JP2019176212A - 色差信号形式判定装置、符号化装置、及びプログラム - Google Patents

色差信号形式判定装置、符号化装置、及びプログラム Download PDF

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奈緒 中島
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幸大 菊地
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Takeshi Kajiyama
岳士 梶山
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英一 宮下
市ヶ谷 敦郎
Atsuro Ichigaya
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Abstract

【課題】符号化処理で用いる色差信号形式を選択し、符号化効率を向上させる。【解決手段】色差信号形式判定装置10は、第1色差信号形式の入力画像を符号化処理した後に復号処理して、第1色差信号形式の第1復号画像を生成する第1符号化・復号部11と、入力画像の色差信号形式を第1色差信号形式から第2色差信号形式に変換する第1コンバート部12と、第1コンバート部12により変換された画像を符号化処理した後に復号処理して、第2色差信号形式の復号画像を生成する第2符号化・復号部13と、第2符号化・復号部13により生成された復号画像の色差信号形式を第2色差信号形式から第1色差信号形式に変換して第2復号画像を生成する第2コンバート部14と、第1復号画像及び第2復号画像のうち、入力画像に対する画質劣化が少ないほうの復号画像の色差信号形式を決定する色差信号形式判定部15と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、色差信号形式判定装置、符号化装置、及びプログラムに関する。
HEVC/H.265などの映像符号化方式では、符号化対象の入力画像の信号形式としてYUV信号を用いることが多い。YUV信号とは、輝度信号(Y)と2つの色差信号(U/V)からなる画像信号であり、赤・緑・青の3原色(RGB色空間)で表されるデジタルカラー画像に人間の視覚特性を考慮した変換を施したものである。RGB色空間からYUV色空間への変換処理は、非特許文献1、非特許文献2などで規定されている。
人間の視覚には、明るさ(Y信号に相当)の相違には高い感度を有するが、色(U/V信号に相当)の相違は認識しづらいといった特性がある。この人間の視覚特性を利用し、RGB色空間で表されるカラー画像を明るさの相違(明暗)を示すY信号と、色の相違を示すU/V信号に分離し、Y信号はそのままにしてU/Vの信号を間引くことでカラー画像のデータ量を削減する処理が広く行われている(例えば、非特許文献3参照)。U/V信号を間引く方法としては、非特許文献3に示されるような半分のサンプル数に間引く4:2:2色差信号形式と、4分の1のサンプル数に間引く4:2:0色差信号形式とが一般的に用いられる。
なお、画像を符号化する場合、間引き処理を施していない4:4:4色差信号形式の画像に対してそのまま符号化処理を施すよりも、4:2:2色差信号形式や4:2:0色差信号形式に変換した画像に対して符号化処理を施したほうが、符号化効率が良いことが知られている。この性質を鑑み、放送局間でハイビジョン(HD)映像信号を伝送する(例えば、福岡放送局から札幌放送局に映像を送る)素材伝送では4:2:2色差信号形式が広く用いられている。また、放送波(家庭の受信機で受信する電波)でHD映像信号を伝送(放送)する際には、4:2:0色差信号形式が広く用いられている。
一方、8Kに代表される高解像度画像(UHDTV)は情報量が多いため、これを放送する際には高い圧縮率での符号化処理を施している。8K(フレームレート60p/ビット深度10bit/4:2:2色差信号形式の場合)の信号容量(ビットレート)は約40G[bps]であるが、2016年8月1日に開始された8K試験放送では、色差信号形式として4:2:0を用い、符号化方式としてHEVC(High Efficiency Video Coding)/H.265を用いることにより、概ね85M[bps]程度のビットレートに圧縮している。また、8K(フレームレート60p)の映像信号を素材伝送する際には、色差信号形式として4:2:0を用い、概ね150M[bps]程度のビットレートに圧縮することが多い。なお、HEVC/H.265符号化方式における色差信号形式については、例えば非特許文献4に記載されている。
"Parameter values for the HDTV1 standards for production and international programme exchange", Recommendation ITU-R BT.709-6, 06/2015 "Parameter values for ultra-high definition television systems for production and international programme exchange", Recommendation ITU-R BT.2020-2, 10/2015 「知っておきたいキーワード 4:2:2と4:2:0」山岸,映像情報メディア学会誌 Vol. 62, No. 10, pp. 1542〜1546(2008) "SERIES H: AUDIOVISUAL AND MULTIMEDIA SYSTEMS Infrastructure of audiovisual services - Coding of moving video", Recommendation ITU-T H.265, 04/2015
上述のように、従来技術では8K映像(フレームレート60p)を圧縮する際には、色差信号形式として4:2:0を用い、放送用の符号化処理では85M[bps]程度、素材伝送用の符号化処理では150M[bps]程度のビットレートに圧縮することが一般的である。しかしながら、これらのビットレートに圧縮符号化した場合、符号化後に復号した画像は、元の符号化前の画像と比較して、しばしば画質劣化が見られる。
一方、画像信号を伝送する際の伝送帯域や蓄積する際の蓄積媒体の容量は、以前に比べて大きくなっており、今後も拡大することが予想される。それら容量の拡大に伴い、これまでの圧縮率よりも低い圧縮率(大きなビットレート)での伝送や蓄積がなされ、従来よりも画質劣化の少ない符号化画像を扱うことが可能となると予想される。すなわち、これまでは150M[bps]程度までのビットレートの符号化信号を扱っていたが、今後は150M[bps]よりも高いビットレートの符号化信号を扱うことが可能になる。
これまで経験した150M[bps]程度までのビットレートでは、4:2:0色差信号形式による符号化処理が適切であった。しかしながら、従来よりも高いビットレートで符号化処理を行う場合には、4:2:0色差信号形式よりも4:2:2色差信号形式のほうが適切な場合もあると予想される。
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、符号化処理で用いる色差信号形式を選択し、符号化効率を向上させることが可能な色差信号形式判定装置、符号化装置、及びプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る色差信号形式判定装置は、第1色差信号形式の入力画像を所定の符号化方式により符号化処理した後に復号処理して、第1色差信号形式の第1復号画像を生成する第1符号化・復号部と、前記入力画像の色差信号形式を第1色差信号形式から第2色差信号形式に変換する第1コンバート部と、前記第1コンバート部により変換された画像を前記符号化方式により符号化処理した後に復号処理して、第2色差信号形式の復号画像を生成する第2符号化・復号部と、前記第2符号化・復号部により生成された復号画像の色差信号形式を第2色差信号形式から第1色差信号形式に変換して、第2復号画像を生成する第2コンバート部と、前記第1復号画像及び前記第2復号画像のうち、前記入力画像に対する画質劣化が少ないほうの復号画像の色差信号形式を決定する色差信号形式判定部と、を備えることを特徴とする。
さらに、本発明に係る色差信号形式判定装置において、前記入力画像は複数のフレームで構成され、前記色差信号形式判定部は、前記第1復号画像及び前記第2復号画像の、前記符号化処理時のビットレートと、前記入力画像に対する画質劣化を示す画質評価値との特性に基づき、高効率の色差信号形式を決定することを特徴とする。
さらに、本発明に係る色差信号形式判定装置において、前記第1色差信号形式及び前記第2色差信号形式のうち、一方は4:2:0であり、他方は4:2:2であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る色差信号形式判定装置において、前記第1色差信号形式及び前記第2色差信号形式のうち、一方は4:2:0であり、他方は4:2:2であり、前記色差信号形式判定部は、前記特性が示すビットレートの範囲において高効率の色差信号形式が一定でない場合には、前記色差信号形式を、前記符号化方式による符号化処理のビットレートの設定値が閾値を超えるときは4:2:2と決定し、前記閾値以下であるときは4:2:0と決定することを特徴とする。
さらに、本発明に係る色差信号形式判定装置において、前記第1復号画像及び前記第2復号画像は、後述するIピクチャ(Intra-Picture)を含むことを特徴とする。
さらに、本発明に係る色差信号形式判定装置において、前記第1復号画像及び第2復号画像は、符号化順で最初のフレームからn番目のフレームまでのn枚のフレームであることを特徴とする。
また、上記課題を解決するため、本発明に係る符号化装置は、上記色差信号形式判定装置と、前記色差信号形式判定部により決定された信号形式で、画像を前記符号化方式により符号化処理する符号化部と、を備えることを特徴とする。
また、上記課題を解決するため、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、上記色差信号形式判定装置、又は上記符号化装置として機能させることを特徴とする。
本発明によれば、符号化処理で用いる色差信号形式を選択することができ、その結果、符号化効率を向上させることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る符号化装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る符号化装置における色差信号形式判定部が作成するグラフの例を示す図である。 ビットレート−PSNR(Peak Signal to Noise Ratio)の特性を示す第1の例である。 ビットレート−PSNRの特性を示す第2の例である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施形態に係る符号化装置の構成例を示す。図1に示す符号化装置1は、色差信号形式を決定(選択)する色差信号形式判定装置10と、色差信号形式判定装置10で決定された色差信号形式を用いて符号化処理を行う符号化部20とを備える。
符号化装置1には、第1色差信号形式の画像が入力される。一般的に、符号化装置に入力される画像の色差信号形式は4:2:2であることが多いため、本実施形態では、第1色差信号形式を4:2:2として、以下説明する。
色差信号形式判定装置10は、第1符号化・復号部11と、第1コンバート部12と、第2符号化・復号部13と、第2コンバート部14と、色差信号形式判定部15とを備え、フレーム画像をいずれの信号形式で符号化処理するかを決定する。
第1符号化・復号部11は、符号化装置1に入力された第1色差信号形式の入力画像を符号化処理した後に復号処理して、第1色差信号形式の復号画像(第1復号画像)を生成し、色差信号形式判定部15に出力する。なお、本発明における符号化処理及び復号処理は、AVC(Advanced Video Coding)/H.264やHEVC/H.265など、任意の符号化方式を用いることができるが、第1符号化・復号部11、第2符号化・復号部13、及び符号化部20では同一の符号化方式を用いる。
第1コンバート部12は、第1色差信号形式の入力画像の色差信号形式を第1色差信号形式から第2色差信号形式に変換し、第2符号化・復号部13に出力する。本実施形態では、第2色差信号形式を4:2:0とする。よって本実施形態では、第1コンバート部12は、4:2:2色差信号形式の入力画像を4:2:0色差信号形式の画像にダウンコンバート処理を行う。
第2符号化・復号部13は、第1コンバート部12により生成された第2色差信号形式の画像を符号化処理した後に復号処理して、第2色差信号形式の復号画像を生成し、第2コンバート部14に出力する。
第2コンバート部14は、第2符号化・復号部13により生成された第2色差信号形式の復号画像の色差信号形式を、第2色差信号形式から第1色差信号形式に変換して第2復号画像を生成し、色差信号形式判定部15に出力する。本実施形態では、第2コンバート部14は、4:2:0色差信号形式の復号画像を4:2:2色差信号形式の画像にアップコンバート処理を行う。
色差信号形式判定部15は、第1色差信号形式の入力画像と、第1符号化・復号部11から入力された第1色差信号形式の第1復号画像とに基づいて、第1復号画像の画質評価値を算出する。また、色差信号形式判定部15は、第1色差信号形式の入力画像と、第2コンバート部14から入力された第1色差信号形式の第2復号画像とに基づいて、第2復号画像の画質評価値を算出する。そして、色差信号形式判定部15は、第1復号画像の画質評価値及び第2復号画像の画質評価値を比較し、入力画像に対する画質劣化が少ない(再現性が高い)ほうの復号画像の色差信号形式を決定し、決定した色差信号形式(決定色差信号形式)を符号化部20に出力する。
画質評価値としては、PSNR,SSIM(Structural SIMilarity)などを用いる。PSNRは、画像の最大階調数をMAXとすると、式(1)により算出される。8bit深度画像の場合、MAX=256である。式(1)における平均二乗誤差(MSE;Mean Square Error)は、水平m画素、垂直nラインの基準画像I及び評価画像Kにおいて、式(2)により算出される。
Figure 2019176212
また、SSIMは、基準画像及び評価画像の平均をμ1,μ2とし、分散をσx,σy、共分散をσxyとすると、式(3)で算出される。ここで、C1,C2は式(4)により算出される。ここで、K1及びK2は定数であり、通常K1=0.01、K2=0.03とされる。また、Lは画像の最大輝度値であり、通常8bit深度画像ではL=255とされる。
Figure 2019176212
図3及び図4に、従来は用いられていなかった150M[bps]を超える広い範囲でビットレートを変化させて符号化処理を行った場合の、Y信号、U信号、及びV信号それぞれの「ビットレート−PSNR」特性の例を示す。図3は、符号化対象画像としてITE標準動画像Aシリーズの「桂川」を使用した場合の測定結果であり、図4は符号化対象画像として同シリーズの「舞妓」を使用した場合の測定結果である。同一のビットレートにおいてPSNRの値が高いほど、画質劣化が少ない(符号化効率が良い)ことを意味する。
図3,4中の丸印は、色差信号形式4:2:2のままで符号化・復号処理を行った場合のプロット点を示している。図3,4中の三角印は、色差信号形式を4:2:2から4:2:0にダウンコンバートして符号化・復号処理を行い、色差信号形式をアップコンバートして4:2:2に戻した場合のプロット点を示している。図3によれば、U信号及びV信号について、約340M[bps]よりも低いビットレートにおいては、4:2:0色差信号形式で符号化処理したほうが4:2:2色差信号形式の場合よりも符号化効率が良いが、約340M[bps]よりも高いビットレートにおいては、4:2:2色差信号形式で符号化処理したほうが4:2:0色差信号形式の場合よりも符号化効率が良い。したがって、これまで用いられていないような高ビットレート領域においては、必ずしも4:2:0の色差信号形式が有利とはいえないことが分かる。本発明に係る色差信号形式判定装置10では、入力画像及びビットレートに応じて、符号化効率の良い色差信号形式を選択するため、これまで用いられることのなかった高ビットレートにおいても適切な色差信号形式を選択することができるようになる。
上記の実施形態では、色差信号形式判定装置10は第1復号画像及び第2復号画像を生成したが、さらに多くの復号画像を生成してもよい。例えば、入力画像を第1色差信号形式から第3色差信号形式に変換した上で、符号化処理及び復号処理を行った後に、第1色差信号形式に変換した第3復号画像を生成してもよい。この場合には、色差信号形式判定部15は、第1復号画像の画質評価値及び第2復号画像の画質評価値に加えて、第3復号画像の画質評価値も算出し、入力画像に対する画質劣化が最も少ない復号画像の色差信号形式を決定する。
符号化部20は、色差信号形式判定部15から入力された決定色差信号形式で、入力画像を符号化処理し、ビットストリームを生成する。符号化部20は既存のものをそのまま使用することができる。具体的には、符号化部20の内部処理が、第1色差信号形式の画像を符号化することを前提としている場合において、色差信号形式判定部15から入力された決定色差信号形式が第1色差信号形式であるときには、入力画像の色差信号形式を変換することなく符号化処理を行い、決定色差信号形式が第2色差信号形式であるときには、入力画像の色差信号形式を第1色差信号形式から第2色差信号形式に変換した後に、符号化処理を行う。
なお、符号化部20における符号化処理は、第1符号化・復号部11又は第2符号化・復号部13における符号化処理と同じであるため、色差信号形式判定装置10で符号化処理した結果を用いることができる。すなわち、符号化部20は、色差信号形式判定装置10に入力されたフレームを除く残りのフレームについて符号化処理を行えばよい。
このように、色差信号形式判定装置10は、入力画像に対して複数の色差信号形式で符号化・復号処理を行い、復号画像の画質を評価して入力画像に対する画質劣化が最も少ない色差信号形式を決定する。そのため、符号化部20は色差信号形式判定装置10で決定された色差信号形式で符号化処理を行うことにより、より高い符号化効率を実現することができる。
次に、色差信号形式判定装置10における判定に、2フレームの入力画像を用いる場合について説明する。
色差信号形式判定部15に入力される第1復号画像及び第2復号画像は、それぞれIピクチャを含むことが望ましい。例えば、第1復号画像及び第2復号画像を、それぞれ符号化順で最初のフレーム(Iピクチャ)及び2番目のフレームとする。Iピクチャとは、画面内符号化ピクチャであり、符号化・復号の際に他のピクチャの相関情報を必要としないピクチャである。
2フレームの入力画像を用いる場合、第1符号化・復号部11は、第1色差信号形式の2フレームの入力画像を符号化処理した後に復号処理して、2フレームの第1復号画像を生成する。第1コンバート部12は、2フレームの入力画像の色差信号形式を第1色差信号形式から第2色差信号形式に変換する。第2符号化・復号部13は、第1コンバート部12により変換された2フレームの画像を符号化処理した後に復号処理して、2フレームの復号画像を生成する。第2コンバート部14は、第2符号化・復号部13により生成された2フレームの復号画像の色差信号形式を第2色差信号形式から第1色差信号形式に変換して、2フレームの第2復号画像を生成する。
色差信号形式判定部15は、2フレームの第1復号画像及び2フレームの第2復号画像の画質評価値をそれぞれ算出し、一方の軸をビットレートとし他方の軸を画質評価値とするグラフ(「ビットレート−PSNR」特性)を作成する。そして、作成したグラフに基づいて、所定のビットレートにおいて符号化効率の良い色差信号形式を決定する。
図2に、第1フレーム及び第2フレームを、4:2:2色差信号形式及び4:2:0色差信号形式で符号化・復号処理した場合における、色差信号形式判定部15が作成するグラフの例(概念図)を示す。符号化部20のビットレートの設定値(符号化部20が生成するビットストリームのビットレート)を所定の値としても、フレーム単位ではビットレートは異なる。図2は、第1フレームよりも第2フレームのほうがビットレートが高い場合を示している。また、図3,4から分かるように、Y信号についてはPSNRの差が顕著ではないため、U信号又はV信号のPSNRを比較することが望ましい。
図2(a)では、4:2:2色差信号形式のほうが4:2:0色差信号形式よりも高効率なため、色差信号形式判定部15は4:2:2を決定色差信号形式とする。図2(b)では、4:2:0色差信号形式のほうが4:2:2色差信号形式よりも高効率なため、色差信号形式判定部15は4:2:0を決定色差信号形式とする。
また、図2(c)(d)に示すように、第1フレームと第2フレームとで高効率な色差信号形式が異なる可能性もゼロではない。このような場合、符号化部20で符号化処理される第3フレーム以降では第1フレームよりも第2フレームの傾向が続く可能性が高いと考えて、色差信号形式判定部15は第2フレームにおいて高効率な色差信号形式(図2(c)では4:2:2、図2(d)では4:2:0)を決定してもよい。あるいは、図3,4から分かるように、高ビットレートでは色差信号形式が4:2:2のほうが高効率となる傾向がある。そこで、色差信号形式判定部15は、ビットレート−画質評価値の特性が示すビットレートの範囲において、高効率の色差信号形式が一定でない場合には、符号化方式による符号化処理のビットレートの設定値が閾値(例えば、340M[bps])を超えるときは4:2:2を決定色差信号形式とし、ビットレートの設定値が閾値以下であるときは4:2:0を決定色差信号形式としてもよい。
なお、色差信号形式判定装置10は、所定の時間(フレーム)ごとに判定を行うことが望ましい。例えば、シーケンスごと、又はGOP(Group of Picture)ごとに2フレームの画像を入力して、色差信号形式の判定を行う。
符号化部20の画像バッファに余裕があり、符号化遅延量時間の制約が少ない場合には、上記の2フレームではなく、3枚以上のフレームを用いて色差信号形式の判定を行ってもよい。例えば、第1復号画像及び第2復号画像として、それぞれ符号化順で最初のフレームからn番目のフレームまでのn枚のフレームを用いてもよい。
色差信号形式判定装置10は、複数フレームの入力画像を用いることで、高効率の色差信号形式をより精度良く判定することができる。このように、本発明によれば、ビットレートに応じてより適切な(符号化効率の良い)色差信号形式を選択するため、これまで用いられることのなかった150M[bps]を超えるビットレートにおいても適切な色差信号形式による符号化が可能となり、より高い符号化効率を実現することができる。
以上、色差信号形式判定装置10について説明したが、色差信号形式判定装置10として機能させるためにコンピュータを用いることも可能である。そのようなコンピュータは、色差信号形式判定装置10の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを該コンピュータの記憶部に格納しておき、該コンピュータのCPUによってこのプログラムを読み出して実行させることで実現することができる。同様に、符号化装置1として機能させるためにコンピュータを用いることも可能である。
また、このプログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体であってもよい。
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。例えば、実施形態の構成図に記載の複数の構成ブロックを1つに組み合わせたり、あるいは1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。
1 符号化装置
10 色差信号形式判定装置
11 第1符号化・復号部
12 第1コンバート部
13 第2符号化・復号部
14 第2コンバート部
15 色差信号形式判定部
20 符号化部

Claims (9)

  1. 第1色差信号形式の入力画像を所定の符号化方式により符号化処理した後に復号処理して、第1色差信号形式の第1復号画像を生成する第1符号化・復号部と、
    前記入力画像の色差信号形式を第1色差信号形式から第2色差信号形式に変換する第1コンバート部と、
    前記第1コンバート部により変換された画像を前記符号化方式により符号化処理した後に復号処理して、第2色差信号形式の復号画像を生成する第2符号化・復号部と、
    前記第2符号化・復号部により生成された復号画像の色差信号形式を第2色差信号形式から第1色差信号形式に変換して、第2復号画像を生成する第2コンバート部と、
    前記第1復号画像及び前記第2復号画像のうち、前記入力画像に対する画質劣化が少ないほうの復号画像の色差信号形式を決定する色差信号形式判定部と、
    を備えることを特徴とする色差信号形式判定装置。
  2. 前記入力画像は複数のフレームで構成され、
    前記色差信号形式判定部は、前記第1復号画像及び前記第2復号画像の、前記符号化処理時のビットレートと、前記入力画像に対する画質劣化を示す画質評価値との特性に基づき、高効率の色差信号形式を決定することを特徴とする、請求項1に記載の色差信号形式判定装置。
  3. 前記第1色差信号形式及び前記第2色差信号形式のうち、一方は4:2:0であり、他方は4:2:2であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の色差信号形式判定装置。
  4. 前記第1色差信号形式及び前記第2色差信号形式のうち、一方は4:2:0であり、他方は4:2:2であり、
    前記色差信号形式判定部は、前記特性が示すビットレートの範囲において高効率の色差信号形式が一定でない場合には、前記色差信号形式を、前記符号化方式による符号化処理のビットレートの設定値が閾値を超えるときは4:2:2と決定し、前記閾値以下であるときは4:2:0と決定することを特徴とする、請求項2に記載の色差信号形式判定装置。
  5. 前記第1復号画像及び前記第2復号画像は、Iピクチャを含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の色差信号形式判定装置。
  6. 前記第1復号画像及び前記第2復号画像は、符号化順で最初のフレームからn番目のフレームまでのn枚のフレームであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の色差信号形式判定装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の色差信号形式判定装置と、
    前記色差信号形式判定部により決定された信号形式で、画像を前記符号化方式により符号化処理する符号化部と、
    を備えることを特徴とする符号化装置。
  8. コンピュータを、請求項1から6のいずれか一項に記載の色差信号形式判定装置として機能させるためのプログラム。
  9. コンピュータを、請求項7に記載の符号化装置として機能させるためのプログラム。
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JPH09238366A (ja) * 1995-12-27 1997-09-09 Mitsubishi Electric Corp 画像符号化装置及び画像復号化装置及び符号化・復号化システム
JP2009523337A (ja) * 2006-01-13 2009-06-18 フラウンホッファー−ゲゼルシャフト ツァ フェルダールング デァ アンゲヴァンテン フォアシュンク エー.ファオ 適応色空間変換を用いた画像符号化

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