JP2019195398A - 眼内レンズ、眼内レンズ固定支援システム及び画像処理装置 - Google Patents

眼内レンズ、眼内レンズ固定支援システム及び画像処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】より正確に眼内へ固定することを支援するためのマークが付与された眼内レンズを提供する。【解決手段】可視光外の特定波長帯の照明下において検出可能なマークを有する光学部と、光学部を支持する支持部と、を備え、マークは、光学部の光学中心位置及び眼内における光学部の姿勢情報を復元することの可能な幾何パターンにより示される、眼内レンズが提供される。【選択図】図5

Description

本開示は、眼内レンズ、眼内レンズ固定支援システム及び画像処理装置に関する。
眼科における屈折矯正の方法として、眼内レンズ(Intraocular lens;IOL)と呼ばれる人工のレンズを眼内に挿入することで、水晶体の屈折異常を解消し、視力等の視機能を改善することが広く行われている。眼内レンズとしては、白内障手術によって除去された水晶体の代替として水晶体嚢(のう)内に挿入される眼内レンズが最も広く用いられている。眼内レンズには、水晶体嚢(のう)内以外にも、例えば毛様溝等に留置または固定(以下、これらをまとめて単に「固定」と説明する場合もある。)されるもの(Phakic IOL)等、様々な眼内レンズが存在する。
いずれの眼内レンズにおいても、得られる屈折矯正の効果を最大限発揮するためには、手術前の検査に基づく適切な度数あるいは形状のレンズを選定するとともに、眼内の正しい位置へレンズを固定することが重要である。このため、従来から眼内レンズを正しい位置姿勢で眼内には固定させるための作業を支援する方法が提案されている。
例えば、乱視矯正を行うトーリック眼内レンズの場合、患者の乱視軸(XY平面に垂直な軸)に対して眼内レンズのトーリック軸(XY平面に垂直な軸)を一致させる必要があり、向き(Z軸周りの回転)にずれが生じた場合には十分な乱視矯正効果を得ることができない。そこで、トーリック眼内レンズには、端点にトーリック軸を示すマークが刻印されており、眼内レンズの向きを把握可能にされている。例えば特許文献1には、眼内レンズの光学部に可視の乱視軸の方向を示すマークが形成されたトーリック眼内レンズが開示されている。トーリック眼内レンズ挿入時に当該マークを参照しながらレンズの向きを調整することで、正確な向きでのトーリック眼内レンズを固定することができる。
特開2011−245208公報
上記特許文献1に記載のトーリック眼内レンズの乱視軸を示すマークが光学部の外縁付近に設けられているように、眼内レンズに付与されるマークは、光学部の外縁付近に設けられる。これは、光学部にマークが可視状態で設けられていると、眼内レンズの装着者の視界を妨げてしまうためである。しかし、トーリック眼内レンズを眼内に固定する際、光学部の光学中心位置にマークが付与されていれば、より容易にかつ精度よく眼内レンズを固定することが可能である。
また、上記特許文献1に記載のように、従来の眼内レンズのマークでは眼内レンズの向きのみを示すことしかできない。しかし、眼内レンズのマークから、例えば眼内レンズの中心位置あるいは傾き等の、乱視軸以外の情報も得ることができれば、より精度よく眼内レンズを眼内に固定することが可能となる。
そこで、本開示では、より正確に眼内へ固定することを支援するためのマークが付与された、新規かつ改良された眼内レンズ、眼内レンズ固定支援システム及び画像処理装置を提案する。
本開示によれば、可視光外の特定波長帯の照明下において検出可能なマークを有する光学部と、光学部を支持する支持部と、を備え、マークは、光学部の光学中心位置及び眼内における光学部の姿勢情報を復元することの可能な幾何パターンにより示される、眼内レンズが提供される。
また、本開示によれば、可視光外の特定波長帯の照明下において検出可能なマークを有する光学部を有する眼内レンズに対して、少なくとも可視光外の特定波長帯の照明光を照射する照明装置と、眼内レンズを撮像し、特定波長帯の光による画像を取得する撮像装置と、画像からマークを抽出し、眼内レンズの光学中心位置及び姿勢情報を復元する画像処理装置と、前記眼内レンズの光学中心位置及び前記姿勢情報を表示装置に表示させる制御装置と、を含む、眼内レンズ固定支援システムが提供される。
さらに、本開示によれば、可視光外の特定波長帯の照明下において検出可能なマークを有する光学部を有する眼内レンズに対して、少なくとも可視光外の特定波長帯の照明光を照射して取得された画像から、眼内レンズからマークを抽出し、眼内レンズの光学中心位置及び姿勢情報を復元する処理部を備える、画像処理装置が提供される。
以上説明したように本開示によれば、眼内レンズをより正確に眼内へ固定することが可能となる。なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
本開示の一実施形態に係る眼内レンズの概略構成を示す平面図及び側面図である。 同実施形態に係る眼内レンズ固定支援システムにより提示される情報の一例を示す説明図である。 同実施形態に係る眼内レンズ固定支援システムにより提示される情報の他の例を示す説明図である。 同実施形態に係る眼内レンズ固定支援システムの一構成例を示す機能ブロック図である。 眼内レンズのマークの幾何パターンの一例を示す説明図である。 眼内レンズのマークの幾何パターンの他の一例を示す説明図である。 眼内レンズのマークの幾何パターンの他の一例を示す説明図である。 眼内レンズのマークの幾何パターンの他の一例を示す説明図である。 眼内レンズのマークの幾何パターンの他の一例を示す説明図である。 眼内レンズのマークの幾何パターンの他の一例を示す説明図である。 眼内レンズのマークの幾何パターンの他の一例を示す説明図である。 眼内レンズのマークの幾何パターンの他の一例を示す説明図である。 眼内レンズのマークの幾何パターンの他の一例を示す説明図である。 眼内レンズのマークの幾何パターンの他の一例を示す説明図である。 眼内レンズのマークの幾何パターンの他の一例を示す説明図である。 眼内レンズのマークの幾何パターンの他の一例を示す説明図である。 深さ方向の異なる位置に配置された複数のマークの位置ずれから眼内レンズの傾きを特定する場合を説明する説明図である。 深さ方向の異なる位置に配置された複数のマークの位置ずれから眼内レンズの深さ位置を特定する場合を説明する説明図である。 深さ方向の異なる位置に配置された複数のマークの位置ずれから眼内レンズの深さ位置を特定する場合を説明する説明図である。 非接触型の広角観察システムを用いて前置レンズが設置された手術顕微鏡の一例を示す説明図である。 同実施形態に係る眼内レンズ固定支援システムを用いた前置レンズの位置調整処理を示すフローチャートである。 白内障手術において前嚢切開円と眼内レンズの光学中心との関係を示す説明図である。 同実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成を示すハードウェア構成図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.概要
2.システム構成
3.眼内レンズ
3.1.マークの特性
(1)マークを構成する材料の特性
(2)マーキング方法
3.2.マーキングパターン
(1)光学中心位置の特定
(2)傾きの特定
(3)深さ位置の特定
4.眼内レンズ固定支援システムの活用
4.1.ワークフロー
4.2.眼底観察時の視認性向上への応用
5.その他
6.まとめ
7.ハードウェア構成
[1.概要]
まず、図1〜図3に基づいて、本開示の一実施形態に係る眼内レンズ100の概略構成と、眼内レンズ固定支援システムによる眼内レンズ100の光学中心位置及び姿勢情報の提示例について説明する。図1は、本実施形態に係る眼内レンズ100の概略構成を示す平面図及び側面図である。図2は、本実施形態に係る眼内レンズ固定支援システムにより提示される情報の一例を示す説明図である。図3は、本実施形態に係る眼内レンズ固定支援システムにより提示される情報の他の例を示す説明図である。
本実施形態に係る眼内レンズ100は、図1に示すように、光学部110と、光学部110を支持する一対の支持部120とを有する。光学部110は、レンズとして機能する円形状の部材である。光学部110は、折り曲げ可能な部材であり、例えばアクリル材料から形成される。支持部120は、光学部110を眼内で留置または固定するための部材である。一対の支持部120は、例えば図1に示すように、光学部110の光学中心位置Oに対して対称に設けられている。支持部120も、例えばアクリル材料から形成される。光学部110と支持部120とは、同一材料から形成してもよい。
なお、以下の説明において、眼内レンズ100の光学中心位置とは、図1に示すように、光学部110のXY平面における中心位置をいう。また、眼内レンズ100の傾きとは、X軸またはY軸まわりの回転をいう。例えば図1下側には、Y軸まわりの回転を傾き角θで表している。そして、眼内レンズ100の深さ位置とは、Z軸方向における眼球に対する位置をいう。図1下側には、深さ位置Zにより眼内レンズ100の深さ位置を表している。眼内レンズの傾き及び深さ位置をまとめて「姿勢情報」とする。
本実施形態に係る眼内レンズ100は、後述するように、光学部110に、可視光外の特定波長帯の照明下において検出可能な特性を有するマークが付与される。かかるマークに基づき、眼内レンズ100の光学中心位置及び眼内における眼内レンズ100の姿勢情報を特定することが可能となる。そして、眼内レンズ固定支援システムでは、このような眼内レンズ100を眼内に固定する際に、マークに基づき特定された眼内レンズ100の光学中心位置及び姿勢情報をユーザに提示する。これにより、眼内レンズ100をより正確に眼内に固定できるようにユーザを支援することができる。
眼球における眼内レンズ100の装着状態は、例えば図2に示すように、可視光画像撮像装置により取得された可視光画像である眼球画像10に、検出された眼内レンズ100のマーク11を重畳させて表示してもよい。あるいは、図3に示すように、眼球画像10に、眼内レンズ100の傾きの方向を表す矢印マーク13と、傾き角θを表示するラベル15とを重畳して表示させてもよい。このとき、矢印マーク13及びラベル15は、眼内レンズ100のマークに基づき特定される光学中心位置及び姿勢情報から、眼内レンズ100の傾き角及びその方向を特定することで、作成可能である。このように、眼内レンズ固定支援システムは、眼球における眼内レンズ100の装着状態(すなわち、光学中心位置及び姿勢情報)をわかりやすく提示する。
[2.システム構成]
図4に基づき、本実施形態に係る眼内レンズ固定支援システム1の一構成例を説明する。図4は、本実施形態に係る眼内レンズ固定支援システム1の一構成例を示す機能ブロック図である。なお、以下では、赤外光を散乱する塗料により眼内レンズ100にマークを付与し、赤外画像撮像装置220を用いて当該マークを撮像する場合について説明する。眼内レンズ固定支援システム1は、手術顕微鏡に組み込んだ場合には手術中のナビゲーションシステムとして機能させることができる。また、眼内レンズ固定支援システム1を眼科検査装置に組み込んだ場合には、術後に眼内に固定された眼内レンズ100の配置の確認するシステムとして機能させることも可能である。以下では、眼内レンズ固定支援システム1を前者の手術中のナビゲーションシステムとしてとして用いることを想定して説明する。
本実施形態に係る眼内レンズ固定支援システム1は、図4に示すように、照明装置210と、可視光画像撮像装置221と、赤外画像撮像装置223と、画像処理装置230と、表示装置240とを含む。
照明装置210は、眼内レンズ100が装着された患者の眼球を観察する際に、眼球に対して照明光を照射する。照明装置210は、可視光波長帯及び特定波長帯の双方の光を照明光として照射する。可視光波長帯の光は、眼球画像等の可視光画像を取得するために照射される。特定波長帯の光は、可視光外の光であり、眼内レンズ100に付与されたマークを取得するために照射される。例えば特定波長帯は、赤外波長帯である。なお、照明装置210の照明光は、少なくとも特定波長帯の光を含んでいればよく、直視(可視光)観察のための照明装置と共通の照明装置であってもよく、直視観察用の照明装置とマーキング取得用の照明装置とを個別に設けてもよい。
可視光画像撮像装置221は、直視観察用の画像を撮像する撮像装置である。可視光画像撮像装置221は、可視光波長帯の光に基づき可視光画像を取得する。例えば、眼球画像等は、可視光画像として取得される。可視光画像撮像装置221により撮像された可視光画像は、提示画像生成部235へ出力される。
赤外画像撮像装置223は、眼内レンズ100のマーク取得用画像を撮像する撮像装置である。赤外画像撮像装置223は、赤外光の照射を受けて、眼内レンズ100のマークの塗料が特異的に吸収または散乱、蛍光、偏光等を生じることにより、赤外画像を取得する。赤外画像撮像装置223により撮像された赤外画像は、眼内レンズ情報復元部233へ出力される。
画像処理装置230は、眼内レンズのマークに基づき情報の復元を行い、表示装置240に表示させる画像を生成する。画像処理装置230は、図4に示すように、マーキングパターン定義情報記憶部231と、眼内レンズ情報復元部233と、提示画像生成部235とを含む。マーキングパターン定義情報記憶部231は、眼内レンズ100に対して付与されているマークのパターンを予め記憶する記憶部である。
眼内レンズ情報復元部233は、赤外画像撮像装置223により取得された赤外画像に対して閾値処理等を施し、眼内レンズ100において周辺より輝度値が高い部分または低い部分を抽出し、マークが付与された領域(以下、「マーキング領域」ともいう。)のみを抽出する。そして、眼内レンズ情報復元部233は、抽出されたマーキング領域とマーキングパターン定義情報とに基づき、眼内レンズ100の光学中心位置及び姿勢情報を算出する。なお、具体的な情報復元方法については後述する。眼内レンズ情報復元部233は、復元した眼内レンズ100の光学中心位置及び姿勢情報を、提示画像生成部235へ出力する。
提示画像生成部235は、可視光画像撮像装置221により取得された可視光画像に対して、眼内レンズ情報復元部233から入力された眼内レンズ100の光学中心位置及び姿勢情報を合成し、提示画像を生成する。提示画像生成部235は、生成された提示画像を表示装置240に出力する。
表示装置240は、提示画像生成部235により生成された提示画像を表示する装置である。表示装置240に提示画像を表示することで、術者に画像が提示される。提示画像は、例えば図2または図3に示したような画像としてもよい。図2に示したように抽出されたマーク部分だけを可視光画像に重畳することで、術者自身がマークのパターンのずれを認識可能なように提示することができる。また、図3に示したように眼内レンズ情報復元部233により算出された眼内レンズ100の傾きの方向あるいは量を、図形または数値として提示してもよい。このとき、術者は提示された情報を参照しながら、眼内に挿入した眼内レンズ100の位置調整を繰り返し、正確な位置姿勢で眼内レンズ100を眼内に固定させることができる。
なお、図4に示す眼内レンズ固定支援システム1は、表示装置240を含んでいるが、本開示はかかる例に限定されず、表示装置240は必ずしも含まなくともよい。例えば眼内レンズ固定支援システム1は、提示画像生成部235により生成された提示画像を表示装置に表示させる制御装置を含み、外部の表示装置に対して提示画像を提示させるようにしてもよい。図4に示すように眼内レンズ固定支援システム1が表示装置240を含む場合には、例えば、提示画像生成部235または別途の制御装置(図示せず。)によって表示装置240に提示画像を表示させるようにすればよい。
[3.眼内レンズ]
本実施形態に係る眼内レンズ100は、上述したように、赤外光のような人間の眼では視認できない材料によりマークが付与されている。マークは、可視光外の特定波長帯の光が照射されている状態で、赤外画像撮像装置223のような当該特定波長帯の光による画像を取得可能な撮像装置を用いて取得可能である。以下、眼内レンズ100に付与されるマークとそのマーキングパターン、マークからの眼内レンズの光学中心位置及び姿勢情報の復元方法について説明する。
[3.1.マークの特性]
(1)マークを構成する材料の特性
眼内レンズ100に付与されるマークは、生体適合性等の眼内レンズ100に使用可能な材料の条件を満たしながら、以下の特性を有する材料により眼内レンズ100に付与される。まず、マークを付与する材料は、可視光外の特定波長帯において特異的に吸収または散乱、蛍光、偏光等を生じるものとする。なお、蛍光には励起光を用いるものと用いないものとの双方を含む。ここで、特定波長帯は、自然光だけでなく、例えばOCT等の眼科診断装置あるいは他の民生機器において利用される波長帯とは干渉しないものとする。マークを付与する材料の上記特性は、必ずしも恒久的なものでなくともよい。例えば、レーザ照射等によって意図的に材料の上記特性を打ち消す処理を行ってもよい。あるいは、マークを付与する材料の上記特性は、時間の経過とともに消失するように設計されてもよい。
(2)マーキング方法
マークは、例えば眼内レンズ100の表面(前面または背面)に対し、上記材料によってパターンを塗装することにより、眼内レンズ100に付与してもよい、あるいは、眼内レンズ100の製造時に、眼内レンズ100の内部に上記材料を含む物質を流し込み、パターンを成形してもよい。さらに、例えば眼内レンズ100の表面または内部に対してレーザ等を照射することにより、特定部分のみ上記の材料が満たすべき特性を有するように変移させてもよい。
[3.2.マーキングパターン]
マークは、眼内レンズ100の光学部110のすべての領域に対して付与することができる。より詳細には、平面(XY平面)においては、マークは、光学部110のすべての領域に付与可能である。また、深さ方向(Z方向)においては、マークは、光学部110の前面から背面まで、内部を含めていずれの位置に付与してもよい。
マークは、点または線、及びこれらの構成要素の組み合わせにより構成される幾何パターンにより示されてもよい。すなわち、構成要素には、直線、曲線、領域等が含まれ得る。各構成要素は連続的に材料により塗りつぶされていてもよく、部分的に不連続であってもよい。例えば、線は、破線であってもよい。円または多角形等は、閉状態でなくともよく、例えば「C」のように一部が欠けた開状態であってもよい。以下、マーク130の幾何パターンの例を説明する。
(1)光学中心位置の特定
図5〜図16に、眼内レンズ100の光学中心位置を復元可能なマーク130の幾何パターンの例を示す。
例えば図5及び図6に示すように、マーク130は円形であってもよい。図5のマーク130は真円であり閉じているが、図6のマーク130のように一部が欠けた円であってもよい。いずれも、実際には示されていないが仮想点として特定される円の中心点が光学部110の光学中心位置となるように設けられている。したがって、例えば、眼内レンズ情報復元部233により抽出されたマーキング領域からハフ変換等により円を検出し、その中心点を求めることで、マーク130から眼内レンズ100の光学中心位置を復元することができる。
また、図7及び図8に示すように、マーク130は多角形であってもよい。図7のマーク130は正方形であり、図8のマーク130は星形である。いずれも、多角形の各頂点の重心位置が、光学部110の光学中心位置となるように設けられている。したがって、例えば、眼内レンズ情報復元部233により抽出されたマーキング領域から多角形の頂点を検出し、各頂点の重心位置を求めることで、マーク130から眼内レンズ100の光学中心位置を復元することができる。
さらに、図9〜図12に示すように、マーク130は1または複数の特異点を有する形状であってもよい。例えば図9のマーク130は二等辺三角形であり、図10のマーク130は1つの頂点を有するドロップ型である。このとき、図9のマーク130では最小の角度を有する頂点を特異点とすることができ、図10のマーク130では1つの頂点を特異点とすることができる。その他にも、マーク130の幾何パターンにおいて曲率が高い点あるいは端点等を特異点としてもよい。このとき特異点は、光学部110の光学中心位置となるように設けられている。これにより、例えば、眼内レンズ情報復元部233により抽出されたマーキング領域から特異点を検出することで、マーク130から眼内レンズ100の光学中心位置を復元することができる。
また、図11のマーク130は、図9のマーク130を2つ設けて構成されており、図12のマーク130は、2つの直線を平行に配置して構成されている。いずれも、2つのマーク130の特異点の重心位置が、光学部110の光学中心位置となるように設けられている。これにより、例えば、眼内レンズ情報復元部233により抽出されたマーキング領域から特異点を検出し、各特異点の重心位置を求めることで、マーク130から眼内レンズ100の光学中心位置を復元することができる。
また、図13及び図14に示すように、マーク130は、2つ以上の線が交差する幾何パターンであってもよい。図13のマーク130は、眼内レンズ100の光学中心位置を通り、かつ、直交するように2つの直線が配置されて構成されている。図14のマークは、眼内レンズ100の光学中心位置を通り、かつ、光学部110の周方向に等間隔に配置されるように3つの直線が配置されて構成されている。いずれも複数の直線の交点が眼内レンズ100の光学中心位置となる。したがって、例えば、眼内レンズ情報復元部233により抽出されたマーキング領域からハフ変換等により直線を検出し、検出された直線の交点を求めることで、マーク130から眼内レンズ100の光学中心位置を復元することができる。
さらに、図15に示すように、マーク130は格子パターンであってもよい。図15のマーク130は、眼内レンズ100の光学中心位置を4つの直線により取り囲む幾何パターンである。格子の中心が眼内レンズ100の光学中心位置となる。したがって、例えば、眼内レンズ情報復元部233により抽出されたマーキング領域からハフ変換等により直線を検出し、検出された直線の4つの交点座標の重心位置を求めることで、マーク130から眼内レンズ100の光学中心位置を復元することができる。
また、図16に示すように、マーク130はドットパターンであってもよい。図16のマーク130は、3つのドットからなり、これらの重心位置が眼内レンズ100の光学中心位置となるように各ドットが配置されている。したがって、例えば、眼内レンズ情報復元部233により抽出されたマーキング領域から各ドットを含む領域の重心位置を求め、さらに各重心位置の重心を求めることにより、マーク130から眼内レンズ100の光学中心位置を復元することができる。
(2)傾きの特定
眼内レンズ100の傾きは、マーク130の形状の歪み、または、光学部110の深さ方向の異なる位置に配置された複数のマーク130の位置ずれにより、特定することができる。
マーク130の形状の歪みから眼内レンズ100の傾きを特定することの可能なマーク130の幾何パターンとしては、例えば、図5及び図6に示した円形や、図7及び図8に示したような多角形、図15の格子パターン、図16のドットパターン等がある。
例えばマーク130が図5及び図6のような円形である場合、眼内レンズ情報復元部233により抽出されたマーキング領域に対して楕円当てはめ処理を行い、長軸と短軸との長さの比率から傾き量を算出し、長軸/短軸の方向から傾きの方向を算出できる。また、例えばマーク130が図7及び図8のような多角形である場合、眼内レンズ情報復元部233により抽出されたマーキング領域に対してから多角形の頂点を検出し、その頂点間の距離関係に基づき傾き量及び傾きの方向を求めることができる。さらに、図15の格子パターン、図16のドットパターンの場合も、多角形の場合と同様に、傾き量及び傾きの方向を求めることができる。
一方、深さ方向の異なる位置に配置された複数のマーク130の位置ずれから眼内レンズ100の傾きを特定する場合、例えば図17に示すように、2つの円形のマーク131、133を設けてもよい。光学部110の表面側にはマーク131、光学部110の背面側にはマーク133が配置されている。マーク131、133は、いずれもその中心が眼内レンズ100の光学中心位置となるように配置されている。したがって、眼内レンズ100に傾きが生じていないときには、図17上側に示すように、2つのマーク131、133の円形は同心円となる。一方、眼内レンズ100に傾きが発生すると、図17下側に示すように、前面の円形のマーク131の中心位置と、背面の円形のマーク133の中心位置とがずれる。この中心位置のずれに基づき、眼内レンズ100の傾き量及び傾きの方向を求めることができる。
このように、眼内レンズ100のマーク130から、眼内レンズ100の傾き(傾き量及び傾きの方向)を復元することができる。
(3)深さ位置の特定
眼内レンズ100の深さ位置は、光学部110の深さ方向の異なる位置に配置された複数のマーク130の位置関係に基づき、特定することができる。眼外から撮像する赤外画像撮像装置223では、前面のマーク131と背面のマーク133とをそれぞれ観察可能である。このとき、図18及び図19に示すように、赤外画像撮像装置223に対する眼内レンズ100の位置が変化すると、画像中において、前面の円(外側のマーク11a)と背面側の円(内側のマーク11b)の半径差が変化する。例えば、眼内レンズ100は、図18よりも図19の方が赤外画像撮像装置223に近づいている。このとき、画像の円形のマーク11a、11bの半径の差は、眼内レンズ100が赤外画像撮像装置223に近づくにつれて大きくなる。
これより、赤外画像撮像装置223により取得された赤外画像から検出されるマーク131、133と、基準となる臓器(例えば虹彩2)との位置関係から、虹彩2と眼内レンズ100との相対距離を把握することができる。
[4.眼内レンズ固定支援システムの活用]
[4.1.ワークフロー]
本実施形態に係る眼内レンズ固定支援システム1を活用した術前から術後までのワークフローの一例を説明する。
まず、手術前の検査により、眼内レンズ100の度数等の選定を行うとともに、検査装置により得られた情報からシミュレーションを行い、患者の眼球形状に応じた眼内レンズ100の最適な留置位置を計画する。次いで、計画により高精度な位置決めが必要な情報に特化したマーク130が付与された眼内レンズ100を製造する。マーク130は、製造済みの眼内レンズ100に対して付与してもよい。
手術時には、眼内レンズ固定支援システム1を用いて、眼内レンズ100のマーク130から得られる情報に基づいて、眼内レンズを計画された所定位置に配置する。また、手術後の検査等により、正視力が想定よりも改善しない場合等には、眼内レンズ100の位置ずれも考え得る。そこで、眼内レンズ固定支援システム1を用いることで、眼内に固定された眼内レンズ100に位置ずれが生じていないかを確認することができる。眼内レンズ100に位置ずれが生じていた場合には、眼内レンズ100の位置ずれを補正する処置等を検討することが可能となる。
[4.2.眼底観察時の視認性向上への応用]
網膜硝子体手術(眼底の手術)では、図20に示すように、手術顕微鏡310に加えて眼底観察用の特殊なレンズ(以下、「前置レンズ」という。)321を眼球Eの近くに配置または接触させて、眼底の観察が行われる。図20では、非接触型の広角観察システム320を用いて前置レンズ321を設置し、眼底の観察を行う例を示している。網膜硝子体手術は、眼内レンズ100を挿入した患者に対しても行われることがある。このとき、挿入された眼内レンズ100の光軸と前置レンズ321の光軸とが一致していないと、眼底観察の視認性が悪化する。特に、多焦点眼内レンズと呼ばれる眼内レンズの場合に顕著であることが知られている。
そこで、本実施形態に係る眼内レンズ固定支援システム1を用いることで、患者の眼に挿入された眼内レンズ100の光学中心位置や姿勢情報を把握することができる。その眼内レンズ100の光学中心位置や姿勢情報を用いることで、前置レンズ321の位置を、互いの光軸が一致するように容易に調整することができる。前置レンズ321の位置調整は、例えば図20に示すような手術顕微鏡310に装着された広角観察システム320の場合には、手術顕微鏡310の位置を調整すればよい。また、前置レンズ321が手(指)で保持するコンタクトレンズの場合には、術者が手で前置レンズ321の位置を調節すればよい。
本実施形態に係る眼内レンズ固定支援システム1を用いた前置レンズ321の位置調整処理を図21に示す。図21は、本実施形態に係る眼内レンズ固定支援システム1を用いた前置レンズ321の位置調整処理を示すフローチャートである。
図20に示すように、まず、照明装置210により眼内レンズ100が挿入された眼に対して照明光を照射し、可視光画像撮像装置221により可視光画像を取得するとともに、赤外画像撮像装置223により赤外画像を取得する(S100)。次いで、眼内レンズ情報復元部233により、赤外画像から眼内レンズ100のマーク130が抽出される(S110)。そして、抽出されたマーク130の形状から、眼内レンズ100の光学中心位置及び姿勢情報が算出される(S120)。その後、提示画像生成部235により、可視光画像に対し、眼内レンズ100の光学中心位置及び姿勢情報を示す情報を重畳し、例えば図2または図3に示すような提示画像を生成し、表示装置240に提示画像を表示する(S130)。
そして、提示画像に基づき、前置レンズ321の光学中心と眼内レンズ100の光学中心とがずれているか否かが判断される(S140)。前置レンズ321の光学中心と眼内レンズ100の光学中心とがずれている場合には、前置レンズ321の位置を調整し多後(S150)、ステップS100からの処理が繰り返される。
このように、網膜硝子体手術において、本実施形態に係る眼内レンズ固定支援システム1を用いることで、網膜硝子体手術時に眼底観察の視認性を向上させることができる。
[5.その他]
本実施形態に係る眼内レンズ100には、その光学中心位置及び姿勢情報を取得するためのマーク130が付与されているが、本開示はかかる例に限定されない。例えば、眼内レンズ100の特性あるいは製造等に関する情報を、別途のマーク(第2のマーク)として埋め込んでもよい。
具体的には、例えば、球面度数や大きさ、曲率等のレンズ形状あるいはレンズの材料等に関する情報を、レンズ特性として第2のマークにより特定可能にしてもよい。また、例えばメーカ、製造時期、場所、ロット等を示すシリアルナンバーといった製造に関する情報を、第2のマークにより特定可能にしてもよい。例えば文字列を第2のマークとして直接マーキングして付与してもよく、バーコードあるいはQRコード(登録商標)等の二次元コードのように情報がエンコードされた幾何パターンを第2のマークとして付与してもよい。
[6.まとめ]
以上、本実施形態に係る眼内レンズ100と、これを用いた眼内レンズ固定支援システム1とについて説明した。かかる眼内レンズ100を用いることで、眼内レンズ挿入手術時に、挿入中の眼内レンズ100の光学中心位置及び姿勢情報を確認することが可能となり、眼内レンズ100の正確な留置または固定を支援することができ、視機能の向上が期待できる。
眼内レンズ100の光学中心位置がわかることにより、例えば白内障手術においては、図22に示すように、前嚢切開円8a(白内障手術時の水晶体前面の切開部分)と眼内レンズ100の光学中心とが一致するように、眼内レンズ100の位置を修正可能となる。あるいは、前嚢切開円8aの位置または大きさに過不足が生じる場合には、追加の前嚢切開が必要か否かを判断する材料として利用することもできる。これにより術後視機能の向上が期待できる。
また、眼内レンズ100の傾きがわかることにより、眼軸に対して眼内レンズ100の光軸が傾いている状態か否かを把握できるようになる。したがって、眼内レンズ100が傾いている場合には、直ちに補正し、眼内レンズ100が正しい位置に留置されるように対応することができる。これにより術後視機能の向上が期待できる。
さらに、眼内レンズ100の深さ位置がわかることにより、例えば毛様溝に固定する屈折矯正用の眼内レンズ(ICL)等において、水晶体と眼内レンズ100との深さ位置に基づき、レンズサイズが適切であるか否かを判断することが可能となる。これにより、レンズサイズが不適である場合には、その場で交換する等の対応が可能となる。
また、術後経過観察等において、挿入した眼内レンズ100の光学中心位置及び姿勢情報が確認できることにより、術後に生じた眼内レンズ100のずれを検知することもできる。これにより、視機能改善不全の場合の原因特定あるいは再手術の必要性等の判断材料を提供することができる。例えば、術後に固定していた糸が切れる等が原因で眼内レンズ100がずれてしまうことがある。この場合にも早期に対応することが可能となる。
さらに、眼内レンズ挿入眼への網膜硝子体手術時において、挿入した眼内レンズの位置姿勢情報が確認できることにより、眼底観察に用いる前置レンズとの位置関係が把握可能となる。これにより、前置レンズの配置最適化とそれによる眼底観察の視認性向上が期待できる。
また、術前や術後の検査において、眼内レンズの特性や製造情報が参照できることにより、眼内レンズの追加や交換を行う際に挿入されている眼内レンズ100の度数情報を取得することが可能となる。これにより、術前計画の高精度化できる。また、眼内レンズ100の取り外しを行う際に、挿入された眼内レンズ100の形状情報がわかるため、支持部120の構造等を把握することが可能となり、眼内レンズ100の取り出しが容易になる。さらに、眼内レンズ100の取り外しを行う際に、挿入さたれ眼内レンズ100の材料情報がわかるため、例えば眼内レンズ100がカッター等により破壊可能かどうかを事前に把握することもできる。
[7.ハードウェア構成]
上記実施形態に係る眼内レンズ固定支援システム1の画像処理装置230のハードウェア構成例について説明する。図23は、本実施形態に係る画像処理装置230のハードウェア構成を示すハードウェア構成図である。
本実施形態に係る画像処理装置230は、上述したように、コンピュータ等の処理装置により実現することができる。画像処理装置230は、図23に示すように、CPU(Central Processing Unit)901と、ROM(Read Only Memory)902と、RAM(Random Access Memory)903と、ホストバス904aとを備える。また、画像処理装置230は、ブリッジ904と、外部バス904bと、インタフェース905と、入力装置906と、出力装置907と、ストレージ装置908と、ドライブ909と、接続ポート911と、通信装置913とを備える。
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って画像処理装置230内の動作全般を制御する。また、CPU901は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス904aにより相互に接続されている。
ホストバス904aは、ブリッジ904を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス904bに接続されている。なお、必ずしもホストバス904a、ブリッジ904および外部バス904bを分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
入力装置906は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイク、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。出力装置907は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置およびランプなどの表示装置や、スピーカなどの音声出力装置を含む。
ストレージ装置908は、画像処理装置230の記憶部の一例であり、データ格納用の装置である。ストレージ装置908は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。このストレージ装置908は、ハードディスクを駆動し、CPU901が実行するプログラムや各種データを格納する。
ドライブ909は、記憶媒体用リーダライタであり、画像処理装置230に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ909は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体に記録されている情報を読み出して、RAM903に出力する。
接続ポート911は、外部機器と接続されるインタフェースであって、例えばUSB(Universal Serial Bus)などによりデータ伝送可能な外部機器との接続口である。また、通信装置913は、例えば、通信網5に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、通信装置913は、無線LAN(Local Area Network)対応通信装置であっても、ワイヤレスUSB対応通信装置であっても、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
可視光外の特定波長帯の照明下において検出可能なマークを有する光学部と、
前記光学部を支持する支持部と、
を備え、
前記マークは、前記光学部の光学中心位置及び眼内における前記光学部の姿勢情報を復元することの可能な幾何パターンにより示される、眼内レンズ。
(2)
前記マークの幾何パターンは、点または線、及びこれらの構成要素の組み合わせにより構成される、前記(1)に記載の眼内レンズ。
(3)
前記マークは、前記幾何パターンの重心位置、特異点または前記幾何パターンを構成する構成要素に基づき特定される仮想点により、前記光学部の光学中心位置を示す、前記(1)または(2)に記載の眼内レンズ。
(4)
前記マークは、前記光学部の姿勢情報として、前記幾何パターンの歪み、または、前記光学部の光軸方向において少なくとも2つ以上の異なる位置に施された前記幾何パターンの位置ずれにより、前記眼内レンズの傾きを示す、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の眼内レンズ。
(5)
前記マークは、前記光学部の姿勢情報として、前記光学部の光軸方向において少なくとも2つ以上の異なる位置に施された前記幾何パターンの重心位置、特異点または前記幾何パターンを構成する構成要素に基づき特定される仮想点により、前記眼内レンズの深さ位置を示す、前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の眼内レンズ。
(6)
前記マークは、少なくとも前記光学部の光学中心位置を含むように付与される、前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の眼内レンズ。
(7)
前記光学部には、前記眼内レンズの特性または製造に関するレンズ情報を特定可能な第2のマークがさらに施されている、前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の眼内レンズ。
(8)
前記マークは、前記特定波長帯において特異的に吸収または散乱、蛍光、偏光を生じる物質からなる塗料を用いて、前記光学部に付与される、前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の眼内レンズ。
(9)
可視光外の特定波長帯の照明下において検出可能なマークを有する光学部を有する眼内レンズに対して、少なくとも前記可視光外の特定波長帯の照明光を照射する照明装置と、
前記眼内レンズを撮像し、特定波長帯の光による画像を取得する撮像装置と、
前記画像から前記マークを抽出し、前記眼内レンズの光学中心位置及び姿勢情報を復元する画像処理装置と、
前記眼内レンズの光学中心位置及び前記姿勢情報を表示装置に表示させる制御装置と、
を含む、眼内レンズ固定支援システム。
(10)
可視光外の特定波長帯の照明下において検出可能なマークを有する光学部を有する眼内レンズに対して、少なくとも前記可視光外の特定波長帯の照明光を照射して取得された画像から、前記眼内レンズから前記マークを抽出し、
前記眼内レンズの光学中心位置及び姿勢情報を復元する処理部を備える、画像処理装置。
1 眼内レンズ固定支援システム
2 虹彩
8a 前嚢切開円
10 眼球画像
11 マーク
13 矢印マーク
15 ラベル
100 眼内レンズ
110 光学部
120 支持部
130、131、133 マーク
210 照明装置
220 赤外画像撮像装置
221 可視光画像撮像装置
223 赤外画像撮像装置
230 画像処理装置
231 マーキングパターン定義情報記憶部
233 眼内レンズ情報復元部
235 提示画像生成部
240 表示装置
310 手術顕微鏡
320 広角観察システム
321 前置レンズ

Claims (10)

  1. 可視光外の特定波長帯の照明下において検出可能なマークを有する光学部と、
    前記光学部を支持する支持部と、
    を備え、
    前記マークは、前記光学部の光学中心位置及び眼内における前記光学部の姿勢情報を復元することの可能な幾何パターンにより示される、眼内レンズ。
  2. 前記マークの幾何パターンは、点または線、及びこれらの構成要素の組み合わせにより構成される、請求項1に記載の眼内レンズ。
  3. 前記マークは、前記幾何パターンの重心位置、特異点または前記幾何パターンを構成する構成要素に基づき特定される仮想点により、前記光学部の光学中心位置を示す、請求項1に記載の眼内レンズ。
  4. 前記マークは、前記光学部の姿勢情報として、前記幾何パターンの歪み、または、前記光学部の光軸方向において少なくとも2つ以上の異なる位置に施された前記幾何パターンの位置ずれにより、前記眼内レンズの傾きを示す、請求項1に記載の眼内レンズ。
  5. 前記マークは、前記光学部の姿勢情報として、前記光学部の光軸方向において少なくとも2つ以上の異なる位置に施された前記幾何パターンの重心位置、特異点または前記幾何パターンを構成する構成要素に基づき特定される仮想点により、前記眼内レンズの深さ位置を示す、請求項1に記載の眼内レンズ。
  6. 前記マークは、少なくとも前記光学部の光学中心位置を含むように付与される、請求項1に記載の眼内レンズ。
  7. 前記光学部には、前記眼内レンズの特性または製造に関するレンズ情報を特定可能な第2のマークがさらに施されている、請求項1に記載の眼内レンズ。
  8. 前記マークは、前記特定波長帯において特異的に吸収または散乱、蛍光、偏光を生じる物質からなる塗料を用いて、前記光学部に付与される、請求項1に記載の眼内レンズ。
  9. 可視光外の特定波長帯の照明下において検出可能なマークを有する光学部を有する眼内レンズに対して、少なくとも前記可視光外の特定波長帯の照明光を照射する照明装置と、
    前記眼内レンズを撮像し、特定波長帯の光による画像を取得する撮像装置と、
    前記画像から前記マークを抽出し、前記眼内レンズの光学中心位置及び姿勢情報を復元する画像処理装置と、
    前記眼内レンズの光学中心位置及び前記姿勢情報を表示装置に表示させる制御装置と、
    を含む、眼内レンズ固定支援システム。
  10. 可視光外の特定波長帯の照明下において検出可能なマークを有する光学部を有する眼内レンズに対して、少なくとも前記可視光外の特定波長帯の照明光を照射して取得された画像から、前記眼内レンズから前記マークを抽出し、
    前記眼内レンズの光学中心位置及び姿勢情報を復元する処理部を備える、画像処理装置。
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