JP2019191055A - 小型ペン状のモバイルセンサーで、人体・ペット・家畜などの体液及び排泄物測定装置、並びに、これと連携した健康管理のためのデータ管理、分析、アドバイスシステム - Google Patents

小型ペン状のモバイルセンサーで、人体・ペット・家畜などの体液及び排泄物測定装置、並びに、これと連携した健康管理のためのデータ管理、分析、アドバイスシステム Download PDF

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Abstract

【課題】体液及び排泄物の成分を分析する小型センサー装置を含むシステムを提供する。【解決手段】測定のための装置と分析のためのシステムで構成される仕組みを用いる。装置は、使用者が保持する部分に相当する本体部10と、本体部に接続され測定対象に接触する測定部20、さらに測定対象と測定部に介在するソケット30を有し、これらが一体となった携帯型の器具として構成される。利用者は、うち本体部10を持ち(図5)成分の透過が可能なソケット30を測定対象である体液及び排泄物に付着させて、対象の体液及び排泄物の測定を行う。測定データは、通信装置を経由して測定端末に転送された後、外部サーバーを含む一体のシステムの中で分析や解析を経て、利用者に提供されるアドバイス等に活用される。この際、写真撮影端末を用いて撮影された画像データの分析との併用、ディープラーニングの活用(図6)を通じて、分析やアドバイスの精度向上を図る。【選択図】 図1

Description

形状がペン状、重量や大きさがペン以下で、片手で利用することが可能な、小型かつ軽量の体液及び排泄物測定装置、並びに、これと連携したデータ管理、分析、アドバイスのためのシステムである。
本発明は、先端にセンサーを備えたペン状の簡易測定装置、並びに、これと連携したデータ管理、分析、アドバイスのためのシステムである。本発明に相当する単一の器具により、各生命体の複数の体液及び排泄物の測定が可能となる。言語による意思表示を行える人間だけでなく、言語による意思表示が不自由な乳幼児、言語による意思表示ができない動物に係る身体の異常を早期に検知する手段として有用である。
乳幼児を含む人間の場合は、尿、唾液、血液、大便といった排泄物、及び血液を対象として、尿糖、尿潜血、尿ケトン体、尿蛋白、尿亜硝酸、尿白血球、便潜血など、健康維持のうえで管理が必要な基礎的な成分を計測するとともに、潜在的なアレルギー発症の可能性も把握する。
犬の場合は、尿、唾液、血液、大便といった排泄物、及び血液を対象として、尿糖、尿潜血、粘液、尿蛋白、脂肪、アンモニウム、マグネシウム、リン酸、便潜血など、健康維持のうえで管理が必要な基礎的な成分を計測するとともに、潜在的なアレルギー発症の可能性も把握する。また、内在リスクのある寄生虫の存在も検出する。
猫の場合は、尿、唾液、血液、大便といった排泄物、及び血液を対象として、尿糖、尿潜血、尿蛋白、脂肪、アンモニウム、マグネシウム、リン酸、便潜血など、健康維持のうえで管理が必要な基礎的な成分を計測するとともに、潜在的なアレルギー発症の可能性も把握する。また、内在リスクのある寄生虫の存在も検出する。
家畜や競走馬等の場合は、尿、唾液、血液、大便といった排泄物、及び血液を対象として、尿糖、尿潜血、尿蛋白、脂肪、便潜血など、健康維持のうえで管理が必要な基礎的な成分を計測するとともに、潜在的なアレルギー発症の可能性も把握する。また、内在リスクのある寄生虫の存在も検出する。
本発明は、装置にて測定した測定結果を、スマートフォン、タブレット、パソコン等の測定端末に転送する。これを受けた端末側は、必要に応じて外部サーバー上のデータベースと照合の上、受信データの分析や解析、食事・投薬等他データとの関連分析、さらに利用者に対する健康情報の提供やアドバイス、ないしは飼育対象生物の健康状態の報告やアドバイスを行うことができる。
測定端末側は、前記装置の測定データに代用して、外部撮影端末にて撮影された画像データを受信し、分析や解析の基礎情報とすることができる。
本発明の先端に関しては、測定部を保護するために、多様な体液及び排泄物を混合することなく測定できるように、また、ユーザーの心理的抵抗感を軽減するために、前記測定部の先端を、個別の体液及び排泄物ごとに付け替え可能なソケットで覆う。測定は、このソケットを通して行う。
食事、排泄は人間のほか、各生命体の基本的な活動であり、その把握は健康管理に際して重要である。
人間の食事に関しては、「カロミル」「FiNC」のように、スマートフォン等の端末での撮影から食事内容写真の画像解析を行うとともに運動・睡眠と関連でアドバイスを行うアプリケーションが普及している。一方、排泄物に関しては、「ウンログ」のように、排泄物の概要を選択式で入力するアプリケーションはあるが、スマートフォンからの撮影画像の解析技術を用いた事例はみられない。その理由としては、排泄物の写真撮影による記録に抵抗感のあるユーザーが多いことが考えられる。
人間の排泄物に対しては、便器に備付か後付のセンサーないしは撮影装置を用いて排泄物を測定する先行技術例が存在する。ただし、これらは特定の便器でのみ使用でき、携帯して使用することができない難点がある。尿に関しては特許文献1(特開2006−126184)、便に関しては特許文献2(特開2017−115571)さらに排便時のガスについては特許文献3(特開2016−145807)が挙げられる。子ども用の排泄器具に備え付けた例としては特許文献4(特開2015−136386)が挙げられる。また、便器に後付する排泄物分析装置が、サイマックス社により開発された。
医療現場では、テステープを利用した蛋白やPHの分析が行われている。このテステープは市販も行われている。
人間の多種の排泄物に対応する複合型センサーについても開発例が存し、一定の精度を有するが、大型で携帯性に劣るのが現状である。その他、血糖を測定する小型の携帯式機器が1台当たり最低2,000円台で多数市販されているが、測定対象は血糖だけである。類似機器が個々の成分につき多数開発された場合、利用者にとって整理、管理が煩雑になる。
人間以外の生命体に関しては、健康管理の観点でセンサー等の機器により排泄物の測定を簡便に実施するシステムの事例は、従来みられなかった。
従来から、人間の排泄物の分析や測定は、健康状態や潜在的な疾病リスクの把握のために利用されてきた。その内容につき、表1に尿検査(一般検査)、表2に尿検査(生化学的検査)、表3に尿検査(尿沈渣)、表4に糞便検査(鏡研)を例に挙げて示す。
人間以外の動物(犬、猫、家畜、競走馬など)に関しても、排泄物の分析や測定は、健康状態や潜在的な疾病リスクの把握に活用されてきた。その大部分は、同じ哺乳類であるという性質に鑑みれば人間と同一であるが、中には、人間にはなく人間以外の動物に固有の疾病のリスクを把握する項目もある。その人間以外の動物に固有の内容を、表5及び表6に示す。
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現在、医療現場や健康管理の場面で大きな役割を担っているのが血液やこの凝固後の液体成分に相当する血清の検査である。これらの検査は、生化学検査、薬物検査、血液学的検査、内分泌学的検査、腫瘍関連抗原の検査、ウイルス学的検査、免疫血清学的検査、アレルギー検査、細胞性免疫検査、染色体検査、遺伝子関連検査と幅広い領域をカバーしている(詳細は表7参照)。
ただし、血液を検査する手法は、採血に際し身体を傷つける点で難がある。その一方で、近年は生体内の光散乱理論を基盤とした非侵襲血液計測技術により、身体を傷つけることなく測定する技術も開発が進みつつある。
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歯周病の予防やリスク発見を効率的かつ簡便に行うことを目的に、唾液に関しても、8020財団を中心に検査項目の標準化が進められている。現在では、ヘモグロビンやLDHの測定を通じて、歯周病のリスクを把握するところまで至った。また、サリバテストと呼ばれる唾液検査を通じた虫歯のリスクの把握も行われている。
特開2006−126184号 特開2017−115571号 特開2016−145807号 特開2015−136386号
世界には、医療保険制度の問題のため医療機関への受診費用が高額になる国がある一方、日本国内でも、医療費の増大やこれに起因する財政負担の増加が課題となっているほか、地方部を中心に医師不足が顕在化している。ここで重要性が高まるのが予防医学である。この予防医学の観点から、現在の健康状態や医療機関への受診の必要性を簡便に把握し、病気が重篤化する前に事前にリスクを把握するツールが求められる。中でも、増加傾向にある糖尿病や癌(特に尿や便の検査で発見できる大腸癌や膀胱癌)に関しては、その兆候となる潜血反応や糖の排出を迅速に把握することが重要となる。
人類においては、ジェンダー間の平等の実現、女性や子どもの権利の保護が課題になる中、近年は、所得や居住地域、雇用形態、家族構成等により健康状態に格差が出るいわゆる「健康格差」の問題が顕著になっている。この解決に向け、性別や年齢、社会的属性に関わらず誰もが低廉かつ気軽に使える予防医学的観点からの器具のニーズが高まっている。
乳幼児の健康状態に関しても、近年地域間の格差が明白になってきた。日本の国立成育医療研究センターのグループの解析によれば、日本では、5歳未満の乳幼児の死亡率の都道府県格差が2000年前後から広がり、戦前に近いレベルになっているとの由である。
言語による意思表示が不自由な乳幼児は、疾病の罹患が見逃されるリスクが成人に比べて高い。こうした乳幼児の健康状態を恒常的に管理し、疾病の重篤化を防止するために、言語能力の成熟度に関係なく排泄される排泄物を恒常的に管理、測定することが重要になる。
人間の中には、運動選手のように、摂取物や体液及び排泄物に常時留意する必要が他の人間より高く、恒常的簡便な排泄物の状態確認が必要な層も存在する。また、妊婦にとっては母体や胎内の胎児の健康管理など、出産適齢期の女性にとっては長期的家族計画に向けた計画性のある出産、望まない妊娠や出産の防止、そのための排卵日の予測など体内環境の管理に対するニーズは高く、体液及び排泄物の管理もその一手段として重要となる。
人間の排便や排尿の測定機器は便器に固定されたものしか現存しないため、外出時に排便や排尿を行った場合には、この分が欠測となり、一定期間での測定・分析結果に不正確さが発生する。これを防止するためには携帯型の機器が必要となる。
近年は、花粉症の広がり、子供を中心とする食物アレルギーやアトピー性皮膚炎等のアレルギー性疾患の広がりも年々顕著になっている。これに対応して簡便にアレルギーのリスクを把握できる携帯型の機器のニーズも潜在的に高い。
言語による意思表示がほぼできない人間以外の生命体に関しては、人間と比較して恒常的な健康管理や疾病の発見が困難である。また寄生虫等を有する可能性もある。そこで、人間以外の生命体に関しては言語能力に関わりなく体液や生物の活動の一環として排泄される排泄物を恒常的に管理、測定することが重要になる。
犬、猫などのペットの飼育者にとって、その医療費の負担は小さいものではない。その軽減のためには、ペットに対しても予防医学の観点からの恒常的な健康管理が重要で、排泄物の管理、測定はそのための重要な手段となる。この際、寄生虫等の内在の有無の確認も重要である。
家畜の場合、飼育者にとって出産は非常に重要な出来事であり、妊娠の兆候の確認から出産完了までの間、常時立ち会って監視する必要がある。この過程で、飼育者に過大な負担が発生する。飼育者の負担の軽減のためには、体液及び排泄物の管理、測定を通じて妊娠の兆候や経過、母体の健康管理を容易化することが重要である。
家畜に関しては、一頭ないしは一羽でも感染力のある病気に感染した場合、同一箇所で飼育している他の生命体に感染が広がるだけではなく、周辺への感染拡大を防ぐべく同一箇所で飼育している生体すべてを殺処分しなければいけない場合もある。これは、生産者にとって経済的損失を回復するまでに数年を要する大きな損失である。この病気の例として、牛・豚・羊・山羊の場合は口蹄疫、鶏の場合は鳥インフルエンザ、牛の場合は牛海綿状脳症(BSE、通称は狂牛病)、羊・山羊の場合はスクレイピーが挙げられる。こうした疾病やこれに起因する殺処分からの損害を防ぐためには、体液及び排泄物の管理を通じて常時効率的な管理を行い、感染拡大を未然に防止することが求められる。
競争馬の場合、管理する厩舎にとって健康状態の把握は重要である。牝馬の場合、発走前に生理を起こし競争時にその能力を発揮できない場合が多々ある点にも留意が必要である。こうした競争馬にとっても健康管理手段としての体液及び排泄物の活用が重要である。
馬に関しては、感染力が高く、同一箇所で飼育する全生体の殺処分に至る可能性のある病気として、例えば馬伝染性貧血がある。この馬伝染性貧血に関しては現在予防法および治療法はなく、定期的な抗体検査を行い摘発した感染個体を淘汰するしかないのが現状である。馬伝染性貧血などの拡大を防止するためにも、体液及び排泄物の管理を通じて常時効率的な管理を行うことが求められる。
スマートフォンやタブレットによる写真撮影を活用する方法に心理的抵抗感を覚えるユーザーも存在する。その抵抗感を緩和するためには、センサーで計測可能な装置が必要となる。
その一方で、画像の解析や分析を併用するのは精度の向上に際して重要である。排泄物の撮影に抵抗感を覚えないユーザーに対応して、写真撮影の活用・分析も併用可能な仕組みの導入が求められる。
これまで、血液の検査は疾病リスクの把握に重要な役割を果たしてきた。不意の外傷による出血の利用や指先から針を用いて採取した血液の利用を通じて、携帯型機器でも、その簡便な測定を行うことが可能であり、また有用である。この際、近年開発が進みつつある非侵襲血液計測技術を活用すれば、身体を傷つけることなく携帯型機器で簡便に測定を行うことが可能となる。
口腔内疾患が様々な他疾患との関連が示されているため、口腔内の健康管理も重要である。これより、現在技術開発が進んでいる唾液の分析技術を活用して、携帯型機器による唾液の日常的な測定を通じてより手軽に口腔の健康状態も把握できるようになることが求められる。また、唾液の分析がさらに進行すれば口腔のみでなくその他の身体異常や疾病のリスクの把握に役立つ可能性がある。
個々の利用者の目線に立てば、収納や利便性の観点から、機器は片手での利用や携帯が可能なほど小型かつ軽量であるとともに、単一の機器で複数の体液及び排泄物に対応できることが求められる。一方、体液及び排泄物の混在により測定結果が不正確になることや利用者が不快感を覚えることを防止しなければならない。
従来、医療現場では、排泄物や血液をはじめとする生命体上の成分の分析手法として、遠心分離機などが多用されてきたが、高額な導入費用である、測定装置が巨大である、分析結果が出るまで時間がかかる、といった課題も抱えている。医療現場の目線からも、小型かつ軽量で、かつ迅速に分析を行える装置の開発や導入が望まれている。
本発明は、先端に測定のためのセンサーを備え付けたペン状の小型かつ軽量の測定装置、並びに、測定データを分析・解析のうえ利用者にアドバイスを行うシステムから構成される。
装置は、バッテリーや記憶・転送装置、時計機能を内蔵した本体部と、その先に付属し、体液及び排泄物の測定を実施する測定部とに分かれる。この測定部は、人間、ペット(犬、猫など)、家畜、競走馬等の複数の種別の生命体、複数の測定対象成分に対応したものがあり、対象となる生命体の種類及び測定対象成分に応じて付け替えて使用される。
測定対象となる生命体のうち、人間に対しては、その身体的特性に応じて、人間一般用、成人女性用、乳幼児用の3種類の測定部を用意する。測定部のうち人間一般用は、性別や年齢に関係なく共通に身体状態を把握する汎用性の高いものであ。測定部のうち成人女性用は、出産適齢期の女性を対象として妊娠や出産の可能性やそのリスクの把握に重点を置いて測定するものである。乳幼児用は、身体的な成熟がまだ進んでおらず疾病等のリスクが成人に比べて高いことやその年齢層に特有の疾病があることを踏まえ、乳幼児に固有の身体リスクに対応した測定を行うものである。
上記測定部に内蔵されるセンサーの種類としては、電気化学バイオセンサー、光学バイオセンサー、圧電素子式バイオセンサーを基本とする。これらの各センサーには、それぞれに、測定に向いた対象成分、測定に不向きな対象成分がある。言い換えれば、センサーの種別ごとに測定対象成分の適性がある。上記測定部及びその内蔵センサーは、それぞれの測定対象成分に対応した適性に応じて選択的に使い分けられ、付け替えて使用されるものである。
上記測定部に内蔵されるセンサーは、上記のとおりバイオセンサーを基本とし、透過層・分子識別素子・固定化層・選択膜・トランスデューサーといった基本構成を有する。各タイプの処理方式の相違は、このうちトランスデューサーの部分の処理方法の相違による。
上記のうち透過層は、測定対象とする体液及び排泄物から不純物を取り除くとともに測定に誤差を及ぼす要素からの影響を取り除き、測定精度を高める役割を持つものである。上記のうち分子識別素子は、酵素・微生物・抗体等の特異的な分子識別機能を有する生体関連物質のことである。上記のうち固定化層は、機能や活性を損なうことなく分子識別素子をトランスデューサーに固定化する層のことである。上記のうち選択膜は、トランスデューサーにおいて目的分子だけを計測するためにトランスデューサーに設ける感応膜や透過性膜である。上記のうちトランスデューサーは、分子識別素子における検出物質との反応(分子識別機能)より発生する信号を電流、電位等の電気化学的変化に変換する装置のことである。測定対象とする体液及び排泄物は、測定部のうちのセンサー内を、透過層、分子識別素子、固定化層、選択膜、トランスデューサーという順で透過する。トランスデューサーにおいて、本体部が受信可能な電気信号に変換される。
本装置の使用に際しては、測定対象とする体液及び排泄物に対応した、測定部を覆うソケットを付着する。測定はこのソケットを通して行われる。測定部が有するセンサーは、このソケットを透過した排泄物等の成分の有無及びその濃度等の数値データを把握する。
本装置の使用のうち、装置内部における流れを概説する。本発明が体液及び排泄物に接触した後、その成分の全ては、本発明の先端部に位置するソケットを透過する。ソケット部分では測定対象成分の選別は行わない。センサーは、ソケットを透過した後の測定対象成分に対して測定を行う。センサーにおいては、上記のうち透過層・分子識別素子・固定化層・選択膜と成分が透過していく過程で、トランスデューサーに至るまでに一定の成分の選別を行う。そして、トランスデューサーにおいて、各タイプの処理方式に応じた測定対象成分の検出作業を行う。トランスデューサー部分では、測定対象成分の有無、量、濃度といった情報が電気信号に変換される。この電気信号は、測定部に接続する本体部に一旦転送される。
本装置のうち本体部は、測定部により電気信号の形式に変換された、体液及び排泄物における測定対象成分の有無、量、濃度といったデータを取得、内蔵時計機能に基づきデータを取得した日時と組み合わせた形で一時保管する。さらに、随時スマートフォン、タブレット、パソコン等の測定端末にデータを転送する。本体部に内蔵された電源は、本体部の記憶、データ転送のほか、実際の測定を行う測定部に対しその動作のための電源を供給する役割を持つ。
本装置の本体部・測定部のそれぞれは、組み合わせて使用した場合の全体の大きさや重量が片手で容易に操作が可能な程度にとどまるように、各部分につき小型でコンパクトな設計にする。本体部に内蔵する電源部分における電池の大きさも、本装置のうち本体部にコンパクトに収まるような大きさにとどめる。
センサー及びこれを内蔵する測定部は、センシング技術の進歩に応じて随時改良された版に更新することができる。この更新された測定部も、従来の装置の持つ携帯性を損なうことなく、従前の本体部に接続することが可能である。
内部処理の高速化により、本装置による測定時間は長くとも1分強程度にとどめ、短時間で効率的な測定を可能とする。
本装置は、本来、データ管理、分析システムと一体となってその本格的な効用を発揮するものであるが、データ管理、分析システムと切り離された単独の装置として利用した場合でも、基本となる測定値の表示は可能である。これにより、本装置単独で利用した場合でも、簡易な健康状態の判断が可能となる。
本発明のうちデータ管理、分析システムは、上記装置からの転送データを直接受信するパソコンやスマートフォンなどの測定端末、測定データとの比較・照合が可能で利用者個別の測定データの保管も行うサーバー、並びにこれらを動作させるソフトウェアから構成される。システム上では、転送されたデータにつき検出対象成分の有無や検出濃度の閾値との照合を行うとともに、装置からのデータを受信した測定端末内部で、あるいは必要に応じ外部サーバー上のデータと照合のうえ、健康状態の分析や解析を行う。加えて、これを踏まえた利用者へのアドバイスやフィードバックも実施する。具体的には、人間に対する健康アドバイスサービスの提供、ペット、家畜、競走馬の健康管理に該当する。
ここで、健康状態の分析や解析に際しては、利用者ないしは利用対象生命体の側の食事、服薬内容、精神状態などといった健康状態のデータを、別個のソフトウェアを用いて予め入力することが可能である。このデータは、サーバーの中で各利用者ないしは利用対象生命体ごとに保管され、本装置における測定結果と連携・照合のうえ、アドバイスやフィードバックに活用することができる。
本発明上における装置からの転送データに代用して、外部写真撮影端末にて撮影された画像データを分析・解析対象として利用することもできる。この場合、パソコンないしはスマートフォンなどの測定端末内部の画像解析ソフトウェアやサーバー内のデータベースや画像解析ブログラム上で、体液及び排泄物の画像データを光の3原色に詳細に分解して分析する一方で、サーバーに蓄積された各利用者ないしは利用対象生命体の健康状態(食事、服薬内容、精神状態等)、並びに体液及び排泄物に係る健康状態(食事、服薬内容、精神状態等)との相関のデータとの照合を行って、アドバイスやフィードバックが可能な形での分析を進める。
装置からの取得データからの分析と外部写真撮影端末からの撮影データからの分析は、より精度の高い分析結果を導出すべく、サーバー内のデータベースを中心として、システム全体の中で相互に連携・補完し合って機能する。
外部写真撮影端末にて撮影された画像データを利用するか否かは、利用者の判断にゆだねられる。2つの方式を併用すれば分析精度は上がる一方で、前述のとおり、利用者の中には、排泄物の写真撮影に抵抗がある層が少なからず存在すると考えられる。こうした層の利用者に、外部写真撮影端末による排泄物の写真撮影を強要はできず、写真撮影は分析に必ずしも必要なものとはならない。その一方で、排泄物の写真撮影に抵抗がなく、より高精度の分析のために写真撮影の併用を望む層も存在する。画像データ分析の併用は、こうした利用者層に対応するものである。
本装置による測定データないしは画像データ、各利用者ないしは利用対象生命体の側の健康状態のデータ(食事、服薬内容、精神状態等)については、サーバー内のデータベース内に随時蓄積されるとともに、人工知能を用いたディープラーニングを通じてデータに基づく予測の精度が向上し、より精度の高い分析やアドバイス、フィードバックに活用することができる。
本発明により取得され測定端末との連携により分析されたデータ、及びその分析結果やアドバイス内容は、各端末内のソフトウェアを利用のうえ、任意の端末にて閲覧が可能である。閲覧の設定に関してはパスワード設定や二段階認証の導入をはじめ、各利用者の個人情報の保護に考慮する。
理想的には、本装置において、一般の医療で網羅されている生体検査の領域の全てを網羅可能なことが望ましい。しかしながら、本装置に対しては、健康格差や医療格差の解消といった大きな目的がある。このためには、低所得者層でも容易に入手可能となる測定機器の低廉な価格設定、万人が使用可能な簡便さや汎用性の担保が必要となる。こうした利用者目線に立てば、生体検査の領域全てを本装置が担うのは困難である。これを踏まえ、本発明が測定対象とする成分は、まずは人間の健康維持のうえで管理が必要な基礎的な成分に絞り込む。これにより、低所得者層でも容易に入手可能となる測定機器の低廉な価格設定が可能となる。さらにそのうえで、体液及び排泄物の特性に応じて、検出対象成分並びにその閾値を設定する。
人間一般用として考えた場合、検出対象として考える成分は表8参照。製造コストや販売価格、測定成分の重要度に応じて表8の中から測定対象成分を絞り込む。さらに、尿及び便、血液、唾液それぞれの排泄物等の特性に応じて、各排泄物等に応じた検出対象成分並びにその閾値を設定する。
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人間のうち成人女性用の場合、妊娠や出産の可能性があることに考慮のうえ、前項の記載の一般成人の場合の項目に、月経や破水など特有の生理現象の発生に対応した体液及び排泄物の成分も、尿及び便、血液、唾液それぞれに対して測定対象に加える。合わせて、これら成人女性固有の検出対象成分に係る閾値も設定する。
人間のうち乳幼児用の場合、身体が未成熟であり成人男性に比較して疾病の可能性も大きいこと、アレルギーの発症リスクも高いことを踏まえ、前項の記載の一般成人の場合の項目に、乳幼児に特有の成分も、体液及び排泄物それぞれに対して測定対象に加える。合わせて、これら乳幼児固有の検出対象成分に係る閾値も設定する。
犬の場合、本発明は、表8のうち哺乳類に共通した体液及び排泄物の成分、さらに犬に固有の体液及び排泄物の成分のうち健康維持のうえで管理が必要な基礎的な成分のほか、寄生虫の内在可能性も対象とする。この際、尿及び便、血液、唾液それぞれの排泄物等の特性に応じて、各排泄物等に応じた検出対象成分並びにその閾値を設定する。
猫の場合、本発明は、表8のうち哺乳類に共通した体液及び排泄物の成分、さらに猫に固有の体液及び排泄物の成分のうち健康維持のうえで管理が必要な基礎的な成分のほか、寄生虫の内在可能性も寄生虫の内在可能性も対象とする。この際、尿及び便、血液、唾液それぞれの排泄物等の特性に応じて、各排泄物等に応じた検出対象成分並びにその閾値を設定する。
家畜や競走馬等の場合、本発明は、うち哺乳類に属するものについては、表8のうち哺乳類に共通した体液及び排泄物の成分、さらに当該の動物に固有の体液及び排泄物の成分のうち健康維持のうえで管理が必要な基礎的な成分のほか、寄生虫の内在可能性も対象とする。鶏をはじめ鳥類に属するものに関しては、該の動物に固有の体液及び排泄物の成分のうち健康維持のうえで管理が必要な基礎的な成分のほか、寄生虫の内在可能性も対象とする。この際、尿及び便、血液、唾液それぞれの排泄物等の特性に応じて、各排泄物等に応じた検出対象成分並びにその閾値を設定する。
センシング技術の進歩に応じて、より精度の高い測定部に内蔵可能な新たなセンサーが開発されていくことが想定される。その暁には、健康格差の解消という本発明の開発の趣旨に鑑み、簡便性や携帯性を損なうことなく、さらに低廉なコスト設定を可能としたままで、生化学検査、薬物検査、血液学的検査、内分泌学的検査、腫瘍関連抗原の検査、ウイルス学的検査、免疫血清学的検査、アレルギー検査、細胞性免疫検査、染色体検査、遺伝子関連検査、微生物学的検査といった既存の生体検査の領域を本発明が広く網羅することを目指す。
本発明は、利用する人間に対して、低廉なコストで、機器を用いた日常的なチェックを通じた迅速な疾病の可能性の把握、医療機関受診の必要性の早期判断を可能とし、疾病の早期発見及び重篤化の防止を可能とする。また、食物アレルギーや花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状の発症リスクを事前に簡便に把握し、早期の対策に役立てることができる。
前項で挙げた、本発明を用いた予防医学の進行や発展を通じて、国家及び地方政府、地方自治体のレベルでは、増加傾向にある医療費の負担を食い止めるとともに、健全な健保財政の確立に寄与することができる。また、公的な医療保険制度が整備されていない国、医療保険制度が民間中心で収入による保険の格差が大きい国においても、年齢や貧富に関係なく、全ての国民が、予防医学の観点から低負担で健康の維持や増進を図ることができる。
本発明は、言語能力がまだ発達せず十分コミュニケーションが取れない乳幼児や子どもに関しても、低廉なコストで疾患の早期発見と重篤化の防止が可能となる。これにより、乳幼児の疾患罹患リスクや死亡リスクを低下させるとともに、乳幼児の死亡率の地域格差を縮小することができる。
本発明は、低廉なコストで、妊婦にとっての母体や胎内の胎児の健康管理、出産適齢期の女性にとっての計画性のある出産、望まない妊娠や出産の防止、そのための排卵日の予測などを行える。これにより、個々の夫婦や家庭にとって、年収や生活設計の観点も考慮した家族計画を行うことが可能となる。一方で、国家や地方政府、地方自治体のレベルに対しても、少子化対策、人口抑制策といった計画的な人口政策の導入に寄与する。
本発明がもたらす乳幼児の死亡リスクの低下や家族計画の実現は、家族計画のないまま将来の収入を考えて多くの子供を産むがためにかえって貧困を増大させるといった、特に発展途上国における貧困地域で起こっている人口上の悪循環を食い止める効果を持つ。
本発明は、投薬や食事から不意に禁止薬物を摂取することがないかを早期かつ簡便に確認し、不意のドーピング違反を未然に防止するという効果があることから、アスリートの摂取薬物の管理にも有効である。
装置により収集され、システムを用いて分析・解析・保管されたデータを、医療機関に提供することも可能である。ここで、医療機関側は、このデータを、患者の普段の状態把握や治療方針の決定に活用することができる。
言語による意思表示がほぼできない人間以外の生命体に対しても、予防医学の観点から効率的な健康管理を行うことができる。犬、猫などのペットに関しては飼育者の医療費負担の軽減や寄生虫の確認、家畜に関しては出産時の飼育者の負担軽減、競争馬に関しては管理厩舎にとっての健康状態の確認の効率化、競争時の能力発揮、といったものが大きな効果として挙げられる。
犬、猫などのペットに関しては、飼育者が負担する医療費負担の軽減を通じて、飼育者の経済的負担を理由に捨てられるケースが減少し、より多くのペットが生涯飼育者のもとで幸福に暮らせるという効果も持つ。また、高齢化社会の進展に伴い高齢の単身世帯あるいは高齢の夫婦のみの世帯が増加する中、こうした高齢者層にとってのペットのニーズも増加することが予測される。本発明によるペットの健康管理を通じて、ペットがより長く健康に生きるとともに、こうした高齢者層にとっての生き甲斐がより長く維持され、健康寿命がより延びる結果に結びつくことが期待される。
家畜に関しては、本発明を通じて出産の確認や立ち会いが効率的になり、出産時に不眠不休で家畜に立ち会うという身体的負担が大きく軽減されることにより、酪農や畜産の従事者の減少に歯止めをかけるとともに、生産の効率化や高度化につながることが期待される。
家畜に関しては、口蹄疫(牛・豚・羊・山羊の場合)、鳥インフルエンザ(鶏の場合)、牛の場合は牛海綿状脳症(牛の場合)、スクレイピー(羊・山羊の場合)といった、感染力が高い病気を早期に発見し感染拡大を未然に防止することが期待される。これにより、飼育施設内全生体の殺処分といった、経済的損失を回復するまでに数年を要する大きな損害を防ぐことができる。
競争馬は、預かる厩舎にとっては馬主から預かる資産ともいえ、優れた血統を有する競走馬は高額なことが多い。競走馬の故障は馬主にとっては資産の損失で、預かる厩舎の健康管理の責任は大きい。本発明により競走馬の管理が効率的に向上することにより、厩舎の負担の軽減や馬主の資産価値の維持、さらには、競争能力の向上による収益力の増加につなげることができる。
競走馬に関しても、馬伝染性貧血といった感染力が高い病気の早期発見を進め感染拡大を未然に防止し、飼育施設内全生体の殺処分といった、経済的損失を回復するまでに数年を要する大きな損害を防ぐことができる。
本発明で場所、時間を選ばず体液及び排泄物の測定が行えることにより、欠測の少ない安定したデータ収集や分析、簡便かつ精度の高いフィードバックの提供が可能となる。
複数の測定対象、複数の成分を単一の測定機器を用いて分析・管理することにより、ユーザーにとって複数の機器を持つ煩雑さが解消される。
遠心分離機などの従来の測定機器が有していた、機器の大きさ・重量・導入コストの低減、分析期間の短縮といった課題の解決に直結する。
センサーを内蔵した測定部が付け替え可能にすることで、今後のセンシング技術に対応して新たな高精度のセンサーが発明された際に、測定部の入れ替えだけでより新しい技術に容易に対応することができる。
本発明の主要部分である装置の全体構成図である。 本発明における測定部内センサーにつき、センサーとして電気化学式バイオセンサーを用いた場合の分析の流れの模式図である。 本発明における測定部内センサーにつき、センサーとして光学式バイオセンサーを用いた場合の分析の流れの模式図である。 本発明における測定部内センサーにつき、センサーとして圧電素子式バイオセンサーを用いた場合の分析の流れの模式図である。 本発明を活用したデータ転送、管理、分析の模式図である。 本発明におけるデータ転送の流れの模式図である。
図1に示す通り、本発明のうち装置は、使用者が装置を保持する部分に相当する本体部10と、本体部に接続のうえ測定対象に接触し、対象成分を計測する役割を持つ測定部20、さらに測定対象と測定部に介在するソケット30を有する。測定部20は、対象とする生命体の種別、及び、測定対象の体液及び排泄物の種類に応じて入れ替えて利用される。ソケット30は取り外しや入れ替えが可能である。
本発明のうち装置は、本体部10、測定部20、ソケット30を組み合わせたうえでペン状の一体の測定装置を構成するとともに、携帯や片手での利用が可能なペン以下の重量や大きさを有する。
装置のうち本体部10は、本発明の作動に必要な電池等を内包する電源部、時計のほか、測定体液及び排泄物の判定結果、成分の検出結果や測定を実施した日時を記録する記録装置11、スマートフォン、タブレット、パソコン等の計測端末にこれら記録データを転送する通信装置12を内包する(図1)。対象とする生命体や体液及び排泄物それぞれの区分に応じた計測を可能とするために、記録装置11はまた、次項に区分されたとおりの測定部20に相当するセンサーの種類を検知するともに、測定対象生命体の種別、これに応じた各測定対象の排泄物等に係る検出対象成分の種類、並びにその閾値を予め記憶する。詳細な分析は、通信機能からの転送を受けた各測定端末の側で行う。
装置のうち測定部20は、測定体液及び排泄物の種類の判定、各成分の検出を可能とするセンサー並びにこれに付属の機器により構成される。測定部20は、測定対象の生命体の種別並びに測定対象の体液及び排泄物に対応して、次項に記載の種類があり、生命体の種別や対象の体液及び排泄物に応じて取り替えて利用されるとともに、それぞれに応じて異なる計測対象成分を予め記憶する。また、計測対象成分の有無に加え、その濃度やPH値などの数値データも計測可能である。センサーの保護、利用者側の清潔感の確保や体液及び排泄物の混在による誤差の発生を防止するため、測定部20はソケット30を付着させたうえ使用される。この際、センサーは、ソケット30を透過した成分に対して測定、検出作業を行う。(図1)
測定部20に相当するセンサーの種類は、人間一般用、成人女性用、乳幼児用、犬用、猫用、家畜用、競走馬用といったそれぞれの生命体の種別について区別する一方、さらに、各センサーの特性や長所を踏まえつつ、表7に記載のほかの計測対象成分に応じて、電気化学バイオセンサー、光学バイオセンサー、磁気センサーを基本とした各センサーを選択的に使い分ける。(図1)
センサーのうち、電気化学バイオセンサーは、大枠として、210透過層、211分子識別素子、212固定化層、213選択膜、214トランスデューサーから構成される。下記ソケット30及び210透過層を透過後の測定対象物質に直接接する部分は、酵素・微生物・抗体等の特異的な分子識別機能を有する211分子識別素子である。211分子識別素子においては、測定対象成分に対応する反応が起こりその反応は、214トランスデューサーに固定化される。この過程において、211分子識別素子の機能や活性化を損なうことなく214トランスデューサーに固定化させていくために212固定化層が、214トランスデューサーにおいて目的分子だけを計測するための感応膜や透過性膜として213選択膜が介在する。214トランスデューサーの内部では、215電極が、測定対象成分の有無や濃度、量を、本体部が受信可能な電気信号に変換する。214トランスデューサーで変換された電気信号は、10本体部に転送される。(図2)
センサーのうち、光学式バイオセンサーは、大枠として、220透過層、221分子識別素子、222固定化層、223選択膜、224トランスデューサーから構成される。下記ソケット30及び220透過層を透過後の測定対象物質に直接接する部分は、酵素・微生物・抗体等の特異的な分子識別機能を有する221分子識別素子である。221分子識別素子においては、測定対象成分に対応する反応が起こりその反応は、224トランスデューサーに固定化される。この過程において、221分子識別素子の機能や活性化を損なうことなく224トランスデューサーに固定化させていくために222固定化層が、224トランスデューサーにおいて目的分子だけを計測するための感応膜や透過性膜として223選択膜が介在する。224トランスデューサーの内部では、本体部の電気信号を、225発光体受電素子で光信号に変換、その光信号を測定対象物質に照射し、測定対象成分からの反射を測定することで、測定対象成分の計測を行う。反射された光信号からは、有無や濃度、量を測定することができる。反射された光信号は、226発光体受光素子で、本体部が受信可能な電気信号に変換する。この過程の中で224トランスデューサーにて変換された電気信号は、10本体部に転送される。(図3)
センサーのうち、圧電素子式バイオセンサーは、大枠として、230分子識別素子、231固定化層、232選択膜、233トランスデューサーから構成される。下記ソケット30を透過後の測定対象物質に直接接する部分は、酵素・微生物・抗体等の特異的な分子識別機能を有する230分子識別素子である。230分子識別素子においては、測定対象成分に対応する反応が起こりその反応は、233トランスデューサーに固定化される。この過程において、230分子識別素子の機能や活性化を損なうことなく233トランスデューサーに固定化させていくために231固定化層が、233トランスデューサーにおいて目的分子だけを計測するための感応膜や透過性膜として212選択膜が介在する。213トランスデューサーの内部では、234圧電素子が、測定対象成分の有無や濃度、量を、本体部が受信可能な電気信号に変換する。トランスデューサーで変換された電気信号は、10本体部に転送される。(図4)
センサーの内容に関わらず、20測定部が発信する電気信号の方式は、10本体部が共通して受信可能なものとする。これにより、20測定部を入れ替えても、10本体部は共通に利用することができる。
20測定部は、センサーの技術進歩によりさらに精度の高い新たな方式のセンサーが開発された場合は、上記3種のセンサーに代えて当該センサーを用いることができる。その場合、20測定部が発信する電気信号は、10本体部が共通に受信できるものとする。
装置のうちソケット30は、測定部20に付着のうえ使用する部位で、測定対象となる体液及び排泄物に直接接触する。ソケット30は透過性を有し、各成分を測定部20に透過させる一方で、測定部20が測定対象となる体液及び排泄物に直接接触する防止する役目も持つ。このソケット30は、体液及び排泄物の種類に応じて付け替えたうえ利用する。(図1)
本発明のうち装置は、本体部10と測定部20を接続のうえ、さらにソケット30を測定部20に付着させたうえで使用される。前記のとおり、測定部20やソケット30は、測定対象の生命体の種別並びに測定対象の体液及び排泄物に応じて取り替えて利用される。ここで、本体部10、測定部20、ソケット30は、一体となって、測定部20やソケット30を先端としたペン状の器具を構成する。(図1)
本発明での装置による体液及び排泄物の測定は、前項で記載の一体のペン状器具のうち本体部10を保持したうえで(図5)、測定部20を包んだソケット30を測定対象の体液及び排泄物に付着させる形で行う。
測定対象の体液及び排泄物の成分はソケット30を透過のうえ測定部20に接触する。ここで測定部20は、透過した成分の中から、対象とする成分の有無や濃度等の計測を行う。このデータは、記録装置11に転送、記録されたのちに、通信装置12を経由して、分析・解析のシステムを構成する、スマートフォン、タブレット、パソコン等の各計測端末に転送される。(図5)
データ管理、分析システムの側では、転送された測定データを各測定端末に一旦ストックのうえ、各測定端末内ないしは外部サーバー内にある医学データとの比較照合を行ったうえで、測定データの分析や解析、さらにここからの身体リスクの分析を行う。これを踏まえ、各利用者の健康管理アドバイス、フィードバック情報を作成する。作成された計測・分析データ、健康管理アドバイス・フィードバックデータは、外部のサーバーに転送されたうえで保管される。各利用者は、任意の端末を通して、サーバー上に保管されたこれらデータを閲覧することができる。なお、これらデータは、各利用者の任意の端末に転送可能である。(図6)
データ管理、分析システムへ転送し、分析対象とするデータとして、本発明の装置から転送された測定データに代えて、外部写真撮影端末ないしは測定端末本体の撮影機能を用いて撮影された画像データを利用することもできる。(図6)
前項に記載の画像データの活用に際しては、パソコンないしはスマートフォンなどの測定端末内部の画像解析ソフトウェア、ないしはサーバー内の画像解析ブログラム上で、体液及び排泄物の画像データを光の3原色に詳細に分解して分析する。その一方で、サーバーに蓄積された各利用者ないしは利用対象生命体の健康状態(食事、服薬内容、精神状態等)、並びに体液及び排泄物に係る健康状態(食事、服薬内容、精神状態等)との相関のデータとの照合を行う。この過程を経て、想定される疾病や健康リスクを把握、予測する。このデータは、本発明における装置での分析結果と照合、比較検討のうえ総合的に判断、サーバー内で利用者ないしは利用対象生命体個別の単位でデータベースに蓄積されていく。(図6)
利用者ないしは利用対象生命体の側の食事、服薬内容、精神状態等の状況や対象成分の計測頻度により、分析・解析結果が左右され、必ずしも適切でない結果が出る可能性がある。これを防止しより正確な結果を出すために、これらデータを各測定端末やサーバーに予め記憶させ、分析・解析のための情報として活用する。(図6)
本装置による測定データないしは画像データ、各利用者ないしは利用対象生命体の側の健康状態のデータ(食事、服薬内容、精神状態等)については、サーバー内のデータベース内に随時蓄積されるとともに、人工知能を用いたディープラーニングを通じてデータに基づく予測の精度が向上し、より精度の高い分析やアドバイス、フィードバックに活用することができる。(図6)
10 本体部
11 記録装置
12 通信装置
20 測定部
210 透過層(電気化学バイオセンサーの場合)
211 分子識別素子(電気化学バイオセンサーの場合)
212 固定化層(電気化学バイオセンサーの場合)
213 選択膜(電気化学バイオセンサーの場合)
214 トランスデューサー(電気化学バイオセンサーの場合)
215 電極(電気化学バイオセンサーの場合)
220 透過層(光学式バイオセンサーの場合)
221 分子識別素子(光学式バイオセンサーの場合)
222 固定化層(光学式バイオセンサーの場合)
223 選択膜(光学式バイオセンサーの場合)
224 トランスデューサー(光学式バイオセンサーの場合)
225 発光体受電素子(光学式バイオセンサーの場合)
226 発光体受光素子(光学式バイオセンサーの場合)
230 透過層(圧電素子式バイオセンサーの場合)
231 分子識別素子(圧電素子式バイオセンサーの場合)
232 固定化層(圧電素子式バイオセンサーの場合)
233 選択膜(圧電素子式バイオセンサーの場合)
234 トランスデューサー(圧電素子式バイオセンサーの場合)
235 電極(圧電素子式バイオセンサーの場合)
30 ソケット

Claims (9)

  1. 体液及び排泄物測定のための装置、及び、これを用いたデータ管理、分析システムであって、
    うち装置は、使用者が機器を保持する部分に相当する本体部と、本体部に接続のうえ測定対象に接触し、対象の成分を計測する役割を持つ測定部、さらに測定対象と測定部に介在するソケットから構成された、ペン状の形状及びペン以下の重量や大きさを有する、常時の携帯や片手での利用が可能な、小型かつ軽量の測定装置を構成し、
    装置のうち本体部は、下記測定部にて測定したデータを各測定端末に送信する通信機能、測定データを一時的に記録する記録装置、本発明の作動に必要となり、小型電池が収納可能な電源、時計機能を有し、
    装置のうち測定部は、対象となる体液及び排泄物の成分を計測するセンサー機能を有するともに、対象となる生命体の種類及び測定対象の体液及び排泄物に応じて付け替えて使用され、
    装置のうちソケットは、測定対象となる体液及び排泄物と測定部との間に介在させて使用され、
    データ管理、分析システムは、上記装置にて取得されたデータ、並びに外部写真撮影端末にて撮影された画像データを、受信するパソコンやスマートフォンなどの測定端末、並びに、より大量のデータを保有・蓄積するとともに利用者個別の測定データも保管するサーバー、これらを動作させるソフトウェアから構成され、上記データを測定端末にて受信のうえ、必要に応じてサーバーも活用してデータベースと照合のうえ分析して解析を行うとともに、これを踏まえ利用者へのアドバイスを実施する。
  2. うち装置は請求項1に記載の体液及び排泄物測定のための装置であって、
    前記本体部は、測定対象の排泄物や検出対象とする成分の種類を予め記憶するとともに測定体液及び排泄物の判定結果や成分の検出結果を記録する記録装置、及び、スマートフォン、タブレット、パソコン等の各測定端末にこれら測定データを転送する通信機能、時計機能、さらに本発明の作動に必要となり、小型電池が収納可能な電源部を有する。
  3. うち装置は請求項1に記載の体液及び排泄物測定のための装置であって、
    前記測定部は、測定対象である測定物、検出対象である複数の成分並びにその閾値を予め記憶したうえで、対象測定物の特定の成分を検出する多目的なセンサー機能を有し、実際の測定を直接行う箇所に相当する。
  4. うち装置は請求項1に記載の体液及び排泄物測定のための装置であって、
    前記測定部は、その主要な構成部分であるセンサーにつき、人間一般、人間のうち成人女性、人間のうち乳幼児、ペット(犬、猫)、家畜、競走馬といった複数の生命体に対応したもの、さらに検出対象成分に対する検出適性に応じた複数の種類のものがあり、それぞれのタイプのセンサーに応じた測定・検出対象並びにその閾値を予め記憶したうえで、適性に応じて付け替えて利用される。
  5. うち装置は請求項1に記載の体液及び排泄物測定のための装置であって、
    前記本体部及び測定部は組み合わせて利用する一方で、技術の進歩によりさらに高精度のセンサーが開発された暁には、それに応じて新しく作成された測定部を、既存の本体部に付け替える形で、技術革新にも柔軟に対応できる器具を構成する。
  6. うち装置は請求項1に記載の体液及び排泄物測定のための装置であって、
    前記ソケットは、前記測定部を保護するとともに利用者が本体を清潔に利用できるように各測定対象体液及び排泄物に応じて付け替えや取り替えが可能である一方、測定部での測定の精度を維持するために、測定部に成分を浸透させるだけの透過性を有する。
  7. うちデータ管理、分析システムは請求項1に記載のシステムであって、
    前記装置にて測定、記録、転送されたデータを受信のうえ、測定端末上のソフトウェアを用いて、測定端末上ないしは外部のサーバー上にある医学データと照合させて分析及び解析を行う。
  8. うちデータ管理、分析システムは請求項1に記載のシステムであって、
    前記装置からの転送データに代用して、外部写真撮影端末ないしは測定端末本体の撮影機能を用いて撮影された画像データを分析・解析対象として利用できる。
  9. うちデータ管理、分析システムは請求項1に記載のシステムであって、
    装置での測定に基づく分析データと画像からの分析データ間の相互の比較・照合、各利用者の健康状態データとの連携、これらに関する人工知能を用いたディープラーニングを通じて、さらに精度の高い分析やユーザーへのアドバイスを行うことができる。

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112630173A (zh) * 2020-12-04 2021-04-09 闪优智谱(厦门)检测科技有限公司 一种化学成分分析系统
WO2021255898A1 (ja) * 2020-06-18 2021-12-23 日本電気株式会社 情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体

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