JP2019179043A - 解析支援システム - Google Patents
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Abstract
Description
前記オンサイトデータの応答の一部に基づいて被測定対象物の状態をコンピュータにより解析するオンサイト解析部と、
複数の前記オンサイトデータを蓄積するデータベースと、
前記データベースに蓄積されたオンサイトデータを他の解析装置と共有することを許可する共有許可部と、
を有するオンサイト解析装置と、
オフサイトで、前記共有許可部により共有を許可された前記オンサイトデータに基づいて被測定対象物の状態を解析するオフサイト解析部を有するオフサイト解析装置と、
を備えた。
オフサイトでは、オンサイトでのニーズを把握し、簡易型のオンサイト解析プログラムを設計する。図2は、実施例1のオンサイト解析プログラム設計方法を表す概略図である。オンサイトでは、樹脂ペレット2に含まれる水分量を安定させることが求められている。例えば、樹脂ペレット2がオンサイトに納入されてから製造ライン3に向かうまでの経過時間が長いと、樹脂ペレット2が水分を吸着しているおそれがある。樹脂ペレット2に含まれる水分量が多い状態で射出成形すると、樹脂内の水分が気化することで製品にボイドが発生し、強度不足や外観の不具合を招く恐れがあるからである。図2の上段は、複数の樹脂ペレット2のサンプルを測定したスペクトルデータである。ナイロン製の樹脂ペレット2は、水分の吸収に伴いO-H基の影響から1450nm付近で光の吸収が生じる。すなわち、図2の下段に示す拡大図のように、O-H基が少ない場合、1450nm付近のスペクトルデータは、上に凸の傾向を有する。しかし、水分が吸着すると、上に凸の傾向から漸減する傾向へと変化する。この1450nmにおける変化傾向を活用し、水分量を非接触・非破壊で測定できる。
図4は、実施例1のオンサイト解析プログラムで表示される画面の一部を表す概略図である。オンサイト解析プログラムによる解析の結果、OK領域であると判断された場合は、モニタ4aにOKが表示され、問題なく次の測定結果へと移行する。このとき、オンサイト解析プログラムの結果はOKであっても、検品工程においてNGとなる場合、モニタ4aにNGが表示されるため、オンサイト解析プログラムでは判定できない原因の究明が必要となる。また、オンサイト解析プログラムの結果がNG領域であると判断された場合は、モニタ4aにNGが表示される。このとき、少ない頻度でNGが表示される場合は、単にその樹脂ペレット2を製造ラインから除外すればよいが、NGの頻度が高くなる場合には、やはり原因の究明が必要となる。
図5は、実施例1のオフサイト解析装置の運用を表す概略図である。オフサイトにおいて、詳細分析依頼通知およびデータベース5へのアクセス許可信号を受信すると、アクセス許可が得られた範囲でデータベース5にアクセスし、許可されたデータを受信する。オフサイトでは、バルクデータから大量のスペクトルデータを読み込む。また、材料情報から化学構造を特定し、化学構造に基づくスペクトルピークの選定を行う。また、スペクトル解析結果や製造条件からスペクトルピークを選定すると共に、環境情報から環境湿度、環境温度、雰囲気を読み込み、バルクデータと選定されたスペクトルピークからスペクトル解析を行う。例えば、スペクトルピークの変化量や変化傾向を抽出する。尚、スペクトルピークの変化量や変化傾向の抽出方法としては、パラメトリック分析、ノンパラメトリック分析、単変量分析、多変量分析、線形分析、非線形分析、および当業者に公知の他の統計学的方法が挙げられる。多変量分析は、見かけ上は無秩序なデータにおいてパターンを決定する分析であり、この分析としては、主成分解析(「PCA」)、判別分析(「DA」)、PCA−DA、正準相関(「CC」)、クラスター分析、部分最小二乗法(「PLS」)、予測的線形判別分析(「PLDA」)、ニューラルネットワーク、およびパターン認識技術が挙げられるが、特に限定しない。
(1)オンサイトで、樹脂ペレット2(被測定対象物)に対し光を照射した(所定の入力を与えた)ときの応答であるスペクトルデータ(オンサイトデータ)を測定する小型NIR1(オンサイト測定部)と、
スペクトルデータの応答の一部である1450nmにおけるスペクトルピーク値に基づいて樹脂ペレット2の状態をコンピュータ4により解析するオンサイト解析プログラム(オンサイト解析部)と、
複数のスペクトルデータを蓄積するデータベース5と、
データベース5に蓄積されたスペクトルデータをオフサイト解析装置(他の解析装置)と共有する詳細分析希望ボタン,データベース共有許可ボタン(共有部)と、
を有するオンサイト解析装置と、
オフサイトで、データベース共有許可ボタンにより共有されたスペクトルデータの応答の一部を含む他の応答である1050nm及び1340nmのスペクトルピーク形状を、複数のスペクトルデータ間で比較することで樹脂ペレット2の状態を解析するオフサイト解析プログラム(オフサイト解析部)を有するオフサイト解析装置と、
を備えた。
よって、オンサイトにあっては、オンサイトで得られたデータの一部に基づいて解析するため、オンサイトのニーズに合った素早い解析を実現できる。また、得られたオンサイトデータを一部以外も含めて蓄積し、この蓄積したデータをオフサイトで共有することで、オフサイトにおいて、オンサイトで行った一部を含む他の応答に基づいて十分な解析を行うことができ、オンサイトでの解析を支援することができる。
(3)共有部として、モニタ4a(コンピュータの画面)に表示されるデータベース共有許可ボタンであるため、オンサイト側の判断によってデータベース5の共有を選択できる。よって、情報管理をオンサイト側で適切に実施できるため、データベースの共有先を自由に設定できる。
(4)オンサイト解析プログラムは、スペクトルデータの1450nmにおけるスペクトルピーク値(応答の一部)が所定条件(例えば2.0wt%以下)を満たしているか否かを解析する合否判定ファイル(解析部)を有し、
オフサイト解析プログラムは、解析結果に基づいて、オンサイト解析プログラムの合否判定ファイルを更新する。
よって、オンサイトに対して適切な改善策を提案できる。
共有部は、データベース5に蓄積された複数のスペクトルデータのうち、オンサイト解析装置で設定された所定範囲に対し、オフサイト解析装置からのアクセスを許可する信号をオフサイト解析装置に送信する手段である。
よって、データベースのうち、共有するデータを設定できるため、オンサイトでは、データベースに秘匿情報を含むあらゆる情報を蓄積できる。
(6)オフサイト解析装置は、小型NIR1よりも分解能の高いFTNIR11(オフサイト測定部)を有する。
よって、必要に応じて更に詳細な分析を実施できる。
(7)高機能分析装置(オフサイト測定部)は、樹脂ペレット2に対し、小型NIR1で測定されるスペクトルデータと異なるデータを測定する複数の高機能分析装置を有し、
オフサイト解析プログラムは、解析結果に基づいて複数の高機能分析装置から最適な高機能分析装置を選択する。
よって、分析期間や分析コストを抑制することができる。
(8)高機能分析装置は、光学顕微鏡、走査型若しくは透過型電子顕微鏡による画像解析、透過型電子顕微鏡に関係する構造解析、赤外分光分析、核磁気共鳴分析、近赤外分光分析、紫外励起可視光分光分析、ラマン分光分析、オージェ電子分光分析、元素分析、熱分析、粘弾性分析、化学分析、走査型プローブ顕微鏡に関係する分析、ナノインデンテーション分析、機械強度試験、X線散乱分析及びX線光電子分光分析、X線回折分析、X線小角散乱分析、中性子線回折分析、中性子小角散乱分析、及びX線吸収微細構造分析からなる群より選択される2つ以上の手段を含む。
よって、あらゆる側面から被測定対象物を測定することができ、原因を的確に究明できる。
以上、実施例1に基づいて本発明を説明したが、本発明の範囲を逸脱しない範囲で他の実施例にも適用できる。実施例1では、樹脂ペレットの水分吸収に関して本発明を適用したが、例えば金属表面上の油分付着の有無をオンサイトで測定してもよいし、接着剤の硬化判別をオンサイトで測定してもよいし、粉末原料を未開封の状態で原材料の種類を識別してもよいし、成形された樹脂製品の材料配合比や添加剤の量をオンサイトで測定してもよいし、光触媒コーティング等のコーティングの膜厚をオンサイトで測定してもよいし、エンジンオイル等のオイルの劣化判定をオンサイトで測定してもよい。
2 樹脂ペレット
3 製造ライン
4 コンピュータ
4a モニタ
5 データベース
6 ネットワーク
10 大型コンピュータ
11 フーリエ変換型近赤外分光分析装置
12 フーリエ変換型赤外分光分析装置
13 紫外励起可視光分光分析装置
14 ラマン散乱分光分析装置
15 光学顕微鏡装置
16 電子顕微鏡装置
17 カールフィッシャー水分分析装置
18 ガスクロマトグラフィー質量分析装置
19 核磁気共鳴分析装置
Claims (6)
- オンサイトで、所定の特性に対する適格性が求められる不特定多数の被測定対象物に対し所定の入力を与えたときの応答であるオンサイトデータを測定するオンサイト測定部と、
前記オンサイトデータの応答の一部に基づいて被測定対象物の状態をコンピュータにより解析するオンサイト解析部と、
複数の前記オンサイトデータを蓄積するデータベースと、
前記データベースに蓄積されたオンサイトデータを他の解析装置と共有することを許可する共有許可部と、
を有するオンサイト解析装置と、
オフサイトで、前記共有許可部により共有を許可された前記オンサイトデータに基づいて被測定対象物の状態を解析するオフサイト解析部を有するオフサイト解析装置と、
を備えたことを特徴とする解析支援システム。 - オンサイトで、所定の特性に対する適格性が求められる不特定多数の被測定対象物に対し所定の入力を与えたときの応答であるオンサイトデータを測定するオンサイト測定部と、
前記オンサイトデータの応答の一部に基づいて被測定対象物の状態をコンピュータにより解析するオンサイト解析部と、
を有するオンサイト解析装置と、
複数の前記オンサイトデータを蓄積するデータベースと、
オフサイトで、前記オンサイトデータに基づいて被測定対象物の状態を解析するオフサイト解析部を有するオフサイト解析装置と、
を備え、
前記オンサイト解析装置は、前記データベースに蓄積されたオンサイトデータを他の解析装置と共有することを許可する共有許可部を有し、
前記オフサイト解析部は、前記共有許可部により共有を許可された前記オンサイトデータに基づいて解析することを特徴とする解析支援システム。 - オンサイトで、所定の特性に対する適格性が求められる不特定多数の被測定対象物に対し所定の入力を与えたときの応答であるオンサイトデータを測定するオンサイト測定部と、
前記オンサイトデータの応答の一部に基づいて被測定対象物の状態をコンピュータにより解析するオンサイト解析部と、
複数の前記オンサイトデータに固有情報を付加したデータユニットを蓄積するデータベースと、
前記データベースに蓄積された前記データユニットのうち他の解析装置と共有する前記データユニットの範囲を設定する共有部と、
を有するオンサイト解析装置と、
オフサイトで、前記共有部において設定された範囲内の前記データユニットに基づいて被測定対象物の状態を解析するオフサイト解析部を有するオフサイト解析装置と、
を備えたことを特徴とする解析支援システム。 - 請求項1ないし3いずれか一つに記載の解析支援システムにおいて、
前記オンサイトは、前記被測定対象物を製造する製造ラインであることを特徴とする解析支援システム。 - 請求項1ないし4いずれか一つに記載の解析支援システムにおいて、
前記オフサイト解析部は、前記被測定対象物の状態を解析した解析結果に基づいて、前記オンサイトの製造条件の改善策を提案することを特徴とする解析支援システム。 - オンサイトで、所定の特性に対する適格性が求められる不特定多数の被測定対象物に対し所定の入力を与えたときの応答であるオンサイトデータを測定するオンサイト測定部と、
前記オンサイトデータの応答の一部に基づいて被測定対象物の状態をコンピュータにより解析するオンサイト解析部と、
複数の前記オンサイトデータを蓄積するデータベースと、
該データベースに蓄積されたオンサイトデータを他の解析装置と共有する共有部と、
を有するオンサイト解析装置と、
オフサイトで、前記共有部により共有された前記オンサイトデータに基づいて前記被測定対象物の状態を解析するオフサイト解析部を有するオフサイト解析装置と、
を備え、
前記オンサイトは、前記被測定対象物を製造する製造ラインであることを特徴とする解析支援システム。
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JP7457601B2 (ja) | 2020-08-12 | 2024-03-28 | 株式会社日立製作所 | 要因推定装置、要因推定システムおよびプログラム |
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JP2001185591A (ja) * | 1999-12-27 | 2001-07-06 | Hitachi Ltd | 欠陥の詳細検査方法および装置 |
JP2002073154A (ja) * | 2000-08-31 | 2002-03-12 | Asahi Eng Co Ltd | 設備機器診断システム |
JP2004265009A (ja) * | 2003-02-28 | 2004-09-24 | Mitsubishi Electric Corp | 診断システム |
JP2007533969A (ja) * | 2003-03-17 | 2007-11-22 | ジュール マイクロシステムズ カナダ インコーポレイテッド | 流体の遠隔分析を可能にするシステム |
US20090112101A1 (en) * | 2006-07-31 | 2009-04-30 | Furness Iii Thomas A | Method, apparatus, and article to facilitate evaluation of objects using electromagnetic energy |
WO2012049771A1 (ja) * | 2010-10-15 | 2012-04-19 | 東芝三菱電機産業システム株式会社 | 自動遠隔監視診断システム |
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