JP2019174061A - Cryogenic refrigerator - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、極低温冷凍機に関する。 The present invention relates to a cryogenic refrigerator.
ギフォード・マクマホン(Gifford-McMahon;GM)冷凍機に代表される極低温冷凍機は典型的に、軸方向に往復動するディスプレーサとこれを駆動するモータを有する。ディスプレーサはモータに機械的に連結されており、モータによってディスプレーサは軸方向に往復動される。このようなモータ駆動型のGM冷凍機においては従来から、いわゆる逆転昇温技術が知られている。逆転昇温を利用して、冷却されたGM冷凍機を例えば室温に戻すなど昇温することができる。 A cryogenic refrigerator represented by a Gifford-McMahon (GM) refrigerator typically includes a displacer that reciprocates in an axial direction and a motor that drives the displacer. The displacer is mechanically connected to the motor, and the displacer is reciprocated in the axial direction by the motor. In such a motor-driven GM refrigerator, a so-called reverse temperature raising technique is conventionally known. Using the reverse temperature increase, the temperature of the cooled GM refrigerator can be increased, for example, to room temperature.
本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、極低温冷凍機における逆転昇温の昇温効率を向上することにある。 One of the exemplary purposes of an aspect of the present invention is to improve the temperature raising efficiency of the reverse temperature rise in the cryogenic refrigerator.
本発明のある態様によると、極低温冷凍機は、逆転可能モータと、前記逆転可能モータの正転と逆転それぞれにより軸方向に往復動するディスプレーサと、前記ディスプレーサを収容するシリンダであって、ディスプレーサ上死点にて最大容積を有しディスプレーサ下死点にて最小容積を有する膨張空間を前記ディスプレーサとの間に画定するシリンダと、前記膨張空間に熱的に結合された冷凍機ステージと、前記逆転可能モータの正転時に前記冷凍機ステージが冷却され、かつ前記逆転可能モータの逆転時に前記冷凍機ステージが加熱されるように、前記ディスプレーサの軸方向往復動と同期させて前記膨張空間の吸気と排気とを切り替えるロータリーバルブと、を備える。前記ディスプレーサの軸方向往復動の一周期を360°とするとき、前記逆転可能モータの逆転時における前記膨張空間の吸気開始タイミングの位相が、前記ディスプレーサ上死点に対して、0°より大きく10°以下の範囲で進んでいる。 According to an aspect of the present invention, a cryogenic refrigerator includes a reversible motor, a displacer that reciprocates in the axial direction by forward rotation and reverse rotation of the reversible motor, and a cylinder that houses the displacer. A cylinder defining an expansion space with the displacer having a maximum volume at a top dead center and a minimum volume at a displacer bottom dead center; a refrigerator stage thermally coupled to the expansion space; Intake of the expansion space in synchronism with the axial reciprocation of the displacer so that the refrigerator stage is cooled when the reversible motor rotates forward and the refrigerator stage is heated when the reverse motor rotates backward And a rotary valve for switching between exhaust and exhaust. When the period of the axial reciprocation of the displacer is 360 °, the phase of the intake start timing of the expansion space when the reversible motor is reverse is greater than 0 ° with respect to the displacer top dead center. It is progressing within the following range.
なお、本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。 In addition, what replaced the component and expression of this invention between methods, apparatuses, systems, etc. is also effective as an aspect of this invention.
本発明によれば、極低温冷凍機における逆転昇温の昇温効率を向上することができる。 ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the temperature increase efficiency of reverse temperature increase in a cryogenic refrigerator can be improved.
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。説明および図面において同一または同等の構成要素、部材、処理には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。図示される各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。実施の形態は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。 Hereinafter, embodiments for carrying out the present invention will be described in detail with reference to the drawings. In the description and drawings, the same or equivalent components, members, and processes are denoted by the same reference numerals, and redundant descriptions are omitted as appropriate. The scales and shapes of the respective parts shown in the drawings are set for convenience in order to facilitate explanation, and are not limitedly interpreted unless otherwise specified. The embodiments are illustrative and do not limit the scope of the present invention. All features and combinations thereof described in the embodiments are not necessarily essential to the invention.
図1は、ある実施形態に係る極低温冷凍機を概略的に示す図である。図2は、ある実施形態に係る極低温冷凍機の膨張機の駆動機構を概略的に示す分解斜視図である。図3は、ある実施形態に係る極低温冷凍機のロータリバルブ機構を概略的に示す分解斜視図である。 FIG. 1 is a diagram schematically illustrating a cryogenic refrigerator according to an embodiment. FIG. 2 is an exploded perspective view schematically showing a drive mechanism of an expander of a cryogenic refrigerator according to an embodiment. FIG. 3 is an exploded perspective view schematically showing a rotary valve mechanism of a cryogenic refrigerator according to an embodiment.
極低温冷凍機10は、作動ガス(冷媒ガスともいう)を圧縮する圧縮機12と、作動ガスを断熱膨張により冷却する膨張機14とを備える。作動ガスは例えばヘリウムガスである。膨張機14はコールドヘッドとも呼ばれる。膨張機14には作動ガスを予冷する蓄冷器16が備えられている。極低温冷凍機10は、圧縮機12と膨張機14とを各々が接続する第1管18aと第2管18bを含むガス配管18を備える。図示される極低温冷凍機10は、単段式のGM冷凍機である。
The
知られているように、第1高圧を有する作動ガスが圧縮機12の吐出口12aから第1管18aを通じて膨張機14に供給される。膨張機14における断熱膨張により、作動ガスは第1高圧からそれより低い第2高圧に減圧される。第2高圧を有する作動ガスは、膨張機14から第2管18bを通じて圧縮機12の吸入口12bに回収される。圧縮機12は、回収された第2高圧を有する作動ガスを圧縮する。こうして作動ガスは再び第1高圧に昇圧される。一般に第1高圧及び第2高圧はともに大気圧よりかなり高い。説明の便宜上、第1高圧及び第2高圧はそれぞれ単に高圧及び低圧とも呼ばれる。通例、高圧は例えば2〜3MPaであり、低圧は例えば0.5〜1.5MPaである。高圧と低圧との差圧は例えば1.2〜2MPa程度である。
As is known, a working gas having a first high pressure is supplied to the
膨張機14は、膨張機可動部分20と膨張機静止部分22とを備える。膨張機可動部分20は、膨張機静止部分22に対し軸方向(図1における上下方向)に往復移動可能であるよう構成されている。膨張機可動部分20の移動方向を図1に矢印Aで示す。膨張機静止部分22は、膨張機可動部分20を軸方向に往復移動可能に支持するよう構成されている。また、膨張機静止部分22は、膨張機可動部分20を高圧ガス(第1高圧ガス及び第2高圧ガスを含む)とともに収容する気密容器として構成されている。
The
膨張機可動部分20は、ディスプレーサ24と、その往復移動を駆動するディスプレーサ駆動軸26とを含む。ディスプレーサ24には蓄冷器16が内蔵されている。ディスプレーサ24の内部空間に蓄冷材が充填され、それによりディスプレーサ24内に蓄冷器16が形成される。ディスプレーサ24は、例えば、軸方向に延在する実質的に円柱状の形状を有し、軸方向において実質的に一様な外径及び内径を有する。よって、蓄冷器16も、軸方向に延在する実質的に円柱状の形状を有する。
The expander
膨張機静止部分22は、大まかに、シリンダ28及び駆動機構ハウジング30からなる二部構成を有する。膨張機静止部分22の軸方向上部が駆動機構ハウジング30であり、膨張機静止部分22の軸方向下部がシリンダ28であり、これらは相互に堅く結合されている。シリンダ28は、ディスプレーサ24の往復移動を案内するよう構成されている。シリンダ28は、駆動機構ハウジング30から軸方向に延在する。シリンダ28は、軸方向において実質的に一様な内径を有し、よって、シリンダ28は、軸方向に延在する実質的に円筒の内面を有する。この内径は、ディスプレーサ24の外径よりわずかに大きい。
The expander
また、膨張機静止部分22は、冷凍機ステージ32を含む。冷凍機ステージ32は、軸方向において駆動機構ハウジング30と反対側でシリンダ28の末端に固定されている。冷凍機ステージ32は、膨張機14が生成する寒冷を他の物体に伝導するために設けられている。その物体は冷凍機ステージ32に取り付けられ、極低温冷凍機10の動作時に冷凍機ステージ32によって冷却される。冷凍機ステージ32は、冷却ステージまたは熱負荷ステージと呼ばれることもある。
The expander
シリンダ28は、ディスプレーサ24によって膨張空間34と上部空間36に仕切られている。ディスプレーサ24は、軸方向一端にてシリンダ28との間に膨張空間34を画定し、軸方向他端にてシリンダ28との間に上部空間36を画定する。膨張空間34は、ディスプレーサ24の上死点にて最大容積を有し、ディスプレーサ24の下死点にて最小容積を有する。上部空間36は、ディスプレーサ24の上死点にて最小容積を有し、ディスプレーサ24の下死点にて最大容積を有する。冷凍機ステージ32は、膨張空間34を外包するようにシリンダ28に固着されている。冷凍機ステージ32は、膨張空間34に熱的に結合されている。
The
極低温冷凍機10の動作時において、蓄冷器16は、軸方向において一方側(図において上側)に蓄冷器高温部16aを有し反対側(図において下側)に蓄冷器低温部16bを有する。このように蓄冷器16は軸方向に温度分布を有する。蓄冷器16を包囲する膨張機14の他の構成要素(例えばディスプレーサ24及びシリンダ28)も同様に軸方向温度分布を有し、従って膨張機14はその動作時に軸方向一方側に高温部を有し軸方向他方側に低温部を有する。高温部は、例えば室温程度の温度を有する。低温部は、極低温冷凍機10の用途により異なるが、例えば約100Kから約10Kの範囲に含まれるある温度に冷却される。
During the operation of the
本書では説明の便宜上、軸方向、径方向、周方向との用語が使用される。軸方向は、矢印Aで図示されるように、膨張機静止部分22に対する膨張機可動部分20の移動方向を表す。径方向は軸方向に垂直な方向(図において横方向)を表し、周方向は軸方向を囲む方向を表す。膨張機14のある要素が軸方向に関して冷凍機ステージ32に相対的に近いことを「下」、相対的に遠いことを「上」と呼ぶことがある。よって、膨張機14の高温部及び低温部はそれぞれ軸方向において上部及び下部に位置する。こうした表現は、膨張機14の要素間の相対的な位置関係の理解を助けるために用いられるにすぎず、現場で設置されるときの膨張機14の配置とは関係しない。例えば、膨張機14は、冷凍機ステージ32を上向きに駆動機構ハウジング30を下向きにして設置されてもよい。あるいは、膨張機14は、軸方向を水平方向に一致させるようにして設置されてもよい。
In this document, the terms axial direction, radial direction, and circumferential direction are used for convenience of explanation. The axial direction represents the moving direction of the expander
また、ロータリバルブ機構についても、軸方向、径方向、周方向との用語が使用される。この場合、軸方向は、ロータリバルブ機構の回転軸の方向を表す。ロータリバルブ機構の軸方向は、極低温冷凍機10の軸方向すなわち膨張機可動部分20の移動方向に垂直である。
The terms “axial direction”, “radial direction”, and “circumferential direction” are also used for the rotary valve mechanism. In this case, the axial direction represents the direction of the rotary shaft of the rotary valve mechanism. The axial direction of the rotary valve mechanism is perpendicular to the axial direction of the
膨張機14は、膨張機静止部分22に支持され、ディスプレーサ24を駆動する駆動機構38を備える。駆動機構38は、逆転可能モータ40及びスコッチヨーク機構42を含む。ディスプレーサ駆動軸26はスコッチヨーク機構42の一部を形成する。ディスプレーサ駆動軸26はスコッチヨーク機構42によって軸方向に駆動されるようスコッチヨーク機構42に連結されている。したがって、逆転可能モータ40の正転と逆転それぞれによりディスプレーサ24の軸方向往復移動が駆動される。
The
駆動機構38は、駆動機構ハウジング30の内部に画定される低圧ガス室37に収容されている。第2管18bが駆動機構ハウジング30に接続されており、それにより低圧ガス室37が第2管18bを通じて圧縮機12の吸入口12bに連通している。そのため、低圧ガス室37は常に低圧に維持される。
The
極低温冷凍機10は、逆転可能モータ40が所定方向に回転するときに冷却運転し、逆転可能モータ40が反対方向に回転するときに昇温運転するように構成されている。極低温冷凍機10が冷却される回転方向を「正転」と称し、極低温冷凍機10が昇温される回転方向を「逆転」と称する。図2には、逆転可能モータ40の回転軸40aが示されている。ここでは、逆転可能モータ40の回転軸40aの時計回りを正転(矢印B方向)、逆転可能モータ40の回転軸40aの反時計回りを逆転とする(矢印C方向)。
The
図2に示されるように、スコッチヨーク機構42は、クランク44と、スコッチヨーク46と、を含む。クランク44は、逆転可能モータ40の回転軸40aに固定される。クランク44は、回転軸40aが固定される位置から偏心した位置にクランクピン44aを有する。したがって、クランク44を回転軸40aに固定すると、クランクピン44aは、逆転可能モータ40の回転軸40aと平行に延在するとともに回転軸40aから偏心した状態となる。
As shown in FIG. 2, the
スコッチヨーク46は、ヨーク板48と、ころ軸受50と、を含む。ヨーク板48は、板状の部材である。スコッチヨーク46には、その上部中央に、上部軸52が上方に延出するように連結され、その下部中央に、ディスプレーサ駆動軸26が下方に延出するように連結されている。図1に示されるように、上部軸52は、第1摺動軸受54によって軸方向に移動可能に支持され、ディスプレーサ駆動軸26は、第2摺動軸受56によって軸方向に移動可能に支持される。したがって、上部軸52およびディスプレーサ駆動軸26、ひいてはヨーク板48、ひいてはスコッチヨーク46は、軸方向に移動可能な構成となっている。
The
ヨーク板48の中央には、横長窓48aが形成されている。横長窓48aは、上部軸52およびディスプレーサ駆動軸26が延出する方向(すなわち軸方向)に対して交差する方向、例えば直交する方向に延在する。ころ軸受50は、転動可能に横長窓48a内に配設される。ころ軸受50の中心には、クランクピン44aと係合する係合孔50aが形成されており、クランクピン44aが係合孔50aを貫通する。
A laterally
第1摺動軸受54および第2摺動軸受56は、膨張機静止部分22の駆動機構ハウジング30に設けられている。第2摺動軸受56または駆動機構ハウジング30の下端部には、例えばスリッパシールやクリアランスシールといったシール部が設けられ、気密に構成されており、そのため低圧ガス室37は上部空間36から隔離されている。低圧ガス室37と上部空間36との直接のガス流通はない。
The first sliding
逆転可能モータ40が駆動し回転軸40aが回転すると、クランクピン44aと係合したころ軸受50は、円を描くように回転する。ころ軸受50が円を描くように回転することにより、スコッチヨーク46は、軸方向に往復運動する。この際、ころ軸受50は、軸方向に交差する方向に横長窓48a内を往復移動する。
When the
図1に示されるように、ディスプレーサ24は、ディスプレーサ駆動軸26に連結されている。ディスプレーサ駆動軸26は、低圧ガス室37から上部空間36を貫通してディスプレーサ24へと延びている。このため、スコッチヨーク46が軸方向に移動することにより、ディスプレーサ24はシリンダ28内を軸方向に往復移動する。
As shown in FIG. 1, the
膨張機14は、逆転可能モータ40の正転時に冷凍機ステージ32が冷却され、かつ逆転可能モータ40の逆転時に冷凍機ステージ32が加熱されるように、ディスプレーサ24の軸方向往復動と同期させて膨張空間34の吸気と排気とを切り替えるロータリーバルブ58を備える。ロータリーバルブ58は、高圧ガスを膨張空間34に供給するための供給路の一部として機能するとともに、低圧ガスを膨張空間34から排出するための排出路の一部として機能する。ロータリーバルブ58は、ディスプレーサ24の往復移動と同期して作動ガスの供給機能と排出機能とを切り替え、それにより膨張空間34の圧力を制御するよう構成されている。ロータリーバルブ58は、駆動機構38に連結され、駆動機構ハウジング30に収容されている。
The
また、膨張機14は、ハウジングガス流路64、ディスプレーサ上蓋ガス流路66、ディスプレーサ下蓋ガス流路68を有する。高圧ガスは、第1管18aからロータリーバルブ58、ハウジングガス流路64、上部空間36、ディスプレーサ上蓋ガス流路66、蓄冷器16、ディスプレーサ下蓋ガス流路68を経て膨張空間34に流入する。膨張空間34からの戻りガスは、ディスプレーサ下蓋ガス流路68、蓄冷器16、ディスプレーサ上蓋ガス流路66、上部空間36、ハウジングガス流路64、ロータリーバルブ58を経て低圧ガス室37に受け入れられる。
Further, the
ハウジングガス流路64は、膨張機静止部分22と上部空間36との間のガス流通のために駆動機構ハウジング30に貫通形成されている。
The housing
上部空間36は、蓄冷器高温部16aの側で膨張機静止部分22とディスプレーサ24との間に形成されている。より詳しくは、上部空間36は、軸方向において駆動機構ハウジング30とディスプレーサ24とに挟まれ、周方向にシリンダ28に囲まれている。上部空間36は、低圧ガス室37に隣接する。上部空間36は室温室とも呼ばれる。上部空間36は膨張機可動部分20と膨張機静止部分22との間に形成された可変容積である。
The upper space 36 is formed between the expander
ディスプレーサ上蓋ガス流路66は、蓄冷器高温部16aを上部空間36に連通するよう形成されたディスプレーサ24の少なくとも1つの開口である。ディスプレーサ下蓋ガス流路68は、蓄冷器低温部16bを膨張空間34に連通するよう形成されたディスプレーサ24の少なくとも1つの開口である。ディスプレーサ24とシリンダ28とのクリアランスを封じるシール部70が、ディスプレーサ24の側面に設けられている。シール部70は、ディスプレーサ上蓋ガス流路66を周方向に囲むようディスプレーサ24に取り付けられていてもよい。
The displacer
膨張空間34は、蓄冷器低温部16bの側でシリンダ28とディスプレーサ24との間に形成されている。膨張空間34は上部空間36と同様に膨張機可動部分20と膨張機静止部分22との間に形成された可変容積であり、シリンダ28に対するディスプレーサ24の相対移動によって膨張空間34の容積は上部空間36の容積と相補的に変動する。シール部70が設けられているので、上部空間36と膨張空間34との直接のガス流通(つまり蓄冷器16を迂回するガス流れ)はない。
The
ロータリーバルブ58は、ロータバルブ部材60及びステータバルブ部材62を備える。ロータバルブ部材60は、逆転可能モータ40の回転により回転するよう逆転可能モータ40の出力軸に連結されている。ロータバルブ部材60は、ステータバルブ部材62に対し回転摺動するようステータバルブ部材62と面接触している。ステータバルブ部材62は、駆動機構ハウジング30に固定されている。ステータバルブ部材62は、第1管18aから駆動機構ハウジング30に入る高圧ガスを受け入れるよう構成されている。
The
図3に示す一点鎖線Yは、ロータリーバルブ58の回転軸を表す。ステータバルブ部材62は平坦なステータ側回転摺動面71を有し、ロータバルブ部材60は同じく平坦なロータ側回転摺動面72を有する。ステータ側回転摺動面71およびロータ側回転摺動面72はともに回転軸Yに垂直である。ステータ側回転摺動面71とロータ側回転摺動面72が面接触することにより、冷媒ガスの漏れが防止される。
An alternate long and short dash line Y shown in FIG. 3 represents the rotation axis of the
ステータバルブ部材62は、駆動機構ハウジング30内にステータバルブ固定ピン73で固定される。ステータバルブ固定ピン73は、ステータバルブ部材62のステータ側回転摺動面71とは回転軸方向反対側に位置するステータバルブ端面74に係合し、ステータバルブ部材62の回転を規制する。
The
ロータバルブ部材60は、図1に示すロータバルブ軸受75により回転可能に支持されている。ロータバルブ部材60のスコッチヨーク機構42側のロータバルブ端面76には、図2に示されるように、円弧形状の係合溝77が形成されている。ロータバルブ端面76は、ロータバルブ部材60のロータ側回転摺動面72とは回転軸方向反対側に位置する。ロータバルブ部材60は、ロータ側回転摺動面72をロータバルブ端面76に接続するロータバルブ外周面78を備える。ロータバルブ外周面78は、ロータバルブ軸受75に支持されるとともに、低圧ガス室37に面している。
The
図2に示されるように、係合溝77にはスコッチヨーク機構42のクランクピン44aの先端が進入している。逆転可能モータ40の回転軸40aの回転に伴いクランクピン44aが正転または逆転し、クランクピン44aが係合溝77の周方向一方側の端部77aまたは周方向他方側の端部77bに係合すると、クランク44の運動すなわち逆転可能モータ40の回転軸40aの回転がロータバルブ部材60に伝達され、ロータバルブ部材60はステータバルブ部材62に対して正転または逆転する。逆転可能モータ40がクランクピン44aを回転させることにより、ロータバルブ部材60はスコッチヨーク機構42と同期して回転する。
As shown in FIG. 2, the tip of the
係合溝77とクランクピン44aとは、ロータバルブ部材60と逆転可能モータ40の回転軸40aとを正転と逆転との間に所定の角度(例えば、200°以上360°未満であり、例えば280°)の空動を伴って連結されている。そのため、ディスプレーサ24の往復移動に対するロータリーバルブ58の吸排気タイミングは、回転軸40aおよびロータバルブ部材60が正転する(すなわち極低温冷凍機10が冷却運転する)ときと回転軸40aおよびロータバルブ部材60が逆転する(すなわち極低温冷凍機10が昇温運転する)ときとで異なる。
The
図3に示されるように、ステータバルブ部材62は、高圧ガス流入口79およびガス流通口80を有する。高圧ガス流入口79は、ステータ側回転摺動面71の中心部に開口され、ステータバルブ部材62の中心部を回転軸Yの方向に貫通するよう形成されている。高圧ガス流入口79は、第1管18aを通じて圧縮機12の吐出口12aに連通される(図1参照)。ガス流通口80は、ステータ側回転摺動面71において高圧ガス流入口79に対し径方向外側に開口されている。ガス流通口80は、高圧ガス流入口79を中心とした円弧状溝に形成されている。
As shown in FIG. 3, the
ステータバルブ部材62は、ガス流通口80をハウジングガス流路64につなぐようステータバルブ部材62に貫通形成されている連通路81を有する。よってガス流通口80は、連通路81およびハウジングガス流路64を経て最終的に膨張空間34に連通される。連通路81は一端がガス流通口80に開口され他端がステータバルブ部材62の側面に開口されている。連通路81のガス流通口80側の部分は回転軸Yの方向に延びており、これに対し直交するよう連通路81のハウジングガス流路64側の部分は径方向に延びている。極低温冷凍機10の吸気行程においてはガス流通口80および連通路81を高圧ガスが流れる一方、排気工程においては膨張空間34からの低圧戻りガスがガス流通口80および連通路81を流れる。
The
ロータバルブ部材60は、ロータバルブ高圧凹部82およびロータバルブ開口部83を有する。ロータ側回転摺動面72は、ロータバルブ高圧凹部82の周囲でステータ側回転摺動面71に面接触する。同様に、ロータ側回転摺動面72は、ロータバルブ開口部83の周囲でステータ側回転摺動面71に面接触する。
The
ロータバルブ高圧凹部82は、ロータ側回転摺動面72に開口され、長円状溝に形成されている。ロータバルブ高圧凹部82は、ロータ側回転摺動面72の中心部から径方向外側に延在する。ロータバルブ高圧凹部82の深さはロータバルブ部材60の回転軸方向長さより短く、ロータバルブ高圧凹部82はロータバルブ部材60を貫通していない。ロータ側回転摺動面72上で高圧ガス流入口79に対応する場所にロータバルブ高圧凹部82の径方向一端が位置する。そのためロータバルブ高圧凹部82は高圧ガス流入口79に常時接続されている。ロータバルブ高圧凹部82の径方向他端は、ステータバルブ部材62のガス流通口80と概ね同一円周上に位置するよう形成されている。
The rotor valve high-
このようにして、ロータリーバルブ58に吸気バルブが構成される。ロータバルブ高圧凹部82は、ロータバルブ部材60の回転の一周期の一部(例えば吸気工程)において高圧ガス流入口79をガス流通口80に連通し、当該一周期の残部(例えば排気工程)において高圧ガス流入口79をガス流通口80とは不通とするよう形成されている。ロータバルブ高圧凹部82および高圧ガス流入口79からなる二区域、または、ロータバルブ高圧凹部82、高圧ガス流入口79、およびガス流通口80からなる三区域は、互いに連通してロータリーバルブ58内に高圧領域(または高圧流路)を形成する。ロータバルブ部材60は、高圧領域を密封し低圧周囲環境(すなわち低圧ガス室37)から隔離するようステータバルブ部材62に隣接配置されている。ロータバルブ高圧凹部82は、ロータリーバルブ58の高圧流路における流れ方向変更部または流路折り返し部として設けられている。
Thus, the
一方、ロータバルブ開口部83は、ロータバルブ部材60のロータ側回転摺動面72からロータバルブ端面76まで貫通する円弧状孔であり、低圧ガス室37と連通する低圧流路を形成する。一例として、ロータバルブ開口部83は、係合溝77へとロータバルブ部材60を貫通している。ロータバルブ開口部83は、ロータ側回転摺動面72の中心部に対しロータバルブ高圧凹部82の外端部と概ね径方向反対側に位置する。ロータバルブ開口部83は、ステータバルブ部材62のガス流通口80と概ね同一円周上に位置するよう形成されている。このようにして、ロータリーバルブ58に排気バルブが構成される。ロータバルブ部材60は、高圧ガス流入口79がガス流通口80から不通となる期間の少なくとも一部(例えば排気工程)においてガス流通口80を低圧ガス室37に連通するよう形成されている。
On the other hand, the
図4は、ある実施形態に係る極低温冷凍機10の冷却運転のタイミングチャートを例示する図である。図4には、ロータリーバルブ58のバルブタイミング(実線で示す)と、ディスプレーサ24の軸方向位置(一点鎖線で示す)が、ディスプレーサ24の軸方向往復動の一周期にわたり時系列的に示されている。ディスプレーサ24の軸方向往復動の一周期が360°に対応付けられている。言い換えれば、図4の横軸は逆転可能モータ40の回転角度およびロータリーバルブ58の位相を表す。0°(360°)においてディスプレーサ24は上死点に位置し、膨張空間34の容積は最大となる。180°においてディスプレーサ24は下死点に位置し、膨張空間34の容積は最小となる。90°および270°では、ディスプレーサ24は上死点と下死点の中間点に位置する。図1から図4を参照しながら、極低温冷凍機10の冷却運転を説明する。
FIG. 4 is a diagram illustrating a timing chart of the cooling operation of the
まず、極低温冷凍機10を冷却運転する場合について説明する。冷却運転では、逆転可能モータ40を正転させることによってクランクピン44aがロータバルブ部材60の係合溝77の端部77aに係合し、ロータバルブ部材60が正転する。
First, the case where the
ディスプレーサ24が上死点に到達するのに先行して、ロータリーバルブ58は、圧縮機12の吸入口12bを膨張空間34に接続するように切り替わる。こうして、冷却運転の排気工程が開始される。例えば300°から360°(−60°から0°)の間で、排気バルブとしてのロータリーバルブ58が開かれる。図示される例では、冷却運転での排気開始タイミングは、例えばおよそ310°の位相に定められている。
Prior to the
このとき膨張空間34内の高圧ガスは膨張し冷却される。膨張したガスは、膨張空間34からディスプレーサ下蓋ガス流路68を通じて蓄冷器16に入る。ガスは蓄冷器16を通過しながら冷却する。ガスは、蓄冷器16からハウジングガス流路64、ロータリーバルブ58、低圧ガス室37を経て圧縮機12に戻る。ガスが膨張空間34から流出する間、ディスプレーサ24は上死点から下死点に向けてシリンダ28内を軸方向下向きに動く。それにより膨張空間34の容積が減少され、膨張空間34から低圧ガスが排出される。ディスプレーサ24が下死点に到達するのに先行して、例えば120°から180°の間で、または例えば120°から150°の間で、排気バルブとしてのロータリーバルブ58が閉じられ、排気工程が終了する。図示される例では、冷却運転での排気終了タイミングは、例えばおよそ130°〜135°の位相に定められている。
At this time, the high-pressure gas in the
ディスプレーサ24が下死点に到達するのに先行して、ロータリーバルブ58は、圧縮機12の吐出口12aを膨張空間34に接続するように切り替わる。こうして、冷却運転の吸気工程が開始される。排気工程の終了からディスプレーサ24の下死点への到達までの間に、吸気バルブとしてのロータリーバルブ58が開かれる。図示される例では、冷却運転での吸気開始タイミングは、例えばおよそ145°の位相に定められている。
Prior to the
高圧ガスが、ロータリーバルブ58からハウジングガス流路64、上部空間36、ディスプレーサ上蓋ガス流路66を通じて蓄冷器高温部16aに入る。ガスは蓄冷器16を通過しながら冷却され、蓄冷器低温部16bからディスプレーサ下蓋ガス流路68を通じて膨張空間34に入る。ガスが膨張空間34に流入する間、ディスプレーサ24は下死点から上死点に向けてシリンダ28内を軸方向上向きに動く。それにより膨張空間34の容積が増加される。こうして膨張空間34は高圧ガスで満たされる。ディスプレーサ24が上死点に到達するのに先行して、例えば270°から360°の間で、または例えば270°から300°の間で、吸気バルブとしてのロータリーバルブ58が閉じられ、吸気工程が終了する。吸気工程が終了すると、再び排気工程が開始される。図示される例では、冷却運転での吸気終了タイミングは、例えばおよそ285°の位相に定められている。
The high-pressure gas enters the regenerator
以上が極低温冷凍機10における1回の冷凍サイクルである。極低温冷凍機10は冷凍サイクルを繰り返すことで、冷凍機ステージ32を所望の温度に冷却する。よって、極低温冷凍機10は、冷凍機ステージ32に熱的に結合された物体を極低温に冷却することができる。
The above is one refrigeration cycle in the
図5は、ある実施形態に係る極低温冷凍機10の逆転昇温運転のタイミングチャートを例示する図である。図5には、図4と同様に、ロータリーバルブ58のバルブタイミング(実線で示す)と、ディスプレーサ24の軸方向位置(一点鎖線で示す)が、ディスプレーサ24の軸方向往復動の一周期にわたり時系列的に示されている。図1から図3、図5を参照しながら、極低温冷凍機10の逆転昇温運転を説明する。
FIG. 5 is a diagram illustrating a timing chart of the reverse temperature raising operation of the
逆転昇温運転では、逆転可能モータ40を逆転させることによって、クランクピン44aは、ロータバルブ部材60の係合溝77に沿って空転し、係合溝77の端部77bに係合する。これにより、ロータバルブ部材60が逆方向に回転する。したがって、上述のように、逆転昇温運転におけるロータリーバルブ58の吸排気タイミングは、ディスプレーサ24の往復動に対して、冷却運転におけるロータリーバルブ58の吸排気タイミングとは異なるものとなる。
In the reverse temperature raising operation, the reverse rotation of the
ディスプレーサ24が上死点に到達するのに先行して、ロータリーバルブ58は、圧縮機12の吐出口12aを膨張空間34に接続するように切り替わる。こうして、逆転昇温運転の吸気工程が開始される。例えば330°から360°の間、より具体的には、例えば350°から360°の間で、吸気バルブとしてのロータリーバルブ58が開かれる。このように、逆転可能モータ40の逆転時における膨張空間34の吸気開始タイミングの位相が、ディスプレーサ24の上死点に対して、0°より大きく10°以下の範囲で進んでいる。
Prior to the
図示される例では、逆転昇温運転での吸気開始タイミングは、例えばおよそ355°〜360°の位相に定められている。このように、逆転可能モータ40の逆転時における膨張空間34の吸気開始タイミングの位相が、ディスプレーサ24の上死点に対して、0°より大きく5°以下の範囲で進んでいてもよい。
In the illustrated example, the intake start timing in the reverse temperature rising operation is set to a phase of, for example, about 355 ° to 360 °. In this way, the phase of the intake start timing of the
吸気工程においては、高圧ガスが、ロータリーバルブ58から蓄冷器16を通じて膨張空間34に流入する。ガスが膨張空間34に流入する間、ディスプレーサ24は上死点から下死点に向けてシリンダ28内を軸方向下向きに動く。膨張空間34内の冷媒ガスはさらに圧縮されてさらに高圧になり、昇温する。ディスプレーサ24が下死点に到達するのに先行して、例えば120°から180°の間で、または例えば120°から150°の間で、吸気バルブとしてのロータリーバルブ58が閉じられ、吸気工程が終了する。図示される例では、逆転昇温運転での吸気終了タイミングは、例えばおよそ130°〜135°の位相に定められている。
In the intake process, high-pressure gas flows into the
ディスプレーサ24が下死点に到達するのに先行して、ロータリーバルブ58は、圧縮機12の吸入口12bを膨張空間34に接続するように切り替わる。こうして、逆転昇温運転の排気工程が開始される。吸気工程の終了からディスプレーサ24の下死点への到達までの間に、例えば135°から180°の間で、排気バルブとしてのロータリーバルブ58が開かれ、排気工程が開始される。このように、逆転可能モータ40の逆転時における膨張空間34の排気開始タイミングの位相が、ディスプレーサ24の下死点に対して、0°より大きく45°以下の範囲で進んでいる。図示される例では、逆転昇温運転での排気開始タイミングは、例えばおよそ145°の位相に定められている。
Prior to the
排気工程においては、膨張空間34から蓄冷器16およびロータリーバルブ58を経て作動ガスが圧縮機12へと回収される。ガスが膨張空間34から流出する間、ディスプレーサ24は下死点から上死点に向けてシリンダ28内を軸方向上向きに動く。膨張空間34の容積が増加され、低圧ガスで満たされる。ディスプレーサ24が上死点に到達するのに先行して、例えば300°から360°の間で、排気バルブとしてのロータリーバルブ58が閉じられ、排気工程が終了する。排気工程が終了すると、再び吸気工程が開始される。図示される例では、逆転昇温運転での排気終了タイミングは、例えばおよそ330°の位相に定められている。
In the exhaust process, the working gas is recovered from the
以上が極低温冷凍機10における1回の昇温サイクルである。極低温冷凍機10は昇温サイクルを繰り返すことで、作動ガスの圧縮熱により冷凍機ステージ32を所望の温度に加熱することができる。
The above is one heating cycle in the
本実施形態によると、逆転可能モータ40の逆転時における膨張空間34の吸気開始タイミングの位相が、ディスプレーサ24の上死点に対して、0°より大きく10°以下の範囲で進んでいる。これにより、極低温冷凍機10における逆転昇温の昇温効率を向上することができる。より短い時間で冷凍機ステージ32を極低温から室温に昇温することができる。
According to the present embodiment, the phase of the intake start timing of the
ここで、第1比較例として、逆転可能モータ40の逆転時における膨張空間34の吸気開始タイミングの位相が、ディスプレーサ24の上死点に一致するか、またはディスプレーサ24の上死点からいくらか遅れている場合を考える。
Here, as a first comparative example, the phase of the intake start timing of the
本発明者による実験結果によると、吸気開始タイミングの位相がディスプレーサ24の上死点に対して約5°進んでいる実施例では、冷凍機ステージ32の100Kから300Kへの昇温が約42分で完了した。これに対して、吸気開始タイミングの位相がディスプレーサ24の上死点に対して約5°遅れている第1比較例では、他の諸条件を実施例と共通として、冷凍機ステージ32の100Kから300Kへの昇温に約50分を要した。第1比較例では、昇温時間が実施例に対しおよそ2割長くなっている。
According to the experiment result by the present inventor, in the example in which the phase of the intake start timing is advanced by about 5 ° with respect to the top dead center of the
本発明者の考察によると、実施例の昇温効率が第1比較例に比べて高まるのは、主に次の2つの理由による。 According to the inventor's consideration, the temperature increase efficiency of the example is higher than that of the first comparative example mainly for the following two reasons.
第1に、作動ガスが膨張空間34へと流入するとき受ける圧力損失に起因して、第1比較例では実施例に比べて昇温効率が劣ることになる。圧力損失の主たる原因は、作動ガスが蓄冷器16を流れることによる。上部空間36から蓄冷器16を通じて膨張空間34に作動ガスが流れるのに、いくらかの時間を要する。そのため、作動ガスが膨張空間34に実際に流入するタイミングは、吸気バルブとしてのロータリーバルブ58が開く吸気開始タイミングから僅かに遅れる。この遅延の間にもディスプレーサ24は下動し、膨張空間34は狭くなっていく。膨張空間34が狭くなるほど、発生する圧縮熱は小さくなり、昇温効率も低下する。
First, due to the pressure loss experienced when the working gas flows into the
これに対して、実施例によると、吸気開始タイミングがディスプレーサ24の上死点に対して0°より大きく10°以下の範囲で先行している。ディスプレーサ24が上死点に向けて上動している最中に吸気工程が開始され、ディスプレーサ24が上死点またはその近傍に位置するときに膨張空間34の昇圧を完了することができる。したがって、実施例では第1比較例に比べて、膨張空間34がより広くなる。よって、発生する圧縮熱は増加され、昇温効率も向上される。
On the other hand, according to the embodiment, the intake start timing precedes the top dead center of the
第2に、作動ガスとディスプレーサ24の相対速度に起因して、第1比較例では実施例に比べて昇温効率が劣ることになる。吸気工程では、作動ガスは上部空間36から膨張空間34へと下向きに流れる。第1比較例では吸気開始タイミングでディスプレーサ24が既に下動しているから、作動ガスとディスプレーサ24の相対速度が比較的小さくなる。そのため、作動ガスと蓄冷器16が接触する時間が長くなり、作動ガスと蓄冷器16の熱交換が促進される。作動ガスは蓄冷器16によって冷却され、その結果、膨張空間34に流入する作動ガスの温度が低くなる。これも、冷凍機ステージ32の昇温を遅らせる要因となる。
Second, due to the relative speed of the working gas and the
これに対して、実施例によると、上述のように、吸気開始タイミングがディスプレーサ24の上死点に対して0°より大きく10°以下の範囲で先行し、ディスプレーサ24が上死点に向けて上動している最中に吸気工程が開始される。よって、吸気開始タイミングで作動ガス流れの向きとディスプレーサ24の移動方向は逆向きであり、作動ガスとディスプレーサ24の相対速度は第1比較例に比べて顕著に大きくなる。したがって、実施例では第1比較例に比べて、作動ガスと蓄冷器16の熱交換は抑制され、膨張空間34に流入する作動ガスの温度が高くなり、冷凍機ステージ32の昇温も促進される。
In contrast, according to the embodiment, as described above, the intake start timing precedes the top dead center of the
別の有利な点として、本実施形態によると、ディスプレーサ24を流れる作動ガスに起因する逆転可能モータ40の負荷を軽減することができる。上述のように、逆転可能モータ40の逆転時における膨張空間34の吸気開始タイミングの位相が、ディスプレーサ24の上死点に対して、0°より大きく10°以下の範囲で進んでいる。
As another advantage, according to this embodiment, the load of the
シリンダ28内での圧力変化は吸気開始タイミングの直後に最も大きい。この圧力変化によりディスプレーサ24に作用する軸方向反力も吸気開始タイミングの直後に最大となる。ディスプレーサ24が上死点の近傍に位置するとき、クランクピン44aは反時計回り回転においておよそ12時の位置を通過する。このときクランクピン44aの移動方向はディスプレーサ24の軸方向とほぼ直交している。ディスプレーサ24に作用する軸方向反力は、クランクピン44aの移動方向に向く成分をほとんど有しないか、または無視できる程度に小さくなる。したがって、逆転可能モータ40への負荷は、顕著に低減され、有利である。
The pressure change in the
これに対して、例えば、吸気開始タイミングがディスプレーサ24の上死点に対して70°以上先行する場合を考える。この場合、吸気開始タイミングは、クランクピン44aが反時計回り回転においておよそ3時の位置を通過するタイミングに一致しうる。このときクランクピン44aの移動方向は軸方向上向きとなる。吸気開始のガス圧変化によりディスプレーサ24には軸方向下向きの力が作用する。この力のほとんどすべてがクランクピン44aの移動方向と反対向きの成分となり、よって、モータ負荷が顕著に大きくなり、大きな駆動トルクを発生できる大型のモータが必要となりうる。
On the other hand, for example, consider a case where the intake start timing precedes the top dead center of the
また、本実施形態によると、逆転可能モータ40の逆転時における膨張空間34の排気開始タイミングの位相が、ディスプレーサ24の下死点に対して、0°より大きく45°以下の範囲で進んでいる。このようにすれば、極低温冷凍機10の冷凍性能と逆転昇温の昇温効率とを両立するようにロータリーバルブ58を設計することが容易となる。
Further, according to the present embodiment, the phase of the exhaust start timing of the
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。 In the above, this invention was demonstrated based on the Example. It will be understood by those skilled in the art that the present invention is not limited to the above-described embodiment, and various design changes are possible, various modifications are possible, and such modifications are within the scope of the present invention. By the way.
上記においては、単段式のGM冷凍機に言及して実施の形態を説明した。本発明はこれに限られず、実施の形態に係る作動ガス流路構成は、二段式または多段式のGM冷凍機、または、モータによりディスプレーサの往復動を駆動するその他の極低温冷凍機に適用可能である。 In the above, the embodiment has been described with reference to a single-stage GM refrigerator. The present invention is not limited to this, and the working gas flow path configuration according to the embodiment is applied to a two-stage or multi-stage GM refrigerator or other cryogenic refrigerator that drives a reciprocating motion of a displacer by a motor. Is possible.
10 極低温冷凍機、 24 ディスプレーサ、 28 シリンダ、 32 冷凍機ステージ、 34 膨張空間、 40 逆転可能モータ、 58 ロータリーバルブ。 10 cryogenic refrigerator, 24 displacer, 28 cylinder, 32 refrigerator stage, 34 expansion space, 40 reversible motor, 58 rotary valve.
Claims (2)
前記逆転可能モータの正転と逆転それぞれにより軸方向に往復動するディスプレーサと、
前記ディスプレーサを収容するシリンダであって、ディスプレーサ上死点にて最大容積を有しディスプレーサ下死点にて最小容積を有する膨張空間を前記ディスプレーサとの間に画定するシリンダと、
前記膨張空間に熱的に結合された冷凍機ステージと、
前記逆転可能モータの正転時に前記冷凍機ステージが冷却され、かつ前記逆転可能モータの逆転時に前記冷凍機ステージが加熱されるように、前記ディスプレーサの軸方向往復動と同期させて前記膨張空間の吸気と排気とを切り替えるロータリーバルブと、を備え、
前記ディスプレーサの軸方向往復動の一周期を360°とするとき、前記逆転可能モータの逆転時における前記膨張空間の吸気開始タイミングの位相が、前記ディスプレーサ上死点に対して、0°より大きく10°以下の範囲で進んでいることを特徴とする極低温冷凍機。 Reversible motor,
A displacer that reciprocates in the axial direction by forward rotation and reverse rotation of the reversible motor;
A cylinder for housing the displacer, the cylinder defining an expansion space between the displacer and having a maximum volume at a displacer top dead center and a minimum volume at a displacer bottom dead center;
A refrigerator stage thermally coupled to the expansion space;
The expansion space is synchronized with the axial reciprocation of the displacer so that the refrigerator stage is cooled when the reversible motor rotates forward and the refrigerator stage is heated when the reverse motor rotates backward. A rotary valve that switches between intake and exhaust,
When one cycle of the reciprocating motion of the displacer in the axial direction is 360 °, the phase of the intake start timing of the expansion space when the reversible motor is reversely rotated is greater than 0 ° and 10 ° with respect to the top dead center of the displacer. Cryogenic refrigerator characterized by advancing in the range below °.
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