JP2019171205A - 遊技機 - Google Patents

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武臣 辰徳
Tatsunori Taketomi
辰徳 武臣
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Abstract

【課題】斬新な遊技内容とすることが可能な遊技機を提供すること。【解決手段】発光装置72から投射光が照射され、当該投射光に対する反射光が撮像装置73にて受光される。受光された撮像信号に対して信号処理回路75にて所定の演算処理が実行されることにより、撮像装置73の画素アレイ部73cにおける各画素に対応させて距離データが導出される。これにより、距離データを含む遊技者の顔画像が取得される。当該顔画像から、目や口といった遊技者の顔のパーツの特徴を表す特徴点を抽出する画像解析が行われる。当該特徴点の位置情報から、遊技者の顔のパーツの様子が把握される。そして、当該把握結果に応じて、会話演出における返答コメントの表示や選択演出における選択されたスーパーリーチ演出の表示などが図柄表示装置61上で行われる。【選択図】 図16

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該内部抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
パチンコ機について具体的には、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて抽選が行われ、表示装置の表示面にて絵柄の変動表示が行われ、抽選にて当選結果となった場合には表示面にて特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示され、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する構成等が知られている。そして、特別遊技状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置等の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球の払出等が行われるようになっている(例えば特許文献1参照)。
特開2009−261415号公報
ここで、上記例示等のような遊技機においては斬新な遊技内容が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、斬新な遊技内容とすることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、遊技者を撮像する撮像手段と、
当該撮像手段の撮像結果に基づき、遊技者の所定部位の位置情報を把握する把握手段と、
当該把握手段の把握結果に対応する処理を実行する処理実行手段と、
を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、斬新な遊技内容とすることが可能となる。
第1の実施形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 (a)〜(j)図柄表示装置の表示面における表示内容を説明するための説明図である。 (a),(b)図柄表示装置の表示面における表示内容を説明するための説明図である。 撮像用基板を説明するための当該撮像用基板及びその周辺の縦断面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 主側MPUにおけるメイン処理を示すフローチャートである。 主側MPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主側MPUにおける特図特電制御処理を示すフローチャートである。 主側MPUにおける特図変動開始処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける主側コマンド対応処理を示すフローチャートである。 撮像用基板の撮像制御及び撮像結果を利用した各種制御を行うための電気的構成を示すブロック図である。 (a),(b)撮像用基板の撮像装置にて受光した信号を信号処理回路において距離データの演算用として使用するか否かを決定する場合の基準を説明するための説明図である。 (a)電波ゴト防止用シートが貼り付けられていない場合の様子を説明するための説明図であり、(b)電波ゴト防止用シートが貼り付けられている場合の様子を説明するための説明図である。 音光側MPUにおける基準スイッチ監視処理を示すフローチャートである。 信号処理回路における信号処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける撮像制御処理を示すフローチャートである。 音光側RAMの距離画像記憶エリアを説明するための説明図である。 認識対応距離を説明するための説明図である。 (a),(b)キャンセル用監視処理における監視対象の事象を説明するための説明図である。 音光側MPUにおけるキャンセル用監視処理を示すフローチャートである。 (a)距離画像記憶エリアの複数の単位記憶エリアに監視用距離以下の距離データが格納された状態を説明するための説明図であり、(b)音光側RAMの履歴データ記憶エリアを説明するための説明図である。 キャンセル用監視処理に基づき異常報知が実行される様子を示すタイムチャートである。 音光側MPUにおける顔認証用処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける返却操作時の認証処理を示すフローチャートである。 顔認証が行われる様子を示すタイムチャートである。 音光側MPUにおける第1状況監視処理を示すフローチャートである。 第1状況監視が行われる様子を示すタイムチャートである。 音光側MPUにおける第2状況監視処理を示すフローチャートである。 (a)〜(h)会話演出の流れを説明するための説明図である。 会話演出において図柄表示装置に表示される言葉と大当たりの期待度を示すテーブルである。 会話演出において返答コメントを選択するための抽選テーブルである。 会話演出が行われる様子を示すタイムチャートである。 会話演出が行われる様子を示すタイムチャートである。 音光側MPUにおける大当たり時の抽選処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける外れ時の抽選処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける2回目演出の抽選処理を示すフローチャートである。 音光側ROMに記憶されている会話演出用のベースデータテーブルである。 顔画像から特徴点を抽出する様子を説明するためのテーブルである。 遊技者の顔の傾きを把握する方法について説明するための説明図である。 5つの母音を発音する際の口唇領域の形状の特徴を説明するためのテーブルである。 音光側MPUにおける会話演出用処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける質問表示処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおけるコメント表示処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける画像判定処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける顔の向き把握処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける文字認識処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける認識文字記憶処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける回答認識処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける文字数認識処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける会話失敗時の処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける会話失敗原因特定処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける会話演出終了処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける2回目会話演出用処理を示すフローチャートである。 (a)〜(d)選択演出の流れを説明するための説明図である。 選択演出が行われる様子を示すタイムチャートである。 選択演出においてスーパーリーチ演出が行われる様子を示すタイムチャートである。 選択演出においてノーマルロングリーチ演出が行われる様子を示すタイムチャートである。 音光側ROMに記憶されている選択演出用のベースデータテーブルである。 音光側MPUにおける選択演出用処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおけるスーパーリーチ演出用コマンド送信処理を示すフローチャートである。 (a)〜(c)第2の実施形態における連続会話演出の流れを説明するための説明図である。 第2の実施形態における演出の期待度と予告のコメントの関係を示すテーブルである。 第2の実施形態における連続会話演出が行われる様子を示すタイムチャートである。 第2の実施形態における連続会話演出が行われる様子を示すタイムチャートである。 第2の実施形態における音光側MPUにて実行される連続会話演出用抽選処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態における音光側ROMに記憶されている連続会話演出用のベースデータテーブルである。 第2の実施形態における音光側MPUにて実行される連続会話演出用処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態における音光側MPUにて実行される回答把握処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態における音光側MPUにて実行される第1会話演出後処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態における音光側MPUにて実行される第2会話演出後処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態における音光側MPUにて実行される助言用コマンド送信処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態における音光側MPUにて実行される遊技回復帰のための後処理を示すフローチャートである。 第3の実施形態における推定会話演出が行われる様子を示すタイムチャートである。 第3の実施形態における音光側MPUにて実行される推定会話演出用抽選処理を示すフローチャートである。 第3の実施形態において図柄表示装置に表示される質問及びコメントを示すテーブルである。 第3の実施形態における音光側ROMに記憶されている推定会話演出用のベースデータテーブルである。 第3の実施形態における音光側MPUにて実行される推定会話演出用処理を示すフローチャートである。 第3の実施形態における音光側MPUにて実行される推定会話演出の画像判定処理を示すフローチャートである。 第4の実施形態における予測会話演出が行われる様子を示すタイムチャートである。 第4の実施形態における音光側MPUにて実行される予測会話演出用抽選処理を示すフローチャートである。 第4の実施形態における音光側MPUにて実行される予測会話演出用処理を示すフローチャートである。 (a)〜(d)第5の実施形態におけるコメント挿入演出の流れを説明するための説明図である。 第5の実施形態における音光側MPUにて実行されるコメント挿入演出が行われる様子を示すタイムチャートである。 第5の実施形態における音光側MPUにて実行されるコメント挿入演出用処理を示すフローチャートである。 第5の実施形態における音光側MPUにて実行される位置情報記憶処理を示すフローチャートである。 第5の実施形態における音光側MPUにて実行される正面向き確認処理を示すフローチャートである。 第5の実施形態における音光側MPUにて実行されるコメント挿入用処理を示すフローチャートである。 第5の実施形態における音光側MPUにて実行されるコメント挿入処理を示すフローチャートである。 第6の実施形態における音光側MPUにて実行される遊技者の確認処理を示すフローチャートである。 第6の実施形態における音光側MPUにて実行される注目度判定処理を示すフローチャートである。 第6の実施形態における音光側MPUにて実行される予告テーブル選択処理を示すフローチャートである。 第6の実施形態における音光側MPUにて実行されるフラグ変更処理Aを示すフローチャートである。 第6の実施形態における音光側MPUにて実行されるフラグ変更処理Bを示すフローチャートである。
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
外枠11の側方には図1に示すように、球貸装置(例えばCRユニット)Yが設けられている。球貸装置Yの前面側には紙幣入口H1と媒体出入り口H2とが設けられている。紙幣入口H1に紙幣を挿入することにより、その紙幣に対応した数の遊技球の貸し出しを受けることが可能となる。また、媒体出入り口Hへのカード式の記憶媒体の挿入により記憶媒体に記憶された情報に相当する数の遊技球の貸し出しを受けることが可能となる。なお、遊技球の貸し出しを受ける上で球貸装置Yに挿入されるものはカードに限定されることはなく現金情報が記憶されたコインであってもよい。また、使用可能な遊技球数の情報が残存している状況で返却操作が行われることにより、媒体出入り口Hを介して記憶媒体が返却される。記憶媒体を当該パチンコ機10又は他のパチンコ機10に設けられた球貸装置Yの媒体出入り口Hに挿入することにより、その記憶媒体に記憶された情報に相当する数の遊技球の貸し出しを受けることが可能となる。
遊技機本体12は、図2及び図3に示すように、本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
本体枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、本体枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を本体枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、前扉枠14について説明する。
前扉枠14は、図1に示すように、本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明な窓パネル22が嵌め込まれている。窓パネル22は2枚の無色透明のガラスが前後に対向配置された状態でユニット化されている。なお、窓パネル22として無色透明のガラスに代えて、無色透明の合成樹脂板を利用してもよい。
前扉枠14において窓部21の上方には表示発光部23が設けられている。表示発光部23には、LED等の発光体が内蔵されており、大当たり時や所定のリーチ時等における演出の内容に応じて点灯又は点滅が行われるとともに、所定の異常時には異常の発生に対応した態様で点灯又は点滅が行われる。また、前扉枠14の上側領域における左右の隅角側には、左右一対のスピーカ部24が設けられている。スピーカ部24からは、演出の内容に応じた音又は音声の出力が行われるとともに、所定の異常時には異常の発生に対応した音又は音声の出力が行われる。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
上側膨出部31には、球貸操作装置26が設けられている。球貸操作装置26には球貸しボタン27と、返却ボタン28と、度数表示部29とが設けられている。球貸装置Yへの紙幣又は記憶媒体の挿入に基づき使用可能な遊技球の情報が記憶されている状況において、球貸操作装置26を通じて球貸し操作、返却操作及び使用可能な遊技球数の情報に対応する度数の確認を行うことができる。すなわち、球貸しボタン27は、貸出球を得るために操作されるものであり、使用可能な遊技球数の情報が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン28は、使用可能な遊技球数に対応する情報が記憶された記憶媒体の返却を求める際に操作される。度数表示部29は使用可能な遊技球数に対応する情報である度数を表示するものである。
下側膨出部32には、下側膨出部32の下方に配置される図示しない球受け箱に、下皿34内に貯留された遊技球を排出するために操作される排出操作部35が設けられている。排出操作部35は、下皿34の底部に形成された球抜き孔36を開閉可能に設けられている。排出操作部35が閉鎖位置に配置されている状況では球抜き孔36が閉鎖状態となり、下皿34からの遊技球の排出が阻止され、排出操作部35が開放位置に配置されている状況では球抜き孔36が開放状態となり、下皿34からの遊技球の排出が許容される。排出操作部35に対して電動アクチュエータは設けられておらず、排出操作部35を閉鎖位置と開放位置との間で移動させるためには、当該排出操作部35を手動操作する必要がある。また、排出操作部35は、閉鎖位置に向けて付勢されているものの、排出操作部35と下側膨出部32との間の係合関係を利用することにより排出操作部35を開放位置に保持させることが可能な構成となっている。なお、その保持状態を解除した場合、排出操作部35は閉鎖位置に復帰することとなる。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして発射操作装置37が設けられている。発射操作装置37が操作されることにより、後述する遊技球発射機構が駆動制御され、上皿33に貯留された遊技球が発射される。発射操作装置37は、前方に突出させて設けられた操作基部37aと、当該操作基部37aに回動可能に支持させて設けられた操作ハンドル37bとを備えており、操作ハンドル37bが回動操作されることにより遊技球発射機構からの遊技球の発射強度が調整される。また、発射操作装置37には、操作ハンドル37bが遊技者に触れられていることを検知するためのタッチセンサ37cと、操作ハンドル37bの回動操作量を検知するための可変抵抗器37dと、操作ハンドル37bが遊技者により操作されている状況であっても遊技球の発射を停止させるべく操作されるストップスイッチ37eとが設けられている。なお、操作ハンドル37bが初期位置に配置されている状況では、当該操作ハンドル37bによってストップスイッチ37eが自ずとONとなる構成となっている。操作ハンドル37bが触れられていることがタッチセンサ37cにより検知されていること、及びストップスイッチ37eがONとなっていないことの両条件が成立している場合に、可変抵抗器37dを通じて検知されている回動操作量に応じた発射強度で遊技球が発射される。
次に、本体枠13について詳細に説明する。
本体枠13は、図2に示すように、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース41を主体に構成されている。樹脂ベース41の中央部には略楕円形状の窓孔43が形成されている。樹脂ベース41には遊技盤51が着脱可能に取り付けられている。遊技盤51は合板よりなり、遊技盤51の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース41の窓孔43を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
遊技盤51の構成を図4に基づいて説明する。図4は遊技盤51の正面図である。
遊技盤51には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部51aと外レール部51bとが取り付けられており、これら内レール部51aと外レール部51bとにより誘導手段としての誘導レールが構成されている。樹脂ベース41において窓孔43の下方に取り付けられた遊技球発射機構45(図2参照)から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PAの上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構45は、誘導レールに向けて延びる発射レール46と、上皿33に貯留されている遊技球を発射レール46上に供給する球送り装置47と、発射レール46上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド48と、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置37が回動操作されることにより球送り装置47が駆動制御されて発射レール46上に1個の遊技球が供給されるとともに、ソレノイド48が駆動制御されることによりその遊技球が遊技領域PAに向けて打ち出される。
遊技盤51には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54、第2作動口55、スルーゲート56、図柄表示ユニット60、特図ユニット62及び普図ユニット63等がそれぞれ設けられている。
スルーゲート56への入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54及び第2作動口55のいずれかへの入球が発生すると、所定数の遊技球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、一般入賞口52への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、特電入賞装置53への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行され、第1作動口54への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、第2作動口55への入球が発生した場合には1個の賞球の払い出しが実行される。
なお、上記賞球個数は任意であり、例えば、第2作動口55の方が第1作動口54よりも賞球個数が少ないものの具体的な賞球個数が上記ものとは異なる構成としてもよく、第2作動口55の方が第1作動口54よりも賞球個数が多い構成としてもよい。
その他に、遊技盤51の最下部にはアウト口58が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口58を通って遊技領域PAから排出される。また、遊技盤51には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘59が植設されているとともに、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAの流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口58への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54、第2作動口55及びスルーゲート56への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
第1作動口54及び第2作動口55は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤51に設置されている。第1作動口54及び第2作動口55は共に上向きに開放されている。また、第1作動口54が上方となるようにして両作動口54,55は鉛直方向に並んでいる。第2作動口55には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての普電役物55aが設けられている。普電役物55aの閉鎖状態では遊技球が第2作動口55に入賞できず、普電役物55aが開放状態となることで第2作動口55への入賞が可能となる。
第2作動口55よりも遊技球の流下方向の上流側に、スルーゲート56が設けられている。スルーゲート56は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート56に入賞した遊技球は入賞後に遊技領域PAを流下する。これにより、スルーゲート56に入賞した遊技球が第2作動口55へ入賞することが可能となっている。
スルーゲート56への入賞に基づき第2作動口55の普電役物55aが閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート56への入賞をトリガとして内部抽選が行われるとともに、遊技領域PAにおいて遊技球が通過しない領域である右下の隅部に設けられた普図ユニット63の普図表示部63aにて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果が電役開放当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて普図表示部63aの変動表示が終了された場合に普電開放状態へ移行する。普電開放状態では、普電役物55aが所定の態様で開放状態となる。
なお、普図表示部63aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、普図表示部63aにて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
普図ユニット63において、普図表示部63aに隣接した位置には、普図保留表示部63bが設けられている。遊技球がスルーゲート56に入賞した個数は最大4個まで保留され、普図保留表示部63bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
第1作動口54又は第2作動口55への入賞をトリガとして当たり抽選が行われる。そして、当該抽選結果は特図ユニット62及び図柄表示ユニット60の図柄表示装置61における表示演出を通じて明示される。
特図ユニット62について詳細には、特図ユニット62には特図表示部62aが設けられている。特図表示部62aの表示領域は図柄表示装置61の表示面よりも狭い。特図表示部62aでは、第1作動口54への入賞又は第2作動口55への入賞をトリガとして当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。なお、特図表示部62aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、特図表示部62aにて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
特図ユニット62において、特図表示部62aに隣接した位置には、特図保留表示部62bが設けられている。遊技球が第1作動口54又は第2作動口55に入賞した個数は最大4個まで保留され、特図保留表示部62bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置61について詳細には、図柄表示装置61は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置61は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置61では、第1作動口54への入賞又は第2作動口55への入賞に基づき特図表示部62aにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われる。なお、図柄表示装置61では、第1作動口54又は第2作動口55への入賞をトリガとした表示演出だけでなく、当たり当選となった後に移行する後述の開閉実行モード中の表示演出などが行われる。
図柄表示装置61にて図柄の変動表示が行われる場合の表示内容について、図5及び図6を参照して詳細に説明する。図5は図柄表示装置61にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図6は図柄表示装置61の表示面を示す図である。
図5(a)〜(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図6(a)に示すように、図柄表示装置61の表示面には、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、図柄表示装置61の表示面では、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。
図6(b)に示すように、図柄表示装置61の表示面は、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、図柄表示装置61の表示面には、図6(a)に示すように、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
第1作動口54又は第2作動口55への入賞に基づいて図柄表示装置61の表示面において図柄の変動表示が行われる場合には、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で終了される。また、図柄の変動表示が終了する場合、内部抽選の結果が後述する低確大当たり結果及び最有利大当たり結果のいずれかであった場合には、いずれかの有効ライン上に同一の図柄の組合せが形成される。また、後述する明示高確大当たり結果であった場合には、いずれの有効ライン上にも同一の図柄の組合せが形成されないものの、いずれかの有効ライン上に所定の図柄組合せが形成される。
なお、いずれかの作動口54,55への入賞に基づいて、特図表示部62a及び図柄表示装置61にて表示が開始され、所定の結果を表示して終了されるまでが遊技回の1回に相当する。また、図柄表示装置61における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置61にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
図4の説明に戻り、第1作動口54への入賞又は第2作動口55への入賞に基づく当たり抽選にて大当たり当選となった場合には、特電入賞装置53への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。特電入賞装置53は、遊技盤51の背面側へと通じる図示しない大入賞口を備えているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉扉53aを備えている。開閉扉53aは、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、開閉扉53aは、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。ちなみに、開閉実行モードとは、当たり結果となった場合に移行することとなるモードである。なお、閉鎖状態では入賞が不可ではないが開放状態よりも入賞が発生しづらい状態となる構成としてもよい。
次に、図柄表示ユニット60のセンターフレーム65について説明する。
センターフレーム65は、図柄表示装置61の上方及び左右の側方を囲む屋根ユニット66と、図柄表示装置61の下方に配設されたステージユニット67とを備えている。屋根ユニット66の左枠部には球入口66aが形成されており、当該球入口66aに入った遊技球は図示しないワープ通路を通じてステージユニット67上に導かれる。
ステージユニット67はその上面に、遊技球が転動可能な転動面67aを有している。転動面67aは、遊技球2個分程度の前後方向の幅寸法を有し、中央部を中心として横方向に略対称な滑らかな流線形状となっている。具体的には、転動面67aは、中央部が上方に盛り上がった山部67bとなっており、その左右は下方に凹んだ谷部67cとなっており、また左右両端は中央部よりも上方に位置する。
谷部67cは、前方に向けて下方に傾斜した形状をなしている。十分に減速された状態で谷部67c上に到達した遊技球は、谷部67cの傾斜により誘導されて、谷部67cの前縁からステージユニット67の下方に排出される。山部67bの頂部には、前後方向に延び、前方に向けて下方に傾斜した形状をなす前方誘導路が一体形成されている。十分に減速された状態で山部67b上に到達した遊技球は、当該前方誘導路の傾斜により誘導されて、転動面67aの前縁からステージユニット67の下方に排出される。そして、山部67bは第1作動口54の鉛直上方に存在しているため、山部67bの前方誘導路から下方に排出される遊技球は第1作動口54に入球し易くなっている。
センターフレーム65の上部には、すなわち遊技領域PAの上部には、可動物ユニット38が設けられている。可動物ユニット38は、後述する告知演出に際して動作する。当該可動物ユニット38の内容は後に詳細に説明する。
センターフレーム65の下部には、撮像用基板71が設けられている。ちなみに、センターフレーム65の下部は、パチンコ機10の縦方向の中央又は中央付近に存在しているため、撮像用基板71は、パチンコ機10の縦方向の中央又は中央付近に存在していることとなる。図7は、撮像用基板71を説明するための当該撮像用基板71及びその周辺の縦断面図である。
撮像用基板71の一方の板面には、図7に示すように、発光装置72と撮像装置73とが設けられている。発光装置72は横方向に並べて複数設けられており、各発光装置72は測定対象に向けて近赤外線を投射光として照射可能である。撮像装置73は多数の受光部として設けられた多数の画素のそれぞれにてその近赤外線の反射光を受光可能であり、光電効果を利用して受光結果に応じた強度の撮像信号を出力する。そして、撮像用基板71は、いわゆるTOF(タイム・オブ・フライト)技術を用いてその撮像信号に基づき撮像装置73から測定対象までの距離を導出する。具体的には、発光装置72から照射した投射光の情報と、撮像装置73にて受信した反射光の情報とに基づいて、測定対象までの光の伝搬時間を算出し、その算出結果と既知の光速とを利用することで、撮像装置73から測定対象までの距離を導出する。また、この距離の導出は撮像装置73の多数の画素毎に行われるため、画素毎に測定対象までの距離を導出することが可能となる。ちなみに、かかる撮像方法の場合、測定対象の表面の光学的性質の影響を受けにくいため、距離データを取得できる測定対象の適用範囲が広い。
撮像用基板71は、ステージユニット67において転動面67aを生じさせるステージ部材68のパチンコ機10後方側に配置されている。詳細には、ステージ部材68は、内部空間が生じるようにパチンコ機10前方に向けて膨出させて形成されており、その内部空間はパチンコ機10後方に向けて開放されている。この後方に向けて開放された開口部68aは、撮像用基板71が一体化された基板台座69によってパチンコ機10後方から塞がれている。基板台座69は、ステージ部材68における開口部68aの周縁部に対してパチンコ機10後方からネジ止めされている。かかるネジ止めは、固定具を利用して着脱自在となるように行われている。したがって、ネジ止めの状態を非破壊で解除することにより撮像用基板71が一体化された基板台座69をステージ部材68から取り外し可能となり、例えば撮像用基板71のメンテナンスや交換を行った後には撮像用基板71が一体化された基板台座69をステージ部材68に再度固定することが可能となる。
基板台座69は撮像用基板71を支持する支持板部69aを備えており、支持板部69aにおいてパチンコ機10前方を向く支持面69bは、パチンコ機10前方に向けて下り傾斜となっている。この支持面69b上に撮像用基板71が固定されている。撮像用基板71は、発光装置72及び撮像装置73が搭載された搭載面71aとは逆側の面が支持面69bに重なるようにして配置されており、発光装置72及び撮像装置73が搭載された搭載面71aは斜め上方を向いている。
上記のように撮像用基板71が設けられていることにより、当該撮像用基板71はステージ部材68及び基板台座69により区画された空間内に収容された状態となっている。そして、発光装置72及び撮像装置73はステージ部材68と対向している。この場合に、ステージ部材68は光を透過可能な材料により形成されている。具体的には、無色透明のアクリル樹脂を利用して形成されている。
ステージ部材68のアクリル板上には、錫若しくは銀のメッキ又は蒸着を行い薄い反射膜が積層されていることによりビームスプリッタ機能が付与されている。具体的には、ステージ部材68はハーフミラー(マジックミラー)として形成されている。パチンコ機10は遊技ホールに設置されて使用されるとともに、ステージ部材68の内部空間には近赤外線を照射する発光装置72以外は光源が存在していないため、ステージ部材68の内部空間側はステージ部材68よりもパチンコ機10前方側に比べて暗い空間となる。そうすると、ステージ部材68よりもパチンコ機10前方から当該ステージ部材68を視認したとしても、撮像用基板71、発光装置72及び撮像装置73を目視することができない。したがって、撮像用基板71を利用して撮像を行っていることを遊技者に認識させないようにすることが可能となる。
また、前扉枠14をパチンコ機10前方に開放させてステージ部材68を直接視認可能な状態とした場合であってもステージ部材68がハーフミラーとして機能するため、撮像用基板71、発光装置72及び撮像装置73を目視することができない。これにより、遊技領域PAにおいて球詰まりなどが生じてそれを解消するために前扉枠14を開放させる必要が生じた場合であっても、撮像用基板71を利用して撮像を行っていることを遊技者に認識させないようにすることが可能となる。
さらにまた、ステージ部材68がハーフミラーとして形成されているだけでなく、基板台座69は有色不透明に形成されている。そうすると、遊技機本体12をパチンコ機10前方に開放させるとともに裏パックユニット15を本体枠13から分離させて遊技盤51の背面を露出させたとしても、撮像用基板71、発光装置72及び撮像装置73を目視することができない。したがって、遊技ホールの従業員であっても、撮像用基板71を利用して撮像を行っていることを認識させないようにすることが可能となる。
一方、ステージ部材68はハーフミラーとして形成されているため、発光装置72から照射された投射光はステージ部材68を透過可能であるとともに撮像装置73においてはステージ部材68を透過した光を受光可能である。また、ステージ部材68の前方には窓パネル22のみが存在している。窓パネル22は2枚の無色透明のガラスが前後に対向配置されてユニット化されており、光を透過可能となっている。したがって、ステージ部材68のパチンコ機10後方側に発光装置72及び撮像装置73が設けられているとしても、発光装置72から照射された投射光は窓パネル22よりもパチンコ機10前方に伝搬することが可能であり、窓パネル22よりもパチンコ機10前方に存在する測定対象にて反射した反射光を撮像装置73にて受信することが可能である。
撮像装置73によるパチンコ機10の前方に向けた撮像範囲は、遊技ホールにおいてパチンコ機10の前方に配置された椅子に着席して遊技を行っている遊技者よりも後方が含まれる範囲となっている。また、撮像装置73による横方向の撮像範囲は図1に示すようにIAXとなっているとともに縦方向の撮像範囲はIAYとなっており、この撮像範囲には前扉枠14に設けられた窓パネル22の全体が含まれる。このように撮像範囲が設定されていることにより、撮像装置73では、遊技ホールにおいてパチンコ機10の前方に配置された椅子に着席して遊技を行っている遊技者の胸部分及びその上方の部分を撮像可能となっている。
図7に示すように、撮像装置73の撮像範囲にはステージ部材68に形成された転動面67aが含まれている。したがって、当該転動面67a上を転動している遊技球が撮像装置73により撮像され得る。また、ステージ部材68と窓パネル22との間を流下する遊技球も撮像装置73により撮像され得る。
一方、図柄表示装置61の表示面が遊技盤51の盤面よりもパチンコ機10後方の位置に存在する構成において、ステージ部材68は図柄表示装置61の下方において当該図柄表示装置61の表示面から遊技盤51の盤面に亘って前後方向に延在するように設けられ、当該ステージ部材68の裏側に撮像用基板71が設けられている。また、撮像用基板71は、撮像装置73が搭載された側の面がステージ部材68の裏側においてパチンコ機10前方に向けて下り傾斜となるように設けられている。したがって、撮像装置73の撮像範囲には遊技球の流下方向を変更させる釘59といった遊技領域PAの障害部材が含まれていない。
本体枠13の背面には、図3に示すように、主制御装置81が搭載されている。主制御装置81は、遊技の進行を統括管理する主制御基板が基板ボックスに収容されてなる。なお、基板ボックスに、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
本体枠13の背面において主制御装置81の上方には、音声発光制御装置91が設けられている。音声発光制御装置91は主制御装置81からの指示に従い音出力制御、発光制御及び表示制御装置の制御を実行する音声発光制御基板を備えており、音声発光制御基板が基板ボックスに収容されてなる。
主制御装置81を含めて本体枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック101を備えており、当該裏パック101に対して、払出機構部102及び制御装置集合ユニット103が取り付けられている。
払出機構部102は、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク105と、当該タンク105に貯留された遊技球を払い出すための払出装置106と、を備えている。払出装置106より払い出された遊技球は、当該払出装置106の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿33又は下皿34に排出される。なお、払出機構部102には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット103は、払出装置106を制御する機能を有する払出制御装置111と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射操作装置37の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源・発射制御装置108と、を備えている。これら払出制御装置111と電源・発射制御装置108とは、払出制御装置111がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
裏パック101には、払出機構部102及び制御装置集合ユニット103以外にも、外部端子板109が設けられている。外部端子板109は、パチンコ機10の背面において裏パックユニット15の回動基端側であって上側の隅角部分に設置されている。外部端子板109は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために所定の信号出力を行うための基板である。
<パチンコ機10の電気的構成>
図8は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板82と、電源を監視する停電監視基板86と、を具備している。主制御基板82には、MPU83が搭載されている。MPU83には、当該MPU83により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM84と、そのROM84内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM85と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。なお、MPU83に対してROM84及びRAM85が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置81以外の制御装置のMPUについても同様である。
MPU83には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU83の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板86が接続されているとともに、払出制御装置111が接続されている。停電監視基板86には、動作電力を供給する機能を有する電源・発射制御装置108が接続されており、MPU83には停電監視基板86を介して電力が供給される。
MPU83の入力側には、各種入賞検知センサ87a〜87eといった各種センサが接続されている。各種入賞検知センサ87a〜87eには、一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54、第2作動口55及びスルーゲート56といった入賞対応入球部に対して1対1で設けられた検知センサが含まれており、MPU83において各入球部への入賞判定が行われる。また、MPU83では第1作動口54及び第2作動口55への入賞に基づいて各種抽選が実行される。
MPU83の出力側には、停電監視基板86、払出制御装置111及び音声発光制御装置91が接続されている。払出制御装置111には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。音声発光制御装置91には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。これら各種コマンドの詳細については後に説明する。
MPU83の出力側には、特電入賞装置53の開閉扉53aを開閉動作させる特電用の駆動部53c、第2作動口55の普電役物55aを開閉動作させる普電用の駆動部55c、特図ユニット62及び普図ユニット63が接続されている。ちなみに、特図ユニット62には、特図表示部62a及び特図保留表示部62bが設けられているが、これらの全てがMPU83の出力側に接続されている。同様に、普図ユニット63には、普図表示部63a及び普図保留表示部63bが設けられているが、これらの全てがMPU83の出力側に接続されている。主制御基板82には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU83は各種駆動部及び各種表示部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては特電入賞装置53が開閉されるように、MPU83において特電用の駆動部53cの駆動制御が実行される。また、普電役物55aの開放状態当選となった場合には、普電役物55aが開閉されるように、MPU83において普電用の駆動部55cの駆動制御が実行される。また、遊技回及び開閉実行モードに際しては、MPU83において特図ユニット62の表示制御が実行される。また、普電役物55aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU83において普図ユニット63の表示制御が実行される。
停電監視基板86は、主制御基板82と電源・発射制御装置108とを中継し、また電源・発射制御装置108から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
払出制御装置111は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置106により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。払出制御装置111は払出制御基板112を備えており、当該払出制御基板112にはMPU113が搭載されている。MPU113には、そのMPU113により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM114と、ワークメモリ等として使用されるRAM115とを備えている。
MPU113には、入出力ポートが設けられている。MPU113の入力側には、主制御基板82と、電源・発射制御装置108と、球貸操作装置26と、球貸装置Yとが接続されている。また、MPU113の入力側には、上記以外にも、払出装置106から払い出された遊技球お検知するためのセンサと、タンク105に遊技球が貯留されていないことを検知するためのセンサと、下皿34が遊技球で満杯となっていることを検知するためのセンサとが電気的に接続されている。一方、MPU113の出力側には、主制御基板82と球貸装置Yとが接続されている。また、MPU113の出力側には、払出装置106の払出モータが電気的に接続されている。
MPU113は、主制御基板82から賞球コマンドを受信することにより払出装置106の払出モータを駆動制御し、当該賞球コマンドにおいて指示されている数の遊技球を下流側に向けて払い出させる。また、球貸操作装置26に球貸操作が行われたことに基づいて払出装置106の払出モータを駆動制御することにより、当該球貸操作により設定された数の遊技球を下流側に向けて払い出させる。この場合に、上記各センサの検知結果を利用することにより、指示された数の遊技球が払い出された場合には遊技球の払い出しを停止させるとともに、タンク105が球無し状態となった場合や下皿34が満杯状態となった場合にも遊技球の払い出しを停止させる。
電源・発射制御装置108は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御装置81や払出制御装置111等に対して各々に必要な動作電力を生成し、その生成した動作電力を供給する。
当該動作電力を供給するための構成について具体的には、電源・発射制御装置108には、電入中用電源部108aと電断中用電源部108bとが設けられている。電入中用電源部108aは、例えば遊技ホール等における商用電源に接続されており、商用電源から外部電力が供給されている状況において動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する機能を有する。電断中用電源部108bはコンデンサからなり、パチンコ機10の電源がON状態の場合(外部電源からの電力供給が行われている場合)に電入中用電源部108aから供給される電力により充電される。また、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時といった電源遮断状態(外部電源からの電力供給が遮断されている場合)では、電断中用電源部108bから放電され主制御装置81のRAM85及び払出制御装置111のRAM115にバックアップ電力が供給される。よって、当該状況であっても、電断中用電源部108bからバックアップ電力が供給されている間は主制御装置81のRAM85及び払出制御装置111のRAM115に記憶された情報が消去されることなく記憶保持される。
電断中用電源部108bの容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前に主側RAM85に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。電断中用電源部108bはコンデンサに限定されることはなく、バッテリや非充電式電池などであってもよい。非充電式電池の場合、パチンコ機10の電源がON状態の際に電断中用電源部108bへの蓄電を行う必要はないが、定期的に交換する必要が生じる。
なお、電源・発射制御装置108には、上記電断中用電源部108bとは異なる図示しない停電時用電源部が設けられている。電源・発射制御装置108では、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時用電源部から放電することにより、後述する停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。これにより、主制御装置81などは、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
電源・発射制御装置108には、各種電源部108a,108bの他に、発射制御部108cが設けられている。発射制御部108cには、発射操作装置37に内蔵されたタッチセンサ37c、可変抵抗器37d及びストップスイッチ37eが電気的に接続されている。
タッチセンサ37cにはコンデンサが内蔵されており、遊技者の手が操作ハンドルの外表面に接触してコンデンサの静電容量が変化すると、ハンドル操作検知に対応した所定の電気信号を発射制御部108cに出力する。発射制御部108cでは当該所定の電気信号の受信により、遊技者の手が操作ハンドルの外表面に接触していると認識する。また、発射制御部108cでは、ストップスイッチ37eから受信した電気信号に応じて発射操作装置37の発射止め操作の有無を把握するとともに、可変抵抗器37dを通じて受信した電気信号に応じて操作ハンドルの回転操作量を把握する。
発射制御部108cは、予め定められた遊技球の発射条件が成立している場合にMPU83に所定の信号形態の条件成立信号を送信する。具体的には、発射制御部108cは、タッチセンサ37cから操作ハンドルが遊技者により触れられていることを示す信号を受信するとともに、発射止め操作がされていないことを示す信号をストップスイッチ37eから受信していることを条件に、MPU83に対してHIレベルの条件成立信号(条件成立に対応した信号)を継続して送信する。なお、上記各信号のいずれかを受信していない場合には、MPU83に対してLOWレベルの条件成立信号(条件成立に対応していない信号)を送信する。但し、LOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。また、条件成立に対応した条件成立信号を送信する条件として、上記条件に加えて、球貸装置Yがパチンコ機10に接続されていることという条件を付加してもよい。
MPU83では、HIレベルの条件成立信号を受信している状況であって、遊技球の発射を許可できる状況であれば、発射制御部108cにHIレベルの発射許可信号(発射許可に対応した信号)を継続して送信する。なお、MPU83は、発射制御部108cからHIレベルの条件成立信号を受信していない場合にはLOWレベルの発射許可信号(発射許可に対応していない信号)を送信するが、発射許可信号のLOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。
発射制御部108cは、遊技球発射機構45が電気的に接続されており、MPU83からHIレベルの発射許可信号を受信している場合、遊技球発射機構45を定期的に駆動制御する。この場合、遊技球発射機構45に継続して遊技球が供給されている状況であれば、特定発射周期(具体的には0.6sec)に1個の遊技球が遊技領域PAに発射される。また、この発射に際しては可変抵抗器37dから受信した信号に基づき発射強度が調整されるため、操作ハンドルの回転操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
音声発光制御装置91は、MPU93が搭載された音声発光制御基板92を備えている。MPU93には、当該MPU93により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM94と、そのROM94内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM95と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
なお、以下の説明では、説明の便宜上、主制御基板82のMPU83、ROM84及びRAM85を、主側MPU83、主側ROM84及び主側RAM85と言い、音声発光制御基板92のMPU93、ROM94及びRAM95を、音光側MPU93、音光側ROM94及び音光側RAM95と言う。
音光側MPU93は、その出力側に表示発光部23、スピーカ部24、演出用駆動部38c及び表示制御装置96が電気的に接続されており、主側MPU83から受信したコマンドに基づき、表示発光部23、スピーカ部24及び演出用駆動部38cを駆動制御するとともに、表示制御装置96にコマンドを送信する。表示制御装置96は図柄表示装置61と電気的に接続されており、音光側MPU93から受信したコマンドに基づき図柄表示装置61の表示制御を実行する。表示発光部23、スピーカ部24、演出用駆動部38c及び図柄表示装置61を利用して各種演出が行われるとともに、表示発光部23、スピーカ部24及び図柄表示装置61を利用して異常報知といったパチンコ機10の状態の報知が行われる。また、音光側MPU93の入力側及び出力側には撮像用基板71が電気的に接続されており、当該音光側MPU93からの信号出力に応じて撮像用基板71において撮像が行われるとともにその撮像結果が音光側MPU93にて受信される。
<主側MPU83にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主側MPU83にて各種抽選を行うための電気的な構成について図9を用いて説明する。
主側MPU83は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、当たり発生抽選、特図表示部62aの表示の設定、図柄表示装置61の図柄表示の設定、普図表示部63aの表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図9に示すように、当たり発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置61が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図表示部62a及び図柄表示装置61における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、第2作動口55の普電役物55aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する普電乱数カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、RAM85の抽選用カウンタエリア85aに設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報は、第1作動口54又は第2作動口55への入賞が発生した場合に、特図保留エリア85bに格納される。
特図保留エリア85bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、第1作動口54又は第2作動口55への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報の組合せが保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、第1作動口54又は第2作動口55への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、第1作動口54又は第2作動口55への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、特図表示部62aの変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各数値情報を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
まず、普電乱数カウンタC4について説明する。普電乱数カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。普電乱数カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート56に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM85の普図保留エリア85cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された普電乱数カウンタC4の値によって普電役物55aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
本パチンコ機10では、普電役物55aによるサポートの態様が相互に異なるように複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域PAに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口55の普電役物55aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、普電乱数カウンタC4を用いた普電開放抽選における普電開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、普電開放状態当選となった際に普電役物55aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて普電開放状態当選となり普電役物55aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間(すなわち、普図表示部63aにおける1回の表示継続時間)が短く設定されている。
上記のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口55への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口55よりも第1作動口54への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口54よりも第2作動口55への入賞が発生する確率が高くなる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに普電開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば普電開放抽選における普電開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート56への入賞に基づき普図表示部63aにて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くすることのうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
普電乱数カウンタC4を用いた普電開放抽選において普電開放状態当選となった場合、普電開放状態となる。当該普電開放状態は、予め定められた回数の普電役物55aの開閉が行われた場合、又は予め定められた上限個数の遊技球が第2作動口55に入賞にした場合に、終了する。これらの内容について具体的には、低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードのいずれであっても上記上限個数は10個で共通している。一方、普電役物55aの開閉回数は低頻度サポートモードであれば1回であるのに対して、高頻度サポートモードであれば当該低頻度サポートモードの場合よりも多い複数回であり具体的には3回となっている。また、普電役物55aの1回の開放継続時間は、低頻度サポートモードであれば1secであるのに対して、高頻度サポートモードであれば2secとなっている。
次に、当たり乱数カウンタC1について説明する。当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口54又は第2作動口55に入賞したタイミングで特図保留エリア85bの保留用エリアREに格納される。そして、この格納された当たり乱数カウンタC1の値を利用して当否判定が行われる。
当否判定に際して当選となる乱数の値は、主側ROM84に当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルには、当否結果として、大当たり結果と、外れ結果とが設定されている。大当たり結果は、特電入賞装置53が開閉制御される開閉実行モードへの移行契機となるとともに、当否抽選モード及びサポートモードの少なくとも一方の移行契機となり得る当否結果である。外れ結果は、開閉実行モードへの移行契機とならずに、さらに当否抽選モード及びサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして低確率モードと高確率モードとが設定されている。上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値の数は低確率モード用の当否テーブルが参照される場合よりも多く設定されており、具体的には20個である。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。
なお、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たり当選となる確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意であり、また低確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群が、高確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に一部のみが含まれている構成としてもよく、含まれていない構成としてもよい。
次に、大当たり種別カウンタC2について説明する。大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口54又は第2作動口55に入賞したタイミングで特図保留エリア85bの保留用エリアREに格納される。そして、この格納された大当たり種別カウンタC2の値を利用して振分判定が行われる。
ここで、本パチンコ機10では大当たり結果が複数種類設定されているが、これら各大当たり結果は、(1)開閉実行モードの内容、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選モードの内容、(3)開閉実行モード終了後のサポートモードの内容という3つの内容のうち、少なくとも1つの内容が相違している。
大当たり当選となった場合に実行される開閉実行モードは、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行されるラウンド数規定モードである。ラウンド遊技とは、予め定められた開放継続時間が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が特電入賞装置53に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。また、ラウンド数規定モードにて実行されるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンドに設定されている。
ラウンド数規定モードには、開閉実行モードが開始されてから終了されるまでの間における特電入賞装置53への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、本パチンコ機10では、特電入賞装置53の1回の開放態様が、特電入賞装置53が開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が長時間である29secに設定された長時間態様と、開放継続時間が上記長時間よりも短い時間である0.05secに設定された短時間態様と、が設定されている。本パチンコ機10では、発射操作装置37が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構45が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が10個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期よりも短い時間の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で特電入賞装置53の1回の開放が行われた場合には、特電入賞装置53に、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で特電入賞装置53の1回の開放が行われた場合には、特電入賞装置53への入賞が発生しないことが期待される。
高頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において長時間態様による特電入賞装置53の開放が1回行われる。つまり、長時間態様による特電入賞装置53の開放が15回行われる。一方、低頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において短時間態様による特電入賞装置53の開放が1回行われる。つまり、短時間態様による特電入賞装置53の開放が15回行われる。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける特電入賞装置53の開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する開放継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における特電入賞装置53への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
大当たり種別カウンタC2に対する大当たり結果の種類の振分先は、主側ROM84に振分テーブルとして記憶されている。振分テーブルには、大当たり結果の種類として、低確大当たり結果と、明示高確大当たり結果と、最有利大当たり結果とが設定されている。
低確大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても低確率モードとなる大当たり結果である。この低確率モードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。また、開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が、1以上の回数として設定された終了基準回数(具体的には100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行し、高頻度サポートモードの終了後に移行した低頻度サポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
明示高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても高確率モードとなるとともに、開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
最有利大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても高確率モードとなるとともに、開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜14」が明示高確大当たり結果に対応しており、「15〜29」が最有利大当たり結果に対応している。
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置61における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置61を備え、所定の大当たり結果となる遊技回では最終的な停止結果が付与対応結果となる遊技機において、図柄表示装置61における図柄の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、前記付与対応結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。なお、付与対応結果について具体的には、いずれかの有効ライン上に同一の数字が付された図柄の組合せが停止表示される。
期待演出には、リーチ表示と、リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や付与対応結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置61に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、図柄表示装置61の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
予告表示には、図柄表示装置61において図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示はリーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ表示は、最終的に同一の図柄の組合せが停止表示される遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、同一の図柄の組合せが停止表示されない大当たり結果に対応した遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行されない。また、外れ結果に対応した遊技回では、主側ROM84のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
一方、予告表示を行うか否かの決定は、主側MPU83において行うのではなく、音光側MPU93において行われる。この場合、音光側MPU93では、いずれかの大当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易いこと、及び出現率の低い予告表示が発生し易いことの少なくとも一方の条件を満たすように、予告表示用の抽選処理を実行する。ちなみに、この抽選結果は、図柄表示装置61にて遊技回用の演出が実行される場合に反映される。
次に、変動種別カウンタCSについて説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図表示部62aにおける表示継続時間と、図柄表示装置61における図柄の表示継続時間とを主側MPU83において決定する上で用いられる。具体的には、変動種別カウンタCSの値は、特図表示部62aにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置61による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して取得される。
<主側MPU83にて実行される各種処理について>
次に、主側MPU83にて遊技を進行させるために実行される各種処理を説明する。かかる主側MPU83の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本パチンコ機10では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
まず、図10のフローチャートを参照しながら、主側MPU83におけるメイン処理を説明する。
ステップS101では、主側の電源投入ウェイト処理を実行する。主側の電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102では主側RAM85のアクセスを許可するとともに、ステップS103にて主側MPU83の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源・発射制御装置108に設けられたRAM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、主側RAM85の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、主側RAM85の初期化として当該主側RAM85をクリアする。その後、ステップS109に進む。一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。
ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といった主側RAM85の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声発光制御装置91に送信する。
その後、ステップS110〜ステップS113の残余処理に進む。つまり、MPU83はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110〜ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS110〜ステップS113の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、まずステップS110にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS111では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS112にて変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、主側RAM85の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS113の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110〜ステップS113の処理を繰り返す。
<タイマ割込み処理>
次に、図11のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
ここで、主側MPU83にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成について説明する。主制御基板82には所定周期でパルス信号を出力するパルス信号出力手段としてクロック回路が設けられており、さらに当該クロック回路と主側MPU83との間の信号経路の途中位置に存在するように分周回路が設けられている。
分周回路は、クロック回路からのパルス信号の周期を変更する周波数変更手段として機能し、タイマ割込み処理の起動タイミングを主側MPU83にて特定するためのパルス信号を出力するように構成されている。つまり、分周回路から主側MPU83に対して特定周期である4msec周期の間隔でパルス信号が供給されるようになっている。主側MPU83では、かかるパルス信号の立ち上がり又は立下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を確認したことを少なくとも一の条件としてタイマ割込み処理を起動して実行する。
この場合、タイマ割込み処理の起動が禁止されている状況において上記特定の信号形態の発生を確認した場合には、その割込みが禁止されている状態から割込みが許可された状態となった場合にタイマ割込み処理が起動される。つまり、主側MPU83における処理の実行状況によっては前回のタイマ割込み処理が開始されてから4.1msec経過後に次のタイマ割込み処理が開始される場合が生じ、このような事象が発生した場合には次のタイマ割込み処理は直前のタイマ割込み処理が開始されてから3.9msec経過後に開始されることとなる。
但し、上記分周回路からのパルス信号の出力は主側MPU83における処理の経過内容に関係なく4msecといった特定周期で行われるため、基本的にはタイマ割込み処理は特定周期で起動される。さらにまた、主側MPU83の処理構成は、所定のタイミングにおけるタイマ割込み処理が前回のタイマ割込み処理が起動されてから特定周期を超える期間が経過した後に起動されたとしても、当該所定のタイミングの次のタイミングにおけるタイマ割込み処理にてその特定周期を超えた分が吸収されて、さらに次のタイミングにおけるタイマ割込み処理ではパルス信号の入力を確認したタイミングで起動されるように設定されている。
さて、タイマ割込み処理では、まずステップS201にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視基板から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。停電時処理では、次回の電源立ち上げ時に電源遮断前の状態に復帰可能とするために各種データ設定を行った後に、主側MPU83への動作電力の供給が完全に遮断されるまで待機する。
続くステップS202では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電乱数カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS203ではステップS111と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS204にてステップS112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。続くステップS205では、遊技停止判定処理を実行する。遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを監視し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技を進行させるための処理の実行を停止する。具体的には、ステップS206にて肯定判定をすることで、ステップS207〜ステップS218の遊技を進行させるための処理を実行しない。また、遊技の進行を停止すべき状況である場合には当該遊技の進行を停止すべき契機となった事象に対応した報知が実行されるように、音光側MPU93にコマンドを送信する。これら遊技の進行が停止された状態及びそれに対応した報知は、主側MPU83への動作電力の供給を停止しただけでは電源立ち上げ時に再度開始されるものであり、主側MPU83への動作電力の供給を停止した後に電源・発射制御装置108のRAM消去スイッチを押しながら動作電力の供給を開始することで主側RAM85の初期化が実行されることに伴い実行されないようになる。
その後、ステップS206では遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し、遊技の進行を停止していない状態であることを条件に、ステップS207以降の処理を実行する。
ステップS207では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部53c,55cに行うための処理を実行する。例えば、特電入賞装置53を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電用の駆動部53cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
また、第2作動口55の普電役物55aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には普電用の駆動部55cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS208では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS209では入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理では、各入賞検知センサ87a〜87eから受信している信号を読み込むとともに、一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54、第2作動口55及びスルーゲート56への入球の有無を特定する処理を実行する。
続くステップS210では、主側RAM85に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続くステップS211では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。当該不正検知処理では、磁気、電波及び振動のいずれかの発生をそれぞれに対応した検知センサの検知結果を利用して確認する。そして、いずれかの不正対応事象の発生を確認した場合には、次回のタイマ割込み処理における上記ステップS205にて遊技停止用の設定を行い、ステップS206にて肯定判定するようになる。
続くステップS212では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射操作装置37に対して発射操作が継続されている状況では、既に説明したとおり、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。
続くステップS213では、入力状態監視処理として、ステップS208の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサ87a〜87eの断線確認や、遊技機本体12及び前扉枠14の開放確認を行う。
続くステップS214では、遊技回の実行制御、及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。当該特図特電制御処理の処理内容については後に詳細に説明する。
続くステップS215では、普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、スルーゲート56への入賞が発生している場合に普電乱数カウンタC4の数値情報を取得するための処理を実行するとともに、当該数値情報が記憶されている場合にその数値情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図表示部63aにて普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、第2作動口55の普電役物55aを開閉させる処理を実行する。
続くステップS216では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、特図表示部62aに係る保留情報の増減個数を特図保留表示部62bに反映させるための出力情報の設定、及び普図表示部63aに係る保留情報の増減個数を普図保留表示部63bに反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS216では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、特図表示部62aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部63aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS217では払出制御装置111から受信したコマンドの内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS218では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。
<特図特電制御処理>
次に、主側MPU83のタイマ割込み処理(図11)におけるステップS214にて実行される特図特電制御処理について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。
特図特電制御処理では、第1作動口54又は第2作動口55への入賞が発生している場合に保留情報を取得するための処理を実行するとともに、保留情報が記憶されている場合にその保留情報について当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行するとともに、開閉実行モード中及び開閉実行モード終了時の処理を実行する。
具体的には、まずステップS301にて、保留情報の取得処理を実行する。当該取得処理では、第1作動口54への遊技球の入賞が発生している場合又は第2作動口55への遊技球の入賞が発生している場合に、特図保留エリア85bの保留用エリアREに記憶されている保留情報の数が上限値(具体的には「4」)未満であることを条件に、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、保留用エリアREのうち保留情報が記憶されていない最上位側のエリアに記憶する。
当該取得処理では、保留情報を取得した場合に保留コマンドを音光側MPU93に送信する。音光側MPU93では、受信した保留コマンドに対応したコマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96では、保留コマンドを受信することで、図柄表示装置61における保留情報の数の表示を保留個数の増加に対応させて変更させる。また、上記のように保留情報の数が増加した場合には、タイマ割込み処理(図11)におけるステップS216の表示制御処理にて、保留個数の増加に対応した表示内容に変更されるように表示制御が行われる。
続くステップS302では、主側RAM85に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出し、ステップS303にて、主側ROM84に記憶されている特図特電アドレステーブルを読み出す。そして、ステップS304にて、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する。
ここで、ステップS302〜ステップS304の処理内容について説明する。
既に説明したとおり特図特電制御処理には、遊技回用の演出を制御するための処理と、開閉実行モードを制御するための処理と、が含まれている。この場合に、遊技回用の演出を制御するための処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(ステップS306)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(ステップS307)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(ステップS308)と、が設定されている。
また、開閉実行モードを制御するための処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(ステップS309)と、特電入賞装置53の開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(ステップS310)と、特電入賞装置53の閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(ステップS311)と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(ステップS312)と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側MPU83にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。
この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理(ステップS306)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理(ステップS307)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理(ステップS308)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理(ステップS309)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理(ステップS310)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理(ステップS311)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理(ステップS312)を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリアされる。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。なお、特図特電カウンタは、初期値として0が設定されている。
ステップS304の処理を実行した後は、ステップS305にて、ステップS304にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合にはステップS306の特図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA1である場合にはステップS307の特図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA2である場合にはステップS308の特図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA3である場合にはステップS309の特電開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA4である場合にはステップS310の特電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA5である場合にはステップS311の特電閉鎖中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA6である場合にはステップS312の特電終了処理にジャンプする。ステップS306〜ステップS312のいずれかの処理を実行した場合には、本特図特電制御処理を終了する。以下、ステップS306〜ステップS312の処理について個別に説明する。
<特図変動開始処理>
まずステップS306の特図変動開始処理について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS401にて、特図保留エリア85bに保留情報が記憶されているか否かを判定する。ステップS401にて否定判定をした場合にはそのまま本特図変動開始処理を終了し、ステップS401にて肯定判定をした場合にはステップS402に進む。
ステップS402では、データ設定処理を実行する。データ設定処理では、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。その後、保留用エリアREの各保留エリアRE1〜RE4に格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアRE1のデータをクリアするとともに、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。この際、保留エリアのデータのシフトが行われたことを音声発光制御装置91に認識させるためのシフト時コマンドを出力対象として設定して送信する構成としてもよい。
続くステップS403では、当否判定処理を実行する。当否判定処理では、まず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合には主側ROM84に設けられた高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合には主側ROM84に設けられた低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS404では、ステップS403における当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果である場合には、ステップS405にて振分判定処理を実行する。振分判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を把握する。そして、主側ROM84に設けられた振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2の数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、低確大当たり結果、明示高確大当たり結果及び最有利大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS406では、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において特図表示部62aに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM84に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM85に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、特図表示部62aに停止表示される絵柄の態様の情報が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されている。
なお、停止表示される絵柄の種類の情報は、大当たり種別カウンタC2の値に応じて定められる。この場合、各大当たり結果に1対1で対応させて絵柄の態様が設定されていてもよく、各大当たり結果に対して複数種類の絵柄の態様が設定されていてもよい。
続くステップS407では、振分判定結果に対応したフラグセット処理を実行する。具体的には、主側RAM85には各大当たり結果の種類に対応したフラグが設けられており、ステップS407では、それら各大当たり結果の種類に対応したフラグのうち、ステップS405の振分判定結果に対応したフラグに「1」をセットする。
一方、ステップS404にて、大当たり当選結果ではないと判定した場合には、ステップS408にて、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に対応する遊技回において特図表示部62aに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM84に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM85に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
ステップS407及びステップS408のいずれかの処理を実行した後は、ステップS409にて、表示継続時間の取得処理を実行する。当該取得処理では、現状の遊技状態、当否判定処理の結果、振分判定処理の結果、リーチ表示の有無、保留情報の数、及び変動種別カウンタCSの値に応じて、今回の遊技回における表示継続時間の情報を取得する。
ステップS409にて表示継続時間の取得処理を実行した後は、ステップS410に進み上記ステップS409にて取得した表示継続時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。当該タイマカウンタにセットされた数値情報の更新は、既に説明したタイマ更新処理(図11)にて実行される。ちなみに、遊技回用の演出として特図表示部62aにおける絵柄の変動表示と図柄表示装置61における図柄の変動表示とが行われるが、これらの各変動表示が終了される場合にはその遊技回の停止結果が表示された状態(図柄表示装置61では有効ライン上に所定の図柄の組合せが停留表示された状態)で最終停止時間に亘って最終停止表示される。この場合に、ステップS409にて取得される表示継続時間は1遊技回分のトータル時間に対して最終停止時間を差し引いた時間となっている。
続くステップS411では、変動用コマンド及び種別コマンドを音光側MPU93に送信する。変動用コマンドは、2バイトのデータ構成となっており、当該2バイトのデータには、当否判定処理の結果に対応したデータと、振分判定処理の結果に対応したデータと、表示継続時間に対応したデータとが含まれている。具体的には、2バイトのデータのうち上位4ビットのデータにより、自身が変動用コマンドであることを示すための識別用データが設定されており、次の4ビットのデータにより、当否判定処理及び振分判定処理の結果に対応した抽選結果用データが設定されており、残りの8ビットのデータにより、表示継続時間に対応した時間用データが設定されている。したがって、音光側MPU93では、変動用コマンドを受信した場合、上記識別用データから変動用コマンドであることを認識し、上記抽選結果用データから当否判定処理の結果及び振分判定処理の結果を認識し、上記時間用データから今回の遊技回の表示継続時間を認識する。ここで、主側MPU83では、リーチが発生するか否かによって異なる表示継続時間を選択するため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、音光側MPU93では表示継続時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
種別コマンドは、2バイトのデータ構成となっており、当該2バイトのデータには、当否判定処理の結果に対応したデータと、振分判定処理の結果に対応したデータと、当否抽選モードの種類に対応したデータと、高頻度サポートモードの残り継続回数に対応したデータとが含まれている。具体的には、2バイトのデータのうち上位4ビットのデータにより、自身が種別コマンドであることを示すための識別用データが設定されており、次の4ビットのデータにより、当否判定処理及び振分判定処理の結果に対応した抽選結果用データが設定されており、残りの8ビットのデータにより、当否抽選モードの種類に対応したデータ及び高頻度サポートモードの残り継続回数に対応した継続回数用データが設定されている。したがって、音光側MPU93では、種別コマンドを受信した場合、上記識別用データから種別コマンドであることを認識し、上記抽選結果用データから当否判定処理の結果及び振分判定処理の結果を認識し、上記継続回数用データから当否抽選モードの種類及び高頻度サポートモードの残り継続回数を認識する。
ここで、変動用コマンド及び種別コマンドの両方に、当否判定処理の結果及び振分判定処理の結果に対応したデータが含まれている。したがって、音光側MPU93では、変動用コマンドに含まれる上記抽選結果用データと、種別コマンドに含まれる上記抽選結果用データとを照合することにより、変動用コマンド及び種別コマンドの受信に関してノイズなどの通信異常が発生していないか否かを特定することが可能となる。そして、両方の抽選結果用データが一致している場合には、それら変動用コマンド及び種別コマンドの内容に対応した演出用の制御を実行し、両方の抽選結果用データが一致していない場合には、それを報知することが可能となる。ちなみに、後者の場合、音光側MPU93では、当該遊技回において通信異常に対応した遊技回用演出が実行されるようにしてもよく、例えば当該遊技回用演出では、当否判定処理及び振分判定処理の結果に関係なく、図柄表示装置61において確実に完全外れに対応した図柄の組合せが停止表示されるようにしてもよい。この場合、当該遊技回用演出を、変動用コマンドに含まれる時間用データに対応した表示継続時間に亘って行う構成としてもよく、次回の変動用コマンド及び種別コマンドを受信するまで継続させる構成としてもよい。
ステップS411の処理を実行した後は、ステップS412にて特図表示部62aにおける絵柄の変動表示を開始させる。続くステップS413では、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特図変動開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「0」であるため、ステップS413の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「1」となる。その後、本特図変動開始処理を終了する。
<特図変動中処理>
次に、特図特電制御処理(図12)におけるステップS307の特図変動中処理について説明する。
特図変動中処理では、遊技回の継続時間中であって、最終停止表示前のタイミングであるか否かを判定し、最終停止表示前であれば特図表示部62aにおける絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。この規則的な変化は、最終停止表示を開始させるタイミングとなるまで継続される。また、この規則的な変化は、当たり結果となるか否か及びリーチ表示が発生するか否かに関係なく、一定の態様で行われる。
また、最終停止表示させるタイミングとなるまで特図変動中処理にて待機するのではなく、最終停止表示させるタイミングではない場合には上記規則的に変化させるための処理を実行した後に、本特図変動中処理を終了する。したがって、遊技回用の演出が開始された後は、最終停止表示させるタイミングとなるまで、特図特電制御処理が起動される度に特図変動中処理が起動される。また、最終停止表示させるタイミングとなった場合には、図柄表示装置61にて今回の遊技回の停止結果を最終停止表示させるために、最終停止コマンドを音光側MPU93に送信するとともに、特図表示部62aにおける絵柄の表示態様を今回の遊技回の抽選結果に対応した表示態様とする。また、遊技回の最終停止時間(0.5sec)の情報を主側ROM84から読み出し、特図特電タイマカウンタにセットする。そして、特図特電カウンタの値を1加算することで、当該カウンタの値を特図変動中処理に対応したものから特図確定中処理に対応したものに更新する。
<特図確定中処理>
次に、特図特電制御処理(図12)におけるステップS308の特図確定中処理について説明する。
特図確定中処理では、今回の遊技回の最終停止時間が経過していない場合にはそのまま本特図確定中処理を終了し、今回の遊技回の最終停止時間が経過している場合には、今回の遊技回の契機となった当否判定の結果が外れ結果であれば、特図特電カウンタの値を「0」クリアした後に本特図確定中処理を終了し、今回の遊技回の契機となった当否判定の結果がいずれかの大当たり結果であれば、開閉実行モード移行用の処理を実行する。
開閉実行モード移行用の処理では、主側ROM84に予め記憶されているオープニング時間(例えば4sec)の情報を読み出し、そのオープニング時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする。ちなみに、当該オープニング時間は、開閉実行モードへの移行契機となった遊技結果の種類に関係なく一定となっている。また、オープニングコマンドを音光側MPU93に送信する。オープニングコマンドは、音光側MPU93に対して開閉実行モード用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。オープニングコマンドには、開閉実行モードの契機となった遊技結果が各種大当たり結果のうちいずれであるかを示す情報も含まれる。したがって、音光側MPU93は、開閉実行モードの契機となった遊技結果に対応した態様で、開閉実行モードの演出を実行させることが可能となる。さらに、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特図確定中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「2」であるため、特図特電カウンタの値は「3」となる。その後、本特図確定中処理を終了する。
<特電開始処理>
次に、特図特電制御処理(図12)におけるステップS309の特電開始処理について説明する。
特電開始処理では、今回の開閉実行モードにおけるオープニング時間が経過したか否かを判定し、経過している場合には、主側RAM85に設けられたラウンドカウンタに15をセットするとともに、主側RAM85に設けられた入賞カウンタに10をセットする。ラウンドカウンタは、開閉実行モードにおいて残りのラウンド遊技の回数を主側MPU83にて特定するためのカウンタであり、入賞カウンタは、一のラウンド遊技又は一の開閉数規定モードにおいて、上限個数の遊技球の入賞が発生したか否かを主側MPU83にて特定するためのカウンタである。そして、大当たり結果に対応した開放継続時間を特図特電タイマカウンタにセットするとともに、特電入賞装置53を開放状態とする。また、特電入賞装置53を開放状態とした場合には、開放コマンドを音光側MPU93に送信する。音光側MPU93は、当該開放コマンドを受信することにより、開閉実行モード中の演出をそれに合わせて切り換えるための制御を実行する。特電入賞装置53を開放状態とした後は、特図特電カウンタを1加算し、本特電開始処理を終了する。この場合、特電開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「3」であるため、1加算後は「4」となる。
<特電開放中処理>
次に、特図特電制御処理(図12)におけるステップS310の特電開放中処理について説明する。
特電開放中処理では、1のラウンド遊技の終了条件が成立しているか否かを判定し、当該終了条件が成立している場合には特電入賞装置53を閉鎖状態とするとともに、閉鎖コマンドを音光側MPU93に送信する。また、1減算後のラウンドカウンタの値が「0」となっているか否かを判定し、「0」となっていない場合には、特図特電タイマカウンタに閉鎖時間をセットする。当該閉鎖時間は、開閉実行モードへの移行契機となった遊技結果の種類に関係なく一定となっており、具体的には遊技球の発射周期よりも長い1secとなっている。また、特電入賞装置53を閉鎖状態とした場合には、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かに関係なく、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特電開放中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「4」であるため、1加算後は「5」となる。
<特電閉鎖中処理>
次に、特図特電制御処理(図12)におけるステップS311の特電閉鎖中処理について説明する。
特電閉鎖中処理では、ラウンドカウンタが「0」であるか否かを判定する。「0」ではない場合には、閉鎖時間が経過したか否かを判定する。閉鎖時間が経過していない場合にはそのまま本特電閉鎖中処理を終了し、閉鎖時間が経過している場合には、特電入賞装置53を開放状態とするとともに、今回の開閉実行モードの実行契機となった当たり結果に対応した開放継続時間を特図特電タイマカウンタにセットする。また、特電入賞装置53を開放状態とした場合には、開放コマンドを音光側MPU93に送信する。その後、特図特電カウンタを1減算した後に、本特電閉鎖中処理を終了する。この場合、特電閉鎖中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「5」であるため、1減算後は「4」となる。
一方、ラウンドカウンタが「0」である場合には、エンディングコマンドを音光側MPU93に送信する。エンディングコマンドは、音光側MPU93にエンディング用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。エンディングコマンドには、開閉実行モードの契機となった遊技結果が各種大当たり結果のうちいずれであるかを示す情報も含まれる。したがって、音光側MPU93は、開閉実行モードの契機となった遊技結果に対応させた態様で、エンディング演出を実行させることが可能となる。また、主側ROM84に予め記憶されているエンディング時間(例えば6sec)の情報を読み出し、そのエンディング時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。ちなみに、当該エンディング時間は、開閉実行モードへの移行契機となった遊技結果の種類に関係なく一定となっている。その後、特図特電カウンタを1加算した後に、本特電閉鎖中処理を終了する。この場合、特電閉鎖中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「5」であるため、1加算後は「6」となる。
<特電終了処理>
次に、特図特電制御処理(図12)におけるステップS312の特電終了処理について説明する。
特電終了処理では、エンディング時間が経過したか否かを判定し、エンディング時間が経過していない場合にはそのまま本特電終了処理を終了する。エンディング時間が経過している場合には、開閉実行モード後の当否抽選モード及びサポートモードの内容を、今回の開閉実行モードへの移行契機となった大当たり結果の種類に対応した内容に設定し、さらに特図特電カウンタを「0」クリアした後に、本特電終了処理を終了する。
<音光側MPU93にて実行されるタイマ割込み処理について>
次に、音光側MPU93にて比較的短い周期(例えば4msec)で繰り返し実行されるタイマ割込み処理について図14のフローチャートを参照しながら説明する。
当該タイマ割込み処理では、まずステップS501にて、主側コマンド格納処理を実行する。主側コマンド格納処理は、主側MPU83からコマンドを受信した場合に、そのコマンドを音光側RAM95に格納するための処理である。音光側RAM95には主側MPU83から受信したコマンドの格納及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU83から受信したコマンドは当該リングバッファに順次格納されていくとともに格納された順序に従って順次読み出されていく。
続くステップS502では、主側MPU83から受信したコマンドに対応した処理を行うための主側コマンド対応処理を実行する。当該主側コマンド対応処理では、主側MPU83から受信したコマンドに応じた演出及び報知を実行可能とするためのデータテーブルが読み出される。その後、ステップS503では、ステップS502にて読み出されたデータテーブル又は他の処理にて読み出されたデータテーブルに従って表示発光部23を発光制御するための発光制御処理を実行し、ステップS504では、ステップS502にて読み出されたデータテーブル又は他の処理にて読み出されたデータテーブルに従ってスピーカ部24を音出力制御するための音出力制御処理を実行する。
ステップS504の処理を実行した後は、撮像用基板71の撮像制御及び撮像結果の利用を行うためのステップS505〜ステップS513の処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
<主側コマンド対応処理>
図15は、タイマ割込み処理(図14)におけるステップS502の主側コマンド対応処理を示すフローチャートである。
まずステップS601では、主側MPU83から変動用コマンド及び種別コマンドを受信しているか否かを判定する。これらコマンドを受信している場合には、ステップS602にて、遊技結果の記憶処理を実行する。具体的には、種別コマンドに含まれている情報から、今回の遊技回の開始に際して主側MPU83にて決定された当否抽選及び振分抽選の結果がいずれであるかの情報、すなわち今回の遊技回の遊技結果が最有利大当たり結果、明示高確大当たり結果、低確大当たり結果及び外れ結果のいずれであるかの情報を特定し、その特定した情報を音光側RAM95に書き込む。
続くステップS603では、予告抽選処理を実行する。予告抽選処理では、今回の遊技回において図柄表示装置61にて予告表示を行わせるか否かを抽選により決定する。かかる予告表示としては、既に説明したとおり、図柄表示装置61にて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様とするものや、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3を縮小表示するとともに、図柄表示装置61に遊技者への質問やコメントを表示させる態様とするものも含まれる。予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。また、予告抽選処理では、いずれかの大当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易く、さらに出現率の低い予告表示が発生し易くなるように予告抽選を行う。なお、図柄表示装置61に遊技者への質問やコメントを表示して遊技者と会話を行う会話演出が抽選により選ばれた場合には、会話演出の内容を決定するための会話演出用抽選処理が当該予告抽選処理の中で行われる。会話演出用抽選処理については詳細を後述する。
続くステップS604では、停止図柄決定処理を実行する。停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が最有利大当たり結果であれば、一の有効ラインL1〜L5上に同一図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。この場合、同一図柄の種類や有効ラインL1〜L5は抽選などによってランダムに決定される。但し、同一図柄の組合せを形成する図柄として奇数図柄が選択され易い。また、停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が低確大当たり結果であれば、一の有効ラインL1〜L5上に同一の偶数図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。この場合、同一図柄の種類や有効ラインL1〜L5は抽選などによってランダムに決定される。また、停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が明示高確大当たり結果であれば、一の有効ラインL1〜L5上に同一図柄の組合せとは異なり且つリーチ図柄の組合せとは異なる所定の図柄組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。また、停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ表示の有無を特定する。そして、リーチ表示が発生する場合には、全ての有効ラインL1〜L5上に同一図柄の組合せが成立しない停止結果であって、一又は二の有効ラインL1〜L5上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ表示が発生しない場合には、全ての有効ラインL1〜L5上に同一図柄の組合せが成立しない停止結果であって、全ての有効ラインL1〜L5上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。
続くステップS605では、今回の遊技回の演出パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンド及び種別コマンドの内容から遊技回の表示継続時間の情報を特定するとともに、当該表示継続時間の情報、上記ステップS602にて特定した遊技結果の情報、及び上記ステップS603における予告抽選処理の抽選結果の情報の組合せに対応した演出パターンを選択する。
続くステップS606では、上記ステップS605にて選択した演出パターンの種類、及び上記ステップS604にて決定した停止図柄の種類に対応したデータテーブルを音光側ROM94から音光側RAM95に読み出す。タイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)では当該データテーブルに従って表示発光部23の発光制御を行い、タイマ割込み処理(図14)の音出力制御処理(ステップS504)では当該データテーブルに従ってスピーカ部24の音出力制御を行う。
続くステップS607では、上記ステップS604の処理結果に対応した停止結果コマンドと、上記ステップS605の処理結果に対応したパターンコマンドとを、表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、これら停止結果コマンド及びパターンコマンドを受信した場合、上記演出パターンに対応した表示演出が行われるように図柄表示装置61を表示制御するとともに、遊技回用演出が終了する場合には上記停止図柄決定処理にて決定された停止図柄が有効ラインL1〜L5上に停止されるように図柄表示装置61を表示制御する。
ステップS601にて否定判定をした場合、又はステップS607の処理を実行した後は、ステップS608にて、最終停止コマンドを受信しているか否かを判定する。最終停止コマンドを受信している場合には、ステップS609にて、図柄停止コマンドを表示制御装置96に送信する。図柄停止コマンドは、今回の遊技回に対応した停止図柄を有効ラインL1〜L5上に待機させてその状態を最終停止時間に亘って維持させることを表示制御装置96に指示するためのコマンドである。
ステップS608にて否定判定をした場合、又はステップS609の処理を実行した後は、ステップS610にて、開閉実行モード系のコマンドを受信しているか否かを判定する。開閉実行モード系のコマンドとしては、開閉実行モードが開始される場合に主側MPU83から送信されるオープニングコマンドと、特電入賞装置53の開放が開始される場合に主側MPU83から送信される開放コマンドと、特電入賞装置53の閉鎖が開始される場合に主側MPU83から送信される閉鎖コマンドと、開閉実行モードが終了される場合に主側MPU83から送信されるエンディングコマンドとが存在している。
開閉実行モード系のコマンドを受信している場合には、ステップS611にて当該コマンドに対応したデータテーブルを音光側ROM94から音光側RAM95に読み出す。これにより、タイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)では当該データテーブルに従って表示発光部23の発光制御を行い、タイマ割込み処理(図14)の音出力制御処理(ステップS504)では当該データテーブルに従ってスピーカ部24の音出力制御を行う。
続くステップS612では、今回受信した開閉実行モード系のコマンドに対応したコマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、その開閉実行モード系のコマンドに対応した表示演出が行われるように図柄表示装置61を表示制御する。
ステップS610にて否定判定をした場合、又はステップS612の処理を実行した場合には、ステップS613にて、主側MPU83から報知コマンドを受信しているか否かを判定する。報知コマンドは、何らかの異常やパチンコ機10の状態変化といった報知を実行すべき事象がパチンコ機10において発生している場合に主側MPU83から送信される。報知コマンドを受信している場合には、当該報知コマンドに対応した報知を行うために、ステップS614にて、発光データの読み出し処理を実行するとともに、ステップS615にて、音出力データの読み出し処理を実行する。これにより、タイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)では当該発光データに応じた発光が行われるように表示発光部23の発光制御を行い、タイマ割込み処理(図14)の音出力制御処理(ステップS504)では当該音出力データに応じた音の出力が行われるようにスピーカ部24の音出力制御を行う。その後、ステップS616にて、今回受信した報知コマンドの内容に対応した報知コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該コマンドを受信した場合、その報知コマンドに対応した報知が行われるように図柄表示装置61を表示制御する。
ステップS613にて否定判定をした場合、又はステップS616の処理を実行した場合、ステップS617にて、解除コマンドを受信しているか否かを判定する。解除コマンドは、報知コマンドを送信する契機となった事象が解消された場合に主側MPU83から送信される。解除コマンドを受信している場合には、既に行っている報知を解除するために、ステップS618にて解除設定処理を実行する。その後、ステップS619にて、今回受信した解除コマンドの内容に対応した解除コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該コマンドを受信した場合、その解除コマンドに対応した報知の実行を終了するように図柄表示装置61を表示制御する。
ステップS617にて否定判定をした場合、又はステップS619の処理を実行した場合、ステップS620にてその他対応処理を実行した後に、本対応処理を終了する。その他対応処理では、例えばデモ開始コマンドを受信しているか否かを判定し、デモ開始コマンドを受信している場合には、デモ開始コマンドを表示制御装置96に送信する。これにより、図柄表示装置61においてデモ表示が開始される。
<撮像用基板71の撮像制御及び撮像結果を利用した各種制御を行うための各種処理>
次に、撮像用基板71の撮像制御及び撮像結果を利用した各種制御を行うための各種処理について説明する。各種処理の処理内容を説明するのに先立ち、これら各種処理を実行するための電気的な構成について図16のブロック図を参照しながら説明する。
撮像用基板71は、既に説明したとおり、発光装置72と撮像装置73とを備えている。発光装置72は、撮像用基板71に設けられた制御回路74により投射光の発光タイミングが制御されるLEDドライバ72aと、近赤外線を照射可能なLEDを有しLEDドライバ72aにより駆動されて投射光を照射するLEDモジュール72bと、LEDモジュール72bに対して当該LEDモジュール72bの光の照射方向の先側に配置され測定対象に対する投射光の放射角を調整可能とする放射角調整レンズ72cと、を備えている。投射光を照射すべきことを示し信号が音光側MPU93から撮像用基板71に送信されることにより、上記制御回路74の制御に基づきLEDドライバ72aが動作し、それに応じてLEDモジュール72bから近赤外線が照射される。この場合、測定対象に向けて照射された近赤外線の発光強度が一定周期で変調するように、近赤外線はパルス光として一定周期で照射される。なお、発光装置72は2個設けられており、各発光装置72の電気的な構成は上記の構成で同一となっている。
撮像装置73は、発光装置72から照射されて測定対象で反射した反射光を受光して、撮像装置73から測定対象までの距離に応じた撮像信号を複数の画素でそれぞれ検知する撮像用センサ73aと、当該撮像用センサ73aに対して反射光の照射元側に配置されて測定対象からの反射光が入射される視野角を調整可能とする視野角調整レンズ73bと、を備えている。撮像用センサ73aとしては、CMOSイメージセンサが用いられているが、MOSセンサなどの他の撮像用のセンサを用いてもよい。
撮像用センサ73aは、縦方向及び横方向のそれぞれに多数の画素(例えば1000個の画素)を受光部として有する画素アレイ部73cを備えているとともに、これら各画素を水平方向及び垂直方向のそれぞれに走査して各画素からの信号読み出しを行う画素ドライバ部73dを備えており、画素ドライバ部73dにより読み出された信号はノイズキャンセル処理が行われた後にA/D変換される。この変換後の出力信号は、撮像用基板71に設けられた信号処理回路75にて受信される。
信号処理回路75は、いわゆるTOF(タイム・オブ・フライト)技術を用いて撮像装置73から測定対象までの距離を導出する。具体的には、発光装置72から照射した投射光の情報と、撮像装置73にて受信した反射光の情報とに基づいて、測定対象までの光の伝搬時間を算出し、その算出結果と既知の光速とを利用することで、撮像装置73から測定対象までの距離を導出する。また、この距離の導出は撮像用センサの多数の画素毎に行われるため、画素毎に測定対象までの距離を導出することが可能となる。
信号処理回路75に設けられた基準フラグ75aには、受光した信号を距離データの演算用として使用するか否かを定める場合の基準となる基準データが記憶される。信号処理回路75は、受光した信号の強度が基準フラグ75aに記憶されている基準データに対応した強度以上であれば、当該受光した信号を距離データの演算用として使用する。
上記構成の撮像用基板71は、音光側MPU93から信号を受信することに基づき、発光装置72からの投射光の照射及び撮像装置73における撮像結果を利用した距離データの導出を行う。具体的には、音光側MPU93は、主側MPU83から受信したコマンドに基づき所定の演出を実行する場合に撮像用基板71に信号を送信し、投射光の照射及び距離データの導出を行わせる。また、音光側MPU93は、撮像用基板71が演出用に利用されていない状況下において各種監視を実行するために撮像用基板71に信号を送信し、投射光の照射及び距離データの導出を行わせる。この監視が行われるタイミングとしては、遊技球の発射操作が行われていないタイミングが含まれ、かかるタイミングであるか否かの判定に際しては、電源・発射制御装置108から送信された信号に基づき主側MPU83から送信されるコマンドが参照される。また、上記監視が行われるタイミングとしては、球貸装置Yから記憶媒体を返却させるための返却操作が行われたタイミングが含まれ、かかるタイミングであるか否かの判定に際しては、払出制御装置111のMPU113から送信された信号に基づき主側MPU83から送信されるコマンドが参照される。
音光側MPU93からの指示に基づき撮像用基板71において取得された距離データは、音光側MPU93に送信される。当該距離データの送信に際しては、その距離データが画素アレイ部73cにおけるいずれの画素に対応しているのかを示すアドレスデータも付随させて送信される。これら距離データは、音光側RAM95に設けられた距離画像記憶エリア95aに書き込まれる。この場合、距離画像記憶エリア95aには、撮像装置73の画素アレイ部73cに設けられた多数の画素に1対1で対応させて単位記憶エリアが設けられており、撮像用基板71から送信された距離データはその距離データの導出を可能とした画素に対応する単位記憶エリアにそれぞれ個別に書き込まれる。音光側MPU93は、距離画像記憶エリア95aに書き込まれた距離データを利用して、1フレーム分の画像に含まれる個別画像のそれぞれの距離だけでなく、遊技者の顔及び口唇等の顔のパーツを認識したり、それら顔及び口唇等の顔のパーツの形状やサイズを認識したりすることが可能である。1フレーム分の画像とは、発光装置72に対して投射光の照射指令が1回発生したことに対して撮像装置73における画素アレイ部73cの全ての画素にて反射光の受光を完了したことに基づき導出される距離データから把握可能な画像のことである。
なお、距離データは、画素アレイ部73cの各画素に個別に設定された距離データ基準位置からの距離に対応する値として導出される。この場合、距離データ基準位置を「0」として、当該基準位置に近いほど距離データの値は小さくなり、当該基準位置から遠いほど距離データの値は大きくなる。但し、これに限定されることはなく、距離データ基準位置が「0」以外の値として設定されており、当該基準位置に近いほど距離データの値は当該基準位置の値よりも大きい範囲において小さくなり、当該基準位置から遠いほど距離データの値は大きくなる構成としてもよい。また、距離データ基準位置が「0」として設定されており、当該基準位置から遠いほど負の値であって絶対値が大きい値となる構成としてもよい。
<基準スイッチ監視処理>
次に、タイマ割込み処理(図14)のステップS505にて実行される基準スイッチ監視処理について説明する。
基準スイッチ監視処理の説明に先立ち基準スイッチ91aについて説明する。基準スイッチ91aは、図3に示すように、音声発光制御装置91において、遊技機本体12をパチンコ機10前方に向けて開くとともに裏パックユニット15を遊技機本体12の後方に開いた場合に手動操作可能となる位置に設けられている。基準スイッチ91aはON位置とOFF位置との2位置の間で移動可能となっている。
基準スイッチ91aは、撮像用基板71の撮像装置73において受光した信号を信号処理回路75において距離データの演算用として使用するか否かを決定する場合の基準を設定するために操作される操作手段である。かかる基準の内容について、図17の説明図を参照しながら説明する。
信号強度の基準としては、図17(a)に示すように第1基準強度と第2基準強度とがパチンコ機10の設計段階で予め用意されている。第1基準強度の方が第2基準強度よりも基準とする信号強度が高く設定されている。第1基準強度が基準強度として設定されている場合には、受光した信号の強度の最大強度が第1基準強度以上となっている場合にその受光した信号を距離データの演算用として使用する。また、第2基準強度が基準強度として設定されている場合には、受光した信号の強度の最大強度が第2基準強度以上となっている場合にその受光した信号を距離データの演算用として使用する。したがって、図17(a)に示すような信号を受光した場合には、第1基準強度及び第2基準強度のいずれが設定されている状況であっても当該信号は距離データの演算用として使用される。一方、図17(b)に示すような信号を受光した場合には、第1基準強度が設定されている状況では当該信号は距離データの演算用として使用されずに、第2基準強度が設定されている状況では当該信号は距離データの演算用として使用される。
第1基準強度が設定されている場合には、距離データの演算に際して相対的に大きな信号強度の信号のみが利用されることとなるため、距離データを導出する場合においてノイズの影響を低減することが可能となる。一方、第2基準強度が設定されている場合には、距離データの演算に際して相対的に小さな信号強度の信号も利用されることとなるため、ノイズの影響を受けやすくなる反面、受光する信号の強度が低くなってしまう場合であっても距離データを導出することが可能となる。
第1基準強度及び第2基準強度は、発光装置72から照射された光の伝搬経路上に存在する窓パネル22及びステージ部材68といった部材の光の透過度合との関係でパチンコ機10の設計段階で決定される。この場合、第1基準強度は、ステージ部材68にて反射した反射光の信号強度及び窓パネル22にて反射した反射光の信号強度よりも高い強度として設定されている。一方、第2基準強度は、窓パネル22にて反射した反射光の信号強度よりも高い強度として設定されているものの、ハーフミラーの機能を有するステージ部材68にて反射した反射光の信号強度よりも低い強度となり得るように設定されている。これに対して、詳細は後述するが、撮像用基板71ではステージ部材68にて反射した反射光を距離データの演算に際して利用しないようにするための処理が実行される。
ここで、パチンコ機10においては遊技領域PAに設けられた一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54、第2作動口55及びスルーゲート56に不正な電波を照射し、利益を不正に得ようとする行為が想定される。これに対して、遊技ホールによってはパチンコ機10の窓パネル22に電波ゴト防止用シートを貼り付けることが行われ得る。図18(a)は電波ゴト防止用シートPSが貼り付けられていない場合の様子を説明するための説明図であり、図18(b)は電波ゴト防止用シートPSが貼り付けられている場合の様子を説明するための説明図である。
図18(a)に示すように、窓パネル22に電波ゴト防止用シートPSが貼り付けられていない場合、発光装置72から照射された投射光及び測定対象MOにて反射した反射光は窓パネル22及びステージ部材68にて反射するものの、それはパチンコ機10の設計段階にて実験的に把握された範囲のものとなる。したがって、基準強度が第1基準強度に設定されていたとしても、距離データの導出を設計通りに行うことが可能となる。
一方、図18(b)に示すように、窓パネル22の裏面に電波ゴト防止用シートPSが貼り付けられている場合、発光装置72から照射された投射光及び測定対象MOにて反射した反射光は窓パネル22及びステージ部材68にて反射するだけでなく電波ゴト防止用シートPSにおいても反射する。この場合、測定対象MOにて反射した反射光の信号強度はそれだけ弱くなる。そうすると、基準強度が第1基準強度に設定されていると距離データの導出を設計通りに行うことが不可となり得る。これに対して、基準強度が第1基準強度よりも低い強度である第2基準強度に設定することにより、距離データの導出を行うことが可能となる。
以上のように第1基準強度と第2基準強度とが設定されていることにより、基本的にはノイズの影響を受けにくい第1基準強度を基準として距離データの導出を行うことを可能としながら、電波ゴト防止用シートPSを利用した場合には反射光の信号強度が低くなることに対応させて第2基準強度を基準として距離データの導出を行うことが可能となる。そして、基準スイッチ91aが設けられており、基準スイッチ91aがOFF位置に配置されている場合には第1基準強度が基準強度として設定され、基準スイッチ91aがON位置に配置されている場合には第2基準強度が基準強度として設定される。
基準スイッチ91aは、図16に示すように、音光側MPU93と電気的に接続されており、基準スイッチ91aがOFF位置に配置されている場合にはLOWレベルの基準信号が音光側MPU93に送信され、基準スイッチ91aがON位置に配置されている場合にはHIレベルの基準信号が音光側MPU93に送信される。なお、HI及びLOWの関係が逆であってもよい。基準スイッチ91aがOFF位置に配置されている場合には音光側MPU93から撮像用基板71にそれに対応した信号が送信されることにより第1基準強度が基準として設定され、基準スイッチ91aがON位置に配置されている場合には音光側MPU93から撮像用基板71にそれに対応した信号が送信されることにより第2基準強度が基準として設定される。
図19は、音光側MPU93にて実行される基準スイッチ監視処理を示すフローチャートである。
まずステップS701では、基準スイッチ91aから受信している信号に基づいて、当該基準スイッチ91aがON位置に配置されているか否かを判定する。基準スイッチ91aがOFF位置に配置されている場合には、ステップS702にて、第1基準信号を撮像用基板71の信号処理回路75に送信する。その後に、ステップS703にて、音光側RAM95に設けられた基準フラグを「0」クリアした後に、本基準スイッチ監視処理を終了する。基準フラグは、基準スイッチ91aがON位置に配置されているか否かを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。
一方、基準スイッチ91aがOFF位置に配置されている場合(ステップS701:YES)には、ステップS704にて、第2基準信号を信号処理回路75に送信する。その後、ステップS705にて、音光側RAM95に設けられた基準フラグに「1」をセットした後に、本基準スイッチ監視処理を終了する。
図20は、信号処理回路75にて実行される信号処理の動作の流れを示すフローチャートである。
信号処理回路75は基準信号の受信状態が変化した場合、すなわち第1基準信号を受信している状態から第2基準信号を受信している状態に変化した場合又は第2基準信号を受信している状態から第1基準信号を受信している状態に変化した場合には(ステップS801:YES)、信号処理回路75に設けられた基準フラグ75aの状態を今回受信した基準信号の種類に応じて変更する(ステップS802)。具体的には、第1基準信号を受信している状態では基準フラグ75aの値が「0」とされ、第2基準信号を受信している状態では基準フラグ75aの状態が「1」とされる。
信号処理回路75は、撮像装置73にて反射光が受光されそれに対応した撮像信号が当該撮像装置73から送信された場合(ステップS803:YES)、基準フラグ75aの状態に応じて距離データを演算してその演算結果の距離データを音光側MPU93に送信する。
具体的には、基準フラグ75aの値が「0」である場合(ステップS804:NO)には、今回受信した撮像信号の信号強度の最大値が第1基準強度以上であることを条件として(ステップS805:YES)、その撮像信号を利用して距離データの演算処理(ステップS806)を実行するとともに、その演算結果の距離データを音光側MPU93に送信する(ステップS807)。当該距離データの送信に際しては、今回の撮像信号を受信した画素アレイ部73cの画素に対応するアドレスデータが付随して送信される。これにより、音光側MPU93は、受信した距離データを距離画像記憶エリア95aのうち当該距離データに付随して送信されたアドレスデータに対応する単位記憶エリアに書き込む。
なお、信号処理回路75は、一の画素から第1基準強度以上に相当する撮像信号を複数種類受信している場合にはそれら各撮像信号のそれぞれについて距離データを導出し、それら距離データを一の画素から導出された距離データとして音光側MPU93に送信する。音光側MPU93は、一の画素について複数の距離データを受信した場合には、それら距離データを対応する単位記憶エリアに全て書き込む。但し、これに限定されることはなく、信号処理回路75は、一の画素から第1基準強度以上に相当する撮像信号を複数種類受信している場合にはそれら各撮像信号のうち最も信号強度が高いものについて距離データを導出し、その距離データのみを一の画素から導出された距離データとして音光側MPU93に送信する構成としてもよい。
一方、基準フラグ75aの値が「1」である場合(ステップS804:YES)には、今回受信した撮像信号の信号強度の最大値が第2基準強度以上であることを条件として(ステップS808:YES)、その撮像信号を利用して距離データの演算処理(ステップS809)を実行する。距離データの演算処理を実行した後は、その演算結果の距離データが基準距離以上のデータに対応していることを条件として(ステップS810:YES)、その距離データを音光側MPU93に送信する(ステップS811)。当該距離データの送信に際しては、今回の撮像信号を受信した画素アレイ部73cの画素に対応するアドレスデータが付随して送信される。これにより、音光側MPU93は、受信した距離データを距離画像記憶エリア95aのうち当該距離データに付随して送信されたアドレスデータに対応する単位記憶エリアに書き込む。
ここで、基準距離は、図18(b)に示すように、窓パネル22の裏面22bよりも撮像装置73から遠い距離であって窓パネル22の表面22aよりも撮像装置73に近い距離として設定されている。なお、撮像装置73の撮像面が斜め上方を向いているのに対して基準距離となる位置に該当する仮想基準面が垂直に設定されていることに対応させて、撮像装置73の画素アレイ部73cの画素毎に基準距離に該当する距離データの値は相違している。これは後述する認識対応距離、監視用距離及び参照対象距離についても同様である。
基準強度が第2基準強度に設定された場合、電波ゴト防止用シートPSにて反射した反射光の強度が第2基準強度よりも高くなることが想定される。また、第2基準強度は第1基準強度よりも強度が低いため、ハーフミラーとして機能するステージ部材68における反射光の強度が第2基準強度よりも高くなることが想定される。これに対して、基準距離以上に対応した距離データのみを音光側MPU93への送信対象とすることで、上記各反射光から導出された距離データが音光側MPU93にて利用されないようにすることが可能となる。ちなみに、基準フラグ75aに「1」がセットされている状況において1の画素から基準距離以上となる距離データに対応する撮像信号を受信しないままとなる状況が発生し得るが、この場合には当該画素については音光側MPU93への距離データの送信が行われないこととなる。
なお、信号処理回路75は、一の画素から第2基準強度以上に相当する撮像信号を複数種類受信している場合にはそれら各撮像信号のそれぞれについて距離データを導出し、それら距離データのうち基準距離以上に対応する距離データの全てを一の画素から導出された距離データとして音光側MPU93に送信する。音光側MPU93は、一の画素について複数の距離データを受信した場合には、それら距離データを対応する単位記憶エリアに全て書き込む。但し、これに限定されることはなく、信号処理回路75は、一の画素から第2基準強度以上に相当する撮像信号を複数種類受信している場合にはそれら各撮像信号のうち最も信号強度が高いものについて距離データを導出し、その距離データが基準距離以上に対応している場合に当該距離データを一の画素から導出された距離データとして音光側MPU93に送信する構成としてもよい。
信号処理回路75は、発光装置72から投射光を照射してから撮像許容期間(例えば5msec)が経過した場合、又は画素アレイ部73cの全ての画素から撮像信号を受信するとともにそれら撮像信号に基づき距離データを送信した場合、撮像が完了したものとして(ステップS812:YES)、撮像完了信号を音光側MPU93に送信する。
<撮像制御処理>
次に、タイマ割込み処理(図14)のステップS513にて実行される撮像制御処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS901では、音光側RAM95に設けられた受信待機フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。受信待機フラグは、発光装置72から投射光が照射された後であって距離データの取得を待機している状態であるか否かを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。
受信待機フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS902にて、音光側RAM95に設けられたいずれかの撮像指令フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。撮像指令フラグは、後述するキャンセル用監視処理、顔認証用処理、第1状況監視処理、第2状況監視処理及び質問表示処理のそれぞれに1対1で対応させて設けられており、これらいずれかの処理において撮像用基板71による距離データの導出が指示されているか否かを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。
全ての撮像指令フラグに「1」がセットされていない場合にはそのまま本撮像制御処理を終了し、いずれかの撮像指令フラグに「1」がセットされている場合にはステップS903に進む。ステップS903では照射指示信号を撮像用基板71の制御回路74に送信する。これにより、発光装置72から投射光が照射される。続くステップS904では、音光側RAM95に設けられた受信待機フラグに「1」をセットする。
その後、ステップS905にて、ステップS902にて肯定判定をする契機となった撮像指令フラグが返却時認証に対応した撮像指令フラグであるか否かを判定する。返却時認証に対応した撮像指令フラグは、後述する返却操作時の認証処理にて「1」がセットされるフラグである。返却時認証に対応した撮像指令フラグである場合にはそのまま本撮像制御処理を終了する。返却時認証に対応した撮像指令フラグではない場合には、ステップS906にて、ステップS902にて肯定判定をする契機となった撮像指令フラグを「0」クリアした後に、本撮像制御処理を終了する。これにより、撮像用基板71における撮像結果が返却時認証として利用される場合には撮像用基板71における撮像、すなわち距離データの導出が繰り返し実行されるのに対して、撮像用基板71における撮像結果が返却時認証以外の目的で利用される場合には、撮像のリトライが実行されない限り、撮像用基板71における撮像は1回の撮像指示に対して1回のみ実行される。
一方、受信待機フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS907にて、撮像用基板71において今回の撮像指令に対して撮像が完了したか否かを判定する。音光側MPU93は、信号処理回路75から撮像完了信号を受信した場合に撮像が完了したと判定する。ちなみに、ステップS903にて照射指示信号が撮像用基板71に送信されてからステップS907にて撮像完了と判定されるまでに要する最長時間は、10msec程度となっている。
撮像が完了していない場合にはそのまま本撮像制御処理を終了し、撮像が完了している場合にはステップS908に進む。ステップS908では、音光側RAM95に設けられたキャンセル用監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。キャンセル用監視フラグは、後述するキャンセル用監視処理にて1フレーム分の画像を利用するために撮像指示が行われている状況及びその撮像指示に対する撮像待ちの状況のいずれかであることを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。キャンセル用監視フラグに「1」がセットされている場合には、後述するステップS915の処理を実行した後に、本撮像制御処理を終了する。
キャンセル用監視フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS909にて検索カウンタの設定処理を実行する。ここで、図22の説明図に示すように、音光側RAM95の距離画像記憶エリア95aには、撮像用基板71における画素アレイ部73cの画素に1対1で対応させて多数の単位記憶エリアU1が設けられており、各単位記憶エリアU1には対応する画素にて受光された反射光から導出された距離データが書き込まれる。ちなみに、信号処理回路75から距離データが送信されなかった画素に対応する単位記憶エリアU1はブランクエリアとして設定され、当該ブランクエリアは音光側MPU93における画像の把握に際して参照されない。検索カウンタは音光側RAM95に設けられており、距離画像記憶エリア95aの単位記憶エリアU1のうち距離データの調整を必要とするか否かの判定を実行すべき対象のエリアを特定するために音光側MPU93にて参照される。検索カウンタの設定処理では、単位記憶エリアU1の数に対応した値を検索カウンタにセットする。
続くステップS910では、現状の検索カウンタの値に対応した単位記憶エリアU1に格納されている距離データが認識対応距離以上に対応するデータであるか否かを判定する。認識対応距離とは、図23の説明図に示すように、窓パネル22の表面22aよりも撮像装置73から遠い距離として設定されている。ステップS910にて否定判定をした場合には、ステップS911にて、現状の検索カウンタの値に対応した単位記憶エリアU1をブランクエリアとして設定する。つまり、距離データを保持しないエリアとすべく、当該単位記憶エリアU1の値を「0」クリアする。ブランクエリアに設定された単位記憶エリアU1は、音光側MPU93における1フレーム分の画像の認識に際して距離データが存在しないエリアとして扱われる。
ステップS910にて肯定判定をした場合、又はステップS911の処理を実行した場合には、ステップS912にて音光側RAM95の検索カウンタの値を1減算する。その後、ステップS913にて、その1減算後における検索カウンタの値が「0」となっているか否かを判定することで、全ての単位記憶エリアU1についてステップS910の処理を実行したか否かを判定する。ステップS913にて否定判定をした場合にはステップS910の処理を実行すべき単位記憶エリアU1が存在していることを意味するため、次の順番の単位記憶エリアU1に格納されている距離データについてステップS910の処理を実行する。一方、ステップS913にて肯定判定をした場合には全ての単位記憶エリアU1についてステップS910の処理が完了したことを意味するため、ステップS914の処理に進む。
ステップS914では、ステップS911にてブランクエリアの設定が行われた単位記憶エリアU1の数が基準数以上であるか否かを判定する。当該基準数は、1フレーム分の画像の認識を適切に行うことができるのであれば任意であるが、複数の数として設定されていることが好ましく、具体的には「50」に設定されている。
ステップS914にて否定判定をした場合には、ステップS915にて、音光側RAM95の受信待機フラグを「0」クリアするとともに音光側RAM95に設けられた撮像完了フラグに「1」をセットした後に、本撮像制御処理を終了する。撮像完了フラグは、撮像指令が発生したことに対して1フレーム分の画像の取得が完了するとともに当該画像を撮像指令が発生した処理にて利用可能であることを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。
ステップS914にて肯定判定をした場合には、ステップS916にて、音光側RAM95に設けられたリトライ回数カウンタの値が上限回数以上であるか否かを判定する。リトライ回数カウンタは、ブランクエリアの数が基準数以上である場合に撮像を再度実行した回数を音光側MPU93にて特定するためのカウンタである。また、上限回数は複数の回数として定められており、具体的には「3」に設定されている。
ステップS916にて肯定判定をした場合には、既に説明したステップS915の処理を実行した後に、本撮像制御処理を終了する。ステップS916にて否定判定をした場合には、ステップS917にて、音光側RAM95の受信待機フラグを「0」クリアするとともに音光側RAM95における今回の撮像制御処理の開始契機となった種類の撮像指令フラグに「1」をセットする。その後、ステップS918にて、音光側RAM95のリトライ回数カウンタの値を1加算した後に、本撮像制御処理を終了する。
以上のように窓パネル22の表面22aよりも撮像装置73側の距離に対応した距離データについてはブランクエリアの設定を行うことにより、図23に示すように、撮像装置73と窓パネル22との間に遊技球Bが偶然存在している場合にその遊技球Bにおける反射光に基づき導出された距離データを監視用の処理や演出用の処理にて利用しないようにすることが可能となる。よって、撮像装置73に対して窓パネル22の表面22aよりも遠い距離に存在する測定対象MOでの反射光に基づき導出された距離データのみを、その後の処理にて利用することが可能となる。
また、ブランクエリアの設定が行われた単位記憶エリアU1の数が基準数以上である場合には、発光装置72からの投射光の照射が再度実行され、1フレーム分の画像の撮像が再度実行される。これにより、例えば、図23に示すように遊技領域PAを流下する遊技球Bを撮像した場合であっても、撮像が再度実行されることを通じて当該遊技球Bが存在していない1フレーム分の画像を取得する機会を生じさせることが可能となる。よって、窓パネル22の表面22aよりもパチンコ機10前方に存在する測定対象MOのみを撮像した1フレームの画像を得る機会が高められる。
また、1フレーム分の画像を再度撮像する事象は上限回数の範囲内で行われる。これにより、1回の撮像指令に対して1フレーム分の画像の取得を完了するのに要する最長時間を制限することが可能となる。なお、ステップS903にて照射指示信号が撮像用基板71に送信されてからステップS907にて撮像完了と判定されるまでに要する最長時間は10msec程度となっているとともに、撮像を再度実行する上限回数は3回に設定されているため、1回の撮像指令に対して1フレーム分の画像の取得を完了するのに要する最長時間は、ステップS908〜ステップS918の処理時間を加味すると35msec程度となる。
<キャンセル用監視処理>
次に、タイマ割込み処理(図14)のステップS506にて実行されるキャンセル用監視処理について説明する。
キャンセル用監視処理では、撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を正常に行えない状況が発生しているか否か、遊技領域PA内に不正用治具Dが挿入されているか否か、及び遊技領域PA内において球詰まりが発生しているか否かを、撮像用基板71の撮像結果を利用して監視するための処理を実行する。当該監視対象の事象について、図24(a)及び図24(b)の説明図を参照しながら説明する。
撮像用基板71の撮像結果を利用して本キャンセル用監視処理以外の監視処理が実行される場合や、撮像用基板71の撮像結果を演出として利用する場合、図24(a)に示すように、測定対象MOは窓パネル22の表面22aよりもパチンコ機10前方に存在している。この場合に、窓パネル22の表面22aは遊技者側に露出しているため、当該表面22aが遊技者により触れられる可能性がある。そうすると、当該表面22aに指紋などの汚れ部分Aが生じ得る。かかる汚れ部分Aが生じると、発光装置72から照射された投射光が当該汚れ部分Aにて反射してしまい、測定対象MOの撮像を正常に行えない可能性が生じる。また、パチンコ機10においては、図24(b)に示すように、遊技領域PA内に不正用治具Dが挿入されて不正な利益を得るための行為が行われることが想定される。また、これらの事象以外にもパチンコ機10においては、遊技領域PA内において球詰まりが発生する可能性があり、この場合には遊技領域PA内において多数の遊技球が停留することとなる。これに対して、キャンセル用監視処理では、汚れ部分Aの発生、遊技領域PA内への不正用治具Dの挿入、又は遊技領域PA内における球詰まり等といったキャンセル用監視対象の事象の発生を特定した場合には、それに対応した処理を実行するようになっている。
図25は、キャンセル用監視処理を示すフローチャートである。
まずステップS1001では、音光側RAM95の各種フラグの状態を確認することで、優先事象が発生しているか否かを判定する。優先事象とは、演出で1フレーム分の画像を利用するために撮像用基板71に撮像指令が発生した状況及び後述する返却時認証で1フレーム分の画像を利用するために撮像用基板71に撮像指令が発生した状況のことである。
ステップS1001にて肯定判定をした場合には、ステップS1002にて、音光側RAM95に設けられたキャンセル用監視フラグを「0」クリアした後に、本キャンセル用監視処理を終了する。キャンセル用監視フラグは、キャンセル用監視を行うために撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を行っている状況であることを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。そして、上記のように優先事象の発生中においてはキャンセル用監視フラグを強制的に「0」クリアする構成としたことにより、1フレーム分の画像の利用に関して、キャンセル用監視よりも優先事象側における利用を優先させることが可能となる。
ステップS1001にて否定判定をした場合には、ステップS1003にて、音光側RAM95のキャンセル用監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。キャンセル用監視フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS1004にて音光側RAM95の他の監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。当該他の監視フラグは、顔認証用処理(ステップS507)、第1状況監視処理(ステップS508)及び第2状況監視処理(ステップS509)のいずれかにて撮像用基板71に対して1フレーム分の画像の撮像指令が行われた場合に「1」がセットされるフラグである。ステップS1004にて肯定判定をした場合にはそのまま本キャンセル用監視処理を終了し、ステップS1004にて否定判定をした場合にはステップS1005に進む。
ステップS1005では、キャンセル用監視の待機時間が経過したか否かを判定する。キャンセル用監視の待機時間は200msecに設定されており、キャンセル用監視処理において撮像指令を行ったことに対して取得された1フレーム分の画像に対してキャンセル用監視の実行が完了した場合に当該待機時間の計測が開始される。なお、パチンコ機10の電源が立ち上げられた直後にも当該待機時間の計測が開始される。
キャンセル用監視の待機時間が経過していない場合にはそのまま本キャンセル用監視処理を終了し、キャンセル用監視の待機時間が経過している場合にはステップS1006に進む。ステップS1006では、音光側RAM95におけるキャンセル用監視に対応した撮像指令フラグに「1」をセットするとともに、音光側RAM95のキャンセル用監視フラグに「1」をセットする。その後、本キャンセル用監視処理を終了する。撮像指令フラグに「1」がセットされることで既に説明したとおり、撮像制御処理(図21)にて撮像用基板71に向けて照射指示信号が送信され撮像用基板71において撮像が開始される。
キャンセル用監視フラグに「1」がセットされることで、ステップS1003にて肯定判定をしてステップS1007に進む。ステップS1007では、音光側RAM95の撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。つまり、キャンセル用監視を行うための1フレーム分の画像の撮像が完了しているか否かを判定する。ステップS1007にて否定判定をした場合にはそのまま本キャンセル用監視処理を終了し、ステップS1007にて肯定判定をした場合にはステップS1008に進む。
ステップS1008では、音光側RAM95のキャンセル用監視フラグ及び撮像完了フラグを「0」クリアする。続くステップS1009では、距離画像記憶エリア95aにおいて監視用距離以下の距離データが格納されている単位記憶エリアU1が所定範囲に集約して存在しているか否かを判定する。
図24(a)及び図24(b)に示すように、監視用距離は、窓パネル22の表面22aよりも1cm程度パチンコ機10前方の位置から撮像装置73までの距離として設定されている。窓パネル22に汚れ部分Aにて反射した反射光に基づき導出された距離データ、遊技領域PA内に挿入された不正用治具Dにて反射した反射光に基づき導出された距離データ、及び遊技領域PA内で球詰まりを生じさせている遊技球に基づき導出された距離データは監視用距離以下のデータに該当することとなる。
汚れ部分Aが生じている場合、不正用治具Dが存在している場合又は球詰まりが生じている場合には、撮像装置73の画素アレイ部73cにおいて縦方向及び横方向に隣接する所定範囲の画素にて汚れ部分A、不正用治具D又は遊技球で反射した反射光を受光することとなる。そうすると、図26(a)の説明図において黒色で塗りつぶされた領域で示すように、距離画像記憶エリア95aにおいて所定範囲に存在する複数の単位記憶エリアU1に監視用距離以下の距離データが格納されることとなる。この場合には、汚れ部分A、不正用治具D又は球詰まり球が存在している可能性が高いものとして扱う。
ステップS1009にて否定判定をした場合には、ステップS1016にて距離画像記憶エリア95aに現状記憶されている各距離データを音光側RAM95に設けられた履歴データ記憶エリア95bに上書きした後に本キャンセル用監視処理を終了する。履歴データ記憶エリア95bは、図26(b)の説明図に示すように、距離画像記憶エリア95aと同一数の単位記憶エリアU2を有しており、距離画像記憶エリア95aに格納されているデータをそのまま保存することが可能な構成となっている。
ステップS1009にて肯定判定をした場合には、ステップS1010にて、監視用距離以下の距離データが格納されている履歴データ記憶エリア95bの単位記憶エリアU2に対応する距離画像記憶エリア95aの単位記憶エリアU1に当該距離データと同一又は略同一の距離データが存在しているか否かを判定する。つまり、履歴データにおいて監視用距離以下の距離データとなっているデータ範囲が、今回取得した1フレーム分の画像のデータに存在しているか否かを判定している。これにより、履歴データと1フレーム分の画像のデータとが完全に一致していなくてもステップS1010にて肯定判定をすることとなり、さらに監視用距離以上の距離データとなっているデータ範囲が履歴データよりも今回取得した1フレームの画像のデータの方が広い場合にもステップS1010にて肯定判定をすることとなる。
なお、同一又は略同一の距離データが存在しているか否かを判定する構成に代えて、監視用距離以下の距離データが格納されている距離画像記憶エリア95aの単位記憶エリアU1に対応する履歴データ記憶エリア95bの単位記憶エリアU2に監視用距離以下に対応する距離データが格納されているか否かを判定する構成としてもよい。
ステップS1010にて否定判定をした場合には、ステップS1016にて履歴データの更新処理を実行した後に本キャンセル用監視処理を終了する。ステップS1010にて肯定判定をした場合には、ステップS1011にて、音光側RAM95に設けられた一致カウンタの値を1加算する。一致カウンタは、監視用距離以下の距離データが格納されている距離画像記憶エリア95aの単位記憶エリアU1に対応する履歴データ記憶エリア95bの単位記憶エリアU2に当該距離データと同一又は略同一の距離データが存在していることを確認した回数を音光側MPU93にて特定するためのカウンタである。なお、一致カウンタは、ステップS1010にて否定判定をした場合、又はステップS1012にて肯定判定をした場合に、「0」クリアされる。
その後、ステップS1012にて一致カウンタの値が異常基準値以上であるか否かを判定する。異常基準値は2以上の値として設定されており、具体的には「20」に設定されている。ここで、既に説明したとおりキャンセル用監視の待機時間は200msecに設定されているため、ステップS1012では、監視用距離以下の距離データが同一の画素にて取得される状況が4sec以上に亘って継続しているか否かを判定していることとなる。かかる異常基準期間は、遊技球が遊技領域PAを球詰まりの発生がない状況で流下する場合において所定の箇所に留まる期間として想定される最長期間よりも長い期間として設定されている。
ステップS1012にて否定判定をした場合には、ステップS1016にて履歴データの更新処理を実行した後に本キャンセル用監視処理を終了する。ステップS1012にて肯定判定をした場合には、ステップS1013にて、音光側RAM95に設けられた規制フラグに「1」をセットする。
規制フラグは、撮像用基板71における撮像結果を後述する顔認証用処理、第1状況監視処理及び第2状況監視処理にて利用するか否かを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。そして、規制フラグに「1」がセットされている場合には、音光側MPU93は撮像用基板71における撮像結果を後述する顔認証用処理、第1状況監視処理及び第2状況監視処理にて利用しない。これにより、汚れ部分Aが生じていることに伴って撮像用基板71の撮像結果を正常に利用できない状況では、当該撮像結果を利用する各種監視処理が実行されないようにすることが可能となる。
続くステップS1014では、異常報知用データの読み出し処理を実行する。当該読み出し処理では、キャンセル用監視処理の結果に対応した異常報知を表示発光部23及びスピーカ部24にて実行するための発光データ及び音出力データを音光側ROM94から音光側RAM95に読み出す。これにより、キャンセル用監視処理の結果に対応した異常報知が表示発光部23及びスピーカ部24にて行われる。また、ステップS1015では、異常報知用コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は異常報知用コマンドを受信することにより、キャンセル用監視処理の結果に対応した異常報知が実行されるように図柄表示装置61を表示制御する。上記のように各種異常報知が実行されることにより、キャンセル用監視処理における監視対象の事象が発生していることを遊技ホールの管理者だけでなく遊技者にも明確に認識させることが可能となる。ステップS1015の処理を実行した後は、ステップS1016にて履歴データの更新処理を実行した後に本キャンセル用監視処理を終了する。
なお、規制フラグに「1」がセットされている状態、及び上記異常報知が実行されている状態は、パチンコ機10の電源をOFFさせることで解除され、その後に電源をONさせた場合には規制フラグは「0」となっているとともに上記異常報知は再開されない。
図27のタイムチャートを参照しながら、キャンセル用監視処理に基づき異常報知が実行される様子について説明する。なお、窓パネル22の表面22aに汚れ部分Aが生じた場合を例に挙げて説明するが、不正用治具Dが存在している場合や球詰まりが発生している場合も同様である。
図27(a)は汚れ部分Aが生じている期間を示し、図27(b)はキャンセル用監視対象が発生していることを特定している期間を示し、図27(c)は異常報知の実行期間を示す。キャンセル用監視処理が実行される場合について説明する。
図27(a)に示すように、t1のタイミングで、窓パネル22の表面22aに汚れ部分Aが生じる。その後、t2のタイミングでキャンセル用監視の待機時間が経過することで、図27(b)に示すようにキャンセル用監視対象が発生していることが特定される。そして、t3のタイミングで、キャンセル用監視対象が発生していると継続して特定している期間が異常基準期間T1以上となることにより、図27(c)に示すように異常報知が開始される。その後、t4のタイミングで、窓パネル22の表面22aから汚れ部分Aが除去され、さらにパチンコ機10の電源の再投入が行われることにより、異常報知が終了される。
以上のようにキャンセル用監視対象が発生している場合には異常報知が実行されることにより、キャンセル用監視対象の事象の発生に対処するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。例えば、窓パネル22の表面22aに汚れ部分Aが生じていると遊技者の演出操作の有無を正確に特定することができなくなるおそれがあるが、これに対して異常報知が実行されることにより、汚れ部分Aを除去するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。また、例えば不正用治具Dが遊技領域PA内に挿入されている場合に異常報知が実行されることにより、不正行為がそれ以上継続されてしまうことを阻止することが可能となる。また、例えば遊技領域PA内で球詰まりが発生している場合に異常報知が実行されることにより、球詰まりを解消するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。
また、窓パネル22の表面22aよりも1cm程度パチンコ機10前方の位置から撮像装置73までの距離として監視用距離が設定されているとともに、距離データが監視用距離以下の場合にキャンセル用監視対象が発生していると特定する構成としたことにより、複数種類存在しているキャンセル用監視対象の監視を一定の処理でまとめて監視することが可能となる。
また、監視用距離以下の距離データが格納されている単位記憶エリアU1が所定範囲に集約して存在している場合にキャンセル用監視対象が発生していると特定する構成としたことにより、例えば窓パネル22の表面22aに微小な汚れ部分が生じた場合にまで異常報知が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
<顔認証用処理>
次に、タイマ割込み処理(図14)のステップS497にて実行される顔認証用処理について説明する。
顔認証用処理では、球貸操作装置26の返却ボタン28が操作されて球貸装置Yから記憶媒体が返却される場合に、その操作を行った遊技者の顔を撮像し、その撮像結果の画像と事前に撮像しておいた遊技者の顔の画像との照合結果が一致しない場合に異常報知を行う。これにより、記憶媒体を不正に取得する行為が行われた場合に、それを遊技ホールの管理者に認識させることが可能となり、それに対処させることが可能となる。
図28は、顔認証用処理を示すフローチャートである。
まずステップS1101では、音光側RAM95に設けられた返却操作後フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ここで、払出制御装置111は、球貸装置Y又は記憶媒体において使用可能な遊技球数に対応する情報が記憶されている状況で球貸操作装置26の返却ボタン28が操作された場合、当該情報が記憶された記憶媒体を排出すべきことを示す返却指示信号を球貸装置Yに送信する。また、払出制御装置111は当該返却指示信号を球貸装置Yに送信する場合に、主側MPU83に返却指示発生コマンドを送信する。主側MPU83は返却指示発生コマンドを受信した場合、音光側MPU93にそれに対応した返却操作発生コマンドを送信する。音光側MPU93は返却操作発生コマンドを受信した場合、返却操作後フラグに「1」をセットする。
ステップS1101にて否定判定をした場合、すなわち返却操作が行われていない場合には、ステップS1102にて、音光側RAM95の各種フラグの状態を確認することで、優先事象が発生しているか否かを判定する。優先事象の内容は、キャンセル用監視処理(図25)におけるステップS1001の場合と同様である。
ステップS1102にて肯定判定をした場合には、ステップS1103にて、音光側RAM95に設けられた顔認証用監視フラグを「0」クリアした後に、本顔認証用処理を終了する。顔認証用監視フラグは、遊技球の貸出を可能とするための情報が新たに追加された場合において遊技者の顔の画像を取得するために撮像用基板71にて1フレーム分の画像の撮像を行っている状況であることを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。そして、上記のように優先事象が発生している状況においては顔認証用監視フラグを強制的に「0」クリアする構成としたことにより、1フレーム分の画像の利用に関して、顔画像の事前取得よりも優先事象側における利用を優先させることが可能となる。
ステップS1102にて否定判定をした場合には、ステップS1104にて、音光側RAM95の顔認証用監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。顔認証用監視フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS1105にて音光側RAM95の規制フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
規制フラグに「1」がセットされている場合にはそのまま本顔認証用処理を終了する。規制フラグは、既に説明したとおり、キャンセル用監視処理(図25)においてキャンセル用監視対象が発生していることが特定された場合に「1」がセットされる。そうすると、規制フラグに「1」がセットされている状況というのは、撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を正常に行えない状況である可能性がある。この場合には、ステップS1105にて肯定判定をして顔認証をそのまま終了する構成とすることにより、撮像を正常に行えない状況において遊技者の顔の画像が取得されないようにすることが可能となる。
規制フラグに「1」がセットされていない場合にはステップS1106にて、音光側RAM95の他の監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。当該他の監視フラグは、キャンセル用監視処理(ステップS506)、第1状況監視処理(ステップS508)及び第2状況監視処理(ステップS509)のいずれかにて撮像用基板71に対して1フレーム分の画像の撮像指令が行われた場合に「1」がセットされるフラグである。ステップS1106にて肯定判定をした場合にはそのまま本顔認証用処理を終了し、ステップS1106にて否定判定をした場合にはステップS1107に進む。
ステップS1107では、音光側RAM95に設けられた顔認証要求フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ここで、払出制御装置111は、球貸装置Yへの紙幣の挿入や記憶媒体の挿入が行われた結果、球貸装置Y又は記憶媒体において使用可能な遊技球数に対応する情報が新たに設定された場合若しくは増加した場合、主側MPU83に貸出情報追加コマンドを送信する。主側MPU83は貸出情報追加コマンドを受信した場合、音光側MPU93にそれに対応した貸出情報追加コマンドを送信する。音光側MPU93は貸出情報追加コマンドを受信した場合、顔認証要求フラグに「1」をセットする。ステップS1107にて否定判定をした場合にはそのまま本顔認証用処理を終了し、ステップS1107にて肯定判定をした場合にはステップS1108に進む。
ステップS1108では、顔認証用監視の待機時間が経過したか否かを判定する。顔認証用監視の待機時間はキャンセル用監視の待機時間及び高さ位置監視の待機時間とは異なる待機時間として設定されており、具体的には300msecに設定されている。顔認証用処理において撮像指令を行ったことに対して取得された1フレーム分の画像に対して顔認証用監視の実行が完了した場合に当該待機時間の計測が開始される。なお、パチンコ機10の電源が立ち上げられた直後にも当該待機時間の計測が開始される。
顔認証用監視の待機時間が経過していない場合にはそのまま本顔認証用処理を終了し、顔認証用監視の待機時間が経過している場合にはステップS1109に進む。ステップS1109では、音光側RAM95における顔認証用監視に対応した撮像指令フラグに「1」をセットするとともに、音光側RAM95の顔認証用監視フラグに「1」をセットする。その後、本顔認証用処理を終了する。撮像指令フラグに「1」がセットされることで、既に説明したとおり、撮像制御処理(図21)にて撮像用基板71に向けて照射指示信号が送信され撮像用基板71において撮像が開始される。
顔認証用監視フラグに「1」がセットされることで、ステップS1104にて肯定判定をしてステップS1110に進む。ステップS1110では、音光側RAM95の撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。つまり、顔画像の事前取得を行うための1フレーム分の画像の撮像が完了しているか否かを判定する。ステップS1110にて否定判定をした場合にはそのまま本顔認証用処理を終了し、ステップS1110にて肯定判定をした場合にはステップS1111に進む。
ステップS1111では、音光側RAM95の顔認証用監視フラグ及び撮像完了フラグを「0」クリアする。続くステップS1112では、顔データの抽出処理を実行する。当該顔データの抽出処理では、音光側RAM95の距離画像記憶エリア95aに格納されている距離データに基づき1フレーム分の画像のデータを把握し、その把握した画像のデータの中に人の顔部分に相当する画像のデータが存在しているか否かを判定する。当該判定に際しては、楕円形状、円形状又は楕円形状などに相当する顔の輪郭部分に該当する範囲を抽出し、その抽出した範囲に目、鼻、口又は耳に該当する範囲が存在している場合には、その抽出した範囲を顔であると認識する。
その後、ステップS1113にて顔データの抽出が完了したか否かを判定する。顔データの抽出が完了していない場合にはそのまま本顔認証用処理を終了する。顔データの抽出が完了している場合にはステップS1114にてその抽出した顔データを音光側RAM95に設けられた事前データ記憶エリア95cに格納する。その後、ステップS1115にて音光側RAM95の顔認証要求フラグを「0」クリアした後に、本顔認証用処理を終了する。
一方、ステップS1101にて返却操作が行われていると判定した場合には、ステップS1116にて返却操作時の認証処理を実行した後に、本顔認証用処理を終了する。図29は、当該返却操作時の認証処理を示すフローチャートである。
ステップS1201では、音光側RAM95に設けられた返却時認証用監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。返却時認証用監視フラグは、返却操作が行われた場合において遊技者の顔の画像を取得するために撮像用基板71にて1フレーム分の画像の撮像を行っている状況であることを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。ステップS1201にて否定判定をした場合には、ステップS1202にて音光側RAM95の規制フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
規制フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS1203にて返却操作後フラグを「0」クリアした後に、本認証処理を終了する。規制フラグは、既に説明したとおり、キャンセル用監視処理(図25)においてキャンセル用監視対象が発生していることが特定された場合に「1」がセットされる。そうすると、規制フラグに「1」がセットされている状況というのは、撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を正常に行えない状況である可能性がある。この場合には、顔認証を行うことなく返却操作後フラグを「0」クリアすることにより、撮像を正常に行えない状況において遊技者の顔の認証が行われないようにすることが可能となる。
規制フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS1204にて、音光側RAM95における返却時認証に対応した撮像指令フラグに「1」をセットするとともに、音光側RAM95の返却時認証用監視フラグに「1」をセットした後に、本認証処理を終了する。撮像指令フラグに「1」がセットされることで、既に説明したとおり、撮像制御処理(図21)にて撮像用基板71に向けて照射指示信号が送信され撮像用基板71において撮像が開始される。
ここで、当該認証処理では、顔認証用処理(図28)などのように対応する撮像指令フラグ及び対応する監視フラグに「1」をセットする前段階において、他の監視フラグに「1」がセットされているか否かの判定及び待機時間の経過判定を行わない。これにより、返却操作が行われた場合には顔認証用の画像の取得を早期に開始することが可能となる。
返却時認証用監視フラグに「1」がセットされることで、ステップS1201にて肯定判定をしてステップS1205に進む。ステップS1205では、音光側RAM95の撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。つまり、顔認証を行うための1フレーム分の画像の撮像が完了しているか否かを判定する。ステップS1205にて否定判定をした場合にはそのまま本認証処理を終了し、ステップS1205にて肯定判定をした場合にはステップS1206に進む。
ステップS1206では、音光側RAM95の撮像完了フラグを「0」クリアする。続くステップS1207では顔データの抽出処理を実行する。当該抽出処理の処理内容は、顔認証用処理(図31)におけるステップS1112の抽出処理と同様である。
その後、ステップS1208にて顔データの抽出が完了したか否かを判定する。顔データの抽出が完了していない場合にはそのまま本認証処理を終了する。顔データの抽出が完了している場合にはステップS1209にてその抽出した顔データを音光側RAM95に設けられた照合用データ記憶エリア95dに格納する。
続くステップS1210では、音光側RAM95の対応する撮像指令フラグ、返却操作後フラグ及び返却時認証用監視フラグの全てを「0」クリアする。ここで、返却操作時の認証処理にて撮像指令フラグに「1」がセットされた場合、撮像用基板71において撮像が完了しただけでは当該撮像指令フラグは「0」クリアされることはなく、照合用データ記憶エリア95dに顔データが格納された場合に「0」クリアされる。これにより、照合用の顔データが取得されるまでは撮像用基板71において撮像が繰り返されることとなり、照合用の顔データを確実に取得することが可能となる。但し、これに限定されることはなく、ステップS1204にて対応する撮像指令フラグに「1」をセットしてから顔認証用監視期間が経過するまでに顔データを抽出できなかった場合には、ステップS1210と同様に各種フラグを「0」クリアするとともに後述するステップS1213にて警報用の処理を実行する構成としてもよい。
その後、ステップS1211にて、音光側RAM95の事前データ記憶エリア95cに記憶されている顔データと、音光側RAM95の照合用データ記憶エリア95dに記憶されている顔データとを照合する。この場合、各顔データにおいて顎のラインを抽出し、その顎のラインに対する目、鼻、口又は耳の相対位置、及び目、鼻、口又は耳の外縁形状が両顔データにおいて90%以上一致している場合に、これら両顔データが一致していると判定する。なお、顔データの認証を行うことができるのであれば、これら顔データの認証の具体的な方法は任意である。
続くステップS1212では、ステップS1211の照合処理の結果が一致結果であるか否かを判定する。なお、事前データ記憶エリア95cに顔データが格納されていない場合には顔データが一致していないと扱われる。ステップS1212にて肯定判定をした場合にはそのまま本認証処理を終了する。一方、ステップS1212にて否定判定をした場合には、ステップS1213にて、警報用発光データを音光側ROM94から音光側RAM95に読み出した後に、本認証処理を終了する。
警報用発光データが読み出されることにより、タイマ割込み処理(図14)における発光制御処理(ステップS503)にて当該警報用発光データが参照され、顔の認証が正常に行えなかったことを示す態様で表示発光部23の発光が行われる。これにより、記憶媒体の返却が正当な遊技者に対して行われたのか否かの確認を行うように、遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。例えば、複数のパチンコ機10が設置された島設備単位で監視カメラが設置された遊技ホールにおいては、監視カメラの撮影結果を参照することで記憶媒体の不正な取得行為が行われたか否かを特定することが可能となる。
また、顔データが一致していない場合には表示発光部23を利用した警報が行われ、遊技の進行を停止させるための処理は実行されない。また、当該警報は、スピーカ部24及び図柄表示装置61では行われない。これにより、顔データの照合が正確に行われなかったとしても、正規の遊技者に不利益や違和感を与えないようにすることが可能となる。
次に、顔認証が行われる様子を図30のタイムチャートを参照しながら説明する。
図30(a)は貸出可能情報の追加タイミングを示し、図30(b)は事前データ記憶エリア95cへの顔データの記憶処理の実行期間を示し、図30(c)は事前データ記憶エリア95cに顔データが記憶済みの期間を示し、図30(d)は返却操作の実行タイミングを示し、図30(e)は記憶媒体を返却するための処理が開始されてから記憶媒体の返却が完了するまでの期間を示し、図30(f)は照合用データ記憶エリア95dへの顔データの記憶処理及び当該顔データを利用した認証処理の実行期間を示し、図30(g)は警報が実行されている期間を示す。
t1のタイミングで、球貸装置Yに紙幣又は記憶媒体が投入されることにより、図30(a)に示すように、使用可能な遊技球数に対応する情報が新たに追加される。そうすると、顔データを事前に取得するために、図30(b)に示すように顔データの事前記憶用処理が実行され、t2のタイミングで、図30(c)に示すように事前データ記憶エリア95cに顔データが記憶された状態となる。なお、使用可能な遊技球数に対応する情報が新たに追加される度に、事前データ記憶エリア95cへの顔データの記憶が新たに行われる。
その後、t3のタイミングで、図30(d)に示すように返却操作が行われる。そうすると、図30(e)に示すように記憶媒体の返却が開始されるとともに、図30(f)に示すように顔認証用処理が開始される。その後、返却操作が完了するタイミングであるt5のタイミングよりも前のタイミングであるt4のタイミングで、照合用データ記憶エリア95dへの顔データの記憶が完了するとともに、事前データ記憶エリア95cに記憶されている顔データと照合用データ記憶エリア95dに記憶されている顔データとの照合が完了する。この場合、両顔データが一致したため、図30(g)に示すように警報は発生しない。
一方、t6のタイミングで行われた返却操作に対する顔認証用処理では、両顔データが一致しない結果となった。この場合、記憶媒体の返却が完了するt8のタイミングよりも前のタイミングであるt7のタイミングで、図30(g)に示すように警報が発生することとなり、遊技ホールの管理者に注意を促すことが可能となる。
<第1状況監視処理>
次に、タイマ割込み処理(図14)のステップS508にて実行される第1状況監視処理について説明する。
第1状況監視処理では、遊技が行われることなくパチンコ機10の前に設けられた椅子に人が着席している可能性があることを撮像用基板71の撮像結果に基づいて把握した場合に第1確認報知を行う。これにより、当該事象が発生していることを遊技ホールの管理者に認識させることが可能となり、それに対処させることが可能となる。
図31は、第1状況監視処理を示すフローチャートである。
まずステップS1301では、音光側RAM95の各種フラグの状態を確認することで、優先事象が発生しているか否かを判定する。優先事象とは、返却時認証で1フレーム分の画像を利用するために撮像用基板71に撮像指令が発生した状況のことである。
ステップS1301にて肯定判定をした場合には、ステップS1303にて、音光側RAM95に設けられた第1状況用監視フラグ及び着席有りカウンタを「0」クリアした後に、本第1状況監視処理を終了する。第1状況用監視フラグは、第1状況監視を行うために撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を行っている状況であることを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。そして、上記のような優先事象の発生中においては第1状況用監視フラグを強制的に「0」クリアする構成としたことにより、1フレーム分の画像の利用に関して、第1状況監視よりも優先事象側における利用を優先させることが可能となる。また、着席有りカウンタは、遊技が実行されていない状態でパチンコ機10の前に設けられた椅子に人が着席していることが撮像用基板71の撮像結果に基づき特定された回数を音光側MPU93にて把握するためのカウンタである。
ステップS1301にて否定判定をした場合には、ステップS1302にて遊技の実行中であるか否かを判定する。具体的には、発射操作が行われているか否かを判定する。発射操作が行われている場合には遊技の実行中であるとして、ステップS1302にて肯定判定をする。
また、発射操作が行われていない場合には、遊技回用の演出の実行中及び開閉実行モード中であるか否かを判定する。この判定は、音光側RAM95に読み出されている演出用のデータテーブルの内容を参照することで行われる。つまり、遊技回用の演出に対応したデータテーブル又は開閉実行モードに対応したデータテーブルが音光側RAM95に読み出されているか否かを判定する。遊技回用の演出の実行中及び開閉実行モード中のいずれかである場合には遊技の実行中であるとして、ステップS1302にて肯定判定をする。
ステップS1302にて肯定判定をした場合には、ステップS1303にて、音光側RAM95の第1状況用監視フラグを「0」クリアした後に、本第1状況監視処理を終了する。これにより、遊技の実行中においては第1状況監視が実行されないようにすることが可能となる。
ステップS1302にて否定判定をした場合には、ステップS1304にて、音光側RAM95の第1状況用監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。第1状況用監視フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS1305にて音光側RAM95の規制フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
規制フラグに「1」がセットされている場合にはそのまま本第1状況監視処理を終了する。規制フラグは、既に説明したとおり、キャンセル用監視処理(図25)においてキャンセル用監視対象が発生していることが特定された場合に「1」がセットされる。そうすると、規制フラグに「1」がセットされている状況というのは、撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を正常に行えない状況である可能性がある。この場合には、ステップS1305にて肯定判定をして第1状況監視処理をそのまま終了する構成とすることにより、撮像を正常に行えない状況において第1状況監視が実行されないようにすることが可能となる。
規制フラグに「1」がセットされていない場合にはステップS1306にて、音光側RAM95の他の監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。当該他の監視フラグは、キャンセル用監視処理(ステップS506)、顔認証用処理(ステップS507)及び第2状況監視処理(ステップS509)のいずれかにて撮像用基板71に対して1フレーム分の画像の撮像指令が行われた場合に「1」がセットされるフラグである。ステップS1306にて肯定判定をした場合にはそのまま本第1状況監視処理を終了し、ステップS1306にて否定判定をした場合にはステップS1307に進む。
ステップS1307では、遊技が実行されていない状態、すなわち遊技球の発射操作が行われておらず且つ遊技回用の演出及び開閉実行モードが実行されていない状態で第1状況監視の待機時間が経過したか否かを判定する。第1状況監視の待機時間は、キャンセル用監視の待機時間及び顔認証用監視の待機時間とは異なる待機時間として設定されており、具体的には5secに設定されている。第1状況監視処理において撮像指令を行ったことに基づき取得された1フレーム分の画像に対して第1状況監視の実行が完了した場合又は遊技が実行されていない状況となった場合に当該待機時間の計測が開始される。なお、パチンコ機10の電源が立ち上げられた直後にも当該待機時間の計測が開始される。
第1状況監視の待機時間が経過していない場合にはそのまま本第1状況監視処理を終了し、第1状況監視の待機時間が経過している場合にはステップS1308に進む。ステップS1308では、音光側RAM95における第1状況監視に対応した撮像指令フラグに「1」をセットするとともに、音光側RAM95の第1状況用監視フラグに「1」をセットする。その後、本第1状況監視処理を終了する。撮像指令フラグに「1」がセットされることで、既に説明したとおり、撮像制御処理(図21)にて撮像用基板71に向けて照射指示信号が送信され撮像用基板71において撮像が開始される。
第1状況用監視フラグに「1」がセットされることで、ステップS1304にて肯定判定をしてステップS1309に進む。ステップS1309では、音光側RAM95の撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。つまり、第1状況監視を行うための1フレーム分の画像の撮像が完了しているか否かを判定する。ステップS1309にて否定判定をした場合にはそのまま本第1状況監視処理を終了し、ステップS1309にて肯定判定をした場合にはステップS1310に進む。
ステップS1310では、音光側RAM95の第1状況用監視フラグ及び撮像完了フラグを「0」クリアする。続くステップS1311では、遊技が実行されていない状態でパチンコ機10の前に設けられた椅子への着席が発生しているか否かを判定する。具体的には、音光側RAM95の距離画像記憶エリア95aに格納されている距離データに基づき1フレーム分の画像のデータを把握し、その把握した画像のデータの中に前方の椅子に着席している人に相当する画像のデータが存在しているか否かを判定する。当該判定に際しては、顔認証用処理(図28)における顔データの抽出処理(ステップS1112)と同様の処理を実行して顔データを抽出可能か否かで着席有りか否かを判定する構成としてもよく、肩データを抽出可能か否かで着席有りか否かを判定する構成としてもよい。ステップS1311にて否定判定をした場合にはそのまま本第1状況監視処理を終了し、ステップS1311にて肯定判定をした場合にはステップS1312に進む。
ステップS1312では、音光側RAM95の着席有りカウンタの値を1加算する。続くステップS1313では、着席有りカウンタの値が報知基準値以上となっているか否かを判定する。報知基準値の具体的な値は任意であるが、本パチンコ機10では「10」に設定されている。そして、既に説明したとおり、第1状況監視の待機時間が5secに設定されているため、ステップS1313では遊技を行うことなく着席している期間が50sec以上に亘って継続したか否かを判定していることとなる。
ステップS1313にて否定判定をした場合にはそのまま本第1状況監視処理を終了する。一方、ステップS1313にて肯定判定をした場合には、ステップS1314にて、第1確認報知用発光データを音光側ROM94から音光側RAM95に読み出した後に、本第1状況監視処理を終了する。なお、ステップS1313にて肯定判定をした場合に着席有りカウンタを「0」クリアする。
第1確認報知用発光データが読み出されることにより、タイマ割込み処理(図14)における発光制御処理(ステップS493)にて当該第1確認報知用発光データが参照され、表示発光部23において遊技を行わないにも関わらず着席している人が存在している可能性があることを示す態様で発光が行われる。
次に、第1状況監視が行われる様子を図32のタイムチャートを参照しながら説明する。図32(a)はパチンコ機10の前に設けられた椅子に人が着席している期間を示し、図32(b)はパチンコ機10にて遊技が行われている期間を示し、図32(c)は第1確認報知の開始タイミングを示し、図32(d)は第1確認報知の実行期間を示す。
t1のタイミングで図32(b)に示すように遊技が終了されて、t2のタイミングで図32(a)に示すように遊技者が離席する。その後、t3のタイミングで図32(a)に示すように新たな人がパチンコ機10の前に着席する。但し、その人は当該パチンコ機10にて遊技を行うことなく着席した状態のままとなる。そうすると、t4のタイミングで図32(c)に示すように遊技が行われないまま第1確認報知の実行開始期間が経過することで、図32(d)に示すように第1確認報知が開始される。当該第1確認報知は、パチンコ機10の電源をOFF操作することで解除され、主側RAM85のクリア処理を要することなく単にパチンコ機10の電源をON操作するだけで第1確認報知が解除された状態で遊技を再開することが可能となる。
以上のように遊技が行われることなくパチンコ機10の前に着席している状態が継続された場合には、第1確認報知が行われる。これにより、その人を離席させるべきであるか否かの確認を行うように、遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。遊技を行うことなく着席している人が存在しているとそれだけそのパチンコ機10の稼働率が低下することとなり、これは遊技ホールにとって好ましくない事象であり、そのような事象が発生している場合には離席を促すことが好ましい。
また、ステップS1313にて肯定判定をした場合には表示発光部23を利用して報知が行われ、当該報知はスピーカ部24及び図柄表示装置61では行われない。これにより、正規の遊技者が遊技の合間で休憩しているだけである場合に、当該遊技者に対して不快感を与えないようにすることが可能となる。
<第2状況監視処理>
次に、タイマ割込み処理(図14)のステップS509にて実行される第2状況監視処理について説明する。
第2状況監視処理では、パチンコ機10に対する不正行為が行われている可能性がある動作を撮像用基板71の撮像結果に基づいて把握した場合に第2確認報知を行う。これにより、当該事象が発生していることを遊技ホールの管理者に認識させることが可能となり、それに対処させることが可能となる。
図33は、第2状況監視処理を示すフローチャートである。
まずステップS1401では、音光側RAM95の各種フラグの状態を確認することで、優先事象が発生しているか否かを判定する。優先事象の内容は、キャンセル用監視処理(図25)におけるステップS1001の場合と同様である。
ステップS1401にて肯定判定をした場合には、ステップS1402にて、音光側RAM95に設けられた第2状況用監視フラグ及び動作異常カウンタを「0」クリアした後に、本第2状況監視処理を終了する。第2状況用監視フラグは、第2状況監視を行うために撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を行っている状況であることを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。そして、上記のような優先事象の発生中においては第2状況用監視フラグを強制的に「0」クリアする構成としたことにより、1フレーム分の画像の利用に関して、第2状況監視よりも優先事象側における利用を優先させることが可能となる。また、動作異常カウンタは、パチンコ機10に対する不正行為が行われている可能性がある動作が撮像用基板71の撮像結果に基づき特定された回数を音光側MPU93にて把握するためのカウンタである。
ステップS1401にて否定判定をした場合には、ステップS1403にて、音光側RAM95の第2状況用監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。第2状況用監視フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS1404にて音光側RAM95の規制フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
規制フラグに「1」がセットされている場合にはそのまま本第2状況監視処理を終了する。規制フラグは、既に説明したとおり、キャンセル用監視処理(図25)においてキャンセル用監視対象が発生していることが特定された場合に「1」がセットされる。そうすると、規制フラグに「1」がセットされている状況というのは、撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を正常に行えない状況である可能性がある。この場合には、ステップS1404にて肯定判定をして第2状況監視処理をそのまま終了する構成とすることにより、撮像を正常に行えない状況において第2状況監視が実行されないようにすることが可能となる。
規制フラグに「1」がセットされていない場合にはステップS1405にて、音光側RAM95の他の監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。当該他の監視フラグは、キャンセル用監視処理(ステップS506)、顔認証用処理(ステップS507)及び第1状況監視処理(ステップS508)のいずれかにて撮像用基板71に対して1フレーム分の画像の撮像指令が行われた場合に「1」がセットされるフラグである。ステップS1405にて肯定判定をした場合にはそのまま本第2状況監視処理を終了し、ステップS1405にて否定判定をした場合にはステップS1406に進む。
ステップS1406では、第2状況監視の待機時間が経過したか否かを判定する。第2状況監視の待機時間は、キャンセル用監視の待機時間、顔認証用監視の待機時間及び第1状況監視の待機時間とは異なる待機時間として設定されており、具体的には3secに設定されている。第2状況監視処理において撮像指令を行ったことに対して取得された1フレーム分の画像に対して第2状況監視の実行が完了した場合に当該待機時間の計測が開始される。なお、パチンコ機10の電源が立ち上げられた直後にも当該待機時間の計測が開始される。
第2状況監視の待機時間が経過していない場合にはそのまま本第2状況監視処理を終了し、第2状況監視の待機時間が経過している場合にはステップS1407に進む。ステップS1407では、音光側RAM95における第2状況監視に対応した撮像指令フラグに「1」をセットするとともに、音光側RAM95の第2状況用監視フラグに「1」をセットする。その後、本第2状況監視処理を終了する。撮像指令フラグに「1」がセットされることで、既に説明したとおり、撮像制御処理(図21)にて撮像用基板71に向けて照射指示信号が送信され撮像用基板71において撮像が開始される。
第2状況用監視フラグに「1」がセットされることで、ステップS1403にて肯定判定をしてステップS1408に進む。ステップS1408では、音光側RAM95の撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。つまり、第2状況監視を行うための1フレーム分の画像の撮像が完了しているか否かを判定する。ステップS1408にて否定判定をした場合にはそのまま本第2状況監視処理を終了し、ステップS1408にて肯定判定をした場合にはステップS1409に進む。ステップS1409では、音光側RAM95の第2状況用監視フラグ及び撮像完了フラグを「0」クリアする。
続くステップS1410では、動作データの抽出処理を実行する。動作データの抽出処理では、音光側RAM95の距離画像記憶エリア95aに格納されている距離データに基づき1フレーム分の画像のデータを把握し、その把握した画像のデータからパチンコ機10の前に設けられた椅子に着席している人の腕のデータを抽出する。当該抽出に際しては、距離データとの関係で首と肩の外縁形状を認識することに基づき肩の位置を把握し、その肩の部分から両側に延びる腕の部分を距離データ及び外縁形状から把握する。そして、その把握した腕の部分が窓パネル22との関係でどのような位置関係となっているのかを把握する。
その後、ステップS1411にて、ステップS1410にて把握した動作データが音光側ROM94の異常対応データに対応しているか否かを判定する。具体的には、パチンコ機10の前に着席している人の手が肩部分よりもパチンコ機10前面側であって窓パネル22の左縁、右縁及び上縁よりも外側に位置している動作が異常対応データとして音光側ROM94に予め記憶されている。正規の遊技者が遊技を行う場合、上記のような動作は継続して行われづらい。ステップS1411にて否定判定をした場合にはそのまま本第2状況監視処理を終了し、ステップS1411にて肯定判定をした場合にはステップS1412に進む。
ステップS1412では、音光側RAM95の動作異常カウンタの値を1加算する。続くステップS1413では、動作異常カウンタの値が動作異常基準値以上となっているか否かを判定する。動作異常基準値の具体的な値は任意であるが、本パチンコ機10では「40」に設定されている。そして、既に説明したとおり、第2状況監視の待機時間が3secに設定されているため、ステップS1413では動作異常対応データに対応した動作が120sec以上に亘って継続したか否かを判定していることとなる。
ステップS1413にて否定判定をした場合にはそのまま本第2状況監視処理を終了する。一方、ステップS1413にて肯定判定をした場合には、ステップS1414にて、第2確認報知用発光データを音光側ROM94から音光側RAM95に読み出した後に、本第2状況監視処理を終了する。なお、ステップS1413にて肯定判定をした場合に動作異常カウンタを「0」クリアする。
第2確認報知用発光データが読み出されることにより、タイマ割込み処理(図14)における発光制御処理(ステップS493)にて当該第2確認報知用発光データが参照されることにより、表示発光部23において異常対応データに対応する動作が継続して行われていることを示す態様で発光が行われる。これにより、パチンコ機10に対する不正行為が行われているか否かの確認を行うように、遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。
また、ステップS1413にて肯定判定をした場合には表示発光部23を利用して報知が行われ、当該報知はスピーカ部24及び図柄表示装置61では行われない。これにより、正規の遊技者が不正行為とは異なる原因で異常対応データに対応する動作を行っているだけである場合に、当該遊技者に対して不快感を与えないようにすることが可能となる。
<会話演出>
次に、タイマ割込み処理(図14)のステップS510にて実行される会話演出用処理における会話演出について説明する。
会話演出は予告演出の一種として設定されている演出である。変動開始の直後に、図柄表示装置61に遊技者への問いかけが表示される。当該問いかけに対して遊技者が口頭で回答すると、遊技者の回答に応じたコメントが図柄表示装置61に表示される。パチンコ機10と遊技者との一連のやり取りを通じて、遊技者は当該遊技回において大当たり結果となる期待度を知ることができる。
図34の(a)〜(h)を参照しながら、会話演出が進行する様子について説明する。まず図34(a)に示すように、変動開始時、図柄表示装置61には変動する3つの図柄列Z1〜Z3が表示される。この状態において、会話演出が始まると当該3つの図柄列Z1〜Z3は図柄表示装置61の左隅エリア161に縮小表示される。3つの図柄列Z1〜Z3は会話演出の間、常に図柄表示装置61の左隅エリア161に縮小表示されている。会話演出では、まず図34(b)に示すように図柄表示装置61に青色又は赤色のカットインが発生する。当該カットイン画像の色には、当該遊技回において大当たり結果となる期待度が反映されている。赤色画像のカットインが表示された場合には大当たり結果となる期待度が高く、青色画像のカットインが表示された場合には大当たり結果となる期待度が低い。
図柄表示装置61にはカットイン画像が表示された後、図34(c)に示すように、女の子のキャラクタ162が吹き出し164とともに表示される。当該吹き出し164には「私を見てしゃべって答えて」と表示される。この際、女の子のキャラクタ162のセリフは吹き出し164に文字として表示されるだけであり、音声としては再生されない。当該会話演出において、女の子のキャラクタ162のセリフは常に吹き出し164に文字として表示され、音声としては再生されない。その後、図34(d)に示すように、女の子のキャラクタ162のセリフが遊技者への問いかけに変化する。具体的には、図柄表示装置61の吹き出し164に「この変動はアツイと思う?」と表示される。
次のシーンにおいて、女の子のキャラクタ162及びその吹き出し164は図34(e)に示すように、図柄表示装置61の左上に移動する。当該タイミングにおいて図柄表示装置61の右上に遊技者が回答可能な期間を表す残り回答制限時間表示バー163が表示されるとともに、図柄表示装置61の中央付近に「思う」及び「思わない」の2つの選択肢が表示される。この際、図柄表示装置61上、当該2つの選択肢の上には「この変動はアツイと思う?」という最初の問いかけが表示されている。これにより、遊技者の問いかけに対する回答を「思う」又は「思わない」のどちらかに導き易くなる。遊技者が当該データベースに記憶されていない回答を行った場合には、音声発光制御装置91が認識できず、対応するコメントを表示できない不都合が生じる。図柄表示装置61に「思う」及び「思わない」という選択肢を明示することで、遊技者の回答をどちらかに導き、音声発光制御装置91における遊技者の回答の認識率を上昇させることが可能となる。遊技者の口頭による回答を認識する方法について詳細は後述する。
女の子のキャラクタ162の吹き出し164には「○」又は「×」の記号とともに、遊技者による回答の認識率を上げるための助言が文字として表示される。助言に用いられる言葉は、遊技者を撮像して遊技者の顔の向きを把握し、把握された遊技者の顔の向きに応じて選択される。具体的には、図34(e)に示すように、遊技者の顔が左に傾いている場合には、吹き出し164に「もう少し右を向いて」という助言が表示される。この場合、当該助言の左隣に「×」印を表示することで、遊技者に回答を行わないように注意喚起が行われる。同様に、遊技者の顔が上向きの場合には「もう少し下を向いて」といった助言が表示される。一方、遊技者の顔が図柄表示装置61の正面を向いていて、遊技者の口唇領域を十分に把握可能な場合には、図34(f)に示すように、吹き出し164に「○」及び「そのまま答えて」という表示がされる。このように、遊技者が回答を行う前に遊技者の顔の向きを矯正する助言を表示することにより、音声発光制御装置91による回答認識率を上昇させることが可能となる。
遊技者の口頭による回答が音声発光制御装置91によって正常に認識された場合には図34(g)に示すように、吹き出し164に遊技者の回答に応じたコメントが表示される。当該コメントには、当否抽選の結果、カットイン画像の色及び遊技者の回答が反映されている。このため、遊技者は当該コメントにより当該遊技回について、大当たり結果となる期待度に関する情報を得ることができる。
遊技者の口頭による回答が音声発光制御装置91によって認識されなかった場合には、図34(h)に示すように、次回の回答認識率を上昇させるための助言が、吹き出し164に表示される。具体的には、音声発光制御装置91が、遊技者の口の動きは認識できたが、遊技者が話した言葉を認識できなかった場合に、「次ははっきり答えて」という文字が吹き出し164に表示される。
遊技者が回答制限時間内に口を動かさなかったと音声発光制御装置91が認識した場合には、遊技者が女の子のキャラクタ162の問いかけに対して答える意思がないと考えられる。この場合は、吹き出しに「・・・」と表示される。カットインの発生から会話終了時のセリフの表示までの一連の演出が行われた後、図柄表示装置61の左隅エリア161に縮小表示されていた図柄列Z1〜Z3が再び拡大表示される。
会話演出開始時に青色のカットインが行われた場合には、一連の会話演出が終了した後、所定の確率で2度目の会話演出が行われる。当該2度目の会話演出は、一連の会話演出が終了して拡大表示された3つの図柄列Z1〜Z3のうち、Z1及びZ3の2列が停止した状態で、今度はリーチ演出のタイミングで実行される。当該タイミングにおいて、再び図柄列Z1〜Z3が図柄表示装置61の左隅エリア161に縮小表示され、青色又は赤色のカットインが発生して2度目の会話演出が始まる。ここで、2度目の会話演出におけるカットイン画像の色は、1度目の会話演出におけるカットイン画像の色とは無関係に抽選により決定される。2度目の会話演出が行われた後、図柄表示装置61の左隅エリア161に縮小表示されていた図柄列Z1〜Z3が再び拡大表示される。その後、最後の図柄列Z2が停止して遊技回が終了する。但し、1度目の会話演出において、遊技者に会話演出に参加する意思がないと判断された場合には、カットインのみが発生し、会話のやりとりは行われない。具体的には、1度目の会話演出後に「・・・」と表示された場合には、2度目の会話演出はカットインのみとなる。
図35のテーブルに示すように、音光側ROM94には、カットイン画像が赤であり、遊技者が「思う」と回答した場合に表示され得る返答コメントが6種類記憶されているとともに、カットイン画像が青であり、遊技者が「思う」と回答した場合に表示され得る返答コメントが6種類記憶されている。また、カットイン画像が赤であり、遊技者が「思わない」と回答した場合に表示され得る返答コメントが6種類記憶されているとともに、カットイン画像が青であり、遊技者が「思わない」と回答した場合に表示され得る返答コメントが6種類記憶されている。当該テーブルは1回目の会話演出と2回目の会話演出に共通して適用される。各返答コメントは大当たり結果が発生することの期待度を遊技者に示す。当該期待度の範囲は0〜100%である。
大当たり結果となる期待度とは、所定の色のカットインが発生し、遊技者が所定の回答を行い、図柄表示装置61に所定の返答コメントが表示された場合に、当該遊技回の当否抽選結果が大当たりとなる期待度を示している。具体的には、赤のカットインが発生し、遊技者が「思う」と回答し、「どうかしら」という返答コメントが表示された場合に大当たりとなる期待度は75%である。
大当たり結果となる期待度が100%である返答コメントは、当否抽選結果が大当たりである場合にのみ表示され得るとともに、大当たり結果となる期待度が0%である返答コメントは、当否抽選結果が外れである場合にのみ表示され得る。図35のテーブルでは一定の規則に従って、大当たり結果となる期待度が割り振られている。
同一色のカットインが発生する場合について、大当たり結果となる期待度が100%である返答コメントと大当たり結果となる期待度が100%でない返答コメントは同じでない。具体的には赤のカットインが発生する場合について、遊技者が「思う」と回答した場合に表示され得る大当たり結果となる期待度が100%である返答コメントに「さすがね」がある。赤のカットインが発生する場合について、遊技者の回答に関わらず、「さすがね」という返答コメントは1つしか設定されていない。また、赤のカットインが発生する場合について、遊技者が「思う」と回答した場合に表示され得る大当たり結果となる期待度が100%である返答コメントに「そうよね」がある。赤のカットインが発生する場合について、「そうよね」という返答コメントが表示され得るケースは2つある。遊技者が「思う」と回答するケース及び遊技者が「思わない」と回答するケースである。いずれのケースにおいても、返答コメント「そうよね」が表示された場合の大当たり結果となる期待度は100%である。このように、同一色のカットインが発生する場合について、大当たり結果となる期待度が100%である返答コメントと大当たりの期待度が100%でない返答コメントを異なる言葉としておくことで、仮に遊技者の回答を誤検出した場合において、遊技者に違和感を与えることを防止できる。つまり、遊技者は、赤のカットインが発生して、返答コメントとして「さすがね」、「そうよね」及び「たまには思わないと」という言葉が表示された場合には当該遊技回の結果が大当たりであることを確信できる。仮に遊技者の回答が誤検出されたとしても、遊技者の期待は裏切られない。
一方で、カットイン画像の色が異なる場合については、大当たり結果となる期待度が100%である返答コメントと大当たり結果となる期待度が100%でない返答コメントは同じ場合がある。具体的には、赤のカットインが発生して遊技者が「思う」と回答した場合に表示され得る「そうよね」という返答コメントの大当たり結果となる期待度が100%であるのに対して、青のカットインが発生して遊技者が「思う」と回答した場合に表示され得る「そうよね」という返答コメントの大当たり結果となる期待度は50%である。この場合は、カットイン画像の色という、遊技者が目で識別可能な要素が異なるため、遊技者の回答の誤検出によって「そうよね」という返答コメントが表示されたとしても、遊技者に違和感を与えない。遊技者は「赤」と「そうよね」の組合せについて大当たり結果となる期待度が100%であると認識でき、「青」と「そうよね」の組合せについて大当たり結果となる期待度が50%であると認識できるからである。
また、同じ返答コメントについては、カットイン画像の色が赤である場合の大当たり結果となる期待度は、カットイン画像の色が青である場合の大当たり結果となる期待度以上である。具体的には、赤のカットインが発生して遊技者が「思う」と回答した場合に表示され得る「どうかしら」という返答コメントの大当たり結果となる期待度が75%であるのに対して、青のカットインが発生して遊技者が「思わない」と回答した場合に表示され得る「どうかしら」という返答コメントの大当たり結果となる期待度は50%である。遊技者は「赤」と「どうかしら」組合せの方が「青」と「どうかしら」の組合せよりも大当たりの期待度が高いと認識できる。全ての返答コメントについて上記規則が適用されるため、遊技者はカットイン画像が赤であった場合には、青であった場合以上に大当たりに期待することができる。
大当たり結果に当選する確率が300分の1である場合について、各種の数値を例示する。会話演出には予告表示としての1回目の会話演出とリーチ表示中に行われる2回目の会話演出がある。本実施形態においては、1回目の会話演出について、大当たり時に会話演出が実行される確率は30%であるとともに、外れ時に会話演出が実行される確率は1%である。この場合、1回目の会話演出が行われた場合に、大当たり結果となる期待度は9%である。
1回目の会話演出においては、大当たり時にカットイン画像が赤となる確率が70%であるとともに、カットイン画像が青となる確率が30%である。また、外れ時にカットイン画像が赤となる確率が30%であるとともに、カットイン画像が青となる確率が70%である。したがって、1回目の会話演出において、赤のカットインが発生した場合に大当たり結果となる期待度は19%であるとともに、青のカットインが発生した場合に大当たり結果となる期待度は4%である。
2回目の会話演出は、1回目の会話演出の抽選において、カットイン画像の色と遊技者の回答と返答コメントの組合せが、(青、思う、そうよね)及び(青、思わない、どうかしら)であった場合に行われる。当該2つの組合せにおける大当たり結果となる期待度は50%である。つまり、2回目の会話演出が行われた場合に、大当たり結果となる期待度は50%である。
2回目の会話演出においては、大当たり時にカットイン画像が赤となる確率が90%であるとともに、カットイン画像が青となる確率が10%である。また、外れ時にカットイン画像が赤となる確率が10%であるとともに、カットイン画像が青となる確率が90%である。したがって、2回目の会話演出において、赤のカットインが発生した場合に大当たり結果となる期待度は90%であるとともに、青のカットインが発生した場合に大当たり結果となる期待度は10%である。
2回目の会話演出においては、大当たり時にカットイン画像が赤となる確率が高く、外れ時にカットイン画像が赤となる確率が低い。このため、遊技者は、2回目の会話演出において赤のカットインが発生した場合に大当たり結果となることを1回目の会話演出以上に期待することができる。このように、遊技者は2回目の会話演出から当否抽選の結果に関して1回目の会話演出よりも信頼性の高い情報を得ることができる。1回目、2回目の順番で、当否抽選の結果に関する情報の信頼性を高めることで、2回目の会話演出においても遊技者に注目させることができる。
図36(a)〜(h)に1回目の会話演出及び2回目の会話演出における返答コメントの抽選に用いられるテーブルを示す。各返答コメントには1つ以上の数字が割り振られている。返答コメントの抽選に際しては、0〜199の200個の数字の中から、無作為に1つの数字が抽出され、当該数字が割り振られている言葉が返答コメントとして選択される。以下、図36(a)を用いて具体的に説明する。図36(a)は、当否抽選結果が大当たりであり、カットイン画像の色の抽選結果が赤であり、想定される遊技者の回答が「思う」である場合に、返答コメントの抽選に用いられるテーブルである。この場合には、返答コメントとして「さすがね」、「そうよね」、「どうかしら」及び「そんな感じね」という4種類の言葉が記憶されている。0〜199の200個の数字が4つに分けられて、4つの言葉と対応付けられている。具体的には0〜39が「さすがね」に、40〜79が「そうよね」に、80〜169が「どうかしら」に、170〜199が「そんな感じね」にそれぞれ割り振られている。抽選に際して無作為に抽出された数字が0〜39のいずれかであれば「さすがね」という言葉が返答コメントとして選択される。
図36(a)のテーブルは図36(b)のテーブルと対になっている。図36(b)は当否抽選結果の値が大当たりであり、カットイン画像の色の抽選結果が赤であり、想定される遊技者の回答が「思わない」である場合に、返答コメントの抽選に用いられるテーブルである。図36(a)と図36(b)の違いは想定される遊技者の回答のみである。図36(b)では、図36(a)のテーブルと同様に、0〜199の200個の数字が4つに分けられて、4つの言葉と対応付けられている。図36(a)を用いて行われる抽選と、図36(b)を用いて行われる抽選は同時に行われる。具体的には、無作為に抽出された数字が80〜169のいずれかであれば、図36(a)のテーブルから「どうかしら」というコメントが選択されるとともに、図36(b)のテーブルから「どうかなあ?」というコメントが選択される。このように、抽選時に遊技者の回答は分かっていないため、遊技者の回答が「思う」である場合の抽選と「思わない」である場合の抽選が同時に行われる。
図36において、(a)と(b)が対の関係にあるのと同様に、(c)と(d)、(e)と(f)及び(g)と(h)がそれぞれ対の関係にある。したがって、図36(c)を用いた抽選と図36(d)を用いた抽選、図36(e)を用いた抽選と図36(f)を用いた抽選及び図36(g)を用いた抽選と図36(h)を用いた抽選は同じ数字を用いて同時に行われる。
2回目の会話演出における返答コメントの抽選については、1回目の会話演出の場合と比較して、各返答コメントに割り振られている数字が異なるだけであり、対となるテーブルの組及び抽選方法は同一である。
図37に示すタイムチャートで会話演出全体の流れについて説明する。図37(a)〜(c)は図柄列Z1〜Z3の変動期間を示し、図37(d)は会話が成功する場合の1段階目の会話演出の期間を示し、図37(e)は図37(d)における回答の把握タイミングを示し、図37(f)は会話が失敗する場合の1段階目の会話演出の期間を示す。また、図37(g)は会話が成功する場合の2段階目の会話演出の期間を示し、図37(h)は図37(g)における回答の把握タイミングを示し、図37(i)は会話が失敗する場合の会話演出の期間を示す。
図37(a)〜(c)に示すように、t1のタイミングで図柄列Z1〜Z3の変動が開始された場合、図37(d)及び図37(f)に示すように、続くt2のタイミングで会話演出が開始される。具体的には図柄列Z1〜Z3が縮小表示されるとともに青色又は赤色のカットインが発生する。図37(e)に示すように、回答制限時間終了前のt3のタイミングで遊技者による口頭の回答が音声発光制御装置91に正常に認識された場合には、図37(d)に示すようにt4のタイミングで会話演出は終了し、再び図柄列Z1〜Z3が拡大表示される。t3からt4の間では、図柄表示装置61に遊技者の口頭による回答に対する返答コメントが表示される。一方、遊技者による口頭の回答が正常に認識されずに回答制限時間が経過した場合には、その後、図柄表示装置61に遊技者に対する助言表示等が行われた後、図37(f)に示すようにt5のタイミングで会話演出が終了する。このように、遊技者による口頭の回答が音声発光制御装置91に正常に認識されるか否かによって会話演出の終了タイミングが変化する。また、図37(a)に示すように、図柄列Z1が停止するのはt6のタイミングである。1回目の会話演出の長さに関わらず、1回目の会話演出終了後、図柄列Z1〜Z3が拡大表示された後に図柄列Z1が停止するように設定されている。図柄列Z1〜Z3が変動している場合に、遊技者の関心はリーチが発生するか否かにある。会話演出中は図柄列Z1〜Z3が縮小表示されているため、図柄列Z1〜Z3よりも会話演出に注目しやすい。このため、会話演出中に図柄列Z1が停止すると、遊技者は図柄列Z1の停止を見逃す可能性がある。これに対して、会話演出が終了し、図柄列Z1〜Z3が拡大表示された後に、図柄列Z1が停止する構成とすることにより、遊技者の注意を図柄列Z1〜Z3に向けることが可能となる。
1度目の会話演出において、最初のカットイン画像が青色であった場合には、2度目の会話演出が行われることがある。図37(c)に示すようにt7のタイミングで図柄列Z3が停止した後、図37(g)及び図37(i)に示すようにt8のタイミングで2度目の会話演出が開始される。図37(h)に示すように、t9のタイミングにおいて、遊技者の口頭による回答が音声発光制御装置91に正常に認識された場合には図37(g)に示すようにt10のタイミングで会話演出が終了する。また、遊技者による口頭の回答が正常に認識されずに回答制限時間が経過した場合には、図37(i)に示すようにt11のタイミングで会話演出が終了する。図37(b)に示すように、図柄列Z2はt12のタイミングで停止する。2回目の会話演出の長さに関わらず、2回目の会話演出終了後、図柄列Z1〜Z3が拡大表示された後に図柄列Z2が停止するように設定されている。2つの図柄列Z1,Z3が停止した後、図柄列Z2のみが変動している状態において、遊技者の関心は図柄列Z2の停止目にある。図柄列Z2の停止前に2回目の会話演出が終了し、図柄列Z1〜Z3が拡大された状態において、図柄列Z2の停止タイミングを迎えることで、遊技者の注意を図柄列Z2の停止に向けることが可能となる。
次に会話演出の詳細な流れについて図38に示すタイムチャートで説明する。図38(a)は会話演出が行われている期間を示し、図38(b)は図柄表示装置61にカットイン画像が表示される期間及び女の子のキャラクタ162の最初の言葉が表示される期間を示し、図38(c)は図柄表示装置61に遊技者への質問が表示されている期間を示し、図38(d)は図柄表示装置61に遊技者が回答するための選択肢が表示されている期間を示し、図38(e)は図柄表示装置61に回答制限時間及び遊技者の顔の向きに関する助言が表示されている期間を示す。また、図38(f)は回答する遊技者の撮像が行われている期間を示し、図38(g)は遊技者の撮像が全て終了するタイミングを示しており、図38(h)は図柄表示装置61に遊技者の行った回答へのコメントが表示されている期間を示し、図38(i)は音声発光制御装置91が遊技者の回答を認識できなかった場合に図柄表示装置61に表示される遊技者への助言の期間を示す。
まず回答制限時間内に音声発光制御装置91が遊技者の回答を正常に認識する場合について説明する。図38(a)及び図38(b)に示すように会話演出が開始されるt1のタイミングで赤色又は青色のカットインが発生し、その後に女の子のキャラクタ162が吹き出し164とともに図柄表示装置61に表示される。図38(c)に示すように、t2のタイミングで図柄表示装置61の表示が遊技者への質問に切り換わる。t3のタイミングまで質問が表示された後、図38(d)〜(f)に示すように当該タイミングで遊技者が回答の際に参考にするための選択肢が図柄表示装置61に表示され、回答制限時間及び遊技者の顔の向きに関する助言の表示も行われる。さらに、回答制限時間の開始とともに、回答を行う遊技者の撮像が開始される。
図38(g)に示すようにt4のタイミングで音声発光制御装置91が遊技者の回答を正常に把握した場合、図38(d)〜(f)に示すように当該タイミングで図柄表示装置61上の選択肢及び回答制限時間の表示が終了するとともに、撮像も終了する。図38(h)に示すように当該t4のタイミングで遊技者の回答に応じた返答コメントが図柄表示装置61に表示される。そして、図38(a)及び(h)に示すように、t5のタイミングにおいてコメントの表示が終了して、会話演出が終了する。
次に、音声発光制御装置91が遊技者の回答を把握できないまま回答制限時間が経過する場合について説明する。図38(a)及び図38(b)に示すように、t6のタイミングでカットインが発生して会話演出が開始される。その後、図38(c)に示すようにt7のタイミングで、質問が表示される。図38(d)〜(f)に示すようにt8のタイミングで質問に関する選択肢、回答制限時間の表示が行われ、遊技者の撮像が開始される。これら選択肢及び回答制限時間の表示及び撮像は回答制限時間が終了するt9まで継続される。図38(i)に示すように、t9のタイミングで遊技者の回答の仕方に対する助言が行われ、t10のタイミングにて助言表示が終了するとともに会話演出が終了する。
次に当否抽選結果を受けて行われる抽選処理について説明する。当該抽選処理は当否抽選結果が大当たりであった場合と外れであった場合の2種類に分かれている。大当たりの場合には遊技者に当否抽選結果が大当たりであることを告げる確定報知を含むのに対して、外れの場合には確定報知を含まない。当該2つの抽選処理ではカットイン画像の色及び遊技者への返答コメントを抽選により決定する。また、カットイン画像の色が青であり、2回目の会話演出が行われる場合は、2回目の会話演出におけるカットイン画像の色及び返答コメントを決定する抽選を行う。そして、抽選が終了すると、今回の抽選結果に応じたデータテーブルを音光側ROM94から音光側RAM95に展開する。
まず当否抽選結果が大当たりであった場合に行われる大当たり時の抽選処理について説明する。図39は大当たり時の抽選処理を示すフローチャートである。ステップS1501にてカットイン画像抽選処理を行う。大当たり時には70%の確率で期待度が高いことを示す赤のカットインが発生し、30%の確率で期待度が低いことを示す青のカットインが発生する。当否抽選の結果が大当たりであることから、高期待度の演出が行われる可能性が高く設定されている。ステップS1502ではカットイン画像の色が赤であるか否かについて判定する。今回のカットイン画像の色が赤である場合(ステップS1502:YES)には、ステップS1503にて「大当たり」「赤」時のコメント抽選処理(1回目)を行う。当該抽選処理は、当否抽選結果が大当たりであり、カットイン画像の色が赤である場合の抽選テーブル(図36(a),(b))を用いて行われる。遊技者が「思う」と答える場合及び「思わない」と答える場合の2種類について抽選を行う。一方、抽選により決定されたカットイン画像の色が青である場合(ステップS1502:NO)には、ステップS1504にて「大当たり」「青」時のコメント抽選処理(1回目)を行う。当該抽選処理は、当否抽選結果が大当たりであり、カットイン画像の色が青である場合の抽選テーブル(図36(c),(d))を用いて行われる。カットイン画像の色が青である場合には、2回目の会話演出が行われる可能性がある。当該2回目の会話演出の有無は、「大当たり」「青」時のコメント抽選処理(1回目)によって決定される返答コメントの種類によって決まる。具体的には、図36(c)に示す抽選テーブルを用いて行われる抽選において「そうよね」という返答コメントが選択されるとともに、図36(d)に示す抽選テーブルを用いて行われる抽選において「どうかしら」という返答コメントが選択される場合に、2回目の会話演出が行われる。
ステップS1503にて「大当たり」「赤」時のコメント抽選処理(1回目)が終わった後又はステップS1504にて「大当たり」「青」時のコメント処理(1回目)が終わり、2回目の会話演出が行われないと判定された場合(ステップS1505:NO)には、ステップS1506にて、抽選により決定された返答コメント及びベースデータテーブルを音光側ROM94から音光側RAM95へ読み出し、本大当たり時の抽選処理を終了する。
「大当たり」「青」時のコメント抽選処理(1回目)が終わり、2回目の会話演出が行われると判定された場合(ステップS1505:YES)にはステップS1507にて2回目会話演出の抽選処理を行って本大当たり時の抽選処理を終了する。
次に当否抽選結果が外れであった場合に行われる外れ時の抽選処理について図40のフローチャートを用いて説明する。まずステップS1601にてカットイン画像抽選処理を行う。外れ時には30%の確率で期待度が高いことを示す赤のカットインが発生し、70%の確率で期待度が低いことを示す青のカットインが発生する。当否抽選の結果が外れであることから、低期待度の演出が行われる可能性が高く設定されている。
ステップS1602ではカットイン画像の色が赤であるか否かについて判定する。今回のカットイン画像の色が赤である場合(ステップS1602:YES)には、ステップS1603にて「外れ」「赤」時のコメント抽選処理(1回目)を行う。当該抽選処理は、当否抽選結果が大当たりであり、カットイン画像の色が赤である場合の抽選テーブル(図36(e),(f))を用いて行われる。遊技者が「思う」と答える場合及び「思わない」と答える場合の2種類について抽選を行う。一方、抽選により決定されたカットイン画像の色が青である場合(ステップS1602:NO)には、ステップS1604にて「外れ」「青」時のコメント抽選処理(1回目)を行う。当該抽選処理は、当否抽選結果が外れであり、カットイン画像の色が青である場合の抽選テーブル(図36(g),(h))を用いて行われる。カットイン画像の色が青である場合には、2回目の会話演出が行われる可能性がある。当該2回目の会話演出の有無は、「外れ」「青」時のコメント抽選処理(1回目)によって決定される返答コメントの種類によって決まる。具体的には、図36(g)に示す抽選テーブルを用いて行われる抽選において「そうよね」という返答コメントが選択されるとともに、図36(h)に示す抽選テーブルを用いて行われる抽選において「どうかしら」という返答コメントが選択される場合に、2回目の会話演出が行われる。
ステップS1603にて「外れ」「赤」時のコメント抽選処理(1回目)が終わった後又は「外れ」「青」時のコメント処理(1回目)が終わり、2回目の会話演出が行われないと判定された場合(ステップS1605:NO)には、ステップS1606にて、抽選により決定されたカットイン画像の色、返答コメント及び会話演出が1回行われる場合のベースデータテーブルを音光側ROM94から音光側RAM95へ読み出し、本外れ時の抽選処理を終了する。
「外れ」「青」時のコメント抽選処理(1回目)が終わり、2回目の会話演出が行われると判定された場合(ステップS1605:YES)にはステップS1607にて2回目会話演出の抽選処理を行って本外れ時の抽選処理を終了する。
次に図41を用いて2回目演出の抽選処理について説明する。当該2回目演出の抽選処理は大当たり時の抽選処理(図39)のステップS1507又は外れ時の抽選処理(図40)のステップS1607にて実行される。2回目の会話演出は1回目の会話演出におけるカットイン画像の色が青であり、抽選により所定の返答コメントが選択された場合に実行される。
まずステップS1701にて今回の当否抽選結果が大当たりか否かについて判定を行う。当否抽選結果が大当たりであった場合(ステップS1701:YES)には、ステップS1702にて2回目の会話演出におけるカットイン画像の色を決めるために、大当たり時のカットイン画像抽選処理を行う。ステップS1703では、抽選の結果、2回目の会話演出のカットイン画像の色が赤であるか否かについて判定する。カットイン画像の色が赤である場合(ステップS1703:YES)には、ステップS1704にて返答コメントを決めるための「大当たり」「赤」時のコメント抽選処理(2回目)を行う。当該抽選には図36(a)及び図36(b)に示す抽選テーブルを使用する。また、カットイン画像の色が青である場合(ステップS1703:NO)には、ステップS1705にて「大当たり」「青」時のコメント抽選処理(2回目)を行い、返答コメントを決定する。当該抽選には図36(c)及び図36(d)に示す抽選テーブルを使用する。
当否抽選結果が外れであった場合(ステップS1701:NO)には、ステップS1706にて2回目の会話演出におけるカットイン画像の色を決めるために、外れ時のカットイン画像抽選処理を行う。ステップS1707では、抽選の結果、2回目の会話演出のカットイン画像の色が赤であるか否かについて判定する。カットイン画像の色が赤である場合(ステップS1707:YES)には、ステップS1708にて返答コメントを決めるための「外れ」「赤」時のコメント抽選処理(2回目)を行う。当該抽選には図36(e)及び図36(f)に示す抽選テーブルを使用する。また、カットイン画像の色が青である場合(ステップS1707:NO)には、ステップS1709にて「外れ」「青」時のコメント抽選処理(2回目)を行い、返答コメントを決定する。当該抽選には図36(g)及び図36(h)に示す抽選テーブルを使用する。
ステップS1704、ステップS1705、ステップS1708又はステップS1709にて返答コメントの抽選処理を行った後は、ステップS1710にて、1回目及び2回目のカットイン画像の色、返答コメント及び会話演出が2回行われる場合のベースデータテーブルを音光側ROM94から音光側RAM95へ読み出し、本2回目演出の抽選処理を終了する。
次に音光側ROM94から音光側RAM95に読み出されるベースデータテーブルについて説明する。図42に1回の遊技回で2度の会話演出が発生する場合のベースデータテーブルを示す。図42(a)は会話演出用のベースデータテーブルであり、図42(b)は図柄列Z1〜Z3用のベースデータテーブルである。図42(a)に基づいて会話演出における音及び光の制御が行われるとともに、図42(b)に基づいて図柄列Z1〜Z3の変動時の音及び光の制御が行われる。当該2つのベースデータテーブルはいずれも音光側ROM94に記憶されており、音光側RAM95に展開されて演出が行われる。
図42(a)には1回目及び2回目の会話演出の開始タイミング、質問の表示開始タイミング、選択肢の表示開始タイミング及び回答制限時間の終了タイミングが記録されている。図42(b)には図柄列Z1〜Z3の縮小表示の開始タイミングが記録されている。図42(a)及び図42(b)に示すように、変動開始時に「0」の位置にあったポインタが「a」の位置に移動したタイミングで1回目の会話演出が開始される。当該タイミングにおいて、図柄列Z1〜Z3の縮小表示を行うタイミングとなる。また、ポインタが「e」の位置に移動したタイミングで2回目の会話演出が開始される。当該タイミングにおいて、図柄列Z1〜Z3の縮小表示を行うタイミングとなる。
会話演出中に図柄列Z1〜Z3は縮小表示され、遊技者の回答が把握されたタイミングにおいて演出は次のシーンに移る。ここで、遊技者の回答が把握されるタイミングは不定である。つまり会話演出全体の長さには幅が存在し、遊技回に復帰するタイミングは回答把握のタイミングによって変化する。音声発光制御装置91は変動開始から会話演出開始までの間は図42(b)のベースデータテーブルを参照して図柄列Z1〜Z3の変動に関する音と光の制御を行い、会話演出開始後から会話演出終了後までは図42(a)のベースデータテーブルを参照して会話演出に関する音と光の制御を行う。音声発光制御装置91は、会話演出が終了すると、再び図柄列Z1〜Z3の変動に関する音と光の制御を行うために図42(b)のベースデータテーブルを参照する。ここで、会話演出用の音と光の演出から、図柄列Z1〜Z3の変動用の音と光の演出へ切り換わるタイミングは不定である。このため、2つのベースデータテーブルを音光側RAM95に展開し、演出の切り替えタイミングにおいて、一方のベースデータテーブルから他方のベースデータテーブルへ参照先を変更する。これにより、遊技者の任意性に応じて会話演出を進行することができる。
図43のテーブルに、撮像により得られた顔画像から顔の向きや口唇領域の形状等を把握するための顔の特徴点を示す。テーブルの上段に示すように、各顔画像について、T1〜T19までの19点がプロットされる。
具体的には、顔の中央側の眉の端点T1,T2、上方の耳の付け根T3,T4、目の周辺T5〜T12、口唇領域T13〜T18及び顎の先端T19が特徴点としてプロットされる。目の周辺に関しては、目尻T5,T9、上まぶたの最も上に突出している点T6,T10、下まぶたの最も下に突出している点T7,T11及び目頭T8,T12がプロットされる。また、口唇領域に関しては、口角T13,T17、上唇の山の部分T14,T16、上唇の溝T15及び下唇の最も下に突出している点T18がプロットされる。当該19個の特徴点の位置情報をもとに遊技者の顔の向きや口唇形状等が把握される。
次に図44を用いて顔の向きの把握方法について説明する。まず、顔の下向き及び上向きを把握する方法について図44の(a)〜(c)を用いて説明する。図44(b)は正面を向いている状態を表している。また、図44(a)は下向きの状態を表しているとともに図44(c)は上向きの状態を表している。点Aが顎の先端(図43のT19)に相当するとともに、点Bが両眉の特徴点(図43のT1,T2)の中点に相当する。また、点Oは図柄表示装置61の中心に相当する。点Mは線分ABの中点であり、線分MNは線分ABと点Mで交わる。線分ABは遊技者の顔を左右に二等分する線であり、当該線分ABの中点Mを通り当該線分ABと垂直な直線MNは視線の向きを表しているとみなすことができる。
図44(b)では、点Nは点Oと重なっている。つまり、視線の先に図柄表示装置61の中心が存在し、遊技者の顔が上下方向に関して正面向きであると言える。このように、点Nが図柄表示装置61の縦幅を表す線分PQの範囲内に収まっている場合には遊技者が正面を向いているものとみなす。また、顎の先端に相当する特徴点T19(図43)の突出度合には個人差がある。このため、線分ABの傾きが所定の範囲内であれば遊技者は正面を向いているとみなす必要がある。そして線分ABの傾きが所定の範囲を超えて上向きである場合又は下向きである場合に、遊技者は正面を向いていないものとみなす。具体的には、図44(a)〜(c)に示すように、図柄表示装置61の上方に調整エリア61aを設けるとともに、図柄表示装置61の下方に調整エリア61bを設ける。これにより、図柄表示装置61の縦幅とみなされる範囲は線分PQから線分RSに拡大される。そして、点Nが線分RSの範囲内にある場合に、上下方向に関して遊技者は正面向きであると判定する。これにより、顎の突出度合を考慮した正面向き判定を行うことが可能となる。
点Nは3つの特徴点T1,T2,T19の位置情報から求められる。このように、視線の先に図柄表示装置61があることをもって遊技者が正面向きであると判断することにより、遊技者の座高の高低に関する補正をする必要がない。具体的には、座高の高い遊技者にとっての正面は顔を少し下向きに傾けた状態であり、座高の低い遊技者にとっての正面は顔を少し上に傾けた状態である。このため、遊技者の顔の傾きをもって正面向きを判断する場合には、座高の高さに応じて補正が必要となる。これに対して、遊技者の視線とみなせる直線MNを求め、点Nが線分RSの範囲内に存在することをもって正面向きを判断する場合は、座高の高低による補正が必要ない。
図44(a)では点Nが図柄表示装置61の下端とみなされる点Rよりも下方に存在するため、遊技者の顔が下に傾いていると判定する。また、図44(c)では点Nが図柄表示装置61の上端とみなされる点Sよりも上方に存在するため、遊技者の顔が上に傾いていると判定する。
次に、図44(d)〜(f)を用いて、顔の左右方向の傾きを把握する方法について説明する。この場合、点Cは遊技者の左耳の特徴点T3(図43)に相当するとともに、点Dは遊技者の右耳の特徴点T4(図43)に相当する。また、点Mは線分CDの中点であり、点Nは点Mを通り線分CDに垂直な直線上に存在する。この場合も、直線MNが遊技者の視線方向を表すことになる。図44(e)では点Nが点Oと一致している。つまり、遊技者の視線の先に図柄表示装置61の中心が存在する。したがって、遊技者の顔は左右方向に関して正面向きである。このように点Nが図柄表示装置61の横幅を表す線分TUの範囲内に存在する場合には遊技者は正面向きであると判定する。これに対して図44(a)では点Nが図柄表示装置61の左端である点Tよりも左側に存在するため、遊技者の顔が左に傾いていると判定する。また、図44(f)では点Nが図柄表示装置61の右端である点Uよりも右側に存在するため、遊技者の顔が右に傾いていると判定する。
次に遊技者が口頭で行う回答の識別方法について説明する。図45のテーブルに5つの母音発音時の口唇形状を示す。母音の「a」発音時の口唇形状はアスペクト比が小さい。また、突出度合は閉口状態とあまり変わらない。母音の「i」発音時の口唇形状はアスペクト比が大きい。また、突出度合は閉口状態と比較して小さい。母音の「u」発音時の口唇形状はアスペクト比が中程度である。また、突出度合は閉口状態と比較して大きい。母音の「e」発音時の口唇形状はアスペクト比が大きい。また、突出度合は閉口状態とあまり変わらない。母音の「o」発音時の口唇形状はアスペクト比が小さい。また、突出度合は閉口状態と比較して大きい。このように、5つの母音発音時の口唇形状はアスペクト比の大中小及び突出度合の大中小の組合せにより識別可能である。また、口唇領域の形状は特徴点T13〜18(図43)の位置情報により把握される。つまり、特徴点の位置情報から5つの母音を識別可能である。
遊技者は口頭での回答に際して単独の母音を発音するのではなく、いくつかの言葉を連続的に発する。具体的には、図柄表示装置61に表示される選択肢に導かれて「思う」又は「思わない」と回答することが予想される。「思う」はローマ字表記で「omou」であり、3つの母音「o」「o」「u」を含んでいる。また、「o」と「o」の間に「m」が挟まれている。したがって、「思う」という言葉を発音する場合には、まず「o」を発音し、閉口状態を経由して再び「o」を発音し、最後に「u」を発音する。このように、「m」や「p」のような特定のアルファベットを含む場合には、1度閉口状態を経由することになる。
遊技者の口頭での回答を口唇領域の形状から把握しようとする場合に、閉口状態は誤検出の原因となり得る。例えば、「a」「i」「u」「e」「o」を通常話すように連続的に発音する場合には、閉口状態から始まり、開口状態において5音を発音して再び閉口状態に戻る。しかし、言葉をしっかり認識させようとして1音1音しっかりかつゆっくり発音する場合には、途中に閉口状態が挟まる可能性がある。この場合、「a」「i」「u」「e」「o」を発音すると、閉口状態と開口状態を何度も繰り返すおそれがある。
これに対して閉口状態をカウントしないという規則の下で回答の把握を行うと、「a」「i」「u」「e」「o」は連続的に発音した場合においても、断続的に発音した場合においても同様に「a」「i」「u」「e」「o」と把握される。
「思わない」はローマ字表記で「omowanai」であり、閉口状態をカウントしないという規則の下では、「o」「o」「a」「a」「i」と発音する場合と同一の口唇形状となる。このように、同じ母音が連続する場合には、遊技者によって1音を発する長さに個人差があるため、1つ目の「o」と2つ目の「o」や3つ目の「a」と4つ目の「a」を区別しようとすると、「o」「o」「a」「a」「i」の他にも「o」「a」「a」「i」、「o」「o」「a」「i」、「o」「o」「o」「a」「a」「i」など考えられる多くの検出パターンを予め想定して記憶させておく必要がある。
これに対して、連続する同一母音は1音とカウントするという規則の下で回答の把握を行うと、「思う」は「o」「u」と一義的に2文字に決まるとともに「思わない」は「o」「a」「i」と一義的に3文字に決まる。
会話演出では遊技者に質問し、遊技者の回答に対して返答コメントを返す形で行われる。遊技者は返答コメントを期待して口頭での回答を行うため、遊技者が回答を行ったにも関わらず返答コメントが返せないことは遊技者を落胆させるとともに、遊技者の会話演出への参加意欲を削ぐことにもつながる。一方で、返答コメントは遊技者の回答を識別して、識別結果に基づいて遊技者に返す構成であるため、頻繁に回答の誤検出が起きると、遊技者は会話に違和感を覚える。
遊技者が回答する可能性の高い「思う」と「思わない」では、文字数が異なる。「思う」は「o」「u」、「思わない」は「o」「a」「i」と認識されるため、2文字であれば「思う」、3文字であれば「思わない」である可能性が高い。遊技者の回答が「o」「u」及び「o」「a」「i」のいずれにも該当しなかった場合には、パチンコ機10が1文字目を不明な文字として認識したことを条件として、文字数のカウントを行い、2文字であれば「思う」、3文字であれば「思わない」という回答であるとみなすことで、誤検出の可能性を抑制しつつ、回答認識率を上昇させることができる。最初に「o」「u」又は「o」「a」「i」のいずれかに該当するか否かを判定し、次に2文字又は3文字のいずれかに該当するか否かについて判定を行うことで、誤検出の可能性を抑えながら回答認識率を上昇させることができる。
次に口唇領域の形状から遊技者が発している言葉を認識するための処理を行うタイミングについて説明する。遊技者の回答を1文字も逃さずに把握する目的で、遊技者の顔画像の撮像間隔は遊技者が1音を発音する時間よりも短く設定されている。これにより、遊技者の回答の文字数を正確に把握することができ、当該文字数から行う回答把握を正確に行うことができる。このため、遊技者の顔画像の撮像枚数は遊技者が発音した音の数よりも多くなる。撮像により得られた画像の全てについて画像解析を行うと、実際に遊技者が回答した言葉よりも多くの文字数を認識してしまう可能性がある。また、遊技者が1音を発音してから、次の1音を発音するまでの遷移状態の口唇領域の形状について画像解析を行うことは、誤検出や検出エラーの原因となる可能性がある。具体的には、遊技者が「i」「o」と発音する間に3回の撮像が行われる場合が挙げられる。1回目の撮像が「i」の発音時、3回目の撮像が「o」の発音時であるとすると、2回目の撮像は「i」の口唇形状と「o」の口唇形状の遷移状態を捉えることになる。2回目の撮像結果を画像解析すると、「e」の口唇形状であると判定される可能性がある。この場合、遊技者が「i」「o」と発音したのに対して、画像解析の結果は「i」「e」「o」となり、単語も文字数も誤検出する可能性がある。
これに対して、今回の撮像により得られた口唇形状を前回の撮像により得られた口唇形状と比較して、口唇形状が大きく異なれば遷移状態であると判断して画像解析を行わず、口唇形状の相違が小さければ画像解析を行うようにすることで、遷移状態を除去して言葉の発音時のみを抽出して画像解析することができる。これにより、誤検出の可能性を低減することが可能となる。これは、遊技者が音を発している状態では口唇形状が一定であるのに対して、遷移状態では口唇形状の変化が大きいことに起因する。
具体的には、口唇形状を表す口唇領域の特徴点T13〜T18(図43)を比較してベクトルを算出し、当該ベクトルの大小で遷移状態か否かを判断する。今回の撮像結果の特徴点と前回の撮像結果の特徴点の比較から得られるベクトルが大きいことは遷移状態であることを示し、ベクトルが小さいことは遊技者が音を発音していることを示す。
遊技者が「思う」と発音した場合、「o」に対応する口唇形状が複数枚続いた後、遷移状態となり、再び「o」に対応する口唇形状が複数枚続く。その後、遷移状態を経て、「u」に対応する口唇形状が複数枚続く。遷移状態は除かれるため、画像解析の結果は、「o」が複数枚連続した後、「u」が複数枚連続する。ここで、同一文字が連続する場合は、1文字としてカウントされるため、最終的に「思う」を「o」「u」として認識することが可能となる。
次に撮像の終了タイミングについて説明する。遊技者は回答を行った後、閉口状態となると考えられる。閉口状態で撮像を終了することとなる。しかし、遊技者の回答途中にも閉口状態となるタイミングがある。このため、閉口状態と判断された場合にも直ちに撮像終了タイミングとすることはできない。
これに対して、特徴点の変位に関するベクトルの大きさが小さい状態が所定期間継続した場合に撮像終了タイミングとすることで、遊技者の回答途中に撮像が終了する可能性を低減することができる。回答途中の閉口状態と比較して、回答終了後の閉口状態の方が長いためである。
図46は、タイマ割込み処理(図14)のステップS510にて実行される会話演出用処理を示すフローチャートである。当該会話演出用処理は音光側MPU93にて行われる。まずステップS1801では、1回目会話演出フラグに「1」がセットされているか否かについて判定を行う。ここで、1回目会話演出フラグとは、予告演出としての会話演出実行中であることを示すフラグであり、当該会話演出用処理のステップS1805にてセットされるフラグである。
1回目会話演出フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1801:NO)には、ステップS1802にて、音光側RAM95に展開されているベースデータテーブルを参照して、1回目会話演出の開始タイミングであるか否かについて判定する。ここで、1回目会話演出とは、予告演出として行われる会話演出を意味しており、リーチ演出のタイミングで行われる2回目会話演出と区別して記述している。
1回目会話演出の開始タイミングである場合(ステップS1802:YES)には、ステップS1803にて音光側RAM95に読み出されているカットイン画像の色を把握する。その後、ステップS1804にてカットインを実行するためのコマンドを表示制御装置96に送信し、ステップS1805にて1回目会話演出フラグに「1」をセットして本会話演出用処理を終了する。
1回目会話演出フラグに「1」がセットしてある場合(ステップS1801:YES)には、ステップS1806にて質問表示処理を実行して本会話演出用処理を終了する。また、ステップS1802にて否定判定を行った場合にはそのまま本会話演出用処理を終了する。
図47は、会話演出用処理(図46)のステップS1806及び後述する2回目会話演出用処理(図58)のステップS3008にて実行される質問表示処理を示すフローチャートである。当該質問表示処理は音光側MPU93にて行われる。
まずステップS1901にて音光側RAM95に展開されているベースデータテーブルを参照して、質問の表示開始タイミングであるか否かについて判定する。当該質問は女の子のキャラクタ162が遊技者に対して行う問いかけであり、図柄表示装置61の吹き出し164に表示されるものである。質問の表示開始タイミングである場合(ステップS1901:YES)には、図柄表示装置61に質問を表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信して本質問表示処理を終了する。当該コマンドは、図柄表示装置61に「この変動はアツイと思う?」という表示を行わせるためのコマンドである。
質問の表示開始タイミングでない場合(ステップS1901:NO)には、ステップS1903にて音光側RAM95に展開されているベースデータテーブルを参照して、選択肢の表示開始タイミングであるか否かについて判定する。当該選択肢は女の子のキャラクタ162が行った質問に対して遊技者が回答する際に遊技者の目に入るように図柄表示装置61に表示するものである。選択肢表示開始タイミングである場合(ステップS1903:YES)には、ステップS1904にて図柄表示装置61に選択肢及び回答制限時間表示バー163を表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信する。
続くステップS1905では撮像指令フラグに「1」をセットする。これは、口頭で回答を行う遊技者を撮像して画像処理を行い、遊技者の回答を音声発光制御装置91が認識するために行われる。その後、回答待ちフラグに「1」をセットして本質問表示処理を終了する。ここで、回答待ちフラグとは、図柄表示装置61に遊技者に対する質問を表示した状態で遊技者の顔の撮像を行いながら遊技者の口頭での回答を把握するための処理を実行している状態を示すフラグである。選択肢表示開始タイミングでない場合(ステップS1903:NO)には、ステップS1907にてコメント表示処理を行って本質問表示処理を終了する。
図48は、質問表示処理(図47)のステップS1907にて実行されるコメント表示処理を示すフローチャートである。当該コメント表示処理は音光側MPU93にて行われる。まずステップS2001にてコメント表示中フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。ここで、コメント表示中フラグとは、図柄表示装置61に遊技者の回答に対するコメントが表示されていることを示すフラグであり、本コメント表示処理のステップS2016にて「1」がセットされる。
コメント表示中フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2001:NO)には、ステップS2002にて助言表示中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。当該助言表示中フラグは、音声発光制御装置91が遊技者の口頭での回答を認識できなかった場合に、会話演出の最後に図柄表示装置61に助言が表示されている状態を示すフラグであり、後述する会話失敗時の処理(図55)のステップS2716にて「1」がセットされる。
助言表示中フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2002:NO)には、ステップS2003にて回答待ちフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。回答待ちフラグに「1」がセットされている場合(ステップS2003:YES)には、ステップS2004にて、音光側RAM95に展開されているベースデータテーブルを参照して、回答制限時間内であるか否かについて判定を行う。回答制限時間内であった場合(ステップS2004:YES)には、ステップS2005にて撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。撮像完了フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2005:YES)には、ステップS2006にて撮像完了フラグを「0」クリアし、ステップS2007にて画像判定処理を行う。
図49は、コメント表示処理(図48)のステップS2007にて実行される画像判定処理を示すフローチャートである。当該画像判定処理は音光側MPU93にて行われる。まずステップS2101にて今回の撮像で得た遊技者の顔画像について特徴点の抽出を行い、ステップS2102にて、ステップS2101で抽出した特徴点の位置情報から遊技者の顔の向きを把握するための顔の向き把握処理を行う。
図50は、画像判定処理(図49)のステップS2102にて実行される顔の向き判定処理を示すフローチャートである。当該顔の向き判定処理は音光側MPU93にて行われる。
まずステップS2201にて撮像カウンタに「1」を加算する。ここで、撮像カウンタとは、撮像を行った回数を数えるカウンタである。当該カウンタは撮像した画像の枚数に対して、正面向きで撮像された画像の枚数が半数以上である否かを判定する場合に用いられる。次にステップS2202にて今回撮像で得た遊技者の顔画像に両耳が写っているか否かを判定する。具体的には、画像判定処理(図52)のステップS2401にて特徴点の抽出を行った結果、今回の顔画像に両耳に関する特徴点が存在するか否かについて判定する。今回の顔画像に両耳に関する特徴点の一方しか存在しなかった場合(ステップS2202:NO)には、ステップS2203にて右耳に関する特徴点が存在するか否かについて判定する。右耳に関する特徴点のみが存在する場合(ステップS2203:YES)には、ステップS2204にて図柄表示装置61に右向き助言を表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信し、本顔の向き把握処理を終了する。ここで、当該右向き助言とは、遊技者に右を向かせるための助言である。具体的には、図柄表示装置61に「×」を表示するとともに、「もう少し右を向いて」という助言を行う。左耳に関する特徴点のみが存在する場合(ステップS2203:NO)には、ステップS2205にて図柄表示装置61に左向き助言を表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信し、本顔の向き把握処理を終了する。ここで、当該左向き助言とは、遊技者に左を向かせるための助言である。具体的には、図柄表示装置61に「×」を表示するとともに、「もう少し左を向いて」という助言を行う。
ステップS2202にて両耳に関する特徴点が存在する場合には、ステップS2206にて左右方向の顔の向き把握処理を行う。具体的には特徴点T3,T4(図43)の位置情報から左右方向の顔の向きを把握する。
ステップS2207では、顔の向きが左向きであるか否かについて判定する。左向きである場合(ステップS2207:YES)には、ステップS2208にて右向き助言を表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信し、本顔の向き把握処理を終了する。顔の向きが左向きでない場合(ステップS2207:NO)には、ステップS2209にて顔の向きが右向きであるか否かについて判定する。右向きであった場合(ステップS2209:YES)には、ステップS2210にて左向き助言を表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信し、本顔の向き把握処理を終了する。
顔の向きが左向きでも右向きでもなかった場合(ステップS2209:NO)には、ステップS2211にて上下方向の顔の向き判断処理を行う。ステップS2212では、顔の向きが上向きであるか否かについて判定する。上向きあった場合(ステップS2212:YES)には、ステップS2213にて下向き助言を表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信し、本顔の向き把握処理を終了する。上向きでなかった場合(ステップS2212:NO)には、ステップS2214にて顔の向きが下向きであるか否かについて判定する。下向きであった場合(ステップS2214:YES)には、ステップS2215にて上向き助言を表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信し、本顔の向き把握処理を終了する。
顔の向きが上向きでも下向きでもなかった場合(ステップS2214:NO)には、ステップS2216にて正面向きカウンタに「1」を加算し、ステップS2217にて遊技者が正面を向いていることを図柄表示装置61に表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信し、本顔の向き把握処理を終了する。ここで、正面向きカウンタとは、遊技者が正面を向いた状態で撮像された回数を数えるカウンタである。遊技者が正面を向いている場合には、図柄表示装置61に「○そのまま答えて」と表示される。
図49の画像判定処理の説明に戻り、ステップS2103では遊技者の顔画像から口唇領域を抽出し、ステップS2104にて当該口唇領域の特徴点を抽出する。
ステップS2105では、音光側RAM95に比較対象が保存してあるか否かを判定することにより、今回の撮像が2回目以降の撮像であるか否かについて判定する。ここで、比較対象とは、本画像判定処理のステップS2117にて保存される特徴点の位置情報のことである。ステップS2105にて肯定判定を行った場合には、ステップS2106にて口唇領域の比較対象からの形状変化を表すベクトルを求める。具体的には、比較対象として保存されている前回撮像された口唇領域の特徴点の位置情報と今回撮像された口唇領域の位置情報の比較から、各特徴点の変位の量及び方向をベクトルとして表す。
ステップS2107では当該各ベクトルの大きさの和が所定の値よりも小さいか否かについて判定する。各ベクトルの大きさの和が小さいことは、遊技者の口唇形状が前回撮像時から今回撮像時にかけてあまり変化していないことを示す。また、各ベクトルの大きさの和が大きいことは、遊技者の口唇形状が前回撮像時から今回撮像時にかけて大きく変化していることを示す。口唇形状の変化量が小さい場合には遊技者が何らかの言葉を発している可能性が考えられる。また、遊技者が回答を終えて口唇形状を一定に保っている可能性も考えられる。一方、口唇形状の変化量が大きい場合には遊技者がある言葉を発した後、他の言葉を発するまでの過渡期である可能性が考えられる。
各ベクトルの大きさの和が所定の値よりも小さい場合(ステップS2107:YES)には、ステップS2108にて今回の口唇領域の形状が前回の口唇領域の形状と同じであるか否かを判定する。当該判定は、各特徴点の位置情報を比較して行われる。具体的には、今回の口唇領域の特徴点の位置情報と、前回文字認識処理(ステップS2111)を行った際の口唇領域の特徴点の位置情報と、から求まる各ベクトルの大きさの和が所定の値よりも小さい場合に、今回の口唇形状は前回文字認識処理を行った際の口唇形状と同一であると判定する。ステップS2108にて肯定判定を行った場合には、ステップS2109にて同一形状カウンタに「1」を加算する。当該同一形状カウンタとは、遊技者の口唇が継続的に同一形状である時間を計測するためのカウンタであり、当該カウンタの値が所定の値になった場合には、遊技者が回答を終了したものとみなす。ステップS2108にて否定判定を行った場合には、ステップS2110にて同一形状カウンタを「0」クリアし、ステップS2111にて文字認識処理を行う。
図51は、画像判定処理(図49)のステップS2111にて実行される文字認識処理を示すフローチャートである。当該文字認識処理は音光側MPU93にて行われる。
まずステップS2301にて口唇領域のアスペクト比が大きいか否かについて判定する。アスペクト比が大きい場合(ステップS2301:YES)には、ステップS2302にて口唇領域の突出度合が中程度であるか否かについて判定する。突出度合が中程度である場合には、ステップS2303にて今回発音された母音は「e」であると認識する。口唇領域の突出度合が中程度ではない場合(ステップS2302:NO)には、ステップS2304にて口唇領域の突出度合が小さいか否かについて判定する。突出度合が小さい場合(ステップS2304:YES)には、ステップS2305にて今回発音された母音は「i」であると認識する。突出度合が小さくない場合(ステップS2304:NO)には、ステップS2306にて今回発音された母音は不明な文字と認識する。文字数から遊技者の回答を把握する場合に、不明な文字は1文字として数えられる。これにより、遊技者の回答の一部が「a」、「i」、「u」、「e」及び「o」のいずれにも該当しないと判断された場合においても、文字数により遊技者の回答を把握することが可能となる。
口唇領域のアスペクト比が大きくなかった場合(ステップS2301:NO)には、ステップ2407にて、アスペクト比が中程度であるか否かについて判定する。アスペクト比が中程度である場合(ステップS2307:YES)には、ステップS2308にて口唇領域の突出度合が大きいか否かについて判定する。突出度合が大きい場合(ステップS2308:YES)には、ステップS2309にて今回発音された母音が「u」であると認識する。突出度合が大きくなかった場合(ステップS2308:NO)には、ステップS2310にて不明な文字と認識する。
口唇領域のアスペクト比が中程度でなかった場合(ステップS2307:NO)には、ステップS2311にて、アスペクト比が小さいか否かについて判定する。アスペクト比が小さい場合(ステップS2311:YES)にはステップS2312にて口唇領域の突出度合が大きいか否かについて判定する。突出度合が大きい場合(ステップS2312:YES)には、ステップS2313にて今回発音された母音が「o」であると認識する。突出度合が大きくなかった場合(ステップS2312:NO)には、ステップS2314にて突出度合が中程度であるか否かについて判定する。突出度合が中程度である場合(ステップS2314:YES)には、ステップS2315にて今回発音された母音が「a」であると認識する。突出度合が中程度でなかった場合(ステップS2314:NO)にはステップS2316にて不明な文字と認識する。
口唇領域のアスペクト比が小程度でなかった場合(ステップS2311:NO)には、ステップS2316にて不明な文字と認識する。ステップS2303、ステップS2305、ステップS2306、ステップS2309、ステップS2310、ステップS2313、ステップS2315及びステップS2316の後、ステップS2317にて認識文字記憶処理を行って本文字認識処理を終了する。
図52は、文字認識処理(図51)のステップS2317にて実行される認識文字記憶処理を示すフローチャートである。当該認識文字記憶処理は音光側MPU93にて行われる。まずステップS2401にて前回認識された文字が存在するか否かについて判定する。具体的には、前回「a」フラグ、前回「i」フラグ、前回「u」フラグ、前回「e」フラグ、前回「o」フラグ又は前回「不明」フラグのいずれかのフラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。前回「a」〜「o」のいずれかの文字が認識された場合には、当該5つのフラグのいずれかに「1」がセットされている。また、前回不明な文字と認識された場合には前回「不明」フラグに「1」がセットされている。例えば、前回「a」が認識された場合には、前回「a」フラグに「1」がセットされている。
前回認識された文字が存在する場合(ステップS2401:YES)には、ステップS2402にて今回認識された文字が前回認識された文字と同じであるか否かについて判定する。今回認識された文字と前回認識された文字が同じである場合(ステップS2402:YES)には、そのまま本認識文字記憶処理を終了する。今回認識された文字と前回に認識された文字が異なる場合(ステップS2402:NO)には、ステップS2403にて前回の認識文字に関するフラグを「0」クリアする。具体的には、前回「o」フラグに「1」がセットされている場合には、当該前回「o」フラグを「0」クリアする。
ステップS2401に否定判定を行った場合又はステップS2403の後、ステップS2404にて1文字目に対応する6つのフラグのいずれかに「1」がセットされているか否かを判定する。具体的には、1文字目「a」フラグ、1文字目「i」フラグ、1文字目「u」フラグ、1文字目「e」フラグ、1文字目「o」フラグ又は1文字目「不明」フラグのいずれかに「1」がセットしてあるか否かについて判定する。1文字目に対応する6つのフラグのいずれにも「1」がセットされていない場合(ステップS2404:NO)には、ステップS2405にて今回認識された文字に対応する1文字目のフラグに「1」をセットする。具体的には今回認識された文字が「o」であった場合には、1文字目「o」フラグに「1」をセットする。
1文字目に対応する6つのフラグのいずれかに「1」がセットされている場合(ステップS2404:YES)には、ステップS2406にて2文字目に対応する6つのフラグのいずれかに「1」がセットされているか否かを判定する。具体的には、2文字目「a」フラグ、2文字目「i」フラグ、2文字目「u」フラグ、2文字目「e」フラグ、2文字目「o」フラグ又は2文字目「不明」フラグのいずれかに「1」がセットしてあるか否かについて判定する。2文字目に対応する6つのフラグのいずれにも「1」がセットされていない場合(ステップS2406:NO)には、ステップS2407にて今回認識された文字に対応する2文字目のフラグに「1」をセットする。
2文字目に対応する6つのフラグのいずれかに「1」がセットされている場合(ステップS2406:YES)には、ステップS2408にて3文字目に対応する6つのフラグのいずれかに「1」がセットされているか否かを判定する。3文字目に対応する6つのフラグのいずれにも「1」がセットされていない場合(ステップS2408:NO)には、ステップS2409にて今回認識された文字に対応する3文字目のフラグに「1」をセットする。
3文字目に対応する6つのフラグのいずれかに「1」がセットされている場合(ステップS2408:YES)には、ステップS2410にて4文字目に対応する6つのフラグのいずれかに「1」がセットされているか否かを判定する。4文字目に対応する6つのフラグのいずれにも「1」がセットされていない場合(ステップS2410:NO)には、ステップS2411にて今回認識された文字に対応する4文字目のフラグに「1」をセットする。本実施形態においては、「思う」が2文字で把握されるとともに、「思わない」が3文字で把握される。これに対して、4文字目のフラグを設けておくことで、2文字目のフラグに「1」がセットされており、3文字目のフラグに「1」がセットされていない場合に今回認識された回答における母音の数が2つであると判断されるとともに、3文字目のフラグに「1」がセットされており、4文字目のフラグに「1」がセットされていない場合に今回認識された回答における母音の数が3つであると判断される。また、4文字目のフラグに「1」がセットされている場合には今回認識された回答における母音の数が4つ以上であると判断される。一方、認識対象である言葉の母音が2つ及び3つであるのに対して、5つ以上の母音が把握された場合には認識対象とは異なる言葉が発音されたものとみなし、5文字目以降の文字に関しては該当するフラグをセットしない。
ステップS2405、ステップS2407、ステップS2409又はステップS2411の後、ステップS2412にて前回の認識文字に関するフラグであり、今回認識された文字に対応するフラグに「1」をセットして本認識文字記憶処理を終了する。具体的には、今回認識された文字が「o」であった場合には、前回「o」フラグに「1」をセットする。
このように、前回の認識文字と今回の認識文字が一致した場合は今回認識した文字の記憶処理を行わない。また、文字の記憶は4文字を限度に行う。例えば、遊技者が「思う」という回答を行い、当該回答が音光側MPU93にて正常に把握された場合、「o」「o」「u」の3文字が認識される。このうち、2文字目の「o」は前回の認識文字と同じため記憶処理が行われない。このため、認識文字記憶処理により、1文字目「o」フラグ及び2文字目「u」フラグに「1」がセットされ、「思う」は音光側MPU93には「o」「u」として認識される。また、遊技者が「思わない」という回答を行い、当該回答が音光側MPU93にて正常に把握された場合、「o」「o」「a」「a」「i」の5文字が認識される。このうち、2文字目の「o」及び4文字目の「a」は前回の認識文字と同じため記憶処理が行われない。このため、認識文字記憶処理により、1文字目「o」フラグ、2文字目「a」フラグ及び3文字目「i」フラグに「1」がセットされ、「思わない」は音光側MPU93には「o」「a」「i」として認識される。
図49の画像判定処理の説明に戻り、ステップS2112では、同一形状カウンタの値が所定の値に達したか否かについて判定する。具体的には、同一形状カウンタの値が600(約3秒間)になったか否かについて判定する。ステップS2112にて肯定判定を行った場合には、ステップS2113にて同一形状カウンタを「0」クリアするとともに、ステップS2114にて回答把握終了フラグに「1」をセットし、ステップS2115にて比較対象画像を消去し、ステップS2116にて回答認識処理を行った後、本画像判定処理を終了する。ここで、回答把握終了フラグとは、回答制限時間内に遊技者の口唇形状の変位が所定時間以上認められなかったことをもって回答が終了したものとみなされたことを示すフラグである。コメント表示処理(図48)のステップS2008において、当該フラグを参照することにより、回答の把握が終了している場合(ステップS2008:YES)には返答コメントや助言の表示が行われ、回答の把握が終了していない場合(ステップS2008:NO)には再び撮像が行われる。
ステップS2105、ステップS2107又はステップS2112にて否定判定を行った場合には、ステップS2117にて今回得られた口唇領域の特徴点の位置情報を比較対象として音光側RAM95に保存して本画像判定処理を終了する。また、ステップS2111にて文字認識処理を行った後も、ステップS2117にて今回得られた口唇領域の特徴点の位置情報を比較対象として音光側RAM95に保存して本画像判定処理を終了する。
図53は、画像判定処理(図49)のステップS2116にて実行される回答認識処理を示すフローチャートである。当該回答認識処理は音光側MPU93にて行われる。
まずステップS2501にて今回の演出が会話演出であるか否かについて判定し、会話演出であった場合(ステップS2501:YES)に、ステップS2502にて1文字目「o」フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。1文字目「o」フラグに「1」がセットしてある場合(ステップS2502:YES)には、ステップS2503にて2文字目「u」フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。2文字目「u」フラグに「1」がセットしてある場合(ステップS2503:YES)には、ステップS2504にて3文字目フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。ここで、3文字目フラグとは、3文字目「a」フラグ、3文字目「i」フラグ、3文字目「u」フラグ、3文字目「e」フラグ、3文字目「o」フラグ及び3文字目「不明」フラグの6つのフラグを指す。当該6つのフラグのいずれにも「1」がセットされていない場合(ステップS2504:NO)には、ステップS2505にて「思う」フラグに「1」をセットして本回答認識処理を終了する。
2文字目「u」フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2503:NO)には、ステップS2506にて2文字目「a」フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。2文字目「a」フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2506:YES)には、ステップ2607にて3文字目「i」フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。3文字目「i」フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2507:YES)には、ステップS2508にて4文字目フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。ここで、4文字目フラグとは、4文字目「a」フラグ、4文字目「i」フラグ、4文字目「u」フラグ、4文字目「e」フラグ、4文字目「o」フラグ及び4文字目「不明」フラグの6つのフラグを指す。当該6つのフラグのいずれにも「1」がセットされていない場合(ステップS2508:NO)には、ステップS2509にて「思わない」フラグに「1」をセットして本回答認識処理を終了する。
1文字目「o」フラグに「1」がセットされており(ステップS2502:YES)、記憶されている回答が「o」「u」又は「o」「a」「i」のいずれにも該当しない場合(ステップS2504:YES,ステップS2506:NO,ステップS2507:NO,ステップS2508:YES)には、そのまま本回答認識処理を終了する。1文字目の認識に成功しているということは、遊技者の口唇形状の把握に成功している可能性が高い。この場合において、「o」「u」又は「o」「a」「i」のいずれにも該当しないのであれば、別の言葉を話していると考えられる。このため、文字数により回答を把握する文字数認識処理(図54)を行わずにそのまま本回答認識処理を終了する。これにより、文字数が同じで異なる言葉を誤認識する確率を低減することができる。
1文字目「o」フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2502:NO)には、ステップS2510にて1文字目「不明」フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。1文字目「不明」フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2510:YES)には、ステップS2511にて文字数認識処理を行って本回答認識処理を終了する。1文字目が不明文字であるということは、遊技者が回答を行ったが、パチンコ機10が遊技者の回答を正確に把握できなかったことを意味する。この場合には、文字数を数え、文字数が2文字であれば「思う」と判定するとともに、文字数が3文字であれば「思わない」と判定することにより、回答認識率を上げることができる。1文字目「不明」フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2510:NO)にはそのまま本回答認識処理を終了する。また、今回の演出が会話演出でない場合(ステップS2501:NO)には、ステップS2512にて選択演出用の回答認識処理を行って本回答認識処理を終了する。選択演出では会話演出とは異なる言葉の識別を行うためである。
図54は、回答認識処理(図53)のステップS2511にて実行される文字数認識処理を示すフローチャートである。当該文字数認識処理は音光側MPU93にて行われる。文字数認識処理が行われるのは、1文字目「不明」フラグに「1」がセットされている場合である。したがって1文字目のフラグに「1」がセットされているか否かを判定する必要はない。
まずステップS2601にて2文字目フラグに「1」がセットしてあるか否かについて判定する。ここで、N文字目フラグとは、N文字目「a」フラグ、N文字目「i」フラグ、N文字目「u」フラグ、N文字目「e」フラグ、N文字目「o」フラグ及びN文字目「不明」フラグの6つのフラグを指す。Nは2〜4のいずれかの数字である。2文字目フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2601:YES)には、ステップS2602にて3文字目フラグに「1」がセットしてあるか否かについて判定する。3文字目フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2602:NO)には、今回記憶された回答が2文字であったことを意味する。この場合、遊技者が「思う」と答えたとみなし、ステップS2603にて「思う」フラグに「1」をセットする。
3文字目フラグに「1」がセットされていた場合(ステップS2602:YES)には、ステップS2604にて4文字目フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。4文字目フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2604:NO)には、今回記憶された回答が3文字であったことを意味する。この場合、遊技者が「思わない」と答えたとみなし、ステップS2605にて「思わない」フラグに「1」をセットする。
2文字目フラグに「1」がセットされていなかった場合(ステップS2601:NO)は今回記憶された回答が1文字であったことを示す。ここで、本文字数認識処理は1文字目「不明」フラグに「1」がセットされていることを条件として開始される。したがってこの場合、今回記憶された回答は不明文字の1文字である。このため、「思う」フラグ又は「思わない」フラグのどちらにも「1」をセットすることなくそのまま本文字数認識処理を終了する。また、4文字目フラグに「1」がセットされていた場合(ステップS2604:YES)には、回答が4文字以上であったことを示す。今回記憶された回答が4文字以上であった場合には、遊技者が「思う」又は「思わない」のいずれにも該当しない回答を行った可能性が考えられるため、そのまま本文字数認識処理を終了する。
図48のコメント表示処理の説明に戻り、ステップS2008では回答把握終了フラグに「1」がセットされているか否かについて判定を行う。当該回答把握終了フラグとは遊技者の口頭での回答を音声発光制御装置91が正常に認識した場合に「1」がセットされるフラグであり、画像判定処理(図49)のステップS2114にて「1」がセットされる。
回答把握終了フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2008:YES)には、ステップS2009にて音光側RAM95に読み出されているコメントの種類を把握する。続くステップS2010では「思う」フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。「思う」フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2010:YES)には、ステップS2011にて「思う」フラグを「0」クリアし、ステップS2012にて「思う」に対応したコメント用のコマンドを表示制御装置96に送信する。これにより、図柄表示装置61には音光側RAM95に読み出されている「思う」に対応する返答コメントが表示される。
「思う」フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2010:NO)には、ステップS2013にて「思わない」フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。「思わない」フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2013:YES)には、ステップS2014にて「思わない」フラグを「0」クリアし、ステップS2015にて「思わない」に対応したコメント用のコマンドを表示制御装置96に送信する。これにより、図柄表示装置61には音光側RAM95に読み出されている「思わない」に対応する返答コメントが表示される。ステップS2012又はステップS2015にて表示制御装置96にコマンドを送信した後は、ステップS2016にてコメント表示中フラグに「1」をセットする。
「思わない」フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2013:NO)には、ステップS2017にて助言表示用のコマンドを表示制御装置96に送信し、ステップS2018にて助言表示中フラグに「1」をセットする。この場合、遊技者は回答を行っているが、当該回答が「思う」及び「思わない」のいずれにも該当しない結果となっている。したがって、図柄表示装置61に「もっとはっきりしゃべって」という表示が行われるようなコマンドが送信される。
ステップS2016又はステップS2018にてフラグに「1」がセットされた後は、ステップS2019にて回答待ちフラグを「0」クリアして本コメント表示処理を終了する。
回答把握終了フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2008:NO)には、ステップS2020にて遊技者の顔の向きに応じた表示を図柄表示装置61上で行うためのコマンドを表示制御装置96に送信した後、ステップS2021にて再度遊技者の顔画像を撮影するために、撮像指令フラグに「1」をセットして本コメント表示処理を終了する。
回答制限時間内でなかった場合(ステップS2004:NO)には、音声発光制御装置91が遊技者の口頭での回答を正常に認識できないままに回答制限時間を経過してしまったことを意味するため、ステップS2022にて会話失敗時の処理を行って本コメント表示処理を終了する。
図55は、コメント表示処理(図48)のステップS2022にて実行される会話失敗時の処理を示すフローチャートである。当該会話失敗時の処理は音光側MPU93にて行われる。まずステップS2701にて遊技者の口頭による回答を音声発光制御装置91が正常に認識できなかった原因を特定するための会話失敗原因特定処理を行う。
図56は、会話失敗時の処理(図55)のステップS2701にて実行される会話失敗原因特定処理を示すフローチャートである。当該会話失敗原因特定処理は音光側MPU93にて行われる。まず、ステップS2801にて、今回回答制限時間内に撮像した遊技者の顔画像の半数以上が正面を向いていたか否かについて判定する。当該判定は正面向きカウンタの値と撮像カウンタの値を用いて行う。具体的には、正面向きカウンタの値の2倍が撮像カウンタの値以上の大きさであれば遊技者は正面を向いていたと判定される。正面向きの顔画像が半数以上である場合(ステップS2801:YES)には、ステップS2802にて正面向きフラグに「1」をセットする。当該正面向きフラグとは、遊技者が回答制限時間の半分以上を正面向きで過ごしたことを示すフラグである。
正面向きの顔画像が半数に満たなかった場合(ステップS2801:NO)場合及びステップS2802にて正面向きフラグに「1」をセットした後は、ステップS2803にて回答制限時間内に撮像した遊技者の顔画像群の口唇領域に変化が見られるか否かについて判定する。具体的には、1文字目のフラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。1文字目のフラグに「1」がセットされている場合には、口唇領域に変化があったものとみなされる。また、1文字目のフラグに「1」がセットされていない場合には、口唇領域に変化がなかったものとみなされる。口唇領域に変化が見られる場合(ステップS2803:YES)にはステップS2804にて口変化有りフラグに「1」をセットして本会話失敗原因特定処理を終了する。また、口唇領域に変化が見られない場合(ステップS2803:NO)はそのまま本会話失敗原因特定処理を終了する。
会話失敗時の処理(図55)の説明に戻り、ステップS2702では口変化有りフラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。当該口変化有りフラグは会話失敗原因特定処理(図56)のステップS2804にて「1」がセットされる。口変化有りフラグに「1」がセットされている場合(ステップS2702:YES)にはステップS2703にて口変化有りフラグを「0」クリアし、ステップS2704にて1回目会話演出フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。
1回目会話演出フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2704:YES)にはステップS2705にて会話参加フラグに「1」をセットする。当該会話参加フラグとは、予告演出としての会話演出において、遊技者が会話に参加したことを示すフラグである。遊技者の口変化が認められた場合には、遊技者が会話に参加する意思を持っていたと判断し、会話に参加したものとみなす。
ステップS2704にて否定判定を行った後又はステップS2705の後、ステップS2706にて正面向きフラグに「1」がセットされているか否かについて判定を行う。当該正面向きフラグとは、遊技者が回答制限時間内に主に正面を向いていたことを示すフラグであり、会話失敗原因特定処理(図56)のステップS2802にて「1」がセットされる。正面向きフラグに「1」がセットされている場合(ステップS2706:YES)には、ステップS2707にて、遊技者が正面を向いていて、遊技者の口の変化が認められた場合に行われる助言を図柄表示装置61に表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信する。具体的には、「次ははっきりしゃべってね」という助言を図柄表示装置61に表示する。正面向きフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2706:NO)には、ステップS2708にて、遊技者が正面以外を向いていて、遊技者の口の変化が認められた場合に行われる助言を図柄表示装置61に表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信する。具体的には、「次はまっすぐ見てしゃべってね」という助言を図柄表示装置61に表示する。
口変化有りフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2702:NO)には、ステップS2709にて正面向きフラグに「1」がセットされているか否かについて判定を行う。正面向きフラグに「1」がセットされている場合(ステップS2709:YES)には、ステップS2710にて、遊技者が正面を向いていて、遊技者の口の変化が認められなかった場合に対応する表示に関するコマンドを表示制御装置96に送信する。これにより、遊技者には会話演出に参加する意思がなかったとみなされ、「・・・」が図柄表示装置61に表示される。正面向きフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2709:NO)には、ステップ2711にて、遊技者が正面以外を向いていて、口変化が認められなかった場合に対応する表示に関するコマンドを表示制御装置96に送信する。これにより、「次はまっすぐ見てしゃべってね」という助言が図柄表示装置61に表示される。
ステップS2707、ステップS2708、ステップS2710及びステップS2711にて表示制御装置96にコマンドを送信した後は、ステップS2712にて1回目会話演出フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。1回目会話演出フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2712:YES)には、ステップS2713にて1回目会話演出フラグを「0」クリアする。また、1回目会話演出フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2712:NO)には、ステップS2714にて2回目会話演出フラグを「0」クリアする。ステップS2713又はステップS2714にて会話演出フラグを「0」クリアした後は、ステップS2715にて正面向きフラグを「0」クリアし、ステップS2716にて助言表示中フラグに「1」をセットし、ステップS2717にて回答待ちフラグを「0」クリアして本会話失敗時の処理を終了する。
図48のコメント表示処理の説明に戻り、コメント表示中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2001:YES)又は助言表示中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2002:YES)には、ステップS2023にて会話演出終了処理を行い、本コメント表示処理を終了する。
図57は、コメント表示処理(図48)のステップS2023にて実行される会話演出終了処理を示すフローチャートである。当該会話演出終了処理は音光側MPU93にて行われる。
まずステップS2901にてコメント表示中フラグ又は助言表示中フラグに「1」がセットされてから3秒経過したか否かについて判定する。当該3秒は図柄表示装置61にコメント表示又は助言表示を表示する時間である。コメント表示中フラグ又は助言表示中フラグに「1」がセットされてから3秒経過していた場合(ステップS2901:YES)には、ステップS2902にてコメント表示中フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。コメント表示中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2902:YES)には、ステップS2903にてコメント表示中フラグを「0」クリアする。また、コメント表示中フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2902:NO)には、ステップS2904にて助言表示中フラグを「0」クリアする。
ステップS2903又はステップS2904にてフラグの「0」クリアを行った後、ステップS2905にて正面向きカウンタを「0」クリアするとともに、ステップS2906にて撮像カウンタを「0」クリアし、ステップS2907にて図柄列Z1〜Z3を拡大表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信する。ステップS2908では1回目会話演出フラグに「1」がセットされているか否かについて判定を行い、1回目会話演出フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2908:YES)にはステップS2909にて1回目会話演出フラグを「0」クリアして本会話演出終了処理を終了する。また、1回目会話演出フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2908:NO)にはステップS2910にて2回目会話演出フラグを「0」クリアして本会話演出終了処理を終了する。コメント表示中フラグ又は助言表示中フラグに「1」がセットされてから3秒経過していない場合(ステップS2901:NO)にはそのまま本会話演出終了処理を終了する。
図48のコメント表示処理の説明に戻り、回答待ちフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2003:NO)又は撮像指令フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2005:NO)にはそのまま本コメント表示処理を終了する。
図58は、タイマ割込み処理(図14)のステップS501にて実行される2回目会話演出用処理を示すフローチャートである。当該2回目会話演出用処理は音光側MPU93にて行われる。まずステップS3001では、2回目会話演出フラグがセットされているか否かについて判定を行う。ここで、2回目会話演出フラグとは、リーチ演出としての会話演出実行中であることを示すフラグであり、当該2回目会話演出用処理のステップS3006にてセットされるフラグである。
2回目会話演出フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3001:NO)には、ステップS3002にて、音光側RAM95に展開されているベースデータテーブルを参照して、2回目会話演出の開始タイミングであるか否かについて判定する。
2回目会話演出の開始タイミングである場合(ステップS3002:YES)には、ステップS3003にて音光側RAM95に読み出されているカットイン画像の色を把握し、ステップS3004にてカットインを実行するためのコマンドを表示制御装置96に送信する。続くステップS3005では会話参加フラグに「1」がセットされているか否かについて判定を行う。会話参加フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3005:YES)には、ステップS3006にて2回目会話演出フラグに「1」をセットし、ステップS3007にて会話参加フラグを「0」クリアして本2回目会話演出用処理を終了する。これにより、遊技者が1回目の会話演出に参加した場合には、2回目の会話演出が実行される。一方、遊技者が1回目の会話演出に参加しなかった場合には、カットインのみが発生し、2回目の会話演出は実行されない。
2回目会話演出フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3001:YES)には、ステップS3008にて質問表示処理を実行して本2回目会話演出用処理を終了する。当該質問表示処理(図47)は会話演出用処理の質問表示処理(図46のステップS1806)と同様である。また、2回目会話演出の開始タイミングでなかった場合(ステップS3002:NO)又は会話参加フラグに「1」がセットされていなかった場合(ステップS3005:NO)には、そのまま本2回目会話演出用処理を終了する。
会話演出では演出の開始時にカットインが発生する。当該カットイン画像の色によって、遊技者は今回の遊技回において大当たり結果となる期待度を知ることができる。カットイン発生後に質問が表示され、その後に選択肢が表示される。これにより、遊技者が「思う」又は「思わない」のいずれかを回答する確率を上げることができ、回答認識率を上昇させることができる。
遊技者が回答する様子は撮像され、得られた画像から特徴点が抽出されて回答の把握が行われる。回答の把握に際しては、口唇形状から発音された母音が把握される。連続する同一母音は1音とカウントされる。また、閉口状態の数は遊技者の回答の仕方によって変化するため、カウントされない。所定時間当たりの口唇形状の変位が小さい場合を発音時ととらえられる。口唇形状の変位が小さい状態が一定時間以上継続した場合に、遊技者の回答が終了したものとみなされる。遊技者の回答は、1音ずつの照合以外に、文字数の照合によって行われる。これにより、回答の誤検出の可能性を最小限に抑えながら、回答認識率を上昇させることができる。遊技者が回答を行う際、図柄表示装置61には遊技者の顔の向きに応じた表示がなされる。これにより、図柄表示装置61に対して正面を向いた状態で回答が行われる可能性が高まり、回答の誤検出率を低減するとともに、回答認識率を上昇させることができる。
回答把握に成功した場合には、遊技者の回答に対する返答コメントが表示される。これにより、遊技者は今回の遊技回において大当たり結果となる期待度をより詳細に知ることができる。また、回答把握に失敗した場合には、回答認識率を上げるための助言が図柄表示装置61に表示される。これにより、次回以降の会話演出における会話成功の確率を上げることができる。
<選択演出>
次に、選択演出の内容及び当該選択演出の実行を可能にするための制御内容について説明する。選択演出はリーチ演出の一種として設定されている演出である。当該選択演出では、変動開始後、図柄列Z1及び図柄列Z3が停止し、図柄列Z2のみがスクロールしているタイミングで遊技者に問いかけがなされる。当該問いかけに対して遊技者が口頭で回答を行うと、遊技者の回答に応じたスーパーリーチ演出が展開される。図柄表示装置61上で遊技者への問いかけがなされ、当該タイミングにおいて遊技者に2つの選択肢が提示される。なお、遊技者がどちらの選択肢を選択してもリーチ演出の長さ及び大当たりの期待度は同じである。また、口頭による選択が行われなかった場合には、同じ長さのノーマルロングリーチ演出が実行される。
図59を参照しながら、選択演出について説明する。図59(a)に示すように、変動開始後は3つの図柄列Z1〜Z3の全てが変動している。その後、図59(b)に示すように図柄列Z1が停止する。そして、図59(c)に示すように、図柄列Z3が停止して、図柄列Z2のみが変動している状態となる。当該状態において、図59(d)に示すように、図柄列Z1〜Z3が図柄表示装置61上の左下に縮小表示されるとともに、図柄表示装置61上に「まっすぐ画面を見て、赤か緑かしゃべって選んでください」という問いかけが表示される。当該問いかけは図柄表示装置61の問いかけ表示エリア165に文字として表示され、音声としては再生されない。
図柄表示装置61には問いかけと同時に2つの選択肢及び回答制限時間表示バー163が表示される。当該回答制限時間表示バー163が表示されている間は、遊技者の口頭での回答を把握するために遊技者の顔の撮像が行われる。回答制限時間内に音声発光制御装置91が遊技者の回答を正常に把握した場合は、遊技者により選択されたスーパーリーチ演出が実行される。一方、回答制限時間内に音声発光制御装置91が遊技者の回答を正常に把握できなかった場合には、遊技者の顔の撮像が終了し、ノーマルロングリーチ演出が実行される。
図60に示すタイムチャートで選択演出全体の流れについて説明する。図60(a)〜(c)に図柄列Z1〜Z3の変動期間を示し、図60(d)に選択演出の期間を示し、図60(e)にスーパーリーチ演出の期間を示す。
図60(a)〜(c)に示すように、t1のタイミングで図柄列Z1〜Z3の変動が開始された場合、図60(a)に示すようにt2のタイミングで図柄列Z1が停止するとともに図60(c)に示すようにt3のタイミングで図柄列Z3が停止する。図60(d)に示すように、続くt4のタイミングで選択演出が開始し、図60(d)及び図60(e)に示すように、t5のタイミングで選択演出が終了するとともに選択されたスーパーリーチ演出又はスーパーリーチ演出と同じ長さのノーマルロングリーチ演出が開始される。そして、図60(b)及び図60(e)に示すように、t6のタイミングでリーチ演出が終了するとともに図柄列Z2が停止する。
次に選択演出の詳細な流れについて図61に示すタイムチャートで説明する。スーパーリーチ演出はストーリー部分と余韻部分から構成されている。ストーリー部分では、あるストーリーに沿った映像が図柄表示装置61に表示される。当該ストーリー部分は初めから終わりまで見ることによって内容を把握できる構成となっている。余韻部分では、ストーリーの内容に関連する映像が図柄表示装置61に表示される。具体的には、ストーリー部分の重要なシーンを集めたスライドショーで構成されている。したがって、余韻部分にはストーリー性はなく、途中で切れても違和感のない構成となっている。
図61(a)は選択演出が行われている期間を示し、図61(b)はスーパーリーチ演出のストーリー部分が実行される期間を示し、図61(c)はスーパーリーチ演出の余韻部分が表示される期間を示している。また、図61(d)は図柄表示装置61に遊技者への問いかけ、選択肢、回答制限時間及び顔の向きに関する助言が表示される期間であり、図61(e)は撮像が行われる期間であり、図61(f)は音声発光制御装置91が回答を把握して全ての撮像が終了するタイミングを示す。
まず回答制限時間の早い段階で音声発光制御装置91が遊技者の回答を正常に認識する場合について説明する。図61(a)に示すようにt1のタイミングで選択演出が開始し、図61(d)に示すように当該タイミングで図柄表示装置61に遊技者への問いかけ、選択肢、回答制限時間及び顔の向きに関する助言が表示されるとともに、図61(e)に示すように、遊技者の回答を把握するための撮像が開始される。
図61(f)に示すようにt2のタイミングで音声発光制御装置91が遊技者の回答を正常に把握して全撮像を終了すると、図61(a)に示すように当該タイミングで選択演出が終了する。また、図61(d)に示すように遊技者への問いかけ、選択肢、回答制限時間及び顔の向きに関する助言の表示が終了するとともに、図61(e)に示すように撮像が停止する。そして、当該タイミングで図柄表示装置61ではスーパーリーチ演出のストーリー部分が開始される。
図61(b)に示すようにt3のタイミングでスーパーリーチ演出のストーリー部分が終了し、図61(c)に示すように当該タイミングでスーパーリーチ演出の余韻部分が始まる。スーパーリーチ演出のストーリー部分の長さはノーマルロングリーチ演出の長さに等しく一定である。ノーマルロングリーチ演出は回答制限時間終了後に表示が開始され、完結する長さに設定してある。このため、回答制限時間終了前に音声発光制御装置91が遊技者の回答を把握してスーパーリーチ演出のストーリー部分が開始した場合、必ずストーリーが完結する。図61(c)に示すように続くt4のタイミングでスーパーリーチ演出の余韻部分が終了して、スーパーリーチ演出が終了する。
ストーリー部分は初めから終わりまで所定時間見なければストーリーを把握できない。このため、ストーリー部分を途中で切ることはできない。一方、余韻部分は途中で切れても違和感のない構成となっている。したがって、ストーリー部分の表示時間は一定であるが、余韻部分を含めたスーパーリーチ演出全体の表示時間は伸縮可能である。
スーパーリーチ演出は遊技者の回答を把握した後に実行される。遊技者が回答を終えた後、しばらく間があいてからスーパーリーチ演出が実行されると、遊技者は回答を終えた後、スーパーリーチ演出が実行されるまでの間、自らの回答がパチンコ機10に認識されたか否かを判断できない。このため、遊技者が回答を終えた後、速やかにスーパーリーチ演出が実行される必要がある。しかし、遊技者の回答時間には個人差がある。このため、スーパーリーチ演出が早く始まる場合もあれば、遅く始まる場合もある。これに対してスーパーリーチ演出全体の表示時間が伸縮可能であることにより、選択演出の開始からスーパーリーチ演出の終了までの時間を一定に保つことが可能となる。
次に回答制限時間の遅い段階で音声発光制御装置91が遊技者の回答を把握する場合について説明する。図61(a)に示すようにt5のタイミングで選択演出が開始され、図61(f)に示すようにt6のタイミングで音声発光制御装置が遊技者の回答を把握して全撮像終了のタイミングとなる。図61(a)に示すように当該タイミングで選択演出が終了する。つまり、選択演出はt5からt6までの間行われる。図61(d)に示すように当該期間に図柄表示装置61に遊技者への問いかけ、選択肢、回答制限時間及び顔の向きに関する助言が表示されるとともに、図61(e)に示すように、遊技者の回答を把握するための撮像が行われる。
図61(b)に示すようにt6のタイミングで開始されるスーパーリーチ演出のストーリー部分はt7のタイミングで終了し、図61(c)に示すようにt7のタイミングで開始されるスーパーリーチ演出の余韻部分はt8のタイミングで終了する。
ここで、スーパーリーチ演出のストーリー部分の時間は常に一定である。つまりt2からt3までの長さとt6からt7までの長さは同じである。遊技者の回答が早期に把握された場合には選択演出の期間が短くなり、スーパーリーチ演出の余韻部分が長くなる。具体的には、t1からt2までの長さよりもt5からt6までの長さの方が長い。また、t3からt4までの長さよりもt7からt8までの長さの方が短い。このように、音声発光制御装置91が遊技者の回答を把握するタイミングによってスーパーリーチ演出のストーリー部分の開始タイミング及び終了タイミングが変化するが、スーパーリーチ演出のストーリーは常に同じ長さであり、完結するように設定されている。スーパーリーチ演出のストーリー部分の開始タイミングの差はスーパーリーチ演出の余韻部分の伸縮により吸収される。このため、選択演出が開始してからスーパーリーチ演出の余韻部分が終了するまでの時間は常に一定である。具体的には、t1からt4までの時間とt5からt8までの時間は同じである。
次に音声発光制御装置91が回答制限時間内に遊技者の回答を把握できず、ノーマルロングリーチ演出が実行される場合について図62を用いて説明する。図62(a)は選択演出が行われている期間を示し、図62(b)はノーマルロングリーチ演出が実行される期間を示し、図62(c)は図柄表示装置61に遊技者への問いかけ、選択肢、回答制限時間及び顔の向きに関する助言が表示される期間を示し、図62(d)は撮像が行われる期間を示し、図62(e)は遊技者への助言が図柄表示装置61に表示される期間を示している。
図62(a)に示すように、選択演出はt1のタイミングで開始され、t2のタイミングで終了する。同様に図62(c)に示すように、遊技者への問いかけ、選択肢、回答制限時間及び顔の向きに関する助言表示もt1のタイミングで開始され、t2のタイミングで終了する。また、図62(d)に示すように、遊技者の顔の撮像もt1のタイミングで開始され、t2のタイミングで終了する。その後、図62(e)に示すように、回答制限時間経過後に行われる遊技者への助言の表示はt2のタイミングで開始され、t3のタイミングで終了する。そして、図62(b)に示すようにノーマルロングリーチ演出がt3のタイミングから開始され、t4のタイミングで終了する。ここで、図62のt1からt4までの期間と、図61のt1からt4までの期間と、t5からt8までの期間と、は等しい。このように選択演出の開始から終了までの時間は、遊技者の回答の有無に関わらず一定である。
次に選択演出が行われる場合のベースデータテーブルについて説明する。図63は選択演出の表示制御に関するベースデータテーブルである。当該ベースデータテーブル、赤スーパーリーチ演出用のベースデータテーブル及び緑スーパーリーチ演出用のベースデータテーブルが音光側ROM94に記憶されており、音光側RAM95に展開されて選択演出及びその後のスーパーリーチ演出が行われる。
図63のベースデータテーブルには変動開始タイミング、選択演出の開始タイミング、回答制限時間の終了タイミング、助言表示の開始タイミング、助言表示の終了タイミング及びノーマルロングリーチの開始タイミングが記録されている。図63に示すようにポインタが「0」の位置にあるときに図柄列Z1〜Z3の変動が開始される。そして、ポインタが「a」の位置にあるときに選択演出が開始され、ポインタが「b」の位置にあるときに遊技者の回答制限時間が終了するタイミングとなる。
選択演出中に図柄列Z1〜Z3は縮小表示され、遊技者の回答が把握されたタイミングにおいて遊技者の選択したスーパーリーチ演出が開始される。ここで、遊技者の回答が把握されるタイミングは不定である。選択演出用の表示に関するベースデータテーブル、赤スーパーリーチ演出用のベースデータテーブル及び緑スーパーリーチ演出用のベースデータテーブルの3つを音光側RAM95に読み出すことで、回答制限時間内のどのタイミングで遊技者の回答把握が終了しても、参照するベースデータテーブルを変更することで、すぐに遊技者の選択したスーパーリーチ演出を実行することができる。具体的には、遊技者の回答を把握するまでは選択演出用の表示に関するベースデータテーブルを参照し、回答把握後は、赤スーパーリーチ演出用のベースデータテーブル又は緑スーパーリーチ演出用のベースデータテーブルのいずれかを参照する。一方、回答制限時間内に遊技者の回答把握が終了しなかった場合には、そのまま図63のベースデータテーブルが参照される。具体的には、ポインタが「b+1」の位置にあるときに遊技者への助言の表示が開始され、ポインタが「c」の位置にあるときに助言表示が終了すると、ポインタが「c+1」の位置にあるときにノーマルロングリーチ演出が開始される。
図64は、タイマ割込み処理(図14)のステップS502にて実行される選択演出用処理を示すフローチャートである。当該選択演出用処理は音光側MPU93にて行われる。
主側MPU83にて実行される特図変動開始処理(図13)のステップS401において変動用コマンド及び種別コマンドが音光側MPU93に送信される。音光側MPU93では、主側コマンド対応処理(図15)のステップS602にて変動用コマンドに含まれている情報から表示継続時間を読み取る。当該表示継続時間はリーチ演出の種類によって異なる。選択演出には選択演出特有の変動時間が存在する。主側MPU83から送信される変動用コマンドに特定の表示継続時間が含まれていた場合に、音光側MPU93では、今回の遊技回において選択演出を行うと判定する。
まずステップS3101では、選択演出フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。ここで、選択演出フラグとは、選択演出を実行中であることを示すフラグであり、当該選択演出用処理のステップS3106にてセットされる。
選択演出フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3101:NO)には、ステップS3102にて、音光側RAMに展開されているベースデータテーブルを参照して、選択演出の開始タイミングであるか否かについて判定する。
選択演出の開始タイミングである場合(ステップS3102:YES)には、ステップS3103にて遊技者への質問及び当該質問の選択肢を図柄表示装置61に表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信するとともに、続くステップS3104にて図柄表示装置61に回答制限時間を表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信する。
ステップS3105では遊技者の顔を撮像するために撮像指令フラグに「1」をセットする。そして、ステップS3106にて選択演出フラグに「1」をセットするとともに、続くステップS3107にて回答待ちフラグに「1」をセットして本選択演出を終了する。ここで、回答待ちフラグとは、図柄表示装置61に遊技者への質問を表示し、遊技者からの回答を待っている状態であることを示すフラグである。
選択演出フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3101:YES)には、ステップS3108にて、回答待ちフラグに「1」がセットされているか否かについて判定を行う。回答待ちフラグに「1」がセットされている場合(ステップS3108:YES)には、ステップS3109にて音光側RAM95に展開されているベースデータテーブルを参照して、回答の制限時間内であるか否かについて判定する。回答制限時間内である場合(ステップS3109:YES)には、ステップS3110にて撮像完了フラグに「1」がセットしてあるか否かについて判定する。撮像完了フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3110:NO)にはそのまま本選択演出用処理を終了する。撮像完了フラグに「1」がセットしてある場合(ステップS3110:YES)にはステップS3111にて撮像完了フラグを「0」クリアし、ステップS3112にて画像判定処理を行い、続くステップS3113にてスーパーリーチ演出用コマンド送信処理を行って本選択演出を終了する。
ここで、画像判定処理では会話演出の画像判定処理(図49)と同様の処理が行われるが、遊技者が回答の際に話す言葉が異なるため、いくつかの相違部分が存在する。具体的には、回答認識処理(図53)及び文字数認識処理(図54)が異なる。これらの処理に代えて、選択演出では、回答認識処理(図53)において選択演出用の回答認識処理(ステップS2512)が行われる。以下、選択演出用の回答認識処理(ステップS2512)について説明する。
会話演出の回答認識処理(図53)では、ステップS2502〜ステップS2509において、今回把握された回答が「ou」であるか否かを判定して肯定判定をした場合に「思う」フラグに「1」をセットするとともに、今回把握された回答が「oai」であるか否かを判定して肯定判定をした場合に「思わない」フラグに「1」をセットする。また、ステップS2510にて1文字目「不明」フラグに「1」がセットされている場合に文字数認識処理(図54)に進む。選択演出用の回答認識処理(図53のステップS2512)においても同様である。まず今回把握された回答が「a」であるか否かを判定して肯定判定を行った場合に「赤」フラグに「1」をセットする。具体的には、1文字目「a」フラグに「1」がセットされていて、2文字目のフラグに「1」がセットされていない場合に今回把握された回答が「a」であると判定する。「aka」の母音は「aa」であり、同じ母音が2つ連続している。したがって、赤は「a」と認識される。
次に今回把握された回答が「ioi」であるか否かを判定して肯定判定をした場合に「緑」フラグに「1」をセットする。具体的には、1文字目「i」フラグ、2文字目「o」フラグ及び3文字目「i」フラグに「1」がセットされており、4文字目のフラグに「1」がセットされていない場合に今回把握された回答が「ioi」であると判定する。「midori」の母音は「ioi」であるため、緑は「ioi」と認識される。また、1文字目「不明」フラグに「1」がセットされている場合には選択演出用の文字数認識処理に進む。
次に、選択演出用の文字数認識処理について説明する。会話演出の文字数認識処理(図54)では、ステップS2601〜ステップS2605において、今回把握された回答が2文字であるか否かを判定して肯定判定をした場合に「思う」フラグに「1」をセットするとともに、今回把握された回答が3文字であるか否かを判定して肯定判定をした場合に「思わない」フラグに「1」をセットする。選択演出用の文字数認識処理においても同様である。まず今回把握された回答が1文字であるか否かを判定して肯定判定を行った場合に「赤」フラグに「1」をセットする。具体的には、2文字目のフラグに「1」がセットされていない場合に今回把握された回答が「a」であると判定する。これにより、遊技者が赤と回答し、「a」という母音の口唇形状を不明な文字として認識した場合にも遊技者の回答が正しく認識される。
次に今回把握された回答が3文字であるか否かを判定して肯定判定を行った場合に「緑」フラグに「1」をセットする。具体的には、3文字目のフラグに「1」がセットされている場合において、4文字目のフラグに「1」がセットされていない場合に今回把握された回答が「ioi」であると判定する。これにより、遊技者が緑と回答し、1文字目の「i」という母音の口唇形状を不明な文字として認識した場合にも遊技者の回答が正しく認識される。
図64における選択演出用処理の説明に戻り、回答制限時間を超えている場合(ステップS3109:NO)には、ステップS3114にて図柄表示装置61に表示する助言の種類を把握する。当該助言は、会話演出における助言と同じである。すなわち、遊技者が正面を向いていて、口唇形状の変化が確認された場合には、「次ははっきりしゃべってね」と表示されるとともに、遊技者が正面以外を向いていて、口唇形状の変化が確認された場合には「次はまっすぐ見てしゃべってね」と表示される。これらの助言は、回答制限時間内に遊技者の回答が音声発光制御装置91に正常に把握されなかった場合に表示するものである。続くステップS3115では助言を図柄表示装置61に表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信する。その後、ステップS3116にて助言表示フラグに「1」をセットし、ステップS3117にて回答待ちフラグを「0」クリアして本選択演出を終了する。ここで、助言表示フラグとは、音声発光制御装置91が回答を把握しやすくなるようにする遊技者への助言を図柄表示装置61に表示していることを示すフラグである。
回答待ちフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3108:NO)には、ステップS3118にて助言表示フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。助言表示フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3118:YES)には、ステップS3119にて助言表示フラグに「1」がセットされてから所定時間が経過したか否かについて判定する。具体的には、図柄表示装置61に助言を表示する3秒間が経過したか否かについて判定する。ステップS3119について否定判定を行った場合には、ステップS3120にてノーマルロングリーチ演出用のコマンドを表示制御装置96に送信する。これにより、図柄表示装置61ではノーマルロングリーチ演出が表示される。その後、ステップS3121にて助言表示フラグを「0」クリアし、ステップS3122にて選択演出フラグを「0」クリアして本選択演出を終了する。ステップS3102、ステップS3118又はステップS3119にて否定判定を行った場合にはそのまま本選択演出を終了する。
図65は、選択演出用処理(図64)のステップS3113にて実行されるスーパーリーチ演出用コマンド送信処理を示すフローチャートである。当該スーパーリーチ演出用コマンド送信処理は音光側MPU93にて行われる。
まずステップS3201にて回答把握終了フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。回答把握終了フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3201:YES)には、ステップS3202にて遊技者の回答が赤であったか否かについて判定する。遊技者の回答が赤であった場合(ステップS3202:YES)には、ステップS3203にて赤のスーパーリーチ演出のコマンドを表示制御装置96に送信する。一方、遊技者の回答が緑であった場合(ステップS3202:NO)には、ステップS3204にて緑のスーパーリーチ演出のコマンドを表示制御装置96に送信する。
赤のスーパーリーチ演出と緑のスーパーリーチ演出では対象とする年齢が異なる。具体的には、赤のスーパーリーチ演出では年配者向きのキャラクタが登場してストーリーが展開されるとともに、緑のスーパーリーチ演出では若者向きのキャラクタが登場してストーリーが展開される。これにより、遊技者は自分の年齢に応じたスーパーリーチ演出を楽しむことができる。
ステップS3203又はステップS3204にて表示制御装置96にコマンドを送信した後、ステップS3205にて回答把握終了フラグを「0」クリアし、ステップS3206にて回答待ちフラグを「0」クリアし、ステップS3207にて選択演出フラグを「0」クリアして本スーパーリーチ演出用コマンド送信処理を終了する。
回答把握終了フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3201:NO)には、会話演出のコメント表示処理(図48)におけるステップS2020と同様に、ステップS3208にて遊技者の顔の向きを図柄表示装置61に表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信し、続くステップS3209にて遊技者の顔画像を再び撮像するために撮像指令フラグに「1」をセットして本回答把握終了処理を終了する。
以上詳述した実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
会話演出では遊技者の口頭での回答を把握する処理が行われ、当該処理により把握された遊技者の回答に対応する返答コメントが表示される。遊技者はパチンコ機10との間で会話をしたと認識することとなる。これにより遊技者に対して、遊技に積極的に参加しているという感覚を与え、遊技の興趣向上を図ることができる。また、通常は手のみを使用して遊技を行うパチンコ機10と会話をすることにより、遊技者は手に加えて口を動かすことになる。これにより、遊技者に斬新な演出を提供できる。さらに、遊技者はパチンコ機10の図柄表示装置61に表示される質問に対して、思考して回答を選択する作業を行う。これにより、遊技者の注意を、図柄表示装置61を中心とするパチンコ機10に集中させることが可能となる。
会話演出では図柄列Z1〜Z3の変動中に遊技者に質問を表示して口頭での回答を促し、遊技者の回答を把握して返答コメントを表示する。このため、遊技者は1列目の図柄列Z1が停止するまでの間も退屈することなく会話演出に参加できる。また遊技者は、会話演出で表示される返答コメントから、今回の遊技回における大当たり結果となる期待度を知ることができる。遊技者は1列目の図柄列Z1が停止するより前に今回の遊技回における大当たり結果となる期待度を知ることができるため、会話演出に関心を持つ。
会話演出では、演出開始時に青色画像又は赤色画像のカットインが発生する。カットイン画像の色によって遊技者に今回の遊技回における大当たり結果となる期待度に関する最初の情報を知らせる。また、会話演出の終了間際に図柄表示装置61に表示されるコメントによって遊技者に今回の遊技回の期待度に関する最終的な情報を知らせる。つまり、今回の遊技回の期待度を遊技者に1度に知らせるのではなく、2度に分けて知らせる。これにより、会話演出全体を通して、今回の遊技回の期待度について遊技者の関心を引き続けることが可能となる。
会話演出では、遊技者の口頭での回答に際して、図柄表示装置61に遊技者の顔の向きが表示されるとともに、遊技者の顔が正面を向いている場合には「○」印が、遊技者の顔が正面以外を向いている場合には「×」印が表示される。また、「×」印が表示されている場合には、遊技者がどちらに顔を傾ければ正面向きになるかを知らせるための助言が表示される。これにより、遊技者が正面を向いた状態で回答を行うことが容易になる。回答時の遊技者の顔を正面から撮像することで、遊技者の顔画像から回答を把握することが容易になる。
会話演出では、遊技者の口頭での回答に際して、図柄表示装置61に2つの選択肢が表示される。これにより、遊技者が、表示されている2つの選択肢のどちらかを選択して回答する可能性が高まる。遊技者が回答する可能性のある言葉の種類が絞られることで、遊技者の回答の把握が容易になる。
2つの選択肢のローマ字表記はそれぞれ、「omou」及び「omowanai」であり、最後の言葉は「u」及び「i」である。よって、言葉の文字数が把握できなくても、最後の文字が把握できれば遊技者の回答を把握することが可能となる。最後の文字を発音する際の口唇領域の形状は大きく異なるため、回答の誤検出が起こりにくい。
「思う」又は「思わない」という想定される回答を、まず「ou」又は「oai」という文字列として把握する。当該方法により回答把握できなかった場合に、文字数による回答の把握を行う。2文字であれば「思う」と認識するとともに、3文字であれば「思わない」と認識する。これにより、口唇形状の読み取りが上手く行われずに、別の文字として認識された場合や不明な文字として認識された場合においても、遊技者の回答が正しく把握される。
予告演出としての会話演出において青色画像のカットインが発生した場合には、所定の確率でリーチ演出としての会話演出が実行される。この場合、予告演出としての会話演出及びリーチ演出としての会話演出においてそれぞれ1ずつ、今回の遊技回の期待度を反映したコメントが図柄表示装置61に表示される。これにより、予告演出としての会話演出においてカットイン画像が青色であったとしても、遊技者を落胆させることなく、遊技者の遊技回への関心を維持し続けることが可能である。
会話演出の最後に、図柄表示装置61に、遊技者が正面を向いて回答するための助言が表示される。これにより、会話演出への参加意思があり、今回上手く参加できなかった遊技者が、次回の会話演出に上手く参加できる可能性を高めることができる。
会話演出において、遊技者の選択した選択肢は図柄表示装置61には表示されない。このため、仮に遊技者が口頭で回答した内容を音光側MPU93が誤検出した場合においても、遊技者は違和感を抱くことなく会話を終えることができる。
会話演出では演出開始直後にカットインを発生させて、今回の遊技回において大当たりとなる確率の高低に関する情報を早期に遊技者に知らせる。これにより、遊技者の会話演出への関心を高め、会話演出への参加率を上げることができる。
遊技者の回答を把握する際、連続する母音は1音としてカウントされる。これにより、遊技者が1音を長く発音した場合でも、短く発音した場合でも、同じ結果を導くことができる。
遊技者の回答の把握は、口唇形状から抽出される特徴点の位置情報から行われる。所定時間当たりの特徴点の変位が大きい場合には、文字認識処理は行われず、変位が小さい場合に文字認識処理が実行される。これにより、遊技者が1音を発音してから次の1音を発音するまでの遷移状態を文字認識処理の対象から外すことができる。当該遷移状態は遊技者の意図しない口唇形状が検出される可能性を含んでおり、回答を誤検出する原因となる。遷移状態を文字認識処理の対象から外すことで、誤検出の起こる確率を低減することができる。
口唇領域の特徴点の変位が小さい状態が一定時間以上続いた場合に、遊技者の回答が終了したとみなされる。閉口状態を遊技者の回答終了の判断基準とすると、遊技者の回答終了のタイミングを誤る可能性がある。具体的には、遊技者が回答中に特定の文字を発音するために口を閉じた瞬間を回答終了タイミングとみなしてしまう可能性がある。特徴点の変位量を基準とすることで、遊技者の口の動きが止まった後に、回答終了が判断されることとなる。
遊技者の回答を早期に把握した場合には、当該タイミングにおいて返答コメントが図柄表示装置61に表示される。これにより、実際の会話に近いテンポで会話演出を行うことができる。
遊技者が「思う」と回答した場合に確定報知として図柄表示装置61に表示される返答コメントは、遊技者が「思わない」と回答した場合に確定報知以外のものとして図柄表示装置61に表示する返答コメントとは異なる。同様に、遊技者が「思わない」と回答した場合に確定報知として図柄表示装置61に表示される返答コメントは、遊技者が「思う」と回答した場合に確定報知以外のものとして図柄表示装置61に表示する返答コメントとは異なる。これにより、遊技者が「思う」と回答してパチンコ機10が「思わない」と誤認識した場合又は遊技者が「思わない」と回答してパチンコ機10が「思う」と誤認識した場合においても、遊技回の結果に関して、遊技者を混乱させることを回避できる。
返答コメントが同一の言葉である場合には、最初のカットイン画像の色が赤である場合の方が青である場合よりも高期待度である。これにより、最初のカットインにより遊技者に与えた期待を裏切ることなく、返答コメントによって更に詳細な期待度を遊技者に知らせることができる。
1回目の会話演出は予告演出の期間に行われ、2回目の会話演出はリーチ演出の期間に行われる。2回目の会話演出において、赤のカットインが発生した場合に大当たり結果となる期待度は1回目の会話演出において赤のカットインが発生した場合よりも高い。また、2回目の会話演出において、青のカットインが発生した場合に大当たり結果となる確率は1回目の会話演出において青のカットインが発生した場合よりも低い。このように、1回目の会話演出のカットインの色よりも2回目の会話演出のカットインの色の方がより精度の高い期待度の情報を有している。遊技者に知らせる期待度の情報の精度を段階的に上昇させることで、遊技者の会話演出への関心を長期間に亘って維持することができる。
1回目の会話演出に遊技者が参加しなかった場合には、2回目の会話演出はカットインの発生のみで終了する。このように、遊技者に会話演出への参加意思がない場合には、遊技者の関心が薄い演出を繰り返さないようにすることで、遊技者を退屈させない。
会話演出では図柄表示装置61に表示される質問に遊技者が口頭で回答することによりその後に図柄表示装置61に表示される返答コメントが変化する。また、選択演出では遊技者が口頭でスーパーリーチ演出の種類を選択することにより、その後の演出が変化する。このように、手動操作とは異なる操作態様によりその後の演出を変化させることができる。このような操作態様を提供することで、遊技者の動作に対応する態様で実行される演出に関して斬新な内容を提供できる。
選択演出では、リーチ演出が発展して行われるスーパーリーチ演出の種類を遊技者が口頭で選択可能である。これにより、遊技者が積極的に演出を選択した印象を持ち、興趣の向上を図ることが可能となる。
スーパーリーチ演出はストーリー性があり、途切れると遊技者に違和感を与えるストーリー部分と、スライドショーであり、途切れても遊技者に違和感を与えない余韻部分と、から構成されている。また、回答制限時間において回答把握終了のタイミングとなり得る期間よりも、スーパーリーチ演出の余韻部分の最長表示時間の方が長く設定されている。このため、遊技者が回答制限時間のどのタイミングにおいて回答を終了した場合においても、速やかにスーパーリーチ演出に移行することができるとともに、回答制限時間内のどのタイミングにおいてスーパーリーチ演出の表示を開始したとしても、遊技者に違和感を与えることなくスーパーリーチ演出を終了することができる。これにより、選択演出の開始からスーパーリーチ演出の終了までの時間を一定に保つことができる。
選択演出では選択演出用の表示に関するベースデータテーブル、赤スーパーリーチ演出用のベースデータテーブル及び緑スーパーリーチ演出用のベースデータテーブルの3つを音光側RAM95に読み出す。選択演出までは選択演出の表示に関するベースデータテーブルを参照し、遊技者の回答把握が終了したタイミングで遊技者の回答結果に応じて赤スーパーリーチ演出用のベースデータテーブル又は緑スーパーリーチ演出用のベースデータテーブルに参照先を変えることで、回答制限時間内のどのタイミングで遊技者の回答把握が終了してもすぐにどちらかのスーパーリーチ演出を実行できる。これにより、遊技者の任意性に応じて選択演出を進行することができる。
選択演出にいて遊技者が選択可能な選択肢は「赤」又は「緑」である。画像解析により「赤」は「a」と認識され、「緑」は「i」「o」「i」と認識される。認識される2つの文字列は異なるとともに、文字数も異なる。このため、遊技者の回答の誤検出する可能性を抑制しつつ、回答認識率を上昇させることができる。
会話演出における「思う」という選択肢と選択演出における「緑」という選択肢は共に平仮名3文字であるが、演出が異なり、遊技者が回答するタイミングが異なる。図53の回答認識処理のステップS2501において会話演出であるか否かについて判定し、会話演出でない場合には選択演出用の回答認識処理(ステップS2512)が実行される。このため、パチンコ機10は当該2つの選択肢を識別することができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では予告として表示される演出内容が上記第1の実施形態と相違している。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本パチンコ機10では、遊技者が図柄表示装置61に表示される質問に複数回答える連続会話演出が行われる。以下、当該演出の内容及び当該演出の実行を可能とするための制御内容について説明する。
連続会話演出は予告演出の一種として設定されている演出である。変動開始の直後に図柄表示装置61に遊技者への問いかけが表示される。当該問いかけに対して遊技者が回答すると、新たな問いかけが表示される。当該2度目の問いかけに対して遊技者が回答すると、遊技者の回答と大当たりの期待度が反映された予告が表示される。遊技者は自身の回答と予告の関係から、当該遊技回における大当たりの期待度を知ることができる。以下、当該連続会話演出の内容及び連続会話演出の実行を可能とするための制御内容について説明する。
図66(a)〜(c)を参照しながら、連続会話演出が進行する様子について説明する。まず変動開始時、図柄表示装置61には変動する3つの図柄列Z1〜Z3が表示される。この状態において、連続会話演出が始まると当該3つの図柄列Z1〜Z3は図柄表示装置61の左隅エリア161に縮小表示される。3つの図柄列Z1〜Z3は連続会話演出の間、常に図柄表示装置61の左隅エリア161に縮小表示されている。連続会話演出では、まず図66(a)に示すように図柄表示装置61が赤色と緑色の2色に分割表示される。そして、問いかけ表示エリア165に「まっすぐ画面を見て、赤か緑のどちらが好きかしゃべって下さい」という問いかけが表示される。これにより、遊技者に図柄表示装置61を直視して回答するように促す。また、選択肢として提示する色は平仮名2文字の「あか」と平仮名3文字の「みどり」である。さらに、「aka」と発音する際の2文字はいずれも母音が「a」であるのに対し、「midori」と発音する際の3文字の母音は「i」及び「o」であり、「a」を含まない。したがって、音声発光制御装置91が遊技者の回答を把握する際に、口の形の違いを認識しやすいように設定されている。図柄表示装置61には回答制限時間表示バー163も問いかけ表示エリア165と同時に表示される。回答制限時間表示バー163は回答制限時間を表しており、遊技者に回答可能な残り時間を明示する役割を担っている。
音声発光制御装置91により遊技者の回答が制限時間内に正常に把握された場合には、図66(b)に示すように、続けて2つ目の問いかけが表示される。具体的には、図柄表示装置61が赤色と黄色の2色に分割表示される。そして、問いかけ表示エリア165に「まっすぐ画面を見て、赤か黄色のどちらが好きかしゃべって下さい」という問いかけが表示される。選択肢として提示する色は平仮名2文字の「あか」と平仮名3文字の「きいろ」である。さらに、「aka」と発音する際の2文字はいずれも母音が「a」であるのに対し、「kiiro」と発音する際の3文字の母音は「i」及び「o」であり、「a」を含まない。したがって、音声発光制御装置91が遊技者の回答を把握する際に、口の形の違いを認識しやすいように設定されている。
音声発光制御装置91により2つ目の問いかけに対する遊技者の回答が制限時間内に正常に把握された場合には、図66(c)に示すように、図柄表示装置61に予告画面が表示される。当該予告画面は1色又は2色の色から構成されている。高期待度及び低期待度の予告画面には遊技者の回答と大当たりの期待度が反映されている。具体的には、図67のテーブルに示すように、遊技者に今回の遊技回の結果が大当たり結果であることを知らせる確定報知の場合には、虹色の予告が表示される。大当たりの期待度が高い遊技回では遊技者の回答した色を含む予告画面が表示される。一方、大当たりの期待度が低い遊技回では遊技者の回答した色を含まない予告画面を表示される。遊技者は自らが回答した色と予告画面の色の関係から、当該遊技回における大当たりの期待度を知ることができる。
一方、各回の会話において、音声発光制御装置91が遊技者の回答を正常に把握できなかった場合には、そのまま当該連続会話演出が終了し、予告画面は表示されない。例えば、2回目の問いかけにおいて、遊技者の回答が正常に把握されなかった場合には、回答制限時間経過後に予告画面が表示されることなく、図柄表示装置61にて縮小表示されていた図柄列Z1〜Z3が拡大表示される。また、1回目の問いかけにおいて、遊技者の回答が正常に把握されなかった場合には、回答制限時間経過後に2回目の問いかけが表示されることなく、図柄表示装置61にて縮小表示されていた図柄列Z1〜Z3が拡大表示される。
図68に示すタイムチャートで連続会話演出の流れについて説明する。図68(a)〜(c)に図柄列Z1〜Z3の変動期間を示し、図68(d)に1回目の会話演出の期間を示し、図68(e)に2回目の会話演出の期間を示す。
まず2回の会話の両方において音声発光制御装置91が遊技者の回答を正常に把握する場合について説明する。図68(a)〜(c)に示すように、t1のタイミングで図柄列Z1〜Z3の変動が開始された場合、図68(d)に示すようにt2のタイミングで1回目の会話演出が開始される。具体的には図柄列Z1〜Z3が縮小表示されるとともに赤及び緑の2色に図柄表示装置61が分割される。同時に回答制限時間表示バー163表示されるとともに、「まっすぐ画面を見て、赤か緑のどちらが好きかしゃべって下さい」という問いかけが問いかけ表示エリア165に表示される。
図68(d)に示すように、t3のタイミングで1回目の会話演出が終了するとともに、図68(e)に示すように、2回目の会話演出が開始される。具体的には、図柄表示装置61が赤及び黄色に分割され、問いかけ表示エリア165の問いかけが「まっすぐ画面を見て、赤か黄色のどちらが好きかしゃべって下さい」という表示に変わる。図68(e)に示すように、t4のタイミングで2回目の会話演出が終了し、図柄表示装置61上で縮小表示されていた図柄列Z1〜Z3が再び拡大表示される。
その後、図68(a)に示すようにt5のタイミングで図柄列Z1が停止し、図68(c)に示すようにt6のタイミングで図柄列Z3が停止し、図68(b)に示すようにt7のタイミングで図柄列Z2が停止する。図柄列Z1〜Z3が変動している場合に、遊技者の関心はリーチが発生するか否かにある。連続会話演出中は図柄列Z1〜Z3が縮小表示されているため、図柄列Z1〜Z3よりも連続会話演出に注目しやすい。このため、連続会話演出中に図柄列Z1が停止すると、遊技者は図柄列Z1の停止を見逃す可能性がある。これに対して、連続会話演出が終了し、図柄列Z1〜Z3が拡大表示された後に、図柄列Z1が停止する構成とすることにより、遊技者の注意を図柄列Z1〜Z3に向けることが可能となる。
次に音声発光制御装置91が遊技者の回答を正常に把握できない場合について説明する。具体的には、1回目の問いかけに対応する回答制限時間内に音声発光制御装置91が回答を把握できない場合について説明する。図68(a)〜(c)に示すように、t8のタイミングにおいて図柄列Z1〜Z3の変動が開始された場合、図68(d)に示すようにt9のタイミングで1回目の会話演出が開始される。そして音声発光制御装置91が遊技者の回答を正常に把握できないまま回答制限時間が経過し、図68(d)に示すようにt10のタイミングで1回目の会話が終了する。この場合、2回目の問いかけは表示されることなく、図柄表示装置61上で縮小表示されていた図柄列Z1〜Z3が拡大表示される。
図68(a)に示すようにt11のタイミングで図柄列Z1が停止し、図68(c)に示すようにt12のタイミングで図柄列Z3が停止し、図68(b)に示すようにt13のタイミングで図柄列Z2が停止する。
次に連続会話演出の詳細な流れについて図69に示すタイムチャートで説明する。図69(a)は連続会話演出のうち、1回目の会話演出が行われている期間を示し、図69(b)は図柄表示装置61に問いかけ、選択肢、回答制限時間及び遊技者の顔の向きに関する指示が表示されている期間を示している。また、図69(c)は遊技者の顔の撮像が行われる期間を示し、図69(d)は音声発光制御装置91が遊技者の回答を正常に把握して遊技者の顔の撮像が終了するタイミングを示し、図69(e)は会話成功後の映像が図柄表示装置61に表示される期間を示し、図69(f)は会話失敗時に図柄表示装置61に遊技者に対する助言が表示される期間を示す。図69において、t1からt3までの長さ及びt4からt6までの長さは、変動開始から図柄列Z1が停止するまでの時間の長さの半分以下である。
まず1回目の会話演出において、回答制限時間の途中で音声発光制御装置91が遊技者の回答を正常に把握する場合について説明する。図69(a)に示すようにt1のタイミングで1回目の会話演出が開始される。図69(b)に示すように当該t1のタイミングで図柄表示装置61に問いかけ、選択肢、回答制限時間及び遊技者の顔の向きに応じた表示が表示されるとともに、図69(c)に示すように遊技者の顔の撮像が開始される。
図69(d)に示すようにt2のタイミングで音声発光制御装置91が遊技者の回答を正常に把握すると、図69(b)に示すように当該t2のタイミングで問いかけ、選択肢、回答制限時間及び遊技者の顔の向きに応じた表示が終了するとともに、遊技者の顔の撮像も終了する。そして、同じt2のタイミングで図柄表示装置61には会話成功後の映像が表示される。当該会話成功後の映像は音声発光制御装置91が遊技者の回答を正常に把握してから、1回目の会話演出の回答制限時間が終了するまで継続して表示される。図69(e)に示すようにt3のタイミングで会話成功後の映像が終了するとともに、図69(a)に示すように1回目の会話演出が終了する。
次に1回目の会話演出において、回答制限時間内に音声発光制御装置91が遊技者の回答を正常に把握できない場合について説明する。図69(a)に示すように、t4のタイミングで1回目の会話演出が開始される。図69(b)に示すように当該t4のタイミングで図柄表示装置61に問いかけ、選択肢、回答制限時間及び遊技者の顔の向きに対応した表示が表示されるとともに、図69(c)に示すように遊技者の顔の撮像が開始される。
回答制限時間が経過すると、図69(b)に示すようにt5のタイミングで問いかけ、選択肢、回答制限時間及び遊技者の顔の向きに応じた表示が終了するとともに、図69(c)に示すように遊技者の顔の撮像も終了する。図69(f)に示すように、当該t5のタイミングで図柄表示装置61では会話に失敗した遊技者への助言の表示が開始される。当該助言の表示は1回目の会話演出における回答制御時間の終了から所定時間継続して表示される。そして、図69(f)に示すようにt6のタイミングで遊技者への助言表示が終了すると、図69(a)に示すように当該t6のタイミングで1回目の会話演出が終了する。この場合、2回目の問いかけは表示されることなく、図柄列Z1〜Z3が拡大表示される。
本実施の形態においては、主側コマンド対応処理(図15)におけるステップS603の予告抽選処理において選択され得る予告表示に連続会話演出が含まれている。当該連続会話演出が抽選により選ばれた場合には、連続会話演出の内容を決定するための連続会話演出用抽選処理が当該予告抽選処理の中で行われる。
図70は、連続会話演出用抽選処理を示すフローチャートである。当該連続会話演出用抽選処理は音光側MPU93にて行われる。まずステップS3301にて今回の遊技回における当否抽選結果が大当たりであったか否かについて判定を行う。当否抽選結果が大当たりであった場合(ステップS3301:YES)には、ステップS3302にて大当たり時の演出の期待度抽選処理を行う。当該抽選処理では、確定報知演出、高期待度演出及び低期待度演出の中から1つの演出が抽選で選択される。当否抽選結果が外れであった場合(ステップS3301:NO)には、ステップS3303にて外れ時の演出の期待度抽選処理を行う。当該抽選処理では、高期待度演出及び低期待度演出のいずれか1つの演出が抽選で選択される。
ステップS3302又はステップS3303の後は、ステップS3304にて抽選結果が確定報知演出であったか否かについて判定する。抽選結果が確定報知演出であった場合(ステップS3304:YES)には、ステップS3305にて音光側ROM94から音光側RAM95に確定報知演出用のテーブルを展開する。遊技者の回答は(1回目,2回目)の順番に、(赤,赤)、(赤,黄色)、(緑,赤)及び(緑,黄色)の4通りが存在し、当該テーブルでは、4通りのいずれの場合においても虹色の予告が出るようになっている。抽選結果が確定報知演出でなかった場合(ステップS3304:NO)には、ステップS3306にて抽選結果が高期待度演出であったか否かについて判定する。抽選結果が高期待度演出であった場合(ステップS3306:YES)には、ステップS3307にて音光側ROM94から音光側RAM95に高期待度演出用のテーブルを展開する。当該テーブルには図67に示すように、遊技者の回答し得る4通りの組合せに対応させて4つの予告が記録されている。抽選結果が高期待度演出でなかった場合(ステップS3306:NO)には、ステップS3308にて音光側ROM94から音光側RAM95に低期待度演出用のテーブルを展開する。当該テーブルには図67に示すように、遊技者の回答し得る4通りの組合せに対応させて4つの予告が記録されている。
ステップS3305、ステップS3307又はステップS3308にてテーブルを展開した後は、ステップS3309にて音光側ROM94から音光側RAM95に連続会話演出用のベースデータテーブルを展開して本連続会話演出用抽選処理を終了する。
図71に連続会話演出が行われる場合のベースデータテーブルを示す。図71(a)は連続会話演出用のベースデータテーブルであり、図71(b)は図柄列Z1〜Z3用のベースデータテーブルである。図71(a)に基づいて連続会話演出の音及び光の演出が行われるとともに、図71(b)に基づいて図柄列Z1〜Z3の変動時の音及び光の制御が行われる。当該2つのベースデータテーブルはいずれも音光側ROM94に記憶されており、音光側RAM95に展開されて演出が行われる。
図71(a)には1回目会話演出の開始タイミング、2回目会話演出の開始タイミング及び各会話演出における回答制限時間の終了タイミングが記録されている。図71(b)には変動の開始タイミング及び図柄列Z1〜Z3を縮小表示するタイミングが記録されている。図71(b)に示すようにポインタが「0」の位置にあるときに図柄列Z1〜Z3の変動が開始される。図71(a)に示すようにポインタが「a」の位置にあるときに1回目会話演出が開始され、図71(b)に示すように当該タイミングにおいて、図柄列Z1〜Z3が縮小表示されるタイミングとなる。また、図71(a)に示すようにポインタが「c」の位置にあるときに1回目会話演出が開始され、図71(b)に示すように当該タイミングにおいて、図柄列Z1〜Z3が縮小表示されるタイミングとなる。その後、ポインタが「d」の位置にあるときに遊技者の回答制限時間が終了するタイミングとなる。
連続会話演出中に図柄列Z1〜Z3は縮小表示され、2回目の会話演出において遊技者の回答が把握されたタイミングにおいて予告が表示され、その後に遊技回に復帰する。ここで、遊技者の回答が把握されるタイミングは不定である。連続会話演出用の表示に関するテーブルと図柄列Z1〜Z3用の表示に関するテーブルの2つを音光側RAM95に読み出し、連続会話演出中は連続会話演出用のベースデータテーブルを参照するとともに、遊技回復帰のタイミングにおいて、参照先を図柄列Z1〜Z3用の表示に関するテーブルに変更することで、回答制限時間内のどのタイミングで遊技者の回答把握が終了しても、遊技者の任意性に応じた連続会話演出を行うことができる。
本実施形態の音光側MPU93で行われるタイマ割込み処理は上記第1の実施形態のタイマ割込み処理(図14)と比較して、ステップS510以降が相違する。具体的には、ステップS509の後、連続会話演出用処理が行われ、撮像制御処理が行われて、タイマ割込み処理が終了する。図72は連続会話演出用処理を示すフローチャートである。当該連続会話演出用処理は音光側MPU93にて行われる。
まずステップS3401にて連続会話演出フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。ここで、連続会話演出フラグとは、図柄表示装置61上で連続会話演出が行われていることを示すフラグであり、本連続会話演出用処理のステップS3408にてセットされるフラグである。
連続会話演出フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3401:NO)には、ステップS3402にて音光側RAM95に展開されているベースデータテーブルを参照して、会話演出の開始タイミングか否かについて判定する。連続会話演出の開始タイミングである場合(ステップS3402:YES)には、ステップS3403にて当該会話演出が1回目の会話演出であるか否かについて判定を行う。1回目の会話演出であった場合(ステップS3403:YES)には、ステップS3404にて、図柄表示装置61に1回目の会話演出における質問、選択肢、回答制限時間を表示するためのコマンドを、表示制御装置96に送信する。一方、1回目の会話演出でなかった場合(ステップS3403:NO)には、ステップS3405にて会話失敗フラグに「1」がセットしてあるか否かについて判定する。ここで、会話失敗フラグとは、1回目の会話演出において、音声発光制御装置91が回答制限時間内に遊技者の回答を正常に把握できなかったことを示すフラグであり、助言用コマンド送信処理(図76)のステップS3802にてセットされるフラグである。会話失敗フラグに「1」がセットされていなかった場合(ステップS3405:NO)には、ステップS3406にて図柄表示装置61に、2回目の会話演出における質問、選択肢、回答制限時間を表示するためのコマンドを、表示制御装置96に送信する。
ステップS3404又はステップS3406にてコマンドの送信を終えた後、ステップS3407にて撮像指令フラグに「1」をセットし、ステップS3408にて連続会話演出フラグに「1」をセットし、回答待ちフラグに「1」をセットして本連続会話演出用処理を終了する。ここで、回答待ちフラグとは、図柄表示装置61に遊技者への質問を表示して、遊技者の回答を待っている状態であることを示すフラグである。
会話失敗フラグに「1」がセットされていた場合(ステップS3405:YES)には、ステップS3410にて会話失敗フラグを「0」クリアし、ステップS3411にて遊技回に復帰するための処理を行って本連続会話演出用処理を終了する。
連続会話演出フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3401:YES)には、ステップS3412にて回答把握処理を行って本連続会話演出用処理を終了する。また、会話演出の開始タイミングでない場合(ステップS3402:NO)にはそのまま本連続会話演出用処理を終了する。
図73は、連続会話演出用処理(図72)におけるステップS3412の回答把握処理を示すフローチャートである。当該回答把握処理は音光側MPU93にて行われる。
まずステップS3501では、回答待ちフラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。回答待ちフラグに「1」がセットされている場合(ステップS3501:YES)には、ステップS3502にて回答制限時間内であるか否かを判定する。回答制限時間内であった場合(ステップS3502:YES)には、ステップS3503にて撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。撮像完了フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3503:NO)にはそのまま本回答把握処理を終了する。撮像フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3503:YES)にはステップS3504にて撮像完了フラグを「0」クリアし、ステップS3505にて画像判定処理を行う。
当該画像判定処理では会話演出の画像判定処理(図49)と同様の処理が行われるが、遊技者が回答の際に話す言葉及び回答を行う回数が異なるため、いくつかの相違部分が存在する。以下、会話演出の画像判定処理(図49)とは異なる点について説明する。
具体的には図49のステップS2116で行われる回答認識処理の内容が異なる。会話演出の回答認識処理(図49)では、「思う」に対応する「o」「u」及び「思わない」に対応する「o」「a」「i」を識別対象としているが、1回目会話演出では「赤」に対応する「a」及び「緑」に対応する「i」「o」「i」を識別対象とするとともに、2回目会話演出では「赤」に対応する「a」及び「黄色」に対応する「i」「o」を識別対象としている。
また、回答認識処理(図53)のステップS2511にて実行される文字数認識処理の内容も異なる。会話演出の文字数認識処理(図54)では「o」「u」の2文字と「o」「a」「i」の3文字を識別対象としているが、1回目会話演出では「a」の1文字と「i」「o」「i」の3文字を識別対象とするとともに、2回目会話演出では「a」の1文字と「i」「o」の2文字を識別対象としている。
図73の回答把握処理の説明に戻り、ステップS3506では、回答把握終了フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。回答把握終了フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3506:YES)には、ステップS3507にて第2会話演出フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。ここで、第2会話演出フラグとは、当該会話演出が2回目の会話演出であることを示すフラグである。当該第2会話演出フラグは後述する第1会話演出後処理(図74)のステップS3603にて「1」がセットされる。第2会話演出フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3507:YES)には、ステップS3508にて第1会話演出後処理を行う。一方、第2会話演出フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3507:NO)には、ステップS3509にて第2会話演出後処理を行う。
ステップS3508又はステップS3509にて後処理を行った後、ステップS3510にて回答待ちフラグを「0」クリアし、ステップS3511にて連続会話演出フラグを「0」クリアして本回答把握処理を終了する。
回答把握フラグに「1」がセットされていなかった場合(ステップS3506:NO)には、ステップS3512にて図柄表示装置61に遊技者の顔の向きを表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信し、ステップS3513にて撮像指令フラグに「1」をセットして本回答把握処理を終了する。
回答制限時間を超えていた場合(ステップS3502:NO)には、ステップS3514にて助言用コマンド送信処理を行って本回答把握処理を終了する。また、回答待ちフラグに「1」がセットされていなかった場合(ステップS3501:NO)には、ステップS3515にて遊技回復帰のための後処理を行って本回答把握処理を終了する。
図74は、回答把握処理(図73)におけるステップS3508の第1会話演出後処理を示すフローチャートである。当該第1会話演出後処理は音光側MPU93にて行われる。
まず、ステップS3601では、遊技者の回答が赤であるか否かについて判定する。遊技者の回答が赤である場合(ステップS3601:YES)には、ステップS3602にて第1回答「赤」フラグに「1」をセットする。遊技者の回答が緑である場合(ステップS3601:NO)又はステップS3602にて第1回答「赤」フラグに「1」をセットした後は、ステップS3603にて第2会話演出フラグに「1」をセットする。そして、ステップS3604にて、撮像成功後の映像を図柄表示装置61に表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信して本第1会話演出後処理を終了する。当該コマンドの送信により、図柄表示装置61には撮像成功後の映像が表示される。次に音光側MPU93から表示制御装置96に図柄表示装置61の表示に関するコマンドの送信が行われるのは、連続会話演出用処理(図72)のステップS3406においてである。そして当該タイミングにおいて送信されるコマンドは2回目の会話演出における質問、選択肢、回答制限時間の表示に関するものである。したがって、図柄表示装置61では、1回目の会話演出において遊技者の回答を把握した後、2回目の会話演出が開始されるまでの間、会話成功後の映像が表示され続ける。
図75は、回答把握処理(図73)におけるステップS3509の第2会話演出後処理を示すフローチャートである。当該第2会話演出後処理は音光側MPU93にて行われる。
まず、ステップS3701では、遊技者の回答が赤であるか否かについて判定する。遊技者の回答が赤である場合には、ステップS3702にて第1回答「赤」フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。第1回答「赤」フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3702:YES)、遊技者の回答は1回目が赤、2回目が赤となる。このため、ステップS3703では音光側RAM95に展開されているテーブルから「赤」「赤」に対応する予告データを表示制御装置96に送信する。これにより、図柄表示装置61上で「赤」「赤」に対応する予告が表示される。具体的には、連続会話演出用抽選処理(図70)において音光側ROM94から音光側RAM95に展開されるテーブルにしたがって予告が選択される。確定報知用のテーブルであれば虹色の予告となり、高期待度演出用のテーブルであれば赤の予告となり、低期待度演出用のテーブルであれば緑と黄色の予告となる。その後ステップS3704にて第1回答「赤」フラグを「0」クリアする。第1回答「赤」フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3702:NO)には、遊技者の回答は1回目が緑、2回目が赤となる。このため、ステップS3705では、音光側RAM95に展開されているテーブルから「緑」「赤」に対応する予告データを表示制御装置96に送信する。これにより、図柄表示装置61上で「緑」「赤」に対応する予告が表示される。具体的には、連続会話演出用抽選処理(図70)において音光側ROM94から音光側RAM95に展開されるテーブルにしたがって予告が選択される。確定報知用のテーブルであれば虹色の予告となり、高期待度演出用のテーブルであれば赤の予告となり、低期待度演出用のテーブルであれば黄色の予告となる。
遊技者の回答が黄色である場合(ステップS3701:NO)には、ステップS3706にて第1回答「赤」フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。ステップS3706にて肯定判定を行った場合には、遊技者の回答は1回目が赤、2回目が黄色となる。このため、ステップS3707では、音光側RAM95に展開されているテーブルから「赤」「黄色」に対応する予告データを表示制御装置96に送信する。これにより、図柄表示装置61上で「赤」「黄色」に対応する予告が表示される。具体的には、連続会話演出用抽選処理(図70)において音光側ROM94から音光側RAM95に展開されるテーブルにしたがって予告が選択される。確定報知用のテーブルであれば虹色の予告となり、高期待度演出用のテーブルであれば赤の予告となり、低期待度演出用のテーブルであれば緑の予告となる。その後、ステップS3708にて第1回答「赤」フラグを「0」クリアする。第1回答「赤」フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3706:NO)には、遊技者の回答は1回目が緑、2回目が黄色となる。このため、ステップS3709では、音光側RAM95に展開されているテーブルから「緑」「黄色」に対応する予告データを表示制御装置96に送信する。これにより、図柄表示装置61上で「緑」「黄色」に対応する予告が表示される。具体的には、連続会話演出用抽選処理(図71)において音光側ROM94から音光側RAM95に展開されるテーブルにしたがって予告が選択される。確定報知用のテーブルであれば虹色の予告となり、高期待度演出用のテーブルであれば緑と黄色の予告となり、低期待度演出用のテーブルであれば赤の予告となる。
ステップS3704、ステップS3705、ステップS3708又はステップS3709を行った後、ステップS3710にて第2会話演出フラグを「0」クリアし、ステップS3711にて遊技回復帰処理を実行して本第2会話演出後処理を終了する。
図76は、回答把握処理(図73)におけるステップS3514の助言用コマンド送信処理を示すフローチャートである。当該助言用コマンド送信処理は音光側MPU93にて行われる。
まずステップS3801では、本会話演出が1回目の会話演出であるか否かについて判定する。1回目の会話演出である場合(ステップS3801:YES)には、ステップS3802にて会話失敗フラグに「1」をセットする。
ステップS3801にて否定判定を行った後及びステップS3802にて会話失敗フラグに「1」をセットした後、ステップS3803にて会話失敗原因特定処理を行う。当該会話失敗フラグを用いて前述の連続会話演出用処理(図72)のステップS3405にて1回目の会話演出にて遊技者の回答がパチンコ機10に認識されたか否かの判定が行われる。会話失敗原因特定処理は上記第1の実施形態と同様に、撮像された画像の半数以上が正面向きであれば遊技者は正面を向いていたと判定する。また、口変化が認められた場合には、口変化有りフラグに「1」をセットする。続くステップS3804では、口変化有りフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。口変化有りフラグに「1」がセットされている場合(ステップS3804:YES)には、ステップS3805にて口変化有りフラグを「0」クリアし、ステップS3806にて本会話演出が1回目であるか否かを判定する。本会話演出が1回目である場合(ステップS3806:YES)には、ステップS3807にて会話参加フラグに「1」をセットする。当該会話参加フラグとは、1回目の会話演出に遊技者が参加したことを示すフラグである。本会話演出が1回目でない場合(ステップS3806:NO)又はステップS3807にて会話参加フラグに「1」をセットした後は、ステップS3808にて正面向きフラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。正面向きフラグに「1」がセットされている場合(ステップS3808:YES)には、ステップS3809にて正面向きフラグを「0」クリアし、ステップS3810にて遊技者が正面を向いていて、口変化が確認された場合に表示される助言を図柄表示装置61に表示するためのデータを表示制御装置96に送信する。正面向きフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3808:NO)には、ステップS3811にて遊技者が正面以外を向いていて、口変化が確認された場合に表示される助言を図柄表示装置61に表示するためのデータを表示制御装置96に送信する。
口変化有りフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3804:NO)には、ステップS3812にて口変化無しフラグに「1」がセットしてあるか否かについて判定する。口変化無しフラグに「1」がセットされている場合(ステップS3812:YES)には、ステップS3813にて口変化無しフラグを「0」クリアし、ステップS3814にて正面向きフラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。正面向きフラグに「1」がセットされている場合(ステップS3814:YES)には、ステップS3815にて正面向きフラグを「0」クリアし、ステップS3816にて、遊技者が正面を向いていて、口変化が確認されなかった場合に表示される助言を図柄表示装置61に表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信する。ステップS3814にて否定判定を行った場合には、ステップS3817にて、遊技者が横を向いていて、口変化が確認されなかった場合に表示される助言を図柄表示装置61に表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信する。
ステップS3810、ステップS3811、ステップS3816又はステップS3817にて表示制御装置96にデータを送信した後、ステップS3818にて助言表示中フラグに「1」をセットし、回答待ちフラグを「0」クリアして本助言用コマンド送信処理を終了する。口変化無しフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3812:NO)にて否定判定を行った場合にはそのまま本助言用コマンド送信処理を終了する。
図77は、回答把握処理(図73)におけるステップS3515の遊技回復帰のための後処理を示すフローチャートである。当該遊技回復帰のための後処理は音光側MPU93にて行われる。
まずステップS3901では、助言表示フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。助言表示フラグに「1」がセットされていた場合(ステップS3901:YES)には、ステップS3902にて助言表示フラグに「1」がセットされてから所定時間が経過したか否かについて判定する。具体的には、図柄表示装置61に助言を表示する3秒間が経過したか否かについて判定する。助言表示から3秒間が経過していた場合(ステップS3902:YES)には、ステップS3903にて遊技回復帰処理を行う。具体的には図柄表示装置61にて縮小表示していた図柄列Z1〜Z3を拡大表示する。続くステップS3904では助言表示フラグを「0」クリアし、ステップS3905にて第2会話演出フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。第2会話演出フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3905:YES)には、ステップS3906にて第2会話演出フラグを「0」クリアする。第2会話演出フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3905:NO)及びステップS3906にて第2会話演出フラグを「0」クリアした場合は、ステップS3907にて連続会話演出フラグを「0」クリアして本遊技回復帰のための後処理を終了する。
助言表示フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS3901:NO)又は3秒経過していない場合(ステップS3902)にて否定判定を行った場合にはそのまま本遊技回復帰のための後処理を終了する。
以上詳述した実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
連続会話演出では遊技者とパチンコ機10との言葉のやり取りが所定回数継続した場合に、今回の遊技回の当否抽選結果及び遊技者の回答を反映した予告演出が行われる。このため、遊技者は自己の選択が予告演出に反映されたことを確認でき、興趣の向上を図ることが可能である。
遊技者の回答に際して、遊技者の顔の向きに関する表示が図柄表示装置61に表示される。これにより、遊技者の顔を正面から撮像できる可能性が増大し、連続会話演出が成功する可能性を高めることが可能となる。
1回目の会話の選択肢は「赤」と「緑」である。「赤」は「a」と認識され、「緑」は「i」「o」「i」と認識される。したがって、当該2つの選択肢は文字数が異なる。2回目の会話の選択肢は「赤」と「黄色」である。「赤」は「a」と認識され、「黄色」は「i」「o」と認識される。したがって、当該2つの選択肢は文字数が異なる。このため、遊技者の回答を誤検出する可能性を抑制しながら、回答認識率を上昇させることができる。
1回目の回答制限時間内に遊技者の口の変化が確認できなかった場合には、2回目の問いかけを行われない。これにより、会話演出に参加する意思のない遊技者に対して執拗な問いかけは行われない。一方で、会話失敗後に助言表示を行うことにより、会話に参加する意思のある遊技者が次回以降の連続会話演出において会話に成功する確率を高めている。
音声発光制御装置91が遊技者の回答を把握した場合には、図柄表示装置61の表示が会話成功後の映像に切り換わる。当該映像の長さは可変であり、回答の把握タイミングが早ければ表示時間が長くなり、回答の把握タイミングが遅ければ表示時間が短くなる。これにより、第1会話演出及び第2会話演出において、演出開始から会話成功後の映像終了までの時間を一定に保つことが可能となる。
<第3の実施形態>
本実施形態では遊技者の口頭での回答を把握せずに、タイミングのみを把握してコメントを返す点で上記第1の実施形態と相違している。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本パチンコ機10では、設計段階において遊技者が回答する言葉を推定し、推定された言葉に対するコメントを表示する推定会話演出が行われる。以下、当該演出の内容及び当該演出の実行を可能とするための制御内容について説明する。
推定会話演出は変動開始直後、図柄表示装置61に遊技者への質問が表示されるとともに、回答制限時間が表示される。そして、当該回答制限時間内には遊技者の顔の向きが撮像され、顔の向きに応じた助言が表示制御装置96に表示される。当該質問に対して遊技者が回答制限時間以内に回答すると、音声発光制御装置91が遊技者の口の動きを検知して、遊技者の口の動きが止まった後に、予め音光側RAM95に記憶されている質問と対になるコメントが図柄表示装置61に表示される。一方、遊技者の口の動きが回答制限時間内に止まらなかったり、回答制限時間内に遊技者の口が動かなかったりした場合には、遊技者への助言が図柄表示装置61に表示されて、本推定会話演出が終了する。本推定会話演出では、音声発光制御装置91は遊技者の口頭での回答を把握することは行わない。しかし、遊技者の口の動きが止まったタイミングでコメントを表示するため、遊技者はパチンコ機10とあたかも会話しているかのように感じることができる。
まず推定会話演出全体の流れについて説明する。図柄列Z1〜Z3の変動が開始された後、推定会話演出が開始され、図柄列Z1〜Z3が縮小表示される。そして、推定会話演出が終了して図柄列Z1〜Z3が拡大表示された後、図柄列Z1が停止する。その後、図柄列Z3の停止を経て、図柄列Z2が停止する。
次に推定会話演出の詳細な流れについて図78に示すタイムチャートで説明する。図78(a)は推定会話演出が行われている期間を示し、図78(b)は遊技者への質問、回答制限時間及び遊技者の顔の向きに対応する表示が図柄表示装置61に表示されている期間を示し、図78(c)は遊技者の顔の向きを把握するための撮像が行われている期間を示す。また、図78(d)は音声発光制御装置91が回答制限時間内に遊技者の口の動きを把握した後、遊技者の口の動きが止まったことを把握したタイミングを示し、図78(e)は遊技者の回答に対するコメントを図柄表示装置61に表示する期間を示し、図78(f)は音声発光制御装置91が正常に遊技者の口の動きを把握できなかった場合に、回答制限時間後に図柄表示装置61に表示される助言の表示期間を示す。
まず回答制限時間内に音声発光制御装置91が遊技者の口の動きを正常に把握する場合について説明する。図78(a)に示すように推定会話演出が開始されるt1のタイミングで、図78(b)に示すように図柄表示装置61に遊技者への質問、回答制限時間及び遊技者の顔の向きに応じた表示が表示される。また、図78(c)に示すように、同じタイミングで遊技者の顔の向きを把握するための撮像が開始される。図78(d)に示すように、t2のタイミングで音声発光制御装置91が遊技者の口の動きを正常に把握し終えると、図78(b)に示すように、当該タイミングで図柄表示装置61上の質問、回答制限時間及び顔の向きに応じた表示が終了するとともに、図78(c)に示すように遊技者の顔の撮像も終了する。さらに、図78(e)に示すように、当該t2のタイミングで遊技者に対して表示された質問に対応するコメントが図柄表示装置61に表示される。図78(e)に示すように当該コメントの表示はt3のタイミングで終了し、図78(a)に示すように、当該タイミングにおいて推定会話演出が終了する。
次に回答制限時間内に音声発光制御装置91が遊技者の口の動きを正常に把握できない場合について説明する。図78(a)に示すように推定会話演出が開始されるt1のタイミングで、図78(b)に示すように図柄表示装置61に遊技者への質問、回答制限時間及び遊技者の顔の向きに応じた表示が表示される。また、図78(c)に示すように、同じタイミングで遊技者の顔の向きを把握するための撮像が開始される。音声発光制御装置91が回答制限時間内に遊技者の口の動きを正常に把握できないまま回答制限時間が終了すると、図78(b)に示すようにt5のタイミングで図柄表示装置61上の質問、回答制限時間及び顔の向きに応じた表示が終了するとともに、図78(c)に示すように遊技者の顔の撮像も終了する。さらに、図78(f)に示すように、当該t5のタイミングで遊技者に対する助言が表示される。当該助言は回答制限時間内に音声発光制御装置91が遊技者の口の動きを正常に把握できなかった場合に所定時間表示される。そして、図78(f)に示すようにt6のタイミングで遊技者への助言の表示が終了すると、図78(a)に示すように当該タイミングで推定会話演出も終了する。
本実施の形態においては、主側コマンド対応処理(図15)におけるステップS603の予告抽選処理において選択され得る予告表示に推定会話演出が含まれている。当該推定会話演出が抽選により選ばれた場合には、推定会話演出の内容を決定するための推定会話演出用抽選処理が当該予告抽選処理の中で行われる。
図79は、推定会話演出用抽選処理を示すフローチャートである。当該推定会話演出用抽選処理は音光側MPU93にて行われる。まずステップS4001にて、音光側ROM94に記録されている複数の質問の中から1つの質問を抽選で選択する。続くステップS4002にて、選択された質問について複数記憶されているコメントの中から1つのコメントを抽選で選択する。当該コメントは回答制限時間内に音声発光制御装置91が遊技者の口の動きを正常に把握した場合に図柄表示装置61に表示される。1つの質問に対して複数のコメントが用意されており、いずれのコメントが選択されても、あたかも遊技者がパチンコ機10と会話しているように感じるように設定されている。
図80のテーブルに示すように、音光側ROM94には推定会話演出用の質問及びコメントが記憶されている。質問は複数記憶されている。そして、当該複数の質問の1つ1つについて、複数のコメントが記憶されている。具体的には、「これ当たる?」という質問に対して、「何だそれ〜」、「その予想正しいの?」及び「私とは反対の予想だね」というコメントが記憶されている。「これ当たる?」という当否抽選結果に関する質問を遊技者に行った場合、遊技者は「当たる」又は「当たらない」に類する言葉を話すと想定される。これに対して、記憶されている3つの返答コメントはいずれも遊技者の「当たる」または「当たらない」という当否抽選結果に対する予想を否定も肯定もしない内容となっている。このため、その後の結果が大当たり又は外れのどちらの結果になったとしても、遊技者に違和感を抱かせない。同様に「最近調子どう?」、「今回期待してる?」及び「何月生まれ?」という質問に関しても、今回の遊技回の結果について可能性を示唆する返答コメントを表示し、断定的な返答コメントの表示は行わない。このため、その後の結果が大当たり又は外れのどちらの結果になったとしても、返答コメントと矛盾せず、遊技者に違和感を抱かせない。
図81に推定会話演出が行われる場合のベースデータテーブルを示す。図81(a)は推定会話演出用のベースデータテーブルであり、図81(b)は図柄列Z1〜Z3の変動用のベースデータテーブルである。図81(a)が参照されて推定会話演出に関する音と光の制御が行われるとともに、図81(b)が参照されて図柄列Z1〜Z3の変動時の音と光の制御が行われる。当該2つのベースデータテーブルはいずれも音光側ROM94に記憶されており、音光側RAM95に展開されて演出が行われる。
図81(a)には推定会話演出の開始タイミング及び回答制限時間の終了タイミングが記録されている。図81(b)には変動の開始タイミング及び3つの図柄列Z1〜Z3を縮小表示するタイミングが記録されている。図81(b)に示すようにポインタが「0」の位置にあるときに図柄列Z1〜Z3の変動が開始される。図81(a)に示すようにポインタが「a」の位置にあるときに推定会話演出が開始され、図81(b)に示すように当該タイミングにおいて、図柄列Z1〜Z3が縮小表示されるタイミングとなる。その後、ポインタが「b」の位置にあるときに遊技者の回答制限時間が終了するタイミングとなる。
推定会話演出中に図柄列Z1〜Z3は縮小表示され、遊技者の回答が把握されたタイミングにおいて返答コメントが図柄表示装置61に表示される。ここで、遊技者の回答が把握されるタイミングは不定である。推定会話演出用の表示に関するテーブルと図柄列Z1〜Z3用の表示に関するテーブルの2つを音光側RAM95に読み出される。変動開始から推定会話演出の開始前までは図81(b)のベースデータテーブルを参照し、ポインタが「a」の位置に来て、推定会話演出が始まるタイミングで参照先を図81(a)のテーブルに変更するとともに、推定会話演出における遊技者の回答把握終了後に参照先を図81(b)のベースデータテーブルに戻すことにより、回答制限時間内のどのタイミングで遊技者の回答把握が終了しても遊技者の任意性に応じた演出が可能となる。
本実施形態の音光側MPU93で行われるタイマ割込み処理は上記第1の実施形態のタイマ割込み処理(図14)と比較して、S510以降が相違する。具体的には、S509の後、推定会話演出用処理が行われ、撮像制御処理が行われて、タイマ割込み処理が終了する。図82は、推定会話演出用処理を示すフローチャートである。当該推定会話演出用処理は音光側MPU93にて行われる。
まずステップS4101にて推定会話演出フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ここで、推定会話演出フラグとは、図柄表示装置61上で推定会話演出が行われていることを示すフラグであり、本推定会話演出のステップS4105にてセットされるフラグである。
推定会話演出フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS4101:NO)には、ステップS4102にて音光側RAM95に展開されているベースデータテーブルを参照して、推定会話演出の開始タイミングか否かについて判定する。推定会話演出の開始タイミングであった場合(ステップS4102:YES)には、ステップS4103にて質問及び回答制限時間を表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信する。続くステップS4104では遊技者の顔の向きを把握するための撮像を行う目的で撮像指令フラグに「1」をセットする。そして、ステップS4105にて推定会話演出フラグに「1」をセットした後、ステップS4106にて回答待ちフラグに「1」をセットして本推定会話演出を終了する。
推定会話演出フラグに「1」がセットされている場合(ステップS4101:YES)には、ステップS4107にて回答待ちフラグに「1」がセットしてあるか否かを判定する。回答待ちフラグに「1」がセットしてある場合(ステップS4107:YES)には、ステップS4108にて音光側RAM95に展開されているベースデータテーブルを参照して、回答制限時間内であるか否かについて判定する。回答制限時間内であった場合(ステップS4108:YES)には、ステップS4109にて撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。撮像完了フラグに「1」がセットされていない場合に(ステップS4109:NO)にはそのまま本推定会話演出用処理を終了する。撮像完了フラグに「1」がセットされている場合(ステップS4109:YES)にはステップS4110にて撮像完了フラグを「0」クリアし、ステップS4111にて推定会話演出の画像判定処理を行い、ステップS4112にて回答把握終了フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。
ここで、推定会話演出の画像判定処理について図83を用いて説明する。まずステップS4201にて今回撮像した遊技者の顔画像から特徴点を抽出する。抽出された特徴点に基づき、ステップS4202にて顔の向き把握処理(図50)を行う。ステップS4203では今回撮像された顔画像から口唇領域を抽出し、ステップS4204にて当該口唇領域の特徴点を抽出する。ステップS4205では今回の撮像が2回目以降の撮像であるか否かについて判定を行う。2回目以降の撮像である場合(ステップS4205:YES)には、ステップS4206にて今回の特徴点の位置情報を前回の特徴点の位置情報と比較して、特徴点の移動方向と移動量を表すベクトルを求める。ステップS4207では、当該ベクトルが小さいか否かについて判定する。具体的には、口唇形状の変化が認められないほど小さいか否かについて判定する。当該ベクトルが小さい場合(ステップS4207:YES)には、ステップS4208にて音光側RAM95の同一形状カウンタに「1」を加算し、ステップS4209にて同一形状カウンタの値が600であるか否かについて判定する。同一形状カウンタの値が600になった場合(ステップS4209:YES)には、ステップS4210にて同一形状カウンタを「0」クリアする。遊技者の口唇形状の変化が見られなくなったため、遊技者が回答を終了したとみなすためである。その後、ステップS4211にて遊技者の回答を認識し終えたことを示す回答把握終了フラグに「1」をセットし、ステップS4212にて比較対象を消去して本推定会話演出の画像判定処理を終了する。今回の撮像が1回目の撮像であった場合(ステップS4205:NO)、ステップS4206にて求めたベクトルが小さくなかった場合(ステップS4207:NO)又は同一形状カウンタの値が600でなかった場合(ステップS4209:NO)には、ステップS4213にて今回の特徴点の位置情報を音光側RAM95に比較対象として保存し、本推定会話演出の画像判定処理を終了する。
推定会話演出用処理(図82)の説明に戻り、回答把握終了フラグに「1」がセットされていた場合(ステップS4112:YES)には、ステップS4113にて図柄表示装置61に表示されている質問に対応するコメントであり、抽選で予め決められたコメントを把握する。ステップS4114では当該コメントを図柄表示装置61に表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信する。そして、ステップS4115にて回答待ちフラグを「0」クリアし、ステップS4116にて推定会話演出フラグを「0」クリアして、本推定会話演出を終了する。
回答把握終了フラグに「1」がセットされていなかった場合(ステップS4112:NO)には、ステップS4117にて遊技者の顔の向きに対応する表示を図柄表示装置61に表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信し、ステップS4118にて遊技者の顔の向きを把握する目的で遊技者の顔を撮像するために撮像指令フラグに「1」をセットする。
回答制限時間を超えていた場合(ステップS4108:NO)には、ステップS4119にて遊技者への助言を図柄表示装置61に表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信する。そして、ステップS4120にて助言表示フラグに「1」をセットし、ステップS4121にて推定会話演出フラグを「0」クリアして本推定会話演出を終了する。ここで、助言表示フラグとは、図柄表示装置61に遊技者への助言を表示している状態を示すフラグである。
回答待ちフラグに「1」がセットされていなかった場合(ステップS4107:NO)には、ステップS4122にて助言表示フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。助言表示フラグに「1」がセットされている場合(ステップS4122:YES)には、ステップS4123にて助言表示フラグに「1」がセットされてから所定時間が経過したか否かについて判定する。具体的には、図柄表示装置61に遊技者への助言を表示する3秒間が経過したか否かについて判定する。3秒間が経過していた場合(ステップS4123:YES)には、ステップS4124にて遊技回復帰のための処理を行い、ステップS4125にて助言表示フラグを「0」クリアし、ステップS4126にて推定会話演出フラグを「0」クリアして本推定会話演出を終了する。
推定会話演出の開始タイミングでなかった場合(ステップS4102:NO)、助言表示フラグに「1」がセットされていなかった場合(ステップS4122:NO)又は3秒間が経過していなかった場合(ステップS4123:NO)にはそのまま本推定会話演出を終了する。
以上詳述した実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
推定会話演出では、遊技者への質問が図柄表示装置61に表示された後、回答する遊技者の顔が撮像される。そして、遊技者の口唇領域の形状変化が認められた場合に、遊技者の回答に対するコメントが図柄表示装置61に表示される。本推定会話演出では、遊技者の口唇領域の形状変化のみを検出する。したがって、遊技者の発した言葉又は文字数を認識できるほどに精度の高い受光部を必要としない。
演出用のベースデータテーブルとは別に図柄列Z1〜Z3用のベースデータテーブルを音光側RAM95に読み出すことのより、遊技者の回答を把握したタイミングにおいて、当該回答に対する返答コメントを図柄表示装置61に表示することが可能となる。また、遊技者への質問は今回の遊技回における当否抽選結果に直接的又は間接的に関係するものであるが、遊技者の回答に対する返答コメントは遊技者の回答を肯定も否定もしない。つまり、3種類用意されている返答コメントのいずれが選択されたとしても、その後の結果が大当たりであっても外れであっても矛盾を生じない。このため、遊技者は、パチンコ機10が実際に遊技者の回答を把握してコメントを表示しているように感じ、違和感無く会話演出に参加することができる。
音光側ROM94のテーブルには遊技者に対する複数の質問が記録されている。また、当該複数の質問のそれぞれについて、複数のコメントが記憶されている。まず、抽選により質問が選択された後、当該質問と対になる複数のコメントの中から1つのコメントが抽選により選択される。したがって、遊技回毎に質問とコメントの対が変化する。複数の遊技回に亘って、遊技者を飽きさせることなく推定会話演出に参加させることが可能である。
<第4の実施形態>
本実施形態では遊技者が口頭で回答する内容及び回答終了のタイミングを把握せずに、遊技者の回答に対するコメントを図柄表示装置61に表示する点で上記第1の実施形態と相違している。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本パチンコ機10では、設計段階において遊技者が回答する言葉を予測し、予測された言葉に対するコメントを図柄表示装置61に表示する予測会話演出が行われる。以下、当該演出の内容及び当該演出の実行を可能とするための制御内容について説明する。
予測会話演出では、図柄表示装置61に遊技者への質問を表示して、遊技者に口頭での回答を促す。予め抽選で決められた時間が経過した後、予め抽選で決められたコメントを図柄表示装置61に表示する。音声発光制御装置91は遊技者の回答を把握するための撮像を行わない。このため、本実施形態では、上記第1の実施形態と異なり撮像装置73が設けられていない。また、図柄表示装置61に質問を表示してからコメントを表示するまでの間隔が抽選により無作為に決まる。このため、質問表示開始からコメント表示開始までの間隔が遊技回毎に変化し、遊技者はパチンコ機10とあたかも会話しているかのように感じることができる。以下、当該予測会話演出の内容及び当該予測会話演出の実行を可能にするための制御内容について説明する。
図80に示すように遊技者への質問とコメントは予め音光側ROM94に記録されている。予測会話演出は変動開始直後、図柄表示装置61に遊技者への質問が表示される。遊技者の回答の有無に関わらず、抽選で決まる制限時間が経過した後、図柄表示装置61に質問と対になって音光側ROM94に記録されているコメントが表示される。ここで、質問と対になって記録されているコメントは、質問に対して遊技者がどんな回答をした場合においても会話が成立しているように感じられる言葉である。例えば、「今回期待してる?」という質問に対して「期待してたら結果変わるかもね」というコメントが表示される。また、図柄表示装置61に質問が表示されてから、コメントが表示されるまでの間隔は抽選で決定されるが、当該間隔は想定される回答時間において最短時間以上、最長時間以下に設定される。最短時間は、質問に対して想定される最も短い回答を1文字0.5秒で行う場合にかかる時間で設定されている。また、最長時間は質問に対して想定される最も長い回答を1文字0.5秒で行う場合にかかる時間で設定されている。具体的には、「今回期待してる?」という質問に対して最短の答えが「はい」、最長の答えが「とても期待しています」であった場合には、1秒から5.5秒の範囲で制限時間の抽選が行われる。当該抽選では1秒、2秒、4秒及び5.5秒の4通りの中から1つの制限時間が選択される。
図84に示すタイムチャートで予測会話演出の流れについて説明する。図84(a)〜(c)に図柄列Z1〜Z3の変動期間を示し、図84(d)に予測会話演出の期間を示す。また、図84(e)に質問を表示する期間を示すとともに、図84(f)に遊技者への返答コメントを表示する期間を示す。
図84(a)〜(c)に示すように、t1のタイミングで図柄列Z1〜Z3の変動が開始された場合、図84(d)に示すようにt2のタイミングで予測会話演出が開始され、図柄列Z1〜Z3が縮小表示される。また、当該t2のタイミングで遊技者への質問が図柄表示装置61に表示される。但し、質問が表示されてから返答コメントが表示されるまでの残りの期間は表示されない。つまり、抽選により決定される制限時間は表示されることはなく、当該制限時間は遊技者に報知されない。
t3のタイミングで制限期間が経過することで質問の表示が終了するとともに、図柄表示装置61に返答コメントが表示される。そしてt4のタイミングで、予測会話演出が終了するとともに、返答コメントの表示期間も終了し、図柄列Z1〜Z3が拡大表示された後、図84(a)に示すようにt5のタイミングで図柄列Z1が停止する。その後、図84(c)に示すようにt6のタイミングで図柄列Z3が停止するとともに、図84(d)に示すようにt7のタイミングで図柄列Z2が停止する。
予測会話演出における質問表示が開始されてから返答コメントの表示が開始されるまでの制限時間は抽選で決定されるため、t4のタイミングは遊技回毎に異なる。しかし、図柄列Z1が停止するt5のタイミングはt4のタイミングよりも必ず後ろになるように設定されている。
本実施の形態においては、主側コマンド対応処理(図15)におけるステップS603の予告抽選処理において選択され得る予告表示に予測会話演出が含まれている。当該予測会話演出が抽選により選ばれた場合には、予測会話演出の内容を決定するための予測会話演出用抽選処理が当該予告抽選処理の中で行われる。
図85は、予測会話演出用抽選処理を示すフローチャートである。当該各種演出用抽選処理は音光側MPU93にて行われる。まずステップS4301にて音光側ROM94に記録されている複数の質問の中から1つの質問を抽選で選択する。続くステップS4302にて、選択された質問について複数記憶されているコメントの中から1つのコメントを抽選で選択する。当該コメントは遊技者の口頭での回答の有無に関わらず、制限時間の経過後に図柄表示装置61に表示される。ステップS4303では、図柄表示装置61に質問の表示を開始してからコメントの表示を開始するまでの制限時間の抽選を行い、本各種演出用抽選処理を終了する。
本実施形態の音光側MPU93で行われるタイマ割込み処理は上記第1の実施形態のタイマ割込み処理(図14)と比較して、S510以降が相違する。具体的には、S509の後、予測会話演出用処理が行われ、撮像制御処理が行われて、タイマ割込み処理が終了する。図86は、予測会話演出用処理を示すフローチャートである。当該予測会話演出用処理は音光側MPU93にて行われる。
まずステップS4401にてコメント表示フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。ここで、コメント表示フラグとは、図柄表示装置61にコメントが表示されていることを示すフラグであり、本予測会話演出用処理のステップS4412にて「1」がセットされる。コメント表示フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS4401:NO)には、ステップS4402にて質問表示中フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。ここで、質問表示中フラグとは、図柄表示装置61に質問が表示されていることを示すフラグであり、本予測会話演出用処理のステップS4408にて「1」がセットされる。質問表示中フラグに「1」がセットされていなかった場合(ステップS4402:NO)には、ステップS4403にて音光側RAM95に展開されているベースデータテーブルを参照して、予測会話演出の開始タイミングであるか否かについて判定する。
予測会話演出の開始タイミングであった場合(ステップS4403:YES)には、ステップS4404にて今回図柄表示装置61に表示する質問を把握する。ここで把握される質問の内容は、予測会話演出用抽選処理(図85)におけるステップS4301にて決定された内容である。その後、ステップS4405にて制限時間を把握する。ここで把握される制限時間の内容は、予測会話演出用抽選処理(図85)におけるステップS4303にて決定された内容である。その後、ステップS4406にて図柄表示装置61に表示するコメントを把握する。ここで把握されるコメントの内容は、予測会話演出用抽選処理(図85)におけるステップS4302にて決定された内容である。
その後、ステップS4407では、ステップS4404にて把握した内容に対応する質問を図柄表示装置61に表示させるためのコマンドを表示制御装置96に送信する。これにより、図柄表示装置61において質問の表示が開始される。但し、当該コマンドには、ステップS4405にて把握した制限時間の情報は設定されない。したがって、抽選により決定された制限時間は、図柄表示装置61に表示されない。また、図柄表示装置61における報知を含めて、当該制限時間は遊技者に対して報知されない。その後、ステップS4408にて質問表示中フラグに「1」をセットして本予測会話演出用処理を終了する。
質問表示中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS4402:YES)には、ステップS4405にて把握された制限時間が経過したか否かを判定する(ステップS4409)。ステップS4409にて肯定判定を行った場合には、ステップS4410にてコメントを図柄表示装置61に表示するためのコマンドを表示制御装置96に送信する。このコマンドには、ステップS4406にて把握した内容が設定される。これにより、ステップS4406にて把握した内容に対応するコメント、すなわち予測会話演出用抽選処理(図85)のステップS4302にて決定されたコメントが図柄表示装置61において表示される。その後、ステップS4411にて質問表示中フラグを「0」クリアするとともに、ステップS4412にてコメント表示フラグに「1」をセットして本予測会話演出用処理を終了する。
コメント表示フラグに「1」がセットされている場合(ステップS4401)には、ステップS4413にて、コメント表示フラグに「1」がセットされてから所定時間が経過したか否かについて判定する。具体的には、図柄表示装置61にコメントを表示する期間である3秒間が経過したか否かについて判定する。3秒間が経過していた場合(ステップS4413:YES)には、ステップS4414にて遊技回に復帰するための処理を行い、ステップS4415にてコメント表示フラグを「0」クリアして本予測会話演出用処理を終了する。
予測会話演出の開始タイミングでなかった場合(ステップS4403:NO)、制限時間を超えていた場合(ステップS4409:NO)又は3秒間を経過していなかった場合(ステップS4413:NO)にはそのまま本予測会話演出用処理を終了する。
以上詳述した実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
予測会話演出では、遊技者への質問が図柄表示装置61に表示されてから、当該質問に対応するコメントが表示される前の期間において、待機可能期間として制限時間が設定される。この制限時間において遊技者は質問に対応する回答などを行うことが可能となる。但し、この質問に対する遊技者の回答はパチンコ機10において把握されない。そして、制限時間が経過することで、質問に対応するコメントが図柄表示装置61に表示される。これにより、実際には遊技者の回答がパチンコ機10において把握されていないにも関わらず、遊技者に対してパチンコ機10と会話しているかのような印象を与えることが可能となる。よって、斬新な遊技内容を提供することが可能となる。
質問の表示が開始されてからコメントの表示が開始されるまでの制限時間は、複数種類の時間の中から決定される。これにより、質問表示からコメント表示までの時間が、想定される回答を行える時間の範囲で短くなったり、長くなったりし、遊技者はあたかも遊技者の回答を把握するためのセンサがパチンコ機10に付いているかのような感覚で会話をすることができる。
また、制限時間は抽選によりランダムに決定されるため制限時間が不規則なものとなる。これにより、仮に遊技者の回答に対してコメントの表示が早かったり遅かったりする事象が発生したとしても、それを検出精度の問題であると遊技者に誤認識させることが可能となる。よって、遊技者の回答を把握するためのセンサがパチンコ機10に付いていると遊技者に思わせ易くなる。
抽選により決定された制限時間は遊技者に対して報知されない。これにより、実際には遊技者が回答を行ったタイミングをパチンコ機10においては認識していなくても、遊技者が回答を行ったタイミングでコメントが表示されたのではないかという印象を遊技者に与え易くなる。
遊技者に問いかける質問に対する回答を予め想定し、想定される遊技者の回答を否定も肯定もしないコメントを表示することで、その後の遊技回において大当たり結果となる場合においても、外れ結果となる場合においても、矛盾が生じない。これにより、遊技者はあたかもパチンコ機10が回答の把握を行っているような感覚で会話をすることができる。
<第5の実施形態>
本実施形態では遊技者がリーチ表示に注目する度合いに応じてリーチ表示中にコメントが挿入される点で上記第1の実施形態と相違している。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本パチンコ機10では、遊技者の注目度に応じてリーチ表示中にコメントが挿入されるコメント挿入演出が行われる。以下、当該演出の内容及び当該演出の実行を可能とするための制御内容について説明する。
コメント挿入演出では、リーチ演出開始後に図柄表示装置61においてリーチ演出を実行するとともに、遊技者の撮像を定期的に所定回数実行する。撮像により得られた遊技者の顔画像から、遊技者のリーチ演出への注目度を把握する。当否抽選結果が大当たりである場合において、遊技者がリーチ演出にあまり注目していないと判断された場合には、遊技者を期待させるコメントを挿入してリーチ演出への注目度を上げる。また、遊技者がリーチ演出に過剰に注目していると判断された場合には、遊技者に冷静さを取り戻すように促すコメントを挿入する。これにより、今回の遊技回が外れ結果となった場合に、遊技者の落胆の度合いを抑えることができる。
具体的には、リーチ演出が行われる遊技回において、変動開始後に遊技者の撮像を開始し、平常時の遊技者の顔画像を取得する。その後、図柄表示装置61上に泡が出現するリーチ演出が実行される。当該リーチ演出開始直後に遊技者の顔画像を複数回撮像する。撮像により得られた顔画像から遊技者の顔の向き、目の開き具合、及び目と眉の間隔の変化を把握する。遊技者がパチンコ機10の正面を向いている画像が全体の7割以下である場合には、遊技者が落胆して、下を向いたり、天を仰いだりして図柄表示装置61から目を逸らしたものと判定する。また、遊技者がパチンコ機10の正面を向いている画像が全体の8割以上である場合には、遊技者が過剰にリーチ演出に注目していないか否かについて判定する。変動開始後に取得した平常時の遊技者の顔画像と比較して、目の大きさが1.1倍以上になっている状態又は遊技者の目と眉の間隔が1.1倍以上になっている状態が確認された場合には、遊技者が目を見開いてリーチ演出に過剰に注目したものと判定する。
図87の(a)〜(d)を参照しながら、コメント挿入演出が進行する様子について説明する。先ず図87(a)に示すように、変動開始時、図柄表示装置61には変動する3つの図柄列Z1〜Z3が表示される。この状態において、遊技者の顔画像が撮像されて、平常時の目の開き具合及び目と眉の距離が測定される。図87(b)に示すように図柄列Z1及び図柄列Z3が停止して図柄列Z2のみが変動している状態となった後にリーチ演出が開始される。そして、図87(c)に示すように、遊技者のリーチ演出への注目度に応じて、リーチ演出の途中に遊技者へのコメントが挿入される。最後に、図87(d)に示すように、図柄列Z2が停止して遊技回が終了する。
図88に示すタイムチャートでコメント挿入演出の流れについて説明する。図88(a)〜(c)に図柄列Z1〜Z3の変動期間を示し、図88(d)にリーチ演出の期間を示し、図88(e)にコメントの挿入タイミングを示し、図88(f)に遊技者の顔の撮像を行う期間を示す。
図88(a)〜(c)に示すように、t1のタイミングで図柄列Z1〜Z3の変動が開始された場合、図88(f)に示すようにt2のタイミングで遊技者の撮像が開始され、t3のタイミングで撮像が終了する。当該撮像により遊技者の平常時の顔画像が取得される。図88(a)に示すようにt4のタイミングで図柄列Z1が停止し、図88(c)に示すようにt5のタイミングで図柄列Z3が停止する。また、図88(d)に示すように当該t5のタイミングにてリーチ演出が開始される。また、リーチ演出開始と同時のt5のタイミングにおいて遊技者の顔の撮像が開始される。当該遊技者の顔の撮像はt6のタイミングまで行われる。図88(d)に示すように遊技者の顔の撮像が終了した後、t7のタイミングでコメントの挿入が行われ、図88(b)に示すように、t8のタイミングで図柄列Z2が停止して遊技回が終了する。
本実施形態の音光側MPU93で行われるタイマ割込み処理は上記第1の実施形態のタイマ割込み処理(図14)と比較して、ステップS510以降が相違する。具体的には、ステップS509の後、コメント挿入演出用処理が行われ、撮像制御処理が行われて、タイマ割込み処理が終了する。図89は、コメント挿入演出用処理を示すフローチャートである。当該コメント挿入演出用処理は音光側MPU93にて行われる。以下、当該コメント挿入演出用処理について説明する。
本コメント挿入演出用処理では、コメント挿入演出において遊技者が図柄表示装置61に注目しているか否かを判定する際に使用する平常時の目の開き具合及び目と眉の距離を把握する。平常時の目の開き具合及び目と眉の距離は、遊技回開始直後に遊技者の顔画像を撮像し、正面向きで撮像された20枚の顔画像における特徴点の位置情報の平均により求められる。
まずステップS4501にて今回の遊技回で行われる演出がコメント挿入演出であるか否かについて判定する。今回の演出がコメント挿入演出でない場合(ステップS4501:NO)には、そのまま本コメント挿入演出用処理を終了する。今回の演出がコメント挿入演出である場合(ステップS4501:YES)には、ステップS4502にて変動開始タイミングであるか否かについて判定する。変動開始タイミングである場合(ステップS4502:YES)にはステップS4503にて撮像指令フラグに「1」をセットして本コメント挿入演出用処理を終了する。
変動開始タイミングでない場合(ステップS4502:NO)には、ステップS4504にて平均算出終了フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。ここで、平均算出終了フラグとは、遊技者の目の開き具合及び目と眉の距離に関する位置情報の平均値が、20枚分の顔画像から算出されたことを示すフラグである。当該平均算出終了フラグは本コメント挿入演出用処理のステップS4511にて「1」がセットされる。平均算出終了フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS4504:NO)には、ステップS4505にて前回撮像指令フラグに「1」がセットされてから0.1秒が経過したか否かについて判定する。0.1秒が経過していない場合(ステップS4505:NO)にはそのまま本コメント挿入演出用処理を終了する。0.1秒が経過している場合(ステップS4505:YES)には、ステップS4506にて撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。撮像完了フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS4506:NO)には、そのまま本コメント挿入演出用処理を完了する。撮像完了フラグに「1」がセットされている場合(ステップS4506:YES)には、ステップS4507にて撮像完了フラグを「0」クリアした後、ステップS4508にて位置情報記憶処理を行う。
ここで、コメント挿入演出用処理(図89)のステップS4508にて実行される位置情報記憶処理について図90を用いて説明する。当該位置情報記憶処理は音光側MPU93にて実行される処理であり、遊技者の平常時の目の開き具合及び目と眉の距離に関する位置情報の平均値を算出する処理である。
まずステップS4601にて、今回の撮像により得られた顔画像が正面向きの顔画像であるか否かについて確認するための正面向き確認処理を行う。ここで、位置情報記憶処理(図90)のステップS4601にて実行される正面向き確認処理について図91を用いて説明する。当該正面向き確認処理は音光側MPU93にて実行される処理である。
まずステップS4701にて今回の撮像により得られた顔画像から特徴点の抽出を行う。当該特徴点の抽出は、上記第1の実施形態における画像判定処理(図48)のステップS2101で行われる特徴点の抽出と同様であり、図43のテーブルに示すT1〜T19の19個の特徴点が抽出される。続くステップS4702では両耳の特徴点(T3,T4)が存在するか否かについて判定する。両耳の特徴点(T3,T4)が存在する場合(ステップS4702:YES)には、ステップS4703にて上下方向の顔の向きを把握する処理を行う。具体的には、上記第1の実施形態における図44(a)〜(c)にて説明したように、遊技者の視線の先に図柄表示装置61又は調整エリア61a,61bが存在するか否かについて把握する。そして、ステップS4704にて遊技者の視線の先に図柄表示装置61又は調整エリア61a,61bが存在するか否かについて判定する。遊技者が図柄表示装置61を見ているものとみなされた場合(ステップS4704:NO)には、ステップS4705にて左右方向の顔の向きを把握するための処理を行う。具体的には、上記第1の実施形態における図44(d)〜(f)にて説明したように、遊技者の視線の先に図柄表示装置61が存在するか否かについて把握する。そして、ステップS4706にて遊技者の視線の先に図柄表示装置61が存在するか否かについて判定する。遊技者が図柄表示装置61を見ているものとみなされた場合(ステップS4706:NO)には、ステップS4707にて今回の撮像により得られた遊技者の顔画像は正面向きの顔画像であると判定し、本正面向き確認処理を終了する。
両耳の特徴点(T3,T4)が存在しない場合(ステップS4702:NO)、遊技者の顔が左右方向に傾いていると判定された場合(ステップS4704:YES)又は遊技者の顔が上下方向に傾いていると判定された場合(ステップS4706:YES)には遊技者の顔が正面を向いていなかったものとみなし、そのまま本正面向き確認処理を終了する。
位置情報記憶処理(図90)の説明に戻り、ステップS4601にて正面向き確認処理(図91)を行った後、ステップS4602にて遊技者の顔が正面向きであるか否かについて判定する。今回の撮像により得られた顔画像が正面向きである場合(ステップS4602:YES)には、ステップS4603にて目の開き具合を把握する処理を行う。ここで、目の開き具合は2つの特徴点T6,T7間の距離(図43)と2つの特徴点T10,T11間の距離(図43)の平均値から求められる。つまり右目と左目の大きさの平均から目の開き具合を把握する。当該目の開き具合に関する平均算出処理は正面向き画像20枚に対して行われ、20枚分の平均値の和を20で割って得られた値が平常時の目の開き具合に関する指標として後述するコメント挿入用処理(図92)の判定(ステップS4817)に用いられる。ステップS4604では目と眉の距離を把握する処理を行う。ここで、目と眉の距離は2つの特徴点T1,T8間の距離(図43)と2つの特徴点T2,T12間の距離(図43)の平均値から求められる。つまり右目と左目における目と眉の距離の平均から目と眉の距離を把握する。当該目と眉の距離に関する平均算出処理は正面向き画像20枚に対して行われ、20枚分の平均値の和を20で割って得られた値が平常時の目と眉の距離に関する指標として後述するコメント挿入処理(図92)の判定(ステップS4818)に用いられる。ステップS4605では、平均カウンタに「1」を加算して本位置情報記憶処理を終了する。また、ステップS4602にて正面向きと判定されなかった場合にはそのまま本位置情報記憶処理を終了する。目の開き具合及び目と眉の距離に関して、正面向き画像に限って複数枚の平均値を指標とすることにより、平常時の値を正確に求めることが可能となる。
コメント挿入演出用処理(図89)の説明に戻り、ステップS4508にて位置情報記憶処理(図90)を行った後、ステップS4509にて平均カウンタの値が20であるか否かについて判定する。平均カウンタの値が20でない場合(ステップS4508:NO)には、ステップS4510にて撮像指令フラグに「1」をセットして本コメント挿入演出用処理を終了する。平均カウンタの値が20である場合(ステップS4509:YES)には、平均算出終了フラグに「1」をセットして本コメント挿入演出用処理を終了する。ステップS4504にて平均算出終了フラグに「1」がセットされている場合(ステップS4504:YES)には、ステップS4512にてコメント挿入用処理を行って本コメント挿入演出用処理を終了する。
次にコメント挿入演出用処理(図89)のステップS4512にて実行されるコメント挿入用処理について図92を用いて説明する。図92はコメント挿入用処理を示すフローチャートである。当該コメント挿入用処理は音光側MPU93にて行われる。
まず、ステップS4801にて音光側RAM95に展開されているベースデータテーブルを参照してリーチ演出の開始タイミングであるか否かについて判定する。当該ベースデータテーブルには、平常時の遊技者の顔画像を取得するための撮像開始タイミング、撮像終了タイミング、リーチ演出の開始タイミング、リーチ演出中の撮像の終了タイミング及びコメントの挿入タイミングが記録されている。リーチ演出の開始タイミングである場合(ステップS4801:YES)には、ステップS4802にて表示制御装置96にリーチ演出用のコマンドを送信し、本コメント挿入用処理を終了する。これにより、図柄表示装置61においてリーチ演出が開始される。
リーチ演出の開始タイミングでない場合(ステップS4801:NO)には、ステップS4803にてリーチ演出中であるか否かについて判定する。リーチ演出中でない場合(ステップS4803:NO)にはそのまま本コメント挿入用処理を終了する。リーチ演出中である場合(ステップS4803:YES)には、ステップS4804にて振分終了カウンタの値が「10」であるか否かについて判定する。ここで、振分終了カウンタとは、振分カウンタが「0」クリアされる度に「1」が加算されるカウンタである。また、振分カウンタとは、ステップS4802のリーチ演出用コマンド送信処理が行われてから0.1秒おきに「1」が加算されるカウンタである。ステップS4812〜ステップS4822で後述するように、振分カウンタの値が「1〜3」の場合と、振分カウンタの値が「4」の場合と、振分カウンタの値が「5」の場合と、でその後の処理内容が異なる。また、振分カウンタは「5」の場合に「0」クリアされる。つまり、振分カウンタは0.5秒おきに「0」クリアされるカウンタである。後述するように、当該コメント挿入用処理では、0.1秒おきに3回の撮像が行われ、3回目の撮像から0.3秒後に再び0.1秒おきの撮像が3回行われる。当該0.5秒周期の処理が5秒間、10回に亘って繰り返される。振分カウンタはこの0.5秒周期の処理を可能にするためのカウンタである。
振分終了カウンタの値が「10」でない場合(ステップS4804:NO)にはステップS4802のリーチ演出用コマンド送信処理又はステップS4811の振分カウンタへ「1」を加算する処理が行われてから0.1秒が経過したか否かについて判定する。0.1秒が経過していない場合(ステップS4805:NO)にはそのまま本コメント挿入用処理を終了する。0.1秒が経過している場合には、ステップS4806にて撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。撮像完了フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS4806:NO)にはそのまま本コメント挿入用処理を終了する。撮像完了フラグに「1」がセットされていた場合(ステップS4806:YES)には、ステップS4807にて撮像完了フラグを「0」クリアし、ステップS4808にて正面向き確認処理(図91)を行う。当該正面向き確認処理は図91にて説明した処理と同じ内容である。ステップS4809では正面向き確認処理(ステップS4808)の結果を受けて、今回撮像された遊技者の顔画像が正面向きであったか否かについて判定する。顔画像が正面向きであった場合(ステップS4809:YES)にはステップS4810にて正面向きカウンタに「1」を加算する。当該正面向きカウンタとは、撮像した遊技者の顔画像が正面向きであった場合に「1」が加算されるカウンタであり、遊技者が正面を向いていると判断される回数を数えるカウンタである。
ステップS4809にて否定判定を行った場合又はステップS4810を行った後、ステップS4811にて振分カウンタに「1」を加算し、ステップS4812にて振分カウンタの値が「1〜3」であるか否かについて判定する。振分カウンタの値が「1〜3」である場合(ステップS4812:YES)にはステップS4813にて撮像指令フラグに「1」をセットしてそのまま本コメント挿入用処理を終了する。
振分カウンタの値が「1〜3」でない場合(ステップS4812:NO)には、ステップS4814にて振分カウンタの値が「4」であるか否かについて判定する。振分カウンタの値が「4」である場合(ステップS4814:YES)には、ステップS4815にて正面向きカウンタの値が「3」であるか否かについて判定する。当該正面向きカウンタは、直近の3回の撮像において3回連続で遊技者の顔画像が正面向きである場合に「3」となる。本コメント挿入用処理では、0.1秒間隔で行われる3回の撮像において、3回連続で遊技者の顔画像が正面向きである場合に、遊技者が1回正面を向いたと判定し、その回数を正面向き確定カウンタで数える。ステップS4815にて肯定判定を行った場合には、ステップS4816にて正面向き確定カウンタに「1」を加算し、ステップS4817にて遊技者の目の開き具合が通常時の1.1倍であるか否かについて判定する。具体的には、直近3回の撮像により得られた顔画像から求められる目の開き具合に関する指標の平均値が、位置情報記憶処理(図90)のステップS4603にて算出される目の開き具合に関する指標の平均値の1.1倍以上であるか否かについて判定する。直近3回の平均値が1.1倍未満である場合(ステップS4817:NO)にはステップS4818にて遊技者の目と眉の距離が通常時の1.1倍であるか否かについて判定する。具体的には、直近3回の撮像により得られた顔画像から求められる目と眉の距離に関する指標の平均値が、位置情報記憶処理(図90)のステップS4604にて算出される目の開き具合に関する指標の平均値の1.1倍以上であるか否かについて判定する。ステップS4817又はステップS4818にて肯定判定を行った場合には、遊技者が図柄表示装置61上のリーチ演出に注目していると判定して、ステップS4819にて注目カウンタに「1」を加算する。ここで、注目カウンタとは、遊技者がリーチ演出に注目状態であると判定された回数を数えるカウンタである。ステップS4818にて否定判定を行った後又はステップS4819にて注目カウンタに「1」を加算した後、ステップS4820にて正面向きカウンタを「0」クリアして本コメント挿入用処理を終了する。当該正面向きカウンタは3回の撮像後に値が「3」になっているか否かについて判定され、その直後に「0」クリアされる。したがってステップS4816にて正面向き確定カウンタに「1」が加算されるのは、遊技者が0.3秒間以上正面を向いていたと判定された場合のみである。
振分カウンタの値が「4」でなかった場合(ステップS4814:NO)には、振分カウンタの値が「5」であることを意味し、この場合はステップS4821にて振分カウンタを「0」クリアし、ステップS4822にて振分終了カウンタに「1」を加算して本コメント挿入用処理を終了する。
振分終了カウンタが「10」である場合(ステップS4804:YES)には、ステップS4823にて振分終了カウンタを「0」クリアし、ステップS4824にてコメント挿入処理を行って本コメント挿入用処理を終了する。当該コメント挿入処理について、図93のフローチャートを用いて説明する。当該コメント挿入処理は音光側MPU93にて行われる。まずステップS4901にて平均算出終了フラグを「0」クリアする。当該平均算出終了フラグは遊技者の目の開き具合に関する指標L1及び目と眉の距離に関する指標L2について、10回分の平均値を算出した場合に「1」がセットされるフラグである。具体的には、図90のコメント挿入演出用処理のステップS4611にて「1」がセットされる。
ステップS4902では、今回の遊技回における当否抽選結果が大当たりであるか否かについて判定する。当否抽選結果が大当たりである場合(ステップS4902:YES)には、ステップS4903にて正面向き確定カウンタの値が7以下であるか否かについて判定する。また、当否抽選結果が外れである場合(ステップS4902:NO)には、ステップS4904にて正面向き確定カウンタの値が4以下であるか否かについて判定する。当否抽選結果が大当たりである場合(ステップS4902:YES)において、正面向き確定カウンタの値が7以下である場合(ステップS4903:YES)には、ステップS4905にて図柄表示装置61に励ましのコメントを挿入するためのコマンドを表示制御装置96に送信して本コメント挿入処理を終了する。当否抽選結果が大当たりであるにも関わらず、注目度が高くない遊技者に対して、図柄表示装置61にもう少し注目するように促すためである。当否抽選結果が外れである場合(ステップS4902:NO)において、正面向き確定カウンタの値が4以下である場合(ステップS4904:YES)には、ステップS4905にて図柄表示装置61に励ましのコメントを挿入するためのコマンドを表示制御装置96に送信して本コメント挿入処理を終了する。図柄表示装置61への注目度が低い遊技者に対して、図柄表示装置61にもう少し注目するように促すためである。当該コマンドの送信により、リーチ演出の途中で、図柄表示装置61に「まだあきらめるな!」というコメントが挿入される。当否抽選結果が大当たりである場合と外れである場合とでは、当該コメントが挿入される条件が異なる。当否抽選結果が大当たりである場合の判定基準が比較的高い7という回数に設定されているのに対して、当否抽選結果が外れである場合の判定基準は比較的低い4という回数に設定されている。コメントの挿入は遊技者に対してリーチ演出に注目するように促す目的で行われる。当否抽選結果が外れである場合には、コメント挿入の対象をリーチ演出に注目していない遊技者のみに限定することにより、リーチ演出にある程度興味を示している遊技者を過度に期待させない。一方、当否抽選結果が大当たりである場合には、コメント挿入の対象をリーチ演出にある程度興味を示している遊技者にまで広げて、リーチ演出に注目させることで、大当たりとなる瞬間を見逃さないようにすることができる。
ステップS4903又はステップS4904にて否定判定を行った場合には、ステップS4906にて注目カウンタの値が3以上であるか否かについて判定する。注目カウンタの値が3以上である場合(ステップS4906:YES)には、ステップS4907にてコメント抽選処理を行い、ステップS4908にて当該コメント抽選処理により決定された控えめなコメントを挿入するためのコマンドを表示制御装置96に送信して本コメント挿入処理を終了する。コメント抽選処理に用いられる抽選テーブルには「熱いな。期待できそうだけど。」というコメントと「そんなに熱くなるな。」というコメントが存在する。当否抽選結果によって当該2つのコメントの出現率が異なる。具体的には、当否抽選結果が大当たりである場合に用いられる抽選テーブルでは、「熱いな。期待できそうだけど。」というコメントの出現率が70%であり、「そんなに熱くなるな。」というコメントの出現率が30%であるとともに、当否抽選結果が外れである場合に用いられる抽選テーブルでは、「そんなに熱くなるな。」というコメントの出現率が70%であり、「熱いな。期待できそうだけど。」というコメントの出現率が30%である。コマンドの送信により、リーチ演出の途中で、図柄表示装置61にコメント抽選処理で選ばれたコメントが挿入される。注目カウンタの値が3以上でなかった場合(ステップS4906:NO)にはそのまま本コメント挿入処理を終了する。
以上詳述した実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
当否抽選結果が大当たりである場合において、遊技者がリーチ演出にあまり注目していないと判断された場合には、遊技者を期待させるコメントを挿入してリーチ演出への注目度を上げることができる。また、遊技者がリーチ演出に過剰に注目していると判断された場合には、遊技者に冷静さを取り戻すように促すコメントを挿入する。これにより、今回の遊技回が外れ結果となった場合に、遊技者の落胆の度合いを抑えることができる。
遊技者にパチンコ機10の正面を向かせて撮像が行われるのではなく、複数回の撮像が行われ、遊技者が正面を向いている回数がカウントされる。したがって、遊技者の顔の向きを矯正する必要がなく、遊技者は自然体でリーチ変化演出に参加することができる。
遊技者の演出への注目度は顔の向き、目の開き具合及び目と眉の距離により判断される。撮像は0.5秒間隔で10回行われる。遊技者が下を向いたり、天を仰いだりして、図柄表示装置61から視線を逸らした場合には、リーチ表示にあまり関心を示していないと判定することができる。また、遊技者が正面を向いたまま目を見開いた場合には、遊技者が過剰にリーチ表示に期待していると判定することができる。
遊技者のリーチ演出への注目度を判定するための顔画像は、リーチ演出開始の直後に撮像される。遊技者が目を見開いて注目したり、下を向いたり、天を仰いだりする行為は、リーチ演出の開始直後に行われる可能性が高い。リーチ演出開始直後の最も大きなリアクションを逃さずに撮像して判定に用いることができる。
遊技者のリーチ演出への注目度を判定する際に比較対象として用いる平常時の顔画像は、リーチ演出が行われる遊技回の開始直後に撮像される。リーチ演出が開始される前に比較対象の顔画像を撮像しておくことにより、リーチ演出開始直後との変化を正確に評価することができる。
<第6の実施形態>
本実施形態では2種類の予告演出が存在し、遊技者の注目度が高い予告演出の出現頻度が高くなる点で上記第1の実施形態と相違している。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本実施形態では、2種類の予告演出が抽選により選択されて実行される。どちらの予告演出が選択された場合も、予告演出が図柄表示装置61上に表示されている間、遊技者の撮像が行われる。撮像により得られた遊技者の顔画像から遊技者の予告演出への注目度が把握される。2種類の予告演出それぞれについて注目度を把握し、遊技者の注目度に応じて、2種類の予告演出の抽選に用いられる抽選テーブルを変更する。
具体的には、予告演出が図柄表示装置61上に表示されている間、遊技者の顔画像を撮像する。撮像は定期的に所定回数実行される。撮像により得られた顔画像から遊技者の顔の向きを把握する。遊技者がパチンコ機10の正面を向いている画像が所定枚数以下であれば、遊技者の注目度は低いと判定する。また、遊技者がパチンコ機10の正面を向いている画像が所定枚数以上であれば、遊技者の注目度は高いと判定する。
音光側ROM94には2種類の予告演出が様々な割合で配置された抽選テーブルが複数記憶されている。複数の遊技回に亘って遊技者の注目度を調べ、注目度が高いと判定された予告演出を多く含む抽選テーブルに切り替えながら2種類の予告演出の抽選を行う。これにより、遊技者の好みに合った予告演出が多く表示されるようになり、予告演出の注目度を上げることが可能となる。
遊技者が初めに一方の予告演出に注目し、当該予告演出が多く実行された結果、遊技者が当該予告演出に飽きてしまい、他方の予告演出に注目し始めることも考えられる。この場合においても、遊技者のその時々の注目度に応じて予告演出の抽選テーブルを切り替えることから、遊技者の好みに臨機応変に対応することが可能となる。
本実施形態の音光側MPU93で行われるタイマ割込み処理は上記第1の実施形態のタイマ割込み処理(図14)と比較して、ステップS510以降が相違する。具体的には、ステップS509の後、注目度判定処理が行われ、遊技者の確認処理が行われた後、撮像制御処理が行われて、タイマ割込み処理が終了する。
図94は、遊技者の確認処理を示すフローチャートである。当該遊技者の確認処理は音光側MPU93にて行われる。
まずステップS5001にて撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。撮像完了フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS5001:NO)には、ステップS5002にて撮像指令フラグに「1」がセットされているか否かについて判定し、撮像指令フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS5002:NO)にはステップS5003にて撮像指令フラグに「1」をセットして本遊技者の確認処理を終了する。遊技者の顔画像を撮像する目的である。また、撮像指令フラグに「1」がセットしてある場合(ステップS5002:YES)にはそのまま本遊技者の確認処理を終了する。
撮像完了フラグに「1」がセットされている場合(ステップS5001:YES)には、ステップS5003にて撮像完了フラグを「0」クリアする。続くステップS5004にて今回撮像された顔画像について、顔の特徴点の抽出を行い、ステップS5005にて今回撮像された顔画像が正面向きであるか否かについて判定する。顔画像が正面向きであった場合(ステップS5005:YES)には、ステップS5006にて比較対象の顔画像が存在するか否かについて判定する。比較対象の顔画像が存在する場合(ステップS5006:YES)には、ステップS5007にて今回撮像された顔画像と比較対象の顔画像の特徴点の比較処理を行い、ステップS5008にて当該2つの顔画像が同一人物のものであるか否かについて判定する。2つの顔画像が一致しなかった場合(ステップS5008:NO)には、ステップS5009にて「1」がセットされている予告フラグを「0」クリアするとともに、A用カウンタ及びB用カウンタも「0」クリアする。その後ステップS5010にてベース予告フラグに「1」をセットする。これにより、遊技者が入れ替わった場合には2種類の予告演出の出現率が初期化される。ステップS5008にて肯定判定を行った後又はステップS5010の後、ステップS5011にて今回撮像された顔画像を比較対象の顔画像として上書き保存して本遊技者の確認処理を終了する。今回撮像された顔画像が正面向きでなかった場合(ステップS5005:NO)にはステップS5012にて撮像指令フラグに「1」をセットして本遊技者の確認処理を終了する。これにより、今回撮像された顔画像が正面向きでなかった場合には、比較対象の顔画像として上書きされることなく、再度撮像が行われる。
遊技者の入れ替わりが行われた場合には、遊技者の好みの演出も変化するため、初期化して新しい遊技者の好みに合った演出の頻度を高める必要がある。遊技者の確認処理を行うことにより、遊技者の入れ替わりの有無を確認することができる。
図95は注目度判定処理を示すフローチャートである。当該注目度判定処理は音光側MPU93にて行われる。まずステップS5101にて音光側RAM95に展開されているベースデータテーブルを参照して予告演出の開始タイミングであるか否かについて判定する。当該ベースデータテーブルには、予告の開始タイミング、撮像完了タイミングが記録されている。予告演出の開始タイミングである場合(ステップS5101:YES)には、ステップS5102にて表示制御装置96に該当する予告演出用のコマンドを送信し、本注目度判定処理を終了する。これにより、図柄表示装置61において予告演出が開始される。
予告演出の開始タイミングでない場合(ステップS5101:NO)には、ステップS5103にて予告演出中であるか否かについて判定する。予告演出中でない場合(ステップS5103:NO)にはそのまま本注目度判定処理を終了する。予告演出中である場合(ステップS5103:YES)には、ベースデータテーブルを参照して撮像完了タイミングであるか否かについて判定する。撮像完了タイミングは予告演出終了の0.1秒以上前に設定されている。
撮像完了タイミングでない場合(ステップS5104:NO)にはステップS5102の予告演出用コマンド送信処理又はステップS5110の振分カウンタへ「1」を加算する処理が行われてから0.1秒が経過したか否かについて判定する。0.1秒が経過していない場合(ステップS5105:NO)にはそのまま本注目度判定処理を終了する。0.1秒が経過している(ステップS5105:YES)場合には、ステップS5106にて撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。当該撮像完了フラグは撮像処理(図21)のステップS915にて「1」がセットされる。撮像完了フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS5106:NO)にはそのまま本注目度判定処理を終了する。撮像完了フラグに「1」がセットされている場合(ステップS5106:YES)には、ステップS5107にて撮像完了フラグを「0」クリアし、ステップS5108にて正面向き確認処理(図91)を行う。当該正面向き確認処理は上記第5の実施形態において説明した正面向き確認処理(図91)と同じ処理である。ステップS5109では正面向き確認処理(ステップS5108)の結果を受けて、今回撮像された遊技者の顔画像が正面向きであったか否かについて判定する。顔画像が正面向きであった場合(ステップS5109:YES)にはステップS5110にて正面向きカウンタに「1」を加算する。当該正面向きカウンタとは、撮像した遊技者の顔画像が正面向きであった場合に「1」が加算されるカウンタであり、遊技者が正面を向いていると判断される回数を数えるカウンタである。
ステップS5109にて否定判定を行った場合又はステップS5110を行った後、ステップS5111にて振分カウンタに「1」を加算する。ここで、振分カウンタとは、ステップS5102の予告演出用コマンド送信処理が行われてから0.1秒おきに「1」が加算されるカウンタである。ステップS5112〜ステップS5119で後述するように、振分カウンタの値が「1〜3」の場合と、振分カウンタの値が「4」の場合と、振分カウンタの値が「5〜9」の場合と、振分カウンタの値が「10」の場合と、でその後の処理内容が異なる。また、振分カウンタは「10」の場合又は撮像完了タイミングにおいて「0」クリアされる。つまり、撮像完了タイミングに「0」クリアされる場合を除いて、振分カウンタは1秒おきに「0」クリアされるカウンタである。後述するように、当該注目度判定処理では、0.1秒おきに3回の撮像が行われ、3回目の撮像から0.8秒後に再び0.1秒おきの撮像が3回行われる。当該1秒周期の処理が予告演出開始から撮像完了タイミングまでの間、繰り返し実行される。振分カウンタは、当該1秒周期の処理を可能にするためのカウンタである。ステップS5112では振分カウンタの値が「1〜3」であるか否かについて判定する。振分カウンタの値が「1〜3」である場合(ステップS5112:YES)にはステップ5213にて撮像指令フラグに「1」をセットしてそのまま本注目度判定処理を終了する。
振分カウンタの値が「1〜3」でない場合(ステップS5112:NO)には、ステップS5114にて振分カウンタの値が「4」であるか否かについて判定する。振分カウンタの値が「4」である場合(ステップS5114:YES)には、ステップS5115にて正面向きカウンタの値が「3」であるか否かについて判定する。当該正面向きカウンタは、直近の3回の撮像において3回連続で遊技者の顔画像が正面向きである場合に「3」となる。本注目度判定処理では、0.1秒間隔で行われる3回の撮像において、3回連続で遊技者の顔画像が正面向きである場合に、遊技者が1回正面を向いたと判定し、その回数を注目カウンタで数える。ステップS5115にて肯定判定を行った場合には、ステップS5116にて注目カウンタに「1」を加算する。ステップS5115にて否定判定を行った後又はステップS5116にて注目カウンタに「1」を加算した後、ステップS5117にて正面向きカウンタを「0」クリアして本注目度判定処理を終了する。当該正面向きカウンタは3回の撮像後に値が「3」になっているか否かについて判定され、その直後に「0」クリアされる。したがってステップS5116にて注目カウンタに「1」が加算されるのは、遊技者が0.3秒間以上正面を向いていたと判定された場合のみである。
振分カウンタの値が「4」でなかった場合(ステップS5114:NO)には、ステップS5118にて振分カウンタの値が「5〜9」であるか否かについて判定し、振分カウンタの値が「5〜9」である場合(ステップS5118:YES)にはそのまま本注目度判定処理を終了する。振分カウンタの値が「5〜9」でなかった場合(ステップS5118:NO)には、振分カウンタの値が「10」であることを意味し、この場合にはステップS5119にて振分カウンタを「0」クリアして本注目度判定処理を終了する。
撮像完了タイミングである場合(ステップS5105:YES)には、ステップS5120にて振分カウンタ、正面向きカウンタ及び撮像完了フラグを「0」クリアする。ステップS5121では注目カウンタの値が今回遊技者の顔画像を撮像した回数の7割以上であるか否かについて判定し、肯定判定をした場合にはステップS5122にて関心有りフラグに「1」をセットする。遊技者が予告演出に注目していたと判断されるためである。注目カウンタの値が今回遊技者の顔画像を撮像した回数の7割未満であった場合(ステップS5121:NO)には、ステップS5123にて注目カウンタの値が今回遊技者の顔画像を撮像した回数の3割以下であるか否かについて判定し、肯定判定した場合にはステップS5124にて関心無しフラグに「1」をセットする。遊技者が予告演出に注目していなかったと判断されるためである。ステップS5122又はステップS5124にてフラグに「1」をセットした後、ステップS5125にて予告テーブル選択処理を行って本注目度判定処理を終了する。また、注目度カウンタの値が撮像回数の3割よりも大きく、7割よりも小さかった場合(ステップS5123:NO)にもステップS5125にて予告テーブル選択処理を行って本注目度判定処理を終了する。
図96に予告テーブル選択処理を示すフローチャートを示す。当該予告テーブル選択処理は、注目度判定処理(図95)のステップS5125にて実行される。当該予告テーブル選択処理は音光側MPU93にて行われる。本実施形態の予告演出では、予告演出A又は予告演出Bのいずれかが表示される。このため、遊技者が予告演出Aに関心を示した場合又は予告演出Bに関心を示さなかった場合には予告演出Aの出現頻度を上げるようにテーブルを選択する。遊技者が予告演出Aに関心を示さなかった場合及び予告演出Bに関心を示した場合には予告演出Bの出現頻度を上げるようにテーブルを選択する。
まずステップS5201にて今回行われた予告演出の種類が予告演出Aであるか否かについて判定する。今回、予告演出Aが行われた場合(ステップS5201:YES)には、ステップS5202にて関心有りフラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。関心有りフラグに「1」がセットされている場合(ステップS5202:YES)には、ステップS5203にてA用カウンタに「1」を加算する。ここで、予告演出Aが行われて、当該予告演出Aに遊技者が関心を示したと判断された場合に、A用カウンタに「1」が加算される。
続くステップS5204ではA用カウンタの値が5であるか否かについて判定する。A用カウンタの値が5である場合(ステップS5204:YES)には、ステップS5205にてA用カウンタを「0」クリアするとともに、ステップS5206にてB用カウンタを「0」クリアし、ステップS5207にてフラグ変更処理Aを実行して本予告テーブル選択処理を終了する。また、A用カウンタの値が5に満たない場合(ステップS5204:NO)にはそのまま本予告テーブル選択処理を終了する。
関心有りフラグに「1」がセットされていなかった場合(ステップS5202:NO)には、ステップS5208にて関心無しフラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。ステップS5208にて肯定判定を行った場合には、ステップS5209にてB用カウンタに「1」を加算する。ここで、予告演出Aが行われて、当該予告演出Aに遊技者が関心を示さなかったと判断された場合に、B用カウンタに「1」が加算される。
続くステップS5210ではB用カウンタの値が5であるか否かについて判定する。B用カウンタの値が5である場合(ステップS5210:YES)には、ステップS5211にてA用カウンタを「0」クリアするとともに、ステップS5212にてB用カウンタを「0」クリアし、ステップS5213にてフラグ変更処理Bを行って本予告テーブル選択処理を終了する。また、関心無しフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS5208:NO)又はB用カウンタの値が5に満たない場合(ステップS5210:NO)はそのまま本予告テーブル選択処理を終了する。
今回行われた予告演出が予告演出Bであった場合(ステップS5201:NO)は、ステップS5214にて関心有りフラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。関心有りフラグに「1」がセットされている場合(ステップS5214:YES)には、ステップS5215にてB用カウンタに「1」を加算する。ここで、予告演出Bが行われて、当該予告演出Bに遊技者が関心を示したと判断された場合に、B用カウンタに「1」が加算される。
続くステップS5216ではB用カウンタの値が5であるか否かについて判定する。B用カウンタの値が5である場合(ステップS5216:YES)には、ステップS5217にてA用カウンタを「0」クリアするとともに、ステップS5218にてB用カウンタを「0」クリアし、ステップS5219にてフラグ変更処理Bを実行して本予告テーブル選択処理を終了する。また、B用カウンタの値が5に満たない場合(ステップS5216:NO)にはそのまま本予告テーブル選択処理を終了する。
関心有りフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS5214:NO)には、ステップS5220にて関心無しフラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。関心無しフラグに「1」がセットされている場合(ステップS5220:YES)には、ステップS5221にてA用カウンタに「1」を加算する。ここで、予告演出Bが行われて、当該予告演出Bに遊技者が関心を示さなかったと判断された場合に、A用カウンタに「1」が加算される。
続くステップS5222ではA用カウンタの値が5であるか否かについて判定する。A用カウンタの値が5である場合(ステップS5222:YES)には、ステップS5223にてA用カウンタを「0」クリアするとともに、ステップS5224にてB用カウンタを「0」クリアし、ステップS5225にてフラグ変更処理Aを行って本予告テーブル選択処理を終了する。また、関心無しフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS5220:NO)又はA用カウンタの値が5に満たない場合(ステップS5222:NO)はそのまま本予告テーブル選択処理を終了する。
図97は、予告テーブル選択処理(図96)のステップS5207及びステップS5225にて実行されるフラグ変更処理Aを示すフローチャートである。当該フラグ変更処理Aは音光側MPU93にて行われる。本実施形態の予告演出では、予告演出A又は予告演出Bのいずれかが表示される。2種類の予告演出のどちらが表示されるかは抽選により決定される。当該抽選に用いられる抽選テーブルは5つ存在する。具体的には、予告演出Aと予告演出Bがそれぞれ50%の確率で選択されるベース予告抽選テーブル、予告演出Aの出現頻度が高いA1予告抽選テーブル、予告演出Aの出現頻度が非常に高いA2予告抽選テーブル、予告演出Bの出現頻度が高いB1予告抽選テーブル及び予告演出Bの出現頻度が非常に高いB2予告抽選テーブルの5種類である。A1予告抽選テーブルにおいて予告演出Aが出現する確率及びB1予告抽選テーブルにおいて予告演出Bが出現する確率は共に70%である。また、A2予告抽選テーブルにおいて予告演出Aが出現する確率及びB2予告抽選テーブルにおいて予告演出Bが出現する確率は共に90%である。ベース予告抽選テーブルはベース予告フラグに「1」がセットされている場合に音光側RAM95に展開され、A1予告抽選テーブルはA1予告フラグに「1」がセットされている場合に音光側RAM95に展開され、A2予告抽選テーブルはA2予告フラグに「1」がセットされている場合に音光側RAM95に展開され、B1予告抽選テーブルはB1予告フラグに「1」がセットされている場合に音光側RBM95に展開され、B2予告抽選テーブルはB2予告フラグに「1」がセットされている場合に音光側RBM95に展開される。
新しい遊技者が着席するとベース予告フラグに「1」がセットされる。その後、遊技者が予告演出Aに注目すると予告演出Aの出現頻度が上がり、遊技者が予告演出Bに注目すると予告演出Bの出現頻度が上がる。このように、遊技者の注目度に合わせて2種類の予告演出の出現頻度を変化させることで、遊技者の好みに合わせた予告演出を行うことができる。
まずステップS5301にてB2予告フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。B2予告フラグに「1」がセットされている場合(ステップS5301:YES)には、ステップS5302にてB2予告フラグを「0」クリアするとともに、B1予告フラグに「1」をセットして本フラグ変更処理Aを終了する。
B2予告フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS5301:NO)には、ステップS5304にてB1予告フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。B1予告フラグに「1」がセットされている場合(ステップS5304:YES)には、ステップS5305にてB1予告フラグを「0」クリアするとともに、ステップS5306にてベース予告フラグに「1」をセットして本フラグ変更処理Aを終了する。
B1予告フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS5304:NO)には、ステップS5307にてベース予告フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。ベース予告フラグに「1」がセットされている場合(ステップS5307:YES)には、ステップS5308にてベース予告フラグを「0」クリアするとともに、ステップS5309にてA1予告フラグに「1」をセットして本フラグ変更処理Aを終了する。
ベース予告フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS5307:NO)には、ステップS5310にてA1予告フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。A1予告フラグに「1」がセットされている場合(ステップS5310:YES)にて肯定判定を行った場合には、ステップS5311にてA1予告フラグを「0」クリアするとともに、ステップS5312にてA2予告フラグに「1」をセットして本フラグ変更処理Aを終了する。また、ステップS5310にて否定判定を行った場合にはそのまま本フラグ変更処理Aを終了する。
図98は、予告テーブル選択処理(図96)のステップS5313及びステップS5319にて実行されるフラグ変更処理Bを示すフローチャートである。当該フラグ変更処理Bは音光側MPU93にて行われる。
まずステップS5401にてA2予告フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。A2予告フラグに「1」がセットされている場合(ステップS5401:YES)には、ステップS5402にてA2予告フラグを「0」クリアするとともに、A1予告フラグに「1」をセットして本フラグ変更処理Bを終了する。
A2予告フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS5401:NO)には、ステップS5404にてA1予告フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。A1予告フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS5405にてA1予告フラグを「0」クリアするとともに、ステップS5406にてベース予告フラグに「1」をセットして本フラグ変更処理Bを終了する。
A1予告フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS5404:NO)には、ステップS5407にてベース予告フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。ベース予告フラグに「1」がセットされている場合(ステップS5407:YES)には、ステップS5408にてベース予告フラグを「0」クリアするとともに、ステップS5409にてB1予告フラグに「1」をセットして本フラグ変更処理Bを終了する。
ベース予告フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS5407:NO)には、ステップS5410にてB1予告フラグに「1」がセットされているか否かについて判定する。B1予告フラグに「1」がセットされている場合(ステップS5410:YES)には、ステップS5411にてB1予告フラグを「0」クリアするとともに、ステップS5412にてB2予告フラグに「1」をセットして本フラグ変更処理Bを終了する。また、B1予告フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS5410:NO)にはそのまま本フラグ変更処理Bを終了する。
以上詳述した実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
音光側ROM94に記録されている2種類の演出の中から1種類の演出が選択されて実行される。また、演出の抽選は遊技回毎に行われる。そして、当該抽選により選ばれて実行される演出に対する遊技者の注目度が評価される。複数回に亘って遊技者の演出への注目度が調べられ、注目度が高いと評価された演出の出現頻度が増加するとともに、注目度が低いと評価された演出の出現頻度が減少する。このため、遊技者の好みに合った演出が実行されるようになる。
予告Aに注目しない場合には予告Bに関心があるものとみなされる。これにより、ベースの抽選テーブルにおいて、片方の予告が多く選ばれた場合においても、遊技者がどちらに注目しているかを判定することができる。
遊技者の確認処理を行うことにより、遊技者が変わった場合には、元のベースの抽選テーブルが使用される。これにより、前の遊技者が片方の予告に注目していた場合においても、新しい遊技者に対して、2つの予告を等確率で表示し直すことができる。
遊技者の好みに合わせて各演出の出現頻度が変化して、1種類の演出が集中的に選択された結果、遊技者が当該演出に飽きる場合が考えられる。この場合も、遊技者の当該演出への注目度が下がれば、各演出の出現頻度は徐々に変化し、他の演出の出現頻度が増加する。つまり、遊技者の好みの変化にも対応することが可能である。
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
(1)上記第1の実施形態においては、選択演出において遊技者の回答が制限時間内に把握された場合、直後にスーパーリーチ演出のストーリー部分を開始し、ストーリーが完結した後に余韻部分を設ける構成とした。これにより、回答把握のタイミングが異なっても、選択演出の開始から余韻部分終了までの時間を一定に保つことを可能にした。しかし、選択演出開始からスーパーリーチ演出終了までの時間を一定に保つ方法はこれに限られない。回答把握直後に、回答把握が成功したことを示す映像を流し、その後にスーパーリーチ演出を表示しても良い。この場合、回答把握のタイミングに応じて、回答把握が成功したことを示す映像の長さを変化させ、所定のタイミングで所定時間のスーパーリーチ演出を表示する。これにより、選択演出の開始からスーパーリーチ演出の終了までの時間を一定に保つことが可能となる。
(2)上記第1の実施形態では、口唇領域の特徴点の変位量を求め、変位量が小さい期間が所定時間以上継続した場合に遊技者が回答を終了したと判定する構成とした。これにより、遊技者の回答終了後、速やかに次の演出等に進むことができる。しかし、遊技者の回答終了タイミングを判定する方法はこれに限られない。口唇領域の特徴点の変位量が小さい期間が所定時間以上継続した場合において、1文字目のフラグに「1」がセットされているか否かについて判定し、「1」がセットされている場合に回答終了タイミングとみなしても良い。これにより、遊技者が回答を始める前に長く悩んで口を閉じていた場合に、遊技者が回答を始める前に、遊技機が回答終了タイミングと判断してしまう事態を回避することが可能となる。遊技者が悩んでいる間は、1文字目のフラグに「1」がセットされないためである。
(3)上記第1の実施形態では、口唇領域の特徴点の変位量を求め、変位量が小さい場合に、遊技者が言葉を発音していると判定して文字認識処理(図47)を始める構成としたが、遊技者が発音している言葉を把握するための処理を開始するタイミングはこれに限られない。例えば、「a」、「i」、「u」、「e」及び「o」に対応する特徴点の位置情報が検出された場合に遊技者が発音している言葉を把握するための処理を開始する構成としても良い。これにより、遊技者が早口で回答した場合にも対応できる。
(4)上記第1の実施形態では、遊技者の口頭による回答を認識する方法として、回答認識処理(図53)及び文字数認識処理(図54)を行う構成とした。しかし、遊技者の口頭による回答を認識する方法はこれに限られない。例えば、回答を行う遊技者の最後の口唇形状に基づいて遊技者の回答を把握しても良い。具体的には、会話演出であれば、最後の口唇形状が「u」に該当する場合に遊技者の回答が「思う」であると判断するとともに、最後の口唇形状が「i」である場合に遊技者の回答が「思わない」であると判断する。また、選択演出であれば、最後の口唇形状が「a」に該当する場合に遊技者の回答が「赤」であると判断するとともに、最後の口唇形状が「i」である場合に遊技者の回答が「緑」であると判断する。このように、遊技者が口頭で回答する際に提示する選択肢の最終文字の母音を選択肢間で異なるものとすることにより、回答を行う遊技者の最後の口唇形状に基づいた回答把握が可能となる。
この場合において、口唇形状から把握される母音の1音を順次上書きして記憶する構成としても良い。例えば、遊技者が「思う、やっぱり思わない」と回答した場合に、最終文字として「i」が記憶される。これにより、途中の過程とは関係なく「思わない」という回答を認識することができる。このように、最後の1音のみを把握することにより、言い直し等が行われた場合にも対応できる。
また、回答認識処理(図53)及び文字数認識処理(図54)の両方を行う構成に限定されることはなく、これら処理のうちいずれか一方のみを行う構成としてもよい。例えば、回答認識処理を実行するものの文字数認識処理は実行しない構成としてもよく、文字数認識処理を実行するものの回答認識処理は実行しない構成としてもよい。
(5)上記第1の実施形態においては、遊技機が質問を提供し、当該提供された質問に対して遊技者が口頭による回答を行う構成とした。そして、遊技機が遊技者の回答を把握して返答コメントを提供する構成とした。この場合において、返答コメントは、当否抽選の結果が大当たり結果となる期待度と対応づけられている。したがって、遊技者は遊技機が提供する返答コメントによって当否抽選の結果が大当たり結果となる期待度を知ることができる。しかし、返答コメントと対応づける情報は当否抽選の結果が大当たり結果となる期待度に限られない。小当たり及び潜伏確変が発生する遊技機において、返答コメントと潜伏確変中であることの期待度を対応づけても良い。これにより、遊技者は遊技機が提供する質問に口頭で回答するという演出に参加することにより、潜伏確変中であることの期待度を知ることが可能となる。ここで、小当たりとなった場合、開閉実行モードで短開放が所定回数(例えば2回又は3回)発生し、長開放は発生しない。また、小当たりとなった場合、開閉実行モードの前後でサポートモード及び当否抽選モードが変化しない。また、潜伏確変となった場合、開閉実行モードで小当たりの場合と同数の短開放が発生し、長開放は発生しない。また、潜伏確変となった場合、サポートモードは開閉実行モードの前後で変化しないが、当否抽選モードが高確率モードとなる。短開放が所定回数行われて終了する開閉実行モードが発生した場合には、潜伏確変と小当たりを見た目で判断することはできない。このため、潜伏確変中であることの期待度が報知されない場合には、遊技者は単開放に対して、高確率モードであるか否かについて予測するしかない。
また、所定の条件を満たした場合に、潜伏確変中であることの期待度に関する演出が実行される構成としても良い。例えば、潜伏確変中において、所定時間以上のリーチ演出が発生して外れ結果となった場合に、その次の遊技回における会話演出において潜伏確変中であることを報知するコメントが表示される構成としても良い。
(6)上記第1の実施形態では、会話演出において遊技者の回答をパチンコ機10が「思う」と認識した場合と「思わない」と認識した場合において、返答コメントの一部が共通しているテーブル(図35)を使用する構成とした。しかし、遊技者への返答コメントの構成はこれに限られない。遊技者の回答をパチンコ機10が「思う」と認識した場合と「思わない」と認識した場合において、返答コメントが全て異なるテーブルを使用する構成としても良い。これにより、当否抽選結果が大当たりとなる期待度が返答コメントと1対1で対応付けられることになり、大当たりとなる期待度を遊技者に分かりやすく示すことが可能となる。
(7)上記第1の実施形態では、会話演出において遊技者の回答をパチンコ機10が「思う」と認識した場合に図柄表示装置61に表示される返答コメントのうち、今回の遊技回における当否抽選結果が大当たり結果となる期待度が100%の返答コメントと、遊技者の回答をパチンコ機10が「思わない」と認識した場合に図柄表示装置61に表示される返答コメントのうち、今回の遊技回における当否抽選結果が大当たり結果となる期待度が100%でない返答コメントが共通しない構成とした。また、同様に、遊技者の回答をパチンコ機10が「思わない」と認識した場合に図柄表示装置61に表示される返答コメントのうち、当否抽選結果が大当たり結果となる期待度が100%の返答コメントと、遊技者の回答をパチンコ機10が「思う」と認識した場合に図柄表示装置61に表示される返答コメントのうち、当否抽選結果が大当たり結果となる期待度が100%でない返答コメントが共通しない構成とした。これは、パチンコ機10が遊技者の回答を誤認識し、大当たり結果となる期待度が100%のコメントを表示したにも関わらず、外れ結果となる可能性を排除するためである。しかし、カットイン画像の色が異なる場合には、「思う」という回答に対応付けられた返答コメントで、大当たり結果となる期待度が100%の返答コメントと、「思わない」という回答に対応付けられた返答コメントで、大当たり結果となる期待度が100%でない返答コメントが共通していても良い。この場合は、カットイン画像との組合せにより、遊技者が識別可能であるためである。これにより、遊技者のカットイン画像の色への注目度が上がる。
(8)上記第1の実施形態では、会話演出において、遊技者に「思う」と「思わない」という2つの選択肢を明示して、遊技者がどちらかを選択して回答するように誘導する構成とし、パチンコ機10が識別する言葉を「思う」と「思わない」の2種類に限定した。しかし、遊技者の回答を認識する方法はこれに限らない。例えば、遊技者に「この変動はアツイと思う?」という問いかけを行うだけで、選択肢を提示しない構成としても良い。この場合には、設計段階で、遊技者が回答し得る言葉を予想して、予想された言葉を全て識別する処理構成とする。具体的には、「思います」、「思いません」、「はい」、「いいえ」、「アツイ」及び「サムイ」などの言葉に、パチンコ機10が把握した回答が当てはまるか否かを順次判定する処理構成とする。これにより、遊技者は自由に回答することができる。
(9)上記第1の実施形態では、会話演出において、遊技者に「思う」と「思わない」という2つの選択肢を明示して、遊技者がどちらかを選択して回答するように誘導する構成とし、パチンコ機10が識別する言葉を「思う」と「思わない」の2種類に限定した。しかし、遊技者の回答を認識する方法はこれに限らない。例えば、選択肢を提示している場合においても、選択肢以外の言葉も含めて回答の識別を行う構成としても良い。選択肢に近い言葉であって、設計段階において遊技者が回答し得ると予測される言葉の識別も行う構成とすることで、遊技者の回答認識率を上昇させることができる。
(10)上記第1の実施形態では、閉口状態を記録せず、4つ目の母音までを記録して遊技者の回答を把握する構成とした。これに対して、閉口状態を記録して遊技者の回答を把握する構成としても良い。具体的には、閉口状態を「n」で表すと、「思う」は「onou」と認識され、「思わない」は「onoai」と認識される。閉口状態を表す「n」を認識することにより、より正確に遊技者の回答を把握することが可能となる。この場合、少なくとも5文字目のフラグまで設けておく必要がある。このように、回答に含まれる母音の数及び回答をする際に閉口状態となる回数の和に対応する数のフラグが必要となる。
(11)上記第1の実施形態では、5つの母音を認識することにより遊技者が選択した言葉を把握する構成とした。しかし、遊技者の言葉を把握する方法はこれに限られない。子音を認識することによって回答の把握を行っても良い。例えば、「m」又は「p」のように発音に際して閉口状態を必ず伴う子音の数を把握して、遊技者の回答を把握することも可能である。想定される回答に含まれる「m」又は「p」の数が異なる質問を図柄表示装置61に表示することにより実現される。
さらに、母音と子音を組み合わせて遊技者の回答を把握することにより、より多様な回答に対応することができる。例えば、「思う」及び「思わない」には子音の「m」が含まれるのに対して「はい」及び「いいえ」には「m」や「p」が含まれない。このため、まず、閉口状態が含まれるか否かの判定を行い、閉口状態が含まれる場合には「思う」又は「思わない」の識別を行い、閉口状態が含まれない場合には、「はい」又は「いいえ」の識別を行う構成とすることができる。これにより、「思わない」の最後の母音である「i」と「はい」の最後の母音である「i」を、子音との組み合わせにより識別することが可能となる。
(12)上記第1の実施形態においては、遊技者の撮像を行い、撮像結果から口の特徴点(T13〜T18)を抽出し、当該特徴点の位置情報から遊技者の発音している言葉を把握する構成とした。しかし、遊技者が発音している言葉を把握する構成はこれに限らない。遊技者の言葉をマイクで集音しても良い。この場合、遊技者の顔の向きが撮像装置73に対して斜めであっても、音が届く範囲であれば回答を識別することが可能となる。
(13)上記第1の実施形態においては、会話演出が行われて、遊技者の回答が把握された場合に図柄表示装置61に表示されるコメントの種類によって、大当たり確定であるか否かについての報知を行った。しかし、遊技者に確定報知が行われる条件はこれに限られない。当否抽選結果が大当たりである場合に、遊技者の撮像を行い、遊技者の目が所定時間以上閉じた状態が検出された場合に確定報知を行っても良い。確定報知の条件を、目を閉じた状態が所定時間以上とすることにより、瞬きにおいて目を閉じている状態とは区別をすることができる。
(14)上記第1の実施形態においては、遊技者に質問を表示して、遊技者に口頭での回答を促す構成とした。そして、遊技者の撮像を行い、撮像結果から口の特徴点(T13〜T18)を抽出し、当該特徴点の位置情報から遊技者の発音している言葉を把握する構成とした。これにより、遊技者は遊技機と意思疎通をしている感覚を得ることができる。しかし、遊技機と意思疎通をしている感覚を遊技者に与える方法はこれに限られない。遊技者が行うジェスチャー等を遊技機が把握して、把握結果に対応づけられている処理を実行することでも、遊技機と意思疎通をしている感覚を遊技者に与えることができる。例えば、遊技者に質問し、遊技者が「○」又は「×」を指又は腕を用いて表現し、その様子を撮像して遊技者の回答を把握する構成としても良い。また、番号と1対1で対応づけられた複数個の選択肢のある質問を行い、遊技者が該当する番号の数だけ指を立てて回答を行い、その様子を撮像して遊技者の回答を把握する構成としても良い。
(15)上記第1の実施形態においては、遊技者が口頭で回答する際、複数の文字を1度に把握する構成とした。しかし、遊技者の口頭での回答を把握する方法はこれに限らない。例えば、1文字ずつ把握する方法を用いても良い。この場合、図柄表示装置61に「1文字目を答えてね」、「2文字目を答えてね」という言葉を順次表示する。これにより、似たような口唇形状の文字が連続して続く場合においても、回答をより正確に把握することが可能となる。
(16)上記第1の実施形態においては、遊技者が口頭で回答する際、複数の文字を把握する構成とした。しかし、遊技者の口頭での回答を把握する方法はこれに限らない。例えば、選択肢を表示して、遊技者の回答の最後の口唇形状のみを把握する構成としてもよい。図柄表示装置61に選択肢を表示することで、遊技者の回答を選択肢の数に限定する。予め音光側ROM94に記憶させる選択肢の最後の1文字が選択肢同士で互いに重ならないようにしておく。これにより、遊技者が通常の会話の間隔で選択肢の1つを回答した場合、最後の口唇形状のみから遊技者の回答を把握することができる。
(17)上記第3の実施形態では、遊技者の回答を把握することなく、予め質問と対で記憶されているコメント群の中から抽選でコメントを表示することで、遊技者の言葉を把握するための精度の高い撮像手段を必要としない構成とした。しかし、精度の高い撮像手段を用いずに演出を行う方法はこれに限られない。例えば、視線検出又は顔の特徴点抽出を行って顔の向きだけは把握できる構成とするとともに、図柄表示装置61に表示する回答用の選択肢をそれぞれ異なる方向へ経時的に移動させる構成とする。具体的には、選択肢を2つとし、一方の選択肢を図柄表示装置61の左右方向へ移動させるとともに、他方の選択肢を上下方向へ移動させる。遊技者は回答に際して、選択肢を目で追う可能性が高いため、顔の向きの変化が左右方向であるか、上下方向であるかによって、遊技者が選択した回答を推定することができる。
(18)上記第3の実施形態では、回答制限時間内に遊技者の口の動きが止まった場合に質問と対になるコメントが図柄表示装置61に表示される構成としたが、これに限定されることはなく、回答制限時間内に遊技者の口が動いた場合には上記コメントが図柄表示装置61に表示される構成としてもよい。この場合、回答制限時間内において遊技者の口が動いた場合に即座にコメントを表示するのではなく、回答制限時間内において遊技者の口の動きが継続している場合には回答制限時間が経過することを限度としてコメントの表示を待機する。回答制限時間内に遊技者の口の動きが止まった場合には回答制限時間の経過を待つことなくコメントの表示を開始し、回答制限時間内に遊技者の口の動きが止まらなかった場合には回答制限時間が経過した場合にコメントの表示を開始する構成としてもよい。
(19)上記第3の実施形態では、回答制限時間内に遊技者の口の動きが止まった場合に、質問と対になるコメントが図柄表示装置61に表示される構成とした。そして、当該コメントは遊技者の口の動きとは無関係に選択される構成とした。しかし、図柄表示装置61に表示されるコメントの選択方法はこれに限られない。図柄表示装置61に表示されるコメントが遊技者の口の動きの種類に対応する構成としても良い。この場合において、遊技者の口の動きから1音ずつ遊技者の発した音の把握が行われるのではなく、遊技者の口の動きの種類が把握される。そして、把握された口の動きの種類が予め記憶されている複数種類の口の動きの種類のいずれか1つに該当するか否かの判定が行われる。そして、該当する口の動きの種類が存在した場合には、当該口の動きの種類に対応するコメントが選択される。この場合に使用される撮像装置73は、遊技者の口の動きの種類が識別できる程度の精度を有していれば良い。このため、遊技機の構成の簡素化を図りながら、遊技者の口の動きに対応する処理が実行されたと遊技者に認識させることが可能となる。また、遊技者の口の動きから遊技者の発音した1音ずつを把握可能な精度の高い撮像装置73を備えている遊技機において、撮像を行って得られた撮像結果の解像度等が撮像の条件によって低くなり、遊技者の発音した1音ずつを把握できなかった場合に、同様の処理を行っても良い。この場合、撮像条件が悪く、遊技者の発音した1音ずつの言葉を把握できなかった場合にも、遊技者の口の動きの種類に応じたコメントを図柄表示装置61に表示することができる。
(20)上記第1〜第4の実施形態においては、遊技者への質問及び遊技者への返答コメント等を図柄表示装置61に表示して遊技者に伝える構成とした。しかし、遊技者に質問及び返答コメント等を伝達する方法はこれに限られない。例えば、音声を用いて遊技者に質問及び返答コメント等を伝達しても良い。また、音声と図柄表示装置61の両方を用いても良い。音声を利用することにより、遊技者より実際の会話に近い感覚で演出に参加することができる。
(21)上記第1〜第4の実施形態においては、大当たり確定の場合、遊技者が口頭で回答した内容に対して図柄表示装置61に表示されるコメントを用いて確定報知を行う構成とした。しかし、遊技者に確定報知を行う方法はこれに限られない。「思う」「思わない」演出において、初めに図柄表示装置61上に女の子が登場して「私を見てしゃべって答えて」という吹き出しが表示される際、同時に音声を流して確定報知を行ってもよい。確定報知のタイミングが複数回あることにより、演出を多様化することが可能となる。
(22)上記第4の実施形態においては、会話の間が不自然にならないように、図柄表示装置に質問を表示してから、遊技者の回答に対するコメントを表示するまでの時間を抽選によりランダムに決定する構成とした。しかし、遊技者との会話の間が不自然にならないようにする方法はこれに限られない。図柄表示装置61に質問を表示した後、「答えが決まったら画面にタッチしてから答えてね」という内容を表示し、遊技者が画面にタッチして数秒後に遊技者の回答に対するコメントを表示してもよい。要は、遊技者が回答を始めるタイミングを検知し、当該タイミングから回答に要する時間が経過した後に返事を行う構成とすればよい。
(23)上記第4の実施形態においては、遊技機が遊技者に対して質問を提供し、質問提供のタイミングから当該質問に対応するコメント提供のタイミングまでの期間が複数種類存在する構成とした。そして、当該複数種類の期間を無作為に抽選により決定する構成とした。これにより、同じ演出においても問提供のタイミングから当該質問に対応するコメント提供のタイミングまでの期間が異なるため、遊技者は実際の会話に近い感覚を得る。しかし、無作為に決定される期間は、質問提供のタイミングから当該質問に対応するコメント提供のタイミングまでの期間に限られない。例えば、遊技者の手が検出手段の検出範囲に入った場合と入らなかった場合で異なる演出が行われる構成において、当該検出手段による検出期間を複数種類の検出期間から抽選や順次変更などにより決定してもよい。また、操作手段が存在し、当該操作手段の操作態様に応じて異なる演出が行われる構成において、当該検出手段による検出期間を複数種類の検出期間から抽選や順次変更などにより決定してもよい。このように、遊技者が行う所定の行為を検出して、検出結果に基づいた処理を実行する構成において、検出期間を複数種類の検出期間から決定することにより、同じ演出においても異なる条件を設定することになり、演出に幅をもたせることが可能となる。
また、検出期間を複数種類の検出期間から決定する構成の場合、大当たり結果の発生といった特典が遊技者に付与される状況と当該特典が付与されない状況とで検出期間の決定態様が相違する構成としてもよい。例えば、特典が付与される状況においては特典が付与されない状況よりも検出期間として長い期間が選択され易い構成としてもよく、特典が付与される状況においては特典が付与されない状況よりも検出期間として短い期間が選択され易い構成としてもよい。また、特典が付与される状況においては特典が付与されない状況では選択されない検出期間が選択され得る構成としてもよい。この場合、特典が付与される状況においては選択され特典が付与されない状況においては選択されない検出期間は、特典が付与されない状況において選択され得る最長の検出期間よりも長い検出期間である構成としてもよく、特典が付与されない状況において選択され得る最短の検出期間よりも短い検出期間である構成としてもよい。これにより、検出期間の長短を通じて特典の付与期待度を遊技者に報知することが可能となる。
また、検出期間が特典の付与期待度と関連させて決定される構成においては、当該検出期間が遊技者に報知される構成としてもよい。これにより、特典の付与期待度に関連した検出期間を遊技者に明確に把握させることが可能となる。
(24)上記第4の実施形態においては、遊技機が遊技者に対して質問を提供し、質問提供のタイミングから当該質問に対応するコメント提供のタイミングまでの期間が複数種類存在する構成とした。そして、当該複数種類の期間を無作為に抽選により決定する構成とした。これにより、同じ演出においても問提供のタイミングから当該質問に対応するコメント提供のタイミングまでの期間が異なるため、遊技者は実際の会話に近い感覚を得る。しかし、無作為に決定されるのは期間の長さに限られない。検出手段による検出期間の開始タイミングを無作為に決定する構成としても良い。同じ演出が行われる場合においても、検出開始タイミングが異なることにより、演出に幅をもたせることができる。具体的には、遊技者の表情に応じた演出を行う構成において、遊技者の表情は、その検出するタイミングが演出の序盤であるか終盤であるかによって変化する可能性が高い。
(25)上記第4の実施形態においては、遊技機が遊技者に対して質問を提供し、質問提供のタイミングから当該質問に対応するコメント提供のタイミングまでの期間が複数種類存在する構成とした。そして、当該複数種類の期間を無作為に抽選により決定する構成とした。しかし、複数種類の期間から1つの期間を選出する手段はこれに限られない。例えば、大当たりの期待度と検出手段による検出期間の長さを対応づけてもよい。具体的には、大当たりの期待度が高いほど検出期間を長くする構成としてもよく、大当たりの期待度が低いほど検出期間を短くする構成としてもよい。当該検出期間の長さによって、遊技者に大当たりの期待度を知らせることが可能となる。
(26)上記第5の実施形態においては、リーチ演出の開始直後に遊技者の顔を撮像し、遊技者の顔の向きや表情の変化を把握し、遊技者のリーチ演出への注目度に応じたコメントを図柄表示装置61に挿入する構成とした。しかし、遊技者の顔を撮像するタイミングはリーチ演出の開始直後に限られない。リーチ演出がある程度進行した後に遊技者の反応を把握する目的で遊技者の顔の撮像を開始しても良い。これにより、リーチ演出を所定時間見た後の遊技者の反応を把握することができる。
(27)上記第5の実施形態においては、リーチ演出の直後に遊技者の顔を撮像し、遊技者の顔の向きや表情の変化を把握し、遊技者のリーチ演出への注目度に応じたコメントを図柄表示装置61に挿入する構成とした。しかし、遊技者の注目度に応じて図柄表示装置61にコメントを挿入する方法はこれに限られない。例えば、遊技者の顔の撮像をリーチ演出中常に行い、常時コメントを図柄表示装置61に表示する構成としても良い。そして、遊技者の変化に応じて常時コメントの更新を行っても良い。具体的には、直前の3秒間の注目度に応じてコメントの更新を行う。コメントの種類は遊技者の注目度に応じて変化する。この場合、遊技者の注目度に応じてコメントの選択テーブルを変更する構成としても良い。また、リーチ演出の序盤と終盤でコメントの選択テーブルが異なるものとしても良い。これにより、遊技者がリーチ演出の序盤で過度に注目していると判断された場合には、「まだまだ」というように遊技者を落ち着かせるようなコメントを挿入する。また、遊技者がリーチの終盤にあまり注目していないと判断された場合には、「今が勝負の瞬間!」というように遊技者の注目を惹くコメントを挿入する。
(28)上記第5及び第6の実施形態においては、遊技者が演出に注目しているか否かの判断を遊技者の顔の向きで決め、当該顔の向きは撮像した顔画像から抽出する特徴点の位置情報から求める構成とした。しかし、遊技者が演出に注目しているか否かの判断方法はこれに限らない。遊技者の視線検出を行い、遊技者の視線が図柄表示装置61の範囲内にあれば遊技者が演出に注目していると判断しても良い。
(29)上記第6の実施形態では、2種類の予告演出について遊技者の注目度を把握し、注目度の高い予告演出の出現頻度を上げる構成とした。遊技者の注目度を利用して演出を変える方法はこれに限られない。例えば、2部構成の予告演出を2種類記憶させておき、当該2種類の予告演出の前半部分のみをベースの予告抽選テーブルに記憶させておくとともに、ベース以外の予告抽選テーブルには後半部分も記憶させておく構成とすることができる。これにより、遊技者がある演出に注目した場合に、当該演出の出現頻度が増加するだけでなく、当該演出の続編が出現することとなり、遊技者の注目を引くことができる。
(30)上記第6の実施形態では、遊技者の入れ替わりがあったか否かを調べる目的の撮像と、遊技者が演出に関心を持っているか否かを調べる目的の撮像を別々に行う構成とした。しかし、遊技者の入れ替わりがあったか否かを調べる目的の撮像を省略することも可能である。この場合、遊技者が演出に関心を持っているか否かを調べる目的で行う撮像の結果を用いて今回の遊技回における遊技者の顔の特徴点と、前回の遊技回における遊技者の顔の特徴点を比較して、遊技者の入れ替わりの有無を判定することができる。
(31)上記第6の実施形態では、予告演出として予告演出A又は予告演出Bが択一的に行われる構成とした。そして、遊技者が予告演出Aに関心を示さない場合には予告演出Bの出現頻度を上げるとともに、遊技者が予告演出Bに関心を示さない場合には予告演出Aの出現頻度を上げる構成とした。しかし、遊技者の好みに合わせた予告演出を行う方法はこれに限られない。遊技者が関心を示した予告演出の出現率を上げるとともに、遊技者が関心を示さなかった演出の出現率を下げる構成としても良い。この場合、遊技者が関心を示さなかった予告演出の出現率は負にならない範囲で減少する。
具体的には、予告演出として3つの予告演出A〜Cが存在し、遊技者の関心が高いほど大きな値となる3つのカウンタとしてA〜C用カウンタが存在する場合に、遊技者が予告演出Aに関心を示した場合には、A用カウンタに「1」を加算する。遊技者が予告演出Aに関心を示さなかった場合には、A用カウンタが負にならない範囲で「1」を減算する。
(32)上記第6の実施形態では、予告演出として予告演出A又は予告演出Bが択一的に行われる構成とした。そして、遊技者が予告演出Aに関心を示さない場合には予告演出Bの出現頻度を上げるとともに、遊技者が予告演出Bに関心を示さない場合には予告演出Aの出現頻度を上げる構成とした。しかし、遊技者の好みに合わせた予告演出を行う方法はこれに限られない。予告演出A及び予告演出Bにそれぞれ続編が存在する構成としても良い。この場合、遊技者がある予告演出に注目し続けた場合、徐々に当該予告演出の出現頻度が上がる。さらに当該予告演出に注目し続けた場合に、当該予告演出の続編が出現する構成としても良い。遊技者は興味のある予告演出に注目し、当該注目された予告演出の出現率が上昇する。この結果として、遊技者は好みの演出であっても見飽きてしまう可能性がある。これに対して、所定条件を満たすと続編が登場する構成とすることにより、遊技者の関心の高い演出を長期に亘って行うことができ、遊技者を飽きさせることがない。
(33)上記第6の実施形態では、遊技者の注目度に応じて2種類の予告演出の出現確率が変化する構成とした。しかし、遊技者の注目度に応じて変化するのは予告演出の出現確率に限られない。例えば、演出における主要なキャラクタの種類が変更される構成としても良い。具体的には、大当たり中において複数種類のキャラクタが順次表示される演出を行い、遊技者の注目度が一番高いキャラクタを判定により選択する。当該キャラクタが主要なキャラクタとして登場している演出を大当たり終了後の遊技回などにおいて優先的に行う構成とすることで、遊技者の関心の高い演出を行うことが可能となる。
(34)上記第6の実施形態では、遊技者の注目度に応じて2種類の予告演出の出現確率が変化する構成とした。しかし、遊技者の注目度に応じて演出の内容を変化させる方法はこれに限られない。例えば、演出における主要なキャラクタの種類が変更される構成としても良い。具体的には、大当たり中において複数種類のキャラクタを同時に表示し、遊技者の視線を検出することにより、遊技者の注目しているキャラクタを判定により決定する。当該キャラクタをメインで表示されるキャラクタとすることにより、遊技者の関心の高い演出を行うことが可能となる。
(35)上記第6の実施形態では、演出を図柄表示装置61に全画面表示して行う構成として遊技者の注目度を遊技回毎に判定する構成とした。しかし、遊技者の注目度を判定する方法はこれに限られない。例えば、画面を9分割し、9種類の演出を同時に実行する。そして、演出中に遊技者の視線を検出して、遊技者が9分割された画面のどの範囲に注目していたかを分析する。次の遊技回では画面を4分割して注目度の高かった4種類の演出を同時に実行する。そして、演出中に遊技者の視線を検出して、遊技者が4分割された画面のどの範囲に注目していたかを分析する。具体的には遊技者の視線が画面の各範囲に何秒間注がれたかを検出し、遊技者が見ていた時間の長い順にランク付けする。そして、当該ランキングの上位であった演出のみを残す構成とする。このように、9分割、4分割、2分割、全画面表示の順番に、遊技者の関心の高い演出を徐々に絞り込んでいくことで、遊技者の関心を複数回の遊技回に亘って惹きつけることが可能になる。
(36)上記第6の実施形態では、遊技者の注目度に応じて2種類の予告演出の出現確率が変化する構成とした。しかし、遊技者の注目度に応じて変化するのは予告演出の出現確率に限られない。例えば、複数種類のキャラクタが闘う演出において、各キャラクタの位置変化を最小限に抑えて、演出の前半に遊技者の視線検出を行い、遊技者が注目している順番にキャラクタをランク付けする。そして、演出の後半は遊技者の注目したランキングに応じた演出を選択する。具体的には、遊技者の注目度が低かったキャラクタから順番に負けていくような演出を行う。当該演出は複数の遊技回に亘って行われても良い。これにより、遊技者の応援するキャラクタの表示される時間が最も長くなり、遊技者の関心に応じた演出を行うことができる。
(37)上記第1,第2の実施形態において、撮像装置73の撮像結果に基づき遊技者の口の動きから遊技者が発している言葉を把握する構成に代えて、集音マイクを設け、当該集音マイクにより遊技者が発している言葉を集音することにより当該言葉を把握する構成としてもよい。また、撮像装置73の撮像結果に基づき遊技者の口の動きから遊技者が発している言葉を把握するとともに、集音マイクにより遊技者が発している言葉を集音することにより当該言葉を把握する構成としてもよい。この場合、それぞれの把握結果を利用することが可能となり、遊技者が発している言葉の検出精度を高めることが可能となる。
(38)主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置91により表示制御装置96が制御される構成に代えて、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置06が音声発光制御装置91を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置91と表示制御装置96とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置81に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置81に集約されていてもよい。また、主制御装置81から音声発光制御装置91に出力されるコマンドの構成や、音声発光制御装置91から表示制御装置96に出力されるコマンドの構成も任意である。
(39)遊技回用の演出が実行される装置は、図柄表示装置61に限定されることはなく、可動式に設けられた装飾部材が動作することで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、所定の発光部を点灯させることで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、上記各態様の全部又は一部の組合せによって遊技回用の演出が実行される構成としてもよい。
(40)上記実施形態では、特図表示部62a,62bにおいて各遊技結果に対応した停止結果が表示される構成としたが、これに代えて、特図表示部62a,62bを不具備としてもよく、いずれの遊技結果であっても特図表示部62a,62bにおいて共通の停止結果が表示される構成としてもよく、特図表示部62a,62bにおいて停止結果がランダムに表示されることで、結果的に特図表示部62a,62bの表示からはいずれの遊技結果であるかを識別できない構成としてもよい。
(41)上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.遊技者が発する言葉及び遊技者の口の動きの少なくとも一方である把握対象を把握する把握手段(撮像装置73、信号処理回路75における信号処理を実行する機能、音光側MPU93における画像判定処理を実行する機能)と、
当該把握手段による把握結果に対応する処理を実行する処理実行手段(音光側MPU93におけるステップS2012、ステップS2015、ステップS2017、ステップS3113、ステップS3604、ステップS3703、ステップS3705、ステップS3707、ステップS3709、ステップS4111、ステップS4119、ステップS4512及びステップS5125の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、遊技者が発する言葉及び遊技者の口の動きの少なくとも一方に対応する処理を実行する構成である。これにより、遊技者の言葉に対応する処理や遊技者の口の動きに対応する処理及び遊技者の言葉と口の動きの両方に対応する処理を実行することが可能となる。遊技者の言葉に対応する処理が可能な構成においては、遊技者の言葉を把握して、遊技者の言葉に対応する演出等を行うことが可能となる。これにより、遊技者は遊技機と会話をしているような感覚を得ることができる。また、遊技者の口の動きに対応する処理が可能な構成においては、通常の遊技ホールのように言葉が聞き取りづらい場所においても遊技機と円滑な会話をしているような感覚を得ることができる。よって、斬新な遊技内容を提供することが可能となる。
特徴A2.検出範囲に検出対象が存在しているか否かという事象とは異なる前記検出範囲の状態を把握する把握手段(撮像装置73、信号処理回路75における信号処理を実行する機能、音光側MPU93における画像判定処理、位置情報記憶処理及びステップS4815〜ステップS4819の処理を実行する機能)と、
当該把握手段の把握結果に対応する処理を実行する処理実行手段(音光側MPU93におけるステップS2012、ステップS2015、ステップS2017、ステップS3113、ステップS3604、ステップS3703、ステップS3705、ステップS3707、ステップS3709、ステップS4111、ステップS4119、ステップS4512及びステップS5125の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、検出範囲に検出対象が存在しているか否かという事象とは異なる検出範囲の状態に対応する演出などを実行することが可能となり、斬新な遊技内容を提供することが可能となる。
特徴A3.遊技者を撮像する撮像手段(撮像装置73、信号処理回路75における信号処理を実行する機能、音光側MPU93における撮像制御処理を実行する機能)と、
当該撮像手段の撮像結果に基づき、遊技者の所定部位の位置情報を把握する把握手段(音光側MPU93における画像判定処理、位置情報記憶処理及びステップS4815〜ステップS4819の処理を実行する機能)と、
当該把握手段の把握結果に対応する処理を実行する処理実行手段(音光側MPU93におけるステップS2012、ステップS2015、ステップS2017、ステップS3113、ステップS3604、ステップS3703、ステップS3705、ステップS3707、ステップS3709、ステップS4111、ステップS4119、ステップS4512及びステップS5125の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A3によれば、撮像手段による撮像結果に基づいて遊技者の所定部位の位置情報が把握される構成であるため、操作ボタンなどの操作部に対する遊技者の操作に対応する処理を実行する構成に比べて、把握対象とする遊技者の所定部位の動きの任意性を高くすることが可能となり、斬新な遊技内容を提供することが可能となる。
特徴A4.前記把握手段は、前記所定部位の位置情報として、遊技者の顔における所定部位の位置情報を把握することを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、遊技者の表情、口の動き及び注目している対象などに対応する処理を実行することが可能となる。よって、操作ボタンなどの操作部に対する遊技者の操作に対応する処理を実行する構成とは異なる斬新な遊技を提供することが可能となる。さらにまた、遊技者に所定部位の動きを行わせる場合であっても、遊技者にとっては顔の動きを変えるだけでよく手による操作を必要としないため、手による遊技操作と並行させながら遊技者に所定部位を動かさせることが可能となる。
特徴A5.前記処理実行手段は、前記把握手段の把握結果に対応する対応情報が提供されるようにする対応情報提供手段(図柄表示装置61、音光側MPU93におけるステップS2012、ステップS2015、ステップS2017、ステップS3113、ステップS3604、ステップS3703、ステップS3705、ステップS3707、ステップS3709、ステップS4114、ステップS4119及びステップS4512の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A3又はA4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、遊技者の所定部位の動きに対応する情報が遊技機から提供されることにより、所定部位を動かすことに意味を持たせることが可能となり、遊技者に対して所定部位を動かすことを積極的に行わせることが可能となる。
特徴A6.前記把握手段は、
前記所定部位の位置情報として、遊技者の口の動きを把握する口把握手段(音光側MPU93におけるステップS2101〜ステップS2104の処理を実行する機能)と、
当該口把握手段の把握結果に基づき、遊技者側からの言葉情報を把握する言葉情報把握手段(音光側MPU93による文字認識処理及びステップS2502〜ステップS2509の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記対応情報提供手段は、前記対応情報として、前記言葉情報把握手段により把握された前記言葉情報に対応する言葉の情報を提供することを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、遊技者側からの言葉情報が把握されてそれに対応する言葉の情報が遊技者に対して提供されることにより、遊技者に対して遊技機と会話しているかのような印象を与えることが可能となる。これにより、遊技に意外性を与えることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、遊技者の声を集音するのではなく口の動きを把握することによって、遊技者側からの言葉情報を把握する構成であるため、遊技ホールにおいて様々な音が溢れている環境であっても遊技者側からの言葉情報を把握することが可能となる。
特徴A7.前記対応情報は言葉の情報であり、
前記対応情報提供手段は、
前記把握手段の把握結果が第1把握結果である場合、それに対応する態様で前記対応情報の提供が行われるようにする第1提供手段(音光側MPU93におけるステップS2012の処理を実行する機能)と、
前記把握手段の把握結果が第2把握結果である場合、それに対応する態様で前記対応情報の提供が行われるようにする第2提供手段(音光側MPU93におけるステップS2015の処理を実行する機能)と、
を備え、
少なくとも所定状況において前記第1提供手段により提供される前記対応情報には、遊技者に対して特典が付与される場合に選択され当該特典が付与されない場合に選択されない第1側付与対応情報と、少なくとも前記特典が付与されない場合に選択される第1側不明対応情報とが設定されており、
少なくとも前記所定状況において前記第2提供手段により提供される前記対応情報には、前記特典が付与される場合に選択され当該特典が付与されない場合に選択されない第2側付与対応情報と、少なくとも前記特典が付与されない場合に選択される第2側不明対応情報とが設定されており、
前記第1側付与対応情報の言葉と前記第2側不明対応情報の言葉とは異なっており、前記第1側不明対応情報の言葉と前記第2側付与対応情報の言葉とは異なっていることを特徴とする特徴A5又はA6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、特典が付与されることを明示する対応情報が提供され得ることにより、対応情報に対する遊技者の注目度を高めることが可能となり、遊技者に対して所定部位を動かすことを積極的に行わせることが可能となる。この場合に、第1側付与対応情報の言葉と第2側不明対応情報の言葉とは異なっており、第1側不明対応情報の言葉と第2側付与対応情報の言葉とは異なっている。これにより、把握手段において第1把握結果及び第2把握結果との間で誤認識が発生したとしても、特典が付与されない状況であるにも関わらず付与対応情報が提供されたと遊技者が認識してしまうような対応情報の提供が行われないようにすることが可能となる。
特徴A8.前記対応情報提供手段は、前記対応情報として、遊技者に対する特典の付与期待度に関する情報を提供することを特徴とする特徴A5乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、把握手段の把握結果に応じて特典の付与期待度に関する情報が提供されるため、所定部位を動かすことに意味を持たせることが可能となり、遊技者に対して所定部位を動かすことを積極的に行わせることが可能となる。
特徴A9.前記把握手段は、前記所定部位の位置情報の把握結果に基づき遊技者から提供された情報を特定する情報特定手段(音光側MPU93における回答認識処理、及び推定会話演出の画像判定処理を実行する機能)を備え、
前記処理実行手段は、遊技者から提供された情報の前記情報特定手段による特定が完了した場合にそれに対応する対応処理を実行し、
前記情報特定手段により特定された内容は遊技者に報知されないことを特徴とする特徴A3乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、仮に遊技者の回答等が遊技者の意図とは異なるものとして遊技機に把握された場合にも当該把握結果は遊技者には知らされないため、遊技者に違和感や不信感を抱かせることを回避することができる。
特徴A10.遊技者から提供された情報の前記情報特定手段による特定が完了したことが報知されることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、遊技者から提供された情報として特定された内容は遊技者に報知されない構成であっても、遊技者から提供された情報の特定が完了したことを遊技者に認識させることが可能となる。よって、その後に実行される処理が、自身が提供した情報に対応していることを遊技者に認識させ易くなる。
特徴A11.前記処理実行手段は、前記把握手段の把握結果が特定期間において所定把握結果となった場合、それに対応する処理を実行するものであり、
当該遊技機は、前記特定期間が開始される前及び前記特定期間中のうち少なくとも一方において、前記特定期間に対応する期間対応情報を提供する期間情報提供手段(音光側MPU93におけるステップS1902、ステップS1904、ステップS2020、ステップS3103、ステップS3104、ステップS3208、ステップS3404、ステップS3406、ステップS3512、ステップS4103及びステップS4115の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A3乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、特定期間が開始される前及び特定期間中のうち少なくとも一方において期間対応情報が提供されることにより、特定期間が開始されること又は特定期間であることを遊技者に認識させることが可能となる。
特徴A12.前記期間情報提供手段は、前記期間対応情報として、前記所定部位の位置情報が前記所定把握結果に対応する情報となるようにするための参照情報を提供することを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、参照情報が提供されることにより遊技者は当該参照情報を参照しながら所定部位を動かすものと考えられ、把握手段の把握結果が所定把握結果となるような所定部位の動きを遊技者が行う可能性を高めることが可能となる。よって、把握対象とする遊技者の所定部位の動きの任意性が高い場合であっても、把握手段の把握結果が所定把握結果となる可能性を高めることが可能となる。
特徴A13.前記処理実行手段は、
前記把握手段の把握結果が第1把握結果である場合、それに対応する処理が実行されるようにする第1処理実行手段(音光側MPU93におけるステップS2012、ステップS3203及びステップS3703の処理を実行する機能)と、
前記把握手段の把握結果が第2把握結果である場合、それに対応する処理が実行されるようにする第2処理実行手段(音光側MPU93におけるステップS2015、ステップS3204及びステップS3705の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記期間情報提供手段は、前記参照情報として、前記所定部位の位置情報が前記第1把握結果に対応する情報となるようにするための第1参照情報と、前記所定部位の位置情報が前記第2把握結果に対応する情報となるようにするための第2参照情報とを提供することを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、把握手段の把握結果が第1把握結果となった場合と第2把握結果となった場合とで実行される処理が相違する構成において、第1参照情報と第2参照情報とが同時に提供されることにより、把握対象とする遊技者の所定部位の動きの任意性が高い状況において遊技者の選択の幅を広げたとしても、把握手段の把握結果が第1把握結果又は第2把握結果となる可能性を高めることが可能となる。
特徴A14.前記期間情報提供手段は、前記期間対応情報として質問情報を提供することを特徴とする特徴A11乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、質問情報に対する回答として遊技者が所定部位を動かし、その所定部位の動きに応えるようにしてそれに対応する処理が実行される。これにより、遊技者は遊技機との間で情報のやり取りを行っているかのような印象を抱くこととなり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
特に、上記特徴A6又は後述する特徴A28の構成を備えた場合、質問情報が提供されたことに対して遊技者が口頭で回答し、さらにその口頭による回答に対して言葉情報が提供されることとなるため、遊技者は遊技機と会話しているかのような印象を抱くこととなる。これにより、斬新な遊技を提供することが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
特徴A15.前記処理実行手段は、前記把握手段の把握結果が所定把握結果である場合、それに対応する処理を実行するものであり、
前記所定把握結果に対応する前記所定部位の位置情報の態様が複数種類設定されていることを特徴とする特徴A3乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
把握対象となる遊技者の所定部位の動きの任意性が高い場合、一の把握結果とするための所定部位の動きの態様として複数種類の態様が発生し得る。この場合に、特徴A15によれば、所定把握結果であると特定されるための所定部位の位置情報の態様が複数種類設定されているため、把握対象とする遊技者の所定部位の動きの任意性に適切に対処することが可能となる。
特徴A16.前記処理実行手段は、
前記把握手段の把握結果が第1把握結果である場合、それに対応する処理が実行されるようにする第1処理実行手段(音光側MPU93におけるステップS2012、ステップS3203及びステップS3703の処理を実行する機能)と、
前記把握手段の把握結果が第2把握結果である場合、それに対応する処理が実行されるようにする第2処理実行手段(音光側MPU93におけるステップS2015、ステップS3204及びステップS3705の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A3乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A16によれば、遊技者の所定部位の動きに応じて異なる態様の処理を行うことが可能となり、所定部位の動きに対応する処理の実行態様を多様化させることが可能となる。
特徴A17.前記把握手段は、
前記所定部位の位置情報として、遊技者の口の動きを把握する口把握手段(音光側MPU93におけるステップS2101〜ステップS2104の処理を実行する機能)と、
当該口把握手段の把握結果に基づき、遊技者側からの言葉情報を把握する言葉情報把握手段(音光側MPU93による文字認識処理及びステップS2502〜ステップS2509の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1処理実行手段は、前記言葉情報把握手段により把握された前記言葉情報が第1言葉情報である場合、前記把握手段の把握結果が前記第1把握結果であるとして、それに対応する処理を実行し、
前記第2処理実行手段は、前記言葉情報把握手段により把握された前記言葉情報が第2言葉情報である場合、前記把握手段の把握結果が前記第2把握結果であるとして、それに対応する処理を実行し、
前記第1言葉情報と前記第2言葉情報とは、前記言葉情報把握手段により把握される文字数が異なっていることを特徴とする特徴A16に記載の遊技機。
特徴A17によれば、少なくとも所定状況における第1言葉情報と第2言葉情報とで、言葉情報把握手段により把握される文字数が異なっていることにより、第1言葉情報及び第2言葉情報のうち一方を他方であると誤認識してしまう可能性が低減される。
特徴A18.前記把握手段は、前記所定部位の位置情報の把握結果に基づき遊技者から提供された情報を特定する情報特定手段(音光側MPU93における回答認識処理、及び推定会話演出の画像判定処理を実行する機能)を備え、
前記処理実行手段は、遊技者から提供された情報の前記情報特定手段による特定が特定期間において完了した場合にそれに対応する対応処理を実行し、遊技者から提供された情報の前記情報特定手段による特定が前記特定期間の途中で完了した場合、当該特定期間の途中であっても前記対応処理を開始することを特徴とする特徴A3乃至A17のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A18によれば、撮像手段の撮像結果に基づき把握された遊技者の所定部位の位置情報に対応する対応処理が実行される構成において、当該所定部位の動きを遊技者が完了した場合にはそれに対して即座に対応処理を実行することが可能となる。これにより、所定部位の動きに対応する対応処理が実行されたと遊技者に認識させ易くなる。
特徴A19.遊技者から提供された情報の前記情報特定手段による特定が完了したタイミングに応じて、その後に実行される演出の実行態様が変化することを特徴とする特徴A18に記載の遊技機。
特徴A19によれば、所定部位の動きが完了したタイミングに応じてその後に実行される演出の実行態様が変化するため、所定部位の動きの完了が任意のタイミングで発生するとしてもそのタイミングに対応する態様で演出を提供することが可能となる。
特徴A20.演出を実行制御するための時系列の情報が定められた制御情報群を予め記憶する第1記憶手段(音光側ROM94)と、
当該第1記憶手段から第2記憶手段(音光側RAM95)に読み出された前記制御情報群を参照することにより当該制御情報群に対応する演出が実行されるようにする演出制御手段(音光側MPU93におけるステップS503及びステップS504の処理を実行する機能、表示制御装置96)と、
を備え、
前記把握手段による前記所定部位の位置情報の把握及び前記把握手段の把握結果に対応する前記処理実行手段による処理の実行が行われ得る対応演出期間が、所定演出の実行期間において発生する構成であり、
前記第1記憶手段には、前記対応演出期間に対応する前記制御情報群と、前記所定演出の実行期間に対応する前記制御情報群とが個別に記憶されていることを特徴とする特徴A18又はA19に記載の遊技機。
特徴A20によれば、対応演出期間に対応する制御情報群と所定演出の実行期間に対応する制御情報群とが個別に記憶されていることにより、対応演出期間が任意のタイミングで終了するとしても、その終了タイミングに対応する態様で所定演出を実行することが可能となる。
特徴A21.前記処理実行手段において前記把握手段の把握結果に対応する処理の実行を可能とする内容を前記把握手段が把握できなかった場合、それに対応する不可時情報を提供する不可時提供手段(音光側MPU93における会話失敗時の処理、ステップS3114〜ステップS3115、助言用コマンド送信処理及びステップS4117の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A3乃至A20のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A21によれば、対応処理の実行を可能とする内容を把握できなかった場合にはそれに対応する不可時情報が提供されることにより、所定部位の位置情報の把握が次回行われる場合には所定部位の動きを適切に行うように遊技者に促すことが可能となる。
特徴A22.前記不可時提供手段は、前記不可時情報として、前記処理実行手段において前記把握手段の把握結果に対応する処理の実行を可能とする内容を前記把握手段が把握できなかった理由に対応する情報を提供することを特徴とする特徴A21に記載の遊技機。
特徴A22によれば、所定部位の位置情報を把握できなかった理由に対応する情報が遊技者に提供されるため、所定部位の位置情報の把握が次回行われる場合にその理由を解消した態様で所定部位を動かすように遊技者に促すことが可能となる。
特徴A23.前記処理実行手段は、前記把握手段により前記所定部位の位置情報の把握が行われる期間において、前記撮像手段の撮像範囲に前記所定部位が前記把握手段により把握可能な態様で含まれていない場合に、前記所定部位が前記把握手段により把握可能な態様で含まれるように助言情報を提供する手段(音光側MPU93におけるステップS2204、ステップS2208、ステップS2210、ステップS2213及びステップS2215の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A3乃至A22のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A23によれば、助言情報が遊技者に提供されることにより、遊技者はそれを受けて行動し、所定部位が把握手段により把握可能な態様で撮像範囲に含まれる姿勢をとる可能性が高まる。よって、把握手段により所定部位の位置情報の把握が正確に行われる可能性を高めることが可能となる。
特徴A24.前記処理実行手段は、前記把握手段の把握結果が特定期間において所定把握結果となった場合、それに対応する処理を実行し、当該所定把握結果とならなかった場合にはそれに対応する処理を実行しない構成であり、
前記特定期間の発生可能契機が発生したとしても、前回の前記特定期間において前記把握手段の把握結果が前記所定把握結果とならなかったことを少なくとも一の条件として、今回の前記発生可能契機に対応する前記特定期間を発生させないようにするための規制処理を実行する発生規制手段(音光側MPU93におけるステップS3005及びステップS3405の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A3乃至A23のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A24によれば、所定部位の動きに対応する処理が実行されるという演出に対して参加の意思がない遊技者に対して、所定部位を動かすことを強制しないようにすることが可能となる。
特徴A25.前記発生規制手段は、前回の前記特定期間において前記把握手段の把握結果が前記所定把握結果とならなかった場合であって前記所定部位の位置情報が変化したことが前記把握手段に把握されなかった場合には前記規制処理を実行し、前回の前記特定期間において前記把握手段の把握結果が前記所定把握結果とならなかったとしても前記所定部位の位置情報が変化したことが前記把握手段により把握された場合には前記規制処理を実行しないことを特徴とする特徴A24に記載の遊技機。
特徴A25によれば、所定部位の動きに対応する処理が実行されるという演出に対して参加の意思があったにも関わらず、所定部位の位置情報の把握が正確に行えないことによって把握手段の把握結果が所定把握結果となった場合にまで、その後の特定期間の発生が阻止されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴A26.前記把握手段は、一の特定期間における前記所定部位の位置情報の把握結果に基づき遊技者から提供された情報を特定する情報特定手段(音光側MPU93における回答認識処理、及び推定会話演出の画像判定処理を実行する機能)を備え、
前記処理実行手段は、複数回の前記特定期間のそれぞれにおいて前記情報特定手段により特定された各情報の組合せに対応する処理を実行することを特徴とする特徴A3乃至A25のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A26によれば、遊技者による所定部位の動きが複数回行われた場合にそれら複数回の各動きに対応する処理を実行することが可能となる。これにより、遊技者による所定部位の動きのパターンが多様化され、処理の実行態様を多様化することが可能となる。
特徴A27.前記把握手段は、
前記所定部位の位置情報として、遊技者の口の動きを把握する口把握手段(音光側MPU93におけるステップS2101〜ステップS2104の処理を実行する機能)と、
当該口把握手段の把握結果に基づき、遊技者側からの言葉情報を把握してその把握結果に対応する情報を導出する言葉情報把握手段(音光側MPU93による文字認識処理及びステップS2502〜ステップS2509の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記処理実行手段は、複数回の前記特定期間のそれぞれにおいて前記言葉情報把握手段により導出された各情報の組合せに対応する処理を実行し、
当該遊技機は、前記特定期間が開始される場合に質問情報を提供し、前記特定期間が複数回発生する場合には各特定期間のそれぞれに対して前記質問情報を提供する手段(音光側MPU93におけるステップS1902、ステップS3404及びステップS3406の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A26に記載の遊技機。
特徴A27によれば、遊技者と遊技機との間で複数回の会話のやり取りが行われた結果としてそれに対応する処理が実行されるため、遊技機との間で会話を行った結果としてそれに対応する処理が実行されたという印象を遊技者に与えやすくなる。
特徴A28.前記把握手段は、
前記所定部位の位置情報として、遊技者の口の動きを把握する口把握手段(音光側MPU93におけるステップS2101〜ステップS2104の処理を実行する機能)と、
当該口把握手段の把握結果に基づき、遊技者側からの言葉情報を把握してその把握結果に対応する情報を導出する言葉情報把握手段(音光側MPU93による文字認識処理及びステップS2502〜ステップS2509の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記処理実行手段は、前記言葉情報把握手段により導出された情報に対応する処理を実行することを特徴とする特徴A3乃至A27のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A28によれば、遊技者が発する言葉に対応する処理が実行されるため、遊技に意外性を与えることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、遊技者の声を集音するのではなく口の動きを把握することによって、遊技者側からの言葉情報を把握する構成であるため、遊技ホールにおいて様々な音が溢れている環境であっても遊技者側からの言葉情報を把握することが可能となる。
特徴A29.前記言葉情報把握手段は、
前記口把握手段の把握結果に基づき文字対応情報を導出する文字情報導出手段(音光側MPU93における文字認識処理を実行する機能)と、
当該文字情報導出手段により導出された前記文字対応情報を利用して、前記把握結果に対応する情報として、認識言葉情報を導出する認識言葉情報導出手段(音光側MPU93におけるステップS2502〜ステップS2509の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A28に記載の遊技機。
特徴A29によれば、遊技者が発した言葉が文字対応情報として個別に区別され、その区別された文字対応情報を利用して認識言葉情報が導出される構成であるため、遊技者が発した言葉に対応する認識言葉情報を導出し易くなる。
特徴A30.前記文字情報導出手段は、前記口把握手段の把握結果に基づき、前記文字情報として、少なくとも母音の種類の情報を導出することを特徴とする特徴A29に記載の遊技機。
特徴A30によれば、遊技者の口の動きから少なくとも母音の種類が把握されることにより、遊技者が発した言葉を母音の種類を利用して大まかに分類することが可能となる。これにより、所定の言葉を発したか否かを判断する場合においてその判断がシビアになり過ぎないようにすることが可能となる。
特徴A31.前記文字情報導出手段は、子音の種類の情報を導出しないことを特徴とする特徴A30に記載の遊技機。
子音の把握は母音の把握と比較して難易度が高く、実際に遊技者が発音した音と遊技機が把握した音が異なる結果とならないようにしながら子音の把握を行えるようにしようとすると、それ相応の処理構成とする必要がある。これに対して、特徴A31によれば、子音の種類の情報を導出しないようにしながら母音の種類の情報を利用して認識言葉情報が導出されることにより、文字の認識処理の簡素化を図りながら、遊技者が発した言葉に対応する認識言葉情報を導出することが可能となる。
特徴A32.前記認識言葉情報導出手段は、前記文字情報導出手段により導出された前記文字対応情報を文字情報記憶手段(音光側RAM95)に対して時系列で記憶させることにより前記認識言葉情報を導出することを特徴とする特徴A29乃至A31のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A32によれば、文字情報導出手段により導出された文字対応情報が文字情報記憶手段に時系列で順次記憶され、当該文字情報記憶手段に記憶された文字対応情報から認識言葉情報が導出される構成であるため、いずれの状況であっても一定の処理態様によって認識言葉情報を導出することが可能となる。
特徴A33.前記認識言葉情報導出手段は、前記文字情報導出手段により導出された前記文字対応情報が当該文字情報導出手段により直前に導出された前記文字対応情報と同一である場合、それら文字対応情報を一の文字対応情報として認識することを特徴とする特徴A29乃至A32のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A33によれば、同じ口の形状が続く場合に一義的に1音として把握することにより、遊技者の個人差により言葉の把握を失敗することを避けることができる。具体的には、「あか」と発音する場合の「あ」の長さは遊技者によって様々である。0.5秒で発音する遊技者もいれば、1秒で発音する遊技者もいる。この場合に、口の形状が同一である場合には、一義的に1音として把握することにより、0.5秒の「あ」と1秒の「あ」を同じ1音として認識することが可能となる。
特徴A34.前記把握手段は、前記撮像手段の撮像結果に基づき遊技者の口の動きの変位量を算出する算出手段(音光側MPU93におけるステップS2106の処理を実行する機能)を備え、
前記文字情報導出手段は、前記算出手段により算出された変位量が所定変位量以下となった場合に前記文字対応情報を導出することを特徴とする特徴A29乃至A33のいずれか1に記載の遊技機。
遊技者が2文字の言葉を発音する場合を考えると、閉口状態から1音目の口の形に移る遷移状態を経て1音目を発音し、1音目の口の形から2音目の口の形に移る遷移状態を経て2音目を発音する。所定の音を発している場合には所定の口の形で停止するため、口の動きの変位量が少ない。一方、遷移状態においては口の形を変更している状態であるために口の動きの変位量が大きい。このような事情において特徴A34によれば、算出手段により遊技者の口の動きの変位量が算出され、当該変位量が所定変位量以下になった場合に文字対応情報が導出される。これにより、遷移状態において文字対応情報を導出してしまわないようにすることが可能となり、遊技者の発する言葉に対応する認識言葉情報を導出し易くなる。
特徴A35.前記把握手段は、前記算出手段により算出された変位量が所定変位量以下の状態が所定期間経過した場合に遊技者の回答が終了したことを特定する手段(音光側MPU93におけるステップS2112の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A34に記載の遊技機。
特徴A35によれば、口の遷移状態において文字対応情報を導出してしまうことを阻止する構成を利用しながら、遊技者の回答の終了タイミングを特定することが可能となる。
特徴A36.前記言葉情報把握手段は、前記口把握手段の把握結果に基づき、遊技者が発した言葉の文字数に対応する情報を特定し、その特定した情報に基づき遊技者側からの言葉情報に対応する情報を導出する個数対応導出手段(音光側MPU93における文字数認識処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A28乃至A35のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A36によれば、遊技者が発した言葉に対応する文字個数情報が、遊技者が発した言葉に対応する情報として導出されることにより、遊技者が発した言葉の文字を個別に認識しなくても遊技者が発した言葉に対応する処理を実行することが可能となる。
特徴A37.前記個数対応導出手段は、前記言葉情報の把握を行う状況が異なる場合、特定した前記文字数に対応する情報が同一であっても異なる情報を導出することを特徴とする特徴A36に記載の遊技機。
特徴A37によれば、把握された文字数が同一であっても状況が異なるのであれば異なる情報が導出されることにより、異なる状況間において同一の言葉情報を選択することが可能となる。よって、遊技機の設計段階における言葉情報の選択の幅を広げることが可能となる。
特徴A38.前記言葉情報把握手段は、
前記口把握手段の把握結果に基づき文字対応情報を導出する文字情報導出手段(音光側MPU93における文字認識処理を実行する機能)と、
当該文字情報導出手段により導出された前記文字対応情報を利用して、前記把握結果に対応する情報として、認識言葉情報を導出する認識言葉情報導出手段(音光側MPU93におけるステップS2502〜ステップS2509の処理を実行する機能)と、
前記認識言葉情報導出手段により前記認識言葉情報を導出することができない場合に、前記個数対応導出手段により情報が導出されるようにする切換手段(音光側MPU93におけるステップS2502及びステップS2510の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A37に記載の遊技機。
特徴A38によれば、認識言葉情報を導出することができない場合に文字個数情報が導出されるようにすることにより、遊技者が発した言葉の把握を基本的には正確に行うようにしながら、それが不可の場合には精度は低下するものの認識率を高めることが可能となる。これにより、基本的には認識精度を高めながらも認識率も高めることが可能となる。
特徴A39.前記切換手段は、前記口把握手段の把握結果が前記文字情報導出手段により前記文字対応情報を導出することができない把握結果となった場合に、前記認識言葉情報導出手段により前記認識言葉情報が導出される状態から、前記個数対応導出手段により情報が導出される状態に切り換えることを特徴とする特徴A38に記載の遊技機。
特徴A39によれば、文字対応情報を正確に導出することができないことを条件として文字個数情報が導出されるため、基本的には認識言葉情報が導出されるようにしながら、文字対応情報の導出が正確に行えない場合に限って文字個数情報が導出されるようにすることが可能となる。
特徴A40.前記把握手段により把握される前記所定部位の位置情報は、当該所定部位における一部分の位置情報であることを特徴とする特徴A3乃至A39のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A40によれば、所定部位の全体の位置情報をまとめて把握する場合と比較して、把握対象となる部分が少なくなり、処理負荷を軽減させることが可能となる。
特徴A41.前記処理実行手段は、前記所定部位の位置情報が所定態様で変化したことが前記把握手段により把握されたことに基づいて、それに対応する処理であって前記所定部位の動きの内容に対応しない処理を実行することを特徴とする特徴A3乃至A40のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A41によれば、所定部位の位置情報が変化したことが把握された場合にそれに対応する処理が実行されるため、遊技者の所定部位の動きに対応する処理が実行されたと遊技者に認識させることが可能となる。この場合に、所定部位の動きの内容に対応する処理が実行されない構成であるため、所定部位の動きの内容の把握を可能とする高解像度の撮像手段や、高度な処理を行う必要が生じない。よって、構成の簡素化を図りながら、所定部位の動きに対応する処理が実行されたと遊技者に認識させることが可能となる。
特徴A42.前記処理実行手段は、前記所定部位の位置情報が変化したことが前記把握手段により把握されたことに基づいて、対応情報が提供されるようにする対応情報提供手段(図柄表示装置61、音光側MPU93におけるステップS4111の処理を実行する機能)を備え、
前記対応情報提供手段により提供される前記対応情報は複数種類設定されており、
前記対応情報提供手段は、前記所定部位の動きの内容とは無関係に、提供対象とする前記対応情報の種類を決定することを特徴とする特徴A41に記載の遊技機。
特徴A42によれば、遊技者の所定部位の動きに対応する情報が遊技機から提供されることにより、所定部位を動かすことに意味を持たせることが可能となり、遊技者に対して所定部位を動かすことを積極的に行わせることが可能となる。この場合に、対応情報は複数種類設定されているため、所定部位の動きの内容とは無関係に対応情報が提供されるとしても、提供される対応情報を多様化させることが可能となる。
特徴A43.前記処理実行手段は、特定期間において前記所定部位の位置情報が前記所定態様で変化したことが前記把握手段により把握された場合、それに対応する処理を実行するものであり、
前記特定期間が開始される場合に質問情報を提供する質問情報提供手段(音光側MPU93におけるステップS4103の処理を実行する機能)を備え、
前記対応情報は、前記質問情報提供手段により提供される前記質問情報に対応させて設定されていることを特徴とする特徴A42に記載の遊技機。
特徴A43によれば、対応情報が質問情報に対応させて設定されていることにより、所定部位の動きの内容とは無関係に対応情報が提供されるとしても、遊技者に対して遊技機との会話に参加しているという印象を与えることが可能となる。
特徴A44.前記対応情報は、一の前記質問情報に対応させて複数種類設定されていることを特徴とする特徴A43に記載の遊技機。
特徴A44によれば、一の質問情報に対応させて対応情報が複数種類設定されていることにより、一の質問情報に対して提供される対応情報が多様化することとなる。これにより、遊技者の所定部位の動きの内容とは無関係に対応情報が提供されるとしても、当該所定部位の動きの内容に対応する対応情報が提供されたのではないかという印象を遊技者に与えることが可能となる。
特徴A45.前記所定部位は遊技者の口であり、
前記把握手段は、遊技者の口の位置情報が変化したことを把握することを特徴とする特徴A41乃至A44のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A45によれば、遊技者が言葉を発したことを契機としてそれに対応する処理が実行されるため、その言葉の内容とは無関係にその処理が実行されるとしても、遊技者自信が発した言葉に対応した処理が実行されたという印象を遊技者に与えることが可能となる。
特徴A46.前記把握手段は、前記所定部位の位置情報の把握結果に基づき、所定事象に対する遊技者の注目度を把握する注目度把握手段(音光側MPU93におけるステップS4815〜ステップS4819及びステップS5115〜ステップS5124の処理を実行する機能)を備え、
前記処理実行手段は、前記注目度把握手段により把握された注目度に対応する処理を実行することを特徴とする特徴A3乃至A45のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A46によれば、遊技者の注目度に応じた処理が実行されるため、遊技者の状況や遊技者の趣向に即した対応で処理を実行することが可能となる。
特徴A47.前記処理実行手段は、前記注目度把握手段により把握された注目度に対応する情報を提供する情報提供手段(音光側MPU93におけるコメント投入処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A46に記載の遊技機。
特徴A47によれば、遊技者の注目度に応じて、遊技者の注目度を上げる情報を提供したり、遊技者の注目度を下げる情報を提供したりすることができる。
特徴A48.前記情報提供手段は、前記注目度把握手段により把握された注目度の基準となる注目度に対する大小関係に応じて、提供対象とする情報の内容を異ならせることを特徴とする特徴A47に記載の遊技機。
特徴A48によれば、基準となる注目度との関係で提供される情報の内容が異なることにより、遊技者の注目度に対応する適切な情報を提供することが可能となる。
特徴A49.前記所定事象は、遊技者への特典の付与の期待度に対応する内容で実行される所定の演出であり、
前記特典が付与される状況であるか否かに応じて、前記基準となる注目度が変化することを特徴とする特徴A48に記載の遊技機。
特徴A49によれば、特典が付与される状況であるか否かに応じて遊技者の注目度が相対的に高いと判断される基準又は遊技者の注目度が相対的に低いと判断される基準が変更される。これにより、特典が付与される状況であるか否かを考慮した態様で、遊技者の注目度に対応する情報を提供することが可能となる。
特徴A50.前記所定事象は所定の演出であり、
前記情報提供手段は、前記注目度把握手段により把握された前記注目度が相対的に低い注目度である場合、前記所定の演出への注目を促す情報を提供することを特徴とする特徴A47乃至A49のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A50によれば、所定の演出への遊技者の注目度が相対的に低い場合、演出への注目を促す情報が提供されるため、当該所定の演出への遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴A51.前記所定の演出は、遊技者への特典の付与の期待度に対応する内容で実行され、
前記特典が付与されない状況である場合よりも前記特典が付与される状況である場合の方が、前記注目度把握手段により把握された前記注目度が前記相対的に低い注目度であると判断され易いことを特徴とする特徴A50に記載の遊技機。
特徴A51によれば、特典が付与される状況においては所定の演出に遊技者を注目させるための情報が提供され易くなるため、特典が付与される状況で実行されている所定の演出に対して遊技者を注目させ易くなる。
特徴A52.前記所定事象は所定の演出であり、
前記情報提供手段は、前記注目度把握手段により把握された前記注目度が相対的に高い注目度である場合、前記所定の演出への注目度を低下させる情報を提供することを特徴とする特徴A47乃至A51のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A52によれば、所定の演出への注目度が相対的に高い場合、演出への注目度を低下させる情報が提供されるため、遊技者を過度に期待させないようにすることが可能となる。
特徴A53.前記所定の演出は、遊技者への特典の付与の期待度に対応する内容で実行され、
前記特典が付与される状況である場合よりも前記特典が付与されない状況である場合の方が、前記注目度把握手段により把握された前記注目度が前記相対的に高い注目度であると判断され易いことを特徴とする特徴A52に記載の遊技機。
特徴A53によれば、特典が付与されない状況においては所定の演出への注目度を低下させるための情報が提供され易くなるため、特典が付与されない状況で実行されている所定の演出に対する遊技者の注目度が過度に高くなってしまわないようにすることが可能となる。
特徴A54.前記所定事象は所定の演出であり、
前記情報提供手段は、前記所定の演出の途中において前記注目度把握手段により把握された前記注目度が変更された場合、提供対象の情報をその変更された注目度に対応する内容に変更させることを特徴とする特徴A47乃至A53のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A54によれば、所定の演出の途中であっても遊技者の注目度に応じて提供対象となる情報が変更されるため、所定の演出が実行されている範囲内において、遊技者の注目度を適切な範囲に近づけることが可能となる。
特徴A55.前記注目度把握手段は、前記所定部位の位置情報として、複数種類の部位の位置情報を利用して前記注目度を把握することを特徴とする特徴A46乃至A54のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A55によれば、遊技者の注目度を詳細に把握することが可能となる。
特徴A56.前記処理実行手段は、前記注目度把握手段により把握された注目度に応じて、その後に実行される特定の演出の実行頻度を変更する頻度変更手段(音光側MPU93におけるステップS5303、ステップS5306、ステップS5309、ステップS5312、ステップS5403、ステップS5406、ステップS5409及びステップS5412の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A46乃至A55のいずれか1記載の遊技機。
特徴A56によれば、遊技者の注目度の高い演出の出現頻度を上げ、遊技者の注目度の低い演出の出現頻度を下げることにより、遊技者の好みに応じた演出を高頻度で提供することが可能となる。
特徴A57.遊技者が変更された否かを特定する変更特定手段(音光側MPU93におけるステップS5007〜ステップS5009の処理を実行する機能)と、
当該変更特定手段により遊技者が変更されたことが特定された場合、前記頻度変更手段により変更された前記実行頻度を初期化する手段(音光側MPU93におけるステップS5010〜ステップS5011の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A56に記載の遊技機。
特徴A57によれば、前の遊技者の好みと新たな遊技者の好みは異なると考えられるため、遊技者が変更された場合に実行頻度を初期化することで、新たな遊技者の好みに合った演出の出現頻度を早期に設定することが可能となる。
なお、特徴A1〜A57のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A57、特徴B1〜B8、特徴C1〜C7、特徴D1〜D12、特徴E1〜E12のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.遊技者を撮像する撮像手段(撮像装置73、信号処理回路75における信号処理を実行する機能、音光側MPU93における撮像制御処理を実行する機能)と、
当該撮像手段の撮像結果に基づき、遊技者の所定部位の位置情報が変化したことを把握する把握手段(音光側MPU93における画像判定処理を実行する機能)と、
前記所定部位の位置情報が所定態様で変化したことが前記把握手段により把握されたことに基づいて、それに対応する処理であって前記所定部位の動きの内容に対応しない処理である所定処理、又は前記所定部位の動きの内容が前記所定態様による変化を含む第1の内容及び第2の内容のいずれであっても共通して実行される処理である所定処理を実行する処理実行手段(音光側MPU93におけるステップS4111及びステップS4119の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、撮像手段による撮像結果に基づいて遊技者の所定部位の位置情報が把握される構成であるため、操作ボタンなどの操作部に対する遊技者の操作に対応する処理を実行する構成に比べて、把握対象とする遊技者の所定部位の動きの任意性を大きくすることが可能となり、斬新な遊技内容を提供することが可能となる。
また、所定部位の位置情報が変化したことが把握された場合にそれに対応する処理が実行されるため、遊技者の所定部位の動きに対応する処理が実行されたと遊技者に認識させることが可能となる。この場合に、所定部位の動きの内容に対応する処理が実行されない構成又は所定部位の動きの複数種類の内容に対して1種類の処理が実行される構成であるため、所定部位の精度の高い動きの内容の把握を可能とする高解像度の撮像手段や、高度な処理を行う必要が生じない。よって、構成の簡素化を図りながら、遊技者の所定部位の動きに対応する処理が実行されたと遊技者に認識させることが可能となる。
特徴B2.前記処理実行手段は、前記所定部位の位置情報が変化したことが前記把握手段により把握されたことに基づいて、対応情報が提供されるようにする対応情報提供手段(図柄表示装置61、音光側MPU93におけるステップS4114及びステップS4119の処理を実行する機能)を備え、
前記対応情報提供手段により提供される前記対応情報は複数種類設定されており、
前記対応情報提供手段は、前記所定部位の動きの内容とは無関係に、提供対象とする前記対応情報の種類を決定することを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、遊技者の所定部位の動きに対応する情報が遊技機から提供されることにより、所定部位を動かすことに意味を持たせることが可能となり、遊技者に対して所定部位を動かすことを積極的に行わせることが可能となる。この場合に、対応情報は複数種類設定されているため、所定部位の動きの内容とは無関係に対応情報が提供されるとしても、提供される対応情報を多様化させることが可能となる。
特徴B3.前記処理実行手段は、特定期間において前記所定部位の位置情報が前記所定態様で変化したことが前記把握手段により把握された場合、それに対応する所定処理を実行するものであり、
前記特定期間が開始される場合に質問情報を提供する質問情報提供手段(音光側MPU93におけるステップS4103の処理を実行する機能)を備え、
前記対応情報は、前記質問情報提供手段により提供される前記質問情報に対応させて設定されていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、対応情報が質問情報に対応させて設定されていることにより、所定部位の動きの内容とは無関係に対応情報が提供されるとしても、遊技者に対して遊技機との会話に参加しているという印象を与えることが可能となる。
特徴B4.前記対応情報は、一の前記質問情報に対応させて複数種類設定されていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、一の質問情報に対応させて対応情報が複数種類設定されていることにより、一の質問情報に対して提供される対応情報が多様化することとなる。これにより、遊技者の所定部位の動きの内容とは無関係に対応情報が提供されるとしても、当該所定部位の動きの内容に対応する対応情報が提供されたのではないかという印象を遊技者に与えることが可能となる。
特徴B5.前記所定部位は遊技者の口であり、
前記把握手段は、遊技者の口の位置情報が変化したことを把握することを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、遊技者が言葉を発したことを契機としてそれに対応する処理が実行されるため、その言葉の内容とは無関係にその処理が実行されるとしても、遊技者自信が発した言葉に対応した処理が実行されたという印象を遊技者に与えることが可能となる。
特徴B6.前記処理実行手段は、前記所定部位の位置情報が所定態様で変化したことの前記把握手段による把握が特定期間において完了した場合にそれに対応する対応処理を実行し、前記所定部位の位置情報が所定態様で変化したことの前記把握手段による把握が前記特定期間の途中で完了した場合、当該特定期間の途中であっても前記対応処理を開始することを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、所定部位の位置情報が所定態様で変化したことに対応する対応処理が実行される構成において、当該所定部位の位置情報が所定態様で変化するように遊技者が所定部位を動かした場合にはそれに対して即座に対応処理を実行することが可能となる。これにより、所定部位の動きに対応する対応処理が実行されたと遊技者に認識させ易くなる。
特徴B7.前記所定部位の位置情報が所定態様で変化したことの前記把握手段による把握が行われたタイミングに応じて、その後に実行される演出の実行態様が変化することを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、所定部位の位置情報が所定態様で変化したタイミングに応じてその後に実行される演出の実行態様が変化するため、所定部位の動きが任意のタイミングで発生するとしてもそのタイミングに対応する態様で演出を提供することが可能となる。
特徴B8.演出を実行制御するための時系列の情報が定められた制御情報群を予め記憶する第1記憶手段(音光側ROM94)と、
当該第1記憶手段から第2記憶手段(音光側RAM95)に読み出された前記制御情報群を参照することにより当該制御情報群に対応する演出が実行されるようにする演出制御手段(音光側MPU93におけるステップS503及びステップS504の処理を実行する機能、表示制御装置96)と、
を備え、
前記把握手段による前記所定部位の位置情報の把握及び前記把握手段の把握結果に対応する前記処理実行手段による処理の実行が行われ得る対応演出期間が、所定演出の実行期間において発生する構成であり、
前記第1記憶手段には、前記対応演出期間に対応する前記制御情報群と、前記所定演出の実行期間に対応する前記制御情報群とが個別に記憶されていることを特徴とする特徴B6又はB7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、対応演出期間に対応する制御情報群と所定演出の実行期間に対応する制御情報群とが個別に記憶されていることにより、対応演出期間が任意のタイミングで終了するとしても、その終了タイミングに対応する態様で所定演出を実行することが可能となる。
なお、特徴B1〜B8のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A57、特徴B1〜B8、特徴C1〜C7、特徴D1〜D12、特徴E1〜E12のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.遊技者に対して特定情報を提供する特定情報提供手段(音光側MPU93におけるステップS4407の処理を実行する機能)と、
前記特定情報及び前記特定情報に対する遊技者の反応のうち少なくとも一方に対応する対応処理を実行する処理実行手段(音光側MPU93におけるステップS4410の処理を実行する機能)と、
前記特定情報が提供されてから前記対応処理が実行される前に、前記特定情報に対応する反応を遊技者に行わせることを可能とする待機可能期間を設定する設定手段(音光側MPU93におけるステップS4405及びステップS4409の処理を実行する機能)と、
前記待機可能期間を複数種類の期間の中から決定する期間決定手段(音光側MPU93におけるステップS4303の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、特定情報が遊技者に対して提供されることにより、例えば遊技者に所定部位を動かすように促すことが可能となる。また、特定情報及び特定情報に対する遊技者の反応のうち少なくとも一方に対応する対応処理が実行されるため、特定情報が提供された後の遊技内容に注目させることが可能となる。この場合に、特定情報が提供されてから対応処理が実行されるまでの待機可能期間が変動することにより、待機可能期間を多様なものとすることが可能となる。待機可能期間が多様化されることにより、待機可能期間を利用した演出の実行態様に幅を持たせることが可能となり、演出を適切に行うことが可能となる。
特徴C2.前記期間決定手段は、複数種類の期間の中から抽選により一の期間を前記待機可能期間として決定することを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、待機可能期間が不規則なものとなり、待機可能期間を利用した演出の実行態様が画一的なものとなってしまわないようにすることが可能となる。
特徴C3.前記処理実行手段は、前記対応処理として、前記特定情報及び前記特定情報に対する遊技者の反応のうち少なくとも一方に対応する追加情報を提供するための処理を実行することを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、特定情報及び特定情報に対する遊技者の反応のうち少なくとも一方に対応する追加情報が遊技者に提供されるため、遊技者は追加の情報を得ることが可能となる。この場合に、特定情報が提供されてから追加情報が提供されるまでの待機可能期間が変動することにより、待機可能期間を多様なものとすることが可能となる。待機可能期間が多様化されることにより、待機可能期間を利用した演出の実行態様に幅を持たせることが可能となり、演出を適切に行うことが可能となる。
特徴C4.前記特定情報は、遊技者に対して質問を提示する情報であり、
前記追加情報は、前記特定情報が提供された後の遊技者の反応とは無関係であって前記特定情報の内容に対応させて設定された情報であることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、質問情報が提供され、その後に待機可能期間が経過した後に当該質問情報に対応する情報が追加で提供されることにより、実際には遊技者の発した言葉を遊技機において認識していなくても遊技者に対して遊技機と会話しているかのような印象を与えることが可能となる。特に、待機可能期間が変動することにより、特定情報が提供されてから追加情報が提供されるまでの期間が画一的なものではなくなり、実際には遊技者が言葉を発したタイミングを遊技機において認識していなくても、遊技者が言葉を発したタイミングで追加情報が提供されたのではないかという印象を遊技者に与えることが可能となる。
特徴C5.前記待機可能期間が遊技者に報知されないことを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、待機可能期間が遊技者に報知されないことにより、実際には遊技者が言葉を発したタイミングを遊技機において認識していなくても、遊技者が言葉を発したタイミングで追加情報が提供されたのではないかという印象を遊技者に与え易くなる。
特徴C6.遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記期間決定手段は、前記特典が付与される場合と前記特典が付与されない場合とで前記待機可能期間の決定態様を相違させることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C6によれば、遊技者は待機可能期間によって特典の付与期待度を知ることができるため、待機可能期間に対する注目度を高めることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴C7.前記期間決定手段により決定された前記待機可能期間を遊技者に認識させる報知が行われることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
特徴C7によれば、待機可能期間を遊技者に明確に認識させることができるため、待機可能期間に対応する特典付与への期待感を好適に高めることが可能となる。
なお、特徴C1〜C7のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A57、特徴B1〜B8、特徴C1〜C7、特徴D1〜D12、特徴E1〜E12のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴D群>
特徴D1.遊技者を撮像する撮像手段(撮像装置73、信号処理回路75における信号処理を実行する機能、音光側MPU93における撮像制御処理を実行する機能)と、
当該撮像手段の撮像結果に基づき、遊技者の口の動きを把握する口把握手段(音光側MPU93におけるステップS2101〜ステップS2104の処理を実行する機能)と、
当該口把握手段の把握結果に基づき、遊技者側からの言葉情報を把握してその把握結果に対応する情報を導出する言葉情報把握手段(音光側MPU93による文字認識処理及びステップS2502〜ステップS2509の処理を実行する機能)と、
当該言葉情報把握手段により導出された情報に対応する処理を実行する処理実行手段(音光側MPU93におけるステップS2012、ステップS2015、ステップS2017、ステップS3113、ステップS3604、ステップS3703、ステップS3705、ステップS3707及びステップS3709の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、遊技者が発する言葉に対応する処理が実行されるため、遊技に意外性を与えることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、遊技者の声を集音するのではなく口の動きを把握することによって、遊技者側からの言葉情報を把握する構成であるため、遊技ホールにおいて様々な音が溢れている環境であっても遊技者側からの言葉情報を把握することが可能となる。
特徴D2.前記言葉情報把握手段は、
前記口把握手段の把握結果に基づき文字対応情報を導出する文字情報導出手段(音光側MPU93における文字認識処理を実行する機能)と、
当該文字情報導出手段により導出された前記文字対応情報を利用して、前記把握結果に対応する情報として、認識言葉情報を導出する認識言葉情報導出手段(音光側MPU93におけるステップS2502〜ステップS2509の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、遊技者が発した言葉が文字対応情報として個別に区別され、その区別された文字対応情報を利用して認識言葉情報が導出される構成であるため、遊技者が発した言葉に対応する認識言葉情報を導出し易くなる。
特徴D3.前記文字情報導出手段は、前記口把握手段の把握結果に基づき、前記文字情報として、少なくとも母音の種類の情報を導出することを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、遊技者の口の動きから少なくとも母音の種類が把握されることにより、遊技者が発した言葉を母音の種類を利用して大まかに分類することが可能となる。これにより、所定の言葉を発したか否かを判断する場合においてその判断がシビアになり過ぎないようにすることが可能となる。
特徴D4.前記文字情報導出手段は、子音の種類の情報を導出しないことを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
子音の把握は母音の把握と比較して難易度が高く、実際に遊技者が発音した音と遊技機が把握した音が異なる結果とならないようにしながら子音の把握を行えるようにしようとすると、それ相応の処理構成とする必要がある。これに対して、特徴D4によれば、子音の種類の情報を導出しないようにしながら母音の種類の情報を利用して認識言葉情報が導出されることにより、文字の認識処理の簡素化を図りながら、遊技者が発した言葉に対応する認識言葉情報を導出することが可能となる。
特徴D5.前記認識言葉情報導出手段は、前記文字情報導出手段により導出された前記文字対応情報を文字情報記憶手段(音光側RAM95)に対して時系列で記憶させることにより前記認識言葉情報を導出することを特徴とする特徴D2乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D5によれば、文字情報導出手段により導出された文字対応情報が文字情報記憶手段に時系列で順次記憶され、当該文字情報記憶手段に記憶された文字対応情報から認識言葉情報が導出される構成であるため、いずれの状況であっても一定の処理態様によって認識言葉情報を導出することが可能となる。
特徴D6.前記認識言葉情報導出手段は、前記文字情報導出手段により導出された前記文字対応情報が当該文字情報導出手段により直前に導出された前記文字対応情報と同一である場合、それら文字対応情報を一の文字対応情報として認識することを特徴とする特徴D2乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D6によれば、同じ口の形状が続く場合に一義的に1音として把握することにより、遊技者の個人差により言葉の把握を失敗することを避けることができる。具体的には、「あか」と発音する場合の「あ」の長さは遊技者によって様々である。0.5秒で発音する遊技者もいれば、1秒で発音する遊技者もいる。この場合に、口の形状が同一である場合には、一義的に1音として把握することにより、0.5秒の「あ」と1秒の「あ」を同じ1音として認識することが可能となる。
特徴D7.前記撮像手段の撮像結果に基づき遊技者の口の動きの変位量を算出する算出手段(音光側MPU93におけるステップS2106の処理を実行する機能)を備え、
前記文字情報導出手段は、前記算出手段により算出された変位量が所定変位量以下となった場合に前記文字対応情報を導出することを特徴とする特徴D2乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
遊技者が2文字の言葉を発音する場合を考えると、閉口状態から1音目の口の形に移る遷移状態を経て1音目を発音し、1音目の口の形から2音目の口の形に移る遷移状態を経て2音目を発音する。所定の音を発している場合には所定の口の形で停止するため、口の動きの変位量が少ない。一方、遷移状態においては口の形を変更している状態であるために口の動きの変位量が大きい。このような事情において特徴D7によれば、算出手段により遊技者の口の動きの変位量が算出され、当該変位量が所定変位量以下になった場合に文字対応情報が導出される。これにより、遷移状態において文字対応情報を導出してしまわないようにすることが可能となり、遊技者の発する言葉に対応する認識言葉情報を導出し易くなる。
特徴D8.前記把握手段は、前記算出手段により算出された変位量が所定変位量以下の状態が所定期間経過した場合に遊技者の回答が終了したことを特定する手段(音光側MPU93におけるステップS2112の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
特徴D8によれば、口の遷移状態において文字対応情報を導出してしまうことを阻止する構成を利用しながら、遊技者の回答の終了タイミングを特定することが可能となる。
特徴D9.前記言葉情報把握手段は、前記口把握手段の把握結果に基づき、遊技者が発した言葉の文字数に対応する情報を特定し、その特定した情報に基づき遊技者側からの言葉情報に対応する情報を導出する個数対応導出手段(音光側MPU93における文字数認識処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D9によれば、遊技者が発した言葉に対応する文字個数情報が、遊技者が発した言葉に対応する情報として導出されることにより、遊技者が発した言葉の文字を個別に認識しなくても遊技者が発した言葉に対応する処理を実行することが可能となる。
特徴D10.前記個数対応導出手段は、前記言葉情報の把握を行う状況が異なる場合、特定した前記文字数に対応する情報が同一であっても異なる情報を導出することを特徴とする特徴D9に記載の遊技機。
特徴D10によれば、把握された文字数が同一であっても状況が異なるのであれば異なる情報が導出されることにより、異なる状況間において同一の言葉情報を選択することが可能となる。よって、遊技機の設計段階における言葉情報の選択の幅を広げることが可能となる。
特徴D11.前記言葉情報把握手段は、
前記口把握手段の把握結果に基づき文字対応情報を導出する文字情報導出手段(音光側MPU93における文字認識処理を実行する機能)と、
当該文字情報導出手段により導出された前記文字対応情報を利用して、前記把握結果に対応する情報として、認識言葉情報を導出する認識言葉情報導出手段(音光側MPU93におけるステップS2502〜ステップS2509の処理を実行する機能)と、
前記認識言葉情報導出手段により前記認識言葉情報を導出することができない場合に、前記個数対応導出手段により情報が導出されるようにする切換手段(音光側MPU93におけるステップS2502及びステップS2510の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D10に記載の遊技機。
特徴D11によれば、認識言葉情報を導出することができない場合に文字個数情報が導出されるようにすることにより、遊技者が発した言葉の把握を基本的には正確に行うようにしながら、それが不可の場合には精度は低下するものの認識率を高めることが可能となる。これにより、基本的には認識精度を高めながらも認識率も高めることが可能となる。
特徴D12.前記切換手段は、前記口把握手段の把握結果が前記文字情報導出手段により前記文字対応情報を導出することができない把握結果となった場合に、前記認識言葉情報導出手段により前記認識言葉情報が導出される状態から、前記個数対応導出手段により情報が導出される状態に切り換えることを特徴とする特徴D11に記載の遊技機。
特徴D12によれば、文字対応情報を正確に導出することができないことを条件として文字個数情報が導出されるため、基本的には認識言葉情報が導出されるようにしながら、文字対応情報の導出が正確に行えない場合に限って文字個数情報が導出されるようにすることが可能となる。
なお、特徴D1〜D12のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A57、特徴B1〜B8、特徴C1〜C7、特徴D1〜D12、特徴E1〜E12のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴E群>
特徴E1.遊技者を撮像する撮像手段(撮像装置73、信号処理回路75における信号処理を実行する機能、音光側MPU93における撮像制御処理を実行する機能)と、
当該撮像手段の撮像結果に基づき、遊技者の所定部位の位置情報を把握する位置情報把握手段(音光側MPU93における位置情報記憶処理及びステップS5108〜ステップS5110の処理を実行する機能)と、
当該位置情報把握手段による前記所定部位の位置情報の把握結果に基づき、所定事象に対する遊技者の注目度を把握する注目度把握手段(音光側MPU93におけるステップS4815〜ステップS4819及びステップS5115〜ステップS5124の処理を実行する機能)と、
当該注目度把握手段により把握された注目度に対応する処理を実行する処理実行手段(音光側MPU93におけるステップS4512及びステップS5125の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、撮像手段による撮像結果に基づいて遊技者の所定部位の位置情報が把握される構成であるため、操作ボタンなどの操作部に対する遊技者の操作に対応する処理を実行する構成に比べて、把握対象とする遊技者の所定部位の動きの任意性を大きくすることが可能となる。この場合に、所定部位の位置情報に基づき所定事象に対する遊技者の注目度が把握され、その把握された注目度に応じた処理が実行される。これにより、遊技者の状況や遊技者の趣向に即した対応で処理を実行することが可能となる。
特徴E2.前記処理実行手段は、前記注目度把握手段により把握された注目度に対応する情報を提供する情報提供手段(音光側MPU93におけるコメント投入処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、遊技者の注目度に応じて、遊技者の注目度を上げる情報を提供したり、遊技者の注目度を下げる情報を提供したりすることができる。
特徴E3.前記情報提供手段は、前記注目度把握手段により把握された注目度の基準となる注目度に対する大小関係に応じて、提供対象とする情報の内容を異ならせることを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、基準となる注目度との関係で提供される情報の内容が異なることにより、遊技者の注目度に対応する適切な情報を提供することが可能となる。
特徴E4.前記所定事象は、遊技者への特典の付与の期待度に対応する内容で実行される所定の演出であり、
前記特典が付与される状況であるか否かに応じて、前記基準となる注目度が変化することを特徴とする特徴E3に記載の遊技機。
特徴E4によれば、特典が付与される状況であるか否かに応じて遊技者の注目度が相対的に高いと判断される基準又は遊技者の注目度が相対的に低いと判断される基準が変更される。これにより、特典が付与される状況であるか否かを考慮した態様で、遊技者の注目度に対応する情報を提供することが可能となる。
特徴E5.前記所定事象は所定の演出であり、
前記情報提供手段は、前記注目度把握手段により把握された前記注目度が相対的に低い注目度である場合、前記所定の演出への注目を促す情報を提供することを特徴とする特徴E2乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E5によれば、所定の演出への遊技者の注目度が相対的に低い場合、演出への注目を促す情報が提供されるため、当該所定の演出への遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴E6.前記所定の演出は、遊技者への特典の付与の期待度に対応する内容で実行され、
前記特典が付与されない状況である場合よりも前記特典が付与される状況である場合の方が、前記注目度把握手段により把握された前記注目度が前記相対的に低い注目度であると判断され易いことを特徴とする特徴E5に記載の遊技機。
特徴E6によれば、特典が付与される状況においては所定の演出に遊技者を注目させるための情報が提供され易くなるため、特典が付与される状況で実行されている所定の演出に対して遊技者を注目させ易くなる。
特徴E7.前記所定事象は所定の演出であり、
前記情報提供手段は、前記注目度把握手段により把握された前記注目度が相対的に高い注目度である場合、前記所定の演出への注目度を低下させる情報を提供することを特徴とする特徴E2乃至E6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E7によれば、所定の演出への注目度が相対的に高い場合、演出への注目度を低下させる情報が提供されるため、遊技者を過度に期待させないようにすることが可能となる。
特徴E8.前記所定の演出は、遊技者への特典の付与の期待度に対応する内容で実行され、
前記特典が付与される状況である場合よりも前記特典が付与されない状況である場合の方が、前記注目度把握手段により把握された前記注目度が前記相対的に高い注目度であると判断され易いことを特徴とする特徴E7に記載の遊技機。
特徴E8によれば、特典が付与されない状況においては所定の演出への注目度を低下させるための情報が提供され易くなるため、特典が付与されない状況で実行されている所定の演出に対する遊技者の注目度が過度に高くなってしまわないようにすることが可能となる。
特徴E9.前記所定事象は所定の演出であり、
前記情報提供手段は、前記所定の演出の途中において前記注目度把握手段により把握された前記注目度が変更された場合、提供対象の情報をその変更された注目度に対応する内容に変更させることを特徴とする特徴E2乃至E8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E9によれば、所定の演出の途中であっても遊技者の注目度に応じて提供対象となる情報が変更されるため、所定の演出が実行されている範囲内において、遊技者の注目度を適切な範囲に近づけることが可能となる。
特徴E10.前記注目度把握手段は、前記所定部位の位置情報として、複数種類の部位の位置情報を利用して前記注目度を把握することを特徴とする特徴E1乃至E9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E10によれば、遊技者の注目度を詳細に把握することが可能となる。
特徴E11.前記処理実行手段は、前記注目度把握手段により把握された注目度に応じて、その後に実行される特定の演出の実行頻度を変更する頻度変更手段(音光側MPU93におけるステップS5303、ステップS5306、ステップS5309、ステップS5312、ステップS5403、ステップS5406、ステップS5409及びステップS5412の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E10のいずれか1記載の遊技機。
特徴E11によれば、遊技者の注目度の高い演出の出現頻度を上げ、遊技者の注目度の低い演出の出現頻度を下げることにより、遊技者の好みに応じた演出を高頻度で提供することが可能となる。
特徴E12.遊技者が変更された否かを特定する変更特定手段(音光側MPU93におけるステップS5007〜ステップS5009の処理を実行する機能)と、
当該変更特定手段により遊技者が変更されたことが特定された場合、前記頻度変更手段により変更された前記実行頻度を初期化する手段(音光側MPU93におけるステップS5010〜ステップS5011の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴E11に記載の遊技機。
特徴E12によれば、前の遊技者の好みと新たな遊技者の好みは異なると考えられるため、遊技者が変更された場合に実行頻度を初期化することで、新たな遊技者の好みに合った演出の出現頻度を早期に設定することが可能となる。
なお、特徴E1〜E12のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A57、特徴B1〜B8、特徴C1〜C7、特徴D1〜D12、特徴E1〜E12のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴A群〜E群の発明は、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該内部抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
パチンコ機について具体的には、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて抽選が行われ、表示装置の表示面にて絵柄の変動表示が行われ、抽選にて当選結果となった場合には表示面にて特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示され、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する構成等が知られている。そして、特別遊技状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置等の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球の払出等が行われるようになっている。
ここで、上記例示等のような遊技機においては斬新な遊技内容が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
10…パチンコ機、61…図柄表示装置、73…撮像装置、75…信号処理回路、83…主側MPU、93…音光側MPU、94…音光側ROM、95…音光側RAM、T1〜T19…特徴点。

Claims (1)

  1. 遊技者を撮像する撮像手段と、
    当該撮像手段の撮像結果に基づき、遊技者の所定部位の位置情報を把握する把握手段と、
    当該把握手段の把握結果に対応する処理を実行する処理実行手段と、
    を備えていることを特徴とする遊技機。
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