JP2019189042A - 無人飛行装置と貨物保持部材の接続構造及び無人飛行装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】無人飛行装置と貨物保持部材の重心位置が同一の鉛直線上に位置する状態を維持することができる無人飛行装置と貨物保持部材の接続構造及び無人飛行装置を提供すること。【解決手段】自律飛行可能な無人飛行装置1の本体と貨物保持部材20との接続構造であって、本体と貨物保持部材20とを接続する固定装置24を有し、固定装置24は、本体の重心と貨物保持部材20の重心が同一の鉛直線上に位置する状態を維持するように、本体の重心位置の変動及び/または貨物保持部材20の重心位置の変動を相殺する相殺手段として構成されている。【選択図】図3
Description
本発明は、無人飛行装置と貨物保持部材の接続構造及び無人飛行装置に関する。
従来、小型無人飛行体(「ドローン」とも呼ばれる)を利用した配送システムが提案されている(例えば、特許文献1)。
貨物の運搬に際して、ドローンに特有の問題がある。例えば、図24(a)に示すように、ドローン200は、仮想平面202内に、プロペラ206,208,210及び212を有する。ドローン200は、仮想平面202の中心に重心CG200を有するように構成されている。図24(b)及び(c)は、便宜上、仮想平面202を立体的に示している。ドローン200は、プロペラ206等の回転を制御することで、前後左右への移動や方向転換を行う。
図24(b)に示すように、ドローン200が空中停止(ホバリング)しているときに、ドローン200の重心CG200と貨物を格納した貨物格納容器(貨物保持部材)214の重心CG214が同一鉛直線上に位置するとする。図24(c)に示すように、ドローン200が、矢印X1方向に進むためには、仮想平面202を傾けることによって推力の水平成分を生じさせる。ところで、機体が傾くと、ドローン200の重心CG200を通る鉛直線L1aと貨物格納容器214の重心CG214を通る鉛直線L1bは一致しなくなる。鉛直線L1aとL1bの不一致は、貨物格納容器214の重心位置が何らかの事情によって変動した場合にも生じる。鉛直線L1aとL1bの不一致は、矢印Z1に示すように、ドローン200の進行を妨げる力となる。このため、ドローン200が進行するために、余分なモーター出力を要する。
本発明はかかる問題の解決を試みたものであり、無人飛行装置と貨物保持部材の重心位置が同一の鉛直線上に位置する状態を維持することができる無人飛行装置と貨物保持部材の接続構造及び無人飛行装置を提供することを目的とする。
第一の発明は、自律飛行可能な無人飛行装置の本体と貨物保持部材との接続構造であって、前記本体と前記貨物保持部材とを接続する固定装置を有し、前記固定装置は、前記本体の重心と前記貨物保持部材の重心が同一の鉛直線上に位置する状態を維持するように、前記本体の重心位置の変動及び/または前記貨物保持部材の重心位置の変動を相殺する相殺手段として構成されている、接続構造である。
第一の発明の構成によれば、固定装置が、無人飛行装置の重心と貨物保持部材の重心が同一の鉛直線上に位置するように、無人飛行装置と貨物保持部材との接続態様を調整するように構成されているから、飛行姿勢が変わった場合、あるいは、貨物保持部材の重心位置が変わった場合において、無人飛行装置と貨物保持部材の重心位置が同一鉛直線上に位置する状態を維持することができる。
第二の発明は、第一の発明の構成において、前記固定装置は、回転可能部分を有し、前記貨物保持部材の質量によって回転し、前記本体の重心と前記貨物保持部材の重心が同一の鉛直線上に位置する状態を維持するように構成されている、接続構造である。
第三の発明は、複数の目的位置と貨物とを対応づけて記憶する記憶手段と、出発位置から複数の前記目的位置へ順次飛行する移動手段と、いずれかの前記目的位置に到達したか否かを判断する到達判断手段と、いずれかの前記目的位置に到達すると、前記貨物保持部材による前記貨物の保持を解除する解除手段と、を有し、前記移動手段は、前記無人飛行装置が、一つの前記目的位置において、当該目的位置に対応する前記貨物の保持を解除すると、次の前記目的位置へ移動するように構成されている、第一の発明または第二の発明の構成の接続構造によって貨物保持部材と接続されている無人飛行装置である。
第三の発明の構成によれば、無人飛行装置は、到達判断手段によって一つの目的位置に到達したか否かを判断することができ、一つの目的位置に到達すると、記憶手段に目的位置と対応付けて記憶していた貨物の保持を解除し、次の目的位置へ移動することができる。これにより、配送車や配送基地などの基地へ帰還することなく、複数の位置へ貨物を配送することができる。そして、一つの目的位置において貨物の保持を解除すると、貨物保持部材の重心が変動するが、固定装置によって、無人飛行装置の本体と貨物保持部材の重心位置が同一鉛直線上に位置する状態は維持される。
第四の発明は、第三の発明の構成において、前記無人飛行装置の飛行姿勢を算出する飛行姿勢算出手段と、前記飛行姿勢に応じて、前記固定装置の回転可能部分を制御する固定装置制御手段と、有する無人飛行装置である。
第五の発明は、第三の発明または第四の発明の構成において、前記貨物保持手段は、前記目的位置の上空において、紐状部材を送り出すことによって、前記貨物を降下させる降下手段と、前記貨物が接地したことを感知する接地感知手段と、を有し、前記解除手段は、前記貨物が接地した場合に、前記貨物保持手段による前記貨物の保持を解除するように構成されている、無人飛行装置である。
第六の発明は、第五の発明の構成において、前記接地感知手段は、前記無人飛行装置の飛行のために必要な負荷が減少したことを感知するように構成されている、無人飛行装置である。
第七の発明は、第五の発明または第六の発明の構成において、前記紐状部材を巻き取るときの電力によって、前記貨物の保持が解除されたか否かを確認する解除確認手段を有する、無人飛行装置である。
第八の発明は、第三の発明乃至第七の発明のいずれかの構成において、前記貨物保持部材は、静止部材及び移動部材の組を複数有し、前記静止部材と前記移動部材が相対的に移動することによって、前記貨物の環状突出部を保持するための環状部を構成し、前記解除手段は、前記静止部材と前記移動部材を相対的に移動させることによって、前記環状部を開放するように構成されている、無人飛行装置である。
本発明によれば、無人飛行装置と貨物保持部材の重心位置が同一の鉛直線上に位置する状態を維持することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以下の説明においては、同様の構成には同じ符号を付し、その説明を省略又は簡略する。なお、当業者が適宜実施できる構成については説明を省略し、本発明の基本的な構成についてのみ説明する。
<第一の実施形態>
図1に示す無人機1は、自律飛行が可能な無人飛行装置の一例である。無人機1は空中を飛行する無人飛行体である。無人機1は、建物200Aの位置である出発位置P1において格納容器20に貨物180A及び180Bを保持し、矢印R1に示す経路で飛行し、建物200Bの位置である目的位置P2に到達すると、ワイヤー170Aを送り出して貨物180Aを降下させ、貨物180Aの保持を解除する。続いて、無人機1は、経路R2に示す経路で飛行し、建物200Cの位置である目的位置P3に到達すると、ワイヤー170Bを送り出して貨物180Bを降下させ、貨物180Bの保持を解除する。無人機1は、貨物180Bの保持を解除すると、矢印R3に示す経路で飛行して、出発位置P1に帰還する。
図1に示す無人機1は、自律飛行が可能な無人飛行装置の一例である。無人機1は空中を飛行する無人飛行体である。無人機1は、建物200Aの位置である出発位置P1において格納容器20に貨物180A及び180Bを保持し、矢印R1に示す経路で飛行し、建物200Bの位置である目的位置P2に到達すると、ワイヤー170Aを送り出して貨物180Aを降下させ、貨物180Aの保持を解除する。続いて、無人機1は、経路R2に示す経路で飛行し、建物200Cの位置である目的位置P3に到達すると、ワイヤー170Bを送り出して貨物180Bを降下させ、貨物180Bの保持を解除する。無人機1は、貨物180Bの保持を解除すると、矢印R3に示す経路で飛行して、出発位置P1に帰還する。
無人機1が水平方向に飛行すると、無人機1の本体(格納容器20を除く部分)は傾斜する。本明細書において、「無人機1」は無人機1の本体(格納容器20を除く部分)を意味するものとする。貨物180A及び180Bの保持を解除すると、格納容器20の重心位置は変動する。この点、後述のように、無人機1と格納容器20が固定装置24(図3参照)によって固定されることによって、無人機1の重心と格納容器20の重心とが同一の鉛直線上に位置する状態が維持される。格納容器20は、貨物保持手段の一例である。すなわち、固定装置24は、重心一致状態を維持するように、無人機1の本体の重心位置の変動及び/または格納容器20の重心位置の変動を相殺する相殺手段として構成されている。固定装置24は固定装置の一例である。
図2に示すように、無人機1は、筐体2を有する。筐体2には、無人機1の各部を制御するコンピュータ、自律飛行装置、無線通信装置、GPS(Global Positioning System)等の航法衛星からの測位用電波を利用する測位装置、慣性センサー、気圧センサー、バッテリー等が配置されている。また、筐体2には、固定装置12を介して、カメラ10が配置されている。カメラ10は、可視光カメラ、または、近赤外線カメラであるが、切り替え可能なハイブリッドカメラであってもよい。カメラ10は、情報収集手段の一例である。固定装置12は、カメラ10による撮影画像のぶれを最小化し、かつ、カメラ10の光軸を任意の方向に制御することができる3軸の固定装置(いわゆる、ジンバル)である。
筐体2には、丸棒状のアーム4が接続されている。各アーム4にはモーター6が接続されており、各モーター6にはプロペラ8が接続されている。各モーター6は、直流モーター(ブラシレスDCモーター)である。各モーター6は、それぞれ独立して制御され、無人機1を上下水平方向の移動や空中での停止(ホバリング)及び姿勢制御を自在に行うことができるようになっている。
各モーター6へ供給する電力が増加すると、各モーター6の回転数が増加し、各モーター6の出力が増加し、各モーター6に接続されたプロペラ8による推力(以下、単に「推力」という)も増加する。自律飛行装置は、無人機1を所定の高度に位置させたり、上昇下降させるために必要な推力を達成するために、電力を増減させる。これは、無人機1が各モーター6に供給する電力の増減が、必要な推力の増減を示すことを意味する。なお、本明細書において、単に「モーター6」というときは、6つのモーター6を意味し、「モーター6の推力」というときは、6つのモーター6による推力を意味するものとする。自律飛行装置は、例えば、無人機1がホバリングしているときに、無人機1が支える負荷(重量)が減少した場合、モーター6の推力を維持すると、無人機1は上昇するから、モーター6の推力を減少させるために、電力を減少させる。
このように、自律飛行装置は、各モーター6へ供給する電力を調整することによって、各モーターが発生する推力を調整し、飛行状態を制御する。本実施形態は、自律飛行装置の上記機能を利用する。
このように、自律飛行装置は、各モーター6へ供給する電力を調整することによって、各モーターが発生する推力を調整し、飛行状態を制御する。本実施形態は、自律飛行装置の上記機能を利用する。
アーム4は、例えば、炭素繊維強化プラスチックで形成されており、強度を保ちつつ、軽量に構成されている。
筐体2には、格納部材20が接続されている。格納部材20は、貨物を格納するための構成である。図3は、筐体2、格納部材20及び固定装置24を示す概念図であり、無人機1の本体と格納部材20との接続構造を示す。
図3(a)において、無人機1は、空中停止(ホバリング)しており、無人機1の重心CG1と格納部材20の重心CG20は、同一の鉛直線L1上に位置する。本明細書において、無人機1の重心CG1と格納部材20の重心CG20が同一の鉛直線上に位置する状態を「重心一致状態」と呼ぶ。図3(b)においては、無人機1が、水平方向に移動しているため、筐体2が傾斜しているが、無人機1の重心を通る鉛直線と格納容器20の重心を通る鉛直線の不一致は、固定装置24の作用によって相殺され、重心一致状態は維持される。図3(c)においては、格納部材20に格納された貨物の一部が降下して保持が解除された等の理由によって、格納部材20が傾斜しているが、固定装置24の作用によって、重心一致状態は維持される。
筐体2に格納されているコンピュータは、図4に示すように、出発位置の座標(緯度及び経度)に加えて、複数の目的位置の座標と対応づけて貨物の識別番号(ID)を記憶している。複数の目的位置は、例えば、目的位置P2及びP3である。目的位置P2と対応づけて配送すべき貨物180Aの識別番号x1、目的位置P3と対応づけて配送すべき貨物180Bの識別番号x2を記憶している。コンピュータは、また、貨物IDと対応づけて、後述の巻取装置の識別番号(ID)及び保持部材の識別番号(ID)を記憶している。コンピュータ(具体的には、図20の記憶部102)は記憶手段の一例である。
図5に示すように、固定装置24は、第一部材25、第二部材26及び中間部材27から構成される。第一部材25は筐体2に固定されている。第二部材26は格納部材20に固定されている。なお、第一部材25を筐体2と一体に形成し、第二部材26を格納部材20と一体に形成してもよいし、第一部材25または第二部材26のいずれか一方を筐体2または格納部材20と一体に形成してもよい。
第一部材25及び第二部材26は、略円柱状の形状に構成され、内部には、それぞれ、開口部を有する略球形の球状空間25b、26bが形成されている。第一部材25の下面25aには球状空間25bと連続する開口部が形成されており、第二部材26の上面26aには球状空間26bと連続する開口部が形成されている。
図5及び図6に示すように、中間部材27は、両端が略球状に拡径した略円柱状の部材であり、胴体部27bの両端に球状部27a及び27cが形成されている。球状部27a及び27cの直径は、球状空間25b及び26bの直径よりも小さく、球状空間25b及び26bの開口部の直径よりも大きい。このため、中間部材27の球状部27a及び27cが、球状空間25b及び26bの中にそれぞれ配置されることで、第一部材25、第二部材26及び中間部材27は、相対的に回転可能な状態で接続される。
中間部材27と第一部材25は、第一部材25の円周方向に相対的に360度回転可能であり、円周方向と直交する方向には、下面25aが胴体部27bと接するまで、いずれの方向にも略90度回転可能である。中間部材27と第二部材26は、第二部材26の円周方向に相対的に360度回転可能であり、円周方向と直交する方向には、上面26aが胴体部27bと接するまで、いずれの方向にも略90度回転可能である。このため、図7に示すように、無人機1が傾き、その結果として、筐体2に固定された第一部材25が傾いた場合であっても、格納部材20の質量によって、中間部材27は第一部材25に対して回転し、重心一致状態を維持する。また、図8に示すように、格納部材20が何らかの理由によって傾いた場合には、中間部材27と第二部材26との相対的な回転によって、やはり、重心一致状態を維持する。
なお、固定装置24の構成は、本実施形態に限定されず、重心一致状態を維持するように自由回転可能なものであれば、本実施形態と異なる構成であってもよい。
図9に示すように、格納部材20は、箱部22を有する。箱部22の底面22bは開口部となっている。箱部22の天井部22aには、巻取装置50A及び50B、及び、送信装置52A及び52Bが配置されている。巻取装置50A及び50Bは、送信装置52A及び52Bからの信号を受信すると、それぞれ、テザー(tether)60A及び60Bを送り出すように構成されている。送信装置52A及び52Bは、例えば、ブルートゥース(Bluetooth、登録商標)などの近距離無線規格を使用して、制御信号を巻取装置50A及び50Bに送信する。巻取装置50A及び50Bは、それぞれ、テザー60A及び60Bの巻き取り及び送り出しをする装置である。テザー60A及び60Bの下端部には、それぞれ、保持部材30A及び30Bが接続されている。テザー60A及び60Bは紐状部材の一例である。テザー60A等は、例えば、ポリアミド(ナイロン)等のプラスチック繊維製のロープである。
箱部22には、貨物180A及び180Bが格納されている。貨物180A及び180Bの上面には、それぞれ、環状突出部182A及び182Bが接続されている。保持部材30A及び30Bは、ぞれぞれ、環状突出部182A及び182Bと係合し、貨物180A及び180Bを保持するようになっている。保持部材30A及び30Bは、送信装置52A及び52Bからの信号を受信して、それぞれ、環状突出部182A及び182Bとの係合及び係合の解除を実施するように構成されている。保持部材30A及び30Bは貨物を保持する保持手段の一例である。
以下、図10乃至図15を参照して、無人機1が貨物180A及び180Bの保持を解除する状態を説明する。なお、無人機1の本体部の図示は省略している。
無人機1が目的位置P2(図1参照)の上空に到達すると、送信装置52Aからの信号によって、巻取装置50Aはテザー60Aを送り出し、貨物180Aを降下させる(図10参照)。貨物180Aが接地すると、無人機1のプロペラ8の推力によって負担する負荷(重量)は低下する。そうすると、自律飛行装置は自動的にモーター6へ供給する電力を低下させ、推力を低下させる。無人機1は、モーター6へ供給する電力の低下を検出すると、送信装置52Aを介して、保持部材30Aに環状突出部182Aとの係合を解除させるための信号を送信する。そうすると、保持部材30Aは環状突出部182Aとの係合を解除する(図11参照)。貨物180Aの保持を解除すると、格納容器20の重心が変動するが、固定装置24の作用によって、重心一致状態が維持される。
無人機1は、巻取装置50Aへ供給する電力を検知しており、テザー60Aを巻き取るときの電力が、所定範囲の電力が否かを確認する(以下、「確認工程」という。)。例えば、テザー60Aに保持部材30Aのみが接続された状態でテザー60Aを巻き取るときの電力をαとし、電力がα以下か否かを判断する。仮に、保持部材30Aが故障して、貨物180Aの解除が完了していない場合には、テザー60Aを巻き取るときの電力はαよりも大きい。無人機1は、テザー60Aを巻き取るときの電力がα以下である場合には、テザー60Aの巻き取りを継続する。これに対して、無人機1は、テザー60Aを巻き取るときの電力がαよりも大きい場合には、貨物180Aの保持が解除されていないと判断し、テザー60Aの巻き取りを中断する。この場合、無人機1は、再度、貨物180Aの保持の解除を実施する。
確認工程によって、貨物180Aの保持が解除されたことを確認すると、無人機1は、テザー60Aを巻き取り(図12参照)、次の目的位置P3の上空へ向かって移動する。無人機1が目的位置P3(図1参照)の上空に到達すると、送信装置52Bからの信号によって、巻取装置50Bはテザー60Bを送り出し、貨物180Bを降下させる(図13参照)。無人機1は、モーター6へ供給する電力の低下を検出すると、送信装置52Bを介して、保持部材30Bに環状突出部182Bとの係合を解除させるための信号を送信する。そうすると、保持部材30Bは環状突出部182Bとの係合を解除する(図14参照)。貨物180Bの保持を解除すると、格納容器20の重心が変動するが、固定装置24の作用によって、重心一致状態が維持される。無人機1は、上述の確認工程を実施し、貨物180Bの保持が解除されていることを確認すると、テザー60Bを巻き取り(図15参照)、出発位置P1へ向かって移動する。
次に、図16乃至図19を参照して保持部材30について説明する。図16及び図17に示すように、保持部材30は、開閉チップ32、固定チップ36、サーボモーター38、及び、モーター格納部40で構成される。固定チップ36は静止部材の一例であり、開閉チップ32は移動部材の一例である。
固定チップ36と開閉チップ32は相対的に移動して、開閉自在な環状部33(図18参照)を構成するように構成されている。具体的には、開閉チップ32は、軸部34を中心に矢印a1方向(図18参照)及び矢印a1とは反対方向に回動する。図18(a)は、固定チップ36と開閉チップ32によって環状突出部182A等を捕捉するための環状部33が構成された状態(以下、「環状部33の閉鎖状態」という。)である。図18(b)は、環状部33の構成が解除された状態(以下、「環状部33の開放状態」という。)である。
図18及び図19参照して、保持部材30が環状突出部182Aの捕捉を解除する動作を説明する。図18及び図19において、環状突出部182Aの断面が示されている。図18及び図19においては、固定チップ36及び開閉チップ32のみを示しており、無人機1本体他の図示は省略している。図18(a)は、保持部材30が環状突出部182Aを捕捉している状態を示す。環状部33に環状突出部182Aが捕捉されている。環状部33は、固定チップ36の腕部36cと、開閉チップ32の脚部32cR及び32cLによって構成される。図18(a)の状態で、開閉チップ32が矢印a1方向に回動すると、図18(b)に示すように、環状部33が開放状態になる。
図18(b)の状態で、テザー60Aが巻き取られると、図19に示すように、環状突出部182Aは地上に取り残される。
図20は、無人機1の機能構成を示す図である。図20に示すように、無人機1は、CPU(Central Processing Unit)100、記憶部102、無線通信部104、衛星測位部106、慣性センサー部108、駆動制御部110、画像処理部112、及び、電源部114を有する。
無人機1は、無線通信部104によって、基地局160と通信可能になっている。無人機1は、無線通信部104によって、基地局160から、発進等の指示を受信する。基地局160は、コンピュータで構成されている。
無人機1は、衛星測位部106と慣性センサー部108によって、無人機1自体の位置を測位することができる。衛星測位部106は、基本的に、4つ以上のGPS(Global Positioning System)衛星等の測位用衛星からの電波を受信して無人機1の位置を計測する。慣性センサー部108は、例えば、加速度センサー及びジャイロセンサーによって、出発点からの無人機1の移動を積算して、無人機1の位置を計測する。無人機1自体の位置情報は、無人機1の移動経路の決定及び自律移動のために使用するほか、画像処理部112によって撮影した画像データと座標(位置)とを紐づけするために使用する。
画像処理部112によって、無人機1はカメラ10(図2参照)を作動させて外部の画像を取得することができる。
駆動制御部110によって、無人機1は各モーター6(図2参照)に接続されたプロペラ8(図2参照)の回転を制御し、上下水平移動や空中停止、傾きなどの姿勢を制御するようになっている。
電源部114は、例えば、交換可能な可充電電池であり、無人機1の各部に電力を供給するようになっている。
記憶部102には、出発位置P1から目的位置P2及びP3まで自律移動するための移動計画を示すデータ等の自律移動に必要な各種データ及びプログラム、飛行予定領域の地形、形状や構造物の位置を示す情報が記憶されている。また、目的位置P2及びP3の座標と対応づけて、貨物の識別番号、巻取装置の識別番号、保持部材の識別番号が記憶されている。さらに、記憶部102には、以下の各プログラムが格納されている。
記憶部102には、飛行制御プログラム、移動プログラム、到達判断プログラム、降下プログラム、接地感知プログラム、解除プログラム、及び、解除確認プログラムが記憶されている。CPU100と飛行制御プログラムは、飛行制御手段の一例である。CPU100と移動プログラムは、移動手段の一例である。CPU100と到達判断プログラムは、到達判断手段の一例である。CPU100と降下プログラムは、降下手段の一例である。CPU100と接地感知プログラムは、接地感知手段の一例である。CPU100と解除プログラムは、解除手段の一例である。CPU100と解除確認プログラムは解除確認手段の一例である。
無人機1は、飛行制御プログラムによって、無人機1の自律飛行を制御する。具体的には、無人機1は、各モーター6に供給する電力を調整し、予め規定された経路及び高度を飛行するようになっている。
無人機1は、移動プログラムによって、出発位置P1から、複数の目的位置P2及びP3へ順次飛行する。具体的には、無人機1は、移動プログラムによって、目的位置P2に対応する貨物180Aの保持を解除すると、次の目的位置P3へ移動する。
無人機1は、到達判断プログラムによって、いずれかの目的位置に到達したか否かを判断する。無人機1は、無人機1自体の位置を継続的に測位しており、例えば、目的位置P2の座標と無人機1自体の位置の座標が一致した場合に、目的位置に到達したと判断する。
無人機1は、降下プログラムによって、目的位置の上空において、テザー60A等を送り出すことによって、貨物180A等を降下させる。無人機1は、目的位置P2に到達すると、テザー60Aを送り出し、貨物180Aを降下させる。また、無人機1は、目的位置P3に到達すると、テザー60Bを送り出し、貨物180Bを降下させる。
無人機1は、接地感知プログラムによって、無人機1が空中に位置するときに、貨物180A等が接地したことを感知する。貨物180A等が接地すると、無人機1の本体部が負担する負荷が減少するから、モーター6へ供給する電力が減少する。無人機1は、電力の減少によって、貨物180A等が接地したことを感知する。
無人機1は、解除プログラムによって、貨物180A等が接地した場合に、保持部材30A等による貨物180A等の保持を解除する。
無人機1は、解除確認プログラムによって、貨物180A等の保持が解除されたか否かを確認するための確認工程を実施する。
以下、無人機1の動作を、図21及び図22のフローチャートを参照して説明する。無人機1は、複数の目的位置P2等を貨物180A等と対応付けて記憶し(図22のステップST1)、基地局160発進指示を受信すると発進し(ステップST2)、測位及び撮影を開始し(ステップST3)、第一の目的位置P2の上空に到達したと判断すると(ステップST4)、テザー60Aを送り出して貨物180Aを降下させる(ステップST5)。無人機1は、モーター6に係る負荷が低下したと判断すると(ステップST6)、貨物180Aの保持を解除し(ステップST7)、テザー60Aを巻き取り、第二の目的位置P3へ向かって移動する(ステップST8)。なお、ステップST7とステップST8の間に、確認工程を実施する。
無人機1は、第二の目的位置P3の上空に到達したと判断すると(ステップST9)、テザー60Bを送り出して、貨物180Bを降下させる(ステップST10)。無人機1は、モーター6に係る負荷が低下したと判断すると(ステップST11)、貨物180Bの保持を解除し(ステップST12)、テザー60Bを巻き取り、出発位置P1へ向かって移動する(ステップST13)。なお、ステップST12とステップST13の間に、確認工程を実施する。
<第二の実施形態>
第二の実施形態について、第一の実施形態と異なる部分について、説明する。
第二の実施形態について、第一の実施形態と異なる部分について、説明する。
図23に示すように、第二の実施形態は、固定装置40によって、筐体2と格納容器20が接続されている。固定装置40は、第一部材42及び第二部材44を有する。固定装置40は、固定装置の一例である。
第一部材42の上部42aは筐体2に固定されている。第一部材42と第二部材44は、軸46を回転軸として、矢印A1方向及びA2方向に相対的に回転する。
第二部材44は、腕部44a及び44bを有し、腕部44bには軸48が配置され、その軸48の一方の端部は、腕部44aに配置された軸受(図示せず)に保持されている。軸48には、半円柱状部材50が接続されている。半円柱状部材50には、格納容器20が固定されている。半円柱状部材50及び格納容器20は、軸48を回転軸として、矢印B1方向(紙面手前から後ろ側)及び矢印B2方向(紙面後ろ側から手前方向)に回転可能になっている。固定装置40は、無人機1の姿勢や格納容器20の重心変動が生じても、軸46及び軸48を回転軸とする、第一部材42等の回転によって、重心一致状態を維持するように構成されている。
1 無人機
2 筐体
6 モーター
8 プロペラ
20 格納部材
22 箱部
24,40 固定装置
25 第一部材
26 第二部材
27 中間部材
30A,30B 保持部材
50A,50B 巻取装置
52A,52B 送信装置
60A,60B テザー
180A,180B 貨物
2 筐体
6 モーター
8 プロペラ
20 格納部材
22 箱部
24,40 固定装置
25 第一部材
26 第二部材
27 中間部材
30A,30B 保持部材
50A,50B 巻取装置
52A,52B 送信装置
60A,60B テザー
180A,180B 貨物
Claims (8)
- 自律飛行可能な無人飛行装置の本体と貨物保持部材との接続構造であって、
前記本体と前記貨物保持部材とを接続する固定装置を有し、
前記固定装置は、前記本体の重心と前記貨物保持部材の重心が同一の鉛直線上に位置する状態を維持するように、前記本体の重心位置の変動及び/または前記貨物保持部材の重心位置の変動を相殺する相殺手段として構成されている、
接続構造。 - 前記固定装置は、回転可能部分を有し、前記貨物保持部材の質量によって回転し、前記本体の重心と前記貨物保持部材の重心が同一の鉛直線上に位置する状態を維持するように構成されている、
請求項1に記載の接続構造。 - 複数の目的位置と貨物とを対応づけて記憶する記憶手段と、
出発位置から複数の前記目的位置へ順次飛行する移動手段と、
いずれかの前記目的位置に到達したか否かを判断する到達判断手段と、
いずれかの前記目的位置に到達すると、前記貨物保持部材による前記貨物の保持を解除する解除手段と、
を有し、
前記移動手段は、前記無人飛行装置が、一つの前記目的位置において、当該目的位置に対応する前記貨物の保持を解除すると、次の前記目的位置へ移動するように構成されている、
請求項1または請求項2に記載の接続構造によって貨物保持部材と接続されている無人飛行装置。 - 前記無人飛行装置の飛行姿勢を算出する飛行姿勢算出手段と、
前記飛行姿勢に応じて、前記固定装置の回転可能部分を制御する固定装置制御手段と、
を有する請求項3に記載の無人飛行装置。 - 前記貨物保持手段は、前記目的位置の上空において、紐状部材を送り出すことによって、前記貨物を降下させる降下手段と、
前記貨物が接地したことを感知する接地感知手段と、
を有し、
前記解除手段は、前記貨物が接地した場合に、前記貨物保持手段による前記貨物の保持を解除するように構成されている、
請求項3または請求項4に記載の無人飛行装置。 - 前記接地感知手段は、前記無人飛行装置の飛行のために必要な負荷が減少したことを感知するように構成されている、
請求項5に記載の無人飛行装置。 - 前記紐状部材を巻き取るときの電力によって、前記貨物の保持が解除されたか否かを確認する解除確認手段を有する、
請求項5または請求項6に記載の無人飛行装置。 - 前記貨物保持部材は、静止部材及び移動部材の組を複数有し、
前記静止部材と前記移動部材が相対的に移動することによって、前記貨物の環状突出部を保持するための環状部を構成し、
前記解除手段は、前記静止部材と前記移動部材を相対的に移動させることによって、前記環状部を開放するように構成されている、
請求項3乃至請求項7のいずれかに記載の無人飛行装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018084402A JP2019189042A (ja) | 2018-04-25 | 2018-04-25 | 無人飛行装置と貨物保持部材の接続構造及び無人飛行装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019189042A true JP2019189042A (ja) | 2019-10-31 |
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ID=68391302
Family Applications (1)
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JP2018084402A Pending JP2019189042A (ja) | 2018-04-25 | 2018-04-25 | 無人飛行装置と貨物保持部材の接続構造及び無人飛行装置 |
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CN113184182A (zh) * | 2021-04-21 | 2021-07-30 | 重庆工业职业技术学院 | 一种用于取放快递的智能无人机 |
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-
2018
- 2018-04-25 JP JP2018084402A patent/JP2019189042A/ja active Pending
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