当選となった場合の大当たりの種別の振分態様は、第1始動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、第2始動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
このように、第1始動口33と第2始動口34との大当たり種別の振分態様は、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は、第1始動口33及び第2始動口34のうち、第2始動口34への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うことになる。なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、抽選モード及びサポートモードの変更も発生しない。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行うとともに、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63fに格納されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。具体的には、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングでリーチ乱数カウンタC3の更新値がRAM64の第1保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングでリーチ乱数カウンタC3の更新値がRAM64の第2保留エリアRbに格納される。そして、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値は、実行エリアAEに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチを発生させるか否かが決定される。但し、当たり抽選の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。
リーチとは、液晶表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体的には、図207(b)の表示面41aにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、転落乱数カウンタC4の詳細について説明する。転落乱数カウンタC4は、抽選モードが高確率モードである遊技状態において、高確率モードを終了させるか否かの判定である転落抽選を実行する際に用いられる。転落抽選に当選すると、遊技回における抽選モードは、高確率モードから低確率モードに変更される。
転落乱数カウンタC4は、例えば0〜119の範囲内で順に1ずつ加算され、最大に達した後0に戻る構成である。転落乱数カウンタC4は定期的に更新され、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。具体的には、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングで転落乱数カウンタC4の更新値がRAM64の第1保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングで転落乱数カウンタC4の更新値がRAM64の第2保留エリアRbに格納される。そして、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに格納された転落乱数カウンタC4の値は、実行エリアAEに移動した後、ROM63の転落当否判定テーブル記憶エリア63dに記憶されている転落当否判定テーブルと照合され、高確率モードを終了させるか否かが決定される。本実施形態におけるパチンコ機10においては、転落当否判定テーブルには、転落抽選に当選する乱数の値は2個記憶されている。すなわち、高確率モードの遊技回において、転落抽選に当選し高確率モードが終了し低確率モードとなる確率は1/60である。なお、本実施形態においては、転落抽選は、低確率モードの遊技回においては実行しない。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、液晶表示装置41における図柄の変動時間とをMPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び液晶表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63eに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC5の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC5は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC5は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の電役保留エリア64cに格納される。そして、所定のタイミングで、その格納された電動役物開放カウンタC5の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C5=0〜199であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C5=200〜249であれば、電動役物34aを閉鎖状態に制御する。
なお、第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び転落乱数カウンタC4の一組の組み合わせが、第1始動口33に係る保留情報に相当し、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び転落乱数カウンタC4の一組の組み合わせが、第2始動口34に係る保留情報に相当し、これらの保留情報が、本発明における特別情報に相当する。
《D3》音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図212は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85(図208)等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、保留確認用テーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。これらの詳細については後述する。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には、主制御装置60と演出操作ボタン24が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、スピーカー46や各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、液晶表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して液晶表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、液晶表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、液晶表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより液晶表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
《D4》遊技機による処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。本説明においては、本実施形態におけるパチンコ機10が実行する処理の特徴についての理解を容易にするため、先に、比較例としてのパチンコ機において実行されている処理の概要について説明し、その後、第4実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。
《D4−1》比較例:
図213は、比較例1のパチンコ機において転落抽選に当選した場合の処理の一例を説明するタイムチャートである。比較例1のパチンコ機としては、高頻度サポートモードに移行した後において、遊技回数が予め定めた保証遊技回数に達した場合に低頻度サポートモードに移行する構成のパチンコ機を用いた。「保証遊技回数」とは、高頻度サポートモードにおいて継続して実行されることが保証された遊技回数であり、本実施形態では100回である。但し、比較例1のパチンコ機は、高頻度サポートモードでの遊技回が継続して100回実行された場合であっても、その時点における抽選モードとして高確率モードが継続されている場合には、サポートモードとして高頻度サポートモードは継続される。比較例1のパチンコ機は、本実施形態のパチンコ機10と比較するための参考例である。
図213(a)には、比較例1としてのパチンコ機における、抽選モードの状態とサポートモードの状態とが示されている。図213において、[ ]内に示した数字(例えば[1]、[60])は、高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回の実行回数を示す。
図213(a)は、当たり抽選によって確変大当たりに当選し、大当たりの終了後に、抽選モードが高確率モードに移行し、その後、高頻度サポートモードが開始されてから60回目に実行される遊技回で転落抽選に当選して、抽選モードが低確率モードに移行する場合を示している。また、比較例1のパチンコ機においては、転落抽選における抽選結果が、その遊技回における当たり抽選の抽選モードに反映される。すなわち、比較例1のパチンコ機の場合、高頻度サポートモードが開始されてから60回目に実行される遊技回において、転落抽選に当選し抽選モードが低確率モードに移行する。そして、高頻度サポートモードが開始されてから60回目に実行される遊技回から、低確率モードで当たり抽選が実行される。
一方、サポートモードについては、高頻度サポートモードが開始されてから60回目に実行される遊技回で転落抽選に当選し高確率モードが終了し低確率モードに移行した場合であっても、高頻度サポートモードに移行後の高頻度サポートモードが開始されてから100回目に実行される遊技回に達するまで、高頻度サポートモードは継続される。
図213(b)は、比較例1のパチンコ機が、転落抽選に当選した60回目の遊技回において実行する演出、抽選モード、サポートモードの各状態について示している。この例では、60回目の遊技回まで(1回〜59回)、転落抽選にも当たり抽選にも当選していないので、遊技回59回までは、各遊技回における当たり抽選の結果の予告や抽選結果を告知する通常の演出(通常演出とも呼ぶ)を実行する。そして、転落抽選に当選した60回目の遊技回においては、例えば、遊技者側キャラクターと敵側キャラクターとが対決する戦闘演出(以下、バトル演出とも呼ぶ)を実行する。バトル演出は、遊技者に有利な結果または不利な結果のいずれの結果となるかを遊技者に対して告知する前の演出である。本実施形態においては、バトル演出は、転落抽選に当選した場合、当たり抽選に当選(大当たり当選)した場合、そのいずれでもない場合(転落抽選および当たり抽選のいずれにも当選していない場合)の内のいずれかに該当することを示唆する演出である。
そして、バトル演出を実行後に、転落抽選および当たり抽選の抽選結果を告知する結果告知演出を実行する。結果告知演出においては、転落抽選および当たり抽選の抽選結果に対応した演出を実行する。具体的には、転落抽選に当選した場合は遊技者側キャラクターが敗北する敗北演出、当たり抽選に当選(本実施形態では大当たり当選)した場合は遊技者側キャラクターが勝利する勝利演出、そのいずれでもない場合は遊技者側キャラクターと敵側キャラクターとが引き分けとなる引き分け演出を実行する。比較例1の場合、60回目の遊技回において転落抽選に当選しているため、結果告知演出として敗北演出が実行される。
なお、60回目に実行される遊技回で転落抽選に当選した結果、高確率モードから低確率モードに移行するタイミングは、転落抽選に当選した60回目の遊技回が開始されるタイミングと一致している。すなわち、60回目に実行される遊技回で転落抽選に当選した時、抽選モードは、直ちに高確率モードから低確率モードに移行する。サポートモードについては、前述したように、高頻度サポートモードが継続される。
図214は、比較例1のパチンコ機において大当たり当選した場合の処理の一例を説明するタイムチャートである。具体的には、比較例1のパチンコ機において、当たり抽選によって確変大当たりに当選し、抽選モードが高確率モードに移行し、その後、高頻度サポートモードが開始されてから60回目に実行される遊技回で当たり抽選において大当たり当選して、開閉実行モードの開始時に抽選モードが低確率モードに移行する場合が、図214に示されている。すなわち、図213(b)で示した例示において、転落抽選に当選したことに換えて当たり抽選において大当たり当選した場合が、図214に示されている。
当たり抽選において大当たり当選した60回目の遊技回においては、バトル演出を実行し、その後、遊技者側キャラクターが勝利する勝利演出を結果告知演出として実行する。そして、大当たり当選した60回目の遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミング(すなわち、勝利の結果告知演出が終了した直後のタイミング)でもって、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行すると共に、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。すなわち、大当たり当選した遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミングでもって、抽選モードとサポートモードとを共に低い側にリセットする。
図215は、バトル演出および結果告知演出の一例を示す説明図である。図215(a)はバトル演出を示し、図215(b)は結果告知演出としての敗北演出を示し、図215(c)は結果告知演出としての勝利演出を示している。図215(a)に示したバトル演出は、遊技者側の女性キャラクターと敵側の男性キャラクターとが対決する画像を液晶表示装置41に表示させるとともに、当該画像に伴った音声や光をスピーカー46や各種ランプ47に出力させる態様である。ただし、バトル演出は他の態様であってもよい。
また、図215(b)に示した敗北演出は、遊技者側の女性キャラクターが敗北で悲しむ画像を液晶表示装置41に表示させるとともに、当該画像に伴った音声や光をスピーカー46や各種ランプ47に出力させる態様である。ただし、結果告知演出としての敗北演出は他の態様であってもよい。
図215(c)に示した勝利演出は、遊技者側の女性キャラクターが勝利に喜ぶ画像を液晶表示装置41に表示させるとともに、当該画像に伴った音声や光をスピーカー46や各種ランプ47に出力させる態様である。ただし、結果演出としての勝利演出は他の態様であってもよい。
さらに、図示はしないが、遊技者側キャラクターと敵側キャラクターとが引き分けとなる引き分け演出を結果告知演出としてもよい。
図213(b)に示したように、60回目の遊技回において転落抽選に当選することによって、抽選モードは当該遊技回の開始とともに高確率モードから低確率モードに移行するが、その一方で、サポートモードは高頻度サポートモードが継続されているため、比較例1のパチンコ機の遊技者は、バトル演出が実行されている期間は、サポートモードの状態によって転落に当選したことを認識し得ない。したがって、遊技者は、バトル演出、および、その後に実行される結果告知演出によって、転落抽選および当たり抽選の結果に対して、期待感や緊迫感を抱くことができる。
図216は、前述したバトル演出または結果告知演出が実行されているときの、液晶表示装置41の表示面41aの説明をする説明図である。図に示すように、バトル演出または結果告知演出が実行されるときには、表示面41aは、第1表示領域41aSと第2表示領域41aLとに区分される。そして、第1表示領域41aSでは、図柄の変動表示及び停止表示が実行される。具体的には、単位遊技時間のうち、変動時間においては図柄の変動表示が実行され、停止時間においては図柄の停止表示が実行される。一方、第2表示領域41aLでは、バトル演出または結果告知演出が実行される。
図217は、比較例1のパチンコ機において転落抽選に当選した場合の処理の他の例を説明するタイムチャートである。図213に示した例と図217に示した例との違いは、高頻度サポートモードが開始されてからの転落抽選に当選するまでに実行された遊技回の実行回数である。図213に示した例では、保証遊技回数に達する前である60回目の遊技回において転落抽選に当選した場合について説明したが、図217に示した例では、保証遊技回数に達した以降である120回目の遊技回において転落抽選に当選した場合を示している。
図217(a)は、当たり抽選によって確変大当たりに当選し、大当たりの終了後に、抽選モードが高確率モードに移行し、その後、120回目の遊技回で転落抽選に当選して、抽選モードが低確率モードに移行した場合を示している。比較例1のパチンコ機においては、120回目の遊技回で転落抽選に当選した場合でも、60回目の遊技回において転落抽選に当選した場合と同様に、転落抽選における抽選結果が、その遊技回における当たり抽選の抽選モードに反映される。すなわち、図217(a)の例では、120回目の遊技回において、転落抽選に当選して抽選モードが低確率モードに移行する。そして、120回目の遊技回から、低確率モードで当たり抽選が実行される。
サポートモードについては、先に説明したように、高頻度サポートモードに移行した後において、遊技回数が保証遊技回数(具体的には100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。但し、高頻度サポートモードでの遊技回数が100回に達した場合であっても、その時点における抽選モードとして高確率モードが継続されている場合には、サポートモードとして高頻度サポートモードは継続される。したがって、図217(a)の例では、120回目の遊技回で転落抽選に当選した場合、120回目の遊技回に達するまでは、高確率モードが継続されているので、高頻度サポートモードが継続されている。そして、120回目の遊技回において転落抽選に当選し、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行したことに伴って、サポートモードも高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。
図217(b)は、比較例1のパチンコ機が、転落抽選に当選した120回目の遊技回において実行する演出、抽選モード、サポートモードの各状態について示している。この例では、120回目の遊技回まで(1回〜119回)、転落抽選にも当たり抽選にも当選していないので、120回目の遊技回までは通常演出を実行する。そして、転落抽選に当選した120回目の遊技回においては、例えば、先に説明したバトル演出(図215(a))と同一のバトル演出を実行する。バトル演出の実行後には、転落抽選の抽選結果を告知する結果告知演出を実行する。具体的には、120回目の遊技回において転落抽選に当選しているため、結果告知演出として敗北演出が実行される。
図217(b)に示したように、120回目の遊技回において転落抽選に当選した場合、抽選モードは当該遊技回が開始するタイミングで高確率モードから低確率モードに移行する。また、抽選モードが低確率モードに移行したことに伴って、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。サポートモードが低頻度サポートモードに移行するタイミングは、抽選モードが低確率モードに移行したタイミングと同時である。したがって、120回目の遊技回が開始されると同時に低頻度サポートモードに移行する。
図218は、比較例1のパチンコ機において大当たり当選した場合の処理の他の例を説明するタイムチャートである。具体的には、比較例1のパチンコ機において、当たり抽選によって確変大当たりに当選し、抽選モードが高確率モードに移行し、その後、高頻度サポートモードが開始されてから120回目に実行される遊技回で当たり抽選において大当たり当選して、開閉実行モードの開始時に抽選モードが低確率モードに移行する場合が、図218に示されている。すなわち、図217(b)で示した例示において、転落抽選に当選したことに換えて当たり抽選において大当たり当選した場合が、図218に示されている。
当たり抽選において大当たり当選した120回目の遊技回においては、バトル演出を実行し、その後、遊技者側キャラクターが勝利する勝利演出を結果告知演出として実行する。そして、大当たり当選した120回目の遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミング(すなわち、勝利の結果告知演出が終了するタイミング)でもって、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行すると共に、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。すなわち、大当たり当選した遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミングでもって、抽選モードとサポートモードとを共に低い側にリセットする。
図217(b)と図218とを比較すると、120回目の遊技回の開始から終了までの期間において、サポートモードの変化の態様が異なったものであることが判る。この期間では、大当たり当選の際には、図218に示すように高頻度サポートモードであるのに対し、転落当選の際には、図217(b)に示すように低頻度サポートモードとなっている。このため、遊技者は、結果告知演出が実行されるよりも前に、電動役物34a(図206)の開閉状態から高頻度サポートモードが終了し低頻度サポートモードに移行したか否かを判別することによって、120回目の遊技回の転落抽選および当たり抽選の結果を、結果告知演出を介さずに認識することができる。すなわち、遊技者は、バトル演出の実行中に、その後に実行される結果告知演出の種類(勝利演出か敗北演出か)を予測することが可能である。したがって、120回目の遊技回における転落抽選および当たり抽選の結果に対する期待感や緊迫感を、バトル演出および結果告知演出によって遊技者に付与できない場合がある。
まとめると次の通りとなる。比較例1のパチンコ機の場合、図213(b)および図214を用いて説明したように、抽選モードが高確率モードへ移行したことに伴ってサポートモードが高頻度サポートモードに移行した場合、保証遊技回数(本実施形態では100回)に達する前の遊技回で転落抽選に当選した場合には、高頻度サポートモードは継続されるため、転落抽選および当たり抽選の結果に対する期待感や緊迫感を付与する演出(本実施形態においてはバトル演出)および結果告知演出によって、遊技者に期待感や緊迫感を付与することが可能である。
しかし、比較例1のパチンコ機の場合、図217(b)および図218を用いて説明したように、抽選モードが高確率モードへ移行したことに伴ってサポートモードが高頻度サポートモードに移行し、保証遊技回数に達した以後の遊技回で転落抽選に当選した場合には、当該遊技回の開始時に抽選モードが低確率モードに移行するのと同時にサポートモードが低頻度サポートモードに移行するため、遊技者が、結果告知演出が実行されるよりも前に高頻度サポートモードが終了したことを認識した場合には、当該遊技回の転落抽選および当たり抽選の結果を、結果告知演出を介さずに電動役物34aの動作状態から認識することが可能となる。この場合、バトル演出および結果告知演出によって遊技者に期待感や緊迫感を付与することができない。具体的には、高確率モードでの遊技回が100回以上継続している場合であって、かつ高頻度サポートモードである場合に、バトル演出が開始されると、遊技者側キャラクターと敵側キャラクターのいずれが勝利するのかは結果告知まで分からない(すなわち、当たり抽選に大当たり当選するのか転落抽選に当選するのかは結果告知までわからない)といった内容に演出的にはなっているが、遊技者は、バトル演出が実行されている期間に高頻度サポートが終了したことを認識することによって、今回のバトルは遊技者側キャラクターが負けてしまう(転落抽選に当選する)ということを、バトル演出中に予測できてしまう。このことが、比較例1の課題となっている。
図219は、比較例2のパチンコ機において大当たり当選した場合の処理の一例を説明するタイムチャートである。具体的には、比較例2のパチンコ機において、当たり抽選によって確変大当たりに当選し、抽選モードが高確率モードに移行し、その後、高頻度サポートモードが開始されてから120回目に実行される遊技回で当たり抽選において大当たり当選して、開閉実行モードの開始時に抽選モードが低確率モードに移行する場合が、図219に示されている。比較例2のパチンコ機は、本実施形態のパチンコ機10と比較するための参考例である。
当たり抽選において大当たり当選した120回目の遊技回においては、バトル演出を実行し、その後、遊技者側キャラクターが勝利する勝利演出を結果告知演出として実行する。大当たり当選した120回目の遊技回が開始するタイミングでもってサポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行し、大当たり当選した120回目の遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミング(すなわち、勝利の結果告知演出が終了した直後のタイミング)でもって、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する。すなわち、高確率モードでの遊技回が保証遊技回数(100回)以上継続して実行されている場合であって、当たり抽選において大当たり当選した場合に、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行するタイミングが、比較例1のパチンコ機では、大当たり当選した遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミングである(図218参照)のに対して、比較例2のパチンコ機では、大当たり当選した遊技回が開始するタイミングとなっている点が相違する。
比較例2のパチンコ機は、残余の点で比較例1のパチンコ機と同一である。すなわち、高確率モードでの遊技回が100回に達する前に転落抽選に当選した場合に、図213に示した動作と同じ動作を行い、高確率モードでの遊技回が100回に達する前に当たり抽選において大当たり当選した場合に、図214に示した動作と同じ動作を行い、高確率モードでの遊技回が100回以上継続している場合に転落抽選に当選した場合に、図217に示した動作と同じ動作を行う。
図217(b)と図219とを比較すると、120回目の遊技回の開始から終了までの期間において、サポートモードの変化の態様が同一であることが判る。このため、遊技者が、結果告知演出が実行されるよりも前に、電動役物34a(図206)の開閉状態から、120回目の遊技回の転落抽選および当たり抽選の結果を認識することはできない。すなわち、遊技者は、バトル演出の実行中に、その後に実行される結果告知演出の種類(勝利演出か敗北演出か)を予測することが不可能である。したがって、比較例2のパチンコ機によれば、比較例1の前述した課題を解決することができる。
《D4−2》パチンコ機10による処理の概要:
次に、本実施形態としてのパチンコ機10における処理の概要について説明する。本実施形態のパチンコ機10は、比較例2のパチンコ機に対して、メイン表示部45に起動時表示部39aを有し、起動時表示部39aを点灯/消灯する処理を行う点で相違し、残余の点で同一である。この起動時表示部39aを点灯/消灯する処理の概要について説明する。
図220は、本実施形態のパチンコ機10において、起動後に最初に転落抽選に当選した場合の処理の一例を説明するタイムチャートである。本実施形態のパチンコ機10によれば、前回動作時に、抽選モードが高確率モードのままで、電源スイッチ88がオン状態からオフ状態に切り替えられ(電源オフされ)た場合(タイミングt11)、その後、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替えられ(電源オンされ)た時(タイミングt12)には、抽選モードとして高確率モードが引き継がれる。同様に、サポートモードについても、電源オフ時の状態が電源オン時に引き継がれる。また、保証遊技回数の残りの回数も引き継がれる。以下、抽選モード、サポートモード、および保証遊技回数の残りの回数が引き継がれることを、単に「遊技状態が引き継がれる」とも呼ぶ。そして、電源オン時に高確率モードが引き継がれている場合に、電源オンされたタイミングt12で、起動時表示部39aは点灯される。
図220には、電源オン後、高頻度サポートモードが開始されてから60回目に実行される遊技回で転落抽選に当選して、抽選モードが低確率モードに移行する場合を示している。ここで言う「60回目」は、高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回の実行回数であり、前回動作時からカウントが継続される後述する遊技回数カウンタPNCに基づくものである。転落抽選に当選した60回目の遊技回が開始されるタイミングt13で、起動時表示部39aは消灯される。
さらに、タイミングt13では、抽選モードについては、直ちに高確率モードから低確率モードに移行し、サポートモードについては、高頻度サポートモードが継続される。図示はしないが、タイミングt13でもって、バトル演出が実行開始され、バトル演出の終了後、結果告知演出(敗北演出)が行われる。すなわち、60回目に実行される遊技回で転落抽選に当選したタイミングt13での演出、抽選モード、サポートモードについてのそれぞれの変化の態様は、図213(b)で示した比較例1の転落当選時と同一である。
図221は、本実施形態のパチンコ機10において、起動後に最初に大当たり当選した場合の処理の一例を説明するタイムチャートである。具体的には、本実施形態のパチンコ機10において、図220の例示と同様に、電源オン時に遊技状態が引き継がれた場合が、図221に示されている。そして、図220の例示と同様に、電源オン時に高確率モードが引き継がれている場合に、電源オンされたタイミングt22で、起動時表示部39aが点灯される。
図220で示した例示では、60回目に実行される遊技回で転落抽選に当選していたが、図221で示した例示では、60回目に実行される遊技回で当たり抽選で大当たり当選している。この大当たり当選した60回目の遊技回が開始されるタイミングt23で、起動時表示部39aは消灯される。ここで言う大当たり当選は、確変大当たりに当選した場合、普通大当たりに当選した場合のいずれであってもよい。
図示はしないが、このタイミングt23で、バトル演出を実行開始し、バトル演出の終了後、勝利演出を結果告知演出として実行する。そして、当たり抽選において大当たり当選した60回目の遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミング(すなわち、勝利の結果告知演出が終了した直後のタイミング)t24でもって、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行すると共に、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。すなわち、この60回目に実行される遊技回で大当たり当選した際の演出、抽選モード、サポートモードの変化の態様は、図214で示した比較例1の大当たり当選時と同一である。
図222は、本実施形態のパチンコ機10において、起動後に最初に転落抽選に当選した場合の処理の他の例を説明するタイムチャートである。ここでは、本実施形態のパチンコ機10において、図220、図221の例示と同様に、電源オン時に遊技状態が引き継がれた場合が、図222に示されている。そして、図220、図221の例示と同様に、電源オン時に高確率モードが引き継がれている場合に、電源オンされたタイミングt32で、起動時表示部39aが点灯される。
図220で示した例示では、保証遊技回数に達する前である60回目に実行される遊技回で転落抽選に当選していたが、図222で示した例示では、保証遊技回数に達した以後である120回目に実行される遊技回で転落抽選に当選している。この転落抽選に当選した120回目の遊技回が開始されるタイミングt33で、起動時表示部39aは消灯される。
図示はしないが、このタイミングt33で、バトル演出を実行を開始し、バトル演出の終了後、敗北演出を結果告知演出として実行する。また、このタイミングt33でもって、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行すると共に、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。すなわち、この120回目に実行される遊技回で転落抽選に当選した際の演出、抽選モード、サポートモードの変化の態様は、図217で示した転落当選時と同一である。
図223は、本実施形態のパチンコ機10において、起動後に最初に大当たり当選した場合の処理の他の例を説明するタイムチャートである。ここでは、本実施形態のパチンコ機10において、図222の例示と同様に、電源オン時に遊技状態が引き継がれた場合が、図223に示されている。そして、図222の例示と同様に、電源オン時に高確率モードが引き継がれている場合に、電源オンされたタイミングt42で、起動時表示部39aが点灯される。
図222で示した例示では120回目に実行される遊技回で転落抽選に当選していたが、図223で示した例示では、120回目に実行される遊技回で当たり抽選で大当たり当選している。この大当たり当選した120回目の遊技回が開始されるタイミングt43で、起動時表示部39aは消灯される。
図示はしないが、このタイミングt43で、バトル演出を実行開始し、バトル演出の終了後、勝利演出を結果告知演出として実行する。また、このタイミングt43でもってサポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行し、当たり抽選において大当たり当選した120回目の遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミング(すなわち、勝利の結果告知演出が終了した直後のタイミング)t44でもって、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する。すなわち、この120回目に実行される遊技回で当たり抽選で大当たり当選した際の演出、抽選モード、サポートモードの変化の態様は、図219で示した比較例2の大当たり当選時と同一である。
まとめると、上述した処理を実行するパチンコ機10によれば、電源オン時に前回動作時の遊技状態が引き継がれ、起動時表示部39aが点灯された以後に、転落抽選または当たり抽選に当選した場合に、その当選した遊技回が開始されるタイミングで直ちに起動時表示部39aは消灯される。このことは、保証遊技回数に達する前の遊技回での転落抽選または当たり抽選の当選、保証遊技回数に達した以後の遊技回での転落抽選または当たり抽選の当選のいずれの場合も同様であり、当選した遊技回が開始されるタイミングで直ちに起動時表示部39aは消灯される。このため、パチンコ機10によれば、電源オン時に起動時表示部39aが点灯された場合に、60回目の遊技回または120回目の遊技回における転落抽選または当たり抽選に当選した場合に、遊技者によって、起動時表示部39aが消灯されるタイミングから、バトル演出の実行中に、その後に実行される結果告知演出の種類(勝利演出か敗北演出か)が予測されることを抑制することができる。
上述した比較例2のパチンコ機によれば、図213(b)と図214との比較から判るように、60回目の遊技回の開始から終了までの期間において、転落抽選に当選した場合と当たり抽選において大当たり当選した場合とで、抽選モードの変化の態様が異なったものである。また、図217(b)と図219との比較から判るように、当選した遊技回である120回目の遊技回の開始から終了までの期間においても、転落抽選に当選した場合と当たり抽選において大当たり当選した場合とで、抽選モードの変化の態様が異なったものである。すなわち、当選した遊技回の開始から終了までの期間において、その当選が大当たり当選の際には高確率モードであるのに対して、転落当選の際には低確率モードとなっている。
加えて、比較例2のパチンコ機において、一般的ないわゆる朝一ランプを採用した場合、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行するタイミング(図220のタイミングt13、図221のタイミングt24,図222のタイミングt33,図223のタイミングt44)でもって、朝一ランプを消灯することが考えられる。この構成によれば、転落当選の際には、転落当選した遊技回が開始されるタイミングで朝一ランプが消灯され、大当たり当選の際には、大当たり当選した遊技回が終了するタイミングで朝一ランプが消灯されることになる。このため、遊技者が、結果告知演出が実行されるよりも前に、朝一ランプの点灯/消灯状態から高確率モードから低確率モードに移行したことを認識することが可能となる。すなわち、この構成によれば、遊技者は、バトル演出の実行中に、その後に実行される結果告知演出の種類(勝利演出か敗北演出か)を予測することが可能となる。したがって、比較例2のパチンコ機において単純に朝一ランプを設けた構成によれば、60回目の遊技回および120回目の遊技回における転落抽選および当たり抽選の結果に対する期待感や緊迫感を、バトル演出および結果告知演出によって遊技者に付与できない場合がある。
これに対して本実施形態のパチンコ機10によれば、上述したように、保証遊技回数に達する前である60回目の遊技回、および、保証遊技回数に達した後である120回目の遊技回において、転落抽選に当選した場合および当たり抽選で大当たり当選した場合のいずれの場合であっても、その当選した遊技回が開始されるタイミングで起動時表示部39aが消灯されるため、起動時表示部39aの点灯/消灯状態から転落抽選に当選したのか当たり抽選において大当たり当選したのかを遊技者に予測されることを抑制し、転落抽選および当たり抽選の結果に対する期待感や緊迫感を付与する演出(本実施形態においてはバトル演出)および結果告知演出によって、遊技者に期待感や緊迫感を付与することが可能となる。
さらに、起動時表示部39aの点灯/消灯状態を介して転落抽選に当選したのか当たり抽選において大当たり当選したのかを遊技者が認識してしまう場合と比較して、演出を介して転落抽選に当選したのか当たり抽選において大当たり当選したのかを遊技者に認識させる場合には、当該演出に時間的な幅をもたせることによって、比較的長期に亘って遊技者に期待感や緊迫感を付与することが可能である。また、当該演出において、大当たりに当選している可能性が高いことを示唆する演出要素と、転落抽選に当選している可能性が高いことを示唆する演出要素とを適宜組み合わせて一連の演出として実行することで、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。この結果、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技に対する興趣向上を図ることができる。
《D5》主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において上述した処理を実行するための具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
各遊技回の遊技を進行させるために、主制御装置60のMPU62は、タイマ割込み処理および通常処理を実行する。MPU62は、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
図224は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップSd0101では、各種検知センサ67a〜67eの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサ67a〜67eの状態を読み込み、当該センサの状態を判定して検出情報(入球検知情報)を保存する。その後、ステップSd0102に進む。
ステップSd0102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSd0103に進む。
ステップSd0103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、転落乱数カウンタC4および電動役物開放カウンタC5の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、転落乱数カウンタC4および電動役物開放カウンタC5にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C5の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSd0104に進む。
ステップSd0104では、第1始動口33及び第2始動口34への入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。ステップSd0104の始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSd0104を実行した後、ステップSd0105に進む。
ステップSd0105では、スルーゲート35への入球に伴うスルー用の入球処理を実行する。ステップSd0105のスルー用の入球処理の詳細については後述する。ステップSd0105を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図224:Sd0104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図225は、始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSd0201では、遊技球が第1始動口33に入球(始動入球)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップSd0201において、遊技球が第1始動口33に入球したと判定した場合には(Sd0201:YES)、ステップSd0202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSd0203に進む。
ステップSd0203では、第1始動口33に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップSd0204に進む。
ステップSd0204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに格納された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップSd0209に進む。
ステップSd0201において、遊技球が第1始動口33に入球していないと判定した場合には(Sd0201:NO)、ステップSd0205に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。
ステップSd0205において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(Sd0205:YES)、ステップSd0206に進み、払出制御装置70に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSd0207に進む。一方、ステップSd0205において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(Sd0205:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップSd0207では、第2始動口34に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップSd0208に進む。
ステップSd0208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップSd0209に進む。
ステップSd0209では、上述したステップSd0204又はステップSd0208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップSd0209において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(Sd0209:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップSd0209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(Sd0209:YES)、ステップSd0210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップSd0211に進み、合計保留個数記憶エリアに格納された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップSd0212に進む。
ステップSd0212では、ステップSd0103(図224)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および転落乱数カウンタC4の各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSd0210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに格納する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSd0103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および転落乱数カウンタC4の各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSd0210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに格納する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSd0103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および転落乱数カウンタC4の各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSd0210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに格納する。ステップSd0212を実行した後、ステップSd0213に進む。
ステップSd0213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および転落乱数カウンタC4の各値の情報(保留情報)に基づいて、当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無、転落抽選の当否判定結果(抽選結果)などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップSd0213を実行した後、ステップSd0214に進む。
ステップSd0214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、転落乱数カウンタC4の各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図228:ステップSd0505)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、液晶表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、液晶表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主制御装置60のMPU62は、ステップSd0214を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入球処理のサブルーチン(図225:Sd0213)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図226は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定、転落抽選の当否判定などの判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップSd0301では、始動口用の入球処理(図225)における始動口への入球によって記憶エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。その後、ステップSd0302に進み、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入球よりも前の入球によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入球による当たり抽選よりも前に発生する確変大当たりの有無や、転落抽選への当選の有無を把握することによって、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップSd0302において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(Sd0302:YES)、ステップSd0303に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップSd0308に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップSd0302において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(Sd0302:NO)、ステップSd0304に進み、今回の入球によって記憶エリアに格納された転落乱数カウンタC4の値を把握する。その後、ステップSd0305に進み、転落当否判定テーブル記憶エリア63dに記憶されている転落当否判定テーブルを参照し、転落抽選に当選しているか否かの判定をする。
ステップSd0305において、転落抽選に当選していると判定した場合には(Sd0305:YES)、ステップSd0306に進み、転落当選情報を先判定処理結果格納エリア64fに記憶し、ステップSd0303に進む。ステップSd0303では、上述のように、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップSd0308に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップSd0305において、転落抽選に当選していないと判定した場合には(Sd0305:NO)、ステップSd0307に進む。ステップSd0307では、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。その後、ステップSd0308に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップSd0308では、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(Sd0308:YES)、ステップSd0309に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値を把握する。その後、ステップSd0310に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、今回の振り分け対象となった大当たり種別カウンタC2が第1始動口33への入球に基づいて取得されたものである場合には、第1始動口用振分テーブルを参照し、第2始動口34への入球に基づいて取得されたものである場合には、第2始動口用振分テーブルを参照する。ステップSd0310を実行した後、ステップSd0311に進む。
ステップSd0311では、振分テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり種別カウンタC2の値が、確変大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップSd0311において、確変大当たりに対応していると判定した場合には(Sd0311:YES)、ステップSd0312に進み、先判定処理結果格納エリア64fに確変大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップSd0311において、確変大当たりに対応していないと判定した場合には(Sd0311:NO)、ステップSd0313に進み、先判定処理結果格納エリア64fに通常大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。
ステップSd0308において、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(Sd0308:NO)、ステップSd0314に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値を把握する。その後、ステップSd0315に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップSd0316に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回把握したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップSd0316において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(Sd0316:YES)、ステップSd0317に進み、先判定処理結果格納エリア64fにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップSd0316において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(Sd0316:NO)、そのまま先判定処理を終了する。
<スルー用の入球処理>
次に、スルー用の入球処理について説明する。スルー用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図224:Sd0105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図227は、スルー用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSd0401では、遊技球がスルーゲート35に入球したか否かを判定する。ステップSd0401において、遊技球がスルーゲート35に入球したと判定した場合には(Sd0401:YES)、ステップSd0402に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入球数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップSd0401において、スルーゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(Sd0401:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。
ステップSd0402において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(Sd0402:YES)、ステップSd0403に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップSd0404に進む。
ステップSd0404では、ステップSd0103(図224)において更新した電動役物開放カウンタC5の値をRAM64の電役保留エリア64cの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに格納する。その後、スルー用の入球処理を終了する。
一方、ステップSd0402において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(Sd0402:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値以上であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC5の値を格納することなく、スルー用の入球処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替えられたこと(以下、「電源投入」とも呼ぶ)に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図228は、通常処理を示すフローチャートである。ステップSd0501では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップSd0502に進む。
ステップSd0502では、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、RAM64の所定領域に設定された各種フラグ記憶エリア64eに格納される。高確率モードフラグがONであるとき、抽選モードは高確率モードである。高確率モードフラグがOFFであるとき、抽選モードは高確率モードではない、すなわち低確率モードである。高確率モードフラグは、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、その後に通常大当たりに当選した場合、または、転落抽選に当選した場合にOFFにされる。
ステップSd0502において、高確率モードであると判定した場合には(Sd0502:YES)、ステップSd0503に進み、メイン表示部45に設けられた起動時表示部39aを点灯する。その後、ステップSd0504に進み、起動時表示部フラグをONにする。起動時表示部フラグは、起動時表示部39aが点灯しているか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eに格納される。ステップSd0503で起動時表示部39aが点灯されたことを受けて、ステップSd0504で起動時表示部フラグをオンにする。ステップSd0504を実行した後、ステップSd0505に進む。
一方、ステップSd0502において高確率モードではないと判定した場合には(Sd0502:NO)、直ちにステップSd0505に進む。
ステップSd0505では、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップSd0505を実行した後、ステップSd0506に進む。
ステップSd0506では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSd0507に進む。
ステップSd0507では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップSd0508に進む。ステップSd0508では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選、液晶表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップSd0508を実行した後、ステップSd0509に進む。
ステップSd0509では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップSd0510に進む。
ステップSd0510では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップSd0511に進む。
ステップSd0511では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップSd0505のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップSd0511において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(Sd0511:NO)、ステップSd0512及びステップSd0513において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップSd0512において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップSd0513において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。一方、ステップSd0511において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(Sd0511:YES)、ステップSd0505に戻り、ステップSd0505からステップSd0510までの各処理を実行する。
なお、ステップSd0505からステップSd0510の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図228:Sd0508)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図229は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップSd0601では、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理において遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、同じく遊技状態移行処理において開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。
ステップSd0601において、開閉実行モード中であると判定した場合には(Sd0601:YES)、ステップSd0602以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップSd0601において、開閉実行モード中でないと判定した場合には(Sd0601:NO)、ステップSd0602に進む。
ステップSd0602では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eにおける変動表示中フラグ記憶エリアの変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップSd0602において、メイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には(Sd0602:NO)、ステップSd0603〜ステップSd0606の遊技回開始用処理に進む。ステップSd0603では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップSd0603において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(Sd0603:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップSd0603において、合計保留個数CRNが「0」でないと判定した場合には(Sd0603:NO)、ステップSd0604に進む。
ステップSd0604では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するためのデータ設定処理を実行し、ステップSd0605に進む。データ設定処理の詳細は後述する。
ステップSd0605では、遊技状態を判定するための遊技状態判定処理を実行する。具体的には、抽選モードが高確率モードであり、且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態であるか否かの判定を、遊技状態判定処理にて行う。高確率モードであり、且つ高頻度サポートモードである遊技状態を、以下、「高確・高サポ状態」とも呼ぶ。後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、高確・高サポ状態の遊技回において特定の演出を実行するため、高確・高サポ状態であるか否かの判定を行う。遊技状態判定処理の詳細は後述する。ステップSd0605を実行した後、ステップSd0606に進む。
ステップSd0606では、メイン表示部45における変動表示及び液晶表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。ステップSd0606を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップSd0602において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(Sd0602:YES)、ステップSd0607〜ステップSd0611の遊技回進行用処理に進む。
ステップSd0607では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップSd0607では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64d)に格納されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図232:Sd0903)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップSd0607において、変動時間が経過していないと判定した場合には(Sd0607:NO)、ステップSd0608に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る図柄表示部における表示態様を変更する処理である。ステップSd0608を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
ステップSd0607において、変動時間が経過していると判定した場合には(Sd0607:YES)、ステップSd0609に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理は、後述する変動開始処理(図232)において決定された図柄表示部に表示させる図柄の態様が、今回の遊技回に係る図柄表示部にて表示されるように当該図柄表示部を表示制御する。その後、ステップSd0610に進む。
ステップSd0610では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。高頻度サポートモードフラグは、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、RAM64の所定領域に設定された各種フラグ記憶エリア64eに格納される。高頻度サポートモードフラグがONであるとき、サポートモードは高頻度サポートモードである。高頻度サポートモードフラグがOFFであるとき、サポートモードは高頻度サポートモードではない、すなわち低頻度サポートモードである。高頻度サポートモードフラグは、後述する開閉実行モードの終了後にオンされる(図238のステップSd1504参照)。
ステップSd0610において、高頻度サポートモードであると判定した場合には(Sd0610:YES)、ステップSd0611に進み、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードにおいて保証された保証遊技回数の残りの回数をカウントするためのカウンタである。遊技回数カウンタPNCは、後述する図238のステップSd1505で値100が予めセットされている。ステップSd0611を実行した後、ステップSd0612に進む。一方、ステップSd0610において、高頻度サポートモードではないと判定した場合には(Sd0610:NO)、遊技回制御処理を終了する。
ステップSd0612では、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSd0612において、高確率モードではないと判定した場合には(Sd0612:NO)、ステップSd0613に進み、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数(例えば100回)に達する前(=保証遊技回数内)であるか否かを判定する。具体的には、保証遊技回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。上述したように、遊技回数カウンタPNCは保証遊技回数の残りの回数を示すものであることから、PNC>0であるか否かを判定することによって、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数に達する前であるか否かを判定することができる。
ステップSd0613において、保証遊技回数カウンタPNCの値が0を上回っていないと判定した場合(ステップSd0613:NO)、すなわち、保証遊技回数内でないと判定した場合には、ステップSd0614に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。ステップSd0614を実行した後、ステップSd0615に進む。
ステップSd0615では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。ステップSd0615を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップSd0613において保証遊技回数内であると判定した場合(ステップSd0613:YES)には、ステップSd0614およびステップSd0615を実行することなく、直ちに遊技回制御処理を終了する。また、ステップSd0612において高確率モードであると判定した場合(Sd0612:YES)にも、直ちに遊技回制御処理を終了する。
上述したステップSd0612からステップSd0615までの処理によれば、高頻度サポートモードにおいて継続して実行された遊技回数が100回に達した場合に低頻度サポートモードに移行すること、しかし、遊技回数が100回に達した以後であっても、その時点における抽選モードとして高確率モードが継続されている場合には、サポートモードとして高頻度サポートモードは継続されること、が実現される。
<データ設定処理>
次に、データ設定処理について説明する。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図229:Sd0604)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図230は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップSd0701では、第2保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留個数RbNが「0」であるか否かを判定する。ステップSd0701において、第2始動保留個数RbNが「0」であると判定した場合には(Sd0701:YES)、ステップSd0702〜ステップSd0707の第1図柄表示部用のデータ設定処理を実行し、一方、第2始動保留個数RbNが「0」でないと判定した場合には(Sd0701:NO)、ステップSd0708〜ステップSd0713の第2図柄表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、図229で説明したように、合計保留個数CRNが1以上である場合である(図229:Sd0603参照)。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留個数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2図柄表示部37bについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留個数RaNが1以上であるか否かに関わらず、第2保留エリアRbに記憶されているデータを本データ設定処理の対象とする。これにより、第1保留エリアRa及び第2保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2始動口34に対応した第2保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先される。
ステップSd0702では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップSd0703に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップSd0704に進む。ステップSd0704では、第1保留エリアRaの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップSd0705に進む。
ステップSd0705では、第1保留エリアRaの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSd0705を実行した後、ステップSd0706に進む。
ステップSd0706では、各種フラグ記憶エリア64eの第2結果表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップSd0707へ進む。
ステップSd0707では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、データ設定処理を終了する。
ステップSd0707において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図228)におけるステップSd0505において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、液晶表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
ステップSd0701において、第2始動保留個数RbNが「0」でないと判定した場合には(Sd0701:NO)、上述のように、ステップSd0708〜ステップSd0713の第2図柄表示部用のデータ設定処理を実行する。
ステップSd0708では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップSd0709に進む。ステップSd0709では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップSd0710に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップSd0711に進む。
ステップSd0711では、第2保留エリアRbの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSd0711を実行した後、ステップSd0712に進む。
ステップSd0712では、各種フラグ記憶エリア64eの第2図柄表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップSd0713に進む。
ステップSd0713では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップSd0713において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図228)におけるステップSd0505において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、液晶表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<遊技状態判定処理>
次に、遊技状態判定処理について説明する。遊技状態判定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図229:Sd0605)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図231は、遊技状態判定処理を示すフローチャートである。ステップSd0801では、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSd0801において、高確率モードであると判定した場合には(Sd0801:YES)、ステップSd0802に進み、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSd0802において、高頻度サポートモードであると判定した場合には(Sd0802:YES)、ステップSd0803に進み、高確・高サポフラグをオンする。高確・高サポフラグは、抽選モードが高確率モードであり、且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態(高確・高サポ状態)であるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eに格納される。高確・高サポフラグがONであるとき、高確・高サポ状態である。高確・高サポフラグがOFFであるとき、高確・高サポ状態ではない。ステップSd0803によれば、この遊技状態判定処理の実行時において高確・高サポ状態であるか否かの判定結果をMPU62にて特定することが可能となる。ステップSd0803を実行した後、ステップSd0804に進む。
ステップSd0804では、高確・高サポ状態であることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確・高サポコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。ステップSd0804を実行した後、遊技状態判定処理を終了する。
一方、ステップSd0801において高確率モードでないと判定した場合(Sd0801:NO)、またはステップSd0802において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(Sd0802:NO)、ステップSd0803およびステップSd0804を実行することなく、遊技状態判定処理を終了する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図229:Sd0606)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図232は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSd0901では、転落抽選に当選したときの処理を含む転落判定処理を行う。転落判定処理の詳細については後述する。次いで、ステップSd0902に進む。
ステップSd0902では、当たり抽選において大当たりに当選したときの処理を含む当たり判定処理を行う。当たり判定処理の詳細については後述する。ステップSd0902を実行した後、ステップSd0903に進む。
ステップSd0903では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理とは、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップSd0903を実行した後、ステップSd0904に進む。
ステップSd0904では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSd0904において、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sd0904:NO)、ステップSd0905に進み、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップSd0903で設定された変動時間の情報が含まれている。一方、ステップSd0904において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sd0904:YES)、ステップSd0906に進み、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップSd0903で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップSd0905又はステップSd0906を実行した後、ステップSd0907に進む。
ステップSd0907では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R確変大当たりの情報、8R確変大当たりの情報、16R通常大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、又は、外れ結果の情報が含まれている。
ステップSd0905〜ステップSd0907にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図228)におけるステップSd0505によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSd0907を実行後、ステップSd0908に進む。
ステップSd0908では、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第1図柄表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2図柄表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第2図柄表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップSd0908を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<転落判定処理>
次に、転落判定処理について説明する。転落判定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図232:Sd0901)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図233は、転落判定処理を示すフローチャートである。ステップSd1001では、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSd1001において、高確率モードであると判定した場合には(Sd1001:YES)、ステップSd1002に進み、転落抽選の当否判定を実行する。具体的には、実行エリアAEに格納されている転落乱数カウンタC4の値が、転落当否判定テーブル記憶エリア63dの転落当否判定テーブルにおける転落当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。ステップSd1002において、転落抽選に当選していると判定した場合には(Sd1002:YES)、ステップSd1003に進み、高確率モードフラグをOFFにする。その後、ステップSd1004に進む。
ステップSd1004では、起動時表示部39aが点灯しているか否かを判定する。具体的には、各種フラグ記憶エリア64eの起動時表示部フラグがONされているか否かを判定する。
ステップSd1004において、起動時表示部フラグがONされていると判定した場合には(Sd1004:YES)、ステップSd1005に進み、メイン表示部45に設けられた起動時表示部39aを消灯する。その後、ステップSd1006に進み、起動時表示部フラグをOFFする。ステップSd1006を実行後、ステップSd1007に進む。一方、ステップSd1004において、起動時表示部フラグがOFFされていると判定した場合には(Sd1004:NO)、ステップSd1005およびステップSd1006を実行することなく、ステップSd1007に進む。
ステップSd1007では、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数(例えば100回)に達する前(=保証遊技回数内)であるか否かを判定する。具体的には、保証遊技回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。ステップSd1007において、保証遊技回数カウンタPNCの値が0を上回っていないと判定した場合(ステップSd1007:NO)、すなわち、保証遊技回数内でないと判定した場合には、ステップSd1008に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。続いて、ステップSd1009に進み、低頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。ステップSd1009を実行した後、転落判定処理を終了する。
一方、ステップSd1007において、保証遊技回数内であると判定した場合(Sd1007:YES)には、直ちに転落判定処理を終了する。また、ステップSd1001において高確率モードでないと判定した場合(Sd1001:NO)、またはステップSd1002において転落抽選に当選していないと判定した場合(Sd1002:NO)には、直ちに遊技回制御処理を終了する。
以上のように構成された転落判定処理によって、図220のタイミングt13における抽選モード、サポートモード、および起動時表示部の点灯/消灯についての変動、および、図222のタイミングt33における抽選モード、サポートモード、および起動時表示部の点灯/消灯についての変動が実現される。特に、図220のタイミングt13において、転落当選したにもかかわらず高頻度サポートモードが継続されるのは、ステップSd1007において保証遊技回数内であると判定した場合に、ステップSd1008およびステップSd1009を実行しないことによって実現される。
<当たり判定処理>
次に、当たり判定処理について説明する。当たり判定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図232:Sd0902)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図234は、当たり判定処理を示すフローチャートである。ステップSd1101では、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSd1101において、高確率モードであると判定した場合には(Sd1101:YES)、ステップSd1102に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図210(b)に示す高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSd1104に進む。
一方、ステップSd1101において高確率モードではないと判定した場合には(Sd1101:NO)、ステップSd1103に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図210(a)に示す低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSd1104に進む。
ステップSd1104では、ステップSd1102又はステップSd1103における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSd1104において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(Sd1104:YES)、ステップSd1105に進む。
ステップSd1105では、起動時表示部39aが点灯しているか否かを判定する。具体的には、各種フラグ記憶エリア64eの起動時表示部フラグがONされているか否かを判定する。
ステップSd1105において、起動時表示部フラグがONされていると判定した場合には(Sd1105:YES)、ステップSd1106に進み、メイン表示部45に設けられた起動時表示部39aを消灯する。その後、ステップSd1107に進み、起動時表示部フラグをOFFする。ステップSd1107を実行後、ステップSd1108に進む。なお、ステップSd1105において、起動時表示部フラグがOFFされていると判定した場合には(Sd1105:NO)、ステップSd1106およびステップSd1107を実行することなく、ステップSd1108に進む。
ステップSd1108では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSd1108において、高頻度サポートモードであると判定した場合には(Sd1108:YES)、ステップSd1109に進み、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数(例えば100回)に達する前(=保証遊技回数内)であるか否かを判定する。具体的には、保証遊技回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。ステップSd1109において、保証遊技回数カウンタPNCの値が0を上回っていないと判定した場合(ステップSd1109:NO)、すなわち、保証遊技回数内でないと判定した場合には、ステップSd1110に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。続いて、ステップSd1111に進み、低頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。ステップSd1111を実行した後、ステップSd1112に進む。
一方、ステップSd1108において、高頻度サポートモードでないと判定した場合(Sd1108:NO)、またはステップSd1109において保証遊技回数内であると判定した場合(ステップSd1109:YES)には、直ちにステップSd1112に進む。
上述したステップSd1104からステップSd1111までの処理によって、図221のタイミングt23における抽選モード、サポートモード、および起動時表示部39aの点灯/消灯についての変動、および、図223のタイミングt43における抽選モード、サポートモード、および起動時表示部の点灯/消灯についての変動が実現される。すなわち、図221のタイミングt23、および図223のタイミングt43において、大当たり当選したのに起動時表示部39aが消灯されるのは、ステップSd1104〜ステップSd1107によって実現される。図223のタイミングt43において、大当たり当選したにもかかわらず低頻度サポートモードに移行されるのは、ステップSd1109において保証遊技回数内でないと判定した場合に、ステップSd1110およびステップSd1111を実行することによって実現される。
続くステップSd1112からステップSd1119においては、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理を実行する。
ステップSd1112では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSd1112において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sd1112:NO)、ステップSd1113に進み、第1始動口用の振分テーブル(図211(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、ステップSd1112において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sd1112:YES)、ステップSd1114に進み、第2始動口用の振分テーブル(図211(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップSd1113又はステップSd1114の処理を実行した後、ステップSd1115に進む。
ステップSd1115では、ステップSd1113又はステップSd1114において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップSd1115において、遊技結果が確変大当たりであると判定した場合には(Sd1115:YES)、ステップSd1116に進む。
ステップSd1116では、確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。確変大当たり用の停止結果設定処理とは、確変大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップSd1113又はステップSd1114において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップSd1116を実行した後、ステップSd1117に進む。
ステップSd1117では、ステップSd1113又はステップSd1114において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R確変大当たりである場合には16R確変大当たりフラグをONにし、8R確変大当たりである場合には8R確変大当たりフラグをONにする。ステップSd1117を実行した後、当たり判定処理を終了する。
ステップSd1115において、ステップSd1113又はステップSd1114において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりでないと判定した場合(Sd1115:NO)、すなわち、振り分けた大当たりの種別が通常大当たりである場合には、ステップSd1118に進む。
ステップSd1118では、通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。通常大当たり用の停止結果設定処理とは、通常大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップSd1113又はステップSd1114において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップSd1118を実行した後、ステップSd1119に進む。
ステップSd1119では、ステップSd1113又はステップSd1114において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R通常大当たりである場合には16R通常大当たりフラグをONにし、8R通常大当たりである場合には8R通常大当たりフラグをONにする。ステップSd1119を実行した後、当たり判定処理を終了する。
ステップSd1104において、ステップSd1102又はステップSd1103における当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(Sd1104:NO)、ステップSd1120に進み、外れ時用の停止結果設定処理を実行する。外れ時用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63fにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップSd1120を実行した後、当たり判定処理を終了する。
<変動時間の設定処理>
次に、変動時間の設定処理について説明する。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図232:Sd0903)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図235は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップSd1201では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSd1202に進む。
ステップSd1202では高確・高サポ状態であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eに格納された高確・高サポフラグONであるか否かを判定する。上述のように、高確・高サポフラグは、図231のステップSd0803でONにされるフラグである。ステップSd1202において、高確・高サポフラグがONではないと判定した場合には(Sd1202:NO)、ステップSd1203に進む。
ステップSd1203では、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。具体的には、RAM64の、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には、リーチが発生すると判定して(Sd1203:YES)、ステップSd1204に進む。また、上記各フラグのいずれもがONではない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合には、リーチが発生すると判定して(Sd1203:YES)、ステップSd1204に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップSd1204では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63eに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップSd1210に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップSd1203において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(Sd1203:NO)、ステップSd1205に進み、変動時間テーブル記憶エリア63eに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップSd1210に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、リーチ非発生用変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、合計保留個数CRNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。
次に、ステップSd1202において、高確・高サポフラグがONであると判定した場合には(Sd1202:YES)、ステップSd1206に進む。
ステップSd1206では、今回の遊技回において当たり抽選に当選(大当たり当選)した場合、転落抽選に当選した場合、およびリーチが発生する場合、のうちの少なくとも一つに該当するか否かを判定する。具体的には、i)各種フラグ記憶エリア64eの確変大当たりフラグがONであること、ii)各種フラグ記憶エリア64eの通常大当たりフラグがONであること、iii)実行エリアAEに格納されている転落乱数カウンタC4の値が、転落当否判定テーブル記憶エリア63dの転落当否判定テーブルにおける転落当選として設定されている値と一致していること、iV)実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値であること、のうちの少なくとも一つを満たす場合に、ステップSd1206で肯定判定される。なお、本実施形態およびその変形例の説明において、「当たり抽選に当選」とは、当たり抽選において大当たりに当選することを意味する。
ステップSd1206において、大当たり当選、転落当選、およびリーチ発生のうちの少なくとも一つに該当すると判定した場合には(Sd1206:YES)、ステップSd1207に進み、変動時間テーブル記憶エリア63eに記憶されているバトル結果告知演出用変動時間テーブルを参照して、変動時間を取得する。バトル結果告知演出用変動時間テーブルに記憶されている変動時間は、バトル演出と結果告知演出との両方を行うのに要する時間である。バトル演出は、図215(a)に例示した演出である。結果告知演出は、図215(b)に例示した敗北演出、図215(c)に例示した勝利演出、あるいは引き分け演出である。本実施形態では、バトル結果告知演出用変動時間テーブルに記憶されている変動時間は、一定の長さに設定されている。
なお、本実施形態の変形例として、結果告知演出として勝利演出を行う場合と敗北演出を行う場合と引き分け演出を行う場合とで、バトル結果告知演出用変動時間テーブルに記憶されている変動時間を異なるようにしてもよい。この場合、変動時間のうちの結果告知演出が占める時間を、勝利演出を行う場合と敗北演出を行う場合と引き分け演出を行う場合とで異なる構成とする。具体的には、勝利演出の場合は、敗北演出や引き分け演出の場合よりも、結果告知が占める時間が長くなるように変動時間を長くすることによって、勝利したことの感動を高めることができる。
ステップSd1207を実行した後、ステップSd1209に進み、各種フラグ記憶エリア64eの高確・高サポフラグをOFFする。その後、ステップSd1210に進み、ステップSd1207で取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
一方、ステップSd1206において、大当たり当選、転落当選、およびリーチ発生のいずれにも該当しないと判定した場合には(Sd1206:NO)、ステップSd1208に進み、変動時間テーブル記憶エリア63eに記憶されている外れ時演出用変動時間テーブルを参照して、変動時間を取得する。本実施形態では、外れ時演出用変動時間テーブルに記憶されている変動時間は、高確・高サポ状態でありながら、大当たり当選、転落当選、およびリーチ発生のいずれにも該当しない場合の演出を行うに要する時間であり、一定時間に設定されている。本実施形態においては、外れ時演出用変動時間テーブルに記憶されている変動時間は、バトル結果告知演出用変動時間テーブルに記憶されている変動時間より短くなるように設定されている。
ステップSd1208を実行した後、ステップSd1209に進み、各種フラグ記憶エリア64eの高確・高サポフラグをOFFする。続いて、ステップSd1210に進み、ステップSd1208で取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図228:Sd0509)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図236は、遊技状態移行処理を示す説明図である。ステップSd1301では、開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップSd1301において、開閉実行モード中でないと判定した場合には(Sd1301:NO)、ステップSd1302に進み、1の遊技回の第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップSd1302において、変動表示が終了したタイミングでないと判定した場合には(Sd1302;NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSd1302において、変動表示が終了したタイミングであると判定した場合には(Sd1302:YES)、ステップSd1303に進み、今回の遊技回の遊技結果(当たり抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、16R通常大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグのいずれかがONであるか否かを判定する。上記各フラグのいずれもがONではないと判定した場合には(Sd1303:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSd1303において、上記各フラグのいずれかがONであると判定した場合には(Sd1303:YES)、ステップSd1304に進み、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップSd1304を実行した後、ステップSd1305に進む。
ステップSd1305では、今回の開閉実行モードのラウンド数を判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、16R通常大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ)を確認する。ステップSd1305において、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグが16R確変大当たりフラグ又は16R通常大当たりフラグであると判定した場合には(Sd1305:YES)、ステップSd1306に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に「16」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、開閉扉36bが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、ステップSd1305において、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグが8R確変大当たりフラグ又は8R通常大当たりフラグであると判定した場合には(Sd1305:NO)、ステップSd1307に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に「8」をセットする。ステップSd1306又はステップSd1307を実行した後、ステップSd1308に進む。
ステップSd1308では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグをOFFする。その後、ステップSd1309に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高頻度サポートモードフラグをOFFする。
ステップSd1309を実行した後、ステップSd1310に進み、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図228)におけるステップSd0505にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSd1310を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSd1301において、開閉実行モード中であると判定した場合には(Sd1301:YES)、ステップSd1311に進み、大入賞口開閉処理を実行する。具体的には、大入賞口36aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部36cを駆動状態とすることで大入賞口36aを開放させる。また、大入賞口36aが開放中である場合には、当該大入賞口36aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入球していることを条件として、可変入賞駆動部36cの駆動状態を停止し、大入賞口36aを閉鎖させる。大入賞口開閉処理の詳細は後述する。ステップSd1311を実行した後、ステップSd1312に進む。
ステップSd1312では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(Sd1312:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(Sd1312:YES)、ステップSd1313に進み、エンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図228)におけるステップSd0505において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。ステップSd1313を実行した後、ステップSd1314に進む。
ステップSd1314では、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。開閉実行モード終了時の移行処理は、今回の開閉実行モードが終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。開閉実行モード終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップSd1314を実行した後、ステップSd1315に進む。
ステップSd1315では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。その後、ステップSd1316に進み、開閉実行モードの終了処理を実行する。具体的には、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、16通常大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグがONである場合にはこれらのフラグをOFFにし、これらのフラグがONではない場合にはその状態を維持する。ステップSd1316を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図236:Sd1311)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図237は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップSd1401では、大入賞口36aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップSd1401において、大入賞口36aが開放中でないと判定した場合には(Sd1401:NO)、ステップSd1402に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSd1402において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(Sd1402:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS1402において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(Sd1402:NO)、ステップSd1403に進む。
ステップSd1403では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSd1403において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(Sd1403:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップSd1403において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(Sd1403:YES)、ステップSd1404に進み、大入賞口36aを開放するために可変入賞駆動部36cを駆動状態とする。その後、ステップSd1405に進む。
ステップSd1405では、各ラウンド用の設定処理を実行する。本実施形態におけるパチンコ機10の場合、設定されている入賞モードは全て高頻度入賞モードであるので、第1タイマカウンタエリアT1に「15000」(すなわち30sec)をセットする。さらに、大入賞口36aへの遊技球の入球数をカウントするために、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた入球カウンタエリアPCに「10」をセットする。第1タイマカウンタエリアT1にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。なお、仮にパチンコ機10に低頻度入球モードが設定されている場合には、例えば、第1タイマカウンタエリアT1に「100」(すなわち0.2sec)をセットするとともに、入球カウンタエリアPCに「6」をセットしてもよい。ステップSd1405を実行した後、ステップSd1406に進む。
ステップSd1406では、開放コマンドを設定する。その後、本大入賞口開閉処理を終了する。なお、開放コマンドは、大入賞口36aの開放が開始されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図228:ステップSd0505)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、液晶表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。
ステップSd1401において、大入賞口36aが開放中であると判定した場合には(ステップSd1401:YES)、ステップSd1407に進み、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの開放継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップSd1407において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(Sd1407:NO)、ステップSd1408に進む。
ステップSd1408では、大入賞口36aに遊技球が入球したか否かを、可変入賞装置36に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップSd1408において、入球が発生していないと判定した場合には(Sd1408:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップSd1408において、入球が発生していると判定した場合には(Sd1408:YES)、ステップSd1409に進み、入球カウンタエリアPCの値を1減算する。その後、ステップSd1410に進む。
ステップSd1410では、入球カウンタエリアPCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップSd1410において、入球カウンタエリアPCの値が「0」でないと判定した場合には(Sd1410:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSd1407において第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合(Sd1407:YES)、又は、ステップSd1410において入球カウンタエリアPCの値が「0」であると判定した場合には(Sd1410:YES)、ステップSd1411に進み、大入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には、大入賞口36aを閉鎖するために可変入賞駆動部36cを非駆動状態とする。その後、ステップSd1412に進む。
ステップSd1412では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算する。その後、ステップSd1413に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSd1413において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(Sd1413:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップSd1413において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(Sd1413:NO)、第1タイマカウンタエリアT1に「1000」(すなわち2sec)をセットする。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップSd1414を実行した後、ステップSd1415に進み、閉鎖コマンドを設定する。その後、大入賞口開閉処理を終了する。
この設定された閉鎖コマンドは、大入賞口36aの開放が終了したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図228:ステップSd0505)において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、液晶表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。
<開閉実行モード終了時の移行処理>
次に、開閉実行モード終了時の移行処理について説明する。開閉実行モード終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図236:Sd1314)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図238は、開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップSd1501では、RAM64に、大当たり種別フラグとして確変大当たりに対応するフラグがONにされているか否かを判定する。すなわち、RAM64の16R確変大当たりフラグ又は8R確変大当たりフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSd1501において、RAM64の16R確変大当たりフラグ又は8R確変大当たりフラグがONであると判定した場合には(Sd1501:YES)、ステップSd1502に進み、フラグ消去処理を実行する。フラグ消去処理とは、遊技状態を特定するための情報を消去する処理である。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合には、それらをOFFにするとともに、これらのフラグがONではない場合には、その状態を維持する。ステップSd1502を実行した後、ステップSd1503に進む。
ステップSd1503では、高確率モードフラグをONにし、その後、ステップSd1504に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、抽選モードが高確率モードであり、且つ、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。その後、ステップSd1505に進む。
ステップSd1505では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。その後、ステップSd1506に進む。
ステップSd1506では、抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップSd1510に進む。
一方、ステップSd1501において、RAM64に、16R通常大当たりフラグ又は8R通常大当たりフラグがONであると判定した場合には(Sd1501:NO)、ステップSd1507に進み、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップSd1508に進む。
ステップSd1508では、高頻度サポートモードフラグをONにした後、ステップSd1509に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。その後、ステップSd1510に進む。
ステップSd1510では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図228:Sd0510)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図239は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップSd1601では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップSd1601において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(Sd1601:NO)、ステップSd1602に進む。
ステップSd1602では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップSd1602において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(Sd1602:NO)、ステップSd1603に進む。
ステップSd1603では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップSd1603において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sd1603:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sd1603:YES)、ステップSd1604に進む。
ステップSd1604では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップSd1604において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(Sd1604:YES)、ステップSd1605に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップSd1604において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(Sd1604:NO)、ステップSd1606に進む。
ステップSd1606では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップSd1606において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(Sd1606:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSd1606において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(Sd1606:YES)、ステップSd1607に進む。
ステップSd1607では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップSd1608に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップSd1607において開閉実行モードではなく(Sd1607:NO)、且つ、ステップSd1608において高頻度サポートモードである場合には(Sd1608:YES)、ステップSd1609に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC5の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップSd1610に進む。
ステップSd1610では、ステップSd1609の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSd1610において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(Sd1610:YES)、ステップSd1611に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、電役サポート用処理を終了する。
一方、ステップSd1610において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(Sd1610:NO)、ステップSd1611の処理を実行することなく、電役サポート用処理を終了する。
ステップSd1607において開閉実行モードであると判定した場合(Sd1607:YES)、又は、ステップSd1608において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(Sd1608:NO)、ステップSd1612に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC5の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップSd1613に進む。
ステップSd1613では、ステップSd1612の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSd1613において、サポート当選でないと判定した場合には(Sd1613:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSd1613において、サポート当選であると判定した場合には(Sd1613:YES)、ステップSd1614に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSd1602において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(Sd1602:YES)、ステップSd1615に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSd1615において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sd1615:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSd1615において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sd1615:YES)、ステップSd1616に進む。
ステップSd1616では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップSd1617に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSd1601において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(Sd1601:YES)、ステップSd1618に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図239:Sd1618)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図240は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップSd1701では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(Sd1701:YES)、ステップSd1702に進む。
ステップSd1702では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSd1702において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sd1702:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップSd1702において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sd1702:YES)、ステップSd1703に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップSd1703を実行した後、ステップSd1704に進む。
ステップSd1704では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップSd1705に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSd1705において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(Sd1705:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップSd1705において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(Sd1705:YES)、ステップSd1706に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップSd1701において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(Sd1701:NO)、ステップSd1707に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSd1707において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(Sd1707:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップSd1707において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(Sd1707:YES)、ステップSd1708に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップSd1709に進む。
ステップSd1709では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(Sd1709:NO)、ステップSd1710に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップSd1710において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(Sd1710:YES)、ステップSd1711に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップSd1709において開閉実行モードであると判定した場合(Sd1709:YES)、又は、ステップSd1710において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(Sd1710:NO)、ステップSd1712に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
《D6》音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、バトル演出および結果告知演出を実行するために、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図241は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば4msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSd1801では、コマンド格納処理を実行する。コマンド格納処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に格納するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの格納及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次格納されるとともに、格納された順序に従って順次読み出される。ステップSd1801を実行した後、ステップSd1802に進む。
ステップSd1802では、受信したコマンドに対応した処理を行うためのコマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップSd1802を実行した後、ステップSd1803に進む。
ステップSd1803では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップSd1802のコマンド対応処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップSd1803を実行した後、ステップSd1804に進む。
ステップSd1804では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップSd1802のコマンド対応処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップSd1804を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<コマンド対応処理>
次に、コマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図241:Sd1802)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図242は、コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、コマンド対応処理では、主側MPU62から受信したコマンドに対応した処理を実行する。以下、コマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSd1901では、主側MPU62から保留コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSd1901において、主側MPU62から保留コマンドを受信していると判定した場合には(Sd1901:YES)、ステップSd1902に進み、保留コマンド対応処理を実行する。保留コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップSd1902を実行した後、ステップSd1903に進む。一方、ステップSd1901において、主側MPU62から保留コマンドを受信していないと判定した場合には(Sd1901:NO)、ステップSd1902を実行することなく、ステップSd1903に進む。
ステップSd1903では、主側MPU62から高頻度サポートコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSd1903において、主側MPU62から高頻度サポートコマンドを受信していると判定した場合には(Sd1903:YES)、ステップSd1904に進み、音光側高頻度サポートモードフラグをONにする。音光側高頻度サポートモードフラグは、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを音声発光制御装置90(図212参照)のMPU92にて特定するためのフラグであり、RAM94の所定領域に設定された各種フラグ記憶エリア94eに格納される。その後、ステップSd1907に進む。
ステップSd1903において、主側MPU62から高頻度サポートコマンドを受信していないと判定した場合には(Sd1903:NO)、ステップSd1905に進み、主側MPU62から低頻度サポートコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSd1905において、主側MPU62から低頻度サポートコマンドを受信していると判定した場合には(Sd1905:YES)、ステップSd1906に進み、音光側高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップSd1907に進む。ステップSd1905において、主側MPU62から低頻度サポートコマンドを受信していないと判定した場合には(Sd1905:NO)、そのまま、ステップSd1907に進む。
ステップSd1907では、主側MPU62から変動用コマンド及び種別コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSd1907において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していると判定した場合には(Sd1907:YES)、ステップSd1908に進む。一方、ステップSd1907において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していないと判定した場合には(Sd1907:NO)、ステップSステップSd1909に進む。
ステップSd1908では、演出設定処理を実行する。演出設定処理では、今回の遊技回において実行されるバトル演出や、結果告知演出、停止図柄、変動表示パターン等を設定する。演出設定処理の詳細については後述する。ステップSd1908を実行した後、ステップSd1909に進む。
ステップSd1909では、主側MPU62からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSd1909において、主側MPU62からオープニングコマンドを受信していると判定した場合には(Sd1909:YES)、ステップSd1910に進みオープニング演出設定処理を実行する。オープニング演出設定処理では、今回受信したオープニングコマンドに含まれている大当たりの種別を特定し、その大当たりの種別に対応したオープニング演出の内容を設定するとともに、当該演出内容に対応した情報が設定されたオープニング演出コマンドを表示側MPU102に送信する。その後、ステップSd1911に進む。一方、ステップSd1909において、主側MPU62からオープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(Sd1909:NO)、ステップSd1910を実行することなく、ステップSd1911に進む。
ステップSd1911では、エンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSd1911おいて、エンディングコマンドを受信していると判定した場合には(Sd1911:YES)、ステップSd1912に進み、エンディング演出設定処理を実行する。エンディング演出設定処理では、今回受信したエンディングコマンドに含まれている開閉実行モード後の遊技状態の内容を特定し、その遊技状態の内容に対応したエンディング演出の内容を設定するとともに、当該演出内容に対応した情報が設定されたエンディング演出コマンドを表示側MPU102に送信する。その後、ステップSd1913に進む。一方、ステップSd1911において、主側MPU62からエンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(Sd1911:NO)、ステップSd1912を実行することなく、ステップSd1913に進む。
ステップSd1913では、その他の設定処理を実行する。その他の設定処理では、例えば、開放コマンドに対応した演出内容の設定及び閉鎖コマンドに対応した演出内容の設定を行う。また、演出操作ボタン24が押下された場合には、演出操作ボタン24が押下されたことを認識させるための演出操作コマンドを表示側MPU102に送信する。
<保留コマンド対応処理>
次に、保留コマンド対応処理について説明する。保留コマンド対応処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図242:Sd1902)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図243は、保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、保留コマンド対応処理は、主側MPU62から保留コマンドを受信している場合に実行される処理である。以下、保留コマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSd2001では、入球時の更新処理を実行する。入球時の更新処理では、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数と、これらの保留情報の合計個数とを音光側MPU92において特定可能とするための処理を実行する。ステップSd2001の入球時の更新処理の詳細については後述する。以下では、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数を「第1保留個数」とも呼び、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数を「第2保留個数」とも呼び、第1保留個数と第2保留個数との合計数を「合計保留個数」とも呼ぶ。ステップSd2001を実行した後、ステップSd2002に進む。
ステップSd2002では、保留表示制御処理を実行する。具体的には、ステップSd2001において特定された第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数とに基づいて、第1保留表示部37cおよび第2保留表示部37dの表示態様(点灯させるLEDランプの色や組み合わせ)を制御する。ステップSd2002を実行した後、保留コマンド対応処理を終了する。
<入球時の更新処理>
次に、入球時の更新処理について説明する。入球時の更新処理は、保留コマンド対応処理のサブルーチン(図243:Sd2001)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図244は入球時の更新処理を示すフローチャートである。ステップSd2101では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものであるか否かを判定する。ステップSd2101において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には(Sd2101:YES)、ステップSd2102に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第1保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第1保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第1保留個数カウンタエリアの更新処理では、第1保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップSd2102を実行した後、ステップSd2104に進む。
ステップSd2101において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものでないと判定した場合(Sd2101:NO)、すなわち、当該保留コマンドが第2始動口34への入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には、ステップSd2103に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第2保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第2保留個数カウンタエリアは、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第2保留個数カウンタエリアの更新処理では、第2保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となったコマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップSd2103を実行した後、ステップSd2104に進む。
ステップSd2102及びステップSd2103の処理を上記のようにした理由について説明する。本実施形態では、パチンコ機10の電源遮断中において、主制御装置60のRAM64に対してはバックアップ電力が供給されるのに対して、音声発光制御装置90のRAM94に対してはバックアップ電力が供給されない。このため、第1始動口33又は第2始動口34への入球に係る保留情報が主制御装置60のRAM64に記憶されている状況において電源が遮断されると、主制御装置60では保留情報が記憶保持されるのに対して、音声発光制御装置90では保留情報が0個であると把握される。この場合に、仮に、音声発光制御装置90において保留コマンドを受信する度に第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアをカウントアップする構成を採用すると、主制御装置60において実際に保留記憶されている保留情報の数と、音声発光制御装置90において把握している保留情報の数とが一致しなくなるといった不都合が生じ得る。これに対して、上記の本実施形態のように、主制御装置60は、保留個数の情報を含めて保留コマンドを送信するとともに、音声発光制御装置90では保留コマンドを受信する度にそのコマンドに含まれる保留個数の情報を第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアに設定する構成を採用することによって、上記のような不都合の発生を抑制することができる。
ステップSd2104では、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた合計保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。合計保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数と第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数との和を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。当該更新処理では、合計保留個数カウンタエリアの情報を、第1保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報と第2保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報との和の情報に更新する。ステップSd2104を実行した後、本入球時の更新処理を終了する。
<演出設定処理>
次に、演出設定処理について説明する。演出設定処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図242:Sd1908)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図245は、演出設定処理を示すフローチャートである。上述したように、演出設定処理は、変動用コマンド及び種別コマンドを受信したと判定した場合に実行される処理であり、今回の遊技回において実行される演出の内容を設定するための処理である。以下、演出設定処理の具体的な処理について説明する。
ステップSd2201では、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たりの有無、大当たり種別、転落当選の有無、リーチ発生の有無、および、変動時間の情報を把握する。そして、把握した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップSd2202に進む。
ステップSd2202では、主側MPU62から高確・高サポコマンドを受信したか否かを判定する。ステップSd2202において、主側MPU62から高確・高サポコマンドを受信したと判定した場合には(Sd2202:YES)、ステップSd2203に進み、高確・高サポ時演出設定処理を実行する。高確・高サポ時演出設定処理の詳細については後述する。ステップSd2203を実行した後、ステップSd2205に進む。
一方、ステップSd2202において、主側MPU62から高確・高サポコマンドを受信していないと判定した場合には(Sd2202:NO)、ステップSd2204に進む。
ステップSd2204では、通常時における演出設定処理を実行する。具体的には、高確・高サポ状態以外の状態の遊技回における、大当たり演出や、リーチ演出、外れ演出を、遊技回の変動時間に応じて設定する。ステップSd2204を実行した後、ステップSd2205に進む。
ステップSd2205では、停止図柄の設定処理を実行する。停止図柄の設定処理では、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、又は、8R通常大当たりである場合には、有効ラインL(図207参照)上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、16R確変大当たり又は8R確変大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の奇数図柄の組合せが選択され得るとともに、同一の偶数図柄の組合せが選択され得る。本実施形態のパチンコ機10では、この選択率は、同一の奇数図柄の組合せと、同一の偶数図柄の組合せとで同一となっているが、これに代えて、前者の方が後者よりも選択率が高い構成としてもよく、後者の方が前者よりも選択率が高い構成としてもよい。また、「7」図柄の組合せは、16R確変大当たりの場合にのみ選択される。また、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、16R通常大当たり又は8R通常大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の偶数図柄の組合せが選択される。
今回の遊技回の当たり抽選の結果が、外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。ステップSd2205を実行した後、ステップSd2206に進む。
ステップSd2206では、今回の遊技回の変動表示パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップSd2205において特定した停止図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。この変動表示パターンの選択に際しては、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。その後、ステップSd2207に進む。
ステップSd2207では、今回の遊技回においてステップSd2203またはSd2204で設定された演出の種類情報、ステップSd2205で設定された停止図柄の種類情報、及びステップSd2206で設定された変動表示パターンの種類情報を、演出コマンドに設定する。その後、ステップSd2208に進み、当該演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した演出コマンドに対応した演出内容を液晶表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップSd2208を実行した後、ステップSd2209に進み、変動開始時の更新処理を実行した後、演出設定処理を終了する。変動開始時の更新処理の詳細については後述する。
<高確・高サポ時演出設定処理>
次に、高確・高サポ時演出設定処理について説明する。高確・高サポ時演出設定処理は、演出設定処理のサブルーチン(図245:Sd2203)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図246は、高確・高サポ時演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSd2301では、今回の遊技回による当たり抽選において確変大当たりに当選したか否かを判定する。この判定は、図245のステップSd2201によって把握した大当たりの有無の情報および大当たり種別の情報を用いて行う。ステップSd2301では、16R確変大当たり、8R確変大当たりに当選した場合に肯定判定される。ステップSd2301において、今回の遊技回による当たり抽選において確変大当たりに当選したと判定された場合には(Sd2301:YES)、ステップSd2302に進む。
ステップSd2302では、バトル演出・結果告知演出設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において、図215(a)に例示したバトル演出と、図215(c)に例示した勝利演出と、を併せて実行するように設定する。バトル演出の後に勝利演出を連続して実行する。この設定の際には、図235においてバトル結果告知演出用変動時間テーブルを用いて主制御装置60側で取得した変動時間に従って演出を定める。ステップSd2302を実行した後、高確・高サポ時演出設定処理を終了する。
ステップSd2301において、今回の遊技回による確変大当たりに当選しなかった場合には(Sd2301:NO)、ステップSd2303に進む。
ステップSd2303では、今回の遊技回における通常大当たり又は転落抽選に当選したか否かを判定する。この判定は、図245のステップSd2201によって把握した大当たりの有無の情報、大当たり種別の情報、および転落当選の有無の情報を用いて行う。ステップSd2304では、16R通常大当たり、8R通常大当たり、および転落抽選のうちのいずれかに当選した場合に肯定判定される。ステップSd2303において、今回の遊技回において通常大当たり又は転落抽選に当選したと判定した場合には(Sd2303:YES)、ステップSd2304に進む。
ステップSd2304では、バトル演出・結果告知演出設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において、図215(a)に例示したバトル演出と、図215(b)に例示した敗北演出と、を併せて実行するように設定する。バトル演出の後に敗北演出を連続して実行する。この設定の際には、図235においてバトル結果告知演出用変動時間テーブルを用いて主制御装置60側で取得した変動時間に従って演出を定める。ステップSd2304の処理は、ステップSd2302と同様の処理であり、ステップSd2302では勝利演出であるのに対して、敗北演出である点が相違する。ステップSd2304を実行した後、高確・高サポ時演出設定処理を終了する。
ステップSd2303において、今回の遊技回において通常大当たり又は転落抽選に当選していないと判定した場合には(Sd2303:NO)、ステップSd2305に進む。
ステップSd2305では、今回の遊技回においてリーチ発生となったか否かを判定する。この判定は、図245のステップSd2201によって把握したリーチ発生の有無の情報を用いて行う。ステップSd2305において、今回の遊技回においてリーチ発生となったと判定した場合には(Sd2305:YES)、ステップSd2306に進む。
ステップSd2306では、バトル演出・結果告知設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において、図215(a)に例示したバトル演出と引き分け演出とを実行するように設定する。バトル演出の後に引き分け演出を連続して実行する。引き分け演出は、遊技者側キャラクターと敵側キャラクターとが引き分けとなる引き分け演出を実行するように設定する。この設定の際には、図235においてバトル結果告知演出用変動時間テーブルを用いて主制御装置60側で取得した変動時間に従って演出を定める。ステップSd2306を実行した後、高確・高サポ時演出設定処理を終了する。
一方、ステップSd2305において、今回の遊技回においてリーチ発生となっていなと判定した場合には(Sd2305:NO)、ステップSd2307に進み、外れ時用演出設定処理を実行する。具体的には、大当たり当選、転落当選、およびリーチ発生のいずれにも該当しない場合の演出を実行するように設定する。この設定の際には、図235において外れ時演出用変動時間テーブルを用いて主制御装置60側で取得した変動時間に従って演出時間を定める。ステップSd2307を実行した後、高確・高サポ時演出設定処理を終了する。
<変動開始時の更新処理>
次に、変動開始時の更新処理について説明する。変動開始時の更新処理は、演出設定処理のサブルーチン(図245:Sd2215)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図247は、変動開始時の更新処理を示すフローチャートである。ステップSd2401では、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドであるか否かを判定する。ステップSd2401において、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドであると判定した場合には(Sd2401:YES)、ステップSd2402に進み、音光側RAM94の合計保留個数カウンタエリアに記憶されている合計保留個数が1減算されるように、当該合計保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、変動開始時の更新処理を終了する。
一方、ステップSd2401において、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドではないと判定した場合には(Sd2401:NO)、ステップSd2403に進み、音光側RAM94の合計保留個数カウンタエリアに記憶されている合計保留個数が1減算されるように、当該合計保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、変動開始時の更新処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図248は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSd2501では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップSd2502に進む。
ステップSd2502では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図249は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップSd2601では、コマンド格納処理を実行する。コマンド格納処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド格納エリアに、その抽出したコマンドデータを格納する。コマンド格納処理によってコマンド格納エリアに格納された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図250は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド格納領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、液晶表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップSd2701では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図249)によってコマンド格納エリアに格納されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが格納されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が液晶表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが格納されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が液晶表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(Sd2701)では、その時点でコマンド格納エリアに格納されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド格納エリアに格納されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド格納エリアに格納されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や停止図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を液晶表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップSd2702では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(Sd2701)などによって設定された液晶表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、液晶表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップSd2703に進む。
ステップSd2703では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(Sd2702)によって特定された、液晶表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップSd2704に進む。
ステップSd2704では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(Sd2703)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を液晶表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを液晶表示装置41へ送信する。その後、ステップSd2705に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。以上、パチンコ機10においてバトル演出および結果告知演出を実行するための具体的な制御の一例を説明した。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、前回動作時に、抽選モードが高確率モードのままで、電源スイッチ88がオン状態からオフ状態に切り替えられた場合、その後、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替えられた時に、抽選モードとして高確率モードが引き継がれる。この高確率モードが引き継がれた状態で、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替えられた時に、起動時表示部39aは点灯する。このため、起動時表示部39aが消灯した場合には、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行したと遊技者に推測させることができる。しかしながら、パチンコ機10においては、当たり抽選で大当たり当選した遊技回の開始時に、起動時表示部39aは消灯するので、遊技者の推測を覆すことができる。具体的には、消灯したことで、遊技者は低確率モードに移行したと推測して落胆してしまうが、当たり抽選において大当たり当選した遊技回では、実際は低確率モードに移行することがないことから、その落胆する遊技者の推測を覆すことができる。したがって、遊技者に意外性を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、当たり抽選に当選(大当たり当選)した遊技回、転落抽選に当選した遊技回、のいずれの場合であっても、その当選した遊技回の開始時に、起動時表示部39aは点灯状態から消灯状態に切り替わるので、起動時表示部39aの点灯/消灯状態から、当たり抽選に当選した遊技回か、転落抽選に当選した遊技回か、を遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、パチンコ機10によれば、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、転落抽選に当選した遊技回において、図215(b)に例示した結果告知演出(敗北演出)の前に図215(a)に例示した、特定の演出としてのバトル演出を実行し、当たり抽選に当選(大当たり当選)した遊技回において、図215(c)に例示した結果告知演出(勝利演出)の前に、転落抽選に当選した場合と同じ図215(a)に例示したバトル演出を実行することから、バトル演出によって上記のいずれの場合かを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。その上、先に説明したように、遊技回の開始時に、起動時表示部39aの点灯/消灯状態から、当たり抽選に当選した遊技回か、転落抽選に当選した遊技回かを遊技者に推測されてしまうことも抑制できる。したがって、パチンコ機10によれば、バトル演出によって時間的な幅を持って遊技者に期待感や緊迫感を付与することができる。
さらに、起動時表示部39aの点灯/消灯状態を介して転落抽選に当選したのか当たり抽選に当選(大当たり当選)したのかを遊技者が認識してしまう場合と比較して、演出を介して転落抽選に当選したのか当たり抽選に当選したのかを遊技者に認識させる場合には、当該演出に時間的な幅をもたせることによって、比較的長期に亘って遊技者に期待感や緊迫感を付与することが可能である。また、当該演出において、大当たりに当選している可能性が高いことを示唆する演出要素と、転落抽選に当選している可能性が高いことを示唆する演出要素とを適宜組み合わせて一連の演出として実行することで、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。この結果、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技に対する興趣向上を図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替わったときに、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONである場合に、起動時表示部39aは点灯する。このため、起動時表示部39aの点灯/消灯状態が高確率モードか否かを特定する抽選モードに関連していると遊技者に推測させることができる。また、特定の演出であるバトル演出が開始される時に、起動時表示部39aは消灯するので、バトル演出が実行されたことと起動時表示部39aの点灯/消灯状態が関連していると遊技者に推測させることができる。両推測から、パチンコ機10によれば、特定の演出の実行と抽選モードとが関連していると遊技者に推測させることができる。したがって、パチンコ機10によれば、バトル演出の実行を認識した遊技者に対して、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行することの有無についての期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替わったときに、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONである場合に、起動時表示部39aは点灯する。このため、起動時表示部39aが消灯した場合には、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行したと遊技者に推測させることができる。しかしながら、パチンコ機10においては、当たり抽選に当選(大当たり当選)する保留情報に対応する遊技回の開始時に起動時表示部39aが消灯されるにも拘わらず、当該遊技回に対応する当たり抽選を高確率モードで実行するので、遊技者の推測を覆すことができる。したがって、パチンコ機10によれば、遊技者に意外性を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、図220に対する図221、および図222に対する図223に示すように、抽選モードが高確率モードから低確率モードに切り替わるタイミングが、転落抽選に当選した遊技回と当たり抽選に当選(大当たり当選)した遊技回とで相違するのに対して、起動時表示部39aが点灯状態から消灯状態へ切り替わるタイミングは、転落抽選に当選した遊技回と当たり抽選に当選した遊技回とで一致する。このために、起動時表示部39aの点灯/消灯状態から、転落抽選に当選した遊技回か、当たり抽選に当選した遊技回か、を遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、パチンコ機10によれば、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替わったときに、抽選モードが高確率モードである場合に、起動時表示部39aは点灯する。このため、起動時表示部39aが消灯した場合には、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行したと遊技者に推測させることができる。また、本実施形態のパチンコ機10によれば、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数(例えば100回)に達した以後に、抽選モードが低確率モードに移行したことを契機に、電動役物34aは低頻度サポートモードに移行する。このため、電動役物34aが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行した場合には、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行したと、遊技者に推測させることができる。即ち、起動時表示部39aが消灯したこと、電動役物34aが低頻度サポートモードに移行したことの双方から、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行したと、遊技者に推測させることができる。しかしながら、本実施形態のパチンコ機10によれば、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数に達した以後の、当たり抽選において大当たり当選したと判定がなされた遊技回の開始時において、遊技者の上記の推測を覆すことができる。具体的には、起動時表示部39aが消灯したこと、電動役物34aが低頻度サポートモードに切り替わったこととで、遊技者は低確率モードに移行したと推測して落胆してしまうが、大当たり当選した遊技回では、実際は低確率モードに移行することがないことから、その落胆する遊技者の推測を覆すことができる。したがって、遊技者に意外性を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、起動時表示部39aが点灯中であって、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数に達する前(=保証遊技回数内)において、当たり抽選において大当たり当選したと判定された場合、転落抽選に当選した場合のいずれであっても、起動時表示部39aは、大当たり当選または転落当選したその遊技回の開始時に、同じ挙動(点灯/消灯の動作)をする。このため、起動時表示部39aの表示の態様から、大当たり当選、転落当選のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。さらに、本実施形態のパチンコ機10によれば、大当たり当選、転落当選のいずれであっても、遊技回の開始時から少なくとも遊技回が終了するまで、サポートモードとして高頻度サポートモードを維持する。このため、遊技回における電動役物34aの挙動から、大当たり当選、転落当選のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、保証遊技回数内における遊技回の開始時から遊技回が終了するまでの間において、起動時表示部39aの表示態様と電動役物34aの挙動から、大当たり当選、転落当選のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、保証遊技回数内における大当たり当選または転落当選時に、比較的長期に亘って遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。また、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替わったときに、抽選モードが高確率モードである場合に、起動時表示部39aは点灯する。このため、起動時表示部39aが消灯した場合には、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行したと遊技者に推測させることができる。しかしながら、本実施形態のパチンコ機10においては、当たり抽選において大当たり当選した遊技回の開始時に、起動時表示部39aは点灯状態から消灯状態に切り替えるので、遊技者の推測を覆すことができる。したがって、遊技者に意外性を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
《D7》第4実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
《D7−1》変形例1:
<変形例1における処理の概要>
変形例1におけるパチンコ機による処理の概要を、第4実施形態との相違点を示しながら先に説明する。なお、変形例1におけるパチンコ機のハードウェア構成は、第4実施形態のパチンコ機10と同一であることから、第4実施形態と同じ部品については同一の名称と符号を付けて、処理の概要の説明を行う。
図251は、変形例1のパチンコ機において、起動後に最初に大当たり当選した場合の処理の一例を説明するタイムチャートである。図251は、第4実施形態の図221に対応するタイムチャートであり、図221と同様に、電源オン時に遊技状態が引き継がれた場合を示している。そして、図221と同様に、電源オン時に高確率モードが引き継がれている場合に、電源オンされたタイミングt22で、起動時表示部39aが点灯される。
図251の例示では、60回目に実行される遊技回で当たり抽選において大当たり当選している。この大当たり当選した60回目の遊技回が開始されるタイミングt23で、起動時表示部39aは消灯される。これは、第4実施形態における図221と同じである。
図示はしないが、このタイミングt23で、バトル演出を実行開始し、バトル演出の終了後、勝利演出を結果告知演出として実行する。また、このタイミングt23で、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する。すなわち、当たり抽選において大当たり当選した60回目の遊技回が開始される時(タイミングt23)に、起動時表示部39aが消灯されると共に、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する。このタイミングt23で、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する点が、第4実施形態と相違する。
図252は、変形例1のパチンコ機において、起動後に最初に大当たり当選した場合の処理の他の例を説明するタイムチャートである。図252は、第4実施形態における図223に対応するタイムチャートであり、図223と同様に、電源オン時に遊技状態が引き継がれた場合を示している。そして、図223と同様に、電源オン時に高確率モードが引き継がれている場合に、電源オンされたタイミングt42で、起動時表示部39aが点灯される。
図252の例示では、120回目に実行される遊技回で当たり抽選において大当たり当選している。この大当たり当選した120回目の遊技回が開始されるタイミングt43で、起動時表示部39aは消灯される。これは、第4実施形態における図223と同じである。
図示はしないが、このタイミングt43で、バトル演出を実行開始し、バトル演出の終了後、勝利演出を結果告知演出として実行する。また、このタイミングt43で、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する。すなわち、120回目に実行される遊技回で当たり抽選において大当たり当選した場合も、その大当たり当選した遊技回が開始される時(タイミングt43)に、起動時表示部39aが消灯されると共に、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する。このタイミングt43で、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する点が、第4実施形態と相違する。
なお、変形例1のパチンコ機において、起動後に最初に転落抽選に当選した場合の処理は、第4実施形態と同一である。すなわち、電源オン後、高頻度サポートモードが開始されてから60回目に実行される遊技回で転落抽選に当選した場合は、第4実施形態の図220のタイムチャートと同様の処理を実行する。電源オン後、高頻度サポートモードが開始されてから120回目に実行される遊技回で転落抽選に当選した場合は、第4実施形態の図222のタイムチャートと同様の処理を実行する。
上記の処理の概要から判るように、変形例1のパチンコ機では、電源オン時に高確率モードが引き継がれている場合に、転落抽選に当選した遊技回、当たり抽選において大当たり当選した遊技回のいずれの遊技回でも、遊技回の開始時に抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行される。この点が第4実施形態と相違する。そして、変形例1のパチンコ機では、この低確率モードへの移行のタイミングに伴って、起動時表示部39aは消灯する。このように処理することで、起動時表示部39aの制御を、抽選モードに連動して制御することができる。
次に、変形例1のパチンコ機において上述した処理を実行するための具体的な制御の一例を説明する。その具体的な制御は、第4実施形態における具体的な制御と比較して、主制御装置60のMPU62によって実行される後述する図253〜図256で示す処理が相違するだけで、主制御装置60のMPU62によって実行される残余の処理、音声発光制御装置90において実行される各種処理、表示制御装置100において実行される各種処理は同一である。
<変動開始処理>
図253は、変形例1における変動開始処理を示すフローチャートである。この変動開始処理において、ステップSd2801〜Sd2802は第4実施形態の変動開始処理(図232)のステップSd0901〜Sd0902と同一であり、ステップSd2804〜Sd2809は第4実施形態の変動開始処理(図232)のステップSd0903〜Sd0908と同一である。変形例1における変動開始処理において、第4実施形態の変動開始処理と相違するのは、ステップSd2802とステップSd2804との間に、起動時表示部制御処理(ステップSd2803)が追加されている点だけである。起動時表示部制御処理の詳細については、後述する。
<転落判定処理>
図254は、変形例1における転落判定処理を示すフローチャートである。この転落判定処理において、ステップSd2901〜Sd2903は第4実施形態の転落判定処理(図233)のステップSd1001〜Sd1003と同一であり、ステップSd2904〜Sd2906は第4実施形態の変動開始処理(図233)のステップSd1007〜Sy1009と同一である。この転落判定処理において、第4実施形態の転落判定処理(図233)に対して相違するのは、第4実施形態の転落判定処理のステップSd1004〜Sd1006が削除されている点であり、残余の点では同一である。即ち、変形例1における転落判定処理では、起動表示部部39aを消灯することは行わない。
<当たり判定処理>
図255は、変形例1における当たり判定処理を示すフローチャートである。この当たり判定処理において、ステップSd3001〜Sd3005は第4実施形態の当たり判定処理(図234)のステップSd1101〜Sd1105と同一であり、ステップSd3007〜Sd3019は第4実施形態の当たり判定処理(図234)のステップSd1108〜Sd1120と同一である。この当たり判定処理において、第4実施形態の当たり判定処理(図234)に対して相違するのは、第4実施形態の当たり判定処理のステップSd1106が削除され、第4実施形態の当たり判定処理のステップSd1107に換えて、ステップSd3006の処理が実行される点である。すなわち、当たり抽選において大当たり当選し(Sd3004:YES)、かつ、起動時表示部フラグがONされていると判定した場合には(Sd3005:YES)、ステップSd3006に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグをOFFにする。ステップSd3006の実行後、ステップSd3007に進む。
<起動時表示部制御処理>
図256は、変形例1における起動時表示部制御処理を示すフローチャートである。起動時表示部制御処理は、変動開始処理のサブルーチン(図253:Sd2803)として主制御装置60のMPU62によって実行される。ステップSd3101では、起動時表示部39aが点灯しているか否かを判定する。具体的には、各種フラグ記憶エリア64eの起動時表示部フラグがONされているか否かを判定する。
ステップSd3101において、起動時表示部フラグがONされていると判定した場合には(Sd3101:YES)、ステップSd3102に進み、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSd3102において、高確率モードでない、すなわち低確率モードであると判定した場合には(Sd3102:NO)、ステップSd3103に進み、メイン表示部45に設けられた起動時表示部39aを消灯する。その後、ステップSd3104に進み、起動時表示部フラグをOFFする。ステップSd3104を実行した後、起動時表示部制御処理を終了する。
一方、ステップSd3101において起動時表示部フラグがONされていないと判定した場合(Sd3101:NO)、またはステップSd3102において高確率モードであると判定した場合には(Sd3102:YES)、ステップSd3103およびステップSd3104を実行することなく、起動時表示部制御処理を終了する。
以上説明したように、変形例1のパチンコ機によれば、起動時表示部39aが点灯中に、抽選モードが高確率モードから低確率モードに切り替えられたことを契機に、起動時表示部39aが点灯から消灯に切り替えられる。また、変形例1のパチンコ機は、当たり抽選に大当たり当選した遊技回の開始時に、抽選モードを高確率モードから低確率モードに切り替える。従って、起動時表示部39aは、点灯中であって、当たり抽選に大当たり当選した遊技回の開始時に、表示態様を点灯から消灯に切り替える。このとき、遊技回の開始時に、起動時表示部39a点灯から消灯に切り替わったことを認識した遊技者に対して、当該遊技回における判定が低確率モードで実行されたと推測させることができる。しかしながら、当たり抽選によって大当たり当選と判定された後に遊技回は開始され、その遊技回の開始時に抽選モードを高確率モードから低確率モードに切り替えているので、当該遊技回の当たり抽選は高確率モードで実行される。従って、遊技回における当たり抽選が低確率モードで実行されたという遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性を付与することができる。さらに、当該遊技回が当たり抽選において大当たり当選となる遊技回であることで、遊技者にさらに大きな意外性や期待感を付与することができる。これらの結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、変形例1のパチンコ機10によれば、遊技回の開始時に抽選モードを高確率モードから低確率モードに切り替えているが、当たり抽選が高確率モードで行われて大当たり当選した後に抽選モードを高確率モードから低確率モードに切り替えているので、当該遊技回において遊技者が不利益となることを回避することができる。さらに、起動時表示部39aを点灯から消灯に切り替える制御を、当たり抽選を高確率モードから低確率モードに切り替える制御に連動させているので、起動時表示部39aの点灯/消灯の状態を切り替える制御を特異な制御にすることを回避し、簡易な制御としつつ、上記のような遊技者の推定を覆したり、遊技者に意外性を付与する効果を奏することができる。
《D7−2》変形例2:
上記第4実施形態およびその変形例1では、表示手段の少なくとも一部を構成する起動時表示部39aをLED(発光ダイオード)によって構成していたが、これに換えて、白熱ランプ、蛍光ランプ、液晶ディスプレイ、有機EL等の他の発光部によって構成しても良い。
《D7−3》変形例3:
上記第4実施形態およびその変形例1では、表示手段の取り得る第1の表示態様と第2の表示態様との組合せを、消灯状態と点灯状態の組合せとしていたが、これに換えて、点滅状態と点灯状態の組合せ、消灯状態と点滅状態との組合せとしても良い。また、点滅間隔の異なる2種類の点滅状態の組合せとしても良い。さらに、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等に表示する2種類の絵柄の組合せとしても良い。なお、「第1の表示態様」または「第2の表示態様」は、先に説明したように、消灯状態も含み得る。これらの構成によっても、第4実施形態において説明した効果と同様の効果を得ることができる。
《D7−4》変形例4:
上記第4実施形態およびその変形例1では、パチンコ機10は電源スイッチ88を備えた構成であったが、これに換えて、電源スイッチ88を備えない構成としても良い。例えば、複数のパチンコ機10を備えるホールの外側から、無線によって、複数のパチンコ機10への電力供給を実行したり中断したりする構成とすることができ、この構成では、電源スイッチ88が有ろうと無かろうと、電源装置に備えられる停電監視回路によって、パチンコ機に電力が供給されている供給状態とパチンコ機に電力が供給されていない非供給状態とのいずれにあるかが検出されることになる。電源スイッチを備えない構成によっても、第4実施形態において説明した効果と同様の効果を得ることができる。
《D7−5》変形例5:
上記第4実施形態およびその変形例1では、判定手段が有する判定モード(抽選モード)として、低確率モードと高確率モードとを有するが、これに換えて、特別情報が所定の条件を満たす確率が3段階に分かれる3種類の確率モード(例えば、低確率モードと中確率モードと高確率モード)を有する構成としてもよい。さらに、特別情報が所定の条件を満たす確率がn段階(nは4以上の正の整数)に分かれるn種類の確率モードを有する構成としても良い。
《D7−6》変形例6:
上記第4実施形態およびその変形例1では、結果告知演出として、勝利演出と敗北演出と引き分け演出とを行うが、これに換えて、結果告知演出として、勝利演出と敗北演出とだけを行う構成としても良い。この構成によれば、遊技者に勝ち負けを明確化することができる。
《D7−7》変形例7:
上記第4実施形態およびその変形例1では、結果告知演出前に実行される特定の演出としてバトル演出が実行される構成としたが、上記特定の演出はバトル演出に限定されることはない。上記特定の演出は、結果告知演出が実行される可能性があることを示唆する演出であれば、いずれの構成とすることもできる。結果告知演出が実行される可能性があることを示唆する演出としては、例えば、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行することを示唆する演出等を採用することができる。こうした構成によっても、上記第4実施形態において説明した効果と同様の効果を得ることができる。
《D7−8》変形例8:
上記第4実施形態およびその変形例1では、1遊技回において実行される演出は、バトル演出と結果告知演出との2種類の演出によって構成したが、これに換えて、バトル演出と第3の演出と結果告知演出との3種類の演出によって構成してもよい。第3の演出としては、例えば、パチンコ機10の機種のPR動画等であってもよい。さらには、4種類以上の演出としても良い。また、バトル演出を実行することなく、結果告知演出だけの演出としてもよい。
《D7−9》変形例9:
上記第4実施形態およびその変形例1では、転落抽選に当選したときに実行されるバトル演出と、当たり抽選において大当たり当選したときに実行されるバトル演出は、同一であったが、これに限定されない。例えば、転落抽選に当選したときのバトル演出と、当たり抽選において大当たり当選したときとで、バトル演出を構成する画像の一部が相違する構成としても良い。例えば、画像全体としては似通っているが、一部の遊技者だけが相違することを気がつくことのできる画像とすることで、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
《D7−10》変形例10:
上記第4実施形態およびその変形例1では、特別情報が所定の条件を満たす場合として、当たり抽選において大当たり当選する場合を例に説明をしたが、所定の条件は、当たり抽選において大当たり当選することに限定されない。例えば、特別情報が所定の条件を満たす場合として、取得したリーチ乱数カウンタC3のカウンタ値に基づいてリーチ演出を実行する条件が満たされた場合を採用してもよい。このように、所定の条件として他の条件を設定しても、上記第4実施形態において説明した効果と同様の効果を得ることができる。
《D7−11》変形例11:
上記第4実施形態およびその変形例1では、保証遊技回数に達した以降に実行される遊技回で当たり抽選において大当たり当選した場合に、その遊技回が開始されるタイミングt43(図223参照)で低頻度サポートモードに移行されるが、これに換えて、当たり抽選において大当たり当選した遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミングt44(図223参照)で、低頻度サポートモードに移行する構成としても良い。この構成によっても、上記第4実施形態において説明した効果と同様の効果を得ることができる。
《D7−12》変形例12:
上記第4実施形態およびその変形例1では、状態記憶手段において状態情報が特定している第1の状態として低確率モードを採用し、第2の状態として高確率モードを採用していたが、第1の状態および第2の状態は、これらに限定されない。例えば、第1の状態として低頻度サポートモードを採用し、第2の状態として高頻度サポートモードを採用してもよい。さらに、特定処理実行手段において実行を開始する特定の処理として、起動時表示部39aを点灯する処理を採用していたが、特定の処理は、起動時表示部39aを点灯する処理に限定されない。例えば、特定の処理は、高頻度サポートモードを実行する処理としても良い。
《D7−13》変形例13:
上記第4実施形態およびその変形例1では、転落抽選を行い当選した場合に、当たり抽選の抽選モードを低確率モードに決定する構成としたが、これに換えて、転落抽選そのものを行わない構成としても良い。この構成によっても、上記第4実施形態と同様に、当たり抽選において大当たり当選した遊技回で遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができるという効果を得ることができる。
《D7−14》変形例14:
上記変形例1では、電源オン時に高確率モードが引き継がれている場合に、保証遊技回数未満の遊技回で当たり抽選において大当たり当選した場合、その遊技回の開始時に、抽選モードは高確率モードから低確率モードに移行され、サポートモードは高頻度サポートモードを保持するが(図252のタイミングt43を参照)、これに換えて、その遊技回の開始時に、抽選モードは低確率モードに移行されるのと連動して、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する構成としても良い。この構成によれば、制御ルーチンが簡単になるという効果を得ることができる。
《D7−15》変形例15:
上記第4実施形態およびその変形例1では、パチンコ機10は、主制御装置60、音声発光制御装置90、表示制御装置100といった3つの制御装置を備える構成としたが、これに換えて、主制御装置と副制御装置といった2つの制御装置を備える構成としても良い。副制御装置では、第4実施形態において音声発光制御装置90と表示制御装置100とにおいて実行される各種処理を実行する構成とすれば良い。また、上記第4実施形態およびその変形例1において、3つの制御装置60,90,100のそれぞれで実行される各種処理は、第4実施形態で説明した区分けに限る必要はなく、3つの制御装置60,90,100の全体として、第4実施形態における全ての処理が実行できれば良い。
《E》第5実施形態:
《E1》遊技機の構造:
図257は、本発明の第5実施形態としてのパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」ともいう)の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる各遊技回、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
前扉枠14の正面視右側(以下、単に「右側」とも呼ぶ)には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
上皿20の周縁部の正面視左側(以下、単に「左側」とも呼ぶ)には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図258は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53と、電源ユニット58とを備えている。具体的には、これらユニットは、内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能を有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、液晶表示装置を制御する。液晶表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
電源ユニット58は、電源装置85と、電源スイッチ88とを備えている。電源装置85は、パチンコ機10の動作に必要な電力を供給する。電源装置85には、電源スイッチ88が接続されている。電源スイッチ88のON/OFF操作により、パチンコ機10に電力が供給されている供給状態と、パチンコ機10に電力が供給されていない非供給状態とが切り換えられる。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図259は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、前後方向に貫通する複数の開口部が形成されている。各開口部には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。さらに、遊技盤30には、遊技球振分装置200が設けられている。
図示するように、一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入賞すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71(図258)から払い出される。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口である。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30の右側に設けられている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。また、第2始動口34には、電動役物34aが設けられている。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行う。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35に遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aを備えるとともに、大入賞口36aを開閉する開閉扉36bを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入賞できない閉鎖状態になっている。主制御装置60による内部抽選(当たり抽選)の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行した場合には、開閉扉36bは、遊技球が入賞可能な開放状態と閉鎖状態とを繰り返す。開閉実行モードとは、第1始動口33又は第2始動口34への入賞をトリガとした主制御装置60による当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に移行し、開閉扉36bが開放状態と閉鎖状態とを繰り返すモードである。すなわち、第1始動口33への入賞に基づく当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合には、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能になる開閉実行モードへ移行する。同様に、第2始動口34への入賞に基づく当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合にも、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能な開閉実行モードへと移行する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入賞すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは、第1始動口33への入賞をトリガとした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行わせるまでの表示態様として、変動表示又は所定の表示を行わせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行わせる。
第2図柄表示部37bは、第2始動口34への入賞をトリガとした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行わせるまでの表示態様として、変動表示又は所定の表示を行わせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行わせる。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cと第2保留表示部37dとを備えている。本実施形態では、第1始動口33に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。また、本実施形態では、第2始動口34に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35への入賞をトリガとした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了し新たな遊技回が開始される場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、およびラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、液晶表示装置41を備える。液晶表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。液晶表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、液晶表示装置41は、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置に換えてもよい。
液晶表示装置41は、第1始動口33への入賞に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、液晶表示装置41は、第2始動口34への入賞に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。液晶表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への入球をトリガとした表示演出に限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の表示演出なども行う。以下、液晶表示装置41の詳細について説明する。
図260は、液晶表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図260(a)は、液晶表示装置41において変動表示される図柄を示す説明図である。図260(a)に示すように、液晶表示装置41には、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図260(b)は、液晶表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図260(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図260(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、液晶表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、「遊技回」とは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを言い、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報についての当たり抽選の抽選結果を、遊技者に告知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1つの特別情報についての1つの当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、液晶表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
さらに、図260(b)に示すように、液晶表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留個数が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、上述したように、第1始動口33及び第2始動口34に入賞した遊技球の保留個数は、それぞれ最大4つまでである。
図259において、遊技球振分装置200(図259参照)は、遊技球が入球可能な第1入球口201から入球した遊技球を通常ルートNRと特別ルートSPとに振り分けるための装置であり、遊技領域PAにおける第1始動口33の上方に設けられている。遊技球振分装置200の詳細な構成ついて、次に説明する。
《E2》遊技球振分装置の構成:
図261および図262は、遊技球振分装置200を示す断面図である。図261には後述する弁体241,251が閉じた状態が示されており、図262には弁体241,251が開いた状態が示されている。図261および図262において、断面として遊技盤30に平行な面で切断したときの切り口が示されている。図中の+X方向は正面視右側を示し、−X方向は正面視左側を示す。
両図に示すように、遊技球振分装置200は、第1通路210と、第1通路210の−X方向側に隣接して配置される第2通路220と、第1通路210の+X方向側に隣接して配置される第3通路230と、を備える。本実施形態では、第1ないし第3通路210〜230は、透明な樹脂製部材によって構成されている。
第1通路210は、第1入球口201を上端に有し、第1入球口201から入球した遊技球を下方に向かって流す。第1通路210は、一本の本線通路211と、本線通路211から分かれた2本の支線通路212,213(以下、「第1支線通路212」、「第2支線通路213」と呼ぶ)と、を有する。各通路211〜213の流れ方向に垂直な断面形状は略コの字型であり、コの字の開口側が遊技領域PAと向かい合うように各通路211〜213は取り付けられている。
本線通路211は、本線上流側部分211aと、本線中間部分211bと、本線下流側部分211cと、に区分けされる。本線上流側部分211aは、本線通路211において最も上流側の部分で、第1入球口201から真下方向に伸びる直線形状を有している。本線中間部分211bは、本線上流側部分211aの下端に続く部分で、本線上流側部分211aの下端から右下方向に伸び、途中で真下方向に折れ曲がった形状を有する。本線下流側部分211cは、本線中間部分211bに続く部分で、本線中間部分211bの下端から右下方向に伸びる直線形状を有する。
第1支線通路212は、本線通路211における本線上流側部分211aと本線中間部分211bとの連結部分を分岐点(以下、「第1分岐点」と呼ぶ)211xとして、第1分岐点211xから真下方向に伸びる直線形状を有する。したがって、本線通路211の本線上流側部分211aと第1支線通路212とによって、第1入球口201から真下方向に伸びる1本の直線形状の通路が構成されることになる。第1分岐点211xには、遊技球を本線通路211の本線中間部分211bと第1支線通路212とのいずれかに振り分ける第1遊技球振分機構240が設けられている。
第2支線通路213は、本線通路211における本線中間部分211bと本線下流側部分211cとの連結部分を分岐点(以下、「第2分岐点」と呼ぶ)211yとして、第2分岐点211yから真下方向に伸びる直線形状を有する。第2分岐点211yには、遊技球を本線通路211の本線下流側部分211cと第2支線通路213とのいずれかに振り分ける第2遊技球振分機構250が設けられている。
第2通路220は、遊技球が入球可能な第2入球口221を上端に有し、第2入球口221から入球した遊技球を下方に向かって流す。本実施形態では、第2入球口221の上下方向の位置(すなわち、高さ)と、第1通路210に形成された第1入球口201の高さとは同じであり、第2入球口221と第1入球口201とは隣接する。第2通路220は、途中で分岐しない一本の連続する通路であり、第2入球口221から真下方向に伸びる上流側部分220aと、左下方向に向けて伸びる下流側部分220bとに区分けされる。
上流側部分220aは、第1通路210の本線上流側部分211aと第1支線通路212の一部分とに沿って配置される。本実施形態では、上流側部分220aの第1通路210側の側壁と、第1通路210の上流側部分220a側の側壁とは、一つの壁体210aによって構成される。第2通路220の流れ方向に垂直な断面形状は第1通路210と同様に略コの字型であり、コの字の開口側が遊技領域PAと向かい合うように第2通路220は取り付けられている。
第3通路230は、遊技球が入球可能な第3入球口231を上端に有し、第3入球口231から入球した遊技球を下方に向かって流す。本実施形態では、第3入球口231の高さと、第1通路210に形成された第1入球口201の高さとは同じであり、第3入球口231と第1入球口201とは隣接する。第3通路210は、途中で分岐しない一本の連続する通路であり、正面視においては左右にぶれることなく真下方向に伸びる。ただし、第3通路230は、奥行き方向(図の表裏方向)においては、本線通路211の本線中間部分211bを跨ぐように後ろ側(図の裏側)に向けてUの字状に湾曲している。なお、このUの字の形状は、遊技球が流下可能な形状である。
第3通路230は、上記のUの字状に湾曲した部分を除いて、第1通路210の本線上流側部分211aと第1支線通路212とに沿って配置される。本実施形態では、第3通路230の上記Uの字状に湾曲した部分を除いた部分の第1通路210側の側壁と、第1通路210の第3通路230側の側壁とは、共通した一つの壁体210bによって構成される。第3通路230の流れ方向に垂直な断面形状は第1通路210と同様に略コの字型であり、コの字の開口側が遊技領域PAと向かい合うように第3通路230は取り付けられている。
第1遊技球振分機構240は、弁体241と、弁体241に連結される作用片242と、を主な構成としている。弁体241は、第1分岐点211x内に配置される板状の部材である。第1分岐点211x横の壁体210aには、遊技領域PAに垂直な方向に回転軸243が埋設されており、この回転軸243の軸心周りに、弁体241は回動可能に支持されている。弁体241は、重し244を有し、弁体241の重し244を含めた自重によって、回転軸243の周りの力のモーメントを発生する。
弁体241は、本線通路211から第1支線通路212への開口を閉鎖する第1の位置(図261に示した弁体241の位置)と、本線通路211から第1支線通路212への開口を開く第2の位置(図262に示した弁体241の位置)と、の間を回動する。第1分岐点211xの右側角部CNによって弁体241は右回り(時計回り)の回転が規制されており、第1の位置に弁体241が位置決め可能な構成となっている。第1の位置が、弁体241に重力以外の力が働いていない初期姿勢の位置である。
第2の位置は、本線通路211から第1支線通路212への開口を遊技球が少なくとも通過可能なだけ開く位置であり、本実施形態では、第1の位置から左回り(反時計回り)に回転して壁体210aに形成された収納凹部DEの内部に収納される位置である(図262参照)。なお、第2の位置は、弁体241が壁体210aの内部に必ずしも収納される位置である必要はなく、遊技球が少なくとも通過可能なだけ開口を開く位置であれば、いずれの位置とすることもできる。
作用片242は、板状の部材であり、弁体241に対して、回転軸243を対称の中心とする点対称となる位置に設けられている。このため、弁体241が第1の位置にあるとき、作用片242は、第2通路220の内側に突出する。図261に示す第1の位置にあるときの状態から、遊技球が、第2入球口221から入球し、第2通路220を通過し、作用片242に達した場合に、遊技球は作用片242を押下し、作用片242に対して左回りの力のモーメントを作用する。これによって、弁体241は、図261に示す状態から左回りに回転し、遊技球の通過と共に、弁体241は、図262に示すように、第2の位置へと移動する。
弁体241が第2の位置にあるとき、本線通路211から第1支線通路212への開口が開くことから、遊技球はその開口から第1支線通路212を流下する。このため、本線通路211の本線上流側部分211aを通過し第1分岐点211xに至った遊技球P1(図262)は、第1支線通路212に振り分けられる。
その後、第2通路220において、遊技球が作用片242から離れると、弁体241には自重によって右回りの力のモーメントが作用し、第2の位置から第1の位置に戻る(図261)。
上記構成の第1遊技球振分機構240によれば、第2通路220における遊技球の流通を契機に、第1分岐点211xに至った遊技球P1(図261)を第1支線通路212に振り分けることができる。より具体的には、第2通路220内における作用片242が動作する範囲内を遊技球が通過するときに、本線通路211から第1支線通路212への開口が開くことから、その時に、第1通路210の第1分岐点211xに遊技球P1が達した場合に、遊技球P1を第1支線通路212に振り分けることができる。換言すれば、第2通路220の第2入球口221への遊技球が入球し、その入球したと同じもしくは少し遅れるタイミングで、第1通路210の第1入球口201に遊技球が入球した場合に、その第1入球口201に入球した遊技球を第1支線通路212に振り分けることができる。すなわち、第1入球口201への遊技球の入球と第2入球口221への入球との時間的な間隔が特定時間(作用片242が作用する期間)内である特定の場合に、第1入球口201に入球した遊技球を第1支線通路212に振り分けることができる。
第2遊技球振分機構250は、第1遊技球振分機構240と同一の構成を有する。すなわち、第2遊技球振分機構250は、弁体251と、弁体251に連結される作用片252と、を主な構成としている。弁体251には、重し254が取り付けられている。第2遊技球振分機構250の動作についても第1遊技球振分機構240と同一であり、弁体251は、本線通路211から第2支線通路213への開口を閉鎖する第1の位置(図261に示した弁体251の位置)と、本線通路211から第2支線通路213への開口を開く第2の位置(図262に示した弁体251の位置)と、の間を回動する。遊技球が、第3入球口231から入球し、第3通路230を通過し、作用片252に達した場合に、遊技球は作用片252を押下し、作用片252に対して左回りの力のモーメントを作用する。これによって、弁体251は、第1の位置から第2の位置へと移動する。したがって、本線通路211から第1支線通路212への開口が開き、第2分岐点211yに至った遊技球P2(図262)は、第2支線通路213に振り分けられる。
第1通路210の有する本線通路211の下流側の端部は、通常ルートNR(図258)に連通している。第1通路210における第1支線通路212の下流側の端部と、第1通路210における第2支線通路213の下流側の端部とは合わさって、特別ルートSP(図259)に連通している。第2通路220の下流側の端部と、第3通路230の下流側の端部とは合わさって、アウトルートOT(図259)に連通している。
図259に示すように、本実施形態では、第1始動口33へ遊技球が入球する場合として、通常ルートNRを経由する場合と、特別ルートSPを経由する場合と、通常ルートNRと特別ルートSPのいずれも経由しない場合の3通りがある。通常ルートNRと特別ルートSPのいずれも経由しない場合は、第1始動口33の左横側または右横側から入球する場合であり、第1始動口33へ入球する確率は0ではないが極めて低い。通常ルートNRは、第1始動口33の真上から右側にずれた位置に開口していることから、通常ルートNRを経由した場合は、第1始動口33へ入球する確率は通常ルートNRと特別ルートSPのいずれも経由しない場合に比べて高いが、例えば10%とそれほど高い確率ではない。この確率は、通常ルートNRの開口から第1始動口33に至る範囲に配設された釘42の位置によって調整される。特別ルートSPは、第1始動口33の真上かつ近い位置に開口していることから、第1始動口33へ入球する確率は例えば50〜100%と極めて高い確率である。第1始動口33へ入球する確率が高いと言うことは、遊技者にとっての有利度合が高いことであるため、特別ルートSPと呼ぶことができる。
遊技球振分装置200の第1入球口201から入球した遊技球は、遊技球振分装置200によって、上述した通常ルートNRと特別ルートSPのいずれかに振り分けられる。一方、遊技球振分装置200の第2入球口221または第3入球口231に入球した遊技球は、遊技球振分装置200の作用片242,252を動作させるだけで、アウトルートOTを経由してアウト口43から排出される。
図261および図262に示すように、なお、遊技球振分装置200の第1入球口201、第2入球口221、第3入球口231の上方には、釘42(42a,42b,42c,42d)が設けられている。具体的には、第1入球口201と第2入球口221との間の壁体の上方に第1の釘42aが設けられ、第1入球口201と第3入球口231との間の壁体の上方に第2の釘42bが設けられ、第2入球口221の左側の壁体の上方に第3の釘42cが設けられ、第3入球口231の右側の壁体の上方に第4の釘42dが設けられている。第1〜第4の釘42a〜42dの打ち込み位置によって、各入球口201,221,231への遊技球の入球の確率が変化する。
《E3》遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図263は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力側には、各種検知センサー67a〜67eと、払出制御装置70と、電源装置85とが接続されている。主制御基板61は、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。
電源装置85は、停電監視回路86を備える。停電監視回路86は、電源を監視することによって、停電発生時に停電情報信号を出力する。「停電発生時」とは、商用電源の停電が発生した時に限らず、電源スイッチ88がオン状態からオフ状態に切り替えられた時(電源オフ時)も含む。
また、主制御基板61は、各種検知センサー67a〜67eとして、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36などの各種の入賞口に設けられた複数の検知センサーと接続されている。主制御基板61のMPU62は、各種検知センサー67a〜67eからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲート35を通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たり抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入球に基づいて電動役物開放抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部34bの駆動制御を実行する。各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行する。また、開閉実行モードにおいて大当たり種別が決定され開閉実行モードにおいて実行されるラウンド遊技の回数が決定した場合には、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への入賞を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25と、遊技球発射ボタン26とが接続されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、液晶表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、液晶表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、各遊技回において実行される予告演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、図柄の組み合わせが停止表示している時間である停止時間は一定である。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図264は、当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明する説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、液晶表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。液晶表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ抽選にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに液晶表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC5が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C5は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜格納される。
RAM64には保留情報格納エリア64bが設けられている。保留情報格納エリア64bは、第1保留エリアRaと、第2保留エリアRbと、実行エリアAEと、合計保留個数記憶エリアとから構成されている。第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が順次入賞すると、入賞のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値が保留情報格納エリア64bに時系列的に格納される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。具体的には、大当たり乱数カウンタC1の更新値は、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64bの第1保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64bの第2保留エリアRbに格納される。大当たり当選となる乱数の値は、ROM63の当否テーブル記憶エリア63a(図263)に当否テーブルとして記憶されている。
図265は、当否テーブル記憶エリア63aに格納されている当否テーブルについて説明する説明図である。パチンコ機10には、当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されている。高確率モードは、確変大当たりに当選することによって開始される遊技状態であって、当たり抽選において大当たりに当選する確率が、低確率モードより相対的に高い遊技状態を言う。図265(a)は低確率モード用の当否テーブルを示し、図265(b)は高確率用の当否テーブルを示している。図265(a)に示すように、当たり抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は15個である。一方、図265(b)に示すように、当たり抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は30個である。また、低確率モードで大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードで大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、当選となる乱数の数及び値は任意である。
図264に戻り、大当たり種別カウンタC2の詳細について次に説明する。大当たり種別カウンタC2は、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。より詳しくは、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64b(RAM64)の第1保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64b(RAM64)の第2保留エリアRbに格納される。
ここで、パチンコ機10における大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(2)開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モード
(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモード
パチンコ機10には、上記の(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が15回行われるとともに、1回の開放は30secが経過するまで又は開閉扉36bへの入賞個数が10個となるまで継続するように設定可能である。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が2回行われるとともに、1回の開放は0.2secが経過するまで又は開閉扉36bへの入賞個数が6個となるまで継続するよう設定可能である。
遊技者により操作ハンドル25が操作されている場合、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構81が駆動制御される。上記具体例の場合、低頻度入賞モードでは、1回の開閉扉36bの開放時間は0.2secである。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の開閉扉36bの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。ただし、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードにおいても、遊技球の入賞が発生し得るように設定してもよい。
なお、開閉扉36bの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入賞の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入賞が発生しない構成としてもよい。
パチンコ機10には、上記の(2)開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードの態様として、当否テーブルとして高確率モード用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う高確率モードと、当否テーブルとして低確率モード用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う低確率モードとを設定することができる。図265を用いて説明したように、高確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う場合の方が、低確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う場合と比較して、大当たりに当選する確率が高い。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC5を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率は同一であるが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定され、さらに1回の開放時間が長く設定されてもよい。また、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への入賞が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
低頻度サポートモードでは、第2始動口34よりも第1始動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1始動口33よりも第2始動口34への入賞が発生する確率が高くなる。第2始動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする、及び当選確率を高くするのうち、いずれか1つ又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
上述したように、パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することが可能である。本実施形態では、当たり抽選において大当たりに当選した場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、複数種類の大当たりの種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たりの種別の振分先は、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図266は、パチンコ機10に設定されている振分テーブルの内容を説明する説明図である。図266(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図266(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。
図266(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口33に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
16R確変大当たり及び8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当たり抽選の抽選モード(以下、単に「抽選モード」とも呼ぶ)が高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
16R通常大当たり及び8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の抽選モードが低確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜5」が16R確変大当たりに対応しており、「6〜23」が8R確変大当たりに対応しており、「24〜27」が16R通常大当たりに対応しており、「28〜39」が8R通常大当たりに対応している。このため、本実施形態では、確変大当たりとなる確率は「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうちの60パーセントであり、通常大当たりとなる確率は「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうちの40パーセントとなっている。なお、大当たりに当選する乱数の数及び値は任意であり、他の構成を採用してもよい。
上記のように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの種別として、4種類の大当たりが設定されている。したがって、大当たりの態様が多様化する。この4種類の大当たりを比較した場合、遊技者にとっての有利度合は、16R確変大当たりが最も高く、8R確変大当たりが次に高く、次に16R通常大当たり、最後に8R通常大当たりと続く。このように遊技者にとって有利度の異なる複数種類の大当たりが設定されていることにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
次に、図266(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりが設定されている。第2始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜12」が16R確変大当たりに対応しており、「13〜23」が8R確変大当たりに対応しており、「24〜30」が16R通常大当たりに対応しており、「31〜39」が8R通常大当たりに対応している。上記のように本実施形態のパチンコ機10では、大当たり当選となった場合の大当たりの種別の振分態様は、第1始動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、第2始動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。本実施形態では、第2始動口34への入賞に基づいて大当たり当選となる場合において、確変大当たりとなる確率は60パーセントであり、通常大当たりとなる確率は40パーセントであり、第1始動口33への入賞に基づいて大当たり当選となる場合と同一であるが、16Rと8Rとの振分けは、第1始動口33への入賞に基づいて大当たり当選となる場合よりも16Rとなる確率が高い確率となっている。なお、大当たりに当選する乱数の数及び値は任意であり、他の構成を採用してもよい。
このように、第1始動口33と第2始動口34との大当たり種別の振分態様は、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は、第1始動口33及び第2始動口34のうち、第2始動口34への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うことになる。なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、抽選モード及びサポートモードの変更も発生しない。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行うとともに、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに格納されている停止結果テーブルが参照される。
図264に戻り、リーチ乱数カウンタC3の詳細について次に説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。具体的には、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングでリーチ乱数カウンタC3の更新値がRAM64の第1保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングでリーチ乱数カウンタC3の更新値がRAM64の第2保留エリアRbに格納される。そして、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値は、実行エリアAEに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチを発生させるか否かが決定される。但し、当たり抽選の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。
リーチとは、液晶表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体的には、図260(b)の表示面41aにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、液晶表示装置41における図柄の変動時間とをMPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び液晶表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC5の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC5は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC5は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の電役保留エリア64cに格納される。そして、所定のタイミングで、その格納された電動役物開放カウンタC5の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C5=0〜199であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C5=200〜249であれば、電動役物34aを閉鎖状態に制御する。
なお、第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、及びリーチ乱数カウンタC3の一組の組み合わせが、第1始動口33に係る保留情報に相当し、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、及びリーチ乱数カウンタC3の一組の組み合わせが、第2始動口34に係る保留情報に相当し、これらの保留情報が、本発明における特別情報に相当する。
《E4》音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図267は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85(図263)等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。これらの詳細については後述する。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には、主制御装置60と演出操作ボタン24が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、スピーカー46や各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、液晶表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して液晶表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、液晶表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、液晶表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより液晶表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
《E5》主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において上述した処理を実行するための具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
各遊技回の遊技を進行させるために、主制御装置60のMPU62は、タイマ割込み処理および通常処理を実行する。MPU62は、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
図268は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップSe0101では、各種検知センサー67a〜67eの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサー67a〜67eの状態を読み込み、当該センサーの状態を判定して検出情報(入球検知情報)を保存する。その後、ステップSe0102に進む。
ステップSe0102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSe0103に進む。
ステップSe0103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および電動役物開放カウンタC5の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および電動役物開放カウンタC5にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C5の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSe0104に進む。
ステップSe0104では、第1始動口33及び第2始動口34への入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。ステップSe0104の始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSe0104を実行した後、ステップSe0105に進む。
ステップSe0105では、スルーゲート35への入球に伴うスルー用の入球処理を実行する。ステップSe0105のスルー用の入球処理の詳細については後述する。ステップSe0105を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図268:Se0104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図269は、始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSe0201では、遊技球が第1始動口33に入球(始動入球)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサーの検知状態により判定する。ステップSe0201において、遊技球が第1始動口33に入球したと判定した場合には(Se0201:YES)、ステップSe0202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSe0203に進む。
ステップSe0203では、第1始動口33に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップSe0204に進む。
ステップSe0204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに格納された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップSe0209に進む。
ステップSe0201において、遊技球が第1始動口33に入球していないと判定した場合には(Se0201:NO)、ステップSe0205に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検知センサーの検知状態により判定する。
ステップSe0205において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(Se0205:YES)、ステップSe0206に進み、払出制御装置70に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSe0207に進む。一方、ステップSe0205において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(Se0205:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップSe0207では、第2始動口34に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップSe0208に進む。
ステップSe0208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップSe0209に進む。
ステップSe0209では、上述したステップSe0204又はステップSe0208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップSe0209において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(Se0209:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップSe0209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(Se0209:YES)、ステップSe0210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップSe0211に進み、合計保留個数記憶エリアに格納された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップSe0212に進む。
ステップSe0212では、ステップSe0103(図268)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSe0210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに格納する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSe0103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSe0210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに格納する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSe0103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSe0210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに格納する。ステップSe0212を実行した後、ステップSe0213に進む。
ステップSe0213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて、当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無、転落抽選の当否判定結果(抽選結果)などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップSe0213を実行した後、ステップSe0214に進む。
ステップSe0214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図272:ステップSe0502)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、液晶表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、液晶表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主制御装置60のMPU62は、ステップSe0214を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入球処理のサブルーチン(図269:Se0213)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図270は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定、転落抽選の当否判定などの判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップSe0301では、始動口用の入球処理(図269)における始動口への入球によって記憶エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。その後、ステップSe0302に進み、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入球よりも前の入球によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入球による当たり抽選よりも前に発生する確変大当たりの有無や、転落抽選への当選の有無を把握することによって、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップSe0302において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(Se0302:YES)、ステップSe0303に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップSe0305に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップSe0302において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(Se0302:NO)、ステップSe0304に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている高確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップSe0305に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップSe0305では、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(Se0305:YES)、ステップSe0306に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値を把握する。その後、ステップSe0307に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、今回の振り分け対象となった大当たり種別カウンタC2が第1始動口33への入球に基づいて取得されたものである場合には、第1始動口用振分テーブルを参照し、第2始動口34への入球に基づいて取得されたものである場合には、第2始動口用振分テーブルを参照する。ステップSe0307を実行した後、ステップSe0308に進む。
ステップSe0308では、振分テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり種別カウンタC2の値が、確変大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップSe0308において、確変大当たりに対応していると判定した場合には(Se0308:YES)、ステップSe0309に進み、先判定処理結果格納エリア64fに確変大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップSe0308において、確変大当たりに対応していないと判定した場合には(Se0308:NO)、ステップSe0310に進み、先判定処理結果格納エリア64fに通常大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。
ステップSe0305において、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(Se0305:NO)、ステップSe0311に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値を把握する。その後、ステップSe0312に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップSe0313に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回把握したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップSe0313において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(Se0313:YES)、ステップSe0314に進み、先判定処理結果格納エリア64fにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップSe0313において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(Se0313:NO)、そのまま先判定処理を終了する。
<スルー用の入球処理>
次に、スルー用の入球処理について説明する。スルー用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図268:Se0105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図271は、スルー用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSe0401では、遊技球がスルーゲート35に入球したか否かを判定する。ステップSe0401において、遊技球がスルーゲート35に入球したと判定した場合には(Se0401:YES)、ステップSe0402に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入球数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップSe0401において、スルーゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(Se0401:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。
ステップSe0402において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(Se0402:YES)、ステップSe0403に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップSe0404に進む。
ステップSe0404では、ステップSe0103(図268)において更新した電動役物開放カウンタC5の値をRAM64の電役保留エリア64cの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに格納する。その後、スルー用の入球処理を終了する。
一方、ステップSe0402において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(Se0402:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値以上であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC5の値を格納することなく、スルー用の入球処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替えられたこと(以下、「電源投入」とも呼ぶ)に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図272は、通常処理を示すフローチャートである。ステップSe0501では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップSe0502に進む。
ステップSe0502では、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップSe0502を実行した後、ステップSe0503に進む。
ステップSe0503では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSe0504に進む。
ステップSe0504では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップSe0505に進む。ステップSe0505では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選、液晶表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップSe0505を実行した後、ステップSe0506に進む。
ステップSe0506では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップSe0507に進む。
ステップSe0507では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップSe0508に進む。
ステップSe0508では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップSe0502のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップSe0508において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(Se0508:NO)、ステップSe0509及びステップSe0510において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップSe0509において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップSe0510において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。一方、ステップSe0508において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(Se0508:YES)、ステップSe0502に戻り、ステップSe0502からステップSe0507までの各処理を実行する。
なお、ステップSe0502からステップSe0507の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図272:Se0508)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図273は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップSe0601では、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理において遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、同じく遊技状態移行処理において開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。
ステップSe0601において、開閉実行モード中であると判定した場合には(Se0601:YES)、ステップSe0602以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップSe0601において、開閉実行モード中でないと判定した場合には(Se0601:NO)、ステップSe0602に進む。
ステップSe0602では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eにおける変動表示中フラグ記憶エリアの変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップSe0602において、メイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には(Se0602:NO)、ステップSe0603〜ステップSe0606の遊技回開始用処理に進む。ステップSe0603では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップSe0603において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(Se0603:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップSe0603において、合計保留個数CRNが「0」でないと判定した場合には(Se0603:NO)、ステップSe0604に進む。
ステップSe0604では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するためのデータ設定処理を実行し、ステップSe0605に進む。データ設定処理の詳細は後述する。
ステップSe0605では、メイン表示部45における変動表示及び液晶表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。ステップSe0605を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップSe0602において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(Se0602:YES)、ステップSe0606〜ステップSe0610の遊技回進行用処理に進む。
ステップSe0606では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップSe0606では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64d)に格納されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図275:Se0802)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップSe0606において、変動時間が経過していないと判定した場合には(Se0606:NO)、ステップSe0607に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る図柄表示部における表示態様を変更する処理である。ステップSe0607を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
ステップSe0606において、変動時間が経過していると判定した場合には(Se0606:YES)、ステップSe0608に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理は、後述する変動開始処理(図275)において決定された図柄表示部に表示させる図柄の態様が、今回の遊技回に係る図柄表示部にて表示されるように当該図柄表示部を表示制御する。その後、ステップSe0609に進む。
ステップSe0609では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。高頻度サポートモードフラグは、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、RAM64の所定領域に設定された各種フラグ記憶エリア64eに格納される。高頻度サポートモードフラグがONであるとき、サポートモードは高頻度サポートモードである。高頻度サポートモードフラグがOFFであるとき、サポートモードは高頻度サポートモードではない、すなわち低頻度サポートモードである。高頻度サポートモードフラグは、後述する開閉実行モードの終了後にオンされる(図280のステップSe1304参照)。
ステップSe0609において、高頻度サポートモードであると判定した場合には(Se0609:YES)、ステップSe0610に進み、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードにおいて保証された保証遊技回数の残りの回数をカウントするためのカウンタである。遊技回数カウンタPNCは、後述する図280のステップSe1305で値100が予めセットされている。ステップSe0610を実行した後、ステップSe0611に進む。一方、ステップSe0609において、高頻度サポートモードではないと判定した場合には(Se0609:NO)、遊技回制御処理を終了する。
ステップSe0611では、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSe0611において、高確率モードではないと判定した場合には(Se0611:NO)、ステップSe0612に進み、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数(例えば100回)に達する前(=保証遊技回数内)であるか否かを判定する。具体的には、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。上述したように、遊技回数カウンタPNCは保証遊技回数の残りの回数を示すものであることから、PNC>0であるか否かを判定することによって、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数に達する前であるか否かを判定することができる。
ステップSe0612において、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回っていないと判定した場合(ステップSe0612:NO)、すなわち、保証遊技回数内でないと判定した場合には、ステップSe0613に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。ステップSe0613を実行した後、ステップSe0614に進む。
ステップSe0614では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。ステップSe0614を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップSe0612において保証遊技回数内であると判定した場合(ステップSe0612:YES)には、ステップSe0613およびステップSe0614を実行することなく、直ちに遊技回制御処理を終了する。また、ステップSe0611において高確率モードであると判定した場合(Se0611:YES)にも、直ちに遊技回制御処理を終了する。
上述したステップSe0611からステップSe0614までの処理によれば、高頻度サポートモードにおいて継続して実行された遊技回数が100回に達した場合に低頻度サポートモードに移行すること、しかし、遊技回数が100回に達した以後であっても、その時点における抽選モードとして高確率モードが継続されている場合には、サポートモードとして高頻度サポートモードは継続されること、が実現される。
<データ設定処理>
次に、データ設定処理について説明する。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図273:Se0604)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図274は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップSe0701では、第2保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留個数RbNが「0」であるか否かを判定する。ステップSe0701において、第2始動保留個数RbNが「0」であると判定した場合には(Se0701:YES)、ステップSe0702〜ステップSe0707の第1図柄表示部用のデータ設定処理を実行し、一方、第2始動保留個数RbNが「0」でないと判定した場合には(Se0701:NO)、ステップSe0708〜ステップSe0713の第2図柄表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、図273で説明したように、合計保留個数CRNが1以上である場合である(図273:Se0603参照)。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留個数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2図柄表示部37bについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留個数RaNが1以上であるか否かに関わらず、第2保留エリアRbに記憶されているデータを本データ設定処理の対象とする。これにより、第1保留エリアRa及び第2保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2始動口34に対応した第2保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先される。
ステップSe0702では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップSe0703に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップSe0704に進む。ステップSe0704では、第1保留エリアRaの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップSe0705に進む。
ステップSe0705では、第1保留エリアRaの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSe0705を実行した後、ステップSe0706に進む。
ステップSe0706では、各種フラグ記憶エリア64eの第2図柄表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2図柄表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップSe0707へ進む。
ステップSe0707では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、データ設定処理を終了する。
ステップSe0707において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図272)におけるステップSe0502において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、液晶表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
ステップSe0701において、第2始動保留個数RbNが「0」でないと判定した場合には(Se0701:NO)、上述のように、ステップSe0708〜ステップSe0713の第2図柄表示部用のデータ設定処理を実行する。
ステップSe0708では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップSe0709に進む。ステップSe0709では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップSe0710に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップSe0711に進む。
ステップSe0711では、第2保留エリアRbの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSe0711を実行した後、ステップSe0712に進む。
ステップSe0712では、各種フラグ記憶エリア64eの第2図柄表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップSe0713に進む。
ステップSe0713では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップSe0713において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図272)におけるステップSe0505において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、液晶表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、液晶表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図273:Se0605)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図275は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSe0801では、当たり抽選において大当たりに当選したときの処理を含む当たり判定処理を行う。当たり判定処理の詳細については後述する。ステップSe0801を実行した後、ステップSe0802に進む。
ステップSe0802では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理とは、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップSe0802を実行した後、ステップSe0803に進む。
ステップSe0803では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSe0803において、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Se0803:NO)、ステップSe0804に進み、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップSe0802で設定された変動時間の情報が含まれている。一方、ステップSe0803において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Se08303:YES)、ステップSe0805に進み、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップSe0802で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップSe0804又はステップSe0805を実行した後、ステップSe0806に進む。
ステップSe0806では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R確変大当たりの情報、8R確変大当たりの情報、16R通常大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、又は、外れ結果の情報が含まれている。
ステップSe0804〜ステップSe0806にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図272)におけるステップSe0502によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSe0806を実行後、ステップSe0807に進む。
ステップSe0807では、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第1図柄表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2図柄表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第2図柄表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップSe0807を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<当たり判定処理>
次に、当たり判定処理について説明する。当たり判定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図275:Se0801)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図276は、当たり判定処理を示すフローチャートである。ステップSe0901では、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSe0901において、高確率モードであると判定した場合には(Se0901:YES)、ステップSe0902に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図265(b)に示す高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSe0904に進む。
一方、ステップSe0901において高確率モードではないと判定した場合には(Se0901:NO)、ステップSe0903に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図265(a)に示す低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSe0904に進む。
ステップSe0904では、ステップSe0902又はステップSe0903における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSe0904において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(Se0904:YES)、ステップSe0905に進む。
続くステップSe0905からステップSe0912においては、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理を実行する。
ステップSe0905では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSe0905において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Se0905:NO)、ステップSe0906に進み、第1始動口用の振分テーブル(図266(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、ステップSe0905において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Se0905:YES)、ステップSe0907に進み、第2始動口用の振分テーブル(図266(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップSe0906又はステップSe0907の処理を実行した後、ステップSe0908に進む。
ステップSe0908では、ステップSe0906又はステップSe0907において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップSe0908において、遊技結果が確変大当たりであると判定した場合には(Se0908:YES)、ステップSe0909に進む。
ステップSe0909では、確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。確変大当たり用の停止結果設定処理とは、確変大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップSe0906又はステップSe0907において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップSe0909を実行した後、ステップSe0910に進む。
ステップSe0910では、ステップSe0906又はステップSe0907において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R確変大当たりである場合には16R確変大当たりフラグをONにし、8R確変大当たりである場合には8R確変大当たりフラグをONにする。ステップSe0910を実行した後、当たり判定処理を終了する。
ステップSe0908において、ステップSe0906又はステップSe0907において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりでないと判定した場合(Se0908:NO)、すなわち、振り分けた大当たりの種別が通常大当たりである場合には、ステップSe0911に進む。
ステップSe0911では、通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。通常大当たり用の停止結果設定処理とは、通常大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップSe0906又はステップSe0907において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップSe0911を実行した後、ステップSe0912に進む。
ステップSe0912では、ステップSe0906又はステップSe0907において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R通常大当たりである場合には16R通常大当たりフラグをONにし、8R通常大当たりである場合には8R通常大当たりフラグをONにする。ステップSe0912を実行した後、当たり判定処理を終了する。
ステップSe0904において、ステップSe0902又はステップSe0903における当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(Se0904:NO)、ステップSe0913に進み、外れ時用の停止結果設定処理を実行する。外れ時用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップSe0913を実行した後、当たり判定処理を終了する。
<変動時間の設定処理>
次に、変動時間の設定処理について説明する。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図275:Se0802)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図277は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップSe1001では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSe1002に進む。
ステップSe1002では、今回の遊技回に係る当たり抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、16R通常大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグの内のいずれかがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(Se1002:YES)、ステップSe1003に進む。
ステップSe1003では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、当たり抽選において大当たりに当選した遊技回の変動時間は一定である。その後、ステップSe1004に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップSe1002において、今回の遊技回に係る当たり抽選の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(Se1002:NO)、ステップSe1005に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップSe1002において今回の遊技回に係る当たり抽選において大当たり当選していない場合に本処理(Se1005)を実行することから、ステップSe1005においては、当たり抽選において大当たり当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(Se1005:YES)、ステップSe1006に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップSe1006では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、リーチ発生用の変動時間は一定である。その後、ステップSe1004に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップSe1005において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(Se1005:NO)、ステップSe1007に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップSe1004に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、リーチ非発生用変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、合計保留個数CRNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動時間テーブル、通常大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図272:Se0506)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図278は、遊技状態移行処理を示す説明図である。ステップSe1101では、開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップSe1101において、開閉実行モード中でないと判定した場合には(Se1101:NO)、ステップSe1102に進み、1の遊技回の第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップSe1102において、変動表示が終了したタイミングでないと判定した場合には(Se1102;NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSe1102において、変動表示が終了したタイミングであると判定した場合には(Se1102:YES)、ステップSe1103に進み、今回の遊技回の遊技結果(当たり抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、16R通常大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグのいずれかがONであるか否かを判定する。上記各フラグのいずれもがONではないと判定した場合には(Se1103:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSe1103において、上記各フラグのいずれかがONであると判定した場合には(Se1103:YES)、ステップSe1104に進み、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップSe1104を実行した後、ステップSe1105に進む。
ステップSe1105では、今回の開閉実行モードのラウンド数を判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、16R通常大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ)を確認する。ステップSe1105において、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグが16R確変大当たりフラグ又は16R通常大当たりフラグであると判定した場合には(Se1105:YES)、ステップSe1106に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に「16」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、開閉扉36bが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、ステップSe1105において、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグが8R確変大当たりフラグ又は8R通常大当たりフラグであると判定した場合には(Se1105:NO)、ステップSe1107に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に「8」をセットする。ステップSe1106又はステップSe1107を実行した後、ステップSe1108に進む。
ステップSe1108では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグをOFFする。その後、ステップSe1109に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高頻度サポートモードフラグをOFFする。
ステップSe1109を実行した後、ステップSe1110に進み、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図272)におけるステップSe0505にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSe1110を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSe1101において、開閉実行モード中であると判定した場合には(Se1101:YES)、ステップSe1111に進み、大入賞口開閉処理を実行する。具体的には、大入賞口36aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部36cを駆動状態とすることで大入賞口36aを開放させる。また、大入賞口36aが開放中である場合には、当該大入賞口36aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入球していることを条件として、可変入賞駆動部36cの駆動状態を停止し、大入賞口36aを閉鎖させる。大入賞口開閉処理の詳細は後述する。ステップSe1111を実行した後、ステップSe1112に進む。
ステップSe1112では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(Se1112:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(Se1112:YES)、ステップSe1113に進み、エンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図272)におけるステップSe0505において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。ステップSe1113を実行した後、ステップSe1114に進む。
ステップSe1114では、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。開閉実行モード終了時の移行処理は、今回の開閉実行モードが終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。開閉実行モード終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップSe1114を実行した後、ステップSe1115に進む。
ステップSe1115では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。その後、ステップSe1116に進み、開閉実行モードの終了処理を実行する。具体的には、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、16通常大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグがONである場合にはこれらのフラグをOFFにし、これらのフラグがONではない場合にはその状態を維持する。ステップSe1116を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図278:Se1111)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図279は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップSe1201では、大入賞口36aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップSe1201において、大入賞口36aが開放中でないと判定した場合には(Se1201:NO)、ステップSe1202に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSe1202において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(Se1202:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS1402において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(Se1202:NO)、ステップSe1203に進む。
ステップSe1203では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSe1203において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(Se1203:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップSe1203において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(Se1203:YES)、ステップSe1204に進み、大入賞口36aを開放するために可変入賞駆動部36cを駆動状態とする。その後、ステップSe1205に進む。
ステップSe1205では、各ラウンド用の設定処理を実行する。本実施形態におけるパチンコ機10の場合、設定されている入賞モードは全て高頻度入賞モードであるので、第1タイマカウンタエリアT1に「15000」(すなわち30sec)をセットする。さらに、大入賞口36aへの遊技球の入球数をカウントするために、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた入球カウンタエリアPCに「10」をセットする。第1タイマカウンタエリアT1にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。なお、仮にパチンコ機10に低頻度入球モードが設定されている場合には、例えば、第1タイマカウンタエリアT1に「100」(すなわち0.2sec)をセットするとともに、入球カウンタエリアPCに「6」をセットしてもよい。ステップSe1205を実行した後、ステップSe1206に進む。
ステップSe1206では、開放コマンドを設定する。その後、本大入賞口開閉処理を終了する。なお、開放コマンドは、大入賞口36aの開放が開始されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図272:ステップSe0505)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、液晶表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。
ステップSe1201において、大入賞口36aが開放中であると判定した場合には(ステップSe1201:YES)、ステップSe1207に進み、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの開放継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップSe1207において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(Se1207:NO)、ステップSe1208に進む。
ステップSe1208では、大入賞口36aに遊技球が入球したか否かを、可変入賞装置36に対応した検知センサーの検知状態により判定する。ステップSe1208において、入球が発生していないと判定した場合には(Se1208:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップSe1208において、入球が発生していると判定した場合には(Se1208:YES)、ステップSe1209に進み、入球カウンタエリアPCの値を1減算する。その後、ステップSe1210に進む。
ステップSe1210では、入球カウンタエリアPCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップSe1210において、入球カウンタエリアPCの値が「0」でないと判定した場合には(Se1210:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSe1207において第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合(Se1207:YES)、又は、ステップSe1210において入球カウンタエリアPCの値が「0」であると判定した場合には(Se1210:YES)、ステップSe1211に進み、大入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には、大入賞口36aを閉鎖するために可変入賞駆動部36cを非駆動状態とする。その後、ステップSe1212に進む。
ステップSe1212では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算する。その後、ステップSe1213に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSe1213において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(Se1213:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップSe1213において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(Se1213:NO)、第1タイマカウンタエリアT1に「1000」(すなわち2sec)をセットする。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップSe1214を実行した後、ステップSe1215に進み、閉鎖コマンドを設定する。その後、大入賞口開閉処理を終了する。
この設定された閉鎖コマンドは、大入賞口36aの開放が終了したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図272:ステップSe0502)において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、液晶表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。
<開閉実行モード終了時の移行処理>
次に、開閉実行モード終了時の移行処理について説明する。開閉実行モード終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図278:Se1114)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図280は、開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップSe1301では、RAM64に、大当たり種別フラグとして確変大当たりに対応するフラグがONにされているか否かを判定する。すなわち、RAM64の16R確変大当たりフラグ又は8R確変大当たりフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSe1301において、RAM64の16R確変大当たりフラグ又は8R確変大当たりフラグがONであると判定した場合には(Se1301:YES)、ステップSe1302に進み、対応する確変大当たりフラグをOFFにする。具体的には、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグのうち、ONになっているフラグをOFFにする処理を実行する。ステップSe1302を実行した後、ステップSe1303に進む。
ステップSe1303では、高確率モードフラグをONにし、その後、ステップSe1304に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、抽選モードが高確率モードであり、且つ、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。その後、ステップSe1305に進む。
ステップSe1305では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。その後、ステップSe1306に進む。
ステップSe1306では、抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップSe1310に進む。
一方、ステップSe1301において、RAM64に、16R通常大当たりフラグ又は8R通常大当たりフラグがONであると判定した場合には(Se1301:NO)、ステップSe1307に進み、対応する通常大当たりフラグをOFFにする。具体的には、16R通常大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグのうち、ONになっているフラグをOFFにする処理を実行する。その後、ステップSe1308に進む。
ステップSe1308では、高頻度サポートモードフラグをONにした後、ステップSe1309に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。その後、ステップSe1310に進む。
ステップSe1310では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図272:Se0507)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図281は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップSe1401では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップSe1401において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(Se1401:NO)、ステップSe1402に進む。
ステップSe1402では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップSe1402において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(Se1402:NO)、ステップSe1403に進む。
ステップSe1403では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップSe1403において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Se1403:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Se1403:YES)、ステップSe1404に進む。
ステップSe1404では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップSe1404において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(Se1404:YES)、ステップSe1405に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップSe1404において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(Se1404:NO)、ステップSe1406に進む。
ステップSe1406では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップSe1406において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(Se1406:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSe1406において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(Se1406:YES)、ステップSe1407に進む。
ステップSe1407では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップSe1408に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップSe1407において開閉実行モードではなく(Se1407:NO)、且つ、ステップSe1408において高頻度サポートモードである場合には(Se1408:YES)、ステップSe1409に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC5の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップSe1410に進む。
ステップSe1410では、ステップSe1409の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSe1410において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(Se1410:YES)、ステップSe1411に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、電役サポート用処理を終了する。
一方、ステップSe1410において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(Se1410:NO)、ステップSe1411の処理を実行することなく、電役サポート用処理を終了する。
ステップSe1407において開閉実行モードであると判定した場合(Se1407:YES)、又は、ステップSe1408において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(Se1408:NO)、ステップSe1412に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC5の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップSe1413に進む。
ステップSe1413では、ステップSe1412の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSe1413において、サポート当選でないと判定した場合には(Se1413:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSe1413において、サポート当選であると判定した場合には(Se1413:YES)、ステップSe1414に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSe1402において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(Se1402:YES)、ステップSe1415に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSe1415において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Se1415:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSe1415において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Se1415:YES)、ステップSe1416に進む。
ステップSe1416では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップSe1417に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSe1401において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(Se1401:YES)、ステップSe1418に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図281:Se1418)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図282は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップSe1501では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(Se1501:YES)、ステップSe1502に進む。
ステップSe1502では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSe1502において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Se1502:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップSe1502において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Se1502:YES)、ステップSe1503に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップSe1503を実行した後、ステップSe1504に進む。
ステップSe1504では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップSe1505に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSe1505において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(Se1505:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップSe1505において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(Se1505:YES)、ステップSe1506に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップSe1501において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(Se1501:NO)、ステップSe1507に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSe1507において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(Se1507:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップSe1507において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(Se1507:YES)、ステップSe1508に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップSe1509に進む。
ステップSe1509では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(Se1509:NO)、ステップSe1510に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップSe1510において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(Se1510:YES)、ステップSe1511に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップSe1509において開閉実行モードであると判定した場合(Se1509:YES)、又は、ステップSe1510において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(Se1510:NO)、ステップSe1512に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
A5.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、バトル演出および結果告知演出を実行するために、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図283は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば4msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSe1601では、コマンド格納処理を実行する。コマンド格納処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に格納するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの格納及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次格納されるとともに、格納された順序に従って順次読み出される。ステップSe1601を実行した後、ステップSe1602に進む。
ステップSe1602では、受信したコマンドに対応した処理を行うためのコマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップSe1602を実行した後、ステップSe1603に進む。
ステップSe1603では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップSe1602のコマンド対応処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップSe1603を実行した後、ステップSe1604に進む。
ステップSe1604では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップSe1602のコマンド対応処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップSe1604を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<コマンド対応処理>
次に、コマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図283:Se1602)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図284は、コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、コマンド対応処理では、主側MPU62から受信したコマンドに対応した処理を実行する。以下、コマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSe1701では、主側MPU62から保留コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSe1701において、主側MPU62から保留コマンドを受信していると判定した場合には(Se1701:YES)、ステップSe1702に進み、保留コマンド対応処理を実行する。保留コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップSe1702を実行した後、ステップSe1703に進む。一方、ステップSe1701において、主側MPU62から保留コマンドを受信していないと判定した場合には(Se1701:NO)、ステップSe1702を実行することなく、ステップSe1703に進む。
ステップSe1703では、主側MPU62から高頻度サポートコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSe1703において、主側MPU62から高頻度サポートコマンドを受信していると判定した場合には(Se1703:YES)、ステップSe1704に進み、音光側高頻度サポートモードフラグをONにする。音光側高頻度サポートモードフラグは、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを音声発光制御装置90(図267参照)のMPU92にて特定するためのフラグであり、RAM94の所定領域に設定された各種フラグ記憶エリア94eに格納される。その後、ステップSe1707に進む。
ステップSe1703において、主側MPU62から高頻度サポートコマンドを受信していないと判定した場合には(Se1703:NO)、ステップSe1705に進み、主側MPU62から低頻度サポートコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSe1705において、主側MPU62から低頻度サポートコマンドを受信していると判定した場合には(Se1705:YES)、ステップSe1706に進み、音光側高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップSe1707に進む。ステップSe1705において、主側MPU62から低頻度サポートコマンドを受信していないと判定した場合には(Se1705:NO)、そのまま、ステップSe1707に進む。
ステップSe1707では、主側MPU62から変動用コマンド及び種別コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSe1707において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していると判定した場合には(Se1707:YES)、ステップSe1708に進む。一方、ステップSe1707において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していないと判定した場合には(Se1707:NO)、ステップSステップSe1709に進む。
ステップSe1708では、遊技回演出設定処理を実行する。遊技回演出設定処理では、今回の遊技回において実行される大当たり時用演出や、停止図柄、変動表示パターン等を設定する。遊技回演出設定処理の詳細については後述する。ステップSe1708を実行した後、ステップSe1709に進む。
ステップSe1709では、主側MPU62からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSe1709において、主側MPU62からオープニングコマンドを受信していると判定した場合には(Se1709:YES)、ステップSe1710に進みオープニング演出設定処理を実行する。オープニング演出設定処理では、今回受信したオープニングコマンドに含まれている大当たりの種別を特定し、その大当たりの種別に対応したオープニング演出の内容を設定するとともに、当該演出内容に対応した情報が設定されたオープニング演出コマンドを表示側MPU102に送信する。その後、ステップSe1711に進む。一方、ステップSe1709において、主側MPU62からオープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(Se1709:NO)、ステップSe1710を実行することなく、ステップSe1711に進む。
ステップSe1711では、エンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSe1711おいて、エンディングコマンドを受信していると判定した場合には(Se1711:YES)、ステップSe1712に進み、エンディング演出設定処理を実行する。エンディング演出設定処理では、今回受信したエンディングコマンドに含まれている開閉実行モード後の遊技状態の内容を特定し、その遊技状態の内容に対応したエンディング演出の内容を設定するとともに、当該演出内容に対応した情報が設定されたエンディング演出コマンドを表示側MPU102に送信する。その後、ステップSe1713に進む。一方、ステップSe1711において、主側MPU62からエンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(Se1711:NO)、ステップSe1712を実行することなく、ステップSe1713に進む。
ステップSe1713では、その他の設定処理を実行する。その他の設定処理では、例えば、開放コマンドに対応した演出内容の設定及び閉鎖コマンドに対応した演出内容の設定を行う。また、演出操作ボタン24が押下された場合には、演出操作ボタン24が押下されたことを認識させるための演出操作コマンドを表示側MPU102に送信する。
<保留コマンド対応処理>
次に、保留コマンド対応処理について説明する。保留コマンド対応処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図284:Se1702)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図285は、保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、保留コマンド対応処理は、主側MPU62から保留コマンドを受信している場合に実行される処理である。以下、保留コマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSe1801では、入球時の更新処理を実行する。入球時の更新処理では、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数と、これらの保留情報の合計個数とを音光側MPU92において特定可能とするための処理を実行する。ステップSe1801の入球時の更新処理の詳細については後述する。以下では、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数を「第1保留個数」とも呼び、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数を「第2保留個数」とも呼び、第1保留個数と第2保留個数との合計数を「合計保留個数」とも呼ぶ。ステップSe1801を実行した後、ステップSe1802に進む。
ステップSe1802では、保留表示制御処理を実行する。具体的には、ステップSe1801において特定された第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数とに基づいて、第1保留表示部37cおよび第2保留表示部37dの表示態様(点灯させるLEDランプの色や組み合わせ)を制御する。ステップSe1802を実行した後、保留コマンド対応処理を終了する。
<入球時の更新処理>
次に、入球時の更新処理について説明する。入球時の更新処理は、保留コマンド対応処理のサブルーチン(図285:Se1801)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図286は入球時の更新処理を示すフローチャートである。ステップSe1901では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものであるか否かを判定する。ステップSe1901において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には(Se1901:YES)、ステップSe1902に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第1保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第1保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第1保留個数カウンタエリアの更新処理では、第1保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップSe1902を実行した後、ステップSe1904に進む。
ステップSe1901において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものでないと判定した場合(Se1901:NO)、すなわち、当該保留コマンドが第2始動口34への入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には、ステップSe1903に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第2保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第2保留個数カウンタエリアは、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第2保留個数カウンタエリアの更新処理では、第2保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となったコマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップSe1903を実行した後、ステップSe1904に進む。
ステップSe1902及びステップSe1903の処理を上記のようにした理由について説明する。本実施形態では、パチンコ機10の電源遮断中において、主制御装置60のRAM64に対してはバックアップ電力が供給されるのに対して、音声発光制御装置90のRAM94に対してはバックアップ電力が供給されない。このため、第1始動口33又は第2始動口34への入球に係る保留情報が主制御装置60のRAM64に記憶されている状況において電源が遮断されると、主制御装置60では保留情報が記憶保持されるのに対して、音声発光制御装置90では保留情報が0個であると把握される。この場合に、仮に、音声発光制御装置90において保留コマンドを受信する度に第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアをカウントアップする構成を採用すると、主制御装置60において実際に保留記憶されている保留情報の数と、音声発光制御装置90において把握している保留情報の数とが一致しなくなるといった不都合が生じ得る。これに対して、上記の本実施形態のように、主制御装置60は、保留個数の情報を含めて保留コマンドを送信するとともに、音声発光制御装置90では保留コマンドを受信する度にそのコマンドに含まれる保留個数の情報を第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアに設定する構成を採用することによって、上記のような不都合の発生を抑制することができる。
ステップSe1904では、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた合計保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。合計保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数と第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数との和を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。当該更新処理では、合計保留個数カウンタエリアの情報を、第1保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報と第2保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報との和の情報に更新する。ステップSe1904を実行した後、本入球時の更新処理を終了する。
<遊技回演出設定処理>
次に、遊技回演出設定処理について説明する。遊技回演出設定処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図284:Se1708)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図287は、遊技回演出設定処理を示すフローチャートである。上述したように、遊技回演出設定処理は、変動用コマンド及び種別コマンドを受信したと判定した場合に実行される処理であり、今回の遊技回において実行される演出の内容を設定するための処理である。以下、遊技回演出設定処理の具体的な処理について説明する。
ステップSe2001では、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たりの有無、大当たり種別、リーチ発生の有無、および変動時間の情報を把握する。そして、把握した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップSe2002に進む。
ステップSe2002では、大当たり時やリーチ時等における演出パターン設定処理を実行する。演出パターン設定処理の詳細については後述する。ステップSe2002を実行した後、ステップSe2003に進む。
ステップSe2003では、停止図柄の設定処理を実行する。停止図柄の設定処理では、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、又は8R通常大当たりである場合には、有効ラインL(図260参照)上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、16R確変大当たり又は8R確変大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の奇数図柄の組合せが選択され得るとともに、同一の偶数図柄の組合せが選択され得る。本実施形態のパチンコ機10では、この選択率は、同一の奇数図柄の組合せと、同一の偶数図柄の組合せとで同一となっているが、これに代えて、前者の方が後者よりも選択率が高い構成としてもよく、後者の方が前者よりも選択率が高い構成としてもよい。また、「7」図柄の組合せは、16R確変大当たりの場合にのみ選択される。また、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、16R通常大当たり又は8R通常大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の偶数図柄の組合せが選択される。
今回の遊技回の当たり抽選の結果が、外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。ステップSe2003を実行した後、ステップSe2004に進む。
ステップSe2004では、今回の遊技回の変動表示パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップSe2005において特定した停止図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。この変動表示パターンの選択に際しては、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。その後、ステップSe2005に進む。
ステップSe2005では、今回の遊技回においてステップSe2002で設定された演出の種類情報、ステップSe2003で設定された停止図柄の種類情報、及びステップSe2004で設定された変動表示パターンの種類情報を、演出コマンドに設定する。その後、ステップSe2006に進み、当該演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した演出コマンドに対応した演出内容を液晶表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップSe2006を実行した後、ステップSe2007に進み、変動開始時の更新処理を実行した後、遊技回演出設定処理を終了する。変動開始時の更新処理の詳細については後述する。
<演出パターン設定処理>
次に、演出パターン設定処理について説明する。演出パターン設定処理は、遊技回演出設定処理のサブルーチン(図287:Se2002)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図288は、演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSe2101では、今回の遊技回による当たり抽選において確変大当たりに当選したか否かを判定する。この判定は、図287のステップSe2001によって把握した大当たりの有無の情報および大当たり種別の情報を用いて行う。ステップSe2101では、16R確変大当たり又は8R確変大当たりに当選した場合に肯定判定される。ステップSe2101において、今回の遊技回による当たり抽選において確変大当たりに当選したと判定された場合には(Se2101:YES)、ステップSe2102に進む。
ステップSe2102では、確変大当たり時用演出パターン設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において確変大当たりしたことを示す演出についての演出パターンを実行するように設定する。この設定の際には、図277において大当たり用変動時間テーブルを用いて主制御装置60側で取得した変動時間を考慮して演出を定める。ステップSe2102を実行した後、演出パターン設定処理を終了する。
ステップSe2101において、今回の遊技回による確変大当たりに当選しなかった場合には(Se2101:NO)、ステップSe2103に進む。
ステップSe2103では、今回の遊技回における通常大当たり当選したか否かを判定する。この判定は、図287のステップSe2001によって把握した大当たりの有無の情報および大当たり種別の情報を用いて行う。ステップSe2103では、16R通常大当たり又は8R通常大当たりに当選した場合に肯定判定される。ステップSe2103において、今回の遊技回において通常大当たりに当選したと判定した場合には(Se2103:YES)、ステップSe2104に進む。
ステップSe2104では、通常大当たり時用演出パターン設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において通常大当たりしたことを示す演出についての演出パターンを実行するように設定する。この設定の際には、図277において大当たり用変動時間テーブルを用いて主制御装置60側で取得した変動時間を考慮して演出を定める。ステップSe2104を実行した後、演出パターン設定処理を終了する。
ステップSe2103において、今回の遊技回において通常大当たりしていないと判定した場合には(Se2103:NO)、ステップSe2105に進む。
ステップSe2105では、今回の遊技回においてリーチ発生となったか否かを判定する。この判定は、図287のステップSe2001によって把握したリーチ発生の有無の情報を用いて行う。ステップSe2105において、今回の遊技回においてリーチ発生となったと判定した場合には(Se2105:YES)、ステップSe2106に進む。
ステップSe2106では、リーチ時用演出パターン設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回においてリーチとなったことを示す演出についての演出パターンを実行するように設定する。この設定の際には、図277においてリーチ発生用変動時間テーブルを用いて主制御装置60側で取得した変動時間を考慮して演出を定める。ステップSe2106を実行した後、演出パターン設定処理を終了する。
一方、ステップSe2105において、今回の遊技回においてリーチ発生となっていなと判定した場合には(Se2105:NO)、ステップSe2107に進み、外れ時用演出パターン設定処理を実行する。具体的には、確変大当たり当選、通常大当たり当選、およびリーチ発生のいずれにも該当しない場合の演出を実行するように設定する。この設定の際には、図277においてリーチ非発生用変動時間テーブルを用いて主制御装置60側で取得した変動時間に従って演出時間を定める。ステップSe2107を実行した後、演出パターン設定処理を終了する。
<変動開始時の更新処理>
次に、変動開始時の更新処理について説明する。変動開始時の更新処理は、遊技回演出設定処理のサブルーチン(図287:Se2007)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図289は、変動開始時の更新処理を示すフローチャートである。ステップSe2201では、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドであるか否かを判定する。ステップSe2201において、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドであると判定した場合には(Se2201:YES)、ステップSe2202に進み、音光側RAM94の合計保留個数カウンタエリアに記憶されている合計保留個数が1減算されるように、当該合計保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、変動開始時の更新処理を終了する。
一方、ステップSe2201において、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドではないと判定した場合には(Se2201:NO)、ステップSe2203に進み、音光側RAM94の合計保留個数カウンタエリアに記憶されている合計保留個数が1減算されるように、当該合計保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、変動開始時の更新処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図290は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSe2301では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップSe2302に進む。
ステップSe2302では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図291は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップSe2401では、コマンド格納処理を実行する。コマンド格納処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド格納エリアに、その抽出したコマンドデータを格納する。コマンド格納処理によってコマンド格納エリアに格納された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図292は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド格納領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、液晶表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップSe2501では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図291)によってコマンド格納エリアに格納されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが格納されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が液晶表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが格納されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が液晶表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(Se2501)では、その時点でコマンド格納エリアに格納されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド格納エリアに格納されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド格納エリアに格納されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や停止図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を液晶表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップSe2502では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(Se2501)などによって設定された液晶表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、液晶表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップSe2503に進む。
ステップSe2503では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(Se2502)によって特定された、液晶表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップSe2504に進む。
ステップSe2504では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(Se2503)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を液晶表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを液晶表示装置41へ送信する。その後、ステップSe2505に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。以上、パチンコ機10において大当たり演出を含めた様々な処理を実行するための具体的な制御の一例を説明した。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技球振分装置200によって、第1通路210の第1入球口201に入球した遊技球が本線通路211から第1支線通路212または第2支線通路213に振り分けられる。具体的には、第1遊技球振分機構240によって、第2通路220における遊技球の流通を契機に、第1通路210の第1分岐点211xに至った遊技球が第1支線通路212に振り分けられ、第2遊技球振分機構250によって、第3通路230における遊技球の流通を契機に、第1通路210の第2分岐点211yに至った遊技球が第2支線通路213に振り分けられる。
このため、遊技者は、操作ハンドル25の操作によって遊技球の発射強度を調整することによって、第2通路220の第2入球口221に遊技球が入球する確率を変化させることで、第1通路210において、遊技球が第1支線通路212に振り分けられる確率を変化させることができ、第3通路230の第3入球口231に遊技球が入球する確率を変化させることで、第1通路210において、遊技球が第2支線通路213に振り分けられる確率を変化させることができる。したがって、遊技者は、操作ハンドル25の操作によって遊技球の発射強度を調整することによって、第1通路210に遊技球が入球する確率と、第1通路210において遊技球が第1支線通路212に振り分けられる確率と、第1通路210において遊技球が第2支線通路213に振り分けられる確率とを個別に変化させることができる。この結果、パチンコ機10によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
特に、本実施形態のパチンコ機10によれば、第2通路220における遊技球の流通を契機に、または第3通路230における遊技球の流通を契機に、第1通路210を通過する遊技球は遊技者にとって有利な特別ルートSPに振り分けられる。このため、遊技者は、操作ハンドル25の操作によって遊技球の発射強度を調整することによって、第2通路220の第2入球口221に遊技球が入球する確率を上昇させること、および第3通路230の第3入球口231に遊技球が入球する確率を上昇させることで、第1通路210において、遊技球が特別ルートSPに振り分けられる確率を上昇させ、遊技者にとって有利な遊技結果を得ることができる。したがって、パチンコ機10によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上をより図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、第2通路220における遊技球の流通を契機に、第1通路210の第1分岐点211xに至った遊技球は、特別ルートSPに至る第1支線通路212に振り分けられ、また、第3通路230における遊技球の流通を契機に、第1通路210の第2分岐点211yに至った遊技球は、特別ルートSPに至る第2支線通路213に振り分けられる。すなわち、前者と後者は論理和(OR)の関係にあり、前者の場合にも、後者の場合にも、遊技球を特別ルートSPに振り分けることが可能となる。このため、遊技者は、第1通路210の第1分岐点211xにおいて、遊技球が第1支線通路212に振り分けられなくても、続く第2分岐点211yで、遊技球が第2支線通路213に振り分けられるのではと期待感を抱くことができる。したがって、パチンコ機10によれば、遊技者に対して期待感を付与することができ、遊技の興趣向上をより図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、第1通路210の有する第1入球口201、第2通路220の有する第2入球口221、第3通路230の有する第3入球口231の上方には、釘42(42a,42b,42c,42d)が設けられており、これらの釘42a〜42dの打ち込み位置によって、上述した第1支線通路212や第2支線通路213に振り分けられる確率が変わる。この確率が変わることについて、次に詳述する。
隣接する第1入球口201と第2入球口221との間の壁体の上方に設けられた第1の釘42aの打ち込み位置を考えてみる。第1の釘42aの打ち込み位置によれば、第1通路210の第1入球口201に遊技球が入球する確率が変わる。具体的には、左右方向において第1の釘42aを第1入球口201側に設けることによって、第1入球口201に遊技球が入球する確率を低下させることができる。この場合、第2通路220の第2入球口221に遊技球が入球する確率が高くなるため、第1遊技球振分機構240によって、第1通路210において遊技球が第1支線通路212に振り分けられる確率が高くなる。まとめると、第1の釘42aを第1通路210の第1入球口201側に設けた場合、第1通路210の第1入球口201に遊技球が入球する確率が低下することに相反して、第1通路210において、遊技球が第1支線通路212に振り分けられる確率が高くなる。
一方、左右方向において第1の釘42aを第2通路220の第2入球口221側に設けた場合、第1通路210の第1入球口201に遊技球が入球する確率が上昇することに相反して、第2通路の第2入球口221に遊技球が入球する確率が低くなるため、第1通路210において、遊技球が第1支線通路212に振り分けられる確率が低くなる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、第1通路210の第1入球口201へ入球する確率と、第1通路210において遊技球が第1支線通路212に振り分けられる確率とがトレードオフの関係にある。
パチンコ機10では、第1通路210において第1支線通路212に振り分けられた遊技球は、特別ルートSPに進むように構成されている。このため、第1の釘42aを第1通路210の第1入球口201側に設けて、第1入球口201へ入球する確率を低下させても、第1通路210において遊技者にとって有利な特別ルートSPに遊技球が進む確率が上昇することから、ホール側と遊技者側との間でホール側に利益が偏ってしまうことを抑制できる。一方、第1の釘42aを第2通路220の第2入球口221側に設けて、第1通路210の第1入球口201へ入球する確率を上昇させても、第1通路210において遊技者にとって有利な特別ルートSPに遊技球が進む確率が低下することから、ホール側と遊技者側との間で遊技者に利益が偏ってしまうことを抑制できる。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、第1の釘42aの打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制できる。
同様に、隣接する第1入球口201と第3入球口231との間の壁体の上方に設けられた第2の釘42bの打ち込み位置を考えてみる。この場合にも、前述した第1入球口201と第2入球口221との関係と同様に、第2の釘42bの打ち込み位置によって第1通路210の第1入球口201へ入球する確率を変化させることと、第1通路210において、遊技球が第2支線通路213に振り分けられる確率を変化させることとがトレードオフの関係にある。このことからも、第2の釘42bの打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制できる。
ここで、本実施形態のパチンコ機10において、第1の釘42aが左右方向において第2入球口221側に設けられ、第2の釘42bが左右方向において第3入球口231側に設けられて、第1入球口201への入口が広げられた構成について考えてみる。この構成においては、第2入球口221や第3入球口231は遊技球が入球しにくく第1入球口211は遊技球が入球し易いことから、遊技者は、操作ハンドル25の操作によって第1入球口201を狙って遊技球を発射することが好ましい。こうすることで、単位時間当たりに第1入球口201から通常ルートNRへ送られる遊技球の数を増大させることができる。先に説明したように、通常ルートNRを経由した遊技球が第1始動口33へ入球する確率は例えば10%とそれほど高くはないが、通常ルートNRへ送られる遊技球の数を増大させることで、トータルとして単位時間当たりの第1始動口33へ入球する確率を高めることができる。
一方、第1の釘42aが左右方向において第1入球口201側に設けられ、第2の釘42bが左右方向において第1入球口201側に設けられることによって、第1入球口201への経路が狭くなった構成を考えてみる。この構成においては、第2入球口221および第3入球口231への経路は広いので、第2入球口221および第3入球口231に遊技球が入球し易い。このため、この構成においては、遊技者は、操作ハンドル25の操作によって第2入球口221または第3入球口231を狙って遊技球を発射することが好ましい。こうすることで、単位時間当たりに第2入球口221または第3入球口231へ入球する遊技球の数を増大させることができる。第2入球口221または第3入球口231へ入球する遊技球の数が増えれば、第1入球口201に遊技球が入球した場合に、その入球した遊技球が特別ルートSPへ振り分けられる確率が上昇する。先に説明したように、特別ルートSPを経由した遊技球が第1始動口33へ入球する確率は例えば50〜100%と極めて高いことから、単位時間当たりの第1始動口33へ入球する確率を高めることができる。このようにして、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10によれば、遊技球振分装置200を備えるので、第1の釘42aと第2の釘42bとの間の距離(以下、第1の釘間距離と呼ぶ)と、第1の釘42aと第3の釘42cとの間の距離(以下、第2の釘間距離と呼ぶ)に差がある場合であっても、その差分に対する第1始動口33への遊技球の入球のし易さ(入球の期待値)の変化を抑制することができる。以下、具体例を用いて説明する。
例えば、第1の釘間距離と第2の釘間距離との和、すなわち、第2の釘42bと第3の釘42cとの間の距離が一定に規定されている構成について考える。第1の釘42aを第2の釘42bと第3の釘42cとの間の中央より左側に設け、第1の釘間距離を第2の釘間距離よりも広くした構成(以下、「第1の構成」と呼ぶ)においては、第1の釘42aと第3の釘42cとの間の下方に位置する第2入球口221は第1入球口201に比べて遊技球が入球しにくいため、第1遊技球振分機構240において弁体241が開きにくい(第1の位置から第2の位置に移行しにくい)。しかし、第1の構成においては、第1の釘42aと第2の釘42bとの間の下方に位置する第1入球口201は遊技球が入球し易く、単位時間当たりに第1入球口201に入球する遊技球の数を多くすることで、第1始動口33に遊技球を入球させる確率を高めることができる。
一方、第1の釘42aを第2の釘42bと第3の釘42cとの間の中央より右側に設け、第1の釘間距離を第2の釘間距離よりも狭くした構成(以下、「第2の構成」と呼ぶ)においては、第1入球口201は第2入球口221に比べて遊技球が入球しにくいため第1の構成と比較して第1入球口201に遊技球は入球しにくい。しかし、第2の構成においては、第2入球口221は第1の構成に比べて遊技球が入球しやすいため、第1入球口201に遊技球が入球した場合には弁体241が開きやすく、第1始動口33に遊技球を入球させる確率を高めることができる。
このように、本実施形態のパチンコ機10によれば、第1の釘間距離と第2の釘間距離との差分に対する第1始動口33への遊技球の入球のし易さ(入球の期待値)の変化を抑制することができ、第1始動口33に遊技球が入球する期待値を一定(または所定の差以内)に維持し易くすることができる。同様に、第1の釘間距離と、第3の釘間距離(第2の釘42bと第4の釘42dとの間の距離)の差分に対する第1始動口33への遊技球の入球のし易さ(入球の期待値)の変化を抑制することができ、第1始動口33に遊技球が入球する期待値を一定(または所定の差以内)に維持し易くすることができる。
また、第1の釘42aと第2の釘42bとの間の距離(第1の釘間距離)と、第1の釘42aと第3の釘42cとの間の距離(第2の釘間距離)を、第1入球口201の幅(広さ)と、第2入球口221の幅(広さ)とに置き換えて考えた場合に、第1入球口201の幅(広さ)と第2入球口221の幅(広さ)に差がある場合であっても、その差分に対する第1始動口33への遊技球の入球のし易さ(入球の期待値)の変化を抑制することができ、第1始動口33に遊技球が入球する期待値を一定(または所定の差以内)に維持し易くすることができる。また、第1の釘42aと第2の釘42bとの間の距離(第1の釘間距離)と、第2の釘42bと第4の釘42dとの間の距離(第3の釘間距離)を、第1入球口201の幅(広さ)と、第3入球口231の幅(広さ)とに置き換えて考えた場合に、第1入球口201の幅(広さ)と第3入球口231の幅(広さ)に差がある場合であっても、その差分に対する第1始動口33への遊技球の入球のし易さ(入球の期待値)の変化を抑制することができ、第1始動口33に遊技球が入球する期待値を一定(または所定の差以内)に維持し易くすることができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、各遊技球振分機構240,250における弁体241,251が、自重によって第2の位置から第1の位置に移動しうる構成であることから、弁体241,251を開閉するためにモーター等の駆動手段を用いる必要がない。このため、パチンコ機10によれば、遊技機の構成を簡素化することができる。
《E6》第5実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
《E6−1》変形例1:
変形例1としてのパチンコ機は、第5実施形態としてのパチンコ機10と比較して、遊技球振分装置の構成が相違するだけであり、残余の構成については同一である。変形例1のパチンコ機において、第5実施形態のパチンコ機10と同じ構成については同一の名称と符号を付けて、以下の説明を行う。
図293は、変形例1のパチンコ機に備えられる遊技球振分装置300を示す説明図である。図293には弁体341,351が閉じた状態が示されている。図293において、+X方向は正面視右側を示し、−X方向は正面視左側を示す。
図示するように、遊技球振分装置300は、第1通路310と、第1通路310の−X方向側に隣接して配置される第2通路320と、第1通路310の+X方向側に隣接して配置される第3通路330と、を備える。第1ないし第3通路310〜330は透明な樹脂製部材によって構成されている。
第1通路310は、第1入球口301を上端に有し、第1入球口301から入球した遊技球を下方に向かって流す。第1通路310は、一本の本線通路311と、本線通路311から分かれた子支線通路312と、子支線通路312から分かれた孫支線通路313と、を有する。
本線通路311は、本線上流側部分311aと、本線下流側部分311bと、に区分けされる。本線上流側部分311aは、本線通路311において最も上流側の部分で、第1入球口301から真下方向に伸びる直線形状を有している。本線下流側部分311bは、本線上流側部分311aに続く部分で、本線上流側部分311aの下端から右下方向に伸びる直線形状を有する。
子支線通路312は、本線通路311における本線上流側部分311aと本線下流側部分311bとの連結部分を分岐点(以下、「第1分岐点」と呼ぶ)311xとして、第1分岐点311xから真下方向に伸びる。第1分岐点311xには、遊技球を本線通路311の本線下流側部分311bと子支線通路312とのいずれかに振り分ける第1遊技球振分機構340が設けられている。
子支線通路312は、子支線上流側部分312aと、子支線下流側部分312bと、に区分けされる。子支線上流側部分312aは、子支線通路312において上流側の部分で、第1分岐点311xから真下方向に伸びる直線形状を有している。子支線下流側部分312bは、子支線上流側部分312aに続く部分で、子支線上流側部分312aの下端から左下方向に伸びる直線形状を有する。
孫支線通路313は、子支線上流側部分312aと子支線下流側部分312bとの連結部分を分岐点(以下、「第2分岐点」と呼ぶ)312xとして、第2分岐点312xから真下方向に伸びる直線形状を有する。第2分岐点312xには、遊技球を子支線下流側部分312bと孫支線通路313とのいずれかに振り分ける第2遊技球振分機構350が設けられている。
第2通路320は、遊技球が入球可能な第2入球口321を上端に有し、第5実施形態の第2通路220と同一の形状を有する。本変形例1では、第2入球口321の上下方向の位置(すなわち、高さ)と、第1通路310に形成された第1入球口301の高さとは同じであり、第2入球口321と第1入球口301とは隣接する。
第3通路330は、遊技球が入球可能な第3入球口331を上端に有し、第3入球口331から入球した遊技球を下方に向かって流す。本変形例1では、第3入球口331の高さと、第1通路310に形成された第1入球口301の高さとは同じであり、第3入球口331と第1入球口301とは隣接する。第3通路310は、途中で分岐しない一本の連続する通路であり、第3入球口331から真下方向に伸びる上流側部分330aと、右下方向に向けて伸びる下流側部分330bとに区分けされる。
上流側部分330aは、正面視においては左右にぶれることなく真下方向に伸びる。ただし、上流側部分330aは、奥行き方向(図の表裏方向)においては、本線通路311の本線下流側部分311bを跨ぐように後ろ側(図の裏側)に向けてUの字状に湾曲している。なお、このUの字の形状は、遊技球が流下可能な形状である。
第1遊技球振分機構340は、第5実施形態の第1遊技球振分機構240と同一の構成であり、弁体341と、作用片342と、回転軸343と、重し344と、を有する。第1遊技球振分機構340の動作についても、第5実施形態の第1遊技球振分機構240と同一であり、この変形例1では、第2通路320を遊技球が流通しない場合には、本線通路311の第1分岐点311xに至った遊技球は本線通路311の本線下流側部分311bに振り分けられ、第2通路320における遊技球の流通を契機に、本線通路311の第1分岐点311xに至った遊技球が子支線通路312に振り分けられる。
第2遊技球振分機構350は、第5実施形態の第2遊技球振分機構250と同一の構成であり、弁体351と、作用片352と、回転軸353と、重し354と、を有する。第2遊技球振分機構350の動作についても、第5実施形態の第2遊技球振分機構250と同一であり、この変形例1では、第3通路330を遊技球が流通しない場合には、子支線通路312の第2分岐点312xに至った遊技球は子支線通路312の子支線下流側部分312bに振り分けられ、第3通路330における遊技球の流通を契機に、子支線通路312の第2分岐点312xに至った遊技球が孫支線通路313に振り分けられる。
第1通路310における本線通路311の下流側の端部と、第1通路310における子支線通路312の下流側の端部とは合わさって(合わさった部分は図示せず)、通常ルートNRに連通している。第1通路210における孫支線通路313は、特別ルートSPに連通している。第2通路320の下流側の端部と、第3通路330の下流側の端部とは合わさって(合わさった部分は図示せず)、アウトルートOT(図259)に連通している。
以上のように構成された変形例1のパチンコ機によれば、第2通路320を遊技球が流通し、かつ、第3通路330を遊技球が流通することを契機として、第1通路310の第1入球口301から入球した遊技球は、最終段である孫支線通路313に振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2通路320の第2入球口321、第3通路330の第3入球口331の双方に遊技球が入球する確率を変化させることで、第1通路310において、遊技球が子支線通路312に振り分けられる確率を変化させることができ、第3通路330の第3入球口331に遊技球が入球する確率を変化させることで、第1通路310において、遊技球が孫支線通路313(ひいては特別ルート)に振り分けられる確率を変化させることができる。したがって、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第1通路310に遊技球が入球する確率と、第1通路310において、遊技球が孫支線通路313に振り分けられる確率とを個別に変化させることができる。この結果、変形例1のパチンコ機によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
変形例1のパチンコ機によれば、第1入球口301に入球した遊技球が特別ルートSPに至る条件として、第1遊技球振分機構340によって遊技球が子支線通路312に振り分けられることと、第2遊技球振分機構350によって遊技球が孫支線通路313に振り分けられることとの双方を満たす必要がある(いわゆる論理積(AND)の関係)。このため、第1遊技球振分機構340によって、遊技球が子支線通路312に振り分けられた後、再度、当該遊技球が、第2遊技球振分機構350によって孫支線通路313に振り分けられるか、遊技者は緊張感を抱いて見守ることになる。したがって、変形例1のパチンコ機によれば、遊技者に対し緊張感を付与することができ、遊技の興趣向上をより図ることができる。
変形例1のパチンコ機は、第5実施形態のパチンコ機10と同様に、第1および第2の釘42a,42bの打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制でき、遊技の興趣向上をより図ることができる。さらに、弁体341,351を開閉するためにモーター等の駆動手段を用いる必要がないことから、遊技機の構成を簡素化することができる効果も奏する。
《E6−2》変形例2:
変形例2としてのパチンコ機は、第5実施形態としてのパチンコ機10と比較して、遊技球振分装置の構成が相違するだけであり、残余の構成については同一である。変形例2における遊技球振分装置は、第5実施形態における遊技球振分装置200と比較して、第3通路230と第2遊技球振分機構250とを備えないことが主に相違する。
図294は、変形例2のパチンコ機に備えられる遊技球振分装置400を示す説明図である。図294には弁体441が閉じた状態が示されている。図294において、+X方向は正面視右側を示し、−X方向は正面視左側を示す。遊技球振分装置400は、第1通路410と、第1通路410の−X方向側に隣接して配置される第2通路420と、を備える。第1および第2通路410,420は透明な樹脂製部材によって構成されている。
第1通路410は、第1入球口401を上端に有し、第1入球口401から入球した遊技球を下方に向かって流す。第1通路410は、一本の本線通路411と、本線通路411から分かれた支線通路412と、を有する。
本線通路411は、本線上流側部分411aと、本線下流側部分411bと、に区分けされる。本線上流側部分411aは、第1入球口401から真下方向に伸びる直線形状を有している。本線下流側部分411bは、本線上流側部分411aに続く部分で、本線上流側部分411aの下端から右下方向に伸びる直線形状を有する。
支線通路412は、本線通路411における本線上流側部分411aと本線下流側部分411bとの連結部分を分岐点411xとして、分岐点411xから真下方向に伸びる。分岐点411xには、遊技球を本線通路411の本線下流側部分411bと支線通路412とのいずれかに振り分ける遊技球振分機構440が設けられている。支線通路412は、真下方向に伸びる直線形状を有している。
第2通路420は、遊技球が入球可能な第2入球口421を上端に有する。本変形例2では、第2入球口421の上下方向の位置(すなわち、高さ)と、第1通路410に形成された第1入球口401の高さとは同じであり、第2入球口421と第1入球口401とは隣接する。
遊技球振分機構440は、第5実施形態の第1遊技球振分機構240と同一の構成であり、弁体441と、作用片442と、回転軸443と、重し444と、を有する。遊技球振分機構440の動作についても、第5実施形態の第1遊技球振分機構240と同一であり、この変形例2では、第2通路420を遊技球が流通しない場合には、本線通路411の分岐点411xに至った遊技球は本線下流側部分411bに振り分けられ、第2通路420における遊技球の流通を契機に、本線通路411の分岐点411xに至った遊技球が支線通路412に振り分けられる。
第1通路410における本線通路411の下流側の端部は、通常ルートNRに連通している。第1通路410における支線通路412は、特別ルートSPに連通している。第2通路420の下流側の端部は、アウトルートOTに連通している。
遊技球振分装置400の第1入球口401、第2入球口421の上方には、釘442a,442b,442cが設けられている。具体的には、第1入球口401と第2入球口421との間の壁体の上方に第1の釘442aが設けられ、第2入球口421の左側の壁体の上方に第2の釘442bが設けられ、第1入球口401の右側の壁体の上方に第3の釘442cが設けられている。第1〜第3の釘442a〜442cの打ち込み位置によって、各入球口401,421への遊技球の入球の確率が変化する。
以上のように構成された変形例2のパチンコ機によれば、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第1通路410に遊技球が入球する確率と、第1通路410において、遊技球が支線通路413に振り分けられる確率とを個別に変化させることができる。この結果、変形例2のパチンコ機によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。また、変形例2のパチンコ機は、第5実施形態のパチンコ機10と同様に、第1の釘442aの打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制でき、遊技の興趣向上をより図ることができる。さらに、弁体451を開閉するためにモーター等の駆動手段を用いる必要がないことから、遊技機の構成を簡素化することができる効果も奏する。
《E6−3》変形例3:
変形例3としてのパチンコ機は、第5実施形態としてのパチンコ機10と比較して、遊技球振分装置200の上方に遊技球貯留装置と強制放出装置とを備えることが相違し、残余の構成については同一である。変形例3のパチンコ機において、第5実施形態のパチンコ機10と同じ構成については同一の名称と符号を付けて、その説明は省略する。
図295は、変形例3のパチンコ機に備えられる遊技球振分装置200とその周辺を示す説明図である。図295において、+X方向は正面視右側を示し、−X方向は正面視左側を示す。遊技球振分装置200は、第5実施形態における遊技球振分装置200と同一である。
遊技球振分装置200の上方、具体的には、第1通路210の第1入球口201と第2通路220の第2入球口221と第3通路230の第3入球口231との上方に、遊技球貯留装置500が設けられている。遊技球貯留装置500の右隣には、強制放出装置600が設けられている。
図296は、遊技球貯留装置500と強制放出装置600とを示す斜視図である。図295および図296に示すように、遊技球貯留装置500は、遊技球受け容器510と、回転軸(回転のための軸)520と、復元器530(図295)と、を備える。
遊技球受け容器510は、開口部510aを有する箱形の容器であって、遊技領域PAを流下してきた遊技球を3個まで貯めることができる。遊技球受け容器510に貯めることのできる遊技球の数は、遊技球振分装置200に備えられる入球口(第1〜第3入球口201,311,321)の数と同じである。遊技球受け容器510の底部の遊技盤30側に、回転軸520が設けられている。遊技球受け容器510は、回転軸520を中心に回動可能に構成されている。具体的には、通常姿勢と傾倒姿勢との間を回動可能に構成されている。
通常姿勢は、図295および図296に示した遊技球受け容器510の姿勢であり、開口部510aの向きが上向きとなる姿勢である。開口部510aの向きとは、開口面の垂線方向における遊技球受け容器510の内側から外側に向かう向きである。通常姿勢においては、上向きとなった開口部510aから、遊技領域PAを流下してきた遊技球を取り込むことができる。
傾倒姿勢は、遊技球受け容器510が傾倒して、開口部510aの向きが遊技盤30の正面視手前側(図面の表側)となる姿勢である。傾倒姿勢においては、正面視手前側に向いた開口部510aから、遊技球受け容器510に貯留された遊技球を落下させることができる。
遊技球受け容器510は、初期状態では通常姿勢をとり、遊技球受け容器510に3個の遊技球が貯留された時に、貯留された3個の遊技球の重さによって、矢印R(図296)に示すように通常姿勢から傾倒姿勢に移行する。この結果、貯留された3個の遊技球は遊技球受け容器510から一度に落下する。すなわち、遊技球受け容器510は、傾倒姿勢に移行したときに、3個の遊技球を一度に下方に放出する。
遊技球受け容器510の底部には、復元器530が設けられている。復元器530は、バネ等の弾性体を内部に備え、傾倒姿勢に移行した遊技球受け容器510を通常姿勢に戻す。
強制放出装置600は、遊技盤30に対して垂直に設けられた回転軸610と、回転軸610に取り付けられた長尺板620と、を有する。長尺板620は、厚さの薄い長尺形状の板であり、長尺板620の長手方向が回転軸610の軸方向と直交するように、回転軸610に取り付けられている。回転軸610の回転に連動して、長尺板620は回転軸610を中心として回転する。この長尺板620の回転する領域内に、遊技球受け容器510の一部が位置する。
本実施形態では、回転軸610は、左回り(反時計回り)に一定の回転速度で常時回転し、所定時間、例えば1分間で1回転する。回転軸610が左回りに回転し、長尺板620が左回りに回転すると、遊技球受け容器510の右側部分の上方に長尺板620が当たり、長尺板620は、通常姿勢にあった遊技球受け容器510を傾倒姿勢に移行させる。この結果、遊技球受け容器510は、所定時間毎に強制的に傾倒姿勢に移行させられ、遊技球受け容器510に貯留された遊技球は、下方に放出される。遊技球受け容器510に貯留された遊技球が仮に2個でも1個でも、貯留された遊技球は下方に放出される。
なお、強制放出装置600において、回転軸610は、一定の回転速度で常時回転する構成に換えて、所定時間毎に間歇的に回転する構成としても良い。また、強制放出装置600において、長尺板620は、棒状のものに換えても良い。
以上のように構成された変形例3のパチンコ機によれば、3個貯留されて遊技球受け容器510から放出された遊技球は、一度にまとめて遊技球振分装置200の第1〜第3入球口201,221,231に向かうことになる。このため、第1〜第3入球口201,221,231に続けて遊技球が入球する確率を高めることができることから、遊技球振分装置200において特別ルートSPに至る通路212,213に遊技球を振り分ける確率を高めることができる。したがって、変形例3のパチンコ機によれば、遊技者に有利となる確率を高くして、遊技の興趣向上を図ることができる。
遊技者は、操作ハンドル25の操作によって、遊技球受け容器510を狙って遊技球を発射する。すなわち、遊技球受け容器510に遊技球が3個、貯えられるように、遊技球受け容器510を狙って遊技球を発射する。こうすることで、遊技球受け容器510に遊技球が3個、貯えられ、遊技球が傾倒し、遊技球振分装置200の第1〜第3入球口201,221,231に対してまとめて遊技球を入球させることができる。このため、変形例3のパチンコ機によれば、遊技者に対して期待感を付与することができる。
また、変形例3では、強制放出装置600の長尺板620が一回転する毎に、遊技球受け容器510から遊技球が強制的に放出されることから、遊技者は、長尺板620が一回転する間に、遊技球受け容器510に遊技球を3個貯める必要がある。このため、変形例3のパチンコ機によれば、遊技者に対して、遊技球が強制的に放出される前に遊技球を3貯めることができるかという緊張感を付与することができる。
また、変形例3のパチンコ機によれば、遊技球の重さを受けて自動的に遊技球受け容器510から遊技球を放出することができることから、遊技機の構成を簡素化することができる。さらに、強制放出装置600によって、所定時間毎に繰り返し遊技球貯留装置500から遊技球を強制的に放出させることができることから、遊技者が遊技を終えようとした場合に、遊技球受け容器510に遊技球が貯留されたまま残ることがなくなる。このため、次の遊技者が有利な状態から遊技を開始することがなくなることから、遊技の公平性を保つことができる。
《E6−4》変形例4:
変形例4としてのパチンコ機は、第5実施形態としてのパチンコ機10と比較して、遊技球振分装置の構成が相違するだけであり、残余の構成については同一である。変形例4のパチンコ機において、第5実施形態のパチンコ機10と同じ構成については同一の名称と符号を付けて、その説明は省略する。
図297は、変形例4のパチンコ機に備えられる遊技球振分装置700を示す説明図である。図297には弁体741,751が閉じた状態が示されている。図297において、+X方向は正面視右側を示し、−X方向は正面視左側を示す。変形例4における遊技球振分装置700は、第5実施形態における遊技球振分装置200と比較して、通路構成は同一であり、第1遊技球振分機構740および第2遊技球振分機構750の構成が相違する。
第5実施形態における第1遊技球振分機構240および第2遊技球振分機構250は、弁体241,251と、作用片242,252と、回転軸243,243と、重し244,245と、を有する構成であり、モータ等の駆動手段を用いずに動作する構成であった。これに対して、変形例4における第1遊技球振分機構740および第2遊技球振分機構750は、弁体741,751と、回転軸743,743と、を備える。弁体741,751は、それぞれ図示しないアクチュエータによって開動駆動される。そのアクチュエータは、主制御装置60によって、電気的に制御される。
第2通路220の内部には、遊技球の通過を検出する第1遊技球検出センサー725が取り付けられている。第3通路230の内部には、遊技球の通過を検出する第2遊技球検出センサー735が取り付けられている。主制御装置60は、第1遊技球検出センサー725によって遊技球の通過を検出したときに、その検出した時から予め定めた期間(例えば、2〜3秒)だけ、第1遊技球振分機構740の弁体741を開き(第2の位置に移行し)、当該期間経過後、弁体741を閉じる(第1の位置に移行する)。また、主制御装置60は、第2遊技球検出センサー735によって遊技球の通過を検出したときに、その検出した時から予め定めた期間(例えば、2〜3秒)だけ、第2遊技球振分機構750の弁体751を開き(第2の位置に移行し)、当該期間経過後、弁体751を閉じる(第1の位置に移行する)。
以上のように構成された変形例4のパチンコ機によれば、第5実施形態のパチンコ機10と同様に、第1および2の釘42a,42bの打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制できる。また、変形例4のパチンコ機によれば、第5実施形態のパチンコ機10と同様に、遊技球の発射強度を調整することによって、第1通路210に遊技球が入球する確率と、第1通路210において遊技球が第1支線通路212に振り分けられる確率と、第1通路210において遊技球が第2支線通路213に振り分けられる確率とを個別に変化させることができ、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができる。こうして、変形例4のパチンコ機10によれば、第5実施形態のパチンコ機10と同様に、遊技の興趣向上を図ることができる。
第5実施形態の第1遊技球振分機構740および第2遊技球振分機構750では、弁体741,751を開く期間は、第1遊技球振分機構740および第2遊技球振分機構750の形状から定まる一定の期間であった。これに対して、変形例4のパチンコ機によれば、弁体741,751を開く期間を、任意の時間に予め定めることができる。なお、弁体741,751を開く期間は、第1および第2遊技球検出センサー725,735により遊技球の通過を検出したタイミングから始まる期間であるが、これに換えて、上記の遊技球の通過を検出したタイミングから所定時間経過後から始まる期間としてもよい。
《E6−5》変形例5:
上記第5実施形態およびその変形例1〜3では、遊技球振分機構の備える作用片を、板状の部材とし、弁体に対して回転軸を対称の中心とする点対称となる位置に設けていた。これに対して、変形例として、他の形状、他の位置に設けられた構成としても良い。要は、第2の通路を流通する遊技球から作用を受けることができれば、いずれの構成とすることもできる。さらに、遊技球を流通するための第2通路や第3通路を備えず、遊技領域PAを流下する遊技球が直接、作用片に作用する構成としても良い。
《E6−6》変形例6:
上記第5実施形態およびその変形例1〜4における第1〜第3通路の形状は、先に説明した形状に換えて、様々な形状としても良い。
《E6−7》変形例7:
上記第5実施形態およびその変形例1〜4における遊技球振分機構は、2つの通路のいずれかに遊技球を振り分ける構成であったが、これに換えて、遊技球振分機構は、3以上の数の通路のいずれかに遊技球を振り分ける構成としても良い。
《E6−8》変形例8:
上記第5実施形態およびその変形例1〜4では、第1入球口と第2入球口(または第3入球口)との位置関係は、隣接する関係であった。これに対して、変形例として、第1入球口と第2入球口(または第3入球口)との位置関係は、互いの高さが相違し、左右方向において隣り合うものとしても良い。さらには、第1入球口と第2入球口(または第3入球口)との位置関係は、離れたものとしてもよい。
《E6−9》変形例9:
上記第5実施形態およびその変形例1〜4では、遊技球振分機構は重しを有し、自重によって第2の位置から第1の位置に移動しうる構成であった。これに対して、変形例として、重しを備えず、弁体そのものの重さが一方側に偏ることで、自重によって第2の位置から第1の位置に移動しうる構成としてもよい。
《E6−10》変形例10:
上記第5実施形態の変形例3は、第5実施形態における遊技球振分装置200の上方に遊技球貯留装置を備えた構成であった。これに対して、変形例として、第5実施形態の変形例2における遊技球振分装置400(図294)の上方に遊技球貯留装置を備えた構成としても良い。この場合には、遊技球貯留装置は、遊技球受け容器に2個の遊技球が貯留された時に、貯留された遊技球を下方に放出する構成とする。また、上記第5実施形態の変形例3では、複数の遊技球の重さによって当該遊技球受け容器が傾倒することで、当該遊技球受け容器に載った遊技球を落下させる構成であったが、これに換えて、複数の遊技球の重さによって遊技球受け容器の底部が開くことで、当該遊技球受け容器に載った遊技球を落下させる構成としてもよい。さらに、遊技球貯留装置は、遊技球受け容器に3個を上回る数の遊技球が載っても当該遊技球受け容器が傾倒しない構成として、強制放出装置600のみで遊技球受け容器が傾倒する構成としても良い。また、第5実施形態の変形例3において、強制放出装置600を取り除いた構成としても良い。
《E6−11》変形例11:
上記第5実施形態およびその変形例1〜4では、遊技球が流下する遊技領域PAに遊技球振分装置を設けていたが、これに限る必要はなく、パチンコ機10の背面側において遊技球が流通する領域に遊技球振分装置を設ける構成としても良い。
《F》第6実施形態:
《F1》遊技機の構造:
図298は、本発明の第6実施形態としてのパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」ともいう)の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる各遊技回、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
前扉枠14の正面視右側(以下、単に「右側」とも呼ぶ)には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
上皿20の周縁部の正面視左側(以下、単に「左側」とも呼ぶ)には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図299は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53と、電源ユニット58とを備えている。具体的には、これらユニットは、内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能を有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、液晶表示装置を制御する。液晶表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
電源ユニット58は、電源装置85と、電源スイッチ88とを備えている。電源装置85は、パチンコ機10の動作に必要な電力を供給する。電源装置85には、電源スイッチ88が接続されている。電源スイッチ88のON/OFF操作により、パチンコ機10に電力が供給されている供給状態と、パチンコ機10に電力が供給されていない非供給状態とが切り換えられる。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図300は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、前後方向に貫通する複数の開口部が形成されている。各開口部には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び可変入賞装置36が設けられている。一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び可変入賞装置36のそれぞれに入球した遊技球は、遊技盤30に形成された個別の上記の開口部に誘導される。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
図示するように、一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口を形成する入球口部材であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入賞すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71(図299)から払い出される。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口を形成する入球口部材である。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口を形成する入球口部材であり、遊技盤30の右側に設けられている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。また、第2始動口34には、電動役物34aが設けられている。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行う。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35に遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aを備えるとともに、大入賞口36aを開閉する開閉扉36bを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入賞できない閉鎖状態になっている。主制御装置60による内部抽選(当たり抽選)の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行した場合には、開閉扉36bは、遊技球が入賞可能な開放状態と閉鎖状態とを繰り返す。開閉実行モードとは、第1始動口33又は第2始動口34への入賞をトリガとした主制御装置60による当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に移行し、開閉扉36bが開放状態と閉鎖状態とを繰り返すモードである。すなわち、第1始動口33への入賞に基づく当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合には、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能になる開閉実行モードへ移行する。同様に、第2始動口34への入賞に基づく当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合にも、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能な開閉実行モードへと移行する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入賞すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、または可変入賞装置36に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは、第1始動口33への入賞をトリガとした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行わせるまでの表示態様として、変動表示又は所定の表示を行わせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行わせる。
第2図柄表示部37bは、第2始動口34への入賞をトリガとした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行わせるまでの表示態様として、変動表示又は所定の表示を行わせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行わせる。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cと第2保留表示部37dとを備えている。本実施形態では、第1始動口33に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。また、本実施形態では、第2始動口34に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35への入賞をトリガとした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了し新たな遊技回が開始される場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、およびラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、液晶表示装置41を備える。液晶表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。液晶表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、液晶表示装置41は、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置に換えてもよい。
液晶表示装置41は、第1始動口33への入賞に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、液晶表示装置41は、第2始動口34への入賞に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。液晶表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への入球をトリガとした表示演出に限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の表示演出なども行う。以下、液晶表示装置41の詳細について説明する。
図301は、液晶表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図301(a)は、液晶表示装置41において変動表示される図柄を示す説明図である。図301(a)に示すように、液晶表示装置41には、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図301(b)は、液晶表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図301(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図301(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、液晶表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、「遊技回」とは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを言い、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報についての当たり抽選の抽選結果を、遊技者に告知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1つの特別情報についての1つの当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、液晶表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
さらに、図301(b)に示すように、液晶表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留個数が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、上述したように、第1始動口33及び第2始動口34に入賞した遊技球の保留個数は、それぞれ最大4つまでである。
図300に示すように、第1始動口33の上方には、一対の釘(いわゆる命釘、ヘソ釘)42(42a,42b)が設けられている。一対の釘42a,42bの間隔によって、第1始動口33への遊技球の入球の確率が変化する。
《F2》遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図302は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力側には、各種検知センサ67a〜67eと、払出制御装置70と、電源装置85とが接続されている。主制御基板61は、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。
電源装置85は、停電監視回路86を備える。停電監視回路86は、電源を監視することによって、停電発生時に停電情報信号を出力する。「停電発生時」とは、商用電源の停電が発生した時に限らず、電源スイッチ88がオン状態からオフ状態に切り替えられた時(電源オフ時)も含む。
また、主制御基板61は、各種検知センサ67a〜67eとして、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36などの各種の入賞口に設けられた複数の検知センサと接続されている。主制御基板61のMPU62は、各種検知センサ67a〜67eからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲート35を通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たり抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入球に基づいて電動役物開放抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部34bの駆動制御を実行する。各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行する。また、開閉実行モードにおいて大当たり種別が決定され開閉実行モードにおいて実行されるラウンド遊技の回数が決定した場合には、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への入賞を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25と、遊技球発射ボタン26とが接続されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、液晶表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、液晶表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、各遊技回において実行される予告演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、図柄の組み合わせが停止表示している時間である停止時間は一定である。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図303は、当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明する説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、液晶表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。液晶表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ抽選にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに液晶表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC5が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C5は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜格納される。
RAM64には保留情報格納エリア64bが設けられている。保留情報格納エリア64bは、第1保留エリアRaと、第2保留エリアRbと、実行エリアAEと、合計保留個数記憶エリアとから構成されている。第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が順次入賞すると、入賞のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3の各値が保留情報格納エリア64bに時系列的に格納される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。具体的には、大当たり乱数カウンタC1の更新値は、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64bの第1保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64bの第2保留エリアRbに格納される。大当たり当選となる乱数の値は、ROM63の当否テーブル記憶エリア63a(図302)に当否テーブルとして記憶されている。
図304は、当否テーブル記憶エリア63aに格納されている当否テーブルについて説明する説明図である。パチンコ機10には、当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されている。高確率モードは、確変大当たりに当選することによって開始される遊技状態であって、当たり抽選において大当たりに当選する確率が、低確率モードより相対的に高い遊技状態を言う。図304(a)は低確率モード用の当否テーブルを示し、図304(b)は高確率用の当否テーブルを示している。図304(a)に示すように、当たり抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は15個である。一方、図304(b)に示すように、当たり抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は30個である。また、低確率モードで大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードで大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、当選となる乱数の数及び値は任意である。
図303に戻り、大当たり種別カウンタC2の詳細について次に説明する。大当たり種別カウンタC2は、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。より詳しくは、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64b(RAM64)の第1保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64b(RAM64)の第2保留エリアRbに格納される。
ここで、パチンコ機10における大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(2)開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モード
(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモード
パチンコ機10には、上記の(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が15回行われるとともに、1回の開放は30secが経過するまで又は開閉扉36bへの入賞個数が10個となるまで継続するように設定可能である。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が2回行われるとともに、1回の開放は0.2secが経過するまで又は開閉扉36bへの入賞個数が6個となるまで継続するよう設定可能である。
遊技者により操作ハンドル25が操作されている場合、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構81が駆動制御される。上記具体例の場合、低頻度入賞モードでは、1回の開閉扉36bの開放時間は0.2secである。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の開閉扉36bの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。ただし、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードにおいても、遊技球の入賞が発生し得るように設定してもよい。
なお、開閉扉36bの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入賞の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入賞が発生しない構成としてもよい。
パチンコ機10には、上記の(2)開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードの態様として、当否テーブルとして高確率モード用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う高確率モードと、当否テーブルとして低確率モード用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う低確率モードとを設定することができる。図304を用いて説明したように、高確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う場合の方が、低確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う場合と比較して、大当たりに当選する確率が高い。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC5を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率は同一であるが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定され、さらに1回の開放時間が長く設定されてもよい。また、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への入賞が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
低頻度サポートモードでは、第2始動口34よりも第1始動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1始動口33よりも第2始動口34への入賞が発生する確率が高くなる。第2始動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする、及び当選確率を高くするのうち、いずれか1つ又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
上述したように、パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することが可能である。本実施形態では、当たり抽選において大当たりに当選した場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、複数種類の大当たりの種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たりの種別の振分先は、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図305は、パチンコ機10に設定されている振分テーブルの内容を説明する説明図である。図305(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図305(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。
図305(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口33に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
16R確変大当たり及び8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当たり抽選の抽選モード(以下、単に「抽選モード」とも呼ぶ)が高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
16R通常大当たり及び8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の抽選モードが低確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜5」が16R確変大当たりに対応しており、「6〜23」が8R確変大当たりに対応しており、「24〜27」が16R通常大当たりに対応しており、「28〜39」が8R通常大当たりに対応している。このため、本実施形態では、確変大当たりとなる確率は「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうちの60パーセントであり、通常大当たりとなる確率は「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうちの40パーセントとなっている。なお、大当たりに当選する乱数の数及び値は任意であり、他の構成を採用してもよい。
上記のように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの種別として、4種類の大当たりが設定されている。したがって、大当たりの態様が多様化する。この4種類の大当たりを比較した場合、遊技者にとっての有利度合は、16R確変大当たりが最も高く、8R確変大当たりが次に高く、次に16R通常大当たり、最後に8R通常大当たりと続く。このように遊技者にとって有利度の異なる複数種類の大当たりが設定されていることにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
次に、図305(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりが設定されている。第2始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜12」が16R確変大当たりに対応しており、「13〜23」が8R確変大当たりに対応しており、「24〜30」が16R通常大当たりに対応しており、「31〜39」が8R通常大当たりに対応している。上記のように本実施形態のパチンコ機10では、大当たり当選となった場合の大当たりの種別の振分態様は、第1始動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、第2始動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。本実施形態では、第2始動口34への入賞に基づいて大当たり当選となる場合において、確変大当たりとなる確率は60パーセントであり、通常大当たりとなる確率は40パーセントであり、第1始動口33への入賞に基づいて大当たり当選となる場合と同一であるが、16Rと8Rとの振分けは、第1始動口33への入賞に基づいて大当たり当選となる場合よりも16Rとなる確率が高い確率となっている。なお、大当たりに当選する乱数の数及び値は任意であり、他の構成を採用してもよい。
このように、第1始動口33と第2始動口34との大当たり種別の振分態様は、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は、第1始動口33及び第2始動口34のうち、第2始動口34への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うことになる。なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、抽選モード及びサポートモードの変更も発生しない。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行うとともに、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに格納されている停止結果テーブルが参照される。
図303に戻り、リーチ乱数カウンタC3の詳細について次に説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。具体的には、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングでリーチ乱数カウンタC3の更新値がRAM64の第1保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングでリーチ乱数カウンタC3の更新値がRAM64の第2保留エリアRbに格納される。そして、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値は、実行エリアAEに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチを発生させるか否かが決定される。但し、当たり抽選の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。
リーチとは、液晶表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体的には、図301(b)の表示面41aにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、液晶表示装置41における図柄の変動時間とをMPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び液晶表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC5の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC5は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC5は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の電役保留エリア64cに格納される。そして、所定のタイミングで、その格納された電動役物開放カウンタC5の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C5=0〜199であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C5=200〜249であれば、電動役物34aを閉鎖状態に制御する。
なお、第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、及びリーチ乱数カウンタC3の一組の組み合わせが、第1始動口33に係る保留情報に相当し、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、及びリーチ乱数カウンタC3の一組の組み合わせが、第2始動口34に係る保留情報に相当し、これらの保留情報が、本発明における特別情報に相当する。
《F3》音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図306は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85(図302)等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。これらの詳細については後述する。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には、主制御装置60と演出操作ボタン24が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、スピーカー46や各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、液晶表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して液晶表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、液晶表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、液晶表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより液晶表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
《F4》第1始動口と命釘の構成:
図307は、第1始動口33とその周辺を示す斜視図である。図中におけるX軸正方向は遊技盤30の正面視右側を示し、Y軸正方向は遊技盤30の上側を示し、Z軸正方向は遊技盤30の前側を示す。つまり、X軸方向は遊技盤30の正面視右左方向を示し、Y軸方向は遊技盤30の上下方向を示し、Z軸方向は遊技盤30の前後方向を示す。X軸、Y軸、Z軸は、互いに直交する三軸である。以下、X軸正方向を「+X方向」と呼び、X軸負方向を「−X方向」と呼び、Y軸正方向を「+Y方向」と呼び、Y軸負方向を「−Y方向」と呼び、Z軸正方向を「+Z方向」と呼び、Z軸負方向を「−Z方向」と呼ぶ。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口33aを形成する入球口部材によって構成されている。具体的には、第1始動口33は、中空の箱形状であり、+Y方向側の面に入球口33aが形成され、−Z方向側の面に、遊技盤30を前後方向に貫通する開口部(図示せず)に連通する排球口33bが形成されている。入球口33aから入球した遊技球は、第1始動口33の中を通って排球口33bから排出され、遊技盤30を前後方向に貫通する開口部に送られる。第1始動口33は、半透明な樹脂製部材によって構成されている。
前述したように、第1始動口33の上方には、一対の釘42が植設されている。以下、一対の釘42のうちの+X方向側の釘を「第1の釘42a」と呼び、一対の釘42のうちの−X方向側の釘を「第2の釘42b」と呼ぶ。
第1の釘42aおよび第2の釘42bを含めた本パチンコ機10に備えられる各釘42は、略半球形状の頭部421と、略円柱形状の胴部422と、を有しており、例えば真鍮材によって一体的に形成されている。胴部422は、真っ直ぐ伸びて、先端が尖って、外周面の一部に螺旋状のねじ溝422s(図308参照)が形成されている。釘42は、遊技盤30を構成する合板30aにねじ溝422sまで打ち込まれることによって、遊技球が激突しても衝撃で遊技盤30から抜けにくくなっている。各釘42は、自動釘打ち機によって打ち込まれる。各釘42の少なくとも一部は、自動釘打ち機によって打ち込まれた後に、必要に応じてその傾きが調整される構成としても良い。
少なくともメーカーの出荷段階では、各釘42は、合板30aに対しておおむね垂直となっている。具体的には、第1始動口33の上方に設けられた第1の釘42aおよび第2の釘42bは、合板30aの表面と直角に交わる方向、すなわち+Z軸方向に対して微少な角度θ1,θ2だけ傾斜している。なお、第1の釘42aおよび第2の釘42bを含む少なくとも一部の釘42の傾斜角度が決められているのは、出球率や入賞率を設計値に合わせるためである。第1の釘42aおよび第2の釘42bの傾斜角度について、次に詳述する。
図308は、一対の釘42a,42bと第1始動口33とを示す図である。図308(a)は図307における1−1線矢視断面図であり、図308(b)は図307における2−2線矢視断面図である。すなわち、図308(a)は、第1および第2の釘42a,42bと第1始動口33とを、+Y方向側(上側)から−Y方向側(下側)に向けて見た場合(以下、単に「上側から見た場合」とも呼ぶ)の図である。図308(b)は、一対の釘42a,42bと第1始動口33とを、+X方向側(右側)から−X方向側(左側)に向けて見た場合(以下、単に「右側から見た場合」とも呼ぶ)の図である。図308(b)においては、左側に位置する第2の釘42bは、右側に位置する第1の釘42aに隠れて見えない。
図308(a)に示すように、上側から見た場合に、右側に位置する第1の釘42aは、先端423を基準とした胴部422の中心軸方向が+Z方向(2点鎖線)から右側(+X方向)に第1角度θ1だけ傾斜した方向となるように設けられている。一般角で言えば、+Z方向に対して+θ1(反時計回りにθ1)だけ傾斜した方向となるように、第1の釘42aは設けられている。
一般にパチンコ機10は、機器性能の試験を受け、同じ型式で生産されている機器はおおむね同一性能を保持しているものとして、各パチンコ店への設置許可が行われている。第1角度θ1は、予め定められた所定角度であり、本実施形態では、型式検定試験に合格となった際の角度である。第1角度θ1は、例えば1度〜10度のうちのいずれかの値であり、本実施形態では例えば5度である。
さらに、図308(b)に示すように、X軸とZ軸とに平行なX−Z平面に沿うように、第1の釘42aは設けられている。すなわち、右側から見た場合には、Z軸方向に沿うように、第1の釘42aは設けられている。
図308(a)に示すように、上側から見た場合に、左側に位置する第2の釘42bは、先端423を基準とした胴部422の中心軸方向が+Z方向(2点鎖線)から左側(−X方向)に第2角度θ2だけ傾斜した方向となるように設けられている。一般角で言えば、+Z方向に対して−θ2(時計回りにθ2)だけ傾斜した方向となるように、第2の釘42bは設けられている。第2角度θ2は、予め定められた所定角度であり、本実施形態では、型式検定試験に合格となった際の角度である。第2角度θ2は、例えば1度〜10度のうちのいずれかの値であり、本実施形態では例えば5度である。なお、第1角度θ1と第2角度θ2とは、本実施形態では等しいが、これに換えて、異なっていてもよい。第1角度θ1と第2角度θ2が、メーカーの出荷段階で意図する角度でもある。
さらに、図308(b)に示すように、X軸とZ軸とに平行なX−Z平面に沿うように、第2の釘42bは設けられている。すなわち、右側から見た場合には、Z軸方向に沿うように、第2の釘42bは設けられている。
第1の釘42aと第2の釘42bとが上記のように傾斜して設けられている結果、図308(a)に示すように、第1の釘42aと第2の釘42bとの間の距離(広さ)は、後ろ側(−Z方向側)から前側(+Z方向側)に向かって漸次、広くなっている。
第1始動口33の入球口33aは、X−Z平面に沿った開口であり、図308(a)に示すように、台形形状を有する。具体的には、台形を構成する平行な1組の対辺のうちの一方に相当する第1のへり(縁)331と、上記1組の対辺のうちの他方に相当する第2のへり332と、台形を構成する他の組の対辺のうちの一方に相当する第3のへり333と、上記他の組の対辺のうちの他方に相当する第4のへり334と、によって入球口33aが構成される。第1のへり331と第2のへり332とは、遊技盤30を構成する合板30aの表面と平行であり(すなわち、X軸方向に沿っており)、第1のへり331は入球口33aの+Z方向側に位置し、第2のへり332は入球口33aの−Z方向側に位置する。第3のへり333は入球口33aの+X方向側に位置し、第4のへり334は入球口33aの−X方向側に位置する。なお、第1〜第4のへり331〜334は、内法を測る場合の入球口33aの内法面と言うこともできる。
本実施形態では、第1のへり331の長さは、第2のへり332の長さより長くなっている。第2のへり332の両端にある2つの内角のうちの+X方向側の角度をδ1とし、上記2つの内角のうちの−X方向側の角度をδ2とした場合に、δ1およびδ2は、下記の式(1)および式(2)を満たす。
δ1=θ1+90度 ...(1)
δ2=θ2+90度 ...(2)
但し、θ1は上述した第1の釘42aの傾斜角度であり、θ2は上述した第2の釘42bの傾斜角度である。
式(1)によれば、第3のへり333は、−Z方向側の端部を基準とした方向が+Z方向から右側(+X方向)に第1角度θ1だけ傾斜した構成であることが判る。式(2)によれば、第4のへり334は、−Z方向側の端部を基準とした方向が+Z方向から左側(−X方向)に第2角度θ2だけ傾斜した構成であることが判る。入球口33aにおける第3のへり333と第4のへり334との間の距離(広さ)は、後ろ側(−Z方向側)から前側(+Z方向側)に向かって漸次、広くなっている。
したがって、第1および第2の釘42a,釘42bと、第1始動口33の入球口33aとは、上側から見た場合に、第3のへり333が第1の釘42aの胴部422の中心軸方向と平行になり、第4のへり334が第2の釘42bの胴部422の中心軸方向と平行になっている。換言すれば、第3のへり333が第1の釘42aの傾斜角度、すなわち、第1の釘42aと合板30aの表面とのなす角度(より具体的には、合板30aの表面の垂線方向とのなす角度)を規定し、第4のへり334が第2の釘42bの傾斜角度、すなわち、第2の釘42bと合板30aの表面とのなす角度(より具体的には、合板30aの表面の垂線方向とのなす角度)を規定する。
《F5》実施形態の作用効果
第1始動口33の上方に設けられた第1の釘42aおよび第2の釘42bは、例えば、搬送時の偶発的な衝撃等の意図しない外的な要因によって、その傾き具合がメーカーの意図する大きさと異なってしまうことがある。
図309は、従来例を示す説明図である。従来例において、第6実施形態と同一の第1の釘42aが用いられている。第1の釘42aは、先に説明したように、出荷時には、+Z方向(2点鎖線)から右側(+X方向)に第1角度θ1だけ傾斜している。第1の釘42aの下方(−Y方向)には、第6実施形態と同様に、第1始動口P33が設けられている。第1始動口P33は、第6実施形態の第1始動口33と比較して、入球口P33aが矩形形状である点が相違する。すなわち、従来例では、入球口P33aの第3のへりP93は、遊技盤30を構成する合板30aの表面に対して垂直な方向(Z軸方向)と平行である。
従来例のパチンコ機では、搬送時に偶発的な衝撃が加わったり、経年変化等によって、第1の釘42aの傾き具合が、例えば図中の破線(42a′)に示すように、出荷時から変わってしまうことがあった。その場合に、修理者は、出荷時の角度である第1角度θに戻す必要がある。しかしながら、修理者は第1角度θがどれだけの傾きかを、その釘の傾きが変わってしまったパチンコ機から把握することは難しく、従来例のパチンコ機では、修理者に対して、釘の調整についての多くの経験や、専用の調整用器具を使用することを課していた。
これに対して、第6実施形態のパチンコ機10では、出荷時の角度であるメーカーが意図する各釘42a,42bの傾き具合と一致するように、第1始動口33の有する入球口33aにおける第3のへり333と第4のへり334の向きが予め定められている。このため、パチンコ機10によれば、入球口33aにおける第3のへり333と第4のへり334とを頼りに、上側から見た場合に、第1の釘42aが第3のへり333と平行になるように、第2の釘42bが第4のへり334と平行になるように、各釘42a,42bの傾きを確認して修正することによって、各釘42a,42bの傾きをメーカの意図する傾きに簡単に戻すことができる。このため、釘42の調整についての多くの経験や専用の調整用器具を必要とせずに、第1および第2の釘42a,42bの傾きのずれを容易に修復することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、釘の傾きを確認するための専用の部材を別途、設けることなく、もともとある第1始動口33の入球口33aを利用して第1および第2の釘42a,42bの傾きの修復を行うことができることから、パチンコ機10の構成が複雑になることを防止することができる。
なお、第6実施形態の変形例として、第1の釘42aの傾斜角度を規定する第3のへり333と、第2の釘42bの傾斜角度を規定する第4のへり334とに、周囲とは異なる色で着色を行う構成としても良い。この構成によれば、第3のへり333と第4のへり334とが第1の釘42aと第2の釘42bの傾きを修復する際の基準となることを、修理者は容易に認めることができる。
《F6》第6実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
《F6−1》変形例1:
変形例1としてのパチンコ機は、第6実施形態としてのパチンコ機10と比較して、命釘の傾斜方向と、第1始動口に形成された入球口の形状とが相違するだけであり、残余の構成については同一である。変形例1のパチンコ機において、第6実施形態のパチンコ機10と同じ構成については同一の名称と符号を付けて、以下の説明を行う。
図310は、変形例1のパチンコ機に備えられる命釘としての一対の釘542a,542bと第1始動口533とを示す図である。図310(a)は、第6実施形態における図308(a)に対応した図であり、上側から見た図である。図310(b)は、第6実施形態における図308(b)に対応した図であり、右側から見た図である。
第6実施形態では、図308に示すように、第1の釘42aと第2の釘42bとの間の距離(広さ)が、後ろ側(−Z方向側)から前側(+Z方向側)に向かって漸次、広くなる構成であった。これに対して、変形例1では、図310に示すように、第1の釘542aと第2の釘542bとの間の距離(広さ)が、後ろ側(−Z方向側)から前側(+Z方向側)に向かって漸次、狭くなっている。具体的には、右側に位置する第1の釘542aは、先端423を基準とした胴部422の中心軸方向が+Z方向(2点鎖線)から左側(−X方向)に第1角度φ1だけ傾斜した方向となるように設けられている。左側に位置する第2の釘542bは、先端423を基準とした胴部422の中心軸方向が+Z方向(2点鎖線)から右側(+X方向)に第2角度φ2だけ傾斜した方向となるように設けられている。第1角度φ1および第2角度φ2は、予め定められた所定角度であり、本実施形態では、型式検定試験に合格となった際の角度である。第1角度φ1および第2角度φ2は、例えば1度〜10度のうちのいずれかの値であり、例えば5度である。なお、第1角度φ1と第2角度φ2とは、等しいが、これに換えて、異なっていてもよい。
第6実施形態では、図308に示すように、第1始動口33に形成された入球口33aにおける第3のへり333と第4のへり334との間の距離(広さ)が、後ろ側(−Z方向側)から前側(+Z方向側)に向かって漸次、広くなる構成であった。これに対して、変形例1では、図310に示すように、第1始動口533に形成された入球口533aにおける第3のへり593と第4のへり594との間の距離(広さ)が、後ろ側(−Z方向側)から前側(+Z方向側)に向かって漸次、狭くなっている。具体的には、右側に位置する第3のへり593は、−Z方向側の端部を基準とした方向が+Z方向から左側(−X方向)に第1角度φ1だけ傾斜した構成となっている。左側に位置する第4のへり594は、−Z方向側の端部を基準とした方向が+Z方向から右側(+X方向)に第2角度φ2だけ傾斜した構成となっている。
したがって、変形例1のパチンコ機においても、第1および第2の釘542a,釘542bと、第1始動口533の入球口533aとは、上側から見た場合に、入球口533aの第3のへり593が第1の釘542aの胴部422の中心軸方向と平行になり、第4のへり594が第2の釘542bの胴部422の中心軸方向と平行になっている。
以上のように構成された変形例1のパチンコ機によれば、第6実施形態のパチンコ機10と同様に、入球口533aにおける第3のへり593と第4のへり594とを頼りに、上側から見た場合に第1の釘542aが第3のへり593と平行になるように、第2の釘542bが第4のへり594と平行になるように、各釘542a,542bの傾きを確認して修正することができる。このため、釘の調整についての多くの経験や専用の調整用器具を必要とせずに、第1および第2の釘542a,542bの傾きのずれを容易に修復することができる。
また、変形例1のパチンコ機によれば、第6実施形態のパチンコ機10と同様に、釘の傾きを確認するための専用の部材を別途、設けることなく、もともとある第1始動口33の入球口33aを利用して釘の傾きの修復を行うことができることから、パチンコ機の構成が複雑になることを防止することができる。
《F6−2》変形例2:
変形例2としてのパチンコ機は、第6実施形態としてのパチンコ機10と比較して、命釘の傾斜方向と、第1始動口の形状とが相違するだけであり、残余の構成については同一である。変形例2のパチンコ機において、第6実施形態のパチンコ機10と同じ構成については同一の名称と符号を付けて、以下の説明を行う。
図311は、変形例2のパチンコ機に備えられる命釘としての一対の釘642a,642bと第1始動口633とを示す図である。図311(a)は、第6実施形態における図308(a)に対応した図であり、上側から見た図である。図311(b)は、第6実施形態における図308(b)に対応した図であり、右側から見た図である。
第6実施形態や変形例1では、第1の釘42aと第2の釘42bとが、先端423を基準とした胴部422の中心軸方向が+Z方向(2点鎖線)からX軸の正または負方向(右左側)に傾斜する構成であった。これに対して、変形例2では、第1の釘642aと第2の釘642bとが、先端423を基準とした胴部422の中心軸方向が+Z方向(2点鎖線)からY軸の正方向(上側)に傾斜する構成とした。具体的には、第1の釘642aと第2の釘642bは、上側から見た場合に、図311(a)に示すようにZ軸に沿い、右側から見た場合に、図311(b)に示すように、先端423を基準とした胴部422の中心軸方向が+Z方向(2点鎖線)から上側(+Y方向)に所定角度μ1だけ傾斜するように、設けられている。所定角度μ1は、予め定められた所定角度であり、本実施形態では、型式検定試験に合格となった際の角度である。所定角度μ1は、予め定められた所定角度であり、本実施形態では、型式検定試験に合格となった際の角度である。所定角度μ1は、例えば1度〜10度のうちのいずれかの値であり、例えば5度である。
第6実施形態や変形例1では、第1始動口33に形成された入球口33aは台形形状であった。これに対して、変形例2では、図311(a)に示すように、第1始動口633に形成された入球口633aは矩形形状である。このため、入球口633aを構成する+X方向側および−X方向側の第3のへり693および第4のへり694は、+Z方向に沿う構成となっている。その上で、図311(b)に示すように、第1始動口633の上側(+Y方向側)の面633Sが、合板30aと接する端部633bを基準として+Z方向(2点鎖線)から上側(+Y方向)に所定角度μ1だけ傾斜した構成となっている。
このため、変形例2のパチンコ機では、右側から見た場合に、第1の釘642aと第2の釘642bとの各胴部422の中心軸方向が、第1始動口633の入球口633aの上側の面633Sと平行になっている。
以上のように構成された変形例2のパチンコ機では、メーカーが意図する各釘642a,642bの上側への傾き具合と一致するように、第1始動口633の上側の面633Sの傾斜角度が予め定められている。このため、変形例2のパチンコ機によれば、第1始動口633の上側の面633Sを頼りに、右側から見た場合に各釘642a,642bがその平面633Sと平行になるように、各釘642a,642bの傾きを確認して修正することができる。したがって、釘の調整についての多くの経験や専用の調整用器具を必要とせずに、第1および第2の釘642a,642bの傾きのずれを容易に修復することができる。
また、変形例2のパチンコ機では、釘の傾きを確認するための専用の部材を別途、設けることなく、もともとある第1始動口33の平面633Sを利用して釘の傾きの修復を行うことができることから、パチンコ機の構成が複雑になることを防止することができる。
《F6−3》変形例3:
変形例3としてのパチンコ機は、変形例2としてのパチンコ機と比較して、命釘の傾斜方向が相違するだけであり、残余の構成については同一である。変形例3のパチンコ機において、変形例2のパチンコ機と同じ構成については同一の名称と符号を付けて、以下の説明を行う。
図312は、変形例3のパチンコ機に備えられる命釘としての一対の釘742a,742bと第1始動口733とを示す図である。図312(a)は、第6実施形態における図308(a)に対応した図であり、上側から見た図である。図312(b)は、第6実施形態における図308(b)に対応した図であり、右側から見た図である。
変形例2では、図311(b)に示すように、第1の釘642aと第2の釘642bとが、先端423を基準とした胴部422の中心軸方向が+Z方向(2点鎖線)から上側(+Y方向)に所定角度μ1だけ傾斜する構成であった。これに対して、変形例3では、図312(b)に示すように、第1の釘742aと第2の釘742bとが、先端423を基準とした胴部422の中心軸方向が+Z方向(2点鎖線)から下側(−Y方向)に所定角度ν1だけ傾斜する構成である。所定角度ν1は、予め定められた所定角度であり、本実施形態では、型式検定試験に合格となった際の角度である。所定角度ν1は、例えば1度〜10度のうちのいずれかの値であり、例えば5度である。
変形例3では、第1始動口733に形成された入球口733aは、変形例2と同様に矩形形状である。しかしながら、第1始動口733の上側の面733Sが、変形例2とは相違し、合板30aと接する端部733bを基準として+Z方向(2点鎖線)から下側(−Y方向)に所定角度ν1だけ傾斜した構成となっている。
このため、変形例3のパチンコ機では、右側から見た場合に、第1の釘742aと第2の釘742bとの各胴部422の中心軸方向が、第1始動口733の入球口733aの上側の面733Sと平行になっている。
以上のように構成された変形例3のパチンコ機によれば、変形例2のパチンコ機と同様に、第1始動口733の上側の面733Sを頼りに、右側から見た場合に各釘742a,742bがその平面733Sと平行になるように、各釘742a,742bの傾きを確認して修正することができる。このため、釘の調整についての多くの経験や専用の調整用器具を必要とせずに、第1および第2の釘742a,742bの傾きのずれを容易に修復することができる。
また、変形例3のパチンコ機では、釘の傾きを確認するための専用の部材を別途、設けることなく、もともとある第1始動口733の平面733Sを利用して釘の傾きの修復を行うことができることから、パチンコ機の構成が複雑になることを防止することができる。
《F6−4》変形例4:
変形例4としてのパチンコ機は、第6実施形態としてのパチンコ機10と比較して、命釘の傾斜方向と、第1始動口の形状とが相違するだけであり、残余の構成については同一である。変形例4のパチンコ機において、第6実施形態のパチンコ機10と同じ構成については同一の名称と符号を付けて、以下の説明を行う。
図313は、変形例4のパチンコ機に備えられる命釘としての一対の釘842a,842bと第1始動口833とを示す図である。図313(a)は、第6実施形態における図308(a)に対応した図であり、上側から見た図である。図313(b)は、第6実施形態における図308(b)に対応した図であり、右側から見た図である。
第6実施形態および変形例1〜3のパチンコ機では、命釘である第1の釘と第2の釘とが、先端423を基準とした胴部422の中心軸方向が+Z方向(2点鎖線)から右側(+X方向)、左側(−X方向)、上側(+Y方向)、下側(−Y方向)のうちのいずれかの方向に傾斜する構成であった。これに対して、変形例4では、命釘である第1の釘842aと第2の釘842bとが、先端423を基準とした胴部422の中心軸方向が+Z方向(2点鎖線)から以下の向きに傾斜する構成とした。この傾斜の向きは、X軸とY軸との双方に直角以外の角度で交差する角度である。具体的には、次の構成である。
第6実施形態では、右側に位置する第1の釘42aは、図308(a)に示すように、上側から見た場合に、先端423を基準とした胴部422の中心軸方向が+Z方向(2点鎖線)から右側(+X方向)に第1角度θ1だけ傾斜し、図308(b)に示すように、右側から見た場合に、胴部422の中心軸方向がZ軸方向に沿うように構成されていた。これに対して、変形例4では、右側に位置する第1の釘842aは、図313(a)に示すように、上側から見た場合に、第6実施形態の第1の釘42aと同様に傾斜し、図313(b)に示すように、右側から見た場合に、先端423を基準とした胴部422の中心軸方向が+Z方向(2点鎖線)から上側(+Y方向)に所定角度ξ1だけ傾斜するように構成した。
また、第6実施形態では、左側に位置する第2の釘42bは、図308(a)に示すように、上側から見た場合に、先端423を基準とした胴部422の中心軸方向が+Z方向(2点鎖線)から左側(−X方向)に第2角度θ2だけ傾斜し、図308(b)に示すように、右側から見た場合には、胴部422の中心軸方向がZ軸方向に沿うように構成されていた。これに対して、変形例4では、左側に位置する第2の釘842bは、図313(a)に示すように、上側から見た場合に、第6実施形態の第1の釘42aと同様に傾斜し、図313(b)に示すように、右側から見た場合に、先端423を基準とした胴部422の中心軸方向が+Z方向(2点鎖線)から上側(+Y方向)に所定角度ξ1だけ傾斜するように構成した。
変形例4では、第1始動口833に形成された入球口833aは、第6実施形態と同一の台形形状である。しかしながら、第1始動口833の上側の面833Sが、第6実施形態と変形例2とは相違し、合板30aと接する端部833bを基準として+Z方向(2点鎖線)から上側(+Y方向)に所定角度ξ1だけ傾斜した構成となっている。所定角度ξ1は、予め定められた所定角度であり、本実施形態では、型式検定試験に合格となった際の角度である。所定角度ξ1は、例えば1度〜10度のうちのいずれかの値であり、例えば5度である。
このため、変形例4のパチンコ機では、第1および第2の釘842a,釘842bと第1始動口833の入球口833aとは、上側から見た場合に、第3のへり893が第1の釘842aの胴部422の中心軸方向と平行になり、第4のへり894が第2の釘842bの胴部422の中心軸方向と平行になっている。また、右側から見た場合に、第1の釘842aと第2の釘842bとの各胴部422の中心軸方向が、第1始動口833の入球口833aの上側の面833Sと平行になっている。
以上のように構成された変形例4のパチンコ機によれば、入球口833aにおける第3のへり893と第4のへり894とを頼りに、上側から見た場合に第1の釘842aが第3のへり893と平行になるように、第2の釘842bが第4のへり894と平行になるように、各釘842a,842bの傾きを確認して修正することができる。また、第1始動口833の上側の面833Sを頼りに、右側から見た場合に各釘842a,842bがその平面833Sと平行になるように、各釘842a,842bの傾きを確認して修正することができる。したがって、釘の調整についての多くの経験や専用の調整用器具を必要とせずに、第1および第2の釘842a,842bの傾きのずれを容易に修復することができる。
また、変形例4のパチンコ機によれば、第6実施形態のパチンコ機10と同様に、釘の傾きを確認するための専用の部材を別途、設けることなく、もともとある第1始動口833を利用して釘の傾きの修復を行うことができることから、パチンコ機の構成が複雑になることを防止することができる。
《F6−5》変形例5:
第6実施形態および変形例1〜4のパチンコ機では、命釘である第1の釘と第2の釘の傾きを修復する際に平行か否かを確認するための基準となる基準部が、第1始動口における予め定められた部位、例えば、図308に示す入球口33aの第3のへり333および第4のへり334や、図311に示す第1始動口633の上側の面633Sであった。これに対して、変形例5では、上記基準部を、第1始動口に設けた専用の目印によって構成している。以下、詳しく説明する。
変形例5としてのパチンコ機は、第6実施形態としてのパチンコ機10と比較して、第1始動口の構成が相違するだけであり、第1および第2の釘42a,42bを含めた残余の構成については同一である。変形例5のパチンコ機において、第6実施形態のパチンコ機10と同じ構成については同一の名称と符号を付けて、以下の説明を行う。
図314は、変形例5のパチンコ機に備えられる命釘としての一対の釘42a,42bと第1始動口933とを示す図である。図314(a)は、第6実施形態における図308(a)に対応した図であり、上側から見た図である。図314(a)において、第1および第2の釘42a,42bの一部分は、図示の便宜のために破断して省略している。図314(b)は、第6実施形態における図308(b)に対応した図であり、右側から見た図である。
図314(a)に示すように、第1始動口933に形成された入球口933aは、変形例2と同様に矩形形状である。第1始動口933の上側の面933Sは、Z軸方向と平行である。この面933Sには、長尺な矩形形状のマーク951,952が印刷されている。マーク951,952は、印刷によって着色したものである。
面933Sにおいて、第1のマーク951は、入球口933aの右側のへり993に対して右側に印刷されている。上側から見た場合に、第1のマーク951の長手方向と、右側に位置する第1の釘42aの胴部422の中心軸方向とが平行となっている。面933Sにおいて、第2のマーク952は、入球口933aの左側のへり994に対して左側に印刷されている。上側から見た場合に、第2のマーク952の長手方向と、左側に位置する第2の釘42bの胴部422の中心軸方向とが平行となっている。その上、上側から見た場合に、第1のマーク951の右側外形線は第1の釘42aの胴部422の右側外形線より若干、右側に位置し、第2のマーク952の左側外形線は第2の釘42bの胴部422の左側外形線より若干、左側に位置する。すなわち、上側から見た場合に、第1のマーク951の少なくとも一部分が第1の釘42aによって隠れることがなく、第2のマーク952の少なくとも一部分が第2の釘42bによって隠れることがない。
以上のように構成された変形例5のパチンコ機によれば、第1のマーク951と第2のマーク952を頼りに、上側から見た場合に第1の釘42aが第1のマーク951の長手方向と平行になるように、第2の釘42bが第2のマーク952の長手方向と平行になるように、各釘42a,42bの傾きを確認して修正することができる。このため、釘の調整についての多くの経験や専用の調整用器具を必要とせずに、第1および第2の釘42a,42bの傾きのずれを容易に修復することができる。また、上側から見た場合に、第1のマーク951の少なくとも一部分が第1の釘42aによって隠れることがなく、第2のマーク952の少なくとも一部分が第2の釘42bによって隠れることがないこから、第1および第2のマーク951,952の視認性が高い。このため、第1の釘42aおよび第2の釘42bの傾きの認定が容易である。
《F6−6》変形例6:
上述した基準部を、第1始動口に設けた専用の目印によって構成した他の例を、変形例6として次に説明する。
変形例6としてのパチンコ機は、変形例2としてのパチンコ機と比較して、第1始動口の構成が相違するだけであり、第1および第2の釘642a,642bを含めた残余の構成については同一である。変形例6のパチンコ機において、変形例2のパチンコ機と同じ構成については同一の名称と符号を付けて、以下の説明を行う。
図315は、変形例6のパチンコ機に備えられる命釘としての一対の釘642a,642bと第1始動口1033とを示す図である。図315(a)は、第6実施形態における図308(a)に対応した図であり、上側から見た図である。図315(b)は、第6実施形態における図308(b)に対応した図であり、右側から見た図である。
図315(a)に示すように、第1始動口1033に形成された入球口1033aは、変形例2と同様に矩形形状である。第1始動口1033の上側の面1033Sは、Z軸方向と平行である。第1始動口1033の右側の側面1033Tには、長尺な矩形形状のマーク1051が印刷されている。
右側から見た場合に、マーク1051の長手方向は、右側に位置する第1の釘642aの胴部422の中心軸方向に対して平行となっている。マーク1051は、印刷によって着色したものである。
以上のように構成された変形例6のパチンコ機によれば、マーク1051を頼りに、右側から見た場合に各釘642a,642bがマーク1051の長手方向と平行になるように、各釘642a,642bの傾きを確認して修正することができる。このため、釘の調整についての多くの経験や専用の調整用器具を必要とせずに、第1および第2の釘642a,642bの傾きのずれを容易に修復することができる。
なお、変形例5における第1のマーク951、第2のマーク952、および変形例6におけるマーク1051は、印刷によって着色したものに換えて、第1始動口1033の面に凹凸を設けて印としたものでも良い。具体的には、リブや、凹み、段差等に換えても良い。また、マークの形状は、長尺な矩形形状に限る必要はなく、方向を規定することのできる形状であれば、いずれの形状としても良い。例えば、矢印記号や、基点と終点を示す2点等としても良い。
《F6−7》変形例7:
変形例7としてのパチンコ機は、変形例5としてのパチンコ機と比較して、第1のマークと第2のマークとの向きが相違するだけであり、第1および第2の釘42a,42bと第1始動口933の形状とを含めた残余の構成については同一である。変形例7のパチンコ機において、変形例5のパチンコ機と同じ構成については同一の名称と符号を付けて、以下の説明を行う。
図316は、変形例7のパチンコ機に備えられる命釘としての一対の釘42a,42bと第1始動口933とを示す図である。図316(a)は、第6実施形態における図308(a)に対応した図であり、上側から見た図である。図316(a)において、第1および第2の釘42a,42bの一部分は、図示の便宜のために破断して省略している。図316(b)は、第6実施形態における図308(b)に対応した図であり、右側から見た図である。
図316(a)に示すように、第1始動口933は変形例5と同一である。第1始動口933の有する入球口933aは矩形形状であり、第1始動口933の上側の面933SはZ軸方向と平行である。この面933Sに、長尺な矩形形状のマーク1151,1152が印刷されている。
面933Sにおいて、第1のマーク1151は、入球口933aの右側のへり993に対して右側に印刷されている。上側から見た場合に、第1のマーク1151の長手方向は、遊技盤30を構成する合板30aの表面に対して垂直な方向と平行である。すなわち、第1のマーク1151は、その長手方向によって、遊技盤30を構成する合板30aの表面に対して垂直であることが保証されて、合板30aに印刷されている。本実施形態では、直角であることを示す第1の直角マーク1153を印刷することで、一目で、第1のマーク1151が遊技盤30を構成する合板30aの表面に対して垂直であることが保証されていることが判るようにしている。
面933Sにおいて、第2のマーク1152は、入球口933aの左側のへり994に対して左側に印刷されている。上側から見た場合に、第2のマーク1152の長手方向は、遊技盤30を構成する合板30aの表面に対して垂直な方向と平行である。すなわち、第2のマーク1152は、その長手方向によって、遊技盤30を構成する合板30aの表面に対して垂直であることが保証されて、合板30aに印刷されている。本実施形態では、直角であることを示す第2の直角マーク1154を印刷することで、一目で、第2のマーク1152が遊技盤30を構成する合板30aの表面に対して垂直であることが保証されていることが判るようにしている。さらに、図316(b)に示すように、第1始動口933の右側の側面に第3の直角マーク1155を印刷することで、第1始動口933の上側の面933Sが、遊技盤30を構成する合板30aの表面に対して垂直であることが保証されていることが判るようにしてもよい。なお、第1〜第3の直角マーク1153〜1155は、必ずしも必要なく、省く構成としても良い。
以上のように構成された変形例7のパチンコ機によれば、第1のマーク1151を頼りに第1の釘42aの傾き具合を確認することができ、第2のマーク1152を頼りに第2の釘42aの傾き具合を確認することができる。具体的には、第1のマーク1151の長手方向と第1の釘42aの向きとを比べ、第2のマーク1152の長手方向と第2の釘42bの向きとを比べることによって、第1および第2の釘42a,42bの傾き具合を確認することができる。したがって、各釘42a,42bの調整を容易に行うことができる。
なお、他の変形例として、図315に示す変形例6において、マーク1051の向きを変える構成としても良い。具体的には、他の変形例では、右側から見た場合に、マーク1051の長手方向が、遊技盤30を構成する合板30aの表面に対して垂直な方向と平行となるようにする。すなわち、図315に示す変形例6において、第1始動口1033の右側の側面1033Tに印刷されたマーク1051は、その長手方向によって、遊技盤30を構成する合板30aの表面に対して垂直であることが保証されて、合板30aに印刷される構成に換える。この構成によっても、第1および第2の釘42a,42bの上下方向の傾き具合を確認することができる。
変形例7における第1のマーク1151および第2のマーク1152は、印刷によって着色したものであるが、これに換えて、第1始動口の面に凹凸を設けて印としたものでも良い。具体的には、リブや、凹み、段差等に換えても良い。また、マークの形状は、長尺な矩形形状に限る必要はなく、方向を規定することのできる形状であれば、いずれの形状としても良い。
変形例7では、遊技盤30を構成する合板30aの表面に対して垂直に設けられていることを保証する基準部を、第1始動口933に記載した第1のマーク1151と第2のマーク1152とした。これに対して、変形例として、マークに換えて、第1始動口933とは別体に遊技盤30に設けられた、例えば樹脂製の突起物を設ける構成としても良い。要は、遊技盤30を構成する合板30aの表面に対して垂直に設けられていることを保証するものであれば、いずれの構成とすることもできる。
さらに、他の変形例として、変形例7における第1のマーク1151と第2のマーク1152とを、上記第6実施形態およびその変形例1、4において追加する構成としてもよい。この構成によれば、入球口を構成する右側の第3のへりと、左側の第4のへり334とに加えて、第1のマーク1151と第2のマーク1152とによっても、釘の傾き具合を確認することができることから、釘の調整をより正確に行うことができる。
《F6−8》変形例8:
変形例8としてのパチンコ機は、第6実施形態としてのパチンコ機10と比較して、第1始動口の形状が相違するだけであり、第1および第2の釘を含めた残余の構成については同一である。変形例8のパチンコ機において、第6実施形態のパチンコ機10と同じ構成については同一の名称と符号を付けて、以下の説明を行う。
図317は、変形例8のパチンコ機に備えられる第1始動口1233とその周辺を示す斜視図である。第6実施形態および変形例1〜7では、第1始動口、例えば、図307に示す第1始動口33は、中空の箱形状であり、上側(+Y方向側)の面に形成された入球口33aは、前側(+Z方向側)の第1のへり331と、後ろ側(−Z方向側)の第2のへり332と、右側(+X方向側)の第3のへり333と、左側(−X方向側)の第4のへり334と、によって構成されていた。これに対して、変形例8では、図317に示すように、第1始動口1233は、中空の箱形状において後ろ側(−Z方向側)の壁面が取り除かれた形状を有する。すなわち、第1始動口1233の上側の端面は、略コの字形状である。
第1始動口1233の上側(+Y方向側)の面に形成される入球口1233aは、前側(+Z方向側)の第1のへり1291と、右側(+X方向側)の第2のへり1293と、左側(−X方向側)の第3のへり1294と、合板30aの表面の一部分と、によって構成されている。入球口1233aから入球した遊技球は、第1始動口1233の中を通って、遊技盤30を前後方向に貫通する開口部30cに送られる。
右側(+X方向側)の第2のへり1293は、第6実施形態における第3のへり333と同様に、−Z方向側の端部を基準とした方向が+Z方向から右側(+X方向)に第1角度θ1だけ傾斜している。左側(−X方向側)の第3のへり1294は、第6実施形態における第4のへり334と同様に、−Z方向側の端部を基準とした方向が+Z方向から左側(−X方向)に第2角度θ2だけ傾斜している。第1角度θ1および第2角度θ2は、第6実施形態と同様に、第1および第2の釘42a,42bについての遊技機の出荷時における傾斜角度である。
以上のように構成された変形例8のパチンコ機によれば、第6実施形態のパチンコ機10と同様に、入球口1233aにおける第2のへり1293と第3のへり1294とを頼りに、第6実施形態と同様にして、各釘42a,42bの傾きを確認して修正することができる。このため、釘の調整についての多くの経験や専用の調整用器具を必要とせずに、第1および第2の釘42a,42bの傾きのずれを容易に修復することができる。
なお、上述した第1始動口の形状、すなわち、上側の端面が略コの字形状となる第1始動口の形状は、第6実施形態以外にも、これまで説明してきた変形例1〜7において、採用する構成としても良い。
《F6−9》変形例9:
変形例9としてのパチンコ機は、変形例8としてのパチンコ機10と比較して、第1始動口の形状が相違するだけであり、第1および第2の釘を含めた残余の構成については同一である。変形例9のパチンコ機において、変形例8のパチンコ機と同じ構成については同一の名称と符号を付けて、以下の説明を行う。
図318は、変形例9のパチンコ機に備えられる第1始動口1333とその周辺を示す斜視図である。第1始動口1333は、変形例8における第1始動口1233と同様に、上側の端面が略コの字形状の構成である。その上で、第1始動口1333は、変形例8における第1始動口1233と比較して、次の(i)〜(iii)の点で相違する。
(i)変形例8における第1始動口1233では、図317に示すように、入球口1233aを構成する右側(+X方向側)の第2のへり1293と、左側(−X方向側)の第3のへり1294とが、+Z方向から第1角度θ1および第2角度θ2だけ傾斜する構成であった。これに対して、変形例9における第1始動口1333では、図318に示すように、右側(+X方向側)の第2のへり1393と、左側(−X方向側)の第3のへり1394とが、+Z方向と平行になっている。
(ii)変形例9における第1始動口1333では、図318に示すように、第1始動口1333の右側の側壁の外面1333bに、第1の釘42aについての遊技機の出荷時における傾斜角度である第1角度θ1を示す第1数値情報Naが記載されており、第1始動口1333の左側の側壁の内面1333cに、第2の釘42bについての遊技機の出荷時における傾斜角度である第2角度θ2を示す第2数値情報Nbが記載されている。これに対して、変形例8における第1始動口1233では、こうした構成を備えない。第1数値情報Naと第2数値情報Nbは、角度を示す数値であり、例えば「5度」である。
(iii)変形例8における第1始動口1233は、一体の構成であった。これに対して、変形例9における第1始動口1333は、第1パーツPaと第2パーツPbとによって構成されている。第2パーツPbは、主に、第1始動口1333の左側の側壁部分である。第1パーツPaは、第2パーツPb以外の部分である。最初は、図319に示すように、第1パーツPaと第2パーツPbとは別体であり、製造段階で、第1パーツPaと第2パーツPbとが接合されて、第1始動口1333が構成される。第1パーツPaに第1数値情報Naが印刷され、第2パーツPbに数値情報Nbが印刷されている。なお、第1数値情報Naと第2数値情報Nbとの印刷は、第1パーツPaと第2パーツPbとが接合される前に、行われる。
以上のように構成された変形例9のパチンコ機によれば、第1始動口1333の右側の側壁の外面1333bに印刷された第1数値情報Naを頼りに、右側に位置する第1の釘42aの傾きを確認して修正することができる。また、第1始動口1333の左側の側壁の内面1333cに印刷された第2数値情報Nbを頼りに、左側に位置する第2の釘42bの傾きを確認して修正することができる。このため、釘の調整についての多くの経験や専用の調整用器具を必要とせずに、第1および第2の釘42a,42bの傾きのずれを容易に修復することができる。
また、変形例9のパチンコ機によれば、第1始動口1333が第1パーツPaと第2パーツPbとによって構成されていることから、製造時において、第1パーツPaに第1数値情報Naを印刷し、第2パーツPbに第2数値情報Nbを印刷することを容易に行うことができる。特に、第1数値情報Naと第2数値情報Nbとの双方を右側(+X方向側)から見ることができるように、第1数値情報Naと第2数値情報Nbとを同じ向きに設ける場合に、左側(−X方向側)に位置する第2数値情報Nbは第1始動口1233の内側となることから、製造時に、第2数値情報Nbを印刷することが困難であるが、変形例9のパチンコ機によれば、第1始動口1333が第1パーツPaと第2パーツPbとによって分かれて構成されていることから、容易に第2数値情報Nbを印刷することができ、第1始動口1333の製造が容易である。
なお、第1数値情報Naと第2数値情報Nbを記載する構成であったが、これに換えて、複数のセグメント発光部の表示の態様で角度を示す情報を示す構成としても良い。要は、角度についての情報を示すものであれば、いずれの構成とすることもできる。
変形例9のパチンコ機に備えられる第1始動口1333は、上側の端面が略コの字形状となるタイプのものであったが、これに換えて、後ろ側(−Z方向側)の壁面を有する中空の箱形状のタイプとすることもできる。また、第1始動口1333は、第1パーツPaと第2パーツPbとによって構成されているが、これに換えて、3つ以上のパーツによって構成しても良い。釘の傾斜角度を示す第1数値情報Naおよび第2数値情報Nbは、第6実施形態および変形例1,4,5,7,8においても記載する構成としても良い。
《F6−10》変形例10:
図320は、変形例10としてのパチンコ機に備えられる電動役物1410と、その周辺を示す斜視図である。電動役物1410は、パチンコ機の遊技盤の例えば中央下方に設けられている。遊技盤には、先に説明したように、前後方向に貫通する複数の開口部が形成されているが、そのうちの一つである開口部1400に、電動役物1410が設けられている。
電動役物1410は、普通電動役物であり、いわゆる電動チューリップとして構成されている。電動役物1410は、右左一対の可動片1411a,1411bを備えており、閉状態(閉鎖状態)と開状態(開放状態)とに切換可能に構成されている。閉状態が図320に示す状態である。閉状態では、一対の可動片1411a,1411b間の距離が小さいため、遊技球が入球しにくい。一方、開状態(変形例11の図321を参照)では、一対の可動片1411a,1411b間の距離が大きくなり、遊技球が入球し易くなっている。電動役物1410に入球した遊技球は、開口部1400に送られる。電動役物1410への遊技球の入球に基づいて、例えば当たり抽選がなされる。以下、一対の可動片1411a,1411bのうちの+X方向側の可動片を「第1の可動片1411a」と呼び、一対の可動片1411a,1411bのうちの−X方向側の可動片を「第2の可動片1411b」と呼ぶ。第6実施形態と同様に、+X方向は正面視右側を示し、−X方向は正面視左側を示す。
電動役物1410の上方には、右左一対の釘1442a,1442bが設けられている。一対の釘1442a,1442b間の距離によって、電動役物1410への遊技球の入球の確率が変化する。以下、一対の釘1442a,1442bのうちの+X方向側の釘を「第1の釘1442a」と呼び、一対の釘1442a,1442bのうちの−X方向側の釘を「第2の釘1442b」と呼ぶ。第1および第2の釘1442a,1442bの形状は第6実施形態の釘と同一である。
第1の釘1442aは、先端を基準とした胴部の中心軸方向が+Z方向から、予め定めた傾斜方向(例えば、+X方向)に予め定められた傾斜角度(例えば、5度)だけ傾斜して設けられている。第2の釘1442bは、先端を基準とした胴部の中心軸方向が+Z方向から、予め定めた傾斜方向(例えば、−X方向)に予め定められた傾斜角度(例えば、7度)だけ傾斜して設けられている。第1の釘1442aについての傾斜方向、傾斜角度と、第2の釘1442bについての傾斜方向、傾斜角度とは、個別のものであり、遊技機の出荷時におけるものである。
電動役物1410において、第1の可動片1411aの先端部分は切り落とされて平坦な面(以下、「第1平坦面」と呼ぶ)Saとなっている。第2の可動片1411bの先端部分は切り落とされて平坦な面(以下、「第2平坦面」と呼ぶ)Sbとなっている。本変形例10では、電動役物1410が閉状態にある場合に、第1平坦面Saの傾斜角度および傾斜方向が第1の釘1442aについての傾斜方向、傾斜角度と一致し、第2平坦面Sbの傾斜角度および傾斜方向が第2の釘1442bについての傾斜方向、傾斜角度と一致するように、予め設計されている。換言すれば、電動役物1410が閉状態にある場合に、第1平坦面Saは、その傾斜方向と傾斜角度によって、第1の釘1442aについての傾斜方向と傾斜角度を規定し、第2平坦面Sbは、その傾斜方向と傾斜角度によって、第2の釘1442bについての傾斜方向と傾斜角度を規定する。
以上のように構成された変形例10のパチンコ機によれば、電動役物1410が閉状態にある場合に、電動役物1410における第1の可動片1411aの第1平坦面Saを頼りに、第1の釘1442aの傾きを確認して出荷時の状態に修正することができる。また、電動役物1410が閉状態にある場合に、電動役物1410における第2の可動片1411bの第2平坦面Sbを頼りに、第2の釘1442bの傾きを確認して出荷時の状態に修正することができる。このため、釘の調整についての多くの経験や専用の調整用器具を必要とせずに、電動役物1410の上方にある第1および第2の釘1442a,1442bの傾きのずれを容易に修復することができる。
《F6−11》変形例11:
変形例11としてのパチンコ機は、変形例10としてのパチンコ機と比較して、電動役物において、平坦部の傾斜方向と傾斜角度が相違し、さらに、第1の釘と第2の釘の位置とが相違する。これら以外の構成については、変形例11としてのパチンコ機と変形例10としてのパチンコ機とは同一である。
図321は、変形例11としてのパチンコ機に備えられる電動役物1510と、その周辺を示す斜視図である。電動役物1510は、パチンコ機の遊技盤の例えば中央下方に設けられている。電動役物1510は、変形例10における電動役物1410と同様に、開口部1400に設けられている。開口部1400は、変形例10と同一なので、同一の符号を付けた。電動役物1510は、変形例10における電動役物1410と同様に、右左一対の可動片1511a,1511bを備えており、閉状態(閉鎖状態)と開状態(開放状態)とに切換可能に構成されている。開状態が図321に示す状態である。
電動役物1510の右上方向には第1の釘1542aが設けられ、電動役物1510の左上方向には第2の釘1542bが設けられている。第1の釘1542aは、先端を基準とした胴部の中心軸方向が+Z方向から、予め定めた傾斜方向(例えば、+X方向)に予め定められた傾斜角度(例えば、5度)だけ傾斜して設けられている。第2の釘1542bは、先端を基準とした胴部の中心軸方向が+Z方向から、予め定めた傾斜方向(例えば、−X方向)に予め定められた傾斜角度(例えば、7度)だけ傾斜して設けられている。第1の釘1542aについての傾斜方向、傾斜角度と、第2の釘1542bについての傾斜方向、傾斜角度とは、個別のものであり、遊技機の出荷時におけるものである。
電動役物1510において、第1の可動片1511aの先端部分は切り落とされ第1平坦面Haとなっており、第2の可動片1511bの先端部分は切り落とされて第2平坦面Hbとなっている。本変形例11では、電動役物1510が開状態にある場合に、第1平坦面Haの傾斜角度および傾斜方向が第1の釘1542aについての傾斜方向、傾斜角度と一致し、第2平坦面Hbの傾斜角度および傾斜方向が第2の釘1542bについての傾斜方向、傾斜角度と一致するように、予め設計されている。換言すれば、電動役物1510が開状態にある場合に、第1平坦面Haは、その傾斜方向と傾斜角度によって、第1の釘1542aについての傾斜方向と傾斜角度を規定し、第2平坦面Hbは、その傾斜方向と傾斜角度によって、第2の釘1542bについての傾斜方向と傾斜角度を規定する。
以上のように構成された変形例11のパチンコ機によれば、電動役物1510が開状態にある場合に、電動役物1510における第1の可動片1511aの第1平坦面Haを頼りに、電動役物1510の右上側に位置する第1の釘1542aの傾きを確認して修正することができる。また、電動役物1510が開状態にある場合に、電動役物1510における第2の可動片1511bの第2平坦面Hbを頼りに、電動役物1510の左上側に位置する第2の釘1542bの傾きを確認して修正することができる。このため、釘の調整についての多くの経験や専用の調整用器具を必要とせずに、第1および第2の釘1542a,1542bの傾きのずれを容易に修復することができる。特に、電動役物1510は、開状態にある場合の可動片1511a,1511bの先端位置に近い、電動役物1510の右上および左上にある第1および第2の釘1542a,1542bを、修復の対象とすることができ、その釘の修復を容易に行なうことができる。
なお、変形例10において、第1、第2平坦面Sa,Sbに周囲とは異なる色で着色を行う構成としても良い。また、変形例11において、第1、第2平坦面Ha,Hbに周囲とは異なる色で着色を行う構成としても良い。これらの構成によれば、第1、第2平坦面Sa,Sbや第1、第2平坦面Ha,Hbが釘の傾きを修復する際の基準となることを、修理者は容易に認めることができる。
《F6−12》変形例12:
変形例12としてのパチンコ機は、変形例11としてのパチンコ機と比較して、電動役物に備えられる第1の可動片の形状が相違し、残余の点で同一である。変形例12のパチンコ機において、変形例11のパチンコ機10と同じ構成については同一の名称と符号を付けて、以下の説明を行う。
図322は、変形例12のパチンコ機に備えられる電動役物の第1の可動片1611aを示す正面図である。変形例12における電動役物は、変形例11と同様に、いわゆる電動チューリップとして構成され、図中の矢印に示すように、閉状態(閉鎖状態)と開状態(開放状態)とに切換可能に構成されている。この電動役物に備えられる第1の可動片1611aは、変形例11における第1の可動片1511aに相当するものであり、X方向側(正面視右側)に位置する可動片である。
第1の可動片1611aは、可動片本体部1620と、可動片本体部1620の先端部分から突出した突出片1630と、を備える。突出片1630の可動片本体部1620とは反対側の端部は平坦な面(以下、「第1平坦面」と呼ぶ)Taとなっている。
本変形例12における電動役物の周辺には、変形例11の電動役物と同様に、一対の釘が設けられている。一対の釘の内の一つが、図中の第1の釘1542aである。第1の釘1542aは、電動役物の右上に設けられている。電動役物が開状態となったときに、第1の可動片1611aに備えられる突出片1630の第1平坦面Taが、第1の釘1542aに最接近する。電動役物1510が開状態にある場合に、第1平坦面Taの傾斜角度および傾斜方向が、第1の釘1542aについての傾斜方向、傾斜角度と一致する。
なお、本変形例12における電動役物の第2の可動片は、図示はしないが、第1の可動片1611aに対して、Y軸方向を軸とした線対称な形状となっている。電動役物が開状態となったときに、第2の可動片に備えられる突出片の第2平坦面が、第2の釘1542b(変形例11の図321を参照)に最接近する。電動役物が開状態にある場合に、その第2平坦面の傾斜角度および傾斜方向が、第2の釘1542bについての傾斜方向、傾斜角度と一致する。
以上のように構成された変形例12のパチンコ機によれば、変形例11と同様に、電動役物が開状態にある場合に、電動役物における第1の可動片1611aの第1平坦面Taを頼りに、電動役物の右上側に位置する第1の釘1542aの傾きを確認して修正することができる。同様に、第1の可動片の第2平坦面を頼りに、電動役物の左上側に位置する第2の釘1542bの傾きを確認して修正することができる。このため、釘の調整についての多くの経験や専用の調整用器具を必要とせずに、電動役物の右上および左上にある第1および第2の釘1542a,1542bの傾きのずれを容易に修復することができる。
なお、変形例12においても、第1平坦面Taや第2平坦面を、周囲とは異なる色で着色を行う構成としても良い。この構成によれば、第1平坦面Taと第2平坦面が釘の傾きを修復する際の基準となることを、修理者は容易に認めることができる。
《F6−13》変形例13:
上記第6実施形態およびその変形例1、4、8では、釘と遊技盤の表面とのなす角度を規定する規定手段を、第1始動口の入球口におけるへりの部分とした。これに対して、変形例として、規定手段を、第1始動口の外周辺の一部としても良く、第1始動口の有する部位であれば、いずれの部分としても良い。また、第1始動口の有する部位に限る必要もなく、第2始動口や、その他の入球口部材の関わる部分としてもよい。さらに、入球口部材以外の部材の有する部位とすることもできる。
《F6−14》変形例14:
上記第6実施形態およびその変形例1〜12では、遊技球の流通を変化させるものとして釘が採用されていたが、釘に限る必要はなく、遊技球の流通を変化させることができる棒状の部材であれば、樹脂製の突起物等、いずれの構成とすることもできる。
《F6−15》変形例15:
上記変形例10〜12では、閉状態と開状態とに切り換え可能な可動手段として、普通電動役物である電動チューリップが採用されていたが、これに換えて、普通電動役物であるミニアタッカーが採用される構成としても良い。具体的には、ミニアタッカーの予め定められた部位が、釘と遊技盤の表面とのなす角度を規定する構成とする。さらに、可動手段として、普通電動役物に換えて、アタッカー(大入賞口)等の特別電動役物が採用される構成としても良い。具体的には、アタッカーの予め定められた部位が、釘と遊技盤の表面とのなす角度を規定する構成とする。さらには、可動手段として、電動役物に換えて、機械式等の非電動役物が採用される構成としても良い。
《G》第7実施形態:
《G1》遊技機の構造:
本実施形態における遊技機の構造について説明する。なお、上記実施形態と同じ機能を備える構成要素には同じ符号を用いて説明する。
図323は、第7実施形態におけるパチンコ機10の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる当たり抽選時、当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサ25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサ25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
また、上皿20の周縁部の正面視左側には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。また、以降の説明においては、操作ハンドル25が操作されることによって遊技球が発射され、遊技球が遊技盤の正面視左側に流れるとともに遊技盤の左側を流下する場合を、遊技者が「左打ち」をすると表現する場合がある。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサ25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサ25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
なお、本実施形態においては、遊技球発射ボタン26は、上皿20の周縁部の正面視左側に配置される構成を採用したが、遊技球発射ボタン26が他の位置に配置される構成を採用してもよい。例えば、遊技球発射ボタン26を、ウェイトボタン25bと同様に、操作ハンドル25の内部(周縁部)に配置する構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者が、操作ハンドル25、ウェイトボタン25b、遊技球発射ボタン26を、右手のみで操作することを可能にする。
図324は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、一般入賞口32、第1始動口33a、第1始動口33b、第2始動口34、スルーゲート35a、スルーゲート35b、普通電動役物53、可変入賞装置54、および振分機構120が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
振分機構120は、遊技盤30の中央の下部に配置されている。振分機構120は、当該振分機構120に到達した遊技球を交互に2つの流路に振り分ける。振分機構120が振り分ける2つの流路のうち、一方の流路は、遊技球を第1始動口33aに案内し、他方の流路は、遊技球を第1始動口33bに案内する。振分機構120の構造についての詳細は後述する。
第1始動口33aおよび第1始動口33bは、遊技球が入球可能な入球口である。図324に示すように、第1始動口33aは、振分機構120によって、遊技盤30を正面視して左側に振り分けられた遊技球が入球可能な位置に配置されている。また、第1始動口33bは、振分機構120によって、遊技盤30を正面視して右側に振り分けられた遊技球が入球可能な位置に配置されている。本実施形態では、第1始動口33a、または、第1始動口33bに遊技球が入球すると、1個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する当たり抽選が実行される。なお、第1始動口33a、または、第1始動口33bに遊技球が入球した場合に払い出される賞球は1個に限らず、2個以上である構成を採用してもよい。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口である。図324に示すように、第2始動口34は、第1始動口33aと第1始動口33bとの間に配置されている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する当たり抽選が実行される。なお、第2始動口34に遊技球が入球した場合に払い出される賞球は3個に限らず、2個以下や、4個以上である構成を採用してもよい。
可変入賞装置54は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口54aと、当該大入賞口54aを開閉する開閉扉54bとを備えている。開閉扉54bは、通常は遊技球が大入賞口54aに入球できない閉鎖状態となっている。第1始動口33a、第1始動口33b、または、第2始動口34に遊技球が入球すると、主制御装置60は、当たり抽選(内部抽選)を実行する。当たり抽選の結果、大当たりに当選すると、パチンコ機10は、開閉実行モードに移行する。開閉実行モードとは、可変入賞装置54の開閉扉54bの開閉処理を実行するモードである。具体的には、可変入賞装置54の開閉扉54bは、開閉実行モードに移行すると、遊技球が入球できない閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされた後に、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、可変入賞装置54の大入賞口54aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
スルーゲート35aおよびスルーゲート35bは、普通電動役物53を動作させるための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。図324に示すように、スルーゲート35aは振分機構120に配置されている。スルーゲート35aの詳細は後述する。スルーゲート35bは、振分機構120の外部であって、遊技盤30を正面視して振分機構120より右側に配置されている。遊技球がスルーゲート35aまたはスルーゲート35bを通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行なう。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、普通電動役物53は、所定の態様で動作する電役開放状態へと移行する。なお、本実施形態においては、スルーゲート35aを通過した遊技球と、スルーゲート35bを通過した遊技球は保留されない。
普通電動役物53は、振分機構120の下方であって第1始動口33bの上方に配置された電動役物である。上述のように、普通電動役物53は、遊技球がスルーゲート35aまたはスルーゲート35bを通過したことを契機として実行された電動役物開放抽選に当選した場合に、所定の態様で動作する。普通電動役物53の詳細については、後述する。
ここで、振分機構120および普通電動役物53について説明をする。
図325は、振分機構120を説明する説明図である。図325(a)に示すように、振分機構120は、樹脂製の振分機構用筐体121を備える。図325においては、振分機構用筐体121の内部を示すため、振分機構用筐体121の外形を破線によって示した。振分機構用筐体121には、遊技球が流入可能な開口部122と、遊技球が流出可能な開口部123および開口部124が形成されている。また、振分機構用筐体121には、左側流路R1および右側流路R2が形成されている。さらに、振分機構用筐体121の内部には、振分用回動部125と、スルーゲート35aが配置されている。スルーゲート35aは右側流路R2に配置されている。
振分用回動部125は、回動軸126を備えており、回動軸126を中心として回動可能である。振分用回動部125が右回りに回動した場合、および、左回りに回動した場合、振分用回動部125の底部が振分機構用筐体121に当接するようになっており、振分用回動部125の回動域は制限される。また、振分用回動部125は、開口部122から流入した遊技球を一時的に保持する左側保持部127と、右側保持部128とを備える。
図325(a)から図325(d)を用いて、振分機構120の動作の一例を示す。図325(a)に示すように、振分用回動部125が左側に傾いた状態である場合、開口部122から遊技球が流入すると、右側保持部128において一時的に遊技球を保持する。その後、図325(b)に示すように、右側保持部128で保持した遊技球の重さで振分用回動部125が右回りに回動し、右側保持部128に保持していた遊技球を右側流路R2に向けて放出する。右側保持部128から放出された遊技球は、スルーゲート35aを通過し、右側流路R2を流通した後、開口部124から流出する。開口部124から流出した遊技球は、第1始動口33bに入球するか、または、普通電動役物53が動作している場合には第2始動口34に入球する。なお、右回りに回動した後の振分用回動部125は右側に傾いた状態を維持している。
その後、図325(c)に示すように、次に開口部122から遊技球が流入すると、振分用回動部125は右側に傾いた状態を維持しているため、左側保持部127において一時的に当該遊技球を保持する。その後、図325(d)に示すように、左側保持部127で保持した遊技球の重さで振分用回動部125が左回りに回動し、左側保持部127に保持していた遊技球を左側流路R1に向けて放出する。左側保持部127から放出された遊技球は、左側流路R1を流通した後、開口部123から流出する。開口部123から流出した遊技球は、第1始動口33aに入球する。なお、左回りに回動した後の振分用回動部125は左側に傾いた状態を維持している。このように、振分機構120は、開口部122に流入する遊技球を左側流路R1と右側流路R2に交互に振り分ける機能を有する。
次に、普通電動役物53について説明する。
図326は、普通電動役物53を説明する説明図である。図326(a)には、閉鎖状態の普通電動役物53を示した。上述したように、普通電動役物53は、振分機構120の下方であって、第1始動口33bの上方に配置されている。遊技球がスルーゲート35aまたはスルーゲート35bを通過したことを契機として実行された電動役物開放抽選において電役開放に当選すると、図326(b)に示すように、普通電動役物53が備える可動片53aが遊技盤30の手前側に向かって突出(以下、開放とも呼ぶ)する。
図示するように普通電動役物53は、可動片53aと、可動片53aに配置される凸部53bを備える。また、図326(b)には図示していないが、普通電動役物53は、可動片53aを駆動させる普電役物駆動部53cを備える。
図326(b)に示すように、突出した可動片53aは、遊技球が第2始動口34に入球するのを補助する。本実施形態においては、突出した可動片53aが第2始動口34に遊技球が入球するのを補助するパターンは、大きく2つのパターンである。1つ目のパターンは、遊技球が振分機構120の開口部122から流入し、右側流路R2に振り分けられた遊技球が第2始動口34に入球するのを補助するパターンである。具体的には、右側流路R2に振り分けられた遊技球が開口部124から流出したときに、可動片53aが突出している場合には、当該可動片53aは、当該遊技球を第2始動口34まで案内し、第2始動口34に入球することを補助する。2つ目のパターンは、スルーゲート35bを通過して流下する遊技球が第2始動口34に入球するのを補助するパターンである。具体的には、スルーゲート35bを通過した遊技球が流下して普通電動役物53まで到達したときに、可動片53aが突出している場合には、当該可動片53aは、当該遊技球を第2始動口34まで案内し、第2始動口34に入球することを補助する。なお、2つ目のパターンの場合には、スルーゲート35bを通過していない遊技球が普通電動役物53に到達したときに可動片53aが突出している場合には、可動片53aは当該遊技球が第2始動口34へ入球するのを補助する。
上記説明したいずれのパターンの場合も、遊技球が可動片53aの上を流通して第2始動口34まで到達するまで普通電動役物53が開放状態を維持していた場合を前提としており、遊技球が可動片53aの上を流通して第2始動口34まで到達するよりも先に普通電動役物53が閉鎖状態となった場合には、上記パターンには該当せず、その場合には、可動片53aの上を流通した遊技球は第2始動口34に入球せずにさらに下流方向へ流下することになる。
図326(b)の状態から所定時間経過後、図326(c)に示すように、開放状態であった普通電動役物53は閉鎖状態となる。すなわち、突出していた可動片53aは遊技盤30内に収納される。本実施形態におけるパチンコ機10は、普通電動役物53の開放パターンを複数種類備えており、普通電動役物53が第2始動口34への遊技球の入球を補助するサポートモードの種類毎に異なる。パチンコ機10が備えるサポートモードは、各々、スルーゲート35aやスルーゲート35bを遊技球が通過したことを契機として実行される電動役物開放抽選の開始から抽選結果が出力されるまでの時間(電動役物開放抽選の変動時間)、電動役物開放抽選の当選確率、普通電動役物53の開放時間が異なる。本実施形態のパチンコ機10が備えるサポートモードの詳細については後述する。以上、振分機構120および普通電動役物53について説明をした。
説明を図324に戻す。遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、第1始動口33aまたは第1始動口33bへの遊技球の入球を契機とした当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、第1始動口33aまたは第1始動口33bへの遊技球の入球を契機とした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行なわせる。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行なわせる。
ここで、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間という。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間といい、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間という。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cと第2保留表示部37dとを備えている。
第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口(第1始動口33aと第1始動口33b)の保留個数を表示する。本実施形態では、第1始動口33aまたは第1始動口33bに入球した遊技球は、当該2つの第1始動口の合計として最大4個まで保留される。
第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。本実施形態では、第2始動口34に入球した遊技球は、最大4個まで保留される。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35aまたはスルーゲート35bを遊技球が通過したことを契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置54に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉54bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了した場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、及びラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、液晶表示装置41を備える。液晶表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。液晶表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、可変表示ユニット40が備える表示装置の構成は、液晶表示装置41に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
液晶表示装置41は、第1始動口33aまたは第1始動口33bへの遊技球の入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、液晶表示装置41は、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。液晶表示装置41は、第1始動口33a、第1始動口33b又は第2始動口34への遊技球の入球を契機とした図柄の変動表示又は所定の表示をすることに限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の演出表示なども行なう。以下、液晶表示装置41の詳細について説明する。
図327は、液晶表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図327(a)は、液晶表示装置41において変動表示される第1液晶用図柄または第2液晶用図柄を示す説明図である。第1液晶用図柄は、液晶表示装置41に表示される画像であって、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄に対応した図柄である。第2液晶用図柄は、液晶表示装置41に表示される画像であって、第2図柄表示部37bに表示される第1の図柄に対応した図柄である。
図327(a)に示すように、液晶表示装置41には、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄として、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図327(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図327(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図327(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、遊技回とは、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報についての当たり抽選の抽選結果を、遊技者に告知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1つの特別情報についての1つの当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
さらに、図327(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留個数が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、上述したように、第1始動口33及び第2始動口34に入賞した遊技球の保留個数は、それぞれ最大4つまでである。
図327(b)は、液晶表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、メイン表示領域MAが表示される。
メイン表示領域MAには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図327(a)に示した液晶用図柄として数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図327(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL1上に停止した状態で表示される。
具体的には、特図始動口51に遊技球が入球すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL1上に形成される。なお、メイン表示領域MAにおける液晶用図柄の態様は、上述の態様に限定されることはない。例えば、メイン表示領域MAにおける図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、液晶用図柄の表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、遊技回とは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを言い、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)又は第2始動口34のいずれかの入球に基づいて取得された特別情報についての当たり抽選の抽選結果を、遊技者に報知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1回の当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)又は第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)又は第2始動口34への遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄として図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
図327(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)への入球に基づく保留遊技回の数に対応した表示がされる。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入球に基づく保留遊技回の数に対応した表示がされる。保留遊技回とは、未実行の遊技回であって、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)または第2始動口34への入球に基づいて取得された特別情報について、当たり抽選の抽選結果を報知するための変動表示が開始されていない遊技回を言う。第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)への入球に基づいて保留可能な保留遊技回の数は4つである。従って、図示するように、第1保留表示領域Ds1には4つの保留遊技回に対応した保留表示(以下、第1保留遊技回表示とも呼ぶ)が表示可能である。また、第2始動口34への入球に基づいて保留可能な保留遊技回の数は4つである。従って、図示するように、第2保留表示領域Ds2には4つの保留遊技回に対応した保留表示(以下、第2保留遊技回表示とも呼ぶ)が表示可能である。
また、図327(b)に示すように、表示面41aには、特図ユニット37の第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第1同期表示部Sync1と、特図ユニット37の第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示および停止表示に同期した点滅表示および点灯表示を行う第2同期表示部Sync2とを備える。具体的には、第1図柄表示部37aが変動表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点滅表示をし、第1図柄表示部37aが停止表示をしている場合には第1同期表示部Sync1は点灯表示をする。また、第2図柄表示部37bが変動表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点滅表示をし、第2図柄表示部37bが停止表示をしている場合には第2同期表示部Sync2は点灯表示をする。
なお、本実施形態においては、表示面41aは、メイン表示領域MA、第1保留表示領域Ds1、第2保留表示領域Ds2、第1同期表示部Sync1、および、第2同期表示部Sync2を表示する構成としたが、表示面41aがこれらの表示の一部または全部を表示しない構成を採用してもよい。
《G2》遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図328は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、主制御基板61の入力側には、一般入賞口32、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)、第2始動口34、スルーゲート35a、スルーゲート35b、可変入賞装置54などの各種の入球口やスルーゲートに設けられた各種検出センサーが接続されている。主制御基板61のMPU62は、これらの検出センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲートを通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて当たり抽選を実行する。
主制御基板61の出力側には、普通電動役物53を開閉動作させる普電役物駆動部53cと、可変入賞装置54の開閉扉54bを開閉動作させる可変入賞駆動部54cと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉54bが開閉されるように、可変入賞駆動部54cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、普通電動役物53が開放されるように普電役物駆動部53cの駆動制御を実行する。さらに、各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入球判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への遊技球の入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)への遊技球の入球を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。さらに、発射制御装置80には、遊技球発射ボタン26が接続されている。遊技者によって遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、第1液晶用図柄や第2液晶用図柄が変動表示をしている間に実行される演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、第1液晶用図柄または第2液晶用図柄が停止表示している時間である停止時間は一定ある。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技回時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図329は、当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、普通電動役物53を開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
また、RAM64には保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。本実施形態では、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜1199)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)または第2始動口34に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。そして、実行エリアAEに移動した大当たり乱数カウンタC1は、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜39の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行なうとともに、当たり抽選の結果が大当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図327(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とを、MPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35aまたはスルーゲート35bに遊技球が入球したタイミングで、当該電動役物開放カウンタC4の値が電動役物用実行エリア64eに移動した後、電動役物用実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて普通電動役物53を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0,1であれば、普通電動役物53を開放状態に制御し、C4=2〜465であれば、普通電動役物53を閉鎖状態に維持する。
なお、取得された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、電動役物開放カウンタC4の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つが本発明における特別情報に相当する。また、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つを保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、大当たり乱数カウンタC1に基づいて当たり抽選を行う際に、当該大当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。また、本実施形態においては、パチンコ機10は、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルと、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで判定処理実行エリア64cに記憶された大当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルとを、それぞれ別のテーブルデータとして記憶している。具体的には、パチンコ機10は、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)の4つの当否テーブルを、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶している。
図330は、第1始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図330(a)は第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図330(b)は第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図330(a)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜3の4個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜3の4個の値以外の値(4〜1199)が外れである。一方、図330(b)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜19の20個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜19の20個の値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
図331は、第2始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図331(a)は第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図331(b)は第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図331(a)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜3の4個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜3の4個の値以外の値(4〜1199)が外れである。一方、図331(b)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜19の20個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜19の20個の値以外の値が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
また、本実施形態では、低確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、当たり抽選の結果、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たりとなる確率が高くなるのであれば、大当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
なお、本実施形態における当否テーブルにおいては採用していないが、当たり抽選の結果として「小当たり」を設けてもよい。
「小当たり」とは、可変入賞装置54の開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機とはなるが、抽選モードおよびサポートモードの両方について、移行契機とならない当否結果である。これに対して、「外れ」は、開閉実行モードの移行契機とはならず、さらに、抽選モードおよびサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の4つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置の開閉扉の開閉回数(ラウンド数)
(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置の開閉制御の態様
(3)開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モード(低確率モード又は高確率モード)
(4)開閉実行モード終了後のサポートモードの態様
上記の(2)開閉実行モードにおける可変入賞装置の開閉制御の態様として、可変入賞装置54の開閉扉54bの開閉パターン(以下、単に「開閉パターン」とも呼ぶ)を複数種類設け、大当たりの種類毎に1種類の開閉パターンが対応して設定されてもよい。本実施形態においては、大当たりの種類毎に1種類の開閉パターンが対応して設定されており、開閉パターン毎に、開閉扉54bの開閉の態様が異なる。本実施形態における開閉扉54bの開閉パターンについては後述する。
その他、開閉実行モードにおける可変入賞装置の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置54への遊技球の入球(入賞)の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉54bの1回の開放は5秒が経過するまで又は開閉扉54bへの遊技球の入球個数が7個となるまで継続するように設定することができる。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードにおける開閉扉54bの1回の開放が1.6秒が経過するまで又は開閉扉54bへの入球個数が7個となるまで継続するよう設定することができる。
開閉扉54bの1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置への入球の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉54bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置54への入賞が発生しない構成としてもよい。なお、本実施形態においては、低頻度入賞モードは設けておらず、全ての大当たりにおいて高頻度入賞モードが設定される。
本実施形態では、当たり抽選の結果、大当たりとなった場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図332は、振分テーブルの内容を示す説明図である。図332(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図332(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。第1始動口用の振分テーブルは、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)への遊技球の入球に基づく当たり抽選の際に参照され、第2始動口用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく当たり抽選の際に参照される。
図332(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、第1始動口用の振分テーブルには、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、16R確変大当たりB、8R確変大当たりA、8R通常大当たりAが設定されている。本実施形態においては、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜4」が16R確変大当たりBに対応し、「5〜19」が8R確変大当たりAに対応し、「20〜39」が8R通常大当たりAに対応するように設定されている。
16R確変大当たりBは、開閉実行モードにおける可変入賞装置54の開放回数が16回(16ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置54の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、16R確変大当たりBは、開閉実行モードが終了した後の抽選モードが高確率モードとなり、サポートモードが高頻度サポートモードBとなり、次回に大当たりに当選するまで当該高頻度サポートモードBは継続する。なお、パチンコ機10において実行するサポートモードの詳細については後で説明する。
8R確変大当たりAは、開閉実行モードにおける可変入賞装置54の開放回数が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置54の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、8R確変大当たりAは、開閉実行モードが終了した後の抽選モードが高確率モードとなり、サポートモードが高頻度サポートモードAとなり、次回に大当たりに当選するまで当該高頻度サポートモードAは継続する。
8R通常大当たりAは、開閉実行モードにおける可変入賞装置54の開放回数が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置54の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、8R通常大当たりAは、開閉実行モードが終了した後の抽選モードが高確率モードとなり、サポートモードが高頻度サポートモードAとなり、高頻度サポートモードAが開始されてから遊技回が100回終了するまで当該高頻度サポートモードAは実行され、遊技回が100回終了すると、サポートモードは高頻度サポートモードAから低頻度サポートモードに移行する。
図332(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、第2始動口用の振分テーブルには、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、16R確変大当たりB、8R確変大当たりB、8R通常大当たりBが設定されている。本実施形態においては、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が16R確変大当たりBに対応し、「10〜19」が8R確変大当たりBに対応し、「20〜39」が8R通常大当たりBに対応するように設定されている。
16R確変大当たりBについては、図332の第1始動口用の振分テーブルにおいて説明したので、ここでの説明は省略する。
8R確変大当たりBは、開閉実行モードにおける可変入賞装置54の開放回数が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置54の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、8R確変大当たりBは、開閉実行モードが終了した後の抽選モードが高確率モードとなり、サポートモードが高頻度サポートモードBとなり、次回に大当たりに当選するまで当該高頻度サポートモードBは継続する。
8R通常大当たりBは、開閉実行モードにおける可変入賞装置54の開放回数が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおける可変入賞装置54の開閉制御の態様が高頻度入賞モードである。また、8R通常大当たりBは、開閉実行モードが終了した後の抽選モードが低確率モードとなり、サポートモードが高頻度サポートモードBとなり、高頻度サポートモードBが開始されてから遊技回が100回終了するまで当該高頻度サポートモードBは実行され、遊技回が100回終了すると、サポートモードは高頻度サポートモードBから低頻度サポートモードに移行する。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりとなった場合の大当たり種別の振分態様は、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行なうとともに、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、電役開放抽選およびサポートモードについて説明する。
図333は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図333(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図333(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0、1の2個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として2〜465の464個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35(スルーゲート35a、スルーゲート35b)を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、1/233の確率で電役開放当選となる。電役開放抽選に当選すると、普通電動役物53の開閉動作が実行される。低頻度サポートモードの実行時における普通電動役物53の開閉動作の態様については後述する。
図333(b)は、高頻度サポートモード時(高頻度サポートモードA、高頻度サポートモードB)に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図333(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0〜461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462〜465の4個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35(スルーゲート35a、スルーゲート35b)を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役開放当選となる。電役開放抽選に当選すると、普通電動役物53の開閉動作が実行される。高頻度サポートモードAおよび高頻度サポートモードBの実行時における普通電動役物53の開閉動作の態様については後述する。
上記説明したように、電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモード(高頻度サポートモードA、高頻度サポートモードB)の方が低頻度サポートモードよりも電役開放抽選に当選しやすくなるように設定されている。
次に、パチンコ機10が実行可能なサポートモードの詳細について説明をする。
図334は、パチンコ機10が実行可能なサポートモードの種類について説明をする説明図である。図示するように、パチンコ機10は、低頻度サポートモード、高頻度サポートモードA、高頻度サポートモードBの3種類のサポートモードを実行可能である。
[低頻度サポートモード]
図334に示すように、低頻度サポートモードは、電役開放抽選の当選確率が1/233であり、電役開放抽選における図柄(普通図柄)の変動時間が10秒である。すなわち、電役開放抽選が開始されるとともに普通図柄が変動を開始し、抽選結果を報知するために普通図柄が停止表示となるまでの時間が10秒である。また、電役開放抽選に当選した場合に変動時間が終了した時点から、可動片53aが突出を開始して遊技球が上面を流通可能な状態になるまでの時間は0.1秒である。電役開放抽選に当選した場合の普通電動役物53の開放時間(可動片53aが遊技盤30から突出した状態を維持している時間)は3秒である。ただし、普通電動役物53の開放中に遊技球が第2始動口34に1個入球したら普通電動役物53は閉鎖する。
低頻度サポートモードは、左打ちをして振分機構120の開口部122に入球させるように遊技球を流通させた場合に遊技者の利益が最大になる。
図335は、低頻度サポートモードの実行時に遊技球が流通する態様を説明する説明図である。なお、図335において普通電動役物53は破線で表した場合には閉鎖状態を示し、実線で表した場合には開放状態を示す。
遊技者が左打ちをして振分機構120の開口部122に入球させるように遊技球を流通させた場合、開口部122に入球した遊技球は振分用回動部125によって左側流路R1と右側流路R2とに交互に振り分けられる。図335(a)に示したように、左側流路R1に振り分けられた遊技球は、開口部123から流出し、第1始動口33aに入球する。図335(b)に示したように、右側流路R2に振り分けられた遊技球は、スルーゲート35aを通過した後、開口部124から流出する。低頻度サポートモードにおいては、遊技球がスルーゲート35aを通過したことを契機として実行された電役開放抽選において当選する確率は低く(当選確率:1/233)、普通電動役物53が開放状態となる確率は低い。そのため、開口部124から遊技球が流出した時点において普通電動役物53は閉鎖している確率が高く、開口部124から流出した遊技球は、第1始動口33bに入球する。すなわち、低頻度サポートモードにおいては、振分機構120に入球した遊技球は、ほとんどの場合、第1始動口33aと第1始動口33bとに入球し、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)への遊技球の入球を契機とする遊技回が実行される。また、低頻度サポートモードにおいては、遊技球がスルーゲート35aを通過したことを契機として実行された電役開放抽選において当選した場合であっても、電役開放抽選の変動時間が10秒であり、かつ、遊技球がスルーゲート35bを通過してから普通電動役物53に到達するまでの時間は約0.3秒であるので、当該当選の契機となったスルーゲート35aを通過した遊技球が、当該当選によって開放状態となった普通電動役物53の補助によって第2始動口34に入球することはない。なお、普通電動役物53が開放状態であるタイミングで当該普通電動役物53に到達した遊技球が、普通電動役物53の補助によって第2始動口34に入球することはある。
また、仮に、低頻度サポートモードにおいて、右打ちをしてスルーゲート35bに遊技球を通過させるように遊技球を通過させた場合、遊技球がスルーゲート35bを通過したことを契機として実行された電役開放抽選において当選する確率は低く(当選確率:1/233)、普通電動役物53が開放状態となる確率は低い。よって、スルーゲート35bを通過した遊技球が第1始動口33a、第1始動口33b、第2始動口34に入球する可能性は低く、スルーゲート35bを通過した遊技球はそのまま流下してアウト口43に入球する。仮に、低頻度サポートモードにおいて、右打ちをしてスルーゲート35bに遊技球を通過させるように遊技球を通過させ、遊技球がスルーゲート35bを通過したことを契機として実行された電役開放抽選において当選した場合であっても、低頻度サポートモードにおける普通電動役物53の開放時間は3秒であり、また、スルーゲート35bを通過して普通電動役物53に到達した遊技球が第2始動口34に到達するまでに必要な時間は約5.0秒であるので、可動片53aの上面を流通している遊技球が第2始動口34に到達する前に普通電動役物53が閉鎖し、当該電役開放抽選に当選する契機となった遊技球が第2始動口34に入球することはない。
[高頻度サポートモードA]
図334に示すように、高頻度サポートモードAは、電役開放抽選の当選確率が231/233であり、電役開放抽選における図柄(普通図柄)の変動時間が0.05秒である。すなわち、電役開放抽選が開始されるとともに普通図柄が変動を開始し、抽選結果を報知するために普通図柄が停止表示となるまでの時間が0.05秒である。また、上述したように、電役開放抽選に当選した場合に変動時間が終了した時点から、可動片53aが突出を開始して遊技球が上面を流通可能な状態になるまでの時間は0.1秒である。電役開放抽選に当選した場合の普通電動役物53の開放時間は3秒である。ただし、普通電動役物53の開放中に遊技球が第2始動口34に1個入球したら普通電動役物53は閉鎖する。
高頻度サポートモードAは、左打ちをして振分機構120の開口部122に入球させるように遊技球を流通させた場合に遊技者の利益が最大になる。
図336は、高頻度サポートモードAの実行時に遊技球が流通する態様を説明する説明図である。なお、図336において普通電動役物53は破線で表した場合には閉鎖状態を示し、実線で表した場合には開放状態を示す。
遊技者が左打ちをして振分機構120(開口部122)に入球させるように遊技球を流通させた場合、開口部122に入球した遊技球は振分用回動部125によって左側流路R1と右側流路R2とに交互に振り分けられる。図336(a)に示したように、左側流路R1に振り分けられた遊技球は、開口部123から流出し、第1始動口33aに入球する。図336(b)に示したように、右側流路R2に振り分けられた遊技球は、スルーゲート35aを通過した後、開口部124から流出する。高頻度サポートモードAにおいては、遊技球がスルーゲート35aを通過したことを契機として実行された電役開放抽選において当選する確率は高く(当選確率:231/233)、普通電動役物53が開放状態となる確率は高い。また、本実施形態においては、遊技球がスルーゲート35aを通過して電役開放抽選に当選した場合に、開口部124から遊技球が流出した時点において普通電動役物53が開放状態となるようにするために、高頻度サポートモードAにおける電役開放抽選の変動時間は0.05秒に設定されている。また、電役開放抽選に当選した場合に変動時間が終了した時点から、可動片53aが突出を開始して遊技球が上面を流通可能な状態になるまでの時間は0.1秒である。本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球がスルーゲート35aを通過してから普通電動役物53に到達するまでの時間の平均値は、0.3秒である。すなわち、遊技球がスルーゲート35aを通過してから普通電動役物53に到達するまでの時間(0.3秒)より、遊技球がスルーゲート35aを通過したことを契機として実行される電役開放抽選の変動時間(0.05秒)と電役開放抽選に当選した場合に変動時間が終了した時点から、可動片53aが突出を開始して遊技球が上面を流通可能な状態になるまでの時間(0.1秒)の和の値(0.15秒)の方が短いため電役開放抽選に当選した場合には、開口部124から遊技球が流出した時点において普通電動役物53は開放しており、開口部124から流出した遊技球は普通電動役物53の可動片53aの上面を流通する。
また、本実施形態においては、開口部124から流出した遊技球が可動片53aの上面を流通し第2始動口34に到達することを可能とするために、高頻度サポートモードAにおける普通電動役物53の開放時間は3.0秒に設定されている。本実施形態のパチンコ機10においては、開口部124から流出し可動片53aに到達した遊技球が、当該可動片53aの上面を流通し第2始動口34に到達するまでの時間の平均値は2.0秒である。従って、開口部124から流出した遊技球は、可動片53aの上面を流通し第2始動口34に入球する。このように、高頻度サポートモードAにおいては、低頻度サポートモードと比較して、遊技球が右側流路R2に振り分けられた場合に、当該遊技球は普通電動役物53の補助によって第2始動口34に入球する確率が高い。なお、高頻度サポートモードAは、普通電動役物53の開放時間は3秒であるが、第2始動口34に遊技球が1個入球したら閉鎖するため、右側流路R2に振り分けられた遊技球が普通電動役物53が閉鎖した直後に当該普通電動役物53に到達した場合には、開口部124から流出した遊技球は第1始動口33bに入球する。また、第2始動口34に1個の遊技球が入球した時に他の遊技球が可動片53aの上面を流通している場合には、当該遊技球は普通電動役物53が閉鎖することによって第2始動口34には入球せず、さらに下流方向へ流下する。従って、高頻度サポートモードAにおいて、右側流路R2に振り分けられた遊技球の全てが第2始動口34に入球するとは限らない。また、本実施形態におけるパチンコ機10は、高頻度サポートモードAの場合に遊技者が右打ちをしてスルーゲート35bを通過させるように遊技球を流通させた場合に、スルーゲート35bを通過して普通電動役物53に到達した遊技球が第2始動口34に入球しないように構成されている。具体的には、本実施形態のパチンコ機10においては、スルーゲート35bを通過して普通電動役物53に到達した遊技球が、当該可動片53aの上面を流通し第2始動口34に到達するまでの時間の平均値は5.0秒である。一方、上述したように、高頻度サポートモードAにおける普通電動役物53の開放時間は3.0秒に設定されている。従って、仮にスルーゲート35bを通過した遊技球が開放中の普通電動役物53に到達したとしても、可動片53aの上面を流通している途中で普通電動役物53が閉鎖するため、当該遊技球は第2始動口34に到達する前に普通電動役物53から放出されさらに下方に流下することとなるため、第2始動口34には入球しない。よって、高頻度サポートモードAの場合には、振分機構120の開口部122に入球させる遊技球の流通態様が、遊技者の利益が最大となる遊技球の流通態様となる。
[高頻度サポートモードB]
図334に示すように、高頻度サポートモードBは、電役開放抽選の当選確率が231/233であり、電役開放抽選における図柄(普通図柄)の変動時間が0.05秒である。すなわち、電役開放抽選が開始されるとともに普通図柄が変動を開始し、抽選結果を報知するために普通図柄が停止表示となるまでの時間が0.05秒である。また、上述のように、電役開放抽選に当選した場合に変動時間が終了した時点から、可動片53aが突出を開始して遊技球が上面を流通可能な状態になるまでの時間は0.1秒である。電役開放抽選に当選した場合の普通電動役物53の開放時間は6秒である。ただし、普通電動役物53の開放中に遊技球が第2始動口34に1個入球したら普通電動役物53は閉鎖する。
高頻度サポートモードBは、右打ちをしてスルーゲート35bを通過させるように遊技球を流通させた場合に遊技者の利益が最大になる。
図337は、高頻度サポートモードBの実行時に遊技球が流通する態様を説明する説明図である。なお、図337において普通電動役物53は破線で表した場合には閉鎖状態を示し、実線で表した場合には開放状態を示す。
遊技者が右打ちをしてスルーゲート35bを通過させるように遊技球を流通させた場合、遊技球がスルーゲート35bを通過したことを契機として電役開放抽選が実行される。高頻度サポートモードBにおいては、遊技球がスルーゲート35bを通過したことを契機として実行された電役開放抽選において当選する確率は高く(当選確率:231/233)、普通電動役物53が開放状態となる確率は高い。また、本実施形態においては、遊技球がスルーゲート35bを通過して電役開放抽選に当選した場合に、スルーゲート35bを通過した遊技球が普通電動役物53に到達した時点において当該普通電動役物53が開放状態となるようにするために、高頻度サポートモードBにおける電役開放抽選の変動時間は0.05秒に設定されている。また、電役開放抽選に当選した場合に変動時間が終了した時点から、可動片53aが突出を開始して遊技球が上面を流通可能な状態になるまでの時間は0.1秒である。本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球がスルーゲート35bを通過してから普通電動役物53に到達するまでの時間の平均値は、0.3秒である。すなわち、遊技球がスルーゲート35bを通過してから普通電動役物53に到達するまでの時間(0.3秒)より、遊技球がスルーゲート35bを通過したことを契機として実行される電役開放抽選の変動時間(0.05秒)と電役開放抽選に当選した場合に変動時間が終了した時点から、可動片53aが突出を開始して遊技球が上面を流通可能な状態になるまでの時間(0.1秒)の和の値(0.15秒)の方が短いため電役開放抽選に当選した場合には、スルーゲート35bを通過した遊技球が普通電動役物53に到達した時点において当該普通電動役物53は開放しており、普通電動役物53に到達した遊技球は普通電動役物53の可動片53aの上面を流通する。
また、本実施形態においては、スルーゲート35bを通過して普通電動役物53に到達した遊技球が可動片53aの上面を流通し第2始動口34に到達することを可能とするために、高頻度サポートモードBにおける普通電動役物53の開放時間は6.0秒に設定されている。本実施形態のパチンコ機10においては、スルーゲート35bを通過して普通電動役物53に到達した遊技球が、当該可動片53aの上面を流通し第2始動口34に到達するまでの時間の平均値は5.0秒である。従って、開口部124から流出した遊技球は、可動片53aの上面を流通し第2始動口34に入球する。なお、高頻度サポートモードBは、普通電動役物53の開放時間は6.0秒であるが、第2始動口34に遊技球が1個入球したら閉鎖するため、スルーゲート35bを通過した遊技球が普通電動役物53が閉鎖した直後に当該普通電動役物53に到達した場合には、当該遊技球はそのまま流下する。すなわち、当該遊技球が第2始動口34に入球することはない。また、第2始動口34に1個の遊技球が入球した時に他の遊技球が可動片53aの上面を流通している場合には、当該遊技球は普通電動役物53が閉鎖することによって第2始動口34には入球せず、さらに下流方向へ流下する。従って、高頻度サポートモードBにおいて、スルーゲート35bを通過した遊技球の全てが第2始動口34に入球するとは限らない。
このように、高頻度サポートBにおいては、遊技者が右打ちをした場合、高い確率で第2始動口34にのみ遊技球を入球させることができる。図332の第1始動口用の振分テーブルおよび第2始動口用の振分テーブルで示したように、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選において大当たりに当選した場合に付与される特典の期待値よりも、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選において大当たりに当選した場合に付与される特典の期待値の方が高い。仮に、高頻度サポートモードBにおいて、仮に左打ちをして振分機構120の開口部122に入球させるように遊技球を流通させた場合には、第1始動口33と第2始動口34とに交互に遊技球が入球するため、右打ちをして高い確率で第2始動口34にのみ遊技球を入球させた場合よりも、大当たりに当選した場合に付与される特典の期待値は低くなる。よって、高頻度サポートモードBの場合には、右打ちをしてスルーゲート35bを通過させる遊技球の流通態様が、遊技者の利益が最大となる遊技球の流通態様となる。
以上説明したように、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技者の利益が最大となるように遊技球を流通させた場合に、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)のみに遊技球が入球する状態(低頻度サポートモードの状態)、第1始動口33と第2始動口34とに交互に遊技球が入球する状態(高頻度サポートモードAの状態)、第2始動口34のみに遊技球が入球する状態(高頻度サポートモードBの状態)の、3つの状態を作り出すことができる。
《G3》遊技の流れ
次に、本実施形態のパチンコ機10における遊技の流れについて説明する。
図338は、パチンコ機10における遊技の流れを示す説明図である。
ステップF101に示すように、遊技者が遊技を開始した時点においては、パチンコ機10における抽選モードは低確率モードで、サポートモードは低頻度サポートモードである。このとき、パチンコ機10は、遊技者に対して、左打ちをして振分機構120(開口部122)に遊技球を入球させるように促す演出を実行する。
上述のように、低頻度サポートモードの状態においては、振分機構120に入球した遊技球は、ほとんどの場合、第1始動口33aと第1始動口33bとに入球し、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)への遊技球の入球を契機とする遊技回が実行される。ステップF101の状態は、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)への遊技球の入球を契機とする遊技回において大当たりに当選するまで実行される(F102:NO)。
ステップF101の状態で、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)への遊技球の入球を契機とする遊技回において大当たりに当選すると(F102:YES)、大当たりの種別に応じたラウンド遊技が実行される(F103)。例えば、大当たり種別が16R確変大当たりBの場合であれば、可変入賞装置54が開閉動作を実行し16ラウンド分のラウンド遊技が実行され、8R確変大当たりAおよび8R通常大当たりAの場合であれば、可変入賞装置54が開閉動作を実行し8ラウンド分のラウンド遊技が実行される。
ラウンド遊技の終了後は、先ほど当選した大当たりの大当たり種別毎に、異なる遊技の状態へと移行する。大当たり種別が大当たりBである場合には(F104:YES)、ステップF111に進む。すなわち、ラウンド遊技の終了後に高頻度サポートモードBの状態に移行する大当たり種別の場合には、ステップF111に進む。
ステップF104において、大当たり種別が大当たりBではない場合(F104:NO)、ステップF105に進む。すなわち、ラウンド遊技の終了後に高頻度サポートモードAの状態に移行する大当たり種別の場合であり、具体的には、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)への遊技球の入球を契機として実行された遊技回において8R確変大当たりA、8R通常大当たりAに当選した場合に、ステップF105に進む。
ステップF105において、当該大当たり種別が確変大当たりである場合には(F105:YES)、ステップF109に進み、確変大当たりではない場合すなわち通常大当たり(例えば、8R通常大当たりA)の場合には(F105:NO)、ステップF106に進む。
ステップF106では、ラウンド遊技(F103)の終了後に、抽選モードは低確率モードで、サポートモードは高頻度サポートモードAとなる。また、パチンコ機10は、遊技者に対して、左打ちをして振分機構120(開口部122)に遊技球を入球させるように促す演出を実行する。
上述のように、高頻度サポートモードAの状態においては、振分機構120に入球した遊技球は、第1始動口33(第1始動口33a)と、第2始動口34とに交互に入球する。パチンコ機10においては、各始動口に遊技球が入球した順に、当該遊技球の入球を契機とする遊技回が実行される。従って、遊技球が第1始動口33(第1始動口33a)と、第2始動口34とに交互に入球する状態においては、第1始動口33への遊技球の入球を契機とする遊技回と、第2始動口34への遊技球の入球を契機とする遊技回とが交互に実行される。
ステップF106の状態における高頻度サポートモードAは、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)または第2始動口34への遊技球の入球を契機とする遊技回が100回実行されるまで継続し(F107:N0→F108:NO)、遊技回が100回実行されるまでに大当たりに当選しなかった場合には(F107:NO→F108:YES)、ステップF101に示した状態に戻る。すなわち、低確率モードかつ低頻度サポートモードの状態に戻る。
一方、ステップF106の状態において、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)または第2始動口34への遊技球の入球を契機とする遊技回が100回実行されるまでに大当たりに当選した場合には(F107:YES)、ステップF103に進み、大当たりの種別に応じたラウンド遊技が実行される。
ステップF105において、大当たり種別が確変大当たりである場合には(F105:YES)、ステップF109に進む。
ステップF109では、ラウンド遊技(F103)の終了後に、抽選モードは高確率モードで、サポートモードは高頻度サポートモードAとなる。また、パチンコ機10は、遊技者に対して、左打ちをして振分機構120(開口部122)に遊技球を入球させるように促す演出を実行する。
ステップF109の状態は、高頻度サポートモードAである。上述のように、高頻度サポートモードAの状態においては、振分機構120に入球した遊技球は、第1始動口33(第1始動口33a)と、第2始動口34とに交互に入球する。パチンコ機10においては、各始動口に遊技球が入球した順に、当該遊技球の入球を契機とする遊技回が実行される。従って、遊技球が第1始動口33(第1始動口33a)と、第2始動口34とに交互に入球する状態においては、第1始動口33への遊技球の入球を契機とする遊技回と、第2始動口34への遊技球の入球を契機とする遊技回とが交互に実行される。
ステップF109の状態は高確率モードであるため、高頻度サポートモードAの状態は、実行される遊技回において大当たりに当選するまで継続する(F110:NO)。
ステップF109の状態において、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)または第2始動口34への遊技球の入球を契機とする遊技回において大当たりに当選した場合には(F110:YES)、ステップF103に進み、大当たりの種別に応じたラウンド遊技が実行される。
ステップF104において、大当たり種別が大当たりBである場合には(F104:YES)、ステップF111に進む。具体的には、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)への遊技球の入球を契機として実行された遊技回において16R確変大当たりBに当選した場合や、第2始動口34への遊技球の入球を契機として実行された遊技回において16R確変大当たりB、8R確変大当たりB、8R通常大当たりBに当選した場合に、ステップF111に進む。
ステップF111において、当該大当たり種別が確変大当たりBである場合には(F111:YES)、ステップF112に進む。
ステップF112では、ラウンド遊技(F103)の終了後に、抽選モードは高確率モードで、サポートモードは高頻度サポートモードBとなる。また、パチンコ機10は、遊技者に対して、右打ちをして振分機構120(開口部122)に遊技球を入球させるように促す演出を実行する。
高頻度サポートモードBの状態においては、スルーゲート35bを通過した遊技球は、普通電動役物53に補助されて第2始動口34に入球する。従って、第2始動口34への遊技球の入球を契機とする遊技回が実行される。
ステップF112は高確率モードであるため、高頻度サポートモードBの状態は、実行される遊技回において大当たりに当選するまで継続する(F113:NO)。
ステップF112の状態において、第2始動口34への遊技球の入球を契機とする遊技回において大当たりに当選した場合には(F113:YES)、ステップF103に進み、大当たりの種別に応じたラウンド遊技が実行される。
ステップF111において、当該大当たり種別が確変大当たりBではない場合には(F111:NO)、ステップF114に進む。
ステップF114では、ラウンド遊技(F103)の終了後に、抽選モードは低確率モードで、サポートモードは高頻度サポートモードBとなる。また、パチンコ機10は、遊技者に対して、左打ちをして振分機構120(開口部122)に遊技球を入球させるように促す演出を実行する。
上述のように、高頻度サポートモードBの状態においては、スルーゲート35bを通過した遊技球は、普通電動役物53に補助されて第2始動口34に入球する。従って、第2始動口34への遊技球の入球を契機とする遊技回が実行される。
ステップF114の状態における高頻度サポートモードBは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とする遊技回が100回実行されるまで継続し(F115:N0→F116:NO)、遊技回が100回実行されるまでに大当たりに当選しなかった場合には(F115:NO→F116:YES)、ステップF101に示した状態に戻る。すなわち、低確率モードかつ低頻度サポートモードの状態に戻る。
一方、ステップF114の状態において、第2始動口34への遊技球の入球を契機とする遊技回が100回実行されるまでに大当たりに当選した場合には(F115:YES)、ステップF103に進み、大当たりの種別に応じたラウンド遊技が実行される。
以上、パチンコ機10における遊技の流れについて説明をした。遊技の流れにおいて説明したように、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技者の利益が最大となるように遊技球を流通させた場合に、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)のみに遊技球が入球する状態(低頻度サポートモードの状態)、第1始動口33と第2始動口34とに交互に遊技球が入球する状態(高頻度サポートモードAの状態)、第2始動口34のみに遊技球が入球する状態(高頻度サポートモードBの状態)の3つの状態の間を移行しながら遊技が進行する。
ここで、本実施形態のパチンコ機10の特徴および当該特徴が奏する効果を、従来のパチンコ機との比較によって説明する。先に、第1始動口への遊技球の入球を契機として実行された当たり抽選において当たり当選(大当たり当選、および、小当たり当選が設定されている場合には小当たり当選も含む)した場合に付与される特典(例えば払い出される賞球数)の期待値を第1特典期待値とし、第2始動口への遊技球の入球を契機として実行された当たり抽選において当たり当選(大当たり当選、および、小当たり当選が設定されている場合には小当たり当選も含む)した場合に付与される特典(例えば払い出される賞球数)の期待値を第2特典期待値とする。また、通常時に当たりに当選した場合に付与される特典の期待値を通常時特典期待値とし、高頻度サポートモード時に当たりに当選した場合に付与される特典の期待値を高サポ時特典期待値とする。
従来から、第1始動口と第2始動口とに遊技球を振り分ける振分機構を備えるパチンコ機(以下、「従来パチンコ機」とも呼ぶ)は存在する。従来パチンコ機は、遊技を開始した当初の通常状態(例えば、低確率モードかつ低頻度サポートモード)においては、振分機構に到達するように遊技球を流通させて第1始動口と第2始動口とに交互に遊技球を入球させる。そして、高頻度サポートモードに移行した場合には、補助手段(普通電動役物)が高頻度に動作することにより、振分手段を介さずに高い確率で第2始動口に遊技球を入球させる。
従来パチンコ機において、高サポ時特典期待値を通常時特典期待値よりも高く、かつ、その差を大きくしようとした場合には、高サポ時特典期待値を大きくするために必然的に第2特典期待値を大きくする必要があるが、第2特典期待値を大きくすると、通常時特典期待値も高くなってしまう(通常状態においては第1始動口と第2始動口とに遊技球が入球して当たり抽選が実行されるため)。また、第1特典期待値を小さくしても、通常時特典期待値は、第1特典期待値と第2特典期待値との平均であるので、第1特典期待値を小さくすることによる効果は小さくなってしまう。
さらに、単位時間当たりに付与可能な特典の大きさに規制が設けられている場合、通常時特典期待値が比較的大きいと、当該規制の範囲内に調整するために、高サポ時特典期待値を小さくする必要がある。すなわち、従来パチンコ機においては、通常時特典期待値と高サポ時特典期待値との間に大きな差を設定することが困難である。換言すれば、開閉実行モードを除いた遊技状態のうち、通常の遊技状態と最も良い遊技状態との間で、遊技者が得られる利益に大きな振り幅を設けることができない。結果として、通常状態(通常の遊技状態、最も特典期待値の小さい状態)から高頻度サポートモード(最も良い遊技状態、最も特典期待値の大きい状態)に移行した場合における遊技者の期待感を大きく惹起させることができない。
一方、本実施形態におけるパチンコ機10は、通常状態においては、振分機構120に到達するように遊技球を流通させるが、高い確率で第1始動口33aにのみ遊技球が入球するので、第1特典期待値を低く設定することによって、通常時特典期待値を低くすることができる。さらに、高頻度サポートモードBの場合には、遊技者が右打ちをすることによって、高い確率で第2始動口34にのみ遊技球が入球するので、第2特典期待値を高く設定することによって、高頻度サポートBにおける高サポ時特典期待値を高くすることができる。すなわち、開閉実行モードを除いた遊技状態のうち、通常の遊技状態と最も良い遊技状態との間で、遊技者が得られる利益に大きな振り幅を設けることができる。さらに、高頻度サポートモードAの場合には、振分機構120に到達するように遊技球を流通させ、第1始動口33aと第2始動口34とに遊技球を交互に入球させるので、高サポ時特典期待値(高頻度サポートモードA時)は、通常時特典期待値と高サポ時特典期待値(高頻度サポートモードB時)との中間的な値となり、通常状態→高頻度サポートモードA→高頻度サポートモードBといった遊技の流れで遊技が進行した場合、付与される特典期待値の値が段階的に大きくなりつつ、かつ、開閉実行モードを除いた遊技状態のうち、通常の遊技状態と最も良い遊技状態との間で、遊技者が得られる利益に大きな振り幅を設けることができる。
さらに、単位時間当たりに付与可能な特典の大きさに規制が設けられている場合には、第1特典期待値を低く設定することによって、全体として単位時間当たりに付与可能な特典の大きさを調整することが可能であり、第1特典期待値と第2特典期待値との差を大きくした状態を維持することが可能となる。すなわち、開閉実行モードを除いた遊技状態のうち、通常の遊技状態と最も良い遊技状態との間での遊技者が得られる利益の差に大きな振り幅を確保しつつ、単位時間当たりに付与可能な特典の大きさを規制の範囲内に調整することが容易となる。
なお、本実施形態のパチンコ機10の特徴および当該特徴が奏する効果を、第1始動口と第2始動口とに遊技球を振り分ける振分機構を備えるパチンコ機(従来パチンコ機)との比較によって説明したが、当該効果は、上記に例示した従来パチンコ機に対してのみ効果を奏するものではなく、異なる種類の抽選が実行される契機となる2つ以上の入球部を備えるパチンコ機に対してその効果を奏する。
《G4》主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において実行される具体的な処理の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<タイマ割込み処理>
図339は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップSg0101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサの状態を読み込み、当該センサの状態を判定して検出情報(入球検知情報)を保存する。その後、ステップSg0102に進む。
ステップSg0102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップSg0103に進む。
ステップSg0103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップSg0104に進む。なお、変動種別カウンタCSは、後述する通常処理(図345)において、その値を更新する。
ステップSg0104では、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)及び第2始動口34への入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。ステップSg0104の始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSg0104を実行した後、ステップSg0105に進む。
ステップSg0105では、スルーゲート35(スルーゲート35a、スルーゲート35b)への入球に伴うスルー用の入球処理を実行する。ステップSg0105におけるスルー用の入球処理の詳細については後述する。ステップSg0105を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図339:Sg0104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図340は、始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSg0201では、遊技球が第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)に入球(始動入賞)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップSg0201において、遊技球が第1始動口33に入球したと判定した場合には(Sg0201:YES)、ステップSg0202に進み、払出制御装置70に遊技球を1個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSg0203に進む。
ステップSg0203では、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップSg0204に進む。
ステップSg0204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップSg0209に進む。
ステップSg0201において、遊技球が第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)に入球していないと判定した場合には(Sg0201:NO)、ステップSg0205に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。
ステップSg0205において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(Sg0205:YES)、ステップSg0206に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSg0207に進む。一方、ステップSg0205において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(Sg0205:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップSg0207では、第2始動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップSg0208に進む。
ステップSg0208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに記憶された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入賞に基づく保留個数を示す。その後、ステップSg0209に進む。
ステップSg0209では、上述したステップSg0204又はステップSg0208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップSg0209において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(Sg0209:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップSg0209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(Sg0209:YES)、ステップSg0210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップSg0211に進み、合計保留個数記憶エリアに記憶された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップSg0212に進む。
ステップSg0212では、ステップSg0103(図339)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および、通常処理(図345)において更新している変動種別カウンタCSの各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSg0210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに記憶する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSg0103(図339)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSg0210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに記憶する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSg0103(図339)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSg0210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに記憶する。ステップSg0212を実行した後、ステップSg0213に進む。
ステップSg0213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて、当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無、遊技回の変動時間などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップSg0213を実行した後、ステップSg0214に進む。
ステップSg0214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果(先判定情報)を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)又は第2始動口34への入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果(先判定情報)を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図345:ステップSg0703)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主側MPU62は、ステップSg0214を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入球処理のサブルーチン(図340:Sg0213)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図341は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定、遊技回の変動時間の判定などを、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップSg0301では、大当たり・リーチ情報取得処理を実行する。当該処理は、当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定を行う処理である。大当たり・リーチ情報取得処理の詳細については後述する。ステップSg0301を実行した後、ステップSg0302に進む。
ステップSg0302では、変動時間情報取得処理を実行する。当該処理は、遊技回の変動時間の判定を行う処理である。変動時間情報取得処理の詳細については後述する。
ステップSg0302を実行した後、本先判定処理を終了する。
<大当たり・リーチ情報取得処理>
次に、大当たり・リーチ情報取得処理について説明する。大当たり・リーチ情報取得処理は、先判定処理のサブルーチン(図341:Sg0301)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図342は、大当たり・リーチ情報取得処理を示すフローチャートである。ステップSg0401では、始動口用の入球処理(図340)における始動口への入球によって記憶エリアに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップSg0402に進み、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入球よりも前の入球によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入球による当たり抽選よりも前に発生する確変大当たりの有無を判定することによって、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップSg0402において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(Sg0402:YES)、ステップSg0403に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップSg0405に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップSg0402において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(Sg0402:NO)、ステップSg0404に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。その後、ステップSg0405に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップSg0405において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(Sg0405:YES)、ステップSg0406に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに記憶された大当たり種別カウンタC2の値を読み出す。その後、ステップSg0407に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、今回の振り分け対象となった大当たり種別カウンタC2が第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)への入球に基づいて取得されたものである場合には、第1始動口用振分テーブルを参照し、第2始動口34への入球に基づいて取得されたものである場合には、第2始動口用振分テーブルを参照する。ステップSg0407を実行した後、ステップSg0408に進む。
ステップSg0408では、振分テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり種別カウンタC2の値が、確変大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップSg0408において、確変大当たりに対応していると判定した場合には(Sg0408:YES)、ステップSg0409に進み、先判定処理結果記憶エリア64fに確変大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップSg0408において、確変大当たりに対応していないと判定した場合には(Sg0408:NO)、ステップSg0410に進み、先判定処理結果記憶エリア64hに通常大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。
ステップSg0405において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(Sg0405:NO)、ステップSg0411に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値を読み出す。その後、ステップSg0412に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップSg0413に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回読み出したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップSg0413において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(Sg0413:YES)、ステップSg0414に進み、先判定処理結果記憶エリア64hにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップSg0413において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(Sg0413:NO)、そのまま先判定処理を終了する。
<変動時間情報取得処理>
次に、変動時間情報取得処理について説明する。変動時間情報取得処理は、先判定処理のサブルーチン(図341:Sg0302)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図343は、変動時間情報取得処理を示すフローチャートである。ステップSg0501では、始動口用の入球処理(図340)における始動口への入球によって記憶エリアに記憶された変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSg0502に進む。
ステップSg0502では、今回の遊技回に係る当たり抽選が当選であるか否かを判定する。具体的には、大当たり・リーチ情報取得処理によって判定した当たり抽選の抽選結果に基づいて大当たりの有無を判定し、大当たりである場合には(Sg0502:YES)、ステップSg0503に進む。
ステップSg0503では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。ステップSg0503を実行した後、ステップSg0507に進む。
ステップSg0507では、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶する。その後、本変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSg0502において、当たり抽選の抽選結果が大当たりではないと判定した場合には(ステップSg0502:NO)、ステップSg0504に進み、リーチが発生するか否かを判定する。ステップSg0504において、リーチが発生すると判定した場合には(Sg0504:YES)、ステップSg0505に進む。
ステップSg0505では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップSg0507に進み、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶した後、本変動時間情報取得処理を終了する。
ステップSg0504において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(ステップSg0504:NO)、ステップSg0506に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップSg0507に進み、取得した変動時間情報をRAM64の先判定処理結果記憶エリア64hに記憶した後、本変動時間情報取得処理を終了する。
本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定されている。すなわち、変動種別カウンタCSの値が同じであっても、当該遊技回の変動時間を決定するときの第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値によって、参照する変動時間テーブルのデータが異なる。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定される構成としたが、その他、例えば、合計保留個数CRNの値が大きいほど、変動時間が短くなるように設定される構成としてもよい。また、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動時間テーブル、通常大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<スルー用の入球処理>
次に、スルー用の入球処理について説明する。スルー用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図339:ステップSg0105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図344は、スルー用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSg0601では、遊技球がスルーゲート35(スルーゲート35a、スルーゲート35b)に入球(通過)したか否かを判定する。ステップSg0601において、遊技球がスルーゲート35(スルーゲート35a、スルーゲート35b)に入球したと判定した場合には(Sg0601:YES)、ステップSg0602に進む。一方、ステップSg0601において、スルーゲート35(スルーゲート35a、スルーゲート35b)に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(Sg0601:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。
ステップSg0602では、電役用処理実行中フラグがONであるか否かを判定する。電役用処理実行中フラグは、スルーゲート35(スルーゲート35a、スルーゲート35b)を遊技球が通過したことを契機とした電役開放抽選が実行される場合にONとなり、電役開放抽選の抽選結果が外れである場合には外れ表示の設定後にOFFにされ、電役開放抽選の抽選結果が当たりの場合には当たり表示の設定および当たりに伴って実行される普通電動役物53の開放処理の終了後にOFFにされる。以下、スルーゲート35(スルーゲート35a、スルーゲート35b)を遊技球が通過したことを契機とした電役開放抽選、当該抽選に伴って実行される抽選結果(当たり、外れ)の表示、および、当たりの場合に実行される普通電動役物53の開放処理を電役用処理とも呼ぶ。なお、本実施形態においては、スルーゲート35(スルーゲート35a、スルーゲート35b)は遊技球の通過を保留しない。すなわち、スルーゲート35(スルーゲート35a、スルーゲート35b)に遊技球が通過したことを契機とした電役用処理が実行されている期間に、新たにスルーゲート35(スルーゲート35a、スルーゲート35b)に遊技球が入球しても、当該入球を契機とした電役用処理は実行されない。
ステップSg0602において、電役用処理実行中フラグがONではないと判定した場合には(Sg0602:NO)、ステップSg0603に進み、電役用処理実行中フラグをONにする。ステップSg0603を実行した後、ステップSg0604に進む。一方、ステップSg0602において、電役用処理実行中フラグがONであると判定した場合には(Sg0602:YES)、本スルー用の入球処理を終了する。
ステップSg0604では、ステップSg0103(図339)において更新した電動役物開放カウンタC4の値を電動役物用実行エリア64eに移動する。その後、スルー用の入球処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図345は、通常処理を示すフローチャートである。ステップSg0701では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップSg0702に進む。
ステップSg0702では、立ち上げコマンドを設定する。立ち上げコマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップSg0703に進む。
ステップSg0703では、ステップSg0702において設定された立ち上げコマンドや、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、立ち上げコマンド、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップSg0703を実行した後、ステップSg0704に進む。
ステップSg0704では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。その後、ステップSg0705に進む。
ステップSg0705では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップSg0706に進む。ステップSg0706では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップSg0706を実行した後、ステップSg0707に進む。
ステップSg0707では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップSg0708に進む。
ステップSg0708では、普通電動役物53を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、普通電動役物53を開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップSg0709に進む。
ステップSg0709では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップSg0703のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップSg0709において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(Sg0709:NO)、ステップSg0710及びステップSg0711において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップSg0710において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。また、ステップSg0711において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に記憶する。一方、ステップSg0709において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(Sg0709:YES)、ステップSg0703に戻り、ステップSg0703からステップSg0708までの各処理を実行する。
なお、ステップSg0703からステップSg0708の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図345:Sg0706)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図346は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップSg0801では、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、開閉実行モードの開始時にONにされ、開閉実行モードの終了時にOFFにされるフラグである。
ステップSg0801において開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(Sg0801:YES)、開閉実行モード中であると判定し、ステップSg0802以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、特図始動口51への入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップSg0801において、開閉実行モード中でないと判定した場合には(Sg0801:NO)、ステップSg0802に進む。
ステップSg0802では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種大当たりフラグ記憶エリア64gにおける変動表示中フラグ記憶エリアの変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップSg0802において、メイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には(Sg0802:NO)、ステップSg0803〜ステップSg0805の遊技回開始用の処理に進む。ステップSg0803では、保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)および第2始動口34のいずれについて保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップSg0803において、保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(Sg0803:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップSg0803において、保留個数CRNが「0」でないと判定した場合には(Sg0803:NO)、ステップSg0804に進む。
ステップSg0804では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するためのデータ設定処理を実行し、ステップSg0805に進む。データ設定処理の詳細は後述する。
ステップSg0805では、メイン表示部45における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。ステップSg0805を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
ステップSg0802において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(Sg0802:YES)、ステップSg0806〜ステップSg0815の遊技回進行用の処理を実行する。
ステップSg0806では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップSg0806では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64f)に記憶されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図349)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップSg0806において、変動時間が経過していないと判定した場合には(Sg0806:NO)、ステップSg0807に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る図柄表示部における表示態様を変更する処理である。ステップSg0807を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
ステップSg0806において、変動時間が経過していると判定した場合には(Sg0806:YES)、ステップSg0808に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理は、後述する変動開始処理(図348)において決定された図柄表示部に表示させる図柄の態様が、今回の遊技回に係る図柄表示部にて表示されるように当該図柄表示部を表示制御する。ステップSg0808を実行した後、ステップSg0809に進む。
ステップSg0809では、いずれかの大当たりフラグ(本実施形態においては、16R確変大当たりBフラグ、8R確変大当たりBフラグ、8R確変大当たりフラグA、8R通常大当たりAフラグ)がONであるか否かを判定する。ステップSg0809において、いずれかの大当たりフラグがONである場合には(Sg0809:YES)、ステップSg0810に進む。
ステップSg0810では、開閉実行モードフラグをONにする。その後、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップSg0809において、いずれの大当たりフラグもONではない場合には(Sg0809:NO)、ステップSg0811に進む。
ステップSg0811では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。ステップSg0811を実行した後、ステップSg0812に進む。
ステップSg0812では、現在の抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSg0812において、抽選モードが低確率モードではないと判定した場合には(Sg0812:NO)、そのまま遊技回制御処理を終了する。
ステップSg0812において、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には(Sg0812:YES)、ステップSg0813に進み、遊技回数カウンタPNCの値が0であるか否かを判定する。
ステップSg0813において、遊技回数カウンタPNCの値が0ではないと判定した場合には(Sg0813:NO)、そのまま遊技回制御処理を終了する。ステップSg0813において、遊技回数カウンタPNCの値が0であると判定した場合には(Sg0813:YES)、ステップSg0814に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップSg0815に進み、低頻度サポートモードコマンドを設定する。低頻度サポートモードコマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図345:ステップSg0703)において音声発光制御装置90に送信される。低頻度サポートモードコマンドを受信した音声発光制御装置90は、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行したことを認識するとともに、低頻度サポートモードに対応した演出を実行する。ステップSg0815を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
<データ設定処理>
次に、データ設定処理について説明する。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図346:Sg0804)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図347は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップSg0901では、データ設定処理を実行する処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaであるか否かを判定する。具体的には、第1保留エリアRa(図329)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されている保留情報)の方が、第2保留エリアRb(図329)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されている保留情報)よりも先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第1保留エリアRaであると判定する。一方、第1保留エリアRaに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報よりも、第2保留エリアRbに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報の方が先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第2保留エリアRbであると判定する。すなわち、ステップSg0901の処理を実行することにより、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された順に、保留情報を処理対象とすることができる。
ステップSg0901において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaであると判定した場合には(ステップSg0901:YES)、ステップSg0902〜ステップSg0907の第1保留エリア用のデータ設定処理を実行する。一方、ステップSg0901において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップSg0901:NO)、ステップSg0908〜ステップSg0913の第2保留エリア用のデータ設定処理を実行する。
ステップSg0902では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップSg0903に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップSg0904に進む。ステップSg0904では、第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップSg0905に進む。
ステップSg0905では、第1保留エリアRaの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSg0905を実行した後、ステップSg0906に進む。
ステップSg0906では、各種フラグ記憶エリア64gの第2図柄表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2図柄表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップSg0907へ進む。
ステップSg0907では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、データ設定処理を終了する。
ステップSg0907において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図345)におけるステップSg0703において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
ステップSg0901において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップSg0901:NO)、ステップSg0908に進む。
ステップSg0908では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップSg0909に進む。ステップSg0909では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップSg0910に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップSg0911に進む。
ステップSg0911では、第2保留エリアRbの記憶エリアに記憶されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに記憶されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSg0911を実行した後、ステップSg0912に進む。
ステップSg0912では、各種フラグ記憶エリア64gの第2図柄表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップSg0913に進む。
ステップSg0913では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップSg0913において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図345)におけるステップSg0703において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図346:Sg0805)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図348は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSg1001では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、その後に通常大当たりに当選した場合にOFFにされる。ステップSg1001において、高確率モードであると判定した場合には(Sg1001:YES)、ステップSg1002に進む。
ステップSg1002では、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図330(b)に示す高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSg1004に進む。一方、ステップSg1001において高確率モードではないと判定した場合には(Sg1001:NO)、ステップSg1003に進む。
ステップSg1003では、低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図330(a)に示す低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSg1004に進む。
ステップSg1004では、ステップSg1002又はステップSg1003における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSg1004において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(Sg1004:YES)、ステップSg1005〜ステップSg1012において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理を実行する。
ステップSg1005では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSg1005において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sg1005:NO)、ステップSg1006に進み、第1始動口用の振分テーブル(図332(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりBの数値範囲、8R確変大当たりAの数値範囲、8R通常大当たりAの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、ステップSg1005において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sg1005:YES)、ステップSg1007に進み、第2始動口用の振分テーブル(図332(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりBの数値範囲、8R確変大当たりBの数値範囲、8R通常大当たりBのいずれに含まれているかを判定する。ステップSg1006又はステップSg1007の処理を実行した後。ステップSg1008に進む。
ステップSg1008では、ステップSg1006又はステップSg1007において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップSg1008において、遊技結果が確変大当たりであると判定した場合には(Sg1008:YES)、ステップSg1009に進む。
ステップSg1009では、確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。確変大当たり用の停止結果設定処理とは、確変大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップSg1006又はステップSg1007において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSg1009を実行した後、ステップSg1010に進む。
ステップSg1010では、ステップSg1006又はステップSg1007において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R確変大当たりBである場合には16R確変大当たりBフラグをONにし、8R確変大当たりBである場合には8R確変大当たりBフラグをONにし、8R確変大当たりAである場合には8R確変大当たりAフラグをONにする。その後、ステップSg1016に進む。
一方、ステップSg1008において、ステップSg1006又はステップSg1007において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりでないと判定した場合には(Sg1008:NO)、すなわち、振り分けた大当たりの種別が通常大当たりである場合には、ステップSg1011に進む。
ステップSg1011では、通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。通常大当たり用の停止結果設定処理とは、通常大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップSg1006又はステップSg1007において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSg1011を実行した後、ステップSg1012に進む。
ステップSg1012では、ステップSg1006又はステップSg1007において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、8R通常大当たりBである場合には8R通常大当たりBフラグをONにし、8R通常大当たりAである場合には8R通常大当たりAフラグをONにする。その後、ステップSg1016に進む。
ステップSg1004において、ステップSg1002又はステップSg1003における当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(Sg1004:NO)、ステップSg1013に進み、当該遊技回においてリーチが発生するか否かの判定をする。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルにおいて、リーチが発生として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップSg1013において、当該遊技回においてリーチが発生すると判定した場合には(Sg1013:YES)、ステップSg1014に進む。
ステップSg1014では、リーチ用の停止結果設定処理を実行する。リーチ用の停止結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおけるリーチ用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSg1014を実行した後、ステップSg1016に進む。
ステップSg1013において、当該遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(Sg1013:NO)、ステップSg1015に進む。
ステップSg1015では、外れ用の停止結果設定処理を実行する。外れ時用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSg1015を実行した後、ステップSg1016に進む。
ステップSg1016では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理とは、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップSg1016を実行した後、ステップSg1017に進む。
ステップSg1017では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSg1017において、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sg1017:NO)、ステップSg1018に進み、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップSg1016で設定された変動時間の情報が含まれている。
一方、ステップSg1017において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sg1017:YES)、ステップSg1019に進み、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップSg1016で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップSg1018又はステップSg1019を実行した後、ステップSg1020に進む。
ステップSg1020では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果、リーチ発生の有無の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R確変大当たりBの情報、8R確変大当たりBの情報、8R確変大当たりAの情報、8R通常大当たりBの情報、8R通常大当たりAの情報、または、リーチ発生の有無の情報および外れ結果の情報が含まれている。
ステップSg1018〜ステップSg1020にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図345)におけるステップSg0703によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSg1020を実行後、ステップSg1021に進む。
ステップSg1021では、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した結果表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1図柄表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2図柄表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2図柄表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップSg1021を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<変動時間の設定処理>
次に、変動時間の設定処理について説明する。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図348:Sg1016)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図349は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップSg1101では、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSg1102に進む。
ステップSg1102では、今回の遊技回に係る当たり抽選が当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(Sg1102:YES)、ステップSg1103に進む。
ステップSg1103では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップSg1107に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップSg1102において、今回の遊技回に係る当たり抽選が当選ではないと判定した場合には(Sg1102:NO)、ステップSg1104に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップSg1102において今回の遊技回に係る当たり抽選が当選していない場合に本処理(Sg1104)を実行することから、ステップSg1104においては、当たり抽選に当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(Sg1104:YES)、ステップSg1105に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップSg1105では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、リーチ発生用の変動時間は一定である。その後、ステップSg1107に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップSg1104において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(Sg1104:NO)、ステップSg1106に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップSg1107に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、上述のように、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定されている。すなわち、変動種別カウンタCSの値が同じであっても、当該遊技回の変動時間を決定するときの第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値によって、参照する変動時間テーブルのデータが異なる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、第1始動保留個数RaNおよび第2始動保留個数RbNの値が大きいほど変動時間が短くなるように設定される構成としたが、その他、例えば、合計保留個数CRNの値が大きいほど、変動時間が短くなるように設定される構成としてもよい。また、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動時間テーブル、通常大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図345:Sg0707)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図350は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップSg1201では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、開閉実行モードにおける開閉処理期間の終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、開閉実行モードにおいてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップSg1201において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(Sg1201:NO)、ステップSg1202に進み、開閉処理期間フラグがONであるか否かを判定する。上述のように、開閉処理期間フラグは、遊技状態を開閉処理期間に移行させる場合にONにされ、開閉処理期間を終了させる場合にOFFにされる。
ステップSg1202において、開閉処理期間フラグがONではないと判定した場合には(Sg1202:NO)、ステップSg1203に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。
ステップSg1203において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(Sg1203:NO)、ステップSg1204に進み、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、開閉実行モードが開始される契機となった遊技回が終了する場合にONにされ、開閉実行モードが終了する場合にOFFにされる。
ステップSg1204において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(Sg1204:YES)、ステップSg1205に進む。一方、ステップSg1204において、開閉実行モードフラグがONではないと判定した場合には(Sg1204:NO)、そのまま遊技状態移行処理を終了する。
ステップSg1205では、高確率モードフラグをOFFにする。大当たりに当選したことを契機として実行される開閉実行モードの実行中の抽選モードを低確率モードにするため、高確率モードフラグをOFFにする。ステップSg1205を実行した後、ステップSg1206に進む。
ステップSg1206では、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。大当たりに当選したことを契機として実行される開閉実行モードの実行中のサポートモードを低頻度サポートモードにするため、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。ステップSg1206を実行した後、ステップSg1207に進む。
ステップSg1207では、開閉実行モード開始コマンドを設定する。開閉実行モード開始コマンドは、大当たり当選を契機として開閉実行モードが開始されることを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。開閉実行モード開始コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図345:ステップSg0703)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSg1207を実行した後、ステップSg1208に進む。
ステップSg1208では、開閉シナリオ設定処理を実行する。開閉シナリオ設定処理は、ラウンド遊技における開閉扉54bの開放パターンが設定された開閉シナリオを設定するための処理である。本実施形態においては、1ラウンド遊技における開閉扉54bの開放時間は30秒である。ただし、開閉扉54bの開放後30秒の経過前であっても、大入賞口54aに9個の遊技球が入球した場合には開閉扉54bは閉鎖する。本実施形態においては、このような開閉扉54bの開放パターンが開閉シナリオに設定されている。当該開閉シナリオ設定処理においては、大当たり種別に対応した開閉シナリオが設定される。例えば、16R確変大当たりBであれば、16ラウンド分の開閉扉54bの開放パターンが開閉シナリオに設定されており、8R確変大当たりAであれば、8ラウンド分の開閉扉54bの開放パターンが開閉シナリオに設定されている。ステップSg1208を実行した後、ステップSg1209に進む。
ステップSg1209では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、特別遊技状態におけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、オープニング時間としてオープニング用タイマカウンタエリアに所定の値を設定する。ステップSg1209を実行した後、ステップSg1210に進む。
ステップSg1210では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図345)におけるステップSg0703にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定したオープニング時間の情報、大当たり種別の情報、および、今回の開閉実行モードが実行される契機となった大当たりに関する情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間および開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSg1210を実行した後、ステップSg1211に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSg1203において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(Sg1203:YES)、ステップSg1212に進む。
ステップSg1212では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、オープニング時間設定処理において設定したオープニング用タイマカウンタエリアTの値が「0」であるか否かを判定する。ステップSg1212において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(Sg1212:YES)、ステップSg1213に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSg1214に進む。
ステップSg1214では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、大当たり種別をラウンド表示部39に表示させる。ステップSg1214を実行した後、ステップSg1215に進む。
ステップSg1215では、開閉処理期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSg1202において、開閉処理期間フラグがONであると判定した場合には(Sg1202:YES)、ステップSg1216に進み、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理については後述する。ステップSg1216を実行した後、ステップSg1217に進む。
ステップSg1217では、大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定し、大入賞口開閉処理が終了したと判定した場合には(Sg1217:YES)、ステップSg1218に進む。一方、ステップSg1217において、大入賞口開閉処理が終了していないと判定した場合には(Sg1217:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSg1218では、開閉処理期間フラグをOFFにし、その後、ステップSg1219に進む。
ステップSg1219では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップSg1219を実行した後、ステップSg1220に進む。
ステップSg1220では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。具体的には、エンディング時間としてエンディング用タイマカウンタに所定の値を設定する。ステップSg1220を実行した後、ステップSg1221に進む。
ステップSg1221では、エンディングコマンドを設定する。設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図345)におけるステップ40703にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、当該エンディング期間に対応した演出を開始させる。ステップSg1221を実行した後、ステップSg1222に進む。
ステップSg1222では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSg1201において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(Sg1201:YES)、ステップSg1223に進む。
ステップSg1223では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(Sg1220)において、エンディング時間として設定したエンディング用タイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。ステップSg1223において、エンディング時間として設定したエンディング用タイマカウンタの値が「0」であると判定した場合には(Sg1223:YES)、ステップSg1224に進む。
ステップSg1224では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSg1225に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップSg1225を実行した後、ステップSg1226に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。その後、ステップSg1227に進み、開閉実行モード終了コマンドを設定する。開閉実行モード終了コマンドは、開閉実行モードが終了したことを音声発光制御装置90に通知するためのコマンドである。開閉実行モード終了コマンドは、通常処理(図345)におけるステップSg0703にて、音声発光制御装置90に送信される。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップSg1223において、エンディング時間として設定したエンディング用タイマカウンタの値が「0」ではないと判定した場合には(Sg1223:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図350:Sg1216)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図351は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップSg1301では、開閉扉54bは開放中であるか否かを判定する。ステップSg1301において、開閉扉54bは開放中ではないと判定した場合には(Sg1301:NO)、ステップSg1302に進む。
ステップSg1302では、開閉扉54bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理(図350:Sg1208)によって設定された開閉シナリオを読み込み、開閉扉54bの開放のタイミングであるか否かを判定する。ステップSg1302において、開閉扉54bの開放条件が成立したと判定した場合には(Sg1302:YES)、ステップSg1303に進む。
ステップSg1303では、開閉扉54bを開放する。その後、ステップSg1304に進む。
ステップSg1304では、開閉扉開放コマンドを設定する。開閉扉開放コマンドは、開閉扉54bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。開閉扉開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図345:Sg0703)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSg1304を実行した後、本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSg1302において、開閉扉54bの開放条件が成立していないと判定した場合には(Sg1302:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSg1301において、開閉扉54bは開放中であると判定した場合には(Sg1301:YES)、ステップSg1305に進む。
ステップSg1305では、開閉扉54bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。開閉扉54bの閉鎖条件は、開閉シナリオに設定された開閉扉54bの継続開放時間(本実施形態においては30秒)が経過したか、または、大入賞口54aに予め設定された数(本実施形態においては9個)の遊技球が入球したことが検出された場合に成立する。ステップSg1305において、開閉扉54bの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(Sg1305:YES)、ステップSg1306に進む。
ステップSg1306では、開閉扉54bを閉鎖する。その後、ステップSg1307に進む。
ステップSg1307では、開閉扉閉鎖コマンドを設定する。開閉扉閉鎖コマンドは、開閉扉54bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。開閉扉閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図345:Sg0303)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSg1307を実行した後、本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSg1305において、開閉扉54bの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(Sg1305:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図350:Sg1225)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図352は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップSg1401では、RAM64に、大当たりフラグとして確変大当たりに対応する大当たりフラグがONにされているか否かを判定する。
ステップSg1401において、RAM64に設定された確変大当たりに対応する大当たりフラグがONであると判定した場合には(Sg1401:YES)、ステップSg1402に進み、高確率モードフラグをONにする。ステップSg1402を実行した後、ステップSg1403に進む。
ステップSg1403では、抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。ステップSg1403を実行した後、ステップSg1404に進む。
一方、ステップSg1401において、RAM64に設定された確変大当たりに対応する大当たりフラグがONではないと判定した場合には(Sg1401:NO)、そのままステップSg1404に進む。
ステップSg1404では、大当たり種別に応じた高頻度サポートモードフラグをONにする。具体的には、大当たりフラグに基づいて大当たり種別を判定し、判定した大当たり種別が16R確変大当たりBおよび8R確変大当たりBの場合には高頻度サポートモードBフラグをONにし、判定した大当たり種別が8R確変大当たりAの場合には高頻度サポートモードAフラグをONにする。ステップSg1404を実行した後、ステップSg1405に進む。
ステップSg1405では、大当たり種別に応じた高頻度サポートモードコマンドを設定する。具体的には、高頻度サポートモードAコマンドまたは高頻度サポートモードBコマンドを設定する。設定されたコマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図345:ステップSg0703)において音声発光制御装置90に送信される。
ステップSg1406では、大当たりフラグを消去する(OFFにする)処理を実行する。その後、ステップSg1407に進む。
ステップSg1407では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。その後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図345:Sg0708)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図353は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップSg1501では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種大当たりフラグ記憶エリア64eのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、普通電動役物53を開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップSg1501において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(Sg1501:NO)、ステップSg1502に進む。
ステップSg1502では、RAM64の各種大当たりフラグ記憶エリア64eのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、普通電動役物53を開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップSg1502において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(Sg1502:NO)、ステップSg1503に進む。
ステップSg1503では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた電役用タイマカウンタTdの値が「0」であるか否かを判定する。この場合、電役用タイマカウンタTdは、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。電役用タイマカウンタTdにセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップSg1503において、電役用タイマカウンタTdの値が「0」でないと判定した場合には(Sg1503:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、電役用タイマカウンタTdの値が「0」であると判定した場合には(Sg1503:YES)、ステップSg1504に進む。
ステップSg1504では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップSg1504において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(Sg1504:YES)、ステップSg1505に進み、外れ表示を設定する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。その後、ステップSg1506に進み、電役用処理実行中フラグをOFFにする。ステップSg1506を実行した後、本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSg1504において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(Sg1504:NO)、ステップSg1507に進む。
ステップSg1507では、電役用処理実行中フラグがONであるか否かを判定する。ステップSg1507において、電役用処理実行中フラグがONではないと判定した場合には(Sg1507:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。ステップSg1507において、電役用処理実行中フラグがONであると判定した場合には(Sg1507:YES)、ステップSg1508に進む。
ステップSg1508では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップSg1509に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、高頻度サポートモードAフラグまたは高頻度サポートモードBフラグのいずれかがONになっているか否かを判定する。ステップSg1508において開閉実行モードではなく(Sg1508:NO)、且つ、ステップSg1509において高頻度サポートモードである場合には(Sg1509:YES)、ステップSg1510に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、スルー用の入球処理(図344:Sg0604)において電動役物用実行エリア64eに移動した電動役物開放カウンタC4の値が0〜461であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる(図333(b)参照)。また、電動役物開放抽選と同時に電役用タイマカウンタTdに「25」(すなわち0.05sec)をセットする。図334において説明したように、高頻度サポートモードAおよび高頻度サポートモードBは、電役開放抽選における変動時間が0.05秒であるため電役用タイマカウンタTdに「25」(すなわち0.05sec)をセットする。電役用タイマカウンタTdは、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップSg1511に進む。
ステップSg1511では、ステップSg1510の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSg1511において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(Sg1511:YES)、ステップSg1512に進み、サポート当選フラグをONにする。ステップSg1512を実行した後、ステップSg1513に進む。
ステップSg1513では、高頻度サポートモードの種類に応じた高頻度サポートモード用電役開閉シナリオの設定処理を実行する。本処理は、高頻度サポートモード(高頻度サポートモードAまたは高頻度サポートモードB)において電動役物開放抽選に当選した場合の普通電動役物53の開放パターンが設定された開閉シナリオを設定する処理である。具体的には、高頻度サポートモードAフラグがONの場合には、高頻度サポートモードA用電役開閉シナリオが設定される。高頻度サポートモードA用電役開閉シナリオは、高頻度サポートモードA中に電動役物開放抽選に当選した場合に、普通電動役物53の開放を1回行うことが設定されるとともに、普通電動役物53の開放状態で3秒が経過することまたは第2始動口34に遊技球が1個入球することを条件として普通電動役物53を閉鎖することが設定されている(図334参照)。一方、高頻度サポートモードBフラグがONの場合には、高頻度サポートモードB用電役開閉シナリオが設定される。高頻度サポートモードB用電役開閉シナリオは、高頻度サポートモードB中に電動役物開放抽選に当選した場合に、普通電動役物53の開放を1回行うことが設定されるとともに、普通電動役物53の開放状態で6秒が経過することまたは第2始動口34に遊技球が1個入球することを条件として普通電動役物53を閉鎖することが設定されている(図334参照)。ステップSg1513を実行した後、電役サポート用処理を終了する。
ステップSg1508において開閉実行モード中ではないと判定した場合(Sg1508:YES)、または、ステップSg1509において高頻度サポートモードではないと判定した場合(Sg1509:NO)には、ステップSg1514に進む。
ステップSg1514では、電動役物開放抽選を行う。具体的には、スルー用の入球処理(図344:Sg0604)において電動役物用実行エリア64eに移動した電動役物開放カウンタC4の値が0または1であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる(図333(a)参照)。また、電動役物開放抽選と同時に電役用タイマカウンタTdに「5000」(すなわち10.0sec)をセットする。図334において説明したように、低頻度サポートモードは、電役開放抽選における変動時間が10秒であるため電役用タイマカウンタTdに「5000」(すなわち10.0sec)をセットする。電役用タイマカウンタTdは、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップSg1515に進む。
ステップSg1515では、ステップSg1514の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSg1515において、サポート当選でないと判定した場合には(Sg1515:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSg1515において、サポート当選であると判定した場合には(Sg1515:YES)、ステップSg1516に進み、サポート当選フラグをONにする。ステップSg1516を実行した後、ステップSg1517に進む。
ステップSg1517では、低頻度サポートモード用電役開閉シナリオの設定処理を実行する。本処理は、低頻度サポートモードにおいて電動役物開放抽選に当選した場合の普通電動役物53の開放パターンが設定された開閉シナリオを設定する処理である。低頻度サポートモード用電役開閉シナリオは、低頻度サポートモード中に電動役物開放抽選に当選した場合に、普通電動役物53の開放を1回行うことが設定されるとともに、普通電動役物53の開放状態で3秒が経過することまたは第2始動口34に遊技球が1個入球することを条件として普通電動役物53を閉鎖することが設定されている(図334参照)。ステップSg1517を実行した後、電役サポート用処理を終了する。
ステップSg1502において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(Sg1502:YES)、ステップSg1518に進み、電役用タイマカウンタTdの値が「0」であるか否かを判定する。この場合、電役用タイマカウンタTdは、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSg1518において、電役用タイマカウンタTdの値が「0」でないと判定した場合には(Sg1518:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSg1518において、電役用タイマカウンタTdの値が「0」であると判定した場合には(Sg1518:YES)、ステップSg1519に進む。
ステップSg1519では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップSg1520に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSg1501において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(Sg1501:YES)、ステップSg1521に進み、普通電動役物53を開閉制御するための電役開閉処理を実行する。電役開閉処理の詳細は後述する。ステップSg1521を実行した後、ステップSg1522に進む。
ステップSg1522では、電役開閉処理が終了したかを判定する。ステップSg1522において、電役開閉処理が終了していないと判定した場合には(Sg1522:NO)、そのまま電役サポート用処理を終了する。ステップSg1522において、電役開閉処理が終了したと判定した場合には(Sg1522:YES)、ステップSg1523に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、ステップSg1524に進み、電役用処理実行中フラグをOFFにする。ステップSg1524を実行した後、電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉処理>
次に、電役開閉処理について説明する。電役開閉処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図353:Sg1521)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図354は、電役開閉処理を示すフローチャートである。ステップSg1601では、普通電動役物53が開放中であるか否かを判定する。ステップSg1601において、普通電動役物53が開放中ではないと判定した場合には(Sg1601:NO)、ステップSg1602に進む。
ステップSg1602では、設定された開閉シナリオの開放条件が成立しているか否かの判定を行う。具体的には、1回の電役開放抽選に当選した場合の普通電動役物53の開放回数(本実施形態においては1回)をカウントするとともに、普通電動役物53の閉鎖状態を維持する時間が経過し開放するタイミングに達したかをタイマカウンタでカウントすることによって、普通電動役物53を開放状態に移行する条件が成立したか否かを判定する。ステップSg1602において、開閉シナリオの開放条件が成立していないと判定した場合には(Sg1602:NO)、電役開閉処理を終了する。
一方、ステップSg1602において、開閉シナリオの開放条件が成立していると判定した場合には(Sg1602:YES)、ステップSg1603に進む。
ステップSg1603では、普通電動役物53を開放状態にする。ステップSg1603を実行した後、ステップSg1604に進む。
ステップSg1604では、電役開放コマンドを設定する。電役開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図345:ステップSg0703)において音声発光制御装置90に送信される。電役開放コマンドを受信した音声発光装置は、電役開放用の演出を実行するための設定を実行する。その後、電役開閉処理を終了する。
一方、ステップSg1601において、普通電動役物53が開放中ではないと判定した場合には(Sg1601:YES)、ステップSg1605に進む。
ステップSg1605では、普通電動役物53の閉鎖条件が成立したか否かを判定する。具体的には、高頻度サポートモードA時における普通電動役物53の閉鎖条件は、「開放状態で3秒間が経過したこと」または「普通電動役物53が開放中に1個の遊技球が第2始動口34に入球したこと」のいずれか一方が成立することである。高頻度サポートモードB時における普通電動役物53の閉鎖条件は、「開放状態で6秒間が経過したこと」または「普通電動役物53が開放中に1個の遊技球が第2始動口34に入球したこと」のいずれか一方が成立することである。低頻度サポートモード時における普通電動役物53の閉鎖条件は、「開放状態で3秒間が経過したこと」または「普通電動役物53が開放中に1個の遊技球が第2始動口34に入球したこと」のいずれか一方が成立することである。ステップSg1605において、閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(Sg1605:NO)、電役開閉処理を終了する。一方、ステップSg1605において、閉鎖条件が成立したと判定した場合には(Sg1605:YES)、ステップSg1606に進む。
ステップSg1606では、普通電動役物53を閉鎖状態にする。ステップSg1606を実行した後、ステップSg1607に進む。
ステップSg1607では、電役閉鎖コマンドを設定する。電役閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図345:ステップSg0703)において音声発光制御装置90に送信される。電役閉鎖コマンドを受信した音声発光装置は、電役閉鎖用の演出を実行するための設定を実行する。その後、電役開閉処理を終了する。
《G5》音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図355は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。
音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60および演出操作ボタン24が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、液晶表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して液晶表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、液晶表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、液晶表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより液晶表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
《G6》音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音声発光制御装置90のMPU92において実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図356は、音声発光制御装置90のMPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSg1701では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップSg1701を実行した後、ステップSg1702に進む。
ステップSg1702では、状態記憶処理を実行する。状態記憶処理は、主側MPU62から受信したコマンドに基づいて、実行中の遊技の状態をフラグを用いて記憶する処理である。フラグとして記憶された遊技の状態は、実行する演出の決定に用いられる。状態記憶処理の詳細については後述する。ステップSg1702を実行した後、ステップSg1703に進む。
ステップSg1703では、サポートモード演出用処理を実行する。サポートモード演出用処理は、サポートモードの種類に応じて遊技回毎の演出とは別に背景動画や出力する音声を設定するための処理である。サポートモード演出用処理の詳細は後述する。ステップSg1703を実行した後、ステップSg1704に進む。
ステップSg1704では、遊技回演出用処理を実行する。遊技回演出用処理は、遊技回毎に実行する演出を設定するための処理である。遊技回演出用処理の詳細は後述する。ステップSg1704を実行した後、ステップSg1705に進む。
ステップSg1705では、その他の表示用処理を実行する。その他の表示用処理は、主側MPU62から受信した種々のコマンドに基づいて、表示に関する種々の設定等を実行する処理である。例えば、主側MPU62から保留コマンドを受信した場合に、保留表示領域Dsに表示している保留の個数を更新するための処理を行う。ステップSg1705を実行した後、ステップSg1706に進む。
ステップSg1706では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップSg1703からステップSg1705の処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。すなわち、上記ステップSg1703からステップSg1705において設定された演出に対応した発光態様となるように、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップSg1706を実行した後、ステップSg1707に進む。
ステップSg1707では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップSg1703からステップSg1705の処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。すなわち、上記ステップSg1703からステップSg1705において設定された演出に対応した音声が出力されるように、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップSg1707を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<状態記憶処理>
次に、状態記憶処理について説明する。状態記憶処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図356:Sg1702)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
図357は、状態記憶処理を示すフローチャートである。当該状態記憶処理は、音声発光制御装置90において、実行中の遊技の状態を記憶するための処理である。当該状態記憶処理は、大きく3つの処理から構成される。具体的には、ステップSg1801〜ステップSg1804は、開閉実行モードの実行中であるか否かを記憶する処理である。ステップSg1805〜ステップSg1808は、抽選モードが高確率モードであるか低確率モードであるかを記憶する処理である。ステップSg1809〜ステップSg1818は、サポートモードが高頻度サポートモードAであるのか、高頻度サポートモードBであるのか、低頻度サポートモードであるのかを記憶する処理である。
ステップSg1801では、開閉実行モード終了コマンドを受信したか否かを判定する。開閉実行モード終了コマンドは、開閉実行モードが終了した場合に、主制御装置60から音声発光制御装置90に送信されるコマンドである。ステップSg1801において、開閉実行モード終了コマンドを受信したと判定した場合には(Sg1801:YES)、ステップSg1802に進み、開閉実行モード実行中フラグをOFFにする。開閉実行モード実行中フラグは、開閉実行モードの実行中であるかを記憶するためのフラグであり、開閉実行モードの実行が開始される場合にONにされ、開閉実行モードが終了する場合にOFFにされるフラグである。ステップSg1802を実行した後、ステップSg1803へ進む。
一方、ステップSg1801において、開閉実行モード終了コマンドを受信していないと判定した場合には(Sg1801:NO)、そのままステップSg1803に進む。
ステップSg1803では、開閉実行モード開始コマンドを受信したか否かを判定する。開閉実行モード開始コマンドは、開閉実行モードが開始された場合に、主制御装置60から音声発光制御装置90に送信されるコマンドである。ステップSg1803において、開閉実行モード開始コマンドを受信したと判定した場合には(Sg1803:YES)、ステップSg1804に進み、開閉実行モード実行中フラグをONにする。ステップSg1804を実行した後、ステップSg1805へ進む。
ステップSg1803において、開閉実行モード開始コマンドを受信していないと判定した場合には(Sg1803:NO)、そのままステップSg1805に進む。
ステップSg1805では、高確率モードコマンドを受信したか否かを判定する。高確率モードコマンドは、開閉実行モードが終了して高確率モードが開始される場合に主制御装置60から音声発光制御装置90に送信されるコマンドである。ステップSg1805において、高確率モードコマンドを受信したと判定した場合には、ステップSg1806に進み、音光側高確率モードフラグをONにする。音光側高確率モードフラグは、抽選モードが高確率モードであるか否かを記憶するためのフラグである。ステップSg1806を実行した後、ステップSg1807に進む。
一方、ステップSg1805において、高確率モードコマンドを受信していないと判定した場合には(Sg1805:NO)、そのままステップSg1807に進む。
ステップSg1807では、低確率モードコマンドを受信したか否かを判定する。低確率モードコマンドは、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行した場合に主制御装置60から音声発光制御装置90に送信されるコマンドである。ステップSg1807において、低確率モードコマンドを受信したと判定した場合には、ステップSg1808に進み、音光側高確率モードフラグをOFFにする。ステップSg1808を実行した後、ステップSg1809に進む。
ステップSg1807において、低確率モードコマンドを受信していないと判定した場合には(Sg1807:NO)、そのままステップSg1809に進む。
ステップSg1809では、高頻度サポートモードAコマンドを受信したか否かを判定する。高頻度サポートモードAコマンドは、サポートモードが高頻度サポートモードAに移行する場合に、主制御装置60から音声発光制御装置90に送信されるコマンドである。ステップSg1809において、高頻度サポートモードAコマンドを受信したと判定した場合には(Sg1809:YES)、ステップSg1810に進む。
ステップSg1810では、音光側高頻度サポートモードBフラグがONであるか否かを判定する。音光側高頻度サポートモードBフラグは、サポートモードが高頻度サポートモードBに移行する場合にONにされ、高頻度サポートモードBから他のサポートモードに移行する場合にOFFにされるフラグである。ステップSg1810において、音光側高頻度サポートモードBフラグがONであると判定した場合には(Sg1810:YES)、ステップSg1811に進み、音光側高頻度サポートモードBフラグをOFFにする。その後、ステップSg1812に進む。
ステップSg1810において、音光側高頻度サポートモードBフラグがONではないと判定した場合には(Sg1810:NO)、そのままステップSg1812に進む。
ステップSg1812では、音光側高頻度サポートモードAフラグをONにする。音光側高頻度サポートモードAフラグは、サポートモードが高頻度サポートモードAに移行する場合にONにされ、高頻度サポートモードAから他のサポートモードに移行する場合にOFFにされるフラグである。ステップSg1812を実行した後、ステップSg1813に進む。
一方、ステップSg1809において、高頻度サポートモードAコマンドを受信していないと判定した場合には(Sg1809:NO)、そのままステップSg1813に進む。
ステップSg1813では、高頻度サポートモードBコマンドを受信したか否かを判定する。高頻度サポートモードBコマンドは、サポートモードが高頻度サポートモードBに移行する場合に、主制御装置60から音声発光制御装置90に送信されるコマンドである。ステップSg1813において、高頻度サポートモードBコマンドを受信したと判定した場合には(Sg1813:YES)、ステップSg1814に進む。
ステップSg1814では、音光側高頻度サポートモードAフラグがONであるか否かを判定する。ステップSg1814において、音光側高頻度サポートモードAフラグがONであると判定した場合には(Sg1814:YES)、ステップSg1815に進み、音光側高頻度サポートモードAフラグをOFFにする。その後、ステップSg1816に進む。
ステップSg1814において、音光側高頻度サポートモードAフラグがONではないと判定した場合には(Sg1814:NO)、そのままステップSg1816に進む。
ステップSg1816では、音光側高頻度サポートモードBフラグをONにする。ステップSg1816を実行した後、ステップSg1817に進む。
一方、ステップSg1813において、高頻度サポートモードBコマンドを受信していないと判定した場合には(Sg1813:NO)、そのままステップSg1817に進む。
ステップSg1817では、低頻度サポートモードコマンドを受信したか否かを判定する。低頻度サポートモードコマンドは、サポートモードが低頻度サポートモードに移行する場合に、主制御装置60から音声発光制御装置90に送信されるコマンドである。ステップSg1817において、低頻度サポートモードコマンドを受信したと判定した場合には(Sg1817:YES)、ステップSg1818に進む。
ステップSg1818では、音光側高頻度サポートモードAフラグまたは音光側高頻度サポートモードBフラグのうち、ONとなっているフラグをOFFにする。その後、状態記憶処理を終了する。一方、ステップSg1817において、低頻度サポートモードコマンドを受信していないと判定した場合には(Sg1817:NO)、そのまま状態記憶処理を終了する。
<サポートモード演出用処理>
次に、サポートモード演出用処理について説明する。サポートモード演出用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図356:Sg1703)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
図358は、サポートモード演出用処理を示すフローチャートである。ステップSg1901では、開閉実行モード実行中フラグがONであるか否かを判定する。ステップSg1901において、開閉実行モード実行中フラグがONではないと判定した場合には(Sg1901:NO)、ステップSg1902に進む。一方、ステップSg1901において、開閉実行モード実行中フラグがONであると判定した場合には(Sg1901:YES)、サポートモード演出用処理を終了する。
ステップSg1902では、音光側高頻度サポートモードAフラグ、又は、音光側高頻度サポートモードBフラグがONであるか否かを判定する。ステップSg1902において、音光側高頻度サポートモードAフラグ、および、音光側高頻度サポートモードBフラグのいずれもONではないと判定した場合には(Sg1902:NO)、ステップSg1903に進む。
ステップSg1903では、低頻度サポートモード用の演出パターンの設定処理を実行する。具体的には、低頻度サポートモードの状態において、左打ちをして振分機構120に遊技球を入球させることを促す映像や音声を、遊技回毎の演出(遊技回演出)とは別に、背景映像および背景音楽として出力するために、当該背景映像および背景音楽として出力する内容を演出パターンとして設定するための処理である。ステップSg1903を実行した後、当該サポートモード演出用処理を終了する。
ステップSg1902において、音光側高頻度サポートモードAフラグ、又は、音光側高頻度サポートモードBフラグがONであると判定した場合には(Sg1902:YES)、ステップSg1904に進む。
ステップSg1904では、音光側高頻度サポートモードAフラグがONであるか否かを判定する。ステップSg1904において、音光側高頻度サポートモードAフラグがONであると判定した場合には(Sg1904:YES)、ステップSg1905に進む。
ステップSg1905では、高頻度サポートモードA用の演出パターンの設定処理を実行する。具体的には、高頻度サポートモードAの状態において、左打ちをして振分機構120に遊技球を入球させることを遊技者に促す映像や音声を、遊技回毎の演出(遊技回演出)とは別に、背景映像および背景音楽として出力するために、当該背景映像および背景音楽として出力する内容を演出パターンとして設定するための処理である。高頻度サポートモードAの状態は、低頻度サポートモードの状態と比較して、第2始動口34に遊技球が入球する割合が高く、大当たりに当選した場合により有利な特典が付与される可能性があることから、高頻度サポートモードA用の演出は、低頻度サポートモード用の演出と比較して、より一層遊技者に期待感を付与する内容の演出である。ステップSg1905を実行した後、当該サポートモード演出用処理を終了する。
ステップSg1904において、音光側高頻度サポートモードAフラグがONではないと判定した場合には(Sg1904:NO)、ステップSg1906に進む。
ステップSg1906では、高頻度サポートモードB用の演出パターンの設定処理を実行する。具体的には、高頻度サポートモードBの状態において、右打ちをしてスルーゲート35bに遊技球を通過させることを遊技者に促す映像や音声を、遊技回毎の演出(遊技回演出)とは別に、背景映像および背景音楽として出力するために、当該背景映像および背景音楽として出力する内容を演出パターンとして設定するための処理である。高頻度サポートモードBの状態は、高頻度サポートモードAの状態と比較して、第2始動口34に遊技球が入球する割合が高く、大当たりに当選した場合により有利な特典が付与される可能性があることから、高頻度サポートモードB用の演出は、高頻度サポートモードA用の演出と比較して、より一層遊技者に期待感を付与する内容の演出である。ステップSg1906を実行した後、当該サポートモード演出用処理を終了する。
<遊技回演出用処理>
次に、遊技回演出用処理について説明する。遊技回演出用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図356:Sg1704)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図359は、遊技回演出用処理を示すフローチャートである。ステップSg2001では、主側MPU62から変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSg2001において、変動用コマンドを受信していると判定した場合には(Sg2001:YES)、ステップSg2002に進む。
ステップSg2002では、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たりの有無、大当たりの種別、リーチ発生の有無、および、変動時間の情報を読み出す。そして、読み出した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップSg2003に進む。
ステップSg2003では、演出パターンの設定処理を実行する。当該処理は、処理対象である遊技回における演出のパターンを設定する処理である。演出パターンの設定処理の詳細は後述する。ステップSg2003を実行した後、ステップSg2004に進む。
ステップSg2004では、停止する液晶用図柄の設定処理を実行する。液晶用図柄の設定処理では、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、大当たりである場合には、有効ラインL1上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の液晶用図柄の情報として設定する。また、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、外れである場合には、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL1上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL1上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL1上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL1上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の液晶用図柄の情報として設定する。ステップSg2004を実行した後、ステップSg2005に進む。
ステップSg2005では、遊技回演出コマンドを表示制御装置100に送信する。遊技回演出コマンドは、ステップSg2003で設定した演出パターンおよびステップSg2004で設定した停止する液晶図柄の内容を含む情報である。遊技回演出コマンドを受信した表示制御装置100は、遊技回コマンドに含まれる情報に基づいて液晶表示装置41に演出用の画像や液晶用図柄の画像を表示させる。ステップSg2005を実行した後、ステップSg2006に進む。
ステップSg2006では、保留情報の更新処理を実行する。保留情報の更新処理では、音光側RAM94の保留個数カウンタエリアに記憶されている保留個数が1減算されるように、当該保留個数カウンタエリアの情報を更新する。ステップSg2008を実行した後、遊技回演出用処理を終了する。
<演出パターンの設定処理>
次に、演出パターンの設定処理について説明する。演出パターンの設定処理は、遊技回演出用処理のサブルーチン(図359:Sg2003)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図360は、演出パターンの設定処理を示すフローチャートである。ステップSg2101では、演出を設定する対象である遊技回が当たり抽選において大当たりに当選しているか否かを判定する。具体的には、受信した変動用コマンドに含まれる大当たりの有無に関する情報に基づいて判定する。ステップSg2101において、処理対象である遊技回が当たり抽選において大当たりに当選していると判定した場合には(Sg2101:YES)、ステップSg2102に進む。
ステップSg2102では、演出を設定する対象である遊技回が当たり抽選において確変大当たりに当選しているか否かを判定する。ステップSg2102において、確変大当たりに当選していると判定した場合には(Sg2102:YES)、ステップSg2103に進む。
ステップSg2103では、当該処理対象である大当たりに当選した遊技回の大当たり種別が大当たりBであるか否かを判定する。ステップSg2103において、当該処理対象である大当たりに当選した遊技回の大当たり種別が大当たりBであると判定した場合には(Sg2103:YES)、ステップSg2104に進む。
ステップSg2104では、確変大当たりB用の演出パターンの設定処理を実行する。確変大当たりBに当選した場合、次回から実行される遊技回は高確率モードであり、かつ、高頻度サポートモードBとなる。よって、確変大当たりBは、遊技者にとっては非常に有利な状態となる大当たりであるので、確変大当たりB用の演出パターンは、遊技者に大きな期待感を付与する内容に設定されている。ステップSg2104を実行した後、演出パターンの設定処理を終了する。
ステップSg2103において、当該処理対象である大当たりに当選した遊技回の大当たり種別が大当たりBはないと判定した場合には(Sg2103:NO)、ステップSg2105に進む。
ステップSg2105では、確変大当たりA用の演出パターンの設定処理を実行する。ステップSg2105を実行した後、演出パターンの設定処理を終了する。
ステップSg2102において、確変大当たりに当選していないと判定した場合には(Sg2102:NO)、ステップSg2106に進む。ステップSg2106では、当該処理対象である大当たりに当選した遊技回の大当たり種別が大当たりBであるか否かを判定する。ステップSg2106において、当該処理対象である大当たりに当選した遊技回の大当たり種別が大当たりBであると判定した場合には(Sg2106:YES)、ステップSg2107に進む。
ステップSg2107では、通常大当たりB用の演出パターンの設定処理を実行する。ステップSg2107を実行した後、演出パターンの設定処理を終了する。
ステップSg2106において、当該処理対象である大当たりに当選した遊技回の大当たり種別が大当たりBではないと判定した場合には(Sg2106:NO)、ステップSg2108に進む。
ステップSg2108では、通常大当たりA用の演出パターンの設定処理を実行する。ステップSg2108を実行した後、演出パターンの設定処理を終了する。
ステップSg2101において、処理対象である遊技回が当たり抽選において大当たりに当選していないと判定した場合には(Sg2101:NO)、ステップSg2109に進む。
ステップSg2109では、外れ用の演出パターンの設定処理を実行する。ステップSg2109を実行した後、演出パターンの設定処理を終了する。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図361は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSg2201では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップSg2202に進む。
ステップSg2202では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図362は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップSg2301では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド記憶エリアに、その抽出したコマンドデータを記憶する。コマンド記憶処理によってコマンド記憶エリアに記憶された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図363は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド記憶領域に記憶されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が記憶されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップSg2401では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図362)によってコマンド記憶エリアに記憶されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが記憶されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが記憶されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(Sg2401)では、その時点でコマンド記憶エリアに記憶されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド記憶エリアに記憶されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や液晶用図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップSg2402では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(Sg2401)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップSg2403に進む。
ステップSg2403では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(Sg2402)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップSg2404に進む。
ステップSg2404では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(Sg2403)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップSg2405に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機10においては、振分機構120によって開口部122から入球した遊技球が左側流路R1と右側流路R2とに振り分けられたにも関わらず、当該振り分けられた遊技球が、第1始動口33aに入球した場合も、第1始動口33bに入球した場合も、いずれも同一の図柄(第1の図柄)を変動させるので、振り分けられた先の入球部(始動口)ごとに異なる図柄が変動すると推測していた遊技者に対して意外性を付与することができる。また、2つの経路に振り分けたにも関わらず同一の図柄を変動させる入球部(始動口)に案内する振分機構120の役割(設置目的)について、遊技者に種々の推測をさせることができる。
本実施形態におけるパチンコ機10は、右側流路R2から第1始動口33bへ遊技球が流通する経路上に普通電動役物53を備えるので、振分機構120によって左側流路R1と右側流路R2のいずれに振り分けられても、いずれに振り分けられた遊技球も同一の図柄(第1の図柄)を変動させる契機となる場合と、右側流路R2に振り分けられた遊技球が普通電動役物53によって第2の図柄を変動させる契機となる場合があり、遊技球を振分機構120に到達させる同じ流通態様であっても、サポートモードの種類によって第1の図柄と第2の図柄を変動させる割合を異なる態様にすることができる。すなわち、普通電動役物53が開放するか否かを決定する電役開放抽選の当選確率を制御することによって、第1の図柄と第2の図柄を変動させる割合を異なる態様にすることができる。
より具体的には、普通電動役物53は、開口部124から流出した遊技球を、第1始動口33bと第2始動口34に振り分ける振分機構と考えることができ、本実施形態におけるパチンコ機10は振分機構120と普通電動役物53の2つの振分機構を備えると考えることができる。そして、振分機構として機能する普通電動役物53が動作する確率は、電役開放抽選の当選確率であるので、サポートモードを変更することによって変更することが可能である。従って、振分機構120に到達した遊技球を当該振分機構120が、左側流路R1と右側流路R2とに交互に振り分ける場合であっても、振分機構として機能する普通電動役物53が右側流路R2に振り分けられた遊技球を第2始動口34に振り分ける確率(すなわち、電役開放抽選の当選確率)を変更することによって、第1の図柄と第2の図柄との変動する比率を変更することができる。例えば、普通電動役物53が遊技球を第2始動口34に振り分ける確率(電役開放抽選の当選確率)を低く設定した場合(低頻度サポートモードの場合)には、振分機構120によって左側流路R1に振り分けた遊技球を第1始動口33aに入球させ、第1の図柄を変動させる。そして、右側流路R2に振り分けた遊技球は、電役開放抽選の当選確率が低いので、高い確率で第1始動口33bに入球させ、第1の図柄を変動させることができる。すなわち、振分機構120に到達した遊技球を高い確率で第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)に入球させ、高い確率(頻度)で第1の図柄を変動させることができる。
一方、普通電動役物53が遊技球を第2始動口34に振り分ける確率(電役開放抽選の当選確率)を高く設定した場合(高頻度サポートモードAの場合)には、振分機構120によって左側流路R1に振り分けた遊技球を第1始動口33aに入球させ、第1の図柄を変動させる。そして、右側流路R2に振り分けた遊技球は、電役開放抽選の当選確率が高いので、高い確率で第2始動口34に入球させ、第2の図柄を変動させることができる。このように、電役開放抽選の当選確率を変更することによって、遊技球の流通態様が同じであっても、第1の図柄と第2の図柄との変動する比率を変更することができる。
本実施形態のパチンコ機10は、電役開放抽選を実行する契機となるスルーゲートとして、振分機構120の内部に配置されたスルーゲート35aとは別に、スルーゲート35bを備えるので、振分機構120を経由しない遊技球の流通態様であっても普通電動役物53を開放させることができる。その結果、高頻度サポートモードBの状態の場合に、スルーゲート35bを通過する流通態様で遊技球を流通させることによって、高い確率で第2始動口34に遊技球を入球させることができる。
従って、本実施形態におけるパチンコ機10は以下のことが実現可能である。低頻度サポートモードで遊技者が振分機構120に到達させるように遊技球を流通させた場合には、第1始動口33aと第1始動口33bに遊技球が入球し、第2始動口34に遊技球が入球する可能性は低いため、高い確率で第1の図柄のみを変動させることができる。高頻度サポートモードAで遊技者が振分機構120に到達させるように遊技球を流通させた場合には、第1始動口33aと第2始動口34に遊技球が入球する可能性が高いので、第1の図柄と第2の図柄とを変動させることができる。高頻度サポートモードBで遊技者がスルーゲート35bを通過するように遊技球を流通させた場合には、第2始動口34のみに遊技球が入球する可能性が高いので、高い確率で第2の図柄のみを変動させることができる。その結果、高い確率で第1の図柄のみが変動する遊技状態、第1の図柄と第2の図柄とが変動する遊技状態、高い確率で第2の図柄のみが変動する遊技状態の少なくとも3つの状態をつくり出すことができる。
換言すれば、遊技者にとって最も有利な流通態様で遊技球を流通させた場合に、単位時間当たりにおける、第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)への遊技球の入球数と第2始動口34への遊技球の入球数との相対比を、少なくとも3段階に変更可能に制御することができる。よって、当該3段階の入球相対比(遊技状態)を組み合わせることによって、新たな種々の遊技の流れを創出することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに換言すれば、パチンコ機10は、遊技者にとって最も有利な流通態様で遊技球を流通させた場合において、遊技球が第1始動口に連続して入球する確率を第1始動口連続入球確率とし、遊技球が第1始動口と第2始動口とに交互に入球する確率を交互入球確率とし、遊技球が第2始動口に連続して入球する確率を第2始動口連続入球確率とした場合に、第1始動口連続入球確率が、交互入球確率および第2始動口連続入球確率よりも高い第1遊技状態(低頻度サポートモード)と、交互入球確率が、第1始動口連続入球確率および第2始動口連続入球確率よりも高い第2の遊技状態(高頻度サポートモードA)と、第2始動口連続入球確率が、第1始動口連続入球確率および交互入球確率よりも高い第3の遊技状態(高頻度サポートモードB)と、を切り替え可能に制御することができる。従って、パチンコ機10は、第1遊技状態(低頻度サポートモード)と第2の遊技状態(高頻度サポートモードA)と第3の遊技状態(高頻度サポートモードB)の3つの遊技状態を切り替え可能に制御するので、当該3つの遊技状態を組み合わせることによって、新たな種々の遊技の流れを創出することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
そして、第1遊技状態(低頻度サポートモード)よりも第2の遊技状態(高頻度サポートモードA)の方が遊技者に有利な遊技状態であり、第2の遊技状態(高頻度サポートモードA)よりも第3の遊技状態(高頻度サポートモードB)の方が遊技者に有利な遊技状態であるという特徴を有する。従って、パチンコ機10は、遊技者にとって有利の度合いに差のある3つの遊技状態を切り替え可能に制御するので、遊技状態の切り替えを行うことによって遊技者の期待感に抑揚を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
上記の遊技の流れにおいても説明したが、ここで、本実施形態におけるパチンコ機10が奏する効果を従来のパチンコ機との比較によって説明する。先に、第1始動口への遊技球の入球を契機として実行された当たり抽選において当たり当選(大当たり当選、および、小当たり当選が設定されている場合には小当たり当選も含む)した場合に付与される特典(例えば払い出される賞球数)の期待値を第1特典期待値とし、第2始動口への遊技球の入球を契機として実行された当たり抽選において当たり当選(大当たり当選、および、小当たり当選が設定されている場合には小当たり当選も含む)した場合に付与される特典(例えば払い出される賞球数)の期待値を第2特典期待値とする。また、通常時に当たりに当選した場合に付与される特典の期待値を通常時特典期待値とし、高頻度サポートモード時に当たりに当選した場合に付与される特典の期待値を高サポ時特典期待値とする。
従来から、第1始動口と第2始動口とに遊技球を振り分ける振分機構を備えるパチンコ機(以下、「従来パチンコ機」とも呼ぶ)は存在する。従来パチンコ機は、遊技を開始した当初の通常状態(例えば、低確率モードかつ低頻度サポートモード)においては、振分機構に到達するように遊技球を流通させて第1始動口と第2始動口とに交互に遊技球を入球させる。そして、高頻度サポートモードに移行した場合には、補助手段(普通電動役物)が高頻度に動作することにより、振分手段を介さずに高い確率で第2始動口に遊技球を入球させる。
従来パチンコ機において、高サポ時特典期待値を通常時特典期待値よりも高く、かつ、その差を大きくしようとした場合には、高サポ時特典期待値を大きくするために必然的に第2特典期待値を大きくする必要があるが、第2特典期待値を大きくすると、通常時特典期待値も高くなってしまう(通常状態においては第1始動口と第2始動口とに遊技球が入球して当たり抽選が実行されるため)。また、第1特典期待値を小さくしても、通常時特典期待値は、第1特典期待値と第2特典期待値との平均であるので、第1特典期待値を小さくすることによる効果は小さくなってしまう。
さらに、単位時間当たりに付与可能な特典の大きさに規制が設けられている場合、通常時特典期待値が比較的大きいと、当該規制の範囲内に調整するために、高サポ時特典期待値を小さくする必要がある。すなわち、従来パチンコ機においては、通常時特典期待値と高サポ時特典期待値との間に大きな差を設定することが困難である。換言すれば、開閉実行モードを除いた遊技状態のうち、通常の遊技状態と最も良い遊技状態との間で、遊技者が得られる利益に大きな振り幅を設けることができない。結果として、通常状態(通常の遊技状態、最も特典期待値の小さい状態)から高頻度サポートモード(最も良い遊技状態、最も特典期待値の大きい状態)に移行した場合における遊技者の期待感を大きく惹起させることができない。
一方、本実施形態におけるパチンコ機10は、通常状態においては、振分機構120に到達するように遊技球を流通させるが、高い確率で第1始動口33aにのみ遊技球が入球するので、第1特典期待値を低く設定することによって、通常時特典期待値を低くすることができる。さらに、高頻度サポートモードBの場合には、遊技者が右打ちをすることによって、高い確率で第2始動口34にのみ遊技球が入球するので、第2特典期待値を高く設定することによって、高頻度サポートBにおける高サポ時特典期待値を高くすることができる。すなわち、開閉実行モードを除いた遊技状態のうち、通常の遊技状態と最も良い遊技状態との間で、遊技者が得られる利益に大きな振り幅を設けることができる。さらに、高頻度サポートモードAの場合には、振分機構120に到達するように遊技球を流通させ、第1始動口33aと第2始動口34とに遊技球を交互に入球させるので、高サポ時特典期待値(高頻度サポートモードA時)は、通常時特典期待値と高サポ時特典期待値(高頻度サポートモードB時)との中間的な値となり、通常状態→高頻度サポートモードA→高頻度サポートモードBといった遊技の流れで遊技が進行した場合、付与される特典期待値の値が段階的に大きくなりつつ、かつ、開閉実行モードを除いた遊技状態のうち、通常の遊技状態と最も良い遊技状態との間で、遊技者が得られる利益に大きな振り幅を設けることができる。
さらに、単位時間当たりに付与可能な特典の大きさに規制が設けられている場合には、第1特典期待値を低く設定することによって、全体として単位時間当たりに付与可能な特典の大きさを調整することが可能であり、第1特典期待値と第2特典期待値との差を大きくした状態を維持することが可能となる。すなわち、開閉実行モードを除いた遊技状態のうち、通常の遊技状態と最も良い遊技状態との間での遊技者が得られる利益の差に大きな振り幅を確保しつつ、単位時間当たりに付与可能な特典の大きさを規制の範囲内に調整することが容易となる。
なお、本実施形態のパチンコ機10の特徴および当該特徴が奏する効果を、第1始動口と第2始動口とに遊技球を振り分ける振分機構を備えるパチンコ機(従来パチンコ機)との比較によって説明したが、当該効果は、上記に例示した従来パチンコ機に対してのみ効果を奏するものではなく、異なる種類の抽選が実行される契機となる2つ以上の入球部を備えるパチンコ機に対してその効果を奏する。
本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技球の通過が電役開放抽選を実行する契機となるスルーゲート35aが、振分機構120によって振り分けられた一の経路(右側流路R2)に配置されているので、振分機構120が遊技球を振り分ける態様(左側流路R1と右側流路R2とに振り分ける順番)について、遊技者に注目させることができるとともに期待感を付与することができる。さらに、右側流路R2に振り分けられた場合には、電役開放抽選に当選するか否かといった期待感を付与することができる。従って、振分機構120における遊技球の振り分けの態様と、電役開放抽選における抽選結果(すなわち、普通電動役物53が開放するか否か)との、少なくとも2段階の期待感を付与することができる。
本実施形態におけるパチンコ機10は、サポートモードとして、低頻度サポートモードと、電役開放抽選の当選確率は低頻度サポートモードより高いが電役開放抽選における変動時間(普通図柄の変動時間)および普通電動役物53の開放時間が低頻度サポートモードと同じである高頻度サポートモードAと、低頻度サポートモードと比べて電役開放抽選の当選確率が高く、電役開放抽選における変動時間(普通図柄の変動時間)が短く、普通電動役物53の開放時間が長い高頻度サポートモードBとを実行可能であり、これら3つのサポートモードの切り替えを利用して、上記の遊技の流れで説明したように、種々の新たな遊技の流れを創出することができる。
また、本実施形態におけるパチンコ機10は、以下の効果を奏する。
まず、以下のように定義する。
・高頻度サポートモードAにおける電役開放抽選の抽選時間(普通図柄の変動時間)をTp、電役開放抽選に当選した場合に変動時間が終了した時点から、普通電動役物53が遊技球を補助可能な状態になるまでの時間(可動片53aが突出を開始して遊技球が上面を流通可能な状態になるまでの時間)をTm、1回の電役開放抽選に当選した場合の普通電動役物53の開放時間をTs1、遊技球がスルーゲート35aを通過した時点から普通電動役物53に到達するまでの時間をTr1、遊技球がスルーゲート35aを通過して普通電動役物53に到達した時点から開放した普通電動役物53によって第2始動口34に入球するまでの時間をTf1とする。
・高頻度サポートモードBにおける電役開放抽選の抽選時間(普通図柄の変動時間)をTp、電役開放抽選に当選した場合に変動時間が終了した時点から、普通電動役物53が遊技球を補助可能な状態になるまでの時間(可動片53aが突出を開始して遊技球が上面を流通可能な状態になるまでの時間)をTm、1回の電役開放抽選に当選した場合の普通電動役物53の開放時間をTs2、遊技球がスルーゲート35bを通過した時点から普通電動役物53に到達するまでの時間をTr2、遊技球がスルーゲート35bを通過して普通電動役物53に到達した時点から開放した普通電動役物53によって第2始動口34に入球するまでの時間をTf2とする。
このように定義した場合、本実施形態におけるパチンコ機10は、以下の式(1)〜式(3)を満たすように構成されている。
Tp+Tm≦Tr1...式(1)
Tp+Tm≦Tr2...式(2)
Tr1+Tf1≦Tp+Tm+Ts1<Tr2+Tf2≦Tp+Tm+Ts2...式(3)
なお、本実施形態においては、上記の各パラメータの具体的な値は、Tp=0.05秒、Tm=0.1秒、Tr1=0.3秒、Tr2=0.3秒、Tf1=2.0秒、Tf2=5.0秒、Ts1=3.0秒、Ts2=6.0秒であり、上記式(1)〜式(3)を満たす。
このような構成において、サポートモードが高頻度サポートモードAである場合には、スルーゲート35aを通過するように遊技球を流通(左打ち)させた場合には、普通電動役物53による誘導(補助)によって遊技球を第2始動口34に入球させることができるが、スルーゲート35bを通過するように遊技球を流通(右打ち)させた場合には、遊技球が第2始動口34に入球するよりも前に普通電動役物53が閉鎖してしまうため、遊技球を第2始動口34に入球させることができない。
よって、遊技者にとって有利な遊技球の流通態様を考えた場合、サポートモードが高頻度サポートモードAの場合には、スルーゲート35aを通過するように(振分機構120に到達するように)遊技球を流通させる流通態様(左打ち)の方が、スルーゲート35bを遊技球が通過するように流通させる流通態様(右打ち)よりも、遊技者にとって有利な遊技球の流通態様となる。
一方、サポートモードが高頻度サポートモードBである場合には、スルーゲート35aを遊技球が通過するように流通させた場合、および、スルーゲート35bを遊技球が通過するように流通させた場合のいずれの場合であっても、普通電動役物53による誘導(補助)によって遊技球を第2始動口34に入球させることができる。しかしながら、スルーゲート35aを遊技球が通過するように流通させる場合、遊技球は振分機構120を通過するので、振分機構120に到達した遊技球のうち、右側流路R2に振り分けられた遊技球しかスルーゲート35aを通過することができない。よって、振分機構120に到達するように遊技球を流通(左打ち)させた場合における振分機構120に到達した遊技球の個数に対するスルーゲート35aを通過して第2始動口34に入球する遊技球の個数の割合は、スルーゲート35bを通過するように遊技球を流通(右打ち)させた場合におけるスルーゲート35bに到達した遊技球の個数に対する当該スルーゲート35bを通過して第2始動口34に入球する遊技球の個数の割合よりも低くなる。よって、遊技者にとって有利な遊技球の流通態様を考えた場合、サポートモードが高頻度サポートモードBの場合には、スルーゲート35bを遊技球が通過するように流通させる流通態様(右打ち)の方が、スルーゲート35aを通過するように(振分機構120に到達するように)遊技球を流通させる流通態様(左打ち)よりも、遊技者にとって有利な遊技球の流通態様となる。
ここで、高頻度サポートモードAと高頻度サポートモードBとは、遊技中の制御としては、1回の電役開放抽選に当選した場合の普通電動役物53の開放時間が異なるだけである。従って、本実施形態におけるパチンコ機10は、1回の電役開放抽選に当選した場合の普通電動役物53の開放時間が異なる2つの高頻度サポートモードを切り替えるだけで、遊技者にとって有利な遊技球の流通態様を変えることができる。従って、新たな遊技性を創出することができ、さらに、遊技者に遊技球の流通態様の変更操作に積極的に参加させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
《G7》第7実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
《G7−1》変形例1:
上記第7実施形態は、遊技球を第2始動口34へ誘導する普通電動役物53が第1始動口33bの上方に配置されているため、高頻度サポートモードBにおいて、普通電動役物53が遊技球を第2始動口34に誘導中に、当該普通電動役物53が意図しないタイミングで閉鎖してしまい、遊技球が普通電動役物53から放出され流下し第1始動口33bに入球してしまうといった課題がある。以下に示す変形例1は、上記課題を解決する。
図364は、変形例1における振分機構120、普通電動役物53、および各始動口を示す説明図である。また当該図364は、変形例1における低頻度サポートモードを説明する説明図でもある。なお、図364において普通電動役物53は破線で表した場合には閉鎖状態を示し、実線で表した場合には開放状態を示す。
図364(a)に示すように、本例における第2始動口34は、第1始動口33bよりも遊技盤30に正面視して右側に配置されている。また、普通電動役物53は、2つの可動片である左側可動片53dと右側可動片53eとを備える。左側可動片53dは、開口部124から第1始動口33bまでの遊技球の流通経路上に配置されている。左側可動片53dは、右側の部位が左側の部位より下方に位置するように傾斜している。右側可動片53eは、スルーゲート35bを通過した遊技球の流通経路上に配置されている。右側可動片53eは、左側の部位が右側の部位より下方に位置するように傾斜している。
その他の構成および各サポートモードにおける電役開放抽選の当選確率、電役開放抽選における変動時間、普通電動役物53の開放時間等の制御の内容は上記実施形態と同じである。このような構成を採用した場合の、各サポートモードについて以下に説明する。
本例における低頻度サポートモードは、左打ちをして振分機構120の開口部122に入球させるように遊技球を流通させた場合に遊技者の利益が最大になる。低頻度サポートモードの実行中は、上記実施形態と同様に、振分機構120の開口部122に入球した遊技球は、左側流路R1と右側流路R2とに交互に振り分けられ、左側流路R1に振りけられた遊技球は第1始動口33aに入球し(図364(a))、右側流路R2に振り分けられた遊技球は第1始動口33bに入球する(図364(b))。
図365は、変形例1における高頻度サポートモードAを説明する説明図である。本例における高頻度サポートモードAは、左打ちをして振分機構120の開口部122に入球させるように遊技球を流通させた場合に遊技者の利益が最大になる。高頻度サポートモードAの実行中は、上記実施形態と同様に、振分機構120の開口部122に入球した遊技球は、左側流路R1と右側流路R2とに交互に振り分けられる。図365(a)に示すように、左側流路R1に振りけられた遊技球は第1始動口33aに入球する。図365(b)に示すように、右側流路R2に振り分けられた遊技球は、高い確率で、開放中の普通電動役物53の左側可動片53dに誘導(補助)されて第2始動口34に入球する。なお、本変形例においては、高頻度サポートモードAの実行中に遊技者が右打ちをしても、開放状態の普通電動役物53によって遊技球が誘導(補助)されて第2始動口34に到達するよりも前に、普通電動役物53が閉鎖状態に移行するため、当該遊技球は第2始動口34に入球しない。
図366は、変形例1における高頻度サポートモードBを説明する説明図である。本例における高頻度サポートモードBは、右打ちをしてスルーゲート35bを通過させるように遊技球を流通させた場合に遊技者の利益が最大になる。高頻度サポートモードBの実行中は、上記実施形態と同様に、スルーゲート35bを通過した遊技球は、高い確率で、開放中の普通電動役物53の右側可動片53eに誘導(補助)されて第2始動口34に入球する。
このとき、上記第7実施形態と異なり、高頻度サポートモードBの実行中に遊技球を第2始動口34へ誘導する普通電動役物53の部位(右側可動片53e)が第1始動口33bの上方に配置されていないので、高頻度サポートモードBにおいて普通電動役物53(右側可動片53e)によって誘導されている遊技球は、第1始動口33bの上部を通過しないで第2始動口34まで到達することができる。その結果、仮に、普通電動役物53が遊技球を第2始動口34に誘導中に普通電動役物53が閉鎖した場合であっても、普通電動役物53から放出されて流下した遊技球が第1始動口33bに入球することを抑制することができる。従って、高頻度サポートモードBの実行中に、第1始動口33への遊技球の入球個数と第2始動口34への遊技球の入球個数との相対比を考えた場合、変形例1は、上記実施形態と比較して、より一層、第2始動口34への遊技球の入球比率を高くすることができる。
《G7−2》変形例2:
上記第7実施形態は、遊技球を第2始動口34へ誘導する普通電動役物53が第1始動口33bの上方に配置されているため、高頻度サポートモードAにおいて、普通電動役物53が遊技球を第2始動口34に誘導中に、当該普通電動役物53が意図しないタイミングで閉鎖してしまい、遊技球が普通電動役物53から放出され流下した遊技球が第1始動口33bに入球してしまうといった課題がある。
また、同様に、高頻度サポートモードBにおいて、普通電動役物53が遊技球を第2始動口34に誘導中に、当該普通電動役物53が意図しないタイミングで閉鎖してしまい、遊技球が普通電動役物53から放出され流下した遊技球が第1始動口33bに入球してしまうといった課題がある。以下に示す変形例2は、上記課題を解決する。
図367は、変形例2における振分機構120、普通電動役物53、および各始動口を示す説明図である。また当該図367は、変形例2における低頻度サポートモードを説明する説明図でもある。
本変形例2と上記変形例1との異なる点は、変形例2は、変形例1が備えていた第1始動口33bを備えない点である。その他の構成は、変形例1と同じである。
図367は、変形例2における低頻度サポートモードを説明する説明図であり、図368は、変形例2における高頻度サポートモードAを説明する説明図であり、図369は、変形例2における高頻度サポートモードBを説明する説明図である。
変形例2の場合、図368(b)に示すように、高頻度サポートモードAにおいて、振分機構120によって右側流路R2に振り分けられた遊技球は左側可動片53dによって誘導されて第2始動口34に入球する。このとき、変形例2は変形例1の構成と異なり、第1始動口33bを備えないので、遊技球を第2始動口34に誘導中に普通電動役物53が意図しないタイミングで閉鎖し、遊技球が普通電動役物53から放出され流下した場合であっても、遊技球が第1始動口33bに入球してしまうことを回避することができる。なお、本変形例においては、高頻度サポートモードAの実行中に遊技者が右打ちをしても、開放状態の普通電動役物53によって遊技球が誘導(補助)されて第2始動口34に到達するよりも前に、普通電動役物53が閉鎖状態に移行するため、当該遊技球は第2始動口34に入球しない。
また、上記第7実施形態と異なり、第1始動口33bを備えないので、高頻度サポートモードBの実行中に遊技球を第2始動口34へ誘導する普通電動役物53の部位(右側可動片53e)が第1始動口33bの上方に位置することがなく、高頻度サポートモードBにおいて普通電動役物53(右側可動片53e)によって誘導されている遊技球は、第1始動口33bの上部を通過しないで第2始動口34まで到達することができる。その結果、仮に、普通電動役物53が遊技球を第2始動口34に誘導中に普通電動役物53が閉鎖した場合であっても、普通電動役物53から放出されて流下した遊技球が第1始動口33bに入球することを回避することができる。従って、高頻度サポートモードBの実行中に、第1始動口33への遊技球の入球個数と第2始動口34への遊技球の入球個数との相対比を考えた場合、変形例2は、上記第7実施形態と比較して、より一層、第2始動口34への遊技球の入球比率を高くすることができる。
《G7−3》変形例3:
上記第7実施形態は、遊技球を第2始動口34へ誘導する普通電動役物53が第1始動口33bの上方に配置されているため、高頻度サポートモードAにおいて、普通電動役物53が遊技球を第2始動口34に誘導中に、当該普通電動役物53が意図しないタイミングで閉鎖してしまい、遊技球が普通電動役物53から放出され流下した遊技球が第1始動口33bに入球してしまうといった課題がある。
また、同様に、高頻度サポートモードBにおいて、普通電動役物53が遊技球を第2始動口34に誘導中に、当該普通電動役物53が意図しないタイミングで閉鎖してしまい、遊技球が普通電動役物53から放出され流下した遊技球が第1始動口33bに入球してしまうといった課題がある。以下に示す変形例2は、上記課題を解決する。
また、上記変形例1および変形例2においては、普通電動役物53は左側可動片53dと右側可動片53eとの2つの部位を備えるため、遊技盤30の遊技領域PAに対して普通電動役物53を配置するスペースを広く(大きく)確保しないといけないといった課題がある。以下に示す変形例3は、上記課題を解決する。
図370は、変形例3における振分機構120、普通電動役物53、および各始動口を示す説明図である。また当該図370は、変形例3における低頻度サポートモードを説明する説明図でもある。
図370に示すように、変形例3のパチンコ機10は、変形例2と同様に第1始動口33bを備えない。また、第2始動口34が、開口部124から放出された遊技球が流下する流通経路上に配置されている。さらに、開口部124から第2始動口34までの遊技球の流通経路上に普通電動役物53が配置されている。本変形例における普通電動役物53の動作は、上記実施形態と異なる。変形例3における普通電動役物53は、遊技盤30から突出して配置されている可動片53aが遊技盤30の平面上を移動することで、その開閉動作が実行される。図370は、低頻度サポートモードの状態を示しており、図370(a)および図370(b)に示した普通電動役物53は閉鎖状態である。
本例における低頻度サポートモードは、左打ちをして振分機構120の開口部122に入球させるように遊技球を流通させた場合に遊技者の利益が最大になる。図370(a)および図370(b)に示すように、低頻度サポートモードの実行中は、振分機構120の開口部122に入球した遊技球は、左側流路R1と右側流路R2とに交互に振り分けられ、左側流路R1に振りけられた遊技球は第1始動口33aに入球し、右側流路R2に振り分けられた遊技球は、開口部124から流出した後、閉鎖状態の普通電動役物53の可動片53aの上面を流下し、第2始動口34には入球せずにさらに普通電動役物53より下方に流下する。
図371は、変形例3における高頻度サポートモードAを説明する説明図である。本例における高頻度サポートモードAは、左打ちをして振分機構120の開口部122に入球させるように遊技球を流通させた場合に遊技者の利益が最大になる。高頻度サポートモードAの実行中は、振分機構120の開口部122に入球した遊技球は、左側流路R1と右側流路R2とに交互に振り分けられる。図371(a)は、左側流路R1に振りけられた遊技球が第1始動口33aに入球する様子を示している。図371(b)は、右側流路R2に振り分けられた遊技球が第2始動口34に入球する様子を示している。図371(b)に示すように、本例における普通電動役物53は、遊技盤30を正面視して右上方向に移動することによって、閉鎖状態から開放状態に移行する。普通電動役物53が右上方向に移動すると、開口部124から第2始動口34まで遊技球が流通可能となり、遊技球は第2始動口34に入球する。なお、上記実施形態および変形例における普通電動役物53は、普通電動役物53の上面に到達した遊技球を第2始動口34まで誘導するので、第2始動口34への遊技球の入球を補助する補助手段として機能するが、本例における普通電動役物53も、開放状態に移行することによって開口部124から放出された遊技球が第2始動口34に入球することを容易にすることから、第2始動口34への遊技球の入球を補助する補助手段として機能する。
また、本変形例においては、高頻度サポートモードAの実行中に遊技者が右打ちをしても、開放状態の普通電動役物53によって遊技球が誘導(補助)されて第2始動口34に到達するよりも前に、普通電動役物53が閉鎖状態に移行するため、当該遊技球は第2始動口34に入球しない。
図372は、変形例3における高頻度サポートモードBを説明する説明図である。本例における高頻度サポートモードBは、右打ちをしてスルーゲート35bを通過させるように遊技球を流通させた場合に遊技者の利益が最大になる。図示するように、スルーゲート35bを通過した遊技球は、遊技盤30が備える壁部Wの上面に到達し、当該壁部Wの上面を流通した後、開放中の普通電動役物53の上面を流通し、第2始動口34に入球する。
このように、変形例3のパチンコ機10は、変形例2と同様に、第1始動口33bを備えないので、高頻度サポートモードAの状態において普通電動役物53が意図しないタイミングで開放状態から閉鎖状態に移行した場合であっても、遊技球が第1始動口33bに入球してしまうことを回避することができる。
また、第1始動口33bを備えないので、高頻度サポートモードBの実行中に遊技球を第2始動口34へ誘導する普通電動役物53が第1始動口33bの上方に位置することがなく、高頻度サポートモードBにおいて普通電動役物53によって誘導されている遊技球は、第1始動口33bの上部を通過しないで第2始動口34まで到達することができる。その結果、仮に、普通電動役物53が遊技球を第2始動口34に誘導中に普通電動役物53が閉鎖した場合であっても、普通電動役物53から放出されて流下した遊技球が第1始動口33bに入球することを回避することができる。従って、高頻度サポートモードBの実行中に、第1始動口33への遊技球の入球個数と第2始動口34への遊技球の入球個数との相対比を考えた場合、変形例3は、上記第7実施形態と比較して、より一層、第2始動口34への遊技球の入球比率を高くすることができる。
さらに、変形例3における普通電動役物53は、上記変形例1および変形例2と異なり、左側可動片53dおよび右側可動片53eといった2つの部位を備えず、1つの可動片によって構成されている。従って、遊技盤30の遊技領域PAに対して普通電動役物53を配置するスペースを狭く(小さく)することができ、普通電動役物53の配置領域の省スペース化を実現することができる。
また、変形例3における普通電動役物53は、閉鎖状態のときには、右側流路R2から第2始動口34までの流通経路を遮蔽し、かつ、壁部Wから第2始動口34までの流通経路を分断する。そして、開放状態のときには、右側流路R2から第2始動口34までの流通経路の遮蔽を解除し、かつ、壁部Wから第2始動口34までの流通経路を形成する。従って、普通電動役物53は、閉鎖状態から開放状態に移行することによって、2つの流通経路を変更することができる。すなわち、普通電動役物53は、1つの状態変化で2種類の流通経路の状態を同時に変化させることができる。その結果、右側流路R2から第2始動口34までの流通経路に遊技球を流通させる場合も、壁部Wから第2始動口34までの流通経路に遊技球を流通させる場合も、いずれの場合も、普通電動役物53を利用した遊技を実行することができる。
《G7−4》変形例4:
上記第7実施形態は、遊技球を第2始動口34へ誘導する普通電動役物53が第1始動口33bの上方に配置されているため、高頻度サポートモードAにおいて、普通電動役物53が遊技球を第2始動口34に誘導中に、当該普通電動役物53が意図しないタイミングで閉鎖してしまい、遊技球が普通電動役物53から放出され流下した遊技球が第1始動口33bに入球してしまうといった課題がある。
また、同様に、高頻度サポートモードBにおいて、普通電動役物53が遊技球を第2始動口34に誘導中に、当該普通電動役物53が意図しないタイミングで閉鎖してしまい、遊技球が普通電動役物53から放出され流下した遊技球が第1始動口33bに入球してしまうといった課題がある。以下に示す変形例2は、上記課題を解決する。
また、上記変形例2および変形例3の構成においては、低頻度サポートモードにおいて右側流路R2に振り分けられ開口部124から放出された遊技球は第1始動口33や第2始動口34に入球せずそのまま流下する構成であった。その結果、一連の遊技において払い出される全賞球数に占める役物の動作によらないで払い出される賞球数の比率が低くなってしまうといった課題がある。以下に示す変形例4は、上記の課題を解決する。
図373は、変形例4における振分機構120、普通電動役物53、および各始動口を示す説明図である。また当該図373は、変形例2における低頻度サポートモードを説明する説明図でもある。
変形例4のパチンコ機10は、開口部124から放出された遊技球が流下する流通経路上に一般入賞口32が配置されている。さらに、変形例4のパチンコ機10は第1始動口33bを備えない。
図373(a)に示すように、低頻度サポートモードにおいて開口部122から入球し振分機構120によって左側流路R1に振り分けられた遊技球は第1始動口33aに入球する。そして、図373(b)に示すように、右側流路R2に振り分けられた遊技球は一般入賞口32に入球する。上記変形例2および変形例3の構成においては、低頻度サポートモードにおいて右側流路R2に振り分けられ開口部124から放出された遊技球は第1始動口33や第2始動口34に入球せずそのまま流下したが、本変形例においては、低頻度サポートモードにおいて右側流路R2に振り分けられ開口部124から放出された遊技球は一般入賞口32に入球する。よって、上記変形例2および変形例3と比較して、一連の遊技において払い出される全賞球数に占める役物の動作によらないで払い出される賞球数の比率を高めることができる。
図374は、変形例4における高頻度サポートモードAを説明する説明図である。図374(a)および図374(b)に示すように、高頻度サポートモードAの場合には、振分機構120によって左側流路R1に振り分けられた遊技球は第1始動口33aに入球し、右側流路R2に振り分けられた遊技球は第2始動口34に入球する。変形例4の構成においては、仮に、左側可動片53dが遊技球を第2始動口34まで誘導中に、普通電動役物53が閉鎖した場合であっても、遊技球が一般入賞口32に入球し、意図せず第1始動口33bに入球してしまうことを回避することができる。なお、本変形例においては、高頻度サポートモードAの実行中に遊技者が右打ちをしても、開放状態の普通電動役物53によって遊技球が誘導(補助)されて第2始動口34に到達するよりも前に、普通電動役物53が閉鎖状態に移行するため、当該遊技球は第2始動口34に入球しない。
図375は、変形例4における高頻度サポートモードBを説明する説明図である。図375に示すように、高頻度サポートモードBの場合には、上記変形例1と同様に、スルーゲート35bを通過した遊技球は、高い確率で、開放中の普通電動役物53の右側可動片53eに誘導(補助)されて第2始動口34に入球する。変形例4の構成においては、上記第7実施形態と異なり、第1始動口33bを備えないので、高頻度サポートモードBの実行中に遊技球を第2始動口34へ誘導する普通電動役物53の部位(右側可動片53e)が第1始動口33bの上方に位置することがなく、高頻度サポートモードBにおいて普通電動役物53(右側可動片53e)によって誘導されている遊技球は、第1始動口33bの上部を通過しないで第2始動口34まで到達することができる。その結果、仮に、普通電動役物53が遊技球を第2始動口34に誘導中に普通電動役物53が閉鎖した場合であっても、普通電動役物53から放出されて流下した遊技球が第1始動口33bに入球することを回避することができる。従って、高頻度サポートモードBの実行中に、第1始動口33への遊技球の入球個数と第2始動口34への遊技球の入球個数との相対比を考えた場合、変形例2は、上記第7実施形態と比較して、より一層、第2始動口34への遊技球の入球比率を高くすることができる。
《G7−5》変形例5:
上記第7実施形態においては、第1始動口33として第1始動口33aと第1始動口33bの2つを備えているので、第1始動口33に関して遊技球の入球の検出を、第1始動口33aと第1始動口33bの2つの入球部において行う必要があり、遊技球の入球検知用のセンサを従来より多く備えないといけないといった課題や、遊技盤30の遊技領域PAに対して始動口を配置するスペースを従来より広く(大きく)確保しないといけないといった課題がある。さらに、上記第7実施形態においては、高頻度サポートモードBの実行中に遊技球を第2始動口34へ誘導する普通電動役物53が第1始動口33bの上方に配置されているため、高頻度サポートモードBにおいて普通電動役物53によって誘導(補助)されている遊技球は、第1始動口33bの上部を通過して第2始動口34まで到達する。このとき、仮に、普通電動役物53が遊技球を第2始動口34に誘導中に普通電動役物53が閉鎖した場合には、普通電動役物53から放出されて流下した遊技球が、意図せず第1始動口33bに入球してしまうといった課題がある。以下に示す変形例5は、上記課題を解決する。
図376は、変形例5における振分機構120、普通電動役物53、および各始動口を示す説明図である。また当該図376は、変形例5における低頻度サポートモードを説明する説明図でもある。
図376に示すように、変形例5における振分機構120は、左側流路R1が半円形状を形成している。また、左側流路R1に振り分けられ開口部123から放出された遊技球も、右側流路R2に振り分けられ開口部124から放出した遊技球も、いずれの遊技球も入球可能な位置に第1始動口33aが配置されている。また、変形例5のパチンコ機10は、第1始動口33bを備えない。
本例における低頻度サポートモードは、左打ちをして振分機構120の開口部122に入球させるように遊技球を流通させた場合に遊技者の利益が最大になる。
図376(a)および図376(b)に示すように、低頻度サポートモードの実行中は、振分機構120の開口部122に入球した遊技球は、左側流路R1と右側流路R2とに交互に振り分けられ、左側流路R1に振りけられた遊技球は第1始動口33aに入球し、右側流路R2に振り分けられた遊技球も、開口部124から流出した後、第1始動口33aに入球する。
図377は、変形例5における高頻度サポートモードAを説明する説明図である。本例における高頻度サポートモードAは、左打ちをして振分機構120の開口部122に入球させるように遊技球を流通させた場合に遊技者の利益が最大になる。高頻度サポートモードAの実行中は、振分機構120の開口部122に入球した遊技球は、左側流路R1と右側流路R2とに交互に振り分けられる。図377(a)に示すように、左側流路R1に振りけられた遊技球は第1始動口33aに入球する。図377(b)に示すように、右側流路R2に振り分けられた遊技球は、高い確率で、開放中の普通電動役物53の左側可動片53dに誘導(補助)されて第2始動口34に入球する。なお、本変形例においては、高頻度サポートモードAの実行中に遊技者が右打ちをしても、開放状態の普通電動役物53によって遊技球が誘導(補助)されて第2始動口34に到達するよりも前に、普通電動役物53が閉鎖状態に移行するため、当該遊技球は第2始動口34に入球しない。
図378は、変形例5における高頻度サポートモードBを説明する説明図である。本例における高頻度サポートモードBは、右打ちをしてスルーゲート35bを通過させるように遊技球を流通させた場合に遊技者の利益が最大になる。高頻度サポートモードBの実行中は、スルーゲート35bを通過した遊技球は、高い確率で、開放中の普通電動役物53の右側可動片53eに誘導(補助)されて第2始動口34に入球する。
変形例5におけるパチンコ機10は、第1始動口として第1始動口33aの一つしか備えないので、上記第7実施形態と比較して、備えなければならない遊技球の入球検知用のセンサの数を削減することができる。また、それに伴って、入球検知に必要な処理も削減することができる。さらに、遊技盤30の遊技領域PAに対して始動口を配置するために確保しなければいけないスペースを上記第7実施形態より狭く(小さく)することができる。
また、本変形例におけるパチンコ機10は、高頻度サポートモードBの実行中に遊技球を第2始動口34へ誘導する普通電動役物53の部位(右側可動片53e)が第1始動口33(第1始動口33a)の上方に配置されていないので、高頻度サポートモードBにおいて普通電動役物53(右側可動片53e)によって誘導されている遊技球は、第1始動口33の上部を通過しないで第2始動口34まで到達することができる。その結果、仮に、普通電動役物53が遊技球を第2始動口34に誘導中に普通電動役物53が閉鎖した場合であっても、普通電動役物53から放出されて流下した遊技球が第1始動口33に入球することを抑制することができる。従って、高頻度サポートモードBの実行中に、第1始動口33への遊技球の入球個数と第2始動口34への遊技球の入球個数との相対比を考えた場合、変形例5は、上記実施形態と比較して、より一層、第2始動口34への遊技球の入球比率を高くすることができる。
さらに、本変形例におけるパチンコ機10は、遊技球が振分機構120によって振り分けられたにも関わらず、左側流路R1に振り分けられた遊技球と、右側流路R2に振り分けられた遊技球は、いずれも同一の入球部である第1始動口33aに入球するので、遊技者に、振分機構120の設置目的について種々の推測をさせるとともに、意外性を付与することができる。
《G7−6》変形例6:
上記第7実施形態および変形例における振分機構120は、到達した遊技球を左側流路R1と右側流路R2とに交互に振り分けるため、遊技者は、振分機構120に到達した遊技球がどのように流通するのかを推測することができ、遊技者の遊技に対する集中力や、注目度が低下してしまう可能性があるといった課題がある。以下に示す変形例6は、上記課題を解決する。
図379は、変形例6における振分機構120、普通電動役物53、および各始動口を示す説明図である。また当該図379は、変形例6における低頻度サポートモードを説明する説明図でもある。なお、図379において普通電動役物53は破線で表した場合には閉鎖状態を示し、実線で表した場合には開放状態を示す。
図379に示すように、変形例6における振分機構120は、開口部122から入球した遊技球を一時的に滞留させるクルーン129を備える。クルーン129には開口部123と開口部124とが形成されている。また、開口部124にはスルーゲート35aが設けられている。
開口部122から入球した遊技球は、クルーン129の領域内で移動しながら一時的に滞留した後、開口部123または開口部124から放出される。すなわち、本変形例における振分機構120は、到達した遊技球を開口部123と開口部124とにランダムに振り分ける。
本例における低頻度サポートモードは、左打ちをして振分機構120の開口部122に入球させるように遊技球を流通させた場合に遊技者の利益が最大になる。図379(a)に示すように、クルーン129において開口部123に振り分けられた遊技球は、第1始動口33aに入球する。また、図379(b)に示すように、クルーン129において開口部124に振り分けられた遊技球はスルーゲート35aを通過する。当該通過を契機として電役開放抽選が実行されるが、低頻度サポートモードであるので当該抽選に当選する確率は低く、開口部124に振り分けられた遊技球は高い確率で第1始動口33bに入球する。
図380は、変形例6における高頻度サポートモードAを説明する説明図である。本例における高頻度サポートモードAは、左打ちをして振分機構120の開口部122に入球させるように遊技球を流通させた場合に遊技者の利益が最大になる。図380(a)に示すように、クルーン129において開口部123に振り分けられた遊技球は、第1始動口33aに入球する。また、図380(b)に示すように、クルーン129において開口部124に振り分けられた遊技球はスルーゲート35aを通過し、当該通過を契機として電役開放抽選が実行される。高頻度サポートモードAであるので当該抽選に当選する確率は高く、その場合、普通電動役物53が開放状態に移行する。よって、クルーン129によって開口部124に振り分けられた遊技球は、普通電動役物53に誘導(補助)され、高い確率で第2始動口34に入球する。なお、本変形例においては、高頻度サポートモードAの実行中に遊技者が右打ちをしても、開放状態の普通電動役物53によって遊技球が誘導(補助)されて第2始動口34に到達するよりも前に、普通電動役物53が閉鎖状態に移行するため、当該遊技球は第2始動口34に入球しない。
図381は、変形例6における高頻度サポートモードBを説明する説明図である。図381に示すように、高頻度サポートモードBの場合には、スルーゲート35bを通過した遊技球は、高い確率で、開放中の普通電動役物53の右側可動片53eに誘導(補助)されて第2始動口34に入球する。
このように変形例6は、振分機構120の構成が上記実施形態および変形例と異なり、クルーン129を備える。すなわち、振分機構120に到達した遊技球を2つの経路に交互に振り分けるのではなく、ランダムに振り分ける。従って、遊技者は、振分機構120に到達した遊技球がどのように振り分けられるのかを推測しにくい。従って、遊技者に対して、振分機構120における振り分け態様に注目させることができるとともに、遊技者を遊技に集中させることができる。特に、高頻度サポートモードAの場合には、開口部123に振り分けられた遊技球は第1始動口33aに入球し、開口部124に振り分けられた遊技球は高い確率で第2始動口34に入球する。従って、振分機構120が2つの経路に交互に振り分ける場合と異なり、第1始動口33aへの遊技球の入球個数と第2始動口34への遊技球の入球個数との相対比に偏りが生じる場合がある。従って、変形例6の構成の場合、高頻度サポートAにおいて、遊技者に対して、期待感や緊迫感を付与することができる。
また、本変形例ではクルーン129には開口部123と開口部124との2つの開口部が形成されている構成を採用したが、クルーン129に3つ以上の開口部が形成されている構成を採用してもよい。例えば、クルーン129が、開口部123および開口部124に加え、3つ目の開口部を備える構成を採用してもよい。そして、3つ目の開口部から放出された遊技球の流通経路上に一般入賞口32を設ける構成や、入球部を設けない構成を採用してもよい。このようにすることで、遊技者は、振分機構120に到達した遊技球がどのように振り分けられるのかをより一層推測しにくくなる。従って、遊技者に対して、振分機構120における振り分け態様について、より一層注目させることができる。
《G7−7》変形例7:
上記実施形態におけるパチンコ機10は、確変大当たりに当選した場合には、抽選モードが高確率モードとなり、次回に大当たりに当選するまで当該高確率モードが継続する構成を採用したが、高確率モードでの遊技回の実行数に制限がある構成を採用してもよい。このような構成を採用することによって、例えば、16R確変大当たりBに当選したことを契機として、高確率モードかつ高頻度サポートモードBとなった場合であっても、高確率モードかつ高頻度サポートモードBの状態で実行できる遊技回の回数に制限があるので(例えば150回)、当該制限回数に達するまでに大当たりに当選しない場合には、低確率モードかつ低頻度サポートモードになってしまう。従って、変形例7のパチンコ機10は、高確率モードの状態において、遊技者に対して、大当たりに当選する期待感を付与することに加え、制限回数以内に大当たりに当選しなかった場合に不利な状態に移行してしまうといった危機感も付与することができ、遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。
《G7−8》変形例8:
上記実施形態において、第1始動口用の振り分けテーブルに設定されている大当たり種別のうち、高頻度サポートモードAとなる大当たり種別(確変大当たりA、通常大当たりA)に当選した場合に、当該大当たりに当選したことを遊技者が認識しにくい態様にする構成を採用してもよい。例えば、高頻度サポートモードAとなる大当たりに当選した場合の遊技回の演出において大当たりに当選したことを遊技者が認識しにくい態様に設定する。そして、大当たりに当選した遊技回の終了後の開閉実行モードの期間を極めて短期間に設定して、遊技者が、開閉実行モードが実行されたことを認識しにくい態様に設定する。具体的には、高頻度サポートモードAとなる大当たり種別(確変大当たりA、通常大当たりA)に設定するラウンド遊技の回数(ラウンド数)を少なくし(例えば、2ラウンド)、かつ、当該ラウンド遊技の時間を極めて短期間に設定する。さらに、開閉実行モード中の演出も遊技者に認識されにくい態様に設定する。このような構成を採用することで、遊技者が低頻度サポートモードの状態から、大当たり当選を経て、高頻度サポートAに移行したことを認識しにくくする。その結果、遊技者の気が付かない間に、振分機構120に到達した遊技球が第1始動口33aと第1始動口33bに交互に入球していた状態(低頻度サポートモード)から、振分機構120に到達した遊技球が第1始動口33aと第2始動口34に交互に入球する状態(高頻度サポートモードA)に移行させることができ、遊技者に意外性を付与することができるとともに、遊技の興趣向上を図ることができる。
《G7−9》変形例9:
上記実施形態のパチンコ機10において、スルーゲート35(スルーゲート35a、スルーゲート35b)を通過した遊技球を保留しない構成を採用したが、通過した遊技球を保留する構成を採用してもよい(最大保留数は4個)。このようにすることで、高頻度サポートモードA、および、高頻度サポートモードBの場合に、スルーゲート35(スルーゲート35a、スルーゲート35b)を通過して普通電動役物53に遊技球が到達するタイミングと、普通電動役物53が開放状態となるタイミングとがずれる現象が生じやすくなり、当該タイミングが合って普通電動役物53に誘導されて第2始動口34まで遊技球が到達するか否かについて遊技者により一層注目させることができるとともに、期待感や緊迫感を付与することができる。
《G7−10》変形例10:
普通電動役物53は、上記実施形態および変形例の構成に限らず、他の構成を採用することができる。図382は普通電動役物53の構成の一例を示す説明図である。図に示すように、普通電動役物53が閉鎖状態の場合には、板状の可動片53aにおける遊技球の流通面53sが遊技盤30の平面と平行になるように倒れた状態となっており、普通電動役物53が開放状態の場合には、流通面53sが遊技盤30の平面と略垂直となるように回動し、流通面53sを遊技球が流通可能な状態となる。このような構成を採用しても、上記実施形態および変形例と同様の効果を奏することができる。
《G7−11》変形例11:
上記第7実施形態において、普通電動役物53に代えて、非電動役物を備えるとしてもよい。具体的には、スルーゲート35aまたはスルーゲート35bを遊技球が通過した場合には、スルーゲート35aおよびスルーゲート35bと機械的に連動した非電動役物が所定時間、開放状態となり、所定時間の経過後、閉鎖する。このようにすることで、処理を簡易化することができるとともに、上記第7実施形態と同様の効果を奏することができる。
《G7−12》変形例12:
上記第7実施形態においては、低頻度サポートモード、高頻度サポートモードA、高頻度サポートモードBの各遊技状態における遊技回で実行される演出は、各遊技回に対応する抽選結果に基づいて決定されているが、遊技回が実行されている時点における遊技状態に関する情報を反映して設定していない。各遊技状態には各々特性があるにも関わらず、各特性を反映した演出が設定されておらず、演出を介した遊技の興趣向上を図る余地がある。
例えば、高頻度サポートモードAにおいては、第1始動口(第1始動口33a、第1始動口33b)と第2始動口34とに交互に遊技球が入球する確率(以下、交互入球確率とも呼ぶ)が、第1始動口(第1始動口33a、第1始動口33b)に連続して遊技球が入球する確率(第1始動口連続入球確率とも呼ぶ)や、第2始動口34に連続して遊技球が入球する確率よりも高い。
また、図332に示すように、第7実施形態のパチンコ機10においては、第1始動口に遊技球が入球したことを起因とする遊技回(以下、第1始動口遊技回とも呼ぶ)が実行されるよりも、第2始動口に遊技球が入球したことを起因とする遊技回(以下、第2始動口遊技回とも呼ぶ)が実行される方が遊技者にとって有利となるように構成されている。つまり、第1始動口に入球したことを契機として実行される遊技回において大当たりに当選するよりも、第2始動口に入球したことを契機として実行される遊技回において大当たりに当選する方が、遊技者にとって有利となる可能性が高い。具体的には、大当たりに当選した場合に、大当たり種別として高頻度サポートモードBに移行(または維持)する大当たり種別(大当たりB)に当選する確率は、第1始動口遊技回で大当たりに当選するよりも第2始動口遊技回で大当たりに当選する方が高く、逆に、第1始動口遊技回で大当たりに当選しても殆どの場合、大当たり種別が高頻度サポートモードAに移行(または維持)する大当たり種別(大当たりA)となる。換言すれば、第1始動口遊技回において大当たりに当選するよりも、第2始動口遊技回において大当たりに当選する方が、大当たりに当選したことによって付与される特典の有利度合の期待度が高い。
従って、低頻度サポートモード、高頻度サポートモードA、高頻度サポートモードBの3つの遊技状態のうち、特に第1始動口遊技回と第2始動口遊技回が交互に実行される確率が高い高頻度サポートモードAにおいては、第1始動口遊技回は第2始動口遊技回と比較して相対的に遊技者の期待感が小さくなる。また、遊技者は、高頻度サポートモードAにおいては、第1始動口遊技回で大当たりに当選することを望まない場合もあり、そのような場合に、第1始動口遊技回において比較的長い期間をかけて、大当たりに当選するのか又は外れるのといった遊技者の期待感を煽る演出を実行すると遊技者に不快感を与えてしまう。従って、高頻度サポートモードAにおいては、遊技者の期待感が小さい第1始動口遊技回は短時間で実行し、遊技者の期待感が大きい第2始動口遊技回を比較的長い時間をかけて実行し遊技者に期待感を付与すること、および、遊技者の不快感を軽減、抑制することが好適である。
そこで本変形例では、高頻度サポートモードAにおいて、第1始動口遊技回の変動時間の平均値を第2始動口遊技回の変動時間の平均値より短く設定する。このようにすることで、高頻度サポートモードAにおいて、遊技者の期待感が小さい第1始動口遊技回を短時間で実行して期待感の低下を抑制し、第2始動口遊技回を比較的長い時間をかけて実行して遊技者の期待感を向上させることができる。
また、通常の遊技機においては、当たり抽選の抽選結果が外れ(リーチ発生)や大当たり当選の場合には、リーチ演出等を実行する時間を考慮して、外れ(リーチ非発生)よりも変動時間が長くなるように設定されている。上記第7実施形態においては、外れ(リーチ非発生)、外れ(リーチ発生)、大当たりの各抽選結果に対応する3つの変動時間テーブルを用意し、当たり抽選の抽選結果に応じた変動時間テーブルを参照することによって実現している。
しかしながら、上記第7実施形態における高頻度サポートモードAにおいては、第1始動口遊技回において当たり抽選に当選したとしても、高頻度サポートモードBに移行する大当たり種別(大当たりB)に当選する確率は低いため、第1始動口遊技回における演出によって大当たりに当選することを認識した場合であっても、その遊技回に対する遊技者の期待感は小さい。すなわち、高頻度サポートモードAにおいて実行される第1始動口遊技回に対しては、当たり抽選の結果如何に関わらず、遊技者の期待感は小さい。
そこで本変形例では、高頻度サポートモードAにおいて第1始動口遊技回が実行される場合には、当たり抽選の抽選結果が大当たりである場合と外れである場合において変動時間に差がない構成にする。具体的には、高頻度サポートモードAにおいて第1始動口遊技回が実行される際には、当たり抽選の抽選結果に関わらず同じ変動時間テーブルを参照する。以下、高頻度サポートモードAにおいて第1始動口遊技回が実行される際に参照する変動時間テーブルを、高サポA時第1始動口用変動時間テーブルとも呼ぶ。そして、上述したように、当該高サポA時第1始動口用変動時間テーブルを参照することによって設定される変動時間の平均値が、高頻度サポートモードAにおいて実行される第2始動口遊技回の変動時間の平均値より短くなるように、高サポA時第1始動口用変動時間テーブルに、変動時間に対応する情報(値)を設定する。
以下、本変形例を実現する具体的な構成の一例を説明する。なお、本説明においては、本変形例と上記第7実施形態との差異点を説明し、本変形例と上記第7実施形態における同じ構成については説明を省略する。
<変動時間の設定処理>
図383は、変形例12における変動時間の設定処理を示すフローチャートである。変動時間の設定処理は、第7実施形態における変動開始処理のサブルーチン(図348:Sg1016)として主制御装置60のMPU62によって実行される。すなわち、本変形例においては、第7実施形態の図349で説明した変動時間の設定処理に代えて、以下に説明する図383に示す変動時間の設定処理を採用する。
ステップSg2501では、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSg2502に進む。
ステップSg2502では、高頻度サポートモードAフラグ、又は、高頻度サポートモードBフラグがONであるか否かを判定する。ステップSg2502において、高頻度サポートモードAフラグおよび高頻度サポートモードBのいずれもONではないと判定した場合には(Sg2502:NO)、ステップSg2503に進む。
ステップSg2503では、低頻度サポートモード用変動時間設定処理を実行する。すなわち、高頻度サポートモードAフラグおよび高頻度サポートモードBフラグのいずれもONではない状態は、低頻度サポートモードの状態であるので、低頻度サポートモードに対応した変動時間の設定処理を実行する。低頻度サポートモード用変動時間設定処理は、低頻度サポートモードの状態において実行される遊技回の変動時間を設定する処理である。低頻度サポートモード用変動時間設定処理の詳細については後述する。ステップSg2503を実行した後、ステップSg2507に進む。
一方、ステップSg2502において、高頻度サポートモードAフラグ、又は、高頻度サポートモードBフラグがONであると判定した場合には(Sg2502:YES)、ステップSg2504に進む。
ステップSg2504では、高頻度サポートモードAフラグがONであるか否かを判定する。ステップSg2504において、高頻度サポートモードAフラグがONであると判定した場合には(Sg2504:YES)、ステップSg2505に進む。
ステップSg2505では、高頻度サポートモードA用変動時間設定処理を実行する。高頻度サポートモードA用変動時間設定処理は、高頻度サポートモードAの状態において実行される遊技回の変動時間を設定する処理である。高頻度サポートモードA用変動時間設定処理の詳細については後述する。ステップSg2505を実行した後、ステップSg2507に進む。
ステップSg2504において、高頻度サポートモードAフラグがONではないと判定した場合には(Sg2504:NO)、ステップSg2506に進む。ステップSg2506では、高頻度サポートモードB用変動時間設定処理を実行する。高頻度サポートモードB用変動時間設定処理は、高頻度サポートモードBの状態において実行される遊技回の変動時間を設定する処理である。高頻度サポートモードB用変動時間設定処理の詳細については後述する。ステップSg2506を実行した後、ステップSg2507に進む。
ステップSg2507では、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
<低頻度サポートモード用変動時間設定処理>
次に、低頻度サポートモード用変動時間設定処理について説明する。低頻度サポートモード用変動時間設定処理は、変動時間の設定処理のサブルーチン(図383:Sg2503)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図384は、低頻度サポートモード用変動時間設定処理を示すフローチャートである。ステップSg2601では、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップSg2601において、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が大当たりであると判定した場合には(Sg2601:YES)、ステップSg2602に進む。
ステップSg2602では、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている低頻度サポートモード時大当たり用変動時間テーブル(図では、低サポ時大当たり用変動時間テーブルと表記)を参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、低頻度サポートモード用変動時間設定処理を終了する。
ステップSg2601において、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が大当たりではないと判定した場合には(Sg2601:NO)、ステップSg2603に進む。
ステップSg2603では、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が外れ(リーチ発生)であるか否かを判定する。ステップSg2603において、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が外れ(リーチ発生)であると判定した場合には(Sg2603:YES)、ステップSg2604に進む。
ステップSg2604では、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている低頻度サポートモード時リーチ発生用変動時間テーブル(図では、低サポ時リーチ発生用変動時間テーブルと表記)を参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、低頻度サポートモード用変動時間設定処理を終了する。
ステップSg2603において、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が外れ(リーチ発生)ではないと判定した場合には(Sg2603:NO)、ステップSg2605に進む。ステップSg2605では、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている低頻度サポートモード時リーチ非発生用変動時間テーブル(図では、低サポ時リーチ非発生用変動時間テーブルと表記)を参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、低頻度サポートモード用変動時間設定処理を終了する。
なお、本変形例においては、低頻度サポートモードの状態においては、第1始動口遊技回と第2始動口遊技回とを区別することなく、当たり抽選の抽選結果に応じた変動時間の設定を行う。このようにすることで、第1始動口遊技回用の変動時間テーブルと第2始動口遊技回用の変動時間テーブルを記憶する必要がなく、記憶容量を削減することができる。また、低頻度サポートモードにおいて、変動時間を設定する際に、第1始動口遊技回であるか第2始動口遊技回であるかを判定する処理を省略することができ、変動時間の設定処理を簡易化することができる。さらに、低頻度サポートモードにおいては、遊技球が第2始動口34に入球する確率が極めて低いため、低頻度サポートモードにおいて第2始動口遊技回が実行されることを想定してデータの記憶容量を確保したり、変動時間の設定処理を複雑化させることは、製造の非効率化につながるため、低頻度サポートモードの状態においては、第1始動口遊技回と第2始動口遊技回とを区別することなく、当たり抽選の抽選結果に応じた変動時間の設定を行うことは好適である。
また、本変形例においては、当たり抽選の抽選結果が大当たりである場合、外れ(リーチ発生)である場合、外れ(リーチ非発生)である場合のうち、大当たりである場合の変動時間の平均値が最も長く、次に、外れ(リーチ発生)である場合の変動時間の平均値が長く、外れ(リーチ非発生)である場合の変動時間の平均値が最も短くなるように、各変動時間テーブルは構成されている。
<高頻度サポートモードA用変動時間設定処理>
次に、高頻度サポートモードA用変動時間設定処理について説明する。高頻度サポートモードA用変動時間設定処理は、変動時間の設定処理のサブルーチン(図384:Sg2505)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図385は、高頻度サポートモードA用変動時間設定処理を示すフローチャートである。ステップSg2701では、処理対象である遊技回が第1始動口への遊技球の入球に起因する遊技回(第1始動口遊技回)であるか否かを判定する。具体的には、第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定し、第2図柄表示部フラグがOFFの場合には処理対象の遊技回が第1始動口遊技回であると判定し、第2図柄表示部フラグがONの場合には処理対象の遊技回が第2始動口遊技回であると判定する。
ステップSg2701において、処理対象の遊技回が第1始動口遊技回であると判定した場合には(Sg2701:YES)、ステップSg2702に進む。ステップSg2702では、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高頻度サポートモードA時第1始動口用変動時間テーブル(図では、高サポA時第1始動口用変動時間テーブルと表記)を参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、高頻度サポートモードA用変動時間設定処理を終了する。
ステップSg2701において、処理対象の遊技回が第1始動口遊技回ではないと判定した場合には(Sg2701:NO)、ステップSg2703に進む。すなわち、処理対象の遊技回が第2始動口遊技回である場合には、ステップSg2703に進む。
ステップSg2703では、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップSg2703において、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が大当たりであると判定した場合には(Sg2703:YES)、ステップSg2704に進む。ステップSg2704では、高頻度サポートモードA時第2始動口大当たり用変動時間テーブル(図では、高サポA時第2始動口大当たり用変動時間テーブルと表記)を参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、高頻度サポートモードA用変動時間設定処理を終了する。
ステップSg2703において、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が大当たりではないと判定した場合には(Sg2703:NO)、ステップSg2705に進む。ステップSg2705では、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が外れ(リーチ発生)であるか否かを判定する。ステップSg2705において、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が外れ(リーチ発生)であると判定した場合には(Sg2705:YES)、ステップSg2706に進む。
ステップSg2706では、高頻度サポートモードA時第2始動口リーチ発生用変動時間テーブル(図では、高サポA時第2始動口リーチ発生用変動時間テーブルと表記)を参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、高頻度サポートモードA用変動時間設定処理を終了する。
ステップSg2705において、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が外れ(リーチ非発生)であると判定した場合には(Sg2705:NO)、ステップSg2707に進む。
ステップSg2707では、高頻度サポートモードA時第2始動口リーチ非発生用変動時間テーブル(図では、高サポA時第2始動口リーチ非発生用変動時間テーブルと表記)を参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、高頻度サポートモードA用変動時間設定処理を終了する。
上記図385のフローチャートに示すように、本変形例においては、高頻度サポートモードAのときは、第1始動口遊技回が実行される場合の変動時間は当たり抽選の抽選結果に関わらず同じ変動時間テーブルを参照して変動時間を設定する。本変形例の最初に説明したように、高頻度サポートモードAにおいては、第1始動口遊技回において当たり抽選に当選したとしても、高頻度サポートモードBに移行する大当たり種別(大当たりB)に当選する確率が低いため、第1始動口遊技回における演出によって大当たり当選に当選することを認識した場合であっても、その遊技回に対する遊技者の期待感は小さい。すなわち第1始動口遊技回に対しては、当たり抽選の結果如何に関わらず、遊技者の期待感が小さい。そこで、本変形例では、高頻度サポートモードAにおいて第1始動口遊技回が実行される場合には、当たり抽選の抽選結果が大当たりである場合と外れである場合において変動時間に差がない構成にするため、高頻度サポートモードAにおいて第1始動口遊技回が実行される際には、当たり抽選の抽選結果に関わらず同じ変動時間テーブルを参照する構成とした。さらに、本変形例においては、高頻度サポートモードAにおいて第1始動口遊技回が実行される場合には、当たり抽選の抽選結果が大当たりである場合に設定される変動時間と、外れである場合に設定される変動時間とが同一または略同一である。換言すれば、高頻度サポートモードAにおいて第1始動口遊技回が実行される場合には、当たり抽選の抽選結果が大当たりである場合に設定される変動時間の平均値と、外れである場合に設定される変動時間の平均値とが同一または略同一である。また、本変形例においては、高頻度サポートモードAにおいては、第1始動口遊技回が実行される際に参照する高サポA時第1始動口用変動時間テーブルによって設定される変動時間の平均値が、第2始動口遊技回が実行される際に参照する高サポA時第2始動口大当たり用変動時間テーブル、高サポA時第2始動口リーチ発生用変動時間テーブル、高サポA時第2始動口リーチ非発生用変動時間テーブルによって設定される変動時間の平均値より短くなるように、各変動時間テーブルは構成されている。すなわち、本変形例では、高頻度サポートモードAにおいては、遊技者の期待感の小さい第1始動口遊技回の変動時間の平均値が遊技者の期待感の大きい第2始動口遊技回の変動時間の平均値より短くなるように構成されている。このような構成を採用することによって、高頻度サポートモードAの状態のときに、第1始動口遊技回の変動時間を短くして遊技者の期待感の低下を抑制することができるとともに、第2始動口遊技回の変動時間を比較的長くして遊技者の期待感を上昇させることができる。また、遊技者は、高頻度サポートモードAにおいては、第1始動口遊技回で大当たりに当選することを望まない場合もあり、そのような場合に、第1始動口遊技回において比較的長い期間をかけて、大当たりに当選するのか又は外れるのといった遊技者の期待感を煽る演出を実行すると遊技者に不快感を与えてしまう。従って、本変形例のように、高頻度サポートモードAの場合に、第1始動口遊技回の変動時間の平均値を比較的短くすることによって、遊技に対する遊技者の不快感を軽減、抑制することができる。
<高頻度サポートモードB用変動時間設定処理>
次に、高頻度サポートモードB用変動時間設定処理について説明する。高頻度サポートモードB用変動時間設定処理は、変動時間の設定処理のサブルーチン(図384:Sg2506)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図386は、高頻度サポートモードB用変動時間設定処理を示すフローチャートである。ステップSg2801では、処理対象である遊技回が第1始動口への遊技球の入球に起因する遊技回(第1始動口遊技回)であるか否かを判定する。具体的には、第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定し、第2図柄表示部フラグがOFFの場合には処理対象の遊技回が第1始動口遊技回であると判定し、第2図柄表示部フラグがONの場合には処理対象の遊技回が第2始動口遊技回であると判定する。
ステップSg2801において、処理対象の遊技回が第1始動口遊技回であると判定した場合には(Sg2801:YES)、ステップSg2802に進む。ステップSg2802では、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている高頻度サポートモードB時第1始動口用変動時間テーブル(図では、高サポB時第1始動口用変動時間テーブルと表記)を参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、高頻度サポートモードA用変動時間設定処理を終了する。
ステップSg2801において、処理対象の遊技回が第1始動口遊技回ではないと判定した場合には(Sg2801:NO)、ステップSg2803に進む。すなわち、処理対象の遊技回が第2始動口遊技回である場合には、ステップSg2803に進む。
ステップSg2803では、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップSg2803において、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が大当たりであると判定した場合には(Sg2803:YES)、ステップSg2804に進む。ステップSg2804では、高頻度サポートモードB時第2始動口大当たり用変動時間テーブル(図では、高サポB時第2始動口大当たり用変動時間テーブルと表記)を参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、高頻度サポートモードA用変動時間設定処理を終了する。
ステップSg2803において、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が大当たりではないと判定した場合には(Sg2803:NO)、ステップSg2805に進む。ステップSg2805では、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が外れ(リーチ発生)であるか否かを判定する。ステップSg2805において、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が外れ(リーチ発生)であると判定した場合には(Sg2805:YES)、ステップSg2806に進む。
ステップSg2806では、高頻度サポートモードB時第2始動口リーチ発生用変動時間テーブル(図では、高サポB時第2始動口リーチ発生用変動時間テーブルと表記)を参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、高頻度サポートモードB用変動時間設定処理を終了する。
ステップSg2805において、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が外れ(リーチ非発生)であると判定した場合には(Sg2805:NO)、ステップSg2807に進む。
ステップSg2807では、高頻度サポートモードB時第2始動口リーチ非発生用変動時間テーブル(図では、高サポB時第2始動口リーチ非発生用変動時間テーブルと表記)を参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、高頻度サポートモードB用変動時間設定処理を終了する。
上記図386のフローチャートに示すように、高頻度サポートモードBのときも、高頻度サポートモードAのときと同様に、第1始動口遊技回が実行される場合における遊技者の期待感は小さい。従って、高頻度サポートモードBにおいて第1始動口遊技回の変動時間を設定する場合も、高頻度サポートモードAにおいて第1始動口遊技回の変動時間を設定する場合と同様に、当たり抽選の抽選結果に関わらず同じ変動時間テーブルを参照する構成とした。また、第1始動口遊技回が実行される際に参照する高サポB時第1始動口用変動時間テーブルによって設定される変動時間の平均値が、第2始動口遊技回が実行される際に参照する高サポB時第2始動口大当たり用変動時間テーブル、高サポB時第2始動口リーチ発生用変動時間テーブル、高サポB時第2始動口リーチ非発生用変動時間テーブルによって設定される変動時間の平均値より短くなるように、各変動時間テーブルは構成されている。すなわち、高頻度サポートモードBにおいても、第1始動口遊技回の変動時間の平均値が第2始動口遊技回の変動時間の平均値より短くなるように構成されている。このような構成を採用することによって、高頻度サポートモードBの状態のときに、第1始動口遊技回の変動時間を短くして遊技者の期待感の低下を抑制することができるとともに、第2始動口遊技回の変動時間を比較的長くして遊技者の期待感を上昇させることができる。
<演出パターンの設定処理>
図387は、変形例12における演出パターンの設定処理を示すフローチャートである。演出パターンの設定処理は、第7実施形態における遊技回演出用処理のサブルーチン(図359:Sg2003)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。すなわち、本変形例においては、第7実施形態の図360で説明した演出パターンの設定処理に代えて、以下に説明する図387に示す演出パターンの設定処理を採用する。
ステップSg2901では、音光側高頻度サポートモードAフラグ、又は、音光側高頻度サポートモードBフラグがONであるか否かを判定する。ステップSg2901において、音光側高頻度サポートモードAフラグおよび音光側高頻度サポートモードBフラグのいずれもONではないと判定した場合には(Sg2901:NO)、ステップSg2902に進む。
ステップSg2902では、低頻度サポートモード用演出パターン設定処理を実行する。低頻度サポートモード用演出パターン設定処理は、低頻度サポートモードの状態で実行される遊技回において実行する演出のパターンを設定する処理である。低頻度サポートモード用演出パターン設定処理の詳細については後述する。ステップSg2902を実行した後、演出パターンの設定処理を終了する。
一方、ステップSg2901において、音光側高頻度サポートモードAフラグ、又は、音光側高頻度サポートモードBフラグがONであると判定した場合には(Sg2901:YES)、ステップSg2903に進む。
ステップSg2903では、音光側高頻度サポートモードAフラグがONであるか否かを判定する。ステップSg2903において、音光側高頻度サポートモードAフラグがONであると判定した場合には(Sg2903:YES)、ステップSg2904に進む。
ステップSg2904では、高頻度サポートモードA用演出パターン設定処理を実行する。高頻度サポートモードA用演出パターン設定処理は、高頻度サポートモードAの状態で実行される遊技回において実行する演出のパターンを設定する処理である。高頻度サポートモードA用演出パターン設定処理の詳細については後述する。ステップSg2904を実行した後、演出パターンの設定処理を終了する。
ステップSg2903において、音光側高頻度サポートモードAフラグがONではないと判定した場合には(Sg2903:NO)、ステップSg2905に進む。
ステップSg2905では、高頻度サポートモードB用演出パターン設定処理を実行する。高頻度サポートモードB用演出パターン設定処理は、高頻度サポートモードBの状態で実行される遊技回において実行する演出のパターンを設定する処理である。高頻度サポートモードB用演出パターン設定処理の詳細については後述する。ステップSg2905を実行した後、演出パターンの設定処理を終了する。
<低頻度サポートモード用演出パターン設定処理>
次に、低頻度サポートモード用演出パターン設定処理について説明する。低頻度サポートモード用演出パターン設定処理は、演出パターンの設定処理のサブルーチン(図387:Sg2902)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
図388は、低頻度サポートモード用演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSg3001では、処理対象の遊技回が第1始動口遊技回であるか第2始動口遊技回であるか判定する。ステップSg3001において、処理対象の遊技回が第1始動口遊技回であると判定した場合には(Sg3001:YES)、ステップSg3002に進む。
ステップSg3002では、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップSg3002において、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が大当たりであると判定した場合には(Sg3002:YES)、ステップSg3003に進む。
ステップSg3003では、低頻度サポートモード第1始動口大当たり用演出パターンの設定処理(図では、低サポ第1始動口大当たり用演出パターンの設定処理と表記)を実行する。当該処理は、低頻度サポートモードにおける第1始動口遊技回で大当たりに当選した場合に実行する演出のパターンを設定する処理である。低頻度サポートモードにおいては、第1始動口遊技回が継続的に実行される確率が高いため、第1始動口遊技回で実行する演出において遊技者の期待感を向上させる演出を実行する。より具体的には、後述する高頻度サポートモードAにおける第1始動口遊技回で実行する演出よりも、遊技者の期待感を向上させる内容の演出を実行する。すなわち、同じ第1始動口遊技回であっても、実行される遊技の状態が異なれば遊技者の期待感は異なったものとなる。高頻度サポートモードAにおいては、第1始動口遊技回の実行に加え、より遊技者にとって有利な第2始動口遊技回も頻繁に実行される(第1始動口遊技回と第2始動口遊技回が交互に実行される)。よって、高頻度サポートモードAにおいては、第1始動口遊技回に対して遊技者はあまり期待感を持たない。一方、低頻度サポートモードにおいては、高い確率で第1始動口遊技回のみが実行される。よって、低頻度サポートモードにおいては、第1始動口遊技回に対して遊技者は期待感を持つ。従って、低頻度サポートモードにおける第1始動口遊技回においては、高頻度サポートモードAにおける第1始動口遊技回で実行する演出よりも、遊技者の期待感を向上させる内容の演出を実行する。例えば、低頻度サポートモードにおける第1始動口遊技回においては、当たり抽選の抽選結果毎に、演出を実行する時間の長さ(変動時間の長さ)を変える。より具体的には、外れ(リーチ非発生)、外れ(リーチ発生)、大当たりの3つのうち、外れ(リーチ非発生)における演出を実行する時間の長さ(変動時間)が最も短く、次に外れ(リーチ発生)における演出を実行する時間の長さ(変動時間)が短く、大当たりにおける演出を実行する時間の長さ(変動時間)が最も長くなるように構成する。その他、当たり抽選の抽選結果に対応する液晶用図柄が停止またはそれに対応する演出にかける時間を高頻度サポートモードAにおける第1始動口遊技回よりも長くする。このようにすることで、低頻度サポートモードにおける第1始動口遊技回を、高頻度サポートモードAにおける第1始動口遊技回よりも、遊技者の期待感を向上させるものにすることができる。
ステップSg3003を実行した後、低頻度サポートモード用演出パターン設定処理を終了する。
ステップSg3002において、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が大当たりではないと判定した場合には(Sg3002:NO)、ステップSg3004に進む。
ステップSg3004では、低頻度サポートモード第1始動口外れ用演出パターンの設定処理(図では、低サポ第1始動口外れ用演出パターンの設定処理と表記)を実行する。当該処理は、低頻度サポートモードにおける第1始動口遊技回で当たり抽選の抽選結果が外れである場合に実行する演出のパターンを設定する処理である。上述のように、低頻度サポートモードにおいては、第1始動口遊技回が継続的に実行される確率が高いため、高頻度サポートモードAにおける第1始動口遊技回で実行する演出よりも、遊技者の期待感を向上させる内容の演出を実行する。
ステップSg3004を実行した後、低頻度サポートモード用演出パターン設定処理を終了する。
ステップSg3001において、処理対象の遊技回が第1始動口遊技回ではないと判定した場合には(Sg3001:NO)、ステップSg3005に進む。
ステップSg3005では、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が大当たりであるか否かを判定する。ステップSg3005において、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が大当たりであると判定した場合には(Sg3005:YES)、ステップSg3006に進む。
ステップSg3006では、低頻度サポートモード第2始動口大当たり用演出パターンの設定処理(図では、低サポ第2始動口大当たり用演出パターンの設定処理と表記)を実行する。当該処理は、低頻度サポートモードにおける第2始動口遊技回で大当たりに当選した場合に実行する演出のパターンを設定する処理である。低頻度サポートモードにおいては、第2始動口34に遊技球が入球する可能性が極めて低い。そのような状態にも関わらず、第2始動口34に遊技球が入球して第2始動口遊技回が実行され、かつ、大当たりに当選した場合に本処理は実行される。従って、本処理においては、極めて遊技者の期待感を向上させる内容の演出を設定する。ステップSg3006を実行した後、低頻度サポートモード用演出パターン設定処理を終了する。
ステップSg3005において、処理対象の遊技回の当たり抽選の抽選結果が外れであると判定した場合には(Sg3005:NO)、ステップSg3007に進む。
ステップSg3007では、低頻度サポートモード第2始動口外れ用演出パターンの設定処理(図では、低サポ第2始動口外れ用演出パターンの設定処理と表記)を実行する。当該処理は、低頻度サポートモードにおける第2始動口遊技回で当たり抽選の抽選結果が外れである場合に実行する演出のパターンを設定する処理である。本処理も、ステップSg3006と同様に、極めて遊技者の期待感を向上させる内容の演出を設定する。ステップSg3007を実行した後、低頻度サポートモード用演出パターン設定処理を終了する。
<高頻度サポートモードA用演出パターン設定処理>
次に、高頻度サポートモードA用演出パターン設定処理について説明する。高頻度サポートモードA用演出パターン設定処理は、演出パターンの設定処理のサブルーチン(図387:Sg2904)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
図389は、高頻度サポートモードA用演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSg3101では、処理対象の遊技回が第1始動口遊技回であるか否かを判定する。ステップSg3101において、処理対象の遊技回が第1始動口遊技回であると判定した場合には(Sg3101:YES)、ステップSg3102に進む。
ステップSg3102では、連続演出フラグがONであるか否かを判定する。本変形例においては、高頻度サポートモードAにおいて2回連続して第1始動口遊技回が実行される場合には、当該2回の第1始動口遊技回のうち1回目の遊技回における当たり抽選の抽選結果が外れである場合に、特定の演出として、当該2回の遊技回を跨いで一連の演出を実行する連続演出を実行する。連続演出フラグは、当該連続演出において実行する演出のパターンを設定する場合にONにされ、当該連続演出が設定された2回目の遊技回の開始時にOFFにされる。
ステップSg3102において、連続演出フラグがONではないと判定した場合には(Sg3102:NO)、ステップSg3103に進む。ステップSg3103では、当該処理対象である遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりであるか否かを判定する。
ステップSg3103において、処理対象である遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりではないと判定した場合には(Sg3103:NO)、ステップSg3104に進む。ステップSg3104では、保留されている次回の遊技回が第1始動口遊技回であるか否かを判定する。ステップSg3104において、次回の遊技回が第1始動口遊技回であると判定した場合には(Sg3104:YES)、ステップSg3105に進み、連続演出フラグをONにする。その後、ステップSg3106に進む。
ステップSg3106では、連続演出用演出パターンの設定処理を実行する。本処理においては、連続演出を実行する2回の第1始動口遊技回について、2遊技回分の演出パターンを本処理において決定する。連続演出用演出パターンの設定処理で設定する演出の内容の詳細は後述する。ステップSg3106を実行した後、高頻度サポートモードA用演出パターン設定処理を終了する。
ステップSg3102において、連続演出フラグがONであると判定した場合には(Sg3102:YES)、ステップSg3107に進む。ステップSg3107では、連続演出フラグをOFFにする。すなわち、処理対象の第1始動口遊技回の演出の設定を行う際に、既に連続演出フラグがONである場合とは、既に当該処理対象の第1始動口遊技回について連続演出の演出パターンが設定されている場合である。従って、その場合には、連続演出フラグをOFFにするとともに、そのまま高頻度サポートモードA用演出パターン設定処理を終了する。
ステップSg3104において、次回の遊技回が第1始動口遊技回ではないと判定した場合には(Sg3104:NO)、ステップSg3108に進む。ステップSg3108では、高頻度サポートモードA第1始動口外れ用演出パターンの設定処理(図では、高サポA第1始動口外れ用演出パターンの設定処理と表記)を実行する。当該処理は、高頻度サポートモードAにおける第1始動口遊技回で当たり抽選の抽選結果が外れである場合に実行する演出のパターンを設定する処理である。高頻度サポートモードA第1始動口外れ用演出パターンの設定処理で設定する演出の内容の詳細は後述する。ステップSg3108を実行した後、高頻度サポートモードA用演出パターン設定処理を終了する。
ステップSg3103において、処理対象である遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりであると判定した場合には(Sg3103:YES)、ステップSg3109に進む。ステップSg3109では、高頻度サポートモードA第1始動口大当たり用演出パターンの設定処理(図では、高サポA第1始動口大当たり用演出パターンの設定処理と表記)を実行する。当該処理は、高頻度サポートモードAにおける第1始動口遊技回で当たり抽選の抽選結果が大当たりである場合に実行する演出のパターンを設定する処理である。高頻度サポートモードA第1始動口大当たり用演出パターンの設定処理で設定する演出の内容の詳細は後述する。ステップSg3109を実行した後、高頻度サポートモードA用演出パターン設定処理を終了する。
ステップSg3101において、処理対象の遊技回が第1始動口遊技回ではないと判定した場合には(Sg3101:NO)、ステップSg3110に進む。ステップSg3110では、当該処理対象である遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりであるか否かを判定する。
ステップSg3110において、処理対象である遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりであると判定した場合には(Sg3110:YES)、ステップSg3111に進む。
ステップSg3111では、高頻度サポートモードA第2始動口大当たり用演出パターンの設定処理(図では、高サポA第2始動口大当たり用演出パターンの設定処理と表記)を実行する。当該処理は、高頻度サポートモードAにおける第2始動口遊技回で当たり抽選の抽選結果が大当たりである場合に実行する演出のパターンを設定する処理である。高頻度サポートモードA第2始動口大当たり用演出パターンの設定処理で設定する演出の内容の詳細は後述する。ステップSg3111を実行した後、高頻度サポートモードA用演出パターン設定処理を終了する。
ステップSg3110において、処理対象である遊技回における当たり抽選の抽選結果が外れであると判定した場合には(Sg3110:NO)、ステップSg3112に進む。
ステップSg3112では、高頻度サポートモードA第2始動口外れ用演出パターンの設定処理(図では、高サポA第2始動口外れ用演出パターンの設定処理と表記)を実行する。当該処理は、高頻度サポートモードAにおける第2始動口遊技回で当たり抽選の抽選結果が外れである場合に実行する演出のパターンを設定する処理である。高頻度サポートモードA第2始動口外れ用演出パターンの設定処理で設定する演出の内容の詳細は後述する。ステップSg3112を実行した後、高頻度サポートモードA用演出パターン設定処理を終了する。
次に、高頻度サポートモードAの遊技回における演出のパターンについて説明する。
図390は、高頻度サポートモードAの第1始動口遊技回における演出パターンを説明する説明図である。先に、上記説明した連続演出以外の演出パターンについて説明し、その後、図391において、連続演出の演出パターンについて説明する。
図390(a)、および、図390(b)には、高頻度サポートモードAでの第1始動口遊技回が開始された直後の演出パターンの様子を示した。図示するように、高頻度サポートモードAの第1始動口遊技回では、バトル演出が実行され、遊技者側を示すカメのキャラクターと、敵側を示すタコのキャラクターとが戦いをしている様子が表示面41aに表示される。図示するように、このときメイン表示領域MAは、表示面41aの右側上部に表示され、液晶用図柄は変動をしている。上述したように、高頻度サポートモードAでの第1始動口遊技回は、高頻度サポートモードAの第2始動口遊技回より遊技者にとって不利な遊技回であるので、当該演出では、第1始動口遊技回が開始された直後に敵側を示すタコが遊技者側を示すカメに攻めこみ、遊技者側が不利な状況であることを示唆する。
高頻度サポートモードAの第1始動口遊技回における当たり抽選の抽選結果が外れである場合には、図390(c)に示すように、遊技者側を示すカメが敗北する様子が表示面41aに表示される。その後、図示は省略したが、メイン表示領域MAが表示面41aの中央に表示され、外れを示す液晶用図柄が停止表示する。高サポA第1始動口外れ用演出パターンでは、遊技者が不利な状況であることを示唆するとともに、遊技者側が敗北したことを示唆する。図390(a)→図390(b)→図390(c)に示した演出パターンが、図389のステップSg3108に示した高サポA第1始動口外れ用演出パターンの一例である。
高頻度サポートモードAの第1始動口遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりAである場合には、図390(d)および図390(e)に示すように、遊技者側を示すカメが敵側を示すタコの攻撃に耐え、現在の状態を維持した様子が表示面41aに表示される。その後、図示は省略したが、メイン表示領域MAが表示面41aの中央に表示され、大当たりAを示す液晶用図柄が停止表示する。高頻度サポートモードAの第1始動口遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりAであることは、現在の遊技状態(高頻度サポートモードA)が、当該遊技回の終了後、次回以降の遊技回においても維持されることを意味する。よって、図390(d)および図390(e)に示したように、高頻度サポートモードAの第1始動口遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりAである場合には、現在の遊技状態が維持されたことを示唆する演出を実行する。
高頻度サポートモードAの第1始動口遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりBである場合には、図390(f)および図390(g)に示すように、遊技者側を示すカメが敵側を示すタコの攻撃に耐え、その後、遊技者を示すカメが敵を攻撃して勝利した様子が表示面41aに表示される。その後、図示は省略したが、メイン表示領域MAが表示面41aの中央に表示され、大当たりBを示す液晶用図柄が停止表示する。高頻度サポートモードAの第1始動口遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりBであることは、次回以降の遊技回において、現在の遊技状態(高頻度サポートモードA)よりも有利な遊技状態に移行することを意味する。よって、図390(f)および図390(g)に示したように、高頻度サポートモードAの第1始動口遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりBである場合には、現在の遊技状態よりも有利な遊技状態に移行することを示唆する演出を実行する。
図390(a)→図390(b)→図390(d)→図390(e)、および、図390(a)→図390(b)→図390(f)→図390(g)に示した演出パターンが、図389のステップSg3109に示した高サポA第1始動口大当たり用演出パターンの一例である。
なお、上述したように、高頻度サポートモードAにおいて実行される第1始動口遊技回は、当たり抽選の結果に関わらず同じ変動時間テーブルを用いて変動時間を設定する。従って、図390において説明した演出の実行時間も、当たり抽選の抽選結果には関わらず設定される。また、本変形例においては、高頻度サポートモードAにおける第1始動口遊技回に設定される変動時間は、当たり抽選の抽選結果には関わらず、同一また略同一である。より具体的には、抽選結果が大当たりである場合に設定される変動時間と外れ(リーチ発生およびリーチ非発生)の場合に設定される変動時間とが同一または略同一である。
図391は、高頻度サポートモードAの第1始動口遊技回における連続演出を説明する説明図である。
上述のように、高頻度サポートモードAにおいて2回連続で第1始動口遊技回が実行される場合に、連続演出は実行される。すなわち、高頻度サポートモードAにおいて実行される遊技回(第1始動口遊技回と第2始動口遊技回)の中で遊技者にとって不利な遊技回である第1始動口遊技回が2回連続で実行されるので、第1始動口遊技回と第2始動口遊技回とが交互に実行される場合と比較して、遊技者にとって不利である度合が大きい。従って、連続演出では、2回の第1始動口遊技回を跨いで遊技者にとって不利である度合が大きいことを示唆する演出を実行する。具体的には、図391(a)、図391(b)に示すように、敵側を示すタコがより大きく表示され、遊技者が不利である度合が大きいことを示唆する。連続演出においては、図391(a)→図391(b)の演出パターンが、2回の第1始動口遊技回のうちの1回目で実行され、右側上部のメイン表示領域MAに外れに対応する液晶用図柄が停止表示する。
2回目の第1始動口遊技回における当たり抽選の抽選結果が外れである場合には、図391(c)に示すように、遊技者側を示すカメが敗北する様子が表示面41aに表示される。その後、図示は省略したが、メイン表示領域MAが表示面41aの中央に表示され、2回目の第1始動口遊技回における当たり抽選の抽選結果が外れであることを示す液晶用図柄が停止表示する。
2回目の第1始動口遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりAである場合には、図391(d)および図391(e)に示すように、遊技者側を示すカメが敵側を示すタコの攻撃に耐え、現在の状態を維持した様子が表示面41aに表示される。その後、図示は省略したが、メイン表示領域MAが表示面41aの中央に表示され、2回目の第1始動口遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりAであることを示す液晶用図柄が停止表示する。
2回目の第1始動口遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりBである場合には、図391(f)および図391(g)に示すように、遊技者側を示すカメが敵側を示すタコの攻撃に耐え、その後、遊技者を示すカメが敵を攻撃して勝利した様子が表示面41aに表示される。その後、図示は省略したが、メイン表示領域MAが表示面41aの中央に表示され、2回目の第1始動口遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりBであることを示す液晶用図柄が停止表示する。
このように、高頻度サポートモードAにおいて2回連続で第1始動口遊技回が実行される場合には、特定の演出として、遊技者にとって不利である度合が大きいことを示唆する連続演出が実行される。このような態様の連続演出を実行することによって遊技者に緊迫感や危機感を付与するとともに、仮に、2回目の第1始動口遊技回において大当たりBに当選した場合には、遊技者に大きな達成感を付与することができる。
なお、連続演出が実行される場合において、2回連続して実行される第1始動口遊技回のうちの1回目の第1始動口遊技回および2回目の第1始動口遊技回の変動時間は、高頻度サポートモードAにおける第1始動口遊技回における変動時間の設定方法と同じである。すなわち、連続演出が実行される第1始動口遊技回の変動時間は、当たり抽選の抽選結果に関わらず同じ変動時間テーブル(高サポA時第1始動口用変動時間テーブル)を用いて変動時間を設定する。また、本変形例においては、高頻度サポートモードAにおける2回連続して実行される第1始動口遊技回に設定される変動時間は、当たり抽選の抽選結果には関わらず、同一また略同一である。具体的には、第1始動口遊技回の抽選結果が大当たりである場合に設定される変動時間と外れ(リーチ発生およびリーチ非発生)の場合に設定される変動時間とが同一または略同一である。
図392は、高頻度サポートモードAの第2始動口遊技回における演出パターンを説明する説明図である。
図392(a)、および、図392(b)には、高頻度サポートモードAでの第2始動口遊技回が開始された直後の演出パターンの様子を示した。図示するように、高頻度サポートモードAの第2始動口遊技回では、バトル演出が実行され、遊技者側を示すカメのキャラクターと、敵側を示すタコのキャラクターとが戦いをしている様子が表示面41aに表示される。図示するように、このときメイン表示領域MAは、表示面41aの右側上部に表示され、液晶用図柄は変動をしている。上述したように、高頻度サポートAでの第2始動口遊技回は、高頻度サポートモードAの第1始動口遊技回より遊技者にとって有利な遊技回であるので、当該演出では、第2始動口遊技回が開始された直後に、遊技者側を示すカメが敵側を示すタコに攻めこみ、遊技者側が有利な状況であることを示唆する。
高頻度サポートモードAの第2始動口遊技回における当たり抽選の抽選結果が外れである場合には、図392(c)に示すように、遊技者側を示すカメが敵側を示すタコに攻められて敗北する様子が表示面41aに表示される。その後、図示は省略したが、メイン表示領域MAが表示面41aの中央に表示され、外れを示す液晶用図柄が停止表示する。高サポA第2始動口外れ用演出パターンでは、遊技者が有利な状況であることを示唆した後、遊技者側が敗北したことを示唆する。図392(a)→図392(b)→図392(c)に示した演出パターンが、図389のステップSg3112に示した高サポA第2始動口外れ用演出パターンの一例である。
高頻度サポートモードAの第2始動口遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりBである場合には、図392(d)および図392(e)に示すように、遊技者側を示すカメが敵側を示すタコに攻撃し、その後、遊技者を示すカメが敵側を示すタコに勝利した様子が表示面41aに表示される。その後、図示は省略したが、メイン表示領域MAが表示面41aの中央に表示され、大当たりBを示す液晶用図柄が停止表示する。高頻度サポートモードAの第2始動口遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりBであることは、次回以降の遊技回において、現在の遊技状態(高頻度サポートモードA)よりも有利な遊技状態に移行することを意味する。よって、高頻度サポートモードAの第2始動口遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりBである場合には、現在の遊技状態よりも有利な遊技状態に移行することを示唆する演出を実行する。なお、上記第7実施形態および本変形例においては第2始動口遊技回において大当たりに当選した場合の大当たり種別に大当たりAは設定されていないため、第2始動口遊技回で大当たりAに当選した場合における演出パターンは構成として備えない。
図392(a)→図392(b)→図392(d)→図392(e)に示した演出パターンが、図389のステップSg3111に示した高サポA第2始動口大当たり用演出パターンの一例である。
なお、上述のように、高頻度サポートモードAの第2始動口遊技回に設定される変動時間は、当たり抽選の抽選結果に対応して異なる。より具体的には、当たり抽選の抽選結果が大当たりである場合と、外れ(リーチ発生)である場合と、外れ(リーチ非発生)の場合とで、変動時間の設定処理において参照する変動時間テーブルが異なる(図385参照)。本変形例においては、当たり抽選の抽選結果が大当たりである場合に設定される変動時間(または変動時間の平均値)が最も長く、次に外れ(リーチ発生)である場合に設定される変動時間(または変動時間の平均値)が長く、外れ(リーチ非発生)である場合に設定される変動時間(または変動時間の平均値)が最も短い。
以上、高頻度サポートモードAの遊技回における演出のパターンについて説明した。
<高頻度サポートモードB用演出パターン設定処理>
次に、高頻度サポートモードB用演出パターン設定処理について説明する。高頻度サポートモードB用演出パターン設定処理は、演出パターンの設定処理のサブルーチン(図387:Sg2905)として音声発光制御装置90の音光側MPU92によって実行される。
図393は、高頻度サポートモードB用演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSg3201では、処理対象の遊技回が第1始動口遊技回であるか否かを判定する。ステップSg3201において、処理対象の遊技回が第1始動口遊技回であると判定した場合には(Sg3201:YES)、ステップSg3202に進む。ステップSg3202では、当該処理対象である遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりであるか否かを判定する。
ステップSg3202において、処理対象である遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりであると判定した場合には(Sg3202:YES)、ステップSg3203に進む。ステップSg3203では、高頻度サポートモードB第1始動口大当たり用演出パターンの設定処理(図では、高サポB第1始動口大当たり用演出パターンの設定処理と表記)を実行する。当該処理は、高頻度サポートモードBにおける第1始動口遊技回で当たり抽選の抽選結果が大当たりである場合に実行する演出のパターンを設定する処理である。高頻度サポートモードBにおいても、高頻度サポートモードAと同様に、第1始動口遊技回は第2始動口遊技回より遊技者にとって不利である。従って、当該大当たりの種別が大当たりAの場合には、高頻度サポートモードA第1始動口遊技回の演出パターンと同様に、例えば、図390(a)→図390(b)→図390(d)→図390(e)の演出パターンが設定される。また、当該大当たりの種別が大当たりBの場合には、例えば、図390(a)→図390(b)→図390(f)→図390(g)の演出パターンが設定される。ステップSg3203を実行した後、高頻度サポートモードB用演出パターン設定処理を終了する。
ステップSg3202において、処理対象である遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりではないと判定した場合には(Sg3202:NO)、ステップSg3204に進む。ステップSg3204では、高頻度サポートモードB第1始動口外れ用演出パターンの設定処理(図では、高サポB第1始動口外れ用演出パターンの設定処理と表記)を実行する。当該処理は、高頻度サポートモードBにおける第1始動口遊技回で当たり抽選の抽選結果が外れである場合に実行する演出のパターンを設定する処理である。当該処理において設定される演出のパターンは、高頻度サポートモードA第1始動口遊技回の演出パターンと同様に、例えば、図390(a)→図390(b)→図390(c)の演出パターンが設定される。ステップSg3204を実行した後、高頻度サポートモードB用演出パターン設定処理を終了する。
ステップSg3201において、処理対象の遊技回が第1始動口遊技回ではないと判定した場合には(Sg3201:NO)、ステップSg3205に進む。ステップSg3205では、当該処理対象である遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりであるか否かを判定する。
ステップSg3205において、処理対象である遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりであると判定した場合には(Sg3205:YES)、ステップSg3206に進む。
ステップSg3206では、高頻度サポートモードB第2始動口大当たり用演出パターンの設定処理(図では、高サポB第2始動口大当たり用演出パターンの設定処理と表記)を実行する。当該処理は、高頻度サポートモードBにおける第2始動口遊技回で当たり抽選の抽選結果が大当たりである場合に実行する演出のパターンを設定する処理である。
高頻度サポートモードBにおいても、高頻度サポートモードAと同様に、第2始動口遊技回は第1始動口遊技回より遊技者にとって有利である。従って、当該大当たりの種別が大当たりBの場合には、高頻度サポートモードA第2始動口遊技回の演出パターンと同様に、例えば、図392(a)→図392(b)→図392(d)→図392(e)の演出パターンが設定される。ステップSg3206を実行した後、高頻度サポートモードB用演出パターン設定処理を終了する。
ステップSg3205において、処理対象である遊技回における当たり抽選の抽選結果が外れであると判定した場合には(Sg3205:NO)、ステップSg3207に進む。
ステップSg3207では、高頻度サポートモードB第2始動口外れ用演出パターンの設定処理(図では、高サポB第2始動口外れ用演出パターンの設定処理と表記)を実行する。当該処理は、高頻度サポートモードBにおける第2始動口遊技回で当たり抽選の抽選結果が外れである場合に実行する演出のパターンを設定する処理である。当該処理において設定される演出のパターンは、高頻度サポートモードA第2始動口遊技回の演出パターンと同様に、例えば、図392(a)→図392(b)→図392(c)の演出パターンが設定される。ステップSg3207を実行した後、高頻度サポートモードB用演出パターン設定処理を終了する。
以上説明したように、本変形例では、高頻度サポートモードAにおいて実行される第1始動口遊技回の変動時間を決定する際に用いる変動時間テーブルは、当該第1始動口遊技回の当たり抽選の抽選結果に関係なく同じ変動時間テーブル(高サポA時第1始動口用変動時間テーブル)を用いるので、高頻度サポートモードAの状態において、第2始動口遊技回と比較して相対的に不利である第1始動口遊技回の抽選結果に注目させないようにすることができ、第1始動口遊技回が実行されることによる遊技者の期待感の低下を抑制することができる。
より具体的には、低頻度サポートモードにおいては、第1始動口遊技回における変動時間を決定する場合に、当たり抽選の抽選結果毎に異なる変動時間テーブルを用い、高頻度サポートモードAにおいては、第1始動口遊技回における変動時間を決定する場合に、当たり抽選の抽選結果に関わらず同じ変動時間テーブルを用いる。すなわち、低頻度サポートモードにおいては、第1始動口遊技回の抽選結果毎に変動時間に変化を設けるのに対して、高頻度サポートモードAにおいては、第1始動口遊技回の抽選結果に関係なく変動時間に変化を設けない。このようにすることで、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードAとの間で、第1始動口遊技回の抽選結果に注目させる度合に差をつけることができる。低頻度サポートモードにおいては、第1始動口遊技回の当たり抽選の結果毎に変動時間に変化を設けるので、遊技者に抽選結果について注目させることができる。高頻度サポートモードAにおいては、第1始動口遊技回の当たり抽選の結果に関係なく変動時間に変化を設けないので、遊技者に抽選結果について注目させないようにすることができる。よって、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードAとの間で、第1始動口遊技回について遊技者の注目度合を変えることができ、遊技者の遊技に対する注目度の低下や期待感の低下を抑制することができる。また、高頻度サポートモードAにおいて、遊技者にとって有利でない第1始動口遊技回の当たり抽選の結果の注目度を下げ、遊技者にとって有利な第2始動口遊技回の当たり抽選の結果の注目度を上げることができる。その結果、遊技者の期待感の低下を抑制することができる。
さらに、高頻度サポートモードAにおいては、第1始動口遊技回における変動時間を決定する場合に、当たり抽選の抽選結果に関わらず同じ変動時間テーブルを用いるので、当たり抽選の抽選結果に応じて異なる変動時間テーブルを用いて変動時間を決定する場合と比較して、変動時間テーブルを記憶するための記憶容量の削減、および、変動時間を決定する際の処理の簡易化を実現することができる。
高頻度サポートモードAにおいては、第1始動口遊技回が第2始動口遊技回よりも不利であると遊技者に想起させてしまう頻度が高く、第1始動口遊技回の実行中に遊技者の期待感を低下させてしまう可能性がある。従って、高頻度サポートモードAにおいて第1始動口遊技回が実行されることについて遊技者の期待感の低下を抑制する必要がある。そこで、第1始動口遊技回が実行されている期間(すなわち、変動時間)を第2始動口遊技回が実行されている期間(変動時間)よりも相対的に短くなるような構成にすれば、高頻度サポートモードAにおいて第1始動口遊技回の実行よりも第2始動口遊技回の実行に遊技者の意識がいく。すなわち、高頻度サポートモードAにおいて遊技者が、第1始動口遊技回の変動時間が短いと感じ、第2始動口遊技回の変動時間が長いと感じることができる構成にすることで、高頻度サポートモードAの期間全体として遊技者の期待感の低下を抑制することができる。
本変形例では、その一形態として、高頻度サポートモードAにおいては、第1始動口遊技回の変動時間の平均値が、第2始動口遊技回の変動時間の平均値より短くなるように変動時間を決定する。すなわち、高頻度サポートモードAにおいて実際に実行された第1始動口遊技回の変動時間の平均値が、高頻度サポートモードAにおいて実際に実行された第2始動口遊技回の変動時間の平均値よりも短くなるように構成にする。例えば、高頻度サポートモードA用変動時間設定処理において用いる4つの変動時間テーブル(高サポA時第1始動口用変動時間テーブル、高サポA時第2始動口大当たり用変動時間テーブル、高サポA時第2始動口リーチ発生用変動時間テーブル、高サポA時第2始動口リーチ非発生用変動時間テーブル:図385参照)において、乱数(変動種別カウンタCS)の値に対応して記録・設定する変動時間(または変動時間に対応する情報)の値の平均値が、長い方から高サポA時第2始動口大当たり用変動時間テーブル、高サポA時第2始動口リーチ発生用変動時間テーブル、高サポA時第2始動口リーチ非発生用変動時間テーブル、高サポA時第1始動口用変動時間テーブルの順になるような構成を採用してもよい。
その他、高頻度サポートモードAにおいて、当たり抽選の抽選結果が大当たりである第1始動口遊技回の変動時間の平均値が、当たり抽選の抽選結果が大当たりである第2始動口遊技回の変動時間の平均値より短くなる構成を採用してもよいし、高頻度サポートモードAにおいて、当たり抽選の結果が外れ(リーチ発生)である第1始動口遊技回の変動時間の平均値が、当たり抽選の結果が外れ(リーチ発生)である第2始動口遊技回の変動時間の平均値より短くなる構成を採用してもよいし、高頻度サポートモードAにおいて、当たり抽選の結果が外れ(リーチ非発生)である第1始動口遊技回の変動時間の平均値が、当たり抽選の結果が外れ(リーチ非発生)である第2始動口遊技回の変動時間の平均値より短くなる構成を採用してもよいし、これら全ての特徴を備える構成を採用してもよい。
例えば、本変形例では、高頻度サポートモードAにおける第1始動口遊技回の変動時間を設定する際に用いる変動時間テーブルは一つであるが、第1始動口遊技回の当たり抽選の抽選結果毎に用いる変動時間テーブルを分けてもよい。すなわち、高サポA時第1始動口大当たり用変動時間テーブル、高サポA時第1始動口リーチ発生用変動時間テーブル、高サポA時第1始動口リーチ非発生用変動時間テーブルを備える構成にする。そして、高サポA時第1始動口大当たり用変動時間テーブルに記録されている変動時間(又は、変動時間に対応する情報)の平均値が、高サポA時第2始動口大当たり用変動時間テーブルに記録されている変動時間(又は、変動時間に対応する情報)の平均値より短い構成を採用してもよい。また、高サポA時第1始動口リーチ発生用変動時間テーブルに記録されている変動時間(又は、変動時間に対応する情報)の平均値が、高サポA時第2始動口リーチ発生用変動時間テーブルに記録されている変動時間(又は、変動時間に対応する情報)の平均値より短い構成を採用してもよい。さらに、高サポA時第1始動口リーチ非発生用変動時間テーブルに記録されている変動時間(又は、変動時間に対応する情報)の平均値が、高サポA時第2始動口リーチ非発生用変動時間テーブルに記録されている変動時間(又は、変動時間に対応する情報)の平均値より短い構成を採用してもよい。
このようにすることで、第1始動口遊技回が実行されている期間に遊技者の期待感を低下させることを抑制することができる。そして、遊技者にとって有利でない第1始動口遊技回の当たり抽選の結果の注目度を、遊技者にとって有利な第2始動口遊技回の当たり抽選の結果の注目度に対して相対的に下げ、逆に、遊技者にとって有利な第2始動口遊技回の当たり抽選の結果の注目度を、遊技者にとって有利でない第1始動口遊技回の当たり抽選の結果の注目度に対して相対的に上げることができる。
さらに、本変形例では、高頻度サポートモードAにおいて、第1始動口遊技回においてタコがカメを攻撃する演出を実行し、第2始動口遊技回においてカメがタコを攻撃する演出を実行するので、いずれの第1始動口遊技回と第2始動口遊技回のいずれが実行されているのかを遊技者に認識させやすくすることができ、遊技者が遊技の流れを理解するのを補助することができる。
また、高頻度サポートモードAでは、第1始動口遊技回において敵側を示すタコが遊技者側を示すカメを攻撃する演出を実行することによって遊技者側が不利な状況であることを示唆し、第2始動口遊技回において遊技者側を示すカメが敵側を示すタコを攻撃する演出を実行することによって遊技者側が有利な状況であることを示唆する。このような演出を実行することによって、実行されている遊技回が遊技者に有利な遊技回であるのか、遊技者に不利な遊技回であるのかを遊技者に認識させやすくすることができ、遊技者の遊技の流れの理解をより一層補助することができる。
さらに、高頻度サポートモードBにおいて、第1始動口遊技回が実行される場合には、現在の遊技状態よりも不利な遊技状態に移行する可能性があることを示唆する演出(図390(a)→図390(b)→図390(d)→図390(e)の演出パターン/図390(a)→図390(b)→図390(f)→図390(g)の演出パターン)を実行するので、複雑に変化する遊技状態において、実行される遊技回が有利となるのか不利となるのかを遊技者に認識しやすくすることができ、遊技者の遊技の流れの理解を一層補助することができる。
また、高頻度サポートモードAにおいて、第1始動口遊技回を2回連続で実行する場合には特定の演出として連続演出を実行するので、特定の演出の実行を認識した遊技者に対して、第1始動口に遊技球が連続して2回入球するといった確率の低い事象が起きたことを認識させることができ、発生する確率の低い事象が起きたことに対する遊技者の好奇心を惹起させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。なお、特定の演出は連続演出に限定されず、2回の第1始動口遊技回の1回ごとに演出パターンが設定された演出を実行する構成を採用してもよい。また、2回の第1始動口遊技回のうちの少なくとも1回において特定の演出を実行するとしてもよい。
また、第7実施形態においては、第1の図柄として特別図柄(始動口に入球したことを契機として変動させる図柄)、第2の図柄として普通図柄(電動役物開放抽選、電役開放抽選において変動させる図柄)を採用してもよいし、第1の図柄として普通図柄、第2の図柄として特別図柄を採用してもよい。その他、第1種入球手段を第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)、第2種入球手段を第2始動口34とする構成を採用してもよいし、第1種入球手段を第2始動口34、第2種入球手段を第1始動口33(第1始動口33a、第1始動口33b)とする構成を採用してもよい。
なお、本変形例においては、高頻度サポートモードAにおいて第1始動口遊技回が実行される場合に、当たり抽選の抽選結果が大当たりである場合に設定される変動時間と、外れである場合に設定される変動時間とが同一または略同一であるようにする構成として、高頻度サポートモードAのときは、第1始動口遊技回が実行される場合の変動時間は当たり抽選の抽選結果に関わらず同じ変動時間テーブルを参照して変動時間を設定する構成を採用したが、高頻度サポートモードAにおいて第1始動口遊技回が実行される場合に、当たり抽選の抽選結果が大当たりである場合に設定される変動時間と、外れである場合に設定される変動時間とが同一または略同一であるようにする構成であればどのような構成を採用してもよい。
例えば、高頻度サポートモードAにおいて第1始動口遊技回が実行される場合に、当たり抽選の抽選結果に応じて参照する変動時間テーブルを用意する。具体的には、大当たり用の変動時間テーブルと、外れ(リーチ発生)用の変動時間テーブルと、外れ(リーチ非発生)用の変動時間を用意し、それらのテーブルに記録されている変動時間(または変動時間に対応する情報)が、各変動時間テーブル間で同一または略同一である構成を採用してもよい。その他、高頻度サポートモードAのときは、第1始動口遊技回が実行される場合の変動時間は当たり抽選の抽選結果に関わらず常に同じ変動時間(常時、一定値の変動時間)が設定される構成を採用してもよい。具体的には、高頻度サポートモードAのときの第1始動口遊技回の変動時間の値(または、変動時間に対応する情報)を1つのみ記憶し、いずれの第1始動口遊技回の変動時間に対しても当該記憶している1つの変動時間を設定する構成を採用してもよいし、1つの変動時間テーブルを用意し、当該変動時間テーブルに記憶されている変動時間(または変動時間に対応する情報)が、全て同一または略同一である構成を採用してもよい。
本変形例においては、高頻度サポートモードAにおいて第1始動口遊技回が連続して2回以上実行される場合に、特定の演出として連続演出を実行する構成を採用したが、他の構成を採用してもよい。例えば、高頻度サポートモードAにおいて第2始動口遊技回が連続して2回以上実行される場合に、特定の演出として連続演出を実行する構成を採用してもよい。この場合、高頻度サポートAにおいて第2始動口遊技回が連続して実行されることは遊技者にとって有利であるので、例えば、連続演出として、遊技者側を示すカメが敵側を示すタコを攻める演出を実行する構成を採用してもよい。このような構成を採用することによって、さらに遊技の興趣向上を図ることができる。
《H》第8実施形態:
《H1》遊技機の構造:
図394は、本発明の第8実施形態としてのパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」ともいう)の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる各遊技回、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
前扉枠14の正面視右側(以下、単に「右側」とも呼ぶ)には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
上皿20の周縁部の正面視左側(以下、単に「左側」とも呼ぶ)には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図395は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53と、電源ユニット58とを備えている。具体的には、これらユニットは、内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能を有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。この基板ボックスは、開閉の痕跡が残るように構成されている。例えば、開閉可能な箇所に封印シールが貼付されており、基板ボックスを開放すると「開封」といった文字が現れるように構成されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、図柄表示装置を制御する。図柄表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
電源ユニット58は、電源装置85と、電源スイッチ88とを備えている。電源装置85は、パチンコ機10の動作に必要な電力を供給する。電源装置85には、電源スイッチ88が接続されている。電源スイッチ88のON/OFF操作により、パチンコ機10に電力が供給されている供給状態と、パチンコ機10に電力が供給されていない非供給状態とが切り換えられる。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図396は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、前後方向に貫通する複数の開口部が形成されている。各開口部には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。具体的には、可変表示ユニット40は遊技盤30の略中央に設けられており、メイン表示部45は遊技盤30の正面視右上付近に設けられている。遊技盤30には、可変表示ユニット40を囲むように、表面に装飾が施された装飾枠部材DFが取り付けられている。
装飾枠部材DFの上側から右側までの部分と、外レール部31bおよびメイン表示部45とによって挟まれた空間には、第1右打ち用レールR1と、第2右打ち用レールR2と、が設けられている。第2右打ち用レールR2の下側部分の右側には、右打ち用外側レールR3が設けられている。第1右打ち用レールR1と第2右打ち用レールR2とによって、右打ち時第1通路P1が形成されている。第2右打ち用レールR2と、外レール部31b、メイン表示部45および右打ち用外側レールR3とによって、右打ち時第2通路P2が形成されている。右打ち時第1通路P1、右打ち時第2通路P2共に略円弧形に形成されており、右打ち時第1通路P1は右打ち時第2通路P2よりも内側に位置する。第1通路P1の一方側の開口端P1a、第2通路P2の一方側の開口端P2aは共に、遊技領域PAの頂上付近に位置し、遊技球が入球可能となっている。第1通路P1の他方側の開口端P1b、第2通路P2の他方側の開口端P2bは共に、遊技領域PAの右側付近に位置し、可変入賞装置36に向かって遊技球を送ることができる。
先に説明したように、操作ハンドル25(図394)の回動操作量を最大とすること、あるいは、遊技球発射ボタン26(図394)を操作することによって、遊技球を遊技領域PAの右側に打ついわゆる「右打ち」をすることができるが、これら操作の場合には、右打ち時第2通路P2に遊技球を誘導することができる。これに対して、操作ハンドル25(図394)の回動操作量を最大から減らす方向に調整することによって、右打ち時第1通路P1に遊技球を誘導することができる。以下、右打ち時第2通路P2を「強右打ち通路P2」と呼び、右打ち時第1通路P1を「弱右打ち通路P1」と呼ぶ。強右打ち通路P2に遊技球を誘導する操作、即ち、操作ハンドル25(図394)の回動操作量を最大とすること、あるいは、遊技球発射ボタン26(図394)を操作することを「強右打ち操作」と呼び、弱右打ち通路P1に遊技球を誘導する操作を「弱右打ち操作」と呼ぶ。
一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71(図395)から払い出される。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口である。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する当たり抽選が実行される。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口であり、第1始動口33の下方に設けられている。すなわち、第1始動口33及び第2始動口34は、第1始動口33が第2始動口34よりも上方となるように並んで配置されている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する当たり抽選が実行される。また、第2始動口34には、電動役物34aが設けられている。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行う。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35に遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、弱右打ち通路P1の下側の開口端P1bと強右打ち通路P2の下側の開口端P2bとの下方に設けられており、大入賞口36aと、大入賞口36aを開閉する開閉扉36bと、V獲得チャレンジ機構部36vと、を備えている。詳しくは、弱右打ち通路P1の下側の開口端P1bと強右打ち通路P2の下側の開口端P2bとの鉛直下方に、大入賞口36aが位置する。このため、各開口端P1b,P2bから流出した遊技球は、大入賞口36aに向かって落下する。
大入賞口36aは、遊技球が入球可能な入球口であり、本実施形態では矩形に形成されている。
開閉扉36bは、大入賞口36aよりも一回り大きいサイズの正面視直方体形状の蓋体であり、通常は遊技球が大入賞口36aに入球できない閉鎖状態になっている。主制御装置60による内部抽選(当たり抽選)の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行した場合には、開閉扉36bは、遊技球が入球可能な開放状態と閉鎖状態とを繰り返す。具体的には、開閉扉36bは、下側の縁を軸として、上側が前側に向かって回動することによって開放状態と閉鎖状態とを繰り返す。開閉実行モードとは、第1始動口33又は第2始動口34への入球を契機とした主制御装置60による当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に移行し、開閉扉36bが開放状態と閉鎖状態とを繰り返すモードである。すなわち、第1始動口33への入賞に基づく当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合には、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入球が可能になる開閉実行モードへ移行する。同様に、第2始動口34への入球に基づく当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合にも、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入球が可能な開閉実行モードへと移行する。
V獲得チャレンジ機構部36vは、大入賞口36aへ入球した遊技球をV入賞ゾーンFVと非V入賞ゾーンFNVとに振り分ける装置である。V入賞ゾーンFVは、遊技球が入球した場合に、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードを高確率モードに移行させることのできる領域である。非V入賞ゾーンFNVは、高確率モードへの移行を行うことのできない外れ領域である。V入賞ゾーンFVまたは非V入賞ゾーンFNVを通過した遊技球は、その後、遊技盤30の背面側へ送られる。振り分けは、遊技者の技量に応じてなされるものであり、技量が高ければ、V入賞ゾーンFVに遊技球を送ることが可能となる。
本実施形態では、大入賞口36aに1個の遊技球が入球した場合に、払出装置71(図395)によって15個の遊技球が賞球として払い出される。すなわち、V入賞ゾーンFVと非V入賞ゾーンFNVとのいずれに振り分けられた場合にも、1個の遊技球の入球に対して同じ15個の遊技球が払い出される。なお、V入賞ゾーンFVに入球した場合と非V入賞ゾーンFNVに入球した場合とで、払出装置71によって払い出される遊技球の数が異なる構成としてもよい。V入賞ゾーンFVの下方には、V入賞ゾーンFVがこの位置にあること示す「V」という文字が刻印されている。V獲得チャレンジ機構部36vの詳細な構成については、後述する。
遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入球口に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、可変入賞装置36の大入賞口36a、及びアウト口43に入球した遊技球は、遊技盤30の背面に設けられた排出通路に最終的に合流するように構成されており、当該排出通路には、遊技球を検知する排出通路検知センサーが設けられている。排出通路検知センサーによって遊技球を検知することによって、遊技盤30に発射された遊技球の個数を把握することが可能となっている。
メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行わせる。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行わせる。
ここで、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間とも呼ぶ。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間とも呼び、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間とも呼ぶ。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cと第2保留表示部37dとを備えている。本実施形態では、第1始動口33に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。また、本実施形態では、第2始動口34に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35の通過を契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了し新たな遊技回が開始される場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、およびラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置に換えてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への入賞に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への入賞に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への入球をトリガとした表示演出に限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の表示演出なども行う。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図397は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図397(a)は、図柄表示装置41において変動表示される図柄を示す説明図である。図397(a)に示すように、図柄表示装置41には、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図397(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図397(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図397(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、「遊技回」とは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを言い、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報についての当たり抽選の抽選結果を、遊技者に告知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1つの特別情報についての1つの当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
さらに、図397(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留個数が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、上述したように、第1始動口33及び第2始動口34に入賞した遊技球の保留個数は、それぞれ最大4つまでである。
《H2》V獲得チャレンジ機構部36vの構成:
図398は、V獲得チャレンジ機構部36vを示す説明図である。図中におけるX軸正方向は遊技盤30の正面視右側を示し、Y軸正方向は遊技盤30の上側を示し、Z軸正方向は遊技盤30の前側を示す。つまり、X軸方向は遊技盤30の正面視右左方向を示し、Y軸方向は遊技盤30の上下方向を示し、Z軸方向は遊技盤30の前後方向を示す。X軸、Y軸、Z軸は、互いに直交する三軸である。以下、X軸正方向を「+X方向」と呼び、X軸負方向を「−X方向」と呼び、Y軸正方向を「+Y方向」と呼び、Y軸負方向を「−Y方向」と呼び、Z軸正方向を「+Z方向」と呼び、Z軸負方向を「−Z方向」と呼ぶ。
V獲得チャレンジ機構部36vは、第1通路210と、クルーン220と、第2通路300と、非V入賞口シャッター350と、を備える。第1通路210と第2通路300とは、透明または半透明な樹脂製部材によって構成されている。
第1通路210は、+Y方向側の端部に入球口210aを有し、入球口210aとは反対の側の端部に排球口210bを有し、入球口210aから排球口210bへ遊技球が流通可能な通路である。第1通路210は、途中で折れ曲がった形状を有する。
第1通路210において折れ曲がった部分より上流側である第1通路上流側部分211は、遊技盤30の正面視においてはY軸方向に沿って伸びている。第1通路上流側部分211の上端に位置する入球口210aは、大入賞口36aに通じており、第1通路上流側部分211は大入賞口36aと連通している。図398において、第1通路上流側部分211は破線にて示されているが、これは、Z軸方向において大入賞口36aが形成されている面よりも裏側(−Z方向側)に上記の破線で示される部分が形成されているためである。なお、入球口210aは、弱右打ち通路P1の下側の開口端P1bに対して、−Y方向、すなわち鉛直下方に位置している。
第1通路210において折れ曲がった部分より下流側である第1通路下流側部分212は、正面視においては折れ曲がった部分から左下方向(すなわち、−X方向かつ−Y方向)に向かって延びており、右側面視においては折れ曲がった部分から前下(すなわち、+Z方向かつ−Y方向)に向かって延びている。大入賞口36aから入球口210aに入球した遊技球は、第1通路上流側部分211を通り、続いて第1通路下流側部分212を通り、第1通路下流側部分212の下流側の端部である排球口210bから排出される。
第1通路210の−Y方向側に、クルーン220が配設されている。クルーン220は、金属製部材によって構成されている。クルーン220は、底側に向けて縮径しつつ下降傾斜する内壁220aを有する皿形状であり、底に一つの孔220bが穿設されている。排球口210bから落下した遊技球は、クルーン220によって受け止められ、内壁220aを周回しながら流下し、孔220bに流入する。このようにして、クルーン220は、受けた遊技球を一定時間停留させることができる。なお、遊技者は、クルーン220内の遊技球の流れを観察することによって、孔220bに遊技球が流入するタイミングを計ることができる。
第2通路300は、本線通路部310と、クルーン220の孔220bと本線通路部310との間を連通するための連通路部320と、本線通路部310から分岐した分岐通路部330と、を備える。
本線通路部310は、+Y方向側の端部に入球口310aを有し、−Y方向側の端部に排球口310bを有し、入球口310aから排球口310bへ遊技球が流通可能な通路である。本線通路部310は、上流側に位置する本線通路上流側部分311と、中流側に位置する本線通路中流側部分312と、下流側に位置する本線通路下流側部分313と、に区分けされる。
本線通路上流側部分311は、遊技盤30の正面視においてはY軸方向に沿って伸びている。本線通路上流側部分311の上端に位置する入球口310aは、大入賞口36aに通じており、本線通路上流側部分311は大入賞口36aと連通している。図398において、本線通路上流側部分311の一部は破線にて示されているが、これは、Z軸方向において大入賞口36aが形成されている面よりも裏側(―Z方向側)にその一部が形成されているためである。なお、入球口310aは、強右打ち通路P2の下側の開口端P2bに対して、−Y方向、すなわち鉛直下方に位置している。
本線通路中流側部分312は、本線通路上流側部分311に続く部分であり、上流側から下流側に向かって左下方向(すなわち、−X方向かつ−Y方向)に延びている。
本線通路下流側部分313は、本線通路中流側部分312に続く部分であり、Y軸方向に沿って延び、−Y方向側の端部に排球口310bを有する。本線通路下流側部分313の中心軸方向がクルーン220の孔220bの中心軸方向と一致するように、本線通路下流側部分313の位置は定められている。
連通路部320は、Y軸方向に沿って延び、+Y方向側の端部がクルーン220の孔220bと接続され、−Y方向側の端部が本線通路部310と接続されている。これによって、クルーン220の孔220bから本線通路下流側部分313の排球口310bまでY軸方向に沿った遊技球の流路が構成される。
分岐通路部330は、本線通路中流側部分312と本線通路下流側部分313との境い部分に連結されており、途中で折れ曲がった形状を有する。この折れ曲がった部分によって、分岐通路部330は、上流側に位置する分岐通路上流側部分331と、下流側に位置する分岐通路下流側部分332と、に区分けされる。
分岐通路上流側部分331は、本線通路中流側部分312と同じ方向に延びている。分岐通路下流側部分332は、Y軸方向に沿って延び、−Y方向側の端部に排球口330bを有する。
本実施形態では、本線通路部310の排球口310bの周辺が先に説明した非V入賞ゾーンFNVに定められており、分岐通路部330の排球口330bの周辺が先に説明したV入賞ゾーンFVに定められている。非V入賞ゾーンFNVを通過して排球口310bに入球した遊技球、およびV入賞ゾーンFVを通過して排球口330bに入球した遊技球は、遊技盤30の背面側に送られる。
非V入賞口シャッター350は、本線通路下流側部分313の上端(+Y軸方向の端部)に設けられており、開放状態にある場合に本線通路下流側部分313への遊技球の侵入を許可し、閉鎖状態にある場合に本線通路下流側部分313への遊技球の侵入を禁止する。このため、非V入賞口シャッター350が開放状態にある場合には、本線通路下流側部分313の上端まで流れてきた遊技球は、本線通路下流側部分313に振り分けられ、非V入賞ゾーンFNVに送られる。非V入賞口シャッター350が閉鎖状態にある場合には、本線通路下流側部分313の上端まで流れてきた遊技球は、分岐通路部330に振り分けられ、V入賞ゾーンFVに送られる。
本実施形態において、大入賞口36aと接続されている通路は、第1通路210と第2通路300だけである。このため、大入賞口36aに流入した遊技球は、第1通路210と第2通路300とのうちのいずれかに送られる。具体的には、遊技盤30の正面視において第1通路210の入球口210aが弱右打ち通路P1の開口端P1bの鉛直下方に位置することから、弱右打ち通路P1から送られ大入賞口36aに入球した遊技球は、第1通路210に高い確率で送られる。遊技盤30の正面視において第2通路300の入球口310aが強右打ち通路P2の下側の開口端P2bの鉛直下方に位置することから、強右打ち通路P2から送られ大入賞口36aに入球した遊技球は、第2通路300に高い確率で送られる。
第1通路210の入球口210a付近には、遊技球を検知する検知センサー(以下、第1通路検知センサーと呼ぶ)SP1が設けられており、第1通路検知センサーSP1によって、第1通路210への遊技球の入球を検知することができる。第2通路300の入球口310a付近には、遊技球を検知する検知センサー(以下、第2通路検知センサーと呼ぶ)SP2が設けられており、第2通路検知センサーSP2によって、第2通路300への遊技球の入球を検知することができる。第2通路300における分岐通路部330の排球口330b付近には、遊技球を検知する検知センサー(以下、V入賞ゾーン検知センサーと呼ぶ)SP3が設けられており、V入賞ゾーン検知センサーSP3によって、V入賞ゾーンFVへの遊技球の入球を検知することができる。
各検知センサーSP1〜SP3の検知信号は、主制御装置60(図395)に送られる。主制御装置60(図395)は、第1通路検知センサーSP1の検知信号と第2通路検知センサーSP2の検知信号とに基づいて、非V入賞口シャッター350の開閉時期を定めて、非V入賞口シャッター350の開閉を指示する。また、主制御装置60(図395)は、V入賞ゾーン検知センサーSP3の検知信号から、V入賞ゾーンFVへ遊技球が入球したと判断された場合には、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードを高確率モードに移行する処理を行う。主制御装置60で行なうこれらの処理については、後ほど詳述する。
《H3》遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図399は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。
主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムを実行するCPU(図示せず)と、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート(図示せず)及び出力ポート(図示せず)がそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力ポートには、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また電源装置85は、コンデンサ(図示せず)を備えており、停電が発生した場合や電源スイッチ88(図395)がOFFにされた場合には、所定期間、各装置への電力供給を継続する。
また、主制御基板61の入力ポートには、各入球口に設けられた遊技球検知センサーが接続されている。具体的には、第1始動口33に入球した遊技球を検知する第1始動口検知センサー67bと、第2始動口34に入球した遊技球を検知する第2始動口検知センサー67cと、スルーゲート35を通過した遊技球を検知するスルーゲート検知センサー67dと、上述したV獲得チャレンジ機構部36vに備えられる検知センサーSP1〜SP3が接続されている。V獲得チャレンジ機構部36vに備えられる検知センサーSP1〜SP3のうちの第1通路検知センサーSP1および第2通路検知センサーSP2は、大入賞口36aに入球した遊技球を検知するセンサーとしても機能する。主制御基板61のMPU62は、これらの検知センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が始動口や入賞口に入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲートを通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて当たり抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入球に基づいて電動役物開放抽選を実行する。また、V獲得チャレンジ機構部36vの第1通路210への入球、および第2通路300への入球に基づいて、非V入賞口シャッター350の開閉を制御する。
主制御基板61の出力ポートには、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、非V入賞口シャッター350を開閉動作させる非V入賞口シャッター駆動部36dと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部34bの駆動制御を実行する。各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行する。また、開閉実行モードにおいて大当たり種別が決定され開閉実行モードにおいて実行されるラウンド遊技の回数が決定した場合には、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。また、開閉実行モードの1ラウンド目において、非V入賞口シャッター350が開閉されるように非V入賞口シャッター駆動部36dの駆動制御を実行する。非V入賞口シャッター駆動部36dの駆動制御については、後ほど詳述する。
また、主制御基板61の出力ポートには、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への入球を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、大入賞口36aへの入球を特定した場合には15個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25と、遊技球発射ボタン26とが接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。上述のように、遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、各遊技回において実行される予告演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、図柄の組み合わせが停止表示している時間である停止時間は一定である。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図400は、当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C3、CINI、CS、C4は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
RAM64には、保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および変動種別カウンタCSの各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜1199)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、第1始動口33または第2始動口34に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。そして、実行エリアAEに移動した大当たり乱数カウンタC1は、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜39の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行なうとともに、当たり抽選の結果が大当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図397(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とを、MPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電役実行エリア64eに移動した後、電役実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0,1であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=2〜465であれば、電動役物34aを閉鎖状態に維持する。
なお、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値および変動種別カウンタCSの値の少なくとも一つを保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、大当たり乱数カウンタC1に基づいて当たり抽選を行う際に、当該大当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。また、本実施形態においては、パチンコ機10は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルと、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで判定処理実行エリア64cに記憶された大当たり乱数カウンタC1と照合するための当否テーブルとを、それぞれ別のテーブルデータとして記憶している。具体的には、パチンコ機10は、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)の4つの当否テーブルを、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶している。
図401は、第1始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図401(a)は第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図401(b)は第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図401(a)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜4の5個の値以外の値(5〜1199)が外れである。一方、図401(b)に示すように、第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜15の16個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜15の16個の値以外の値(16〜1199)が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
図402は、第2始動口用の当否テーブルの内容を示す説明図である。図402(a)は第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図402(b)は第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)を示している。
図402(a)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜4の5個の値以外の値(5〜1199)が外れである。一方、図402(b)に示すように、第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)には、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜15の16個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜15の16個の値以外の値(16〜1199)が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
また、本実施形態では、低確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、当たり抽選の結果、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たりとなる確率が高くなるのであれば、大当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
なお、本実施形態における当否テーブルにおいては採用していないが、当たり抽選の結果として「小当たり」を設けてもよい。
「小当たり」とは、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機とはなるが、抽選モードおよびサポートモードの両方について、移行契機とならない当否結果である。これに対して、「外れ」は、開閉実行モードの移行契機とはならず、さらに、抽選モードおよびサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数(ラウンド数)
(2)開閉実行モードにおけるV獲得チャレンジ機構部36の非V入賞口シャッター350の開閉制御の態様
(3)開閉実行モード終了後のサポートモード(低頻度サポートモード又は高頻度サポートモード)
上記の(2)開閉実行モードにおけるV獲得チャレンジ機構部36の非V入賞口シャッター350の開閉制御の態様として、可変入賞装置36が備えるV獲得チャレンジ機構部36の非V入賞口シャッター350の開閉パターン(以下、単に「開閉パターン」とも呼ぶ)を複数種類設け、大当たりの種類毎に1種類または複数種類の開閉パターンが対応して設定されてもよい。非V入賞口シャッター350の開閉パターンによって、V獲得チャレンジ機構部36vにおけるV入賞ゾーンFVへの遊技球の入球の難しさを調整することができる。本実施形態では、以下の3つの開閉パターンを用意した。
・V入賞ゾーンFVへ遊技球を入れることが実質的に不可能なV入賞不可閉開パターン。
・V入賞ゾーンFVへ遊技球を入れることが可能であるが、入れることが難しいV入賞高難度閉開パターン。
・V入賞ゾーンFVへ遊技球を入れることが可能であり、入れることがV入賞高難度閉開パターンより容易なV入賞低難度閉開パターン。
各閉開パターンの具体的な態様、および大当たりの種類に対する第1ないし第3の閉開パターンの割り振りについては、後ほど詳しく説明する。
本実施形態では、当たり抽選の結果、大当たりとなった場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図403は、振分テーブルの内容を示す説明図である。図403(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図403(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。第1始動口用の振分テーブルは、第1始動口33への遊技球の入球に基づく当たり抽選の際に参照され、第2始動口用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく当たり抽選の際に参照される。
図403(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、第1始動口用の振分テーブルには、第1始動口33への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、8R第1種大当たり、及び、8R第2種大当たりが設定されている。本実施形態においては、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜27」が8R第1種大当たりに対応し、「28〜39」が8R第2種大当たりに対応するように設定されている。
8R第1種大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおけるV獲得チャレンジ機構部36の非V入賞口シャッター350の開閉制御の態様がV入賞高難度閉開パターンまたはV入賞低難度閉開パターンである。V入賞高難度閉開パターンとV入賞低難度閉開パターンとのいずれが採用されるかは、大当たり種別以外のパラメータによって決定される。本実施形態では、低頻度サポートモード中に8R第1種大当たりに当選した場合には、V入賞高難度閉開パターンが採用される。一方、高頻度サポートモード中に8R第1種大当たりに当選した場合には、V入賞低難度閉開パターンが採用される。そして、V入賞ゾーンFVに遊技球が入球した場合には、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなる。
8R第2種大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおけるV獲得チャレンジ機構部36の非V入賞口シャッター350の開閉制御の態様がV入賞不可閉開パターンである。なお、V入賞不可閉開パターンでは、上述したように、V入賞ゾーンFVへ遊技球を入れることが実質的に不可能であることから、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなることはないが、仮にV入賞ゾーンFVに遊技球が入球した場合には、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなる。また、仮にV入賞ゾーンFVに遊技球が入球した場合には、高確率モードへの変更を行うことなく、エラーが発生した旨を報知するためにエラーメッセージが図柄表示装置41に表示される構成としてもよい。遊技者の不正によってV入賞ゾーンFVに遊技球が入球した可能性を否定できないことから、エラーメッセージが表示されるようにする。さらに、仮にV入賞ゾーンFVに遊技球が入球した場合には、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなると共に、エラーメッセージが表示される構成としてもよい。なお、上述したエラーメッセージの表示は、警告音を発生させることに換えることができ、エラーが発生した旨を報知することができれば、どのような手段によるものでも良い。また、仮にV入賞ゾーンFVに遊技球が入球した場合には、パチンコ機の動作を停止する構成としても良い。
このように、第1種大当たりに当選した場合には、V獲得チャレンジ機構部36においてV入賞ゾーンFVへ遊技球を入れることが可能となる。このため、第1種大当たりに当選した場合、開閉実行モードにおいて、遊技者は、右打ち中に、V獲得チャレンジ機構部36においてV入賞ゾーンFVへの遊技球の入球を試みる遊技を行うことが好ましい。V入賞ゾーンFVへの遊技球の入球をどのように試みるかについては、後述する。一方、第2種大当たりに当選した場合には、V入賞ゾーンFVへの遊技球の入球は実質的にないことから、通常の右打ち、すなわち、操作ハンドル25(図394)の回動操作量を最大とすること、あるいは、遊技球発射ボタン26(図394)を操作することによる遊技を行うことになる。
図403(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、第2始動口用の振分テーブルには、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、16R第1種大当たり、及び、8R第2種大当たりが設定されている。本実施形態においては、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜27」が16R第1種大当たりに対応し、「28〜39」が8R第2種大当たりに対応するように設定されている。
16R第1種大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が16回(16ラウンド)であり、開閉実行モードにおけるV獲得チャレンジ機構部36の非V入賞口シャッター350の開閉制御の態様がV入賞高難度閉開パターンまたはV入賞低難度閉開パターンである。V入賞高難度閉開パターンとV入賞低難度閉開パターンとのいずれが採用されるかは、大当たり種別以外のパラメータによって決定される。本実施形態では、低頻度サポートモード中に16R第1種大当たりに当選した場合には、V入賞高難度閉開パターンが採用される。一方、高頻度サポートモード中に16R第1種大当たりに当選した場合には、V入賞低難度閉開パターンが採用される。そして、V入賞ゾーンFVに遊技球が入球した場合には、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなる。
8R第2種大当たりは、上述のように、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が8回(8ラウンド)であり、開閉実行モードにおけるV獲得チャレンジ機構部36の非V入賞口シャッター350の開閉制御の態様がV入賞不可閉開パターンである。なお、V入賞不可閉開パターンでは、上述したように、V入賞ゾーンFVへ遊技球を入れることが実質的に不可能であることから、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなることはないが、仮にV入賞ゾーンFVに遊技球が入球した場合には、開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードが高確率モードとなる。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりとなった場合の大当たり種別の振分態様は、第1始動口33への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合と、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たりとなった場合とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。
なお、本実施形態においては、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの1回の開放、すなわち開閉扉36bが開いてから閉じるまでを1ラウンドとした。これ対して、他の態様として、1ラウンド中に開閉扉36bが複数回開放する態様を採用してもよい。
本実施形態では、先に説明したように、大当たり種別として、8R第1種大当たり、8R第2種大当たり、16R第1種大当たりの3種類が用意されており、これらは上述したように先に説明した(1)、(2)についての態様またはモードに差異を設けるものであり、先に説明した(3)、すなわち、開閉実行モード終了後のサポートモード(低頻度サポートモード又は高頻度サポートモード)については差異を設けない構成であった。これに換えて、(3)についても差異を設ける構成としてもよい。例えば、8R第1種大当たり、および16R第1種大当たりは、開閉実行モード終了後のサポートモードが高頻度サポートモードであり、8R第2種大当たりは、開閉実行モード終了後のサポートモードが低頻度サポートモードである構成としてもよい。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行なうとともに、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
パチンコ機10には、開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して遊技球の発射が同様の態様で継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、本実施形態におけるパチンコ機10は、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aの1回の開放時間が長く設定されている。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われるまでに確保される時間が相対的に短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
図404は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図404(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図404(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0、1の2個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として2〜465の464個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、1/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.4秒である。
図404(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図404(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0〜461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462〜465の4個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.6秒である。
このように、電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。
《H4》音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図405は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85(図399)等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、CPU、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。これらの詳細については後述する。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には、主制御装置60と演出操作ボタン24が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、スピーカー46や各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
《H5》主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において上述した処理を実行するための具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
主制御装置60において実行される処理の中には、V獲得チャレンジ機構部36vが有する非V入賞口シャッター350を開閉制御する処理が含まれる。まず、この開閉制御の概要について説明する。なお、V獲得チャレンジ機構部36vの構成は、図398を用いて先に説明した通りである。
本実施形態では、非V入賞口シャッター350の開閉制御は、非V入賞口シャッター350を開放状態から閉鎖状態へ移行する条件(以下、「閉鎖条件」とも呼ぶ)と、非V入賞口シャッター350を閉鎖状態から開放状態へ移行する条件(以下、「開放条件」とも呼ぶ)と、が記録されたプログラムである開閉シナリオに従って制御される。開閉シナリオは、3種類用意されている。3種類の開閉シナリオを順に説明する。
<第1開閉シナリオ>
図406は、第1開閉シナリオを説明するためのタイミングチャートである。図406(a)は、大入賞口36aを開閉する開閉扉36bの開放状態・閉鎖状態の時間的な変化を示している。図406(b)は、第1通路検知センサーSP1のON状態・OFF状態の時間的な変化を示している。図406(c)は、第2通路検知センサーSP2のON状態・OFF状態の時間的な変化を示している。図406(d)は、非V入賞口シャッター350を閉鎖状態・開放状態の時間的な変化を示している。
大当たりに当選していない通常状態(低確率モード、かつ低頻度サポートモード)では、非V入賞口シャッター350は、開放状態である。低頻度サポートモード中において、第1種大当たりに当選した場合に、開閉実行モードに移行するが、この開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが閉鎖状態から開放状態に移行して最初のラウンド遊技(以下、単に「1ラウンド目」とも呼ぶ)が開始される(時刻t1)。こうした開閉実行モードにおいて、非V入賞口シャッター350の閉鎖条件が成立した場合に、非V入賞口シャッター350を開放状態から閉鎖状態へ移行する。閉鎖条件は、下記の(i)、(ii)の通りである。
(i)パチンコ機10の現在の状態が、開閉実行モードにおける1ラウンド目の実行中であること。
(ii)1ラウンド目が開始されてから大入賞口36aに1個の遊技球が入球したこと、または、1ラウンド目が開始されてから大入賞口36aに2個の遊技球が入球したこと。
上記2つの項目の両方が成立した場合に、非V入賞口シャッター350は開放状態から閉鎖状態に移行する。
本実施形態では、大入賞口36aへ遊技球が入球したことは、第1通路検知センサーSP1と第2通路検知センサーSP2との両方を用いて検知している。すなわち、第1通路検知センサーSP1と第2通路検知センサーSP2とのいずれかで、遊技球の入球を検知した場合に、大入賞口36aへ遊技球が入球したものと認定している。このため、(ii)の項目における「大入賞口36aに1個の遊技球が入球したこと」は「第1通路検知センサーSP1と第2通路検知センサーSP2とのいずれかで遊技球が1個、入球したこと」を意味し、「大入賞口36aに2個の遊技球が入球したこと」は「第1通路検知センサーSP1と第2通路検知センサーSP2との両方で検出した遊技球の個数の合計が2個となったこと」を意味する。
図406の例示では、時刻t1で、開閉実行モードにおいて1ラウンド目が開始され、この開始された時(時刻t1)を起点として、時刻t2で、第1通路検知センサーSP1によって大入賞口36aへの1個目の入球が検知され、時刻t4で、第2通路検知センサーSP2によって大入賞口36aへの2個目の入球が検知される。時刻t2と時刻t4のそれぞれで、(i)、(ii)の項目の両方が成立することになり、非V入賞口シャッター350は開放状態から閉鎖状態に移行する。
非V入賞口シャッター350の開放条件は、以下のとおりである。
・(ii)で成立した条件が大入賞口36aに1個の遊技球が入球したことである場合には、非V入賞口シャッター350が閉鎖状態で0.06秒間が経過したこと。
・(ii)で成立した条件が大入賞口36aに2個の遊技球が入球したことである場合には、非V入賞口シャッター350が閉鎖状態で0.2秒間が経過したこと。
上記2つのうちのいずれかが成立した場合に、非V入賞口シャッター350は閉鎖状態から開放状態に移行する(時刻t3,t5)。
上記の開放条件によれば、(ii)で成立した条件が大入賞口36aに1個の遊技球が入球したことである場合に、非V入賞口シャッター350は0.06秒と極めて短い時間だけ閉鎖することになる。0.06秒の閉鎖時間では、本線通路下流側部分313(図398)への遊技球の落下を阻止することができず、実質的に、非V入賞口シャッター350は、遊技球を分岐通路部330(図398)側に案内することができない。すなわち、本実施形態では、1ラウンド目が開始されてから大入賞口36aに1個の遊技球が入球した時にも、非V入賞口シャッター350を開放状態から閉鎖状態へ移行しているが、閉鎖時間は極めて短い時間であり、実質的に遊技球を分岐通路部330側に案内することはできない構成となっている。なお、この構成に対して、他の形態として、1ラウンド目が開始されてから大入賞口36aに1個の遊技球が入球した時に、閉鎖状態への移行を全く行わない構成としても良い。
上記の開放条件によれば、大入賞口36aに2個の遊技球が入球したことである場合に、非V入賞口シャッター350は0.2秒、閉鎖することになる。この0.2秒の間に、非V入賞口シャッター350は、遊技球を分岐通路部330側に案内することが可能となる。なお、閉鎖時間は、0.2秒間に換えて、0.4秒未満の他の時間(例えば、0.3秒)としてもよい。0.4秒未満とした理由は、後述する。
本実施形態では、第1開閉シナリオは、主制御基板61に含まれるROM63の開閉シナリオ記憶エリア63gに記憶される。主制御基板61のMPU62は、低頻度サポートモード中に第1種大当たりに当選した場合に実行される開閉実行モードにおいて、ROM63の開閉シナリオ記憶エリア63gから第1開閉シナリオを読み出し、読み出した第1開閉シナリオに従って、非V入賞口シャッター350の開閉制御を行う。
遊技者は、大当たりに当選していない通常状態(低確率モードかつ低頻度サポートモード)で左打ち中に、第1種大当たりに当選した場合に、開閉実行モードの1ラウンド目において、下記の(イ)、(ロ)の手順で操作を行うことで、V獲得チャレンジ機構部36vにおいて、遊技球をV入賞ゾーンFVに入れることが可能となる。
(イ)操作ハンドル25(図394)の回動操作量を調整して(すなわち、弱右打ち操作を行って)、弱右打ち通路P1(図396)へ遊技球を1個入れる。
弱右打ち通路P1へ入った遊技球は、大入賞口36a(図398)から第1通路210を通って、排球口210bから排出される。その後、図407に示すように、排球口210bから排出された遊技球B1は、クルーン220によって受け止められ、内壁220aを周回しながら流下する。続いて、図408に示すように、遊技球B1は孔220bに流入する。なお、クルーン220において遊技球が保持される時間は、例えば数秒〜数十秒というように、遊技球発射機構81の遊技球の発射間隔である0.6秒に比べて極めて長い。
(ロ)操作ハンドル25(図394)の回動操作量を最大とすること、あるいは、遊技球発射ボタン26(図394)を操作することによって(すなわち、強右打ち操作を行って)、強右打ち通路P2へ遊技球を1個入れる。
第1開閉シナリオによれば、1ラウンド目が開始されてから大入賞口36aに2個の遊技球が入球した時に同期して、非V入賞口シャッター350が閉鎖状態に移行することから、遊技者は、強右打ち通路P2へ入れた遊技球B2が第2通路300へ入球するタイミングが、(イ)によって弱右打ち通路P1へ入れた遊技球B1がクルーン220の孔220bに流入するタイミングと一致するように(図408参照)、強右打ち通路P2へ遊技球B2を入れるタイミングを調整する。図406を用いて説明すると、時刻t2で検知された第1通路210に入球した遊技球がクルーン220に達するまでの期間が時刻t2から時刻t4までの期間と一致するように、強右打ち通路P2へ遊技球B2を入れるタイミングを調整する。このようにして、非V入賞口シャッター350が閉鎖状態に移行するタイミングを計ることによって、図409に示すように、(イ)の操作によって弱右打ち通路P1へ入れた遊技球B1は、閉鎖状態にある非V入賞口シャッター350によって、本線通路下流側部分313への侵入が阻止されて分岐通路部330に誘導される。この結果、弱右打ち通路P1へ入れた遊技球B1をV入賞ゾーンFVに入れることが可能となる。なお、上記のように構成された第1開閉シナリオは、先に説明したV入賞高難度閉開パターンを実現するためのものである。
第1開閉シナリオでは、前述したように、1ラウンド目において、弱右打ち通路P1へ遊技球を1個入球し、その後、強右打ち通路P2へ遊技球を1個入球することによって、V入賞ゾーンFVへの入球(V入賞)を狙うことができるが、他の操作によっても、V入賞を狙うことができる。具体的には、1ラウンド目において、弱右打ち通路P1へ遊技球を1個入球し、その後、再び、弱右打ち通路P1へ遊技球を1個入球することによっても、V入賞を狙うことができる。
なお、本実施形態では、1ラウンド目における大入賞口36aへの遊技球の最初の入球が、強右打ち通路P2による場合には、V入賞ゾーンFVに遊技球を入れることが不可能な構成となっている。V入賞ゾーンFVに遊技球を入れることができないのは、次のような理由である。
V獲得チャレンジ機構部36vの第2通路300は、入球口310aに入球してから非V入賞口シャッター350の上部に到達するまでに0.4秒かかる内部構造となっている。その上、遊技球発射機構81からは0.6秒間隔で遊技球が発射される。このため、第2通路300の入球口310aに最初に入球した遊技球は、次に発射された遊技球が大入賞口36aに入球して非V入賞口シャッター350が閉鎖状態となるより前に非V入賞口シャッター350の位置まで到達してしまうことになる。したがって、非V入賞口シャッター350が閉鎖状態となったときには、最初の遊技球は本線通路下流側部分313へ落下してしまい、V入賞ゾーンFVに入球することはない。
また、第2通路300は、入球口310aに入球してから非V入賞口シャッター350に到達するまでに0.4秒かかる内部構造となっており、非V入賞口シャッター350の閉鎖時間は0.2秒というように、0.4秒より短い時間に設定されていることから、大入賞口36aに2個目に入球した遊技球が、当該遊技球の入球によって非V入賞口シャッター350を閉鎖状態に移行して、V入賞ゾーンFVに入球することがない。このように、本実施形態では、強右打ち通路P2へ遊技球を連続して入球するだけでは、V入賞を狙うことができない。
<第2開閉シナリオ>
図410は、第2開閉シナリオを説明するためのタイミングチャートである。図410(a)は、大入賞口36aを開閉する開閉扉36bの開放状態・閉鎖状態の時間的な変化を示している。図410(b)は、第1通路検知センサーSP1のON状態・OFF状態の時間的な変化を示している。図410(c)は、第2通路検知センサーSP2のON状態・OFF状態の時間的な変化を示している。図410(d)は、非V入賞口シャッター350を閉鎖状態・開放状態の時間的な変化を示している。
第2種大当たりに当選した場合に、開閉実行モードに移行するが、この開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが閉鎖状態から開放状態に移行して1ラウンド目が開始される(時刻t11)。こうした開閉実行モードにおいて、非V入賞口シャッター350の閉鎖条件が成立した場合に、非V入賞口シャッター350を開放状態から閉鎖状態へ移行する。第2開閉シナリオの閉鎖条件は、下記の(iii)、(iv)の通りである。
(iii)パチンコ機10の現在の状態が、開閉実行モードにおける1ラウンド目の実行中であること。
(iv)1ラウンド目が開始されてから大入賞口36aに1個の遊技球が入球したこと。
上記2つの項目の両方が成立した場合に、非V入賞口シャッター350は開放状態から閉鎖状態に移行する。
図410の例示では、時刻t11で、開閉実行モードにおいて1ラウンド目が開始され、この開始された時(時刻t1)を起点として、時刻t12で、第1通路検知センサーSP1によって大入賞口36aへの1個目の入球が検知される。この時刻t12で、(iii)、(iv)の項目の両方が成立することになり、非V入賞口シャッター350は開放状態から閉鎖状態に移行する。
非V入賞口シャッター350の開放条件は、以下のとおりである。
・非V入賞口シャッター350が閉鎖状態で0.06秒間が経過したこと。
上記の条件が成立した場合に、非V入賞口シャッター350は閉鎖状態から開放状態に移行する(時刻t13)。
上記の開放条件によれば、大入賞口36aに1個の遊技球が入球したことである場合に、非V入賞口シャッター350は0.06秒と極めて短い時間だけ閉鎖することになる。このため、第2開閉シナリオによれば、第1開閉シナリオの場合と同様に、1ラウンド目が開始されてから大入賞口36aに1個の遊技球が入球した時に、実質的に遊技球を分岐通路部330側に案内することはできない。なお、1ラウンド目が開始されてから大入賞口36aに1個の遊技球が入球した時に、非V入賞口シャッター350が極めて短い時間だけ閉鎖する構成に換えて、1ラウンド目が開始されてから大入賞口36aに1個の遊技球が入球した時に、閉鎖状態への移行を全く行わない構成としても良い。
上記のように構成された第2開閉シナリオでは、1ラウンド目が開始されてから大入賞口36aに1個の遊技球が入球した時に実質的に遊技球を分岐通路部330側に案内することはできず、また、1ラウンド目が開始されてから大入賞口36aに2個目以降に遊技球が入球したときに非V入賞口シャッター350が閉鎖されることはないことから、1ラウンド目において、V入賞ゾーンFVへ遊技球を入れることができない。第2開閉シナリオは、先に説明したV入賞不可閉開パターンを実現するためのものである。
本実施形態では、第2開閉シナリオは、主制御基板61に含まれるROM63の開閉シナリオ記憶エリア63gに記憶される。主制御基板61のMPU62は、第2種大当たりに当選した場合に実行される開閉実行モードにおいて、ROM63の開閉シナリオ記憶エリア63gから第2開閉シナリオを読み出し、読み出した第2開閉シナリオに従って、非V入賞口シャッター350の開閉制御を行う。
<第3開閉シナリオ>
図411は、第3開閉シナリオを説明するためのタイミングチャートである。図411(a)は、大入賞口36aを開閉する開閉扉36bの開放状態・閉鎖状態の時間的な変化を示している。図411(b)は、第1通路検知センサーSP1のON状態・OFF状態の時間的な変化を示している。図411(c)は、第2通路検知センサーSP2のON状態・OFF状態の時間的な変化を示している。図411(d)は、非V入賞口シャッター350を閉鎖状態・開放状態の時間的な変化を示している。
高頻度サポートモード中において、第1種大当たりに当選した場合に、開閉実行モードに移行するが、この開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが閉鎖状態から開放状態に移行して1ラウンド目が開始される(時刻t21)。こうした開閉実行モードにおいて、非V入賞口シャッター350の閉鎖条件が成立した場合に、非V入賞口シャッター350を開放状態から閉鎖状態へ移行する。第3開閉シナリオの閉鎖条件は、第1開閉シナリオの閉鎖条件と同一である。すなわち、第3開閉シナリオの閉鎖条件は、先に説明した(i)、(ii)の両方を満たすことである。
図411の例示では、時刻t21で、開閉実行モードにおいて1ラウンド目が開始され、この開始された時(時刻t21)を起点として、時刻t22で、第1通路検知センサーSP1によって大入賞口36aへの1個目の入球が検知され、時刻t24で、第2通路検知センサーSP2によって大入賞口36aへの2個目の入球が検知される。時刻t22と時刻t24のそれぞれで、(i)、(ii)の項目の両方が成立することになり、非V入賞口シャッター350は開放状態から閉鎖状態に移行する。
非V入賞口シャッター350の開放条件は、下記のとおりである。
・(ii)で成立した条件が大入賞口36aに1個の遊技球が入球したことである場合には、非V入賞口シャッター350が閉鎖状態で0.06秒間が経過したこと。
・(ii)で成立した条件が大入賞口36aに2個の遊技球が入球したことである場合には、開閉実行モードの1ラウンド目が終了したこと。
上記2つのうちのいずれかが成立した場合に、非V入賞口シャッター350は閉鎖状態から開放状態に移行する(時刻t23,t25)。
上記の第3開閉シナリオの開放条件によれば、大入賞口36aに1個の遊技球が入球したことである場合に、非V入賞口シャッター350は0.06秒と極めて短い時間だけ閉鎖することになる。このため、第3開閉シナリオによれば、第1開閉シナリオの場合と同様に、1ラウンド目が開始されてから大入賞口36aに1個の遊技球が入球した時に、実質的に遊技球を分岐通路部330側に案内することはできない。なお、1ラウンド目が開始されてから大入賞口36aに1個の遊技球が入球した時に、非V入賞口シャッター350が極めて短い時間だけ閉鎖する構成に換えて、1ラウンド目が開始されてから大入賞口36aに1個の遊技球が入球した時に、閉鎖状態への移行を全く行わない構成としても良い。
また、開放条件の2つめの項目は、上述した内容に換えて、「(ii)で成立した条件が大入賞口36aに2個の遊技球が入球したことである場合には、2個目の遊技球が入球した時から、開閉実行モードの1ラウンド目が終了するに十分な予め定められた時間(例えば、1分とか2分)が経過したこと。」としても良い。
上記のように構成された第3開閉シナリオは、先に説明したV入賞低難度閉開パターンを実現するためのものである。強右打ち操作のみ(1球目は弱右打ち操作で、2球目は強右打ち操作でも可能であるが、強右打ち操作のみでも可能)によって非V入賞口シャッター350が閉鎖状態に移行した後は、1ラウンド目が終了するまで、非V入賞口シャッター350は閉鎖状態を維持する。したがって、高頻度サポートモード中に第1種大当たりに当選した場合には、強右打ち操作を行なうだけで、遊技球をV入賞ゾーンFVに入れることが可能となる。
本実施形態では、第3開閉シナリオは、主制御基板61に含まれるROM63の開閉シナリオ記憶エリア63gに記憶される。主制御基板61のMPU62は、高頻度サポートモード中に第1種大当たりに当選した場合に実行される開閉実行モードにおいて、ROM63の開閉シナリオ記憶エリア63gから第3開閉シナリオを読み出し、読み出した第3開閉シナリオに従って、非V入賞口シャッター350の開閉制御を行う。
各遊技回の遊技を進行させるために、主制御装置60のMPU62は、タイマ割込み処理および通常処理を実行する。これらの処理について次に説明する。MPU62は、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
図412は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップSh0101では、各種検知センサ67b〜67d,SP1〜SP3の読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサ67b〜67d,SP1〜SP3の状態を読み込み、当該センサの状態を判定して検出情報(入球検知情報)を保存する。その後、ステップSh0102に進む。
ステップSh0102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSh0103に進む。
ステップSh0103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および電動役物開放カウンタC4の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および電動役物開放カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSh0104に進む。なお、変動種別カウンタCSは、後述する通常処理(図416)において、その値を更新する。
ステップSh0104では、第1始動口33及び第2始動口34への入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。ステップSh0104の始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSh0104を実行した後、ステップSh0105に進む。
ステップSh0105では、スルーゲート35への入球に伴うスルー用の入球処理を実行する。ステップSh0105のスルー用の入球処理の詳細については後述する。ステップSh0105を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図412:Sh0104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図413は、始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSh0201では、遊技球が第1始動口33に入球(始動入球)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップSh0201において、遊技球が第1始動口33に入球したと判定した場合には(Sh0201:YES)、ステップSh0202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSh0203に進む。
ステップSh0203では、第1始動口33に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップSh0204に進む。
ステップSh0204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに格納された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップSh0209に進む。
ステップSh0201において、遊技球が第1始動口33に入球していないと判定した場合には(Sh0201:NO)、ステップSh0205に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。
ステップSh0205において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(Sh0205:YES)、ステップSh0206に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSh0207に進む。一方、ステップSh0205において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(Sh0205:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップSh0207では、第2始動口34に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップSh0208に進む。
ステップSh0208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップSh0209に進む。
ステップSh0209では、上述したステップSh0204又はステップSh0208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップSh0209において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(Sh0209:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップSh0209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(Sh0209:YES)、ステップSh0210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップSh0211に進み、合計保留個数記憶エリアに格納された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップSh0212に進む。
ステップSh0212では、ステップSh0103(図412)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および通常処理(図416)において更新している変動種別カウンタCSの各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSh0210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに格納する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSh0103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSh0210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに格納する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSh0103(図412)にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSh0210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに格納する。ステップSh0212を実行した後、ステップSh0213に進む。
ステップSh0213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて、当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無、遊技回の変動時間などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップSh0213を実行した後、ステップSh0214に進む。
ステップSh0214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および変動種別カウンタCSの各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果(先判定情報)を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図416:ステップSh0502)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主制御装置60のMPU62は、ステップSh0214を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入球処理のサブルーチン(図413:Sh0213)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図414は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定などの判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップSh0301では、始動口用の入球処理(図413)における始動口への入球によって記憶エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値を読み出す。その後、ステップSh0302に進み、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入球よりも前の入球によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入球による当たり抽選よりも前に実行される当たり抽選の抽選結果を判定することによって、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップSh0302において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(Sh0302:YES)、ステップSh0303に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップSh0305に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップSh0302において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(Sh0302:NO)、ステップSh0304に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている高確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップSh0305に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップSh0305では、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(Sh0305:YES)、ステップSh0306に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値を把握する。その後、ステップSh0307に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、今回の振り分け対象となった大当たり種別カウンタC2が第1始動口33への入球に基づいて取得されたものである場合には、第1始動口用振分テーブルを参照し、第2始動口34への入球に基づいて取得されたものである場合には、第2始動口用振分テーブルを参照する。ステップSh0307を実行した後、ステップSh0308に進む。
ステップSh0308では、振分テーブルを参照した結果、今回読み出した大当たり種別カウンタC2の値が、第1種大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップSh0308において、第1種大当たりに対応していると判定した場合には(Sh0308:YES)、ステップSh0309に進み、先判定処理結果記憶エリア64hに第1種大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップSh0308において、第1種大当たりに対応していないと判定した場合には(Sh0308:NO)、ステップSh0310に進み、先判定処理結果記憶エリア64hに第2種大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。
ステップSh0305において、今回読み出した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(Sh0305:NO)、ステップSh0311に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値を読み出す。その後、ステップSh0312に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップSh0313に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回読み出したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップSh0313において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(Sh0313:YES)、ステップSh0314に進み、先判定処理結果記憶エリア64hにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップSh0313において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(Sh0313:NO)、そのまま先判定処理を終了する。
<スルー用の入球処理>
次に、スルー用の入球処理について説明する。スルー用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図412:Sh0105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図415は、スルー用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSh0401では、遊技球がスルーゲート35に入球したか否かを判定する。ステップSh0401において、遊技球がスルーゲート35に入球したと判定した場合には(Sh0401:YES)、ステップSh0402に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入球数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップSh0401において、スルーゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(Sh0401:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。
ステップSh0402において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(Sh0402:YES)、ステップSh0403に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップSh0404に進む。
ステップSh0404では、ステップSh0103(図412)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64dの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに格納する。その後、スルー用の入球処理を終了する。
一方、ステップSh0402において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(Sh0402:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値以上であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を格納することなく、スルー用の入球処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替えられたこと(以下、「電源投入」とも呼ぶ)に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図416は、通常処理を示すフローチャートである。ステップSh0501では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップSh0502に進む。
ステップSh0502では、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップSh0502を実行した後、ステップSh0503に進む。
ステップSh0503では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSh0504に進む。
ステップSh0504では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップSh0505に進む。ステップSh0505では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップSh0505を実行した後、ステップSh0506に進む。
ステップSh0506では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップSh0507に進む。
ステップSh0507では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップSh0508に進む。
ステップSh0508では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップSh0502のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップSh0508において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(Sh0508:NO)、ステップSh0509及びステップSh0510において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップSh0509において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップSh0510において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。一方、ステップSh0508において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(Sh0508:YES)、ステップSh0502に戻り、ステップSh0502からステップSh0507までの各処理を実行する。
なお、ステップSh0502からステップSh0507の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図416:Sh0505)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図417は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップSh0601では、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理において遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、同じく遊技状態移行処理において開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。
ステップSh0601において、開閉実行モード中であると判定した場合には(Sh0601:YES)、ステップSh0602以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップSh0601において、開閉実行モード中でないと判定した場合には(Sh0601:NO)、ステップSh0602に進む。
ステップSh0602では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける変動表示中フラグ記憶エリアの変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップSh0602において、メイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には(Sh0602:NO)、ステップSh0603〜ステップSh0606の遊技回開始用処理に進む。ステップSh0603では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップSh0603において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(Sh0603:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップSh0603において、合計保留個数CRNが「0」でないと判定した場合には(Sh0603:NO)、ステップSh0604に進む。
ステップSh0604では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するためのデータ設定処理を実行し、ステップSh0605に進む。データ設定処理の詳細は後述する。
ステップSh0605では、メイン表示部45における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。ステップSh0605を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップSh0602において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(Sh0602:YES)、ステップSh0606〜ステップSh0610の遊技回進行用処理に進む。
ステップSh0606では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップSh0606では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64f)に格納されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図419:Sh0802)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップSh0606において、変動時間が経過していないと判定した場合には(Sh0606:NO)、ステップSh0607に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る図柄表示部における表示態様を変更する処理である。ステップSh0607を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
ステップSh0606において、変動時間が経過していると判定した場合には(Sh0606:YES)、ステップSh0608に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理は、後述する変動開始処理(図419)において決定された図柄表示部に表示させる図柄の態様が、今回の遊技回に係る図柄表示部にて表示されるように当該図柄表示部を表示制御する。その後、ステップSh0609に進む。
ステップSh0609では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。高頻度サポートモードフラグは、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、RAM64の所定領域に設定された各種フラグ記憶エリア64gに格納される。高頻度サポートモードフラグがONであるとき、サポートモードは高頻度サポートモードである。高頻度サポートモードフラグがOFFであるとき、サポートモードは高頻度サポートモードではない、すなわち低頻度サポートモードである。高頻度サポートモードフラグは、後述する開閉実行モードの終了後にオンされる。
ステップSh0609において、高頻度サポートモードであると判定した場合には(Sh0609:YES)、ステップSh0610に進み、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードにおいて保証された保証遊技回数の残りの回数をカウントするためのカウンタである。遊技回数カウンタPNCは、後述する図426のステップSh1309で値100が予めセットされている。ステップSh0610を実行した後、ステップSh0611に進む。一方、ステップSh0609において、高頻度サポートモードではないと判定した場合には(Sh0609:NO)、後述するステップSh0615に進む。
ステップSh0611では、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSh0611において、高確率モードではないと判定した場合には(Sh0611:NO)、ステップSh0612に進み、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数(例えば100回)に達する前(=保証遊技回数内)であるか否かを判定する。具体的には、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。上述したように、遊技回数カウンタPNCは保証遊技回数の残りの回数を示すものであることから、PNC>0であるか否かを判定することによって、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数に達する前であるか否かを判定することができる。
ステップSh0612において、遊技回数カウンタPNCの値が0を上回っていないと判定した場合(ステップSh0612:NO)、すなわち、保証遊技回数内でないと判定した場合には、ステップSh0613に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。ステップSh0613を実行した後、ステップSh0614に進む。
ステップSh0614では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。ステップSh0614を実行した後、ステップSh0615に進む。
ステップSh0615では、いずれかの大当たりフラグ(16R第1種大当たりフラグ、8R第1種大当たりフラグ、8R第2種大当たりフラグ)がONであるか否かを判定する。ステップSh0615において、いずれかの大当たりフラグがONである場合には(Sh0615:YES)、ステップSh0616に進む。
ステップSh0616では、開閉実行モードフラグをONにする。その後、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップSh0615において、いずれの大当たりフラグもONではない場合には(Sh0615:NO)、ステップSh0616を実行せずに、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップSh0612において保証遊技回数内であると判定した場合(ステップSh0612:YES)には、ステップSh0613およびステップSh0614を実行することなく、ステップSh0615に進む。また、ステップSh0611において高確率モードであると判定した場合(Sh0611:YES)にも、ステップSh0615に進む。
上述したステップSh0611からステップSh0614までの処理によれば、高頻度サポートモードにおいて継続して実行された遊技回数が100回に達した場合に低頻度サポートモードに移行すること、しかし、遊技回数が100回に達した以後(すなわち、遊技回数カウンタPNCが0以下の値)であっても、その時点における抽選モードとして高確率モードが継続されている場合には、サポートモードとして高頻度サポートモードは継続されること、が実現される。
<データ設定処理>
次に、データ設定処理について説明する。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図417:Sh0604)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図418は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップSh0701では、データ設定処理を実行する処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaであるか否かを判定する。具体的には、第1保留エリアRa(図400)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されている保留情報)の方が、第2保留エリアRb(図400)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されている保留情報)よりも先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第1保留エリアRaであると判定する。一方、第1保留エリアRaに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報よりも、第2保留エリアRbに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報の方が先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第2保留エリアRbであると判定する。すなわち、ステップSh0701の処理を実行することにより、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された順に、保留情報を処理対象とすることができる。
ステップSh0701において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaであると判定した場合には(ステップSh0701:YES)、ステップSh0702〜ステップSh0707の第1保留エリア用のデータ設定処理を実行する。一方、ステップSh0701において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップSh0701:NO)、ステップSh0708〜ステップSh0713の第2保留エリア用のデータ設定処理を実行する。
ステップSh0702では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップSh0703に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップSh0704に進む。ステップSh0704では、第1保留エリアRaの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップSh0705に進む。
ステップSh0705では、第1保留エリアRaの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSh0705を実行した後、ステップSh0706に進む。
ステップSh0706では、各種フラグ記憶エリア64gの第2図柄表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2図柄表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1図柄表示部37aと第2図柄表示部37bのうちのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップSh0707へ進む。
ステップSh0707では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、データ設定処理を終了する。
ステップSh0707において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図416)におけるステップSh0502において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
ステップSh0701において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(Sh0701:NO)、ステップSh0708に進む。
ステップSh0708では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップSh0709に進む。ステップSh0709では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップSh0710に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップSh0711に進む。
ステップSh0711では、第2保留エリアRbの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSh0711を実行した後、ステップSh0712に進む。
ステップSh0712では、各種フラグ記憶エリア64gの第2図柄表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップSh0713に進む。
ステップSh0713では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップSh0713において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図416)におけるステップSh0505において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図417:Sh0605)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図419は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSh0801では、当たり抽選において大当たりに当選したときの処理を含む当たり判定処理を行う。当たり判定処理の詳細については後述する。ステップSh0801を実行した後、ステップSh0802に進む。
ステップSh0802では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理とは、当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップSh0802を実行した後、ステップSh0803に進む。
ステップSh0803では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSh0803において、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sh0803:NO)、ステップSh0804に進み、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップSh0802で設定された変動時間の情報が含まれている。
一方、ステップSh0803において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sh0803:YES)、ステップSh0805に進み、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップSh0802で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップSh0804又はステップSh0805を実行した後、ステップSh0806に進む。
ステップSh0806では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R第1種大当たりの情報、8R第1種大当たりの情報、8R第2種大当たりの情報、または、リーチ発生の有無の情報および外れ結果の情報が含まれている。
ステップSh0804〜ステップSh0806にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図416)におけるステップSh0502によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSh0806を実行後、ステップSh0807に進む。
ステップSh0807では、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第1図柄表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2図柄表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第2図柄表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップSh0807を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<当たり判定処理>
次に、当たり判定処理について説明する。当たり判定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図419:Sh0801)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図420は、当たり判定処理を示すフローチャートである。ステップSh0901では、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、V入賞ゾーンFVへの遊技球の入球があった開閉実行モードの終了に際してONにされ、その後に大当たりに当選した場合に実行される開閉実行モードの開始時にOFFにされる。
ステップSh0901において、高確率モードであると判定した場合には(Sh0901:YES)、ステップSh0902に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、当該変動開始処理が第1始動口33への遊技球の入球を契機とするものである場合には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図401(b)に示す第1始動口用の当否テーブル(高確率モード用)において大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。また、当該変動開始処理が第2始動口34への遊技球の入球を契機とするものである場合には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図402(b)に示す第2始動口用の当否テーブル(高確率モード用)において大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSh0904に進む。
一方、ステップSh0901において高確率モードではないと判定した場合には(Sh0901:NO)、ステップSh0903に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、当該変動開始処理が第1始動口33への遊技球の入球を契機とするものである場合には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図401(a)に示す第1始動口用の当否テーブル(低確率モード用)において大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。また、当該変動開始処理が第2始動口34への遊技球の入球を契機とするものである場合には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図402(a)に示す第2始動口用の当否テーブル(低確率モード用)において大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSh0904に進む。
ステップSh0904では、ステップSh0902又はステップSh0903における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSh0904において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(Sh0904:YES)、ステップSh0905に進む。
続くステップSh0905からステップSh0912においては、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理を実行する。
ステップSh0905では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSh0905において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Sh0905:NO)、ステップSh0906に進み、第1始動口用の振分テーブル(図402(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、8R第1種大当たりの数値範囲、8R第2種大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、ステップSh0905において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Sh0905:YES)、ステップSh0907に進み、第2始動口用の振分テーブル(図402(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R第1種大当たりの数値範囲、8R第2種大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップSh0906又はステップSh0907の処理を実行した後、ステップSh0908に進む。
ステップSh0908では、ステップSh0906又はステップSh0907において振り分けた大当たりの種別が第1種大当たりであるか否かを判定する。ステップSh0908において、遊技結果が第1種大当たりであると判定した場合には(Sh0908:YES)、ステップSh0909に進む。
ステップSh0909では、第1種大当たり用の停止結果設定処理を実行する。第1種大当たり用の停止結果設定処理とは、第1種大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている第1種大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップSh0906又はステップSh0907において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップSh0909を実行した後、ステップSh0910に進む。
ステップSh0910では、ステップSh0906又はステップSh0907において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R第1種大当たりである場合には16R第1種大当たりフラグをONにし、8R第1種大当たりである場合には8R第1種大当たりフラグをONにする。ステップSh0910を実行した後、当たり判定処理を終了する。
ステップSh0908において、ステップSh0906又はステップSh0907において振り分けた大当たりの種別が第1種大当たりでないと判定した場合(Sh0908:NO)、すなわち、振り分けた大当たりの種別が第2種大当たりである場合には、ステップSh0911に進む。
ステップSh0911では、第2種大当たり用の停止結果設定処理を実行する。第2種大当たり用の停止結果設定処理とは、第2種大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63eに記憶されている第2種大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップSh0906又はステップSh0907において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップSh0911を実行した後、ステップSh0912に進む。
ステップSh0912では、ステップSh0906又はステップSh0907において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。本実施形態においては、第2種大当たりの種別は、8R第2種大当たりのみであるので、8R第2種大当たりフラグをONにする。なお、第2種大当たりの種別が複数設定されている場合には、対応する第2種大当たりフラグをONにする。ステップSh0912を実行した後、当たり判定処理を終了する。
ステップSh0904において、ステップSh0902又はステップSh0903における当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(Sh0904:NO)、ステップSh0913に進み、当該遊技回においてリーチが発生するか否かの判定をする。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ判定用テーブル記憶エリア63c(図399)に記憶されているリーチ判定用テーブルにおいて、リーチが発生として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップSh0913において、当該遊技回においてリーチが発生すると判定した場合には(Sh0913:YES)、ステップSh0914に進む。
ステップSh0914では、リーチ用の停止結果設定処理を実行する。リーチ用の停止結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63e(図399)におけるリーチ用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶する。ステップSh0914を実行した後、当たり判定処理を終了する。
ステップSh0913において、当該遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(Sh0913:NO)、ステップSh0915に進む。
ステップSh0915では、外れ時用の停止結果設定処理を実行する。外れ時用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63e(図399)における外れ時用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップSh0913を実行した後、当たり判定処理を終了する。
<変動時間の設定処理>
次に、変動時間の設定処理について説明する。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図419:Sh0802)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図421は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップSh1001では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSh1002に進む。
ステップSh1002では、今回の遊技回に係る当たり抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、16R第1種大当たりフラグ、8R第1種大当たりフラグ、8R第2種大当たりフラグの内のいずれかがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には(Sh1002:YES)、ステップSh1003に進む。
ステップSh1003では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されている大当たり用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、当たり抽選において大当たりに当選した遊技回の変動時間は一定である。その後、ステップSh1004に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップSh1002において、今回の遊技回に係る当たり抽選の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(Sh1002:NO)、ステップSh1005に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップSh1002において今回の遊技回に係る当たり抽選において大当たり当選していない場合に本処理(Sh1005)を実行することから、ステップSh1005においては、当たり抽選において大当たり当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(Sh1005:YES)、ステップSh1006に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップSh1006では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。本実施形態のパチンコ機10においては、リーチ発生用の変動時間は一定である。その後、ステップSh1004に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップSh1005において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(Sh1005:NO)、ステップSh1007に進み、変動時間テーブル記憶エリア63dに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップSh1004に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、リーチ非発生用変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、合計保留個数CRNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、第1種大当たり用の変動時間テーブル、第2種大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図416:Sh0506)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図422は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップSh1101では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、開閉実行モードにおける大入賞口開閉処理期間の終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、開閉実行モードにおいてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップSh1101において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(Sh1101:NO)、ステップSh1102に進み、開閉処理期間フラグがONであるか否かを判定する。開閉処理期間フラグは、開閉実行モード中においてオープニング期間が終了し、可変入賞装置57の開閉扉36bの開閉動作が実行される期間である大入賞口開閉処理期間が開始されるタイミングでONにされ、当該開閉扉36bの開閉動作が終了するタイミングでOFFにされる。
ステップSh1102において、開閉処理期間フラグがONではないと判定した場合には(Sh1102:NO)、ステップSh1103に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。
ステップSh1103において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(Sh1103:NO)、ステップSh1104に進み、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップSh1104において、変動表示が終了したタイミングではないと判定した場合には(Sh1104:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSh1104において、変動表示が終了したタイミングであると判定した場合には(Sh1104:YES)、ステップSh1105に進み、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSh1105において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(Sh1105:YES)、ステップSh1106に進む。一方、ステップSh1105において、開閉実行モードフラグがOFFであると判定した場合には(Sh1105:NO)、そのまま遊技状態移行処理を終了する。
ステップSh1106では、大当たり種別とサポートモード(低頻度サポートモード又は高頻度サポートモード)に対応した開閉シナリオを設定する。具体的には、第1種大当たりであり、かつ低頻度サポートモードである場合には、図406を用いて先に説明した第1開閉シナリオを設定する。第2種大当たりである場合には、図410を用いて先に説明した第2開閉シナリオを設定する。第1種大当たりであり、かつ高頻度サポートモードである場合には、図411を用いて先に説明した第3開閉シナリオを設定する。その後、ステップSh1107に進む。
ステップSh1107では、高確率モードフラグをOFFにする。その後、ステップSh1108に進む。
ステップSh1108では、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップSh1109に進む。
ステップSh1109では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のオープニング期間において同じ一定の長さのオープニング時間を設定する。具体的には、オープニング時間を決定する第3タイマカウンタエリアT3に「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、第3タイマカウンタエリアT3は、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられている。ステップSh1109を実行した後、ステップSh1110に進む。
ステップSh1110では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図416)におけるステップSh0502にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定したオープニング時間および今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間および大入賞口開閉処理期間に対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSh1110を実行した後、ステップSh1111に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSh1103において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(Sh1103:YES)、ステップSh1112に進む。
ステップSh1112では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、第3タイマカウンタエリアT3の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSh1112において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(Sh1112:YES)、ステップSh1113に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSh1114に進む。
ステップSh1114では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップSh1114を実行した後、ステップSh1115に進む。
ステップSh1115では、ステップSh1114で確認したラウンド回数を、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1にセットする。これにより、8R第1種大当たり、または8R第2種大当たりである場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1に「8」がセットされ、16R第1種大当たりである場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1に「16」がセットされる。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、開閉扉36bが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアであり、ステップSh1115では、初期値として「8」または「16」がセットされる。ステップSh1115を実行した後、ステップSh1116に進む。
ステップSh1116では、開閉処理期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSh1102において、開閉処理期間フラグがONであると判定した場合には(Sh1102:YES)、ステップSh1117に進み、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理については後述する。ステップSh1117を実行した後、ステップSh1118に進む。
ステップSh1118では、シャッター開閉処理を実行する。シャッター開閉処理については後述する。ステップSh1118を実行した後、ステップSh1119に進む。
ステップSh1119では、大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定する。具体的には、開閉扉36bが開放された回数をカウントするための第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かによって、大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定する。ステップSh1119において、大入賞口開閉処理が終了したと判定した場合には(Sh1119:YES)、ステップSh1120に進む。一方、ステップSh1119において、大入賞口開閉処理が終了していないと判定した場合には(Sh1119:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSh1120では、開閉処理期間フラグをOFFにし、その後、ステップSh1121に進む。
ステップSh1121では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップSh1121を実行した後、ステップSh1122に進む。
ステップSh1122では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のエンディング期間において同じ一定の長さのエンディング時間を設定する。具体的には、エンディング時間を決定する第4タイマカウンタエリアT4に「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、第4タイマカウンタエリアT4は、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられている。ステップSh1122を実行した後、ステップSh1123に進む。
ステップSh1123では、エンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図416)におけるステップSh0502において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。ステップSh1123を実行した後、ステップSh1124に進む。
ステップSh1124では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSh1101において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(Sh1101:YES)、ステップSh1125に進む。
ステップSh1125では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(Sh1122)において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSh1125において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であると判定した場合には(Sh1125:YES)、ステップSh1126に進む。
ステップSh1126では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSh1127に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップSh1127を実行した後、ステップSh1128に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップSh1125において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」ではないと判定した場合には(Sh1125:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図422:Sh1117)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図423は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップSh1201では、大入賞口36aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップSh1201において、大入賞口36aが開放中でないと判定した場合には(Sh1201:NO)、ステップSh1202に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSh1202において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(Sh1202:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップSh1202において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(Sh1202:NO)、ステップSh1203に進む。
ステップSh1203では、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSh1203において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(Sh1203:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップSh1203において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(Sh1203:YES)、ステップSh1204に進み、大入賞口36aを開放するために可変入賞駆動部36cを駆動状態とする。その後、ステップSh1205に進む。
ステップSh1205では、各ラウンド用の設定処理を実行する。本実施形態では、第1タイマカウンタエリアT1に「15000」(すなわち30sec)をセットする。さらに、大入賞口36aへの遊技球の入球数をカウントするために、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた入球カウンタエリアPCに「10」をセットする。第1タイマカウンタエリアT1にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。なお、仮にパチンコ機10に低頻度入球モードが設定されている場合には、例えば、第1タイマカウンタエリアT1に「100」(すなわち0.2sec)をセットするとともに、入球カウンタエリアPCに「6」をセットしてもよい。ステップSh1205を実行した後、ステップSh1206に進む。
ステップSh1206では、開放コマンドを設定する。その後、本大入賞口開閉処理を終了する。なお、開放コマンドは、大入賞口36aの開放が開始されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図416:ステップSh0502)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。
ステップSh1201において、大入賞口36aが開放中であると判定した場合には(ステップSh1201:YES)、ステップSh1207に進み、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの開放継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップSh1207において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(Sh1207:NO)、ステップSh1208に進む。
ステップSh1208では、大入賞口36aに遊技球が入球したか否かを、可変入賞装置36に対応した検知センサ、具体的には、V獲得チャレンジ機構部36vに備えられた第1通路検知センサーSP1および第2通路検知センサーSP2の検知状態により判定する。ステップSh1208において、入球が発生していないと判定した場合には(Sh1208:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップSh1208において、入球が発生していると判定した場合には(Sh1208:YES)、ステップSh1209に進み、入球カウンタエリアPCの値を1減算する。その後、ステップSh1210に進む。
ステップSh1210では、入球カウンタエリアPCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップSh1210において、入球カウンタエリアPCの値が「0」でないと判定した場合には(Sh1210:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSh1207において第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合(Sh1207:YES)、又は、ステップSh1210において入球カウンタエリアPCの値が「0」であると判定した場合には(Sh1210:YES)、ステップSh1211に進み、大入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には、大入賞口36aを閉鎖するために可変入賞駆動部36cを非駆動状態とする。その後、ステップSh1212に進む。
ステップSh1212では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算する。その後、ステップSh1213に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSh1213において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(Sh1213:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップSh1213において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(Sh1213:NO)、第1タイマカウンタエリアT1に「1000」(すなわち2sec)をセットする。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップSh1214を実行した後、ステップSh1215に進み、閉鎖コマンドを設定する。その後、大入賞口開閉処理を終了する。
この設定された閉鎖コマンドは、大入賞口36aの開放が終了したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理のコマンド出力処理(図416:ステップSh0502)において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。
<シャッター開閉処理>
次に、シャッター開閉処理について説明する。シャッター開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図422:Sh1118)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図424は、シャッター開閉処理を示すフローチャートである。ステップSh1301では、非V入賞口シャッター350が開放中であるか否かを判定する。本実施形態では、非V入賞口シャッター駆動部36d(図399)の動作状態によって、非V入賞口シャッター350が開放中であるか否かが判定される。ステップSh1301において、非V入賞口シャッター350が開放中であると判定した場合には(Sh1301:YES)、ステップSh1302に進む。
ステップSh1302では、遊技状態移行処理(図422)のステップSh1106によって設定された開閉シナリオの閉鎖条件が成立しているか否かの判定を行う。具体的には、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値と遊技状態移行処理(図422)におけるステップSh1114で確認したラウンド回数との値を比較して、実行中のラウンド数を特定し、特定したラウンド数が1ラウンド目である場合に、第1通路検知センサーSP1の検知信号と第2通路検知センサーSP2の検知信号から、大入賞口36aに入球した遊技球の数をカウントすることに基づいて、第1〜第3開閉シナリオの中から設定された開閉シナリオの閉鎖条件が成立しているか否かを判定する。ステップSh1302において、閉鎖条件が成立していると判定した場合には(Sh1302:YES)、ステップSh1303に進む。
ステップSh1303では、非V入賞口シャッター駆動部36dによって、非V入賞口シャッター350を閉鎖する。ステップSh1303を実行した後、後述するステップSh1306に進む。
一方、ステップSh1302において、閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(Sh1302:YES)、ステップSh1303を実行することなく、ステップSh1306に進む。
ステップSh1301において、非V入賞口シャッター350が開放中でないと判定した場合には(Sh1301:NO)、ステップSh1304に進む。
ステップSh1304では、遊技状態移行処理(図422)のステップSh1106によって設定された開閉シナリオの開放条件が成立しているか否かの判定を行う。具体的には、設定された開閉シナリオが第1開閉シナリオまたは第2開閉シナリオである場合、非V入賞口シャッター350の閉鎖状態を保持する時間が経過し開放するタイミングに達したかをタイマーカウンタでカウントすることによって、第1開閉シナリオまたは第2開閉シナリオの開放条件が成立しているか否かを判定する。設定された開閉シナリオが第3開閉シナリオである場合には、非V入賞口シャッター350の閉鎖状態を保持する時間が経過し開放するタイミングに達したかをタイマーカウンタでカウントすること、または開閉実行モードにおける1ラウンド目が終了したかを判定することによって、第3開閉シナリオの開放条件が成立しているか否かを判定する。ステップSh1304において、開放条件が成立していると判定した場合には(Sh1304:YES)、ステップSh1305に進む。
ステップSh1305では、非V入賞口シャッター駆動部36dによって、非V入賞口シャッター350を開放する。ステップSh1305を実行した後、ステップSh1306に進む。
一方、ステップSh1304において、開放条件が成立していないと判定した場合には(Sh1304:NO)、ステップSh1305を実行することなく、ステップSh1306に進む。
ステップSh1306では、V入賞判定処理を実行する。V入賞判定処理については後述する。ステップSh1306を実行した後、本シャッター開閉処理を終了する。
<V入賞判定処理>
次に、V入賞判定処理について説明する。V入賞判定処理は、シャッター開閉処のサブルーチン(図424:Sh1306)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図425は、V入賞判定処理を示すフローチャートである。ステップSh1401では、V獲得チャレンジ機構部36vのV入賞ゾーンFVへの遊技球の入球を検知したか否かを判定する。この判定は、V入賞ゾーン検知センサーSP3の検知信号から判断される。ステップSh1401において、V入賞ゾーンFVへの遊技球の入球を検知した場合には(Sh1401:YES)、ステップSh1402に進む。
ステップSh1402では、V入賞フラグをONにする。V入賞フラグは、V入賞ゾーンFVに遊技球が入球したことを示すフラグであって、当該ラウンド遊技の終了後に実行される通常の遊技回における抽選モードを高確率モードまたは低確率モードのいずれに設定するかの判定に用いられる。ステップSh1402を実行した後、ステップSh1403に進む。
ステップSh1403では、V入賞コマンドを設定する。V入賞コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図416:ステップSh0502)において音声発光制御装置90に送信される。V入賞コマンドを受信した音声発光装置は、V入賞演出を実行するための設定を実行する。V入賞演出はV入賞ゾーンFVに遊技球が入球したことを遊技者に報知するための演出である。ステップSh1403を実行した後、本V入賞判定処理を終了する。
一方、ステップSh1401において、V入賞ゾーンFVへの遊技球の入球を検知しない場合には(Sh1401:NO)、ステップSh1402およびステップSh1403を実行せずに、本V入賞判定処理を終了する。
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図422:Sh1127)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図426は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップSh1501では、V入賞フラグがONであるか否かを判定する。
ステップSh1501において、V入賞フラグがONであると判定した場合には(Sh1501:YES)、ステップSh1502に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R第1種大当たりフラグ、8R第1種大当たりフラグ、8R第2種大当たりフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。また、V入賞フラグをOFFにする。ステップSh1502を実行した後、ステップSh1503に進む。
ステップSh1503では、高確率モードフラグをONにし、その後、ステップSh1504に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、抽選モードが高確率モードであり、且つ、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。その後、ステップSh1505に進む。
ステップSh1505では、抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、後述するステップSh1509に進む。
一方、ステップSh1501において、V入賞フラグがONではないと判定した場合には、(Sh1501:NO)、ステップSh1506に進み、フラグ消去処理を実行する。具体的には、16R第1種大当たりフラグ、8R第1種大当たりフラグ、8R第2種大当たりフラグがONである場合にはOFFにするとともに、ONではない場合には、その状態を維持する。その後、ステップSh1507に進む。
ステップSh1507では、高頻度サポートモードフラグをONにした後、ステップSh1508に進み、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。その後、ステップSh1509に進む。
ステップSh1509では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図416:Sh0507)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図427は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップSh1601では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップSh1601において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(Sh1601:NO)、ステップSh1602に進む。
ステップSh1602では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップSh1602において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(Sh1602:NO)、ステップSh1603に進む。
ステップSh1603では、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップSh1603において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sh1603:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sh1603:YES)、ステップSh1604に進む。
ステップSh1604では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップSh1604において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(Sh1604:YES)、ステップSh1605に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップSh1604において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(Sh1604:NO)、ステップSh1606に進む。
ステップSh1606では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップSh1606において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(Sh1606:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSh1606において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(Sh1606:YES)、ステップSh1607に進む。
ステップSh1607では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップSh1608に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップSh1607において開閉実行モードではなく(Sh1607:NO)、且つ、ステップSh1608において高頻度サポートモードである場合には(Sh1608:YES)、ステップSh1609に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64dに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜461であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップSh1610に進む。
ステップSh1610では、ステップSh1609の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSh1610において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(Sh1610:YES)、ステップSh1611に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、電役サポート用処理を終了する。
一方、ステップSh1610において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(Sh1610:NO)、ステップSh1611の処理を実行することなく、電役サポート用処理を終了する。
ステップSh1607において開閉実行モードであると判定した場合(Sh1607:YES)、又は、ステップSh1608において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(Sh1608:NO)、ステップSh1612に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64dに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップSh1613に進む。
ステップSh1613では、ステップSh1612の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSh1613において、サポート当選でないと判定した場合には(Sh1613:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSh1613において、サポート当選であると判定した場合には(Sh1613:YES)、ステップSh1614に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSh1602において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(Sh1602:YES)、ステップSh1615に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSh1615において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sh1615:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSh1615において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sh1615:YES)、ステップSh1616に進む。
ステップSh1616では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップSh1617に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSh1601において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(Sh1601:YES)、ステップSh1618に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図427:Sh1618)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図428は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップSh1701では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(Sh1701:YES)、ステップSh1702に進む。
ステップSh1702では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSh1702において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Sh1702:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップSh1702において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Sh1702:YES)、ステップSh1703に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップSh1703を実行した後、ステップSh1704に進む。
ステップSh1704では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップSh1705に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSh1705において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(Sh1705:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップSh1705において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(Sh1705:YES)、ステップSh1706に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップSh1701において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(Sh1701:NO)、ステップSh1707に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSh1707において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(Sh1707:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップSh1707において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(Sh1707:YES)、ステップSh1708に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップSh1709に進む。
ステップSh1709では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(Sh1709:NO)、ステップSh1710に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップSh1710において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(Sh1710:YES)、ステップSh1711に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップSh1709において開閉実行モードであると判定した場合(Sh1709:YES)、又は、ステップSh1710において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(Sh1710:NO)、ステップSh1712に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
A5.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、バトル演出および結果告知演出を実行するために、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図429は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば4msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSh1801では、コマンド格納処理を実行する。コマンド格納処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に格納するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの格納及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次格納されるとともに、格納された順序に従って順次読み出される。ステップSh1801を実行した後、ステップSh1802に進む。
ステップSh1802では、受信したコマンドに対応した処理を行うためのコマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップSh1802を実行した後、ステップSh1803に進む。
ステップSh1803では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップSh1802のコマンド対応処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップSh1803を実行した後、ステップSh1804に進む。
ステップSh1804では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップSh1802のコマンド対応処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップSh1804を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<コマンド対応処理>
次に、コマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図429:Sh1802)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図430は、コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、コマンド対応処理では、主側MPU62から受信したコマンドに対応した処理を実行する。以下、コマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSh1901では、主側MPU62から保留コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSh1901において、主側MPU62から保留コマンドを受信していると判定した場合には(Sh1901:YES)、ステップSh1902に進み、保留コマンド対応処理を実行する。保留コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップSh1902を実行した後、ステップSh1903に進む。一方、ステップSh1901において、主側MPU62から保留コマンドを受信していないと判定した場合には(Sh1901:NO)、ステップSh1902を実行することなく、ステップSh1903に進む。
ステップSh1903では、主側MPU62から高頻度サポートコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSh1903において、主側MPU62から高頻度サポートコマンドを受信していると判定した場合には(Sh1903:YES)、ステップSh1904に進み、音光側RAM94に記憶されている音光側高頻度サポートモードフラグをONにする。音光側高頻度サポートモードフラグは、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを音声発光制御装置90(図405参照)のMPU92にて特定するためのフラグであり、RAM94の所定領域に設定された各種フラグ記憶エリア94aに格納される。その後、ステップSh1907に進む。
ステップSh1903において、主側MPU62から高頻度サポートコマンドを受信していないと判定した場合には(Sh1903:NO)、ステップSh1905に進み、主側MPU62から低頻度サポートモードコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSh1905において、主側MPU62から低頻度サポートモードコマンドを受信していると判定した場合には(Sh1905:YES)、ステップSh1906に進み、音光側高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップSh1907に進む。ステップSh1905において、主側MPU62から低頻度サポートモードコマンドを受信していないと判定した場合には(Sh1905:NO)、そのまま、ステップSh1907に進む。
ステップSh1907では、主側MPU62から変動用コマンド及び種別コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSh1907において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していると判定した場合には(Sh1907:YES)、ステップSh1908に進む。一方、ステップSh1907において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していないと判定した場合には(Sh1907:NO)、ステップSステップSh1909に進む。
ステップSh1908では、遊技回演出設定処理を実行する。遊技回演出設定処理では、今回の遊技回において実行される大当たり時用演出や、停止図柄、変動表示パターン等を設定する。遊技回演出設定処理の詳細については後述する。ステップSh1908を実行した後、ステップSh1909に進む。
ステップSh1909では、主側MPU62からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSh1909において、主側MPU62からオープニングコマンドを受信していると判定した場合には(Sh1909:YES)、ステップSh1910に進みオープニング演出および右打ち報知演出を実行するように設定する。具体的には、今回受信したオープニングコマンドに含まれている大当たり種別を特定し、その大当たり種別に対応したオープニング演出の内容に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定するとともに、オープニング演出に対応した制御が終了した後には右打ち報知演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定し、その後に、オープニング演出及び右打ち報知演出を実行するように設定させるためのオープニング演出コマンドを表示側MPU102に送信する。右打ち報知演出においては、1ラウンド目において、1球目の遊技球を弱右打ち通路P1(図396)へ入れ、2球目の遊技球を強右打ち通路P2へ入れることによってV入賞を狙わせることを促す演出を実行する。その後、ステップSh1911に進む。一方、ステップSh1909において、主側MPU62からオープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(Sh1909:NO)、ステップSh1910を実行することなく、ステップSh1911に進む。
ステップSh1911では、主側CPU62からV入賞コマンドを受信しているか否かを判定する。V入賞コマンドは、開閉実行モードの大入賞口開閉処理の実行中に、遊技球がV入賞ゾーンFVに入球した場合に、主側CPU62から音光側MPU92に送信されるコマンドである。ステップSh1911において、主側CPU62からV入賞コマンドを受信していると判定した場合には(Sh1911:YES)、ステップSh1912に進む。
ステップSh1912では、V入賞演出を実行するように設定する。具体的には、V入賞演出用の各種ランプの発光データの設定および音声出力データの設定を行う。V入賞演出は、V入賞ゾーンFVに遊技球が入球したことを遊技者に報知する演出である。ステップSh1912を実行した後、ステップSh1913に進む。
ステップSh1913では、V入賞演出コマンドを表示側MPU102に送信する。なお、表示側MPU102は、V入賞演出コマンドを受信すると、V入賞演出用の画像データを設定し、図柄表示装置41に当該画像データに基づいた映像を表示させる。ステップSh1913を実行した後、ステップSh1914に進む。一方、ステップSh1911において、主側MPU62からオープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(Sh1911:NO)、ステップSh1912およびステップSh1913を実行することなく、ステップSh1914に進む。
ステップSh1914では、主側MPU62からエンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップSh1914おいて、エンディングコマンドを受信していると判定した場合には(Sh1914:YES)、ステップSh1915に進み、エンディング演出および左打ち報知演出を実行するように設定する。具体的には、今回受信したエンディングコマンドに含まれている開閉実行モード後の遊技状態の内容を特定し、その遊技状態の内容に対応したエンディング演出の内容に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定するとともに、エンディング演出に対応した制御が終了した後には左打ち報知演出に対応した音声の出力制御及び発光制御を開始するように設定し、その後に、エンディング演出及び左打ち報知演出を実行するように設定させるためのエンディング演出コマンドを表示側MPU102に送信する。その後、ステップSh1916に進む。一方、ステップSh1914において、主側MPU62からエンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(Sh1914:NO)、ステップSh1915を実行することなく、ステップSh1916に進む。
ステップSh1916では、その他の設定処理を実行する。その他の設定処理では、例えば、開放コマンドに対応した演出内容の設定及び閉鎖コマンドに対応した演出内容の設定を行う。また、演出操作ボタン24が押下された場合には、演出操作ボタン24が押下されたことを認識させるための演出操作コマンドを表示側MPU102に送信する。
<保留コマンド対応処理>
次に、保留コマンド対応処理について説明する。保留コマンド対応処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図430:Sh1902)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図431は、保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、保留コマンド対応処理は、主側MPU62から保留コマンドを受信している場合に実行される処理である。以下、保留コマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSh2001では、入球時の更新処理を実行する。入球時の更新処理では、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数と、これらの保留情報の合計個数とを音光側MPU92において特定可能とするための処理を実行する。ステップSh2001の入球時の更新処理の詳細については後述する。以下では、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数を「第1保留個数」とも呼び、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数を「第2保留個数」とも呼び、第1保留個数と第2保留個数との合計数を「合計保留個数」とも呼ぶ。ステップSh2001を実行した後、ステップSh2002に進む。
ステップSh2002では、保留表示制御処理を実行する。具体的には、ステップSh2001において特定された第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数とに基づいて、第1保留表示部37cおよび第2保留表示部37dの表示態様(点灯させるLEDランプの色や組み合わせ)を制御する。ステップSh2002を実行した後、保留コマンド対応処理を終了する。
<入球時の更新処理>
次に、入球時の更新処理について説明する。入球時の更新処理は、保留コマンド対応処理のサブルーチン(図431:Sh2001)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図432は入球時の更新処理を示すフローチャートである。ステップSh2101では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものであるか否かを判定する。ステップSh2101において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には(Sh2101:YES)、ステップSh2102に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第1保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第1保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第1保留個数カウンタエリアの更新処理では、第1保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップSh2102を実行した後、ステップSh2104に進む。
ステップSh2101において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入球に基づいて送信されたものでないと判定した場合(Sh2101:NO)、すなわち、当該保留コマンドが第2始動口34への入球に基づいて送信されたものであると判定した場合には、ステップSh2103に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第2保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第2保留個数カウンタエリアは、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第2保留個数カウンタエリアの更新処理では、第2保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となったコマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップSh2103を実行した後、ステップSh2104に進む。
ステップSh2102及びステップSh2103の処理を上記のようにした理由について説明する。本実施形態では、パチンコ機10の電源遮断中において、主制御装置60のRAM64に対してはバックアップ電力が供給されるのに対して、音声発光制御装置90のRAM94に対してはバックアップ電力が供給されない。このため、第1始動口33又は第2始動口34への入球に係る保留情報が主制御装置60のRAM64に記憶されている状況において電源が遮断されると、主制御装置60では保留情報が記憶保持されるのに対して、音声発光制御装置90では保留情報が0個であると把握される。この場合に、仮に、音声発光制御装置90において保留コマンドを受信する度に第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアをカウントアップする構成を採用すると、主制御装置60において実際に保留記憶されている保留情報の数と、音声発光制御装置90において把握している保留情報の数とが一致しなくなるといった不都合が生じ得る。これに対して、上記の本実施形態のように、主制御装置60は、保留個数の情報を含めて保留コマンドを送信するとともに、音声発光制御装置90では保留コマンドを受信する度にそのコマンドに含まれる保留個数の情報を第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアに設定する構成を採用することによって、上記のような不都合の発生を抑制することができる。
ステップSh2104では、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた合計保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。合計保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報の個数と第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報の個数との和を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。当該更新処理では、合計保留個数カウンタエリアの情報を、第1保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報と第2保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報との和の情報に更新する。ステップSh2104を実行した後、本入球時の更新処理を終了する。
<遊技回演出設定処理>
次に、遊技回演出設定処理について説明する。遊技回演出設定処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図430:Sh2108)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図433は、遊技回演出設定処理を示すフローチャートである。上述したように、遊技回演出設定処理は、変動用コマンド及び種別コマンドを受信したと判定した場合に実行される処理であり、今回の遊技回において実行される演出の内容を設定するための処理である。以下、遊技回演出設定処理の具体的な処理について説明する。
ステップSh2201では、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たりの有無、大当たり種別、リーチ発生の有無、および変動時間の情報を把握する。そして、把握した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップSh2202に進む。
ステップSh2202では、大当たり時やリーチ時等における演出パターン設定処理を実行する。演出パターン設定処理の詳細については後述する。ステップSh2202を実行した後、ステップSh2203に進む。
ステップSh2203では、停止図柄の設定処理を実行する。停止図柄の設定処理では、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、16R第1種大当たり、8R第1種大当たり、又は8R第2種大当たりである場合には、有効ラインL(図397参照)上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、16R第1種大当たり又は8R第1種大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の奇数図柄の組合せが選択され得るとともに、同一の偶数図柄の組合せが選択され得る。本実施形態のパチンコ機10では、この選択率は、同一の奇数図柄の組合せと、同一の偶数図柄の組合せとで同一となっているが、これに代えて、前者の方が後者よりも選択率が高い構成としてもよく、後者の方が前者よりも選択率が高い構成としてもよい。また、「7」図柄の組合せは、16R第1種大当たりの場合にのみ選択される。また、今回の遊技回の当たり抽選の結果が、8R第2種大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の偶数図柄の組合せが選択される。
今回の遊技回の当たり抽選の結果が、外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。ステップSh2203を実行した後、ステップSh2204に進む。
ステップSh2204では、今回の遊技回の変動表示パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップSh2205において特定した停止図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。この変動表示パターンの選択に際しては、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。その後、ステップSh2205に進む。
ステップSh2205では、今回の遊技回においてステップSh2202で設定された演出の種類情報、ステップSh2203で設定された停止図柄の種類情報、及びステップSh2204で設定された変動表示パターンの種類情報を、演出コマンドに設定する。その後、ステップSh2206に進み、当該演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した演出コマンドに対応した演出内容を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップSh2206を実行した後、ステップSh2207に進み、変動開始時の更新処理を実行した後、遊技回演出設定処理を終了する。変動開始時の更新処理の詳細については後述する。
<演出パターン設定処理>
次に、演出パターン設定処理について説明する。演出パターン設定処理は、遊技回演出設定処理のサブルーチン(図433:Sh2202)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図434は、演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSh2301では、今回の遊技回による当たり抽選において第1種大当たりに当選したか否かを判定する。この判定は、図433のステップSh2201によって把握した大当たりの有無の情報および大当たり種別の情報を用いて行う。ステップSh2301では、16R第1種大当たり又は8R第1種大当たりに当選した場合に肯定判定される。ステップSh2301において、今回の遊技回による当たり抽選において第1種大当たりに当選したと判定された場合には(Sh2301:YES)、ステップSh2302に進む。
ステップSh2302では、第1種大当たり時用演出パターン設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において第1種大当たりしたことを示す演出についての演出パターンを実行するように設定する。この設定の際には、図421において大当たり用変動時間テーブルを用いて主制御装置60側で取得した変動時間を考慮して演出を定める。ステップSh2302を実行した後、演出パターン設定処理を終了する。
ステップSh2301において、今回の遊技回による第1種大当たりに当選しなかった場合には(Sh2301:NO)、ステップSh2303に進む。
ステップSh2303では、今回の遊技回における第2種大当たり当選したか否かを判定する。この判定は、図433のステップSh2201によって把握した大当たりの有無の情報および大当たり種別の情報を用いて行う。ステップSh2303では、16R第2種大当たり又は8R第2種大当たりに当選した場合に肯定判定される。ステップSh2303において、今回の遊技回において第2種大当たりに当選したと判定した場合には(Sh2303:YES)、ステップSh2304に進む。
ステップSh2304では、第2種大当たり時用演出パターン設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において第2種大当たりしたことを示す演出についての演出パターンを実行するように設定する。この設定の際には、図421において大当たり用変動時間テーブルを用いて主制御装置60側で取得した変動時間を考慮して演出を定める。ステップSh2304を実行した後、演出パターン設定処理を終了する。
ステップSh2303において、今回の遊技回において第2種大当たりしていないと判定した場合には(Sh2303:NO)、ステップSh2305に進む。
ステップSh2305では、今回の遊技回においてリーチ発生となったか否かを判定する。この判定は、図433のステップSh2001によって把握したリーチ発生の有無の情報を用いて行う。ステップSh2305において、今回の遊技回においてリーチ発生となったと判定した場合には(Sh2305:YES)、ステップSh2306に進む。
ステップSh2306では、リーチ時用演出パターン設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回においてリーチとなったことを示す演出についての演出パターンを実行するように設定する。この設定の際には、図421においてリーチ発生用変動時間テーブルを用いて主制御装置60側で取得した変動時間を考慮して演出を定める。ステップSh2306を実行した後、演出パターン設定処理を終了する。
一方、ステップSh2305において、今回の遊技回においてリーチ発生となっていなと判定した場合には(Sh2305:NO)、ステップSh2307に進み、外れ時用演出パターン設定処理を実行する。具体的には、第1種大当たり当選、第2種大当たり当選、およびリーチ発生のいずれにも該当しない場合の演出を実行するように設定する。この設定の際には、図421においてリーチ非発生用変動時間テーブルを用いて主制御装置60側で取得した変動時間に従って演出時間を定める。ステップSh2307を実行した後、演出パターン設定処理を終了する。
<変動開始時の更新処理>
次に、変動開始時の更新処理について説明する。変動開始時の更新処理は、遊技回演出設定処理のサブルーチン(図433:Sh2207)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図435は、変動開始時の更新処理を示すフローチャートである。ステップSh2401では、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドであるか否かを判定する。ステップSh2401において、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドであると判定した場合には(Sh2401:YES)、ステップSh2402に進み、音光側RAM94の合計保留個数カウンタエリアに記憶されている合計保留個数が1減算されるように、当該合計保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、変動開始時の更新処理を終了する。
一方、ステップSh2401において、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドではないと判定した場合には(Sh2401:NO)、ステップSh2203に進み、音光側RAM94の合計保留個数カウンタエリアに記憶されている合計保留個数が1減算されるように、当該合計保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、変動開始時の更新処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図436は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSh2501では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップSh2502に進む。
ステップSh2502では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図437は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップSh2601では、コマンド格納処理を実行する。コマンド格納処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド格納エリアに、その抽出したコマンドデータを格納する。コマンド格納処理によってコマンド格納エリアに格納された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図438は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド格納領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップSh2701では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図437)によってコマンド格納エリアに格納されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが格納されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが格納されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(Sh2701)では、その時点でコマンド格納エリアに格納されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド格納エリアに格納されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド格納エリアに格納されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や停止図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップSh2702では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(Sh2701)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップSh2703に進む。
ステップSh2703では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(Sh2702)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップSh2704に進む。
ステップSh2704では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(Sh2703)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップSh2705に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。以上、パチンコ機10において大当たり演出を含めた様々な処理を実行するための具体的な制御の一例を説明した。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、第2通路検知センサーSP2を遊技球が通過した場合に、非V入賞口シャッター350を開放状態から閉鎖状態に切り替えるので、クルーン220(以下、滞留領域とも呼ぶ)から遊技球が流出するタイミングを考慮して遊技者が第2通路検知センサーSP2に遊技球を通過させることによって、クルーン220から流出した遊技球を閉鎖状態に切り替わった後の非V入賞口シャッター350の上面に沿わせて流下させることができ、当該遊技球をV入賞ゾーンFVに流入させることができる。すなわち、遊技者は、非V入賞口シャッター350の状態の切り替えを、クルーン220から遊技球が流出するタイミングを考慮して第2通路検知センサーSP2に遊技球を通過させることによって制御することができる。この結果、非V入賞口シャッター350の状態の切り替えについて遊技者の技術介入を可能にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球がクルーン220に流入してから流出するまでの時間の長さである滞留時間(遊技球がクルーン220に滞留している時間の長さ)は、遊技球が遊技球発射機構81から発射されてから第2通路検知センサーSP2を通過するまでの時間の長さである第2通路到達時間よりも長い構成となっている。従って、クルーン220に遊技球が流入し滞留を開始したのを視認してから、遊技者が、クルーン220から遊技球が流出するタイミングを考慮して第2通路検知センサーSP2に遊技球を通過させるために、第2通路検知センサーSP2に向けて遊技球を発射させても、クルーン220から流出した遊技球が非V入賞口シャッター350を通過するときに、当該非V入賞口シャッター350の状態を閉鎖状態にすることが可能であり、クルーン220から流出した遊技球をV入賞ゾーンFVに流入させることができる。すなわち、クルーン220に遊技球が流入し滞留を開始したのを視認した後に、一度、遊技球を発射させるのを止めて、クルーン220に滞留する遊技球の動きを確認しながら第2通路検知センサーSP2に向けて遊技球を発射させるタイミングを計ることができ、遊技者に、遊技球を発射させるタイミングについて比較的長い時間、期待感や緊迫感を付与することができる。比較例として、滞留時間が第2通路到達時間よりも短い場合には、第2通路検知センサーSP2に向けて遊技球を発射させるタイミングを、一旦、遊技球の発射を止めてから見計らうことができず、連続的に遊技球を発射させる必要がある。一方、本実施形態のパチンコ機10は、クルーン220に滞留する遊技球の動きを確認しながら第2通路検知センサーSP2に向けて遊技球を発射させるタイミングを計ることができるので、上記の比較例よりも、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、非V入賞口シャッター350が閉鎖状態のタイミングで遊技球を当該非V入賞口シャッター350上を通過させるためには、クルーン220から遊技球が流出するタイミングと、非V入賞口シャッター350が閉鎖状態を維持している期間(本実施形態においては0.2秒)とを考慮して、第2通路検知センサーSP2に遊技球を通過させる必要があるので、遊技者を遊技に積極的に参加させることができる。
本実施形態のパチンコ機10は、非V入賞口シャッター350が閉鎖状態を維持している期間(本実施形態においては0.2秒)が、遊技球を遊技球発射機構81から発射させてからクルーン220を経由してクルーン220から流出するまでの時間の長さ(以下、滞留領域流出時間とも呼ぶ)よりも短くなるように構成されている。従って、第1通路検知センサーSP1を通過させた遊技球を、クルーン220を経由させ、さらに当該遊技球を閉鎖状態の非V入賞口シャッター350によってV入賞ゾーンFVに流入させることを困難または不可能にすることができる。すなわち、遊技球1球だけを用いてV入賞ゾーンFVに当該遊技球を流入させることを困難または不可能にすることができる。換言すれば、クルーン220に滞留した後に非V入賞口シャッター350を経由してV入賞ゾーンFVに流入させる遊技球と、第2通路検知センサーSP2を通過させる遊技球とを別々の遊技球にすることを促すことができる。このようにすることによって、複数の遊技球の発射について遊技者の技術介入を促し、さらに、当該複数の遊技球の帰趨について遊技者に注目させることができるので、さらなる遊技の興趣向上を図ることができる。
また、パチンコ機10は、非V入賞口シャッター350が閉鎖状態の場合に、当該非V入賞口シャッター350を通過した遊技球が流入する領域は、当該領域への遊技球の流入が次回以降の遊技回の抽選モードを高確率モードに移行させるための条件として設定されている領域(V入賞ゾーンFV)であるので、V入賞ゾーンFVに遊技球を流入させたいと遊技者に所望させることができ、非V入賞口シャッター350の開閉についての技術介入に関して、遊技者に集中させるとともに、期待感や緊迫感を付与することができる。
本実施形態のパチンコ機10は、非V入賞口シャッター350の開閉シナリオとして、第1通路検知センサーSP1に遊技球を流通させないと、V入賞ゾーンFVに遊技球を入球させることが不可能又は困難な第1開閉シナリオと、第1通路検知センサーSP1に遊技球を流通させなくても、V入賞ゾーンFVに遊技球を入球させることが可能又は容易な第3開閉シナリオとを備える。非V入賞口シャッター350の開閉シナリオとして第1開閉シナリオが設定されている場合には、V入賞ゾーンFVに遊技球を入球させるために第1通路検知センサーSP1に遊技球を流通させる必要があり、遊技者は、遊技球の発射強度を調整するなど、遊技球の発射操作について技術介入が必要となる。一方、第3開閉シナリオが設定されている場合には、V入賞ゾーンFVに遊技球を入球させるために第1通路検知センサーSP1に遊技球を流通させなくてもよいので、遊技者は、第1開閉シナリオが設定されている場合よりも遊技球の発射操作について技術介入を必要としない。従って、本実施形態におけるパチンコ機10は、非V入賞口シャッター350の開閉シナリオを切り替えることによって、V入賞ゾーンFVに遊技球を入球させるための遊技者の技術介入についての難易度(技術介入の度合い)を変更することができ、遊技者の緊迫感や期待感に抑揚を付与することができる。結果として、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、非V入賞口シャッター350は、遊技球が第1通路検知センサーSP1または第2通路検知センサーSP2を通過したことを契機として、開放状態から閉鎖状態に切り替えられるので、設定されている開閉シナリオが第1開閉シナリオまたは第2開閉シナリオのいずれの場合であっても、遊技球が第1通路検知センサーSP1または第2通路検知センサーSP2を通過するように操作ハンドル25を操作する必要があり、遊技球をV入賞ゾーンFVに入球させることについて遊技者の技術介入を促すことができ、その結果、遊技者を遊技に積極的に参加させることができる。
また、第2通路検知センサーSP2に遊技球を通過させるだけで(すなわち、第1通路検知センサーSP1に遊技球を通過させなくても)V入賞ゾーンFVに遊技球を入球させることが可能なように非V入賞口シャッター350の開閉動作が実行される第3開閉シナリオに設定された遊技状態での遊技を経験した遊技者に対して、第2通路検知センサーSP2に遊技球を流通させた場合に、非V入賞口シャッター350は開放状態から閉鎖状態に切り替わるにもかかわらず、第2通路検知センサーSP2を流通した遊技球をV入賞ゾーンFVに流入させることができない非V入賞口シャッター350の開閉動作が実行される第1開閉シナリオに設定された遊技状態での遊技を経験させることで、遊技者に意外性を付与することができるとともに、第1開閉シナリオが設定されている場合に第1通路検知センサーSP1に遊技球を流通させることを促すことができる。
また、第3開閉シナリオが設定されている場合には、第1通路検知センサーSP1と第2通路検知センサーSP2のいずれを遊技球が流通しても非V入賞口シャッター350が閉鎖状態である期間に遊技球を当該非V入賞口シャッター350に到達させることができるので、第3開閉シナリオが設定されている場合には、遊技者は容易にV入賞ゾーンFVに遊技球を入球させることができる。本実施形態のパチンコ機10においては、第3開閉シナリオが設定される場合には、少なくとも先に第1開閉シナリオが設定された遊技状態を経由している。すなわち、第1開閉シナリオでの遊技を経験している遊技者は、第1開閉シナリオが設定されている場合にV入賞ゾーンFVに遊技球を流入させるために必要な技術介入を一度は経験しているため、第1開閉シナリオが設定されたラウンド遊技でV入賞ゾーンFVに遊技球を入球させることに成功して高確率モードとなり、当該高確率モード中(高頻度サポートモード中)に第1種大当たりに当選した場合に、再度、第1開閉シナリオが設定されたラウンド遊技でV入賞ゾーンFVに遊技球を流入させるために必要な技術介入をさせると、遊技者が疲弊してしまう虞がある。このため、本実施形態のパチンコ機10は、高頻度サポートモードの遊技回で第1種大当たりに当選した場合には、第3開閉シナリオが設定される構成としている。このようにすることで、遊技者が不要に疲弊することを抑制することができる。
また、本実施形態においては、第1開閉シナリオが設定されている場合には、遊技球が大入賞口36aに入球したタイミングのパターンが同じ場合であっても、大入賞口36aを通過した後の遊技球の第1通路検知センサーSP1と第2通路検知センサーSP2への遊技球の通過パターンが異なれば、遊技者の有利の度合いが異なる。具体的には、遊技球が大入賞口36aに入球したタイミングのパターンが同じであっても、大入賞口36aを通過した後の遊技球の第1通路検知センサーSP1と第2通路検知センサーSP2への遊技球の通過パターンとして、遊技球をV入賞ゾーンFVに遊技球を入球させることができる通過パターンと、遊技球をV入賞ゾーンFVに遊技球を入球させることができない通過パターンとがある。従って、開閉実行モード中の非V入賞口シャッター350の開閉シナリオが第1開閉シナリオであると認識した遊技者に対して、第1通路検知センサーSP1と第2通路検知センサーSP2への遊技球のどのような通過パターンが有利であるかを認識させることができ、有利の度合いについて期待感や緊迫感を付与することができる。
本実施形態においては、第2開閉シナリオが設定されている場合には、遊技球が大入賞口36aに入球したタイミングのパターンに関わらず、高い確率で、遊技球をV入賞ゾーンFVに遊技球を入球させることができないので、有利の度合いが同じとなる。
本実施形態においては、第3開閉シナリオが設定されている場合には、遊技球が大入賞口36aに入球したタイミングのパターンに関わらず、高い確率で、遊技球をV入賞ゾーンFVに遊技球を入球させることができるので、有利の度合いが同じとなる。
また、第1開閉シナリオは大入賞口36aへの遊技球の入球パターンによって遊技者の有利度合が異なり、かつ、第2開閉シナリオよりも有利であり、第2開閉シナリオは大入賞口36aへの遊技球の入球パターンに関わらず遊技者の有利度合が同じであり、第3開閉シナリオは大入賞口36aへの遊技球の入球パターンに関わらず遊技者の有利度合が同じであり、かつ、第1開閉シナリオおよび第2開閉シナリオよりも有利である。従って、特定の異なる3つの開閉シナリオを用いることによって、遊技者に期待感と緊迫感についての抑揚を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10は、第1種大当たりに当選した遊技回の実行時の遊技の状態(サポートモード)に基づいて、ラウンド遊技中の非V入賞口シャッター350の開閉シナリオを決定するので、大当たりに当選した場合には、当該遊技回の実行時の遊技の状態について遊技者に意識をさせることができ、結果として、遊技に注目をさせることができる。さらに、大当たりに当選した遊技回の実行時の遊技の状態を認識した遊技者に対して、設定される非V入賞口シャッター350の開閉シナリオの種類についての推測を促し、非V入賞口シャッター350の開閉パターン(開閉シナリオ)について期待感や緊迫感を付与することができる。
また、パチンコ機10は、大当たりに当選した場合に、当該大当たりの種別が第1種大当たりである場合には、当該大当たりに当選した遊技回におけるサポートモードが低頻度サポートモードである場合には、ラウンド遊技中の非V入賞口シャッター350の開閉シナリオを第1開閉シナリオに設定し、当該大当たりに当選した遊技回におけるサポートモードが高頻度サポートモードである場合には、ラウンド遊技中の非V入賞口シャッター350の開閉シナリオを第3開閉シナリオに設定する。すなわち、第1種大当たりに当選した場合には、ラウンド遊技中の非V入賞口シャッター350の開閉シナリオは、当該大当たりに当選した遊技回の遊技状態(サポートモード)によって異なる。
一方、パチンコ機10は、大当たりに当選した場合に、当該大当たりの種別が第2種大当たりである場合には、当該大当たりに当選した遊技回におけるサポートモードが低頻度サポートモードである場合は、ラウンド遊技中の非V入賞口シャッター350の開閉シナリオを第2開閉シナリオに設定し、当該大当たりに当選した遊技回におけるサポートモードが高頻度サポートモードである場合には、ラウンド遊技中の非V入賞口シャッター350の開閉シナリオを第2開閉シナリオに設定する。すなわち、第2種大当たりに当選した場合には、ラウンド遊技中の非V入賞口シャッター350の開閉シナリオは、当該大当たりに当選した遊技回の遊技状態(サポートモード)に関わらず同じとなる。
よって、大当たりに当選した場合に、大当たりの種別が何であるのかについて期待感を付与することができる。さらに、大当たりの種別が第1種大当たりである場合には、当該大当たりに当選した遊技回のサポートモードが低頻度サポートモードであるのか高頻度サポートモードであるのかによってラウンド遊技中の非V入賞口シャッター350の開閉シナリオ(次回から実行する遊技回の抽選モードを決定する決定方法)が異なるので、遊技者に対してさらに期待感や緊迫感を付与することができる。従って本実施形態のパチンコ機10によれば、大当たりに当選した場合には、大当たりの種別は何であるのか、遊技の状態(サポートモード)は何であったか、非V入賞口シャッター350の開閉シナリオ(開閉の態様)はどのようであるのか、といったように、遊技者に段階的に推測や期待感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
本実施形態のパチンコ機10においては、非V入賞口シャッター350は、ラウンド遊技が開始された時から大入賞口36aに入球した遊技球の数が2個となったことを1つの契機として、開放状態から閉鎖状態への切り替えを行う。この場合、遊技球をV入賞ゾーンFVに入球させることを所望する遊技者に対して、大入賞口36aに入球させる遊技球の個数を数えながら遊技球を発射させることを促す。従って、遊技者の積極的な技術介入を促すことができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、パチンコ機10においては、ラウンド遊技が開始された時から2個目(N個目)の遊技球が大入賞口36aに入球した時点から非V入賞口シャッター350の閉鎖状態が維持されている期間に、ラウンド遊技が開始された時から1個目(N−1個目)の遊技球が非V入賞口シャッター350に到達した場合に、当該1個目(N−1個目)の遊技球をV入賞ゾーンFVに入球させることが可能または容易となるように、開放状態と閉鎖状態との間で切り替えを行うので、遊技者に対して、大入賞口36aに入球させる遊技球の個数を数えながら遊技球を発射させることを促すことに加え、少なくとも、ラウンド遊技が開始された時から1個目(N−1個目)の遊技球と、ラウンド遊技が開始された時から2個目(N個目)の遊技球については、さらなる遊技者の技術介入を促すことができる。具体的には、ラウンド遊技が開始された時から2個目(N個目)の遊技球が大入賞口36aに入球した時点から非V入賞口シャッター350の閉鎖状態が維持されている期間内に、ラウンド遊技が開始された時から1個目(N−1個目)の遊技球が非V入賞口シャッター350に到達するように、遊技球の発射のタイミングや発射強度を調整することを遊技者に促すことができる。また、1個目(N−1個目)の遊技球をV入賞ゾーンFVに入球させることができるか否かについて期待感や緊迫感を遊技者に付与することができる。
本実施形態のパチンコ機10においては、非V入賞口シャッター350は、ラウンド遊技が開始された時から第1通路210に1個(J個)の遊技球が入球した後に、第2通路300に1個(K個)の遊技球が入球したことを契機に、開放状態から閉鎖状態への切り替えを行う。この場合、遊技球をV入賞ゾーンFVに入球させることを所望する遊技者に対して、第1通路210に1個(J個)、第2通路300に1個(K個)の遊技球を通過させるために、積極的な技術介入を促すことができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、非V入賞口シャッター350は、ラウンド遊技が開始された時から第1通路210に入球した1個目(J個目)の遊技球が非V入賞口シャッター350に到達する時が、ラウンド遊技が開始された時から第2通路300に入球した遊技球の数が1個(K個)に到達した時点から非V入賞口シャッター350の閉鎖状態が維持されている期間内である場合に、ラウンド遊技が開始された時から第1通路210に入球した1個目(J個目)の遊技球をV入賞ゾーンFVに送るので、遊技球をV入賞ゾーンFVに入球させることを所望する遊技者に対して、ラウンド遊技が開始された時から第1通路210に入球した1個目(J個目)の遊技球が非V入賞口シャッター350に到達する時が、ラウンド遊技が開始された時から第2通路300に入球した遊技球の数が1個(K個)に到達した時点から非V入賞口シャッター350の閉鎖状態が維持されている期間内となるように、遊技球の発射のタイミングや発射強度を調整することを促すことができ、さらなる遊技者の技術介入を促すことができる。
《H6》第8実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
《H6−1》変形例1:
上記第8実施形態では、第1通路の備える遅延手段は、クルーン220によって構成されていた。クルーン220を遅延手段とした構成では、遊技球が排出されるタイミングを遊技者が予測しにくく、V入賞に失敗する確率が比較的高く、遊技者を不快にさせてしまう虞がある。この課題の解決策として、通路が蛇行状に折れ曲がった蛇行路によって遅延手段を構成してもよい。蛇行路によれば、蛇行路の入口に入球した遊技球が蛇行路の出口に至るまでの時間を、入口と出口とが真っ直ぐに結ばれた直線路に比べて遅らせることができる。蛇行路は、クルーン220に比べて遊技球が排出されるタイミングを予測し易い。このために、変形例1によれば、第8実施形態よりも、第2通路300に遊技球を入れるタイミング、ひいては、強右打ち通路P2に遊技球を入れるタイミングを計ることが容易となる。その結果、遊技者に技術介入をさせながらも、V入賞の成功率を高めることができる。
《H6−2》変形例2:
変形例1に示したクルーンについての課題の解決策として、以下の構成を採用しても良い。
図439は、変形例2のパチンコ機に備えられる遅延ユニット420を示す説明図である。変形例2のパチンコ機において、第8実施形態のパチンコ機10との違いは、クルーン220(図398)の換わりに、遅延ユニット420が設けられている点であり、その他の構成は第8実施形態と同じである。変形例2のパチンコ機において、第8実施形態のパチンコ機10と同じ構成については同一の名称と符号を付けて、以下の説明を行う。遅延ユニット420は、回転体422と、回転体422を覆う覆部材424と、を備える。
回転体422は、遊技盤の裏側に設けられた駆動モーターに連結されており、遊技盤に対して略垂直な回転軸422aを中心として一定の速度(例えば、60秒で1回転)で回転している。回転体422の円周には、1つの遊技球が入球可能な凹部422bが設けられている。
覆部材424は、回転体422の周囲を覆う部材であり、回転体422の上側には、遊技球が入球可能な上側開口部424aが設けられており、回転体422の下側には、遊技球が通過可能な下側開口部424bが設けられている。上側開口部424aは、第1通路210の排球口210b(図398)の真下に位置している。下側開口部424bは連通路部320(図398)に接続されている。遅延ユニット420において、遊技球は、覆部材424の上側開口部424aに入球した後、回転体422が回転して凹部422bの位置と覆部材424の上側開口部424aの位置とが一致したタイミングで、回転体422の凹部422bに入球することになる。また、回転体422の凹部422bに入球した遊技球は、回転体422が回転して凹部422bの位置と覆部材424の下側開口部424bの位置とが一致したタイミングで、回転体422の凹部422bから落下し、覆部材424の下側開口部424bから下方に排出される。
遅延ユニット420によれば、遊技球が覆部材424の上側開口部424aに入球してから下側開口部424bから排出されるまでの時間を、入口と出口とが真っ直ぐに結ばれた直線路に比べて遅らせることができる。この変形例のパチンコ機によれば、クルーン220に比べて、遅延ユニット420から遊技球が排出されるタイミングを予測し易い。さらに、回転体422が一定速度で回転するので、遊技球が入球してから排出されるまでの時間を常に一定とすることができることから、変形例1としての蛇行路よりも、遊技球が排出されるタイミングをより予測し易い。これらのために、この変形例2によれば、第2通路300に遊技球を入れるタイミング、ひいては、強右打ち通路P2に遊技球を入れるタイミングを計ることが容易となる。なお、遅延手段は、第8実施形態のクルーン220、変形例1の蛇行路、変形例2の遅延ユニット420に限る必要もなく、入口と出口とが真っ直ぐに結ばれた直線路に比べて通過する時間を遅らせることができる装置であれば、どのような構成で実現しても良い。
《H6−3》変形例3:
上記第8実施形態およびその変形例1、2では、遅延手段を設ける構成とした。これに対して、変形例として、遅延手段を設けない構成としてもよい。この場合、第1通路検知センサーSP1によって第1通路210への遊技球の入球が検知されてから、当該遊技球が非V入賞口シャッター350の手前の位置に達するまでの期間に、次に発射された遊技球が第2通路300に到達可能なように、第1通路210の長さを定めた構成とする。この変形例3によっても、第2通路300に遊技球を入れるタイミング、ひいては、強右打ち通路P2に遊技球を入れるタイミングを計ることが容易となる。
《H6−4》変形例4:
上記第8実施形態およびその変形例1〜3では、第1開閉シナリオの閉鎖条件のうちの一つの項目が、「(ii)1ラウンド目が開始されてから大入賞口36aに1個の遊技球が入球したこと、または、1ラウンド目が開始されてから大入賞口36aに2個の遊技球が入球したこと。」である構成とした。これに対して、変形例として、「(ii)1ラウンド目が開始されてから大入賞口36aに1個の遊技球が入球したこと、または、1ラウンド目が開始されてから大入賞口36aに3個の遊技球が入球したこと。」である構成としても良い。すなわち、(ii)における「または」以降の条件を、2個から3個に換えても良い。この変形例の場合には、図406の例示では、時刻t6において(ii)が満たされたと判断されることになる。また、3個に換えて、4個、5個というように他の複数の値としても良い。これらの変形例によれば、大入賞口36aへの遊技球の入球の数を数える必要があることから、遊技者は、より一層の技術介入が必要となる。このため、遊技者に対して、より積極的な遊技への参加を促すことができ、遊技の興趣向上をより図ることができる。なお、第3開閉シナリオの閉鎖条件についても、同様の変形ができる。
《H6−5》変形例5:
上記第8実施形態およびその変形例1〜4では、第1開閉シナリオの閉鎖条件は、(i)パチンコ機10の現在の状態が、開閉実行モードにおける1ラウンド目の実行中であること、(ii)1ラウンド目が開始されてから大入賞口36aに1個の遊技球が入球したこと、または、1ラウンド目が開始されてから大入賞口36aに2個の遊技球が入球したこと、の両方が成立することとした。この閉鎖条件の構成では、1ラウンド目が開始されてから最初に強右打ち通路P2へ遊技球が入球した場合にも、その後の大入賞口36aへの遊技球の入球によって、非V入賞口シャッター350は閉鎖状態へ移行してしまう。しかしながら、本実施形態では、前述したように、1ラウンド目における大入賞口36aへの遊技球の最初の入球が強右打ち通路P2による場合には、V入賞ゾーンFVに遊技球を入れることが不可能な流路構成となっていることから、遊技者は、実質的にはV入賞を狙う機会を失うことになる。この課題の解決策として、変形例として、第1開閉シナリオの閉鎖条件を、下記の(v)〜(vii)の通りとしてもよい。
(v)パチンコ機10の現在の状態が、開閉実行モードにおける1ラウンド目の実行中であること。
(vi)1ラウンド目が開始されてから第1通路210に1個の遊技球が入球したこと。
(vii)上記(iv)が成立してから大入賞口36aに1個の遊技球が入球したこと。
上記(v)〜(vii)の項目の全てが成立した場合に、非V入賞口シャッター350は開放状態から閉鎖状態に移行する。
この変形例の閉鎖条件によれば、1ラウンド目における大入賞口36aへの遊技球の最初の入球が強右打ち通路P2による場合にも、続く2球目以降で、弱右打ち通路P1へ遊技球を入れて第1通路210に入球すれば、第1通路210への入球に続く次の大入賞口36aへの遊技球の入球によって非V入賞口シャッター350を閉鎖状態に移行することができ、先に第1通路210に入球した遊技球をV入賞ゾーンFVに入れることが可能となる。すなわち、1ラウンド目における大入賞口36aへの遊技球の最初の入球が強右打ち通路P2による場合にも、V入賞を狙う機会を失うことがない。このため、変形例5によれば、V入賞を狙う機会を失うことによる遊技者の喪失感や不快感の軽減に寄与することができ、遊技の興趣向上をより図ることができる。
なお、この変形例5における(vi)の条件を、「1ラウンド目が開始されてから第1通路210に2個の遊技球が入球したこと。」に換えても良い。また、2個に換えて、3個、4個、5個というように他の数としても良い。
また、この変形例5における(vi)の条件を、「上記(iv)が成立してから大入賞口36aに2個の遊技球が入球したこと。」に換えても良い。また、2個に換えて、3個、4個、5個というように他の数としても良い。
《H6−6》変形例6:
上記第8実施形態およびその変形例1〜5では、第1開閉シナリオの閉鎖条件のうちの一つの項目が、(i)パチンコ機10の現在の状態が、開閉実行モードにおける1ラウンド目の実行中であることとした。これに対して、変形例として、「パチンコ機10の現在の状態が、開閉実行モードにおける2ラウンド目の実行中であること」を(i)の内容としても良い。また、2ラウンド目に換えて、3ラウンド目、4ラウンド目というように他の回数のラウンド目の実行中であることとしてもよい。また、一つのラウンドに限る必要もなく、例えば、1ラウンド目または2ラウンド目の実行中というように、複数のラウンドのうちのいずれかのラウンドを実行中であることとしてもよい。さらに、開閉実行モードにおける全てのラウンドのうちのいずれかのラウンドを実行中であることとしてもよい。複数のラウンドのうちのいずれかのラウンドを実行中であることとした場合、V入賞ゾーンFVを狙う遊技の回数を増やすことができることから、遊技の興趣向上をより図ることができる。
《H6−7》変形例7:
上記第8実施形態およびその変形例1〜6では、第1〜第3開閉シナリオの閉鎖条件が成立した直後のタイミングで、非V入賞口シャッター350を閉鎖する構成とした。これに対して、変形例として、閉鎖条件が成立してから、予め定めた遅延時間(以下、閉鎖遅れ時間と呼ぶ)が経過したタイミングで、非V入賞口シャッター350を閉鎖する構成としてもよい。この構成によれは、上記第8実施形態およびその変形例1〜6における技術介入に加えて、遊技者は閉鎖遅れ時間を直感で計る必要があることから、より一層の技術介入が必要となる。このため、遊技者に対して、より積極的な参加を促すことができ、遊技の興趣向上をより図ることができる。
《H6−8》変形例8:
上記第8実施形態およびその変形例では、可変入賞装置36が遊技領域PAの右側に設けられていた。これに対して、変形例として、可変入賞装置36を遊技領域PAの左側、または中央側に設ける構成としても良い。これらの場合には、弱右打ち通路P1および強右打ち通路P2は除くのが好ましい。この変形例8によれば、右打ちとは異なる打ち方でV入賞を狙うことが可能となる。
《H6−9》変形例9:
上記第8実施形態およびその変形例では、第2通路検知センサーSP2が第2通路300の入球口310a付近に設けられていた。これに対して、変形例として、第2通路検知センサーSP2が第2通路300において入球口310aから離れた位置に設けられた構成としても良い。この構成の場合、第2通路300の入球口310aに遊技球が入球したタイミングで、非V入賞口シャッター350を閉じることができないことから、第2通路300において第2通路検知センサーSP2が配置された位置にマークを付けるのが好ましい。この変形例9によれば、強右打ち通路P2へ遊技球を入れるタイミングを調整することによって、遊技球遊技球がクルーン220の孔220bに流入するタイミングに対して、第2通路300を通った遊技球が上記マークの位置に移動するタイミングを一致させる。これによって、遊技球がクルーン220の孔220bに流入するタイミングで非V入賞口シャッター350を閉鎖状態に移行させることでき、V入賞ゾーンFVへ遊技球を通すことが可能となる。この変形例9によれば、遊技者はマークを狙うという技術介入が必要となる。したがって、遊技者に対して、より積極的な参加を促すことができ、遊技の興趣向上をより図ることができる。
《H6−10》変形例10:
上記第8実施形態およびその変形例では、クルーン220が一つの孔220bを備えた構成であった。これに対して変形例として、クルーンが複数の孔を備えた構成としてもよい。複数の孔のうちの一つが第2通路300に接続され、残余の孔は、第2通路300とは異なる通路に接続される。残余の孔に入球した遊技球は、この通路から遊技盤30の背面側に送られる。この変形例10によれば、弱右打ち通路P1に遊技球を入球して第1通路210に遊技球を入球させることが成功したとしても、遊技球が第2通路300以外に送られることがあることから、第2通路300へと続く孔に遊技球を排出させることができるかといった緊迫感を遊技者に付与することができる。したがって、遊技の興趣向上をより図ることができる。
《H6−11》変形例11:
上記第8実施形態およびその変形例では、第2通路300の本線通路部310が有する本線通路中流側部分312の下流端は、第2通路300における非V入賞口シャッター350が配置されている位置より上流側、すなわち、本線通路部310から分岐通路部330に分岐する部分に接続されている。これに対して変形例として、本線通路中流側部分312の下流端が、分岐通路部330に通ずることなく、第2通路300における非V入賞口シャッター350が配置されている位置より下流側に接続された構成としても良い。第8実施形態では、先に説明したように、第2通路300を、入球口310aに入球してから非V入賞口シャッター350に到達するまでに0.4秒かかる内部構造とすることによって、第2通路300に入球した遊技球が分岐通路部330に送られない構成となっている。これに対して、この変形例11では、上述した内部構造を採用しなくても、容易な構成によって、第2通路300に入球した遊技球が分岐通路部330に送られない構造とすることができる。
《H6−12》変形例12:
上記第8実施形態およびその変形例では、大入賞口36aに第1通路210と第2通路300が接続される構成であった。これに対して、変形例として、大入賞口36aに1本の通路、例えば第1通路210だけが接続される構成としても良い。この場合、強右打ち通路P2と第2通路300を備えない構成とする。この変形例12によれば、遊技者は、第1通路210へ遊技球を1球、入球させてから、次に第1通路210へ遊技球を入球させるタイミングを調整することによって、遊技球をV入賞ゾーンFVに入れることが可能となる。したがって、変形例12によれば、第8実施形態と同様に、遊技の興趣向上を図ることができる。
《H6−13》変形例13:
上記第8実施形態およびその変形例では、大入賞口36aへ遊技球が入球したことを2つの遊技球検知センサー、すなわち、第1通路検知センサーSP1と第2通路検知センサーSP2とによって検知する構成とした。これに対して変形例として、大入賞口36aへ遊技球が入球したことを一つの遊技球検知センサーによって検知する構成としてもよい。具体的には、一つの遊技球検知センサーによって、第1通路210への遊技球の入球と、第2通路300への遊技球の入球との双方を検知可能な構成とする。すなわち、第1通路210と第2通路300のいずれかに遊技球の入球があったときにON状態となる一つの遊技球検知センサーを備える構成とする。この構成によっても、第8実施形態と同様の制御を行うことができる。なお、遊技球検知センサーとしては、磁気式、光学式等の種々の方式のセンサーを採用することができる。
《H6−14》変形例14:
上記第8実施形態およびその変形例では、図398に示した機構・構成を、次回以降に実行される遊技回の遊技状態(上記第8実施形態では、抽選モード:高確率モードまたは低確率モード)を決定するための機構として用いたが、当該機構を他の用途に用いても良い。例えば、当たり抽選において大当たりに当選した場合の、ラウンド遊技のラウンド数を決定するための機構として用いても良い。例えば、非V入賞ゾーンFNVに対応する入球領域(以下、「第2ラウンド決定入球領域」と呼ぶ)に対して所定のラウンド数(例えば、4ラウンド)を割り振り、V入賞ゾーンFVに対応する入球領域に対して、第2ラウンド決定入球領域に割り振ったラウンド数より遊技者に有利となるラウンド数(例えば、16ラウンド)を割り振る。そして、開閉実行モードのオープニング期間の開始後、最初に遊技球が入球した方の入球領域に割り振られたラウンド数のラウンド遊技が、当該開閉実行モードにおける開閉処理期間に実行される構成にする。なお、この構成を採用した場合には、第1通路210の入球口210aと弱右打ち通路P1の開口端P1bとの間、および、第2通路300の入球口310aと強右打ち通路P2の開口端P2bとの間には、大入賞口36aおよび開閉扉36bを備えない構成とする。
このような構成を採用することによって、開閉実行モードにおいて実行されるラウンド遊技のラウンド数を決定する際に、遊技者に技術介入をさせることができ、開閉実行モードの期間において、遊技者に積極的に遊技に参加させることができるとともに、遊技に集中させることができる。さらに、決定するラウンド数について、遊技者に期待感を付与することができる。
《H6−15》変形例15:
上記第8実施形態において、第1通路検知センサーSP1と第2通路検知センサーSP2とが、各々、別々に遊技球の通過をカウントする構成としてもよい。そして、ラウンド遊技が開始された時から第1通路検知センサーSP1でJ個(Jは整数/例えば、J=2)の遊技球の通過を検知した後に、第2通路検知センサーSP2でK個(Kは整数/例えば、K=3)の遊技球の通過を検知したことを契機に、非V入賞口シャッター350を開放状態から閉鎖状態に切り替える構成を採用してもよい。このような構成を採用することによって、遊技球をV入賞ゾーンFVに送ることを所望する遊技者に対して、第1通路210にJ個、第2通路300にK個の遊技球を通過させるために、積極的な技術介入を促すことができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
《H6−16》変形例16:
上記第8実施形態およびその変形例では、非V入賞口シャッター350を開閉制御するための開閉シナリオは、大当たり種別と大当たりに当選した時点におけるサポートモード(低頻度サポートモード又は高頻度サポートモード)に基づいて設定される構成であった。これに対して、変形例として、前記開閉シナリオは、大当たり種別と第2図柄表示部フラグの値に基づいて設定される構成としても良い。第2図柄表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1図柄表示部37aと第2図柄表示部37bのうちのいずれであるかを特定するための情報である。具体的には、図422のステップSh1106において、第1種大当たりであり且つ第2図柄表示部フラグがOFFである場合には、第1開閉シナリオ(図406)を設定し、第1種大当たりであり且つ第2図柄表示部フラグがONである場合には、第3開閉シナリオ(図411)を設定し、第2種大当たりである場合には、第2図柄表示部フラグがON、OFFいずれの場合であっても第2開閉シナリオ(図410)を設定する。
上記構成を採用することによって、第1始動口33への遊技球の入球を契機とする当たり抽選によって第1種大当たりとなったときには、V入賞高難度閉開パターンを実現する第1開閉シナリオが設定される。第2始動口34への遊技球の入球を契機とする当たり抽選によって第1種大当たりとなったときには、V入賞低難度閉開パターンを実現する第3開閉シナリオが設定される。第2種大当たりとなったときには、当たり抽選による契機が第1始動口33、第2始動口34のいずれによるものである場合にも、V入賞不可閉開パターンを実現する第2開閉シナリオが設定される。
こうした構成のパチンコ機によれば、第1図柄表示部37aと第2図柄表示部37bとの表示の切り替わりに対応して開閉シナリオを変更することができる。したがって、第1図柄表示部37aと第2図柄表示部37bを認識した遊技者に対して、設定される非V入賞口シャッター350の開閉シナリオの種類についての推測を促し、非V入賞口シャッター350の開閉パターン(開閉シナリオ)について期待感や緊迫感を付与することができる。また、第2始動口34への遊技球の入球は高頻度サポートモードの際に発生し易くなることに鑑みると、この変形例16のパチンコ機によれば、大当たり種別とサポートモードとに基づいて開閉シナリオを設定する第8実施形態とほぼ同一の動作を行う構成を実現できる。
《H6−17》変形例17:
上記第8実施形態では、当たり抽選によって第1種大当たりとなったときに、大当たりに当選した時点におけるサポートモード(低頻度サポートモード又は高頻度サポートモード)に基づいて、開閉シナリオを第1開閉シナリオと第3開閉シナリオとのいずれにするかを決定していた。上記変形例16では、当たり抽選によって第1種大当たりとなったときに、当たり抽選による契機が第1始動口33、第2始動口34のいずれによるものであるかに基づいて、開閉シナリオを第1開閉シナリオと第3開閉シナリオとのいずれにするかを決定していた。これらに対して、変形例として、当たり抽選によって第1種大当たりとなったときに、第1種大当たりに当選した時の大当たり種別カウンタC2の値に基づいて、開閉シナリオを第1開閉シナリオと第3開閉シナリオとのいずれにするかを決定する構成としても良い。例えば、図403(a)の第1始動口用の振分テーブルによって、8R第1種大当たりに当選したとして、その当選した時の大当たり種別カウンタC2の値が例えば0〜13の場合には第1開閉シナリオに決定し、その当選した時の大当たり種別カウンタC2の値が例えば14〜27の場合には第3開閉シナリオに決定する。また、例えば図403(b)の第2始動口用の振分テーブルによって、16R第1種大当たりに当選したとして、その当選した時の大当たり種別カウンタC2の値が例えば0〜13の場合には第1開閉シナリオに決定し、その当選した時の大当たり種別カウンタC2の値が例えば14〜27の場合には第3開閉シナリオに決定する。
この変形例17のパチンコ機によっても、第8実施形態や変形例16と同様に、設定される非V入賞口シャッター350の開閉シナリオの種類についての推測を促し、非V入賞口シャッター350の開閉パターン(開閉シナリオ)について期待感や緊迫感を付与することができる。
《H6−18》変形例18:
上記第8実施形態およびその変形例では、非V入賞口シャッター350を開閉制御するための開閉シナリオとして、3つの開閉シナリオを用意した。これに対して、変形例として、3つの開閉シナリオの内の2つの開閉シナリオを用意した構成としても良い。具体的には、第1開閉シナリオと第2開閉シナリオを用意した構成としても良いし、第1開閉シナリオと第3開閉シナリオを用意した構成としても良いし、第2開閉シナリオと第3開閉シナリオを用意した構成としても良い。また、変形例として、3つの開閉シナリオの内の1つの開閉シナリオ、具体的には、第1開閉シナリオだけを用意した構成としても良いし、第3開閉シナリオだけを用意した構成としても良い。
《H6−19》変形例19:
上記第8実施形態およびその変形例では、非V入賞口シャッター350を開閉動作させる非V入賞口シャッター駆動部36dを備え、主制御装置60によって、非V入賞口シャッター駆動部36dを駆動制御することによって、非V入賞口シャッター350を開閉する構成とした。これに対して、変形例19として、モータ等の駆動手段を用いずに、遊技球の流下する力を受けて、非V入賞口シャッターが自動的に動作する構成としても良い。
図440は、変形例19のパチンコ機に備えられる可変入賞装置536を示す説明図である。可変入賞装置536は、大入賞口36aと、開閉扉36bと、V獲得チャレンジ機構部536vと、を備えている。大入賞口36aと開閉扉36bは、第8実施形態と同一の構成であることから、同一の符号を付けて、その説明は省略する。
V獲得チャレンジ機構部536vは、第1通路210と、クルーン220と、第2通路600と、非V入賞口シャッター650と、を備える。第1通路210とクルーン220は、第8実施形態と同一の構成であることから、同一の符号を付けて、その説明は省略する。
第2通路600は、本線通路部610と、クルーン220の孔220bと本線通路部610との間を連通するための連通路部620と、連通路部620から分岐した分岐通路部330と、を備える。分岐通路部330は、第8実施形態と同一の構成であることから、同一の符号を付けて、その説明は省略する。第8実施形態における第2通路300(図398)と、本変形例19の第2通路600とを対比すると、第8実施形態の第2通路300では、本線通路中流側部分312と本線通路下流側部分313との中間部分に対して、連通路部320が接続された構成であったが、本変形例19の第2通路600では、連通路部620がクルーン220の孔220bから本線通路部610の排球口610bの近くまで延びて、連通路部620が非V入賞口シャッター650よりも下流側の部分で本線通路部610に対して連通された構成である。
非V入賞口シャッター650は、本線通路部610と連通路部620との間に設けられており、第1の平板651と、第1の平板651の片端に対して直角に近い鋭角(例えば80度)に連結された第2の平板652とを備える。非V入賞口シャッター650は、第1の平板651と第2の平板652とが連結された部分を回転軸OAとして、図中の矢印の方向(時計回り)に回転可能な構成となっており、クルーン220の孔220bから落下した遊技球を本線通路部610の下流側と分岐通路部330側とに振り分けることができる。
具体的には、非V入賞口シャッター650は、図中、実線で示した第1の状態がデフォルトであり、本線通路中流側部分612を流下してきた遊技球によって第1の平板651が押し下げられることによって、図中、破線で示す第2の状態に移行する。遊技球が非V入賞口シャッター650部分を通過した後には、非V入賞口シャッター650は、自重によって第1の状態に戻る。第1の状態では、第2の平板651は縦向きとなって、連通路部620を開放する。第2の状態では、第2の平板651は、横向き、具体的には、第2の平板651の上面が分岐通路部330の下側の内面と連なる向きとなって、連通路部620を閉鎖する。したがって、第1の状態では、クルーン220の孔220bから落下した遊技球を連通路部620を通って本線通路部610の下流側に送ることができ、第2の状態では、クルーン220の孔220bから落下した遊技球を分岐通路部330側に送ることができる。
遊技者は、クルーン220の孔220bから遊技球が落下するタイミングを考慮して、本線通路部610の非V入賞口シャッター650部分に遊技球を通過させることによって、非V入賞口シャッター650の状態を連通路部620が閉鎖される第2の状態に切り替えることができる。この結果、遊技者は、クルーン220の孔220bから落下した遊技球を分岐通路部330側に振り分けることができ、V入賞ゾーンFVに遊技球を入球させることができる。
第8実施形態のパチンコ機10では、通常状態(低確率モード、かつ低頻度サポートモード)で第1種大当たりに当選して第1開閉シナリオが設定されたラウンド遊技で、V入賞ゾーンFVに遊技球を入球させることに成功して高確率モードとなり、当該高確率モード中(高頻度サポートモード中)に第1種大当たりに当選した場合に、第3開閉シナリオが設定される構成としている。これに対して、本変形例19では、非V入賞口シャッター650の開閉パターンは上述したメカニカル(機械的)な構成によって決まる一種類であることから、高頻度サポートモード中に第1種大当たりに当選した場合に、開閉パターンを切り替えるようなことはできない。このため、本変形例19では、通常状態(低確率モード、かつ低頻度サポートモード)で大当たり(本変形例19では、大当たりには第1種大当たり、第2種大当たりの区別はないものとする)に当選したラウンド遊技で、V入賞ゾーンFVに遊技球を入球させることに成功して高確率モードとなり、当該高確率モード中(高頻度サポートモード中)に大当たりに当選した場合には、V獲得チャレンジ機構部536vによってV入賞ゾーンFVに遊技球を入球させることが例え成功したとしても、そのV入賞は無効とする。すなわち、本変形例19では、通常状態(低確率モード、かつ低頻度サポートモード)で大当たりに当選した最初のラウンド遊技だけしか、V獲得チャレンジ機構部536vによってV入賞ゾーンFVに遊技球を入球させたことによる特典を与えない構成とすることで、開閉パターンが機械的に一種類に決まったV獲得チャレンジ機構部536vの採用を容易とすることができる。
さらに、上述したように、通常状態で大当たりに当選した最初のラウンド遊技だけしか、V獲得チャレンジ機構部536vによってV入賞ゾーンFVに遊技球を入球させたことによる特典を与えない構成とすることで、熟練した遊技者によって、V入賞ゾーンFVに遊技球を入球させたことによる特典が何度も継続して付与されることを防止することができる。なお、本変形例19では、通常状態で大当たりに当選した最初のラウンド遊技だけしかV入賞ゾーンFVに遊技球を入球させたことによる特典を与えない構成であったが、これに換えて、通常状態で大当たりに当選した最初のラウンド遊技で、V獲得チャレンジ機構部536vによってV入賞ゾーンFVに遊技球を入球させた場合に特典を与え、続く2回目のラウンド遊技で、V獲得チャレンジ機構部536vによってV入賞ゾーンFVに遊技球を入球させた場合に特典を与え、3回目のラウンド遊技で、V獲得チャレンジ機構部536vによってV入賞ゾーンFVに遊技球を入球させた場合には特典を与えない構成としても良い。さらに、3回目、4回目等の他の回数目までのラウンド遊技で、入賞ゾーンFVに遊技球を入球させた場合に特典を与える構成としても良い。
なお、非V入賞口シャッターをメカニカル(機械的)な構成によって実現する実施の形態としては、上記変形例19の構成に限る必要はなく、その他の構成としても良い。例えば、V獲得チャレンジ機構部の通路構成は変形例19と同一として、本線通路部610の本線通路中流側部分612の途中に遊技球によってONするボタンを設け、遊技球によってボタンがONされたときに、メカニカル的に非V入賞口シャッターが閉じる構成としても良い。
《H6−20》変形例20:
上記第8実施形態およびその変形例(変形例19を含む)では、非V入賞口シャッターが開放状態であるときに遊技球は非V入賞ゾーンFNVに振り分けられ、非V入賞口シャッターが閉鎖状態であるときに遊技球はV入賞ゾーンFVに振り分けられる構成であった。これに対して、変形例として、シャッター(V入賞口シャッター)が開放状態であるときに遊技球はV入賞ゾ ーンFVに振り分けられ、シャッターが閉鎖状態であるときに遊技球は非V入賞ゾーンFNVに振り分けられる構成としても良い。この構成によっても、第8実施形態と同様に、遊技の興趣向上を図ることができる。
《H6−21》変形例21:
上記第8実施形態およびその変形例では、シャッターの開閉によって、遊技球の振分先を切り替えていた。これに対して、シャッター開閉以外の構成によって、遊技球の振分先を切り替える構成としても良い。例えば、通路の形状を変化させることよって、遊技球の振分先を切り替える構成としても良い。この構成によっても、第8実施形態と同様に、遊技の興趣向上を図ることができる。
《H6−22》変形例22:
上記第8実施形態では大当たり種別とサポートモードとに基づいて開閉シナリオを設定し、上記変形例16では大当たり種別と第2図柄表示部フラグの値に基づいて開閉シナリオを設定する構成であった。これに対して変形例として、大当たり種別の体系を変更して、大当たり種別だけで開閉シナリオを設定する構成としても良い。
図441は、変形例22における振分テーブルの内容を示す説明図である。図441(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図441(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。図441(a)に示すように、第1始動口用の振分テーブルには、第1始動口33への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、8R第1種大当たり、及び8R第2種大当たりが設定されている。本実施形態においては、「0〜27」が8R第1種大当たりに対応し、「28〜39」が8R第2種大当たりに対応するように設定されている。図441(b)に示すように、第2始動口用の振分テーブルには、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、16R第3種大当たり、及び8R第2種大当たりが設定されている。本実施形態においては、「0〜27」が16R第3種大当たりに対応し、「28〜39」が8R第2種大当たりに対応するように設定されている。
この変形例22において、第1種大当たりは、非V入賞口シャッター350の開閉制御の態様がV入賞高難度閉開パターンである。第2種大当たりは、第8実施形態と同様に、非V入賞口シャッター350の開閉制御の態様がV入賞不可閉開パターンである。第3種大当たりは、非V入賞口シャッター350の開閉制御の態様がV入賞低難度閉開パターンである。図422のステップSh1106では、第1種大当たりである場合には第1開閉シナリオ(図406)を設定し、第2種大当たりである場合には第2開閉シナリオ(図410)を設定し、第3種大当たりである場合には第3開閉シナリオ(図411)を設定する構成とする。こうした構成によっても、変形例16と同一の動作を行う構成を実現できる。
《I》第9実施形態:
《I1》遊技機の構造:
図442は、本発明の第9実施形態としてのパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」ともいう)の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる各遊技回、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
前扉枠14の正面視右側(以下、単に「右側」とも呼ぶ)には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作(回動操作)すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサー25aと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタン25bと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器25cとが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
上皿20の周縁部の正面視左側(以下、単に「左側」とも呼ぶ)には、遊技者が操作するための遊技球発射ボタン26が設けられている。遊技球発射ボタン26は、遊技者によって操作されることによって、遊技者の操作ハンドル25の回動操作量にかかわらず、所定の発射強度で、遊技盤の前面に遊技球が発射される。具体的には、遊技者が遊技球発射ボタン26を操作すると、操作ハンドル25の回動操作量が最大である場合と同じ発射強度で遊技球が遊技盤の前面に発射される。本実施形態の場合、遊技球発射ボタン26が操作されることによって遊技球が発射されると、遊技球は遊技盤の正面視右側に流れるとともに、遊技盤の右側を流下する。すなわち、遊技球発射ボタン26を操作することによって、遊技者はいわゆる「右打ち」をすることができる。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、遊技球発射ボタン26が操作された場合、タッチセンサー25aがオンであることを条件として、遊技球が遊技盤に発射されるように構成されている。すなわち、遊技者は、操作ハンドル25を握ることによって少なくともタッチセンサー25aをオンにした上で、遊技球発射ボタン26を操作することで、遊技球発射ボタン26の操作を契機とした遊技球の発射を実現することができる。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図443は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53と、電源ユニット58とを備えている。具体的には、これらユニットは、内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能を有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。この基板ボックスは、開閉の痕跡が残るように構成されている。例えば、開閉可能な箇所に封印シールが貼付されており、基板ボックスを開放すると「開封」といった文字が現れるように構成されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、図柄表示装置を制御する。図柄表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
電源ユニット58は、電源装置85と、電源スイッチ88とを備えている。電源装置85は、パチンコ機10の動作に必要な電力を供給する。電源装置85には、電源スイッチ88が接続されている。電源スイッチ88のON/OFF操作により、パチンコ機10に電力が供給されている供給状態と、パチンコ機10に電力が供給されていない非供給状態とが切り換えられる。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図444は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、前後方向に貫通する複数の開口部が形成されている。各開口部には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び可変入賞装置36が設けられている。一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び可変入賞装置36のそれぞれに入球した遊技球は、遊技盤30に形成された個別の上記の開口部に誘導される。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
図示するように、一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口を形成する入球口部材であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71(図443)から払い出される。
第1始動口33は、遊技球が入球可能な入球口を形成する入球口部材である。第1始動口33は、遊技盤30の中央下方に設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する当たり抽選が実行される。
第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口を形成する入球口部材であり、遊技盤30の右側に設けられている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する当たり抽選が実行される。また、第2始動口34には、電動役物34aが設けられている。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。スルーゲート35は、電動役物34aを開放状態とするための抽選を実行するための契機となるスルーゲートである。具体的には、遊技球がスルーゲート35を通過すると、主制御装置60は、当該通過を契機として内部抽選(電動役物開放抽選)を行う。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35を通過した遊技球は、通過後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入球することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35に遊技球が通過しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aを備えるとともに、大入賞口36aを開閉する開閉扉36bを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入球できない閉鎖状態になっている。主制御装置60による内部抽選(当たり抽選)の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行した場合には、開閉扉36bは、遊技球が入賞可能な開放状態と閉鎖状態とを繰り返す。開閉実行モードとは、第1始動口33又は第2始動口34への入球を契機とした主制御装置60による当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に移行し、開閉扉36bが開放状態と閉鎖状態とを繰り返すモードである。すなわち、第1始動口33への入球に基づく当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合には、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入球が可能になる開閉実行モードへ移行する。同様に、第2始動口34への入球に基づく当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合にも、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入球が可能な開閉実行モードへと移行する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、または可変入賞装置36に入球しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
特図ユニット37は、第1図柄表示部37aと、第2図柄表示部37bとを備えている。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。
第1図柄表示部37aは第1の図柄を表示するための表示部である。第1の図柄とは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第1図柄表示部37aは、第1始動口33への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第1の図柄の変動表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1図柄表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第1の図柄の停止表示を行わせる。
第2図柄表示部37bは第2の図柄を表示するための表示部である。第2の図柄とは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選に基づいて変動表示または停止表示される図柄をいう。第2図柄表示部37bは、第2始動口34への遊技球の入球を契機とした当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、第2の図柄の変動表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2図柄表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した第2の図柄の停止表示を行わせる。
第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄、または、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を変動時間とも呼ぶ。具体的には、第1図柄表示部37aに表示される第1の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第1の変動時間とも呼び、第2図柄表示部37bに表示される第2の図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでの時間を第2の変動時間とも呼ぶ。
特図ユニット37は、さらに、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cと第2保留表示部37dとを備えている。本実施形態では、第1始動口33に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。また、本実施形態では、第2始動口34に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35の通過を契機とした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入球することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了し新たな遊技回が開始される場合に終了する。
なお、特図ユニット37、普図ユニット38、およびラウンド表示部39は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置に換えてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への入球に基づいて第1図柄表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への入球に基づいて第2図柄表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への入球を契機とした表示演出に限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の表示演出なども行う。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図445は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図445(a)は、図柄表示装置41において変動表示される図柄を示す説明図である。図445(a)に示すように、図柄表示装置41には、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図445(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図445(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図445(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、「遊技回」とは、第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示が開始されてから、変動表示が終了して停止表示となり、当該停止表示が終了するまでを言い、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかへの遊技球の入球に基づいて取得された特別情報についての当たり抽選の抽選結果を、遊技者に告知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1つの特別情報についての1つの当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかへの遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかへの遊技球の入球に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
さらに、図445(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入球に基づく保留個数が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入球に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、上述したように、第1始動口33及び第2始動口34に入球した遊技球の保留個数は、それぞれ最大4つまでである。
図444に示すように、第1始動口33の上方には、一対の釘(いわゆる命釘、ヘソ釘)42(42a,42b)が設けられている。一対の釘42a,42bの間隔によって、第1始動口33への遊技球の入球の確率が変化する。
《I2》遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図446は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。
主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムを実行するCPU(図示せず)と、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマー回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていてもよい。ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
主制御基板61には、入力ポート(図示せず)及び出力ポート(図示せず)がそれぞれ設けられている。主制御基板61の入力ポートには、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また電源装置85は、コンデンサ(図示せず)を備えており、停電が発生した場合や電源スイッチ88(図443)がOFFにされた場合には、所定期間、各装置への電力供給を継続する。
また、主制御基板61の入力ポートには、各種検知センサ67a〜67eが接続されている。具体的には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36などの各種の入賞口に設けられた複数の検知センサと接続されている。主制御基板61のMPU62は、各種検知センサ67a〜67eからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が各入球口へ入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲート35を通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33及び第2始動口34への遊技球の入球に基づいて当たり抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入球に基づいて電動役物開放抽選を実行する。
主制御基板61の出力ポートには、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部34bの駆動制御を実行する。各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bの表示制御を実行する。また、開閉実行モードにおいて大当たり種別が決定され開閉実行モードにおいて実行されるラウンド遊技の回数が決定した場合には、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、主制御基板61の出力ポートには、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gを参照する。具体的には、一般入賞口32への入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への入球を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。
払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25と、遊技球発射ボタン26とが接続されている。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、各遊技回において実行される予告演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、図柄の組み合わせが停止表示している時間である停止時間は一定である。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図447は、当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を振り分ける際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ判定にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。高確率モード(高確率遊技状態とも呼ぶ)を終了させるか否かの転落抽選には転落乱数カウンタCFが用いられる。なお、「高確率モード」は、確変大当たりに当選することによって開始される遊技状態であって、当たり抽選において大当たりに当選する確率が、低確率モードより相対的に高い遊技状態を言う。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC4が用いられる。
各カウンタC1〜C4、CF、CINI、CSは、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜記憶される。
RAM64には、保留情報記憶エリア64bと、判定処理実行エリア64cとが設けられている。保留情報記憶エリア64bには、第1保留エリアRaと第2保留エリアRbとが設けられている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および転落乱数カウンタCFの各値が保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに時系列的に記憶される。また、第2始動口34に遊技球が入球すると、入球のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および転落乱数カウンタCFの各値が保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに時系列的に記憶される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜1199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜1199)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には、当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
第1保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。また、第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動し、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
本実施形態のパチンコ機10においては、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値は、第1始動口33または第2始動口34に遊技球が入球することによって取得された順番に判定処理実行エリア64cの実行エリアAEに移動する。そして、実行エリアAEに移動した大当たり乱数カウンタC1は、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている当否テーブルと照合され、大当たりとなるか否かが判定される。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球した場合には当該入球のタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。
上述したように、MPU62は、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行なうとともに、当たり抽選の結果が大当たりである場合には、判定処理実行エリア64cに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定する。さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、当たり抽選の結果が大当たりではない場合においてリーチが発生するか否かを判定する際に用いられる。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、その更新値は、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第1保留エリアRaに記憶され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで保留情報記憶エリア64bの第2保留エリアRbに記憶される。第1保留エリアRaに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。第2保留エリアRbに記憶されたリーチ乱数カウンタC3の値は、判定処理実行エリア64cに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチが発生するか否かが判定される。ただし、当たり抽選の結果が大当たりとなり、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生が決定される。
リーチとは、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体例としては、図445(b)の表示面41aのメイン表示領域MAにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、転落乱数カウンタCFの詳細について説明する。転落乱数カウンタCFは、抽選モードが高確率モードである遊技状態において、高確率モードを終了させるか否かの判定である転落抽選を実行する際に用いられる。転落抽選に当選すると、遊技回における抽選モードは、高確率モードから低確率モードに変更される。
転落乱数カウンタCFは、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大に達した後0に戻る構成である。転落乱数カウンタCFは定期的に更新され、第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。具体的には、第1始動口33に遊技球が入球したタイミングで転落乱数カウンタCFの更新値がRAM64の第1保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入球したタイミングで転落乱数カウンタCFの更新値がRAM64の第2保留エリアRbに格納される。そして、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに格納された転落乱数カウンタCFの値は、実行エリアAEに移動した後、ROM63の転落抽選用テーブル記憶エリア63dに記憶されている当否テーブル(転落抽選用当否テーブル)と照合され、高確率モードを終了させるか否かが決定される。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とを、MPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63hに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC4の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜465の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入球したタイミングでRAM64の電役保留エリア64dに記憶される。そして、所定のタイミングで、電役保留エリア64dに記憶されている電動役物開放カウンタC4の値が電役実行エリア64eに移動した後、電役実行エリア64eにおいて電動役物開放カウンタC4の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。具体的には、電役実行エリア64eにおいて、ROM63の役物抽選用テーブル記憶エリア63eに記憶されている当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)と電動役物開放カウンタC4の値とが照合され、電動役物34aを開放状態に制御するか否かが決定される。例えば、C4=0,1であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=2〜465であれば、電動役物34aを閉鎖状態に維持する。
なお、取得された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値、電動役物開放カウンタC4の値および転落乱数カウンタCFの値の少なくとも一つが本発明における特別情報に相当する。また、第1保留エリアRaおよび第2保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1の値、大当たり種別カウンタC2の値、リーチ乱数カウンタC3の値および転落乱数カウンタCFの値の少なくとも一つを保留情報とも呼ぶ。
次に、当否テーブルについて説明する。当否テーブルは、大当たり乱数カウンタC1に基づいて当たり抽選を行う際に、当該大当たり乱数カウンタC1と照合するためのテーブルデータである。パチンコ機10には、当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されており、低確率モード時における当たり抽選の際には低確率モード用の当否テーブルが参照され、高確率モード時における当たり抽選の際には高確率モード用の当否テーブルが参照される。
図448は、当否テーブルの内容を示す説明図である。図448(a)は低確率モード用の当否テーブル(低確率モード用)を示し、図448(b)は高確率モード用の当否テーブルを示している。
図448(a)に示すように、低確率モード用の当否テーブルには、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜4の5個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜4の5個の値以外の値(5〜1199)が外れである。一方、図448(b)に示すように、高確率モード用の当否テーブルには、大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値として、0〜15の16個の値が設定されている。そして、0〜1199の値のうち、0〜15の16個の値以外の値(16〜1199)が外れである。このように、高確率モードは、低確率モードに比べて、当たり抽選において大当たりに当選する確率が高くなっている。
また、本実施形態では、低確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モード用の当否テーブルに大当たりとして設定されている大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。ただし、当たり抽選の結果、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たりとなる確率が高くなるのであれば、大当たりとして設定されている乱数の数及び値は任意である。
なお、本実施形態における当否テーブルにおいては採用していないが、当たり抽選の結果として「小当たり」を設けてもよい。
「小当たり」とは、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉が実行される開閉実行モードへの移行契機とはなるが、抽選モードおよびサポートモードの両方について、移行契機とならない当否結果である。これに対して、「外れ」は、開閉実行モードの移行契機とはならず、さらに、抽選モードおよびサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
次に、大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(2)開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モード
(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモード
パチンコ機10には、上記の(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が複数回(例えば16回)行われるとともに、1回の開放は30secが経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が10個となるまで継続するように設定可能である。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が2回行われるとともに、1回の開放は0.2secが経過するまで又は開閉扉36bへの入球個数が6個となるまで継続するよう設定可能である。
遊技者により操作ハンドル25が操作されている場合、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構81が駆動制御される。上記具体例の場合、低頻度入賞モードでは、1回の開閉扉36bの開放時間は0.2secである。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の開閉扉36bの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。ただし、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードにおいても、遊技球の入賞が発生し得るように設定してもよい。
なお、開閉扉36bの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入賞の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入賞が発生しない構成としてもよい。
パチンコ機10には、上記の(2)開閉実行モード終了後の当たり抽選の抽選モードの態様として、当否テーブルとして高確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う高確率モードと、当否テーブルとして低確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う低確率モードとを設定することができる。図448を用いて説明したように、高確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う場合の方が、低確率用の当否テーブルを用いて当たり抽選を行う場合と比較して、大当たりに当選する確率が高い。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率が異なる。高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする。また、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aの1回の開放時間が長く設定されていてもよい。
なお、本実施形態においては採用していないが、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されてもよい。さらに、電動役物34aの1回の開放時間が長く設定された構成としてもよい。また、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われるまでに確保される時間が相対的に短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への入球が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
本実施形態では、当たり抽選の結果、大当たりとなった場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、大当たり種別を振り分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別の振り分けは、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図449は、振分テーブルの内容を示す説明図である。図449(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図449(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。第1始動口用の振分テーブルは、第1始動口33への遊技球の入球に基づく当たり抽選の際に参照され、第2始動口用の振分テーブルは、第2始動口34への遊技球の入球に基づく当たり抽選の際に参照される。
図449(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、第1始動口用の振分テーブルには、第1始動口33への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
16R確変大当たり及び8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当たり抽選の抽選モード(以下、単に「抽選モード」とも呼ぶ)が高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。16R確変大当たりと8R確変大当たりとの相違点は、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が相違し、16R確変大当たりは16回(16ラウンド)であり、8R確変大当たりは8回(8ラウンド)である。
16R通常大当たり及び8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の抽選モードが低確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。16R通常大当たりと8R通常大当たりとの相違点は、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉扉36bの開放回数が相違し、16R通常大当たりは16回(16ラウンド)であり、8R通常大当たりは8回(8ラウンド)である。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜99」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜39」が16R確変大当たりに対応しており、「40〜64」が8R確変大当たりに対応しており、「65〜89」が16R通常大当たりに対応しており、「90〜99」が8R通常大当たりに対応している。
上記のように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの種別として、4種類の大当たりが設定されている。したがって、大当たりの態様が多様化する。この4種類の大当たりを比較した場合、遊技者にとっての有利度合は、16R確変大当たりが最も高く、8R確変大当たりが次に高く、次に16R通常大当たり、最後に8R通常大当たりと続く。このように遊技者にとって有利度の異なる複数種類の大当たりが設定されていることにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
図449(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、第2始動口用の振分テーブルには、第2始動口34への遊技球の入球に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R通常大当たりが設定されている。第2始動口用の振分テーブルでは、「0〜99」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜64」が16R確変大当たりに対応しており、「65〜99」が8R通常大当たりに対応している。
このように本実施形態のパチンコ機10では、大当たり当選となった場合の大当たりの種別の振分態様は、第1始動口33への入球に基づいて大当たり当選となった場合と、第2始動口34への入球に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっているとともに、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。
なお、当たり抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、抽選モード及びサポートモードの変更も発生しない。大当たりの種別の振り分けにおいて、16確変大当たりまたは8R確変大当たりとなった場合には、先に説明したように、開閉実行モードの終了後の抽選モードは高確率モードとなるが、この高確率モードの状態は、次回、当たり抽選において大当たり当選するか、または転落抽選において当選するまで継続される。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて当たり抽選を行なうとともに、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている停止結果テーブルが参照される。
図450は、転落抽選を実行する際に用いられる転落抽選用当否テーブルの内容を示す説明図である。図450に示すように、転落抽選用当否テーブルには、転落抽選で当選となる転落乱数カウンタCFの値として0、1、2の3個の値が設定されている。外れとなる転落乱数カウンタCFの値として3〜99の97個の値が設定されている。すなわち、高確率モードの遊技回において、転落抽選に当選し高確率モードが終了し低確率モードとなる転落の確率は3/100であり、転落抽選に外れて高確率モードが継続される確率は97/100である。なお、本実施形態においては、転落抽選は、低確率モードの遊技回においては実行しない。
図451は、電動役物開放抽選を実行する際に用いられる当否テーブル(電動役物開放抽選用当否テーブル)の内容を示す説明図である。
図451(a)は、低頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)を示している。図451(a)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(低頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0、1の2個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として2〜465の464個の値が設定されている。すなわち、低頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、1/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、低頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.4秒である。
図451(b)は、高頻度サポートモード時に用いられる電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)を示している。図451(b)に示すように、電動役物開放抽選用当否テーブル(高頻度サポートモード用)には、電役開放当選となる電動役物開放カウンタC4の値として0〜461の462個の値が設定されている。外れとなる電動役物開放カウンタC4の値として462〜465の4個の値が設定されている。すなわち、高頻度サポートモード時に遊技球がスルーゲート35を通過し電動役物開放抽選が実行された場合には、231/233の確率で電役開放当選となる。本実施形態のパチンコ機10においては、高頻度サポートモード時に電役開放当選となった場合には、電動役物34aが1回開放し、その開放時間は1.6秒である。
このように、電動役物開放抽選用当否テーブルによって、高頻度サポートモードが低頻度サポートモードよりも第2始動口34への遊技球の入球が発生する確率が高くなるように設定されている。
《I3》音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図452は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85(図446)等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、CPU、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、演出パターンテーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。これらの詳細については後述する。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には、主制御装置60と演出操作ボタン24が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、スピーカー46や各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
《I4》遊技機による処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。本実施形態のパチンコ機10では、高頻度サポートモードに移行した後において、遊技回数が予め定めた保証遊技回数に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。「保証遊技回数」とは、高頻度サポートモードにおいて継続して実行されることが保証された遊技回数であり、本実施形態では100回である。すなわち、パチンコ機10では、高頻度サポートモードに移行した後において、保証遊技回数である100回まで高頻度サポートモードは保証される。保証遊技回数である100回を超えた後については、その時点における抽選モードとして低確率モードが設定されている場合には、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行される。高頻度サポートモードでの遊技回数が100回に達した後であっても、その時点における抽選モードとして高確率モードが継続されている場合には、サポートモードとして高頻度サポートモードは継続される。
本実施形態のパチンコ機10では、当たり抽選によって確変大当たりに当選し、開閉実行モードの終了後に、抽選モードが高確率モードに、サポートモードが高頻度サポートモードに移行し、その後、高頻度サポートモードが開始されてから遊技回数が保証遊技回数に達していない遊技回(例えば、60回)において、転落抽選に当選した場合、抽選モードが低確率モードに移行する。そして、その60回目に実行される遊技回から、低確率モードで当たり抽選が実行される。一方、サポートモードについては、その60回目に実行される遊技回で転落抽選に当選し高確率モードが終了し低確率モードに移行した場合であっても、高頻度サポートモードが開始されてから100回目に実行される遊技回に達するまで、高頻度サポートモードは継続される。
また、本実施形態のパチンコ機10では、当たり抽選によって確変大当たりに当選し、抽選モードが高確率モードに、サポートモードが高頻度サポートモードに移行し、その後、高頻度サポートモードが開始されてから遊技回数が保証遊技回数に達していない遊技回(例えば、60回)で、当たり抽選において大当たりに当選した場合、その60回目の遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミング(すなわち、勝利の結果告知演出が終了した直後のタイミング)でもって、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する。一方、サポートモードについても、その60回目の遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミングで、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。すなわち、保証遊技回数に達していない場合には、大当たりに当選した遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミングでもって、抽選モードとサポートモードとを共に低い側にリセットする。
次に、保証遊技回数に達した以後の遊技回において、転落抽選に当選した場合と、当たり抽選において大当たりに当選した場合とについて、説明する。
図453は、保証遊技回数に達した以後の遊技回において、転落抽選に当選した場合の処理を説明するタイミングチャートである。図453(a)は、当たり抽選によって確変大当たりに当選し、開閉実行モードの終了後に、抽選モードが高確率モードに、サポートモードが高頻度サポートモードに移行し、その後、高頻度サポートモードが開始されてから遊技回数が保証遊技回数に達した以後の遊技回(例えば、120回)において、転落抽選に当選して、抽選モードが低確率モードに、サポートモードが低頻度サポートモードに移行した場合を示している。120回目の遊技回で転落抽選に当選した場合でも、60回目の遊技回において転落抽選に当選した場合と同様に、転落抽選における抽選結果が、その遊技回における当たり抽選の抽選モードに反映される。すなわち、図453(a)の例では、120回目の遊技回において、転落抽選に当選して抽選モードが低確率モードに移行する。そして、120回目の遊技回から、低確率モードで当たり抽選が実行される。
サポートモードについては、先に説明したように、高頻度サポートモードに移行した後において、遊技回数が保証遊技回数(100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。但し、高頻度サポートモードでの遊技回数が100回に達した場合であっても、その時点における抽選モードとして高確率モードが継続されている場合には、サポートモードとして高頻度サポートモードは継続される。したがって、図453(a)の例では、120回目の遊技回で転落抽選に当選した場合、120回目の遊技回に達するまでは、高確率モードが継続されているので、高頻度サポートモードが継続されている。そして、120回目の遊技回において転落抽選に当選し、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行したことに伴って、サポートモードも高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。
図453(b)は、本実施形態のパチンコ機10が、転落抽選に当選した120回目の遊技回において実行する演出、抽選モード、サポートモードの各状態について示している。この例では、120回目の遊技回まで(1回〜119回)、転落抽選にも当たり抽選にも当選していないので、120回目の遊技回までは、各遊技回における当たり抽選の結果の予告や抽選結果を告知する通常の演出(通常演出とも呼ぶ)を実行する。そして、転落抽選に当選した120回目の遊技回においては、例えば、遊技者側キャラクターと敵側キャラクターとが対決する戦闘演出(以下、バトル演出とも呼ぶ)を実行する。バトル演出は、遊技者に有利な結果または不利な結果のいずれの結果となるかを遊技者に対して告知する前の演出である。本実施形態においては、バトル演出は、転落抽選に当選した場合、当たり抽選に当選(大当たりに当選)した場合、そのいずれでもない場合(転落抽選および当たり抽選のいずれにも当選していない場合)の内のいずれかに該当することを示唆する演出である。
そして、バトル演出を実行後に、転落抽選および当たり抽選の抽選結果を告知する結果告知演出を実行する。結果告知演出においては、転落抽選および当たり抽選の抽選結果に対応した演出を実行する。具体的には、転落抽選に当選した場合は遊技者側キャラクターが敗北する敗北演出、当たり抽選に当選(本実施形態では大当たりに当選)した場合は遊技者側キャラクターが勝利する勝利演出、そのいずれでもない場合は遊技者側キャラクターと敵側キャラクターとが引き分けとなる引き分け演出を実行する。図453(b)の場合、120回目の遊技回において転落抽選に当選しているため、結果告知演出として敗北演出が実行される。バトル演出の開始から敗北演出の終了までの一連の演出を、以下、「バトル・敗北演出」とも呼ぶ。
なお、120回目に実行される遊技回で転落抽選に当選した結果、高確率モードから低確率モードに移行するタイミングは、転落抽選に当選した120回目の遊技回が開始されるタイミングと一致している。すなわち、120回目に実行される遊技回で転落抽選に当選した時、抽選モードは、直ちに高確率モードから低確率モードに移行する。また、抽選モードが低確率モードに移行したことに伴って、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。サポートモードが低頻度サポートモードに移行するタイミングは、抽選モードが低確率モードに移行したタイミングとほぼ同時である。したがって、120回目の遊技回が開始されるタイミングとほぼ同時に低頻度サポートモードに移行する。
図454は、前述したバトル演出または結果告知演出が実行されているときの、図柄表示装置41の表示面41aの説明をする説明図である。図に示すように、バトル演出または結果告知演出が実行されるときには、表示面41aは、第1表示領域41aSと第2表示領域41aLとに区分される。そして、第1表示領域41aSでは、図柄の変動表示及び停止表示が実行される。具体的には、単位遊技時間のうち、変動時間においては図柄の変動表示が実行され、停止時間においては図柄の停止表示が実行される。一方、第2表示領域41aLでは、バトル演出または結果告知演出が実行される。
図455は、バトル演出および結果告知演出の一例を示す説明図である。図455(a)はバトル演出を示し、図455(b)は結果告知演出としての敗北演出を示し、図455(c)は結果告知演出としての勝利演出を示している。図455(a)に示したバトル演出は、遊技者側の女性キャラクターと敵側の男性キャラクターとが対決する画像を図柄表示装置41に表示させるとともに、当該画像に伴った音声や光をスピーカー46や各種ランプ47に出力させる態様である。ただし、バトル演出は他の態様であってもよい。
また、図455(b)に示した敗北演出は、遊技者側の女性キャラクターが敗北で悲しむ画像を図柄表示装置41に表示させるとともに、当該画像に伴った音声や光をスピーカー46や各種ランプ47に出力させる態様である。ただし、結果告知演出としての敗北演出は他の態様であってもよい。
図455(c)に示した勝利演出は、遊技者側の女性キャラクターが勝利に喜ぶ画像を図柄表示装置41に表示させるとともに、当該画像に伴った音声や光をスピーカー46や各種ランプ47に出力させる態様である。ただし、結果演出としての勝利演出は他の態様であってもよい。
さらに、図示はしないが、遊技者側キャラクターと敵側キャラクターとが引き分けとなる引き分け演出を結果告知演出としてもよい。
次に、保証遊技回数に達した以後の遊技回における当たり抽選において大当たりに当選した場合の処理について説明する。以下では、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の説明に先立って、比較例1のパチンコ機が実行する処理について説明する。
図456は、比較例1のパチンコ機において、保証遊技回数に達した以後の遊技回において、当たり抽選において大当たりに当選した場合の処理を説明するタイミングチャートである。具体的には、図456には、比較例1のパチンコ機において、当たり抽選によって確変大当たりに当選し、開閉実行モードの終了後に、抽選モードが高確率モードに、サポートモードが高頻度サポートモードに移行し、その後、高頻度サポートモードが開始されてから遊技回数が保証遊技回数に達した以後の遊技回(例えば、120回)で、当たり抽選において大当たりに当選して、開閉実行モードの開始時に抽選モードが低確率モードに、サポートモードが低頻度サポートモードに移行した場合が示されている。
当たり抽選において大当たりに当選した120回目の遊技回においては、バトル演出を実行し、その後、遊技者側キャラクターが勝利する勝利演出を結果告知演出として実行する。そして、大当たりに当選した120回目の遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミング(すなわち、勝利の結果告知演出が終了するタイミング)でもって、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行すると共に、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。すなわち、大当たりに当選した遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミングでもって、抽選モードとサポートモードとを共に低い側にリセットする。
ここで、比較例1のパチンコ機は、保証遊技回数に達した以後の遊技回において、転落抽選に当選した場合に、本実施形態のパチンコ機10と同一の動作、すなわち、図453に示した動作を行うものとする。図453(b)と図456とを比較すると、120回目の遊技回の開始から終了までの期間において、サポートモードの変化の態様が、両者の間で異なったものであることが判る。この期間では、大当たり当選の際には、図456に示すように高頻度サポートモードであるのに対し、転落当選の際には、図453(b)に示すように低頻度サポートモードとなっている。このため、図453(b)に示した処理と図456に示した処理との両方を実行する比較例1の遊技機を想定した場合、遊技者は、結果告知演出が実行されるよりも前に、電動役物34a(図444)の開閉状態から高頻度サポートモードが終了し低頻度サポートモードに移行したか否かを判別することによって、120回目の遊技回の転落抽選および当たり抽選の結果を認識することができる。すなわち、遊技者は、バトル演出の実行中に、その後に実行される結果告知演出の種類(勝利演出か敗北演出か)を予測することが可能である。換言すれば、高確率モードでの遊技回が100回以上継続している場合であって、かつ高頻度サポートモードである場合に、バトル演出が開始されると、遊技者側キャラクターと敵側キャラクターのいずれが勝利するのかは結果告知まで分からない(すなわち、当たり抽選において大当たりに当選するのか転落抽選に当選するのかは結果告知までわからない)といった内容に演出的にはなっているが、遊技者は、バトル演出が実行されている期間に電動役物34aの開閉状態から高頻度サポートが終了したことを認識することによって、今回のバトルは遊技者側キャラクターが負けてしまう(転落抽選に当選する)ということを、バトル演出中に予測できてしまう。したがって、120回目の遊技回における転落抽選および当たり抽選の結果に対する期待感や緊迫感を、バトル演出および結果告知演出によって遊技者に付与できない場合がある。このことが、比較例1の問題点となっている。
図457は、本実施形態のパチンコ機10において、保証遊技回数に達した以後の遊技回において、当たり抽選において大当たりに当選した場合の処理を説明するタイミングチャートである。具体的には、本実施形態のパチンコ機10において、当たり抽選によって確変大当たりに当選し、抽選モードが高確率モードに、サポートモードが高頻度サポートモードに移行し、その後、高頻度サポートモードが開始されてから120回目に実行される遊技回で当たり抽選において大当たりに当選して、開閉実行モードの開始時に抽選モードが低確率モードに移行する場合が、図457に示されている。
当たり抽選において大当たりに当選した120回目の遊技回においては、バトル演出を実行し、その後、遊技者側キャラクターが勝利する勝利演出を結果告知演出として実行する。大当たりに当選した120回目の遊技回が開始するタイミングでもってサポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行し、大当たりに当選した120回目の遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミング(すなわち、勝利の結果告知演出が終了した直後のタイミング)でもって、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行する。すなわち、高確率モードでの遊技回が保証遊技回数(100回)以上継続して実行されている場合であって、当たり抽選において大当たりに当選した場合に、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行するタイミングが、比較例1のパチンコ機では、大当たりに当選した遊技回が終了し、開閉実行モードが開始したタイミングである(図456参照)のに対して、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりに当選した遊技回が開始するタイミング(すなわち、遊技回の開始時)となっている点が相違する。
図453(b)と図457とを比較すると、120回目の遊技回の開始から終了までの期間において、サポートモードの変化の態様が同一であることが判る。このため、遊技者が、結果告知演出が実行されるよりも前に、電動役物34a(図444)の開閉状態から、120回目の遊技回の転落抽選および当たり抽選の結果を認識することはできない。すなわち、遊技者は、バトル演出の実行中に、その後に実行される結果告知演出の種類(勝利演出か敗北演出か)を予測することが不可能である。したがって、本実施形態のパチンコ機10によれば、比較例1の前述した問題点を解決することができる。
なお、保証遊技回数に達した以後の遊技回において、当たり抽選において大当たりに当選した場合に、サポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行するタイミングを、大当たりに当選した遊技回が開始するタイミングに定めることによって、バトル・勝利演出の期間におけるサポートモードの態様を転落当選時と一致させる処理を、以下、「サポートモード擬似化処理」と呼ぶ。
本実施形態のパチンコ機10では、各種遊技状態をMPU62にて特定するために、種々のフラグが用意されている。具体的には、抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するための高確率モードフラグや、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かをMPU62にて特定するための高頻度サポートモードフラグ、転落抽選に当選したか否かをMPU62にて特定するための転落フラグ等が用意されている。さらに、本実施形態のパチンコ機10では、高確率モードフラグ、高頻度サポートモードフラグ、および転落フラグのそれぞれの値(各フラグ値)を一括してMPU62にて特定するための遊技状態判定値が用意されている。すなわち、遊技状態判定値は、高確率モードフラグ、高頻度サポートモードフラグ、および転落フラグの各フラグ値がいずれであるかを識別可能な数値となっている。これらフラグや遊技状態判定値は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64g(図446参照)に記憶されている。
図458は、高確率モードフラグ、高頻度サポートモードフラグ、および転落フラグの各フラグ値に対する遊技状態判定値を示す説明図である。図示するように、高確率モードフラグのフラグ値として、高確率モードである場合には「02H(16進数表記で02という意味、以下同じ)」が設定され、高確率モードでない(すなわち低確率モードである)場合には「00H」が設定されている。高頻度サポートモードフラグのフラグ値として、高頻度サポートモードである場合には「01H」が設定され、高頻度サポートモードでない(すなわち低頻度サポートモードである)場合には「00H」が設定されている。転落フラグのフラグ値として、転落抽選に当選した場合には「10H」が設定され、転落抽選に当選していない場合には「00H」が設定されている。
本実施形態では、遊技状態判定値は、高確率モードフラグ、高頻度サポートモードフラグ、および転落フラグの各フラグ値を加算した合算値である。このため、次の通りとなる。
・高確率モードフラグが「00H」であり、高頻度サポートモードフラグが「00H」であり、転落フラグが「00H」である場合には、これらの合算値としての遊技状態判定値は「00H」となる。
・高確率モードフラグが「00H」であり、高頻度サポートモードフラグが「01H」であり、転落フラグが「00H」である場合には、遊技状態判定値は「01H」となる。
・高確率モードフラグが「02H」であり、高頻度サポートモードフラグが「00H」であり、転落フラグが「00H」である場合には、遊技状態判定値は「02H」となる。
・高確率モードフラグが「02H」であり、高頻度サポートモードフラグが「01H」であり、転落フラグが「00H」である場合には、遊技状態判定値は「03H」となる。
・高確率モードフラグが「00H」であり、高頻度サポートモードフラグが「01H」であり、転落フラグが「10H」である場合には、遊技状態判定値は「11H」となる。
・高確率モードフラグが「00H」であり、高頻度サポートモードフラグが「00H」であり、転落フラグが「10H」である場合には、遊技状態判定値は「10H」となる。
図458から判ることは、高確率モードフラグ、高頻度サポートモードフラグ、および転落フラグの各フラグ値の組合せに応じて、一義的に遊技状態判定値が導出されることとなる。このため、遊技状態判定値に基づいて、一義的に、抽選モードが高確率モードであるか否か、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否か、および転落抽選に当選したか否かを特定することが可能となっている。
なお、本実施形態では、高確率モードフラグ、高頻度サポートモードフラグ、および転落フラグの各フラグ値を加算する加算処理を行い、その加算値(合算値)を遊技状態判定値と定めていたが、これに対して変形例として、減算処理、乗算処理、除算処理、又は、これら処理及び加算処理のいずれか2以上を組み合わせた演算処理に基づき、一義的に遊技状態判定値を特定する構成としてもよい。要は、高確率モードフラグ、高頻度サポートモードフラグ、および転落フラグの各フラグ値の組合せに応じて、一義的に遊技状態判定値が導出されるものであれば、いずれの演算処理によるものであってもよい。
図458に示す表の一番右列には、「遊技状態判定値の算出時における遊技状態」の項が付加されている。この項の内容は、遊技状態判定値がどういった遊技状態を示すかを簡潔に示すものであり、次の通りである。
遊技状態判定値が「00H」である時は、低確率モードかつ低頻度サポートモードの状態であり、パチンコ機10は通常状態にある。この状態を、以下、「低確率低頻度状態」とも呼ぶ。
遊技状態判定値が「01H」である時は、低確率モードかつ高頻度サポートモードの状態であり、パチンコ機10はいわゆる時短状態にある。この状態を、以下、「低確率高頻度状態」とも呼ぶ。当たり抽選によって通常大当たりに当選し、開閉実行モードの終了後に、抽選モードが低確率モードに、サポートモードが高頻度サポートモードに移行したときに、「低確率高頻度状態」になる。この低確率高頻度状態は、高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回の回数が保証遊技回数に達するまで維持される。
遊技状態判定値が「02H」である時は、高確率モードかつ低頻度サポートモードの状態であり、パチンコ機はいわゆる潜伏確変状態にある。潜伏確変状態は、本実施形態のパチンコ機10では取り得ない状態であるが、この点については後ほど詳述する。この状態を、以下、「高確率低頻度状態」とも呼ぶ。当たり抽選によって確変大当たりに当選し、開閉実行モードの終了後に、抽選モードが高確率モードに、サポートモードが高頻度サポートモードに移行し、その後、高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回数が保証遊技回数に達した以後の遊技回において、大当たりに当選した場合に、前述したサポートモード擬似化処理を行ったときに、「高確率低頻度状態」となる。
遊技状態判定値が「03H」である時は、高確率モードかつ高頻度サポートモードの状態であり、パチンコ機10はいわゆる確変状態にある。この状態を、以下、「高確率高頻度状態」とも呼ぶ。当たり抽選によって確変大当たりに当選し、開閉実行モードの終了後に、抽選モードが高確率モードに、サポートモードが高頻度サポートモードに移行したときに、「高確率高頻度状態」となる。
遊技状態判定値が「11H」である時は、保証遊技回数内の転落による低確率モードかつ高頻度サポートモードの状態であり、パチンコ機10はいわゆる転落時短状態にある。この状態を、以下、「転落低確率高頻度状態」とも呼ぶ。当たり抽選によって確変大当たりに当選し、開閉実行モードの終了後に、抽選モードが高確率モードに、サポートモードが高頻度サポートモードに移行し、その後、高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回数が保証遊技回数に達していない遊技回において、転落抽選に当選した場合に、抽選モードが低確率モードに移行する。このときに「転落低確率高頻度状態」となる。この転落低確率高頻度状態は、高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回の回数が保証遊技回数に達するまで維持される。
遊技状態判定値が「10H」である時は、保証遊技回数後の転落による低確率モードかつ低頻度サポートモードの状態であり、パチンコ機10はいわゆる転落通常状態にある。転落通常状態は、先に説明した図453に示す120回目の遊技回における状態であり、以下、「転落低確率低頻度状態」とも呼ぶ。当たり抽選によって確変大当たりに当選し、開閉実行モードの終了後に、抽選モードが高確率モードに、サポートモードが高頻度サポートモードに移行し、その後、高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回数が保証遊技回数に達した以後の遊技回において、転落抽選に当選した場合に、抽選モードが低確率モードに、サポートモードが低頻度サポートモードに移行する。このときに「転落低確率低頻度状態」となる。
遊技状態判定値が「02H」である時について、さらに説明する。遊技状態判定値が「02H」である時は、遊技状態として潜伏確変状態を搭載した機種のパチンコ機では、潜伏確変状態にあると言うことができる。「潜伏確変状態」とは、当たり抽選において大当たりに当選する確率が高確率モードとなっているにもかかわらず、電動役物34aによるサポートがない状態であり、かつ、遊技者が高確率モードであるか否かを把握することが不可能又は困難な状態である。しかしながら、本実施形態のパチンコ機10では、これまでに説明してきた処理の概要から判るように、潜伏確変状態になることはない。これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、保証遊技回数後に大当たりに当選した場合に、前述したサポートモード擬似化処理を行なっているため、遊技状態判定値は「02H」と算出されることはある。
本実施形態のパチンコ機10では、上記の遊技状態判定値と、当たり抽選における抽選結果とに応じて、図柄の変動表示および停止表示の態様が異なったものとなっている。このために、本実施形態のパチンコ機10では、図柄の変動表示および停止表示の態様を特定する多数の変動時間テーブルが、変動時間テーブル記憶エリア63hに予め記憶されている。変動時間テーブル記憶エリア63hに記憶された多数の変動時間テーブルは、遊技状態判定値別に分類されている。この結果、本実施形態のパチンコ機10では、各遊技状態判定値に対応した変動時間テーブル群を備えている。変動時間テーブル群とは、大当たりフラグの値とリーチ発生フラグの値とによって特定される変動時間テーブルを複数、集めた変動時間テーブルの集合である。大当たりフラグは、大当たりの種別(16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たり)を特定するためのフラグである。リーチ発生フラグは、リーチ発生の有無を特定するためのフラグである。
具体的には、本実施形態のパチンコ機10では、遊技状態判定値が「00H」である時に用いる低確率低頻度状態用変動時間テーブル群と、遊技状態判定値が「01H」である時に用いる低確率高頻度状態用変動時間テーブル群と、遊技状態判定値が「03H」である時に用いる高確率高頻度状態用変動時間テーブル群と、遊技状態判定値が「11H」である時に用いる転落低確率高頻度状態用変動時間テーブル群と、遊技状態判定値が「10H」である時に用いる転落低確率低頻度状態用変動時間テーブル群とがROM63の変動時間テーブル記憶エリア63h(図446)に記憶されている。ただし、本実施形態のパチンコ機10では、前述したように、潜伏確変状態とならないことから、遊技状態判定値が「02H」である時に用いる潜伏確変状態用変動時間テーブル群は、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63h(図446)に用意されていない。
このため、保証遊技回数後に大当たりに当選した場合に、サポートモード擬似化処理を行なうだけのパチンコ機では、サポートモード擬似化処理によって遊技状態判定値が「03H」から「02H」に移行された場合に、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63h(図446)から遊技状態判定値が「02H」である時に用いる潜伏確変状態用変動時間テーブル群を読み出そうとして、処理が中断または停止してしまう課題があった。
これに対して、本実施形態のパチンコ機10では、遊技状態判定値を演算した後に、演算結果が「02H」となった場合に遊技状態判定値を「03H」に書き換える処理を実行することによって、上記課題を解決する構成とした。
図459は、本実施形態のパチンコ機10において、保証遊技回数に達した以後の遊技回における処理の手順を説明するタイミングチャートである。図示するように、本実施形態のパチンコ機10では、当たり抽選によって確変大当たりに当選し、抽選モードが高確率モードに、サポートモードが高頻度サポートモードに移行し、その後、高頻度サポートモードが開始されてから120回目に実行される遊技回において、時刻t1で当たり抽選において大当たりに当選した場合、時刻t1の直後の時刻t2でもって、サポートモード擬似化処理がなされ、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。
時刻t2に続く時刻t3では、遊技状態判定値を算出し、算出結果が「02H」となった場合に遊技状態判定値を「03H」に書き換える処理を行う。時刻t3では、高確率モードフラグがON(=「02H」)であり、高頻度サポートモードフラグがOFF(=「00H」)であり、転落フラグがOFF(=「00H」)であることから、遊技状態判定値の算出結果は「02H」となる。このため、書換え処理によって、遊技状態判定値は「02H」から「03H」に書き換えられる。
時刻t3に続く時刻t4では、変動時間を設定する処理を行う。この変動時間の設定は、「03H」に書き換えられた遊技状態判定値に基づいて行われる。具体的には、MPU62は、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63h(図446)から、遊技状態判定値が「03H」である場合に対応した高確率高頻度状態用変動時間テーブル群を読み出し、この高確率高頻度状態用変動時間テーブル群を用いて変動時間の設定を行う。この変動時間テーブル群の読み出しは正常に行われ、処理が中断または停止してしまうことはない。
時刻t4に続く時刻t5では、時刻t4で設定された変動時間に基づく、図柄の変動表示が開始される。
なお、図459は、あくまでも処理の手順を説明するためのものであり、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行した時刻t2から変動開始される時刻t5までは、実際は瞬時に進む。このため、図457を用いて説明したように、遊技回の開始時に、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行すると言うことができる。
《I5》主制御装置において実行される各種処理:
次に、本実施形態のパチンコ機10において上述した処理を実行するための具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
各遊技回の遊技を進行させるために、主制御装置60のMPU62は、タイマ割込み処理および通常処理を実行する。これらの処理について次に説明する。MPU62は、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
図460は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップSi0101では、各種検知センサ67a〜67eの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサ67a〜67eの状態を読み込み、当該センサの状態を判定して検出情報(入球検知情報)を保存する。その後、ステップSi0102に進む。
ステップSi0102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSi0103に進む。
ステップSi0103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、転落乱数カウンタCFおよび電動役物開放カウンタC4の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、転落乱数カウンタCFおよび電動役物開放カウンタC4にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4,CFの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSi0104に進む。なお、変動種別カウンタCSは、後述する通常処理(図464)において、その値を更新する。
ステップSi0104では、第1始動口33及び第2始動口34への入球に伴う始動口用の入球処理を実行する。ステップSi0104の始動口用の入球処理の詳細については後述する。ステップSi0104を実行した後、ステップSi0105に進む。
ステップSi0105では、スルーゲート35への入球に伴うスルー用の入球処理を実行する。ステップSi0105のスルー用の入球処理の詳細については後述する。ステップSi0105を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入球処理>
次に、始動口用の入球処理について説明する。始動口用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図460:Si0104)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図461は、始動口用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSi0201では、遊技球が第1始動口33に入球(始動入球)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップSi0201において、遊技球が第1始動口33に入球したと判定した場合には(Si0201:YES)、ステップSi0202に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSi0203に進む。
ステップSi0203では、第1始動口33に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップSi0204に進む。
ステップSi0204では、第1保留エリアRaの保留個数記憶エリアに格納された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップSi0209に進む。
ステップSi0201において、遊技球が第1始動口33に入球していないと判定した場合には(Si0201:NO)、ステップSi0205に進み、遊技球が第2始動口34に入球したか否かを第2始動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。
ステップSi0205において、遊技球が第2始動口34に入球したと判定した場合には(Si0205:YES)、ステップSi0206に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップSi0207に進む。一方、ステップSi0205において、遊技球が第2始動口34に入球していないと判定した場合には(Si0205:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
ステップSi0207では、第2始動口34に遊技球が入球したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップSi0208に進む。
ステップSi0208では、第2保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入球に基づく保留個数を示す。その後、ステップSi0209に進む。
ステップSi0209では、上述したステップSi0204又はステップSi0208において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップSi0209において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(Si0209:NO)、本始動口用の入球処理を終了する。
一方、ステップSi0209において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(Si0209:YES)、ステップSi0210に進み、対応する保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップSi0211に進み、合計保留個数記憶エリアに格納された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップSi0212に進む。
ステップSi0212では、ステップSi0103(図460)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および転落乱数カウンタCFの各値を、対応する保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップSi0210において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに格納する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSi0103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および転落乱数カウンタCFの各値を、第1保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSi0210において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに格納する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップSi0103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および転落乱数カウンタCFの各値を、第2保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップSi0210において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに格納する。ステップSi0212を実行した後、ステップSi0213に進む。
ステップSi0213では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および転落乱数カウンタCFの各値の情報(保留情報)に基づいて、当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無、転落抽選の当否判定結果(抽選結果)などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップSi0213を実行した後、ステップSi0214に進む。
ステップSi0214では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、転落乱数カウンタCFの各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果を保留コマンドとして設定する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生したこと及び当該入球に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果(先判定情報)を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理のコマンド出力処理(図464:ステップSi0503)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入球に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主制御装置60のMPU62は、ステップSi0214を実行した後、本始動口用の入球処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入球処理のサブルーチン(図461:Si0213)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図462は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定、転落抽選の当否判定などの判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップSi0301では、始動口用の入球処理(図461)における始動口への入球によって記憶エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。その後、ステップSi0302に進み、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入球よりも前の入球によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入球による当たり抽選よりも前に発生する確変大当たりの有無や、転落抽選への当選の有無を把握することによって、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップSi0302において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(Si0302:YES)、ステップSi0303に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップSi0308に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップSi0302において、今回の入球による当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(Si0302:NO)、ステップSi0304に進み、今回の入球によって記憶エリアに格納された転落乱数カウンタCFの値を把握する。その後、ステップSi0305に進み、転落当否判定テーブル記憶エリア63dに記憶されている転落当否判定テーブルを参照し、転落抽選に当選しているか否かの判定をする。
ステップSi0305において、転落抽選に当選していると判定した場合には(Si0305:YES)、ステップSi0306に進み、転落当選情報を先判定処理結果格納エリア64hに記憶し、ステップSi0303に進む。ステップSi0303では、上述のように、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップSi0308に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップSi0305において、転落抽選に当選していないと判定した場合には(Si0305:NO)、ステップSi0307に進む。ステップSi0307では、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。その後、ステップSi0308に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップSi0308では、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(Si0308:YES)、ステップSi0309に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値を把握する。その後、ステップSi0310に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、今回の振り分け対象となった大当たり種別カウンタC2が第1始動口33への入球に基づいて取得されたものである場合には、第1始動口用振分テーブルを参照し、第2始動口34への入球に基づいて取得されたものである場合には、第2始動口用振分テーブルを参照する。ステップSi0310を実行した後、ステップSi0311に進む。
ステップSi0311では、振分テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり種別カウンタC2の値が、確変大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップSi0311において、確変大当たりに対応していると判定した場合には(Si0311:YES)、ステップSi0312に進み、先判定処理結果格納エリア64hに確変大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップSi0311において、確変大当たりに対応していないと判定した場合には(Si0311:NO)、ステップSi0313に進み、先判定処理結果格納エリア64hに通常大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。
ステップSi0308において、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(Si0308:NO)、ステップSi0314に進み、今回の始動口への入球によって記憶エリアに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値を把握する。その後、ステップSi0315に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップSi0316に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回把握したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップSi0316において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(Si0316:YES)、ステップSi0317に進み、先判定処理結果格納エリア64hにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップSi0316において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(Si0316:NO)、そのまま先判定処理を終了する。
<スルー用の入球処理>
次に、スルー用の入球処理について説明する。スルー用の入球処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図460:Si0105)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図463は、スルー用の入球処理を示すフローチャートである。ステップSi0401では、遊技球がスルーゲート35に入球したか否かを判定する。ステップSi0401において、遊技球がスルーゲート35に入球したと判定した場合には(Si0401:YES)、ステップSi0402に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入球数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップSi0401において、スルーゲート35に遊技球が入球しなかったと判定した場合には(Si0401:NO)、本スルー用の入球処理を終了する。
ステップSi0402において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(Si0402:YES)、ステップSi0403に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップSi0404に進む。
ステップSi0404では、ステップSi0103(図460)において更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM64の電役保留エリア64dの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに格納する。その後、スルー用の入球処理を終了する。
一方、ステップSi0402において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(Si0402:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値以上であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC4の値を格納することなく、スルー用の入球処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源スイッチ88がオフ状態からオン状態に切り替えられたこと(以下、「電源投入」とも呼ぶ)に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図464は、通常処理を示すフローチャートである。ステップSi0501では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップSi0502に進む。
ステップSi0502では、立ち上げコマンドを設定する。立ち上げコマンドは、電源投入に伴ってサブ側の各制御装置に対してデモ動画を開始させるためのコマンドである。その後、ステップSi0503に進む。
ステップSi0503では、ステップSi0502において設定された立ち上げコマンドや、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、立ち上げコマンド、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップSi0503を実行した後、ステップSi0504に進む。
ステップSi0504では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップSi0505に進む。
ステップSi0505では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップSi0506に進む。ステップSi0506では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1図柄表示部37a,第2図柄表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップSi0506を実行した後、ステップSi0507に進む。
ステップSi0507では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップSi0508に進む。
ステップSi0508では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップSi0509に進む。
ステップSi0509では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップSi0503のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップSi0509において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(Si0509:NO)、ステップSi0510及びステップSi0511において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップSi0510において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップSi0511において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。一方、ステップSi0509において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(Si0509:YES)、ステップSi0503に戻り、ステップSi0503からステップSi0508までの各処理を実行する。
なお、ステップSi0503からステップSi0508の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図464:Si0506)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図465は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップSi0601では、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理において遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、同じく遊技状態移行処理において開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。
ステップSi0601において、開閉実行モード中であると判定した場合には(Si0601:YES)、ステップSi0602以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入球が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップSi0601において、開閉実行モード中でないと判定した場合には(Si0601:NO)、ステップSi0602に進む。
ステップSi0602では、特図ユニット37が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、特図ユニット37に備えられる第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図変動表示中フラグ記憶エリアの特図変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。特図変動表示中フラグは、第1図柄表示部37aおよび第2図柄表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップSi0602において、特図ユニット37が変動表示中でないと判定した場合には(Si0602:NO)、ステップSi0603に進む。
ステップSi0603では、特図ユニット37における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。ステップSi0603を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップSi0602において、特図ユニット37が変動表示中であると判定した場合には(Si0602:YES)、ステップSi0604に進む。
ステップSi0604では、特図ユニット37における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を終了させるための変動終了処理を実行する。なお、変動終了処理の詳細は後述する。ステップSi0604を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図465:Si0603)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図466は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップSi0701では、合計保留個数CRNが「0」を上回るか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」以下である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップSi0701において、合計保留個数CRNが「0」以下であると判定した場合には(Si0701:NO)、本変動開始処理を終了する。一方、ステップSi0701において、合計保留個数CRNが「0」を上回ると判定した場合には(Si0701:YES)、ステップSi0702に進む。
ステップSi0702では、第1保留エリアRa又は第2保留エリアRbに記憶されている保留情報を変動開始後の状態に設定するための保留情報シフト処理を実行し、ステップSi0703に進む。保留情報シフト処理の詳細は後述する。
ステップSi0703では、転落抽選に当選したときの処理を含む転落判定処理を行う。転落判定処理の詳細については後述する。次いで、ステップSi0704に進む。
ステップSi0704では、当たり抽選において大当たりに当選したときの処理を含む当たり判定処理を行う。当たり判定処理の詳細については後述する。ステップSi0704を実行した後、ステップSi0705に進む。
ステップSi0705では、遊技状態を判定するための遊技状態判定処理を実行する。具体的には、先に説明した遊技状態判定値を算出することによって、遊技状態の判定を行う。遊技状態判定処理の詳細は後述する。ステップSi0705を実行した後、ステップSi0706に進む。
ステップSi0706では、変動時間設定処理を実行する。変動時間設定処理とは、遊技状態判定値と、大当たりの有無やリーチの発生の有無とに基づいて、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間設定処理の詳細については後述する。ステップSi0706を実行した後、ステップSi0707に進む。
ステップSi0707では、変動用コマンドを設定する。変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであるか、第2始動口34への入球に基づいて取得された保留情報に係るものであるかを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップSi0706で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップSi0707を実行した後、ステップSi0708に進む。
ステップSi0708では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R確変大当たりの情報、8R確変大当たりの情報、16R通常大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、又は、外れ結果の情報が含まれている。
ステップSi0707およびステップSi0708にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図464)におけるステップSi0503によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSi0708を実行した後、ステップSi0709に進む。
ステップSi0709では、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2図柄表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第1図柄表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2図柄表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した図柄表示部が第2図柄表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップSi0709を実行した後、ステップSi0710に進む。
ステップSi0710では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図変動表示中フラグ記憶エリアに記憶されている特図変動表示中フラグをONする。ステップSi0710を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<保留情報シフト処理>
次に、保留情報シフト処理について説明する。保留情報シフト処理は、変動開始処理のサブルーチン(図466:Si0702)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図467は、保留情報シフト処理を示すフローチャートである。ステップSi0801では、保留情報シフト処理を実行する処理対象である保留エリアが第1保留エリアRaであるか否かを判定する。具体的には、第1保留エリアRa(図447)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第1保留エリアRaの第1エリアに記憶されている保留情報)の方が、第2保留エリアRb(図447)に時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報(第2保留エリアRbの第1エリアに記憶されている保留情報)よりも先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第1保留エリアRaであると判定する。一方、第1保留エリアRaに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報よりも、第2保留エリアRbに時系列的に記憶された保留情報のうち最も先に記憶された保留情報の方が先に保留エリアに記憶されている場合には、処理対象である保留エリアを第2保留エリアRbであると判定する。すなわち、ステップSi0801の処理を実行することにより、第1保留エリアRaまたは第2保留エリアRbに記憶された順に、保留情報を処理対象とすることができる。
ステップSi0801において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaであると判定した場合には(ステップSi0801:YES)、ステップSi0802〜ステップSi0807の第1保留エリア用の保留情報シフト処理を実行する。一方、ステップSi0801において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(ステップSi0801:NO)、ステップSi0808〜ステップSi0813の第2保留エリア用の保留情報シフト処理を実行する。
ステップSi0802では、第1保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップSi0803に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップSi0804に進む。ステップSi0804では、第1保留エリアRaの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップSi0805に進む。
ステップSi0805では、第1保留エリアRaの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSi0805を実行した後、ステップSi0806に進む。
ステップSi0806では、各種フラグ記憶エリア64gの第2図柄表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2図柄表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップSi0807へ進む。
ステップSi0807では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本保留情報シフト処理を終了する。
ステップSi0807において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図464)におけるステップSi0503において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
ステップSi0801において、処理対象の保留エリアが第1保留エリアRaではないと判定した場合、すなわち、処理対象の保留エリアが第2保留エリアRbであると判定した場合には(Si0801:NO)、ステップSi0808に進む。
ステップSi0808では、第2保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップSi0809に進む。ステップSi0809では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップSi0810に進み、第2保留エリアRbの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップSi0811に進む。
ステップSi0811では、第2保留エリアRbの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップSi0811を実行した後、ステップSi0812に進む。
ステップSi0812では、各種フラグ記憶エリア64gの第2図柄表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップSi0813に進む。
ステップSi0813では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本保留情報シフト処理を終了する。
ステップSi0813において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図464)におけるステップSi0503において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<転落判定処理>
次に、転落判定処理について説明する。転落判定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図466:Si0703)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図468は、転落判定処理を示すフローチャートである。ステップSi0901では、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSi0901において、高確率モードであると判定した場合には(Si0901:YES)、ステップSi0902に進む。
ステップSi0902では、転落抽選用当否テーブルを参照して、転落抽選の当否判定を実行する。具体的には、実行エリアAEに格納されている転落乱数カウンタCFの値が、転落抽選用テーブル記憶エリア63dの転落抽選用当否テーブル(図450参照)における当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。続くステップSi0903では、ステップSi0902における当否判定の結果が転落抽選に当選である場合には(Si0903:YES)、ステップSi0904に進む。
ステップSi0904では、高確率モードフラグをOFFにする。その後、ステップSi0905に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶されている転落フラグをONする。転落フラグは、転落抽選の当否判定の結果を記憶するためのフラグである。ステップSi0905を実行した後、ステップSi0906に進む。
ステップSi0906では、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数(例えば100回)に達する前(=保証遊技回数内)であるか否かを判定する。具体的には、保証遊技回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。ステップSi0906において、保証遊技回数カウンタPNCの値が0を上回っていないと判定した場合(ステップSi0906:NO)、すなわち、保証遊技回数内でないと判定した場合には、ステップSi0907に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。ステップSi0907を実行した後、本転落判定処理を終了する。
一方、ステップSi0906において、保証遊技回数内であると判定した場合(Si0906:YES)には、直ちに転落判定処理を終了する。また、ステップSi0901において高確率モードでないと判定した場合(Si0901:NO)、またはステップSi0903において当否判定の結果が転落抽選に当選していない場合(Si0903:NO)には、直ちに本転落判定処理を終了する。
以上のように構成された転落判定処理によって、図453の転落当選したタイミングにおける抽選モードおよびサポートモードについての変動が実現される。
<当たり判定処理>
次に、当たり判定処理について説明する。当たり判定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図466:Si0704)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図469は、当たり判定処理を示すフローチャートである。ステップSi1001では、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSi1001において、高確率モードであると判定した場合には(Si1001:YES)、ステップSi1002に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図448(b)に示す高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSi1004に進む。
一方、ステップSi1001において高確率モードではないと判定した場合には(Si1001:NO)、ステップSi1003に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図448(a)に示す低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSi1004に進む。
ステップSi1004では、ステップSi1002又はステップSi1003における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSi1004において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(Si1004:YES)、ステップSi1005に進む。この大当たり当選となった時が、図459のタイミングチャートにおける時刻t1に該当する。
ステップSi1005では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSi1005において、高頻度サポートモードであると判定した場合には(Si1005:YES)、ステップSi1006に進み、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数(例えば100回)に達する前(=保証遊技回数内)であるか否かを判定する。具体的には、保証遊技回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。ステップSi1006において、保証遊技回数カウンタPNCの値が0を上回っていないと判定した場合(ステップSi1006:NO)、すなわち、保証遊技回数内でないと判定した場合には、ステップSi1007に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。この高頻度サポートモードフラグをOFFする処理がサポートモード擬似化処理に相当する。この高頻度サポートモードフラグがOFFとなった時が、図459のタイミングチャートにおける時刻t2に該当する。ステップSi1007を実行した後、ステップSi1008に進む。
一方、ステップSi1005において、高頻度サポートモードでないと判定した場合(Si1005:NO)、またはステップSi1006において保証遊技回数内であると判定した場合(ステップSi1006:YES)には、直ちにステップSi1008に進む。
上述したステップSi1004からステップSi1007までの処理によって、図457の大当たり当選したタイミングにおける抽選モードおよびサポートモードについての変動が実現される。
続くステップSi1008からステップSi1012においては、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理を実行する。
ステップSi1008では、RAM64の第2図柄表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップSi1008において、第2図柄表示部フラグがONではないと判定した場合には(Si1008:NO)、ステップSi1009に進み、第1始動口用の振分テーブル(図449(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、ステップSi1008において、第2図柄表示部フラグがONであると判定した場合には(Si1008:YES)、ステップSi1010に進み、第2始動口用の振分テーブル(図449(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップSi1009又はステップSi1010の処理を実行した後、ステップSi1011に進む。
ステップSi1011では、ステップSi1008又はステップSi1009において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たりフラグ)をONにする。具体的には、16R確変大当たりである場合には16R確変大当たりフラグをONにし、8R確変大当たりである場合には8R確変大当たりフラグをONにし、16R通常大当たりである場合には16R通常大当たりフラグをONにし、8R通常大当たりである場合には8R通常大当たりフラグをONにする。ステップSi1011を実行した後、ステップSi1012に進む。
ステップSi1012では、大当たり用の停止結果を設定する処理を実行する。具体的には、大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップSi1009又はステップSi1010において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップSi1012を実行した後、本当たり判定処理を終了する。
ステップSi1004において、ステップSi1002又はSi1003における当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(Si1004:NO)、ステップSi1013に進み、リーチ判定用テーブルを参照して、当該遊技回においてリーチが発生するか否かの判定を行う。具体的には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ判定用テーブル記憶エリア63c(図446)に記憶されているリーチ判定用テーブルにおいて、リーチが発生として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップSi1014に進む。
ステップSi1014において、ステップSi1013におけるリーチ判定の結果が当該遊技回においてリーチが発生するというものである場合には(Si1014:YES)、ステップSi1015に進み、リーチ発生フラグをONする。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのリーチ発生フラグをONする。ステップSi1015を実行した後、ステップSi1016に進む。
一方、ステップSi1014において、ステップSi1013におけるリーチ判定の結果が当該遊技回においてリーチが発生しないというものである場合には(Si1014:NO)、ステップSi1015を実行することなく、ステップSi1016に進む。
ステップSi1016では、外れ用の停止結果を設定する処理を実行する。具体的には、外れ結果となる今回の遊技回において、第1図柄表示部37a又は第2図柄表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63fにおける外れ用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップSi1016を実行した後、本当たり判定処理を終了する。
<遊技状態判定処理>
次に、遊技状態判定処理について説明する。遊技状態判定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図466:Si0705)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図470は、遊技状態判定処理を示すフローチャートである。遊技状態判定処理は、先に説明した遊技状態判定値を算出する処理である。以下、遊技状態判定処理の具体的な処理について説明する。
ステップSi1101では、高確率モードフラグの値と、高頻度サポートモードフラグの値と、転落フラグの値とを加算することによって、遊技状態判定値PNを求める処理を行う。図458を用いて先に説明したように、遊技状態判定値PNは、高確率モードフラグ、高頻度サポートモードフラグ、および転落フラグの各値を合算することによって求めることができる。ステップSi1101を実行した後、ステップSi1102に進む。
ステップSi1102では、ステップSi1101で求めた遊技状態判定値PNが「02H」であるか否かを判定する。ステップSi1102において、遊技状態判定値PNが「02H」であると判定した場合には(Si1102:YES)、ステップSi1103に進み、遊技状態判定値PNを「02H」から「03H」に書き換える処理を行う。この遊技状態判定値PNが「02H」から「03H」に書き換えられた時が、図459のタイミングチャートにおける時刻t3に該当する。ステップSi1103を実行した後、本遊技状態判定処理を終了する。
ステップSi1102において、遊技状態判定値PNが「02H」でないと判定した場合(Si1102:NO)には、ステップSi1103を実行することなく、本遊技状態判定処理を終了する。
<変動時間設定処理>
次に、変動時間設定処理について説明する。変動時間設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図466:Si0706)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図471は、変動時間設定処理を示すフローチャートである。ステップSi1201では、遊技状態判定処理(図470)によって求められた遊技状態判定値PNが「00H」であるか否かを判定する。ステップSi1201において、遊技状態判定値PNが「00H」であると判定した場合には(Si1201:YES)、ステップSi1202に進み、低確率低頻度状態用の変動時間設定処理を実行する。低確率低頻度状態用の変動時間設定処理とは、遊技状態が低確率低頻度状態である場合の変動時間設定処理である。低確率低頻度状態用の変動時間設定処理については後述する。ステップSi1202を実行した後、本変動時間設定処理を終了する。
ステップSi1201において、遊技状態判定値PNが「00H」でないと判定した場合(Si1201:NO)には、ステップSi1203に進む。
ステップSi1203では、遊技状態判定処理(図470)によって求められた遊技状態判定値PNが「01H」であるか否かを判定する。ステップSi1203において、遊技状態判定値PNが「01H」であると判定した場合には(Si1203:YES)、ステップSi1204に進み、低確率高頻度状態用の変動時間設定処理を実行する。低確率高頻度状態用の変動時間設定処理とは、遊技状態が低確率高頻度状態である場合の変動時間設定処理である。低確率高頻度状態用の変動時間設定処理については後述する。ステップSi1204を実行した後、本変動時間設定処理を終了する。
ステップSi1203において、遊技状態判定値PNが「01H」でないと判定した場合(Si1203:NO)には、ステップSi1205に進む。
ステップSi1205では、遊技状態判定処理(図470)によって求められた遊技状態判定値PNが「03H」であるか否かを判定する。ステップSi1205において、遊技状態判定値PNが「03H」であると判定した場合には(Si1205:YES)、ステップSi1206に進み、高確率高頻度状態用の変動時間設定処理を実行する。高確率高頻度状態用の変動時間設定処理とは、遊技状態が高確率高頻度状態である場合の変動時間設定処理である。高確率高頻度状態用の変動時間設定処理については後述する。ステップSi1206を実行した後、本変動時間設定処理を終了する。
ステップSi1205において、遊技状態判定値PNが「03H」でないと判定した場合(Si1205:NO)には、ステップSi1207に進む。
ステップSi1207では、遊技状態判定処理(図470)によって求められた遊技状態判定値PNが「11H」であるか否かを判定する。ステップSi1207において、遊技状態判定値PNが「11H」であると判定した場合には(Si1207:YES)、ステップSi1208に進み、転落低確率高頻度状態用の変動時間設定処理を実行する。転落低確率高頻度状態用の変動時間設定処理とは、遊技状態が転落低確率高頻度状態である場合の変動時間設定処理である。転落低確率高頻度状態用の変動時間設定処理については後述する。ステップSi1208を実行した後、本変動時間設定処理を終了する。
ステップSi1207において、遊技状態判定値PNが「11H」でないと判定した場合(Si1207:NO)には、ステップSi1209に進む。
ステップSi1209では、転落低確率低頻度状態用の変動時間設定処理を実行する。転落低確率低頻度状態用の変動時間設定処理とは、遊技状態が転落低確率低頻度状態である場合の変動時間設定処理である。転落低確率低頻度状態用の変動時間設定処理については後述する。ステップSi1209を実行した後、本変動時間設定処理を終了する。
<低確率低頻度状態用の変動時間設定処理>
次に、低確率低頻度状態用の変動時間設定処理について説明する。低確率低頻度状態用の変動時間設定処理は、変動時間設定処理のサブルーチン(図471:Si1202)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図472は、低確率低頻度状態用の変動時間設定処理を示すフローチャートである。ステップSi1301では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSi1302に進む。
ステップSi1302では、今回の遊技回に係る当たり抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、16R通常大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグの内のいずれかがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には大当たり当選であるとして(Si1302:YES)、ステップSi1303に進む。
ステップSi1303では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63hに記憶されている低確率低頻度状態用変動時間テーブル群から、大当たり用の変動時間テーブルを特定する。低確率低頻度状態用変動時間テーブル群には、(i)低確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用変動時間テーブル、(ii)低確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用変動時間テーブル、(iii)低確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用変動時間テーブル、が備えられている。ステップSi1303では、(i)〜(iii)の中から(i)を特定する。(i)は、例えば、大当たり用通常演出を行うための変動時間テーブルである。ステップSi1303を実行した後、ステップSi1304に進む。
ステップSi1304では、ステップSi1303で特定した変動時間テーブルを参照して、ステップSi1301によって得られた今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。続く、ステップSi1305では、ステップSi1304によって取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、低確率低頻度状態用の変動時間設定処理を終了する。
一方、ステップSi1302において、今回の遊技回に係る当たり抽選の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(Si1302:NO)、ステップSi1306に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップSi1302において今回の遊技回に係る当たり抽選において大当たり当選していない場合に本処理(Si1306)を実行することから、ステップSi1306においては、当たり抽選において大当たり当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAE(図447)に記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(Si1306:YES)、ステップSi1307に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63c(図446)に記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップSi1307では、リーチ発生フラグをOFFする。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのリーチ発生フラグをOFFする。ステップSi1307を実行した後、ステップSi1308に進む。
ステップSi1308では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63hに記憶されている低確率低頻度状態用変動時間テーブル群から、リーチ発生用の変動時間テーブルを特定する。具体的には、上述した(ii)低確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用変動時間テーブル、を特定する。(ii)は、例えば、リーチ用通常演出を行うための変動時間テーブルである。ステップSi1308を実行した後、先に説明したステップSi1304に進み、ステップSi1308で特定した変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。
ステップSi1306において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(Si1306:NO)、ステップSi1309に進む。
ステップSi1309では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63hに記憶されている低確率低頻度状態用変動時間テーブル群から、リーチ非発生用の変動時間テーブルを特定する。具体的には、上述した(iii)低確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用変動時間テーブル、を特定する。(iii)は、例えば、外れ用通常演出を行うための変動時間テーブルである。ステップSi1309を実行した後、先に説明したステップSi1304に進み、ステップSi1309で特定した変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。
<低確率高頻度状態用の変動時間設定処理>
次に、低確率高頻度状態用の変動時間設定処理について説明する。低確率高頻度状態用の変動時間設定処理は、変動時間設定処理のサブルーチン(図471:Si1204)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図473は、低確率高頻度状態用の変動時間設定処理を示すフローチャートである。ステップSi1401では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSi1402に進む。
ステップSi1402では、今回の遊技回に係る当たり抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、16R通常大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグの内のいずれかがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には大当たり当選であるとして(Si1402:YES)、ステップSi1403に進む。
ステップSi1403では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63hに記憶されている低確率高頻度状態用変動時間テーブル群から、大当たり用の変動時間テーブルを特定する。低確率高頻度状態用変動時間テーブル群には、(iv)低確率高頻度状態で、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用変動時間テーブル、(v)低確率高頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用変動時間テーブル、(vi)低確率高頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用変動時間テーブル、が備えられている。ステップSi1403では、(iv)〜(vi)の中から(iv)を特定する。(iv)は、例えば、大当たり用通常演出を行うための変動時間テーブルである。ステップSi1403を実行した後、ステップSi1404に進む。
ステップSi1404では、ステップSi1403で特定した変動時間テーブルを参照して、ステップSi1401によって得られた今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。続く、ステップSi1405では、ステップSi1404によって取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、低確率高頻度状態用の変動時間設定処理を終了する。
一方、ステップSi1402において、今回の遊技回に係る当たり抽選の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(Si1402:NO)、ステップSi1406に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップSi1402において今回の遊技回に係る当たり抽選において大当たり当選していない場合に本処理(Si1406)を実行することから、ステップSi1406においては、当たり抽選において大当たり当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAE(図447)に記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(Si1406:YES)、ステップSi1407に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63c(図446)に記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップSi1407では、リーチ発生フラグをOFFする。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのリーチ発生フラグをOFFする。ステップSi1407を実行した後、ステップSi1408に進む。
ステップSi1408では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63hに記憶されている低確率高頻度状態用変動時間テーブル群から、リーチ発生用の変動時間テーブルを特定する。具体的には、上述した(v)低確率高頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用変動時間テーブル、を特定する。(v)は、例えば、リーチ用通常演出を行うための変動時間テーブルである。ステップSi1408を実行した後、先に説明したステップSi1404に進み、ステップSi1408で特定した変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。
ステップSi1406において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(Si1406:NO)、ステップSi1409に進む。
ステップSi1409では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63hに記憶されている低確率高頻度状態用変動時間テーブル群から、リーチ非発生用の変動時間テーブルを特定する。具体的には、上述した(vi)低確率高頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用変動時間テーブル、を特定する。例えば、(vi)は、外れ用通常演出を行うための変動時間テーブルである。ステップSi1409を実行した後、先に説明したステップSi1404に進み、ステップSi1409で特定した変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。
<高確率高頻度状態用の変動時間設定処理>
次に、高確率高頻度状態用の変動時間設定処理について説明する。高確率高頻度状態用の変動時間設定処理は、変動時間設定処理のサブルーチン(図471:Si1206)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図474は、高確率高頻度状態用の変動時間設定処理を示すフローチャートである。ステップSi1501では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSi1502に進む。
ステップSi1502では、今回の遊技回に係る当たり抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、16R通常大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグの内のいずれかがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には大当たり当選であるとして(Si1502:YES)、ステップSi1503に進む。
ステップSi1503では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63hに記憶されている高確率高頻度状態用変動時間テーブル群から、大当たり用の変動時間テーブルを特定する。高確率高頻度状態用変動時間テーブル群には、(vii)高確率高頻度状態で、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用変動時間テーブル、(viii)高確率高頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用変動時間テーブル、(ix)高確率高頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用変動時間テーブル、が備えられている。ステップSi1503では、(vii)〜(ix)の中から(vii)を特定する。(vii)は、例えば、バトル演出と、バトル演出の後に実行される勝利演出とによって構成されるバトル・勝利演出を行うための変動時間テーブルである。バトル・勝利演出は、例えば図455(a)と図455(c)に示した演出である。図474のステップSi1503では、「バトル・勝利演出用の変動時間テーブル」と記した。ステップSi1503を実行した後、ステップSi1504に進む。
ステップSi1504では、ステップSi1503で特定した変動時間テーブルを参照して、ステップSi1501によって得られた今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。続く、ステップSi1505では、ステップSi1504によって取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。この変動時間情報を変動時間カウンタエリアにセットした時が、図459のタイミングチャートにおける時刻t4に該当する。その後、高確率高頻度状態用の変動時間設定処理を終了する。
一方、ステップSi1502において、今回の遊技回に係る当たり抽選の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(Si1502:NO)、ステップSi1506に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップSi1502において今回の遊技回に係る当たり抽選において大当たり当選していない場合に本処理(Si1506)を実行することから、ステップSi1506においては、当たり抽選において大当たり当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAE(図447)に記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(Si1506:YES)、ステップSi1507に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63c(図446)に記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップSi1507では、リーチ発生フラグをOFFする。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのリーチ発生フラグをOFFする。ステップSi1507を実行した後、ステップSi1508に進む。
ステップSi1508では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63hに記憶されている高確率高頻度状態用変動時間テーブル群から、リーチ発生用の変動時間テーブルを特定する。具体的には、(vii)〜(ix)の中から、(viii)高確率高頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用変動時間テーブル、を特定する。(viii)は、例えば、バトル演出と、バトル演出の後に実行される引き分け演出とによって構成されるバトル・引き分け演出を行うための変動時間テーブルである。図474のステップSi1508では、「バトル・引き分け演出用の変動時間テーブル」と記した。ステップSi1508を実行した後、先に説明したステップSi1504に進み、ステップSi1508で特定した変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。
ステップSi1506において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(Si1506:NO)、ステップSi1509に進む。
ステップSi1509では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63hに記憶されている高確率高頻度状態用変動時間テーブル群から、リーチ非発生用の変動時間テーブルを特定する。具体的には、(vii)〜(ix)の中から、(ix)高確率高頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用変動時間テーブル、を特定する。(ix)は、例えば、外れ用通常演出を行うための変動時間テーブルである。図474のステップSi1509では、「外れ演出用の変動時間テーブル」と記した。ステップSi1509を実行した後、先に説明したステップSi1504に進み、ステップSi1509で特定した変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。
<転落低確率高頻度状態用の変動時間設定処理>
次に、転落低確率高頻度状態用の変動時間設定処理について説明する。転落低確率高頻度状態用の変動時間設定処理は、変動時間設定処理のサブルーチン(図471:Si1208)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図475は、転落低確率高頻度状態用の変動時間設定処理を示すフローチャートである。ステップSi1601では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSi1602に進む。
ステップSi1602では、今回の遊技回に係る当たり抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、16R通常大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグの内のいずれかがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には大当たり当選であるとして(Si1602:YES)、ステップSi1603に進む。
ステップSi1603では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63hに記憶されている転落低確率高頻度状態用変動時間テーブル群から、大当たり用の変動時間テーブルを特定する。転落低確率高頻度状態用変動時間テーブル群には、(x)転落低確率高頻度状態で、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用変動時間テーブル、(xi)転落低確率高頻度状態で、当たり抽選において外れ結果となった時に用いられる変動時間テーブル、が備えられている。ステップSi1603では(x)および(xi)の中から(x)を特定する。(x)は、例えば、バトル演出と、バトル演出の後に実行される勝利演出とによって構成されるバトル・勝利演出を行うための変動時間テーブルである。特に、本実施形態では、上述したバトル・勝利演出は、転落当選していたことを示唆する演出を含んだものとなっている。なお、この構成に換えて、転落当選していたことを示唆する演出を含まないバトル・勝利演出としてもよい。具体的には、図474のステップSi1503で述べたバトル・勝利演出(高確率高頻度状態のバトル・勝利演出)と同じバトル・勝利演出としてもよい。図475のステップSi1603では、「バトル・勝利(転落示唆)演出用の変動時間テーブル」と記した。ステップSi1603を実行した後、ステップSi1604に進む。
ステップSi1604では、ステップSi1603で特定した変動時間テーブルを参照して、ステップSi1601によって得られた今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。続く、ステップSi1605では、ステップSi1604によって取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、転落低確率高頻度状態用の変動時間設定処理を終了する。
一方、ステップSi1602において、今回の遊技回に係る当たり抽選の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(Si1602:NO)、ステップSi1606に進む。
ステップSi1606では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63hに記憶されている転落低確率高頻度状態用変動時間テーブル群から、上述した(xi)転落低確率高頻度状態で、当たり抽選において外れ結果となった時に用いられる変動時間テーブル、を特定する。(xi)は、例えば、バトル演出と、バトル演出の後に実行される敗北演出とによって構成されるバトル・敗北演出を行うための変動時間テーブルである。バトル・敗北演出は、例えば図455(a)と図455(b)に示した演出である。図475のステップSi1606では、「バトル・敗北演出用の変動時間テーブル」と記した。ステップSi1606を実行した後、先に説明したステップSi1604に進み、ステップSi1606で特定した変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。
<転落低確率低頻度状態用の変動時間設定処理>
次に、転落低確率低頻度状態用の変動時間設定処理について説明する。転落低確率低頻度状態用の変動時間設定処理は、変動時間設定処理のサブルーチン(図471:Si1209)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図476は、転落低確率低頻度状態用の変動時間設定処理を示すフローチャートである。ステップSi1701では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSi1702に進む。
ステップSi1702では、今回の遊技回に係る当たり抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、16R通常大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグの内のいずれかがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には大当たり当選であるとして(Si1702:YES)、ステップSi1703に進む。
ステップSi1703では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63hに記憶されている転落低確率低頻度状態用変動時間テーブル群から、大当たり用の変動時間テーブルを特定する。転落低確率低頻度状態用変動時間テーブル群には、(xii)転落低確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用変動時間テーブル、(xiii)転落低確率低頻度状態で、当たり抽選において外れ結果となった時に用いられる変動時間テーブル、が備えられている。ステップSi1703では(xii)および(xiii)の中から(xii)を特定する。(xii)は、例えば、バトル演出と、バトル演出の後に実行される勝利演出とによって構成されるバトル・勝利演出を行うための変動時間テーブルである。特に、本実施形態では、上述したバトル・勝利演出は、転落当選したことを示唆する演出を含んだものとなっている。なお、この構成に換えて、転落当選したことを示唆する演出を含まないバトル・勝利演出としてもよい。具体的には、図474のステップSi1503で述べたバトル・勝利演出(高確率高頻度状態のバトル・勝利演出)と同じバトル・勝利演出としてもよい。図475のステップSi1703では、「バトル・勝利(転落示唆)演出用の変動時間テーブル」と記した。ステップSi1703を実行した後、ステップSi1704に進む。
ステップSi1704では、ステップSi1703で特定した変動時間テーブルを参照して、ステップSi1701によって得られた今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。続く、ステップSi1705では、ステップSi1704によって取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、転落低確率低頻度状態用の変動時間設定処理を終了する。
一方、ステップSi1702において、今回の遊技回に係る当たり抽選の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(Si1702:NO)、ステップSi1706に進む。
ステップSi1706では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63hに記憶されている転落低確率低頻度状態用変動時間テーブル群から、上述した(xiii)転落低確率低頻度状態で、当たり抽選において外れ結果となった時に用いられる変動時間テーブル、を特定する。(xiii)は、例えば、バトル演出と、バトル演出の後に実行される敗北演出とによって構成されるバトル・敗北演出を行うための変動時間テーブルである。バトル・敗北演出は、例えば図455(a)と図455(b)に示した演出である。図475のステップSi1706では、「バトル・敗北演出用の変動時間テーブル」と記した。ステップSi1706を実行した後、先に説明したステップSi1704に進み、ステップSi1706で特定した変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。
<変動終了処理>
次に、変動終了処理について説明する。変動終了処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図465:Si0604)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図477は、変動終了処理を示すフローチャートである。ステップSi1801では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップSi1801では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64f)に格納されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、前述した変動時間設定処理(図471)において設定されたものである。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップSi1801において、変動時間が経過していないと判定した場合には(Si1801:NO)、本変動終了処理を終了する。
ステップSi1801において、変動時間が経過していると判定した場合には(Si1801:YES)、ステップSi1802に進み、第1図柄表示部37a及び第2図柄表示部37bのうち今回の遊技回に対応した図柄表示部における図柄の変動を終了させる処理を行う。続く、ステップSi1803では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gにおける特図変動表示中フラグ記憶エリアに記憶されている特図変動表示中フラグをOFFする。ステップSi1803を実行した後、ステップSi1804に進む。
ステップSi1804では、今回の遊技回に係る当たり抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、16R通常大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグの内のいずれかがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には大当たり当選であると判定して(Si1804:YES)、ステップSi1805に進む。
ステップSi1805では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSi1805において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(Si1805:YES)、ステップSi1806に進み、保証遊技回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。ステップSi1806において、保証遊技回数カウンタPNCの値が0を上回ると判定した場合には(Si1806:YES)、ステップSi1807に進み、保証遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。ステップSi1807を実行した後、ステップSi1808に進む。一方、ステップSi1806において、保証遊技回数カウンタPNCの値が0以下であると判定した場合には(Si1806:NO)、ステップSi1807を実行することなく、ステップSi1808に進む。
ステップSi1808では、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSi1808において、高確率モードフラグがONでないと判定した場合には(Si1808:NO)、ステップSi1809に進み、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数(例えば100回)に達する前(=保証遊技回数内)であるか否かを判定する。具体的には、保証遊技回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。保証遊技回数カウンタPNCは保証遊技回数の残りの回数を示すものであることから、PNC>0であるか否かを判定することによって、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数に達する前であるか否かを判定することができる。
ステップSi1809において、保証遊技回数カウンタPNCの値が0を上回っていないと判定した場合(ステップSi1809:NO)、すなわち、保証遊技回数内でないと判定した場合には、ステップSi1810に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。ステップSi1810を実行した後、ステップSi1811に進む。
ステップSi1811では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶されている転落フラグがONであるか否かを判定する。ステップSi1811において、転落フラグがONであると判定した場合には(Si1811:YES)、ステップSi1812に進み、転落フラグをOFFする。ステップSi1812を実行した後、ステップSi1813に進む。
ステップSi1808において高確率モードフラグがONであると判定した場合(Si1808:YES)、または、ステップSi1809において保証遊技回数内であると判定した場合(ステップSi1809:YES)には、ステップSi1810〜ステップSi1812を実行することなく、ステップSi1813に進む。また、ステップSi1811において転落フラグがONでないと判定した場合(Si1811:NO)にも、ステップSi1812を実行することなく、ステップSi1813に進む。
ステップSi1813では、高確率モードフラグの値と、高頻度サポートモードフラグの値と、転落フラグの値とを加算することによって、遊技状態判定値PNを求める処理を行う。この処理は、図470におけるステップSi1101と同一の処理であり、遊技状態判定値PNを更新する。ステップSi1813を実行した後、ステップSi1814に進む。
ステップSi1814では、遊技状態コマンドを設定する。遊技状態コマンドには、ステップSi1813で求められた遊技状態判定値PNの情報が含まれている。設定された遊技状態コマンドは、通常処理(図464)におけるステップSi0503によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、この遊技状態コマンドによって遊技回終了後の遊技状態を把握することができる。ステップSi1814を実行した後、本変動時間終了処理を終了する。
一方、ステップSi1805において、高頻度サポートモードフラグがONでないと判定した場合には(Si1805:NO)、ステップSi1815に進む。
ステップSi1815では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gに記憶されている転落フラグがONであるか否かを判定する。ステップSi1815において、転落フラグがONであると判定した場合には(Si1815:YES)、ステップSi1816に進み、転落フラグをOFFする。ステップSi1815で転落フラグがONであると判定される場合は、図458の最下段に示す、保証遊技回数後の転落による低確率モードかつ低頻度サポートモードの状態(転落通常状態)に該当する場合であるが、本実施形態では、転落通常状態は転落抽選に当選した遊技回の1回限りで終了させ、図458の最上段に示す通常状態に移行させるために、ステップSi1816で転落フラグをOFFする。ステップSi1816を実行した後、前述したステップSi1813に進む。
ステップSi1815において、転落フラグがONでないと判定した場合(Si1815:NO)には、ステップSi1816を実行することなく、前述したステップSi1813に進む。
ステップSi1804において、今回の遊技回に係る当たり抽選の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(Si1804:NO)、ステップSi117に進み、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの開閉実行モードフラグをONする。ステップSi1817を実行した後、本変動時間終了処理を終了する。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図464:Si0507)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図478は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。ステップSi1901では、エンディング期間フラグがONであるか否かを判定する。エンディング期間フラグは、開閉実行モードにおける大入賞口開閉処理期間の終了時(エンディング期間の開始時)にONにされ、エンディング期間の終了時にOFFにされる。エンディング期間は、開閉実行モードにおいてエンディング演出を実行するための期間である。
ステップSi1901において、エンディング期間フラグがONではないと判定した場合には(Si1901:NO)、ステップSi1902に進み、開閉処理期間フラグがONであるか否かを判定する。開閉処理期間フラグは、開閉実行モード中においてオープニング期間が終了し、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉動作が実行される期間である大入賞口開閉処理期間が開始されるタイミングでONにされ、当該開閉扉36bの開閉動作が終了するタイミングでOFFにされる。
ステップSi1902において、開閉処理期間フラグがONではないと判定した場合には(Si1902:NO)、ステップSi1903に進み、オープニング期間フラグがONであるか否かを判定する。オープニング期間フラグは、オープニング期間の開始時にONにされ、オープニング期間の終了時にOFFにされる。
ステップSi1903において、オープニング期間フラグがONではないと判定した場合には(Si1903:NO)、ステップSi1904に進み、開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。ステップSi1904において、開閉実行モードフラグがONであると判定した場合には(Si1904:YES)、ステップSi1905に進む。一方、ステップSi1904において、開閉実行モードフラグがOFFであると判定した場合には(Si1904:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSi1905では、高確率モードフラグをOFFにする。その後、ステップSi1906に進む。ステップSi1906では、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップSi1907に進む。
ステップSi1907では、開閉シナリオを設定する開閉シナリオ設定処理を実行する。開閉シナリオは、ラウンド遊技における開閉扉36bの開閉動作のパターンを定めるもので、本実施形態では、開閉扉36bを閉鎖状態から開放状態へ移行する条件(以下、「開放条件」とも呼ぶ)と、開閉扉36bを開放状態から閉鎖状態へ移行する条件(以下、「閉鎖条件」とも呼ぶ)と、が記録されたプログラムである。開閉シナリオは、ROM63の開閉シナリオ記憶エリア63iに記憶されている
開放条件は、例えば下記の通りである。
・パチンコ機10の現在の状態が、開閉実行モードにおける各ラウンド遊技を開始するタイミングであること。
上記1つの項目が成立した場合に、開閉扉36bは閉鎖状態から開放状態に移行する。
閉鎖条件は、例えば下記の通りである。
・各ラウンド遊技を開始してからの経過時間が、予め定められた上限継続時間(例えば15秒)を超えること。
・各ラウンド遊技を開始してから大入賞口36aへ入球した遊技球の個数が、予め定められた上限個数を超えること。
上記2つの項目のうちのいずれか一方が成立した場合に、開閉扉36bは開放状態から閉鎖状態に移行する。
ステップSi1907を実行した後、前述したステップSi1908に進む。
ステップSi1908では、オープニング時間設定処理を実行する。オープニング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるオープニング期間の時間的長さ(以下、オープニング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のオープニング期間において同じ一定の長さのオープニング時間を設定する。具体的には、オープニング時間を決定する第3タイマカウンタエリアT3に「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、第3タイマカウンタエリアT3は、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられている。ステップSi1908を実行した後、ステップSi1909に進む。
ステップSi1909では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図464)におけるステップSi0503にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、設定したオープニング時間および今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、オープニング時間および大入賞口開閉処理期間に対応した演出の内容を決定し、その決定した内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップSi1909を実行した後、ステップSi1910に進み、オープニング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSi1903において、オープニング期間フラグがONであると判定した場合には(Si1903:YES)、ステップSi1911に進む。
ステップSi1911では、オープニング期間が終了したか否かを判定する。具体的には、第3タイマカウンタエリアT3の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSi1911において、オープニング期間が終了したと判定した場合には(Si1911:YES)、ステップSi1912に進み、オープニング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSi1913に進む。
ステップSi1913では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに記憶されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップSi1913を実行した後、ステップSi1914に進む。
ステップSi1914では、開閉処理期間フラグをONにする。続くステップSi1915では、開閉処理開始コマンドを設定する。開閉処理開始コマンドは、開閉処理期間が開始されたことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。開閉処理開始コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図464:ステップSi0503)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSi1915を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSi1902において、開閉処理期間フラグがONであると判定した場合には(Si1902:YES)、ステップSi1916に進み、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理については後述する。ステップSi1916を実行した後、ステップSi1917に進む。
ステップSi1917では、大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定する。具体的には、開閉扉36bが開放された回数をカウントするための第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かによって、大入賞口開閉処理が終了したか否かを判定する。ステップSi1917において、大入賞口開閉処理が終了したと判定した場合には(Si1917:YES)、ステップSi1918に進む。一方、ステップSi1917において、大入賞口開閉処理が終了していないと判定した場合には(Si1917:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSi1918では、開閉処理期間フラグをOFFにし、その後、ステップSi1919に進む。
ステップSi1919では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。ステップSi1919を実行した後、ステップSi1920に進む。
ステップSi1920では、エンディング時間設定処理を実行する。エンディング時間設定処理は、開閉実行モードにおけるエンディング期間の時間的長さ(以下、エンディング時間とも呼ぶ)を設定する処理である。本実施形態においては、毎回のエンディング期間において同じ一定の長さのエンディング時間を設定する。具体的には、エンディング時間を決定する第4タイマカウンタエリアT4に「3000」(すなわち、6sec)をセットする。なお、第4タイマカウンタエリアT4は、RAM64の各種カウンタエリア64fに設けられている。ステップSi1920を実行した後、ステップSi1921に進む。
ステップSi1921では、エンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図464)におけるステップSi0503において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。ステップSi1921を実行した後、ステップSi1922に進む。
ステップSi1922では、エンディング期間フラグをONにする。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップSi1901において、エンディング期間フラグがONであると判定した場合には(Si1901:YES)、ステップSi1923に進む。
ステップSi1923では、エンディング期間が終了したか否かの判定を行う。具体的には、エンディング時間設定処理(Si1920)において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSi1920において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」であると判定した場合には(Si1923:YES)、ステップSi1924に進む。
ステップSi1924では、エンディング期間フラグをOFFにする。その後、ステップSi1925に進み、エンディング期間終了時の移行処理を実行する。エンディング期間終了時の移行処理は、今回のエンディング期間が終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。エンディング期間終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップSi1925を実行した後、ステップSi1926に進み、開閉実行モードフラグをOFFにする。ステップSi1926を実行した後、ステップSi1927に進む。
ステップSi1927では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。ステップSi1927において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(Si1927:YES)、ステップSi1928に進む。
ステップSi1928では、客待ちコマンドを設定する。客待ちコマンドは、図柄の変動(遊技回)が終了した時点において保留情報記憶エリア64bに保留情報が1つも記憶されていないことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この設定された客待ちコマンドは、通常処理(図464)におけるステップSi1928において、音声発光制御装置90に送信される。ステップSi1928を実行した後、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップSi1927において、合計保留個数CRNが「0」ではないと判定した場合には(Si1927:NO)、そのまま本遊技回制御処理を終了する。また、ステップSi1923において、エンディング時間として設定した第4タイマカウンタエリアT4の値が「0」ではないと判定した場合には(Si1923:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図478:Si1916)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図479は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップSi2001では、開閉扉36bは開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップSi2001において、開閉扉36bは開放中ではないと判定した場合には(Si2001:NO)、ステップSi2002に進む。
ステップSi2002では、開閉扉36bの開放条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、開閉扉36bの開放のタイミングであるか否かを判定する。ステップSi2002において、開閉扉36bの開放条件が成立したと判定した場合には(Si2002:YES)、ステップSi2003に進む。
ステップSi2003では、開閉扉36bを開放する。その後、ステップSi2004に進む。
ステップSi2004では、開閉扉開放コマンドを設定する。開閉扉開放コマンドは、開閉扉36bが開放したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。開閉扉開放コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図464:ステップSi0503)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSi2004を実行した後、大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSi2002において、開閉扉36bの開放条件が成立していないと判定した場合には(Si2002:NO)、ステップSi2003およびステップSi2004を実行することなく、大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSi2001において、開閉扉36bは開放中であると判定した場合には(Si2001:YES)、ステップSi2005に進む。
ステップSi2005では、開閉扉36bの閉鎖条件が成立したか否かを判定する。具体的には、開閉シナリオ設定処理によって設定された開閉シナリオを読み込み、開閉扉36bの閉鎖のタイミングであるか否かを判定する。ステップSi2005において、開閉扉36bの閉鎖条件が成立したと判定した場合には(Si2005:YES)、ステップSi2006に進む。
ステップSi2006では、開閉扉36bを閉鎖する。その後、ステップSi2007に進む。
ステップSi2007では、開閉扉閉鎖コマンドを設定する。開閉扉閉鎖コマンドは、開閉扉36bが閉鎖したことをサブ側の制御装置に認識させるためのコマンドである。開閉扉閉鎖コマンドは、通常処理のコマンド出力処理(図464:ステップSi0503)において音声発光制御装置90に送信される。ステップSi2007を実行した後、大入賞口開閉処理を終了する。
ステップSi2005において、開閉扉36bの閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(Si2005:NO)、ステップSi2006およびステップSi2007を実行することなく、大入賞口開閉処理を終了する。
<エンディング期間終了時の移行処理>
次に、エンディング期間終了時の移行処理について説明する。エンディング期間終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図478:Si1925)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図480は、エンディング期間終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップSi2101では、大当たりフラグにおいて確変大当たりに対応するフラグがONにされているか否かを判定する。すなわち、RAM64の16R確変大当たりフラグ又は8R確変大当たりフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSi2101において、RAM64の16R確変大当たりフラグ又は8R確変大当たりフラグがONであると判定した場合には(Si2101:YES)、ステップSi2102に進み、RAM64の16R確変大当たりフラグおよび8R確変大当たりフラグのうちのONとなっているフラグをOFFする。ステップSi2102を実行した後、ステップSi2103に進む。
ステップSi2103では、高確率モードフラグをONにし、その後、ステップSi2104に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、抽選モードが高確率モードであり、且つ、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。その後、ステップSi2105に進む。
ステップSi2105では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた保証遊技回数カウンタPNCに100をセットする。保証遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。その後、ステップSi2106に進む。
ステップSi2106では、抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップSi2111に進む。
一方、ステップSi2101において、RAM64の16R確変大当たりフラグおよび8R確変大当たりフラグがONでないと判定した場合には(Si2101:NO)、ステップSi2107に進み、RAM64の16R通常大当たりフラグおよび8R通常大当たりフラグのうちのONとなっているフラグをOFFする。その後、ステップSi2108に進む。
ステップSi2108では、高頻度サポートモードフラグをONにした後、ステップSi2109に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた保証遊技回数カウンタPNCに100をセットする。その後、ステップSi2110に進む。
ステップSi2110では、抽選モードが低確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップSi2111に進む。
ステップSi2111では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、エンディング期間終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図464:Si0508)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図481は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップSi2201では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップSi2201において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(Si2201:NO)、ステップSi2202に進む。
ステップSi2202では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップSi2202において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(Si2202:NO)、ステップSi2203に進む。
ステップSi2203では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップSi2203において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Si2203:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Si2203:YES)、ステップSi2204に進む。
ステップSi2204では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップSi2204において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(Si2204:YES)、ステップSi2205に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップSi2204において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(Si2204:NO)、ステップSi2206に進む。
ステップSi2206では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップSi2206において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(Si2206:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSi2206において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(Si2206:YES)、ステップSi2207に進む。
ステップSi2207では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップSi2208に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップSi2207において開閉実行モードではなく(Si2207:NO)、且つ、ステップSi2208において高頻度サポートモードである場合には(Si2208:YES)、ステップSi2209に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC5の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップSi2210に進む。
ステップSi2210では、ステップSi2209の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSi2210において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(Si2210:YES)、ステップSi2211に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、電役サポート用処理を終了する。
一方、ステップSi2210において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(Si2210:NO)、ステップSi2211の処理を実行することなく、電役サポート用処理を終了する。
ステップSi2207において開閉実行モードであると判定した場合(Si2207:YES)、又は、ステップSi2208において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(Si2208:NO)、ステップSi2212に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC5の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップSi2213に進む。
ステップSi2213では、ステップSi2212の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップSi2213において、サポート当選でないと判定した場合には(Si2213:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSi2213において、サポート当選であると判定した場合には(Si2213:YES)、ステップSi2214に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSi2202において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(Si2202:YES)、ステップSi2215に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSi2215において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Si2215:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップSi2215において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Si2215:YES)、ステップSi2216に進む。
ステップSi2216では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップSi2217に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップSi2201において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(Si2201:YES)、ステップSi2218に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図481:Si2218)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図482は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップSi2301では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(Si2301:YES)、ステップSi2302に進む。
ステップSi2302では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSi2302において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(Si2302:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップSi2302において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(Si2302:YES)、ステップSi2303に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップSi2303を実行した後、ステップSi2304に進む。
ステップSi2304では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップSi2305に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップSi2305において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(Si2305:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップSi2305において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(Si2305:YES)、ステップSi2306に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップSi2301において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(Si2301:NO)、ステップSi2307に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップSi2307において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(Si2307:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップSi2307において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(Si2307:YES)、ステップSi2308に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップSi2309に進む。
ステップSi2309では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(Si2309:NO)、ステップSi2310に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップSi2310において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(Si2310:YES)、ステップSi2311に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップSi2309において開閉実行モードであると判定した場合(Si2309:YES)、又は、ステップSi2310において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(Si2310:NO)、ステップSi2312に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
《I6》音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図483は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSi2401では、コマンド記憶処理を実行する。コマンド記憶処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に記憶するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの記憶及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次記憶されるとともに、記憶された順序に従って順次読み出される。ステップSi2401を実行した後、ステップSi2402に進む。
ステップSi2402では、遊技回演出用処理を実行する。遊技回演出用処理では、図柄の変動が開始してから停止するまでの遊技回において実行する演出に関する処理を行なう。遊技回演出用処理の詳細については後述する。ステップSi2402を実行した後、ステップSi2403に進む。
ステップSi2403では、開閉実行モード演出用処理を実行する。開閉実行モード演出用処理では、オープニング期間における演出や、大入賞口開閉処理期間における演出、エンディング期間における演出に関する処理を行なう。ステップSi2403を実行した後、ステップSi2404に進む。
ステップSi2404では、その他の処理を実行する。その他の処理は、遊技状態を示す動画を図柄表示装置41に表示させる処理や、デモ動画を図柄表示装置41に表示させる処理等である。具体的には、遊技状態を示す動画として、主側MPU62から受信した遊技状態コマンドに含まれる遊技状態判定値PNに応じて定まる背景動画を図柄表示装置41に表示させる。例えば、高頻度サポートモードの継続中であることを示す背景動画や、高頻度サポートモードを終了したことを示す背景動画、高確率モードの継続中であることを示す背景動画を表示させる。ステップSi2404を実行した後、ステップSi2405に進む。
ステップSi2405では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記の各演出用処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップSi2405を実行した後、ステップSi2406に進む。
ステップSi2406では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記のBGM用処理及び各演出用処理において読み出された音声データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップSi2406を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<遊技回演出用処理>
次に、遊技回演出用処理について説明する。遊技回演出用処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図483:Si2402)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図484は、遊技回演出用処理を示すフローチャートである。ステップSi2501では、遊技回演出設定処理を実行する。遊技回演出設定処理は、主側MPU62から変動用コマンド及び種別コマンドを受信した場合に実行される処理であり、遊技回が開始される際に、当該遊技回において実行する演出を設定する処理である。遊技回演出設定処理の詳細については後述する。ステップSi2501を実行した後、ステップSi2502に進む。
ステップSi2502では、遊技回演出実行用処理を実行する。遊技回演出実行用処理は、上記の遊技回演出設定処理において遊技回演出(予告演出及びリーチ演出)を実行するように設定された場合に実行される処理である。遊技回演出実行用処理の詳細については後述する。ステップSi2502を実行した後、本遊技回演出用処理を終了する。
<遊技回演出設定処理>
次に、遊技回演出設定処理について説明する。遊技回演出設定処理は、遊技回演出用処理のサブルーチン(図484:Si2501)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図485は、遊技回演出設定処理を示すフローチャートである。ステップSi2601では、変動用コマンド及び種別コマンドを受信したか否かを判定する。ステップSi2601において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していないと判定した場合には(Si2601:NO)、本遊技回演出設定処理を終了する。一方、ステップSi2601において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していると判定した場合には(Si2601:YES)、ステップSi2602に進む。
ステップSi2602では、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たりの有無、大当たりの種別、リーチ発生の有無、変動時間、および遊技状態判定値PNの情報を読み出す。そして、読み出した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップSi2603に進む。
ステップSi2603では、演出パターン設定処理を実行する。演出パターン設定処理は、今回の遊技回において実行する演出のパターン(予告演出、リーチ演出の内容や実行のタイミング)を演出パターンテーブルに基づいて決定し、設定する処理である。演出パターン設定処理の詳細については後述する。ステップSi2603を実行した後、ステップSi2604に進む。
ステップSi2604では、停止図柄の設定処理を実行する。停止図柄の設定処理では、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、又は、8R通常大当たりである場合には、図柄表示装置41の有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R確変大当たり又は8R確変大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の奇数図柄の組合せが選択され得るとともに、同一の偶数図柄の組合せが選択され得る。本実施形態のパチンコ機10では、この選択率は、同一の奇数図柄の組合せと、同一の偶数図柄の組合せとで同一となっているが、これに代えて、前者の方が後者よりも選択率が高い構成としてもよく、後者の方が前者よりも選択率が高い構成としてもよい。また、「7」図柄の組合せは、16R確変大当たりの場合にのみ選択される。また、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R通常大当たり又は8R通常大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の偶数図柄の組合せが選択される。
今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。ステップSi2604を実行した後、ステップSi2605に進む。
ステップSi2605では、今回の遊技回の変動表示パターンを設定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップSi2604において設定した停止図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。なお、変動表示パターンを選択する際には、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。その後、ステップSi2606に進む。
ステップSi2606では、今回の遊技回において設定された演出パターン、停止図柄、変動表示パターンの情報を演出コマンドに設定する。その後、ステップSi2607に進み、当該演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した演出コマンドに対応した演出内容を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップSi2607を実行した後、ステップSi2608に進み、変動開始時の更新処理を実行する。変動開始時の更新処理は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1または第2保留表示領域Ds2における保留表示を更新するための処理である。ステップSi2608を実行した後、本遊技回演出設定処理を終了する。
<演出パターン設定処理>
次に、演出パターン設定処理について説明する。演出パターン設定処理は、遊技回演出設定処理のサブルーチン(図485:Si2603)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図486は、演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSi2701では、遊技回演出設定処理(図485)のステップSi2602によって音光側MPU92のレジスタに記憶された遊技状態判定値PNが「00H」であるか否かを判定する。ステップSi2701において、遊技状態判定値PNが「00H」であると判定した場合には(Si2701:YES)、ステップSi2702に進み、低確率低頻度状態用の演出パターン設定処理を実行する。低確率低頻度状態用の演出パターン設定処理とは、遊技状態が低確率低頻度状態である場合の演出パターン設定処理である。低確率低頻度状態用の演出パターン設定処理については後述する。ステップSi2702を実行した後、本変動時間設定処理を終了する。
ステップSi2701において、遊技状態判定値PNが「00H」でないと判定した場合(Si2701:NO)には、ステップSi2703に進む。
ステップSi2703では、遊技回演出設定処理(図485)のステップSi2602によって音光側MPU92のレジスタに記憶された遊技状態判定値PNが「01H」であるか否かを判定する。ステップSi2703において、遊技状態判定値PNが「01H」であると判定した場合には(Si2703:YES)、ステップSi2704に進み、低確率高頻度状態用の演出パターン設定処理を実行する。低確率高頻度状態用の演出パターン設定処理とは、遊技状態が低確率高頻度状態である場合の演出パターン設定処理である。低確率高頻度状態用の演出パターン設定処理については後述する。ステップSi2704を実行した後、本演出パターン設定処理を終了する。
ステップSi2703において、遊技状態判定値PNが「01H」でないと判定した場合(Si2703:NO)には、ステップSi2705に進む。
ステップSi2705では、遊技回演出設定処理(図485)のステップSi2602によって音光側MPU92のレジスタに記憶された遊技状態判定値PNが「03H」であるか否かを判定する。ステップSi2705において、遊技状態判定値PNが「03H」であると判定した場合には(Si2705:YES)、ステップSi2706に進み、高確率高頻度状態用の演出パターン設定処理を実行する。高確率高頻度状態用の演出パターン設定処理とは、遊技状態が高確率高頻度状態である場合の演出パターン設定処理である。高確率高頻度状態用の演出パターン設定処理については後述する。ステップSi2706を実行した後、本演出パターン設定処理を終了する。
ステップSi2705において、遊技状態判定値PNが「03H」でないと判定した場合(Si2705:NO)には、ステップSi2707に進む。
ステップSi2707では、遊技回演出設定処理(図485)のステップSi2602によって音光側MPU92のレジスタに記憶された遊技状態判定値PNが「11H」であるか否かを判定する。ステップSi2707において、遊技状態判定値PNが「11H」であると判定した場合には(Si2707:YES)、ステップSi2708に進み、転落低確率高頻度状態用の演出パターン設定処理を実行する。転落低確率高頻度状態用の演出パターン設定処理とは、遊技状態が転落低確率高頻度状態である場合の演出パターン設定処理である。転落低確率高頻度状態用の演出パターン設定処理については後述する。ステップSi2708を実行した後、本演出パターン設定処理を終了する。
ステップSi2707において、遊技状態判定値PNが「11H」でないと判定した場合(Si2707:NO)には、ステップSi2709に進む。
ステップSi2709では、転落低確率低頻度状態用の演出パターン設定処理を実行する。転落低確率低頻度状態用の演出パターン設定処理とは、遊技状態が転落低確率低頻度状態である場合の演出パターン設定処理である。転落低確率低頻度状態用の演出パターン設定処理については後述する。ステップSi2709を実行した後、本演出パターン設定処理を終了する。
<低確率低頻度状態用の演出パターン設定処理>
次に、低確率低頻度状態用の演出パターン設定処理について説明する。低確率低頻度状態用の演出パターン設定処理は、演出パターン設定処理のサブルーチン(図486:Si2702)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。低確率低頻度状態用の演出パターン設定処理は、パチンコ機10が通常状態にあるときに、大当たりに当選した場合と、リーチが発生した場合と、いずれの場合にも該当しない場合とに応じた演出パターンを設定するものである。以下、この演出パターン設定処理について詳述する。
図487は、低確率低頻度状態用の演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSi2801では、演出パターン用乱数取得処理を実行する。演出パターン用乱数取得処理では、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから、演出パターン用乱数RNを取得する。その後、ステップSi2802に進む。
ステップSi2802では、今回の遊技回における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、遊技回演出設定処理(図485)のステップSi2602によって音光側MPU92のレジスタに記憶された大当たりの有無の情報から、当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSi2802において、当否判定の結果が大当たり当選であると判定した場合には(Si2802:YES)、ステップSi2803に進む。
ステップSi2803では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図452)に記憶されている低確率低頻度状態用演出パターンテーブル群から、大当たり用の演出パターンテーブルを特定する。低確率低頻度状態用演出パターンテーブル群には、(I)低確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用演出パターンテーブル、(II)低確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブル、(III)低確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブル、が備えられている。ステップSi2803では、(I)〜(III)の中から(I)を特定する。(I)は、例えば、大当たり用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSi2803を実行した後、ステップSi2804に進む。
ステップSi2804では、ステップSi2803で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSi2602(図485)によって読み出した変動時間と、ステップSi2801によって得られた今回の演出パターン用乱数RNの値とに対応した演出パターンを取得する。続く、ステップSi2805では、ステップSi2804によって取得した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。ステップSi2805を実行した後、低確率低頻度状態用の演出パターン設定処理を終了する。
一方、ステップSi2802において、今回の遊技回における当否判定の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(Si2802:NO)、ステップSi2806に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。具体的には、遊技回演出設定処理(図485)のステップSi2602によって音光側MPU92のレジスタに記憶されたリーチ発生の有無の情報から、リーチが発生するか否かを判定する。ステップSi2806において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生であると判定した場合には(Si2806:YES)、ステップSi2807に進む。
ステップSi2807では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図452)に記憶されている低確率低頻度状態用演出パターンテーブル群から、リーチ発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(II)低確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブル、を特定する。(II)は、例えば、リーチ用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSi2807を実行した後、先に説明したステップSi2804に進み、ステップSi2807で特定した演出パターンテーブルを参照して、今回の演出パターン用乱数RNの値に対応した演出パターンを取得する。
ステップSi2806において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生ではないと判定した場合には(Si2806:NO)、ステップSi2808に進む。
ステップSi2808では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図452)に記憶されている低確率低頻度状態用演出パターンテーブル群から、リーチ非発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(III)低確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブル、を特定する。(III)は、例えば、外れ用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSi2808を実行した後、先に説明したステップSi2804に進み、ステップSi2808で特定した演出パターンテーブルを参照して、今回の演出パターン用乱数RNの値に対応した演出パターンを取得する。
<低確率高頻度状態用の演出パターン設定処理>
次に、低確率高頻度状態用の演出パターン設定処理について説明する。低確率高頻度状態用の演出パターン設定処理は、演出パターン設定処理のサブルーチン(図486:Si2704)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。低確率高頻度状態用の演出パターン設定処理は、パチンコ機10がいわゆる時短状態にあるときに、大当たりに当選した場合と、リーチが発生した場合と、いずれの場合にも該当しない場合とに応じた演出パターンを設定するものである。以下、この演出パターン設定処理について詳述する。
図488は、低確率高頻度状態用の演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSi2901では、演出パターン用乱数取得処理を実行する。演出パターン用乱数取得処理では、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから、演出パターン用乱数RNを取得する。その後、ステップSi2902に進む。
ステップSi2902では、今回の遊技回における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、遊技回演出設定処理(図485)のステップSi2602によって音光側MPU92のレジスタに記憶された大当たりの有無の情報から、当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSi2902において、当否判定の結果が大当たり当選であると判定した場合には(Si2902:YES)、ステップSi2903に進む。
ステップSi2903では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図452)に記憶されている低確率高頻度状態用演出パターンテーブル群から、大当たり用の演出パターンテーブルを特定する。低確率高頻度状態用演出パターンテーブル群には、(IV)低確率高頻度状態で、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用演出パターンテーブル、(V)低確率高頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブル、(VI)低確率高頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブル、が備えられている。ステップSi2903では、(IV)〜(VI)の中から(IV)を特定する。(IV)は、例えば、大当たり用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSi2903を実行した後、ステップSi2904に進む。
ステップSi2904では、ステップSi2903で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSi2602(図485)によって読み出した変動時間と、ステップSi2901によって得られた今回の演出パターン用乱数RNの値とに対応した演出パターンを取得する。続く、ステップSi2905では、ステップSi2904によって取得した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。ステップSi2905を実行した後、低確率高頻度状態用の演出パターン設定処理を終了する。
一方、ステップSi2902において、今回の遊技回における当否判定の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(Si2902:NO)、ステップSi2906に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。具体的には、遊技回演出設定処理(図485)のステップSi2602によって音光側MPU92のレジスタに記憶されたリーチ発生の有無の情報から、リーチが発生するか否かを判定する。ステップSi2906において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生であると判定した場合には(Si2906:YES)、ステップSi2907に進む。
ステップSi2907では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図452)に記憶されている低確率高頻度状態用演出パターンテーブル群から、リーチ発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(V)低確率高頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブル、を特定する。(V)は、例えば、リーチ用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSi2907を実行した後、先に説明したステップSi2904に進み、ステップSi2907で特定した演出パターンテーブルを参照して、今回の演出パターン用乱数RNの値に対応した演出パターンを取得する。
ステップSi2906において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生ではないと判定した場合には(Si2906:NO)、ステップSi2908に進む。
ステップSi2908では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図452)に記憶されている低確率高頻度状態用演出パターンテーブル群から、リーチ非発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(VI)低確率高頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブル、を特定する。(VI)は、例えば、外れ用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSi2908を実行した後、先に説明したステップSi2904に進み、ステップSi2908で特定した演出パターンテーブルを参照して、今回の演出パターン用乱数RNの値に対応した演出パターンを取得する。
<高確率高頻度状態用の演出パターン設定処理>
次に、高確率高頻度状態用の演出パターン設定処理について説明する。高確率高頻度状態用の演出パターン設定処理は、演出パターン設定処理のサブルーチン(図486:Si2706)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。高確率高頻度状態用の演出パターン設定処理は、パチンコ機10がいわゆる確変状態にあるときに、大当たりに当選した場合と、リーチが発生した場合と、いずれの場合にも該当しない場合とに応じた演出パターンを設定するものである。なお、当たり抽選によって確変大当たりに当選し、開閉実行モードの終了後に、遊技球状態判定値PNが高確率高頻度状態を示す「03H」となり、その後、保証遊技回数に達した以後の遊技回において、大当たりに当選した場合に、サポートモード擬似化処理を行ったことによって、遊技球状態判定値PNが高確率低頻度状態を示す「02H」となり、その後、遊技球状態判定値PNを「02H」から「03H」に書き換える処理を実行したときにも、この演出パターン設定処理が実行される。以下、この演出パターン設定処理について詳述する。
図489は、高確率高頻度状態用の演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSi3001では、演出パターン用乱数取得処理を実行する。演出パターン用乱数取得処理では、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから、演出パターン用乱数RNを取得する。その後、ステップSi3002に進む。
ステップSi3002では、今回の遊技回における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、遊技回演出設定処理(図485)のステップSi2602によって音光側MPU92のレジスタに記憶された大当たりの有無の情報から、当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSi3002において、当否判定の結果が大当たり当選であると判定した場合には(Si3002:YES)、ステップSi3003に進む。
ステップSi3003では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図452)に記憶されている高確率高頻度状態用演出パターンテーブル群から、大当たり用の演出パターンテーブルを特定する。高確率高頻度状態用演出パターンテーブル群には、(VII)高確率高頻度状態で、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用演出パターンテーブル、(VIII)高確率高頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブル、(IX)高確率高頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブル、が備えられている。ステップSi3003では、(VII)〜(IX)の中から(VII)を特定する。(VII)は、例えば、バトル演出と、バトル演出の後に実行される勝利演出とによって構成されるバトル・勝利演出を行うための演出パターンである。図489のステップSi3003では、「バトル・勝利演出用の演出パターンテーブル」と記した。ステップSi3003を実行した後、ステップSi3004に進む。
ステップSi3004では、ステップSi3003で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSi2602(図485)によって読み出した変動時間と、ステップSi3001によって得られた今回の演出パターン用乱数RNの値とに対応した演出パターンを取得する。続く、ステップSi3005では、ステップSi3004によって取得した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。ステップSi3005を実行した後、高確率高頻度状態用の演出パターン設定処理を終了する。
一方、ステップSi3002において、今回の遊技回における当否判定の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(Si3002:NO)、ステップSi3006に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。具体的には、遊技回演出設定処理(図485)のステップSi2602によって音光側MPU92のレジスタに記憶されたリーチ発生の有無の情報から、リーチが発生するか否かを判定する。ステップSi3006において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生であると判定した場合には(Si3006:YES)、ステップSi3007に進む。
ステップSi3007では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図452)に記憶されている高確率高頻度状態用演出パターンテーブル群から、リーチ発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(VIII)高確率高頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブル、を特定する。(VIII)は、例えば、バトル演出と、バトル演出の後に実行される引き分け演出とによって構成されるバトル・引き分け演出を行うための演出パターンテーブルである。図489のステップSi3007では、「バトル・引き分け演出用の演出パターンテーブル」と記した。ステップSi3007を実行した後、先に説明したステップSi3004に進み、ステップSi3007で特定した演出パターンテーブルを参照して、今回の演出パターン用乱数RNの値に対応した演出パターンを取得する。
ステップSi3006において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生ではないと判定した場合には(Si3006:NO)、ステップSi3008に進む。
ステップSi3008では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図452)に記憶されている高確率高頻度状態用演出パターンテーブル群から、リーチ非発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(IX)高確率高頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブル、を特定する。(IX)は、例えば、外れ用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。図489のステップSi3008では、「外れ演出用の演出パターンテーブル」と記した。ステップSi3008を実行した後、先に説明したステップSi3004に進み、ステップSi3008で特定した演出パターンテーブルを参照して、今回の演出パターン用乱数RNの値に対応した演出パターンを取得する。
<転落低確率高頻度状態用の演出パターン設定処理>
次に、転落低確率高頻度状態用の演出パターン設定処理について説明する。転落低確率高頻度状態用の演出パターン設定処理は、演出パターン設定処理のサブルーチン(図486:Si2708)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。転落低確率高頻度状態用の演出パターン設定処理は、パチンコ機10がいわゆる転落時短状態にあるときに、大当たりに当選した場合と、大当たりに当選しない場合とに応じた演出パターンを設定するものである。以下、この演出パターン設定処理について詳述する。
図490は、転落低確率高頻度状態用の演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSi3101では、演出パターン用乱数取得処理を実行する。演出パターン用乱数取得処理では、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから、演出パターン用乱数RNを取得する。その後、ステップSi3102に進む。
ステップSi3102では、今回の遊技回における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、遊技回演出設定処理(図485)のステップSi2602によって音光側MPU92のレジスタに記憶された大当たりの有無の情報から、当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSi3102において、当否判定の結果が大当たり当選であると判定した場合には(Si3102:YES)、ステップSi3103に進む。
ステップSi3103では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図452)に記憶されている転落低確率高頻度状態用演出パターンテーブル群から、大当たり用の演出パターンテーブルを特定する。転落低確率高頻度状態用演出パターンテーブル群には、(X)転落低確率高頻度状態で、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用演出パターンテーブル、(XI)転落低確率高頻度状態で、当たり抽選において外れ結果となった時に用いられる演出パターンテーブル、が備えられている。ステップSi3103では、(X)および(XI)の中から(X)を特定する。(X)は、例えば、バトル演出と、バトル演出の後に実行される勝利演出とによって構成されるバトル・勝利演出を行うための演出パターンテーブルである。特に、本実施形態では、上述したバトル・勝利演出は、転落当選していたことを示唆する演出を含んだものとなっている。なお、この構成に換えて、転落当選していたことを示唆する演出を含まないバトル・勝利演出としてもよい。図490のステップSi3103では、「バトル・勝利(転落示唆)演出用の演出パターン」と記した。ステップSi3103を実行した後、ステップSi3104に進む。
ステップSi3104では、ステップSi3103で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSi2602(図485)によって読み出した変動時間と、ステップSi3101によって得られた今回の演出パターン用乱数RNの値とに対応した演出パターンを取得する。続く、ステップSi3105では、ステップSi3104によって取得した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。ステップSi3105を実行した後、転落低確率高頻度状態用の演出パターン設定処理を終了する。
一方、ステップSi3102において、今回の遊技回における当否判定の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(Si3102:NO)、ステップSi3106に進む。
ステップSi3106では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図452)に記憶されている転落低確率高頻度状態用演出パターンテーブル群から、上述した(XI)転落低確率高頻度状態で、当たり抽選において外れ結果となった時に用いられる演出パターンテーブル、を特定する。(XI)は、例えば、バトル演出と、バトル演出の後に実行される敗北演出とによって構成されるバトル・敗北演出を行うための演出パターンテーブルである。図490のステップSi3106では、「バトル・敗北演出用の演出パターンテーブル」と記した。ステップSi3106を実行した後、先に説明したステップSi3104に進み、ステップSi3106で特定した演出パターンテーブルを参照して、今回の演出パターン用乱数RNの値に対応した演出パターンを取得する。
<転落低確率低頻度状態用の演出パターン設定処理>
次に、転落低確率低頻度状態用の演出パターン設定処理について説明する。転落低確率低頻度状態用の演出パターン設定処理は、演出パターン設定処理のサブルーチン(図486:Si2709)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。転落低確率低頻度状態用の演出パターン設定処理は、パチンコ機10がいわゆる転落通常状態にあるときに、大当たりに当選した場合と、大当たりに当選しない場合とに応じた演出パターンを設定するものである。以下、この演出パターン設定処理について詳述する。
図491は、転落低確率低頻度状態用の演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSi3201では、演出パターン用乱数取得処理を実行する。演出パターン用乱数取得処理では、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから、演出パターン用乱数RNを取得する。その後、ステップSi3202に進む。
ステップSi3202では、今回の遊技回における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、遊技回演出設定処理(図485)のステップSi2602によって音光側MPU92のレジスタに記憶された大当たりの有無の情報から、当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSi3202において、当否判定の結果が大当たり当選であると判定した場合には(Si3202:YES)、ステップSi3203に進む。
ステップSi3203では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図452)に記憶されている転落低確率低頻度状態用演出パターンテーブル群から、大当たり用の演出パターンテーブルを特定する。転落低確率低頻度状態用演出パターンテーブル群には、(XII)転落低確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用演出パターンテーブル、(XIII)転落低確率低頻度状態で、当たり抽選において外れ結果となった時に用いられる演出パターンテーブル、が備えられている。ステップSi3203では、(XII)および(XIII)の中から(XII)を特定する。(XII)は、例えば、バトル演出と、バトル演出の後に実行される勝利演出とによって構成されるバトル・勝利演出を行うための演出パターンテーブルである。特に、本実施形態では、上述したバトル・勝利演出は、転落当選したことを示唆する演出を含んだものとなっている。なお、この構成に換えて、転落当選したことを示唆する演出を含まないバトル・勝利演出としてもよい。図490のステップSi3203では、「バトル・勝利(転落示唆)演出用の演出パターン」と記した。ステップSi3203を実行した後、ステップSi3204に進む。
ステップSi3204では、ステップSi3203で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSi2602(図485)によって読み出した変動時間と、ステップSi3201によって得られた今回の演出パターン用乱数RNの値とに対応した演出パターンを取得する。続く、ステップSi3205では、ステップSi3204によって取得した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。ステップSi3205を実行した後、転落低確率低頻度状態用の演出パターン設定処理を終了する。
一方、ステップSi3202において、今回の遊技回における当否判定の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(Si3202:NO)、ステップSi3206に進む。
ステップSi3206では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図452)に記憶されている転落低確率低頻度状態用演出パターンテーブル群から、上述した(XIII)転落低確率低頻度状態で、当たり抽選において外れ結果となった時に用いられる演出パターンテーブル、を特定する。(XIII)は、例えば、バトル演出と、バトル演出の後に実行される敗北演出とによって構成されるバトル・敗北演出を行うための演出パターンテーブルである。図490のステップSi3206では、「バトル・敗北演出用の演出パターンテーブル」と記した。ステップSi3206を実行した後、先に説明したステップSi3204に進み、ステップSi3206で特定した演出パターンテーブルを参照して、今回の演出パターン用乱数RNの値に対応した演出パターンを取得する。
<遊技回演出実行用処理>
次に、遊技回演出実行用処理について説明する。遊技回演出実行用処理は、遊技回演出用処理のサブルーチン(図484:Si2502)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図492は、遊技回演出実行用処理を示すフローチャートである。ステップSi3301では、上述した遊技回演出設定処理(図485)において設定された演出パターンが存在するか否かを判定する。ステップSi3301において、設定された演出パターンが存在しないと判定した場合には(Si3301:NO)、そのまま本遊技回演出実行用処理を終了する。一方、ステップSi3301において、設定された演出パターンが存在すると判定した場合には(Si3301:YES)、ステップSi3302に進む。
ステップSi3302では、設定された演出パターンを参照し、その後、ステップSi3303に進み、遊技回演出の開始タイミングであるか否かを判定する。ここで言う遊技回演出は、演出パターン設定処理(図486)で設定された各種の演出パターンに基づく演出である。これら演出パターンには、当該遊技回において実行する演出の内容やタイミングが記憶されている。
ステップSi3303において、遊技回演出の開始タイミングではないと判定した場合には(Si3303:NO)、そのまま本遊技回演出実行用処理を終了する。一方、ステップSi3303において、遊技回演出の開始タイミングであると判定した場合には(Si3303:YES)、ステップSi3304に進む。この遊技回演出の開始タイミングであると判定された時が、図459のタイミングチャートにおける時刻t5に該当する。
ステップSi3304では、演出パターンに設定された遊技回演出の内容に対応した動画表示開始コマンドを表示制御装置100に送信する。その後、ステップSi3305に進み、演出パターンに設定された遊技回演出の内容に対応した各種ランプ47の発光制御処理を開始する。その後、ステップSi3306に進み、演出パターンに設定された予告演出の内容に対応した音声データの再生を音出力LSI(図示せず)に開始させる。ステップSi3306を実行した後、本遊技回演出実行用処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図493は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップSi3401では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップSi3402に進む。
ステップSi3402では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図494は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップSi3501では、コマンド格納処理を実行する。コマンド格納処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド格納エリアに、その抽出したコマンドデータを格納する。コマンド格納処理によってコマンド格納エリアに格納された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図495は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド格納領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップSi3601では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図494)によってコマンド格納エリアに格納されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが格納されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが格納されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(Si3601)では、その時点でコマンド格納エリアに格納されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド格納エリアに格納されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド格納エリアに格納されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や停止図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップSi3602では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(Si3601)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップSi3603に進む。
ステップSi3603では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(Si3602)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップSi3604に進む。
ステップSi3604では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(Si3603)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップSi3605に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。以上、パチンコ機10において大当たり演出を含めた様々な処理を実行するための具体的な制御の一例を説明した。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、当たり抽選によって確変大当たりに当選し、開閉実行モードの終了後に、抽選モードが高確率モードに、サポートモードが高頻度サポートモードに移行し、その後、高頻度サポートモードが開始されてから遊技回数が保証遊技回数に達した以後の遊技回において、当たり抽選において大当たりに当選した場合に、サポートモード擬似化処理によって、その遊技回の開始時に、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行させられる。一方、保証遊技回数に達した以後の遊技回において、転落抽選に当選した場合にも、その遊技回の開始時に、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行させられる。このため、当たり抽選において大当たりに当選した遊技回か、転落抽選に当選した遊技回かを、高頻度サポートモード時に動作しうる電動役物34aの開閉状態から、遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、本パチンコ機10によれば、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10によれば、サポートモード擬似化処理によって、当たり抽選において大当たりに当選した遊技回の開始時に、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行させられた場合に、高確率モードとなっているにもかかわらず低頻度サポートモードの状態となる。この状態は、遊技状態として潜伏確変状態を搭載した機種のパチンコ機における潜伏確変状態(遊技状態判定値PN=「02H」)に相当する。これに対して、本パチンコ機10では、遊技状態として潜伏確変状態が搭載されていないため、遊技状態判定値PNが「02H」である時に用いる潜伏確変状態用変動時間テーブル群が、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63h(図446)に用意されていない(遊技状態判定値PNが「02H」である時用の変動時間テーブルを用意することは無駄なため)。したがって、本パチンコ機10では、高確率低頻度状態である場合には変動時間の設定が不可能である仕様となっている。このため、本パチンコ機10では、遊技状態判定値PNを演算した後に、演算結果が「02H」となった場合に遊技状態判定値PNを「03H」に書き換える処理を実行することによって、高確率低頻度状態である時には確変状態(遊技状態判定値PN=「03H」)であるものとみなして変動時間の設定を可能とした。したがって、本パチンコ機10によれば、変動時間の設定は正常に行われ、処理が中断または停止してしまうことがないことから、パチンコ機10の動作について高い信頼性を確保することができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、高確率モードフラグ、高頻度サポートモードフラグ、および転落フラグの各値を特定可能な遊技状態判定値PNを演算し、その遊技状態判定値PNに基づいて変動時間の設定を行っていることから、高確率モードフラグ、高頻度サポートモードフラグ、および転落フラグの各値を参照せずに、遊技状態判定値PNを参照すれば変動時間の設定を行うことができる。このために、変動時間を設定する制御を簡易化することができる。
《I7》第9実施形態の変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、以下で説明する変形例では、上記の実施形態と同一の構成、処理及び効果については、説明を省略する。
《I7−1》変形例1:
<変形例1における処理の概要>
変形例1におけるパチンコ機による処理の手順を、第9実施形態との相違点を示しながら先に説明する。なお、変形例1におけるパチンコ機のハードウェア構成は、第9実施形態のパチンコ機10と同一であることから、第9実施形態と同じ部品については同一の名称と符号を用いて、処理の手順の説明を行う。
上記第9実施形態では、遊技状態判定値を演算した後に、演算結果が「02H」となった場合に遊技状態判定値を「03H」に書き換える処理を実行する構成とした。これに対して変形例1として、上記の遊技状態判定値を書き換える処理を実行することなしに、サポートモード擬似化処理の前に遊技状態判定値の算出を行う構成とした。
図496は、変形例1のパチンコ機において、保証遊技回数に達した以後の遊技回における処理の手順を説明するタイミングチャートである。図示するように、変形例1のパチンコ機では、当たり抽選によって確変大当たりに当選し、抽選モードが高確率モードに、サポートモードが高頻度サポートモードに移行し、その後、高頻度サポートモードが開始されてから120回目に実行される遊技回において、時刻t11で当たり抽選において大当たり当選した場合、時刻t11の直後の時刻t12でもって、遊技状態判定値を算出する。時刻t12では、高確率モードフラグがON(=「02H」)であり、高頻度サポートモードフラグがON(=「01H」)であり、転落フラグがOFF(=「00H」)であることから、遊技状態判定値の算出結果は「03H」となる。
時刻t12に続く時刻t13では、変動時間を設定する処理を行う。この変動時間の設定は、時刻t12で算出された遊技状態判定値である「03H」に基づいて行われる。具体的には、MPU62は、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63h(図446)から、遊技状態判定値が「03H」である場合に対応した高確率高頻度状態用変動時間テーブル群を読み出し、この高確率高頻度状態用変動時間テーブルを用いて変動時間の設定を行う。この変動時間テーブル群の読み出しは正常に行われ、処理が中断または停止してしまうことはない。
時刻t13に続く時刻t14では、サポートモード擬似化処理が実行され、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。
時刻t14に続く時刻t15では、時刻t13で設定された変動時間に基づく、図柄の変動表示が開始される。すなわち、サポートモード擬似化処理は、変動時間設定の後に実行され、かつ、変動表示開始の前に実行される。
なお、図496は、あくまでも処理の手順を説明するためのものであり、遊技状態判定値を算出した時刻t12から変動表示開始される時刻t15までは、実際は瞬時に進む。このため、図457を用いて説明したように、遊技回の開始時に、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行すると言うことができる。
次に、変形例1のパチンコ機において上述した処理を実行するための具体的な制御の一例を説明する。その具体的な制御は、第9実施形態における具体的な制御と比較して、主制御装置60のMPU62によって実行される後述する図497〜図499で示す処理が相違するだけで、主制御装置60のMPU62によって実行されるその他の処理、音声発光制御装置90において実行される各種処理、表示制御装置100において実行される各種処理は同一である。
<変動開始処理>
図497は、変形例1における変動開始処理を示すフローチャートである。この変動開始処理において、ステップSi3701〜Si3708は第9実施形態の変動開始処理(図466)のステップSi0701〜Si0708と同一であり、ステップSi3713〜Si3714は第9実施形態の変動開始処理(図466)のステップSi0709〜Si0710と同一である。変形例1における変動開始処理において、第9実施形態の変動開始処理と相違するのは、ステップSi3708とステップSi3713との間に、ステップSi3709〜Si3712が追加されている点だけである。
ステップSi3709では、今回の遊技回に係る当たり抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、16R通常大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグの内のいずれかがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には大当たり当選であるとして(Si3709:YES)、ステップSi3710に進む。
ステップSi3710では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gの高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。
ステップSi3710において、高頻度サポートモードであると判定した場合には(Si3710:YES)、ステップSi3711に進み、高頻度サポートモードで継続して実行される遊技回の回数が保証遊技回数(例えば100回)に達する前(=保証遊技回数内)であるか否かを判定する。具体的には、保証遊技回数カウンタPNCの値が0を上回るか否かを判定する。ステップSi3711において、保証遊技回数カウンタPNCの値が0を上回っていないと判定した場合(ステップSi3711:NO)、すなわち、保証遊技回数内でないと判定した場合には、ステップSi3712に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFする。この高頻度サポートモードフラグをOFFする処理がサポートモード擬似化処理に相当する。この高頻度サポートモードフラグがOFFとなった時が、図496のタイミングチャートにおける時刻t14に該当する。ステップSi3712を実行した後、ステップSi3713に進む。
ステップSi3709において当たり抽選の結果が大当たり当選でない(いずれのフラグもONでない)と判定した場合(Si3709:NO)、ステップSi3710において高頻度サポートモードフラグがONでないと判定した場合(Si3710:NO)、または、ステップSi3711において保証遊技回数内であると判定した場合(ステップSi3711:YES)には、ステップSi3712を実行することなく、ステップSi3713に進む。追加されたステップSi3709〜Si3712によれば、サポート擬似化処理が行われる。
<当たり判定処理>
図498は、変形例1における当たり判定処理を示すフローチャートである。この当たり判定処理において、ステップSi3801〜Si3804は第9実施形態の当たり判定処理(図469)のステップSi1001〜Si1004と同一であり、ステップSi3805〜Si3813は第9実施形態の当たり判定処理(図469)のステップSi1008〜Si1016と同一である。変形例1における当たり判定処理において、第9実施形態の当たり判定処理と相違するのは、第9実施形態の当たり判定処理におけるステップSi1005〜Si1007が削除されている点だけである。この削除されたステップSi1005〜Si1007は、サポート擬似化処理に該当する。
<遊技状態判定処理>
図499は、変形例1における遊技状態判定処理を示すフローチャートである。この遊技状態判定処理において、ステップSi3901は第9実施形態の遊技状態判定処理(図470)のステップSi1101と同一である。変形例1における遊技状態判定処理において、第9実施形態の遊技状態判定処理と相違するのは、第9実施形態の遊技状態判定処理におけるステップSi1102〜Si11103が削除されている点だけである。ステップSi3901によって遊技状態判定値PNが算出された時が、図496のタイミングチャートにおける時刻t12に該当する。
上記構成の遊技状態判定処理によれば、遊技状態判定値を「02H」から「03H」に書き換える処理が実行されることがない。その上で、上記構成の変動開始処理および当たり判定処理によれば、遊技状態判定値の算出を行う遊技状態判定処理の後にサポート擬似化処理が実行されることになる。
以上説明したように、変形例1のパチンコ機によれば、サポートモード擬似化処理によって、当たり抽選において大当たりに当選した遊技回の開始時に、サポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行させられるより前のタイミングで、遊技状態判定値PNが算出され、その算出された遊技状態判定値PNに基づいて変動時間が設定される。このため、第9実施形態のパチンコ機10と同様に、変動時間の設定は正常に行われ、処理が中断または停止してしまうことがないことから、パチンコ機10の動作について高い信頼性を確保することができる。
また、変形例1のパチンコ機によれば、第9実施形態のパチンコ機10と同様に、保証遊技回数に達した以後の遊技回において、当たり抽選において大当たりに当選した場合、転落抽選に当選した場合、のいずれでも、その遊技回の開始時に、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行させられる。このため、当たり抽選において大当たりに当選した遊技回か、転落抽選に当選した遊技回かを、電動役物34aの開閉状態から、遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、変形例1のパチンコ機によれば、第9実施形態のパチンコ機10と同様に、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。さらに、変形例1のパチンコ機によれば、第9実施形態のパチンコ機10と同様に、遊技状態判定値PNに基づいて変動時間の設定を行っていることから、高確率モードフラグ、高頻度サポートモードフラグ、および転落フラグの各値を参照せずに、遊技状態判定値PNを参照すれば変動時間の設定を行うことができる。このために、変動時間を設定する制御を簡易化することができる。
《I7−2》変形例2:
上記第9実施形態およびその変形例1では、状態情報である高頻度サポートモードフラグが特定可能な状態として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとを有するが、これに換えて、電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が3段階に分かれる3種類のサポートモード(例えば、低頻度サポートモードと中頻度サポートモードと高頻度サポートモード)を有する構成としてもよい。さらに、上記頻度がn段階(nは4以上の正の整数)に分かれるn種類のサポートモードを有する構成としても良い。
《I7−3》変形例3:
上記第9実施形態およびその変形例1では、判定手段が有する判定モード(抽選モード)として、低確率モードと高確率モードとを有するが、これに換えて、特別情報が所定の条件を満たす確率が3段階に分かれる3種類の確率モード(例えば、低確率モードと中確率モードと高確率モード)を有する構成としてもよい。さらに、特別情報が所定の条件を満たす確率がn段階(nは4以上の正の整数)に分かれるn種類の確率モードを有する構成としても良い。
《I7−4》変形例4:
上記第9実施形態およびその変形例1では、特別情報が所定の条件を満たす場合として、当たり抽選において大当たり当選する場合を例に説明をしたが、所定の条件は、当たり抽選において大当たり当選することに限定されない。例えば、特別情報が所定の条件を満たす場合として、取得したリーチ乱数カウンタC3のカウンタ値に基づいてリーチ演出を実行する条件が満たされた場合を採用してもよい。
《I7−5》変形例5:
上記第9実施形態およびその変形例1では、転落抽選を行い当選した場合に、当たり抽選の抽選モードを低確率モードに決定する構成としたが、これに換えて、転落抽選そのものを行わない構成としても良い。この構成によっても、例えば、ノイズ等の影響によって、潜伏確変状態となってしまった場合に変動時間の設定が不可能となり、処理が中断停止してしまうことを防止することができ、遊技機の動作について高い信頼性を確保することができるという効果を得ることができる。
《I7−6》変形例6:
上記第9実施形態では、遊技状態判定値PNの書き換えを行うことによって、サポートモード擬似化処理によって移行される前のサポートモードの状態を定める構成としたが、これに換えて、サポートモード擬似化処理によって移行される前のサポートモードの状態を別途記憶する構成とし、その記憶したサポートモードの状態を用いて改めて遊技状態判定値PNを算出する構成としても良い。この構成によっても、上記第9実施形態と同様に、変動時間の設定が不可能となり、処理が中断停止してしまうことを防止することができ、遊技機の動作について高い信頼性を確保することができるという効果を得ることができる。
《I7−7》変形例7:
上記第9実施形態およびその変形例1では、高確率モードフラグ、高頻度サポートモードフラグ、および転落フラグに基づいて遊技状態判定値PNを算出する構成としたが、これに換えて、転落フラグを用いずに高確率モードフラグと高頻度サポートモードフラグに基づいて遊技状態判定値PNを算出する構成としてもよい。また、高確率モードフラグを用いずに高頻度サポートモードフラグと転落フラグに基づいて遊技状態判定値PNを算出する構成としてもよい。
《I7−8》変形例8:
上記第9実施形態およびその変形例1では、遊技状態判定値PNに基づいて変動時間テーブル群を選択し、選択した変動時間テーブル群の範囲内で、当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)に基づいて変動時間テーブルを特定する構成としたが、これに換えて、当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)に基づいて変動時間テーブル群を選択し、選択した変動時間テーブル群の範囲内で、遊技状態判定値PNに基づいて変動時間テーブルを特定する構成としてもよい。この構成によっても、上記第9実施形態と同様に、変動時間の設定が不可能となり、処理が中断停止してしまうことを防止することができ、遊技機の動作について高い信頼性を確保することができるという効果を得ることができる。
《I7−9》変形例9:
上記第9実施形態およびその変形例1において、主制御装置60側では、遊技状態判定値PNに基づいて変動時間を設定し、音声発光制御装置90では、遊技状態判定値PNに基づいて演出パターンを設定する構成とした。これに対して、変形例として、遊技状態判定値に基づいて、上記以外の遊技機における特定の動作や表示等の態様、例えば図柄表示装置41に表示する背景動画を設定する構成としてもよい。
《I7−10》変形例10
上記第9実施形態およびその変形例1では、遊技状態判定値PNに基づいて変動時間を設定していたが、遊技状態判定値PNを算出しない構成であっても良い。具体的には、高確率モードフラグ、高頻度サポートモードフラグ、および転落フラグの各値に基づいて変動時間を設定するように構成しても良い。この構成によっても、上記第9実施形態と同様に、変動時間の設定が不可能となり、処理が中断停止してしまうことを防止することができ、遊技機の動作について高い信頼性を確保することができるという効果を得ることができる。
《I7−11》変形例11:
上記第9実施形態およびその変形例1では、結果告知演出として、勝利演出と敗北演出と引き分け演出とを行うが、これに換えて、結果告知演出として、勝利演出と敗北演出とだけを行う構成としても良い。この構成によれば、遊技者に勝ち負けを明確化することができる。
《I7−12》変形例12:
上記第9実施形態およびその変形例1では、結果告知演出前に実行される特定の演出としてバトル演出が実行される構成としたが、上記特定の演出はバトル演出に限定されることはない。上記特定の演出は、結果告知演出が実行される可能性があることを示唆する演出であれば、いずれの構成とすることもできる。結果告知演出が実行される可能性があることを示唆する演出としては、例えば、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行することを示唆する演出等を採用することができる。こうした構成によっても、上記第9実施形態において説明した効果と同様の効果を得ることができる。
《I7−13》変形例13:
上記第9実施形態およびその変形例1では、1遊技回において実行される演出は、バトル演出と結果告知演出との2種類の演出によって構成したが、これに換えて、予告演出とバトル演出と結果告知演出との3種類の演出によって構成してもよい。さらには、4種類以上の演出としても良い。また、バトル演出を実行することなく、結果告知演出だけの演出としてもよい。
《I7−14》変形例14:
上記第9実施形態およびその変形例1では、転落抽選に当選したときに実行されるバトル演出と、当たり抽選において大当たり当選したときに実行されるバトル演出は、同一であったが、これに限定されない。例えば、転落抽選に当選したときのバトル演出と、当たり抽選において大当たり当選したときとで、バトル演出を構成する画像の一部が相違する構成としても良い。例えば、画像全体としては似通っているが、一部の遊技者だけが相違することを気がつくことのできる画像とすることで、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
《I7−15》変形例15:
上記第9実施形態およびその変形例1では、パチンコ機10は、主制御装置60、音声発光制御装置90、表示制御装置100といった3つの制御装置を備える構成としたが、これに換えて、主制御装置と副制御装置といった2つの制御装置を備える構成としても良い。副制御装置では、第9実施形態において音声発光制御装置90と表示制御装置100とにおいて実行される各種処理を実行する構成とすれば良い。また、上記第9実施形態およびその変形例1において、3つの制御装置60,90,100のそれぞれで実行される各種処理は、第9実施形態で説明した区分けに限る必要はなく、3つの制御装置60,90,100の全体として、第9実施形態における全ての処理が実行できれば良い。
《I7−16》変形例16:
上記第9実施形態では、パチンコ機10は、遊技状態として潜伏確変状態を搭載していない構成であったが、これに換えて、遊技状態として潜伏確変状態を搭載した構成としても良い。変形例16のパチンコ機について、以下、詳細に説明する。なお、変形例16のパチンコ機のハードウェア構成は第9実施形態のパチンコ機10と同一であることから、第9実施形態と同じ部品については同一の名称と符号を用いて、以下の説明を行う。
第9実施形態のパチンコ機10では、大当たり種別として、確変大当たりと通常大当たりが用意されていた(図449参照)。これに換えて、変形例16のパチンコ機では、大当たり種別として、確変大当たり、通常大当たりに加えて、潜伏確変大当たりが用意されている。潜伏確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当たり抽選の抽選モードが高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが低頻度サポートモードとなる大当たりである。その上、変形例16のパチンコ機では、高確率モードにあることを、大当たりに当選した遊技回やその遊技回後に報知しない構成となっている。このため、変形例16のパチンコ機では、潜伏確変大当たりに当選した場合に、遊技者は高確率モードであるか否かを把握することが不可能又は困難となる。このようにして、変形例16のパチンコ機は、遊技状態として潜伏確変状態を搭載する。なお、潜伏確変状態は、潜伏確変大当たりに当選した場合に移行する構成に限る必要はなく、変形例として、他の特定の場合、例えば、大当たりに当選して高確率高頻度状態となってからの遊技回の回数が所定の回数を超えた場合に、サポートモードを高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行し、これによって、高確率モードが維持されているが、遊技者は高確率モードか低確率モードかを把握できない潜伏確変状態となる構成としても良い。
変形例16のパチンコ機は、第9実施形態における具体的な制御と比較して、主制御装置60のMPU62によって実行される後述する図500〜図503で示す処理と、音声発光制御装置90のMPU92によって実行される後述する図504、図505で示す処理とが相違し、主制御装置60において実行されるその他の処理、音声発光制御装置90において実行されるその他の処理、表示制御装置100において実行される各種処理は同一である。
<当たり判定処理>
図500は、変形例16における当たり判定処理を示すフローチャートである。この当たり判定処理において、ステップSi4001〜Si4007は第9実施形態の当たり判定処理(図469)のステップSi1001〜Si1007と同一であり、ステップSi4009〜Si4017は第9実施形態の当たり判定処理(図469)のステップSi1008〜Si1016と同一である。変形例16における当たり判定処理において、第9実施形態の当たり判定処理と相違するのは、ステップSi4007とステップSi4009との間に、ステップSi4008が追加されている点だけである。
ステップSi4008では、サポートモード擬似化フラグをONする。サポートモード擬似化フラグは、今回の遊技回においてサポートモード擬似化処理が実行されたか否かを特定するためのフラグであり、ONである場合にサポートモード擬似化処理が実行されたことを、OFFである場合にサポートモード擬似化処理が実行されていないことを特定する。ステップSi4007において、高頻度サポートモードフラグをOFFするサポートモード擬似化処理が実行されたことを受けて、ステップSi4008に進み、サポートモード擬似化フラグをONする処理が行われる。サポートモード擬似化フラグの値は、変動開始処理(図466)において図柄の変動表示を開始するSi0709の処理の直前でOFFにクリアされる。ステップSi4008を実行した後、ステップSi4009に進む。
<遊技状態判定処理>
図501は、変形例16における遊技状態判定処理を示すフローチャートである。この遊技状態判定処理において、ステップSi4101、Si4102は第9実施形態の遊技状態判定処理(図470)のステップSi1101、Si1102と同一であり、ステップSi4104は遊技状態判定処理(図470)のステップSi1103と同一である。変形例16における遊技状態判定処理において、第9実施形態の遊技状態判定処理と相違するのは、ステップSi4102とステップSi4104との間に、ステップSi4103が追加されている点だけである。
ステップSi4103では、遊技回においてサポートモード擬似化処理が実行されたか否かを判定する。具体的には、サポートモード擬似化フラグがONであるか否かを判定する。ステップSi4103において、サポートモード擬似化フラグがONであると判定した場合には(Si4103:YES)、ステップSi4104に進む。ステップSi4103において、サポートモード擬似化フラグがONでないと判定した場合には(Si4103:NO)、本遊技状態判定処理を終了する。
この遊技状態判定処理によれば、サポートモード擬似化処理が実行されたことによって遊技状態判定値PNが「02H」になっているときに限り、遊技状態判定値PNを「02H」から「03H」に書き換える処理が行われ、潜伏確変大当たりに当選したことによって遊技状態が潜伏確変状態となっている場合には、遊技状態判定値PNは「02H」のまま維持され、「03H」に書き換えられることはない。
<変動時間設定処理>
図502は、変形例16における変動時間設定処理を示すフローチャートである。この変動時間設定処理において、ステップSi4201〜Si4208は第9実施形態の変動時間設定処理(図471)のステップSi1201〜Si1208と同一であり、ステップSi4210は第9実施形態の変動時間設定処理(図471)のステップSi1209と同一である。変形例16における変動時間設定処理において、第9実施形態の変動時間設定処理と相違するのは、ステップSi4209とステップSi4211とが追加されている点だけである。
ステップSi4207において、遊技状態判定値PNが「11H」でないと判定した場合(Si4207:NO)には、ステップSi4209に進む。ステップSi4209では、遊技状態判定値PNが「02H」であるか否かを判定する。ステップSi4209において、遊技状態判定値PNが「02H」でないと判定した場合(Si4209:NO)、すなわち、遊技状態判定値PNが「10H」である場合には、ステップSi4210に進む。ステップSi4210では、第9実施形態の変動時間設定処理(図471)のステップSi1209と同じ処理である、転落低確率低頻度状態用の変動時間設定処理を実行する。
ステップSi4209において、遊技状態判定値PNが「02H」であると判定した場合には(Si4209:YES)、ステップSi4211に進み、高確率低頻度状態用の変動時間設定処理を実行する。高確率低頻度状態用の変動時間設定処理とは、遊技状態が潜伏確変状態である場合の変動時間設定処理である。高確率低頻度状態用の変動時間設定処理については後述する。ステップSi4211を実行した後、本変動時間設定処理を終了する。
<高確率低頻度状態用の変動時間設定処理>
次に、高確率低頻度状態用の変動時間設定処理について説明する。高確率低頻度状態用の変動時間設定処理は、変動時間設定処理のサブルーチン(図502:Si4211)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図503は、高確率低頻度状態用の変動時間設定処理を示すフローチャートである。ステップSi4301では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64a(図446)における変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップSi4302に進む。
ステップSi4302では、今回の遊技回に係る当たり抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、大当たりフラグがONであるか否かを判定し、ONである場合には大当たり当選であるとして(Si4302:YES)、ステップSi4303に進む。
ステップSi4303では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63hに記憶されている高確率低頻度状態用変動時間テーブル群から、大当たり用の変動時間テーブルを特定する。高確率低頻度状態用変動時間テーブル群には、(xiv)高確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用変動時間テーブル、(xv)高確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用変動時間テーブル、(xvi)高確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用変動時間テーブル、が備えられている。ステップSi4303では、(xiv)〜(xvi)の中から(xiv)を特定する。ステップSi4303を実行した後、ステップSi4304に進む。
ステップSi4304では、ステップSi4303で特定した変動時間テーブルを参照して、ステップSi4301によって得られた今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。続く、ステップSi4305では、ステップSi4304によって取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64fに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、高確率低頻度状態用の変動時間設定処理を終了する。
一方、ステップSi4302において、今回の遊技回に係る当たり抽選の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(Si4302:NO)、ステップSi4306に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。上記ステップSi4302において今回の遊技回に係る当たり抽選において大当たり当選していない場合に本処理(Si4306)を実行することから、ステップSi4306においては、当たり抽選において大当たり当選していない遊技回のうちリーチが発生する遊技回であるか否の判定を行う。具体的には、実行エリアAE(図447)に記憶されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合に、リーチが発生すると判定して(Si4306:YES)、ステップSi4307に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63c(図446)に記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップSi4307では、リーチ発生フラグをOFFする。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64gのリーチ発生フラグをOFFする。ステップSi4307を実行した後、ステップSi4308に進む。
ステップSi4308では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63hに記憶されている高確率低頻度状態用変動時間テーブル群から、リーチ発生用の変動時間テーブルを特定する。具体的には、上述した(xv)高確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用変動時間テーブル、を特定する。(xv)は、例えば、リーチ用通常演出を行うための変動時間テーブルである。ステップSi4308を実行した後、先に説明したステップSi4304に進み、ステップSi4308で特定した変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。
ステップSi4306において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(Si4306:NO)、ステップSi4309に進む。
ステップSi4309では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63hに記憶されている高確率低頻度状態用変動時間テーブル群から、リーチ非発生用の変動時間テーブルを特定する。具体的には、上述した(xvi)高確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用変動時間テーブル、を特定する。(xvi)は、例えば、外れ用通常演出を行うための変動時間テーブルである。ステップSi4309を実行した後、先に説明したステップSi4304に進み、ステップSi4309で特定した変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。
<演出パターン設定処理>
図504は、変形例16における演出パターン設定処理を示すフローチャートである。この演出パターン設定処理において、ステップSi4401〜Si4408は第9実施形態の演出パターン設定処理(図486)のステップSi2701〜Si2708と同一であり、ステップSi4410は第9実施形態の演出パターン設定処理(図486)のステップSi2709と同一である。変形例16における演出パターン設定処理において、第9実施形態の演出パターン設定処理と相違するのは、ステップSi4409とステップSi4411とが追加されている点だけである。
ステップSi4407において、遊技状態判定値PNが「11H」でないと判定した場合(Si4407:NO)には、ステップSi4409に進む。ステップSi4409では、遊技状態判定値PNが「02H」であるか否かを判定する。ステップSi4409において、遊技状態判定値PNが「02H」でないと判定した場合(Si4409:NO)、すなわち、遊技状態判定値PNが「10H」である場合には、ステップSi4410に進む。ステップSi4410では、第9実施形態の演出パターン設定処理(図486)のステップSi2709と同じ処理である、転落低確率低頻度状態用の演出パターン設定処理を実行する。
ステップSi4409において、遊技状態判定値PNが「02H」であると判定した場合には(Si4409:YES)、ステップSi4411に進み、高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理を実行する。高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理とは、遊技状態が潜伏確変状態である場合の演出パターン設定処理である。高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理については後述する。ステップSi4411を実行した後、本演出パターン設定処理を終了する。
<高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理>
次に、高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理について説明する。高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理は、演出パターン設定処理のサブルーチン(図504:Si4411)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理は、パチンコ機10が高確率低頻度状態にあるときに、大当たりに当選した場合と、リーチが発生した場合と、いずれの場合にも該当しない場合とに応じた演出パターンを設定するものである。以下、この演出パターン設定処理について詳述する。
図505は、高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSi4501では、演出パターン用乱数取得処理を実行する。演出パターン用乱数取得処理では、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから、演出パターン用乱数RNを取得する。その後、ステップSi4502に進む。
ステップSi4502では、今回の遊技回における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、遊技回演出設定処理(図485)のステップSi2602によって音光側MPU92のレジスタに記憶された大当たりの有無の情報から、当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSi4502において、当否判定の結果が大当たり当選であると判定した場合には(Si4502:YES)、ステップSi4503に進む。
ステップSi4503では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図452)に記憶されている高確率低頻度状態用演出パターンテーブル群から、大当たり用の演出パターンテーブルを特定する。高確率低頻度状態用演出パターンテーブル群には、(XIV)高確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用演出パターンテーブル、(XV)高確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブル、(XVI)高確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブル、が備えられている。ステップSi4503では、(XIV)〜(XVI)の中から(XIV)を特定する。ステップSi4503を実行した後、ステップSi4504に進む。
ステップSi4504では、ステップSi4503で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSi2602(図485)によって読み出した変動時間と、ステップSi4501によって得られた今回の演出パターン用乱数RNの値とに対応した演出パターンを取得する。続く、ステップSi4505では、ステップSi4504によって取得した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。ステップSi4505を実行した後、高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理を終了する。
一方、ステップSi4502において、今回の遊技回における当否判定の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(Si4502:NO)、ステップSi4506に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。具体的には、遊技回演出設定処理(図485)のステップSi2602によって音光側MPU92のレジスタに記憶されたリーチ発生の有無の情報から、リーチが発生するか否かを判定する。ステップSi4506において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生であると判定した場合には(Si4506:YES)、ステップSi4507に進む。
ステップSi4507では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図452)に記憶されている高確率低頻度状態用演出パターンテーブル群から、リーチ発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(XV)高確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブル、を特定する。(XV)は、例えば、リーチ用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSi4507を実行した後、先に説明したステップSi4504に進み、ステップSi4507で特定した演出パターンテーブルを参照して、今回の演出パターン用乱数RNの値に対応した演出パターンを取得する。
ステップSi4506において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生ではないと判定した場合には(Si4506:NO)、ステップSi4508に進む。
ステップSi4508では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図452)に記憶されている高確率低頻度状態用演出パターンテーブル群から、リーチ非発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(XVI)高確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブル、を特定する。(XVI)は、例えば、外れ用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSi4508を実行した後、先に説明したステップSi4504に進み、ステップSi4508で特定した演出パターンテーブルを参照して、今回の演出パターン用乱数RNの値に対応した演出パターンを取得する。
以上説明したように、変形例16のパチンコ機によれば、当たり抽選において潜伏確変大当たりに当選した場合に、開閉実行モードの終了後に、当たり抽選の抽選モードが高確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである潜伏確変状態となる。また、変形例16のパチンコ機によれば、当たり抽選によって確変大当たりに当選し、開閉実行モードの終了後に、抽選モードが高確率モードに、サポートモードが高頻度サポートモードに移行し、その後、高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回数が保証遊技回数に達した以後の遊技回において、大当たりに当選した場合に、サポートモード擬似化処理を行ったときに、高確率低頻度状態となる。すなわち、変形例16のパチンコ機では、高確率低頻度状態になる場合として、潜伏確変状態である場合と、上述したようにサポートモード擬似化処理を行った場合とがあり得る。
潜伏確変状態である場合には、主制御装置60において実行される図502の変動時間設定処理では、ステップSi4211によって高確率低頻度状態用の変動時間が設定され、音声発光制御装置90において実行される図504の演出パターン設定処理では、ステップSi4411によって高確率低頻度状態用の演出パターンが設定される。これに対して、サポートモード擬似化処理を行った場合には、遊技状態判定値PNを「02H」から「03H」に書き換える処理が行われる(図501参照)ことから、遊技状態が確変状態(遊技状態判定値PN=「03H」)であるものとみなして、上述した変動時間の設定や、演出パターンの設定が行われる。
遊技状態として潜伏確変状態を搭載したパチンコ機において、上述したようにサポートモード擬似化処理を行った場合に、潜伏確変状態と同じ高確率低頻度状態となるが、この場合に、従来技術では、遊技動作の態様をどのようにするかについては、特段の考慮がなされていなかった。これに対して、変形例16のパチンコ機によれば、上述したように、潜伏確変状態である場合と、サポートモード擬似化処理を行った場合とで、変動時間の設定や演出パターンの設定が異なったものとなる。したがって、変形例16のパチンコ機によれば、潜伏確変状態の遊技回に適した演出、およびサポートモード擬似化処理を実行した遊技回に適した演出を実行でき、遊技者に遊技状態を適切に報知することができる。
《I7−17》変形例17:
変形例16のパチンコ機10は、第9実施形態のパチンコ機10に対して、遊技状態として潜伏確変状態を搭載したものである。これに換えて、変形例17として、第9実施形態の変形例1のパチンコ機に対して、遊技状態として潜伏確変状態を搭載しても良い。変形例17のパチンコ機について、以下、詳細に説明する。なお、変形例17のパチンコ機のハードウェア構成は第9実施形態のパチンコ機10と同一であることから、第9実施形態と同じ部品については同一の名称と符号を用いて、以下の説明を行う。
変形例17のパチンコ機10は、第9実施形態の変形例16のパチンコ機と同様にして、遊技状態として潜伏確変状態が搭載されている。
変形例17のパチンコ機は、第9実施形態の変形例1における具体的な制御と比較して、主制御装置60のMPU62によって実行される上述した図502,図503で示す処理と、音声発光制御装置90のMPU92によって実行される上述した図504、図505で示す処理とが相違し、主制御装置60のMPU62によって実行されるその他の処理、音声発光制御装置90において実行されるその他の処理、表示制御装置100において実行される各種処理は同一である。すなわち、変形例17のパチンコ機は、変形例16のパチンコ機と同様に、主制御装置60のMPU62によって図502、図503で示す変動時間設定処理を実行し、音声発光制御装置90のMPU92によって図504、図505で示した演出パターン設定処理を実行し、こうした点において第9実施形態の変形例16と相違する。
上記のように構成された変形例17のパチンコ機によれば、保証遊技回数に達した以後の遊技回における処理の手順は、図496に示した変形例1の処理手順と同一であり、遊技状態判定値PNが算出され、変動時間が設定された後に、サポートモード擬似化処理が行われる。このため、サポートモード擬似化処理が行われる遊技回であっても、変動時間が設定される時点における遊技状態判定値PNは、サポートモード擬似化処理が行われる前の値である「03H」となる。したがって、サポートモード擬似化処理が行われる場合には、サポートモード擬似化処理が行われる前の適切な値である「03H(=高確率高頻度状態)」に対応した変動時間の設定や、演出パターンの設定が行われる。一方、潜伏確変大当たりに当選したことによる潜伏確変状態においては、遊技状態判定値PNは「02H(=高確率低頻度状態)」となっており、02Hに対応した変動時間の設定や、演出パターンの設定が行われる。このため、変形例17のパチンコ機によれば、変形例16のパチンコ機と同様に、潜伏確変状態である場合と、サポートモード擬似化処理を行った場合とで、変動時間の設定や演出パターンの設定が異なったものとなる。したがって、変形例17のパチンコ機によれば、変形例16のパチンコ機と同様に、潜伏確変状態の遊技回に適した演出、およびサポートモード擬似化処理を実行した遊技回に適した演出を実行でき、遊技者に遊技状態を適切に報知することができる。
《I7−18》変形例18:
変形例18のパチンコ機は、第9実施形態のパチンコ機10と同一のハードウェア構成を備える。変形例18のパチンコ機のソフトウェア構成、すなわち、具体的な制御については、第9実施形態のパチンコ機10と比較して次の(イ)〜(ホ)の点が相違し、その他の処理については同一である。なお変形例18のパチンコ機において、第9実施形態と同じ部品については同一の名称と符号を用いて、以下の説明を行う。
(イ)変形例18のパチンコ機は遊技状態として潜伏確変状態を搭載しているのに対して、第9実施形態のパチンコ機10は遊技状態として潜伏確変状態を搭載していない。なお、潜伏確変状態を搭載する手法については、第9実施形態の変形例16および変形例17と同じである。
(ロ)変形例18のパチンコ機では、主制御装置60のMPU62によって実行される当たり判定処理が、第9実施形態の変形例16における当たり判定処理(図500)と同一の内容となっている。すなわち、変形例18のパチンコ機では、高頻度サポートモードフラグをOFFするサポートモード擬似化処理が行われた場合に、サポートモード擬似化フラグをONする処理が実行されるのに対して、第9実施形態のパチンコ機10では、サポートモード擬似化フラグそのものを備えない。
(ハ)変形例18のパチンコ機では、主制御装置60のMPU62によって実行される遊技状態判定処理が、第9実施形態の変形例1における遊技状態判定処理(図499)と同一の内容となっている。すなわち、第9実施形態のパチンコ機10では、遊技状態判定値を「02H」から「03H」に書き換える処理が行われるのに対して、変形例18のパチンコ機では、遊技状態判定値を「02H」から「03H」に書き換える処理が行われない。
(ニ)変形例18のパチンコ機では、主制御装置60のMPU62によって実行される変動時間設定処理が、第9実施形態の変形例16における変動時間設定処理(図502)と同一の内容となっている。なお、変動時間設定処理のサブルーチンの一つである高確率低頻度状態用の変動時間設定処理(図503)も同一である。すなわち、第9実施形態のパチンコ機10では、高確率低頻度状態用の変動時間設定処理は用意されていないのに対して、変形例18のパチンコ機では、遊技状態判定値PNが「02H」であるときに実行される高確率低頻度状態用の変動時間設定処理が用意されている。
(ホ)変形例18のパチンコ機は、音声発光制御装置90のMPU92によって実行される後述する図506〜図509で示す処理について、第9実施形態のパチンコ機10と相違する。
<遊技回演出設定処理>
図506は、変形例18における遊技回演出設定処理を示すフローチャートである。この演遊技回演出設定処理において、ステップSi4601、Si4603〜Si4608は第9実施形態の遊技回演出設定処理(図485)のステップSi2601、Si2603〜Si2608と同一である。変形例18における遊技回演出設定処理において、第9実施形態の遊技回演出設定処理と相違するのは、ステップSi4602の処理だけである。
第9実施形態の遊技回演出設定処理(図485)のステップSi2602では、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たりの有無、大当たりの種別、リーチ発生の有無、変動時間、および遊技状態判定値PNの情報を読み出す処理を行っていた。これに対して、変形例18における遊技回演出設定処理のステップSi4602では、上記情報に加えて、サポートモード擬似化フラグの情報も読み出す。サポートモード擬似化フラグは、先に説明したように主制御装置60のMPU62によって実行される当たり判定処理によってONされるが、主制御装置60側では、サポートモード擬似化フラグの情報を変動用コマンドに含ませ、音声発光制御装置90に送信する。ステップSi2602では、この変動用コマンドを受信して、当該コマンドからサポートモード擬似化フラグの情報も読み出す。
<演出パターン設定処理>
図507は、変形例18における演出パターン設定処理を示すフローチャートである。この演出パターン設定処理において、ステップSi4701〜Si4708は第9実施形態の演出パターン設定処理(図486)のステップSi2701〜Si2708と同一であり、ステップSi4710は第9実施形態の演出パターン設定処理(図486)のステップSi2709と同一である。変形例18における演出パターン設定処理において、第9実施形態の演出パターン設定処理と相違するのは、ステップSi4709、ステップSi4711〜Si4713が追加されている点だけである。
ステップSi4707において、遊技状態判定値PNが「11H」でないと判定した場合(Si4707:NO)には、ステップSi4709に進む。ステップSi4709では、遊技状態判定値PNが「02H」であるか否かを判定する。ステップSi4709において、遊技状態判定値PNが「02H」でないと判定した場合(Si4709:NO)、すなわち、遊技状態判定値PNが「10H」である場合には、ステップSi4710に進む。ステップSi4710では、第9実施形態の演出パターン設定処理(図486)のステップSi2709と同じ処理である、転落低確率低頻度状態用の演出パターン設定処理を実行する。
ステップSi4709において、遊技状態判定値PNが「02H」であると判定した場合には(Si4709:YES)、ステップSi4711に進む。
ステップSi4711では、今回の遊技回においてサポートモード擬似化処理が実行されたか否かを判定する。具体的には、主制御装置60におけるサポートモード擬似化フラグがONであるか否かを判定する。
ステップSi4711において、サポートモード擬似化フラグがONでないと判定した場合には(Si4711:NO)、ステップSi4712に進み、潜伏確変時高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理を実行する。潜伏確変時高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理とは、遊技状態が潜伏確変状態である場合の演出パターン設定処理である。潜伏確変時高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理については後述する。ステップSi4711を実行した後、本演出パターン設定処理を終了する。
ステップSi4711において、サポートモード擬似化フラグがONであると判定した場合には(Si4711:YES)、ステップSi4713に進み、サポートモード擬似化時高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理を実行する。サポートモード擬似化時高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理とは、今回の遊技回においてサポートモード擬似化処理が行われる場合の演出パターン設定処理である。サポートモード擬似化時高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理については後述する。ステップSi4713を実行した後、本演出パターン設定処理を終了する。
<潜伏確変時高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理>
次に、潜伏確変時高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理について説明する。潜伏確変時高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理は、演出パターン設定処理のサブルーチン(図507:Si4712)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。潜伏確変時高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理は、パチンコ機10が高確率低頻度状態にあるときに、大当たりに当選した場合と、リーチが発生した場合と、いずれの場合にも該当しない場合とに応じた演出パターンを設定するものである。以下、この演出パターン設定処理について詳述する。
図508は、潜伏確変時高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSi4801では、演出パターン用乱数取得処理を実行する。演出パターン用乱数取得処理では、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから、演出パターン用乱数RNを取得する。その後、ステップSi4802に進む。
ステップSi4802では、今回の遊技回における当否判定(当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、遊技回演出設定処理(図485)のステップSi2602によって音光側MPU92のレジスタに記憶された大当たりの有無の情報から、当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップSi4802において、当否判定の結果が大当たり当選であると判定した場合には(Si4802:YES)、ステップSi4803に進む。
ステップSi4803では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図452)に記憶されている潜伏確変時高確率低頻度状態用演出パターンテーブル群から、大当たり用の演出パターンテーブルを特定する。潜伏確変時高確率低頻度状態用演出パターンテーブル群には、(XVII)高確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たりに当選した時に用いられる大当たり用演出パターンテーブル、(XVIII)高確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブル、(XIX)高確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブル、が備えられている。ステップSi4803では、(XVII)〜(XIX)の中から(XVII)を特定する。ステップSi4803を実行した後、ステップSi4804に進む。
ステップSi4804では、ステップSi4803で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSi4602(図506)によって読み出した変動時間と、ステップSi4801によって得られた今回の演出パターン用乱数RNの値とに対応した演出パターンを取得する。続く、ステップSi4805では、ステップSi4804によって取得した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。ステップSi4805を実行した後、潜伏確変時高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理を終了する。
一方、ステップSi4802において、今回の遊技回における当否判定の結果が大当たり当選ではないと判定した場合には(Si4802:NO)、ステップSi4806に進み、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。具体的には、遊技回演出設定処理(図485)のステップSi2602によって音光側MPU92のレジスタに記憶されたリーチ発生の有無の情報から、リーチが発生するか否かを判定する。ステップSi4806において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生であると判定した場合には(Si4806:YES)、ステップSi4807に進む。
ステップSi4807では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図452)に記憶されている潜伏確変時高確率低頻度状態用演出パターンテーブル群から、リーチ発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(XVIII)高確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生した時に用いられるリーチ発生用演出パターンテーブルを特定する。(XVIII)は、例えば、リーチ用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSi4807を実行した後、先に説明したステップSi4804に進み、ステップSi4807で特定した演出パターンテーブルを参照して、今回の演出パターン用乱数RNの値に対応した演出パターンを取得する。
ステップSi4806において、今回の遊技回における当否判定の結果がリーチ発生ではないと判定した場合には(Si4806:NO)、ステップSi4808に進む。
ステップSi4808では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図452)に記憶されている潜伏確変時高確率低頻度状態用演出パターンテーブル群から、リーチ非発生用の演出パターンテーブルを特定する。具体的には、上述した(XIX)高確率低頻度状態で、当たり抽選において大当たり当選せずにリーチが発生しなかった時に用いられるリーチ非発生用演出パターンテーブルを特定する。(XIX)は、例えば、外れ用通常演出を行うための演出パターンテーブルである。ステップSi4808を実行した後、先に説明したステップSi4804に進み、ステップSi4808で特定した演出パターンテーブルを参照して、今回の演出パターン用乱数RNの値に対応した演出パターンを取得する。
<サポートモード擬似化時高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理>
次に、サポートモード擬似化時高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理について説明する。サポートモード擬似化時高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理は、演出パターン設定処理のサブルーチン(図507:Si4713)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。サポートモード擬似化時高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理は、サポートモード擬似化処理が実行されて遊技状態が高確率低頻度状態にあるときに、大当たり当選に応じた演出パターンを設定するものである。サポートモード擬似化処理が行われる遊技回は、大当たりに当選した場合しかあり得ないため、この演出パターン設定処理では、大当たり当選に応じた演出パターンの設定だけが行われる。以下、この演出パターン設定処理について詳述する。
図509は、サポートモード擬似化時高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理を示すフローチャートである。ステップSi4901では、演出パターン用乱数取得処理を実行する。演出パターン用乱数取得処理では、音光側RAM94の抽選用カウンタエリア94cから、演出パターン用乱数RNを取得する。その後、ステップSi4902に進む。
ステップSi4902では、ROM93の演出パターンテーブル記憶エリア93a(図452)に記憶されているサポートモード擬似化時高確率低頻度状態用演出パターンテーブル群から、大当たり用の演出パターンテーブルを特定する。ステップSi4902を実行した後、ステップSi4903に進む。
ステップSi4903では、ステップSi4902で特定した演出パターンテーブルを参照して、ステップSi4602(図506)によって読み出した変動時間と、ステップSi4901によって得られた今回の演出パターン用乱数RNの値とに対応した演出パターンを取得する。続く、ステップSi4904では、ステップSi4903によって取得した演出パターンを、今回の遊技回において実行する演出パターンとして設定する。ステップSi4904を実行した後、サポートモード擬似化時高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理を終了する。
以上説明したように、変形例18のパチンコ機によれば、当たり抽選において潜伏確変大当たりに当選した場合に、開閉実行モードの終了後に、当たり抽選の抽選モードが高確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである潜伏確変状態となる。また、変形例18のパチンコ機によれば、当たり抽選によって確変大当たりに当選し、開閉実行モードの終了後に、抽選モードが高確率モードに、サポートモードが高頻度サポートモードに移行し、その後、高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回数が保証遊技回数に達した以後の遊技回において、大当たりに当選した場合に、サポートモード擬似化処理を行ったときに、高確率低頻度状態となる。すなわち、変形例18のパチンコ機では、高確率低頻度状態になる場合として、潜伏確変状態である場合と、上述したようにサポートモード擬似化処理を行った場合とがあり得る。
主制御装置60において実行される変動時間設定処理では、潜伏確変状態である場合とサポートモード擬似化処理を行った場合とで、同一の高確率低頻度状態用の変動時間設定処理が行われる(変形例16の図502を参照)。一方、音声発光制御装置90において実行される演出パターン設定処理では、潜伏確変状態である場合には潜伏確変時高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理が行われ、サポートモード擬似化処理を行った場合にはサポートモード擬似化時高確率低頻度状態用の演出パターン設定処理が行われる(図507)。このため、主制御装置60において実行される変動時間設定処理においては、潜伏確変状態である場合とサポートモード擬似化処理を行った場合とで制御ルーチンを共通化することができる。したがって、変形例18のパチンコ機によれば、制御の簡易化を図ることができる。さらに、音声発光制御装置90において実行される演出パターン設定処理においては、潜伏確変状態である場合とサポートモード擬似化処理を行った場合とで相違したものとして演出パターンを設定することができる。したがって、変形例18のパチンコ機によれば、潜伏確変状態の遊技回に適した演出、およびサポートモード擬似化処理を実行した遊技回に適した演出を実行でき、遊技者に遊技状態を適切に報知することができる。
《Y》他の構成への適用:
上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種類の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
また、上記実施形態においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
《Z》上記各実施形態等から抽出される特徴群について:
上述した各実施形態から抽出される特徴群(発明群の特徴)について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴aA群>
特徴aA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態αおよび第1実施形態βから抽出される。
[特徴aA1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作を開始してから前記遊技回用動作が終了するまでを遊技回の1回とした場合に、前記遊技回を実行する遊技回実行手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記演出実行手段は、
遊技回に対応する特別情報が前記所定の条件を満たすと前記判定手段が判定した第1の場合に(始動口への入球に基づく大当たりとなった場合に)、所定の態様で遊技球を発射させることを促す演出(右打ち示唆演出)を、前記遊技回実行手段が当該遊技回を終了した後の期間に実行する手段と、
遊技回に対応する特別情報が前記所定の条件を満たさない場合であって、予め定められた特定の条件を満たすと前記判定手段が判定した第2の場合に(小当たりとなった場合に)、所定の態様で遊技球を発射させることを促す演出(右打ち示唆演出)を、前記遊技回実行手段が当該遊技回を終了した後の期間に実行する手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴aA1によれば、第1の場合も、第2の場合も、演出実行手段は所定の態様で遊技球を発射させることを促す演出を実行するので、仮に第2の場合に基づいて当該演出が実行された場合であっても、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たしているのか否かを演出に基づいて判断している遊技者に対して、第1の場合に基づいて当該演出が実行されたのではないかといった期待感を付与することができる。
[特徴aA2]
特徴aA1に記載の遊技機であって、
前記遊技回実行手段によって実行される遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、当該遊技回の終了後に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
予め定められた複数の種別の特典のうち、遊技者に付与する一の種別の特典を決定する種別決定手段と、
前記種別決定手段によって決定された前記一の種別の特典に関する情報を表示する特典種別表示手段(ラウンドランプ)と、
を備え、
前記種別決定手段は、前記特別情報が前記所定の条件を満たす遊技回の終了後に、遊技者に付与する前記一の種別の特典を決定する手段(種別決定処理を実行する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴aA2によれば、種別決定手段は、特別情報が所定の条件を満たす遊技回の終了後に、遊技者に付与する一の種別の特典を決定するので、特別情報が所定の条件を満たす遊技回の終了前に遊技者に付与する一の種別の特典を決定する遊技機と比較して、特典種別表示手段が種別決定手段によって決定された一の種別の特典に関する情報を表示するタイミングを遅らせることができる。従って、遊技回の終了後に、所定の態様で遊技球を発射させることを促す演出が実行された場合に、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たしているか否かを演出に基づいて判断している遊技者に対して、第1の場合に基づいて当該演出が実行されたのではないかといった期待感を付与することができるとともに、さらに、特典種別表示手段に特典に関する情報を表示するか否かに基づいて遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たしているか否かの判定が可能となるまでの時間を遅らせることができ、特別情報が所定の条件を満たす遊技回の終了前に遊技者に付与する一の種別の特典を決定する遊技機と比較して、第1の場合に基づいて当該演出が実行されたのではないかといった期待感を付与することができる期間を長くすることができる。
[特徴aA3]
特徴aA2に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球部である種別決定用入球部(種別決定ゲート202)を備え、
前記種別決定手段は、前記特別情報が前記所定の条件を満たす遊技回の終了後における前記種別決定用入球部への遊技球の入球を契機として遊技者に付与する前記一の種別の特典を決定する手段を備える
ことを特徴する遊技機。
特徴aA3によれば、特別情報が所定の条件を満たす遊技回の終了後であって、さらに、遊技者が種別決定用入球部へ遊技球を入球させた後に、特典種別表示手段が種別決定手段によって決定された一の種別の特典に関する情報を表示するので、特典種別表示手段が種別決定手段によって決定された一の種別の特典に関する情報を表示するタイミングをさらに遅らせることができる。従って、遊技回の終了後に、所定の態様で遊技球を発射させることを促す演出が実行された場合に、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たしているか否かを演出に基づいて判断している遊技者に対して、第1の場合に基づいて当該演出が実行されたのではないかといった期待感を付与することができるとともに、さらに、特典種別表示手段に特典に関する情報を表示するか否かに基づいて遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たしているか否かの判定が可能となる時点を、遊技回の終了後に遊技者が種別決定用入球部へ遊技球を入球させた時点より後にまで遅らせることができ、特別情報が所定の条件を満たす遊技回の終了前に遊技者に付与する一の種別の特典を決定する遊技機と比較して、第1の場合に基づいて当該演出が実行されたのではないかといった期待感を付与することができる期間を、さらに長くすることができる。
[特徴aA4]
特徴aA1から特徴aA3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の場合に対応する遊技回の終了後に、前記演出実行手段に所定の態様で遊技球を発射させることを促す演出を実行させることを含む特定の処理を実行する特定処理実行手段と、
前記特定の処理を実行するか否かを判定する特定処理実行判定手段と、
を備え、
前記種別決定手段は、
前記特定処理実行判定手段による前記特定の処理(図10のケース1の処理)を実行するか否かの判定の結果に基づいて、予め定められた複数の種別の特典のうち、遊技者に付与する一の種別の特典を決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴aA4によれば、種別決定手段は、予め定められた複数の種別の特典のうち、特定の処理の実行の有無に応じた特典の種別に決定することができる。換言すれば、種別決定手段によって決定された種別の特典の付与の態様と、特定処理実行手段による特定の処理の実行の態様とを、関連した態様とすることができる。
<特徴aB群>
特徴aB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態αおよび第1実施形態βから抽出される。
[特徴aB1]
特典を付与する特典付与手段を備える遊技機であって、
前記特典付与手段は、
第1の場合に、遊技球が特定の領域を通過したことを契機として特典を付与する手段と、
第2の場合に、遊技球が前記特定の領域を通過したにも関わらず特典を付与しない手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴aB1によれば、遊技球が特定の領域を通過したことを契機として特典を付与する場合と、遊技球が特定の領域を通過したにも関わらず特典を付与しない場合とがあるので、遊技中に遊技球が特定の領域を通過した場合に、特典が付与されるのか付与されないのかを遊技者に推測させるとともに、特典が付与されるのではないかといった期待感を付与することができる。
[特徴aB2]
特徴aB1に記載の遊技機であって、
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作を開始してから前記遊技回用動作が終了するまでを遊技回の1回とした場合に、前記遊技回を実行する遊技回実行手段と、
を備え、
前記第1の場合は、遊技回に対応する特別情報が前記所定の条件を満たさない場合であって予め定められた特定の条件を満たすと前記判定手段が判定した場合において、当該判定に対応する遊技回の終了後に前記判定の結果に対応する処理(小当たりを契機とした開閉実行モード)が実行されている場合であり、
前記第2の場合は、遊技回に対応する特別情報が前記所定の条件を満たすと前記判定手段が判定した場合において、当該判定に対応する遊技回の終了後に前記判定の結果に対応する処理(大当たりを契機とした開閉実行モード)が実行されている場合である
ことを特徴とする遊技機。
特徴aB2によれば、遊技中に遊技球が特定の領域を通過した場合に、特典が付与されるのか付与されないのかを推測させて期待感を付与することに加え、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たすのか、または、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たさない場合であって予め定められた特定の条件を満たすのかといった推測もさせることで、遊技者により一層大きな期待感を付与することができる。
[特徴aB3]
特徴aB1または特徴aB2に記載の遊技機であって、
演出を実行する演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記第1の場合であって、遊技球が前記特定の領域を通過したことを契機として、遊技球が特定の領域の通過したことを示唆する演出を実行する手段と、
前記第2の場合であって、遊技球が前記特定の領域を通過したことを契機として、遊技球が特定の領域の通過したことを示唆する演出を実行する手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴aB3によれば、遊技中に遊技球が特定の領域を通過したときに、特典が付与される場合であっても特典が付与されない場合であっても、遊技球が特定の領域を通過したことを契機として遊技球が特定の領域の通過したことを示唆する演出を実行するので、遊技球が特定の領域の通過したことを示唆する演出が実行されたことを認識した遊技者に対して、特典が付与されるのではないかといった期待感を付与することができる。
[特徴aB4]
特徴aB2または特徴aB3に記載の遊技機であって、
前記特典付与手段は、
前記遊技回実行手段によって実行される遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、当該遊技回の終了後に、遊技者に特典を付与する手段と、
前記遊技回実行手段によって実行される遊技回に対応する特別情報が前記所定の条件を満たさない場合であって予め定められた特定の条件を満たす場合に、当該遊技回の終了後に、遊技者に特典を付与する手段と、
を備え、
さらに、前記遊技機は、
前記遊技回実行手段によって実行される遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、予め定められた複数の種別の特典のうち、遊技者に付与する一の種別の特典を決定する種別決定手段と、
前記種別決定手段によって決定された前記一の種別の特典に関する情報を表示する特典種別表示手段(ラウンドランプ)と、
を備え、
前記種別決定手段は、前記特別情報が前記所定の条件を満たす遊技回の終了後に、遊技者に付与する前記一の種別の特典を決定する手段(種別決定処理を実行する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴aB4によれば、種別決定手段は、特別情報が所定の条件を満たす遊技回の終了後に、遊技者に付与する一の種別の特典を決定するので、特別情報が所定の条件を満たす遊技回の終了前に遊技者に付与する一の種別の特典を決定する遊技機と比較して、特典種別表示手段が種別決定手段によって決定された一の種別の特典に関する情報を表示するタイミングを遅らせることができる。特典種別表示手段が種別決定手段によって決定された一の種別の特典に関する情報を表示した場合には、特別情報が所定の条件を満たしていると遊技者は判断することができるが、当該情報を表示するタイミングを遅らせることができるため、遊技者に対して、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たすのか、または、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たさない場合であって予め定められた特定の条件を満たすのかといった推測をさせる期間を長くすることができ、遊技者に期待感を付与する期間を長くすることができる。
<特徴aC群>
特徴aC群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態αおよび第1実施形態βから抽出される。
[特徴aC1]
特典を付与する特典付与手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記特典付与手段は、
第1の場合に、遊技球が特定の領域を通過したことを契機として特典を付与する手段と、
第2の場合に、遊技球が前記特定の領域を通過したにも関わらず特典を付与しない手段と、
を備え、
前記演出実行手段は、
前記第2の場合であるにも関わらず、前記特定の領域に遊技球を通過させる態様で遊技球を発射させることを促す演出を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴aC1によれば、第2の場合であるにも関わらず特定の領域に遊技球を通過させる態様で遊技球を発射させることを促す演出を実行するので、当該演出が実行されたことを認識した遊技者に対して、第1の場合であるかもしれないといった期待感を付与し、特定の領域に遊技球を通過させる態様で遊技球を発射させることを促すことができる。
[特徴aC2]
特徴aC1に記載の遊技機であって、
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作を開始してから前記遊技回用動作が終了するまでを遊技回の1回とした場合に、前記遊技回を実行する遊技回実行手段と、
を備え、
前記第1の場合は、遊技回に対応する特別情報が前記所定の条件を満たさない場合であって、予め定められた特定の条件を満たすと前記判定手段が判定した場合(小当たりの場合)であり、
前記第2の場合は、遊技回に対応する特別情報が前記所定の条件を満たすと前記判定手段が判定した場合(大当たりの場合)であり、
さらに、
前記第2の場合に、予め定められた複数の種別の特典のうち、遊技者に付与する一の種別の特典を決定する種別決定手段と、
前記種別決定手段によって決定された前記一の種別の特典に関する情報を表示する特典種別表示手段(ラウンドランプ)と、
遊技球が入球可能な入球部である種別決定用入球部(種別決定ゲート202)と、
を備え、
前記種別決定手段は、前記特別情報が前記所定の条件を満たす遊技回の終了後における前記種別決定用入球部への遊技球の入球を契機として遊技者に付与する前記一の種別の特典を決定する手段を備え、
前記種別決定用入球部(種別決定ゲート202)は、前記特定の領域に遊技球を通過させる態様で発射させた遊技球が入球可能な位置に配置されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴aC2によれば、種別決定手段は、第2の場合に予め定められた複数の種別の特典のうち、遊技者に付与する一の種別の特典を決定する。また、特典種別表示手段は、種別決定手段によって決定された一の種別の特典に関する情報を表示する。よって、遊技者は、特典種別表示手段に一の種別の特典に関する情報を表示されるか否かを認識することによって第1の場合であるのか第2の場合であるかが判定可能となるため、演出実行手段が第2の場合であるにも関わらず特定の領域に遊技球を通過させる態様で遊技球を発射させることを促す演出を実行したとしても、遊技者は、特典種別表示手段に一の種別の特典に関する情報を表示されるか否かを認識することによって第1の場合であるのか第2の場合であるかが判定可能であり、この場合、遊技者の期待感は低減してしまう。
しかしながら、本特徴群においては、種別決定手段は、特別情報が所定の条件を満たす遊技回の終了後における種別決定用入球部への遊技球の入球を契機として遊技者に付与する一の種別の特典を決定し、種別決定用入球部は、特定の領域に遊技球を通過させる態様で発射させた遊技球が入球可能な位置に配置されているため、演出実行手段が第2の場合であるにも関わらず特定の領域に遊技球を通過させる態様で遊技球を発射させることを促す演出を実行した時点においては、特典種別表示手段は、種別決定手段によって決定された一の種別の特典に関する情報を表示していない。遊技者が、特定の領域に遊技球を通過させる態様で発射させ遊技球が種別決定用入球部に入球してはじめて特典種別表示手段は種別決定手段によって決定された一の種別の特典に関する情報を表示する。よって、演出実行手段が第2の場合であるにも関わらず特定の領域に遊技球を通過させる態様で遊技球を発射させることを促す演出を実行した時点において、遊技者に対して、第1の場合であるのか第2の場合であるのかを判定させにくくし、第1の場合であるかもしれないといった期待感を付与しつつ、特定の領域に遊技球を通過させる態様で遊技球を発射させることを促すことができる。
<特徴aD群>
特徴aD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態αおよび第1実施形態βから抽出される。
[特徴aD1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作を開始してから前記遊技回用動作が終了するまでを遊技回の1回とした場合に、前記遊技回を実行する遊技回実行手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
を備える遊技機であって、
前記特典付与手段は、
前記遊技回実行手段によって実行される遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たすことを契機として、当該遊技回の終了後に、遊技者に特典を付与する第1付与手段と、
遊技球が特定の領域を通過したことを契機として特典を付与する第2付与手段と、
を備え、
前記特典付与手段は、
遊技球が前記特定の領域を通過したにも関わらず、当該遊技球が前記特定の領域を通過したのが前記第1付与手段が前記特典を付与している期間である場合には、前記特定の領域を通過したことを契機とする特典を付与しないで前記第1付与手段による前記特典の付与を継続する手段を備え、
前記演出実行手段は、
遊技球が前記特定の領域を通過したのが前記第1付与手段が前記特典を付与している期間である場合にも関わらず、遊技球が前記特定の領域を通過したことを契機として、遊技球が前記特定の領域を通過したことを示唆する演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴aD1によれば、遊技球が特定の領域を通過したのが第1付与手段が特典を付与している期間である場合には特定の領域を通過したことを契機とする特典を付与しないで第1付与手段による特典の付与を継続するにも関わらず、第1付与手段が特典を付与している期間に遊技球が特定の領域を通過したことを契機として、遊技球が特定の領域を通過したことを示唆する演出を実行するので、当該演出が実行されたことを認識した遊技者に対して、第1付与手段による付与が中断して遊技球が特定の領域を通過したことを契機とする特典の付与が開始されるのではないかと言った期待感を付与することができる。
[特徴aD2]
特徴aD1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第1付与手段が前記特典の付与する場合に、前記特定の領域を通過させる態様で遊技球を発射させることを示唆する演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴aD2によれば、第1付与手段が特典の付与する場合に、特定の領域を通過させる態様で遊技球を発射させることを示唆する演出を実行するので、当該遊技球が特定の領域を通過したのが第1付与手段が特典を付与している期間である場合には特定の領域を通過したことを契機とする特典が付与されないにも関わらず、遊技者に期待感を付与することが可能であり、さらに、遊技者に特定の領域を通過させる態様で遊技球を発射させることで、さらに、遊技者の期待感を向上させることができる。
<特徴aE群>
特徴aE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態αおよび第1実施形態βから抽出される。
[特徴aE1]
遊技者に特典を付与する特典付与手段(開閉実行モードを実行する機能)と、
遊技球が入球可能な入球領域(第1始動口33、第2始動口34、V入賞口222)であって、前記特典を付与する契機となる複数の特典付与契機入球領域と、
予め定められた複数の種別の特典のうち、遊技者に付与する一の種別の特典を決定する種別決定手段と、
を備える遊技機であって、
前記種別決定手段は、
遊技球が第1の特典付与契機入球領域(第1始動口33、第2始動口34)に入球した場合には、前記第1の特典付与契機入球領域に遊技球が入球したことに基づいて付与される特典の種別を、前記第1の特典付与契機入球領域とは異なる入球領域(種別決定ゲート202)に遊技球が入球したことを契機として決定する第1特典種別決定手段と、
遊技球が第2の特典付与契機入球領域(V入賞口222)に入球した場合には、前記第2の特典付与契機入球領域に遊技球が入球したことに基づいて付与される特典の種別を、当該第2の特典付与契機入球領域(V入賞口222)に遊技球が入球したことを契機として決定する第2特典種別決定手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴aE1によれば、種別決定手段による種別の決定方法が、遊技球が第1の特典付与契機入球領域に入球した場合と、遊技球が第2の特典付与契機入球領域に入球した場合とで異なるので、特典の種別が決定される際に多様な遊技性を創出することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴aE2]
特徴aE1に記載の遊技機であって、
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作を開始してから前記遊技回用動作が終了するまでを遊技回の1回とした場合に、前記遊技回を実行する遊技回実行手段と、
を備え、
前記第1の特典付与契機入球領域に遊技球が入球することによって、前記取得条件が成立し、
前記第1特典種別決定手段は、
前記第1の特典付与契機入球領域に遊技球が入球することを契機として前記遊技回実行手段が実行する遊技回の終了後の期間において、前記第1の特典付与契機入球領域とは異なる入球領域に遊技球が入球したことを契機として、付与する特典の種別を決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴aE2によれば、第1の特典付与契機入球領域に遊技球が入球することを契機として遊技回実行手段が実行する遊技回の終了後の期間において、特典の種別の決定について遊技者に積極的に関与させるので、当該遊技回の終了後の期間においても遊技者を遊技に注目させることができる。
[特徴aE3]
特徴aE1または特徴aE2に記載の遊技機であって、
前記第2の特典付与契機入球領域に遊技球が入球した場合には、
前記特典付与手段は、前記特典を付与することを確定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴aE3によれば、第2の特典付与契機入球領域に遊技球が入球した場合には、特典付与手段は、特典を付与することを確定する。また、特徴aE1によれば、第2特典種別決定手段は、遊技球が第2の特典付与契機入球領域に入球した場合には、第2の特典付与契機入球領域に遊技球が入球したことに基づいて付与される特典の種別を、当該第2の特典付与契機入球領域に遊技球が入球したことを契機として決定する。よって、第2の特典付与契機入球領域に遊技球が入球した場合には、特典が付与されることが確定するとともに、付与される特典の種別も決定される。結果として、第2の特典付与契機入球領域に遊技球が入球した場合の遊技の進行に関して遊技者にスピード感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、上記の特徴aE2によれば、第1の特典付与契機入球領域に遊技球が入球した場合には、第1の特典付与契機入球領域に遊技球が入球したことを契機とする遊技回が実行され、当該遊技回の終了後の期間において、第1の特典付与契機入球領域とは異なる入球領域に遊技球が入球したことを契機として、付与する特典の種別を決定し、その後に、特典が付与される。よって、第1の特典付与契機入球領域に遊技球が入球した場合には、第2の特典付与契機入球領域に遊技球が入球した場合と比較して、特典が付与されるまでのスピード感はない。結果として、第1の特典付与契機入球領域に遊技球が入球した場合と、第2の特典付与契機入球領域に遊技球が入球した場合とで、遊技の進行に緩急をつけることができ、遊技者の遊技に対する期待感に抑揚を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴aF群>
特徴aF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態αおよび第1実施形態βから抽出される。
[特徴aF1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作を開始してから前記遊技回用動作が終了するまでを遊技回の1回とした場合に、前記遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記遊技回実行手段によって実行される遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、当該遊技回の終了後に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
特典としての遊技球である賞球を遊技者に付与する契機となる入球部である第1入賞口と、
特典としての遊技球である賞球を遊技者に付与する契機となる入球部であって、前記第1入賞口とは異なる入球部である第2入賞口と、
前記第1入賞口を、遊技球が入球可能または入球が容易な状態である入球状態と、遊技球が入球不可能または前記入球状態と比較して入球が困難な状態である非入球状態との間で遷移させる第1入賞口状態遷移手段(第1開閉扉36b)と、
前記第2入賞口を、遊技球が入球可能または入球が容易な状態である入球状態と、遊技球が入球不可能または前記入球状態と比較して入球が困難な状態である非入球状態との間で遷移させる第2入賞口状態遷移手段(第2開閉扉213)と、
前記第1入賞口状態遷移手段および前記第2入賞口状態遷移手段の動作を制御する状態遷移手段動作制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記状態遷移手段動作制御手段は、
前記遊技回実行手段によって実行される遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、前記第2入賞口状態遷移手段(第2開閉扉213)を当該遊技回の終了後の前記特典を付与する期間に動作させるか否かを判定する第2入賞口状態遷移判定手段と、
前記第1入賞口状態遷移手段および前記第2入賞口状態遷移手段の動作回数を決定する動作回数決定手段と、
を備える遊技機。
特徴aF1によれば、遊技回実行手段によって実行される遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たす場合に、第2入賞口状態遷移手段を当該遊技回の終了後の前記特典を付与する期間に動作させるか否かを判定する処理と、第1入賞口状態遷移手段および第2入賞口状態遷移手段の動作回数を決定する処理とを別々に実行するので、特典を付与する際に、第2入賞口状態遷移手段の動作の有無と、第1入賞口状態遷移手段および第2入賞口状態遷移手段の動作回数の組み合わせ方によって、第1入賞口状態遷移手段および第2入賞口状態遷移手段の様々な動作態様を実現することが可能となり、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴aF2]
特徴aF1に記載の遊技機であって、
前記動作回数決定手段は、
前記第2入賞口状態遷移判定手段が前記第2入賞口状態遷移手段を当該遊技回の終了後の前記特典を付与する期間に動作させるか否かを判定した後に、前記第1入賞口状態遷移手段および前記第2入賞口状態遷移手段の動作回数を決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴aF2によれば、先に第2入賞口状態遷移手段を動作させるか否かを判定した後に第1入賞口状態遷移手段および第2入賞口状態遷移手段の動作回数を決定するので、第2入賞口状態遷移手段を動作させるか否かを判定してから第1入賞口状態遷移手段および第2入賞口状態遷移手段の動作回数を決定するまでの期間に、第2入賞口状態遷移手段を動作させるか否かの判定結果に基づいた処理を実行することができる。例えば、第2入賞口状態遷移手段を動作させるという判定の結果の場合に、第2入賞口状態遷移手段を動作させるか否かを判定してから第1入賞口状態遷移手段および第2入賞口状態遷移手段の動作回数を決定するまでの期間に、第2入賞口状態遷移手段を動作させることを示唆する演出の実行を開始することができ、当該演出の開始後に、第1入賞口状態遷移手段および第2入賞口状態遷移手段の動作回数を決定することができる。
[特徴aF3]
特徴aF1または特徴aF2に記載の遊技機であって、
遊技回に対応する特別情報が前記所定の条件を満たす(大当たり)と前記判定手段が判定した第1の場合に、前記遊技回実行手段が当該遊技回を終了した後の期間において、前記第2入賞口への遊技球の入球を促す演出を実行する手段と、遊技回に対応する特別情報が前記所定の条件を満たさない場合であって、予め定められた特定の条件を満たす(小当たり)と前記判定手段が判定した第2の場合に、前記遊技回実行手段が当該遊技回を終了した後の期間において、前記第2入賞口への遊技球の入球を促す演出を実行する手段とを備える演出実行手段と、
前記第1の場合に対応する遊技回の終了後に、前記演出実行手段に前記第2入賞口への遊技球の入球を促す演出を実行させることを含む特定の処理を実行する特定処理実行手段と、
前記特定の処理を実行するか否かを判定する特定処理実行判定手段と、
を備え、
前記第2入賞口状態遷移判定手段は、前記特定処理判定手段による前記判定の結果に基づいて、前記第2入賞口状態遷移手段を動作させるか否かを判定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴aF3によれば、第2入賞口状態遷移判定手段は、前記特定処理判定手段による前記判定の結果に基づいて、第2入賞口状態遷移手段を動作させるか否かを判定するので、特定の処理の実行の態様と、第1入賞口状態遷移手段および第2入賞口状態遷移手段の動作の態様とを関連した態様とすることができる。
<特徴aG群>
特徴aG群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態αおよび第1実施形態βから抽出される。
[特徴aG1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作を開始してから前記遊技回用動作が終了するまでを遊技回の1回とした場合に、前記遊技回を実行する遊技回実行手段と、
遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
遊技球が入球可能な入球部であって、当該入球部へ遊技球が入球した場合に特典としての遊技球である賞球を遊技者に付与する入球部である入賞口と、
前記入賞口を、遊技球が入球可能または入球が容易な状態である入球状態と、遊技球が入球不可能または前記入球状態と比較して入球が困難な状態である非入球状態と、の間で状態遷移させる入賞口状態遷移手段(大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記入賞口状態遷移手段が前記入賞口を状態遷移させる態様である状態遷移態様を決定する状態遷移態様決定手段(種別決定処理)と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備え、
前記入賞口状態遷移手段は、
遊技回に対応する特別情報が前記所定の条件を満たすと前記判定手段が判定した第1の場合(大当たりの場合)に、当該遊技回の終了後に、前記入賞口の状態を前記非入球状態から前記入球状態に遷移させ、
遊技回に対応する特別情報が前記所定の条件を満たさない場合であって、予め定められた特定の条件を満たすと前記判定手段が判定した第2の場合(小当りの場合)に、当該遊技回の終了後に、前記入賞口の状態を前記非入球状態から前記入球状態に遷移させる手段を備え、
演出実行手段は、
前記第1の場合に、所定の態様で遊技球を発射させることを促す演出を、当該第1の場合における前記遊技回が終了した時点から、前記状態遷移態様決定手段が前記状態遷移態様を決定する時点までの期間(待機期間)に実行する手段と、
前記第2の場合に、所定の態様で遊技球を発射させることを促す演出を、当該第2の場合における前記遊技回が終了した時点であって前記状態遷移態様決定手段が前記状態遷移態様を決定した後の時点から、前記入賞口状態遷移手段が前記入賞口の状態を前記非入球状態から前記入球状態に最初に遷移させるまでの期間(オープニング期間)に実行する手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴aG1によれば、第1の場合と、第2の場合とで、処理上、異なる期間であるにも関わらず、いずれの場合も所定の態様で遊技球を発射させることを促す演出を実行する。従って、第1の場合と、第2の場合とで、所定の態様で遊技球を発射させることを促す演出が、異なる期間に実行されていることを、遊技者に認識させにくい。その結果、仮に第2の場合に基づいて当該演出が実行された場合であっても、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たしているか否かを演出に基づいて判断している遊技者に対して、第1の場合に基づいて当該演出が実行されたのではないかといった期待感を付与することができる。
[特徴aG2]
特徴aG1に記載の遊技機であって、
前記所定の態様で遊技球を発射させることを促す演出は、特定の領域(V入賞口222)を遊技球が通過する態様で遊技球を発射させることを促す演出であり、
前記特定の領域は、前記入賞口に入球した遊技球のみが通過可能な領域である
ことを特徴とする遊技機。
特徴aG2によれば、特定の領域は、入賞口に入球した遊技球のみが通過可能な領域である。そして、上記の特徴aG1によれば、第1の場合も、第2の場合も、特定の領域を遊技球が通過する態様で遊技球を発射させることを促す演出を実行した後に、入賞口状態遷移手段が入賞口の状態を非入球状態から入球状態に最初に遷移させる。従って、当該演出に従って遊技を進行した遊技者に対して、入賞口へ遊技球を入球させやすくすることができ、さらに、遊技球に特定の領域を通過させることを可能にしやすくすることができる。
[特徴aG3]
特徴aG1または特徴aG2に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球部である状態遷移態様決定用入球部(種別決定ゲート202)を備え、
前記状態遷移態様決定手段は、前記第1の場合には、当該第1の場合に対応する遊技回の終了後において前記状態遷移態様決定用入球部への遊技球の入球を契機として、前記状態遷移態様を決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
一般的に、遊技機は、第1の場合には、決定した状態遷移態様に関する情報を表示する。
特徴aG3によれば、状態遷移態様決定手段は、第1の場合には、第1の場合に対応する遊技回の終了後において状態遷移態様決定用入球部への遊技球の入球を契機として、状態遷移態様を決定するので、少なくとも遊技球が状態遷移態様決定用入球部に入球するまでは状態遷移態様に関する情報は表示されず、遊技者による遊技球の発射の仕方によっては、第1の場合であるのか、第2の場合であるのかを遊技者に認識させるまでの期間を延ばすことができる。従って、仮に第2の場合に基づいて当該演出が実行された場合であっても、遊技者に対して、第1の場合に基づいて当該演出が実行されたのではないかといった期待感を付与することができる期間を延ばすことができる。
また、第1の場合には、当該第1の場合に対応する遊技回の終了後において状態遷移態様決定用入球部への遊技球の入球を契機として、前記状態遷移態様を決定することによって、状態遷移態様の決定に関して遊技者に積極的に関与させることとなり、特別情報が所定の条件を満たす遊技回の終了後においても、遊技者を遊技に注目させることができるとともに、決定される状態遷移態様に対する期待感を高めることができる。
[特徴aG4]
特徴aG3に記載の遊技機であって、
前記特定の領域は、遊技球が流通する方向において前記状態遷移態様決定用入球部よりも下流に配置されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴aG4によれば、特定の領域は、遊技球が流通する方向において状態遷移態様決定用入球部よりも下流に配置されている。従って、第1の場合に、特定の領域を遊技球が通過する態様で遊技球を発射させることを促す演出を実行し、遊技者が当該演出に従って遊技を進行させた場合には、遊技者は意識することなく状態遷移態様決定用入球部へ遊技球を入球させることができ、スムーズに状態遷移態様を決定することができ、遊技を円滑に進行させることができる。
<特徴aH群>
特徴aH群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態αおよび第1実施形態βから抽出される。
[特徴aH1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作を開始してから前記遊技回用動作が終了するまでを遊技回の1回とした場合に前記遊技回を実行する遊技回実行手段を備える制御手段であって遊技の進行状態を制御する制御手段と、
遊技球の通過によって前記遊技の進行状態を変化させる契機となり得る領域である特定の領域と、
前記特定の領域を、遊技球が通過可能または通過が容易な状態である通過状態と、遊技球が通過不可能または前記通過状態と比較して通過が困難な状態である非通過状態との間で遷移させる特定領域状態遷移手段(第2開閉扉213)と、
を備える遊技機であって、
前記特定領域状態遷移手段は、
遊技回に対応する特別情報が前記所定の条件を満たすと前記判定手段が判定した第1の場合に(第1実施形態αの変形例10において始動口への入球に基づく大当たりとなった場合に)、前記特定の領域を前記非通過状態から前記通過状態に遷移させる手段と、
遊技回に対応する特別情報が前記所定の条件を満たさない場合であって、予め定められた特定の条件を満たすと前記判定手段が判定した第2の場合に(第1実施形態αの変形例10において小当たりとなった場合に)、前記特定の領域を前記非通過状態から前記通過状態に遷移させる手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記第1の場合に前記通過状態である前記特定の領域を遊技球が通過した場合には、前記遊技の進行状態を変化させない手段と、
前記第2の場合に前記通過状態である前記特定の領域を遊技球が通過した場合には、前記遊技の進行状態を変化させる手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴aH1によれば、特定領域状態遷移手段は、第1の場合も第2の場合も、特定の領域を非通過状態から通過状態に遷移させるので、特定の領域の状態遷移に基づいて第1の場合であるのか第2の場合であるのかを遊技者に識別させない。従って、特定の領域を非通過状態から通過状態に遷移させた場合に、遊技者に対して、第1の場合と第2の場合のいずれであるのかを推測させることができ、遊技者の期待感を向上させることができる。また、制御手段は、第1の場合には、通過状態である特定の領域を遊技球が通過した場合であっても遊技の進行状態を変化させないので、第1の場合に基づく遊技の進行状態を維持させることができる。
[特徴aH2]
特徴aH1に記載の遊技機であって、
演出を実行する演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記第1の場合に、所定の態様で遊技球を発射させることを促す演出(右打ち示唆演出)を、前記遊技回実行手段が当該遊技回を終了した後の期間に実行する手段と、
前記第2の場合に、所定の態様で遊技球を発射させることを促す演出(右打ち示唆演出)を、前記遊技回実行手段が当該遊技回を終了した後の期間に実行する手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴aH2によれば、第1の場合も、第2の場合も、演出実行手段は所定の態様で遊技球を発射させることを促す演出を実行するので、仮に第2の場合に基づいて当該演出が実行された場合であっても、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たしているのか否かを演出に基づいて判断している遊技者に対して、第1の場合に基づいて当該演出が実行されたのではないかといった期待感を付与することができる。
[特徴aH3]
特徴aH1または特徴aH2に記載の遊技機であって、
前記遊技回実行手段によって実行される遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、当該遊技回の終了後に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
予め定められた複数の種別の特典のうち、遊技者に付与する一の種別の特典を決定する種別決定手段と、
前記種別決定手段によって決定された前記一の種別の特典に関する情報を表示する特典種別表示手段(ラウンドランプ)と、
を備え、
前記種別決定手段は、前記特別情報が前記所定の条件を満たす遊技回の終了後に、遊技者に付与する前記一の種別の特典を決定する手段(種別決定処理を実行する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴aH3によれば、種別決定手段は、特別情報が所定の条件を満たす遊技回の終了後に、遊技者に付与する一の種別の特典を決定するので、特別情報が所定の条件を満たす遊技回の終了前に遊技者に付与する一の種別の特典を決定する遊技機と比較して、特典種別表示手段が種別決定手段によって決定された一の種別の特典に関する情報を表示するタイミングを遅らせることができる。従って、遊技回の終了後に、所定の態様で遊技球を発射させることを促す演出が実行された場合に、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たしているか否かを演出に基づいて判断している遊技者に対して、第1の場合に基づいて当該演出が実行されたのではないかといった期待感を付与することができるとともに、さらに、特典種別表示手段に特典に関する情報を表示するか否かに基づいて遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たしているか否かの判定が可能となるまでの時間を遅らせることができ、特別情報が所定の条件を満たす遊技回の終了前に遊技者に付与する一の種別の特典を決定する遊技機と比較して、第1の場合に基づいて当該演出が実行されたのではないかといった期待感を付与することができる期間を長くすることができる。
<特徴aI群>
特徴aI群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態αおよび第1実施形態βから抽出される。
[特徴aI1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作を開始してから前記遊技回用動作が終了するまでを遊技回の1回とした場合に前記遊技回を実行する遊技回実行手段を備える制御手段であって遊技の進行状態を制御する第1の制御手段(主制御装置60)と、
遊技球の通過によって前記遊技の進行状態を変化させる契機となり得る領域である特定の領域(V入賞口222)と、
前記第1の制御手段とは異なる制御手段であって、前記遊技の進行状態に影響を及ぼさない処理を制御する第2の制御手段(音声発光制御装置90、表示制御装置100)と、
流通する遊技球の挙動に影響を及ぼす可能性のある動作を実行する動作機構(V入賞補助機構)と、
を備える遊技機であって、
前記第1の制御手段は、
遊技回に対応する特別情報が前記所定の条件を満たすと前記判定手段が判定した第1の場合に(第1実施形態αの変形例10において始動口への入球に基づく大当たりとなった場合に)、前記特定の領域を遊技球が通過した場合には、前記遊技の進行状態を変化させない手段と、
遊技回に対応する特別情報が前記所定の条件を満たさない場合であって、予め定められた特定の条件を満たすと前記判定手段が判定した第2の場合に(第1実施形態αの変形例10において小当たりとなった場合に)、前記特定の領域を遊技球が通過した場合には、前記遊技の進行状態を変化させる手段と、
前記第1の場合に特定の情報を前記第2の制御手段に送信し、前記第2の場合に前記特定の情報を前記第2の制御手段に送信しない特定情報送信手段と、
を備え、
前記第2の制御手段は、
前記動作機構を、流通する遊技球が前記特定の領域を通過することが可能な第1の状態と、前記第1の状態より前記流通する遊技球が前記特定の領域を通過しやすい第2の状態との間で遷移させる手段と、
前記特定情報送信手段から前記特定の情報を受信した場合に、前記動作機構を前記第1状態から前記第2の状態に遷移させる手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴aI1によれば、第2の制御手段によって動作機構の状態の遷移を制御するので、第1の制御手段による処理を軽減することができる。また、第2の制御手段は、第1の場合において特定の情報を受信した場合に動作機構を第1状態から第2の状態に遷移させ、第2の場合には特定の情報を受信しないので動作機構を第1状態から第2の状態に遷移させない。さらに、第1の制御手段は、第1の場合には、特定の領域を遊技球が通過した場合であっても、遊技の進行状態を変化させない。よって、第2の制御手段による動作機構の状態の遷移の制御によって、遊技の進行状態に影響が及ばないようにすることができる。
[特徴aI2]
前記γA1に記載の遊技機であって、
遊技球が流通する方向において前記動作機構よりも上流に配置され、前記特定の領域を、前記特定の領域に遊技球が通過可能または通過が容易な状態である通過状態と、前記特定の領域に遊技球が通過不可能または前記通過状態と比較して通過が困難な状態である非通過状態との間で遷移させる特定領域状態遷移手段(第2開閉扉213)を備え、
前記特定領域状態遷移手段は、
前記第1の場合に(始動口への入球に基づく大当たりとなった場合に)、前記特定の領域を前記非通過状態から前記通過状態に遷移させる手段と、
前記第2の場合に(小当たりとなった場合に)、前記特定の領域を前記非通過状態から前記通過状態に遷移させる手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴aI2によれば、特定領域状態遷移手段は、第1の場合も第2の場合も、特定の領域を非通過状態から通過状態に遷移させるので、特定の領域の状態遷移に基づいて第1の場合であるのか第2の場合であるのかを遊技者に識別させない。従って、特定の領域を非通過状態から通過状態に遷移させた場合に、遊技者に対して、第1の場合と第2の場合のいずれであるのかを推測させることができ、遊技者の期待感を向上させることができる。また、第1の制御手段は、第1の場合には、通過状態である特定の領域を遊技球が通過した場合であっても遊技の進行状態を変化させないので、第1の場合に基づく遊技の進行状態を維持させることができる。
[特徴aI3]
特徴aI1または特徴aI2に記載の遊技機であって、
前記第2の制御手段は、演出を実行する演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記第1の場合に、所定の態様で遊技球を発射させることを促す演出(右打ち示唆演出)を、前記遊技回実行手段が当該遊技回を終了した後の期間に実行する手段と、
前記第2の場合に、所定の態様で遊技球を発射させることを促す演出(右打ち示唆演出)を、前記遊技回実行手段が当該遊技回を終了した後の期間に実行する手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴aI3によれば、第1の場合も、第2の場合も、演出実行手段は所定の態様で遊技球を発射させることを促す演出を実行するので、仮に第2の場合に基づいて当該演出が実行された場合であっても、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たしているのか否かを演出に基づいて判断している遊技者に対して、第1の場合に基づいて当該演出が実行されたのではないかといった期待感を付与することができる。
[特徴aI4]
特徴aI1から特徴aI3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技回実行手段によって実行される遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、当該遊技回の終了後に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
予め定められた複数の種別の特典のうち、遊技者に付与する一の種別の特典を決定する種別決定手段と、
前記種別決定手段によって決定された前記一の種別の特典に関する情報を表示する特典種別表示手段(ラウンドランプ)と、
を備え、
前記種別決定手段は、前記特別情報が前記所定の条件を満たす遊技回の終了後に、遊技者に付与する前記一の種別の特典を決定する手段(種別決定処理を実行する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴aI4によれば、種別決定手段は、特別情報が所定の条件を満たす遊技回の終了後に、遊技者に付与する一の種別の特典を決定するので、特別情報が所定の条件を満たす遊技回の終了前に遊技者に付与する一の種別の特典を決定する遊技機と比較して、特典種別表示手段が種別決定手段によって決定された一の種別の特典に関する情報を表示するタイミングを遅らせることができる。従って、遊技回の終了後に、所定の態様で遊技球を発射させることを促す演出が実行された場合に、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たしているか否かを演出に基づいて判断している遊技者に対して、第1の場合に基づいて当該演出が実行されたのではないかといった期待感を付与することができるとともに、さらに、特典種別表示手段に特典に関する情報を表示するか否かに基づいて遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たしているか否かの判定が可能となるまでの時間を遅らせることができ、特別情報が所定の条件を満たす遊技回の終了前に遊技者に付与する一の種別の特典を決定する遊技機と比較して、第1の場合に基づいて当該演出が実行されたのではないかといった期待感を付与することができる期間を長くすることができる。
<特徴aJ群>
特徴aJ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態αおよび第1実施形態βから抽出される。
[特徴aJ1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作を開始してから前記遊技回用動作が終了するまでを遊技回の1回とした場合に、前記遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記遊技回実行手段によって実行される遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、当該遊技回の終了後に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
予め定められた複数の種別の特典のうち、遊技者に付与する一の種別の特典を決定する種別決定手段と、
を備える遊技機であって、
前記特典付与手段は、前記種別決定手段によって決定された前記一の種別の特典を付与している期間に、特定の領域(V入賞口222)を遊技球が通過した場合には、前記一の種別の特典の付与が終了していないにも関わらず、当該一の種別の特典の付与を終了する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴aJ1によれば、種別決定手段によって決定された一の種別の特典を付与している期間に、特定の領域を遊技球が通過した場合には、一の種別の特典の付与が終了していないにも関わらず、当該一の種別の特典の付与を終了するので、特定の領域を遊技球が通過したことを契機とする新たな処理を実行する際に、当該一の種別の特典の付与に伴って実行される処理と、処理が競合することを回避することができる。換言すれば、種別決定手段によって決定された一の種別の特典を付与している期間に、特定の領域を遊技球が通過した場合に実行する処理として、当該一の種別の特典の付与に伴って実行される処理と同じ処理の実行を可能にすることができる。
[特徴aJ2]
特徴aJ1に記載の遊技機であって、
前記特典付与手段は、前記種別決定手段によって決定された前記一の種別の特典を付与している期間に、特定の領域を遊技球が通過した場合には、前記一の種別の特典の付与が終了していないにも関わらず、当該一の種別の特典の付与を終了し、特定の領域を遊技球が通過したことに基づく新たな特典の付与を開始する手段(第1実施形態αにおける遊技状態移行処理を実行する機能/V入賞処理におけるSa2106)を備える
ことを特徴する遊技機。
特徴aJ2によれば、種別決定手段によって決定された一の種別の特典を付与している期間に、特定の領域を遊技球が通過した場合には、一の種別の特典の付与が終了していないにも関わらず、当該一の種別の特典の付与を終了するが、特定の領域を遊技球が通過したことに基づく新たな特典の付与が開始されるので、新たな特典の付与に対する期待感を遊技者に付与することができる。
[特徴aJ3]
特徴aJ1または特徴aJ2に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球部である種別決定用入球部(種別決定ゲート202)を備え、
前記種別決定手段は、前記特別情報が前記所定の条件を満たす遊技回の終了後における前記種別決定用入球部への遊技球の入球を契機として遊技者に付与する前記一の種別の特典を決定する手段(種別決定処理を実行する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴aJ3によれば、特別情報が所定の条件を満たす遊技回の終了後における種別決定用入球部への遊技球の入球を契機として遊技者に付与する一の種別の特典を決定するので、遊技者は、付与される特典の種別の決定に関して積極的に関与することとなり、特別情報が所定の条件を満たす遊技回の終了後においても、遊技者を遊技に注目させることができるとともに、決定される特典の種別に対する期待感を高めることができる。
[特徴aJ4]
特徴aJ2または特徴aJ3に記載の遊技機であって、
前記種別決定手段は、前記特定の領域(V入賞口222)を遊技球が通過した場合に付与する特典の種別は、当該特定の領域を当該遊技球が通過したことを契機として決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴aJ4によれば、種別決定手段は、特定の領域を遊技球が通過した場合に付与する特典の種別は、当該特定の領域を当該遊技球が通過したことを契機として決定するので、遊技者は種別決定用入球部へ遊技球を入球させることによって種別決定手段に一の種別の特典を決定させる必要がなく、特定の領域の遊技球の通過からの一連の流れで特定の領域を遊技球が通過したことに基づく新たな特典の付与を開始することができ、特定の領域を遊技球が通過した場合の遊技の進行に関して遊技者にスピード感を付与することができる。
<特徴aK群>
特徴aK群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第1実施形態αおよび第1実施形態βから抽出される。
[特徴aK1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作を開始してから前記遊技回用動作が終了するまでを遊技回の1回とした場合に、前記遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記遊技回実行手段によって実行される遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす第1の場合(始動口に入球したことによる大当たり)に、当該遊技回の終了後に、遊技者に特典を付与し、特定の領域(V入賞口)を遊技球が通過した場合である第2の場合(V入賞大当たり)に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記第1の場合および前記第2の場合に、予め定められた複数の種別の特典のうち、遊技者に付与する一の種別の特典を決定する種別決定手段と、
を備える遊技機であって、
前記特定の領域(V入賞口)は、
前記特典付与手段が前記特典を付与している期間に、遊技球の通過が可能であり、
前記特典付与手段は、
前記第1の場合に対応する前記特典を付与している期間に、前記特定の領域を前記遊技球が通過し前記第2の場合となると、前記第1の場合に対応する前記特典の付与を停止し、前記第2の場合に対応する前記特典の付与を開始する手段を備え、
前記種別決定手段は、
前記第1の場合より、前記第2の場合の方が、遊技者に付与する前記一の種別の特典を前記予め定められた複数の種別の特典のうち遊技者に最も有利な種別の特典に決定する確率が高い
ことを特徴とする遊技機。
特徴aK1によれば、特定の領域は、特典付与手段が特典を付与している期間に、遊技球の通過が可能であり、特典付与手段は、第1の場合に対応する特典を付与している期間に、特定の領域を遊技球が通過し第2の場合となると、第1の場合に対応する特典の付与を停止し、前記第2の場合に対応する前記特典の付与を開始するので、特典の付与に関する処理が競合することを回避することができる。また、第1の場合に対応する特典を付与している期間に、特定の領域を遊技球が通過し第2の場合となり、第1の場合に対応する特典の付与が停止して、前記第2の場合に対応する前記特典の付与を開始された場合において、遊技者が先に付与されていた第1の場合に対応する特典の種別より不利になってしまうのではないかといった不安を抱くことが想定される。しかしながら、本遊技機においては、種別決定手段は、第1の場合より、第2の場合の方が、予め定められた複数の種別の特典のうち遊技者に最も有利な種別の特典に決定する確率が高いので、そのような遊技者の不安を低減することができるとともに、遊技者に対して、より一層大きな期待感を付与することができる。
[特徴aK2]
特徴aK1に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球部である種別決定用入球部(種別決定ゲート202)を備え、
前記種別決定手段は、前記第1の場合には、当該第1の場合に対応する遊技回の終了後における前記種別決定用入球部への遊技球の入球を契機として、前記第1の場合に対応して遊技者に付与する前記一の種別の特典を決定する手段を備え、
前記特定の領域は、遊技球が流通する方向において前記種別決定用入球部よりも下流に配置されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴aK2によれば、種別決定手段は、第1の場合に対応する遊技回の終了後における種別決定用入球部への遊技球の入球を契機として、第1の場合に対応して遊技者に付与する一の種別の特典を決定するので、第1の場合に対応する遊技回が終了した時点においては、付与される特典の種別は決定されておらず、遊技者は、第1の場合に対応する特典の有利の度合いを認識することはできない。そして、遊技者は、付与される特典の種別を決定させるために種別決定用入球部に向けて遊技球を流通させる。このとき、特定の領域は、遊技球が流通する方向において種別決定用入球部よりも下流に配置されているの、種別決定用入球部に向けて流通する遊技球は特定領域を通過しやすい。よって、第1の場合に対応して付与される特典が決定され特典の付与が開始された後に、自然な流れで第2の場合に対応する特典の付与に移行しやすく、遊技を円滑に進行させることができる。さらに、自然な流れで第1の場合に対応する特典の付与から第2の場合に対応する特典の付与に移行するので、第1の場合に対応する特典の付与から第2の場合に対応する特典の付与に移行した場合に、先に付与されていた第1の場合に対応する特典の種別より不利になってしまうのではないかといった不安を遊技者が抱く間を作らず、または、そのような遊技者の不安を低減することができる。そして、遊技者に対して、より一層大きな期待感を付与することができる。
[特徴aK3]
特徴aK1または特徴aK2に記載の遊技機であって、
前記種別決定手段は、前記第2の場合には、前記特定の領域を遊技球が通過したことを契機として、前記第2の場合に対応して遊技者に付与する前記一の種別の特典を決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴aK3によれば、種別決定手段は、第2の場合には、特定の領域を遊技球が通過したことを契機として、第2の場合に対応して遊技者に付与する一の種別の特典を決定する。従って、第2の場合に、遊技者は種別決定用入球部へ遊技球を入球させることによって種別決定手段に一の種別の特典を決定させる必要がなく、特定の領域の遊技球の通過からの一連の流れで第2の場合に対応した特典の種別が決定されて、新たな特典の付与が開始される。よって、特定の領域を遊技球が通過した場合の遊技の進行に関して遊技者にスピード感を付与することができる。
<特徴bA群>
特徴bA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴bA1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球を補助する補助手段(第2実施形態における電動役物44a)と、
前記補助手段の状態を、前記入球部への遊技球の入球を不可能または困難にする状態である第1の状態(電動役物44aが閉鎖した状態)と、前記入球部への遊技球の入球を可能または容易にする状態である第2の状態(電動役物44aが開放した状態)との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードとして少なくとも第1の制御モード(高頻度サポートモード)と第2の制御モード(低頻度サポートモード)とを実行可能な制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記制御手段は、
前記判定手段による前記判定の結果に基づいて、当該判定の結果を報知する遊技回の開始時に、前記制御モードを前記第1の制御モード(高頻度サポートモード)から前記第2の制御モード(低頻度サポートモード)に切り替える手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴bA1によれば、判定手段による判定の結果に基づいて、判定の結果を報知する遊技回の開始時に、制御モードを第1の制御モードから第2の制御モードに切り替える手段を備えるので、遊技回の開始後に実行する処理と、状態遷移手段の制御モードとによって、過度に遊技者に有利または不利な状態になることを抑制することができる。例えば、状態遷移手段の制御モードが遊技者に有利な制御モードであった場合に、さらに、遊技回の開始後に実行する処理によって遊技者に有利な状態となると、遊技者に過度に有利な状態となってしまう可能性がある。しかしながら、本特徴による遊技機は、遊技回の開始時に判定手段による判定の結果に基づいて制御モードを切り替える手段を備えるので、例えば、遊技回の開始後に実行する処理によって遊技者に有利な状態となる場合には、それに合わせて制御モードを遊技者に有利な制御モードから遊技者に有利となりすぎない制御モードに切り替えることによって、遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
[特徴bA2]
特徴bA1に記載の遊技機であって、
前記発射手段によって所定の発射強度で遊技球が連続して発射されている状況においては、
前記制御手段が前記第1の制御モード(高頻度サポートモード)で前記状態遷移手段を制御する場合の方が、前記制御手段が前記第2の制御モード(低頻度サポートモード)で前記状態遷移手段を制御する場合よりも、前記入球部に遊技球が入球しやすい
ことを特徴とする遊技機。
特徴bA2によれば、状態遷移手段を第1の制御モードで制御する場合の方が第2の制御モードで制御する場合よりも入球部に遊技球が入球しやすい。すなわち、第1の制御モードは第2の制御モードよりも遊技者に有利な制御モードである。従って、本特徴の遊技機によれば、遊技回の開始後に実行する処理によって遊技者に有利な状態となる場合には、それに合わせて制御モードを遊技者に有利な制御モードから遊技者に有利となりすぎない制御モードに切り替えることができるので、遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
[特徴bA3]
特徴bA1または特徴bA2に記載の遊技機であって、
特典を付与する特典付与手段を備え、
前記特典付与手段は、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすと前記判定手段が判定した場合に、当該判定の結果を報知する遊技回の終了後に特典を付与する遊技回終了後特典付与手段(ラウンド遊技を実行する機能)と、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する遊技回が特定の条件を満たす場合に、当該遊技回の実行中に特典を付与する遊技回実行中特典付与手段(特別ボーナス処理を実行する機能)とを備え、
前記制御手段は、
実行される遊技回が前記特定の条件を満たす場合(特定処理フラグがONである場合)に、当該遊技回の開始時に、前記制御モードを前記第1の制御モードから前記第2の制御モードに切り替える手段(高頻度サポートモードフラグをOFFにする機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴bA3によれば、実行される遊技回が特定の条件を満たす場合には遊技回実行中特典付与手段によって当該遊技回の実行中に特典が付与され遊技者に有利な状態となる。その一方で、制御手段は、当該遊技回が特定の条件を満たす場合に、当該遊技回の開始時に、制御モードを第1の制御モードから第2の制御モードに切り替える手段を備えるので、遊技回実行中特典付与手段によって特典が付与されている期間であっても、遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
[特徴bA4]
特徴bA1から特徴bA3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第1の入球部と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第2の入球部と、
を備え、
前記補助手段は、
前記第1の入球部または前記第2の入球部のいずれか一方に配置され、
前記情報取得手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段と、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段とを備え、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する手段を備え、
前記遊技回実行手段は、
前記第1の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第1特別情報遊技回と、前記第2の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第2特別情報遊技回とを並行して実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴bA4によれば、第1特別情報遊技回と第2特別情報遊技回とを並行して実行する手段を備えるので、例えば、第1特別情報遊技回の実行中に第2特別情報遊技回の判定結果に対する特典を付与する処理が可能となる。このような場合、第1特別情報遊技回の開始後に実行する処理によって遊技者に有利な状態となるが、本特徴の遊技機は、第1特別情報遊技回の開始時に制御モードを第1の制御モードから第2の制御モードに切り替える手段を備えるので、第1特別情報遊技回の実行中に遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
<特徴bB群>
特徴bB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴bB1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすと前記判定手段が判定した場合に、当該判定の結果を報知する遊技回の終了後に、特典を付与する特典付与手段(ラウンド遊技を実行する機能)と、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する遊技回(大当たりに当選している遊技回)を条件成立遊技回とし、2つの前記条件成立遊技回のうち先に実行される前記条件成立遊技回を先条件成立遊技回とし、前記先条件成立遊技回よりも後に実行される前記条件成立遊技回を後条件成立遊技回とした場合に、前記後条件成立遊技回の開始時における処理を、前記先条件成立遊技回に対応する前記特別情報に基づいて決定する処理決定手段(大当たりに当選した先の遊技回の大当たり種別に基づいて、大当たりに当選した後の遊技回の開始時に特別ボーナス処理に関わる処理を実行するか否かを決定する機能)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴bB1によれば、後条件成立遊技回の開始時における処理を、先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて決定する処理決定手段を備えるので、後条件成立遊技回が実行されるよりも前に予め、後条件成立遊技回の開始時に実行する処理に対する対応処理を実行することができる。例えば、先条件成立遊技回において後条件成立遊技回の開始時に実行する処理を示唆する演出を実行することや、先条件成立遊技回と後条件成立遊技回との間に実行される遊技回において後条件成立遊技回の開始時に実行する処理を示唆する演出を実行することなど、後条件成立遊技回の開始時に実行する処理に対する様々な対応処理を実行することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、後条件成立遊技回の開始時における処理を、先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて決定するので、例えば、後条件成立遊技回の開始時における処理として決定した処理が遊技者に有利な処理である場合には、当該処理に対する対応処理として、条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて当該処理によって遊技者に過度に有利にならないような処理を後条件成立遊技回の開始時に実行することができる。
[特徴bB2]
特徴bB1に記載の遊技機であって、
遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球を補助する補助手段(第2実施形態における電動役物44a)と、
前記補助手段の状態を、前記入球部への遊技球の入球を不可能または困難にする状態である第1の状態(電動役物44aが閉鎖した状態)と、前記入球部への遊技球の入球を可能または容易にする状態である第2の状態(電動役物44aが開放した状態)との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードとして少なくとも第1の制御モード(高頻度サポートモード)と第2の制御モード(低頻度サポートモード)とを実行可能な制御手段と、
を備え、
前記処理決定手段は、
前記後条件成立遊技回の開始時に前記制御モードを前記第1の制御モードから前記第2の制御モードに切り替えるか否かの判定(高頻度サポートモードフラグをOFFにするか否かの判定)を、前記先条件成立遊技回に対応する前記特別情報に基づいて実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴bB2によれば、処理決定手段は、後条件成立遊技回の開始時に制御モードを第1の制御モードから第2の制御モードに切り替えるか否かの判定を、先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて実行するので、例えば、先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて後条件成立遊技回の開始時に遊技者に有利な処理が実行される場合には、当該処理に対する対応処理として、先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて後条件成立遊技回の開始時に制御モードを遊技者に有利な制御モードから遊技者に有利となりすぎない制御モードに切り替えるか否かの判定を実行することが可能となり、その結果、遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
[特徴bB3]
特徴bB2に記載の遊技機であって、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第1の入球部と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第2の入球部と、
を備え、
前記情報取得手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段と、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段とを備え、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する手段を備え、
前記遊技回実行手段は、
前記第1の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第1特別情報遊技回と、前記第2の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第2特別情報遊技回とを並行して実行する手段を備え、
前記遊技機は、さらに、
前記遊技回実行手段が実行する遊技回の時間を遊技時間とした場合に、前記遊技時間を設定する遊技時間設定手段を備え、
前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する遊技回を第1条件成立遊技回とし、2つの前記第1条件成立遊技回のうち先に実行される前記第1条件成立遊技回を第1先条件成立遊技回とし、前記第1先条件成立遊技回よりも後に実行される前記第1条件成立遊技回を第1後条件成立遊技回とした場合に、
前記遊技時間決定手段は、
前記第1後条件成立遊技回が実行されている期間に実行される前記第2特別情報遊技回の前記遊技時間の設定方法を、前記第1先条件成立遊技回に対応する前記特別情報に基づいて決定する手段(第2実施形態における第2始動口用の変動時間の設定処理/先に大当たりに当選した第1始動口用遊技回の大当たり種別に基づいて、後に大当たりに当選した第1始動口用遊技回の開始時に、高頻度サポートモードフラグのON/OFFを判定し、高頻度サポートモードフラグの状態に基づいて、後に大当たりに当選した第1始動口用遊技回が実行されている期間に実行される第2始動口用遊技回の変動時間の設定方法を決定する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴bB3によれば、第1後条件成立遊技回が実行されている期間に実行される第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法を、第1先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて決定するので、例えば、第1先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて第1後条件成立遊技回が実行されている期間に実行される第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法を遊技者に有利な設定方法に決定することができる。より具体的には、第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法として、遊技時間の平均値が比較的短くなる設定方法に決定することができる。この場合、第1後条件成立遊技回が実行されている期間が、遊技者に過度に有利になってしまう虞があるが、例えば、上記特徴bB2に示したように、当該処理に対する対応処理として、第1先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて第1後条件成立遊技回の開始時に制御モードを切り替えることができるので、例えば、遊技者に有利な制御モードから遊技者に有利となりすぎない制御モードに切り替えることによって、第1後条件成立遊技回が実行されている期間に遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
<特徴bC群>
特徴bC群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴bC1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記遊技回実行手段が実行する遊技回の時間を遊技時間とした場合に、前記遊技時間を設定する遊技時間設定手段と、
遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球を補助する補助手段(第2実施形態における電動役物44a)と、
前記補助手段の状態を、前記入球部への遊技球の入球を不可能または困難にする状態である第1の状態(電動役物44aが閉鎖した状態)と、前記入球部への遊技球の入球を可能または容易にする状態である第2の状態(電動役物44aが開放した状態)との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードとして少なくとも第1の制御モード(高頻度サポートモード)と第2の制御モード(低頻度サポートモード)とを実行可能な制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記発射手段によって所定の発射強度で遊技球が連続して発射されている状況においては、前記制御手段が前記第1の制御モード(高頻度サポートモード)で前記状態遷移手段を制御する場合の方が、前記制御手段が前記第2の制御モード(低頻度サポートモード)で前記状態遷移手段を制御する場合よりも前記入球部に遊技球が入球しやすく、
前記遊技時間設定手段は、
前記遊技時間の設定方法として少なくとも第1の設定方法と、前記第1の設定方法よりも設定する遊技時間の平均値が短い第2の設定方法とを実行可能であり、
前記制御手段は、
前記遊技時間設定手段が、特定の契機に基づいて前記遊技時間の設定方法を前記第1の設定方法から前記第2の設定方法に切り替える(特定ボーナス処理の開始時に第2始動口用遊技回の変動時間の設定方法を切り替える/高確高頻度時変動時間情報取得処理から高確低頻度時変動時間情報取得処理に切り替える)にも関わらず、当該特定の契機に基づいて、前記制御モードを前記第1の制御モードから前記第2の制御モードに切り替える手段(高頻度サポートモードフラグをOFFにする機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
一般的な遊技機においては、遊技時間の設定方法を第1の設定方法から、第1の設定方法よりも設定する遊技時間の平均値が短い第2の設定方法に切り替えた場合には、状態遷移手段の制御モードを、第2の制御モードから、第2の制御モードよりも入球部に遊技球が入球しやすい第1の制御モードに切り替える。しかしながら、この場合、遊技者に過度に有利な状態になる可能性がある。
特徴bC1の遊技機によれば、特定の契機に基づいて遊技時間の設定方法を第1の設定方法から第2の設定方法に切り替えるにも関わらず、特定の契機に基づいて、制御モードを第1の制御モードから第2の制御モードに切り替えるので、遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
[特徴bC2]
特徴bC1に記載の遊技機であって、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第1の入球部と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第2の入球部と、
を備え、
前記情報取得手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段と、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段とを備え、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する手段を備え、
前記遊技回実行手段は、
前記第1の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第1特別情報遊技回と、前記第2の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第2特別情報遊技回とを並行して実行する手段を備え、
前記特定の契機は、前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回の開始であり、
前記制御手段は、
前記遊技時間設定手段が、前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される前記第2特別情報遊技回の前記遊技時間の設定方法を、前記第1の設定方法から前記第2の設定方法に切り替えるにも関わらず、
前記特定の契機に基づいて前記制御モードを前記第1の制御モード(高頻度サポートモード)から前記第2の制御モード(低頻度サポートモード)に切り替える
ことを特徴とする遊技機。
特徴bC2によれば、所定の条件を満たす第1の特別情報に対応する第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法を、第1の設定方法から第2の設定方法に切り替えることによって遊技者に有利な状態となった場合であっても、所定の条件を満たす第1の特別情報に対応する第1特別情報遊技回の開始を契機として制御モードを第1の制御モードから第2の制御モードに切り替えるので、遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
さらに、制御モードを切り替える契機は、所定の条件を満たす第1の特別情報に対応する第1特別情報遊技回の開始であるので、当該第1特別情報遊技回が終了した後には特典が付与される処理を実行することも可能であり、遊技者に種々の遊技の状態の変化を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴bD群>
特徴bD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴bD1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第1の入球部と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第2の入球部と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記情報取得手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段と、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段とを備え、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する手段を備え、
前記遊技回実行手段は、
前記第1の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第1特別情報遊技回と、前記第2の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第2特別情報遊技回とを並行して実行する手段を備え、
前記演出実行手段は、
1回の前記第1特別情報遊技回が開始されてから終了するまでの期間に実行される前記第2特別情報遊技回において実行する演出を、当該1回の前記第1特別情報遊技回に対応する前記第1の特別情報に基づいて決定する手段(第2実施形態において、特別ボーナス時の小当たり用の演出パターンの設定処理を実行する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴bD1によれば、1回の前記第1特別情報遊技回が開始されてから終了するまでの期間に実行される前記第2特別情報遊技回において実行する演出を、当該1回の前記第1特別情報遊技回に対応する前記第1の特別情報に基づいて決定するので、第2特別情報遊技回において実行する演出を介して間接的に第1特別情報遊技回について遊技者に推測させることでき、第2特別情報遊技回において実行する演出を利用して第1特別情報遊技回に対する期待感を付与することができる。
[特徴bD2]
特徴bD1に記載の遊技機であって、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすと前記判定手段が判定した場合に、当該判定の結果を報知する遊技回の終了後に特典を付与する特典付与手段と、
前記特典付与手段が付与する前記特典の種別を、複数種類の前記特典の種別の中から決定する特典種別決定手段と、
を備え、
前記演出実行手段は、
前記第1特別情報遊技回に対応する前記第1の特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、前記第1特別情報遊技回の終了後に付与される前記特典の種別に基づいて、当該第1特別情報遊技回が開始されてから終了するまでの期間に実行される前記第2特別情報遊技回において実行する演出を決定する手段(特別ボーナス処理に対応する第1始動口用遊技回における大当たり種別に基づいて、当該特別ボーナス処理の期間に実行される第2始動口用遊技回の小当たり用の演出パターンテーブルを設定する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴bD2によれば、第2特別情報遊技回において実行する演出を利用して第1特別情報遊技回の終了後に付与される特典の種別について遊技者に期待感を付与することできる。
[特徴bD3]
特徴bD1または特徴bD2に記載の遊技機であって、
前記判定手段は前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定するための判定モードとして少なくとも第1の判定モード(低確率モード)と第2の判定モード(高確率モード)の2種類の判定モードを実行可能であり、
前記判定手段が前記第2の判定モードを実行している場合の方が、前記第1の判定モードを実行している場合より、前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高く、
前記演出実行手段は、
前記第1特別情報遊技回に対応する前記第1の特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、当該第1特別情報遊技回の終了後に実行される遊技回において前記判定手段が実行する判定モードの種類に基づいて、当該第1特別情報遊技回が開始されてから終了するまでの期間に実行される前記第2特別情報遊技回において実行する演出を決定する手段(特別ボーナス処理に対応する第1始動口用遊技回における大当たり種別が確変大当たりか通常大当たりかによって、当該特別ボーナス処理の期間に実行される第2始動口用遊技回の小当たり用の演出パターンテーブルを設定する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴bD3によれば、第2特別情報遊技回において実行する演出を利用して、第1の特別情報が所定の条件を満たす第1特別情報遊技回の終了後に実行される遊技回の判定モードの種類について遊技者に期待感を付与することできる。
<特徴bE群>
特徴bE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴bE1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第1の入球部と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第2の入球部と、
遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
を備える遊技機であって、
前記情報取得手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段と、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段とを備え、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する手段を備え、
前記遊技回実行手段は、
前記第1の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第1特別情報遊技回(第2実施形態における第1始動口用遊技回)と、前記第2の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第2特別情報遊技回(第2始動口用遊技回)とを並行して実行する手段を備え、
前記特典付与手段は、
前記第1特別情報遊技回に対応する前記第1の特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、前記第1特別情報遊技回の終了後に、特典である遊技回終了後特典を付与する遊技回終了後特典付与手段(第2実施形態における開閉実行モードを実行する機能)と、
前記第1特別情報遊技回に対応する前記第1の特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、前記第1特別情報遊技回が実行されている期間に、特典である遊技回実行中特典を付与する遊技回実行中特典付与手段(第2実施形態における特別ボーナス処理を実行する機能)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴bE1によれば、遊技回終了後特典付与手段と遊技回実行中特典付与手段とを備えるので、遊技回終了後特典および遊技回実行中特典について遊技者に期待感を付与することができる。また、例えば、遊技回実行中特典を付与する場合と付与しない場合とを設定することで、所定の条件を満たす第1の特別情報に対応する第1特別情報遊技回が実行されている期間であっても、遊技回実行中特典が付与されるのか否かを推測させ、遊技者に緊迫感を付与することができる。
[特徴bE2]
特徴bE1に記載の遊技機であって、
前記遊技回実行中特典付与手段は、
前記遊技回実行中特典を付与する前記第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される前記第2特別情報遊技回(第2始動口用遊技回)を契機として、前記遊技回実行中特典(第2始動口用遊技回における小当たりを契機としたラウンド遊技による特典)を付与する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴bE2によれば、遊技回実行中特典を付与する第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される第2特別情報遊技回を契機として、遊技回実行中特典を付与するので、第1特別情報遊技回に対応する第1の特別情報が所定の条件を満たす場合であっても、さらに第2特別情報遊技回を実行させることによる、より一層大きな期待感を遊技者に付与することができる。
[特徴bE3]
特徴bE1または特徴bE2に記載の遊技機であって、
前記特別情報に基づいて前記遊技回実行手段が実行する遊技回の時間である遊技時間を設定する遊技時間設定手段を備え、
前記遊技回実行中特典として付与される特典の量の上限値は、前記遊技回実行中特典を付与する前記第1特別情報遊技回に対して前記遊技時間設定手段が設定した前記遊技時間の長さ(特別ボーナス処理として実行される第1始動口用遊技回の変動時間の長さ)に基づいて決定される
ことを特徴とする遊技機。
特徴bE3によれば、遊技回実行中特典として付与される特典の量の上限値は、遊技回実行中特典を付与する第1特別情報遊技回に対して遊技時間設定手段が設定した遊技時間の長さに基づいて決定されるので、遊技者に対して、第1特別情報遊技回がより長く続いて欲しいといった期待感を付与することができる。また、第1特別情報遊技回の終了が近づくにつれて遊技回実行中特典を少しでも多く取得したいといった期待感や、第1特別情報遊技回の終了時期に関する焦燥感を付与することができ、遊技者の感情に抑揚を付与することができる。
<特徴bF群>
特徴bF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴bF1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第1の入球部と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第2の入球部と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記情報取得手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段と、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段とを備え、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する手段を備え、
前記遊技回実行手段は、
前記第1の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第1特別情報遊技回と、前記第2の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第2特別情報遊技回とを並行して実行する手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記第1特別情報遊技回が開始されてから所定のタイミングまでの経過時間に関する情報である経過時間情報を取得し、前記経過時間情報に基づいて、当該経過時間情報の取得対象である前記第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される前記第2特別情報遊技回に対応する演出を設定する演出設定処理を実行する演出設定処理実行手段(第2実施形態において、特別ボーナス時の小当たり用の演出パターンの設定処理を実行する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴bF1によれば、第1特別情報遊技回が開始されてから所定のタイミングまでの経過時間に関する情報である経過時間情報に基づいて、当該第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される第2特別情報遊技回に対応する演出を設定するので、実行された第2特別情報遊技回に対応する演出を認識した遊技者に対して、第1特別情報遊技回が実行されてからの経過時間や第1特別情報遊技回が終了するまでの残時間を推測させ、第2特別情報遊技回に対応する演出を介して間接的に第1特別情報遊技回に対する期待感を付与することができる。
[特徴bF2]
特徴bF1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記経過時間情報の取得対象である前記第1特別情報遊技回に対応する前記第1の特別情報に基づいて、前記演出設定処理を実行するか否かを決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴bF2によれば、経過時間情報の取得対象である第1特別情報遊技回に対応する第1の特別情報に基づいて、演出設定処理を実行するか否かを決定する。よって、遊技者に対して、第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される第2特別情報遊技回に対応する演出に基づいて、第1特別情報遊技回に対応する第1の特別情報が所定の条件を満たしているのかを推測させることを可能にし、第2特別情報遊技回に対応する演出を介して間接的に第1特別情報遊技回に対する期待感を付与することができる。
[特徴bF3]
特徴bF1または特徴bF2に記載の遊技機であって、
実行される遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、前記遊技回の終了後に特典を付与する特典付与手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記所定の条件を満たす前記第1特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回が特定の条件を満たす場合に、当該特定の条件を満たす前記第1特別情報遊技回が開始されてから所定のタイミングまでの経過時間(第1始動口用遊技回の変動時間の残時間RT)に関する情報である経過時間情報を取得し、前記経過時間情報の取得対象である前記第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行する前記第2特別情報遊技回に対応する演出を設定する演出設定処理を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴bF3によれば、遊技者に対して、第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される第2特別情報遊技回に対応する演出に基づいて、第1特別情報遊技回が特定の条件を満たしているのか否かを推測させることを可能にし、第2特別情報遊技回に対応する演出を介して間接的に第1特別情報遊技回に対する期待感を付与することができる。
[特徴bF4]
特徴bF3に記載の遊技機であって、
特典を付与する特典付与手段を備え、
前記特典付与手段は、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすと前記判定手段が判定した場合に、当該判定の結果を報知する遊技回の終了後に特典を付与する遊技回終了後特典付与手段(ラウンド遊技を実行する機能)と、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する遊技回が前記特定の条件を満たす場合に、当該遊技回の実行中に特典を付与する遊技回実行中特典付与手段(特別ボーナス処理を実行する機能)とを備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴bF4によれば、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回が特定の条件を満たす場合に、当該遊技回の実行中に特典を付与するので、遊技者に対して、第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される第2特別情報遊技回に対応する演出に基づいて、第1特別情報遊技回が特定の条件を満たしているのか否かを推測させることを可能にし、第2特別情報遊技回に対応する演出を介して間接的に、第1特別情報遊技回の実行中に付与される可能性がある特典についてより一層大きな期待感を付与することができる。
<特徴bG群>
特徴bG群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴bG1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を図柄を用いて報知する判定結果報知手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を図柄を用いて報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第1の入球部と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第2の入球部と、
特典を付与する特典付与手段と、
を備える遊技機であって、
前記情報取得手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段と、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段とを備え、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する手段を備え、
前記遊技回実行手段は、
前記第1の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第1特別情報遊技回と、前記第2の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第2特別情報遊技回とを並行して実行する手段を備え、
前記特典付与手段は、
実行される遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合に(大当たりに当選した場合に)、特典を付与する所定条件成立時特典付与手段と、
実行される遊技回に対応する前記特別情報が特定の条件を満たす場合に(小当たりの場合に)、特典を付与する特定条件成立時特典付与手段とを備え、
前記判定結果報知手段は、
前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される前記第2特別情報遊技回に対応する前記第2の特別情報が前記所定の条件を満たしていると前記判定手段が判定した場合には、前記第2の特別情報が前記所定の条件を満たしていないことを示す判定の結果に対応する前記図柄を用いて当該判定の結果を報知するにも関わらず、前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される前記第2特別情報遊技回に対応する前記第2の特別情報が前記特定の条件を満たしていると前記判定手段が判定した場合には、前記第2の特別情報が前記特定の条件を満たしていることを示す判定の結果に対応する前記図柄を用いて当該判定の結果を報知する特定条件成立報知処理を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴bG1によれば、第1の特別情報が所定の条件を満たしていることを示す判定の結果に対応する図柄が表示されることを契機として実行される処理と、第2の特別情報が所定の条件を満たしていることを示す判定の結果に対応する図柄が表示されることを契機として実行される処理とが、同時期に競合してしまうことを回避することができる。
[特徴bG2]
特徴bG1に記載の遊技機であって、
前記入球部への遊技球の入球を補助する補助手段(第2実施形態における電動役物44a)と、
前記補助手段の状態を、前記入球部への遊技球の入球を不可能または困難にする状態である第1の状態(電動役物44aが閉鎖した状態)と、前記入球部への遊技球の入球を可能または容易にする状態である第2の状態(電動役物44aが開放した状態)との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードとして少なくとも第1の制御モード(高頻度サポートモード)と第2の制御モード(低頻度サポートモード)とを実行可能な制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回の開始時に、前記制御モードを前記第1の制御モード(高頻度サポートモード)から前記第2の制御モード(低頻度サポートモード)に切り替える手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴bG2によれば、所定の条件を満たす第1の特別情報に対応する第1特別情報遊技回の開始時に、制御モードを第1の制御モードから第2の制御モードに切り替える手段を備えるので、第1特別情報遊技回の開始後に実行する処理と、状態遷移手段の制御モードとによって、過度に遊技者に有利または不利な状態になることを抑制することができる。
<特徴bH群>
特徴bH群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴bH1]
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な第1の入球部(第1始動口33)と、
前記遊技領域を流通する遊技球が入球可能な第2の入球部(第2始動口34)と、
前記第1の入球部および前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が、所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記判定の結果を示すための識別情報を表示する表示手段(第2実施形態における液晶表示装置41)と、
を備える遊技機であって、
前記遊技回実行手段は、
前記第1の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第1特別情報遊技回と、前記第2の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第2特別情報遊技回とを並行して実行する手段を備え、
前記表示手段は、
前記第1の特別情報に基づく前記判定の結果を示すための識別情報である第1識別情報(第2実施形態における第1液晶用図柄)と、前記第2の特別情報に基づく前記判定の結果を示すための識別情報である第2識別情報(第2実施形態における第2液晶用図柄)とを、各々、当該表示手段の異なる表示領域に表示する領域別表示手段を備え、
前記領域別表示手段は、
前記第1の特別情報が前記所定の条件を満たす前記第1特別情報遊技回が第1の状態(先に当選した第1始動口用遊技回において特定確変大当たりに当選していない状態)において実行された場合には、前記第1の特別情報に対応する前記第1識別情報を表示する表示領域と前記第2の特別情報に対応する前記第2識別情報を表示する表示領域とを入れ替える処理を実行しないにも関わらず、前記第1の特別情報が前記所定の条件を満たす前記第1特別情報遊技回が第2の状態(先に当選した第1始動口用遊技回において特定確変大当たりに当選している状態)において実行された場合には、前記第1の特別情報に対応する前記第1識別情報を表示する表示領域と前記第2の特別情報に対応する前記第2識別情報を表示する表示領域とを所定のタイミングで入れ替える処理を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴bH1によれば、第1の特別情報が所定の条件を満たす場合であっても、当該第1の特別情報に対応する第1特別情報遊技回が実行された状態によって、第1識別情報を表示する表示領域と第2識別情報を表示する表示領域とを入れ替える処理が実行される場合と実行されない場合とがあるので、第1の特別情報が所定の条件を満たす第1特別情報遊技回が実行された場合に、表示領域の入れ替えが実行されたか否かを遊技者に認識させることによって、当該第1特別情報遊技回が実行された状態が、第1の状態であったのか第2の状態であったのかを推測させることができる。
[特徴bH2]
特徴bH1に記載の遊技機であって
前記第1の特別情報が前記所定の条件を満たす前記第1特別情報遊技回が実行される状態が前記第1の状態であるか前記第2の状態であるかを判定する状態判定処理を実行する状態判定処理実行手段を備え、
前記状態判定手段は、
前記第1の特別情報が前記所定の条件を満たす前記第1特別情報遊技回よりも先に実行された第1特別情報遊技回である先実行第1特別情報遊技回に対応する特別情報に基づいて前記状態判定処理を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴bH2によれば、第1の特別情報が所定の条件を満たす第1特別情報遊技回が実行される状態が第1の状態であるか第2の状態であるかの判定は、先実行第1特別情報遊技回に対応する特別情報に基づいて行われるので、例えば、所定の条件を満たす第1特別情報遊技回において、先実行第1特別情報遊技回に対応する特別情報に基づいた処理を、表示領域の入れ替えの実行の可否を利用した処理にすることができる。例えば、表示領域を入れ替えるか入れ替えないかといった演出を実行することによって、先実行第1特別情報遊技回に対応する特別情報に関する情報を示唆することができる。
<特徴bI群>
特徴bI群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴bI1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記特別情報に基づいて前記遊技回実行手段が実行する遊技回の時間である遊技時間を設定する遊技時間設定手段と、
前記遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、特典を付与する特典付与手段(第2実施形態における特別ボーナス処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記特典として付与される特典の量の上限値は、前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回に対して前記遊技時間設定手段が設定した前記遊技時間の長さ(特別ボーナス処理として実行される第1始動口用遊技回の変動時間の長さ)に基づいて決定される
ことを特徴とする遊技機。
特徴bI1によれば、特典として付与される特典の量の上限値は、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回に対して遊技時間設定手段が設定した遊技時間の長さに基づいて決定されるので、遊技者に対して、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回の遊技時間が、より長く続いて欲しいといった期待感を付与することができる。また、当該遊技回の終了が近づくにつれて特典を少しでも多く取得したいといった期待感や、当該遊技回の終了時期に関する焦燥感を付与することができ、遊技者の感情に抑揚を付与することができる。
[特徴bI2]
特徴bI1に記載の遊技機であって、
遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球を補助する補助手段と、
前記補助手段の状態を、前記入球部への遊技球の入球を不可能または困難にする状態である第1の状態と、前記入球部への遊技球の入球を可能または容易にする状態である第2の状態との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードとして少なくとも第1の制御モードと第2の制御モードとを実行可能な制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記特典付与手段が前記特典を付与する場合には、前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回の開始時に、前記制御モードを前記第1の制御モード(高頻度サポートモード)から前記第2の制御モード(低頻度サポートモード)に切り替える手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴bI2によれば、特典付与手段が特典を付与する場合には、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回の開始時に、制御モードを第1の制御モードから第2の制御モードに切り替えるので、当該遊技回の開始後に付与される特典と、状態遷移手段の制御モードとによって、過度に遊技者に有利または不利な状態になることを抑制することができる。
[特徴bI3]
特徴bI2に記載の遊技機であって、
前記発射手段によって所定の発射強度で遊技球が連続して発射されている状況においては、
前記制御手段が前記第1の制御モード(高頻度サポートモード)で前記状態遷移手段を制御する場合の方が、前記制御手段が前記第2の制御モード(低頻度サポートモード)で前記状態遷移手段を制御する場合よりも、前記入球部に遊技球が入球しやすい
ことを特徴とする遊技機。
特徴bI3によれば、状態遷移手段を第1の制御モードで制御する場合の方が第2の制御モードで制御する場合よりも入球部に遊技球が入球しやすい。すなわち、第1の制御モードは第2の制御モードよりも遊技者に有利な制御モードである。従って、本特徴の遊技機によれば、特典付与手段によって特典が付与される遊技回の開始時に、制御モードを遊技者に有利な制御モードから遊技者に有利となりすぎない制御モードに切り替えることができるので、遊技者に過度に有利な状態になることを抑制することができる。
<特徴bJ群>
特徴bJ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴bJ1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記遊技回実行手段が実行する遊技回の時間を遊技時間とした場合に、前記遊技時間を設定する遊技時間設定手段と、
遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第1の入球部と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第2の入球部と、
を備える遊技機であって、
前記情報取得手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段と、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段とを備え、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する手段を備え、
前記遊技回実行手段は、
前記第1の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第1特別情報遊技回と、前記第2の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第2特別情報遊技回とを並行して実行する手段を備え、
前記遊技時間設定手段は、
前記第1の特別情報が前記所定の条件を満たす前記第1特別情報遊技回が開始されたこと(大当たりに当選している第1始動口用遊技回が開始されたこと)を契機として、前記第2特別情報遊技回の前記遊技時間の設定方法を、第1の設定方法(第2実施形態における高確高頻度時変動時間情報取得処理/ステップSb1305)から、設定する遊技時間の平均値が前記第1の設定方法と異なる第2の設定方法(第2実施形態における高確低頻度時変動時間情報取得処理/ステップSb1306)に切り替える手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴bJ1によれば、第1の特別情報が所定の条件を満たす第1特別情報遊技回が開始されたことを契機として、第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法を、第1の設定方法から、設定する遊技時間の平均値が第1の設定方法と異なる第2の設定方法に切り替える手段を備えるので、第1の特別情報が所定の条件を満たす第1特別情報遊技回の開始前と開始後で、単位時間当たりの第2特別情報遊技回の実行回数を変更することができ、遊技における遊技者の有利・不利の度合いを変更することができる。すなわち、第1の特別情報が所定の条件を満たす第1特別情報遊技回が開始されたことを契機として、遊技における遊技者の有利・不利の度合いを変更することができる。
[特徴bJ2]
特徴bJ1に記載の遊技機であって、
前記第2の設定方法は、前記第1の設定方法よりも設定される遊技時間の平均値が短い
ことを特徴とする遊技機。
特徴bJ2によれば、第2の設定方法は、第1の設定方法よりも設定される遊技時間の平均値が短いので、第1の特別情報が所定の条件を満たす第1特別情報遊技回の開始前と比較して、開始後における単位時間当たりの第2特別情報遊技回の実行回数を多くすることができ、有利な遊技の状態にすることができる。すなわち、第1の特別情報が所定の条件を満たす第1特別情報遊技回が開始されたことを契機として、有利な遊技の状態にすることができる。
[特徴bJ3]
特徴bJ1または特徴bJ2に記載の遊技機であって、
前記遊技時間設定手段は、
前記第2特別情報遊技回の前記遊技時間の設定方法として、設定する遊技時間の平均値が異なる複数種類の遊技時間の設定方法を選択可能であり、
前記第1の特別情報が前記所定の条件を満たす前記第1特別情報遊技回が開始されたことを契機として、前記第2特別情報遊技回の前記遊技時間の設定方法を、前記第1の設定方法から、前記複数種類の遊技時間の設定方法のうちの一の遊技時間の設定方法に切り替え、
前記一の遊技時間の設定方法は、前記設定する遊技時間の平均値が異なる複数種類の遊技時間の設定方法の中から、前記所定の条件を満たす前記第1特別情報遊技回に対応する前記第1の特別情報に基づいて決定される
ことを特徴とする遊技機(第2実施形態の変形例18における遊技機)。
特徴bJ3によれば、第1の特別情報が所定の条件を満たす第1特別情報遊技回が開始されたことを契機として切り替える第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法は、所定の条件を満たす第1特別情報遊技回に対応する第1の特別情報に基づいて決定されるので、遊技者に対して、第1特別情報遊技回が所定の条件を満たしたことによる期待感とは別に、第1特別情報遊技回が開始されたことを契機として切り替えられる第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法についての期待感も付与することができる。
<特徴bK群>
特徴bK群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴bK1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球を補助する補助手段(第2実施形態における電動役物44a)と、
前記補助手段の状態を、前記入球部への遊技球の入球を不可能または困難にする状態である第1の状態(電動役物44aが閉鎖した状態)と、前記入球部への遊技球の入球を可能または容易にする状態である第2の状態(電動役物44aが開放した状態)との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードを複数種類実行可能な制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記制御手段は、
当該制御手段が実行可能な前記複数種類の制御モード(第2実施形態の変形例1における高頻度サポートモードAと高頻度サポートモードB)のうちの特定の制御モード(高頻度サポートモードB)を実行中である場合には、前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回の開始時に、前記判定の結果に基づいて、実行中の前記特定の制御モードから当該特定の制御モードとは異なる他の種類の制御モードに切り替えるか否かを判定する処理である制御モード切替判定処理を実行するにも関わらず、当該制御手段が実行可能な前記複数種類の制御モードのうちの前記特定の制御モードではない制御モードを実行中である場合には、前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回の開始時に、前記制御モード切替判定処理を実行しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機(第2実施形態の変形例1における遊技機)。
特徴bK1によれば、特定の制御モードを実行中である場合には、判定手段による判定の結果を報知する遊技回の開始時に、判定の結果に基づいて、実行中の特定の制御モードから当該特定の制御モードとは異なる他の種類の制御モードに切り替えるか否かを判定する処理である制御モード切替判定処理を実行するので、制御手段によって特定の制御モードが実行されている場合には、遊技者に対して、遊技回の開始時に、判定の結果について期待感を付与することに加えて、制御モードが切り替わるか否かといった期待感を付与することができる。
[特徴bK2]
特徴bK1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記制御モード切替判定処理を実行し、前記制御モードを切り替えると判定した場合には、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回の開始時に、前記制御モードを前記特定の制御モードから所定の制御モードに切り替える手段を備え、
前記発射手段によって所定の発射強度で遊技球が連続して発射されている状況においては、
前記制御手段が前記特定の制御モード(第2実施形態の変形例1における高頻度サポートモードB)で前記状態遷移手段を制御する場合の方が、前記制御手段が前記所定の制御モード(低頻度サポートモード)で前記状態遷移手段を制御する場合よりも、前記入球部に遊技球が入球しやすい
ことを特徴とする遊技機。
特徴bK2によれば、制御手段が特定の制御モードで状態遷移手段を制御する場合の方が、所定の制御モードで状態遷移手段を制御する場合よりも入球部に遊技球が入球しやすい。よって、制御手段によって制御モードが切り替えられた際に、なんらかの処理が実行されることによって遊技の状態が遊技者に有利な状態に移行する場合であっても、制御モードが特定の制御モードから所定の制御モードに切り替わるので、遊技者に対して過度に有利となることを抑制することができる。
[特徴bK3]
特徴bK1または特徴bK2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記制御モード切替判定処理において、前記判定手段による前記判定の結果として前記判定の対象となる特別情報が所定の条件を満たしている場合に、前記制御モードを切り替えると判定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴bK3によれば、判定手段による判定の結果として判定の対象となる特別情報が所定の条件を満たしている場合に制御モードを切り替えると判定するので、制御モードが切り替わったことを認識した遊技者に対して、判定の対象となる特別情報が所定の条件を満たしたことを認識させることができる。よって、制御モードの切り替わりを用いて遊技者に期待感を付与することができる。
<特徴bL群>
特徴bL群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴bL1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記遊技回実行手段が実行する遊技回の時間を遊技時間とした場合に、前記遊技時間を設定する遊技時間設定手段と、
遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第1の入球部と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第2の入球部と、
前記第1の入球部または前記第2の入球部への遊技球の入球を補助する補助手段(第2実施形態における電動役物44a)と、
前記補助手段の状態を、前記第1の入球部または前記第2の入球部への遊技球の入球を不可能または困難にする状態である第1の状態(電動役物44aが閉鎖した状態)と、前記第1の入球部または前記第2の入球部への遊技球の入球を可能または容易にする状態である第2の状態(電動役物44aが開放した状態)との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードを複数種類実行可能な制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記情報取得手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段と、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段とを備え、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する手段を備え、
前記遊技回実行手段は、
前記第1の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第1特別情報遊技回と、前記第2の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第2特別情報遊技回とを並行して実行する手段を備え、
前記遊技時間設定手段は、
前記制御手段が実行可能な前記複数種類の制御モード(第2実施形態の変形例1における高頻度サポートモードAと高頻度サポートモードB)のうちの特定の制御モード(高頻度サポートモードB)を実行中である場合には、前記判定手段による前記第1の特別情報に対する前記判定の結果を報知する前記第1特別情報遊技回の開始時に、当該第1の特別情報に対する前記判定の結果に基づいて、前記第2特別情報遊技回の前記遊技時間の設定方法を、第1の設定方法から、設定する遊技時間の平均値が前記第1の設定方法と異なる第2の設定方法に切り替えるか否かを判定する設定方法切替判定処理を実行するにも関わらず、当該制御手段が実行可能な前記複数種類の制御モードのうちの前記特定の制御モードとは異なる制御モードを実行中である場合には、前記判定手段による前記第1の特別情報に対する前記判定の結果を報知する前記第1特別情報遊技回の開始時に、前記設定方法切替判定処理を実行しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機(第2実施形態の変形例1における遊技機)。
第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法を、第1の設定方法から、設定する遊技時間の平均値が第1の設定方法と異なる第2の設定方法に切り替えた場合、単位時間当たりの第2特別情報遊技回の実行回数を変更することができ、遊技における遊技者の有利・不利の度合いを変更することができる。
よって、特徴bL1によれば、制御手段が実行可能な複数種類の制御モードのうちの特定の制御モードを実行中である場合には、判定手段による第1の特別情報に対する判定の結果を報知する第1特別情報遊技回の開始時に、当該第1の特別情報に対する判定の結果に基づいて、第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法を、第1の設定方法から、設定する遊技時間の平均値が第1の設定方法と異なる第2の設定方法に切り替えるか否かを判定する設定方法切替判定処理を実行するので、制御手段が特定の制御モードを実行していることを認識した遊技者に対して、第1特別情報遊技回の開始時に、第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法が切り替わるか、すなわち、遊技における遊技者の有利・不利の度合いが変更されるかといった期待感や緊迫感を付与することができる。
[特徴bL2]
特徴bL1に記載の遊技機であって、
前記第2の設定方法は、前記第1の設定方法よりも設定される遊技時間の平均値が短い
ことを特徴とする遊技機。
特徴bL2によれば、第2の設定方法は、第1の設定方法よりも設定される遊技時間の平均値が短いので、第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法が第1の設定方法から第2の設定方法に切り替わった場合には、単位時間当たりの第2特別情報遊技回の実行回数を多くすることができ、遊技者にとって有利な状態に移行することができる。よって、制御手段が特定の制御モードを実行していることを認識した遊技者に対して、第1特別情報遊技回の開始時に、第2特別情報遊技回の遊技時間の設定方法が第1の設定方法から第2の設定方法に切り替わって有利な状態に移行しないかといった期待感を付与することができる。
[特徴bL3]
特徴bL1または特徴bL2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
当該制御手段が実行可能な前記複数種類の制御モードのうちの特定の制御モードを実行中である場合には、前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回の開始時に、前記判定の結果に基づいて、実行中の前記特定の制御モードから当該特定の制御モードとは異なる他の種類の制御モードに切り替えるか否かを判定する処理である制御モード切替判定処理を実行するにも関わらず、当該制御手段が実行可能な前記複数種類の制御モードのうちの前記特定の制御モードとは異なる制御モードを実行中である場合には、前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回の開始時に、前記制御モード切替判定処理を実行しない手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴bL3によれば、特定の制御モードを実行中である場合には、判定手段による判定の結果を報知する遊技回の開始時に、判定の結果に基づいて、実行中の特定の制御モードから当該特定の制御モードとは異なる他の種類の制御モードに切り替えるか否かを判定する処理である制御モード切替判定処理を実行するので、遊技者は、制御手段によって特定の制御モードが実行されている場合には、遊技者に対して、遊技回の開始時に、判定の結果について期待感を付与することに加えて、制御モードが切り替わるか否かといった期待感を付与することができる。
<特徴bM群>
特徴bM群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴bM1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への遊技球の入球を補助する補助手段(第2実施形態における電動役物44a)と、
前記補助手段の状態を、前記入球部への遊技球の入球を不可能または困難にする状態である第1の状態(電動役物44aが閉鎖した状態)と、前記入球部への遊技球の入球を可能または容易にする状態である第2の状態(電動役物44aが開放した状態)との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードとして少なくとも第1の制御モード(高頻度サポートモード)と第2の制御モード(低頻度サポートモード)とを実行可能な制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記制御手段は、
前記第1の制御モードから前記第2の制御モードに切り替えた時点(高頻度サポートモードフラグをONからOFFに切り替えた時点)から、前記補助手段が前記第2の制御モードで状態遷移を開始する時点までの期間である制御モード移行期間(第2実施形態の変形例19におけるサポートモード移行期間)において、前記補助手段を複数種類の動作態様で制御可能である
ことを特徴とする遊技機(第2実施形態の変形例19における遊技機)。
特徴bM1によれば、制御モード移行期間において、補助手段を複数種類の動作態様で制御することによって、第1の制御モードから第2の制御モードへの切り替え時に、遊技者に種々の推測をさせたり期待感を付与したりすることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。例えば、制御モード移行期間に、第1の制御モードや第2の制御モードにおける動作態様とは異なる動作態様で補助手段を制御することによって、遊技者に一時的な混乱を付与することや、意外性を付与することができる。
[特徴bM2]
特徴bM1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記制御モード移行期間における前記補助手段の動作態様を、前記第1の制御モードの実行を継続した場合の動作態様である第1の動作態様で制御する手段と、
前記制御モード移行期間における前記補助手段の動作態様を、前記第1の動作態様とは異なる動作態様で制御する手段とを備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴bM2によれば、制御モード移行期間における補助手段の動作態様を、第1の制御モードの実行を継続した場合の動作態様である第1の動作態様で制御する手段を備えるので、第1の制御モードから第2の制御モードへ切り替わったことを遊技者に認識させることを遅らせることができ、遊技者の推測を覆したり、遊技者に意外性を付与することができる。また、制御モード移行期間における補助手段の動作態様を、第1の動作態様とは異なる動作態様で制御する手段を備えるので、制御部が制御モードを第1の制御モードから第2の制御モードに切り替えたタイミングで制御モードが切り替わったことを遊技者に認識させることや、遊技がどのような状態に移行したのかを遊技者が一時的に認識させにくくすることなど、興趣の向上につながる種々の制御をすることができる。さらに、これらの手段を組み合わせて用いることによって、制御モード移行期間において、遊技者に種々の感情を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴bN群>
特徴bN群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第2実施形態から抽出される。
[特徴bN1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を図柄を用いて報知する判定結果報知手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を図柄を用いて報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第1の入球部と、
発射された遊技球が入球可能な入球部である第2の入球部と、
発射された遊技球が入球可能な入球部であって、所定の役物が作動した場合に入球が容易になる第3の入球部と、
前記所定の役物(第2実施形態の可変入賞装置36、開閉扉36b)の動作を制御する役物制御手段と、
特典を付与する特典付与手段と、
を備える遊技機であって、
前記情報取得手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段と、前記第2の入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する手段とを備え、
前記取得情報記憶手段は、
前記第1の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第1の特別情報、および、前記第2の入球部に遊技球が入球したことによって取得された前記特別情報である第2の特別情報を、各々、記憶する手段を備え、
前記遊技回実行手段は、
前記第1の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第1特別情報遊技回と、前記第2の特別情報に対する前記判定手段による判定の結果を報知するための遊技回である第2特別情報遊技回とを並行して実行する手段を備え、
前記役物制御手段は、
前記所定の条件を満たす場合に(大当たりに当選した場合に)、前記所定の役物(第2実施形態の可変入賞装置36、開閉扉36b)を作動させる所定条件作動手段と、前記所定の条件とは異なる特定の条件を満たす場合に(小当たりに当選した場合に)、前記所定の役物(第2実施形態の可変入賞装置36、開閉扉36b)を作動させる特定条件作動手段とを備え、
前記特典付与手段は、
実行される遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合に(大当たりに当選した場合に)、当該遊技回の終了時に前記所定条件作動手段に前記所定の役物を動作させることによって特典を付与する所定条件成立時特典付与手段を備え、
前記遊技回実行手段は、
前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される前記第2特別情報遊技回に対応する前記第2の特別情報が前記特定の条件として第1の特定の条件を満たす場合には(第2実施形態の変形例12における第1小当たりに当選した場合には)、前記第1の特定の条件を満たす前記第2の特別情報に対応する前記第2特別情報遊技回の終了時に、前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回を終了させる手段と、
前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される前記第2特別情報遊技回に対応する前記第2の特別情報が前記特定の条件として第2の特定の条件を満たす場合には(第2実施形態の変形例12における第2小当たりに当選した場合には)、前記第2の特定の条件を満たす前記第2の特別情報に対応する前記第2特別情報遊技回の終了時に、前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回を終了させない手段とを備える
ことを特徴とする遊技機(第2実施形態の変形例12における遊技機)。
特徴bN1によれば、第2特別情報遊技回に対応する特別情報が第1の特定の条件を満たす場合には、当該第2特別情報遊技回の終了時に所定の条件を満たす第1の特別情報に対応する第1特別情報遊技回を終了させてしまうので、当該第1特別情報遊技回が実行されている期間に第2特別情報遊技回が実行された場合に、当該第2特別情報遊技回に対応する第2の特別情報が特定の条件を満たす場合であっても、当該特定の条件のうち第1の特定の条件を満たすのか第2の特定の条件を満たすのかを遊技者に推測させ、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができる。
[特徴bN2]
特徴bN1に記載の遊技機であって、
前記判定結果報知手段は、
前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される前記第2特別情報遊技回に対応する前記第2の特別情報が前記所定の条件を満たしていると前記判定手段が判定した場合には、前記第2の特別情報が前記所定の条件を満たしていないことを示す判定の結果に対応する前記図柄を用いて当該判定の結果を報知するにも関わらず、前記所定の条件を満たす前記第1の特別情報に対応する前記第1特別情報遊技回が実行されている期間に実行される前記第2特別情報遊技回に対応する前記第2の特別情報が前記特定の条件を満たしていると前記判定手段が判定した場合には、前記第2の特別情報が前記特定の条件を満たしていることを示す判定の結果に対応する前記図柄を用いて当該判定の結果を報知する特定条件成立報知処理を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴bN2によれば、第1の特別情報が所定の条件を満たしていることを示す判定の結果に対応する図柄が表示されることを契機として実行される処理と、第2の特別情報が所定の条件を満たしていることを示す判定の結果に対応する図柄が表示されることを契機として実行される処理とが、同時期に競合してしまうことを回避することができる。
<特徴cA群>
特徴cA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴cA1]
遊技球が入球可能な入球部(第3実施形態における特電始動口52)と、
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記入球部への遊技球の入球を補助する補助手段(第3実施形態における普通電動役物53)と、
前記補助手段の動作を制御する制御モードとして、第1の制御モード(低頻度サポートモード)と、前記第1の制御モードで前記補助手段を制御する場合よりも前記入球部に遊技球が入球しやすい第2の制御モード(高頻度サポートモード)とを有する補助制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段は、
前記判定を行うための判定モードとして、第1判定モード(低確率モード)と、前記第1判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2判定モード(高確率モード)とを有しており、
当該遊技機は、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回(大当たりに当選した遊技回)の終了後に、前記制御モードが前記第1制御モードであり、かつ、前記判定モードが前記第2判定モードである特定状態(第3実施形態における潜伏確変状態)に移行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴cA1によれば、所定の条件を満たす遊技回の終了後に特定状態に移行するので、当該特定状態に移行することを利用して種々の処理を実行することができる。例えば、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回の終了後に、特定状態である期間中に限って、固有の方法によって遊技者に特典を付与する処理を実行することができる。また、判定モードと制御モードとを制御することによって特定状態に移行させたり、特定状態から他の状態に移行させたりすることができる。よって、所定の条件を満たす遊技回の終了後において、判定モードを切り替えるタイミングと制御モードを切り替えるタイミングとを制御することによって、特定状態の継続時間を制御することができ、特定状態の場合のみに行う処理の実行時間を当該判定モードを切り替えるタイミングと制御モードを切り替えるタイミングとによって制御することができる。よって、所定の条件を満たす遊技回の終了後に、簡易な処理によって、種々の処理の実行制御を行うことができる。
[特徴cA2]
特徴cA1に記載の遊技機であって、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回の終了後に特典を付与する特典付与手段を備え、
前記特典付与手段は、
前記特定状態(第3実施形態における潜伏確変状態)である場合に、前記特典を付与する第1の特典付与手段(特別ボーナスを付与する機能)と、
前記特定状態の終了後に、前記特典を付与する第2の特典付与手段(ラウンド遊技を実行する機能)と、
を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴cA2によれば、特定状態である場合に、特典を付与する第1の特典付与手段と、特定状態の終了後に、特典を付与する第2の特典付与手段とを備えるので、判定モードを切り替えるタイミングと制御モードを切り替えるタイミングとを制御することによって、第1の特典付与手段によって特典を付与する期間の時間的な長さを制御し、さらに、第2の特典付与手段が特典の付与を開始するタイミングを制御することができる。また、特典付与手段を2種類備えるので、第1の特典付与手段による特典の付与から第2の特典付与手段による特典の付与に切り替わったことを認識した遊技者に意外性を付与することができる。
[特徴cA3]
特徴cA1または特徴cA2に記載の遊技機であって、
前記特定状態の継続時間を決定する継続時間決定手段(第3実施形態におけるオープニング時間設定処理を実行する機能)を備え、
前記継続時間決定手段は、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回における当該特別情報に基づいて前記継続時間を決定する手段(第3実施形態におけるオープニング時間設定処理において高確率モードであるか否かを判定する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴cA3によれば、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回における当該特別情報に基づいて継続時間を決定するので、特別情報が所定の条件を満たすことによって遊技者に期待感を付与することに加え、遊技回の終了後に移行する特定状態の継続時間について推測させることができ、より一層の期待感を遊技者に付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴cB群>
特徴cB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴cB1]
遊技球が入球可能な第1の入球部(第3実施形態における特電始動口52)と、
前記第1の入球部に遊技球が入球した場合に、所定の駆動機構(第2開閉扉55b)を駆動させる駆動手段と、
前記第1の入球部に遊技球が入球してから前記所定の駆動機構の駆動を開始するまでの時間である駆動開始時間を決定する駆動開始時間決定手段(第3実施形態における第2入賞口用開閉シナリオ設定処理を実行する機能)と、
遊技の進行に関する制御を実行する制御手段(主制御装置)と、
を備える遊技機であって、
前記駆動開始時間決定手段は、
前記制御手段による制御の状態(抽選モードとサポートモードの状態)に基づいて、前記駆動開始時間を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴cB1によれば、制御手段による制御の状態に基づいて、駆動機構の駆動開始時間が決定されるので、駆動機構の駆動を期待する遊技者に対して、遊技の進行の状態について注目させることができる。また、逆に、遊技の進行の状態と駆動開始時間とが関連していることから、遊技の進行の状態を把握しようとする遊技者に対して、第1の入球部への遊技球の入球および駆動機構の駆動に注目させることができる。結果として、遊技の進行に関する制御の状態と駆動開始時間とを関連付けて制御することによって、遊技者を常時遊技に注目させることができる。
[特徴cB2]
特徴cB1に記載の遊技機であって、
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記第1の入球部への遊技球の入球を補助する補助手段(第3実施形態における普通電動役物53)と、
前記補助手段の動作を制御する制御モードとして、第1の制御モード(低頻度サポートモード)と、前記第1の制御モードで前記補助手段を制御する場合よりも前記入球部に遊技球が入球しやすい第2の制御モード(高頻度サポートモード)とを有する補助制御手段と、
を備え、
前記判定手段は、
前記判定を行うための判定モードとして、第1判定モード(低確率モード)と、前記第1判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2判定モード(高確率モード)とを有しており、
前記制御手段は、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回の終了後に、前記制御モードが前記第1制御モードであり、かつ、前記判定モードが前記第2判定モードである特定状態(潜伏確変状態)に移行させ、
前記駆動開始時間決定手段は、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回の終了後から次の遊技回が開始されるまでの期間である特別遊技期間における状態が前記特定状態であるか否かに基づいて、前記特別遊技期間における前記駆動開始時間を決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴cB2によれば、特別遊技期間における状態が特定状態か否かに基づいて、当該特別遊技期間における駆動開始時間を決定する。したがって、特別遊技機期間において、遊技者に対して、特定状態か否かに注目させることができる。より具体的には、特別遊技期間において、遊技者に対して、判定モードと制御モードに注目させることができる。結果として、判定モード、制御モード、第1の入球部への入球、駆動開始時間、駆動機構の駆動など、種々の要素について遊技者に注目をさせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴cB3]
特徴cB1または特徴cB2に記載の遊技機であって、
前記駆動機構は、遊技球が入球可能な第2の入球部(第2大入賞口55a)を備え、
前記第2の入球部は、前記駆動機構が駆動することによって、駆動前と比較して遊技球の入球が容易となり、
前記遊技機はさらに、
前記第2の入球部に遊技球が入球したことを契機として賞球としての遊技球を払い出す賞球払い出し手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴cB3によれば、駆動機構は、遊技球が入球可能な第2の入球部を備え、第2の入球部は、駆動機構が駆動することによって、駆動前と比較して遊技球の入球が容易となり、第2の入球部に遊技球が入球したことを契機として賞球としての遊技球を払い出すので、遊技者に、駆動機構の駆動開始時間により一層注目させることができるとともに、遊技の進行の状態により一層注目させることができる。
<特徴cD群>
特徴cD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴cD1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記判定手段によって前記所定の条件を満たすと判定された特別情報に対応する前記遊技回である条件成立遊技回の終了後に特典を付与する特典付与手段と、
を備え、
前記特典付与手段は、
前記特典を付与する期間である特典付与期間の時間的長さである特典付与時間(第3実施形態において特定期間におけるオープニング時間)を、前記特典を付与する契機となった前記条件成立遊技回に対応する前記特別情報に基づいて決定する特典付与時間決定手段(第3実施形態におけるオープニング時間設定処理において大当たり種別に応じたオープニング時間に設定する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴cD1によれば、特典付与時間は条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて決定するので、特別情報が所定の条件を満たしたことへの遊技者の満足感に加え、特典付与時間の長さについても期待感や緊迫感を付与することができる。換言すれば、遊技回に対応する特別情報について、所定の条件を満たすか否かといった期待感だけではなく、さらに、当該特別情報に対応する特典付与時間の長さについても期待感を付与することができる。
[特徴cD2]
特徴cD1に記載の遊技機であって、
前記特典付与手段は、
第1の特典付与手段(特別ボーナスを付与する機能)と、第2の特典付与手段(ラウンド遊技を実行する機能)とを備え、
前記第1の特典付与手段は、前記特典付与時間決定手段(第3実施形態におけるオープニング時間設定処理を実行する機能)を備え、
前記第2の特典付与手段は、前記第1の特典付与手段による特典の付与の終了後に、当該第2の特典付与手段としての特典の付与を開始する手段(遊技状態移行処理においてオープニング期間の終了後に第1大入賞口開閉処理を実行する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴cD2によれば、第1の特典付与手段は、特典付与時間決定手段を備えるので、遊技回に対応する特別情報について、所定の条件を満たすか否かといった期待感だけではなく、さらに、第1の特典付与手段によって特典が付与される特典付与時間の長さについても期待感を付与することができる。さらに、特徴cD2によれば、特典付与手段は、第1の特典付与手段と、第2の特典付与手段とを備えるので、第1の特典付与手段による特典の付与に加えて、第2の特典付与手段による特典の付与についても、遊技者に期待感を付与することができる。
<特徴cE群>
特徴cE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴cE1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記判定手段によって前記所定の条件を満たすと判定された特別情報に対応する前記遊技回である条件成立遊技回(第3実施形態において大当たりに当選した遊技回)の終了後に特典を付与する特典付与手段と、
を備える遊技機であって、
前記判定手段は、
前記判定を行うための判定モードとして、第1判定モード(低確率モード)と、前記第1判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2判定モード(高確率モード)とを有しており、
前記特典付与手段は、
前記特典を付与する処理の方法を、当該特典を付与する契機となった前記条件成立遊技回に対応する前記特別情報に対して前記判定手段が前記判定を行った前記判定モードに基づいて決定する手段(第3実施形態におけるオープニング時間設定処理において高確率モードであるか否かを判定する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴cE1によれば、特典を付与する処理の方法を、当該特典を付与する契機となった条件成立遊技回に対応する特別情報に対して判定手段が判定を行った判定モードに基づいて決定するので、遊技回実行時の判定モードについて第1判定モードであるのか第2判定モードであるのかといったことに遊技者を注目させることができる。さらに、現在の判定モードにおいて特別情報が所定の条件を満たした場合に、その後に実行される特典を付与する処理の方法について遊技者に推測および注目をさせることができる。また、遊技者が判定モードを把握することなく条件成立遊技回が終了し特典の付与が開始された場合に、特典を付与する処理の方法を把握することによって、先に実行された条件成立遊技回における判定モードを推測する楽しみを遊技者に提供することができる。このように、条件成立遊技回における判定モードと、条件成立遊技回の終了後における特典を付与する処理の方法とを関連させることによって、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴cE2]
特徴cE1に記載の遊技機であって、
前記特典付与手段は、
第1の特典付与手段(特別ボーナスを付与する機能)と、第2の特典付与手段(ラウンド遊技を実行する機能)とを備え、
前記特典を付与する契機となった前記条件成立遊技回に対応する前記特別情報に対して前記判定手段が前記第1判定モード(低確率モード)で前記判定を行った場合には、前記条件成立遊技回の終了後に前記第1の特典付与手段による特典の付与はされず、前記第2の特典付与手段による特典の付与がされ、
前記特典を付与する契機となった前記条件成立遊技回に対応する前記特別情報に対して前記判定手段が前記第2判定モード(高確率モード)で前記判定を行った場合には、前記条件成立遊技回の終了後に前記第1の特典付与手段による特典の付与がされ、前記第1の特典付与手段による特典の付与が終了した後に、前記第2の特典付与手段による特典の付与がされる
ことを特徴とする遊技機。
特徴cE2によれば、条件成立遊技回において第1判定モードで判定がされた場合には、条件成立遊技回の終了後に第1の特典付与手段による特典の付与はされず、第2の特典付与手段による特典の付与がされ、条件成立遊技回において第2判定モードで判定がされた場合には、条件成立遊技回の終了後に第1の特典付与手段による特典の付与がされ、第1の特典付与手段による特典の付与が終了した後に、第2の特典付与手段による特典の付与がされるので、条件成立遊技回における判定モードによって、その後に付与される特典において遊技者への有利の度合いが異なる。従って、より一層、遊技者に対して、判定モードについて注目をさせることができる。また、判定モードが第2判定モードである場合において特別情報が所定の条件を満たした場合には、第1の特典付与手段および第2の特典付与手段による特典が付与されるので、判定モードが第2判定モードである場合には、遊技者に対して、特別情報が所定の条件を満たすことに対して、さらに大きい期待感を付与することができる。
[特徴cE3]
特徴cE2に記載の遊技機であって、
前記第1の特典付与手段は、
当該第1の特典付与手段として前記特典を付与する期間である第1特典付与期間の時間的長さである第1特典付与時間(第3実施形態において特定期間におけるオープニング時間)を、前記特典を付与する契機となった前記条件成立遊技回に対応する前記特別情報に基づいて決定する第1特典付与時間決定手段(第3実施形態におけるオープニング時間設定処理において大当たり種別に応じたオープニング時間に設定する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴cE3によれば、第1特典付与時間を、特典を付与する契機となった条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて決定するので、第1の特典付与手段によって特典が付与されることが分かった場合であっても、さらに、当該条件成立遊技回における特別情報に基づいて決定された第1特典付与時間について、遊技者に推測をさせるとともに、期待感を付与することができる。
[特徴cE4]
特徴cE2から特徴cE3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技球の入球が可能な第1の入球部(第3実施形態における特電始動口52)と、
前記入球部に遊技球が入球したことを条件として駆動する駆動機構(第2可変入賞装置55)と、
前記駆動機構が駆動することによって遊技球の入球が容易となる第2の入球部(第2大入賞口55a)と、
を備え、
前記第1特典付与手段は、
前記条件成立遊技回の終了後から前記第2の特典付与手段が特典を開始するまでの期間である特定期間(第3実施形態におけるオープニング期間)において、当該特定期間以外の期間と比べて前記第2の入球部に遊技球が入りやすくなるように前記第1の入球部に遊技球が入球してから前記駆動機構の駆動が終了するまでの駆動態様を制御する(特電始動口52に遊技球が入球してから第2開閉扉55bが開放するまでの時間を特定期間以外の期間と比べて短くする)ことによって、前記特定期間に特典を付与する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴cE4によれば、特定期間において、当該特定期間以外の期間と比べて第2の入球部に遊技球が入りやすくなるように第1の入球部に遊技球が入球してから駆動機構の駆動が終了するまでの駆動態様を制御することによって、特定期間に特典を付与するので、特定期間における第1の入球部に遊技球が入球してから駆動機構の駆動が終了するまでの駆動態様に対して、遊技者を注目させることができるとともに、当該駆動態様に基づいて遊技者に期待感を付与することができる。
<特徴cF群>
特徴cF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴cF1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記特別情報が前記所定の条件を満たす(第3実施形態において大当たりに当選する)ことを条件として、当該所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回である条件成立遊技回の終了後に、連続して駆動する第1の駆動機構(第3実施形態における第1可変入賞装置54)と、
前記第1の駆動機構が駆動することによって、遊技球の入球が容易となる第1の入球部(第1大入賞口54a)と、
前記条件成立遊技回の終了後から前記第1の駆動機構が連続した駆動を開始するまでの期間である特定期間(オープニング期間)に、特典(特別ボーナス)を付与する特別特典付与手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴cF1によれば、条件成立遊技回の終了後から第1の駆動機構が連続した駆動を開始するまでの期間である特定期間に、特典を付与する。通常、特別情報が所定の条件を満たす場合には、当該所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回の終了後に、第1の駆動機構が連続して駆動することによって遊技者に特典を付与する。特徴cF1によれば、
第1の駆動機構が連続して駆動することによって遊技者に特典を付与することに先立って、特定期間において特典を付与するので、遊技者に意外性を付与することができるとともに、遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴cF2]
特徴cF1に記載の遊技機であって、
前記特別特典付与手段は、
前記特定期間(オープニング期間)の時間的な長さを、前記条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて決定する手段を備える手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴cF2によれば、特定期間の時間的な長さを、条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて決定するので、条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて実行される各種処理(例えば演出など)に基づいて、特定期間の時間的な長さについて遊技者に推測させ、遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴cF3]
特徴M1または特徴M2に記載の遊技機であって、
前記特別特典付与手段は、
前記付与する特典の有利度を、前記特定期間(オープニング期間)の時間的な長さによって制御する
ことを特徴とする遊技機。
特徴cF3によれば、付与する特典の有利度を、特定期間の時間的な長さによって制御するので、遊技者に対して、特定期間の時間的な長さについて、より一層期待感を付与することができる。
[特徴cF4]
特徴M1から特徴M3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の入球部(第1大入賞口54a)とは異なる第2の入球部(第3実施形態における特電始動口52)と、
前記第2の入球部に遊技球が入球したことを条件として駆動する第2の駆動機構(第2可変入賞装置55)と、
前記第2の駆動機構が駆動することによって遊技球の入球が容易となる第3の入球部(第2大入賞口55a)と、
を備え、
前記特別特典付与手段は、
前記特定期間において、当該特定期間以外の期間と比べて前記第3の入球部に遊技球が入りやすくなるように前記第2の入球部に遊技球が入球してから前記第2の駆動機構の駆動が終了するまでの駆動態様を制御する(特電始動口52に遊技球が入球してから第2開閉扉55bが開放するまでの時間を特定期間以外の期間と比べて短くする)ことによって、前記特定期間に特典を付与する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴cF4によれば、特定期間において、当該特定期間以外の期間と比べて第3の入球部に遊技球が入りやすくなるように第2の入球部に遊技球が入球してから第2の駆動機構の駆動が終了するまでの駆動態様を制御することによって、特定期間に特典を付与するので、特定期間における第2の入球部に遊技球が入球してから第2の駆動機構の駆動が終了するまでの駆動態様に対して、遊技者を注目させることができるとともに、当該駆動態様に基づいて遊技者に期待感を付与することができる。
<特徴cG群>
特徴cG群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第3実施形態から抽出される。
[特徴cG1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記判定手段によって前記所定の条件を満たすと判定された特別情報に対応する前記遊技回である条件成立遊技回の終了後に特典を付与する特典付与手段と、
を備える遊技機であって、
2つの前記条件成立遊技回のうち、先に実行された前記条件成立遊技回を先条件成立遊技回(第3実施形態における先当選遊技回)とし、後に実行された前記条件成立遊技回を後条件成立遊技回(第3実施形態における後当選遊技回)とした場合に、
前記特典付与手段は、
前記後条件成立遊技回の終了後に実行する処理を、前記先条件成立遊技回に対応する前記特別情報(先当選遊技回の大当たり種別に基づく次回遊技回からの判定モード)に基づいて決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴cG1によれば、後条件成立遊技回の終了後に実行する処理を、先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて決定するので、条件成立遊技回が実行された場合に、当該条件成立遊技回の終了後に実行される処理についての期待感を遊技者に付与することに加えて、次に条件成立遊技回(後条件成立遊技回)が実行された場合における処理の方法についても期待感を付与することができる。
[特徴cG2]
特徴cG1に記載の遊技機であって、
前記特典付与手段は、
前記後条件成立遊技回の終了後に実行する処理として、前記後条件成立遊技回の終了後に特典を付与する処理の方法を、前記先条件成立遊技回に対応する前記特別情報(先当選遊技回の大当たり種別に基づく次回遊技回からの判定モード)に基づいて決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴cG2によれば、後条件成立遊技回の終了後に特典を付与する処理の方法を、先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて決定するので、条件成立遊技回が実行された場合に、当該条件成立遊技回の終了後の特典を付与する処理の方法についての期待感を遊技者に付与することに加えて、次に条件成立遊技回(後条件成立遊技回)が実行された場合における特典を付与する処理の方法についても期待感を付与することができる。また、条件成立遊技回が実行された場合に、当該条件成立遊技回の終了後の特典を付与する処理の方法について、遊技者に対して、当該条件成立遊技回の前に実行された条件成立遊技回(先条件成立遊技回)における特別情報に基づいて推測をさせることができる。従って、条件成立遊技回が実行された場合には、当該条件成立遊技回から見て先条件成立遊技回における特別情報に基づく当該条件成立遊技回の終了後の特典を付与する方法の推測、および、当該条件成立遊技回から見て後条件成立遊技回における特典を付与する方法の推測をさせることができ、1回の条件成立遊技回の実行で、遊技者に対して種々の推測を促し、さらに、期待感を付与することができる。
[特徴cG3]
特徴cG2に記載の遊技機であって、
前記特典付与手段は、
第1の特典付与手段(特別ボーナスを付与する機能)と、第2の特典付与手段(ラウンド遊技を実行する機能)とを備え、
前記先条件成立遊技回に対応する前記特別情報が特定の条件を満たす場合(大当たり種別が確変大当たりである場合)には、前記後条件成立遊技回の終了後に、前記第1の特典付与手段によって特典の付与がされ、前記第1の特典付与手段による特典の付与が終了した後に、前記第2の特典付与手段による特典の付与がされ
前記先条件成立遊技回に対応する前記特別情報が特定の条件を満たさない場合(大当たり種別が通常大当たりである場合)には、前記後条件成立遊技回の終了後に、前記第1の特典付与手段による特典の付与はされず、前記第2の特典付与手段による特典の付与がされる
ことを特徴とする遊技機。
特徴cG3によれば、先条件成立遊技回に対応する特別情報が特定の条件を満たす場合には、当該先条件成立遊技回が終了した後の特典の付与について遊技者に期待感を付与することに加え、後条件成立遊技回の終了後の特典の付与についても大きな期待感を付与することができる。
[特徴cG4]
特徴cG3に記載の遊技機であって、
前記第1の特典付与手段は、
前記後条件成立遊技回の終了後に当該第1の特典付与手段として前記特典を付与する期間である第1特典付与期間の時間的長さである第1特典付与時間を、前記後条件成立遊技回に対応する前記特別情報に基づいて決定する第1特典付与時間決定手段(第3実施形態におけるオープニング時間設定処理において大当たり種別に応じたオープニング時間に設定する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴cG4によれば、先条件成立遊技回に対応する前記特別情報が特定の条件を満たしていた場合には、後条件成立遊技回の終了後の第1特典付与期間における第1特典付与時間を、当該後条件成立遊技回に基づいて遊技者に推測させることができ、遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴cG5]
特徴cG1から特徴cG4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特典付与手段は、
前記後条件成立遊技回の終了後に実行する処理として、前記後条件成立遊技回の終了後から特典の付与(ラウンド遊技)を開始するまでの時間的長さ(オープニング時間)を、前記先条件成立遊技回に対応する前記特別情報に基づいて決定する手段(第3実施形態におけるオープニング時間設定処理において高確率モードであるか否かを判定する機能)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴cG5によれば、後条件成立遊技回の終了後から特典の付与を開始するまでの時間的長さを、先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて決定するので、後条件成立遊技回が実行され特典の付与が開始されるまでの時間的長さを、先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて遊技者に推測させ、新たな遊技性を提供することができる。
[特徴cG6]
特徴cG5に記載の遊技機であって、
前記特典付与手段は、
第1の特典付与手段(特別ボーナスを付与する機能)と、第2の特典付与手段(ラウンド遊技を実行する機能)とを備え、
前記後条件成立遊技回の終了後から前記第2の特典付与手段として特典の付与(ラウンド遊技)を開始するまでの期間である第2特典付与開始期間の時間的長さである第2特典付与開始時間(オープニング時間)を、前記先条件成立遊技回に対応する前記特別情報に基づいて決定し(第3実施形態におけるオープニング時間設定処理において高確率モードであるか否かを判定し)、
前記第2特典付与開始期間(オープニング期間)に、前記第1の特典付与手段として特典の付与(特別ボーナスの付与)を行う
ことを特徴とする遊技機。
特徴cG6によれば、特典付与手段は、第1の特典付与手段と、第2の特典付与手段とを備えるので、条件成立遊技回が実行された場合には、遊技者に第1の特定付与手段による特典の付与に対する期待感に加え、第2の特典付与手段による特典の付与に対する期待感を付与することができる。また、第1の特典付与手段が特典を付与する期間である第2特典付与開始期間の時間的長さである第2特典付与開始時間は、先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて決定されるので、遊技者に対して、先条件成立遊技回に対応する特別情報に基づいて第2特典付与開始時間を推測させるとともに、第2特典付与開始期間における第1の特典付与手段による特典の付与について期待感を付与することができる。
<特徴dA群>
特徴dA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴dA1]
第1の表示態様(起動時表示部39aの消灯)と第2の表示態様(起動時表示部39aの点灯)とを取り得る表示手段(起動時表示部39aと、起動時表示部39を制御する機能を実現する主制御装置60)と、
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する手段であって、前記判定を行うための判定モードとして、第1判定モード(低確率モード)と、前記第1判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2判定モード(高確率モード)と、を有する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作(第1図柄表示部37aまたは第2図柄表示部37bの変動表示)が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記判定モードが前記第2判定モードであるか否かを特定するための判定モード情報を記憶する手段であって、遊技機に電力が供給されている供給状態から非供給状態へ切り替わる直前に記憶している前記判定モード情報を、前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに継続して記憶し得る記憶手段(RAM64)と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、
前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに、前記判定モードが前記第2判定モードである場合に、前記第2の表示態様で表示を行う手段(主制御基板61側のMPU62にて実行される図228の通常処理におけるステップSd0502およびSd0503)と、
前記第2の表示態様で表示中であって、前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回の開始時に、表示態様を前記第2の表示態様から前記第1の表示態様に切り替える手段(主制御基板61側のMPU62にて実行される図234の当たり判定処理におけるステップSd1104〜Sd1106)と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴dA1によれば、遊技機への電力の供給が非供給状態から供給状態に切り替わったときに、判定モードが第2判定モードである場合に、表示手段は第2の表示態様で表示を行う。このため、表示手段が表示態様を第2の表示態様から第1の表示態様に切り替えた場合には、判定モードが第2判定モードから第1判定モードに移行したと遊技者に推測させることができる。しかしながら、特徴dA1においては、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回の開始時に、表示手段は表示態様を第2の表示態様から第1の表示態様に切り替えるので、遊技者の推測を覆すことができる。具体的には、第1の表示態様に切り替わったことで、遊技者は第1判定モードに移行したと推測して落胆してしまうが、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回では、実際は第1判定モードに移行することがないことから、その落胆する遊技者の推測を覆すことができる。したがって、遊技者に意外性を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴dA2]
特徴dA1に記載の遊技機であって、
前記遊技回の開始時に当該遊技回における前記判定手段による前記判定を前記第1判定モードと前記第2判定モードとのうちのいずれで実行するかを決定する判定モード決定手段(主制御基板61側のMPU62にて実行される図233の転落判定処理)を備え、
前記表示手段は、
前記第2の表示態様で表示中であって、前記判定モード決定手段によって前記第1判定モードで実行することが決定された遊技回の開始時に、表示態様を前記第2の表示態様から前記第1の表示態様に切り替える手段(図233の転落判定処理におけるステップSd1002、Sd1004、およびSd1005)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴dA2によれば、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回、第1判定モードで実行することが決定された遊技回、のいずれの場合にも、その遊技回の開始時に、表示手段は表示態様を第2の表示態様から第1の表示態様に切り替えるので、表示手段の表示態様から、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回か、第1判定モードで実行することが決定された遊技回か、を遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、特徴dA2によれば、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
[特徴dA3]
特徴dA2に記載の遊技機であって、
演出を実行する演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する遊技回において、特定の演出を実行する手段と、
前記判定モード決定手段によって前記第1判定モードで実行することが決定された遊技回において、前記特定の演出を実行する手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴dA3によれば、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回、第1判定モードで実行することが決定された遊技回、のいずれの場合にも、同じ特定の演出が実行されることから、特定の演出によって上記のいずれの場合かを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。その上、先に説明したように、遊技回の開始時に、表示手段の表示態様から、上記いずれの場合かを遊技者に推測されてしまうことも抑制できる。したがって、特徴dA3によれば、特定の演出によって時間的な幅をもたせることによって、比較的長期に亘って遊技者に期待感や緊迫感を付与することができる。
[特徴dA4]
特徴dA1から特徴dA3までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記表示手段は、LEDを備え、
前記第1の表示態様は、前記LEDの消灯状態であり、
前記第2の表示態様は、前記LEDの点灯状態である
ことを特徴とする遊技機。
特徴dA4によれば、LEDの消灯/点灯状態といった簡単な表示態様で、判定モードの識別が可能となる。したがって、特徴dA4によれば、遊技者の視認性を向上することができ、その結果、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
<特徴dB群>
特徴dB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴dB1]
第1の表示態様と第2の表示態様とを取り得る表示手段と、
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する手段であって、前記判定を行うための判定モードとして、第1判定モードと、前記第1判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2判定モードと、を有する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記判定モードが前記第2判定モードであるか否かを特定するための判定モード情報を記憶する手段であって、遊技機に電力が供給されている供給状態から非供給状態へ切り替わる直前に記憶している前記判定モード情報を、前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに継続して記憶し得る記憶手段と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、
前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに、前記判定モードが前記第2判定モードである場合に、前記第2の表示態様で表示を行う手段(主制御基板61側のMPU62にて実行される図228の通常処理におけるステップSd0502およびSd0503)と、
前記第2の表示態様で表示中に、所定の遊技回が開始されることを契機に、表示態様を前記第2の表示態様から前記第1の表示態様に切り替える手段(主制御基板61側のMPU62にて実行される図234の当たり判定処理におけるステップSd1104〜Sd1106)と、
を備え、
前記判定手段は、
前記所定の遊技回の開始時に前記表示手段が前記第2の表示態様から前記第1の表示態様への切り替えを行うにも拘わらず、前記所定の遊技回に対応する前記判定を前記第2判定モードで実行する手段(主制御基板61側のMPU62にて実行される図234の当たり判定処理におけるステップSd1101〜Sd1103)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴dB1によれば、遊技機への電力の供給が非供給状態から供給状態に切り替わったときに、判定モードが第2判定モードで場合に、表示手段は第2の表示態様で表示を行う。このため、表示手段が表示態様を第2の表示態様から第1の表示態様に切り替えた場合には、判定モードが第2判定モードから第1判定モードに移行したと遊技者に推測させることができる。しかしながら、特徴dB1においては、所定の遊技回の開始時に表示手段が第2の表示態様から第1の表示態様への切り替えを行うにも拘わらず、所定の遊技回に対応する判定を第2判定モードで実行するので、遊技者の推測を覆すことができる。したがって、特徴dB1によれば、遊技者に意外性を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴dB2]
特徴dB1に記載の遊技機であって、
前記所定の遊技回は、前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回である
ことを特徴とする遊技機。
特徴dB2によれば、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回において、第1判定モードに移行したとする遊技者の推測を覆すことができることから、遊技者により大きな意外性を付与することができ、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
<特徴dC群>
特徴dC群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴dC1]
第1の表示態様と第2の表示態様とを取り得る表示手段と、
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する手段であって、前記判定を行うための判定モードとして、第1判定モードと、前記第1判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2判定モードと、を有する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記判定モードが前記第2判定モードであるか否かを特定するための判定モード情報を記憶する手段であって、遊技機に電力が供給されている供給状態から非供給状態へ切り替わる直前に記憶している前記判定モード情報を、前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに継続して記憶し得る記憶手段と、
前記遊技回が開始される時に当該遊技回における前記判定手段による前記判定を前記第1判定モードと前記第2判定モードとのうちのいずれで実行するかを決定する判定モード決定手段(主制御基板61側のMPU62にて実行される図233の転落判定処理)と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、
前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに、前記判定モードが前記第2判定モードである場合に、前記第2の表示態様で表示を行う手段(主制御基板61側のMPU62にて実行される図228の通常処理におけるステップSd0502〜Sd0503)と、
前記第2の表示態様で表示中に、所定の切替タイミングで、表示態様を前記第2の表示態様から前記第1の表示態様に切り替える手段と、
を備え、
前記判定手段が前記判定モードを前記第2判定モードから前記第1判定モードに切り替えるタイミングは、前記判定モード決定手段が前記判定を前記第1判定モードで実行することを決定した前記遊技回としての第1の遊技回と、前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回としての第2の遊技回と、で相違するのに対して(主制御基板61側のMPU62にて実行される図233の転落判定処理におけるステップSd1002〜Sd1003と、主制御基板61側のMPU62にて実行される図236の遊技状態移行処理におけるステップSd1308)、
前記第1の表示態様への切替を行う前記所定の切替タイミングは、前記第1の遊技回と前記第2の遊技回とで一致する(図233の転落判定処理におけるステップSd1004〜Sd1005と、主制御基板61側のMPU62にて実行される図234の当たり判定処理におけるステップSd1105〜Sd1106)
ことを特徴とする遊技機。
特徴dC1によれば、表示手段が表示態様を第1の表示態様へ切り替える所定の切替タイミングが、判定モード決定手段が判定を第1判定モードで実行することを決定した第1の遊技回と、所定の条件を満たす特別情報に対応する第2の遊技回とで一致する。このために、表示手段の表示態様から、第1判定モードで実行することを決定した第1の遊技回か、所定の条件を満たす特別情報に対応する第2の遊技回か、を遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、特徴dC1によれば、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴dC2]
特徴dC1に記載の遊技機であって、
前記第1の遊技回において、前記所定の切替タイミングは前記第1の遊技回の開始時であり、前記第2の遊技回において、前記所定の切替タイミングは前記第2の遊技回の開始時である
ことを特徴とする遊技機。
特徴dC2によれば、遊技回が開始されたと同時に表示手段が表示態様を第1の表示態様へ切り替えることから、遊技者により緊張感を与えることができる。その結果、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
[特徴dC3]
特徴dC2に記載の遊技機であって、
前記第1の遊技回において、前記判定手段が前記判定モードを第2判定モードから前記第1判定モードに切り替えるタイミングは前記第1の遊技回の開始時であり、前記第2の遊技回において、前記判定手段が前記判定モードを第2判定モードから前記第1判定モードに切り替えるタイミングは前記第2の遊技回の終了時である
ことを特徴とする遊技機。
特徴dC3によれば、所定の条件を満たす特別情報に対応する第2の遊技回においては、第2の遊技回の終了時に第1判定モードへの切り替えが行われることから、第2の遊技回に対応する判定を第2判定モードで実行することができる。したがって、特徴dC3によれば、遊技者に意外性を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
<特徴dD群>
特徴dD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴dD1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
排他的な2つの状態である第1の状態(低確率モード)と第2の状態(高確率モード)とを特定可能な状態情報(抽選モードの情報)を記憶する状態記憶手段(高確率モードフラグ)と、
前記状態記憶手段に記憶されている前記状態情報に基づいて特定の処理(起動時表示部39aの点灯)の実行を開始する特定処理実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記状態記憶手段は、
前記遊技機に電力が供給されている供給状態から非供給状態に切り替わる直前に記憶している前記状態情報を、前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに継続して記憶し得る手段を備え、
前記特定処理実行手段は、
前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに前記状態情報が前記第2の状態を特定する情報である場合に前記特定の処理(起動時表示部39aの点灯)の実行を開始する手段と、
前記所定の条件を満たす前記遊技回の開始時に前記特定の処理を終了する手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴dD1によれば、特定処理実行手段は、非供給状態から供給状態に切り替わったときに、状態情報が第2の状態を特定する情報である場合に特定の処理の実行を開始するので、特定の処理が実行されていることを認識した遊技者に対して、第2の状態であることを認識させることができる。また、特定処理実行手段は、所定の条件を満たす遊技回の開始時に特定の処理を終了するので、判定手段による判定の結果と特定の処理の終了とが関連していることを遊技者に推測させることができる。従って、特定の処理が実行されている場合には、遊技者に特定の処理が終了するか否かに注目させることができ、特定の処理が終了した場合には、遊技回の開始時から遊技者に大きな期待感を付与することができる。その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴dD2]
特徴dD1に記載の遊技機であって、
前記判定手段は、
前記判定を行うための判定モードとして、第1判定モードと、前記第1判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2判定モードとを実行する手段を備え、
前記第1の状態は、前記判定手段が前記第1判定モードを実行する状態であり、前記第2の状態は、前記判定手段が前記第2判定モードを実行する状態である
ことを特徴とする遊技機。
特徴dD2によれば、第1の状態は、判定手段が第1判定モードを実行する状態であり、第2の状態は、判定手段が第2判定モードを実行する状態であるので、特定の処理が実行されていることを認識した遊技者に対して、第1判定モードよりも特別情報が所定の条件を満たす確率が高い第2判定モードで判定手段が判定を行うことを推測させ、遊技者に期待感を付与することができる。
[特徴dD3]
特徴dD1または特徴dD2に記載の遊技機であって、
遊技者が視認可能な表示部を備え、
前記特定処理実行手段は、
前記特定の処理として、前記表示部の表示態様を前記第2の状態であることを示す表示態様にする
ことを特徴とする遊技機。
特徴dD3によれば、遊技者に対して表示部の表示態様に注目させることができる。また、表示部の表示態様が第2の状態であることを示す表示態様になっていることを認識した遊技者に対して期待感を付与することができる。
<特徴dE群>
特徴dE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴dE1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への前記遊技球の入球に基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する手段であって、前記判定を行うための判定モードとして、第1判定モード(低確率モード)と、前記第1判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2判定モード(高確率モード)と、を有する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記入球部への前記遊技球の入球を補助する手段であって、前記補助を行うためのサポートモードとして、第1サポートモード(低頻度サポートモード)と、前記入球部への遊技球の入球の可能性が前記第1のサポートモードよりも高い第2サポートモード(高頻度サポートモード)と、を有する補助手段(電動役物34a)と、
前記補助手段を制御する制御手段であって、前記補助手段が前記第1サポートモードから前記第2サポートモードへの移行後における前記遊技回の実行回数が所定の回数に達した以後に、前記判定モードが前記第2判定モードから前記第1判定モードに移行したことを契機に、前記補助手段を前記第2サポートモードから前記第1サポートモードに移行する制御手段と、
前記判定モードが前記第2判定モードであるか否かを特定するための判定モード情報と、前記サポートモードが前記第2サポートモードであるか否かを特定するためのサポートモード情報と、をそれぞれ記憶する手段であって、前記遊技機に電力が供給されている供給状態から非供給状態へ切り替わる直前に記憶している前記判定モード情報および前記サポートモード情報を、前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに継続して記憶し得る記憶手段と、
第1の表示態様(起動時表示部39aの消灯)と第2の表示態様(起動時表示部39aの点灯)とを取り得る表示手段であって、前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに、前記判定モードが前記第2判定モードである場合に、前記第2の表示態様で表示を行なう表示手段(起動時表示部39aと、起動時表示部39を制御する機能を実現する主制御装置60)と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段が前記第2の表示態様で表示中であって、前記実行回数が前記所定の回数に達した以後に、前記特別情報が前記所定の条件を満たしたと前記判定手段によって判定された場合に、当該判定がなされた遊技回が開始される時に、前記表示手段は、表示態様を前記第2の表示態様から前記第1の表示態様に切り替え(主制御基板61側のMPU62にて実行される図234の当たり判定処理におけるステップSd1104〜Sd1106)、前記制御手段は、前記サポートモードを前記第2サポートモードから前記第1のサポートモードに移行する(主制御基板W61側のMPU62にて実行される図234の当たり判定処理におけるステップSd1108〜Sd1110)
ことを特徴とする遊技機。
特徴dE1によれば、遊技機への電力の供給が非供給状態から供給状態に切り替わったときに、判定モードが第2判定モードである場合に、表示手段は第2の表示態様で表示を行う。このため、表示手段が表示態様を第2の表示態様から第1の表示態様に切り替えた場合には、判定モードが第2判定モードから第1判定モードに移行したと遊技者に推測させることができる。また、特徴dE1によれば、補助手段が第2サポートモードへの移行後における遊技回の実行回数が所定の回数に達した以後に、判定モードが第1判定モードに移行したことを契機に、補助手段を第1サポートモードに移行する。このため、補助手段が第2サポートモードから第1サポートモードに移行した場合には、判定モードが第2判定モードから第1判定モードに移行したと、遊技者に推測させることができる。即ち、表示手段の表示態様が第1の表示態様に切り替わったこと、補助手段が第1サポートモードに切り替わったことの双方から、判定モードが第2判定モードから第1判定モードに移行したと、遊技者に推測させることができる。しかしながら、特徴dE1によれば、第2サポートモードへの移行後における遊技回の実行回数が所定の回数に達した以後の、特別情報が所定の条件を満たしたと判定がなされた遊技回の開始時において、遊技者の上記の推測を覆すことができる。具体的には、第1の表示態様に切り替わったことと第1サポートモードに切り替わったこととで、遊技者は第1判定モードに移行したと推測して落胆してしまうが、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回では、実際は第1判定モードに移行することがないことから、その落胆する遊技者の推測を覆すことができる。したがって、遊技者に意外性を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴dE2]
特徴dE1に記載の遊技機であって、
前記遊技回の開始時に当該遊技回における前記判定手段による前記判定を前記第1判定モードと前記第2判定モードとのうちのいずれで実行するかを決定する判定モード決定手段を備え、
前記表示手段が前記第2の表示態様で表示中であって、前記実行回数が前記所定の回数に達した以後に、前記判定を第1判定モードで実行することが前記判定モード決定手段によって決定された場合に、当該決定がなされた遊技回が開始される時に、前記表示手段は、表示態様を前記第2の表示態様から前記第1の表示態様に切り替え、前記制御手段は、前記サポートモードを前記第2サポートモードから前記第1のサポートモードに移行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴dE2によれば、表示手段が第2の表示態様で表示中であって、補助手段が第2サポートモードへの移行後における遊技回の実行回数が所定の回数に達した以後において、判定を第1判定モードで実行することが判定モード決定手段によって決定された場合に、表示手段は、当該決定がなされた遊技回の開始時に、特別情報が所定の条件を満たしたと判定された場合と同じ挙動をする。このため、表示手段の表示の態様から、特別情報が所定の条件を満たしたと判定された場合、判定を第1判定モードで実行することが決定された場合のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。また、特徴dE2によれば、補助手段が第2サポートモードへの移行後における遊技回の実行回数が所定の回数に達した以後において、判定を第1判定モードで実行することが判定モード決定手段によって決定された場合に、制御手段は、当該決定がなされた遊技回の開始時に、サポートモードを特別情報が所定の条件を満たしたと判定された場合と同じ第1のサポートモードに移行する。このため、遊技回における補助手段の挙動から、前記2つの場合のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、特徴dE2によれば、補助手段が第2サポートモードへの移行後における遊技回の実行回数が所定の回数に達した以後において、表示手段の表示態様と補助手段の挙動から、前記2つの場合のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、特徴dE2によれば、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
<特徴dF群>
特徴dF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態から抽出される。
[特徴dF1]
遊技球が入球可能な入球部と、
前記入球部への前記遊技機への入球に基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する手段であって、前記判定を行うための判定モードとして、第1判定モード(低確率モード)と、前記第1判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2判定モード(高確率モード)と、を有する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記入球部への前記遊技球の入球を補助する手段であって、前記補助を行うためのサポートモードとして、第1サポートモード(低頻度サポートモード)と、前記入球部への遊技球の入球の可能性が前記第1のサポートモードよりも高い第2サポートモード(高頻度サポートモード)と、を有する補助手段(電動役物34a)と、
前記補助手段を制御する制御手段であって、前記補助手段が前記第1サポートモードから前記第2サポートモードへの移行後における前記遊技回の実行回数が所定の回数に達した場合であって、前記判定モードが前記第1の判定モードである場合に、前記補助手段を前記第2サポートモードから前記第1サポートモードに移行する制御手段と、
前記判定モードが前記第2判定モードであるか否かを特定するための判定モード情報と、前記サポートモードが前記第2サポートモードであるか否かを特定するためのサポートモード情報と、をそれぞれ記憶する手段であって、前記遊技機に電力が供給されている供給状態から非供給状態へ切り替わる直前に記憶している前記判定モード情報および前記サポートモード情報を、前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに継続して記憶し得る記憶手段と、
前記遊技回の開始時に当該遊技回における前記判定手段による前記判定を前記第1判定モードと前記第2判定モードとのうちのいずれで実行するかを決定する判定モード決定手段と、
第1の表示態様(起動時表示部39aの消灯)と第2の表示態様(起動時表示部39aの点灯)とを取り得る表示手段であって、前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに、前記判定モードが前記第2判定モードである場合に、前記第2の表示態様で表示を行なう表示手段(起動時表示部39aと、起動時表示部39を制御する機能を実現する主制御装置60)と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段が前記第2の表示態様で表示中であって、前記実行回数が前記所定の回数に達するより前において、前記特別情報が前記所定の条件を満たしたと前記判定手段によって判定された場合、または前記判定を第1判定モードで実行することが前記判定モード決定手段によって決定された場合に、
前記表示手段は、当該判定または決定がなされた遊技回の開始時に、表示態様を前記第2の表示態様から前記第1の表示態様に切り替え、
前記制御手段は、当該判定または決定がなされた遊技回の開始時から少なくとも当該遊技回が終了するまで、前記サポートモードとして前記第2サポートモードを維持する
ことを特徴とする遊技機。
特徴dF1によれば、表示手段が第2の表示態様で表示中であって、補助手段が第2サポートモードへの移行後における遊技回の実行回数が所定の回数に達するより前において、特別情報が所定の条件を満たしたと判定された場合、判定を第1判定モードで実行することが決定された場合のいずれであっても、表示手段は、当該判定または決定がなされた遊技回の開始時に、同じ挙動をする。このため、表示手段の表示の態様から、前記2つの場合のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。さらに、特徴dF1によれば、前記2つの場合のいずれであっても、制御手段は、当該判定または決定がなされた遊技回の開始時から少なくとも当該遊技回が終了するまで、サポートモードとして2サポートモードを維持する。このため、遊技回における補助手段の挙動から、前記2つの場合のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、遊技回の前記実行回数が所定の回数に達するより前における前記遊技回の開始時から遊技回が終了するまでの間において、表示手段の表示態様と補助手段の挙動から、前記2つの場合のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、特徴dF1によれば、補助手段が第2サポートモードへの移行後における遊技回の実行回数が所定の回数に達するより前において、比較的長期に亘って遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。また、特徴dF1によれば、遊技機への電力の供給が非供給状態から供給状態に切り替わったときに、判定モードが第2の判定モードである場合に、表示手段は第2の表示態様で表示を行う。このため、表示手段が表示態様を第2の表示態様から第1の表示態様に切り替えた場合には、判定モードが第2判定モードから第1判定モードに移行したと遊技者に推測させることができる。しかしながら、特徴dF1においては、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回の開始時に、表示手段は表示態様を第2の表示態様から第1の表示態様に切り替えるので、遊技者の推測を覆すことができる。したがって、遊技者に意外性を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
[特徴dF2]
特徴dF1に記載の遊技機であって、
前記表示手段が前記第2の表示態様で表示中であって、前記実行回数が前記所定の回数に達した以後において、前記特別情報が前記所定の条件を満たしたと前記判定手段によって判定された場合、または前記判定を第1判定モードで実行することが前記判定モード決定手段によって決定された場合に、
前記表示手段は、当該判定または決定がなされた遊技回の開始時に、表示態様を前記第2の表示態様から前記第1の表示態様に切り替え、
前記制御手段は、当該判定または決定がなされた遊技回の開始時に、前記サポートモードを前記第2サポートモードから前記第1サポートモードに移行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴dF2によれば、表示手段が第2の表示態様で表示中であって、補助手段が第2サポートモードへの移行後における遊技回の実行回数が所定の回数に達した以後において、特別情報が所定の条件を満たしたと判定された場合、判定を第1判定モードで実行することが決定された場合のいずれであっても、表示手段は、当該判定または決定がなされた遊技回の開始時に、同じ挙動をする。このため、表示手段の表示の態様から、前記2つの場合のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。さらに、特徴dF2によれば、前記2つの場合のいずれであっても、制御手段は、当該判定または決定がなされた遊技回の開始時に、サポートモードを第1サポートモードに移行する。このため、遊技回における補助手段の挙動から、前記2つの場合のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、特徴dF2によれば、補助手段が第2サポートモードへの移行後における遊技回の実行回数が所定の回数に達するより前、前記実行回数が前記所定の回数に達した以後の双方において、表示手段の表示態様と補助手段の挙動から、前記2つの場合のいずれとなったかを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。
<特徴dG群>
特徴dG群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第4実施形態の変形例1から抽出される。
[特徴dG1]
第1の表示態様(起動時表示部39aの消灯)と第2の表示態様(起動時表示部39aの点灯)とを取り得る表示手段(起動時表示部39aと、起動時表示部39を制御する機能を実現する主制御装置60)と、
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する手段であって、前記判定を行うための判定モードとして、第1判定モード(低確率モード)と、前記第1判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2判定モード(高確率モード)と、を有する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記判定モードが前記第1判定モードであるか前記第2判定モードであるかを特定するための判定モード情報を記憶する手段であって、遊技機に電力が供給されている供給状態から非供給状態へ切り替わる直前に記憶している前記判定モード情報を、前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに継続して記憶し得る記憶手段(RAM64)と、
を備える遊技機であって、
前記表示手段は、
前記非供給状態から前記供給状態に切り替わったときに、前記判定モードが前記第2判定モードである場合に、前記第2の表示態様で表示を行なう手段と、
前記第2の表示態様で表示中に、前記判定モードが前記第2判定モードから前記第1判定モードに切り替えられたことを契機に、表示態様を前記第2の表示態様から前記第1の表示態様に切り替える手段と、
を備え、
前記遊技機は、さらに、
前記第2の表示態様で表示中であって、前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回の開始時に、前記判定モードを前記第2判定モードから前記第1判定モードに切り替える手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴dG1によれば、表示手段は、第2の表示態様で表示中に、判定モードが第2判定モードから第1判定モードに切り替えられたことを契機に、表示態様を第2の表示態様から第1の表示態様に切り替える。また、この遊技機は、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回の開始時に、判定モードを第2判定モードから第1判定モードに切り替える。従って、表示手段は、第2の表示態様で表示中であって、所定の条件を満たす特別条件に対応する遊技回の開始時に、表示態様を第2の表示態様から第1の表示態様に切り替える。このとき、遊技回の開始時に、表示態様が第2の表示態様から第1の表示態様に切り替わったことを認識した遊技者に対して、当該遊技回における判定が第1判定モードで実行されたと推測させることができる。しかしながら、判定手段によって所定の条件が満たされると判定された後に遊技回は開始され、その遊技回の開始時に判定モードを第2判定モードから第1判定モードに切り替えているので、当該遊技回の判定は第2判定モードで実行される。従って、遊技回における判定が第1判定モードで実行されたという遊技者の推測を覆し、遊技者に意外性を付与することができる。さらに、当該遊技回が所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回であることで、遊技者にさらに大きな意外性や期待感を付与することができる。これらの結果、遊技の興趣向上を図ることができる。また、特徴dG1によれば、遊技回の開始時に判定モードを第2判定モードから第1判定モードに切り替えているが、判定手段が第2判定モードで判定をして所定の条件が満たされると判定した後に判定モードを第2判定モードから第1判定モードに切り替えているので、当該遊技回において遊技者が不利益となることを回避することができる。さらに、表示態様を第2の表示態様から第1の表示態様に切り替える制御を、判定モードを第2判定モードから第1判定モードに切り替える制御に連動させているので、表示手段の表示態様を切り替える制御を特異な制御にすることを回避し、簡易な制御としつつ、上記のような遊技者の推定を覆したり、遊技者に意外性を付与する効果を奏することができる。
[特徴dG2]
特徴dG1に記載の遊技機であって、
前記遊技回の開始時に当該遊技回における前記判定手段による前記判定を前記第1判定モードと前記第2判定モードとのうちのいずれで実行するかを決定する判定モード決定手段を備え、
前記表示手段は、
前記第2の表示態様で表示中であって、前記判定モード決定手段によって前記第1判定モードで実行することが決定された遊技回の開始時に、表示態様を前記第2の表示態様から前記第1の表示態様に切り替える手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴dG2によれば、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回、第1判定モードで実行することが決定された遊技回、のいずれの場合にも、その遊技回の開始時に、表示手段は表示態様を第2の表示態様から第1の表示態様に切り替えるので、表示手段の表示態様から、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回か、第1判定モードで実行することが決定された遊技回か、を遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、特徴dG2によれば、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
[特徴dG3]
特徴dG2に記載の遊技機であって、
演出を実行する演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する遊技回において、特定の演出を実行する手段と、
前記判定モード決定手段によって前記第1判定モードで実行することが決定された遊技回において、前記特定の演出を実行する手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴dG3によれば、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回、第1判定モードで実行することが決定された遊技回、のいずれの場合にも、同じ特定の演出が実行されることから、特定の演出によって上記のいずれの場合かを遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。その上、先に説明したように、遊技回の開始時に、表示手段の表示態様から、上記いずれの場合かを遊技者に推測されてしまうことも抑制できる。したがって、特徴dG3によれば、特定の演出によって時間的な幅をもたせることによって、比較的長期に亘って遊技者に期待感や緊迫感を付与することができる。
<特徴eA群>
特徴eA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態から抽出される。
[特徴eA1]
遊技球が入球可能な入球口であって、当該入球した遊技球が所定の領域(第1始動口33)に到達することが可能な第1の入球口(第1入球口201)と、
遊技球が入球可能な入球口であって、前記第1の入球口に隣接する第2の入球口(第2入球口221)と、
前記第1の入球口への遊技球の入球と前記第2の入球口への遊技球の入球との時間的な間隔が特定時間内である特定の場合に、前記特定の場合以外の場合と比較して、前記第1の入球口に入球した遊技球を前記所定の領域に到達し易くする補助手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴eA1によれば、補助手段を備えるので第1の入球口の幅(広さ)と第2の入球口の幅(広さ)に差がある場合であっても、その差分に対する所定の領域への遊技球の到達のし易さ(到達の期待値)の変化を抑制することができる。以下、具体例を用いて説明する。
例えば、互いに隣接する第1の入球口の幅(広さ)と第2の入球口の幅(広さ)との和が一定の幅(広さ)に規定されている構成について考える。第1の入球口の幅を第2の入球口の幅よりも広くした第1の構成においては、第2の入球口は第1の入球口に比べて遊技球が入球しにくいため上記の特定の場合にはなりにくいが、第1の入球口の幅が広いので第1の入球口に遊技球が入球し易く、単位時間当たりに第1の入球口に入球する遊技球の数を多くすることで、所定の領域に遊技球を到達させる確率を高めることができる。
一方、第1の入球口の幅を第2の入球口の幅よりも狭くした第2の構成においては、第1の入球口は第2の入球口に比べて遊技球が入球しにくいため第1の構成と比較して第1の入球口に遊技球は入球しにくいが、第2の入球口は第1の構成に比べて遊技球が入球しやすいため、第1の入球口に遊技球が入球した場合には上記特定の場合になりやすく、所定の領域に遊技球を到達させる確率を高めることができる。
このように、特徴eA1によれば、第1の入球口の幅(広さ)と第2の入球口の幅(広さ)の差分に対する所定の領域への遊技球の到達のし易さ(到達の期待値)の変化を抑制することができ、所定の領域に遊技球が到達する期待値を一定(または所定の差以内)に維持し易くすることができる。
[特徴eA2]
特徴eA1に記載の遊技機であって、
前記補助手段は、
予め定められた遊技球の経路であって、前記第1の入球口から入球した遊技球が前記所定の領域としての入賞口に到達する確率が第1の確率値である第1種経路(通常ルートNR)と、
予め定められた遊技球の経路であって、前記第1の入球口から入球した遊技球が前記入賞口に到達する確率が前記第1の確率値よりも高い第2の確率値である第2種経路(特別ルートSP)と、
前記特定の場合以外の場合に、前記第1の入球口から入球した遊技球を前記第1種経路に振り分け、前記特定の場合に、前記第1の入球口から入球した遊技球を前記第2種経路に振り分ける遊技球振分手段(遊技球振分装置200)と
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴eA2によれば、前記特定の場合以外の場合に、第1の入球口から入球した遊技球は第1種経路に振り分けられ、前記特定の場合に、第1の入球口から入球した遊技球は第2種経路に振り分けられる。このため、特定の場合となったときには、遊技球が入賞口に到達する確率を高めることができる。このようにして、特徴eA2によれば、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴eB群>
特徴eB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態から抽出される。
[特徴eB1]
遊技球が流通する流通領域(遊技領域PA)と、
前記流通領域に設けられた通路であって、遊技球が入球可能な第1の入球口(第1入球口201)を有し、当該第1の入球口に入球した遊技球を流通させる第1の通路(第1通路210)と、
前記流通領域に設けられた通路であって、前記第1の入球口に隣接する第2の入球口(第2入球口221)を有し、当該第2の入球口に入球した遊技球を流通させる第2の通路(第2通路220)と
を備える遊技機であって、
前記第2の通路を流通する遊技球から作用を受けることによって、前記第1の通路における遊技球の挙動を変化させる挙動変化手段(第1遊技球振分機構240)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴eB1によれば、第2の通路を流通する遊技球から挙動変化手段が作用を受けることによって、第1の通路における遊技球の挙動が変化させられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率を変化させることで、第1の通路において遊技球の挙動が変化する確率を変化させることができる。したがって、特徴eB1によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができるという効果を奏する。
特徴eB1において、隣接する第1の通路の第1の入球口と第2の通路の第2の入球口との境の上方に釘が設けられている場合を考えてみる。この釘の打ち込み位置によって、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が変わる。具体的には、左右方向において上記の釘を第1の入球口側に設けることによって、第1の入球口に遊技球が入球する確率を低下させることができる。この場合、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率が高くなるため、挙動変化手段によって、第1の通路において遊技球の挙動が変化する確率が高くなる。まとめると、上記の釘を第1の通路の第1の入球口側に設けた場合、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が低下することに相反して、第1の通路において、遊技球の挙動が変化する確率が高くなる。
一方、左右方向において上記の釘を第2の通路の第2の入球口側に設けた場合、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が上昇することに相反して、第2通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率が低くなるため、第1の通路において、遊技球の挙動が変化する確率が低くなる。したがって、特徴eB1によれば、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率と、第1の通路において遊技球の挙動が変化する確率とがトレードオフの関係にある。
ここで、第1の通路において遊技球の挙動が変化することで、第1の通路において遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が向上するものとすると、上記の釘を第1の通路の第1の入球口側に設けて、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を低下させても、第1の通路において遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が上昇することから、ホール側と遊技者側との間でホール側に利益が偏ってしまうことを抑制できる。一方、上記の釘を第2の通路の第2の入球口側に設けて、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を上昇させても、第1の通路において遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が低下することから、ホール側と遊技者側との間で遊技者に利益が偏ってしまうことを抑制できる。したがって、特徴eB1によれば、釘の打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制できるという効果も奏する。
[特徴eB2]
特徴eB1に記載の遊技機であって、
前記挙動変化手段は、前記第1の通路における遊技球を複数の行き先のうちのいずれかに振り分ける構成である
ことを特徴とする遊技機。
特徴eB2によれば、挙動変化手段によって、第1の通路における遊技球の行き先が振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率を変化させることで、第1の通路において、遊技球の行き先が振り分けられる確率を変化させることができる。
[特徴eB3]
特徴eB2に記載の遊技機であって、
前記流通領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路である第1種経路(通常ルートNR)と、
前記流通領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路であって、前記第1種経路よりも遊技者にとって有利な経路である第2種経路(特別ルートSP)と、
を備え、
前記挙動変化手段は、
前記第2の通路を流通する遊技球から作用を受けない場合には、前記第1の通路における遊技球を前記第1種経路に向けて振り分け、
前記第2の通路を流通する遊技球から作用を受けることによって、前記第1の通路における遊技球を前記第2種経路に向けて振り分ける手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴eB3によれば、第2の通路を流通する遊技球から作用を受けない場合に、遊技球は第1種経路に向けて振り分けられ、第2の通路を流通する遊技球から作用を受けることによって、遊技球は遊技者にとって有利な第2種経路に向けて振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率を上昇させることで、第1の通路において、遊技球が第2種経路に向けて振り分けられる確率を上昇させ、遊技者にとって有利な遊技結果を得ることができる。したがって、特徴eB3によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴eC群>
特徴eC群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態から抽出される。
[特徴eC1]
遊技球が流通する流通領域(遊技領域PA)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための第1の通路(本線通路211)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための通路であって、前記第1の通路から分かれた分岐通路(第1支線通路212)と、
前記第1の通路における前記分岐通路への分岐点で、遊技球を前記第1の通路と前記分岐通路とに振り分ける遊技球振分手段(第1遊技球振分機構240)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための第2の通路(第2通路220)と
を備える遊技機であって、
前記遊技球振分手段は、
前記第2の通路を遊技球が流通しない場合には、前記分岐点に至った遊技球を前記第1の通路に振り分け、
前記第2の通路における遊技球の流通を契機に、前記分岐点に至った遊技球を前記分岐通路に振り分ける手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴eC1によれば、第2の通路を遊技球が流通しない場合に、遊技球は第1の通路に振り分けられ、第2の通路における遊技球の流通を契機に、遊技球は分岐通路に振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2の通路を遊技球が流通する確率を変化させることで、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられる確率を変化させることができる。したがって、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第1の通路を遊技球が流通する確率と、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられる確率とを個別に変化させることができる。この結果、特徴eC1によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴eC2]
特徴eC1に記載の遊技機であって、
前記第1の通路は、当該第1の通路への入口であって、遊技球が入球可能な第1の入球口(第1入球口201)を有し、
前記第2の通路は、当該第2の通路への入口であって、遊技球が入球可能な第2の入球口(第2入球口221)を有し、
前記第1の入球口と前記第2の入球口とは、隣接する
ことを特徴とする遊技機。
特徴eC2によれば、第1の通路が有する第1の入球口と第2の通路が有する第2の入球口とが隣接している。ここで、隣接する第1の入球口と第2の入球口との境の上方に釘が設けられている場合を考えてみる。この釘の打ち込み位置によって、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が変わる。具体的には、左右方向において上記の釘を第1の入球口側に設けることによって、第1の入球口に遊技球が入球する確率を低下させることができる。この場合、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率が高くなるため、遊技球振分手段によって、第1の通路において遊技球が分岐通路に振り分けられる確率が高くなる。まとめると、上記の釘を第1の通路の第1の入球口側に設けた場合、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が低下することに相反して、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられる確率が高くなる。
一方、左右方向において上記の釘を第2の通路の第2の入球口側に設けた場合、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が上昇することに相反して、第2通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率が低くなるため、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられる確率が低くなる。したがって、特徴eC2によれば、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率と、第1の通路において遊技球が分岐通路に振り分けられる確率とがトレードオフの関係にある。
ここで、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられることによって、遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が向上するものとすると、上記の釘を第1の通路の第1の入球口側に設けて、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を低下させても、第1の通路において遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が上昇することから、ホール側と遊技者側との間でホール側に利益が偏ってしまうことを抑制できる。一方、上記の釘を第2の通路の第2の入球口側に設けて、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を上昇させても、第1の通路において遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が低下することから、ホール側と遊技者側との間で遊技者に利益が偏ってしまうことを抑制できる。したがって、特徴eC2によれば、釘の打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制できる。
[特徴eC3]
特徴eC1または特徴eC2に記載の遊技機であって、
前記流通領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路である第1種経路(通常ルートNR)と、
前記流通領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路であって、前記第1種経路よりも遊技者にとって有利な経路である第2種経路(特別ルートSP)と
を備え、
前記第1の通路の下流端は、前記第1種経路に至り、
前記分岐通路の下流端は、前記第2種経路に至る
ことを特徴とする遊技機。
特徴eC3によれば、第2の通路を遊技球が流通しない場合に、遊技球は第1種経路に振り分けられ、第2の通路における遊技球の流通を契機に、遊技者にとって有利な第2種経路に振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率を上昇させることで、第1の通路において、遊技球が第2種経路に振り分けられる確率を上昇させ、遊技者にとって有利な遊技結果を得ることができる。したがって、特徴eC3によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上をより図ることができる。
<特徴eD群>
特徴eD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態から抽出される。
[特徴eD1]
遊技球が流通する流通領域(遊技領域PA)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための第1の通路(本線通路211)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための通路であって、前記第1の通路から分かれた分岐通路(第1支線通路212)と、
前記第1の通路における前記分岐通路への分岐点で、遊技球を前記第1の通路と前記分岐通路とに振り分ける遊技球振分手段(第1遊技球振分機構240)と
を備える遊技機であって、
前記遊技球振分手段は、
前記第1の通路から前記分岐通路への開口を閉鎖する第1の位置と、前記開口を遊技球が通過可能に開く第2の位置と、に移動可能な弁体(弁体241)と、
前記弁体と連動し、前記第1の通路とは別の領域を流通する遊技球から作用を受けることによって、前記弁体を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させ得る作用片(作用片242)と
を有することを特徴とする遊技機。
特徴eD1によれば、第1の通路とは別の領域を流通する遊技球から作用を受けて、弁体が第1の位置から第2の位置に移動することによって、第1の通路から分岐通路への開口が開き、遊技球は分岐通路に振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、上記別の領域を遊技球が流通する確率を変化させることで、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられる確率を変化させることができる。したがって、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第1の通路を遊技球が流通する確率と、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられる確率とを個別に変化させることができる。この結果、特徴eD1によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴eD2]
特徴eD1に記載の遊技機であって、
前記弁体は、自重によって前記第2の位置から前記第1の位置に移動しうる構成である
ことを特徴とする遊技機。
特徴eD2によれば、弁体は重力以外の力が働いていない初期姿勢において第1の位置を保つことができる。その上、上述したように、弁体は、作用片を介して、第1の通路とは別の領域を流通する遊技球から作用を受けることによって、第1の位置から第2の位置に移動する。このため、特徴eD2によれば、弁体を開閉するためにモーター等の駆動手段を用いる必要がないことから、遊技機の構成を簡素化することができる。
[特徴eD3]
特徴eD1または特徴eD2に記載の遊技機であって、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための第2の通路(第2通路220)
を備え、
前記第1の通路とは別の領域は、前記第2の通路内の予め定められた領域である
ことを特徴とする遊技機。
特徴eD3によれば、第2の通路における遊技球の流通を契機に、遊技球は分岐通路に振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2の通路を遊技球が流通する確率を変化させることで、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられる確率を変化させることができる。
[特徴eD4]
特徴eD3に記載の遊技機であって、
前記第1の通路は、当該第1の通路への入口であって、遊技球が入球可能な第1の入球口(第1入球口201)を有し、
前記第2の通路は、当該第2の通路への入口であって、遊技球が入球可能な第2の入球口(第2入球口221)を有し、
前記第1の入球口と前記第2の入球口とは、隣接する
ことを特徴とする遊技機。
特徴eD4によれば、第1の通路が有する第1の入球口と第2の通路が有する第2の入球口とが隣接している。ここで、隣接する第1の入球口と第2の入球口との境の上方に釘が設けられている場合を考えてみる。この釘の打ち込み位置によって、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が変わる。具体的には、左右方向において上記の釘を第1の入球口側に設けることによって、第1の入球口に遊技球が入球する確率を低下させることができる。この場合、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率が高くなるため、遊技球振分手段によって、第1の通路において遊技球が分岐通路に振り分けられる確率が高くなる。まとめると、上記の釘を第1の通路の第1の入球口側に設けた場合、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が低下することに相反して、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられる確率が高くなる。
一方、左右方向において上記の釘を第2の通路の第2の入球口側に設けた場合、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が上昇することに相反して、第2通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率が低くなるため、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられる確率が低くなる。したがって、特徴eD4によれば、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率と、第1の通路において遊技球が分岐通路に振り分けられる確率とがトレードオフの関係にある。
ここで、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられることによって、遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が向上するものとすると、上記の釘を第1の通路の第1の入球口側に設けて、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を低下させても、第1の通路において遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が上昇することから、ホール側と遊技者側との間でホール側に利益が偏ってしまうことを抑制できる。一方、上記の釘を第2の通路の第2の入球口側に設けて、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を上昇させても、第1の通路において遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が低下することから、ホール側と遊技者側との間で遊技者に利益が偏ってしまうことを抑制できる。したがって、特徴eD4によれば、釘の打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制できる。
[特徴eD5]
特徴eD4に記載の遊技機であって、
前記流通領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路である第1種経路(通常ルートNR)と、
前記流通領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路であって、前記第1種経路よりも遊技者にとって有利な経路である第2種経路(特別ルートSP)と
を備え、
前記第1の通路の下流端は、前記第1種経路に至り、
前記分岐通路の下流端は、前記第2種経路に至る
ことを特徴とする遊技機。
特徴eD5によれば、第2の通路を遊技球が流通しない場合に、遊技球は第1種経路に振り分けられ、第2の通路における遊技球の流通を契機に、遊技者にとって有利な第2種経路に振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率を上昇させることで、第1の通路において、遊技球が第2種経路に振り分けられる確率を上昇させ、遊技者にとって有利な遊技結果を得ることができる。したがって、特徴eD5によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上をより図ることができる。
<特徴eE群>
特徴eE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態から抽出される。
[特徴eE1]
遊技球が流通する流通領域(遊技領域PA)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための第1の通路(本線通路211)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための通路であって、前記第1の通路から分かれた第1の分岐通路(第1支線通路212)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための通路であって、前記第1の通路から分かれた第2の分岐通路(第2支線通路213)と、
前記第1の通路における前記第1の分岐通路への第1分岐点で、遊技球を前記第1の通路と前記第1の分岐通路とに振り分ける第1遊技球振分手段(第1遊技球振分機構240)と、
前記第1の通路における前記第2の分岐通路への第2分岐点で、遊技球を前記第1の通路と前記第2の分岐通路とに振り分ける第2遊技球振分手段(第2遊技球振分機構250)と
を備える遊技機であって、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための第2の通路(第2通路220)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための第3の通路(第3通路230)と
を備え、
前記第1遊技球振分手段は、
前記第2の通路を遊技球が流通しない場合には、前記第1分岐点に至った遊技球を前記第1の通路に振り分け、
前記第2の通路における遊技球の流通を契機に、前記第1分岐点に至った遊技球を前記第1の分岐通路に振り分ける手段を備え、
前記第2遊技球振分手段は、
前記第3の通路を遊技球が流通しない場合には、前記第2分岐点に至った遊技球を前記第1の通路に振り分け、
前記第3の通路における遊技球の流通を契機に、前記第2分岐点に至った遊技球を前記第2の分岐通路に振り分ける手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴eE1によれば、第2の通路を遊技球が流通しない場合に、遊技球は第1の通路に振り分けられ、第2の通路における遊技球の流通を契機に、遊技球は第1の分岐通路に振り分けられる。また、第3の通路を遊技球が流通しない場合に、遊技球は第1の通路に振り分けられ、第3の通路における遊技球の流通を契機に、遊技球は第2の分岐通路に振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2の通路を遊技球が流通する確率を変化させることで、第1の通路において、遊技球が第1の分岐通路に振り分けられる確率を変化させることができ、第3の通路を遊技球が流通する確率を変化させることで、第1の通路において、遊技球が第2の分岐通路に振り分けられる確率を変化させることができる。したがって、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第1の通路を遊技球が流通する確率と、第1の通路において遊技球が第1の分岐通路に振り分けられる確率と、第1の通路において遊技球が第2の分岐通路に振り分けられる確率とを個別に変化させることができる。この結果、特徴eE1によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴eE2]
特徴eE1に記載の遊技機であって、
前記第1の通路は、当該第1の通路への入口であって、遊技球が入球可能な第1の入球口(第1入球口201)を有し、
前記第2の通路は、当該第2の通路への入口であって、遊技球が入球可能な第2の入球口(第2入球口221)を有し、
前記第3の通路は、当該第3の通路への入口であって、遊技球が入球可能な第3の入球口(第3入球口231)を有し、
前記第2の入球口は、前記第1の入球口に対して、左右方向の一方の側に隣接し、
前記第3の入球口は、前記第1の入球口に対して、左右方向の他方の側に隣接する
ことを特徴とする遊技機。
特徴eE2によれば、第2の通路が有する第2の入球口が第1の通路が有する第1の入球口と近接し、第3の通路が有する第3の入球口が第1の通路が有する第1の入球口と近接している。ここで、隣接する第1の入球口と第2の入球口との境の上方に釘が設けられている場合を考えてみる。この釘の打ち込み位置によって、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が変わる。具体的には、左右方向において上記の釘を第1の入球口側に設けることによって、第1の入球口に遊技球が入球する確率を低下させることができる。この場合、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率が高くなるため、第1遊技球振分手段によって、第1の通路において遊技球が第1の分岐通路に振り分けられる確率が高くなる。まとめると、上記の釘を第1の通路の第1の入球口側に設けた場合、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が低下することに相反して、第1の通路において、遊技球が第1の分岐通路に振り分けられる確率が高くなる。
一方、左右方向において上記の釘を第2の通路の第2の入球口側に設けた場合、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が上昇することに相反して、第2通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率が低くなるため、第1の通路において、遊技球が第1の分岐通路に振り分けられる確率が低くなる。したがって、特徴eE2によれば、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率と、第1の通路において遊技球が第1の分岐通路に振り分けられる確率とがトレードオフの関係にある。
ここで、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられることによって、遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が向上するものとすると、上記の釘を第1の通路の第1の入球口側に設けて、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を低下させても、第1の通路において遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が上昇することから、ホール側と遊技者側との間でホール側に利益が偏ってしまうことを抑制できる。一方、上記の釘を第2の通路の第2の入球口側に設けて、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を上昇させても、第1の通路において遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が低下することから、ホール側と遊技者側との間で遊技者に利益が偏ってしまうことを抑制できる。したがって、特徴eE2によれば、釘の打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制できる。
同様に、隣接する第1の入球口と第3の入球口との境の上方に釘が設けられている場合を考えてみる。この場合にも、前述した第1の入球口と第2の入球口との関係と同様に、この釘の打ち込み位置によって第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を変化させることと、第1の通路において、遊技球が第2の分岐通路に振り分けられる確率を変化させることとがトレードオフの関係にある。このことからも、釘の打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制できる。
[特徴eE3]
特徴eE1または特徴eE2に記載の遊技機であって、
前記流通領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路である第1種経路(通常ルートNR)と、
前記流通領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路であって、前記第1種経路よりも遊技者にとって有利な経路である第2種経路(特別ルートSP)と
を備え、
前記第1の通路の下流端は、前記第1種経路に至り、
前記第1の分岐通路の下流端と前記第2の分岐通路の下流端とは合わさって、前記第2種経路に至る
ことを特徴とする遊技機。
特徴eE3によれば、第2の通路における遊技球の流通を契機に、または第3の通路における遊技球の流通を契機に、遊技者にとって有利な第2種経路に振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率を上昇させること、および第3の通路の第3の入球口に遊技球が入球する確率を上昇させることで、第1の通路において、遊技球が第2種経路に振り分けられる確率を上昇させ、遊技者にとって有利な遊技結果を得ることができる。したがって、特徴eE3によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上をより図ることができる。
<特徴eF群>
特徴eF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態の変形例1から抽出される。
[特徴eF1]
遊技球が流通する流通領域と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための第1の通路(本線通路311)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための通路であって、前記第1の通路から分かれた1回目分岐通路(子支線通路312)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための通路であって、前記1回目分岐通路から分かれた2回目分岐通路(孫支線通路313)と、
前記第1の通路における前記1回目分岐通路への第1分岐点で、遊技球を前記第1の通路と前記1回目分岐通路とに振り分ける第1遊技球振分手段(第1遊技球振分機構340)と、
前記1回目分岐通路における前記2回目分岐通路への第2分岐点で、遊技球を前記1回目分岐通路と前記2回目分岐通路とに振り分ける第2遊技球振分手段(第2遊技球振分機構350)と
を備える遊技機であって、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための第2の通路(第2通路320)と、
前記流通領域に設けられ、遊技球を流通させるための第3の通路(第3通路330)と
を備え、
前記第1遊技球振分手段は、
前記第2の通路を遊技球が流通しない場合には、前記第1分岐点に至った遊技球を前記第1の通路に振り分け、
前記第2の通路における遊技球の流通を契機に、前記第1分岐点に至った遊技球を前記1回目分岐通路に振り分ける手段を備え、
前記第2遊技球振分手段は、
前記第3の通路を遊技球が流通しない場合には、前記第2分岐点に至った遊技球を前記1回目分岐通路に振り分け、
前記第3の通路における遊技球の流通を契機に、前記第2分岐点に至った遊技球を前記2回目分岐通路に振り分ける手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴eF1によれば、第2の通路を遊技球が流通し、かつ、第3の通路を遊技球が流通することを契機として、第1の通路に入った遊技球は、2回目分岐通路に振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2の通路を遊技球が流通する確率を変化させることで、第1の通路において、遊技球が1回目分岐通路に振り分けられる確率を変化させることができ、第3の通路を遊技球が流通する確率を変化させることで、1回目分岐通路において、遊技球が2回目分岐通路に振り分けられる確率を変化させることができる。したがって、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第1の通路に遊技球が入球する確率と、遊技球が最終的に2回目分岐通路に振り分けられる確率とを個別に変化させることができる。この結果、特徴eF1によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴eF2]
特徴eF1に記載の遊技機であって、
前記第1の通路は、当該第1の通路への入口であって、遊技球が入球可能な第1の入球口(第1入球口301)を有し、
前記第2の通路は、当該第2の通路への入口であって、遊技球が入球可能な第2の入球口(第2入球口321)を有し、
前記第3の通路は、当該第3の通路への入口であって、遊技球が入球可能な第3の入球口(第3入球口331)を有し、
前記第2の入球口は、前記第1の入球口に対して、左右方向の一方の側に隣接し、
前記第3の入球口は、前記第1の入球口に対して、左右方向の他方の側に隣接する
ことを特徴とする遊技機。
特徴eF2によれば、第2の通路が有する第2の入球口が第1の通路が有する第1の入球口と近接し、第3の通路が有する第3の入球口が第1の通路が有する第1の入球口と近接している。ここで、隣接する第1の入球口と第2の入球口との境の上方に釘が設けられている場合を考えてみる。この釘の打ち込み位置によって、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が変わる。具体的には、左右方向において上記の釘を第1の入球口側に設けることによって、第1の入球口に遊技球が入球する確率を低下させることができる。この場合、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率が高くなるため、第1遊技球振分手段によって、第1の通路において遊技球が1回目分岐通路に振り分けられる確率が高くなる。まとめると、上記の釘を第1の通路の第1の入球口側に設けた場合、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が低下することに相反して、第1の通路において、遊技球が1回目分岐通路に振り分けられる確率が高くなる。
一方、左右方向において上記の釘を第2の通路の第2の入球口側に設けた場合、第1の通路の第1の入球口に遊技球が入球する確率が上昇することに相反して、第2通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率が低くなるため、第1の通路において、遊技球が1回目分岐通路に振り分けられる確率が低くなる。したがって、特徴eF2によれば、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率と、第1の通路において遊技球が1回目分岐通路に振り分けられる確率とがトレードオフの関係にある。
ここで、第1の通路において、遊技球が分岐通路に振り分けられることによって、遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が向上するものとすると、上記の釘を第1の通路の第1の入球口側に設けて、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を低下させても、第1の通路において遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が上昇することから、ホール側と遊技者側との間でホール側に利益が偏ってしまうことを抑制できる。一方、上記の釘を第2の通路の第2の入球口側に設けて、第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を上昇させても、第1の通路において遊技者にとって有利な経路に遊技球が進む確率が低下することから、ホール側と遊技者側との間で遊技者に利益が偏ってしまうことを抑制できる。したがって、特徴eF2によれば、釘の打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制できる。
同様に、隣接する第1の入球口と第3の入球口との境の上方に釘が設けられている場合を考えてみる。この場合にも、前述した第1の入球口と第2の入球口との関係と同様に、この釘の打ち込み位置によって第1の通路の第1の入球口へ入球する確率を変化させることと、遊技球が2回目分岐通路に振り分けられる確率を変化させることとがトレードオフの関係にある。このことからも、釘の打ち込み位置によって、ホール側と遊技者側のうちの片方に利益が偏ることを抑制できる。
[特徴eF3]
特徴eF1または特徴eF2に記載の遊技機であって、
前記流通領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路である第1種経路(通常ルートNR)と、
前記流通領域に設けられ、予め定められた遊技球の経路であって、前記第1種経路よりも遊技者にとって有利な経路である第2種経路(特別ルートSP)と
を備え、
前記第1の通路の下流端は、前記第1種経路に至り、
前記1回目分岐通路の下流端は、前記第2種経路に至る
ことを特徴とする遊技機。
特徴eF3によれば、第2の通路における遊技球の流通と、第3の通路における遊技球の流通との双方を契機に、遊技者にとって有利な第2種経路に振り分けられる。このため、遊技者は、遊技球の発射強度を調整することによって、第2の通路の第2の入球口に遊技球が入球する確率を上昇させること、および第3の通路の第3の入球口に遊技球が入球する確率を上昇させることで、遊技球が第2種経路に振り分けられる確率を上昇させ、遊技者にとって有利な遊技結果を得ることができる。したがって、特徴eF3によれば、遊技者に対して技量に応じた遊技の結果を与えることができ、遊技の興趣向上をより図ることができる。
<特徴eG群>
特徴eG群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第5実施形態の変形例3から抽出される。
[特徴eG1]
遊技球が流通する流通領域(遊技領域PA)と、
前記流通領域に設けられた通路であって、遊技球が入球可能な第1の入球口(第1入球口201)を有し、当該第1の入球口に入球した遊技球を流通させる第1の通路(第1通路210)と、
前記流通領域に設けられた通路であって、前記第1の入球口に隣接する第2の入球口(第2入球口221)を有し、当該第2の入球口に入球した遊技球を流通させる第2の通路(第2通路220)と
を備える遊技機であって、
前記第1の入球口から入球した遊技球と前記第2の入球口から入球した遊技球とに基づいて、遊技球を遊技者に有利となる方向に誘導し得る遊技球誘導手段(遊技球振分装置200)と、
遊技球を貯留する遊技球貯留手段であって、複数の遊技球が貯留された時に、当該貯留された遊技球を前記第1の入球口および前記第2の入球口に向けて放出する遊技球貯留手段(遊技球貯留装置500)と
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴eG1によれば、遊技球誘導手段によって、第1の入球口から入球した遊技球と第2の入球口から入球した遊技球とに基づいて、遊技球は遊技者に有利となる方向に誘導され得る。一般に、隣接する2つの入球口に続けて遊技球が入る確率は比較的低いが、特徴eG1によれば、遊技球貯留手段によって、複数の遊技球が一度に、第1の入球口および第2の入球口に向かって放出されることから、第1の入球口および第2の入球口に続けて遊技球が入球する確率を高めることができる。したがって、特徴eG1によれば、遊技者に有利となる確率を高くして、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴eG2]
特徴eG1に記載の遊技機であって、
前記遊技球貯留手段(遊技球貯留装置500)は、
前記第1の入球口と前記第2の入球口との上方に配置され、遊技球が載る遊技球受け容器(遊技球受け容器510)であり、複数の遊技球の重さによって当該遊技球受け容器が傾倒することで、当該遊技球受け容器に載った遊技球を落下させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴eG2によれば、モーター等の駆動手段を用いずに遊技球の重さを受けて遊技球受け容器から遊技球を放出することができることから、遊技機の構成を簡素化することができる。
[特徴eG3]
特徴eG1または特徴eG2に記載の遊技機であって、
前記遊技球貯留手段に貯留された遊技球を、所定時間毎に強制的に放出させる強制放出手段(強制放出装置600)
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴eG3によれば、所定時間毎に繰り返し、遊技球貯留手段から遊技球を強制的に放出させることができる。このため、遊技者が遊技を終えようとした場合に、遊技球貯留手段に遊技球が貯留されたまま残ることがなくなる。したがって、次の遊技者が有利な状態から遊技を開始することがなくなることから、遊技の公平性を保つことができる。
<特徴fA群>
特徴fA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第6実施形態およびその変形例1〜6,8,10〜12から抽出される。
[特徴fA1]
遊技球が流通する遊技領域を構成する遊技盤と、
前記遊技盤の表面に設けられ、遊技球の流通を変化させる棒状部材(第1の釘42a,第2の釘42b)と、
所定方向から見た場合(上側から下側に向けて見た場合、右側から左側に向けて見た場合)に前記棒状部材と平行になるように、前記遊技盤に設けられた基準部(第1始動口33の入球口33aにおける第3のへり333,第4のへり334、第1始動口633の上側の面633S、第1のマーク951、第2のマーク952、マーク1051)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
遊技球の流通を変化させる例えば釘等の棒状部材は、例えば、搬送時の偶発的な衝撃等の意図しない外的な要因によって、その傾き具合がメーカーの意図する大きさと異なってしまうことがある。特徴fA1によれば、メーカーが意図する棒状部材の傾き具合と一致するように、基準部の傾き具合が予め定められた構成とすることで、基準部を頼りに、所定方向から見た場合に棒状部材が基準部と平行になるように、棒状部材の傾きを確認して修正することができる。このため、棒状部材の調整についての多くの経験や専用の調整用器具を必要とせずに、棒状部材の傾きのずれを容易に修復することができる。
[特徴fA2]
特徴fA1に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球口(入球口33a)を形成する入球口部材(第1始動口33)
を備え、
前記棒状部材は、前記入球口部材の上方に設けられた釘(第1の釘42a,第2の釘42b)であり、
前記基準部は、前記入球口部材に設けられた
ことを特徴とする遊技機。
特徴fA2によれば、入球口部材に設けられた基準部を頼りに、釘の傾きを確認して修正することができる。このため、入球口部材の上方に設けられた釘についての傾きのずれを容易に修復することができる。
[特徴fA3]
特徴fA2に記載の遊技機であって、
前記基準部は、前記入球口(入球口33a)のへり(第3のへり333,第4のへり334)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴fA3によれば、入球口部材に基準部としての専用の部材を別途、設けることなく、釘の傾きの修復を行うことができることから、遊技機の構成が複雑になることを防止することができる。
[特徴fA4]
特徴fA2に記載の遊技機であって、
前記基準部は、前記入球口部材に付けた目印(第1のマーク951、第2のマーク952、マーク1051)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴fA4によれば、基準部の視認性を高めることが容易にでき、修復の確実性を高めることができる。
<特徴fB群>
特徴fB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第6実施形態およびその変形例1〜6,8,10〜12から抽出される。
[特徴fB1]
遊技機であって、
遊技球が流通する遊技領域を構成する遊技盤と、
前記遊技盤の表面に設けられ、遊技球の流通を変化させる釘(第1の釘42a,第2の釘42b)と、
前記遊技機の出荷時における前記釘と前記遊技盤の表面とのなす角度を規定する、前記釘とは異なる規定手段(第1始動口33の入球口33aにおける第3のへり333,第4のへり334、第1始動口633の上側の面633S、第1のマーク951、第2のマーク952、マーク1051)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
遊技球の流通を変化させる釘は、例えば、搬送時の偶発的な衝撃等の意図しない外的な要因によって、その傾き具合がメーカーの意図する大きさと異なってしまうことがある。特徴fB1によれば、規定手段は、遊技機の出荷時における釘と遊技盤の表面とのなす角度を規定することから、規定手段を頼りに、規定手段によって規定された角度となるように、釘の傾きを確認して修正することで、釘を出荷時の傾き具合に直すことができる。このため、釘の調整についての多くの経験や専用の調整用器具を必要とせずに、釘の傾きのずれを容易に修復することができる。
[特徴fB2]
特徴fB1に記載の遊技機であって、
前記釘の下方に設けられ、遊技球が入球可能な入球口(入球口33a)を形成する入球口部材(第1始動口33)
を備え、
前記規定手段は、前記入球口部材に設けられている
ことを特徴とする遊技機。
特徴fB2によれば、入球口部材に設けられた規定手段を頼りに、釘の傾きを確認して修正することができる。このため、入球口部材の上方に設けられた釘についての傾きのずれを容易に修復することができる。
[特徴fB3]
特徴fB2に記載の遊技機であって、
前記規定手段は、前記入球口(入球口33a)のへり(第3のへり333,第4のへり334)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴fB3によれば、規定手段としての専用の部材を別途、設けることなく、釘の傾きの修復を行うことができることから、遊技機の構成が複雑になることを防止することができる。
[特徴fB4]
特徴fB2に記載の遊技機であって、
前記規定手段は、前記入球口部材に付けた目印(第1のマーク951、第2のマーク952、マーク1051)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴fB4によれば、規定手段の視認性を高めることが容易にでき、修復の確実性を高めることができる。
<特徴fC群>
特徴fC群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第6実施形態の変形例9から抽出される。
[特徴fC1]
遊技球が流通する遊技領域を構成する遊技盤と、
前記遊技盤の表面に設けられ、遊技球の流通を変化させる釘(第1の釘42a,第2の釘42b)と、
前記釘と前記遊技盤の表面とのなす角度についての情報を示す角度情報明示手段(第1数値情報Na,第2数値情報Nb)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
遊技球の流通を変化させる釘は、例えば、搬送時の偶発的な衝撃等の意図しない外的な要因によって、その傾き具合がメーカーの意図する大きさと異なってしまうことがある。特徴fC1によれば、メーカーが意図する釘の傾き具合と一致する角度についての情報を角度情報明示手段が示す構成とすることで、角度情報明示手段を頼りに、釘の傾きを確認して修正することができる。このため、釘の調整についての多くの経験や専用の調整用器具を必要とせずに、釘の傾きのずれを容易に修復することができる。
[特徴fC2]
特徴fC1に記載の遊技機であって、
前記釘の下方に設けられ、遊技球が入球可能な入球口(入球口33a)を形成する入球口部材(第1始動口33)
を備え、
前記角度情報明示手段は、前記入球口部材に設けられている
ことを特徴とする遊技機。
特徴fC2によれば、入球口部材に設けられた角度情報明示手段を頼りに、釘の傾きを確認して修正することができる。このため、入球口部材の上方に設けられた釘についての傾きのずれを容易に修復することができる。
[特徴fC3]
特徴fC2に記載の遊技機であって、
前記釘として、所定方向の一方の側に設けられた第1の釘と、前記所定方向の他方の側に設けられた第2の釘と、
を備え、
前記入球口部材は、
少なくとも第1パーツと第2パーツとによって構成され、
前記第1パーツに、前記第1の釘についての前記角度の情報を示す第1の角度情報明示手段が設けられ、
前記第2パーツに、前記第2の釘についての前記角度の情報を示す第2の角度情報明示手段が設けられている
ことを特徴とする遊技機。
特徴fC3によれば、入球口部材が少なくとも第1パーツと第2パーツとによって構成されていることから、製造時において、第1パーツに第1の角度情報明示手段を設け、第2パーツに第2の角度情報明示手段を設けることを容易に行なうことができる。特に、第1の角度情報明示手段と第2の角度情報明示手段の双方を一方の側から見ることができるように、第1の角度情報明示手段と第2の角度情報明示手段とを同じ向きに設ける場合に、一方の角度情報明示手段は入球口部材の内側となることから、製造時に、その内側の角度情報明示手段を設けることが困難であるが、特徴fC3によれば、入球口部材が第1パーツと第2パーツとによって構成されていることから、製造が容易である。
<特徴fD群>
特徴fD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第6実施形態の変形例5から抽出される。
[特徴fD1]
遊技球が流通する遊技領域を構成する遊技盤と、
前記遊技盤の表面に設けられ、遊技球の流通を変化させる釘(第1の釘42a,第2の釘42b)と、
前記釘と前記遊技盤の表面とのなす角度を規定する目印(第1始動口33の入球口33aにおける第3のへり333,第4のへり334、第1始動口633の上側の面633S、第1のマーク951、第2のマーク952、マーク1051)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
遊技球の流通を変化させる釘は、例えば、搬送時の偶発的な衝撃等の意図しない外的な要因によって、その傾き具合がメーカーの意図する大きさと異なってしまうことがある。特徴fD1によれば、目印は、釘と遊技盤の表面とのなす角度を規定することから、目印を頼りに、目印によって規定された角度となるように、釘の傾きを確認して修正することで、釘をメーカーの意図する傾き具合に直すことができる。このため、釘の調整についての多くの経験や専用の調整用器具を必要とせずに、釘の傾きのずれを容易に修復することができる。
[特徴fD2]
特徴fD1に記載の遊技機であって、
前記目印は、前記遊技機の出荷時における前記釘についての前記角度を規定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴fD2によれば、釘の傾き具合を遊技機の出荷時の状態に容易に戻すことができる。
[特徴fD3]
特徴fD1または特徴fD2に記載の遊技機であって、
前記釘の下方に設けられ、遊技球が入球可能な入球口(入球口33a)を形成する入球口部材(第1始動口33)
を備え、
前記目印は、前記入球口部材に設けられている
ことを特徴とする遊技機。
特徴fD3によれば、入球口部材に設けられた目印を頼りに、釘の傾きを確認して修正することができる。このため、入球口部材の上方に設けられた釘についての傾きのずれを容易に修復することができる。
[特徴fD4]
特徴fD1から特徴fD3までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
所定方向から見た場合(上側から下側に向けて見た場合)に、前記目印は前記釘と平行になり、かつ、前記目印の少なくとも一部分が前記釘によって隠れることがない
ことを特徴とする遊技機。
特徴fD4によれば、所定方向から見て、釘が目印と平行であるか否かを確認することによって、釘の傾き具合がメーカーの意図する大きさであるか否かを認めることができる。その上、所定方向から見た場合に、目印の少なくとも一部分が前記釘によって隠れることがないことから、目印の視認性が高い。したがって、特徴fD4によれば、釘の傾きの認定が容易であり、釘の傾きのずれをより容易に修復することができる。
<特徴fE群>
特徴fE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第6実施形態の変形例10〜12から抽出される。
[特徴fE1]
遊技球が流通する遊技領域を構成する遊技盤と、
前記遊技盤の表面に設けられ、遊技球の流通を変化させる釘(第1の釘42a,第2の釘42b)と、
遊技球が入球可能な入球口(開口部1400)と、
前記入球口に設けられ、前記入球口への入球のし易さを変更するために閉状態と開状態とに切り換え可能な可動部(可動片1411a、1411b,1511a,1511b,1611a)を備える可動手段(電動役物1410,1510)と、
を備える遊技機であって、
前記可動部は、
前記釘と前記遊技盤の表面とのなす角度を規定する所定部位(Sa,Sb,Ha,Hb,Ta)を有する
ことを特徴とする遊技機。
遊技球の流通を変化させる釘は、例えば、搬送時の偶発的な衝撃等の意図しない外的な要因によって、その傾き具合がメーカーの意図する大きさと異なってしまうことがある。特徴fE1によれば、可動部における所定部位は、釘と遊技盤の表面とのなす角度を規定することから、所定部位を頼りに、所定部位によって規定された角度となるように、釘の傾きを確認して修正することで、釘をメーカーの意図するメーカーの意図する傾き具合に直すことができる。このため、釘の調整についての多くの経験や専用の調整用器具を必要とせずに、釘の傾きのずれを容易に修復することができる。
[特徴fE2]
特徴fE1に記載の遊技機であって、
前記所定部位は、前記遊技機の出荷時における前記釘についての前記角度を規定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴fE2によれば、釘を遊技機の出荷時の傾き具合に容易に修復することができる。
[特徴fE3]
特徴fE1または特徴fE2に記載の遊技機であって、
前記可動手段において、前記可動部が閉状態にある場合に、当該可動部の前記所定部位が、前記角度を規定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴fE3によれば、閉状態にある場合の可動部の所定部位を頼りに、所定部位によって規定された角度となるように、釘の傾きを確認して修復することができる。
[特徴fE4]
特徴fE1または特徴fE2に記載の遊技機であって、
前記可動手段において、前記可動部が開状態にある場合に、当該可動部の前記所定部位が、前記角度を規定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴fE4によれば、開状態にある場合の可動部の所定部位を頼りに、釘の傾きを確認して修復することができる。特に、開状態にある場合の可動部の位置に近い釘を、修復の対象とすることができ、その釘の修復を容易に行なうことができる。
<特徴fF群>
特徴fF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第6実施形態の変形例7から抽出される。
[特徴fF1]
遊技球が流通する遊技領域を構成する遊技盤と、
前記遊技盤の表面に対して予め定められた角度で設置されていることが保証されて、前記遊技盤に設けられた基準部(第1のマーク1151,第2のマーク1152)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
遊技機においては、遊技盤上に釘等の付帯物が設置されている。特徴fF1によれば、遊技盤の表面に対して予め定められた角度であることが保証されている基準部を頼りに、付帯物の傾きを確認して修正することができる。このため、付帯物の傾きの調整についての多くの経験や専用の調整用器具を必要とせずに、付帯物の傾きのずれを容易かつ正確に修復することができる。
[特徴fF2]
特徴fF1に記載の遊技機であって、
前記遊技盤の表面に設けられ、遊技球の流通を変化させる釘(第1の釘42a,第2の釘42b)
を備え、
前記基準部が保証する前記角度は、直角である
ことを特徴とする遊技機。
特徴fF2によれば、遊技盤の表面に対して垂直に設置されていることが保証されている基準部を頼りに、釘の傾きを確認して修正することができる。釘はメーカーの意図する傾きで設けられているが、特徴fF2によれば、垂直に設置されていることが保証されている基準部と釘の向きとを比べることで、釘の傾き具合を容易に確認することができる。したがって、釘の傾きの調整を容易に行うことができる。
<特徴gA群>
特徴gA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7実施形態から抽出される。
[特徴gA1]
遊技球の入球が第1の図柄の変動の契機となる第1種入球手段(第7実施形態における第1始動口)と、
遊技球の入球が第2の図柄の変動の契機となる第2種入球手段(第7実施形態における第2始動口)と、
遊技者にとって最も有利な流通態様で遊技球を流通させた場合に、単位時間当たりにおける、前記第1種入球手段への遊技球の入球数と前記第2種入球手段への遊技球の入球数との相対比である入球相対比を、少なくとも3段階に変更可能に制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴gA1によれば、遊技者にとって最も有利な流通態様で遊技球を流通させた場合に、単位時間当たりにおける、第1種入球手段への遊技球の入球数と第2種入球手段への遊技球の入球数との相対比を、少なくとも3段階に変更可能に制御するので、当該3段階の入球相対比を組み合わせることによって、新たな種々の遊技の流れを創出することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴gA2]
特徴gA1に記載の遊技機であって、
所定の位置を遊技球が通過したことを検知する検知手段と、
前記検知手段が前記遊技球の通過を検知したことを契機として所定の抽選(電役開放抽選)を実行する抽選実行手段と、
前記所定の抽選に当選した場合に、前記第2種入球手段への遊技球の入球を補助する補助手段(普通電動役物53)と、
を備え、
前記制御手段は、
前記抽選実行手段による前記所定の抽選における当選確率を、第1の確率と、前記第1の確率より高い第2の確率との少なくとも2段階に変更可能であり、
前記所定の抽選を開始してから抽選結果を出力するまでの抽選実行時間を、第1の抽選実行時間と、前記第1の抽選実行時間より短い第2の抽選実行時間との少なくとも2段階に変更可能であり、
1回の前記所定の抽選の当選に対応して前記補助手段が前記補助をする時間である補助時間を、第1の補助時間と、前記第1の補助時間より長い第2の補助時間との少なくとも2段階に変更可能であり、
制御モードとして、第1制御モード(低頻度サポートモード)と、第2制御モード(高頻度サポートモードA)と、第3制御モード(高頻度サポートモードB)とを実行可能であり、
前記第1制御モードは、
前記当選確率が前記第1の確率であり、前記抽選実行時間が前記第1の抽選実行時間であり、前記補助時間が前記第1の補助時間であり、
前記第2の制御モードは、
前記当選確率が前記第2の確率であり、前記抽選実行時間が前記第2の抽選実行時間であり、前記補助時間が前記第1の補助時間であり、
前記第3の制御モードは、
前記当選確率が前記第2の確率であり、前記抽選実行時間が前記第2の抽選実行時間であり、前記補助時間が前記第2の補助時間であり、
前記制御モードを切り替えることによって、前記入球相対比を変更する
ことを特徴とする遊技機。
特徴gA2によれば、制御手段は、所定の抽選の当選確率と、抽選実行時間と、補助時間とが異なる3つの制御モードを切り替えることによって入球相対比を変更するので、比較的簡易な制御によって入球相対比の切り替えを実現することができる。
<特徴gB群>
特徴gB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7実施形態から抽出される。
[特徴gB1]
遊技球の入球が第1の図柄の変動の契機となる第1種入球手段(第7実施形態における第1始動口)と、
遊技球の入球が第2の図柄の変動の契機となる第2種入球手段(第7実施形態における第1始動口)と、
到達した遊技球を第1の経路(左側流路R1)と第2の経路(右側流路R2)とに交互に振り分ける振分手段(振分機構120)と、
前記第2の経路上の所定の位置である第1検知位置を遊技球が通過したことを検知する第1の検知手段(スルーゲート35a)と、
前記第1の検知手段が前記遊技球の通過を検知したことを契機として所定の抽選(電役開放抽選)を実行する抽選実行手段と、
前記所定の抽選に当選した場合に、到達した遊技球を所定の流通方向に案内する補助手段(普通電動役物53)と、
を備え、
前記第1の経路に振り分けられた遊技球が入球可能な位置に前記第1種入球手段が配置され、
前記第2の経路に振り分けられた遊技球が到達可能な位置に前記補助手段が配置され、
前記補助手段によって流通方向を案内された遊技球が入球可能な位置に前記第2種入球手段が配置される
ことを特徴とする遊技機。
特徴gB1によれば、振分手段に到達した遊技球のうち、第1の経路に振り分けられた遊技球は第1種入球手段に入球し、第2の経路に振り分けられた遊技球のうち補助手段によって補助された遊技球は第2種入球手段に入球する。従って、振分手段に到達させるような流通態様で遊技球を流通させた場合、所定の抽選の当選確率を変更することによって、第1種入球手段への遊技球の入球頻度を所定の範囲内で一定に保ちつつ、第2種入球手段への遊技球の入球頻度を変更することができる。
[特徴gB2]
特徴gB1に記載の遊技機であって、
前記振分手段が設けられた位置および前記第1検知位置とは異なる位置である第2検知位置を通過したことを検知する第2の検知手段(スルーゲート35b)を備え、
前記抽選実行手段は、前記第2の検知手段が前記遊技球の通過を検知したことを契機として前記所定の抽選(電役開放抽選)を実行し、
前記補助手段は、
前記第2検知位置を通過した遊技球が到達可能な位置に配置されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴gB2によれば、振分手段が設けられた位置および第1検知位置を通過させないで第2検知位置を通過するように遊技球を流通させた場合に、第2種入球手段のみに遊技球を入球させることができる。従って、流通態様を変更することによって、第1種入球手段および第2種入球手段への入球頻度を変更することができる。
<特徴gC群>
特徴gC群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7実施形態から抽出される。
[特徴gC1]
遊技球の入球が図柄の変動の契機となる第1の入球手段(第7実施形態における第1始動口33a)と、
遊技球の入球が図柄の変動の契機となる第2の入球手段(第7実施形態における第1始動口33b)と、
到達した遊技球を複数の経路に振り分ける振分手段(振分機構120)と、
前記振り分けられた遊技球を前記第1の入球手段に案内する第1案内経路(左側流路R1)と、
前記振り分けられた遊技球を前記第2の入球手段に案内する第2案内経路(右側流路R2)と、
を備え、
前記第1の入球手段への遊技球の入球を契機として変動する前記図柄と、前記第2の入球手段への遊技球の入球を契機として変動する前記図柄とが同一である
ことを特徴とする遊技機。
特徴gC1によれば、遊技球が振分手段によって振り分けられたにも関わらず、当該振り分けられた遊技球が、第1の入球手段に入球した場合も、第2の入球手段に入球した場合も、いずれも同一の図柄を変動させるので、各入球手段ごとに異なる図柄が変動すると推測していた遊技者に対して意外性を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴gC2]
特徴gC1に記載の遊技機であって、
前記第1の入球手段および前記第2の入球手段に遊技球が入球したことを契機として、第1の図柄を変動させる第1図柄変動手段と、
遊技球の入球が図柄の変動の契機となる第3の入球手段(第2始動口34)と、
前記第3の入球手段に遊技球が入球したことを契機として、前記第1の図柄とは異なる図柄である第2の図柄を変動させる第2図柄変動手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴gC2によれば、遊技球の入球が第2の図柄を変動させる契機となる第3の入球手段を備えるので、遊技者に対して、第1の図柄の変動に関する期待感に加えて、第2の図柄の変動に関する期待感を付与することができる。さらに振分手段の役割に関して、遊技者に対して種々の推測をさせることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴gC3]
特徴gC2に記載の遊技機であって、
前記振分手段から前記第2の入球手段へ遊技球が流通する経路上に配置され、当該経路上を流通する遊技球が前記第3の入球手段に入球することを補助する補助手段(普通電動役物53)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴gC3によれば、第2の入球手段へ遊技球が流通する経路上に第3の入球手段へ入球することを補助する補助手段を備えるので、振分手段によって振り分けられた遊技球が、第1案内経路と第2案内経路のいずれに振り分けられても同一の図柄(第1の図柄)を変動させる契機となる場合と、第2案内経路に振り分けられた遊技球が補助手段によって第2の図柄を変動させる契機となる場合があり、補助手段の動作パターンによって、第1の図柄と第2の図柄を変動させる割合を異なる態様にすることができる。
[特徴gC4]
特徴gC3に記載の遊技機であって、
前記第2案内経路上の所定の位置を遊技球が通過したことを検知する検知手段(スルーゲート35a)を備え、
前記補助手段は、
前記検知手段が前記遊技球の通過を検知したことを契機として、前記振分手段から前記第2の入球手段への経路上を流通する遊技球が前記第3の入球手段に入球することを補助する
ことを特徴とする遊技機。
特徴gC4によれば、補助手段は検知手段が遊技球の通過を検知したことを契機として振分手段から第2の入球手段へ遊技球が流通する経路上を流通する遊技球が第3の入球手段に入球することを補助するので、遊技球を第2案内経路に流通させることを遊技者に促し、遊技球が所定の位置を通過した場合には、遊技者に対して期待感を付与することができる。また、遊技球を第2案内経路に流通させることを遊技者に促すことで、遊技者を遊技に集中させることができる。
[特徴gC5]
特徴gC4に記載の遊技機であって、
前記検知手段が前記遊技球の通過を検知したことを契機として所定の抽選(電役開放抽選)を実行する抽選実行手段を備え、
前記補助手段は、
前記所定の抽選に当選した場合に、前記振分手段から前記第2の入球手段への経路上を流通する遊技球が前記第3の入球手段に入球することを補助する
ことを特徴とする遊技機。
特徴gC5によれば、補助手段は検知手段が遊技球の通過を検知したことを契機として実行された所定の抽選に当選した場合に、振分手段から第2の入球手段への経路上を流通する遊技球が第3の入球手段に入球することを補助するので、所定の抽選における当選確率を制御することによって、第1の図柄と第2の図柄を変動させる割合を制御することができる。
[特徴gC6]
特徴gC4または特徴gC5に記載の遊技機であって、
前記第2案内経路上の所定の位置を通過したことを検知する前記検知手段を第1の検知手段(スルーゲート35a)とした場合に、
前記振分手段によって振り分けられる経路上の位置とは異なる特定の位置を通過したことを検知する前記第1の検知手段とは異なる第2の検知手段(スルーゲート35b)を備え、
前記補助手段は、
前記第2の検知手段が前記遊技球の通過を検知したことを契機として、前記第2の検知手段によって通過が検知された遊技球が前記第3の入球手段へ入球することを補助する
ことを特徴とする遊技機。
特徴gC6によれば、補助手段は、第2の検知手段が遊技球の通過を検知したことを契機として、第2の検知手段によって通過が検知された遊技球が第3の入球手段へ入球することを補助するので、振分手段を経由させずに第2の検知手段を経由させて遊技球を第3の入球手段に入球させることが可能となる。その結果、高い確率で第3の入球手段にのみ遊技球を入球させることができる遊技状態を作ることができる。
[特徴gC7]
特徴gC6に記載の遊技機であって、
前記抽選実行手段は、
前記第2の検知手段が前記遊技球の通過を検知したことを契機として前記所定の抽選を実行し、
前記補助手段は、
前記所定の抽選に当選した場合に、前記第2の検知手段によって通過が検知された遊技球が前記第3の入球手段へ入球することを補助する
ことを特徴とする遊技機。
特徴gC7によれば、補助手段は、第2の検知手段が遊技球の通過を検知したことを契機として実行された所定の抽選に当選した場合に、第2の検知手段によって通過が検知された遊技球が第3の入球手段へ入球することを補助するので、振分手段を経由させずに第2の検知手段を経由させて遊技球を第3の入球手段に入球させることが可能となる。従って、所定の抽選の当選確率を低くした上で、遊技者が振分手段に到達させるように遊技球を流通させた場合には、第1の入球手段および第2の入球手段に遊技球が入球し、第3の入球手段に遊技球が入球する可能性は低いため、高い確率で第1の図柄のみを変動させることができる。また、所定の抽選の当選確率を高くした上で、遊技者が振分手段に到達させるように遊技球を流通させた場合には、第1の入球手段、第2の入球手段、および第3の入球手段に遊技球が入球し、第1の図柄と第2の図柄とを変動させることができる。さらに、所定の抽選の当選確率を高くした上で、遊技者が第2の検出手段に遊技球の通過を検知させるよう遊技球を流通させた場合には、振分手段に遊技球が到達する確率は低く、第2の検知手段および補助手段を経由して遊技球は第3の入球手段に入球する確率が高いので、高い確率で第2の図柄のみを変動させることができる。従って、高い確率で第1の図柄のみが変動する遊技状態、第1の図柄と第2の図柄とが変動する遊技状態、高い確率で第2の図柄のみが変動する遊技状態の少なくとも3つの状態をつくり出すことができる。その結果、2つの図柄の変動する割合が異なる3つの遊技状態を種々に組み合わせることによって、新たな遊技性を創出することができる。
[特徴gC8]
特徴gC6に記載の遊技機であって、
前記遊技機を制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、第1の制御モード(低頻度サポートモード)と、第2の制御モード(高頻度サポートモードA)と、第3の制御モード(高頻度サポートモードB)とを実行可能であり、
前記第1の制御モードにおいては、
前記第1の検知手段によって通過が検知された遊技球が前記補助手段による補助によって前記第3の入球手段に入球することが不可能または困難であり、
前記第2の検知手段によって通過が検知された遊技球が前記補助手段による補助によって前記第3の入球手段に入球することが不可能または困難であり、
前記第2の制御モードにおいては、
前記第1の検知手段によって通過が検知された遊技球が前記補助手段による補助によって前記第3の入球手段に入球することが可能または容易であり、
前記第2の検知手段によって通過が検知された遊技球が前記補助手段による補助によって前記第3の入球手段に入球することが不可能または困難であり、
前記第3の制御モードにおいては、
前記第1の検知手段によって通過が検知された遊技球が前記補助手段による補助によって前記第3の入球手段に入球することが可能または容易であり、
前記第2の検知手段によって通過が検知された遊技球が前記補助手段による補助によって前記第3の入球手段に入球することが可能または容易である
ことを特徴とする遊技機。
特徴gC8によれば、制御手段は、第3の入球手段への遊技球の入球の難易度(困難性/容易性)が異なる3つの制御モードを実行可能であるので、当該制御モードの切り替えを利用して新たな種々の遊技の流れを創出することができる。
[特徴gC9]
特徴gC8に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記抽選実行手段による前記所定の抽選における当選確率を、第1の確率と、前記第1の確率より高い第2の確率との少なくとも2段階に変更可能であり、
前記抽選を開始してから抽選結果を出力するまでの抽選実行時間(電役開放抽選の変動時間)を、第1の抽選実行時間と、前記第1の抽選実行時間より短い第2の抽選実行時間との少なくとも2段階に変更可能であり、
1回の前記所定の抽選の当選に対応して前記補助手段が前記補助をする時間である補助時間を、第1の補助時間と、前記第1の補助時間より長い第2の補助時間との少なくとも2段階に変更可能であり、
前記第1制御モードは、
前記当選確率が前記第1の確率であり、前記抽選実行時間が前記第1の抽選実行時間であり、前記補助時間が前記第1の補助時間であり、
前記第2の制御モードは、
前記当選確率が前記第2の確率であり、前記抽選実行時間が前記第2の抽選実行時間であり、前記補助時間が前記第1の補助時間であり、
前記第3の制御モードは、
前記当選確率が前記第2の確率であり、前記抽選実行時間が前記第2の抽選実行時間であり、前記補助時間が前記第2の補助時間である
ことを特徴とする遊技機。
特徴gC9によれば、所定の抽選の当選確率と、抽選実行時間と、補助時間とを制御することによって、第3の入球手段への遊技球の入球の難易度(困難性/容易性)が異なる3つの制御モードを実行可能であるので、比較的容易な制御によって当該制御モードの切り替えを利用した新たな種々の遊技の流れの創出を実現することができる。
<特徴gD群>
特徴gD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7実施形態から抽出される。
[特徴gD1]
遊技球が入球可能な所定の入球手段(第7実施形態における第2始動口34)と、
特定の位置を遊技球が通過したことを検知する検知手段(スルーゲート35a)と、
前記検知手段が前記遊技球の通過を検知したことを契機として所定の抽選(電役開放抽選)を実行する抽選実行手段と、
前記所定の抽選に当選した場合に、前記入球手段への遊技球の入球を補助する補助手段(普通電動役物53)と、
到達した遊技球を複数の経路に振り分ける振分手段(振分機構120)と、
を備える遊技機であって、
前記検知手段は、前記複数の経路のうちの一の経路上(右側流路R2)に配置されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴gD1によれば、補助手段が入球手段への遊技球の入球を補助するか否かの所定の抽選を実行する契機となる遊技球の通過を検知する検知手段が、振分手段によって振り分けられる複数の経路のうちの一の経路上に配置されているので、振分手段による遊技球の振り分けの態様について遊技者に注目をさせることができる。
[特徴gD2]
特徴gD1に記載の遊技機であって、
前記振分手段によって前記一の経路に振り分けられた遊技球が、前記補助手段によって補助されなかった場合に入球可能な位置に配置された第1の入球手段(第1始動口33b)を備え、
前記補助手段によって補助された場合に遊技球が入球する前記入球手段は、前記第1の入球手段とは異なる第2の入球手段(第2始動口34)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴gD2によれば、振分手段によって一の経路に振り分けられた遊技球が、補助手段によって補助されなかった場合に入球可能な位置に第1の入球手段が配置されているので、振分手段による遊技球の振り分けの態様について遊技者に期待感を付与することに加え、一の経路に振り分けられた場合には、遊技球が第1の入球手段に入球するのか、または、補助手段による補助によって第2の入球手段に入球するのかといった期待感を遊技者に付与することができ、振分手段に到達した遊技球の帰趨について、少なくとも2段階の期待感を付与することができる。
[特徴gD3]
特徴gD1または特徴gD2に記載の遊技機であって、
前記振分手段によって前記一の経路とは異なる経路(左側流路R1)に振り分けられた遊技球が入球可能な位置に配置された第3の入球手段(第1始動口33a)と、
前記第1の入球手段および前記第3の入球手段に遊技球が入球したことを契機として第1の図柄を変動させる第1図柄変動手段と、
前記第2の入球手段に遊技球が入球したことを契機として第2の図柄を変動させる第2図柄変動手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴gD3によれば、遊技球が振分手段によって振り分けられたにも関わらず、当該振り分けられた遊技球が第1の入球手段に入球した場合も、第3の入球手段に入球した場合も、いずれも同一の図柄である第1の図柄を変動させるので、振分手段によって振り分けられた先の入球手段ごとに、遊技球の入球を契機として異なる図柄が変動する一般的な構成の遊技機であると推測していた遊技者に対して意外性を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴gE群>
[特徴gE1]
到達した遊技球を第1の経路(第7実施形態における左側流路R1)と第2の経路(右側流路R2)とに交互に振り分ける第1の振分手段(振分機構120)と、
前記第2の経路を流通する遊技球を第3の経路と第4の経路とに振り分ける第2の振分手段(普通電動役物53)と、
遊技球の入球が第1の図柄の変動の契機となる第1種入球手段(第1始動口)と、
遊技球の入球が第2の図柄の変動の契機となる第2種入球手段(第2始動口)と、
を備え、
前記第1種入球手段は、前記第1の経路および前記第3の経路を流通した遊技球が入球可能な位置に配置され、
前記第2種入球手段は、前記第4の経路を流通した遊技球が入球可能な位置に配置され、
前記第2の振分手段は、遊技球を前記第4の経路に振り分ける確率を変更可能に制御する
ことを特徴とする遊技機。
特徴gE1によれば、2つの振分手段を備え、かつ、第2の振分手段が遊技球を第4の経路に振り分ける確率は変更可能であるので、第1の振分手段が到達した遊技球を第1の経路と第2の経路とに交互に振り分ける場合であっても、第2の振分手段が第4の経路に遊技球を振り分ける確率を変更することによって、第1の図柄と第2の図柄との変動する比率を変更することができる。例えば、第2の振分手段が第4の経路に遊技球を振り分ける確率を低く設定した場合には、第1の振分手段によって第1の経路に振り分けた遊技球を第1種入球手段に入球させ、第1の図柄を変動させる。一方、第2の経路に振り分けた遊技球を、第2の振分手段によって高い確率で第3の経路に振り分け第1種入球手段に入球させ、第1の図柄を変動させることができる。すなわち、第1の振分手段に到達した遊技球を高い確率で第1種入球手段に入球させ、第1の図柄を変動させることができる。また、第2の振分手段が第4の経路に遊技球を振り分ける確率を高く設定した場合には、第1の振分手段によって第1の経路に振り分けた遊技球を第1種入球手段に入球させ、第1の図柄を変動させる。一方、第2の経路に振り分けた遊技球を、第2の振分手段によって高い確率で第4の経路に振り分け第2種入球手段に入球させ、第2の図柄を変動させることができる。このように、第2の振分手段が第4の経路に遊技球を振り分ける確率を変更することによって、第1の図柄と第2の図柄との変動する比率を変更することができる。
[特徴gE2]
特徴gE1に記載の遊技機であって、
前記第2の振分手段(普通電動役物53)は、前記第2の経路を流通する遊技球を前記第4の経路に振り分ける態様(開放状態)において、前記第1の振分手段を経由しないで流通する遊技球を前記第2種入球手段に案内する案内手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴gE2によれば、第2の経路を流通する遊技球を第4の経路に振り分ける態様において、第1の振分手段を経由しないで流通する遊技球を第2種入球手段に案内する案内手段を備える。従って、第4の経路に振り分ける態様である第2の振分手段に、第1の振分手段を経由しないで到達させる流通態様で遊技球を流通させることによって、遊技球が第2種入球手段に入球する確率を高めることができ、第1の図柄と第2の図柄との変動する比率として、第2の図柄が変動する比率を高めることができる。
[特徴gE3]
特徴gE1または特徴gE2に記載の遊技機であって、
前記第2の経路上の所定の位置を遊技球が通過したことを検知する検知手段(スルーゲート35a)と、
前記検知手段が前記遊技球の通過を検知したことを契機として所定の抽選(電役開放抽選)を実行する抽選実行手段と、
を備え、
前記第2の振分手段は、前記所定の抽選の結果に基づいて、前記第2の経路を流通する遊技球を前記第3の経路または前記第4の経路のいずれの経路に振り分けるかを決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴gE3によれば、第2の振分手段は、所定の抽選の結果に基づいて、第2の経路を流通する遊技球を第3の経路または第4の経路のいずれの経路に振り分けるかを決定するので、遊技者は、第2の経路を流通する遊技球が第3の経路または第4の経路のいずれの経路に振り分けられるかを事前に認識することができない。よって、遊技者に対して、所定の抽選の結果、および、第2の経路を流通する遊技球が第3の経路または第4の経路のいずれの経路に振り分けられるかについて推測させるとともに、期待感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴gF群>
[特徴gF1]
遊技球が入球可能な第1の入球手段(第7実施形態における第2始動口34)と、
所定の位置を遊技球が通過したことを検知する検知手段と、
前記検知手段が前記遊技球の通過を検知したことを契機として所定の抽選(電役開放抽選)を実行する抽選実行手段と、
前記所定の抽選に当選した場合に、前記第1の入球手段への遊技球の入球を補助する補助手段(普通電動役物53)と、
当該遊技機を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記抽選実行手段による前記所定の抽選における当選確率を、第1の確率と、前記第1の確率より高い第2の確率との少なくとも2段階に変更可能であり、
前記抽選を開始してから抽選結果を出力するまでの抽選実行時間(電役開放抽選の変動時間)を、第1の抽選実行時間と、前記第1の抽選実行時間より短い第2の抽選実行時間との少なくとも2段階に変更可能であり、
1回の前記所定の抽選の当選に対応して前記補助手段が前記補助をする時間である補助時間を、第1の補助時間と、前記第1の補助時間より長い第2の補助時間との少なくとも2段階に変更可能であり、
制御モードとして、第1制御モード(低頻度サポートモード)と、第2制御モード(高頻度サポートモードA)と、第3制御モード(高頻度サポートモードB)とを実行可能であり、
前記第1制御モードは、
前記当選確率が前記第1の確率であり、前記抽選実行時間が前記第1の抽選実行時間であり、前記補助時間が前記第1の補助時間であり、
前記第2の制御モードは、
前記当選確率が前記第2の確率であり、前記抽選実行時間が前記第2の抽選実行時間であり、前記補助時間が前記第1の補助時間であり、
前記第3の制御モードは、
前記当選確率が前記第2の確率であり、前記抽選実行時間が前記第2の抽選実行時間であり、前記補助時間が前記第2の補助時間である
ことを特徴とする遊技機。
特徴gF1によれば、制御手段は、所定の抽選の当選確率と、抽選実行時間と、補助時間とが異なる3つの制御モードを切り替えることができるので、当該制御モードの切り替えを利用して新たな種々の遊技の流れを創出することができる。
[特徴gF2]
特徴gF1に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球手段であって、前記第1の入球手段とは異なる第2の入球手段(第1始動口)と、
到達した遊技球を第1の経路(左側流路R1)と第2の経路(右側流路R2)とに交互に振り分ける第1の振分手段と、
を備え、
前記第2の入球手段は、前記第1の経路および前記第2の経路を流通した遊技球が入球可能な位置に配置され、
前記検知手段は、前記第2の経路上の前記所定の位置を遊技球が通過したことを検知し、
前記補助手段は、前記第2の経路から前記2の入球手段まで遊技球が流通する経路上に配置されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴gF2によれば、振分手段が第1の経路と第2の経路とに交互に遊技球を振り分けるにもかかわらず、第2の入球手段は、第1の経路および第2の経路を流通した遊技球が入球可能な位置に配置されているので、遊技者に対して、振分手段の設置目的について種々の推測をさせるとともに、意外性を付与することができる。また、第2の経路に振り分けられた遊技球を補助手段は第1の入球手段へ入球するのを補助するので、振分手段によって第2の経路に振り分けられた遊技球が補助手段によって補助されるか否かについて遊技者に注目をさせることができるとともに、期待感を付与することができる。
<特徴gG群>
特徴gG群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7実施形態から抽出される。
[特徴gG1]
遊技球が入球可能な入球手段(第7実施形態における第2始動口34)と、
到達した遊技球を複数の経路に振り分ける振分手段(振分機構120)と、
前記複数の経路のうちの一の経路上の位置である第1検知位置を通過したことを検知する第1の検知手段(スルーゲート35a)と、
前記振分手段が設けられた位置および前記第1検知位置とは異なる位置である第2の検知位置を通過したことを検知する第2の検知手段(スルーゲート35b)と、
所定の抽選(電役開放抽選)を実行する抽選実行手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を補助する補助手段(普通電動役物53)と、
を備え、
前記抽選実行手段は、
前記第1の検知手段が前記遊技球の通過を検知したことを契機として前記所定の抽選を実行し、
前記第2の検知手段が前記遊技球の通過を検知したことを契機として前記所定の抽選を実行し、
前記第1の検知手段または前記第2の検知手段が前記遊技球の通過を検知した時点から前記所定の抽選を開始して抽選結果を出力する時点までの抽選実行時間がTpである抽選モードを備え、
前記補助手段は、
前記所定の抽選に当選した場合に、前記第1検知位置を通過した遊技球が前記入球手段に入球することを補助し、
前記所定の抽選に当選した場合に、前記第2検知位置を通過した遊技球が前記入球手段に入球することを補助し、
前記所定の抽選に当選した場合に、前記抽選結果が出力された時点から前記補助手段が前記補助可能な状態になる時点までの時間はTmであり、
1回の前記所定の抽選の当選に対応して前記補助をする場合に、前記補助をする時間である補助時間が第1補助時間Ts1である補助モードと、前記補助時間が前記第1補助時間Ts1よりも長い第2補助時間Ts2である補助モードとを備え、
遊技球が前記第1検知位置を通過した時点から前記補助手段に到達する時点までの時間をTr1、遊技球が前記第2検知位置を通過した時点から前記補助手段に到達する時点までの時間をTr2とし、
前記第1検知位置を通過した遊技球が前記補助手段に到達した時点から前記補助手段による補助によって前記入球手段に入球するまでの時間をTf1、前記第2検知位置を通過した遊技球が前記補助手段に到達した時点から前記補助手段による補助によって前記入球手段に入球するまでの時間をTf2とした場合に、
Tp+Tm≦Tr1
Tp+Tm≦Tr2
Tr1+Tf1≦Tp+Tm+Ts1<Tr2+Tf2≦Tp+Tm+Ts2
であることを特徴とする遊技機。
特徴gG1によれば、補助手段は、補助時間が第1補助時間Ts1である補助モードと、補助時間が第2補助時間Ts2である補助モードとを備える。補助時間が第1補助時間Ts1である補助モードである場合には、第1検知位置を通過するように遊技球を流通させた場合、すなわち、振分手段に到達するように遊技球を流通させた場合には、補助手段による補助によって遊技球を入球手段に入球させることができるが、第2検知位置を遊技球が通過するように流通させた場合には、遊技球が入球手段に入球するよりも前に補助手段による補助が終了してしまうため、遊技球を入球手段に入球させることができない。よって、遊技者にとって有利な遊技球の流通態様を考えた場合、補助時間が第1補助時間Ts1である補助モードの場合には、第1検知位置を通過するように(振分手段に到達するように)遊技球を流通させる流通態様の方が、第2検知位置を遊技球が通過するように流通させる流通態様よりも、遊技者にとって有利な遊技球の流通態様となる。
一方、補助時間が第2補助時間Ts2である補助モードである場合には、第1検知位置を遊技球が通過するように流通させた場合、および、第2検知位置を遊技球が通過するように流通させた場合のいずれの場合であっても、補助手段による補助によって遊技球を入球手段に入球させることができる。しかしながら、第1検知位置を遊技球が通過するように流通させる場合、遊技球は振分手段を通過するので、振分手段に到達した遊技球のうち、一の経路に振り分けられた遊技球しか第1検知位置を通過することができない。よって、振分手段に到達するように遊技球を流通させた場合における振分手段に到達した遊技球の個数に対する第1検知位置を通過して入球手段に入球する遊技球の個数の割合は、第2検知位置を通過するように遊技球を流通させた場合における第2検知位置に到達した遊技球の個数に対する当該第2検知位置を通過して入球手段に入球する遊技球の個数の割合よりも低くなる。よって、遊技者にとって有利な遊技球の流通態様を考えた場合、補助時間が第2補助時間Ts2である補助モードの場合には、第2検知位置を遊技球が通過するように流通させる流通態様の方が、第1検知位置を通過するように(振分手段に到達するように)遊技球を流通させる流通態様よりも、遊技者にとって有利な遊技球の流通態様となる。
従って、補助手段による補助モードを切り替えることによって、補助手段による補助によって遊技球を入球手段に入球させる流通態様の中で、遊技者にとって有利な遊技球の流通態様を変えることができるので、新たな遊技性を創出することができ、さらに、遊技者に遊技球の流通態様の変更操作に積極的に参加させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴gH群>
特徴gH群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7実施形態から抽出される。
[特徴gH1]
到達した遊技球を第1の案内経路(第7実施形態の変形例5における左側流路R1)と第2の案内経路(右側流路R2)とに交互に振り分ける振分手段(振分機構120)と、
遊技球が入球可能な入球部(第7実施形態の変形例5における第1始動口33a)と、
を備え、
前記第1の案内経路と、前記第2の案内経路とは、いずれも同一の前記入球部に遊技球を案内する
ことを特徴とする遊技機。
特徴gH1によれば、遊技球が振分手段によって振り分けられたにも関わらず、第1の案内経路に振り分けられた遊技球と、第2の案内経路に振り分けられた遊技球は、いずれも同一の入球部に案内されるので、遊技者に、振分手段の設置目的について種々の推測をさせるとともに、意外性を付与することができる。
[特徴gH2]
特徴gH1に記載の遊技機であって、
前記第1の案内経路と前記第2の案内経路とがいずれも案内する前記入球部を第1の入球部とした場合において、遊技球が入球可能な入球部であって前記第1の入球部とは異なる第2の入球部(第2始動口34)と、
前記第2の案内経路上の所定の位置である第1検知位置を遊技球が通過したことを検知する第1の検知手段(スルーゲート35a)と、
前記第1の検知手段が前記遊技球の通過を検知したことを契機として所定の抽選を実行する抽選実行手段と、
前記第2の案内経路から前記第1の入球部まで遊技球が流通する経路上に配置された補助手段(普通電動役物53)であって、前記所定の抽選に当選した場合に、当該補助手段に到達した遊技球が前記第2の入球部に入球することを補助する補助手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴gH2によれば、第2の案内経路に振り分けられた遊技球の一部を第2の入球部に入球させることができる。よって、所定の抽選の当選確率を制御することによって、第1の入球部への遊技球の入球数と第2の入球部への遊技球の入球数との相対比を制御することができる。
[特徴gH3]
特徴gH2に記載の遊技機であって、
前記振分手段が設けられた位置および前記第1検知位置とは異なる位置である第2検知位置を通過したことを検知する第2の検知手段(スルーゲート35b)を備え、
前記抽選実行手段は、前記第2の検知手段が前記遊技球の通過を検知したことを契機として前記所定の抽選を実行し、
前記補助手段は、
前記第2検知位置を通過した遊技球が到達可能な位置に配置されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴gH3によれば、振分手段が設けられた位置および第1検知位置を通過させないで第2検知位置を通過するように遊技球を流通させた場合に、第2の入球部のみに遊技球を入球させることができる。
<特徴gI群>
特徴gI群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7実施形態から抽出される。
[特徴gI1]
遊技球が流通する流通領域と、
前記流通領域に配置され、遊技球が流通可能な流通経路を変更する流通経路変更手段(第7実施形態の変形例3における普通電動役物53)と、
を備え、
前記流通経路変更手段は、
第1の状態(閉鎖状態)のときには、遊技球が流通可能な第1の流通経路(右側流路R2から第2始動口34までの経路)を遮蔽し、かつ、遊技球が流通可能な第2の流通経路(壁部Wから第2始動口34までの経路)を分断し、
第2の状態(開放状態)のときには、前記第1の流通経路の前記遮蔽を解除し、かつ、前記第2の流通経路を形成する
ことを特徴とする遊技機。
特徴gI1によれば、流通経路変更手段は、第1の状態から第2の状態に移行することによって、2つの流通経路を変更することができる。すなわち、流通経路変更手段は、1つの状態変化で2種類の流通経路の状態を同時に変化させることができる。その結果、第1の流通経路に遊技球を流通させる場合も、第2の流通経路に遊技球を流通させる場合も、いずれの場合も、流通経路変更手段を利用した遊技を実行することができる。
[特徴gI2]
特徴gI1に記載の遊技機であって、
所定の抽選(電役開放抽選)を実行する抽選実行手段を備え、
前記流通経路変更手段は、
前記所定の抽選に当選した場合に、前記第1の状態から前記第2の状態に移行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴gI2によれば、流通経路変更手段は所定の抽選に当選した場合に第1の状態から第2の状態に移行するので、遊技者に対して、所定の抽選の抽選結果について期待感を付与することができる。また、所定の抽選の当選確率を制御することによって、第1の流通経路と第2の流通経路を変更する確率や頻度を制御することができる。
[特徴gI3]
特徴gI2に記載の遊技機であって、
前記第1の流通経路上であって前記流通経路変更手段よりも遊技球の流通方向に対して上流側の第1の位置を遊技球が通過したことを検知する第1の検知手段(スルーゲート35a)と、
前記第2の流通経路上であって前記流通経路変更手段よりも遊技球の流通方向に対して上流側の第2の位置を遊技球が通過したことを検知する第2の検知手段(スルーゲート35b)とを備え、
前記抽選実行手段は、
前記第1の検知手段が前記遊技球の通過を検知したことを契機として前記所定の抽選を実行し、
前記第2の検知手段が前記遊技球の通過を検知したことを契機として前記所定の抽選を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴gI3によれば、遊技球が第1の位置または第2の位置を通過した場合に所定の抽選が実行されるので、当該性質を利用して種々の遊技性を創出することができる。例えば、遊技の状態に応じて、第1の位置に遊技球を通過させた方が遊技者にとって有利になるように制御することや、第2の位置に遊技球を通過させた方が遊技者にとって有利になるように制御することによって、遊技者に対して遊技球の流通態様の変化を促す遊技性とし、遊技への積極的な参加を促すことができる。
[特徴gI4]
特徴gI3に記載の遊技機であって、
前記流通経路変更手段は、
前記所定の抽選に当選した場合に、前記第1の位置を通過した遊技球であって前記当選の契機となった遊技球が前記流通経路変更手段によって前記遮蔽が解除された前記第1の流通経路を流通可能なタイミングで、前記第1の状態から前記第2の状態に移行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴gI4によれば、第1の位置に遊技球を通過させて所定の抽選に当選し流通経路変更手段が第1の状態から第2の状態に移行し第1の流通経路の遮蔽が解除されたにも関わらず遮蔽が解除されている期間に遊技球を第1の流通経路に流通させることができず遊技者の期待感を低下させてしまうといった事象を抑制することができる。
[特徴gI5]
特徴gI3または特徴gI4に記載の遊技機であって、
前記流通経路変更手段は、
前記所定の抽選に当選した場合に、前記第2の位置を通過した遊技球であって前記当選の契機となった遊技球が前記流通経路変更手段によって前記形成された前記第2の流通経路を流通可能なタイミングで、前記第1の状態から前記第2の状態に移行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴gI5によれば、第2の位置に遊技球を通過させて所定の抽選に当選し流通経路変更手段が第1の状態から第2の状態に移行し第2の流通経路が形成されたにも関わらず第2の流通経路が形成されている期間に遊技球を第2の流通経路に流通させることができず遊技者の期待感を低下させてしまうといった事象を抑制することができる。
[特徴gI6]
特徴gI1から特徴gI5に記載の遊技機であって、
前記流通領域の特定の位置に配置され、遊技球が入球可能な入球手段を備え、
前記特定の位置は、
前記第1の流通経路上であって前記流通経路変更手段よりも遊技球の流通方向に対して下流側の位置であり、かつ、前記第2の流通経路上であって前記流通経路変更手段よりも遊技球の流通方向に対して下流側の位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴gI6によれば、第1の流通経路上であって流通経路変更手段よりも遊技球の流通方向に対して下流側の位置であり、かつ、第2の流通経路上であって流通経路変更手段よりも遊技球の流通方向に対して下流側の位置に入球手段を備えるので、流通経路変更手段が第1の状態から第2の状態に移行した場合には、入球手段に遊技球が入球する可能性が高く、遊技者の期待感を高めることができる。
<特徴gJ群>
特徴gJ群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7実施形態から抽出される。
[特徴gJ1]
遊技球の入球が第1の図柄の変動の契機となる第1種入球手段(第7実施形態における第1始動口33b)と、
遊技球の入球が前記第1の図柄とは異なる第2の図柄の変動の契機となる第2種入球手段(第2始動口34)と、
到達した遊技球を振り分ける振分手段(普通電動役物53)であって、動作しない場合に、所定の位置を流通する遊技球を前記第1種入球手段に入球させ、動作した場合に、前記所定の位置を流通する遊技球を前記第2種入球手段に入球させる振分手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴gJ1によれば、振分手段が動作するか否かによって振分手段に到達した遊技球が振り分けられた後に入球する入球手段が異なり、変動する図柄が異なるので、遊技者に対して、振分手段が動作するか否かに注目させることができる。
[特徴gJ2]
特徴gJ1に記載の遊技機であって、
特定の位置を遊技球が通過したことを検知する検知手段(スルーゲート35a)と、
前記検知手段が前記遊技球の通過を検知したことを契機として所定の抽選(電役開放抽選)を実行する抽選実行手段と、
を備え、
前記振分手段は、前記所定の抽選に当選した場合に動作する
ことを特徴とする遊技機。
特徴gJ2によれば、振分手段は、所定の抽選に当選した場合に動作するので、当該所定の抽選における当選確率を制御することによって、振分手段が動作する頻度を制御することが可能であり、その結果、第1の図柄と第2の図柄を変動させる割合を制御することができる。
[特徴gJ3]
特徴gJ2に記載の遊技機であって、
前記特定の位置は、当該特定の位置を通過した遊技球が前記振分手段に到達可能な位置である
ことを特徴とする遊技機。
特徴gJ3によれば、特定の位置は、特定の位置を通過した遊技球が振分手段に到達可能な位置であるので、振分手段の動作に期待感を抱く遊技者に対して、特定の位置を遊技球が通過するか否かについても注目させることができる。従って、特定の位置を遊技球が通過するか否かに注目させ、その後、特定の位置を通過した遊技球が振分手段によってどのように振り分けられるかに注目させることができ、遊技球が流通する態様について段階的に遊技者に期待感を付与することができる。
<特徴gK群>
特徴gK群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7実施形態から抽出される。
[特徴gK1]
遊技球の入球が第1の図柄の変動の契機となる第1種入球手段(第7実施形態における第1始動口)と、
遊技球の入球が前記第1の図柄とは異なる第2の図柄の変動の契機となる第2種入球手段(第7実施形態における第2始動口)と、
遊技状態を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
遊技者にとって最も有利な流通態様で遊技球を流通させた場合において、遊技球が第1種入球手段に連続して入球する確率を第1種入球手段連続入球確率とし、遊技球が第1種入球手段と前記第2種入球手段とに交互に入球する確率を交互入球確率とし、遊技球が第2種入球手段に連続して入球する確率を第2種入球手段連続入球確率とした場合に、
前記第1種入球手段連続入球確率が、前記交互入球確率および前記第2種入球手段連続入球確率よりも高い第1の遊技状態(低頻度サポートモード)と、
前記交互入球確率が、前記第1種入球手段連続入球確率および前記第2種入球手段連続入球確率よりも高い第2の遊技状態(高頻度サポートモードA)と、
前記第2種入球手段連続入球確率が、前記第1種入球手段連続入球確率および前記交互入球確率よりも高い第3の遊技状態(高頻度サポートモードB)と、
を切り替え可能に制御する遊技状態切替手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴gK1によれば、制御手段は、第1の遊技状態と第2の遊技状態と第3の遊技状態の3つの遊技状態を切り替え可能に制御するので、当該3つの遊技状態を組み合わせることによって、新たな種々の遊技の流れを創出することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴gK2]
特徴gK1に記載の遊技機であって、
前記第1種入球手段および前記第2種入球手段に遊技球が入球したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備え、
前記演出実行手段は、
前記第2の遊技状態(高頻度サポートモードA)において実行される遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合であって、前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回の後に実行される遊技回が前記第2の遊技状態において実行される場合(高頻度サポートモードAの第1始動口遊技回における当たり抽選の抽選結果が大当たりAである場合)には特定の演出を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴gK2によれば、第2の遊技状態において所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回の後に実行される遊技回が第2の遊技状態において実行される場合には特定の演出を実行するので、特定の演出を介して遊技者に対して第2の遊技状態が継続することを示唆することができる。また、第2の遊技状態において所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回が実行され、実行されている遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たしていることを遊技者が認識した場合には、遊技者に対して当該特定の演出が実行されるか否かに注目させることができ、遊技者の遊技に対する集中力を維持させることができる。
[特徴gK3]
特徴gK2に記載の遊技機であって、
前記特定の演出は、現在の遊技状態が維持されることを示唆する演出である
ことを特徴とする遊技機。
特徴gK3によれば、第2の遊技状態において所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回の後に実行される遊技回が第2の遊技状態において実行される場合には、現在の遊技状態が維持されることを示唆する演出を実行するので、遊技者に対して安堵感や、より有利な遊技状態へ移行させることへの意欲を惹起させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴gK4]
特徴gK1から特徴gK3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の遊技状態(低頻度サポートモード)よりも前記第2の遊技状態(高頻度サポートモードA)の方が遊技者に有利な遊技状態であり、
前記第2の遊技状態(高頻度サポートモードA)よりも前記第3の遊技状態(高頻度サポートモードB)の方が遊技者に有利な遊技状態である、
ことを特徴とする遊技機。
特徴gK4によれば、遊技者にとって有利の度合いに差のある3つの遊技状態を切り替え可能に制御するので、遊技状態の切り替えを行うことによって遊技者の期待感に抑揚を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴gL群>
特徴gL群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7実施形態から抽出される。
[特徴gL1]
遊技球の入球が第1の図柄の変動の契機となる第1種入球手段(第7実施形態における第1始動口)と、
遊技球の入球が前記第1の図柄とは異なる第2の図柄の変動の契機となる第2種入球手段(第7実施形態における第2始動口)と、
前記第1種入球手段および前記第2種入球手段に遊技球が入球したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記遊技回において前記第1の図柄および前記第2の図柄の各図柄の1回の変動が開始してから終了するまでの時間である変動時間を決定する変動時間決定手段と、
遊技状態を制御する制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記変動時間決定手段は、
遊技球が前記第1種入球手段と前記第2種入球手段とに交互に入球する確率の方が、遊技球が同じ入球手段に連続して入球する確率よりも高い遊技状態(高頻度サポートモードA)においては、
前記第1種入球手段への遊技球の入球に起因して取得された前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合の、当該特別情報に対応する前記遊技回の前記変動時間の値(当たり抽選の抽選結果が大当たりである第1始動口遊技回の変動時間の値)と、前記第1種入球手段への遊技球の入球に起因して取得された前記特別情報が前記所定の条件を満たさない場合の、当該特別情報に対応する前記遊技回の前記変動時間の値(当たり抽選の抽選結果が外れである第1始動口遊技回の変動時間の値)とを、同一または略同一の値に決定する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴gL1によれば、遊技球が第1種入球手段と第2種入球手段とに交互に入球する確率の方が、遊技球が同じ入球手段に連続して入球する確率よりも高い遊技状態においては、第1種入球手段への遊技球の入球に起因して取得された特別情報が所定の条件を満たす場合と満たさない場合との間で、その特別情報に対応する遊技回の変動時間が同一または略同一であるので、特別情報が所定の条件を満たすか満たさないかの判定の結果について注目させないようにすることができる。従って、例えば、遊技球が第1種入球手段と第2種入球手段とに交互に入球する確率の方が、遊技球が同じ入球手段に連続して入球する確率よりも高い遊技状態において、遊技球が第1種入球手段に入球したことに起因して実行される遊技回が、遊技者に対して不利な遊技回である場合には、当該遊技回における判定の結果について遊技者に注目させないようにすることができるので、当該遊技回が実行されている期間における遊技者の期待感の低下を抑制することができる。
[特徴gL2]
特徴gL1に記載の遊技機であって、
前記変動時間を決定する際に用いられる変動時間乱数を取得する変動時間乱数取得手段と、
各変動時間乱数の値と、変動時間の時間的な長さを特定可能な情報である変動時間情報とが、対応して記録されている変動時間テーブルと、
を備え、
前記変動時間決定手段は、
遊技球が前記第1種入球手段と前記第2種入球手段とに交互に入球する確率の方が、遊技球が同じ入球手段に連続して入球する確率よりも低い遊技状態である交互入球低確率遊技状態(低頻度サポートモード、又は、高頻度サポートモードB)においては、
前記1種入球手段への遊技球の入球に起因して実行される前記遊技回における変動時間を決定する場合に、当該遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合と満たさない場合とで、異なる変動時間テーブルを用い、
遊技球が前記第1種入球手段と前記第2種入球手段とに交互に入球する確率の方が、遊技球が同じ入球手段に連続して入球する確率よりも高い遊技状態である交互入球高確率遊技状態(高頻度サポートモードA)においては、
前記第1種入球手段への遊技球の入球に起因して実行される前記遊技回における変動時間を決定する場合に、当該遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合と満たさない場合とで、同じ変動時間テーブルを用いる
ことを特徴とする遊技機。
特徴gL2によれば、交互入球低確率遊技状態においては、1種入球手段への遊技球の入球に起因して実行される遊技回における変動時間を決定する場合に、当該遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たす場合と満たさない場合とで、異なる変動時間テーブルを用い、交互入球高確率遊技状態においては、第1種入球手段への遊技球の入球に起因して実行される遊技回における変動時間を決定する場合に、当該遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たす場合と満たさない場合とで、同じ変動時間テーブルを用いる。すなわち、交互入球低確率遊技状態においては、第1種入球手段に対応する特別情報が所定の条件を満たす場合と満たさない場合との間で変動時間に変化を設けるのに対して、交互入球高確率遊技状態においては、第1種入球手段に対応する特別情報が所定の条件を満たす場合と満たさない場合との間で変動時間に変化を設けない。このようにすることで、交互入球低確率遊技状態と交互入球高確率遊技状態との間で、第1種入球手段に対応する特別情報が所定の条件を満たすか満たさないかの判定の結果を遊技者に注目させる度合に差をつけることができる。交互入球低確率遊技状態においては、第1種入球手段に対応する特別情報が所定の条件を満たす場合と満たさない場合との間で変動時間に変化を設けるので、遊技者に判定の結果について注目させることができる。交互入球高確率遊技状態においては、第1種入球手段に対応する特別情報が所定の条件を満たす場合と満たさない場合との間で変動時間に変化を設けないので、遊技者に判定の結果について注目させないようにすることができる。よって、交互入球低確率遊技状態と交互入球高確率遊技状態との間で、第1種入球手段への遊技球の入球に起因する遊技回について遊技者の注目度合を変えることができ、遊技者の遊技に対する注目度の低下や期待感の低下を抑制することができる。
また、交互入球高確率遊技状態においては、第1種入球手段への遊技球の入球に起因して実行される遊技回における変動時間を決定する場合に、当該遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たす場合と満たさない場合とで、同じ変動時間テーブルを用いるので、遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たす場合と満たさない場合とで異なる変動時間テーブルを用いて変動時間を決定する場合と比較して、変動時間テーブルを記憶するための記憶容量の削減、および、変動時間を決定する際の処理の簡易化を実現することができる。
[特徴gL3]
特徴gL1または特徴gL2に記載の遊技機であって、
前記第1種入球手段に遊技球が入球したことに起因して遊技回(第1始動口遊技回)が実行されるよりも、前記第2種入球手段に遊技球が入球したことに起因して遊技回(第2始動口遊技回)が実行される方が、遊技者にとって有利となるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴gL3によれば、第1種入球手段に遊技球が入球したことに起因して遊技回が実行されるよりも、第2種入球手段に遊技球が入球したことに起因して遊技回が実行される方が、遊技者にとって有利となるように構成されている。よって、遊技者は第2種入球手段に遊技球が入球したことに起因する遊技回に期待し、第1種入球手段に遊技球が入球したことに起因する遊技回には期待しない。しかし、交互入球低確率遊技状態においては、第1種入球手段に遊技球が入球したことに起因する遊技回の変動時間について、判定の結果に応じた変化を設けるので、第1種入球手段に遊技球が入球したことに起因する遊技回の判定結果に対して遊技者に注目させることができる。一方、交互入球高確率遊技状態においては、第1種入球手段に遊技球が入球したことに起因する遊技回の変動時間について、判定の結果に応じた変化を設けないので、第1種入球手段に遊技球が入球したことに起因する遊技回の判定結果に対して遊技者に注目させることを抑制することができる。よって、交互入球高確率遊技状態において、遊技者にとって有利でない遊技回の判定結果の注目度を下げ、遊技者にとって有利な遊技回の判定結果の注目度を上げることができる。その結果、遊技者の期待感の低下を抑制することができる。
[特徴gL4]
特徴gL1から特徴gL3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
遊技者にとって最も有利な流通態様で遊技球を流通させた場合において、遊技球が第1種入球手段に連続して入球する確率を第1種入球手段連続入球確率とし、遊技球が第1種入球手段と前記第2種入球手段とに交互に入球する確率を交互入球確率とし、遊技球が第2種入球手段に連続して入球する確率を第2種入球手段連続入球確率とした場合に、
前記制御手段は、
前記第1種入球手段連続入球確率が、前記交互入球確率および前記第2種入球手段連続入球確率よりも高い第1の遊技状態(低頻度サポートモード)と、
前記交互入球確率が、前記第1種入球手段連続入球確率および前記第2種入球手段連続入球確率よりも高い第2の遊技状態(高頻度サポートモードA)と、
前記第2種入球手段連続入球確率が、前記第1種入球手段連続入球確率および前記交互入球確率よりも高い第3の遊技状態(高頻度サポートモードB)と、
を切り替え可能に制御する遊技状態切替手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴gL4によれば、制御手段は、第1の遊技状態と第2の遊技状態と第3の遊技状態の3つの遊技状態を切り替え可能に制御するので、当該3つの遊技状態を組み合わせることによって、新たな種々の遊技の流れを創出することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴gM群>
特徴gM群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7実施形態から抽出される。
[特徴gM1]
遊技球の入球が第1の図柄の変動の契機となる第1種入球手段(第7実施形態における第1始動口)と、
遊技球の入球が前記第1の図柄とは異なる第2の図柄の変動の契機となる第2種入球手段(第7実施形態における第2始動口)と、
前記第1種入球手段および前記第2種入球手段に遊技球が入球したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記特別情報が所定の条件を満たした場合に特典を付与する特典付与手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記第1の図柄および前記第2の図柄の各図柄の1回の変動が開始してから終了するまでの時間である変動時間を決定する変動時間決定手段と、
を備える遊技機であって、
前記第1種入球手段に遊技球が入球したことに起因して遊技回(第1始動口遊技回)が実行されるよりも、前記第2種入球手段に遊技球が入球したことに起因して遊技回(第2始動口遊技回)が実行される方が、遊技者にとって有利であり、
前記変動時間決定手段は、
遊技球が前記第1種入球手段と前記第2種入球手段とに交互に入球する確率の方が、遊技球が同じ入球手段に連続して入球する確率よりも高い遊技状態(高頻度サポートモードA)においては、
前記第1種入球手段への遊技球の入球に起因して取得された前記特別情報が前記所定の条件を満たさない場合の、当該特別情報に対応する前記遊技回の前記変動時間の平均値(当たり抽選の抽選結果が外れである第1始動口遊技回の変動時間の平均値)が、前記第2種入球手段への遊技球の入球に起因して取得された前記特別情報が前記所定の条件を満たさない場合の、当該特別情報に対応する前記遊技回の前記変動時間の平均値(当たり抽選の抽選結果が外れである第2始動口遊技回の変動時間の平均値)より短くなるように前記変動時間を決定する
ことを特徴とする遊技機。
遊技球が第1種入球手段と第2種入球手段とに交互に入球する確率の方が、遊技球が同じ入球手段に連続して入球する確率よりも高い遊技状態においては、第1種入球手段に遊技球が入球したことに起因して実行される遊技回(以下、第1種遊技回とも呼ぶ)が、第2種入球手段に遊技球が入球したことに起因して実行される遊技回(第2種遊技回とも呼ぶ)よりも不利であると遊技者に想起させてしまう頻度が高く、第1種遊技回の実行中に遊技者の期待感を低下させてしまう可能性がある。
特徴gM1によれば、遊技球が第1種入球手段と第2種入球手段とに交互に入球する確率の方が、遊技球が同じ入球手段に連続して入球する確率よりも高い遊技状態においては、第1種遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たさない場合の当該遊技回の変動時間の平均値が、第2種遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たさない場合の当該遊技回の変動時間の平均値より短くなるように変動時間を決定するので、第1種遊技回が実行されている期間に遊技者の期待感を低下させることを抑制することができる。そして、遊技者にとって有利でない第1種遊技回の判定結果の注目度を、遊技者にとって有利な第2種遊技回の判定結果の注目度に対して相対的に下げ、逆に、遊技者にとって有利な第2種遊技回の判定結果の注目度を、遊技者にとって有利でない第1種遊技回の判定結果の注目度に対して相対的に上げることができる。
[特徴gM2]
特徴gM1に記載の遊技機であって、
前記変動時間決定手段は、
遊技球が前記第1種入球手段と前記第2種入球手段とに交互に入球する確率の方が、遊技球が同じ入球手段に連続して入球する確率よりも高い前記遊技状態(高頻度サポートモードA)においては、
前記第1種入球手段への遊技球の入球に起因して取得された前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合の、当該特別情報に対応する前記遊技回の前記変動時間の平均値(当たり抽選の抽選結果が大当たりである第1始動口遊技回の変動時間の平均値)が、前記第2種入球手段への遊技球の入球に起因して取得された前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合の、当該特別情報に対応する前記遊技回の前記変動時間の平均値(当たり抽選の抽選結果が大当たりである第2始動口遊技回の変動時間の平均値)より短くなるように前記変動時間を決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴gM2によれば、遊技球が第1種入球手段と第2種入球手段とに交互に入球する確率の方が、遊技球が同じ入球手段に連続して入球する確率よりも高い遊技状態においては、第1種遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たす場合の当該遊技回の変動時間の平均値が、第2種遊技回に対応する特別情報が所定の条件を満たす場合の当該遊技回の変動時間の平均値より短くなるように変動時間を決定するので、第1種遊技回が実行されている期間に遊技者の期待感を低下させることを、さらに抑制することができる。そして、遊技者にとって有利でない第1種遊技回の判定結果の注目度を、遊技者にとって有利な第2種遊技回の判定結果の注目度に対して、より一層相対的に下げ、逆に、遊技者にとって有利な第2種遊技回の判定結果の注目度を、遊技者にとって有利でない第1種遊技回の判定結果の注目度に対して、より一層相対的に上げることができる。
[特徴gM3]
特徴gM1または特徴gM2に記載の遊技機であって、
遊技状態を制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、
前記遊技状態を、
遊技球が前記第1種入球手段と前記第2種入球手段とに交互に入球する確率の方が、遊技球が同じ入球手段に連続して入球する確率よりも低い遊技状態(低頻度サポートモード、又は、高頻度サポートモードB)と、
遊技球が前記第1種入球手段と前記第2種入球手段とに交互に入球する確率の方が、遊技球が同じ入球手段に連続して入球する確率よりも高い遊技状態(高頻度サポートモードA)と、
に移行可能に制御する状態移行手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
遊技球が第1種入球手段と第2種入球手段とに交互に入球する確率の方が、遊技球が同じ入球手段に連続して入球する確率よりも高い遊技状態は、第1種遊技回が第2種遊技回に対して相対的に不利であることを頻繁に想起させる状態であり、遊技球が第1種入球手段と第2種入球手段とに交互に入球する確率の方が、遊技球が同じ入球手段に連続して入球する確率よりも低い遊技状態は、第1種遊技回が第2種遊技回に対して相対的に不利であることを想起させにくい状態である。
特徴gM3によれば、遊技球が第1種入球手段と第2種入球手段とに交互に入球する確率の方が、遊技球が同じ入球手段に連続して入球する確率よりも低い遊技状態に移行可能であり、それは、第1種遊技回が第2種遊技回に対して相対的に不利であることを想起させにくい状態へ移行可能であることを意味し、遊技者の期待感を低下させることを、さらに抑制することができる。
<特徴gN群>
特徴gN群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7実施形態から抽出される。
[特徴gN1]
遊技球の入球が第1の図柄の変動の契機となる第1種入球手段(第7実施形態における第1始動口)と、
遊技球の入球が前記第1の図柄とは異なる第2の図柄の変動の契機となる第2種入球手段(第7実施形態における第2始動口)と、
前記第1種入球手段および前記第2種入球手段に遊技球が入球したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
遊技状態を制御する制御手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
遊技球が前記第1種入球手段と前記第2種入球手段とに交互に入球する確率の方が、遊技球が前記第1種入球手段に連続して入球する確率よりも高い前記遊技状態(高頻度サポートモードA)において、
前記演出実行手段は、
前記第1種入球手段への遊技球の入球に起因して実行される遊技回(第1始動口遊技回)において、第1の演出(敵側のキャラクターが攻める演出)を実行する手段と、
前記第2種入球手段への遊技球の入球に起因して実行される遊技回(第2始動口遊技回)において、前記第1の演出とは異なる第2の演出(遊技者側のキャラクターが攻める演出)を実行する手段と
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴gN1によれば、遊技球が第1種入球手段と第2種入球手段とに交互に入球する確率の方が、遊技球が第1種入球手段に連続して入球する確率よりも高い遊技状態において、第1種入球手段への遊技球の入球に起因して実行される遊技回において第1の演出を実行し、第2種入球手段への遊技球の入球に起因して実行される遊技回において第2の演出を実行するので、いずれの入球手段に遊技球が入球したことに起因する遊技回であるかを遊技者に認識させやすくすることができ、遊技者が遊技の流れを理解するのを補助することができる。
[特徴gN2]
特徴gN1に記載の遊技機であって、
前記第1種入球手段に遊技球が入球したことに起因して遊技回(第1始動口遊技回)が実行されるよりも、前記第2種入球手段に遊技球が入球したことに起因して遊技回(第2始動口遊技回)が実行される方が、遊技者にとって有利となるように構成されており、
前記第1の演出は、遊技者が不利な状況であることを示唆する演出であり、
前記第2の演出は、遊技者が有利な状況であることを示唆する演出である、
ことを特徴とする遊技機。
特徴gN2によれば、遊技球が第1種入球手段と第2種入球手段とに交互に入球する確率の方が、遊技球が第1種入球手段に連続して入球する確率よりも高い遊技状態において、実行されている遊技回が遊技者に有利な遊技回であるのか、遊技者に不利な遊技回であるのかを遊技者に認識させやすくすることができ、遊技者の遊技の流れの理解をより一層補助することができる。
[特徴gN3]
特徴gN1または特徴gN2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
遊技者にとって最も有利な流通態様で遊技球を流通させた場合において、遊技球が第1種入球手段に連続して入球する確率を第1種入球手段連続入球確率とし、遊技球が第1種入球手段と前記第2種入球手段とに交互に入球する確率を交互入球確率とし、遊技球が第2種入球手段に連続して入球する確率を第2種入球手段連続入球確率とした場合に、
前記第1種入球手段連続入球確率が、前記交互入球確率および前記第2種入球手段連続入球確率よりも高い第1の遊技状態(低頻度サポートモード)と、
前記交互入球確率が、前記第1種入球手段連続入球確率および前記第2種入球手段連続入球確率よりも高い第2の遊技状態(高頻度サポートモードA)と、
前記第2種入球手段連続入球確率が、前記第1種入球手段連続入球確率および前記交互入球確率よりも高い第3の遊技状態(高頻度サポートモードB)と、
を切り替え可能に制御する遊技状態切替手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴gN3によれば、制御手段は、第1の遊技状態と第2の遊技状態と第3の遊技状態の3つの遊技状態を切り替え可能に制御するので、当該3つの遊技状態を組み合わせることによって、新たな種々の遊技の流れを創出することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴gN4]
特徴gN3に記載の遊技機であって、
前記第1の遊技状態(低頻度サポートモード)よりも前記第2の遊技状態(高頻度サポートモードA)の方が遊技者に有利な遊技状態であり、
前記第2の遊技状態(高頻度サポートモードA)よりも前記第3の遊技状態(高頻度サポートモードB)の方が遊技者に有利な遊技状態である、
ことを特徴とする遊技機。
特徴gN4によれば、遊技者にとって有利の度合いに差のある3つの遊技状態を切り替え可能に制御するので、遊技状態の切り替えを行うことによって遊技者の期待感に抑揚を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴gO群>
特徴gO群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7実施形態から抽出される。
[特徴gO1]
遊技球の入球が第1の図柄の変動の契機となる第1種入球手段(第7実施形態における第1始動口)と、
遊技球の入球が前記第1の図柄とは異なる第2の図柄の変動の契機となる第2種入球手段(第7実施形態における第2始動口)と、
前記第1種入球手段および前記第2種入球手段に遊技球が入球したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
遊技状態を制御する制御手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
遊技者にとって最も有利な流通態様で遊技球を流通させた場合において、
遊技球が前記第2種入球手段に連続して入球する確率が、遊技球が前記第1種入球手段に連続して入球する確率および遊技球が前記第1種入球手段と前記第2種入球手段とに交互に入球する確率よりも高い前記遊技状態(高頻度サポートモードB)において、
前記演出実行手段は、
前記第1種入球手段への遊技球の入球に起因して遊技回(第1始動口遊技回)が実行される場合には、現在の遊技状態よりも不利な遊技状態に移行する可能性があることを示唆する演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴gO1によれば、遊技球が第2種入球手段に連続して入球する確率が、遊技球が第1種入球手段に連続して入球する確率および遊技球が第1種入球手段と第2種入球手段とに交互に入球する確率よりも高い遊技状態において、第1種入球手段への遊技球の入球に起因して遊技回が実行される場合には、現在の遊技状態よりも不利な遊技状態に移行する可能性があることを示唆する演出を実行するので、複雑な遊技状態において、実行される遊技回が有利となるのか不利となるのかを遊技者に認識しやすくすることができ、遊技者の遊技の流れの理解を一層補助することができる。
[特徴gO2]
特徴gO1に記載の遊技機であって、
前記第1種入球手段に遊技球が入球したことに起因して遊技回(第1始動口遊技回)が実行されるよりも、前記第2種入球手段に遊技球が入球したことに起因して遊技回(第2始動口遊技回)が実行される方が、遊技者にとって有利となるように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
特徴gO2によれば、遊技球が第2種入球手段に連続して入球する確率が、遊技球が第1種入球手段に連続して入球する確率および遊技球が第1種入球手段と第2種入球手段とに交互に入球する確率よりも高い遊技状態においては、第1種入球手段への遊技球の入球に起因する遊技回が実行される確率が低く、換言すれば、遊技者にとって不利な状態となる確率が低い状態である。このような遊技状態において、第1種入球手段への遊技球の入球に起因して遊技回が実行される場合には、現在の遊技状態よりも不利な遊技状態に移行する可能性があることを示唆する演出を実行するので、複雑な遊技状態において、実行される遊技回が有利となるのか不利となるのかを遊技者に認識しやすくすることができ、遊技者の遊技の流れの理解を一層補助することができる。
[特徴gO3]
特徴gO1または特徴gO2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
遊技者にとって最も有利な流通態様で遊技球を流通させた場合において、
遊技球が前記第1種入球手段に連続して入球する確率が、遊技球が前記第1種入球手段と前記第2種入球手段とに交互に入球する確率および遊技球が前記第2種入球手段に連続して入球する確率よりも高い第1の遊技状態(低頻度サポートモード)と、
遊技球が前記第1種入球手段と前記第2種入球手段とに交互に入球する確率が、遊技球が前記第1種入球手段に連続して入球する確率および遊技球が前記第2種入球手段に連続して入球する確率よりも高い第2の遊技状態(高頻度サポートモードA)と、
遊技球が前記第2種入球手段に連続して入球する確率が、遊技球が前記第1種入球手段に連続して入球する確率および遊技球が前記第1種入球手段と前記第2種入球手段とに交互に入球する確率よりも高い第3の遊技状態(高頻度サポートモードB)と、
を切り替え可能に制御する遊技状態切替手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴gO3によれば、制御手段は、第1の遊技状態と第2の遊技状態と第3の遊技状態の3つの遊技状態を切り替え可能に制御するので、当該3つの遊技状態を組み合わせることによって、新たな種々の遊技の流れを創出することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。このように3つの遊技状態が切り替わる中、第1種入球手段への遊技球の入球に起因して遊技回が実行される場合には、実行される遊技回が有利となるのか不利となるのかを遊技者に認識しやすくすることができ、遊技者の遊技の流れの理解を一層補助することができる。
[特徴gO4]
特徴gO3に記載の遊技機であって、
前記第1の遊技状態(低頻度サポートモード)よりも前記第2の遊技状態(高頻度サポートモードA)の方が遊技者に有利な遊技状態であり、
前記第2の遊技状態(高頻度サポートモードA)よりも前記第3の遊技状態(高頻度サポートモードB)の方が遊技者に有利な遊技状態である、
ことを特徴とする遊技機。
特徴gO4によれば、遊技者にとって有利の度合いに差のある3つの遊技状態を切り替え可能に制御するので、遊技状態の切り替えを行うことによって遊技者の期待感に抑揚を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴gP群>
特徴gP群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第7実施形態から抽出される。
[特徴gP1]
遊技球の入球が第1の図柄の変動の契機となる第1種入球手段(第7実施形態における第1始動口)と、
遊技球の入球が前記第1の図柄とは異なる第2の図柄の変動の契機となる第2種入球手段(第7実施形態における第2始動口)と、
前記第1種入球手段および前記第2種入球手段に遊技球が入球したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
遊技状態を制御する制御手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
を備える遊技機であって、
遊技球が前記第1種入球手段と前記第2種入球手段とに交互に入球する確率の方が、遊技球が前記第1種入球手段に連続して入球する確率よりも高い前記遊技状態(高頻度サポートモードA)において、
前記演出実行手段は、
前記第1種入球手段に遊技球が連続して2回入球した場合には、当該連続した2回の前記第1種入球手段への遊技球の入球に起因して実行される連続した2回の遊技回(第1始動口遊技回)のうちの少なくとも1回の遊技回において、特定の演出(第7実施形態における連続演出)を実行する手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴gP1によれば、遊技球が第1種入球手段と第2種入球手段とに交互に入球する確率の方が、遊技球が第1種入球手段に連続して入球する確率よりも高い遊技状態において、第1種入球手段に連続して2回入球した場合には特定の演出を実行するので、特定の演出の実行を認識した遊技者に対して、第1種入球手段に連続して2回入球するといった確率の低い事象が起きたことを認識させることができ、発生する確率の低い事象が起きたことに対する遊技者の好奇心を惹起させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴gP2]
特徴gP1に記載の遊技機であって、
前記特定の演出(第7実施形態の連続演出)は、遊技球が前記第1種入球手段と前記第2種入球手段とに交互に入球する確率の方が、遊技球が前記第1種入球手段に連続して入球する確率よりも高い前記遊技状態(高頻度サポートモードA)において、遊技球が前記第1種入球手段と前記第2種入球手段とに交互に入球した場合の前記第1種入球手段への遊技球の入球に起因して実行される遊技回において実行される演出とは異なる演出である
ことを特徴とする遊技機。
特徴gP2によれば、特定の演出は、遊技球が第1種入球手段と第2種入球手段とに交互に入球した場合の第1種入球手段への遊技球の入球に起因して実行される遊技回において実行される演出とは異なる演出であるので、確率の低い事象が起きたことを、より一層遊技者に認識させることができ、発生する確率の低い事象が起きたことに対する遊技者の好奇心をさらに惹起させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴gP3]
特徴gP1または特徴gP2に記載の遊技機であって、
前記特定の演出は、前記連続した2回の前記第1種入球手段への遊技球の入球に起因して実行される連続した2回の遊技回を跨いだ一連の演出(連続演出)である
ことを特徴とする遊技機。
特徴gP3によれば、特定の演出は、連続した2回の第1種入球手段への遊技球の入球に起因して実行される連続した2回の遊技回を跨いだ一連の演出であるので、特定の演出の内容として2回の遊技回を跨いだ流れのある演出を実行することができる。従って、発生する確率の低い事象が起きたことに対して、特別な状況であることをさらに遊技者に認識させることができる。
[特徴gP4]
特徴gP1から特徴gP3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
遊技者にとって最も有利な流通態様で遊技球を流通させた場合において、遊技球が第1種入球手段に連続して入球する確率を第1種入球手段連続入球確率とし、遊技球が第1種入球手段と前記第2種入球手段とに交互に入球する確率を交互入球確率とし、遊技球が第2種入球手段に連続して入球する確率を第2種入球手段連続入球確率とした場合に、
前記制御手段は、
前記第1種入球手段連続入球確率が、前記交互入球確率および前記第2種入球手段連続入球確率よりも高い第1の遊技状態(低頻度サポートモード)と、
前記交互入球確率が、前記第1種入球手段連続入球確率および前記第2種入球手段連続入球確率よりも高い第2の遊技状態(高頻度サポートモードA)と、
前記第2種入球手段連続入球確率が、前記第1種入球手段連続入球確率および前記交互入球確率よりも高い第3の遊技状態(高頻度サポートモードB)と、
を切り替え可能に制御する遊技状態切替手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴gP4によれば、制御手段は、第1の遊技状態と第2の遊技状態と第3の遊技状態の3つの遊技状態を切り替え可能に制御するので、当該3つの遊技状態を組み合わせることによって、新たな種々の遊技の流れを創出することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴gP5]
特徴gP4に記載の遊技機であって、
前記第1の遊技状態(低頻度サポートモード)よりも前記第2の遊技状態(高頻度サポートモードA)の方が遊技者に有利な遊技状態であり、
前記第2の遊技状態(高頻度サポートモードA)よりも前記第3の遊技状態(高頻度サポートモードB)の方が遊技者に有利な遊技状態である、
ことを特徴とする遊技機。
特徴gP5によれば、遊技者にとって有利の度合いに差のある3つの遊技状態を切り替え可能に制御するので、遊技状態の切り替えを行うことによって遊技者の期待感に抑揚を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴hA群>
特徴hA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第8実施形態から抽出される。
[特徴hA1]
遊技球を発射する発射手段と、
前記発射された遊技球が流下する遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球を滞留させる滞留領域(第8実施形態におけるクルーン220)を有する滞留手段と、
前記滞留領域から流出した遊技球の流通経路上に配置され、到達した遊技球を少なくとも第1の方向と第2の方向とに振り分ける振分手段(非V入賞口シャッター350)と、
を備える遊技機であって、
前記振分手段は、前記遊技領域の所定の位置である第1の位置(第1通路検知センサーSP1、第2通路検知センサーSP2が設けられた位置)を遊技球が通過したことを契機として、遊技球の振分方向(開放状態と閉鎖状態)を切り替える切替手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴hA1によれば、滞留手段から流出した遊技球を振り分ける振分手段は、第1の位置を遊技球が通過した場合に、振分方向を切替手段によって切り替えるので、滞留手段から遊技球が流出するタイミングを考慮して遊技者が第1の位置に遊技球を通過させることによって、切替手段によって切り替えた後の振分方向に当該滞留手段から流出した遊技球を振り分けることができる。すなわち、遊技者は、遊技球の振り分け方向を、滞留手段から遊技球が流出するタイミングを考慮して第1の位置に遊技球を通過させることによって制御することができる。この結果、遊技球の振り分け方向について遊技者の技術介入を可能にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴hA2]
特徴hA1に記載の遊技機であって、
前記遊技球が前記滞留領域(クルーン220)に流入してから流出するまでの時間の長さである滞留時間は、遊技球が前記発射手段から発射されてから前記第1の位置(第2通路検知センサーSP2が設けられた位置)を通過するまでの時間の長さである第1位置通過時間よりも長い
ことを特徴とする遊技機。
特徴hA2によれば、滞留時間は第1位置通過時間よりも長いので、滞留手段に遊技球が流入し滞留を開始したのを視認してから、遊技者が、滞留手段から遊技球が流出するタイミングを考慮して第1の位置に遊技球を通過させるために、第1の位置に向けて遊技球を発射させても、切替手段によって切り替えた後の振分方向に当該滞留手段から流出した遊技球を振り分けることができる。すなわち、滞留手段に遊技球が流入し滞留を開始したのを視認した後に、一度、遊技球を発射させるのを止めて、滞留手段に滞留する遊技球の動きを確認しながら第1の位置に向けて遊技球を発射させるタイミングを計ることができ、遊技者に、遊技球を発射させるタイミングについて比較的長い時間、期待感や緊迫感を付与することができる。比較例として、滞留時間が第1位置通過時間よりも短い場合には、第1の位置に向けて遊技球を発射させるタイミングを、一旦、遊技球の発射を止めてから見計らうことができず、連続的に遊技球を発射させる必要がある。一方、当該特徴hA2は、上述のように、滞留手段に滞留する遊技球の動きを確認しながら第1の位置に向けて遊技球を発射させるタイミングを計ることができるので、上記の比較例よりも、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴hA3]
特徴hA1または特徴hA2に記載の遊技機であって、
前記切替手段は、前記第1の位置を遊技球が通過したことを契機として、遊技球の前記振分方向を前記第2の方向(開放状態)から前記第1の方向(閉鎖状態)に、特定の期間(第8実施形態の場合には0.2秒)、切り替える手段を備え、
遊技球が前記第1の方向に流通する場合の方が、遊技球が前記第2の方向に流通する場合よりも、遊技者に有利である
ことを特徴とする遊技機。
特徴hA3によれば、有利である第1の方向に遊技球を流通させるためには、滞留手段から遊技球が流出するタイミングと、特定の期間とを考慮して、第1の位置に遊技球を通過させる必要があるので、遊技者を遊技に積極的に参加させることができる。
[特徴hA4]
特徴hA3に記載の遊技機であって、
前記特定の期間は、遊技球が前記発射手段から発射されてから、前記滞留領域から流出するまでの時間の長さである滞留領域流出時間(クルーン流出時間)よりも短い
ことを特徴とする遊技機。
特徴hA4によれば、特定の期間は滞留領域流出時間よりも短いので、第1の位置を通過させた遊技球を、滞留手段を経由させ、さらに当該遊技球を切替手段によって第1の方向に流通させることを困難または不可能にすることができる。すなわち、遊技球1球だけを用いて第1の方向に当該遊技球を通過させることを困難または不可能にすることができる。換言すれば、滞留領域に滞留した後に切替手段を経由して第1の方向に流通させる遊技球と、第1の位置を通過させる遊技球とを別々の遊技球にすることを促すことができる。このようにすることによって、複数の遊技球の発射について遊技者の技術介入を促し、さらに、当該複数の遊技球の帰趨について遊技者に注目させることができるので、さらなる遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴hA5]
特徴hA1から特徴hA4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記振分手段によって前記第1の方向に振り分けられた遊技球の流入が可能または容易であり、かつ、前記振分手段によって前記第2の方向に振り分けられた遊技球の流入が不可能または困難である領域である第1領域を備え、
前記第1領域は、当該第1領域への遊技球の流入が遊技の状態を特定の状態に変化させる条件の一つとして設定されている領域である
ことを特徴とする遊技機。
特徴hA5によれば、第1領域は、当該第1領域への遊技球の流入が遊技の状態を特定の状態に変化させる条件の一つとして設定されている領域であるので、特定の状態が遊技者に有利な状態である場合には、振分手段によって遊技球を第1の方向に振り分けさせたいと遊技者に所望させることができ、振分手段における遊技球の振り分けについての技術介入に関して、より一層、遊技者に集中させるとともに、期待感や緊迫感を付与することができる。
[特徴hA6]
特徴hA1から特徴hA4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記振分手段によって前記第1の方向に振り分けられた遊技球の流入が可能または容易であり、かつ、前記振分手段によって前記第2の方向に振り分けられた遊技球の流入が不可能または困難である領域である第1領域と、
前記振分手段によって前記第1の方向に振り分けられた遊技球の流入が不可能または困難であり、前記振分手段によって前記第2の方向に振り分けられた遊技球の流入が可能または容易である領域である第2領域と、
遊技者に特典を付与する特典付与手段と
を備え、
前記特典付与手段は、
前記第1領域または前記第2領域への遊技球の流入に基づいて付与する特典を決定する手段を備え、
遊技球が前記第1領域に流入した場合に付与する特典の方が、遊技球が前記第2領域に流入した場合に付与する特典よりも有利である
ことを特徴とする遊技機。
特徴hA6によれば、遊技球が第1領域に流入した場合に付与する特典の方が、遊技球が第2領域に流入した場合に付与する特典よりも有利であるので、振分手段によって遊技球を第1の方向に振り分けさせたいと遊技者に所望させることができ、振分手段における遊技球の振り分けについての技術介入に関して、より一層、遊技者に集中させるとともに、期待感や緊迫感を付与することができる。
<特徴hB群>
特徴hB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第8実施形態から抽出される。
[特徴hB1]
遊技球が流通可能な第1の通路と、
遊技球が入球可能な第1の入球領域と、
到達した遊技球の流通態様を変化させる流通態様変化手段(第8実施形態における非V入賞口シャッター350)と、
前記流通態様変化手段の状態を、当該流通態様変化手段に到達した遊技球を前記第1の入球領域に送ることが不可能又は困難な第1の状態(開放状態)と、当該流通態様変化手段に到達した遊技球を第1の入球領域に送ることが可能又は容易な第2の状態(閉鎖状態)との間で切り替えを行なう切替手段と、
を備える遊技機であって、
前記切替手段は、
前記流通態様変化手段の状態を前記第1の状態と前記第2の状態との間で切り替える動作モードとして、
前記第1の通路(第1通路検知センサーSP1)に遊技球を流通させないと、前記第1の入球領域に前記遊技球を入球させることが不可能又は困難な第1のモード(第8実施形態における第1開閉シナリオ)と、
前記第1の通路(第1通路検知センサーSP1)に遊技球を流通させなくても、前記第1の入球領域に前記遊技球を入球させることが可能又は容易な第2のモード(第8実施形態における第3開閉シナリオ)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴hB1によれば、切替手段は、第1の通路に遊技球を流通させないと、第1の入球領域に遊技球を入球させることが不可能又は困難な第1のモードと、第1の通路に遊技球を流通させなくても、第1の入球領域に遊技球を入球させることが可能又は容易な第2のモードとを備える。第1のモードが実行されている場合には、第1の入球領域に遊技球を入球させるために第1の通路に遊技球を流通させる必要があり、遊技者は、遊技球の発射強度を調整するなど、遊技球の発射操作について技術介入が必要となる。一方、第2のモードが実行されている場合には、第1の入球領域に遊技球を入球させるために第1の通路に遊技球を流通させなくてもよいので、遊技者は、第1のモードが実行されている場合よりも遊技球の発射操作について技術介入を必要としない。従って、本特徴の遊技機によれば、切替手段の動作モードを第1のモードと第2のモードとの間で切り替えることによって、第1の入球領域に遊技球を入球させるための遊技者の技術介入についての難易度(技術介入の度合い)を変更することができ、遊技者の緊迫感や期待感に抑揚を付与することができる。結果として、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴hB2]
特徴hB1に記載の遊技機であって、
所定の位置を遊技球が通過したことを検知する検知手段を備え、
前記切替手段は、
前記検知手段が遊技球の通過を検知したことを契機として、前記流通態様変化手段の状態を前記第1の状態から前記第2の状態に切り替える
ことを特徴とする遊技機。
特徴hB2によれば、切替手段は、検知手段が遊技球の通過を検知したことを契機として、流通態様変化手段の状態を第1の状態から第2の状態に切り替えるので、切替手段の動作モードが第1のモードまたは第2のモードのいずれの場合であっても、遊技球が所定の位置を通過するように操作する必要があり、遊技球を第1の入球領域に入球させることについて遊技者の技術介入を促すことができ、その結果、遊技者を遊技に積極的に参加させることができる。
[特徴hB3]
特徴hB1または特徴hB2に記載の遊技機であって、
遊技球が流通可能な通路であって前記第1の通路とは異なる第2の通路と、
前記第1の通路上の第1の位置を遊技球が通過したことを検知する第1検知手段(第1通路検知センサーSP1)と、
前記第2の通路上の第2の位置を遊技球が通過したことを検知する第2検知手段(第2通路検知センサーSP2)と、
を備え、
前記切替手段は、
前記第1検知手段または前記第2検知手段が遊技球の通過を検知したことを契機として、前記流通態様変化手段の状態を前記第1の状態(開放状態)から前記第2の状態(閉鎖状態)に切り替え、
前記切替手段による前記切り替えによって前記流通態様変化手段が前記第2の状態を継続している期間を第2状態継続期間とした場合に、
前記第1のモードは、
前記第1の通路を流通した遊技球が前記第2状態継続期間において前記流通態様変化手段に到達することが可能または容易となり、かつ、前記第2の通路を流通した遊技球が前記第2状態継続期間において前記流通態様変化手段に到達することが不可能または困難となるように、前記流通態様変化手段の状態を前記第1の状態と前記第2の状態との間で切り替える動作モードである
ことを特徴とする遊技機。
特徴hB3によれば、第1のモードの場合には、第2の通路に遊技球を流通させた場合でも切替手段は流通態様変化手段の状態を第1の状態から第2の状態に切り替えるにも関わらず、第2の通路を流通した遊技球が第2状態継続期間において流通態様変化手段に到達することが不可能または困難であるので、遊技者に意外性を付与することができるとともに、第1のモードの場合に第1の通路に遊技球を流通させることを促すことができる。さらに、第1の通路または第2の通路を遊技球が通過した場合に、遊技者に対して、流通態様変化手段の動作に注目させることができ、遊技者を遊技に集中させることができるとともに、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴hB4]
特徴hB1から特徴hB3のいずれか一つに記載の遊技機であって、
遊技球が流通可能な通路であって前記第1の通路とは異なる第2の通路と、
前記第1の通路上の第1の位置を遊技球が通過したことを検知する第1検知手段と、
前記第2の通路上の第2の位置を遊技球が通過したことを検知する第2検知手段と、
を備え、
前記切替手段は、
前記第1検知手段または前記第2検知手段が遊技球の通過を検知したことを契機として、前記流通態様変化手段の状態を前記第1の状態から前記第2の状態に切り替え、
前記切替手段による前記切り替えによって前記流通態様変化手段が前記第2の状態を継続している期間を第2状態継続期間とした場合に、
前記第2のモードは、
前記第1の通路を流通した遊技球が前記第2状態継続期間において前記流通態様変化手段に到達することが可能または容易となり、かつ、前記第2の通路を流通した遊技球が前記第2状態継続期間において前記流通態様変化手段に到達することが可能または容易となるように、前記流通態様変化手段の状態を前記第1の状態と前記第2の状態との間で切り替える動作モードである
ことを特徴とする遊技機。
特徴hB4によれば、第2のモードの場合には、第1の通路と第2の通路のいずれを遊技球が流通しても第2状態継続期間に遊技球を流通態様変化手段に到達させることができるので、第2のモードの場合には、遊技者は容易に第1の入球領域に遊技球を入球させることができる。
<特徴hC群>
特徴hC群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第8実施形態から抽出される。
[特徴hC1]
遊技球が入球可能な入球手段(大入賞口36a)と、
遊技の状態を制御する制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記制御手段は、特定の制御モード(非V入賞口シャッター350の第1開閉シナリオ)を備え、
起点となる時点(ラウンド遊技の開始時点)から、複数の遊技球の前記入球手段への入球のタイミングのパターンが第1の入球パターンである場合を第1の場合とし、
前記起点となる時点から、複数の遊技球の前記入球手段への入球のタイミングのパターンが第2の入球パターンである場合を第2の場合とした場合に、
前記特定の制御モード(第1開閉シナリオ)は、
前記第1の場合における前記第1の入球パターンと、前記第2の場合における前記第2の入球パターンとが同じであるにもかかわらず、前記第1の場合における遊技者の有利の度合いと、前記第2の場合における遊技者の有利の度合いとが異なる制御モードである(高確率モードになる場合とならない場合とがある開閉シナリオである)
ことを特徴とする遊技機。
特徴hC1によれば、特定の制御モードは、第1の場合における第1の入球パターンと、第2の場合における第2の入球パターンとが同じであるにもかかわらず、第1の場合における遊技者の有利の度合いと、第2の場合における遊技者の有利の度合いとが異なる制御モードであるので、実行されている遊技の制御モードが特定の制御モードであると認識した遊技者に対して、有利の度合いについて期待感や緊迫感を付与することができる。
[特徴hC2]
特徴hC1に記載の遊技機であって、
前記特定の制御モードを第1の制御モードとした場合に、
前記制御手段は、前記第1の制御モードとは異なる第2の制御モード(非V入賞口シャッター350の第2開閉シナリオ)を備え、
起点となる時点から、複数の遊技球の前記入球手段への入球のタイミングのパターンが第3の入球パターンである場合を第3の場合とし、
前記起点となる時点から、複数の遊技球の前記入球手段への入球のタイミングのパターンが第4の入球パターンである場合を第4の場合とした場合に、
前記第2の制御モードは、
前記第3の場合における前記第3の入球パターンと、前記第4の場合における前記第4の入球パターンとが同じであれば、前記第3の場合における遊技者の有利の度合いと、前記第4の場合における遊技者の有利の度合いとが同じである制御モードである
ことを特徴とする遊技機。
特徴hC2によれば、第1の制御モードと第2の制御モードとを備えるので、遊技者は制御モードが第1の制御モードであるのか第2の制御モードであるのかを判断する必要があり、遊技者を遊技に集中させることができる。また、第2の制御モードは、第3の場合における第3の入球パターンと、第4の場合における第4の入球パターンとが同じであれば、第3の場合における遊技者の有利の度合いと、第4の場合における遊技者の有利の度合いとが同じである制御モードであるが、第1の制御モードは、第1の場合における第1の入球パターンと、第2の場合における第2の入球パターンとが同じであるにもかかわらず、第1の場合における遊技者の有利の度合いと、第2の場合における遊技者の有利の度合いとが異なるので、制御モードが第1の制御モードと第2の制御モードのいずれであるのか、また、第1の制御モードである場合には有利となるのか不利となるのかというように、段階的に期待感や緊迫感を遊技者に付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴hC3]
特徴hC1または特徴hC2に記載の遊技機であって、
前記入球手段に入球した遊技球が通過可能な複数の通路(第1通路210及び第2通路300)を備え、
前記入球手段に入球した遊技球は前記複数の通路のうちのいずれか一つのみを通過可能であり、
前記特定の制御モード(非V入賞口シャッター350の第1開閉シナリオ)は、
前記入球手段に入球した複数の遊技球についての前記複数の通路の通過態様によって、遊技者の有利の度合いが異なる
ことを特徴とする遊技機。
特徴hC3によれば、特定の制御モードは、入球手段に入球した複数の遊技球についての複数の通路の通過態様によって、遊技者の有利の度合いが異なるので、複数の通路の通過態様を制御するために遊技者に技術介入をさせることができ、遊技者に遊技への積極的な参加を促すことができる。
[特徴hC4]
特徴hC2に記載の遊技機であって、
前記入球手段に入球した遊技球が通過可能な複数の通路(第1通路210及び第2通路300)を備え、
前記入球手段に入球した遊技球は前記複数の通路のうちのいずれか一つのみを通過可能であり、
前記第2の制御モード(非V入賞口シャッター350の第2開閉シナリオ)は、
前記入球手段に入球した複数の遊技球についての前記複数の通路の通過態様に関わらず、遊技者の有利の度合いが同じである
ことを特徴とする遊技機。
特徴hC4によれば、第2の制御モードは、入球手段に入球した複数の遊技球についての複数の通路の通過態様にかかわらず、遊技者の有利の度合いが同じであるので、第2の制御モードを実行している場合には、複数の遊技球についての複数の通路の通過態様を検出する必要がなく、処理を簡易化することができる。
[特徴hC5]
特徴hC2に記載の遊技機であって、
前記特定の制御モードを第1の制御モードとした場合に、
前記制御手段は、
前記第1の制御モードおよび前記第2の制御モードと異なる第3の制御モード(非V入賞口シャッター350の第3開閉シナリオ)を備え、
起点となる時点から、複数の遊技球の前記入球手段への入球のタイミングのパターンが第5の入球パターンである場合を第5の場合とし、
前記起点となる時点から、複数の遊技球の前記入球手段への入球のタイミングのパターンが第6の入球パターンである場合を第6の場合とした場合に、
前記第3の制御モードは、
前記第5の場合における前記第5の入球パターンと、前記第6の場合における前記第6の入球パターンとが同じであれば、前記第5の場合における遊技者の有利の度合いと、前記第6の場合における遊技者の有利の度合いとが同じであり、かつ、前記第2の制御モードよりも遊技者にとって有利である制御モードである
ことを特徴とする遊技機。
特徴hC5によれば、第3の制御モードは、第5の場合における第5の入球パターンと、第6の場合における第6の入球パターンとが同じであれば、第5の場合における遊技者の有利の度合いと、第6の場合における遊技者の有利の度合いとが同じであるので、第1の制御モードよりも遊技者に付与する緊迫感を緩和することができる。さらに、第3の制御モードは、第2の制御モードよりも遊技者にとって有利であるので、第2の制御モードよりも遊技者に期待感を付与することができる。すな わち、第1の制御モード、第2の制御モード、第3の制御モードは、それぞれ遊技者に付与する期待感と緊迫感とが異なるので、これら特性の異なる3つの制御モードを切り替えることによって、遊技者に期待感と緊迫感についての抑揚を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴hD群>
特徴hD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第8実施形態から抽出される。
[特徴hD1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報を記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段が記憶した前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技回用動作を開始してから前記遊技回用動作が終了するまでを遊技回の1回とした場合に、前記遊技回を実行する遊技回実行手段と、
前記遊技回実行手段によって実行される遊技回に対応する前記特別情報が前記所定の条件を満たす場合に、当該遊技回の終了後に、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
予め定められた複数の種別の特典(第8実施形態における第1種大当たりと第2種大当たり)のうち、遊技者に付与する一の種別の特典を決定する種別決定手段と、
遊技の状態(第8実施形態においてはサポートモード)を制御する制御手段と、
を備え、
前記特典付与手段は、
前記種別決定手段によって決定された特典の種別が、第1の種別の特典(第1種大当たり)である場合には、特定の条件を満たす第1の場合と前記特定の条件を満たさない第2の場合とで、前記特典の付与の態様(非V入賞口シャッター350の開閉シナリオ)を異なる態様に決定する手段と、
前記種別決定手段によって決定された特典の種別が、第2の種別の特典(第2種大当たり)である場合には、前記第1の場合と前記第2の場合とで、前記特典の付与の態様を同じ態様に決定する手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴hD1によれば、遊技回が実行された場合に、遊技者に特典の種別が何であるのか(第1の種別の特典であるのか、第2の種別の特典であるのか)について期待感を付与することができる。また、付与される特典の種別が第1の種別の特典である場合には、特定の条件を満たす第1の場合と前記特定の条件を満たさない第2の場合とで、特典の付与の態様が異なるので、さらに、遊技者に対して特典の付与の態様について期待感や緊迫感を付与することができる。従って、本特徴によれば、遊技回が実行された場合には、特典の種別は何であるのか、特典の付与の態様はどのようであるのか、といったように、遊技者に段階的に推測や期待感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴hD2]
特徴hD1に記載の遊技機であって、
前記第1の場合は、前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する遊技回の実行時の前記遊技の状態が第1の遊技の状態(低頻度サポートモード)である場合であり、
前記第2の場合は、前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する遊技回の実行時の前記遊技の状態が第2の遊技の状態(高頻度サポートモード)である場合である
ことを特徴とする遊技機。
特徴hD2によれば、付与される特典の種別が第1の種別の特典である場合には、遊技の状態が第1の遊技の状態である場合と第2の遊技の状態である場合とで、特典の付与の態様が異なるので、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回が実行された場合に、遊技の状態は何であったか、といったように、遊技者に推測や期待感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴hD3]
特徴hD1または特徴hD2に記載の遊技機であって、
前記特典付与手段は、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する遊技回より後に実行される遊技回の遊技の状態(抽選モード:低確率モードか高確率モードか)を決定するための処理を実行する遊技状態決定処理を実行する遊技状態決定処理実行手段を備え、
前記遊技状態決定処理実行手段は、
前記種別決定手段によって決定された特典の種別が、第1の種別の特典(第1種大当たり)である場合には、前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する遊技回の実行時の前記遊技の状態が第1の遊技の状態(低頻度サポートモード)である場合と第2の遊技の状態(高頻度サポートモード)である場合とで、前記遊技状態決定処理の処理態様(抽選モードを決定する態様)を異なる態様(異なる非V入賞口シャッター350の開閉シナリオ)で実行する手段と、
前記種別決定手段によって決定された特典の種別が、第2の種別の特典(第2種大当たり)である場合には、前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する遊技回の実行時の前記遊技の状態が前記第1の遊技の状態(低頻度サポートモード)である場合と前記第2の遊技の状態(高頻度サポートモード)である場合とで、前記遊技状態決定処理の処理態様を同じ態様(同じ非V入賞口シャッター350の開閉シナリオ)で実行する手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴hD3によれば、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回が実行された場合に、遊技者に特典の種別が何であるのか(第1の種別の特典であるのか、第2の種別の特典であるのか)について期待感を付与することができる。さらに、付与される特典の種別が第1の種別の特典である場合には、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回の実行時の遊技の状態が第1の遊技の状態である場合と第2の遊技の状態である場合とで、遊技状態決定処理の処理態様が異なるので、さらに、遊技者に対して遊技状態決定処理の処理態様について期待感や緊迫感を付与することができる。従って、本特徴によれば、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回が実行された場合には、特典の種別は何であるのか、遊技の状態は何であったか、特別情報に対応する遊技回より後に実行される遊技回の遊技の状態を決定するための処理の態様はどのようであるのか、といったように、遊技者に段階的に推測や期待感を付与することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
<特徴hE群>
特徴hE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第8実施形態から抽出される。
[特徴hE1]
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段に入球した遊技球を第1の入球領域に振り分けることが可能又は容易な第1の状態と、前記入球手段に入球した遊技球を第1の入球領域に振り分けることが不可能又は困難な第2の状態との間で切り替えを行う振分手段(第8実施形態において非V入賞口シャッター350)と、
を備える遊技機であって、
前記振分手段は、
起点となる時(ラウンド遊技が開始された時)から前記入球手段に入球した遊技球の数がN個(Nは2以上の整数)となったことを契機に、前記第2の状態から前記第1の状態への切り替えを行う
ことを特徴とする遊技機。
特徴hE1によれば、振分手段は、起点となる時から入球手段に入球した遊技球の数がN個(Nは2以上の整数)となったことを契機に、第2の状態から第1の状態への切り替えを行う。この場合、遊技球を第1の領域に振り分けることを所望する遊技者に対して、入球手段に入球させる遊技球の個数を数えながら遊技球を発射させることを促す。従って、遊技者の積極的な技術介入を促すことができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴hE2]
特徴hE1に記載の遊技機であって、
前記振分手段は、
前記起点となる時からN個目の遊技球が前記入球手段に入球した時点から特定の期間内に、前記起点となる時からN−1個目の遊技球が前記振分手段に到達した場合に、当該N−1個目の遊技球を前記第1の領域に振り分けることが可能または容易となるように、前記第1の状態と前記第2の状態との間で切り替えを行う
ことを特徴とする遊技機。
特徴hE2によれば、遊技者に対して、入球手段に入球させる遊技球の個数を数えながら遊技球を発射させることを促すことに加え、少なくとも、起点となる時からN−1個目の遊技球と、起点となる時からN個目の遊技球については、さらなる遊技者の技術介入を促すことができる。具体的には、起点となる時からN個目の遊技球が入球手段に入球した時点から特定の期間内に、起点となる時からN−1個目の遊技球が振分手段に到達するように、遊技球の発射のタイミングや発射強度を調整することを遊技者に促すことができる。また、N−1個目の遊技球を第1の領域に振り分けることができるか否かについて期待感や緊迫感を遊技者に付与することができる。
<特徴hF群>
特徴hF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第8実施形態の変形例5から抽出される。
[特徴hF1]
遊技球が流通可能な第1の通路と、
遊技球が流通可能な第2の通路と、
前記第1の通路および前記第2の通路から送られてきた遊技球の流通態様を変更する流通態様変更手段であって、到達した遊技球を第1の領域に送ることが可能又は容易な第1の状態と、到達した遊技球を前記第1の領域に送ることが不可能又は困難な第2の状態との間で切り替えを行う流通態様変更手段(第8実施形態において非V入賞口シャッター350)と、
を備え、
前記流通態様変更手段は、
起点となる時から前記第1の通路にJ個(Jは整数)の遊技球が入球した後に、前記第2の通路にK個(Kは整数)の遊技球が入球したことを契機に、前記第2の状態から前記第1の状態への切り替えを行う
ことを特徴とする遊技機。
特徴hF1によれば、流通態様変更手段は、起点となる時から第1の通路にJ個(Jは整数)の遊技球が入球した後に、第2の通路にK個(Kは整数)の遊技球が入球したことを契機に、第2の状態から第1の状態への切り替えを行う。この場合、遊技球を第1の領域に送ることを所望する遊技者に対して、第1の通路にJ個、第2の通路にK個の遊技球を通過させるために、積極的な技術介入を促すことができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴hF2]
特徴hF1に記載の遊技機であって、
前記流通態様変更手段は、
前記起点となる時から前記第1の通路に入球したJ個目の遊技球が前記流通態様変更手段に到達する時が、前記起点となる時から前記第2の通路に入球した遊技球の数がK個に到達した時点から所定期間内である場合に、前記起点となる時から前記第1の通路に入球したJ個目の遊技球を前記第1の領域に送る
ことを特徴とする遊技機。
特徴hF2によれば、遊技球を第1の領域に送ることを所望する遊技者に対して、起点となる時から第1の通路に入球したJ個目の遊技球が流通態様変更手段に到達する時が、起点となる時から第2の通路に入球した遊技球の数がK個に到達した時点から所定期間内となるように、遊技球の発射のタイミングや発射強度を調整することを促すことができ、さらなる遊技者の技術介入を促すことができる。
<特徴iA群>
特徴iA群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第9実施形態から抽出される。
[特徴iA1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段(主制御基板61側のMPU62と、それによって実行される図465の遊技回制御処理)と、
第1の状態(低頻度サポートモード)を少なくとも含む複数の状態を特定可能な状態情報(高頻度サポートモードフラグ)を記憶する状態記憶手段(各種フラグ記憶エリア)と、
を備える遊技機において、
前記遊技回実行手段は、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすものである場合に、前記遊技回の開始時に、前記状態情報を前記第1の状態以外の状態を特定する情報から前記第1の状態を特定する情報に移行させる状態情報移行手段(サポートモード擬似化処理:図469の当たり判定処理におけるステップSi1004,Si1005,Si1007)と、
前記状態情報移行手段によって前記移行がなされた場合に、当該移行によって移行される前の状態情報によって特定される状態に基づいて前記遊技動作の態様を設定する遊技動作設定手段と、
設定された前記遊技動作の態様に基づいて前記遊技動作を開始させる遊技動作開始手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特別情報が所定の条件を満たすものである場合に、第1の状態以外の状態に基づいて遊技動作の態様が設定されるように設計されている遊技機において、状態情報移行手段によって第1の状態を特定する情報への移行がなされた場合、遊技動作の態様の設定が不可能となり、処理が中断停止してしまう課題があった。これに対して、特徴iA1によれば、状態情報移行手段によって移行される前の状態情報によって特定される状態に基づいて、遊技動作の態様が設定されることから、遊技動作の態様は第1の状態以外の状態に基づいて設定されることになり、このため、その設定は正常に行われ、処理が中断または停止してしまうことがない。したがって、特徴iA1によれば、遊技機の動作について高い信頼性を確保することができる。
[特徴iA2]
特徴iA1に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を補助する補助手段(電動役物34a)と、
前記補助手段の状態を、前記入球手段への遊技球の入球を不可能または困難にする状態と、前記入球手段への遊技球の入球を可能または容易にする状態との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードとして、第1の制御モードと、前記第1の制御モードよりも前記入球手段への遊技球の入球が容易である第2の制御モードと、を少なくとも有する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記状態記憶手段に記憶されている前記状態情報が前記第1の状態以外の状態(高頻度サポートモード)を特定する情報であるときに、前記第2の制御モードを実行可能とし、前記状態記憶手段に記憶されている前記状態情報が前記第1の状態(低頻度サポートモード)を特定する情報であるときに、前記第1の制御モードを実行可能とする
ことを特徴とする遊技機。
特徴iA2によれば、補助手段の状態を遷移させる制御モードが、状態記憶手段に記憶されている状態情報に応じて切り替わる。そして、遊技動作の態様も状態情報に基づいて設定される。このため、制御モードの変化と、遊技動作の態様の変化とが連動する。したがって、特徴iA2によれば、遊技者に対して、補助手段の状態を遷移させる制御モードの変化を遊技動作の態様によって示すことができることから、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴iA3]
特徴iA2に記載の遊技機であって、
前記判定手段は、
前記判定を行うための判定モード(抽選モード)として、第1の判定モード(低確率モード)と、前記第1の判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2の判定モード(高確率モード)と、を有し、
前記遊技回実行手段は、
前記遊技回の開始時に、当該遊技回における前記判定手段による前記判定を前記第1の判定モードと前記第2の判定モードとのうちのいずれで実行するかを決定する判定モード決定手段(図468の転落判定処理)と、
前記判定モード決定手段によって前記第1の判定モードで実行することが決定された前記遊技回の開始時に、前記状態情報を前記第1の状態以外の状態を特定する情報から前記第1の状態(低頻度サポートモード)を特定する情報に移行させる手段(図468の転落判定処理におけるステップSi0904,Si0905,Si0907)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴iA3によれば、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回、第1の判定モードで実行することが決定された遊技回、のいずれの場合にも、その遊技回の開始時に、状態情報は第1の状態を特定する情報に移行させられる。このため、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回か、第1の判定モードで実行することが決定された遊技回かを、状態情報の変化と連動する補助手段の状態の変化から、遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、特徴iA3によれば、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
[特徴iA4]
特徴iA3に記載の遊技機であって、
前記遊技動作設定手段は、
前記判定モード決定手段によって前記第2の判定モードで前記判定を実行することが決定されている状態で、前記状態情報移行手段によって前記第1の状態を特定する情報への移行がなされた場合に、当該移行によって移行される前の状態情報によって特定される状態に基づいて前記遊技動作の態様を設定する手段
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴iA4によれば、状態情報移行手段によって状態情報が第1の状態を特定する情報に移行させられた場合に、特別情報が所定の条件を満たす確率が高い第2の判定モードとなっているにもかかわらず遊技状態が第1の状態となる、いわゆる潜伏確変状態となることがある。ここで、遊技機が潜伏確変状態に基づいて遊技動作の態様の設定が不可能であるように設計されている場合を考えてみると、状態情報移行手段によって状態情報が第1の状態を特定する情報へ移行されることで潜伏確変状態となった場合に、遊技動作の態様の設定が不可能となり、処理が中断停止してしまう課題があった。これに対して、特徴iA4によれば、状態情報移行手段によって移行される前の状態情報によって特定される状態に基づいて、遊技動作の態様が設定されることから、遊技動作の態様は第1の状態以外の状態に基づいて設定されることになり、潜伏確変状態に基づいて遊技動作の態様の設定が行われるようなことがない。したがって、特徴iA4によれば、遊技状態の設定は正常に行われ、処理が中断または停止してしまうことがないことから、遊技機の動作について高い信頼性を確保することができる。
[特徴iA5]
特徴iA1から特徴iA4までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技回実行手段は、
前記遊技回の開始時に、前記状態記憶手段に記憶されている前記状態情報を少なくとも含む複数種類の情報から状態判定値(遊技状態判定値)を演算する状態判定値演算手段(図470の遊技状態判定処理におけるステップSi1101)と、
演算した前記状態判定値が、前記状態情報が前記第1の状態を特定する情報であるとしたときに取り得る前記状態判定値としての第1の値(図459における「02H」)である場合に、前記状態情報が前記第1の状態以外の状態を特定する情報であるとしたときに取り得る前記状態判定値としての第2の値(図459における「03H」)に、前記状態判定値を書き換える状態判定値書換え手段(図470の遊技状態判定処理におけるステップSi1102,Si1103)と、
を備え、
前記遊技動作設定手段は、
前記状態判定値書換え手段によって書き換えられた前記状態判定値に基づいて、前記遊技動作の態様を設定する手段(図471の変動時間設定処理)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴iA5によれば、遊技動作の態様の設定を行うに際し、複数種類の情報を参照せずに、状態判定値を参照すればその設定を行うことができる。このために、遊技動作の態様を設定する制御を簡易化することができる。その上、状態判定値を切り替えてから遊技動作の態様の設定を行っていることから、第1の状態以外の状態に基づいて遊技動作の態様が設定されるように設計されている場合に、処理が中断または停止してしまうことがなく、遊技機の動作について高い信頼性を確保することができる。
[特徴iA6]
特徴iA5に記載の遊技機であって、
前記遊技動作設定手段は、
前記状態判定値書換え手段によって書き換えられた前記状態判定値に基づいて、前記遊技動作が取り得る動作パターンを制限し(変動時間テーブル群の選択)、制限した前記動作パターンの範囲内で、前記判定手段による前記判定の結果に基づいて前記遊技動作の態様を設定する手段
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴iA6によれば、状態判定値と、判定手段による判定の結果とに基づく、遊技動作の態様の設定を、簡易な構成によって行うことができる。
<特徴iB群>
特徴iB群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第9実施形態の変形例1から抽出される。
[特徴iB1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段(主制御基板61側のMPU62と、それによって実行される図465の遊技回制御処理)と、
第1の状態(低頻度サポートモード)を少なくとも含む複数の状態を特定可能な状態情報(高頻度サポートモードフラグ)を記憶する状態記憶手段(各種フラグ記憶エリア)と、
を備える遊技機において、
前記遊技回実行手段は、
前記遊技回の開始時に、前記状態情報によって特定される状態に基づいて前記遊技動作の態様を設定する遊技動作設定手段と、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回の開始時における前記遊技動作設定手段による前記設定が実行された後に、前記状態情報を前記第1の状態以外の状態を特定する情報から前記第1の状態を特定する情報に移行させる状態情報移行手段(サポートモード擬似化処理:図497の変動開始処理におけるステップSi3709,Si3710,Si3712)と、
前記遊技回の開始時に、前記遊技動作設定手段によって設定された前記遊技動作の態様に基づいて前記遊技動作を開始させる遊技動作開始手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特別情報が所定の条件を満たすものである場合に、第1の状態以外の状態に基づいて遊技動作の態様が設定されるように設計されている遊技機において、状態情報移行手段によって第1の状態を特定する情報への移行がなされた場合、遊技動作の態様の設定が不可能となり、処理が中断停止してしまう課題があった。これに対して、特徴iB1によれば、状態情報移行手段によって状態情報が移行されるより前のタイミングで、状態情報によって特定される状態に基づいて遊技動作の態様が設定されることから、遊技動作の態様は第1の状態以外の状態に基づいて設定されることになり、このため、その設定は正常に行われ、処理が中断または停止してしまうことがない。したがって、特徴iB1によれば、遊技機の動作について高い信頼性を確保することができる。
[特徴iB2]
特徴iB1に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を補助する補助手段(電動役物34a)と、
前記補助手段の状態を、前記入球手段への遊技球の入球を不可能または困難にする状態と、前記入球手段への遊技球の入球を可能または容易にする状態との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードとして、第1の制御モードと、前記第1の制御モードよりも前記入球手段への遊技球の入球が容易である第2の制御モードと、を少なくとも有する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記状態記憶手段に記憶されている前記状態情報が前記第1の状態以外の状態(高頻度サポートモード)を特定する情報であるときに、前記第2の制御モードを実行可能とし、前記状態記憶手段に記憶されている前記状態情報が前記第1の状態(低頻度サポートモード)を特定する情報であるときに、前記第1の制御モードを実行可能とする
ことを特徴とする遊技機。
特徴iB2によれば、補助手段の状態を遷移させる制御モードが、状態記憶手段に記憶されている状態情報に応じて切り替わる。そして、遊技動作の態様も状態情報に基づいて設定される。このため、制御モードの変化と、遊技動作の態様の変化とが連動する。したがって、特徴iB2によれば、遊技者に対して、補助手段の状態を遷移させる制御モードの変化を遊技動作の態様によって示すことができることから、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴iB3]
特徴iB2に記載の遊技機であって、
前記判定手段は、
前記判定を行うための判定モード(抽選モード)として、第1の判定モード(低確率モード)と、前記第1の判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2の判定モード(高確率モード)と、を有し、
前記遊技回実行手段は、
前記遊技回の開始時に、当該遊技回における前記判定手段による前記判定を前記第1の判定モードと前記第2の判定モードとのうちのいずれで実行するかを決定する判定モード決定手段(図468の転落判定処理)と、
前記判定モード決定手段によって前記第1の判定モードで実行することが決定された前記遊技回の開始時に、前記状態情報を前記第1の状態以外の状態を特定する情報から前記第1の状態(低頻度サポートモード)を特定する情報に移行させる手段(図468の転落判定処理におけるステップSi0904,Si0905,Si0907)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴iB3によれば、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回、第1の判定モードで実行することが決定された遊技回、のいずれの場合にも、その遊技回の開始時に、状態情報は第1の状態を特定する情報に移行させられる。このため、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回か、第1の判定モードで実行することが決定された遊技回かを、状態情報の変化と連動する補助手段の状態の変化から、遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、特徴iB3によれば、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
さらに、特徴iB3によれば、状態情報移行手段によって状態情報が第1の状態を特定する情報に移行させられた場合に、特別情報が所定の条件を満たす確率が高い第2の判定モードとなっているにもかかわらず遊技状態が第1の状態となる、いわゆる潜伏確変状態となることがある。ここで、遊技機が潜伏確変状態に基づいて遊技動作の態様の設定が不可能であるように設計されている場合を考えてみると、状態情報移行手段によって状態情報が第1の状態を特定する情報へ移行されることで潜伏確変状態となった場合に、遊技動作の態様の設定が不可能となり、処理が中断停止してしまう課題があった。これに対して、特徴iB3によれば、状態情報移行手段によって状態情報が第1の状態を特定する情報に移行されるより前のタイミングで、状態情報によって特定される状態に基づいて遊技動作の態様が設定されることから、遊技動作の態様は第1の状態以外の状態に基づいて設定されることになり、潜伏確変状態に基づいて遊技動作の態様の設定が行われるようなことがない。したがって、特徴iB3によれば、遊技状態の設定は正常に行われ、処理が中断または停止してしまうことがないことから、遊技機の動作について高い信頼性を確保することができる。
[特徴iB4]
特徴iB1から特徴iB3までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技回の開始時に、前記状態記憶手段に記憶されている前記状態情報を少なくとも含む複数種類の情報から状態判定値(図458における遊技状態判定値)を演算する状態判定値演算手段(図499の遊技状態判定処理におけるステップSi3901)、
を備え、
前記遊技動作設定手段は、
前記状態判定値演算手段によって求められた前記状態判定値に基づいて、前記遊技動作の態様を設定する手段(図471の変動時間設定処理)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴iB4によれば、遊技動作の態様の設定を行うに際し、複数種類の情報を参照せずに、状態判定値を参照すればその設定を行うことができる。このために、遊技動作の態様を設定する制御を簡易化することができる。
[特徴iB5]
特徴iB4に記載の遊技機であって、
前記遊技動作設定手段は、
前記状態判定値演算手段によって求められた前記状態判定値に基づいて、前記遊技動作が取り得る動作パターンを制限し(変動時間テーブル群の選択)、制限した前記動作パターンの範囲内で、前記判定手段による前記判定の結果に基づいて前記遊技動作の態様を設定する手段
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴iB5によれば、状態判定値と、判定手段による判定の結果とに基づく、遊技動作の態様の設定を、簡易な構成によって行うことができる。
<特徴iC群>
特徴iC群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第9実施形態の変形例1から抽出される。
[特徴iC1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段(主制御基板61側のMPU62と、それによって実行される図465の遊技回制御処理)と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を補助する補助手段(電動役物34a)と、
前記補助手段の状態を、前記入球手段への遊技球の入球を不可能または困難にする状態である第1の状態と、前記入球手段への遊技球の入球を可能または容易にする状態である第2の状態との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードとして、第1の制御モード(低頻度サポートモード)と、前記第1の制御モードよりも前記入球手段への遊技球の入球が容易である第2の制御モード(高頻度サポートモード)と、を少なくとも有する制御手段と、
を備える遊技機において、
前記遊技回実行手段は、
前記遊技回の開始時に、前記制御モードに基づいて前記遊技動作の態様を設定する遊技動作設定手段と、
特定の場合であり、かつ、前記遊技回の開始時において前記遊技動作設定手段による前記設定が実行された後である場合に、前記制御手段に対して前記制御モードを前記第2の制御モードから前記第1の制御モードに切り替えさせる制御モード切替手段と、
前記遊技回の開始時に、前記遊技動作設定手段によって設定された前記遊技動作の態様に基づいて前記遊技動作を開始させる遊技動作開始手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特定の場合に、第2の制御モードに基づいて遊技動作の態様が設定されるように設計されている遊技機において、制御モード切替手段によって第2の制御モードから第1の制御モードへの切り替えがなされた場合、遊技動作の態様の設定が不可能となり、処理が中断停止してしまう課題があった。これに対して、特徴iC1によれば、制御モード切替手段によって制御モードが第2の制御モードから第1の制御モードへ切り替えさせられるより前に、制御モードに基づいて遊技動作の態様が設定されることから、遊技動作の態様は第2の制御モードに基づいて設定されることになり、このため、その設定は正常に行われ、処理が中断または停止してしまうことがない。したがって、特徴iC1によれば、遊技機の動作について高い信頼性を確保することができる。
[特徴iC2]
特徴iC1に記載の遊技機であって、
前記判定手段は、
前記判定を行うための判定モード(抽選モード)として、第1の判定モード(低確率モード)と、前記第1の判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2の判定モード(高確率モード)と、を有し、
前記遊技回実行手段は、
前記遊技回の開始時に、当該遊技回における前記判定手段による前記判定を前記第1の判定モードと前記第2の判定モードとのうちのいずれで実行するかを決定する判定モード決定手段(図468の転落判定処理)を備え、
前記制御モード切替手段は、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすものである場合が、前記特定の場合に該当するとして、前記第1の制御モードへの切り替えを実行させる第1切替手段(サポートモード擬似化処理:図497の変動開始処理におけるステップSi3709,Si3710,Si3712)と、
前記判定モード決定手段によって前記第1の判定モードで実行することが決定された場合が、前記特定の場合に該当するとして、前記第1の制御モードへの切り替えを実行させる第2切替手段(図468の転落判定処理におけるステップSi0904,Si0905,Si0907)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴iC2によれば、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回、第1の判定モードで実行することが決定された遊技回、のいずれの場合にも、その遊技回の開始時に、制御モードは第1の制御モードに切り替えさせられる。このため、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回か、第1の判定モードで実行することが決定された遊技回かを、制御モードの変化と連動する補助手段の状態の変化から、遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、特徴iC2によれば、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
さらに、特徴iC2によれば、第1切替手段によって、特別情報が所定の条件を満たすものである場合に制御モードが第1の制御モードに切り替えられた場合に、特別情報が所定の条件を満たす確率が高い第2の判定モードとなっているにもかかわらず制御モードが第1の制御モードとなる、いわゆる潜伏確変状態となることがある。ここで、遊技機が潜伏確変状態に基づいて遊技動作の態様の設定が不可能であるように設計されている場合を考えてみると、第1切替手段によって制御モードが第1の制御モードに切り替えられたことで潜伏確変状態となった場合に、遊技動作の態様の設定が不可能となり、処理が中断停止してしまう課題があった。これに対して、特徴iC2によれば、第1切替手段によって制御モードが第1の制御モードに切り替えさせられるより前に、制御モードに基づいて遊技動作の態様が設定されることから、遊技動作の態様は第2の制御モードに基づいて設定されることになり、潜伏確変状態に基づいて遊技動作の態様の設定が行われるようなことがない。したがって、特徴iC2によれば、遊技状態の設定は正常に行われ、処理が中断または停止してしまうことがないことから、遊技機の動作について高い信頼性を確保することができる。
[特徴iC3]
特徴iC1または特徴iC2に記載の遊技機であって、
前記遊技動作設定手段は、
前記制御モードに基づいて、前記遊技動作が取り得る動作パターンを制限し(変動時間テーブル群の選択)、制限した前記動作パターンの範囲内で、前記判定手段による前記判定の結果に基づいて前記遊技動作の態様を設定する手段
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴iC3によれば、制御モードと、判定手段による判定の結果とに基づく、遊技動作の態様の設定を、簡易な構成によって行うことができる。
<特徴iD群>
特徴iD群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第9実施形態およびその変形例1から抽出される。
[特徴iD1]
取得条件が成立したことを契機として第1の特別情報と第2の特別情報とを取得する情報取得手段と、
取得された前記第1の特別情報が第1の条件を満たすか否かを判定する第1の判定手段(図469の当たり判定処理のステップSi1002〜Si1004)と、
取得された前記第2の特別情報が第2の条件を満たすか否かを判定する第2の判定手段(図468の転落判定処理のステップSi0902,Si0903)と、
前記第1の判定手段による前記判定の結果および前記第2の判定手段による前記判定の結果の少なくとも一方を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段(主制御基板61側のMPU62と、それによって実行される図465の遊技回制御処理)と、
排他的な2つの状態である第1の状態(低頻度サポートモード)と第2の状態(高頻度サポートモード)とを特定可能な状態情報(サポートモードの情報)を記憶する状態記憶手段(高頻度サポートモードフラグ)と、
を備える遊技機において、
前記遊技回実行手段は、
前記第1の特別情報が前記第1の条件を満たすものである場合、前記第2の特別情報が前記第2の条件を満たすものである場合共に、前記遊技回の開始時に、前記状態情報を前記第2の状態を特定する情報から前記第1の状態を特定する情報に移行させる状態情報移行手段(サポートモード擬似化処理:図469の当たり判定処理におけるステップSi1004,Si1005,Si1007)と、
前記第1の特別情報が前記第1の条件を満たすものである場合の前記遊技回の開始時に、前記第2の状態に基づいて前記遊技動作の態様を設定する第1の遊技動作設定手段と、
前記第2の特別情報が前記第2の条件を満たすものである場合の前記遊技回の開始時に、前記第1の状態に基づいて前記遊技動作の態様を設定する第2の遊技動作設定手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
第1の特別情報が第1の条件を満たすものである場合に、第1の状態以外の状態に基づいて遊技動作の態様が設定されるように設計されている遊技機において、状態情報移行手段によって第1の状態を特定する情報への移行がなされた場合、遊技動作の態様の設定が不可能となり、処理が中断停止してしまう課題があった。これに対して、特徴iD1によれば、第1の特別情報が第1の条件を満たすものである場合の遊技回の開始時に、第2の状態に基づいて遊技動作の態様が設定されることから、その設定は正常に行われ、処理が中断または停止してしまうことがない。したがって、特徴iD1によれば、遊技機の動作について高い信頼性を確保することができる。
[特徴iD2]
特徴iD1に記載の遊技機であって、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を補助する補助手段(電動役物34a)と、
前記補助手段の状態を、前記入球手段への遊技球の入球を不可能または困難にする状態と、前記入球手段への遊技球の入球を可能または容易にする状態との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードとして、第1の制御モードと、前記第1の制御モードよりも前記入球手段への遊技球の入球が容易である第2の制御モードと、を少なくとも有する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記状態記憶手段に記憶されている前記状態情報が前記第2の状態(高頻度サポートモード)を特定する情報であるときに、前記第2の制御モードを実行可能とし、前記状態記憶手段に記憶されている前記状態情報が前記第1の状態(低頻度サポートモード)を特定する情報であるときに、前記第1の制御モードを実行可能とする
ことを特徴とする遊技機。
特徴iD2によれば、補助手段の状態を遷移させる制御モードが、状態記憶手段に記憶されている状態情報に応じて切り替わる。そして、遊技動作の態様も状態情報に基づいて設定される。このため、制御モードの変化と、遊技動作の態様の変化とが連動する。したがって、特徴iD2によれば、遊技者に対して、補助手段の状態を遷移させる制御モードの変化を遊技動作の態様によって示すことができることから、遊技の興趣向上を図ることができる。
さらに、特徴iD2によれば、第1の特別情報が第1の条件を満たす遊技回、第2の特別情報が第2の条件を満たす遊技回、のいずれの場合にも、その遊技回の開始時に、状態情報は第1の状態を特定する情報に移行させられる。このため、第1の特別情報が第1の条件を満たす遊技回か、第2の判定手段による判定の結果が第2の条件を満たす遊技回かを、状態情報の変化と連動する補助手段の状態の変化から、遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、特徴iD2によれば、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上をよりいっそう図ることができる。
[特徴iD3]
特徴iD1または特徴iD2に記載の遊技機であって、
前記第1の判定手段は、
前記判定を行うための判定モード(抽選モード)として、第1の判定モード(低確率モード)と、前記第1の判定モードよりも前記第1の特別情報が前記第1の条件を満たす確率が高い第2の判定モード(高確率モード)と、を有し、
前記遊技機は、
前記遊技回の開始時に、当該遊技回における前記第1の判定手段による前記判定を前記第1の判定モードと前記第2の判定モードとのうちのいずれで実行するかを、前記第2の判定手段による前記判定の結果に基づいて決定する判定モード決定手段(図468の転落判定処理)
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴iD3によれば、第1の特別情報が第1の条件を満たす確率が高い第2の判定モード(高確率モード)となっているにもかかわらず、状態情報によって特定される状態が第1の状態(低頻度サポートモード)となる、いわゆる潜伏確変状態となることがある。ここで、遊技機が潜伏確変状態に基づいて遊技動作の態様の設定が不可能であるように設計されている場合を考えてみると、潜伏確変状態となった場合に、遊技動作の態様の設定が不可能となり、処理が中断停止してしまう課題があった。これに対して、特徴iD3によれば、第1の特別情報が第1の条件を満たすものである場合の遊技回の開始時には、遊技動作の態様は第2の状態(高頻度サポートモード)に基づいて設定されることから、潜伏確変状態に基づいて遊技動作の態様の設定が行われるようなことがない。したがって、特徴iD3によれば、遊技動作の態様の設定は正常に行われ、処理が中断または停止してしまうことがないことから、遊技機の動作について高い信頼性を確保することができる。
[特徴iD4]
特徴iD1から特徴iD3までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記遊技動作設定手段は、
前記状態記憶手段に記憶されている前記状態情報に基づいて、前記遊技動作が取り得る動作パターンを制限し(変動時間テーブル群の選択)、制限した前記動作パターンの範囲内で、前記第1の判定手段による前記判定の結果に基づいて前記遊技動作の態様を設定する手段
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴iD4によれば、状態情報と、第1および第2の判定手段による判定の結果とに基づく、遊技動作の態様の設定を、簡易な構成によって行うことができる。
<特徴iE群>
特徴iE群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第9実施形態から抽出される。
[特徴iE1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段(主制御基板61側のMPU62と、それによって実行される図465の遊技回制御処理)と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を補助する補助手段(電動役物34a)と、
前記補助手段の状態を、前記入球手段への遊技球の入球を不可能または困難にする状態である第1の状態と、前記入球手段への遊技球の入球を可能または容易にする状態である第2の状態との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードとして、第1の制御モード(低頻度サポートモード)と、前記第1の制御モードよりも前記入球手段への遊技球の入球が容易である第2の制御モード(高頻度サポートモード)と、を有し、前記状態遷移手段の制御を前記第1の制御モードと前記第2の制御モードとのうちのいずれで実行するかを特定可能な第1の状態情報(高頻度サポートモードフラグ)を記憶する第1の状態情報記憶手段(各種フラグ記憶エリア)と、
前記判定を行うための判定モード(抽選モード)として、第1の判定モード(低確率モード)と、前記第1の判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2の判定モード(高確率モード)と、を有し、前記判定手段による前記判定を前記第1の判定モードと前記第2の判定モードとのうちのいずれで実行するかを特定可能な第2の状態情報(高確率モードフラグ)を記憶する第2の状態記憶手段(各種フラグ記憶エリア)と、
を備える遊技機において、
前記第1の状態情報と前記第2の状態情報とを少なくとも含む複数の状態情報を合わせて、前記遊技機の状態を示す総合状態情報(図458における遊技状態判定値)を生成する総合状態情報生成手段
を備え、
前記遊技回実行手段は、
特定の場合における前記遊技回の開始時に、前記第1の状態情報を前記第2の制御モードを特定する情報から前記第1の制御モードを特定する情報に移行させる状態情報移行手段と、
前記遊技回の開始時に、前記総合状態情報生成手段によって生成された前記総合状態情報が、前記第1の状態情報が前記第1の制御モード(低頻度サポートモード)を特定し、前記第2の状態情報が前記第2の判定モード(高確率モード)を特定するとしたときに取り得る第1の情報(潜伏確変状態:図458における「02H」)である場合に、前記総合状態情報を、前記第1の状態情報が前記第2の制御モード(高頻度サポートモード)を特定し、前記第2の状態情報が前記第2の判定モード(高確率モード)を特定するとしたときに取り得る第2の情報(高確率高頻度状態:図458における「03H」)に書き換える総合状態情報書換え手段(図470の遊技状態判定処理におけるステップSi1102,Si1103)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
総合状態情報に基づいて、例えば遊技機における特定の動作や表示等の態様が設定され、その態様の設定が、総合状態情報が第1の情報以外の情報(潜伏確変状態以外の状態を特定する情報)である場合に行われるように設計されている遊技機を考えてみる。この遊技機において、第2の状態情報が第2の判定モードを特定する状態で、特定状態情報移行手段によって第1の制御モードを特定する情報への移行がなされた場合、総合状態情報が第1の状態となって、このため、上述した設定が不可能となり、処理が中断停止してしまう課題があった。これに対して、特徴iE1によれば、総合状態情報書換え手段によって、総合状態情報は第1の情報(潜伏確変状態を特定する情報)から第2の情報に書き換えられることから、上記の設定は正常に行われ、処理が中断または停止してしまうことがない。したがって、特徴iE1によれば、遊技機の動作について高い信頼性を確保することができる。
[特徴iE2]
特徴iE1に記載の遊技機であって、
前記遊技回実行手段は、
前記遊技回の開始時に、当該遊技回における前記判定手段による前記判定を前記第1の判定モードと前記第2の判定モードとのうちのいずれで実行するかを決定する判定モード決定手段(図468の転落判定処理)を備え、
前記状態情報移行手段は、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすものである場合の前記遊技回の開始時に、前記第1の制御モードを特定する情報への移行を実行させる手段(サポートモード擬似化処理:図469の当たり判定処理におけるステップSi1004,Si1005,Si1007)と、
前記判定モード決定手段によって前記第1の判定モードで実行することが決定された場合の前記遊技回の開始時に、前記第1の制御モードを特定する情報への移行を実行させる手段(図468の転落判定処理におけるステップSi0904,Si0905,Si0907)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴iE2によれば、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回、第1の判定モードで実行することが決定された遊技回、のいずれの場合にも、その遊技回の開始時に、第1の状態情報は第1の状態を特定する情報に移行させられる。このため、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回か、第1の判定モードで実行することが決定された遊技回かを、第1の状態情報の変化と連動する補助手段の状態の変化から、遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、特徴iE2によれば、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴iE3]
特徴iE1または特徴iE2に記載の遊技機であって、
前記総合状態情報書換え手段によって書き換えられた前記総合状態情報に基づいて、前記遊技動作の態様を設定する遊技動作設定手段(図471の変動時間設定処理)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴iE3によれば、総合状態情報に基づいて遊技動作の態様を設定する処理が中断または停止してしまうことがない。したがって、特徴iE3によれば、遊技機の動作について高い信頼性を確保することができる。
[特徴iE4]
特徴iE1から特徴iE3までのいずれか一つにに記載の遊技機であって、
前記遊技動作設定手段は、
前記総合状態情報書換え手段によって書き換えられた前記総合状態情報に基づいて、前記遊技動作が取り得る動作パターンを制限し(変動時間テーブル群の選択)、制限した前記動作パターンの範囲内で、前記判定手段による前記判定の結果に基づいて前記遊技動作の態様を設定する手段
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴iE4によれば、総合状態情報と、判定手段による判定の結果とに基づく、遊技動作の態様の設定を、簡易な構成によって行うことができる
<特徴iF群>
特徴iF群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第9実施形態およびその変形例1から抽出される。
[特徴iF1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段(主制御基板61側のMPU62と、それによって実行される図465の遊技回制御処理)と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を補助する補助手段(電動役物34a)と、
前記補助手段の状態を、前記入球手段への遊技球の入球を不可能または困難にする状態である第1の状態と、前記入球手段への遊技球の入球を可能または容易にする状態である第2の状態との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードとして、第1の制御モード(低頻度サポートモード)と、前記第1の制御モードよりも前記入球手段への遊技球の入球が容易である第2の制御モード(高頻度サポートモード)と、を有し、前記状態遷移手段の制御を前記第1の制御モードと前記第2の制御モードとのうちのいずれで実行するかを特定可能な第1の状態情報(高頻度サポートモードフラグ)を記憶する第1の状態情報記憶手段(各種フラグ記憶エリア)と、
前記判定を行うための判定モード(抽選モード)として、第1の判定モード(低確率モード)と、前記第1の判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2の判定モード(高確率モード)と、を有し、前記判定手段による前記判定を前記第1の判定モードと前記第2の判定モードとのうちのいずれで実行するかを特定可能な第2の状態情報(高確率モードフラグ)を記憶する第2の状態記憶手段(各種フラグ記憶エリア)と、
を備える遊技機において、
前記遊技回実行手段は、
特定の場合における前記遊技回の開始時に、前記第1の状態情報を前記第2の制御モードを特定する情報から前記第1の制御モードを特定する情報に移行させる状態情報移行手段と、
前記遊技回の開始時に、前記第1の状態情報と前記第2の状態情報とに基づいて前記遊技動作の態様を設定する手段であって、前記第1の状態情報が前記第1の制御モード(低頻度サポートモード)を特定し、前記第2の状態情報が前記第2の判定モード(高確率モード)を特定する場合(潜伏確変状態:図458における「02H」)に、前記第1の状態情報が前記第2の制御モード(高頻度サポートモード)を特定し、前記第2の状態情報が前記第2の判定モード(高確率モード)を特定する場合(高確率高頻度状態:図458における「03H」)と同一の前記態様を設定する遊技動作設定手段(図471の変動時間設定処理)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
第1の状態情報が第1の制御モードを特定し、第2の状態情報が第2の判定モードを特定する状態(いわゆる潜伏確変状態)に基づいて遊技動作の態様の設定が不可能であるように設計されている遊技機では、状態情報移行手段によって第1の制御モードを特定する情報への移行がなされた場合に、潜伏確変状態となって遊技動作の態様の設定が不可能となり、処理が中断停止してしまう課題があった。これに対して、特徴iF1によれば、潜伏確変状態となった場合に、高確率高頻度状態と同一の遊技動作の態様を設定することから、その設定は正常に行われ、処理が中断または停止してしまうことがない。したがって、特徴iF1によれば、遊技機の動作について高い信頼性を確保することができる。
[特徴iF2]
特徴iF1に記載の遊技機であって、
前記遊技回実行手段は、
前記遊技回の開始時に、当該遊技回における前記判定手段による前記判定を前記第1の判定モードと前記第2の判定モードとのうちのいずれで実行するかを決定する判定モード決定手段(図468の転落判定処理)を備え、
前記状態情報移行手段は、
前記特別情報が前記所定の条件を満たすものである場合の前記遊技回の開始時に、前記第1の制御モードを特定する情報への移行を実行させる手段(サポートモード擬似化処理:図469の当たり判定処理におけるステップSi1004,Si1005,Si1007)と、
前記判定モード決定手段によって前記第1の判定モードで実行することが決定された場合の前記遊技回の開始時に、前記第1の制御モードを特定する情報への移行を実行させる手段(図468の転落判定処理におけるステップSi0904,Si0905,Si0907)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴iF2によれば、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回、第1の判定モードで実行することが決定された遊技回、のいずれの場合にも、その遊技回の開始時に、第1の状態情報は第1の状態を特定する情報に移行させられる。このため、所定の条件を満たす特別情報に対応する遊技回か、第1の判定モードで実行することが決定された遊技回かを、第1の状態情報の変化と連動する補助手段の状態の変化から、遊技者に推測されてしまうことを抑制できる。したがって、特徴iF2によれば、遊技者に期待感や緊迫感を付与することができ、その結果、遊技の興趣向上を図ることができる。
[特徴iF3]
特徴iF1または特徴iF2に記載の遊技機であって、
前記遊技動作設定手段は、
前記第1の状態情報と前記第2の状態情報とに基づいて、前記遊技動作が取り得る動作パターンを制限し(変動時間テーブル群の選択)、制限した前記動作パターンの範囲内で、前記判定手段による前記判定の結果に基づいて前記遊技動作の態様を設定する手段
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴iF3によれば、前記第1および第2の状態情報と、判定手段による判定の結果とに基づく、遊技動作の態様の設定を、簡易な構成によって行うことができる。
<特徴iG群>
特徴iG群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第9実施形態の変形例16および変形例17から抽出される。
[特徴iG1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する手段であって、前記判定を行うための判定モードとして、第1の判定モード(低確率モード)と、前記第1の判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2の判定モード(高確率モード)と、を有する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段(主制御基板61側のMPU62と、それによって実行される図465の遊技回制御処理)と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を補助する補助手段(電動役物34a)と、
前記補助手段の状態を、前記入球手段への遊技球の入球を不可能または困難にする状態である第1の状態と、前記入球手段への遊技球の入球を可能または容易にする状態である第2の状態との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードとして、第1の制御モード(低頻度サポートモード)と、前記第1の制御モードよりも前記入球手段への遊技球の入球が容易である第2の制御モード(高頻度サポートモード)と、を少なくとも有する制御手段と、
を備える遊技機において、
特定の場合に、前記制御モードが前記第1の制御モードであり、かつ前記判定モードが前記第2の判定モードである特定状態(第9実施形態の変形例16および変形例17における潜伏確変状態)に移行する状態移行手段を有し、
前記遊技回実行手段は、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回の開始時に、前記制御手段に対して前記制御モードを前記第2の制御モードから前記第1の制御モードに切り替えさせる制御モード切替手段(サポートモード擬似化処理:図500の当たり判定処理におけるステップSi4007)と、
前記遊技回の開始時に、前記判定モードと前記制御モードに基づいて前記遊技動作の態様を設定する遊技動作設定手段と、
設定された前記遊技動作の態様に基づいて前記遊技動作を開始させる遊技動作開始手段と、
を備え、
前記遊技動作設定手段は、
前記状態移行手段によって前記特定状態に移行した場合に、前記遊技動作の態様として第1の態様を設定する第1遊技動作設定手段と、
前記制御モード切替手段によって前記制御モードを前記第1の制御モードに切り替えさせたことによって前記特定状態に移行した場合に、前記遊技動作の態様として前記第1の態様とは異なる第2の態様を設定する第2遊技動作設定手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特定の場合に、制御モードが第1の制御モードであり、かつ判定モードが第2の判定モードである特定状態に移行する状態移行手段を備える遊技機において、制御モードが第2の制御モードであり、かつ判定モードが第2の判定モードである遊技状態から、制御モード切替手段によって第2の制御モードから第1の制御モードへの切り替えがなされた場合に、遊技状態は同じ特定状態となるが、この場合に、従来技術では、遊技動作の態様をどのようにするかについては、特段の考慮がなされていなかった。これに対して、特徴iG1によれば、状態移行手段によって特定状態に移行した場合に、遊技動作の態様として第1の態様が設定され、制御モード切替手段によって制御モードを第1の制御モードに切り替えさせたことによって特定状態に移行した場合に、遊技動作の態様として第1の態様とは異なる第2の態様に設定される。したがって、特徴iG1によれば、状態移行手段によって特定状態に移行した場合に適した演出、および制御モード切替手段によって制御モードを第1の制御モードに切り替えさせたことによって特定状態に移行した場合に適した演出を実行でき、遊技者に遊技状態を適切に報知することができる。
[特徴iG2]
特徴iG1に記載の遊技機であって、
前記第2遊技動作設定手段は、
前記制御モード切替手段によって移行される前の前記制御モードである前記第2の制御モードと、前記判定モードとに基づいて、前記遊技動作の態様を設定する手段(第9実施形態の変形例16から抽出される構成であり、図502の変動時間設定処理におけるステップSi4205,Si4206)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴iG2によれば、制御モード切替手段によって移行される前の制御モードである第2の制御モードと前記判定モードとに基づいて遊技動作の態様を設定するといった簡易な構成によって、遊技動作の態様を第2の態様に設定することができる。したがって、特徴iG2によれば、遊技動作の態様を設定する構成を簡易化することができる。
[特徴iG3]
特徴iG1に記載の遊技機であって、
前記第2遊技動作設定手段は、
前記制御モード切替手段によって前記制御モードを前記第1の制御モードに切り替えさせるより前のタイミングで、前記判定モードと前記制御モードに基づいて前記遊技動作の態様を設定する手段(第9実施形態の変形例17から抽出される構成であり、変形例17において引用する変形例1の図496に示される手順で実行される変動時間設定)を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴iG3によれば、制御モード切替手段によって制御モードを第1の制御モードに切り替えさせるより前のタイミングで、判定モードと制御モードに基づいて遊技動作の態様を設定するといった簡易な構成によって、遊技動作の態様を第2の態様に設定することができる。したがって、特徴iG3によれば、遊技動作の態様を設定する構成を簡易化することができる。
<特徴iH群>
特徴iH群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出され、主に第9実施形態の変形例18から抽出される。
[特徴iH1]
取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する手段であって、前記判定を行うための判定モードとして、第1の判定モード(低確率モード)と、前記第1の判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2の判定モード(高確率モード)と、を有する判定手段と、
前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段(主制御基板61側のMPU62と、それによって実行される図465の遊技回制御処理)と、
遊技球が入球可能な入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球を補助する補助手段(電動役物34a)と、
前記補助手段の状態を、前記入球手段への遊技球の入球を不可能または困難にする状態である第1の状態と、前記入球手段への遊技球の入球を可能または容易にする状態である第2の状態との間で遷移させる状態遷移手段と、
前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードとして、第1の制御モード(低頻度サポートモード)と、前記第1の制御モードよりも前記入球手段への遊技球の入球が容易である第2の制御モード(高頻度サポートモード)と、を少なくとも有する制御手段と、
を備える遊技機において、
特定の場合に、前記制御モードが前記第1の制御モードであり、かつ前記判定モードが前記第2の判定モードである特定状態(第9実施形態の変形例16における潜伏確変状態)に移行する状態移行手段を有し、
前記遊技回実行手段は、
前記所定の条件を満たす前記特別情報に対応する前記遊技回の開始時に、前記制御手段に対して前記制御モードを前記第2の制御モードから前記第1の制御モードに切り替えさせる制御モード切替手段(サポートモード擬似化処理:図500の当たり判定処理におけるステップSi4007)と、
前記遊技回の開始時に、前記判定モードと前記制御モードに基づいて前記遊技動作の態様を設定する遊技動作設定手段と、
設定された前記遊技動作の態様に基づいて前記遊技動作を開始させる遊技動作開始手段と、
を備え、
前記遊技動作設定手段は、
前記状態移行手段によって前記特定状態に移行した場合を第1の場合とし、前記制御モード切替手段によって前記制御モードを前記第1の制御モードに切り替えさせたことによって前記特定状態に移行した場合を第2の場合としたときに、前記第1の場合と前記第2の場合とで、前記遊技動作の態様を構成する複数の要素のうちの少なくとも第1の要素(変形例18における変動時間)を同一にして、前記設定を行う第1の設定手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特定の場合に、制御モードが第1の制御モードであり、かつ判定モードが第2の判定モードである特定状態に移行する状態移行手段を備える遊技機において、制御モードが第2の制御モードであり、かつ判定モードが第2の判定モードである遊技状態から、制御モード切替手段によって第2の制御モードから第1の制御モードへの切り替えがなされた場合に、遊技状態は同じ特定状態となるが、この場合に、従来技術では、遊技動作の態様をどのようにするかについては、特段の考慮がなされていなかった。これに対して、特徴iH1によれば、状態移行手段によって特定状態に移行した第1の場合と、制御モード切替手段によって制御モードを第1の制御モードに切り替えさせたことによって特定状態に移行した第2の場合とで、遊技動作の態様を構成する複数の要素のうちの少なくとも第1の要素が同一となって、遊技動作の設定が行われる。このため、特徴iH1によれば、第1の要素を設定する制御ルーチンを第1の場合と第2の場合とで共通化することができるため、制御の簡易化を図ることができる。
[特徴iH2]
特徴iH1に記載の遊技機であって、
第1の制御装置(主制御装置60)と、
第2の制御装置(音声発光制御装置90)と、
を備え、
前記遊技動作設定手段は、
前記第1の場合と前記第2の場合とで、前記複数の要素のうちの少なくとも第2の要素(変形例18における演出パターン)を相違させて、前記設定を行う第2の設定手段を備え、
前記第1の制御装置は、前記第1の設定手段を備え、
前記第2の制御装置は、前記第2の設定手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
特徴iH2によれば、第1の制御装置側では、第1の場合と第2の場合とで共通する第1の要素の設定を行うことができ、第2の制御装置側では、第1の場合と第2の場合とで相違する第2の要素の設定を行うことができる。このために、第1の制御装置側では、第1の要素を設定する制御ルーチンを第1の場合と第2の場合とで共通化しながら、第2の制御装置側では、第1の場合と第2の場合とで第2の要素を相違したものとして遊技動作の態様を設定することができる。したがって、特徴iH2によれば、第1の場合に適した演出、および第2の場合に適した演出を実行でき、遊技者に遊技状態を適切に報知することができる。
なお、上記各特徴群は、以下の課題を解決する。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化等を目的として、構造、制御、演出等の様々な観点から技術的な改良が行われている。
また、遊技者による不正な行為や遊技機に対する不正な改造の発見や抑止といった遊技の健全性の向上を目的とした様々な技術的な改良も行われている。
上記のような遊技機においては、遊技の興趣向上や、遊技機の処理負荷の低減、処理の最適化、制御の簡易化、より健全な遊技の提供等を目的として、さらなる技術の向上が望まれている。
なお、上記各特徴群に含まれる1又は複数の構成を適宜組み合わせた構成を採用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
以下に、上記の各特徴群を適用し得る又は各特徴群に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段とを備える遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示手段と、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示を始動させる始動手段と、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間の経過に起因して前記複数の絵柄の可変表示を停止させる停止手段と、停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段とを備える遊技機。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10...パチンコ機
11...外枠
12...パチンコ機本体
13...内枠
14...前扉枠
15...ヒンジ
16...ヒンジ
17...シリンダ錠
18...窓部
19...ガラスユニット
20...上皿
21...下皿
22...排出口
23...レバー
24...演出操作ボタン
25...操作ハンドル
30...遊技盤
31...誘導レール
31a...内レール部
31b...外レール部
60...主制御装置
70...払出制御装置
71...払出装置
80...発射制御装置
81...遊技球発射機構
85...電源装置
90...音声発光制御装置
100...表示制御装置

Claims (6)

  1. 取得条件が成立したことを契機として特別情報を取得する情報取得手段と、
    取得された前記特別情報が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段による前記判定の結果を報知する遊技動作が開始されてから前記遊技動作が終了されることを遊技回の1回とした場合に、当該遊技回を実行する遊技回実行手段と、
    第1の状態を少なくとも含む複数の状態を特定可能な状態情報を記憶する状態記憶手段と、
    を備える遊技機において、
    前記遊技回実行手段は、
    前記特別情報が前記所定の条件を満たすものである場合に、前記遊技回の開始時に、前記状態情報を前記第1の状態以外の状態を特定する情報から前記第1の状態を特定する情報に移行させる状態情報移行手段と、
    前記状態情報移行手段によって前記移行がなされた場合に、当該移行によって移行される前の状態情報によって特定される状態に基づいて前記遊技動作の態様を設定する遊技動作設定手段と、
    設定された前記遊技動作の態様に基づいて前記遊技動作を開始させる遊技動作開始手段と、
    を備えることを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機であって、
    遊技球が入球可能な入球手段と、
    前記入球手段への遊技球の入球を補助する補助手段と、
    前記補助手段の状態を、前記入球手段への遊技球の入球を不可能または困難にする状態と、前記入球手段への遊技球の入球を可能または容易にする状態との間で遷移させる状態遷移手段と、
    前記状態遷移手段を制御する制御手段であって、前記状態遷移手段が前記補助手段の状態を遷移させる態様が異なる制御モードとして、第1の制御モードと、前記第1の制御モードよりも前記入球手段への遊技球の入球が容易である第2の制御モードと、を少なくとも有する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記状態記憶手段に記憶されている前記状態情報が前記第1の状態以外の状態を特定する情報であるときに、前記第2の制御モードを実行可能とし、前記状態記憶手段に記憶されている前記状態情報が前記第1の状態を特定する情報であるときに、前記第1の制御モードを実行可能とする
    ことを特徴とする遊技機。
  3. 請求項2に記載の遊技機であって、
    前記判定手段は、
    前記判定を行うための判定モードとして、第1の判定モードと、前記第1の判定モードよりも前記特別情報が前記所定の条件を満たす確率が高い第2の判定モードと、を有し、
    前記遊技回実行手段は、
    前記遊技回の開始時に、当該遊技回における前記判定手段による前記判定を前記第1の判定モードと前記第2の判定モードとのうちのいずれで実行するかを決定する判定モード決定手段と、
    前記判定モード決定手段によって前記第1の判定モードで実行することが決定された前記遊技回の開始時に、前記状態情報を前記第1の状態以外の状態を特定する情報から前記第1の状態を特定する情報に移行させる手段と、
    を備えることを特徴とする遊技機。
  4. 請求項3に記載の遊技機であって、
    前記遊技動作設定手段は、
    前記判定モード決定手段によって前記第2の判定モードで前記判定を実行することが決定されている状態で、前記状態情報移行手段によって前記第1の状態を特定する情報への移行がなされた場合に、当該移行によって移行される前の状態情報によって特定される状態に基づいて前記遊技動作の態様を設定する手段
    を備えることを特徴とする遊技機。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一つに記載の遊技機であって、
    前記遊技回実行手段は、
    前記遊技回の開始時に、前記状態記憶手段に記憶されている前記状態情報を少なくとも含む複数種類の情報から状態判定値を演算する状態判定値演算手段と、
    演算した前記状態判定値が、前記状態情報が前記第1の状態を特定する情報であるとしたときに取り得る前記状態判定値としての第1の値である場合に、前記状態情報が前記第1の状態以外の状態を特定する情報であるとしたときに取り得る前記状態判定値としての第2の値に、前記状態判定値を書き換える状態判定値書換え手段と、
    を備え、
    前記遊技動作設定手段は、
    前記状態判定値書換え手段によって書き換えられた前記状態判定値に基づいて、前記遊技動作の態様を設定する手段を備える
    ことを特徴とする遊技機。
  6. 請求項5に記載の遊技機であって、
    前記遊技動作設定手段は、
    前記状態判定値書換え手段によって書き換えられた前記状態判定値に基づいて、前記遊技動作が取り得る動作パターンを制限し、制限した前記動作パターンの範囲内で、前記判定手段による前記判定の結果に基づいて前記遊技動作の態様を設定する手段
    を備えることを特徴とする遊技機。
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