JP2019174429A - フィズル型原子炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】核燃料を燃焼させた後の使用済み核燃料中に存在する超ウラン元素(TRU)を核燃料として使う原子炉を提供する。【解決手段】本発明では爆発に重点を置かずに、比較的急速に燃焼させ続けるということに重点を置いた。TRUに含まれるPu240等からの自発中性子を利用したフィズルにより、ポリエチレンを急速分解加熱して、モンローノイマン効果により、当該TRU金属混合物に衝撃を与えて、TRU金属混合物に爆発的に急速な核分裂をさせる。【選択図】図1

Description

本発明は中性子源有の原子炉に関する。
原子炉において、自発中性子が殆どなくても核分裂連鎖反応が一定の割合で維持されることを臨界と呼ぶ。
原子炉が臨界状態を越えて臨界超過(実効増倍係数が1.0~約1.002程度。Pu239原子炉であるなら0.002程度の遅発中性子割合を考慮して臨界以上になる)になると、核分裂連鎖反応は時間経過に連れて増大する。核分裂連鎖反応は時間経過に連れて増大する。
超臨界(実効増倍係数が約1.002以上。Pu239原子炉であるなら0.002程度の遅発中性子を考慮しなくても臨界を維持できる)になると、核分裂連鎖反応は時間経過に連れて急激に増大する。原爆は、実効増倍係数が2.0以上である。
原子炉が臨界状態に達しないで臨界未満であると、核分裂連鎖反応は時間経過に連れて減少する。
一方、自発中性子が存在する原子炉においては、臨界未満であっても核分裂連鎖反応が一定の割合で維持される。
原子番号92のウラン(U)よりも大きな原子番号を持つ元素を超ウラン元素(TRU)という。
核燃料を燃焼させた後の使用済み核燃料中に存在するTRU金属の混合物である超ウラン元素金属混合物(TRU金属混合物)は、大半は半減期が長く、強い放射線を放出する。廃棄物として処分するには高い費用がかかる。なによりも処分地の選定が難しい。
TRUは化石燃料で高温燃焼させようとしても減少しない。TRUは硝酸や硫酸で溶解しても減少しない。
稀ではあるが核破砕で減少させることはできるが、TRUを減少させるには核分裂反応利用以外に有効な方法が見当たらない。自然崩壊による減少は微々たるものである。
TRU金属混合物の内、プルトニウム239(Pu239)やプルトニウム241(Pu241)は低速中性子から高速中性子に亘って激しく核分裂する。一方、TRU金属混合物の内、プルトニウム240( Pu240)やプルトニウム242(Pu242)は高速中性子によって激しく核分裂するが低速中性子によっては殆ど核分裂しない。Pu240は低速中性子を吸収してPu241になる。当該PU241は高速中性子だけでなく低速中性子に対しても激しく核分裂するから、TRU金属混合物は燃焼が進んでも核分裂反応性能は衰え難い。むしろ、増殖炉になり得る。ナトリウム冷却プルトニウム燃料原子炉である“もんじゅ”は増殖炉であるとされていた。
TRU金属混合物の内にはPu240をはじめとしてアメリシウム(Am)やキューリウム(Cm)のように自発中性子の放出量が多い成分を擁するため、原子炉に装荷されているTRU金属混合物量が臨界未満であっても自発中性子により核分裂反応が継続する。
Pu240は自発中性子を大量に放出している。原爆に当該成分が大量にあると自発中性子を中性子源として核分裂が持続しフィズル(fizzle。一気に燃焼爆発することなしに、ズルズルと時間を掛けて燃焼)が生じる。したがって、TRU金属混合物の中にPu240割合が多いと、短時間の急激な核分裂による原爆にはなり難いものの、核分裂による燃焼は可能である。
Pu239を十分多く含有するプルトニウムを急速に燃焼(爆発)させるために爆縮という手段があった。
原子炉が臨界未満であっても、爆縮によってプルトニウムの密度を高めれば臨界〜臨界超過にはなる。密度が高くなると、核分裂の際に発生した中性子が外部に漏洩するのが減少する。すなわち、核分裂で発生した中性子が外部に漏洩する前に、次の核物質に衝突して当該核物質を核分裂させることができるからである。
長崎に投下されたプルトニウム使用原爆は爆縮を利用した。核兵器級プルトニウム(Pu239の割合が95%以上)をサッカーボール状にして十分装荷しない臨界未満から、爆縮して超臨界にして爆発させた。臨界から超臨界までの時間が10のマイナス8乗秒(10のマイナス8乗秒を1シェイクと呼ぶ)オーダーであればPu240の自発中性子によるフィズルの影響を低く抑えられる。初装荷した核兵器級プルトニウム量の20%程度が核分裂で消滅すると考えられる。
沸騰水型原子炉のような従来の原子炉に装荷した低級プルトニウム(Pu239の割合が70%以下)量の20%程度を核分裂で消滅させるには10年程度は擁するであろう。
TRU金属混合物を爆発的に燃焼させるための爆縮という手段が使えそうである。ただ、TRU金属混合物には自発中性子を放出するPu240割合が非常に多いから、臨界になってから超臨界になるまでの時間が10シェイク程度としてもフィズルにより早期に激しい核分裂が開始してしまうため一気に爆発的に核分裂を起こさせるのは難しい。
そこで、本発明では爆発に重点を置かずに、比較的急速に燃焼させ続けるということに重点を置いた。特に、TRU金属混合物は自発中性子を多量に放出するから、臨界未満でも核分裂が非常に活発であり、燃焼が比較的長時間続く。ただ、時間が経過して核燃料が四散すると核分裂反応は低下する。核燃料が四散するのを遅らせて臨界超過ないしは超臨界を維持できる時間を長くすれば、その間に核分裂反応が急激に高まり、TRU金属混合物が急激に燃焼消滅する。
手段1はフィズル型原子炉である。
フィズル型原子炉は、重金属製の中空円筒形状の円筒原子炉容器(100)にTRU核燃料集合体(200)及び膨張体(300)を密封してなる。密封時に脱気する。
TRU核燃料集合体(200)は、多数本のTRU金属混合物核燃料棒(201)を円筒形の核燃料容器(202)に内蔵させ核燃料容器蓋(203)で密封してなる。密封時に脱気する。
TRU金属混合物核燃料棒(201)はTRU金属混合物の粒子を圧縮成形して円柱形に整形してなる。圧縮成形しただけでは密度が低い。中性子が漏洩し易い。十分未臨界である。
膨張体(300)は、固体炭化水素(301)を、底部が凹型に窪んだ円錐状の底板(302)になっている円筒形の膨張容器(303)に内蔵させ膨張体蓋(304)で密封してなる。密封時に脱気する。
膨張体(300)は核燃料容器(202)に支持されている。
上記円筒原子炉容器(100)の上端を重金属製の原子炉容器蓋(400)で密封する。密封時に脱気する。
上記円筒原子炉容器(100)の下に振動台(600)を敷設した。
TRU金属混合物において、金属と特定したのは、酸化物は使わないという意味である。TRUの酸化物は再処理し難いからである。
TRU金属混合物核燃料棒(201)の長さを十分長くすれば、TRU核燃料集合体(200)からの中性子漏洩割合が多くなり、原子炉を未臨界にすることができる。自発中性子により誘起されて核分裂は起こるが、大規模ではない。固体炭化水素(301)を構成する水素は中性子を吸収する。漏洩してきた中性子を吸収するから未臨界に役立つ。
フィズル型原子炉の反応過程進展は、運転直前過程、加振後過程、燃焼過程の3段階になる。
運転直前過程
TRU金属混合物核燃料棒(201)は長いから、中性子漏洩がしやすく未臨界である。
加振後過程
振動台(600)を4秒程度振動させると、TRU金属混合物の粒子の粉を圧縮成形(焼結はしてない)したTRU金属混合物核燃料棒(201)が崩れる。隣接するTRU金属混合物核燃料棒(201)との隙間がなくなり、TRU金属混合物粒子の粉が核燃料容器(202)の底部に沈積し、沈積TRU金属混合物粉となる。高さが低くなり表面積が減るため中性子漏洩割合が少なくなり、原子炉は臨界に近づく。自発中性子により誘起される核分裂は活発になる。
核分裂では、質量がゼロで高速のガンマ線や、重いからガンマ線よりも速度が遅い中性子が発生する。核分裂生成物は非常に重いから速度が遅く沈積TRU金属混合物粉からすぐには出られない。
沈積TRU金属混合物粉が自発中性子により核分裂すると、ガンマ線がまず固体炭化水素(301)に到達し、固体炭化水素との相互作用を介して荷電粒子線を発生させる。二次的に発生した当該荷電粒子線の電離作用により、固体炭化水素の結合を切断し欠陥固体炭化水素にしたり、イオン化した炭素とイオン化した水素を発生させたりする。欠陥固体炭化水素は、結局は炭素イオンと水素イオンになる。イオン化した炭素と水素と、電子が存在するプラズマ状態になる。ガンマ線の全エネルギーは、最終的には熱エネルギーになる。プラズマの構成物は高温になり体積が膨張し膨張容器(303)内の圧力が急上昇する。
沈積TRU金属混合物粉から放出され続けるガンマ線及び遅れて到達する中性子により、炭素イオンと水素イオンは更に高温になり圧力が更に増加する。
水素(イオン化に関係なく)は、中性子を吸収すると、中性子を殆ど吸収しない重水素になる。したがって、炭素と重水素は中性子を殆ど吸収しないから水素が混じっていても良好な中性子反射材になる。当該領域に漏洩して来る中性子を沈積TRU金属混合物粉側に反射する。この結果、中性子漏洩が減少する。臨界に近づく。
炭素と重水素と水素(イオン状態であるかないかに拘らず)からなる中性子反射材に衝突した中性子は速度を減速してTRU金属混合物の成分の1つであるPu240に吸収されるが、Pu240は中性子を吸収してPu241になる。Pu241はPu239同様に核分裂割合が大きいから原子炉は高速増殖炉のように急激に臨界を超え臨界超過になる。
なお、底板(302)や核燃料容器蓋(203)に低速中性子吸収物質、例えばガドリニウム(Gd)を添加しておけば、TRU金属混合物の主成分であるPu239が低速中性子により、非効率に核分裂燃焼するのを防げる。Pu239が低速中性子と反応すると核分裂せずに当該低速中性子を吸収してPu240になってしまうのを防ぐことができる。
燃焼過程
全炭素と全重水素と水素は、満遍なく一様に到達して来るガンマ線と中性子により一気に高温高圧になる。円錐状の底板(302)がモンローノイマン効果により核燃料容器蓋(203)に平面衝撃力を加える。
当該衝撃力は沈積TRU金属混合物粉を圧縮し、圧縮TRU金属混合物になる。当該圧縮TRU金属混合物密度は高まる。密度が高まると(原爆では理論密度の4倍以上だが、本発明では2倍以下)核分裂で発生した中性子は直ぐに近隣のTRU金属に衝突するから中性子移動距離が短くなり、圧縮TRU金属混合物からの中性子漏洩が更に減少する。臨界超過を大きく超えて超臨界(原爆では実効増倍係数は2.0以上だが、本発明では約1.2)になる。自発中性子や遅発中性子に関係なく急速に核分裂が進む。なお、TRU金属混合物に低速中性子吸収物質(例えば、Gdやユーロピウム(Eu)やハフニウム(Hf) )を添加しておくとPu239が低速中性子により非効率に燃焼するのが防げる。核分裂で発生した高速中性子は、TRU金属混合物との非弾性散乱や核分裂生成物による減速散乱をして低速中性子になる。当該低速中性子によるPu239の非効率な核分裂を防ぐことが出来る。
大半のTRU金属混合物は自発中性子を放出するから、中性子源が均一に一様に分散されていることになる。したがって、核分裂反応はいたる所で一様に一斉に起こる。核分裂が短時間で爆発的に起きる。中心に中性子源を置いた場合は、中心から周辺に向かって核分裂が進行するには時間が掛かるから、比較的緩やかに核分裂反応が進展する。
4秒程度の振動の後、ここまでは20シェイク程度である。ここまでの後半の6シェイク程度の時の核分裂が主体である。
それまでの14シェイクでは、沈積TRU金属混合物粉の核分裂生成物の運動エネルギーが熱エネルギーとなって当該沈積TRU金属混合物を膨張させるには熱伝導に時間がかかる。かつ、核分裂が比較的緩やかであるから当該沈積TRU金属混合物は破裂しない。更に、炭素と重水素と水素からなる中性子反射材は高温高圧(プラズマ状態)になり続けるから、破裂しようとする沈積TRU金属混合物を押さえつけ、その形状を維持させる働きがある。すなわち、膨張して体積増加による中性子漏洩を抑制する。
円筒原子炉容器(100)が厚い耐圧材であれば、後半の6シェイク程度の時の核分裂を押さえつけることが出来る。主体の核分裂終了後までの全核分裂エネルギーを熱エネルギーとして徐々に放出する。
円筒原子炉容器(100)が薄い耐圧材であれば、後半の6シェイクを維持できずにひび割れてしまい、TRU金属混合物が四散し、核分裂は終了する。
円筒原子炉容器(100)の厚さを適切に選ぶと、後半の6シェイク程度の時の主体的核分裂により、円筒原子炉容器(100)が破裂する。電磁波、電子線、中性子、熱容量の大きい原子炉容器破片、熱容量の大きい核分裂生成物が放出する。核分裂エネルギーの約半分が原子炉容器破片と核分裂生成物の運動エネルギーとして急激に外部に四散する。特に、核分裂生成物は軽いから速度が速く、破壊力が大きい。円筒原子炉容器(100)に安全弁を付けると、安全弁取付け口から電磁波、電子線、中性子、核分裂生成物が指向性を持って放出される。
したがって、円筒原子炉容器(100)の厚さを適切にしてはいけない。十分厚くしなければならない。小麦粉ですら管理を誤ると爆発惨事を起こす。
火薬爆弾では46cm口径の大砲(戦艦大和)の炸裂弾に対して充填されている炸薬量は61.7kgである。炸薬を囲う弾丸構造物は、炸薬が完全燃焼する時間まで持ちこたえられる1360kg程度の重量が必要である。弾丸構造物の破片の運動エネルギーが殺傷・標的破壊する。
本発明に装荷されるTRU金属混合物を球形にした場合の裸での臨界質量は10kg程度である。反射体相当の円筒原子炉容器(100)で覆えば7kg程度で超臨界(実効増倍係数が約1.2以上)になろう。容器重量を2000kg程度にすれば爆裂を抑制できよう。容器から熱が徐々に輻射熱として外に放出されるから、湯たんぽのような熱源となる。なお、TRU金属混合物の中に中性子減速材である重水素化リチウム6(DLi6)を添加しておけば熱中性子による核分裂反応が主体となり核爆発威力は減少するが2kgほどで超臨界(実効増倍係数は約1.1以上)になろう。DLi6のLi6は中性子と反応してトリチウム(T)とヘリウムになるからDLi6は重水素とトリチウムになる。円筒原子炉容器(100)が破裂する程に核分裂が活発になれば重水素とトリチウムも高温高圧になり、核融合反応が起こり、中性子を放出する。この時の中性子は14MeVの速度をもっているので、核分裂で放出する中性子数は3個以上になり、かつ、Pu240やPu242も核分裂させ得るから、実効増倍係数は約1.2相当に近づくであろう。
手段2は、手段1におけるTRU核燃料集合体(200)の他の例であるTRU核燃料堆積体(210)である。
TRU核燃料堆積体(210)は、多数枚のTRU金属混合物核燃料円板(701)及び多数本の手段1のTRU金属混合物核燃料棒(201)を円筒形の核燃料容器(202)に内蔵し核燃料容器蓋(203)で密封してなる。密封時に脱気する。
TRU金属混合物核燃料円板(701)は、TRU金属混合物の粒子を圧縮成形して円板形に整形した後、焼結または鍛造して密度を高めてなる。あるいは、TRU金属混合物を溶解して円板形の塊に整形する。あるいは、円筒形の型枠の中にTRU金属混合物の粒子を理論密度の50%程度になるように充填して、振動を数秒加えると粒子間の隙間がなくなり、理論密度の75%程度までTRU金属混合物核燃料円板(701)密度が高まる。
下側のTRU金属混合物核燃料円板(701)にTRU金属混合物核燃料棒(201)を3本以上垂直に固定し上側のTRU金属混合物核燃料円板(701)を支持したことを特徴とするTRU核燃料堆積体(210)である。
加振時間2秒ほどでTRU金属混合物核燃料棒(201)が崩れ、全TRU金属混合物核燃料円板(701)が積み重なる。
振動によるTRU金属混合物核燃料棒(201)粉の充填割合が飽和しなくても、TRU金属混合物密度の高いTRU金属混合物核燃料円板(701)が接近すれば原子炉が臨界になるまでの時間が短くなり、フィズルしている期間が短くなる。
TRU金属混合物核燃料円板(701)の密度は、予め焼結または鍛造によって高まっているため、原子炉が臨界超過から超臨界になるまでの時間が短くなり、それまでのフィズルによる核分裂反応による核分裂性物資の減損が防げる。
本発明の原子炉を熱源として、熱電発電やスターリングエンジンを稼働させて電気を得ることができる。
原爆ではPu239割合の高いプルトニウムを使用するため高価である。一方、本発明は、軽水型原子炉から出てきた使用済み核燃料のTRU金属混合物を使うためPu240割合が大きいプルトニウムやAmやCmを含有している。再処理に手間が掛からないことや、軽水型原子炉から出てきた使用済み核燃料を処分してやるための収入が得られるため本発明の原子炉は廉価である。
円筒原子炉容器(100)外部から内部に、爆薬点火用の電線を貫通させる孔を必要としないため、製造し易い原子炉ができた。
核分裂を発起させるための中性子源が不要なため、製造し易く廉価な原子炉ができた。爆裂しても威力は低いから影響のある範囲は限定的である。
TRU金属混合物を急速に燃焼(爆発)させると利点がある。燃焼過程で生成される短半減期核種の核分裂反応が期待できる。例えば、準安定アメリシウム242(Am242m)やキューリウム241(Cm241)やキューリウム243(Cm243)は、核分裂反応割合が中性子捕獲反応割合よりも大きいから中性子増倍係数を大きくし、核分裂反応を増加させる。現行原子炉程度の出力では大抵の短半減期核種は放射線崩壊して核分裂反応が小さい核種になってしまう。
Cm242やCm244は核分裂反応割合が中性子捕獲反応割合よりも小さいが、中性子を捕獲するとやがてCm245になる。Cm245は核分裂反応割合が中性子捕獲反応割合よりも大きい。しかも半減期は8500年であるから、TRUを急速に燃焼(爆発)させた本発明の使用済み核燃料を再処理してゆけばCm245の割合が累積して多くなったTRU金属混合物となって中性子増倍係数の大きい核燃料となってゆく。
TRU金属混合物はPu240割合が比較的高いから、中性子源を別途局所的に中心部に配置する必要がない。局所的に中性子源を配置すると、当該箇所から核分裂が伝搬するまでに時間が掛かる。すると、全体で急速に核分裂が生じる訳ではないから、出力が急速には上昇しない。
現行原子炉は、発生した熱を流体に伝達している。流体の取扱いには配管、弁、バルブが必須である。ただ、配管、弁、バルブの故障は重大事故になる恐れがある。その点、本発明の原子炉には配管、弁、バルブが殆どないので大きな事故にはなり難い。
現行原子炉は、臨界に必要とする以上の核燃料を原子炉に装荷して、中性子吸収材により臨界超過を防ぎ、中性子吸収材の操作により少しずつ核分裂を制御して長期間熱を発生させていた。ただ、事故が起こった後での多量の核燃料の始末に難がある。その点、本発明の原子炉では、臨界に必要程度の核燃料を比較的少量装荷して、短時間に燃焼させてしまう。事故が起こった後での残存核燃料は、比較的少量であるから核燃料の始末は比較的簡単である。
超臨界で核分裂反応が終了しても円筒原子炉容器(100)が健全なら、沈積した未燃焼のTRU金属混合物に再度振動を加えて粉の充填密度を高めれば臨界超過になる可能性があり、緩やかな核分裂反応が得られる可能性がある。
未燃焼のTRU金属混合物と軽元素からなる核分裂生成物とが混じった物質を、比重選鉱により未燃焼のTRU金属混合物を抽出できるので再処理が簡単である。
軽水型原子炉から出てくる累積する使用済み核燃料を早く減らすためにTRU金属混合物を使用した。更に、装荷するTRU金属混合物を比較的少量にしたから、万一、事故が発生しても漏洩放射能量が少ない原子炉が提供できた。
図1上段は手段1のフィズル型原子炉の概観図である。
円筒原子炉容器(100)は重金属製(例えばステンレス)の中空円筒形状の容器である。当該容器にTRU核燃料集合体(200)及び膨張体(300)を内蔵してなる。
TRU核燃料集合体(200)は、多数本のTRU金属混合物核燃料棒(201)を重金属製(例えばステンレス)の円筒形の核燃料容器(202)に内蔵し、重金属製(軟らかい銅や純鉄)の核燃料容器蓋(203)で密封してなる。
TRU金属混合物核燃料棒(201)はTRU金属混合物の粒子を圧縮して円柱形に整形してなる。崩れやすくしている。被覆管で覆うことはしない。
膨張体(300)は、底部が窪んだ円錐状の底板(302)になっている重金属製の円筒形の膨張容器(303)に固体炭化水素(301)を内蔵し、重金属製の膨張体蓋(304)で密封してなる。固体炭化水素(301)の実例としてはポリエチレンやポリスチレンがある。
膨張体(300)は核燃料容器(202)に支持されている。
上記円筒原子炉容器(100)の上端を重金属製(例えばステンレス)の原子炉容器蓋(400)で密封する。
上記円筒原子炉容器(100)の下に振動台(600)を敷設する。振動台(600)を揺らして、TRU金属混合物核燃料棒(201)を壊し、TRU金属混合物粒子の粉を核燃料容器(202)の底部に堆積させる。
図1下段左はTRU核燃料集合体(200)の概観図である。運搬時には、臨界にならないように、核燃料容器蓋(203)から中性子吸収棒(例えば、ステンレス鋼にホウ素を含有させたボロンサス棒)を吊り下げておく。円筒原子炉容器(100)に搭載する直前に核燃料容器蓋(203)から中性子吸収棒を除去して、核燃料容器(202)を脱気してから核燃料容器蓋(203)で密封する。
核燃料容器(202)の下端に重水素化リチウム6(DLi6)棒を敷設しておけば、自発中性子により起因する核分裂中性子を減速させてリチウム6が中性子を吸収する。DLi6棒を残したまま、TRU核燃料集合体(200)を円筒原子炉容器(100)に搭載してもよい。リチウム6が中性子と反応するとトリチウム(T)とヘリウムになるがトリチウムは中性子を吸収作用はほとんどない。爆発的核分裂時には、D-T核融合が起こり、発熱と共に中性子が発生する。
図1下段右は膨張体(300)の概観図である。底板(302)の底は空洞になっている。底板(302)は銅やタンタル製がよい。
図2上段は、手段2のTRU核燃料堆積体(210)を装荷してなるフィズル型原子炉の概観図である。
TRU核燃料堆積体(210)は多数枚のTRU金属混合物核燃料円板(701)及び多数本のTRU金属混合物核燃料棒(201)を円筒形の核燃料容器(202)に内蔵し、核燃料容器蓋(203)で密封してなる。
TRU金属混合物核燃料円板(701)は、TRU金属混合物の粒子を圧縮成形して円板形に整形した後、焼結または鍛造してなる。
下側のTRU金属混合物核燃料円板(701)に固定された手段1のTRU金属混合物核燃料棒(201)3本以上で上側のTRU金属混合物核燃料円板(701)を支持した。
図2下段は、TRU核燃料堆積体(210)の概観図である。運搬時には中性子吸収棒を核燃料容器蓋(203)に吊り下げる。TRU核燃料堆積体(210)をフィズル型原子炉に装荷する際は、中性子吸収棒の代わりにTRU金属混合物核燃料棒(201)を交換してもよい。当該TRU金属混合物核燃料棒(201)は上端や中間部を焼結材としてもよい。
図3は手段1のフィズル型原子炉の反応過程進展に係わる模式図である。
(公序良俗違反につき、不掲載)
手段1の本発明のフィズル型原子炉の概観図。 手段2の手段2のTRU核燃料集合体(200)の概観図である。 手段1のフィズル型原子炉の反応過程進展に係わる模式図。
100は円筒原子炉容器。
200はTRU核燃料集合体。
201はTRU金属混合物核燃料棒。
202は核燃料容器。
203は核燃料容器蓋。
210はTRU核燃料堆積体。
211はTRU金属混合物円板。
300は膨張体。
301は固体炭化水素。
302は円錐状底板。
303は膨張容器。
304は膨張体蓋。
400は円筒原子炉容器蓋。
600は振動台。

Claims (2)

  1. フィズル型原子炉は、中空円筒形状の円筒原子炉容器(100)にTRU核燃料集合体(200)及び膨張体(300)を密封してなり、
    TRU核燃料集合体(200)は、多数本のTRU金属混合物核燃料棒(201)を円筒形の核燃料容器(202)に内蔵させ核燃料容器蓋(203)で密封してなり、
    TRU金属混合物核燃料棒(201)はTRU金属混合物の粒子を圧縮成形して円柱形に整形してなり、
    膨張体(300)は、固体炭化水素(301)を底部が円錐状の底板(302)になっている円筒形の膨張容器(303)に内蔵させ膨張体蓋(304)で密封してなり、
    膨張体(300)は核燃料容器(202)に支持され、
    上記円筒原子炉容器(100)の上端を原子炉容器蓋(400)で密封し、
    上記円筒原子炉容器(100)の下に振動台(600)を敷設したことを特徴とするフィズル型原子炉。
  2. TRU核燃料堆積体(210)は、多数枚のTRU金属混合物核燃料円板(701)及び多数本の請求項1のTRU金属混合物核燃料棒(201)を円筒形の核燃料容器(202)に内蔵し核燃料容器蓋(203)で密封してなり、
    TRU金属混合物核燃料円板(701)は、TRU金属混合物の粒子を圧縮成形して円板形に整形した後、焼結または鍛造してなり、
    下側のTRU金属混合物核燃料円板(701)にTRU金属混合物核燃料棒(201)を3本以上垂直に固定し上側のTRU金属混合物核燃料円板(701)を支持したことを特徴とするTRU核燃料堆積体(210)。
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