JP2019165592A - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】トルク特性を維持しつつ重量の低減が可能な永久磁石型の回転電機を提供する。【解決手段】実施形態によれば、回転電機は、固定子12と、固定子に対して回転軸の回りで回転自在に設けられた回転子14と、を備えている。回転子は、回転子鉄心24と、回転子鉄心に埋設された複数の磁極を形成した複数の永久磁石26とを有している。回転子鉄心は、各磁極中心軸の両側に設けられ、それぞれ永久磁石が装填された2つの埋め込み孔34と、それぞれ隣合う磁極中心軸の間に設けられ、間隔を置いて埋め込み孔に対向する複数の空隙孔30と、を有している。埋め込み孔の外周側空隙34cと隣の磁極の埋め込み孔の外周側空隙34cとの間隔をW1、空隙孔と埋め込み孔の装填領域との間隔をW2、空隙孔と埋め込み孔の内周側空隙34bとの間隔をW3、回転子鉄心の内孔と埋め込み孔の内周側空隙34bとの間隔をW4とした場合、回転子鉄心は、W1≦W2、W1≦W3、W1≦W4に形成されている。【選択図】図2

Description

この発明の実施形態は、回転子に永久磁石が設けられた回転電機に関する。
近年、永久磁石の目覚しい研究開発により、高磁気エネルギー積の永久磁石が開発され、このような永久磁石を用いた永久磁石型の回転電機が電車や自動車の電動機あるいは発電機として適用されつつある。通常、永久磁石型の回転電機は、円筒状の固定子と、この固定子の内側に回転自在に支持された円柱形状の回転子と、を備えている。回転子は、回転子鉄心と、この回転子鉄心内に埋め込まれた複数の永久磁石と、を備えている。
このような永久磁石型の回転電機では、外周面側に向かって開くV字形となるように永久磁石を回転子内に埋め込むことにより、マグネットトルクに加えて、リラクタンストルクも利用できる磁気回路を形成することが提案されている。
特開2014−75882号公報 特開2010−80799号公報
移動体の駆動源として用いられる回転電機では、取り付けスペースが小さく、限られた空間の中で高トルク、高出力化することが要求される。更に、同じトルクであれば、より軽量であることが望まれている。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その課題は、トルク特性を維持しつつ重量の低減が可能な永久磁石型の回転電機を提供することにある。
実施形態によれば、回転電機は、内周面に開口する複数のスロットと、それぞれ隣り合うスロット間に形成された複数のティースと、を有する固定子鉄心と、前記複数のティースに巻回された電機子巻線と、を有する固定子と、前記固定子鉄心の内周面に隙間を置いて対向する外周面と前記外周面に沿って並んだ複数の磁極とを有する回転子鉄心と、前記各磁極に設けられた複数の永久磁石と、を具備し、中心軸線の回りで回転自在に設けられた回転子と、を備えている。前記回転子鉄心は、それぞれ前記中心軸線に対して放射方向に延び前記磁極の中心を通る複数の磁極中心軸と、各磁極において、前記磁極中心軸の両側に設けられ、それぞれ前記永久磁石が装填された2つの埋め込み孔と、を有している。前記2つの埋め込み孔および2つの永久磁石は、前記磁極中心軸に隣接する内周側端と前記外周面に隣接する外周側端とを有し、前記磁極中心軸に対して線対称に配置され、前記内周側端から外周側端に向かうに従って、前記磁極中心軸からの距離が徐々に広がるように配置されている。前記埋め込み孔の各々は、前記永久磁石が装填された装填領域と、前記永久磁石の内周側端から前記磁極中心軸に向かって拡がる内周側空隙と、前記永久磁石の外周側端から前記外周面に向かって拡がる外周側空隙と、を含んでいる。前記回転子鉄心の磁極数をP、各磁極の磁極角をθ、前記外周側空隙から前記回転子鉄心の外周面までの最短距離をD、前記固定子のスロット数をN、前記ティースの幅をW、1磁極において、磁極角θに相当する部分で発生する起磁力の総和をH0、磁極角θの内側に位置する1ティースに発生する起磁力をH1とすると、
前記回転子鉄心は、 D≧ W × (H0/H1)に形成されている。
図1は、実施形態に係る永久磁石型の回転電機を示す断面図。 図2は、前記回転電機の回転子および固定子の一部を拡大して示す断面図。 図3は、前記回転電機の回転子鉄心および永久磁石を示す斜視図。
以下に、図面を参照しながら、種々の実施形態について説明する。なお、実施形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は実施形態とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
図1は、実施形態に係る永久磁石型の回転電機の断面図、図2は、回転子の一部を拡大して示す断面図、図3は、回転子を示す斜視図である。
図1に示すように、回転電機10は、例えば、インナーロータ型の回転電機として構成され、図示しない固定枠に支持された環状あるいは円筒状の固定子12と、固定子の内側に中心軸線Cの回りで回転自在に、かつ固定子12と同軸的に支持された回転子14と、を備えている。回転電機10は、例えば、ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)において、駆動モータあるいは発電機に好適に適用される。
固定子12は、円筒状の固定子鉄心16と固定子鉄心16に巻き付けられた電機子巻線18とを備えている。固定子鉄心16は、磁性材、例えば、ケイ素鋼などの円環状の電磁鋼板を多数枚、同芯状に積層して構成されている。固定子鉄心16の内周部には、複数のスロット20が形成されている。複数のスロット20は、円周方向に等間隔を置いて並んでいる。各スロット20は、固定子鉄心16の内周面に開口し、この内周面から放射方向に延出している。また、各スロット20は、固定子鉄心16の軸方向の全長に亘って延在している。複数のスロット20を形成することにより、固定子鉄心16の内周部は、回転子14に面する複数(例えば、本実施形態では48個)の固定子ティース21を構成している。複数のスロット20に電機子巻線18が埋め込まれ、各固定子ティース21に巻き付けられている。電機子巻線18に電流を流すことにより、固定子12(固定子ティース21)に所定の鎖交磁束が形成される。
図1および図3に示すように、回転子14は、両端が図示しない軸受により回転自在に支持された円柱形状のシャフト(回転軸)22と、このシャフト22の軸方向ほぼ中央部に固定された円筒形状の回転子鉄心24と、回転子鉄心24内に埋め込まれた複数の永久磁石26と、を有している。回転子14は、固定子12の内側に僅かな隙間を置いて同軸的に配置されている。すなわち、回転子14の外周面は、僅かな隙間をおいて、固定子12の内周面に対向している。回転子鉄心24は中心軸線Cと同軸的に形成された内孔25を有している。シャフト22は内孔25に挿通および嵌合され、回転子鉄心24と同軸的に延在している。回転子鉄心24は、磁性材、例えば、ケイ素鋼などの円環状の電磁鋼板24aを多数枚、同芯状に積層した積層体として構成されている。
本実施形態において、回転子14は、複数磁極、例えば、8磁極に設定されている。回転子鉄心24において、中心軸線Cに対して径方向あるいは放射方向に各磁極の中心を通って延びる軸をd軸、およびd軸に対して電気的、磁気的に90°離間した軸をq軸と称する。ここでは、固定子12によって形成される鎖交磁束の流れ易い方向をq軸と称する。d軸およびq軸は、回転子鉄心24の円周方向に交互に、かつ、所定の位相で設けられている。回転子鉄心24の1磁極分とは、q軸間の領域(1/8周の周角度領域)をいう。このため、回転子鉄心24は、8極(磁極)に構成されている。1磁極のうちの周方向中央がd軸となる。
図1および図2に示すように、回転子鉄心24には、1磁極ごとに、2つの永久磁石26が埋設されている。回転子鉄心24の円周方向において、各d軸の両側に、永久磁石26の形状に対応した形状の磁石埋め込み孔(以下、埋め込み孔と称する)34が形成され、これらの埋め込み孔34に永久磁石26がそれぞれ配置されている。永久磁石26は、例えば、接着剤等により回転子鉄心24に固定されている。
各埋め込み孔34は、回転子鉄心24を軸方向に貫通して延びている。埋め込み孔34は、ほぼ矩形の断面形状を有し、それぞれd軸に対して傾斜している。回転子鉄心24の中心軸線Cと直交する断面でみた場合、2つの埋め込み孔34は、例えば、ほぼV字状に並んで配置されている。すなわち、2つの埋め込み孔34の内周側の端はそれぞれd軸に隣接し、僅かな隙間をおいて互いに対向している。回転子鉄心24において、2つの埋め込み孔34の内周側端の間に、幅の狭い磁路狭隘部(ブリッジ部)36が形成されている。2つの埋め込み孔34の外周側の端は、回転子鉄心24の円周方向に沿ってd軸から離間し、回転子鉄心24の外周面の近傍およびq軸の近傍に位置している。これにより、埋め込み孔34の外周側の端は、隣合う磁極の埋め込み孔34の外周側端と、q軸を挟んで対向している。回転子鉄心24において、各埋め込み孔34の外周側端と回転子鉄心24の外周縁との間に幅の狭い磁路狭隘部(ブリッジ部)38が形成されている。このように、2つの埋め込み孔34は、内周側端から外周側端に向かうに従って、d軸からの距離が徐々に広がるように配置されている。
図2に示すように、各永久磁石26は、矩形状の断面形状を有し、互いに平行に対向する第1表面および第2表面(裏面)、および互いに対向する一対の側面を有している。各磁石26は、第1表面および第2表面に垂直な方向に磁化されている。
各埋め込み孔34は、永久磁石26の断面形状に対応した矩形状の装填領域34aと、この装填領域34aの長手方向(永久磁石26の磁化方向に垂直な方向)の両側に延出する2つの空隙(内周側空隙34bおよび外周側空隙34c)と、更に、装填領域34aの長手方向両端において埋め込み孔34の内周側端面35aから埋め込み孔34内に突出した一対の係止凸部34dと、を有している。
装填領域34aは、平坦な矩形状の内周側端面35aと、この内周側端面35aと平行に対向する平坦な矩形状の外周側端面35bとの間に規定されている。内周側空隙34bは、第1内側面44aと、第2内側面44bと、第3内側面44cと、により規定されている。第1内側面44aは、装填領域34aの外周側端面35bの一端(d軸側の端)から回転子鉄心24の外周面に向かってd軸とほぼ平行に延出している。第2内側面44bは、装填領域34aの内周側端面35aの一端(d軸側の端、ここでは、係止凸部34d)から回転子鉄心24の中心軸線Cに向かってd軸とほぼ平行に延出している。第3内側面44cは、第1内側面44aの延出端と第2内側面44bの延出端とに跨り、d軸とほぼ平行に延在している。なお、第3内側面44cの両端部は、円弧面を介して第1内側面44aおよび第2内側面44bに繋がっている。2つの埋め込み孔34の内周側空隙34bは、第3内側面44b同志がd軸およびブリッジ部36を挟んで互いに対向して配置されている。
外周側空隙34cは、第1内側面46aと、第2内側面46bと、第3内側面46cと、により規定されている。第1内側面46aは、装填領域34aの外周側端面35bの他端(回転子鉄心外周面側の端)から回転子鉄心24の外周面に向かって延出している。第2内側面46bは、装填領域34aの内周側端面35aの他端(回転子鉄心外周面側の端、ここでは、係止凸部34d)から回転子鉄心24の外周面に向かって延出している。第3内側面46cは、第1内側面46aの延出端と第2内側面46bの延出端とに跨り、回転子鉄心24の外周面に沿って延出している。第3内側面46cと回転子鉄心24の外周面との間に、ブリッジ部38が規定されている。
内周側空隙34bおよび外周側空隙34cは、永久磁石26の長手方向両端部から回転子鉄心24への磁束漏れを抑制するフラックスバリアとして機能するとともに、回転子鉄心24の軽量化にも寄与する。
回転子鉄心24に複数の空隙孔(空洞部)30が形成されている。空隙孔30は、それぞれ回転子鉄心24を軸方向に貫通して延びている。空隙孔30は、それぞれq軸上で、回転子鉄心24の径方向ほぼ中央に位置し、隣合う磁極の2つ埋め込み孔34の間に設けられている。空隙孔30は、多角形、例えば、三角形の断面形状を有している。空隙孔30の断面は、q軸に直交する一辺30aと、それぞれ埋め込み孔34に間隔を置いて対向する2辺30b、30cと、を有している。各空隙孔30は、磁束を通り難くするフラックスバリアとして機能し、固定子12の鎖交磁束の流れや永久磁石26の磁束の流れを規制する。また、空隙孔30を形成することにより、回転子鉄心24の軽量化を図ることができる。
図2および図3に示すように、永久磁石26は、各埋め込み孔34に装填され、回転子鉄心24に埋め込まれている。永久磁石26は、例えば、横断面が矩形状の細長い平板状に形成され、回転子鉄心24の軸方向長さとほぼ等しい長さL1を有している。永久磁石26は、軸方向(長手方向)に複数に分割された磁石を組み合わせて構成されてもよく、この場合、複数の磁石の合計の長さが回転子鉄心24の軸方向長さとほぼ等しくなうように形成される。各永久磁石26は回転子鉄心24のほぼ全長に亘って埋め込まれている。永久磁石26の磁化方向は、永久磁石26の表面および裏面と直交する方向としている。
永久磁石26は、埋め込み孔34の装填領域34aに装填され、接着剤等により回転子鉄心24に固定されている。更に、永久磁石26は、一対の角部が係止凸部34dにそれぞれ当接している。これにより、永久磁石26は、装填領域34a内に位置決めされている。各d軸の両側に位置する2つの永久磁石26は、ほぼV字状に並んで配置されている。すなわち、2つの永久磁石26は、内周側端から外周側端に向かうに従って、d軸からの距離が徐々に広がるように配置されている。
各d軸の両側に位置する2つの永久磁石26、すなわち、1磁極を構成する2つの永久磁石26は、磁化方向が同一となるように配置されている。また、各q軸の両側に位置する2つの永久磁石26は、磁化方向が逆向きとなるように配置されている。複数の永久磁石26を上記のように配置することにより、回転子鉄心24の外周部において各d軸上の領域は1つの磁極40を中心に形成し、各q軸上の領域は磁極間部42を中心に形成している。本実施形態では、回転電機10は、隣接する1磁極40毎に永久磁石26のN極とS極の表裏を交互に配置した、8極(4極対)、48スロットで、単層分布巻で巻線した永久磁石埋め込み型の回転電機を構成している。
図2に示すように、本実施形態では、回転子鉄心24において、内周側空隙34bと回転子鉄心24の外周面との間の距離(最短距離)をD、各固定子ティース21の幅(回転子の周方向に沿った最少幅)をW、1磁極の磁極角(電気角、ラジアン)をθ、磁極数をP、固定子12のスロット数をNとする。なお、本実施形態において、磁極角θは、d軸の両側に位置する2つの外周側空隙34cの間の内角、より詳細には、第3内側面46cのd軸側端の間の内角、としている。
回転子14の円周方向に、起磁力がほぼ正弦波状に極対数分だけ、分布すると仮定する。また、起磁力の振幅を1とする。磁路幅を距離Dとする磁路を流れる磁束について、q軸の起磁力を考える。各磁極におけるq軸の起磁力について、磁極角θに相当する部分で発生する起磁力の総和H0は、
Figure 2019165592

となる。
q軸の起磁力について、磁極角θの内側に位置する1ティース分の起磁力H1は、
Figure 2019165592

となる。
1ティース21の磁束密度は、ティース幅Wと、1ティースの起磁力から、H1/Wに比例する。また、距離Dの領域(磁路)の磁束密度は、起磁力H0と距離Dから、H0/Dに比例する。回転子鉄心24における距離Dの領域(幅Dの磁路)が、磁気飽和しないようにするため、距離Dは、D≧ W × (H0/H1)としている。より望ましくは、回転子鉄心24は、
0.8×W×(H0/H1)≦ D ≦1.8×W×(H0/H1)
の関係を満たすように構成される。内周側空隙34bおよび外周側空隙34cは、距離(幅)Dが上記関係を満たす範囲内で、最大に形成されている。
上記のように構成された永久磁石型の回転電機10によれば、電機子巻線18に通電することにより、電機子巻線18から発生する鎖交磁束と、永久磁石26の発生磁界との相互作用により、回転子14がシャフト22を中心に回転する。回転電機10は、固定子12と永久磁石26との間に生じる吸引力と反発力に起因するマグネットトルクに加えて、磁束が通過する磁路を最短にしようとするリラクタンストルクとの総合トルクにより回転駆動される。回転電機10は、通電入力する電気的エネルギを、回転子14と一体回転するシャフト22から機械的エネルギとして出力することができる。
また、回転子鉄心24における磁路の幅Dを、磁気飽和が生じない範囲で最小限の幅とすることにより、その分、内周側空隙34bおよび外周側空隙34cを最大化することが可能となる。すなわち、トルク特性の低下を抑制しつつ、空隙を最大化し、回転子14の重量低減を図ることができる。
以上により、本実施形態によれば、トルク特性を維持しつつ重量の低減が可能な永久磁石型の回転電機が得られる。
なお、この発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、回転子の磁極数、寸法、形状等は、前述した実施形態に限定されることなく、設計に応じて種々変更可能である。内周側空隙、外周側空隙、および空隙孔の断面形状は、実施形態の形状に限定されることなく、種々の形状を選択可能である。
10…回転電機、12…固定子、14…回転子、16…固定子鉄心、
18…電機子巻線、20…スロット、22…回転軸、24…回転子鉄心、
26…永久磁石、30…空隙孔、34…埋め込み孔、34a…装填領域、
34b…内周側空隙、34c…外周側空隙

Claims (3)

  1. 内周面に開口する複数のスロットと、それぞれ隣り合うスロット間に形成された複数のティースと、を有する固定子鉄心と、前記複数のティースに巻回された電機子巻線と、を有する固定子と、
    前記固定子鉄心の内周面に隙間を置いて対向する外周面と前記外周面に沿って並んだ複数の磁極とを有する回転子鉄心と、前記各磁極に設けられた複数の永久磁石と、を具備し、中心軸線の回りで回転自在に設けられた回転子と、を備え、
    前記回転子鉄心は、それぞれ前記中心軸線に対して放射方向に延び前記磁極の中心を通る複数の磁極中心軸と、各磁極において、前記磁極中心軸の両側に設けられ、それぞれ前記永久磁石が装填された2つの埋め込み孔と、それぞれ隣合う前記磁極の間に設けられ、間隔を置いて前記埋め込み孔に対向する複数の空隙孔と、を有し、
    前記2つの埋め込み孔および2つの永久磁石は、前記磁極中心軸に隣接する内周側端と前記外周面に隣接する外周側端とを有し、前記磁極中心軸に対して線対称に配置され、前記内周側端から外周側端に向かうに従って、前記磁極中心軸からの距離が徐々に広がるように配置され、
    前記埋め込み孔の各々は、前記永久磁石が装填された装填領域と、前記永久磁石の内周側端から前記磁極中心軸に向かって拡がる内周側空隙と、前記永久磁石の外周側端から前記外周面に向かって拡がる外周側空隙と、を含み、
    前記回転子鉄心の磁極数をP、各磁極の磁極角をθ、前記外周側空隙から前記回転子鉄心の外周面までの最短距離をD、前記固定子のスロット数をN、前記ティースの幅をWとし、1磁極において、磁極角θに相当する部分で発生する起磁力の総和をH0、磁極角θの内側に位置する1ティースに発生する起磁力をH1とすると、
    前記回転子鉄心は、 D≧ W × (H0/H1)に形成されている
    回転電機。
  2. 前記回転子鉄心は、
    0.8×W×(H0/H1)≦ D ≦1.8×W×(H0/H1)
    の関係を満たすように形成されている請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記回転子鉄心は、前記埋め込み孔の前記装填領域を規定した内周側端面および内周側端面と対向する外周側端面と、前記内周側空隙を規定する第1内側面、第2内側面、第3内側面を有し、前記第1内側面は、前記外周側端面の前記磁極中心軸側の端から前記回転子鉄心の外周面に向かって延出し、第2内側面は、前記内周側端面の前記磁極中心軸側の端から前記回転子鉄心24の回転中心軸線に向かって延出し、前記第3内側面は、前記第1内側面の延出端と第2内側面の延出端とに跨り前記磁極中心軸に沿って延在し、
    前記距離Dは、前記第1内側面の延出端と前記回転子鉄心の外周面との間の最短距離である請求項1又は2に記載の回転電機。
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