JP2019171860A - 積層体および該積層体からなる包装材料 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明による積層体を図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、積層体10は、基材20と、ヒートシール層30とを少なくとも備える。
また、一実施形態において、基材20と、ヒートシール層30との間に、蒸着膜を備えるポリエチレン層40を備える。
以下、積層体が備える各層について説明する。
基材は、延伸処理が施されており、一軸延伸されたものであっても、二軸延伸されたものであってもよいが、強度という観点からは、二軸延伸されたものが好ましい。
また、横手方向(TD)の延伸倍率は、2倍以上、10倍以下であることが好ましく、3倍以上、7倍以下であることが好ましい。これにより、積層体の印刷適性および強度をより向上することができる。また、これにより、基材の透明性を向上することができる。
これらの中でも、積層体の印刷適性、強度、耐熱性および延伸適正という観点から、高密度ポリエチレン(HDPE)および中密度ポリエチレン(MDPE)が好ましく、延伸適正という観点から、中密度ポリエチレンがより好ましい。
なお、本発明において、高密度ポリエチレンは密度が0.945g/cm3以上のものを、中密度ポリエチレンは密度が0.925〜0.944g/cm3のものを、低密度ポリエチレンは密度が0.900g/cm3以上0.925g/cm3未満のもの、超低密度ポリエチレンは密度が0.900g/cm3未満のものをいう。
一実施形態において、基材として、高密度ポリエチレンから構成される層(以下、高密度ポリエチレン層という)および中密度ポリエチレンから構成される層(以下、中密度ポリエチレン層という)を備える構成のものを使用することができる。
基材の外側に高密度ポリエチレン層を備えることにより、本発明の積層体の強度および耐熱性をより向上することができる。また、中密度ポリエチレン層を備えることにより、基材の延伸適性をより向上することができる。
このような構成とすることにより、基材の延伸適性を向上することができる。また、本発明の積層体の強度および耐熱性を向上することができる。
このとき、高密度ポリエチレン層の厚さは、中密度ポリエチレン層の厚さよりも薄いことが好ましい。
高密度ポリエチレン層の厚さと、中密度ポリエチレン層の厚さとの比は、1/10以上1/1以下であることが好ましく、1/5以上1/2以下であることがより好ましい。
高密度ポリエチレン層の厚さと、中密度ポリエチレン層の厚さとの比を1/10以上とすることにより、本発明の積層体の強度および耐熱性をより向上することができる。また、高密度ポリエチレン層の厚さと、中密度ポリエチレン層の厚さとの比を1/1以下とすることにより、基材の延伸適性をより向上することができる。
このような構成とすることにより、基材の延伸適性をより向上することができる。また、本発明の積層体の強度および耐熱性をより向上することができる。さらに、基材におけるカールの発生を防止することができる。
このとき、高密度ポリエチレン層の厚さは、中密度ポリエチレン層の厚さよりも薄いことが好ましい。
高密度ポリエチレン層の厚さと、中密度ポリエチレン層の厚さとの比は、1/10以上1/1以下であることが好ましく、1/5以上1/2以下であることがより好ましい。
高密度ポリエチレン層の厚さと、中密度ポリエチレン層の厚さとの比を1/10以上とすることにより、本発明の積層体の強度および耐熱性をより向上することができる。また、高密度ポリエチレン層の厚さと、中密度ポリエチレン層の厚さとの比を1/1以下とすることにより、基材の延伸適性をより向上することができる。
このような構成とすることにより、基材の延伸適性を向上することができる。また、本発明の積層体の強度および耐熱性を向上することができる。また、基材におけるカールの発生を防止することができる。
さらに、下記するように基材の生産効率を向上することができる。
このとき、高密度ポリエチレン層の厚さは、中密度ポリエチレン層の厚さよりも薄いことが好ましい。
高密度ポリエチレン層の厚さと、中密度ポリエチレン層の厚さとの比は、1/10以上1/1以下であることが好ましく、1/5以上1/2以下であることがより好ましい。
高密度ポリエチレン層の厚さと、中密度ポリエチレン層の厚さとの比を1/10以上とすることにより、本発明の積層体の強度および耐熱性を向上することができる。また、高密度ポリエチレン層の厚さと、中密度ポリエチレン層の厚さとの比を1/1以下とすることにより、基材の延伸適性を向上することができる。
また、高密度ポリエチレン層の厚さは、低密度ポリエチレン層の厚さと同じまたは低密度ポリエチレンの厚さよりも厚いことが好ましい。
高密度ポリエチレン層の厚さと、低密度ポリエチレン層の厚さとの比は、1/0.25以上1/2以下であることが好ましく、1/0.5以上1/1以下であることがより好ましい。
高密度ポリエチレン層の厚さと、低密度ポリエチレン層の厚さとの比を1/0.25以上とすることにより、耐熱性を向上することができる。また、高密度ポリエチレン層の厚さと、低密度ポリエチレン層の厚さとの比を1/1以下とすることにより、中密度ポリエチレン層間の密着性を向上することができる。
各高密度ポリエチレン層の厚さは、1μm以上、20μm以下であることが好ましく、2μm以上、10μm以下であることがより好ましい。高密度ポリエチレン層の厚さを、1μm以上とすることにより、本発明の積層体の強度および耐熱性をより向上することができる。また、高密度ポリエチレン層の厚さを、20μm以下とすることにより、本発明の積層体の加工適性をより向上することができる。
中密度ポリエチレン層の厚さは、1μm以上、30μm以下であることが好ましく、5μm以上、20μm以下であることがより好ましい。中密度ポリエチレン層の厚さを、1μm以上とすることにより、基材の延伸適性をより向上することができる。また、中密度ポリエチレン層の厚さを、30μm以下とすることにより、本発明の積層体の加工適性をより向上することができる。
低密度ポリエチレン層の厚さは、1μm以上、10μm以下であることが好ましく、2μm以上、5μm以下であることがより好ましい。低密度ポリエチレン層の厚さを、1μm以上とすることにより、高密度ポリエチレン層と中密度ポリエチレン層との密着性をより向上することができる。また低密度ポリエチレン層の厚さを、5μm以下とすることにより、本発明の積層体の加工適性をより向上することができる。
一実施形態において、このような構成の基材は、例えば、インフレーション法により作製することができる。
具体的には、外側から、高密度ポリエチレンと、中密度ポリエチレン層と、および低密度ポリエチレン層、直鎖状低密度ポリエチレン層または超低密度ポリエチレン層とをチューブ状に共押出し、次いで、対向する低密度ポリエチレン層、直鎖状低密度ポリエチレン層または超低密度ポリエチレン層同士を、これをゴムロールなどにより、圧着することによって作製することができる。
このような方法により作製することにより、製造における欠陥品数を顕著に低減することができ、最終的には、生産効率を向上することができる。
また、インフレーション製膜機において、延伸も合わせて行うことができ、これにより、生産効率をより向上することができる。
このような構成とすることにより、高密度ポリエチレン層と中密度ポリエチレン層との密着性を向上することができる。また、本発明の積層体の加工適性を向上することができる。
各高密度ポリエチレン層の厚さは、1μm以上、20μm以下であることが好ましく、2μm以上、10μm以下であることがより好ましい。高密度ポリエチレン層の厚さを、1μm以上とすることにより、本発明の積層体の強度および耐熱性をより向上することができる。また、高密度ポリエチレン層の厚さを、20μm以下とすることにより、本発明の積層体の加工適性をより向上することができる。
各高密度ポリエチレンおよび中密度ポリエチレンのブレンド樹脂層の厚さは、1μm以上、20μm以下であることが好ましく、2μm以上、10μm以下であることがより好ましい。これにより、高密度ポリエチレン層と中密度ポリエチレン層との密着が向上することができる。また、本発明の積層体の加工適性を向上することができる。
ブレンド樹脂層における高密度ポリエチレンと、中密度ポリエチレンの配合比は、質量基準で、1:9〜9:1であることが好ましく、3:7〜7:3であることがより好ましい。これにより、高密度ポリエチレン層と中密度ポリエチレン層との密着が向上することができる。また、本発明の積層体の加工適性を向上することができる。
中密度ポリエチレン層の厚さは、1μm以上、30μm以下であることが好ましく、5μm以上、20μm以下であることがより好ましい。中密度ポリエチレン層の厚さを、1μm以上とすることにより、基材の延伸適性をより向上することができる。また、中密度ポリエチレン層の厚さを、30μm以下とすることにより、本発明の積層体の加工適性をより向上することができる。
低密度ポリエチレン層の厚さは、1μm以上、10μm以下であることが好ましく、2μm以上、5μm以下であることがより好ましい。
低密度ポリエチレン層の厚さを、1μm以上とすることにより、高密度ポリエチレン層と中密度ポリエチレン層との密着性をより向上することができる。また低密度ポリエチレン層の厚さを、5μm以下とすることにより、本発明の積層体の加工適性をより向上することができる。
一実施形態において、このような構成の基材は、上記したインフレーション法により作製することができる。
このような方法により作製することにより、製造における欠陥品数を顕著に低減することができ、最終的には、生産効率を向上することができる。
また、インフレーション製膜機において、延伸も合わせて行うことができ、これにより、生産効率をより向上することができる。
蒸着方法としては、従来公知の方法を採用でき、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。
画像の形成方法は、特に限定されるものではなく、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の従来公知の印刷法を挙げることができる。これらの中でも、環境負荷の観点から、フレキソ印刷法が好ましい。
基材が、蒸着膜を備える場合、該バリアコート層は、上記蒸着膜上に設けられていても、蒸着膜下に設けられていてもよい。
また、基材が、無機酸化物から構成される蒸着膜を備える場合、バリアコート層にポリビニルアルコールを含有させることにより、蒸着膜におけるクラックの発生を効果的に防止することができる。
バリアコート層の厚さを0.01μm以上とすることにより、酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。バリアコート層の厚さを10μm以下とすることにより、リサイクル性を維持することができる。
基材が、無機酸化物から構成される蒸着膜を備える場合、該形態のバリアコート層を、蒸着膜と隣接するように設けることにより、蒸着膜におけるクラックの発生を効果的に防止することができる。
R1 nM(OR2)m
(ただし、式中、R1、R2は、それぞれ、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは金属原子を表し、nは0以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価を表す。)
また、R1およびR2で表される有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基およびi−ブチル基などのアルキル基を挙げることができる。
シランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができるが、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好ましい。エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランとしては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランおよびβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
ガスバリア性塗布膜における水溶性高分子の含有量を、金属アルコキシド100質量部に対して5質量部以上とすることにより、基材の酸素バリア性および水蒸気バリア性をより向上することができる。また、ガスバリア性塗布膜における水溶性高分子の含有量を、金属アルコキシド100質量部に対して500質量部以下とすることにより、ガスバリア性塗布膜の製膜性を向上することができる。
ガスバリア性塗布膜の厚さを0.01μm以上とすることにより、基材の酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。また、無機酸化物から構成される蒸着膜と隣接するように設けた場合に、蒸着膜におけるクラックの発生を防止することができる。
ゾルゲル法触媒としては、酸またはアミン系化合物が好適である。アミン系化合物としては、水に実質的に不溶であり、且つ有機溶媒に可溶な第3級アミンが好適であり、例えば、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミンなどが挙げられる。これらの中でも、N,N−ジメチルべンジルアミンが好ましい。
ゾルゲル法触媒は、金属アルコキシド100質量部当り、0.01質量部以上1.0質量部以下の範囲で使用することが好ましく、0.03質量部以上0.3質量部以下の範囲で使用することがより好ましい。
ゾルゲル法触媒の使用量を金属アルコキシド100質量部当り、0.01質量部以上とすることにより、その触媒効果を向上することができる。また、ゾルゲル法触媒の使用量を金属アルコキシド100質量部当り、1.0質量部以下とすることにより、形成されるガスバリア性塗布膜の厚さを均一にすることができる。
酸としては、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸、ならびに酢酸、酒石酸などの有機酸が用いられる。酸の使用量は、アルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.001モル以上0.05モル以下であることが好ましい。
酸の使用量をアルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.001モル以上とすることにより、触媒効果を向上することができる。また、アルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.05モル以下とすることにより、形成されるガスバリア性塗布膜の厚さを均一にすることができる。
水の含有量をアルコキシドの合計モル量1モルに対して、0.1モル以上とすることにより、酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。また、水の含有量をアルコキシドの合計モル量1モルに対して、100モル以上とすることにより、加水分解反応を速やかに行うことができる。
まず、金属アルコキシド、水溶性高分子、ゾルゲル法触媒、水、有機溶媒および必要に応じてシランカップリング剤などを混合し、組成物を調製する。該組成物中では次第に重縮合反応が進行する。
次いで、上記従来公知の方法により、該組成物を塗布、乾燥する。この乾燥により、アルコキシドおよび水溶性高分子(組成物が、シランカップリング剤を含む場合は、シランカップリング剤も)の重縮合反応がさらに進行し、複合ポリマーの層が形成される。
最後に、該組成物を20〜250℃、好ましくは50〜220℃の温度で、1秒〜10分間加熱することにより、ガスバリア性塗布膜を形成することができる。
ヒートシール層は、基材と同一の材料、すなわち、ポリエチレンにより構成されている。このような構成とすることにより、積層体のリサイクル性を向上できる。
ヒートシール層は、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)および直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレンとその他のモノマーとの共重合体の少なくとも1つを含む。これらの中でも、ヒートシール性という観点からは、低密度ポリエチレン(LDPE)および直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が好ましい。環境負荷の観点からは、これらポリエチレンは、バイオマス由来のものであることが好ましい。
接着層は、接着剤を含み、この接着剤は、
接着剤としては、1液硬化型若しくは2液硬化型、または非硬化型のいずれも接着剤であってもよい。また、接着剤は、無溶剤型の接着剤であっても、溶剤型の接着剤であってもよいが、環境負荷の観点からは、無溶剤型の接着剤が好ましく使用できる。
無溶剤型接着剤としては、例えば、ポリエーテル系接着剤、ポリエステル系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤およびウレタン系接着剤などが挙げられ、これらのなかでも2液硬化型のウレタン系接着剤を好ましく使用することができる。
溶剤型接着剤としては、例えば、ゴム系接着剤、ビニル系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤、フェノール系接着剤およびオレフィン系接着剤などが挙げられる。
蒸着膜を備えた積層体を包装材料に適用する際には、成形機などにより積層体に屈曲負荷がかかるため、アルミニウム蒸着膜に亀裂などが生じる恐れがある。上記したような特定の接着剤を使用することで、アルミニウム蒸着膜に亀裂が生じた場合であっても、酸素バリア性および水蒸気バリア性の低下を抑制することができる。
〔第1例〕オルト配向多価カルボン酸またはその無水物と、多価アルコールとを重縮合して得られるポリエステルポリオール
〔第2例〕グリセロール骨格を有するポリエステルポリオール
〔第3例〕イソシアヌル環を有するポリエステルポリオール
以下、各ポリエステルポリオールについて説明する。
特に、オルトフタル酸およびその無水物の、多価カルボン酸全成分に対する含有率が70〜100質量%であるポリエステルポリオールが好ましい。
具体的には、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびドデカンジカルボン酸など脂肪族多価カルボン酸、無水マレイン酸、マレイン酸およびフマル酸などの不飽和結合含有多価カルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族多価カルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸、これらジカルボン酸の無水物およびこれらジカルボン酸のエステル形成性誘導体などの芳香族多価カルボン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸およびこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体などの多塩基酸などが挙げられる。これらの中でも、コハク酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、イソフタル酸が好ましい。
なお、上記その他の多価カルボン酸を2種以上使用してもよい。
但し、R1、R2、R3のうち少なくとも一つは、一般式(2)で表される基を表す。
Xが置換基によって置換されている場合、1または複数の置換基で置換されていてもよく、該置換基は、X上の、遊離基とは異なる任意の炭素原子に結合している。該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、フェニル基およびナフチル基などが挙げられる。
これらの化合物は、芳香環の任意の炭素原子に置換基を有していても良い。該置換基としては、クロロ基、ブロモ基、メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルボキシル基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、フェニル基およびナフチル基などが挙げられる。
Xは1,2−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基、2,3−アントラキノンジイル基、および2,3−アントラセンジイル基から成る群から選ばれ、置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。
Xの置換基は、中でもヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、フタルイミド基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基およびフェニル基が好ましくヒドロキシル基、フェノキシ基、シアノ基、ニトロ基、フタルイミド基およびフェニル基が最も好ましい。
中でも、イソシアヌル環を有するトリオール化合物として1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸、または1,3,5−トリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌル酸を使用し、カルボン酸がオルト位に置換された芳香族多価カルボン酸またはその無水物としてオルトフタル酸無水物を使用し、多価アルコールとしてエチレングリコールを使用したイソシアヌル環を有するポリエステルポリオール化合物が、酸素バリア性や接着性に特に優れ好ましい。
また、イソシアネート化合物は、芳香族であっても、脂肪族であってもよく、低分子化合物であっても、高分子化合物であってもよい。
さらに、イソシアネート化合物は、公知のイソシアネートブロック化剤を用いて公知慣用の適宜の方法より付加反応させて得られたブロック化イソシアネート化合物であってもよい。
中でも、接着性や耐レトルト性の観点から、イソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネート化合物が好ましく、酸素バリア性および水蒸気バリア性の観点からは、芳香族であることが好ましい。
低分子活性水素化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、メタキシリレンアルコール、1,3−ビスヒドロキシエチルベンゼン、1,4−ビスヒドロキシエチルベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンおよびメタキシリレンジアミンなどが挙げられ、分子活性水素化合物としては、各種ポリエステル樹脂、ポリエーテルポリオールおよびポリアミドの高分子活性水素化合物などが挙げられる。
リン酸変性化合物の含有量を0.005質量%以上とすることにより、本発明の積層体の酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上することができる。また、リン酸変性化合物の含有量を10質量%以下とすることにより、接着層の接着性を向上することができる。
板状無機化合物としては、例えば、カオリナイト−蛇紋族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト、アンチゴライト、クリソタイルなど)およびパイロフィライト−タルク族(パイロフィライト、タルク、ケロライなど)などが挙げられる。
具体的には、例えば、シクロデキストリン、アルキル化シクロデキストリン、アセチル化シクロデキストリンおよびヒドロキシアルキル化シクロデキストリンなどのシクロデキストリンのグルコース単位の水酸基の水素原子を他の官能基で置換したものなどを用いることができる。また、分岐環状デキストリンも用いることができる。
また、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体におけるシクロデキストリン骨格は、6個のグルコース単位からなるα−シクロデキストリン、7個のグルコース単位からなるβ−シクロデキストリン、8個のグルコース単位からなるγ−シクロデキストリンのいずれであってもよい。
これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、これらシクロデキストリンおよび/またはその誘導体を以降、デキストリン化合物と総称する場合がある。
接着層の厚さを0.5μm以上とすることにより、接着層の接着性を向上することができる。また、ポリエステルポリオールとイソシアネート化合物とリン酸変性化合物を含む樹脂組成物の硬化物からなる接着層を、アルミニウム蒸着膜と隣接するように設けた場合には、積層体の耐屈曲負荷性を向上することができる。
接着層の厚さを6μm以下とすることにより、積層体の加工適性を向上することができる。
一実施形態において、本発明による積層体は、基材と、ヒートシール層との間に、蒸着膜を備えるポリエチレン層を備える。これにより、本発明による積層体のガスバリア性を向上することができる。
また、蒸着膜の厚さは、0.002μm以上、0.4μm以下であることが好ましく、0.005μm以上、0.1μm以下であることがより好ましい。蒸着膜の厚みを上記数値範囲内とすることにより、ガスバリア性を維持しつつ、蒸着膜におけるクラックなどの発生を防止することができる。
また、ポリエチレンを含む樹脂材料を基材上に押出し、これを乾燥させた後、蒸着膜を形成させることによっても、蒸着膜を備えるポリエチレン層を形成することができる。
一実施形態において、本発明による包装材料は、上記積層体のヒートシール層が内側となるように、二つ折にして重ね合わせて、その端部をヒートシールすることにより製造することができる。
また、2枚の積層体を、ヒートシール層が向かい合うように重ね合わせ、その端部をヒートシールすることにより製造することができる。
シール方法により、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型、その他等のヒートシール形態によりヒートシールして、種々の形態の包装材料を製造することができる。
その他、例えば、自立性包装用袋(スタンデイングパウチ)等も可能である。ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
中密度ポリエチレン(密度:0.941g/cm3、融点129℃、MFR:1.3g/10分、Dowchemical社製、商品名:Elite5538G)をインフレーション成形法により製膜し、厚さ100μmのポリエチレンフィルムを得た。
このポリエチレンフィルムを長手方向(MD)に、5倍の延伸倍率で延伸し、厚さ20μmの基材を得た。
高密度ポリエチレン(密度:0.961g/cm3、融点135℃、MFR:0.7g/10分、ExxonMobil社製、商品名:HTA108)および中密度ポリエチレン(密度:0.941g/cm3、融点129℃、MFR:1.3g/10分、Dowchemical社製、商品名:Elite5538G)を、インフレーション成形法により製膜し、高密度ポリエチレン層と、中密度ポリエチレン層と、高密度ポリエチレン層とからなるポリエチレンフィルムを作製した。高密度ポリエチレン層の厚さは、それぞれ20μm、中密度ポリエチレン層の厚さは、60μmであった。
このポリエチレンフィルムを長手方向(MD)に、5倍の延伸倍率で延伸し、厚さ20μmの基材を得た。
中密度ポリエチレン(密度:0.941g/cm3、融点129℃、MFR:1.3g/10分、Dowchemical社製、商品名:Elite5538G)をインフレーション成形法により製膜し、厚さ100μmのポリエチレンフィルムを得た。
このポリエチレンフィルムを長手方向(MD)および幅方向(TD)に、2.24倍の延伸倍率で延伸し、厚さ20μmの基材を得た。
上記基材と、厚さ40μmの、未延伸直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム(東洋紡(株)製、商品名:L6100)とを、2液硬化型ウレタン系接着剤(ロックペイント(株)製、商品名:RU−77T/H−7)を介して積層し、積層体を得た。
高密度ポリエチレン(密度:0.960g/cm3、融点130℃、MFR:0.85g/10分、Dowchemical社製、商品名:Elite5960)と、
上記高密度ポリエチレンおよび中密度ポリエチレン(密度:0.940g/cm3、融点126℃、MFR:0.85g/10分、Dowchemical社製、商品名Elite5940)のブレンド樹脂(質量比4:6)と、
上記中密度ポリエチレンと、
超低密度ポリエチレン(密度0.870g/cm3、融点55℃、MFR:1.0g/10分、Dowchemical社製、商品名:Affinity EG8100G)と、をインフレーション成形法により、外側から、高密度ポリエチレン層(12.5μm)、高密度ポリエチレンおよび中密度ポリエチレンのブレンド樹脂層(12.5μm)、中密度ポリエチレン層(31.25μm)および超低密度ポリエチレン層(6.25μm)を備えるチューブ状のフィルムとして押し出した後、内側の超低密度ポリエチレン層同士を、ゴムロールにより圧着し、高密度ポリエチレン層(12.5μm)と、ブレンド樹脂層(12.5μm)と、中密度ポリエチレン層(31.25μm)と、超低密度ポリエチレン層(12.5μm)と、中密度ポリエチレン層(31.25μm)と、ブレンド樹脂層(12.5μm)とを備える、厚さ125μmのポリエチレンフィルムを得た。
このポリエチレンフィルムを長手方向(MD)に5倍の延伸倍率で延伸し、厚さ25μmの基材を得た。
高密度ポリエチレン(密度:0.960g/cm3、融点130℃、MFR:0.85g/10分、Dowchemical社製、商品名:Elite5960)と、
中密度ポリエチレン(密度:0.940g/cm3、融点126℃、MFR:0.85g/10分、Dowchemical社製、商品名:Elite5940)と、
超低密度ポリエチレン(密度:0.870g/cm3、融点55℃、MFR:1.0g/10分、Dowchemical社製、商品名:Affinity EG8100G)と、をインフレーション成形法により、外側から、高密度ポリエチレン層(12.5μm)、中密度ポリエチレン層(43.75μm)および超低密度ポリエチレン層(6.25μm)を備えるチューブ状のフィルムとして押し出した後、内側の超低密度ポリエチレン層同士を、ゴムロールにより、圧着し、高密度ポリエチレン層(12.5μm)と、中密度ポリエチレン層(43.75μm)と、超低密度ポリエチレン層(12.5μm)と、中密度ポリエチレン層(43.75μm)と、高密度ポリエチレン層(12.5μm)とを備える、厚さ125μmのポリエチレンフィルムを得た。
このポリエチレンフィルムを長手方向(MD)に、5倍の延伸倍率で延伸し、厚さ25μmの基材を得た。
中密度ポリエチレン(密度:0.941g/cm3、融点129℃、MFR:1.3g/10分、Dowchemical社製、商品名:Elite5538G)をインフレーション成形法により製膜し、厚さ20μmのポリエチレンフィルムを得た。
高密度ポリエチレン(密度:0.961g/cm3、融点135℃、MFR:0.7g/10分、ExxonMobil社製、商品名:HTA108)および中密度ポリエチレン(密度:0.941g/cm3、融点129℃、MFR:1.3g/10分、Dowchemical社製、商品名:Elite5538G)を、インフレーション成形法により製膜し、高密度ポリエチレン層/中密度ポリエチレン層/高密度ポリエチレン層からなるポリエチレンフィルムを作製した。高密度ポリエチレン層の厚さは、それぞれ4μm、中密度ポリエチレン層の厚さは、12μmであった。
高密度ポリエチレン(密度:0.960g/cm3、融点130℃、MFR:0.85g/10分、Dowchemical社製、商品名:Elite5960)と、
中密度ポリエチレン(密度:0.940g/cm3、融点126℃、MFR:0.85g/10分、Dowchemical社製、商品名:Elite5940)と、
超低密度ポリエチレン(密度:0.870g/cm3、融点55℃、MFR:1.0g/10分、Dowchemical社製、商品名:Affinity EG8100G)をインフレーション成形法により、外側から、高密度ポリエチレン層、中密度ポリエチレン層および超低密度ポリエチレン層を備えるチューブ状のフィルムとして押し出した後、内側の超低密度ポリエチレン層同士を、ゴムロールにより、圧着し、高密度ポリエチレン層(2.5μm)、中密度ポリエチレン層(8.75μm)、超低密度ポリエチレン層(2.5μm)、中密度ポリエチレン層(8.75μm)および高密度ポリエチレン層(2.5μm)を備える、厚さ25μmのポリエチレンフィルムを得た。
上記実施例および比較例において作製した基材およびポリエチレンフィルムの一方の面に、水性フレキソインキ(東洋インキ(株)製、商品名:アクワリオナ)を用いて、フレキソ印刷法により、画像を形成した。形成した画像を目視により観察し、基材およびポリエチレンフィルムの印刷適性を以下の評価基準に基づいて、評価した。評価結果を表1にまとめた。
(評価基準)
○:印刷時の寸法安定性が良好であり、擦れ、滲み等が生じていない良好な画像を形成することができていた。
×:印刷時にフィルムの伸び縮みが発生し、形成した画像に擦れや滲みが生じていた。
上記実施例および比較例において作製した基材およびポリエチレンフィルムを、15mm幅の試験片とし、ループスティフネス測定試験器(東洋精機製作所製、商品名:ループステフネステスタ)によりその剛性を測定した。なお、ループの長さは、60mmとした。測定結果を表1にまとめた。
上記実施例および比較例において作製した基材およびポリエチレンフィルムを、10mm幅のダンベル型試験片とした。この試験片のMD方向の引っ張り強度を、引っ張り試験機(オリエンテック社製、RTC−1310A)により測定した。なお、チャック間距離は、10mm、引っ張り速度は、300mm/分とした。測定結果を表1にまとめた。
20:基材
30:ヒートシール層
40:蒸着膜を備えるポリエチレン層
Claims (11)
- 基材と、ヒートシール層とを備え、
前記基材と、前記ヒートシール層とが同一の材料から構成され、
前記基材は延伸処理が施されており、
前記同一材料がポリエチレンであることを特徴とする、積層体。 - 前記基材が、高密度ポリエチレン(HDPE)および中密度ポリエチレン(MDPE)のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の積層体。
- 前記基材の長手方向(MD)の延伸倍率が、2倍以上、10倍以下である、請求項1または2に記載の積層体。
- 前記基材の厚さが、9μm以上、50μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記基材が、高密度ポリエチレン層と、中密度ポリエチレン層と、高密度ポリエチレン層とからなる構成を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記基材が、高密度ポリエチレン層と、中密度ポリエチレン層と、低密度ポリエチレン層、直鎖状低密度ポリエチレン層または超低密度ポリエチレン層と、中密度ポリエチレン層と、高密度ポリエチレン層からなる五層共押フィルムである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記基材が、高密度ポリエチレン層と、高密度ポリエチレンおよび中密度ポリエチレンのブレンド樹脂層と、中密度ポリエチレン層と、低密度ポリエチレン層、直鎖状低密度ポリエチレン層または超低密度ポリエチレン層と、中密度ポリエチレン層と、高密度ポリエチレンおよび中密度ポリエチレンのブレンド樹脂層と、高密度ポリエチレン層とからなる七層共押フィルムである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記基材の少なくとも一方の面に画像が形成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記基材が、インフレーション成形法により作製されたものである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記ヒートシール層が、低密度ポリエチレン(LDPE)および直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)のうち少なくとも1つを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の積層体。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の積層体から構成される包装材料。
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