JP2019188313A - 電気脱イオン装置の運転方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水質に応じた電気式脱イオン装置の節電運転が可能となり経済的な運転が可能となる電気脱イオン装置の運転方法を提供する。【解決手段】電気脱イオン装置9の流入水のホウ素濃度をホウ素モニター15で測定し、この測定値に基づいて電気脱イオン装置9,11に通電する電流を制御する電気脱イオン装置の運転方法において、流入水のホウ素濃度が基準値を超えた場合、前記電流を増加させ、基準値よりも低いときには前記電流を減少させることを特徴とする電気脱イオン装置の運転方法。電気脱イオン装置11からの処理水中のホウ素濃度をホウ素モニター16で監視する。【選択図】図1
Description
本発明は電気脱イオン装置の運転方法に係り、特にホウ素濃度を管理するようにした電気脱イオン装置の運転方法に関する。
電気脱イオン装置の流入水の水質が変動しても一定水質以上の処理水を安定して得ることができる電気脱イオン装置の運転方法として、特許文献1には、電気脱イオン装置流入水のホウ素濃度を測定すると共に、電気脱イオン装置処理水(脱塩水)のホウ素濃度を測定し、目標水質に近づくように電気脱イオン装置の電流を制御することが記載されている。
なお、特許文献1には、電気脱イオン装置の流入水及び処理水の導電率、比抵抗、シリカ濃度、TOC濃度、又はCO2濃度などの水質値を測定し、それらが目標値に近づくように電流を制御することも記載されている。
水中の低濃度のホウ素濃度を高精度で測定する方法としては、非特許文献1,2に記載の方法が知られている。
クロモトロープ酸を用いる高感度蛍光検出/フローインジェクション分析法による超純水中の極微量ホウ素の定量 BUNSEKI KAGAKU Vol53,No4,PP345-PP351(2004)
ThermoFisherScietific社 技術資料 IONPAC TBC-1 BORATE CONCENTRATOR COLUMN AND IONPAC ICE-BORATE COLUMN
本発明は、水質に応じた電気式脱イオン装置の節電運転が可能となり経済的な運転が可能となる電気脱イオン装置の運転方法を提供することを目的とする。
本発明の電気脱イオン装置の運転方法は、電気脱イオン装置の流入水のホウ素濃度を測定し、この測定値に基づいて電気脱イオン装置に通電する電流を制御する電気脱イオン装置の運転方法において、流入水のホウ素濃度が基準値を超えた場合、前記電流を増加させ、基準値よりも低いときには前記電流を減少させることを特徴とする。
本発明の一態様では、前記電気脱イオン装置が直列に多段に設置されており、第1段目の電気脱イオン装置の流入水の基準値が0.5〜35ppbの間から選択された値である。
本発明の一態様では、前記第1段目の電気脱イオン装置への流入水のホウ素濃度が基準値を超えた場合、第1段目及び第2段目の電気脱イオン装置への通電電流を増加させ、基準値よりも低いときには前記電流を減少させ、第2段目の電気脱イオン装置からの処理水中のホウ素濃度を監視する。
本発明の電気脱イオン装置の運転方法によると、水質に応じて電気式脱イオン装置への通電電流が制御されるので、経済的な運転が可能となる。また、電流値を最適にすることにより、負荷が低くなり、電気式脱イオン装置の寿命の延命にもなる。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。なお、本発明は湖沼水などホウ素濃度が季節等に応じて変動する原水を処理するのに好適である。湖沼水、河川水、井水のホウ素濃度の範囲は、通常0.1〜5,000ppb(μg/L)程度である。
図1は本発明の第一の実施の形態に係る純水製造装置を示すものであり、原水は前処理装置1で処理された後、配管2を介して逆浸透膜装置3へ供給される。前処理装置としては、凝集沈殿、砂濾過、活性炭濾過、生物活性炭濾過(BAC)、加圧浮上膜式前処理などの1または2以上の処理が挙げられる。原水の水質によっては、この前処理は省略されてもよい。
この実施の形態では、RO装置が直列に2段に設置されており、第1段目のRO装置3の透過水が配管4を介して第2段目のRO装置5に供給される。RO装置3,5の濃縮水の少なくとも一部は前処理装置1に返送されるのが好ましい。
RO装置5の透過水は、配管6を介して脱炭酸塔7に供給され、スケール成分となる炭酸が除去される。なお、この脱炭酸塔7は流入水の水質(CO2濃度)によっては省略されてもよい。
この実施の形態では、電気脱イオン装置は直列に2段に設置されており、脱炭酸塔7の処理水は、配管8を介して第1段目の電気式脱イオン装置9に通水され、その処理水(第一処理水)は配管10を介して第2段目の電気式脱イオン装置11に通水され、処理水(第二処理水)が配管12を介して取り出される。なお、この第二処理水はさらにサブシステムに通水処理して高水質の純水とされてもよい。
前記配管8,12からそれぞれサンプリング配管13,14が分岐しており、各配管8,12から分取された水がホウ素モニター15,16に供給され、ホウ素濃度が分析される。
ホウ素モニター15及び16の検出信号が加電流制御装置25に入力され、該制御装置25によって電気式脱イオン装置9,11に通電する電流を制御する。この実施の形態ではホウ素モニター15によって測定される第1段目電気脱イオン装置9への流入水中のホウ素濃度が基準値よりも高いときは、電気式脱イオン装置9,11への通電電流を増加させ、基準値よりも低いときには前記電流を減少させて該脱イオン装置11の処理水のホウ素濃度を基準値に維持する。第1段目電気脱イオン装置9への流入水中のホウ素濃度が第1基準値よりも高いときは、電気式脱イオン装置9,11への通電電流を増加させ、第2基準値(第1基準値よりも低い値。)よりも低いときには前記電流を減少させて、該脱イオン装置11の処理水のホウ素濃度を第1基準値と第2基準値との間に維持するようにしてもよい。
本発明の制御方法においては、電気脱イオン装置11からの第二処理水中のホウ素濃度をホウ素モニター16で測定して同様に電気式脱イオン装置9,11の電流を制御しても良いが、この第二処理水中のホウ素濃度が低い場合、例えば、1ppt未満のときは、ホウ素モニター16で精度良く検出するのが困難であるか、又は測定に時間がかかる場合があるので、電気脱イオン装置11からの第二処理水中のホウ素濃度と、電気脱イオン装置9に流入する流入水中のホウ素濃度との関係を調べておき、該流入水中のホウ素濃度を測定して電流を制御し、第二処理水のホウ素モニター16は監視のみとするのが好ましい。
上記基準値としては0.5〜35ppb、特に0.5〜10ppb、更に0.5〜2.5ppbの間から選択された値が好ましい。前処理装置1を設置しない場合も、基準値は上記範囲から選択された値であることが好ましい。給水中のホウ素濃度が過度に高いと、ホウ素が電気式脱イオン装置内のイオン交換樹脂に蓄積し、電気抵抗を増大させ、運転電圧が高くなる。
一般に、電気式脱イオン装置のホウ素の除去率は、電流値が一定であれば、ほぼ一定である。すなわち、電気脱イオン装置の電流値が一定である場合、給水のホウ素濃度との比と出口のホウ素濃度は一定の関係にあり、両者の濃度の一方が判れば計算によってもう一方の濃度も推定できる。
従って、電気脱イオン装置9,11のホウ素除去率が例えば98%の場合、二段目の電気式脱イオン装置11の処理水のホウ素を1ppt以下にするには、二段目の電気式脱イオン装置11の給水のホウ素を50ppt以下とする必要がある。そして一段目の処理水中のホウ素濃度を50ppt以下にするには、一段目の電気脱イオン装置9への給水中のホウ素濃度を2.5ppb以下とする必要がある。
電気脱イオン装置のホウ素除去率を一定にするには、電流値が一定になるように印加電圧を制御する。
図1では、配管8,12にそれぞれホウ素モニター15,16を設置しているが、図2のように、配管8,12からのサンプリング配管20,21を切り替えバルブ23を介して1台のホウ素モニター24に接続し、該バルブ23を切り替えることで各測定ポイントのホウ素濃度をモニターするようにしてもよい。この方式では、ホウ素モニターが1台で足り、経済的であるが、測定中は他のポイントのホウ素濃度を知ることができない。なお、サブシステムの処理水のホウ素濃度もこのホウ素モニターで測定するようにしてもよい。
ホウ素モニターの構成の一例を図3に示す。このモニターでは、ポンプを2台用い、送液は各流路の流量0.4mL/分で行う。検出器は蛍光検出器を用いて励起波長310〜315nm/測定波長355〜365nmを用いる。注入量は100〜300μLになるようインジェクターを制御する。得られた信号の高さまたは面積を測定できるデータ処理装置(PC)を付属させる。データ処理装置としては、濃度を段階的に変化させて検量線を作成し濃度を計算できるものを用いる。
ホウ素モニターの構成の別例を図4に示す。溶離液ポンプは0.5〜1.5mL/分、濃縮液用ポンプは2〜10mL/分を送液できるものを用いる。濃縮カラムはホウ素が濃縮できるものを用いる。サーモフィッシャ−製のイオンパックTBC−1が好適であるがこれに限るものではない。分離カラムはホウ素を分離できるものを用いる。サーモフィッシャ−製のイオンパックTBC−1が好適であるがこれに限るものではない。サプレッサーはホウ素以外の導電率成分を分離できるものを用いる。サーモフィッシャ−製のAMMS−ICEIIが好適であるがこれに限るものではない。導電率計は通常のイオンクロマトに用いるものでよい。濃縮機構は、ホウ素の濃縮時間を制御できるものを用いる。濃縮時間が過ぎるとバルブを切り替えて分離カラムに試料を注入してクロマトを測定する。得られた信号の高さまたは面積を測定できるデータ処理装置を付属させる。データ処理装置としては、濃度を段階的に変化させて検量線を作成し、濃度を計算できるものを用いる。
[実施例1]
野木町水を原水とし、この原水を、図1の通り、前処理及びRO処理した後、電気式脱イオン装置9,11に通水する運転を4月から3月まで12カ月運転した。
野木町水を原水とし、この原水を、図1の通り、前処理及びRO処理した後、電気式脱イオン装置9,11に通水する運転を4月から3月まで12カ月運転した。
前処理としては、活性炭通水処理を行った。電気式脱イオン装置としては栗田工業株式会社製KCDI−UPz(登録商標)(定格処理水量15m3/h)を2段で用い、電流値は2台とも15A〜18Aの可変とし、ホウ素モニター15の値によって制御した。結果を表1に示す。
表1の通り、原水のホウ素濃度が変動しても、第2段目電気脱イオン装置の処理水中のホウ素濃度は安定して1ppt以下であった。
1 前処理装置
3,5 RO装置
7 脱炭酸塔
9,11 電気脱イオン装置
15,16,24 ホウ素モニター
23 切り替えバルブ
25 加電流制御装置
3,5 RO装置
7 脱炭酸塔
9,11 電気脱イオン装置
15,16,24 ホウ素モニター
23 切り替えバルブ
25 加電流制御装置
Claims (3)
- 電気脱イオン装置の流入水のホウ素濃度を測定し、この測定値に基づいて電気脱イオン装置に通電する電流を制御する電気脱イオン装置の運転方法において、
流入水のホウ素濃度が基準値を超えた場合、前記電流を増加させ、基準値よりも低いときには前記電流を減少させることを特徴とする電気脱イオン装置の運転方法。 - 前記電気脱イオン装置が直列に多段に設置されており、第1段目の電気脱イオン装置の流入水の基準値が0.5〜35ppbの間から選択された値であることを特徴とする請求項1の電気脱イオン装置の運転方法。
- 前記第1段目の電気脱イオン装置への流入水のホウ素濃度が基準値を超えた場合、第1段目及び第2段目の電気脱イオン装置への通電電流を増加させ、基準値よりも低いときには前記電流を減少させ、第2段目の電気脱イオン装置からの処理水中のホウ素濃度を監視することを特徴とする請求項1又は2の電気脱イオン装置の運転方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018083158A JP2019188313A (ja) | 2018-04-24 | 2018-04-24 | 電気脱イオン装置の運転方法 |
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JP (1) | JP2019188313A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022074975A1 (ja) * | 2020-10-05 | 2022-04-14 | オルガノ株式会社 | 純水製造システムおよび純水製造方法 |
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2018
- 2018-04-24 JP JP2018083158A patent/JP2019188313A/ja active Pending
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