JP2019198407A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】演出を通じて遊技興趣の向上に寄与する遊技機を提供すること。【解決手段】パチンコ遊技機PY1は、演出図柄EZの変動表示を行う場合に、分岐ポイントを有するステップアップ演出を実行することが可能である。また、ステップアップ演出は第1から第3分岐ポイントの複数の分岐ポイントを有する。そして、ステップアップ演出は、第1から第3分岐ポイントの各分岐ポイントで基本ルートに分岐した場合、幼少用演出図柄EZaがリーチになる期待度を示唆するリーチの予告演出として機能し得ることとなる。また、ステップアップ演出は、分岐ポイントにて、基本ルートと異なるミッションルート、アイコン変化ルートに分岐することがある。【選択図】図32

Description

本発明は、パチンコ遊技機等に代表される遊技機に関する。
従来よりパチンコ遊技機では、様々な演出が行われている。例えば下記特許文献1には、演出図柄の変動表示を行う場合に、これと合わせて多彩な演出を行うことが可能な遊技機が記載されている。
特開2003−52955号公報
ところで、演出図柄の変動表示を行う場合の演出については、遊技興趣の向上のため、改善の余地がある。
本発明の課題は、演出を通じて遊技興趣の向上に寄与する遊技機を提供することである。
本発明の遊技機は、
遊技者に有利な特別遊技状態にするか否かの判定を行う判定手段と、
演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記演出実行手段は、
前記判定の結果に基づいて、複数の演出図柄を変動表示させた後、前記判定の結果を示す停止態様で停止表示させることが可能であるとともに、
前記演出図柄の変動表示を行う場合に、複数の演出分岐点を有する第1予告演出を実行することが可能であることを特徴とする遊技機である。
本発明によれば、演出を通じて遊技興趣の向上に寄与する遊技機が提供される。
遊技機の正面図である。 遊技盤ユニットの正面図である。 第2大入賞装置等を詳細に示す正面図である。 表示器類の正面図である。 (A)は盤上可動装置と盤下可動装置とが待機状態のときの演出用ユニットの正面図、(B)は盤上可動装置と盤下可動装置とが作動したときの演出用ユニットの正面図である。 主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 サブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 (A)は普図関係乱数を示す表であり、(B)は特図関係乱数を示す表である。 (A)は当たり判定テーブルの一例であり、(B)は普図変動パターン判定テーブルの一例であり、(C)は補助遊技制御テーブルの一例である。 (A)は大当たり判定テーブルの一例であり、(B)は大当たり図柄種別判定テーブルの一例であり、(C)はリーチ判定テーブルの一例である。 特図1変動パターン判定テーブルの一例である。 特図2変動パターン判定テーブルの一例である。 先読み判定テーブルの一例である。 大当たり遊技制御テーブルの一例である。 遊技状態の説明図である。 通常演出のフローを示す図である。 幼少弱SPリーチを示す図である。 幼少強SPリーチを示す図である。 高校弱SPリーチを示す図である。 高校強SPリーチを示す図である。 プロ弱SPリーチを示す図である。 プロ強SPリーチを示す図である。 「幼少状態」で実行される特別成長演出を示す図である。 「高校状態」で実行される特別成長演出を示す図である。 幼少用キャラ予告演出に続いてシーンチェンジが実行される場合を示す図である。 高校用キャラ予告演出に続いてシーンチェンジが実行される場合を示す図である。 「幼少状態」で実行される成長SP発展演出を示す図である。 「高校状態」で実行される成長SP発展演出を示す図である。 ストック演出を示す図である。 不死鳥復活発展演出を示す図である。 保留アイコンおよび当該アイコンを示す図である。 ステップアップ演出のフローを示す図である。 ステップアップ演出の種類と大当たり期待度の関係を示す図を示す図である。 主制御メイン処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 SU演出選択テーブルの一例である。 ステップアップ演出の基本ルートを示す図である。 ステップアップ演出のガセルートを示す図である。 ステップアップ演出の第1ミッションルートを示す図である。 ステップアップ演出の第2ミッションルートを示す図である。 ステップアップ演出の第3ミッションルートを示す図である。 ステップアップ演出のアイコン変化ルートを示す図である。
以下、本発明の遊技機の実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。また、後述の任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる又は並列に実行できる。
1.遊技機の構造
第1形態のパチンコ遊技機PY1について説明する。最初に、パチンコ遊技機PY1の構造について図1〜図5を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」は、パチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」は、パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向とする。
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、後述する遊技盤ユニットYUが取り付けられる遊技盤取付枠2Aと、遊技盤取付枠2Aにヒンジ2Bを介して回転自在に支持される前枠23mと、を備える。前枠23mは遊技盤取付枠に対して開閉が可能である。前枠23mには、透明板23tが取り付けられている。前枠23mが閉じられているとき、遊技盤取付枠2Aに取り付けられた遊技盤1と透明板23tとは対面する。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1に形成された遊技領域6を視認することができる。透明板23tは、透明なガラス板や透明な合成樹脂板等を用いることができる。パチンコ遊技機PY1の前方から遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力(後述する発射装置72が発射ソレノイドに駆動させる量)の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠23mの前面の下部中央には、前方に向けて大きく突出した下部装飾体36が設けられている。下部装飾体36の上面には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための上皿34が形成されている。また、下部装飾体36の正面の下部中央には、上皿34に収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための下皿35が設けられている。
下部装飾体36の上面の上皿34より前方側には、下方に押下操作可能な第1入力装置(以下「通常ボタン」)40が設けられている。また、第1入力装置40の左方には、下方に押下操作可能な第2入力装置(以下「特殊ボタン」)41が設けられている。
また、前枠23mの表面の上部から前方に突出して形成されている上部装飾体31の底面に、音を出力可能なスピーカ52が設けられている。スピーカ52は、左側に配置された左スピーカ52Lと、右側に配置された右スピーカ52Rと、からなる。また、前枠23mの右縁部と、下部装飾体36における正面の下皿35の左側および右側とに、発光可能な枠ランプ53が設けられている。さらに、前枠23mの左縁部および右縁部の上側には、遊技興趣を高めることを目的とする演出装置としての可動式の枠可動装置58が取り付けられている。枠可動装置58は、左側に配置された左枠可動装置58Lと、右側に配置された右枠可動装置58Rと、で構成される。
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤ユニットYUについて、主に図2〜図5を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面側に取り付けられた演出用ユニット1Uと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。開口部1Aに沿って、遊技球が流下可能な遊技領域6を区画するための略リング状の内側壁部1Bが前方に突出して形成されている。また、内側壁部1Bの外側にも、遊技領域6を区画するための略リング状の外側壁部1Cが前方に突出して形成されている。
遊技盤1の前面には、内側壁部1B、外側壁部1Cなどで囲まれた遊技領域6が形成されている。すなわち、遊技盤1の前面が、内側壁部1Bおよび外側壁部1Cによって、遊技領域6とそれ以外の領域とに仕切られている。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技くぎ(図示なし)が突設されている。遊技くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、後述する第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、ゲート13、第1大入賞口14、および、第2大入賞口15などに適度に誘導する経路を構成している。なお、第1始動口11や第2始動口12といった始動口を入球口と称し、第1大入賞口14や第2大入賞口15といった大入賞口を特別入賞口あるいは特定の入賞口と称し、ゲート13を通過口あるいは通過領域と称することができるものとする。
遊技領域6の中央付近には、開口部1Aの周縁を装飾するセンター枠(センター装飾体)61が設けられている。センター枠61には、後述する第1始動口11へ遊技球を誘導可能なステージや、ステージへ遊技球を誘導可能なワープが設けられている。
また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(演出表示手段、画像表示手段)が設けられている。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄EZ(装飾図柄)の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。なお本形態では、後述するように、演出図柄EZの中には、表示態様がそれぞれ異なる幼少用演出図柄EZaと高校用演出図柄EZbとプロ用演出図柄EZcがある(図16参照)。幼少用演出図柄EZaと高校用演出図柄EZbとプロ用演出図柄EZcとをまとめて意味する場合には、単に「演出図柄EZ」ということがある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの演出図柄表示領域からなる。左演出図柄表示領域には左演出図柄EZ1が表示され、中演出図柄表示領域には中演出図柄EZ2が表示され、右演出図柄表示領域には右演出図柄EZ3が表示される。なお左演出図柄EZ1は、左演出図柄表示領域に表示される幼少用演出図柄EZaと、左演出図柄表示領域に表示される高校用演出図柄EZbと、左演出図柄表示領域に表示されるプロ用演出図柄EZcとをまとめて意味する演出図柄である。また中演出図柄EZ2は、中演出図柄表示領域に表示される幼少用演出図柄EZaと、中演出図柄表示領域に表示される高校用演出図柄EZbと、中演出図柄表示領域に表示されるプロ用演出図柄EZcとをまとめて意味する演出図柄である。また右演出図柄EZ3は、右演出図柄表示領域に表示される幼少用演出図柄EZaと、右演出図柄表示領域に表示される高校用演出図柄EZbと、右演出図柄表示領域に表示されるプロ用演出図柄EZcとをまとめて意味する演出図柄である。
演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組み合わせによって、後述の特図1表示器81aおよび特図2表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄EZを停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄EZを停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を特図1表示器81aや特図2表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、演出図柄表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄EZの変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する保留アイコン表示領域がある。保留アイコンHAの表示により、後述の特図1保留表示器83aにて表示される第1特図保留の記憶数や、後述の特図2保留表示器83bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ61sへ遊技球を流出させるワープ61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤上可動体55kが設けられている。盤上可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1始動口11が形成された第1始動入賞装置11Dと、第2始動口12への入球を可能または不可能にさせる第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dと、が設けられている。
第1始動入賞装置11Dは不動である。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球し易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口11への入賞は、第1特別図柄(以下、「特図1」という)の抽選(後述の特図1関係乱数の取得と判定:以下、「特図1抽選」という)および特図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口11へ入賞すると、所定個数(本形態では4個)の遊技球が賞球として払い出される。
電チュー12Dは、作動可能な電チュー開閉部材12kを備えている。電チュー開閉部材12kは、通常は(通常状態では)、第2始動口12への遊技球の入球が不可能な閉鎖位置にある。そして、特別状態になると、第2始動口12への遊技球の入球が可能な開放位置に移動する。このように、電チュー開閉部材12kが開放位置に移動することを第2始動口12または電チュー12Dの「開状態」ともいい、開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。一方、電チュー開閉部材12kが閉鎖位置にあることを第2始動口12または電チュー12Dの「閉状態」ともいう。また、第2始動口12または電チュー12Dが「開状態」になることを「電チュー12Dが開放する」ともいい、電チュー12Dが「閉状態」になることを「電チュー12Dが閉鎖する」ともいう。
遊技球の第2始動口12への入賞は、第2特別図柄(以下、「特図2」という)の抽選(後述の特図2関係乱数の取得と判定:以下、「特図2抽選」という)および特図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口12へ入賞すると、所定個数(本形態では4個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な一般入賞口(普通入賞口)10が設けられている。遊技球が一般入賞口10へ入賞すると、所定個数(本形態では3個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。遊技球のゲート13の通過は、普通図柄(以下、「普図」という)の抽選(すなわち普通図柄乱数の取得と判定:以下、「普図抽選」という)および普図の可変表示の契機となっている。補助遊技が実行されることによって電チュー12Dを開放する。すなわち、補助遊技は、電チュー12Dの開放を伴う遊技である。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1大入賞口14が形成された第1大入賞装置14D(以下、「通常AT14D」ともいう)が設けられている。第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とに作動可能な通常AT開閉部材14kを備える。通常AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14が開閉する。通常AT開閉部材14kは、通常では第1大入賞口14を塞ぐ閉状態になっており、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することは不可能である。通常AT開閉部材14kが開状態に作動すると、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することが可能になる。このように、通常AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の第1大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が第1大入賞口14へ入賞すると、所定個数(本形態では15個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第2大入賞口15が形成された第2大入賞装置15D(以下、「VAT15D」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置15Dは、作動可能なVAT開閉部材15kを備えている。VAT開閉部材15kは、通常では第2大入賞口15を塞いでいる。VAT開閉部材15kは開状態をとることができる。VAT開閉部材15kが開状態であるときだけ遊技球の第2大入賞口15への入球が可能となる。一方、VAT開閉部材15kが第2大入賞口15を塞いでいる状態を「閉状態」ともいう。このように、VAT開閉部材15kの作動によって第2大入賞口15が開閉する。遊技球が第2大入賞口15へ入賞すると、所定個数(本形態では15個)の遊技球が賞球として払い出される。
ここで、図3を用いて、第2大入賞装置15Dについて詳細に説明する。第2大入賞装置15Dの内部には、第2大入賞口15に入球した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させることが可能なゲート状の第2大入賞口センサ15aが設けられている。
第2大入賞口センサ15aの下流域には、遊技球が通過(進入)可能な特定領域16と非特定領域17とが設けられている。第2大入賞口センサ15aを通過した遊技球は、振分装置16Dによって、特定領域16か非特定領域17かに振り分けられる。振分装置16Dは、略矩形状の平板からなる振分部材16kと、振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sとを備えている。振分部材16kは、振分ソレノイド16sの駆動により、左右にスライド可能に構成されている。
振分ソレノイド16sが通電されていないとき、振分部材16kは特定領域16への遊技球の通過を妨げる第1状態(通過阻止状態:図3(A)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の左端よりやや右側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆う状態)にある。振分部材16kが第1状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過した後、特定領域16を通過することは不可能であり、非特定領域17を通過する。この第2大入賞口15から非特定領域17まで流下する遊技球のルートを第1のルートという。
一方、振分ソレノイド16sが通電されているとき、振分部材16kは遊技球の特定領域16の通過(進入)を許容する第2状態(通過許容状態:図3(B)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の右端よりやや左側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆わず、特定領域16の直上が開放している状態)にある。振分部材16kが第2状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過したあと特定領域16を通過容易である。この第2大入賞口15から特定領域16まで流下する遊技球のルートを第2のルートという。
なお、基本的に、振分部材16kは第1状態で保持されている。すなわち、第1状態が、振分部材16kの通常の状態であるといえる。そして、所定のラウンド遊技(例えば16R)においてのみ、振分ソレノイド16sが通電され、第2状態に変化することができる。なお、振分部材16kの作動態様は適宜変更可能である。
特定領域16と非特定領域17には、各領域16、17を通過(進入)した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させる特定領域センサ16a、非特定領域センサ17aが設けられている。
なお、第1大入賞装置14Dおよび第2大入賞装置15Dは、遊技に支障をきたさない範囲で、一方だけを設けるようにすることが可能である。また、遊技性に応じて、第1大入賞装置14Dのような、特定領域や振分装置のない大入賞装置を2つ設ける構成とすることが可能である。
また、図2に示すように、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、遊技盤1には、発光可能な盤ランプ54が設けられている。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6B(第2遊技領域)と、に分けることができる。遊技球が左遊技領域6Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機PY1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、多数の遊技くぎなどによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、一般入賞口10と、ゲート13と、第1大入賞口14と、第2大入賞口15と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13の通過や、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、または、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
なお、何れの入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、および第2大入賞口15)にも入球しなかった遊技球は、アウト口19へ誘導されて排出される。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
また、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の下方の左隣(遊技領域6以外の部分)には表示器類8が配置されている。図4に示すように、表示器類8には、特図1を可変表示する特図1表示器81a、特図2を可変表示する特図2表示器81b、及び、普図を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特図1保留数(U1:特図1表示器81aによる特図1の可変表示が保留されている数)を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数(U2:特図2表示器81bによる特図2の可変表示が保留されている数)を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機に特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機に特図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特図1および特図2を総称して特図(識別図柄の一例)といい、特図1抽選および特図2抽選を総称して特図抽選という。また、特図1表示器81aおよび特図2表示器81bを総称して特図表示器81という。さらに、特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bを総称して特図保留表示器83という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される特図(停止特図、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特図抽選によって複数種類の特図の中から選択された一つの特図である。停止特図が予め定めた特定の特図(特定の停止態様の特図すなわち大当たり図柄)である場合には、大入賞口(第1大入賞口14及び第2大入賞口15)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。
特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成され、その点灯態様によって特図抽選の結果に応じた特図を表示する。例えば特図抽選の結果が大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)である場合には、特図表示器81は、「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDの点灯で構成される大当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、特図表示器81は、「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の可変表示がなされる。特図の可変表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、特図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、特図抽選などを行うための各種乱数(判定情報の一例)が取得されることがある。この各種乱数は、特図保留として後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、第1始動口11への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図1関係乱数」といい、第2始動口12への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図2関係乱数」という。ここで、特図1関係乱数は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関係乱数は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1保留の数(特図1保留数)および特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図2保留の数(特図2保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、特図1保留と特図2保留を総称して「特図保留」といい、特図1保留数と特図2保留数を総称して「特図保留数」という。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とを総称して「特図関係乱数」という。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞した後すぐに特図の可変表示が行われない場合、具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合、その入賞に対する特図の可変表示(あるいは、特図抽選の権利)を留保することができる。特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特図の可変表示が可能となったときに消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特図関係乱数等を判定して、その判定結果を示すための特図の可変表示を実行することをいう。
そして、特図保留数は、特図保留表示器83に表示される。特図1保留表示器83aと特図2保留表示器83bのそれぞれは、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示することが可能である。
また、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される普図(停止普図、可変表示の表示結果として導出表示される普図)は、普図抽選によって複数種類の普図の中から選択された一つの普図である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図(所定の停止態様の普図すなわち当たり図柄)である場合には、第2始動口12(電チュー12D)を開放させる補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普図抽選の結果に応じた普図を表示する。普図抽選の結果が当たりである場合には、普図表示器82は、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDの点灯で構成される当たり図柄を表示する。また普図抽選の結果がハズレである場合には、「■□」というように右のLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の可変表示が行われる。普図の可変表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行うための普通図柄乱数(判定情報の一例)が取得されることがある。この乱数は、普図の可変表示または補助遊技が実行されていないことを条件に、後述の普図保留記憶部106に記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数(普図保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、遊技球がゲート13を通過することにより取得された普通図柄乱数のことを「普図関係乱数」ともいう。また、本形態では、普図保留数を表示する普図保留表示器を設けていないが、普図保留表示器を表示器類8に加えてもよい。普図保留表示器としては、例えば特図保留表示器83と同様の構成のものを採用することが可能である。
次に、図5を用いて、遊技盤1の背面に取り付けられた演出用ユニット1Uについて説明する。演出用ユニット1Uは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。演出用ユニット1Uには、画像表示装置50、第1盤可動装置(以下「盤上可動装置」)55、第2盤可動装置(以下「盤下可動装置」)56が搭載されている。
画像表示装置50は、例えば20インチの3D液晶ディスプレイで構成され、3D画像を表示可能な表示画面50aを具備する。なお、画像表示装置50は、画像を表示することが可能であれば、複数枚の液晶ディスプレイで構成されるものや、EL(electro luminescence)ディスプレイで構成されるもの等、他の表示装置であってもよい。
盤上可動装置55は、表示画面50aに沿って移動可能に構成され、装飾が施された盤上可動体55kを具備する。盤下可動装置56は、表示画面50aに沿って移動可能に構成され、装飾が施された盤下可動体56kを具備する。
図5(A)は、盤上可動体55kおよび盤下可動体56kが作動していない通常の待機状態(初期位置)で保持されている様子を概略化して表している。盤上可動装置55の駆動源が駆動すると、盤上可動体55kは下向きに移動(下降)し、盤下可動装置56の駆動源が駆動すると、盤下可動体56kは上向きに移動(上昇)する。このとき、画像表示装置50は下降した盤上可動体55kまたは上昇した盤下可動体56kに覆われ、画像表示装置50は視認困難となる。
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
2.遊技機の電気的構成
次に、図6〜図7に基づいて、パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図6〜図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板(以下「主制御基板」)100、主制御基板100による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、操作演出、大当たり遊技演出など)や客待ち演出などの演出に関する制御を行う演出制御基板(以下「サブ制御基板」)120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を、遊技盤1の画像表示装置50よりさらに背面側に備えている。主制御基板100を、遊技の制御を行う遊技制御部(メイン制御部)と位置づけることができる。また、サブ制御基板120を、後述する画像制御基板140、ランプ制御回路151、および音声制御回路161とともに、演出の制御を行う演出制御部(サブ制御部)と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくともサブ制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、および、可動装置55,56,58等)を用いた各種の演出を制御可能であればよい。
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、主制御基板100、サブ制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を主制御基板100に設けたり、サブ制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けたりしてもよい。
図6に示すように、主制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、および遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。また、遊技用RAM104には、前述した特図保留記憶部105や普図保留記憶部106などが設けられている。
また、主制御基板100には、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118、および遊技用RAM104に記憶されている情報を遊技用CPU102にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ119が実装されている。
また、主制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やアクチュエータ類が接続されている。そのため、主制御基板100には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、主制御基板100は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
主制御基板100に接続されている各種センサ類には、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、一般入賞口センサ10a、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、特定領域センサ16a、および、非特定領域センサ17aが含まれている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10毎に設けられている。ゲートセンサ13aは、ゲート13に設けられており、ゲート13を通過した遊技球を検知する。第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知する。特定領域センサ16aは、特定領域16を通過(特定領域16に進入)した遊技球を検知する。非特定領域センサ17aは、非特定領域17を通過(非特定領域17に進入)した遊技球を検知する。各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。
なお、主制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
また、主制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類には、電チューソレノイド12s、第1大入賞口ソレノイド14s、第2大入賞口ソレノイド15sおよび振分ソレノイド16sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。第1大入賞口ソレノイド14sは、第1大入賞装置14Dの通常AT開閉部材14kを駆動する。第2大入賞口ソレノイド15sは、第2大入賞装置15DのVAT開閉部材15kを駆動する。振分ソレノイド16sは、振分装置16Dの振分部材16kを駆動する。
なお、主制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
さらに主制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また主制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。なお、発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のための賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
また、発射装置72には、遊技者などの人のハンドル72k(図1参照)への接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、検知信号を払出制御基板170に出力する。また、発射装置72には、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームつまみ72bが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板100は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。サブ制御基板120は、主制御基板100から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板100とサブ制御基板120との接続は、主制御基板100からサブ制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板100とサブ制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、サブ制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、主制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、および演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
また、演出用ROM123には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および、10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また、サブ制御基板120には、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138、およびRTC(Real Time Clock)139が実装されている。RTC139は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。RTC139は、パチンコ遊技機PY1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板190が備えるバックアップ電源回路192から供給される電力によって動作する。このため、RTC139は、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC139に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
サブ制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。サブ制御基板120の演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、サブ制御基板120と画像制御基板140との接続は、サブ制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140からサブ制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示画面50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、サブ制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類、駆動源となる各種アクチュエータ類、各種ランプ類が接続されている。サブ制御基板120には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、サブ制御基板120は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。また、サブ制御基板120は、主制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路151を介して各種ランプ類の点灯制御を行う。
サブ制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、通常ボタン検出スイッチ40aおよび特殊ボタン検出スイッチ41aが含まれている。通常ボタン検出スイッチ40aは、通常ボタン40が押下操作されたことを検出する。特殊ボタン検出スイッチ41aは、特殊ボタン41が押下操作されたことを検出する。各検出スイッチ40a,41aは、検出内容に応じた信号をサブ制御基板120に出力する。なお、サブ制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
サブ制御基板120に接続された各種アクチュエータ類には、盤上可動装置55を駆動する盤上駆動モータ55m,盤下可動装置56を駆動する盤下駆動モータ56m,枠可動装置58を駆動する枠駆動モータ58m等が含まれている。演出制御用マイコン121は、これらのモータを駆動して、各可動装置に所定の動作を行わせることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各可動装置の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路151を介して、各可動装置の動作を制御する。なお、サブ制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
サブ制御基板120に接続された各種ランプ類には、枠ランプ53,盤ランプ54等が含まれている。演出制御用マイコン121は、各ランプを発光させることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、ランプ制御回路151を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、各ランプの点灯制御、および、各可動装置の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、サブ制御基板120に接続されるランプの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について、図8〜図15を用いて説明する。なお、図8〜図15に示す各テーブルは、本項目の説明のための一般的なものであり、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明においてこれらとは別のテーブルを示した場合、パチンコ遊技機PY1ではそのテーブルが用いられているものとする。但し、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明において別のテーブルを示さない構成については、この項目で示したテーブルが用いられているものとし、また、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明において別のテーブルを示した構成についても、この項目で示したテーブルに変更することが可能であるとする。
3−1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行う。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、遊技球がゲート13を通過することを「普図始動条件の成立」という。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図始動条件の成立により、普図関係乱数を取得する。取得する普図関係乱数には、図8(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数である。乱数を判定情報とも言う。乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3−1−1.当たり判定
当たり判定は、図9(A)に示すような当たり判定テーブルに従って、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けられている。すなわち、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに従って判定することにより、当たりかハズレかの当たり判定を行う。そして、当たり判定の結果に基づいて、普図の可変表示を行うための普図変動パターン判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。なお、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。また、当たり判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。
3−1−2.普図変動
普図変動パターン判定は、図9(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルに従って、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。なお、普図変動パターン判定テーブルを遊技状態毎に分けなくてもよい。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、非時短状態においてと時短状態においてとで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。また、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
3−1−3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に基づいて、図9(C)に示すような補助遊技制御テーブルに従って補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。なお、これらの各要素における開放回数や開放時間については、適宜に変更することが可能である。
パチンコ遊技機PY1は、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせている。例えば、非時短状態における補助遊技では、第1の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な時間(例えば0.08秒))だけ電チュー12Dを開放する。以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。また、時短状態における補助遊技では、第1の開放時間よりも長い第2の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが容易な時間(例えば3.00秒))だけ電チュー12Dを開放する。以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。なお、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間が同じであってもよい。
3−2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1抽選を行う。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2抽選を行う。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
なお、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関係乱数を取得し、当該乱数について種々の判定を行う。取得する特図関係乱数には、図8(B)に示すように、特別図柄乱数(大当たり乱数)、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数である。乱数を判定情報とも言う。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3−2−1.大当たり判定
大当たり判定は、図10(A)に示すような大当たり判定テーブルに従って、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。大当たり判定テーブルは、遊技状態、詳細には、通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルには、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)とがある。
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに従って判定することにより、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図10(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。また、大当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3−2−2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、図10(B)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルに従って大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別毎に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素が対応付けられている。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
大当たり図柄には複数種類の種別があり、各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。なお、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
例えば、図10(B)に示すように、特図1についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Aが50%、大当たり図柄Bが50%にし、特図2についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Cが100%にすることが可能である。このように、第1始動口11に遊技球が入賞して行われる特図1抽選と、第2始動口12に遊技球が入賞して行われる特図2抽選とで、大当たり図柄種別の振分率を異ならせることが可能である。
3−2−3.リーチ判定
リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図10(C)に示すようなリーチ判定テーブルに従って、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。なお、リーチ判定テーブルを遊技状態毎に分けなくてもよい。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに従って判定することにより、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。図10(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数値の数が異なっている。なお、リーチ有りと判定される確率については、適宜に変更することが可能である。以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われる「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
3−2−4.特図変動パターン判定
特図変動パターン判定は、図11〜図12に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定であり、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも行われる。特図変動パターンとは、特図変動時間や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する識別情報が含まれている。特図変動パターンに含ませる識別情報は、適宜に変更することが可能である。また、特図変動パターンとして、それぞれ識別情報が異なる複数種類の特図変動パターンを用いることが可能であり、その数は適宜に変更することが可能である。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図11)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図12)とがある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、特別図柄の種別(特図1/特図2)に応じて分けなくてもよい。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)とがある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果およびリーチ判定結果にも関連付けられている。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、大当たり判定結果やリーチ判定結果に応じて分けなくてもよい。
さらに、各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。例えば、特図1保留数(U1)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。また、各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特図2保留数(U2)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、がある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、特図保留数に応じて分けなくてもよい。
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の可変表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特図抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
また、各特図変動パターンには、図11〜図12の表の右から2番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローが関連付けられている。なお、特図変動パターンに特図変動演出の演出フローを関連付けなくてもよい。
また、図11〜図12の表の一番右の欄に示すように、特図変動パターンを、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けた名称で呼ぶことがある。例えば、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」と言う。そして、大当たり変動の中で、通常演出に係る通常変動で開始され、その後にSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「通常−SP大当たり変動」と言い、ステップアップ演出(以下、SU演出ともいう)に係るステップアップ変動(以下、SU変動ともいう)で開始され、その後にSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SU−SP大当たり変動」と言い、通常演出で開始されてリーチ(ノーマルリーチ、Nリーチ)で特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「通常−リーチ大当たり変動」と言う。一方、リーチ有りハズレの中で、通常変動で開始され、その後にSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「通常−SPハズレ変動」と言い、ステップアップ変動で開始され、その後にSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SU−SPハズレ変動」と言い、通常演出で開始されてリーチ(ノーマルリーチ、Nリーチ)で特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「通常−リーチハズレ変動」と言う。また、リーチ無しハズレの中で、通常変動で開始される特図変動パターンのことを「通常ハズレ変動」と言い、ステップアップ変動で開始される特図変動パターンのことを「SUハズレ変動」と言う。なお、SPリーチ、ノーマルリーチ(Nリーチ)はともに、リーチの一種である。また、通常ハズレ変動には、変動時間が互いに異な複数種類の変動(通常Aハズレ変動、通常Bハズレ変動動)がある。また、SP大当たりとSPハズレ変動とを総称する場合、SP変動と言うことがある。
3−2−5.先読み判定
パチンコ遊技機PY1は、取得した特図関係乱数に基づいて、図13に示すような先読み判定テーブルに従って先読み判定を行う。先読み判定は、大当たり判定よりも前に(具体的には例えば始動口への入賞時に)行われる。先読み判定には、例えば、特別図柄乱数が大当たり判定で大当たりと判定されるか否かの判定、大当たり図柄種別乱数が大当たり図柄種別判定で何れの大当たり図柄の種別に決定されるかの判定、特図変動パターン乱数が特図変動パターン判定で何れの特図変動パターンに決定されるかの判定、などがある。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞した場合の先読み判定テーブル(第1先読み判定テーブル)と、第2始動口12に入賞した場合の先読み判定テーブル(第2先読み判定テーブル)と、がある。なお、先読み判定テーブルを、始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に応じて分けなくてもよい。
また、先読み判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(非時短用先読み判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(時短用先読み判定テーブル)と、がある。
つまり、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、がある。なお、先読み判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。また、先読み判定にどのような判定を含ませるかは適宜に変更可能である。
3−3.大当たり遊技
次に、大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口14あるいは第2大入賞口15)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。また、OPやEDを設けないようすることが可能である。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。パチンコ遊技機PY1は、特図の停止表示後、図14に示すような大当たり遊技制御テーブルに従って大当たり遊技を制御する。
図14に示すように、大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技毎(例えば大当たり遊技A〜C毎)に大当たり遊技構成要素が格納されている。各大当たり遊技では、1Rから15Rまでは、最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、が行われる。そして、16R(最終ラウンド)では、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、が行われる。また、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサ14a,15aによって検出されると、大入賞口14,15の最大開放時間が経過する前であっても、ラウンド遊技を終了させる。
なお、図14に示す大当たり遊技Aは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄A(図11(B)参照)である場合に実行され、大当たり遊技Bは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄Bである場合に実行され、大当たり遊技Cは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄Cである場合に実行される構成とすることが可能である。
また、各大当たり遊技構成要素における回数や時間については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり遊技を、第1大入賞口14および第2大入賞口15の両方を用いて行うことも一方だけを用いて行うことも可能である。第1大入賞口14だけを用いる大当たり遊技しか行わない構成、あるいは、第2大入賞口15だけを用いる大当たり遊技しか行わない構成とする場合には、用いない方の大入賞口を備えない構成としてもよい。また、実行可能な大当たり遊技の種類は、複数種類であってもよいし、1種類であってもよい。
ここで、特定領域16について詳細に説明する。特定領域16は、振分部材16kによって、入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態とをとるので、振分部材16kの作動態様は、特定領域16の開閉態様ということができる。以下において、振分部材16kの作動態様のことを「特定領域16の開閉態様」ともいう。また、特定領域16が開状態にあることを「V開放」ともいい、特定領域16が閉状態にあることを「V閉鎖」ともいう。
振分部材16kは一定の作動態様で制御される(つまり、特定領域16は一定の開閉態様で制御される)。例えば、第2大入賞口15の開放が開始してから15秒間、振分ソレノイド16sが通電され、振分部材16kが第2状態(図3(B))に制御される。よって、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことが容易である。一方、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことはほぼ不可能(困難)である。このように、振分部材16kの一定の作動態様(特定領域16の一定の開閉態様)と、大当たり遊技における第2大入賞口15の開閉態様との組み合わせで、大当たり遊技において遊技球を特定領域16に進入させることの困難性(容易性)を設定することが可能である。
なお、大当たり遊技中に、遊技球の特定領域16の通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たりを、「Vロング大当たり」といい、遊技球の特定領域16の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たりを、「Vショート大当たり」という。
3−4.遊技状態
次に、遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1は、図15に示すように、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」、「高確率高ベース遊技状態」および「大当たり遊技状態」の何れかの遊技状態にすることが可能である。なお、「低確率低ベース遊技状態」を「低確低ベース状態」と、「低確率高ベース遊技状態」を「低確高ベース状態」と、「高確率低ベース遊技状態」を「高確低ベース状態」と、「高確率高ベース遊技状態」を「高確高ベース状態」と、それぞれ略称することがある。遊技状態を構成する状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る状態と、電チュー12Dの開放の容易性に係る状態とがある。前者としては、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者としては、非時短状態と時短状態とがある。
通常確率状態は、「低確率低ベース遊技状態」または「低確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である状態である。高確率状態は、「高確率低ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である状態である。従って、高確率状態は通常確率状態よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。そして、大当たりに当選することによって通常確率状態から高確率状態に切り替えることが可能になる。例えば、大当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過することによって高確率状態に切り替えることが可能である。また、大当たり図柄の種別によって高確率状態に切り替えることも可能である。高確率状態に切り替える契機をV通過とするか、大当たり図柄の種別とするかは、実現したい遊技性に応じて適宜定めておけばよい。高確率状態では、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、高確率状態から通常確率状態に切り替えることが可能である。
非時短状態は、「低確率低ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」または「大当たり遊技状態」において設定される。時短状態は、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い遊技状態である。例えば、時短状態においては、非時短状態における電チュー12Dの開放時間(例えば0.08秒)よりも長い開放時間(例えば3.0秒)となる。また、時短状態では、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターン判定が行われる(図11〜図12参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が短くなり易くなっている。例えば、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30秒)よりも短い普図変動時間(5秒)が決定される(図9(B))。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多い。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易くなっている。例えば、時短状態では、非時短状態で当たりと判定される確率(例えば6600/65536)よりも高い確率(例えば59936/65536)で当たりと判定される(図9(A))。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおいて当たり判定で当たりと判定される回数が多い。
このように時短状態では、非時短状態に比して、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞し易くなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。従って、時短状態は非時短状態よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。
パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。そして、例えば、大当たりに当選することによって時短状態が設定可能になる。時短状態では、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、時短状態から非時短状態に変更することが可能である。
なお、時短状態では、非時短状態に比して、当たりに当選し易く、普図変動時間が短くなり易く、且つ、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い。つまり、普図に係る遊技について3つの点で、遊技者に有利に設定されている。しかし、この遊技者に有利に設定されている点はこれらの中の一部であってもよい。また、時短状態における特図変動パターン判定テーブルが、非時短状態におけるものよりも、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易いものでなくてもよい。
なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態が設定される「低確率低ベース遊技状態」である。この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。なお、「大当たり遊技状態」では、普図抽選(普図に関する当たり判定)は行われるが特図抽選(大当たり判定)は行われないため、大当たり遊技の開始に伴って、非時短状態が設定される。また、遊技状態については、前述した遊技状態の全てを用いることも一部だけを用いることも可能である。また、本明細書で説明している各種の遊技状態については、「第n遊技状態」(nは1以上の整数)の形式で任意に表現できるものとする。
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な演出について、図16〜図33を用いて説明する。
4−1.通常演出フロー
最初に、通常演出について説明する。通常演出とは、後述するステップアップ演出(図32)とは異なる演出である。本形態のパチンコ遊技機PY1は、変動演出を通常演出またはステップアップ演出のいずれかにより行う。具体的には、変動演出を、通常演出に係る通常変動で開始することと、ステップアップ演出に係るステップアップ変動で開始することとがある。また、本形態では、通常演出の方が、ステップアップ演出よりも実行されやすい(実行頻度が高い)ようになっている。なお、後述するように、ステップアップ演出は、その後、通常演出へと移行することもある。また、通常演出の途中でステップアップ演出に移行することがあってもよい。なお、通常演出、ステップアップ演出以外のその他の演出を行うことができてもよい。
図16は、通常演出のフローを示す図である。図16に示すように、本形態では通常演出における演出状態として、「幼少状態」と「高校状態」と「プロ状態」とがある。「幼少状態」⇒「高校状態」⇒「プロ状態」の順番に、大当たりへの当選期待度(以下単に「当選期待度」と呼ぶ)が高くなるように設定されている。
ここで演出状態とは、1回の特別図柄の抽選に基づいて実行される変動演出の中で、遊技者が同様の演出観念(演出イメージ)であると認識し得る演出の状態を意味する。よって演出状態は、複数回の特別図柄の抽選にわたって実行される変動演出での演出態様を意味する演出モードとは、異なるものである。また例えば、演出図柄EZの表示態様だけを変更した場合や、背景画像だけを変更した場合には、変動演出の中での演出観念(演出イメージ)を異ならせるほどの変化でないため、演出状態の変化ではないこともある。
「幼少状態(1番目の演出状態)」は、本パチンコ遊技機PY1の主人公キャラの幼少時代を想起させる演出状態である。「幼少状態」での変動演出では、図16に示すように、表示画面50aにて、主人公キャラの幼少時代を想起させる幼少用演出図柄EZaが変動表示されて、停止表示され得ることになる。具体的に幼少用演出図柄EZaには、主人公キャラの幼少時代と「7」とを示す演出図柄、主人公キャラのライバルであるライバルキャラの幼少時代と「9」とを示す演出図柄、主人公キャラの姉であるお姉さんキャラの幼少時代と「1」とを示す演出図柄等がある。
また「幼少状態」では、主人公キャラの幼少時代を認識し易いように、表示画面50aにて自然背景画像Haが表示される。自然背景画像Haは、山の景色を示す背景画像である。なお「幼少状態」では、遊技者が「幼少状態」であることをより認識し易いように、表示画面50aにて「幼少」の文字画像が表示される。
「高校状態(2番目の演出状態)」は、本パチンコ遊技機PY1の主人公キャラの高校時代を想起させる演出状態である。「高校状態」での変動演出では、表示画面50aにて、主人公キャラの高校時代を想起させる高校用演出図柄EZbが変動表示されて、停止表示され得ることになる。具体的に高校用演出図柄EZbには、主人公キャラの高校時代と「7」とを示す演出図柄、主人公キャラのライバルであるライバルキャラの高校時代と「9」とを示す演出図柄、主人公キャラの姉であるお姉さんキャラの高校時代と「1」とを示す演出図柄等がある。
また「高校状態」では、「幼少状態」よりも主人公キャラが成長したことを認識し易いように、表示画面50aにて街背景画像Hbが表示される。街背景画像Hbは、街の景色を示す背景画像である。なお「高校状態」では、遊技者が「高校状態」であることをより認識し易いように、表示画面50aにて「高校」の文字画像が表示される。
「プロ状態(3番目(所定番目)の演出状態)」は、本パチンコ遊技機PY1の主人公キャラのプロ時代を想起させる演出状態である。「プロ状態」での変動演出では、表示画面50aにて、主人公キャラのプロ時代を想起させるプロ用演出図柄EZcが変動表示されて、停止表示され得ることになる。具体的にプロ用演出図柄EZcには、主人公キャラのプロ時代と「7」とを示す演出図柄、主人公キャラのライバルであるライバルキャラのプロ時代と「9」とを示す演出図柄、主人公キャラの姉であるお姉さんキャラが成人している姿と「1」とを示す演出図柄等がある。
また「プロ状態」では、「高校状態」よりも主人公キャラが成長したことを認識し易いように、表示画面50aにて宇宙背景画像Hcが表示される。宇宙背景画像Hcは、宇宙を示す背景画像である。なお「プロ状態」では、遊技者が「プロ状態」であることをより認識し易いように、表示画面50aにて「プロ」の文字画像が表示される。
本形態では、高校用演出図柄EZbを、幼少用演出図柄EZaよりも大きくしている。つまり表示画面50aの中で、高校用演出図柄EZbが占める割合を、幼少用演出図柄EZaよりも大きくしている。そのため、「幼少状態」から「高校状態」に移行したときに、演出図柄EZ(高校用演出図柄EZb)が大きく(拡大して)見えることで、遊技者には「高校状態」に移行して当選期待度が高まったことをより認識させ易くすることが可能である。更に、プロ用演出図柄EZcを、高校用演出図柄EZbよりも大きくしている。つまり表示画面50aの中で、プロ用演出図柄EZcが占める割合を、高校用演出図柄EZbよりも大きくしている。そのため、「高校状態」から「プロ状態」に移行したときに、演出図柄(プロ用演出図柄EZc)が大きく(拡大して)見えることで、遊技者には「プロ状態」に移行して当選期待度が高まったことをより認識させ易くすることが可能である。
こうして本形態では、演出状態が切替わる度に、演出図柄EZの数字及びキャラクタを順番に大きくすることで、当選期待度が段階的に高まることをより分かり易く示している。これにより、1回の変動演出にも拘わらず、3つの演出状態によって、主人公の成長を当選期待度と関連付けて示すことが可能である。
また本形態では、当選期待度が高くなったことを示唆する予告演出の一つとして、所定のキャラクタを表示するキャラ予告演出が実行され得る。「幼少状態」ではキャラ予告演出として、幼少用キャラ予告演出が実行される。幼少用キャラ予告演出では、幼少用キャラ予告画像Yaが表示画面50aに表示されて、遊技者に「幼少状態」で当選期待度が高まっていることを把握させることが可能である。幼少用キャラ予告画像Yaは、敵キャラと「挑戦する者はいるか?」の文字を示すものである(図25(B)参照)。なお本形態のキャラ予告演出は、リーチ前に実行され得るものである。
また、「高校状態」ではキャラ予告演出として、高校用キャラ予告演出が実行される。高校用キャラ予告演出では、高校用キャラ予告画像Ybが表示画面50aに表示されて、遊技者に「高校状態」で当選期待度が高まっていることを把握させることが可能である。高校用キャラ予告画像Ybは、敵キャラと「挑戦する者はいるか?」の文字を示すものである(図26(B)参照)。但し、高校用キャラ予告画像Ybでは、表示画面50aにて上述した幼少用キャラ予告画像Yaよりも、敵キャラと「挑戦する者はいるか?」の文字が大きく示される。つまり、遊技者には、幼少用キャラ予告画像Yaが大きくなって高校用キャラ予告画像Ybになったように見せている。こうして、「高校状態」での高校用キャラ予告演出では、遊技者には当選期待度が高い演出状態でのキャラ予告演出であることをより認識させ易くすることが可能である。
また、「プロ状態」ではキャラ予告演出として、プロ用キャラ予告演出が実行される。プロ用キャラ予告演出では、プロ用キャラ予告画像Ycが表示画面50aに表示されて、遊技者に「プロ状態」で当選期待度が高まっていることを把握させることが可能である。プロ用キャラ予告画像Ycは、敵キャラと「挑戦する者はいるか?」の文字を示すものである。但し、プロ用キャラ予告画像Ycでは、表示画面50aにて上述した高校用キャラ予告画像Ybよりも、敵キャラと「挑戦する者はいるか?」の文字が大きく示される。つまり、遊技者には、高校用キャラ予告画像Ybが大きくなってプロ用キャラ予告画像Ycになったように見せている。こうして、「プロ状態」でのプロ用キャラ予告演出では、遊技者には当選期待度が高い演出状態でのキャラ予告演出であることをより認識させ易くすることが可能である。
以上により本形態では、「幼少状態」⇒「高校状態」⇒「プロ状態」の順番に、実行するキャラ予告演出での表示物(敵キャラと「挑戦する者はいるか?」の文字)を大きくする。これにより、キャラ予告演出での当選期待度の高さを分かり易く示している。そして、「幼少状態」では高校用キャラ予告演出及びプロ用キャラ予告演出が実行されることがなく、「高校状態」では幼少用キャラ予告演出及びプロ用キャラ予告演出が実行されることがなく、「プロ状態」では幼少用キャラ予告演出及び高校用キャラ予告演出が実行されることがない。こうして、演出状態の種類と演出図柄EZの種類と背景画像の種類だけでなく、キャラ予告演出の種類も完全に1対1に関係付ける(紐づける)ことで、演出状態の区分けをより明確にしている。
更に、本形態では、リーチの表示態様(「1↓1」)についても、「幼少状態」⇒「高校状態」⇒「プロ状態」の順番に、大きくしている。これにより、遊技者には当選期待度が高い演出状態でのリーチであることをより認識させ易くすることが可能となっている。
ところで本パチンコ遊技機PY1の変動演出では、ドハズレ、ノーマルリーチが実行され得る。ドハズレでは、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせが、バラケ目(例えば「179」、図2参照)で停止表示される変動演出のことである。ノーマルリーチは、上述したリーチを形成した後にSP発展演出が実行されずに、変動表示し続けている残り一つの演出図柄EZが停止表示される変動演出のことである。ノーマルリーチでは、リーチを形成した後に変動表示し続けている残り一つの演出図柄EZがリーチを形成しているものと同じ態様で停止表示して(例えば「111」)大当たりに当選していることを示す当選報知がなされるときと、残り一つの演出図柄EZがリーチを形成しているものと異なる態様で停止表示して(例えば「121」)ハズレであることを示すハズレ報知がなされる。
4−2.SPリーチ
SPリーチ(スーパーリーチ)は、上述したリーチを形成した後にSP発展演出が実行されて、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長く、当選期待度が高く設定されている変動演出のことである。「幼少状態」で実行されるSPリーチは幼少SPリーチ、「高校状態」で実行されるSPリーチは高校SPリーチ、「プロ状態」で実行されるSPリーチはプロSPリーチである。そして、「幼少SPリーチ」⇒「高校SPリーチ」⇒「プロSPリーチ」の順番で当選期待度が高くなるように設定されている。また、幼少SPリーチ、高校SPリーチ、プロSPリーチにはそれぞれ、弱SPリーチと強SPリーチとがあり、いずれも、強SPリーチは弱SPリーチよりも当選期待度が高くなるように設定されている。また、強SPリーチは、各時代の主人公キャラがその時代のライバルキャラと野球で戦って、勝利するか否かを示す演出である。一方、弱SPリーチは、各時代の主人公キャラが所定のミッションに挑戦して、大当たりとなる残り一つの演出図柄EZが示されるか否かを示す演出である。
幼少弱SPリーチは、具体的には図17に示す通りである。即ち先ず、演出図柄EZが「1↓1」でリーチになっている状態で(図17(A))、幼少時代の主人公キャラを示す幼少主人公キャラ画像Ka1が表示される。そして、幼少時代である主人公キャラが所定のミッションに挑戦して、大当たりに当選している状況であれば、幼少時代の主人公キャラが大当たりとなる演出図柄EZ(「1」)を掴む幼少当たり示唆画像Ka2が表示される(図17(B−1))。その後、幼少用演出図柄EZaが「111」で停止表示して、大当たりに当選していることを示す当選報知がなされる(図17(C−1))。一方、幼少時代である主人公キャラが所定のミッションに挑戦して、ハズレである状況であれば、幼少時代の主人公キャラがハズレとなる演出図柄EZ(「9」)を掴む幼少ハズレ示唆画像Ka3が表示される(図17(B−2))。その後、幼少用演出図柄EZaが「121」で停止表示して、ハズレであることを示すハズレ報知がなされる(図17(C−2))。
幼少強SPリーチは、具体的には図18に示す通りである。即ち先ず、演出図柄EZが「1↓1」でリーチになっている状態で、幼少時代の主人公キャラと幼少時代のライバルキャラとの対面シーンを示す幼少対面画像Ta1が表示される(図18(A))。そして、野球でのバトルを経て、大当たりに当選している状況であれば、幼少時代の主人公キャラが野球でのバトルに勝利したことを示す幼少バトル勝利画像Ta2が表示される(図18(B−1))。その後、幼少用演出図柄EZaが「111」で停止表示して、大当たりに当選していることを示す当選報知がなされる(図18(C−1))。一方、野球でのバトルを経て、ハズレである状況であれば、幼少時代の主人公キャラが野球でのバトルに敗北したことを示す幼少バトル敗北画像Ta3が表示される(図18(B−2))。その後幼少用演出図柄EZaが「191」で停止表示して、ハズレであることを示すハズレ報知がなされる(図18(C−2))。
高校弱SPリーチは、具体的には図19に示す通りである。即ち先ず、演出図柄EZが「1↓1」でリーチになっている状態で、高校時代の主人公キャラを示す高校主人公キャラ画像Kb1が表示される(図19(A))。そして、高校時代である主人公キャラが所定のミッションに挑戦して、大当たりに当選している状況であれば、高校時代の主人公キャラが大当たりとなる演出図柄EZ(「1」)を掴む高校当たり示唆画像Kb2が表示される(図19(B−1))。その後、高校用演出図柄EZbが「111」で停止表示して、大当たりに当選していることを示す当選報知がなされる(図19(C−1))。一方、高校時代である主人公キャラが所定のミッションに挑戦して、ハズレである状況であれば、高校時代の主人公キャラがハズレとなる演出図柄EZ(「9」)を掴む高校ハズレ示唆画像Kb3が表示される(図19(B−2))。その後、高校用演出図柄EZbが「121」で停止表示して、ハズレであることを示すハズレ報知がなされる(図19(C−2))。
高校強SPリーチは、具体的には図20に示す通りである。即ち先ず、演出図柄EZが「1↓1」でリーチになっている状態で、高校時代の主人公キャラと高校時代のライバルキャラとの対面シーンを示す高校対面画像Tb1が示される(図20(A))。そして、野球でのバトルを経て、大当たりに当選している状況であれば、高校時代の主人公キャラが野球でのバトルに勝利したことを示す高校バトル勝利画像Tb2が表示される(図20(B−1))。その後、高校用演出図柄EZbが「111」で停止表示して、大当たりに当選していることを示す当選報知がなされる(図20(C−1))。一方、野球でのバトルを経て、ハズレである状況であれば、高校時代の主人公キャラが野球でのバトルに敗北したことを示す高校バトル敗北画像Tb3が表示される(図20(B−2))。その後、高校用演出図柄EZbが「191」で停止表示して、ハズレであることを示すハズレ報知がなされる(図20(C−2))。
プロ弱SPリーチは、具体的には図21に示す通りである。即ち先ず、演出図柄EZが「1↓1」でリーチになっている状態で、プロ時代の主人公キャラを示すプロ主人公キャラ画像Kc1が表示される(図21(A))。そして、プロ時代である主人公キャラが所定のミッションに挑戦して、大当たりに当選している状況であれば、プロ時代の主人公キャラが大当たりとなる演出図柄EZ(「1」)を掴むプロ当たり示唆画像Kc2が表示される(図21(B−1))。その後、プロ用演出図柄EZcが「111」で停止表示して、大当たりに当選していることを示す当選報知がなされる(図21(C−1))。一方、プロ時代である主人公キャラが所定のミッションに挑戦して、ハズレである状況であれば、プロ時代の主人公キャラがハズレとなる演出図柄EZ(「9」)を掴むプロハズレ示唆画像Kc3が表示される(図21(B−2))。その後、プロ用演出図柄EZcが「121」で停止表示して、ハズレであることを示すハズレ報知がなされる(図21(C−2))。
プロ強SPリーチは、具体的には図22に示す通りである。即ち先ず、演出図柄EZが「1↓1」でリーチになっている状態で、プロ時代の主人公キャラとプロ時代のライバルキャラとの対面シーンを示すプロ対面画像Tc1が示される(図22(A))。そして、野球でのバトルを経て、大当たりに当選している状況であれば、プロ時代の主人公キャラが野球でのバトルに勝利したことを示すプロバトル勝利画像Tc2が表示される(図22(B−1))。その後、プロ用演出図柄EZcが「111」で停止表示して、大当たりに当選していることを示す当選報知がなされる(図22(C−1))。一方、野球でのバトルを経て、ハズレである状況であれば、プロ時代の主人公キャラが野球でのバトルに敗北したことを示すプロバトル敗北画像Tc3が表示される(図22(B−2))。その後、プロ用演出図柄EZcが「121」で停止表示して、ハズレであることを示すハズレ報知がなされる(図22(C−2))。
4−3.擬似連演出
本形態では、図16に示すように、「幼少状態」から「高校状態」に移行することができ、「高校状態」から「プロ状態」に移行することができる。演出状態の移行には、擬似連演出(所定の演出)を伴うこととしている。ここで擬似連演出とは、1回の特別図柄の抽選に基づく変動演出において、演出図柄EZを1回又は複数回にわたって変動表示させる演出を意味する。本形態では、1回の特別図柄の抽選において、演出図柄EZの変動表示が1回だけ行われる擬似連演出と、演出図柄EZの変動表示が2回行われる擬似連演出と、演出図柄EZの変動表示が3回行われる擬似連演出とがある。以下では、演出図柄EZの変動表示が1回(所定の第1回数)だけ行われる擬似連演出を「擬似1」と呼び、演出図柄EZの変動表示が2回(所定の第2回数)行われる擬似連演出を「擬似2」と呼び、演出図柄EZの変動表示が3回行われる擬似連演出を「擬似3」と呼びことにする。「擬似1」⇒「擬似2」⇒「擬似3」の順番に当選期待度が高くなるように設定されている。
本形態では、「幼少状態」であるときには必ず「擬似1」になるようにしている。また「高校状態」であるときには必ず「擬似2」になるようにしている。また「プロ状態」であるときには必ず「擬似3」になるようにしている。よって、「幼少状態」から「高校状態」に移行するときには、必ず演出図柄EZの新たな変動表示が開始されて、「擬似2」になる。また、「高校状態」から「プロ状態」に移行するときには、必ず演出図柄EZの新たな変動表示が開始されて、「擬似3」になる。次に、演出状態が切替わる際の各種の演出、すなわち疑似連を煽る各演出(発展演出:特別成長演出、シーンチェンジ、成長SP発展演出)について順に説明する。
4−3−1.特別成長演出
図16に示すように、リーチ前の「幼少状態」で特別成長演出が実行されると、「高校状態」へ移行し得るようになっていて、リーチ前の「高校状態」で特別成長演出が実行されると、「プロ状態」へ移行し得るようになっている。なお特別成長演出は、リーチ後においても実行され得るようになっているが、ここではリーチ前に実行される特別成長演出について説明する。
先ず図23に基づいて、「幼少状態」で実行される特別成長演出について説明する。図23(A)では、「幼少状態」で幼少用演出図柄EZaが変動表示している状態が示されている。また図23(A)では、「幼少状態」であるため、自然背景画像Haが表示画面50aに表示されている。その後、図23(B)に示すように、表示画面50aの右側にて主人公キャラの父親である父親キャラを示す特別成長煽り画像TS1が表示される。また同時に、表示画面50aのほとんど左側になる左側表示領域50bにて、それまでに表示されていた自然背景画像Haが表示される。
そして図23(C−1)に示す場合と、図23(C−2)に示す場合とに分かれることになる。図23(C−1)では、父親キャラが左側表示領域50bを変形させつつ掴み取る特別成長移行画像TS2が表示される。一方、図23(C−2)では、左側表示領域50bで表示されていた自然背景画像Haが表示画面50aの全体で再生されると共に、幼少用演出図柄EZaの変動表示が表示画面50aにて大きく示される。なお図23(C−2)では、擬似連演出が実行されているわけではなく、表示画面50aにて小さく変動表示されていた幼少用演出図柄(図示省略)が、表示画面50aで大きく見え易いようになっただけである。こうして図23(C−2)では特別成長演出へのガセ演出であることが示される。
図23(C−1)を経て、図23(D)では、表示画面50aの左上部であるサブ表示領域(左上部表示領域)50cにて自然背景画像Haが表示される。また、表示画面50aのうちサブ表示領域50cを除くメイン表示領域50fでは、幼少時代の主人公キャラが成長するか、又は成長しないでそのままの状態を維持するのかを煽る幼少成長煽り画像TS3が表示される。
そして図23(E−1)に示す場合と、図23(E−2)に示す場合とに分かれることになる。図23(E−1)では、幼少時代の主人公キャラが高校時代の主人公キャラに成長したことを示す高校特別成長成功画像TS4が表示される。これにより遊技者には、「高校状態」への移行に成功したのを把握させることが可能である。その後、図23(F−1)に示すように、街背景画像Hbが表示されると共に、擬似連演出として高校用演出図柄EZbの変動表示が新たに開始される。つまり擬似2が実行される。こうして遊技者には、「高校状態」になると共に擬似連演出により、当選期待度が高くなったことによる高揚感を与えることが可能である。
一方、図23(E−2)では、幼少時代の主人公キャラが高校時代の主人公キャラに成長できなかったことを示す高校特別成長失敗画像TS5が表示される。これにより遊技者には、「高校状態」への移行に失敗したのを把握させることが可能である。その後、図23(F−2)に示すように、サブ表示領域50cで表示されていた自然背景画像Haが表示画面50aの全体で再生されると共に、幼少用演出図柄EZaの変動表示が表示画面50aにて大きく示される。つまり遊技者には、サブ表示領域50cで停止した状態から演出が再開したように見せる。こうして擬似連演出が実行されることはなく、遊技者は「幼少状態」の維持により落胆することになる。
なお図23(F−2)では、擬似連演出が実行されているわけではなく、表示画面50aにて小さく変動表示されていた幼少用演出図柄EZaが、表示画面50aで大きく見え易いようになっただけである。要するに、図23(B)、図23(C−1)、図23(D)、図23(E−1)又は図23(E−2)では、幼少用演出図柄EZaの変動表示が表示画面50aの全体で大きく示されていないだけであって、小さい幼少用演出図柄(図示省略)が表示画面50aの端部にある表示領域で変動表示されている。また、図23(B)⇒図23(C−1)⇒図23(D)⇒図23(E−1)又は図23(E−2)に示す演出が、「幼少状態」での特別成長演出に相当する。
続いて図24に基づいて、「高校状態」で実行される特別成長演出について説明する。但し、以下では上述した「幼少状態」で実行される特別成長演出との違いを中心に説明する。図24(A)では、「高校状態」で高校用演出図柄EZbが変動表示している状態が示されている。また図24(A)では、「高校状態」であるため、街背景画像Hbが表示画面50aに表示されている。
その後、図24(B)に示すように、表示画面50aの右側にて特別成長煽り画像TS1が表示される。また同時に、左側表示領域50bにて、それまでに表示されていた街背景画像Hbが表示される。そして図24(C−1)では、父親キャラが左側表示領域50bを変形させつつ掴み取る特別成長移行画像TS2が表示される。なお左側表示領域50bには、街背景画像Hbが表示されたままである。一方、図24(C−2)では、左側表示領域50bで表示されていた街背景画像Hbが表示画面50aの全体で再生されると共に、高校用演出図柄EZbの変動表示が表示画面50aにて大きく示される。こうして図24(C−2)では特別成長演出へのガセ演出であることが示される。
図24(C−1)を経て、図24(D)では、サブ表示領域50cにて、図24(B)で静止したときと同じ街背景画像Hbが表示される。またメイン表示領域50fでは、高校時代の主人公キャラが成長するか、又は成長しないでそのままの状態を維持するのかを煽る高校成長煽り画像TS6が表示される。つまり、図24(D)では、サブ表示領域50cで静止している街背景画像Hbを表示しつつ、メイン表示領域50fにて高校時代の主人公キャラが成長するか否かを煽る高校成長煽り演出(特定演出)を実行している。
そして図24(E−1)では、高校時代の主人公キャラがプロ時代の主人公キャラに成長したことを示すプロ特別成長成功画像TS7が表示される。これにより遊技者には、「プロ状態」への移行に成功したことを把握させることが可能である。その後、図24(F−1)に示すように、宇宙背景画像Hcが表示されると共に、擬似連演出としてプロ用演出図柄EZcの変動表示が新たに開始される。つまり擬似3が実行される。こうして遊技者には、「プロ状態」になると共に擬似連演出により、当選期待度が高くなったことによる高揚感を与えることが可能である。
一方、図24(E−2)では、高校時代の主人公キャラがプロ時代の主人公キャラに成長できなかったことを示すプロ特別成長失敗画像TS8が表示される。これにより遊技者には、「プロ状態」への移行に失敗したことを把握させることが可能である。その後、図24(F−2)に示すように、サブ表示領域50cで表示されていた街背景画像Hbが表示画面50aの全体で再生されると共に、高校用演出図柄EZbの変動表示が表示画面50aにて大きく示される。つまり遊技者には、サブ表示領域50cで停止した状態から演出が再開したように見せる。こうして擬似連演出が実行されることはなく、遊技者は「高校状態」の維持により落胆することになる。そして、図24(B)⇒図24(C−1)⇒図24(D)⇒図24(E−1)又は図24(E−2)に示す演出が、「高校状態」での特別成長演出に相当する。
4−3−2.シーンチェンジ
図16に示すように、シーンチェンジは、リーチ前のキャラ予告演出(幼少用キャラ予告演出又は高校用キャラ予告演出)に続いて実行され得る。なお、キャラ予告演出の後に必ずシーンチェンジが実行されるわけではなく、キャラ予告演出のみが実行されることがある。幼少用キャラ予告演出に続いてシーンチェンジが実行されると、「高校状態」へ移行し得るようになっていて、高校用キャラ予告演出に続いてシーンチェンジが実行されると、「プロ状態」へ移行し得るようになっている。
先ず図25に基づいて、幼少用キャラ予告演出に続いてシーンチェンジが実行される場合について説明する。図25(A)では、「幼少状態」で幼少用演出図柄EZaが変動表示している状態が示されている。その後、図25(B)に示すように、表示画面50aにて、幼少用キャラ予告演出が実行される。つまり上述したように、敵キャラと「挑戦する者はいるか?」の文字を示す幼少用キャラ予告画像Yaが表示される。この幼少用キャラ予告演出の実行により、遊技者は当選期待度が高くなったことを把握し得る。
そしてシーンチェンジが実行される場合には、続いて、図25(C−1)に示すように、それまで表示されていた幼少用キャラ予告画像Yaが表示画面50aに対して、時計方向に回転する。つまり、表示中の幼少用キャラ予告画像Ya(表示画像)が変形して、時計方向に回転したように見える。その後、図25(D)に示すように、街背景画像Hbが表示されると共に、擬似連演出として高校用演出図柄EZbの変動表示が新たに開始される。つまり擬似2が実行される。こうして遊技者には、「高校状態」になると共に擬似連演出により、当選期待度が更に高くなった高揚感を与えることが可能である。なおシーンチェンジが実行されない場合には、図25(B)に示す幼少用キャラ予告演出の後、図25(C−2)に示すように、幼少用演出図柄EZaの変動表示が表示画面50aの全体で再開される。こうして擬似連演出が実行されることはなく、「幼少状態」が維持される。
続いて図26に基づいて、高校用キャラ予告演出に続いてシーンチェンジが実行される場合について説明する。図26(A)では、「高校状態」で高校用演出図柄EZbが変動表示している状態が示されている。その後、図26(B)に示すように、表示画面50aにて、高校用キャラ予告演出が実行される。つまり上述したように、敵キャラと「挑戦する者はいるか?」の文字のうちの一部を示す高校用キャラ予告画像Ybが表示される。これにより、遊技者は当選期待度が高くなったことを把握し得る。
そしてシーンチェンジが実行される場合には、続いて、図26(C−1)に示すように、それまで表示されていた高校用キャラ予告画像Ybが表示画面50aに対して、時計方向に回転する。つまり、表示中の高校用キャラ予告画像Yb(表示画像)が変形して、時計方向に回転したように見える。その後、図26(D)に示すように、宇宙背景画像Hcが表示されると共に、擬似連演出としてプロ用演出図柄EZcの変動表示が新たに開始される。つまり擬似3が実行される。こうして遊技者には、「プロ状態」になると共に擬似連演出により、当選期待度が更に高くなった高揚感を与えることが可能である。なおシーンチェンジが実行されない場合には、図26(B)に示す高校用キャラ予告演出の後、図26(C−2)に示すように、高校用演出図柄EZbの変動表示が表示画面50aの全体で再開される。こうして擬似連演出が実行されることはなく、「高校状態」が維持される。
以上により本形態では、キャラ予告演出(幼少用キャラ予告演出又は高校用キャラ予告演出)を経て、シーンチェンジが実行されると、図25(C−1)又は図26(C−1)に示すように、表示中の表示画像(幼少用キャラ予告画像Ya、高校用キャラ予告画像Yb)が変形するため、遊技者に驚きを与えることが可能である。そして、幼少用キャラ予告画像Ya又は高校用キャラ予告画像Ybが変形してから、演出状態が変化する。つまり、キャラ予告演出の実行による当選期待度の上昇と、演出状態の変化による当選期待度の上昇が連続して生じることとなる。そのため、遊技者にはより大きな高揚感を与えることが可能である。更に、シーンチェンジの後に続けて擬似連演出が実行されるため、キャラ予告演出⇒シーンチェンジ⇒擬似連演出という一連の斬新な演出を堪能させることが可能である。
4−3−3.成長SP発展演出
図16に示すように、成長SP発展演出(発展演出)は、リーチ後で且つSPリーチに発展する前に実行され得る。但しノーマルリーチの場合には、SPリーチに発展することがないため、成長SP発展演出が実行されることはない。また成長SP発展演出が実行されずに、SPリーチに発展することもあり得る。「幼少状態」で成長SP発展演出が実行されると、「高校状態」へ移行し得るようになっていて、「高校状態」で成長SP発展演出が実行されると、「プロ状態」へ移行し得るようになっている。
先ず図27に基づいて、「幼少状態」で実行される成長SP発展演出について説明する。「幼少状態」でリーチになった後(図13参照)、成長SP発展演出が実行される場合には、図27(A)に示すように、表示画面50aにて幼少時代の主人公キャラが中央に向かって走ると共に、「高校に入学せよ!」の文字を示す高校入学第1導入画像KN1が表示される。なおリーチ後であるため、図27(A)に示すように、表示画面50aの上側にてリーチ態様(「1」「1」)が示されている。次に、図27(B)に示すように、表示画面50aにて幼少時代の主人公キャラの顔と「僕は高校に」の文字を示す高校入学第2導入画像KN2が表示される。続いて、図27(C)に示すように、表示画面50aにて幼少時代の主人公キャラが上方を仰いでいる姿と「入学するんだ!」を示す高校入学第3導入画像KN3が表示される。
そして図27(D−1)に示す場合と、図27(D−2)に示す場合とに分かれることになる。図27(D−1)では、「入学」の文字と、幼少時代の主人公キャラが高校時代の主人公キャラに成長したことを示す高校入学成長成功画像KN4が表示される。これにより遊技者には、「高校状態」への移行に成功したのを把握させることが可能である。そして、図27(E)に示すように、街背景画像Hbが表示されると共に、擬似連演出として高校用演出図柄EZbの変動表示が新たに開始される。つまり擬似2が実行される。その後、「高校状態」にて短時間でリーチになった後、高校SPリーチ(高校弱SPリーチ又は高校強SPリーチ)が実行される。こうして、「幼少状態」でリーチ後にも拘わらず、高校入学成長成功画像KN4が表示されれば、「高校状態」への移行と擬似連演出を経て、高校SPリーチに発展させることが可能である。
一方、図27(D−2)では、「非入学」の文字と、幼少時代の主人公キャラが高校時代の主人公キャラに成長できなかったことを示す高校入学成長失敗画像KN5が表示される。これにより遊技者には、「高校状態」への移行に失敗したのを把握させることが可能である。そして、「幼少状態」のまま幼少SPリーチ(幼少弱SPリーチ又は幼少強SPリーチ)が実行される。つまり、「高校状態」に移行していないため、高校SPリーチが実行されるわけではない。
ここで図27(A)⇒図27(B)⇒図27(C)⇒図27(D−1)又は図27(D−2)に示す演出が、「幼少状態」での成長SP発展演出(第1発展演出)に相当する。そして、図27(D−1)に示す高校入学成長成功画像KN4が、「幼少状態」での成長SP発展演出で示される成功態様(発展演出の成功態様)に相当する。一方、図27(D−2)に示す高校入学成長失敗画像KN5が、「幼少状態」での成長SP発展演出で示される失敗態様(発展演出の失敗態様)に相当する。
続いて図28に基づいて、「高校状態」で実行される成長SP発展演出について説明する。但し、以下では上述した「幼少状態」で実行される成長SP発展演出との違いを中心に説明する。「高校状態」でリーチになった後(図13参照)、成長SP発展演出が実行される場合には、図28(A)に示すように、表示画面50aにて高校時代の主人公キャラが中央に向かって走ると共に、「プロに昇格せよ!」の文字を示すプロ昇格第1導入画像KN6が表示される。次に、図28(B)に示すように、表示画面50aにて高校時代の主人公キャラの顔と「僕はプロに」の文字を示すプロ昇格第2導入画像KN7が表示される。続いて、図28(C)に示すように、表示画面50aにて高校時代の主人公キャラが上方を仰いでいる姿と「昇格するんだ!」を示すプロ昇格第3導入画像KN8が表示される。
そして図28(D−1)では、「昇格」の文字と、高校時代の主人公キャラがプロ時代の主人公キャラに成長したことを示すプロ昇格成長成功画像KN9が表示される。これにより遊技者には、「プロ状態」への移行に成功したのを把握させることが可能である。そして、図28(E)に示すように、宇宙背景画像Hcが表示されると共に、擬似連演出としてプロ用演出図柄EZcの変動表示が新たに開始される。つまり擬似3が実行される。その後、「プロ状態」にて短時間でリーチになった後、プロSPリーチ(プロ弱SPリーチ又はプロ強SPリーチ)が実行される。こうして、「高校状態」でリーチ後にも拘わらず、プロ昇格成長成功画像KN9が表示されれば、「プロ状態」への移行と擬似連演出を経て、プロSPリーチに発展させることが可能である。
一方、図28(D−2)では、「非昇格」の文字と、高校時代の主人公キャラがプロ時代の主人公キャラに成長できなかったことを示すプロ昇格成長失敗画像KN10が表示される。これにより遊技者には、「プロ状態」への移行に失敗したのを把握させることが可能である。そして、「高校状態」のまま高校SPリーチ(高校弱SPリーチ又は高校強SPリーチ)が実行される。つまり、「プロ状態」に移行していないため、プロSPリーチが実行されるわけではない。
ここで図28(A)⇒図28(B)⇒図28(C)⇒図28(D−1)又は図28(D−2)に示す演出が、「高校状態」での成長SP発展演出(第2発展演出)に相当する。そして、図28(D−1)に示すプロ昇格成長成功画像KN9が、「高校状態」での成長SP発展演出で示される成功態様(発展演出の成功態様)に相当する。一方、図28(D−2)に示すプロ昇格成長失敗画像KN10が、「高校状態」での成長SP発展演出で示される失敗態様(発展演出の失敗態様)に相当する。
以上により本形態では、リーチ後でも、成長SP発展演出で成功態様(高校入学成長成功画像KN4又はプロ昇格成長成功画像KN9)が示されれば、演出状態が変化して、演出図柄EZや主人公キャラ等が大きくなる。そのため遊技者には、SPリーチの直前でも演出状態が変化して、表示物が大きくなり得るという驚きを与えることが可能である。
4−4.ストック演出
次に、ストック演出について説明する。本形態では、成長SP発展演出での失敗態様(高校入学成長失敗画像KN5又はプロ昇格成長失敗画像KN10)が示されても、図16に示すように、不死鳥復活発展演出が実行されれば、演出状態が変化するようになっている。そこで以下では、不死鳥復活発展演出を実行するための前提となるストック演出について説明する。ストック演出は、失敗態様を成功態様に変更できる不死鳥をストックするための演出であり、リーチ前の変動演出中に実行され得るものである。
図29(A)では、「幼少状態」で幼少用演出図柄EZaが変動表示している状態が示されている。その後突然、図29(B)に示すように、表示画面50aにて、不死鳥が飛んできたことを示す不死鳥導入画像FS1が表示される。この不死鳥導入画像FS1は、不死鳥がストックされることを予告そして、図29(C−1)に示す場合と、図29(C−2)に示す場合とに分かれることになる。
図29(C−1)では、表示画面50aにて、火の玉状になっている不死鳥と「不死鳥ストック」の文字を示す不死鳥出現画像FS2が表示される。これにより、遊技者には不死鳥のストックが成功したことが示される。そして、図29(D)に示すように、表示画面50aにて、幼少用演出図柄EZaの変動表示が再び示されると共に、表示画面50aの右下部にて、不死鳥の姿と「不死鳥ストック」の文字を示す不死鳥ストック画像STが表示される。不死鳥ストック画像STは、不死鳥をストックしていることを示すものであり、不死鳥を消化する演出(後述する不死鳥復活発展演出等)が実行されるまで、表示され続ける。この図29(B)⇒図29(C−1)に示す演出が、「ストック演出」である。
一方、図29(B)に示す不死鳥導入画像FS1が表示された後、図29(C−2)では、表示画面50aにて、幼少用演出図柄EZaの変動表示が再び示される。つまり、不死鳥出現画像FS2が表示されずに、不死鳥がストックされることはない。要するに、ストック演出へのガセ演出である。なお図29では、「幼少状態」で実行されるストック演出又はストックガセ演出を示したが、「高校状態」又は「プロ状態」で実行されるストック演出又はストックガセ演出も同様であるため、その説明を省略する。
なお本形態では、不死鳥は最大で1個までしかストックされることはない。また変動演出中に不死鳥をストックした場合には、その変動演出が終了されるまでにストックした不死鳥は必ず消化される(不死鳥ストック画像STが非表示になる)ようになっている。
次に、図30に基づいて、「幼少状態」での成長SP発展演出で失敗態様(高校入学成長失敗画像KN5)が表示された後に、不死鳥復活発展演出が実行される場合について説明する。なお不死鳥復活発展演出は、不死鳥ストック画像STが表示されていなければ実行されない演出である。図30(A)では、「幼少状態」での成長SP発展演出が実行されたものの、高校入学成長失敗画像KN5が表示されている。但し、表示画面50aの右下部にて不死鳥ストック画像STが表示されている。
そして図30(B)に示すように、表示画面50aにて不死鳥復活発展演出が開始されて、表示画面50aの右下部で表示されていた不死鳥ストック画像STが消えると共に、火の玉状になっている不死鳥を示す不死鳥消化画像FS3が表示される。これにより、図30(C)に示すように、表示画面50aにて幼少時代の主人公キャラが上方を仰いでいる姿と「入学するんだ!」を示す高校入学第3導入画像KN3が表示される。
そして図30(D)に示すように、「入学」の文字と幼少時代の主人公キャラが高校時代の主人公キャラに成長したことを示す高校入学成長成功画像KN4が表示される。こうして遊技者には、一旦「高校状態」への移行に失敗したのを把握させた後、復活して「高校状態」への移行に成功したのを把握させることが可能である。図30(B)⇒図30(C)⇒図30(D)に示す演出が、「不死鳥復活発展演出(所定の復活成功演出)」である。
その後、図30(E)に示すように、街背景画像Hbが表示されると共に、擬似連演出として高校用演出図柄EZbの変動表示が新たに開始される。つまり擬似2が実行される。そして、「高校状態」にて短時間でリーチになった後、高校SPリーチ(高校弱SPリーチ又は高校強SPリーチ)が実行されることとなる。なお図30では、「幼少状態」で実行される不死鳥復活発展演出を示したが、「高校状態」で実行される不死鳥復活発展演出も実質的に同様であるため、その説明を省略する。
以上により本形態では、成長SP発展演出で失敗態様(高校入学成長失敗画像KN5又はプロ昇格成長失敗画像KN10)が示されても、図30に示すように、不死鳥復活発展演出が実行されることがある。この場合、その後に演出状態が変化する(擬似連演出が実行される)と共に、演出図柄EZや主人公キャラ等が大きなって、より有利な演出状態でのSPリーチが実行される。よって、遊技者には、成長SP発展演出で失敗態様が一旦示されたとしても、未だ復活するチャンスがあるという驚きを与えることが可能である。つまり、リーチ後という演出の後半で、且つ演出状態が変わらない不利益な結果が一旦示された後でも、未だ遊技状態が変化し得るという遊技興趣を遊技者に提供することが可能である。
なお、ストック演出の実行によって表示(ストック)された不死鳥ストック画像STは、不死鳥復活発展演出の実行によって必ず消えるわけではない。即ち、不死鳥ストック画像STが表示されていても、不死鳥復活発展演出が実行されずに、SPリーチに発展した後に消えることがある。具体的には、SPリーチに発展した後に、不死鳥ストック画像STが消える(消化)場合として、以下の2つの場合がある。
即ち、第1の場合として、SPリーチに発展したときに、遊技者にとって不利な弱SPリーチに移行しても、不死鳥ストック画像STが消化される場合がある。この場合には、弱SPリーチから遊技者にとって有利な強SPリーチに変更される(図示省略)。具体的には、「幼少状態」でSPリーチに発展したときに、幼少弱SPリーチに一旦移行しても、不死鳥ストック画像STの消化によって、幼少強SPリーチが実行される。また「高校状態」でSPリーチに発展したときに、高校弱SPリーチに一旦移行しても、不死鳥ストック画像STの消化によって、高校強SPリーチが実行される。また「プロ状態」でSPリーチに発展したときに、プロ弱SPリーチに一旦移行しても、不死鳥ストック画像STの消化によって、プロ強SPリーチが実行される。
また第2の場合として、SPリーチの終盤で、演出図柄EZがハズレ態様で表示されたときに、不死鳥ストック画像STが未だ残っていれば消化される。この場合には、演出図柄EZがハズレ態様から大当たり態様に変更される。即ち遊技者には、SPリーチの最後でハズレであることを示唆した後に、不死鳥ストック画像STの消化によって、大当たりに当選していることが示される(図示省略)。以上により本形態では、不死鳥ストック画像STが表示された後、その不死鳥ストック画像STを消化することで、遊技者にとって不利な結果を有利な結果に変更することが可能である。
4−5.保留アイコン表示領域および当該アイコン表示領域
画像表示装置50の表示画面50aには、図31(A)に示すように、4つの表示領域からなる保留アイコン表示領域50dを設けることが可能である。保留アイコン表示領域50dは、第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4で構成され、特図1保留数または特図2保留数に応じて、各表示領域50d1,50d2,50d3,50d4に、保留アイコンHAを表示することが可能である。例えば、特図1保留数が『1』の場合には、第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が『2』の場合には、第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示される。
また、保留アイコン表示領域50dの近傍に、図31(A)に示すように、1つの表示領域からなる当該アイコン表示領域50eを設けることが可能である。当該アイコン表示領域50eは、特図変動演出が開始されることに応じて、保留アイコンHAと同じまたは異なる当該アイコンTAを表示することが可能である。
なお、保留アイコン表示領域50dを構成する表示領域の数については、適宜に変更することが可能である。また、保留アイコン表示領域50dを、特図1保留数および特図2保留数の両方を表示する表示領域とすることも一方だけを表示する表示領域とすることも可能である。また、保留アイコン表示領域50dを設けるが当該アイコン表示領域50eを設けない構成としたり、両者を設けない構成としたりすることも可能である。
4−5−1.保留演出等
パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入賞することに応じて、保留演出を行うことが可能である。保留演出は、特図1保留または特図2保留の数を遊技者に報知することが可能である。
保留演出では、特図1保留数が『0』のときに遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図変動演出が開始され、例えば、図31(B)に示すように、当該アイコン表示領域50eに当該アイコンTAが表示される。そして、特図変動演出中に更に2個の遊技球が第1始動口11に入賞すると、図31(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が『2』であることが遊技者に報知される。その後、特図変動演出が終了し、新たな特図変動演出が開始されると、図31(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されていた保留アイコンHAが、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示され、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されていた保留アイコンHAが、第1表示領域50d1に移動して表示され、特図1保留数が『1』であることが遊技者に報知される。
また、パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、特図抽選が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する特図抽選の抽選結果を事前に示唆するための演出として機能する。
先読み演出では、例えば、特図1保留に対する先読み判定の結果が「大当たり」の場合、図20(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dに通常は「〇」で表示される保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。また、先読み判定の結果が「ハズレ」の場合に、所謂ガセ演出として、保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。なお、先読み演出は、特図1保留および特図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、保留アイコンHAの表示態様の変化に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
4−5−2.アイコン変化予告
また、パチンコ遊技機PY1では、保留アイコンHAを、「〇」で表示した後の任意のタイミングで「☆」へと変化させるアイコン変化予告を行うことも可能である。さらに、アイコン変化予告では、「〇」で表示されていた保留アイコンHAが「〇」のまま当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示され、その後に、当該アイコンTAを、任意のタイミングで「〇」から「☆」へと変化させることもある。これにより、一旦、「〇」で表示された保留アイコンHAまたは当該アイコンTAについて落胆した遊技者に驚きと高揚感を与えることが可能である。
4−6.ステップアップ演出フロー
パチンコ遊技機PY1では、前述した通常演出(図16)の他に、ステップアップ演出を行うことが可能である。すなわち、演出図柄EZの変動表示の開始時に、通常演出が開始されるときと、ステップアップ演出が開始されるときとがある。本形態のステップアップ演出は、複数の分岐ポイント(分岐点)を有する演出であり、分岐ポイントにて、複数ある演出ルートのいずれかに分岐することがある演出である。各演出ルートは、単位ステップが順に行われることで構成されている
図32は、ステップアップ演出のフローを示す図である。図32に示すように、本形態ではステップアップ演出の分岐ポイントとして、第1分岐ポイント、第2分岐ポイント、第3分岐ポイントを有している。また、ステップアップ演出は、演出ルートとして、基本ルート、ガセルート、ミッションルート、アイコン変化ルートを有している。
基本ルートは、基本の演出ルートであり、基本となる所定の演出内容が進行するルートである。ガセルートは、基本ルートの演出内容から途中で外れてガセとなるルートである。ミッションルートは、途中で所定のミッションが課され、ミッションが達成されるか否かを示すルートである。アイコン変化ルートは、基本ルートの演出内容から途中で外れて、保留アイコンHAや当該アイコンTAを変化させることがあり得るルートである。
また、ミッションルートとしては、第1ミッションルート、第2ミッションルート、第3ミッションルートを有している。第1ミッションルート、第2ミッションルート、第3ミッションルートはそれぞれに、ミッションの内容や、その達成または失敗に至る過程、ミッション達成時の移行先等が異なるものである。
基本となる基本ルートは、ステップ1(基本)→ステップ2(基本)→ステップ3(基本)→ステップ4(基本)がこの順で行われる。ガセルートには、ステップ1(基本)の後に終了するパターンと、ステップ2(基本)の後の第2分岐ポイントで基本ルートから分岐するパターンとがある。後者のガセルートでは、ステップ1(基本)→ステップ2(基本)→ステップ3(ガセ)→ステップ4(ガセ)がこの順で行われる。
第1ミッションルートは、ステップ3(基本)の後の第3分岐ポイントで基本ルートから分岐するルートである。本形態の第1ミッションルートは、第3分岐ポイントで分岐した後のステップ4のパターンとして、ステップ4(第1ミッション達成A)、ステップ4(第1ミッション達成B)、ステップ4(第1ミッション失敗)の3つのパターンがある。ステップ4(第1ミッション達成A)、ステップ4(第1ミッション達成B)はいずれもミッションが達成されるものの、その達成態様が異なるパターンである。ステップ4(第1ミッション失敗)は、ミッションが達成されず、失敗となるパターンである。そして、第1ミッションルートには、ステップ1(基本)→ステップ2(基本)→ステップ3(基本)→ステップ4(第1ミッション達成A)がこの順で行われるパターン、ステップ1(基本)→ステップ2(基本)→ステップ3(基本)→ステップ4(第1ミッション達成B)がこの順で行われるパターン、ステップ1(基本)→ステップ2(基本)→ステップ3(基本)→ステップ4(第1ミッション失敗)がこの順で行われるパターンが存在する。
なお、本形態の第1ミッションルートでは、ステップ2(基本)、ステップ3(基本)において、課されているミッションを示唆、または明示するミッション表示を行う。つまり、本形態の第1ミッションルートのステップ2(基本)、ステップ3(基本)は、基本ルートにおける場合と完全には同一でなく、一部、異なる表示等を伴うものである。
第2ミッションルートは、ステップ2(基本)の後の第2分岐ポイントで基本ルートから分岐するルートである。本形態の第2ミッションルートは、第2分岐ポイントで分岐した後のステップ4のパターンとして、ステップ4(第2ミッション達成)の1つのパターンがある。ステップ4(第2ミッション達成)では、ミッションが達成される。そして、第2ミッションルートでは、ステップ1(基本)→ステップ2(基本)→ステップ3(第2ミッション)→ステップ4(第2ミッション達成)がこの順で行われる。
なお、本形態の第2ミッションルートでは、ステップ2(基本)において、課されているミッションを示唆、または明示するミッション表示を行う。つまり、本形態の第2ミッションルートのステップ2(基本)は、基本ルートにおける場合と完全には同一でなく、一部、異なる表示等を伴うものである。
第3ミッションルートは、ステップ3(基本)の後の第3分岐ポイントで基本ルートから分岐するルートである。本形態の第3ミッションルートは、第3分岐ポイントで分岐した後のステップ4のパターンとして、ステップ4(第3ミッション達成)、ステップ4(第3ミッション失敗)の2つのパターンがある。ステップ4(第3ミッション達成)はミッションが達成されるパターンである。ステップ4(第3ミッション失敗)は、ミッションが達成されず、失敗となるパターンである。そして、第3ミッションルート1には、ステップ1(基本)→ステップ2(基本)→ステップ3(基本)→ステップ4(第3ミッション達成)がこの順で行われるパターン、ステップ1(基本)→ステップ2(基本)→ステップ3(基本)→ステップ4(第3ミッション失敗)がこの順で行われるパターンが存在する。
なお、本形態の第3ミッションルートでは、ステップ2(基本)、ステップ3(基本)において、課されているミッションを示唆、または明示するミッション表示を行う。つまり、本形態の第3ミッションルートのステップ2(基本)、ステップ3(基本)は、基本ルートにおける場合と完全には同一でなく、一部、異なる表示等を伴うものである。
また、本形態において、第1ミッションルート、第2ミッションルートで課されるミッションは、主人公の成長を行うか否かに係るものである。つまり、第1ミッションルート、第2ミッションルートでミッションの達成に至った場合、主人公が成長し、その後、演出状態が上位(「幼少状態」であれば「高校状態」)の状態へと移行する。一方、失敗した場合、主人公は成長せず、演出状態は維持されることとなる。また、第3ミッションルートで課されるミッションは、不死鳥をストックするか否かに係るものである。つまり、第3ミッションルートでミッションの達成に至った場合、不死鳥がストックされる。一方、失敗した場合、不死鳥はストックされないこととなる。また、ミッションルートにおいては、課せられたミッションが達成されたときの方が、失敗したときよりも、大当たりの期待度が高く設定されている。
アイコン変化ルートは、ステップ1(基本)の後の第1分岐ポイントで基本ルートから分岐するルートである。本形態のアイコン変化ルートは、第1分岐ポイントで分岐した後のステップ2のパターンとして、ステップ2(アイコン変化)の1つのパターンがある。本形態のステップ2(アイコン変化)は、具体的には、当該アイコンTAを変化させる。そして、アイコン変化ルートでは、ステップ1(基本)→ステップ2(アイコン変化)がこの順で行われる。
なお、上記の基本ルート、ガセルート、ミッションルート、アイコン変化ルートの詳細については、後に詳述する。
図33は、ステップアップ演出の種類と大当たり期待度の関係を示す図である。上記のように、ステップアップ演出の演出ルートの種類としては、基本ルート、ガセルート、ミッションルート、アイコン変化ルートがある。さらに、ミッションルートには、第1ミッションルート、第2ミッションルート、第3ミッションルートがある。そして、図33に示すように、これら各演出ルートの大当たり期待度は、ミッションルート>基本ルート>ガセルートの順に高く設定されている。さらに、ミッションルートの大当たり期待度は、第3ミッションルート>第2ミッションルート>第1ミッションルートの順に高く設定されている。
そして、ステップアップ演出では上記のような各演出ルートを行い、その後に、各演出ルートに対応した内容の変動演出へと移行することがある。具体的には、例えば、本形態のガセルートの後には、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせが、バラケ目(例えば「179」、図2参照)で停止表示される。また、ステップアップ演出は、演出ルートによっては、通常演出のフロー(図16)における所定の箇所に移行するパターンも存在する。ステップアップ演出は、複数の演出ルートを行うことが可能であることにより、遊技者が飽きないものとなっている。また、本形態のステップアップ演出は、最初に必ず、ステップ1(基本)が行われることとなっている。よって、遊技者に、通常演出ではなく、ステップアップ演出が開始された変動演出であることを、適切に認識させることが可能となっている。
また、本形態では、ステップアップ演出においても、通常演出と同様、演出状態が「幼少状態」から始まる。そして、演出ルートによっては、演出状態が上位の状態(「高校状態」等)へと移行することがあり、より上位の演出状態へ移行したときほど大当たり期待度が高くなる。これにより、主人公の成長を当選期待度と関連付け、成長するほど期待度が高まる本パチンコ遊技機PY1の特徴が、通常演出に加え、ステップアップ演出においても共通して適切に表現されている。従って、本パチンコ遊技機PY1は、ステップアップ演出にて通常演出とは異なる演出を行うことで多彩な演出を行うことが可能であるとともに、通常演出とは異なるステップアップ演出が行われた時にも、一貫した概念の演出状態により、遊技者が大当たりの期待度の認識を容易に行えるようになっている。
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
次に図34〜図35に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。
[1.主制御メイン処理]
主制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、遊技用ROM103から図34に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図8(A)および図8(B)に示した種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[2.メイン側タイマ割り込み処理]
次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図35に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、例えば、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図34の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図8(A)および図8(B)に示した各種乱数のカウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検出処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
特別動作処理(S106)に次いで、振分装置16Dを制御するための振分装置制御処理を行う(S107)。なお、振分装置16Dを作動させるのは、第2大入賞装置15Dを用いた特別遊技を行う場合である。但し、振分装置16Dを、電源投入から常に一定動作で作動させてもよい。
次に、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S108)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、各入賞口への遊技球の入賞に応じて、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。つまり、払出制御基板170は、賞球要求信号に基づいて、賞球を払い出す。
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理を繰り返し実行し(図34参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[2−1.センサ検出処理]
センサ検出処理(S104)では、一般入賞口センサ処理、ゲートセンサ処理、第2始動口センサ処理、第1始動口センサ処理、第1大入賞口センサ処理、第2大入賞口センサ処理、特定領域センサ処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
一般入賞口センサ処理では、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じて、一般入賞口センサ用コマンドを生成する。
ゲートセンサ処理では、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、普通図柄乱数カウンタのカウンタ値が示す普通図柄乱数を取得し、取得した普通図柄乱数を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部106に記憶する。なお、普図保留記憶部106に普通図柄乱数が所定数(例えば4個)記憶されている場合には、新たに取得された普通図柄乱数は記憶されない。また、当該処理の結果に応じて、ゲートセンサ用コマンドを生成する。
第2始動口センサ処理では、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図2関係乱数を取得し、取得した特図2関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図2保留記憶部105bに記憶する。特図2保留記憶部105bは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数、例えば「4」)の複数の記憶領域があり、取得された特図2関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図2関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得された特図2関係乱数は記憶されない。また、取得した特図2関係乱数と第2先読み判定テーブル(図13参照)とを用いて第2先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)を表す特図2保留数コマンドおよび第2先読み判定の結果を表す第2始動入賞コマンドを含む第2始動口センサ用コマンドを生成する。
第1始動口センサ処理では、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図1関係乱数を取得し、取得した特図1関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図1保留記憶部105aに記憶する。特図1保留記憶部105aは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数、例えば「4」)の複数の記憶領域があり、取得された特図1関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図1関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得した特図1関係乱数は記憶されない。また、取得した特図1関係乱数と第1先読み判定テーブル(図13参照)とを用いて第1先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)を表す特図1保留数コマンドおよび第1先読み判定の結果を表す第1始動入賞コマンドを含む第1始動口センサ用コマンドを生成する。
第1大入賞口センサ処理では、第1大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第1大入賞口センサ用コマンドを生成する。
第2大入賞口センサ処理では、第2大入賞口センサ15aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第2大入賞口センサ用コマンドを生成する。
特定領域センサ処理では、特定領域センサ16aによって遊技球が検出されたか否か判定する。また、当該処理の結果に応じて、特定領域センサ用コマンドを生成する。
[2−2.普通動作処理]
普通動作処理(S105)では、普通図柄待機処理、普通図柄変動処理、普通図柄確定処理、補助遊技制御処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄待機処理は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理では、普図保留記憶部106に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。また、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定する。そして、当たり判定および普図変動パターンの結果に関する情報を含む普図変動開始コマンドを生成する。それから、決定した普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間に基づいて、普図の可変表示を普図表示器82に開始させる。
普通図柄変動処理は、普図の可変表示中に行われる処理である。普通図柄変動処理では、実行中の普図の可変表示が開始してから普図変動時間が経過することに応じて、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行う。そして、普図の可変表示の終了を示す普図変動停止コマンドを生成する。
普通図柄確定処理は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過することに応じて、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄が停止表示していれば、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させ、補助遊技の開始を示す補助遊技開始コマンドを生成する。
補助遊技制御処理は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。また、当該処理の結果に応じて、補助遊技制御用コマンドを生成する。
[2−3.特別動作処理]
特別動作処理(S106)では、特別図柄待機処理、特別図柄変動処理、特別図柄確定処理、大当たり遊技制御処理、遊技状態設定処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
[2−3−1.特別図柄待機処理]
特別図柄待機処理は、大当たり遊技状態ではなく、特図の可変表示が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理では、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数に基づいて、特図2判定処理及び特図2変動パターン判定処理を行うとともに、特図2保留記憶部シフト処理を行う。また、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数に基づいて、特図1判定処理及び特図1変動パターン判定処理を行うとともに、特図1保留記憶部シフト処理を行う。
特図2判定処理では、特図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特図2関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルとを用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特図2関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と、特図2大当たり図柄種別判定テーブルとを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。なお、ハズレの種別を複数設け、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレ図柄の種別を判定するようにしてもよい。この場合、図柄指定コマンドにはハズレ図柄の種別を示す情報を含ませるとよい。
特図2変動パターン判定処理は、特図2判定処理の後に行われる処理である。特図2変動パターン判定処理では、特図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特図2関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特図2変動パターン判定テーブルとを用いて、特図2変動パターンを判定する。大当たり判定の結果がハズレであった場合の特図2変動パターン判定処理では、リーチ判定がなされ、そのリーチ判定の結果に応じて、特図2変動パターンが判定される。なお、特図2変動パターンの判定は、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)にも関連付けられている。そして、判定された特図2変動パターンを表す特図2変動開始コマンドを生成する。特図2変動開始コマンドには、特図2であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、特図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特図2表示器81bに特図2の可変表示を開始させる。
特図2保留記憶部シフト処理は、特図2判定処理及び特図2変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特図2保留記憶部シフト処理では、特図2保留記憶部105bに記憶されていた特図2関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特図2関係乱数を特図2保留記憶部105bからクリアする。このようにして、特図2関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特図2保留数を表す特図2保留数コマンドを生成する。
特図1判定処理では、特図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特図1関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルとを用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特図1関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と、特図1大当たり図柄種別判定テーブルとを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。なお、ハズレの種別を複数設け、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレ図柄の種別を判定するようにしてもよい。この場合、図柄指定コマンドにはハズレ図柄の種別を示す情報を含ませるとよい。
特図1変動パターン判定処理は、特図1判定処理の後に行われる処理である。特図1変動パターン判定処理では、特図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特図1関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特図1変動パターン判定テーブルとを用いて、特図1変動パターンを判定する。大当たり判定の結果がハズレであった場合の特図1変動パターン判定処理では、リーチ判定がなされ、そのリーチ判定の結果に応じて、特図1変動パターンが判定される。なお、特図1変動パターンの判定は、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)にも関連付けられている。そして、判定された特図1変動パターンを表す特図1変動開始コマンドを生成する。特図1変動開始コマンドには、特図1であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、特図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特図1表示器81aに特図1の可変表示を開始させる。
特図1保留記憶部シフト処理は、特図1判定処理及び特図1変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特図1保留記憶部シフト処理では、特図1保留記憶部105aに記憶されていた特図1関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特図1関係乱数を特図1保留記憶部105aからクリアする。このようにして、特図1関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特図1保留数を表す特図1保留数コマンドを生成する。
なお、特図2保留数および特図1保留数の何れも存在する場合、特図2判定処理が優先して行われ、特図2の可変表示と特図1の可変表示とが並行して行われないようになっている。
[2−3−2.特別図柄変動処理]
特別図柄変動処理は、特図の可変表示中に行われる処理である。特別図柄変動処理では、特図変動時間が経過することに応じて、特図表示器81に、特図の可変表示を終了させるとともに、大当たり判定の結果に応じた特図を停止表示させる。大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たりを示す大当たり図柄を停止表示させ、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを示すハズレ図柄を停止表示させる。そして、特図の可変表示の終了を示す特図変動停止コマンドを生成する。
[2−3−3.特別図柄確定処理]
特別図柄確定処理は、特図が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理では、現在停止表示している特図が大当たり図柄である場合には、大当たり遊技状態に移行させる。そして、大当たり遊技の開始を示すオープニングコマンドを生成する。オープニングコマンドには、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報が含まれる。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ高確率状態を終了させる場合には、通常確率状態を設定する。そして、通常確率状態への移行を示す高確率終了コマンドを生成する。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ時短状態を終了させる場合には、非時短状態を設定する。そして、非時短状態への移行を示す時短終了コマンドを生成する。なお、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ特図2保留数および特図1保留数が「0」の場合には、パチンコ遊技機PY1が待機状態であることを示す客待ちコマンドを生成する。
[2−3−4.大当たり遊技制御処理]
大当たり遊技制御処理は、大当たり遊技状態において行われる処理である。大当たり遊技制御処理では、大当たり遊技制御テーブルに従って、大当たり遊技を行う。大当たり遊技状態への移行後、オープニング時間または閉鎖時間の経過に応じて、各ラウンド遊技を開始する。そして、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技コマンドを生成する。また、最終のラウンド遊技を終了させることに応じて、エンディングを開始する。そして、大当たり遊技の終了を示すエンディングコマンドを生成する。エンディングコマンドには、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報が含まれる。
[2−3−5.遊技状態設定処理]
遊技状態設定処理は、大当たり遊技状態が終了する際に行われる処理である。遊技状態設定処理では、通常確率状態から高確率状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に高確率状態を設定する。高確率状態の継続期間を制限する場合には、高確率状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく高確率状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、高確率状態の設定を示す高確率設定コマンドを生成する。また、非時短状態から時短状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に時短状態を設定する。時短状態の継続期間を制限する場合には、時短状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく時短状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、時短状態の設定を示す時短設定コマンドを生成する。
なお、遊技制御用マイコン101が各処理において生成するコマンドは、適宜に追加または変更することが可能である。
6.演出制御用マイコン121による演出の制御
次に、図36〜図38に基づいて演出制御用マイコン121による演出の制御について説明する。なお、以下の演出制御用マイコン121による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
[1.サブ制御メイン処理]
サブ制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図36に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数更新処理を実行する(S4003)。乱数更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、サブ制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示画面50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。なお、サブ制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御回路151を介して枠ランプ53、および盤ランプ54を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、可動装置55,56,58を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(特図変動演出、保留演出、操作演出、先読み演出、大当たり遊技演出、客待ち演出、演出モードの制御など)が実現される。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002〜ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は主制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
[2.1msタイマ割り込み処理]
1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、図37に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動装置制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
入力処理では、通常ボタン検出スイッチ40aや特殊ボタン検出スイッチ41aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成したりする。発光データ出力処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53、および盤ランプ54などのランプを発光させるべく、発光データをランプ制御回路151に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53、および盤ランプ54などを所定の発光態様で発光させる。可動装置制御処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで可動装置55,56,58などの可動装置を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、可動装置55,56,58などを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
[3.10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。10msタイマ割り込み処理(S4012)では、図38に示すように、受信コマンド解析処理(S4201)、演出タイマ更新処理(S4202)、音声制御処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)を順次行う。
受信コマンド解析処理では、受信割り込み処理(S4010)によって演出用RAM124の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。演出タイマ更新処理では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。例えば、演出タイマ更新処理では、通常ボタン40や特殊ボタン41といった操作部の操作有効期間の開始タイミングや終了タイミングを計測する。音声制御処理では、入力処理や受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。演出用データ作成処理では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
ここで、演出制御用マイコン121が遊技制御用マイコン101からコマンドを受信した場合の処理の一例を説明する。演出制御用マイコン121が受信するコマンドは、特図変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)とする。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理(S4201)において、特図変動開始コマンドを受信していると判定した場合、変動開始コマンド受信時処理として、そのコマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出の演出パターン(サブ変動パターン)を選択し、そのサブ変動パターンの情報をセットするとともに、そのサブ変動パターンの情報を含む変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。例えば、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがSP変動(通常−SP大当たり変動や通常−SPハズレ変動)である場合、SPリーチを行うサブ変動パターンを選択し、そのサブ変動パターンに対応する変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。その後、各処理(コマンド送信処理(S4004)、発光データ出力処理(S4102)、可動装置制御処理(S4103)、音声制御処理(S4203)など)が実行されることで、選択したサブ変動パターンに対応する特図変動演出が実現される。なお、このような演出の実現に関する処理の流れは、大当たり遊技演出や客待ち演出、先読み演出、所謂当該変動に伴う予告演出などの他の演出についても基本的には同じである。
また、本形態の演出制御用マイコン121は、ステップアップ演出を行う際には、図39に示すSU演出選択テーブルに基づいて、ステップアップ演出のパターン(演出ルート)を選択する。具体的に、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンド受信時処理において、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「SU−SP大当たり変動」(P02、P53)である場合には、第3ミッションルート(サブ変動パターンXP01)を35%の割合で選択し、第2ミッションルート(サブ変動パターンXP02)を25%の割合で選択し、第1ミッションルート(サブ変動パターンXP03)を20%の割合で選択し、アイコン変化ルート(サブ変動パターンXP04)を15%の割合で選択し、基本ルート(サブ変動パターンXP05)を5%の割合で選択する。
また演出制御用マイコン121は、変動開始コマンド受信時処理において、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「SU−SPハズレ変動」(P05、P55)である場合には、第3ミッションルート(サブ変動パターンXP11)を5%の割合で選択し、第2ミッションルート(サブ変動パターンXP12)を15%の割合で選択し、第1ミッションルート(サブ変動パターンXP13)を20%の割合で選択し、アイコン変化ルート(サブ変動パターンXP14)を25%の割合で選択し、基本ルート(サブ変動パターンXP15)を35%の割合で選択する。
また演出制御用マイコン121は、変動開始コマンド受信時処理において、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「SUハズレ変動」(P08、P58)である場合には、アイコン変化ルート(サブ変動パターンXP14)を5%の割合で選択し、ガセルート(サブ変動パターンXP16)を95%の割合で選択する。
このような割合でステップアップ演出のパターンを選択するため、本形態では、ステップアップ演出における大当たりの期待度は、第3ミッションルート>第2ミッションルート>第1ミッションルート>アイコン変化ルート>基本ルート>ガセルートの順に高い。なお、ステップアップ演出における各パターンの振分率は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
7.パチンコ遊技機PY1の特徴部
以下、パチンコ遊技機PY1の特徴部を詳細に説明する。なお、パチンコ遊技機PY1の特徴の1つは、ステップアップ演出にある。端的には、本形態のステップアップ演出の特徴の1つとしては、各演出ルートがそれぞれに異なる意味を持っていることがあるところである。そこで、ステップアップ演出の各演出ルートについて詳細に説明する。
図40は、ステップアップ演出の基本ルートを示す図である。基本ルートのステップ1(基本)では、まず、図40(A)に示すように、表示画面50aに、屋内背景画像Ha1が表示されて、幼少用演出図柄EZaが変動表示している状態が示される。さらに、主人公登場画像SKa1が示される。屋内背景画像Ha1は、主人公キャラが幼少時代に住んでいる家の部屋の内部を表示するものである。また、主人公登場画像SKa1は、幼少時代の主人公キャラであり、右側に表れてそこから左方に向けて歩いているものである。また、主人公登場画像SKa1では、主人公キャラの左手に野球のボールが握られている。さらに、遊技者が「幼少状態」であることをより認識し易いように、表示画面50aにて「幼少」の文字画像が表示されている。
次に、ステップ2(基本)では、図40(B)に示すように、主人公キャラが床に座り、左方の壁に空いている穴に向けて左手でボールを投げるスロー画像SKa2が表示される。壁の穴の大きさは、ボールに対して大きなものではなく、そこへボールを通過させることは容易ではないことが推測される程度のものである。続くステップ3(基本)では、図40(C)に示すように、屋外を示す屋外背景画像Ha2が表示される。また、ステップ2(基本)で主人公キャラによって投げられた後、壁の穴を通過して家の外まで飛んでくるボールが表示される。さらに、飛んできたボールの先には、主人公キャラのライバルであるライバルキャラの幼少時代を示すライバルキャラ画像SKa3が表示される。そして、ライバルキャラ画像SKa3は、飛んできたボールに対してバットをスイングし、ボールを打ち返す動作を行う。
ステップ4(基本)では、図40(D)に示すように、屋内背景画像Ha1が表示され、ステップ3(基本)でライバルキャラに打ち返された後、再び壁の穴を通って家の中まで飛んでくるボールが表示される。また、飛んできたボールの先には、そのボールを素手でキャッチする主人公キャラを示すキャッチ画像SKa4が表示される。そして、ステップ4(基本)の後には、通常演出にて説明した「幼少状態」のリーチへと移行する。つまり、基本ルートを基本とするステップアップ演出は、幼少用演出図柄EZaでのリーチの予告演出として機能し得るものである。
また上記のような基本ルートでは、主人公キャラとライバルキャラとが、壁を挟みつつ、その壁に空いた小さな穴を通してボールの授受を行うような、高い次元で拮抗した実力を持つ関係であることを遊技者に伝えることが可能である。よってその後、例えば強SPリーチが実行された場合には、主人公キャラとライバルキャラとが野球でバトルを決することとなり、基本ルートで主人公キャラとライバルキャラとの関係を見た後の遊技者に、より強SPリーチでの勝敗に興味を持たせることが可能となっている。
図41は、ステップアップ演出のガセルートを示す図である。ガセルートでも、まず、図41(A)に示すように、基本ルートと同じステップ1(基本)が表示画面50aに表示される。次に、ガセルートでは、図41(B)に示す場合と、図41(C)に示す場合とに分かれることになる。図41(B)では、主人公登場画像SKa1が一定時間だけ表示されて消える。つまり、歩いている主人公キャラが座ることなく消えることとなる。その後、図41(F)に示すように、幼少用演出図柄EZaがバラケ目(例えば「191」)で停止表示され、ハズレであることを示すハズレ報知がなされる。
これに対し、図41(C)では、ステップ2(基本)と同じ内容を表示する。この場合、次に図41(D)に示すように、ステップ3(ガセ)に進み、屋外を示す屋外背景画像Ha2が表示される。また、ステップ2(基本)で主人公キャラによって投げられた後、壁の穴を通過して家の外まで飛んでくるボールが表示される。さらに、ステップ3(ガセ)では、飛んできたボールの先に、ライバルキャラではなく、木を示す木画像SGa3が表示される。そして、飛んできたボールは、木画像SGa3で示されている木に当たってはね返る。続くステップ4(ガセ)では、図41(E)に示すように、屋内背景画像Ha1が表示され、ステップ3(ガセ)にて木ではね返った後、再び壁の穴を通って家の中まで飛んでくるボールが表示される。また、飛んできたボールの先には、飛んできたボールを素手でキャッチする主人公キャラを示す主人公キャラ画像SGa4が表示される。こうして、ガセルートでは、ライバルキャラが表示されることなく、投げたあと木ではね返ったボールが主人公キャラへと戻ってくる。その後、図41(F)に示すように、幼少用演出図柄EZaがバラケ目(例えば「191」)で停止表示され、ハズレであることを示すハズレ報知がなされる。
このようなガセルートは、一旦、基本ルートであると見せかけてハズレ報知がなされるガセ演出である。また、本形態のガセルートには、ステップ1(基本)で終了するパターンと、ステップ1(基本)の後にステップ2(基本)まで進むパターンが存在している。そして、ステップ2(基本)まで進むガセルートのパターンでは、遊技者に基本ルートかもしれないと思わせる時間が長くされており、早期にガセルートであると分かってしまうことが抑制されている。
図42は、ステップアップ演出の第1ミッションルートを示す図である。第1ミッションルートでも、基本ルートと同じように、ステップ1(基本)(図42(A))、ステップ2(基本)(図42(B))、ステップ3(基本)(図42(C))が表示画面50aに表示される。ただし、第1ミッションルートでは、ステップ2(基本)、ステップ3(基本)において、ミッション表示が行われる。ステップ2(基本)に係るミッション表示では、図42(B−1)に示すように、主人公キャラが持っているボールに「成長」の文字が付与されているミッション画像SM2が、一定時間だけカットインで表示される。また、ステップ3(基本)に係るミッション表示では、図42(C)に示すように、ライバルキャラ画像SKa3の上側に「ボールキャッチで「成長」」の文字によるミッション画像SM3が表示される。このミッション画像SM2、SM3が示されることで、遊技者には、ステップアップ演出にて、ミッションが課せられていること、そのミッション達成時の成果が「成長」であることを知らせることが可能になっている。このため、ミッション画像SM2、SM3は、主人公キャラの成長を煽る画像として機能する。
次に、第1ミッションルートでは、図42(D)に示す場合と、図42(E)に示す場合と、図42(F)に示す場合とに分かれることになる。図42(D)に示すステップ4(第1ミッション達成A)では、屋内背景画像Ha1が表示され、ステップ3(基本)でライバルキャラに打ち返された後、再び壁の穴を通って家の中まで飛んでくるボールが表示される。また、飛んできたボールの先には、そのボールを素手でキャッチする主人公キャラを示すキャッチ画像SKa4が表示される。そして、このボールのキャッチにより、ミッションが成功し、達成されたことを遊技者に把握させることが可能である。また、ステップ4(第1ミッション達成A)のパターンの後には、図42(G)に示すように、幼少時代の主人公キャラが高校時代の主人公キャラに成長したことを示す高校成長画像MTa5が表示される。これにより遊技者には、ミッションの達成により、その成果である「成長」を得て、「高校状態」への移行に成功したのを把握させることが可能である。
一方、図42(E)に示すステップ4(第1ミッション達成B)では、ステップ3(基本)でライバルキャラに打ち返された後、手前に飛んできたボールが表示画面50aに衝突し、表示画面50aが打ち破られたかのような粉砕成功画像MTa4が表示される。このステップ4(第1ミッション達成B)は、課せられているミッションの正規の達成内容とは異なるものの、ミッションが例外的に達成されたことを意味する。このため、ステップ4(第1ミッション達成B)のパターンの後には、図42(G)へと進むこととなる。つまり、課されたミッションの達成により、「高校状態」への移行に成功する高校成長画像MTa5が表示される(図42(G))。また、「高校状態」への移行に成功した場合には、その後、街背景画像Hbが表示されると共に、擬似連演出として高校用演出図柄EZbの変動表示が新たに開始される。つまり、通常演出における擬似2が実行される。よって、ステップアップ演出は、基本ルートとは異なる第1ミッションルートへ分岐した場合には、疑似連を煽る演出として機能し得るものとなっている。またその後、本形態では、通常演出にて説明した「高校状態」のリーチへと移行する。
これに対し、図42(F)に示すステップ4(第1ミッション失敗)では、ステップ3(基本)でライバルキャラに打ち返された後、手前に飛んできたボールが表示画面50aに衝突するものの、表示画面50aを打ち破るまでには至らなかったかのような粉砕失敗画像MSa4が表示される。このステップ4(第1ミッション失敗)は、課せられているミッションの内容と異なり、さらに、表示画面50aを打ち破って粉砕することにも失敗し、ミッションが達成されなかったことを意味する。このため、ステップ4(第1ミッション失敗)のパターンの後には、幼少用演出図柄EZaがバラケ目(例えば「191」)で停止表示され、ハズレであることを示すハズレ報知がなされる。
つまり、第1ミッションルートでは、途中のステップ3(基本)までミッションの内容を示唆、または明示しつつ基本ルートと同じように進行した後、ミッションの正規の達成パターンであるステップ4(第1ミッション達成A)、ミッションの例外的な達成パターンであるステップ4(第1ミッション達成B)、ミッションの失敗パターンであるステップ4(第1ミッション失敗)が存在している。よって、第1ミッションルートでは、最初の基本ルートと同じ演出内容によってリーチの予告演出かと思っていた遊技者に、いつの間にかミッションが課されているという驚きを与えることが可能である。またさらに、ミッションの達成によって得られる成果が、「高校状態」への移行という、基本ルートにおけるリーチよりも大当たりの期待度が高くなるものである。これにより、第1ミッションルートは、遊技者に、驚きとともに高揚感を与えることが可能となっている。
図43は、ステップアップ演出の第2ミッションルートを示す図である。第2ミッションルートでも、基本ルートと同じように、ステップ1(基本)(図43(A))、ステップ2(基本)(図43(B))が表示画面50aに表示される。また、第2ミッションルートでは、ステップ2(基本)において、図42(B−1)に示すように、主人公キャラが持っているボールに「成長」の文字が付与されているミッション画像SM2が、一定時間だけカットインで表示されるミッション表示が行われる。このミッション画像SM2が示されることで、遊技者には、ステップアップ演出にて、ミッションが課せられていること、そのミッション達成時の成果が「成長」であることを知らせることが可能になっている。
次に、第2ミッションルートでは、図43(C)に示すステップ3(第2ミッション)に進み、屋外を示す屋外背景画像Ha2が表示される。また、ステップ2(基本)で主人公キャラによって投げられた後、壁の穴を通過して家の外まで飛んでくるボールが表示される。さらに、ステップ3(第2ミッション)では、飛んできたボールの先に、主人公キャラの高校時代の友人である友人キャラを示す友人キャラ画像SMa3が表示される。そして、友人キャラ画像SMa3は、飛んできたボールを受けて手前に向かって投げる動作を行う。
続いて、ステップ3(第2ミッション)で友人キャラによって手前に投げられたボールが表示画面50aに衝突し、表示画面50aが打ち破られたかのような粉砕成功画像MTa4が表示される。このステップ4(第2ミッション達成)は、ミッションが達成されたことを意味する。よって、ステップ4(第2ミッション達成)のパターンの後には、図43(E)に示すように、幼少時代の主人公キャラが高校時代の主人公キャラに成長したことを示す高校成長画像MTa5が表示される。これにより遊技者には、ミッションの達成により、その成果である「成長」を得て、「高校状態」への移行に成功したのを把握させることが可能である。また、「高校状態」への移行に成功した場合には、その後、街背景画像Hbが表示されると共に、擬似連演出として高校用演出図柄EZbの変動表示が新たに開始される。つまり、通常演出における擬似2が実行される。またその後、本形態では、通常演出にて説明した「高校状態」のリーチへと移行する。よって、ステップアップ演出は、基本ルートとは異なる第2ミッションルートへ分岐した場合には、疑似連を煽る演出として機能し得るものとなっている。
また、第2ミッションルートでは、途中のステップ2(基本)までミッションの内容を示唆、または明示しつつ基本ルートと同じように進行した後、ステップ3(第2ミッション)で基本ルートと異なり、友人キャラを表示する。よって、第2ミッションルートにおいても、最初の基本ルートと同じ演出内容によってリーチの予告演出かと思っていた遊技者に、いつの間にかミッションが課されているという驚きを与えることが可能である。
また、この友人キャラが登場する第2ミッションルートでは、必ず、ミッションが達成されることとなる。よって、本パチンコ遊技機PY1をよく知っている遊技者には、ステップ3(第2ミッション)が表示された時点で、「高校状態」への移行に伴う高揚感を与えることが可能である。しかも、ステップ3(第2ミッション)で登場する友人キャラは、主人公キャラの幼少時代の友人ではなく、高校時代の友人である。このため、「幼少状態」では通常、登場しえないキャラクタが登場するという驚きを遊技者に与えることも可能である。また、「幼少状態」であるのに高校時代の友人が登場することで、遊技者に、「高校状態」に移行するという強い期待感を持たせることも可能となっている。
図44は、ステップアップ演出の第3ミッションルートを示す図である。第3ミッションルートでも、基本ルートと同じように、ステップ1(基本)(図44(A))、ステップ2(基本)(図44(B))、ステップ3(基本)(図44(C))が表示画面50aに表示される。ただし、第3ミッションルートでは、ステップ2(基本)、ステップ3(基本)において、ミッション表示が行われる。ステップ2(基本)に係るミッション表示では、図44(B−1)に示すように、主人公キャラが持っているボールに「不死鳥」の文字が付与されているミッション画像SM2が、一定時間だけカットインで表示される。また、ステップ3(基本)に係るミッション表示では、図44(C)に示すように、ライバルキャラ画像SKa3の上側に「ボールキャッチで「不死鳥」」の文字によるミッション画像SM3が表示される。このミッション画像SM2、SM3が示されることで、遊技者には、ステップアップ演出にて、ミッションが課せられていること、そのミッション達成時の成果が「不死鳥」であることを知らせることが可能になっている。
次に、第3ミッションルートでは、図44(D)に示す場合と、図42(F)に示す場合とに分かれることになる。図44(D)に示すステップ4(第3ミッション達成)では、屋内背景画像Ha1が表示され、ステップ3(基本)でライバルキャラに打ち返された後、再び壁の穴を通って家の中まで飛んでくるボールが表示される。また、飛んできたボールの先には、そのボールを素手でキャッチする主人公キャラを示すキャッチ画像SKa4が表示される。そして、このボールのキャッチにより、ミッションが成功し、達成されたことを遊技者に把握させることが可能である。また、ステップ4(第3ミッション達成)のパターンの後には、図44(E)に示すように、表示画面50aの右下部にて、不死鳥の姿と「不死鳥ストック」の文字を示す不死鳥ストック画像STが表示される。不死鳥ストック画像STは、前述したように、不死鳥をストックしていることを示すものであり、不死鳥を消化する演出(不死鳥復活発展演出等)が実行されるまで、表示され続ける。
これにより遊技者には、ミッションの達成によって、その成果である「不死鳥」を得て、不死鳥ストックに成功したのを把握させることが可能である。なお、本形態では、ステップ4(第3ミッション達成)の後には、不死鳥をストックするとともに、通常演出にて説明した「幼少状態」のリーチへと移行する。
これに対し、図44(F)に示すステップ4(第3ミッション失敗)では、ステップ3(基本)でライバルキャラに打ち返された後、再び壁の穴を通って家の中まで飛んでくるボールが表示される。また、飛んできたボールの先には、飛んできたボールをキャッチできずに見送ってしまう主人公キャラを示すスルー画像SMa4が表示される。なお、スルー画像SMa4は、ボールをキャッチしきれずに落としてしまう画像等であってもよい。そして、このボールキャッチの失敗により、ミッションが失敗し、不死鳥がストックできなかったことを遊技者に把握させることが可能である。そして、ステップ4(第3ミッション失敗)のパターンの後には、幼少用演出図柄EZaがバラケ目(例えば「191」)で停止表示され、ハズレであることを示すハズレ報知がなされる。
つまり、第3ミッションルートでは、途中のステップ3(基本)までミッションの内容を示唆、または明示しつつ基本ルートと同じように進行した後、ミッションの達成パターンであるステップ4(第3ミッション達成)、ミッションの失敗パターンであるステップ4(第3ミッション失敗)が存在している。よって、第3ミッションルートでも、最初の基本ルートと同じ演出内容によってリーチの予告演出かと思っていた遊技者に、いつの間にかミッションが課されているという驚きを与えることが可能である。また、本形態では、不死鳥がストックされた場合にはリーチとなる。つまり、第3ミッションルートは、リーチの予告演出でもある。よって、ミッションの達成によって得られる成果が、不死鳥ストックでリーチという、不死鳥がストックされない基本ルートよりも大当たりの期待度が高くなるものである。これにより、第3ミッションルートは、遊技者に、驚きとともに高揚感を与えることが可能となっている。
図45は、ステップアップ演出のアイコン変化ルートを示す図である。アイコン変化ルートでも、まず、図45(A)に示すように、基本ルートと同じステップ1(基本)が表示画面50aに表示される。次に、アイコン変化ルートのステップ2(アイコン変化)では、図45(B)に示すように、主人公キャラが座ることなく手前に向かってボールを投げる動作を行う手前スロー画像SIa2が表示される。このとき、当該アイコンTAは「〇」で表示されている。その後、投げられたボールは、当該アイコンTAへと接近し(接触でもよい)、図45(C)に示すように、当該アイコンTAが「〇」から「☆」へと表示が変化する。つまり、アイコン変化ルートは、アイコン変化予告と同じ機能を有するものとなっている。また、遊技者には、ステップ2で座ると思っていた主人公キャラが急に自分へ向けてボールを投げつけてくるような画像を表示して驚きを与えるとともに、当該アイコンTAの変化によって高揚感を与えることも可能である。
8.実施形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、演出図柄EZの変動表示を行う場合に、分岐ポイントを有するステップアップ演出を実行することが可能である。また、ステップアップ演出は基本ルートで行うことがある。そして、ステップアップ演出は、第1から第3分岐ポイントの各分岐ポイントで基本ルートに分岐した場合、幼少用演出図柄EZaがリーチになる期待度を示唆するリーチの予告演出として機能し得ることとなる。また、ステップアップ演出は、分岐ポイントにて、基本ルートと異なるミッションルート、アイコン変化ルートに分岐することがある。よって、ステップアップ演出は、基本となる基本ルートを有しつつ、その他の多彩な態様でも進行することが可能な演出となっており、遊技興趣を向上可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1は、通常演出において、特別成長演出、シーンチェンジ、成長SP発展演出等の、疑似連を煽る演出を行うことが可能である。また、通常演出において、不死鳥をストックするストック演出、当該アイコンHAを変化させるアイコン変化予告を行うことも可能である。そして、ステップアップ演出の第1、第2ミッションルートは、通常演出の特別成長演出、シーンチェンジ、成長SP発展演出等と同様に、疑似連を煽る演出を行うことが可能である。また、ステップアップ演出の第3ミッションルートでは、通常演出のストック演出と同様に、不死鳥をストックする演出を行うことが可能である。さらに、ステップアップ演出のアイコン変化ルートでは、通常演出のアイコン変化予告と同様に、当該アイコンTAを変化させることも可能である。つまり、ステップアップ演出は、リーチの予告演出となり得る基本ルートから分岐した特殊ルート(ミッションルート、アイコン変化ルート)では、基本ルートと異なる役割の演出となることが可能であり、遊技者に驚きを与え、遊技興趣の向上を図ることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1では、例えば、ステップアップ演出の第1、第2ミッションルートにてミッションが達成された場合、疑似連で演出状態がより期待度の高い上位の状態(「幼少状態」から「高校状態」)に移行するとともに、その後にリーチになることとしている。また、第3のミッションルートにてミッションが達成された場合、不死鳥をストックした状態でリーチになることとしている。すなわち、ミッションルートは、基本ルートと同様にリーチの予告演出としても機能することが可能である。よって、ミッションルートを基本ルートよりも期待度の高いルートとして遊技者が理解しやすいものとすることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機PY1では、例えば、ステップアップ演出の第1、第3ミッションルートでは、ミッションが達成される成功の場合と、ミッションが達成されない失敗の場合とがある。そして、第1ミッションルートにおいては、成功の場合に、疑似連煽り演出が成功して疑似連となる。また、第3ミッションルートにおいては、成功の場合に、不死鳥がストックされることとなる。つまり、基本となる基本ルートではリーチの予告であるステップアップ演出において、第1、第3ミッションルートでは、遊技者に、いつの間にかミッションが課されているという驚きを与えるとともに、成功によって単なるリーチとは異なる、より期待度の高い成果を得られることがあり、より高揚感を与えることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機PY1では、ステップアップ演出に複数の分岐ポイントがあって複数の演出ルートが存在している。そして、例えば、第1分岐ポイントで分岐した場合にはアイコン変化ルートとなって保留変化予告として機能し得る。また例えば、第3分岐ポイントで分岐した場合には第1ミッションルートとなって疑似連煽りとして機能し得る。また例えば、第3分岐ポイントで分岐した場合には第3ミッションルートとなって不死鳥のストック演出としても機能し得る。つまり、分岐ポイントによって、異なる役割の演出として機能し得るようになっている。よって、どの分岐ポイントで分岐したかによって遊技者に異なる期待感を抱かせることが可能となっている。
9.変更例
以下、パチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成しても良い。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
例えば、上記の実施形態では、ステップアップ演出の最初のステップ(ステップ1)のパターン(種類)を1種類としている。最初のステップのパターンが多いと、遊技者に、ステップアップ演出が開始されたことを適切に認識させることができない可能性があるからである。しかし、ステップアップ演出で最初に行われるステップの種類としては、複数あってもよい。この場合、より多彩な演出により、遊技興趣を高めることが可能である。ただし、ステップアップ演出が開始されたことを遊技者に適切に認識させつつ、多彩な演出によって遊技興趣を高める観点から、ステップアップ演出は、最初のステップ(上記の実施形態ではステップ1)の種類の数は、最終ステップ(上記の実施形態ではステップ4)の種類の数よりも少ないことが好ましい。
また例えば、上記の実施形態では、ステップアップ演出のミッションルートにおいて、ボールに「成長」を示す疑似連煽りに係るパターンと、ボールに「不死鳥」を示す不死鳥ストックに係るパターンについて説明した。しかし、例えば、その他にも、ボールに「チャンス」や「激熱(激アツ)」等を示し、ミッションの達成により、これらを得られることを示す演出としてもよい。この場合、例えば、「チャンス」に係るミッションが達成される場合には、達成されない場合よりも期待度が高く、「激熱(激アツ)」に係るミッションが達成される場合はさらに期待度が高くなるようにしておけばよい。また、通常予告において、所定のタイミングで「チャンス」や「激熱(激アツ)」を、ステップアップ演出に係る期待度と対応した期待度で表示可能なようにしておけばよい。これにより、ステップアップ演出のミッションルートでの「チャンス」や「激熱(激アツ)」の取得を期待度を示唆する演出として機能させ、その示唆される期待度に対応させて、遊技者に高揚感を与えることが可能である。また、「チャンス」や「激熱(激アツ)」に限らず、例えば、期待度に応じて変化可能な数字を用いる等、適宜変更してもよい。
また例えば、上記の実施形態では、本発明を表示画面の全体を使用して行われるステップアップ演出に適用した例を示した。しかし、本発明は、ステップアップ演出に限らず、例えば、通常演出と複合的に行われる演出、具体的には、通常演出とともに表示画面の所定領域に表示される複合演出等に適用してもよい。より具体的には、表示画面50aにて通常演出を行いつつ、ステップアップ演出に相当する演出を表示画面50aの一部の所定領域(例えば右下の角付近の領域)に表示する態様であってもよい。また例えば、表示画面が複数ある場合には、そのうちの1つの表示画面に通常演出を表示し、他の表示画面でステップアップ演出に相当する演出を行うこととしてもよい。この場合には、メインとなる表示画面に通常演出を、メイン表示画面よりも表示画面が小さなサブ表示画面にステップアップ演出に相当する演出を表示することとしてもよい。
また例えば、アイコン変化ルートでは、当該アイコンTAが変化した後、リーチとなるようにしてもよい。また例えば、上記の実施形態では、アイコン変化ルートで当該アイコンTAが変化するものとして説明したが、保留アイコンHAが変化することとしてもよい。この場合、例えば、所定の保留アイコンHAを1つだけ変化させる態様であってもよいし、複数の保留アイコンHAを同時に変化させる態様であってもよい。また例えば、アイコン変化ルートであっても、当該アイコンTA、保留アイコンHAのいずれもが変化しないパターンがあってもよい。
また例えば、上記の実施形態では、第1、第2ミッションルートでミッションが達成された場合、演出状態を「高校状態」として高校用演出図柄EZbの変動表示が新たに開始された後にリーチとなることとして説明している。しかし、例えば、第1、第2ミッションルートでミッションが達成された場合、演出状態を「高校状態」として高校用演出図柄EZbの変動表示が新たに開始された後に高校SPリーチを行ってもよい。また例えば、上記の実施形態では、幼少状態にてステップアップ演出を行うこととしたが、高校状態、プロ状態で行ってもよい。
また例えば、上記の実施形態では、遊技制御用マイコン101が特図変動パターン判定テーブル(図11、図12)に基づいて特図変動パターンを判定し、演出制御用マイコン121がその特図変動パターンに係るコマンドによりSU演出選択テーブル(図39)に基づいて、ステップアップ演出の内容を判定することとしている。しかし、例えば、特図変動パターン判定テーブルにSU演出選択テーブルに相当するテーブルを組み込み、その特図変動パターン判定テーブルに基づいて遊技制御用マイコン101がステップアップ演出の内容を判定することとしてもよい。
また上記形態では、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機としたが、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成してもよい。また上記形態では、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成したが、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本明細書に示されている発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
また上記形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用したが、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機などに適用することも可能である。
また実施形態では、特図2判定処理が優先的に行われるが、特図1判定処理が優先的に行われるように構成しても良い。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とについて、保留記憶部に記憶された順番で特図判定処理が行われるようにしても良い。
また実施形態では、特図1の可変表示と特図2の可変表示とが並行して行われていないが、特図1の可変表示と特図2の可変表示とが並行して行われるように構成しても良い。
また実施形態では、遊技の進行に係る基本的な制御を主制御基板100が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御をサブ制御基板120が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板140を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
10.本明細書に開示されている発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明が開示されている。以下の説明では、実施形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1〜A6の総称である。
発明A1:
遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)にするか否かの判定を行う判定手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記演出実行手段は、
前記判定の結果に基づいて、複数の演出図柄(演出図柄EZ)を変動表示させた後、前記判定の結果を示す停止態様で停止表示させることが可能であるとともに、
前記演出図柄の変動表示を行う場合に、少なくとも1つの演出分岐点を有する第1予告演出(ステップアップ演出)を実行することが可能であり、
前記第1予告演出は、
前記演出分岐点において基本ルートに分岐した場合、前記演出図柄がリーチになる期待度を示唆する基本予告演出(リーチの予告演出)として機能し得て、
前記演出分岐点において前記基本ルートとは異なる特殊ルートに分岐した場合、前記基本予告演出とは異なる役割の特殊演出として機能し得ることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機PY1)。
ところで、従来よりパチンコ遊技機では、演出図柄の変動表示を行う場合に、これと合わせて多彩な演出が行われている。例えば特開2003−52955号公報には、演出図柄の変動表示と合わせて行う演出が、途中で分岐して異なる演出が行われることがある遊技機が記載されている。しかしながら、演出図柄の変動表示と合わせて行う演出については、遊技興趣の向上のため、改善の余地がある。これに対し、本構成の遊技機によれば、第1予告演出は、基本予告演出として機能し得る基本ルートで進行することがあるとともに、その他にも基本予告演出とは異なる特殊演出として機能し得る特殊ルートで進行することもある。よって、本構成の遊技機は、より多彩な態様で進行し得る第1予告演出を行うことが可能であるという点で相違している。これにより、「演出を通じて遊技興趣の向上に寄与する遊技機を提供する」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
発明A2:
発明A1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記第1予告演出とは異なる第2予告演出(特別成長演出、シーンチェンジ、成長SP発展演出、ストック演出、保留アイコンHA、当該アイコンTAのアイコン変化予告等)を実行することが可能であり、
前記特殊演出は、前記第2予告演出と同じ役割の演出として機能することを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1予告演出は、基本予告演出となり得る基本ルートから分岐した特殊ルートでは、基本ルートと異なる役割の特殊演出となることが可能であり、遊技者に驚きを与え、遊技興趣の向上を図ることが可能である。
発明A3:
発明A1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記第1予告演出とは異なる第2予告演出(特別成長演出、シーンチェンジ、成長SP発展演出、ストック演出、保留アイコンHA、当該アイコンTAのアイコン変化予告等)を実行することが可能であり、
前記特殊演出は、前記基本予告演出として機能するとともに、前記第2予告演出と同じ役割の演出として機能することを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特殊ルートは、基本ルートと同様に基本予告演出としても機能しつつ、さらに異なる第2予告演出としても機能することが可能である。よって、特殊ルートを基本ルートよりも期待度の高いルートとして遊技者が理解しやすいものとすることが可能となっている。
発明A4:
発明A2または発明A3に記載の遊技機であって、
前記第2予告演出は、前記特別遊技状態になる可能性が高いことを示唆する演出(不死鳥のストック)であり、
前記特殊演出には、所定の課題を達成する成功態様(第3ミッションルートで第3ミッション達成)と、前記課題を達成しない失敗態様(第3ミッション失敗)とがあり、
前記特殊演出は、前記成功態様である場合に、前記第2予告演出と同じ役割の演出として機能する(不死鳥がストックされる)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、基本予告演出であると思っていた遊技者に、いつの間にか所定の課題が課されているという驚きを与えるとともに、その達成によってリーチとは異なる、より期待度の高い演出が実行されることがあり、より高揚感を与えることが可能となっている。
発明A5:
発明A1から発明A4までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1予告演出には、複数の演出分岐点(分岐ポイント)があり、
前記第1予告演出は、
第1の演出分岐点(例えば第1分岐ポイント)において第1の特殊ルート(アイコン変化ルート)に分岐した場合には、前記特殊演出(アイコン変化予告)として機能し得て、
第2の演出分岐点(例えば第2分岐ポイントや第3分岐ポイント)において第2の特殊ルート(ミッションルート)に分岐した場合には、前記特殊演出とも前記基本予告演出とも異なる役割の他の特殊演出(疑似連煽りや不死鳥のストック)として機能し得ることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1予告演出は、分岐する演出分岐点により異なる役割の演出として機能し得るようになっている。よって、どの演出分岐点で分岐したかによって遊技者に異なる期待感を抱かせることが可能となっている。
PY1…パチンコ遊技機
14…第1大入賞口(第1の入賞口、特定入賞口)
50…画像表示装置
50a…表示画面
101…遊技制御用マイコン
121…演出制御用マイコン
EZ…演出図柄
EZa…幼少用演出図柄
EZb…高校用演出図柄
EZc…プロ用演出図柄
Ha1…屋内背景画像
Ha2…屋外背景画像
MTa5…高校成長画像
SIa2…手前スロー画像
SKa1…主人公登場画像
SKa2…スロー画像
SKa3…ライバルキャラ画像
SKa4…キャッチ画像
SM2、SM3…ミッション表示
ST不死鳥ストック画像
TA…当該アイコン

Claims (1)

  1. 遊技者に有利な特別遊技状態にするか否かの判定を行う判定手段と、
    演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
    前記演出実行手段は、
    前記判定の結果に基づいて、複数の演出図柄を変動表示させた後、前記判定の結果を示す停止態様で停止表示させることが可能であるとともに、
    前記演出図柄の変動表示を行う場合に、複数の演出分岐点を有する第1予告演出を実行することが可能であることを特徴とする遊技機。
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