手段1:遊技機において、
「装飾が設けられている透光性を有した平板状の装飾部材と、
該装飾部材の後方に設けられており、板厚内において板面に沿った方向の光を前方へ放射可能な透明で平板状の放射板と、
該放射板の板厚内における板面に沿った方向へ光を照射可能な複数のLEDが前面に実装されており、前記放射板の後方に設けられている装飾基板と
を備えた演出部材を」具備しているものであることを特徴とする。
ここで、「装飾部材」としては、一つの部材により構成されているものであっても良いし、複数の部材により構成されているもの(例えば、立体的な浮彫りにより形成されている浮彫部を有する装飾体と、絵柄を有している装飾シートと、から構成されているもの)であっても良い。
また、装飾部材の「装飾」としては、「立体的な浮彫りによるもの」、「平面的な絵柄によるもの」、「立体的な浮彫りと平面的な絵柄とによるもの」、等が挙げられる。また、「装飾」としては、「遊技機のコンセプトに沿ったロゴや文字を有した装飾」、「遊技機のコンセプトに沿ったキャラクタを有した装飾」、「遊技機のコンセプトに沿ったアイテムを有した装飾」、「遊技機のコンセプトに沿った情景を有した装飾」、等が挙げられる。
更に、「放射板」としては、「後面から前方へ向かって窪むように形成され、装飾基板のLEDが後方から収容される複数のLED収容部を有しているもの」、「板厚内における板面に沿った方向の光を前方へ反射させる複数の反射部を略全面に有しているもの」、「板厚内における板面に沿った方向の光を前方へ反射させる複数の反射部を一部に有しているもの」、等が挙げられる。
また、装飾基板に実装されている「LED」としては、「サイドビュータイプのLED」、「横に向けて実装したトップビュータイプのLED」、等が挙げられる。また、「LED」としては、「フルカラーLED」、「単色LED」、「二色LED」、等が挙げられる。
また、放射板の板厚内における板面に沿った方向へ光を照射する構成としては、「放射板を貫通している孔の内面から板厚内へ光を照射する構成」、「放射板を貫通していると共に放射板の側面側へ開放されているスリットの内面から板厚内へ光を照射する構成」、「放射板の後面から前方へ向かって窪んでいる凹状の部位の内面から板厚内へ光を照射する構成」、「放射板の側面から板厚内へ光を照射する構成」、等が挙げられる。
更に、「演出部材」としては、可動するものであっても良いし、可動せずに固定されているものであっても良い。
手段1の構成によると、遊技機に、装飾が設けられている透光性を有した平板状の装飾部材と、装飾部材の後方に設けられており、板厚内において板面に沿った方向の光を前方へ放射可能な透明で平板状の放射板と、放射板の板厚内における板面に沿った方向へ光を照射可能な複数のLEDが前面に実装されており、放射板の後方に設けられている装飾基板と、を備えた演出部材を備えているものである。
これにより、装飾部材及び放射板の後方の装飾基板に実装されている複数のLEDを発光させると、LEDからの光が放射板の板厚内における板面に沿った方向へ照射された上で放射板により前方へ放射され、放射板から前方へ放射された光によって、装飾が設けられた透光性を有する装飾部材が発光装飾されることとなる。この際に、LEDから放射板の板面に沿った方向へ照射された光を、放射板の板厚内において前方へ反射させて装飾部材を発光装飾させるようにしているため、LEDを前方へ向けて光を照射するようにした従来と比較して、LEDの光が放射板の前面から前方へ放射されるまでの距離を長くすることができ、LEDからの光を広く拡散させて放射板から前方へ放射させることができる。従って、LEDを発光させた時に、LEDからの光を広く拡散させることができると共に、点状に発光しているように見えることを抑制することができるため、装飾部材をムラなく発光装飾させて綺麗に見せることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。また、演出部材では、平板状の装飾部材と放射板の後方に装飾基板を設けているため、前後方向の寸法を薄くすることができ、演出部材を配置するスペースを確保し易くすることができると共に、他の演出部材を配置するスペースも確保し易くすることができ、多様な演出部材を備えることで遊技者をより楽しませられる遊技機を提供することができる。
なお、装飾部材を、装飾の少なくとも一部を構成し立体的な浮彫りにより形成されている浮彫部を有している透明で平板状の装飾体と、装飾体の後方に設けられており、装飾の残りを構成する絵柄を有しているシート状の装飾シートと、で構成することが望ましい。これにより、装飾が設けられている装飾部材を、浮彫部を有した装飾体と、絵柄を有した装飾シートとで構成しているため、浮彫部により装飾に立体感を付与することができると共に、浮彫部の浮彫りによるレンズ効果により後方に設けられている装飾シートの絵柄に奥行感を付与することができる。従って、装飾体の浮彫部と装飾シートの絵柄とによって、奥行感のある立体的な装飾を遊技者に見せることができるため、装飾部材の厚さ(前後方向の寸法)を薄くしても装飾効果が低下することはなく、遊技者の関心を引付けたり楽しませたりすることができると共に、装飾部材を介して演出部材をより薄くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
また、上記のように、装飾部材を装飾体と装飾シートとで構成するようにした場合、浮彫部を有した装飾体の後方に絵柄を有した装飾シートを設けているため、透明な装飾体に着色しなくても、装飾シートの絵柄の色により装飾体が着色されているように見せることができ、装飾体にかかるコストを低減させることができる。また、この場合、装飾シートの絵柄を変更することで、装飾体(装飾部材)の装飾を容易に変更することができるため、機種変更や設計変更等に対して対応し易い遊技機とすることができる。
また、装飾部材に、装飾の一部を構成し光の干渉縞により絵柄が表示されるホログラム部を、有するようにしても良い。これにより、装飾基板のLEDからの光、本遊技機に設けられている他の発光手段からの光、本遊技機を設置している遊技ホール内の光、等がホログラム部に当たることで、光の干渉縞により所定のホログラムを見せることができるため、ホログラムにより装飾の見栄えを良くすることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、ホログラムにより装飾部材の装飾の一部に立体感を付与することができ、演出部材を薄くしても遊技者に薄さを感じさせないようにすることができる。
更に、装飾部材にホログラム部を有するようにした上で、装飾部材を装飾体と装飾シートとで構成するようにした場合、ホログラム部により、装飾シートにおける絵柄の少なくとも一部を構成するようにしても良い。これにより、装飾シートの絵柄の一部をホログラム部により構成するようにしていることから、ホログラムが浮彫部を有した透明な装飾体を通して見えることとなるため、浮彫部によるレンズ効果によりホログラム等の絵柄に奥行感を付与することができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な装飾を遊技者に見せることができる。また、この場合、装飾シートにホログラム部を有するようにしているため、ホログラム部の形成に印刷技術を用いることが可能となり、コストの増加を抑制することができる。
また、装飾部材を装飾体と装飾シートとで構成するようにした場合、装飾体の後面を平坦に形成した上で、装飾シートを、装飾体の外形と同じ大きさに形成するようにすることが望ましい。これにより、装飾体の後面を平坦にして、装飾シートの外形を装飾体の外形と同じ大きさにしていることから、透明な装飾体の外周縁まで装飾シートの絵柄により装飾することができ、装飾の外周に枠のようなものがないため、演出部材の装飾に対して開放感を付与することができると共に、装飾を大きく見せることができる。従って、演出部材の装飾(装飾シートの絵柄等)をより目立たせることができ、演出部材の装飾効果を十分に発揮させることができると共に、演出部材の装飾により遊技者の関心を強く引付けさせることができ、遊技者を楽しませられる遊技機を提供することができる。
また、上記のように、透明な装飾体の後面を平坦にした場合、装飾体の後面に装飾シートが接触(当接)した状態となるため、装飾体と装飾シートとの間で光が乱反射することはなく、透明な装飾体を通して装飾シートの絵柄をより見え易くすることができ、装飾シートの絵柄による装飾効果を十分に発揮させることができる。
また、上記のように、装飾体の後面を平坦にした場合、装飾体と装飾シートとで構成されている装飾部材の前後方向の寸法を可及的に小さくすることが可能となるため、演出部材の厚さを薄くすることができ、上述した作用効果を具現化することが可能な遊技機を提供することができる。
更に、上記のように、装飾シートを、装飾体の外形と同じ大きさに形成するようにした場合、装飾シートの絵柄により演出部材(装飾体)の外周縁まで装飾することができるため、当該演出部材と隣接している部材の装飾態様を、当該演出部材の装飾と連続するような装飾とすることにより、一体感のある大きな装飾を遊技者に見せることができ、遊技者に見た目のインパクトを与えて注目させることができると共に、大きな装飾を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、放射板に、後面から前方へ向かって窪むように形成され、装飾基板のLEDが後方から収容される複数のLED収容部を、有するようにすることが望ましい。これにより、放射板のLED収容部に後方からLEDを収容させることで、放射板の後面と装飾基板の前面とを可及的に接近させることが可能となり、演出部材の前後方向の厚さを薄くすることができ、上述した作用効果を奏する遊技機を確実に具現化することができる。
また、放射板にLEDを収容可能な前方へ向かって窪むようなLED収容部を有するようにした場合、LED収容部の内面から板厚内へLEDからの光を照射することが可能となるため、放射板の外周面から光を照射するようにした場合と比較して、外周面からの光が届き難い放射板の部位(例えば、中央部分)でも、当該部位にLED収容部を設けてその内面から光を照射するようにすることで、当該部位を明るく発光させることができ、装飾部材をムラなく発光装飾させることができる。
また、装飾基板のLEDを、放射板の板面に沿った方向へ光を照射可能なサイドビュータイプのものとすることが望ましい。これにより、装飾基板にLEDを実装して発光させることで、LEDから装飾基板(放射板)の板面に沿った方向へ光を照射することができるため、LEDからの光を直接的に放射板の板厚内へ照射し易くすることができ、上述した作用効果を奏し易いものとすることができる。
更に、放射板の後面の略全面に、板厚内における板面に沿った方向の光を前方へ反射させる複数の反射部を、有するようにすることが望ましい。これにより、装飾基板のLEDから、放射板の板厚内において板面に沿った方向へ光を照射すると、後面の略全面に設けられている複数の反射部により前方へ反射させることができ、放射板の略全面から前方へ光を放射することができるため、装飾部材の全体を発光装飾させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
また、放射板の後面の略全面に複数の反射部を有するようにした場合、装飾部材の略全体に光を放射することができるため、装飾部材に設けられている装飾を変更しても反射部を変更する必要はなく、装飾部材の装飾の変更に対して容易に対応することができ、機種変更や設計変更等に対して対応し易い遊技機を提供することができる。
更に、装飾基板に設けられるICや抵抗器等の電子部品を、装飾基板の後面に実装することが望ましい。これにより、装飾基板の前面にLEDを除いたICや抵抗器等の電子部品を実装するようにした場合と比較して、装飾基板の基板面からの電子部品の高さの分だけ、放射板の後面を装飾基板の前面に接近させることができ、演出部材の厚さをより薄くすることができる。
また、上記のように、ICや抵抗器等の電子部品を装飾基板の後面に実装するようにした場合、LEDとしてサイドビュータイプのものを用いた時に、装飾基板の前面に沿った方向へ照射されるLEDからの光が電子部品に遮られてしまうことを回避させることができ、LEDからの光を十分に行き届かせることができる。従って、電子部品による影ができないことから、装飾部材の全体を均一に発光装飾させることができ、見栄えの良い発光演出により遊技者を楽しませることができると共に、少ない数のLEDでも装飾部材の全体を発光装飾させることができ、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記装飾部材は、
前記装飾の少なくとも一部を構成し立体的な浮彫りにより形成されている浮彫部を有している透明で平板状の装飾体と、
該装飾体の後方に設けられており、前記装飾の残りを構成する絵柄を有しているシート状の装飾シートと
から構成されている」ものであることを特徴とする。
ここで、「装飾体」としては、浮彫部が前面と後面の両方に有しているものであっても良いし、浮彫部が前面のみに有しているものであっても良いし、浮彫部が後面のみに有しているものであっても良い。
また、「装飾シート」としては、「光の干渉縞により絵柄が表示されるホログラム部を有しているもの」、「無数の微小なプリズムが形成されているプリズム部を有しているもの」、「無数の微小なレンズが形成されているレンズ部を有しているもの」、「後方を視認不能としている不透明部を有しているもの」、等が挙げられる。
また、装飾体の浮彫部と装飾シートの絵柄との関係としては、浮彫部と絵柄とが互いに関係していても良いし、浮彫部と絵柄とが全く無関係であっても良い。
手段2の構成によると、装飾部材を、装飾の少なくとも一部を構成し立体的な浮彫りにより形成されている浮彫部を有している透明で平板状の装飾体と、装飾体の後方に設けられており、装飾の残りを構成する絵柄を有しているシート状の装飾シートと、で構成するようにしたものである。
これにより、装飾が設けられている装飾部材を、浮彫部を有した装飾体と、絵柄を有した装飾シートとで構成しているため、浮彫部により装飾に立体感を付与することができると共に、浮彫部の浮彫りによるレンズ効果により後方に設けられている装飾シートの絵柄に奥行感を付与することができる。従って、装飾体の浮彫部と装飾シートの絵柄とによって、奥行感のある立体的な装飾を遊技者に見せることができるため、装飾部材の厚さ(前後方向の寸法)を薄くしても装飾効果が低下することはなく、遊技者の関心を引付けたり楽しませたりすることができると共に、装飾部材を介して演出部材をより薄くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
また、浮彫部を有した装飾体の後方に絵柄を有した装飾シートを設けているため、透明な装飾体に着色しなくても、装飾シートの絵柄の色により装飾体が着色されているように見せることができ、装飾体にかかるコストを低減させることができる。また、装飾シートの絵柄を変更することで、装飾体(装飾部材)の装飾を容易に変更することができるため、機種変更や設計変更等に対して対応し易い遊技機とすることができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記装飾部材は、
前記装飾の一部を構成し光の干渉縞により絵柄が表示されるホログラム部を、有している」ものであることを特徴とする。
ここで、「ホログラム部」としては、「透過型ホログラム」、「レインボーホログラム」、「リップマンホログラム」、等が挙げられる。また、ホログラム部は、装飾部材の表面に有するようにしても良いし、装飾部材の後面に有するようにしても良い。
手段3の構成によると、装飾部材に、装飾の一部を構成し光の干渉縞により絵柄が表示されるホログラム部を、有するようにしたものである。
これにより、装飾基板のLEDからの光、本遊技機に設けられている他の発光手段からの光、本遊技機を設置している遊技ホール内の光、等がホログラム部に当たることで、光の干渉縞により所定のホログラムを見せることができるため、ホログラムにより装飾の見栄えを良くすることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、ホログラムにより装飾部材の装飾の一部に立体感を付与することができ、演出部材を薄くしても遊技者に薄さを感じさせないようにすることができる。
手段4:手段3の構成において、
「前記ホログラム部は、
前記装飾シートにおける前記絵柄の少なくとも一部を構成している」ものであることを特徴とする。
手段4の構成によると、ホログラム部により、装飾シートにおける絵柄の少なくとも一部を構成するようにしたものである。
これにより、装飾シートの絵柄の一部をホログラム部により構成するようにしていることから、ホログラムが浮彫部を有した透明な装飾体を通して見えることとなるため、浮彫部によるレンズ効果によりホログラム等の絵柄に奥行感を付与することができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な装飾を遊技者に見せることができる。
また、装飾シートにホログラム部を有するようにしているため、ホログラム部の形成に印刷技術を用いることが可能となり、コストの増加を抑制することができる。
手段5:手段2から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記装飾体は、後面が平坦に形成されており、且つ、
前記装飾シートは、前記装飾体の外形と同じ大きさに形成されている」ものであることを特徴とする。
ところで、特許文献1のような従来の技術では、演出部材における最も前側に設けられている装飾体には、外周の略全周に亘って後方へ突出しているフランジ状の部位を有しているため、装飾体の後方にシート状の装飾シートを設けるようにした場合、装飾シートの外周の大きさを、装飾体のフランジ状の部位の内周の大きさよりも小さくする必要があり、装飾体を通して見える装飾シートの絵柄の外周にフランジの部位が存在することで、小ぢんまりと枠に嵌められているように見えてしまい、演出部材の装飾が小さく見えて装飾効果を十分に発揮させることができなくなる恐れがある。
手段5の構成によると、装飾体の後面を、平坦に形成し、且つ、装飾シートを、装飾体の外形と同じ大きさに形成するようにしたものである。
これにより、装飾体の後面を平坦にして、装飾シートの外形を装飾体の外形と同じ大きさにしていることから、透明な装飾体の外周縁まで装飾シートの絵柄により装飾することができ、装飾の外周に枠のようなものがないため、演出部材の装飾に対して開放感を付与することができると共に、装飾を大きく見せることができる。従って、演出部材の装飾(装飾シートの絵柄等)をより目立たせることができ、演出部材の装飾効果を十分に発揮させることができると共に、演出部材の装飾により遊技者の関心を強く引付けさせることができ、遊技者を楽しませられる遊技機を提供することができる。
また、透明な装飾体の後面を平坦にしていることから、装飾体の後面に装飾シートが接触(当接)した状態となるため、装飾体と装飾シートとの間で光が乱反射することはなく、透明な装飾体を通して装飾シートの絵柄をより見え易くすることができ、装飾シートの絵柄による装飾効果を十分に発揮させることができる。
また、装飾体の後面を平坦にしていることから、装飾体と装飾シートとで構成されている装飾部材の前後方向の寸法を可及的に小さくすることが可能となるため、演出部材の厚さを薄くすることができ、上述した作用効果を具現化することが可能な遊技機を提供することができる。
更に、装飾シートの絵柄により演出部材(装飾体)の外周縁まで装飾することができるため、当該演出部材と隣接している部材の装飾態様を、当該演出部材の装飾と連続するような装飾とすることにより、一体感のある大きな装飾を遊技者に見せることができ、遊技者に見た目のインパクトを与えて注目させることができると共に、大きな装飾を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
手段6:手段1から手段5までの何れか一つの構成において、
「前記放射板は、
後面から前方へ向かって窪むように形成されており、前記装飾基板の前記LEDが後方から収容される複数のLED収容部を有している」ものであることを特徴とする。
ここで、「LED収容部」としては、「放射板を前後方向に貫通している孔状のもの」、「放射板の後面から前方へ向かって窪んだ有底の凹状のもの」、「放射板を前後方向に貫通していると共に側面側へ開放されているスリット状のもの」、等が挙げられる。
手段6の構成によると、放射板に、後面から前方へ向かって窪むように形成され、装飾基板のLEDが後方から収容される複数のLED収容部を、有するようにしたものである。
これにより、放射板に、装飾基板の前面に実装されているLEDを収容可能なLED収容部を有するようにしているため、LED収容部に後方からLEDを収容させることで、放射板の後面と装飾基板の前面とを可及的に接近させることが可能となり、演出部材の前後方向の厚さを薄くすることができ、上述した作用効果を奏する遊技機を確実に具現化することができる。
また、放射板にLEDを収容可能な前方へ向かって窪むようなLED収容部を有するようにしているため、LED収容部の内面から板厚内へLEDからの光を照射することが可能となる。これにより、放射板の外周面から光を照射するようにした場合と比較して、外周面からの光が届き難い放射板の部位(例えば、中央部分)でも、当該部位にLED収容部を設けてその内面から光を照射するようにすることで、当該部位を明るく発光させることができ、装飾部材をムラなく発光装飾させることができる。
手段7:手段1から手段6までの何れか一つの構成において、
「前記LEDは、
前記放射板の板面に沿った方向へ光を照射可能なサイドビュータイプの」ものであることを特徴とする。
手段7の構成によると、装飾基板のLEDを、放射板の板面に沿った方向へ光を照射可能なサイドビュータイプのものとするようにしたものである。
これにより、装飾基板にLEDを実装して発光させることで、LEDから装飾基板(放射板)の板面に沿った方向へ光を照射することができるため、LEDからの光を直接的に放射板の板厚内へ照射し易くすることができ、上述した作用効果を奏し易いものとすることができる。
なお、装飾基板において、ICや抵抗器等の電子部品を装飾基板の後面に実装するようにすることが望ましい。これにより、装飾基板の前面に沿った方向へ光を照射するサイドビュータイプのLEDからの光が、電子部品に遮られてしまうことを回避させることができ、LEDからの光を十分に行き届かせることができる。従って、電子部品による影ができないことから、装飾部材の全体を均一に発光装飾させることができ、見栄えの良い発光演出により遊技者を楽しませることができると共に、少ない数のLEDでも装飾部材の全体を発光装飾させることができ、遊技機にかかるコストの増加を抑制させることができる。
手段8:手段1から手段7までの何れか一つの構成において、
「前記放射板は、
後面の略全面に、板厚内における板面に沿った方向の光を前方へ反射させる複数の反射部を、有している」ものであることを特徴とする。
ここで、「反射部」としては、「四角錘状のもの」、「三角錐状のもの」、「円錐状のもの」、「ペントルーフ(ゲイブル)状のもの」、「半球状のもの」、等が挙げられる。また、「反射部」は、装飾基板のLEDの位置に関係なく一定のパターンで設けられていても良いし、対応するLEDを中心とした同心円の円弧上に設けられていても良い。
手段8の構成によると、放射板の後面の略全面に、板厚内における板面に沿った方向の光を前方へ反射させる複数の反射部を、有するようにしたものである。
これにより、装飾基板のLEDから、放射板の板厚内において板面に沿った方向へ光を照射すると、後面の略全面に設けられている複数の反射部により前方へ反射させることができ、放射板の略全面から前方へ光を放射することができるため、装飾部材の全体を発光装飾させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
また、複数の反射部を、放射板の後面の略全面に有するようにしており、装飾部材の略全体に光を放射することができるため、装飾部材に設けられている装飾を変更しても反射部を変更する必要はなく、装飾部材の装飾の変更に対して容易に対応することができ、機種変更や設計変更等に対して対応し易い遊技機を提供することができる。
手段9:遊技機において、
「装飾の一部を構成し立体的な浮彫りにより形成されている浮彫部を有しており後面が平坦に形成されている透明な平板状の装飾体、及び該装飾体の後方に設けられ前記装飾の残りを構成している絵柄並びに光の干渉縞により該絵柄の一部が表示されるホログラム部を有し前記装飾体の外形と同じ大きさに形成されているシート状の装飾シート、から構成されている透光性を有した平板状の装飾部材と、
該装飾部材の後方に設けられ、後面から前方へ向かって窪むように形成されている複数のLED収容部、及び後面の略全面に板厚内における板面に沿った方向の光を前方へ反射させる複数の反射部、を有しており、複数の該反射部により板厚内において板面に沿った方向の光を前方へ放射可能な透明で平板状の放射板と、
該放射板の前記LED収容部に後方から収容され前記放射板の板厚内に板面に沿った方向へ光を照射可能な複数のサイドビュータイプのLEDが前面に実装されており、前記放射板の後方に設けられている装飾基板と
を備えた演出部材を具備している」ものであることを特徴とする。
手段9の構成によると、遊技機に、装飾の一部を構成し立体的な浮彫りにより形成されている浮彫部を有しており後面が平坦に形成されている透明な平板状の装飾体、及び装飾体の後方に設けられ装飾の残りを構成している絵柄並びに光の干渉縞により絵柄の一部が表示されるホログラム部を有し装飾体の外形と同じ大きさに形成されているシート状の装飾シート、から構成されている透光性を有した平板状の装飾部材と、装飾部材の後方に設けられ、後面から前方へ向かって窪むように形成されている複数のLED収容部、及び後面の略全面に板厚内における板面に沿った方向の光を前方へ反射させる複数の反射部、を有しており、複数の反射部により板厚内において板面に沿った方向の光を前方へ放射可能な透明で平板状の放射板と、放射板のLED収容部に後方から収容され放射板の板厚内に板面に沿った方向へ光を照射可能な複数のサイドビュータイプのLEDが前面に実装されており、放射板の後方に設けられている装飾基板と、を備えた演出部材を具備しているものである。
これにより、演出部材では、装飾体と装飾シートとから構成されている装飾部材の後方に、透明な放射板と装飾基板とが設けられており、放射板の後面に形成されている複数のLED収容部の夫々に、装飾基板の前面に実装されているサイドビュータイプのLEDが収容されるように挿入されている。この装飾基板に実装されている複数のLEDを発光させると、LEDからの光が、LED収容部の内面から放射板の板厚内における板面に沿った方向へ照射され、放射板の後面の略全面に形成されている複数の反射部により前方へ反射させられ、放射板の前面から前方へ放射されることとなる。そして、放射板から前方へ放射された光が、装飾部材を構成している装飾シート及び装飾体を通って前方へ照射されることで、装飾が設けられている透光性を有する装飾部材が発光装飾されることとなる。この際に、LEDから放射板の板面に沿った方向へ照射された光を、放射板の板厚内において複数の反射部により前方へ反射させて装飾部材を発光装飾させるようにしているため、LEDを前方へ向けて光を照射するようにした場合と比較して、LEDの光が放射板の前面から前方へ放射されるまでの距離を長くすることができ、LEDからの光を広く拡散させて放射板から前方へ放射させることができる。従って、LEDを発光させた時に、LEDからの光を広く拡散させることができると共に、点状に発光しているように見えることを抑制することができるため、装飾部材をムラなく発光装飾させて綺麗に見せることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出部材では、平板状の装飾部材と放射板の後方に装飾基板を設けているため、前後方向の寸法を薄くすることができ、演出部材を配置するスペースを確保し易くすることができると共に、他の演出部材を配置するスペースも確保し易くすることができ、多様な演出部材を備えることで遊技者をより楽しませられる遊技機を提供することができる。
更に、装飾が設けられている装飾部材を、浮彫部を有した装飾体と、絵柄を有した装飾シートとで構成しているため、浮彫部により装飾に立体感を付与することができると共に、浮彫部の浮彫りによるレンズ効果により後方に設けられている装飾シートの絵柄に奥行感を付与することができる。従って、装飾体の浮彫部と装飾シートの絵柄とによって、奥行感のある立体的な装飾を遊技者に見せることができるため、装飾部材の厚さ(前後方向の寸法)を薄くしても装飾効果が低下することはなく、遊技者の関心を引付けたり楽しませたりすることができると共に、装飾部材を介して演出部材をより薄くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
また、浮彫部を有した装飾体の後方に絵柄を有した装飾シートを設けているため、透明な装飾体に着色しなくても、装飾シートの絵柄の色により装飾体が着色されているように見せることができ、装飾体にかかるコストを低減させることができる。また、装飾シートの絵柄を変更することで、装飾体(装飾部材)の装飾を容易に変更することができるため、機種変更や設計変更等に対して対応し易い遊技機とすることができる。
また、装飾部材の装飾シートに、光の干渉縞により装飾としての絵柄の一部が表示されるホログラム部を有するようにしており、装飾基板のLEDからの光、本遊技機に設けられている他の発光手段からの光、本遊技機を設置している遊技ホール内の光、等がホログラム部に当たることで、光の干渉縞により所定のホログラムを見せることができるため、ホログラムにより装飾の見栄えを良くすることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、ホログラムにより装飾部材の装飾の一部に立体感を付与することができ、演出部材を薄くしても遊技者に薄さを感じさせないようにすることができる。
更に、装飾シートの絵柄の一部をホログラム部により構成するようにしていることから、ホログラムが浮彫部を有した透明な装飾体を通して見えることとなるため、浮彫部によるレンズ効果によりホログラム等の絵柄に奥行感を付与することができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な装飾を遊技者に見せることができる。また、装飾シートにホログラム部を有するようにしているため、ホログラム部の形成に印刷技術を用いることが可能となり、コストの増加を抑制することができる。
また、装飾部材において、装飾体の後面を平坦にして、装飾シートの外形を装飾体の外形と同じ大きさにしていることから、透明な装飾体の外周縁まで装飾シートの絵柄により装飾することができ、装飾の外周に枠のようなものがないため、演出部材の装飾に対して開放感を付与することができると共に、装飾を大きく見せることができる。従って、演出部材の装飾(装飾シートの絵柄等)をより目立たせることができ、演出部材の装飾効果を十分に発揮させることができると共に、演出部材の装飾により遊技者の関心を強く引付けさせることができ、遊技者を楽しませられる遊技機を提供することができる。
また、透明な装飾体の後面を平坦にしていることから、装飾体の後面に装飾シートが接触(当接)した状態となるため、装飾体と装飾シートとの間で光が乱反射することはなく、透明な装飾体を通して装飾シートの絵柄をより見え易くすることができ、装飾シートの絵柄による装飾効果を十分に発揮させることができる。また、装飾体の後面を平坦にしていることから、装飾体と装飾シートとで構成されている装飾部材の前後方向の寸法を可及的に小さくすることが可能となるため、演出部材の厚さを薄くすることができ、上述した作用効果を具現化することが可能な遊技機を提供することができる。
更に、装飾シートを、装飾体の外形と同じ大きさに形成するようにしており、装飾シートの絵柄により演出部材(装飾体)の外周縁まで装飾することができるため、当該演出部材と隣接している部材の装飾態様を、当該演出部材の装飾と連続するような装飾とすることにより、一体感のある大きな装飾を遊技者に見せることができ、遊技者に見た目のインパクトを与えて注目させることができると共に、大きな装飾を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、放射板に、装飾基板のLEDが後方から収容される複数のLED収容部を有するようにしているため、放射板のLED収容部に後方からLEDを収容させることで、放射板の後面と装飾基板の前面とを可及的に接近させることが可能となり、演出部材の前後方向の厚さを薄くすることができ、上述した作用効果を奏する遊技機を確実に具現化することができる。
また、放射板のLED収容部に装飾基板のLEDを収容して、LED収容部の内面から板厚内へLEDからの光を照射するようにしているため、放射板の外周面から光を照射するようにした場合と比較して、外周面からの光が届き難い放射板の部位(例えば、中央部分)でも、当該部位にLED収容部を設けてその内面から光を照射するようにすることで、当該部位を明るく発光させることができ、装飾部材をムラなく発光装飾させることができる。
更に、装飾基板のLEDをサイドビュータイプのものとしているため、放射板のLED収容部にLEDを収容して発光させるだけで、LED収容部の内面から放射板の板厚内における板面に沿った方向へ光を照射することができ、上述した作用効果を奏する遊技機を確実に具現化することができる。
また、放射板の後面の略全面に複数の反射部を有するようにしており、装飾部材の略全体に光を放射することができるため、装飾部材に設けられている装飾を変更しても反射部を変更する必要はなく、装飾部材の装飾の変更に対して容易に対応することができ、機種変更や設計変更等に対して対応し易い遊技機を提供することができる。
手段10:手段1から手段9までの何れか一つの構成において、
前記遊技機は、
遊技者の操作によって遊技媒体が打込まれる遊技領域と、
該遊技領域内に複数配置されており遊技媒体を受入可能な受入口と、
該受入口への遊技媒体の受入れに応じて所定数の遊技媒体を払出す払出装置と
を備えたパチンコ機であることを特徴とする。
ここで、「受入口」としては、「遊技領域内において常時開口している一般入賞口」、「遊技領域内において常時開口しており、遊技媒体の受入れにより遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるか否かの特別抽選が行われる始動入賞口(始動口)」、「遊技領域内における特定の受入口(チャッカー)に遊技媒体が受入れられることで、遊技領域内において、遊技媒体の受入れが可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「遊技領域内における特定領域(ゲート、スルーチャッカー、等)を遊技媒体が通過することで抽選される普通抽選結果に応じて、遊技媒体の受入れが可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「遊技領域内における特定領域(例えば、ゲート、チャッカー、等)を遊技媒体が通過することで抽選される普通抽選結果に応じて、遊技媒体の受入れが可能となり、遊技媒体の受入れにより遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるか否かの特別抽選が行われる可変始動入賞口(可変始動口)」、「役物入賞口に受入れられた遊技媒体が振分手段により振分けられて受入れられると、遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるV入賞口」、「遊技者が有利となる有利遊技状態として、所定のパターンで開閉して遊技媒体の受入れが可能となる大入賞口や役物入賞口」、等が挙げられる。
また、「パチンコ機」としては、「始動口への遊技媒体の受入れにより遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるための特別抽選を行う抽選手段と、抽選手段により抽選された特別抽選結果に応じて特別図柄を変動表示させた後に停止表示させて、停止表示された特別図柄の組合せにより抽選され特別抽選結果を表示する特別抽選結果表示手段と、特別抽選結果表示手段において有利遊技状態を発生させる特別抽選結果が表示されると大入賞口を所定のパターンで開閉させて有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、を備えたもの(所謂、デジパチ機)」、「役物入賞口に受入れられた遊技媒体を振分ける振分手段と、振分手段により振分けられた遊技媒体がV入賞口に受入れられると役物入賞口を所定のパターンで開閉させて遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、を備えたもの(所謂、ハネモノ機)」、「大入賞口と役物入賞口を有し、始動口への遊技媒体の受入れにより抽選された特別抽選結果に応じて大入賞口又は役物入賞口を所定のパターンで開閉させ、役物入賞口に受入れられた遊技媒体がV入賞口に振分けられると役物入賞口又は大入賞口を所定のパターンで開閉させて遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段を備えたもの(所謂、複合機)」、等が挙げられる。
手段10の構成によると、遊技機を、遊技者の操作によって遊技媒体が打込まれる遊技領域と、遊技領域内に複数配置されており遊技媒体を受入可能な受入口と、受入口への遊技媒体の受入れに応じて所定数の遊技媒体を払出す払出装置と、を備えたパチンコ機としたものである。これにより、パチンコ機において、上述した手段の何れかの作用効果を奏することができる。
なお、装飾基板に実装されているLEDの発光により装飾部材を発光装飾させる演出(発光演出)は、遊技領域内に打込まれた遊技媒体が受入口に受入れられることで実行させることが望ましい。これにより、受入口へ遊技媒体を受入れさせると、所定数の遊技媒体が払出される他に、演出部材の装飾部材が発光装飾される演出が実行されるため、遊技者を楽しませることで受入口を狙った遊技媒体の打込みを継続させ易くすることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、始動口への遊技媒体の受入れにより遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるための特別抽選を行い、その抽選された特別抽選結果を遊技者に示唆する際に、遊技者に提示する演出の一つとして、演出部材の装飾部材を発光装飾させるようにしても良い。これにより、装飾部材が発光装飾されることで、上述したような作用効果により遊技者に強いインパクトを与えて楽しませることができるため、遊技者に対して抽選された特別抽選結果が、遊技者が有利となる有利遊技状態が発生するもの(例えば、「大当り」)であると思わせることができ、有利遊技状態の発生に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。また、上述したように、装飾部材を発光装飾させることでより演出効果の高い発光演出を遊技者に見せることができるため、抽選された特別抽選結果を遊技者に示唆するための演出(例えば、リーチ演出)に、好適に用いることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
手段11:手段1から手段9までの何れか一つの構成において、
前記遊技機は、
夫々に複数の図柄を備えている複数の回胴体と、
遊技媒体の投入後に遊技者が操作することで、複数の前記回胴体を夫々回転させる始動操作部と、
複数の該回胴体を夫々回転停止させるための複数の停止操作部と、
複数の該停止操作部を遊技者が夫々操作することで回転停止された全ての前記回胴体による停止図柄の組合せに応じて、所定数の遊技媒体を払出す払出装置と
を備えたスロットマシンであることを特徴とする。
ここで、「スロットマシン」としては、「一回のゲームに用いる遊技媒体(メダル)の数に応じて停止図柄の組合せを判定する有効ラインの数が変化するもの」、「複数の回胴体の回転開始に伴い内部抽選を実行し、停止図柄の組合せと抽選された内部抽選結果とに応じて遊技者が有利となる特典を付与するもの」、「停止図柄の組合せを判定する有効ラインが固定されている」、等が挙げられる。また、「特典」としては、「ビッグボーナス(BB)」、「レギュラーボーナス(RB)」、「チェリーラッシュボーナス(CRB)」、「リプレイ」、「ロングリプレイタイム(LRT)」、「アシストタイム(AT)」、等が挙げられる。
手段11の構成によると、遊技機を、夫々に複数の図柄を備えている複数の回胴体と、遊技媒体の投入後に遊技者が操作することで、複数の回胴体を夫々回転させる始動操作部と、複数の回胴体を夫々回転停止させるための複数の停止操作部と、複数の停止操作部を遊技者が夫々操作することで回転停止された全ての回胴体による停止図柄の組合せに応じて所定数の遊技媒体を払出す払出装置と、を備えたスロットマシンとしたものである。これにより、パチスロ機において、上述した手段の何れかの作用効果を奏することができる。
なお、装飾基板に実装されているLEDの発光により装飾部材を発光装飾させる演出(発光演出)は、有効ライン上において一つを除いて回転停止している図柄の組合せが当選役図柄の組合せを充足している時(所謂、リーチの時)に、遊技者に提示する演出の一つとして、演出部材の装飾部材を発光装飾させるようにしても良い。これにより、装飾部材が発光装飾されることで、遊技者の関心を強く引付けさせることができ、当選役となるように停止操作部の操作を楽しませることができる。また、内部抽選の抽選結果が、当選役の時に、装飾部材を発光装飾させるようにしても良く、これにより、装飾部材が発光装飾されることで、遊技者に強いインパクトを与えることができるため、特定の図柄の組合せで停止させると、遊技者が有利となる有利遊技状態が発生するもの(例えば、「BB」)であると思わせることができ、有利遊技状態の発生に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。また、上述したように、装飾部材を発光装飾させることでより演出効果の高い発光演出を遊技者に見せることができるため、抽選された内部抽選を遊技者に示唆するための演出に、好適に用いることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
手段12:手段1から手段9までの何れか一つの構成において、
前記遊技機は、
パチンコ機とパチスロ機とを融合させた融合機であることを特徴とする。
ここで、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた「融合機」とは、複数の遊技媒体を投入した後、始動用操作部(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させると共に、その後、停止操作部(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させ、停止図柄の組合せに応じて遊技媒体を払出したり、遊技者に有利な特典(例えば、有利遊技状態)を付与したりするものである。なお、所定時間が経過しても停止操作部が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動表示を停止させるものであっても良い。
手段12の構成によると、遊技機を、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた融合機としたものである。これにより、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた融合機において、上述した手段の何れかの作用効果を奏することができる。
なお、装飾基板に実装されているLEDの発光により装飾部材を発光装飾させる演出(発光演出)は、有効ライン上において一つを除いて回転停止している図柄の組合せが当選役図柄の組合せを充足している時(所謂、リーチの時)に、遊技者に提示する演出の一つとして、演出部材の装飾部材を発光装飾させるようにしても良いし、内部抽選の抽選結果が、当選役の時に、装飾部材を発光装飾させるようにしても良く、上述と同様の作用効果を奏することができる。
[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図12を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の左側面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を右前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を左前から見た斜視図であり、図7はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。図8は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機の正面図であり、図9は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機を右前から見た斜視図である。また、図10は、本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図11はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図12はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球B(図90を参照)が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。外枠2は、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、パチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備に取付けられ、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持して、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けるためのものである。
また、扉枠3は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成し、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することで、より重低音のサウンドを遊技者に聴かせることができるものである。
扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル182を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
また、扉枠3は、ハンドル182とは別に遊技者が操作可能な演出操作部301を備えており、遊技者参加型演出が実行された際に、遊技者が演出操作部301を操作することで遊技者が演出に参加できるようになり、遊技球Bによる遊技に加えて、演出操作部301の操作によっても遊技者を楽しませることができるようにしている。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠4を外枠2に対して開閉可能に取付けると共に扉枠3を開閉可能に取付けるための本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520と、本体枠ベースユニット500を補強している本体枠補強フレーム530と、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、遊技ホールの島設備から供給される遊技球Bを受取る払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550で受取った遊技球Bを遊技者側へ払出すための払出ユニット560と、電源基板630や払出制御基板633を有している基板ユニット620と、本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。また、本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
遊技盤5は、遊技者の操作によって遊技球Bが行われる遊技領域5aと、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており主制御基板1310を有している主制御ユニット1300と、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示する機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500(図12を参照)と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を備えている。裏ユニット3000には、遊技状態に応じて可動演出や発光演出を行うことが可能な各種の演出ユニットを備えている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、遊技球Bと当接し所定のゲージ配列で植設されている複数の障害釘Nと、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006と、を備えている。障害釘Nは、遊技パネル1100の前面に植設されている。一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006は、表ユニット2000に備えられている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182を操作することで、遊技球Bを打込むことができる。これにより、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006等に、受入れられたり通過したりするように、遊技者に対してハンドル182の打込操作を楽しませることができる。
また、遊技盤5は、遊技領域5a内に遊技球Bを打込むことで変化する遊技状態に応じて、演出表示装置1600に所定の演出画像を表示させたり、裏後演出ユニット3100、裏下左演出ユニット3200、裏下右演出ユニット3250、裏下中演出ユニット3300、裏上演出ユニット3400、裏後左演出ユニット3500、裏後右演出ユニット3600、裏前左演出ユニット3700、裏前右演出ユニット3800、等により発光演出や可動演出等を行わせたりして、遊技者を楽しませることができる。
[2.外枠の全体構成]
パチンコ機1の外枠2について、図13乃至図18を参照して説明する。図13はパチンコ機における外枠の正面図であり、図14は外枠の背面図であり、図15は外枠の右側面図である。また、図16は外枠を前から見た斜視図であり、図17は外枠を後ろから見た斜視図である。図18は、外枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。
外枠2は、図示するように、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成していると共に、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することができるものである。
外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50が、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510を着脱可能に支持することができる。外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持することができ、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けることができる。
[2−1.外枠左組立体及び外枠右組立体]
外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20について、主に図19を参照して詳細に説明する。図19は、外枠の外枠左組立体及び外枠右組立体を夫々分解して前から見た分解斜視図である。外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、夫々が上下に延びており、互いに左右に離間して配置されている。外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を同軸上で回転可能に支持して、外枠2に対して本体枠4を開閉可能に取付けるためのものである。
まず、外枠左組立体10は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠左部材11と、外枠左部材11の右側面上端に取付けられている左上連結部材12と、外枠左部材11の右側面下端に取付けられている左下連結部材13と、を備えている。
外枠左部材11は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠左部材11は、左側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に右方へ窪んでいる凹部11aと、右側面における凹部11aとは反対側の部位から右方へ膨出している膨出部11bと、膨出部11bを上下に貫通している空洞部11cと、を備えている。外枠左部材11は、凹部11aや膨出部11bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部11cによって、重量が軽減されている。
また、外枠左部材11は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。左側面の複数の溝は、V字状に形成されており、右側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠左部材11は、後述する外枠右組立体20の外枠右部材21と左右対称形状に形成されている。
左上連結部材12は、外枠左部材11の上端と外枠上部材30の左端とを連結するためのものである。左上連結部材12は、水平に延びた平板状の水平固定部12aと、水平固定部12aの左辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部12bと、水平固定部12aの左辺における上横固定部12bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部12cと、を備えている。左上連結部材12は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左上連結部材12は、後側の下横固定部12cを外枠左部材11の空洞部11c内に挿入させると共に、水平固定部12aを外枠左部材11の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部12cを外枠左部材11の右側面に当接させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から下横固定部12cにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左上連結部材12は、水平固定部12aを外枠上部材30の左端側の下面に当接させると共に、上横固定部12bを外枠上部材30の左側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部12a及び上横固定部12bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
左下連結部材13は、外枠左部材11の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の左端とを連結するためのものである。左下連結部材13は、水平に延びた平板状の水平固定部13aと、水平固定部13aの左辺から上方へ延出していると共に水平固定部13aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部13bと、上横固定部13bの下辺における水平固定部よりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部13cと、上横固定部13bの後辺から右方へ短く延出している平板状の当接部13dと、を備えている。左下連結部材13は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左下連結部材13は、当接部13dの後面を外枠左部材11の膨出部11bの前面に当接させると共に、上横固定部13bの左側面を外枠左部材11の右側面に当接させ、水平固定部13aの下面を外枠左部材11の下端と一致させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から上横固定部13bにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左下連結部材13は、水平固定部13aを外枠下部材41の左端側の上面に当接させると共に、下横固定部13cを外枠下部材41の左側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部13a及び下横固定部13cを通して外枠下部材にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
次に、外枠右組立体20は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠右部材21と、外枠右部材21の左側面上端に取付けられている右上連結部材22と、外枠右部材21の左側面下端に取付けられている右下連結部材23と、外枠右部材21の左側面上部に取付けられている上鉤掛部材24と、外枠右部材21の左側面下部に取付けられている下鉤掛部材25と、を備えている。
外枠右部材21は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠右部材21は、右側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に左方へ窪んでいる凹部21aと、左側面における凹部21aとは反対側の部位から左方へ膨出している膨出部21bと、膨出部21bを上下に貫通している空洞部21cと、を備えている。外枠右部材21は、凹部21aや膨出部21bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部21cによって、重量が軽減されている。
また、外枠右部材21は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。右側面の複数の溝は、V字状に形成されており、左側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠右部材21は、外枠左組立体10の外枠左部材11と左右対称形状に形成されている。
右上連結部材22は、外枠右部材21の上端と外枠上部材30の右端とを連結するためのものである。右上連結部材22は、水平に延びた平板状の水平固定部22aと、水平固定部22aの右辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部22bと、水平固定部22aの右辺における上横固定部22bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部22cと、を備えている。右上連結部材22は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右上連結部材22は、後側の下横固定部22cを外枠右部材21の空洞部21c内に挿入させると共に、水平固定部22aを外枠右部材21の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部22cを外枠右部材21の左側面に当接させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から下横固定部22cにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右上連結部材22は、水平固定部22aを外枠上部材30の右端側の下面に当接させると共に、上横固定部22bを外枠上部材30の右側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部22a及び上横固定部22bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
右下連結部材23は、外枠右部材21の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の右端とを連結するためのものである。右下連結部材23は、水平に延びた平板状の水平固定部23aと、水平固定部23aの右辺から上方へ延出していると共に水平固定部23aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部23bと、上横固定部23bの下辺における水平固定部よりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部23cと、上横固定部23bの後辺から左方へ短く延出している平板状の当接部23dと、を備えている。右下連結部材23は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右下連結部材23は、当接部23dの後面を外枠右部材21の膨出部21bの前面に当接させると共に、上横固定部23bの右側面を外枠右部材21の左側面に当接させ、水平固定部23aの下面を外枠右部材21の下端と一致させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から上横固定部23bにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右下連結部材23は、水平固定部23aを外枠下部材41の右端側の上面に当接させると共に、下横固定部23cを外枠下部材41の右側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部23a及び下横固定部23cを通して外枠下部材にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25は、後述する本体枠4における施錠ユニット650の外枠用鉤653が掛止されるものである。上鉤掛部材24は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部24aと、取付部24aの前辺から左方へ延出しており上側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部24bと、を備えている。
下鉤掛部材25は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部25aと、取付部25aの前辺から左方へ延出しており下側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部25bと、掛止片部25bを前後に貫通しており下側の外枠用鉤653が挿通可能な挿通口25cと、を備えている。
[2−2.外枠上部材]
外枠2の外枠上部材30について、主に図18を参照して詳細に説明する。外枠上部材30は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結するためのものである。外枠上部材30は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠上部材30は、左右方向の長さが、後述する外枠下組立体40の外枠下部材41の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠上部材30は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へ夫々窪んでいる切欠部30aを備えている。これら左右両端の切欠部30aには、左上連結部材12の上横固定部12b及び右上連結部材22の上横固定部22bが夫々挿入された状態で取付けられる。
また、外枠上部材30は、左側端部において、上面と前面が一般面よりも窪んだ取付段部30bを備えている。この取付段部30bには、後述する外枠上ヒンジ組立体50が取付けられる。
[2−3.外枠下組立体]
外枠2の外枠下組立体40について、主に図20を参照して詳細に説明する。図20は、外枠の外枠下組立体を分解して前から見た分解斜視図である。外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結すると共に、パチンコ機1において扉枠3よりも下側を閉鎖して装飾するためのものである。
外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結しており左右に延びている外枠下部材41と、外枠下部材41の前方に配置されており外枠下部材41に沿って左右に延びていると共に後方が開放されている箱状の幕板前部材42と、幕板前部材42の後側に取付けられていると共に外枠下部材41の上面に取付けられており前方が開放されている左右に延びた箱状の幕板後部材43と、幕板後部材43の上面における左端に形成されている球噛防止機構44と、を備えている。
外枠下部材41は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠下部材41は、左右方向の長さが、外枠上部材30の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠下部材41は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へ夫々窪んでいる切欠部41aを備えている。これら左右両端の切欠部41aには、左下連結部材13の下横固定部13c及び右下連結部材23の下横固定部23cが夫々挿入された状態で取付けられる。これにより、外枠左部材11及び外枠右部材21の下端同士を連結することができる。
また、外枠下部材41は、上面から凹んでおり、幕板後部材43の下部が挿入される凹部41bを備えている。凹部41bは、左右に延びていると共に、前後方向中央の後ろ寄りの位置から前端側へ抜けている。この凹部41bにより、幕板前部材42及び幕板後部材43により形成される幕板内部空間40aの容積を可及的に広くしている。
幕板前部材42は、左右方向の長さが外枠下部材41と同じ長さに延びており、高さに対して前後方向の奥行が短い横長の直方体状の箱状に形成されており、後側の全面が開放されている。幕板前部材42は、開放されている後側を、幕板後部材43によって閉鎖することで、幕板後部材43と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板前部材42は、右端付近の前面において、前後に貫通していると共に左右に延びている長孔状の開口部42aを備えている。
幕板後部材43は、左右方向の長さが外枠下部材41よりも若干短く延びており、前方が開放された箱状に形成されている。幕板後部材43は、前面に幕板前部材42を取付けることで、幕板前部材42と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板後部材43は、上面における左右方向中央部において、左右に延びていると共に上方へ突出しており幕板内部空間40aと連通している筒状の接続筒部43aを有している。接続筒部43aは、上端が、幕板後部材43の一般的な上面と一致している前端側から後方へ向かうほど上方へ位置するように傾斜している。本実施形態では、接続筒部43aの上端は、45度の角度で傾斜している。
この接続筒部43aは、左右方向の長さが、幕板後部材43全体の約1/3の長さに形成されていると共に、前後方向の奥行が、幕板後部材43全体の奥行よりも若干短く形成されている。接続筒部43a内には、前端側と後端側とを結ぶ複数のリブ43bが備えられている。この接続筒部43aの上端には、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aにおけるスピーカカバー621の接続部621cが接続されて、スピーカユニット620aの内部空間と連通した状態となり、エンクロージャ624を形成する。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端において、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが滞留することで、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止するためのものである。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端に形成されており、後述する外枠下ヒンジ部材60が際されるように平坦に形成された載置部44aと、載置部44aの左端において上方へ向かって開口している第一排出口44bと、載置部44aにおける第一排出口44bよりも右方で上方へ向かって開口している第二排出口44cと、載置部44aの後辺及び右辺から上方へ延出している立壁部44dと、立壁部44dの上端から前方へ突出していると共に上面が後方へ向かうに従って上方に位置するように傾斜している上端突出部44eと、を備えている。
第一排出口44bは、後述する外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと一致する位置に形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、遊技球Bが通過可能な大きさに形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、幕板内部空間40aとは連通しておらず、幕板後部材43の後面に開口している。従って、第一排出口44b及び第二排出口44cに進入した遊技球Bを、幕板後部材43の後方へ排出することができる。
この球噛防止機構44は、球噛防止機構44は、外枠下ヒンジ部材60と後述する本体枠下ヒンジ組立体520との間の隙間を通して、ピアノ線等の不正な工具が挿入された場合、載置部44aの後端から立上っている立壁部44dにより、不正な工具の侵入を阻止することができる。仮に、不正な工具の先端が立壁部44dに当接することで、上方へ曲がったとしても、立壁部44dの上端に備えられている前方へ突出した上端突出部44eに当接し、これ以上の侵入を阻止することができる。従って、外枠下ヒンジ部材60の部位を介して、不正行為が行われるのを防止することができる。
ところで、載置部44aの後端に立壁部44dを備えた場合、外枠2に対して本体枠4を開けた時に、何らかの理由により載置部44a上に落下した遊技球Bが、立壁部44dによって外枠2の後方への移動が阻止されるため、載置部44a上に遊技球Bが滞留し易くなる。そして、載置部44a上に遊技球Bが滞留していると、外枠2に対して本体枠4を閉じる際に、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟み込まれてしまい、本体枠4を閉じることができなくなる問題が発生する。
これに対して、本実施形態の球噛防止機構44では、外枠下ヒンジ部材60上や載置部44a上に落下した遊技球Bを、外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと第一排出口44bを通して、又は、第二排出口44cを通して、遊技球Bを幕板後部材43の後方(外枠2の後方)へ排出することができ、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止することができる。
外枠下組立体40は、幕板前部材42及び幕板後部材43の上面に左右に離間して配置されている一対の案内部材45と、幕板前部材42の開口部42aを後側から閉鎖している平板状のグリル部材46と、グリル部材46を挟んで開口部42aを閉鎖するように幕板前部材42の内部に取付けられており前後に延びた二つの円筒を有したポート部材47と、幕板後部材43の接続筒部43aの上端に配置される枠状のシール部材48と、を備えている。
一対の案内部材45は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、扉枠3の下端が当接するものである。案内部材45は、摩擦抵抗の低い低摩擦材料によって形成されており、本体枠4の下端を滑り易くして、開閉を容易にしている。
グリル部材46は、無数の小穴を有したパンチングメタルにより形成されている。ポート部材47は、二つの円筒により、グリル部材46を介して幕板内部空間40a(エンクロージャ624)と外枠2の前方とを連通させている。ポート部材47は、二つの円筒が、所定の内径で所定の長さに形成されており、ヘルムホルツ共鳴の原理により本体枠スピーカ622から後方(エンクロージャ624内)へ発せられた低音を共振・増幅させて、豊かな低音を外枠2の前方(遊技者側)へ放射することができる。つまり、本実施形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。
シール部材48は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、接続筒部43aの上端と本体枠4におけるスピーカカバー621の接続部621cの下端との間に挟まれて圧縮されるものであり、接続筒部43aと接続部621cとの間から本体枠スピーカ622のエンクロージャ624内の音が漏れるのを防止するものである。
[2−4.外枠上ヒンジ組立体]
外枠2の外枠上ヒンジ組立体50について、主に図21を参照して詳細に説明する。図21(a)は外枠の外枠上ヒンジ組立体を分解して前上から見た分解斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た分解斜視図である。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左組立体10の上端と外枠上部材30の左端に取付けられるものであり、外枠2に対して本体枠4をヒンジ回転可能に取付けるためのものである。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左部材11の凹部11aの上端と外枠上部材30の取付段部30bとに取付けられる外枠上ヒンジ部材51と、外枠上ヒンジ部材51に取付けられているロック部材52と、ロック部材52を外枠上ヒンジ部材51に取付けている取付ビス53と、を備えている。
外枠上ヒンジ部材51は、水平に延びた平板状で外枠上部材30の取付段部30bの上面に取付けられる上固定部51aと、上固定部51aの前辺から前方へ延出している平板状の前方延出部51bと、前方延出部51bの右辺の途中から前方へ向かうに従って前方延出部51bの左右中央へ延びており上下に貫通している軸受溝51cと、上固定部51aの左辺から下方へ延びている平板状の横固定部51dと、前方延出部51bの左辺から前辺を周って軸受溝51cが開口している部位までの端縁から下方へ延びており横固定部51dと連続している平板状の端縁壁部51eと、を備えている。外枠上ヒンジ部材51は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。外枠上ヒンジ部材51は、軸受溝51c内において、本体枠上ヒンジ部材510の後述する本体枠上ヒンジピン512を回転可能に支持することができる。
ロック部材52は、前後に延びている帯板状のロック本体52aと、ロック本体52aの後端から右方へ突出している操作片52bと、ロック本体52aの後端から左方へ延びた後に斜め左前方へ延びている弾性変形可能な棒状の弾性部52cと、ロック本体52aの後端付近で上下に貫通している取付孔52dと、を備えている。ロック部材52は、合成樹脂によって形成されている。ロック部材52は、取付ビス53によって、外枠上ヒンジ部材51における前方延出部51bの下面で、軸受溝51cよりも後側の部位に回動可能に取付けられる。
ロック部材52は、外枠上ヒンジ部材51に取付けた状態で、ロック本体52aが、平面視で軸受溝51cを遮ることができると共に、前端付近の右側面が、外枠上ヒンジ部材51の端縁壁部51eにおける軸受溝51cの開口まで延びている部位と当接可能となるように前方へ延びている。また、ロック本体52aの後端から左方へ延びている弾性部52cの先端は、外枠上ヒンジ部材51における端縁壁部51eの内周面に当接している。このロック部材52は、弾性部52cの付勢力によって取付孔52dを中心に、前端が左方へ回動する方向に付勢されている。従って、通常の状態では、ロック部材52のロック本体52aの前端付近の右側面が、端縁壁部51eに当接している。この状態では、軸受溝51cにおけるロック本体52aよりも前側の部位に、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512を収容可能な空間が形成される。
このロック部材52は、操作片52bを操作することで、弾性部52cの付勢力に抗してロック本体52aを回動させることができる。そして、操作片52bの操作によって、ロック本体52aを、その前端が左方へ移動する方向へ回動させることで、平面視において軸受溝51cからロック本体52aを後退させることができ、軸受溝51cが全通している状態とすることができる。これにより、軸受溝51c内に本体枠上ヒンジピン512を挿入したり、軸受溝51c内から本体枠上ヒンジピン512を外したりすることができる。
[2−5.外枠下ヒンジ部材]
外枠2の外枠下ヒンジ部材60について、主に図18を参照して詳細に説明する。外枠下ヒンジ部材60は、水平に延びた平板状の水平部60aと、水平部60aの左辺において前後方向中央よりも後側の部位から上方へ立上っている平板状の立上部60bと、水平部60aの前端付近から上方へ突出している外枠下ヒンジピン60cと、水平部60aを上下に貫通しており遊技球Bが一つのみ通過可能な大きさの排出孔60dと、を備えている。この外枠下ヒンジ部材60は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。
外枠下ヒンジ部材60の水平部60aは、平面視において、左辺を底辺とした台形に形成されている。外枠下ヒンジピン60cは、円柱状で、上下方向中央よりも上部が、上端が窄まった円錐台状に形成されている。この外枠下ヒンジピン60cは、水平部60aの前端付近における左寄りの位置に取付けられている。排出孔60dは、水平部60aにおいて、立上部60bの前後方向中央の部位と接し、水平部60aの左辺から右方へ逆U字状に延びるように形成されている。この排出孔60dは、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと、略同じ大きさに形成されている。
外枠下ヒンジ部材60は、外枠2に組立てた状態で、水平部60aの後部が、外枠下組立体40における幕板後部材43の載置部44a上に載置され、図示しないビスによって幕板後部材43に固定されている。また、立上部60bが、外枠左部材11の右側面における膨出部11bよりも前側の部位に、図示しないビスによって取付けられている。この外枠下ヒンジ部材60は、外枠下ヒンジピン60cを、本体枠4の本体枠下ヒンジ組立体520における外枠用下ヒンジ孔521aに挿通させることで、外枠上ヒンジ部材51と協働して本体枠4を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2を組立てた状態では、排出孔60dが、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと一致している。これにより、水平部60a上の遊技球Bを、排出孔60d及び第一排出口44bを通して、外枠2の後方へ落下(排出)させることができる。詳述すると、外枠2に対して本体枠4を閉じる時に、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bが、本体枠4が閉じられるのに従って、外枠2と本体枠4との間が徐々に狭くなることから、間隔が広い後方側へ転動とすることとなり、排出孔60dから排出させることができる。この際に、排出孔60dが、パチンコ機1に組立てた状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の後端と略同じとなる位置に形成されているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bを、排出孔60dから排出させることで本体枠4よりも後側へ転動するのを阻止し易くすることができ、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが留まり難くすることができる。
[3.扉枠の全体構成]
パチンコ機1の扉枠3について、主に図22乃至図30を参照して詳細に説明する。図22はパチンコ機における扉枠の表面図であり、図23は扉枠の背面図であり、図24は扉枠の左側面図であり、図25は扉枠の右側面図である。図26は扉枠を右前から見た斜視図であり、図27は扉枠を左前から見た斜視図であり、図28は扉枠を後ろから見た斜視図である。図29は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図30は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、外枠2の枠内と略同じ大きさで正面視において上下に延びた四角形に形成されており、本体枠4を介して外枠2の枠内を前側から開閉可能に取付けられている。扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル182を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
扉枠3は、正面視の外形が上下に延びた四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100に着脱可能に取付けられており本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5aを前方から視認可能に閉鎖しているガラスユニット160と、ガラスユニット160の下部を後側から覆うように扉枠ベースユニット100に取付けられている防犯カバー170と、扉枠ベースユニット100の前面右下隅に取付けられているハンドルユニット180と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられている皿ユニット200と、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット400と、皿ユニットの上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット410と、扉枠左サイドユニット400及び扉枠右サイドユニット410の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット450と、を備えている。
扉枠ベースユニット100は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されており前後に貫通している扉窓101aを有した扉枠ベース101と、扉枠ベース101の前面右下に取付けられているハンドル取付部材102と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板106と、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、ハンドル後中継基板106を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側でハンドル後中継基板106の上方に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を備えている。
扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、扉枠ベース101を補強して剛性を付与するものである。扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を本体枠4に対して開閉可能に取付けるためのものである。シリンダ錠130は、本体枠4の施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。
また、球送給ユニット140は、上皿201内の遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給するためのものである。ファールカバーユニット150は、球発射装置540により発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。
ガラスユニット160は、透明なガラス板162を有しており扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖している。防犯カバー170は、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように扉枠ベース101に取付けられている。ハンドルユニット180は、遊技者が回転操作可能なハンドル182を備えており、ハンドル182を操作することで、上皿201内の遊技球Bを、球発射装置540によって遊技盤5の遊技領域5a内に打込む遊技を行うためのものである。
[3−1.扉枠ベースユニットの全体構成]
扉枠3の扉枠ベースユニット100について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。図31(a)は扉枠の扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。図32は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図33は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠ベースユニット100は、正面視左辺側が本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けられ、本体枠4の前面を開閉可能に閉鎖していると共に、本体枠4に取付けられている遊技盤の遊技領域を前方から視認可能としている。扉枠ベースユニット100は、外形が上下に延びた四角形で平板状の扉枠ベース101と、扉枠ベース101の前面右下に取付けられておりハンドルユニット180を取付けるためのハンドル取付部材102と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板106と、扉枠ベース101の後側に取付けられており扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、扉枠ベース101の後側に取付けられておりハンドル後中継基板106を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、扉枠ベース101の後側に取付けられており配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
更に、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側でハンドル後中継基板106の上方に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を備えている。
この扉枠ベースユニット100には、前面下隅にハンドルユニット180が、扉窓101aの下側前面に皿ユニット200が、扉窓101aの左外側前面に扉枠左サイドユニット400が、扉窓101aの右外側前面に扉枠右サイドユニット410が、扉窓101aの上外側前面に扉枠トップユニット450が、夫々取付けられるものである。
また、扉枠ベースユニット100には、扉窓101aを後方から閉鎖するようにガラスユニット160が取付けられると共に、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように透明な防犯カバー170が取付けられるものである。
[3−1a.扉枠ベース]
扉枠3における扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠ベース101は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されている。扉枠ベース101は、前後に貫通しており、正面視における内周形状が上下に延びた略四角形に形成された扉窓101aを備えている。扉窓101aは、内周を形成している上辺及び左右両辺が、扉枠ベース101の外周辺に夫々接近しており、内周を形成している下辺が、扉枠ベース101の下端から上下方向の約1/3の高さに位置している。このように、扉枠ベース101は、前後に貫通している扉窓101aにより全体が枠状に形成されている。この扉枠ベース101は、合成樹脂により一体成形されている。
扉枠ベース101は、前面における正面視右下隅に形成されており左端側が右端側よりも前方へやや突出するように傾斜しているハンドル取付座面101bと、ハンドル取付座面101bと扉窓101aとの間で正面視右端付近に後面から前方へ向かって窪み、扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115が挿入される挿入凹部101cと、挿入凹部101cにおいて前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通孔101dと、シリンダ挿通孔101d及びハンドル取付座面101bの正面視左側で前後に貫通しており球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141bを前方に臨ませるための球送給開口101eと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、左右方向中央より左寄りで且つハンドル取付座面101bと略同じ高さで前後に貫通しておりファールカバーユニット150の球放出口150dを前方に臨ませる下皿用球通過口101fと、正面視左端付近で扉窓101aの下辺に隣接するように前後に貫通しておりファールカバーユニット150の貫通球通路150aを前方に臨ませる上皿用球通過口101gと、扉窓101aの内周に沿って後面から前方へ向かって窪み、ガラスユニット160のガラス枠161が挿入されるガラスユニット取付部101hと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、正面視左下隅(上皿用球通過口101gの下方)に形成されており前後に貫通した縦長の複数のスリット101iを、備えている。複数のスリット101iの後側にスピーカダクト103が取付けられる。また、複数のスリット101iは、パチンコ機1を組立てた状態で、前方に皿ユニット200における皿ユニットベース211のスピーカ口211bが位置していると共に、後方に本体枠4のスピーカユニット620aにおける本体枠スピーカ622が位置しており、本体枠スピーカ622からの音を前方へ放射することができる。
更に、扉枠ベース101は、扉窓101aの下方でハンドル取付座面101bの上方において、前後に貫通している貫通孔101jを備えている。この貫通孔101jは、扉枠ベースユニット100側と皿ユニット200側とを接続する配線ケーブル(図示は省略)が挿通されるものであり、後述する扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム114の貫通部114bと一致するように形成されている。
[3−1b.ハンドル取付部材]
扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。ハンドル取付部材102は、扉枠ベース101の前面にハンドルユニットを取付けるためのものであり、扉枠ベース101の前面のハンドル取付座面101bに取付けられる。
ハンドル取付部材102は、前後方向へ延びた円筒状の筒部102aと、筒部102aの後端から筒部102aの軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部102bと、筒部102a内に突出していると共に筒部102aの軸方向全長に亘って延びており筒部102aの周方向に対して不等間隔に配置された複数(本実施形態では三つ)の突条102cと、筒部102aの外周面とフランジ部102bの前面とを繋ぎ、筒部102aの周方向に対して複数配置された補強リブ102dと、を備えている。
ハンドル取付部材102は、フランジ部102bの後面を、扉枠ベース101におけるハンドル取付座面101bの前面に当接させた状態で、ビスによってハンドル取付座面101bに取付けられる。
筒部102aは、内径がハンドルユニット180におけるハンドルベース181の基部181aの外径よりも若干大きく形成されている。三つの突条102cは、一つが筒部102aの上部に備えられており、残り二つが筒部102aの下部に備えられている。これら三つの突条102cは、ハンドルベース181における三つの溝部181cと対応する位置に形成されている。従って、ハンドル取付部材102は、三つの突条102cと、ハンドルベース181の三つの溝部181cとを一致させた状態でのみ、筒部102a内にハンドルベース181の基部181aを挿入させることができ、扉枠ベース101に対してハンドルベース181(ハンドルユニット180)の回転位置を規制することができる。
なお、ハンドル取付部材102は、フランジ部102bの後面に対して、筒部102aの軸線が垂直に延びていることから、扉枠ベース101の傾斜しているハンドル取付座面101bに取付けることで、筒部102aの軸線が右前方へ延びるように傾いた状態となり、ハンドルユニット180を同様に傾いた状態で扉枠ベース101に取付けることができる。
[3−1c.スピーカダクト]
扉枠ベースユニット100のスピーカダクト103について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。このスピーカダクト103は、筒状に形成されており、扉枠ベース101の後側において複数のスリット101iが形成されている部位に取付けられる。スピーカダクト103は、パチンコ機1を組立てた状態で、筒状の部位の後端が、本体枠4の本体枠スピーカ622の前方に位置している。これにより、本体枠4の本体枠スピーカ622から放射(出力)された音(サウンド)を、拡散させることなく前方へ誘導することができ、扉枠ベース101の複数のスリット101i及び皿ユニット200の皿ユニットベース211におけるスピーカ口211bを通して、パチンコ機1の前方(遊技者側)へ良好に誘導することができる。
また、スピーカダクト103は、筒状の部位の下方の後面に、接続ケーブル503を保持するケーブルホルダ103aを備えている。ケーブルホルダ103aは、扉枠中継基板カバー107よりも正面視左方に配置されており、扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続されている接続ケーブル503を、扉枠3の左端側へ延びるように保持している。
[3−1d.扉枠主中継基板・扉枠副中継基板・ハンドル後中継基板]
扉枠ベースユニット100の扉枠主中継基板104、扉枠副中継基板105、ハンドル後中継基板106について、主に図32及び図33等を参照して説明する。扉枠主中継基板104は、外形が上下に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右下隅に取付けられる。扉枠主中継基板104は、ハンドル後中継基板106と本体枠4の基板ユニット620におけるインターフェイス基板635との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503(図83及び図84を参照)の一部が接続される。
扉枠副中継基板105は、外形が、上下に延びた四角形の上部の正面視右側に左右に延びた四角形が組み合された逆L字状に形成されており、上下に延びているが扉枠主中継基板104の背面視左方に隣接するように、扉枠ベース101の後側に取付けられている。扉枠副中継基板105は、ハンドルユニット180のハンドル装飾基板184、皿ユニット200の皿ユニット中継基板214、扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイドユニット410のサイド窓内装飾部装飾基板413及び扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップユニット450の扉枠トップ中継基板467等と、本体枠4のインターフェイス基板635との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503の残りが接続される。
扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、接続端子が後方へ向かって突出するように、扉枠ベース101に取付けられる。扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の上下に延びている部位とが、扉枠中継基板カバー107によって後側が被覆された状態となり、扉枠副中継基板105の残りの部位が、ファールカバーユニット150によって後側が被覆された状態となる。
ハンドル後中継基板106は、外形が左右に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側における球送給開口101eの下方でハンドル取付座面101bの後側に取付けられる。ハンドル後中継基板106は、扉枠主中継基板104とハンドルユニット180のハンドル回転検知センサ189、ハンドルタッチセンサ192、単発ボタン操作センサ194、及び球送給ユニット140の球送給ソレノイド145との接続を中継するためのものである。ハンドル後中継基板106は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、ハンドル後中継基板カバー108によって後側が被覆された状態となる。
[3−1e.扉枠中継基板カバー・ハンドル後中継基板カバー・ケーブルカバー]
扉枠ベースユニット100の扉枠中継基板カバー107、ハンドル後中継基板カバー108、及びケーブルカバー109について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠中継基板カバー107は、扉枠ベース101の後側に取付けることで、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板の一部(逆L字状の上下に延びている部位)の後側を被覆するものである。扉枠中継基板カバー107は、前方及び正面視左方が開放された箱状に形成されている。扉枠ベースユニット100に組立てた状態では、後側を被覆している扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の接続端子が扉枠中継基板カバー107の内部に露出しており、開放されている左側から接続ケーブル503を内部に挿入して、それら端子に接続することができる。
ハンドル後中継基板カバー108は、ハンドル後中継基板106の後側を被覆するように扉枠ベース101の後側に取付けられるものである。ケーブルカバー109は、扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム114の後側に取付けられ、扉枠主中継基板104と皿ユニット200の球貸操作ユニット220とを接続する配線ケーブル(図示は省略)を被覆するためのものである。ケーブルカバー109は、左右に延びた箱状に形成されており、前面の左端付近と下面の左右方向中央に、配線ケーブルを通すための開口が形成されている。
[3−1f.扉枠補強ユニット]
扉枠ベースユニット100の扉枠補強ユニット110について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、平板状の扉枠ベース101を補強して、扉枠ベースユニット100に剛性を付与している。扉枠補強ユニット110は、左右に離間して配置されている上下に延びた左補強フレーム111及び右補強フレーム112と、左補強フレーム111及び右補強フレーム112の上端同士を連結している左右に延びた上補強フレーム113と、左補強フレーム111の下端から上寄りの位置に左端側が取付けられており右補強フレーム112付近まで右方へ延びた中間補強フレーム114と、中間補強フレーム114の右端と右補強フレーム112とを連結しているシリンダ取付フレーム115と、右補強フレーム112の後側に上下に離間して複数取付けられており本体枠4の施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される鉤掛部材116と、を備えている。
左補強フレーム111及び右補強フレーム112は、左右方向が一定の幅で、扉枠ベース101の上下の高さと略同じ長さで上下に延びている。右補強フレーム112には、上下方向に離間しており、前後方向に貫通している複数の挿通孔が形成されている。これら挿通孔は、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、施錠ユニット650の扉枠用鉤652の先端が挿通される。上補強フレーム113は、上下方向が一定の幅で、扉枠ベース101の左右の幅と略同じ長さで左右に延びている。
中間補強フレーム114は、上下方向が上補強フレーム113の上下の幅よりも広い幅で左右に延びている。中間補強フレーム114は、左端付近において上端から下方へ四角く切欠かれた切欠部114aと、右端付近において前後に貫通している貫通部114bと、を有している。切欠部114aは、扉枠ベース101の上皿用球通過口101gと、貫通部114bは、扉枠ベース101の貫通孔101jと、夫々一致する位置に形成されている。
シリンダ取付フレーム115は、左右に離間して配置されており正面視において上下に延びた四角形の平板状に形成されている一対の後片部と、一対の後片部の対面している夫々の辺から前方へ平板状に延出している一対の側片部と、一対の前方延出部の前端の辺同士を連結している平板状の前片部と、を備えている。このシリンダ取付フレーム115は、平面視の形状が前方へ突出した凸形状に形成されている。シリンダ取付フレーム115は、左側の後片部が中間補強フレーム114の右端に取付けられ、右側の後片部が右補強フレーム112に取付けられる。このシリンダ取付フレーム115は、前片部にシリンダ錠130が取付けられる。
鉤掛部材116は、右補強フレーム112の後側において、前後に貫通している挿通孔の部位に取付けられている。これら鉤掛部材116は、施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される。
扉枠補強ユニット110を構成している左補強フレーム111、右補強フレーム112、上補強フレーム113、中間補強フレーム114、シリンダ取付フレーム115、及び鉤掛部材116は、金属板をプレス成型によって打抜き・屈曲することで形成されている。これらは、リベットによって組立てられている。
扉枠補強ユニット110は、左補強フレーム111、右補強フレーム112、及び上補強フレーム113が、扉枠ベース101の左辺、右辺、及び上辺に沿うように組立てられていると共に、中間補強フレーム114が、扉枠ベース101の扉窓101aの下方に位置するように組立てられている。
扉枠補強ユニット110は、図示しない複数のビスにより扉枠ベース101の後側に取付けられる。この扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101に取付けた状態で、中間補強フレーム114の切欠部114a及び貫通部114bが、扉枠ベース101の上皿用球通過口101g及び貫通孔101jと一致した状態となると共に、シリンダ取付フレーム115が、扉枠ベース101の挿入凹部101c内に挿入された状態となる。
[3−1g.扉枠上ヒンジ組立体]
扉枠ベースユニット100の扉枠上ヒンジ組立体120について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110の正面視左上隅に取付けられる。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠3を、扉枠下ヒンジ部材125と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110に取付けられるヒンジブラケット121と、ヒンジブラケット121に上下方向へ移動可能に取付けられる扉枠上ヒンジピン122と、扉枠上ヒンジピン122に取付けられる鍔部材123と、扉枠上ヒンジピン122を上方へ移動するように付勢しているロックバネ124と、を備えている。
ヒンジブラケット121は、正面視四角形の平板状の取付片121aと、取付片121aの上辺及び下辺から前方へ延出している平板状の突出片121bと、を備えている。ヒンジブラケット121は、取付片121aが扉枠補強ユニット110に取付けられる。ヒンジブラケット121は、金属板を屈曲させて形成されている。
扉枠上ヒンジピン122は、円柱状の金属棒をL字状に屈曲させたものである。扉枠上ヒンジピン122は、扉枠上ヒンジ組立体120に組立てた状態で、上下に延びている部位が、ヒンジブラケット121における一対の突出片121bの前端付近において下方から貫通し、上端が上側の突出片121bよりも上方へ延び出していると共に、水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接している。扉枠上ヒンジピン122は、上端が本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510における上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aに回転可能に挿通される。
鍔部材123は、Eリングとされており、扉枠上ヒンジピン122における一対の突出片121bの間となる部位に取付けられている。ロックバネ124は、コイル状に形成されており、鍔部材123とヒンジブラケット121における下側の突出片121bとの間において扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位の周りに被せられている。このロックバネ124により、鍔部材123を介して扉枠上ヒンジピン122が上方へ付勢されている。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122がロックバネ124により上方へ付勢された状態となっており、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接することで、これ以上の上方への移動が規制されている。この状態では、扉枠上ヒンジピン122の上端が、上側の突出片121bの上面よりも所定量上方に突出している。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位を、ロックバネ124の付勢力に抗してその部位を下方へ移動させると、扉枠上ヒンジピン122を全体的に下方へ移動させることができ、扉枠上ヒンジピン122の上端を、上側の突出片121bの上面よりも下方へ没入させることができる。従って、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに対して下方から挿入させたり、下方へ抜いたりすることができる。これにより、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに挿入させることで、扉枠3の正面視上部左端を、本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持させることができる。
また、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における上下に延びている部位が、後述する扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126と同軸上に位置している。これにより、扉枠上ヒンジピン122と扉枠下ヒンジピン126とによって、扉枠3を本体枠4に対して良好な状態でヒンジ回転させることができる。
[3−1h.扉枠下ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠下ヒンジ部材125について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110の正面視左下隅に取付けられる。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を、扉枠上ヒンジ組立体120と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。
扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110に取付けられ正面視四角形で平板状の取付片125aと、取付片125aの下辺から前方へ延出している平板状の突出片125bと、突出片125bの前端付近の下面から下方へ突出している扉枠下ヒンジピン126(図22等を参照)と、を備えている。
扉枠下ヒンジ部材125の取付片125a及び突出片125bは、金属板を屈曲させて形成されている。扉枠下ヒンジピン126は、円柱状の金属棒で、下端部の外周にテーパ状の面取りが施されている。この扉枠下ヒンジピン126は、扉枠ベースユニット100に組立てた状態で、突出片125bにおける扉枠上ヒンジ組立体120の扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位と同軸上となる部位に取付けられている。
この扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠下ヒンジピン126を本体枠側下ヒンジ部材の扉枠用ヒンジ孔に挿入することで、扉枠3を本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持することができる。
[3−1i.シリンダ錠]
扉枠ベースユニット100のシリンダ錠130について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。シリンダ錠130は、扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115に取付けられ、後述する施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。シリンダ錠130は、前後に延びた円柱状のシリンダ本体131と、シリンダ本体131の前端面に形成されている鍵穴132と、シリンダ本体131の後側に取付けられており鍵穴132に挿入され正規の鍵を回転させると一緒に回転する回転伝達部材133と、を備えている。
シリンダ錠130のシリンダ本体131は、シリンダ取付フレーム115の前片部を後方から貫通して後端が前片部に取付けられている。回転伝達部材133は、後方が開放された円筒状(詳しくは、後方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状)に形成されており、中心軸を挟んで対向した位置に後端から前方へ向かって切欠かれた一対の切欠部を有している。回転伝達部材133は、本体枠4における施錠ユニット650の伝達シリンダ654が後方から挿入されるように形成されており、伝達シリンダ654の一対の突起が一対の切欠部内に挿入されることで、回転伝達部材133(鍵穴132に挿入された鍵)の回転を、伝達シリンダ654に伝達させて回転させることができる。
シリンダ錠130は、扉枠3に組立てた状態で、シリンダ本体131の前端が皿ユニット200における皿ユニット本体252のシリンダ挿通口252hの前端と略一致した状態となる(図22等を参照)。
[3−1j.球送給ユニット]
扉枠ベースユニット100の球送給ユニット140について、主に図34及び図35を参照して詳細に説明する。図34(a)は扉枠ベースユニットの球送給ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送給ユニットを後ろから見た斜視図である。図35(a)は球送給ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送給ユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から供給される遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給することができると共に、上皿201内に貯留された遊技球Bを、上皿球抜ボタン222の操作によって下皿202へ抜くことができるものである。
球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から遊技球Bが供給され前後方向に貫通している進入口141a、及び進入口141aの下側に開口する球抜口141bを有し後方が開放された箱状の前カバー141と、前カバー141の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通している前カバー141の進入口141aから進入した遊技球Bを球発射装置540へ供給するための打球供給口142aを有した後カバー142と、後カバー142及び前カバー141の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー141の後側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切る仕切部143aを有した球抜部材143と、球抜部材143の仕切部143a上の遊技球Bを一つずつ後カバー142の打球供給口142aへ送り、前カバー141と後カバー142との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送給部材144と、球送給部材144を回動させる球送給ソレノイド145と、を備えている。
この球送給ユニット140は、図示するように、正面視で、球送給部材144が進入口141aの右側に配置されており、球送給部材144の左側に球抜部材143が、球送給部材144の右側に球送給ソレノイド145が夫々配置されている。
球送給ユニット140の前カバー141は、正面視で球抜口141bの左側に、球抜部材143の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット141cを備えており、このスリット141cから後述する球抜部材143の作動棹143cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー141は、進入口141aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠3を組立てた際に、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球送給誘導路241b及び球抜誘導路241cの上流端側の後方へ開放されている部位を後側から閉鎖するように形成されている。
球抜部材143は、進入口141aよりも下側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切り上面が球送給部材144の方向へ向かって低くなる仕切部143aと、仕切部143aの球送給部材144とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口141bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部143bと、回動棹部143bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹143cと、作動棹143cよりも下側で回動棹部143bの側面から仕切部143aとは反対側へ突出した錘部143dと、を備えている。球抜部材143の作動棹143cは、前カバー141に形成された円弧状のスリット141cを通して前方へ突出するように形成されている(図34(a)を参照)。作動棹143cは、扉枠ベース101の球送給開口101eを介して皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって下方へ移動する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端(上面)と当接する。
球送給部材144は、進入口141a及び球抜部材143の仕切部143aの方を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部144aと、遮断部144aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部144bと、球保持部144bの後端から下方へ延出する棒状の棹部144cと、を備えている。球送給部材144における遮断部144aと球保持部144bは、夫々回転軸芯を中心とした約180゜の角度範囲内に隣接して形成されている。また、球送給部材144の球保持部144bは、一つの遊技球Bを保持可能な大きさとされている。球送給部材144は、球送給ソレノイド145の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部144cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動する。
この球送給部材144は、遮断部144aが仕切部143aの方向を向くと同時に球保持部144bが打球供給口142aと連通した方向を向いた供給位置と、球保持部144bが仕切部143aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。球送給部材144が供給位置の時には、球保持部144bに保持された遊技球Bが、打球供給口142aから球発射装置540へ供給されると共に、進入口141aから仕切部143a上に進入した遊技球Bが、遮断部144aによって球保持部144b(打球供給口142a)側への移動が遮断されて仕切部143a上に留まった状態となる。一方、球送給部材144が保持位置へ回動すると、球保持部144bが仕切部143aの方向を向くと共に、球保持部144bの棹部144c側の端部が打球供給口142aを閉鎖した状態となり、仕切部143a上の遊技球Bが一つだけ球保持部144b内に保持される。
また、球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送給作動棹146と、球送給作動棹146における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送給部材144を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送給クランク147と、を備えている。
球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145の下方の部位に鉄板146aを備えている。球送給作動棹146は、左右に延びており、球送給クランク147とは反対側の端部(右端部)が前後に延びた軸周りに回転可能に前カバー141及び後カバー142に取付けられている。球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145が駆動されると、発生する磁力によって鉄板146aが球送給ソレノイド145の方(上方)へ引寄せられ、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が上方へ移動するように回動する。その後、球送給ソレノイド145の駆動が解除されると、磁力が消滅することによって鉄板146aの自重が作用して、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が下方へ移動するように回動して初めの状態に復帰する。これにより、球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145によって、球送給クランク147に近い左端部(先端)が上下方向に揺動することとなる。
球送給クランク147は、球送給作動棹146の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部147aと、係合部147aの球送給作動棹146と係合する側とは反対側に配置され前カバー141と後カバー142との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部147bと、軸部147bから上方へ延出しており、球送給部材144における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部144c(図35(b)を参照)と係合する伝達部147cと、を備えている。
この球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動により球送給作動棹146の先端(左端)を上方へ移動させることで、球送給作動棹146を介して球送給クランク147を前後に延びた軸周りに回動させることができる。
球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の非駆動時(通常時)では、球送給作動棹146が球送給ソレノイド145の下端から離れて先端が下方へ位置した状態となり、この状態では球送給部材144が供給位置に位置した状態となる。また、球送給ソレノイド145の駆動時では、球送給作動棹146が球送給ソレノイド145の下端に吸引されて先端(左端)が上方へ位置した状態となり、球送給部材144が保持位置へ回動する。つまり、球送給ソレノイド145が駆動される(ONの状態)と、球送給部材144が遊技球Bを一つ受入れ、球送給ソレノイド145の駆動が解除される(OFFの状態)と、球送給部材144が受入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る(供給する)ことができる。この球送給ユニット140における球送給ソレノイド145の駆動は、払出制御基板633の発射制御部633b(図206を参照)により発射ソレノイド542の駆動制御と同期して制御される。
また、球送給ユニット140は、回動可能に軸支されている球抜部材143か、錘部143dによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっている。しかしながら、球抜部材143の前方へ突出している作動棹143cが、皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって動作する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端と当接することで、その回動が規制されているため、通常の状態では、球抜部材143の仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間に位置して仕切っており、球抜口141b側へ遊技球Bが侵入することはない。
そして、遊技者が、皿ユニット200の上皿球抜ボタン222を下方へ押圧操作すると、上皿球抜スライダ242が作動伝達部242bと共に下方へスライドし、作動伝達部242bの下方への移動に伴って作動棹143cも相対的に下方へ移動することとなる。作動伝達部242bと共に作動棹143cが下方へ移動すると、球抜部材143が正面視反時計周りの方向へ回動し、仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から移動して仕切りが解除される。これにより、進入口141aから進入した遊技球Bが、球抜口141b側へ落下し、球抜口141bから皿ユニット200における上皿球抜後ユニット240の球抜誘導路241cへと排出され、下皿球供給口211cを介して下皿202へ排出(供給)させることができる。
なお、球抜部材143の作動棹143cが当接する作動伝達部242bが形成されている上皿球抜スライダ242は、バネ243によって上方へ付勢されているので、仕切部143a上に遊技球Bが勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹143cを介してバネ243によって吸収させることができ、球抜部材143等が破損するのを防止することができると共に、遊技球Bが仕切部143aで跳ね返るのを防止することができる。
また、球送給ユニット140は、後カバー142における打球供給口142aの背面視で右上に前方へ窪んだ矩形状の取付凹部142b(図35(b)等を参照)が形成されていると共に、その取付凹部142b内に不正防止部材148が取付けられている。球送給ユニット140の不正防止部材148は、工具鋼やステンレス等の硬質の金属板により形成されており、後カバー142の取付凹部142b内に対して後側から脱着可能に取付けられている。
不正防止部材148は、正面視の外形が左右に延びた長方形状に形成されており、右辺から左方へ所定距離の間において、上下方向略中央で上下に分離している上片部148a及び下片部148bと、上片部148a及び下片部148bの互いに対向している辺の先端側(正面視右端側)でC面取り状に夫々形成されている傾斜部148cと、を備えている。不正防止部材148の上片部148aは、不正防止部材148の一般面に対して、正面視右端が後方へ突出するように屈曲させられている。下片部148bは、不正防止部材148の一般面と同一面上に延びている。これにより、平面視において、上片部148aと下片部148bとによって、右方に向かうに従って広がるV字状の溝を形成している。
不正防止部材148は、後カバー142の取付凹部142bに取付けられることで、上片部148aと下片部148bとで形成されるV字状の溝が、打球供給口142a内と連通した状態となる。
この不正防止部材148によれば、紐を取付けた不正な遊技球Bを、上皿から球送給ユニット140を介して球発射装置540により遊技領域5a内に打込み、不正な遊技球Bに取付けられた紐を操作して、不正な遊技球Bを第一始動口2002等に出し入れさせるような不正行為が行われる際に、球発射装置540により発射(打球)された不正な遊技球Bの勢いによって、不正な遊技球Bに取付けられた紐を、上片部148aと下片部148bとの間に挿入させた上で、上片部148aと下片部148bとによって形成されたV字状の狭くなった部位により切断させることができ、紐を取付けた不正な遊技球Bを用いた不正行為が行われるのを防止することができる。
[3−1k.ファールカバーユニット]
扉枠ベースユニット100のファールカバーユニット150について、主に図36及び図37を参照して詳細に説明する。図36(a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。また、図37は、蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。ファールカバーユニット150は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられている。ファールカバーユニット150は、球発射装置540により発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。ファールカバーユニット150は、図示するように、扉枠ベース101の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体151と、ユニット本体151の前面に取付けられている平板状の蓋部材152と、を備えている。
ファールカバーユニット150は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610aと皿ユニット200の上皿球供給口211aとを連通させる貫通球通路150aと、貫通球通路150aの正面視右下側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット610の下部満タン払出通路610bと連通可能な満タン球受口150bと、を備えている。
また、ファールカバーユニット150は、満タン球受口150bの正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置540により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球B(ファール球)を受けるファール球受口150cと、正面視右下隅付近で前方へ向かって開口しており満タン球受口150b及びファール球受口150cに受入れられた遊技球Bを前方へ放出すると共に皿ユニット200の下皿球供給口211cと連通する球放出口150dと、を備えている。
更に、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151及び蓋部材152によって、満タン球受口150b及びファール球受口150cと球放出口150dとの間に形成されており所定量の遊技球Bを貯留可能な広さを有している貯留通路150eを、備えている。
貫通球通路150aは、ユニット本体151と蓋部材152の両方に跨って形成されている。満タン球受口150b及びファール球受口150cは、ユニット本体151に形成されている。球放出口150dは、蓋部材152に形成されている。貯留通路150eは、ユニット本体151と蓋部材152とで形成されている。
また、ファールカバーユニット150は、貯留通路150eの内壁の一部を構成しており下端が回動可能にユニット本体151及び蓋部材152に取付けられている平板状の可動片153と、可動片153の貯留通路150eから遠ざかる方向への回動を検知する満タン検知センサ154と、可動片153を貯留通路150e側へ付勢しているバネ155と、を備えている。
このファールカバーユニット150は、皿ユニット200の下皿202内が遊技球Bで一杯になって、球放出口150dから遊技球Bが下皿202側へ放出されなくなると、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bを貯留することができる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、遊技球Bの重さによって可動片153の上端がバネ155の付勢力に抗して貯留通路150eから遠ざかる方向へ移動するように可動片153が回動し、その回動が満タン検知センサ154によって検知される。これにより、下皿202が遊技球Bで満タンになっていると判断することができるため、満タン検知センサ154により満タンが検知されると、これ以上の遊技球Bの払出しを停止させると共に、その旨を遊技者や遊技ホールの係員等に報知して、下皿202の満タンを解消させるように促すことができる。
また、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151の後側で貫通球通路150aの下側に取付けられており、本体枠4の後述する払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610の払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接可能な扉開閉当接部150fを備えている(図91を参照)。扉開閉当接部150fは、後面が下方へ向かうに従って前方へ移動するように傾斜している。この扉開閉当接部150fに払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接することで、払出通路開閉扉613を回動させて下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端(前側開口)を開放させることができる。
[3−2.ガラスユニット]
扉枠3におけるガラスユニット160について、主に図29及び図30等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット160は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖するように、後方からガラスユニット取付部101h内に挿入されて着脱可能に取付けられている。このガラスユニット160は、扉枠3を本体枠4に対して閉めた時に、本体枠4に取付けられている遊技盤5の遊技領域5aを遊技者側(前方)から視認可能とすると共に、遊技領域5aの前方を閉鎖するものである。
ガラスユニット160は、扉枠ベース101の扉窓101aの内周形状よりも大きくガラスユニット取付部101hに取付可能な枠状のガラス枠161と、ガラス枠161の枠内を閉鎖し外周がガラス枠161に取付けられている透明な二つのガラス板162と、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の後側に回転可能に取付けられガラス枠161を扉枠ベース101に取付けるための一対のガラスユニット取付部材163と、を備えている。
ガラス枠161は、正面視左右上隅よりも下側の位置から外方へ平板状に延出している一対の取付片161aと、下端から下方へ突出していると共に下辺に沿って延びている帯板状の係止片161bと、を有している。ガラス枠161の取付片161aは、ガラスユニット取付部材163の突出部163bと当接可能とされている。係止片161bは、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム114との間の空間内に挿入可能とされている(図97を参照)。二つのガラス板162は、ガラス枠161の前端側と後端側とに夫々取付けられており、互いの間に空間が形成されるように前後に離間している(図97を参照)。
ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後側で前後に延びた軸線周りに対して回転可能に取付けられる円盤状の基部163aと、基部163aから回転軸線に対して直角方向へ棒状に突出している突出部163bと、を有している。ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後面における扉窓101aの四隅のうち上側の二つの隅の外側に、夫々回転可能に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101に取付けるには、まず、扉枠ベース101に取付けられているガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも上方に位置するように回転させた状態とする。そして、扉枠ベース101の後側から、ガラスユニット160のガラス枠161の係止片161bを、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム114との間の隙間に上方から挿入した上で、ガラス枠161の前端を扉枠ベース101のガラスユニット取付部101hの後面に当接させる。その後、ガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも下方に位置するように回転させて、突出部163bをガラス枠161の取付片161aの後面と当接させる。これにより、ガラスユニット160が扉枠ベース101に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101から取外す場合は、上記と逆の手順により、取外すことができる。これにより、ガラスユニット160は、扉枠ベース101(扉枠ベースユニット100)に対して着脱可能となっている。
なお、ガラスユニット160では、ガラスユニット取付部材163の突出部163bが、基部163aよりも下方に位置している回転位置の時に、突出部163bによりガラス枠161の後方への移動を規制しているため、ガラスユニット取付部材163に振動等が作用しても、突出部163bが基部163aよりも上方となるように位置へ回転することはない。従って、ガラス枠161の後方への移動の規制が自然に解除されることはなく、ガラスユニット160が扉枠ベース101から自然に外れることはない。
[3−3.防犯カバー]
扉枠3における防犯カバー170について、主に図29及び図30等を参照して詳細に説明する。防犯カバー170は、ガラスユニット160の後面下部を覆うように扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ、透明な合成樹脂により形成されている。防犯カバー170は、外周が所定形状に形成された平板状の本体部171と、本体部171の外周縁に沿って後方へ短く突出した平板状の後方突片172と、左右に離間して配置され本体部171よりも前方に突出し、扉枠ベース101の後側に係止可能とされている一対の係止片173と、を備えている。
防犯カバー170の本体部171は、扉枠ベースユニット100に取付けた状態で下端がガラスユニット160の下端よりも下方へ突出するように形成されている。また、本体部171は、上端が、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における遊技領域5aの下端に沿った形状に形成されている。詳述すると、本体部171の上端は、後述する前構成部材1000の内レール1002の一部、アウト誘導部1003、右下レール1004の一部、及び右レール1005に沿った形状に形成されており、パチンコ機1に組立てた状態で遊技領域5a内に突出しないように形成されている。
後方突片172は、本体部171の外周縁の略全周に亘って形成されている。従って、防犯カバー170は、本体部171と後方突片172とによって、後方へ開放された浅い箱状に形成されており、強度・剛性が高くなっている。また、後方突片172は、本体部171の外周縁とは異なる本体部171の後面の一部からも後方に突出している。この本体部171の後面の一部から後方に突出している後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で遊技盤5の前構成部材1000における外レール1001の一部と沿うように形成されている。
なお、後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に位置する部位には形成されていない。これにより、外レール1001と内レール1002との間を通る遊技球B(球発射装置540により発射された遊技球B)が、防犯カバー170の後方突片172に当接することはなく、遊技領域5a内への遊技球Bの打込みを阻害することはない。
一対の係止片173は、扉枠ベースユニット100(スピーカダクト103及びケーブルカバー109)の後側に弾性係止される。これにより、防犯カバー170は、扉枠ベースユニット100に対して容易に着脱することができる。
防犯カバー170は、パチンコ機1に組立てた状態で、本体部171の前面がガラスユニット160の後面(ガラス枠161の後端)と当接し、本体部171の下辺から後方へ突出している部位を除いた後方突片172が、前構成部材1000の防犯凹部1009内に挿入された状態となる。また、防犯カバー170は、本体部171の下辺から後方に突出している後方突片172が、前構成部材1000の下面と接するように前構成部材1000の前面よりも後方へ突出している状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
[3−4.ハンドルユニット]
扉枠3におけるハンドルユニット180について、主に図38等を参照して詳細に説明する。図38(a)は扉枠におけるハンドルユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はハンドルユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。ハンドルユニット180は、扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102に取付けられ、遊技者が操作することで、上皿201内の遊技球Bを遊技盤5の遊技領域5a内に打込むことができるものである。
ハンドルユニット180は、扉枠ベースユニット100におけるハンドル取付部材102の筒部102aに取付けられるハンドルベース181と、ハンドルベース181の前端に回転可能に取付けられるハンドル182と、ハンドル182の前端側を覆うようにハンドルベース181に取付けられる円盤状のカバー台座183と、カバー台座183の前側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されているハンドル装飾基板184と、ハンドル装飾基板184の前側を覆うようにカバー台座183に取付けられているハンドルカバー185と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、ハンドル182の後側でハンドルベース181の前面に取付けられるインナーベース186と、前端にハンドル182が取付けられると共にインナーベース186とハンドルベース181とによって回転可能に取付けられ外周に駆動ギア部187aを有している軸部材187と、軸部材187の駆動ギア部187aと噛合している伝達ギア188と、伝達ギア188と一体回転する検知軸189aを有しハンドルベース181とインナーベース186との間に挟持されているハンドル回転検知センサ189と、を備えている。
更に、ハンドルユニット180は、一端側がハンドルベース181に取付けられると共に他端側がハンドル182に取付けられハンドル182を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰させるように付勢しているハンドル復帰バネ190と、一端側がインナーベース186に取付けられると共に他端側が伝達ギア188に取付けられ伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aを正面視で時計回りの方向へ付勢している補助バネ191と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、インナーベース186の後方でハンドルベース181に取付けられているハンドルタッチセンサ192と、先端側がハンドルベース181の前端外周面の正面視おける左側から外方に突出していると共に基端側がインナーベース186の後方でハンドルベース181に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている単発ボタン193と、単発ボタン193の押圧操作を検知しハンドルベース181に取付けられている単発ボタン操作センサ194と、を備えている。
ハンドルユニット180のハンドルベース181は、前後に延びた円筒状の基部181aと、基部181aの前端から半径方向へ突出している円盤状の前端部181bと、円筒状の基部181aの外周面から窪んでいると共に軸方向に延びており周方向へ不等間隔で三つ形成されている溝部181cと、を備えている。ハンドルベース181の基部181aは、外径がハンドル取付部材102の筒部102aの内径よりも若干小さく形成されている。また、三つの溝部181cは、ハンドル取付部材102における筒部102aの三つの突条102cと対応した位置に形成されている。従って、三つの溝部181cを三つの突条102cと一致させた状態で、基部181aをハンドル取付部材102の筒部102a内に挿入させることができると共に、三つの溝部181c内に夫々突条102cが挿入されることで、ハンドルベース181がハンドル取付部材102に対して相対回転不能な状態となる。
ハンドル182は、外周面から周方向に離れて外方へ突出している四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dと、回転軸(軸部材187)を中心として円弧状に延びていると共に前後方向に貫通している二つのスリット182eと、スリット182eよりも回転中心に対して内側の位置から後方に突出しておりハンドル復帰バネ190の他端側が係止される係止突部182fと、を備えている。
四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dは、正面視において時計回りの方向に順番に備えられている。詳述すると、第一突起182aは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反都決周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでいる(抉れている)。第二突起182bは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第一突起182aの最も突出した部位から時計回りの方向へ約85度の回転角度で離れており、第一突起182aよりはやや低く突出している。この第二突起182bは、最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反時計周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでおり、第一突起182aと相似した形状に形成されている。
第三突起182cは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第二突起182bの最も突出した部位から時計回りの方向へ約70度の回転角度で離れており、第一突起182aの約半分の高さで突出している。この第三突起182cは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、時計回りの方向の側面が反対側である反時計回りの方向の側面よりもなだらかに傾斜している。第四突起182dは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第三突起182cの最も突出した部位から時計回りの方向へ約55度の回転角度で離れており、第一突起182aよりもやや高く突出している。この第四突起182dは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、略二等辺三角形に形成されている。
カバー台座183は、円盤状に形成されており、後面から後方へ突出している三つの取付ボス183aを備えている。三つの取付ボス183aは、ハンドル182のスリット182eを前方から貫通してハンドルベース181の前面に取付けられる。ハンドルカバー185の取付ボス183aが、ハンドル182のスリット182eを貫通していることから、取付ボス183aがスリット182eの周方向端部に当接することとなり、ハンドル182の回転角度を規制している。本実施形態では、ハンドル182を、約120度の回転角度の範囲内で回転させることができる。
ハンドルカバー185は、前面が前方へ丸く膨出しており、透光性を有している。ハンドルカバー185は、内部に、透明な部材で立体的に形成されたレンズ部材が備えられている。このハンドルカバー185は、ハンドル装飾基板184の前面のLEDを適宜発光させることで、発光装飾させられる。
このハンドルユニット180は、扉枠ベース101のハンドル取付座面101bに対して、ハンドル取付部材102を介して取付けられる。この扉枠ベース101のハンドル取付座面101bは、平面視において、右端側が左端側よりも後方に位置するように傾斜しており、外側(開放側)を向いているため、ハンドル取付部材102を介して取付けられるハンドルユニット180も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠3に取付固定される。これにより、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182が握り易く、違和感がなく回動操作を行わせることができる。
ハンドルユニット180のハンドル回転検知センサ189は、可変抵抗器とされており、ハンドル182を回転させると、軸部材187及び伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aが回転する。この検知軸189aの回転角度に応じてハンドル回転検知センサ189の内部抵抗が変化し、ハンドル回転検知センサ189の内部抵抗に応じて後述する球発射装置540における発射ソレノイド542の駆動力が変化して、ハンドル182の回転角度に応じた強さで遊技球Bが遊技領域5a内へ打込まれる。
ハンドルタッチセンサ192は、ハンドルユニット180に作用する静電気を検知するものであり、遊技者がハンドル182等に接触することで、遊技者から作用する静電気を検知し、遊技者のハンドル182等への接触を検出する。そして、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル182を回動させると、ハンドル回転検知センサ189の検知が受付けられ、ハンドル182の回転角度に応じた強さで発射ソレノイド542の駆動が制御されて、遊技球Bを打込むことができる。つまり、遊技者がハンドル182に触れずに、何らかの方法でハンドル182を回転させて遊技球Bを遊技領域5a内に打込もうとしても、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検知していないことから、発射ソレノイド542は駆動されず、遊技球Bを打込むことができないようになっている。これにより、遊技者が本来とは異なる方法でハンドル182を回転させて遊技が行われるのを防止することができ、パチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができる。
また、ハンドルユニット180は、遊技者がハンドル182を回転操作中に、単発ボタン193を押圧すると、単発ボタン操作センサ194が単発ボタン193の操作を検知し、払出制御基板633の発射制御部633bによって発射ソレノイド542の駆動が停止させられる。これにより、ハンドル182の回転操作を戻さなくても、遊技球Bの発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン193の押圧操作を解除することで、単発ボタン193を操作する前の打込強さで再び遊技球Bを遊技領域5a内に打込むことができる。
更に、ハンドルユニット180は、ハンドル182に、四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dを備えており、ハンドル182を正面視時計回りの方向へ最も回転させて、遊技球Bを最も強く遊技領域5a内に打込むようにした(所謂、「右打ち」した)時に、第四突起182dが、ハンドル182を回転させていない時の第一突起182aの位置と、略同じ位置となるため、第四突起182dを第一突起182aとしてハンドル182を持ち替えることで、遊技者が楽な状態で「右打ち」の位置でハンドル182を維持させることができ、遊技者の疲労感を軽減させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[3−5.皿ユニットの全体構成]
扉枠3における皿ユニット200について、主に図39乃至図42を参照して詳細に説明する。図39は扉枠の皿ユニットを見た斜視図であり、図40は皿ユニットを後ろから見た斜視図である。図41は皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図42は皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも下側の部位に取付けられる。皿ユニット200は、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留する上皿201と、上皿201の下側に配置されており上皿201やファールカバーユニット150から供給される遊技球Bを貯留可能な下皿202と、を備えている。
皿ユニット200は、上皿201を有しており扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面に取付けられている皿ベースユニット210と、皿ベースユニット210の前面に取付けられており下皿202を有している皿装飾ユニット250と、皿装飾ユニット250及び皿ベースユニット210の前面に取付けられており遊技者が操作可能な演出操作ユニット300と、を備えている。
皿ベースユニット210は、左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、上皿本体212の右方に取付けられており前方へ突出している取付ベース213と、取付ベース213の右方に取付けられている皿ユニット中継基板214と、取付ベース213の上面に取付けられている球貸操作ユニット220と、取付ベース213の下方に取付けられている上皿球抜前ユニット230と、上皿球抜前ユニット230の後方に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられており下皿202を有している下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間して夫々取付けられている皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275の夫々の下方に取付けられている皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285と、を備えている。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301として、遊技者が回転操作可能な回転操作部302と、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303と、を備えている。演出操作ユニット300は、皿装飾ユニット250の前面に取付けられる演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310に内に収容される操作部ベース320と、操作部ベース320の上面に取付けられており回転操作部302を有している円環状の演出操作リング330と、回転操作部302を回転させる回転駆動ユニット340と、回転駆動ユニット340の回転を回転操作部302に伝達させる操作リング用伝達ギア350と、操作リング用伝達ギア350を回転可能に取付けているギア取付部材351と、を備えている。
また、演出操作ユニット300は、演出操作リング330を発光装飾させる演出操作リング装飾基板352と、演出操作リング装飾基板352の上側を覆う装飾基板カバー353と、操作部ベース320の下面に取付けられている振動スピーカ354と、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられている演出操作ボタンユニット360と、操作部ベース320の後面に取付けられている操作部中継基板ユニット390と、を備えている。
皿ユニット200は、全体が前方へ膨出しており、左右方向中央において演出操作部301の上面が斜め上前方を向くように演出操作ユニット300が配置されており、上面における演出操作ユニット300の左側に上皿201が演出操作ユニット300の右側に球貸操作ユニット220が配置されていると共に、上皿201の下側で演出操作ユニット300の左側に下皿202が配置されている。
[3−5a.上皿]
皿ユニット200の上皿201について、主に図39乃至図42等を参照して詳細に説明する。上皿201は、皿ユニットベース211と上皿本体212とによって形成されており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出し、上方へ開放された容器状に形成されている。上皿201(上皿本体212)は、扉枠3の左右方向の幅に対して左端から右方へ約1/3の部位が最も前方に膨出している。上皿201は、最も膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい誘導通路部201a(図46を参照)を有している。上皿201は、誘導通路部201aを含む底面の全体が、右端側が低くなるように傾斜しており、誘導通路部201aの正面視右端側が、球貸操作ユニット220の下方へ潜り込んでいる。
上皿201は、皿ユニット200に組立てた状態で、その底面が、皿ユニットベース211の上皿球供給口211aよりも下側の位置から上皿球送給口211eの上端に対して遊技球Bの外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口211aから前方へ放出された遊技球Bが、上皿201内に受けられて貯留させることができると共に、受けられた遊技球Bを誘導通路部201aの右端側から上皿球送給口211eを通って球送給ユニット140側へ供給させることができる。
なお、誘導通路部201aには、パチンコ機1において電気的に接地(アース)されている金属製のアース金具201bが備えられており、遊技球Bが接触(転動)することで、遊技球Bに帯電した静電気を除去させることができる。
[3−5b.下皿]
皿ユニット200の下皿202について、主に図39乃至図42等を参照して詳細に説明する。下皿202は、上皿201の下方で、正面視おいて皿ユニット200(扉枠3)の左右方向中央よりも左側に配置されている。下皿202は、下皿本体251と皿ユニットベース211とで形成されている。下皿202は、遊技球Bを貯留可能な容器状に形成されており、底壁に上下に貫通し遊技球Bを排出可能とされた下皿球抜孔202aを備えている。下皿202の下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260によって開閉可能に閉鎖されている。
下皿202は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿202は、上下に貫通している下皿球抜孔202aが、右端付近の前端付近に配置されている。この下皿202は、底面が下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿202の下皿球抜孔202aは、皿ユニット200に組立てた状態で、下皿球供給口211cの前方で演出操作ユニット300の下方に位置している。
下皿202は、下皿球抜孔202aを閉鎖している状態で、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを貯留することができると共に、下皿球抜孔202aを開放することで貯留されている遊技球Bを皿ユニット200の下方(例えば、ドル箱)へ排出させることができる。また、下皿202の下皿球抜孔202aが開放されている状態では、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に配置されていることから、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、最短距離の移動で速やかに下皿球抜孔202aから下方へ排出させることができる。
[3−5c.皿ベースユニット]
皿ユニット200における皿ベースユニット210について、主に図43乃至図46を参照して詳細に説明する。図43は皿ユニットにおける皿ベースユニットを前から見た斜視図であり、図44は皿ユニットにおける皿ベースユニットを後ろから見た斜視図である。また、図45は皿ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図46は皿ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿ベースユニット210は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの下方に取付けられると共に、前面に、皿装飾ユニット250及び演出操作ユニット300が取付けられるものである。
皿ベースユニット210は、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられ左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、皿ユニットベース211の前面上部における上皿本体212の右方に取付けられており前方へ突出している取付ベース213と、皿ユニットベース211の前面で取付ベース213の右方に取付けられている皿ユニット中継基板214と、を備えている。
また、皿ベースユニット210は、取付ベース213の上面に取付けられている球貸操作ユニット220と、取付ベース213の下方で皿ユニットベース211の前面に取付けられている上皿球抜前ユニット230と、上皿球抜前ユニット230の後方で皿ユニットベース211の後側に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
[3−5c−1.皿ユニットベース]
皿ベースユニット210の皿ユニットベース211について、主に図45及び図46を参照して詳細に説明する。皿ユニットベース211は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの下方に取付けられ、扉枠ベース101の全幅に亘って左右に延びた平板状(後方が開放された浅い箱状)に形成されている。
皿ユニットベース211は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口211aと、上皿球供給口211aの下方で前後に貫通しており前側にパンチングメタルが取付けられているスピーカ口211bと、正面視左右中央に対して左寄りの下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口211cと、下皿球供給口211cの後方へ筒状に延びている部位の右側壁において遊技球Bが通過可能な大きさに切欠かれている切欠部211dと、下皿球供給口211cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体212の右端に位置する上皿球送給口211eと、を備えている。
また、皿ユニットベース211は、上皿球送給口211eの右方で前方へ突出しており取付ベースが載置される載置突部211fと、上皿球送給口211eの左方で上皿本体の下方において前後に貫通しており上皿球抜後ユニット240における上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bが挿通されるスライダ挿通口211gと、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102の筒部102aが挿通されるハンドル挿通口211hと、正面視右隅付近で前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通口211iと、を備えている。
皿ユニットベース211の上皿球供給口211aは、扉枠3に組立てた状態で、前端が上皿201の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の上皿用球通過口101gを前側から貫通してファールカバーユニット150の貫通球通路150aの前端と接続している。これにより、払出ユニット560の払出装置580から払出された遊技球Bが、上皿球供給口211aを通って上皿201内に供給(払出)される。
下皿球供給口211cは、扉枠3に組立てた状態で、前端が下皿202の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の下皿用球通過口101fを前側から貫通してファールカバーユニット150の球放出口150dの前端と接続している。これにより、ファールカバーユニット150の貯留通路150e内を流通する遊技球Bが、下皿球供給口211cを通って下皿202内に供給される。また、下皿球供給口211cの筒状に延びている部位に形成されている切欠部211dには、上皿球抜後ユニット240の後ベース241における球抜誘導路241cの下流端が接続されている。これにより、上皿201に貯留されている遊技球Bが、上皿球抜ボタン222の操作により、上皿球送給口211e、球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141b、上皿球抜後ユニット240の球送給誘導路241b及び球抜誘導路241c、及び切欠部211dを介して、下皿球供給口211cから下皿202内に排出される。
上皿球送給口211eは、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球受口241aの前方に位置しており、上皿201内の遊技球Bが、上皿球抜後ユニット240の球受口241aから球送給誘導路241bへ供給される。
[3−5c−2.上皿本体]
皿ベースユニット210の上皿本体212について、主に図45及び図46等を参照して詳細に説明する。上皿本体212は、皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニットベース211と協働して上皿201を形成するものである。上皿本体212は、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。上皿本体212は、左右に延びており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出している。上皿本体212は、最も前方へ膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい幅に形成されている。上皿本体212の底面は、右端が最も低くなるように傾斜している。上皿本体212は、右端付近の上方が閉鎖されている。
上皿本体212は、皿ユニット200に組立てた状態で、右端付近の上方が閉鎖されている部位が、球貸操作ユニット220の下方に潜り込むように取付けられている。また、上皿本体212は、上部における左右方向の中間部に、演出操作ユニット取付部212aが形成されており、この演出操作ユニット取付部212aに演出操作ユニット300の一部が取付けられる。
[3−5c−3.取付ベース]
皿ベースユニット210の取付ベース213について、主に図45及び図46を参照して詳細に説明する。取付ベース213は、皿ユニットベース211の載置突部211fの上面に載置された状態で皿ユニットベース211の前面に取付けられると共に、上側に球貸操作ユニット220が取付けられるものである。取付ベース213は、上方が開放された浅い箱状に形成されている。取付ベース213は、左端付近において上下に貫通している挿通口213aと、後端右隅において上下に貫通している貫通口213bと、を備えている。
取付ベース213の挿通口213aは、上皿球抜前ユニット230の前スライダ232が挿通されるものである。また、貫通口213bは、球貸操作ユニット220と扉枠主中継基板104とを接続するための配線ケーブルが挿通されるものである。
[3−5c−4.皿ユニット中継基板]
皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214は、扉枠ベースユニット100における扉枠副中継基板105と、皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿左下装飾基板283、皿右下装飾基板288、及び操作部中継基板392との接続を中継するためのものである。皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211の前面における載置突部211fより右側に取付けられる。この皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211に取付けた状態では、後面が皿ユニットベース211の後側に臨んでいる。
[3−5c−5.球貸操作ユニット]
皿ベースユニット210の球貸操作ユニット220について、主に図39乃至図46等を参照して詳細に説明する。球貸操作ユニット220は、取付ベース213を介して皿ユニットベース211の前面に取付けられている。この球貸操作ユニット220は、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出したり、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(例えば、CRユニット)(図示は省略)に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、所定数の遊技球Bを皿ユニット200の上皿201内へ貸出したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードの残量を表示したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードを貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却したり、するためのものである。
球貸操作ユニット220は、取付ベース213の上側に取付けられるベース部221と、ベース部221の上面の左端付近に配置されている上皿球抜ボタン222と、ベース部221の上面における上皿球抜ボタン222の右方に配置されており透光性を有した円盤状の球貸操作ベース223と、球貸操作ベース223の前部左側に配置されている球貸ボタン224と、球貸操作ベース223の前部右側に配置されている返却ボタン225と、球貸操作ベース223の後部下方に配置されている球貸表示部(図示は省略)と、を備えている。
上皿球抜ボタン222は、ベース部221の上面から円柱状に上方へ突出しており、遊技者が押圧操作することで下方へ移動することができる。球貸ボタン224は、円形状に形成されている。返却ボタン225は、三角形状に形成されている。球貸表示部は、三つの7セグメントLEDにより構成されており、発光している状態で透明な球貸操作ベース223を通して視認することができる。
球貸操作ユニット220は、上皿球抜ボタン222を押圧操作することで、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿へ排出することができる。また、球貸機に現金や残金のあるプリペイドカードを投入した上で、球貸ボタン224を押圧操作すると、所定数の遊技球Bが上皿201に供給される。返却ボタン225を押圧操作すると、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードに対して、貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却する。球貸表示部には、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードの残量が表示される。また、球貸表示部には、球貸機が故障した時にエラーコードが表示される。
[3−5c−6.上皿球抜前ユニット及び上皿球抜後ユニット]
皿ベースユニット210における上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240について、主に図45及び図46等を参照して詳細に説明する。上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240は、球貸操作ユニット220の上皿球抜ボタン222が押圧操作された時に、球送給ユニット140と協働して、上皿201内に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出させるためのものである。
上皿球抜前ユニット230は、皿ユニットベース211の前面における載置突部211fの左方で球貸操作ユニット220の下方に取付けられる。上皿球抜後ユニット240は、皿ユニットベース211の後面における上皿球抜前ユニット230の後方となる部位に取付けられる。
上皿球抜前ユニット230は、皿ユニットベース211の前面に取付けられており上下に延びた筒状の前ベース231と、前ベース231の筒内に上下方向へ移動可能に挿入されている前スライダ232と、を備えている。前ベース231は、皿ユニットベース211の前面における上皿球送給口211e及びスライダ挿通口211gの前方付近に取付けられている。前スライダ232は、上下に延びており、上端が上皿球抜ボタン222の下端と当接していると共に、下端が上皿球抜後ユニット240の上皿球抜スライダ242の作動受部242aの上面と当接している。
上皿球抜後ユニット240は、上皿球送給口211e及びスライダ挿通口211gを後方から閉鎖するように皿ユニットベース211の後面に取付けられる後ベース241と、後ベース241の前面に上下方向へスライド可能に取付けられている上皿球抜スライダ242と、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢しているバネ243と、後ベース241の後側に取付けられている後カバー244と、を備えている。
後ベース241は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付ける部位から上方へ突出していると共に前方へ向かって開口しており遊技球Bが通過可能な球受口241aと、球受口241aに受入れられた遊技球Bを後ベース241の後面において下方へ誘導した後に後方へ誘導する球送給誘導路241bと、後ベース241の後面において球送給誘導路241bよりも下側の位置から遊技球Bを下方へ誘導した後に背面視右方へ誘導する球抜誘導路241cと、を備えている。
球受口241aは、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿201の誘導通路部201a下流端(正面視右端)において、皿ユニットベース211の上皿球送給口211eを通して前方へ向かって開口する位置に形成されている。球送給誘導路241bは、扉枠3に組立てた状態で、下部の後方に球送給ユニット140の進入口141aが位置するように形成されている。これにより、上皿201に供給された遊技球Bが、球受口241a及び球送給誘導路241bを通って球送給ユニット140の進入口141aに進入するようになっている。
球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付けている部位よりも背面視右方へ突出していると共に、背面視右端側が低くなるように傾斜しており、背面視右側面に開口している。球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、後側が後カバー244によって閉鎖される。球抜誘導路241cは、扉枠3に組立てた状態で、球送給誘導路241bの下方で上下に延びている部位の上部が、球送給ユニット140の球抜口141bの前方に位置すると共に、左右に延びている部位の背面視右端が皿ユニットベース211における下皿球供給口211cの切欠部211dに接続されるように形成されている。これにより、球送給ユニット140の球抜口141bから排出された遊技球Bは、球抜誘導路241c及び切欠部211dを介して下皿球供給口211cから下皿202内へ放出される。
上皿球抜スライダ242は、正面視の形状が四角形に形成されており、左上隅から前方へ突出している作動受部242aと、作動受部242aの後側となる後面から後方へ突出している作動伝達部242bと、を備えている。作動受部242aは、上面が平坦に形成されている。また、作動伝達部242bは、上面が後方へ向かうに従って下方へ位置するように傾斜しており、上面の後端と繋がるように下面が水平に延びている。
上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動受部242aが、皿ユニットベース211のスライダ挿通口211gを後側から貫通して前方へ突出していると共に、作動受部242aの上面に上皿球抜前ユニット230の前スライダ232の下端が当接している。また、上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動伝達部242bが、後ベース241の後方に突出していると共に、上面に球送給ユニット140の球抜部材143における作動棹143cが当接している。
バネ243は、上端が後ベース241に取付けられていると共に、下端が上皿球抜スライダ242に取付けられており、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢している。従って、上皿球抜スライダ242は、バネ243の付勢力により上方への移動端に位置しており、バネ243の付勢力に抗することで下方へ移動することができる。
上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240は、バネ243の付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていると共に、上皿球抜スライダ242の作動受部242aの上面に当接している前スライダ232を介して上皿球抜ボタン222を上方へ移動端に位置させている。また、バネ243の付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていることから、作動伝達部242bの上面に当接している作動棹143cの下方への移動を阻止しており、球抜部材143の仕切部143aを進入口141aと球抜口141bとの間に位置させて、両者の間を仕切っている。
従って、上皿球抜ボタン222を押圧していない状態では、球送給ユニット140において進入口141aと球抜口141bとの間が仕切られており、上皿201から球受口241aへ送られた遊技球Bを、進入口141a及び球送給部材144を介して打球供給口142aから球発射装置540側へ送ることができる。
一方、上皿球抜ボタン222を、バネ243の付勢力に抗して下方へ押圧すると、前スライダ232を介して上皿球抜スライダ242が下方へ移動し、上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上面に当接している球抜部材143の作動棹143cが下方へ移動できるようになり、球抜部材143の錘部143dの荷重により球抜部材143が回動して仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から後退する。これにより、上皿201から球受口241a及び球送給誘導路241bを通って進入口141aに進入した遊技球Bが、進入口141aの下方に開口している球抜口141bから前方へ排出されることとなる。そして、球抜口141bから前方へ排出された遊技球Bは、球抜誘導路241cを通って切欠部211dから下皿球供給口211c内へ誘導された後に、下皿球供給口211cから下皿202内へ放出され、上皿201内の遊技球Bが下皿202内へ排出されることとなる。
上皿球抜ボタン222の下方への押圧を解除すると、バネ243の付勢力により上皿球抜スライダ242が上方へ移動し、作動受部242aと当接している前スライダ232を介して上皿球抜ボタン222が上昇すると共に、作動伝達部242bと当接している作動棹143cにより球抜部材143が回動して進入口141aと球抜口141bとの間に仕切部143aが位置して元の状態に復帰することとなる。
このように、上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240によって、上皿201内の遊技球Bを、球送給ユニット140を介して球発射装置540側へ送給したり、下皿202側へ排出したりすることができる。
[3−5d.皿装飾ユニット]
皿ユニット200における皿装飾ユニット250について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。図47は皿ユニットにおける皿装飾ユニットを前から見た斜視図であり、図48は皿装飾ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図49は皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図50は皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿装飾ユニット250は、下皿202を有しており皿ベースユニット210の前面に取付けられると共に、左右方向中央に前方から演出操作ユニット300が取付けられるものである。皿装飾ユニット250は、皿ユニット200の略全体を装飾している。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられ皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成する下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間して夫々取付けられている皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と、皿ユニット本体252の全面で皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275の夫々の下方に取付けられている皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285と、を備えている。
[3−5d−1.下皿本体]
皿装飾ユニット250における下皿本体251について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。下皿本体251は、皿ベースユニット210の皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成するものである。下皿本体251は、左右に延びていると共に、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。この下皿本体251は、皿ユニットベース211の前面下部における左右方向中央より左側の部位に、開放されている後方が閉鎖されるように取付けられる。
下皿本体251は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿本体251には、平面視において、右端の前端付近において、上下に貫通している下皿球抜孔202aが形成されている。下皿本体251は、底面が、下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260の下皿球抜蓋265によって開閉可能に閉鎖される。
下皿本体251は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、外周と下面の一部とが皿ユニット本体252に覆われた状態となる。また、下皿本体251は、皿ユニット200に組立てた状態で、底面が皿ユニットベース211の下皿球供給口211cよりも下方に位置していると共に、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に位置している。これにより、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、貯留することができる。
[3−5d−2.皿ユニット本体]
皿装飾ユニット250における皿ユニット本体252について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。皿ユニット本体252は、皿ベースユニット210における皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニット200の前面を装飾するものである。皿ユニット本体252は、上部側では左右方向の中央が前方へ突出するように膨出しており、下部側では左右方向の左側が前方へ突出するように膨出している。また、皿ユニット本体252は、上面が、左右方向の中央が最も低くなるように湾曲している。皿ユニット本体252は、後方へ開放された箱状に形成されている。
皿ユニット本体252は、上部において左右両端から左右方向中央へ向かうに従って前方へ膨出していると共に下方へ延びており左右に離間している上部サイド膨出部252aと、下部において左右方向中央より左側が下皿本体251の外周を被覆するように前方へ膨出している下部前面装飾部252bと、下部前面装飾部252bの下端から後方へ平板状に延びている底板部252cと、を備えている。
左右の上部サイド膨出部252aは、後方が開放された箱状に形成されており、夫々の前面に皿左上装飾ユニット270及び皿左下装飾ユニット280と皿右上装飾ユニット275及び皿右下装飾ユニット285が取付けられる。左側の上部サイド膨出部252aは、下面の右端が下部前面装飾部252bと接続されている。また、右側の上部サイド膨出部252aは、下端が下部前面装飾部252bと接続されている。
皿ユニット本体252は、左側の上部サイド膨出部252aと下部前面装飾部252bとの間で前後に貫通している下皿開口部252dが形成されている。下皿開口部252dは、遊技者の手指が挿入可能な大きさで、左方へ向かうに従って上下が広くなるように形成されている。下皿開口部252dは、下皿本体251と左側の上部サイド膨出部252aの下面とによって、前後に延びた筒状に形成されている。
また、皿ユニット本体252は、下部前面装飾部252bにおける下皿本体251の外周を被覆している部位の前面下端から上方へ切欠かれている前面切欠部252eと、底板部252cにおける下皿本体251の下方となる部位において切欠かれている底面切欠部252fと、を備えている。前面切欠部252e及び底面切欠部252fには、下皿球抜ユニット260が挿入される。
更に、皿ユニット本体252は、下部前面装飾部252bの右下隅において前後に貫通しておりハンドル取付部材102の筒部102aが挿通されるハンドル挿通口252gと、ハンドル挿通口252gの上方で下部前面装飾部252bを前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通口252hと、左右方向中央となる一対の上部サイド膨出部252aの間に形成されており演出操作ユニット300が取付けられる演出操作ユニット取付部252iと、を備えている。演出操作ユニット取付部252iは、皿ユニット本体252の左右方向の幅の約1/3の幅に形成されている。
皿ユニット本体252は、皿ユニット200に組立てた状態で、皿ベースユニット210の前面を全体的に覆うように形成されており、下皿開口部252dを通してスピーカ口211bが前方へ臨んだ状態となる。また、皿装飾ユニット250に組立てた状態では、前面切欠部252eから下皿球抜ユニット260の下皿球抜ボタン263が前方へ臨むと共に、下皿球抜ユニット260の下皿球抜ベース261が底面切欠部252fを閉鎖して下面同士が同一面上の状態となる。
[3−5d−3.下皿球抜ユニット]
皿装飾ユニット250における下皿球抜ユニット260について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。下皿球抜ユニット260は、下皿本体251の下面に取付けられ、下皿球抜孔202aを開閉させることで、下皿202に遊技球Bを貯留させたり、下皿202から遊技球Bを排出させたりするためのものである。
下皿球抜ユニット260は、下皿本体251の下面に取付けられており平面視右前隅に上下に貫通している貫通孔を有した平板状の下皿球抜ベース261と、下皿球抜ベース261の上面側において前後へスライド可能に取付けられているスライダ262と、スライダ262の前端に取付けられている下皿球抜ボタン263と、スライダ262を前方へ付勢しているバネ264と、スライダ262の前後方向への移動によって貫通孔を開閉する下皿球抜蓋265と、スライダ262を介して下皿球抜蓋265を開状態に保持する保持機構266と、を備えている。
下皿球抜ベース261は、皿ユニット本体252の底面切欠部252fを閉鎖する大きさに形成されており、下皿202(下皿本体251)の下皿球抜孔202aと一致する位置に上下に貫通している貫通孔が形成されている。下皿球抜ベース261の貫通孔は、下皿球抜孔202aと同じ大きさに形成されている。スライダ262は、前後に延びた平板状に形成されており、下皿球抜ベース261における左右方向中央から左寄りの部位に、前後へスライド可能に取付けられている。スライダ262は、上方へ円柱状に突出している突ピンを備えている。
下皿球抜蓋265は、左端側が、スライダ262よりも左方の位置で、上下に延びた軸周りに対して回転可能に下皿球抜ベース261に取付けられており、右端側が、スライダ262を越えて右方へ延出しており右端側が貫通孔を閉鎖可能に形成されている。下皿球抜蓋265には、スライダ262の突ピンが摺動可能に挿入される左右に延びたスリットが形成されている。
下皿球抜ユニット260は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、下皿球抜ベース261が皿ユニット本体252の底面切欠部252fを閉鎖していると共に、下皿球抜ベース261の下面が底板部252cの下面と同一面上に位置している。また、下皿球抜ボタン263が、皿ユニット本体252の前面切欠部252eから前方に臨んでいる。下皿球抜ユニット260は、通常の状態では、スライダ262がバネ264の付勢力により前方側の移動端に位置していると共に、下皿球抜蓋265の右端側が貫通孔の直上に位置しており、貫通孔(下皿球抜孔202a)を閉鎖している。
この通常の状態では、下皿球抜孔202aが下皿球抜蓋265によって閉鎖されており、下皿202に遊技球Bを貯留させることができる。また、通常の状態では、下皿球抜ボタン263の前面が、下部前面装飾部252bの前面における前面切欠部252eの周囲の前面と略一致している。
通常の状態において、下皿球抜ボタン263を後方へ押圧して、バネ264の付勢力に抗して後方へ移動させると、下皿球抜ボタン263と伴にスライダ262が後方へ移動することとなる。このスライダ262が後方へ移動することで、スライダ262の突ピンがスリットを介して下皿球抜蓋265を後方へ押圧し、下皿球抜蓋265が左端側を中心にして右端側が後方へ移動する方向へ回動することとなる。そして、貫通孔の直上に位置していた下皿球抜蓋265の右端側が、貫通孔の位置から後方へ移動することで、貫通孔が開放されて下皿球抜孔202aが開いた状態となり、下皿球抜孔202aを通して下皿202内の遊技球Bを皿ユニット200の下方へ排出させることができる。
なお、下皿球抜ボタン263の押圧によりスライダ262を後方へ移動させると、スライダ262の後端が保持機構266によって保持されるようになっており、下皿球抜ボタン263の押圧を解除しても、スライダ262がバネ264の付勢力によって前方へ移動することはない。これにより、下皿球抜蓋265の右端側が後方へ回動したままの状態となり、下皿球抜孔202aが開放されたままの状態で維持され、下皿202内の遊技球Bを連続して下方へ排出させることができる。
この状態から下皿球抜孔202aを閉鎖するには、下部前面装飾部252bの前面よりも後退している下皿球抜ボタン263を後方へ押圧すると、保持機構266によるスライダ262の保持が解除される。そして、下皿球抜ボタン263の押圧を放すと、スライダ262がバネ264の付勢力により前方へ移動し、下皿球抜ボタン263の前面が下部前面装飾部252bの前面と一致した状態に復帰すると共に、下皿球抜蓋265が回動して右端側が貫通孔の直上に位置し、下皿球抜孔202aが下皿球抜蓋265により閉鎖された状態となる。これにより、下皿202内に遊技球Bを貯留させることができる。
[3−5d−4.皿左上装飾ユニット及び皿右上装飾ユニット]
皿装飾ユニット250における皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275は、皿ユニット本体252の上部サイド膨出部252aにおける前面の上部に取付けられる。皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275は、皿ユニット200の上部で演出操作ユニット300の左右両側を装飾するものである。
皿左上装飾ユニット270は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿左上装飾体271と、皿左上装飾体271の後側に取付けられている皿左上リフレクタ272と、皿左上リフレクタ272の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿左上装飾基板273と、を備えている。
皿左上装飾体271は、左端から右端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、左側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿左上装飾体271は、前方へ膨出した半円弧が、左端では中心軸が斜め左上に延びていると共に、右端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿左上装飾体271は、乳白色に形成されている。
皿左上リフレクタ272は、皿左上装飾体271の内部に後方から挿入されており、皿左上装飾基板273のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿左上装飾基板273に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿左上装飾体271を発光装飾させることができる。
皿左上装飾ユニット270は、扉枠3に組立てた状態で、左端が扉枠左サイドユニット400の下端と連続し、右端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの左端と連続している。皿左上装飾ユニット270は、皿左上装飾体271において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿左上装飾基板273の複数のLEDを発光させると、皿左上装飾体271の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿右上装飾ユニット275は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿右上装飾体276と、皿右上装飾体276の後側に取付けられている皿右上リフレクタ277と、皿右上リフレクタ277の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿右上装飾基板278と、を備えている。
皿右上装飾体276は、右端から左端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、右側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿右上装飾体276は、前方へ膨出した半円弧が、右端では中心軸が斜め右上に延びていると共に、左端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿右上装飾体276は、乳白色に形成されている。
皿右上リフレクタ277は、皿右上装飾体276の内部に後方から挿入されており、皿右上装飾基板278のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿右上装飾基板278に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿右上装飾体276を発光装飾させることができる。
皿右上装飾ユニット275は、扉枠3に組立てた状態で、右端が扉枠右サイドユニット410の下端と連続し、左端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの右端と連続している。皿右上装飾ユニット275は、皿右上装飾体276において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿右上装飾基板278の複数のLEDを発光させると、皿右上装飾体276の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275は、扉枠3に組立てた状態で、皿装飾ユニット250の皿ユニット本体252における上部サイド膨出部252aの前端よりも一部が上方へ突出しており、上部サイド膨出部252aとの間で皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275側が高くなった段差を形成することができる。これにより、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と上部サイド膨出部252aとの段差を利用して、遊技者が指を引掛けることができ、上皿201内の遊技球Bを均したり、後述する演出操作部301を操作したり、する際の指掛りとすることができる。また、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と上部サイド膨出部252aとの段差により、上部サイド膨出部252a上の遊技球Bが、前方へ流出することを防止することができる。
[3−5d−5.皿左下装飾ユニット及び皿右下装飾ユニット]
皿装飾ユニット250における皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285は、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275に夫々沿って延びるように、皿ユニット本体252の上部サイド膨出部252aにおける前面の下部に取付けられる。皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285は、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と協働して、皿ユニット200の前面と演出操作ユニット300の左右両側を装飾するものである。
皿左下装飾ユニット280は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿左下装飾体281と、皿左下装飾体281の後側に取付けられている皿左下リフレクタ282と、皿左下リフレクタ282の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿左下装飾基板283と、を備えている。
皿左下装飾体281は、左端から右端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びていると共に、平面視において後方に中心を有した円弧状に延びており、左側の上部サイド膨出部252aの下部に取付けられる。皿左下装飾体281は、皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276よりも小さい半径で前方へ膨出した半円弧が、左端では中心軸がやや斜め左上後方に延びていると共に、右端では中心軸が左右に延びており、半円筒が曲げられているような形状に形成されている。皿左下装飾体281は、左端が球面状に形成されている。皿左下装飾体281は、左端側へ向かうに従って細くなるように半円弧の曲率が変化している。この皿左下装飾体281は、乳白色に形成されている。
皿左下リフレクタ282は、皿左下装飾体281の内部に後方から挿入されており、皿左下装飾基板283のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿左下装飾基板283に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿左下装飾体281を発光装飾させることができる。
皿左下装飾ユニット280は、扉枠3に組立てた状態で、左端が皿左上装飾ユニット270の左端の下方に位置し、右端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央下装飾体312bの左端と連続している。皿左下装飾ユニット280は、皿左下装飾体281の左端が球面状に形成されていることから、左端が扉枠3内へ潜り込んでいるように見える。皿左下装飾ユニット280は、皿左下装飾体281において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿左下装飾基板283の複数のLEDを発光させると、皿左下装飾体281の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿右下装飾ユニット285は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿右下装飾体286と、皿右下装飾体286の後側に取付けられている皿右下リフレクタ287と、皿右下リフレクタ287の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿右下装飾基板288と、を備えている。
皿右下装飾体286は、右端から左端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びていると共に、平面視において後方に中心を有した円弧状に延びており、右側の上部サイド膨出部252aの下部に取付けられる。皿右下装飾体286は、皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276よりも小さい半径で前方へ膨出した半円弧が、右端では中心軸がやや斜め右上後方に延びていると共に、左端では中心軸が左右に延びており、半円筒が曲げられているような形状に形成されている。皿右下装飾体286は、右端が球面状に形成されている。皿右下装飾体286は、右端側へ向かうに従って細くなるように半円弧の曲率が変化している。この皿右下装飾体286は、乳白色に形成されている。
皿右下リフレクタ287は、皿右下装飾体286の内部に後方から挿入されており、皿右下装飾基板288のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿右下装飾基板288に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿右下装飾体286を発光装飾させることができる。
皿右下装飾ユニット285は、扉枠3に組立てた状態で、右端が皿右上装飾ユニット275の右端の下方に位置し、左端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央下装飾体312bの右端と連続している。皿右下装飾ユニット285は、皿右下装飾体286の右端が球面状に形成されていることから、右端が扉枠3内へ潜り込んでいるように見える。皿右下装飾ユニット285は、皿右下装飾体286において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿右下装飾基板288の複数のLEDを発光させると、皿右下装飾体286の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
[3−5e.演出操作ユニットの全体構成]
皿ユニット200における演出操作ユニット300の全体構成について、主に図51乃至図54等を参照して詳細に説明する。図51は、皿ユニットにおける演出操作ユニットを演出操作ボタンの進退方向から見た平面図である。図52(a)は演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図53は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図54は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。演出操作ユニット300は、皿ユニット200における左右方向中央に備えられており、皿ユニット200を装飾していると共に、遊技者参加型演出が実行された際に遊技者が操作して演出に参加することができるものである。演出操作ユニット300は、皿ベースユニット210と皿装飾ユニット250とに取付けられている。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作部301は、遊技者が回転操作可能な回転操作部302と、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303と、から構成されている。演出操作部301は、回転操作部302が、外径に対して約3/5の大きさの内径を有した円環状に形成されており、その環内に押圧操作部303が配置されている。押圧操作部303は、回転操作部302の中心に配置され、回転操作部302の内径の半分よりも若干大きい直径の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aの外周と回転操作部302の内周との間に配置されている円環状の外周押圧操作部303bとで構成されている。
演出操作ユニット300は、皿装飾ユニット250の前面に取付けられる演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310に内に収容される操作部ベース320と、操作部ベース320の上面に取付けられており回転操作部302を有している円環状の演出操作リング330と、演出操作リング330の回転操作部302を回転させる回転駆動ユニット340と、回転駆動ユニット340と演出操作リング330の回転操作部302との間で回転を伝達させる操作リング用伝達ギア350と、操作リング用伝達ギア350を回転可能に操作部ベース320に取付けているギア取付部材351と、を備えている。
また、演出操作ユニット300は、演出操作リング330の下方で操作部ベース320の上面に取付けられており上面に複数のLEDが実装されている演出操作リング装飾基板352と、演出操作リング装飾基板352の上側を覆うように操作部ベース320に取付けられている装飾基板カバー353と、操作部ベース320の下面に取付けられている振動スピーカ354と、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられている演出操作ボタンユニット360と、操作部ベース320の後面に取付けられている操作部中継基板ユニット390と、を備えている。
[3−5e−1.演出操作部カバーユニット]
演出操作ユニット300の演出操作部カバーユニット310について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。演出操作部カバーユニット310は、皿装飾ユニット250の皿ユニット本体252の演出操作ユニット取付部252iに取付けられ、皿ユニット200の左右方向中央で演出操作ユニット300の前面を装飾するものである。演出操作部カバーユニット310は、上方及び後方が開放された容器状に形成されている。
演出操作部カバーユニット310は、下方へ窪んだ半球状のユニット下カバー311と、ユニット下カバー311の前側上端に取付けられており前方へ膨出した半円環状のユニット前カバー312と、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a内に後方から取付けられている皿中央上リフレクタ313と、皿中央上リフレクタ313に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている皿中央上装飾基板314と、ユニット前カバー312の皿中央下装飾体312b内に後方から取付けられている皿中央下リフレクタ315と、皿中央下リフレクタ315に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている皿中央下装飾基板316と、を備えている。
ユニット下カバー311は、ユニット下カバー311は、前後方向中央後寄りから前側が、下方へ膨出した半球面状に形成されており、これより後側が、皿ユニット本体252の演出操作ユニット取付部252iに、上方から載置されるように取付けられる。ユニット下カバー311は、前部の半円弧状に延びている上端縁に形成される仮想の平面に垂直な軸線が、上方へ向かうに従って前方へ位置するように、傾斜した状態で取付けられる。本実施形態では、鉛直線に対して約18度(18.65度)の角度で傾斜している。ユニット下カバー311は、皿ユニット200に組立てた時に、最も低くなる部位に複数の排水孔311aが形成されている。
ユニット前カバー312は、ユニット前カバー312は、平面視の形状がユニット下カバー311の前端に沿うように前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット下カバー311の前部上端に取付けられている。ユニット前カバー312は、前方へ膨出した半円弧がユニット下カバー311の前端に沿うように半円弧状に延びている皿中央上装飾体312aと、皿中央上装飾体312aの下方で前方へ膨出した半円弧がユニット下カバー311の前端に沿うように半円弧状に延びている皿中央下装飾体312bと、を備えている。ユニット前カバー312は、皿中央下装飾体312bの下端がユニット下カバー311に取付けられている。
ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aと皿中央下装飾体312bは、略同じ太さ(半径)の円筒を、半割にした上で割面を中心側へ向けて半円弧状に延びるように屈曲させた形状に形成されている。皿中央上装飾体312aに対して皿中央下装飾体312bは、大きい曲率で半円弧状に延びていると共に、皿中央上装飾体312aに対して皿中央下装飾体312bは、若干細い太さの半円筒状に形成されている。ユニット前カバー312は、皿ユニット200に組立てた状態で、皿中央上装飾体312aの前端が、皿中央下装飾体312bの前端よりも前方へ突出している。また、皿ユニット200に組立てた状態では、皿中央上装飾体312aの左右両端が、皿左上装飾ユニット270の右端及び皿右上装飾ユニット275の左端と夫々連続していると共に、皿中央下装飾体312bの左右両端が、皿左下装飾ユニット280の右端及び皿右下装飾ユニット285の左端と夫々連続している。ユニット前カバー312は、透光性を有し、乳白色に形成されている。
また、ユニット前カバー312は、扉枠3に組立てた状態で、その前端が扉枠3の前端となっており、扉枠ベース101の前面からユニット前カバー312の前端までの距離が、扉枠ベース101の左右方向の全幅の約1/2の距離となっている。
皿中央上リフレクタ313は、前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a内に後方から挿入されて取付けられる。皿中央上リフレクタ313は、皿中央上装飾基板314に実装されているLEDからの光が、後方(内側)へ漏れるのを遮断している。皿中央上装飾基板314は、皿中央上装飾体312aに沿うように半円弧状に形成されており、上面に前方(外側)へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている。皿中央上装飾基板314の複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで皿中央上装飾体312aを発光装飾させることができる。
皿中央下リフレクタ315は、前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット前カバー312の皿中央下装飾体312b内に後方から挿入されて取付けられる。皿中央下リフレクタ315は、皿中央下装飾基板316に実装されているLEDからの光が、後方(内側)へ漏れるのを遮断している。皿中央下装飾基板316は、皿中央下装飾体312bに沿うように半円弧状に形成されており、上面に前方(外側)へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている。皿中央下装飾基板316の複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで皿中央下装飾体312bを発光装飾させることができる。
演出操作部カバーユニット310は、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bにおいて、半円弧状に延びている途中に補強用のリブを有していないことから、皿中央上装飾基板314のLED及び皿中央下装飾基板316のLEDを発光させると、夫々の全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
演出操作部カバーユニット310は、皿ユニット200に組立てた状態で、前端が、上皿201や下皿202よりも前方へ大きく突出している。また、演出操作部カバーユニット310は、皿中央上装飾体312aが皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276と連続していると共に、皿中央下装飾体312bが皿左下装飾体281及び皿右下装飾体286と連続している。これにより、演出操作ユニット300を目立たせていると共に、一体的な装飾により見栄えを良くしている。
[3−5e−2.操作部ベース]
演出操作ユニット300の操作部ベース320について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。操作部ベース320は、演出操作部カバーユニット310内に上方から挿入され、下端が演出操作部カバーユニット310に取付けられると共に、上部後端が皿ベースユニット210における上皿本体212の演出操作ユニット取付部212aに取付けられる。操作部ベース320は、上方が開放された容器状に形成されている。
操作部ベース320は、外形が略立方体の箱状に形成されており上方が開放されている本体部321と、本体部321の上端から外方へ延出しており外周が円形状に形成されているフランジ部322と、本体部321の底面から下方へ突出している複数(ここでは四つ)の脚部323と、フランジ部322の後端に形成されており皿ベースユニット210に取付けられる上部取付部324と、本体部321の左外側でフランジ部322を貫通して上方に開口しており操作リング用伝達ギア350を回転可能に支持するためのギア軸受部325と、を備えている。
操作部ベース320は、本体部321が、内部に演出操作ボタンユニット360を収容可能な大きさに形成されている。本体部321は、底壁に下側から振動スピーカ354が取付けられると共に、下面における振動スピーカ354が取付けられる部位が平坦面に形成されている。本体部321の底壁は、振動スピーカ354からの振動に対して共振し易く形成されており、振動を増幅させることができると共に、振動を音声や音楽等のサウンドに変換して出力させることができる。
本体部321の底壁の上面には、演出操作ボタンユニット360におけるボタンユニットベース361の脚部361bが取付けられる。また、本体部321は、底壁の外周縁において、本体部321内に侵入した液体を排出させる貫通孔が形成されている。本体部321は、左側壁外側に回転駆動ユニット340が取付けられると共に、後側壁外側に操作部中継基板ユニット390が取付けられる。
フランジ部322は、外周がユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの内周と略一致する直径に形成されている。フランジ部322の上面には、演出操作リング装飾基板352及び装飾基板カバー353が取付けられると共に、演出操作リング330のリング取付ベース331が取付けられる。複数の脚部323は、下端が演出操作部カバーユニット310におけるユニット下カバー311の上面に取付けられる。
ギア軸受部325は、ギア取付部材と協働して操作リング用伝達ギアを、左右に延びた軸周りに対して回転可能に取付けることができる。ギア軸受部325に操作リング用伝達ギア350を取付けた状態では、操作リング用伝達ギア350の上部が上方へ突出した状態となると共に、操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bがフランジ部322の下方において外側に露出した状態となる。
操作部ベース320は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、フランジ部322の上面が、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの上面よりも若干下方に位置している。また、演出操作ユニット300に組立てた状態では、本体部321の下面に振動スピーカ354が接した状態で取付けられている。
[3−5e−3.演出操作リング]
演出操作ユニット300の演出操作リング330について、主に図55及び図56等を参照して詳細に説明する。図55(a)は演出操作ユニットの演出操作リングを上前から見た斜視図であり、(b)は演出操作リングを下前から見た斜視図である。図56(a)は演出操作リングを分解して上前から見た分解斜視図であり、(b)は演出操作リングを分解して下前から見た分解斜視図である。演出操作リング330は、操作部ベース320におけるフランジ部322の上面に取付けられ、遊技者が回転操作可能な回転操作部302を有している。演出操作リング330(回転操作部302)は、直径(外径)が上皿201の前後方向の寸法の約2倍の大きさとされており、内径が外径の約3/5の大きさの円環状に形成されている。本実施形態では、演出操作リング330の外径が約13cmとされている。
演出操作リング330は、操作部ベース320のフランジ部322の上面に取付けられる円環状のリング取付ベース331と、リング取付ベース331に回転可能に載置される円環状の回転ベース332と、回転ベース332の外周面と当接しリング取付ベース331に上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられている複数のブッシュ333と、リング取付ベース331に取付けられており回転ベース332の上方への移動を規制しているリング抜止部材334と、を備えている。
また、演出操作リング330は、回転ベース332の上面に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング外上カバー335と、リング外上カバー335の下側に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング外下カバー336と、リング外上カバー335の内周側で回転ベース332の上面に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング内カバー337と、を備えている。リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337は、夫々透光性を有した円環状に形成されている。
リング取付ベース331は、外径が操作部ベース320のフランジ部322の外径よりも若干大きく、内径がフランジ部322の内径と略同じ大きさに形成されている。リング取付ベース331は、内周縁に沿った上面側に回転ベース332が周方向へ摺動可能に載置される載置部331aと、上面における載置部331aよりも外側で周方向へ離間して複数(ここでは四つ)の部位から上方へ円筒状に突出しておりブッシュ333を回転可能に取付けるためのボス部331bと、上面における載置部331aよりも外側で周方向へ間隔をあけて複数の部位において上下に貫通している貫通口331cと、を備えている。複数の貫通口331cは、演出操作リング装飾基板352のLEDと対応する位置に形成されている。
回転ベース332は、外径がリング取付ベース331の載置部331aの直径(外径)よりも若干小さく、内径がリング取付ベース331の内径よりも小さく形成されている。回転ベース332は、下面から下方へ突出していると共に周方向へ延びているリングギア332aを備えている。リングギア332aは、回転ベース332の中心側へ向かうに従って下方へ突出するように傘歯車に形成されている。リングギア332aは、リング取付ベース331の内径よりも外径が小さく形成されており、演出操作リング330に組立てた状態では、リング取付ベース331の内周側から下方へ臨んだ状態となる。このリングギア332aは、演出操作ユニット300に組立てた状態で、操作リング用伝達ギア350のリング側ギア部350aと噛合する。
リング外上カバー335は、円形における外部且つ上部を構成している円弧が円環状に延びている外上表面部335aと、外上表面部335aに立体的に形成されており周方向へ複数配置されている装飾部335bと、外上表面部335aの内周端から下方へ延出した後に中心側へ延出しており周方向へ複数配置されている外上カバー取付部335cと、を備えている。リング外上カバー335の外上表面部335aは、円の1/4の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。装飾部335bは、外形が六角形に形成されている。外上カバー取付部335cは、外上表面部335aの下端よりも若干下方へ延出しており、回転ベース332の上面に取付けられるものである。
リング外下カバー336は、円形における外部且つ下部を構成している円弧が円環状に延びている外下表面部336aと、外下表面部336aの内側から上方且つ中心側へ突出し周方向に複数配置されている外下カバー取付部336bと、を備えている。リング外下カバー336の外下表面部336aは、円の1/8の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。外下カバー取付部336bは、リング外上カバー335に取付けられるものである。
リング内カバー337は、円形における内部且つ上部を構成している円弧が円環状に延びている内表面部337aと、内表面部337aの内側端部から中心軸に平行に下方へ延びている筒状の筒表面部337bと、筒表面部337bの外周に形成されており周方向へ複数配置されている内カバー取付部337cと、を備えている。リング内カバー337の内表面部337aは、円の1/8の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。筒表面部337bは、円筒状の内径が回転ベース332の内径と同じ大きさである。内カバー取付部337cは、回転ベース332の上面に取付けられるものである。
リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337は、演出操作リング330に組立てた状態で、外上表面部335a、外下表面部336a、及び内表面部337aが、連続するように形成されており、外上表面部335a、外下表面部336a、及び内表面部337aによって、円の1/2以上の範囲の部位を構成し、全体がドーナツ状となる。演出操作リング330は、演出操作リング装飾基板352によって発光装飾可能とされている。
[3−5e−4.回転駆動ユニット]
演出操作ユニット300における回転駆動ユニット340について、主に図57乃至図59等を参照して詳細に説明する。図57(a)は演出操作ユニットの回転駆動ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は回転駆動ユニットを後ろから見た斜視図である。図58は回転駆動ユニットを分解して右前から見た分解斜視図であり、図59は回転駆動ユニットを分解して左前から見た分解斜視図である。回転駆動ユニット340は、演出操作リング330の回転操作部302を回転駆動させたり、回転操作部302の回転操作を検知したりするためのものである。回転駆動ユニット340は、操作部ベース320の本体部321における左側面の外側に取付けられる。
回転駆動ユニット340は、操作部ベース320の本体部321に取付けられる回転駆動ベース341と、回転駆動ベース341の右側面後部に回転軸が左方へ突出するように取付けられる操作リング駆動モータ342と、操作リング駆動モータ342の回転軸に取付けられる駆動ギア343と、駆動ギア343により回転させられる変速ギア344と、変速ギア344により回転させられると共に操作リング用伝達ギア350を回転させる伝達検知ギア部材345と、変速ギア344及び伝達検知ギア部材345を回転駆動ベースと協働して回転可能に取付けていると共に駆動ギア343、変速ギア344及び伝達検知ギア部材345左方から被覆しているギアカバー346と、を備えている。
また、回転駆動ユニット340は、ギアカバー346に取付けられており伝達検知ギア部材345の回転位置を検知している第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348と、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348を左方から覆うようにギアカバー346に取付けられているセンサカバー349と、を備えている。
回転駆動ベース341は、左右方向が短く前後方向へ長く延びており左方へ開放されている浅い箱状に形成されている。操作リング駆動モータ342は、ステッピングモータとされている。駆動ギア343は、平歯車とされている。変速ギア344は、駆動ギアと噛合する平歯車状の第一ギア344aと、第一ギア344aと一体回転すると共に大径に形成されている平歯車状の第二ギア344bと、から構成されている。変速ギア344の第二ギア344bは、伝達検知ギア部材345のギア部345aと噛合する。
伝達検知ギア部材345は、変速ギア344よりも大径(第二ギア344bの直径の2倍の大きさ)のギア部345aと、ギア部345aの左側面から左方へ突出しており周方向に一定の間隔で列設されている複数の検知片345bと、を備えている。ギア部345aは、変速ギア344の第二ギア344bと噛合すると共に、操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bと噛合する。複数の検知片345bは、周方向の長さが周方向へ離間している間隔と同じ長さとされている。本実施形態では、検知片345bは、45度の回転角度の間隔で、周方向に八つ配置されている。これら検知片345bは、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知される。
第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、伝達検知ギア部材345の検知片345bを検知するものである。第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、周方向へ列設されている検知片345bの間隔に対して、整数倍とは異なる間隔で周方向へ離間して配置されている。本実施形態では、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、101.25度の回転角度で離間している。これにより、伝達検知ギア部材345が回転した時に、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348が同じタイミングで検知片345bを検知することはなく、一方が先に検知片345bを検知するようになっている。これにより、伝達検知ギア部材345を介して演出操作リング330における回転操作部302の回転方向や回転速度を検知することができる。
回転駆動ユニット340は、組立てた状態で、伝達検知ギア部材345のギア部345aの上部が上方へ露出しており、ギア部345aの露出した部位が操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bと噛合する。また、回転駆動ユニット340は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、全体が演出操作部カバーユニット310内に位置している。
回転駆動ユニット340は、操作リング駆動モータ342の駆動により、駆動ギア343、変速ギア344、伝達検知ギア部材345、及び操作リング用伝達ギアを介して、演出操作リング330の回転操作部302を任意の方向へ回転させることができる。また、回転駆動ユニット340は、操作リング駆動モータ342により駆動ギア343を、所定の回転角度の範囲で正転・逆転を繰返させることで、回転操作部302を往復回動させて振動させることができる。
また、回転駆動ユニット340は、遊技者により演出操作リング330の回転操作部302が回転させられると、操作リング用伝達ギア350を介して伝達検知ギア部材345が回転し、伝達検知ギア部材345の検知片345bが第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知され、回転操作部302の回転操作を検知することができる。従って、回転操作部302の回転方向に応じて遊技者参加型演出の内容を変化させることができる。
また、回転駆動ユニット340では、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって回転操作部302の回転操作を検知することができるため、回転操作された回転方向と同じ方向へ操作リング駆動モータ342を駆動させることで、遊技者の回転操作をアシストすることができる。或いは、回転操作部302の回転方向とは反対の方向へ操作リング駆動モータ342を駆動させることで、遊技者の回転操作に負荷を与えることができる。従って、これらを適宜組合せることで、回転操作部302に、遊技者参加型演出の内容に応じた操作感を付与したり、クリック感を付与したりすることができる。
[3−5e−5.操作リング用伝達ギア]
演出操作ユニット300の操作リング用伝達ギア350について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。操作リング用伝達ギア350は、回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345と演出操作リング330の回転操作部302の回転ベース332との間で回転を伝達させるものであり、操作部ベース320のギア軸受部325に回転可能に取付けられるものである。
操作リング用伝達ギア350は、演出操作リング330の回転ベース332におけるリングギア332aと噛合する傘歯車状のリング側ギア部350aと、リング側ギア部350aと一体回転し回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345におけるギア部345aと噛合する平歯車状の駆動側ギア部350bと、を備えている。リング側ギア部350aと駆動側ギア部350bは、ピッチ円が同じ直径に形成されている。傘歯車状のリング側ギア部350aは、回転ベース332の回転軸の方向へ窄まっている。
操作リング用伝達ギア350は、回転軸が左右方向へ延びていると共に、演出操作リング330の回転ベース332の回転軸と交わるように、操作部ベース320に取付けられる。操作リング用伝達ギア350は、操作部ベース320のギア軸受部325に上方から挿入された上で、ギア取付部材351が操作部ベース320に取付けられることで、操作部ベース320に回転可能に取付けられる。
操作リング用伝達ギア350は、演出操作ユニット300に組立てられた状態で、リング側ギア部350aが演出操作リング330における回転ベース332のリングギア332aと噛合していると共に、駆動側ギア部350bが回転駆動ユニット340における伝達検知ギア部材345のギア部345aと噛合している。従って、操作リング用伝達ギア350は、演出操作リング330の回転操作部302の回転操作を回転駆動ユニット340側へ伝達させることができると共に、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342の回転駆動を演出操作リング330の回転操作部302に伝達させて回転させることができる。
[3−5e−6.演出操作リング装飾基板]
演出操作ユニット300における演出操作リング装飾基板352について、主に図53及び図54等を参照して説明する。演出操作リング装飾基板352は、操作部ベース320におけるフランジ部322の上面に取付けられ、上面に複数のLEDが実装されている。演出操作リング装飾基板352は、演出操作リング330の下方に取付けられており、複数のLEDを適宜発光させることで演出操作リング330(回転操作部302)を発光装飾させることができる。
演出操作リング装飾基板352は、円環を前後に分割したような形態に形成されており、前側の前装飾基板352aと、後側の後装飾基板352bとで構成されている。前装飾基板352a及び後装飾基板352bの上面の夫々に、複数のLEDが外周に沿って列設されている。演出操作リング装飾基板352の複数のLEDは、フルカラーLEDとされている。
演出操作リング装飾基板352は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、演出操作リング330のリング取付ベース331の下方に位置している。演出操作リング装飾基板352は、上側が透明な装飾基板カバー353によって被覆されている。装飾基板カバー353は、演出操作リング装飾基板352と同様に、前後に分割された形態に形成されており、前装飾基板352aを上側から覆い操作部ベース320のフランジ部322に取付けられる前基板カバー353aと、後装飾基板352bを上側から覆い操作部ベース320のフランジ部322に取付けられる後基板カバー353bと、で構成されている。
演出操作リング装飾基板352は、上面に実装されている複数のLEDを発光させることで、装飾基板カバー353及びリング取付ベース331の貫通口331cを通して、回転操作部302を構成しているリング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337を、内部から発光装飾させることができる。従って、回転操作部302内にLEDが備えられているような発光装飾を遊技者に見せることができる。
[3−5e−7.振動スピーカ]
演出操作ユニット300における振動スピーカ354について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。振動スピーカ354は、操作部ベース320における本体部321の下面に出力方向を上方へ向けて取付けられており、音声や音楽等のサウンドに加えて、多彩な周波数の振動を出力することができるものである。
振動スピーカ354は、操作部ベース320の底壁を振動板として振動させることで、音声や音楽等のサウンド(音)を出力することができる。また、振動スピーカ354は、操作部ベース320を介して演出操作ユニット300全体を振動させることができる。この振動スピーカ354は、偏芯させた錘をモータで回転させる振動装置と比較して、様々な周波数の振動を発生させることができ、より多彩な演出を遊技者に提示することができる。
[3−5e−8.演出操作ボタンユニット]
演出操作ユニット300における演出操作ボタンユニット360について、主に図60乃至図62等を参照して詳細に説明する。図60は演出操作ユニットの演出操作ボタンユニットを分解して前上から見た分解斜視図であり、図61は演出操作ボタンユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。図62(a)は押圧操作部が下降位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図であり、(b)押圧操作部が上昇位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図である。演出操作ボタンユニット360は、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられており、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303を有している。演出操作ボタンユニット360の押圧操作部303は、円柱状の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aの外周を覆うように形成されている円筒状の外周押圧操作部303bと、で構成されている。
演出操作ボタンユニット360は、外周が略円形状に形成されており操作部ベース320の本体部321内に取付けられるボタンユニットベース361と、ボタンユニットベース361の中心軸を境にして対象に配置されており上方へ円柱状に延出している一対のガイドシャフト362と、一対のガイドシャフト362の上端同士を連結しており外周がボタンユニットベース361よりも小さい円形状に形成されている円盤状の上部ベース363と、上部ベース363とボタンユニットベース361との間において一対のガイドシャフト362によって上下方向へ移動可能に取付けられており外周がボタンユニットベース361と略同じ大きさの円形状に形成されている円盤状の昇降ベース364と、一対のガイドシャフト362が夫々挿通されており昇降ベース364を上方へ付勢している一対の昇降バネ365と、を備えている。
また、演出操作ボタンユニット360は、ボタンユニットベース361の中心から上方へ円柱状に延出しており上端が上部ベース363に取付けられている中央シャフト366と、ボタンユニットベース361の下面に回転軸が上方へ突出するように取付けられている操作ボタン昇降駆動モータ367と、操作ボタン昇降駆動モータ367の回転軸に取付けられている平歯車状の昇降駆動ギア368と、昇降駆動ギア368と噛合しておりボタンユニットベース361の上側に回転可能に取付けられている平歯車状の従動ギア369と、従動ギア369により回転させられ中央シャフト366が挿通されて回転可能に取付けられている昇降カム駆動ギア部材370と、昇降カム駆動ギア部材370と下端が連結されていると共に中央シャフト366が挿通されて回転可能に取付けられており回転することで昇降ベース364を昇降させる昇降カム部材371と、昇降駆動ギア368、従動ギア369、及び昇降カム駆動ギア部材370を上方から覆うようにボタンユニットベース361の上側に取付けられている円盤状のギアカバー372と、を備えている。
更に、演出操作ボタンユニット360は、内径が上部ベースよりも大径で上下に延びた有底筒状に形成されており昇降ベース364より上側で一対のガイドシャフト362によって上下方向へ移動可能に取付けられている中央ボタン本体373と、中央ボタン本体373と昇降ベース364との間に配置されており中央ボタン本体373を上方へ付勢している一対のボタンバネ374と、中央ボタン本体373と略同じ径で上端側が閉鎖された有底筒状に形成されており上部ベース363の上方を覆うように中央ボタン本体373の上端に取付けられている中央ボタンカバー375と、上部ベース363の上面に取付けられており上方へ光を照射可能な複数のLEDが実装されている中央ボタン装飾基板376と、を備えている。演出操作ボタンユニット360は、中央ボタン本体373と中央ボタンカバー375とで中央押圧操作部303aを構成している。
また、演出操作ボタンユニット360は、昇降ベース364の上面における中央ボタン本体373よりも外側の部位に取付けられており上面に複数のLEDが実装されている円環状の外周ボタン装飾基板377と、外周ボタン装飾基板377の上側を覆うと共に中央ボタン本体373の外周を覆うように昇降ベース364に取付けられている外周基板カバー378と、外周基板カバー378における中央ボタン本体373の外周を覆っている部位の外周側で外周ボタン装飾基板377の上方に配置されており立体的な装飾が施された透光性を有する円筒状の外周装飾レンズ379と、外周装飾レンズ379の外周及び上面を覆うように昇降ベース364に取付けられており中央において中央ボタンカバー375が上方へ臨む透明な外周ボタンカバー380と、を備えている。演出操作ボタンユニット360は、外周基板カバー378と外周装飾レンズ379と外周ボタンカバー380とで、外周押圧操作部303bを構成している。
また、演出操作ボタンユニット360は、ボタンユニットベース361に取付けられており押圧操作部303の押圧操作を検知する押圧検知センサ381と、ボタンユニットベース361に取付けられており昇降カム駆動ギア部材370の回転位置を検知することで昇降ベース364の昇降を検知する昇降検知センサ382と、を備えている。
ボタンユニットベース361は、円盤状に形成されているベース本体361aと、ベース本体361aから下方へ突出している複数の脚部361bと、を備えている。ボタンユニットベース361のベース本体361aは、外径が、操作部ベース320における本体部321の内周径よりも若干小さい大きさに形成されている。このベース本体361aは、上面に、一対のガイドシャフト362、中央シャフト366、従動ギア369、昇降カム駆動ギア部材370、及びギアカバー372が取付けられ、下面に、押圧検知センサ381及び昇降検知センサ382が取付けられる。ボタンユニットベース361は、脚部361bの下端が操作部ベース320における本体部321の底壁に取付けられる。
一対のガイドシャフト362は、ボタンユニットベース361のベース本体361aの上面において、中心から前方及び後方へ、ベース本体361aの直径の半分の距離の位置に夫々取付けられている。一対のガイドシャフト362及び中央シャフト366は、金属棒によって形成されている。一対のガイドシャフト362は、中央シャフト366よりも太く形成されている。
上部ベース363は、外径がボタンユニットベース361のベース本体361aの外径の約1/2の大きさに形成されている。一対の昇降バネ365は、コイルスプリングとされており、下端がボタンユニットベース361のベース本体361aに当接していると共に、上端が昇降ベース364に当接している。昇降バネ365は、ボタンバネ374よりも付勢力の強いバネとされている。
昇降ベース364は、外径がボタンユニットベース361のベース本体361aの外径と略同じ大きさに形成されている。昇降ベース364は、一対のガイドシャフト362が夫々摺動可能に挿入される一対のガイド孔364aと、中央において昇降カム部材371が通過可能な大きさで上下に貫通している中央孔364bと、中央孔364bの周縁から上方へ円筒状に突出している立壁部364cと、立壁部364cの下端付近において中央孔364bの内へ互いに対向するように突出している一対の案内ピン364dと、を備えている。一対の案内ピン364dは、同一軸芯上で互いに対向していると共に、軸芯周りに回転可能に取付けられている。
昇降ベース364は、一対のガイド孔364aに一対のガイドシャフト362が挿通されることで、上下方向へ昇降可能に案内される。昇降ベース364は、立壁部364cの上端が上部ベース363に当接することで、上方への移動が規制されると共に、上部ベース363との間に中央ボタン本体373の底部373bが移動可能な空間を形成している。また、昇降ベース364は、一対の案内ピン364dが、昇降カム部材371のカム部371aに案内されることで、上下方向へ移動させられる。
昇降カム駆動ギア部材370は、従動ギア369と噛合する平歯車状のギア部370aと、ギア部370aから上方へ突出しており昇降カム部材371の下端が連結される連結部370bと、ギア部370aから下方へ筒状に突出していると共に対向している二箇所が切欠かれており昇降検知センサ382により検知される昇降検知片370cと、を備えている。昇降カム駆動ギア部材370は、ギア部370aの中心に中央シャフト366が挿入されることで、回転可能に取付けられる。
昇降カム部材371は、中心に中央シャフト366が挿通されることで、回転可能に取付けられる。昇降カム部材371は、円柱状の外周面において周方向へ180度離間しており、外方へ突出している一対のカム部371aを備えている。一対のカム部371aは、昇降ベース364の案内ピン364dを案内するものである。
カム部371aは、下端付近において軸芯に対して直角方向へ延びている第一カム371bと、第一カム371bの中間で上方へ窪んでいる係止部371cと、第一カム371bの一方の端部から軸芯と平行に上方へ延びている第二カム371dと、第一カム371bの第二カム371dとは反対側の端部から螺旋状に上方へ延びている第三カム371eと、を備えている(図62を参照)。第二カム371dと第三カム371eは、同じ高さまで上方へ延びており、隣接するカム部371a同士の間では、昇降ベース364の案内ピン364dの直径よりも小さい距離で離間している。
また、昇降カム部材371は、下端に昇降カム駆動ギア部材370の連結部370bと連結する被連結部371fを備えている。
昇降カム部材371は、カム部371aにおいて、第二カム371dが、昇降カム部材371を平面視において反時計回りの方向へ回転させた時に、第一カム371bの後端側から上方へ延出するように形成されている。昇降カム部材371は、回転することで、カム部371aにより昇降ベース364の案内ピン364dを案内して昇降ベース364を昇降させることができる。
中央ボタン本体373は、中央ボタン本体373は、上下に延びた円筒状の筒部373aと、筒部373aの下端側を閉鎖している底部373bと、底部373bを貫通しており一対のガイドシャフト362が摺動可能に挿入される一対のガイド孔373cと、底部373bの中央において昇降ベース364の立壁部364cの外径よりも大きい径で貫通している中央口373dと、底部373bから下方へ突出しており押圧検知センサ381により検知される押圧検知片373eと、底部373bから後方へ円柱状に突出しておりボタンバネ374に挿通される一対のガイドボス373fと、を備えている。
中央ボタン本体373は、筒部373aと底部373bとによって、有底筒状に形成されている。中央ボタン本体373は、底部373bが上部ベース363と昇降ベース364との間に配置されると共に、筒部373aの上端が上部ベース363よりも上方へ突出するように形成されている。中央口373dは、下方へ短く延びた円筒状に形成されており、下端が昇降ベース364の上面に当接することで、中央ボタン本体373の下方への移動が規制される。中央ボタン本体373の中央口373dを通って、昇降ベース364の立壁部364cの上端が上部ベース363に当接する。
中央ボタン本体373は、一対のガイドボス373fが挿通されている一対のボタンバネ374によって上方へ付勢されている。一対のガイドボス373fは、下端が昇降ベース364を貫通して下方へ延出するように形成されており、下端にワッシャが挿通されたビスが取付けられる。ガイドボス373fの下端に取付けられたワッシャが昇降ベース364の下面に当接することで、中央ボタン本体373の上方への移動が規制される。
中央ボタン本体373の押圧検知片373eは、一対のボタンバネ374の付勢力に抗して中央ボタン本体373の底部373b(中央口373dの下端)が昇降ベース364の上面に当接した時に、昇降ベース364を貫通して下方へ突出するように形成されている。この中央ボタン本体373は、不透明に形成されている。一対のボタンバネ374は、昇降バネ365よりも付勢力の弱いコイルバネとされている。
中央ボタンカバー375は、中央ボタン本体373の筒部373aと略同じ直径の円盤状の天板部375aと、天板部375aの外周から下方へ延出している筒状の周壁部375bと、を備えており、透光性を有するように形成されている。中央ボタンカバー375は、天板部375aと周壁部375bとによって有底筒状に形成されている。この中央ボタンカバー375は、周壁部375bの下端が中央ボタン本体373における筒部373aの上端に取付けられる。
中央ボタン装飾基板376は、上面に実装されている複数のLEDがフルカラーLEDとされている。中央ボタン装飾基板376は、複数のLEDを適宜発光させることで、中央ボタンカバー375を発光装飾させることができる。外周ボタン装飾基板377は、上面に実装されている複数のLEDがフルカラーLEDとされている。外周ボタン装飾基板377は、複数のLEDを適宜発光させることで、外周装飾レンズ379及び外周ボタンカバー380を発光装飾させることができる。
外周基板カバー378は、外周ボタン装飾基板377の上側を覆い昇降ベース364に取付けられる円環状の基板部378aと、基板部378aの内周から上方へ筒状に延出しており中央ボタン本体373の外周を覆う円筒部378bと、を備えている。外周基板カバー378は、透明に形成されている。
外周装飾レンズ379は、上方へ向かうに従って周方向へ移動するように延びている捩れた部位が、周方向に一定の間隔で列設されている。外周装飾レンズ379は、外周基板カバー378における基板部378aの上側に取付けられている。外周ボタンカバー380は、外周装飾レンズ379の外周を覆う円筒状の筒状部380aと、筒状部380aの上端から中心側へ延出している円環状の環状部380bと、を備えている。外周ボタンカバー380は、筒状部380aの下端が昇降ベース364に取付けられる。環状部380bは、内径が外周基板カバー378の円筒部378bと略同じ大きさに形成されている。
演出操作ボタンユニット360は、組立てた状態では、図62(a)に示すように、昇降ベース364が一対の昇降バネ365によって上方へ付勢された状態で、昇降ベース364の案内ピン364dが、昇降カム部材371のカム部371aにおける係止部371cに下方から挿入されている。この状態では、昇降ベース364が下方へ移動した下降位置の状態となっており、一対の昇降バネ365が圧縮されている。また、この状態では、中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力により上方側への移動端に位置しており、中央ボタンカバー375の上面が、外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出した状態となっている。
従って、演出操作ユニット300に組立てた状態では、外周ボタンカバー380の上面が演出操作リング330の上面よりも僅かに上方へ突出していると共に、中央ボタンカバー375の上面が外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出している(図63等を参照)。
この状態(図62(a)の状態)で、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を下方へ押圧して、ボタンバネ374の付勢力に抗して下方へ移動させると、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが押圧検知センサ381により検知され、中央押圧操作部303aの押圧操作が検知される。中央押圧操作部303aを押圧操作した状態では、中央ボタンカバー375の上面が、外周ボタンカバー380の上面と略一致した高さとなっている(図65(c)を参照)。
また、この状態で、外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)を下方へ押圧操作しても、外周ボタンカバー380は下方へ移動することはなく、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが押圧検知センサ381に検知されることもない。つまり、押圧操作部303の押圧操作が検知されない。
この下降位置の状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367により昇降駆動ギア368を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、昇降駆動ギア368と噛合している従動ギア369を介して昇降カム駆動ギア部材370が平面視反時計回りの方向へ回転し、昇降カム駆動ギア部材370と連結されている昇降カム部材371も同じ方向へ回転することとなる。この昇降カム部材371が反時計回りの方向へ回転すると、図62において正面に見えているカム部371aが右方へ移動することとなり、昇降ベース364の案内ピン364dが、係止部371cから第一カム371bにおける係止部371cの左方の部位へ転動すると共に、案内ピン364dを介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動する。
そして、昇降カム部材371の回転に伴って、第一カム371bに沿って相対的に左方へ転動する案内ピン364dが、第一カム371bの左端から第二カム371d側へ位置すると、第二カム371dが第一カム371bに対して垂直に上方へ延びていることから、昇降バネ365の付勢力により案内ピン364dが第二カム371dに沿って上方へ移動することとなり、案内ピン364dと一緒に昇降ベース364が上昇して上昇位置の状態となる。
上昇位置の状態では、図62(b)に示すように、昇降ベース364の案内ピン364dが、一方のカム部371aの第二カム371dと残りのカム部371aの第三カム371eとに接した状態となっている。この状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367の駆動が一旦停止される。
上昇位置の状態では、昇降ベース364の立壁部364cの上端が上部ベース363の下面に当接しており、昇降ベース364のこれ以上の上方への移動が規制されている。また、上昇位置の状態では、下降位置の時の中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)と外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)との位置関係が保持されており、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380を含む押圧操作部303全体が上方へ移動していると共に、中央ボタンカバー375の上面が外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出している。
演出操作ユニット300に組立てた状態で、上昇位置へ移動させると、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380が、演出操作リング330の上面よりも大きく突出した状態となる(図65(b)等を参照)。
この上昇位置の状態で、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を、ボタンバネ374の付勢力よりも強い力で下方へ押圧した場合、中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力に抗して下方へ移動し、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接することとなる。中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接している状態では、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが昇降ベース364よりも下方へ突出した状態となっているが、昇降ベース364がボタンユニットベース361から離れているため、押圧検知片373eが押圧検知センサ381によって検知されることはない。
中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を、昇降バネ365の付勢力よりも強い力で下方へ押圧した場合、中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力に抗して、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接した上で、昇降ベース364が、昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動し、昇降ベース364の下端がボタンユニットベース361に当接することとなる。昇降ベース364がボタンユニットベース361に当接することで、昇降ベース364が下降位置の状態となり、昇降ベース364と共に外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)も下降位置の状態となる。
このように、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接した状態で、昇降ベース364がボタンユニットベース361に当接すると、昇降ベース364から下方へ突出している中央ボタン本体373の押圧検知片373eが、押圧検知センサ381に検知された状態となり、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)の押圧が検知される。
一方、上昇位置の状態で、外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)を、昇降バネ365の付勢力よりも力で下方へ押圧した場合、外周ボタンカバー380を介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動し、昇降ベース364の下端がボタンユニットベース361に当接することとなる。この状態では、昇降ベース364と共に外周ボタンカバー380が下降位置の状態となるが、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)がボタンバネ374の付勢力により上方へ突出していることから、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが昇降ベース364から下方へ突出しておらず、押圧検知片373eが押圧検知センサ381により検知されない。
中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380を(押圧操作部303を)、上昇位置から下降位置へ戻すには、操作ボタン昇降駆動モータ367により、昇降カム部材371を平面視反時計回りの方向へ回転させると、図62(b)において、昇降ベース364の案内ピン364dの左上と当接している第三カム371eが、右方(案内ピン364dの方向)へ移動することとなるため、第三カム371eによって案内ピン364dが下方へ押圧され、案内ピン364dを介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動することとなる。
そして、昇降カム部材371の回転に伴って案内ピン364dが第三カム371eの下端から第一カム371b側へ移動すると、昇降ベース364の下方への移動が停止し、案内ピン364dが第一カム371bに沿って転動する。その後、案内ピン364dが第一カム371bの途中の係止部371cの位置に到達すると、昇降バネ365の付勢力により案内ピン364dが上方へ窪んだ係止部371c内に挿入されると共に、操作ボタン昇降駆動モータ367による昇降カム部材371の回転を停止させることで、元の下降位置の状態となる。
[3−5e−9.操作部中継基板ユニット]
演出操作ユニット300における操作部中継基板ユニット390について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。操作部中継基板ユニット390は、操作部ベース320の後面に取付けられている。操作部中継基板ユニット390は、操作部ベース320における本体部321の後面に取付けられる箱状の基板ボックス391と、基板ボックス391内に取付けられている操作部中継基板392と、を備えている。
基板ボックス391は、演出操作ユニット300に組立てた時に、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342を後側から覆うモータカバー部391aを有している。操作部中継基板392は、皿中央上装飾基板314、皿中央下装飾基板316、操作リング駆動モータ342、第一回転検知センサ347、第二回転検知センサ348、演出操作リング装飾基板352、振動スピーカ354、操作ボタン昇降駆動モータ367、中央ボタン装飾基板376、外周ボタン装飾基板377、押圧検知センサ381、及び昇降検知センサ382と、皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214との接続を中継している。
[3−5e−10.演出操作ユニットの作用]
次に、演出操作ユニット300の作用について、主に図63乃至図65等を参照して詳細に説明する。図63は、演出操作ユニットの左側面図において演出操作リングと回転駆動ユニットとの関係を示す説明図である。図64は、演出操作ユニットを押圧操作部の押圧方向から見た平面図において演出操作リングと演出操作リング装飾基板との関係を示す説明図である。図65(a)は通常の状態で示す皿ユニットの正面図であり、(b)は押圧操作部が上昇位置の時の皿ユニットの正面図であり、(c)は押圧操作部の中央押圧操作部を押圧した時の皿ユニットの正面図である。
演出操作ユニット300は、上面に遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作部301は、大きな円環状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303とで構成されている。押圧操作部303は、回転操作部302の中心に位置する円柱状の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aと回転操作部302との間に配置されている円環状の外周押圧操作部303bとで構成されている。
回転操作部302は、演出操作リング330のリング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337によって形成されている。中央押圧操作部303aは、演出操作ボタンユニット360の中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373によって形成されており、外周押圧操作部303bは、外周ボタンカバー380及び外周基板カバー378によって形成されている。
演出操作ユニット300は、円環状の回転操作部302(演出操作リング330)の上面によって形成される仮想の平面の前方側が低くなるように傾斜した状態で皿ユニット200に組立てられる。従って、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303の押圧方向が、下方へ向かうに従って後方へ移動する(換言すると、上方へ向かうに従って前方へ移動する)ように傾斜している。
演出操作ユニット300は、通常の状態では、回転操作部302の上面よりも押圧操作部303が僅かに上方へ突出した状態となっている。詳しくは、演出操作リング330の上面よりも外周ボタンカバー380の上面が僅かに上方へ突出していると共に、外周ボタンカバー380の上面よりも中央ボタンカバー375の上面が上方へ突出した状態となっている(図63等を参照)。
この通常の状態で、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342により、伝達検知ギア部材345を左側面視で時計回りの方向へ回転させると、操作リング用伝達ギア350を介して演出操作リング330の回転操作部302が、平面視において時計周りの方向へ回転する。一方、操作リング駆動モータ342により、伝達検知ギア部材345を左側面視で反時計周りの方向へ回転させると、演出操作リング330の回転操作部302が平面視において反時計回りの方向へ回転する。
操作リング駆動モータ342は、ステッピングモータとされており、所定の回転角度の範囲で正転・逆転を繰返させることで、回転操作部302を往復回動させて振動させることができる。この振動は、振動スピーカ354による振動とは異なり、回転操作部302のみが振動する。
演出操作リング330の回転操作部302は、操作リング駆動モータ342により回転させられるだけでなく、遊技者によっても回転させることができる。回転操作部302を平面視において時計回りの方向へ回転させると、操作リング用伝達ギア350を介して回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345が左側面視において時計回りの方向へ回転し、回転操作部302を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、伝達検知ギア部材345が左側面視において反時計回りの方向へ回転する。この伝達検知ギア部材345は、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348の二つのセンサによって回転を検知している。
伝達検知ギア部材345の回転は、複数の検知片345bを第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知することで、回転を検知している。詳述すると、周方向に等間隔で列設されている複数の検知片345bの間隔に対して、周方向に離間している第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348との間隔が、整数倍とならない間隔とされている。これにより、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348とが、同じタイミングで検知片345bを検知しないように構成されている。
本実施形態では、伝達検知ギア部材345が左側面視において時計回りの方向へ回転すると、第二回転検知センサ348が検知片345bを検知してから第一回転検知センサ347が検知片345bを検知する。これに対して、伝達検知ギア部材345が左側面視において反時計回りの方向へ回転すると、第一回転検知センサ347が検知片345bを検知してから第二回転検知センサ348が検知片345bを検知する。従って、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348とが、検知片345bを検知する順番によって、伝達検知ギア部材345(回転操作部302)の回転方向を検知することができる。また、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348における検知片345bの検知時間によって、伝達検知ギア部材345(回転操作部302)の回転速度を検知することができる。
このように、回転操作部302の回転操作を検知することができるため、回転操作部302の回転方向に応じて遊技者参加型演出の内容を変化させることができる。また、回転操作部302の回転操作を検知した時に、操作リング駆動モータ342により、回転操作部302を回転操作方向と同じ方向へ回転駆動させることで、回転操作を軽くしてアシストすることができる。或いは、操作リング駆動モータ342により、回転操作部302を回転操作方向と反対方向へ回転駆動させることで、回転操作を重くしたり、クリック感を付与したりすることができる。
演出操作リング330の回転操作部302は、リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337によって形成されており、円の半分以上の円弧が環状に延びている形状に形成されている。換言すると、回転操作部302がドーナツ状に形成されている。そして、回転操作部302は、図示するように、外周面、上面、及び内周面の一部、が露出した状態で取付けられているため、遊技者の手で掴み易い形状に形成されている。
これにより、回転操作部302に対して遊技者が様々な方向から触れることができるため、遊技者のやり易い思い思いの仕方で回転操作部302を回転操作させることができ、回転操作部302の操作性が高められている。また、回転操作部302は、押圧操作部303が下降位置又は上昇位置の何れの状態の時でも、回転操作することができる。なお、回転操作部302は、下面側が操作部ベース320に取付けられているため、自動車のハンドルのように握ることはできない。
演出操作ユニット300は、図64に示すように、演出操作リング330の下方に、複数のLEDが円環状に列設されている演出操作リング装飾基板352を備えている。これにより、演出操作リング装飾基板352のLEDを発光させることで、演出操作リング330の回転操作部302を発光装飾させることができる。また、演出操作リング装飾基板352では、複数のLEDを回転操作部302に沿って環状に列設しているため、回転操作部302の回転に合わせて、列設されている複数のLEDを順次発光させることで、回転している回転操作部302の特定の部位のみを発光装飾させることができる。これにより、回転する回転操作部302内に、LED(装飾基板)が備えられているように遊技者を錯覚させることができる。
演出操作ユニット300は、通常の状態では、図65(a)に示すように、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303が、その上面が回転操作部302の上面よりも僅かに上方に突出した下降位置の状態となっている。この状態では、回転操作部302を回転させることができると共に、押圧操作部303における中央押圧操作部303aを押圧操作することができる。中央押圧操作部303aを下方へ押圧操作すると、中央押圧操作部303a(中央ボタンカバー375)の上面が、外周押圧操作部303b(外周ボタンカバー380)の上面と略同じ高さまで下降し、押圧検知センサ381により押圧が検知される。
この通常(下降位置)の状態では、押圧操作部303における外周押圧操作部303bを下方へ押圧しても、外周押圧操作部303b(外周ボタンカバー380)が下方へ移動することはなく、押圧検知センサ381により押圧が検知されることはない。
通常の状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367により、昇降カム部材371を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、昇降ベース364の案内ピン364dがカム部371a(第一カム371b)から外れて、一対の昇降バネ365の付勢力により、昇降ベース364と共に押圧操作部303が勢いよく上方へ突出して上昇位置の状態となる(図65(b)を参照)。この上昇位置の状態では、押圧操作部303の上面が回転操作部302の上面よりも大きく上方に位置している。換言すると、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380が、演出操作リング330の上面よりも大きく上方へ突出している。
押圧操作部303が上昇位置の状態で、中央押圧操作部303aを下方へ押圧すると、まず、ボタンバネ374の付勢力に抗して中央押圧操作部303aが下方へ移動し、中央押圧操作部303aの上面と外周押圧操作部303bの上面とが略同じ高さの状態となる。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知しない。更に、昇降バネ365の付勢力に抗して中央押圧操作部303aが外周押圧操作部303bと一緒に下方へ移動し、中央押圧操作部303a及び外周押圧操作部303bの上面が回転操作部302の上面と略同じ高さの状態となる(図65(c)を参照)。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知する。
また、押圧操作部303が上昇位置の状態で、外周押圧操作部303bを下方へ押圧すると、中央押圧操作部303aの上面が外周押圧操作部303bの上面よりも上方へ突出している状態のまま、外周押圧操作部303bと中央押圧操作部303aとが下方へ移動し、外周押圧操作部303bの上面が回転操作部302の上面と略同じ高さの状態となる(図65(a)を参照)。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知しない。
このように、本実施形態の押圧操作部303は、下降位置或いは上昇位置に関わらず、中央押圧操作部303aを、下方への移動端まで押圧しないと、押圧検知センサ381により検知されないようになっている。従って、遊技者に対して、中央押圧操作部303aをしっかりと押圧操作させることを促すことが可能となるため、遊技者参加型演出において演出操作部301の操作に注意を引付けさせることができ、遊技者参加型演出をより楽しませることができる。
なお、押圧操作部303が上昇位置の状態でも、回転操作部302を回転させることができる。従って、押圧操作部303を上昇位置の状態とした時では、遊技者によっては、押圧操作部303を手がかりにして回転操作が楽になったり、押圧操作部303が邪魔になって回転操作がし難くなったりすることから、回転操作部302の操作性を変化させることができ、より多彩な操作を楽しませることができる。
[3−6.扉枠左サイドユニット]
扉枠3における扉枠左サイドユニット400について、主に図66乃至図68を参照して詳細に説明する。図66(a)は扉枠の扉枠左サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠左サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図67は扉枠左サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図68は扉枠左サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。扉枠左サイドユニット400は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの左外側を装飾するものである。
扉枠左サイドユニット400は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの左外側に取付けられる扉枠左サイドベース401と、扉枠左サイドベース401の前面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠左サイド装飾基板402と、扉枠左サイド装飾基板402の前側を覆うように扉枠左サイドベース401に取付けられている左サイドリフレクタ403と、左サイドリフレクタ403の前側を覆うように扉枠左サイドベース401に取付けられている扉枠左サイド装飾体404と、を備えている。
扉枠左サイドベース401は、上下に延びており前方へ開放された箱状に形成されている。扉枠左サイド装飾基板402は、上下に延びた帯板状に形成されており、左サイド上装飾基板402aと左サイド下装飾基板402bとで構成されている。扉枠左サイド装飾基板402は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。扉枠左サイド装飾基板402は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠左サイド装飾体404を発光装飾させることができる。
左サイドリフレクタ403は、扉枠左サイド装飾基板402に実装されているLEDと対応する位置に前後に貫通している貫通孔403aが形成されている。扉枠左サイド装飾体404は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠左サイド装飾体404は、前方へ膨出した半円弧が上下に延びた形態に形成されている。これにより、扉枠左サイド装飾体404は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。
扉枠左サイドユニット400は、下端が皿ユニット200における皿左上装飾ユニット270の皿左上装飾体271の左端と連続するように形成されており、上端が扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453の左側下端と連続するように形成されている。
扉枠左サイドユニット400は、左右方向の幅と前後方向の奥行が、略同じ距離に形成されている。扉枠左サイドユニット400は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの左外側を装飾しており、円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見せている。
[3−7.扉枠右サイドユニット]
扉枠3における扉枠右サイドユニット410について、主に図69乃至図71を参照して詳細に説明する。図69(a)は扉枠の扉枠右サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠右サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図70は扉枠右サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図71は扉枠右サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。扉枠右サイドユニット410は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの右外側を装飾するものである。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠3の右辺から皿ユニット200の上皿201や下皿202と略同じ位置まで前方へ平板状に延出しており、左右方向へ貫通しているサイド窓410aと、サイド窓410a内に複数配置されている発光可能なサイド窓内装飾部410bと、を備えている。この扉枠右サイドユニット410は、パチンコ機1が設置された遊技ホール等において、右側に配置されているパチンコ機の遊技領域内を見え難くしたり、右側のパチンコ機で遊技している遊技者から本パチンコ機1の遊技領域5a内を見え難くしたりすることができ、遊技のプライバシーを保護するような遊技者のパーソナル空間を形成することができる。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの右外側に取付けられ上下に延びている扉枠右サイドベース411と、扉枠右サイドベース411の前面に取付けられており前方へ円筒状に延出し上下に列設されている複数のサイド窓内装飾部410bを有するサイド窓内装飾部材412と、前面におけるサイド窓内装飾部材412の複数のサイド窓内装飾部410bと対応する部位に複数のLEDが実装されており扉枠右サイドベース411の前側に取付けられているサイド窓内装飾部装飾基板413と、サイド窓内装飾部材412の複数のサイド窓内装飾部410bの内部に夫々挿入されている内部リフレクタ414と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット410は、サイド窓内装飾部材412の前端よりも前方に配置されており上下に延びている右サイドリフレクタ415と、扉枠右サイドベース411に取付けられており扉枠右サイドベース411と右サイドリフレクタ415の右側面を被覆するように上下方向及び前後方向へ平板状に延びていると共に左右方向へ貫通しサイド窓410aを構成する貫通口416aが形成されている扉枠右サイド外パネル416と、扉枠右サイドベース411及び右サイドリフレクタ415に取付けられており扉枠右サイドベース411と右サイドリフレクタ415の左側面を被覆するように上下方向及び前後方向へ平板状に延びていると共に左右方向へ貫通しサイド窓410aを構成する貫通口417aが形成されている扉枠右サイド内パネル417と、を備えている。
更に、扉枠右サイドユニット410は、右サイドリフレクタ415の後面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠右サイド装飾基板418と、右サイドリフレクタ415の前側を覆うように右サイドリフレクタ415に取付けられている扉枠右サイド装飾体419と、を備えている。
扉枠右サイドベース411は、上下に延びており後方へ開放された箱状に形成されている。サイド窓内装飾部材412は、上下方向に列設されている複数(ここでは三つ)のサイド窓内装飾部410bの下端同士を連結している平板状の連結ベース412aを有している。サイド窓内装飾部材412のサイド窓内装飾部410bは、前端側が後端側よりも外径がやや小さくなった円錐台状の円筒に形成されていると共に、円筒の前端が半球状に形成されている。サイド窓内装飾部材412は、サイド窓内装飾部410bの前端が扉枠右サイド外パネル416に取付けられる。サイド窓内装飾部材412は、扉枠右サイドベース411の前面において、上下方向中央に対して下寄りの位置から上側の部位に取付けられる。サイド窓内装飾部材412は、透光性を有した乳白色に形成されている。
サイド窓内装飾部装飾基板413は、扉枠右サイドベース411の前面において、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの後方となる部位に取付けられる。サイド窓内装飾部装飾基板413に備えられている複数のLEDは、フルカラーLEDとされている。サイド窓内装飾部装飾基板413は、複数のサイド窓内装飾部410bの夫々の後方となる部位に、四つのLEDがサイド窓内装飾部410bの軸芯を中心として上下左右の十字状に配置されている。
内部リフレクタ414は、正面視の形状がX状に形成されており、挿入されるサイド窓内装飾部410bの内面に沿うように前後方向に延びている。内部リフレクタ414は、サイド窓内装飾部410bの内部を、上下左右の四つに仕切っている。
右サイドリフレクタ415は、扉枠右サイドベース411と同じ高さで上下に延びており、前後方向の形状が、上端から下端へ向かうに従って、前方へ移動した後に後方へ移動するような波状に形成されている。右サイドリフレクタ415は、前後に貫通し、扉枠右サイド装飾基板418のLEDが前方へ臨む複数の貫通孔415aが形成されている。
扉枠右サイド外パネル416は、平板状で上下及び前後に延びており、後辺が鉛直に直線状に延びていると共に、前辺が右サイドリフレクタ415に沿って波状に延びている。扉枠右サイド外パネル416は、左右方向へ貫通している貫通口416aが、上下に延びた変楕円形状に形成されていると共に、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの前側と扉枠右サイド装飾基板418(右サイドリフレクタ415)の後側とを被覆可能に形成されている。扉枠右サイド外パネル416は、不透光性に形成されている。
扉枠右サイド内パネル417は、平板状で上下及び前後に延びており、後辺が鉛直に直線状に延びていると共に、前辺が右サイドリフレクタ415に沿って波状に延びている。扉枠右サイド内パネル417は、左右方向へ貫通している貫通口417aが、上下に延びた変楕円形状に形成されていると共に、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの前側と扉枠右サイド装飾基板418(右サイドリフレクタ415)の後側とを被覆可能に形成されている。扉枠右サイド内パネル417は、不透光性に形成されている。
扉枠右サイド装飾基板418は、上下に延びた帯板状に形成されており、右サイド上装飾基板418aと、右サイド下装飾基板418bとで構成されている。扉枠右サイド装飾基板418は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。扉枠右サイド装飾基板418は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠右サイド装飾体419を発光装飾させることができる。
扉枠右サイド装飾体419は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠右サイド装飾体419は、前方へ膨出した半円弧が、右サイドリフレクタ415に沿うように波状に上下に延びた形態に形成されている。これにより、扉枠右サイド装飾体419は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。
扉枠右サイドユニット410は、下端が皿ユニット200における皿右上装飾ユニット275の皿右上装飾体276の右端と連続するように形成されていると共に、上端が扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453の右側下端と連続するように形成されている。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの右外側を装飾しており、扉枠右サイド装飾体419の部位が円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見える。扉枠右サイドユニット410は、上から1/4の部位が最も前方へ突出するように前端(前辺)が波状に前方へ延びており、衝立状に形成されている。扉枠右サイドユニット410は、左右方向へ貫通しているサイド窓410aを有しており、サイド窓410aを通して反対側を視認することができる。
扉枠右サイドユニット410は、サイド窓410a内に、前後に延びた円筒状(円柱状)のサイド窓内装飾部410bを備えており、サイド窓内装飾部装飾基板413のLEDを発光させることで、サイド窓内装飾部410bを発光装飾させることができる。そして、サイド窓内装飾部410bを発光装飾させることで、サイド窓410a内を眩しくすることができ、サイド窓410aを通して反対側を見え難くすることができる。
本実施形態の扉枠右サイドユニット410によれば、通常の状態では、複数のサイド窓内装飾部410bを発光装飾させるサイド窓内装飾部装飾基板413のLEDが消灯しているため、サイド窓410aにおける三つのサイド窓内装飾部410bの間を通して、本パチンコ機1の横(島設備の端)から遊技領域5a内を視認することができる。従って、遊技をするパチンコ機として本パチンコ機1(本遊技盤5)を探している遊技者が、島設備に沿って本パチンコ機1の前方まで移動しなくても、本パチンコ機1を簡単に見つけることができ、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠右サイドユニット410にサイド窓410aが貫通していてもサイド窓内装飾部410bを含むその他の部位によって、近隣に位置している遊技者の視線を遮ることができるため、他の遊技者から遊技領域5aの全体を見え辛くすることができ、他の遊技者から見られているような感じを受け難くすることで他の遊技者に気兼ねすることなく遊技を行わせることができる。
更に、サイド窓内装飾部装飾基板413のLEDにより三つのサイド窓内装飾部410bを発光させると、その光によりサイド窓410a内を眩しくすることができ、サイド窓410aを通した視認性を変化させる。この際に、三つのサイド窓内装飾部410bを、円柱状としていることから、光が帯状且つ放射状に放射されることとなるため、サイド窓内装飾部410bを眩しくさせて間から反対側を視認し難くすることができ、隣等の他の遊技者から遊技領域5a内を覗かれ難くすることができる。このように、遊技領域5a内を覗かれ難くすることができることから、他の遊技者が本パチンコ機1に注目するのを回避させることができるため、注目されることで他の遊技者が気になって遊技に専念できないことから不快感を覚えたり、ミスが誘発されることで損した気分になったりするのを防止することができ、遊技者を遊技に専念させることで遊技をより楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[3−8.扉枠トップユニット]
扉枠3における扉枠トップユニット450について、主に図72乃至図74等を参照して詳細に説明する。図72(a)は扉枠における扉枠トップユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠トップユニットを後ろから見た斜視図であり、(c)はトップ下カバーを外した状態で示す扉枠トップユニットの底面図である。図73は扉枠トップユニットを分解して前上から見た分解斜視図であり、図74は扉枠トップユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。扉枠トップユニット450は、扉枠左サイドユニット400及び扉枠右サイドユニット410の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるものである。
扉枠トップユニット450は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも上側に取付けられる扉枠トップベース451と、扉枠トップベース451の左右両側と前面上部を覆うように扉枠トップベース451に取付けられているトップ上カバー452と、トップ上カバー452の前端に取付けられている扉枠トップ装飾体453と、扉枠トップ装飾体453の下端と扉枠トップベース451の下端とを連結している扉枠トップ底板454と、を添えている。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面中央に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ中央装飾基板455と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠トップ中央装飾基板455の左方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ左装飾基板456と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠トップ中央装飾基板455の右方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ右装飾基板457と、を備えている。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ中央装飾基板455との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ中央リフレクタ458と、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ左装飾基板456との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ左リフレクタ459と、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ右装飾基板457との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ右リフレクタ460と、を備えている。
更に、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ底板454の上面中央に取付けられている中央スピーカボックス461と、中央スピーカボックス461に下方へ向けて取付けられている一対のトップ中央スピーカ462と、扉枠トップベース451の前面左右両端付近に取付けられている一対のスピーカブラケット463と、一対のスピーカブラケット463に夫々取付けられている一対のトップサイドスピーカ464と、扉枠トップ底板454を下方から覆うように扉枠トップ底板454に取付けられているトップ下カバー465と、トップ下カバー465の外周縁を下方から押圧するように扉枠トップ底板454に取付けられている下カバー枠466と、扉枠トップベース451の上部右端付近に取付けられている扉枠トップ中継基板467と、扉枠トップベース451の上方を覆うようにトップ上カバー452に取付けられている扉枠トップ天板468と、を備えている。
扉枠トップベース451は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の左右方向の幅と同じ長さで左右に延びている平板状の本体部451aと、本体部451aの前面における左右両端付近から前方へ突出している前方突出部451bと、を備えている。本体部451aは、下辺が、扉枠ベース101における扉窓101aの上縁と沿うように、左右方向の中央が上方へ位置するような湾曲状に形成されている。左右の前方突出部451bは、前端が下方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜しており、後方へ開放された箱状に形成されている。正面視右側の前方突出部451bは、上方にも開放されている。
トップ上カバー452は、正面視の形状が、扉枠トップベース451と略同じ形状に形成されている。トップ上カバー452は、扉枠トップベース451の左右の前方突出部451bの夫々の外側を覆うと共に、左右の前方突出部451bの前端上部の間を結ぶような形状に形成されている。トップ上カバー452の前端は、左右方向中央が前方へ最も突出しており、左右方向中央から左右方向両端へ向かうに従って、下方及び後方へ移動するように湾曲状に延びている。また、トップ上カバー452は、上面に後端から前方へ向かって大きく切欠かれた開口部452aを有している。この開口部452aは、扉枠トップ天板468によって閉鎖される。
扉枠トップ装飾体453は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠トップ装飾体453は、前方へ膨出した半円弧が、左右両端から左右方向中央へ向かうに従って曲率が小さくなると共に、トップ上カバー452の前端に沿うように、左右方向へ延びた形態に形成されている。これにより、扉枠トップ装飾体453は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。扉枠トップ装飾体453は、左右方向の両端が下方へ延びるように向いており、扉枠左サイド装飾体404及び扉枠右サイド装飾体419の上端と夫々連続するように形成されている。
扉枠トップ底板454は、扉枠トップ装飾体453の下端と扉枠トップベース451の本体部451aの下端同士を連結するように前後方向へ延びていると共に、左右方向中央が上方へ膨出するように左右方向へ延びている。扉枠トップ底板454は、前後方向の中央が下方へ突出するように折れ曲がった形態に形成されている。扉枠トップ底板454は、左右方向へ離間しており前端と後端とを結ぶと共に上方へ平板状に延びている一対の補強リブ454aと、一対の補強リブ454aの間において上下に貫通しておりトップ中央スピーカ462が臨む一対の中央スピーカ口454bと、一対の補強リブ454aの夫々の左右方向外側において上下に貫通しておりトップサイドスピーカ464が臨む一対のサイドスピーカ口454cと、を有している。扉枠トップ底板454の上面における一対の補強リブ454aの間に中央スピーカボックス461が取付けられる。
扉枠トップ中央装飾基板455は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ中央装飾基板455は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ中央装飾基板455は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の中央部分を発光装飾させることができる。
扉枠トップ左装飾基板456は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ左装飾基板456は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ左装飾基板456は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の左部分を発光装飾させることができる。
扉枠トップ右装飾基板457は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ右装飾基板457は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ右装飾基板457は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の右部分を発光装飾させることができる。
トップ中央リフレクタ458、トップ左リフレクタ459、及びトップ右リフレクタ460は、夫々左右方向に延びており、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457に夫々実装されているLEDと対応する位置に前後に貫通している貫通孔が形成されている。
中央スピーカボックス461は、左右に延びた箱状に形成され、一対のトップ中央スピーカ462が下前を向くように取付けられる。この中央スピーカボックス461は、扉枠トップ底板454の上面における一対の補強リブ454aの間に取付けられる。トップ中央スピーカ462は、フルレンジスピーカとされており、広い周波数帯域で音声や音楽等のサウンドを出力するものである。
スピーカブラケット463は、扉枠トップベース451における左右の前方突出部451bの下面に取付けられる。トップサイドスピーカ464は、ツイータとされており、音声や音楽等のサウンドの高音域を出力するものである。
トップ下カバー465は、無数の貫通孔を有した金属板からなるパンチングメタルによって形成されている。トップ下カバー465を通して、トップ中央スピーカ462やトップサイドスピーカ464から出力されたサウンドが、前方且つ下方へ向けて放射される。
扉枠トップ中継基板467は、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457、トップ中央スピーカ462、及びトップサイドスピーカ464と、扉枠ベースユニット100の扉枠副中継基板105との接続を中継するためのものである。
扉枠トップ天板468は、トップ上カバー452の開口部452aを閉鎖するものであり、前端がトップ上カバー452に係止されると共に、後端が扉枠ベースユニット100に取付けられる。
扉枠トップユニット450は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの上外側を装飾している。扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の左右両端が、扉枠左サイド装飾体404及び扉枠右サイド装飾体419の上端と夫々連続しており、一体的な装飾を形成している。また、扉枠トップユニット450は、一対のトップ中央スピーカ462及び一対のトップサイドスピーカ464によって、音声や音楽等のサウンドを遊技者側へ出力することができる。
[3−9.扉枠の装飾]
扉枠3における装飾について、主に図75等を参照して詳細に説明する。図75は、各装飾基板と共に示す扉枠の正面図である。扉枠3は、図示するように、正面視中央に、ガラスユニット160の透明なガラス板162によって閉鎖されている上下に延びた略四角形の扉窓101aを有している。扉枠3は、皿ユニット200の皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、演出操作ユニット300の皿中央上装飾体312a、扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453によって、扉窓101aの外周が全周に亘って囲まれている。
扉窓101aの外周を囲っている皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453は、半チューブ状に形成されているため、扉窓101aの全周が蛍光灯で囲まれているような装飾を遊技者に見せることができる。
扉枠3では、扉窓101aの外周を囲っている皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453の後方に、皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457が配置されているため、それら装飾基板のLEDを適宜発光させることで、扉窓101aの外周全体を発光装飾させたり、扉窓101aの外周に沿って光が移動するように発光演出を遊技者に見せたり、することができる。
扉枠3の皿ユニット200では、上面に、上皿201の前後方向の距離よりも直径が大きい円環状でドーナツ形状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に同軸状に配置された円筒状の外周押圧操作部303bと円柱状の中央押圧操作部303aとからなる押圧操作部303とが取付けられていると共に、回転操作部302の下方に回転操作部302と同じような半円弧のドーナツ形状(半円筒状、若しくは、半チューブ状)で直径の大きな二つの皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが上下に二つ離間して取付けられていると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの両端と連続するように同じような形状の扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453が遊技領域5aの外周を囲むように扉枠ベース101の扉窓101aの外側に取付けられている。
これにより、皿ユニット200において、回転操作部302と二つの皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bとで三つのドーナツ形状の部材が上下に並んでいると共に、回転操作部302、外周押圧操作部303b、及び中央押圧操作部303aが同心円状に並んでいるため、見た目のインパクトを高めることができ、回転操作部302や押圧操作部303を目立たせることができる。
また、皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、及び皿中央上装飾体312aの下方に配置されている皿左下装飾体281、皿右下装飾体286及び皿中央下装飾体312bを、半チューブ状のチューブの太さを若干細くしていると共に、皿中央下装飾体312bの下方に半球面状のユニット下カバー311を備えている。これにより、演出操作ユニット300では下端から上方へ向かうほど大きくなっているため、上下方向に対する遠近感を強調することが可能となり、上側に配置されている遊技者が操作可能な回転操作部302や押圧操作部303を大きく見せることができ、遊技者の関心を皿ユニット200の上面の演出操作ユニット300における回転操作部302や押圧操作部303へ強く引付けさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、皿ユニット200の上面に、ドーナツ形状の回転操作部302を上方へ向かうに従って前方へ位置するように延びている軸周りに回転可能に取付けており、回転操作部302の上面が、前端側が低くなるように傾斜した状態となるため、回転操作部302や押圧操作部303の上面が本パチンコ機1の前方に着座した遊技者の頭(顔)の方向を向くこととなり、遊技者から回転操作部302や押圧操作部303の全容を見え易くすることができ、回転操作部302や押圧操作部303を大きく見せることができる。また、上述したように、回転操作部302や押圧操作部303の全容が判り易くなるため、遊技者に対して回転操作部302がドーナツ形状であることを認識させ易くすることができる。従って、遊技者に対して、ドーナツ形状の回転操作部302が回転操作するものであることを即座に認識させることができるため、遊技者参加型演出が実行された時に、即座に遊技者が回転操作部302を回転操作することができ、回転操作部302の操作により遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部302の直径を上皿201の前後方向の距離よりも大きくしていると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの直径を回転操作部302よりも大きくしており、パチンコ機1の皿ユニット200において、回転操作部302や皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの前端側が上皿201よりも前方へ大きく突出した状態となると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが回転操作部302の外周を装飾している状態となるため、回転操作部302や皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bを大きく目立たせることができると同時に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bによって回転操作部302周りの見栄えを良くすることができる。従って、遊技者に対して、一見して他のパチンコ機とは異なるパチンコ機1であることを認識させることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に対する訴求力を高めることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
[4.本体枠の全体構成]
パチンコ機1における本体枠4の全体構成について、主に図76乃至図82を参照して詳細に説明する。図76はパチンコ機における本体枠の正面図であり、図77はパチンコ機における本体枠の背面図である。図78は本体枠を右前から見た斜視図であり、図79は本体枠を左前から見た斜視図であり、図80は本体枠を後ろから見た斜視図である。図81は本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図82は本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、図示するように、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の上端に取付けられ外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120が回転可能に取付けられる本体枠上ヒンジ部材510と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の下端に取付けられ外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる本体枠下ヒンジ組立体520と、を備えている。
また、本体枠4は、本体枠ベースユニット500の正面視左側面に取付けられる本体枠補強フレーム530と、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、本体枠ベースユニット500の後側における正面視上辺及び左辺に沿って取付けられている逆L字状の払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550の後側に取付けられており遊技者側へ遊技球Bを払出すための払出ユニット560と、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている基板ユニット620と、本体枠ベースユニット500の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、本体枠ベースユニット500の正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、扉枠3側と接続するための接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551と、払出ベース551に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、タンクレール553の上端に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下流側端に取付けられている球止部材557と、を備えている。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501に取付けられるスピーカユニット620aと、本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、スピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501に取付けられるユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
[4−1.本体枠ベースユニット]
本体枠4における本体枠ベースユニット500について、主に図76乃至図84等を参照して詳細に説明する。図83(a)は本体枠における正面左下隅を示す拡大斜視図であり、(b)は本体枠に対して扉枠を開いた時の本体枠の正面左下隅を示す拡大斜視図である。図84の(a)〜(c)は、本体枠に対する扉枠の開閉時における本体枠の接続ケーブル案内部材の動作を示す説明図である。本体枠ベースユニット500は、前方から後部が外枠2の枠内に挿入されると共に、前方から挿入された遊技盤5の外周を保持するものである。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、本体枠ベース501の前面における左下隅に取付けられており接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、本体枠ベース501の前面下部に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501は、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されているベース本体501aと、ベース本体501aの上端よりやや下側の位置から全高の約3/4の高さの範囲で前後に貫通しており遊技盤5が前側から挿入される遊技盤挿入口501bと、遊技盤挿入口501bの下辺を形成しており遊技盤5が載置される遊技盤載置部501cと、遊技盤載置部501cの左右方向中央から上方へ突出しており遊技盤5の下端の左右及び後方への移動を規制する遊技盤規制部501dと、を備えている。
また、本体枠ベース501は、ベース本体501aの前面における遊技盤載置部501cの正面視右下側で後方へ窪んでおり球発射装置540を取付けるための発射装置取付部501eと、発射装置取付部501eの正面視右側で前後に貫通しており施錠ユニット650の伝達シリンダ654が挿通されるシリンダ挿通口501fと、遊技盤載置部501cの正面視左下側で前後に貫通しており基板ユニット620におけるスピーカユニット620aの本体枠スピーカ622を前方へ臨ませる円形状のスピーカ用開口部501gと、本体枠ベース501は、スピーカ用開口部501gの下方で後方へ窪んでいると共に左右に延びており接続ケーブル案内部材502が取付けられるケーブル取付凹部501hと、ケーブル取付凹部501hの正面視右端上部において前後に貫通しているケーブル挿通口501iと、を備えている。
更に、本体枠ベース501は、ベース本体501aにおける遊技盤挿入口501bの正面視右辺から後方へ板状に延出しており、右側面に施錠ユニット650が取付けられると共に、後端に裏カバー640が回動可能に取付けられる後方延出部501jと、ベース本体501aの後面における正面視左端の上下両端部付近に形成されており、本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を取付けるための上ヒンジ取付部501k及び下ヒンジ取付部501lと、を備えている。
本体枠ベース501には、前面における遊技盤載置部501cの下方でスピーカ用開口部501gの右方の位置に、遊技盤ロック部材505が前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。遊技盤ロック部材505は、遊技盤挿入口501bに挿通された遊技盤5の前方への移動を規制可能とすることで、遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5を着脱可能としている。
本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hは、下ヒンジ取付部501lの右端側からスピーカ用開口部501gよりも右方で遊技盤ロック部材505が取付けられ部位の下方の位置まで左右方向に延びている。ケーブル取付凹部501hは、接続ケーブル案内部材502を収容可能な大きさに形成されており、接続ケーブル案内部材502の右端側を上下に延びた軸周りに回転可能に取付けることができる。
本体枠ベースユニット500の接続ケーブル案内部材502は、左右に延びた平板状の案内本体502aと、案内本体502aの上下両辺において夫々前方へ突出していると共に案内本体502aの右端よりも右方へ延出している帯板状の一対の枠片502bと、一対の枠片502bの右端同士を連結している円柱状の取付軸502cと、案内本体502aの上下両端において前後に貫通していると共に左右方向へ列設されている複数の貫通孔502dと、を備えている。
接続ケーブル案内部材502は、左右方向の長さが、本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hの左右方向の長さよりも若干短い長さとされており、ケーブル取付凹部501h内に収容可能な大きさに形成されている。接続ケーブル案内部材502は、取付軸502cが、ケーブル取付凹部501h内における右端付近において上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。これにより、接続ケーブル案内部材502は、左端側が前方へ突出するように回動(ヒンジ回転)することができる。
この接続ケーブル案内部材502は、接続ケーブル503を案内するためのものである。接続ケーブル503は、複数の配線コードからなり、一方の端部が基板ユニット620のインターフェイス基板635に接続されると共に、反対側の端部が扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続される。
続いて、接続ケーブル案内部材502による作用効果について説明する。接続ケーブル案内部材502は、図84等に示すように、本体枠ベース501に対して、左右方向における扉枠3をヒンジ回転可能に取付ける側(左側)とは反対側の端部(右側端部)が、扉枠3のヒンジ軸と平行に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。
そして、本体枠4のインターフェイス基板635と扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105とを接続する接続ケーブル503は、インターフェイス基板635に接続されている側が、接続ケーブル案内部材502の案内本体502aの右方から左方へ延びるように案内本体502aの前面に当接させた状態で、案内本体502aの上下両端側に形成されている複数の貫通孔502dのうち左右方向が同じ位置の一組の貫通孔502dに挿通した結束バンド504により、案内本体502aと一緒に締付けられることで、案内本体502aに取付けられる。
本体枠4の接続ケーブル案内部材502は、パチンコ機1に組立て扉枠3を本体枠4に対して閉じた状態で、扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の後方に位置している(図84(a)を参照)。この状態では、接続ケーブル503が、接続ケーブル案内部材502から左方へ延び出した後、下ヒンジ取付部501lの前方で曲げ返されて扉枠3のケーブルホルダ103aを通って扉枠中継基板カバー107内へ延出している。扉枠3のケーブルホルダ103aは、接続ケーブル案内部材502の左端よりも左方に配置されている。
この状態で、扉枠3を本体枠4に対して開くようにヒンジ回転させると、接続ケーブル案内部材502の左端側が、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている側によって前方へ引っ張られ、接続ケーブル案内部材502が右端の取付軸502cを中心にして回動することとなる。この際に、本実施形態では、扉枠3の開角度αと、接続ケーブル案内部材502の開角度βとの関係が、 α/2≧β (望ましくは、α/3≧β) を満たすように形成されている(図84(b)を参照)。
接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3が閉じている状態(扉枠3の開角度αが0度の状態)では、0度となっている。接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3を開いて開角度αが大きくなるに従って、大きくなるが、開角度αがある程度(例えば、約90度)よりも大きくなると、増加が停止するように推移する。本実施形態では、開角度βの最大角度が、45度未満とされている。
このように、扉枠3を開けた時に、接続ケーブル案内部材502の左端側が、本体枠ベース501よりも前方へ移動するように接続ケーブル案内部材502が回動するため、接続ケーブル案内部材502に接続ケーブル503が案内されることで、扉枠3と本体枠4との間で接続ケーブル503が垂れ下がってしまうのを防止することができる。
開いた扉枠3を閉める時には、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている部位が相対的に後方へ移動することとなるため、接続ケーブル503によって接続ケーブル案内部材502の左端側が後方へ押圧され、接続ケーブル案内部材502が取付軸502cを中心にして左端側が後方へ移動するように回動することとなる。この際に、接続ケーブル案内部材502が、45度未満の開角度βで開いているため、接続ケーブル案内部材502が扉枠3の閉じる方向への移動を阻害することはなく、扉枠3をスムーズに閉めることができる。また、接続ケーブル503が接続ケーブル案内部材502に案内されているため、扉枠3を閉める際に、接続ケーブル503が扉枠3と本体枠4との間に挟まれることはなく、接続ケーブル503に不具合が生じるのを防止することができる。
また、本体枠4に対して扉枠3を閉じた時に、接続ケーブル案内部材502に案内されている接続ケーブル503を、180度折返していることから、接続ケーブル503の折返している部位に、折り癖を付けることができる。これにより、扉枠3を開くことで、接続ケーブル503の180度折返されている部位が開くように変化した時に、折り癖により接続ケーブル503に対して閉じようとする力が作用することとなるため、扉枠3を閉じる際に、その折り癖により接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)が開く方向へ移動するのを阻止することができると共に、接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)を閉じる方向へ誘導させることができ、扉枠3を円滑に閉じさせることができる。
更に、扉枠3側において、折返されている接続ケーブル503を接続ケーブル案内部材502の先端よりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)に近い位置でケーブルホルダ103aによって保持していることから、本体枠4に対して扉枠3を閉じる際に、ケーブルホルダ103aによって保持されている接続ケーブル503により、接続ケーブル案内部材502の先端側を扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側へ引寄せることができる。
また、本実施形態では、接続ケーブル案内部材502の回転中心を通り、扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)を中心として、スピーカダクト103におけるケーブルホルダ103aよりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側で後方へ突出している部位(押圧部)を通る円に接する接線と、本体枠4の前面と交差する角度が、45度以下となるように構成している。これにより、これにより、本体枠4に対して扉枠3を閉じる時に、押圧部が接続ケーブル503に当接することにより、接続ケーブル503を介して開いている接続ケーブル案内部材502の先端側を閉じる方向へ押圧することができるため、扉枠3の閉方向への移動に伴って接続ケーブル案内部材502をスムーズに閉じさせることができ、扉枠3を確実に閉じることができる。また、扉枠3の開閉に伴って回転(開閉)する接続ケーブル案内部材502の最大開角度βを、45度以下とすることができるため、扉枠3を閉じる際に、接続ケーブル案内部材502を閉じる方向へ確実に回転させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
[4−2.本体枠上ヒンジ部材]
本体枠4における本体枠上ヒンジ部材510について、主に図81及び図82等を参照して詳細に説明する。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられ、外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120を回転可能に取付けるものである。
本体枠上ヒンジ部材510は、水平に延びた平板状の板材の後部が下方へL字状に折り曲げられている上ヒンジ本体511と、上ヒンジ本体511の前端から上方へ円柱状に突出しており外枠上ヒンジ組立体50に軸支される本体枠上ヒンジピン512と、を備えている。上ヒンジ本体511は、水平に延びた部位における本体枠上ヒンジピン512の正面視左側で上下方向に貫通しており扉枠上ヒンジ組立体120を軸支するための扉枠用上ヒンジ孔511aを備えている。
本体枠上ヒンジ部材510は、上ヒンジ本体511における下方へ折り曲げられて上下に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられる。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠上ヒンジピン512が、外枠上ヒンジ組立体50における外枠上ヒンジ部材51の軸受溝51c内に挿入されて軸支される。上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aには、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120における扉枠上ヒンジピン122が下方から回転可能に挿入される。
この本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠下ヒンジ組立体520と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4−3.本体枠下ヒンジ組立体]
本体枠4における本体枠下ヒンジ組立体520について、主に図81及び図82等を参照して詳細に説明する。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられ、外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる。
本体枠下ヒンジ組立体520は、水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第一本体521と、下ヒンジ第一本体521の上側に配置されており水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第二本体522と、を備えている。本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521の水平に延びている部位から上方へ間隔をあけて下ヒンジ第二本体522の水平に延びている部位が配置されていると共に、下ヒンジ第一本体521の垂直に延びている部位の前面に、下ヒンジ第二本体522の垂直に延びている部位が当接している。
下ヒンジ第一本体521は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており外枠2の外枠下ヒンジ部材60における外枠下ヒンジピン60cが下方から挿入される外枠用下ヒンジ孔521aを有している。外枠用下ヒンジ孔521aは、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512と同軸上に形成されている。
下ヒンジ第二本体522は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126が上方から挿入される扉枠用下ヒンジ孔522aと、水平に延びている部位の左辺における扉枠用下ヒンジ孔522aよりも後側の位置から上方へ延出しており扉枠3の回動範囲を規制するための規制片522bと、を備えている。扉枠用下ヒンジ孔522aは、本体枠上ヒンジ部材510の上ヒンジ本体511における扉枠用上ヒンジ孔511aと同軸上に形成されている。
本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521と下ヒンジ第二本体522とにおける垂直に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられる。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠上ヒンジ部材510と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4−4.本体枠補強フレーム]
本体枠4における本体枠補強フレーム530について、主に図81及び図82等を参照して詳細に説明する。本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の左側面に取付けられる。本体枠補強フレーム530は、平面視の断面形状が、右側が開放されたコ字状に形成されており、一定の断面形状で上下に延びている。本実施形態では、本体枠補強フレーム530が、金属の押出型材によって形成されている。
本体枠補強フレーム530には、前端から右方へ延びている部位の後側に、本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5が前方及び上下に移動するのを規制する左位置規制部材531が、上下に離間して二つ取付けられている。
本体枠補強フレーム530は、平面視において右側が開放されたコ字状に形成されている前側に、右方へ開放されていると共に上下に延びている溝部530aを有している。この溝部530aは、本体枠4に対して扉枠3を閉じた時に、扉枠3における扉枠補強ユニット110の左補強フレーム111の後部左端が挿入されるものである。溝部530a内に左補強フレーム111が挿入されることで、平面視において、本体枠補強フレーム530と左補強フレーム111との間の隙間が蛇行した状態となり、パチンコ機1の左側面から不正な工具が内部に挿入されることを防止することができる。本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の左側(ヒンジ側)を補強していると共に、外枠2と本体枠4の間を通した左側からの本体枠4内(遊技盤5)への不正な工具の差し込みを防止している。
[4−5.球発射装置]
本体枠4における球発射装置540について、主に図85等を参照して詳細に説明する。図85(a)は本体枠における球発射装置を前から見た斜視図であり、(b)は球発射装置を後ろから見た斜視図である。球発射装置540は、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており、扉枠3における皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球Bを、本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5a内に打込むためのものである。球発射装置540は、扉枠3の前面右下隅のハンドルユニット180のハンドル182の回動角度に応じた強さで遊技球Bを打込むことができる。
球発射装置540は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の発射装置取付部501eに取付けられる平板状の発射ベース541と、発射ベース541の正面視右部の後面に取付けられており回動軸が発射ベース541を貫通して前方へ延出しているロータリーソレノイドからなる発射ソレノイド542と、発射ソレノイド542の回転軸に基端が取付けられている打球槌543と、打球槌543の先端付近から左斜め上方へ延出するように発射ベース541の前面に取付けられており遊技球Bが転動可能な発射レール544と、を備えている。
球発射装置540は、扉枠3の球送給ユニット140から遊技球Bが発射レール544の上面右端に供給されるようになっており、発射レール544の上面右端に遊技球Bが供給されている状態で、ハンドル182を回動操作すると、その回動操作角度に応じた強さで発射ソレノイド542が駆動して、打球槌543により遊技球Bを打球する。そして、打球槌543により打たれた遊技球Bは、発射レール544を通って遊技盤5の外レール1001及び内レール1002に案内されて遊技領域5a内に打込まれる。
なお、遊技球Bの打込強さ等の関係で、打球した遊技球Bが遊技領域5a内に到達しなかった場合は、発射レール544と遊技盤5(外レール1001及び内レール1002)との間から、下方のファールカバーユニット150のファール球受口150cへ落下し、ファールカバーユニット150内を通って下皿202に排出される。
[4−6.払出ベースユニット]
本体枠4における払出ベースユニット550について、主に図86等を参照して詳細に説明する。図86(a)は本体枠の払出ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ベースユニットを後ろから見た斜視図である。払出ベースユニット550は、逆L字状に形成されており、本体枠ベースユニット500の後側に取付けられる。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551を備えている。払出ベース551は、前後方向が略一定の幅で左右に延びている天板部551aと、天板部551aの正面視左辺から前後方向の幅が天板部と略同じ幅で下方へ長く延びている左側板部551bと、天板部551aの正面視右辺から前後方向の幅が天板部551aと略同じ幅で下方へ短く延びている右側板部551cと、天板部551aの後辺から右側板部551cの下辺と同じ位置まで下方へ延びている背板上部551dと、左側板部551bの後辺よりも前方寄りの位置から右方へ略一定の幅で下端付近まで延びている背板左部551eと、背板左部551eの右辺から後方へ左側板部551bの後辺と同じ位置まで延びている内側板部551fと、左側板部551bの下辺の前部から右方へ背板左部551eの右辺と略同じ位置まで延びている底板部551gと、底板部551gの右辺と内側板部551fの下辺とを連結している連結板部551hと、を備えている。払出ベース551は、正面視において逆L字状に形成されており、前方とL字の内方へ開放された箱状に形成されている。
払出ベース551は、天板部551aが本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bの左右方向の幅と略同じ長さで左右に延びていると共に、左側板部551bが遊技盤挿入口501bの上下方向の高さと略同じ長さで上下に延びている。払出ベース551は、天板部551a、左側板部551b、及び右側板部551cの前端が本体枠ベース501の後側に取付けられる。
また、払出ベース551は、左側板部551b、背板左部551e、及び内側板部551fによって、後方へ開放されており上下に延びている浅い凹部状の部位を備えており、その部位に払出ユニット560が取付けられる。また、払出ベース551は、内側板部551fの正面視右側面の上部において右方へ突出しており、裏カバー640が取付けられる裏カバー取付部551iを有している。
払出ベースユニット550は、払出ベース551の天板部551aの上面に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、払出ベース551の左右に延びている部位の上側における球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、を備えている。
また、払出ベースユニット550は、タンクレール553の上端における左右方向の途中に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられておりタンクレール553の左端まで延びている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下端における正面視左端付近に取付けられている球止部材557と、を備えている。
球タンク552は、左右方向が払出ベース551の天板部551aの左右方向の幅の約半分の長さに形成されていると共に、前後方向が天板部551aの前後方向の奥行よりも短い長さに形成されている。球タンク552は、天板部551aの上面において、左右方向の右寄りの位置に取付けられている。球タンク552の底面は、左端側が低くなるように傾斜している。球タンク552は、左端側がタンクレール553と連通している。
タンクレール553は、払出ベース551の天板部551aの上面における左右方向中央より左側の後端付近に取付けられている。タンクレール553は、平面視の形状が、球タンク552と連通している右端から左方且つ後方へ斜めで前後方向の奥行が遊技球Bの外径の数倍の奥行から略一つ分の奥行になるように延びた後に、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい奥行で左方へ真直ぐに延びた形状に形成されている。タンクレール553は、左端側が低くなるように底面が傾斜しており、底面の左端が遊技球Bの外径よりも若干大きい大きさで下方へ向かって開口している。タンクレール553の底面の左端の開口が、払出ユニット560の球誘導ユニット570における誘導通路570aの上端開口と連通している。
また、タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の上端が、左端側の高さが遊技球Bの外径よりも若干大きい高さとなるように、底面よりも水平に対して急な角度で左端側が低くなるように傾斜している。タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の後端が、天板部551aの後辺と略一致するように天板部551aの上面に取付けられる。また、タンクレール553は、左方へ真直ぐ延びている部位の上端に、第一レールカバー554、第二レールカバー555、球整流部材556、及び球止部材557が取付けられる。
第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、タンクレール553における左方へ真直ぐに延びている部位の上端に取付けられる。第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、タンクレール553の上端の前後方向の奥行が、タンクレール553内の遊技球Bの圧力によって、広がったり、狭くなったりするのを防止するためのものである。
球整流部材556は、タンクレール553の上端における第一レールカバー554と第二レールカバー555との間に部位において、第一レールカバー554側の端部が前後方向に延びた軸周りに対して回転可能に取付けられている。球整流部材556は、タンクレール553内へ突出し左右方向に延びている整流片556aを備えている(図92を参照)。この整流片556aによって上下二段になって流通している遊技球Bの上段側の遊技球Bの流れを遅らせて、下流側では一段となって流れるように整流することで、タンクレール553内の高さが低くなっても球詰りしないようにしている。
球止部材557は、タンクレール553の下面における正面視左端付近において、左右方向へスライド可能に取付けられており、左方へスライドさせることで、タンクレール553の底面左端の開口を閉鎖して、タンクレール553から下流の払出ユニット側へ遊技球Bが流通しないようにすることができる。
更に、払出ベースユニット550は、払出ベース551の左右に延びている部位の上面における球タンク552の正面視左方に取付けられている外部端子板558を、更に備えている。外部端子板558は、パチンコ機1とパチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備との間で電気的な接続を行うためのものである。外部端子板558は、図示は省略するが、本体枠ベース501の遊技盤挿入口501b側へ臨んだアース接続部を備えている。アース接続部には、遊技盤5側から延びたアース線が接続される。
[4−7.払出ユニットの全体構成]
本体枠4における払出ユニット560の全体構成について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。図87(a)は本体枠における払出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。図88(a)は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。払出ユニット560は、払出ベースユニット550の払出ベース551の背板左部551eの後面に取付けられるものである。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570の下側に配置されており球誘導ユニット570により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
球誘導ユニット570は、タンクレール553により一列に整列された遊技球Bを、払出装置580へ供給する。払出装置580は、球誘導ユニット570から供給された遊技球Bが流通可能な払出通路580aと、払出通路580aの途中から分岐している球抜通路580bとを有しており、通常の状態では、払出制御基板633からの指示に基づいて払出通路580aから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出し、球抜レバー593が操作される球抜通路580bから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出するものである。
上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bと、球抜通路580bから放出された遊技球Bとを、分けて下方へ誘導するものである。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600を介して、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bを扉枠3側へ誘導し、球抜通路580bから放出された遊技球Bを基板ユニット620側へ誘導するものである。
[4−7a.球誘導ユニット]
払出ユニット560における球誘導ユニット570について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。球誘導ユニット570は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面上部に後方から取付けられ、タンクレール553からの遊技球Bを受取って払出装置580側へ遊技球Bを誘導するためのものである。
球誘導ユニット570は、遊技球Bが流通可能な蛇行状に延びた誘導通路570aを有しており前方へ開放されている箱状の誘導ユニットベース571と、誘導ユニットベース571の前側を閉鎖している平板状の誘導通路前蓋572と、誘導通路570a内を流通する遊技球Bにより可動する可動片部材573と、可動片部材573の可動を検知することで誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知する球切検知センサ574と、を備えている(図92を参照)。
球誘導ユニット570は、誘導ユニットベース571及び誘導通路前蓋572の正面視の形状が、上下に延びた四角形に形成されている。誘導通路570aは、誘導ユニットベース571の上面の左端付近において上方へ開口しており、上端から誘導ユニットベース571の高さ方向中央付近まで垂直に下方へ延びた後に、右方へ屈曲し、誘導ユニットベース571の左右方向の幅の間で折返しを繰返しながら蛇行状に下方へ延びて、誘導ユニットベース571の下面の左端付近において下方へ開口している。
誘導通路570aは、遊技球Bが流通する流通方向に対して、前後右方の奥行と、左右方向の幅とが、遊技球Bの外径よりも若干大きく形成されており、遊技球Bを一列で誘導することができる。
球誘導ユニット570は、上部付近において、可動片部材573が誘導通路570a内へ進退可能に取付けられている。詳しくは、可動片部材573は、上部が誘導通路570aの正面視右外側の部位で前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており、自重により下端の一部が誘導通路570a内へ突出するように形成されている。この可動片部材573は、誘導通路570a内へ突出している部位に遊技球Bが当接することで、突出している部位が遊技球Bに押されて誘導通路570a内から後退して突出していない状態となる。
球切検知センサ574は、可動片部材573の一部が誘導通路570a内へ突出している時には、可動片部材573を検知せず、可動片部材573の一部が誘導通路570a内から後退して突出していない時には、可動片部材573を検知する。従って、球切検知センサ574は、誘導通路570a内に遊技球Bが存在している時には検知の状態となり、誘導通路570a内に遊技球Bが存在していない時には非検知の状態となる。
球誘導ユニット570は、本体枠4に組立てた状態で、誘導通路570aの上流端が、タンクレール553の下流端と連通していると共に、誘導通路570aの下流端が、払出装置580の払出通路580aの上流端と連通している。球誘導ユニット570は、遊技球Bを誘導する誘導通路570aが蛇行状に延びていることから、球誘導ユニット570の全高によりも誘導通路570aが長く延びており、誘導通路570a内に多くの遊技球Bを貯留することができる。また、球誘導ユニット570は、球切検知センサ574によって誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知することができるため、誘導通路570aを介して球タンク552内の遊技球Bの有無を検知することができる。
[4−7b.払出装置]
払出ユニット560における払出装置580について、主に図87乃至図90等を参照して詳細に説明する。図89は、払出ユニットの払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図である。図90(a)は球抜可動片が開状態の時に払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図であり、(b)は(a)におけるA−A線で切断した断面図である。払出装置580は、払出ベースユニット550の払出ベース551における背板左部551eの後面の球誘導ユニット570の下側に後方から着脱可能に取付けられる。
払出装置580は、後方へ開放された箱状で遊技球Bが流通可能な払出通路580a及び払出通路580aの途中から分岐している球抜通路580bを有している払出装置本体581と、払出装置本体581を後側から閉鎖している平板状の払出装置後蓋582と、払出装置本体581の前側に取付けられており後方へ開放された浅い箱状の払出装置前蓋583と、を備えている。
また、払出装置580は、払出装置本体581の後面に取付けられており回転軸が払出装置本体581と払出装置前蓋583との間に突出している払出モータ584と、払出モータ584の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア585と、駆動ギア585と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア586と、第一伝達ギア586と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア587と、第二伝達ギア587と噛合している平歯車状の払出ギア588a及び払出ギア588aよりも外方へ延出している複数の検知片588bを有し払出装置本体581と払出装置前蓋583との間で回転可能に取付けられている払出ギア部材588と、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間で払出ギア部材588と一体回転し払出通路580a内に突出している複数の羽根片589aを有した払出羽根589と、払出装置本体581の後側に取付けられており払出ギア部材588の検知片588bを検知する羽根回転検知センサ590と、を備えている。
更に、払出装置580は、払出通路580aの下流端において払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって取付けられており遊技球Bを検知する払出検知センサ591と、払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって払出通路580aから分岐する部位で球抜通路580bを開閉可能に取付けられている球抜可動片592と、球抜可動片592が球抜通路580bを閉鎖している位置で保持可能とされており払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって上下方向へスライド可能に取付けられている球抜レバー593と、を備えている。
払出装置580は、平面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。払出装置580は、左右方向の幅が、球誘導ユニット570の左右方向の幅よりも正面視右方へ大きく形成されている。
払出装置580の払出通路580aは、図89に示すように、背面視において、上流端が左右方向の中央から左寄りの位置で上方へ開口しており、下流端が左右方向の右端付近の位置で下方へ開口している。払出通路580aは、上流端から下方へ向かうに従って少しずつ左方へ移動するように上から全高の約1/3の高さほど下方へ斜めに延び、そこから右方やや斜め下へ折れ曲がった後に、左右の幅の約1/3のところで折れ曲がって払出羽根589の中心(回転軸)へ向かうように下方へ略垂直に延びている。そして、払出羽根589の中心よりも上側において、遊技球Bの外径よりも若干大きい幅で背面視右方へ折れ曲がった後に、払出羽根589の外周との間に遊技球Bよりも若干大きい隙間が形成されるように払出羽根589と同心円の円弧状に下方へ延びた上で、払出羽根589の中心よりも背面視右方の位置で下流端まで下方へ垂直に延びている。
払出通路580a内において、払出羽根589よりも下方で下流端の直上に払出検知センサ591が配置されている。
球抜通路580bは、払出通路580a内における上流端から斜め下方へ延びて右方へ折れ曲がっている部位で分岐して、背面視左辺に沿って下端まで垂直に延びており、底面の背面視における左端付近で下方へ開口している。
払出装置本体581及び払出装置後蓋582は、払出通路580aと球抜通路580bとが分岐している部位における球抜可動片592が取付けられている側において、互いに対向し遊技球Bの外径よりも狭い隙間を形成するように夫々から後方及び前方へ突出していると共に、夫々が払出通路580aと球抜通路580bの背面視における左側壁と連続するように形成されている本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aを備えている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、払出通路580aにおける球抜通路580bと分岐して上から約1/3の高さの位置で背面視右方へ延びている部位の背面視左方の位置に形成されている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、背面視において左斜め上へ窪むように湾曲しており、主に球抜通路580bの側壁を構成するように形成されている。本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って球抜可動片592が回動する。
払出モータ584は、払出装置本体581における払出通路580aが上流端から斜め下方へ延びている部位の背面視右方に取付けられている。駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、及び払出ギア部材588は、払出装置本体581の前方に配置されており、前側が払出装置前蓋583によって被覆されている。払出ギア部材588は、外方へ延出している平板状の検知片588bが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。
払出羽根589は、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間に配置されている。払出羽根589は、外方へ平板状に延出している複数の羽根片589aが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。羽根片589aは、払出通路580a内における上方から回転軸に向かって延びた後に背面視右方へ延びている部位において、払出通路の側壁との間が遊技球Bの外径よりも狭くなるように、払出通路580a内へ突出している。払出羽根589は、三つの羽根片589aの間に、中心側へ遊技球Bの半径よりも若大きい半径の円弧で窪んだ球収容部589bを備えている。この球収容部589bには、遊技球Bを一つのみ収容可能とされている。これにより、払出羽根589は、羽根片589aによって払出通路580a内の遊技球Bが、払出羽根589よりも下流側へ移動するのを規制することができると共に、背面視時計回りの方向へ回転することで球収容部589bに収容された遊技球Bを下流側へ移動させることができる。
払出ギア部材588と払出羽根589は、払出装置後蓋582と払出装置前蓋583とによって同軸上で一体回転可能に取付けられている。羽根回転検知センサ590は、背面視において、払出ギア部材588の回転軸の背面視左方に配置されている。羽根回転検知センサ590は、払出羽根589と一体回転する払出ギア部材588の検知片588bを検知することで、払出羽根589の回転を検知するためのものである。
球抜可動片592は、上端が、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの上端において前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている。球抜可動片592は、く字状に屈曲しており、窪んでいる側が払出通路580a内を向くように取付けられている。球抜可動片592は、前後方向の奥行が、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間の隙間よりも小さく形成されており、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの間の隙間を通って、球抜通路580b内へ突出したり球抜通路580b外へ後退したりすることができる。
球抜レバー593は、球抜可動片592の上端付近の背面視左方において上下方向へスライド可能に、払出装置本体581及び払出装置後蓋582に取付けられている。球抜レバー593は、一部が払出装置後蓋582を貫通して後方へ突出しており、その突出している部位を操作することで、スライドさせることができる。球抜レバー593は、下降端に位置させることで、下部が球抜可動片592と当接可能となり、球抜可動片592の背面視時計回りの方向への回動を規制することができ、球抜可動片592によって球抜通路580bを閉鎖させることができる。また、球抜レバー593は、上昇端に位置させることで、球抜可動片592を球抜通路580bの外側へ回動できるようにすることができ、球抜通路580bを開くことができる(図90を参照)。
球抜レバー593を上昇させて球抜可動片592を回動可能な状態とすると、球抜可動片592の上流側で数珠繋ぎのような状態となっていた遊技球Bが、球抜可動片592を越えて球抜通路580b側へ流下することとなる。この際に、球抜通路580bが払出通路580aの上流側から真直ぐに直線状に延びているため、払出通路580aの上流から流下してきた遊技球Bが、真直ぐに球抜通路580b側へ流下すると共に、球抜通路580bの下流側が島設備側に連通していることから、払出羽根589のように遊技球Bの流れを抑制するようなものがないため、遊技球Bが払出通路580a側よりも早く流下することとなる。
このように、球抜可動片592を回動可能としている状態では、球抜通路580b内を遊技球Bが早い速度で流下することから、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592の下端側に遊技球Bが勢い良く当接することとなるが、球抜可動片592が払出装置本体581の本体側ガイド壁581aと払出装置後蓋582の後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの内面よりも外側へ移動することができることから、その当接の力によって球抜可動片592が球抜通路580bの外側へ移動することとなるため、球抜可動片592が球抜通路580bの壁面と遊技球Bとの間に挟まれることはなく、遊技球Bにより球抜可動片592に強い力が作用しないようにすることができ、遊技球Bの衝突による球抜可動片592の耐久性の低下や破損を抑制させることができる。
このようなことから、球抜可動片592を破損し難くすることができることから、球抜通路580bの下流側の島設備側へより多くの遊技球Bをより早く排出させることができるため、パチンコ機1の交換やメンテナンス等にかかる時間の増加を抑制させることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、球抜可動片592が回動可能な状態の時に、球抜可動片592が遊技球Bよりも狭い間隔の本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの外側へ移動するため、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592に遊技球Bが当接することで球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して外側へ移動する際に、球抜可動片592と一緒に遊技球Bが本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間側へ移動しても、遊技球Bよりも間隔の狭い本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間により、遊技球Bのみが外側への移動を阻止することができる。
そして、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間によって遊技球Bの外側への移動が阻止されることで、球抜可動片592から遊技球Bが離れることとなり、その後の球抜可動片592の移動が慣性力によることとなるため、球抜可動片592に対して強い力が作用することはなく、球抜可動片592を破損し難くすることができると共に、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間から遊技球Bが球抜通路580bの外側へ飛び出すことはなく、遊技球Bを球抜通路580bの下流側へ確実に流通させることができる。
[4−7c.上部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における上部満タン球経路ユニット600について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。上部満タン球経路ユニット600は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面下部で払出装置580の下側に後方から取付けられる。上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580から下方へ放出され遊技球Bを、下部満タン球経路ユニット610へ誘導するためのものである。上部満タン球経路ユニット600は、正面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。
上部満タン球経路ユニット600は、払出ベース551に取付けられ後側が開放された箱状の上部満タンベース601と、上部満タンベース601の後側に取付けられており前側が開放された箱状の上部満タンカバー602と、上部満タンカバー602の上端付近に回転可能に取付けられており払出装置580を上方へ押圧可能な払出装置押圧部材603と、を備えている。上部満タンベース601は、正面視右辺から右方へ突出しており、裏カバーを取付けるための裏カバー取付部601aを備えている。
また、上部満タン球経路ユニット600は、上面における正面視左端付近において上方へ開口しており下から全高の約2/3の高さの位置まで左辺に沿って下方へ延出している上部払出球受通路600aと、上部払出球受通路600aと連通しており正面視右方へ全幅の約3/4ほど延びていると共に下から全高の約1/6の高さまで下方へ延出している上部球貯留通路600bと、上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視左側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部通常払出通路600cと、上部通常払出通路600cと隣接し上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視右側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部満タン払出通路600dと、上面における正面視右端付近において上方へ開口して下方へ略垂直に延びた後に下面の右端付近において下方へ開口している上部球抜通路600eと、を備えている(図92を参照)。
上部満タン球経路ユニット600は、下面において、正面視左側から、上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eが、順に並んで下方へ開口している。上部満タン球経路ユニット600は、払出ユニット560に組立てた状態で、上部払出球受通路600aの上流端が、払出装置580における払出通路580aの下流端の直下で開口しており、上部球抜通路600eの上流端が、払出装置580における球抜通路580bの下流端の直下で開口している。これにより、払出装置580の払出通路580aから放出(払出)された遊技球Bは、上部払出球受通路600a及び上部球貯留通路600bを通って、上部通常払出通路600c又は上部満タン払出通路600dの何れかから下方へ放出される。また、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部球抜通路600eを通って下方へ放出される。
[4−7d.下部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。下部満タン球経路ユニット610は、払出ベースユニット550における払出ベース551の底板部551gに載置されると共に、上部満タン球経路ユニット600の下部に取付けられる。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600から下方へ放出された遊技球Bを、扉枠3側へ誘導したり、基板ユニット620側へ誘導したりするものである。下部満タン球経路ユニット610は、前端側が低くなるように前後方向に延びていると共に、後端が上方へ延びている。
下部満タン球経路ユニット610は、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cを有しており前後方向に延びていると共に上方へ開放されている下部満タンベース611と、下部満タンベース611の上側に取付けられている下部満タンカバー612と、下部満タンベース611の前端に前後に延びた軸周りに回動可能に取付けられており下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を開閉可能としている払出通路開閉扉613と、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を閉鎖する方向へ払出通路開閉扉613を付勢している閉鎖バネ614と、を備えている。
下部満タン球経路ユニット610は、後端の上方へ延びている部位の上面に、正面視左から順に、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cが並んだ状態で、夫々の上流端が上方へ向かって開口している。下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bは、左右に並んだ状態で前方へ延びた上で、下部満タン球経路ユニット610の前端において前方へ向かって開口している。下部満タン払出通路610bは、下部通常払出通路610aよりも若干低い状態で前方へ延びている。下部球抜通路610cは、下部満タン払出通路610bの正面視右側面に沿って前方へ延びており、前後方向の途中において右方へ向かって開口している。
払出通路開閉扉613は、下部通常払出通路610aと下部満タン払出通路610bとの夫々の前端開口の間の位置で回動可能に取付けられている。この払出通路開閉扉613は、閉鎖バネ614によって正面視時計回りの方向へ付勢されており、通常の状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の前端開口(下流端開口)を閉鎖している。払出通路開閉扉613は、前方へ突出している作動突部613aを備えている。作動突部613aは、正面視の形状が、払出通路開閉扉613の回動中心を中心とした短い円弧状に形成されており、前端面が、反時計回りの方向の端部側へ近付くに従って前方へ突出するように傾斜している。この作動突部613aは、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、扉枠3におけるファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接するように形成されている。
下部満タン球経路ユニット610は、払出ユニット560に組立てた状態で、後部上端において上方へ開口している下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、下部球抜通路610cが、夫々上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eの下流端の直下に位置している。これにより、上部通常払出通路600cから下方へ放出された遊技球Bは、下部通常払出通路610aを流通し、上部満タン払出通路600dから下方へ放出された遊技球Bは下部満タン払出通路610bを流通し、上部球抜通路600eから下方へ放出された遊技球Bは下部球抜通路610cを流通することとなる。
また、下部満タン球経路ユニット610は、パチンコ機1に組立てた状態で、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端(下流端)が、扉枠3におけるファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bの直後で開口している。また、下部球抜通路610cの下流端は、基板ユニット620のベースユニット620bにおける左方へ開口した球抜誘導部627と対向するように開口している。
下部満タン球経路ユニット610は、通常の状態(本体枠4に対して扉枠3を閉じている状態)では、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接することで、閉鎖バネ614の付勢力に抗して正面視反時計回りの方向へ回動している。これにより、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の下流端の開口が開いた状態となっており、ファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bと連通した状態となっている。
一方、本体枠4に対して扉枠3を開いた状態とすると、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fから離れることとなり、払出通路開閉扉613が閉鎖バネ614の付勢力によって正面視時計回りの方向へ回動し、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の下流端の開口が閉じられた状態となる。この状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610b内の遊技球Bが、夫々の前端開口から前方へ移動することができなくなる。これにより、本体枠4に対して扉枠3を開けても、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bから遊技球Bがこぼれることはない。
[4−7e.払出ユニットにおける遊技球の流れ]
続いて、払出ユニット560における遊技球Bの流れについて、主に図92を参照して詳細に説明する。払出ユニット560は、本体枠4に組立てた状態では、払出ベース551の後面に取付けられている。通常の状態では、払出装置580の球抜レバー593が下降端に位置しており、払出通路580aから分岐している球抜通路580bを分岐部分において閉鎖している。また、下部満タン球経路ユニット610では、払出通路開閉扉613が開状態となっている。
上方へ開放されている球タンク552には、パチンコ機1を設置している遊技ホール島設備から、例えば、球誘導ユニット570の球切検知センサ574による球切れの検知に基づいて、所定数の遊技球Bが供給される。球タンク552に供給・貯留された遊技球Bは、タンクレール553によって一列に整列された状態で、球誘導ユニット570の誘導通路570aを通って払出装置580の払出通路580a内へと送られる。払出モータ584が回転していない状態では、遊技球Bが払出羽根589よりも下流側へ移動(流下)することができず、払出羽根589よりも上流側に複数の遊技球Bが滞留した状態となる。
そして、球誘導ユニット570の誘導通路570a内の遊技球Bが可動片部材573を押圧し、球切検知センサ574が可動片部材573を検知することなる。これにより、少なくとも可動片部材573から払出羽根589までの間の通路内に遊技球Bが貯留されていることが判る。
この状態で、払出モータ584により払出羽根589が背面視時計周りの方向へ回転すると、球収容部589bに収容された遊技球Bが背面視時計回りの方向へ移動し、払出通路580aにおける払出羽根589よりも下流側へ放出される。そして、払出羽根589(球収容部589b)から放出された遊技球Bは、払出検知センサ591に検知された後に、上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへと送られる。
上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへ送られた遊技球Bは、通常の状態では、上部球貯留通路600bを通って、上部払出球受通路600aの直下に配置されている上部通常払出通路600cへと流下する。そして、上部通常払出通路600cへと流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a、扉枠3のファールカバーユニット150の貫通球通路150aを通って、皿ユニット200における皿ユニットベース211の上皿球供給口211aから上皿201内へ放出される。
払出装置580から多くの遊技球Bが払出されて、上皿201内が遊技球Bで一杯になると、上皿球供給口211aから前方へ遊技球Bを放出することができなくなるため、払出装置580から払出された遊技球Bが、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a内に滞留するようになり、更に遊技球Bが払出されると、下部通常払出通路610aと上流側で連通している上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c内にも滞留することとなる。そして、上部通常払出通路600c内が遊技球Bで一杯になった状態で、更に遊技球Bが払出されると、上部通常払出通路600cの上流側で連通している上部球貯留通路600b内に遊技球Bが滞留し始める共に、遊技球Bが上部通常払出通路600cと隣接している上部満タン払出通路600d側へ流下し初める。
そして、上部満タン払出通路600d側へ流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部満タン払出通路610bを通って、扉枠3のファールカバーユニット150における満タン球受口150bに受けられる。その後、満タン球受口150bに受けられた遊技球Bは、貯留通路150e、球放出口150d、及び皿ユニットベース211の下皿球供給口211cを通って下皿202内へ放出される。これにより、上皿201が遊技球Bで満タンになった状態で、更に遊技球Bが払出された場合、遊技球Bを自動的に下皿202へ払出させることができる。
なお、下皿202が遊技球Bで一杯になって、下皿球供給口211cから前方へ遊技球Bを放出することができなくなった状態で、更に遊技球Bが払出されると、下皿球供給口211cの上流側のファールカバーユニット150の貯留通路150e内に遊技球Bが滞留して貯留されることとなる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、可動片153が可動して満タン検知センサ154に検知され、上皿201及び下皿202が遊技球Bで満杯(満タン)になっていることを遊技者に案内すると共に、払出装置580の払出モータ584を、満タン検知センサ154が非検知の状態となるまで一時的に停止させる。
パチンコ機1のメンテナンスや交換等の際に、球タンク552内に貯留されている遊技球Bをパチンコ機1から排出する場合は、払出装置580の球抜レバー593を下降端の位置から上方へスライドさせて上昇端の位置の状態とする。その後、球抜可動片592の下端側が遊技球Bに押されて、背面視時計回りの方向へ回動することとなり、球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って、球抜通路580bの外側へ押し出された状態となる。これにより、払出通路580aから分岐している球抜通路580bへ遊技球Bが進入可能となり、上流側の遊技球Bが球抜通路580bを通って下方へ放出される。
この際に、球抜可動片592の部位では、流下する遊技球Bが、球抜可動片592よりも本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aに強く当接するため、球抜可動片592が破損し難くなっている。
そして、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部満タン球経路ユニット600の上部球抜通路600e、及び下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cを通って、下部球抜通路610cの下流端開口から基板ユニット620の球抜誘導部627へ放出された後に、排出球受部628及び球排出口629を通ってパチンコ機1の後方外部(遊技ホールの島設備側)に排出される。
[4−8.基板ユニット]
本体枠4における基板ユニット620について、主に図93乃至図97等を参照して詳細に説明する。図93(a)は本体枠の基板ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は基板ユニットを後ろから見た斜視図である。図94は、基板ユニットを後ろ下から見た斜視図である。図95は基板ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図96は基板ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図97は、左右方向中央で切断したパチンコ機の下部を示す拡大側面断面図である。基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカユニット620aと、スピーカユニット620aの一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、払出制御ユニット620dの一部を後方から覆うようにスピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
スピーカユニット620aは、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカカバー621と、スピーカカバー621の後面における正面視左端付近において前方へ向けて取付けられている本体枠スピーカ622と、本体枠スピーカ622の後側を覆うようにスピーカカバー621の後側に取付けられており前方へ開放された容器状のスピーカボックス623と、を備えている。
スピーカカバー621は、左右方向へ延びており、正面視左端付近において前後に貫通しており上下に延びた複数のスリットにより構成されている円形状のスピーカ取付部621aと、スピーカ取付部621aの正面視右方側で後方から前方へ膨出するように窪んでいる空間用前凹部621bと、空間用前凹部621bの下面から下方へ突出していると共に左右方向へ延びており斜め下後へ向けて開口している接続部621cと、を備えている。
スピーカカバー621のスピーカ取付部621aに、後側から本体枠スピーカ622が前方へ向けて取付けられる。また、スピーカカバー621の接続部621cは、下端が外枠2の外枠下組立体40における幕板後部材43の接続筒部43aの上端と一致するように45度の角度で傾斜している。本体枠スピーカ622は、主に低音を出力するコーン型スピーカとされている
スピーカボックス623は、前方へ開放された容器状に形成されており、本体枠スピーカ622の後側となる部位が後方へ最も大きく突出しており、正面視右方へ向かうに従って、階段状に後方への突出が小さくなるように形成されている。これにより、スピーカボックス623の正面視中央より右側の後方の空間を十分に確保することができ、ベースユニット620bや電源ユニット620c等が配置できるようにしている。スピーカボックス623は、スピーカカバー621の接続部621cを除いた後面の全体を被覆する(閉じる)ように形成されている。
スピーカユニット620aは、スピーカカバー621とスピーカボックス623とで本体枠スピーカ622から後方へ出力されるサウンドを封じ込めるエンクロージャ624の一部を形成している。このエンクロージャ624は、スピーカカバー621においてスピーカ取付部621aの正面視右方に前方へ膨出した空間用前凹部621bが形成されていることから、スピーカボックス623が右方へ向かうに従って後方への突出量が小さくなるように階段状に形成されていても、本体枠スピーカ622よりも右方の空間を充分に広く確保されている。
スピーカユニット620aは、外枠2に対して本体枠4を閉じた状態とすると、スピーカカバー621の接続部621cがシール部材48を挟むように接続筒部43aに接続され、本体枠スピーカ622の後方の空間と、外枠2の幕板内部空間40aとが連通した状態となる。従って、本体枠スピーカ622の後側に、スピーカカバー621、スピーカボックス623、幕板前部材42、及び幕板後部材43によって、広い空間のエンクロージャ624を形成することができ、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを幕板前部材42の開口部42aから前方へ出力(放射)させることができる。
詳述すると、上述したように、スピーカユニット620aでは、本体枠スピーカ622の後方の空間(エンクロージャ624の一部)を、比較的広い奥行で正面視右方まで延出させて、接続部621c及び接続筒部43aを介して外枠下組立体40側へ連通させていることから、本体枠スピーカ622から後方へ出力されたサウンドにおいて、特に低音域を減衰させることなく、外枠下組立体40側へ伝達させることができると共に、伝達された低音域を二つのポート部材47を通すことで共振・増幅させて幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射することができる。
この際に、幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射されるサウンドは、位相が反転された状態で、放射されるようにしているため、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されたサウンドに対して、増幅させるように共振することとなり、本体枠スピーカ622の口径が小さくても重低音が響く大きなサウンドを出力することができる。
つまり、本実施形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。これにより、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されるサウンドと、本体枠スピーカ622の後面から出力されて外枠2のグリル部材46から放射されるサウンドとによって、豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
また、スピーカユニット620aは、スピーカカバー621に、スピーカ取付部621aの下部と空間用前凹部621bとの間の位置で前後方向に貫通している貫通口621dが形成されていると共に、スピーカボックス623に、貫通口621dと連通して筒状に延びており前後に貫通している貫通筒623aが形成されている。スピーカユニット620aに組立てた状態では、貫通口621dと貫通筒623aが互いに連通し、エンクロージャ624とは独立した状態となる。これら貫通口621d及び貫通筒623aには、接続ケーブル503が挿通される。
基板ユニット620のベースユニット620bは、スピーカボックス623の一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられる前ベース625と、前ベース625の後側に取付けられており後面に電源ユニット620cが取付けられる後ベース626と、を備えている。
また、ベースユニット620bは、前ベース625と後ベース626とで協働して形成しており、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って正面視右方へ誘導する球抜誘導部627と、球抜誘導部627の下流側で正面視右方において上方へ開口しており遊技盤5から下方に排出された遊技球Bを受ける排出球受部628と、球抜誘導部627及び排出球受部628を通った遊技球Bを下方へ排出する球排出口629と、を備えている。
球抜誘導部627は、上流端が正面視において左側面の上部に左方へ向けて開口しており、下流端が排出球受部628の左端側に開口している。球抜誘導部627は、本体枠4に組立てた状態で、上流端の開口が、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cの下流端開口と一致するように対向しており、下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って、排出球受部628へ誘導することができる。
排出球受部628は、上方へ開放されていると共に、左右に長く延びている。排出球受部628の底面は、正面視左端が球抜誘導部627の底面と連続しており、右方へ向かうに従って低くなるように傾斜している。
ベースユニット620bは、球タンク552から抜かれた遊技球Bや、遊技盤5から排出された遊技球Bを、球抜誘導部627や排出球受部628によって正面視右方へ誘導した後に、球排出口629から下方へ排出するようにしているため、正面視において左右方向中央より左側の空間を広く確保し易くすることができる。これにより、スピーカユニット620aのエンクロージャ624の空間を広くすることができ、従来のパチンコ機よりも豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
基板ユニット620の電源ユニット620cは、ベースユニット620bの後ベース626の後側に取付けられている電源基板630と、電源基板630の後側を覆うように後ベース626に取付けられている電源基板カバー631と、を備えている。
払出制御ユニット620dは、電源ユニット620cにおける電源基板カバー631の後側に着脱可能に取付けられる箱状の払出制御基板ボックス632と、払出制御基板ボックス632内に収容されている払出制御基板633(図97を参照)と、を備えている。払出制御基板633は、皿ユニット200における球貸操作ユニット220の球貸ボタン224の押圧操作や、遊技盤5の主制御基板1310等からの払出コマンドに応じて、払出装置580の払出モータ584を制御して、指示された数の遊技球Bを遊技者側(上皿201又は下皿202)に払出すためのものである。払出制御基板ボックス632は、開閉の痕跡が残るように形成されている。これにより、払出制御基板633に対する不正な改造を察知することができ、不正行為に対する抑止力を高めている。
インターフェイスユニット620eは、スピーカユニット620aにおけるスピーカボックス623の後側に取付けられている基板ベース634と、基板ベース634の後面に取付けられているインターフェイス基板635と、インターフェイス基板635の後側を覆うように基板ベース634に取付けられているインターフェイス基板カバー636と、を備えている。
基板ベース634は、スピーカボックス623の後面における本体枠スピーカ622の後方となる後方へ最も突出している部位に取付けられている。インターフェイス基板635は、接続ケーブル503の一方(本体枠4側)の端部が接続されている。インターフェイス基板635は、電源基板630、払出制御基板633、主制御基板1310、周辺制御基板1510、等が接続されると共に、パチンコ機1の外部に設置されているCRユニットと接続される。インターフェイス基板カバー636は、払出制御ユニット620dの一部を覆うように基板ベース634(インターフェイス基板635)よりも正面視右方へ延出している。
[4−9.裏カバー]
本体枠4における裏カバー640について、主に図76乃至図82を参照して詳細に説明する。裏カバー640は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の遊技盤挿入口501b内に前方から挿入されて取付けられた遊技盤5の後側を覆うものである。裏カバー640は、正面視における右辺が、本体枠ベース501の後方延出部501jの上下に延びている後端に、上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられ、左辺が、払出ベース551の裏カバー取付部551iと上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aとに取付けられる。
裏カバー640は、上下左右に延びた平板の正面視右辺側が前方へ折り曲げられたような形状に形成されており、本体枠4に組立てた状態で、後面が払出ベース551の背板上部551dの後面と略同一面上に位置するように形成されている。裏カバー640は、前後に貫通し上下に延びている複数のスリット641が形成されている。本実施形態では、裏カバー640は、透明な合成樹脂によって形成されており、パチンコ機1の後側から本体枠4内を視認することができる。
[4−10.施錠ユニット]
本体枠4における施錠ユニット650について、主に図98を参照して詳細に説明する。図98(a)は本体枠の施錠ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は施錠ユニットを後ろから見た斜視図である。施錠ユニット650は、本体枠4の本体枠ベース501に取付けられ、本体枠4と扉枠3、本体枠4と外枠2、との間を施錠するものである。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501の後方延出部501jの右側面に取付けられ上下に延びているユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、ユニットベース651の前端下部から前方へ突出しており回転方向によって扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、を備えている。
また、施錠ユニット650は、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、ユニットベース651の前端における伝達シリンダ654よりも上方の位置から前方へ突出しており下方へスライドさせることで、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠4に組立てた状態で、複数(三つ)の扉枠用鉤652、伝達シリンダ654、及び外枠用開錠レバー656が、本体枠ベース501の前面よりも前方へ突出している。伝達シリンダ654は、本体枠ベース501のシリンダ挿通口501fを通って前方へ突出し、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすることで、前端が扉枠3のシリンダ錠130の回転伝達部材133と係合し、鍵穴132に挿入された鍵の回転が伝達されて回転する。
施錠ユニット650は、複数(三つ)の扉枠用鉤652が、扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠補強ユニット110の鉤掛部材116に係止され、複数(二つ)の外枠用鉤653が、外枠2における外枠右組立体20の上鉤掛部材24と下鉤掛部材25とに係止される。
施錠ユニット650は、パチンコ機1に組立てた状態で、シリンダ錠130の鍵穴132に対応している鍵を差し込んで、正面視反時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の扉枠用鉤652が上方へ移動し、本体枠4に対して扉枠3が開錠される。一方、鍵を正面視時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。本体枠4に対して扉枠3を開いた状態では、外枠用開錠レバー656を下方へスライドさせると、複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。このようにして、本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間の施錠を、開錠することができる。
本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間を施錠する場合は、扉枠用鉤652及び外枠用鉤653の先端側が細くなるように傾斜しているため、本体枠4に対して扉枠3を閉じたり、外枠2に対して本体枠4を閉じたりすると、扉枠用鉤652や外枠用鉤653が、鉤掛部材116や上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25を乗り越えるように下方や上方へ移動した後に、錠バネ655の付勢力によって施錠状態となる。
[4−11.本体枠上部の詳細な構成]
続いて、本体枠4の上部の詳細な構成について、主に図99乃至図106を参照して詳細に説明する。図99(a)は本体枠の平面図であり、(b)は(a)におけるB−B線で切断した断面図である。図100は、本体枠を後ろから見た斜視図において上部を拡大して示す拡大図である。図101(a)は球タンクにタンクレール等を組立てた状態で前上から見た斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た斜視図である。図102は、図101(a)を分解して前から見た分解斜視図である。図103は、本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球が流通する領域を示す説明図である。図104は、本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球の流れを示す説明図である。図105は、本体枠上部における迂回通路への遊技球の流れを示す説明図である。図106は、本体枠をヒンジ側の後ろから見た斜視図においてタンクレール付近を拡大して示す拡大図である。
本体枠4は、上述したように、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520により外枠2に対して着脱可能且つヒンジ回転可能に取付けられ遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース501と、本体枠ベース501の後側における正面視上辺及び左辺に沿って取付けられている逆L字状の払出ベース551と、払出ベース551に取付けられており左右に延びた箱状(容器状)で上方へ開放されている球タンク552と、球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、タンクレール553の上端の一部に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下流側端に取付けられている球止部材557と、払出ベース551の後側でタンクレール553の下流側に取付けられており遊技者側へ遊技球Bを払出すための払出装置580と、を備えている。
球タンク552は、平面視の形状が左右方向へ延びた四角形に形成されており正面視において左側が低くなるように傾斜している底壁552aと、底壁552aの前辺及び後辺から夫々上方へ延びている前壁552b及び後壁552cと、底壁552aの左右両辺から夫々上方へ延びている左側壁552d及び右側壁552eと、を有し、上側が開放されている容器状に形成されている。球タンク552には、パチンコ機1が設置される遊技ホール等の島設備から供給される遊技球Bが貯留される。
また、球タンク552は、前壁552bにおいて上方から切欠いて残りの外周上端縁よりも低く形成されている越流部552fを有している。この越流部552fは、前壁552bにおける左側壁552dの端部側から反対側(右側壁552e側)の端部へ向かって、前壁552bの左右方向の長さの約3/4の長さに亘って形成されている。
タンクレール553は、正面視において右端側(上流側)が球タンク552の内部と連通していると共に、球タンク552から遠ざかるように下流側が左右方向の一方側(左方側)へ延びている。タンクレール553は、底部において上流付近から下流端まで延びており遊技球Bの流通方向に直交する幅方向が遊技球Bを一つのみ流通可能に形成されている樋状の主誘導部553aを有している。主誘導部553aは、正面視左方へ向かうほど低くなるように傾斜している。また、主誘導部553aは、平面視において、右端側から左方へ左右方向に延びた軸線に対して平行に右端から左右方向の全長の約1/10の位置まで延びた後に、左方へ向かうに従って後方へ移動するように右端から左右方向の全長の約4/10の位置まで斜めに延び、そこから左右方向に延びた軸線に対して平行に左端まで延びたクランク状に形成されている。タンクレール553は、主誘導部553aにおいて、左端から右方へ左右方向に延びた軸線に対して平行に延びている部位が、同じ幅で上端まで延びており、この部位の上端に第一レールカバー554、第二レールカバー555、及び球整流部材556が取付けられることで上側が閉鎖される。また、タンクレール553は、上側が閉鎖される部位において、遊技球Bが流通する流路の高さが下流端(左端)へ向かうに従って低くなるように形成されており、下流端では遊技球Bが一つのみ流通可能な高さ(遊技球Bの外径よりも若干高い高さ)に形成されている。
また、タンクレール553は、主誘導部553aよりも上方で上流端から上側が閉鎖される部位まで延びており、遊技球Bの流通方向に直交する幅方向へ遊技球Bが複数並ぶように主誘導部553aの幅よりも広く膨出していると共に上流端から下流側へ向かって幅方向が狭くなって主誘導部553aの幅と一致するように変化している膨出部553bを有している。この膨出部553bによって、上流側では幅方向に広がっていた複数の遊技球Bを、下流側へ向かうに従って、幅方向を遊技球B一つ分の幅となるように整列させることができる。また、膨出部553bは、上端側から下方の主誘導部553aへ向かうに従って幅方向が狭くなるように形成されている。このようなことから、タンクレール553は、膨出部553bを流通している複数の遊技球Bを、下流側及び下方側へ向かうに従って、幅方向が一列となるように整列させることができる。
タンクレール553の膨出部553bは、曲率の中心が内部側に配置されており、三次元的に湾曲した形状に形成されている。膨出部553bは、湾曲している曲率の中心が、主誘導部553aよりも上方に配置されているため、タンクレール553では、主誘導部553aと膨出部553bとの境に、わずかに面取りされた角が形成されている。また、膨出部553bは、上流側よりも下流側の方が、湾曲している曲率が大きく形成されている。このようなことから、三次元的に湾曲している膨出部553bを流通する遊技球Bでは、当接する膨出部553bの位置によって、膨出部553b側からの反力が作用する向きが様々に方向へ変化することとなり、膨出部553b内において球ガミの発生を抑制させることができる。詳述すると、膨出部553bを一定に延びている形状に形成した場合、膨出部553b内を流通する遊技球Bには、膨出部553bの内面から常に一定の方向へ反力が作用することとなり、反力が分散し難くなるため、内部の遊技球Bが常に一定の方向へ押されることで、遊技球Bが逃げ難くなり、球詰り(球ガミ)が発生し易くなる。これに対して、膨出部553bを三次元的な湾曲面としていることから、遊技球Bの位置によって膨出部553bの内面から作用する反力の向きが区々となるため、内部を流通する複数の遊技球Bの押される方向が分散されることで、押された遊技球Bを逃げ易くすることができ、球詰り(球ガミ)を発生し難くすることができる。
また、タンクレール553は、透明な素材により形成されており、外側から内部を視認することができるように構成されている。これにより、仮に、タンクレール553内において球詰り(球ガミ)が発生しても、外側からタンクレール553内の遊技球Bの状態を見ることができるため、球詰りしている場所を素早く特定することができる。従って、タンクレール553内での球詰りを、素早く解消させることができるため、球詰りの発生による遊技の中断を可及的に短くすることができ、遊技の中断による遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。また、タンクレール553を透明にしていることから、後方からタンクレール553を通して本体枠4に取付けられている遊技盤5の後側(裏ユニット3000)を視認することができるため、遊技盤5の可動演出ユニット等において可動の不具合が発生した時に、遊技盤5を本体枠4に取付けたままの状態で、駆動モータやギアやベルト等の伝達機構の状況を確認することができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
本体枠4は、球タンク552の前側に備えられ、前後方向へ延びていると共に左右方向におけるタンクレール553の下流側と同じ側(正面視において左側)が球タンク552の左側壁552dよりも外方(左方)へ延びており、球タンク552から前方へ溢れた遊技球Bを球タンク552へ戻すために後端側が越流部552fと同じ高さで前端側が高くなるように傾斜している越流面部501mと、越流面部501mの後端における球タンク552の左側壁552dの外側からタンクレール553における上側が開放されている膨出部553bの上方まで後方へ延び、後端側が低くなるように傾斜していると共に、左右方向において球タンク552から遠ざかっている側(左側)が低くなるように傾斜しており、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bの一部を誘導する迂回通路552gと、を備えている。
また、本体枠4は、迂回通路552gの左右方向両外側のうち球タンク552の左側壁552dとは反対側に備えられており、左右方向の間隔が遊技球の外径よりも広く、底面の高さがタンクレール553における上側が開放されている部位よりも低い排出部551jと、排出部551jを間にして迂回通路552gとは反対側で、越流面部501mよりも低い位置に備えられており、後方から電気配線を接続可能とされている複数の電線接続端子558aを有した外部端子板558と、複数の電線接続端子558a(外部端子板558)の上側を覆い、上面が越流面部501mよりも高い位置で水平に延びている端子カバー551kと、を備えている。
越流面部501mは、本体枠ベース501に形成されている。越流面部501mは、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されているベース本体501aの後面における上辺から遊技球Bの外径の2倍〜4倍の距離低い位置から後方へ平板状に延出している。越流面部501mは、左右方向の長さが、本体枠ベース501の左右方向の長さの約1/3の長さに形成されており、正面視における左端が、本体枠ベース501の左端から左右方向の全長の1/3よりも右方に位置している。越流面部501mは、前端から後端までの高さが、遊技球Bの外径の約1/2の高さに形成されている。この越流面部501mは、本体枠4を外枠2に対して閉じた状態で、外枠上部材30との間に、遊技球Bの外径の約2倍の距離の隙間が形成される。
本体枠ベース501は、越流面部501mの左右両側に配置されており、越流面部501mの前端と同じ高さで略水平に延びている平板状の左段部501n及び右段部501oと、左段部501n及び右段部501oの夫々の左右方向両外側において左段部501n及び右段部501oよりも上端が高く前後方向へ帯板状に延びており、左右方向へ遊技球Bの外径よりも狭い間隔で列設されている複数のリブ501pと、を有している。左段部501nは、前後方向の長さに対して、左右方向の長さが短く形成されている。また、左段部501nは、水平面に対して、正面視において後端右隅が僅かに低くなるように傾斜している。右段部501oは、前後方向の長さに対して、左右方向の長さが長く形成されている。また、右段部501oは、水平面に対して、正面視において後端左隅が僅かに低くなるように傾斜している。
本体枠ベース501の複数のリブ501pは、端子カバー551kの上面よりも高く形成されており、本体枠4を外枠2に対して閉じた状態では、外枠2の外枠上部材30の下面との間の隙間が、遊技球Bの外径よりも狭くなる高さに形成されている。
本体枠ベース501は、本体枠4に組立てた状態で、正面視において、越流面部501mの右端が球タンク552における越流部552fの右端と左右方向が一致していると共に、越流面部501mの左端が迂回通路552gの左端と左右方向が度一致しており、右段部501oの右端が球タンク552の右側壁552eと左右方向が一致している。
迂回通路552gは、球タンク552と一体に形成されている。なお、以下では、底壁552a、前壁552b、後壁552c、左側壁552d、及び右側壁552eで囲まれた容器状の領域を、単に球タンク552とも称する。迂回通路552gは、球タンク552の左側壁552dの外側から左方へ平板状に延出しており前端が越流部552fと同じ高さで後端が低くなるように傾斜している通路面552hと、通路面552hにおける左側壁552dとは反対側の端辺から上方へ左側壁552dと同じ高さまで延出している堰部と、を有している。迂回通路552gの通路面552hの後端辺は、正面視において後端辺の左端側(堰部552i側)が、球タンク552の後壁552cと同じ位置まで後方に延びており、その左端側から右端側へ向かうに従って前方へ移動するように斜めに延びている。なお、迂回通路552gの通路面552hは、左右方向の傾斜を水平にしても良い。
迂回通路552gは、本体枠4に組立てた状態で、後端が、左右方向へクランク状に延びているタンクレール553において、左右方向に対して斜めに延びている部位の前端側と沿うように延びている。つまり、迂回通路552gの後端は、左右方向に対して斜めに延びている。これにより、迂回通路552gにより後方へ誘導された遊技球Bは、斜めになっている後端より、その流通方向が斜めの後端に対して垂直方向となるように変化することとなる。迂回通路552gの斜めに延びている後端は、タンクレール553の斜めに延びている部位と、略平行(タンクレール553内における遊技球Bの流通方向)に延びている。従って、迂回通路552gの後端からは、タンクレール553の流通方向(幅方向)に対して略垂直な方向へ遊技球Bが放出されるため、タンクレール553で幅の広い部位で迂回通路552gからの遊技球Bを受けることができる。また、迂回通路552gからタンクレール553内へは、遊技球Bの流通方向に対して略垂直方向(直角方向)に遊技球Bが供給されるため、迂回通路552gからの遊技球Bによるタンクレール553内での球詰りを発生し難くすることができる。
迂回通路552gは、後端が、タンクレール553の下流側へ向かうに従って後方へ移動するように、左右方向に対して斜めに延びているため、迂回通路552gからタンクレール553側へ遊技球Bが放出される際に、斜めに延びている後端により、遊技球Bを、タンクレール553の幅が狭くなっている下流側よりも幅の広くなっている上流側へ放出することができ、幅の広い部位に放出することでタンクレール553内での球ガミの発生を抑制することができる。
また、迂回通路552gにより遊技球Bを誘導する部位は、タンクレール553において、球タンク552の左側壁552dの後部と後壁552cの正面視左部の外側に該当している。この部位には、球タンク552内から、球タンク552の案内面部552jの下側(開口部552kの天井側)を潜った遊技球Bが流通する。このようなことから、タンクレール553における迂回通路552gの後方となる部位では、上下方向に積み重なった複数の遊技球Bの高さが、開口部552kの天井の高さ(タンクレール553の壁の高さ)を越えることはない。従って、タンクレール553における球タンク552の下流側、つまり、迂回通路552gの後端側において、上側へ遊技球Bを積み重ねることが可能なスペース(空き)を確保することができるため、迂回通路552gにより後方へ誘導された遊技球Bを、タンクレール553において確実に受取ることができ、タンクレール553から遊技球Bが後方へこぼれることはない。
球タンク552は、前壁552b、後壁552c、及び左側壁552dに囲まれた内側において、左側壁552dにおける越流部552fよりも若干低い位置から右方へ低くなるように延びている平板状の案内面部552jを有している。案内面部552jは、前後方向が前壁552bから後壁552cまで延びている。また、案内面部552jは、正面視において右端辺が、前壁552bにおける左端から前壁552bの左右方向の全長の約1/3の位置から、前壁552bにおける左端から前壁552bの左右方向の全長の約1/9で前壁552bから左側壁552dの前後方向の全長の約1/2付近の位置まで後方へ斜めに延びた後に、左側壁552dと平行に後壁552cの近傍まで延び、そこから後壁552cに平行に前後方向が一定の幅で後壁552cの左端から後壁552cの左右方向の全長の約1/3の位置まで延びた形状に形成されている。
球タンク552には、平面視において、上記のような形状に形成されている案内面部552jの右端辺と、当該右端辺の前壁552b側の端と後壁552c側の端とを結んだ直線とで囲まれた領域が、上下方向に貫通するように形成された開口部552kを有している。また、球タンク552は、右側壁552eの前端側と迂回通路552gの堰部552iの前端側に、夫々前壁552bと同一面上で左右方向外方及び上下方向に延びている平板状のフランジ部552lを有している。球タンク552は、前壁552bにおける越流部552fを除いた部位の上端縁と、二つのフランジ部552lの上端縁の高さが、左側壁552dや後壁552cの上端縁(本体枠ベース501の左段部501n及び右段部501oの上面)よりも高く形成されている。
球タンク552とタンクレール553は、互いに組立てた状態では、球タンク552の開口部552kに、タンクレール553の上流端(正面視において右端)が接続されている。また、平面視においてクランク状に左右方向へ延びているタンクレール553の斜めに延びている部位とその左側の左右方向へ真直ぐに延びている部位とは、球タンク552よりも後方に位置(突出)している。そして、球タンク552の左側壁552dの左側の迂回通路552gの後端辺は、クランク状に左右方向へ延びているタンクレール553の斜めに延びている部位の前端に位置している。
排出部551jは、払出ベース551の上面に形成されている。排出部551jは、本体枠4に組立てた状態で、迂回通路552gよりも低い高さから球タンク552の底壁552aと同じ高さまで後方へ向かって階段状に低くなるように、球タンク552における正面視左側のフランジ部552lの後側からタンクレール553まで後方へ延びた後に、タンクレール553に沿って左方へタンクレール553の上端よりも高くなる位置(第二レールカバー555の左右方向中央付近の位置)まで延びた上で、後方へ向かって延びている。
外部端子板558は、後面に複数の電線接続端子558aが左右方向へ並んだ状態で取付けられている。この電線接続端子558aは、レバーの操作により把持部が開いて電気配線の先端を把持することができワンタッチターミナルである。外部端子板558は、本体枠4に組立てた状態で、タンクレール553における上側が第一レールカバー554、第二レールカバー555、及び球整流部材556により閉鎖される部位の前方に配置されている。外部端子板558(複数の電線接続端子558a)の上側を覆う端子カバー551kは、払出ベース551の上面に形成されている。端子カバー551kの上面は、球タンク552におけるフランジ部552lの上端と略同じ高さに形成されている。
次に、パチンコ機1における本体枠4の上部の作用効果について説明する。まず、越流面部501m、左段部501n、右段部501o、及び迂回通路552gは、図103において白抜きの矢印で示すように、越流面部501mと迂回通路552gは後端側が低くなるように傾斜しており、左段部501nは後端右隅が、右段部501oは後端左隅が、夫々低くなるように傾斜している。また、球タンク552の底壁552a及びタンクレール553(主誘導部553a)は、正面視において、夫々左端側が低くなるように傾斜している。また、球タンク552の案内面部552jは、底壁552aとは逆方向の右端側が低くなるように傾斜している。
そして、島設備から供給されることで球タンク552内に貯留されている遊技球Bの量が増えてくると、まず初めに、外周上端縁のうち最も高さの低い越流部552fを越えて球タンク552の外側(前方)へ流出させることができ、球タンク552から溢れた遊技球Bを越流面部501mに逃すことができると共に、球タンク552から前方の越流面部501mへ流出させた遊技球Bを、越流面部501mの傾斜により球タンク552内へ戻すことができる(図104を参照)。従って、球タンク552内でのこれ以上の遊技球Bの増加を防止することができるため、球タンク552内において遊技球B同士が強く押し合うこと(球圧の増加)を抑制させることができ、球タンク552内において遊技球B同士の噛み合いによる詰り(所謂、球ガミ)の発生を防止することができる。
また、迂回通路552gを備えていることから、図105に示すように、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bを、迂回通路552gを介してタンクレール553へ送ることができる。これにより、越流面部501mに溜った遊技球Bにより球タンク552内の遊技球Bに後方への押圧力が強く作用することを回避させることができ、球タンク552内における遊技球Bの詰りを防止することができる。また、迂回通路552gを介して遊技球Bをタンクレール553へ送ることができるため、球タンク552や越流面部501mから溢れた遊技球Bが本体枠4の外側(後側)にこぼれるのを防止することができる。従って、本体枠4の外側にこぼれた遊技球Bが、外枠2と本体枠4との間に挟まれて本体枠4が開閉できなくなるような不具合の発生を回避させることができる。
更に、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bの一部を、迂回通路552gによりタンクレール553の下流側へ誘導することができると共に、球タンク552から遠ざかっている左側に沿った一定の位置から遊技球Bをタンクレール553へ送ることができるため、迂回通路552gによってタンクレール553へ送られた遊技球Bによる流れ(圧力)をタンクレール553の下流側へ向けさせることができ、タンクレール553内において遊技球B同士が強く押し合うのを抑制して遊技球Bが詰まるのを防止することができる。
また、球タンク552の外周上端縁において、越流部552f以外の残りの上端縁の高さを越流部552fよりも高くしていることから、球タンク552と迂回通路552gとの間の球タンク552における左右方向の一方側の左側壁552dの上端縁が、越流部552f、つまり、越流面部501mの後端よりも高くなっている。これにより、球タンク552から越流部552fを越えて越流面部501mに溢れた上で、越流面部501mから迂回通路552gへ流通している遊技球Bが、球タンク552の一方側の左側壁552dにより遮られることで、迂回通路552gから球タンク552側へ戻ってしまうことを防止することができ、迂回通路552g側の遊技球Bが球タンク552内の遊技球Bを押圧して球タンク552内において遊技球Bの詰りが発生することを防止することができる。
更に、上述したように、球タンク552と迂回通路552gとの間の左側壁552dの上端縁が、越流面部501mの後端(迂回通路552gにおける遊技球Bが転動する通路面552h)よりも高くなっているため、越流面部501mを介することなく遊技球Bが球タンク552から迂回通路552gへ溢れてしまうことを防止することができる。これにより、迂回通路552gに対して横(球タンク552)からの遊技球Bの流入を防止することができるため、迂回通路552gにおける遊技球Bの流れを、前端側の越流面部501mから後端側のタンクレール553へ向かう一定の方向の流れとすることができ、迂回通路552gからタンクレール553へ誘導される遊技球Bの圧力を一定方向とすることができる。従って、タンクレール553内において、遊技球Bにかかる圧力の向きがばらばらとなることで遊技球B同士が押し合って噛み込んでしまうことを防止することができ、遊技球Bの詰りの発生を防止することができる。
また、タンクレール553の底部に、下流端まで延びている主誘導部553aを備えていることから、タンクレール553内の遊技球Bが主誘導部553aに到達することで、左右方向へ一列に並んだ状態となるため、タンクレール553内の遊技球Bを整列させることができ、遊技球Bを下流側の払出装置580へ確実に誘導することができる。また、タンクレール553における上側が開放されている部位において、複数の遊技球Bが並ぶことが可能な幅の広い膨出部553bを備えているため、迂回通路552gの後端から放出された遊技球Bを確実に受けることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
また、タンクレール553の膨出部553bを、上流端から上側が閉鎖されている部位まで延びるようにすると共に、上流端から下流側へ向かって幅方向が狭くなって主誘導部553aの幅と一致するように変化させるようにしているため、複数の遊技球Bが膨出部553b内において下流側へ向かうに従って、それらが幅方向に対して一列となるように整列させられることができる。また、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位を、遊技球Bが流通する流路の高さが下流端へ向かうに従って低くなるように形成しているため、上流側(球タンク552側)において高さ方向へ複数段に積み重なっていた複数の遊技球Bを、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位を通って下流側へ流通させることで、高さ方向の段数を少なくして一列に整列させることができる。従って、タンクレール553により、複数の遊技球Bを、一列に整列させた状態で下流側(払出装置580側)へ誘導することができる。
更に、越流面部501m及び迂回通路552gを備えていることから、それらにおいて或る程度の数の遊技球Bを貯留することが可能となると共に、タンクレール553に膨出部553bを備えていることから、タンクレール553内の容積を大きくすることができるため、球タンク552と合わせてより多くの遊技球Bを貯留することができる。
また、迂回通路552g及び排出部551jを間にして球タンク552とは反対側に、電気配線が接続される複数の電線接続端子558aを備えた外部端子板558と、複数の電線接続端子558a(外部端子板558)の上側を覆う端子カバー551kとを備えているため、島設備から遊技球Bが供給される球タンク552に対して、電線接続端子558a及び端子カバー551kを遠くすることができるため、島設備から供給された遊技球Bが、球タンク552や越流面部501mにおいて跳ねたり勢いよく供給されたりしても、電線接続端子558a等に到達(当接)し難くすることができ、遊技球Bの当接によりショートしたり電気配線が外れたりするような不具合が発生することはない。
また、複数の電線接続端子558aを後方へ向けると共に、端子カバー551kの上面を、越流面部501mよりも高くしているため、島設備から球タンク552に供給された遊技球Bが球タンク552や越流面部501mで跳ねても、端子カバー551kの上面に乗り難くすることができると共に、端子カバー551kの上面に遊技球Bが乗っても、後側から落下し難くすることができ上述したような不具合の発生を回避させ易くすることができる。
更に、越流面部501mから球タンク552の案内面部552jに戻された遊技球Bは、案内面部552jの傾斜により球タンク552の上流側(図104において右方向)へ送られる。これにより、案内面部552j上の遊技球Bが、球タンク552内の遊技球Bに対して下流方向へ押圧することを防止することができ、球タンク552内において遊技球Bの詰りが発生することを防止することができる。
また、島設備から球タンク552に供給された遊技球Bが、球タンク552や越流面部501mで跳ねて、越流面部501mの左右両側にある左段部501nや右段部501oに乗っても、図104に示すように、それらの傾斜により遊技球Bを越流面部501mや迂回通路552gへ誘導することができ、本体枠4の外側に遊技球Bがこぼれることで不具合が発生するのを防止することができる。
また、球タンク552からタンクレール553側へ遊技球Bが流通する際に、遊技球Bが案内面部552jの下側を通る構成としているため、案内面部552jによりタンクレール553において上側に積み重なる遊技球Bの量(高さ)を、案内面部552jの下面よりも高くならないように規制することができる。従って、タンクレール553における球タンク552(案内面部552j)の下流側、つまり、迂回通路552gの後端側において、上側へ遊技球Bを積み重ねることが可能なスペース(空き)を確保することができ、迂回通路552gにより誘導された遊技球Bを確実に受取ることができる。
更に、複数の電線接続端子558a及び端子カバー551kを、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位の前方に配置しているため、端子カバー551kから後方へ遊技球Bが落下しても、その遊技球Bがタンクレール553に受入られることはなく、当該遊技球Bがタンクレール553内の遊技球Bに影響を与えて不具合が発生することを防止することができる。
[5.遊技盤の全体構成]
パチンコ機1における遊技盤5の全体構成について、主に図107乃至図115を参照して詳細に説明する。図107は、パチンコ機において前構成部材、遊技パネル、及び表ユニット等を不透明にした遊技盤の正面図である。図108は図107の遊技盤を右前から見た斜視図であり、図109は図107の遊技盤を左前から見た斜視図であり、図110は遊技盤を後ろから見た斜視図である。図111は、前構成部材、遊技パネル、及び表ユニット等を透明にした状態の遊技盤の正面図である。図112は遊技盤を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図113は遊技盤を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図114は図107におけるC−C線で切断した断面図である。図115は、遊技パネルの面と平行に表ユニットを切断して遊技球が流通する遊技領域内と障害釘とを現した状態で示す遊技盤の正面図である。
なお、以下では、装飾基板の面に対して垂直方向から見た時に、装飾基板に実装されたLEDの形状が正方形の時には、当該LEDが装飾基板の面に対して垂直方向へ光を照射するもの(トップビューLED)であり、装飾基板に実装されたLEDの形状が長方形の時には、当該LEDが装飾基板の面に平行な方向へ光を照射するもの(サイドビューLED)であることを表しており、詳細な説明は省略する。
パチンコ機1の遊技盤5は、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182を操作することで遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有している。遊技領域5aには、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006が備えられている。この遊技盤5は、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006等に、受入れられる又は通過するように、ハンドル182の打込操作と遊技領域5a内での遊技球Bの流通とを楽しませる遊技を行うためのものである。
遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、を備えている。遊技パネル1100の前面における遊技領域5a内となる部位には、遊技球Bと当接する複数の障害釘N(図115等を参照)が所定のゲージ配列で植設されている。また、遊技盤5は、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310(図114及び図206等を参照)を有している主制御ユニット1300と、を備えている。
また、遊技盤5は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左上隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の後側に配置されている駆動基板ユニット1700と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。
裏ユニット3000の後面に演出表示装置1600が取付けられていると共に、演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニット1500が取付けられている。また、演出表示装置1600の後方で裏ユニット3000の後面に、駆動基板ユニット1700が取付けられている。
前構成部材1000は、全体が透明に形成されている。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。
遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120(図116等を参照)と、を備えている。
駆動基板ユニット1700は、主制御基板1310と周辺制御基板1510との接続を中継しているパネル中継基板1710と、周辺制御基板1510からのコマンドに応じて表ユニット2000や裏ユニット3000に備えられている装飾基板、駆動モータ及び駆動ソレノイド等を駆動させる演出駆動基板1720と、パネル中継基板1710と演出駆動基板1720とを収容している駆動基板ボックス1730と、を備えている。駆動基板ボックス1730は、背面視左辺側が裏ユニット3000における裏箱3010の後面にヒンジ回転可能に取付けられていると共に、背面視右辺側が演出表示装置1600の後面に着脱可能に取付けられている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能に常時開口している複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球Bの通過を検知するゲート部2003と、遊技球Bがゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第一大入賞口2005と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二大入賞口2006と、を備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5aの下端に設けられており遊技球Bを遊技領域5a内から排出するアウト口2010と、遊技領域5a内の上下方向の途中に設けられており遊技球Bを遊技領域5a内から排出する第一サブアウト口2011及び第二サブアウト口2012と、を備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2002を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように設けられており三つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左方のやや上側に設けられているサイド左上ユニット2300と、遊技領域5a内の正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に設けられており第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第一サブアウト口2011を有している第一アタッカユニット2400と、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200よりも上方で、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに設けられている枠状のセンター役物2500と、センター役物2500の右方で第一アタッカユニット2400の上方に設けられており第二大入賞口2006を有している第二アタッカユニット2600と、第二アタッカユニット2600の上方に設けられており一つの一般入賞口2001及び第二サブアウト口2012を有しているサイド右中ユニット2700と、サイド右中ユニット2700の上方に設けられておりゲート部2003を有しているゲート部材2800と、を備えている。
裏ユニット3000は、遊技パネル1100のパネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010の前端の左右両端付近に夫々設けられている平板状の裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040と、裏箱3010内の前端の下部に設けられている裏誘導ユニット3050と、裏箱3010内の後端に設けられている裏後演出ユニット3100と、裏箱3010内の下部における裏誘導ユニット3050の後方で左右に離隔して設けられている裏下左演出ユニット3200及び裏下右演出ユニット3250と、裏箱3010内における裏下左演出ユニット3200及び裏下右演出ユニット3250の後方に設けられている裏下中演出ユニット3300と、を備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010内の上部における裏後演出ユニット3100の前方に設けられている裏上演出ユニット3400と、裏箱3010内における裏前左装飾体3030の後方に設けられている裏後左演出ユニット3500と、裏箱3010内における裏前右装飾体3040の後方に設けられている裏後右演出ユニット3600と、裏箱3010内における裏前左装飾体3030と裏後左演出ユニット3500との間に設けられている裏前左演出ユニット3700と、裏箱3010内における裏前右装飾体3040と裏後右演出ユニット3600との間に設けられている裏前右演出ユニット3800と、を備えている。
[5−1.前構成部材]
遊技盤5における前構成部材1000について、主に図116を参照して詳細に説明する。図116(a)は遊技盤における前構成部材及び遊技パネルを前から見た斜視図であり、(b)は前構成部材及び遊技パネルを後ろから見た斜視図である。
前構成部材1000は、全体が透明に形成されている。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方(アウト口2010)へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球Bが当接する衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
更に、前構成部材1000は、枠内における正面視左右方向中央下部で、アウト誘導部1003の後端において前後に貫通しているアウト口2010を備えている。アウト口2010は、二つの遊技球Bが左右方向へ十分に並ぶ幅で貫通している。アウト誘導部1003によって後方へ誘導された遊技球Bは、アウト口2010及び後述する裏ユニット3000のアウト球検知部材3080を通って前構成部材1000(遊技パネル1100)の後方へ排出される。
また、前構成部材1000は、外レール1001及び内レール1002における下端から略垂直に延びた付近の部位の外側、アウト誘導部1003及び右下レール1004の下側、及び右レール1005の外側、の夫々の部位において、前端から後方へ窪んだ防犯凹部1009を備えている。この防犯凹部1009は、遊技盤5を本体枠4に取付けて、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすると、扉枠3における防犯カバー170の後方へ突出した後方突片172が挿入された状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
また、前構成部材1000は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1010を備えている。この切欠部1010は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の切欠部1122と一致しており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部を貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
更に、前構成部材1000は、正面視において左上隅に形成されており、機能表示ユニット1400が取付けられる機能表示ユニット取付部1011と、左下隅に形成されている証紙貼付部1012と、を備えている。
また、前構成部材1000は、略全体が透明に形成されており、後側に配置されている遊技パネル1100や裏ユニット3000等を前方から視認することができる。この前構成部材1000は、後側に取付けられる遊技パネル1100と伴に透明に形成されているため、遊技盤5に組立てた時に、遊技領域5aの境界が明瞭に見えることを低減させることができ、遊技者に対して開放感を与えることができると共に、実際の遊技領域5aの大きさが変わらないものの、遊技者に対して遊技領域5aを大きく(広く)見せることができる。
また、前構成部材1000を、遊技パネル1100と伴に透明としているため、演出表示装置1600、表ユニット2000や裏ユニット3000、等からの光を、前方(遊技者側)へ反射させたり屈折させたりすることで発光しているように見せることができ、遊技盤5の全体の装飾性をより高めることができる。
[5−2.遊技パネル]
遊技盤5における遊技パネル1100について、主に図116等を参照して詳細に説明する。遊技パネル1100は、前構成部材1000の後面に取付けられており、表ユニット2000及び裏ユニット3000が取付けられるものである。遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面には、所定のゲージ配列で複数の障害釘Nが植設されている(図115等を参照)。
遊技パネル1100のパネル板1110は、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1110の板厚は、パネルホルダよりも薄く、障害釘Nを前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、本実施形態では、透明な合成樹脂板によってパネル板1110が形成されている。
パネル板1110は、遊技領域5a内において最も低い位置となり前構成部材1000のアウト口2010と対応した位置が、下端から上方へ窪んでいる。また、パネル板1110には、前後に貫通しており表ユニット2000を取付けるための開口部1112が複数形成されている。
また、図示は省略するが、パネル板1110は、前後に貫通した丸孔及び短い長孔に形成されている複数の位置決孔と、上縁と下縁とにおいて夫々左右方向へ離隔しており板厚が薄く形成されている複数の係合段部と、を備えている。位置決孔は、パネルホルダ1120の突出ピン(図示は省略)が挿入されることで、パネルホルダ1120との位置決めをするためのものである。係合段部は、パネルホルダ1120の係合爪(図示は省略)や係合片(図示は省略)に係合されることで、パネルホルダ1120に対して着脱可能に取付けられるためのものである。
パネル板1110は、図116に示すように、センター役物2500を取付けるための大きな開口部1112が、正面視において中央よりも右上にオフセットしている。これにより、パネル板1110が枠状となっており、正面視において、遊技球Bの流通方向(枠状の周方向)に対して直交している幅が、中央より左側と下側が複数の遊技球Bが並ぶことが可能な広い幅となっており、上側が複数の遊技球Bが並ぶことが不能な狭い幅となっている。
遊技パネル1100のパネルホルダ1120は、パネル板1110を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、パネル板1110よりも厚く(本実施形態では、約20mm)形成されている。パネルホルダ1120は、透明な合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)により形成されている。このパネルホルダ1120は、パネル板1110と略同じ大きさで前面側から後方側に向かって凹んでいる保持段部(図示は省略)と、保持段部を略遊技領域5aと同等の大きさで前後方向に貫通している貫通口1121を備えている。
また、パネルホルダ1120は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1122を備えている。この切欠部1122は、前構成部材1000の切欠部1010と一致するように形成されており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部を貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
更に、パネルホルダ1120には、下端からアウト口2010に対応した位置まで上方へ延びており、後面から前方へ向かって窪んでいるアウト凹部1123が形成されている。アウト凹部1123は、上部がアウト口2010と連通している。このアウト凹部1123には、後述する裏ユニット3000の裏誘導ユニット3050におけるアウト球検知部材3080の筒部3081が挿入される。
また、パネルホルダ1120は、図示は省略するが、保持段部から前方へ突出しておりパネル板1110の複数の位置決孔に夫々が挿入される複数の突出ピンと、保持段部よりも外側に配置されておりパネル板1110の上側と左下の傾斜している部位の係合段部に対して弾性係合する三つの係合爪と、保持段部の下外側から上方へ突出しておりパネル板1110の下辺の二つの係合段部と夫々係合する一対の係合片と、を備えている。パネルホルダ1120は、前方斜め上からパネル板1110の下辺の係合段部を、係合片に係合させた上で、パネル板1110の上部を後方へ移動させて、上側と左下の傾斜している部位の係合段部を係合爪に弾性係合させることで、パネル板1110を保持段部に収容した状態で着脱可能に取付けることができる。この際に、パネル板1110の位置決孔に、パネルホルダ1120の突出ピンが挿入され、パネル板1110がパネルホルダ1120に対して所定の位置に位置決めされる。
この遊技パネル1100は、前側に取付けられる前構成部材1000と伴に透明に形成されているため、遊技盤5に組立てた時に、遊技領域5aの境界が明瞭に見えることを低減させることができ、遊技者に対して開放感を与えることができると共に、実際の遊技領域5aの大きさが変わらないものの、遊技者に対して遊技領域5aを大きく(広く)見せることができる。
また、遊技パネル1100を、前構成部材1000と伴に透明としているため、演出表示装置1600、表ユニット2000や裏ユニット3000、等からの光を、前方(遊技者側)へ反射させたり屈折させたりすることで発光しているように見せることができ、遊技盤5の全体の装飾性をより高めることができる。
[5−3.基板ホルダ]
遊技盤5における基板ホルダ1200について、主に図112及び図113等を参照して詳細に説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。基板ホルダ1200は、底面における左右方向中央において、前端から後方へ向かって切欠かれている排出部1201を有している。この基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態で、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側及び後側から覆っていると共に、後面に主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320が取付けられている。
基板ホルダ1200は、パチンコ機1に組立てた状態で、排出部1201が、本体枠4の基板ユニット620におけるベースユニット620bの排出球受部628の直上に位置していると共に、裏ユニット3000のアウト球検知部材3080の直下に位置している。この基板ホルダ1200は、表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球B、を全て受けることができ、底面に形成された排出部1201から下方の排出球受部628へ排出させることができる。
[5−4.主制御基板ユニット]
遊技盤5における主制御ユニット1300について、主に図112乃至図114等を参照して詳細に説明する。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技球Bの払出し等を制御する主制御基板1310(図206を参照)と、主制御基板1310を収容しており基板ホルダ1200に取付けられる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320は、複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。従って、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310への不正行為に対する抑止力が高められている。
主制御ユニット1300の主制御基板1310は、インターフェイス基板635、及び周辺制御基板1510と、接続されている。また、主制御基板1310は、機能表示ユニット1400、第一始動口センサ3052、ゲートセンサ2801、第二始動口センサ2401、一般入賞口センサ3051、第一大入賞口センサ2402、第二大入賞口センサ2601、アウト口センサ3053、第一サブアウト口センサ2403、第二サブアウト口センサ3054、及び磁気センサ2404,2602,3055、等と接続されている。
[5−5.機能表示ユニット]
遊技盤5における機能表示ユニット1400について、主に図107等を参照して詳細に説明する。機能表示ユニット1400は、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左上隅に取付けられている。機能表示ユニット1400は、パチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の扉窓101aを通して前方(遊技者側)から視認することができる。この機能表示ユニット1400は、主制御基板1310からの制御信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、詳細な図示は省略脛が、遊技状態を表示する三つのLEDからなる状態表示器と、ゲート部2003での遊技球Bの通過により抽選される普通抽選結果を表示する二つのLEDからなる普通図柄表示器と、ゲート部2003での遊技球Bの通過に係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、を備えている。
また、機能表示ユニット1400は、第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器と、第一始動口2002への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器と、を備えている。
更に、機能表示ユニット1400は、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「当り」等の時に、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する五つのLEDからなるラウンド表示器、を備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
[5−6.周辺制御ユニット]
遊技盤5における周辺制御ユニット1500について、主に図110、図113、及び図114等を参照して説明する。周辺制御ユニット1500は、裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510(図206を参照)と、周辺制御基板1510を収容している周辺制御基板ボックス1520と、を備えている。周辺制御基板1510は、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部1511と、演出画像を制御するための演出表示制御部1512と、を備えている。
周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510は、主制御基板1310、演出操作ユニット300、扉枠3側の各種装飾基板、演出表示装置1600、等と接続されている。
[5−7.演出表示装置]
遊技盤5における演出表示装置1600について、主に図112及び図113等を参照して説明する。演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に、裏ユニット3000の裏箱3010を介して取付けられている。演出表示装置1600は、裏箱3010の後壁の略中央の後面に対して、着脱可能に取付けられている。演出表示装置1600は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状のセンター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。
演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとした19inchのフルカラーの液晶表示装置であり、裏箱3010における後壁の左右方向の幅と略同じ幅である。演出表示装置は、周辺制御基板1510に接続されており、所定の静止画像や動画を表示することができる。
演出表示装置1600は、上端面から上方へ突出している二つの上固定片1601と、下端面から下方へ突出している一つの下固定片1602と、を備えている。この演出表示装置1600は、液晶画面を前方へ向けた状態で、後述する裏箱3010の枠状の液晶取付部3010b内の上内周面に開口している二つの固定溝3010cに、裏箱3010の斜め後方から二つの上固定片1601を挿入した上で、下固定片1602側を前方へ移動させて、下固定片1602をロック機構3020の開口部内に挿入し、ロック機構3020を背面視において右方へスライドさせることにより、裏箱3010に取付けられる。
[5−8.表ユニットの全体構成]
遊技盤5における表ユニット2000について、主に図117を参照して詳細に説明する。図117(a)は遊技盤における表ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は遊技盤における表ユニットを後ろから見た斜視図である。表ユニット2000は、遊技パネル1100のパネル板1110に、前方から取付けられており、前端がパネル板1110の前面よりも前方へ突出していると共に、後端の一部がパネル板1110の開口部1112を貫通してパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能としており常時開口している複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に設けられており遊技球Bの通過を検知するゲート部2003と、遊技球Bがゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第一大入賞口2005と、第一大入賞口2005とは異なる位置に設けられており第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二大入賞口2006と、を備えている。
複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001は、三つが遊技領域5a内の下部における左右方向中央に対して左側に配置されており、残りの一つが遊技領域5a内の右部における上下方向中央より上側に配置されている。第一始動口2002は、遊技領域5a内の左右方向中央で最下端にあるアウト口2010の直上に配置されている。ゲート部2003は、遊技領域5a内における正面視右端付近で上下方向の下から約3/4の高さに配置されている。第二始動口2004は、遊技領域5aの右下隅で左端の一般入賞口2001よりも若干高い高さに配置されている。第一大入賞口2005は、第一始動口2002と第二始動口2004との間に配置されている。第二大入賞口2006は、第二始動口2004の上方で右側の一般入賞口2001の直下に配置されている。
第一サブアウト口2011は、第二始動口2004の下方に配置されており、第二サブアウト口2012は、右側の一般入賞口2001の右側に配置されている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2002を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように設けられており三つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左方のやや上側に設けられているサイド左上ユニット2300と、遊技領域5a内の正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に設けられており第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第一サブアウト口2011を有している第一アタッカユニット2400と、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200よりも上方で、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに設けられている枠状のセンター役物2500と、を備えている。
更に、表ユニット2000は、センター役物2500の右方で第一アタッカユニット2400の上方に設けられており第二大入賞口2006を有している第二アタッカユニット2600と、第二アタッカユニット2600の上方に設けられており一つの一般入賞口2001及び第二サブアウト口2012を有しているサイド右中ユニット2700と、サイド右中ユニット2700の上方に設けられておりゲート部2003を有しているゲート部材2800と、を備えている。
[5−8a.始動口ユニット]
表ユニット2000の始動口ユニット2100について、主に図118乃至図120等を参照して詳細に説明する。図118(a)は表ユニットにおける始動口ユニットとサイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は表ユニットにおける始動口ユニットとサイドユニットを後ろから見た斜視図であり、(c)は始動口ユニットの左側面図であり、(d)はサイドユニットの左側面図である。図119は、一般入賞口の前面の傾斜と、開状態の時の可変入賞口の扉部材の傾斜とを比較した説明図である。図120は、遊技盤における始動口ユニット及びサイドユニットの部位を示す拡大正面図である。表ユニット2000の始動口ユニット2100は、遊技領域5a内において、左右方向中央の下端部付近でアウト口2010の直上に配置されており、遊技パネル1100に前方から取付けられている。始動口ユニット2100は、遊技球Bが一つのみ受入可能な幅で上方へ向かって常時開口している第一始動口2002を有している。
始動口ユニット2100は、遊技領域5a(遊技パネル1100)の面と平行に延びている前壁部2101と、前壁部2101の周縁から後方へ延出している周壁部2102と、周壁部2102の前後方向の途中から左右方向外方へ延出している平板状のフランジ部2103と、を備えており、全体が透明な部材により形成されている。前壁部2101は、正面視の形状が、左右に長い長方形の部位と、その長方形の部位の下辺を弦とした半円形の部位と、を組合せたような形状に形成されている。周壁部2102は、前壁部2101の上辺を除いた周縁から後方へ延出しており、上方が開放された樋状に形成されている。この周壁部2102の底面は、後端側が低くなるように傾斜しており、遊技球Bを後方へ誘導することができる。
始動口ユニット2100は、周壁部2102の途中から左右方向へ延出したフランジ部2103が遊技パネル1100のパネル板1110の前面に当接させられた状態で、パネル板1110に取付けられる。始動口ユニット2100は、パネル板1110に取り付けられた状態で、パネル板1110よりも前方へ突出している前壁部2101と周壁部2102とにより、遊技球Bを受入可能な第一始動口2002を形成している。
始動口ユニット2100は、遊技パネル1100に取付けることで、第一始動口2002が、遊技パネル1100の前面よりも前方に突出した上で、上方へ開放された状態となり、センター役物2500のステージ2513の中央の直下に位置する。従って、ステージ2513の中央放出部2513aから下方へ遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に受入れられる。
始動口ユニット2100は、遊技パネル1100に取付けた状態で、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを、樋状の周壁部2102の傾斜により遊技パネル1100の後方へ誘導し、裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第一受渡口3061に受け渡すことができる。裏誘導ユニット3050の第一受渡口3061に受け渡された遊技球Bは、第一始動口センサ3052により検知された上で、下方の基板ホルダ1200上に排出される。
なお、図示は省略するが、前壁部2101の前面には、装飾用のシールが貼り付けられており、サイドユニット2200の一般入賞口2001よりも目立つようになっている。これにより、遊技者の関心を一般入賞口2001よりも第一始動口2002へ向けさせることができ、遊技者に対して第一始動口2002を狙った遊技球Bの打込操作を促すことができると共に、第一始動口2002に遊技球Bを受入れさせることにより、「大当り」遊技等の遊技者が有利となる有利遊技状態が発生する特別抽選結果(第一特別抽選結果)の抽選が行われるため、第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより抽選される特別抽選結果に対する期待感を高めさせることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
この始動口ユニット2100は、遊技球Bを後方へ誘導する周壁部2102の底面が、サイドユニット2200の第一前壁部2203の傾斜している部位よりも緩い角度(水平に近い角度)で傾斜しているため、相対的に後方への遊技球Bの移動速度(転動速度)が遅くなっている。従って、第一始動口2002に遊技球Bが受入れられると、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bよりも長い時間、受入れられた遊技球Bが見えることとなるため、遊技者に対して遊技球Bが第一始動口2002に受入れられたことを確実に認識させることができると共に、第一始動口2002に遊技球Bが受入れられたことに対する喜び(優越感)を、一般入賞口2001に受入れられた時よりも長い時間味わわせることができる。
また、始動口ユニット2100は、遊技盤5に組立てた状態では、図120に示すように、後方に裏ユニット3000の裏下中演出ユニット3300が位置し、裏下中演出ユニット3300に設けられている裏下中装飾体ユニット3320の裏下中第一装飾基板3322や裏下中第二装飾基板3329等のLEDからの光により、発光装飾されるようになっている。
更に、詳細な図示は省略するが、始動口ユニット2100において、第一始動口2002における前壁部2101と周壁部2102の底部とに跨るリブを設けるようにしても良い。このリブは、側面視において三角形(一部分が丸みを帯びていてもよい)に形成されており、上面が、サイドユニット2200における右側から二つの一般入賞口2001の第一前壁部2203における傾斜している部分と、略同じ角度で傾斜させると共に、第一前壁部2203の上端までの距離を、サイドユニット2200の第一前壁部2203において上端から傾斜している部位までの距離よりも長くしている(リブの位置を第一前壁部2203における傾斜している部位よりも下方にしている)。これにより、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bが、リブに当接して後方へ誘導されるタイミングを、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bが、第一前壁部2203における傾斜している部位に当接して後方へ誘導されるタイミングよりも遅くすることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
[5−8b.サイドユニット]
表ユニット2000におけるサイドユニット2200について、主に図118乃至図120等を参照して詳細に説明する。表ユニット2000のサイドユニット2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延びており、遊技パネル1100に前方から取付けられている。サイドユニット2200は、遊技球Bを常時受入可能に開口している三つの一般入賞口2001を備えている。サイドユニット2200の三つの一般入賞口2001は、内レール1002に沿うように円弧状に列設されている。右側の二つの一般入賞口2001は上方へ向けて開口しており、左側の一般入賞口2001は左上へ向けて開口している。
サイドユニット2200は、平板状の台板と、台板から前後に樋状に延出していると共に前端が下方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜しており左右に離隔している二つ第一誘導樋と、二つの第一誘導樋の夫々の前端側を閉鎖している第一前壁部と、二つの第一誘導樋よりも左方において台板から前後に樋状に延出している第二誘導樋と、第二誘導樋の前端側を閉鎖している第二前壁部と、を備えている。サイドユニット2200は、全体が透明な部材により形成されている。
第一誘導樋2202及び第二誘導樋2204は、断面がU字状に形成されている。第一誘導樋2202は、U字の開放されている部位が上方へ向けられており、第二誘導樋2204は、U字の開放されている部位が左上へ向けられている。第一誘導樋2202の前端は、下から約3/4の高さの部位を境にして、上側が垂直に延びていると共に、下側が下方へ向かうに従って後方へ移動するように台板2201付近まで斜めに延びている。従って、第一誘導樋2202の前端側を閉鎖している第一前壁部2203は、下から約3/4の高さの位置で、下側が後方へ折れ曲がった形状となっている。
第二誘導樋2204は、前端側が垂直となっている。従って、第二誘導樋2204の前端側を閉鎖している第二前壁部2205は、台板2201と平行に垂直に延びている。
このサイドユニット2200は、台板2201が遊技パネル1100のパネル板1110の前面に当接させられた状態で、パネル板1110に取付けられる。そして、第一誘導樋2202及び第二誘導樋2204におけるパネル板1110よりも前方に突出している部位と、第一前壁部2203及び第二前壁部2205とで、遊技球Bを受入可能な一般入賞口2001を形成している。また、サイドユニット2200は、パネル板1110に取付けた状態では、第一誘導樋2202及び第二誘導樋2204における台板2201よりも後方に突出している部位が、パネル板1110の開口部1112を貫通してパネル板1110の後面よりも後方に突出している。これら第一誘導樋2202及び第二誘導樋2204は、底面が後方へ向かって低くなるように傾斜しており、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを後方へ誘導することができる。
サイドユニット2200は、遊技盤5に組立てた状態で、三つの一般入賞口2001が遊技パネル1100の前面よりも前方に突出している。このサイドユニット2200は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを、遊技パネル1100の後方に誘導し、裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第二受渡口3062、第三受渡口3063、及び第四受渡口3064の何れかに受け渡すことができる。裏誘導ユニット3050の第二受渡口3062、第三受渡口3063、及び第四受渡口3064の何れかに受け渡された遊技球Bは、一般入賞口センサ3051により検知された上で、下方の基板ホルダ1200上に排出される。
サイドユニット2200は、始動口ユニット2100とは異なり、一般入賞口2001の前面を形成している第一前壁部2203や第二前壁部2205に装飾用のシールが貼り付けられておらず、第一始動口2002よりは目立たないようになっている。なお、サイドユニット2200における二つの一般入賞口2001では、前端を傾斜させているため、それら一般入賞口2001の立体感を強調することができ、前面に装飾用のシールを貼り付けていなくても、見栄えが悪くなることはない。
サイドユニット2200は、遊技盤5に組立てた状態では、図120に示すように、後方に裏ユニット3000の裏下左演出ユニット3200が位置しており、裏下左演出ユニット3200における裏下左装飾基板3203のLEDからの光により発光装飾することができると共に、裏下左回転装飾体3201を良好な状態で視認させることができる。また、サイドユニット2200は、二つの一般入賞口2001の前端を夫々形成している第一前壁部2203に傾斜している部位を有しているため、当該部位により裏ユニット3000における裏下左演出ユニット3200の裏下左装飾基板3203から前方へ照射された光を、パチンコ機1の前方に着座している遊技者の頭部付近へ反射(又は屈折)させることができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。
このサイドユニット2200は、第一前壁部2203における折れ曲がって斜めに延びている部位が、始動口ユニット2100における周壁部2102の底面よりも急な角度で傾斜しているため、相対的に後方への遊技球Bの移動速度(転動速度)が速くなっている。なお、第一誘導樋2202及び第二誘導樋2204の底面は、始動口ユニット2100における周壁部2102の底面と、略同じ角度で傾斜している。従って、一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bよりも短い時間で、受入れられた遊技球Bが見えなくなる。これにより、遊技者に対して一般入賞口2001への遊技球Bの受入れを確実に認識させつつ、遊技者の関心が一般入賞口2001に対して無用に長く引き付けられることを抑制することが可能となるため、遊技者の関心を次の遊技球Bや第一始動口2002、第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006等の他の入賞口へ向けさせ易くすることができ、引き続き遊技領域5a内での遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
換言すると、サイドユニット2200の第一前壁部2203における折れ曲がって斜めに延びている部位を、始動口ユニット2100における周壁部2102の底面よりも急な角度で傾斜させているため、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bの転動速度よりも、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bの転動速度を遅くすることができる。従って、第一始動口2002に遊技球Bが受入れられると、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bよりも長い時間、受入れられた遊技球Bが見えることとなるため、遊技者に対して遊技球Bが第一始動口2002に受入れられたことを確実に認識させることができると共に、第一始動口2002に遊技球Bが受入れられたことに対する喜び(優越感)を、一般入賞口2001に受入れられた時よりも長い時間味わわせることができる。
ところで、サイドユニット2200では、二つの一般入賞口2001の前端を夫々形成している第一前壁部2203を傾斜させているため、第一誘導樋2202の側方から、第一前壁部2203の傾斜している部位の前方を遊技球Bが通過することが可能となる。遊技球Bが第一前壁部2203の前方を通過した場合、正面から見ると遊技球Bが一般入賞口2001と重なって見えるため、遊技者によっては遊技球Bが一般入賞口2001に受入れられたと錯覚してしまい、遊技球Bの払出しが行われないことでパチンコ機1や遊技ホール側への不信感を覚えてしまい、遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがある。これに対して、本実施形態のサイドユニット2200では、上述したように、第一前壁部2203の傾斜している部位と第一誘導樋2202とで、一般入賞口2001に受入れられて後方へ誘導される遊技球Bを、短時間ながら遊技者に視認させることができるため、遊技球Bが一般入賞口2001に受入れられたことを認識させることができる。従って、第一前壁部2203の前方を通過した遊技球Bが一般入賞口2001に受入れられたと錯覚しても、直ちに錯覚であると認識させることができる。
また、このサイドユニット2200では、第一前壁部2203の前方を遊技球Bの一部が通過可能とするようにしているため、一般入賞口2001の第一前壁部2203の前方を遊技球Bが通過した時に、正面視において、遊技球Bの大部分(少なくとも遊技球Bの半分以上)が一般入賞口2001と重なっていると、遊技者によっては当該遊技球Bが一般入賞口2001に受れられたかのように錯覚させることができ、遊技者を楽しませることができる。この際に、遊技球Bの一部が一般入賞口2001と重なっていないことから、遊技球Bが一般入賞口2001に受入れられたと強く認識することはなく、錯覚であったとも思わせることができるため、その後に特典(遊技球Bの払出しや第一特別抽選結果の抽選)が付与されなくても、パチンコ機1や遊技ホール側に対して不信感を抱いてしまうことを回避させることができ、遊技者に対して引続き遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、サイドユニット2200は、三つの一般入賞口2001のうち、最も左側(左端)の一般入賞口2001の前端を、第二前壁部2205により遊技パネル1100(パネル板1110)と平行に延びており、始動口ユニット2100の第一始動口2002と同じような形状としている。これにより、左端の一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、遊技者によっては始動口に受入れられたと錯覚させることができる。そして、始動口であると錯覚した一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられても、特別抽選結果の抽選が行われないため、パチンコ機1や遊技ホール側へに対して不信感を覚えてしまう恐れがある。しかしながら、当該一般入賞口2001を、左右方向中央の第一始動口2002から左方へ離れたサイドユニット2200の左端(「右打ち」では受入れさせることができない位置)に設けていると共に、第二前壁部2205の前面に始動口を示すような装飾用のシールが貼り付けられていないため、始動口ではないと再確認させることができ、遊技者が不信感を覚えることで遊技に対する興趣を低下させてしまうことを回避させることができる。
また、サイドユニット2200は、二つの一般入賞口2001の前端を傾斜させているため、それらの前端を遊技パネル1100の面と平行にした場合と比較して、サイドユニット2200に必要な素材の量を低減させることができると共に、一般入賞口2001の前面に装飾用のシールを貼り付けないようにしているため、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
なお、サイドユニット2200(一般入賞口2001)の第一前壁部2203における水平からの傾斜角度は、図示は省略するが、大入賞口や役物入賞口等の可変入賞口を開閉可能に閉鎖する入賞口扉が、遊技球Bを入賞口側へ誘導するように、上辺が前方へ移動するように下辺を中心に回動して開状態となった時の水平からの傾斜角度よりも大きい角度としている。詳述すると、遊技者によっては、可変入賞口への遊技球Bの受入れにより払出される遊技球Bの数を一般入賞口2001よりも多くした場合、当該可変入賞口への遊技球Bの多くの入賞を願うようになる。或いは、規定入賞数が定められている可変入賞口(大入賞口)であっても、規定数以上の入賞を願うようになる。従って、当該可変入賞口の入賞口扉の傾斜を、一般入賞口2001(第一前壁部2203)よりも緩くしていることで、入賞口扉上を転動する遊技球Bの速度が遅くなり、上述したように、可変入賞口に遊技球Bが受入れられると、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bよりも長い時間、受入れられた遊技球Bが見えることとなるため、遊技者に対して遊技球Bが可変入賞口に受入れられたことを確実に認識させることができると共に、可変入賞口に遊技球Bが受入れられたことに対する喜び(優越感)を、一般入賞口2001に受入れられた時よりも長い時間味わわせることができる。また、開状態の時の入賞口扉の角度が緩いことから、開状態の入賞口扉が閉状態となるまでの時間が長くなるため、遊技者に対して規定数以上に遊技球Bが入賞するように思わせることができる。
また、サイドユニット2200における右側の二つの一般入賞口2001では、第一前壁部2203における上端から下方へ垂直に延びている部位の距離よりも、当該部位の下端から斜め下方へ延びている部位の距離の方が長く形成されている。これにより、当該入賞口が一般入賞口2001であることから、遊技球Bの払出しは行われるものの普通抽選や特別抽選等の抽選は行われないので、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを早期に遊技者の視界から見えなくすることができる。
更に、上記の実施形態では、サイドユニット2200において、複数ある一般入賞口2001のうち特定の一般入賞口2001の前面を傾斜させたものを示したが、これに限定するものではなく、全ての一般入賞口2001の前面を傾斜させるようにしても良い。また、本実施形態では、前面を傾斜させていない一般入賞口2001を、通常の遊技状態の時の発射位置(所謂、「左打ち」)に発射された遊技球Bが入球可能とされる位置に設けたものを示したが、これに限定するものではなく、前面を傾斜させていない一般入賞口2001を、有利遊技状態(「時短」や「確変」や「大当り」中)のときの発射位置(所謂、「右打ち」)に発射された遊技球Bが入球可能とされる位置に設けるようにしても良いし、両方に設けるようにしても良い。
また、図119に示すように、前面に傾斜を設けた一般入賞口2001の傾斜角度は、可変入賞口(例えば、大入賞口)が閉鎖しているときから開放させたときの開放角度よりも狭い角度としている。大入賞口への入賞したときの遊技球Bの払出し個数を一般入賞口2001よりも多くした場合、規定入賞数が定められている大入賞口であっても規定数以上の入賞を遊技者は願う。そのため、大入賞口へ入賞した遊技球Bが奥側に転がるときの速度は、前面を傾斜させた一般入賞口2001に入賞した遊技球Bが奥側に転がるときの速度よりも遅いとされている。言い換えると、大入賞口へ入賞したときの払出し数よりも少ない一般入賞口2001へ入賞した場合には、大入賞口へ入賞した遊技球Bが奥側に転がるときの速度に比べて速いとされている。つまり、払出しが多い入賞口ほど、遊技者の視界から消える時間が遅い、ということが言える。これにより、払出しが多い入賞口ほど、入賞したときの喜びの時間を長く提供することができる。
[5−8c.サイド左上ユニット]
表ユニット2000におけるサイド左上ユニット2300について、主に図117等を参照して詳細に説明する。表ユニット2000のサイド左上ユニット2300は、遊技領域5a内において、サイドユニット2200の左方で内レール1002に接するように、遊技パネル1100に前方から取付けられている。サイド左上ユニット2300は、右方へ低くなるように傾斜した棚部2301を有している。このサイド左上ユニット2300は、全体が透明に形成されている。
サイド左上ユニット2300は、遊技盤5に組立てた状態で、棚部2301が遊技パネル1100の前面よりも前方へ突出している。サイド左上ユニット2300は、センター役物2500の左側を流下してきた遊技球Bを、棚部2301により、センター役物2500の下方となる右方側へ誘導することができる。
[5−8d.第一アタッカユニット]
表ユニット2000における第一アタッカユニット2400について、主に図121乃至図125等を参照して詳細に説明する。図121(a)は表ユニットにおける第一アタッカユニットを前から見た斜視図であり、(b)は表ユニットにおける第一アタッカユニットを後ろから見た斜視図である。図122は第一アタッカユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図123は第一アタッカユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図124は、第一アタッカユニットにおける第一大入賞口扉の動きを左側面から示す説明図である。図125は、第一アタッカユニットにおける遊技球の通路を断面で示す説明図である。
表ユニット2000の第一アタッカユニット2400は、遊技領域5a内において、正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に配置されており、遊技パネル1100のパネル板1110の前面に前方から取付けられている。この第一アタッカユニット2400は、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第一サブアウト口2011を備えている(図130等を参照)。第一アタッカユニット2400では、正面視において、第二始動口2004が左右方向中央から右寄りの上部に設けられており、第一大入賞口2005が左右方向中央より左側で第二始動口2004よりも低い位置に設けられており、第一サブアウト口2011が第二始動口2004の下方で第一大入賞口2005よりも低い位置に設けられている。
また、第一アタッカユニット2400は、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2401と、第一大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する第一大入賞口センサ2402と、第一サブアウト口2011に受入れられた遊技球Bを検知する第一サブアウト口センサ2403と、不正な磁気を検知する磁気センサ2404と、を備えている。第一大入賞口センサ2402と磁気センサ2404は、夫々二つずつ設けられている。
第一アタッカユニット2400は、パネル板1110に取付けられるユニットベース2411と、ユニットベース2411の前側に取付けられ遊技球Bの流路を形成している前カバー2412と、ユニットベース2411の後側に取付けられている後カバー2413と、ユニットベース2411に取付けられており第二始動口2004を閉鎖可能な第二始動口扉2414と、第二始動口扉2414を可動させて第二始動口2004を開閉させるための始動口ソレノイド2415と、始動口ソレノイド2415を覆っているソレノイドカバー2416と、ユニットベース2411に取付けられており第一大入賞口2005を閉鎖可能な第一大入賞口扉2417と、第一大入賞口扉2417を可動させて第一大入賞口2005を開閉させるための第一アタッカソレノイド2418と、第一アタッカソレノイド2418の進退を伝達して第一大入賞口扉2417を可動させる伝達部材2419と、を備えている。
また、第一アタッカユニット2400は、後カバー2413に取付けられており第一大入賞口2005を発光装飾させるための第一大入賞口装飾基板2420と、後カバー2413の後面に取付けられており、第二始動口センサ2401、第一大入賞口センサ2402、第一サブアウト口センサ2403、磁気センサ2404、始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、及び第一大入賞口装飾基板2420とパネル中継基板1710との接続を中継するための第一アタッカ中継基板2421と、を備えている。
ユニットベース2411は、透明な部材により形成されている。ユニットベース2411は、左右方向中央から右寄りの上端付近において前後に貫通している第一開口部2411aと、第一開口部2411aの下方で前後に貫通している第一誘導孔2411bと、左右方向中央より左側の上部において左右に長く前後に貫通している第二開口部2411cと、第二開口部2411cの下方で左右に並んで前後に貫通している二つの第二誘導孔2411dと、第一誘導孔2411bの下方で前後に貫通している第一サブアウト口2011と、を有している。
ユニットベース2411の第一開口部2411aは、左右の幅が遊技球Bの直径よりも若干長く形成されており、第二始動口扉2414の扉部2414aが挿通される。第一誘導孔2411bは、上下方向中央より下側の位置に設けられている。第一誘導孔2411bは、筒状に後方へ突出しており、後端側が低くなるように傾斜している。第二開口部2411cは、遊技球Bの直径の4倍〜6倍の長さで左右に延びており、第一大入賞口扉2417の扉部2417aが挿通される。第二誘導孔2411dは、夫々が筒状に後方へ突出しており、後端側が低くなるように傾斜している。
また、ユニットベース2411は、第二開口部2411cの上辺に沿って左右に並んでおり、三角形状に前方へ突出した二つの当接部2411eを有している。これら当接部2411eは、第一大入賞口2005が閉状態の時に、第一大入賞口扉2417の扉部2417a上を転動している遊技球Bを、前カバー2412の当接部と協働して、前後方向へ大きくジグザグ状に流通させるものである。
ユニットベース2411には、第一誘導孔2411bの直上において、ユニットベース2411の前面から検知孔を前方へ突出させた状態で第二始動口センサ2401が取付けられている。また、二つの第二誘導孔2411dの夫々の直上において、ユニットベース2411の前面から検知孔を前方へ突出させた状態で第一大入賞口センサ2402が取付けられている。更に、第一サブアウト口2011の後端において、検知孔が一致するように第一サブアウト口センサ2403がユニットベース2411に取付けられている。また、ユニットベース2411の後面における第一誘導孔2411bよりも左側の部位と、二つの第二誘導孔2411dよりも右側の部位とに、夫々磁気センサ2404が取付けられている。
前カバー2412は、後方へ開放された箱状に形成されており、透明に部材に形成されている。前カバー2412は、ユニットベース2411の前面に、遊技球Bの通路を形成するためのものである。前カバー2412は、図125に示すように、正面視において、右上隅付近から左方へ低くなるように延びている第一棚部2412aと、第一棚部2412aの左端から左方へ遊技球Bの直径よりも若干長く間隔をあけると共に第一棚部2412aの左端よりも低い位置から左方へ低くなるように第一棚部2412aよりも短く延びており、第一棚部2412aとの間で第二始動口2004を形成している第二棚部2412bと、第二棚部2412bの左端よりも左方で遊技球Bの直径よりも低い位置から左方へ低くなるように第二棚部2412bよりも短く延びている第三棚部2412cと、第三棚部2412cの左端から左方へ遊技球Bの直径の4倍〜6倍の長さの間隔をあけると共に第三棚部2412cよりも低い位置から左方へ低くなるように延びており、第三棚部2412cとの間で第一大入賞口2005を形成している第四棚部2412dと、を有している。
第一棚部2412aの右端は、前カバー2412の右辺から、遊技球Bの直径よりも若干長く左方へ離れている。第一棚部2412a、第二棚部2412b、第三棚部2412cは、夫々が同じ角度で傾斜しており、第四棚部2412dは、第一棚部2412a等よりも急な角度で傾斜している。
また、前カバー2412は、第一棚部2412aの右端から下方へ垂直に延びている第一立壁部2412eと、第一棚部2412aの左端から下方へ垂直に第一立壁部2412eの下端と同じ高さまで延びている第二立壁部2412fと、第二棚部2412bの右端から下方へ垂直に第一立壁部2412eの下端と同じ高さまで延びている第三立壁部2412gと、第三棚部2412cの右端から下方へ垂直に前カバー2412の下辺まで延びている第四立壁部2412hと、第三棚部2412cの左端から下方へ延びている第五立壁部2412iと、第四棚部2412dの右端から下方へ延びている第六立壁部2412jと、第四棚部2412dの左端から下方へ延びている第七立壁部2412kと、を有している。
第五立壁部2412iは、第三棚部2412cの左端から下方へ第四棚部2412dよりも低い位置まで延びた後に左方へ低くなるように遊技球Bの直径よりも若干長く延びた上で、更に下方へ前カバー2412の下辺まで延びている。また、第六立壁部2412jは、第四棚部2412dの右端から下方へ第四棚部2412dよりも低い位置まで延びた後に右方へ低くなるように遊技球Bの直径よりも若干長く延びた上で、更に下方へ前カバー2412の下辺まで延びている。第五立壁部2412iと第六立壁部2412jとの下部同士の左右方向の間隔は、遊技球Bの直径の2倍よりも長い間隔である。
更に、前カバー2412は、第一立壁部2412e、第二立壁部2412f、及び第三立壁部2412gの下端同士を連結している第一横壁部2412lと、前カバー2412の右辺における第一立壁部2412eの下端よりも低い位置から、第一横壁部2412lとの間で遊技球Bが流通可能な間隔をあけて左方へ低くなるように傾斜した後に左方の第四立壁部2412hの途中へ向かって高くなるように傾斜している第二横壁部2412mと、を有している。第一横壁部2412lは、ユニットベース2411における第一誘導孔2411bの下端と同じ高さに設けられている。第二横壁部2412mは、第二始動口2004の下方の第一サブアウト口2011の部位が最も低くなるように形成されている。
また、前カバー2412は、第五立壁部2412i及び第六立壁部2412jの夫々の下部付近から、互いに接近する方向へ、夫々第五立壁部2412iと第六立壁部2412jとの間の中央付近まで延びている第三横壁部2412nと、二つの第三横壁部2412nの対向している夫々の端部同士を連結していると共に上方へ延出している仕切部2412oと、を有している。第三横壁部2412nは、ユニットベース2411における第二誘導孔2411dの下端と同じ高さに設けられている。
更に、前カバー2412は、前カバーの上辺に沿って左方へ低くなるように階段状に延びており、第二棚部2412b及び第三棚部2412cの間で遊技球Bが流通可能な間隔をあけて設けられている。上棚部2412pを、有している。上棚部2412pは、右端が第一棚部2412aの左端の直上に位置しており、左端が第四棚部2412dの右端よりも若干右方に位置している。また、上棚部2412pは、右端付近が右方へ低くなるように傾斜している。
また、前カバー2412は、図示は省略するが、ユニットベース2411の当接部2411eの前方となると共に、ユニットベース2411の二つの当接部2411eに対して左右方向へ互い違いとなる部位に、三角形状に後方へ突出している二つの当接部を、有している。これら当接部は、第一大入賞口2005が閉状態の時に、第一大入賞口扉2417の扉部2417a上を転動している遊技球Bを、ユニットベース2411の当接部2411eと協働して、前後方向へ大きくジグザグ状に流通させるものである。
後カバー2413は、前方へ開放された箱状に形成されている。後カバー2413は、ユニットベース2411と協働して、第二始動口扉2414、ソレノイドカバー2416、第一大入賞口扉2417、第一アタッカソレノイド2418、等を保持している。また、後カバー2413は、前カバー2412と協働して、第二始動口センサ2401、第一大入賞口センサ2402、及び第一サブアウト口センサ2403を、挟持するように保持している。
第二始動口扉2414は、平板状の扉部2414aと、扉部2414aから下方へ延出しているアーム部2414bと、アーム部2414bの下端から左右方向へ延出しており、ユニットベース2411に対して回転可能に取付けられる回転軸2414cと、アーム部2414bの下部における回転軸2414cから離れた部位に設けられており始動口ソレノイド2415のプランジャの先端と接続させる接続部2414dと、を有している。
第二始動口扉2414の扉部2414aは、左端側が低くなるように傾斜している。第二始動口扉2414のアーム部2414bは、扉部2414aの後端から下方へ延びた後に、扉部2414aの前端と略同じ位置まで前方へ屈曲している。接続部2414dは、アーム部2414bにおける回転軸2414cよりも扉部2414aに近い側に設けられている。
この第二始動口扉2414は、扉部2414aにより第二始動口2004を閉鎖することができる。第二始動口扉2414は、始動口ソレノイド2415のプランジャの前後方向への進退により、回転軸2414cを中心として回転(回動)することで、扉部2414aが前後方向へ移動して、第二始動口2004を開閉することができる。
始動口ソレノイド2415は、プランジャが突出している向きを前方へ向けて取付けられている。この始動口ソレノイド2415は、通電していない状態では図示しないバネの付勢力によってプランジャが前方へ突出しており、通電することによりプランジャが後退する。
第一大入賞口扉2417は、左右に長い平板状の扉部2417aと、扉部2417aの左右方向両端から夫々下方へ延出している一対のアーム部2417bと、一対のアーム部2417bの夫々の下端から互いに同軸上で左右方向へ夫々が延出している回転軸2417cと、右側のアーム部2417bの下部から右方へ突出している円柱状のリンクピン2417dと、を有している。
第一大入賞口扉2417の扉部2417aは、左端側が低くなるように傾斜している。一対のアーム部2417bは、扉部2417aの後端から下方へ延びた後に、扉部2417aの前端と略同じ位置まで前方へ屈曲している。リンクピン2417dは、アーム部2417bの下部における回転軸2417cよりも扉部2417aに近い側に設けられている。このリンクピン2417dは、後述する伝達部材2419の上下に延びているスリット2419c内に、摺動可能に挿入される。
この第一大入賞口扉2417は、扉部2417aにより第一大入賞口2005を閉鎖することができる。第一大入賞口扉2417は、第一アタッカソレノイド2418のプランジャの前後方向への進退により、回転軸2417cを中心として回転(回動)することで、扉部2417aが前後方向へ移動して、第一大入賞口2005を開閉することができる。
第一アタッカソレノイド2418は、プランジャが突出している向きを前方へ向けて取付けられている。この第一アタッカソレノイド2418は、通電していない状態では図示しないバネの付勢力によってプランジャが前方へ突出しており、通電することによりプランジャが後退する。
伝達部材2419は、第一アタッカソレノイド2418のプランジャの先端に取付けられる基部2419aと、基部2419aから前方へ延出している延出部2419bと、延出部2419bの前端付近で左右方向へ貫通していると共に上下に延びているスリット2419cと、を有している。伝達部材2419のスリット2419c内には、第一大入賞口扉2417のリンクピン2417dが摺動可能に挿入される。
第一大入賞口装飾基板2420は、前方へ光を照射可能な複数のLEDが前面に実装されている。第一大入賞口装飾基板2420の複数のLEDは、フルカラーLEDである。第一大入賞口装飾基板2420は、複数のLEDを発光させることで、第一大入賞口2005を発光装飾させることができる。
第一アタッカユニット2400は、通常の状態では、始動口ソレノイド2415及び第一アタッカソレノイド2418が、夫々非通電(OFF)の状態となっている。この通常の状態では、始動口ソレノイド2415のプランジャが、図示しないバネの付勢力により前方へ突出していると共に、第二始動口扉2414の扉部2414aがユニットベース2411の第一開口部2411aを通って前方へ突出している。この状態では、第二始動口扉2414の扉部2414aが、第二始動口2004の上方に位置しており、扉部2414aにより第二始動口2004への遊技球Bの受入れが不能な状態となっている。つまり、第二始動口2004が第二始動口扉2414(扉部2414a)により閉鎖されている(図125を参照)。
また、通常の状態では、第一アタッカソレノイド2418のプランジャが、図示しないバネの付勢力により前方へ突出していると共に、第一大入賞口扉2417の扉部2417aがユニットベース2411の第二開口部2411cを通って前方へ突出している。この状態では、第一大入賞口扉2417の扉部2417aが、第一大入賞口2005の上方に位置しており、扉部2417aにより第一大入賞口2005への遊技球Bの受入れが不能な状態となっている。つまり、第一大入賞口2005が第一大入賞口扉2417(扉部2417a)により閉鎖されている(図124及び図125を参照)。
この通常の状態で、第一棚部2412a上に遊技球Bが流下すると、第一棚部2412aの傾斜により遊技球Bが左方へ転動し、第二始動口扉2414の扉部2414aの上面、及び第二棚部2412bを転動した上で、第二棚部2412bの左端から左方へ放出される。第二棚部2412bから左方へ放出された遊技球Bは、その勢いに応じて、第三棚部2412c又は第一大入賞口扉2417の扉部2417a上に落下し、それらの傾斜により左方へ転動する。なお、第二棚部2412bから左方へ放出された遊技球Bが、上棚部2412pの下面に当接して右方へ跳ね返ると、第二棚部2412bと第三棚部2412cとの間の隙間に進入することがある。
この際に、第一大入賞口2005を閉鎖している扉部2417a上を転動している遊技球Bは、ユニットベース2411の当接部2411eと前カバー2412の当接部に対して、交互に当接することとなり、前後方向へジグザグしながら左方へ転動することとなる。扉部2417a上を左方へ転動した遊技球Bは、第四棚部2412dを転動した後に、その左端から第一アタッカユニット2400外へ放出される。
この第一アタッカユニット2400では、第一棚部2412aよりも右方に遊技球Bが流下すると、第一立壁部2412eの右側を通り、第二横壁部2412mの右端付近に落下し、第二横壁部2412mの傾斜により左方へ転動して第一サブアウト口2011に進入する。また、遊技球Bが、第二棚部2412bと第三棚部2412cとの間の隙間に進入すると、第三立壁部2412gと第四立壁部2412hとの間を通って第二横壁部2412mの左端付近に落下し、第二横壁部2412mの傾斜により右方へ転動して第一サブアウト口2011に進入する。
第一サブアウト口2011に進入した遊技球Bは、第一サブアウト口センサ2403により検知された上で、遊技領域5a内に戻されることなく裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第五受渡口3065に受け渡され、裏誘導ユニット3050から下方の基板ホルダ1200上に排出される。この第一アタッカユニット2400では、第一棚部2412aの右側を流通した遊技球Bと、第二棚部2412bと第三棚部2412cの間の隙間を通った遊技球Bとが、何れも第一サブアウト口2011に進入するように形成されており、実質的に第一サブアウト口2011が二つ設けられている。
この通常の状態において、ゲート部2003を遊技球Bが通過することで抽選された普通抽選結果に応じて、始動口ソレノイド2415に通電(ON)されると、バネの付勢力に抗してプランジャが後退し、第二始動口扉2414のアーム部2414bにおける回転軸2414cよりも上側(扉部2414a側)の接続部2414dが、プランジャの先端により後方へ引っ張られる。これにより、第二始動口扉2414が、回転軸2414cを中心として、扉部2414aが後方に移動する方向へ回動することとなる。そして、扉部2414aがユニットベース2411の前面から後退するように回動することにより、第二始動口2004の上方が開放された状態となり、第二始動口2004への遊技球Bの受入れが可能となる。つまり、第二始動口2004が開状態となる。
第二始動口2004が開状態の時に、遊技球Bが第二始動口2004に受入れられると、第二立壁部2412fと第三立壁部2412gとの間を流下し、第二始動口センサ2401に検知された後に、第一横壁部2412l上に落下する。この第一横壁部2412lにおける第二立壁部2412fと第三立壁部2412gとの間の部位は、後方へ低くなるように傾斜しており、その傾斜により遊技球Bが後方へ転動し、ユニットベース2411の第一誘導孔2411bに進入し、その後端から後方へ放出される。第一誘導孔2411bの後端から後方へ放出された遊技球Bは、裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第五受渡口3065に受け渡され、裏誘導ユニット3050から下方の基板ホルダ1200上に排出される。
一方、通常の状態において、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果や第二特別抽選結果)に応じて、第一アタッカソレノイド2418に通電(ON)されると、バネの付勢力に抗してプランジャが、その先端に取付けられている伝達部材2419と一緒に後退する。この伝達部材2419が後退すると、伝達部材2419のスリット2419cに挿入されている第一大入賞口扉2417のリンクピン2417dが、スリット2419c内を摺動しながらスリット2419cの内壁により後方へ押圧されることとなる。
これにより、第一大入賞口扉2417が、回転軸2417cを中心にして扉部2417aが後方へ移動するように回動することとなり、扉部2417aの前端がユニットベース2411の前面よりも後方へ移動することとなる。この第一大入賞口扉2417の扉部2417aが、ユニットベース2411の前面よりも後方へ移動することにより、第一大入賞口2005が上方へ開放された状態となり、第一大入賞口2005への遊技球Bの受入れが可能な状態となる(図124を参照)。つまり、第一大入賞口2005が開状態となる。
第一大入賞口2005が開状態の時に、遊技球Bが第一大入賞口2005に受入れられると、第五立壁部2412iと第六立壁部2412jとの間を通った上で、第五立壁部2412iと仕切部2412oとの間、又は、第六立壁部2412jと仕切部2412oとの間を通って、二つの第一大入賞口センサ2402のうちの一つに検知された上で、第三横壁部2412n上に落下する。この第三横壁部2412nは、上面から後方へ向かって低くなるように傾斜しており、第三横壁部2412n上に落下した遊技球Bは、その傾斜により後方へ転動し、ユニットベース2411の第二誘導孔2411dを通って後方へ放出される。第二誘導孔2411dから後方へ放出された遊技球Bは、裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第六受渡口3066に受け渡され、裏誘導ユニット3050から下方の基板ホルダ1200上に排出される。
このように、本実施形態の第一アタッカユニット2400によれば、第一大入賞口2005を開閉する第一大入賞口扉2417において、第一大入賞口2005を閉鎖する扉部2417aの前端付近と前後方向が同じ位置で左右に延びた回転軸2417cを中心として扉部2417aを回転させることにより、第一大入賞口2005を開閉させるようにしているため、第一大入賞口2005(第一アタッカユニット2400)にかかる前後方向の奥行を可及的に短くすることができる。この効果は、第二始動口扉2414により開閉される第二始動口2004においても同じである。これにより、第一アタッカユニット2400の後方のスペースを相対的に広くすることができる。
また、第一アタッカユニット2400では、第一大入賞口2005ら受入れられた遊技球Bを仕切部2412oにより二つに分けて、夫々を異なる第一大入賞口センサ2402により検知してユニットベース2411の後方へ放出するようにしているため、第一大入賞口2005と第一大入賞口センサ2402との間で遊技球Bが滞ることを抑制させることができると共に、短時間で多くの遊技球Bを受入れることができる。
[5−8e.センター役物]
次に、表ユニット2000のセンター役物2500について、主に図126及び図127等を参照して詳細に説明する。図126(a)は表ユニットのセンター役物を前から見た斜視図であり、(b)は表ユニットのセンター役物を後ろから見た斜視図である。図127は、センター役物の正面図である。表ユニット2000のセンター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100よりも上方で、正面視略中央やや上寄りに配置されており、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面に取付けられている。センター役物2500は、透明な枠状に形成されており、遊技パネル1100の後方に設けられた演出表示装置1600や裏ユニット3000に備えられている各種演出ユニット等を前方から視認することができる。
枠状のセンター役物2500は、全周に亘って遊技パネル1100の前面よりも前方へ突出している部位を有しており、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bが、枠内に侵入できないようになっている。
センター役物2500は、前後方向に延びている枠状の周壁部2501(センターフレームとも称する)と、周壁部2501の外周から突出しており遊技パネル1100のパネル板1110の前面に当接する平板状のフランジ部2502と、周壁部2501の内周から突出している平板状のサポート部2503と、を有している。周壁部2501は、遊技盤5に組立てた状態で、後端が遊技パネル1100のパネル板1110の後面と一致する位置まで後方に延びている。また、周壁部2501は、パネル板1110におけるセンター役物2500が挿入される開口部1112の内周に沿うような形状に形成されている。この周壁部2501は、遊技盤5に組立てた状態で、センター役物2500の外側から枠内の内側への遊技球Bの侵入を防止することができる。
フランジ部2502とサポート部2503の厚さは、パネル板1110の厚さよりも薄く(パネル板1110の厚さの1/4〜1/5の厚さ)形成されている。フランジ部2502とサポート部2503は、前後方向の同じ位置で周壁部2501から突出している。従って、サポート部2503(フランジ部2502)の後面から周壁部2501の後端までの距離が、パネル板1110の厚さと同じである。
サポート部2503は、周壁部2501の内周において、部分的に複数設けられている。また、サポート部2503は、周壁部2501におけるフランジ部2502の突出していない部位に設けられており、周壁部2501を補強している。また、サポート部2503は、周壁部2501から突出した端辺が、周壁部2501の正面形状に倣った形状、若しくは、直線状に形成されており、サポート部2503が目立たないようにしている。このサポート部2503は、周壁部2501からの突出量を、サポート部2503の厚さ〜パネル板1110の厚さ(1mm〜10mm)、の範囲内としており、補強としての効果を発揮させつつ遊技者から目立ち難いようにしている。
更に詳述すると、センター役物2500のサポート部2503は、複数設けられている。例えば、後述するワープ入口2511よりも上方で、周壁部2501が最も左方に突出した部位に設けられているサポート部2503では、当該部位における周壁部2501の形状が、上下に延びた部位の中間が左方へ膨出したような形状となっている。そして、サポート部2503の先端辺は、周壁部2501の左方へ膨出した部位の上下両側では、周壁部2501に沿った形状に形成され、周壁部2501の左方へ膨出した部位では、周壁部2501とは異なる形状で、上下両側の部位を繋ぐように直線状に形成されている(図135を参照)。この部位のサポート部2503は、遊技盤5に組立てた状態で、サポート部2503の先端辺における上下に直線状に延びている部位が、後方に設けられている裏ユニット3000における裏前左装飾体3030の右辺の一部に略沿っている。従って、サポート部2503の先端辺が、裏前左装飾体3030の辺縁と一致していることで、サポート部2503が判別し辛くなり、相対的に、後方に設けられている裏前左装飾体3030の装飾を目立たせることができる。
また、複数のサポート部2503のうち、ワープ入口2511の下側のサポート部2503は、周壁部2501が斜めに延びているのに対して、四角形に右方へ延出している。この部位のサポート部2503は、遊技盤5に組立てた状態で、裏ユニット3000の裏前左演出ユニット3700における第三裏前左装飾体ユニット3710Cの前方に位置している(図107等を参照)。このサポート部2503の左右に延びている先端辺は、第三裏前左装飾体ユニット3710Cにおけるシャッターユニット3730の複数のシャッター3732と平行に延びていることから、シャッター3732の形状に一部のように見え、サポート部2503が判別し辛くなっている(図111を参照)。
センター役物2500は、周壁部2501における正面視左側で遊技パネル1100(パネル板1110)の前面よりも前画の部位において、遊技領域5a内の遊技球Bが進入可能に開口しているワープ入口2511と、ワープ入口2511に進入した遊技球Bを放出可能とされ遊技パネル1100の前面よりも後側で枠内に開口しているワープ出口2512と、ワープ出口2512から放出された遊技球Bを左右方向に転動させた後に遊技領域5a内へ放出可能なステージ2513と、ステージ2513の上方を覆うように設けられているステージカバー2515と、を備えている(図127等を参照)。ステージカバー2515は、ステージ2513上で跳ねた遊技球Bをステージ2513側へ跳ね返すことで、センター役物2500の枠外から枠内への遊技球Bの侵入を防止するためのものである。
センター役物2500のステージ2513は、左右方向の中央側が窪んだ湾曲状で、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上と対応した位置、つまり、センター役物2500を遊技パネル1100のパネル板1110に取付けた状態で左右方向の略中央の位置が、その左右両側よりも若干高くなるような波状(W字状)に形成されている。このステージ2513は、左右方向中央の左右両側よりも若干高くなっている部位(中央放出部2513a)と、その左右両側の最も低くなっている部位(サイド放出部2513b)とが、前方へ向かって低くなるように傾斜しており、それらの部位から遊技球Bを遊技領域5a内へ放出させることができる。
センター役物2500は、遊技盤5に組立てた状態で、ステージ2513の左右方向中央の高くなっている部位(中央放出部2513a)が、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上に位置している。これにより、ステージ2513の中央の中央放出部2513aから遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に受入れられる。
また、センター役物2500は、右上隅に設けられており遊技球Bが流通可能な二つの通路からなる案内通路群2520を備えている。このセンター役物2500は、遊技盤5に組立てた状態で、案内通路群2520の右端(センター役物2500の右上隅の端部)が、遊技領域5aの内周縁(前構成部材1000の衝止部1006付近の右レール1005)に略接しており、センター役物2500の上方の右側に打込まれた遊技球Bが、必ず案内通路群2520を通るように形成されている。
案内通路群2520は、上下方向の長さが、遊技領域5aの全高に対して、約1/7の長さである。この案内通路群2520は、何れも前方へ開放された溝状に形成されており、内部を流通する遊技球Bを、前方から良好な状態で視認することができる。
案内通路群2520は、センター役物2500における周壁部2501の外側に設けられており、周壁部2501から離れている第一案内通路2521と、第一案内通路2521の右方で周壁部2501に沿って延びている第二案内通路2522と、から構成されている。第一案内通路2521の入口と第二案内通路2522の入口は、左右に離隔している。また、第一案内通路2521の出口と第二案内通路2522の出口は、左右に隣接しており、右レール1005上部の円弧に沿うように斜め右下へ向かって開口している。
案内通路群2520は、センター役物2500を遊技盤5に組立てた状態で、ゲート部2003の上方に位置している。また、第一案内通路2521は、その入口の右端が前構成部材1000の衝止部1006の下端の直下に位置しており、衝止部1006に当接した遊技球Bの殆どが第一案内通路2521へ進入するように形成されている。
また、センター役物2500は、周壁部2501の右下隅から右方へ突出しており、上方からの遊技球Bを右方へ誘導した後に下方へ放出する右下案内通路2530を、備えている。この右下案内通路2530は、入口が左右方向の前幅に亘って上方へ開口しており、出口が遊技球B一つ分の幅で斜め左下へ向かって開口している。
この右下案内通路2530は、遊技盤5に組立てた状態で、右端が右レール1005に略接しており、第一アタッカユニット2400と第二アタッカユニット2600との間に位置している。従って、案内通路群2520と右下案内通路2530との間には、第二アタッカユニット2600、サイド右中ユニット2700、及びゲート部材2800が、配置されている。
本実施形態のセンター役物2500によれば、周壁部2501から内側へ突出したサポート部2503を設けるようにしていることから、サポート部2503を設けた部位では、周壁部2501がセンター役物2500の外縁となるため、周壁部2501の内側(センター役物2500の枠内)を相対的に広くすることができ、センター役物2500の枠内を通して後方の演出表示装置1600の演出画像や、裏ユニット3000の装飾等をより見え易くすることができる。
また、周壁部2501におけるフランジ部2502が設けられていない部位に内側へ突出したサポート部2503を設けているため、周壁部2501の強度を補強することができる。これにより、周壁部2501におけるサポート部2503が設けられている部位の外側に遊技球Bが当接しても、周壁部2501が変形したり破損したりすることを防止することができる。また、サポート部2503によりセンター役物2500の強度を高めることができるため、センター役物2500を変形させることなく射出成形型から脱型することができる。
また、透明なサポート部2503を周壁部2501の内周から短く突出させていると共に、周壁部2501の全周に対して部分的に設けているため、サポート部2503が後方に設けられている裏ユニット3000の装飾体や演出表示装置1600の演出画像等の視認性を妨げることを低減させることができる。また、サポート部2503等のセンター役物2500を透明としていると共に、センター役物2500の後面に対して可及的に近い位置に裏ユニット3000の裏前左装飾体3030や裏前左演出ユニット3700を配置しているため、透明なセンター役物2500によるレンズ効果により後側の裏前左装飾体3030や裏前左演出ユニット3700の装飾がぼやけてしまうことを抑制することができる。このようなことから、本実施形態のセンター役物2500によれば、後方に設けられている装飾体等の視認性を向上させることができ、それらによる装飾効果を確実に発揮させることができる。
更に、サポート部2503等を透明としていると共に、サポート部2503を発光装飾可能な装飾体や演出表示装置1600の前方に設けているため、それらからの光によって発光装飾することができ、見栄えを良くすることができる。詳述すると、図135等に示すように、サポート部2503(図135においてクロスハッチング部分)の後方には、裏ユニット3000における裏前左演出ユニット3700や演出表示装置1600等が設けられているため、裏前左演出ユニット3700における裏前左装飾基板3714のLEDや演出表示装置1600等から前方へ照射された光を、透過させたり反射させたり屈折させたり拡散させたりして煌びやかな発光装飾を遊技者に見せることができる。なお、サポート部2503に段差や切欠き等を設けるようにしても良く、段差などにより後方からの光を拡散させることができ、より煌びやかに見せることができる。
また、サポート部2503を設けることにより、周壁部2501から外方へ突出しているフランジ部2502が設けられていない部位を有するようにしているため、遊技パネル1100(パネル板1110)におけるサポート部2503に近い部位では、周壁部2501に対して可及的に接近した位置に障害釘Nを植設することができる。これにより、遊技領域5a内において複数の障害釘Nによる遊技の領域を可及的に広くすることができ、本来の遊技を楽しませられるパチンコ機1とすることができる。
また、周壁部2501をパネル板1110の開口部1112の内周形状と同じような形状とした上で、周壁部2501の後端をパネル板1110の後面と同一面上としていると共に、サポート部2503をパネル板1110の前面と略同一面上に設けているため、遊技者に対してサポート部2503を目立ち難くすることができると共に、センター役物2500がパネル板1110と一体化しているように見せることができる。
更に、センター役物2500の全周の一部にサポート部2503を設けているため、全周に亘ってサポート部2503を設けるようにした場合と比較して、センター役物2500の枠内をより広くすることができ、後方に設けられている演出表示装置1600の表示画面をより見え易くすることができる。換言すると、センター役物2500の周壁部2501(センターフレーム)により区画される非流通領域(枠の内側)を大きく見せたい場合、サポート部2503を、周壁部2501の全周の一部に設けるようにしても良い。或いは、サポート部2503を、正面視において、後方に設けられている演出表示装置1600の表示画面とは重ならない程度の延出量とすることが好ましい。
なお、サポート部2503の辺縁を、後方に設けられている裏前左演出ユニット3700の前カバー3711の形状(装飾体の形状)と同じような形状としても良い。これにより、サポート部2503が後方の装飾と異なることで、サポート部2503が目立って後方の装飾体の装飾性を低下させてしまうことを抑制することができると同時に、サポート部2503によっても装飾性を高めることができる。
また、上記の実施形態では、サポート部2503を、後方に設けられている裏ユニット3000の裏前左装飾体3030や裏前左演出ユニット3700に近い位置に設けて、レンズ効果によりそれらの装飾がぼやけて見えてしまうことを抑制するようにしたものを示したが、これに限定するものではなく、サポート部2503を、後方の裏ユニット3000から遠ざかった周壁部2501の前端付近に設けるようにして、意図的に、後方に設けられている裏ユニット3000の裏前左装飾体3030や裏前左演出ユニット3700がぼやけて見えるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、遊技パネル1100のパネル板1110に貫通した開口部1112を有し、センター役物2500の周壁部2501の後側を開口部1112に挿入したものを示したが、これに限定するものではなく、周壁部2501における開口部1112に挿入される後側の部位が無いものとしても良く、この場合、開口部1112を有していない遊技パネル1100に取付けるようにしても良い。また、センター役物2500を、開口部1112を有していない遊技パネル1100に取付ける場合、サポート部2503を遊技パネル1100に取付けても良く、この場合、センター役物2500にフランジ部2502を設けないようにしても良い。
[5−8f.第二アタッカユニット]
続いて、表ユニット2000の第二アタッカユニット2600について、主に図128及び図129等を参照して詳細に説明する。図128(a)は表ユニットにおける第二アタッカユニット、サイド右中ユニット、及びゲート部材を前から見た斜視図であり、(b)は表ユニットにおける第二アタッカユニット、サイド右中ユニット、及びゲート部材を後ろから見た斜視図である。図129は、第二アタッカユニット及びサイド右中ユニットにおける遊技球の通路を断面で示す説明図である。
表ユニット2000の第二アタッカユニット2600は、センター役物2500の周壁部2501における右辺よりも右側で、右下案内通路2530と遊技領域5aの上下方向の中央との間に配置されており、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面に取付けられている。第二アタッカユニット2600は、左方へ向けて開閉可能に開口している第二大入賞口2006を備えている(図129を参照)。
第二アタッカユニット2600は、第二大入賞口2006に受入れられた遊技球Bを検知する第二大入賞口センサ2601と、第二大入賞口2006付近に作用する不正な時期を検知する磁気センサ2602と、を備えている。また、第二アタッカユニット2600は、第二大入賞口2006を開閉可能に閉鎖するための第二大入賞口扉2611と、第二大入賞口扉2611を可動させて第二大入賞口2006を開閉するための第二アタッカソレノイド2612と、第二アタッカソレノイド2612のプランジャの進退を伝達させて第二大入賞口扉2611を可動させる伝達部材(図示は省略)と、第二大入賞口2006に受入れられた遊技球Bを誘導して後方へ放出する誘導通路2613と、を有している。
第二アタッカユニット2600は、第二大入賞口2006が左右方向中央から右寄りの位置で左方へ向かって開口しており、その第二大入賞口2006を左方から閉鎖するように第二大入賞口扉2611が設けられている。
第二大入賞口扉2611は、下方へ膨出した半円形状の下辺と、下辺の右端に接して上方へ直線状に延びている右辺と、右辺の上端から左方へ膨出するように下辺の左側に接している円弧状の左辺と、で構成された、所謂羽根状に形成されている。第二大入賞口扉2611は、半円形状の下辺の中心を軸芯として前後方向に延びた円柱状の回転軸2611aと、回転軸よりも離れた位置から後方へ円柱状に突出しているリンクピン(図示は省略)と、を有している。第二大入賞口扉2611は、上端が左方へ移動するように、下部の回転軸が回転可能に取付けられている。
第二アタッカソレノイド2612は、詳細な図示は省略するが、プランジャが下方へ突出する向きで取付けられている。図示しない伝達部材は、第二アタッカソレノイド2612のプランジャの先端に取付けられる基部と、前後方向に貫通していると共に左右方向に延びており第二大入賞口扉2611のリンクピンが摺動可能に挿入されるスリットと、を有しており、上下方向へスライド可能に取付けられている。
第二アタッカユニット2600は、遊技盤5に組立てた状態で、右辺が前構成部材1000の右レール1005に略接するように位置しており、第二大入賞口2006とセンター役物2500の周壁部2501における右辺側との間に、遊技球Bが流通可能な空間を形成している。また、第二アタッカユニット2600は、遊技盤5に組立てた状態で、誘導通路2613の後端を含む後面が、遊技パネル1100におけるパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。
この第二アタッカユニット2600は、通常の状態では、第二アタッカソレノイド2612が非通電(OFF)の状態となっており、プランジャが自身の自重と伝達部材の自重とにより下方へ突出している。この状態では、第二大入賞口扉2611が直立しており、第二大入賞口2006が第二大入賞口扉2611により閉鎖されている。つまり、通常の状態では、第二大入賞口2006に対して遊技球Bが受入不能となっている。
この通常の状態において、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果や第二特別抽選結果)に応じて、第二アタッカソレノイド2612に通電(ON)されると、プランジャと一緒に伝達部材が上方へ移動し、伝達部材のスリット内に挿入されている第二大入賞口扉2611のリンクピンが、上方へ引き上げられると共に、スリット内を摺動することで、第二大入賞口扉2611が回転軸2611aを中心として反時計回りの方向へ回動することとなる。
これにより、第二大入賞口扉2611の上端が左方へ移動して、第二大入賞口2006が左方へ開放された状態となると共に、第二大入賞口扉2611の右端側が低くなるように傾斜した状態となる。つまり、第二大入賞口2006が開状態となる。この状態で、流下してきた遊技球Bが第二大入賞口扉2611に当接すると、その傾斜により右方へ転動して、第二大入賞口2006に受入れられることとなる。第二大入賞口2006に受入れられた遊技球Bは、第二大入賞口センサ2601により検知された後に、誘導通路2613により誘導されて後方へ放出される。誘導通路2613から後方へ放出された遊技球Bは、裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第七受渡口3067に受け渡され、裏誘導ユニット3050から下方の基板ホルダ1200上に排出される。
[5−8g.サイド右中ユニット]
次に、表ユニット2000におけるサイド右中ユニット2700について、主に図128及び図129等を参照して詳細に説明する。表ユニット2000のサイド右中ユニット2700は、遊技領域5a内において、第二アタッカユニット2600の直上に配置されており、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面に取付けられている。このサイド右中ユニット2700は、一つの一般入賞口2001と、第二サブアウト口2012と、を備えている。
サイド右中ユニット2700は、左右方向が遊技球B一つの分の幅で上方へ向かって一般入賞口2001が常時開口していると共に、一般入賞口2001の右側に隣接して、左右方向が遊技球B二つの分の幅で上方へ向かって第二サブアウト口2012が常時開口している。
また、サイド右中ユニット2700は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを後方へ誘導する第一誘導通路2701と、第二サブアウト口2012に受入れられた遊技球Bを後方へ誘導する第二誘導通路2702と、を有している。第一誘導通路2701は、一般入賞口2001から後方へ延出した後に、右方へ屈曲した上で更に後方へ屈曲した、クランク状に形成されている。第二誘導通路2702は、第二サブアウト口2012から第一誘導通路2701よりも下方へ延出した後に、後方へ屈曲している。第一誘導通路2701の出口と第二誘導通路2702の出口は、上下に並んでいる。
このサイド右中ユニット2700は、遊技盤5に組立てた状態で、第一誘導通路2701及び第二誘導通路2702の夫々の後端が、遊技パネル1100におけるパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。
また、サイド右中ユニット2700は、遊技盤5に組立てた状態で、右端が前構成部材1000の右レール1005と略接していると共に、下端が第二アタッカユニット2600の上端と略接しており、左端とセンター役物2500における周壁部2501の右辺との間に遊技球Bが流通可能な空間を形成している。このサイド右中ユニット2700は、一般入賞口2001が第二大入賞口2006よりも若干左方の位置で上方に開口しており、第二サブアウト口2012が一般入賞口2001と右レール1005との間の略全体に亘って上方に開口している(図130等を参照)。
サイド右中ユニット2700は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを、第一誘導通路2701により遊技パネル1100のパネル板1110よりも後側へ誘導した上で、後方に設けられている裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第八受渡口3068に受け渡すことができる。第八受渡口3068に受け渡された遊技球Bは、一般入賞口センサ3051により検知された上で、下方の基板ホルダ1200上に排出される。また、サイド右中ユニット2700は、第二サブアウト口2012に受入れられた遊技球Bを、第二誘導通路2702によりパネル板1110よりも後側へ誘導した上で、後方に設けられている裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第九受渡口3069に受け渡すことができる。第九受渡口3069に受け渡された遊技球Bは、第二サブアウト口センサ3054により検知された上で、下方の基板ホルダ1200上に排出される。
[5−8h.ゲート部材]
次に、表ユニット2000におけるゲート部材2800について、主に図117及び図128等を参照して詳細に説明する。表ユニット2000のゲート部材2800は、遊技領域5a内において、センター役物2500の案内通路群2520とサイド右中ユニット2700との間に配置されており、遊技パネル1100におけるパネル板1110の前面に取付けられている。ゲート部材2800は、遊技球Bの通過により第二始動口2004を開閉させる普通抽選結果の抽選が行われるゲート部2003と、ゲート部2003を遊技牛Bが通過したことを検知するためのゲートセンサ2801と、を有している。ゲートセンサ2801における遊技球Bを検知するための検知孔を、ゲート部2003としている。
ゲート部材2800は、下面の右端付近から斜め左下へ向かって突出している誘導片2802を有している。誘導片2802は、ゲート部2003を通過した遊技球Bを左下へ誘導するためのものである。この誘導片2802は、遊技盤5に組立てた状態で、その延長線が、サイド右中ユニット2700における一般入賞口2001の左端付近を通るように傾斜している。
ゲート部材2800は、遊技盤5に組立てた状態で、前構成部材1000の右レール1005とセンター役物2500の周壁部2501の右辺との間の略中央に位置しており、左右両外側に遊技球Bが流通可能な隙間を形成している。このゲート部材2800は、センター役物2500の案内通路群2520における第一案内通路2521の直下よりもやや左寄りに位置していると共に、サイド右中ユニット2700の一般入賞口2001の直上よりも右寄りに位置している。
[5−8i.遊技領域内での遊技球の流れ]
次に、遊技領域5a内での遊技球Bの流れについて、主に図115及び図130等を参照して詳細に説明する。図130は、図115において遊技領域内の右部を拡大した説明図である。遊技盤5に組立てた状態では、センター役物2500が遊技領域5aの略中央に設けられている。遊技領域5a内において、センター役物2500の左右両外側の部位と下側の部位に、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されている。また、センター役物2500の左側でサイド左上ユニット2300の上方に、遊技球Bの当接により回転する風車Wが設けられている。
センター役物2500の左側に植設されている複数の障害釘Nは、センター役物2500の左側に打込まれた遊技球Bを、風車Wの中心よりも右側の部位、へ主に進入するように調整されていると共に、それらより低い確率で、風車Wの中心よりも左側の部位へ進入するように調整されている。これにより、遊技球Bが、センター役物2500の左側を流下するように打込むことにより、ある程度の確率で、センター役物2500のワープ入口2511に進入させることができる。
センター役物2500の案内通路群2520とゲート部材2800との間に植設されている複数の障害釘Nは、案内通路群2520の右側の第一案内通路2521を流通した遊技球Bよりも、案内通路群2520の左側の第二案内通路2522を流通した遊技球Bの方が、高い確率でゲート部2003を通過するように調整されている。また、案内通路群2520とゲート部材2800との間に植設されている複数の障害釘Nは、主に、ゲート部材2800の右側の部位よりも左側を遊技球Bが流通するように調整されている。
ゲート部材2800とサイド右中ユニット2700との間に植設されている複数の障害釘Nは、主に、サイド右中ユニット2700よりも左側を遊技球Bが流通するように調整されている。
遊技領域5a内には、遊技球Bが、外レール1001と内レール1002とに案内されて左側から遊技領域5aの周縁に沿って上部に打込まれる。遊技領域5a内に対してセンター役物2500の左側を流通するように遊技球Bを打込んだ場合、図115に示すように、センター役物2500の左側に植設されている複数の障害釘Nにより、センター役物2500のワープ入口2511、又は、風車Wの中心よりも右側の部位、の何れかに進入するように誘導され、それらよりも低い確率で風車Wの中心よりも左側の部位に進入するように誘導される。
風車Wの中心よりも左側の部位に誘導された遊技球Bは、サイド左上ユニット2300の棚部2301により、右方へ誘導されてサイドユニット2200へ流下する。そして、サイドユニット2200に設けられている三つの一般入賞口2001に受入れられる可能性がある。一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導された後に、裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第二受渡口3062、第三受渡口3063、及び第四受渡口3064の何れかに受け渡されて、一般入賞口センサ3051により検知された上で基板ホルダ1200上に排出される。一般入賞口センサ3051により遊技球Bが検知されると、所定数の遊技球Bが払出される特典が付与される。風車Wの中心よりも左側の部位へ誘導された遊技球Bは、第一始動口2002に受入れられることは殆んどない。そして、一般入賞口2001に受入れられなかった遊技球Bは、アウト口2010から遊技領域5a外へ排出される。
風車Wの中心よりも右側に誘導された遊技球Bは、センター役物2500の下辺に沿って斜めに列設されている複数の障害釘Nにより、左右方向の中央(第一始動口2002)側へ誘導され、第一始動口2002に受入れられる可能性がある。また、風車Wの中心よりも右側に誘導された遊技球Bは、斜めに列設されている複数の障害釘Nの間を通って、サイドユニット2200上へ流下することがあり、サイドユニット2200の一般入賞口2001に受入れられる可能性がある。
センター役物2500のワープ入口2511に進入した(受入れられた)遊技球Bは、ワープ出口2512からステージ2513に供給される。ステージ2513に供給された遊技球Bは、ステージ2513上を転動して左右に行ったり来たりして、左右方向中央部分から前方へ放出される。ステージ2513の中央の中央放出部2513aから遊技球Bが遊技領域5a内に放出されると、その中央放出部2513aが第一始動口2002の直上に位置していることから、高い確率で第一始動口2002に受入れられる。中央放出部2513aの左右両側のサイド放出部2513bから遊技球Bが放出されると、或る程度の確率で第一始動口2002に受入れられる。
第一始動口2002に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導された後に、裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第一受渡口3061に受け渡されて、第一始動口センサ3052により検知された上で基板ホルダ1200上に排出される。第一始動口センサ3052により遊技球Bが検知されると、第一特別抽選結果の抽選が行われると共に所定数の遊技球Bが払出される等の特典が付与される。ステージ2513から放出されて第一始動口2002に受入れられなかった遊技球Bは、アウト口2010から遊技領域5a外へ排出される。
なお、遊技領域5a内におけるセンター役物2500の左側を流通した遊技球Bは、ゲート部2003を通過したり、第二始動口2004、第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006に受入れられたりする可能性はない。
本実施形態の遊技盤5では、センター役物2500の右側へ打込んだ遊技球Bが第二始動口2004に受入れられる確率に対して、センター役物2500の左側へ打込んだ遊技球Bが第一始動口2002に受入れられる確率の方が、高く設定されている。これにより、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006が開状態でない時には、センター役物2500の左側への遊技球Bの打込操作(「左打ち」)を促すことができる。
本実施形態の遊技盤5では、センター役物2500の周壁部2501の上辺における左右方向中央付近から右方へ向かって低くなる部位の上方に、遊技球Bが進入する強さで遊技球Bを打込むと、案内通路群2520の第一案内通路2521又は第二案内通路2522の何れかを遊技球Bが流通する。
具体的に詳述すると、遊技球Bを、遊技領域5aの周縁の一部を構成する外レール1001から内方へ突出している衝止部1006に当接する強さで打込む(所謂、右打ちする)と、衝止部1006に当接した遊技球Bが第一案内通路2521に進入する。この第一案内通路2521に進入した遊技球Bは、ゲート部2003の直上よりもやや右寄りの位置で下方へ放出される。
第一案内通路2521の出口から下方へ放出された遊技球Bは、案内通路群2520とゲート部材2800との間に植設されている複数の障害釘Nにより、ゲート部材2800の左側、ゲート部2003、ゲート部材2800の右側、の順に確率が低くなるように誘導されて、サイド右中ユニット2700側へ流下する。
一方、センター役物2500の上部の右側に打込まれた遊技球Bが第二案内通路2522の入口に進入して、第二案内通路2522を流通すると、第一案内通路2521の出口よりも左側から下方へ放出される。第二案内通路2522の出口から下方へ放出された遊技球Bは、ゲート部2003とゲート部材2800の左側とが略同じ確率で、ゲート部材2800の右側がそれらよりも低い確率となるように誘導されて、サイド右中ユニット2700側へ流下する。
ゲート部材2800の右側を通った遊技球Bは、第二サブアウト口2012に受入れられる。第二サブアウト口2012に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導されて、裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第九受渡口3069に受け渡された後に、第二サブアウト口センサ3054により検知された上で遊技領域5a外へ排出される。また、ゲート部2003を通過した遊技球Bは、ゲートセンサ2801により検知された後に、サイド右中ユニット2700側へ放出される。このゲートセンサ2801による遊技球Bの検知により、第二始動口2004が開閉する普通抽選結果の抽選が行われる。
ゲート部2003及びゲート部材2800の左側を通った遊技球Bは、ゲート部材2800とサイド右中ユニット2700との間に植設されている複数の障害釘Nにより、高い確率でサイド右中ユニット2700の左側を流下し、たまにサイド右中ユニット2700の一般入賞口2001に受入れられたり、まれに第二サブアウト口2012に受入れられたりする。サイド右中ユニット2700の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後方へ誘導された後に、裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第八受渡口3068に受け渡されて、一般入賞口センサ3051により検知された上で基板ホルダ1200上に排出される。この際に、所定数の遊技球Bが払出される特典が付与される。
サイド右中ユニット2700の左側を流下する遊技球Bは、サイド右中ユニット2700の左側に植設されている複数の障害釘Nに誘導されて、第二アタッカユニット2600における第二大入賞口2006の左方を流下する。
この際に、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられて第一特別抽選結果や第二特別抽選結果として「小当り」が抽選されている場合、第二大入賞口2006が所定のパターンで開閉するため、サイド右中ユニット2700の左側を流下した遊技球Bが、高い確率で第二大入賞口2006に受入れられる。
第二大入賞口2006に受入れられた遊技球Bは、第二大入賞口センサ2601に検知された上で、遊技領域5a外となる遊技パネル1100の後方へ誘導された後に、裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第七受渡口3067に受け渡されて基板ホルダ1200上に排出される。この第二大入賞口センサ2601による遊技球Bの検知により、所定数の遊技球Bが払出される特典が付与される。
第二大入賞口2006に受入れられずに、第二大入賞口2006の左方を流下した遊技球Bは、センター役物2500の右下案内通路2530に進入し、右下案内通路2530の出口から第一アタッカユニット2400側へ放出される。
センター役物2500の右下案内通路2530から下方(斜め左下)へ放出された遊技球Bは、第一アタッカユニット2400の第一棚部2412a上に流下する。なお、右下案内通路2530と第一アタッカユニット2400との間には、複数の障害釘Nが植設されているため、遊技球Bが、右下案内通路2530から直接第一アタッカユニット2400における第一立壁部2412eの右側へ流下することはない。
第一アタッカユニット2400の第一棚部2412aに流下した遊技球Bは、その傾斜により左方へ転動して、第二始動口扉2414の扉部2414aの上面、及び第二棚部2412bを転動した上で、第二棚部2412bの左端から左方へ放出される。そして、第二棚部2412bから左方へ放出された遊技球Bは、その勢いに応じて、第三棚部2412c又は第一大入賞口扉2417の扉部2417a上に落下し、それらの傾斜により左方へ転動し、扉部2417aから第四棚部2412dを転動した後に、第四棚部2412dから第一アタッカユニット2400外となる左方へ放出される。
なお、センター役物2500の右下案内通路2530から放出された遊技球Bの勢いによっては、複数の障害釘Nに当接することで、第一棚部2412aに流下せずに、上棚部2412pに流下することがある。そして、上棚部2412pに流下した遊技球Bは、その傾斜により左方へ転動して上棚部2412pの左端から左方へ放出された上で、左方に植設されている障害釘Nに当接して下方へ向きを変えて、第一大入賞口扉2417における扉部2417aの上面の左端付近に流下した後に、扉部2417a及び第四棚部2412dを左方へ転動して第一アタッカユニット2400外へ放出される。従って、遊技球Bが上棚部2412p上を転動した場合でも、上棚部2412pから遊技球Bが放出されるタイミングと、第一大入賞口2005が開状態となるタイミングとによっては、第一大入賞口2005に受入れられることがある。
また、センター役物2500の右下案内通路2530から放出された遊技球Bの勢いによっては、障害釘Nや上棚部2412pの右端への当接等により、右方へ跳ね返って第一棚部2412a上に流下することで、第一棚部2412aをその傾斜に抗して右方へ転動して、第一棚部2412aの右端から右方(下方)へ放出されることがある。第一棚部2412aの右端から右方へ放出された遊技球Bは、第一立壁部2412eと前構成部材1000の右レール1005との間を通って、第二横壁部2412mの右端付近に流下し、第二横壁部2412mの傾斜により左方へ転動して第一サブアウト口2011に受入れられる。第一サブアウト口2011に受入れられた遊技球Bは、第一サブアウト口センサ2403により検知された上で、遊技領域5a内に戻されることなく裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050の第五受渡口3065に受け渡され、裏誘導ユニット3050から下方の基板ホルダ1200上に排出される。
センター役物2500の右下案内通路2530から遊技球Bが放出された際に、ゲート部2003での遊技球Bの通過により普通抽選結果として「普通当り」が抽選されている場合、第二始動口扉2414が可動して第二始動口2004が所定のパターンで開状態となるため、第一棚部2412aを左方へ転動している遊技球Bが、第二始動口2004に受入れられる可能性がある。そして、遊技球Bが第二始動口2004に受入れられると、第二始動口センサ2401に検知された後に、遊技領域5a外となる基板ホルダ1200上に排出される。第二始動口センサ2401により遊技球Bが検知されると、第二特別抽選結果の抽選が行われると共に所定数の遊技球Bが払出される等の特典が付与される。
また、第二棚部2412bから左方へ遊技球Bが放出された際に、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられて第一特別抽選結果や第二特別抽選結果として「大当り」が抽選されている場合、第一大入賞口扉2417が可動して第一大入賞口2005が所定のパターンで開閉するため、第二棚部2412bから左方へ放出された遊技球Bが、高い確率で第一大入賞口2005に受入れられることとなる。第一大入賞口2005に受入れられた遊技球Bは、第一大入賞口センサ2402により検知された上で、遊技領域5a外の基板ホルダ1200上に排出される。この第一大入賞口センサ2402による遊技球Bの検知により、所定数の遊技球Bが払出される特典が付与される。
なお、第二棚部2412bから左方へ放出された遊技球Bの勢いによっては、上棚部2412pの下面の段差に当接することで、斜め右下へ流下して第二棚部2412bと第三棚部2412cとの間の隙間に遊技球Bが進入することがある。第二棚部2412bと第三棚部2412cとの間の隙間に進入した遊技球Bは、第三立壁部2412gと第四立壁部2412hとの間を通って第二横壁部2412mの左端付近に落下し、第二横壁部2412mの傾斜により右方へ転動して第一サブアウト口2011に受入れられる。
センター役物2500の右下案内通路2530から第一アタッカユニット2400側へ放出された遊技球Bが、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第一サブアウト口2011の何れにも受け入れられなかった場合は、遊技領域5aの下端のアウト口2010ら、遊技領域5a外となる遊技パネル1100の後方の下方へ排出される。
このようなことから、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006を開閉させるためには、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球Bを受入れさせて、「小当り」や「大当り」等の第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果の抽選を行わせる必要がある。第一始動口2002は常時開口しているのに対して、第二始動口2004はゲート部2003に遊技球Bを通過させて普通抽選結果としての「普通当り」を抽選させる(引き当てる)必要があるため、第二始動口2004へ遊技球Bを受入れさせる機会は、第一始動口2002よりも低くなっている。
従って、通常の状態では、遊技者に対して、第一始動口2002に遊技球Bが受入れられるように、センター役物2500の左側を遊技球Bが流下するように、遊技球Bの打込操作を行わせることができ、複数の障害釘Nにより案内される遊技球Bの動きを見せてパチンコ機1による本来の遊技を楽しませることができると共に、第一始動口2002への遊技球Bの受入れに対する期待感を高めさせることができる。
そして、第一始動口2002へ遊技球Bが受入れられることで、第一特別抽選結果として「小当り」や「大当り」が抽選されると、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006が開閉するため、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006に遊技球Bが受入れられるように、遊技球Bの打込操作を「右打ち」に変更させて、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006への遊技球Bの受入れに対する期待感を高めさせることができる。
この際に、センター役物2500の右上隅に第一案内通路2521と第二案内通路2522とからなる案内通路群2520が設けられており、流通させる案内通路によって、ゲート部2003を通過させ易かったり、第二サブアウト口2012に受入れられ易かったりするため、所望の案内通路を遊技球Bが流通するように、遊技球Bの打込強さを調整させることができ、遊技者に対して遊技球Bの打込操作を楽しませることができる。
また、「右打ち」を行うことで、ゲート部2003に遊技球Bを通過させることで、第二始動口2004が開状態となる「普通当り」が抽選される可能性があり、開状態の第二始動口2004に遊技球Bを受入れさせて、「小当り」や「大当り」が抽選される可能性があるため、遊技に対する期待感を高めさせることができ、興趣の低下を抑制させることができる。
[5−9.裏ユニットの全体構成]
遊技盤5における裏ユニット3000の全体構成について、主に図131乃至図134等を参照して詳細に説明する。図131は遊技盤における裏ユニットを前から見た斜視図であり、図132は遊技盤における裏ユニットを後ろから見た斜視図である。図133は裏ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図134は裏ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。遊技盤5における裏ユニット3000は、遊技パネル1100の後面に取付けられており、後側に演出表示装置1600及び駆動基板ユニット1700が取付けられている。
裏ユニット3000は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010の前端の左右両端付近に夫々設けられている平板状の裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040と、裏箱3010内の前端の下部に設けられている裏誘導ユニット3050と、裏箱3010内の後端に設けられている裏後演出ユニット3100と、裏箱3010内の下部における裏誘導ユニット3050の後方で左右に離隔して設けられている裏下左演出ユニット3200及び裏下右演出ユニット3250と、裏箱3010内における裏下左演出ユニット3200及び裏下右演出ユニット3250の後方に設けられている裏下中演出ユニット3300と、を備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010内の上部における裏後演出ユニット3100の前方に設けられている裏上演出ユニット3400と、裏箱3010内における裏前左装飾体3030の後方に設けられている裏後左演出ユニット3500と、裏箱3010内における裏前右装飾体3040の後方に設けられている裏後右演出ユニット3600と、裏箱3010内における裏前左装飾体3030と裏後左演出ユニット3500との間に設けられている裏前左演出ユニット3700と、裏箱3010内における裏前右装飾体3040と裏後右演出ユニット3600との間に設けられている裏前右演出ユニット3800と、を備えている。
[5−9a.裏箱]
裏ユニット3000の裏箱3010について、主に図131乃至図134等を参照して説明する。裏箱3010は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられるものである。この裏箱3010内には、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040や、各種演出ユニットが取付けられると共に、後側に演出表示装置1600及び駆動基板ユニット1700が取付けられる。この裏箱3010は、透明に合成樹脂により形成されている。
裏ユニット3000の裏箱3010は、前方が開放されている箱状で後壁に四角く貫通している開口部3010aと、開口部3010aの周縁から間隔を開けて後方へ突出している平板枠状の液晶取付部3010bと、液晶取付部3010bにおける上辺において枠内の内側から上方へ向かって窪んでおり演出表示装置1600の上固定片1601が挿入される二つの固定溝3010cと、液晶取付部3010bの下辺の左右方向中央付近において後端から裏箱3010の後壁まで切欠かれロック機構3020が取付けられる切欠部3010dと、を備えている。
裏箱3010の開口部3010aは、演出表示装置1600の表示画面と略同じ大きさに形成されている。また、液晶取付部3010bは、枠内に演出表示装置1600を嵌め込むことが可能な大きさに形成されている。裏箱3010は、後面における切欠部3010dの背面視左側にロック機構3020が左右にスライド可能に取付けられる。
また、裏箱3010は、前端から外方へ延出している平板状の固定片部3010eを備えている。この固定片部3010eは、前面が遊技パネル1100の後面に当接した状態で、遊技パネル1100に取付けられる。裏箱3010は、装飾体や演出ユニット等を取付けるためのボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
また、裏箱3010は、開口部3010aの下辺と左右両辺とに沿って取付けられている金属板からなる帯板状の補強板3011を有している。この補強板3011により、液晶取付部3010bが補強されている。
[5−9b.裏前左装飾体及び裏前右装飾体]
続いて、裏ユニット3000における裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040について、主に図131乃至図135等を参照して詳細に説明する。図135は、扉枠を透明にした状態で遊技盤の左上隅を拡大して示すパチンコ機の正面図である。裏ユニット3000の裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040は、裏箱3010の前端に、左右に離隔して取付けられているものである。
裏前左装飾体3030は、上下に延びている平板状のベース3031と、ベース3031の前面に貼り付けられている装飾シール3032と、を備えている。ベース3031は、裏箱3010の開口部3010aと同じ高さで上下に延びており、左端側が裏箱3010の前端に取付けられている。装飾シール3032は、図示は省略するが、パチンコ機1(遊技盤5)のコンセプトに沿った装飾が施されている。この裏前左装飾体3030は、不透明に形成されており、後方の部材を前方から視認不能とすることができる。
裏前右装飾体3040は、上下に延びている平板状のベース3041と、ベース3041の前面に貼り付けられている装飾シール3042と、を備えている。ベース3041は、裏箱3010の上端から上下方向の中央付近まで延びており、右端側が裏箱3010の前端に取付けられている。装飾シール3042は、図示は省略するが、パチンコ機1(遊技盤5)のコンセプトに沿った装飾が施されている。この裏前右装飾体3040は、不透明に形成されており、後方の部材を前方から視認不能とすることができる。
裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040は、遊技盤5に組立てた状態で、外側となる外周縁が、正面視において遊技領域5aよりも外側に位置するように、平板状に延出している(図111及び図135等を参照)。更に、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040は、パチンコ機1に組立てた時に、外側となる外周縁が、扉枠3における扉窓101aよりも外側に位置するように、平板状に延出している。
詳述すると、例えば、図135に示すように、正面視において、裏前左装飾体3030を、裏後左演出ユニット3500の左上隅に設けられている裏後左昇降駆動モータ3554の下から半分の位置まで延出させている。換言すると、裏前左装飾体3030を、正面視において、前構成部材1000の左上隅に取付けられている機能表示ユニット1400よりも外側へ延出させている。更に、換言すると、裏前左装飾体3030を、扉枠3における扉窓101aよりも外側へ延出させている。
これにより、遊技盤5に組立てた状態では、裏後左昇降駆動モータ3554の下半分を裏前左装飾体3030(図135において網掛け部分)により覆うことができ、遊技者側から裏後左昇降駆動モータ3554を見え難くすることができる。また、パチンコ機1に組立てた状態では、裏後左昇降駆動モータ3554の下半分を覆っている裏前左装飾体3030が、扉枠3(図135においてハッチング部分)の扉窓101aよりも外側へ延出しているため、裏前左装飾体3030と扉枠3とで裏後左昇降駆動モータ3554を遊技者側から視認不能とする(見えなくする)ことができる。従って、裏前左装飾体3030の後方に設けられている駆動モータや駆動ソレノイド等の機能部品を、遊技者側から視認不能とすることができ、遊技盤5(パチンコ機1)の見栄えを良くすることができる。
また、裏前左装飾体3030では、裏後左昇降駆動モータ3554の一部(下半分)を覆うように延出させており、遊技盤5に組立てた状態では裏後左昇降駆動モータ3554の一部(上半分)が前方から見えることとなるが、パチンコ機1に組立てることで、裏後左昇降駆動モータ3554の上半分を扉枠3により覆って隠すことができる。従って、裏前左装飾体3030を、裏後左昇降駆動モータ3554の全体を覆うように延出させる必要が無く、裏前左装飾体3030が無用に大きくなることを抑制することができ、パチンコ機1にかかるコストを低減させることができる。
更に、裏前左装飾体3030を、機能表示ユニット1400よりも外側へ延出させているため、前構成部材1000において正面視左上隅に機能表示ユニット1400が取付けられていなくても、機能表示ユニット1400の替りに裏前左装飾体3030によって、後方に設けられている裏後左昇降駆動モータ3554(機能部品)等を隠すことができる。
一方、裏前右装飾体3040では、正面視において、裏後右演出ユニット3600における裏後右昇降駆動モータ3654の全体を覆うように、裏箱3010の右上隅まで延出しており、透明な前構成部材1000及び透明な遊技パネル1100を通しても、裏後右昇降駆動モータ3654を前方(遊技者側)から視認不能としている。従って、裏前右装飾体3040の後方に設けられている駆動モータや駆動ソレノイド等の機能部品を、遊技者側から視認不能とすることで、遊技盤5(パチンコ機1)の見栄えを良くすることができ、裏前左装飾体3030と同様の作用効果を発揮することができる。
このように、本実施形態の裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040によれば、後方に設けられている駆動モータや駆動ソレノイド等の機能部品の少なくとも一部を覆うようにしているため、遊技者側から機能部品を見え辛くすることができ、遊技盤5(パチンコ機1)の見栄えを良くすることができる。
また、上述したように、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040により後方に設けられている機能部品の前方を覆うことができるため、前構成部材1000及び遊技パネル1100を透明にしても、機能部品を遊技者側から視認不能とすることができる。つまり、前構成部材1000及び遊技パネル1100を透明にすることができる。従って、透明な前構成部材1000及び遊技パネル1100により、遊技領域5aの境界が明瞭に見えることを低減させることができ、遊技者に対して開放感を与えることができると共に、実際の遊技領域5aの大きさが変わらないものの、遊技者に対して遊技領域5aを大きく(広く)見せることができる。この際に、所定の装飾が施されている裏前左装飾体3030の装飾シール3032及び裏前右装飾体3040の装飾シール3042における遊技領域5a外の部位が、前構成部材1000及び遊技パネル1100を通して前方から視認することができるため、それらによって遊技領域5a外も装飾することができると共に、遊技領域5aを実際よりも大きく見せることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な遊技盤5(パチンコ機1)とすることができる。
また、上述したように、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040により、前構成部材1000及び遊技パネル1100を透明とすることができるため、演出表示装置1600、表ユニット2000や裏ユニット3000、等からの光を、前構成部材1000及び遊技パネル1100によって前方(遊技者側)へ反射させたり屈折させたりすることができ、前構成部材1000や遊技パネル1100が発光しているように見せることができ、遊技盤5の全体の装飾性をより高めることができる。
なお、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040における遊技領域5aよりも外側へ延出させた部位により、後方に設けられている駆動モータや駆動ソレノイド等の機能部品を遊技者側から視認不能とすることができることから、全ての機能部品を正面視において遊技領域5a外へ設けるようにしても良い。この際に、遊技盤5の大きさには限りがあることから、全ての機能部品を遊技領域5a外に設けるためのスペースを確保しようとすると、相対的に遊技領域5aの大きさを小さくしなければならない課題が発生する恐れがあるため、本実施形態のように、遊技盤5の大きさに対して遊技領域5aを大きく採れるようなバランスで、機能部品の一部を遊技領域5a外に設けることが望ましい。
また、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040の装飾を、正面視において、遊技領域5a内の装飾(デザイン)と関連した装飾とすることが望ましい。これにより、遊技領域5a内から遊技領域5a外まで延びる裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040により、遊技領域5a内のデザインを遊技領域5a外まで延長させることができるため、遊技領域5aを実際よりも大きく見せることができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能なパチンコ機1とすることができる。
[5−9c.裏誘導ユニット]
次に、裏ユニット3000における裏誘導ユニット3050について、主に図136等を参照して詳細に説明する。図136(a)は裏ユニットにおける裏誘導ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏誘導ユニットを後ろから見た斜視図である。裏ユニット3000の裏誘導ユニット3050は、裏箱3010内における前端の下部に取付けられており、左右に延びた両端が上方へ屈曲されたような形状に形成されている。裏誘導ユニット3050は、略全体が透明に形成されている。
裏誘導ユニット3050は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3051と、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3052と、アウト口2010に受入れられた遊技球Bを検知するアウト口センサ3053と、第二サブアウト口2012に受入れられた遊技球Bを検知する第二サブアウト口センサ3054と、センター役物2500のワープ入口2511の後方となる部位に設けられており不正な磁気を検知する磁気センサ3055と、を備えている。
また、裏誘導ユニット3050は、始動口ユニット2100の第一始動口2002に受入れられた遊技球Bが受け渡される第一受渡口3061と、サイドユニット2200の右側の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bが受け渡される第二受渡口3062と、サイドユニット2200の中側の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bが受け渡される第三受渡口3063と、サイドユニット2200の左側の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bが受け渡される第四受渡口3064と、第一アタッカユニット2400の第二始動口2004及び第一サブアウト口2011に受入れられた遊技球Bが受け渡される第五受渡口3065と、第一アタッカユニット2400の第一大入賞口2005に受入れられた遊技球Bが受け渡される第六受渡口3066と、第二アタッカユニット2600の第二大入賞口2006に受入れられた遊技球Bが受け渡される第七受渡口3067と、サイド右中ユニット2700の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bが受け渡される第八受渡口3068と、サイド右中ユニット2700の第二サブアウト口2012に受入れられた遊技球Bが受け渡される第九受渡口3069と、を備えている。
更に、裏誘導ユニット3050は、詳細な図示は省略するが、第一受渡口3061に受け渡された遊技球Bを右方へ誘導した上で下方へ排出する第一排出路と、第二受渡口3062に受け渡された遊技球Bと第三受渡口3063に受け渡された遊技球Bとを、合流させた上で下方へ排出する第二排出路と、第四受渡口3064に受け渡され遊技球Bを、下方へ誘導した上で斜め右下へ排出する第三排出路と、第八受渡口3068に受け渡された遊技球Bを第六受渡口3066よりも下側となる位置まで下方へ誘導した上で、第六受渡口3066よりも左側となる位置まで左方へ誘導した後に、斜め左下へ放出する第四排出路と、を備えている。この第四排出路には、第五受渡口3065、第六受渡口3066、第七受渡口3067、及び第九受渡口3069が、連通している。
始動口ユニット2100の第一始動口2002に受入れられて第一受渡口3061に受け渡された遊技球Bは、第一排出路の途中で第一始動口センサ3052により検知された後に下方へ排出される。サイドユニット2200の右側の一般入賞口2001に受入れられて第二受渡口3062に受け渡された遊技球Bと、中側の一般入賞口2001に受入れられて第三受渡口3063に受け渡され遊技球Bとは、第二排出路において合流した上で、一般入賞口2001に検知された後に下方へ排出される。サイドユニット2200の左側の一般入賞口2001に受入れられて第四受渡口3064に受け渡された遊技球Bは、第三排出路の途中で一般入賞口2001に検知された後に下方へ排出される。
第一アタッカユニット2400の第二始動口2004又は第一サブアウト口2011に受入れられて第五受渡口3065に受け渡され遊技球Bと、第一アタッカユニット2400の第一大入賞口2005に受入れられて第六受渡口3066に受け渡された遊技球Bと、第二アタッカユニット2600の第二大入賞口2006に受入れられて第七受渡口3067に受け渡された遊技球Bとは、第四排出路を通って排出される。
サイド右中ユニット2700の一般入賞口2001に受入れられて第八受渡口3068に受け渡された遊技球Bは、第四排出路における第九受渡口3069と連通している部位よりも上流側で一般入賞口センサ3051に検知され、第四排出路を通って排出される。サイド右中ユニット2700の第二サブアウト口2012に受入れられて第九受渡口3069に受け渡された遊技球Bは、第二サブアウト口センサ3054により検知された後に第四排出路と合流し、第四排出路を通って排出される。
この裏誘導ユニット3050は、アウト口2010に受入れられた遊技球Bを検知するアウト球検知部材3080を備えている。アウト球検知部材3080は、遊技領域5a内に打込まれ、一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006に受入れられなかった遊技球B(特典が付与されなかった遊技球B、「アウト球」とも称する)のうち、遊技領域5aの下端に開口しているアウト口2010に受入れられた遊技球Bを検知するためのものである。
アウト球検知部材3080は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120のアウト凹部1123内に後方から挿入され、遊技球Bが流通可能に前後方向へ筒状に延びている筒部3081と、筒部3081の内部を左右に分割している仕切部3082と、筒部3081の後端の外周から左右方向へ平板状に突出しているフランジ部3083と、筒部3081の後端と連続し遊技球Bを下方へ誘導して排出可能な後カバー3084と、を備えている(図114を参照)。アウト球検知部材3080は、筒部3081と後カバー3084との間にアウト口センサ3053が設けられている。
筒部3081は、アウト口2010と略同じ大きさであり、左右方向の幅が二つの遊技球Bが十分に並ぶ幅(遊技球Bが三つは並ばない幅)で、下側の内面が後方側へ向かって低くなるように傾斜している。仕切部3082は、筒部3081の後端付近に設けられており、左右両側において遊技球Bが一つ通過可能な大きさに仕切っている。仕切部3082は、前端側が、下方へ向かうに従って前方へ突出するように湾曲しており、遊技球Bの直径よりも短く前方へ突出している。
アウト球検知部材3080では、アウト口センサ3053が左右に並んで二つ設けられている。左側のアウト口センサ3053は、筒部3081内における仕切部3082の左側を流通した遊技球Bを検知するものであり、右側のアウト口センサ3053は、筒部3081内における仕切部3082の右側を流通した遊技球Bを検知するものである。アウト口センサ3053は、非接触タイプの電磁式の近接スイッチである。
二つのアウト口センサ3053は、遊技球Bの検知方向(遊技球Bが通過する検知孔の軸方向)が、筒部3081の下側の内面と平行になるように設けられている。これにより、筒部3081内を流通する遊技球Bの流通方向がアウト口センサ3053の部位でも変わらないため、アウト口センサ3053に対して遊技球Bをスムーズに検知させることができ、遊技球Bを速やかに排出してアウト口センサ3053の前側で滞ることを抑制させることができる。
このアウト球検知部材3080は、遊技盤5に組立てた状態で、筒部3081が遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120のアウト凹部1123内に挿入されている(図114を参照)。
アウト球検知部材3080は、遊技盤5に組立てた状態で、筒部3081の前端上部が、前構成部材1000のアウト誘導部1003の後端よりも前方に突出している(図114を参照)。つまり、筒部3081内に、アウト誘導部1003の後端が挿入されている。また、後カバー3084の下端は、基板ホルダ1200の排出部1201を通って基板ホルダ1200の下面よりも下方に突出している。
このアウト球検知部材3080は、遊技領域5a内において、前構成部材1000の内レール1002又は右下レール1004の下流端まで流下した後に、アウト誘導部1003により後方へ誘導されてアウト口2010に受入れられた遊技球Bを、筒部3081内を通して、二つのアウト口センサ3053の何れかで検知した上で、後カバー3084により下方へ誘導して排出する。アウト球検知部材3080は、遊技球Bを、基板ホルダ1200上に当接させることなく、本体枠4の排出球受部628へ排出する。
本実施形態のアウト球検知部材3080によれば、左右に備えられている二つのアウト口センサ3053の間を仕切部3082で仕切っているため、センター役物2500の左側を流下した遊技球Bを左側のアウト口センサ3053側へ誘導することができると共に、センター役物2500の右側を流下してきた遊技球Bを右側のアウト口センサ3053側へ誘導することができる。従って、左右のアウト口センサ3053の夫々において、時間当りに検知される遊技球Bの数により、遊技者が「左打ち」の傾向にあるのか「右打ち」の傾向にあるのかを判別することができ、その判別に基づいて、遊技状況に最適な打込操作を促して、意図した遊技を楽しませることができる。
また、アウト球検知部材3080では、仕切部3082の前方への突出を短くして遊技球Bが乗り越え易いものとしているため、時間当りに多くの遊技球Bがアウト口2010に進入した時に、仕切部3082の比較的遊技球Bの流通量が少ない左側又は右側へ遊技球Bを逃がすことができ、アウト口2010において遊技球Bが滞ることなく排出することができる。
また、後カバー3084の下端を、基板ホルダ1200の排出部1201よりも下方へ突出させているため、一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、第一大入賞口2005、第二大入賞口2006、第一サブアウト口2011、及び第二サブアウト口2012に受入れられて基板ホルダ1200上に排出された遊技球Bが、アウト球検知部材3080で逆流してアウト口センサ3053で検知されてしまうことを防止することができ、アウト口2010に受入れられた「アウト球」のみを正確に検知することができる。
なお、本実施形態では、アウト球検知部材3080を、裏ユニット3000に設けたものを示したが、これに限定するものではなく、アウト球検知部材3080を遊技パネル1100に取付けるものとしても良い。この際に、遊技パネル1100として、アウト凹部1123を有しているものであれば、アウト球検知部材3080を取付けることができるため、アウト凹部1123を有した既存の遊技パネル1100に対応することができると共に、既存の遊技盤5に対して後付けすることができる。
また、本実施形態によれば、遊技領域5a内に打込まれ、一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006の何れにも受入れられなかった遊技球B(「アウト球」)を、アウト口センサ3053、第一サブアウト口センサ2403、及び第二サブアウト口センサ3054により検知することができるため、例えば、特定の入賞口への遊技球Bの受入れが継続的に検知されているのにも関わらず、「アウト球」が検知されないような場合、特定の入賞口に対して不正行為が行われていることとなり、不正行為が行われている旨を報知することができる。
また、「アウト球」の検知により、その数をカウントすることができるため、一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006に受入れられた遊技球Bの検知によりカウントされた「入賞球」の数と、「アウト球」の数と、一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2006への遊技球Bの受入れにより払出された「セーフ球」の数とから、パチンコ機1における「出玉率」を知ることができる。なお、図示は省略するが、遊技盤5の後側には、「出玉率」を表示する表示部が設けられている。
また、遊技盤5において、遊技領域5a内に打込まれた全ての遊技球B(「全球」)を検知するようにしたり、遊技領域5a内から排出された全ての遊技球B(「全球」)を検知するようにしたりした場合、アウト口センサ3053、第一サブアウト口センサ2403、及び第二サブアウト口センサ3054により「アウト球」のみを検知しているため、「アウト球」、「入賞球」、及び「全球」、の夫々の数を比較することで、遊技盤5内における球詰りの発生を検知することができる。
[5−9d.裏後演出ユニット]
次に、裏ユニット3000における裏後演出ユニット3100について、主に図137乃至図141等を参照して詳細に説明する。図137(a)は裏ユニットにおける裏後演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏後演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図138は裏後演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図139は裏後演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図140は、裏後演出ユニットの可動構成を正面から示す説明図である。図141は、裏後演出ユニットの動きを示す説明図である。
裏ユニット3000の裏後演出ユニット3100は、裏箱3010内の最も後方(後壁の前面)に取付けられている。裏後演出ユニット3100は、正面視の形状が下方へ開放されているコ字状で、裏箱3010の内形と略同じ大きさに形成されている。裏後演出ユニット3100は、左右方向へ延びている裏後可動装飾体3110と、裏後可動装飾体3110を上下方向へ移動させる裏後可動機構3120と、を備えている。
裏後可動装飾体3110は、左右方向へ延びており前面にレリーフ状の装飾が施されている透光性を有した装飾体3111と、装飾体3111の後方に設けられており前面に複数の第一LED3114a及び第二LED3114bが実装されている裏後装飾基板3114と、裏後装飾基板3114の後側を覆うように装飾体3111に取付けられている装飾体ベース3115と、を備えている。裏後装飾基板3114に実装されている複数の第一LED3114a及び第二LED3114bは、夫々がフルカラーLEDである。裏後装飾基板3114の複数の第一LED3114a及び第二LED3114bにより、装飾体3111(裏後可動装飾体3110)を発光装飾させることができる。
また、裏後可動装飾体3110は、装飾体3111よりも左側で上下延びている左スライダ3116と、装飾体3111よりも右側で上下に延びている右スライダ3117と、を備えている。左スライダ3116は、下端付近から左方へ突出している可動用突起3116aと、上端付近から左方へ三角形状に突出しているロック用突起3116bと、上端に設けられている検知片3116cと、を有している。
裏後可動機構3120は、正面視の形状が下方へ開放されたコ字状に形成されており裏箱3010内に取付けられるユニットベース3121と、ユニットベース3121の左辺において円柱状に上下方向へ延びており裏後可動装飾体3110の左スライダ3116を上下方向へ移動可能に支持しているスライドシャフト3122と、スライドシャフト3122よりも左側でスライドシャフト3122と平行に上下に延びており、外周にスパイラル状の溝が形成されているスパイラルシャフト3123と、を備えている。
また、裏後可動機構3120は、スパイラルシャフト3123の下端に取付けられている平歯車状の伝達ギア3124と、伝達ギア3124と噛合している平歯車状のモータギア3125と、モータギア3125が回転軸に取付けられている裏後駆動モータ3126と、裏後駆動モータ3126をユニットベース3121の左辺の下端に取付けているモータベース3127と、スパイラルシャフト3123の上端を回転可能にユニットベース3121に取付けている上軸受部材3128と、スパイラルシャフト3123の下端付近を回転可能にユニットベース3121に取付けている下軸受部材3129と、を備えている。
また、裏後可動機構3120は、スパイラルシャフト3123に螺合されており裏後可動装飾体3110の可動用突起3116aに対して下方から当接可能なスライドガイド3130と、スパイラルシャフト3123よりも左側で上下に延びていると共に昇降可能とされており下端側が上方からスライドガイド3130に当接可能とされている伝達スライダ3131と、伝達スライダ3131を上方へ付勢しているバネ3132と、伝達スライダ3131の昇降により前後方向の軸周りに回動するリンク部材3133と、リンク部材3133の回動により左右方向へスライドし裏後可動装飾体3110のロック用突起3116bと当接可能なロック部材3134と、を備えている。
更に、裏後可動機構3120は、裏後可動装飾体3110の検知片3116cを検知する裏後上検知センサ3135と、スライドガイド3130の検知片3130aを検知する裏後下検知センサ3136と、裏後可動装飾体3110の左端側を前方から覆うようにユニットベース3121の左辺に取付けられている前左カバー3137と、裏後可動装飾体3110の右端側を前方から覆うようにユニットベース3121の右辺に取付けられている前右カバー3138と、前左カバー3137の前面下部に取付けられており裏後駆動モータ3126、裏後上検知センサ3135、及び裏後下検知センサ3136と演出駆動基板1720との接続を中継している裏後左中継基板3139と、ユニットベース3121と前右カバー3138との間に取付けられており裏後可動装飾体3110の裏後装飾基板3114と演出駆動基板1720との接続を中継している裏後右中継基板3140と、を備えている。
ユニットベース3121は、下方へ移動した裏後可動装飾体3110の左スライダ3116の下面、及び右スライダ3117の下面、と当接して衝撃を吸収する衝撃吸収部材3121aを有している。スライドシャフト3122は、上端と下端とがユニットベース3121と前左カバー3137とで挟持されている。
スライドガイド3130は、下端付近から右方へ突出しており、裏後下検知センサ3136により検知される検知片3130aを有している。スライドガイド3130は、ユニットベース3121と前左カバー3137との間で上下方向へ摺動可能に設けられており、それらに接することでスパイラルシャフト3123の軸周りに対して回転不能とされている。スライドガイド3130は、上端面に裏後可動装飾体3110の可動用突起3116aの下面が当接可能とされている。また、スライドガイド3130は、下面に伝達スライダ3131の下突部3131aの上端面が当接可能とされている。
伝達スライダ3131は、ユニットベース3121と前左カバー3137との間で上下方向へ移動可能に取付けられている。伝達スライダ3131は、前左カバー3137により、所定範囲内でのみ上下方向へ移動可能とされている。伝達スライダ3131は、下端側において右方へ突出している下突部3131aと、上端側において右方へ突出している上突部3131bと、上突部3131bの上端付近から後方へ円柱状に突出している突起ピン3131cと、を備えている。伝達スライダ3131は、下突部3131aの上面に、スライドガイド3130の下面が当接可能とされている。また、伝達スライダ3131は、突起ピン3131cが、リンク部材3133の第一スリット3133a内に摺動可能に挿入される。
バネ3132は、上端側がユニットベース3121に取付けられていると共に、下端側が伝達スライダ3131の上突部3131bに取付けられており、伝達スライダ3131を上方へ付勢している。
リンク部材3133は、正面視の形状が、各頂点がR面取りされた三角形に形成されている。リンク部材3133は、一つの頂点付近でユニットベース3121に前後方向の軸周りに対して回転可能に取付けられている。リンク部材3133は、回転軸から左方の頂点付近において回転軸の方向へ延びた長孔状の第一スリット3133aと、回転軸から上方の頂点付近において回転軸の方向へ延びた長孔状の第二スリット3133bと、を有している。リンク部材3133は、第一スリット3133aに伝達スライダ3131の突起ピン3131cが摺動可能に挿入されると共に、第二スリット3133bにロック部材3134の伝達ピン3134aが摺動可能に挿入される。
ロック部材3134は、ユニットベース3121と前左カバー3137との間で、前左カバー3137により左右方向へスライド可能に取付けられている。
ロック部材3134は、後方へ円柱状に突出しており、リンク部材3133の第二スリット3133b内に摺動可能に挿入される伝達ピン3134aと、平坦状の上端面を形成していると共に左右方向へ延びており裏後可動装飾体3110のロック用突起3116bの下面が当接可能な当接面3134bと、当接面3134bの右端から下方へ向かうに従って左方へ移動するように傾斜しており、ロック用突起3116bが当接可能な案内面3134cと、を有している。
前右カバー3138は、ユニットベース3121と協働して裏後可動装飾体3110の右スライダ3117を上下方向へ摺動可能に支持している。
続いて、裏後演出ユニット3100の動作について説明する。裏後演出ユニット3100は、通常の状態では、図140(図141(a))に示すように、裏後可動装飾体3110が、上方へ移動した退避位置の状態となっており、スライドガイド3130がスパイラルシャフト3123の上端付近に位置していると共に、ロック部材3134が右方へ移動してロック位置に位置している。この状態では、スライドガイド3130の上端面に裏後可動装飾体3110の左スライダ3116の可動用突起3116aの下面が当接していると共に、ロック部材3134の当接面3134bに、裏後可動装飾体3110のロック用突起3116bの下面が当接している。
通常の状態では、伝達スライダ3131がバネ3132の付勢力により上方への移動端に位置している。そして、伝達スライダ3131の突起ピン3131cがリンク部材3133の第一スリット3133aに挿入されていると共に、リンク部材3133の第二スリット3133bにロック部材3134の伝達ピン3134aが挿入されていることから、バネ3132の付勢力が、リンク部材3133が回転軸を中心として時計回りの方向へ作用していると共に、ロック部材3134が右方へスライドする方向へ付勢されている。従って、ロック部材3134が、バネ3132の付勢力により、ロック位置の状態に維持されている。
この状態では、裏後可動装飾体3110が、スライドガイド3130とロック部材3134の二つにより、下方への移動が規制されている。従って、何らかの理由(不具合)により、スライドガイド3130及びロック部材3134の何れかが、当該位置から移動しても、残りにより裏後可動装飾体3110の下方への移動(落下)を阻止することができる。
また、通常の状態では、リンク部材3133の第一スリット3133aがリンク部材3133の回転軸よりも上方に位置していると共に、ロック部材3134の伝達ピン3134aが挿入されている第二スリット3133bが回転軸よりも右方に位置している。また、裏後上検知センサ3135が裏後可動装飾体3110の検知片3116cを検知していると共に、裏後下検知センサ3136がスライドガイド3130の検知片3130aを非検知としている。
裏後演出ユニット3100は、退避位置の通常の状態では、裏上演出ユニット3400の後方に位置しており、前方(遊技者側)から視認不能となっている。
この通常の状態で、裏後駆動モータ3126によりスパイラルシャフト3123を所定方向(ここでは、平面視において反時計回りの方向)へ回転させると、スパイラルシャフト3123に螺合されているスライドガイド3130が下方へ移動する。このスライドガイド3130が下方へ移動しても、裏後可動装飾体3110のロック用突起3116bがロック部材3134と当接しているため、裏後可動装飾体3110は退避位置から下方へ移動することはなく、スライドガイド3130のみが裏後可動装飾体3110の可動用突起3116aから離れて下方へ移動することとなる。
そして、スパイラルシャフト3123の回転によりスライドガイド3130が下方へ移動して、その検知片3130aが裏後下検知センサ3136により検知されると、スライドガイド3130の下面が伝達スライダ3131の下突部3131aの上端面に当接する(図141(b)を参照)。裏後下検知センサ3136がスライドガイド3130の検知片3130aを検知としている状態で、更にスライドガイド3130が下方へ移動すると、スライドガイド3130が、伝達スライダ3131の下突部3131aを下方へ押圧し、伝達スライダ3131がバネ3132の付勢力に抗してスライドガイド3130と一緒に下方へ移動することとなる。
この伝達スライダ3131が下方へ移動することで、伝達スライダ3131の突起ピン3131cが挿入されているリンク部材3133の第一スリット3133aが下方へ押圧され、リンク部材3133がその回転軸を中心として反時計回りの方向へ回動することとなる。そして、リンク部材3133が反時計周りの方向へ回動することにより、リンク部材3133の第二スリット3133bが左方へ移動することとなり、第二スリット3133bに挿入されている伝達ピン3134aを介してロック部材3134が左方へ移動することとなる(図141(c)を参照)。
ロック部材3134が裏後可動装飾体3110のロック用突起3116bよりも左方へ移動すると、ロック部材3134によるロック(下方への規制)が解除され、裏後可動装飾体3110が落下する。この際に、下方へ移動しているスライドガイド3130の検知片3130aが、裏後下検知センサ3136に対して非検知の状態となり、裏後駆動モータ3126の回転が停止する。
そして、落下した裏後可動装飾体3110は、ユニットベース3121の衝撃吸収部材3121aに当接することにより、落下が停止して出現位置の状態となる(図141(c)を参照)。この出現位置の状態では、スライドガイド3130が、裏後可動装飾体3110の左スライダ3116の下端よりも下方に位置しており、裏後可動装飾体3110が当接することはない。
裏後演出ユニット3100は、裏後可動装飾体3110が落下した出現位置の状態では、裏後可動装飾体3110が前方(遊技者側)から視認可能となる。この状態で、裏後装飾基板3114に実装されている複数のLEDを適宜発光させることで、裏後可動装飾体3110(装飾体3111)を発光装飾させることができ、裏後可動装飾体3110の発光装飾により遊技者を楽しませることができる。
裏後可動装飾体3110を下方の移動端の出現位置から、通常の状態の退避位置へ復帰させる場合は、裏後駆動モータ3126によりスパイラルシャフト3123を逆方向(ここでは、平面視において時計回りの方向)へ回転させて、スライドガイド3130を上方へ移動させる。このスライドガイド3130が上方へ移動すると、スライドガイド3130と一緒に、伝達スライダ3131がバネ3132の付勢力により上方へスライドする。そして、伝達スライダ3131が上方へ移動することで、上記とは逆に、リンク部材3133が時計回りの方向へ回動すると共に、ロック部材3134が右方へ移動し、ロック位置で停止することとなる。
また、スライドガイド3130が上方へ移動することで、下突部3131aの上端面が裏後可動装飾体3110の可動用突起3116aの下面に当接することとなり、スライドガイド3130が可動用突起3116aを上方へ押圧することで、裏後可動装飾体3110が上方へ移動することとなる(図141(d)を参照)。
そして、スライドガイド3130により裏後可動装飾体3110が退避位置付近まで上方へ移動すると、ロック用突起3116bがロック部材3134の案内面3134cに下方から当接することとなる。ロック用突起3116bが案内面3134cに下方から当接して、ロック用突起3116bが案内面3134cを上方へ押圧すると、案内面3134cの傾斜により、ロック部材3134に左方へ移動させようとする力が作用することとなり、伝達スライダ3131及びリンク部材3133を介して右方へ移動させようとするバネ3132の付勢力に抗して、ロック部材3134が右方へスライドする。
裏後可動装飾体3110の上方への移動により、ロック用突起3116bがロック部材3134の案内面3134cの上端よりも上方に位置すると、案内面3134cに対するロック用突起3116bによる上方への押圧が無くなり、ロック部材3134がバネ3132の付勢力により右方へスライドしてロック位置の状態となる。これにより、裏後可動装飾体3110のロック用突起3116bの下方に、ロック部材3134の当接面3134bの右端側が位置した状態となり、ロック部材3134により裏後可動装飾体3110の下方への移動を規制することができる。
この際に、裏後可動装飾体3110の検知片3116cが裏後上検知センサ3135により検知され、裏後駆動モータ3126の回転が停止する。このようにして、裏後可動装飾体3110が、出現位置から、通常の状態である退避位置の状態に復帰することができる。
本実施形態の裏後演出ユニット3100によれば、左右に延びた裏後可動装飾体3110を、遊技者側から視認不能な退避位置の状態から、視認可能となる出現位置の状態へ落下させることができるため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができる。
また、裏後可動装飾体3110を退避位置の状態でロック(規制)しているロック部材3134を、左方へ移動させることでロックを解除するようにしているため、前後方向の軸周りに回動させてロックを解除するようにした場合と比較して、ロックの解除の際に裏後可動装飾体3110が上方へ移動することなく落下させることができる。
[5−9d−1.裏後可動装飾体]
続いて、裏後演出ユニット3100における裏後可動装飾体3110について、主に図142乃至図156を参照して詳細に説明する。図142は、裏後可動装飾体を裏後装飾基板と共に示す正面図である。図143(a)は図142におけるD−D線で切断した断面図であり、(b)は図142におけるE−E線で切断した断面図である。図144(a)は裏後可動装飾体を前から見た斜視図であり、(b)は裏後可動装飾体を後ろから見た斜視図である。図145は裏後可動装飾体を分解して前から見た分解斜視図であり、図146は裏後可動装飾体を分解して後ろから見た分解斜視図である。図147は裏後可動装飾体の一部を拡大して示す正面図であり、図148は図147の正面図に導光放射板と裏後装飾基板とを破線で示す説明図である。図149(a)は裏後可動装飾体における装飾体の一部を示す正面図であり、(b)は(a)の装飾体と同じ部位における装飾シートの一部を示す正面図であり、(c)は(a)の装飾体と同じ部位における導光放射板と裏後装飾基板の一部を示す正面図である。
また、図150は、図143(a)の上部を拡大して示す拡大断面図である。図151は、図150の断面図を分解して示す分解図である。図152は、裏後可動装飾体の正面の一部を拡大して装飾体及び装飾シートによる装飾と導光放射板及び裏後装飾基板との関係を示す説明図である。図153(a)は第一LEDの部位における導光放射板と裏後装飾基板との関係を断面で示す説明図であり、(b)は第一LEDの光軸上に第二LEDが位置している部位における導光放射板の作用を正面から示す説明図であり、(c)は装飾体及び装飾シートにおける第二装飾部に対する導光放射板のLED収容部及び裏後装飾基板の第一LEDの配置例を正面から示す説明図である。図154は、裏後装飾基板の一部を拡大して回路パターンの銅箔と共に示す正面図である。図155(a)は裏後装飾基板の正面図であり、(b)は裏後装飾基板の背面図である。図156(a)は裏後可動装飾体における装飾体の一部を示す拡大断面図であり、(b)は(a)とは異なる形態の金属装飾部を有した装飾体の一部を示す拡大断面図であり、(c)は(a)及び(b)とは更に異なる形態の金属装飾部を有した装飾体の一部を示す拡大断面図である。
裏後可動装飾体3110は、図142等に示すように、左右方向に延びており、前方から見た時に所定の装飾からなる装飾部3150が施されている。詳述すると、裏後可動装飾体3110の装飾部3150は、正面視において、左右両端付近に夫々設けられている二つの第一装飾部3151と、二つの第一装飾部3151の間で左右方向へ列設されている複数の第二装飾部3152と、を有している。第一装飾部3151は、夫々一つの桜の花を模している。また、第二装飾部3152は、図示は省略するが、夫々が所定の文字を模しており、左右に列設されていることで本パチンコ機1のコンセプトに沿った所定のロゴを形成している。このように、裏後可動装飾体3110は、二つの桜の花の間にロゴをあしらったが装飾が施されている。
裏後演出ユニット3100における裏後可動装飾体3110は、図142乃至図146等に示すように、左右方向へ延びており浮彫状(レリーフ状)の凹凸により装飾部3150の一部を構成する装飾を有している透明平板状の装飾体3111と、装飾体3111の後方に設けられ装飾部3150の残りを構成している装飾(絵柄)が施された透光性を有するシート状の装飾シート3112と、装飾シート3112の後方に設けられている透明平板状の導光放射板3113と、導光放射板3113の後方に設けられており前面に複数の第一LED及び第二LEDが実装されている裏後装飾基板3114と、裏後装飾基板3114の後側を覆うように装飾体3111に取付けられている平板状の装飾体ベース3115と、装飾体3111よりも左側で上下に延びている左スライダ3116と、装飾体3111よりも右側で上下に延びている右スライダ3117と、を備えている。
[5−9d−2.裏後可動装飾体の装飾体]
装飾体3111は、前面側及び後面側の一般面が平坦に形成されている。装飾体3111は、前面側の一般面から前方へ突出している第一装飾突部3111aと、第一装飾突部3111aよりも短く前方へ突出している第二装飾突部3111bと、第二装飾突部3111bよりも短く前方へ突出している第三装飾突部3111cと、を有している。第一装飾突部3111aは、第一装飾部3151や第二装飾部3152の輪郭となる部位に設けられている。第一装飾部3151の部位における第一装飾突部3111aは、桜の花を模した第一装飾部3151の花弁の外周と、中央の雄しべ及び雌しべを模した部位と、に夫々が形成されている。第二装飾部3152の部位における第一装飾突部3111aは、夫々の第二装飾部3152の外周を二重(二条)に囲むように形成されている。第一装飾突部3111aは、前面が前方へ膨出するように湾曲している。
第二装飾突部3111bは、第一装飾部3151や第二装飾部3152の外側に設けられている。第二装飾突部3111bは、第一装飾部3151よりも小さい桜の花や花弁を模した形状に形成されている。第二装飾突部3111bは、前面が前方へ膨出するように湾曲している。
第三装飾突部3111cは、第一装飾突部3111aの枠内に設けられている。第一装飾部3151に対応している部位の第三装飾突部3111cは、前面が湾曲している。また、第二装飾部3152に対応している部位の第三装飾突部3111cは、前面が平坦である。
装飾体3111の第一装飾突部3111a及び第三装飾突部3111cは、装飾部3150における第一装飾部3151と第二装飾部3152の夫々の一部を構成している。
また、装飾体3111は、第一装飾突部3111aにおける第二装飾突部3111bよりも前方に突出している部位(第一箔押領域(図156(a)を参照))に金属装飾部3111d(図147乃至図149において、濃淡の濃い網掛け部分)を有している。装飾体3111は、金属装飾部3111dを除いた全体が、無色透明に形成されている。本実施形態の金属装飾部3111dは、図150及び図156(a)等に示すように、第一装飾突部3111aの湾曲している前面の部位に設けられており、第一装飾突部3111aの側面の部位には設けられていない。これにより、第一装飾突部3111aの側面にも金属装飾部3111dを設けた場合と比較して、装飾体3111の金属装飾部3111dから裏後装飾基板3114までの沿面距離ELをより長くすることができ、静電気等の放電やショートに対する絶縁性を高めることができる。
装飾体3111は、前方へ突出した第一装飾突部3111aの湾曲している前面に沿って金属装飾部3111dが設けられているため、金属装飾部3111dの金属光沢により高級感を付与することができると共に、金属装飾部3111dの湾曲により第一装飾突部3111aの立体感をより強調することができる。金属装飾部3111dは、第二装飾部3152において、図148等に示すように、裏後装飾基板3114の第一LED3114aの前方となる部位に設けられており、第一LED3114aや導光放射板3113の第一LED収容部3113cを、前方から見え難くしている。
また、金属装飾部3111dを、第一装飾突部3111aの前面にのみ設けているため、後方の裏後装飾基板3114の第一LED3114a等からの光を、金属装飾部3111dの裏面(後面)により後方へ反射させて、後方に設けられている装飾シート3112の前面を照らすことができ、装飾シート3112の装飾(第一輪郭部3112a)をより見え易くすることができる。
この金属装飾部3111dは、所定色(本実施形態では金色)の金属箔を、ホットスタンピングによる箔押しによって形成したものである。詳述すると、まず、合成樹脂の射出成形により装飾体3111の母材を成形する。形成した装飾体3111の母材を、第一装飾突部3111a等が突出している前面側を上方へ向けた状態で、ホットスタンプ装置の所定位置に装着する。この際に、装飾体3111の母材の上方には、所望の金属箔を有した転写シートと、下面側が弾性を有し所定の温度に加熱された平板状のホットプレートとが配置されている。そして、ホットプレートを、装飾体3111の母材における第一装飾突部3111aの上端から下方へ所定距離の位置(第二装飾突部3111bの上端よりも高い位置)まで下降させて、ホットプレートの熱により転写シートの金属箔を第一装飾突部3111aに転写(箔押し)する。これにより、装飾体3111における第二装飾突部3111bよりも上方(前方)の第一箔押領域FS1の部位に、金属装飾部3111dが形成された状態となる(図156(a)を参照)。
本実施形態の金属装飾部3111dの形成に用いるホットスタンプ装置のホットプレートは、転写シートの金属箔の転写先となる装飾体3111と当接する部位が、弾性を有しているため、転写先(第一装飾突部3111aの前面)が、平坦でなく湾曲していても、その面に沿って弾性変形することができ、湾曲面等の立体的な形状の部位にも金属箔を良好な状態で転写させる(箔押しさせる)ことができる。これにより、金属装飾部3111dを、メッキや蒸着により形成する場合と比較して、大がかりな設備を必要とせず、容易に形成することができ、コストの増加を抑制させることができる。
なお、上記の実施形態では、装飾体3111において、第一装飾突部3111aの先端部分にのみ金属装飾部3111dを設けたものを示したが、これに限定するものではない。例えば、ホットスタンプ装置により金属装飾部3111dを形成する際に、ホットプレートを、第二装飾突部3111bよりも低く、第三装飾突部3111cよりも高い位置まで下降させることで、第一装飾突部3111aと第二装飾突部3111bの先端部分に金属装飾部3111dを設け装飾体3111を形成することができる。
或いは、装飾体3111の母材を、ホットスタンプ装置に装着した状態で、初めに、所定の色の金属箔(第一金属箔)を有した転写シートを用いてホットプレートを、第二装飾突部3111bよりも低く第三装飾突部3111cよりも高い位置(第二箔押領域FS2)まで下降させて、第一装飾突部3111aと第二装飾突部3111bの先端部分に第一金属箔を転写する。続いて、第一金属箔とは異なる色の金属箔(第二金属箔)を有した転写シートを用いてホットプレートを、第一装飾突部3111aよりも低く第二装飾突部3111bよりも高い位置(第一箔押領域FS1)まで下降させて、第一装飾突部3111aの先端部分に第二金属箔を転写する(図156(b)を参照)。これにより、装飾体3111の母材に対してマスキング処理を行うことなく、第一装飾突部3111aと第二装飾突部3111bとで異なる色の金属装飾部3111dを備えた装飾体3111を形成することができる。
また、上記の実施形態では、装飾体3111の金属装飾部3111dを、ホットスタンピング(箔押し)により形成したものを示したが、これに限定するものではない。例えば、装飾体3111の母材の表面に、メッキや蒸着により金属膜を形成した後に、レーザー光により第一装飾突部3111aを除いた部位の金属膜を剥離(レーザー剥離)させて、第一装飾突部3111aに金属装飾部3111dを有した装飾体3111を形成するようにしても良い。この際に、図156(c)に示すように、金属装飾部3111dが、第一装飾突部3111aの先端部分に加えて側面の部位にも設けられていても良い。
裏後可動装飾体3110の装飾体3111は、後面側の一般面から前方へ向かって凹んでいる後凹部3111eを有している。後凹部3111eは、第一装飾突部3111a、第二装飾突部3111b、及び第三装飾突部3111c、と対応するように設けられている。この後凹部3111eにより、装飾体3111の板厚を均等化して、射出成形時の樹脂のヒケによる変形を抑制することができるようにしている。
装飾体3111の後凹部3111eは、平坦な後面における第一装飾突部3111a、第二装飾突部3111b、及び第三装飾突部3111cと対応している部位に、前方へ凹むように設けていることから、後凹部3111eを除いた後面の平坦な部位が、装飾シート3112における後述する第一輪郭部3112aの前面に当接することとなる。これにより、装飾体3111の後面と装飾シート3112の第一輪郭部3112aとが密着することとなるため、装飾体3111の後面と第一輪郭部3112aとの間で光が乱反射することはなく、透明な装飾体3111を通して装飾シート3112の第一輪郭部3112aの絵柄等を鮮明に視認させることができる。
また、後凹部3111eは、第三装飾突部3111cと対応している部位に設けられていることから、装飾シート3112における後述する第一光拡散部3112c及び第二光拡散部3112dの前方となる部位に設けられている。これにより、後凹部3111eの部位では、装飾シート3112の前面との間に隙間が形成されることとなるため、その隙間によって、前方から装飾体3111の後凹部3111eの部位に照射された光が、装飾シート3112の前面と後凹部3111eの後面との間で乱反射することとなり、前方からの光により後凹部3111eの部位が明るくなる。これにより、裏後装飾基板3114の第一LED3114aや第二LED3114bを発光させていなくても、前方からの光によって装飾シート3112における第一光拡散部3112c及び第二光拡散部3112dの部位、つまり、桜の花を模した第一装飾部3151とロゴを構成している複数の第二装飾部3152とが明るくなり、前方から見え易くなる。
更に、装飾体3111は、後面から後方へ円柱状に突出している複数の取付ボス3111fを有している。取付ボス3111fは、装飾体3111の後側に装飾体ベース3115を取付けるためのものである。取付ボス3111fは、第三装飾突部3111cの真後ろとなる部位に設けられている。これにより、第三装飾突部3111cのレンズ作用により前方(遊技者側)から取付ボス3111fが見え辛いようになっている。換言すると、取付ボス3111fの前方となる部位に第三装飾突部3111cを設けており、第三装飾突部3111cのレンズ作用により取付ボス3111fを前方から視認し難いようにしている。
[5−9d−3.裏後可動装飾体の装飾シート]
装飾シート3112は、薄いシート状で、装飾体3111の外形と略同じ大きさの外形に形成されている。装飾シート3112は、透明な樹脂シートの後面に、絵柄を施したものである。装飾シート3112は、第一装飾部3151及び第二装飾部3152よりも外側で装飾体3111の第二装飾突部3111bの後方を除いた部位と第一装飾部3151の中央部分とに設けられている第一輪郭部3112aと、第二装飾部3152と対応し装飾体3111の二重に形成されている第一装飾突部3111aの間となる部位に設けられている第二輪郭部3112bと、第一装飾部3151と対応し装飾体3111の第一装飾突部3111aの内側となる部位(第三装飾突部3111cの後方となる部位)に設けられている第一光拡散部3112cと、第二装飾部3152と対応し装飾体3111の二重に設けられている第一装飾突部3111aの内側となる部位(第三装飾突部3111cの後方となる部位)に設けられている第二光拡散部3112dと、を有している。
また、装飾シート3112は、装飾体3111における第一装飾突部3111a、第二装飾突部3111b、及び第三装飾突部3111cの後方となる部位に設けられている透明な透過部3112eを、更に有している。
装飾シート3112の第一輪郭部3112aは、図149(b)等に示すように、第一装飾部3151とよりも小さい桜の花を模した絵柄の部位を有しており、残りの部位が、ホログラムにより光の干渉縞が表示される部位とされている。第一輪郭部3112aは、不透明に形成されている。本実施形態では、第一輪郭部3112aにおけるホログラムの部位は、装飾体3111の金属装飾部3111dと同じ金色とされている。また、第一輪郭部3112aにおける桜の花を模した部位は、白色や桃色を用いて着色されている。なお、絵柄等に用いられるインク(塗料)に、粒子状にキラキラ光るグリッターを有したものを用いても良い。
この第一輪郭部3112aは、裏後可動装飾体3110を正面から見た時に、装飾体3111の第一装飾突部3111a(金属装飾部3111d)よりも外側の後方に位置していると共に、金属装飾部3111dと同じような色(本実施形態では、金色)の部位を有しているため、第一輪郭部3112aと金属装飾部3111dとによる装飾に対する連続性を付与することができる。従って、第一輪郭部3112aと金属装飾部3111dとの遠近感を強調することができ、裏後可動装飾体3110の薄さを感じさせ難くすることができる。
また、第一輪郭部3112aは、後面側が明るい灰色又は白色に形成されている。これにより、前面側の絵柄やホログラムの発色を良くしている。また、第一輪郭部3112aの明るい灰色又は白色からなる後面により、導光放射板3113から前方へ放射された光を後方へ反射させて導光放射板3113へ戻すことができることから、導光放射板3113をより明るく発光させることができるため、装飾シート3112における透光性を有する部位から前方へ放射される光量をより多くすることができ、裏後可動装飾体3110をより明るく発光装飾させることができると共に、裏後可動装飾体3110の装飾部3150をより均一に発光装飾させることができる。
更に、第一輪郭部3112aは、装飾体3111における第一装飾突部3111aや第二装飾突部3111bの外側に設けられていることから、装飾体3111の後面における後凹部3111eを除いた平坦な部位の後方に設けられている。これにより、第一輪郭部3112aの前面に透明な装飾体3111の平坦な後面が面で当接して密着することとなるため、装飾体3111の後面と第一輪郭部3112aとの間で光が乱反射することはなく、透明な装飾体3111を通して装飾シート3112の第一輪郭部3112aの絵柄やホログラムを前方から鮮明に視認することができる。
装飾シート3112の第二輪郭部3112bは、図示するように、所定幅の黒色の線状に形成されている。この第二輪郭部3112bは、第二装飾部3152における装飾体3111の二重に設けられている第一装飾突部3111a(金属装飾部3111d)の間の部位の後方に位置している。つまり、黒色の第二輪郭部3112bを、二重に形成されている金色の金属装飾部3111dの間に設けているため、第二輪郭部3112bの黒色により、二重の金属装飾部3111dを引き立たせることができ、当該金属装飾部3111dの装飾効果をより高めさせることができる。
装飾シート3112の第一光拡散部3112cは、透光性を有しており、光を撹乱可能な複数の微細な凹凸により形成されている。詳述すると、第一光拡散部3112cは、ランダムな方向へ短く線状に延びた複数の突条により梨肌状のパターンに形成されている。本実施形態では、第一光拡散部3112cの部位に、図149(b)等に示すように、第一装飾部3151により摸されている桜の花の一つの花弁において、花弁の中央から周縁へ向かうに従って、濃淡が濃くなる(透明度が低くなる)なるように所定色(本実施形態では桃色)の複数のドットが印刷により施されている。このようなことから、第一光拡散部3112cに後方から光を放射するための裏後装飾基板3114の第一LED3114aを発光させると、第一光拡散部3112cの梨肌状のパターンにより、僅かな濃淡が現れることとなり、桜の花を模した第一装飾部3151の発光装飾に立体感を付与することができる。
装飾シート3112の第二光拡散部3112dは、透光性を有しており、光を撹乱可能な複数の微細な凹凸により形成されている。この第二光拡散部3112dは、図147乃至図149において、濃淡の薄い網掛けにより示すように、夫々の第二装飾部3152における装飾体3111の第一装飾突部3111aの内側の全体に設けられている。第二光拡散部3112dは、透光性を有しており、光を撹乱可能な複数の微細な凹凸により形成されている。第二光拡散部3112dを形成している複数の微細な凹凸は、縦横に対して一定の間隔で網点状のパターンに形成されている。本実施形態の第二光拡散部3112dは、半透明の乳白色に形成されている。このようなことから、第二光拡散部3112dに後方から光を放射するための裏後装飾基板3114の第一LED3114aを発光させると、第二光拡散部3112dの網点状のパターンにより、所定の文字からなる第二装飾部3152を均一な明るさで発光装飾させることができる。
装飾シート3112の第一光拡散部3112c及び第二光拡散部3112dは、装飾体3111における第一装飾突部3111aの内側となる部位の後方に設けられており、装飾体3111の当該部位の後面には前方へ凹んだ後凹部3111eが設けられている。従って、装飾シート3112を装飾体3111の後面に当接させると、第一光拡散部3112c及び第二光拡散部3112dの部位では、装飾体3111の後凹部3111eの存在により、前面に隙間が形成された状態となる。その隙間によって、前方から装飾体3111の後凹部3111eの部位に照射された光が、装飾シート3112の前面と後凹部3111eの後面との間で乱反射することとなり、前方からの光により第一光拡散部3112c及び第二光拡散部3112dが明るくなる。これにより、裏後装飾基板3114の第一LED3114aや第二LED3114bを発光させていなくても、前方からの光によって装飾シート3112における第一光拡散部3112c及び第二光拡散部3112dの部位、つまり、桜の花を模した第一装飾部3151とロゴを構成している複数の第二装飾部3152とが明るくなり、前方から見え易くなる。
装飾シート3112は、第一輪郭部3112a、第二輪郭部3112b、第一光拡散部3112c、及び第二光拡散部3112dによって、所定の絵柄を形成しており、裏後可動装飾体3110の装飾部3150における装飾体3111による装飾を除いた残りを構成している。本実施形態の装飾シート3112は、第一輪郭部3112a、第二輪郭部3112b、第一光拡散部3112c、及び第二光拡散部3112dが、母材となる透明なシートの後面側に設けられている。装飾シート3112の第一輪郭部3112a及び第二輪郭部3112bは、印刷により形成されている。また、装飾シート3112の第一光拡散部3112c及び第二光拡散部3112dは、所定の光拡散フィルム(ディフューザーフィルム)の貼付けにより形成されている。なお、第一光拡散部3112c及び第二光拡散部3112dを、レンズフィルムやプリズムフィルムとしても良い。
装飾シート3112の透過部3112eは、透明に形成されている。この透過部3112eは、装飾体3111の第一装飾突部3111a(金属装飾部3111d)の後方に設けられていることから、裏後装飾基板3114の第一LED3114aの発光により導光放射板3113から前方へ放射された光の一部を透過させて、第一装飾突部3111aに照射させることができる。この際に、前方へ突出している第一装飾突部3111aでは、前面側のみに金属装飾部3111dが設けられ、側面側が透明なままであるため、透過部3112eを通して後方から第一装飾突部3111aへ照射された光が、第一装飾突部3111aの側面から外部に漏れることとなる。このようなことから、透過部3112eを透過した光により、第一装飾突部3111a(金属装飾部3111d)に後光がさしているような発光装飾を遊技者に見せることができる。また、透過部3112eを透過して第一装飾突部3111aの側面から外部へ放射された光により、第一装飾突部3111aの外側に位置している第一輪郭部3112aを前方から照らすことができるため、第一輪郭部3112aに設けられている絵柄やホログラムをより見え易くすることができ、第一輪郭部3112aによる装飾効果をより発揮させ易くすることができる。
本実施形態の装飾シート3112は、装飾体3111と略同じ大きさに形成されているため、絵柄やホログラムを有した第一輪郭部3112aにより、装飾体3111の外周縁まで装飾することができ、裏後可動装飾体3110の装飾を大きく見せることができる。また、装飾シート3112を装飾体3111と略同じ大きさにしていることから、裏後可動装飾体3110の装飾が縁取りされていない状態となるため、裏後可動装飾体3110を出現位置へ移動させた時に、後方に設けられている演出表示装置1600に裏後可動装飾体3110の装飾と連続するような演出画像を表示させることで、一体感のある演出を遊技者に見せることができ、遊技者に見た目のインパクトを与えて注目させることができると共に、大きな装飾を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
なお、上記の実施形態の装飾シート3112では、装飾体3111の金属装飾部3111d(第一装飾突部3111a)の後方に透明な透過部3112eを設けたものを示したが、これに限定するものではない。例えば、第一輪郭部3112aを、金属装飾部3111dの後方となる部位にも設けるようにしても良い。これにより、裏後可動装飾体3110を斜め前方から見た時に、装飾体3111における第一装飾突部3111aの透明な側面と装飾シート3112における透明な透過部3112eとを通して後方が見えてしまうことで、裏後可動装飾体3110の装飾部3150の見栄えが悪くなることを回避させることができる。また、第一輪郭部3112aを金属装飾部3111dの後方の部位まで設けるようにすることで、装飾体3111における第一装飾突部3111aの透明な側面を通して、第一輪郭部3112aにおける第一装飾突部3111aの後方に位置している部位が見えることとなるため、第一輪郭部3112aの当該部位により第一装飾突部3111aの側面を装飾することができ、金属装飾部3111dが第一装飾突部3111aの前面にのみ設けられていても、装飾部3150の見栄えを良くすることができる。
[5−9d−4.裏後可動装飾体の導光放射板]
導光放射板3113は、図145及び図146等に示すように、左右に延びた透明平板状の本体部3113aと、本体部3113aの外周縁から後方へ延出しているフランジ部3113bと、本体部3113aを前後方向に貫通しており裏後装飾基板3114の第一LED3114aが挿入される複数の第一LED収容部3113cと、本体部3113aを前後方向に貫通しており裏後装飾基板3114の第二LED3114bが挿入される複数の第二LED収容部3113dと、本体部3113aの後面の略全面に亘って設けられている複数の反射部3113eと、本体部3113aの後面における第一LED収容部3113cの周縁から後方へ突出している脚部3113fと、脚部3113fにおける第一LED収容部3113cとは反対側の後端辺に沿って設けられている補助反射部3113gと、を有している。
また、導光放射板3113は、本体部3113aの正面視右端から下方へ延出している右スライダ前部3113hを、有している。
導光放射板3113の本体部3113aは、装飾シート3112の後面が当接する前面が平坦に形成されている。フランジ部3113bは、本体部3113aの厚さの1.5倍ほど後方へ突出している。このフランジ部3113bは、図150等に示すように、裏後可動装飾体3110に組立てた状態で、後端が裏後装飾基板3114よりも後方に突出している。
第一LED収容部3113cは、内周形状が長方形に形成されている。複数の第一LED収容部3113cは、図148に示すように、裏後可動装飾体3110を前方から見た時に、装飾部3150における透明度の低い部位の後方に設けられている。詳述すると、第一装飾部3151の部位では、複数の第一LED収容部3113cが、装飾シート3112の第一光拡散部3112cにおけるドットによる桃色の濃淡の濃くなっている部位の後方に設けられている。詳述すると、第一装飾部3151の部位に設けられている第一LED収容部3113cは、桜の花を摸した五つの花弁の夫々において、装飾体3111の第一装飾突部3111aよりも中心側で、内周が長方形の長辺の中央が、花弁の中心線上に位置するように設けられている。
一方、第二装飾部3152の部位に設けられている複数の第一LED収容部3113cは、装飾体3111の金属装飾部3111d及び装飾シート3112の第二輪郭部3112bの後方に位置するように設けられている。このようなことから、複数の第一LED収容部3113c(第一LED3114a)が、前方から視認し難いようになっている。
また、複数の第一LED収容部3113cは、第二装飾部3152の部位において、第二装飾部3152の外周を囲むように設けられている。また、複数の第一LED収容部3113cは、互いがある程度接近している場合、図149(c)及び図153(c)等に示すように、夫々の第一LED収容部3113c同士が互いに繋がった状態に形成されている。接近している第一LED収容部3113c同士を繋げていることで、本体部3113aにおいてその厚さよりも細くなる部位が形成されてしまうことを回避させることができ、導光放射板3113を破損し難いものとすることができる。
ところで、第一LED収容部3113cは、内周が長方形で本体部3113aを貫通している。これにより、本体部3113aの内部(板厚内)で本体部3113aの面(前面や後面)に沿った方向へ導光されている光が、第一LED収容部3113cに到達すると、その光の一部が、第一LED収容部3113cの内周面により本体部3113aの内部側へ真直ぐに反射させられると共に、残りが、第一LED収容部3113cの内周面を通って第一LED収容部3113cの内側へ放射されることとなる。そして、第一LED収容部3113cの内周面の四面の一つから内部に放射された光が、内周面の別の面に到達すると、当該面において一部が第一LED収容部3113cの内側へ反射し、残りが本体部3113aの内部に入射することとなる。つまり、本体部3113aの内部において、本体部3113aの面に沿った方向へ導光されている光が、第一LED収容部3113cを通過しようとすると、第一LED収容部3113cの内側へ放射する内周面の部位と、第一LED収容部3113cにおける本体部3113a側へ入射する内周面の部位とで、当該光の一部が夫々反射するため、第一LED収容部3113cを通過した光の光量は、通過する前と比較して大きく減少することとなる。
このようなことから、第一LED収容部3113cによって、本体部3113aの内部において本体部3113aの面に沿った方向へ導光されている光を遮ることができる。なお、この第一LED収容部3113cの内部には、裏後装飾基板3114の第一LED3114aが収容されるため、第一LED収容部3113cを通過しようとする光を、第一LED3114aにより遮ることができ、第一LED3114aが収容されている部位では、第一LED収容部3113cの反対側へ光が通過しないようになっている。これにより、第二装飾部3152の外周形状に対して、第一LED収容部3113cを最適な位置に設けることで、当該第一LED収容部3113cに収容されている第一LED3114aからの光が、別の第二装飾部3152へ導光されて発光装飾させてしまうことを回避させることができ、複数の第二装飾部3152において所望の第二装飾部3152のみを確実に発光装飾させることができる。
上記のような第一LED収容部3113cの作用について更に詳述すると、例えば、図153(c)に示すように、「い」「ろ」「は」「☆」の複数の第二装飾部3152を発光装飾させるために、夫々の第二装飾部3152の外周に第一LED収容部3113cを設けると共に、夫々の第一LED収容部3113c内に第二装飾部3152の内側へ向けて光が照射されるように第一LED3114aを設ける。この実施形態では、「い」と「ろ」の間と、「ろ」と「は」の間に設けられている第一LED収容部3113cが、互いに接近していることから、夫々が互いに繋がって一つの孔となっている。これにより、導光放射板3113の本体部3113aにおいて、破損し易い細い部位が形成されることはない。また、この実施形態では、「い」の下方に配置されている「☆」を発光装飾させるための第一LED収容部3113c及び第一LED3114aを、「☆」の下側に設けている。そのため、「☆」を発光装飾させるための第一LED3114aを発光させると、「☆」の上方に設けられている「い」が発光装飾されてしまう恐れがあるが、「☆」の左上に設けられている「い」の一部を発光装飾させるための第一LED3114aが収容されている第一LED収容部3113cに、「☆」の上方を覆うように延出している延出部3113jを設けている。この延出部3113jにより、「☆」を発光装飾させるための第一LED3114aからの光が、「い」側へ導光されてしまうことを低減させる(遮る)ことができる。これにより、「☆」を発光装飾させても、「い」が発光装飾されることはない。また、「い」を発光装飾させるための光が、「☆」側へ導光されることを、当該延出部3113jによって低減させる(遮る)ことができる。「い」や「☆」等の所望の第二装飾部3152のみを確実に発光装飾させることができ、所望の演出効果を十分に発揮させることができる。
第二LED収容部3113dは、図152等に示すように、内周が円形に形成されている。複数の第二LED収容部3113dは、桜の花を模した第一装飾部3151において、中央の周囲に設けられている雄しべを模した五つの円形の部位の後方に設けられている。詳述すると、第二LED収容部3113dは、桜の花を模した五つの花弁の夫々において、当該花弁の中心線上に位置している雄しべを模した円形の部位の後方に設けられている。これにより、五つの花弁の夫々において、花弁の中心線上に、第一LED収容部3113cと第二LED収容部3113dとが、一つずつ設けられている。
この第二LED収容部3113dは、内周が円形で本体部3113aを貫通している。これにより、本体部3113aの内部(板厚内)で本体部3113aの面(前面や後面)に沿った方向へ導光されている光が、第二LED収容部3113dに到達すると、その光の一部が、第二LED収容部3113dの内周面により本体部3113aの内部側へ扇状に拡散するように反射させられる。本実施形態では、桜の花を模した第一装飾部3151における五つの花弁の夫々において、第一LED3114aの光軸上に、第二LED収容部3113dを設けているため、図153(b)に示すように、当該第一LED3114aから本体部3113aの内部に照射された光が、第二LED収容部3113dの円形の内周面により、当該第一LED3114a側へ扇状に反射することとなり、その反射光により花弁をより明るく発光装飾させることができる。
複数の反射部3113eは、一つが四角錘に形成されており、縦横へ連続するように列設されている。複数の反射部3113eは、本体部3113aの後面におけるフランジ部3113bの部位と、第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dの周辺の部位と、右スライダ前部3113hの部位と、を除いた略全面に形成されている。複数の反射部3113eは、本体部3113aの板厚内において、板面に沿った方向へ照射された光を主に前方へ反射させて本体部3113aの前面から前方へ放射させることができる。本実施形態の導光放射板3113は、複数の反射部3113eの存在により、前方から見た時に後方が視認し難いように形成されている。
また、導光放射板3113の複数の反射部3113eは、本体部3113aの後面の略全面に設けられていることから、略全面から光を前方へ放射させることができるため、機種の変更や設計変更等により、装飾体3111及び装飾シート3112による装飾部3150のデザインを変更しても、導光放射板3113を変更する必要はなく、設計変更等に対して容易に対応することができ、コストの増加を抑制させることができる。
脚部3113fは、第一LED収容部3113cの内面における挿入される第一LED3114aの発光面と対面する部位の後端側から後方へ突出している。脚部3113fは、図150等に示すように、第一LED収容部3113c側の面が、第一LED収容部3113cの内面と同一面上に設けられている。これにより、第一LED3114aから照射された光を、本体部3113a内へ受けるための受光部3113iの面積を広くすることができ、第一LED3114aからの光をより多く本体部3113a内へ照射させることができる。また、脚部3113fは、裏後可動装飾体3110に組立てた状態では、後面が裏後装飾基板3114の前面に当接し、本体部3113aの後面と裏後装飾基板3114の前面との間に隙間を形成することができる。
補助反射部3113gは、脚部3113fの後端における第一LED収容部3113cとは反対側の辺に沿ってC面取り状に設けられている。この補助反射部3113gは、第一LED3114aから脚部3113fに照射された光を、前方へ反射させるためのものである。
右スライダ前部3113hは、装飾体ベース3115の後述する右スライダ後部3115dと協働して右スライダ3117を構成するためのものである。
本実施形態の導光放射板3113は、裏後可動装飾体3110に組立てた時に、フランジ部3113bにより裏後装飾基板3114の外周を覆っているため、フランジ部3113bによって裏後装飾基板3114の外周面を見え難くすることができ、見栄えが悪くなることを防止することができる。また、導光放射板3113は、裏後装飾基板3114よりも後方へ突出しているフランジ部3113bを有しているため、装飾体3111の前面に設けられている金属装飾部3111dから裏後装飾基板3114(銅箔3114dや電子部品3114e)までの沿面距離ELをより長くすることができ、金属装飾部3111dにおいて蓄積された静電気が裏後装飾基板3114に流れて、裏後装飾基板3114が破損してしまうことを防止することができる。
本実施形態の導光放射板3113は、第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dを、本体部3113aを貫通した孔としているため、第一LED収容部3113cに収容されている第一LED3114aや第二LED収容部3113dに収容されている第二LED3114bからの熱を、本体部3113aの前方へ逃すことができ、裏後装飾基板3114における熱影響を低減させることができる。
また、第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dを貫通孔としているため、第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dの前側が、装飾シート3112や装飾体3111等によって塞がれていても、第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dを貫通しない有底の凹状(溝状)に形成した場合と比較して、第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dの容積(熱容量)を大きくすることができる。これにより、収容されている第一LED3114aや第二LED3114bからの熱による急激な温度上昇を緩和させることができ、裏後装飾基板3114等に対する熱影響を抑制させることができる。また、接近して互いに繋がっている第一LED収容部3113cや、延出部3113jを有している第一LED収容部3113cでは、当該第一LED収容部3113cの容積が大きくなっているため、上記と同様の理由により、第一LED3114aからの熱をより多く放熱させたり、急激な温度上昇をより緩和させたりすることができる。
また、導光放射板3113は、裏後装飾基板3114の前面に実装されている第一LED3114a及び第二LED3114bが後方から挿入される第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dを有しているため、第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dに第一LED3114a及び第二LED3114bを挿入させることで、本体部3113aの後面を裏後装飾基板3114の前面へ可及的に接近させることができ、裏後可動装飾体3110の前後方向の厚さをより薄くすることができる。
更に、導光放射板3113は、本体部3113aの後面から後方へ突出している脚部3113fを有しているため、脚部3113fの後端を裏後装飾基板3114の前面に当接させることで、本体部3113aの後面と裏後装飾基板3114の前面との間に隙間を形成させることができる。これにより、当該隙間を通して裏後装飾基板3114の前面に実装されている第一LED3114aや第二LED3114b等からの熱を逃がすことができ、裏後装飾基板3114における温度上昇を抑制して熱による影響を低減させることができる。
また、導光放射板3113は、裏後装飾基板3114の複数の所定位置に実装されている第一LED3114aからの光を導光して、本体部3113aの後面の略全面に反射部3113eにより前方へ放射させることができるため、本体部3113aにおける後方に裏後装飾基板3114が設けられていない部位でも、第一LED3114aからの光を前方へ放射させることができる。換言すると、本体部3113aの大きさよりも裏後装飾基板3114を小さくしても、本体部3113aの略全面から光を前方へ放射させることができる。従って、裏後装飾基板3114を本体部3113aよりも小さくすることができるため、本体部3113aの外周と裏後装飾基板3114の外周との間の距離をより長くすることができ、装飾体3111の前面の金属装飾部3111dからの沿面距離ELをより長くして上述した作用効果をより発揮させ易くすることができる。
[5−9d−5.裏後可動装飾体の裏後装飾基板]
裏後装飾基板3114は、前面に、サイドビュータイプの複数の第一LED3114aと、トップビュータイプの複数の第二LED3114bとが実装されている。また、裏後装飾基板3114は、平板状の基板本体3114cと、基板本体3114cの前面と後面に夫々設けられ所定の回路パターンを形成している銅箔3114d(図154等を参照)と、基板本体3114cの後面に実装されているLEDドライバICや抵抗器等の電子部品3114e(図155(b)を参照)と、を有している。
また、裏後装飾基板3114は、第一LED3114a、第二LED3114b、電子部品3114e等を除いた表面に、白色のソルダーレジストからなる被覆膜(図示は省略)を有している。更に、裏後装飾基板3114は、図示は省略するが、実装されている第一LED3114a、第二LED3114b、及び電子部品3114e、等の実装部品の近傍に、当該実装部品を表記している表記部を有している。表記部は、被覆膜の上から、目立ち難い所定色(例えば、黄色)でシルク印刷により設けられている。
裏後装飾基板3114は、外周形状が、導光放射板3113におけるフランジ部3113bの内周に略沿った形状で、フランジ部3113bとの間に、フランジ部3113bの厚さよりも若干大きい隙間が、略一定に形成される大きさに形成されている。また、裏後装飾基板3114は、外周形状が、後述する装飾体ベース3115におけるフランジ部3115bの内周に略沿った形状で、当該フランジ部3115bの内周との間に、若干の隙間が略一定に形成される大きさに形成されている。つまり、裏後装飾基板3114は、装飾体ベース3115におけるフランジ部3115bの内側に収容される大きさに形成されている。
複数の第一LED3114aにおける第一装飾部3151の部位では、図152等に示すように、桜の花を模している五つの花弁の夫々の中心線上において、装飾体3111の第一装飾突部3111a(金属装飾部3111d)よりも内側の先端付近で、花の中央へ向けて光が照射されるように設けられている。これにより、第一装飾部3151の部位の第一LED3114aにより、桜の花を模した五つの花弁の一つずつを発光装飾させることができる。
また、複数の第一LED3114aにおける第二装飾部3152の部位では、左右に列設されている各第二装飾部3152の夫々において、装飾体3111の二重に設けられている第一装飾突部3111aの後方付近で、第二装飾部3152の内側へ向けて光が照射されるように設けられている。これにより、第二装飾部3152の部位の第一LED3114aにより、左右に列設されている複数の第二装飾部3152を一つずつ発光装飾させることができる。
複数の第二LED3114bは、図152等に示すように、第一装飾部3151において、桜の花を模した中央部分で、五つの花弁の中心線上に位置している雄しべを模した円形の部位の後方に設けられている。つまり、第二LED3114bは、第一装飾部3151における桜の花を模した一つの花弁に対応している第一LED3114aの光軸上に設けられている。これにより、第二LED3114bによって、第一装飾部3151における中央部分の雄しべを模した五つの部位を、夫々発光装飾させることができる。
第二LED3114bは、前方へ向けて光を照射可能なトップビュータイプであることから、第二LED3114bを発光させると、第一装飾部3151の中央部分の雄しべを模した部位を、他の部位よりも高輝度で点発光させることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができる。従って、装飾部3150の発光装飾において、第一LED3114aにより面状に発光する部位と、第二LED3114bにより点状に発光する部位とを、設けることができるため、それらの発光を適宜組合せることで多彩な発光演出を行うことができ、遊技者を飽きさせ難くすることができる。
基板本体3114cは、厚さが導光放射板3113の本体部3113aよりも若干薄いリジッド基板である。本実施形態の基板本体3114cは、ガラスコンポジット基材を用いている。
銅箔3114dは、基板本体3114cの前面と後面の略全面に設けられている。銅箔3114dは、所定の厚さ(18μm〜70μm)に形成されており、エッチング処理により回路パターンを構成している(図154における網掛け部分)。銅箔3114dは、図154に示すように、外周縁が基板本体3114cの外周縁から所定距離SL(0.5mm〜3mm)(本実施形態では、SL=1mm)内側へ離れた位置に設けられている。この所定距離SLにより、裏後装飾基板3114の外部の導電性部材(例えば、装飾体3111の金属装飾部3111d)から銅箔3114dまでの沿面距離ELや空間距離を稼いで、静電気等の放電やショートに対する絶縁性を高めることができ、放電等による裏後装飾基板3114の破損を抑制できるようにしている。
また、銅箔3114dの外周縁を、第一LED3114a、第二LED3114b、及び電子部品3114eの有無に関わらず、基板本体3114cの外周縁から所定距離内側の部位まで設けており、銅箔3114dの面積を可及的に広くしている。これにより、第一LED3114a、第二LED3114b、及び電子部品3114eにおいて発生する熱の一部を、銅箔3114dに伝達させることで、銅箔3114dから放熱させることができ、第一LED3114a、第二LED3114b、及び電子部品3114eに対する冷却効果を高めて熱による破損を防止することができる。
また、裏後装飾基板3114は、前面側におけるサイドビュータイプの第一LED3114aの発光面側に、第一LED3114aから基板本体3114c側へ照射された光を前方へ反射させ易くするための所定広さの光反射補助領域3114fを、有している(図154において破線で囲んだ領域)。本実施形態の光反射補助領域3114fは、図151及び図153(a)に示すように、銅箔3114dが設けられていない。これにより、光反射補助領域3114fの前面が、第一LED3114aが実装されている銅箔3114dの前面よりも低くなるため、光反射補助領域3114fに銅箔3114dを設けた場合と比較して、第一LED3114aから光反射補助領域3114f内へ照射される光の角度が、基板本体3114cの前面の垂直線に近付くような角度となり、基板本体3114c側へ照射された光を前方へ反射させ易くすることができる。
更に、図153(a)等に示すように、光反射補助領域3114f内に銅箔3114dを設けないようにした上で、導光放射板3113の後方へ突出している脚部3113fの後端を当接させるようにしているため、銅箔3114dの厚さの分だけ、脚部3113fを後方へ長くすることができる。従って、第一LED3114aからの光を受ける受光部3113iを大きくすることができ、導光放射板3113から前方へ放射される光(光量)を多くして、裏後可動装飾体3110(装飾体3111及び装飾シート3112)をより明るく発光装飾させることができる。
また、光反射補助領域3114f内において、導光放射板3113の後方へ突出している脚部3113fの後端が当接するようにしている(図153(a)等を参照)。これにより、脚部3113fの当接により表面に施されている被覆膜(ソルダーレジスト)が摩耗したり捲れたりしても、基板本体3114cの前面が露出するだけで、銅箔3114dが露出することはない。従って、銅箔3114dの露出により絶縁性が低下して、静電気等のショートによる破損を抑制することができる。
本実施形態の裏後装飾基板3114は、図150等に示すように、裏後可動装飾体3110に組立てることにより、装飾体ベース3115の後述するフランジ部3115bと、導光放射板3113のフランジ部3113bとで、外周が二重に囲まれた状態となるため、外部から外周面が見え辛くなり、見栄えの悪化が防止されている。また、裏後装飾基板3114を裏後可動装飾体3110に組立てた状態では、裏後装飾基板3114の外周が、一定の隙間をあけて導光放射板3113のフランジ部3113bにより囲まれている上に、導光放射板3113のフランジ部3113bとの間の隙間に、後方から装飾体ベース3115のフランジ部3115bが挿入されて、当該フランジ部3115bによっても囲まれている。これにより、装飾体3111の前面の金属装飾部3111dから裏後装飾基板3114までの面に沿った最短ルートが、装飾体ベース3115のフランジ部3115bの存在により導光放射板3113のフランジ部3113bを回り込むように蛇行することとなるため、沿面距離ELをより長くすることができ、金属装飾部3111dにおいて蓄積された静電気が裏後装飾基板3114に流れて、裏後装飾基板3114が破損してしまうことを防止することができる。なお、本実施形態では、この沿面距離ELを、10mm以上、或いは、10kVの放電圧に対応できる距離としている。
また、裏後装飾基板3114は、導光放射板3113の後方に設けられているため、裏後装飾基板3114により、裏後可動装飾体3110の後方に設けられている部材(本実施形態では、演出表示装置1600)からの光を遮ることができる。これにより、後方に設けられている演出表示装置1600等からの光が装飾シート3112や装飾体3111に照射されることを防止することができるため、装飾部3150が意図しない状態で発光装飾させられてしまうことを回避させることができ、裏後可動装飾体3110に対して確実に所望の発光演出を行わせることができる。また、裏後装飾基板3114を導光放射板3113の後方に設けているため、裏後装飾基板3114により導光放射板3113を通して後方が見えてしまうことを防止することができ、裏後可動装飾体3110の見栄えの悪化を抑制させることができる。
また、裏後装飾基板3114は、導光放射板3113の第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dに対して後方から収容される第一LED3114a及び第二LED3114bのみを前面に設けるようにしているため、第一LED3114a及び第二LED3114bを第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dに挿入させることで、裏後装飾基板3114の前面を本体部3113aの後面へ可及的に接近させることができ、裏後可動装飾体3110の前後方向の厚さをより薄くすることができる。
更に、裏後装飾基板3114は、LEDドライバICや抵抗器等の電子部品3114eを、後面に実装している。電子部品3114eとしてのLEDドライバICや抵抗器等は、一般的に黒色の部品であるため、電子部品3114eを裏後装飾基板3114の後面に設けることで、前方から黒色の電子部品3114eを見えなくすることができ、裏後可動装飾体3110の見栄えを良くすることができる。また、黒色の電子部品3114eを、前方から見えない裏後装飾基板3114の後面に設けているため、電子部品3114eに対して見え難くするための白色等の色の塗料を塗布する必要が無く、裏後装飾基板3114にかかるコストを低減させることができる。
[5−9d−6.裏後可動装飾体の装飾体ベース]
装飾体ベース3115は、全体が透明に形成されている。装飾体ベース3115は、裏後装飾基板3114の後側を覆う平板状の被覆板部3115aと、被覆板部3115aの外周縁から前方へ突出しているフランジ部3115bと、被覆板部3115aを貫通している複数の開口部3115cと、被覆板部3115aの正面視右端から下方へ延出している右スライダ後部3115dと、を備えている。
被覆板部3115aは、外周形状が、導光放射板3113におけるフランジ部3113bの内周に略沿った形状で、当該フランジ部3113bの内周との間に、若干の隙間が略一定に形成される大きさに形成されている。つまり、被覆板部3115a(装飾体ベース3115)は、導光放射板3113におけるフランジ部3113bの内側に収容され得る大きさに形成されている。この被覆板部3115aにより、裏後装飾基板3114の後側を覆っているため、他の部材が後方から裏後装飾基板3114に当接することを回避させて裏後装飾基板3114を保護することができ、裏後装飾基板3114の破損を防止することができる。
フランジ部3115bは、図150等に示すように、導光放射板3113のフランジ部3113bと裏後装飾基板3114の外周との間の空間へ進入して、裏後装飾基板3114よりも前方に前端が位置するように突出している。このフランジ部3115bは、裏後装飾基板3114の外周を覆うように形成されており、外部から裏後装飾基板3114の外周面を見え難くして、見栄えを良くしている。また、フランジ部3115bは、裏後可動装飾体3110に組立てた状態では、導光放射板3113のフランジ部3113bと裏後装飾基板3114の外周との間の空間に挿入された状態となるため、装飾体3111の前面の金属装飾部3111dから裏後装飾基板3114までの最短ルートを、装飾体ベース3115のフランジ部3115bの存在により導光放射板3113のフランジ部3113bを回り込むように蛇行させることがでる。従って、沿面距離ELをより長くすることができ、金属装飾部3111dにおいて蓄積された静電気が裏後装飾基板3114に流れて、裏後装飾基板3114が破損してしまうことを防止することができる。
複数の開口部3115cは、左右に長いスリット状の部位と、スリット状の部位よりも大きく開口している部位とを有している。これら複数の開口部3115cにより、裏後装飾基板3114の後面に実装されている電子部品3114eからの熱を、裏後可動装飾体3110の外部へ逃すことができ、裏後装飾基板3114における熱影響を低減させることができる。
右スライダ後部3115dは、導光放射板3113の右スライダ前部3113hと協働して、右スライダ3117を構成するためのものである。
また、装飾体ベース3115は、被覆板部3115aの前面から僅かに突出している複数の突部3115eを有している。複数の突部3115eは、裏後装飾基板3114の後面における外周縁付近の銅箔3114dが設けられていない部位に当接するように配置されている。複数の突部3115eは、その前面に、裏後装飾基板3114の後面を当接させることにより、裏後装飾基板3114の後面と被覆板部3115aの前面との間に隙間を形成することができる。これにより、裏後装飾基板3114の後面と被覆板部3115aの前面との間の隙間を通して、電子部品3114eからの熱を逃がし易くすることができる。
[5−9d−7.裏後可動装飾体の主な作用効果]
続いて、本実施形態における裏後可動装飾体3110の主な作用効果について説明する。本実施形態の裏後可動装飾体3110は、装飾体3111の後面と導光放射板3113の本体部3113aの前面との間に装飾シート3112を挟んでいると共に、導光放射板3113と装飾体ベース3115との間に裏後装飾基板3114を挟んでいる状態で、装飾体3111の取付ボス3111fが装飾体ベース3115に取付けられることにより組立てられている(図143等を参照)。これにより、裏後可動装飾体3110の前後方向の厚さを、比較的薄いものとしている。
裏後可動装飾体3110は、透明平板状の装飾体3111に、前方へ突出している第一装飾突部3111a、第二装飾突部3111b、及び第三装飾突部3111cを有していると共に、装飾体3111の後側の装飾シート3112に、絵柄や光の干渉縞が表示されるホログラムを備えた第一輪郭部3112aを有しているため、裏後可動装飾体3110の装飾部3150に対して、第一装飾突部3111a、第二装飾突部3111b、及び第三装飾突部3111cにより立体感を付与することができると共に、第二装飾突部3111b及び第三装飾突部3111cによるレンズ効果とホログラムにより奥行感を付与することができる。これにより、裏後可動装飾体3110の前後方向の厚さが薄くても、遊技者に対して薄さを感じさせることはなく、裏後可動装飾体3110の装飾部3150による装飾効果を十分に発揮させて、遊技者を楽しませることができる。
また、上述したように、第一装飾突部3111a、第二装飾突部3111b、及び第三装飾突部3111cや、第一輪郭部3112a等により、立体感や奥行感を付与することができるため、裏後可動装飾体3110の前後方向の厚さを、より薄くすることができる。これにより、裏後可動装飾体3110の設置にかかるスペースを小さくすることができるため、裏後可動装飾体3110の配置自由度を高めることができ、遊技盤5の内部におけるより効果的な部位に裏後可動装飾体3110を設けて、遊技者を楽しませられるパチンコ機1を具現化し易くすることができる。また、裏後可動装飾体3110を薄くすることができることから、相対的に、他の装飾体を配置するためのスペースを確保し易くすることができるため、他の装飾体を備えることで、より見栄えの良いパチンコ機1を提供したり、多彩な演出を楽しませられるパチンコ機1を提供したりすることができ、遊技者に対する訴求力が高くより差別化することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
裏後可動装飾体3110は、第一装飾部3151や第二装飾部3152の外周を形成している装飾体3111の第一装飾突部3111aの前面に、金属箔からなる金属装飾部3111dを有しているため、金属装飾部3111dの金属光沢により、第一装飾部3151や第二装飾部3152を目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができる。また、第一装飾突部3111aの湾曲している前面に金属装飾部3111dを設けているため、金属装飾部3111dに対して立体感を付与することができると共に高級感を付与することができる。これにより、裏後可動装飾体3110が、遊技者から視認不能な退避位置から、視認可能な出現位置へ移動した時に、高級感のある装飾部3150が見えることで、遊技者に対してプレミアム感を与えることが可能となるため、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと強く思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏後可動装飾体3110は、装飾体3111の後面を平坦にして、装飾シート3112を装飾体3111の外周と略同じ大きさとしているため、絵柄やホログラムを有した第一輪郭部3112aにより、装飾体3111の外周縁まで装飾することができ、裏後可動装飾体3110の装飾を大きく見せることができる。また、裏後可動装飾体3110は、装飾シート3112を装飾体3111と略同じ大きさにしていることから、裏後可動装飾体3110の装飾が縁取りされていない状態となるため、裏後可動装飾体3110を出現位置へ移動させた時に、後方に設けられている演出表示装置1600に裏後可動装飾体3110の装飾と連続するような演出画像を表示させることで、一体感のある演出を遊技者に見せることができ、遊技者に見た目のインパクトを与えて注目させることができると共に、大きな装飾を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏後可動装飾体3110は、装飾体3111の金属装飾部3111dや装飾シート3112の第二輪郭部3112bの後方となる部位に、第一LED3114aを設けているため、金属装飾部3111dや第二輪郭部3112bによって前方から第一LED3114aを見え難くすることができ、装飾部3150の見栄えの悪化を抑制して装飾効果を十分に発揮させることができる。
更に、裏後可動装飾体3110は、第一装飾部3151や複数の第二装飾部3152の夫々において、夫々の外周を囲むように複数の第一LED3114aを設けているため、第一装飾部3151や第二装飾部3152を夫々個別に発光装飾させることができる。これにより、左右に列設されている複数の第二装飾部3152を順番に発光装飾させたり、特定の第一装飾部3151や第二装飾部3152のみを発光装飾させたりすることができるため、第一装飾部3151や複数の第二装飾部3152を適宜発光装飾させることで、多彩な発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏後可動装飾体3110は、サイドビュータイプの第一LED3114aにより、導光放射板3113の本体部3113aの板厚内において、その面に沿った方向へ光を照射させた上で、複数の反射部3113eにより前方へ光を放射して、装飾体3111や装飾シート3112を発光装飾させるようにしているため、第一LEDからの光が導光放射板3113の前面から前方へ放射されるまでの距離を長くすることができる。これにより、第一LEDからの光を十分に拡散させて導光放射板3113から前方へ放射させることができるため、裏後可動装飾体3110の前後方向の厚さが薄くても、装飾体3111や装飾シート3112をムラなく均一に発光装飾させることができ、見栄えの良い発光装飾により遊技者を楽しませることができる。また、導光放射板3113とサイドビュータイプの第一LED3114aとにより、装飾体3111や装飾シート3112を均一に発光装飾させることができるため、裏後可動装飾体3110の前後方向の厚さをより薄くすることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。
また、裏後可動装飾体3110は、第一LED3114aをサイドビュータイプとして面状発光に用いるようにしていると共に、第二LED3114bをトップビュータイプとしているため、裏後可動装飾体3110(装飾部3150)の発光装飾(発光演出)において、第一LED3114aにより面状に発光装飾されている部位に、第二LED3114bにより高輝度で点状に発光する部位を付加することができる。これにより、第二LED3114bの発光により発光演出にメリハリを付けることができるため、遊技状態に応じた最適な発光演出を提示し易くすることができ、遊技者をより楽しませることができると共に、遊技に対する期待感を高めさせることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏後可動装飾体3110は、導光放射板3113に、サイドビュータイプの第一LED3114aが挿入される第一LED収容部3113cを設けて、第一LED収容部3113cの内周面の受光部3113iに、第一LED3114aからの光を照射して、本体部3113aの内部へ光を入射されるようにしている。これにより、第一LED3114aにより発光装飾させたい所望の部位に対して、第一LED収容部3113cを接近させた位置に設けることで、所望の部位をより明るく発光装飾させることができ、より演出効果の高い発光装飾を遊技者に楽しませることができる。
更に、裏後可動装飾体3110は、導光放射板3113に、裏後装飾基板3114に実装されている第一LED3114a及び第二LED3114bが後方から挿入される第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dを有しているため、第一LED収容部3113c及び第二LED収容部3113dに第一LED3114a及び第二LED3114bを挿入させることで、本体部3113aの後面を裏後装飾基板3114の前面へ可及的に接近させることができ、裏後可動装飾体3110の前後方向の厚さをより薄くすることができる。
また、裏後可動装飾体3110は、導光放射板3113の後方へ突出している脚部3113fが、裏後装飾基板3114の前面に当接して、本体部3113aと裏後装飾基板3114との間に隙間が形成されるようにしているため、当該隙間を通して裏後装飾基板3114の前面に実装されている第一LED3114aや第二LED3114b等からの熱を逃がすことができ、裏後装飾基板3114における温度上昇を抑制して熱による影響を低減させることができる。
また、裏後可動装飾体3110は、脚部3113fにより導光放射板3113の本体部3113aと裏後装飾基板3114との間に隙間を形成することができると共に、装飾体ベース3115に複数の開口部3115cを有しているため、裏後可動装飾体3110を昇降させることで、当該隙間や開口部3115cを通して裏後装飾基板3114の表面を換気することができ、第一LED3114aや第二LED3114b、及び電子部品3114e等からの熱を逃がして、裏後装飾基板3114の温度上昇を抑制させることができる。
なお、裏後可動装飾体3110に温度センサを設けて、裏後可動装飾体3110(裏後装飾基板3114)が所定の温度よりも高くなった時に、裏後可動装飾体3110が昇降する可動演出が実行される頻度(確率)を高くするようにしても良い。これにより、裏後可動装飾体3110が昇降することで、裏後装飾基板3114の表面を換気することができ、裏後装飾基板3114を冷却して熱による不具合の発生を抑制させることができる。
更に、裏後可動装飾体3110は、裏後装飾基板3114の外周を、装飾体ベース3115のフランジ部3115bにより後側から囲んでいると共に、そのフランジ部3115bの外周を、導光放射板3113のフランジ部3113bにより囲んでいる。これにより、装飾体3111の前面に設けられている金属箔の金属装飾部3111dから裏後装飾基板3114までの面に沿った最短ルートが、装飾体ベース3115のフランジ部3115bの存在により導光放射板3113のフランジ部3113bを回り込むように蛇行することとなるため、長い沿面距離ELとすることができ、金属装飾部3111dにおいて蓄積された静電気が裏後装飾基板3114に流れて、裏後装飾基板3114が破損してしまうことを防止することができる。
また、裏後可動装飾体3110は、裏後装飾基板3114において、回路を構成している銅箔3114dを、基板本体3114cの外周から所定距離SL内側へ離れた位置に設けるようにしているため、この所定距離SLによっても沿面距離ELや空間距離を長くすることができ、静電気等の放電やショートに対する絶縁性を高めて、放電等による裏後装飾基板3114の破損を抑制することができる。
また、裏後可動装飾体3110は、装飾体3111の前面に設けられている金属装飾部3111dを、第一装飾突部3111aの前面にのみ設けており、第一装飾突部3111aの側面に設けていない。これにより、第一装飾突部3111aの側面の長さの分だけ、裏後装飾基板3114までの沿面距離ELを長くすることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。また、第一装飾突部3111aの側面に金属装飾部3111dを設けていないため、第一装飾突部3111aの側面に金属装飾部3111dを設けた場合と比較して、金属装飾部3111dの面積を小さくすることができ、金属装飾部3111dに蓄積される静電気の量を少なくすることができる。従って、放電圧を低くすることができるため、仮に裏後装飾基板3114へ放電が生じても、その影響を少なくすることができる。
ところで、裏後可動装飾体3110は、上述したように、裏後駆動モータ3126の駆動により、上方へ移動した退避位置と下方へ移動した出現位置との間で、昇降(可動)するものであことから、昇降するたびに左スライダ3116や右スライダ3117等において摩擦が起こり、その摩擦によって発生した静電気が裏後可動装飾体3110の表面に蓄積され易い。この裏後可動装飾体3110は、表面を構成している装飾体3111や装飾体ベース3115が、導電性の低い合成樹脂で形成されているため、多くの静電気が蓄積されても、それらの表面全体に蓄積された静電気が一気に放電され難い。これに対して、装飾体3111の金属箔からなる金属装飾部3111dでは、導電性が高いため、金属装飾部3111dの表面全体に蓄積された静電気が一気に放電され易い。このようなことから、本実施形態の裏後可動装飾体3110は、装飾体3111の前面の金属装飾部3111dにおいて、静電気が蓄積され易いものであるが、上述したように、金属装飾部3111dから裏後装飾基板3114までの沿面距離ELが十分に長いため、静電気の放電により裏後装飾基板3114が破損することはなく、裏後可動装飾体3110が昇降する可動演出と、裏後可動装飾体3110が発光装飾される発光演出との両方を楽しませられるパチンコ機1を提供することができる。
なお、静電気が蓄積される金属装飾部3111dの面積が、所定以上(例えば、100cm2以上)の時は、当該金属装飾部3111dをGND(グラウンド)に接続することが望ましい。これにより、金属装飾部3111dにおいて蓄積された静電気が裏後装飾基板3114へ放電されてしまうことを確実に防止することができる。
[5−9d−8.裏後可動装飾体の別の実施形態]
次に、上記の裏後可動装飾体3110とは異なる実施形態の裏後可動装飾体3160、裏後可動装飾体3170、及び裏後可動装飾体3180、等について、主に図157を参照して詳細に説明する。図157(a)は図142の裏後可動装飾体とは異なる第二実施形態の裏後可動装飾体の構成を断面で示す説明図であり、(b)は第三実施形態の裏後可動装飾体の構成を断面で示す説明図であり、(c)は第四実施形態の裏後可動装飾体の構成を断面で示す説明図である。
第二実施形態の裏後可動装飾体3160は、図157(a)において模式的に示すように、前面に所定の装飾が施されている装飾体3161と、装飾体3161の後側に設けられ所定の装飾が施されているシート状の装飾シート3162と、装飾シート3162の後側に設けられ内部において前面に沿った方向の光を前方へ放射させる導光放射板3163と、導光放射板3163の内部に対して前面に沿った方向へ光を照射する複数のLED3164aが前面に実装されている裏後装飾基板3164と、を備えている。
裏後可動装飾体3160の装飾体3161は、透明平板状の本体部3161aと、本体部3161aの外周縁から後方へ延出しているフランジ部3161bと、本体部3161aの前面に設けられている金属装飾部3161cと、を有している。本体部3161aは、平坦であっても良いし、凹凸のあるレリーフ状の装飾が施されていても良い。金属装飾部3161cは、本体部3161aの前面の一部に設けられており、所定の装飾を構成している。この金属装飾部3161cは、箔押しにより形成されているものであっても良いし、メッキにより形成されているものであっても良いし、蒸着により形成されているものであっても良い。
装飾シート3162は、透明なシートに所定の装飾(絵柄)が印刷されているものである。この装飾シート3162は、裏後装飾基板3164のLED3164aの前方となる部位に、装飾における透明度の低い部位が位置している(図示は省略)。これにより、前方からLED3164aを見え難く隠すようにしている。装飾シート3162は、装飾体3161におけるフランジ部3161bの内周形状よりも小さい大きさに形成されている。
導光放射板3163は、装飾シート3162と同じ大きさの平板状に形成されており、裏後装飾基板3164のLED3164aが後方から挿入されるLED収容部3163aと、後面の設けられている複数の反射部3163bと、を有している。LED収容部3163aは、導光放射板3163を前後方向に貫通している孔とされており、内周が、LED3164aの外周に沿った四角形に形成されている。複数の反射部3163bは、夫々が断面三角形状に前方へ窪んでおり、所定の部位にのみ設けられている。複数の反射部3163bは、夫々が決められたLED収容部3163aからの光を前方へ反射させるように設けられており、決められたLED収容部3163aを中心とした同心円の扇状に配置されている。つまり、複数の反射部3163bは、特定の方向からの光を強く前方へ反射させるように形成されている。なお、複数の反射部3163bを、上記の裏後可動装飾体3110の導光放射板3113の反射部3113eと同様に、不特定の方向からの光を前方へ反射させることができるようにしても良いし、後面の略全面に設けるようにしても良い。
裏後装飾基板3164は、装飾シート3162及び導光放射板3163と同じ大きさに形成されている。裏後装飾基板3164は、導光放射板3163のLED収容部3163aに後方から挿入されるサイドビュータイプのLED3164aが前面に複数実装されている。裏後装飾基板3164は、図示は省略するが、前面と後面とにおける裏後装飾基板3164の外周から所定距離SL内側の部位に、銅箔により所定の回路パターンが形成されている。また、裏後装飾基板3164は、表面(両面)に白色のソルダーレジストからなる被覆膜が形成されている。
本実施形態の裏後可動装飾体3160は、組立てた状態では、装飾体3161の本体部3161aの後面に装飾シート3162が当接していると共に、装飾シート3162の後面に導光放射板3163の前面が当接しており、更に、導光放射板3163の後面に裏後装飾基板3164の前面が当接している。これにより、裏後可動装飾体3160の前後方向の厚さが、薄いものとなっている。装飾体3161のフランジ部3161bは、裏後装飾基板3164の後面と同じ位置まで後方へ延出している。これにより、裏後可動装飾体3160では、装飾シート3162、導光放射板3163、及び裏後装飾基板3164の外周が、フランジ部3161bにより覆われており、外部からそれらの外周面を見え難くして、見栄えを良くしている。
この裏後可動装飾体3160は、装飾体3161の本体部3161aから、裏後装飾基板3164の外周を覆うようにフランジ部3161bが後方へ延出しているため、本体部3161aの前面の金属装飾部3161cから裏後装飾基板3164(の銅箔)までの沿面距離ELを、十分な距離とすることができ、金属装飾部3161cにおいて蓄積された静電気が裏後装飾基板3164に流れて、裏後装飾基板3164が破損してしまうことを防止することができる。
このように、本実施形態の裏後可動装飾体3160によれば、上記の裏後可動装飾体3110と同様の作用効果を奏することができる。なお、裏後可動装飾体3160において、裏後装飾基板3164の後側を覆う装飾体ベースを設けるようにしても良い。
続いて、第三実施形態の裏後可動装飾体3170は、図157(b)において模式的に示すように、枠状に形成されている外装飾体3171と、外装飾体3171の内側(枠内)を閉鎖している透光性を有する平板状の内装飾体3172と、内装飾体3172の後方に設けられ内部において全面に沿った方向の光を前方へ放射させる導光放射板3173と、導光放射板3173の内部に対して前面に沿った方向へ光を照射する複数のLED3174aが前面に実装されている裏後装飾基板3174と、を備えている。
裏後可動装飾体3170の外装飾体3171は、枠状で前後に延びている本体部3171aと、本体部3171aの内周面から内側へ平板状に突出している支持部3171bと、本体部3171aの前面に設けられている金属装飾部3171cと、を有している。本体部3171aの前端から支持部3171bの前面までの距離は、内装飾体3172の前後方向の厚さと同じである。金属装飾部3171cは、本体部3171aの前面の一部に設けられており、所定の装飾を構成している。この金属装飾部3171cは、箔押しにより形成されているものであっても良いし、メッキにより形成されているものであっても良いし、蒸着により形成されているものであっても良い。
内装飾体3172は、図示は省略するが、凹凸のあるレリーフ状の装飾が形成されている。内装飾体3172は、枠状の外装飾体3171の前側の開口を閉鎖するように取付けられている。
導光放射板3173は、内装飾体3172と略同じ大きさに形成されている。導光放射板3173は、外装飾体3171の枠内に挿入されて、前面の外周が支持部3171bの後面に当接している。導光放射板3173は、裏後装飾基板3174のLED3174aが後方から挿入されるLED収容部3173aと、後面の設けられている複数の反射部3173bと、を有している。LED収容部3173aは、導光放射板3173を前後方向に貫通している孔とされており、内周が、LED3174aの外周に沿った四角形に形成されている。反射部3173bは、決められたLED収容部3173aを中心として円弧状に延びていると共に、同心円状に複数設けられている。反射部3173bは、断面が三角形に形成されている。複数の反射部3173bは、夫々が決められたLED収容部3173aからの光を前方へ反射させるように設けられている。つまり、複数の反射部3173bは、特定の方向からの光を強く前方へ反射させるように形成されている。なお、複数の反射部3173bを、上記の裏後可動装飾体3110の導光放射板3113の反射部3113eと同様に、不特定の方向からの光を前方へ反射させることができるようにしても良いし、後面の略全面に設けるようにしても良い。
裏後装飾基板3174は、導光放射板3173と同じ大きさに形成されている。裏後装飾基板3174は、導光放射板3173のLED収容部3173aに後方から挿入されるサイドビュータイプのLED3174aが前面に複数実装されている。裏後装飾基板3174は、図示は省略するが、前面と後面とにおける裏後装飾基板3174の外周から所定距離SL内側の部位に、銅箔により所定の回路パターンが形成されている。また、裏後装飾基板3174は、表面(両面)に白色のソルダーレジストからなる被覆膜が形成されている。
本実施形態の裏後可動装飾体3170は、組立てた状態では、外装飾体3171の枠内に内装飾体3172が前方から嵌め込まれており、外装飾体3171の前面と内装飾体3172の前面とが略一致していると共に、支持部3171bの前面に内装飾体3172の後面の外周付近が当接している。また、裏後可動装飾体3170は、外装飾体3171の枠内に、後方から導光放射板3173及び裏後装飾基板3174が挿入されており、支持部3171bの後面に導光放射板3173の前面の外周付近が当接していると共に、導光放射板3173の後面に裏後装飾基板3174の前面が当接している。これにより、裏後可動装飾体3170の前後方向の厚さが、薄いものとなっている。なお、裏後可動装飾体3170では、内装飾体3172と導光放射板3173との間には、支持部3171bの厚さの隙間が形成されている。
外装飾体3171の本体部3171aは、裏後装飾基板3174の後面と同じ位置まで後方へ延出している。この裏後可動装飾体3160では、内装飾体3172、導光放射板3173、及び裏後装飾基板3174の外周が、外装飾体3171の本体部3171aにより覆われており、外部からそれらの外周面を見え難くして、見栄えを良くしている。
この裏後可動装飾体3170は、外装飾体3171の後方へ延びている本体部3171aにより、裏後装飾基板3174の外周を覆うようにしているため、本体部3171aの前面の金属装飾部3171cから裏後装飾基板3174(の銅箔)までの沿面距離ELを、十分な距離とすることができ、金属装飾部3171cにおいて蓄積された静電気が裏後装飾基板3174に流れて、裏後装飾基板3174が破損してしまうことを防止することができる。
このように、本実施形態の裏後可動装飾体3170によれば、上記の裏後可動装飾体3110と同様の作用効果を奏することができる。なお、内装飾体3172の前面にも金属装飾部を設けるようにしても良い。また、裏後可動装飾体3170において、裏後装飾基板3174の後側を覆う装飾体ベースを設けるようにしても良い。
続いて、第四実施形態の裏後可動装飾体3180は、図157(c)において模式的に示すように、枠状に形成されている外装飾体3181と、外装飾体3181の内側(枠内)を閉鎖している透光性を有した内装飾体3182と、内装飾体3182の後方に設けられ前方へ光を照射可能な複数のLED3183aが前面に実装されている裏後装飾基板3183と、を備えている。
裏後可動装飾体3180の外装飾体3181は、平板枠状の本体部3181aと、本体部3181aの外周から後方へ延出しているフランジ部3181bと、本体部3181a及びフランジ部3181bの表面全体を被覆している金属装飾部3181cと、を有している。金属装飾部3181cは、外装飾体3181の表面全体に設けられている。この金属装飾部3181cは、メッキにより形成されているものであっても良いし、蒸着により形成されているものであっても良い。
内装飾体3182は、透明な部材により形成されている。内装飾体3182は、外形が外装飾体3181の枠状の本体部3181aの内周よりも大きく、フランジ部3181bの内周よりも小さい平板状の本体部3182aと、本体部3182aの外周から後方へ延出しているフランジ部3182bと、を有している。本体部3182aは、図示は省略するが、凹凸のあるレリーフ状の装飾が、略全面に形成されている。
裏後装飾基板3183は、外形が、内装飾体3182におけるフランジ部3182bの内周よりも小さい大きさに形成されている。つまり、裏後装飾基板3183は、外周と内装飾体3182のフランジ部3182bの内周との間に、所定以上の距離の隙間が形成される大きさに形成されている。裏後装飾基板3183は、前面に、トップビュータイプのLED3183aが複数実装されている。裏後装飾基板3183は、図示は省略するが、前面と後面とにおける裏後装飾基板3183の外周から所定距離SL内側の部位に、銅箔により所定の回路パターンが形成されている。また、裏後装飾基板3183は、表面(両面)に白色のソルダーレジストからなる被覆膜が形成されている。
本実施形態の裏後可動装飾体3180は、組立てた状態では、枠状の外装飾体3181の枠内に、後方から内装飾体3182と裏後装飾基板3183とが挿入されている。裏後可動装飾体3180は、外装飾体3181の本体部3181aの後面に、内装飾体3182の外周付近の前面が当接しており、内装飾体3182のフランジ部3182bが、外装飾体3181のフランジ部3181bの後端と同じ位置まで後方へ延出している。つまり、外装飾体3181のフランジ部3181bの内周側が、内装飾体3182のフランジ部3182bにより覆われている。換言すると、内装飾体3182のフランジ部3182bの外周が、外装飾体3181のフランジ部3181bにより覆われている。従って、外装飾体3181のフランジ部3181bにより、内装飾体3182及び裏後装飾基板3183の外周が、外部から見えないようになっている。
この裏後可動装飾体3180は、金属装飾部3181cが設けられている外装飾体3181のフランジ部3181bの内側に、内装飾体3182のフランジ部3182bが設けられていると共に、内装飾体3182の本体部3182aの後側に設けられている裏後装飾基板3183の外周が、内装飾体3182のフランジ部3182bの内周から離れているため、金属装飾部3181cから裏後装飾基板3183(の銅箔)までの沿面距離ELを、十分な距離とすることができ、金属装飾部3181cにおいて蓄積された静電気が裏後装飾基板3183に流れて、裏後装飾基板3183が破損してしまうことを防止することができる。
このように、本実施形態の裏後可動装飾体3180によれば、上記の裏後可動装飾体3110と同様の作用効果を奏することができる。なお、内装飾体3182の本体部3182aの前面にも金属装飾部を設けるようにしても良い。また、裏後可動装飾体3180において、裏後装飾基板3183の後側を覆う装飾体ベースを設けるようにしても良い。
[5−9e.裏下左演出ユニット及び裏下右演出ユニット]
次に、裏ユニット3000における裏下左演出ユニット3200及び裏下右演出ユニット3250について、主に図158乃至図161等を参照して詳細に説明する。図158(a)は裏ユニットにおける裏下左演出ユニット及び裏下右演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏下左演出ユニット及び裏下右演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図159は裏下左演出ユニット及び裏下右演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図160は裏下左演出ユニット及び裏下右演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図161は、裏下左演出ユニット及び裏下右演出ユニットの可動構成を正面から示す説明図である。
裏ユニット3000の裏下左演出ユニット3200及び裏下右演出ユニット3250は、裏箱3010内における開口部3010aよりも下側で、裏後演出ユニット3100の下端に取付けられている。裏下左演出ユニット3200及び裏下右演出ユニット3250は、遊技盤5に組立てた状態で、裏下中演出ユニット3300の裏下中装飾体ユニット3320の左右両側に位置しており、正面からは透明な遊技パネル1100や表ユニット2000等を通して視認可能とされている。
まず、裏下左演出ユニット3200について説明する。裏下左演出ユニット3200は、後方へ突出した軸シャフト3201aを有した透光性を有する裏下左回転装飾体3201と、裏下左回転装飾体3201の後方に設けられており、透光性を有する裏下左装飾体3202と、裏下左装飾体3202の後方に設けられており、前面に複数のLEDが実装されている裏下左装飾基板3203と、裏下左装飾基板3203の後方に設けられており、裏下左回転装飾体3201が回転可能に取付けられていると共に裏下左装飾体3202が取付けられており、裏後演出ユニット3100の左辺の下端に取付けられるユニットベース3204と、を備えている。
また、裏下左演出ユニット3200は、ユニットベース3204の前面に回転軸が後方へ突出するように取付けられている裏下左駆動モータ3205と、裏下左駆動モータ3205の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア3206と、駆動ギア3206と噛合しておりユニットベース3204に回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア3207と、第一伝達ギア3207と噛合しておりユニットベース3204に回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア3208と、第二伝達ギア3208と噛合しており裏下左回転装飾体3201の軸シャフト3201aの後端に取付けられている平歯車状の第三伝達ギア3209と、裏下左装飾体3202よりも下側でユニットベース3204の前面に取付けられている前カバー3210と、を備えている。
裏下左回転装飾体3201は、桜の花を模した形状に形成されている。裏下左回転装飾体3201の後面の中央から後方へ突出している軸シャフト3201aは、裏下左装飾体3202、裏下左装飾基板3203、及びユニットベース3204を貫通する長さに形成されている。裏下左装飾体3202は、裏下左回転装飾体3201と同じ大きさの二つの桜の花を、前後に重ねた上で後側の花弁が、前側の花弁同士の間に位置するように回転させたような形状に形成されている。
裏下左装飾基板3203は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDである。裏下左装飾基板3203は、後面に第三伝達ギア3209の検知片3209aを検知する裏下左検知センサ3203aが設けられている。裏下左検知センサ3203aは、ユニットベース3204を貫通して後方へ突出している。第三伝達ギア3209は、前方へ突出し裏下左装飾基板3203の裏下左検知センサ3203aに検知される検知片3209aを有している。第三伝達ギア3209の検知片3209aが裏下左検知センサ3203aにより検知されている状態では、裏下左回転装飾体3201が一つの花弁を上方へ向けた状態となっている(図161を参照)。
本実施形態の裏下左演出ユニット3200は、裏下左駆動モータ3205により駆動ギア3206を回転されると、第一伝達ギア3207、第二伝達ギア3208、及び第三伝達ギア3209を介して裏下左回転装飾体3201を前後方向の軸周りに回転させることができる。また、裏下左演出ユニット3200は、裏下左装飾基板3203の複数のLEDを発光させることで、裏下左回転装飾体3201及び裏下左装飾体3202を発光装飾させることができる。
次に、裏下右演出ユニット3250について説明する。裏下右演出ユニット3250は、後方へ突出した軸シャフト3251aを有した透光性を有する裏下右回転装飾体3251と、裏下右回転装飾体3251の後方に設けられており、透光性を有する裏下右装飾体3252と、裏下右装飾体3252の後方に設けられており、前面に複数のLEDが実装されている裏下右装飾基板3253と、裏下右装飾基板3253の後方に設けられており、裏下右回転装飾体3251が回転可能に取付けられていると共に裏下右装飾体3252が取付けられており、裏後演出ユニット3100の右辺の下端に取付けられるユニットベース3254と、を備えている。
また、裏下右演出ユニット3250は、ユニットベース3254の前面に回転軸が後方へ突出するように取付けられている裏下右駆動モータ3255と、裏下右駆動モータ3255の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア3256と、駆動ギア3256と噛合しておりユニットベース3254に回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア3257と、第一伝達ギア3257と噛合しておりユニットベース3254に回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア3258と、第二伝達ギア3258と噛合しており裏下右回転装飾体3251の軸シャフト3251aの後端に取付けられている平歯車状の第三伝達ギア3259と、裏下右装飾体3252よりも下側でユニットベース3254の前面に取付けられている前カバー3260と、を備えている。
裏下右回転装飾体3251は、桜の花を模した形状に形成されている。裏下右回転装飾体3251の後面の中央から後方へ突出している軸シャフト3251aは、裏下右装飾体3252、裏下右装飾基板3253、及びユニットベース3254を貫通する長さに形成されている。裏下右装飾体3252は、裏下右回転装飾体3251と同じ大きさの二つの桜の花を、前後に重ねた上で後側の花弁が、前側の花弁同士の間に位置するように回転させたような形状に形成されている。
裏下右装飾基板3253は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDである。裏下右装飾基板3253は、後面に第三伝達ギア3259の検知片3259aを検知する裏下右検知センサ3253aが設けられている。裏下右検知センサ3253aは、ユニットベース3254を貫通して後方へ突出している。第三伝達ギア3259は、前方へ突出し裏下右装飾基板3253の裏下右検知センサ3253aに検知される検知片3259aを有している。第三伝達ギア3259の検知片3259aが裏下右検知センサ3253aにより検知されている状態では、裏下右回転装飾体3251が一つの花弁を上方へ向けた状態となっている(図161を参照)。
本実施形態の裏下右演出ユニット3250は、裏下右駆動モータ3255により駆動ギア3256を回転されると、第一伝達ギア3257、第二伝達ギア3258、及び第三伝達ギア3259を介して裏下右回転装飾体3251を前後方向の軸周りに回転させることができる。また、裏下右演出ユニット3250は、裏下右装飾基板3253の複数のLEDを発光させることで、裏下右回転装飾体3251及び裏下右装飾体3252を発光装飾させることができる。
[5−9f.裏下中演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏下中演出ユニット3300について、主に図162乃至図169等を参照して詳細に説明する。図162(a)は裏ユニットにおける裏下中演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏下中演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図163は裏下中演出ユニットの裏下中昇降機構を分解して前から見た分解斜視図であり、図164は裏下中演出ユニットの裏下中昇降機構を分解して前から見た分解斜視図である。図165は裏下中演出ユニットの裏下中装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図166は裏下中演出ユニットの裏下中装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図167は、裏下中演出ユニットにおける裏下中昇降機構による裏下中装飾体ユニットの昇降を示す説明図である。図168(a)は裏下中演出ユニットにおける裏下中装飾体ユニットの裏下中回転装飾体の回転にかかる構成を正面から示す説明図であり、(b)は裏下中回転装飾体の停止位置と各検知センサとの関係を表で示す説明図である。図169は、裏下中演出ユニットにおける裏下中装飾体ユニットのLEDの配置を正面から示す説明図である。
裏ユニット3000の裏下中演出ユニット3300は、裏箱3010内における開口部3010aよりも下側に配置されている。裏下中演出ユニット3300は、裏下左演出ユニット3200及び裏下右演出ユニット3250の後側に取付けられている。裏下中演出ユニット3300は、前後方向の軸周りに回転可能な裏下中回転装飾体3310を有する裏下中装飾体ユニット3320と、裏下中装飾体ユニット3320を昇降させる裏下中昇降機構3350と、を備えている。
裏下中演出ユニット3300の裏下中回転装飾体3310は、正面視の形状が、正六角形に形成されている。この裏下中回転装飾体3310は、全面に「1」〜「6」までのレリーフ状に形成された六つの数字装飾が、中央を中心にして時計回りの方向へ60度の角度毎に円周上に配置されている。この裏下中回転装飾体3310は、透光性を有している。裏下中回転装飾体3310は、後面に後述する裏下中装飾体ユニット3320における拡散レンズ3321、裏下中第一装飾基板3322、及び基板固定部材3323の前端側、を収容可能な凹部3311を有している。
裏下中装飾体ユニット3320は、図165及び図166等に示すように、裏下中回転装飾体3310の後方に設けられている拡散レンズ3321と、拡散レンズ3321の後方に設けられており、前面に複数のLEDが実装されている裏下中第一装飾基板3322と、裏下中第一装飾基板3322を後側から挟むように拡散レンズ3321に取付けられており後方へ円柱状に突出している軸部3323aを有する基板固定部材3323と、基板固定部材3323の軸部3323aが相対回転可能に挿入される軸孔3324aを有しており裏下中回転装飾体3310の後側に取付けられる回転ベース3324と、を備えている。
また、裏下中装飾体ユニット3320は、回転ベース3324の後面から後方へ突出しており軸孔3324aと同軸上の半円弧に延びている領域検知片3325と、領域検知片3325と同軸の円周上で回転ベース3324から複数突出している位置検知片3326と、回転ベース3324の後面に設けられている平歯車状の回転ギア3327と、を備えている。
更に、裏下中装飾体ユニット3320は、回転ベース3324の後方に設けられていると共に領域検知片3325及び位置検知片3326が通過可能な貫通した開口部3328aを有しており、透光性を有する裏下中装飾体3328と、裏下中装飾体3328の後方に設けられており前面に複数のLEDが実装されている裏下中第二装飾基板3329と、裏下中第二装飾基板3329の前面に取付けられており、領域検知片3325を検知可能な複数の領域特定センサ3330と、裏下中第二装飾基板3329の前面に取付けられており、位置検知片3326を検知可能な位置特定センサ3331と、を備えている。
また、裏下中装飾体ユニット3320は、裏下中第二装飾基板3329の後方に設けられており、基板固定部材3323の軸部3323aの後端が取付けられると共に裏下中装飾体3328が取付けられる可動ベース3332と、可動ベース3332の後面に回転軸が前方へ突出するように取付けられている裏下中回転駆動モータ3333と、裏下中回転駆動モータ3333の回転軸に取付けられていると共に回転ギア3327と噛合している平歯車状の駆動ギア3334と、可動ベース3332の後側に取付けられている後カバー3335と、可動ベース3332の後側に取付けられており裏下中昇降機構3350のスライドレール3360により上下方向へスライド可能に案内される昇降スライダ3336と、を備えている。
拡散レンズ3321、裏下中第一装飾基板3322、及び基板固定部材3323の前端側は、組立てた状態で、裏下中回転装飾体3310と回転ベース3324との間に位置して、裏下中回転装飾体3310の凹部3311内に収容された状態となっており、裏下中回転装飾体3310及び回転ベース3324の何れにも接触していない。裏下中第一装飾基板3322の複数のLEDを適宜発光させることで、裏下中回転装飾体3310における数字の装飾(レリーフ)の部位を発光装飾させることができる。裏下中第一装飾基板3322のLEDは、フルカラーLEDである。また、裏下中第二装飾基板3329のLEDは、フルカラーLEDである。
領域検知片3325は、回転ギア3327よりも大きい直径で回転ベース3324の後面から後方へ突出している。領域検知片3325は、図168(a)に示すように、裏下中回転装飾体3310における「2」と「3」の数字装飾の間から、「3」、「4」、「5」の数字装飾を通って、「5」と「6」の数字装飾の間まで、回転軸を中心として180度の範囲で円弧状に形成されている。
複数(ここでは、六個)の位置検知片3326は、夫々が、領域検知片3325よりも大きい直径の円周上で回転ベース3324の後面から後方へ突出している。各位置検知片3326は、夫々が裏下中回転装飾体3310の数字の装飾の中央に位置するように、周方向へθ度(ここでは、60度)の角度で等間隔に設けられている。本実施形態では、一つの位置検知片3326は、回転軸を中心として所定角度α度(20度〜25度、ここでは、23.34度)の範囲で円弧状に形成されており、隣の位置検知片3326との間は、回転軸を中心として、2×β度(θ度−α度(ここでは、36.66度))の間隔があいている(図168(a)を参照)。
複数(ここでは、三個)の領域特定センサ3330は、裏下中回転装飾体3310の回転軸を中心にして、θ度(60度)の角度の間隔で並ぶように設けられている。三つの領域特定センサ3330は、時計回りの順に、第一領域特定センサ3330a、第二領域特定センサ3330b、及び第三領域特定センサ3330c、の順番に設けられている。本実施形態では、3つの領域特定センサ3330が、裏下中回転装飾体3310の「1」の装飾を回転中心の直上に位置させた状態で、「3」、「4」、「5」の数字装飾と対応する位置に設けられている(図168(a)を参照)。
位置特定センサ3331は、第一領域特定センサ3330aから裏下中回転装飾体3310の回転軸を中心にして反時計回りの方向へ、γ度(ここでは、30度)の角度の位置に設けられている。
可動ベース3332は、後面の下部から後方へ円柱状に突出している昇降ピン3332aを有している。この昇降ピン3332aは、裏下中昇降機構3350における昇降アーム3357の第二スリット3357b内に摺動可能に挿入されるものである。裏下中回転駆動モータ3333は、回転位置を検知可能なステッピングモータである。
この裏下中装飾体ユニット3320は、裏下中回転駆動モータ3333により駆動ギア3334を回転させることで、回転ギア3327を介して裏下中回転装飾体3310を前後方向の軸周りに回転させることができる。また、裏下中装飾体ユニット3320は、裏下中第一装飾基板3322及び裏下中第二装飾基板3329に夫々実装されている複数のLEDを発光させることで、裏下中回転装飾体3310及び裏下中装飾体3328を発光装飾させることができる。
裏下中昇降機構3350は、図163及び図164等に示すように、左右に延びており両端側が裏下左演出ユニット3200及び裏下右演出ユニット3250に取付けられるユニットベース3351と、ユニットベース3351の前面に回転軸が後方へ突出するように取付けられる裏下中昇降駆動モータ3352と、裏下中昇降駆動モータ3352の回転軸に取付けられ一部がユニットベース3351の前面側に臨んでいる平歯車状の駆動ギア3353と、駆動ギア3353と噛合しておりユニットベース3351の前面に回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア3354と、第一伝達ギア3354と噛合しておりユニットベース3351の前面に回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア3355と、第二伝達ギア3355と噛合している平歯車状のギア部3356a、及びギア部3356aの前面の外周付近から円柱状に前方へ突出している駆動ピン3356bを有しており、ユニットベース3351の前面における左右方向の中央上部で回転可能に取付けられている昇降カムギア3356と、を備えている。
また、裏下中昇降機構3350は、左右方向へ延びている基端側がユニットベース3351の前面に回転可能に取付けられており、昇降カムギア3356の駆動ピン3356bが摺動可能に挿入される長手方向へ延びた第一スリット3357a、第一スリット3357aよりも先端側で長手方向へ延びており裏下中装飾体ユニット3320における可動ベース3332の昇降ピン3332aが摺動可能に挿入される第二スリット3357b、及び先端に設けられている検知片3357c、を有している昇降アーム3357と、昇降アーム3357の検知片3357cを検知可能な裏下中昇降検知センサ3358aが設けられており、ユニットベース3351の前面に取付けられている裏下中中継基板3358と、を備えている。
更に、裏下中昇降機構3350は、第一伝達ギア3354、第二伝達ギア3355、昇降カムギア3356、及び昇降アーム3357を前側から覆うようにユニットベース3351の前面に取付けられており、裏下中装飾体ユニット3320における可動ベース3332の昇降ピン3332aが挿通される上下に延びた昇降スリット3359aを有する前カバー3359と、前カバー3359の前面に取付けられており、裏下中装飾体ユニット3320における昇降スライダ3336を上下方向へ案内するスライドレール3360と、駆動ギア3353を後方から覆うようにユニットベース3351の後側に取付けられているギアカバー3361と、昇降アーム3357の先端側が上方に移動方向(正面視に対して時計回りの方向)へ昇降アーム3357が回動するように付勢しているバネ3362と、を備えている。
裏下中昇降駆動モータ3352は、ユニットベース3351の左右方向中央よりも左側の下部に取付けられている。昇降アーム3357は、基端側が昇降カムギア3356の右方で昇降カムギア3356の中心と同じ高さで回転可能に取付けられている。昇降アーム3357は、先端側が昇降カムギア3356よりも左方へ延びている。
裏下中中継基板3358は、裏下中第一装飾基板3322、裏下中第二装飾基板3329、領域特定センサ3330、位置特定センサ3331、裏下中回転駆動モータ3333、裏下中昇降駆動モータ3352、裏下中昇降検知センサ3358aと、演出駆動基板1720との接続を中継している。
前カバー3359は、ユニットベース3351の左右方向の中央に取付けられており、昇降スリット3359aがユニットベース3351の左右方向中央よりも左側に設けられている。前カバー3359の昇降スリット3359aには、裏下中装飾体ユニット3320における可動ベース3332の昇降ピン3332aが摺動可能に挿入される。スライドレール3360は、前カバー3359におけるユニットベース3351の左右方向中央よりも右側に設けられている。この昇降スリット3359aとスライドレール3360とにより、裏下中装飾体ユニット3320を、上下方向へ真直ぐにスライドするように支持することができる。
この裏下中昇降機構3350は、裏下中昇降駆動モータ3352により駆動ギア3353を回転させると、第一伝達ギア3354、第二伝達ギア3355、及び昇降カムギア3356のギア部3356aを介して昇降カムギア3356を回転させることができる。そして、昇降カムギア3356の回転により公転する駆動ピン3356bにより、駆動ピン3356bが摺動可能に挿入されている第一スリット3357aを介して昇降アーム3357を回動させることができ、昇降アーム3357の第二スリット3357bに摺動可能に挿入されている可動ベース3332の昇降ピン3332aを介して裏下中装飾体ユニット3320を裏下中回転装飾体3310と伴に昇降させることができる。
次に、裏下中演出ユニット3300における裏下中回転装飾体3310や裏下中装飾体ユニット3320の動きについて、詳細に説明する。裏下中演出ユニット3300は、通常の状態では、裏下中装飾体ユニット3320が最も下方へ移動した下降位置の状態となっている。この通常の状態では、裏下中昇降機構3350における昇降アーム3357が、先端側が基端側よりも下方に位置しており、先端の検知片3357cが、裏下中中継基板3358の裏下中昇降検知センサ3358aに検知されている(図167(a)を参照)。
この通常の状態では、昇降カムギア3356の駆動ピン3356bが、その公転中心よりも下方に位置していると共に、昇降アーム3357の第一スリット3357a内における基端側の端部付近に位置している。詳述すると、駆動ピン3356bにおける第一スリット3357aとの接点を通る法線が、昇降カムギア3356の回転中心を通るように延びている。これにより、バネ3362により昇降アーム3357を時計回りの方向へ回動させようとする付勢力が作用していても、その付勢力の力線が、第一スリット3357aに当接している駆動ピン3356bを介して、昇降カムギア3356の回転中心を通るため、昇降カムギア3356は回転することはない。従って、昇降カムギア3356の駆動ピン3356bも公転しないため、昇降アーム3357が回動することはなく、裏下中装飾体ユニット3320が下降位置からバネ3362の付勢力により移動することはないと共に、バネ3362の付勢力が昇降アーム3357等を介して裏下中昇降駆動モータ3352に作用することはない。
なお、通常の状態において、昇降カムギア3356の駆動ピン3356bを、第一スリット3357aの基端側の端部に当接させるようにしても良い。これにより、バネ3362の付勢力により昇降アーム3357が時計回りの方向へ回動しようとすると、第一スリット3357aから駆動ピン3356bを介して作用する力により、昇降カムギア3356が反時計回りの方向へ回転しようとする。この際に、駆動ピン3356bが昇降アーム3357の基端側へ移動するように公転しようとすることとなるが、駆動ピン3356bが第一スリット3357aの基端側の端部に当接しているため、駆動ピン3356bが公転することができず、昇降アーム3357の回動がロックされて、裏下中装飾体ユニット3320の上方への移動を阻止することができる。
裏下中演出ユニット3300は、通常の状態では、裏下中回転装飾体3310における複数の数字装飾のうち、最も上側に位置している数字装飾が、センター役物2500の枠内よりも内側に位置しており、前方(遊技者側)から良好に視認することができる(図111等を参照)。また、通常の状態では、最も下側に位置している数字装飾が、始動口ユニット2100の第一始動口2002の後方に位置しており、裏下中第一装飾基板3322や裏下中第二装飾基板3329のLEDを発光させることで、裏下中回転装飾体の発光装飾に加えて、透明部材で形成された第一始動口2002をも発光装飾させることができる(図120等を参照)。
この通常の状態で、裏下中昇降駆動モータ3352により、駆動ギア3353を正面視において反時計回りの方向へ回転させると、第一伝達ギア3354、第二伝達ギア3355、及びギア部3356aを介して、昇降カムギア3356が時計回りの方向へ回転することとなり、昇降カムギア3356の駆動ピン3356bが時計回りの方向へ公転することとなる。この駆動ピン3356bが公転することで、駆動ピン3356bと当接している第一スリット3357aの内面が上方へ押圧され、駆動ピン3356bが第一スリット3357a内を先端側へ摺動すると共に、昇降アーム3357の先端側が上方へ移動するように、基端側を中心として時計回りの方向へ回動することとなる。
この昇降アーム3357が時計回りの方向へ回動することにより、昇降アーム3357の先端側の第二スリット3357b内に挿入されている可動ベース3332の昇降ピン3332aが、第二スリット3357bの内面により上方へ押圧され、昇降ピン3332aを介して裏下中装飾体ユニット3320が上方へ移動することとなる。そして、駆動ピン3356bが、公転中心よりも上方へ移動すると、駆動ピン3356bが第一スリット3357a内を基端側へ向かって摺動するようになる。この際に、昇降アーム3357では、バネ3362により時計回りの方向への付勢力が作用しているため、その付勢力により裏下中装飾体ユニット3320の上方への移動がアシストされ、裏下中昇降駆動モータ3352にかかる負荷を軽減させている。
この駆動ピン3356bが更に時計回りの方向へ公転して、第一スリット3357aの基端側の端部付近に到達すると、裏下中昇降駆動モータ3352による駆動ギア3353の回転が停止すると同時に、駆動ピン3356bの公転が停止する。これにより、昇降アーム3357による裏下中装飾体ユニット3320の移動が停止し、裏下中装飾体ユニット3320が最も上方へ移動した上昇位置の状態となる。
裏下中装飾体ユニット3320が上昇位置の状態では、駆動ピン3356bにおける第一スリット3357aとの接点を通る法線が、昇降カムギア3356の回転中心を通るように延びている。これにより、裏下中装飾体ユニット3320の自重により昇降アーム3357を反時計回りの方向へ回動させようとする力が作用していても、その力の力線が、第一スリット3357aに当接している駆動ピン3356bを介して、昇降カムギア3356の回転中心を通るため、昇降カムギア3356は回転することはない。従って、昇降カムギア3356の駆動ピン3356bも公転しないため、昇降アーム3357が回動することはなく、裏下中装飾体ユニット3320が上昇位置から下方へ移動することはないと共に、裏下中装飾体ユニット3320の自重が昇降アーム3357等を介して裏下中昇降駆動モータ3352に作用することはない。
なお、裏下中装飾体ユニット3320が上昇位置の状態において、昇降カムギア3356を更に公転させて、駆動ピン3356bを第一スリット3357aの基端側の端部に当接させるようにしても良い。これにより、裏下中装飾体ユニット3320の自重により昇降アーム3357が反時計回りの方向へ回動しようとすると、第一スリット3357aから駆動ピン3356bを介して作用する力により、昇降カムギア3356が時計回りの方向へ回転しようとする。この際に、駆動ピン3356bが昇降アーム3357の基端側へ移動するように公転しようとすることとなるが、駆動ピン3356bが第一スリット3357aの基端側の端部に当接しているため、駆動ピン3356bが公転することができず、昇降アーム3357の回動がロックされて、裏下中装飾体ユニット3320の下方への移動を阻止することができる。
裏下中装飾体ユニット3320を上昇位置へ移動させた状態では、裏下中回転装飾体3310の殆どが、センター役物2500の枠内に位置(さらには、遊技領域5aを転動する遊技球Bがセンターフレーム(周壁部2501)の外側から内側へと跳ね返ることを防止するセンター役物2500に設けられた跳ね返り防止部材(ステージカバー2515)よりも上側に位置)しており、前方(遊技者側)から良好に、全ての数字装飾を視認することができる(図201を参照)。
裏下中装飾体ユニット3320を上昇位置へ移動させた状態から、下降位置へ復帰させる場合は、裏下中昇降駆動モータ3352により駆動ギア3353を上記とは逆方向に回転させると、昇降アーム3357が反時計回りの方向へ回動して裏下中装飾体ユニット3320が上昇位置から下方へ移動する。そして、昇降アーム3357の先端の検知片3357cが、裏下中中継基板3358の裏下中昇降検知センサ3358aにより検知されたら、裏下中昇降駆動モータ3352により駆動ギア3353の回転を停止させることにより、裏下中装飾体ユニット3320を通常の状態である下降位置(さらには、遊技領域5aを転動する遊技球Bがセンターフレーム(周壁部2501)の外側から内側へと跳ね返ることを防止するセンター役物2500に設けられた跳ね返り防止部材(ステージカバー2515)をパチンコ機1において正面視した場合に重なる位置)に復帰させることができる。
本実施形態の裏下中演出ユニット3300は、裏下中装飾体ユニット3320における裏下中回転駆動モータ3333により駆動ギア3334を回転させることで、回転ギア3327を介して裏下中回転装飾体3310を前後方向の軸周りに回転させることができる。この裏下中回転装飾体3310を回転させることで、前面に設けられている六つの数字装飾がルーレットのように回転する。裏下中回転装飾体3310は、裏下中装飾体ユニット3320が下降位置や上昇位置等の何れの位置においても、裏下中回転駆動モータ3333により回転させることができる。
本実施形態の裏下中演出ユニット3300は、通常の状態では、裏下中回転装飾体3310における複数(ここでは、6個)の数字装飾の一つが、回転中心の直上(停止位置)に位置している。例えば、図168(a)に示すように、裏下中回転装飾体3310における「1」の数字装飾が上に位置している状態では、回転ベース3324の領域検知片3325を、第一領域特定センサ3330a、第二領域特定センサ3330b、及び第三領域特定センサ3330cの三つの領域特定センサ3330により検知していると共に、複数(ここでは、6個)の位置検知片3326を、位置特定センサ3331が検知していない。
ここで、まず、三つの領域特定センサ3330と、裏下中回転装飾体3310の六つの停止位置との関係について説明する。「1」の数字装飾を停止位置とした状態では、上記のように、第一領域特定センサ3330a、第二領域特定センサ3330b、及び第三領域特定センサ3330cが、回転ベース3324の領域検知片3325を検知している。つまり、図168(b)に示すように、第一領域特定センサ3330a、第二領域特定センサ3330b、及び第三領域特定センサ3330cが検知の時には、「1」の数字装飾が、停止位置を中心とした±30度の領域の範囲内に位置している。
また、第一領域特定センサ3330a及び第二領域特定センサ3330bが検知、第三領域特定センサ3330cが非検知の時には、「2」の数字装飾が、停止位置を中心とした±30度の領域の範囲内に位置している。
また、第一領域特定センサ3330aが検知、第二領域特定センサ3330b及び第三領域特定センサ3330cが非検知の時には、「3」の数字装飾が、停止位置を中心とした±30度の領域の範囲内に位置している。
更に、第一領域特定センサ3330a、第二領域特定センサ3330b、及び第三領域特定センサ3330cが非検知の時には、「4」の数字装飾が、停止位置を中心とした±30度の領域の範囲内に位置している。
また、第一領域特定センサ3330a及び第二領域特定センサ3330bが非検知、第三領域特定センサ3330cが検知の時には、「5」の数字装飾が、停止位置を中心とした±30度の領域の範囲内に位置している。
また、第一領域特定センサ3330aが非検知、第二領域特定センサ3330b及び第三領域特定センサ3330cが検知の時には、「6」の数字装飾が、停止位置を中心とした±30度の領域の範囲内に位置している。
このように、第一領域特定センサ3330a、第二領域特定センサ3330b、及び第三領域特定センサ3330cの三つの領域特定センサ3330の検知・非検知の組合せにより、何れの数字装飾が、停止位置を含む停止領域内に位置しているのかを、知る(検知する)ことができる。
そして、本実施形態の裏下中回転駆動モータ3333は、ステッピングモータとされていることから、領域特定センサ3330が領域検知片3325を検知してから、30度回転した時に、裏下中回転駆動モータ3333の回転を停止させることにより、裏下中回転装飾体3310の所望の数字装飾を、停止位置で停止させることが可能となる。しかしながら、そのような制御を行う場合、三つの領域特定センサ3330により停止位置の領域を特定させつつ、停止位置で停止させるための原点の認識を行わせなければならず、裏下中回転装飾体3310の回転停止にかかる制御が複雑になり、負荷が高くなる問題がある。そこで、本実施形態では、停止位置を特定するための複数の位置検知片3326と、位置検知片3326を検知する位置特定センサ3331と、を設けており、位置特定センサ3331により原点を認識させることで、裏下中回転装飾体3310の回転停止にかかる制御の複雑化を抑制して、負荷を軽減させている。
具体的に詳述すると、裏下中回転装飾体3310を、所望の数字装飾を停止位置で停止させたい場合、裏下中回転装飾体3310が回転して三つの領域特定センサ3330が所望の停止位置を充足する組合せとなると、位置特定センサ3331が、第一領域特定センサ3330aに対し、30度の角度で回転方向へズレているため、位置特定センサ3331が位置検知片3326の中央を検知している。この状態では、所望の数字が、停止位置から30度の回転角度で離れている。
この状態で、裏下中回転装飾体3310が、位置検知片3326の長さとなるα/2度(ここでは、11.67度)、更に回転すると、位置検知片3326が位置特定センサ3331から離れて、位置特定センサ3331が非検知となる。この位置特定センサ3331が非検知となった角度を原点とする。そして、そこから(原点から)、β度(ここでは、18.33度)回転した時に、裏下中回転駆動モータ3333による裏下中回転装飾体3310の回転を停止させることで、所望の数字装飾を停止位置に正確に停止させることができる。
なお、上記では、裏下中回転装飾体3310の回転停止を、角度により説明したが、ステッピングモータからなる裏下中回転駆動モータ3333の回転stepにより回転停止させるようにしても良い。例えば、1回転を396stepとした場合、三つの領域特定センサ3330が所望の停止位置を充足する組合せとなった状態で、裏下中回転装飾体3310が、13step更に回転すると、位置検知片3326が位置特定センサ3331から離れて、位置特定センサ3331が非検知となる。この位置特定センサ3331が非検知となった角度を原点として、20step回転した時に、裏下中回転駆動モータ3333による裏下中回転装飾体3310の回転を停止させることで、所望の数字装飾を停止位置に正確に停止させることができる。
次に、裏下中演出ユニット3300における発光装飾について説明する。裏下中演出ユニット3300は、図169に示すように、裏下中装飾体ユニット3320に、裏下中回転装飾体3310を発光装飾させるための複数のLEDが実装された、裏下中第一装飾基板3322と裏下中第二装飾基板3329とを備えている。裏下中第一装飾基板3322の複数のLEDは、裏下中回転装飾体3310における六つの数字装飾の後方に位置しており、夫々の数字装飾を、独立して発光装飾させることができる。
一方、裏下中第二装飾基板3329の複数のLEDは、裏下中回転装飾体3310における複数の数字装飾よりも外側の部位の後方に位置しており、裏下中回転装飾体3310の外周縁を発光装飾させることができる。
この裏下中演出ユニット3300は、上述したように、三つの領域特定センサ3330により裏下中回転装飾体3310の回転位置をある程度、検知することができるため、領域特定センサ3330の検知に基づいて、裏下中第一装飾基板3322の複数のLEDを適宜発光させることにより、特定の数字装飾のみを発光装飾させた状態や、夫々の数字装飾を異なる色で発光装飾させた状態で、回転させることができ、遊技者の関心を強く引付けられる演出を遊技者に見せることができる。
また、裏下中装飾体ユニット3320が下降位置の状態では、裏下中回転装飾体3310の下側の数字装飾が、始動口ユニット2100の第一始動口2002の後方に位置しているため、裏下中第一装飾基板3322における当該部位のLEDを発光させることにより、第一始動口2002を発光装飾させることができる。これにより、遊技者の関心を第一始動口2002へ向けさせることができる。また、第一始動口2002へ遊技球Bが入賞したことを契機に、裏下中第一装飾基板3322のLEDを発光(または、複数の発光態様の中から一の発光態様を決定して発光)させるようにしても良い。
このように、本実施形態の裏下中演出ユニット3300によれば、これにより、6つの停止位置を有した回転する裏下中回転装飾体3310に、三つの停止位置に亘る長さの領域検知片3325と、各停止位置に対応している六つの位置検知片3326と、を設けると共に、領域検知片3325を検知する三つ領域特定センサ3330と、位置検知片3326を検知する一つの位置特定センサ3331と、を設けるようにしているため、裏下中回転装飾体3310が回転すると、領域検知片3325を検知する三つの領域特定センサ3330が、回転方向の一方側から順番に増加した後に減少することを繰り返すこととなり、裏下中回転装飾体3310が次の停止位置へ回転するまでの間でも、一旦全ての領域特定センサ3330が非検知となることはなく、領域検知片3325を検知している領域特定センサ3330の組合せにより、裏下中回転装飾体3310の現在の回転位置を大まかに把握することができる。
そして、裏下中回転装飾体3310に、夫々の停止位置に対応している六つの位置検知片3326を備えているため、三つの領域特定センサ3330による領域検知片3325の検知により裏下中回転装飾体3310の任意の停止位置への回転を大まかに検知した上で、一つの位置特定センサ3331による位置検知片3326の検知により、停止位置を正確に検知することができ、停止位置のズレを可及的に少なくして複数の停止位置を有する裏下中回転装飾体3310の停止位置を正確に把握することができる。
また、裏下中回転装飾体3310の停止位置を正確に把握することができるため、裏下中回転装飾体3310を任意の停止位置に正確に停止させることができ、停止位置がズレることで遊技者に対して違和感を与えてしまうことを防止することが可能となり、裏下中回転装飾体3310による演出(可動演出)を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、裏下中回転装飾体3310の停止位置を正確に把握することができるため、裏下中回転装飾体3310の回転速度を速くしても停止位置のズレを抑制することができると共に、裏下中回転装飾体3310を回転するものとすることで、裏下中回転装飾体3310を往復するものとした場合と比較して、裏下中回転装飾体3310の移動速度(回転速度)をより速くすることができる。従って、速く回転する裏下中回転装飾体3310により遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、裏下中回転装飾体3310の回転を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏下中回転装飾体3310を前後方向の軸周りに回転するものとしていると共に、前面に複数の数字装飾を設けていることから、グルグル回転した後に任意の停止位置で回転停止するルーレットのような演出を遊技者に見せることができるため、所望の数字装飾が停止位置で回転停止するか否かによって遊技者をドキドキ・ワクワクさせることができ、裏下中回転装飾体3310による可動演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏下中回転装飾体3310の停止位置の数を偶数としているため、任意の停止位置への移動の検知に必要な最小限の領域特定センサ3330の数により対応可能な停止位置の数と、裏下中回転装飾体3310の停止位置との数とが同じとなり、複数の領域特定センサ3330による能力(停止位置の把握)を最大限に引き出すことができ、より多くの停止位置を有した裏下中回転装飾体3310により遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、領域検知片3325や位置検知片3326を、裏下中回転装飾体3310と一緒に回転する回転ベース3324に設けているため、領域検知片3325や位置検知片3326の半径(直径)を可及的に大きくすることができ、停止位置の位置決め精度をより高くすることができる。
なお、上記の実施形態では、裏下中回転装飾体3310と一体的に(一緒に)回転する回転ベース3324に、領域検知片3325や位置検知片3326を設けたものを示したが、これに限定するものではなく、駆動ギア3334のように裏下中回転装飾体3310の回転に伴って回転する部材に領域検知片3325や位置検知片3326を設けるようにしても良い。
[5−9g.裏上演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏上演出ユニット3400について、主に図170乃至図177等を参照して詳細に説明する。図170(a)は裏ユニットにおける裏上演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏上演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図171は裏上演出ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図172は裏上演出ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図173は裏上演出ユニットにおける裏上昇降装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図174は裏ユニットにおける裏上昇降装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。
図175は、裏上演出ユニットにおける裏上前回転装飾体の回転機構を正面から示す説明図である。図176(a)は裏上演出ユニットにおける裏上昇降装飾体ユニットの昇降機構を正面から示す説明図であり、(b)は裏上昇降装飾体ユニットを出現位置へ移動させた状態で裏上昇降装飾体ユニットの昇降機構と裏上後回転装飾体の回転機構とを正面から示す説明図である。図177は、裏上演出ユニットにおいて裏上昇降装飾体ユニットを出現位置へ移動させた状態で装飾基板を正面から示す説明図である。
裏ユニット3000の裏上演出ユニット3400は、裏箱3010内における開口部3010aよりも上方で、裏後演出ユニット3100の前側に取付けられるものである。裏上演出ユニット3400は、図171及び図172に示すように、後面の中央から後方へ突出した軸シャフト3410aを有している裏上前回転装飾体3410と、裏上前回転装飾体3410の軸シャフト3410aが左右方向の中央で貫通している左右に延びた裏上前装飾体3421と、裏上前装飾体3421の後方に設けられており前面に複数のLEDが実装されている裏上前装飾基板3422と、裏上前装飾基板3422の後方に設けられていると共に前面に裏上前装飾体3421が取付けられており裏上前回転装飾体3410の軸シャフト3410aを回転可能に支持しているユニットベース3423と、を備えている。
また、裏上演出ユニット3400は、ユニットベース3423の後面との間に空間を形成するように取付けられている後カバー3424と、後カバー3424の後面に回転軸が前方のユニットベース3423との間の空間内に突出するように取付けられている裏上前回転駆動モータ3425と、裏上前回転駆動モータ3425の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア3426と、駆動ギア3426と噛合している平歯車状で裏上前回転装飾体3410の軸シャフト3410aの後端に取付けられていると共に前方へ突出した検知片3427aを有している回転ギア3427と、裏上前装飾基板3422の後面に取付けられており回転ギア3427の検知片3427aを検知可能な裏上回転検知センサ3428と、を備えている。
また、裏上演出ユニット3400は、後カバー3424の後面に回転軸が前方のユニットベース3423との間の空間内に突出するように取付けられている裏上昇降駆動モータ3429と、裏上昇降駆動モータ3429の回転軸に取付けられている平歯車状のモータギア3430と、モータギア3430と噛合しているギア部3431a、ギア部3431aの円周よりも外方へ突出した部位から後カバー3424を貫通して後方へ円柱状に突出している駆動ピン3431b、及びギア部3431aの外周付近から前方へ突出している検知片3431c、を有しており後カバー3424に回転可能に取付けられている昇降カムギア3431と、裏上前装飾基板3422の後面に取付けられており昇降カムギア3431の検知片3431cを検知可能な裏上昇降検知センサ3432と、裏上後回転装飾体3440が設けられている先端側が昇降カムギア3431の駆動ピン3431bの公転により昇降するように、基端側が後カバー3424の後面に前後方向の軸周りに回動可能に取付けられている裏上昇降装飾体ユニット3450と、裏上昇降装飾体ユニット3450を先端側が上方へ移動する方向へ回動するように付勢しているバネ3433と、後カバー3424の後側に取付けられており、裏上昇降装飾体ユニット3450の上方への移動を規制している棒状の規制部材3434と、を備えている。
裏上昇降装飾体ユニット3450は、図173及び図174に示すように、裏上後回転装飾体3440の後面の中央から後方へ突出している軸シャフト3440aが中央で貫通している裏上後装飾体3451と、裏上後装飾体3451の後方に設けられており前面に複数のLEDが実装されている裏上後装飾基板3452と、裏上後装飾基板3452の後方から裏上後装飾体3451が前面に取付けられていると共に、ユニットベース3423に回転可能に取付けられ、裏上後回転装飾体3440の軸シャフト3440aを回転可能に支持している昇降ユニットベース3453と、を備えている。
また、裏上昇降装飾体ユニット3450は、昇降ユニットベース3453の前面に回転軸が後方へ突出するように取付けられている裏上後回転駆動モータ3454と、裏上後回転駆動モータ3454の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア3455と、駆動ギア3455と噛合しており昇降ユニットベース3453に回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア3456と、第一伝達ギア3456と噛合しており昇降ユニットベース3453に回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア3457と、第二伝達ギア3457と噛合しており裏上後回転装飾体3440の軸シャフト3440aの後端に取付けられている平歯車状の回転ギア3458と、を備えている。
更に、裏上昇降装飾体ユニット3450は、駆動ギア3455、第一伝達ギア3456、第二伝達ギア3457、及び回転ギア3458を後方から覆うように昇降ユニットベース3453の後面に取付けられているギアカバー3459と、裏上後回転駆動モータ3454を前方から覆うように昇降ユニットベース3453の前面に取付けられているモータカバー3460と、を備えている。
裏上演出ユニット3400の裏上前回転装飾体3410は、桜の花を模した形状に形成されており、透光性を有している。裏上前回転装飾体3410の後面の中央から後方へ突出している軸シャフト3410aは、裏上前装飾体3421、裏上前装飾基板3422、及びユニットベース3423を貫通して、ユニットベース3423と後カバー3424との間の空間まで延びている。裏上前装飾体3421は、左右方向の中央に、裏上前回転装飾体3410と同じ大きさの二つの桜の花を、前後に重ねた上で後側の花弁が、前側の花弁同士の間に位置するように回転させたような形状の装飾を有している。裏上前装飾体3421は、全体が透光性を有している。
裏上前装飾基板3422は、裏上前装飾体3421の左右方向の略全長に亘って左右に延びている。裏上前装飾基板3422のLEDを発光させることで、裏上前回転装飾体3410及び裏上前装飾体3421を発光装飾させることができる。裏上前装飾基板3422に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDである。
ユニットベース3423は、裏上前装飾基板3422の後面に取付けられている裏上回転検知センサ3428及び裏上昇降検知センサ3432が夫々挿通される貫通孔3423aを有している。後カバー3424は、裏上前回転装飾体3410の軸シャフト3410aと同軸上で、後面から後方へ突出している円柱状の支持軸3424aと、昇降カムギア3431の駆動ピン3431bが挿通される円弧状に延びたスリット3424bと、を有している。後カバー3424の支持軸3424aは、裏上昇降装飾体ユニット3450を回動可能に支持するためのものであり、昇降ユニットベース3453の軸孔3453a内に挿入される。
回転ギア3427の検知片3427aは、ユニットベース3423の貫通孔3423aを貫通して後方へ突出した裏上回転検知センサ3428に検知される。昇降カムギア3431は、ギア部3431aが半円弧状に形成されており、ギア部3431aの反対側から外方へ膨出した部位に後方へ突出した駆動ピン3431bが設けられている。昇降カムギア3431の駆動ピン3431bは、後カバー3424のスリット3424bを貫通して裏上昇降装飾体ユニット3450における昇降ユニットベース3453のスリット3453b内に摺動可能に挿入される。また、昇降カムギア3431の検知片3431cは、ユニットベース3423の貫通孔3423aを貫通して後方へ突出した裏上昇降検知センサ3432に検知される。
裏上後回転装飾体3440は、桜の花を模した形状に形成されており、透光性を有している。裏上後回転装飾体3440の後面の中央から後方へ突出している軸シャフト3440aは、裏上後装飾体3451、裏上後装飾基板3452、及び昇降ユニットベース3453を貫通して、昇降ユニットベース3453の後側まで延びている。裏上後装飾体3451は、裏上後回転装飾体3440と同じ大きさの二つの桜の花を、前後に重ねた上で後側の花弁が、前側の花弁同士の間に位置するように回転させたような形状の装飾を有している。裏上後装飾体3451は、全体が透光性を有している。
裏上後装飾基板3452は、前面に実装されている複数のLEDを発光させることで、裏上後回転装飾体3440及び裏上後装飾体3451を発光装飾させることができる。裏上後装飾基板3452のLEDは、フルカラーLEDである。
昇降ユニットベース3453は、基端側(正面視において右端側)に前後に貫通し後カバー3424の支持軸3424aが相対回転可能に挿入される軸孔3453aと、軸孔3453aの右方に設けられており軸孔3453aの中心を通る線上に沿って延びている長孔状のスリット3453bと、を有している。昇降ユニットベース3453のスリット3453b内には、昇降カムギア3431の駆動ピン3431bが摺動可能に挿入される。モータカバー3460は、前面に桜の花を模した装飾が形成されている。
次に、裏上演出ユニット3400における裏上前回転装飾体3410、裏上後回転装飾体3440、及び裏上昇降装飾体ユニット3450の動きについて説明する。裏上演出ユニット3400は、通常の状態では、裏上前回転装飾体3410の軸シャフト3410aに取付けられている回転ギア3427の検知片3427aが、裏上回転検知センサ3428により検知されており、裏上前回転装飾体3410が、一つの花弁を上方へ向けた状態となっている(図175を参照)。この状態で、裏上前回転駆動モータ3425により駆動ギア3426を回転させると、回転ギア3427を介して裏上前回転装飾体3410を前後方向の軸周りに回転させることができる。
また、通常の状態では、先端側に裏上後回転装飾体3440が設けられている裏上昇降装飾体ユニット3450が、左右方向へ延びた状態となっており、先端側を除いた全体が、裏上前装飾体3421の後方に位置して前方から視認不能な退避位置の状態となっている(図176(a)を参照)。なお、裏上昇降装飾体ユニット3450の裏上前装飾体3421よりも左方へ突出している部位は、遊技盤5に組立てた状態で、裏前左演出ユニット3700の後方に位置しており、前方から視認不能となっている。
この通常の状態では、昇降カムギア3431の検知片3431cが、裏上昇降検知センサ3432により検知されている。また、昇降カムギア3431の駆動ピン3431bが、その公転中心よりも下方に位置していると共に、裏上昇降装飾体ユニット3450の昇降ユニットベース3453のスリット3453b内における軸孔3453aから遠い端部付近に位置している。
詳述すると、昇降カムギア3431の駆動ピン3431bにおけるスリット3453bとの接点を通る法線が、昇降カムギア3431の回転中心を通るように延びている。これにより、裏上昇降装飾体ユニット3450の自重により昇降ユニットベース3453を、先端側が下方へ移動するように反時計回りの方向へ回動させようとする力が作用していても、その力の力線が、スリット3453bに当接している駆動ピン3431bを介して、昇降カムギア3431の回転中心を通るため、昇降カムギア3431は回転することはない。従って、昇降カムギア3431の駆動ピン3431bも公転しないため、昇降ユニットベース3453が回動することはなく、裏上昇降装飾体ユニット3450が退避位置から、先端側が下方へ移動するように回動することはない。そのため、裏上昇降装飾体ユニット3450の自重が、昇降ユニットベース3453及び昇降カムギア3431を介して裏上昇降駆動モータ3429に作用することはない。
なお、通常の状態において、昇降カムギア3431の駆動ピン3431bを、スリット3453bの軸孔3453aから遠い端部に当接させるようにしても良い。これにより、裏上昇降装飾体ユニット3450の自重により昇降ユニットベース3453が反時計回りの方向へ回動しようとすると、スリット3453bから駆動ピン3431bを介して作用する力により、昇降カムギア3431が反時計回りの方向へ回転しようとする。この際に、駆動ピン3431bが昇降ユニットベース3453の軸孔3453aから遠ざかる方向へ移動するように公転しようとすることとなるが、駆動ピン3431bがスリット3453bの軸孔3453aから遠い端部に当接しているため、駆動ピン3431bが公転することができず、昇降ユニットベース3453の回動がロックされて、裏上昇降装飾体ユニット3450の反時計回りの方向への回動を阻止することができる。
この通常の状態で、裏上昇降駆動モータ3429によりモータギア3430を反時計回りの方向へ回転させると、モータギア3430に噛合しているギア部3431aにより、昇降カムギア3431が時計回りの方向へ回転することとなり、昇降カムギア3431の駆動ピン3431bが時計回りの方向へ公転することとなる。この駆動ピン3431bが時計回りの方向へ公転することで、駆動ピン3431bが左方且つ上方へ移動することとなり、駆動ピン3431bがスリット3453b内を軸孔3453aの方向へ向かって摺動すると共に、裏上昇降装飾体ユニット3450の自重により昇降ユニットベース3453が、その先端側が下方へ移動するように軸孔3453aを中心として反時計回りの方向へ回動することとなる。
昇降カムギア3431の駆動ピン3431bが時計回りの方向へ公転して、昇降カムギア3431の回転中心と昇降ユニットベース3453の軸孔3453aの中心とを結んだ直線よりも上方へ移動すると、駆動ピン3431bがスリット3453b内を、軸孔3453aから遠ざかる方向へ摺動するようになる。そして、駆動ピン3431bが更に時計回りの方向へ公転して、スリット3453bにおける軸孔3453aから遠い端部付近に到達すると、裏上昇降駆動モータ3429によりモータギア3430の回転が停止すると同時に、駆動ピン3431bの公転が停止する。
これにより、昇降ユニットベース3453を介した裏上昇降装飾体ユニット3450の反時計回りの方向への回動が停止し、裏上後回転装飾体3440を含む裏上昇降装飾体ユニット3450の先端側が、裏上前装飾体3421よりも下方へ移動した出現位置の状態となる(図176(b)を参照)。この出現位置の状態では、裏上昇降装飾体ユニット3450の中央付近よりも先端側が、裏上前装飾体3421よりも下方に位置しているため、裏上後回転装飾体3440等が前方から視認可能な状態となる。
裏上昇降装飾体ユニット3450が出現位置の状態では、駆動ピン3431bにおけるスリット3453bとの接点を通る法線が、昇降カムギア3431の回転中心を通るように延びている。これにより、裏上昇降装飾体ユニット3450の自重により昇降ユニットベース3453を更に反時計回りの方向へ回動させようとする力が作用していても、その力の力線が、スリット3453bに当接している駆動ピン3431bを介して、昇降カムギア3431の回転中心を通るため、昇降カムギア3431は回転することはない。従って、昇降カムギア3431の駆動ピン3431bも公転しないため、昇降ユニットベース3453が回動することはなく、裏上昇降装飾体ユニット3450が出現位置から更に、先端側が下方へ移動するように反時計回りの方向へ回動することはないと共に、裏上昇降装飾体ユニット3450の自重が昇降カムギア3431を介して裏上昇降駆動モータ3429に作用することはない。
なお、裏上昇降装飾体ユニット3450が出現位置の状態において、昇降カムギア3431を更に公転させて、駆動ピン3431bをスリット3453bの軸孔3453aから遠い端部に当接させるようにしても良い。これにより、裏上昇降装飾体ユニット3450の自重により昇降ユニットベース3453が更に反時計回りの方向へ回動しようとすると、スリット3453bから駆動ピン3431bを介して作用する力により、昇降カムギア3431が時計回りの方向へ回転しようとする。この際に、駆動ピン3431bが昇降ユニットベース3453の軸孔3453aから遠ざかる方向へ移動するように公転しようとすることとなるが、駆動ピン3431bがスリット3453bの軸孔3453aから遠い端部に当接しているため、駆動ピン3431bは公転することができず、昇降ユニットベース3453の回動がロックされて、裏上昇降装飾体ユニット3450の反時計回りの方向への回動を阻止することができる。
裏上昇降装飾体ユニット3450を退避位置から出現位置側へ移動させた状態では、先端側に設けられている裏上後回転装飾体3440が前方から視認可能となる。裏上昇降装飾体ユニット3450では、裏上後回転駆動モータ3454により駆動ギア3455を回転させると、第一伝達ギア3456、第二伝達ギア3457、及び回転ギア3458を介して、裏上後回転装飾体3440を前後方向の軸周りに回転させることができる(図176(b)を参照)。従って、裏上後回転装飾体3440が前方から視認可能な時に、裏上後回転駆動モータ3454により駆動ギア3455を回転させると、回転している裏上後回転装飾体3440を視認させることができる。
裏上昇降装飾体ユニット3450を出現位置から退避位置へ復帰させる場合は、裏上昇降駆動モータ3429によりモータギア3430を上記とは逆方向へ回転させることで、昇降カムギア3431の駆動ピン3431bが、昇降ユニットベース3453のスリット3453bの内面を下方へ押圧し、昇降ユニットベース3453が時計回りの方向へ回動して、裏上昇降装飾体ユニット3450の先端側が上方へ移動する。そして、昇降カムギア3431の検知片3431cが、裏上昇降検知センサ3432により検知されたら、裏上昇降駆動モータ3429によるモータギア3430の回転を停止させることにより、裏上昇降装飾体ユニット3450を退避位置に復帰させることができる。
この際に、バネ3433が、裏上昇降装飾体ユニット3450を時計回りの方向へ付勢しており、裏上昇降装飾体ユニット3450の退避位置側への回動をアシストして、裏上昇降駆動モータ3429にかかる負荷を軽減させている。
本実施形態の裏上演出ユニット3400は、図177に示すように、裏上前回転装飾体3410及び裏上前装飾体3421の後方に、裏上前装飾基板3422が設けられているため、裏上前装飾基板3422に実装されている複数のLEDを適宜発光させることで、裏上前回転装飾体3410及び裏上前装飾体3421を発光装飾させることができる。また、裏上後回転装飾体3440及び裏上後装飾体3451の後方に、裏上後装飾基板3452が設けられているため、裏上後装飾基板3452に実装されている複数のLEDを適宜発光させることで、裏上後回転装飾体3440及び裏上後装飾体3451を発光装飾させることができる。
この際に、裏上昇降装飾体ユニット3450を退避位置から出現位置側へ回動させた状態で、裏上後装飾基板3452のLEDを発光させることで、発光装飾されている裏上後回転装飾体3440及び裏上後装飾体3451を遊技者に見せることができる。
[5−9h.裏後左演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏後左演出ユニット3500について、主の図178乃至図184等を参照して、詳細に説明する。図178(a)は裏ユニットにおける裏後左演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏後左演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図179は裏後左演出ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図180は裏後左演出ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図181は裏後左演出ユニットの裏後左装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図182は裏後左演出ユニットの裏後左装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図183は、裏後左演出ユニットの可動機構を正面から示す説明図である。図184は、裏後左演出ユニットにおける裏後左装飾体ユニットの動きを示す説明図である。
裏ユニット3000の裏後左演出ユニット3500は、裏箱3010内の左端付近で、裏後演出ユニット3100の左辺の前方に設けられている。裏後左演出ユニット3500は、前後方向の軸周りに回転可能な透光性を有する裏後左回転装飾体3510と、下端側において裏後左回転装飾体3510を回転可能に支持している裏後左装飾体ユニット3520と、裏後左装飾体ユニット3520の上端側を前後方向の軸周りに回動させ、裏箱3010内に取付けられている裏後左駆動ユニット3550と、を備えている。
裏後左演出ユニット3500の裏後左回転装飾体3510は、桜の花を模した形状に形成されており、透光性を有している。裏後左回転装飾体3510は、後面の中央から後方へ円柱状に突出している軸シャフト3510aを有している(図182を参照)。
裏後左装飾体ユニット3520は、図181及び図182に示すように、裏後左回転装飾体3510の軸シャフト3510aが中央で貫通している裏後左装飾体3521と、裏後左装飾体3521の後方に設けられており前面に複数のLEDが実装されている裏後左装飾基板3522と、裏後左装飾基板3522の後方から裏後左装飾体3521の後側に取付けられていると共に、裏後左回転装飾体3510の軸シャフト3510aを回転可能に支持している前カバー3523と、前カバー3523の後側に取付けられていると共に、上端側が裏後左駆動ユニット3550に回転可能に取付けられる可動ベース3524と、を備えている。
また、裏後左装飾体ユニット3520は、可動ベース3524の後面に回転軸が可動ベース3524と前カバー3523との間へ突出するように取付けられている裏後左回転駆動モータ3525と、裏後左回転駆動モータ3525の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア3526と、駆動ギア3526と噛合しており裏後左回転装飾体3510の軸シャフト3510aの後端に取付けられている平歯車状の回転ギア3527と、を備えている。
裏後左装飾体ユニット3520の裏後左装飾体3521は、透光性を有しており、裏後左回転装飾体3510と同じ大きさの二つの桜の花を、前後に重ねた上で後側の花弁が、前側の花弁同士の間に位置するように回転させたような形状に形成されている。裏後左装飾基板3522の複数のLEDは、フルカラーLEDである。
前カバー3523は、正面視の形状が、裏後左装飾体3521の外形と同じ形状の部位と、当該部位の左上から上方へ四角形に延びている部位とを、組み合わせた形状に形成されている。前カバー3523は、上方へ四角形に延びている部位の前面に複数の桜の花の装飾が形成されている。前カバー3523は、後方へ開放された浅い容器状に形成されている。
可動ベース3524は、前カバー3523の開放されている後側を閉鎖するように形成されており、上端側が前カバー3523の上端よりも上方へ延出している。可動ベース3524は、上端側において前後に貫通している軸孔3524aと、軸孔3524aから離れた位置で前方へ円柱状に突出している作動ピン3524bと、を有している。可動ベース3524の軸孔3524aは、裏後左駆動ユニット3550の補強板3551の支持軸3551aが相対回転可能に挿入される。また、作動ピン3524bは、軸孔3524aの下方且つ右方の位置で、前方へ突出している。
この裏後左装飾体ユニット3520は、裏後左回転駆動モータ3525により駆動ギア3526を回転させると、駆動ギア3526と噛合している回転ギア3527を介して裏後左回転装飾体3510を、前後方向の軸周りに回転させることができる。
裏後左駆動ユニット3550は、図179及び図180に示すように、裏後左装飾体ユニット3520を回転可能に支持する支持軸3551aを有している上下に延びた平板状の補強板3551と、補強板3551の前面に取付けられており裏箱3010内に取付けられる上下に延びたユニットベース3552と、ユニットベース3552の前面に取付けられているユニットカバー3553と、ユニットカバー3553の前面上部に回転軸がユニットベース3552とユニットカバー3553との間へ突出するように取付けられている裏後左昇降駆動モータ3554と、裏後左昇降駆動モータ3554の回転軸に取付けられている平歯車状のモータギア3555と、を備えている。
また、裏後左駆動ユニット3550は、モータギア3555と噛合しておりユニットカバー3553に回転可能に取付けられている平歯車状の伝達ギア3556と、伝達ギア3556と噛合する平歯車状のギア部3557a、ギア部3557aの外周付近から後方へ円柱状に突出している駆動ピン3557b、及びギア部3557aの前面外周付近から前方へ突出している検知片3557c、を有している昇降カムギア3557と、昇降カムギア3557の駆動ピン3557bが摺動可能に挿入される左右に延びた第一スリット3558a、及び第一スリット3558aの下方で左右に延びており裏後左装飾体ユニット3520における可動ベース3524の作動ピン3524bが摺動可能に挿入される第二スリット3558b、を有しており、ユニットベース3552とユニットカバー3553との間で上下方向へスライド可能に取付けられているリンク部材3558と、を備えている。
更に、裏後左駆動ユニット3550は、リンク部材3558を上方へ付勢しているバネ3559と、リンク部材3558と昇降カムギア3557との間に設けられている平板状の仕切板3560と、ユニットカバー3553の前面に取付けられている裏後左中継基板3561と、裏後左中継基板3561の後面に取付けられており、昇降カムギア3557の検知片3557cを検知可能な裏後左昇降検知センサ3562と、を備えている。
裏後左駆動ユニット3550の補強板3551は、上下に延びた金属板であり、上部において支持軸3551aが前方へ突出している。補強板3551の支持軸3551aは、裏後左装飾体ユニット3520における可動ベース3524の軸孔3524aに、相対回転可能に挿入される。
ユニットベース3552は、上下方向の中央付近に補強板3551の支持軸3551aが位置するように、補強板3551よりも上下方向へ長く延びている。ユニットカバー3553は、ユニットベース3552と略同じ長さで上下に延びており、後方へ開放された浅い容器状に形成されている。
昇降カムギア3557は、駆動ピン3557bが仕切板3560のスリット3560aを貫通してリンク部材3558の第一スリット3558aに摺動可能に挿入される。検知片3557cは、ユニットカバー3553を貫通して後方へ突出した裏後左昇降検知センサ3562により検知される。リンク部材3558は、上下に延びており、上端付近に第一スリット3558aが設けられていると共に、下端に第二スリット3558bが設けられている。バネ3559は、下端がリンク部材3558に取付けられており、上端が仕切板3560に取付けられている。
仕切板3560は、昇降カムギア3557の駆動ピン3557bが挿通される半円弧状に延びたスリット3560aを有している。裏後左中継基板3561は、裏後左装飾基板3522、裏後左回転駆動モータ3525、裏後左昇降駆動モータ3554、及び裏後左昇降検知センサ3562と、演出駆動基板1720との接続を中継するためのものである。
続いて、裏後左演出ユニット3500の動作について説明する。裏後左演出ユニット3500は、通常の状態では、図183及び図184(a)に示すように、下端側(先端側)に裏後左回転装飾体3510が設けられている裏後左装飾体ユニット3520が垂下した退避位置の状態となっている。この通常の状態では、裏後左装飾体ユニット3520(裏後左回転装飾体3510)が、裏前左演出ユニット3700の後方に位置しており、前方(遊技者側)から視認不能な状態となっている。
また、遊技盤5に組立てた通常の状態では、裏後左演出ユニット3500の殆どが、裏前左装飾体3030及び裏前左演出ユニット3700の後方に位置しており、裏後左昇降駆動モータ3554の一部のみが前方へ臨んでいる(図131等を参照)。なお、裏後左昇降駆動モータ3554の前方へ臨んでいる部位は、パチンコ機1に組立てた状態では、扉枠3の扉窓101aよりも外側の部位により前方が覆われた状態となり、遊技者側から視認不能となる(図135を参照)。
この通常の状態では、昇降カムギア3557の検知片3557cが、裏後左昇降検知センサ3562により検知されている。また、通常の状態では、昇降カムギア3557の駆動ピン3557bが、昇降カムギア3557の回転中心の直下に位置していると共に、リンク部材3558における第一スリット3558a内の左端付近に位置している。また、通常の状態では、リンク部材3558が下方の移動端に位置しており、裏後左装飾体ユニット3520における可動ベース3524の軸孔3524aよりも右方に位置している作動ピン3524bが、リンク部材3558の第二スリット3558b内の左端付近に位置している。
この通常の状態では、バネ3559により、リンク部材3558が上方へ移動する方向へ付勢されているが、昇降カムギア3557の駆動ピン3557bにおける第一スリット3558aと接している接点を通る法線が、昇降カムギア3557の回転中心(駆動ピン3557bの公転中心)を通っているため、バネ3559の付勢力により第一スリット3558aを介して駆動ピン3557bに上方への力が作用しても、駆動ピン3557bは何れの方向へも公転することはなく、リンク部材3558が上方へ移動することはない。従って、リンク部材3558が上方へ移動しないため、裏後左装飾体ユニット3520(裏後左回転装飾体3510)が、退避位置の状態から可動ベース3524の軸孔3524a(支持軸3551a)を中心として回動することはないと共に、バネ3559の付勢力が、リンク部材3558及び昇降カムギア3557等を介して裏後左昇降駆動モータ3554に作用することはない。
なお、通常の状態において、昇降カムギア3557の駆動ピン3557bを、第一スリット3558aの左端に当接させるようにしても良い。これにより、バネ3559の付勢力によりリンク部材3558が上方へ移動しようとすると、第一スリット3558aから駆動ピン3557bを介して作用する力により、昇降カムギア3557が時計回りの方向へ回転しようとする。この際に、昇降カムギア3557の駆動ピン3557bが、左方へ移動する方向へ公転しようとすることとなるが、駆動ピン3557bが第一スリット3558aの左端に当接していることで、駆動ピン3557bが公転することができず、昇降カムギア3557を介してリンク部材3558の上方への移動がロックされて、裏後左装飾体ユニット3520の退避位置からの回動を阻止することができる。
この通常の状態で、裏後左昇降駆動モータ3554によりモータギア3555を反時計回りの方向へ回転させると、伝達ギア3556及びギア部3557aを介して昇降カムギア3557が反時計回りの方向へ回転することとなり、昇降カムギア3557の駆動ピン3557bが反時計回りの方向へ公転することとなる。この駆動ピン3557bが反時計回りの方向へ公転すると、第一スリット3558aの内面を上方へ押圧しながら、第一スリット3558a内を右方へ摺動することとなり、リンク部材3558が上方へ移動することとなる。
リンク部材3558が上方へ移動すると、支持軸3551aの下方且つ右方で突出している裏後左装飾体ユニット3520の可動ベース3524の作動ピン3524bが、リンク部材3558の第二スリット3558bの内面により上方へ押圧され、作動ピン3524bが第二スリット3558b内を右方へ摺動しながら、可動ベース3524が支持軸3551aを中心として反時計回りの方向へ回動し、裏後左装飾体ユニット3520が退避位置から反時計回りの方向へ回動することとなる(図184(a)及び(b)を参照)。この際に、バネ3559の付勢力によりリンク部材3558の上方への移動をアシストしており、裏後左昇降駆動モータ3554にかかる負荷を軽減させている。
このようにして裏後左装飾体ユニット3520が支持軸3551aを中心として反時計回りの方向へ回動することで、下端側に設けられている裏後左回転装飾体3510が右方へ移動しつつ上方へ移動することとなり、裏後左回転装飾体3510が裏前左演出ユニット3700よりも右方へ移動して、前方(遊技者側)から視認可能な状態となる。
本実施形態の裏後左演出ユニット3500では、昇降カムギア3557が、通常の状態(退避位置の状態)から反時計回りの方向へ約90度回転した時の裏後左装飾体ユニット3520の回動位置を、第一出現位置としている(図184(b)を参照)。この第一出現位置の状態では、裏後左装飾体ユニット3520が、退避位置の状態から反時計回りの方向へ約44度回動している。
そして、第一出現位置の状態から、昇降カムギア3557が更に反時計回りの方向へ回転すると、駆動ピン3557bが、第一スリット3558a内を左方へ摺動するようになる。そして、駆動ピン3557bが、公転中心の直上まで移動すると(通常の状態から180度公転すると)、裏後左昇降駆動モータ3554によるモータギア3555の回転が停止すると同時に、駆動ピン3557bの公転が停止する。
これにより、リンク部材3558の上方への移動が停止し、裏後左装飾体ユニット3520の反時計回りの方向への回動が停止して、第二出現位置の状態となる(図184(c)を参照)。この第二出現位置の状態では、裏後左装飾体ユニット3520が、退避位置の状態から反時計回りの方向へ約74度回動している。
裏後左装飾体ユニット3520が第二出現位置の状態では、駆動ピン3557bが、昇降カムギア3557の回転中心の直上に位置している。この状態では、裏後左装飾体ユニット3520の自重により、裏後左装飾体ユニット3520が支持軸3551aを中心にして時計回りの方向へ回動しようとする力が作用し、その力により可動ベース3524の作動ピン3524b及び第二スリット3558bを介してリンク部材3558が下方へ移動しようとすることとなるが、第一スリット3558aに挿入されている駆動ピン3557bが公転中心の直上に位置しているため、駆動ピン3557bが何れの方向へも公転することはない。
従って、駆動ピン3557bが公転しないことから昇降カムギア3557も回転することはないため、リンク部材3558が下方へ移動することはなく、裏後左装飾体ユニット3520が第二出現位置の状態から回動することはないと共に、裏後左装飾体ユニット3520の自重による力が、リンク部材3558及び昇降カムギア3557等を介して裏後左昇降駆動モータ3554に作用することはない。
なお、裏後左装飾体ユニット3520が第二出現位置の状態において、昇降カムギア3557を更に反時計回りの方向へ回転させて、駆動ピン3557bを第一スリット3558aの左端に当接させるようにしても良い。これにより、裏後左装飾体ユニット3520が自重により支持軸3551aを中心として時計回りの方向へ回動しようとすることで、作動ピン3524bを介してリンク部材3558が下方へ移動しようとすると、第一スリット3558aから駆動ピン3557bを介して作用する力により、昇降カムギア3557が反時計回りの方向へ回転しようとする。この際に、駆動ピン3557bが左方へ移動するように公転しようとすることとなるが、駆動ピン3557bが第一スリット3558aの左端に当接しているため、駆動ピン3557bは公転することができず、リンク部材3558の下方への移動が阻止され、裏後左装飾体ユニット3520が第二出現位置の状態で回動不能にロックすることができる。
裏後左装飾体ユニット3520を、退避位置から第一出現位置及び第二出現位置へ回動させた状態では、下端側に設けられている裏後左回転装飾体3510が前方(遊技者側)から視認可能となる。
この裏後左装飾体ユニット3520では、裏後左回転駆動モータ3525により駆動ギア3526を回転させることで、駆動ギア3526と噛合している回転ギア3527を介して裏後左回転装飾体3510を、前後方向の軸周りに回転させることができる(図183を参照)。従って、裏後左回転装飾体3510が前方(遊技者側)から視認可能な時に、裏後左回転駆動モータ3525により駆動ギア3526を回転させると、回転している裏後左回転装飾体3510を遊技者に視認させることができる。
裏後左装飾体ユニット3520を第一出現位置や第二出現位置の状態から、通常の状態である退避位置へ復帰させる場合は、裏後左昇降駆動モータ3554によりモータギア3555を、上記とは逆の方向へ回転させることで、昇降カムギア3557の駆動ピン3557bの公転によりリンク部材3558を下方へ移動させることができ、リンク部材3558の下方への移動に伴って、裏後左装飾体ユニット3520が退避位置の方向(時計回りの方向)へ回動することとなる。そして、昇降カムギア3557の検知片3557cが、裏後左昇降検知センサ3562により検知されたら、裏後左昇降駆動モータ3554によるモータギア3555の回転を停止させることにより、裏後左装飾体ユニット3520を退避位置の状態に復帰させることができる。
本実施形態の裏後左演出ユニット3500は、図183に示すように、裏後左回転装飾体3510及び裏後左装飾体3521の後方に、裏後左装飾基板3522が設けられているため、裏後左装飾基板3522に実装されている複数のLEDを適宜発光させることで、裏後左回転装飾体3510及び裏後左装飾体3521を発光装飾させることができる。この際に、裏後左装飾体ユニット3520を、退避位置から第一出現位置及び第二出現位置側へ回動させた状態で、裏後左装飾基板3522のLEDを発光させることで、発光装飾されている裏後左回転装飾体3510及び裏後左装飾体3521を遊技者に見せることができる。
[5−9i.裏後右演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏後右演出ユニット3600について、主の図185乃至図191等を参照して、詳細に説明する。図185(a)は裏ユニットにおける裏後右演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏後右演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図186は裏後右演出ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図187は裏後右演出ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図188は裏後右演出ユニットの裏後右装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図189は裏後右演出ユニットの裏後右装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図190は、裏後右演出ユニットの可動機構を正面から示す説明図である。図191は、裏後右演出ユニットにおける裏後右装飾体ユニットの動きを示す説明図である。
裏ユニット3000の裏後右演出ユニット3600は、裏箱3010内の右端付近で、裏後演出ユニット3100の右辺の前方に設けられている。裏後右演出ユニット3600は、前後方向の軸周りに回転可能な透光性を有する裏後右回転装飾体3610と、下端側において裏後右回転装飾体3610を回転可能に支持している裏後右装飾体ユニット3620と、裏後右装飾体ユニット3620の上端側を前後方向の軸周りに回動させ、裏箱3010内に取付けられている裏後右駆動ユニット3650と、を備えている。
裏後右演出ユニット3600の裏後右回転装飾体3610は、桜の花を模した形状に形成されており、透光性を有している。裏後右回転装飾体3610は、後面の中央から後方へ円柱状に突出している軸シャフト3610aを有している(図188を参照)。
裏後右装飾体ユニット3620は、図188及び図189に示すように、裏後右回転装飾体3610の軸シャフト3610aが中央で貫通している裏後右装飾体3621と、裏後右装飾体3621の後方に設けられており前面に複数のLEDが実装されている裏後右装飾基板3622と、裏後右装飾基板3622の後方から裏後右装飾体3621の後側に取付けられていると共に、裏後右回転装飾体3610の軸シャフト3610aを回転可能に支持している前カバー3623と、前カバー3623の後側に取付けられていると共に、上端側が裏後右駆動ユニット3650に回転可能に取付けられる可動ベース3624と、を備えている。
また、裏後右装飾体ユニット3620は、可動ベース3624の後面に回転軸が可動ベース3624と前カバー3623との間へ突出するように取付けられている裏後右回転駆動モータ3625と、裏後右回転駆動モータ3625の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア3626と、駆動ギア3626と噛合しており裏後右回転装飾体3610の軸シャフト3610aの後端に取付けられている平歯車状の回転ギア3627と、を備えている。
裏後右装飾体ユニット3620の裏後右装飾体3621は、透光性を有しており、裏後右回転装飾体3610と同じ大きさの二つの桜の花を、前後に重ねた上で後側の花弁が、前側の花弁同士の間に位置するように回転させたような形状に形成されている。裏後右装飾基板3622の複数のLEDは、フルカラーLEDである。
前カバー3623は、正面視の形状が、裏後右装飾体3621の外形と同じ形状の部位と、当該部位の右上から上方へ四角形に延びている部位とを、組み合わせた形状に形成されている。前カバー3623は、上方へ四角形に延びている部位の前面に複数の桜の花の装飾が形成されている。前カバー3623は、後方へ開放された浅い容器状に形成されている。
可動ベース3624は、前カバー3623の開放されている後側を閉鎖するように形成されており、上端側が前カバー3623の上端よりも上方へ延出している。可動ベース3624は、上端側において前後に貫通している軸孔3624aと、軸孔3624aから離れた位置で前方へ円柱状に突出している作動ピン3624bと、を有している。可動ベース3624の軸孔3624aは、裏後右駆動ユニット3650の補強板3651の支持軸3651aが相対回転可能に挿入される。また、作動ピン3624bは、軸孔3624aの下方且つ左方の位置で、前方へ突出している。
この裏後右装飾体ユニット3620は、裏後右回転駆動モータ3625により駆動ギア3626を回転させると、駆動ギア3626と噛合している回転ギア3627を介して裏後右回転装飾体3610を、前後方向の軸周りに回転させることができる。
裏後右駆動ユニット3650は、図186及び図187に示すように、裏後右装飾体ユニット3620を回転可能に支持する支持軸3651aを有している上下に延びた平板状の補強板3651と、補強板3651の前面に取付けられており裏箱3010内に取付けられる上下に延びたユニットベース3652と、上部がユニットベース3652の前面に取付けられている上下に延びたユニットカバー3653と、ユニットカバー3653の前面上部に回転軸がユニットベース3652とユニットカバー3653との間へ突出するように取付けられている裏後右昇降駆動モータ3654と、裏後右昇降駆動モータ3654の回転軸に取付けられている平歯車状のモータギア3655と、を備えている。
また、裏後右駆動ユニット3650は、モータギア3655と噛合している平歯車状のギア部3657a、ギア部3657aの外周付近から後方へ円柱状に突出している駆動ピン3657b、及びギア部3657aの前面外周付近から前方へ突出している検知片3657c、を有している昇降カムギア3657と、昇降カムギア3657の駆動ピン3657bが摺動可能に挿入される左右に延びた第一スリット3658a、及び第一スリット3658aの下方で左右に延びており裏後右装飾体ユニット3620における可動ベース3624の作動ピン3624bが摺動可能に挿入される第二スリット3658b、を有しており、ユニットベース3652とユニットカバー3653との間で上下方向へスライド可能に取付けられているリンク部材3658と、を備えている。
更に、裏後右駆動ユニット3650は、リンク部材3658を上方へ付勢しているバネ3659と、リンク部材3658と昇降カムギア3657との間に設けられている平板状の仕切板3660と、ユニットカバー3653の前面に取付けられている裏後右中継基板3661と、裏後右中継基板3661の後面に取付けられており、昇降カムギア3657の検知片3657cを検知可能な裏後右昇降検知センサ3662と、ユニットベース3652の下方で補強板3651の前面に取付けられていると共に、前面にユニットカバー3653の下部が取付けられている下部ベース3663と、を備えている。
裏後右駆動ユニット3650の補強板3651は、上下に延びた金属板であり、上部において支持軸3651aが前方へ突出している。補強板3651の支持軸3651aは、裏後右装飾体ユニット3620における可動ベース3624の軸孔3624aに、相対回転可能に挿入される。
ユニットベース3652は、下端付近に補強板3651の支持軸3651aが位置するように、補強板3651よりも上方へ延びている。ユニットカバー3653は、ユニットベース3652の上端から補強板3651(下部ベース3663)の下端までと略同じ長さで上下に延びており、後方へ開放された浅い容器状に形成されている。
昇降カムギア3657は、駆動ピン3657bが仕切板3660のスリット3660aを貫通してリンク部材3658の第一スリット3658aに摺動可能に挿入される。検知片3657cは、ユニットカバー3653を貫通して後方へ突出した裏後右昇降検知センサ3662により検知される。リンク部材3658は、上下に延びており、上端付近に第一スリット3658aが設けられていると共に、下端に第二スリット3658bが設けられている。バネ3659は、下端がリンク部材3658に取付けられており、上端が仕切板3660に取付けられている。
仕切板3660は、昇降カムギア3657の駆動ピン3657bが挿通される半円弧状に延びたスリット3660aを有している。裏後右中継基板3661は、裏後右装飾基板3622、裏後右回転駆動モータ3625、裏後右昇降駆動モータ3654、及び裏後右昇降検知センサ3662と、演出駆動基板1720との接続を中継するためのものである。
続いて、裏後右演出ユニット3600の動作について説明する。裏後右演出ユニット3600は、通常の状態では、図190及び図191(a)に示すように、下端側(先端側)に裏後右回転装飾体3610が設けられている裏後右装飾体ユニット3620が垂下した退避位置の状態となっている。この通常の状態では、裏後右装飾体ユニット3620(裏後右回転装飾体3610)が、裏前右演出ユニット3800の後方に位置しており、前方(遊技者側)から視認不能な状態となっている。
また、遊技盤5に組立てた通常の状態では、裏後右演出ユニット3600が、裏前右装飾体3040及び裏前右演出ユニット3800の後方に位置しており、全体が前方(遊技者側)から視認不能となっている。
この通常の状態では、昇降カムギア3657の検知片3657cが、裏後右昇降検知センサ3662により検知されている。また、通常の状態では、昇降カムギア3657の駆動ピン3657bが、昇降カムギア3657の回転中心の直下に位置していると共に、リンク部材3658における第一スリット3658a内の右端付近に位置している。また、通常の状態では、リンク部材3658が下方の移動端に位置しており、裏後右装飾体ユニット3620における可動ベース3624の軸孔3624aよりも左方に位置している作動ピン3624bが、リンク部材3658の第二スリット3658b内の右端付近に位置している。
この通常の状態では、バネ3659により、リンク部材3658が上方へ移動する方向へ付勢されているが、昇降カムギア3657の駆動ピン3657bにおける第一スリット3658aと接している接点を通る法線が、昇降カムギア3657の回転中心(駆動ピン3657bの公転中心)を通っているため、バネ3659の付勢力により第一スリット3658aを介して駆動ピン3657bに上方への力が作用しても、駆動ピン3657bは何れの方向へも公転することはなく、リンク部材3658が上方へ移動することはない。従って、リンク部材3658が上方へ移動しないため、裏後右装飾体ユニット3620(裏後右回転装飾体3610)が、退避位置の状態から可動ベース3624の軸孔3624a(支持軸3651a)を中心として回動することはないと共に、バネ3659の付勢力が、リンク部材3658及び昇降カムギア3657等を介して裏後右昇降駆動モータ3654に作用することはない。
なお、通常の状態において、昇降カムギア3657の駆動ピン3657bを、第一スリット3658aの右端に当接させるようにしても良い。これにより、バネ3659の付勢力によりリンク部材3658が上方へ移動しようとすると、第一スリット3658aから駆動ピン3657bを介して作用する力により、昇降カムギア3657が反時計回りの方向へ回転しようとする。この際に、昇降カムギア3657の駆動ピン3657bが、右方へ移動する方向へ公転しようとすることとなるが、駆動ピン3657bが第一スリット3658aの右端に当接していることで、駆動ピン3657bが公転することができず、昇降カムギア3657を介してリンク部材3658の上方への移動がロックされて、裏後右装飾体ユニット3620の退避位置からの回動を阻止することができる。
この通常の状態で、裏後右昇降駆動モータ3654によりモータギア3655を反時計回りの方向へ回転させると、ギア部3657aを介して昇降カムギア3657が時計回りの方向へ回転することとなり、昇降カムギア3657の駆動ピン3657bが時計回りの方向へ公転することとなる。この駆動ピン3657bが時計回りの方向へ公転すると、第一スリット3658aの内面を上方へ押圧しながら、第一スリット3658a内を左方へ摺動することとなり、リンク部材3658が上方へ移動することとなる。
リンク部材3658が上方へ移動すると、支持軸3651aの下方且つ左方で突出している裏後右装飾体ユニット3620の可動ベース3624の作動ピン3624bが、リンク部材3658の第二スリット3658bの内面により上方へ押圧され、作動ピン3624bが第二スリット3658b内を左方へ摺動しながら、可動ベース3624が支持軸3651aを中心として時計回りの方向へ回動し、裏後右装飾体ユニット3620が退避位置から時計回りの方向へ回動することとなる(図191(a)及び(b)を参照)。この際に、バネ3659の付勢力によりリンク部材3658の上方への移動をアシストしており、裏後右昇降駆動モータ3654にかかる負荷を軽減させている。
このようにして裏後右装飾体ユニット3620が支持軸3651aを中心として時計回りの方向へ回動することで、下端側に設けられている裏後右回転装飾体3610が左方へ移動しつつ上方へ移動することとなり、裏後右回転装飾体3610が裏前右演出ユニット3800よりも左方へ移動して、前方(遊技者側)から視認可能な状態となる。
本実施形態の裏後右演出ユニット3600では、昇降カムギア3657が、通常の状態(退避位置の状態)から時計回りの方向へ約90度回転した時の裏後右装飾体ユニット3620の回動位置を、第一出現位置としている(図191(b)を参照)。この第一出現位置の状態では、裏後右装飾体ユニット3620が、退避位置の状態から時計回りの方向へ約44度回動している。
そして、第一出現位置の状態から、昇降カムギア3657が更に時計回りの方向へ回転すると、駆動ピン3657bが、第一スリット3658a内を右方へ摺動するようになる。そして、駆動ピン3657bが、公転中心の直上まで移動すると(通常の状態から180度公転すると)、裏後右昇降駆動モータ3654によるモータギア3655の回転が停止すると同時に、駆動ピン3657bの公転が停止する。
これにより、リンク部材3658の上方への移動が停止し、裏後右装飾体ユニット3620の時計回りの方向への回動が停止して、第二出現位置の状態となる(図191(c)を参照)。この第二出現位置の状態では、裏後右装飾体ユニット3620が、退避位置の状態から時計回りの方向へ約74度回動している。
裏後右装飾体ユニット3620が第二出現位置の状態では、駆動ピン3657bが、昇降カムギア3657の回転中心の直上に位置している。この状態では、裏後右装飾体ユニット3620の自重により、裏後右装飾体ユニット3620が支持軸3651aを中心にして反時計回りの方向へ回動しようとする力が作用し、その力により可動ベース3624の作動ピン3624b及び第二スリット3658bを介してリンク部材3658が下方へ移動しようとすることとなるが、第一スリット3658aに挿入されている駆動ピン3657bが公転中心の直上に位置しているため、駆動ピン3657bが何れの方向へも公転することはない。
従って、駆動ピン3657bが公転しないことから昇降カムギア3657も回転することはないため、リンク部材3658が下方へ移動することはなく、裏後右装飾体ユニット3620が第二出現位置の状態から回動することはないと共に、裏後右装飾体ユニット3620の自重による力が、リンク部材3658及び昇降カムギア3657等を介して裏後右昇降駆動モータ3654に作用することはない。
なお、裏後右装飾体ユニット3620が第二出現位置の状態において、昇降カムギア3657を更に時計回りの方向へ回転させて、駆動ピン3657bを第一スリット3658aの右端に当接させるようにしても良い。これにより、裏後右装飾体ユニット3620が自重により支持軸3651aを中心として反時計回りの方向へ回動しようとすることで、作動ピン3624bを介してリンク部材3658が下方へ移動しようとすると、第一スリット3658aから駆動ピン3657bを介して作用する力により、昇降カムギア3657が時計回りの方向へ回転しようとする。この際に、駆動ピン3657bが右方へ移動するように公転しようとすることとなるが、駆動ピン3657bが第一スリット3658aの右端に当接しているため、駆動ピン3657bは公転することができず、リンク部材3658の下方への移動が阻止され、裏後右装飾体ユニット3620が第二出現位置の状態で回動不能にロックすることができる。
裏後右装飾体ユニット3620を、退避位置から第一出現位置及び第二出現位置へ回動させた状態では、下端側に設けられている裏後右回転装飾体3610が前方(遊技者側)から視認可能となる。
この裏後右装飾体ユニット3620では、裏後右回転駆動モータ3625により駆動ギア3626を回転させることで、駆動ギア3626と噛合している回転ギア3627を介して裏後右回転装飾体3610を、前後方向の軸周りに回転させることができる(図190を参照)。従って、裏後右回転装飾体3610が前方(遊技者側)から視認可能な時に、裏後右回転駆動モータ3625により駆動ギア3626を回転させると、回転している裏後右回転装飾体3610を遊技者に視認させることができる。
裏後右装飾体ユニット3620を第一出現位置や第二出現位置の状態から、通常の状態である退避位置へ復帰させる場合は、裏後右昇降駆動モータ3654によりモータギア3655を、上記とは逆の方向へ回転させることで、昇降カムギア3657の駆動ピン3657bの公転によりリンク部材3658を下方へ移動させることができ、リンク部材3658の下方への移動に伴って、裏後右装飾体ユニット3620が退避位置の方向(反時計回りの方向)へ回動することとなる。そして、昇降カムギア3657の検知片3657cが、裏後右昇降検知センサ3662により検知されたら、裏後右昇降駆動モータ3654によるモータギア3655の回転を停止させることにより、裏後右装飾体ユニット3620を退避位置の状態に復帰させることができる。
本実施形態の裏後右演出ユニット3600は、図190に示すように、裏後右回転装飾体3610及び裏後右装飾体3621の後方に、裏後右装飾基板3622が設けられているため、裏後右装飾基板3622に実装されている複数のLEDを適宜発光させることで、裏後右回転装飾体3610及び裏後右装飾体3621を発光装飾させることができる。この際に、裏後右装飾体ユニット3620を、退避位置から第一出現位置及び第二出現位置側へ回動させた状態で、裏後右装飾基板3622のLEDを発光させることで、発光装飾されている裏後右回転装飾体3610及び裏後右装飾体3621を遊技者に見せることができる。
[5−9j.裏前左演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏前左演出ユニット3700について、主に図192乃至図195等を参照して詳細に説明する。図192(a)は裏ユニットにおける裏前左演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏前左演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図193は裏前左演出ユニットにおける一つの裏前左装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図194は裏前左演出ユニットにおける一つの裏前左装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図195(a)は裏前左演出ユニットにおいてシャッター群を閉状態で示す正面図であり、(b)は裏前左演出ユニットにおいてシャッター群を開状態で示す正面図である。
裏ユニット3000における裏前左演出ユニット3700は、裏箱3010内において、左端付近が裏前左装飾体3030の後方に位置するように、裏後左演出ユニット3500の前側に取付けられている。裏前左演出ユニット3700は、上から順に、第一裏前左装飾体ユニット3710A、第二裏前左装飾体ユニット3710B、及び第三裏前左装飾体ユニット3710C、の三つの裏前左装飾体ユニット3710により構成されている。
裏前左演出ユニット3700では、図195に示すように、第一裏前左装飾体ユニット3710Aは、第二裏前左装飾体ユニット3710B及び第三裏前左装飾体ユニット3710Cと比較して、上端側が右方へ移動するように、斜めに傾斜させられている。また、第一裏前左装飾体ユニット3710Aは、後カバー3715の形状が、第二裏前左装飾体ユニット3710B及び第三裏前左装飾体ユニット3710Cのものとは若干異なっている。
裏前左演出ユニット3700の裏前左装飾体ユニット3710は、図193及び図194に示すように、前後に貫通した枠状の前カバー3711と、前カバー3711の後側に取付けられている枠状のシャッター支持部材3712と、シャッター支持部材3712の前面において上下方向へ列設されていると共に夫々が左右方向の軸周りに回動可能に支持されて前カバー3711の枠内を開閉可能としているシャッターユニット3730と、を備えている。
また、裏前左装飾体ユニット3710は、シャッター支持部材3712の枠内を後方から閉鎖しており、透光性を有した平板状の裏前左装飾体3713と、裏前左装飾体3713の後方に設けられており、前面に複数のLEDが実装されている裏前左装飾基板3714と、裏前左装飾基板3714を後方から覆うように前カバー3711に取付けられており裏後左演出ユニット3500の前面に取付けられる後カバー3715と、を備えている。
更に、裏前左装飾体ユニット3710は、シャッター支持部材3712の左辺側に取付けられている金属板からなる支持板3716と、支持板3716に取付けられている裏前左駆動ソレノイド3717と、裏前左駆動ソレノイド3717におけるプランジャの先端に取付けられている伝達部材3718と、支持板3716に左右方向の軸周りに回動可能に取付けられており、裏前左駆動ソレノイド3717による伝達部材3718の進退により回動するリンク部材3719と、リンク部材3719の回動により上下方向へスライドしてシャッターユニット3730を開閉させる開閉スライダ3720と、を備えている。
裏前左装飾体ユニット3710の前カバー3711は、外形が、「凸」字を右に倒して角を丸めたような形状(「松」を図案化した形状)に形成されている。シャッター支持部材3712は、前面にシャッターユニット3730における各シャッター部材3731の軸部3733を回転可能に支持する軸受部3712aが複数設けられている。また、シャッター支持部材3712は、前面の左端付近から円筒状に前方へ突出しているボス部3712bを有している。このボス部3712bは、開閉スライダ3720のスリット3720b内に摺動可能に挿入されると共に、先端に支持板3716が取付けられる。
シャッターユニット3730は、複数(ここでは、8個)のシャッター部材3731により構成されている。シャッター部材3731は、左右に延びた平板状のシャッター3732と、シャッター3732の左右方向両端から円柱状に延びている軸部3733と、左側の軸部3733の先端から軸直角方向へ突出した後に左方へ円柱状に延びているクランク軸3734と、を有している。
シャッター3732は、前カバー3711の枠内の形状に対して、シャッター部材3731が配置されている高さに応じた長さ及び形状に、形成されている。軸部3733は、シャッター3732の面を前方へ向けた状態でシャッター3732の上端付近から突出している。クランク軸3734は、軸部3733よりも後方に位置している。
シャッター部材3731は、軸部3733が、シャッター支持部材3712の軸受部3712aにより回転可能に支持されることで、軸部3733を中心として左右方向の軸周りに回動することができる。クランク軸3734は、開閉スライダ3720の伝達溝3720a内に摺動可能に挿入される。
裏前左装飾体3713は、図示は省略するが、パチンコ機1のコンセプトに沿ったキャラクタ、アイテム、ロゴ、等の絵柄が施されている。裏前左装飾体3713は、裏前左装飾基板3714のLEDからの光を拡散させることができる。裏前左装飾基板3714の複数のLEDは、フルカラーLEDである。
支持板3716は、左右方向へ板面を向けた状態で上下に延びていると共に、前端側が右方へ屈曲された形状に形成されている。支持板3716は、前端側の右方へ屈曲された部位が、シャッター支持部材3712のボス部3712bの前面に取付けられ、残りの部位が、シャッター支持部材3712の左方を通って後方へ突出している。また、支持板3716は、下端付近から右方へ円柱状に突出している支持ピン3716aを有している。この支持ピン3716aは、リンク部材3719を回動可能に支持するためのものである。
裏前左駆動ソレノイド3717は、プランジャが下方へ進退する向きで支持板3716に取付けられている。裏前左駆動ソレノイド3717は、バネによりプランジャが下方へ突出する方向へ付勢されている。リンク部材3719は、支持板3716の支持ピン3716aが挿入されることで、支持ピン3716aを中心として左右方向の軸周りに回動することができる。このリンク部材3719は、支持ピン3716aが挿入される部位を間にして、伝達部材3718に接続される第一接続部3719aが後側に設けられていると共に、開閉スライダ3720に接続される第二接続部3719bが前側に設けられている。
開閉スライダ3720は、複数のシャッター部材3731からなるシャッターユニット3730の高さと略同じ長さで上下に延びており、シャッターユニット3730の各クランク軸3734が前後方向へ摺動可能に挿入される伝達溝3720aと、シャッター支持部材3712のボス部3712bが上下方向へ摺動可能に挿入されるスリット3720bと、を有している。
次に、裏前左演出ユニット3700の動作について説明する。裏前左演出ユニット3700は、通常の状態では、図195(a)に示すように、シャッターユニット3730のシャッター部材3731のシャッター3732が、その板面を前方へ向けた状態となっており、複数のシャッター3732により前カバー3711の枠内が閉鎖された閉状態となっている。この通常の状態では、シャッターユニット3730の後方に設けられている裏前左装飾体3713が前方(遊技者側)から視認不能となっている。なお、図示は省略するが、シャッターユニット3730が閉状態の時に、シャッターユニット3730(複数のシャッター3732)の前面に、後方の裏前左装飾体3713に施されている絵柄とは異なる絵柄が施されている。
通常の状態では、裏前左駆動ソレノイド3717が非通電(OFF)の状態となっており、バネの付勢力によりプランジャが下方へ突出している。また、通常の状態では、開閉スライダ3720が上方の移動端に位置していると共に、各シャッター部材3731のクランク軸3734が軸部3733よりも上方に位置している。
この通常の状態で、裏前左駆動ソレノイド3717が通電(ON)されると、バネの付勢力に抗してプランジャが上方へ移動すると同時に、プランジャの先端に取付けられている伝達部材3718が上方へ移動する。この伝達部材3718が上方へ移動することで、伝達部材3718に接続されているリンク部材3719の第一接続部3719aが上方へ移動することとなり、リンク部材3719が支持ピン3716aを中心として回動することで、第一接続部3719aとは反対側の第二接続部3719bが下方へ移動することとなる。そして、リンク部材3719の第二接続部3719bの下方への移動により、第二接続部3719bに接続されている開閉スライダ3720が下方へ移動することとなる。
この開閉スライダ3720が下方へ移動することにより、伝達溝3720aに挿入されているシャッター部材3731のクランク軸3734が下方へ押圧され、クランク軸3734が軸部3733よりも下方へ位置するように、シャッター部材3731が軸部3733を中心として回動することとなる。これにより、シャッター3732の板面が上下方向を向いた状態となるため、複数のシャッター3732により前カバー3711の枠内が開放された開状態となり、シャッターユニット3730の後方に設けられている裏前左装飾体3713が前方から視認可能な状態となる(図195(b)を参照)。
その後、裏前左駆動ソレノイド3717を非通電(OFF)とすることで、上方へ移動していたプランジャがバネの付勢力により下方へ移動することとなり、上記とは逆の動きをすることで、開状態のシャッターユニット3730が通常の状態である閉状態に復帰することができる。
このように、本実施形態の裏前左演出ユニット3700によれば、裏前左駆動ソレノイド3717によりシャッターユニット3730を開閉させることで、シャッターユニット3730の装飾(絵柄)から、裏前左装飾体3713の装飾(絵柄)に切換えることができ、遊技者に対して装飾の変化を楽しませることができる。
また、シャッターユニット3730及び裏前左装飾体3713の後方に裏前左装飾基板3714を設けているため、シャッターユニット3730が閉状態の時に、裏前左装飾基板3714の複数のLEDを発光させることで、発光装飾されたシャッターユニット3730を遊技者に見せることができ、シャッターユニット3730が開状態の時に、裏前左装飾基板3714の複数のLEDを発光させることで、発光装飾された裏前左装飾体3713を遊技者に見せることができる。
更に、裏前左演出ユニット3700では、第一裏前左装飾体ユニット3710A、第二裏前左装飾体ユニット3710B、及び第三裏前左装飾体ユニット3710C、の三つの裏前左装飾体ユニット3710を、夫々独立してシャッターユニット3730を開閉させたり、発光装飾させたりすることができるため、三つの裏前左装飾体ユニット3710による演出を適宜組合せることで、多彩な演出を遊技者に見せることができる。
[5−9k.裏前右演出ユニット]
続いて、裏ユニット3000における裏前右演出ユニット3800について、主に図196乃至図199等を参照して詳細に説明する。図196(a)は裏ユニットにおける裏前右演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットにおける裏前右演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図197は裏前右演出ユニットにおける一つの裏前右装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図198は裏前右演出ユニットにおける一つの裏前右装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図199(a)は裏前右演出ユニットにおいてシャッター群を閉状態で示す正面図であり、(b)は裏前右演出ユニットにおいてシャッター群を開状態で示す正面図である。
裏ユニット3000における裏前右演出ユニット3800は、裏箱3010内において、右端付近の上部が裏前右装飾体3040の後方に位置するように、裏後右演出ユニット3600の前側に取付けられている。裏前右演出ユニット3800は、上から順に、第一裏前右装飾体ユニット3810A、第二裏前右装飾体ユニット3810B、及び第三裏前右装飾体ユニット3810C、の三つの裏前右装飾体ユニット3810により構成されている。
裏前右演出ユニット3800では、図199に示すように、第一裏前右装飾体ユニット3810Aは、第二裏前右装飾体ユニット3810B及び第三裏前右装飾体ユニット3810Cと比較して、上端側が左方へ移動するように、斜めに傾斜させられている。また、第一裏前右装飾体ユニット3810Aは、後カバー3815の形状が、第二裏前右装飾体ユニット3810B及び第三裏前右装飾体ユニット3810Cのものとは若干異なっている。
裏前右演出ユニット3800の裏前右装飾体ユニット3810は、図197及び図198に示すように、前後に貫通した枠状の前カバー3811と、前カバー3811の後側に取付けられている枠状のシャッター支持部材3812と、シャッター支持部材3812の前面において上下方向へ列設されていると共に夫々が左右方向の軸周りに回動可能に支持されて前カバー3811の枠内を開閉可能としているシャッターユニット3830と、を備えている。
また、裏前右装飾体ユニット3810は、シャッター支持部材3812の枠内を後方から閉鎖しており、透光性を有した平板状の裏前右装飾体3813と、裏前右装飾体3813の後方に設けられており、前面に複数のLEDが実装されている裏前右装飾基板3814と、裏前右装飾基板3814を後方から覆うように前カバー3811に取付けられており裏後右演出ユニット3600の前面に取付けられる後カバー3815と、を備えている。
更に、裏前右装飾体ユニット3810は、シャッター支持部材3812の右辺側に取付けられている金属板からなる支持板3816と、支持板3816に取付けられている裏前右駆動ソレノイド3817と、裏前右駆動ソレノイド3817におけるプランジャの先端に取付けられている伝達部材3818と、支持板3816に左右方向の軸周りに回動可能に取付けられており、裏前右駆動ソレノイド3817による伝達部材3818の進退により回動するリンク部材3819と、リンク部材3819の回動により上下方向へスライドしてシャッターユニット3830を開閉させる開閉スライダ3820と、を備えている。
裏前右装飾体ユニット3810の前カバー3811は、外形が、「凸」字を左に倒して角を丸めたような形状(「松」を図案化した形状)に形成されている。シャッター支持部材3812は、前面にシャッターユニット3830における各シャッター部材3831の軸部3833を回転可能に支持する軸受部3812aが複数設けられている。また、シャッター支持部材3812は、前面の右端付近から円筒状に前方へ突出しているボス部3812bを有している。このボス部3812bは、開閉スライダ3820のスリット3820b内に摺動可能に挿入されると共に、先端に支持板3816が取付けられる。
シャッターユニット3830は、複数(ここでは、8個)のシャッター部材3831により構成されている。シャッター部材3831は、左右に延びた平板状のシャッター3832と、シャッター3832の左右方向両端から円柱状に延びている軸部3833と、右側の軸部3833の先端から軸直角方向へ突出した後に右方へ円柱状に延びているクランク軸3834と、を有している。
シャッター3832は、前カバー3811の枠内の形状に対して、シャッター部材3831が配置されている高さに応じた長さ及び形状に、形成されている。軸部3833は、シャッター3832の面を前方へ向けた状態でシャッター3832の上端付近から突出している。クランク軸3834は、軸部3833よりも後方に位置している。
シャッター部材3831は、軸部3833が、シャッター支持部材3812の軸受部3812aにより回転可能に支持されることで、軸部3833を中心として左右方向の軸周りに回動することができる。クランク軸3834は、開閉スライダ3820の伝達溝3820a内に摺動可能に挿入される。
裏前右装飾体3813は、図示は省略するが、パチンコ機1のコンセプトに沿ったキャラクタ、アイテム、ロゴ、等の絵柄が施されている。裏前右装飾体3813は、裏前右装飾基板3814のLEDからの光を拡散させることができる。裏前右装飾基板3814の複数のLEDは、フルカラーLEDである。
支持板3816は、左右方向へ板面を向けた状態で上下に延びていると共に、前端側が左方へ屈曲された形状に形成されている。支持板3816は、前端側の左方へ屈曲された部位が、シャッター支持部材3812のボス部3812bの前面に取付けられ、残りの部位が、シャッター支持部材3812の右方を通って後方へ突出している。また、支持板3816は、下端付近から左方へ円柱状に突出している支持ピン3816aを有している。この支持ピン3816aは、リンク部材3819を回動可能に支持するためのものである。
裏前右駆動ソレノイド3817は、プランジャが下方へ進退する向きで支持板3816に取付けられている。裏前右駆動ソレノイド3817は、バネによりプランジャが下方へ突出する方向へ付勢されている。リンク部材3819は、支持板3816の支持ピン3816aが挿入されることで、支持ピン3816aを中心として左右方向の軸周りに回動することができる。このリンク部材3819は、支持ピン3816aが挿入される部位を間にして、伝達部材3818に接続される第一接続部3819aが後側に設けられていると共に、開閉スライダ3820に接続される第二接続部3819bが前側に設けられている。
開閉スライダ3820は、複数のシャッター部材3831からなるシャッターユニット3830の高さと略同じ長さで上下に延びており、シャッターユニット3830の各クランク軸3834が前後方向へ摺動可能に挿入される伝達溝3820aと、シャッター支持部材3812のボス部3812bが上下方向へ摺動可能に挿入されるスリット3820bと、を有している。
次に、裏前右演出ユニット3800の動作について説明する。裏前右演出ユニット3800は、通常の状態では、図199(a)に示すように、シャッターユニット3830のシャッター部材3831のシャッター3832が、その板面を前方へ向けた状態となっており、複数のシャッター3832により前カバー3811の枠内が閉鎖された閉状態となっている。この通常の状態では、シャッターユニット3830の後方に設けられている裏前右装飾体3813が前方(遊技者側)から視認不能となっている。なお、図示は省略するが、シャッターユニット3830が閉状態の時に、シャッターユニット3830(複数のシャッター3832)の前面に、後方の裏前右装飾体3813に施されている絵柄とは異なる絵柄が施されている。
通常の状態では、裏前右駆動ソレノイド3817が非通電(OFF)の状態となっており、バネの付勢力によりプランジャが下方へ突出している。また、通常の状態では、開閉スライダ3820が上方の移動端に位置していると共に、各シャッター部材3831のクランク軸3834が軸部3833よりも上方に位置している。
この通常の状態で、裏前右駆動ソレノイド3817が通電(ON)されると、バネの付勢力に抗してプランジャが上方へ移動すると同時に、プランジャの先端に取付けられている伝達部材3818が上方へ移動する。この伝達部材3818が上方へ移動することで、伝達部材3818に接続されているリンク部材3819の第一接続部3819aが上方へ移動することとなり、リンク部材3819が支持ピン3816aを中心として回動することで、第一接続部3819aとは反対側の第二接続部3819bが下方へ移動することとなる。そして、リンク部材3819の第二接続部3819bの下方への移動により、第二接続部3819bに接続されている開閉スライダ3820が下方へ移動することとなる。
この開閉スライダ3820が下方へ移動することにより、伝達溝3820aに挿入されているシャッター部材3831のクランク軸3834が下方へ押圧され、クランク軸3834が軸部3833よりも下方へ位置するように、シャッター部材3831が軸部3833を中心として回動することとなる。これにより、シャッター3832の板面が上下方向を向いた状態となるため、複数のシャッター3832により前カバー3811の枠内が開放された開状態となり、シャッターユニット3830の後方に設けられている裏前右装飾体3813が前方から視認可能な状態となる(図199(b)を参照)。
その後、裏前右駆動ソレノイド3817を非通電(OFF)とすることで、上方へ移動していたプランジャがバネの付勢力により下方へ移動することとなり、上記とは逆の動きをすることで、開状態のシャッターユニット3830が通常の状態である閉状態に復帰することができる。
このように、本実施形態の裏前右演出ユニット3800によれば、裏前右駆動ソレノイド3817によりシャッターユニット3830を開閉させることで、シャッターユニット3830の装飾(絵柄)から、裏前右装飾体3813の装飾(絵柄)に切換えることができ、遊技者に対して装飾の変化を楽しませることができる。
また、シャッターユニット3830及び裏前右装飾体3813の後方に裏前右装飾基板3814を設けているため、シャッターユニット3830が閉状態の時に、裏前右装飾基板3814の複数のLEDを発光させることで、発光装飾されたシャッターユニット3830を遊技者に見せることができ、シャッターユニット3830が開状態の時に、裏前右装飾基板3814の複数のLEDを発光させることで、発光装飾された裏前右装飾体3813を遊技者に見せることができる。
更に、裏前右演出ユニット3800では、第一裏前右装飾体ユニット3810A、第二裏前右装飾体ユニット3810B、及び第三裏前右装飾体ユニット3810C、の三つの裏前右装飾体ユニット3810を、夫々独立してシャッターユニット3830を開閉させたり、発光装飾させたりすることができるため、三つの裏前右装飾体ユニット3810による演出を適宜組合せることで、多彩な演出を遊技者に見せることができる。
[5−10.遊技盤における演出]
次に、遊技盤5における主な演出(可動演出)について、主に図200乃至図205等を参照して詳細に説明する。図200は、裏後演出ユニットの裏後可動装飾体を退避位置から出現位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図201は、裏下中演出ユニットの裏下中回転装飾体を下降位置から上昇位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図202は、裏上後演出ユニットの裏上後回転装飾体を退避位置から出現位置へ、裏後左演出ユニットの裏後左回転装飾体を退避位置から第一出現位置へ、及び裏後右演出ユニットの裏後右回転装飾体を退避位置から第一出現位置へ、夫々移動された状態で示す遊技盤の正面図である。図203は、裏後左演出ユニットの裏後左回転装飾体を退避位置から第二出現位置へ、及び裏後右演出ユニットの裏後右回転装飾体を退避位置から第二出現位置へ、夫々移動された状態で示す遊技盤の正面図である。図204は、裏前左演出ユニットのシャッターユニットと、裏前右演出ユニットのシャッターユニットと、を夫々閉状態から開状態にして示す遊技盤の正面図である。
図205は、裏後演出ユニットの裏後可動装飾体を退避位置から出現位置へ、裏上後演出ユニットの裏上後回転装飾体を退避位置から出現位置へ、裏後左演出ユニットの裏後左回転装飾体を退避位置から第一出現位置へ、裏後右演出ユニットの裏後右回転装飾体を退避位置から第一出現位置へ、及び裏下中演出ユニットの裏下中回転装飾体を下降位置から上昇位置へ、夫々移動された状態で示す遊技盤の正面図である。
本実施形態の遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画している前構成部材1000、遊技領域5aの後端側を区画している遊技パネル1100、始動口ユニット2100、サイドユニット2200、サイド左上ユニット2300、第一アタッカユニット2400、センター役物2500、第二アタッカユニット2600、サイド右中ユニット2700、及びゲート部材2800が、略全体的に透明に形成されていることから、通常の状態では、図111に示すように、それらを通して、遊技パネル1100の後方に配置されている裏ユニット3000における裏前左装飾体3030、裏前右装飾体3040、裏下左演出ユニット3200の裏下左回転装飾体3201、裏下右演出ユニット3250の裏下右回転装飾体3251、裏下中演出ユニット3300の裏下中回転装飾体3310、裏上演出ユニット3400の裏上前回転装飾体3410及び裏上前装飾体3421、裏前左演出ユニット3700の前カバー3711及びシャッターユニット3730、裏前右演出ユニット3800の前カバー3811及びシャッターユニット3830、等を良好に視認することができると共に、センター役物2500の枠内を通して、演出表示装置1600に表示されている演出画像を、良好に視認することができる。
更に、詳述すると、裏前左装飾体3030は、センター役物2500よりも左側に位置していると共に、裏前右装飾体3040は、前構成部材1000の衝止部1006から右レール1005に沿ってサイド右中ユニット2700付近までの間に位置している。また、裏後演出ユニット3100の裏後可動装飾体3110は、裏上演出ユニット3400の後方に位置しており、遊技者側から視認不能となっている。
また、裏下左回転装飾体3201は、センター役物2500の枠内よりも下方でサイドユニット2200の中央と左側の一般入賞口2001の後方に位置していると共に、裏下右回転装飾体3251は、センター役物2500の枠内よりも下方で第一アタッカユニット2400の第一大入賞口2005の後方に位置している。裏下左回転装飾体3201及び裏下右回転装飾体3251は、透明な遊技パネル1100及び表ユニット2000を通して、遊技者側から視認可能となっている。
また、裏下中回転装飾体3310は、下降位置の状態となっており、上部がセンター役物2500の枠内に突出するように、始動口ユニット2100の第一始動口2002の後方に位置している。この裏下中回転装飾体3310は、パチンコ機1の前方に着座した遊技者からは、斜め上方からの視点となるため、センター役物2500の枠内を通して、回転中心よりも上側の数字装飾を良好に視認することができる。
更に、裏上演出ユニット3400の裏上前装飾体3421は、正面視において、遊技領域5aの上部で左右に延びており、左右方向中央より左側の上部が、透明な遊技パネル1100及びセンター役物2500を通して視認することができると共に、残りがセンター役物2500の枠内を通して良好に視認することができる。裏上前回転装飾体3410は、裏上前装飾体3421の前方における左右方向中央で、一つの花弁を上方へ向けた状態となっており、センター役物2500の枠内を通して遊技者側から良好に視認することができる。裏上演出ユニット3400の裏上後回転装飾体3440を有する裏上昇降装飾体ユニット3450は、通常の状態では、裏上前装飾体3421の後方となる退避位置の状態となっており、遊技者側から視認不能となっている。
また、裏後左演出ユニット3500の裏後左回転装飾体3510を有する裏後左装飾体ユニット3520は、通常の状態では、裏前左演出ユニット3700の後方となる退避位置の状態となっており、遊技者側から視認不能となっている。また、裏後右演出ユニット3600の裏後右回転装飾体3610を有する裏後右装飾体ユニット3620は、通常の状態では、裏前右演出ユニット3800の後方となる退避位置の状態となっており、遊技者側から視認不能となっている。
また、裏前左演出ユニット3700の三つの裏前左装飾体ユニット3710は、遊技パネル1100の左辺に沿うように上下に並んでおり、正面視において、遊技領域5a内に位置し、透明な遊技パネル1100及びセンター役物2500、センター役物2500の枠内、を通して遊技者側から視認可能となっている。三つの裏前左装飾体ユニット3710のうちの上側の第一裏前左装飾体ユニット3710Aは、正面視において、殆どが、透明な遊技パネル1100及びセンター役物2500の後方に位置しており、下部がセンター役物2500の枠内に位置している。中側の第二裏前左装飾体ユニット3710Bは、正面視において、センター役物2500の枠内に位置している。下側の第三裏前左装飾体ユニット3710Cは、正面視において、殆どが、透明な遊技パネル1100及びセンター役物2500の後方に位置しており、右部がセンター役物2500の枠内に位置している。
裏前左演出ユニット3700は、通常の状態では、三つの裏前左装飾体ユニット3710の夫々において、シャッターユニット3730が閉状態となっており、裏前左装飾体3713が視認不能となっていると共に、シャッターユニット3730の装飾が視認可能となっている。
更に、裏前右演出ユニット3800の三つの裏前右装飾体ユニット3810は、遊技パネル1100の右辺に沿うように上下に並んでおり、正面視において、遊技領域5a内に位置し、透明な遊技パネル1100及びセンター役物2500、センター役物2500の枠内、を通して遊技者側から視認可能となっている。三つの裏前右装飾体ユニット3810のうちの上側の第一裏前右装飾体ユニット3810Aは、正面視において、右側が、透明な遊技パネル1100及びセンター役物2500の後方に位置しており、左側がセンター役物2500の枠内に位置している。中側の第二裏前右装飾体ユニット3810B及び下側の第三裏前右装飾体ユニット3810Cは、正面視において、左右方向中央よりも左寄りの部位から右側が、透明な遊技パネル1100及びセンター役物2500の後方に位置しており、残りの左側がセンター役物2500の枠内に位置している。
裏前右演出ユニット3800は、通常の状態では、三つの裏前右装飾体ユニット3810の夫々において、シャッターユニット3830が閉状態となっており、裏前右装飾体3813が視認不能となっていると共に、シャッターユニット3830の装飾が視認可能となっている。
遊技盤5は、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて、裏ユニット3000の裏後演出ユニット3100、裏下左演出ユニット3200、裏下右演出ユニット3250、裏下中演出ユニット3300、裏上演出ユニット3400、裏後左演出ユニット3500、裏後右演出ユニット3600、裏前左演出ユニット3700、及び裏前右演出ユニット3800が、所定の演出(可動演出や発光演出)を行う。
具体的には、裏ユニット3000の裏後演出ユニット3100を用いた演出としては、例えば、図200に示すように、裏後駆動モータ3126によりスライドガイド3130を下方へ移動させることで、ロック部材3134によるロックを解除して、裏後可動装飾体3110を退避位置から出現位置へ落下させる。これにより、演出表示装置1600の表示画面を左右方向へ跨ぐ大きな裏後可動装飾体3110が、演出表示装置1600の表示画面を遮りながら自由落下する演出(可動演出)を遊技者に見せることができるため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊技者に対して遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技)が発生するのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
この裏後演出ユニット3100では、図示は省略するが、裏後可動装飾体3110を出現位置へ落下させた後に、裏後駆動モータ3126によりスライドガイド3130を上方へ移動させて、裏後可動装飾体3110を退避位置へ復帰させる際に、裏後駆動モータ3126の正転・逆転を適宜変化させることで、スライドガイド3130を介して裏後可動装飾体3110を、演出表示装置1600の表示画面の上下方向中央付近において、上下に往復移動させるようにしても良い。これにより、演出表示装置1600の表示画面の上下方向中央を遮りながら、裏後可動装飾体3110が上下に移動するため、遊技者の関心を裏後可動装飾体3110に強く引付けさせて裏後可動装飾体3110に注目させることができ、裏後可動装飾体3110の動きを楽しませることができる。
裏ユニット3000における裏下中演出ユニット3300を用いた演出としては、例えば、図201に示すように、裏下中昇降駆動モータ3352により昇降アーム3357を回動させて、裏下中装飾体ユニット3320を下降位置から上昇位置へ移動させると共に、裏下中回転駆動モータ3333により裏下中回転装飾体3310を前後方向の軸周りに回転させる。これにより、裏下中回転装飾体3310が、演出表示装置1600の演出画像の一部を遮るように、上方へ移動してセンター役物2500の枠内に位置することとなり、遊技者側から良好に視認できると共に、グルグルと回転するため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませることができる。
この裏下中回転装飾体3310には、六つの数字装飾が設けられているため、裏下中回転装飾体3310を回転させることで、遊技者に対して恰もルーレットが回転しているような印象を与えることができる。従って、裏下中回転装飾体3310を回転させる際に、演出表示装置1600に、「双六」のような演出画像を表示させると共に、回転停止した裏下中回転装飾体3310の数字装飾の数字に応じて、「駒」が進むようにしても良い。これにより、「駒」が所望の「升」へ進むように、回転している裏下中回転装飾体3310が、所望の数字装飾の位置で回転停止するか否かによって、遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませることができる。また、遊技者に対して、「駒」が進むことで、期待値が高まりつつあるような気分にさせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
裏ユニット3000における裏下左演出ユニット3200、裏下右演出ユニット3250、裏上演出ユニット3400、裏後左演出ユニット3500、及び裏後右演出ユニット3600を用いた演出としては、例えば、図202に示すように、裏下左演出ユニット3200において裏下左駆動モータ3205により裏下左回転装飾体3201を回転させると共に、裏下右演出ユニット3250において裏下右駆動モータ3255により裏下右回転装飾体3251を回転させる。また、裏上演出ユニット3400においては、裏上前回転駆動モータ3425により裏上前回転装飾体3410を回転させると共に、裏上昇降駆動モータ3429により裏上昇降装飾体ユニット3450を退避位置から下方の出現位置へ回動させると同時に、裏上後回転駆動モータ3454により裏上後回転装飾体3440回転させる。更に、裏後左演出ユニット3500において裏後左昇降駆動モータ3554により裏後左装飾体ユニット3520を退避位置からやや右上の第一出現位置へ移動させると共に、裏後左回転駆動モータ3525により裏後左回転装飾体3510を回転させる。また、裏後右演出ユニット3600において裏後右昇降駆動モータ3654により裏後右装飾体ユニット3620を退避位置からやや左上の第一出現位置へ移動させると共に、裏後右回転駆動モータ3625により裏後右回転装飾体3610を回転させる。
これにより、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、及び裏後右回転装飾体3610が、演出表示装置1600の前方へ移動して視認可能となると共に、裏下左回転装飾体3201、裏下右回転装飾体3251、裏上前回転装飾体3410、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、及び裏後右回転装飾体3610、が夫々回転するため、六つの装飾体がグルグル回転することで、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、何か良いことが起こるのではないかと思わせて遊技に対する期待感を高めさせることができる。
この際に、裏上昇降駆動モータ3429、裏後左昇降駆動モータ3554、及び裏後右昇降駆動モータ3654を、正転・逆転を適宜繰り返して、裏上昇降装飾体ユニット3450、裏後左装飾体ユニット3520、及び裏後右装飾体ユニット3620を、夫々揺動させるようにしても良い。これにより、裏上後回転装飾体3440、裏後左回転装飾体3510、及び裏後右回転装飾体3610が、フラフラと揺れながら回転するため、遊技者の関心を強く引付けさせることができ、遊技者を楽しませることができる。
また、この際に、裏下中回転装飾体3310を回転させるようにしても良い。これにより、七つの装飾体がグルグルと回転するため、遊技者に対して遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技)が発生するのではないかと強く思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
裏ユニット3000における裏後左演出ユニット3500及び裏後右演出ユニット3600を用いた演出としては、例えば、図203に示すように、裏後左演出ユニット3500において裏後左昇降駆動モータ3554により裏後左装飾体ユニット3520を退避位置から右上の第二出現位置へ移動させると共に、裏後左回転駆動モータ3525により裏後左回転装飾体3510を回転させる。また、裏後右演出ユニット3600において裏後右昇降駆動モータ3654により裏後右装飾体ユニット3620を退避位置から左上の第二出現位置へ移動させると共に、裏後右回転駆動モータ3625により裏後右回転装飾体3610を回転させる。これにより、パチンコ機1の前方に着座した遊技者の目と、略の高さの位置で二つの装飾体がグルグルと回転することとなるため、遊技者を驚かせて何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
この際に、演出表示装置1600において、第二出現位置の裏後左回転装飾体3510及び裏後右回転装飾体3610の位置が、パチンコ機1のコンセプトに沿った所定のキャラクタの顔の目の位置となるような演出画像を表示させるようにしても良い。これにより、キャラクタの目がグルグル回っているような演出を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができる。
裏ユニット3000における裏前左演出ユニット3700及び裏前右演出ユニット3800を用いた演出として、例えば、図204に示すように、裏前左演出ユニット3700において裏前左駆動ソレノイド3717によりシャッターユニット3730を閉状態から開状態とすると共に、裏前右演出ユニット3800において裏前右駆動ソレノイド3817によりシャッターユニット3830を閉状態から開状態とする。これにより、シャッターユニット3730の後方の裏前左装飾体3713及びシャッターユニット3830の後方の裏前右装飾体3813が、遊技者側から視認可能となるため、裏前左装飾体3713及び裏前右装飾体3813の装飾を遊技者に見せることができ、遊技者に対して装飾の変化を楽しませることができる。
なお、裏前左演出ユニット3700及び裏前右演出ユニット3800を用いた演出としては、夫々において三つの裏前左装飾体ユニット3710及び三つの裏前右装飾体ユニット3810を有していることから、裏前左装飾体ユニット3710のシャッターユニット3730や、裏前右装飾体ユニット3810のシャッターユニット3830を、夫々において個々に開閉させるようにしても良く、開閉させるシャッターユニット3730及びシャッターユニット3830の組合せにより、多彩な演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができる。
裏ユニット3000における裏後演出ユニット3100、裏下左演出ユニット3200、裏下右演出ユニット3250、裏下中演出ユニット3300、裏上演出ユニット3400、裏後左演出ユニット3500、裏後右演出ユニット3600、裏前左演出ユニット3700、及び裏前右演出ユニット3800を用いた演出として、例えば、図205に示すように、全ての装飾体等を可動させるようにしても良い。これにより、
全ての装飾体が可動することで、遊技者に対して有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技状態)が発生すると確信させることができ、有利遊技状態に対する期待感を高めさせることができる。なお、この場合、裏後左演出ユニット3500及び裏後右演出ユニット3600では、裏後左装飾体ユニット3520及び裏後右装飾体ユニット3620を、退避位置から第一出現位置まで移動させた状態とすることで、裏後可動装飾体3110との接触を回避させる。
なお、上記では、各装飾体の可動について説明したが、各装飾体を可動させる際に、後方に設けられている装飾基板のLEDを適宜発光させることで、装飾体の発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者の関心をより一層引付けることができる。
また、本実施形態の遊技盤5では、上記したような可動演出と発光演出とを適宜組合せることができる共に、演出表示装置1600の表示画面に表示される演出画像(表示演出)とも組合せることができる。これにより、発光演出、可動演出、表示演出、等を適宜組合せることで多彩なパターンの演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、各種の演出によって遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[5−11.遊技盤の主な作用効果]
次に、上記のような構成を備えた本実施形態の遊技盤5の主な作用効果について説明する。本実施形態の遊技盤5は、前側に遊技領域5aが設けられる遊技パネル1100に、貫通した開口部1112を有するようにした上で、遊技領域5aを遊技球Bが流通可能な流通領域と流通不能な非流通領域とに区画し開口部1112の内周に沿った形状に形成されているセンター役物2500の枠状の周壁部2501を、前端を遊技パネル1100の前面から前方へ突出させた状態で後側を開口部1112内に挿入していることから、蓋然的に、周壁部2501の外側が流通領域となり、内側が非流通領域となる。そして、周壁部2501における遊技パネル1100の前面と前後方向が同じ位置から非流通領域側(内側)へ遊技パネル1100のパネル板1110の厚さよりも薄い平板状のサポート部2503を延出させていると共に、周壁部2501におけるサポート部2503が設けられていない部位から流通領域側(外側)へ遊技パネル1100のパネル板1110の前面に当接するフランジ部2502を設けるようにしていることから、周壁部2501におけるサポート部2503が設けられている部位の流通領域側には何も延出させていないため、周壁部2501に対して可及的に接近させた位置に障害釘Nを植設することが可能となり、実質的な流通領域を周壁部2501に接する位置までとすることができ、従来のパチンコ機よりも実質的な流通領域を大きくすることができる。つまり、センター役物2500の周壁部2501により区画される非流通領域(センター役物2500の枠内)を大きくしても、従来のパチンコ機のように実質的な流通領域が小さくなることはない。従って、遊技領域5a内において遊技球Bが流通する流通領域が実質的に小さくなることを抑制しつつ、センター役物2500の周壁部2501により区画される非流通領域を大きくすることで、非流通領域の後方に設けられた演出装置としての演出表示装置1600の演出画像や演出ユニットの可動体や装飾体等をより見え易くすることができ、遊技球Bによる流通領域での遊技と非流通領域での演出との何れをも楽しませることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、センター役物2500では、サポート部2503によって周壁部2501を非流通領域側(内側)から補強することができると共に、サポート部2503が設けられていない部位に設けられているフランジ部2502によって周壁部2501を流通領域側(外側)から補強することができる上に、フランジ部2502を介してセンター役物2500を遊技パネル1100のパネル板1110に取付けることで、周壁部2501の強度が向上するため、遊技領域5a内の遊技球Bが、周壁部2501におけるサポート部2503が設けられている部位に接触(当接)したとしても、サポート部2503等により周壁部2501の強度を保つことができ、周壁部2501(センター役物2500)の変形や破損を防止することができる。
また、サポート部2503やフランジ部2502、及び遊技パネル1100への取付け、等によりセンター役物2500の周壁部2501の強度・剛性を高められることから、遊技球Bが当接した時に、周壁部2501が弾性変形して弾性体(ゴムやバネ)のように遊技球Bを弾いてしまうことを防止することができる。従って、遊技領域5a内を流通する遊技球Bが、周壁部2501に当接することで従来とは異なる変な動きをしてしまうことを防止することができ、遊技者に不快感を与えてしまうのを防止して興趣の低下を抑制させることができる。
更に、サポート部2503を含むセンター役物2500を透明にしていることから、周壁部2501から非流通領域側へ延出しているサポート部2503を、見え辛くすることができると共に、サポート部2503(センター役物2500)を通して後方に設けられている演出装置としての演出表示装置1600の演出画像や裏ユニット3000に設けられている演出ユニットの可動体や装飾体等が見えることとなるため、非流通領域の後方に設けられている演出画像や可動体や装飾体等が見える範囲をより大きくすることができ、演出装置による演出効果をより発揮させ易くすることができると共に、非流通領域の後方に設けられている演出表示装置1600の演出画像や可動体や装飾体等の見える範囲が大きいことで、本パチンコ機1を目立たせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、サポート部2503を含むセンター役物2500を透明にしているため、透明な部位により、本パチンコ機1が設置されている遊技ホール内の照明の光や、本パチンコ機1に設けられている発光手段(LEDや演出表示装置1600等)からの光を、反射させたり屈折させたり拡散させたり透過させたりすることが可能となるため、サポート部2503や周壁部2501等の透明な部位を煌びやかに見せることができ、見栄えを良くして遊技者に対する訴求力を高めることができる。この際に、透明なサポート部2503に段差や切欠き等を設けて、より拡散効果を高めるようにしても良い。
更に、サポート部2503を含むセンター役物2500を透明にしているため、サポート部2503の後方に設けられた可動体(例えば、裏前左演出ユニット3700や裏後左演出ユニット3500)に備えられた発光手段(LED)による発光によって、上記のような効果が得られると共に、透明なサポート部2503により可動体の存在を遊技者に認識させることが可能となる。
また、透明なサポート部2503を、周壁部2501における遊技パネル1100の前面と前後方向が同じ位置で、遊技パネル1100の厚さよりも薄い平板状に延出させているため、サポート部2503を遊技パネル1100と同じ厚さで延出させた時と比較して、サポート部2503によるレンズ効果を低減させることができると共に、サポート部2503が後方の裏前左装飾体3030や演出装置(演出表示装置1600等)に接近するため、透明なサポート部2503によるレンズ効果が更に低くなり、裏前左装飾体3030や演出装置の演出画像や可動体や装飾体等におけるサポート部2503の後方にある部位(デザイン)の視認性を向上させることができ、裏前左装飾体3030や演出画像等をより見え易くすることができる。
更に、サポート部2503における少なくとも一部の先端辺を、周壁部2501とは異なる形状に形成していることから、サポート部2503の先端辺における周壁部2501とは異なる形状の部位では、サポート部2503の先端辺により周壁部2501とは異なるラインを見せることができるため、周壁部2501に沿った形状とした場合と比較して、単一的なデザインに見え難くなり、細部にまで拘ったような深みのあるデザインを有したパチンコ機1を提供することができる。
また、サポート部2503における少なくとも一部の先端辺を、周壁部2501とは異なる形状にしているため、サポート部2503の当該部位では、周壁部2501からの延出量が一定ではなく、異なることとなるため、周壁部2501の形状に応じた延出量とすることにより、サポート部2503による周壁部2501の補強効果を向上させることができる。
更に、サポート部2503を、周壁部2501における遊技パネル1100の前面と前後方向が同じ位置から延出させているため、遊技者に対してサポート部2503が遊技パネル1100のパネル板1110一部であるかのように錯覚させることができ、サポート部2503の存在に気付かせ難くすることができる。
また、サポート部2503を遊技パネル1100のパネル板1110の前面と前後方向が同じ位置に設けており、周壁部2501の前後方向の中間(途中)から延出させているため、周壁部2501の後端側からサポート部2503を延出させるようにした場合と比較して、周壁部2501の先端側に対するサポート部2503による補強効果の低下を低減させることができるため、周壁部2501の強度を十分に保つことができ、遊技媒体が当接しても周壁部2501(センター役物2500)が変形したり破損したりすることを防止することができる。
更に、センター役物2500の周壁部2501を、遊技パネル1100の開口部1112の内周に沿った形状として後側を開口部1112に挿入させるようにしているため、遊技パネル1100の開口部1112の内周面を、周壁部2501により隠したり装飾したり見え難くしたりすることができる。
また、センター役物2500の周壁部2501の外形を、遊技パネル1100の開口部1112の内周に沿った形状としているため、センター役物2500を遊技パネル1100に取付けた状態では、周壁部2501が開口部1112の周縁から前方へ突出しているように見え、周壁部2501(センター役物2500)と遊技パネル1100とに対して一体感を付与することができ、遊技領域5a内の見栄えの良いパチンコ機1を提供することができる。
また、センター役物2500を遊技パネル1100の開口部1112に取付けているため、遊技パネル1100が透明であっても不透明であっても、遊技パネル1100の開口部1112内である周壁部2501により区画される非流通領域の後方に設けられている演出表示装置1600の演出画像や演出ユニットの可動体や装飾体等を、前方(遊技者側)から良好に視認させることができ、演出表示装置1600等による演出効果を十分に発揮させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、センター役物2500の周壁部2501の前端を、遊技パネル1100の前面よりも前方へ突出させていることから、遊技領域5aを斜めから見ると、遊技パネル1100の前面から周壁部2501が前方へ突出して見えるため、遊技者に対して周壁部2501の存在に気付かせ易くすることができると共に、周壁部2501により区画される流通領域や非流通領域を認識させ易くすることができる。
また、センター役物2500の周壁部2501におけるサポート部2503が延出していない部位に、流通領域側(外側)へ延出するフランジ部2502を設けており、フランジ部2502が設けられている部位には、非流通領域側(内側)へ延出するサポート部2503を設けていないため、当該サポート部2503が演出装置(演出表示装置1600や裏ユニット3000の演出ユニット)の視認性の邪魔をすることはなく、演出表示装置1600の演出画像や演出ユニットの可動体等が見える領域を大きくすることができ、演出装置による演出効果をより発揮させ易くすることができると共に、遊技者に対して演出装置による演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、センター役物2500では、サポート部2503及びフランジ部2502により周壁部2501の強度を、従来品と同等に保つことができるため、周壁部2501とサポート部2503とを一体に樹脂成形して金型から抜く時に、成形品の変形を防止することができる。
また、サポート部2503を、遊技パネル1100の厚さよりも薄い平板状に延出させているため、センター役物2500を合成樹脂により一体成形した時に、サポート部2503の部位のみが他の部位との収縮量の差が大きくなることを回避させることができ、成形時におけるセンター役物2500の変形を防止することができる。
更に、本実施形態によると、遊技領域5aの外周を区画している枠状の前構成部材1000と、前構成部材1000の枠内を後側から閉鎖している平板状の遊技パネル1100とを、夫々透明とすると共に、遊技パネル1100の後側の、裏ユニット3000における裏後左演出ユニット3500の機能部品としての裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右演出ユニット3600の裏後右昇降駆動モータ3654を、正面視において、少なくとも一部が遊技領域5a外となるように配置し、遊技パネル1100と裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右昇降駆動モータ3654との間に、裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右昇降駆動モータ3654における遊技領域5a内の部位を少なくとも覆うように、遊技領域5a内から遊技領域5a外まで延びた裏前左装飾体3030や裏前右装飾体3040を備えるようにしているため、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040によって裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右昇降駆動モータ3654の少なくとも一部を覆って隠すことが可能となり、透明な前構成部材1000及び遊技パネル1100や遊技領域5a内を通して、遊技者側から裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右昇降駆動モータ3654を見え難くすることができ、パチンコ機1全体の見栄えが悪くなるのを抑制することができると共に、裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右昇降駆動モータ3654の代わりに前側の裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040が見えることで、パチンコ機1全体の見栄えを良くすることができ、遊技者に対する訴求力を高められるパチンコ機1とすることができる。
また、前構成部材1000及び遊技パネル1100を透明としていることから、前構成部材1000及び遊技パネル1100により区画される遊技領域5aの境界が判り辛くなるため、遊技領域5aの外周が区画されていないように見えることで開放感を与えることができ、遊技領域5aが従来のパチンコ機と同じ大きさであっても、遊技領域5aをより大きく見せることができる。従って、従来のパチンコ機よりも遊技領域5aが大きく見えることで、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めさせることができると共に、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができ、遊技者に対する訴求力を高められるパチンコ機1とすることができる。
また、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040を、裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右昇降駆動モータ3654等の機能部品の前方の少なくとも遊技領域5a内の部位を覆うようにしていることから、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040によって、遊技領域5a内で機能部品が見えることを防止することができるため、遊技領域5a内の見栄えを良くすることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる他に、遊技領域5aの中央側から斜めから見た時でも機能部品を見え難くすることができる。
更に、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040に、全面に亘って連続した装飾を有するようにしており、正面視において、遊技領域5a内から遊技領域5a外まで延びている裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040の装飾が、全面に亘って連続しているため、連続した装飾により遊技領域5aの外周の境界を判り辛くすることができ、開放感を与えて遊技領域5aの大きさを実際の大きさよりも大きく見せることができると共に、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040の装飾によりパチンコ機1の見栄えを良くすることができ、パチンコ機1を目立たせて遊技者に対する訴求力をより高めることができる。
また、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040を不透明にしているため、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040を通して後側に設けられている裏後左演出ユニット3500及び裏後右演出ユニット3600等が見えることを防止することができ、前構成部材1000及び遊技パネル1100を通して当該裏後左演出ユニット3500及び裏後右演出ユニット3600等が遊技者側から見えることで見栄えが悪くなるのを防止して、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。
また、正面視において遊技領域5a外に、機能部品としての裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右昇降駆動モータ3654の少なくとも一部を配置するようにしている(裏後左昇降駆動モータ3554では完全に(全体を)遊技領域5a外に配置している)ため、裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右昇降駆動モータ3654を配置するために前構成部材1000と遊技領域5aの外周との間のスペースを大きくしなくても、裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右昇降駆動モータ3654を配置することができ、裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右昇降駆動モータ3654の配置のバランスを取ることで遊技領域5aのスペースが小さくなることを抑制することができる。換言すると、裏後右昇降駆動モータ3654の一部を、正面視において遊技領域5a内に配置するようにしているため、前構成部材1000と遊技領域5aの外周との間のスペースを小さくすることが可能となり、相対的に、遊技領域5aのスペースを大きくすることができ、上述した作用効果をより一層発揮させることが可能なパチンコ機1とすることができる。また、遊技領域5a内で可動する役物の駆動源(モータやソレノイド等)の一部を遊技領域5a外に設けることで、遊技領域5a内のスペースを大きくすることもでき、その場合には遊技領域5a内で行われる演出の幅が広がる。遊技領域5a内で可動する役物の全ての駆動源(モータやソレノイド等)を遊技領域5a外に配置するようにしても良い。
更に、前構成部材1000及び遊技パネル1100を透明としているため、本パチンコ機1が設置される遊技ホール内の照明の光や、パチンコ機1に設けられている各種のLEDや演出表示装置1600等からの光を、透過させたり反射させたり屈折させたり拡散させたりすることが可能となり、あたかも前構成部材1000や遊技パネル1100が発光しているかのように見せることができ、パチンコ機1の全体の見栄えを良くすることができる。また、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040には不透明な装飾シール3032及び装飾シール3042が施されるものの、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040の夫々のベース3031及びベース3041(装飾シール3032及び装飾シール3042を含めても良い)は透明部材で形成しているため、パチンコ機1に設けられている各種のLEDからの光が裏前左装飾体3030または裏前右装飾体3040に届いて裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040が発光するような印象を与えることができる。パチンコ機1に設けられている各種のLEDからの光が届く位置に裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040が配置されているとも言える。
また、裏前左装飾体3030により機能部品としての裏後左昇降駆動モータ3554の少なくとも一部を覆うようにしているため、全部を覆わなくてもある程度覆うことで、機能部品であることが判り辛くなり、装飾の一部のように見せることができる。従って、裏前左装飾体3030を、裏後左昇降駆動モータ3554の全体を覆うような大きさにしなくても、上述と同様の作用効果を奏することが可能となるため、裏前左装飾体3030にかかるコストを低減させつつ、遊技領域5aを大きく見せることができる。なお、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040によって裏後左昇降駆動モータ3554及び裏後右昇降駆動モータ3654の少なくとも一部を覆って隠しているが、当該一部は、パチンコ機1の中心から近い部分(遊技領域5a内と遊技領域5a外とを区画する境界線からより近い部分)としたほうが望ましい。また、遊技領域5a外に駆動源がない所定の箇所(図131における左下の箇所等、つまり、遊技盤5における左下隅の箇所等)に対しても遊技領域5a内から遊技領域5a外まで延びる装飾体を設けることで遊技領域5aを大きく見せることができる。
また、遊技領域5aの外周を区画している前構成部材1000の枠内を、透明な遊技パネル1100により後方から閉鎖するようにしており、遊技パネル1100の前側に遊技領域5aが位置することとなるため、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040が遊技領域5aよりも後側に設けられることとなる。従って、正面視において、遊技領域5a内から遊技領域5a外まで延びている裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040により、遊技領域5aの内外を後方から装飾することができ、上述と同様の作用効果を奏することができると共に、遊技領域5a内において裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040が遊技球Bの邪魔になることはなく、遊技領域5a内での遊技を円滑に楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040を、正面視において、扉枠3の扉窓101aよりも外側まで延ばすようにしているため、扉窓101a内において、裏前左装飾体3030及び裏前右装飾体3040の後方の裏後左演出ユニット3500及び裏後右演出ユニット3600等を見えなくすることができ、パチンコ機1の外観の見栄えを良くすることができる。また、裏前左装飾体3030を、機能部品としての裏後左昇降駆動モータ3554における扉窓101aの内側の部位が隠れる程度に延ばしていることから、裏前左装飾体3030により裏後左昇降駆動モータ3554の全体を覆わなくても、覆われていない部位を枠状の扉枠3により覆うことができるため、裏前左装飾体3030が必要以上に長くなることを回避させることができ、裏前左装飾体3030(パチンコ機1)にかかるコストを低減させることができる。
更に、本実施形態によると、遊技盤5の表ユニット2000におけるサイドユニット2200の右から二つの一般入賞口2001では前面を形成している第一前壁部2203を遊技パネル1100へ向かって傾斜させているのに対して、始動口ユニット2100における第一始動口2002では前面を形成している前壁部2101を遊技パネル1100と平行にしていると共に、前面に透光性を有した装飾を施す(シールを貼り付ける)ようにしているため、第一始動口2002の前面が前方(遊技者側)へ向くこととなり、一般入賞口2001よりも第一始動口2002を目立たせることができる。従って、遊技者の意識を一般入賞口2001よりも第一始動口2002へ向けさせ易くすることができるため、第一始動口2002に受入れられる遊技球Bの数が減少する(若しくは、第一始動口2002よりも一般入賞口2001へと遊技者の意識が集中してしまう)ことを回避させることができ、第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより行われる第一特別抽選結果の抽選に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができると共に、遊技者が狙うべき第一始動口2002の位置を確実に認識させることができ、遊技者に第一始動口2002を狙った遊技を楽しませることができる。
そして、遊技領域5a内の遊技球Bが、第一始動口2002に受入れられるか否かによって、遊技者をハラハラさせることができる上に、第一始動口2002に遊技球Bが受入れられると、第一特別抽選結果の抽選により有利遊技状態が発生する当選(例えば、「大当り」)が抽選されるか否かによって、遊技者をドキドキ・ワクワクさせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。その後、第一特別抽選結果の抽選により当選が抽選されると、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006が所定のパターンで開閉する有利遊技状態が発生するため、遊技者を大いに楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。この際に、第一始動口2002を狙った遊技球Bが、一般入賞口2001に受入れられた場合、第一特別抽選結果の抽選は行われないものの特典として遊技球Bの払出しが行われるため、遊技者を落胆させることはなく、引続き遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、一般入賞口2001の第一前壁部2203を遊技パネル1100の面に対して傾斜させていると共に、第一始動口2002の前壁部2101を遊技パネル1100の面に対して平行にしており、一般入賞口2001と第一始動口2002との形態(外観)が大きく異なることとなるため、第一始動口2002の前面にシールを貼り付け、一般入賞口2001の前面にはシールを貼り付けなくても、遊技者に対して違和感を与えることはなく、パチンコ機1の見栄えが悪くなることを防止することができ、遊技者に本パチンコ機1での遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、一般入賞口2001及び第一始動口2002を、透明な部材により形成していることから、一般入賞口2001や第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを、透明な部材を通して視認することができるため、遊技者に対して、遊技球Bが一般入賞口2001や第一始動口2002に受入れられたことを確実に認識させることができ、受入れられたことによる喜びを十分に味わわせることで興趣の低下を抑制させることができる。また、一般入賞口2001及び第一始動口2002を透明な部材により形成していることから、本パチンコ機1が設置される遊技ホール内の照明の光や、パチンコ機1に設けられている発光手段(装飾基板のLED)からの光を、反射させたり屈折させたり拡散させたりすることが可能となるため、一般入賞口2001及び第一始動口2002を煌びやかに見せることができ、見栄えを良くして遊技者に対する訴求力を高めることができる。
更に、一般入賞口2001では、前面を形成している第一前壁部2203を遊技パネル1100へ向かって傾斜させていると共に、第一始動口2002では、受入れられた遊技球Bを一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bよりも遅く後方へ誘導するようにしてことから、第一特別抽選結果の抽選が行われる第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bよりも、遅いタイミングで後方へ誘導することができるため、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを相対的に長い時間、遊技者に見せることができる。従って、第一特別抽選結果の抽選が行われる第一始動口2002に遊技球Bが受入れられると、第一始動口2002へ遊技球Bが受入れられたことによる喜び(優越感)を、一般入賞口2001へ遊技球Bが受入れられた時よりも長い時間、遊技者に味わわせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、一般入賞口2001の前面を形成している第一前壁部2203を、遊技パネル1100へ向かって傾斜させていることから、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを、直ちに後方(遊技パネル1100側)へ誘導して、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bよりも速く排出することができるため、遊技球Bが一般入賞口2001に受入れられたことに対して、無用に長い時間実感させることを抑制することが可能となり、遊技者の関心を次の遊技球Bへ向けさせることができ、遊技をサクサクと進めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、一般入賞口2001では、前面を形成している第一前壁部2203を遊技パネル1100に対して傾斜させた上で、第一前壁部2203の前方を遊技球Bの一部が通過可能とするようにしているため、一般入賞口2001の第一前壁部2203の前方を遊技球Bが通過した時に、正面視において、遊技球Bの大部分が一般入賞口2001と重なっていると、遊技者によっては、当該遊技球Bが一般入賞口2001に受入れられたかのように錯覚させることができ、遊技者を楽しませることができる。この際に、遊技球Bの一部が一般入賞口2001と重なっていないことから、遊技球Bが一般入賞口2001に受入れられたと強く認識することはなく、錯覚であったとも思わせることができるため、その後に特典(第一特別抽選結果の抽選)が付与されなくても、パチンコ機1や遊技ホール側に対して不信感を抱いてしまうことを回避させることができ、遊技者に対して引続き遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、一般入賞口2001の第一前壁部2203を遊技パネル1100へ向かって傾斜させているため、一般入賞口2001(サイドユニット2200)にかかる素材の量を低減させることができると共に、一般入賞口2001の前面にシール等の装飾を省略することができる。従って、一般入賞口2001にかかるコストを低減させることができるため、その分を演出装置等に回すことで、より遊技者を楽しませられるパチンコ機1とすることができる。
更に、本実施形態によると、裏ユニット3000における裏下中演出ユニット3300の裏下中装飾体ユニット3320において、偶数箇所の複数(ここでは6箇所)の停止位置を有した回転する裏下中回転装飾体3310に、停止位置の半数に亘る長さの領域検知片3325と、各停止位置に対応している複数(ここでは六つ)の位置検知片3326と、を設けると共に、領域検知片3325を検知する停止位置の半数からなる複数(ここでは三つ)の領域特定センサ3330と、位置検知片3326を検知する一つの位置特定センサ3331と、からなる複数(ここでは四つ)のセンサを設けるようにしているため、裏下中回転装飾体3310が回転すると、領域検知片3325を検知する複数の領域特定センサ3330が、回転方向の一方側から順番に増加した後に減少することを繰り返すこととなり、領域検知片3325を検知している領域特定センサ3330の組合せにより、裏下中回転装飾体3310の現在の回転位置を大まかに把握することができる。
詳述すると、回転方向へ第一停止位置から第六停止位置までの6箇所の停止位置を有した裏下中回転装飾体3310の場合、領域検知片3325が半数となる3つの並んだ停止位置に亘る長さとなると共に、任意の停止位置への移動の検知に必要な最小限の領域特定センサ3330の数が停止位置の数の半数の三つとなる。そして、三つの領域特定センサ3330を、回転方向へ第一領域特定センサ3330a、第二領域特定センサ3330b、及び第三領域特定センサ3330cとすると共に、裏下中回転装飾体3310が第一停止位置(「3」の装飾数字の位置)の時に第一領域特定センサ3330aのみが領域検知片3325を検知している状態とする。この状態から裏下中回転装飾体3310が第二停止位置(「2」の装飾数字の位置)へ回転すると、第一領域特定センサ3330aと第二領域特定センサ3330bとが領域検知片3325を検知する。更に、裏下中回転装飾体3310が第三停止位置(「1」の装飾数字の位置)へ回転すると、第一領域特定センサ3330aと第二領域特定センサ3330bと第三領域特定センサ3330cとが領域検知片3325を検知する。
更に、裏下中回転装飾体3310が第四停止位置(「6」の装飾数字の位置)へ回転すると、第一領域特定センサ3330aが非検知となり、第二領域特定センサ3330bと第三領域特定センサ3330cとが領域検知片3325を検知する。更に、裏下中回転装飾体3310が第五停止位置(「5」の装飾数字の位置)へ回転すると、第二領域特定センサ3330bが非検知となり、第三領域特定センサ3330cのみが領域検知片3325を検知する。そして、裏下中回転装飾体3310が第六停止位置(「4」の装飾数字の位置)へ回転すると、第三領域特定センサ3330cも非検知となり、全ての領域特定センサ3330が領域検知片3325を検知していない状態となる。その後、更に、裏下中回転装飾体3310が回転すると第一停止位置(「3」の装飾数字の位置)へと回転することとなり、第一領域特定センサ3330aのみが領域検知片3325を検知している最初の状態となり、裏下中回転装飾体3310の回転に伴って上記のような領域特定センサ3330の検知・非検知が繰り返されることとなる。
このように、停止位置の数の半数の停止位置に亘る長さの領域検知片3325を備えているため、複数の領域特定センサ3330による領域検知片3325の検知の組合せにより、裏下中回転装飾体3310の回転を検知することができると共に、裏下中回転装飾体3310が次の停止位置へ回転するまでの間でも、全ての領域特定センサ3330が非検知となることはないため、裏下中回転装飾体3310の現在位置を大まかに把握することができる。
そして、裏下中回転装飾体3310に、夫々の停止位置に対応している複数(ここでは六つ)の位置検知片3326を備えているため、複数の領域特定センサ3330による領域検知片3325の検知により裏下中回転装飾体3310の任意の停止位置への回転を大まかに検知した上で、一つの位置特定センサ3331による位置検知片3326の検知により、停止位置を正確に検知することができ、停止位置のズレを可及的に少なくして複数の停止位置を有する裏下中回転装飾体3310の停止位置を正確に把握することができる。
また、裏下中回転装飾体3310の停止位置を正確に把握することができるため、裏下中回転装飾体3310を任意の停止位置に正確に停止させることができ、停止位置がズレることで遊技者に対して違和感(不快感)を与えてしまうことを防止することが可能となり、裏下中回転装飾体3310による演出(可動演出)を楽しませて興趣の低下を抑制させることができると共に、遊技者に対して不快感を与えない可動体(裏下中回転装飾体3310)の動作を実現可能なパチンコ機1とすることができる。
更に、裏下中回転装飾体3310の停止位置を正確に把握することができるため、裏下中回転装飾体3310の回転速度を速くしても停止位置のズレを抑制することができると共に、裏下中回転装飾体3310を回転するものとすることで、裏下中回転装飾体3310を往復するものとした場合と比較して、裏下中回転装飾体3310の移動速度(回転速度)をより速くすることができる。従って、速く回転する裏下中回転装飾体3310により遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、裏下中回転装飾体3310の回転を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏下中回転装飾体3310を前後方向の軸周りに回転するものとすることで、裏下中回転装飾体3310の回転面が前方の遊技者側を向くこととなり、グルグル回転した後に任意の停止位置で回転停止するルーレットのような演出を遊技者に見せることができるため、所望の停止位置で裏下中回転装飾体3310が回転停止するか否かによって遊技者をドキドキ・ワクワクさせることができ、裏下中回転装飾体3310による可動演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏下中回転装飾体3310の停止位置の数を偶数としているため、任意の停止位置への移動の検知に必要な最小限のセンサ(領域特定センサ3330)の数により対応可能な停止位置の数と、裏下中回転装飾体3310の停止位置との数とが同じとなり、複数のセンサ(領域特定センサ3330及び位置特定センサ3331)による能力(停止位置の把握)を最大限に引き出すことができ、より多くの停止位置を有した裏下中回転装飾体3310により遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
なお、上記の実施形態では、裏ユニット3000の裏下中演出ユニット3300における裏下中回転装飾体3310として、6箇所の停止位置を有したものを示したが、これに限定するものではなく、4箇所〜10箇所の停止位置を有するものとしても良い。
また、上記の実施形態では、複数の停止位置を有する可動体(裏下中回転装飾体3310)として回転するものを示したが、これに限定するものではなく、複数の停止位置を有する可動体として、「周回するもの」、「直線状に移動するもの」、「円弧状に移動するもの」、「曲線状の移動するもの」、等としても良い。
[6.制御構成]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御構成について、図206を参照して説明する。図206は、パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。パチンコ機1の主な制御構成は、図示するように、遊技盤5に取付けられる主制御基板1310及び周辺制御基板1510と、本体枠4に取付けられる払出制御基板633と、から構成されており、夫々の制御が分担されている。主制御基板1310は、遊技動作(遊技の進行)を制御する。周辺制御基板1510は、主制御基板1310からのコマンドに基づいて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部1511と、周辺制御部1511からのコマンドに基づいて演出表示装置1600での演出画像の表示を制御する演出表示制御部1512と、を備えている。払出制御基板633は、遊技球Bの払出し等を制御する払出制御部633aと、ハンドル182の回転操作による遊技球Bの発射を制御する発射制御部633bと、を備えている。
[6−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板1310は、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPUと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポートと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路と、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路と、主制御MPUに内蔵されているRAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチと、を備えている。主制御MPUは、その内蔵されたROMやRAMのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御基板1310の主制御MPUは、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検出する第一始動口センサ3052、ゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2801、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検出する第二始動口センサ2401、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検出する一般入賞口センサ3051、第一大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する第一大入賞口センサ2402、第二大入賞口2006に受入れられた遊技球Bを検知する第二大入賞口センサ2601、アウト口2010に受入れられた遊技球Bを検知するアウト口センサ3053、第一サブアウト口2011に受入れられた遊技球Bを検知する第一サブアウト口センサ2403、第二サブアウト口2012に受入れられた遊技球Bを検知する第二サブアウト口センサ3054、及び遊技領域5a内における不正な磁気を検知する磁気センサ2404,2602,3055、等からの検出信号が夫々主制御I/Oポートを介して入力される。
主制御MPUは、これらの検出信号に基づいて、主制御I/Oポートから主制御ソレノイド駆動回路に制御信号を出力することにより、始動口ソレノイド2415、第一アタッカソレノイド2418、及び第二アタッカソレノイド2612、等に駆動信号を出力したり、主制御I/Oポートから機能表示ユニット1400の状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器、第一特別図柄表示器、第一特別保留数表示器、第二特別図柄表示器、第二特別保留数表示器、ラウンド表示器、等に駆動信号を出力したりする。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ3052、第二始動口センサ2401、ゲートセンサ2801、第一大入賞口センサ2402、第二大入賞口センサ2601、アウト口センサ3053には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ3051、第一サブアウト口センサ2403、及び第二サブアウト口センサ3054には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球Bが、第一始動口2002や第二始動口2004、ゲート部2003、には頻繁に入球又は通過するため、第一始動口センサ3052、第二始動口センサ2401、及びゲートセンサ2801による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ3052、第二始動口センサ2401、及びゲートセンサ2801には、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。
また、遊技者にとって有利となる有利遊技状態(「大当り」遊技、等)が発生すると、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006が開放されて遊技球Bが頻繁に入球するため、第一大入賞口センサ2402や第二大入賞口センサ2601による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、第一大入賞口センサ2402や第二大入賞口センサ2601にも、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球Bが頻繁に入球しない一般入賞口2001には、一般入賞口センサ3051による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ3051には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
更に、アウト口2010には遊技球Bが頻繁に入球するため、アウト口センサ3053には耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。一方、第一サブアウト口2011及び第二サブアウト口2012には、遊技球Bが頻繁に入球しないため、第一サブアウト口センサ2403及び第二サブアウト口センサ3054には近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPUは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を払出制御基板633に送信したり、この払出制御基板633からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPUは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポートを介して周辺制御基板1510の周辺制御部1511に送信したりする。なお、主制御MPUは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板633からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御部1511に送信する。
主制御基板1310には、詳細な説明は後述するが、基板ユニット620の電源基板630から各種電圧が供給されている。この主制御基板1310に各種電圧を供給する電源基板630は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPUは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報をRAMに記憶することができる。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板1310のRAMクリアスイッチが操作されると、RAMから完全に消去(クリア)される。このRAMクリアスイッチの操作信号(検出信号)は、払出制御基板633にも出力される。
また、主制御基板1310には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板630から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力する。この停電予告信号は、主制御I/Oポートを介して主制御MPUに入力される他に、払出制御基板633等にも出力されている。
[6−2.払出制御基板]
遊技球Bの払出し等を制御する払出制御基板633は、払出しに関する各種制御を行う払出制御部633aと、発射ソレノイド542による発射制御を行うとともに、球送給ソレノイド145による球送給制御を行う発射制御部633bと、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器と、エラーLED表示器に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチと、メンテナンスの際に、球タンク552、タンクレール553、球誘導ユニット570、及び払出装置580内の遊技球Bを、パチンコ機1の外部(上皿201)に排出して、球抜き動作を開始するための球抜スイッチと、を備えている。
[6−2a.払出制御部]
払出制御基板633における払出しに関する各種制御を行う払出制御部633aは、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPUと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポートと、払出制御MPUが正常に動作しているか否かを監視するための外部WDT(外部ウォッチドックタイマ)と、払出装置580の払出モータ584に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路と、払出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路と、を備えている。払出制御MPUには、その内蔵されたROMやRAMのほかに、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御部633aの払出制御MPUは、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを払出制御I/Oポートを介してシリアル方式で受信したり、主制御基板1310からのRAMクリアスイッチの操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポートを介して入力されたりする他に、満タン検知センサ154からの検出信号が入力されたり、球切検知センサ574、払出検知センサ591、及び羽根回転検知センサ590からの検出信号が入力される。
球誘導ユニット570の球切検知センサ574、払出装置580の払出検知センサ591及び羽根回転検知センサ590からの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
また、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する扉枠開放スイッチ、及び外枠2に対する本体枠4の開放を検出する本体枠開放スイッチからの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
また、ファールカバーユニット150の満タン検知センサ154からの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
払出制御MPUは、払出モータ584を駆動するための駆動信号を、払出制御I/Oを介して払出モータ584に出力したり、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器に表示するための信号を、払出制御I/Oポートを介してエラーLED表示器に出力したり、パチンコ機1の状態を示すためのコマンドを、払出制御I/Oポートを介して主制御基板1310にシリアル方式で送信したり、実際に払出した遊技球Bの球数を払出制御I/Oポートを介して外部端子板558に出力したりする。この外部端子板558は、遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ機1が払出した遊技球Bの球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
エラーLED表示器(図示は省略)は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器が表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切検知センサ574からの検出信号に基づいて払出装置580内に遊技球Bがない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、羽根回転検知センサ590からの検出信号に基づいて払出装置580の払出通路580aと払出羽根589との間に遊技球Bがかみ込んで払出羽根589が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、払出検知センサ591からの検出信号に基づいて払出検知センサ591に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ154からの検出信号に基づいてファールカバーユニット150内に貯留された遊技球Bで満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板633からCRユニットまでに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨(具体的には、まだ払出していない遊技球Bの球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
球貸ボタン224からの遊技球Bの球貸要求信号、及び返却ボタン225からのプリペイドカードの返却要求信号は、CRユニットに入力される。CRユニットは、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球Bの球数を指定した信号を、払出制御基板633にシリアル方式で送信し、この信号が払出制御I/Oポートで受信されて払出制御MPUに入力される。またCRユニットは、貸出した遊技球Bの球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度の表示信号を球貸操作ユニット220へ出力し、この信号が球貸操作ユニット220の球貸表示部に入力されて表示される。
[6−2b.発射制御部]
発射制御部633bは、発射ソレノイド542による発射制御と、球送給ソレノイド145による球送給制御と、を行う。発射制御部633bは、詳細に図示は省略するが、発射に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される発射制御入力回路と、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路と、このクロック信号に基づいて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路と、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド542に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路と、発射基準パルスに基づいて球送給ソレノイド145に駆動信号を出力する球送給ソレノイド駆動回路と、を備えている。発射タイミング制御回路は、発振回路からのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球Bが遊技領域5aに向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路に出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送給ソレノイド駆動回路に出力する。
ハンドルユニット180の関係では、ハンドル182に手のひらや指が触れているか否かを検出するハンドルタッチセンサ192、及び遊技者の意志によって遊技球Bの打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する単発ボタン操作センサ194からの検出信号は、発射制御入力回路に入力された後に、発射タイミング制御回路に入力される。またCRユニットとCRユニット接続端子板とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路に入力され、発射タイミング制御回路に入力される。ハンドル182の回転位置に応じて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出す強度を電気的に調節するハンドル回転検知センサ189からの信号は、発射ソレノイド駆動回路に入力され。
この発射ソレノイド駆動回路は、ハンドル回転検知センサ189からの信号に基づいて、ハンドル182の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド542に出力する。一方、球送給ソレノイド駆動回路は、球送基準パルスが入力されたことを契機として、球送給ソレノイド145に一定電流を出力することにより、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球Bを球送給ユニット140内に1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより受入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る。このように、発射ソレノイド駆動回路から発射ソレノイド542に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送給ソレノイド駆動回路から球送給ソレノイド145に出力される駆動電流は一定に制御されている。
なお、払出制御基板633に各種電圧を供給する電源基板630は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタを備えている。このキャパシタにより払出制御MPUは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御基板633のRAMに記憶することができる。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板1310のRAMクリアスイッチが操作されると、払出制御基板633のRAMから完全に消去(クリア)される。
[6−3.周辺制御基板]
周辺制御基板1510は、図206に示すように、主制御基板1310からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部1511と、この周辺制御部1511からの制御データに基づいて、演出表示装置1600の描画制御を行う演出表示制御部1512と、を備えている。
[6−3a.周辺制御部]
周辺制御基板1510における演出制御を行う周辺制御部1511は、詳細な図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPUと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROMと、高音質の演奏を行う音源ICと、この音源ICが参照する音楽、音声、及び効果音等の音情報が記憶されている音ROMと、を備えている。
周辺制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板1310から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤5の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから遊技盤5の各装飾基板に送信したり、遊技盤5に設けられた各種演出ユニットを作動させる駆動モータへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データを遊技盤装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから遊技盤5の駆動モータ或いは駆動ソレノイドに送信したり、扉枠3に設けられた操作リング駆動モータ342、及び操作ボタン昇降駆動モータ367等への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠3の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データを枠装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから扉枠3側に送信したり、演出表示装置1600に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を表示制御部用シリアルI/Oポートから演出表示制御部1512に送信したり、するほかに、音ROMから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源ICに出力したりする。
また、扉枠3に設けられた演出操作ユニット300の押圧検知センサ381、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348からの検知信号は、周辺制御MPUに入力されている。
また周辺制御MPUは、演出表示制御部1512が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が演出表示制御部1512から入力されており、この動作信号に基づいて演出表示制御部1512の動作を監視している。
音源ICは、周辺制御MPUからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROMから音情報を抽出し、扉枠3や本体枠4等に設けられた振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464や、本体枠4の本体枠スピーカ622等から各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れるように制御を行う。なお、周辺制御基板1510が収容された周辺制御基板ボックスから後方へ突出しているボリュームを回転操作することで、音量を調整することができるようになっている。本実施形態では、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622とに、音情報としての音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、2.1chサラウンド信号、或いは、4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができる。
なお、周辺制御部1511は、周辺制御MPUに内蔵された内蔵WDT(ウォッチドックタイマ)のほかに、図示しない、外部WDT(ウォッチドックタイマ)も備えており、周辺制御MPUは、内蔵WDTと外部WDTとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
この周辺制御MPUから演出表示制御部1512に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御MPUから遊技盤5側に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、可動体駆動コマンド等は、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
[6−3b.演出表示制御部]
演出表示制御部1512は、演出表示装置1600の描画制御を行うものである。演出表示制御部1512は、詳細な図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての表示制御MPUと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する表示制御ROMと、演出表示装置1600を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)と、演出表示装置1600に表示される画面の各種データを記憶する画像ROMと、この画像ROMに記憶されている各種データが転送されてコピーされる画像RAMと、を備えている。
この表示制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を内蔵しており、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDPを制御して演出表示装置1600の描画制御を行っている。なお、表示制御MPUは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御部1511に出力する。また表示制御MPUは、VDPから実行中信号が入力されており、この実行中信号の出力が16msごとに停止されたことを契機として、割り込み処理を行っている。
表示制御ROMは、演出表示装置1600に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、演出表示装置1600に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、画像ROMに記憶されている各種データを画像RAMの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って演出表示装置1600に描画される画面データを、前もって、画像ROMから画像RAMの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
表示制御MPUは、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。このように、表示制御MPUは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。
VDPは、表示制御MPUから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて画像RAMからスプライトデータを抽出して演出表示装置1600に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを、演出表示装置1600に出力する。またVDPは、演出表示装置1600が、表示制御MPUからの画面データを受入れないときに、その旨を伝える実行中信号を表示制御MPUに出力する。なお、VDPは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、演出表示装置1600の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを、演出表示装置1600に出力する方式である。
画像ROMには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。画像ROMの容量が大きくなると、つまり、演出表示装置1600に描画するスプライトの数が多くなると、画像ROMのアクセス速度が無視できなくなり、演出表示装置1600に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速い画像RAMに、画像ROMに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、この画像RAMからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態で画像ROMに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、演出表示装置1600に、纏まった単位として表示されるイメージである。例えば、演出表示装置1600に、種々の人物(キャラクタ)を表示させる場合には、夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、演出表示装置1600に複数人の人物を表示させる場合には、複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて演出表示装置1600に描画される。
なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「スプライトキャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのスプライトキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。このように、スプライトキャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
演出表示装置1600は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動される。演出表示装置1600は、演出表示制御部1512から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査として演出表示装置1600の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、演出表示装置1600は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査として演出表示装置1600の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。
[7.遊技内容]
本実施形態のパチンコ機1による遊技内容について、図115及び図130等を参照して説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドルユニット180のハンドル182を遊技者が回転操作することで、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球Bが、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間を通って遊技領域5a内の上部へと打ち込まれて、遊技球Bによる遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打ち込まれた遊技球Bは、その打込強さによってセンター役物2500の左側、或いは、右側の何れかを流下する。なお、遊技球Bの打込強さは、ハンドル182の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができ、連続で一分間に最大100個の遊技球B、つまり、0.6秒間隔で遊技球Bを打込むことができる。
また、遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘Nが遊技パネル1100の前面に植設されており、遊技球Bが障害釘Nに当接することで、遊技球Bの流下速度が抑制されると共に、遊技球Bに様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘Nの他に、遊技球Bの当接により回転する風車Wがサイド左上ユニット2300の上方でセンター役物2500の左方に設けられている。
センター役物2500の上部へ打込まれた遊技球Bは、センター役物2500の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側へ進入すると、複数の障害釘Nに当接しながら、センター役物2500よりも左側の領域を流下することとなる。そして、センター役物2500の左側の領域を流下する遊技球Bが、センター役物2500の周壁部2501に開口しているワープ入口2511に進入すると、ワープ出口2512からステージ2513に供給される。
ステージ2513に供給された遊技球Bは、ステージ2513上を転動して左右に行ったり来たりして、左右方向中央部分から前方へ放出される。ステージ2513の中央の中央放出部2513aから遊技球Bが遊技領域5a内に放出されると、その中央放出部2513aが第一始動口2002の直上に位置していることから、高い確率で第一始動口2002に受入れられる。この第一始動口2002に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、3個)の遊技球Bが、上皿201に払出されると共に、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「中当り」、「小当り」、「確率変動(確変)当り」、「時間短縮(時短)当り」、を発生させる特別抽選結果(第一特別抽選結果)の抽選が行われる。
センター役物2500のステージ2513から遊技領域5a内に放出された遊技球Bは、始動口ユニット2100の第一始動口2002に受入れられる可能性がある。
ところで、センター役物2500の左側へ流下した遊技球Bが、ワープ入口2511に進入しなかった場合、サイド左上ユニット2300の棚部2301や障害釘Nにより左右方向中央側へ寄せられ、サイドユニット2200の一般入賞口2001、或いは、始動口ユニット2100の第一始動口2002等、に受入れられる可能性がある。そして、一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、10個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
一方、遊技領域5a内においてセンター役物2500の上部に打込まれた遊技球Bが、センター役物2500の周壁部2501の最も高くなった部位よりも右側に進入すると、センター役物2500の案内通路群2520の第一案内通路2521又は第二案内通路2522の何れかを通って、ゲート部2003の上方に放出され、案内通路群2520とゲート部2003との間に植設されている複数の障害釘Nに当接した上で、ある程度の確率でゲート部2003を通過する。
センター役物2500の案内通路群2520は、衝止部1006の近傍に入口が開口している第一案内通路2521と、第一案内通路2521の入口から左方へ間隔をあけて入口が開口している第二案内通路2522と、から構成されている。これにより、衝止部1006に当接する強さで遊技球Bを打込む(所謂、右打ちする)と、第一案内通路2521に進入し、衝止部1006に当接しない強さ(右打ちよりもある程度弱い強さ)で遊技球Bを打込むと、高い確率で第二案内通路2522に進入する。つまり、センター役物2500の上部の右側に打込まれた遊技球Bは、その打込強さに応じて、第一案内通路2521又は第二案内通路2522の何れかを流通する。
本実施形態では、第一案内通路2521よりも第二案内通路2522を流通させた方が、高い確率でゲート部2003を遊技球Bが通過するように構成されている。また、第一案内通路2521よりも第二案内通路2522を流通させた方が、高い確率でゲート部2003及びゲート部2003の左側を通過するように構成されている。
このゲート部2003を遊技球Bが通過してゲートセンサ2801により検知されると、主制御基板1310において普通抽選が行われ、抽選された普通抽選結果が「普通当り」の場合、第一アタッカユニット2400における閉鎖されている第二始動口2004が所定時間(例えば、0.3〜10秒)の間、開状態となり、第二始動口2004への遊技球Bの受入れが可能となる。
本実施形態では、ゲート部2003を遊技球Bが通過することで行われる普通抽選において、普通抽選を開始してから普通抽選結果を示唆するまでにある程度の時間を設定している(例えば、0.01〜60秒、普通変動時間とも称す)。この普通抽選結果の示唆は、遊技盤5の機能表示ユニット1400に表示される。第二始動口2004では、普通変動時間の経過後に開状態となる。
なお、遊技球Bがゲート部2003を通過してから普通抽選結果が示唆されるまでの間に、遊技球Bがゲート部2003を通過すると、普通抽選結果の示唆を開始することができないため、普通抽選結果の示唆の開始を、先の普通抽選結果の示唆が終了するまで保留するようにしている。また、普通抽選結果の保留数は、4つまでを上限とし、それ以上については、ゲート部2003に遊技球Bが通過しても、保留せずに破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
ゲート部2003及びゲート部2003の左側を通った遊技球Bは、ゲート部2003とサイド右中ユニット2700との間に植設されている複数の障害釘Nにより、高い確率でサイド右中ユニット2700の左側を流下し、たまにサイド右中ユニット2700の一般入賞口2001に受入れられたり、まれに第二サブアウト口2012に受入れられたりする。遊技球Bがサイド右中ユニット2700の一般入賞口2001に受入れられると、サイドユニット2200の一般入賞口2001と同様に、所定数の遊技球Bが払出される。一方、遊技球Bが第二サブアウト口2012に受入れられると、第二大入賞口2006、第二始動口2004や第一大入賞口2005に受入れられる機会もなく、遊技領域5a外へ排出される。
また、ゲート部2003の右側を通った遊技球Bは、サイド右中ユニット2700の第二サブアウト口2012に受入れられ、サイド右中ユニット2700の一般入賞口2001、第二大入賞口2006、第二始動口2004や第一大入賞口2005に受入れられる機会もなく、遊技領域5a外へ排出される。
このように、案内通路群2520の下流側の第二サブアウト口2012に遊技球Bが受入れられると、当該遊技球Bが遊技領域5a外へ排出されてしまうため、遊技者に対して第二サブアウト口2012に遊技球Bが受けられないような、打込操作を促すことができる。本実施形態では、センター役物2500の案内通路群2520において、第一案内通路2521よりも第二案内通路2522の方が、第二サブアウト口2012の遊技球Bの受入確率が低くなっているため、第二案内通路2522を狙った遊技球Bの打込操作を促すことができる。つまり、遊技球Bが衝止部1006に当接するような「右打ち」よりも、ハンドル182の回転操作に微妙な調整が必要な打込操作を促すことができ、遊技球Bの打込操作をメインとしたパチンコ機1本来の遊技を楽しませることができる。
サイド右中ユニット2700の左側を通った遊技球Bは、サイド右中ユニット2700の左側に植設されている複数の障害釘Nに誘導されて、第二アタッカユニット2600における第二大入賞口2006の左方を通った後に、センター役物2500の右下案内通路2530を介して第一アタッカユニット2400側へ放出される。
この際に、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられて第一特別抽選結果や第二特別抽選結果として「小当り」が抽選されている場合、第二大入賞口2006が所定のパターンで開閉するため、サイド右中ユニット2700の左側を流下した遊技球Bが、高い確率で第二大入賞口2006に受入れられる。第二大入賞口2006が開状態の時に、第二大入賞口2006に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633によって払出装置580から所定数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
第二大入賞口2006の左方を通って第一アタッカユニット2400側へ放出された遊技球Bは、第一棚部2412a、第二始動口扉2414、及び第二棚部2412b、上を左方へ転動した後に、左方へ放出され、更に、第三棚部2412c、第一大入賞口扉2417、及び第四棚部2412d、上を左方へ転動して遊技領域5a内へ放出される。
そして、遊技球Bが第二始動口扉2414上を転動している時に、ゲート部2003での遊技球Bの通過により抽選された普通抽選結果が「普通当り」で、第二始動口扉2414が後退していると、当該遊技球Bが第二始動口2004に遊技球Bが受入れられる。この第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、4個)の遊技球Bが、上皿201に払出されると共に、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「中当り」、「小当り」、「確率変動(確変)当り」、「時間短縮(時短)当り」、を発生させる特別抽選結果(第一特別抽選結果)の抽選が行われる。
また、遊技球Bが第一大入賞口扉2417上を転動している際に、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果)が、有利遊技状態を発生させる特別抽選結果(例えば、「大当り」)の場合、特別変動時間の経過後に、第一大入賞口2005が所定の開閉パターンで遊技球Bの受入れが可能な状態となる。第一大入賞口2005が開状態の時に、第一大入賞口2005に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633によって払出装置580から所定数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。従って、第一大入賞口2005が遊技球Bを受入可能としている時に、第一大入賞口2005に遊技球Bを受入れさせることで、多くの遊技球Bを払出させることができ、遊技者を楽しませることができる。
本実施形態のパチンコ機1は、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「中当り」、「小当り」、「確率変動(確変)当り」、「時間短縮(時短)当り」、を発生させる特別抽選結果の抽選が行われる。そして、抽選された特別抽選結果を、所定時間(例えば、0.1〜360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆する。なお、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される特別抽選結果には、「ハズレ」、「小当り」、「2R大当り」、「5R大当り」、「15R大当り」、「確変(確率変更)当り」、「時短(時間短縮)当り」、「確変時短当り」、「確変時短無し当り」、「第二大当り」、等がある。
特別抽選結果が「小当り」の場合、第二大入賞口2006が、所定短時間(例えば、0.2秒〜0.6秒の間)の間、遊技球Bを受入可能な開状態となってから閉鎖する開閉パターンを複数回(例えば、2回)繰返す。一方、特別抽選結果が「大当り」の場合、第一大入賞口2005が、遊技球Bを受入可能な開状態となった後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、第一大入賞口2005への所定個数(例えば、10個)の遊技球Bの受入れ、の何れかの条件が充足すると、遊技球Bを受入不能な閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返す。例えば、「2R大当り」であれば2ラウンド、「5R大当り」であれば5ラウンド、「15R大当り」であれば15ラウンド、夫々繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる。
なお、「大当り」では、大当り遊技の終了後に、「大当り」等の特別抽選結果が抽選される確率を変更(「確変当り」)したり、特別抽選結果を示唆する演出画像の表示時間を変更(「時短当り」)したりする「当り」がある。
特別抽選結果(例えば、第二特別抽選結果)が「第二大当り」の場合、第一大入賞口2005が、所定のパターンで遊技球Bを受入可能とした後に、有利遊技状態としてST(スペシャル・タイム)を発生させる。このSTとは、予め決められた特定の変動回数の間、確変や時短の状態を維持するものである。
本実施形態では、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより特別抽選の開始から抽選された特別抽選結果が示唆されるまでの間に、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、特別抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された特別抽選結果の示唆が完了するまで、特別抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される特別抽選結果の保留数は、第一始動口2002及び第二始動口2004に対して、夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられても特別抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
この特別抽選結果の示唆は、機能表示ユニット1400と演出表示装置1600とで行われる。機能表示ユニット1400では、主制御基板1310によって直接制御されて特別抽選結果の示唆が行われる。機能表示ユニット1400での特別抽選結果の示唆は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって特別抽選結果を示唆する。
一方、演出表示装置1600では、主制御基板1310からの制御信号に基づいて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され演出画像として特別抽選結果の示唆が行われる。演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する演出画像は、複数の絵柄からなる絵柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各絵柄列を変動させ、変動表示されている絵柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの絵柄列の絵柄が、特別抽選結果と対応した組合せとなるように夫々の絵柄列が停止表示される。特別抽選結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの絵柄列が停止して各絵柄が停止表示された後に、特別抽選結果を示唆する確定画像が演出表示装置1600に表示されて、抽選された特別抽選結果に応じた有利遊技状態(例えば、「小当り」遊技、「大当り」遊技、等)が発生する。
なお、機能表示ユニット1400での特別抽選結果を示唆する時間(LEDの点滅時間(変動時間))と、演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する時間(絵柄列が変動して確定画像が表示されるまでの時間)とは、異なっており、機能表示ユニット1400の方が長い時間に設定されている。
また、周辺制御基板1510では、演出表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別抽選結果に応じて、扉枠3における演出操作ユニット300における演出操作部301の回転操作部302や押圧操作部303を操作させる遊技者参加型演出を行うことができる。遊技者参加型演出では、操作リング駆動モータ342により回転操作部302を回転させたり、振動させたり、回転操作をアシストしたり、回転操作を阻害したりすることができると共に、操作ボタン昇降駆動モータ367により押圧操作部303を上昇させて目立たせることができ、演出操作部301の操作により遊技者参加型演出を楽しませることができる。
また、周辺制御基板1510では、扉枠3に備えられている各装飾基板や、遊技盤5に備えられている各装飾基板、演出表示装置1600、及び裏ユニット3000の裏後演出ユニット3100、裏下左演出ユニット3200、裏下右演出ユニット3250、裏下中演出ユニット3300、裏上演出ユニット3400、裏後左演出ユニット3500、裏後右演出ユニット3600、裏前左演出ユニット3700、及び裏前右演出ユニット3800、等を適宜用いて、発光演出や表示演出等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、周辺制御基板1510では、回転操作部302や押圧操作部303を操作する遊技者参加型演出において、遊技者が操作すべき操作を間違えたり、行わなかったりした時に、正しい操作を行わせるように遊技者にその旨を告知する。具体的には、例えば、中央押圧操作部303aの押圧操作が要求されている時に、外周押圧操作部303bを押圧操作したり、回転操作部302を回転操作した場合、振動スピーカ354により振動させたり演出表示装置1600にその旨を表示させたりする。
[8.自立補助部材]
続いて、本パチンコ機1における自立補助部材7について、主に図207を参照して説明する。図207は、自立補助部材と共に示すパチンコ機の右側面図である。パチンコ機1の自立補助部材7は、扉枠3における皿ユニット200の下面と、パチンコ機1が設置される遊技ホールにおける島設備の膳板8との間に装着され、パチンコ機1を島設備に設置する(取付ける)際に、パチンコ機1の自立を補助して転倒することを防止するものである。この自立補助部材7は、ブロック状に形成されている。また、自立補助部材7は、硬質の発泡樹脂、プラスチック、段ボール紙、木材、パルプモウルド、等の少なくとも一つを用いて形成されている。
本実施形態のパチンコ機1は、詳細な図示は省略するが、扉枠3における皿ユニット200の下面に、自立補助部材7を取付けるための装着部が設けられている。一方、自立補助部材7には、皿ユニット200の装着部に装着される被装着部が設けられている。本実施形態では、皿ユニット200に装着部として、前後に延びた溝が設けられていると共に、自立補助部材7に被装着部として、皿ユニット200の溝内に挿入される突条が設けられている。これにより、皿ユニット200に対して自立補助部材7を前後方向へスライドさせて、皿ユニット200の装着部に、自立補助部材7の被装着部を挿入することで、皿ユニット200に自立補助部材7を取付ける(装着する)ことができる。これにより、扉枠3の皿ユニット200に自立補助部材7を取付けた状態で、パチンコ機1を島設備に取付けた時に、自立補助部材7を前方へスライドさせることで、簡単に取外すことができる。また、島設備に取り付けられたパチンコ機1を取外す時に、自立補助部材7を取外した時とは逆方向へスライドさせることで、簡単に取付けることができる。
なお、皿ユニット200の装着部と自立補助部材7の被装着部との取付け(装着)としては、上記のものに限定するものではなく、「孔への突起の挿入によるもの」、「爪の係止によるもの」、「磁石による磁着によるもの」、「面ファスナーによるもの」、「吸着盤によるもの」、「剥離可能な粘着材によるもの」、等としても良い。また、皿ユニット200における装着部を設ける位置としては、上記のような皿ユニット200の下面に限定するものではなく、「内部」、「少なくとも左右一方の側面」、「前面」、等としても良い。
この自立補助部材7は、パチンコ機1を島設備に設置した後には、皿ユニット200の装着部から取外して、遊技ホール側において保管し、本パチンコ機1を島設備から取外す際に、再び皿ユニット200に装着して使用する。なお、自立補助部材7は、メーカー側から遊技ホール側へパチンコ機1を出荷する際に、予め皿ユニット200に取付けておいても良いし、設置作業の時に取付けても良い。
本実施形態のパチンコ機1によれば、扉枠3には、前方へ大きく突出している皿ユニット200、扉枠右サイドユニット410、及び扉枠トップユニット450を有していることから、前方へ倒れ易くなっているが、皿ユニット200の下側の装着部に自立補助部材7を装着することで、パチンコ機1の自立を補助して、前方へ倒れることを防止することができる。これにより、パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置する際に、皿ユニット200の装着部に自立補助部材7を装着しておくことで、皿ユニット200と島設備の膳板8との間に位置している自立補助部材7により、パチンコ機1が前方へ転倒することを防止することができるため、パチンコ機1の島設備への設置する時に、パチンコ機1が転倒しないように抑えておく必要が無く、設置作業にかかる手間が容易なパチンコ機1となっている。
また、皿ユニット200の装着部に自立補助部材7を装着することで、パチンコ機1の転倒を防止することができるため、転倒によるパチンコ機1の破損を回避させることができ、遊技ホールやメーカー側の負担を軽減させることが可能なパチンコ機1となっている。
更に、扉枠3の皿ユニット200に自立補助部材7を取付けるための装着部を設けていることから、皿ユニット200の装着部に自立補助部材7を取付けることで、パチンコ機1の自立を補助して前方へ転倒することを防止することができるため、扉枠3に設けられる演出装置や装飾部材等を、より大きくしたり、より前方へ突出させたりすることが可能となり、これまでのパチンコ機とは外観が大きく異なるパチンコ機を構成し易くすることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1を提供することができる。従って、本パチンコ機1では、扉枠3において、皿ユニット200等を大きく前方へ突出させており、訴求力の高いパチンコ機1となっている。
なお、上記の実施形態では、自立補助部材7を前後方向へスライドさせることで、皿ユニット200の装着部から着脱できるものを示したが、これに限定するものではなく、自立補助部材7を扉枠3の皿ユニット200に対して、左右方向へスライドさせることで、着脱できるようにしても良い。
また、自立補助部材7を、扉枠3(皿ユニット200)の装着部に対して着脱可能とした上で、扉枠3に着脱可能に設けた機能部材(例えば、上皿201又は下皿202、扉枠左サイドユニット400、扉枠右サイドユニット410、扉枠トップユニット450、等)と兼用するようしても良い。これにより、パチンコ機1を島設備に取付けたり島設備から取外したりする時には、扉枠3から取外された機能部材を、自立補助部材7として扉枠3の皿ユニット200に取付けて、パチンコ機1が安定した状態で自立できるようにする。一方、パチンコ機1が島設備に取付けられている状態では、扉枠3の皿ユニット200から取外した自立補助部材7を、機能部材として扉枠3に取付けることで、パチンコ機1の一部を構成する機能部材として機能させることができる。具体的には、例えば、自立補助部材7と兼用する機能部材として扉枠3における扉窓101aの左側から前方へ膨出している扉枠左サイドユニット400とした場合、扉枠3から取外した扉枠左サイドユニット400を皿ユニット200の下側に取付けることで自立補助部材7として機能させることができ、皿ユニット200の下側から取外して扉窓101aの左側に取付けることで機能部材として機能させることができる。このようなことから、自立補助部材7を着脱可能とした時に、取外した自立補助部材7を別途に保管しておく必要が無く、取外された自立補助部材7が紛失しないように管理する手間をなくすことができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
或いは、自立補助部材7を、扉枠3(皿ユニット200)に対して着脱可能とした上で、本体枠4に着脱可能に設けた機能部材(例えば、「基板を覆う基板カバー」、「配線を保持する配線保持部材」、「演出表示装置や可動装飾体等の後方を保護する保護カバー」、「遊技媒体が貯留される貯留タンク」、「遊技媒体が流通する誘導部材」、等)と兼用するようにしても良い。これにより、パチンコ機1を島設備に取付けたり島設備から取外したりする時には、本体枠4から取外された自立補助部材7を扉枠3(皿ユニット200)に取付けて、パチンコ機1が安定した状態で自立できるようにする。一方、パチンコ機1が島設備に取付けられている状態では、扉枠3から取外した自立補助部材7を、本体枠4の所定の部位に取付けることで、パチンコ機1の一部を構成する機能部材として機能させることができる。このようなことから、自立補助部材7を着脱可能とした時に、取外した自立補助部材7を別途に保管しておく必要が無く、取外された自立補助部材7が紛失しないように管理する手間をなくすことができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。なお、自立補助部材7を、本体枠4に設けられている機能部材と兼用するようにした場合、機能部材が本体枠4に取付けられている状態では、着脱可能な機能部材を遊技者が触れることはできないため、遊技者が起因となって機能部材が外れしまうことを回避させることができ、遊技者に不快感を与えることのないパチンコ機1とすることができる。
また、自立補助部材7を、扉枠3や本体枠4に設けられている機能部材と兼用するようにした場合、自立補助部材7を、機能部材と兼用しない場合と比較して、パチンコ機1にかかる部品点数を少なくすることができ、コストの増加を抑制させることができる。
更に、自立補助部材7を、扉枠3の皿ユニット200内に収容可能に設けるようにしても良い。これにより、パチンコ機1を島設備に取付けて自立させる必要の無い時には、自立補助部材7を扉枠3の皿ユニット200内に収容することで、自立補助部材7の存在によりパチンコ機1の見栄えが悪くなったり、自立補助部材7が遊技の邪魔になったりすることを回避させることができる。一方、パチンコ機1を島設備に取付けたり島設備から取外したりする時には、扉枠3の皿ユニット200内に収容されている自立補助部材7を取出して、パチンコ機1が自立できるようにすることで、パチンコ機1の設置作業や取外作業を容易にすることができる。また、この場合、自立補助部材7を取外して別途に保管するようにした場合と比較して、自立補助部材7を保管しておく必要が無く、自立補助部材7が紛失しないように管理する手間をなくすことができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
なお、上記の実施形態では、皿ユニット200の装着部に取付けられる被装着部を有した自立補助部材7を示したが、これに限定するものではなく、被装着部を有していないものとしても良い。
また、皿ユニット200の装着部に対して着脱可能な自立補助部材7を示したが、これに限定するものではなく、自立補助部材7が、皿ユニット200(扉枠3)に内蔵されていて、島設備に設置する際に、自立補助部材7を下方へ突出させて膳板8に当接させるようにしても良い。これにより、パチンコ機1を島設備に設置した後に、自立補助部材7を取外して別途に保管しておく必要が無く、遊技ホール側の管理にかかる手間を軽減させることができる。
[10.主制御基板の制御処理]
次に、主制御基板1310(特に主制御MPU)で実行される制御処理の例について説明する。図208(a)は、当該パチンコ機1に電源が投入されたとき、上記主制御基板1310の主制御MPUによって行われる制御処理の手順を示すフローチャートである。
同図208(a)に示されるように、この実施の形態にかかる主制御基板1310はまず、主制御基板1310のRAMクリアスイッチが操作されていることを条件にステップS1の処理として、各種のレジスタや主制御MPUに内蔵されるRAM(以下主制御内蔵RAMと記載)に格納されているデータを初期化する。RAMクリアスイッチはパチンコ機1の背面側に設けられ、本体枠4が開放されなければ操作できないようになっている。また、RAMクリアスイッチは電源投入から所定期間(例えば1秒)が経過する以前の操作に応じてクリア信号を主制御基板1310に出力し、電源投入時に主制御MPUがクリア信号を入力されていると判断した場合に初期化処理(ステップS1)を実行して各種のレジスタや主制御内蔵RAMに格納されているデータを初期化するようになっている。
なお、図示していないがこの例では、パチンコ機1への電源を遮断するときには遊技の進行状況を示す情報(例えば各種フラグ等)を主制御内蔵RAMに保存するバックアップ処理を実行する。そしてパチンコ機1への電源を投入したときにRAMクリアスイッチが操作されていなければ、初期化処理(ステップS1)を実行することなくバックアップ処理で主制御内蔵RAMに保存された情報を参照し、該情報に応じた状態に復旧させる復旧処理を実行する。また、パチンコ機1への電源投入時にRAMクリアスイッチを操作した場合には、復旧処理を実行することなく初期化処理を実行してパチンコ機1を初期状態に設定するようになっている。また、初期化処理を実行した場合には遊技状態を非時短状態に制御することになる。
次いで、ステップS2の処理として、予め定められた数値範囲内で更新される数である乱数の更新を行う。すなわち、この実施の形態にかかる主制御基板1310では、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)、上記特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)についての抽選処理に供される変動乱数、上記特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチとするか否か(演出を実行するか否か)の抽選処理に供されるリーチ乱数、上記特別乱数に基づいて大当りとすると判定された場合に大当りの種類を決定するための抽選処理に供される図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)、上記第二始動口2004の開放契機となる当りの当落にかかる抽選処理に供される乱数(普通乱数))等々、といった乱数を保持する乱数カウンタを備えている。
なお、本例では第一特別図柄と第二特別図柄とで共通のリーチ乱数を用いるように、すなわち第一始動口2002に始動入賞した場合であっても、第二始動口2004に始動入賞した場合であっても、リーチ乱数を更新する同一のカウンタからリーチ乱数を取得するように構成しているが、リーチ乱数を更新する乱数の範囲が異なるカウンタから取得することによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよいし、取得したリーチ乱数と比較するリーチ判定テーブルとして第一特別図柄に対応する第一リーチ判定テーブルと、第二特別図柄と対応し、第一リーチ判定テーブルとは異なる判定値が設定される第二リーチ判定テーブルとを備えることによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよい。
このステップS2の処理では、これら乱数のうちの当落に関わらない乱数(変動乱数)のみが更新されるかたちで当該乱数カウンタのカウンタ操作が行われることとなる。なお、こうしてステップS1及びS2の処理が行われた後は、上記ステップS2の処理のみが基本的に繰り返し行われる。ただし、この実施の形態では、例えば4mS毎に以下のタイマ割込制御が行われる。
図208(b)は、上記主制御基板1310の主制御MPUによって定期的に行われるタイマ割込制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図208(b)に示されるように、この割込制御ではまず、ステップS11の処理として、レジスタの退避処理が行われる。次いで、ステップS12の処理として、上記ゲートセンサ2801、上記第一始動口センサ3052、上記第二始動口センサ2401、第一大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する第一カウントセンサ、第二大入賞口2006に受入れられた遊技球Bを検知する第二カウントセンサ、上記一般入賞口センサ3001、各種磁気センサなど、各種のセンサからの検出信号が入力される。そして次に、ステップS13の処理として、上記乱数を発生させる乱数カウンタの値を更新するための乱数更新処理が行われる。なお、このステップS13の処理では、上記乱数のうち、上記特別図柄及び上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(特別乱数、普通乱数)が更新されるかたちで上記乱数カウンタのカウンタ操作が行われる。
そして、こうして乱数の更新が行われた後、当該主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS14の処理として、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む特別図柄プロセス処理を実行する。なお、この特別図柄プロセス処理については後述するが、ここでは、基本的に、上記主制御内蔵RAMに格納されている遊技の進行状況を示す特別図柄プロセスフラグ(第一特別図柄プロセスフラグ、第二特別図柄プロセスフラグ)に基づいて該当する処理が選択的に実行されることとなる。
そして次に、同主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS15の処理として、上記第二始動口2004の開放契機となる当りの当落にかかる抽選処理を含む普通図柄プロセス処理を実行する。なお、この普通図柄プロセス処理でも、基本的に、遊技の進行状況を示す普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択的に実行されることとなる。
また、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)及び普通図柄プロセス処理(ステップS15)が行われると、上記主制御基板1310の主制御MPUは、次にステップS16の処理として、同特別図柄プロセス処理にて主制御内蔵RAMの所定の領域に設定されたコマンドを上記周辺制御基板1510などに送信する処理を行う。次いで、ステップS17の処理として、上記普通図柄プロセス処理にて同じく主制御内蔵RAMの所定の領域に設定されたコマンドを例えば上記周辺制御基板1510などに送信する処理を行う。
また、同主制御基板1310の主制御MPUは、次にステップS18の処理として、例えばホール管理用コンピュータに供給される当り情報などのデータを出力する情報出力処理を行う。
そして次に、同主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS19の処理として、上記第一始動口センサ3052、上記第二始動口センサ2401、上記第一カウントセンサ、上記第二カウントセンサ、上記一般入賞口センサ3051などの検出信号がオン状態にあるときは、それら信号に応じた賞球が遊技者に払い出されるよう上記払出制御基板633に払出制御コマンドを出力する賞球処理を実行する。これにより、上記払出制御基板633に搭載される払出制御MPUは、払出モータ584に駆動信号を出力し、遊技者に賞球を払い出すようになる。本例では上記第一始動口2002に遊技球Bが入賞して上記第一始動口センサ3052がオン状態になると「3球」、上記第二始動口2004に遊技球Bが入賞して上記第二始動口センサ2401がオン状態になると「1球」、上記第一大入賞口2005に遊技球Bが入賞して第一カウントセンサがオン状態になると「15球」、上記第二大入賞口2006に遊技球Bが入賞して第二カウントセンサがオン状態になると「15球」、上記一般入賞口2001に遊技球Bが入賞して一般入賞口センサ3051がオン状態になった場合には「8球」の賞球をそれぞれ遊技者に払い出すようになっている。
また、同主制御基板1310の主制御MPUは、次にステップS20の処理として、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する。次いで、ステップS21の処理として、パチンコ機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。そしてその後、常時動作するアクチュエータの駆動制御を行うとともに(ステップS22)、上記レジスタの内容を復帰させ(ステップS23)、割込許可状態に設定した時点で(ステップS24)、この制御が終了することとなる。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4mS毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマによる割込処理によって遊技制御処理を実行することとしたが、当該割込処理では例えば割り込みが発生したことを示すフラグのセットのみを行うようにしてもよい。ただしこの場合、遊技制御処理をメイン処理にて実行することとなる。
図209は、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS13)、同図209に示されるように、この主制御基板1310の主制御MPUはまず、上記第一始動口センサ3052による検出信号がオン状態(第一始動口2002への入球あり)にあることを条件に(ステップS31)、第一特別図柄の第一特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれを主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS32)。また、上記第二始動口センサ2401による検出信号がオン状態(第二始動口2004への入球あり)にあることを条件に(ステップS33)、第二特別図柄の第二特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれを主制御内蔵RAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS34)。
次いで、主制御MPUは大当り遊技に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS35)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技の制御を行う大当り制御処理(ステップS40)を実行する。なお、大当り制御処理では、第一特別図柄又は第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果(当り判定の結果と大当り種別の内容)が「15R大当り」を示唆する態様となったときに、第一大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを15回繰り返す15R大当り遊技に制御する処理を実行する。
また、大当り制御処理では、このような第一大入賞口2005の開放制御を行った後、時短フラグのセット処理を実行する。時短フラグは、時短制御(時短状態で実行される制御)の実行中であることを示すフラグであり、大当り遊技終了後に時短制御する大当りに基づく大当り遊技を終了するときにセットされ、後述する図220に示す第一特別図柄停止処理又は後述する第二特別図柄プロセス処理の第二特別図柄停止処理でリセットされる。本例のパチンコ機1では第一特別図柄の変動表示を5回実行したか又は第二特別図柄の変動表示を1回実行したときに時短制御を終了するように時短回数が設定されている。即ち、大当り遊技終了後に時短制御を開始し、第一特別図柄の変動表示を5回実行するか、又は第二特別図柄の変動表示を1回実行するかのいずれかの条件が成立したときに時短制御を終了するようになっている。
また、主制御MPUは大当り実行中フラグがセットされていなければ、小当り遊技に制御している旨を示す小当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS36)、小当り実行中フラグがセットされていれば、小当り遊技の制御を行う小当り制御処理(ステップS41)を実行する。なお、小当り制御処理では、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「小当り」を示唆する態様となったときに、後述する第二大入賞口2006の開放パターンA又は開放パターンBに基づいて第二大入賞口2006を開放した後又は第二大入賞口2006に遊技球Bが10個入賞したことが上記第二カウントセンサで検出されたときに閉鎖させる処理を実行する。また、第二大入賞口2006内に入賞して振分部材によって振り分けられた遊技球Bが特定領域に進入した場合には大当り遊技に制御して第一大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを15回繰り返す15R大当り遊技に移行制御する。一方、第一大入賞口2005内に入賞して振分部材によって振り分けられた遊技球Bが特定領域に進入することなく、排出領域に進入した場合には大当り遊技に制御されることなく、小当り遊技の終了後に再び小当り遊技前の遊技状態(通常状態又は時短状態)に制御される。
また、主制御MPUは大当り実行中フラグと小当り実行中フラグとのいずれもセットされていなければ第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS37)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行し(ステップS38)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でないことを条件に(ステップS37)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS39)。
図210は、上記第一始動口通過処理(ステップS32)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS31の処理において、上記第一始動口センサ3052がオン状態にあり、上記第一始動口2002への遊技球Bの入球があったと判断されたとすると、同図210に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS41の処理として、まず、上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPUは、第一特別図柄保留記憶領域に記憶される第一特別乱数の個数を示す第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第一保留記憶数がその最大値(上限値)である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS42)。このステップS42の処理において、上記第一保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS43〜S45の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS43の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS44の処理として、上記ステップS41で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納する。
また、主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS41で取得した上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数に基づいて、第一特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別(変動パターンの種別)などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に判定する演出事前判定処理を実行した後(ステップS45)、処理を終了する。
一方、上記ステップS42の処理において、上記第一保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS43〜ステップS45の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、第一始動口2002へ遊技球Bが入球したことに基づいて第一保留記憶数が変化すると機能表示ユニット1400における第一特別保留数表示器の二つのLEDの点灯状態を第一保留記憶数に対応するように更新するとともに、上記記憶処理(ステップS20)にて第一保留記憶数を指示するコマンド(第一保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板1510に送信するようになっている。なお、周辺制御基板1510の周辺制御MPUは第一保留数指定コマンド0〜4を受信したことに基づいて第一保留記憶数を演出表示装置1600に表示するようになっている。
図211は、上記演出事前判定処理(ステップS45)についてその手順を示すフローチャートである。主制御基板1310の主制御MPUは、演出事前判定処理を開始すると、図示しない事前判定テーブルと上記ステップS41で取得した乱数、具体的には第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数とを比較することにより大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別、を特定する(ステップS61)。
そして、特定した事前判定情報(大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別など)と、取得した特別乱数の種別(第一特別乱数)と、取得した特別乱数に対応して記憶される保留記憶数(保留数カウンタの値)と、に応じた事前判定コマンドをセットする。例えば、第一始動口通過処理のステップS45で実行される第一特別図柄に関する演出事前判定処理では、特定した事前判定情報と、第一特別乱数を取得したことと、第一保留記憶数(第一特別保留数カウンタの値)と、に応じた第一特別図柄事前判定コマンドをセットする(ステップS62)。
そして、上記特別図柄コマンド制御処理(ステップS16)で主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前判定コマンドが送信されることにより、始動入賞が発生した第一始動口2002に対応して記憶される保留記憶数に加え、発生した始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUが把握できるようになる。
なお、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUは主制御基板1310から事前判定コマンドを受信すると、受信した事前判定コマンドによって示される事前判定情報を記憶するようになっている。具体的には、周辺制御MPUの周辺制御RAMには、第一特別図柄の変動表示に関する事前判定情報を記憶する第一保留記憶領域が設けられている。
また、第一保留記憶領域は保留記憶数に対応する1〜4の記憶領域を有しており、周辺制御MPUは受信した事前判定コマンドによって示される事前判定情報を1番目(最先)の記憶領域から順に格納する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に事前判定情報が格納されている場合に事前判定コマンドを受信するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に通知された事前判定情報を格納し、第一特別図柄の変動表示開始を通知する第一変動パターンコマンドを受信すると受信した第一変動パターンコマンドに応じて第一保留記憶領域の1番目の記憶領域に格納されている事前判定情報を破棄してN番目(N=2〜4)の記憶領域に格納されている事前判定情報をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる(保留記憶領域に格納されている事前判定情報をシフトする)。これにより、上記第一特別図柄の事前判定情報が、変動表示開始の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の事前判定情報から順に破棄されるようになる。
このように変動表示制御が保留の状態とされた時点では、その変動表示制御を未実行の状態(保留状態)にて維持するにもかかわらず、その変動表示制御の大当り期待度(疑似当選確率)についてはこれを先行して、例えば、その保留表示の新規出力時や保留消化に応じた保留表示のシフト表示時などの予め定められたタイミングにて報知することが可能とされるようになる。
図212は、上記第二始動口通過処理(ステップS34)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS33の処理において、上記第二始動口センサ2401がオン状態にあり、上記第二始動口2004への遊技球Bの入球があったと判断されたとすると、同図212に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS51の処理として、まず、上記第二特別乱数、上記リーチ乱数、上記第二図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第二保留記憶数がその最大値(上限値)である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS52)。このステップS52の処理において、上記第二保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS53〜S54の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS53の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS54の処理として、上記ステップS51で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納する。
一方、上記ステップS52の処理において、上記第二保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS53〜ステップS54の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、第二始動口2004へ遊技球Bが入球したことに基づいて第二保留記憶数が変化すると機能表示ユニット1400における第二特別保留数表示器の二つのLEDの点灯状態を第二保留記憶数に対応するように更新するとともに、上記記憶処理(ステップS20)にて第二保留記憶数を指示するコマンド(第二保留数指定コマンド0〜1)をセットして周辺制御基板4140に送信するようになっている。なお、周辺制御基板1510の周辺制御MPUは第二保留数指定コマンド0〜4を受信したことに基づいて第二保留記憶数を演出表示装置1600に表示するようになっている。
図213は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS38)についてその手順を示すフローチャートである。なお、特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理と特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理とは同様のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、ここでは特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理についてのみ説明する。第一特別図柄プロセス処理では、後述するインターバルタイマがタイムアウトしていることを条件に(ステップS85でYES)、上記第一特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理のうち1つを選択的に実行することとなる。なお、インターバルタイマがタイムアウトしていない場合には(ステップS85でNO)、以下のプロセスを実行することなく処理を終了する。
1.主制御内蔵RAMに格納されている第一特別乱数を読み出し、読み出した第一特別乱数に基づいて上記第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS80)
2.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて第一特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)
3.変動乱数に基づいて機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記演出表示装置1600に第一特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第一変動パターン設定処理(ステップS82)
4.機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS83)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動制御停止時の態様が機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS84)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグは、上記ステップS1の処理(図208参照)において、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図214は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図214に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS101の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS102の処理として、上記主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同主制御内蔵RAMから読み出す。そして次に、ステップS103及びS104の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は4つの記憶領域(第一特別図柄保留記憶領域a〜第一特別図柄保留記憶領域d)を有し、第一始動口2002への始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS105の処理として、上記読み出された第一特別図柄の第一特別乱数に基づいて上記大当りや小当りの当落についての抽選処理である当り判定処理を行う。その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS106)、この処理を終了する。
図215は、上記当り判定処理(ステップS105)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、図216(A)に示す当り判定テーブルと特別乱数(第一特別図柄通常処理を実行している場合にはステップS102で読み出した第一特別乱数、第二特別図柄通常処理を実行している場合には当該第二特別図柄通常処理で読みだした第二特別乱数)とを比較する(ステップS114)。
図216(A)に示すように当り判定テーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶され、特別乱数の種類毎(第一特別乱数、第二特別乱数)に備えている。そして、第一特別乱数と比較するために参照される当り判定テーブルでは、2種類の第一特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、大当り判定値とは異なる3種類の第一特別乱数が小当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、265種類の第一特別乱数が上記ハズレであることを示すハズレ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている(大当り確率;135分の1、小当り確率;270分の3)。また、本例では特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される当り判定テーブルでは、2種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、大当り判定値とは異なる113種類の第二特別乱数が小当りに当選したことを示す小当り判定値と一致し、155種類の第二特別乱数が上記ハズレであることを示すハズレ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている(大当り確率;135分の1、小当り確率;270分の113)。即ち、第一特別乱数と比較するために参照される当り判定テーブルに比べて第二特別乱数と比較するために参照される判定テーブルでは、小当りと判定される確率が高くなるように構成され、第一始動口2002への始動入賞に基づく第一特別図柄の変動表示が実行された場合よりも第二始動口2004への始動入賞に基づく第二特別図柄の変動表示が実行された場合の方が遊技者に有利な状態とされるようになっている。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記当り判定テーブルと特別乱数(第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数、または第二特別図柄通常処理で読みだした第二特別乱数)との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS115)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットし(ステップS116)、当り判定処理を終了する。
また、選択した当り判定テーブルと特別乱数(第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数、または第二特別図柄通常処理で読みだした第二特別乱数)との比較の結果、小当りとすると判定した場合には(ステップS117)、当該変動が小当りに当選していることを示す小当りフラグをセットし(ステップS118)、当り判定処理を終了する。
一方、大当りと小当りとのいずれにも当選していない場合、即ちハズレとすると判定した場合には、リーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数とを比較する(ステップS119)。
図示しないリーチ判定テーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶され、遊技状態が時短状態時の場合に使用する時短状態時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が非時短状態時の場合に使用する非時短状態時のリーチ判定テーブルと、を備えている。そして、時短状態時のリーチ判定テーブルでは、1種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、71種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、非時短状態時のリーチ判定テーブルでは、時短状態時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ乱数と同一のリーチ乱数を含む5種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、67種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、非時短状態時では、リーチすることを示すリーチ判定値が時短状態時よりも高められる。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、選択したリーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数との比較の結果(ステップS119)、リーチハズレとすると判定した場合には(ステップS120)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットして処理を終了する(ステップS121)。
図217は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図217に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記当り判定処理(ステップS105)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグがセットされているか否か(ステップS131)を判別することにより行う。
主制御MPUは、ステップS131で大当りフラグがセットされていれば、図216(B)に示す大当り図柄決定テーブルを選択して、第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一図柄乱数と選択した大当り図柄決定テーブルとを比較することにより第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)としての大当り図柄を決定する(ステップS132)。
図216(B)に示すように大当り図柄決定テーブルには、判定結果(14R時短大当り、5R時短大当り)に応じて各々図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。主制御基板1310の主制御MPUでは、取得した図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。
具体的には、
1.第一大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを14回(14ラウンド)繰り返すことで遊技球Bが第一大入賞口2005に入球可能(容易)な14R大当り遊技に制御し、大当り遊技の終了後に、特別図柄の図柄変動が100回実行されるまでの間に次回の大当り遊技が発生しなければ状態終了される時短状態Aに制御する14R時短大当りA
2.第一大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサで検出されたときに閉鎖させ(1ラウンド)、その後に第二大入賞口2006を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第二大入賞口2006に遊技球Bが10個入賞したことが上記第二カウントセンサで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを4回(4ラウンド)繰り返すことで遊技球Bが第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006に入球可能(容易)な5R大当り遊技に制御し、大当り遊技の終了後に、第一特別図柄の変動表示が5回実行されるか、又は第二特別図柄の変動表示が1回実行されるまでの間に次回の大当り遊技が発生しなければ状態終了される時短状態Bに制御する5R時短大当りA
3.第二大入賞口2006を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第二大入賞口2006に遊技球Bが10個入賞したことが上記第二カウントセンサで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを14回(14ラウンド)繰り返すことで遊技球Bが第二大入賞口2006に入球可能(容易)な14R大当り遊技に制御し、大当り遊技の終了後に、特別図柄の図柄変動が100回実行されるまでの間に次回の大当り遊技が発生しなければ状態終了される時短状態Aに制御する14R時短大当りB
4.第一大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサで検出されたときに閉鎖させ(1ラウンド)、その後に第二大入賞口2006を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第二大入賞口2006に遊技球Bが10個入賞したことが上記第二カウントセンサで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを4回(4ラウンド)繰り返すことで遊技球Bが第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006に入球可能(容易)な5R大当り遊技に制御し、大当り遊技の終了後に、第一特別図柄の変動表示が5回実行されるか、又は第二特別図柄の変動表示が1回実行されるまでの間に次回の大当り遊技が発生しなければ状態終了される時短状態Bに制御する5R時短大当りB
なお、第一図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルは、14R時短大当りAとなる場合に6個の判定値が振り分けられ、5R時短大当りAとなる場合に94個の判定値が振り分けられている。即ち、第一特別乱数に基づく抽選により大当りとする抽選結果が得られた場合には6%の確率で14R時短大当りAとなり、94%の確率で5R時短大当りAとなる。同様に、第二図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルは、14R時短大当りBとなる場合に58個の判定値が振り分けられ、5R時短大当りBとなる場合に42個の判定値が振り分けられている。即ち、第二特別乱数に基づく抽選により大当りとする抽選結果が得られた場合には58%の確率で14R時短大当りBとなり、42%の確率で5R時短大当りBとなる。このように、本例のパチンコ機1では第一図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルに比べて第二図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルでは、14R時短大当りと判定される確率が高くなるように構成され、第一始動口2002への始動入賞に基づく第一特別図柄の変動表示よりも第二始動口2004への始動入賞に基づく第二特別図柄の変動表示が実行された場合に遊技者に有利な状態となるようになっている。
また、大当りとする抽選結果が得られた場合には大当りの種類に応じて大当り遊技が終了した後の遊技状態が決定される。そして、大当り制御処理(ステップS40)では、大当り遊技の制御を行った後、その決定結果に基づいて時短フラグをセットする処理と大当りの種別に応じた時短回数を時短回数カウンタにセットする処理が実行される。
具体的には、「14R時短大当りA」及び「14R時短大当りB」の大当りが得られた旨を判断したときは、14ラウンド分の大当り遊技が実行された後に、特別図柄(第一特別図柄と第二特別図柄との合算)の図柄変動が100回実行されるまで時短状態に制御され、「5R時短大当りA」及び「5R時短大当りB」の大当りが得られた旨を判断したときは、5ラウンド分の大当り遊技が実行された後に、第一特別図柄の変動表示が5回実行されるまで、又は第二特別図柄の変動表示が1回実行されるまで時短状態に制御される。このように、第一特別乱数に基づく抽選により大当りとする抽選結果が得られた場合に大当り遊技の終了後に必ず時短状態に制御し、同様に第二特別乱数に基づく抽選により大当りとする抽選結果が得られた場合にも大当り遊技の終了後に必ず時短状態に制御するようになっている。ただし、「14R時短大当りA」及び「14R時短大当りB」の大当りが得られた場合には、「5R時短大当りA」及び「5R時短大当りB」の大当りが得られた場合よりも大当り遊技の実行後に長期間に亘って時短状態に制御されるようにしている。
また、14R時短大当りAに決定した場合には第一特別図柄の14R大当り図柄として14R時短大当りA図柄に決定し、5R時短大当りAに決定した場合には第一特別図柄の5R大当り図柄として5R時短大当りA図柄に決定する。また、第二特別図柄停止図柄設定処理で14R時短大当りBに決定した場合には第二特別図柄の14R大当り図柄として14R時短大当りB図柄に決定し、5R時短大当りBに決定した場合には第二特別図柄の5R大当り図柄として5R時短大当りB図柄に決定する。
また、主制御基板1310の主制御MPUは、大当りフラグがセットされていない場合にはハズレ図柄に決定する(ステップS136)。
そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS137の処理として、上記抽選結果(大当りの種類、小当り、リーチハズレ、ハズレのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺制御基板1510に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS138の処理として、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
周辺制御MPUは、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて演出表示装置1600を表示制御する。演出表示装置1600には、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器での第一特別図柄に対応した装飾図柄が変動表示される。具体的には、周辺制御MPUは、装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから大当りを特定した場合には大当り図柄(左・中・右の装飾図柄が[0]〜[8]の同一の図柄の組み合わせ)に決定し、リーチハズレを特定した場合にはリーチを伴ったハズレ図柄(左・右の装飾図柄が[0]〜[8]の同一の図柄の組み合わせであって中装飾図柄が異なる図柄の組み合わせ;リーチハズレ図柄)に決定し、ハズレを特定した場合には、リーチを伴わないハズレ図柄(左・中・右の装飾図柄のうち少なくとも左・右の装飾図柄が異なる図柄となる組合せ)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄を表示制御する。
図218は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図218に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS141)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS132で決定した大当りの種類に応じた大当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS142)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS145)、リーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS146)、大当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のハズレ(リーチ演出を実行しないハズレ)となる場合には、ハズレ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS147)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS148)、決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板1510に通知する変動パターンコマンドをセットして機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS149)。また、主制御MPUは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS150)。これにより、こうして決定された変動時間だけ機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器にて第一特別図柄の変動表示制御が行われるとともに該特別図柄の変動表示に同期して上記演出表示装置1600にて演出制御が行われるようになる。
なお、本例の変動パターンテーブルは、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPUは、特別乱数及び図柄乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較し、上記読み出した変動乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶されている。
また、本例のリーチ時の変動パターンテーブルでは、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動乱数とを比較することにより実行するリーチ演出の態様種別を決定するように設定されている。例えば、241種類の変動乱数のうち164種類の変動乱数がノーマルリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(0〜163)として設定され、59種類の変動乱数が大当り期待度の低いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(164〜222)として設定され、18種類の変動乱数が大当り期待度の高いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(223〜240)として設定される。なお、スーパーリーチ演出とは、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高く、大当り遊技の発生を望む遊技者に対してはスーパーリーチ演出が実行されたときに大当り遊技に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、本例の変動パターンテーブルでは、第一特別乱数に対応する変動時間として非時短状態では13〜60秒が設定され、時短状態では4〜60秒が設定され、同様に第二特別乱数に対応する変動時間として非時短状態では13〜60秒が設定され、時短状態では2〜60秒が設定されている。
第一特別図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS151の処理として、時短状態の継続回数がセットされる時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判断する。そして、このカウンタ値が「0」でなければ、該時短回数カウンタをカウントダウンした後(ステップS152)、同時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かをさらに判断する(ステップS153)。そしてこの結果、同カウンタ値が「0」であれば、上記時短制御を終了することを示す時短終了フラグをセットする(ステップS154)。
上記ステップS151の処理にて時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であると判断された場合、上記ステップS153の処理にて時短回数カウンタが「0」でないと判断された場合には、その時点でステップS155の処理に移行する。そして、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS155)、この処理を終了する。
図219は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図219に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS171の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS82)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そして、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS172)、次にステップS173の処理に移行する。すなわち、このステップS173の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図220は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図220に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS181の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示させるための表示制御を行うとともに、上記演出表示装置1600に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺制御基板1510へのコマンドとしてセットする(ステップS182)。
次いで、主制御基板1310の主制御MPUは、上記時短終了フラグがセットされているときには(ステップS183)、時短終了フラグをリセットするとともに(ステップS184)、時短フラグをリセットする(ステップS185)。これにより特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の所定回数(本例では、100回、1回、5回のいずれか)の変動表示が実行されたときに時短制御を終了させて非時短状態の制御を開始するようになる。
また、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS186)、大当り遊技を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS187)、大当り遊技の開始までの待機時間(大当り遊技を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS188)。なお、図示しないがステップS188では大当りの種類に応じたラウンド数を、ラウンドの残り回数を示す大当り回数カウンタにセットする処理も実行される。大当り回数カウンタは後述する大当り制御処理においてラウンドの実行毎に1ずつ減算され、大当り回数カウンタが「0」になったときに主制御基板1310の主制御MPUが規定ラウンド数を実行したと判断して大当り遊技を終了させるように制御する。具体的には後述する大当り制御処理において大当り回数カウンタが「0」になるまでは大入賞口開放前処理(ステップS91)と大入賞口開放中処理(ステップS92)とを繰り返し実行し、大入賞口開放中処理(ステップS92)でラウンドを終了するときに大当り回数カウンタを1減算して「0」なったことに基づいて大入賞口開放後処理(ステップS93)に移行して大当り遊技を終了させる制御を実行する。
そして、大当り遊技の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットする(ステップS189)。なお、大当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、大当りの種類に応じて個々に用意されている。ステップS187では、大当りの種類(14R時短大当りA、5R時短大当りA)に応じた大当り開始コマンド(14R時短大当りA開始コマンド、5R時短大当りA開始コマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた大当り遊技の演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。また、第二特別図柄プロセス処理の第二特別図柄停止処理では、大当りの種類(14R時短大当りB、5R時短大当りB)に応じた大当り開始コマンド(14R時短大当りB開始コマンド、5R時短大当りB開始コマンド)をセットするようになっている。
また、大当り遊技の実行中であることを示す大当り実行中フラグは、大当り遊技を終了するとき、具体的には大当り制御処理(ステップS40)の大入賞口開放後処理(ステップS93)で大当りの種類に応じた第一大入賞口2005の開閉制御(例えば第一大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを14回又は5回繰り返す開閉制御)を終了したとき(大当り遊技で実行可能な全てのラウンド)にリセットされる。大当り実行中フラグがリセットされることにより特別図柄プロセス処理(ステップS14)のステップS35で大当り制御処理(ステップS40)を実行しないようにされる一方、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器における第一特別図柄の変動表示及び機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器における第二特別図柄の変動表示を実行可能な状態になる。
また、大当りフラグがセットされていない場合に(ステップS186)、上記小当りフラグがセットされていれば(ステップS190)、主制御基板1310の主制御MPUは、小当り遊技を開始することを示す小当り開始コマンドをセットし(ステップS191)、小当り遊技の開始までの待機時間(小当り遊技を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS192)。そして、小当り遊技の実行中であることを示す小当り実行中フラグをセットする(ステップS193)。なお、小当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、小当りの種類に応じて個々に用意されている。ステップS191では、小当りの種類(5R小当りA1、5R小当りA2、14R小当りA))に応じた小当り開始コマンド(5R小当りA1開始コマンド、5R小当りA2開始コマンド、14R小当りA開始コマンド)をセットする。これにより、小当り開始コマンドによって指示された小当りの種類に応じた小当り遊技の演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。また、第二特別図柄プロセス処理の第二特別図柄停止処理では、小当りの種類(5R小当りB1、5R小当りB2、14R小当りB))に応じた小当り開始コマンド(5R小当りB1開始コマンド、5R小当りB2開始コマンド、14R小当りB開始コマンド)をセットするようになっている。
また、小当り遊技の実行中であることを示す小当り実行中フラグは、小当り遊技を終了するとき、具体的には後述する小当り制御処理(ステップS41)の小当り中処理(ステップS401)で小当りの種類に応じた第一大入賞口2005の開閉制御(例えば第一大入賞口2005を開放(例えば1.8秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサで検出されたときに閉鎖させる開閉制御)を終了したときにリセットされる。小当り実行中フラグがリセットされることにより特別図柄プロセス処理(ステップS14)のステップS36で小当り制御処理(ステップS41)を実行しないようにされる一方、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器における第一特別図柄の変動表示及び機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器における第二特別図柄の変動表示を実行可能な状態になる。
また、小当りフラグがセットされていない場合、即ちハズレとなるときには次回の特別図柄の変動表示を開始するまでの待機時間(特別図柄の停止図柄を表示している時間)をインターバルタイマにセットし(ステップS194)、ステップS195に移行する。
上記ステップS186〜ステップS194の処理を実行すると、上記主制御基板1310の主制御MPUは、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS195)、この処理を終了する。
図221は、上記大当り制御処理(ステップS40)についてその手順を示すフローチャートである。大当り制御処理では、大当りプロセスフラグに応じて、以下の3つのプロセス処理のうち1つを選択的に実行することとなる。
1.特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時の態様が大当り図柄となったことに基づいて上記大当り遊技に移行する旨などの遊技者への報知が上記周辺制御基板1510によって行われるまで待機したり、次のラウンドが開始されるまで待機する大入賞口開放前処理(ステップS91)
2.特別図柄の変動表示停止時の態様が大当り図柄となったことに基づいて第一大入賞口2005や第二大入賞口2006を開放状態に制御したり、次のラウンドが開始されることに基づいて第一大入賞口2005や第二大入賞口2006を開放状態に制御し、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005や第二大入賞口2006に遊技球Bが10個入賞したことが上記第一カウントセンサ又は第二カウントセンサで検出されたときに閉鎖させる大入賞口開放中処理(ステップS92)
3.全てのラウンドを終了するときに大当り遊技が終了する旨の遊技者への報知が上記周辺制御基板1510によって行われるまで待機する大入賞口開放後処理(ステップS93)
なお、上記大当りプロセスフラグは、上記ステップS1の処理(図208参照)において、上記大入賞口開放前処理(ステップS91)を行うべき旨を示すよう操作されている。また、上記大入賞口開放中処理(ステップS92)では、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006を開放状態に制御するラウンドの開始時に、そのラウンド数に応じた大当りラウンド開始コマンドをセットし、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006を閉鎖状態に制御するラウンドの終了時に、そのラウンド数に応じた大当りラウンド終了コマンドをセットする。なお、大当りラウンド開始コマンド及び大当りラウンド終了コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、大当りラウンド開始コマンド及び大当りラウンド終了コマンドによって指示されたラウンド数に応じた大当り遊技の演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。
図222は、上記小当り制御処理(ステップS41)についてその手順を示すフローチャートである。小当り処理では、小当りプロセスフラグに応じて、以下の2つのプロセス処理のうち1つを選択的に実行することとなる。
1.小当り遊技を開始するための設定処理を実行する小当り開始処理(ステップS400)
2.小当り遊技中の遊技球Bの入球や開放時間を監視する小当り中処理(ステップS401)
なお、上記小当りプロセスフラグは、上記ステップS1の処理(図208参照)において、上記小当り開始処理(ステップS400)を行うべき旨を示すよう操作されている。また、小当り中処理にて特定領域への遊技球Bの進入が検出されると、大当り実行中フラグをセットするとともに、小当りの種類に応じた大当り遊技で実行可能なラウンド数(5R小当りであれば4ラウンド、14R小当りであれば13ラウンド)を大当り回数カウンタにセットして処理を終了する。これにより、小当り遊技に引き続いて大当り遊技が開始されるようになる。
図223は、上記普通図柄プロセス処理(ステップS15)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS801の処理において、上記ゲートセンサ2801による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったと判断されたとすると、同図223に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS802の処理として、まず、普通図柄の普通乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの普通図柄保留記憶領域に格納するなどのゲート部通過処理を実行する。
次いで、普通図柄プロセス処理では、普通図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行する。
1.主制御MPUのRAMに格納されている普通乱数を読み出し、読み出した普通乱数に基づいて上記普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる普通図柄通常処理(ステップS803)
2.普図変動乱数に基づいて上記機能表示ユニット1400の普通図柄表示器に表示される普通図柄の変動態様(変動時間)についての抽選処理などが行われる普通図柄変動パターン決定処理(ステップS804)
3.機能表示ユニット1400の普通図柄表示器における上記普通図柄の変動表示が停止されるまで待機する普通図柄変動処理(ステップS805)
4.普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された普通図柄の変動制御停止時の態様が上記機能表示ユニット1400の普通図柄表示器に表示されるように上記普通図柄の変動表示を停止させる普通図柄停止処理(ステップS806)
5.普通図柄の変動制御停止時の態様についての抽選処理の結果が「普図当り」を示唆する態様となったとき、上記第二始動口2004への遊技球Bの受入れを可能に制御する処理を実行する普通電動役物開放処理(ステップS807)
なお、上記普通図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図208参照)において、上記普通図柄通常処理(ステップS803)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図224は、上記ゲート部通過処理(ステップS802)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS801の処理において、上記ゲートセンサ2801による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったと判断されたとすると、同図224に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS811の処理として、まず、普通図柄保留記憶領域に記憶される普通乱数の個数を示す普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPUのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて普通図柄の保留記憶数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS811の処理において、上記普通図柄の保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS812〜S814の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS812の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS813の処理として、上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS814の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPUのRAMの記憶領域のうちの上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に対応する普通図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS811の処理において、上記普通図柄の保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS812〜ステップS814の処理を実行しない(上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得しない)ことで、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
なお、ゲート部通過処理(ステップS802)としては、以下に記載する別例のようにしても良い。例えば、いま、上記ゲートセンサ2801による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったと判断されたとすると、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得し、暫定記憶領域に格納する。その後に、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPUのRAMから取得し、このカウンタ値に基づいて普通図柄の保留記憶数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。そして、上記普通図柄の保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、上記普通保留数カウンタをカウントアップ(1加算)し、次いで、先に取得された上記普通乱数、上記普図変動乱数(暫定記憶領域に記憶された上記普通乱数、上記普図変動乱数)を、上記主制御MPUのRAMの記憶領域のうちの上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に対応する普通図柄保留記憶領域に格納する。一方、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPUのRAMから取得した結果、このカウンタ値がその最大値である「4」であると判断された場合(上記普通図柄の保留記憶数がその最大値である場合)には、先に取得された上記普通乱数、上記普図変動乱数を、普通図柄保留記憶領域に格納することなく破棄し、上記取得した普通図柄の変動表示制御は新たに保留されないようにすることとしてもよい。
図225は、上記普通図柄通常処理(ステップS803)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図225に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS821の処理として、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS822の処理として、上記主制御MPUのRAMの普通図柄保留記憶領域に格納されている普通図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、普通乱数、普図変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS823及びS824の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPUのRAMの普通保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(普通乱数、普図変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、普通図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に上記ゲート部2003に遊技球Bが通過するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記普通図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
次いで、上記主制御基板1310の主制御MPUは、図226(A)に示す普図当り判定テーブルとステップS822で読み出した普通乱数とを比較する(ステップS828)。
図226(A)に示す普図当り判定テーブルは、上記主制御MPUのROMに記憶されている。そして、普通乱数と比較するために参照される普図当り判定テーブルでは、10種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致するように上記普通乱数が関連付けされている。即ち、本例では、上記ゲート部2003に遊技球Bが通過した場合において、必ず普図当りに当選するようになっている。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普通乱数との比較の結果、普図当りとすると判定した場合には(ステップS829)、当該変動が普図当りに当選していることを示す普図当りフラグをセットし(ステップS830)、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)として普図当り図柄に決定する(ステップS831)。一方、ステップS829で普図当りとしないと判定した場合には、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)として普図ハズレ図柄に決定する(ステップS833)。
そして、こうして普通図柄についての抽選処理が行われた後は、ステップS834の処理として、これら抽選結果(普図当りとハズレとのいずれかを指示)が上記周辺制御基板1510に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた普図判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS835の処理として、上記普通図柄変動パターン決定処理(ステップS804)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図227は、上記普通図柄変動パターン決定処理(ステップS804)についてその手順を示すフローチャートである。上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄変動パターン決定処理を行うべき旨を示しているときは、同図227に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、時短フラグがセットされていれば(ステップS841)、時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルを選択し(ステップS842)、時短フラグがセットされていれば(ステップS841)、非時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルを選択する(ステップS843)。
そして、選択した普通図柄変動パターン決定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普図変動乱数とを比較することにより実行する普通図柄の変動パターン(普図変動パターン)を決定し(ステップS844)、決定した普図変動パターンでの普通図柄変動の開始を周辺制御基板1510に通知する普図変動パターンコマンドをセットして機能表示ユニット1400の普通図柄表示器に表示される普通図柄の変動表示を開始する(ステップS845)。
また主制御MPUは、普図変動パターンを決定するとこの決定した普図変動パターンに応じた普図変動時間を普図変動タイマに設定する(ステップS846)。これにより、決定された普図変動パターンに応じた普図変動時間だけ機能表示ユニット1400の普通図柄表示器(における普通図柄の変動表示)にて演出制御が行われるようになる。
また、本例の非時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルでは、普図変動時間として20秒が設定されている。一方、本例の時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルでは、非時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルと比べて普図変動時間が短時間となるように、普図変動時間として0.8秒が設定されている。なお、普通図柄変動パターン決定テーブルは、上記主制御MPUのROMに記憶されている。
また、普通図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS847の処理として、上記普通図柄変動処理(ステップS805)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図228は、上記普通図柄変動処理(ステップS805)についてその手順を示すフローチャートである。上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図228に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS851の処理として、上記ステップS846で普図変動時間が設定された普図変動タイマを1減算する。そして、普図変動時間タイマが0、すなわち、上記普通図柄の変動時間が経過したと判断されると(ステップS852)、次にステップS853の処理に移行する。すなわち、このステップS853の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS806)にプロセス移行されるよう上記普通図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図229は、上記普通図柄停止処理(ステップS806)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図229に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS861の処理として、上記普通図柄通常処理にて決定された普通図柄の停止図柄を上記機能表示ユニット1400の普通図柄表示器に表示させるための表示制御を行うとともに、その第一特別図柄の停止図柄の導出表示を通知する普図停止表示コマンドを上記周辺制御基板1510へのコマンドとしてセットする(ステップS862)。
そして次に、上記普図当りフラグがセットされているときは(ステップS863)、図226(B)に示す普図当り時開放パターンテーブルを用いて、現在の遊技状態に応じた第二始動口2004の開放パターンを設定する(ステップS864)。
具体的には、第二始動口2004の開放開始時に非時短状態に制御されていれば、第二始動口2004の開放パターンとして開放パターンAを設定する。即ち、第二始動口2004の開放開始時に非時短状態に制御されていれば、普通乱数に基づく抽選により普図当りとする抽選結果が得られた場合には、第二始動口2004を開閉させる始動口ソレノイド2514をオン状態にして第二始動口2004が短開放態様(この例では0.05秒)で開閉する開放パターンAを実行することとなる。これにより、第二始動口2004の開放パターンとして開放パターンAが実行された場合には、第二始動口2004が開放動作する時間が短く、第二始動口2004が開放状態にあるときに遊技球を入球させることが困難である。即ち、非時短状態時には第二始動口2004が開閉動作されたとしても遊技球が殆ど入球しないようになっている。
一方、第二始動口2004の開放開始時に時短状態に制御されていれば、第二始動口2004の開放パターンとして開放パターンBを設定する。即ち、第二始動口2004の開放開始時に非時短状態に制御されていれば、普通乱数に基づく抽選により普図当りとする抽選結果が得られた場合には、第二始動口2004を開閉させる始動口ソレノイド2514をオン状態にして第二始動口2004が長開放態様(この例では1.5秒)で開閉する開放パターンBを実行することとなる。これにより、第二始動口2004の開放パターンとして開放パターンBが実行された場合には、第二始動口2004が開放動作する時間が長く、第二始動口2004が開放状態にあるときに遊技球を入球し得るようになっている。
第二始動口2004の開放パターンが設定されると、次にステップS885の処理として、普図当り遊技を開始することを示す普図当り開始コマンドをセットし、普通図柄プロセスフラグを普通電動役物開放処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS866)、この処理を終了する。なお、普図当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、普図当り開始コマンドによって指示された普図当りの種類に応じた普図当り遊技の演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行されうる。
また、主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS864で上記普図当りフラグがセットされていない場合において、普通図柄プロセスフラグを初期値である普通図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS868)、この処理を終了する。
図230は、上記普通電動役物開放処理(ステップS807)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS871の処理において、第二始動口2004が開放状態にあると判断されるとすると、同図230に示されるように、同図230に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、第二始動口2004を開放状態に制御してから所定時間(ステップS865で設定した開放パターンにおける第二始動口2004の開放時間)が経過していれば(ステップS872)、第二始動口2004を開閉させる始動口ソレノイド2514をオフ状態にして第二始動口2004を閉鎖状態に制御した時点で(ステップS873)、この処理を終了する。
また、ステップS871の処理において、第二始動口2004が閉鎖状態にあると判断されるとすると、同図230に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、第二始動口2004を開放状態にするタイミングであれば(ステップS874)、第二始動口2004を開閉させる始動口ソレノイド2514をオン状態にして第二始動口2004を開放状態に制御した時点で(ステップS875)、この処理を終了する。
また、ステップS871の処理において、第二始動口2004を開放状態にするタイミングではなければ、同図230に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、第二始動口2004の開放回数が所定回数(ステップS865で設定した開放パターンにおける第二始動口2004の開放回数)となったときに(ステップS876)、普図当り終了コマンドをセットする(ステップS877)。そして、普通図柄プロセスフラグを初期値である普通図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS878)、この処理を終了する。なお、普図当り終了コマンドは周辺制御基板1510に送信され、周辺制御基板1510では普図当り終了コマンドを受信すると演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行中の普図当り遊技の演出を終了させ得る。
[11.周辺制御基板の制御処理]
次に、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUによって実行される処理について説明する。図231は、当該パチンコ機1に電源が投入されるとき、上記周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUによって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
図231に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御MPUは、初期設定処理を行う(ステップS501)。この初期設定処理は、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUに内蔵されているRAMをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS501)が終了すると、16mS経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS502)。
この実施の形態では、周辺制御MPUは、2mS経過毎に割込を発生させ、2mS定常処理を実行する。2mS定常処理では、16mS経過監視カウンタをカウントアップする(16mS経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16mS経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16mS経過したときに16mS経過フラグTをセットするとともに、16mS経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16mS経過フラグTは、2mS定常処理にて16mS毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS502で16mS経過フラグがセットされている(16mS経過フラグTが「1」)ときには、16mS経過フラグをリセットした後(ステップS503)、16mS定常処理を行う(ステップS504)。
この16mS定常処理では、主制御基板1310から受信したコマンドにもとづいて演出表示装置1600、ランプ・LED、スピーカ等を制御する処理が実行される。16mS定常処理を終了すると、再びステップS502に戻り、16mS経過フラグTがセットされる毎に、つまり16mS毎に上記したステップS503〜ステップS504を繰り返し行う。一方、ステップS502で16mS経過フラグTがセットされていない(16mS経過フラグTが「0」)ときには、16mS経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図232は、サブメイン処理にて16mS毎に実行される16mS定常処理の一例を示すフローチャートである。16mS定常処理において、周辺制御MPUは、ステップS601〜ステップS606の処理を実行する。ステップS601のコマンド解析処理では、主制御基板1310から受信したコマンドを解析する。ステップS602の演出制御処理では、変動パターン設定処理(第一変動パターン設定処理のステップS149、第二変動パターン設定処理のステップS149a)でセットされることにより送信された変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出表示装置1600に関わる制御処理を実行する。
また、ステップS603の音制御処理では、パチンコ機1に設けられたスピーカに関わる制御処理を実行する。ステップS604のランプ制御処理では、パチンコ機1に設けられたランプ・LEDに関わる制御処理を実行する。ステップS605の情報出力処理では、各種装飾基板184,273等にランプ・LEDの点灯信号を送信する処理などを実行する。ステップS606の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS602)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
なお、16mS定常処理におけるステップS601〜ステップS606の処理は16mS以内に終了する。仮に、16mS定常処理を開始してから当該16mS定常処理の終了までに16mS以上かかったとしても、16mS定常処理を開始してから16mS経過したときに直ぐに16mS定常処理を最初から(ステップS601のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16mS定常処理の実行中に16mS経過したときには、16mS経過フラグのセットのみを行い、当該16mS定常処理の終了後にステップS502で16mS経過フラグがセットされていると判定されたときに16mS定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16mS定常処理にて乱数更新処理(ステップS606)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16mS定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
図233は、演出制御処理(ステップS602)の一例を示すフローチャートである。
演出制御処理において、周辺制御MPUは上記周辺制御基板1510の周辺制御MPUに格納されている遊技の進行状況を示す演出プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.上記コマンド解析処理にて解析された特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを指示する変動パターンコマンド(第一特別図柄の変動パターンを指示する第一変動パターンコマンド、第二特別図柄の変動パターンを指示する第二変動パターンコマンド)に基づいて演出表示装置1600、LED及びスピーカ等を制御する処理などを行った後、上記演出プロセスフラグを変動演出中処理に応じた値に変更する変動演出開始処理(ステップS711)
2.演出表示装置1600、LED及びスピーカ921等の制御を開始してからの経過時間を計測し、経過時間に応じて演出表示装置1600、LED及びスピーカ等を制御する処理などが行い、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンに応じた変動時間が経過したことに応じて上記演出プロセスフラグを変動終了処理に応じた値に変更する変動演出中処理(ステップS712)
3.特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止を指示する停止表示コマンドを受信したことに基づいて所定の表示結果を導出表示するための処理を行い、ハズレであれば上記演出プロセスフラグを変動演出開始処理に応じた値に変更し、大当りであれば大当り演出処理に応じた値に変更し、小当りであれば小当り演出処理に応じた値に変更する変動演出終了処理(ステップS713)
4.大当り遊技の開始を指示する大当り開始コマンドを受信したことに基づいて演出表示装置1600に大当り遊技中の表示制御を実行するための処理を行い、大当り遊技を終了するときに上記演出プロセスフラグを変動演出開始処理に応じた値に変更する大当り演出処理(ステップS714)
5.小当り遊技の開始を指示する小当り開始コマンドを受信したことに基づいて演出表示装置1600に小当り遊技中の表示制御を実行するための処理を行い、小当り遊技中に第二大入賞口2006に受け入れられた遊技球Bが特定領域に振り分けられていれば小当り遊技を終了するときに上記演出プロセスフラグを大当り演出開始処理に応じた値に変更し、遊技球Bが特定領域に振り分けられていなければ変動演出開始処理に応じた値に変更する小当り演出処理(ステップS715)
以上の処理によって特別図柄表示器(機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器、機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器)で実行される特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示に同期して演出表示装置1600で装飾図柄の変動表示が実行されるようになる。
[10.時短制御終了時の変動制御]
上記したように、時短状態では非時短状態とは異なる開放パターンで第二始動口2004を開閉制御するようになっている。即ち、機能表示ユニット1400の普通図柄表示器で実行される普通図柄変動が停止したときに時短状態であれば短開放態様(この例では0.05秒)の開放パターンAで第二始動口2004を開閉し、機能表示ユニット1400の普通図柄表示器で実行される普通図柄変動が停止したときに非時短状態であれば長開放態様(この例では1.5秒)の開放パターンBで第二始動口2004を開閉するようになっている。
このように、機能表示ユニット1400の普通図柄表示器で実行される普通図柄変動が停止したときを基準として第二始動口2004の開放パターンを変化させるため、時短状態が終了する直前(例えば時短回数が100回の時短状態Aの場合には時短状態での特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の100回目の変動表示が停止する直前等)に機能表示ユニット1400の普通図柄表示器で実行される普通図柄変動が停止して第二始動口2004を開閉させる場合には、時短状態として長開放態様(この例では1.5秒)の開放パターンBで第二始動口2004が開閉されることになる。また、第二始動口2004の開放後に時短状態が終了すると、時短状態が終了しているにもかかわらず時短状態における開放パターンが実行されていることで遊技者に違和感を与えるおそれがある。また、時短状態の終了後の非時短状態で図柄変動が開始された後などの想定外の時期に第二始動口2004への始動入賞が発生する場合もあり、これによって遊技設計者の意図しない挙動(非時短状態では主に第一特別図柄の変動表示が実行されて第二特別図柄の変動表示は殆ど実行されないものであるが、非時短状態であるにもかかわらず第二始動口2004への始動入賞が発生して第二特別図柄の変動表示が実行される)で遊技進行するとともに、その挙動から遊技者に違和感を与えてしまい、遊技興趣の低下を招くおそれがあった。
本例のパチンコ機1では、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)で変動表示される特別図柄をハズレ図柄で停止する場合に(例えば第一特別図柄停止処理のステップS194)、通常、次回の特別図柄の変動表示を開始するまでの待機時間(特別図柄の停止図柄を表示している時間)としてインターバルタイマに「0.5秒」をセットする。上記したようにインターバルタイマは第一特別図柄プロセス処理(ステップS28)及び第二特別図柄プロセス処理(ステップS39)で参照され、インターバルタイマがタイムアウトするまでは機能表示ユニット1400の特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)における特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が開始されないように制御する。
また、時短状態を終了するとき、即ち大当り遊技後の特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の図柄変動が時短回数に達した場合であって、当該図柄変動が停止したとき(時短状態における最後の図柄変動が停止したとき)には、次回の特別図柄の変動表示を開始するまでの待機時間(特別図柄の停止図柄を表示している時間)としてインターバルタイマに「2秒」をセットする。上記したように時短状態では第二始動口2004を開放状態に変化させた後、1.5秒が経過したときに第二始動口2004を閉鎖状態に変化させる。そのため、時短状態における最後の図柄変動が停止して時短状態を終了するときにインターバルタイマに「2秒」をセットすることで、非時短状態での特別図柄の図柄変動が開始される以前に第二始動口2004を閉鎖状態に変化させることができ、これによって非時短状態での特別図柄の図柄変動が開始された後に第二始動口2004への始動入賞が発生することを抑制できる。
なお、時短状態における最後の図柄変動が停止して時短状態を終了するときにインターバルタイマにセットする期間は、少なくとも時短状態における第二大入賞口2006の開放時間と同等(この例では「1.5秒」)以上とすればよい。また、時短状態における最後の図柄変動が停止して時短状態を終了するときに第二大入賞口2006が開放状態に変化していなければ次回の特別図柄の変動表示を開始するまでの待機時間として通常と同様の時間(この例では「0.5秒」)をセットするようにしてもよい。
このように、時短状態における最後の特別抽選結果が導出された際(時短状態における最後の図柄変動が停止した際)に第一保留数と第二保留数との有無にかかわらず、所定期間に亘って次の特別抽選(当落判定)の実行を抑制することにより、時短状態における最後の特別抽選結果が導出された後(時短状態における最後の図柄変動が停止した後)に継続し得る時短制御を当該所定期間内に終了させ、時短制御の終了後に第二保留数が増加することを抑制できる。これにより、非時短状態であるにもかかわらず第二始動口2004への始動入賞が発生して第二特別図柄の変動表示が実行されるという遊技設計者の意図しない挙動で遊技進行することを防止でき、遊技設計者の意図する挙動での遊技進行(遊技設計者の意図するゲーム性)を好適に実現できるため、遊技者に違和感を与えないことで遊技興趣の低下を抑止することができる。
なお、上記した例では、時短状態であるか否かの判断(時短状態を終了するか否かの判断)を機能表示ユニット1400の普通図柄表示器で実行される普通図柄変動が停止したときを基準として行うものを示したが、時短状態であるか否かの判断を機能表示ユニット1400の普通図柄表示器で実行される普通図柄変動を開始するとき(例えば上記普通図柄通常処理(ステップS803)が実行されたときや、普通図柄変動パターン決定処理(S804)が実行されたとき)を基準として行うようにしてもよい。この場合には、少なくとも、時短状態中に機能表示ユニット1400の普通図柄表示で実行される普通図柄変動の変動時間(普図変動時間:この例では「0.8秒」)と、時短状態における第二大入賞口2006の開放時間(この例では「1.5秒」)と、を合算した期間と同等(この例では「2.3秒」)以上とすればよい。
[12.有利状態における演出]
[12−1.パチンコ機の仕様]
まず、本章のパチンコ機1の仕様の一例について説明する。図234(A)は当り確率テーブル、(B)は大当り振り分けテーブルの一例である。当り確率テーブル及び大当り振り分けテーブルは、例えば、主制御MPUのROMに格納されている。
以下、第一特別図柄を特図1とも呼び、第二特別図柄を特図2とも呼ぶ。また、第一特別図柄と第二特別図柄を総称して、単に、特別図柄とも呼ぶ。また、第一特別図柄変動と第二特別図柄変動を総称して、特別図柄変動、又は単に変動とも呼ぶ。特図1及び特図2における特別抽選結果は、大当りと小当りを含む。
当り確率テーブルは、低確状態(即ち、非確変状態)中及び高確状態(即ち確変状態)中の大当り確率と、小当り確率(低確状態中及び高確状態中の区別なし)と、を定義する。大当り確率は、特図1及び特図2において共通である。また、当り確率テーブルは、特図2における小当り確率を定義している。つまり、図234の当り確率テーブルによれば、特図2の入賞時に小当りに高い確率で当選する。また、特図1の入賞からは、小当りに当選しない、又は特図2と比較して極めて低い確率(例えば1/300以下)で当選する。
なお、本章において、小当りに当選した場合、第一大入賞口2005が、所定短時間(例えば、0.2秒〜0.6秒の間)の間、遊技球Bを受入可能な開状態となってから閉鎖する開閉パターンを複数回(例えば、2回)繰り返す。
大当り振り分けテーブルは、特図1及び特図2それぞれについて、大当りに当選した場合の、大当り種別の振り分けを定義する。大当り種別における「2R」、「8R」、及び「16R」は、当該大当りのラウンド数を示し、「低確時短有」、「高確時短無」、及び「高確時短有」は、当該大当り終了後に移行する遊技状態を示す。
また、「特図1_8R低確時短有図柄1」、「特図1_8R低確時短有図柄2」、「特図1_8R低確時短有図柄3」、「特図2_2R低確時短有図柄1」、「特図2_2R低確時短有図柄2」、「特図2_2R低確時短有図柄3」、及び「特図2_2R高確時短有図柄3」の時短回数は10回であり、「特図2_2R高確時短有図柄1」の時短回数は7回であり、「特図2_2R低確時短有図柄2」の時短回数は9回である。
時短回数とは、当該大当り遊技終了後に開始する時短状態の終了契機となる変動回数である。つまり、時短状態に突入してから、時短回数が定める回数の変動が終了すると時短状態が終了する。なお、時短回数は、特図1と特図2の合計変動回数で定められていてもよいし、一方の特図の変動回数によって定められていてもよい。本章では、特図2の変動回数によって時短回数が定められているものとする。つまり、例えば、「特図2_2R高確時短有図柄1」の大当り後に移行する時短状態は、特図1と特図2の変動回数の合計が7回に到達しても、特図2の変動が7回終了していない場合には、終了しないものとする。
なお、本章のパチンコ機1においては、特図1と特図2は、それぞれ特別乱数の抽出に応じて個々に変動表示が開始されるようになっており、特図1と特図2の変動表示とが同時に実行され得る(特別図柄の同時変動)。第一特別乱数及び第二特別乱数の双方が記憶(保留)されている場合、保留された特別乱数は、個々の特別乱数の変動表示の進行度合いに応じて個々に消化される。
すなわち、変動中の第一特別図柄が停止すると、第一特別図柄記憶表示器に保留されている第一特別図柄の変動が開始され、変動中の第二特別図柄が停止すると、第二特別図柄記憶表示器に保留されている第二特別図柄の変動が開始される。また、特図1と特図2の同時変動が可能であるため、演出表示装置1600において、各特別図柄の変動に対応して装飾図柄が同時変動するように表示される。
なお、特図1又は特図2のいずれか一方の特図が大当りを示す表示態様で停止した場合には、同時変動中の他方の特図に対する処理として、以下に示すいずれか処理が行うわれる。第一の処理例としては、一方の特図による大当り遊技を制御するとともに、他方の特図の変動を削除する(強制的にはずれで停止させる)。この場合は、当該大当り遊技が終了した後も、削除された他方の特図の変動は再開されず、他方における次の特図の変動から開始される。
第二の処理例としては、一方の特図による大当り遊技を制御するとともに、当該大当り遊技の実行中は他方の特図の変動時間の経過を一時停止する。当該大当り遊技の実行中、変動停止中の特図は、特別図柄表示器上で例えば点滅表示(一時停止していないときと異なる(遊技者が一時停止していると認識できる)態様で表示)される。そして、大当り遊技の終了後に、一時停止していた他方の特図の変動表示を、残りの変動時間から再開する。第三の処理例としては、一方の特図による大当り遊技を制御するとともに、他方の特図の変動時間をリセットし、当該大当り遊技の終了後に再度他方の特図の変動を開始する。
本章において、高確非時短状態は、小当りの出玉を獲得しやすい状態(所謂小当りラッシュ)である。以下、高確非時短状態のみにおいて、小当りラッシュを実現するための仕様の一例について説明する。
まず、普通図柄の変動時間及び普通抽選確率等について説明する。普通図柄の変動時間は、時短状態及び非時短状態ともに、例えば1秒程度であり、特別図柄変動の変動時間と比較して短い時間である。また、時短状態及び非時短状態ともに、ゲート部2003を遊技球Bが通過したことによって行われる普通抽選結果における、普通当りの確率は非常に高い(例えば1/1)。また、普通図柄に当選した場合における第二始動口2004の開放時間は、時短状態では長く(例えば6秒程度)、非時短状態では短い(例えば0.7秒程度)。
続いて、各状態における遊技方法について説明する。前述したとおり、第二特別図柄抽選における、小当りに当選する確率は、第一特別図柄抽選と比較して極めて高い(図234(A)の例では、54552/65536)。従って、低確非時短状態において、ゲート部2003に遊技球Bを通過させることにより第二始動口2004が開放し、第二始動口2004に遊技球Bを入球させて、高い確率で小当りに当選させることができる。
しかし、低確非時短状態では、特図2の変動時間が、特図1の変動時間と比較して、非常に長い。具体的には、例えば、特図1の最長の変動時間(例えば、5分程度)よりも、特図2の最短の変動時間(例えば10分程度)の方が長い。従って、小当りに当選し、第一大入賞口2005が開放するまでの時間の間隔も非常に長く、さらに小当り遊技における第一大入賞口2005の開閉時間が短くかつ開閉回数も少ないため、特図2の変動を実行させても、小当り遊技中にタイミングよく第一大入賞口2005に遊技球Bを入球させるのは困難である。
なお、具体的には、小当り遊技における、第一大入賞口2005の総開放時間は、時短状態における第二始動口2004の開放時間より短い。例えば、第一大入賞口2005が0.5秒程度開放し、その後1.35秒程度閉鎖する第1のパターンを1回だけ実行する小当り遊技や、第一大入賞口2005が0.5秒程度開放し、その後0.7秒程度閉鎖する第2のパターンを2回繰り返した後に、第1のパターンを1回実行する小当り遊技がある。
仮に、小当り遊技中にタイミングよく第一大入賞口2005に遊技球Bを入球させることができたとしても、特図2の変動時間が非常に長いため、単位時間あたりに得られる出玉も少ない上に、遊技をスムーズに進行させることができない。従って、低確非時短状態においては、遊技者は原則的に左打ちをして、第一始動口2002に遊技球Bを入球させるように、遊技を進行させる。
一方、時短状態(低確時短状態及び高確時短状態)では、特図2の変動時間は短く設定されている。具体的には、例えば、特図2の短縮はずれ変動(リーチ演出が実行されない変動)の変動時間(例えば1秒程度)は、特図1の最短の変動時間(例えば4秒程度)より短く設定されており、時短状態において特図2の保留がある状態ではずれ変動が開始した場合には、当該短縮はずれ変動が高い割合(例えば9割程度)で選択される。従って、時短状態では、遊技者は所謂右打ちを実行して、第二始動口2004に遊技球Bを入球させるように、遊技を進行させることにより、出玉を減らすことなく、かつスムーズに遊技を進行させることができる。
ここで、第二始動口2004は、遊技盤5上の遊技球Bの流路においてゲート部2003の下流にあるため、第二始動口2004へ向かう遊技球Bの大半は、第二始動口2004に到達する前にゲート部2003を通過する。また、小当り遊技中に開放する第一大入賞口2005は、遊技盤5上の遊技球Bの流路において第二始動口2004の下流にある。第二始動口2004が開状態のときには、第一大入賞口2005へ向かう遊技球Bは、第二始動口2004に入球し、第一大入賞口2005に到達しない。つまり、第一大入賞口2005に遊技球Bを入球させるためには、第二始動口2004が閉状態のときに遊技球Bが第二始動口2004上を通過する必要がある。
しかし、時短状態においては、普通当たりに当選した場合の第二始動口2004の開放時間は長い(例えば6秒程度)ため、右打ちした遊技球Bのうち第一大入賞口2005方面へ向かう遊技球Bの大半は、開状態の第二始動口2004に入球し、第一大入賞口2005に到達しない。従って、時短状態においては、遊技者は、第二始動口2004に遊技球Bを入球させて、頻繁に小当りに当選させることができるものの、小当り遊技による出玉を獲得することができない。また、第二始動口2004に遊技球Bが入球した場合の賞球数は、例えば1個であるため、時短状態においては、出玉をほぼ減らすことなく特図2変動を実行できるものの、出玉を増やすことは困難である。
また、第一大入賞口2005は、所謂左打ちを行った場合に第一大入賞口2005へ到達する遊技球Bがほぼ皆無となる位置に配置されているため、時短状態中に左打ちと右打ちを交互に繰り返して遊技球Bを増やそうとする、所謂攻略行為に対してもケアしている。
続いて、高確非時短状態では、時短状態と同様に、特図2の変動時間は短く(例えば1秒程度)設定されている。従って、高確非時短状態では、遊技者は所謂右打ちを実行して、第二始動口2004に遊技球Bを入球させるように、遊技を進行させる。さらに、高確非時短状態では、普通当たりに当選した場合の第二始動口2004の開放時間は、第二始動口2004に遊技球Bを入球させるのに十分な時間であり、かつ短い(例えば0.7秒程度)ため、右打ちされた遊技球Bのうち相当数(例えば、半数以上)の遊技球Bが、閉状態の第二始動口2004上を通過して第一大入賞口2005に到達する。
つまり、高確非時短状態においては、遊技者は、第二始動口2004に遊技球Bを入球させて頻繁に小当りに当選させ、かつ小当り遊技による出玉を獲得することができる。前述した仕様により、高確非時短状態においてのみ、小当りでの出玉を獲得しやすくなる小当りラッシュを実現することができる。
図235は、本章のパチンコ機1の遊技状態遷移の一例を示す遷移図である。前述したように、低確非時短状態では特図1の変動を実行させ、低確非時短状態以外の状態では特図2の変動を実行させる、ことにより遊技者はスムーズに遊技を進行させることができる。一方、低確非時短状態から特図2大当りへの遷移、及び低確非時短状態以外の状態から特図1大当りへの遷移はイレギュラーなものであるため、図235においては点線で記載している。
どの状態においても、大当りに当選すると、その大当り種別に従って、低確時短状態、高確時短状態、又は高確非時短状態のいずれかに移行する。低確時短状態において、当該低確時短状態への移行契機となった大当り種別、によって定められた時短回数の特図2の変動が終了すると、低確非時短状態に移行する。また、高確時短状態において、当該高確時短状態への移行契機となった大当り種別、によって定められた時短回数の特図2の変動が終了すると、高確非時短状態、即ち小当りラッシュに移行する。
高確時短状態から高確非時短状態への移行は、一見遊技者にとって不利な状態移行に思えるが、前述した通り、高確非時短状態において小当りラッシュが実現されるため、遊技者にとって有利な状態移行である。従って、遊技者は、時短回数で定められた特図2の変動を消化したことにより高確時短状態が終了した場合には、興趣が低下することなく、むしろ高揚感を得ることができる。
[12−2.ラッシュ突入チャンス演出]
以下、時短状態(高確時短状態及び低確時短状態)の開始時から実行される演出である、ラッシュ突入演出について説明する。ラッシュ突入チャンス演出とは、時短状態の開始時には、現在の状態が時短状態であるものの高確時短状態か低確時短状態かは不明であることを報知し、時短状態中の変動において、現在の状態が高確時短状態(即ち、規定回数の特2変動の終了後に小当りラッシュ状態である高確非時短状態に移行する状態)であるか低確時短状態であるかを報知する演出である。
図236、図237、及び図238はラッシュ突入チャンス演出の一例を示す説明図である。図236、図237、及び図238では、時短回数が10回であり、かつ時短状態の全ての変動がはずれ変動である場合の例を説明する。
(A)は、時短有大当りが終了した状態である。演出表示装置1600には、大当りを示す同一の装飾図柄が停止している。なお、大当り当選時の獲得出玉の期待値は、低確時短有大当り、高確時短有大当り、高確時短無大当りの順で高くなる。例えば、装飾図柄の「7」揃いが選択された場合には、高確時短無大当りの当選が確定するように、装飾図柄の組み合わせが選択されるとよい。また、装飾図柄の偶数揃いが選択された場合より装飾図柄の奇数揃いが選択された場合の方が、低確時短有大当りより高確時短有大当りに当選している期待度が高くなるように、装飾図柄の組み合わせが選択されるとよい。
なお、大当り中に装飾図柄が昇格する演出が実行されてもよい。具体的には、例えば、高確時短無大当りに当選したものの図柄確定時には奇数揃い又は偶数揃いが停止し、大当り遊技中に昇格演出が実行され、装飾図柄が「7」揃いに昇格するしてもよい。
(B)は、時短有大当りが終了して、時短状態が開始した状態である。ラッシュ突入チャンスが開始したことを示す表示が演出表示装置1600に表示されている。(C)では、時短状態が開始したため、所謂右打ちを実行して、第二始動口2004に遊技球Bを入球させることを促す表示(右打ち表示)が演出表示装置1600に表示されている。なお、時短状態開始時には、演出表示装置1600の中下部の大きな右打ち表示(「右打ち!!」と記載された3つの矢印)と、演出表示装置1600の右上部の小さな右打ち表示(「右打ち!!」と記載された1つの矢印)と、が表示されている。
(D)は、(C)の状態から第二始動口2004に遊技球Bが入球し、特図2の1回目の変動が開始した状態である。演出表示装置1600から大きな右打ち表示が消去されている。さらに、演出表示装置1600の左上部に、残り時短回数の最大値を示す表示が表示されている。前述したように時短回数は、7回、8回、又は10回であるため、特図2の変動が1変動も終了していない(D)の状態では、最大値である「残り10回」が表示されている。また、「キャラクタを6秒間でパワーアップさせろ!!」という表示が演出表示装置1600に表示されている。
なお、時短状態の特図2の1変動目から6変動目までの6回の変動を利用して、キャラクタのパワーアップ演出が行われる。パワーアップ演出では、オーラを纏ったキャラクタの画像が演出表示装置1600に表示され、当該6回の変動においてオーラ色がステップアップする。
例えば、周辺制御ROMには、パワーアップ演出のシナリオ管理テーブルが格納されている。シナリオ管理テーブルは、低確時短状態及び高確時短状態それぞれについて、パワーアップ演出のシナリオと振り分けとを格納する。シナリオは、当該6回の変動それぞれにおけるオーラの色を示す。なお、各シナリオにおいて、パワーアップ演出の最終変動でのオーラ色が、白色、青色、緑色、赤色、虹色の順に高確時短状態である期待度が高くなるものとする。なお、虹色は、現在の状態が高確時短状態であるときのみ選択されるものとする。
また、各シナリオの6回の変動において、オーラ色がステップダウン(例えば、青色の次の変動で白色など)しないことが望ましい。遊技者の期待感を削ぐおそれがあるからである。また、例えば、パワーアップ演出での最終オーラ色が同じである場合、当該最終オーラ色に到達した変動回数が少ないほど高確時短状態である期待度が高くなるように設定されていてもよい。具体的には、例えば、最終オーラ色が赤色である場合に、特図2の6回目の変動で赤色に到達した場合と、特図2の4回目の変動で赤色に到達した場合とでは、後者の方が高確時短状態である期待度が高い。なお、前者の方が高確時短状態である期待度が高くてもよい。最後(6回目)の変動まで期待感を引っ張ることができるからである。
また、各シナリオにおいて、1回の変動でオーラ色が1段階昇格してもよいし、複数段階昇格してもよいし、昇格しなくてもよい。1回の変動でオーラ色が複数段階昇格する場合、当該変動において、例えば、白色から青色を経ずに緑色にステップアップしてもよいし、当該変動において白色、青色、緑色へと順にステップアップしてもよい。各シナリオにおいて、特図2の初回の変動で最初に表示されるオーラ色が最も期待度の低いものでなくてもよい(つまり白色でなくてもよい)。
なお、演出表示装置1600に表示された「6秒」とは、パワーアップ演出が行われる変動の残り回数を示す指標であり、実際の6秒とは異なる。つまり、例えば、後述するように、時短状態の1変動目には「あと6秒」(残り6回の変動を使ってパワーアップ演出が行われることを意味する)、2変動目には「あと5秒」(残り5回の変動を使ってパワーアップ演出が行われることを意味する)、と表示される。つまり、残り時間は岩破壊演出が行われるまでの残り変動回数を示しているので、最大の時短回数を示す表示は行わないようにしてもよい。
(E)は、時短状態が開始してから1回目の特図2の変動中であり、(D)の続きの状態である。演出表示装置1600には、オーラを纏ったキャラクタと、「あと6秒」という表示と、が表示される。
(F)は、時短状態が開始してから1回目の特図2の変動終了時の状態である。(E)の状態の後、変動終了時までの間にオーラの色が白色から青色へと昇格し、オーラの色が昇格したことを示す表示(「パワーアップ!!」)が演出表示装置1600に表示される。(G)は、時短状態が開始してから2回目の特図2の変動が開始した状態である。キャラクタのオーラ色は青色のままであり、演出表示装置1600には「あと5秒」という表示が表示されている。同様の演出が5回目の特図2の変動まで繰り返される。
(H)は、時短状態が開始してから6回目の特図2の変動中の状態である。特図2の6回目の変動においてオーラの色が赤色に昇格し、オーラ色が昇格したことを示す表示(「パワーアップ!!」)が演出表示装置1600に表示される。図236の例では、赤色がパワーアップ演出における最終オーラ色である。
(I)は、時短状態が開始してから6回目の特図2の終了時の状態である。当該6回目の変動において、オーラ色のステップアップが終了した後に、7回目から10回目の特図2の変動で行われる岩破壊演出の導入演出が実行される。(I)では、当該導入演出として、演出表示装置1600に「岩を破壊しろ!」と表示されている。現在の状態が高確時短状態である場合に限って、岩破壊演出においてキャラクタが岩を破壊する。
(J)は、時短状態が開始してから7回目の特図2の変動中の状態である。岩破壊演出が開始し、キャラクタが岩を殴る画像が、演出表示装置1600に表示されている。なお、岩破壊演出中において、例えば、キャラクタはパワーアップ演出の最終オーラ色である赤色のオーラを纏っている。
これにより、岩破壊演出中においても、遊技者は、高確時短状態である期待度を忘れることがない。逆に、岩破壊演出中にはキャラクタはオーラを纏わないようにしてもよい。当該期待度を他の遊技者に知られたくない遊技者もいるからである。なお、岩破壊演出中にキャラクタがオーラを纏う場合には、岩破壊演出中においてもオーラ色をステップアップさせてもよい。
(K)は、時短状態が開始してから7回目の特図2の変動中、かつ(J)の続きの状態である。キャラクタが岩を殴ったことにより、岩にヒビが入ったものの岩が割れていない状態の画像が、演出表示装置1600に表示されている。(L)は、時短状態が開始してから7回目の特図2の変動終了時の状態である。岩破壊演出がまだ継続することを示す表示(「まだまだ!!」)が演出表示装置1600に表示されている。この後、同様の演出が繰り返される。
(M)は、時短状態が開始してから8回目の特図2の変動中の状態である。岩破壊演出において、キャラクタが再度岩を殴る画像が、演出表示装置1600に表示されている。(N)は、時短状態が開始してから9回目の特図2の変動終了時の状態である。次回の特図2の変動が、岩破壊演出が行われる最後の変動であることを示す表示(「この一撃に賭ける!」)が演出表示装置1600に表示されている。
(O)は、時短状態が開始してから10回目(即ち時短状態の最後)の特図2の変動中の状態である。キャラクタが岩を殴る画像が、演出表示装置1600に表示されている。なお、キャラクタが岩を殴る度に岩のヒビが増えてもよい。(O)では、(M)の状態より岩のヒビが増えている。
(P)は、時短状態が開始してから10回目の特図2の変動中かつ、(O)の続きの状態である。演出表示装置1600には、岩を破壊することに成功した画像(即ち、現在の状態が高確時短状態であり、かつ当該変動終了時に高非時短状態に移行することを示す画像)が表示されている。なお、岩を破壊することに失敗した画像が表示された後に、復活演出を行って、岩を破壊することに成功した画像を表示してもよい。(Q)は、時短状態が開始してから10回目の特図2の変動終了時の状態である。高確非時短状態に移行することを示す画像(「ラッシュ突入!!」)が演出表示装置1600に表示されている。
なお、時短回数が7回の高確時短状態である場合には、特図2の7変動目で岩が破壊する画像及び高確非時短状態へ移行する画像(即ち、(P)、(Q)の画像。但し、左上部の残り回数が「残り4回」と表示されている)が表示される。同様に、時短回数が9回の高確時短状態である場合には、特図2の9変動目で岩が破壊する画像及び高確非時短状態へ移行する画像(即ち、(P)、(Q)の画像。但し、左上部の残り回数が「残り2回」と表示されている)が表示される。
なお、前述した例では、時短回数が7回及び9回である時短状態は、低確時短状態では選択されない。仮に、時短回数が7回及び9回である低確時短状態が存在する場合、少ない変動数で失敗に終わる岩破壊演出が行われてしまうため、遊技者に高揚感を与えることができないからである。
図238(P’)、(Q’)は、現在の状態が非時短状態である場合の岩破壊演出の例である。(P’)は、時短状態が開始してから10回目の特図2の変動中かつ、(O)の続きの状態である。岩破壊演出において、キャラクタが岩を破壊することに失敗した画像が演出表示装置1600に表示されている。(Q’)は、時短状態が開始してから10回目の特図2の変動が終了した状態である。ラッシュ突入チャンスが終了したことを示す表示が演出表示装置1600に表示されている。この後、低確非時短状態へと移行する。
なお、例えば、パワーアップ演出において、押圧操作部303の画像と、押圧操作部303の押圧を促す画像と、を演出表示装置1600に表示して、押圧操作部303の押圧を検知したタイミングで、オーラ色のステップアップの可否を報知してもよい。同様に、例えば、岩破壊演出において、押圧操作部303の画像と、押圧操作部303の押圧を促す画像と、を演出表示装置1600に表示して、押圧操作部303の押圧を検知したタイミングで、岩破壊の可否を報知してもよい。
なお、時短状態中、即ちラッシュ突入演出中の変動が大当り変動である場合には、例えば、岩を破壊する演出とは異なる演出で当該大当りを報知する。大当りに当選したのか、又は高確時短状態への移行が成功したのかを、明確に区別して遊技者に認識させるためである。
具体的な演出としては、例えば、当該変動の開始直後に、演出表示装置1600を覆うようにシャッター群を閉状態にする。シャッター群の閉状態は、例えば、変動パターンに応じて長時間(例えば2分程度)維持される。その後、シャッター群が開くと、演出表示装置1600に大当りの種別を示唆するアイコンが表示される。その後、装飾図柄が停止状態となる。一方、岩を破壊する演出によって当該大当りを報知してもよい。これにより、遊技者は、大当りに当選したのか、又は高確時短状態に移行したのかをすぐには認識できないため、緊張感を保つことができる。
[12−3.小当りラッシュ中の演出]
図239及び図240は小当りラッシュ中の演出の一例を示す説明図である。(A)は、高確時短状態の最終変動の終了時の状態、即ち図237(Q)と同様の状態である。(B)は、高確非時短状態の変動中の状態である。演出表示装置1600の左上部には、現在の状態が高確非時短状態(即ち、小当りラッシュ中)であることを示す表示(「ラッシュ中!!」)が表示されている。
また、(B)において、演出表示装置1600の右下部に総獲得球数表示領域と、タイマ表示領域と、がある。総獲得球数表示領域には、小当りラッシュが開始時からの総獲得球数小当り及び大当りによって払い出された球数が表示される。なお、例えば、大入賞口以外の一般入賞口や始動口への遊技球Bの入球によって払い出された球数は、総獲得球数に含まれないことが望ましい。
なお、例えば、一般入賞口への遊技球Bの入球によって払い出された球数も総獲得球数に含めてもよいが、この場合には、当該入球時に、演出表示装置1600に所定の画像を出力したり、各種スピーカから所定の音を出力したり、各種ランプから所定の光を出力したりすることが望ましい。一般入賞口への遊技球Bへの入球によって、総獲得球数が増加していることを遊技者に認識させるためである。
なお、総獲得球数の表示は、高確非時短状態に必ずしも移行できるとは限らない大当り変動(即ち、高確時短有大当り変動及び低確時短有大当り変動)終了時まで継続し、当該大当り変動の終了時に総獲得球数のカウントがストップする。但し、高確非時短状態に必ずしも移行できるとは限らない大当りに当選したものの、その後、低確非時短状態に転落することなく高確非時短状態に再度移行できた場合には、再度総獲得球数が再表示され、直近のカウントストップ時の値からカウントが再開される。なお、高確非時短状態に必ずしも移行できるとは限らない大当りに当選したものの、当該大当りによって移行した時短状態中に、高確時短無大当りに当選した場合には、当該高確時短無大当りの開始時に総獲得球数の再表示及びカウントの再開を行ってもよい。
タイマ表示領域には、小当りラッシュ開始時からカウントされる小当りラッシュの消化時間が表示される。小当りラッシュ開始時とは、高確時短無大当り遊技の終了時、又は高確時短状態の最終変動終了時であってもよいし、高確時短無し状態の最初の変動開始時であってもよい。
(C)は、高確非時短状態において、高確時短無大当り変動が終了した状態である。タイマ表示領域のタイマは、小当りラッシュの消化時間を示すものであるため、高確非時短中の大当り変動終了時(当該大当り変動の終了時)には、タイマを停止させる。(D)は、高確時短無大当りの大当り遊技中である。当該大当り遊技中においても、総獲得球数が表示され、加算されている。なお、大当り中にはタイマは演出表示装置1600に表示されていないが、タイマを停止した状態で表示してもよい。
(E)は、高確時短無大当りの大当り遊技中であり、(D)の続きの状態である。総獲得球数が所定球数に到達すると、演出表示装置1600において、到達表示を行う。当該所定球数に複数の段階があり、例えば、総獲得球数が1000発増える度に、到達表示が行われる。従って、(E)において1000発に到達したことを示す「1000PT突破!!」という表示が演出表示装置1600に表示されている。なお、到達表示とともに、各種ランプから所定の光を出力したり、各種スピーカから所定の音を出力させたり、BGMを変化させたりしてもよい。なお、例えば、総獲得球数が所定の上限値(例えば30000発)まで到達した後は、到達表示を行わなくてもよい。
なお、例えば、当該複数の段階間の差は、一定であってもよいし、異なっていてもよい。具体的には、例えば、当該複数の段階間の差は、1000発、2000発、3000発、・・・・、のように一定であってもよいし、1000発、5000発、10000発、20000発、・・・・、のように後の段階に行くほど、前の段階との差が大きいように設定されていてもよい。
(F)は、高確時短無大当りの大当り遊技終了直前の状態である。(G)は、高確時短無大当りの大当り遊技終了直後の状態である。高確非時短状態、即ち小当りラッシュが再度開始することを示す表示が演出表示装置1600に表示されている。さらに(G)において、演出表示装置1600の中上部に獲得球数履歴表示領域がある。獲得球数履歴表示領域には、1回の大当りによる獲得出玉と当該大当りに当選した小当りラッシュでの獲得出玉との総数、の履歴が表示される。(G)では、当該大当りと直前の小当りラッシュで2910発の出玉を獲得したため、獲得球数履歴表示領域に「2910」と表示されている。
(H)は、小当りラッシュ中に総獲得球数が5000発に到達した状態である。総獲得球数が所定球数に到達すると、演出表示装置1600における背景画像が変化する。なお、当該所定球数には複数の段階があり、例えば、総獲得球数が5000発増える度に、背景画像が変化する。なお、背景画像の変化とともに、各種ランプから所定の光を出力したり、各種スピーカから所定の音を出力させたり、背景画像変化後のBGMを変化させたりしてもよい。なお、例えば、総獲得球数が所定の上限値(例えば30000発)まで到達した後は、背景画像の変化を行わなくてもよい。
なお、図239の例では、総獲得球数の到達表示が1000発ごとに行われ、背景画像の変化が5000発ごとに行われるため、総獲得球数が5000発、10000発、15000発、・・・、に到達したときには、到達表示と背景画像の変化の双方が実行される(この例では、背景画像が変化するタイミングで必ず到達表示も行われる)。
演出表示装置1600における到達表示と背景画像の変化は、例えば、予め定められた優先順位に従って順番に実行される。例えば、到達表示よりも背景画像の変化の方が実行される回数が少ないため、到達表示よりも背景画像の変化の方が遊技者に対してより強い高揚感を与えることができる。背景画像の変化を先に実行するか後に実行するかにより、遊技者により強い高揚感を与えるタイミングが異なる。
なお、到達表示と背景画像の変化を同時に実行してもよい。到達表示と背景画像の変化を同時に実行することにより、相乗効果が得られ、これらの演出を単独で実行する場合よりも強い高揚感を遊技者に対して与えることができる。なお、到達表示や背景画像の変化と同時に実行される光や音の出力についても、同様である。
(I)は、時短有大当り変動終了時の状態である。当該大当り終了後にラッシュ突入チャンス演出を行うため、この時点では、当該時短有大当りが、高確時短有大当りか低確時短有大当りかは報知されないことが望ましい。
(J)は、時短有り大当り変動終了時の状態であり、(I)の続きの状態である。当該大当り変動終了時点における、総獲得球数と、タイマの累計時間と、演出表示装置1600にリザルトとして表示されている。当該タイミングでリザルトを表示するのは、時短有大当りに当選したことにより、必ずしも、低確非時短状態に転落することなく再び高確非時短状態(小当たりラッシュ)に移行できるとは限らないからである。
(K)は、時短有り大当りが終了した状態である。(L)はラッシュ突入チャンスが開始した状態である。(M)はラッシュ突入チャンスの最終変動(時短状態の最終変動)の変動中の状態であり、岩が破壊される演出を実行されている状態である。(N)は、当該最終変動の終了時の状態であり、高確非時短状態に移行することが報知されている状態である。(K)、(L)、(M)、(N)は、それぞれ、図236(A)、図236(B)、図237(P)、図237(Q)と同様であるため、詳細な説明を省略する。
(O)は、高確非時短状態の変動中の状態である。低確非時短状態に転落することなく、再度高確非時短状態に復帰できた場合には、例えば、各表示領域の表示は以下のようになる。タイマ表示領域のタイマ表示は、直前の高確非時短状態の終了時の値を引き継ぐ。また、総獲得球数表示領域の総獲得球数には、直前の高確非時短状態の終了時の値に、直前の時短有大当りで得られた出玉の数を加えた値が表示される。また、背景画像には、当該総獲得球数に応じた画像が表示される。また、獲得球数履歴表示領域には、直前の時短有大当りによる獲得出玉と当該時短有大当りに当選した小当りラッシュでの獲得出玉との総数、の履歴がさらに表示される。これらの履歴は、例えば、低確非時短状態に転落することなく当選した直近10回分の大当りについて表示される。
これにより、低確非時短状態に転落することなく、再度高確非時短状態に復帰できた場合には、前回の状態を引き継ぐ表示をすることができ、遊技者は低確非時短状態を跨がずに獲得できた出玉を正確に把握することができる。また、高確非時短状態が終了するたびに、総獲得球数やタイマをリセットしてしまうと、これらの表示が大きい値になるケースが発生する可能性が低くなってしまい、遊技者に高揚感を与えられなくなってしまうため、前述のような表示内容としている。
なお、前述したように、1回の大当り遊技中の獲得出玉と当該大当り遊技の直前の高確非時短状態(小当りラッシュ)における獲得出玉の合計値を獲得球数履歴表示領域に表示するため、大当り遊技1回当りの獲得出玉の期待値よりも大きい数値を、獲得球数履歴表示領域を用いて示すことができるため、高揚感を与えることができる。また、例えば、獲得球数履歴表示領域に表示する値によって、表示態様を異ならせるようにしてもよい。具体的には、5000未満であれば青色の数字、5000以上で10000未満であれば赤色の数字、10000を超えた場合には虹色の数字、などである。また、直近10回分を表示するとしたが、11回目以降は、1〜10回分の数値を合計した数値を表示するようにしてもよい。
[12−4.大当り中の演出]
以下、大当り中の演出について説明する。例えば、低確非時短状態に転落することなく、高確時短無大当りに当選する度に、高確時短無大当り中に流すことができる楽曲が追加される。例えば、低確非時短状態を跨ぐことなく当選した、1回目の高確時短無大当りにおいては楽曲Aのみが選択可能であり、2回目の高確時短無大当りにおいてはさらに楽曲Bが選択可能であり、3回目の高確時短無大当りにおいてはさらに楽曲Cが選択可能であり、4回目以降の高確時短無大当りにおいてはさらに楽曲Dが選択可能である。
なお、当該2回目以降の高確時短無大当りにおいては、遊技者が所定の操作部による操作を実行することにより、選択可能な楽曲から流す楽曲を選択することができる。なお、遊技者が楽曲を選択しない場合には、例えば、低確非時短状態を跨ぐことなく当選した、1回目の高確時短無大当りにおいて楽曲Aが、2回目の高確時短無大当りにおいて楽曲Bが、3回目の高確時短無大当りにおいて楽曲Cが、4回目以降の高確時短無大当りにおいて楽曲Dが流れるものとする。
また、高確時短無大当り中に流れていた楽曲が、当該高確時短無大当り終了後に移行する高確非時短状態中にも継続して流れてもよい。また、当該高確非時短状態においても、遊技者による所定の操作部の操作により楽曲が選択可能であってもよい。
図241は、高確時短無大当り中の演出の一例を示す説明図である。具体的には、高確時短無大当り中に所定のコマンド(隠しコマンド)が入力されることにより、全ての楽曲が選択可能となる演出について説明する。
(A)は、低確時短状態に転落することなく当選した2回目の高確時短無大当りが開始した状態である。(B)は、当該高確時短無大当りの1ラウンド目が実行されている状態である。楽曲選択ボックスと、楽曲の選択操作を説明する画像と、が演出表示装置1600に表示されている。なお、低確非時短状態に転落することなく当選した2回目の高確時短無大当りであるため、楽曲Aと楽曲Bが選択可能であり、ユーザによる操作部の入力を受け付けていない状態では楽曲Bが選択されている。
これらの画像は、例えば、周辺制御MPUが、主制御MPUから1ラウンド目のラウンド開始コマンドを受信したときに表示される。また、例えば、同じタイミングで、楽曲の選択操作を実行するための操作部の操作受付期間が開始する。操作受付期間は、例えば、周辺制御MPUが、主制御MPUから最終ラウンド目のラウンド終了コマンドを受信したときに終了する。
図241の例では、回転操作部302を操作することにより、楽曲Aと楽曲Bを選択するためのカーソルが移動し、中央押圧操作部303aを押下することにより、現在流れている楽曲が、カーソルが指す楽曲に変化する。
また、隠しコマンドの操作受付期間は、例えば、周辺制御MPUが、主制御MPUから1ラウンド目のラウンド開始コマンドを受信したときに開始し、2ラウンド目のラウンド終了コマンドを受信したときに終了する。(C)は、(B)で隠しコマンドが入力された後の状態である。全ての楽曲(楽曲A〜D)が選択可能となっている。
なお、隠しコマンドは、例えば、中央押圧操作部303aを長押し(例えば3秒以上押下)するコマンドである。前述したように、隠しコマンドの操作受付期間は、楽曲選択の操作受付期間と重複する。
楽曲選択において、周辺制御MPUは、中央押圧操作部303aが押圧状態から非押圧状態に変化し、かつ当該押圧状態が長押しでなかった(前述の例だと押圧状態3秒以上継続しなかった)場合に、楽曲の決定を実行する。
仮に、中央押圧操作部303aが押圧状態から非押圧状態に変化した場合に、楽曲を決定する場合、遊技者は隠しコマンドを実行するつもりであったのに楽曲決定が実行されてしまうため、自身の操作が間違ったと勘違いして隠しコマンドである長押し状態まで押圧を継続しないおそれがある。また、仮に、中央押圧操作部303aが長押し状態であったときに、押圧状態から非押圧状態に変化した場合に、楽曲が決定されてしまうとすると、隠しコマンドを実行した場合には必ず楽曲決定が実行されるため、遊技者に不快感を与えるおそれがある。従って、上述した条件が成立したときに、楽曲の決定が実行される。
なお、例えば、リーチ中演出の当落結果を報知するための操作、及び後述するキャラクタ選択画面等における決定操作においても、このように中央押圧操作部303aが押圧状態から非押圧状態に変化した場合に、中央押圧操作部303aが操作されたものと判断されてもよい。
[13.デモ画面演出]
[13−1.通常のデモ画面演出]
以下、変動非実行時のデモ画面の演出例について説明する。図242は、デモ画面のタイムテーブルの一例である。タイムテーブルには、演出表示装置1600における表示内容、当該表示内容の表示時間、音量調節ジョグ受付の可否、音量光量調節ジョグ受付の可否、BGMが流れているか否か、及び所定の可動体(役物。本章では、裏後可動装飾体3110とする)が落下状態であるか否か、が定義されている。
音量調節ジョグ受付が可能な状態においては、例えば、回転操作部302を回転させることにより、パチンコ機1から出力される音量を示す画像が表示され、かつ音量を調節することができる。音量光量調節ジョグ受付が可能な状態においては、例えば、回転操作部302を回転させることにより、音量又は光量の一方を示す画像が表示され、かつ当該一方を調節することができ、当該画像が表示されている状態で中央押圧操作部303aを押圧すると、音量又は光量の他方を示す画像が表示され、かつ当該他方を調節することができる。
また、前述したように裏後可動装飾体3110は、上下方向に移動可能な装飾体である。裏後可動装飾体3110は、演出状態に応じて、遊技盤5の上方の前述した退避位置、又は遊技盤5の中央の前述した出現位置に位置する。
以下、デモ画面中の具体的な演出の流れについて説明する。まず、変動又は大当りが実行されている(NO1)。変動又は大当り終了時に、演出表示装置1600上で装飾図柄が停止する(NO2)。その後、変動の保留がない場合には、確定した装飾図柄の停止状態が保たれる(NO3)。NO1からNO3において、いずれも音量調節ジョグ受付が可、音量光量調節ジョグ受付が不可、変動BGMが流れており、裏後可動装飾体3110は落下状態ではない、即ち退避位置にある。但し、NO1において、所定のリーチ演出中や、大当りの所定ラウンド中など、音量調節ジョグ受付が禁止されている禁止区間があってもよい。
続いて、所定の映像が表示される(NO4−1)。続いて、当該所定の映像が表示されたまま、音量光量調節画面に遷移可能であることを示すテロップ画像(音量光量調節テロップとも呼ぶ)と、後の変動中の演出状態を決定するためのキャラクタ選択画面に遷移可能であることを示すテロップ画像(キャラクタ選択テロップとも呼ぶ)と、が表示される(NO4−2)。
なお、例えば、NO4−1及びNO4−2において再生される映像は、30秒間の映像であり、NO4−1及びNO4−2の間においてループ再生される。NO4−1及びNO4−2において、いずれも音量調節ジョグ受付が不可、音量光量調節ジョグ受付が可、裏後可動装飾体3110は退避位置にある。しかし、NO4−1においてはBGMが流れているが、NO4−2の開始時からBGMがフェードアウトする(音量が小さくなり、やがて停止する)。
続いて、パチンコ機1の機種デモムービーが表示され(NO5)、その後メーカーロゴが表示され(NO6)、その後ジョグ・ボタン注意ムービーが表示され(NO7)、その後、メーカー内共通のデモ画面(ゴト行為の防止ムービー)が表示される(NO8)。
さらに、その後当該所定の映像が表示されたまま、音量光量調節テロップと、キャラクタ選択テロップと、が表示される(NO9)。NO9の表示内容は、NO4−2と同様である。NO9の表示内容が表示された後、NO5へと戻る。NO5〜NO9において、いずれも音量調節ジョグ受付が不可、音量光量調節ジョグ受付が可、BGMが流れていない。
以下、裏後可動装飾体3110の動作について説明する。NO5における機種デモムービーの開始時に裏後可動装飾体3110は下方向に移動し、落下状態となる、即ち出現位置にある。その後NO6〜NO9においては、裏後可動装飾体3110は出現位置を維持する。なお、NO9において、音量光量調節画面やキャラクタ選択画面へ移行する場合に、演出表示装置1600を見やすくするために、裏後可動装飾体3110を退避位置に移動させてもよい。この場合、例えば、音量光量調節画面やキャラクタ選択画面の表示が終了したら、裏後可動装飾体3110を再度出現位置に移動させる。
NO5〜NO9において、退避位置に位置していない裏後可動装飾体3110は、始動口(第一始動口2002又は第二始動口2004)に遊技球Bが入球すると、退避位置に移動する。NO5において、裏後可動装飾体3110が、退避位置から出現位置へ落下している途中に遊技球Bが始動口に入球した場合、例えば、入球を検知したタイミングで裏後可動装飾体3110を上昇させる。これにより、当該入球に対応する変動の開始と同時に速やかに裏後可動装飾体3110を退避位置に移動させることができ、当該変動の演出表示装置1600を用いた演出の視認を極力妨げずに済む。
また、NO5において、裏後可動装飾体3110が、退避位置から出現位置へ落下している途中に遊技球Bが始動口に入球した場合に、裏後可動装飾体3110を出現位置まで一度落下させた後に上昇させてもよい。下降中の裏後可動装飾体3110が当該入球と同時に突如上昇を始めるイレギュラーな動作が行われると、これを大当り期待度の高い演出として勘違いしてしまう遊技者もいるからである。
また、当該入球により実行される変動の変動パターンに応じて裏後可動装飾体3110の動作を決定してもよい。例えば、変動開始時に裏後可動装飾体3110を下降させる演出が行われる変動パターンについて説明する。NO5〜NO9において、裏後可動装飾体3110が出現位置に位置している状態で遊技球Bが入球し、変動開始時に裏後可動装飾体3110が下降する演出が実行される変動パターンが選択されたものとする。
この場合、例えば、入球と同時に、裏後可動装飾体3110を一度、退避位置、又は当該下降演出の最大下降位置より高い所定位置、まで上昇させてから、当該下降演出を実行する。下降演出が大当り期待度の高い演出である場合には、このように下降演出をキャンセルせずに実行する(つまりは、下降させる演出を遅延して発生させる)ことが望ましい。また、例えば、下降演出に代えて、特定のイレギュラー演出(例えば、裏後可動装飾体3110に付属する所定のランプの発光又はスピーカからの所定の音の出力)を行ってもよいし、当該特定のイレギュラー演出を行いながら裏後可動装飾体3110を退避位置へ上昇させてもよい。
また、例えば、下降演出に代えて、裏後可動装飾体3110の特定のイレギュラー動作(例えば、裏後可動装飾体3110を所定の振幅で所定回数上下に往復移動させる等)が行われてもよい。下降演出が大当り期待度の高い演出であっても、下降演出に代えて、これらのイレギュラーな処理が実行されることにより、遊技者に期待感を与えることができる。また、そもそも、NO5〜NO9において裏後可動装飾体3110が退避位置にない場合において、変動開始時に裏後可動装飾体3110が下降する演出が実行される変動パターン(変動開始時に下降演出が実行される演出パターン)の選択が禁止されていてもよい。また、当該変動パターンの選択が禁止されない(下降演出が出る可能性を秘めている)ものの、当該変動パターンが選択された場合において、下降演出を不実行としてもよい。このようにすることで、下降演出が実行されなかった場合であっても、下降演出が選択されていたかもしれないと遊技者に思わせることができる。
また、NO5において、裏後可動装飾体3110が出現位置へと移動する途中に遊技球Bが始動口に入球し、変動開始時に裏後可動装飾体3110が下降する演出が実行される変動パターンが選択された場合も同様である。
具体的には、この場合、例えば、入球と同時に、裏後可動装飾体3110を一度、退避位置、又は当該下降演出の最大下降位置より高い所定位置、まで上昇させてから、当該下降演出を実行する。なお、当該上昇の前に、裏後可動装飾体3110を一度出現位置まで移動させてもよい(つまりは、下降させる演出を遅延して発生させる)。また、例えば、下降演出に代えて、特定のイレギュラー演出を行いながら、裏後可動装飾体3110を上昇させてもよい。なお、当該上昇の前に、裏後可動装飾体3110を一度出現位置まで移動させてもよい。また、そもそもこのような場合において、当該変動パターン(変動開始時に下降演出が実行される演出パターン)の選択が禁止されていてもよい。
また、NO5〜NO9において、裏後可動装飾体3110が退避位置より下方に位置するときに、遊技球Bが始動口に入球し、変動開始時に他の可動体(裏後可動装飾体3110とは異なる可動体)が裏後可動装飾体3110の可動範囲に移動する演出が実行される変動パターン、が当該入球時に選択されたものとする。この場合、例えば、裏後可動装飾体3110を先に退避位置に移動させ、その後当該他の可動体の移動を行うことにより、可動体同士の干渉を避ける。また、裏後可動装飾体3110が出現位置にあり当該他の可動体(裏後可動装飾体3110とは異なる可動体)が動作しても出現位置にある裏後可動装飾体3110と干渉しない場合には、裏後可動装飾体3110が出現位置にある状態で当該他の可動体の動作を行い、当該他の可動体が初期位置に戻った後に裏後可動装飾体3110を退避位置に移動させてもよい。このような場合、裏後可動装飾体3110の退避位置への移動と、裏後可動装飾体3110とは異なる可動体の移動と、を同時に行うようにしてもよい。
また、例えば、当該変動パターン(演出パターン)において、当該他の可動体(裏後可動装飾体3110とは異なる可動体)を動作させないようにしてもよい。このとき、裏後可動装飾体3110又は当該他の可動体について前述したイレギュラー演出やイレギュラー動作を実行してもよい。また、そもそもこのような場合において、変動開始時に他の可動体が裏後可動装飾体3110の可動範囲に移動する演出が実行される変動パターン(演出パターン)の選択が禁止されていてもよい。
なお、裏後可動装飾体3110が出現位置にあるとき、演出表示装置1600の一部が隠された状態となる。従って、NO5〜NO9において演出表示装置1600に表示されている映像の視認状態は良好ではないと感じる遊技者もおり、このような遊技者は当該映像を良好な視認状態で観たいと感じる。
このような遊技者のために、遊技球Bが始動口に入球すること(遊技球Bが始動口に入球すると変動が始まってしまいこれらの映像(例えば、図242に示す機種デモムービー停止時映像等)が終了してしまうため)以外の契機によって、裏後可動装飾体3110を退避位置まで上昇させてもよい。具体的な契機としては、例えば、所定の操作部(例えば、外周押圧操作部303b)の操作等がある。
遊技球Bが始動口に入球すること以外の契機によって、裏後可動装飾体3110が退避位置へと上昇している途中に、遊技球Bが始動口に入賞した場合には、裏後可動装飾体3110は、例えばそのまま上昇動作を継続して、退避位置へと戻る。また、裏後可動装飾体3110が退避位置へと上昇している途中に、遊技球Bが始動口に入賞し、当該入賞に基づいて決定された演出パターンが、裏後可動装飾体3110を下降させる演出パターンである場合には、裏後可動装飾体3110の上昇動作を継続して退避位置へと戻してから裏後可動装飾体3110を下降させるようにしてもよいし、裏後可動装飾体3110の上昇途中であっても下降演出を実行するようにしてもよい。また、遊技球Bが始動口に入球すること以外の契機によって、裏後可動装飾体3110が退避位置へと戻った状態で、遊技球Bが始動口に入賞した場合には、例えば、そのまま退避位置を維持する。
なお、裏後可動装飾体3110が出現位置にあるときの演出表示装置1600に表示された装飾図柄(NO2の装飾図柄がNO9の停止時映像でも示される図柄)は、例えば、変動終了時(NO2で示される図柄)と比較して縮小された状態で表示してもよいし、同じ大きさで表示してもよい。なお、装飾図柄が縮小表示される場合には、例えば、NO5において裏後可動装飾体3110の下降開始時、下降終了時、又はNO3の確定図柄表示時などにおいて、装飾図柄の表示サイズを変更する。また、装飾図柄を縮小表示する場合には、裏後可動装飾体3110の移動範囲に重ならない領域に表示するとよいが、縮小表示する場合であっても、裏後可動装飾体3110の移動範囲に重なるようにしてもよい。
なお、NO5〜NO9において、裏後可動装飾体3110が演出表示装置1600の前面に位置する例を説明したが、裏後可動装飾体3110に代えて又は加えて、他の可動体が演出表示装置1600の前面に位置してもよい。但し、複数の可動体が演出表示装置1600の前面に位置する場合、移動後の位置が重複(接触)しない複数の可動体とするほうが望ましい。また、NO5〜NO9において、演出表示装置1600に映像が表示されているため、映像を視認不可能する可動体は移動させない。特に、音量光量調節テロップ等の遊技者に対する説明を視認不可能にしないことが望ましい。なお、移動後の位置がこのような説明が表示される位置と重複する可動体であっても、NO5において一度演出表示装置1600の前面に移動させ、このような説明が表示されるときに当該可動体を元の位置に戻してもよい。また、可動体の位置に応じて、これら音量光量調節テロップ等の遊技者に対する説明表示の位置や大きさを変更するようにしてもよい。
[13−2.音量調節方法の別例]
以下、音量調節方法の別例について説明する。図243は、音量調節の画面遷移の一例を示す説明図である。(A)は、変動が停止した後に確定した装飾図柄が停止している状態、即ち図242のNO3の状態である。(B)は、ループ映像が演出表示装置1600に表示されている状態、即ち図242のNO4−1の状態である。
(C)は、ループ映像と、キャラクタ選択テロップと、が演出表示装置1600に表示されている状態である。音量光量調節テロップが表示されていない点において、図242のNO4−2と異なる。(C)の状態で、中央押圧操作部303aを押圧すると、キャラクタ選択画面へと遷移する。図243の例においては、キャラクタ選択画面を経由した後でなければ、音量調節(各種スピーカから出力される出力音の調節、設定であり、以降の音量調節も同様の意味であるため括弧書きを省略する)ができない点において、図242の例と異なる。
(D)は、(C)の状態で中央押圧操作部303aが押圧されたことにより、演出表示装置1600にキャラクタ選択画面が表示された状態である。回転操作部302を回転させることによりキャラクタを選択でき、中央押圧操作部303aを押圧することにより選択したキャラクタに決定することができる。
なお、ここで選択されたキャラクタは、所定の演出時に演出表示装置1600に出現し、所定のセリフ演出を行ったり、所定の動作をしたりする。つまり、選択したキャラクタによって、後の演出態様が変化する。また、選択したキャラクタによって、キャラクタ出現時の演出内容(例えば、前述のセリフや動作)が異なる。また、例えば、キャラクタごとに演出時のセリフの音量が異なる。また、例えば、選択したキャラクタによってBGMが異なる。
(E)は、(D)の状態で中央押圧操作部303aが押圧されたことにより、キャラクタが決定した状態である。キャラクタ決定時に、例えば、当該キャラクタによるセリフがスピーカから出力される。当該セリフは、例えば、変動中等に行われる当該キャラクタのセリフ演出と同程度の音量で出力される。
例えば、キャラクタAによるセリフ演出は、音量3(5段階の音量(1が最小音量、5が最大音量))でもうるさいと感じる遊技者が多く、キャラクタBによるセリフ演出は、音量5でもうるさくないと感じる遊技者が多い。このようにキャラクタを決定時のキャラクタのセリフを実際に聞いた後に、音量調節を実行可能にすることにより、遊技者は自身にとって適切な音量を選択することができる。
(F)は、キャラクタ選択後の状態である。キャラクタが選択された後、キャラクタ選択画面を消去し、例えば、前述したループ映像のような、音量調節画面と異なる表示を表示する。音量調節画面へ移行可能な状態になる前に、このような画面を表示するのは、音量調節を遊技者にとって単なる作業にさせないためである。
具体的には、例えば、キャラクタ選択画面においてセリフ演出の音が大きいキャラクタAが選択されたとする。このとき、仮にキャラクタAに決定した直後に音量調節画面へ移行してしまうと、遊技者は何も考えずに、音量を小さくするだけの作業を行ってしまう。一方、前述したような音量調節と異なる表示を一旦表示することにより、自分が選んだキャラクタから意識が離れるため、音量調節を実行可能になるまでに、自分が選んだキャラクタを忘れかける遊技者もいる。当該遊技者はキャラクタAを選んだことをうろ覚えの状態で音量を小さくするため、その後キャラクタAのセリフが登場したときに、自分の選択したキャラクタがキャラクタAだったと再確認することにより、安心感や歓喜を得ることができる。
(G)は、ループ映像と、キャラクタ選択テロップと、音量光量調節テロップと、が演出表示装置1600に表示されている。(H)は、(G)の状態で、回転操作部302が回転され、音量光量調節画面に移行した状態である。回転操作部302を回転させることにより、音量が変化し、中央押圧操作部303aを押圧することにより、光量調節画面へと移行する。なお、図示は省略しているが、光量調節画面においては、回転操作部302を回転させることにより、光量が変化し、中央押圧操作部303aを押圧することにより、音量調節画面へと移行する。
(I)は、再び演出表示装置1600にループ映像が表示されている状態である。例えば、音量調節画面又は光量調節画面において、最後に回転操作部302又は中央押圧操作部303aが操作されてから所定時間が経過するとループ映像が表示される状態に戻る。
なお、音量調節画面が演出表示装置1600に表示されている状態で変動が開始した場合、継続して音量調節を実行可能とし、音量調節を行うための画像は、変動中の演出の視認性を著しく妨げない態様で、継続して表示可能とする。これにより、変動中に実際の音量を確認しながら、音量調節を実行することができる。
なお、キャラクタ選択画面を経由しないと音量光量調節画面に移行できない例を説明したが、キャラクタ選択画面の経由に加えて又は代えて、特定の条件を満たさない場合には、音量光量調節画面に移行できないとしてもよい。当該特定の条件として、例えば、入球時に賞球が得られる一般入賞口への遊技球Bの入球、及び所定時間の経過等(又はこれらの組み合わせ)がある。
なお、当該所定時間は、例えば、遊技者によって操作可能な操作手段の操作状況によって長くなったり短くなったりしてもよい。また、音量(出力音)が変更可能な条件を満たした場合には、以降は、キャラクタ選択画面を経由することなく、音量(出力音)を変更可能としてもよい。また、変更された音量(出力音)は、特定回数の変動の終了時に終了してもよい。なお、変動中の特定の演出においては、選択した音量(出力音)ではなく当該特定の演出に固有の音量(出力音)で演出が進行されてもよい。また、キャラクタ選択後かつ音量調節画面への移行前において、所定の操作部に対して所定の操作が行われることにより、音量調節画面において選択可能な音量のパターン数が増えるようにしてもよい(例えば、当該所定の操作が実行されない場合には5段階の音量(出力音)が選択可能であるが、当該所定の操作が実行されることにより10段階の音量(出力音)が選択可能になる等)。
[14.成り上がり演出]
以下、成り上がり演出について説明する。成り上がり演出は、SPリーチ(特別演出であり、以下の説明で出てくるSPリーチも特別演出に相当する)中に実行される演出の1つである。SPリーチは、通常のリーチ演出と比較して、大当り変動において選択されやすく、はずれ変動において選択されにくいリーチ演出である。即ちSPリーチは、通常のリーチ演出と比較して、大当り期待度の高いリーチ演出である。成り上がり演出においては、大当り期待度を示す表示が演出表示装置1600に表示されており、後述する「か〜ら〜の〜」というセリフが表示されると、当該セリフの表示後に、演出表示装置1600に表示されている大当り期待度が昇格する。
図244は成り上がり演出の一例を示す説明図である。(A)は、SPリーチ中に成り上がり演出が開始した状態である。演出表示装置1600に、例えば、中央押圧操作部303aの画像が、ぼやけた状態で表示される。続いて、(B)において、演出表示装置1600における、中央押圧操作部303aの画像の背景色が変わる。変化後の背景色は青色又は赤色であるものとする。また、当該変動の大当り期待度が高いほど、青色より赤色が変化後の背景色として選択されやすいものとする。
続いて(C)において、演出表示装置1600に「か〜ら〜の〜」というセリフが表示され、中央押圧操作部303aの画像と背景色が消去されている。なお、(C)において中央押圧操作部303aの画像と背景色を引き続き表示してもよい。当該セリフが表示されると、その後大当り期待度が昇格する。続いて(D)において、当該セリフが演出表示装置1600から消去され、再び中央押圧操作部303aの画像が、ぼやけた状態で表示される。例えば、当該セリフが演出表示装置1600から消去されるタイミングで、中央押圧操作部303aの画像の背景色が青色から赤色に昇格している。
続いて(E)において、中央押圧操作部303aのぼやけた画像と背景色が消去され、赤色の中央押圧操作部303aの大きい画像(赤大プッシュ表示)が、はっきりとした状態で、演出表示装置1600に表示され、中央押圧操作部303aを押圧するよう促されている。なお、この時点で表示される、中央押圧操作部303aの画像には、例えば、青色の小さな画像(青小プッシュ表示)、青色の大きな画像(青大プッシュ表示)、赤色の大きな画像(赤大プッシュ表示)、虹色の大きな画像(虹大プッシュ表示)がある。なお、青小プッシュ表示、青大プッシュ表示、赤大プッシュ表示、虹大プッシュ表示の順に大当り期待度が高くなるものとし、虹大プッシュ表示は大当り変動のみにおいて選択されるものとする。
(E)の状態において、中央押圧操作部303aが操作有効状態となり、操作有効状態において中央押圧操作部303aが押圧されると、実行中の変動が大当り変動であるかはずれ変動であるかが告知される。(F)では、当該変動が大当り変動であることが告知されている。
なお、(A)において、中央押圧操作部303aのぼやけた画像が表示されてから、(E)において、中央押圧操作部303aのはっきりとした画像が表示される直前までの演出を、煽り表示演出とも呼び、中央押圧操作部303aのはっきりとした画像が表示されてから当該画像の表示が終了するまでの演出を、ボタン表示演出とも呼ぶ。
図245は成り上がり演出の別例を示す説明図である。図244の例では、煽り演出において、「か〜ら〜の〜」というセリフが表示され、煽り演出における背景色が昇格したが、図245の例では、ボタン表示演出において、「か〜ら〜の〜」というセリフが表示され、ボタン表示演出におけるボタン画像が昇格する。
(A)及び(B)は、それぞれ、図244(A)及び(B)と同様であるため説明を省略する。続いて(C)において、中央押圧操作部303aのぼやけた画像と背景色が消去され、青大プッシュ画像が、はっきりとした状態で、演出表示装置1600に表示され、中央押圧操作部303aを押圧するよう促されている。
続いて(D)において、演出表示装置1600に「か〜ら〜の〜」というセリフが中央押圧操作部303aの画像に重なるように表示されている。なお、(D)において、「か〜ら〜の〜」というセリフに遊技者の意識を集中させるために、中央押圧操作部303aの画像と押圧を促す表示とが消去されていてもよい。続いて(E)において、演出表示装置1600から、「か〜ら〜の〜」というセリフが消去され、セリフが消去されたタイミングで青大プッシュ画像が、赤大プッシュ画像へと昇格している。(F)は、図244(F)と同様であるため、説明を省略する。
なお、ボタン表示演出中に昇格演出を行う場合、ボタン表示演出において中央押圧操作部303aの画像が表示されてから昇格演出が出現するまでの期間において中央押圧操作部303aの操作が有効であってもよいし、無効であってもよい。当該期間において中央押圧操作部303aの操作が有効であることにより、早く当落結果を知りたい遊技者を満足させることができる。また、当該期間において中央押圧操作部303aの操作が無効であることにより、最後まで演出を楽しみたい遊技者を満足させることができる上に、中央押圧操作部303aの画像が表示されたにも関わらず操作が無効であった場合には、昇格演出が行われることが確定し、遊技者に高揚感を感じさせることができる。
なお、このように、中央押圧操作部303aの画像が表示されたにも関わらず、操作が無効であった場合に、昇格演出が行われることが確定してしまうことを避けるために、ボタン表示演出中に昇格演出が行われるか否かに関わらず、ボタン表示演出が開始してから所定時間の間は、中央押圧操作部303aの操作を有効にしてもよい。
なお、成り上がり演出において、煽り演出が実行されず、ボタン表示演出のみが実行されるパターンが存在してもよい。煽り演出が実行された場合と、煽り演出が実行されずにボタン表示演出のみが実行された場合と、でボタン表示演出において表示され得る中央押圧操作部303aの画像の種類を異ならせてもよい。
具体的には、例えば、煽り演出が実行されるパターンにおいては、ボタン表示演出において青大プッシュ、赤大プッシュ、及び虹大プッシュのみが表示され得るが、煽り演出が実行されないパターンにおいては、青小プッシュ、青大プッシュ、赤大プッシュ、及び虹大プッシュが表示され得るとする。これにより、煽り演出が実行されるパターンの方が、煽り演出が実行されないパターンより、大当り期待度が高くなる。
また、このような場合には、煽り演出が実行されずボタン表示演出のみが実行されるパターンより、煽り演出が実行されるパターンの方が、出現頻度が高いことが望ましい。前述した通り、煽り演出が実行されるパターンの方が、大当り期待度が高いからである。また、例えば、煽り演出が実行されないパターンにおいては、ボタン表示演出においてBGMが流れているが、煽り演出が実行されるパターンにおいては、煽り演出においてBGMを流すもののボタン表示演出においてBGMを止めて無音状態にすることが望ましい。これにより、大当り期待度が高い煽り演出が実行されるパターンにおける、ボタン表示演出での緊張感を演出することができる。
また、例えば、当該変動が大当り変動である場合に限って、煽り演出が実行されるパターンであって、ボタン表示演出において中央押圧操作部303aの有効期間に中央押圧操作部303aが押圧された場合に振動スピーカ354が振動する演出が実行されるパターン、が実行されてもよい。
図246は、成り上がり演出における昇格演出が行われるタイミングの一例を示すタイミングチャートである。昇格演出は、例えば、図246が示すタイミング1〜7のいずれかにおいて実行され得る。タイミング1は、煽り演出が開始された直後(例えば図244(A)のタイミング又は(B)の開始直後のタイミング)である。タイミング1において、遊技者は、煽り演出における最初の背景色を認識できない又は僅かに認識した状態であるため、タイミング1で昇格演出が行われると、背景色に対する認識が薄い状態の遊技者に対してサプライズ感を与えることができる。
タイミング2は、煽り演出が開始してから所定時間が経過したタイミングである(例えば図244(C)のタイミング)。タイミング2では、遊技者は煽り演出における最初の背景色を完全に認識できているため、例えば当該背景色が青色であった場合には遊技者は落胆するが、タイミング2で昇格演出が行われることにより、この落胆を解消することができる。
タイミング3は、ボタン表示演出の開始と同時(例えば、図245(C)の開始時のタイミング)である。なお、図246の例では、ボタン表示演出の終了と同時に中央押圧操作部303aの有効期間が終了するものとする。
タイミング3では、遊技者はボタン表示演出において表示された中央押圧操作部303aの画像の種類を認識できていない状態であるため、タイミング3で昇格演出が行われると遊技者にサプライズ感を与えることができる。また、タイミング3で昇格演出が行われると、遊技者はまだ中央押圧操作部303aの画像の種類を認識できていないタイミングにも関わらず、少なくとも最も大当り期待度の低い画像(青小プッシュ)ではないことが確定するため、高揚感を得ることができる。
タイミング4は、ボタン表示演出の開始直後(例えば、図245(C)の開始直後のタイミング)である。タイミング4は、具体的には、例えば、ボタン表示演出の開始から0.008秒経過後等の、遊技者による、中央押圧操作部303aの操作が可能であるものの困難であるタイミングである。タイミング4では、遊技者はボタン表示演出において表示された中央押圧操作部303aの画像の種類の認識が薄い状態であるため、昇格演出が発生すると、遊技者にサプライズ感を与えることができる。
また、タイミング4で昇格演出が発生し得ることを知っている遊技者に対して、例えば、ボタン表示演出の開始前から、中央押圧操作部303aを連打する等して、有効期間が開始してから、昇格演出より先に中央押圧操作部303aの押圧操作を実行できるかという、別のゲーム性を提供することができる。
タイミング5は、ボタン表示演出が開始してから所定時間経過後(但し、中央押圧操作部303aの有効期間の前半)のタイミングである。タイミング5では、遊技者は中央押圧操作部303aの画像の種類を完全に認識できているため、例えば当該画像が青小プッシュであった場合には遊技者は落胆するが、タイミング5で昇格演出が行われることにより、この落胆を解消することができる。
タイミング6は、ボタン表示演出が開始してから所定時間経過後(但し、中央押圧操作部303aの有効期間の後半)のタイミングである。タイミング6では、中央押圧操作部303aの画像が表示されてから相当の時間が経過しているため、昇格演出の出現を半ば諦めている状態の遊技者に対して、昇格演出を見せることができるため、サプライズ感を提供することができる。
タイミング7は、ボタン表示演出の終了直前である。タイミング7で昇格演出を実行することにより、例えば、中央押圧操作部303aの押圧を促されても、中央押圧操作部303aを操作する気がない遊技者に対して、昇格演出を見せることができる。また、例えば、ボタン表示演出が開始しても昇格演出が発生するまでは、中央押圧操作部303aの有効期間が開始しない場合には、タイミング6やタイミング7で昇格演出を実行することにより、フリーズ演出のような演出を実現することができ、遊技者に強い期待感を抱かせることができる。
なお、ボタン表示演出開始後に昇格演出が実行される場合には、中央押圧操作部303aの押圧を昇格演出の実行の契機としてもよい。具体的には、例えば、ボタン表示演出開始後から昇格演出のタイミング(例えばタイミング4〜7のいずれか)まで、中央押圧操作部303aの画像が表示されるものの中央押圧操作部303aの操作が無効とされる。そして、昇格演出のタイミングにおいて、中央押圧操作部303aの操作の有効期間が開始する。
当該有効期間内に中央押圧操作部303aが押圧されると、昇格演出が発生し、昇格演出中は操作が無効となる。そして、演出表示装置1600に昇格後のボタン画像が表示され、再度操作有効期間が開始する。当該操作有効期間において、中央押圧操作部303aが押下されると、当該変動における当落結果が報知される。
また、例えば、ボタン表示演出の開始時に中央押圧操作部303aの有効期間が開始するものの、ボタン表示演出開始後から昇格演出のタイミング(例えばタイミング4〜7のいずれか)までの間に、中央押圧操作部303aが押圧された場合には、昇格演出が発生してもよい。その後、演出表示装置1600に昇格後のボタン画像が表示された後の有効期間において、中央押圧操作部303aが押下されると、当該変動における当落結果が報知される。なお、ボタン表示演出開始後から昇格演出を行うパターンは、大当り変動時のみに選択される(即ち、大当りが確定するパターンである)ことが望ましい。仮に、はずれ変動において当該パターンが選択されるとすると、遊技者は、ボタン演出によって当落結果が告知されると期待して中央押圧操作部303aを操作したのに、予期せぬ展開(大当りか否かが告知されない展開)であることにより、肩透かしとなるおそれがあるからである。
また、例えば、ボタン表示演出の開始時に中央押圧操作部303aの有効期間が開始するものの、ボタン表示演出開始後から昇格演出のタイミング(例えばタイミング4〜7のいずれか)までの間に、中央押圧操作部303aが押圧された場合には、昇格演出の発生を期待させる演出(例えば、「焦るな!もうちょっとで昇格するぞ!」というようなセリフ演出)が実行されてもよい。このような場合は、前述のような中央押圧操作部303aが押圧されたタイミングで昇格演出を行うのではなく、予め決定されている昇格のタイミングで昇格演出が行われる。
また、例えば、ボタン表示演出開始後に昇格演出が発生する場合には、「か〜ら〜の〜」というセリフが演出表示装置1600に表示した直後に、昇格後に一度煽り演出を再度実行し、その後ボタン表示演出を再度実行してもよい。この場合、当該昇格演出による昇格対象は、前回の煽り演出で出現した背景色であってもよいし、ボタン表示演出における中央押圧操作部303aの画像であってもよいし、双方であってもよい。
具体的には、例えば、煽り演出が青背景で終了し、ボタン表示演出において青小プッシュ表示が表示された後に「か〜ら〜の〜」が表示された場合に、その後、赤背景に昇格した煽り演出が行われ、青小プッシュ表示が表示されたボタン表示演出が行われてもよい。また、具体的には、例えば、煽り演出が青背景で終了し、ボタン表示演出において青小プッシュ表示が表示された後に「か〜ら〜の〜」が表示された場合に、その後、青背景の煽り演出が再度行われ、赤大プッシュ表示が表示されたボタン表示演出が行われてもよい。
また、前述した例では、煽り演出又はボタン表示演出の一方のみで、昇格演出が行われる例を説明したが、双方で昇格演出が実行されてもよい。また、1回の煽り演出及び1回のボタン表示演出内で複数回の昇格演出が実行されてもよい。なお、煽り演出として背景色が変化する例を説明したが、背景色の他に、中央押圧操作部303aが表示される前に表示され、かつ中央押圧操作部303aが表示される領域に重なるかたちで表示されるエフェクト(光の集まり演出など)の色に変化を持たせるなど、背景色に拘る必要は無い。
[15.保留予告演出]
[15−1.保留色変化による保留予告演出]
本実施形態では、主制御基板1310から送信される保留数指定コマンドに基づいて、演出表示装置1600に保留表示が表示されるが、その保留表示が消化されるまでの間、保留表示の表示態様を変化させることで、当該保留表示に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)に対する大当り期待度を示唆する保留予告演出を実行可能としている。また、保留表示の表示期間中において、保留表示の表示態様が変化する可能性を示唆する保留変化演出を実行可能としている。
具体的には、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入賞(始動条件が成立)したことに基づいて、主制御基板1310から保留数指定コマンド及び事前判定コマンドが送信される。そして、周辺制御基板1510では、ステップS601のコマンド解析処理において、保留数指定コマンド及び事前判定コマンドを受信すると、それらのコマンドに応じた保留予告決定テーブル、すなわち保留数指定コマンドから特定される保留数(保留記憶数)及び事前判定コマンドから特定される事前判定情報(大当り、小当り、リーチハズレ、ハズレのいずれか)に対応した保留予告決定テーブルを選択し、その保留予告決定テーブルに設定された判定値と読み出した保留予告決定用の乱数とを比較することで、保留予告決定テーブルに設定された保留予告パターンの種別を決定する。
なお、保留予告決定テーブルでは、事前判定コマンドから特定される事前判定情報(大当り、小当り、リーチハズレ、ハズレのいずれか)ごとに、各々の保留予告パターンに対する判定値の振分けが異なり、各々の保留予告パターンの出現率が異なるようになっている。
また、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入賞(始動条件が成立)したときには、保留数指定コマンドから特定される保留数(保留記憶数)が増加することで、演出表示装置1600に1つの保留表示を追加して表示する。一方、保留表示に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)を開始(開始条件が成立)するときには、保留数指定コマンドから特定される保留数(保留記憶数)が減少することで、演出表示装置1600における当該保留表示を消去する。そして、演出表示装置1600に保留表示が表示されてから当該保留表示が消去されるまでの表示期間中には、保留予告パターンに基づいて保留表示の表示態様を表示するようにし、当該保留表示とは別の保留表示に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)を開始(開始条件が成立)するごとに、保留表示の表示態様を変化可能としている。
なお、本実施形態では、保留表示に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)を開始(開始条件が成立)する時点で、当該保留表示を消去しているが、その装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の開始後にも、当該保留表示を継続して表示するとともに、当該保留表示の表示態様を変化可能としてもよい。このような場合、保留表示に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の開始前後で、他の保留表示と同様に、演出表示装置1600に当該保留表示が表示される位置が移動するようにし、保留変化演出の実行によって保留表示の表示態様が変化する可能性を示唆するようにしてもよい。
次に、保留数指定コマンドから特定される保留数(保留記憶数)ごとに複数種類の保留色パターンが設定された保留色決定テーブルについて、図247、図248、及び図249を参照して説明する。なお、保留予告決定テーブルは、周辺制御基板1510のROMに記憶されている。
図247(A)は、保留無しかつ変動非実行中に遊技球Bが始動口に入賞した場合に使用される保留色決定テーブルである。図247(B)は、保留無しかつ変動実行中に遊技球Bが始動口に入賞した場合に使用される保留色決定テーブルである。図248(C)は、保留が1つある状態で遊技球Bが始動口に入賞した場合に使用される保留色決定テーブルである。図249(D)は、保留が2つある状態で遊技球Bが始動口に入賞した場合に使用される保留色決定テーブルである。図249(E)は、保留が3つある状態で遊技球Bが始動口に入賞した場合に使用される保留色決定テーブルである。なお、保留なしかつ変動非実行中における保留色の決定には、事前判定コマンドを用いる必要はない。
保留色決定テーブルには、保留色が変化可能なタイミングにおける保留色を示すパターンと、当該パターンの当り変動における振り分けと、はずれ変動における振り分けと、が定義されている。なお、保1変動開始時とは、当該パターンによる色変化対象の保留が1番目の保留である(即ち当該保留に対応する変動が次回の変動で実行される)状態において、変動が開始した時である。同様に、保2変動開始時とは、当該パターンによる色変化対象の保留が2番目の保留である(即ち当該保留に対応する変動が次々回の変動で実行される)状態において、変動が開始した時である。同様に、保3変動開始時とは、当該パターンによる色変化対象の保留が3番目の保留である(即ち当該保留に対応する変動が3回先の変動で実行される)状態において、変動が開始した時である。
周辺制御MPUは、当該パターンが示す色に従って、各タイミングにおいて保留色を変化させる。なお、白色、青色、緑色、赤色、虹色の順で大当り期待度が高くなるように、保留色決定テーブルにおける振り分けが予め定められている。また、虹色は大当り変動時のみで選択されるよう振り分けが予め定められている。
なお、保留色決定テーブルの各パターンにおいて、大当り期待度の低い保留色への変化が行われないようになっている。具体的には、例えば、保留色が青色になった後は、白色に戻ることはない。仮に大当り期待度の低い保留色へ変化する可能性があると、たとえ、保留色が高期待度の色になった場合であっても、遊技者は、期待感を得られないからである。
また、保留色決定テーブルには、複数段階の色の昇格が実行されるパターンがある。具体的には、例えば、保留色が白色であった状態から、青色と緑色をとばして、赤色に変化するパターンが存在する。このようなパターンが存在することにより、例えば、保留色変化の最終タイミングにおいて、白色のままであっても、まだ大当り期待度の高い色へと一気に変化する可能性が残っており、遊技者の期待感を最後まで維持することができる。
また、例えば、リーチ変動のみにおいて、青色以上の保留色が選択されるようにしてもよいし、SPリーチが実行される変動のみにおいて、赤色以上の保留色が選択されるようにしてもよい。また、実行中又は保留中の変動の中に大当り変動が含まれている状態で変動が保留された場合、周辺制御MPUは、強制的に当該変動についての保留色変化パターンを全て白色(即ち、標準の色)からなるパターンに決定してもよい。
図250は、変動中保留色決定テーブルの一例である。変動中保留色決定テーブルには、変動実行中において、変動保留色が変化可能なタイミングにおける保留色を示すパターンと、当該パターンの当り変動における振り分けと、はずれ変動における振り分けと、変動パターンごと、変動開始時の保留色ごと、に定義されている。つまり、周辺制御MPUは、変動開始時の保留色、当該変動の変動パターン、及び当該変動が当り変動であるかはずれ変動であるかに従って、変動中の保留色変化パターンを決定する。
なお、図250の例では、各変動パターンに昇格タイミングが3つ定義されているが、変動パターンごとに昇格タイミングの数が異なってもよい。また、昇格タイミング自体も変動パターンごとに異なってもよい。例えば、SPリーチが変動される実行される変動パターンにおいては、昇格タイミングとして、例えば、リーチ成立時、SPリーチ発展時、SPリーチ後半開始時などがある。なお、各保留色の大当り期待度や変化パターンについては、保留色決定テーブルと同様である。
図251は、保留色変化による保留予告演出の一例を示す説明図である。(A)は、変動の保留がなく、かつ変動が行われている状態である。(B)は、当該変動が行われている状態で、第一始動口2002に遊技球Bが入球した状態である。(B)において、図247(B)の保留色決定テーブルが参照され、入賞時及び変動開始時の保留色が緑色に決定された。
(C)は、(B)における変動が終了した状態である。(D)は、緑色の保留に対応する変動が開始した状態である。(E)は、当該変動においてリーチに発展した状態である。(E)において、当該保留は緑色のままである。(F)は、当該変動においてSPリーチに発展した状態である。(F)において、当該保留は緑色のままである。(G)は、当該変動においてSPリーチの後半が開始した状態である。SPリーチの後半開始時に、当該保留は赤色に変化した。
[15−2.ガチャコイン変化による保留予告演出]
ここまで保留色変化による保留予告演出について説明した。以下、保留がガチャコインとして表示され、当該保留が変化することによる保留予告演出について説明する。当該保留予告演出においては、例えば、入賞時に保留がコイン(以下、ガチャコインと呼ぶ)の態様で表示され、保留が移動するタイミングで、コインの枚数が増えたり、通常の態様と異なるコイン(以下、レアガチャコインと呼ぶ)に変化したりする。
そして、例えば、当該保留に対応する変動の開始時に、演出表示装置1600において、ガチャコイン及びレアガチャコインの枚数と同じ回数の、ガチャガチャを実行し、同数の保留表示を獲得する。そして、現在実行中の変動を示す保留表示が、獲得した当該保留表示のうち、最も大当り期待度の高い色の保留表示に変化する。なお、最も大当り期待度の高い色への保留表示変化に限らず、表示された保留表示のうち、いずれかの保留表示への変化を行うようにしてもよい。なお、ガチャコインやレアガチャコインの保留が表示されているものの、当該保留に対応する変動の開始時にガチャガチャが実行されずに、ガチャコインやレアガチャコインの保留が表示されてもよい。
保留数指定コマンドから特定される保留数(保留記憶数)ごとに複数種類のガチャコイン保留パターンが設定されたガチャコイン保留決定テーブルについて、図252、図253、及び図254を参照して説明する。なお、ガチャコイン保留決定テーブルは、周辺制御基板1510のROMに記憶されている。
図252(A)は、保留無しかつ変動非実行中に遊技球Bが始動口に入賞した場合に使用されるガチャコイン保留決定テーブルである。図252(B)は、保留無しかつ変動実行中に遊技球Bが始動口に入賞した場合に使用されるガチャコイン保留決定テーブルである。図253(C)は、保留が1つある状態で遊技球Bが始動口に入賞した場合に使用されるガチャコイン保留決定テーブルである。図254(D)は、保留が2つある状態で遊技球Bが始動口に入賞した場合に使用されるガチャコイン保留決定テーブルである。図254(E)は、保留が3つある状態で遊技球Bが始動口に入賞した場合に使用されるガチャコイン保留決定テーブルである。なお、保留なしかつ変動非実行中におけるガチャコイン保留の決定には、事前判定コマンドを用いる必要はない。
ガチャコイン保留決定テーブルには、保留色決定テーブルと同様に、保留色が変化可能なタイミングにおけるガチャコインの種類及び枚数を示すパターンと、当該パターンの当り変動における振り分けと、はずれ変動における振り分けと、が定義されている。
周辺制御MPUは、当該パターンが示すガチャコインの種類及び枚数に従って、各タイミングにおいてガチャコインの種類及び枚数を変化させる。なお、ガチャコイン1枚、ガチャコイン3枚、ガチャコイン5枚、レアガチャコイン1枚、レアガチャコイン5枚の順で大当り期待度が高くなるように、ガチャコイン保留決定テーブルにおける振り分けが予め定められている。また、最も大当り期待度の高いレアガチャコイン5枚であっても、はずれ変動で選択されてもよい。
なお、保留色決定テーブルと同様に、ガチャコイン保留決定テーブルの各パターンにおいて、大当り期待度の低いガチャコインへの変化が行われないようになっている。また、保留色決定テーブルと同様に、ガチャコイン保留決定テーブルには、複数段階のガチャコインの昇格が実行されるパターンがある。また、実行中又は保留中の変動の中に大当り変動が含まれている状態で変動が保留された場合、周辺制御MPUは、強制的にガチャコイン保留でなく、通常の白色の保留が表示されるようにしてもよい。
なお、図示したガチャコイン保留決定テーブルにおいては、ガチャコイン保留が表示される場合には、必ず入賞時からガチャコインが表示されるものとしているが、例えば、入賞時には通常の白色の保留が表示され、当該保留に対応する変動開始時までに当該保留がガチャ保留に変化するパターンが存在してもよい。但し、保留色が青色以上に昇格した後に、ガチャコインに変化するパターンは存在しないことが望ましい。保留色が昇格した期待感を低下させてしまうおそれがあるからである。
図255は、ガチャコイン保留色対応テーブルの一例である。ガチャコイン保留色対応テーブルにおいて、変動開始時のガチャコインの種類及び枚数と、変動開始時のガチャガチャにより獲得する保留表示のうち最も大当り期待度の高い保留色と、の対応と、大当り変動及びはずれ変動それぞれについての当該対応が選択される振り分けと、が定義されている。
ガチャコイン保留色対応テーブルは、ガチャコインによるガチャガチャが実行されたものの、白色の保留表示しか獲得できない事態は発生しないよう定められている。このような事態が発生すると、遊技者はガチャガチャが実行される演出に期待感を得られなくなるからである。
なお、保留色欄の「コイン」は、ガチャガチャが実行されずに、保留がガチャコイン又はレアガチャコインの表示のまま変動が実行されることを示す。ガチャコイン保留決定テーブルにおいて、ガチャガチャが実行されない場合の大当り期待度が低く設定されているが、図255のように最も大当り期待度の高い態様であるレアガチャコイン5枚の場合に、ガチャガチャが実行されない場合は、大当りが確定するように設定されていてもよい。 また、ガチャコイン保留色対応テーブルは、ガチャガチャが実行されないパターンを含まなくてもよい。つまり、この場合、ガチャコイン又はレアガチャコインの保留表示が出現した場合、必ず青色保留以上の大当り期待度を有する保留表示へと変化する。
なお、大当り変動については、ガチャガチャが実行されずに、保留がガチャコイン又はレアガチャコインの表示のまま変動が実行されることを示す「コイン」への振り分けは、ガチャコイン1枚、ガチャコイン3枚、ガチャコイン5枚、レアガチャコイン1枚、レアガチャコイン5枚のいずれであっても、色付きの保留表示に変化する割合よりも低く設定されている(コイン1枚の場合は、32/128でコインのままだが、96/128で何かの色に変化する)。これは、色付きの保留表示に変化したときの方が、期待度が総じて高いため、コインのまま終了してしまうことを極力抑制するためである。
なお、ガチャコイン保留色対応テーブルが示す振り分けによって、複数のガチャコイン又はレアガチャコインを用いて獲得された複数の保留表示について、最も大当り期待度の高い保留色が決定されるが、当該最も大当り期待度の高い保留色以外の保留表示の色については、例えば、ランダムに決定される。
具体的には、例えば、3枚のコインを獲得しており、保留色として赤色を表示することが決定されている場合、残りの2枚のコインによって示される保留色は、赤を超える期待度を有する虹色を除いた「コイン」「青色」「緑色」「赤色」の中からランダムに決定する、ということである。また、ランダムではなく、例えば「青色」「緑色」「赤色」をパターン1、「緑色」「緑色」「赤色」をパターン2、「青色」「赤色」「赤色」をパターン3、というようにあらかじめコイン枚数および最終色ごとに複数のパターンを設けて、その中から決定するようにしてもよい。また、最も大当り期待度の高い保留色に決定しない場合(表示された保留色の中からいずれかを決定する場合)には、例えば、パターン1よりもパターン2の方が赤に昇格しやすい等の設定を行うとよい。
なお、ガチャコイン保留色対応テーブルにおいて、複数のガチャコイン又はレアガチャコインによって獲得される全ての保留表示の色が定義されていてもよい。この場合、最も大当り期待度の高い保留色が同じであっても、当該保留色を有する保留表示の数が多いほど、大当り期待度が高くなるよう振り分けが設定されているとよい(具体的には、例えば、ガチャコイン3枚を用いて、「赤色、青色、白色」の保留表示を獲得して保留表示が赤色に変化する場合よりも、「赤色、赤色、赤色」の保留表示を獲得して保留表示が赤色に変化する場合の方が、大当り期待度が高い)。
なお、ガチャコイン又はレアガチャコインによって変動開始時に色付きの通常保留表示に変化した後の、当該変動における保留表示の変化パターンは、図250の変動中保留色決定テーブルを用いて決定される。つまり、ガチャコイン保留予告であっても、色付きの通常保留表示に変化した後は、保留色変化予告が継続した場合と同じく、保留色による保留変化パターンが用いられる。但し、図250の変動中保留色決定テーブルの各パターンについて、ガチャコイン保留予告経由時と非経由時とで、各パターンの大当り変動時の振り分けと、はずれ変動時の振り分けと、が異なってもよい。
なお、前述した例では、ガチャガチャによりガチャコイン保留が保留色表示に変化する演出は、ガチャコインに対応する保留の変動開始時に行われるとしたが、当該変動開始後の別のタイミングで実行されてもよい。当該タイミングとして、例えば、リーチ成立直前、リーチ成立直後、SPリーチが実行される場合のSPリーチ発展時などがある。但し、例えば、リーチ演出中に特定操作部の操作を促す画像を表示して、当該操作部の操作を促す演出が実行される場合には、最後の当該タイミングは当該画像の表示開始前でることが望ましい。
なお、例えば、最終的な保留色が同じであれば、ガチャコイン保留予告を経由していない場合よりも、ガチャコイン保留予告を経由した場合の方が、大当り期待度が高くなるよう、保留色決定テーブル及びガチャコイン保留色対応テーブル等における振り分けが設定されていることが望ましい。
なお、前述した例では、ガチャコイン保留の段階数(ガチャコイン1枚、ガチャコイン3枚、ガチャコイン5枚、レアガチャコイン1枚、レアガチャコイン5枚の5段階)と保留色の段階数(白色、青色、緑色、赤色、虹色の5段階)は同じであるが、異なっていてもよい。なお、段階数が異なる場合には、ガチャコイン保留の段階数の方が多いことが望ましい。ガチャコイン保留も最終的には、色付き表示の保留に変化するため、遊技者は色付き表示の保留によって最終的な大当り期待度を認識する。つまり、保留色の段階数が多いと遊技者は、全ての色の大当り期待度の順番を覚えていないと最終的な大当り期待度を把握しにくいためである。
なお、図示は省略しているが、周辺制御ROMには、例えば、入賞時の保留として、ガチャコイン保留表示が選択される振り分けと、通常保留表示(白色を含む色付き保留)が選択される振り分けと、変動パターンごとに定義されたテーブルが格納されている。周辺制御MPUは、当該テーブルを参照して、ガチャコイン保留表示又は通常保留表示を選択し、選択した表示態様に応じて、ガチャコイン保留色対応テーブル又は保留色決定テーブルを参照して、保留変化パターンを決定する。
ガチャコイン保留表示が選択された場合の大当り期待度の方が、通常保留表示が選択された場合の大当り期待度より、総じて高く設定されているが、大当り期待度が最も低いガチャコイン保留(ガチャコイン1枚)より、通常保留表示のはずれ変動でも選択され得る最上位の保留(赤色)の方が、大当り期待度が高いものとする。
図256は、ガチャコイン保留予告演出の一例を示す説明図である。(A)は、変動の保留がなく、かつ変動が行われている状態である。(B)は、当該変動が行われている状態で、第一始動口2002に遊技球Bが入球した状態である。(B)において、図252(B)のガチャコイン保留決定テーブルが参照され、入賞時の保留表示が「ガチャコイン1枚」に、変動開始時の保留表示が「ガチャコイン3枚」に決定され、図255において保留色として赤色が決定された場合の図である。
(C)は、(B)における変動が終了した状態である。(D)は、ガチャコインに変化した保留に対応する変動が開始した状態である。当該変動開始時において、「ガチャコイン1枚」であった保留表示が、「ガチャコイン3枚」に変化している。(E)は、ガチャコイン3枚を使って、ガチャガチャ演出が3回実行された状態である。ガチャコイン保留色対応テーブルが参照され、最も大当り期待度の高い保留色が緑色に決定されている。従って、(E)において、ガチャガチャ演出で獲得された3つの保留表示のうち、最も大当り期待度の高いものが緑色となっている。
(F)は当該変動の続きの状態である。当該変動に対応する保留表示が、ガチャガチャ演出で獲得された3つの保留表示のうち、最も大当り期待度の高い緑色に変化している。(G)は、当該変動においてリーチに発展した状態である。(G)において、当該保留は緑色のままである。(H)は、当該変動においてSPリーチに発展した状態である。(H)において、当該保留は緑色のままである。(I)は、当該変動においてSPリーチの後半が開始した状態である。SPリーチの後半開始時に、当該保留は赤色に変化した。
ガチャコイン保留予告が、通常保留表示(白色を含む色付き保留表示)に変化した後の、保留表示の変化態様は、ガチャコイン保留予告を経由しない場合と同様であるため、(G)、(H)、(I)は、それぞれ、図251(E)、(F)、(G)と同様である。なお、この他にも、例えば、ガチャガチャ演出で獲得された3つの保留表示を「青色」、「緑色」、「赤色」とし、図256(F)の状態から赤表示とし、図256(G)に示すリーチ開始よりも前に最終色を示すなど、色が昇格する等のタイミングは適宜決定されてもよい。
[16.リーチ崩れ擬似連演出]
以下、リーチ崩れ擬似連演出について説明する。まず、擬似連続演出について説明する。擬似連続演出とは、装飾図柄の変動を行い装飾図柄の変動を終了させる動作を、第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器の一回の変動中に、複数回実行する演出である。「装飾図柄の変動を終了させる」とは、例えば、装飾図柄の一部または全部を停止表示させる態様、装飾図柄の変動が一旦終了したように遊技者に認識させるような態様、及び装飾図柄の一部に擬似連図柄(この図柄が停止すれば擬似連が確定する図柄)が停止する態様、などである。なお、当該動作がN回(Nは1以上の自然数)行われる擬似連続演出をN連の擬似連続演出と呼び、N連の擬似連続演出におけるM回目の装飾図柄の変動(Mは1以上N以下の自然数)をM連目の擬似連続演出と呼ぶ。
また、第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器の一回の変動中に、当該動作を再度実行する可能性があることを遊技者に示唆しつつ、実際には当該動作を再度実行しない演出を、「擬似ガセ演出」と呼ぶ。また、2連の擬似連続演出が実行されるが、3連目の擬似連続演出の実行を示唆しつつも3連目の擬似連続演出を実行しない、擬似ガセ演出も存在する。以下、擬似連続演出のことを単に「擬似連演出」、又は「擬似連」とも呼ぶ。
擬似連演出が発生又は継続する、即ち、装飾図柄の変動を行い装飾図柄の変動を終了させる動作を、第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器の一回の変動中に、再度実行することが確定している場合に、周辺制御MPUは、左装飾図柄、中装飾図柄、及び右装飾図柄の少なくとも1つに擬似連図柄を停止させてもよい。以下の例では、周辺制御MPUは、「続く!」のような文字を擬似連図柄として中装飾図柄に停止させる。なお、例えば、特定の装飾図柄の組み合わせ(例えば、左装飾図柄、中装飾図柄、右装飾図柄の全てが奇数又は偶数かつリーチ非発生)を擬似連図柄としてもよい。
各変動における、擬似連の実行有無、擬似連が実行される場合の擬似連回数は、変動パターンにおいて定義されている。また、擬似連回数が多くなるほど大当り期待度が向上するよう、変動パターンテーブルにおける変動パターンの選択率が決定されている。
図257は、リーチ崩れ擬似連演出の一例を示す説明図である。図257(A)は、変動が開始した状態である。続いて(B)において、左装飾図柄が停止し、右装飾図柄が左装飾図柄と同一の図柄で、例えば、揺れているような態様で停止しかけている(リーチ状態になりかけている)。(C)において、装飾図柄が(B)の状態を維持しており、さらに中央押圧操作部303aを押圧することを促す画像が演出表示装置1600に表示されている。
(D)は、(C)において中央押圧操作部303aが押圧された直後の状態である。リーチ状態になりかけていた装飾図柄が再度変動を開始し、2連目の擬似連が開始したことを示す表示(「×2!」)が演出表示装置1600に表示されている。
続いて、(E)において、再度、左装飾図柄が停止し、右装飾図柄が左装飾図柄と同一の図柄で、例えば、揺れているような態様で停止しかけている。また、現在2連目の擬似連が実行中であることを示す表示(「×2」)が演出表示装置1600に表示されている。(F)において、装飾図柄が(E)の状態を維持しており、さらに中央押圧操作部303aを押圧することを促す画像が演出表示装置1600に表示されている。
同様の演出が繰り返され、4連目の擬似連が行われたとする。(G)は、装飾図柄が(E)の状態を維持しており、さらに中央押圧操作部303aを押圧することを促す画像が演出表示装置1600に表示されている。現在4連目の擬似連が実行中であることを示す表示(「×4」)が演出表示装置1600に表示されている。
(H)は、(G)において中央押圧操作部303aが押圧されたものの、リーチ状態になりかけていた装飾図柄が崩れることなく、リーチが形成された状態である。偶数の装飾図柄でリーチ状態が形成されている。なお、装飾図柄が、偶数揃い、7以外の奇数揃い、7揃いの順で、当該大当りで得られる出玉の期待値が大きいものとする。現在4連目の擬似連が実行中であることを示す表示(「×4」)が演出表示装置1600に表示されている。なお、リーチになりかけている(左右の装飾図柄それぞれの上下の位置が若干異なる)と説明したが、リーチになっている(左右の装飾図柄それぞれの上下の位置が同じ)状態から、図257(c)のように、中央押圧操作部303aを押圧することを促す画像が演出表示装置1600に表示されてもよい。
図258は、リーチ崩れ擬似連演出に続いて実行されるリーチ図柄昇格演出の一例を示す説明図である。リーチ図柄昇格演出は、SPリーチの一例である。図258(I)は、リーチ図柄昇格演出が開始した状態である。「リーチ図柄を昇格させろ!!」という文字が演出表示装置1600に表示されている。リーチ図柄昇格演出では、例えば、偶数リーチが、奇数リーチ又は7リーチに昇格したり、奇数リーチが7リーチに昇格したりする。ここでは、偶数リーチ<奇数リーチ<7リーチの順に有利(例えば大当りしやすい)としている。特にこの7リーチはかなりの激アツ演出(例えば大当り期待度80%超)とする。なお、(I)において、リーチ崩れ演出が終了したため、擬似連回数を示す表示が演出表示装置1600から消去されている。
続いて(J)において、中央押圧操作部303aの操作を促す画像が演出表示装置1600に表示されている。なお、中央押圧操作部303aの画像の背景に白色のエフェクト画像が表示されている。また、(J)において、例えば、リーチ中の装飾図柄が揺れているような態様で表示される。
(K)は、(J)において中央押圧操作部303aが押圧され、リーチ図柄の昇格に成功した状態である。リーチ図柄が昇格したことを示す表示(「昇格!!!」)が、演出表示装置1600に表示されている。また、装飾図柄が奇数リーチに昇格している。また、背景のエフェクト画像の色が、白色から青色に変化している。
例えば、リーチ図柄昇格演出背景のエフェクト画像の色は、偶数リーチのときには白色、7以外の奇数リーチのときには青色、7リーチのときには赤色である。なお、リーチ図柄の昇格に失敗した場合であっても、当該リーチ図柄によるリーチ演出(例えばSPリーチ演出)が行われ、当落が告知され図柄が確定する。
続いて、(L)において、「リーチ図柄を昇格させろ!!」という文字が再度、演出表示装置1600に表示されている。続いて(M)において、中央押圧操作部303aの操作を促す画像が演出表示装置1600に表示されている。また、このとき、例えば、リーチ中の装飾図柄が揺れているような態様で表示される。
(N)は、(M)において中央押圧操作部303aが押圧され、リーチ図柄の昇格に成功した状態である。リーチ図柄が昇格したことを示す表示(「昇格!!!」)が、演出表示装置1600に表示されている。また、装飾図柄が7リーチに昇格している。また、背景のエフェクト画像の色が、青色から赤色に変化している。図示は省略しているが、その後、7図柄によるリーチ演出(例えばSPリーチ演出)が行われ、当落が告知され図柄が確定する。
なお、繰り返し行われる同一の態様(リーチ図柄態様)の演出であるリーチ崩れ擬似連演出が行われる第1期間と、第1期間終了時から、最終的なリーチ図柄の確定(リーチ図柄昇格演出の最後)までの第2期間と、を比較すると第2期間の方が長いことが望ましい。遊技者は、あくまで当該変動の当落結果に最も注目しているため、当落結果をより直接的に告知する第2期間が長い方が、遊技者の興味を維持することができるとともに、上述した7リーチの大当り期待度を破格の数値に設定しているので、第1期間よりも第2期間の方が長い方が、遊技者に長い時間高揚感を提供することができる。
また、第1期間において中央押圧操作部303aの押圧が促される回数は、第2期間において中央押圧操作部303aの押圧が促される回数より、多いことが望ましい。変動開始から操作部の操作を促すまでの時間が長くなるほど、操作部の操作が促された場合に、遊技者は当該操作により当該変動の当落結果が告知されるのでは、と考える傾向がある。従って、変動開始からの経過時間が長い第2期間において、中央押圧操作部303aの操作を促す回数が多いと、遊技者は操作の度に身構えることになり、気疲れしてしまうおそれがあるため、前述のような回数としている。
また、第1期間で繰り返し行われる中央押圧操作部303aの押圧を促す演出間の時間間隔は、第2期間で繰り返し行われる中央押圧操作部303aを促す演出間の時間間隔より短いことが望ましい。以下、中央押圧操作部303aの押圧を促す演出を操作要求演出とも呼ぶ。前述したように、第1期間よりも第2期間の方が当落結果をより直接的に告知する演出であるため、第1期間における操作要求演出間に時間をかけてしまうと、遊技者の興味を維持することができないからである。また、第1期間で繰り返し行われる中央押圧操作部303aの押圧を促す演出間の時間間隔は、第1期間が終了してから第2期間において最初の中央押圧操作部303aを促す演出が表示されるまでの時間間隔よりも短い、としているのも同様の理由である。
また第1期間の1回の操作要求演出における操作有効期間より、第2期間の1回の操作要求演出における操作有効期間の方が長いことが望ましい。第1期間よりも第2期間の方が当落結果をより直接的に告知する演出であるため、緊張感を持って第2期間の押圧操作をゆっくり行いたい遊技者がいるためである。
リーチ崩れ擬似連演出の内容次第では(例えば擬似連回数が所定回数(例えば3回)以下)、その後にSPリーチに発展した場合でも、操作要求演出が実行されない場合もある。但し、リーチ崩れ擬似連演出が発生したものの、その後に発展したSPリーチで操作要求演出が実行されない割合より、当該SPリーチで操作要求演出が実行される割合の方が高いことが望ましい。これにより、リーチ崩れ擬似連演出の発生による遊技者に高揚感を与えることができる。
前述したように、図257及び図258の例では、第1期間における操作要求演出の表示態様は一種類であるが、第2期間における操作要求演出の表示態様は複数種類(青色のエフェクトを伴う表示、及び赤色のエフェクトを伴う表示)ある。
また、操作要求演出が開始してから、残りの操作有効期間を示すタイマ(ゲージ等でもよい)が演出表示装置1600に表示されてもよい。この場合、第1期間において操作要求演出が開始してからタイマが表示されるまでの時間は、第2期間において操作要求演出が開始してからタイマが表示されるまでの時間はより短い。
また、図示していないが、第2期間における操作要求演出において中央押圧操作部303aが押圧された場合、当落結果に応じて所定の可動体が動作してもよい。具体的には、例えば、大当り変動であれば当該可動体が動作し、はずれ変動であれば当該可動体は動作しない。一方、第1期間における操作要求演出において中央押圧操作部303aが押圧された場合には、当落結果に関わらず可動体は動作しない。
また、第1期間における操作要求演出において中央押圧操作部303aが押圧された場合にも、可動体が動作してもよいが、第2期間おける操作要求演出において中央押圧操作部303aが押圧された場合の可動体の動作態様とは異なる(例えば、可動体の動作方向や動作量が異なったり、動作する可動体が異なったりする)。
また、第1期間において、リーチが崩れて擬似連が開始する際に特定の演出(例えばカットイン演出)が実行されてもよい。このような特定の演出は複数種類存在してもよい。また、特定の演出の種別によっては、当該変動の大当り期待度が高まる、次回のリーチ崩れが確定する、ように出現させてもよい。
また、期待が高い特定演出が出現した場合には、移行の特定演出において期待が下がらないようにすることが望ましい(具体的には、例えば、緑色のカットイン演出が出現した場合には、青色のカットイン演出が出現しない)。また、第1期間において、リーチが崩れて擬似連が開始する際に所定の可動体が動作してもよい。なお、当該可動体の動作は、毎回同じでもよいし、現在の擬似連回数に応じて動作や動作する役物自体が異なってもよい。
また、第1期間において複数の操作要求演出が実行されているが、操作要求演出間の時間間隔を徐々に短くしてもよいし、所定回数目以降から操作要求演出間の時間間隔を短くしてもよい。但し、例えば、最後から1つ前の操作要求演出と最後の操作要求演出との時間間隔は、他の操作要求演出間の時間間隔より長くてもよい。
[17.すごろくステージ演出]
以下、すごろくステージ中の演出について説明する。すごろくステージとは、特定の演出状態の一例であり、変動中にすごろく演出が行われて遊技が進行する。具体的には、演出表示装置1600にすごろくのマップが表示され、変動中に裏下中回転装飾体3310が回転し、回転が停止したときに裏下中回転装飾体3310が示す数字分だけ、すごろくのマップ上に描かれたキャラクタがマス目を進む。キャラクタが停止したマス目が示す演出が、当該変動又は保留中の変動において実行される。
なお、必ずしも全ての変動において裏下中回転装飾体3310の回転動作が行われなくてもよい。裏下中回転装飾体3310の回転動作が行われない変動では、例えば、キャラクタはマス目を移動しない、即ち同じマス目に留まる。なお、すごろくステージの開始契機として、変動開始時に所定の確率ですごろくステージへ移行してもよいし、有利遊技状態の終了後の所定回数の変動においてすごろくステージに滞在することが定められていてもよいし、前述した事前判定コマンドを用いた先読み演出の一部として移行してもよい。
図259及び図260はすごろくステージにおける演出の一例を示す説明図である。(A)は、変動が開始する直前の状態である。演出表示装置1600の中央において大きな装飾図柄が停止している。また、すごろくのマス目内には何も表示されていない。また、(A)の時点において、変動の保留が3つあるものがあるとする。(B)は、変動が開始した状態である。演出表示装置1600の中央において大きな装飾図柄が変動を開始する。
(C)において、演出表示装置1600中央の大きな装飾図柄が消去され、演出表示装置1600の右上部に小さい装飾図柄が変動している。また、大きな装飾図柄が消去されるタイミングですごろくのマス目に演出内容を示す表示がされる。また、例えば、当該タイミングで、裏下中回転装飾体3310が回転を開始する。なお、(B)のタイミングにて、裏下中回転装飾体3310の回転を開始させてもよい。
(D)において、裏下中回転装飾体3310が回転を停止する。最上方に位置する裏下中回転装飾体3310の数字が、キャラクタが進むマス数を示す。(D)においては、裏下中回転装飾体3310は「2」を指し示している。
(E)において、キャラクタが2マス移動する。2マス移動した先のマス目の「×」は特別な演出が行われないことを示す。従って、特別な演出が行われず、(F)において装飾図柄が停止している。なお、装飾図柄停止時には、演出表示装置1600の中央に大きな装飾図柄が表示される。
(G)では、演出表示装置1600においてキャラクタが演出表示装置1600に表示されているすごろくのマス目のうち、最後尾のマス目に位置するように、すごろくステージを撮影するカメラが移動する態様の演出を実行する。(G)の終了時は、(A)と同様である。続いて、(H)において次回の変動が開始する。(H)の詳細は(B)と同様である。この後、同様の演出が繰り返される。
(I)は、すごろくステージの最終変動が実行されている状態であり、詳細は(C)と同様である。(J)は、当該最終変動の続きの状態である。(J)において、裏下中回転装飾体3310が回転したまま、演出表示装置1600内の保留表示領域(当該変動に対する保留表示領域)へ近づくように、上昇動作(回転動作とは異なる動作)をする。なお、当該上昇動作は当該最終変動においてのみ実行され得る。当該上昇動作が行われると、すごろくのマス目の内容が大当り期待度の高いものへと変化する。(I)の状態で「×」、「?」、「×」であったマス目の内容が、(J)の状態でではいずれも「リーチ」に変化している。
なお、当該最終変動がはずれ変動である場合より大当り変動である場合の方が、当該上昇動作が行われる確率が高くなるように設定されている、即ち当該上昇動作が行われた場合の当該最終変動における大当り期待度は当該上昇動作が行われない場合の大当り期待度より高くなる、ことが望ましい。なお、(K)のように、裏下中回転装飾体3310が保留表示領域の一部又は全部を隠してもよいし、保留表示領域に近づくものの隠さなくてもよい。
また、裏下中回転装飾体3310の回転が停止してから(即ち数字が決定してから)、当該上昇動作が行われてもよい。但し、当該最終変動における回転動作の開始よりも上昇動作の開始の方が遅いことが望ましい。前述したように、当該上昇動作が行われると大当り期待度が高くなり、遊技者は回転動作が開始した後も、上昇動作が行われることに対する期待感を抱くことができるからである。
(K)は、当該最終変動の続きの状態である。(K)において、裏下中回転装飾体3310が回転したまま初期位置に戻る。なお、裏下中回転装飾体3310が回転を停止してから初期値に戻ってもよい。(K)において、隠されていた保留表示領域の保留が通常表示から青色の保留表示(通常の保留表示より大当り期待度の高い保留表示)に変化している。
なお、裏下中回転装飾体3310の回転動作は、すごろくステージ以外の演出状態における変動でも実行可能であるが、すごろくステージにおいて当該回転動作が連続する複数の変動それぞれにおいて実行される確率より、すごろくステージ以外の演出状態において当該回転動作が連続する複数の変動それぞれにおいて実行される確率の方が低く設定されていることが望ましい。すごろくステージにおいてキャラクタがマス目を進む変動が多い方が、遊技者がすごろくを楽しむことができるからである。
一方、当該回転動作が連続する複数の変動それぞれにおいて実行される確率が、すごろくステージより高く設定されている演出状態が存在してもよい。一見すごろくステージのために設けられていると思われる裏下中回転装飾体3310が連続して回転する演出状態があることにより、遊技者にサプライズ感を提供することができるからである。
また、裏下中回転装飾体3310の回転動作する例を説明したが、回転動作のような位置が変更しない動作ではなく位置が変更する動作が行われてもよい。例えば、裏下中回転装飾体3310が回転しながら微上昇(最終変動における上昇動作より小さな上昇幅)等してもよい。
[18.特定ゾーン演出]
以下、特定ゾーンの演出について説明する。当該特定ゾーンの例として、松ゾーンと超松ゾーンとがある。松ゾーンは、例えば、前章のすごろくステージ中に突入するゾーンである。また、超松ゾーンは、例えば、ステージを問わず突入する可能性のあるゾーンである。
なお、例えば、これら特定ゾーンへの突入は先読み演出として実行される。先読み演出とは、保留中の変動の当落結果を示唆する演出を当該保留中の変動開始前から実行する演出である。周辺制御MPUは、主制御MPUから送信された、保留された特別図柄変動についての特別図柄事前判定コマンド、を参照して、保留された特別図柄変動それぞれが当り変動(つまり大当り変動又は小当り変動)であるか否かを判定(先読み判定)し、この判定結果に基づいて先読み演出を実行することができる。
松ゾーン及び超松ゾーンに突入した後は、先読み判定された保留に対応する変動(先読み対象変動とも呼ぶ)までこれらのゾーンの突入状態が継続する。松ゾーン及び超松ゾーンの先読み判定された保留に対応する変動の大当り期待度が高いものとする。また、松ゾーンに突入した場合より、超松ゾーンに突入した場合の方が先読み対象変動の大当り期待度が高いものとする。なお、大当り変動が実行中又は保留されている状態で、新たに保留された変動を先読み対象変動とした松ゾーン及び超松ゾーンは実行されないことが望ましい。
図261及び図262は、松ゾーン演出の一例を示す説明図である。(A)は、すごろくステージ中の変動が実行されている状態である。(A)において実行中の変動の2つ次の保留中の変動が、先読み対象変動である。(A)の変動から先読み対象変動に対する先読み演出が行われている。(A)において、キャラクタが「松ゾーン」と記載されたマス目に停止する演出が実行されている。(B)は、(A)の変動の続きの状態である。松ゾーンに突入したことを示す表示が演出表示装置1600に表示されている。
(C)において、装飾図柄が演出表示装置1600の中央に表示されている。また、松ゾーンに滞在中であることを示す表示(「松ゾーン中・・・」)が演出表示装置1600に表示されている。(D)において、当該変動が終了している。(C)の次の変動においても、例えば、(C)及び(D)と同様の演出が実行される。
(E)は、先読み対象変動が開始した状態である。引き続き、松ゾーンに滞在中であることを示す表示が演出表示装置1600に表示されている。(F)は、先読み対象変動においてリーチが成立した状態である。リーチが成立した状態においては、松ゾーンに滞在中であることを示す表示が演出表示装置1600から消去されている。
このようにリーチが成立したタイミングのような大当り期待度が高い特定の演出が実行されているときにおいて、松ゾーン滞在中であることを示す表示が消去されることにより、それまで松ゾーンに滞在中であることに大きく注意をはらっていた遊技者に対して、特定の演出が実行されていることに対する注目を引くことができる。また、松ゾーンに滞在中であることが常時表示されていると、遊技者の緊張感が継続して疲れてしまうおそれがあるからである。なお、このように松ゾーン滞在中であることを示す表示が消去されるタイミングは複数回あってもよい。具体的には、例えば、擬似連の実行が確定するタイミングで毎回消去されてもよい。
つまり、SPリーチ演出(後述するじゃんけん勝負演出)が開始される前の、特定のタイミング(リーチが成立した時点、擬似連が確定する表示が現出された時点、リーチや擬似連が発生したことに関連した(強調した)演出を行っているときなど)において、一旦、松ゾーン滞在中であることを示す表示を消去するようにするとよい。
(G)において、リーチがかかった状態が継続されている。(G)において、松ゾーンに滞在中であることを示す表示が再び演出表示装置1600に表示されている。(G)はSPリーチに発展するか否かを遊技者が待っているタイミングであり、当該タイミングにおいて大当り期待度の高い松ゾーンに滞在中である表示が再表示されることにより、遊技者は、松ゾーン中であることを思い出し、SPリーチへの発展を期待することができる。
(H)は、SPリーチであるじゃんけん勝負演出が開始した状態である。じゃんけん勝負演出は、松ゾーン及び超松ゾーンの先読み対象変動で発展するSPリーチである。じゃんけん勝負演出は、例えば、SPリーチ演出の中でも極めて大当り期待度の高い(例えば、大当り変動時のみにしか選択されないSPリーチ演出の次に大当り期待度が高い)演出である。なお、松ゾーンに突入しても必ずしもじゃんけん勝負演出が実行されるわけではないが、超松ゾーンに突入した場合には必ずじゃんけん勝負演出が実行されるように、先読み対象変動の変動パターンが選択されているものとする。
また、じゃんけん勝負演出開始時には、松ゾーン滞在中であることを示す表示が演出表示装置1600から消去され、じゃんけん勝負演出中においても消去された状態である。じゃんけん勝負演出は大当り期待度が極めて高い演出であり、じゃんけん勝負演出に遊技者の注意を引くためである。このために、松ゾーン突入時より、じゃんけん勝負演出開始時の方が、大当り期待度が高く設定されていることが望ましい。
(I)は、じゃんけん勝負演出の続きの状態である。じゃんけんの掛け声が演出表示装置1600に表示されている。(J)において、じゃんけん勝負演出のじゃんけん勝負が行われている。味方キャラクタの手が演出表示装置1600の左側に表示され、敵キャラクタの手が演出表示装置1600の右側に表示されている。(J)において、味方キャラクタが敵キャラクタにじゃんけん勝負に勝利した状態が演出表示装置1600に表示されている(即ち当該変動が大当り変動であることを報知している)。(K)において、大当りに当選したことが演出表示装置1600において報知され、装飾図柄が大当りの組み合わせで停止している。
図263、及び図264は、超松ゾーン演出の一例を示す説明図である。超松ゾーンへの突入は、例えば、保留予告演出として実行される。具体的には、例えば、保留が超松ゾーンへの突入の可能性を示す態様の表示(以下、超松示唆保留とも呼ぶ)で表示される。なお、保留が超松ゾーンへの突入が確定することを示す態様の表示(以下、超松確定保留とも呼ぶ)、例えば、入賞時に当該入賞に対応する保留が超松示唆保留で表示されたり、通常の表示態様の保留が移動するタイミングで超松示唆保留に変化したりする。
(A)は、変動が実行中であり、かつ3つの変動が保留されている状態である。(B)は、(A)の状態で、新たに変動が保留された状態である。(B)において、当該新たな保留の入賞時が、超松示唆保留(「超松?」と記載された保留。なお、超松確定保留であれば、「超松!」と記載されるものとし、標準色(例えば白色)と異なる色(例えば赤色)で表示されていてもよい。)として表示される。超松示唆保留が先読み対象変動の保留である。(C)は、当該変動が終了した状態である。
(D)は、次回の変動が開始した状態である。(E)は、(D)の変動の続きの状態である。(E)において、演出表示装置1600では超松ゾーンへの突入を示唆するセリフ演出(「超松ゾーンかも・・・」)が実行されている。(F)は、当該変動の終了時の状態である。(F)において、演出表示装置1600では、超松ゾーンへの突入が示唆されたものの超松ゾーンに突入できなかったことを示す表示(「・・・」)が表示されている。
(G)は、(F)の次回の変動が開始後の状態である。超松示唆保留が1つ移動している。また、(G)において、超松ゾーンへの突入を示唆するセリフ演出(「本当に超松ゾーンかも!!!」)が再度表示されている。(G)におけるセリフ演出は、(E)におけるセリフ演出より、超松ゾーンへの突入期待度が高い演出である。このように複数回の超松ゾーンへの突入を示唆する演出を実行する場合には、複数回の当該演出において超松ゾーンへの突入期待度が下がらないようにすることが望ましい。
(H)において、超松ゾーンに突入することが確定する表示が演出表示装置1600に表示されている。(H)のように、このタイミングで超松示唆保留が超松確定保留に変化してもよい。なお、図263の例では、超松ゾーンに突入することが確定する表示が出現したタイミングで、超松示唆保留が超松確定保留に変化しているが、当該タイミングより前に超松確定保留が出現してもよいことは言うまでもない。また、図263の例では、超松ゾーンへの突入示唆演出から超松ゾーンへの突入が2回の変動に跨って行われているが、1回の変動で行われてもよい。
(I)において、装飾図柄が中央に表示され、超松ゾーン滞在中であることを示す表示が演出表示装置1600に表示されている。また、超松確定保留が、期待度の高い態様の保留表示((I)では、赤色の保留表示)に変化している。例えば、この状態で、変動が消化されていく。
(J)は、先読み対象変動が開始した状態である。(K)は、先読み対象変動においてリーチが成立した状態である。松ゾーンと同様に、リーチが成立した状態においては、松ゾーンに滞在中であることを示す表示が演出表示装置1600から消去されている。
このようにリーチが成立したタイミングのような大当り期待度が高い特定の演出が実行されているときにおいて、超松ゾーン滞在中であることを示す表示が消去されることにより、超松ゾーンに滞在中であることに大きく注意をはらっていた遊技者に対して、特定の演出が実行されていることに対する注目を引くことができる。また、超松ゾーンであることを常時表示していると、遊技者の緊張感が継続して疲れてしまうおそれがあるからである。なお、このように超松ゾーン滞在中であることを示す表示が消去されるタイミングは複数回あってもよい。具体的には、例えば、擬似連の実行が確定するタイミングで毎回消去されてもよい。
つまり、前述した松ゾーンと同様に、SPリーチ演出(上述したじゃんけん勝負演出)が開始される前の、特定のタイミング(リーチが成立した時点、擬似連が確定する表示が現出された時点、リーチや擬似連が発生したことに関連した(強調した)演出を行っているときなど)において、一旦、超松ゾーン滞在中であることを示す表示を消去するようにするとよい。
(L)において、リーチがかかった状態が継続されている。(L)において、松ゾーンと同様に、超松ゾーンに滞在中であることを示す表示が再び演出表示装置1600に表示されている。超松ゾーンは、松ゾーンと比較して大当り期待度の高い状態であるため、超松ゾーン滞在中の表示が再度なされることにより、遊技者は高揚感を再度得ることができる。
(M)は、SPリーチであるじゃんけん勝負演出が開始した状態である。前述した通り超松ゾーンに突入した場合には必ずじゃんけん勝負演出が実行される。(M)においては、超松ゾーン滞在中であることを示す表示が演出表示装置1600から再び消去されている。これにより、じゃんけん勝負演出に突入したことを、遊技者に強くアピールすることができる。
(N)はじゃんけん勝負演出の続きの状態である。じゃんけんの掛け声が演出表示装置1600に表示されている。また、(N)において、超松ゾーン滞在中であることを示す表示が再度演出表示装置1600に表示されている。前述した通り、超松ゾーンは松ゾーンよりも大当り期待度が高い。従って、じゃんけん勝負演出において実際にじゃんけん勝負が行われているタイミングで、当該表示が行われることにより、遊技者は、じゃんけん勝負演出と超松ゾーンという期待度が高い2つの演出の相乗効果による高揚感を得ることができる。
(O)において、じゃんけん勝負演出のじゃんけん勝負が行われている。味方キャラクタの手が演出表示装置1600の左側に表示され、敵キャラクタの手が演出表示装置1600の右側に表示されている。(O)において、味方キャラクタが敵キャラクタにじゃんけん勝負に勝利した状態が演出表示装置1600に表示されている(即ち、当該変動が大当り変動であることが報知されている)。
また、(O)において、超松ゾーン滞在中であることを示す表示が演出表示装置1600から消去されている。当該変動の当落結果が既に報知されているタイミングでは、遊技者にとってその当落結果のみが重要であり、超松ゾーンに滞在しているか否かは重要ではないからである。(P)において、大当りに当選したことが演出表示装置1600において報知され、装飾図柄が大当りの組み合わせで停止している。
なお、超松示唆保留が出現した後に超松ゾーンが開始する例を説明したが、超松示唆保留が出現したにも関わらず超松ゾーンに突入できない場合には、例えば、超松示唆保留に対応する変動中にも、超松ゾーン突入が示唆されるものの、突入に失敗する演出が行われる。
また、前述した例では松ゾーン又は超松ゾーンに滞在中の先読み対象変動でない変動については、特別な演出が実行されていなかったが、これらの変動において特定の演出(例えば、じゃんけん勝負演出の開始を示唆する連続演出等)が実行されてもよい。また、松ゾーン及び超松ゾーンへの突入は先読み演出ではない通常の演出(1回の変動内で行われる演出の一部)で実行されてもよい。具体的には、例えば、1回の変動で松ゾーン又は超松ゾーンへの突入示唆演出、突入演出、及びじゃんけん勝負が実行されてもよい。
なお、松ゾーンへの突入は、原則的にすごろくステージの松ゾーンを示すマス目にキャラクタが停止することにより、行われるため、超松ゾーンのように、保留表示によって松ゾーンを示唆しないことが望ましい。すごろくステージにおいて保留表示によって松ゾーンを示唆してしまうと、変動開始後まで表示されていないすごろくのマス目の内容が、保留表示によって示唆されてしまい、すごろくとしての楽しみが減ってしまう可能性があるからである。
なお、前述した松ゾーンや超松ゾーンにおいて、例えばリーチが発生した段階で、松ゾーンや超松ゾーンに滞在中であることを示す表示を消去する例を説明したが、当該表示画像の手前(プライオリティが高い)側に当該表示画像とは異なる画像(例えば、リーチ強調演出など)を重なるように表示してもよい。要は、松ゾーンや超松ゾーンに滞在中であることを示す表示が、遊技者が認識できない(又は、重ねて表示するものの、極僅かに、松ゾーンや超松ゾーンに滞在中であることを示す表示が見えている)ようにすればよい。
[19.保留覗き込み演出]
以下、保留予告演出の一例である保留覗き込み演出について説明する。図265は、保留覗き込み演出の一例を示す説明図である。(A)は変動が実行中の状態である。(A)において3つの変動が保留されている。(B)において、キャラクタが演出表示装置1600の下方から出現し、現在実行中の変動に対応する保留表示(演出表示装置1600の下部中央に位置する保留表示)を隠すことなく保留表示領域の一部(一部とは、保留4つのうちの所定数(例えば1個)を完全に隠すこと、及び/又は保留4つそれぞれについて一部を隠す(つまり、保留4つ全てについて完全には保留表示が見えない状態)こと)を隠している。なお、当該キャラクタが、保留表示領域の全てを隠してもよい。また、当該キャラクタが現在実行中の変動に対応する保留表示(演出表示装置1600の下部中央に位置する保留表示)を隠してもよい。
(C)において、キャラクタが演出表示装置1600から消え、キャラクタによって隠されていた保留表示の一部(図265においては3つ目の保留)が期待度の高い態様の保留表示緑色の保留表示に変化している。(D)は、当該変動の終了時である。当該変動がはずれ変動であることを示す組み合わせで装飾図柄が停止している。図265の例のように、保留中の保留表示のみを隠す場合には、保留覗き込み演出は、実行中の変動がはずれ変動である場合にのみ実行されることが望ましい。
なお、通常のはずれ変動パターン(リーチ演出等の特別な演出が実行されない変動パターンのうち変動時間が長い(例えば10秒程度)もの)が選択された変動において、保留覗き込み演出が実行される場合には、変動開始時には、図265の例のように、変動開始時にはキャラクタは出現せず、変動開始時から所定時間経過後(例えば3秒後)に出現する。また、短縮変動パターン(リーチ演出等の特別な演出が実行されない変動パターンのうち変動時間が短い(例えば10秒未満)もの)において、保留覗き込み演出が実行される場合には、変動開始時又は変動開始時からきわめて短い時間(上述した3秒よりも短い時間)の経過後(例えば0.5秒後)にキャラクタが出現してもよい。
また、(B)の前に、保留覗き込み演出の煽り演出が行われてもよい。煽り演出において、具体的には、例えば、演出表示装置1600にキャラクタが出現して、保留表示領域に近づくものの、保留表示領域を隠さない演出が行われる。また、煽り演出が行われるものの、その後キャラクタが保留表示領域を隠さずに、消えてしまう演出が行われてもよい。なお、前述した短縮変動パターンにおいては、変動時間が短いため、煽り演出を行わない又は短い時間(例えば1秒程度)で行うことが望ましい。また、このような煽り演出が行われて、かつキャラクタが保留表示領域を隠した場合には、必ず保留表示が変化するようにしてもよい。
また、図265の例では、キャラクタに隠された保留表示の一部が変化したが、全ての保留表示が変化するパターンが存在してもよいし、全ての保留表示が変化しないパターンが存在してもよい。
なお、同じ大当り期待度を有する色の保留表示であっても、例えば、保留覗き込み演出を経由していない場合より、保留覗き込み演出を経由した場合の方が、大当り期待度が高いものとする。これにより、保留覗き込み演出が実行されたときに、遊技者は高揚感を得ることができる。逆に、同じ大当り期待度を有する色の保留表示であっても、保留覗き込み演出を経由した場合より、保留覗き込み演出を経由していない場合の方が、大当り期待度が高くてもよい。発生時点で高い確率で又は必ず保留表示が変化するものの大当り期待度が抑えられた保留覗き込み演出と、発生が予測できないものの大当り期待度が高い通常の保留色変化演出と、における遊技者の期待感のバランスをとることができる。
また、図265の例のように、演出表示装置1600において、保留表示が変化することは、キャラクタが保留表示上から退避したことをもって告知することが望ましい。仮に、キャラクタが退避する前に、保留色の変化があること又は変化後の保留色を示唆してしまうと、保留覗き込み演出において遊技者が緊張感を感じる期間が短くなり、興趣が低下するからである。
但し、例えば、演出表示装置1600とは異なる発光体(例えば始動口ユニット2100の前壁部2101にランプやLEDが取り付けられているものや、始動口ユニット2100の近傍に設けられたランプやLED)を、演出表示装置1600に表示された保留色と同等の色で発光させる場合には、演出表示装置1600においてキャラクタが退避する前(即ち、変化後の保留色の表示前)に、当該発光体を当該保留色で発光させてもよい。遊技者は、通常、主に演出表示装置1600を見ながら遊技を実行しているが、わずかに視界に入った当該発光体の色の変化による異変を感じることにより、期待感を抱くことができる。
演出表示装置1600の保留色の変化よりも先に発光体の色の変化により遊技者に認識させることを目的としているので、演出表示装置1600の保留色が変化する演出(のための制御)を実行するタイミングが発光体の色を変化させる演出を実行するタイミングよりも前、又は同じタイミングであっても演出表示装置1600の保留色の変化よりも先に発光体の色の変化により遊技者に認識させることができれば問題ない。
また、当該発光体を発光させる直前、又は当該発光体の発光色を変化させる直前に、通常の表示態様の保留色(例えば白色)で当該発光体を発光させるとよい。具体的には、例えば、演出表示装置1600における保留表示の保留色が青色から緑色に変化するときには、演出表示装置1600の保留色の変化の前に、当該発光体の発光色が、青色から白色、さらに白色から緑色に変化する。なお、通常の表示態様の保留色が白色である例を説明したが、白色に限らず、この保留変化演出にて昇格後の保留色として選択される可能性のない色であれば問題ない。また、白色表示を行う際には、点灯であっても点滅であっても問題ない。点灯であれば液晶に注視させることができるし、点滅であれば、保留変化が行われていることをアピールすることができる。
なお、このような場合において、当該発光体の発光色が途中で白色に発光する時間は極めて短い(例えば、全ての変動パターンのうち最短の変動パターンよりも短い時間)ことが望ましい。当該発光体が白色で発光する時間が長いと、大当り期待度の低い白色に保留表示が変化すると、遊技者に誤解させてしまうおそれがあるからである。
なお、演出表示装置1600における保留表示態様が、色だけでは表現できない特別な態様の保留(例えば、前述したような超松示唆保留)である場合、当該発光体は、例えば、演出表示装置1600における保留色変化において使用されない色による発光(例えば、演出表示装置1600において、白色、青色、緑色、赤色、又は虹色の保留色変化が行われ得る場合には、当該発光体は紫色で発光する)や、所定パターンの発光を実行することにより、当該保留表示態様を表現する。当該所定パターンの発光として、例えば、赤色が点滅するパターン、及び赤色と緑色で交互に発光するパターン等がある。
また、図265の例では、キャラクタが保留表示を隠して退避する一連の演出が1回だけ行われているが、当該演出が複数回実行されてもよい。当該演出が複数回実行される場合、毎回保留表示の態様が変化してもよいし、少なくとも1回保留表示の態様が変化してもよいし、1回も保留表示の態様が変化しなくてもよい。
また、保留覗き込み演出は、特図1の保留に対してのみ行われることが望ましい。主に特図2の変動で遊技を進行させているときは、例えば、時短状態のように非常に短い変動時間が選択されることが多いため、保留覗き込み演出を高速で実行する必要があり、遊技者を混乱させてしまうおそれがあるからである。
また、保留覗き込み演出において複数種類のキャラクタが存在してもよい。複数のキャラクタそれぞれの期待度が異なってもよいし、一部又は全部のキャラクタにおいて期待度が共通であってもよい。この期待度は、保留覗き込み演出における保留変化期待度であってもよいし、保留されている変動における大当り期待度であってもよい。具体的には、例えば、キャラクタA、キャラクタB、キャラクタCの順に保留期待度が高くなり、キャラクタCは保留変化が実行されるときのみ選択されるものとする。また、例えば、キャラクタAよりキャラクタBの方が保留変化期待度は高いが、保留変化した場合における大当り期待度はキャラクタBよりキャラクタAの方が高いとしてもよい。また、キャラクタAとキャラクタBは、保留変化期待度や大当り期待度を同じとし、キャラクタCは、キャラクタAやキャラクタBよりも保留変化期待度や大当り期待度を高く設定するようにしてもよい。
なお、実行中の変動がはずれである場合にのみ、保留覗き込み演出が行われることが望ましいとしたが、実行中の変動が非リーチ変動又は大当り期待度が高くないリーチ変動(例えば、ノーマルリーチはずれ変動等)である場合のみにおいて、保留覗き込み演出が行われることが、さらに望ましい。つまり、実行中の変動が大当り変動の場合だけでなく、SPリーチ等のような大当り期待度の高いリーチ演出が実行される変動である場合にも、保留覗き込み演出が発生しないことが望ましい。
仮に、SPリーチが実行される変動中に保留覗き込み演出が発生すると、遊技者が、保留中の変動の方が、現在実行されている変動より期待度が高いのではないかと考え、当該SPリーチに対する期待感が薄れるおそれがあるからである。
[20.複数のサイクル演出]
以下、複数のサイクル演出が同時に実行される演出について説明する。サイクル演出とは、1サイクルにおいて所定の演出が実行され、当該1サイクルの所定の演出が複数回連続で実行される周期的な(ただし、サイクルの途中でサイクル演出が終了してもよい)演出である。なお、サイクルの途中でサイクル演出が終了してもよい。
[20−1.保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出]
図266は、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行される演出の一例を示す説明図である。図266の例では、保留サイクル演出は、4コマを1サイクルとした演出を繰り返し、装飾図柄サイクル演出は6コマを1サイクルとした演出を繰り返す。つまり、保留サイクル演出における1サイクルより、装飾図柄サイクル演出における1サイクルの方が長い。
なお、1コマの長さは、例えば、演出表示装置1600におけるフレーム数で定義することができる。また、1コマの長さは、演出ごとに異なってもよい。つまり、1サイクルにおけるコマ数が多いほど、1サイクルの時間が長いとは限らない。具体的には、例えば、1コマが5フレームであり、かつ1サイクルが4コマからなる場合の1サイクルの長さは20フレームであるが、1コマが3フレームであり、かつ1サイクルが6コマからなる場合の1サイクルの長さは18フレームである。
但し、以下では説明の便宜のため、全ての演出において、1コマの長さが同一であるものとする。具体的には、演出表示装置1600における所定数フレーム(例えば10フレーム)を1コマと呼ぶ。つまり、以下では、1サイクルにおけるコマ数が多いほど、1サイクルの時間が長いものとする。
図266の例では、演出表示装置1600の中央下部から左下部にかけて保留表示領域がある。保留表示領域には、台座が表示され、台座の上部又は下部に各保留表示が表示される。各保留表示は、中央から左へ順に、実行中の変動、実行中の変動の次の変動であって保留中の変動(保1変動とも呼ぶ)、保1変動の次の変動であって保留中の変動(保2変動とも呼ぶ)、保2変動の次の変動であって保留中の変動(保3変動とも呼ぶ)、保3変動の次の変動であって保留中の変動(保4変動とも呼ぶ)、に対応する保留を示す。なお、保留サイクル演出が実行されていない状態において、各保留表示は、(A)のように、台座上に表示されている状態((A)のように台座から少しだけ浮いているような表示でもよい)である。
保留サイクル演出の各コマにおける保留表示は以下の通りである。1コマ目において、(B)のように、台座上に各保留表示が表示されている(保留サイクル演出が実行されていない(A)と同様の状態である)。2コマ目において、(C)のように、1コマ目の状態と比較して各保留表示が下方に表示され、具体的には、例えば、各保留表示の一部が台座と重なっている。3コマ目において、(D)のように、各保留表示の表示位置が1コマ目と同様の状態に戻る。4コマ目において、(E)のように、各保留表示が台座の上方(1コマ目及び3コマ目と比較してより高い位置に)に表示されている。4コマ目の演出が終了すると、(F)のように1コマ目の演出に戻る。
保留サイクル演出が実行されることにより、保留表示が背景に完全に溶け込んでしまうことを避けることができるため、遊技者は保留表示を視認しやすくなり、ひいては保留がある場合に保留を見落としてしまう事態の発生を抑制することができる。
なお、保留サイクル演出が実行されている際に、新たな入賞に基づく保留表示がされた場合、例えば、当該保留表示は、実行中の保留サイクル演出と同期して保留サイクル演出が行われることが望ましい。つまり、保留サイクル演出の3コマ目に当該保留表示がされる場合、当該保留表示における保留サイクル演出は、3コマ目から開始することにより、全ての保留表示における保留表示演出が同期する。これにより、保留サイクル演出中に新たな保留表示がされても、遊技者にとって違和感がない保留サイクル演出が実行される。
なお、実行中の保留サイクル演出のコマに関わらず、当該保留表示におけるに対応する保留表示における保留表示演出は、所定のコマ数から(例えば1コマ目から)開始してもよい。これにより、保留サイクル演出が既に実行されていた保留表示と、保留サイクル演出中に新たに獲得された保留表示と、を区別して視認することができる可能性があり、新たな保留の獲得に対して遊技者は高揚感を得ることができる。なお、図266の例では、保留サイクル演出において、保留表示が台座の上下に移動する演出が実行されるが、例えば、保留表示が回転する演出(保留表示そのものの座標値は一緒とされた保留サイクル演出)や保留表示が纏うエフェクトが変化する演出等が実行されてもよい。
続いて、装飾図柄について説明する。図266の例では、各装飾図柄は、数字と、数字の背後に表示された(数字に対応した)キャラクタと、を含む。装飾図柄サイクル演出が実行されていない状態において、(B)のように、各装飾図柄におけるキャラクタは、直立している。
装飾図柄サイクル演出の各コマにおける装飾図柄の表示は以下の通りである。1コマ目において、(B)のように、各装飾図柄におけるキャラクタは、直立している(装飾図柄サイクル演出が実行されていない(A)と同様の状態である)。2コマ目において、(C)のように、各装飾図柄におけるキャラクタは、右方向にパンチをしている。3コマ目において、(D)のように、各装飾図柄におけるキャラクタは、左方向にパンチをしている。4コマ目において、各装飾図柄におけるキャラクタは、(E)のように、右方向にキックをしている。5コマ目において、各装飾図柄におけるキャラクタは、(F)のように、左方向にキックをしている。6コマ目において、各装飾図柄におけるキャラクタは、(G)のように、上方向にキックをしている。6コマ目の演出が終了すると、(H)のように1コマ目の演出に戻る。
装飾図柄サイクル演出が実行されることにより、装飾図柄が背景に完全に溶け込んでしまうことを避けることができるため、遊技者は装飾図柄を視認しやすくなり、ひいては停止した装飾図柄の組み合わせを見落としてしまう事態の発生を抑制することができる。
なお、図266の例では、装飾図柄サイクル演出において、各装飾図柄に含まれる数字についての変化はないが、当該数字についても1サイクルの変化演出が行われてもよい。なお、装飾図柄の周期的な揺れ変動も装飾図柄サイクル演出の一例である。
(A)は、変動が開始した状態である。(B)は、装飾図柄がリーチ状態で停止した状態である。(A)の変動開始後からリーチがかかるまでの期間においても、保留サイクル演出は、原則的に実行されている。保留表示を遊技者に視認しやすくするためである。なお、当該期間において保留サイクル演出が実行されなくてもよい。仮に、当該期間において、保留変化演出等の保留表示を用いた高期待度演出が実行される割合が低く設定されている場合等においては、保留サイクル演出を行って保留表示を視認しやすくしたところで遊技者に高揚感を与えることができないからである。
(B)からは、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出が実行される。(B)では、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の1コマ目の演出が実行されている。なお、(A)の状態でも保留サイクル演出が行われている場合には、装飾図柄サイクル演出の開始時において、2つのサイクル演出の開始タイミングを揃えてもよい。具体的には、例えば、(B)の直前のコマにおいて、保留サイクル演出の2コマ目の演出が実行されている場合であっても、(B)の開始時に保留サイクル演出の1コマ目に移行してもよい。
(C)では、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の2コマ目の演出が実行されている。(D)では、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の3コマ目の演出が実行されている。(E)では、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の4コマ目の演出が実行されている。
(F)では、保留サイクル演出は1コマ目に戻り、装飾図柄サイクル演出は5コマ目の演出が実行されている。(G)では、保留サイクル演出の2コマ目の演出と、装飾図柄サイクル演出の6コマ目の演出と、が実行されている。(H)では、保留サイクル演出の3コマ目の演出が実行され、装飾図柄サイクル演出が1コマ目に戻っている。
(I)は、SPリーチに発展した状態である。SPリーチが開始すると装飾図柄が、演出表示装置1600の右上部に小さくなった状態で表示され、装飾図柄サイクル演出が終了する。また、SPリーチが開始しても保留サイクル演出は継続している。
SPリーチが実行される前の期間は、遊技者の気持ちがまだあまり高まっていないが、保留変化演出が実行される可能性がまだ高い状況であるため、当該期間に保留サイクル演出を実行することにより、保留があることを遊技者に積極的に気付かせることができる。また、SPリーチが実行される前の期間において、装飾図柄に対する遊技者の注目が高くなるため、リーチ演出が実行されるか否かを遊技者に明確に認識させることができる。
従って、SPリーチが実行される前の期間において、保留サイクル演出と装飾図柄演出が同時に実行されることにより、リーチ演出が実行されるのか否かを明確に遊技者に認識させつつも、保留変化演出に対して注目させることもできる。
また、前述したように、図266の例では、保留サイクル演出よりも装飾図柄サイクル演出の方が、1サイクルが長い。1サイクルが短いほど表示が静止画に見えやすくなる。一方、1サイクルが長いほど表示が動画に見えやすくなることにより、背景に溶け込みにくくなり視認性が向上する。従って、図266の例では、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出が同時に実行されている状態において、装飾図柄の方が保留表示よりも視認性が高い。これにより、SPリーチ実行前の期間において、期待度の高い保留変化演出が実行される可能性があるものの、当該変動に対応する特別抽選結果を示す装飾図柄の方が、重要であると考える遊技者、に対して高揚感を与えることができる。
図267は、図266と同じように、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行される演出の一例を示す説明図であるが、図267の例は、保留サイクル演出が6コマを1サイクルとした演出であり、装飾図柄サイクル演出は4コマを1サイクルとした演出である点において、図266と異なる。つまり、図267の例では、保留サイクル演出における1サイクルより、装飾図柄サイクル演出における1サイクルの方が短い。また、図267の例では、図266と同様に、SPリーチの開始前の期間において、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行されている。
保留サイクル演出の各コマにおける保留表示は以下の通りである。1コマ目において、(B)のように、台座上に各保留表示が表示されている(保留サイクル演出が実行されていない(A)と同様の状態である)。2コマ目において、(C)のように、1コマ目の状態と比較して各保留表示が下方に表示され、具体的には、例えば、各保留表示の一部が台座と重なっている。3コマ目において、(D)のように、2コマ目の状態と比較して各保留表示がさらに下方に表示され、具体的には、例えば、各保留表示の全部が台座と重なっている。
4コマ目において、(E)のように、各保留表示の表示位置が2コマ目と同様の状態に戻る。5コマ目において、(F)のように、各保留表示の表示位置が1コマ目と同様の状態に戻る。6コマ目において、(G)のように、各保留表示が台座の上方(1コマ目及び5コマ目と比較してより高い位置に)に表示されている。6コマ目の演出が終了すると、(H)のように1コマ目の演出に戻る。
装飾図柄サイクル演出の各コマにおける装飾図柄の表示は以下の通りである。1コマ目において、(B)のように、各装飾図柄におけるキャラクタは、直立している(装飾図柄サイクル演出が実行されていない(A)と同様の状態である)。2コマ目において、(C)のように、各装飾図柄におけるキャラクタは、右方向にパンチをしている。3コマ目において、(D)のように、各装飾図柄におけるキャラクタは、左方向にパンチをしている。4コマ目において、各装飾図柄におけるキャラクタは、(E)のように、右方向にキックをしている。4コマ目の演出が終了すると、(F)のように1コマ目の演出に戻る。
(A)は、変動が開始した状態である。(B)は、装飾図柄がリーチ状態で停止した状態である。(B)からは、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出が実行される。(B)では、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の1コマ目の演出が実行されている。(C)では、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の2コマ目の演出が実行されている。(D)では、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の3コマ目の演出が実行されている。(E)では、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の4コマ目の演出が実行されている。
(F)では、保留サイクル演出は5コマ目の演出が実行され、装飾図柄サイクル演出は1コマ目の演出に戻っている。(G)では、保留サイクル演出の6コマ目の演出と、装飾図柄サイクル演出の2コマ目の演出と、が実行されている。(H)では、保留サイクル演出が1コマ目の演出に戻り、装飾図柄サイクル演出の3コマ目の演出が実行されている。
(I)は、SPリーチに発展した状態である。SPリーチが開始すると装飾図柄が、演出表示装置1600の右上部に小さくなった状態で表示され、装飾図柄サイクル演出が終了する。また、SPリーチが開始しても保留サイクル演出は継続している。
図267の例では、装飾図柄サイクル演出よりも保留サイクル演出の方が、1サイクルが長い。従って、図267の例では、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出が同時に実行されている状態において、保留表示の方が装飾図柄よりも視認性が高い。これにより、遊技者に対して、装飾図柄よりも保留表示の方をより強くアピールするできるため、保留がある場合には、SPリーチ前(即ち期待度が高い演出が実行されるかが不明である段階)において、複数回の大当りが短時間で到来する可能性があることを遊技者にアピールすることができる。
なお、図示していないが、SPリーチ前の期間において保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出が同時に実行される場合に、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出の1サイクルの長さが同じであってもよい(具体的には、例えば、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の1サイクルがともに4コマである)。保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出の1サイクルの長さが同じであることにより、保留表示と装飾図柄の双方に注目させることができる。
なお、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行されるSPリーチ前の期間の長さ(図266の(A)〜(H)、および、図267の(A)〜(H)までの期間の長さ)は、SPリーチを発生させる複数ある変動パターンのどの変動パターンであったとしても、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の1サイクルより長いことが望ましい。これにより、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出が複数サイクル実行されるため、周期的な演出であることを遊技者に認識させることができ、ひいては保留表示及び装飾図柄への注目を高めることができる。
また、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行されるSPリーチ前の期間の長さは、保留サイクル演出の1サイクルの長さと装飾図柄サイクル演出の1サイクルの長さの最小公倍数以上であることが望ましい。つまり、図266及び図267の例では、当該期間は12コマ以上であることが望ましい。保留サイクル演出の1サイクルの長さと装飾図柄サイクル演出とが開始してから、当該最小公倍数のタイミングで、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出との1サイクルの開始タイミングが再度揃う。従って、当該期間の長さが当該最小公倍数以上であることにより、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが一体化した1つのサイクル演出(1サイクルの長さが当該最小公倍数)を実現することができ、保留表示と装飾図柄に対する遊技者の注目を一層惹くことができる。
また、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行されるSPリーチ前の期間の長さが、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の1サイクルより以下であってもよい。
図268及び図269は、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行される演出の一例を示す説明図である。図268及び図269の例では、保留サイクル演出は、4コマを1サイクルとした演出を繰り返し、装飾図柄サイクル演出は6コマを1サイクルとした演出を繰り返す。図268及び図269の例における保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の各コマの演出は、それぞれ、図266の例における保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の各コマの演出と同様であるため、説明を省略する。図268及び図269の例では、SPリーチの実行中の期間において、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行される点において、図266と異なる。
(A)は、変動が開始した状態である。(B)は、装飾図柄がリーチ状態で停止した状態である。(C)は、装飾図柄がリーチ状態で停止した続きの状態である。(D)の直前までは保留サイクル演出のみが実行されているものとする。
(D)は、SPリーチが開始した状態である。後述する(K)までSPリーチが継続しているものとする。(D)では、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の1コマ目の演出が実行されている。(E)では、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の2コマ目の演出が実行されている。(F)では、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の3マ目の演出が実行されている。(G)では、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の4コマ目の演出が実行されている。
(H)では、保留サイクル演出は1コマ目の演出に戻り、装飾図柄サイクル演出の5コマ目の演出が行われている。(I)では、保留サイクル演出の2コマ目の演出が実行され、装飾図柄サイクル演出の6マ目の演出が実行されている。(J)では、保留サイクル演出の3コマ目の演出が実行され、装飾図柄サイクル演出は、1コマ目の演出に戻っている。
なお、この例では、SPリーチを示すタイトル表示(図268の(D)などの「じゃんけん勝負だ!!」という表示)は、保留サイクル演出の1サイクルよりも長い表示時間であって、かつ装飾図柄サイクル演出の1サイクルよりも短い表示時間としているが、SPリーチを示すタイトル表示を、保留サイクル演出および装飾図柄サイクル演出の1サイクルよりも長い表示時間としてもよいし、2つのサイクルの開始が再び揃うまでの期間(この例だと、12コマ)よりも長い表示時間としてもよい。
(K)は、SPリーチ演出の最終コマであり、SPリーチ演出におけるジャッジ演出(当該変動における特別抽選結果を直接的に示す演出)が行われている。じゃんけん勝負に味方キャラクタが敵キャラクタに勝利した場合には、当該変動が大当り変動であることが確定する。演出表示装置1600内の左側に表示されているのが、味方キャラクタの手であり、右側に表示されているのが、敵キャラクタの手である。(K)では、味方キャラクタが勝利している。なお、(K)まで、装飾図柄サイクル演出が実行される。(L)は、ジャッジ演出中の状態である。(L)では、装飾図柄サイクル演出が終了しているが、保留サイクル演出は実行している。(M)は、ジャッジ演出中であり、(L)の次のコマである。(M)において、保留サイクル演出が継続している。
なお、(L)および(M)では装飾図柄サイクル演出を終了させたが、(L)および(M)でも継続して装飾図柄サイクル演出を実行するようにしてもよい。その場合には、(M)において、当り図柄の「4」を中図柄として画面中央に大きく表示するほうが望ましい。そのようにすることで、画面中央に大きく表示された「4」と、装飾図柄サイクル演出の実行と、によるリーチ図柄の認識度合いも高まり、大当りしたことを遊技者が明確に認識することができる。
SPリーチ実行中の期間では、遊技者の緊張感がかなり高まっている。従って、当該期間に保留サイクル演出を実行することにより、新たな変動が保留されていることを認識しやすくなるため、SPリーチの結果がはずれであっても、新たな保留への期待感を持たせることにより、過度な緊張感を緩和させることができる。また、SPリーチ実行中の期間においては、装飾図柄は演出表示装置1600において小さい態様で表示されてしまうため、当該期間に装飾図柄サイクル演出を実行することにより、装飾図柄がリーチ状態であることを遊技者に改めて認識させることができる。
従って、SPリーチ実行中の期間において、保留サイクル演出と装飾図柄演出の双方が同時に実行されることにより、リーチ演出中であることを明確に遊技者に認識させつつも、過度な緊張感を緩和させることができる。
また、前述したように、図268及び図269の例では、保留サイクル演出よりも装飾図柄サイクル演出の方が、1サイクルが長い。従って、SPリーチ演出中において、保留表示よりも装飾図柄の方を遊技者に強くアピールすることになるため、リーチ演出中であること(近々大当りが到来するかもしれないこと)をより遊技者に強くアピールすることができる。
なお、図示していないが、SPリーチ実行中の期間において、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行される場合に、装飾図柄サイクル演出よりも保留サイクル演出の方が、1サイクルが長くてもよい(具体的には、例えば、保留サイクル演出の1サイクルが6コマであり、装飾図柄サイクル演出の1サイクルが4コマである)。この場合、SPリーチ中において、保留表示の方が装飾図柄よりも視認性が高いため、保留があることで複数回の大当りが短時間で到来する可能性があることを遊技者にアピールすることができる。また、装飾図柄よりも保留表示の方が注目されやすいため、遊技者の過度な緊張感をより緩和させることができる。
また、図示していないが、SPリーチ実行中の期間において、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行される場合に、装飾図柄サイクル演出と保留サイクル演出の1サイクルの長さが同じであってもよい(具体的には、例えば、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の1サイクルがともに4コマである)。この場合、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出の1サイクルの長さが同じであることにより、保留表示と装飾図柄の双方に注目させることができる。
なお、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行されるSPリーチ中の期間の長さは、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の1サイクルより長いことが望ましい。これにより、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出が複数サイクル実行されるため、周期的な演出であることを遊技者に認識させることができ、ひいては保留表示及び装飾図柄への注目を高めることができる。
また、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行されるSPリーチ中の期間の長さは、保留サイクル演出の1サイクルの長さと装飾図柄サイクル演出の1サイクルの長さの最小公倍数以上であることが望ましい。つまり、図268及び図269の例では、当該期間は12コマ以上であることが望ましい。保留サイクル演出の1サイクルの長さと装飾図柄サイクル演出とが開始してから、当該最小公倍数のタイミングで、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出との1サイクルの開始タイミングが再度揃う。従って、当該期間の長さが当該最小公倍数以上であることにより、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが一体化した1つのサイクル演出(1サイクルの長さが当該最小公倍数)を実現することができ、保留表示と装飾図柄に対する遊技者の注目を一層惹くことができる。
なお、図269(K)のジャッジ演出が示される際(当落結果が示されるタイミング)には、保留サイクル演出を実行しなくてもよいし、そもそも保留表示そのものを行わないようにしてもよい。
図270及び図271は、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行される演出の一例を示す説明図である。図270及び図271の例では、保留サイクル演出は、4コマを1サイクルとした演出を繰り返し、装飾図柄サイクル演出は6コマを1サイクルとした演出を繰り返す。図270及び図271の例における保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の各コマの演出は、それぞれ、図266の例における保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の各コマの演出と同様であるため、説明を省略する。図270及び図271の例では、SPリーチにおけるジャッジ演出後の期間において、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行される点において、図266と異なる。
(A)は、変動が開始した状態である。(B)は、装飾図柄がリーチ状態で停止した状態である。(C)は、SPリーチが開始した状態である。(D)は、SPリーチ演出の続きの状態である。(E)は、SPリーチにおけるジャッジ演出が実行されている状態である。(E)では、味方キャラクタが敵キャラクタに負けた状態である。(F)は、(E)の続きであり、ジャッジ演出が実行されている状態である。
(G)は、SPリーチにおけるジャッジ演出終了後の状態である。ジャッジ演出が終了すると、装飾図柄が再び演出表示装置1600中央に大きいサイズで表示される(言い換えると、装飾図柄が再び大きいサイズで表示されるまでがジャッジ演出である)。なお、(G)の直前までは保留サイクル演出のみが実行されているものとし、(G)から保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出が同時に実行される。
(G)では、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の1コマ目の演出が実行されている。(H)では、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の2コマ目の演出が実行されている。(I)では、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の3マ目の演出が実行されている。(J)では、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の4コマ目の演出が実行されている。なお、図271の例における(J)では、台座の上方に移動した保留表示と他の演出画像(「残念・・・」という文字)とが重複しており、保留表示が優先的に表示(図271の例では、他の演出における文字より前面に表示)されているが、他の演出画像が優先的に表示されていてもよい。
(K)では、保留サイクル演出は1コマ目の演出に戻り、装飾図柄サイクル演出の5コマ目の演出が行われている。(L)では、保留サイクル演出の2コマ目の演出が実行され、装飾図柄サイクル演出の6マ目の演出が実行されている。(M)では、保留サイクル演出の3コマ目の演出が実行され、装飾図柄サイクル演出は、1コマ目の演出に戻っている。なお、装飾図柄サイクル演出は、例えば、変動終了時に装飾図柄が完全に停止する状態まで継続する。また、保留サイクル演出は、例えば、変動終了時の装飾図柄の完全停止とともに終了してもよいし、変動終了時以降も継続してもよい。
ジャッジ演出終了後の期間では、ジャッジ演出において大当りが告知されなかった場合、遊技者ははずれという現実を突きつけられた状態であり、当該期間に保留サイクル演出を実行することにより、保留があることを気付かせることで、遊技者の気持ちをリセットさせることができる。また、ジャッジ演出において大当りが告知された場合であっても、当該期間に保留サイクル演出を実行することにより、保留があることを気付かせることで、大当り終了後のさらなる大当りに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、当該期間に装飾図柄サイクル演出を実行することにより、ジャッジ演出後の特別抽選結果を示す装飾図柄を、より強く遊技者にアピールすることができる。従って、ジャッジ演出後の期間において、保留サイクル演出と装飾図柄演出の双方が同時に実行されることにより、特別抽選結果を明確に遊技者に認識させつつも、はずれであった場合には遊技者の落胆を軽減し、大当りであった場合には遊技者にさらなる期待感を提供することができる。
また、前述したように、図270及び図271の例では、保留サイクル演出よりも装飾図柄サイクル演出の方が、1サイクルが長い。従って、ジャッジ演出後において、保留表示よりも装飾図柄の方を遊技者に強くアピールすることになる。特に特別抽選結果がはずれであった場合には、保留表示よりも装飾図柄を強くアピールすることにより、結果がはずれであったことを遊技者に確実に認識させることができ、遊技者とホールとの間のトラブルの発生を抑制することができる。なお、ホール側でも装飾図柄サイクル演出が把握できるように、例えば、ホールの監視カメラでジャッジ演出後の装飾図柄サイクル演出を撮影できる程度に、装飾図柄サイクル演出の実行時間が確保されていることが望ましい。具体的には、例えば、全遊技状態を通じて最も短い変動時間である変動パターンよりも長い時間とするなどである。
なお、図示していないが、ジャッジ演出後の期間において、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行される場合に、装飾図柄サイクル演出よりも保留サイクル演出の方が、1サイクルが長くてもよい(具体的には、例えば、保留サイクル演出の1サイクルが6コマであり、装飾図柄サイクル演出の1サイクルが4コマである)。この場合、ジャッジ演出後の期間において、装飾図柄よりも保留表示に対して遊技者の注意が向くため、特別抽選結果がはずれであった場合には遊技者に嫌悪感を減少させることができる。
また、図示していないが、ジャッジ演出後の期間において、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行される場合に、装飾図柄サイクル演出と保留サイクル演出の1サイクルの長さが同じであってもよい(具体的には、例えば、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の1サイクルがともに4コマである)。この場合、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出の1サイクルの長さが同じであることにより、保留表示と装飾図柄の双方に注目させることができる。
なお、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行されるジャッジ演出後の期間の長さは、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の1サイクルより長いことが望ましい。これにより、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出が複数サイクル実行されるため、周期的な演出であることを遊技者に認識させることができ、ひいては保留表示及び装飾図柄への注目を高めることができる。
なお、例えば、左装飾図柄が揺れ変動状態にある場合、左装飾図柄として1つの装飾図柄のみが表示され他の装飾図柄には変化しない状態であるものの(例えば、左装飾図柄として「1」のみが表示され他の装飾図柄に変動しない)、当該装飾図柄が完全には停止せず、揺れている態様で表示されている状態である。
なお、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行される期間として、SPリーチ前の期間(第1期間とも呼ぶ)、SPリーチ中の期間(第2期間とも呼ぶ)、ジャッジ演出後の期間(第3期間とも呼ぶ)の例を説明したが、例えば、第1期間≧第2期間≧第3期間の順で期間が長いことが望ましい。
第1期間は、前述したように、遊技者の気持ちがまだ高まっていない状態であるため、保留表示(特に期待度の高い保留変化演出等)及び装飾図柄に遊技者の注意を向けることにより、遊技者の期待感を高めるために、長い期間であることが望ましい。第2期間は、SPリーチという期待度の高い演出が実行されている状態であり、保留表示及び装飾図柄に遊技者の注意を向けることにより、遊技者の過度な緊張感を解くことができるものの、SPリーチへの注目を極端に下げないように、第1期間よりは短い期間であることが望ましい。第3期間は、特別抽選結果を直接的に報知した後であるため、保留表示及び装飾図柄に遊技者の注意を向けることに対する前述した効果はあるものの、大当り遊技又は次回以降の変動に遊技者の興味が徐々に向くため、第1期間及び第2期間より短い期間であることが望ましい。
なお、前述した例では、第1期間、第2期間、及び第3期間のいずれかで、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行される例を説明したが、第1期間、第2期間、及び第3期間のうちの2つ又は全ての期間で保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行されてもよい。なお、変動において、第1期間が存在する場合であっても、第1期間終了後に第2期間及び第3期間に移行するとは限らないが、第1期間終了後に第2期間に移行した場合には、第2期間終了後に必ず第3期間に移行するものとしてもよい。
なお、第2期間における装飾図柄の表示サイズより、第1期間及び第3期間における装飾図柄の表示サイズの方が大きいことが望ましい。第1期間及び第3期間において期待度の高い演出は行われていないが、第2期間においては期待度の高いSPリーチが行われているため、装飾図柄サイクル演出が行われていたとしても、装飾図柄だけでなくSPリーチにも遊技者の注意を向けるためである。
また、図270及び図271の例では、第1期間と第3期間における装飾図柄の表示サイズが同じであるが、既に特別抽選結果が報知されている第3期間よりも、期待度の高い演出が発生していない可能性が高く、かつ今後発生する可能性がある第1期間における装飾図柄の方が、表示サイズが大きいことが望ましい。
図272及び図273は、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行される演出の一例を示す説明図である。図272及び図273の例では、保留変化演出が実行され、通常の保留(変化していない保留)の保留サイクル演出は、4コマを1サイクルとした演出を繰り返し、変化後の保留サイクル演出は、6コマを1サイクルとした演出を繰り返す。つまり、保留が変化すると保留サイクル演出における1サイクルが長くなる。また、図272及び図273の例では、装飾図柄サイクル演出は6コマを1サイクルとした演出を繰り返す。
図272及び図273の例における、通常の保留の保留サイクル演出の各コマの演出は図266の例における保留サイクル演出の各コマの演出と同様であり、変化後の保留の保留サイクル演出の各コマの演出は図267の例における保留サイクル演出の各コマの演出と同様であるため、説明を省略する。また、図272及び図273の例における、装飾図柄サイクル演出の各コマの演出は、図266の例における装飾図柄サイクル演出の各コマの演出と同様であるため、説明を省略する。
また、図272及び図273の例では、SPリーチの実行前の期間(第1期間)において、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行される。
(A)は、変動が開始した状態である。(A)において、演出表示装置1600の右下部に保留変化を示唆する星形の画像が表示されている。(B)は、装飾図柄がリーチ状態で停止した状態である。(B)〜(E)において星形の画像が徐々に保留表示領域に近づいている。(B)からは、保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出が同時に実行される。(B)では、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の1コマ目の演出が実行されている。(C)では、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の2コマ目の演出が実行されている。(D)では、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の3コマ目の演出が実行されている。(E)では、保留サイクル演出及び装飾図柄サイクル演出の4コマ目の演出が実行されている。
(F)では、星形の画像が当該変動に対応する保留にぶつかって、当該変動に対応する保留が星形の保留に変化している。また、(F)では、変化していない保留及び変化後の保留の保留サイクル演出の1コマ目の演出と、装飾図柄サイクル演出の5コマ目の演出が実行されている。
なお、図272の例では、保留サイクル演出のちょうど1コマ目の開始時に、保留変化演出が完了しているが、保留サイクル演出のどのコマで保留変化演出が完了してもよい。例えば、保留サイクル演出のNコマ目(1コマ目ではないものとする)の開始時において保留変化演出が完了した場合、変化後の保留の保留サイクル演出は保留変化演出完了と同時にNコマ目から開始してもよいし、1コマ目から開始してもよい。また、保留サイクル演出のNコマ目の開始時において保留変化演出が完了した場合、変化前の保留の保留サイクル演出が1コマに戻ったタイミングで、変化後の保留の保留サイクル演出を1コマ目から開始してもよい。
(G)では、変化していない保留及び変化後の保留の保留サイクル演出の2コマ目の演出と、装飾図柄サイクル演出の6コマ目の演出が実行されている。(H)では、変化していない保留及び変化後の保留の保留サイクル演出の3コマ目の演出が実行され、装飾図柄サイクル演出は1コマ目の演出に戻っている。変化していない保留の保留サイクル演出と、変化後の保留の保留サイクル演出とで、演出内容(1サイクルの長さ)が異なるため、(H)以降において、変化していない保留と変化後の保留とで動きが違うことが明らかになる。これにより、期待度の高い変化後の保留に遊技者の注意を惹くことができる。
(I)では、変化していない保留及び変化後の保留の保留サイクル演出の4コマ目の演出と、装飾図柄サイクル演出の2コマ目の演出が実行されている。(J)では、変化していない保留の保留サイクル演出は1コマ目に戻り、変化後の保留の保留サイクル演出の5コマ目の演出と、装飾図柄サイクル演出の3コマ目の演出と、が実行されている。
(K)では、変化していない保留の保留サイクル演出は2コマ目の演出と、変化後の保留の保留サイクル演出の6コマ目の演出と、装飾図柄サイクル演出の3コマ目の演出と、が実行されている。(L)では、変化後の保留の保留サイクル演出が1コマ目に戻り、変化していない保留の保留サイクル演出は3コマ目の演出と、装飾図柄サイクル演出の4コマ目の演出と、が実行されている。
なお、図272及び図273の例では、第1期間において変化後の保留の保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが実行されているが、第2期間や第3期間において変化後の保留の保留サイクル演出装飾図柄サイクル演出とが実行されてもよい。また、図272及び図273の例では、変化後の保留の保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出において1サイクルの長さが同じであるが、異なっていてもよい。以下、変化後の保留の保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが行われる期間、及び変化後の保留の保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とにおける1サイクルの長さとの関係、についての各パターンについて説明する。
(1)変化前の保留の保留サイクル演出の1サイクル(変化前サイクルとも呼ぶ)の長さが、変化後の保留の保留サイクル演出の1サイクル(変化後サイクルとも呼ぶ)の長さより短い場合について(図272及び図273の例)。
図272及び図273の例のように、変化前サイクルより変化後サイクルの方が長いことにより、変化前の保留より変化後の保留の視認性が高くなり、期待度の高い変化後の保留に対して注目を惹くことができる。
(1−1)第1期間において、変化後の保留の保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行される場合について。
第1期間はSPリーチが実行される前の期間であり、期待度の高い演出が実行されにくい期間である。また、保留変化演出は第1期間に実行され得る演出の中では期待度が高い演出である。変化前サイクルより変化後サイクルの方が長いため、変化後の保留の保留サイクル演出が第1期間に実行されることにより、変化前と比較して変化後の保留に対する注目を惹くことができ、期待度の高い演出が実行されにくい第1期間であっても遊技者の期待感を煽ることができる。
一方、保留変化演出は、変化後の保留表示の種類によっては期待度の高くないもの(例えば、青色の保留表示等)もあり、さらにこれら期待度の高くない保留の選択率も低くないため、第1期間において保留サイクル演出と同時に装飾図柄サイクル演出を実行して装飾図柄に対する注目を惹くことで、遊技者に過度の期待感を与えることがない。
第1期間において、変化後サイクルの長さが、装飾図柄サイクル演出の1サイクル(装飾図柄サイクルとも呼ぶ)の長さより長い場合には、装飾図柄と比較して変化後の保留に対する注目を惹くことができ、遊技者に強い期待感を与えることができる。保留変化演出の期待度が高く設定されている場合には、特に有効である。
第1期間において、変化後サイクルの長さが、装飾図柄サイクルの長さより短い場合には、変化後の保留と比較して装飾図柄に対する注目を強く惹くことができ、遊技者の過度な期待感を抑制する効果が強く得られる。保留変化演出の期待度が低く設定されている場合には、特に有効である。また、変化前サイクルの長さは変化後サイクルの長さより短いため、この場合、変化前サイクルも装飾図柄サイクルの長さより短い。これにより、変化前保留と比較しても装飾図柄に対する注目を強く惹くことができるため、次回以降の変動よりも実行中の変動に対して期待を持たせつつも、当該変動における遊技者の過度な期待感を抑制している。
第1期間において、装飾図柄サイクルの長さが、変化前サイクルの長さより長く、かつ変化後サイクルの長さより短くてもよい。保留変化前の状態では、期待度の高い保留変化演出が実行される可能性があるものの、当該変動に対応する特別抽選結果を示す装飾図柄の方が重要であると考える遊技者にとっては、変化前サイクルより装飾図柄サイクルの方が長いことが望ましい。装飾図柄サイクルより、変化後サイクルの方が長いことによる効果は前述したとおりである。
また、変化後サイクルが第1期間より長い場合には、第1期間において変化後サイクルの1サイクルが終了しないため、第1期間終了後にも保留サイクル演出が継続する場合には、当該1サイクルが終了するまで変化後の保留に対する遊技者の注目を惹くことができる。例えば、第1期間終了直後に期待度の高い演出が行われない場合であっても、変化後の保留に対する注目を惹くことで遊技者の期待感を維持することができる。
一方、変化後サイクルが第1期間より短い場合には、複数回の変化後サイクルを第1期間において実行するため、保留サイクル演出が周期的な演出であることを遊技者は認識し、変化後の保留に対して、より注目を惹くことができる。第1期間において、保留変化演出より期待度の高い演出が実行される可能性は高くないため、保留サイクル演出に注目を惹くことにより、第1期間における期待感を維持することができる。また、この場合、変化前サイクルは変化後サイクルより短いため、変化前サイクルも第1期間より短くなる。従って、第1期間において複数回の変化前サイクルが実施されることにより、保留に対する視認性が向上し、遊技者に保留の存在を強くアピールすることができる。
(1−2)第2期間において、変化後の保留の保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行される場合について。
第2期間は期待度の高いSPリーチが実行されている期間である。SPリーチ中に保留変化演出が実行される場合には、期待度の高い保留表示(例えば、赤色の保留表示や特殊な形状の保留表示)に変化する可能性が高い。変化前サイクルより変化後サイクルの方が長いため、変化後の保留の保留サイクル演出が第2期間に実行されることにより、第2期間においてSPリーチだけでなく、変化後の保留に対する注目を惹くことができ、第2期間において、相乗的に遊技者の期待感を煽ることができる。
一方、第2期間において保留サイクル演出と同時に装飾図柄サイクル演出を実行することで、装飾図柄に対する注目を惹くことができ、リーチ状態であることを遊技者に対してしっかりと認識させることができる。
第2期間において、変化後サイクルの長さが、装飾図柄サイクルの長さより場合には、装飾図柄と比較して変化後の保留に対する注目を惹くことができ、遊技者に強い期待感を与えることができる。保留変化演出の期待度が高く設定されている場合には、特に有効である。
第2期間において、変化後サイクルの長さが、装飾図柄サイクルの長さより短い場合には、変化後の保留と比較して装飾図柄に対する注目を惹くことができ、リーチ状態であることを遊技者に認識させつつも、保留変化演出による遊技者の過度な期待感を抑制する効果が強く得られる。変化後の保留表示の期待度が低い場合には、特に有効である。また、変化前サイクルの長さは変化後サイクルの長さより短いため、この場合、変化前サイクルも装飾図柄サイクルの長さより短い。これにより、変化前の保留と比較しても装飾図柄に対する注目を強く惹くことができるため、次回以降の変動よりも実行中の変動に対して期待を持たせながら、遊技者にリーチ状態であることを認識させている。
第2期間において、装飾図柄サイクルの長さが、変化前サイクルの長さより長く、かつ変化後サイクルの長さより短くてもよい。保留変化前の状態では、期待度の高い保留変化演出が実行される可能性があるものの、当該変動に対応する特別抽選結果を示す装飾図柄の方が重要であると考える遊技者にとっては、変化前サイクルより装飾図柄サイクルの方が長いことが望ましい。装飾図柄サイクルより、変化後サイクルの方が長いことによる効果は前述したとおりである。
また、変化後サイクルが第2期間より長い場合には、第2期間において変化後サイクルの1サイクルが終了しない。また、第2期間終了後には第3期間に移行する。従って、第2期間終了後の第3期間においても、変化後の保留に対する遊技者の注目を惹くことができる。例えば、ジャッジ演出ではずれを示す結果が報知された場合であっても、遊技者は、期待度の高い変化後の保留に注目することにより、復活演出(ジャッジ演出においてはずれを示す結果が報知された後に実行される演出であって、大当りを示す結果が報知される演出)の発生を期待することができる。
一方、変化後サイクルが第2期間より短い場合には、複数回の変化後サイクルを第2期間において実行するため、保留サイクル演出が周期的な演出であることを遊技者は認識し、変化後の保留に対して、より注目を惹くことができる。特に、(SPリーチの発生よりも)期待度の高い保留表示に変化した場合においては、保留サイクル演出に注目を惹くことにより、第2期間における期待感を増強することができる。また、この場合、変化前サイクルは変化後サイクルより短いため、変化前サイクルも第2期間より短くなる。従って、第2期間において複数回の変化前サイクルが実施されることにより、仮にはずれだったとしてもその後の保留があることをアピールすることができ、遊技者の過度な緊張感を緩和することができる。
(1−3)第3期間において、変化後の保留の保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行される場合について。
第3期間はジャッジ演出後の期間である。変化後の保留の保留サイクル演出が第3期間に実行されることにより、ジャッジ演出においてはずれが報知された場合には、期待度の高い変化後の保留に注目させることで、遊技者は復活演出の発生に期待することができる。また、ジャッジ演出後に、変化後の保留表示に注目させることにより、どの保留表示で大当りしたか又ははずれたかを、遊技者は学習することができる。
一方、第3期間において保留サイクル演出と同時に装飾図柄サイクル演出を実行することで、装飾図柄に対する注目を惹くことができ、遊技者に特別抽選結果をしっかりと認識させることができる。また、特に期待度の高い保留表示であったにも関わらず、はずれであった場合には、当該保留表示に対して落胆を覚えるため、装飾図柄に注目を惹くことで、落胆を軽減することができる。
第3期間において、変化後サイクルの長さが、装飾図柄サイクルの長さより長い場合は、ジャッジ演出後において、装飾図柄と比較して変化後の保留に対する注目を惹くことができる。ジャッジ演出によって特別抽選結果が既に報知されているため、特別抽選結果を改めて確認するよりも、どの保留表示で大当りしたか又ははずれたかに興味がある遊技者も多く、このような遊技者の興趣を向上させることができる。
第3期間において、変化後サイクルの長さが、装飾図柄サイクルの長さより短い場合には、変化後の保留と比較して装飾図柄に対する注目を惹くことができる。第3期間において、装飾図柄はジャッジ演出後の確定した特別抽選結果を示している(復活演出が実行される場合を除く)ため、特別抽選結果を認識させる効果がより強くなる。また、特に大当りが報知された場合には、大当りの組み合わせである装飾図柄を強くアピールすることで、遊技者の高揚感を向上させることができる。また、変化前サイクルの長さは変化後サイクルの長さより短いため、この場合、変化前サイクルも装飾図柄サイクルの長さより短い。これにより、変化前の保留と比較しても装飾図柄に対する注目を強く惹くことができるため、次回以降の変動よりも実行中の変動に対して期待を持たせながら、特別抽選結果を遊技者にしっかりと認識させている。
第3期間において、装飾図柄サイクルの長さが、変化前サイクルの長さより長く、かつ変化後サイクルの長さより短くてもよい。保留変化前の状態では、期待度の高い保留変化演出が実行される可能性があるものの、当該変動に対応する特別抽選結果を示す装飾図柄の方が重要であると考える遊技者にとっては、変化前サイクルより装飾図柄サイクルの方が長いことが望ましい。装飾図柄サイクルより、変化後サイクルの方が長いことによる効果は前述したとおりである。
また、変化後サイクルが第3期間より長い場合には、第3期間において変化後サイクルの1サイクルが終了しない。従って、特にジャッジ演出ではずれが報知された場合には変化後の保留に対して遊技者は落胆を覚えているが、変化後サイクルが終了することなく変動が終了するため、過度に注目を惹くことはなく、遊技者の落胆を煽ることを防止できる。
一方、変化後サイクルが第3期間より短い場合には、複数回の変化後サイクルを第3期間において実行するため、保留サイクル演出が周期的な演出であることを遊技者は認識し、変化後の保留に対して、より注目を惹くことができる。従って、ジャッジ演出においてはずれが報知された場合には、期待度の高い変化後の保留に注目させることで、遊技者は復活演出の発生に期待することができる。また、ジャッジ演出後に、変化後の保留表示に注目させることにより、どの保留表示で大当りしたか又ははずれたかを、遊技者は学習することができる。また、この場合、変化前サイクルは変化後サイクルより短いため、変化前サイクルも第3期間より短くなる。従って、第3期間において複数回の変化前サイクルが実施されることにより、ジャッジ演出ではずれが報知された場合には、当該変動の後にも保留があることによる遊技者に安心感を提供する効果が大きく得られ、ジャッジ演出で大当りが報知された場合には、大当り遊技後の変動における、さらなる大当りへの期待感を持たせることができる。
(2)変化前サイクルの長さが、変化後サイクルの長さより長い場合について。
図272及び図273の例とは異なって、変化前サイクルの長さが、変化後サイクルの長さより短くてもよい。変化前サイクルより、変化後サイクルの方が短いことにより、変化後の保留より変化前の保留の視認性が高くなり、変化後の保留に対する遊技者の過度な期待感を抑制し、かつ当該変動の後にも保留があることにより遊技者に安心感を提供することができる。
(2−1)第1期間において、変化後の保留の保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行される場合について。
第1期間において、変化後サイクルの長さが、装飾図柄サイクルの長さより長い場合には、装飾図柄と比較して変化後の保留に対する注目を惹くことができ、遊技者に強い期待感を与えることができる。また、変化前サイクルの長さは変化後サイクルの長さより長いため、この場合、変化前サイクルも装飾図柄サイクルの長さより長い。従って、当該変動の後にも保留があることにより遊技者に安心感を提供する効果が大きく得られる。
第1期間において、変化後サイクルの長さが、装飾図柄サイクルの長さより短い場合には、変化後の保留と比較して装飾図柄に対する注目を惹くことができ、遊技者の過度な期待感を抑制する効果が強く得られる。保留変化演出の期待度が低く設定されている場合には、特に有効である。
第1期間において、装飾図柄サイクルの長さが、変化前サイクルの長さより短く、かつ変化後サイクルの長さより長くてもよい。第1期間では装飾図柄は特別抽選結果を直接的に示すことはなく、さらに保留変化前の状態では、保留変化演出が実行される可能性が高いため、装飾図柄よりも変化前の保留に注目を惹くことで、遊技者の期待感を煽ることができる。装飾図柄サイクルより、変化後サイクルの方が短いことによる効果は前述したとおりである。
また、変化後サイクルが第1期間より長い場合には、第1期間において変化後サイクルの1サイクルが終了しないため、第1期間終了後にも保留サイクル演出が継続する場合には、当該1サイクルが終了するまで、期待度の高い変化後の保留に対する遊技者の注目を惹くことができる。例えば、第1期間終了直後に期待度の高い演出が行われない場合であっても、変化後の保留に対する注目を惹くことで遊技者の期待感を維持することができる。また、この場合、変化後サイクルは変化前サイクルより短いため、変化前サイクルも第1期間より長くなる。従って、第1期間において変化前サイクルも終了しないため、第1期間終了後にも保留サイクル演出が継続する場合には、当該1サイクルが終了するまで、保留があることによる安心感を遊技者に提供することができる。
一方、変化後サイクルが第1期間より短い場合には、複数回の変化後サイクルを第1期間において実行するため、保留サイクル演出が周期的な演出であることを遊技者は認識し、変化後の保留に対して、より注目を惹くことができる。第1期間において、保留変化演出より期待度の高い演出が実行される可能性は高くないため、保留サイクル演出に注目を惹くことにより、第1期間における期待感を維持することができる。
(2−2)第2期間において、変化後の保留の保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行される場合について。
第2期間において、変化後サイクルの長さが、装飾図柄サイクルの長さより場合には、装飾図柄と比較して変化後の保留に対する注目を惹くことができ、遊技者に強い期待感を与えることができる。保留変化演出の期待度が高く設定されている場合には、特に有効である。また、変化前サイクルの長さは変化後サイクルの長さより長いため、この場合、変化前サイクルも装飾図柄サイクルの長さより長い。従って、当該変動の後にも保留があることによる遊技者に安心感を提供する効果が大きく得られる。
第2期間において、変化後サイクルの長さが、装飾図柄サイクルの長さより短い場合には、変化後の保留と比較して装飾図柄に対する注目を惹くことができ、リーチ状態であることを遊技者に認識させつつも、保留変化演出による遊技者の過度な期待感を抑制する効果が強く得られる。変化後の保留表示の期待度が低い場合には、特に有効である。
第2期間において、装飾図柄サイクルの長さが、変化前サイクルの長さより短く、かつ変化後サイクルの長さより長くてもよい。第2期間では、期待度の高いSPリーチが実行されているため、リーチ状態である装飾図柄よりも、変化前の保留に注目を惹くことで、リーチ状態に対する遊技者の過度な期待感を抑制し、保留されている次回以降の変動があることに対する安心感を提供することができる。装飾図柄サイクルより、変化後サイクルの方が短いことによる効果は前述したとおりである。
また、変化後サイクルが第2期間より長い場合には、第2期間において変化後サイクルの1サイクルが終了しない。また、第2期間終了後には第3期間に移行する。従って、第2期間終了後の第3期間においても、変化後の保留に対する遊技者の注目を惹くことができる。例えば、ジャッジ演出ではずれを示す結果が報知された場合であっても、遊技者は、期待度の高い変化後の保留に注目することにより、復活演出(ジャッジ演出においてはずれを示す結果が報知された後に実行される演出であって、大当りを示す結果が報知される演出)の発生を期待することができる。また、この場合、変化前サイクルは変化後サイクルより長いため、変化前サイクルも第2期間より長くなる。従って、第2期間において変化前サイクルの1サイクルが終了しないため、第2期間終了後の第3期間においても、変化後の保留に対する遊技者の注目を惹くことができ、保留された次回以降の変動があることによる安心感を提供することができる。
一方、変化後サイクルが第2期間より短い場合には、複数回の変化後サイクルを第2期間において実行するため、保留サイクル演出が周期的な演出であることを遊技者は認識し、変化後の保留に対して、より注目を惹くことができる。特に、(SPリーチの発生よりも)期待度の高い保留表示に変化した場合においては、保留サイクル演出に注目を惹くことにより、第2期間における期待感を増強することができる。
(2−3)第3期間において、変化後の保留の保留サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とが同時に実行される場合について。
第3期間において、変化後サイクルの長さが、装飾図柄サイクルの長さより長い場合は、ジャッジ演出後において、装飾図柄と比較して変化後の保留に対する注目を惹くことができる。ジャッジ演出によって特別抽選結果が既に報知されているため、特別抽選結果を改めて確認するよりも、どの保留表示で大当りしたか又ははずれたかに興味がある遊技者も多く、このような遊技者の興趣を向上させることができる。また、変化前サイクルの長さは変化後サイクルの長さより長いため、この場合、変化前サイクルも装飾図柄サイクルの長さより長い。従って、ジャッジ演出ではずれが報知された場合には、当該変動の後にも保留があることによる遊技者に安心感を提供する効果が大きく得られ、ジャッジ演出で大当りが報知された場合には、大当り遊技後の変動における、さらなる大当りへの期待感を持たせることができる。
第3期間において、変化後サイクルの長さが、装飾図柄サイクルの長さより短い場合には、変化後の保留と比較して装飾図柄に対する注目を惹くことができる。第3期間において、装飾図柄はジャッジ演出後の確定した特別抽選結果を示している(復活演出が実行される場合を除く)ため、特別抽選結果を認識させる効果がより強くなる。また、特に大当りが報知された場合には、大当りの組み合わせである装飾図柄を強くアピールすることで、遊技者の高揚感を向上させることができる。
第3期間において、装飾図柄サイクルの長さが、変化前サイクルの長さより短く、かつ変化後サイクルの長さより長くてもよい。保留変化前の状態では、期待度の高い保留変化演出が実行される可能性があるものの、当該変動に対応する特別抽選結果を示す装飾図柄の方が重要であると考える遊技者にとっては、変化前サイクルより装飾図柄サイクルの方が長いことが望ましい。装飾図柄サイクルより、変化後サイクルの方が短いことによる効果は前述したとおりである。
また、変化後サイクルが第3期間より長い場合には、第3期間において変化後サイクルの1サイクルが終了しない。従って、特にジャッジ演出ではずれが報知された場合には変化後の保留に対して遊技者は落胆を覚えているが、変化後サイクルが終了することなく、変動が終了するため、過度に注目を惹くことはなく、遊技者の落胆を煽ることを防止できる。また、変化前サイクルの長さは変化後サイクルの長さより長いため、この場合、変化前サイクルも第3期間の長さより長い。従って、第3期間において変化前サイクルの1サイクルが終了しないため、次回の変動を示す保留に対する過度の注目を抑制することができ、実行中の変動における特別抽選結果をしっかりと遊技者に認識させることができる。
一方、変化後サイクルが第3期間より短い場合には、複数回の変化後サイクルを第3期間において実行するため、保留サイクル演出が周期的な演出であることを遊技者は認識し、変化後の保留に対して、より注目を惹くことができる。従って、ジャッジ演出においてはずれが報知された場合には、期待度の高い変化後の保留に注目させることで、遊技者は復活演出の発生に期待することができる。また、ジャッジ演出後に、変化後の保留表示に注目させることにより、どの保留表示で大当りしたか又ははずれたかを、遊技者は学習することができる。
(3)変化前サイクルの長さが、変化後サイクルの長さより長い場合について。
図272及び図273の例とは異なって、変化前サイクルの長さと、変化後サイクルの長さと、が同じであってもよい。変化前サイクルの長さと、変化後サイクルの長さと、が同じであることにより、変化後の保留と変化前の保留の視認性が同程度になり、保留があることにより安心感と、保留変化演出による期待感と、をバランスよく遊技者に提供することができる。また、特に、例えば、変化前の保留と変化後の保留とで保留サイクル演出における保留表示の動きが同様である場合には、例えば、変化前の保留と変化後の保留とで保留サイクル演出における保留表示の動きが同期するよう、保留変化のタイミングを決定してもよい。変化前と変化後の保留表示の動きが同期することにより、保留表示全体としての視認性が向上し、例えば、遊技者は保留数をカウントしやすくなる。
なお、前述した例では、第1期間、第2期間、及び第3期間のいずれにおいても、装飾図柄は数字とキャラクタを含んでいたが、例えば、第2期間及び第3期間(即ち、装飾図柄の表示サイズが第1期間より小さい態様である期間、期待度の高い演出が実行されている期間、又は特別抽選結果を遊技者に報知した後の期間)においては、装飾図柄は数字(即ち、遊技者が特別抽選結果を把握するための必要最低限の情報)のみで表現されてもよい。この場合、第2期間及び第3期間における装飾図柄サイクル演出は、数字の動きによって実現される。
また、表示態様の異なる複数種類の保留サイクル演出が存在してもよい。具体的には、例えば、1サイクルの長さが異なる複数種類の保留サイクル演出が存在してもよいし、1サイクルの長さが同じであっても少なくとも1コマについて保留の表示態様が異なる複数種類の保留サイクル演出が存在してもよい。
また、当該複数種類の保留サイクル演出について、出現率及び当該変動における大当り期待度及び出現率が異なっていてもよい。例えば、1サイクルの長さが長いほど期待度が高くてもよいし、1サイクルの長さが短いほど期待度が高くてもよい。また、例えば、1サイクルの長さが同じであっても、保留表示がエフェクトを纏う保留サイクル演出や、保留表示の移動量が大きい保留サイクル演出については、他の保留サイクル演出と比較して期待度が高く設定されていてもよい。
また、例えば、期待度の高い保留サイクル演出ほど出現率が低く設定されている。なお、保留変化後の保留における保留サイクル演出については、当該変化後の保留に対応する変動の期待度を示していることが望ましい。なお、装飾図柄サイクル演出についても表示態様の異なる複数種類の演出が存在してもよく、その表示態様、期待度、及び出現率については保留サイクル演出についての説明と同様である。
また、演出ステージによって、1サイクルの長さが異なる保留サイクル演出が実行されてもよい。例えば、1サイクルの長さが長い(例えば8コマ)保留サイクル演出が実行される1又は複数の演出ステージ、1サイクルの長さが通常である(例えば6コマ)保留サイクル演出が実行される1又は複数の演出ステージ、及び1サイクルの長さが短い(例えば4コマ)保留サイクル演出が実行される1又は複数の演出ステージがあるとする。
保留サイクル演出における1サイクルの長さが長くなる演出ステージへと移行する場合には、移行前の演出ステージと比較して、移行後の演出ステージの方が保留表示への注目を惹きやすい。従って、例えば、保留サイクル演出における1サイクルの長さが長い演出ステージほど、保留変化演出が実行されやすく設定されている場合(保留サイクル演出における1サイクルの長さが長い演出ステージの方が大当りに対する期待が高い場合)には、保留変化演出に対する注目が集まりやすくなり、遊技者の期待感を向上させることができる。
一方、保留サイクル演出における1サイクルの長さが短くなる演出ステージへと移行する場合には、移行後の演出ステージと比較して、移行前の演出ステージの方が保留表示への注目を惹きやすい。従って、例えば、保留サイクル演出における1サイクルの長さが短い演出ステージほど、演出表示装置1600の保留表示領域外における演出が実行されやすく設定されている場合には、移行後のステージにおいて保留表示への注目を惹きつつも、移行前のステージと比較すれば保留表示への注目を下げて保留表示領域外の演出に対する注目を上げている。
また、移行前の演出ステージの方が保留表示への注目は惹きやすいものの、保留サイクル演出における1サイクルの長さが短い演出ステージの方が大当りに対する期待が高いとしてもよい。この場合には、遊技者は、移行前の演出ステージの方に注目しているため、1サイクルの長さが短い演出ステージで大当りした場合には、驚きを与えることができる。
また、1サイクルの長さが同じ保留サイクル演出が実行される演出ステージ間の移行が行われてもよい。仮に、1サイクルの長さが異なる演出ステージへの移行が頻繁に行われるとすると、保留表示に対する遊技者の注目度が都度変化することになり、落ち着いて遊技ができないと感じる遊技者もいるため、1サイクルの長さが同じ演出ステージ間の移行が実行される。
このような演出ステージの移行には、法則性をもたせるようにしてもよい。当該法則性として、例えば、「1サイクルが長い演出ステージ→1サイクルが短い演出ステージ→1サイクルの長さが同じ演出ステージ→1サイクルが長い演出ステージ・・」や「期待度が高い演出ステージ→保留サイクルが短くなる演出ステージもしくは保留サイクルが長くなる演出ステージ」などがある。他にも、例えば、所定の演出ステージにおける所定の演出ではずれが報知された場合に、次回変動で通常の演出ステージに移行する、などの法則がある。
なお、遊技状態によって、保留サイクル演出の1サイクルの長さが異なってもよい。例えば、通常遊技状態及び時短遊技状態それぞれについて保留サイクル演出の1サイクルの長さが異なってもよい。但し、各遊技状態における保留サイクル演出の1サイクルの長さは、当該遊技状態において選択され得る最短の変動時間より短いことが望ましい。つまり通常遊技状態において選択され得る最短の変動時間より、時短遊技状態において選択され得る最短の変動時間の方が短い場合には、通常遊技状態の保留サイクル演出の1サイクルの長さは、時短遊技状態の保留サイクル演出の1サイクルの長さより長くなる。
仮に、保留サイクル演出の1サイクルの長さが、当該遊技状態において選択され得る最短の変動時間より短いとすると、最短の変動時間の変動パターンが選択された場合には、当該変動パターンの変動においては1変動で保留サイクル演出の1サイクルの演出を実行することができず、保留表示に対する遊技者の注目を惹きづらいからである。
[20−2.保留サイクル演出と状態表示サイクル演出]
図274及び図275は、保留サイクル演出と状態表示サイクル演出とが同時に実行される演出の一例を示す説明図である。状態表示サイクル演出は、特定ゾーン(大当りに対する期待が高い演出ゾーンであって、複数変動に跨って実行されるようにしてもよいし、1変動内の所定のタイミングにて表示するようにしてもよい)に滞在している状態であることを示す表示が、周期的に変化する演出である。図274及び図275の例では、特定ゾーンとして前述した超松ゾーンに滞在している状態である。
図274及び図275の例では、保留変化演出が実行され、通常の保留(変化していない保留)の保留サイクル演出は、4コマを1サイクルとした演出を繰り返し、変化後の保留(赤保留)の保留サイクル演出は、6コマを1サイクルとした演出を繰り返す。
図274及び図275の例における、通常の保留の保留サイクル演出の各コマの演出は図266の例における保留サイクル演出の各コマの演出と同様であり、変化後の保留の保留サイクル演出の各コマの演出は図267の例における保留サイクル演出の各コマの演出と同様であるため、説明を省略する。
また、状態表示サイクル演出において、超松ゾーンに滞在していることを示す帯(「超松ゾーン中・・・」)が演出表示装置1600の中央部に表示されている。状態表示サイクル演出において、1コマごとに「超松ゾーン滞在中・・・」の文字が1文字ずつ帯内で左方向に移動し、帯の左端部に到達した文字は次のコマで帯の右端部から再度出現することで、周期的な表示を実現する。
状態表示サイクル演出が実行されることにより、状態表示が背景に完全に溶け込んでしまうことを避けることができるため、遊技者は期待度の高い特定ゾーンに滞在していることを視認しやすくなることで特定ゾーンに滞在していることをきちんと認識でき、遊技者の期待感が向上する。
また、状態表示サイクル演出と、変化後の保留の保留サイクル演出が同時に実行されることにより、期待度の高い特定ゾーンに滞在していることを示す状態表示と、変化後の保留表示と、の双方に対する注目を惹くことができるため、2つの演出によって相乗的に遊技者の期待感が向上する。従って、変化後の保留の期待度が低い場合には(例えば、青保留等)、特定ゾーン滞在による遊技者の期待感を削がないために、変化後の保留の保留サイクル演出を実行しなくてもよい。
また、状態表示サイクル演出と、変化前の保留の保留サイクル演出が同時に実行されることにより、期待度の高い特定ゾーンに滞在していることを示す状態表示と、変化前の保留表示と、の双方に対する注目を惹くことができるため、特定ゾーンに滞在していることにより期待感と、仮に特定ゾーンではずれてしまったとしても次回以降の変動の保留があることによる安心感と、を遊技者に提供することができる。
また、状態表示サイクル演出は9コマを1サイクルとした演出を繰り返す。即ち、状態表示サイクル演出の1サイクルの長さは、変化前サイクル及び変化後サイクルよりも長い。特定ゾーンに滞在している状態における期待度は、大半の変化後の保留が選択された状態よりも期待度が高く(具体的には、例えば、保留変化演出が実行される場合において特定ゾーン滞在より期待度の高い保留変化演出が選択される割合が10%以下である)設定されている場合には、状態表示サイクル演出の1サイクルの長さが変化後サイクルよりも長いことにより、変化後の保留表示よりも状態表示に対する注目を惹くことができ、ひいては遊技者の期待感を向上させることができる。
また、前述したように特定ゾーンに滞在している場合の期待度は非常に高いため、状態表示サイクル演出の1サイクルの長さが、変化前の保留サイクル演出における1サイクルの長さよりも長いことにより、変化前の保留表示に注目させて安心感を得るよりも、状態表示に注目させて期待感が向上する方が、興趣が高まる遊技者、に対して満足感を提供することができる。
また、図274及び図275の例では、SPリーチの実行前の期間(第1期間)において、保留サイクル演出と状態表示サイクル演出とが同時に実行される。図274及び図275の例では、全ての装飾図柄が変動中であるため、装飾図柄サイクル演出が実行されていないが、一部又は全部の装飾図柄が停止した状態(装飾図柄の位置が変化しない状態)において、状態表示サイクル演出と同時に装飾図柄サイクル演出が実行されてもよい。
(A)は、変動が開始した状態である。(A)において、次々回の変動に対応する保留表示が赤保留に変化している。また、(A)において、変化前の保留及び変化後の保留における保留サイクル演出、並びに状態表示サイクル演出が開始する。なお、(A)〜(I)の期間は、当該変動において全ての装飾図柄が変動している期間である。(A)では、変化前の保留の保留サイクル演出、変化後の保留の保留サイクル演出、及び状態表示サイクル演出の1コマ目の演出が実行されている。なお、状態表示サイクル演出の1コマ目の演出は、(A)のように、帯中の文字の1文字目が帯内の右端部に表示されている状態とする。
(B)では、変化前の保留の保留サイクル演出、変化後の保留の保留サイクル演出、及び状態表示サイクル演出の2コマ目の演出が実行されている。(C)では、変化前の保留の保留サイクル演出、変化後の保留の保留サイクル演出、及び状態表示サイクル演出の3コマ目の演出が実行されている。(D)では、変化前の保留の保留サイクル演出、変化後の保留の保留サイクル演出、及び状態表示サイクル演出の4コマ目の演出が実行されている。
(E)では、変化前の保留の保留サイクル演出は1コマ目に戻り、変化後の保留の保留サイクル演出及び状態表示サイクル演出の5コマ目の演出が実行されている。(F)では、変化前の保留の保留サイクル演出の2コマ目の演出が実行され、変化後の保留の保留サイクル演出及び状態表示サイクル演出の6コマ目の演出が実行されている。(G)では、変化前の保留の保留サイクル演出の3コマ目の演出が実行され、変化後の保留の保留サイクル演出が1コマ目に戻り、状態表示サイクル演出の7コマ目の演出が実行されている。
(H)では、変化前の保留の保留サイクル演出の4コマ目の演出が実行され、変化後の保留の保留サイクル演出の2コマ目の演出が実行され、状態表示サイクル演出の8コマ目の演出が実行されている。(I)では、変化前の保留の保留サイクル演出の2コマ目の演出が実行され、変化後の保留の保留サイクル演出の3コマ目の演出が実行され、状態表示サイクル演出の9コマ目の演出が実行されている。
(J)では、変化前の保留の保留サイクル演出の3コマ目の演出が実行され、変化後の保留の保留サイクル演出の4コマ目の演出が実行され、状態表示サイクル演出が1コマ目に戻る。
図274及び図275の例では、変化前サイクルが4コマであり、状態表示サイクル演出の1サイクルの長さが9コマである。即ち、状態表示サイクル演出(即ち同時に実行されるサイクル演出のうち1サイクルの長さが最も長い演出)の1サイクルが実行される間に、変化前の保留の保留サイクル演出(即ち同時に実行されるサイクル演出のうち1サイクルの長さが最も短い演出)の複数サイクルが実行される。
これにより、状態表示サイクル演出の1サイクルが終了する前に、変化前の保留の保留サイクル演出については、周期的な演出であることが遊技者に認識されるため、状態表示サイクル演出の1サイクルが終了前の時点では、変化前の保留の保留サイクル演出に対して遊技者の注目を惹き、その後、状態表示サイクル演出へと遊技者の注目を移すことができる。
なお、図274及び図275の例では、状態表示サイクル演出の1サイクルの長さは、変化前サイクル及び変化後サイクルよりも長いが、状態表示サイクル演出の1サイクルの長さは変化後サイクルより短くてもよいし、変化前サイクルより短くてもよい。
状態表示サイクル演出の1サイクルの長さが変化後サイクルより短いことにより、状態表示と比較して変化後の保留表示の方が注目を惹くため、例えば、期待度が極めて高い保留表示(例えば、大当り確定の虹色保留等)が選択された場合には、遊技者に強い高揚感を与えることができる。また、状態表示サイクル演出の1サイクルの長さが変化後サイクルより短いことにより、例えば、図274及び図275の例のように、特定ゾーン演出及び保留変化が先読み演出として実行された場合には、変化後の保留に注目させることで、どの変動が、当該特定ゾーンにおけるSPリーチが実行される変動であるかを遊技者にしっかりと認識させることができる。
また、状態表示サイクル演出の1サイクルの長さが変化前サイクルより短いことにより、状態表示と比較して変化前の保留表示の方が注目を惹くため、保留があることによる安心感を遊技者に提供でき、ひいては当該特定ゾーンに対する過度な緊張感を抑制することができる。
また、図274及び図275では、状態表示サイクル演出と保留サイクル演出とが重ならないように表示されている。このようにすることで双方の認識を明確にすることができる。また、状態表示サイクル演出と保留サイクル演出の一部又は全てとを重なるようにしてもよい。重ねることで、重なった部分に注目するだけで双方(状態表示サイクル演出と保留サイクル演出)を認識することができるためである。図274及び図275では、装飾図柄サイクルについては図示していないが、状態表示サイクル演出と装飾図柄サイクル演出とを比較した場合においても、同様に重ねたり重ねなかったりすることができる。
ここまで、複数のサイクル演出が同時に実行される演出について説明したが、サイクル演出は、装飾図柄サイクル演出、保留サイクル演出、及び状態サイクル演出以外のサイクル演出を含んでもよいことは言うまでもない。
具体的には、例えば、サイクル演出は、第四図柄サイクル演出を含む。第四図柄とは、演出表示装置1600又は他の表示装置(例えば、LED表示器等)に表示される図柄である。また、第四図柄は、例えば、実行中又は直近の実行済みの特別図柄変動に対応する特別抽選結果や、特別図柄変動が実行中か否かを、装飾図柄とは別に示唆する図柄であり、例えば、装飾図柄より小さいサイズで表示されていることが望ましい。
例えば、装飾図柄の変動中に、第四図柄も変動する。第四図柄変動において、例えば、特別抽選結果が当りであることを示す第四図柄(例えば丸印)と、はずれであることを示す第四図柄(例えばバツ印)と、を交互に表示する2コマからなるサイクル演出(第四図柄サイクル演出とも呼ぶ)を繰り返す。従って、装飾図柄サイクル演出が実行されているときには、第四図柄サイクル演出も同時に実行される。
第四図柄サイクル演出が実行されることにより、特別抽選結果を最も直接的に示す第四図柄に対する注目を惹くことができるため、演出よりも特別抽選結果を重視する遊技者の興趣が向上する。また、1サイクルの長さは、第四図柄サイクル演出の1サイクルの長さは、装飾図柄サイクル演出の1サイクルの長さより短いことが望ましい。これにより、特別抽選結果を最も直接的に示す第四図柄への注目を惹きつつも、特別抽選結果を示しつつ演出としての機能も果たす装飾図柄への注目をさらに惹くことができ、遊技者は、演出を楽しみながら特別抽選結果を確実に認識することができる。
[21.複数種類の演出図柄]
図276は、複数種類の演出図柄を用いた演出の一例を示す説明図である。演出表示装置1600は、装飾図柄表示領域1611を含む。装飾図柄表示領域1611において、左装飾図柄、中装飾図柄、及び右装飾図柄の順で、右下がりに表示される。装飾図柄は第1演出図柄として機能する。
また、演出表示装置1600は、装飾図柄表示領域1611は、複数の第2演出図柄表示領域を含む。図276の例では、演出表示装置1600は、中装飾図柄が表示される領域の右上部に配置された第2演出図柄表示領域1612と、中装飾図柄が表示される領域の左下部に配置された第2演出図柄表示領域1612と、を含む。以下、右上部の第2演出図柄表示領域1612に表示される第2演出図柄を右上図柄、左下部の第2演出図柄表示領域1612に表示される第2演出図柄を左下図柄、とも呼ぶ。
装飾図柄表示領域1611に表示される装飾図柄は、前述したとおり、第一始動口2002又は第二始動口2004(これら始動口を、以降、第1通過口ともいう)を遊技球Bが通過したことを契機に変動する。第2演出図柄表示領域1612に表示される第2演出図柄は、上述の第1通過口とは異なる第2通過口を遊技球Bが通過したことを契機に変動する。第2通過口は、装飾図柄を変動させる契機となる通過口(つまり、第一始動口2002及び第二始動口2004)とは異なる通過口であり、例えば、所定の一般入賞口2001(例えば、一般入賞口2001のうち最も左に位置するもの)などである。つまり、第2通過口を遊技球Bが通過しても、装飾図柄表示領域1611に表示される装飾図柄の変動が開始することはない。
例えば、第2通過口を遊技球Bが通過した場合に、右上図柄及び左下図柄が変動し、変動時間の経過後に停止する。なお、第2演出図柄の変動時間は、所定の時間であってもよいし、特別図柄変動時間や普通図柄変動時間のように、所定の変動パターンに従って定められてもよい。また、第2演出図柄の変動中に第2通過口を遊技球Bが通過した場合に、特別図柄変動のように、所定数を上限として第2演出図柄変動を保留してもよいし、保留しなくてもよい。
図276は、装飾図柄変動が行われていない状態において、第2演出図柄変動が行われる例を示す。(A)は、特別図柄変動及び第2演出図柄変動の双方が実行されていない状態(即ち、いずれの図柄も停止状態)である。また、(A)では、装飾図柄サイクル演出の1コマ目の演出が行われている。装飾図柄サイクル演出の各コマの演出内容は図266と同様(6コマの装飾図柄サイクル演出)である。(B)も、特別図柄変動及び第2演出図柄変動の双方が実行されていない状態であり、装飾図柄サイクル演出の2コマ目の演出が行われている。
(C)は、第2通過口を遊技球Bが通過し、第2演出図柄変動が開始した状態である。(C)では、特別図柄変動は実行されていない状態であり、装飾図柄サイクル演出の3コマ目の演出が行われている。特別図柄変動が実行されていない期間においても、第2演出図柄変動が実行されることにより、遊技者に対して何らかの抽選が行われているように見せることができるため、遊技者を退屈させることがない。具体的には、右上図柄と左下図柄と装飾図柄表示領域1611に表示される中央の装飾図柄(中装飾図柄)とを一直線上になるように構成することで、同一の図柄が3つ揃い(当りに相当する図柄の組み合わせ)するかのように感じさせる演出である。
なお、図276の例では、第2演出図柄変動は、どのような図柄の組み合わせが停止しても遊技者に特典を付与しない、所謂賑やかしのための演出である。即ち図276の例では、第2通過口への遊技球Bの入球に基づいて、第2演出図柄変動の停止図柄を決定するための抽選のみが行われているが、右上図柄と左下図柄の停止図柄は同一の図柄とならないように停止図柄を決定している。このように、第2演出図柄変動は、単なる賑やかしの演出であるため、遊技者に対して期待感を煽り過ぎないようにすることが望ましい。
従って、特別抽選結果を示す装飾図柄より第2演出図柄が小さく表示されていることが望ましい。また、第2演出図柄の種類は、装飾図柄の種類と比較して少ないことが望ましい。例えば、装飾図柄は、0〜9の数字をそれぞれ含む10種類の図柄を含み、第2演出図柄は、1〜7の数字をそれぞれ含む7種類の図柄を含む。また、第2演出図柄は、装飾図柄とは異なってキャラクタを含まず、数字のみで表現されることが望ましい。
なお、遊技者に対して期待感を煽り過ぎないようにするために、第2演出図柄の変動演出のパターン数は少ない(具体的には、例えば、装飾図柄の演出パターン数以下であり、1パターンであるものとする)ことが望ましい。当該1パターンの演出として、第2演出図柄表示領域1612それぞれにおいて、第2演出図柄が1、2、3、4、5、6、7の順で変化する演出を1サイクルとした周期的な演出が実行される。当該1サイクルの時間が短い(例えば、他のサイクル演出(装飾図柄サイクル演出や保留サイクル演出)の1サイクルよりも短い(0.5秒程度))ことが望ましい。特別抽選結果を示す装飾図柄と比較して、第2演出図柄に対する注目を抑えるためである。なお、第2演出図柄の停止時には、第2演出図柄表示領域1612における第2演出図柄それぞれを、決定された停止図柄に差し替える。
なお、特別抽選結果を示す装飾図柄については、例えば、通常の変動中と、SPリーチ演出実行中と、において表示サイズや表示位置が異なる。第2演出図柄表示領域1612は、特別抽選結果を示す装飾図柄の視認を妨げないようにするために、装飾図柄の表示サイズ及び表示位置が変更された場合であっても、装飾図柄と重複しない位置に設けられていることが望ましい。
なお、図276の例のように、装飾図柄と第2演出図柄は1つの表示装置(演出表示装置1600)内に表示されてもよいし、別の表示装置に表示されてもよい。但し、装飾図柄と第2演出図柄が別の表示装置に表示される場合には、装飾図柄と第2演出図柄の表示位置は近い(例えば、装飾図柄に注目している遊技者の視野に第2演出図柄が含まれる程度の距離(例えば、30cm以内))ことが望ましい。
なお、装飾図柄及び第2演出図柄が停止した際の、左下図柄と、右上図柄と、1つの装飾図柄(例えば中装飾図柄とする)と、の組み合わせが、大入賞口を開放させる特別抽選結果(例えば大当り及び小当り)を報知する装飾図柄の停止図柄の組み合わせにならないことが望ましい。具体的には、例えば、大当り変動及び小当り変動の終了時に、左装飾図柄と中装飾図柄と右装飾図柄とが全て同じ数字で停止するよう設定されている場合、装飾図柄及び第2演出図柄の停止中に、左下図柄と右上図柄と中装飾図柄との少なくとも1つは異なる数字で停止するよう、装飾図柄及び第2演出図柄の停止図柄が決定される。仮に、はずれ変動の終了時に左下図柄と右上図柄と中装飾図柄とが全て同じ数字で停止していると、はずれ変動が終了した状態であるにも関わらず、何らかの特典が付与されるのではないかと、遊技者に誤解を与えるおそれがあるからである。但し、大当り変動中においては、左下図柄と右上図柄と中装飾図柄とを、同じ数字で停止可能であるようにしてもよい。
図277は、複数種類の演出図柄を用いた演出の一例を示す説明図である。図277は、装飾図柄のリーチ状態中に、第2演出図柄変動が開始し、装飾図柄の変動の終了後も第2演出図柄変動が継続する例を示す。(A)は、特別図柄変動及び第2演出図柄変動の双方が実行されていない状態(即ち、いずれの図柄も停止状態)である。(B)では、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球Bが入球して特別図柄変動が開始した状態であり、装飾図柄の変動が開始している。一方、第2演出図柄変動は実行されていない。
(C)では、装飾図柄のリーチ状態が開始している。また、(C)では、装飾図柄サイクル演出の1コマ目の演出が行われている。装飾図柄サイクル演出の各コマの演出内容は図266と同様(6コマの装飾図柄サイクル演出)である。(D)は、リーチ状態が継続中であり、装飾図柄サイクル演出の2コマの演出が行われている。また、(D)では、第2通過口を遊技球Bが通過し、第2演出図柄変動が開始した状態である。(E)では、特別図柄変動が終了し、装飾図柄がはずれの組み合わせで停止している。また(E)において、第2演出図柄の変動は継続している。
(E)では、装飾図柄のはずれの組み合わせが停止し、特別抽選結果がはずれであることが遊技者に示されているが、第2演出図柄がまだ変動中であるため、まだ何らかの抽選に当選しているチャンスが残っているように遊技者に見せることができ、ひいては遊技者の期待感を向上させることができる。
なお、前述したように、第2演出図柄の種類は、装飾図柄の種類と比較して少ないことが望ましい。(E)のように、仮に、第2演出図柄の種類数が装飾図柄の種類数以上であるとすると、装飾図柄のはずれの組み合わせが停止した場合において、第2演出図柄についても当選しにくいと遊技者は推測してしまい(例えば10種類の装飾図柄で当選できなかったのだから、15種類の第2演出図柄についてはもっと当選しにくいと遊技者が感じるおそれがある)、期待感を向上させることができないからである。
図278は、複数種類の演出図柄を用いた演出の一例を示す説明図である。図278は、全ての装飾図柄が変動している状態において、第2演出図柄変動が開始する例を示す。(A)は、特別図柄変動及び第2演出図柄変動の双方が実行されていない状態(即ち、いずれの図柄も停止状態)である。(B)では、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球Bが入球して特別図柄変動が開始した状態であり、装飾図柄の変動が開始している。一方、第2演出図柄変動は実行されていない。
(C)では、全ての装飾図柄が変動している状態が継続している。また、(C)は、第2通過口を遊技球Bが通過し、第2演出図柄変動が開始した状態である。また、(D)では、装飾図柄のリーチ状態が開始し、装飾図柄サイクル演出の1コマ目の演出が行われている。なお、装飾図柄サイクル演出の各コマの演出内容は図266と同様(6コマの装飾図柄サイクル演出)である。また、(D)において、第2演出図柄の変動は継続している。(E)では、リーチ状態が継続中であり、装飾図柄サイクル演出の2コマの演出が行われている。また(E)において、第2演出図柄の変動は継続している。
(C)のように全ての装飾図柄と、全ての第2演出図柄と、が変動することにより、抽選結果の報知がWライン(左装飾図柄、中装飾図柄、及び右装飾図柄からなる図柄の組み合わせによるライン、並びに左下図柄、中装飾図柄、及び右上図柄からなる図柄の組み合わせによるライン)で行われているように、遊技者に認識させることができ、ひいては遊技者の期待感を向上させることができる。
なお、装飾図柄と第2演出図柄とを同一の表示装置に表示する場合、及び別の表示装置に表示する場合の双方において、このようにWラインを遊技者に認識させるために、2つの第2演出図柄の配置は、左装飾図柄、中装飾図柄、及び右装飾図柄からなるラインと平行でないことが望ましい。
[22.リプレイ演出]
以下、リプレイ演出について説明する。リプレイ演出とは、例えば、ある変動の中で期待度の高い演出が行われたもののはずれが報知され、その後、当該変動中に当該期待度の高い演出を再度実行して、当該演出において当落に大きく影響するポイントを解説する演出である。図279、図280、及び図281は、リプレイ演出の一例を示す説明図である。(A)は、変動が開始した状態である。(B)では、装飾図柄がリーチ状態となっている。
(C)は、SPリーチが開始した状態である。SPリーチが開始すると、左装飾図柄、中装飾図柄、右装飾図柄が、それぞれ演出表示装置1600の左上部、中上部、右上部にサイズが小さくなった状態で表示される。なお、(C)から装飾図柄サイクル演出が開始し、SPリーチ実行中において装飾図柄サイクル演出が継続する。つまり、(G)まで、装飾図柄サイクル演出が継続する。なお、装飾図柄サイクル演出の各コマの演出内容は図267(4コマの装飾図柄サイクル演出)と同様である。
なお、図279(C)〜(F)において、装飾図柄サイクル演出が1コマずつ進行しているようにも見えるが、(C)と(D)との間、(D)と(E)との間、(E)と(F)との間、及び(F)と(G)との間、の時間は1コマである必要はなく、1コマより長い時間であってもよい。
続いて、(D)において、SPリーチが継続中であり、「じゃんけん・・・」という表示が演出表示装置1600に表示されている。(E)において、当該表示が演出表示装置1600から消去される。(F)において、じゃんけんの手が表示される。(F)では、味方キャラクタがじゃんけん勝負に負けた状態が表示されている。
(G)では、味方キャラクタがじゃんけんに負けたこと、即ち特別抽選結果がはずれであった(その後に復活演出が行われる場合を除く)ことを示す「残念・・・」という表示が演出表示装置1600に表示され、はずれの組み合わせの装飾図柄が停止している。
(H)では、当該はずれの組み合わせの装飾図柄の表示サイズ、及び表示位置が元の位置(即ちSPリーチ開始前の状態)に戻り、「残念・・・」という表示も装飾図柄と重複しない位置に移動している。なお、図279の例では、ジャッジ演出後の装飾図柄のサイズは、SPリーチ前の装飾図柄のサイズと同じであるが、SPリーチ前の装飾図柄よりも小さく、かつSPリーチ中の装飾図柄よりも大きいサイズであってもよい。なお、(H)において、装飾図柄サイクル演出の1コマ目の演出が実行されている。なお、(G)と(H)の間に、演出表示装置1600に別の画像(例えば、ブラックアウト画像等)が表示されてもよい。
(I)では、装飾図柄サイクル演出の2コマ目の演出が実行されている。(J)では、装飾図柄サイクル演出の3コマ目の演出が実行されている。(K)では、装飾図柄サイクル演出の4コマ目の演出が実行されている。(L)では、装飾図柄サイクル演出が終了した状態であり、即ち装飾図柄の動きが完全に停止している。なお、図279及び図280の例では、ジャッジ演出終了後から装飾図柄の動きが完全に停止するまでに、1サイクルの装飾図柄サイクル演出が実行されているが、複数サイクルの装飾図柄サイクル演出が実行されてもよい。
(L)の停止状態開始から所定時間経過後(例えば、5秒後)に、リプレイ演出が開始する。なお、リプレイ演出は、当該SPリーチが実行された変動と同じ変動で行われる。(M)では、リプレイ演出が開始したことを示す表示が演出表示装置1600に表示されている。(N)では、(B)の状態がリプレイされており、装飾図柄がリーチ状態となっている。
(O)では、(C)の状態がリプレイされており、SPリーチが開始した状態となっている。但し、SPリーチのリプレイ中には(つまり(L)の停止状態が開始してから所定時間経過後からの所定期間においては)、装飾図柄及び保留表示が消去されているものとする。既に当該変動についての特別抽選結果が報知されているため装飾図柄を表示する必要はなく、さらに保留表示も消去することで、期待度が高いSPリーチのリプレイ演出に遊技者の意識を集中させることができる。なお、例えば、SPリーチのリプレイ演出を正確に確認したい遊技者のために、リプレイ演出中において、音量調節や光量調節を可能としてもよい。
なお、(O)では、(C)の状態と異なり、「セリフが黒だね・・・」という表示が演出表示装置1600に表示されている。当該表示は、「じゃんけん勝負だ!!」というセリフの表示色が黒色以外の色(例えば赤色)である場合には、黒色である場合と比較して期待度がさらに高いことを遊技者に示唆する表示である。
(P)では、(D)の状態がリプレイされており、SPリーチが継続中であり、「じゃんけん・・・」という表示が演出表示装置1600に表示されている状態である。(Q)では、(E)の状態がリプレイされているが、(E)の状態と異なり、「「押せ!!」出なかったね・・・」という表示が演出表示装置1600に表示されている。当該表示は、(E)の状態で、中央押圧操作部303aの押圧を促す表示がされた場合には、中央押圧操作部303aの押圧を促す表示がされなかった場合と比較して期待度がさらに高いことを遊技者に示唆する表示である。
(R)では、中央押圧操作部303aの押圧を促す表示が演出表示装置1600に表示されている。当該表示は、期待度の高いSPリーチ中に表示されるものと同じ表示である。さらに、中央押圧操作部303aを促す表示が出現する場合には「こんな風に出るんだよ!!」ということを示す表示が演出表示装置1600に表示されている。(R)における中央押圧操作部303aの押圧を促す表示は、リプレイ演出の前に実際に行われたSPリーチでは表示されなかったものであるが、期待度の高い表示パターンを遊技者に紹介するために、表示されている。
中央押圧操作部303aの押圧を促す表示が表示されている状態において、中央押圧操作部303aは有効状態であり、この状態で中央押圧操作部303aが押圧されると、(S)のようなカットインが表示される。当該カットインは、SPリーチ中に表示されるカットインと同じものである。さらに有効状態中に中央押圧操作部303aを「押すとこんなカットインがあるんだよ!!」ということを示す表示が演出表示装置1600に表示される。(S)におけるカットインは、リプレイ演出の前に実際に行われたSPリーチでは表示されなかったものであるが、期待度の高い表示パターンを遊技者に紹介するために、表示されている。
(T)では、(F)の状態がリプレイされており、味方キャラクタがじゃんけん勝負に負けた状態が表示されている。(U)では、(G)の状態がリプレイされており、「残念・・・」という表示が演出表示装置1600に表示され、はずれの組み合わせの装飾図柄が停止している状態である。
(V)では、(H)の状態がリプレイされている。なお、(H)のように、ジャッジ演出後に装飾図柄が大きく表示され、元の位置に戻った状態のリプレイ演出については、SPリーチ中とは異なり、装飾図柄及び保留表示が再度演出表示装置1600に表示されている。(W)では、(I)の状態がリプレイされ、装飾図柄サイクル演出の2コマ目の演出が実行されている。
(X)では、(J)の状態がリプレイされ、装飾図柄サイクル演出の3コマ目の演出が実行されている。(Z)では、(K)の状態がリプレイされ、装飾図柄サイクル演出の4コマ目の演出が実行されている。このように、リプレイ演出では、装飾図柄が完全停止する直前までの状態がリプレイされる。なお、ジャッジ演出後の装飾図柄サイクル演出については、1サイクル未満(即ち3コマ以下)のみがリプレイされて、リプレイ演出が終了してもよい。ジャッジ演出後の演出について興味が薄い遊技者もいるからである。
(Z)では、装飾図柄が完全停止し、完全停止状態が所定時間(例えば1秒)経過した後に、当該変動が終了する。なお、リプレイ演出は装飾図柄が完全停止した状態を含む、即ち(Z)を(L)の状態をリプレイするリプレイ演出と考えることもできる。なお、次回の変動がリプレイ演出を実行可能な変動パターンであった場合には、次回の変動においてもリプレイ演出を繰り返して表示してもよい。
[23.保留サイクル演出と可動体演出]
図282は、保留サイクル演出と可動体演出とが同時に実行される演出の一例を示す説明図である。保留サイクル演出は、4コマを1サイクルとした演出を繰り返す。図282の例における保留サイクル演出の各コマの演出は、図266の例における保留サイクル演出の各コマの演出と同様であるため、説明を省略する。
図282の例では、保留サイクル演出が実行されているときに、保留表示の一部が可動体(ここでは、裏下中回転装飾体3310であるものとする)によって隠される、即ち可動体が保留表示と重なる位置に移動する。
(A)では、保留サイクル演出の1コマ目の演出が実行されている。また、(A)では、裏下中回転装飾体3310は初期位置(全ての保留表示の全領域が視認可能な位置)に位置している。(B)では、保留サイクル演出の2コマ目の演出が実行されている。また、(B)では、裏下中回転装飾体3310が上昇位置(少なくとも1つの変動に対応する保留表示の少なくとも一部の領域を、裏下中回転装飾体3310が隠す位置)に移動することにより、保留表示の一部(実行中の変動に対応する保留表示の全部の領域)が隠されている。
(C)では、保留サイクル演出の3コマ目の演出が実行されている。また、(C)では、裏下中回転装飾体3310が上昇位置に留まったままであるため、保留表示の一部(実行中の変動に対応する保留表示の全部の領域と、次回の変動に対応する保留表示の一部の領域)が隠されている。
(D)では、保留サイクル演出の4コマ目の演出が実行されている。また、(D)では、裏下中回転装飾体3310が上昇位置に留まったままであるため、保留表示の一部(実行中の変動に対応する保留表示の全部の領域と、次回の変動に対応する保留表示の全部の領域)が隠されている。
(E)では、保留サイクル演出の1コマ目の演出に戻っている。また、(E)では、裏下中回転装飾体3310が初期位置に戻っているため、全ての保留表示の全領域が視認可能となっている。(F)では、保留サイクル演出の2コマ目の演出が実行されている。また、(F)では、裏下中回転装飾体3310は、初期位置に留まったままである。
つまり、前述したとおり、図282の例では、保留サイクル演出の2コマ目から4コマ目の期間に裏下中回転装飾体3310が上方に位置することにより、保留表示の一部を隠している。
保留サイクル演出の実行中に、保留サイクル演出の1サイクルより短い時間で、保留表示が隠されることにより、遊技者は、隠されたコマの演出(図282における2〜4コマ目)を視認することができないため、当該隠されたコマの演出を次回以降のサイクルで確認しようとする。これにより、1サイクル以上の期間において、遊技者の注目を保留表示に集めることができ、保留があることによる安心感を遊技者に提供することができる。
また、1サイクル以上保留サイクル演出を実行した後の保留サイクル演出の実行中に、保留サイクル演出の1サイクルより短い時間、保留表示が隠されることにより、隠されたコマの演出(図282における2〜4コマ目)が変更されたのではないかと期待感を抱く遊技者もいる。
また、図282の例では保留サイクル演出の実行中に可動体が保留表示を1回だけ隠したが、保留サイクル演出の1サイクルより短い時間で保留表示を隠すことと、再び保留表示を見せることと、を複数回繰り返してもよい。つまり、可動体についても、初期位置から上昇位置に移動して再び初期位置に戻ることを1サイクルとするサイクル演出が行われている状態である。これにより、保留サイクル演出においてストロボ効果を実現することができ、ひいては遊技者の期待感を高めることができる。但し、ストロボ効果を顕著に得るためには、当該繰り返しにおける保留表示を見せる時間を短く(例えば、当該繰り返しにおいて、保留表示を隠す時間以下)であることが望ましい。
また、保留サイクル演出の実行中に可動体が、保留サイクル演出の1サイクルより長い時間で、保留表示を隠してもよい。特に図282の例とは異なり全ての保留表示の全領域が隠される場合には、保留サイクル演出が可動体によって長い時間隠されることにより、遊技者は、可動体がしばらく保留表示上に留まり、可動体が保留表示上に位置しなくなった(即ち全ての保留表示の全領域が視認可能)ときには、隠されていた保留サイクル演出が終了しているだろうと推測する。若しくは、遊技者はそもそも保留サイクル演出が実行中であったことを忘れる可能性もある。このような状況において、可動体が保留表示上に位置しなくなったときに、保留サイクル演出が継続している場合には、遊技者は保留されている変動について期待度が高いのではないか(例えば、当該保留について保留変化演出等が起きるのではないか)と推測し、期待感を抱くことができる。なお、保留サイクル演出の実行中に可動体が、保留サイクル演出の1サイクルより長い時間で、保留表示を隠す場合においても、保留表示を隠すことと、再び保留表示を見せることと、を複数回繰り返してもよい。
また、保留サイクル演出の実行中に可動体が、保留サイクル演出の1サイクルと同じ時間で、保留表示を隠してもよい。可動体によって隠される保留表示時間と、保留サイクル演出の1サイクルの長さと、が同じであることにより、保留サイクルの1サイクルと可動体の移動演出とが同期する。従って、遊技者は保留サイクル演出と可動体の移動演出とが関連付けられているのではないかと考え、期待感を抱くことができる。
また、保留サイクル演出の実行中に可動体が、保留サイクル演出のNサイクル(Nは1以上の整数)と同じ時間で、保留表示を隠してもよい。これにより、保留サイクル演出が隠された後に保留表示が再度視認可能となったときの演出は、保留サイクルが隠される直前のコマの続きから再開している状態となるため、保留表示を隠しながらも、遊技者に保留サイクル演出の1サイクルの繋がりを認識させることができる。
また、保留サイクル演出の実行中に可動体が、保留サイクル演出のXサイクル(Xは0より大きい非整数、例えば、1.5サイクル、2.25サイクル等)と同じ時間で、保留表示を隠してもよい。図282の例で、保留サイクル演出の実行中に可動体が、保留サイクル演出の1.5サイクルと同じ時間で、保留表示を隠した場合、遊技者は、1サイクル、並びに次のサイクルの1コマ目及び2コマ目の演出を視認することができず、当該次のサイクルの3コマ目の演出から視認可能となる。従って、遊技者は、1コマ目と2コマ目の演出が変更されたのではないかと期待感を抱くことができる。
また、図282の例のように、ある変動に対応する保留表示の一部の領域を隠す((C)における次回変動に対応する保留表示)ことにより、当該保留表示の視認可能な領域については保留サイクル演出の内容が変わっていないものの、視認不可能な領域については、演出内容が変わっているのではないか、と遊技者は推測する。つまり、遊技者は、保留表示が非常に気になるため、保留表示への注目を惹くことができる。また、遊技者は、保留表示に注目することにより、保留表示を隠している可動体も視界に入るため、結果として可動体の移動演出に対しても注目を惹くことができる。
また、図282の例のように、ある変動に対応する保留表示の全部の領域を隠す(例えば、(B)〜(D)における実行中の変動に対応する保留表示)ことにより、他の変動に対応する保留表示については保留サイクル演出が継続していることを認識している遊技者は、当該保留表示については、保留サイクル演出の内容が変わるのではないか、保留変化が起きるのではないか等と推測し、期待感を抱くことができる。
また、図282の例とは異なり、保留サイクル演出の実行中に、全ての保留表示の全部の領域を隠してもよい。これにより、遊技者の意識は一旦完全に可動体の移動演出に向かうが、可動体が保留表示上かに位置しなくなった(即ち全ての保留表示の全領域が視認可能となった)後も保留表示サイクル演出が継続する場合には、遊技者は、再度保留表示に注目する。つまり、可動体から遊技者の意識が再度保留表示に向かうことで、可動体の移動演出に対する過度な期待感を抑制し、保留があることによる安心感を提供することができる。
また、保留サイクル演出の実行中に可動体が保留表示を隠すことによって、遊技者は前述した保留覗き込み演出を実現してもよい。これにより、遊技者は大きな期待感を抱くことができる。
ここまで説明したように、保留サイクル演出の実行中に可動体が保留表示を隠す演出によって、遊技者に期待感を抱かせることができるため、当該演出は、期待度の高い変動(例えば、所定のリーチ演出が実行される変動)、又は期待度の高い変動に対する先読み演出を実行する変動等で行われることが望ましい。
なお、図282の例では、可動体が保留表示を隠したが、他の演出画像等によって保留表示を隠してもよい。当該他の演出画像として、演出表示装置1600において保留表示より優先して(即ち前面に)表示される画像、及び所定の導光板を発光させることによって表示される画像等がある。
[24.本実施形態の特徴的な作用効果]
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、裏後演出ユニット3100における裏後可動装飾体3110では、装飾体3111と装飾シート3112とから構成されている装飾部材の後方に、透明な導光放射板3113と裏後装飾基板3114とが設けられており、導光放射板3113の後面に形成されている複数の第一LED収容部3113cの夫々に、裏後装飾基板3114の前面に実装されているサイドビュータイプの第一LED3114aが収容されるように挿入されている。この裏後装飾基板3114に実装されている複数の第一LED3114aを発光させると、第一LED3114aからの光が、第一LED収容部3113cの内面から導光放射板3113の板厚内における板面に沿った方向へ照射され、導光放射板3113の後面の略全面に形成されている複数の反射部3113eにより前方へ反射させられ、導光放射板3113の前面から前方へ放射されることとなる。そして、導光放射板3113から前方へ放射された光が、装飾部材を構成している装飾シート3112及び装飾体3111を通って前方へ照射されることで、装飾部3150が設けられている透光性を有する装飾部材(装飾体3111及び装飾シート3112)が発光装飾されることとなる。
この際に、第一LED3114aから導光放射板3113の板面に沿った方向へ照射された光を、導光放射板3113の板厚内において複数の反射部3113eにより前方へ反射させて装飾体3111及び装飾シート3112を発光装飾させるようにしているため、第一LED3114aを前方へ向けて光を照射するようにした場合と比較して、第一LED3114aの光が導光放射板3113の前面から前方へ放射されるまでの距離を長くすることができ、第一LED3114aからの光を広く拡散させて導光放射板3113から前方へ放射させることができる。従って、第一LED3114aを発光させた時に、第一LED3114aからの光を広く拡散させることができると共に、点状に発光しているように見えることを抑制することができるため、装飾体3111及び装飾シート3112をムラなく発光装飾させて綺麗に見せることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏後可動装飾体3110では、平板状の装飾部材(装飾体3111及び装飾シート3112)と導光放射板3113の後方に裏後装飾基板3114を設けているため、前後方向の寸法を薄くすることができ、裏後可動装飾体3110を配置するスペースを確保し易くすることができると共に、他の演出部材(裏上前回転装飾体3410、裏上後回転装飾体3440、等)を配置するスペースも確保し易くすることができ、多様な演出部材を備えることで遊技者をより楽しませられるパチンコ機1を提供することができる。
更に、装飾部3150が設けられている装飾部材(裏後可動装飾体3110)を、第一装飾突部3111a、第二装飾突部3111b、及び第三装飾突部3111c等の浮彫部を有した装飾体3111と、第一輪郭部3112a等の絵柄を有した装飾シート3112とで構成しているため、浮彫部により装飾部3150に立体感を付与することができると共に、浮彫部の浮彫りによるレンズ効果により後方に設けられている装飾シート3112の絵柄に奥行感を付与することができる。従って、装飾体3111の浮彫部と装飾シート3112の絵柄とによって、奥行感のある立体的な装飾(装飾部3150)を遊技者に見せることができるため、裏後可動装飾体3110の厚さ(前後方向の寸法)を薄くしても装飾効果が低下することはなく、遊技者の関心を引付けたり楽しませたりすることができると共に、裏後可動装飾体3110をより薄くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
また、第一装飾突部3111a、第二装飾突部3111b、及び第三装飾突部3111c等の浮彫部を有した装飾体3111の後方に、第一輪郭部3112a等の絵柄を有した装飾シート3112を設けているため、透明な装飾体3111に着色しなくても、装飾シート3112の絵柄の色により装飾体3111が着色されているように見せることができ、装飾体3111にかかるコストを低減させることができる。また、装飾シート3112の絵柄を変更することで、装飾体3111(裏後可動装飾体3110)の装飾(装飾部3150)を容易に変更することができるため、機種変更や設計変更等に対して対応し易いパチンコ機1とすることができる。
また、装飾シート3112の第一輪郭部3112aに、光の干渉縞により装飾部3150としての絵柄の一部が表示されるホログラムの部位を有するようにしており、裏後装飾基板3114の第一LED3114aからの光、本パチンコ機1に設けられている他のLEDや演出表示装置1600等からの光、本パチンコ機1を設置している遊技ホール内の光、等が第一輪郭部3112aのホログラムの部位に当たることで、光の干渉縞により所定のホログラムを見せることができるため、ホログラムにより装飾部3150の見栄えを良くすることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、ホログラムにより裏後可動装飾体3110の装飾部3150の一部に立体感を付与することができ、裏後可動装飾体3110を薄くしても遊技者に薄さを感じさせないようにすることができる。
更に、装飾シート3112の第一輪郭部3112aにおける絵柄の一部をホログラムにより構成するようにしていることから、ホログラムが第一装飾突部3111a、第二装飾突部3111b、及び第三装飾突部3111c等の浮彫部を有した透明な装飾体3111を通して見えることとなるため、浮彫部によるレンズ効果によりホログラム等の絵柄に奥行感を付与することができ、遊技者の関心を強く引付けることが可能な装飾部3150を遊技者に見せることができる。また、装飾シート3112の第一輪郭部3112aにホログラムの部位を有するようにしているため、ホログラムの部位の形成に印刷技術を用いることが可能となり、コストの増加を抑制することができる。
また、装飾体3111及び装飾シート3112からなる装飾部材において、装飾体3111の後面を平坦にして、装飾シート3112の外形を装飾体3111の外形と同じ大きさにしていることから、透明な装飾体3111の外周縁まで装飾シート3112の絵柄により装飾することができ、装飾(装飾部3150)の外周に枠のようなものがないため、裏後可動装飾体3110の装飾に対して開放感を付与することができると共に、装飾を大きく見せることができる。従って、裏後可動装飾体3110の装飾(装飾シート3112の絵柄等)をより目立たせることができ、裏後可動装飾体3110の装飾効果を十分に発揮させることができると共に、裏後可動装飾体3110の装飾により遊技者の関心を強く引付けさせることができ、遊技者を楽しませられるパチンコ機1を提供することができる。
また、透明な装飾体3111の後面を平坦にしていることから、装飾体3111の後面に装飾シート3112が接触(当接)した状態となるため、装飾体3111と装飾シート3112との間で光が乱反射することはなく、透明な装飾体3111を通して装飾シート3112の第一輪郭部3112aの絵柄をより見え易くすることができ、装飾シート3112の絵柄による装飾効果を十分に発揮させることができる。また、装飾体3111の後面を平坦にしていることから、装飾体3111と装飾シート3112とで構成されている装飾部材の前後方向の寸法を可及的に小さくすることが可能となるため、裏後可動装飾体3110の厚さを薄くすることができ、上述した作用効果を具現化することが可能なパチンコ機1を提供することができる。
更に、装飾シート3112を、装飾体3111の外形と同じ大きさに形成するようにしており、装飾シート3112の絵柄により裏後可動装飾体3110(装飾体3111)の外周縁まで装飾することができるため、当該裏後可動装飾体3110と隣接している部材の装飾態様を、当該裏後可動装飾体3110の装飾と連続するような装飾とすることにより、一体感のある大きな装飾を遊技者に見せることができ、遊技者に見た目のインパクトを与えて注目させることができると共に、大きな装飾を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、導光放射板3113に、裏後装飾基板3114の第一LED3114aが後方から収容される複数の第一LED収容部3113cを有するようにしているため、導光放射板3113の第一LED収容部3113cに後方から第一LED3114aを収容させることで、導光放射板3113の後面と裏後装飾基板3114の前面とを可及的に接近させることが可能となり、裏後可動装飾体3110の前後方向の厚さを薄くすることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。
また、導光放射板3113の第一LED収容部3113cに裏後装飾基板3114の第一LED3114aを収容して、第一LED収容部3113cの内面から板厚内へ第一LED3114aからの光を照射するようにしているため、導光放射板3113の外周面から光を照射するようにした場合と比較して、外周面からの光が届き難い導光放射板3113の部位(例えば、中央部分)でも、当該部位に第一LED収容部3113cを設けてその内面から光を照射するようにすることで、当該部位を明るく発光させることができ、裏後可動装飾体3110(装飾体3111及び装飾シート3112)をムラなく発光装飾させることができる。
更に、裏後装飾基板3114の第一LED3114aをサイドビュータイプのものとしているため、導光放射板3113の第一LED収容部3113cに第一LED3114aを収容して発光させるだけで、第一LED収容部3113cの内面(受光部3113i)から導光放射板3113の板厚内における板面に沿った方向へ光を照射することができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。
また、導光放射板3113の後面の略全面に複数の反射部3113eを有するようにしており、装飾体3111及び装飾シート3112の略全体に光を放射することができるため、装飾体3111及び装飾シート3112に設けられている装飾(装飾部3150)を変更しても反射部3113eを変更する必要はなく、装飾体3111及び装飾シート3112の装飾の変更に対して容易に対応することができ、機種変更や設計変更等に対して対応し易いパチンコ機1を提供することができる。
なお、裏後可動装飾体3160及び裏後可動装飾体3170においても、上記と同様の作用効果を奏することができる。
なお、第2演出図柄変動を用いて、所定の確率で遊技者に特典を付与する抽選を実行してもよい。また、第2通過口は、例えば、第一大入賞口2005、第二大入賞口2006、ゲート部2003、若しくは一般入賞口2001のうち最も右に位置するもの、最も下に位置するもの、又は最も上に位置するもの等であってもよい。なお、当該特典に当選した場合、右上図柄及び左下図柄を所定の組み合わせで停止させる。なお、当該抽選として、例えば、所定数の遊技球を付与するための抽選及び大入賞口と異なる入賞口を開放させるための抽選等がある。ただし、所定数の遊技球を付与する抽選が行われる場合には、大当り及び小当りのうち期待獲得球数が最も少ないものよりも、当該所定数が少ないことが望ましい。遊技機におけるメインの抽選はあくまで特別図柄抽選だからである。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機(パロット機)に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記の実施形態では、裏後可動装飾体3110の装飾部3150として、装飾体3111の第一装飾突部3111a、第二装飾突部3111b、第三装飾突部3111c、及び金属装飾部3111dによる装飾と、装飾シート3112の第一輪郭部3112a、第二輪郭部3112b、第一光拡散部3112c、及び第二光拡散部3112dによる装飾と、で構成したものを示したが、これに限定するものではない。例えば、装飾体3111と装飾シート3112とを一つの装飾部材とし、その装飾部材に装飾部3150を施すようにしても良い。
上記課題を解決するため本発明は、以下の構成を採用する。遊技機は、始動条件の成立に基づいて、当りに関する抽選情報を取得し、前記抽選情報に基づいて抽選を実行する抽選手段と、開始条件の成立に基づいて装飾図柄の変動を実行し、前記装飾図柄の変動の停止時に前記抽選の結果を示す装飾図柄変動手段と、を備え、前記装飾図柄が所定時間を1サイクルとした周期的な表示を行う表示演出には複数の態様があり、前記装飾図柄の変動中の特定期間において、前記複数の態様がある前記表示演出のうちの何れかの表示演出を実行可能であり、前記複数の態様がある前記表示演出のうちの何れかの表示演出を実行した後の前記装飾図柄によって前記当りとならない図柄の組み合わせが表示されて前記装飾図柄の変動が停止した後に、前記装飾図柄を非表示とする特別期間を発生可能であって、該特別期間の後に再度前記複数の態様がある前記表示演出のうちの何れかの表示演出を実行可能であり、前記装飾図柄が非表示とされている前記特別期間において特別演出を実行可能とし、前記装飾図柄が非表示とされている前記特別期間が終了した際に前記当りとならない前記装飾図柄の組み合わせが表示されることを特徴とする。