以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図44を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿(図示せず)が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。
ベース板60は、木製の板部材から形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。なお、ベース板60を光透過性の樹脂材料から構成しても良い。この場合、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能となる。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口140へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口140へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口140へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口140に付随する羽部材945(電動役物)が開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。羽部材945が開放された状態(開放状態)にある場合は、その羽部材945が閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口140へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する羽部材945の開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで羽部材945が開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口140に付随する羽部材945が開放される時間および1回の当たりで羽部材945が開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する羽部材945が開放される時間や、1回の当たりで羽部材945を開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口140への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口140に付随された羽部材945が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口140の羽部材945が開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する羽部材945の開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する羽部材945の開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左右の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口140が配設されている。この第2入賞口140へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口140は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口140には羽部材945が付随されている。この羽部材945は開閉可能に構成されており、通常は羽部材945が閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口140へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、羽部材945が開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口140へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、羽部材945が開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、羽部材945が開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口140へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口140へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口140にあるような羽部材は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口140に付随する羽部材が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口140に入賞しづらいので、羽部材のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口140に付随する羽部材945が開放状態となりやすく、第2入賞口140に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口140へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて羽部材を開放状態にすると共に、第2入賞口140への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技盤13の構成が左右対称とされるため、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口140を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
第1入賞口64の下方には可変入賞装置65(図2参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口140への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口71は、特定入賞口65aの左右に一対で配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや羽部材を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には駆動モータMT1や、電磁ソレノイドSOL1,SOL2が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、遊技盤13及び動作ユニット300の構造について説明する。図5は、遊技盤13及び動作ユニット300の分解正面斜視図であり、図6は、遊技盤13及び動作ユニット300の分解背面斜視図である。なお、図5及び図6の説明においては、図2を適宜参照する。また、図6では、第3図柄表示装置81の図示が省略されている。
遊技盤13は、上述のように、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140、スルーゲート67、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80、左右一対の窓部可動ユニット150、遊技領域から排出された球が流下可能に構成される球流下ユニット290等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。
ベース板60は、上述のように、ベニヤ板を重ね合わせた合板から形成されており、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させないようにベース板60で遮蔽可能に形成される。
図6に示すように、ベース板60は、略中央位置において可変表示装置ユニット80を配設可能に穿設される貫通孔の他に、スルーゲート67に接続される電気配線を通すために穿設される複数(本実施形態では2個)の小貫通孔60aと、動作ユニット300の前端部と凹凸嵌合可能に凹設される複数(本実施形態では3個)の嵌合凹部60bと、左右下部において前後方向に穿設される複数(本実施形態では2個)の光透過孔60cとを備える。
光透過孔60cは、動作ユニット300側から照射された光が通過可能な位置に形成されており、発光演出の観点から、遊技盤13の演出効果の向上を図っている。このことについて詳しく説明する。
光通過孔60cの正面側には、光透過性の樹脂材料から形成される流下面構成部材91,92が配設されており、その流下面構成部材91,92の外側部94が光通過孔60cを覆設する態様で、流下面構成部材91,92はベース板60に締結固定される。
左右の流下面構成部材91,92は、右側の流下面構成部材92の正面側に覆設板FBが配設されることを除き、略左右対称形状で構成されるので、左側の流下面構成部材91について詳しく説明し、右側の流下面構成部材92の説明は省略する。
図5に示すように、流下面構成部材91は、ベース板60の正面に沿って配設される板状部が、内レール61と同等の幅の帯状に形成される帯状部93により遊技領域が区画されるように構成されており、帯状部93と、その帯状部93により区画される遊技領域の外側部分(正面視外側部分)である外側部94と、帯状部93により区画される遊技領域の内側部分(正面視内側部分)である内側部95とを備える。
外側部94は、上述のように、遊技領域の外側なので、球の流下に影響を与え難い部分として構成される。従って、外板部94が変位することに伴う球への影響を考慮する必要が無いので、外側部94の肉厚を薄く設計することができる。
また、外側部94を薄く設計した結果、内側部95の肉厚が薄くなったとしても、内側部95の背面側にはベース板60の肉部が配設されるので、ベース板60の剛性を利用して内側部95の前後方向の変位(厚み方向の変形)を抑制することができる。更に、外側部94及び内側部95の肉厚を薄く設計することにより、遊技領域の前後幅を十分に確保することができる。
このように、内側部95に要求される機能を損なわずに、外側部94の肉厚を薄く設計することができ、その結果として、動作ユニット300側から照射され光透過孔60cを通る光を、外側部94を介して遊技者に視認させ易くすることができる。
本実施形態では、ベース板60が木製の板部材から形成されるので、背面側から照射された光をベース板60の肉厚を介して遊技者に視認させることは困難である。一方で、本実施形態のように光透過孔60c(図6参照)を形成し、その背面側に発光手段を配置することで、ベース板60を木製の板部材で構成しながら、ベース板60を介して視認される明るさを容易に変化させることができる。
例えば、外側部94と、その他の部分とに正面視で連続的に繋がるように視認される装飾模様を形成する場合に、外側部94の背面側に配置される電飾基板777に配設される発光手段778の発光態様を複数種類で変化させ外側部94の明るさを変化させることで、同じ装飾模様であっても、その見え方を複数種類に変化させることができる。
また、例えば、発光手段778の発光態様により視認可能な模様を変化させる装飾部材を外側部94に貼り付けるようにしても良い。この場合、発光手段778の発光態様により遊技盤13の見栄え(イメージ)を大きく変化させることができる。
なお、発光態様により視認可能な模様を変化させる装飾部材の態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、イルミネーションプレートに代表されるような、光を当てる角度により異なる模様を視認可能に設計される部材でも良い。また、例えば、複数色で模様が描かれており、照射される光の色も複数色用意されている前提で、発光色を変えることで視認される模様を変化させるよう設計される部材でも良い。
内側部95は、上述のように、遊技領域の内側に配設されている。内側部95が変位(変形)すると、遊技領域を流下する球に影響を与える虞があるが、本実施形態では、内側部95の背面側にペース板60の肉部が配置されるように構成されているので(光透過孔60cが正面視で帯状部93に対して外側部94側に収まるように構成されているので)、ベース板60の剛性を利用して、内側部95の変位(変形)を防止することができる。これにより、球の流下を安定させることができる。
内側部95には一般入賞口63が配設されており、その一般入賞口63はルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、流下面構成部材91が遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されることにより固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
上述のように、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されており、そのセンターフレーム86の左右上隅部に窓部可動ユニット150が配設されている。
図7は、遊技盤13の分解背面斜視図である。なお、図7では、遊技盤13の下部の図示が省略され、補助装置160が分解され正面斜視で図示される。
窓部可動ユニット150は、回転変位可能とされ、センターフレーム86の内側の窓部において遊技者が視認可能に構成される変位部材151と、その変位部材151の背面側に配設され、変位部材151を駆動させる駆動力を発生させたり、変位部材151へ向けて光を照射したりする補助装置160とを備える。
変位部材151は、前後方向視二股形状に形成され、折れ曲がり部分付近に構成される基端部において軸支される二股部152と、その二股部152の両先端部に配設され背面側が開放される箱状(袋状、コップ状)に形成される先端部153と、二股部152の基端部から径方向へ張り出す張出部154とを備える。
先端部153は、底側を正面側へ向けた箱状(袋状、コップ状)に形成され遊技者が視認可能に配設される演出部153aと、その演出部153aの開放部側に締結固定されるリング状部であって、演出部153a側に比較して演出部153aの逆側の方がすぼまる形状とされるリング状部153bとを備える。
演出部153aは、内側面に光拡散形状(ギザギザ形状)が形成されており、背面側から開放部の内側に照射される光を拡散させることができるので、実際に照射される光は狭い範囲に照射されるものであっても、正面側から演出部153aを視認する遊技者に対して演出部153aの全体が(淡く)光っているように視認させることができる。
張出部154は、センターフレーム86側から突設される一対の爪部86aにより回転方向双方向で変位可能範囲を規定されている。即ち、変位部材151は、爪部86aの配置と、張出部154との関係で規定される角度(360度未満の角度)において回転変位可能に構成される。
図8は、補助装置160の分解正面斜視図であり、図9は、補助装置160の分解背面斜視図である。補助装置160は、変位部材151(図7参照)と当接可能な位置に配置される当接部材161と、その当接部材161に一端(正面側端)が相対回転不能に連結される金属製(本実施形態では、真鍮製)の伝達軸棒部162と、その伝達軸棒部162の他端(背面側端)に相対回転不能に連結される被駆動部材163と、伝達軸棒部162の両端に径方向から嵌め込まれる公知のEリング164と、伝達軸棒部162を軸支可能に構成され、全体がケース状に構成される支持ケース170と、その支持ケース170の内部に配設される電飾基板180とを備えている。
伝達軸棒部162は、中腹部の軸方向(前後方向)視の外形が真円形状である円柱状の部材であって、両側先端において所定の径方向から面状に削られることで、両側先端が断面略D字形状とされている。この両側端部が、当接部材161の被挿通孔161bや、被駆動部材163の被挿通孔163bと嵌合することで、当接部材161、伝達軸棒部162及び被駆動部材163が相対回転不能(一体的)に連結される。
当接部材161は、樹脂材料から形成されており、伝達軸棒部162が挿通される貫通孔であって断面D字形状に構成される被挿通孔161bが穿設される基端部161aと、その基端部161aの外方へ向けて延設され、正面視略コの字状に構成される腕部161cとを備える。
被駆動部材163は、樹脂材料から形成されており、伝達軸棒部162が挿通される貫通孔であって断面D字形状に構成される被挿通孔163bが穿設される基端部163aと、その基端部161aの外方へ向けて真っすぐに延設され、略平板状に構成される腕部163cとを備える。
被駆動部材163の上面には、金属製(磁性体)の金属板部材MB1が配設される。本実施形態では、金属板部材MB1は、弾性爪163dとの係合により被駆動部材163に固定される。
詳述すると、腕部163cの径方向両端部において金属板部材MB1の前後スライドを案内するレール部が配設されており、このレール部は、金属板部材MB1を正面側からのみ案内できるように形成されている(正面側のみ十分に開放されている)。レール部に沿って金属板部材MB1をスライドさせる際には弾性爪163dが金属板部材MB1により押し下げられており、そのまま金属板部材MB1をスライドさせると、レール部の背面側壁に金属板部材MB1が当たることでスライドが規制され、当該位置においては金属板部材MB1による弾性爪163dの押し下げは解除されており(金属板部材MB1の側面と対向する位置まで上昇しており)、弾性爪163dが金属板部材MB1の正面側への退避を規制するように係合する。
なお、金属板部材MB1の被駆動部材163への固定方法はこれに限られるものではない。例えば、金属板部材MB1を被駆動部材163に締結固定するものでも良いし、結束バンドでしばりつけても良いし、粘着性のテープ等で貼り付けても良い。
支持ケース170は、後部材170Bと、その後部材170Bの正面側に配設され伝達軸棒部162が挿通される支持孔174が形成される中部材170Mと、その中部材170Mの正面側に配設され正面側に装飾形状(波模様)が形成される前部材170Fとを備え、これら複数(本実施形態では3個)の板状部材が前後に積層され締結固定されている。
電飾基板180は、前部材170Fの形状に合わせて正面視略L字の板形状に形成されており、演出を考慮して設計された位置に配設される複数のLED等から構成される発光手段181と、電気配線が接続される部分として配設されるコネクタ182と、組み付け用に電飾基板180に穿設される複数の貫通孔183とを備える。
発光手段181は、正面視で光透過孔177の内側に配置される強発光手段181aと、光透過孔177の外側に配置される(前部材170Fの板背面と対向配置される)弱発光手段181bとを備える。
貫通孔183は、傾斜する方向に沿って長い長円形状で形成されている。これにより、正面視で外形が真円形状で形成される突設円柱部172に対する貫通孔183の組み付けを容易とすることができる。
即ち、電飾基板180の姿勢が傾斜する一方で(図10参照)、突設円柱部172の突設方向は傾斜していない(前後方向である)ので、同一方向で組み付ける場合に比較して組み付け不良(組み付けられなかったり、緩くなったり)が生じ易くなるが、本実施形態では、貫通孔183が電飾基板180の姿勢が傾斜する方向に沿って長い長円形状で形成されるので、傾斜する方向に沿う貫通孔183の余裕代を大きめにとることができ、突設円柱部172に対する貫通孔183の組み付けを容易とすることができる。
電飾基板180は、前部材170Fと中部材170Mとの間に収容されるが、この際、電飾基板180は板正面が斜め下方を向く(法線が正面側下方へ傾斜する)姿勢とされる。このことについて、図10を参照して詳述する。
図10は、図2のX−X線における窓部可動ユニット150の断面図である。なお、理解を容易とするために、後部材170Bの図示が省略され、変位部材151の外形が想像線で図示される。なお、X−X線は、上側の突設円柱部172の中心を通るよう配置される。なお、以下の説明では、図8及び図9を適宜参照する。
中部材170Mは、その正面側の壁状部の態様が、上側壁状部170MUと、下側壁状部170MDとで異なる。即ち、上側壁状部170MUは、非傾斜(法線が水平方向を向く)の壁状部として構成され、下側壁状部170MDは、傾斜する(法線が正面側下方へ向く)壁状部として構成される。
このように法線の異なる壁状部に対し、電飾基板180は、板背面が下側壁状部170MDに沿う姿勢(法線が正面側下方へ傾斜する姿勢)となるように支持される。即ち、組立状態(図2参照)において、電飾基板180の発光手段181から照射される光の光軸の方向は、正面側下方へ傾斜する。
中部材170Mは、正面側へ向けて枠状に突設される突設枠部171と、その突設枠部の内側において正面側へ細径円柱状に突設される複数の突設円柱部172と、左右外側(左側)隅部においてコネクタ182を囲う配置で前後方向に穿設される配線通し孔173とを備える。
突設枠部171は、前部材170Fの外枠部と前後で当接することで、電飾基板180の周囲に亘って封をする。これにより、電飾基板180が、前部材170Fと中部材170Mとの間から視認されることを回避することができると共に、同様の位置から光漏れが生じることを防止することができる。
突設円柱部172は、大径の座部と、その座部から更に突設される小径の挿通部とを備えており、電飾基板180の貫通孔183に挿通部が入るように組み付けることで電飾基板180の板背面が座部に支えられ、電飾基板180の配置を安定させることができる。
ここで、下側壁状部170MDに配設される突設円柱部172の座部に比べ、上側壁状部170MUに配設される突設円柱部172の座部が高くなっている。これにより、上述の傾斜姿勢で組み付けられる電飾基板180を安定して支持することができると共に、上側壁状部170MUと電飾基板180との間に空隙を確保することができる。
突設円柱部172の座部の突設先端は、電飾基板180の姿勢に合わせた傾斜面(下方へ向かう程に突設長さが短くなるよう構成される傾斜面)として形成されている。これにより、突設円柱部172に、電飾基板180の配置を安定させる機能のみならず、電飾基板180の姿勢を安定させる機能を付与することができる。
配線通し孔173は、電飾基板180のコネクタ182に接続される電気配線を通すための貫通孔である。この電気配線を介して電飾基板180にかけられる負荷により電飾基板180の姿勢維持を図ることができるので、電飾基板180を締結固定することなく、電飾基板180の姿勢を安定的に支持することができる。
前部材170Fは、有色(本実施形態では白色)で光透過性の樹脂材料から背側面が下側壁状部170MDと略平行な面となる形状で形成され、前後方向で円形に穿設される複数の光透過孔177と、背面側へ向けて細径円柱状に突設される複数の突設円柱部178と、板背面と外周を形成する枠部との間を連結する左右方向視L字形状のL字形支持部179とを備える。
光透過孔177は、発光手段181を構成するいずれかのLEDを正面視で囲むように形成される。これにより、光透過孔177の背面側に配設される発光手段181と、それ以外の発光手段181とでは、前部材170Fの正面側から視認される態様が変化する。即ち、光透過孔177の内側の方が、それ以外の箇所に比較して強発光しているように視認させることができる。
突設円柱部178は、複数が略同等の突設長さで形成されている。これにより、前部材170Fの本体板部と電飾基板180との間隔を電飾基板180の配設範囲全体に亘って一様としつつ、傾斜姿勢の電飾基板180を複数位置で面支持することができるので、発光手段181の配置自由度を維持すると共に発光態様のムラを抑えながら、電飾基板180の支持の安定感を向上することができる。
即ち、電飾基板180は板正面が正面側下方へ向く傾斜姿勢とされるので、その姿勢を維持するためには正面側から下支えすることが好ましいが、一箇所に大面積の支持部を設けて電飾基板180を支持するようにすると、電飾基板180の正面側に配設する発光手段181の配置可能領域が制限され易くなる傾向があった。発光手段181の配置可能領域を優先して支持部の面積を小さくすると、電飾基板180の姿勢が崩れ前部材170Fの本体板部と電飾基板180との間隔が電飾基板180の配設範囲でバラつき易く、発光態様のムラが生じやすくなる虞があった。
これに対し、本実施形態では、同様の突設高さで細径の突設円柱部178を複数設け、それらで電飾基板180の板正面を複数点で同時に支持できるように構成していることから、隣接する発光手段181の間に生じる小さな複数の隙間位置に電飾基板180を支持する突設円柱部178を複数配設することができる。これにより、発光手段181の配置自由度を維持すると共に発光態様のムラを抑えながら、電飾基板180の支持の安定感を向上することができる。
L字形支持部179は、組立状態において、電飾基板180の上面および正面と対向配置し、電飾基板180の変位を抑制するよう機能する。即ち、電飾基板180が自重で前倒れするのを、電飾基板180の板正面と対向配置するL字形支持部179の下部が下支えして防止している。
また、電飾基板180の板上面と対向配置するL字形支持部179の後部と電飾基板180とは、通常では隙間を空けて配置されることで、電飾基板180を緩く支持しながら、電飾基板180の上下方向の変位を最小限に抑制することができる。
なお、L字形支持部179と同形状の支持部が、中部材170Mの下側壁状部170MDの正面側にも形成されており(左右2位置に形成されており)、電飾基板180の下面および背面と対向配置し、電飾基板180の変位を抑制するよう機能する。即ち、本実施形態では、電飾基板180の上下に配置されるL字形支持部によって、電飾基板180の前後方向および上下方向への変位を抑制可能に構成している。
このように、本実施形態では、電飾基板180は直接的には締結固定されておらず、前部材170Fと中部材170Mとに前後から挟まれ支持されることで、安定的に支持されている。これは、例えば、中部材170Mと電飾基板180とを締結固定し、単一の剛体として構成すると、中部材170Mに生じる振動の影響を受けて電飾基板180が振動する可能性があるので、それを考慮しての対策である。
即ち、本実施形態によれば、電飾基板180が中部材170Mにも前部材170Fにも締結固定されていないので、中部材170Mや前部材170Fに振動が生じた場合であっても、それと独立して電飾基板180の配置を維持し易くすることができる。
ここで、中部材170Mの振動の原因になり易いのは、中部材170Mの背面側に配設される電磁ソレノイドSOL1であると考えられるが、本実施形態では、電磁ソレノイドSOL1は、上側壁状部170MUの正面側に生じる隙間を挟んで電飾基板180の反対側(背面側)に配設される。
この構成により、電磁ソレノイドSOL1の振動は細径の突設円柱部172を介して電飾基板180に伝達されることになるので、振動ソレノイドSOL1の振動を突設円柱部172の変形で緩和することができ、電飾基板180に振動が伝達されることを抑制することができる。従って、振動源としての電磁ソレノイドSOL1から電飾基板180へ直接的に振動が伝達されることを回避することができる。
中部材170Mは、伝達軸棒部162の直径よりも若干長い直径で前後方向に穿設され伝達軸棒部162を回転可能に支持可能に構成される支持孔174と、電磁ソレノイドSOL1の下方に配設される下側規制部175と、電磁ソレノイドSOL1に対して支持孔174の反対側に配設される上側規制部176とを備える。
被駆動部材163は通常、自重で傾倒している(図11(a)参照)が、電磁ソレノイドSOL1に電気が供給されることで磁力(電磁力)が発生し、その磁力(電磁力)により金属板部材MB1が吸着され上昇変位する。即ち、本実施形態では、金属板部材MB1が電磁力で上昇した結果配置される上昇位置と、電磁力が消失し自重で下降した結果配置される下降位置との間で変位することに伴って当接部材161及び被駆動部材163が回転変位する。以下、図11及び図12を参照して、その回転変位について説明する。
図11(a)は、窓部可動ユニット150の背面図であり、図11(b)は、窓部可動ユニット150の正面図である。また、図12(a)は、窓部可動ユニット150の背面図であり、図12(b)は、窓部可動ユニット150の正面図である。
なお、図11(a)及び図11(b)では、電磁ソレノイドSOL1に電気が供給されておらず被駆動部材163が自重で傾倒している状態(下降位置の状態)が図示され、図12(a)及び図12(b)では、電磁ソレノイドSOL1に電気が供給され発生する電磁力により金属板部材MB1及び被駆動部材163が上昇している状態(上昇位置の状態)が図示される。
また、図11(a)及び図12(a)では、理解を容易とするために、後部材170Bの図示が省略され、図11(b)及び図12(b)では、変位部材151の外形と背面側の開放部の形状が想像線で図示される。
図11(a)及び図12(a)に示すように、被駆動部材163は、下降位置においては下側規制部175の上面に貼り付けられるクッション部175aに当接し下降変位を規制され、上昇位置においては上側規制部176の下面に貼り付けられるクッション部176aに当接し上昇変位を規制される。
なお、クッション部175a,176aの材質は何ら限定されるものではない。例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン等の汎用プラスチックでも良いし、ポリカーボネート等のエンジニアリングプラスチックでも良いし、メラミン樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂でも良いし、ゴム性材料でも良い。また、クッション部175a,176aの材質を同じで構成しても良いし、異ならせても良い。
ここで、下側規制部175及び上側規制部176は、伝達軸棒部162を基準とした配置(伝達軸棒部162からの距離)が異なるように構成されているが、それにより生じる効果について説明する。
まず、下側規制部175に被駆動部材163を介して与えられる負荷は、主に被駆動部材163の自重により生じる負荷であるので、被駆動部材163の重心を支えることで被駆動部材163を安定して支持することができる。この理由から、下側規制部175は、被駆動部材163の重心位置(腕長さの略中央位置)に配設される。
これに対し、上側規制部176に被駆動部材163を介して与えられる負荷は、主に電磁ソレノイドSOL1で生じる磁力(電磁力)による負荷であるので、上規制部材176の配置を被駆動部材163の重心位置に関連させる利点は少ない。本実施形態では、上規制部材176を被駆動部材163の回転先端に対向配置させることで、被駆動部材163を介して上規制部材176へ伝達される負荷を低減している。
即ち、同じ大きさの力のモーメントが発生している場合、被駆動部材163の回転軸から離れた位置(モーメントに係る腕が長い位置)の方が、被駆動部材163を介して伝達される負荷が小さくなるので、上規制部材176へ伝達される負荷を低減することができる。
このように、上規制部材176への負荷伝達は、被駆動部材163の回転先端部において生じることが望ましいので、本実施形態では、クッション部176aの幅寸法(径方向幅)が短くされる(クッション部175aの幅寸法よりも短くされる)。これにより、被駆動部材163の中間部で負荷伝達することを回避し、回転先端での負荷伝達を安定的に生じさせることができる。
また、上昇位置では電磁ソレノイドSOL1による磁力(電磁力)が発生し続けるので、クッション部176aに衝突した後で被駆動部材163が跳ね返ることは考えにくい。
一方、下側規制部175のクッション部175aの幅寸法(径方向幅)を長く(クッション部176aの幅寸法よりも長く)することで、負荷を受ける面の面積を広くすることができ、被駆動部材163の自重による負荷によりクッション部175aに生じる圧力(応力)を低減することができる。これにより、クッション部175aに衝突した後の被駆動部材163の跳ね返り(バウンド)を抑制することができる。
従って、本実施形態によれば、上下両方向の変位時において被駆動部材163を介してクッション部175a,176aに伝達される負荷を低減しながら、被駆動部材163の跳ね返りを抑制することができる。
上側規制部176の下方には、中部材170Mの背面側に湾曲形状で突設される突設部176bが形成される。突設部176bは、被駆動部材163の回動先端部と対向配置され、被駆動部材163が正面側に変位した場合に被駆動部材163との接触を小面積で抑えながら、被駆動部材163の回動を案内する。
図11(b)及び図12(b)に示すように、正面視で光透過孔177の内側に配置される強発光手段181aの正面側に変位部材151の先端部153が配置される。そのため、強発光手段181aから照射される光は、先端部153を介して遊技者に視認される。
上述したように、演出部153aの内部形状によって、正面側から演出部153aを視認する遊技者に対して演出部153aの全体が(淡く)光っているように視認させることができるので、強発光手段181aの実際の配置は変化しない一方で変位部材151が変位する状況においても、演出部153aの発光態様の変化を抑制することができる。
換言すれば、演出部153aを介して視認される光が、演出部153aの変位と同期して変位しているように遊技者に視認させることができるので、あたかも演出部153aの内側にLED等の発光手段が配設され、演出部153aの変位と同期して変位しているかのように錯覚させることができる。
一方で、弱発光手段181bは固定位置で発光しているように見せることができるので、配置固定の電飾基板180を採用しながら、その電飾基板180に配設される弱発光手段181bは固定位置で発光しているように視認させ、同じく電飾基板180に配設される強発光手段181aは変位しながら発光しているように視認させることができる。
これにより、電飾基板を複数採用して、第1の基板は固定配置で、第2の基板は変位可能に構成することで実現が図られがちな発光演出を、配置固定で単一の電飾基板を利用して実現することができる。その結果、同様の演出効果を奏しながら、電飾基板の枚数を減らすことができる。
図5に戻って説明する。動作ユニット300は、遊技盤13の背面側に配置され、各種発光手段や、各種動作ユニットが内部に配設されている。
図13は、動作ユニット300の分解正面斜視図である。動作ユニット300は、底壁部311と、その底壁部311の外縁から立設される外壁部312とから正面側が開放された箱状に形成される背面ケース310とを備える。
背面ケース310は、底壁部311の中央に矩形状の開口311aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口311aは、第3図柄表示装置81の表示領域の外形(外縁)に対応した(即ち、第3図柄表示装置81の表示領域を正面視で区切ることが可能な)大きさに形成される。
動作ユニット300は、背面ケース310の内部空間に、可動装置が開口311aの上側を含む経路で変位可能に配設される第1動作ユニット400と、開口311aの左右両側に配設され、発光演出等を行う左右演出ユニット600と、開口311aの下側に配設される第2動作ユニット700と、がそれぞれ収容され、これを1ユニットとして構成される。
具体的には、第1動作ユニット400は、開口311aの上方位置において、第2動作ユニット700は、開口311aの下方位置において、それぞれ背面ケース310の底壁部311に配設される。なお、図5では、第1動作ユニット400及び第2動作ユニット700が背面ケース310に装着された状態が図示される。
背面ケース310は、外壁部312の正面側端部に遊技盤13の背面に沿う(例えば、平行に配置される)平面板として延設され、組立状態(図2参照)において遊技盤13を面支持する支持板部313を備える。
支持板部313は、遊技盤13のベース板60に形成される嵌合凹部60bと嵌合可能な形状で正面側へ向けて突設される位置決め凸部313aと、ベース板60に締結される締結ネジを挿通可能に穿設される複数の挿通孔313bとを備える。
嵌合凹部60b(図6参照)に位置決め凸部313aを嵌合させることによりベース板60に対して背面ケース310を位置決めし、締結ネジを挿通孔313bに挿通し、ベース板60に螺入することにより、遊技盤13と動作ユニット300とを一体的に固定することができるので、遊技盤13及び動作ユニット300の全体としての剛性の向上を図ることができる。
なお、位置決め凸部313aの形状は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、嵌合凹部60bの内形(本実施形態では、円形または長円形)よりも若干小さな外形の凸部でも良いし、組み付け時の作業性を考慮して、嵌合隙間が大きくなるような形状(更に小さな外形)の突部でも良い。また、嵌合凹部60bの内形が矩形状に形成される場合には、それに対応して位置決め凸部313aの形状も矩形状とされることは当然想定される。
図5及び図13に示すように、本実施形態では、背面ケース310の左側および上側に支持板部313が多く密に配設され、右側および下側では支持板部313の形成が少なくされるが、これは遊技盤13及び動作ユニット300の全体としての剛性の向上と、スペース効率とのバランスを考慮して設計した結果である。
即ち、本実施形態のように遊技盤13のベース板60がベニヤ板を重ね合わせた合板から形成されている場合、遊技盤13の背面側に配設される可動部材はベース板60の肉部を通しては視認不能となるので、可動部材を視認可能に配設する演出用の領域として遊技盤13のベース板60に開口形成(側面から凹設形成)できる領域の背面側全体が有効となる。
これに対し、支持板部313を形成する箇所においては、支持板部313の正面視における面積の分だけ背面ケース310の内部空間が内側に侵食されることになるので、その分、可動部材を配設可能な領域が狭まることになる。そのため、支持板部313を省略しても強度的な問題が解消されたまま維持可能であれば、支持板部313を省略することで可動部材の配設範囲が制限されることを回避できるということである。
本実施形態において背面ケース310の左側および上側に支持板部313が多く配設されているのは、遊技領域等に発射された球を遊技者が視認可能な領域の範囲と関連がある。即ち、発射された球が視認される範囲以外の箇所において、支持板部313を形成するようにしている。
より詳しく説明すると、本実施形態において、球発射ユニット112a(図4)から発射された球は、内レール61及び外レール62の間を通り、戻り球防止部材68を通過するようにして遊技領域に導入され、それ以降は遊技領域を流下するように構成される。弾球遊技において、もっとも注目が集まると考えられる箇所は球が通る箇所であり、その他の外方領域(例えば、外レール62や内レール61を挟んで第3図柄表示装置81の反対側の領域)への注目力は低いことが通常である。
そのため、球が到達し得ない範囲としての、外レール62により形成される左に凸の円弧を基準とした左下部および左上部と、上に凸の円弧を基準とした左上部および右上部とへの遊技者の注目力は低くなると考えられる。
加えて、本実施形態では、上述の外縁部材73と、外レール62の左下部および左上部における外レール62に対する面が外レール62に沿う形状に形成され遊技盤13の正面側に配設されるブロック状部材74とは、光不透過の樹脂材料から形成されており、遊技盤13がそもそも光を透過し難いベニヤ板から構成されていることに加え、遊技盤13の正面側から外縁部材73やブロック状部材74を介して遊技盤13の背面側を視認することはできないように構成されている。
本実施形態では、これらの注目力が低くなる箇所や、視認不能な箇所に、優先的に支持板部313を配設している。現に、支持板部313が多く形成される左側部および上側部においても、支持板部313は、外レール62の張出端部としての中央部は避けて、背面ケース310の隅部付近に形成される。
換言すれば、支持板部313を形成することによりスペースが侵食される箇所を、そもそも視認性の低い(演出能力の低い)箇所から選択することにより、動作ユニット300及び遊技盤13全体の剛性の確保を図るという効果を奏しながら、球に注目する遊技者の視界に入る領域の設計自由度を高く確保することができる。
この観点において、球発射ユニット112aにより発射された球を外レール62に沿って転動させ遊技領域に導入するというパチンコ機に共通の構成があることから、球が流下しない範囲を左下部、左上部および右上部に容易に配設することができる。
右側の外壁部312の略下半部には、背面側へ向けて切り欠かれる(切欠き形成される)切り欠き部312aを備える。この切り欠き部312aは、正面視で遊技盤13の帯状部93(図5参照)よりも下方において切り欠かれており、組立状態(図2参照)において、遊技盤13との間に隙間を形成する。
このように切り欠き部312aが形成されることにより、以下のような効果を奏することができる。例えば、切り欠き部312aにより形成される隙間を、可変入賞装置65に連結される電気配線が背面ケース310の外方へ通過する配線通しとして機能させることができる。これにより、配線を上下へ引き回す場合に比較して、電気配線が他の構成部分と干渉する可能性を低くすることができる。
また、切り欠き部312aにより形成される隙間を、可変入賞装置65に必要となる構成の配置スペースとして利用することができる。なお、可変入賞装置65に必要となる構成としては、例えば、駆動力を発生させるソレノイドや、球を流す流路や、発光演出に伴う基板や、球を検出する検出センサや、その他構造物等が例示される。
また、切欠き部312aの近傍にLED等の発光手段を配置することで、その発光手段から照射される光を、輪郭のぼやけた光として遊技者に視認させ易くすることができる。換言すると、背面ケース310の全周が遊技盤13と連結されている場合(遊技盤13の背面側から照射される光の境界が背面ケース310の形状に沿って形成される場合)に比較して、遊技盤13を通して視認される光の境界を曖昧にすることができる。これにより、遊技盤13を通して視認される光の境界が背面ケース310の形状に依存することを避けることができ、発光演出の自由度を向上することができる。
更に、LED等の発光手段に接続される電気配線を、遊技盤13の背面に沿って動作ユニット300の外部へ出すように配設する場合に比較して、切り欠き部312aを通して電気配線を動作ユニット300の外部へ出す本実施形態のような構成の方が、電気配線がLEDから発光される光を遮る可能性を低くすることができる。
即ち、電気配線をLEDの正面側にまわすことなく動作ユニット300の外部に出すことができるように構成することで、電気配線がLEDから発光される光を遮る可能性を排除することができる。従って、LED等の発光手段から発光される光による演出の設計自由度を向上することができる。
なお、切り欠き部312aの形成長さ(上下方向長さ)は何ら限定されるものではない。例えば、上下の支持板部313の間の全領域(上下幅)に亘って切り欠き部312aが形成されるようにしても良い。
上述したように、本実施形態では、背面ケース310の右側部において遊技盤13との締結固定が省略されるので、遊技盤13の右側部における剛性を考えるにあたり、動作ユニット300の剛性に頼ることはできない。
この対策として、本実施形態では、遊技盤13の右端部に対応する位置において外縁部73に金属製の金属板状部材75が配設される。以下、金属板状部材75について説明する。
図14は、遊技盤13、外縁部材73及び金属板状部材75の分解正面斜視図であり、図15は、遊技盤13、外縁部材73及び金属板状部材75の分解背面斜視図である。なお、図14及び図15では、理解を容易とするために、遊技盤13が単体で図示され、遊技盤13に配設される他の部材の図示が省略される。
外縁部材73は、樹脂材料から形成され、上側部を構成し内側面が円弧形状とされる円弧壁部73aと、その円弧壁部73aの下端部から下方へ向けて薄壁状に延設される縦壁部73bと、その縦壁部73bの下端部から左方へ向けて下降傾斜する上面を有して形成される傾斜壁部73cと、を備える。このように、外縁部材73を、上下方向のほぼ全域を覆う単一の部材で構成することで、外縁部材73が上下に分かれる複数の部材から形成される場合に比較して、外縁部材73の遊技盤13への組み付け工数を少なくすることができる。
縦壁部73bは、右面部に沿って背面側へ板状に突設される複数の板状突設部73b1と、右面部の正面側縁部から上下方向視コ字状に折曲形成される複数の折曲部73b2と、円弧壁部73a及び傾斜壁部73cとの継ぎ目部分において背面側へ円柱状に突設される円柱突設部73b3と、その円柱突設部73b3に併設され締結ネジを螺入可能に形成される締結部73b4と、を備える。
折曲部73b2は、板状突設部73b1の配設間隔の中間位置に配置される。これにより、後述する金属板状部材75との関係において、金属板状部材75に形成される継ぎ目貫通部75cの形成個数の抑制を図りながら、縦壁部73bに対する金属板状部材75の保持力を向上させることができる。
換言すれば、3箇所の板状突設部73b1のみで金属板状部材75の湾曲に抵抗する場合に比較して、板状突設部73b1と、折り曲げ部73b2とで金属板状部材75の湾曲に対する抵抗力を生じさせることができるので、一箇所に発生する負荷を低減することができる。加えて、板状突設部73b1及び折り曲げ部73b2が等間隔で配設されることで、金属板状部材75の湾曲発生時に生じる負荷を均等に割り当てることができるので、いずれか一か所に過大な負荷が生じることを防止することができる。
金属板状部材75は、短手方向が複数回折り返される一方、長手方向には折り目無く形成される本体板部75aと、その本体板部75aの背面側縁において左方へ折曲形成される折曲部75bと、本体板部75a及び折曲部75bとの継ぎ目部分に前後方向へ貫通形成される複数の継ぎ目貫通部75cと、折曲部75bの上下端部において前後方向に貫通形成される貫通孔75dと、その貫通孔75dの形成された板部に併設され正面側へ段付けされた板部に締結ネジが挿通可能に穿設される挿通孔75eと、を備える。
金属板状部材75は、本体板部75aの折り目の付き方に加えて、折曲部75bが上下方向に亘って形成されることから長尺方向の湾曲に特に強い抵抗を発生させる。そのため、長尺方向で湾曲し易い縦壁部73bと一体的に配設することで、縦壁部73bを効率的に補強することができる。
継ぎ目貫通部75cは、縦壁部73bの板状突設部73b1を挿通可能な大きさで形成される。本実施形態では、継ぎ目貫通部75cに板状突設部73b1を挿通させることで、縦壁部73bと金属板状部材75を一体化することができるように形成される。
金属板状部材75を縦壁部73bに一体化するように組み付けると、本体板部75aの正面側縁は折曲部73b2と縦壁部73bの外側面との間に挟まれ、円柱突設部73b3が貫通孔75dに挿通される。このように、金属板状部材75と縦壁部73bとは、上下方向に亘り複数箇所で互いに位置決めされる。この状態で、挿通孔75eに挿通した締結ネジを締結部73b4に螺入することで、外縁部材73と金属板状部材75とを締結固定することができる。
上記構成から、金属板状部材75は縦壁部73bの上下に亘って配設されるので、縦壁部73bの全体を補強することができる。ここで、縦壁部73bの板状突設部73b1及び円柱突設部73b3は、金属板状部材75を突き抜け、背面側まで延びており、その先端部は遊技盤13に係合する。以下、金属板状部材75と遊技盤13との係合について説明する。
遊技盤13は、正面の右側縁に板状突設部73b1を受け入れ可能に凹設される複数の凹設部13eと、その凹設部13eの上側および下側において円柱突設部73b3を受け入れ可能な窪みとして凹設形成される複数の位置決め孔13fと、を備える。
外縁部材73及び金属板状部材75が一体化した状態で遊技盤13に組み付けられると、板状突設部73b1が凹設部13eに、円状突設部73b3が位置決め孔13fに、それぞれ受け入れられ、位置決めされる。即ち、板状突設部73b1及び円状突設部73b3は、金属板状部材75との位置決めだけでなく、遊技盤13との位置決めにも兼用される。これにより、位置決め個数の低減を図ることができる。
本実施形態では、上述のように、金属板状部材75が縦壁部73bの湾曲を抑制するように組み付けられるので、縦壁部73bに単体で十分な剛性を付与する必要が無く、縦壁部73bを、単体では容易に左右方向へ湾曲する程に薄く形成することができる。
更に、金属板部材75の剛性により遊技盤13の変形を抑制できる(剛性を向上することができる)ので、遊技盤13と背面ケース310との間に隙間が生じていても、遊技盤13の形状を維持することができる。
図5及び図13に戻って説明する。動作ユニット300の第3図柄表示装置81の上側には、第1動作ユニット400が配設されている。第1動作ユニット400は、図5及び図13に示す状態から、第3図柄表示装置81の正面側の位置まで変位可能な発光演出装置LA1を備えており、第3図柄表示装置81の表示と同期して変位するよう制御したり、遊技者が操作可能な枠ボタン22の操作と同期して変位するよう制御したりすることで、遊技者を視覚的に楽しませる装置である。以下において、第1動作ユニット400の詳細について説明する。
図16及び図17は、動作ユニット300の部分正面図である。図16では、第1動作ユニット400の各構成部材が第3図柄表示装置81の上側へ退避する退避状態が図示され、図17では、第1動作ユニット400の各構成部材が退避状態よりも第3図柄表示装置81側へ張り出す(下降する)張出状態が図示される。
図16及び図17に示すように、背面ケース310の内部形状は左右対称には作られていない。特に、上側壁(天井面)については、払出ユニット93のタンク130の形状(図3参照)との関係により、正面視右側の方が、正面視左側に比較して下がっている。即ち、タンク130が動作ユニット300の上部右側に配設されるところ、その配設領域を確保するために、背面ケース310の上側壁が、左側に比較して右側の方が下がった位置に配設されている(壁模式線ULに沿って配設されている)。
このように、背面ケース310の内側において、右側に比較して左側の方が大きな領域を確保し易い(天井高さに余裕がある)ことから、本実施形態では、駆動モータMT1や、コイルスプリングSP1などの演出の見栄えに直接は影響しない(遊技者に視認させることを目的としない)補助的装置を左側に配設するようにしている。
これにより、背面ケース310の上壁の左右非対称形状により生じる窪み(隙間部分)を有効利用して駆動モータMT1やコイルスプリングSP1を配設でき、第1動作ユニット400の下縁を左右対称形状としながら最大限上側に寄せることができるので、第3図柄表示装置81の表示の視認領域の上下寸法を大きく確保し易くすることができる。
また、本実施形態では、背面ケース310の上壁の左右非対称形状に合わせて、第1動作ユニット400の羽状部材460(図16参照)の形状のうち、第1動作ユニット400の退避状態で背面ケース310の上壁に対向配置する側の形状を設計している。即ち、左側の羽状部材460を、右側の羽状部材460に比較して背面ケース310の上壁側に張り出す形状で設計している。
なお、羽状部材460は、第1動作ユニット400の退避状態から張出状態へ状態が変わることで合体し、一体的に視認されるよう構成され、この状態において左右対称形状となるよう設計されるので、左右の羽状部材460が非対称形状で構成されていることを遊技者に気づかれ難くすることができる。
本実施形態では、第1動作ユニット400の退避状態において、羽状部材460の非対称形状部分(合体する際に当接する上側辺)が遊技盤13に隠されるので(図2参照)、左右の羽状部材460が非対称形状で構成されていることを遊技者に気づかれ難くすることができる。
図18及び図19は、第1動作ユニット400の正面斜視図であり、図20及び図21は、第1動作ユニット400の背面斜視図である。図18及び図20では、第1動作ユニット400の退避状態が図示され、図19及び図21では、第1動作ユニット400の張出状態が図示される。
第1動作ユニット400は、駆動モータMT1が回転駆動されることにより、間に介在する複数のギアを介してアーム部材414が回転移動し、その回転移動と同期して昇降板430が昇降する。
昇降板430は、略左右中央位置に配設され、上下に伸縮可能に構成される金属製の金属レール405と、アーム部材414の左右反対側に配設される補助アーム部材444とに支持される。
昇降板430には、補助アーム部材444の姿勢変化と同期して上下方向に相対変位する相対変位部材442が配設されており、この相対変位部材442の変位と同期して、左右対称に回転変位する複数の羽状部材460が変位する。
従って、第1動作ユニット400の構成部材は、駆動モータMT1の駆動に伴い、昇降と、回転とが組み合わされた変位態様で退避状態と張出状態との間で変位する。これにより、単一の駆動モータMT1を利用するだけにも関わらず、複数方向で構成部材を変位させることができるので、演出効果を向上させることができる。
図20に示すように、第1動作ユニット400の退避状態において、補助アーム部材444の円弧上ギア部444bの上端位置部が、昇降板430の上縁部よりも上方へ張り出すように構成される。第1動作ユニット400の退避状態において、昇降板430の上縁部は遊技盤13のベース板60により遮蔽され(図2参照)、視認され難いことから、昇降板430の上縁部から円弧状ギア部444bが張り出していることを遊技者に気付かれ難くすることができる。
一方で、第1動作ユニット400の退避状態から張出状態へ向けて昇降板430を下降変位させることに連動して補助アーム部材444は回転するので、退避状態において昇降板430の上縁部よりも上方へ張り出していた円弧状ギア部444bは(図27参照)、昇降板430の下降変位に伴い下方へ変位し、昇降板430の上縁よりも下方に隠される(図28参照)。
このように、配置上ベース板60に遮蔽される箇所において補助アーム部材444の円弧状ギア部444bの昇降板430からの張り出し(はみ出し)を許容し、昇降板430がベース板60に遮蔽されない位置に変位するまでに張り出し分を昇降板430の背面側に隠すように補助アーム部材444を変位させるように構成することで、常に昇降板430の背面側に補助アーム部材444を隠すように構成する場合に比較して補助アーム部材444及び昇降板430の設計自由度を向上することができる。
例えば、昇降板430の上縁部をより下側に配置することができるので、昇降板430の上縁部と背面ケース310の上部の外壁部312との干渉を避け易くすることができる(図16参照)。
また、補助アーム部材444を回転変位する構成とすることで、第3図柄表示装置81側にラックギア状の部分(直線に沿って形成されるギア歯を有する部分)が張り出したまま維持される状況を回避しながら、昇降板430の第3図柄表示装置81側への張り出し長さを十分に確保することができる。
即ち、固定のラックギア状の部分を本体板部401の昇降板430側に形成し、回転ギア441と歯合するように構成しても、昇降板430の上下変位に伴い昇降板430に対して相対変位部材442を上下変位させることはできるが、この場合、固定のラックギア状の部分を昇降板430が配置される位置に沿って常に配設させておく必要がある。そのため、本実施形態の昇降板430のように昇降板430の大部分が本体板部401の下縁から下方に張り出す構成を流用すると、固定のラックギア状の部分を本体板部401の下縁から第3図柄表示装置81側へ張り出して形成する必要があった。
そのため、第3図柄表示装置81が固定のラックギア状の部分に遮蔽されることにより第3図柄表示装置81の視認性が悪くなる不具合や、第1動作ユニット400の退避状態において昇降板430でラックギア状の部分を隠す目的から昇降板430の設計自由度が低くなる不具合等が生じる虞がある。
これに対し、本実施形態によれば、固定のラックギア状の部分の代わりに、可変の補助アーム部材444を採用しているので、昇降板430の変位に合わせて、その背面側に(隠すように)補助アーム部材444を配置させることができる。従って、第3図柄表示装置81側にラックギア状の部分が張り出したまま維持される状況を回避しながら、昇降板430の第3図柄表示装置81側への張り出し長さ(変位量)を十分に確保することができる。
図22(a)及び図23は、第1動作ユニット400の分解正面斜視図であり、図22(b)は、羽状部材460と補助部材470の歯合状態を示す羽状部材460及び補助部材470の正面斜視図であり、図24及び図25は、第1動作ユニット400の分解背面斜視図である。
図22(a)、図23、図24及び図25に示すように、第1動作ユニット400は、樹脂材料から左右に長尺の板状に形成され、背面ケース310(図16参照)の底壁部311に締結固定される本体板部401と、その本体板部401に回転可能に軸支される複数部材から構成される伝達ユニット410と、その伝達ユニット410のアーム部材414の先端に連結される連結板部421を含み同一平面上に配置される複数の板状部から構成される背面配置板420と、その背面配置板420の正面側に配置され、背面配置板420が締結固定される昇降板430と、その昇降板430と背面配置板420の収容板部425との間に支持される同期動作ユニット440とを備える(図23及び図25参照)。
加えて、第1動作ユニット400は、昇降板430に締結固定される板状の支持板部450と、その支持板部450に回転可能に支持され、同期動作ユニット440の正面側に締結固定される固定伝達板490の変位により与えられる負荷で回転変位する左右一組の羽状部材460と、その羽状部材460と同期回転する補助部材470とを備える(図22(a)、図22(b)及び図24参照)。
本体板部401は、伝達ギア412を軸支する軸支柱部402と、その右下部に配置され終端ギア413を支持する終端支持部403と、アーム部材414を支持する柱状部であるアーム支持部404と、左右中央部に配設され正面側部が上下変位可能となるように背面側部が固定される金属レール405と、その金属レール405よりも右側において左右長尺の開口として穿設される長孔部406と、光透過性の樹脂材料から板状に形成され長孔部406が形成される領域に背面側から蓋をする蓋部407と、状態を検出するための検出センサSC1とを備える。
終端支持部403は、軸支柱部402と同形状で形成される軸支柱部403aと、その軸支柱部403aを中心とする円に沿って突設される円環状突部403bと、その円環状突部403bと軸支柱部403aとの間の位置において扇状に正面側に突設されるストッパ部403cとを備える。ストッパ部403cは、一般的な圧縮成形により構成されるものであり、突設部の反対側は凹設部として形成される。
蓋部407は、長孔部406が形成される領域を閉塞する。本実施形態では、後述するように、本体板部401に貫通形成される配線通し孔401aを本体板部401の正面側から通り長孔部406の背面側に到達した電気配線DH1が、長孔部406を通して正面側へ案内される。そのため、蓋部407が無く、背面側が開放された状況では、電気配線DH1が背面側へ張り出し、組立作業に伴い背面ケース310の底壁部311(図13参照)と本体板部401との間で挟み込まれる虞がある。これに対し、本実施形態では、電気配線DH1が配置される領域が蓋部407により仕切られるので、電気配線DH1が底壁部311と本体板部401との間で挟み込まれることを防止することができる。
これにより、電気配線DH1の配置を確認することなく第1動作ユニット400を背面ケース310に組み付けることができるので、組立作業の効率化を図ることができる。
伝達ユニット410は、駆動モータMT1の回転軸に相対回転不能に連結される駆動ギア411と、その駆動ギア411に歯合され軸支柱部402に回転可能に軸支される伝達ギア412と、その伝達ギア412に歯合され軸支柱部403aに回転可能に軸支される終端ギア413と、その終端ギア413の回転に伴い姿勢変化可能にアーム支持部404に軸支されるアーム部材414とを備える。
終端ギア413は、円環状突部403bの外径よりも若干長い内径の円環状に背面側へ突設される円環状突部413aと、その円環状突部413aの内側面との間に隙間を空けてストッパ部403cと同様に扇状に突設される被ストッパ部413bと、軸支柱部403aから離れた偏心位置で正面側へ円柱状に張り出す円柱張出部413cと、ギア部の正面側にフランジ状に形成されるフランジ部から外径方向へ扇状に延設される被検出部413dとを備える。
円環状突部413aは、軸側の側面が円環状突部403bと対向するように配設され、円環状突部403bを被ストッパ部413bとの間に挟む。即ち、円環状突部403bが、終端ギア413の回転を案内する案内レールとしての役割を果たしている。
被ストッパ部413bは、一般的な圧縮成形により構成されるものであり、突設部の反対側は凹設部として形成される。被ストッパ部413bは、その回転方向でストッパ部403cと干渉する。即ち、本実施形態では、終端ギア413の回転角度は、ストッパ部403c及び被ストッパ部413bの周方向の寸法分だけ制限されることになる。即ち、終端ギア413は、360度未満の回転角度で回転変位する。
なお、ストッパ部403c及び被ストッパ部413bの形状を設計する場合は、終端ギア413に必要な回転角度を算出し、その余りの角度(終端ギア413の回転角度を360度から差し引いた角度)を二等分した角度でストッパ部403c及び被ストッパ部413bの形状をそれぞれ設計すればいい。これにより、ストッパ部403c及び被ストッパ部413bのいずれか一方が強度的に弱くなることを避けることができるので、第1動作ユニット400の耐用年数を延ばすことができる。
円柱張出部413cは、真鍮製の金属棒であり、樹脂製の終端ギア413に嵌合固定される。張出先端部には、摩擦低減用のリング形状のカラーC1と、公知のEリングE1とが配置されており、アーム部材414が脱落不能に円柱張出部413cに連結支持される。
被検出部413dは、検出センサSC1の検出隙間を通過可能な厚みで形成されており、被検出部413dが検出センサSC1に検出されることにより、音声ランプ制御装置113のMPU221は第1動作ユニット400が退避状態であると判定することができる。
アーム部材414は、アーム支持部404に回転可能に軸支される環状部414aと、その環状部414aの正面側部から径方向へ板状に延設される板状部414bと、その板状部414bに対して背面側へ平行移動して配置され板状部414bの延設端部と連結される中間板部414cと、その中間板部414cに長孔形状に穿設される長孔部414dと、中間板部414cに対して背面側へ平行移動して配置され中間板部414cの延設端部と連結される先端板部414eと、その先端板部414eの延設先端から正面側へ円柱状に張り出す円柱張出部414fとを備える。
長孔部414dは、終端ギア413の円柱張出部413cが挿通可能な大きさで形成され、この長孔部414dを介して駆動モータMT1の駆動力が伝達される。
円柱張出部414fは、真鍮製の金属棒であり、樹脂製の先端板部414eに嵌合固定される。円柱張出部414fの張出先端部には、摩擦低減用のリング形状のカラーC1と、公知のEリングE1とが配置されており、背面配置板420の連結板部421が脱落不能に円柱張出部414fに連結支持される。
図26は、第1動作ユニット400の上面図である。図26では、第1動作ユニット400の第2中間位置が図示されており、理解を容易とするために、コイルスプリングSP1、コイルスプリングSP1が案内される定滑車、駆動モータMT1及びその駆動モータMT1が締結固定されるベース板の図示が省略される。
図26によれば、本実施形態では、アーム部材414の形状を、アーム部材414の正面側の領域を大きく確保することができるように設計している。即ち、アーム部材414を前後に屈曲した形状で形成することで、他の部材との干渉を機能的に避けることができる。以下、このことについて説明する。
板状部414bは、検出センサSC1との干渉を避けるために、検出センサSC1よりも正面側に配置される。即ち、板状部414bの前後位置の制限は検出センサSC1との関係によるものなので、検出センサSC1と関係しない箇所(検出センサSC1を基準として回転軸(アーム支持部404)の反対側の箇所)では、前後位置を任意で設計することができる。
本実施形態では、検出センサSC1を基準として回転軸(アーム支持部404)の反対側の箇所に配設される中間板部414cが、板状部414bに比較して背面側に配置される。これにより、終端ギア413の板前面とアーム部材414との前後間隔を狭めることができ、円柱張出部413cの根元側でアーム部材414への負荷伝達を生じさせることができるので、負荷伝達時に円柱張出部413cが変形することより負荷の伝達効率が低下することを回避することができる。
更に、中間板部414cの前後位置の終端ギア413との関係によるものなので、終端ギア413と関係しない箇所(終端ギア413を基準として回転軸(アーム支持部404)の反対側の箇所)では、前後位置を任意で設計することができる。
本実施形態では、終端ギア413を基準として回転軸(アーム支持部404)の反対側の箇所に配設される先端板部414eが、中間板部414cに比較して背面側に配置される。これにより、先端板部414eの正面側のスペースを大きく確保することができるので、先端板部414eの正面側であって昇降板430の背面側である位置に配設される背面配置板420及び同期動作ユニット440等の構成部材の前後寸法を確保し易くすることができる。
このように、本実施形態では、アーム部材414の形状を他の部材との干渉を回避可能な形状とすることを目的として設定しているが、他にも構造的な効果がある。例えば、アーム部材414を段階的に屈曲形成することで、アーム部材414に生じる負荷が局所的(一点)に集中することを回避することができ(応力集中を緩和することができ)、アーム部材414の耐久性を向上させることができる。
更に、他の部材との干渉を回避するために必要最小限の隙間を構成することで、その隙間を確保する他の部材に対してアーム部材414の反対側にまとまった隙間を構成することができるので、その隙間を利用して電気配線(電気配線DH1とは異なる電気配線)を這わせたり、追加の演出部材(電飾基板等)を配設したりすることができる。
また、図26によれば、本実施形態では、本体板部401側から発光演出装置LA1まで到達するように配設される電気配線DH1が、意図せず羽状部材460に挟み込まれたり、回転ギア441や相対変位部材442のギア歯部分に噛み込まれたりすることを防止可能に構成されている。以下、このことについて説明する。なお、この説明において、図25を適宜参照する。
電気配線DH1は、まず本体板部401側から長孔部406を通り補助アーム部材444に案内される。この時、電気配線DH1は、端部側板448の貫通孔448aに挿通されることで延設部444cの内側へ通される。
延設部444cの内側において、電気配線DH1は、抜け止め部444c1に脱落を防止されつつ基端側部444aまで案内される。その後、電気配線DH1は、基端側部444aから収容板部425の背面側へ案内され、収容板部425の背面側へ突設される枠部と閉塞板428とで仕切られるL字の領域を通り貫通孔427に到達する。
収容板部425の背面側へ突設される枠部には、挿通孔425aを中心として略半周に亘って突設が省略される省略部425bを備える。省略部425bにより、電気配線DH1が閉塞板428の正面側へ案内される角度を180度で設けることができる。これにより、補助アーム部材444の回転時に挿通孔425a付近で電気配線DH1が折れ曲がる可能性を低くすることができる。
電気配線DH1は、貫通孔427を正面側へ通されることで、その貫通孔427と前後で重なる位置に形成される筒状部433を通り昇降板430の正面側へ案内され、支持板部450の締結部451に結束バンド等で仮留めされつつ、発光演出装置LA1の電飾基板に配設されるコネクタに接続される。
このように、電気配線DH1は、その経路の大部分で構成部材(補助アーム部材444や背面配置板420)の内側に配設されているので、従来のパチンコ機のように電気配線が経路の大部分で露見される(露出している)場合に比較して、電気配線DH1が他の可動部材と衝突して負荷を受ける可能性を低くすることができる。
また、本実施形態では、電気配線DH1の案内経路と、スライド変位する相対変位部材442とを分断している。即ち、電気配線DH1に屈曲や湾曲等の変形を生じさせ得るのは、補助アーム部材444の回転変位(回転軸のスライド変位を伴う回転変位)に限定される。
これにより、昇降板430の上下変位の変位速度と、相対変位部材442の変位速度とが大きく異なるように構成される場合でも、電気配線DH1の変形と相対変位部材442の変位速度との関係を断つことにより、電気配線DH1に与えられる負荷が大きくなることを回避することができる。
図22(a)、図23、図24及び図25に戻って説明する。背面配置板420は、アーム部材414の円柱張出部414fに連結され昇降板430に締結固定される板状の連結板部421と、その連結板部421の右側に配設され昇降板430に締結固定されると共に金属レール405の正面側部材が締結固定される収容板部425と、その収容板部425に締結固定され、収容板部425の背面側部を部分的に閉塞するL字板形状の閉塞板428とを備える。
連結板部421は、本体板部に左右方向に長い長孔形状で穿設され円柱張出部414fを挿通可能に形成される挿通長孔422と、その挿通長孔422の下方において正面側および上側が開放される箱状に形成される支持箱部423とを備える。
支持箱部423が挿通長孔422を基準として下方へ長く形成されていることで、支持箱部423を用いて収容板部425の剛性を補強することができる。即ち、支持箱部423は、支持壁部426と左右に対向配置されており、支持壁部426が左方へ大きく撓み変形し支持箱部423と当接した場合には、その変形を支持箱部423の剛性で抑制することができる。
収容板部425は、本体板部の左縁部に、上下方向に沿う直線状の板状に正面側へ突設される支持壁部426と、閉塞板428の正面側で穿設される貫通孔427とを備える。
本実施形態では、貫通孔427に電気配線DH1が挿入される。即ち、貫通孔427は、電気配線DH1の端部に配設されるコネクタを挿通可能な内径で形成される。
閉塞板428は、収容板部425の背面側に枠状に突設される枠部に板正面が当接するように形成され、収容板部425と閉塞板428との間で領域を仕切るように構成される。本実施形態では、収容板部425の枠部の内側(閉塞板428の正面側)においてのみ電気配線DH1が配置されるように構成されている。従って、電気配線DH1が金属レール405側(枠部よりも左側)に進入することを防止することができる。
省略部425bよりも貫通孔427側の位置において背面側にコ字状に張り出す部分である仮留部425cが、背面視で視認可能となるように閉塞板428に異形孔428aが貫通形成される。
異形孔428aは、仮留部425cの横幅よりも若干長い左右幅の横長形状部と、結束バンドを通すことができる領域を確保するために横長形状部と交差して設けられる縦長形状部とから形成される。
仮留部425cは、結束バンドの留め部としての役割を持つ。結束バンドで電気配線DH1を仮留めすることで、電気配線DH1の配置を安定させることができる。この場合、結束バンドを締め付けることで、補助アーム部材444から閉塞板428側へ案内される電気配線DH1の経路を閉塞板428側に寄せることができるので、収容板部425の挿通孔425aを中心とした半円形状板部のエッジ部分と電気配線DH1との間に隙間を設けることができる(図25、図26参照)。これにより、電気配線DH1が収容板部425のエッジ部分と擦れることを回避することができるので、電気配線DH1の耐用年数を延ばすことができる。
また、本実施形態によれば、省略部425b間に案内される電気配線DH1(図26参照)を仮留めする結束バンドを閉塞板428の異形孔428aから露出させることができるので、結束バンドの交換や組み付けを、閉塞板428を取り外すことなく行うことができる。
これにより、電気配線DH1の仮留め位置を収容板部425と閉塞板428との間の位置という、第1動作ユニット400の構成部材に対する電気配線DH1の位置が固定される箇所(即ち、電気配線DH1の一端が接続される発光演出装置LA1から電気配線DH1の経路を伝っていく場合に、昇降板430に対して電気配線DH1を変位させる初めての部分である補助アーム部材444の基端側部444aまでの経路と重なる箇所)で電気配線DH1を仮留めしながら、結束バンドの取り替えは閉塞板428を取り外さずに行うことができる。従って、電気配線DH1の耐用年数の向上を図ることができると共に、電気配線DH1に係る結束バンドのメンテナンス性の向上を図ることができる。
本実施形態では、電気配線DH1が閉塞板428の正面側を閉塞板428の形状に沿って這わされるところ、閉塞板428が背面視L字形状とされているので、電気配線DH1は、閉塞板428の正面側で前後方向と直交する第1平面に沿って湾曲する一方で、貫通孔427付近で左右方向と直交する第2平面(第1平面と直交する平面)に沿って湾曲することになる。これにより、電気配線DH1を閉塞板428及び収容板425に保持する保持力を向上することができ、電気配線DH1の位置を安定させることができる。
昇降板430は、背面配置板420の締結固定に係る複数の部分から構成される締結部431と、同期動作ユニット440の支持に係る複数の部分から構成される支持部432と、電気配線DH1を挿通可能に形成される筒状部433と、支持板部450の締結固定に係る複数の部分から構成される締結部434と、部材同士の干渉を避けるために本体板部に形成される複数の対処部435と、板正面に略左右対称形状の模様が施される装飾部436とを備える。
締結部431は、少なくとも、昇降板430の下端部に配置され相対変位部材442(スライドラック)の上下変位を支持する一対の瓢箪状突部431aを備えている。瓢箪状突部431aは、相対変位部材442を支持する部分でありながら、その先端部から雌ネジ形状が形成されており、収容板部425を昇降板430に締結固定する締結ネジが螺入される。即ち、背面配置板420の締結固定に係る部分と、同期動作ユニット440の支持に係る部分とに兼用されている。
筒状部433は、同期動作ユニット440の構成部材間の隙間を通して背面側へ延設され、その背面側端部が収容板部425の板前面に当接し、その当接状態で貫通孔427と筒状部433の内部とが連続的に繋がる。この連続的に繋がる部分を通して電気配線DH1が前後に挿通される。
対処部435としては、例えば、固定伝達板490と相対変位部材442との連結部分(本実施形態では、上下に並んで配設される嵩上げ締結部)との干渉を避けるために本体板部の下縁から上方へ向けて切り欠かれる切り欠き部435aや、補助アーム部材444の円弧状ギア部444bの軸上方を保護するように壁状に形成される壁部に凹設され円弧状ギア部444bとの干渉を避けるように形成される凹設部435b等が例示される。
装飾部436は、羽状部材460の背面側に配置され、羽状部材460の変位に伴い羽状部材460と連携して一連の模様を視認させることができるように構成されるが、詳細は後述する。
同期動作ユニット440は、互いに歯合する一対の回転ギア441と、その回転ギア441の一方と歯合し上下方向に変位可能に形成される相対変位部材442と、その相対変位部材442に長孔状に穿設される一対の長孔443と、回転ギア441の他方と歯合する回転ギア歯を有する補助アーム部材444と、補助アーム部材444の回転先端部に背面側から締結固定される端部側板448とを備える。
長孔443には、瓢箪状突部431aが挿通される。瓢箪形状の長手方向と、長孔443の長尺方向とが略平行に配置されることで、相対変位部材442の姿勢の安定化を図ることができる。
加えて、瓢箪状突部431aが長円状に形成される場合に比較して、長孔443と接触する面積を小さくすることができるので、瓢箪状突設部431aと相対変位部材442との間で生じる摩擦抵抗を低減することができる。
補助アーム部材444は、支持部432の大径突部432aに軸支されるリング状の基端側部444aと、その基端側部444aのリング形状と同心円状にギア歯が形成される円弧ギア部444bと、基端側部444aからリング形状の径方向に延設される延設部444cと、その延設部444cの延設先端部に配設される略半筒状に形成される部分であって筒内側の開放部が延設部444cの開放部と連続的に繋がるよう構成される筒状部材444dとを備える。
基端側部444aは、大径突部432aに挿通された状態で、その大径突部432aの先端に形成される雌ネジ部に螺入される締結ネジが挿通される挿通孔425aを有する収容板部425に背面側への移動を規制される。即ち、基端側部444aは、昇降板430及び収容板部425に前後から対向する態様で脱落不能に軸支される。
延設部444cは、背面側が開放された箱状に形成されており、背面側部において短手方向一側から他側へ向けて延設され、他側との間で電気配線DH1の短手方向寸法(幅寸法)よりも若干長い隙間を有して形成される抜け止め部444c1を備える。この抜け止め部444c1は、延設部444cの短手方向他側との間に電気配線DH1を通され延設部444cの内側に配設される電気配線DH1の、その後の脱落を防止する役割を持つ。
なお、抜け止め部444c1の態様はこれに限られるものではない。例えば、延設部444cと抜け止め部444c1との間の隙間が電気配線DH1の短手方向寸法(幅寸法)よりも短く構成されても良い。この場合には、延設部444cと抜け止め部444c1との間の隙間に電気配線DH1を組み付ける(入れ込む)際に抜け止め部444c1を撓ませて隙間を拡げる必要が生じるが、組み付け後の電気配線DH1の脱落防止効果を向上することができる。
電気配線DH1が延設部444cの内側に配設される限りにおいて、第1動作ユニット400の昇降変位における電気配線DH1の伸縮を最低限に抑えることができるが、詳細については、図27から図30を参照して後述する。
筒状部材444dは、その外径が長孔部406の短手方向寸法よりも若干短く設計されており、長孔部406に挿通されることで、長孔部406の長手方向(左右方向)に沿った補助アーム部材444のスライド移動と、補助アーム部材444の回転移動とを可能にする。
端部側板448には、電気配線DH1を挿通可能な貫通孔448aが穿設されており、貫通孔448aに挿通された電気配線DH1は、長孔部406に挿通されている筒状部444dの内側を通り、延設部444cの内側を通り、基端側部444aの背面側に案内され、閉塞板428と収容板部425との間に入り込む。そして、貫通孔427及び筒状部433を通り正面側へ案内される。
このように電気配線DH1が通される関係上、貫通孔448aの内形は電気配線DH1の端部に連結されるコネクタの外形よりも大きく形成される。換言すれば、貫通孔448aはコネクタを挿通可能な大きさで形成される。
貫通孔448aは、端部側板448の中心部のみでは無く、径外部に偏心した領域を含む異形形状で形成されており、特に、延設部444c側に大きく開口形成されている。従って、補助アーム部材444の姿勢に関わらず、電気配線DH1を延設部444c側に寄せることができるので、補助アーム部材444の姿勢変化に伴って電気配線DH1の補助アーム部材444に対する配置が大きく変わる(暴れる)ことを回避することができる。
加えて、貫通孔448aは、端部側板448の外径側部において延設部444c側を基準に背面視反時計回りに延長されている。この延長分により、第1動作ユニット400の退避状態における貫通孔448aの開口範囲を右側に拡大することができるので、電気配線DH1に要求される左右方向変位幅を抑えることができる。
この場合、昇降板430が昇降変位する際に端部側板448が左右に変位する本実施形態の構成であっても、貫通孔448aの向きが変わることで、端部側板448の左右方向変位を緩和するように機能させることができる。従って、端部側板448の変位幅に比較して電気配線DH1に要求される変位幅を短くすることができるので、電気配線DH1の変位を考慮して設定される配線の余分長さを短くすることができると共に、端部側板448から電気配線DH1に与えられる負荷を低減することができる。
相対変位部材442の正面側には固定伝達板490が締結固定される。即ち、昇降板430と相対変位部材442とが相対変位するのと同様に、昇降板430に締結固定される支持板部450と相対変位部材442に締結固定される固定伝達板490とは相対変位する。
支持板部450は、円板状に形成され背面側に発光基板が配設される発光演出装置LA1が正面側に締結固定される板状部材であって、昇降板430に挿通される締結ネジが螺入される複数の締結部451と、羽状部材460の筒状部461に内嵌され、昇降板430に挿通される締結ネジが螺入される左右一対の締結軸支兼用部452と、その締結軸支兼用部452の下側において左右一対で穿設される貫通孔453と、発光演出装置LA1の上部突片LA1bを引っ掛けて支持する支持部454とを備える。
発光演出装置LA1は、下部には支持板部450に挿通される締結ネジが螺入される一対の締結部LA1aを備え、上部には支持部454に差し込み可能に突設される一対の突片LA1bを備える。このように、発光演出装置LA1の下部は締結固定で支持しつつ、上部は係合で支持することで、十分な支持強度を確保しながら、電飾基板の上部背面側に締結ネジの影が生じることを回避することができる。
発光演出装置LA1の正面には、遊技者に視認可能に構成され立体的または平面的な装飾模様が施される。この装飾模様は、羽状部材460や補助部材470に隠されずに視認される状況において、羽状部材460や補助部材470と一体的な装飾として視認させることができるように構成される(図34参照)。
なお、本実施形態では、羽状部材460や補助部材470の形状が貝(例えば、ほたて貝)を模した形状とされており、その間に配置される発光演出装置LA1の形状は真珠のように視認可能な正面視略円形状から形成される。即ち、発光演出部材LA1、羽状部材460及び補助部材470を一体的に視認させることで、「開いた貝の内側に配置される真珠」という一連の概念を想起させる外観を構成することができる。
羽状部材460は、締結軸支兼用部452に支持される複数の部材から構成され、締結軸支兼用部452に回転可能に軸支される筒状部461と、その筒状部461を中心とする円弧状に形成され互いに歯合される円弧状ギア462と、筒状部461から円弧状ギア462の反対側へ板状に延設される延設部463と、その延設部463の延設端側に形成され板正面部に鍍金が塗布されることで光を強度に反射可能に構成される形成部464L,464Rと、円弧状ギア462よりも小径の円弧に沿って円弧状ギア462よりも正面側に形成される下流ギア465と、円弧状ギア462の背面側を覆うフランジ状に形成されるフランジ部466と、そのフランジ部466が外形方向へ延設された延設端部から背面側へ円柱状に張り出す円柱張出部467とを備える。
円弧状ギア462は、一対の筒状部461の中間位置で歯合する径同一の円弧に形成されるギア歯として形成される。即ち、円弧状ギア462の歯合により回転する複数(左右)の羽状部材460の回転角度は同一(対称)となる。
延設部463は、右側においてのみ凹設形成される凹設部463aを備える。凹設部463aは、筒状部433を通り昇降板430の正面側へ案内される電気配線との干渉を避け易くするための形状部であるが、詳細は後述する。
形成部464L,464Rは、第1動作ユニット400の張出状態において合体し、一連の略半円形状(略半楕円形状)の装飾体として構成される(図17参照)一方で、第1動作ユニット400の退避状態においては、左右に分かれて配置され、且つ、その大きさは左右非対称とされる(図16参照)。
詳述すれば、下部側は左右対称に形成される一方、合体時に当接する上部側の形状において、左側の形成部464Lの方が、右側の形成部464Rに比較して回転方向に張り出して形成されることで、大きく形成される。換言すれば、第1動作ユニット400の張出状態において、形成部464L,464Rの当接面S1が右側寄りに配置される(図17参照)。
羽状部材464L,464Rの上端部であって、互いに対向配置される部分の形状は、筒状部461からの距離で異なる。即ち、筒状部461に近い側(回転軸に近い側、内径側)は、羽状部材464L,464Rが最接近した場合に正面視で互いに重なることができるよう、羽状部材464L,464Rの回転軸方向に位置ずれして配置される干渉部464aを設けた形状とされる。
本実施形態では、筒状部461に近い側は、羽状部材464L,464Rが最接近した場合に一連の模様として視認される装飾模様が形成される部分に相当する。上述の干渉部464aによって、羽状部材464L,464Rが最接近した場合に羽状部材464L,464Rの当接面S1に切れ目が生じることの防止を図ることができるので、装飾模様を遊技者に違和感なく視認させることができる。
一方、筒状部461から遠い側(回転軸から遠い側、外径側)では、羽状部材464L,464Rの回転を当接により停止させることができるよう、羽状部材464L,464Rの回転軸方向で合致する位置に当接面が配置される形状とされる。
羽状部材464L,464Rの停止時の負荷が当接により生じる部分を、力のモーメントの計算における腕長さが最長となる最外径部に設けることで、当接により羽状部材464L,464Rに生じる負荷を最小限に抑えることができる。
このように、羽状部材464L,464Rの形状を筒状部461からの距離で変化させることにより、羽状部材464L,464Rが最接近した際に形成される一連の装飾模様を遊技者に違和感なく視認させることができると共に、羽状部材464L,464Rの最接近時に羽状部材464L,464Rに生じ得る負荷を最小限に抑えることができる。
フランジ部466は、円弧状ギア462の前後方向の位置ずれを抑制することと、円弧状ギア462と固定伝達板490との間を仕切ることとに兼用される。これにより、円弧状ギア462の歯合状態の適正化を図ると共に、円弧状ギア462が固定伝達板490に当接して引っかかり、過大な抵抗が生じることを防止することができる。
円柱張出部467は、固定伝達板490の長孔部491に挿通され、張出先端部には摩擦低減用のリング形状のカラーC1が挿通される。加えて、張出先端部には、雌ネジが形成され、カラーC1に挿通されると共にカラーC1の内径よりも大きな傘部を有する締結ネジが螺入される。これにより、固定伝達板490が円柱張出部467に脱落不能に連結される。
補助部材470は、回転可能に支持される左右一対の板状部材から構成され、有底筒状に形成される被支持部471と、貫通孔453に通され被支持部471に挿通され回転不能に嵌合される金属製の挿通金属棒472と、その挿通金属棒472の端部に回転不能に嵌合され挿通金属棒472を中心とする円弧上に形成されるギア歯を有するギア部473とを備える。
挿通金属棒472の正面側部には、径方向に雌ネジが形成されており、被支持部471の対応する位置には雌ネジに螺入される締結ネジの螺入部を挿通可能な貫通孔が形成される。挿通金属棒472を被支持部471に挿通した後で、貫通孔を通して雌ネジに締結ネジを螺入することで、挿通金属棒472が被支持部471から脱落することを防止することができる。
ギア部473は、挿通金属棒472が貫通孔453に支持されることに伴い、貫通孔453を中心に回転可能に軸支される。ギア部473は、下流ギア465と歯合している(図22(b)参照)ので、羽状部材460の回転角度と同期して回転する。
固定伝達板490は、相対変位部材442の正面側に締結固定される板状部と、その板状部に湾曲する長孔として穿設される長孔部491と、板状部の下端部に回転不能に支持される金属製の棒状部材であって正面側へ張り出す金属棒492と、その金属棒492の張出先端部に回転不能に固定される装飾部493とを備える。
長孔部491は、上下方向に沿って形成される上下方向部491aと、上下方向部491aよりも左右方向に曲げられて形成される湾曲変化部491bとを備える。このように、長孔部491を区画分けすることで、固定伝達板490の上下方向変位と、それに伴う羽状部材460の回転変位とを完全同期させるのではなく、同期態様にずれを設けることができるが、詳細については後述する。
金属棒492と装飾部493との連結固定は、上述の挿通金属棒472と被支持部471との連結態様と同様である。これにより、金属棒492が装飾部493から脱落することを防止することができる。
次いで、第1動作ユニット400の動作態様について説明する。図27、図28、図29及び図30は、第1動作ユニット400の背面図である。図27から図30では、駆動モータMT1の回転に伴い各構成部材が変位する様子が図示されており、図27では、第1動作ユニット400の退避状態が、図28では、壁模式線UL(図16参照)の上下ずれ寸法よりも若干長い距離だけ昇降板430が退避状態から下降した第1動作ユニット400の第1中間状態が、図29では、補助アーム部材444の長手方向が左右方向を向く第1動作ユニット400の第2中間状態が、図30では、第1動作ユニット400の張出状態が、それぞれ図示される。
図27に示すように、第1動作ユニット400の退避状態では、被検出部413dが検出センサSC1の検出隙間に入り込むことで、終端ギア413の姿勢が判定される。本実施形態では、検出センサSC1により検出される状態は退避状態のみであり、その他の状態(第1中間状態、第2中間状態、張出状態)は、退避状態から予め設定された変位量だけ変位した後の状態であって、検出センサSC1により検出されるものではない。
図27に示すように、第1動作ユニット400の退避状態では、終端ギア413の回転軸と円柱張出部413cとを結ぶ直線と、アーム部材414の長孔部414dの長尺方向(アーム部材414の回転の径方向)とが直交する。これにより、アーム部材414から終端ギア413へ与えられる負荷が終端ギア413の回転軸を通る直線方向に沿って生じることになるので、駆動モータMT1の動力を遮断した状態であってもアーム部材414の姿勢を維持することができる(死点の利用)。
アーム部材414の先端板部414eは、アーム部材414の回転軸を中心として終端ギア413の円板部に外接する円弧MXSの外方に配設される。これにより、アーム部材414の回転変位の最中に、先端板部414eと終端ギア413とが干渉することを避けることができる。
補助アーム部材444は、昇降板430の右側部が下降することを妨げるように機能する。補助アーム部材444は長孔部406をスライド移動可能に支持されているものの、それは無抵抗のものではなく、筒状部444d(図25参照)と長孔部406との間に生じる接触摩擦により動作抵抗が生じる。即ち、この動作抵抗の作用で、昇降部430の右側部を補助アーム部材444により支持することができる。
図28に示すように、アーム部材414が回転変位することで昇降板430が下降変位し、それに伴い変位する補助アーム部材444と歯合する回転ギア441の回転に伴い、相対変位部材442が昇降板430の変位量を超える変位量で下降変位する。
複雑な形状をしているものの、補助アーム部材444から相対変位部材442への駆動力の伝達はギアの歯合によるものなので、相対変位部材442の昇降板430に対する変位量と、補助アーム部材444の回転角度とは一対一で対応する。
図28に示すように、上述のようにアーム部材414、補助アーム部材444、昇降板430及び相対変位部材442が変位している一方で、羽状部材460は退避状態における姿勢と同一の姿勢を維持する。
即ち、本実施形態によれば、第1動作ユニット400の退避状態から昇降板430が下降を開始するタイミングと、羽状部材460が回転を開始するタイミングとに時間ずれが生じる。この時間ずれの発生原因については、後述する。
なお、本実施形態では、羽状部材460が回転を開始するまでの間に昇降板430が壁模式線UL(図16参照)の上下寸法分下降することになるので、羽状部材460が回転変位する際に背面ケース310の上壁部に衝突する不具合の発生を防止し易くすることができる。
別の言い方をすれば、壁模式線ULの上下寸法分下降した後で羽状部材460が回転変位する変位態様は、背面ケース310の上壁部が左右で高さにずれが無いように形成される場合に昇降板430の下降と同時に羽状部材460を回転させる変位態様(従来型の変位態様)と同じ条件である。従って、従来型の変位態様の動作条件(ギア比や、変位量等のパラメーター)を流用して、本実施形態の第1動作ユニット400の動作を実現することができる。これにより、設計に要するコストを低減することができる。
図27に示すように、退避状態では昇降板430の背面側に隠されていたアーム部材414が、図28に示すように、昇降板430が下降することに伴い昇降板430の上側に張り出すように変位する。
これに対し、本実施形態では、アーム部材414を隠すように羽状部材460が昇降板430に対して変位可能に構成される(図29参照)。即ち、羽状部材460が、表面側に形成される装飾模様を遊技者に視認させて遊技を盛り上げる演出を実行する演出手段としてのみでは無く、駆動伝達のためのアーム部材414を昇降板430と共同で隠す遮蔽手段としても機能する。
特に、本実施形態では、駆動力伝達の機能を有するアーム部材414が配設される側の羽状部材460の形成部464Lの方が、逆側の羽状部材460の形成部464Rに比較して大きな形状とされるので、アーム部材414を遊技者の視界から隠しやすくすることができる。
なお、これと同様に、形成部464Rが、補助アーム部材444を隠すように構成される(図30参照)。本実施形態では、その構成から、第2中間状態においてアーム部材414は昇降板430の上側に張り出している一方で、補助アーム部材444は依然として昇降板430の背面側に隠されている。即ち、アーム部材414が昇降板430の上側に張り出した後で、補助アーム部材444が昇降板430の上側に張り出すよう構成される(図30参照)。
従って、形成部464Lよりも小さな形状とされる(同時点における昇降板430の上側への張り出し量が形成部464Lよりも小さい)形成部464Rを利用する場合であっても、問題なく補助アーム部材444を遊技者の視界から隠すことができる。
図29に示すように、円柱張出部414fがアーム部材414の回転軸から左方へ最も離れた状態を若干過ぎた位置で、補助アーム部材444が、長尺方向が左右方向を向く姿勢となる。円柱張出部414fがアーム部材414の回転軸から左方へ最も離れた状態では、アーム部材414から昇降板430へ与えられる右向きの負荷が大きくなり易いが、これに対向して、同じタイミングで補助アーム部材444が昇降板430へ左向きの負荷を与える場合、昇降板430の変位抵抗が大きくなってしまう。
これに対し、本実施形態では、円柱張出部414fがアーム部材414の回転軸から左方へ最も離れた状態を若干過ぎた位置で補助アーム部材444の姿勢を倒し、筒状部444d(図25参照)を長孔部406の右端に配置することで、補助アーム部材444を介して昇降板430へ左向きの負荷を与えられるように構成することで、昇降板430の昇降変位の変位抵抗を抑制しながら、昇降板430に与えられる左右方向の負荷で昇降板430が左右方向に変位することを抑制することができる。
なお、図29に示す状態では、終端ギア413の円柱張出部413cが円弧MXSの外側に配置されているが、先端板部414eが既に円柱張出部413cの下方に行き過ぎていることから、先端板部414eと終端ギア413との干渉を避けることができる。
即ち、円弧MXSは、あくまで目安の位置として規定されるものであり、終端ギア413とアーム部材414との設計は、実際に終端ギア413及びアーム部材414を連動させた場合に干渉が生じるか否かを動的に検討して行われる。
図30に示すように、第1動作ユニット400の張出状態では、終端ギア413の被ストッパ部413bが本体板部401のストッパ部403cと当接する位置を終点として終端ギア413が回転する。なお、制御としては、被ストッパ部413bがストッパ部403cと当接する位置よりも若干手前の位置で終端ギア413が止まるように駆動モータMT1を駆動するようにしている。これにより、被ストッパ部413b及びストッパ部403cが早期に破損することを回避しながら、終端ギア413が過回転することを構造的に防止することができる。
図30に示すように、第1動作ユニット400の張出状態では、終端ギア413の回転軸と円柱張出部413cとを結ぶ直線と、アーム部材414の長孔部414dの長尺方向(アーム部材414の回転の径方向)とが直交する。これにより、アーム部材414から終端ギア413へ与えられる負荷が終端ギア413の回転軸を通る直線方向に沿って生じることになるので、駆動モータMT1の動力を遮断した状態であってもアーム部材414の姿勢を維持することができる(死点の利用)。
なお、姿勢の維持は、アーム部材414の回転方向に沿う両方向に生じる。即ち、重力方向の変位に限らず、第1動作ユニット400の張出状態から退避状態側へ上昇変位することも防止することができる。
これにより、張出状態に到達した後で、アーム部材414に連結される昇降板430が跳ね返り上昇変位することを防止することができるので、駆動力の伝達経路としての昇降板430の下流側の部材(同期動作ユニット440、羽状部材460、補助部材470等)が変位することを防止できる。従って、羽状部材460の当接状態を維持し易くすることができる。
補助アーム部材444は、昇降板430の右側部が上昇することを妨げるように機能する。補助アーム部材444は長孔部406をスライド移動可能に支持されているものの、それは無抵抗のものではなく、筒状部444d(図25参照)と長孔部406との間に生じる接触摩擦により動作抵抗が生じる。即ち、この動作抵抗の作用で、昇降部430の右側部を補助アーム部材444により支持することができる。
加えて、補助アーム部材444は、昇降板430を吊り下げ支持している。これにより、駆動モータMT1による駆動力や、コイルスプリングSP1による付勢力が左右一側(左側)のみに生じる構成でありながら、金属レール405の左右で昇降板430の姿勢が不安定になることを避けることができる。
ここで、上述のように、電気配線DH1が延設部444cの内側に配設される限りにおいて、第1動作ユニット400の昇降板430の昇降変位における電気配線DH1の伸縮を最低限に抑えることができることについて説明する。
電気配線DH1の経路を発光演出装置LA1側から辿った場合、補助アーム部材444に到達するまでは昇降板430に固定の経路とされており、補助アーム部材444で初めて経路が可変となる。一方で、電気配線DH1が内部に配設される延設部444cは、昇降板430が上下変位する間も形状が固定されるので、電気配線DH1に伸縮変位が生じる可能性を低くすることができる。
貫通孔448aから背面側に抜け出た位置においては、電気配線DH1に端部側板448の左右方向変位に伴う左右方向変位が生じることになる。このように、電気配線DH1に伸縮が生じる可能性がある変位は端部側板448の変位によるものに限定されるので、本実施形態では、端部側板448の左右方向変位を測定し、必要分の余分長さを算出し、その余分長さを電気配線DH1の固定位置から端部側板448までの経路における電気配線DH1に追加した上で(電気配線DH1が弛んだ状態で)、電気配線DH1を本体板部401に固定している。
換言すれば、昇降板430の上下変位に伴い電気配線DH1に伸縮が生じる可能性が生じる箇所を端部側板448付近に限定することができ、加えて、伸縮を生じさせる変位量を昇降板430の上下変位量の半分以下に抑えることができる。
更に、上述のように、端部側板448の貫通孔448aの形状により、端部側板448の変位幅に比較して、電気配線DH1の変位幅を低減することができるので、電気配線DH1の余分長さを短くすることができる。
図31、図32、図33及び図34は、第1動作ユニット400の正面図である。図31から図34では、駆動モータMT1の回転に伴い各構成部材が変位する様子が図示されており、図31では、第1動作ユニット400の退避状態が、図32では、第1動作ユニット400の第1中間状態が、図33では、第1動作ユニット400の第2中間状態が、図34では、第1動作ユニット400の張出状態が、それぞれ図示される。
図31に示すように、羽状部材460の下縁部は左右対称に形成される。そのため、第1動作ユニット400の退避状態において、第3図柄表示装置81を視認する視界に入り込む第1動作ユニット400は、左右対称形状の可動部材として遊技者に視認させることができる。
図32に示すように、昇降板430が若干下降変位する際には、羽状部材460の姿勢が維持される。そのため、図32に示す状態においてもなお、第3図柄表示装置81を視認する視界に入り込む第1動作ユニット400を、左右対称形状の可動部材として遊技者に視認させることができる。
図32に示す第1中間状態では、図31に示す退避状態に比較して、羽状部材460の姿勢は変化しない一方、昇降板430の下降に伴い羽状部材460及び補助部材470が同じだけ下降変位し、その下降変位量を超える変位量で装飾部493が下降変位する。
従って、第1動作ユニット400を退避状態から第1中間状態へ変化させる場合に、昇降板430を視認する遊技者に対して、単独の昇降板430が上下変位する様子のみならず、その昇降板430の上下変位量と異なる上下変位量で変位する装飾部493が上下変位する様子を視認させることができるので、演出効果を向上させることができる。
図33に示すように、第2中間状態では、第1中間状態に比較して昇降板430の変位量と装飾部493の変位量との差が増大し、加えて羽状部材460及び補助部材470が姿勢変化する。
図34では、羽状部材460が対向位置で当接し合う状態が図示される。羽状部材460は、左右一対の部材が合体することであたかも単一の略半円形状(半楕円形状)の装飾部材であるかのように視認されるところ、その当接面S1は、金属レール405が配設される左右中央位置から右側へずれた位置に形成されている。
本実施形態では、予め形成部464Lの上縁側を、形成部464Rの上縁側に比較して形成部464R側に余分に構成することにより、張出状態における当接面S1が左右中央からずれるように構成している。
形成部464L,464Rの上縁部は、第1動作ユニット400の退避状態では、遊技盤13のベース板60に遮蔽される位置に配設されることから(図2参照)、形成部464L,464Rを左右非対称の形状で構成していることを遊技者に気付かれ難くすることができる。これにより、形成部464L,464Rの形状が左右非対称であることによる違和感を遊技者に与えることを避けることができる。
また、当接面S1が金属レール405と正面視でずれているので、万が一に、羽状部材460が当接時の衝撃で跳ね返り再び隙間が生じた場合であっても、その隙間からレール部材405が視認されることを回避することができ、あくまで本体板部401の板正面に形成される装飾形状が視認されるようにすることができる。
これにより、無機的な金属レール405(換言すれば、可動役物の変位を実現するために必要不可欠な部材であって装飾を目的としていない部材)が、隙間から視認される場合に比較して、演出効果の低下を抑制することができる。
また、左右で当接離反する一対の可動部材の切れ目として一般的に遊技者が想定する左右中央位置からずれた位置に当接面S1が配置されている。即ち、遊技者が、隙間が生じるであろうと予想しながら視認する箇所(左右中央位置)には隙間を生じさせず、その箇所からずれた位置に隙間発生の可能性がある当接面S1を配置することで、隙間が発生したとしてもその隙間を目立ち難くすることができる。
図31から図34に示すように、装飾部436の視認性が羽状部材460の配置によって変化する。即ち、第1動作ユニット400の退避状態(図31参照)から第2中間状態(図33参照)では、装飾部436の外形部が羽状部材460に遮蔽されており、その全貌を遊技者が把握し難い構成となっている。
一方、第1動作ユニット400の張出状態(図34参照)では、羽状部材460の下側に配置される装飾部436の外形部が視認可能とされ、その外形部は、羽状部材460の外形と正面視で連なるように形成されている。
即ち、一対の羽状部材460が第1動作ユニット400の張出状態で視認させる一連の装飾形状(本実施形態では「貝」の形状)が、下縁部から下方へ更に延長されるように装飾部436が形成されている。従って、一対の羽状部材460を合体させることで構成される一連の装飾形状(図38参照)よりも大きな一連の装飾形状を構成することができ、遊技者に視認させることができる。
このように、本実施形態では、羽状部材460の変位により一連の装飾形状を構成するまでの変位の過程が一通りではない。即ち、第1の変位の過程として、一連の装飾形状の一構成としての一対の羽状部材460は、互いに近接する態様で変位し合体することで一連の装飾形状を構成する過程が挙げられる。
一方、第2の変位の過程として、一連の装飾形状の一構成としての羽状部材460と装飾部436とは、第1動作ユニット400の退避状態において正面視で前後に重なっており、張出状態へ近づくにつれて、その重なり代が小さくなる方向(羽状部材460が装飾部436から離れる方向)へ羽状部材460が変位することで一連の装飾形状を構成する過程が挙げられる。
これらの異なる過程により、羽状部材460の変位自体は近接変位という単純な変位態様としながら、羽状部材460の変位方向に沿った両端縁部において形状を繋げることができ、一連の装飾形状を構成することができる。従って、個別に変位する羽状部材460の形状を小さく抑制しつつも、その大きさに比較して、第1動作ユニット400の張出状態において合体して構成される一連の装飾形状を大きく構成することができる。
図35、図36、図37及び図38は、支持板部450、羽状部材460、補助部材470及び固定伝達板490の背面図である。図35から図38では、駆動モータMT1の回転に伴い各構成部材が変位する様子が図示されており、図35では、第1動作ユニット400の退避状態が、図36では、第1動作ユニット400の第1中間状態が、図37では、第1動作ユニット400の第2中間状態が、図38では、第1動作ユニット400の張出状態が、それぞれ図示される。
図35に示すように、発光演出装置LA1の背面側には、円弧形状に沿って分散配置される複数の貫通孔LA1cが形成されており、この貫通孔LA1cを通して、光が背面側へ漏れ出るように構成している。第1動作ユニット400の張出状態では、貫通孔LA1cの背面側を覆うように羽状部材460が配置されるので、貫通孔LA1cから漏れ出た光を羽状部材460の形成部464L,464Rで正面側へ反射させることができる。
図35から図38を参照し、羽状部材460の回転変位について説明する。羽状部材460の回転変位は、円柱張出部467と固定伝達板490の長孔部491との関係により生じるので、この部分について特に詳しく説明する。
図35に図示される退避状態から、図36に図示される第1中間状態までは、円柱張出部467が挿通される長孔部491の上下方向部491aの開放される方向(上下方向)と、固定伝達板490の変位方向とが同じであるので、円柱張出部467に与えられる負荷で羽状部材460が回転変位することを防止することができる。
なお、本実施形態では羽状部材460を退避状態側へ付勢する個別の部材を用意しているわけでは無いが、形成部464L,464Rの形状から重心が回転軸よりも左右外方に配置されており、自重により退避状態の姿勢で維持されている。
図37に示す第2中間状態では、円柱張出部467が湾曲変化部491bに進入することで、円柱張出部467へ左右方向の負荷が生じ、羽状部材460が回転変位を開始する。駆動力の伝達経路の観点から説明すると、駆動モータMT1の駆動力は、固定伝達板490から円柱張出部467を介して左側の羽状部材460へ伝達され、次いで右側の羽状部材460へ伝達される。即ち、右側の羽状部材460に比較して、左側の羽状部材460の方が駆動力の伝達経路において上流側である。
本実施形態では、駆動力の伝達経路において上流側とされる左側の羽状部材460の形成部464Lの方が、形成部464Rに比較して若干大きく形成されている(重く形成されている)ことから、駆動力の伝達経路における下流側へ向けて、順次、可動部材が軽くなるように並べることができる。これにより、駆動力の良好な伝達を図ることができると共に、各構成部材が終端位置まで変位した後に跳ね返り変位することを抑制することができる。
電気配線DH1の案内経路としての筒状部433を形成部464R側に配置していることの理由の一つも、形成部464L,464Rの重量の違いである。詳述すると、形成部464L,464R同士は、円弧状ギア462の歯合と、形成部464L,464Rの対向面の当接とで変位後の位置が決まるところ、円弧状ギア462の噛み合わせの誤差や、羽状部材460の回転角度を規定する長孔部491の経年的な変形等により、形成部464L,464Rの変位後の位置が若干変化することはあり得る。
この場合、変位後の位置の変化は、形成部464L,464Rの重量バランスに寄るところが大きい。即ち、形成部464Lが形成部464Rに乗るように、形成部464Lが押し下げられる可能性が高い。
これを考慮して、本実施形態では、電気配線DH1が通る筒状部433の下側に羽状部材460の延設部463が配設される。加えて、筒状部433と延設部463との重なりが少なくなるように凹設部463aが設けられている。これにより、形成部464Lに意図せず押し下げられる変位が生じた場合であっても、電気配線DH1と形成部464Lとが干渉する可能性を低くすることができる。
また、形成部464Lに変位が生じやすい側が想定できているので、背面視で筒状部433と凹設部463とが部分的に干渉する位置で設計することができる(図38参照)。これにより、設計自由度を向上することができる。
本実施形態では、凹設部463aの形成範囲は、筒状部433の下側部を特に開放できる範囲に設定される。これにより、筒状部433の内部において自重で垂れ易い電気配線DH1と延設部463との接触を回避しながら、左右一対の延設部463の形状の違いを最小限に抑えることができる。
即ち、凹設部463が形成部464側に近づきすぎるのを避けることができ、これにより、第1動作ユニット400の退避状態や第1中間状態において、凹設部463aを補助部材470の背面側に配置することができ、凹設部463aを補助部材470で部分的に隠すように構成することができる(図31参照)。
これにより、第1動作ユニット400の退避状態から張出状態までのどの状態においても、凹設部463aを補助部材470で部分的に隠すように構成することができる。従って、左右一対の羽状部材460の延設部463及び形成部464L,464Rの下縁部を左右対称に視認させ易くすることができるので、対称に変位する部材が非対称に構成されることによる違和感を遊技者に与えることを回避することができる。
固定伝達板490から円柱張出部467への駆動力の伝達は、固定伝達板490が羽状部材460の筒状部461から下方へ離れるように変位することで生じる。駆動力の伝達に伴い円柱張出部467が固定伝達板490につられて筒状部461を中心として回転変位するが、固定伝達板490が等速変位すると仮定した場合に円柱張出部467は等速では変位しないよう構成されている(角速度が変化するように構成される)。
詳述すると、円柱張出部467の初期位置が筒状部461の左右付近に設定されているので(図35参照)、湾曲変化部491bが水平方向(左右方向)に延びる長孔だと仮定する場合、円柱張出部467が下方へ変位する程、上下方向の変位幅に対する円柱張出部467の回転変位の角度が大きくなる。従って、固定伝達板490が等速変位する場合には、円柱張出部467の回転変位の速度(角速度)が漸増することになる。
従って、一対の羽状部材460が変位中に減速するような構成に比較して、高速で変位し、合体するという迫力のある演出を構成することができる。
一方で、円柱張出部467の角速度の漸増は、一対の羽状部材460が近接して合体する直前における羽状部材460の高速化につながることになるが、高速化が行き過ぎると、合体の際の衝撃で一対の羽状部材460が大きく跳ね返る可能性があり、一対の羽状部材460を合体させて一連の装飾模様を視認させるという本実施形態の演出効果が下がる虞がある。
これに対し、本実施形態では、湾曲変化部491bを、水平方向(左右方向)に対して円柱張出部467を備える羽状部材460(左側の羽状部材460)の回転軸側へ向けて上昇傾斜する方向に延びる長孔として形成している。これにより、円柱張出部467の回転変位の速度(角速度)の増加を抑制することができる。
その抑制の程度は、円柱張出部467が配置される箇所における水平方向(左右方向)と平行な長孔に対する湾曲変化部491bの上方への変位量(以下、「上方修正量」とも称する)に対応している。
本実施形態のように、湾曲変化部491bを回転軸側へ向けて上昇傾斜する方向に延びる長孔として構成する場合、円柱張出部467が下方へ変位するほど(一対の羽状部材460が合体する状態へ近づくほど)、上記の上方修正量が大きくなる。そのため、円柱張出部467の回転変位の速度(角速度)の増加を抑制する程度(減少幅)を、円柱張出部467の配置が下側へ変化するほど漸増させることができる。
従って、同じ摩擦状態を維持するようなブレーキ構造に例示される構成に比較して、程よく速度増加を抑制することができる。なお、羽状部材460の実際の変位速度については後述する。
図39(a)から図39(c)は、第1動作ユニット400の変位関係を模式的に図示する模式図である。図39(a)から図39(c)では、終端ギア413の回転角度が横軸に示され、図39(a)では、昇降板430の下方への変位量が縦軸に、図39(b)では、補助アーム部材444の回転量(角度変化)が縦軸に、図39(c)では、羽状部材460の回転量(角度変化)が縦軸に、それぞれ図示される。
ここで、駆動モータMT1を等速回転させる場合を想定する。この場合、終端ギア413が等速回転する一方で、アーム部材414の回転移動は等速回転とはならず、昇降板430の昇降変位も等速変位とはならない。
即ち、駆動モータMT1の制御態様(例えば、等速回転)と、昇降板430の制御態様(非等速変位)との間にずれが生じることになり、駆動力の伝達経路における昇降板430の下流側の変位態様は、このずれの影響を受ける。従って、駆動モータMT1を等速回転させたとしても、伝達経路における下流側に配置される構成部材を等速変位させることが困難であった。
例えば、本体板部401に固定のラックギア状の部分を形成し、そのラックギア状の部分が同期動作ユニット440の回転ギア441と歯合するように構成したとしても、相対変位部材442の昇降変位は昇降板430の昇降変位態様に依存するので、等速変位とはならない。
これに対し、本実施形態では、相対変位部材442の昇降変位が固定のラックギア状の部分に規定される構成ではなく、アーム部材414の回動変位が昇降板430の昇降変位(上下方向変位)に変換されるのと同様に補助アーム部材444の回動変位が相対変位部材442の昇降変位(上下方向変位)に変換される構成を採用している。
即ち、終端ギア413の回転変位から、アーム部材414の円柱張出部414fの上下変位に伴う昇降板430の昇降変位に変換するための所定の規則(例えば、図39(a)の横軸の数値を縦軸の数値に変換する変換式)を、昇降板430の上下変位に伴う補助アーム部材444の筒状部444dの昇降変位から回転ギア441の回転変位に変換するために逆転して適用することで、変位態様のずれを部分的に相殺し、終端ギア413の変位態様と回転ギア441の変位態様とを近似させることができる。
換言すれば、昇降板430の上下方向変位は、終端ギア413の回転角度が90度、140度付近から終端ギア413の変位態様とのずれが生じ始める(図39(a)参照)一方で、補助アーム部材444の回転角度は、終端ギア413の回転角度が30度から170度付近に亘り終端ギア413の変位態様とのずれが抑制される(図39(b)参照)。
これにより、例えば、駆動モータMT1及び終端ギア413を等速回転することに伴い、補助アーム部材444を大部分で等速回転させることができるので(図39(b)参照)、相対変位部材442を昇降板430に対して略等速で上下変位させることができる。
これにより、駆動モータMT1の速度制御を、相対変位部材442の変位態様と結び付け易くすることができるので、遊技者に視認させる駆動演出として第1動作ユニット400に実行させたい変位態様から逆算的に駆動モータMT1の速度を設定し易くすることができる。
また、本実施形態の構成によれば、駆動力の伝達経路における駆動装置側でのみ有利な効果が生じる構成が、伝達経路の先端側に及ぼす影響を低減することができる。ここで、昇降板430を基準として駆動モータMT1側を伝達経路の駆動装置側とし、その逆側を伝達経路の先端側として説明する。
伝達経路の駆動装置側では、第1動作ユニット400の退避状態または張出状態において終端ギア413の回転角度に対するアーム部材414の回動角度が抑えられることは、アーム部材414の始動や停止を迅速に行うという観点からは好ましいが、伝達経路の先端側では、退避状態または張出状態に到達する直前におけるアーム部材414の速度が極端に小さくなることから、変位が緩慢になり易いという点で問題があった。
この観点からいうと、伝達経路の先端側の変位態様をアーム部材414の減速の影響を受けないように構成するためには、駆動モータMT1の動作速度をアーム部材414が変位終端に到達する前に変化させたり、アーム部材414の減速が生じる前(退避状態または張出状態に到達するよりも十分に前)にアーム部材414を停止するように制御したりすることで対処することはできる。
しかし、前者によれば、複雑な制御を必要とするし、後者によれば、伝達経路の先端側の変位に用いることができるアーム部材414の回転角度が小さくなり変位態様の幅が狭まるという問題点があった。
これに対し、本実施形態によれば、伝達経路の先端側の変位態様を駆動モータMT1及び終端ギア413の変位態様に近似させることができるので、退避状態または張出状態に到達する直前において同期動作ユニット440の相対変位部材442が減速する程度を小さくし易くすることができる。従って、アーム部材414の回転角度を最大限に利用しながら、伝達経路の先端側に配設される相対変位部材442(及び、その下流側に配設される羽状部材460や補助部材470)の変位が緩慢になることを回避することができる。
遊技者に視認されるのは、羽状部材460及び補助部材470の変位である。図39(c)に示すように、終端ギア413を等速回転させる場合の羽状部材460及び補助部材470の回転角速度は、停止直前までは増加傾向(等速以上)とされ、停止直前で、上述した長孔部491の湾曲変化部491bの形状に対応して減速する。
これにより、昇降板430の変位態様に依存して羽状部材460及び補助部材470の変位態様が決まる場合に比較して、羽状部材460及び補助部材470の変位の緩急を激しくすることができるので、迫力のある変位を実現でき、演出効果を向上することができる。
一方で、羽状部材460及び補助部材470の回転角速度が増加傾向のまま停止させる(羽状部材460同士を合体させる)のではなく、直前に減速させる区間を設けることで、羽状部材460が合体した後に跳ね返り変位することを抑制することができる。
このように、本実施形態によれば、駆動モータMT1の駆動力により連なって変位する昇降板430の変位態様と、その下流側で変位する同期動作ユニット440の相対変位部材442、固定伝達板490、羽状部材460及び補助部材470の変位態様とを異ならせることができる。
特に、駆動力の伝達経路に沿って下流に向かう間に、一度変化した変位態様を、再び元に戻る側に変化させることができる。これにより、複数部材が同期して変位する構成において、独特な変位態様を構成することができる。
駆動モータMT1の制御態様として退避状態から張出状態まで変位する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、途中位置で反転するように制御しても良い。即ち、例えば、第1動作ユニット400が退避状態と第1中間状態とで往復変位(繰り返し往復変位)するように駆動モータMT1の回転方向を反転制御しても良い。
この場合、昇降板430が下降を開始してから、羽状部材460及び補助部材470が回転開始する前に昇降板430を上昇させて退避状態まで復帰させることになるので、遊技者に視認させる第1動作ユニット400の変位を上下方向変位に限定し、回転変位を排除することができる。
なお、第1中間状態までの変位であっても、昇降板430に対して固定伝達板490及び装飾部493は上下方向に相対変位するので、第1動作ユニット400の見栄えに変化を生じさせ易くすることができる。
図40は、動作ユニット300の分解正面斜視図である。図40では、動作ユニット300から遊技盤13が取り外され正面側に配置された状態が図示され、動作ユニット300及び遊技盤13の上部の図示が省略されている。また、図40では、第3図柄表示装置81の下縁に沿って配設され、無色の光透過性の樹脂から形成される透明カバー部材790の外形が想像線で図示され、その下方の構成が視認可能に図示される。
遊技盤13と動作ユニット300とが締結固定され、遊技に使用される場合には、センターフレーム86(図2参照)に区画される窓部を通して第3図柄表示装置81の表示領域の下方正面側に導光部材714及び第2動作ユニット700の上面が視認可能に配置される。また、電飾基板777により正面側へ出射された光は光透過孔60cを通過するのでベース板60の正面側から視認可能とされる。
図41は、第2動作ユニット700の正面斜視図であり、図42は、第2動作ユニット700の背面斜視図である。図41及び図42に示すように、第2動作ユニット700は、複数(本実施形態では8個)が左右方向に並んで配設される導光部材714と、左右に配設される電飾基板777とを備えている。
導光部材714のそれぞれは、下方から照射される照射光を導光可能に構成されており、その照射光を上端部から透過させる。電飾基板777は、正面側へ光を照射可能に構成されるLED等の発光手段778を備えている。このように、第2動作ユニット700は、導光部材714を介して上側へ光を出射し、電飾基板777により正面側へ光を出射することができる。
図43及び図44は、第2動作ユニット700の分解正面斜視図であり、図45は、第2動作ユニット700の分解背面斜視図である。図43では、上から見下げる方向視で図示され、図44及び図45では、下から見上げる方向視で図示される。また、図45では、突設押さえ部724が拡大して図示される。
図43、図44及び図45に示すように、第2動作ユニット700は、背面ケース310(図40参照)の底壁部311に締結固定される土台部材701と、その土台部材701の上方から被せられ土台部材701に締結固定されるカバー部材720と、そのカバー部材720と土台部材701とに挟まれ回転変位可能(回転角度約6度で回転変位可能)に軸支される板状変位部材730と、その板状変位部材730の上面に置かれる中空の部材であって、少なくとも上下変位可能に構成される複数(本実施形態では8個)の中空部材740と、その中空部材740よりも正面側において板状変位部材730の上面に置かれ少なくとも上下変位可能に構成される複数(本実施形態では3個)の可変装飾部材750と、土台部材701の左右下側に配設されるそれぞれが、上下方向に沿う直線に対して略線対称な構成を有し板状変位部材730に負荷を付与可能に構成される一対の駆動ユニット760と、透明カバー部材790(図40参照)とを備える。
透明カバー部材790は、第2動作ユニット700のカバー部材720の上面および正面を覆う形状の無色透明の樹脂部材であり、カバー部材720に埃や微粒子が到達するのを未然に防いだり、第1動作ユニット400のいずれかの構成部材が誤動作を生じた場合であっても第1動作ユニット400とカバー部材720及び導光部材714とが衝突することを防止したりするように作用する。
透明カバー790の上面は背面側へ向けて下降傾斜していることから、導光部材714の上端部から真上に出射された光の一部を背面側へ屈折させることができる。これにより、第3図柄表示装置81に導光部材714から出射される光が映り込み易くすることができるので、遊技者が第3図柄表示装置81に注目している場合であっても、導光部材714の点灯状態の変化(明暗の変化や光の振動、中空部材740の変位に基づくものを含む)に気づかせ易くすることができる。
なお、図43、図44及び図45では、透明カバー部材790の図示が省略される。まず、第2動作ユニット700の骨格を形成する土台部材701について、図46を参照して説明する。
図46は、土台部材701の分解正面斜視図である。図46に示すように、土台部材701は、十分な強度を持つように形成される板状部材702と、その板状部材702の上面に対向して締結固定される電飾基板705と、その電飾基板705の板上面に対向配置され板状部材702に締結固定される仕切り部材708と、その仕切り部材708の上に被される部材であって、樹脂から薄膜状に形成される薄膜カバー部材712と、その薄膜カバー部材712の上に当接する状態で載置される複数(本実施形態では、8個)の導光部材714と、その導光部材714の上側から被せられる板状部材であって、導光部材714の上昇および水平方向への変位を規制する変位規制部材716とを備える。
板状部材702は、カバー部材720の鉤状部721cに係合可能に形成される係合部702aと、板状部材702の左右側部に一対で形成され板状変位部材730の被軸支部731を軸支可能に凹設形成される受入凹部702bと、前側縁から上方に突設され板状変位部材730の回転を規制可能に形成される規制突部702cと、締結ネジが螺入可能に形成される複数の締結部703aと、その締結部703aを超えて上方へ向けて柱状に突設され突設先端部に締結ネジを螺入可能に形成される複数の柱状突設部703bと、上下方向に穿設される複数の貫通孔704とを備える。
複数の締結部703aは、電飾基板705に挿通される締結ネジが締結固定されるものであって、左右中央および左右両端の三か所に形成され、特に左右両端の締結部703aには、位置決め用の突設ピンが併設される。
位置決め用の突設ピンに対応して電飾基板705に穿設される貫通孔に突設ピンが挿通されるように電飾基板705を配置することで、電飾基板705に締結ネジを挿通する用に穿設される貫通孔と締結部703aとが連続的に繋がるので、そこに締結ネジを通し螺入することで、電飾基板705を板状部材702に締結固定することができる。
柱状突設部703bは、変位規制部材716、薄膜カバー部材712、仕切り部材708の順に挿通される締結ネジが螺入される部分であって、基端側が台状に傾斜形成されている。これにより、電飾基板705を適切な位置に配置し易くすることができる。
貫通孔704は、電飾基板705の下面に配設されるコネクタ(図示せず)や、そのコネクタに接続される電気配線を通すことができる大きさで穿設されるものである。従って、本実施形態では、電飾基板705に接続される電気配線は電飾基板705の下面側に配設されることになり、電飾基板705の上方に張り出してくることは無い。これにより、電飾基板705の板上面全体をLED等の発光手段706の配設可能領域として活用することができる。
電飾基板705は、LED等から構成される複数の発光手段706と、土台部材701の組立状態(図43参照)において柱状突設部703bと若干の隙間が空くように開放形成される開放部707とを備える。
発光手段706は、左右方向を向く直線に沿って並べられる複数(本実施形態では、8個)の個別発光手段706aと、その個別発光手段706aとは異なる位置に配設される複数の全体発光手段706bとを備える。
開放部707は、柱状突設部703bと対応する位置に形成されており、柱状突設部703bの突設終端位置は電飾基板705が組立状態において配置される位置よりも上方とされる。そのため、電飾基板705を組立状態において配置される位置まで下降変位させると、開放部707は柱状突設部703bに沿って進むことになる。
本実施形態では、柱状突設部703bの基端側部が上方へ向かうほどすぼまる上面視円形状かつ正面視台形状に形成されているので、柱状突設部703bの基端側部の側面が上下方向に対して傾斜する。電飾基板705を下降変位させる際に、組立状態において配置される位置に対して前後方向に大きく位置ずれしている場合には、柱状突設部703bの基端側部の側面の傾斜に沿って電飾基板705の位置ずれを修正することができるので、電飾基板705を目的の位置に配置し易くすることができる。
仕切り部材708は、光を透過し難い有色(本実施形態では、黒色)の硬質樹脂材料から形成され、個別発光手段706aと対応する位置に穿設される複数の透光孔709と、柱状突設部703bの先端部を挿通可能な内径で穿設される複数の通し孔710aと、変位規制部材716に挿通される締結ネジを螺入可能に形成される複数の締結部710bと、その締結部710bに対して前後方向にずれた位置に変位規制部材716の下面から突設される突設ピン716bを受け入れ可能に凹設(又は穿設)される複数の受入部710cとを備える。
透光孔709は、前後に長尺のクリスタル形状(略楕円形状、略亀甲形状)断面で形成されており、その長尺方向が左右中央からの位置に対応して異なる方向を向く。即ち、中央寄りの透光孔709ほど長尺方向と前後方向とのずれが小さくされ(本実施形態では、一致され)、左右端へ寄るほど、長尺方向が前側へ向けて左右中央寄りに傾斜する方向とされる。
即ち、透光孔709の長尺方向は、正面側へ向け左右中央寄りに傾斜する方向に設定されており、その傾斜の角度が、左右端寄りになるほど大きくなるように設計される。本実施形態では、傾斜角度の増分が一定(約5度)となるように構成される。
薄膜カバー部材712は、剛性の低い薄膜状の無色透明の樹脂部材であって、中央部が盛り上がるように形成され、下面側が開放されており、上底部の左右端部において上下に穿設される一対の大貫通孔712aと、その外貫通孔712aよりも左右方向内側において上下に穿設される複数の中貫通孔712bと、その中貫通孔712bに対して前後方向に位置ずれして上下に穿設される複数の小貫通孔712cとを備える。
大貫通孔712aは、変位規制部材716の下面から挿通孔716aの周囲を囲む環状に突設される突設部716e(図72参照)の直径よりも長い直径で形成されている。変位規制部材716の下面から突設される突設部716eは、薄膜カバー部材712の厚みを超える突設長さで突設されるので、大貫通孔712aの縁部分に組み付け時の負荷(締結負荷)が生じることを回避することができる。
中貫通孔712bは、正面側中央位置において柱状突設部703bに対応する位置に一つが配設され、その他が締結部710bに対応する位置に配設される。
小貫通孔712cは、締結部710bに対応する位置に配設される中貫通孔712bに対して前後方向に位置ずれして配設されており、変位規制部材716の下面から突設され仕切り部材708の受入部710cに受け入れられる突設ピン716bを挿通可能な大きさで形成される。
従って、仕切り部材708に薄膜カバー部材712を被せ、その上から変位規制部材716を乗せた後で各所に締結ネジを螺入することで各部材が締結固定されるところ、仕切り部材716の下面から突設される突設ピン716bが小貫通孔712c及び受入部710cに挿通されるので、締結ネジを螺入する前の状態において仕切り部材708に対する薄膜カバー部材712及び変位規制部材716の位置合わせを容易に(同時に)行うことができ、その後で締結ネジを螺入する作業の効率を向上させることができる。
導光部材714は、無色で光透過性の樹脂材料から上部に底を有する有底筒状に形成され、上面視外形が前後に長尺のクリスタル形状(略楕円形状、略亀甲形状)に形成される本体部714aと、その下縁から左右および前方に張り出す張出縁部714bと、本体部714aの上端部において正面側へ向かうほど下方へ下降傾斜する傾斜面部714cとを備える。
本体部714aの上部外面にはシボ加工が形成されているので、単一の個別発光手段706aから出射され導光部材714の内部を進行し上端部に到達した光を遊技者に視認させる際に、点発光では無く、面で発光しているように視認させることができる。
一方、本体部714aには、上部外面以外の部分(中間部等)には、シボ加工は形成されておらず、平滑面が形成される。これにより、導光部材714の内部を進行する途中の光が本体部714aの内壁面に入射した場合に乱反射が生じることを防止することができ、光を平滑面で全反射させて本体部714aの上端部へ向かわせ易くすることができるので、本体部714aの途中位置における光のエネルギーロスを低減することができる。
各導光部材714の本体部714aの上面視長尺方向は、上述した透光孔709の長尺方向の設定に倣う。即ち、中央寄りの導光部材714ほど長尺方向と前後方向とのずれが小さくされ(本実施形態では、一致され)、左右端へ寄るほど、長尺方向が前側へ向けて左右中央寄りに傾斜する方向とされる。
即ち、導光部材714の長尺方向は、正面側へ向け左右中央寄りに傾斜する方向に設定されており、その傾斜の角度が、左右端寄りになるほど大きくなるように設計される。本実施形態では、傾斜角度の増分が一定(約5度)となるように構成される。
このように構成することで、導光部材714の上面視における長尺方向の手前側端部(光を遊技者側へ照射する部分として遊技者に近い側の部分)が、長尺方向の中央位置に比較して遊技者側(正面側左右中央)を向くようにすることができる。即ち、導光部材714から遊技者側へ照射される光が遊技者へ向けて集まっているように遊技者に感じさせることができる。
張出縁部714bは、上下厚み一定で形成され、導光部材714の位置および姿勢を安定化させるための部分として機能し、傾斜面部714cは、導光部材714の下方から入射した光を正面側寄りに出射させるように機能するが、詳細は後述する。
変位規制部材716は、光を透過し難い有色(本実施形態では、黒色)の硬質樹脂材料から形成され、締結ネジを挿通可能に穿設される複数の挿通孔716aと、下面から突設される複数の突設ピン716bと、導光部材714に対応する位置に上下に貫通する筒状に形成される複数の受入筒部716cと、その受入筒部716cの下縁部の内形を拡大するように段付きで凹設され導光部材714の張出縁部714bを受入可能な形状で構成される複数の凹設部716dとを備える。
受入筒部716cは、内形が上面視で透光孔709の内形と略同等の形状とされており、内側に導光部材714が挿通される。また、凹設部716dの凹設深さは、導光部材714の張出縁部714bの厚み寸法と同等とされていることから、第2動作ユニット700の組立状態(図40参照)において、薄膜カバー部材712の上面と変位規制部材716の下面(凹設部716dの下面)とで張出縁部714bを挟み込むように安定的に面で支持することができる。
張出縁部714bは、左右および正面側に張り出し形成され、背面側への形成は省略される。これに対応して、変位規制部材716の凹設部716dも、左右および正面側に凹設され、背面側への凹設は省略される。これにより、導光部材714が前後逆向きで組み付けられることを防止することができる。
即ち、導光部材714を前後逆向きで配置し、変位規制部材716を組み付けようとしても、凹設部716dと張出縁部714bの配置がずれているため、凹設部716dに張出縁部714bを入れ込むことができず、張出縁部714bが変位規制部材716の下面から張り出すことになる。張出縁部714bの厚み寸法分の隙間が薄膜カバー部材712と変位規制部材716との間に生じさせ、締結固定することを困難とすることで、組立作業者(又は組立用の自動機)に導光部材714が前後逆向きであることを気付かせることができる。
土台部材701の組立状態(図43参照)では、凹設部716dと薄膜カバー部材712との間に張出縁部714bが上下方向で挟まれ、これにより導光部材714の位置および姿勢が安定的に固定される。
土台部材701の組み付け手順について説明する。まず、電飾基板705を柱状突設部703bに通して締結位置に配置し、板状部材702に締結固定する。次に、電飾基板705の上方に、仕切り部材708、薄膜カバー部材712、導光部材714、変位規制部材716の順に各構成部材を配置する。
その際、仕切り部材708の通し孔710aに柱状突設部703bの先端を通すことで仕切り部材708が板状部材702に位置決めされ、受入部710c及び小貫通孔712cに突設ピン716bを通すことで、変位規制部材716及び薄膜カバー部材712が仕切り部材708に位置決めされる。また、本体部714aを受入筒部716cに通すことで、導光部材714が変位規制部材716に位置決めされる。このように、各構成部材同士は、締結ネジを螺入する前から相対的に位置決めされるので、締結ネジを螺入する作業の効率化を図ることができる。
最後に、挿通孔716aに締結ネジを挿通し、締結部710b及び柱状突設部703bに螺入することで、各構成部材を締結固定することができる。本実施形態によれば、電飾基板705の上方に配置される各構成部材を適切な位置に置いたあと、複数の締結ネジをまとめて螺入することができるので、作業工程を単純化することができる。加えて、締結ネジの螺入工程の自動化(ネジ回し用の自動機の利用)を図ることができる。
本実施形態では、挿通孔716aに挿通した締結ネジを柱状突設部703bに螺入する段階で仕切り部材708が抜き取り不能となるが、挿通孔716aに挿通した締結ネジを締結部710bに螺入することで、仕切り部材708を変位規制部材716側に接近させることができる。
これにより、導光部材714を薄膜カバー部材712に乗せるという構成ながら、実質的には、仕切り部材708に導光部材714が乗るという構成と同一視でき、仕切り部材708の剛性で導光部材714を下支えすることで、導光部材714の支持の安定化を図ることができる。
加えて、薄膜カバー部材712を挟んで、変位規制部材716と仕切り部材708との上下離間寸法を低減することができるので、変位規制部材716と仕切り部材708との間からの光漏れの防止を図ることができる。
図43、図44及び図45に戻って説明する。カバー部材720は、有色(本実施形態では、青色)光透過性の樹脂材料から形成され、土台部材701に締結固定される部材であって、下面視周縁部に配設され土台部材701との結合に利用される複数の結合部721と、土台部材701の導光部材714の位置に対応して導光部材714よりも大きな形状で穿設される複数の後側貫通孔722と、その後側貫通孔722の正面側において左右一対で1セットの貫通孔として複数箇所(本実施形態では3箇所)に穿設される複数の前側貫通孔723と、後側貫通孔722の背面側左右外側部や正面側左右内側部から下方に突設される複数の突設押さえ部724とを備える。
結合部721は、上方から締結ネジが挿通可能に穿設される複数の挿通孔721aと、土台部材701に下方から挿通される締結ネジが螺入される複数の締結部721bと、左右外方背面部に鉤状に形成され土台部材701に係合される複数の鉤状部721cとを備える。
後側貫通孔722は、中央寄りの4箇所と、左右寄りの4箇所とで、下縁部の上下位置が異なる。本実施形態では、中央寄りの方が高く形成されている。これは、カバー部材720の上面形状の設計に伴うものである。即ち、カバー部材720の上面形状に立体感を持たせるために中央寄りの部分が盛り上がって見えるように上方へ湾曲形成されていることに伴って、後側貫通孔722の下縁部の上下位置が調整されている。
突設押さえ部724は、後側貫通孔722の下縁部の上下位置の違いを部分的に相殺するように突設長さが調整されている。即ち、中央寄りに配設される突設押さえ部724の方が突設長さを長くすることにより、中空部材740の上下変位幅を左右で同等に調整している。なお、正面側の突設押さえ部724及び背面側の突設押さえ部724は、共に、中空部材740の突設柱状部743と上下方向視で重なる位置に配設されるので、中空部材740の姿勢が崩れたとしても、中空部材740の突設柱状部743が板状変位部材730の小受け部735から脱落することを防止することができる。
本実施形態では、正面側の突設押さえ部724の下端部の上下位置に比較して、背面側の突設押さえ部724の下端部の上下位置の方が下方に配置される。これにより、中空部材740が突設押さえ部724に当接した場合であっても、中空部材740の姿勢を後傾姿勢に寄せることができる。これにより、正面側から見下げる方向視で中空部材740を見る遊技者に対して、中空部材740の筒状本体部741の正面側の形状や模様を見せ易くすることができる。
板状変位部材730は、無色で光透過性の樹脂材料から形成され、板状部材702の左右側部に一対で形成される受入凹部702bと、カバー部材720の下面とに回転可能に軸支持される部材であって、左右両端から同軸上に円形断面で突設される一対の被軸支部731と、複数箇所において上下方向に穿設される光透過孔732と、被軸支部731よりも正面側へ板状に延設され下方からの押し上げ負荷を受ける一対の被負荷部733と、土台部材701の導光部材714を挿通可能な大きさで上下方向に穿設される複数の導光挿通孔734と、その導光挿通孔734の対角線上に一対で配設され上面視リング形状に突設される複数の小受け部735と、上面視でカバー部材720の前側貫通孔723の中央位置に配置され上面視リング形状に突設される複数の大受け部736とを備える。
図47は、板状変位部材730の上面図である。被負荷部733は、被軸支部731の中心を通る回転軸よりも正面側に配設されており、左右それぞれに、別々の駆動ユニット760が対応し、下方から負荷が与えられる。
板状変位部材730は、被負荷部733に与えられる負荷の態様の違い(例えば、片側のみに負荷が与えられているのか、又は両側に負荷が与えられているのかや、短い時間間隔の負荷が与えられているのか、又は持続的な負荷が与えられているのか等)により、異なる態様で被軸支部731を中心として回転変位するが、詳細は後述する。
図47に示すように、導光挿通孔734の形状は、上述の透光孔709の形状に倣って形成される。即ち、導光挿通孔734は、前後に長尺のクリスタル形状(略楕円形状、略亀甲形状)で穿設されており、その長尺方向が左右中央からの位置に対応して異なる方向を向く。
即ち、中央寄りの導光挿通孔734ほど長尺方向と前後方向とのずれが小さくされ(本実施形態では、一致され)、左右端へ寄るほど、長尺方向が前側へ向けて左右中央寄りに傾斜する方向とされる。
即ち、導光挿通孔734の長尺方向は、正面側へ向け左右中央寄りに傾斜する方向に設定されており、その傾斜の角度が、左右端寄りになるほど大きくなるように設計される。本実施形態では、傾斜角度の増分が一定(約5度)となるように構成される。
小受け部735は、がたつきを許容して中空部材740を支持する部分であって、板状変位部材730の左右方向中心位置を通る中心線CL1に対して左右対称に配置され、導光挿通孔734の長尺方向に対する関係(一対の小受け部735の間隔や、一対の小受け部735を結ぶ直線と導光挿通孔734の長尺方向とがなす角度)が維持される。
これにより、中心線CL1の一側に配置される複数の中空部材740を同一形状としながら(他側に配置される中空部材740とは左右対称形状としながら)、第2動作ユニット700の組立状態(図40参照)における中空部材740の姿勢を異ならせることができる。
即ち、導光挿通孔734の形状と同様に、中央寄りの中空部材740ほど長尺方向と前後方向とのずれが小さくされ、左右端へ寄るほど、長尺方向が前側へ向けて左右中央寄りに傾斜する方向とされる。
即ち、中空部材740の長尺方向は、正面側へ向け左右中央寄りに傾斜する方向に設定されており、その傾斜の角度が、左右端寄りになるほど大きくなるように設計される。本実施形態では、傾斜角度の増分が一定(約5度)となるように構成される。
一対の小受け部735は、基準O1に対して正面側に配置され断面円形状の有底筒状に形成される前小受け部735aと、基準O1に対して背面側に配置され断面円形状の有底筒状に形成される後小受け部735bとを備える。
本実施形態では、前小受け部735aの内筒の直径に比較して、後小受け部735bの内筒の直径の方が長くなるよう設計される。具体的には、中空部材740の突設柱状部743の断面の直径が3[mm]で設計され、前小受け部735aの内筒の直径は4.8[mm]で設計され、後小受け部735bの内筒の直径は5.0[mm]で設計される。
即ち、小受け部735と突設柱状部743との対向方向で生じる隙間寸法は、前小受け部735aと突設柱状部743との隙間寸法の方が、後小受け部735bと突設柱状部743との隙間寸法に比較して小さくなる。
これにより、がたつきを許容して支持される中空部材740の変位態様に秩序を持たせることができる。即ち、本実施形態では、前小受け部735aを軸とした回転変位の方が、後小受け部735bを軸とした回転変位に比較して生じ易くすることができる。
換言すれば、前小受け部735a付近においては中空部材740の配置を維持し易い一方で、後小受け部735b付近においては中空部材740の配置にずれが生じやすいように構成することができるので、後述する板状変位部材730の回転変位に伴う中空部材740の変位の方向を、背面側へ向けて左右外側へ広がる方向に整えることができる。
大受け部736は、がたつきを許容して可変装飾部材750を支持する部分であって、中心線CL1上に配置される大受け部736に比較して、左右両側に配置される大受け部736の方が、被軸支部731の中心を通る回転軸からの間隔が長くされ、上下位置も異なるように形成されるが、詳細は後述する。
図43、図44及び図45に戻って説明する。中空部材740は、左側に並べて配設される4個の同一形状部材と、右側に並べて配設される4個の同一形状部材とが、左右対称形状で構成されるので、右側に配設される中空部材740について詳細に説明し、左側に配設される中空部材740については説明を省略する。
図48は、中空部材740の正面斜視図である。図48に示すように中空部材740は、導光部材714の前後左右を囲むように配設されることで導光部材714の前後左右から漏れ出る光が遊技者に視認されない(難い)よう遮蔽し、光を視認し易い導光部材714の上先端部に遊技者の視線を集められるよう構成される部材であって、前後に長尺のクリスタル形状(略楕円形状、略亀甲形状)で外枠が設計され上下に開放された筒状に形成される筒状本体部741と、その筒状本体部741の下縁部から前後左右方向に平板状に延設される平板延設部742と、その平板延設部742の板下面から下方に柱状に突設される一対の突設柱状部743とを備える。
筒状本体部741の上面視の外形は、カバー部材720の後側貫通孔722の上面視内形よりも若干小さく形成される一方で、平板延設部742の上面視の外形は、カバー部材720の後側貫通孔722の上面視内形よりも大きくなるように形成される。即ち、第2動作ユニット700の組立状態において(図40参照)、中空部材740は、後側貫通孔722に挿通された状態で、上下変位可能とされつつ、カバー部材720の上方へ引き抜かれることは規制される。
筒状本体部741の上縁部は、正面側へ向かう程下げられている。これにより、導光部材714の上端部に到達した光を正面側上方へ集中的に放射することができる。一方で、背面側上方へ向かう光は、大部分が筒状本体部741に遮られることになる。従って、導光部材714の上端部に到達した光を遊技者の目に良好に届けることができると共に、導光部材714の上端部に到達した光が第3図柄表示装置81に多量に移り込んでしまうことで表示の視認性が悪くなることを防止することができる。
平板延設部742は、突設押さえ部724(図45参照)に上昇変位を規制される部分としても機能する。即ち、突設押さえ部724は、背面側の突設柱状部743と対応する位置に形成され、中空部材740が上昇変位することを規制する。このように、突設押さえ部724と突設柱状部743とが対応する位置に形成されることにより、中空部材740が姿勢変化する場合であっても、突設柱状部743が板状変位部材730の小受け部735から抜け出ることを防止することができるので、中空部材740を安定して支持することができる。
突設柱状部743は、突設先端が半球状に形成され、板状変位部材730(図43参照)の小受け部735の配置間隔に合わせて配設され、第2動作ユニット700の組立状態において(図40参照)、小受け部735に受け入れられる。
一対の突設柱状部743と、筒状本体部741とは、回転対称では無いように構成されるこれにより、前後逆に組み付けた場合に導光部材714との位置関係を変化させることができ、誤取付防止を図ることができる。なお、左右4個ずつ配設される中空部材740は、左右対称形状から形成されていることから、左右中心位置よりも左側に組み付けられる中空部材740が右側に組み付けられることを防止することができる(誤取付防止を図ることができる)。
ここで、小受け部735は、板状変位部材730の変位態様と同じく左右方向を向く回転軸中心に回転変位する一方で、突設柱状部743は中空部材740に許容される上下変位で主に変位することになるところ、突設柱状部743の突設先端が半球状に形成されていることから抵抗少なく中空部材740を変位させることができる。ここで、板状変位部材730の回転変位に伴う中空部材740の変位態様について説明する。
図49(a)、図49(b)及び図49(c)は、図47のXLIX−XLIX線における導光部材714、板状変位部材730及び中空部材740の断面図である。図49(a)では、板状変位部材730の下終端姿勢(初期姿勢)が図示され、図49(b)では、板状変位部材730の水平姿勢が図示され、図49(c)では、板状変位部材730の上終端姿勢が図示される。なお、水平姿勢は、下終端姿勢から板状変位部材730が基準O1を中心に約2.1度だけ回転(起き上がり変位)した姿勢に対応し、上終端姿勢は、水平姿勢から板状変位部材730が基準O1を中心に約4度だけ回転(起き上がり変位)した姿勢に対応する。
図49(a)に示すように、駆動ユニット760が作動していない場合には、水平姿勢よりも板状変位部材730が約2.1度だけ前傾した姿勢(下終端姿勢(初期姿勢))で板状変位部材730は安定的に支持される。本実施形態では、前小受け部735aよりも後小受け部735bを深底に凹設することで、板状変位部材730の下終端姿勢(初期姿勢)における前小受け部735aの支持位置(底部)と後小受け部735bの支持位置(底部)の上下方向のずれを抑えている。
これにより、下終端姿勢(初期姿勢)の板状変位部材730に支持される中空部材740の姿勢が前傾姿勢となることを防止することができる。また、前小受け部735a及び後小受け部735bの支持位置(底部)の面が板状変位部材730の傾斜と同様に正面側へ向かう程下降傾斜するよう構成されることで、中空部材740が背面側へ変位した場合であっても、支持位置(底部)の傾斜を利用して中空部材740を滑らせることで中空部材740を正面側に戻すことができる。
従って、例えば、正面枠14を開閉する際に生じる負荷により中空部材740が位置ずれした場合であっても、駆動ユニット760の作動前から、中空部材740の位置を正面寄りの位置(初期位置)に安定的に維持することができる。
図49(b)に示すように、板状変位部材730の水平姿勢では、中空部材740の突設柱状部743は、前後共に、小受け部735との隙間を十分に確保可能とされている。従って、例えば、水平姿勢付近の姿勢で板状変位部材730が小振動する場合には、突設柱状部743の小受け部735の内側における振動の態様が、前後の突設柱状部743で大きな差が無く、中空部材740は前後左右に無秩序に変位し易い。
図49(c)に示すように、板状変位部材730が上終端姿勢まで変位する過程において、中空部材740の前側の突設柱状部743は前小受け部735aと当接し、背面側へ押進される。
従って、例えば、上終端姿勢を基準として(上終端姿勢付近で)板状変位部材730が小振動する場合には、前小受け部735aに支持される突設柱状部743を軸として中空部材740が回転変位し易い。即ち、小振動の基準となる板状変位部材730の姿勢に対応して、中空部材740に生じ易い変位態様を変化可能に構成される。
中空部材740には、筒状本体部741の内側に導光部材714が挿通され、一対の突設柱状部743が板状変位部材730の小受け部735に受け入れられることで支持される。そのため、中空部材740の変位は小受け部735の変位に対応するので、まず、小受け部735の変位態様について説明する。
小受け部735は、板状変位部材730の一部なので、板状変位部材730の変位に追従して変位する。板状変位部材730は、被軸支部731同士を結ぶ直線(左右方向を向く直線)である基準O1を中心に回転変位するので、小受け部735は、基準O1方向(左右方向)には変位せず、基準O1と直交する平面上で変位することになる。これに伴い、導光部材714の左右に配置される一対の小受け部735を結ぶ直線の中心線CL1に対する傾斜の度合いが変化することになる。そのため、中空部材740についても、中心線CL1に対する傾斜の度合いの変化が促されることになる。
一対の小受け部735に支持される中空部材740には、上述の傾斜の度合いの変化に伴い、基準O1に直交する平面上の変位だけでなく、前後左右方向(水平方向)での変位や姿勢変化が許容される。
板状変位部材730の小受け部735の配置が中心線CL1を基準として左右対称とされることから、上述の傾斜の度合いの変化も中心線CL1に対して左右対称とされるので、中空部材740の前後左右方向(水平方向)での変位または姿勢変化を左右対称に生じさせることができる。
また、中心線CL1に対する傾斜の度合いの変化は、変化前の状態における一対の小受け部735の配置に対応するので、中心線CL1に近い側(中央側)の一対の小受け部735の傾斜の度合いの変化と、中心線CL1から遠い側(左右外側)の一対の小受け部735の傾斜の度合いの変化とは異なる。本実施形態では、中心線CL1に対して平行な方向の変位が維持されることから、変化前の状態において中心線CL1に対する傾斜角度が大きい左右外側の一対の小受け部735の傾斜の変化度合いの方が、中央側の一対の小受け部735の傾斜の変化度合いに比較して大きくなる(図47参照)。これにより、板状変位部材730が一定の態様で変位する場合の中空部材740の姿勢変化量を、中心線CL1に近い側か遠い側かで変化させることができる。
変位発生時における中空部材740と導光部材714との関係について説明する。中空部材740の変位時の抵抗を抑制するために、中空部材740の内側面と導光部材714の外側面との間に隙間が生じる寸法関係で、小受け部735の配置、中空部材740の形状および導光部材714の形状が設計される。
ここで、設計上の隙間は、上面視における導光部材714の長尺方向と、長尺方向に対して直交する方向とで異なっている。即ち、長尺方向の隙間の方が、長尺方向に対して直交する方向の隙間に対して大きい。
従って、導光部材714の上面視における長尺方向の中心線CL1に対する傾斜角度が大きくなるほど(左右外側に配設されるものほど)、中空部材740の内側面と導光部材714の外側面との間の前後方向の隙間が狭まることになる。
そのため、板状変位部材730の回転変位に伴い中空部材740が前後方向に同じだけ変位するとなると、左右外側に配設される中空部材740が導光部材714に押し付けられ、擦れが生じたり、大きな負荷がかかり易くなったりして破損する可能性がある。一方で、その対策として、予め中空部材740の内側面と導光部材714の外側面との間の前後方向の隙間を大きめに設定すると、導光部材714と中空部材740とが離れすぎてしまうので、導光部材714の先端部以外を中空部材740により遮蔽し導光部材714の先端部に遊技者の視線を集めるという効果が薄れてしまう。
これに対し、本実施形態では、左右外側に配設される中空部材740の前後方向の変位量を、左右中央側に配設される中空部材740の前後方向の変位量に比較して小さくするように構成されている。
即ち、本実施形態では、基準O1に対して平行な同一平面上に複数の小受け部735が配置される構成において、左右外側に配設される小受け部735の方が、左右中央側に配設される小受け部735に比較して、前側の小受け部735と基準O1との前後方向間隔が短くなるように配設されている。
これにより、板状変位部材730の回転変位に伴い前側の小受け部735が後方変位することにより、押進されて後方へ変位する中空部材740の前後変位量が、左右中央側に配設される部材に比較して、左右外側に配設される部材の方が若干小さくなるように幾何学的に規定することができる。
板状変位部材730の初期姿勢において、小受け部735と中空部材740の突設柱状部743との間の隙間は、前後左右で略均等に構成され、且つ、中空部材740が水平方向に平行移動しても導光部材714と中空部材740との間の隙間を埋めない程度に設けられている。
従って、板状変位部材730が初期姿勢とされている状態(電磁ソレノイドSOL2の非励磁状態)において、遊技者がパチンコ機10を叩いたり、揺らそうとしたりして、パチンコ機10に外力が加えられた場合に中空部材740が変位したとしても、その変位が導光部材714と中空部材740との間の隙間寸法未満に抑えられる。従って、導光部材714と中空部材740との間で伝達される負荷を低減することができる。
板状変位部材730の回転変位に伴い、導光挿通孔734の左右に配置される一対の小受け部735の間の距離が、上面視で変化することから、小受け部735の中心と中空部材740の突設柱状部743の中心とが一致したまま中空部材740が前後方向に変位する可能性は低い。
少なくとも、小受け部735と突設柱状部743との間の隙間において小受け部735に対する突設柱状部743の配置が変化するので、この変化に伴い中空部材740の左右方向への変位や姿勢変化が生じ得る。
中空部材740を押進する態様について説明する。図49に示すように、板状変位部材730の回転変位中に、前小受け部735a(前後方向変位が大きい側の小受け部735)の内側面の正面側部が突設柱状部743の前側面と当接開始し、背面側へ押進される。
この時、上述した寸法関係から、後小受け部735bの内側面前部と突設柱状部743の前面部との間に隙間が維持される。従って、前小受け部735aに支持される突設柱状部743を軸とする回転方向のがたつきが許容されることになる。このがたつきを利用した変位により、上面視における小受け部735同士の間隔が変化したことに対応することができるよう構成されている。
このように、小受け部735が中空部材740を背面側へ変位させるよう構成され、且つ、前側の突設柱状部743を軸とした回転変位が許容されるだけのがたつきを後小受け部735bと突設柱状部743との間に設けるよう構成されている。従って、電磁ソレノイドSOL2を駆動源とした板状変位部材730の回転変位に基づく中空部材740の変位中に、中空部材740と導光部材714とが衝突した場合でも、中空部材740と導光部材714との間で生じる負荷を小さく抑えることができるので、中空部材740または導光部材714が割れたり、欠けたりすることを防止することができる。
図43、図44及び図45に戻って説明する。可変装飾部材750は、カバー部材720と板状変位部材730との間に支持される二股支持部材751と、その二股支持部材751に締結固定されカバー部材720の上側に配設される装飾部材756とを備える。
二股支持部材751は、左右長尺の板状に形成される板状本体部の中心部下面から下方へ向けて柱状に突設される柱状突設部752と、板状本体部の左右両端部から上方へ向けて筒状に突設される一対の筒状突設部753(長さ違い)と、板状本体部の中心部から背面側へ板状に延設される板状延設部754とを備える。
柱状突設部752の突設先端は半球状に形成されており、板状変位部材730の大受け部736に受け入れられる。二股支持部材751の筒状突設部753は前側貫通孔723に挿通可能に形成され、前側貫通孔723により二股支持部材751の上下方向変位が許容される一方、大受け部736は被軸支部731の中心を通る軸を中心に回転変位する。従って、互いに変位の方向が異なるが、柱状突設部752の突設先端が半球状に形成されていることにより、板状変位部材730の変位に伴い抵抗少なく可変装飾部材750を変位させることができる。
板状延設部754は、可変装飾部材750の重心位置を柱状突設部752の中心よりも背面側に配置するよう作用する。即ち、可変装飾部材750が自重で安定する姿勢を、後傾姿勢とすることができる。これにより、板状変位部材730が初期姿勢とされる場合の柱状突設部752と板状変位部材730との当接位置を、可変装飾部材750が傾斜せずに直立する場合に比較して正面側に寄せることができるので、板状変位部材730の姿勢変化開始時点付近における可変装飾部材750の変位量を大きくすることができる。
装飾部材756は、筒状突設部753に対応して下方へ突設される一対の突設脚部757を備え、突設脚部757の先端には雌ネジが形成される。突設脚部757は、筒状突設部753の内側に挿通される。
二股支持部材751の板状本体部には、筒状突設部753の中心位置に沿って締結ネジを挿通可能な挿通孔が形成される。その挿通孔に締結ネジを挿通して、その締結ネジを突設脚部757の先端の雌ネジに螺入することにより、二股支持部材751と装飾部材757とが締結固定される。
第2動作ユニット700の組立工程について説明する。まず、カバー部材720に可変装飾部材750を組み付ける。即ち、二股支持部材751の筒状突設部753をカバー部材720の前側貫通孔723に下側から通し、装飾部材756の突設脚部757を筒状突設部753に挿通し、突設脚部757の先端の雌ネジに締結ネジを螺入する。
次に、土台部材701に、板状変位部材730、中空部材740、カバー部材720を順番に乗せ、土台部材701にカバー部材720を締結固定する。なお、カバー部材720を土台部材701に組み付ける際には、鉤状部721cを板状部材702の背面側に形成される係合部702aに係合した状態で上から挿通孔721aに締結ネジを挿通しカバー部材720と土台部材701とを締結固定した後で、上下を逆さまにして締結部721bに締結ネジを螺入する。
これにより、土台部材701とカバー部材720との間に複数の部材を非固定で配置する構成であり、且つ、下面から複数箇所に締結ネジを螺入するという構成ながら、組立途中で各構成部材が土台部材701とカバー部材720との間から脱落することを防止することができる。
最後に、駆動ユニット760を土台部材701の下方に配置し、下方から締結ネジを螺入して締結固定する。第2動作ユニット700の組立状態では(図40参照)、下方から螺入される締結ネジの進行方向と背面ケース310の外壁部312とが干渉するので、背面ケース310に第2動作ユニット700を収容した状態で締結ネジを抜き取ることは困難とされる。従って、動作ユニット300の正面側が不正に開放された場合に、駆動ユニット760を独立して背面ケース310から取り出すことを防止することができる。
また、駆動ユニット760の背面側には、背面ケース310の底壁部311に挿通される締結ネジが締結固定される締結部766が形成される。従って、駆動ユニット760が組み付いていない状態で第2動作ユニット700が背面ケース310に組み付けられた場合には、底壁部311に締結ネジを挿通して第2動作ユニット700の締結固定を行う段階で締結ネジを締結できない箇所が生じるので、駆動ユニット760が不足していることを作業者に気付かせることができる。これにより、駆動ユニット760の組み付け忘れを抑制することができる。
図50は、駆動ユニット760の分解正面斜視図である。図50では、正面視右側に配設される駆動ユニット760が図示される。駆動ユニット760は、若干外観が異なるが、構成要素は左右対称とされるので、右側の駆動ユニット760について詳細に説明し、左側の駆動ユニット760の説明を省略する。
駆動ユニット760は、板状変位部材730に負荷を付与可能に構成される負荷部材761と、その負荷部材761の基端側を回転可能に支持する金属製(本実施形態では、真鍮製)の円柱形状に形成される軸棒部762と、その軸棒部762が固定され全体がケース状に構成される支持ケース763と、その支持ケース763の内側に配設される電磁ソレノイドSOL2と、支持ケース763の正面側に配設され支持ケース763に締結固定される前蓋部材770と、その前蓋部材770の正面側に締結固定される電飾基板777とを備えている。
負荷部材761は、樹脂材料から形成されており、軸棒部762が挿通される貫通孔が形成される基端部761aと、その基端部761aの外方へ向けて延設され、略くの字状に屈曲形成される棒状延設部761bと、その棒状延設部761bの延設先端から上方へ向けて正面側へ屈曲する棒状に形成される縦棒状延設部761cと、棒状延設部761bの延設先端から棒状延設部761bの延設方向に沿って張り出す張出部761dと、その張出部761dと棒状延設部761bとの境界部において軸棒部762を中心とする円弧形状に形成され前蓋部材770の湾曲突設部774と対向配置される対向湾曲部761eとを備える。
棒状延設部761bの上面には、金属製(磁性体)の金属板部材MB2が配設される。本実施形態では、金属板部材MB2は、上述の金属板部材MB1と同様に、弾性爪との係合により棒状延設部761bに固定される。
詳述すると、棒状延設部761bの長手方向両側に金属板部材MB2の前後スライドを案内するレール部が配設されており、このレール部は、金属板部材MB2を背面側からのみ案内できるように形成されている(背面側のみ十分に開放されている)。レール部に沿って金属板部材MB2をスライドさせる際には弾性爪が金属板部材MB2により押し下げられており、そのまま金属板部材MB2をスライドさせると、レール部の正面側壁に金属板部材MB2が当たることでスライドが規制され、当該位置においては金属板部材MB2による弾性爪の押し下げは解除されており(金属板部材MB1の側面と対向する位置まで上昇しており)、弾性爪が金属板部材MB2の背面側への退避を規制するように係合する。
なお、金属板部材MB2の棒状延設部761bへの固定方法はこれに限られるものではない。例えば、金属板部材MB2を棒状延設部761bに締結固定するものでも良いし、結束バンドでしばりつけても良いし、粘着性のテープ等で貼り付けても良い。
前蓋部材770は、正面側へ向けて枠状に突設される突設枠部771と、その突設枠部771の内側において正面側へ細径円柱状に突設される複数の突設円柱部772と、下縁部において電飾基板777に接続される電気配線または電気配線の端部に連結されるコネクタを通すことができるように凹設される配線通し凹部773と、板背面から軸棒部762を中心とする円弧形状に沿って湾曲板状に突設される湾曲突設部774とを備える。
突設枠部771は、電飾基板777の周囲と対向配置するように形成されており、電飾基板777に上下左右方向から負荷が与えられることを防止する部分である。
突設円柱部772は、正面視瓢箪状の座部と、その座部から更に突設される小径の挿通部とを備えており、電飾基板777の貫通孔779に挿通部が入るように組み付けることで電飾基板777の板背面が座部に支えられ、電飾基板777の配置を安定させることができる。座部には、締結ネジを螺入可能な雌ネジ部が挿通部に併設され、この雌ネジ部に螺入される締結ネジにより電飾基板777が前蓋部材770に締結固定される。
電飾基板777は、演出を考慮して設計された位置に配設される複数のLED等から構成される発光手段778と、組み付け用に電飾基板777に穿設される複数の貫通孔779とを備える。
貫通孔779は、円形の貫通孔が、突設円柱部772の挿通部と雌ネジ部とに対応する一対が一組として複数箇所(本実施形態では、2箇所)に形成される。
本実施形態では、電飾基板777が前蓋部材770に直接的に締結固定される。即ち、電磁ソレノイドSOL2の正面側に近接配置される前蓋部材770と電飾基板777とが単一の剛体のように構成されている場合に対応する。そのため、電磁ソレノイドSOL2の励磁により生じる振動により電飾基板777を振動し易くさせることができ、電磁ソレノイドSOL2の励磁により生じる振動により、発光手段778から照射される光の光軸を振動させるように構成することができる。
なお、本実施形態では、電磁ソレノイドSOL2により変位する負荷部材761と、前蓋部材770の板背面部との間に湾曲突設部774が配設されている。即ち、振動源側としての負荷部材761と、前蓋部材770とが少なくとも湾曲突設部774の幅寸法分だけ離れるので、振動が過度に伝達されることを防止することができる。
なお、湾曲突設部774の幅寸法は任意に設定可能とされる。そのため、発光手段778から照射される光の光軸を振動させたいか、振動させずに維持したいかにより湾曲突設部774の幅寸法の設定を変化させることができる。前者であれば、幅寸法を短くすれば良いし、後者であれば、幅寸法を長くすれば良い。
支持ケース763は、電磁ソレノイドSOL2の下方に配設される下側規制部764と、電磁ソレノイドSOL2に対して軸棒部762の反対側に配設される上側規制部765と、背面ケース310の底壁部311(図6参照)に挿通される締結ネジが螺入される締結部766(図45参照)とを備える。
負荷部材761は通常、自重で傾倒している(図51(a)参照)が、電磁ソレノイドSOL2に電気が供給されることで磁力(電磁力)が発生し、その磁力(電磁力)により金属板部材MB2が吸着され上昇変位する。
即ち、本実施形態では、金属板部材MB2が電磁力で上昇した結果配置される上昇位置と、電磁力が消失し自重で下降した結果配置される下降位置との間で変位することに伴って、負荷部材761からの負荷を受ける板状変位部材730(図43参照)が被軸支部731を中心とする回転方向に変位する。以下、図51を参照して、その回転変位について説明する。
図51(a)及び図51(b)は、駆動ユニット760の正面図である。なお、図51(a)及び図51(b)では、湾曲突設部774を除き前蓋部材770及び電飾基板777の図示が省略されており、湾曲突設部774は外形が想像線で図示される。
また、図51(a)では、電磁ソレノイドSOL2に電流が流されておらず負荷部材761が自重で下降位置に配置された状態が図示され、図51(b)では、電磁ソレノイドSOL2に電流が流され発生する電磁力により金属板部材MB2が吸着され負荷部材761が上昇位置に配置された状態が図示される。
図51(a)及び図51(b)に示すように、負荷部材761は、下降位置においては下側規制部764に当接し下降変位を規制され、上昇位置においては上側規制部765に当接し上昇変位を規制される。
ここで、下側規制部764及び上側規制部765は、軸棒部762を基準とした配置(軸棒部762からの距離)が異なるように構成されているが、それにより生じる効果について説明する。
まず、下側規制部764に負荷部材761を介して与えられる負荷は、主に負荷部材761の自重により生じる負荷であるので、負荷部材761の重心を支えることで負荷部材761を安定して支持することができる。この理由から、下側規制部764は、負荷部材761の重心位置に配設される。
上述の、窓部可動ユニット150の説明においては、被駆動部材163が真っすぐな棒状に形成されていることから重心位置が部材の略中央位置となるとしたが、負荷部材761は、棒状延設部761bの延設先端側から縦棒状延設部761cと張出部761dとが二股で延びるので、重心位置は棒状延設部761bの略中央位置よりも延設先端側に配置されることになる。
このことを考慮して、本実施形態では、下側規制部764が、負荷部材761の重心位置と対応する位置として、棒状延設部761bの略中央位置よりも延設先端側に配置される。
これに対し、上側規制部765に負荷部材761を介して与えられる負荷は、主に電磁ソレノイドSOL2で生じる磁力(電磁力)による負荷であるので、上側規制部765の配置を負荷部材761の重心位置に関連させる利点は少ない。本実施形態では、上側規制部765を負荷部材761の回転先端に対向配置させることで、負荷部材761を介して上側規制部765へ伝達される負荷を低減している。
即ち、同じ大きさの力のモーメントが発生している場合、負荷部材761の回転軸から離れた位置(モーメントに係る腕が長い位置)の方が、負荷部材761を介して伝達される負荷が小さくなるので、上側規制部765へ伝達される負荷を低減することができる。
このように、上規制部材765への負荷伝達は、負荷部材761の回転先端部において生じることが望ましいので、本実施形態では、棒状延設部761bの延設先端から、張出部761dが更に軸棒部762を中心とする円の外径側へ張り出し、その張出部761dが上規制部材765と当接するように構成されている。これにより、負荷部材761の中間部で負荷伝達することを回避し、回転先端側での負荷伝達を安定的に生じさせることができる。
本実施形態では、電磁ソレノイドSOL2は、負荷部材761を押進する構成では無く、吸着力により引き上げる構成とされる。即ち、電磁ソレノイドSOL2に配設されている鉄心に生じる磁力が金属板部材MB2を引き付けることで負荷部材761を引き上げるように構成される。
この構成によれば、電磁力で移動する部材で負荷部材761を押進する構成に比較して、負荷部材761に与えられる負荷により負荷部材761が変位した場合であっても過負荷(局所的な負荷)が生じにくいので、電磁ソレノイドSOL2の構成が損傷を受けることを回避し易くすることができる。これにより、本実施形態のように、負荷部材761が変動する負荷を受けるような構成であっても、電磁ソレノイドSOL2の耐用年数を延ばすことができる。
図51(b)に示すように、負荷部材761は、電磁ソレノイドSOL2から吸着力を受ける状態(上昇位置)で金属板部材MB2の上面が面接触(電磁ソレノイドSOL2の金属ケースの下縁に所定平面上の複数点で接触)する一方で、金属板部材MB2と電磁ソレノイドSOL2の本体部(コイルを内蔵している部分)との間には隙間を設けるよう構成され、上述の面接触する面と平行な面上で上側規制部765と張出部761dとが面で当接するように構成される。
これにより、負荷部材761が電磁ソレノイドSOL2の本体に衝突することを回避することで電磁ソレノイドSOL2に過負荷が与えられることを回避しながら、電磁力により生じる負荷を、電磁ソレノイドSOL2の金属ケースの下縁部や上側規制部765の下面(当接面)で分散させて受け止めることができる。局所的に大きな負荷が生じることを回避することができる。
なお、負荷部材761の上昇位置において、電磁ソレノイドSOL2の本体部と金属板部材MB2との間だけでなく、電磁ソレノイドSOL2の金属ケースの下縁部と金属板部材MB2との間にも隙間を設けるよう構成し、負荷部材761からの負荷を上側規制部765のみで受け止めるように構成しても良い。この場合、負荷部材761と電磁ソレノイドSOL2との間の物理的な負荷伝達を遮断することができるので、電磁ソレノイドSOL2の耐久性を向上することができる。
この場合において、負荷部材761の内、張出部761dに負荷が集中し易いので、張出部761dが優先的に破損(破断)することになるが、張出部761dが破損(破断)した場合であっても、金属板部材MB2が電磁ソレノイドSOL2の金属ケースの下縁に所定平面上の複数点で当接するよう構成されているので、一点に負荷が集中することを回避することができる。
更に、この場合において、張出部761dが破損(破断)すると、金属板部材MB2が金属ケースの下縁に複数点で当接するので、この当接を検出可能に検出センサが別途構成されることにより、張出部761dの破損(破断)を容易に判定することができる。
また、上昇位置では電磁ソレノイドSOL2による磁力(電磁力)が発生し続けるので、上側規制部765に衝突した後で負荷部材761が跳ね返ることは考えにくい。そのため、上側規制部765に伝達される負荷を低減させる効率のみを考えて上側規制部765の配置や姿勢を設計することができる(軸棒部762の中心を通る直線と上側規制部765の幅方向に沿う直線との角度を小さく設計することができる)。
一方、下側規制部764は、その幅方向に沿う直線が、下側規制部764を通り且つ軸棒部762の中心を通る直線rL1に対して傾斜しているので、下側規制部764の幅方向に沿う直線と直線rL1とが平行または同一直線上である場合に比較して、反発力の生じる方向を分散させることができる(力の分解)。これにより、下側規制部764に衝突した後の負荷部材761の跳ね返り(バウンド)を抑制することができる。
且つ、下側規制部764は、幅寸法(径方向に沿う幅)が長めに形成されていることから、負荷を受ける面の面積を広く確保することができ、負荷部材761の自重による負荷により下側規制部764に生じる圧力(応力)を低減することができる。
従って、本実施形態によれば、上下両方向の変位時において負荷部材761を介して下側規制部764及び上側規制部765に伝達される負荷を低減しながら、負荷部材761の跳ね返り(バウンド)を抑制することができる。
なお、上側規制部765及び下側規制部764の材質は何ら限定されるものではない。例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン等の汎用プラスチックでも良いし、ポリカーボネート等のエンジニアリングプラスチックでも良いし、メラミン樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂でも良いし、ゴム性材料でも良い。また、上側規制部765及び下側規制部764の材質を同じで構成しても良いし、異ならせても良い。
例えば、上昇位置において負荷部材761が板状変位部材730から受け得る負荷により、負荷部材761に生じる可能性がある前後方向への位置ずれを抑制する機能を上側規制部765に付与する場合は、上側規制部765の素材として、減衰性のみではなく、摩擦抵抗に優れた材料や構造を採用するようにしても良い。
この場合、板状変位部材730から負荷部材761に与えられる負荷により負荷部材761が前後方向(軸方向)に変位することを、特に張出部761dと上側規制部765とが当接する状態に限り防止し易くすることができる。
負荷部材761が変位する際には、対向湾曲部761eが湾曲突設部774の背面側を変位する。対向湾曲部761e及び湾曲突設部774は共に軸棒部762を中心とする円弧形状とされるので、負荷部材761が正面側に位置ずれし対向湾曲部761e及び湾曲突設部774が当接した状態で負荷部材761が回転変位したとしても、対向湾曲部761e及び湾曲突設部774が回転方向に沿って摺動するに留まるので、回転変位の抵抗を低減することができる。
また、対向湾曲部761eを負荷部材761の下端部に形成することで、その上方に十分なスペースを確保することができる。本実施形態では、この確保したスペースに縦棒状延設部761cが配設されている。
縦棒状延設部761cは、対向湾曲部761eの上方に延びているが、湾曲形成される対向湾曲部761eとは異なり、正面視で真っすぐに延設される。即ち、負荷部材761が上昇位置に配置された状態で、正面視で上下方向に延びる棒状に形成される。
これにより、板状変位部材730から受ける負荷により負荷部材761が左右に撓み変形することを抑制できるので、本実施形態のように、負荷部材761の先端が左右に若干位置ずれしながら上昇変位する構成であっても、板状変位部材730を安定的に押し上げることができる。なお、板状変位部材730から受ける負荷および支持態様については後述する。
なお、縦棒状延設部761cは、正面視では上下方向に真っすぐ延びる棒状に形成されているが、側面視では下端部よりも上端部の方が正面側に配置されるように途中位置(軸棒部762の左方位置)で屈曲(鈍角で屈曲)形成されている。
これにより、軸棒部762付近よりも下側において負荷部材761が占める領域を背面側に寄せることができ、その正面側に配設される部材の配設領域を確保することができる。即ち、電飾基板777の配設位置を背面側に寄せることができるので、遊技盤13(図40参照)と電飾基板777との間隔を離すことで、発光手段778から照射され流下面構成部材91,92越しに視認される光を広がりのある光として視認させ易くすることができる。換言すれば、LEDの外形程度の大きさで視認される点発光ではなく、光軸を中心とした円状に光が到達し面状に光る面発光で視認させ易くすることができる。
更に、板状変位部材730から受ける負荷により負荷部材761が前後に撓み変形し易くすることができるので、単一の負荷部材761により板状変位部材730を支持する場合に局所的に過負荷が生じたとしても、負荷部材761が撓み変形することで負荷を逃がすことができる。これにより、負荷部材761の耐久性を向上することができる。
従って、本実施形態によれば、負荷部材761の撓み易さを前後左右で異ならせることで、板状変位部材730の押し上げの安定性と、負荷部材761の耐久性の向上とを図ることができるという効果を奏することができる。
負荷部材761は、上昇位置に配置された状態において、電磁ソレノイドSOL2により生じる上向きの電磁力と、負荷部材761の左右両端において軸棒部762及び上側規制部765との間で生じる下向きの負荷とにより安定的に支持される。
そのため、後述するように、負荷部材761に板状変位部材730から負荷が与えられる場合においても、基端部761aから張出部761dまでは安定的に支持されることは変わらないので、負荷により撓みが生じる範囲を縦棒状延設部761cに限定することができる。
これにより、板状変位部材730から与えられる負荷により負荷部材761が全体的に前後方向に変位し、支持ケース763や前蓋部材770と当接することを回避することができる。換言すれば、負荷部材761が他の部材と擦れることで部材に損傷を与えたり、負荷部材761を駆動させるための駆動力が余分に必要となったりすることを防止することができる。
<第2動作ユニット700の作用>
第2動作ユニット700の動作態様について説明する。第2動作ユニット700では、左右に配設される駆動ユニット760の駆動態様に対応して板状変位部材730の変位が異なるので、それに伴い板状変位部材730の上に支持される中空部材740と可変装飾部材750の変位も異なるよう構成される。以下では、まず板状変位部材730の変位態様について説明し、次いで可変装飾部材750及び中空部材740の変位態様について説明する。
図52、図53及び図54は、第2動作ユニット700の正面図である。図52では、左右の駆動ユニット760の負荷部材761が両方とも下降位置に配置された状態が図示され、図53では、左側の駆動ユニット760の負荷部材761のみ下降位置に配置され、右側の駆動ユニット760の負荷部材761は下降位置から上昇位置へ向けて上昇変位した状態が図示され、図54では、左右の駆動ユニット760の負荷部材761が両方とも上昇位置に配置された状態が図示される。
図52に示す状態は、左右の駆動ユニット760の電磁ソレノイドSOL2(図50参照)に電流が流れていない状態(非励磁状態)に対応している。この状態では、板状変位部材730の被負荷部733と負荷部材761とは接触しておらず、板状変位部材730の姿勢は土台部材701との当接により維持される下終端姿勢(初期姿勢)とされる。
図53に示す状態は、片側(右側)の駆動ユニット760の電磁ソレノイドSOL2(図50参照)に電流が流れるよう制御されている状態(片側励磁状態)に対応している。この状態では、右側の負荷部材761に、板状変位部材730の被負荷部733が押し上げられることで、板状変位部材730が起き上がり方向に姿勢変化され、途中姿勢となっている。なお、本実施形態では、途中姿勢において、板状変位部材730が水平姿勢から約1.3度回転変位している。
図53に示す状態では、板状変位部材730及びその上に乗っている中空部材740や可変装飾部材750の自重による負荷が右側の負荷部材761に集中する。本実施形態では、負荷部材761が細径棒状に形成され、且つ、前後方向に屈曲形成されるており、短手方向(前後方向)に撓み易く構成され、板状変位部材730及びその上に乗っている中空部材740や可変装飾部材750の自重によって撓み変形可能な程度の強度(剛性)で形成される。
本実施形態では、板状変位部材730及びその上に乗っている中空部材740や可変装飾部材750の自重による負荷が、負荷部材761との当接位置において前後方向成分を含む方向にかけられることから(図55参照)、負荷部材761が撓み変形し易いように構成されており、この撓み変形によって負荷を逃がすことができる。即ち、図53に示す状態は、負荷部材761が撓み変形している状態に対応する。
なお、図53に示す状態と、以下で説明する図54に示す状態における板状変位部材730の起き上がり方向の姿勢の違いは、負荷部材761の撓みの度合いによるものとして説明することができる。即ち、負荷部材761の弾性係数を適宜設定することにより、板状変位部材730の姿勢の違いを設計することができる。なお、負荷部材761の弾性係数は左右で同等に設計しても良いし、異ならせても良い。
また、本実施形態では、左右の駆動ユニット760の負荷部材761の形状が左右対称とされるので、図53に示す状態と左右逆の状態として、左側の駆動ユニット760の電磁ソレノイドSOL2(図50参照)に電流が流され、右側の駆動ユニット760の電磁ソレノイドSOL2に電流が流されないようにしても、板状変位部材730の姿勢は図53に示す姿勢と同等となる。従って、以下においては、図53に示す状態を片側励磁状態と称し、電磁ソレノイドSOL2の励磁の関係が左右対称となる状態についての説明を省略する。
図54に示す状態では、板状変位部材730が左右の駆動ユニット760の両方に支持される。そのため、板状変位部材730を介して負荷部材761にかけられる自重の負荷が半分に減ることになるので、負荷部材761の撓み変位を小さくすることができる。
即ち、図54に示す状態では、図53に示す状態に比較して、左側の負荷部材761が上昇位置に配置されていることに加え、板状変位部材730を介して与えられる負荷による負荷部材761の撓みの程度が約半分であることが異なる。
図55(a)は、図53のLVa−LVa線における第2動作ユニット700の断面図であり、図55(b)は、図54のLVb−LVb線における第2動作ユニット700の断面図である。
図55(b)に示すように、左右一対の電磁ソレノイドSOL2が励磁状態とされる場合は、板状変位部材730を介して負荷部材761にかけられる負荷が二分割されていることから、負荷部材761の撓み変形が少ない状態(撓み変形が約半分の状態)で板状変位部材730を起き上がり変位させることができる。
一方で、図55(a)に示すように、左右一対の電磁ソレノイドSOL2の片側が励磁状態とされる場合は、板状変位部材730を介して負荷部材761にかけられる負荷が片側の負荷部材761に集中する。この負荷により負荷部材761に生じる撓み変形が大きくなるので、負荷部材761の回転角度が同じであっても、撓み変形の分だけ板状変位部材730の起き上がり変位量が抑えられる。
本実施形態では、板状変位部材730が基準O1を中心として回転変位するよう構成されている。板状変位部材730が規制突部702cに下支えされる状態(初期姿勢、図55(a)に想像線で図示)では、板状変位部材730の被負荷部733の当接面(下面)から延びる法線が背面方向下側へ延びる状態で駆動ユニット760の負荷部材761に当接する。
即ち、被負荷部733を介して板状変位部材730から負荷部材761へ与えられる負荷が、縦棒状延設部761cの延びる方向に沿って生じるので、負荷部材761に生じる撓み変形が小さく抑えられる。そのため、この状態では、負荷部材761を介して伝達される駆動力が、主に板状変位部材730の起き上がり変位に使用される。
一方、途中姿勢では(図55(a)参照)、基準O1よりも正面方向下側において、板状変位部材730の被負荷部733の当接面(下面)から延びる法線が正面方向下側へ延びる状態で駆動ユニット760の負荷部材761に当接する。
即ち、負荷部材761の変位が大きくなることから負荷部材761の撓み変形量が大きくなり易い途中姿勢(図55(a)参照)付近において、被負荷部733の下面を介して負荷部材761へ向けて与えられる負荷が、正面方向成分および下方向成分を備える。本実施形態では、負荷部材761が正面へ向かう程上昇傾斜する方向に延びる棒状に形成されていることから、正面方向成分および下方向成分を備える負荷は、負荷部材761を撓み変形させる負荷として作用する。そのため、この状態では、負荷部材761を介して伝達される駆動力が、板状変位部材730の起き上がり変位だけでなく、負荷部材761の撓み変形に使用される(負荷部材761の撓み変形に使用される割合が徐々に増加する)。
このように、本実施形態によれば、板状変位部材730の姿勢変化に伴って、負荷部材761に与えられる負荷による負荷部材761の撓み変形のし易さが変化する。即ち、負荷部材761から被負荷部733に負荷が与えられ始める姿勢(下終端姿勢(初期姿勢))においては負荷部材761に撓み変形が生じにくい方向の後側負荷が生じ、水平姿勢からは、後側負荷の方向よりも負荷部材761に撓み変形が生じ易い方向の負荷(下方への負荷や、前側への負荷)が生じる。
これにより、駆動ユニット760の配置、負荷部材761の変位幅および電磁ソレノイドSOL2の発生力が同じ場合であっても、負荷部材761の形状(特に、縦棒状延設部761cの形状)や被負荷部733の設計次第で、負荷部材761に撓みが生じ易くなるタイミング(板状変位部材730の姿勢)や、撓み変形量を調整することができるので、駆動ユニット760を駆動した場合の第2動作ユニット700の動作態様を異なるように設計することができる。
本実施形態では、縦棒状延設部761cが正面側へ張り出しながら上方へ延設される形状とされるので、早い段階から縦棒状延設部761cに撓み変形を生じさせることができる。即ち、板状変位部材730が水平姿勢とされ鉛直下向きの負荷が負荷部材761に与えられる場合であっても、その負荷により縦棒状延設部761cを撓み変形(前傾方向への変形)させることができる。換言すれば、板状変位部材730が水平姿勢に到達する前段階から、板状変位部材730を介して伝達される自重の負荷を、負荷部材761の撓み変形に使用し始めることができる。
このように、負荷部材761を介して板状変位部材730へ伝達される駆動力の使い道を、板状変位部材730の変位と、負荷部材761の変形とでバランスさせるよう構成することで、負荷部材761に変位過多や、変位不足が生じたとしても、板状変位部材730の姿勢に生じる変動を小さくすることができる。
例えば、負荷部材761がほとんど撓み変形しない場合には、負荷部材761の変位量の違いや負荷部材761の上端部の高さの違いは、板状変位部材730の姿勢変化に直接的に影響するため、負荷部材761の変位量や負荷部材761の上端部の高さにズレが生じないように精密に設計しないと、板状変位部材730の姿勢変化を安定させることができなかった。この場合、部材の製造段階においても、組立段階においても、高精度が求められることになので、製造コストが嵩むことになる。
一方、負荷部材761が撓み変形する場合、負荷部材761の変位量の違いや負荷部材761の上端部の高さの違いが多少生じたとしても、負荷部材761の撓み変形で相殺するように設計しておくことで、板状変位部材730の姿勢変化を安定させることができる。そのため、板状変位部材730の姿勢変化を安定させるために求められる製造段階、組立段階の精度を低く抑えることができるので、製造コストを抑えることができる。
これは、負荷部材761単体のみの話では無く、左右の負荷部材761を組み合わせた変位についても、同様のことがいえる。即ち、本実施形態のように、左右の駆動ユニット760の負荷部材761が左右対称の形状から構成される場合において、左右の駆動ユニット760で負荷部材761の変位量や負荷部材761の上端部の高さに多少の違いがあったとしても、その違い分を負荷部材761の撓み変形に使用させることができる。
これにより、左右の駆動ユニット760のどちらが駆動されることで生じている片側励磁状態なのかに関わらず、片側励磁状態における板状変位部材730の姿勢を途中姿勢で安定させることができる。
また、被負荷部733を介して負荷部材761に与えられる負荷により負荷部材761に生じる撓みの方向を、正面側に限定することができる。この方向は、棒状延設部761bに対して、縦棒状延設部761cに設定される前後方向の位置ずれの方向と一致する。これにより、負荷部材761に撓み変形を生じさせる負荷が棒状延設部761bから遠ざかる方向を向くように構成できる。
従って、被負荷部733から負荷部材761へ向けて与えられる負荷の大部分を負荷部材761の撓み変形で吸収することができ、被負荷部733から与えられる負荷により棒状延設部761bが受ける影響を小さくすることができる。換言すれば、負荷部材761に与えられる影響を縦棒状延設部761c付近に抑えることができる。
即ち、負荷部材761の他の当接部(例えば、基端部761aと軸棒部762、金属板部材MB2と電磁ソレノイドSOL2、湾曲突設部774と対向湾曲部761e等)に生じる擦れや変形を抑制することができる。これにより、負荷部材761の撓み変形の態様を予想し易くすることができるので、負荷部材761が撓み変形することを前提とした負荷部材761の構造および板状変位部材730の変位態様の設計を容易とすることができる。
加えて、負荷部材761に生じる撓みの方向を正面側に限定することができる(同一の箇所が、状況次第で正面側に撓んだり、背面側に撓んだりすることを回避することができる)ので、板状変位部材730の被負荷部733の位置と負荷部材761の撓み量とを一対一で関係づけることができ、且つ、前後両側に撓み得る場合に比較して負荷部材761の耐久性を向上することができる。
図55(a)及び図55(b)では、縦棒状延設部761cの変形の程度により板状変位部材730の姿勢が変化しているものであり、負荷部材761は共に上昇位置とされている(図51(b)参照)。
そのため、上述したように、縦棒状延設部761cの撓み変形の影響で負荷部材761に与えられる負荷による負荷部材761の前後方向変位を、張出部761dと上側規制部765との間で生じる摩擦により抑制することができる。
従って、縦棒状延設部761cの撓みと解除とが繰り返し生じるように制御する場合であっても(例えば、一方の電磁ソレノイドSOL2を励磁状態のまま維持し、他方の電磁ソレノイドSOL2を励磁状態と非励磁状態とで繰り返し切り替える制御態様)、負荷部材761が全体的に前後方向に変位することを抑制することができる。
これは、本実施形態のように、負荷部材761を軸棒部762のみでは無く、軸棒部762と上側規制部765とで支持する構成により良好に実現可能となるものである。更に詳しく言えば、負荷部材761を下降位置と上昇位置との間に配置する状態で板状変位部材730からの負荷を受ける態様ではなく、負荷部材761を上昇位置に固定した状態で板状変位部材730からの負荷を受ける態様だからこそ良好に実現可能となるものである。
即ち、負荷部材761を軸棒部762のみで支持する場合、板状変位部材730からの負荷の前後方向成分に対し、基端部761a及び棒状延設部761bという軸棒部762側の部分を含め抵抗することになるが、板状変位部材730からの負荷により棒状延設部761bがねじれたり、前後方向に位置ずれしたりすると、金属板部材MB2と電磁ソレノイドSOL2との間に隙間が生じる可能性がある。
金属板部材MB2と電磁ソレノイドSOL2との隙間が電磁力を有効に発生させる距離を超えると、電磁力が急激に弱まり、負荷部材761を上昇位置で維持することが困難となる。対策として、棒状延設部761bの剛性を高くしたり、軸棒部762と負荷部材761との抵抗を増加させたりすることで対策することもできるが、前者の場合、負荷部材761が重くなり電磁ソレノイドSOL2の大型化を招き、後者の場合、負荷部材761を回転させるための駆動力が過大に必要となり電磁ソレノイドSOL2の大型化を招くことになるので、好ましくない。
これに対し、本実施形態では、縦棒状延設部761cの撓み発生時において、負荷部材761を軸棒部762のみでは無く、軸棒部762と上側規制部765という左右両端位置で安定的に支持している。これにより、左右片側で支持する場合に比較して棒状延設部761bのねじり変形を抑制することができることに加え、上側規制部765との間で生じる摩擦抵抗により負荷部材761の軸方向変位を抑制することができる。
従って、電磁ソレノイドSOL2の大型化を招くことなく、縦棒状延設部761cの撓みと解除とが繰り返し生じるように制御する場合に、負荷部材761が全体的に前後方向に変位することを抑制することができる。
なお、本実施形態では、金属板部材MB2の支持態様から、金属板部材MB2が棒状延設部761bの補強材として機能している(図51参照)。即ち、金属板部材MB2の剛性により棒状延設部761bのねじり変形を防止することができる。
図54に戻って説明する。図54に示す状態は、左右の駆動ユニット760の電磁ソレノイドSOL2(図50参照)に電流が流れている状態(励磁状態)に対応している。この状態では、左右両側の負荷部材761に板状変位部材730の左右両側の被負荷部733が押し上げられることで、板状変位部材730が起き上がり方向に姿勢変化され、上終端姿勢となっている。なお、本実施形態では、上終端姿勢において、板状変位部材730が途中姿勢から約2.7度(下終端姿勢から約6.1度、水平姿勢から約4度)回転変位している。
図54に示す状態では、図53に示す状態に比較して、板状変位部材730及びその上に乗っている中空部材740や可変装飾部材750の自重による負荷が左右両側の負荷部材761に分割されることで、負荷部材761に生じる撓みが緩和されている。
なお、図54では、便宜的に、左右の負荷部材761の撓みが判別できないほど小さいものとして図示される。即ち、図52で図示される負荷部材761の形状と同じ形状で図示される。
図52から図54に示すように、本実施形態では、左右の電磁ソレノイドSOL2(図50参照)への導通状態を切り替えることにより、板状変位部材730の姿勢を複数通り(少なくとも、3通り)で切り替えることができる。
なお、図53から図54に板状変位部材730の姿勢を切り替えるためには、右側の駆動ユニット760の電磁ソレノイドSOL2(図50参照)の励磁を維持したまま、左側の駆動ユニット760の電磁ソレノイドSOL2を励磁させれば良いので、容易に、姿勢の切り替えを滑らかにすることができる。
図56(a)、図56(b)、図57(a)及び図57(b)は、左右の電磁ソレノイドSOL2の導通の計時変化と板状変位部材730の姿勢変化の一例を示した模式図である。図56(a)、図56(b)、図57(a)及び図57(b)では、上段のタイミングチャートが左側の電磁ソレノイドSOL2の導通状態を示し、中段のタイミングチャートが右側の電磁ソレノイドSOL2の導通状態を示し、下段のタイミングチャートが板状変位部材730の姿勢を示している。
なお、構成上、電磁ソレノイドSOL2に電気を導通させるタイミングと同時に板状変位部材730が変位するものではない(若干の時間差が生じる)が、図56及び図57では、理解を容易とする目的から便宜的に、電磁ソレノイドSOL2の導通と同時に板状変位部材730が変位しているように図示する。
図56(a)に示す電磁ソレノイドSOL2の導通態様は、図52で示す状態と図53に示す状態とが交互に切り替えられる態様と同じである。図56(b)に示す電磁ソレノイドSOL2の導通態様は、図53で示す状態と図54に示す状態とが交互に切り替えられる態様と同じである。図57(a)に示す電磁ソレノイドSOL2の導通態様は、図52で示す状態と図54に示す状態とが交互に切り替えられる態様と同じである。
図57(b)に示す電磁ソレノイドSOL2の導通態様は、図52で示す状態と図53に示す状態とが交互に切り替えられる態様と、図52で示す状態と図54に示す状態とが交互に切り替えられる態様とが繰り返される態様と同じである。
このように、図52から図54で上述した状態の切り替えのパターンは一通りでは無く、左右の電磁ソレノイドSOL2の導通態様の組み合わせを異ならせることにより、複数通りで生じる。
従って、板状変位部材730の姿勢の切り替えのパターンが複数通りで生じることになるので、板状変位部材730の上に乗る中空部材740や、可変装飾部材750(図43参照)の変位のパターンを複数通りで構成することができるが、詳細は後述する。
なお、図56(a)、図56(b)、図57(a)及び図57(b)では、便宜的に、電磁ソレノイドSOL2の短時間の導通長さ及び導通間隔を一定で図示したが、これは一例に過ぎない。例えば、短時間の導通間隔をバラバラに設定しても良いし、徐々に長くなったり、徐々に短くなったりするように構成しても良く、任意に設定可能である。
また、電磁ソレノイドSOL2の短時間の導通長さを短くすることで、板状変位部材730の姿勢変化を瞬間的(パルス的)に発生させることができる一方で、導通長さを長くすることで、十分な長さで姿勢変化を維持することができる。更に、電磁ソレノイドSOL2の導通間隔を短くすることで、板状変位部材730が振動しているように板状変位部材730を姿勢変化させることができる。
図58は、第2動作ユニット700の上面図である。図58に示すように、第2動作ユニット700は上面視において略左右対称形状で形成されている。以下においては、対称軸から右側の部分について詳細に説明し、左側の部分の説明を省略する。
図59、図60、図61及び図62は、図58のLIX−LIX線における第2動作ユニット700の部分断面図である。図59、図60、図61及び図62では、第2動作ユニット700の変位が時系列で図示されており、図59では、板状変位部材730が下終端姿勢(初期姿勢)とされた状態が図示され、図60では、板状変位部材730が水平姿勢とされた状態が図示され、図61では、板状変位部材730が途中位置とされた状態が図示され、図62では、板状変位部材730が上終端姿勢とされた状態が図示される。
図59から図62では、板状変位部材730の回転変位の回転軸として、一対の被軸支部731(図43参照)の中心を結ぶ直線が基準O1として図示される。基準O1については、以降の図面について同様の意味で図示される。図59から図62では、左右中央の可変装飾部材750の左右方向中心における断面が図示される。
左右中央の可変装飾部材750は、前側貫通孔723(図43参照)に上下方向の変位を許容されており、前後左右の変位は前側貫通孔723と筒状突設部753との間の隙間分が許容され、板状変位部材730の大受け部736に下支えされており、板状変位部材730の姿勢変化により大受け部736が変位することに伴って変位する。
以下において、板状変位部材730の姿勢変化に伴う(左右方向中央の)可変装飾部材750の変位について説明する。なお、理解を容易にするために、可変装飾部材750の重力方向の姿勢変化を省略して図示する。
図59、図60及び図61の状態変化では、大受け部736の前側面は、可変装飾部材750の柱状突設部752の側面と当接する位置までは変位していない(後退していない)。即ち、可変装飾部材750の変位は上下方向の変位に限定されている。
一方、図61と図62との状態変化では、大受け部736の前側面が可変装飾部材750の柱状突設部752の前側面と当接する位置まで変位し(後退し)、前後方向の負荷伝達が生じる。即ち、可変装飾部材750が上下方向だけでなく、前後方向にも変位する。
従って、板状変位部材730の姿勢変化に伴う(左右方向中央の)可変装飾部材750の変位は、主に上下方向で生じる第1段階(板状変位部材730の初期姿勢からの姿勢変化が小さい段階、図59、図60、図61参照)と、上下方向と前後方向との組み合わせによる方向で生じる第2段階(板状変位部材730の初期姿勢からの姿勢変化が大きい段階、図61、図62参照)とから構成される。これにより、(左右方向中央の)可変装飾部材750の変位態様のバリエーションを増やすことができる。
ここで、図61に示す状態が片側励磁状態に対応し、図62に示す状態が励磁状態に対応するので、電磁ソレノイドSOL2の駆動態様を切り替えることで、(左右方向中央の)可変装飾部材750の変位態様を複数のバリエーションで切り替えることができる。
図62に示すように、二股支持部材751の板状本体部の上面と、前側貫通孔723を構成する筒状部の下端とには隙間が維持される。従って、カバー部材720と板状変位部材730とが上下から可変装飾部材750を挟み込む関係になっていないので、負荷の発生が抑制され、可変装飾部材750の姿勢を不安定な状態で維持することができる。
図63、図64、図65及び図66は、図58のLXIII−LXIII線における第2動作ユニット700の部分断面図である。図63、図64、図65及び図66では、第2動作ユニット700の変位が時系列で図示されており、図63では、板状変位部材730が下終端姿勢(初期姿勢)とされた状態が図示され、図64では、板状変位部材730が水平姿勢とされた状態が図示され、図65では、板状変位部材730が途中位置とされた状態が図示され、図66では、板状変位部材730が上終端姿勢とされた状態が図示される。図63から図66では、右側の可変装飾部材750の左右方向中心における断面が図示される。
左右両側の可変装飾部材750は、前側貫通孔723(図43参照)に上下方向の変位を許容されており、前後左右の変位は前側貫通孔723と筒状突設部753との間の隙間分が許容され、板状変位部材730の大受け部736に下支えされており、板状変位部材730の姿勢変化により大受け部736が変位することに伴って変位する。
左右両側の大受け部736は、左右中央の大受け部736aに比較して、上下方向で基準O1に近く、前後方向で基準O1から離れた位置に配設されている。
以下において、板状変位部材730の姿勢変化に伴う(左右両側の)可変装飾部材750の変位について説明する。なお、理解を容易にするために、可変装飾部材750の重力方向の姿勢変化が省略して図示される。
図63、図64及び図65の状態変化では、大受け部736の前側面は、可変装飾部材750の柱状突設部752の側面と当接する位置までは変位していない(後退していない)。即ち、可変装飾部材750の変位は上下方向の変位に限定されている。
一方、図65と図66との状態変化では、大受け部736の前側面が可変装飾部材750の柱状突設部752の前側面と当接する程度まで変位しているが(後退しているが)、それ以上に押進するような関係になく、前後方向の負荷伝達は抑えられている。
即ち、可変装飾部材750に大受け部736から与えられる負荷は主に上下方向の負荷だけで構成されており、変位の上下方向成分のみを比較した場合には、左右方向中央の可変装飾部材750の変位量に比較して、左右方向両側の可変装飾部材750の変位量の方が大きくなるように構成される。
このように、板状変位部材730の姿勢変化に伴う(左右方向中央の)可変装飾部材750の変位が段階ごとにその方向が異なるように構成されているのに対して、左右方向両側の可変装飾部材750の変位は、主に上下方向で生じる。これにより、板状変位部材730の姿勢変化の程度によって、左右方向中央の可変装飾部材750と、左右方向両側の可変装飾部材750の変位態様を異ならせることができる。
上述したように、左右方向両側の可変装飾部材750の上下方向変位が大きく確保されるので、図66に示すように、左右方向中央の可変装飾部材750に注目していた時には生じていた二股支持部材751の板状本体部の上面と前側貫通孔723を構成する筒状部の下端との隙間が消失し、そのままの前後位置では二股支持部材751の板状本体部が前側貫通孔723を構成する筒状部に食い込む寸法関係となっている。
図66では、二股支持部材751の板状本体部が変形しないという前提で、前側貫通孔723を構成する筒状部の下端に当接し二股支持部材751が背面側へ平行移動した後の状態が図示されている。
従って、カバー部材720と板状変位部材730とが上下から可変装飾部材750を挟み込む関係となるので、可変装飾部材750に対して、カバー部材720及び板状変位部材730から上下圧縮方向の負荷が与えられる。これにより、可変装飾部材750の姿勢の保持力が大きくなり、可変装飾部材750の姿勢を安定化させることができる。
従って、左右両側の駆動ユニット760が励磁状態とされ板状変位部材730が上終端姿勢となった状態において、左右中央の可変装飾部材750は不安定な状態で支持される(図62参照)一方で、左右両側の可変装飾部材750は安定に支持される。そのため、板状変位部材730が上終端姿勢とされた後における複数の可変装飾部材750の様子を異ならせることができる。
即ち、左右中央の可変装飾部材750は、板状変位部材730の姿勢変化の名残として僅かな変位を許容するように構成される(緩く支持される)一方で、左右両側の可変装飾部材750は、変位を抑えるように構成される(固く支持される)ことにより、遊技者の注目力を左右中央の可変装飾部材750に引き付けることができる。
上述したように、板状変位部材730の姿勢変化に伴う上下方向の変位は、左右中央の可変装飾部材750に比較して左右両側の可変装飾部材750の方が大きいので、上下方向の変位としては左右両側の可変装飾部材750に遊技者の注目力が集まり易い一方で、板状変位部材730を上終端姿勢で維持する場合には、左右中央の可変装飾部材750に遊技者の注目力を集めやすくすることができる。
従って、駆動ユニット760の駆動状態を、板状変位部材730を上終端姿勢に到達させなかったり、上終端姿勢では保持しない(停止しない)ように姿勢変化を繰り返したりするように設定する場合には左右両側の可変装飾部材750に遊技者の視線を集め易くすることができ、板状変位部材730を上終端姿勢で若干保持する態様で設定する場合には左右中央の可変装飾部材750に遊技者の視線を集め易くすることができる。
これにより、複数の導光部材714の内、特に遊技者に注目させたい特定の導光部材714がある場合に、その導光部材714付近の可変装飾部材750に遊技者の視線を集め易い態様で駆動ユニット760が駆動するように制御することで(導光部材714の発光態様と駆動ユニット760の駆動態様とを関連させて制御することで)、遊技者の視線を特定の導光部材714に集めることができる。
図67は、大受け部736の回転変位を模式的に示す模式図である。図67では、基準O1の方向視が図示され、板状変位部材730の水平姿勢および上終端姿勢における中央大受け部736a及び左右外側の左右大受け部736bの配置が図示されている。
中央大受け部736aは、基準O1の正面側上方に配置されているので、板状変位部材730が回転変位する僅かな角度(約4度)において、上下方向変位に比較して前後方向変位が大きくなる。
左右大受け部736bは、中央大受け部736aに比較して基準O1から離れているので、板状変位部材730の回転変位に伴う変位自体は中央大受け部736aよりも大きい。一方で、左右大受け部736bは、基準O1の真正面に配置されているので(水平ライン上に配置されているので)、板状変位部材730が回転変位する僅かな角度(約4度)において、前後方向変位に比較して上下方向変位が大きくなる。
このように、本実施形態によれば、板状変位部材730を基準O1中心に回転変位させることで、中央大受け部736aの変位態様と、左右大受け部736bの変位態様とを異ならせることができる。そのため、大受け部736に変位可能に支持される可変装飾部材750の変位態様を、左右中央に配置される部材と左右外側に配置される部材とで異ならせることができる。
図68、図69、図70及び図71は、図58のLXVIII−LXVIII線における第2動作ユニット700の部分断面図である。図68、図69、図70及び図71では、第2動作ユニット700の変位が時系列で図示されており、図68では、板状変位部材730が下終端姿勢(初期姿勢)とされた状態が図示され、図69では、板状変位部材730が水平姿勢とされた状態が図示され、図70では、板状変位部材730が途中位置とされた状態が図示され、図71では、板状変位部材730が上終端姿勢とされた状態が図示される。
図68から図71では、導光部材714の左右方向中心における断面が図示される。上述したように、板状変位部材730の途中姿勢(図70参照)までは前小受け部735aの内側面前部と突設柱状部743の正面側部との当接が生じず、中空部材740の変位は主に上下方向変位となる。
一方で、板状変位部材730の途中姿勢から上終端姿勢までの間に前小受け部735aの内側面前部と突設柱状部743の正面側部とが当接し、当接後において中空部材740が板状変位部材730の変位に伴い背面側へ押進される。このように、板状変位部材730の変位に伴い押進されることで生じる中空部材740の上下方向変位と、水平方向変位との開始タイミングに時間差を設けることができる。
図68及び図71に示すように、板状変位部材730の変位に伴い、導光部材714の上端部を通して屈折する光の幅が変化することによる作用について説明する。
板状変位部材730が下終端姿勢(初期姿勢)とされる場合において導光部材714から遊技者側へ放射される光の幅は幅LH1aであるのに対して、板状変位部材730が上終端姿勢とされる場合において導光部材714から遊技者側へ放射される光の幅は幅LH1bに変化する(LH1a>LH1b)。
一方で、板状変位部材730の変位が生じても、導光部材714から第3図柄表示装置81側(背面側)へ放射される光の幅は幅LH2で維持される。そのため、板状変位部材730の姿勢変化に伴い、導光部材714から遊技者側へ放射される光の量と、背面側へ放射される光の量のバランスを変化させることができる。
即ち、駆動ユニット760を駆動させ、板状変位部材730を上終端姿勢へ変化させることで、板状変位部材730が下終端姿勢(初期姿勢)とされる場合に比較して遊技者に向けられる光が弱くなることから、導光部材714を直視し易く(見やすく)できると共に、同様の比較で第3図柄表示装置81に向けられる光が強くなることから、導光部材714から放射される光が第3図柄表示装置81に移り込み易くすることができる。これにより、遊技者が第3図柄表示装置81に注目している場合に、その視線を導光部材714へ引き寄せることができる。
図72は、図58のLXXII−LXXII線における第2動作ユニット700の断面図である。仕切り部材708と電飾基板705との間には、上述のように隙間が構成されるが、本実施形態では、図72に示すように、発光手段706から照射された光がこの隙間を通じて漏れることを抑制するように構成している。
即ち、本実施形態では、仕切り部材708と電飾基板705との間に若干の隙間があり、その隙間の寸法が電飾基板705の発光手段706を構成するLEDの出射面(上端面)の高さ寸法よりも短いので、特に個別発光手段706aから照射された光をほとんど漏れなく導光部材714側へ向けることができる(図72拡大図参照)。
また、各個別発光手段706aから照射された光は、それぞれ別々の導光部材714に向けて照射されるが、他の導光部材714(一の個別発光手段706aに着目した場合に、その真上に配置された導光部材714以外の導光部材714)に向かうことを防止するように構成されている。即ち、導光部材714同士は基端側が変位規制部材716により分断されているため、導光部材714の内部を通り光が他の導光部材714へ向かうことを防止することができる(図72拡大図参照)。
また、薄膜カバー部材712を介して導光部材714同士が間接的に繋がるよう構成されているが、薄膜カバー部材712が個別発光手段706aの光軸方向(上下方向)に沿って薄肉に構成されているので、個別発光手段706aから照射された光が他の導光部材714に到達することを防止することができる。
従って、各個別発光手段706aから照射される光の色や強度をそれぞれ異ならせるような演出を行う場合に、光が他の導光部材714に到達し、他の導光部材714の見え方に影響を与えることを回避することができる。換言すれば、意図しない導光部材714が発光したり、別々の個別発光手段706aから照射された光が混ざり合った状態で導光部材714を介して視認されたりすることを防止することができる。
なお、個別発光手段706aから照射された光が電飾基板705と仕切り部材708との隙間から漏れ出した場合には、その光を全体発光手段706bの光と混ざり合わせて遊技者に視認させることができる。
上述したように、第2動作ユニット700は、板状変位部材730の左右下方にそれぞれ配設される駆動ユニット760の駆動態様(図56、図57参照)を異ならせることで、異なる態様で変位する。
例えば、板状変位部材730を繰り返し変位させる場合、第1の変位態様として、一方の駆動ユニット760を繰り返し作動させることで、板状変位部材730を下終端姿勢と途中姿勢との間で往復変位させることができる。また、第2の変位態様として、一方の駆動ユニット760を励磁状態で維持した上で、他方の駆動ユニット760を繰り返し作動させることで、板状変位部材730を途中姿勢と上終端姿勢との間で往復変位させることができる。
また、例えば、板状変位部材730を下終端姿勢(初期姿勢)とは異なる姿勢で停止させる場合、第1の停止態様として、一方の駆動ユニット760を励磁状態で維持することで、板状変位部材730を途中姿勢で停止させることができる。また、第2の停止態様として、一方の駆動ユニット760を励磁状態で維持した上で、他方の駆動ユニット760を励磁状態で維持することにより、板状変位部材730を上終端姿勢で停止させることができる。
特に、本実施形態では、左右の駆動ユニット760に構造的な違いを設けることでは無く、一方の駆動ユニット760のみが励磁状態とされる場合に負荷部材761に板状変位部材730から与えられる負荷により負荷部材761に生じる撓みの影響で板状変位部材730の姿勢を調整している(図55(a)参照)。
そのため、上述の第1の変位態様(停止態様)または第2の変位態様(停止態様)における、一方の駆動ユニット760、他方の駆動ユニット760は、左右いずれかの駆動ユニット760として固定されるものでは無く、状況次第で入れ替えることができる。
従って、一方の駆動ユニット760、他方の駆動ユニット760を、左右いずれかの駆動ユニット760として固定する場合と異なり、励磁状態で維持する側の駆動ユニット760や、繰り返し作動する側の駆動ユニット760を動作回数に応じて交互に切り替えたり、期間ごとに切り替えたりすることで、左右一対の駆動ユニット760の構成材料の疲労の程度を合わせる(調整する)ことができる。これにより、左右の駆動ユニット760の取り替え時期を合わせることができるので、結果的に第2動作ユニット700の耐用年数を長く維持することができる。
なお、負荷部材761に生じる撓みの程度は一例に過ぎず、任意に設定できるものであり、撓みの大小に寄らず、撓みが生じてさえいればいい。即ち、駆動ユニット760の片方を駆動制御するか、両方ともを駆動制御するかの違いをわずかでも生じさせることができる構成であれば足りる。
第2動作ユニット700は、センターフレーム86により区画される窓部を通して、遊技者目線で第3図柄表示装置81と第1入賞口64との間の位置に視認可能に配置される(図2参照)。第2動作ユニット700の制御態様は任意に設定されるものであるが、例えば、第1入賞口64、第2入賞口140及び特定入賞口65aへの遊技球の入球と、駆動ユニット760の制御態様や電飾基板705の発光手段706の点灯状態の制御態様とを対応づけるように制御しても良い。
例えば、点灯状態の制御態様との対応付けとしては、第1入賞口64に遊技球が複数入球し、変動を保留している保留個数に合わせて左側に配置される個別発光手段706aを点灯させるように制御し、第2入賞口140に遊技球が複数入球し、変動を保留している保留個数に合わせて右側に配置される個別発光手段706aを点灯させるように制御しても良い。
この場合、導光部材714の発光態様を確認することで、遊技者が保留球数を把握可能に構成することができる。その上で、遊技球の入球と駆動ユニット760の制御態様とを対応づけることにより、遊技者の視線を導光部材第2動作ユニット700に集めることができる。
例えば、第1入賞口64に遊技球が入球した場合に、上述した第1の変位態様で駆動ユニット760を駆動制御する一方で、第1入賞口64への入球よりも遊技者にとって有利な場合が多い第2入賞口140に遊技球が入球した場合に、上述した第2の変位態様で駆動ユニット760を駆動制御することで、第2動作ユニット700の変位態様の違いから、遊技球が第1入賞口64に入球したか、第2入賞口140に入球したかを遊技者に容易に把握させることができる。
また、遊技球の入球と駆動ユニット760の制御態様とを対応づける別の例として、保留球数の上限値との関係で駆動ユニット760を駆動制御しても良い。即ち、例えば、第1入賞口64の保留球数が上限値の時に第1入賞口64に遊技球が入球した場合、賞球は得られるが、変動の機会を得られない分、遊技者に不利となるので、第1入賞口64の保留球数が上限に近い場合には、それを遊技者に報知することが望ましい。
本実施形態の構成によれば、駆動ユニット760を駆動制御することで第2動作ユニット700の中空部材740や可変装飾部材750を変位させることができ、第2動作ユニット700の見栄えを変化させることができるので、遊技者の注目を集めることができる。そのため、第1入賞口64の保留球数が上限に近い(または上限値である)場合に駆動ユニット760を駆動制御することで、遊技者に保留球数が上限に近い(または上限値である)ことを容易に気づかせることができる。
また、遊技球の入球と駆動ユニット760の制御態様や電飾基板705の発光手段706の点灯状態の制御態様とを対応づける別の例として、特定入賞口65aへの遊技球の入球と対応づけても良い。
この場合において、例えば、特定入賞口65aに遊技球が入球したことに対応づけても良いし、特定入賞口65aの開放時に入球が期待される個数(大当たりラウンドあたりの最大カウント数)を超える球数の遊技球が特定入賞口65aに入球した(所謂、オーバー入賞をした)ことに対応づけても良い。
これにより、第2動作ユニット700の状態を視認させることで、特定入賞口65aに遊技球が入球したことや、特定入賞口65aに想定を超えた球数の遊技球が入球したことを遊技者に把握させることができる。
図73を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、電磁ソレノイドSOL1の吸着力が上下方向に作用する場合について説明したが、第2実施形態の窓部可動ユニット2150の電磁ソレノイドSOL1は、吸着力が左右方向に作用するよう構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図73(a)及び図73(b)は、第2実施形態における窓部可動ユニット2150の背面図である。図73(a)では、電磁ソレノイドSOL1に通電され電磁力が発生した状態が図示され、図73(b)では、通電が解除され電磁力が消えた状態が図示される。
窓部可動ユニット2150は、補助装置160と同軸で支持され被駆動部材163と回転方向で当接可能に配設される当接部材2190と、その当接部材2190を付勢する付勢バネSP21とを備える。
被駆動部材163の腕部163cの上端部には、重心位置調整のための錘部W21が形成されており、電磁ソレノイドSOL1の非励磁状態において、被駆動部材163が自重で回転変位するよう構成されている(図73(b)参照)。
当接部材2190は、被駆動部材163と当接可能に配設されるクッション部175aと、そのクッション部175aを支持する回動部材2191とを備える。
回動部材2191は、付勢バネSP21と対向配置されており、付勢バネSP21の付勢力が回動部材2191を電磁ソレノイドSOL1側へ押し返す方向に生じている。
被駆動部材163及び回動部材2191の変位態様について説明する。電磁ソレノイドSOL1の励磁状態では、被駆動部材163は、電磁ソレノイドSOL1に電磁力で引き付けられた状態で維持される。
一方、電磁ソレノイドSOL1の非励磁状態では、被駆動部材163は自重で回転変位し、図73(b)に示す状態を経由して、付勢バネSP21の付勢力に対抗して回動部材2191を回転変位させる。即ち、図73(b)に示す状態までは被駆動部材163が単体で変位し、図73(b)に示す状態からは被駆動部材163と回動部材2191とが一体的に変位する。即ち、被駆動部材163の変位速度を、図73(b)の状態を境に変化させることができる。
また、本実施形態では、図73(b)の状態の後は、変動する付勢力により被駆動部材163を振動変位させることができる。これにより、被駆動部材163の変位のバリエーションを増やすことができる。
図74から図78を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、アーム部材414の回転変位に連動して昇降板430が上下変位する場合について説明したが、第3実施形態の第1動作ユニット3400は、昇降板430が等速で上下変位するよう駆動力を伝達する伝達手段3410(例えば、不図示のラックアンドピニオンによる伝達機構)を備えている。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図74から図77は、第3実施形態における第1動作ユニット3400の正面図である。図74から図77では、昇降板430が下降変位する様子が時系列で図示される。
図78(a)から図78(c)は、第1動作ユニット3400の変位関係を模式的に図示する模式図である。図78(a)から図78(c)では、終端ギア413の回転角度が横軸に示され、図78(a)では、昇降板430の下方への変位量が縦軸に、図78(b)では、補助アーム部材444の回転量(角度変化)が縦軸に、図78(c)では、昇降板430を基準とした相対変位部材442の変位量が縦軸に、それぞれ図示される。
第1動作ユニット3400は、本体板部401にL字形状(長辺同士が直交する長方形を一体化した形状)の長孔部3406が貫通形成される。長孔部3406は、補助アーム部材444の筒状部444dが上下左右方向に変位可能な大きさで開口形成される。
図74では、筒状部444dが長孔部3406の上下方向に長尺の開口部の上端位置に配置されており、図75までの変位で、その上下方向に長尺の開口部を下降変位する。即ち、図74から図75までの変位において、筒状部444dの左右位置は変化していないため、補助アーム部材444に回転は生じない。
一方で、図75から図77では、昇降板430の下降変位に連動して、補助アーム部材444が回転変位する。即ち、本実施形態によれば、昇降板430の上下方向変位に伴い補助アーム部材444が回転変位する区間と、昇降板430が上下方向変位しても補助アーム部材444の姿勢が維持される区間とを構成することができる。
昇降板430が上下方向変位しても補助アーム部材444の姿勢が維持される区間を構成することにより、補助アーム部材444を基準として駆動力伝達の下流側への駆動力の伝達を遮断することができるが、この役割は、第1実施形態において説明した固定伝達板490の上下方向部491aと同様である(図35参照)。本実施形態によれば、固定伝達板490から上下方向部491aを省略することができるので、固定伝達板490の上下方向寸法を小さくすることができる(固定伝達板490の設計自由度を向上することができる)。
従って、昇降板430と羽状部材460との動作開始タイミングをずらすことができるという効果を維持しながら、固定伝達板490の設計自由度を向上することができる。
本実施形態では、伝達手段3410により、昇降板430を等速直線運動で上下変位させることが容易となっているところ(図78(a)参照)、この場合、第1実施形態で上述した同期動作ユニット440の構成をそのまま流用すると、補助アーム部材444の回転変位の速度が変位途中で大きく変化する。
詳述すると、第1動作ユニット3400の退避状態付近や張出状態付近での回転変位の角速度に比較して、第1動作ユニット4300の第2中間状態付近での回転変位の角速度が低速になる(基端側部444aの変位量に対する角度変化量が小さくなる)。
そのため、相対変位部材442を昇降板430に対して概略等速変位させることができなくなる。これに対し、本実施形態では、左下の回転ギア441の代替品として、円弧状ギア部444dとギア比が等しいギアを備え、右上の回転ギア441と歯合し、相対変位部材442と連結される延設部を備えるアーム付き回転ギア3441が配設される。これにより、補助アーム部材444の角速度の変化を部分的に相殺し、昇降板430と相対変位部材442との変位態様の違いを解消することができる。
即ち、基端側部444aの上下方向変位量に対する角度変化量に対応(比例)して相対変位部材442を上下変位させる第1実施形態の構成では無く、基端側部444aの上下方向変位量に対する角度変化量を、再度、アーム付き回転ギア3441のアーム先端部の上下変位量に変換し、そのアーム先端部の上下変位量に対応して相対変位部材442を上下変位させるよう構成することで、昇降板430と相対変位部材442との変位態様の違いを部分的に解消(相殺)することができる。
従って、昇降板430に対する相対変位部材442の変位態様を、昇降板430の変位態様に寄せることができる。
本実施形態において、電気配線DH1がアーム付き回転ギア3441の回転軸を通り、相対変位部材442に案内されるよう構成しても良い。即ち、電気配線DH1の経路を、補助アーム部材444、昇降板430、アーム付き回転ギア3441及び相対変位部材442の順で連続的に形成することで、第1動作ユニット3400の変位に伴う電気配線DH1の経路長が大きく変動することを回避することができる。
この場合、電気配線DH1を装飾部493に容易に接続することができるので、装飾部493に電飾基板を配設して、LED等の発光手段で発光演出を実行することを容易とすることができる。
図79を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態では、第2動作ユニット700の状態を検出するための検出センサが配置されていない場合について説明したが、第4実施形態の第2動作ユニット4700は、駆動ユニット4760の状態を検出するための検出装置4780を備えている。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図79(a)及び図79(b)は、第4実施形態における第2動作ユニット4700の駆動ユニット4760の正面図である。なお、図79(a)及び図79(b)では、湾曲突設部774を除き前蓋部材770及び電飾基板777の図示が省略されており、湾曲突設部774は外形が想像線で図示される。
また、図79(a)では、電磁ソレノイドSOL2に電流が流されておらず負荷部材4761が自重で下降位置に配置された状態が図示され、図79(b)では、電磁ソレノイドSOL2に電流が流され発生する電磁力により金属板部材MB2が吸着され負荷部材4761が上昇位置に配置された状態が図示される。
図79(a)及び図79(b)に示すように、負荷部材4761は、下降位置においては下側規制部764に当接し下降変位を規制され、上昇位置においては上側規制部765に当接し上昇変位を規制される。
負荷部材4761は、第1実施形態で説明した負荷部材761との比較として、張出部761dが、厚肉張出部4761f及び薄肉張出部4761gに変更されていることを除いて、その他の構成は同一である。
厚肉張出部4761fは、棒状延設部761bの延設先端から棒状延設部761bと同等の肉厚(前後幅)で棒状延設部761bの延設方向に沿って張り出す部分であり、負荷部材4761が上昇位置に配置される過程で上側規制部765に当接し、負荷を受ける止める部分に対応する。
薄肉張出部4761gは、厚肉張出部4761fの張り出し先端から厚肉張出部4761fよりも薄肉(前後幅が短い)の板状で棒状延設部761bの延設方向に沿って張り出す部分である。薄肉張出部4761gの上下面(張出方向に平行な上下の面)と厚肉張出部4761fの上下面(張出方向に平行な上下の面)とが面一に形成されている。
薄肉張出部4761gは、負荷部材4761が上昇位置に配置される過程で厚肉張出部4761fと同様に上側規制部765に当接するよう構成されているところ、厚肉張出部4761fに比較して細いので、電磁ソレノイドSOL2を繰り返し励磁することによる疲労の蓄積により、厚肉張出部4761fに比較して優先的に破損する。
なお、この観点からすれば、薄肉張出部4761gの上下面(張出方向に平行な上下の面)と厚肉張出部4761fの上下面(張出方向に平行な上下の面)とが面一に形成されている必要はなく、少なくとも上面が面一であれば足り、下面の位置については任意に設定可能である。例えば、薄肉張出部4761gの上下幅を厚肉張出部4761fの上下幅に比較して短くすることで、薄肉張出部4761gが破損するまでの電磁ソレノイドSOL2の繰り返し励磁回数を減らすことで薄肉張出部4761gが破損するまでの期間を調整することができる。
駆動ユニット4760は、検出装置4780を備えている。検出装置4780は、支持ケース763の下部に固定されるプリント基板4781と、そのプリント基板4781に配設され検出溝に薄肉張出部4761gを抜き差し可能に配設される検出センサ4782とを備える。
検出センサ4782は、フォトカプラ方式の検出装置であって、負荷部材4761の下降位置では薄肉張出部4761gが検出光を遮り(図79(a)参照)、負荷部材4761の上昇位置では薄肉張出部4761gが検出光を遮らないように上方に配置される(図79(b)参照)。
検出センサ4782の機能について説明する。通常、検出センサ4782の検出結果と、負荷部材4761の位置とが対応するので、検出センサ4782の検出結果により負荷部材4761が適切に動作しているかの確認をすることができる。この確認をMPU221(図4参照)に行わせ、誤動作であると判定した場合に警報を発生させたり、表示装置にエラー表示をしたりすることで、第2動作ユニット4700の誤動作を遊技者やホール店員に気付かせ易くすることができる。
加えて、薄肉張出部4761gが破損(破断)して落下した場合には、薄肉張出部4761gと負荷部材4761とが同期動作しなくなるので、負荷部材4761の位置変化と検出センサ4782の検出結果とが対応しなくなる。負荷部材4761の位置変化と検出センサ4782の検出結果とが対応しなくなった場合に、MPU221(図4参照)に警報を発生させたり、表示装置にエラー表示をしたりすることで、薄肉張出部4761gが破損(破断)したことを遊技者やホール店員に気付かせ易くすることができる。
このように、本実施形態によれば、検出センサ4782を、負荷部材4761の位置を検出する位置検出手段と、負荷部材4761の破損(破断)を検出する破損検出手段とで兼用することができる。
なお、本実施形態によれば、薄肉張出部4761gが破損した場合であっても、厚肉張出部4761fが上側規制部765と当接することにより負荷部材4761を上昇位置で停止させることができるので、薄肉張出部4761gが破損する前と同様の対応で負荷部材4761を変位させることができる。従って、薄肉張出部4761gが破損したとしても、直ちに遊技を中止させメンテナンス状態とする必要があるものでは無く、暫くは遊技を継続可能であるので、遊技者に不測の不利益を与えることを回避することができる。
このように、上側規制部765と当接する部分の内、優先的に破損(破断)する部分を設け、その破損(破断)を検出センサ4782で検出することにより、厚肉張出部4761fが破損(破断)するほどに疲労が蓄積する前に負荷部材を取り替えることができる。
図80を参照して、第5実施形態について説明する。第1実施形態では、縦棒状延設部761c自体の剛性との関係で撓み変形する場合について説明したが、第5実施形態の第2動作ユニット5700は、縦棒状延設部761cに負荷を与え撓み変形を調整する撓み調整装置5780を備えている。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図80(a)及び図80(b)は、図53のLVa−LVa線に対応する線における第5実施形態の第2動作ユニット5700の断面図である。撓み調整装置5780は、金属製のコイルが内蔵された箱状の基礎部材5781と、その基礎部材5781に上下方向に進退可能に支持される鉄棒であって、基礎部材5781の上側に張り出して配置される調整部材5782とを備える。
図80(b)に示すように、左右一対の電磁ソレノイドSOL2が片側励磁状態であっても、撓み調整装置5780が駆動されることで負荷部材761の撓み変形が少ない状態(撓み変形が約半分の状態)に状態変化する。換言すれば、第1実施形態において左右一対の電磁ソレノイドSOL2を(双方とも)励磁状態とすることで板状変位部材730を上終端姿勢に変化させる構成の代わりとして、撓み調整装置5780を採用している。
即ち、電磁ソレノイドSOL2を片側励磁状態としたままで(図80(a)参照)、撓み調整装置5780の基礎部材5781に内蔵される金属製のコイル(図示せず)が調整部材5782の周囲を巻くように配置されている状況で金属製のコイルに通電し電磁石を構成し、調整部材5782を上側に駆動することで、縦棒状延設部761cの撓みを戻す(回復させる)方向の負荷を縦棒状延設部761cに付与することができる(図80(b)参照)。
このように、本実施形態によれば、板状変位部材730の左右いずれか片側の電磁ソレノイドSOL2と、その電磁ソレノイドSOL2側に配設される調整装置5780とを協調駆動させることで、板状変位部材730を下終端姿勢(初期姿勢)、途中姿勢および上終端姿勢で姿勢維持させることが可能となる。
これにより、電磁ソレノイドSOL2を左右一対で配設する必要がある場合に比較して、駆動手段の配置を固めることができる。例えば、駆動手段の各装置に接続される電気配線の配置を固めることができるので、配線を通す経路として必要な領域が各所(例えば、左右)に分散することを回避することができる。
次いで、図81から図121を参照して、第6実施形態における遊技盤13について説明する。第6実施形態では、第1入賞口64、第2入賞口140及び特定入賞口65aが1のユニットとして構成される入賞口ユニット930に形成される。上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
また、以下では、第1実施形態と同様に、図1に示すパチンコ機10の上下方向を重力方向として、図1に示すパチンコ機1の左右方後方を左右方向として、図1に示すパチンコ機10の紙面手前側を正面側(又は前方)として、図1に示すパチンコ機10の紙面奥側を背面側(又は後方)として説明する。
初めに、図81及び図82を参照して、第6実施形態における遊技盤13のベース板に配設される入賞口ユニット930及び送球ユニット970について説明する。図81は、第6実施形態における遊技盤13の正面図である。図82は、遊技盤13の分解斜視正面図である。なお、図82では、ベース板60に配設される入賞口ユニット930及び送球ユニット970以外のユニット(例えば、センターフレーム86(図81参照)など)の図示が省略される。
図82に示すように、ベース板60には、センターフレーム86(図81参照)が取り付けられる中央開口の重力方向下側(図82下側)にベース板60の厚み方向に貫通する貫通孔60aがルータ加工によって形成される。
貫通孔60aは、後述する正面ユニット940の正面視における外形よりも若干小さく形成され、内側に正面ユニット940に配設される駆動ユニット960及び特定入賞口ユニット950が挿入される。
ベース板60には、遊技領域(正面)側から入賞口ユニット930が配設され、遊技領域と反対(背面)側から送球ユニット970が配設され、それぞれタッピングネジ等により締結固定される。なお、入賞口ユニット930及び送球ユニット970の詳細な構成については後述する。
次いで、図83から図86を参照して入賞口ユニット930の全体構成について説明する。図83(a)は、入賞口ユニット930の正面図であり、図83(b)は、入賞口ユニット930の背面図である。図84(a)は、入賞口ユニット930の斜視正面図であり、図84(b)は、入賞口ユニット930の斜視背面図である。図85は、入賞口ユニット930の分解斜視正面図であり、図86は、入賞口ユニット930の分解斜視背面図である。
図83から図86に示すように、入賞口ユニット930は、正面ユニット940と、その正面ユニット940の背面(図83(b)紙面手前)側に配設される特定入賞口ユニット950と、その特定入賞口ユニット950の背面(図83(b)紙面手前))側に配設される駆動ユニット960と、その駆動ユニット960及び正面ユニット940との間に配設される変位部材966とを主に備えて形成される。
正面ユニット940は、上述したように正面視における外形がベース板60の貫通孔60aよりも大きく形成される。従って、ベース板60に入賞口ユニット930(正面ユニット940)を配設することで、貫通孔60aの開口を塞ぐことができる。これにより、遊技盤13の遊技領域を流下する遊技球が、後述する正面ユニット940に形成される遊技球の通過経路(第1入賞口64、第2入賞口140及び特定入賞口65a)以外の空間から貫通孔60aを通過することを抑制できる。
特定入賞口ユニット950は、正面ユニット940に形成される特定入賞口65aの内側に一部が挿入されており、特定入賞口65aを介して遊技球を特定入賞口ユニット950の内側に送球可能とされる。なお、特定入賞口ユニット950についての詳しい説明は後述する。
駆動ユニット960は、特定入賞口ユニット950の背面側に配設されると共に、変位部材966を介してその一部(伝達部材965の挿入部965e)が正面ユニットに配設される羽部材945に連結される。これにより、駆動ユニット960の伝達部材965を動作させて羽部材945を回転変位させることができる。なお、羽部材945の動作についての詳しい説明は後述する。
次いで、図87から図89を参照して、正面ユニット940の詳細な説明をする。図87(a)は、正面ユニット940の正面図であり、図87(b)は、正面ユニット940の背面図である。図88は、正面ユニット940の分解斜視正面図であり、図89は、正面ユニット940の分解斜視背面図である。なお、図87(a)及び図87(b)では、羽部材945の外形が鎖線で図示される。
図87から図89に示すように、正面ユニット940は、ベース板60に締結される背面ベース941と、その背面ベース941に遊技球の直径よりも大きい距離を隔てて配設される正面ベース943と、背面ベース941及び正面ベース943の対向間に回転可能な状態で配設される2個(一対)の羽部材945とを主に備えて形成される。
背面ベース941は、正面視における外形が上下反対向きの略T字状に形成されると共に、所定の板厚を備える板状体から形成される。また、背面ベース941は、無色透明の樹脂材料から形成されており、入賞口ユニット930(正面ユニット940)がベース板60に配設された状態において、背面ベース941を介してベース板60の貫通孔60aの内部を視認できる。
背面ベース941は、遊技球の流下側(重力方向下側(図87(b)下側))に切り欠き形成される第1アウト口71と、その第1アウト口71の上方(図87(b)上方)に位置し水平方向に長い矩形状に貫通形成される特定入賞口65aと、その特定入賞口65aの上方に貫通形成される第2入賞口140と、第1アウト口71と反対側の縁部に切り欠き形成される第1入賞口64とを主に備える。
また、背面ベース941は、外縁部に板厚方向に貫通する貫通孔941aを複数個備える。貫通孔941aは、正面側(図87(a)紙面手前側)から背面側(図87(b)紙面手前側)に向かって縮径する第1貫通孔941a1と、背面側から正面側に向かって縮径する第2貫通孔941a2とから形成される。
第1貫通孔941a1は、背面ベース941(入賞口ユニット930)をベース板60に締結固定するためのタッピングネジを挿通する孔であり、内径がタッピングネジの螺入部分の外径よりも大きく設定される。また、第1貫通孔941a1は、上述したように、正面側から背面側に向かって縮径して形成されるので、タッピングネジの頭部を正面側の拡径部分に収容することができる。従って、タッピングネジの頭部が遊技領域に突出することを抑制できる。さらに、第1貫通孔941a1の近傍には、背面ベース941の背面から円柱状に突出する位置決め突起942aが形成される。
位置決め突起942aは、ベース板60の貫通孔60aの周囲に形成される位置決め孔60b(図82参照)に対応する位置に形成されると共に、位置決め孔60bの内径と略同一の外径に形成される。これにより、背面ベース941(入賞口ユニット930)をベース板60に対して位置決めして配設できる。
第2貫通孔941a2は、背面ベース941と正面ベース943とを締結するためのネジを背面ベース941側から挿通する孔であり、内径がネジの螺入部分の外径よりも大きく設定される。即ち、正面ベース943は、背面ベース941の背面側からネジで締結される。この場合、正面ベース943の背面ベース941からの取り外しの作業は、入賞口ユニット930をベース板60から取り外した状態とする必要がある。従って、遊技者が不正をして遊技盤13の前面側(遊技領域側)から正面ベース943のみを取り外すことを抑制できる。
また、第2貫通孔941a2は、上述したように、背面側から正面側に向かって縮径して形成されるので、ネジの頭部を背面側の拡径部分に収容することができる。従って、背面ベース941の背面側にネジの頭部が突出することを抑制できる。その結果、背面ベース941の背面側に後述する特定入賞口ユニット950を配設する場合に、ネジの頭が特定入賞口ユニット950に当接することを抑制できる。
背面べース941は、重力方向下側(図87(b)下側)端部の外形が、遊技盤13の内レール61(図81参照)の内縁に沿って形成される。第1アウト口71は、切欠き底部の縁部(重力方向上側の縁部)が内レール61の内縁と遊技球の直径以上離間する寸法に形成される。これにより、遊技盤13(ベース板60)の前面に形成される遊技領域を流下する遊技球のうち第1入賞口64、第2入賞口140、特定入賞口65a及び一般入賞口63()のいずれにも流入しなかった遊技球を、第1アウト口71を介して遊技盤13の背面側(遊技領域の反対側(図87(b)紙面手前側))に送球できる。
第1入賞口64は、第1アウト口71と反対側の重力方向上側(図87(b)上側)の端部を半円形状に切り欠いて形成される。また、第1入賞口64は、その内縁の寸法が遊技球の直径よりも大きい寸法に形成される。これにより、後述する第1受部941gの内部に流入する遊技球を第1入賞口64を介して背面側(遊技領域の反対側(図87(b)紙面手前側)に送球できる。
第1入賞口64の縁部には、遊技領域側(図87(a)紙面手前側)に突出すると共にカップ状に形成される第1受部941gと、遊技領域と反対側(図87(b)紙面手前側)に断面U字状に突出する第1送球部942gとが形成される。
第1受部941gは、内側に1球分の遊技球を受け入れ可能な大きさに形成される。これにより、第1受部941g(第1入賞口64)の重力方向上側から遊技領域を流下する遊技球を第1受部941gの内側に流入させることができる。
また、第1受部941gは、底面が背面側(遊技領域の反対側(図87(b)紙面手前側))に下降傾斜して形成される。これにより、第1受部941gに流入した遊技球を第1入賞口64を下介して背面側(第1送球部942g側)に送球できる。
さらに、第1受部941gは、ベース板60の短手方向(図87左右方向)両端の上端部から、第2入賞口側(重力方向下側(図87(a)下側))に向かってベース板60の短手方向外側に傾斜して立設される案内部941g1を備える。案内部941g1は、所定の厚みを備える板状体に形成されると共に、遊技領域と反対側(背面側)の側面が、背面ベース941の前面側に連結される。これにより、第1受部941gの剛性を高めることができ、流下領域を流下する遊技球が第1受部941gに衝突して、第1受部941gが破損することを抑制できる。
また、背面ベース941に第1入賞口64、第2入賞口140及び特定入賞口65を一体に形成すると、遊技領域を流下する遊技球に変化を与える遊技釘の配置が足りなくなるため、遊技球の流下方向を変化させ難くなる。従って、遊技者の興趣が損なわれる恐れがあるところ、案内部941g1に遊技球を衝突させることで、遊技球の流下方向に変化を与えることができ、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
さらに、案内部941g1は、第2入賞口140側に向かってベース板60の短手方向外側(図87(a)左右方向両側)に傾斜して形成されるので、案内部941g1に衝突した遊技球を背面ベース941の水平方向外側に案内できる。これにより、ベース板60に配設される遊技釘(図示しない)に再度衝突させることができ、遊技球の流下方向に変化を与えやすくできる。従って遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
第1送球部942gは、重力方向上側が開放するU字に形成されており、その内縁の対向間の距離寸法が遊技球の直径よりも大きく形成される。また、第1送球部942gは、底面が背面側(遊技領域と反対側(図87(b)紙面手前側))に向かって下降傾斜して形成されると共に、突出先端側が、後述する送球ユニット970の流入口982dの縁部に当接される。これにより、第1受部941gの内側から第1入賞口64を介して第1送球部942gに送球される遊技球を背面側に転動させて、送球ユニット970に送球することができる。
第1送球部942gは、突出先端の上方端部が、側面視矩形状に切り欠かれる第1凹欠部942g1を備える。第1凹欠部942g1は、後述する送球ユニット970の第2突起982d1が載置される切欠きであり、第2突起982d1の側面視形状と略同一の大きさに凹欠される。なお、第1送球部942g及び送球ユニット970の配置についての詳しい説明は後述する。
第2入賞口140は、正面視において上方が湾曲した略D字状に貫通形成されると共に、内縁が遊技球の外径よりも大きく形成される。これにより、後述する羽部材945の対向間に送球される遊技球を第2入賞口140を介して背面側(遊技領域の反対側(図87(b)紙面手前側))に送球できる。
第2入賞口140には、その縁部に、正面側(遊技領域側(図87(a)紙面手前側))に突出する正面側壁部941bと、背面側(遊技領域と反対側(図87(b)紙面手前側))に突出する第2送球部942cとが形成される。
正面側壁部941bは、ベース板60の短手方向における第2入賞口の両側縁部に沿って形成される。正面側壁部941bは、その突出先端面が後述する正面ベース943の送球ガイド部943dと当接する大きさに設定される。
第2送球部942cは、第2入賞口140の下側縁部の両端のそれぞれに背面視略L字に屈曲して形成される。第2送球部942cは、重力方向(図87(b)上下方向)における寸法が遊技球の半径よりも大きく設定される。これにより、後述する正面ベース943の転動部943aを転動する遊技球が転動部943aの上面から落下することを抑制できる。
一対の第2送球部942cは、ベース板60の短手方向(図87(b)左右方向)における対向間の距離寸法が後述する正面ベース943の転動部943aのベース板60の短手方向(図87(b)左右方向)における長さ寸法と略同一に設定され、内側に転動部943aが配設される。また、第2送球部942cは、突出先端部の重力方向他側(重力方向上側(図87(b)上側))に第2凹欠部942c1が切り欠き形成される。第2凹欠部942c1は、内側に後述する通路ユニットの突起981b1が載置される部分であり、その詳しい説明は後述する。
背面ベース941は、第2入賞口140の近傍の重力方向他側(第1入賞口64側(図87(b)上側))に、背面ベース941の遊技領域側から遊技領域と反対側に向かって円形状に2箇所に凹設される第1軸孔941dと、その第1軸孔941dの軸を中心に湾曲して背面ベース941に貫通形成される2箇所の第1開口941eと、その2箇所の第1開口941eの対向方向外側に位置し背面側に突設される第1ガイド壁942bと、第1入賞口64及び第2入賞口140との間に突設される突出部941cとを備えて形成される。
第1軸孔941dは、後述する羽部材945を軸支する軸部材945aを支持可能とされ、軸部材945aの外径と略同一の内径に形成される。これにより、軸部材945aの一端を第1軸孔941dに挿入して支持できる。
第1開口941eは、第1軸孔941dの中心を軸とする円弧状に開口される。また、第1開口941eは、羽部材945の突起945bを挿通可能とされ、羽部材945の回転軸(挿通孔945c)の径方向における突起945bの最大幅寸法よりも大きく設定される。これにより、羽部材945が回転した際に突起945bが第1開口941eの内面に当接することを抑制できる。
突出部941cは、正面視における外形が二等辺の三角形状に形成され、二等辺の連結部の角部が後述する羽部材945の対向間の中央位置と略同一の平面上に位置される。また、突出部941cの不等辺は、羽部材945の対向方向と平行に延設して形成されており、その長さ寸法が、閉鎖状態における羽部材945の対向間寸法よりも若干大きく設定される。さらに、突出部941cは、閉鎖状態の羽部材945との最短の離間距離が遊技球の直径よりも小さくされる位置に形成される。これにより、羽部材945が閉鎖状態とされる場合に、遊技球が第2入賞口140(一対の羽部材945の対向間)に送球されることを抑制できる。なお、羽部材945の閉鎖状態についての詳しい説明は後述する。
一対の第1ガイド壁942bは、後述する変位部材966が変位される際に、変位部材966の変位を案内する壁であり、一対の第1ガイド壁942bの対向間における距離寸法が、変位部材966の短手方向の距離寸法よりも若干大きく設定される。
また、一対の第1ガイド壁942bは、背面視略L字に形成され、屈曲部分が互いに近づく方向に延設される。これにより、変位部材966の突出部966aを第1ガイド壁942bの屈曲部分に当接させて、変位部材966の変位距離を規制できる。
特定入賞口65aは、一対の羽部材945の対向方向(図87(b)左右方向)に長い矩形状に開口形成されており、その開口の内側に後述する特定入賞口ユニット950の板部材951を挿入することができる。これにより、遊技領域を流下する遊技球を特定入賞口65aを介して特定入賞口ユニット950の内部に送球できる。
また、背面ベース941は、特定入賞口65aの周囲を取り囲むと共に背面側(遊技領域と反対側)に立設される立設部942fと、特定入賞口65aの長手方向両端部に背面側から凹設される凹部941hとを備える。
立設部942fは、その内縁の形状が後述する特定入賞口ユニット950の正面視形状と略同一に設定される。これにより、立設部942fの内側に特定入賞口ユニット950を位置決めして配設し易くできる。
凹部941hは、特定入賞口ユニット950が背面ベース941に配設された状態において、特定入賞口ユニット950の板部材951の回転軸となる棒部材952が挿入される壁部953dと対応する位置に形成される。これにより、棒部材952が板部材951から抜け出る方向に変位した場合に、棒部材952の端面を凹部941hの内縁に当接させて、棒部材952が板部材951から抜け出ることを抑制できる。
さらに、正面ベース942は、立設部942fと第2送球部942cとの対向間に膨出する膨出部942hと、立設部942fの外周面から第1ガイド壁942b側(図87(b)上側)に突出する第2ガイド壁942dとを備える。
膨出部942hは、背面ベース941の背面側に膨出すると共に、立設部942fと第2送球部942cとに連結される。これにより、後述する変位部材966(図90参照)を背面ベース941の背面側(図87(b)紙面手前側)に配設した場合に、変位部材966と背面ベース941の背面との間に所定の隙間を形成できる。その結果、変位部材966が変位する場合に、変位部材966の摩擦(摺動)抵抗を抑えることができる。
第2ガイド壁942dは、変位部材966の下端部分の変位を案内する壁面であり、一対の第2ガイド壁942dの対向間の距離寸法が変位部材966の短手方向の距離寸法よりも若干大きく設定される。従って、変位部材966を一対の第2ガイド壁942dの対向間に配設した場合に、変位部材966の下端部分の変位部材966の短手方向への変位距離を規制できる。
背面ベース941は、特定入賞口65aの長手方向(図87(b)左右方向)両端の重力方向他側(重力方向上側)の縁部に重力方向一側(重力方向下側)に向かって半円状に切り欠いて形成される第2アウト口941fを備える。第2アウト口941fは、正面ベース943に形成される第3受部944aに流入した遊技球をベース板60の背面側(遊技領域と反対側)に送球するための切り欠きであり、遊技球の直径よりも大きい形状に形成される。
また、第2アウト口941fの縁部には、背面視略U字状に形成され背面側に突出する第3送球部942eが形成される。これにより、第2アウト口941fの内側を介して背面側に送球した遊技球を第3送球部942eの内側に送球できる。
第3送球部942eは、背面視U字の湾曲部分(下側部分)が背面側に突出するに従って重力方向下側に傾斜して形成されており、第2アウト口941fから送球された遊技球を背面側に転動させることができる。なお、第3送球部942eの内面を転動する遊技球についての詳しい説明は後述する。
正面ベース943は、正面視における外形が背面ベースよりも小さい上下反対の略T字状に形成される。また、正面ベース943は、無色透明な板状体から形成される。これにより、正面ベース943と背面ベース941との対向間を流下する遊技球を遊技者に視認させることができる。
正面ベース943は、上述した背面ベース941の第2入賞口140及び第2アウト口941fのそれぞれに対応する位置に突設される第2受部943c及び第3受部944aとを主に備えて形成される。
第2受部943cは、背面視略U字に形成され、正面視において内側に背面ベース941の第2入賞口140が配置される。また、第2受部943cの開放側(U字の開放側)には、後述する一対の羽部材945が配設される。さらに、第2受部943cの背面ベース941側への突出距離は、遊技球の直径よりも大きく設定される。よって、背面ベース941及び正面ベース943の対向間に遊技球を送球することができると共に、遊技球が後述する一対の羽部材945の対向間の外側から第2入賞口140に流入することを抑制できる。
また、第2受部943cは、その内縁から内側に突設される送球ガイド部943dと、背面ベース941側(図87(b)紙面手前側)から、円形状に凹設される第1凹部943caと、湾曲部分の内側から背面ベース側に突設される転動部943aとを備える。
送球ガイド部943dは、一対の羽部材945の重力方向下側(図87(b)下側)に一対形成される。また、一対の送球ガイド部943dは、背面ベース941の正面側壁部941bと対応する位置にそれぞれ形成されており、背面ベース941と正面ベース943とが組み合わされると、その端面同士が当接される。これにより、一対の羽部材945の対向間に流入した遊技球を送球ガイド部943dの対向間に送球できる。
転動部943aは、一対の送球ガイド部943dの対向間の重力方向一側(重力方向下側)に形成されると共に、重力方向上側の端面943a1が背面ベース941側に向かって下降傾斜して形成される。また、上述したように、転動部943aは、背面ベース941と正面ベース943とが締結された(組み合わされた)状態において、凹部941jの内側に配置されると共に、先端が背面ベース941の背面側(図87(b)紙面手前側)に突出される。
これにより、一対の送球ガイド部943dの対向間に送球された遊技球を転動部の端面943a1に送球できると共に、その遊技球を端面943a1の上部を転動させて、背面ベース941の背面側に送球できる。
また、正面ベース943は、第2受部943cの開口側(重力方向上側)に、背面ベース941の第1軸孔941dと対向する位置に円環状に突設される円環突起943bを備える。円環突起943bは、その内縁の第2軸孔943b1を備え、その第2軸孔943b1の内側に後述する羽部材945を軸支する軸部材945aの他端を挿入できる。上述したように、軸部材945aは、一端が背面ベース941の第1軸孔941dに挿入される。よって、背面ベース941と正面ベース943との対向間に軸部材945aを挟持して支持できる。
第3受部944aは、背面視略U字形成されており、その内側に背面ベース941の第2アウト口941fが配置される。これにより、遊技盤13の遊技領域を流下する遊技球を第3受部944aの内側に流入させることができると共に、第3受部944aに流入した遊技球を第2アウト口941fを介して背面側(遊技領域と反対側)に送球することができる。
また、第2受部943c及び第3受部944aには、第1凹部943ca及び第2凹部944a1が、背面ベース941側(図87(b)紙面手前側)から円形状に凹設される。第1凹部943ca及び第2凹部944a1は、上述した第2貫通孔941a2に挿入されたネジが螺合される被締結部であり、背面ベース941の第2貫通孔941a2の軸と同軸上に形成される。これにより、背面ベース941と正面ベース943とを締結できる。
羽部材945は、正面視において、背面ベース941に形成される第2入賞口140を間に挟んで一対配設される。羽部材945は、有色の半透明材料から形成されており、正面ベース943を介して遊技者から視認可能とされる。
羽部材945は、正面視略三角形状に形成されると共に、背面ベース941と正面ベース943との対向間よりも小さい厚みに形成される。羽部材945は、厚み方向(背面ベース941側から正面ベース943側)に貫通形成される挿通孔945cと、背面ベース941側の面(背面)から突出する突起945bとを主に備える。
挿通孔945cは、背面ベース941と正面ベース943との対向間に支持される軸部材945aの外径よりも大きい内径に形成される。よって、背面ベース941と正面ベース943とを締結(組立)する際に、挿通孔945cに軸部材945aを挿通させることで、羽部材945を回転可能な状態で背面ベース941と正面ベース943との対向間に配設できる。これにより、羽部材945は、対向する側面が重力方向に平行な状態の閉鎖状態と、その側面の一側を対向方向外側に変位させた開放状態とで変位可能とされる。
突起945bは、後述する変位部材966と連結され、駆動ユニット960の駆動を羽部材945に伝達する伝達部分であり、その先端が背面ベース941の第1開口941eを介して変位部材966が配設される背面ベース941の背面側(遊技領域と反対側)に突出する寸法に設定される。なお、突起945bと変位部材966との連結状態についての詳しい説明は後述する。
次いで、図90を参照して、変位部材966についての詳細な説明をする。図90(a)は、変位部材966の正面図であり、図90(b)は、変位部材966の側面図であり、図90(c)は、変位部材966の斜視正面図である。
変位部材966は、正面視縦長矩形の板状体から形成されると共に、正面視略中央位置に第2開口966cが板厚方向(図90(b)左右方向)に貫通形成される。第2開口966cは、正面視における内縁の形状が上述した背面ベース941の第2入賞口140の内縁の形状よりも大きく形成されると共に、内側に第2入賞口140が配置される。これにより、第2入賞口140を介して遊技領域と反対側に送球される遊技球が変位部材966の内縁に衝突することを抑制できる。
変位部材966は、長手方向(図90(a)上下方向)一端側(図90(a)上側)から短手方向(図90(a)左右方向)に突出する突出部966aと、長手方向他端側(図90(b)下側)から背面側(背面ベース941側(図85参照))に膨出する膨出部966bとを備える。
突出部966aは、変位部材966の板厚方向に貫通して形成される摺動溝966a2と、変位部材966の短手方向両外側に位置すると共に長手方向に延設される当接部966a1とを備える。
摺動溝966a2は、内側に上述した羽部材945の突起945bが挿入される長孔であり、変位部材966の短手方向に長い長穴に形成される。また、摺動溝966a2は、幅寸法が羽部材945の回転軸(挿通孔945c)の径方向における突起945bの幅寸法よりも大きく設定される。これにより、羽部材945が回転した際に、突起945bが摺動溝966a2の幅方向に対向する両内面に当接して、羽部材945の動作が規制されることを抑制できる。
当接部966a1は、正面側(正面ベース943側(図85参照))と背面側(背面ベース941側)にそれぞれ膨出して形成される。これにより、変位部材966と正面ベース943及び後述する駆動ユニット960とが当接する面積を小さくできる。その結果、変位部材966が駆動する場合の抵抗を小さくできる。
膨出部966bは、背面側(背面ベース941側)に膨出して形成されると共に、背面視における内側部分に横長矩形の連結孔966b1が形成される。連結孔966b1は、後述する駆動ユニット960の伝達部材965の先端(挿入部965e)が挿入される開口であり、内縁の形状が、伝達部材965の先端の外形よりも大きく設定される。なお、連結孔966b1と伝達部材965との連結状態の詳しい説明は後述する。
連結孔966b1は、変位部材966の短手方向に長い矩形状に形成され、重力方向他側(重力方向上側(図90(a)上側))の内周面の一側被当接部966b2と、重力方向一側(重力方向下側(図90(a)下側))の内周面の他側被当接部966b3とを備える。
一側被当接部966b2は、後述する伝達部材965の挿入部965eの膨出部965e1が当接する面である。変位部材966は、一側被当接部966b2に、膨出部965e1が当接されてスライド変位されることで、羽部材945を開放状態(図92参照)に変位させることができる。
他側被当接部966b3は、後述する伝達部材965の挿入部965eの膨出部965e1と反対側の側面が当接する面である。変位部材966は、他側被当接部966b3に、膨出部965e1と反対側の側面が当接されてスライド変位されることで、羽部材945を閉鎖状態(図91参照)に変位させることができる。
次いで、図91及び図92を参照して、変位部材966と羽部材945との連結状態について詳しく説明する。図91及び図92は、図87(b)の範囲XCIにおける入賞口ユニット930及び変位部材966の背面図である。なお、図91及び図92では、羽部材945の外形が鎖線で図示される。また、図91では、羽部材945の閉鎖状態が図示され、図92では、羽部材945の開放状態が図示される。
図91及び図92に示すように、羽部材945の突起945bは、背面視において略三角形状に形成されており、閉鎖状態における一対の羽部材945の対向する面と平行に形成される第1面945b1と、その第1面945b1に連なると共に重力方向一側(特定入賞口65a側)に位置する第3面945b3と、第1面945b1及び第3面945b3と連なる第2面945b2とを主に備える。
摺動溝966a2は、重力方向一側(連結孔966b1側)に位置し突起945bと当接して羽部材945を開放状態に変位させる下側内面966a4と、その下側内面966a4と対向すると共に突起945bと当接して羽部材945を閉鎖状態に変位させる上側内面966a3と、変位部材966の短手方向(図91左右方向)外側から下側内面966a4側に向かって変位部材966の短手方向内側に傾斜する傾斜面966a5とを備える。
なお、変位部材966は、後述する伝達部材965により、背面ベース941に対して長手方向(図91上下方向)に変位可能に配設される。羽部材945は、変位部材966が特定入賞口65a側(図91下側)に変位されると閉鎖状態とされ、変位部材966が第2入賞口140側(図91上側)に変位されると開放状態とされる。
次いで、変位部材966の摺動溝966a2と羽部材945の突起945bとの連結について説明する。上述したように、羽部材945の突起945bは、変位部材の摺動溝966a2の内側に配置される。
図91に示すように、羽部材945は、閉鎖状態とされると突起945bが摺動溝966a2の傾斜面966a5側(変位部材966の短手方向外側)に配置される。この状態から、変位部材966が第2入賞口140側(重力方向他側(図91上側))に変位されると、変位部材966の下側内面966a4が、突起945bの第3面945b3と当接して突起945bが変位される。これにより、羽部材945を回転変位させることができる。
ここで、遊技球が入球可能に形成される入球口と、その入球口を挟んだ位置に回転可能に軸支され入球口を開放または閉鎖する一対の羽部材と、それら一対の羽部材を回転させるための駆動力を発生させる駆動手段と、その駆動手段の駆動力を一対の羽部材に伝達する伝達機構とを備えた遊技機が知られている。伝達機構は、駆動手段の駆動力により回転させる回転部材を備え、その回転部材の一端側が、一対の羽部材の背面から突設される突設部に連結される。詳細には、回転部材の一端側には、上下に所定の間隔を隔てて対向する対向部が形成され、その対向部の対向間に羽部材の突設部が挿通される。よって、回転部材が回転されると、その回転部材の対向部によって羽部材の突設部が押し上げられる又は押し下げられることで、羽部材が開放または閉鎖される。
しかしながら、従来の遊技機では、対向部と、突設部との間の隙間を大きく設定する必要があるため、羽部材の開閉動作が安定しないという問題があった。即ち、羽部材の開閉動作のために、回転部材が回転される際には、対向部の姿勢が突設部に対して傾斜されるところ、対向部の対向間隔が突設部の外形と同等であると、対向部の対向間に突設部が干渉して、回転部材が回転できなくなる。そのため、突設部が干渉しない大きさに対向部の対向間隔を設定する必要があり、その分、対向部と突設部との間の隙間が大きくなる。その結果、羽部材のがたつきが生じやすいため、羽部材の開閉動作が安定しない。
これに対し、本実施形態によれば、伝達機構は、駆動手段(駆動ユニット960)の駆動力により回転される伝達部材965と、その伝達部材965の回転に伴ってスライド変位される変位部材966とを備え、一対の羽部材945から突起945bが突設されると共に、その突起945bが摺動可能に挿通される摺動溝966a2が変位部材966に凹設されるので、摺動溝966a2の溝幅を抑制することができる。即ち、変位部材966の変位がスライド変位であり、摺動溝966a2の姿勢が突起945bに対して傾斜しないので、従来品のように回転する際の突設部との干渉を避ける必要がない。よって、摺動溝966a2の溝幅を突起945bの大きさに近似させることができ、溝幅を抑制できるので、摺動溝966a2と突起945bとの間の隙間を小さくできる。その結果、羽部材945のがたつきを抑制でき、羽部材945の開閉動作を安定させることができる。 また、変位部材966の変位の方向が、一対の羽部材945の回転軸に略直交する方向であるので、変位部材966を羽部材945に対して略平行に配設することができる。その結果、羽部材945及び変位部材966の配設に必要なスペースを抑制でき、その分、他の部材を配設するスペースを確保できる。即ち、変位部材966が変位した場合に、変位部材966が一対の羽部材945の回転軸方向に変位しないので、一対の羽部材945の回転軸方向における変位部材の配設に必要なスペースを抑制できる。その結果、他の部材を配設するスペースを確保できる。
ここで、一対の羽部材に回転部材が直接連結される従来品に対し、本発明では、羽部材945と伝達部材965との間に変位部材966が介在されるため、変位部材966を重力方向上側(重力方向他側)へスライド変位させる方向への動作時には、変位部材966の重さが加算される分、慣性力が大きくなり、駆動手段(後述するソレノイド610)に必要な駆動力が嵩む。よって、停止状態にある羽部材945の駆動を開始して、開放状態または閉鎖状態に変位させる際の初期動作をスムーズに行うことが困難となる。
これに対し、本実施形態では、一対の羽部材945が閉鎖状態とされる場合において、突起945bは、羽部材945の回転軸(挿通孔945c)の重力方向下側(重力方向一側)に位置される。即ち、変位部材966が重力方向上側(重力方向他側)へ向けてスライド変位を開始する際の突起945bの位置が、羽部材945の回転軸の重力方向に沿った下方に設定される。これにより、摺動溝966a2の内壁押し上げられる突起945bの変位成分を、水平方向(図91左右方向)に大きくし、重力方向(図91下方向)に小さくできる。よって、変位部材966の重さが加算させる本発明においても、停止状態(閉鎖状態)にある羽部材945の駆動を開始して、開放または閉鎖させる際の初期動作をスムーズに行うことができる。
また、羽部材945の重心は、回転軸(挿通孔945c)を挟んで突起945bの反対側に設定される。これにより、羽部材945が閉鎖状態から開放状態に変位される際には、羽部材945の自重を利用して羽部材945を開放状態に変位させることができる。即ち、変位部材966が重力方向上側(重力方向一側)へ向けてスライド変位を開始すると、羽部材945が開放される方向へ回転されるので、羽部材945をその重さ(自重)により回転させることができる。よって、変位部材966の重さが加算される本発明においても、停止状態(閉鎖状態)にある羽部材945の駆動を開始して、開放させる際の初期動作をスムーズに行うことができる。
さらに、上述した傾斜面966a5は、羽部材945の回転軸(挿通孔945c)の重力方向一側(重力方向下側(図91下側))に形成される。これにより、突起945bの位置が、羽部材945の回転軸の重力方向に沿った下方に設定される場合であっても、傾斜面966a5の傾斜方向に沿って突起945bを案内して、変位部材966の重力方向他側(重力方向上側)へ向けたスライド変位をスムーズに開始させることができる。
また、摺動溝966a2の内壁に傾斜面966a5が形成されることで、その分、摺動溝966a2の内壁と突起945bとの間の隙間を小さくできるだけでなく、かかる傾斜面966a5への突起945bの当接により、突起945bの重力方向への変位に加え、水平方向への変位も規制することができる。よって、閉鎖状態とされる場合の羽部材945のがたつきを抑制しやすくできる。即ち、遊技球の流下に伴う振動の影響を受けた場合でも、羽部材945を開放姿勢または閉鎖姿勢に維持しやすくできる。
図92に示すように、羽部材945が開放状態から閉鎖状態に変位される場合には、変位部材966が、第2入賞口140側から特定入賞口65a側(重力方向一側(図92下側))に変位される。これにより、変位部材966の上側内面966a3が、突起945bの第1面945b1と当接して突起945bが変位される。これにより、羽部材945を回転変位させることができる。
また、変位部材966の第2入賞口140側から特定入賞口65a側の変位方向は、重力方向(図92下方向)に設定される。これにより、羽部材945を閉鎖する場合に、変位部材966の自重を利用して羽部材945を変位させることができる。その結果、羽部材945を開放状態から閉鎖状態に変位させやすくできる。
次いで、図93から図95を参照して、駆動ユニット960について詳細な説明をする。図93(a)は、駆動ユニット960の側面図であり、図93(b)は、駆動ユニット960の上面図であり、図93(c)は、駆動ユニット960の斜視正面図である。図94は、駆動ユニット960の分解斜視正面図であり、図95は、駆動ユニット960の分解斜視背面図である。
図93から図95に示すように、駆動ユニット960は、箱形状に形成され対向して配設される第1収容部962及び第2収容部963と、第1収容部962及び第2収容部963の間の空間に配設されるソレノイド610と、そのソレノイド610に連結される連結部材964と、第1収容部962及び第2収容部963に軸支されると共に連結部材964に連結される伝達部材965とを主に備えて形成される。
第1収容部962は、無色透明の樹脂材料から形成され、ソレノイド610の一側(図93(a)上側)を覆う覆設部962aと、その覆設部962aから背面ベース941側(図85参照)に突出するガイド部962bとを備える。
覆設部962aは、ソレノイド610側(図93(a)下側)及びガイド部962b側が開放される略箱形状に形成される。また、覆設部962aは、対向する壁面の一部を切り欠いて形成される被係合部962cと、対向する壁面の外側に対向する方向に突出する締結部962dとを備える。
被係合部962cは、後述する第2収容部963の係合部963cを係合させる切欠きであり、側面視において係合部963cの外形よりも大きい形状に切り欠き形成される。これにより、第1収容部962及び第2収容部963を締結する前に、被係合部962cに係合部963cを係合させることができるので、第1収容部962及び第2収容部963との締結の作業性を向上できる。
締結部962dは、駆動ユニット960が組み立てられた状態において、第2収容部963の締結孔963b1と対向する位置に形成されており、第2収容部963側(図93(a)下側)に向かって貫通する貫通孔962daを備える。
貫通孔962daは、第2収容部963の締結孔963b1に螺合されるネジ(図示しない)を挿通する孔であり、締結孔963b1と同軸上に形成されると共に、締結孔963b1よりも大きい内径に形成される。これにより、第1収容部962と第2収容部963とを締結固定できる。
ガイド部962bは、覆設部962aの対向する壁面に連なって側面視略L字状に形成される一対の腕部962eと、その一対の腕部962eに連結されると共に、正面視門型に形成される壁部962fと、その壁部962fから覆設部962aと反対側(背面ベース941側(図85参照))に突設される突設部962gとを備えて形成される。
腕部962eは、覆設部962aの対向する壁面のそれぞれから背面ベース941側(図85参照)に突出すると共に突出先端側を重力方向他側(ソレノイド610側と反対側)に屈曲する側面視略L字に形成される。また、一対の腕部962eは、対向間の寸法が後述する振分けユニット980の側壁部981b(図109(a)参照)の水平方向両端部の距離寸法と略同一に設定され、対向間に側壁部981bが挿入される。
壁部962fは、上述した腕部962eの先端側(屈曲側)の側面をそれぞれ連結して形成され、その正面視における形状が、上述した変位部材966の正面視形状よりも大きく形成される。また、壁部962fは、対向方向(図93(b)上下方向)における外側の距離寸法L3(図93(b)参照)が、上述した背面ベース941の一対の第1ガイド壁942bの対向方向における外側の距離寸法L4(図91参照)と略同一に設定される(L3=L4)。さらに、壁部962fは、重力方向(図93(a)上下方向)における距離寸法L5(図93(a)参照)が、背面ベース941の第1ガイド壁942bの上端面から立設部942fの外面までの距離寸法L6(図91参照)と略同一に設定される(L5=L6)。これにより、壁部962f及び背面ベース941との対向間に変位部材966を配設できると共に、変位部材966を第1ガイド壁942bの対向間に収容できる。さらに、壁部962fと背面ベース941との対向間に配設される変位部材966の摺動溝966a2を、その対向間に配置することができる。
突設部962gは、壁部962fの一対の腕部962eの対向方向(図93(b)上下方向)外側から腕部962eと反対側に突出して形成され、その突出寸法が、背面ベース941の第1ガイド壁942bの突出寸法と略同一に設定される。また、突設部962gの対向方向(図93(b)上下方向)における内側寸法L7は、背面ベース941の一対の第2ガイド壁942dの対向方向における外側寸法L8(図91参照)よりも若干大きく設定される。さらに、突設部962gは、重力方向の寸法が、第1ガイド壁942b及び立設部942fの対向間の寸法と略同一に設定さる。
これにより、組み立て状態における駆動ユニット960を背面ベース941(正面ユニット940)に配設する際には、突設部962gの対向間に第2ガイド壁942dを挿入すると共に、第1ガイド壁942b及び立設部942fの対向間に突設部962gを挿入することで、駆動ユニット960を背面ベース941に対して位置決めして配設できる。
第2収容部963は、無色透明の樹脂材料から形成され、ソレノイド610の他側(図93(a)下側)を覆う箱状体に形成される。第2収容部963は、上面視において後述するソレノイド610の駆動方向(図93(b)左右方向)に長い矩形状に形成される。また、第2収容部963は、長手方向に延設される両壁部の複数箇所に凹設される凹設部963eと、その複数箇所の凹設部963eの間から第1収容部962側に突出する係合部963cと、長手方向に延設される両壁部から短手方向に突出する突出部963bと、短手方向に延設される一方側(背面ベース941側(図85参照)の壁部に凹設される軸受部963dとを備えて形成される。
突出部963bは、第2収容部963の短手方向外側に半円弧状に突出して形成され、第1収容部962の貫通孔962daと同軸の締結孔963b1を備える。これにより、第1収容部962の貫通孔962da側からネジを挿通したネジを締結孔963b1に螺合して、第1収容部962と第2収容部963とを締結固定できる。
凹設部963eは、第1収容部962と第2収容部963との対向間に形成される空間に空気を循環させる開口である。凹設部963eを介して空気を循環させることで、第1収容部962と第2収容部963との対向間に配設されるソレノイド610を冷却できる。
係合部963cは、複数個並設される凹設部963eの間から第1収容部962側に突出され、その先端が第2収容部963の短手方向内側に屈曲する鉤状に形成される。また、上述したように係合部963cは、第1収容部962の被係合部962cと対応する位置に形成されており、第1収容部962と第2収容部963とが組み合わされると、係合部963cが被係合部962cの内側に配設されると共に、係合部963cの屈曲部分が第1収容部962の一側端面に係合される。
また、係合部963cは、凹設部963eの間に形成されるので、係合部963cの基端から先端までの距離を長くできる。従って、係合部963cを第1収容部962に配設する場合に、係合部963cを撓ませ易くでき、係合部963cを第1収容部962に係合させやすくできる。
軸受部963dは、後述する伝達部材965の回転軸965cを収容する凹みであり、回転軸965cの外形よりも大きい形状に凹設される。また、軸受部963dの第1収容部962側の端面は、第1収容部962の重力方向一側の側面に覆設されており、第1収容部962と第2収容部963とが組み合わされた状態では、軸受部963dに収容された回転軸965cが軸受部963dの外側に外れることを抑制できる。
ソレノイド610は、直方体に形成される本体部961aと、その本体部961aの内側に挿入されると共に本体部961aに対して変位可能な軸部961bと、その軸部961bの本体部961aと反対側の端部に配設される円環部961cと、円環部961cと本体部961aとの間に配設されるコイルばねSP1とを備える。
本体部961aは、電力が付与(供給)されることで、磁性を発生させるコイル部分であり、その磁性により本体部961aに挿入される軸部961bを内側に引き寄せて挿入できる。
軸部961bは、磁性を有する金属材料から形成されると共に、円柱状に形成される。軸部961bは、軸方向が背面ベース941側に向かう方向に配置されると共に、背面ベース941側の一部が本体部961aから突出した状態で配置される。
円環部961cは、本体部961aから突出した軸部961bの端部に配置される。円環部961cには、後述する連結部材964が連結される。これにより、軸部961bが、本体部961aに対して変位されると、その変位が円環部961cから連結部材964に伝達され連結部材964を変位させることができる。
コイルばねSP1は、螺旋状に複数回巻いたバネ部材である。コイルばねSP1は、軸部961bの周囲に配設されると共に、円環部961cと本体部961aとの対向間に少し圧縮された状態で配設される。これにより、円環部961cを本体部961aから離間する方向に付勢できる。従って、本体部961aに電力が付与(供給)されていない状態では、円環部961cを本体部961aから離間させた状態に維持できる。また、本体部961aに電力が付与(供給)された後、電力の付与(供給)が遮断された際には、円環部961cを本体部961aから素早く離間させることができる。
連結部材964は、無色透明の樹脂材料から形成される。連結部材964は、ソレノイド610の円環部961cの軸と直交する平面と平行な板状体に形成されるベース部964aと、そのベース部964aの重力方向他側から背面ベース941側(図85参照)側に屈曲する立設部964bとを備えて形成される。
ベース部964aは、ソレノイド610の円環部961cと連結される部分であり、重力方向一側(図93(b)紙面奥側)の端面から円環部961cの直径よりも大きい寸法で凹設される第1凹設部964cと、その第1凹設部964cのソレノイド610側に位置し軸部961bの直径よりも大きい寸法で凹設される第2凹設部964dとを備える。
第1凹設部964cは、ソレノイド610の円環部961cを挿入する溝であり、断面視において重力方向一側が開放する略U字状に形成される。また、第1凹設部964cは、その溝幅が円環部961cの板厚よりも大きく設定れる。これにより、第1凹設部964cに円環部961cを挿入できる。
第2凹設部964dは、上述したように円環部961cを第1凹設部964cの内側に配設した場合に、軸部961bとベース部964aとが干渉することを抑制する切欠きであり、背面視において下側が開放する略U字状に形成されると共に、第1凹設部964c側からソレノイド610側に開口して形成される。
立設部964bは、重力方向に貫通する挿通孔964eを備え、その挿通孔964eの内部に後述する伝達部材965の突出部965dが挿入される。これにより、連結部材964がソレノイド610の変位により動作されると、挿通孔964eの内縁に突出部965dが当接して伝達部材965が変位される。なお、伝達部材965の変位についての詳しい説明は後述する。
伝達部材965は、側面視において屈曲して形成され、ソレノイド610の軸部961bの変位方向に延設される先端部965aと、その先端部965aと連なると共に連結部材964側に延設される回転部965bとから形成される。
回転部965bは、第2収容部963の短手方向(図93(b)上下方向)における幅寸法が、第2収容部963に一対形成される軸受部963dの対向間の寸法よりも小さく形成される。また、回転部965bは、964側の端部に第2収容部963の短手方向(図93(b)上下方向)両側に円柱状に突出する回転軸965cと、その回転軸965cの径方向であって重力方向一端側に突出する突出部965dとを備える。
回転軸965cは、上述したように、軸受部963dの溝幅よりも小さい外径に形成される。また、一対の回転軸965cは、突出先端同士の離間距離が、第2収容部963に一対形成される軸受部963dの対向間の距離寸法よりも大きく設定される。これにより、一対の回転軸965cを軸受部963dの内側に挿入して配設できる。従って、回転軸965cを軸受部963dに挿入すると共に第2収容部963と第1収容部962とを締結することで、伝達部材965を回転軸965cを軸に回転可能な状態で支持できる。
突出部965dは、上述したように、連結部材964の挿通孔964eに挿入される突起であり、上面視においてその外形が挿通孔964eの内縁形状よりも小さく設定される。また、突出部965dは、ソレノイド610の軸部961bが変位される(本体部961aに電力が付与(供給)される)前の状態において、ソレノイド610の軸部961bの変位方向の幅寸法が、挿通孔964eの幅寸法よりも十分に大きく設定される(本実施形態では、挿通孔964eの幅寸法が突出部965dの幅寸法の2倍に設定される)。これにより、伝達部材965が、回転軸965cを軸に回転変位された場合に、軸部961bの変位方向両端面の突出部965dと挿通孔964eとが当接して伝達部材965の回転が規制されることを抑制できる。
先端部965aは、ソレノイド610から離間するに従って回転軸965cの軸方向における幅寸法が小さく形成される。また、先端部965aは、その先端に上述した変位部材966の連結孔966b1に挿入される挿入部965eと、回転部965bとの連結側から重力方向一側に突設される立設部965fとを備えて形成される。
挿入部965eは、正面視における外形が変位部材966の連結孔966b1の内縁形状よりも小さく形成されており、連結孔966b1の内側に挿通して配設される。これにより、伝達部材965が回転変位されると、挿入部965eと連結孔966b1とが当接して変位部材966が変位される。なお、伝達部材965と変位部材966との変位についての詳しい説明は後述する。
次いで、図96を参照して、駆動ユニット960の変位動作について説明する。図96(a)及び図96(b)は、図93(b)のXCVI−XCVI線における駆動ユニット960の断面図である。なお、図96(a)では、ソレノイド610の動作前の状態が図示され、図96(b)では、ソレノイド610の動作後の状態が図示される。また、図96(a)及び図96(b)では、伝達部材965の回転軸965cの外形が鎖線で図示される。
図96(a)に示すように、ソレノイド610の本体部961aに電力が付与(供給)されていない状態では、本体部961aと円環部961cとの間に配設されるコイルばねSP1の付勢力により円環部961cが本体部961aから離間する状態とされる。これにより、円環部961cに連結される連結部材964が本体部961aから離間する方向(図96(a)左側)に押し出された状態とされる。
連結部材964が本体部961aから離間する方向に押し出されると、伝達部材965の突出部965dのソレノイド610側(図96(a)右側)の面と、連結部材964の挿通孔964eのソレノイド610側の内面とが当接した状態とされる。これにより、伝達部材965の先端部965aが回転軸965cを軸に重力方向一側(図96(a)下側)に押し下げられた状態とされる。また、伝達部材965の先端部965aの重力方向一側への変位は、当接部965gが第2収容部963と当接して規制される。
図96(b)に示すように、ソレノイド610の本体部961aに電力が付与(供給)された状態では、本体部961aに発生する磁力により、軸部961bが本体部961aの内部に引き込まれ円環部961cと本体部961aとが(本体部961aに電力が付与(供給)されていない状態よりも)近接される。これにより、円環部961cに連結される連結部材964が本体部961aに近接する方向(図96(a)右側)に変位された状態とされる。
連結部材964が本体部961aに近接する方向に変位されると、伝達部材965の突出部965dのソレノイド610と反対側(図96(b)左側)の面と、連結部材964の挿通孔964eのソレノイド610側と反対側(図96(b)左側)の内面とが当接した状態とされる。これにより、伝達部材965の先端部965aが回転軸965cを軸に重力方向他側(図96(b)上側)に押し上げられた状態とされる。また、伝達部材965の先端部965aの重力方向他側への変位は、伝達部材965の先端部965aと回転部965bとの連結部分が第1収容部962と当接して規制される。
従って、伝達部材965の先端部965aが重力方向他側または重力方向一側のどちらか一方に変位されることで、伝達部材965を第1収容部962または第2収容部963のどちらか一方に当接させることができる。これにより、遊技者の不正行為を抑制することができる。
例えば、遊技者が、遊技者側(遊技領域側)からソレノイド610に伝達部材965及び第1収容部962又は第2収容部963の隙間にピアノ線等を挿通した場合に、そのピアノ線の太さの分、伝達部材965の変位距離を少なくすることができる。従って、伝達部材965により変位される羽部材945の変位動作に異常が出るため、店舗の運営者にその不正を発見させやすくできる。
また、上述したように、伝達部材965は、回転軸965cから延設されると共に変位部材966に連結される先端部965a及び回転部965bと、回転軸965cから延設されると共にソレノイド610に連結される突出部965dとを備え、先端部965a及び回転部965bが、回転軸965cの軸方向視において略くの字状に屈曲して形成されるので、変位部材966の変位量を確保しつつ、ソレノイド610と変位部材966の間の距離を抑制できる。
即ち、先端部965aと回転部965bとを回転軸965cの軸方向視において直線状に形成し、且つ、先端部965aと回転部965bとの長さ寸法距離を、本実施形態の先端部965aと回転部965bとを合わせた距離と略同等に設定した場合には、変位部材966のスライド変位量を本実施形態と同等にできるが、ソレノイド610と変位部材966との間の距離が嵩み、全体が大型化する。
一方、先端部965aと回転部965bとを回転軸965cの軸方向視において直線状に形成、且つ、先端部965aと回転部965bとの長さ寸法距離を、本実施形態の挿入部965eから回転軸965cまでの距離寸法と略同一に設定した(先端部965aと回転部965bとの距離を短くした)場合には、ソレノイド610と変位部材966との間の距離を本実施形態と同等とできるが、変位部材966の変位量が小さくなる。
これに対し、本実施形態によれば、先端部965aと回転部965bとが、回転軸965cの軸方向視において略くの字状に屈曲して形成されることで、変位部材966のスライド変位量を確保しつつ、ソレノイド610と変位部材966との間の距離を抑制できる。 また、突出部965dは、変位部材966と反対側となる先端部965a及び回転部965bの背面側(図96(a)右側)に形成される。これにより、先端部965a及び回転部965bを屈曲させることで生じたスペースを有効に活用して、伝達部材965を小型化できる。即ち、正面ユニット940の転動部943a(後述する送球ユニット970)及び特定入賞口ユニット950の通路部材955との間のスペースに伝達部材965を効率的に配設して、全体としての小型化を図ることができる。
次いで、図97及び図98を参照して、駆動ユニット960と変位部材966との連結について詳しく説明する。図97は、図83のXCVII−XCVII線における入賞口ユニット930の断面図である。図98(a)及び図98(b)は、図97のXCVIII−XCVIII線における入賞口ユニット930の断面図である。なお、図98(a)では、ソレノイド610の動作前の状態が図示され、図98(b)では、ソレノイド610の動作後の状態が図示される。
図97及び図98に示すように、駆動ユニット960と正面ユニット940とが組み上げられた状態では、伝達部材965の先端部965aが変位部材966の連結孔966b1に挿入される。
従って、上述したように、駆動ユニット960のソレノイド610が駆動されて、伝達部材965の先端部965aが重力方向他側(図98(a)上方)に変位されると、図98(a)及び図98(b)に示すように、挿入部965eの膨出部965e1と変位部材966の連結孔966b1の一側被当接部966b2とが当接して変位部材966が重力方向他側にスライド変位される。
上述したように、変位部材966が重力方向他側(第2入賞口140側)にスライド変位されると、羽部材945の突起945bが変位されて、羽部材945が開放状態とされる。即ち、ソレノイド610の本体部961aに電力を付与することで、羽部材945が開放状態とされる。
一方、ソレノイド610の本体部961aへの電力の付与(供給)が遮断されると、上述したようにソレノイド610に配設したコイルばねSP1の付勢力により伝達部材965の先端部965aが重力方向一側(図98(a)下側)に変位される。これにより、図98(a)に示すように、膨出部965e1の反対面と変位部材966の連結孔966b1の他側被当接部966b3とが当接して変位部材966が重力方向一側にスライド変位される。
上述したように、変位部材966が重力方向一側(特定入賞口65a側)にスライド変位されると、羽部材945の突起945bが変位されて、羽部材945が閉鎖状態とされる。即ち、ソレノイド610の本体部961aへの電力の付与(供給)を遮断することで、羽部材945が閉鎖状態とされる。
この場合、本体部961aへの電力の付与(供給)を遮断した状態で、羽部材945を閉鎖状態とできるので、本体部961aの配線が断線した場合や遊技者の不正行為により本体部961aの配線が切断された場合に、羽部材945が開放状態となり第2入賞口140に遊技球が流入しやすい状態とされることを抑制できる。
また、伝達部材965の回転変位は、変位部材966の短手方向略中間位置に形成される連結孔966b1により変位部材966に伝達される。これにより、一対の羽部材945と伝達部材965との間での変位部材の姿勢変化を許容しやすくできる。よって、伝達部材の回転に伴い、変位部材966をスムーズにスライド変位させることができる。その結果、羽部材945を確実に開放または閉鎖させることができる。
即ち、伝達部材965の回転に伴って、変位部材966をスライド変位させ、一対の羽部材945を開放または閉鎖させる動作中に、一対の羽部材945の内の一方のみに遊技球からの負荷が作用されると、変位部材966の姿勢が変化されるところ、変位部材966が、一対の羽部材945に対して2カ所で連結されると共に、伝達部材965に対しても2カ所で連結されていると、一対の羽部材945と伝達部材965との間での変位部材966の姿勢の変化が許容され難く、変位部材966をスライド変位させる(即ち、伝達部材965を回転させる)際の抵抗が発生して、羽部材の開放または閉鎖が阻害される。これに対し、本発明によれば、変位部材966が、一対の羽部材945に対して2カ所で連結されると共に、伝達部材965に対して1カ所で連結されているので、一対の羽部材945のうちの一方のみに遊技球からの負荷が作用されても、一対の羽部材945と伝達部材965との間での変位部材966の姿勢変化を許容しやすくできる。
さらに、挿入部965eの一側被当接部966b2及び他側被当接部966b3との当接面の幅寸法D1(図98(a)参照)は、突起945bの最大外形寸法D2(図98(a)参照)の3倍よりも小さく設定される。これにより、一対の羽部材945と伝達部材965との間での変位部材966の姿勢変化を許容しやすくできる。即ち、挿入部965eの幅寸法D1が大きく設定されると、一対の羽部材945と伝達部材965との間での変位部材966の姿勢変化をした場合に、挿入部965eと連結孔966b1との当接しやすくなり、変位部材966の姿勢変化が規制されるところ、かかる挿入部965eの幅寸法D1を、突起945bの最大外形寸法D2の3倍よりも小さく設定することで、変位部材966の姿勢変化が規制されることを抑制できる。その結果、一対の羽部材945と伝達部材965との間での変位部材966の姿勢変化を許容しやすくできる。
なお、挿入部965eの幅寸法D1は、突起945bの最大外形寸法D2の2倍よりも小さく設定されることが好ましい。これによれば、変位部材966の姿勢が変化した場合に、挿入部965eと連結孔966b1とが当接することを抑制しやすくできる。その結果、一対の羽部材945と伝達部材965との間での変位部材966の姿勢変化を許容しやすくできる。
次いで、図99から図101を参照して特定入賞口ユニット950について説明する。図99(a)は、特定入賞口ユニット950の正面図であり、図99(b)は、特定入賞口ユニット950の背面図であり、図99(c)は、特定入賞口ユニット950の上面図である。図100は、特定入賞口ユニット950の分解斜視正面図であり、図101は、特定入賞口ユニット950の分解斜視背面図である。
図99から図101に示すように、特定入賞口ユニット950は、遊技者側(図99紙面手前側)が開放する箱状体に形成される入球部材953と、その入球部材953の開放部分を覆う状態に配設される板部材951と、入球部材953を挟んで板部材951の反対側に配設される通路部材955と、板部材951を動作させる駆動ユニット957とを備えて形成される。
板部材951は、有色半透明の樹脂材料から形成され、板部材951を介して入球部材953側を流下する遊技球を遊技者に視認させることができる。板部材951は、正面視横長矩形の板状体に形成される本体部951aと、その本体部951aの長手方向両外側に円筒状に凹設される軸孔951bと、本体部951aの長手方向の一方の端部から入球部材953側に突出する突起951cと、本体部951aの長手方向の他方の端部から入球部材953側に突出する係合部951dとを備えて形成される。
本体部951aは、正面視において後述する入球部材953の開放側を覆設する大きさに形成されると共に、上述した正面ユニット940の特定入賞口65aの内縁形状よりも若干小さい形状とされる。
軸孔951bは、本体部951aの重力方向一側(重力方向下側)に形成されると共に、長手方向の両端のそれぞれが同軸上に設定される。また、軸孔951bは、後述する棒部材952の外径よりも若干大きい内径に形成され、内側に棒部材952を挿入可能とされる。よって、棒部材952を軸孔951bに挿入した状態で入球部材953に支持させることで、板部材951を入球部材953に対して軸支できる。
突起951cは、本体部951aの長手方向の一方側に突出して形成される。これにより、板部材951が後述する駆動ユニット957の駆動により軸孔951bを軸に回転変位され、板部材951の重力方向他側が遊技領域側に傾斜する状態とされた場合に、本体部951aに流下した遊技球が本体部951aの長手方向の一方側からから落下することを抑制できる。
係合部951dは、突出先端に部分的に凹設される凹設部951d1を備える。凹設部951d1は、その内側に後述する伝達部材958の先端部958cが連結され、駆動ユニット957の動作が伝達される。また、係合部951dは、板部材951が軸孔951bを軸に回転変位された場合に、その一部が流下領域側に突出することで、本体部951aに流下した遊技球が本体部951aの長手方向の他方側から落下することを抑制できる。
入球部材953は、無色透明の樹脂材料から形成される。入球部材953は、正面視横長矩形の箱形状に形成される本体部953aと、その本体部953aの開放側と反対側の面に立設される立設壁953bと、本体部953aの開放側と反対側の面に突設される係合部953fと、本体部953aの開放側と反対側の面に円環形状に突設される円環突起953cと、本体部953aの開放側の縁部の長手方向両外側から板部材951側に突設される壁部953dと、本体部953aの長手方向の他方側に通路部材955側から板部材951側に貫通する挿通孔953eと、本体部953aの長手方向両端側から突設される突設部953gと、本体部953aの開放側縁部から板部材951側に突出する突起953hと、本体部953aの底面に貫通形成される2箇所の流入口953jとを備えて形成される。
本体部953aは、箱形状の内側部分に遊技球を挿通可能な大きさに形成され、板部材951側に開口する開口953a1と、その開口953a1から流入される遊技球を転動させる転動面953a2とを備えて形成される。また、本体部953aの正面視における外形形状は、上述した正面ユニット940の立設部942fの内縁形状よりも若干小さく形成される。これにより、本体部953a(入球部材953)を立設部942fの内側に挿入して正面ユニット940と締結固定できる。なお、本体部953aの内側形状についての詳しい説明は後述する。
また、本体部953aの長手方向寸法は、上述した一対の羽部材945の対向方向外側の離間距離よりも大きく設定される。これにより、遊技領域を流下する遊技球が一対の羽部材945の外周面に衝突した場合であっても、遊技球を特定入賞口65aを介して本体部953aに流入させることができる。
開口953a1は、内縁の形状が遊技球の直径よりも大きく形成されており、板部材951が開放状態とされる場合に、遊技球を開口953a1を介して本体部953aの内側に流入させることができる。
転動面953a2は、本体部953aの重力方向下側の内縁であり、上面視において矩形状に形成される。また、背面側(通路部材955側)から正面側(板部材951側)の方向(短手方向)における寸法が遊技球の直径よりも大きく形成される。よって、開口953a1から本体部953aの内側に送球される遊技球を、転動面953a2で転動させることができる。
立設壁953bは、本体部953aの開放側と反対側に配設される検出装置SE1を保持する壁であり、背面視略横長矩形に形成される検出装置SE1の3方向の外周面を囲う大きさに形成される。
係合部953fは、立設壁953bにより囲われた3方向以外の検出装置SE1の外周面に沿って形成される。これにより、検出装置SE1を立設壁953b及び係合部953fにより囲われた部分の内側に配設できる。また、係合部953fは、基端側から検出装置SE1の厚み分の距離を隔てた先端部分が立設壁953b側に屈曲される。よって、検出装置SE1と係合部953fとが係合して、本体部953aに配設した検出装置SE1が脱落することを抑制できる。
なお、検出装置SE1は、遊技球の通過を検知する装置であり、その厚み方向に遊技球よりも若干大きい内径の検出孔SE1aが貫通形成される。検出孔SE1aは、背面視横長矩形の状態で配設される検出装置SE1の長手方向のどちらか一方または他方に偏って形成されており、検出孔SE1aが形成されていない長手方向のどちらか他方または一方に検出装置SE1を制御する検出基板SE1bが配設される。また、検出孔SE1aは、後述する流入口953jと対応する位置に配置されており、流入口953jに流入する遊技球を通過させることができる。
円環突起953cは、本体部953aの開放側と反対側に円環状に複数箇所から突出して形成され、その内縁部分に通路部材955と入球部材953と締結固定するネジが螺合される。
壁部953dは、本体部953aの長手方向両外側に一対形成されており、その対向間における距離寸法が、板部材951の長手方向寸法よりも短く形成される。これにより、一対の壁部953dの対向間に板部材951を配設できる。
また、壁部953dには、本体部953aの長手方向(図99(a)左右方向)に円形状に貫通する軸孔953d1が形成される。軸孔953d1は、板部材951の軸孔951bの内径と略同一の大きさに形成される。よって、一対の壁部953dの対向間に板部材951を配置した後に、板部材951の長手方向両外側から、棒部材952を軸孔953d1及び軸孔951bに挿入することで、板部材951を入球部材953に軸支できる。
さらに、壁部953dは、上述した正面ユニット940の背面ベース941に形成される凹部941hの凹設距離よりも小さい突出寸法に形成される。従って、正面ユニット940及び特定入賞口ユニット950を組み合わせた状態とすることで、凹部941hの内側に壁部953dを収容できる。これにより、軸孔953d1及び軸孔951bに挿入した棒部材952が抜け出ることを抑制できる。
挿通孔953eは、後述する通路部材955に配設される伝達部材965の一部を板部材951側に挿通させる孔であり、通路部材955に配設される伝達部材965と対応する位置に形成される。
突設部953gは、正面ユニット940の連結突起942jの軸上に突出形成される。また、正面ユニット940と特定入賞口ユニット950とが組み合わされた状態において、連結突起942jの内円942j1と突設部953gに貫通形成される挿通孔953g1とが同軸上に配置されると共に、突設部953gと連結突起942jとが当接される。これにより、特定入賞口ユニット950側から挿通孔953g1に挿通したねじを、内円942j1に螺合することで、特定入賞口ユニット950と正面ユニット940とを締結固定できる。
突起953hは、板部材951側に突出して形成される。これにより、後述する駆動ユニット957により板部材951が変位される際に、板部材951と本体部953aの縁部との間に遊技球が挟まり難くできる。
また、突起953hは、板部材951の突起951c及び係合部951dの板部材951の長手方向(図99(a)左右方向)において略同一の位置に形成される。これにより、突起953hの突出側に遊技球を転動し難くできる。その結果、板部材951が変位される際に、板部材951と突起951cとの間に遊技球が挟まり難くできる。
流入口953jは、板部材951側から通路部材955側に、遊技球の直径よりも大きい内縁形状に開口して形成される。流入口953jは、本体部953aの内側に流入した遊技球を通路部材955に送球する孔であり、本体部953aの長手方向に一対形成される。
ここで、遊技球が入球可能に形成される入球口とその入球口を開閉する開閉部材と、入球口に入球された遊技球の通路を形成する通路部材とを備えた遊技機が知られている。入球口は、複数の遊技球が同時に入球可能な大きさに形成され、入球口に入球された遊技球は、転動面を転動することで通路部材に集められ、通路部材へ一球ずつ流入される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、入球口を大型化すると、その分入球口の端部から通路部材までの遊技球の転動距離(転動面の長さ)が長くなる。そのため、通路部材へ到着するまでに時間を要し、開閉部材により入球口を閉鎖するまでに別の遊技球が入球口から入球されることで、オーバー入賞が生じ易いという問題があった。
これに対して、本実施形態では、流入口953jが、所定の間隔を隔てて一対(2箇所に)形成されるので、本体部953aの開口953a1を大型化した場合でも、流入口953jまでの遊技球の転動距離(転動面の長さ)の長さを短くできる。よって、その分、流入口953jへ到達するまでの時間を短くして、流入口953jへ短時間で流入させることができる。その結果、板部材951により開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
さらに、入球部材953への遊技球の流入を検出する検出装置SE1は、流入口953jと後述する通路部材955の凹設部955aとの連結部分に配設される。これにより、本体部953aの開口953a1に入球した遊技球をより短時間で検知できる。よって、板部材951により開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制でき、オーバー入賞を抑制できる。
また、流入口953jは、正面ユニット940及び特定入賞口ユニット950が締結された状態において、閉鎖状態の一対の羽部材945と重力方向に重ならない位置に形成される。即ち、一対の流入口953jの間に閉鎖状態の一対の羽部材945が配置される。
ここで、上述したように、特定入賞口ユニット950は、第2入賞口140(一対の羽部材945)の重力方向下側に配設される。また、一対の羽部材945は、遊技領域に配設されるので、遊技領域を流下する遊技球が一対の羽部材945の重力方向下側に流下し難い。従って、特定入賞口ユニット950の入球部材953に流入する遊技球の流入位置に偏りが生じる。本実施形態では、上述したように、流入口953jが閉鎖状態の一対の羽部材945と重力方向に重ならない位置に形成されるので、入球部材953に流入する遊技球の流入が多い位置に流入口953jを近づけることができる。これにより、入球部材953に流入する遊技球を短時間で流入口953jに流入させることができる。その結果、入球部材953への遊技球のオーバー入賞を抑制できる。
通路部材955は、無色透明な樹脂材料から形成され、その正面視における外形が、上述した入球部材953の正面視における外形と略同一の形状に形成される。また、通路部材955は、各検出装置SE1の検出孔SE1aと対向する位置に凹設される一対の凹設部955aと、長手方向の他方側に位置し駆動ユニット957側から入球部材953側に貫通形成される第2開口955bと、長手方向両端に駆動ユニット957側から入球部材953側に貫通形成される一対の第3開口955cと、その第3開口955cの重力方向他側に凹設される転動部955dと、一対の凹設部955aの間に位置し駆動ユニット957側から凹設される第2凹設部955fとを備えて形成される。
凹設部955aは、検出孔SE1aを挿通する遊技球を案内する通路であり、通路部材955の長手方向の凹設寸法および駆動ユニット957側の凹設寸法が、遊技球の直径よりも大きく設定される。
第2開口955bは、後述する駆動ユニット957の連結部材957c及び伝達部材958が配設される空間である。また、第2開口955bの内周面には、通路部材955の長手方向に円柱状に突出する軸部955b1(図102(a)参照)が形成される。軸部955b1は、伝達部材958の軸孔958bの内径よりも小さい外径に形成されており、軸孔958bに軸部955b1を挿通することで、伝達部材958を軸支できる。
第3開口955cは、内部に検出孔SE1aの挿通方向が重力方向と平行に配置された検出装置SE2を配設する空間であり、正面視における検出装置SE2の外形形状と略同一に設定される。これにより、第3開口955cの内側に検出装置SE2を配設できる。また、検出装置SE2は、第3開口955cの内部に配設された状態において、検出孔SE1が入球部材953側に突出される。
また、第3開口955cの縁部には、係合部955eが駆動ユニット957側に突出する。係合部955eは、その突出先端が第3開口955cの内側に屈曲される。第3開口955cに検出装置SE2が配設されると、係合部955eの屈曲部分が検出装置SE2の検出基板SE1b側に係合される。これにより、第3開口955cの内側に挿入された検出装置SE2が駆動ユニット957側に抜け出ることを抑制できる。
転動部955dは、円弧状に湾曲して形成される。また、転動部955dは、正面ユニット940及び特定入賞口ユニット950とが組み合わされた状態において、板部材951側の端部が、正面ユニット940の第3送球部942eに連結される。これにより、正面ユニット940の第2アウト口941fに流入する遊技球を特定入賞口ユニット950の転動部955dに送球できる。
また、転動部955dの他端側は、第3開口955cに配設される検出装置SE2の検出孔SE1aの重力方向他側に位置される。これにより、転動部955dを転動する遊技球をその他端側から落下させて検出装置SE2の検出孔SE1aに挿通させることができる。これにより、第2アウト口941fに流入した遊技球の球数を検出装置SE2より計測できる。
第2凹設部955fは、上述したように遊技球の通路となる一対の凹設部955aの間に形成される。第2凹設部955fは、上述した駆動ユニット960が配設される窪みであり、通路部材955の長手方向(図99(c)左右方向)における距離寸法が、上述した駆動ユニット960の第2収容部963の短手方向(図93(b)上下方向)の距離寸法よりも大きく設定される。
第2凹設部955fには、通路部材955の長手方向中間位置に貫通形成される挿通孔955hと、駆動ユニット957側に突出する突起955gとが形成される。挿通孔955hは、入球部材953及び通路部材955を締結するネジを挿通する孔であり、ネジの先端の外径よりも大きい内径に形成される。
突起955gは、円柱状に形成されると共に、中心に締結孔955g1が円形に凹設される。締結孔955g1は、駆動ユニット960と通路部材955(特定入賞口ユニット950)とを締結するネジを螺合させる孔であり、駆動ユニット960の第2収容部963に形成される長孔963fと対向する位置に形成される。これにより、駆動ユニット960と通路部材955(特定入賞口ユニット950)とを締結固定できる。
駆動ユニット957は、ソレノイド957aと、そのソレノイド957aを覆うケース部材957bと、ソレノイド957aの変位部分に配設される連結部材957cとを備えて形成される。
ソレノイド957aは、直方体に形成される本体部957a1と、その本体部957a1の内側に挿入されると共に本体部957a1に対して変位可能な軸部957a2と、その軸部957a2の本体部957a1と反対側の端部に配設される円環部957a3と、円環部957a3と本体部957a1との間に配設されるコイルばねSP2とを備える。
本体部957a1は、電力が付与(供給)されることで、磁性を発生させるコイル部分であり、その磁性により本体部957a1に挿入される軸部957a2を本体部957a1の内側に引き寄せて挿入可能とされる。
軸部957a2は、磁性を有する金属材料から形成されると共に、円柱状に形成される。軸部957a2は、軸方向が通路部材955に向かう方向に配置されると共に、背面ベース941側の一部が本体部957a1から突出した状態で配置される。
円環部957a3は、本体部957a1から突出した軸部957a2の端部に配置される。円環部957a3には、後述する連結部材957cが連結される。これにより、軸部957a2が、本体部957a1に対して変位されると、その変位が円環部957a3から連結部材957cに伝達され連結部材957cを変位させることができる。
コイルばねSP2は、螺旋状に複数回巻いたバネ部材である。コイルばねSP2は、軸部957a2の周囲に配設されると共に、円環部957a3と本体部957a1との対向間に少し圧縮された状態で配設される。これにより、円環部957a3を本体部957a1から離間する方向に付勢できる。従って、本体部957a1に電力が付与(供給)されていない状態では、円環部957a3を本体部957a1から離間させた状態に維持できる。また、本体部957a1に電力が付与(供給)された後、電力の付与(供給)が遮断された際には、円環部957a3を本体部957a1から素早く離間させることができる。
ケース部材957bは、ソレノイド957aの本体部957a1を覆設する箱状体に形成され、軸部957a2が挿入される側の一面が開放される。また、ケース部材957bは、軸部957a2の軸方向に貫通する挿通孔957b1と、開放側と反対側に貫通形成される開口957b2とを備えて形成される。
挿通孔957b1は、通路部材955とケース部材957b(駆動ユニット957)とを締結するネジを挿通するネジ穴であり、ネジの先端部の外形よりも大きく形成される。また、挿通孔957b1を挿通されたネジは、通路部材955に螺合される。
開口957b2は、軸部957a2の反対側に形成される。これにより、本体部957a1に配線HS1(図105参照)を開口957b2を介して連結できる。
連結部材957cは、無色透明の樹脂材料から形成される。連結部材957cは、ソレノイド957aの円環部957a3の軸と直交する平面と平行な板状体に形成される。連結部材957cは、重力方向一側(図99(b)下側)の端面から円環部957a3の直径よりも大きい寸法で凹設される第1凹設部957c1と、その第1凹設部957c1のソレノイド957a側に位置し軸部957a2の直径よりも大きい寸法に凹設される第2凹設部957c2と、入球部材953側に突出する係合部957c3とを備える。
第1凹設部957c1は、ソレノイド957aの円環部957a3を挿入する溝であり、断面視において重力方向一側が開放する略U字状に形成される。また、第1凹設部957c1は、その溝幅が、円環部957a3の板厚よりも大きく設定される。これにより、第1凹設部957c1に円環部957a3を挿入できる。
第2凹設部957c2は、上述したように円環部957a3を第1凹設部957c1の内側に配設した場合に、軸部957a2と連結部材957cとが干渉することを抑制する切欠きであり、背面視において重力方向一側が開放する略U字状に形成されると共に、第1凹設部957c1側からソレノイド957a側に開口して形成される。
係合部957c3は、側面視略L字に屈曲して形成される。係合部957c3は、屈曲部分の内側に後述する伝達部材958の連結部958aが配設される。これにより、連結部材957cが、ソレノイド957aの変位により動作されると、係合部957c3の内縁に連結部958aが当接して伝達部材958が変位される。なお、伝達部材958の変位についての詳しい説明は後述する。
伝達部材958は、側面視略三角形の板状体に形成される。伝達部材958は、板厚方向に円形状に貫通する軸孔958bと、連結部材957c側の端部から板厚方向に円柱状に突出する連結部958aと、板部材951側に突出する先端部958cとを備えて形成される。
軸孔958bは、上述したように、軸部955b1(図102(a)参照)が挿入される貫通孔である。また、軸孔958bは、その内径が軸部955b1の外径よりも若干大きく形成される。これにより、伝達部材958が通路部材955に回転可能な状態で軸支される。
連結部958aは、上述したように、係合部957c3の屈曲部分の内側に配設される。これにより、連結部材957cが、ソレノイド957aの変位により動作されると、係合部957c3の内縁に連結部958aが当接して伝達部材958が軸孔958bを軸に回転変位される。
先端部958cは、板部材951の凹設部951d1に挿入して配設される。従って、ソレノイド957aが動作されて、伝達部材958が軸孔958bの軸を中心に回転された場合に、先端部958cが変位することで、係合部951d押し上げることができる。これにより、板部材951を回転させることができる。
次いで、図102及び図103を参照して、板部材951の変位について説明する。図102(a)及び図102(b)は、図99(c)のCII−CII線における特定入賞口ユニット950の断面図である。図103(a)及び図103(b)は、特定入賞口ユニット950の斜視正面図である。
なお、図102(a)及び図103(a)では、板部材951の閉鎖状態が図示され、図103(a)及び図103(b)では、板部材951の開放状態が図示される。また、板部材951の閉鎖状態とは、本体部951aが入球部材953の本体部953aの開口部分を覆う状態であり、板部材951の開放状態は、本体部951aが入球部材953の本体部953aの開口から離間した状態である。
図102(a)及び図103(a)に示すように、ソレノイド957aの本体部957a1への電力の付与(供給)が遮断された状態では、コイルばねSP2の付勢力により軸部957a2が板部材951側(図102(a)左側)に突出した状態とされる。これにより、軸部957a2(円環部957a3)に配設される連結部材957cも同様に、本体部957a1側から離間する板部材951側に配置される。
この場合、上述したように、伝達部材958の連結部958a(図101参照)は、連結部材957cの係合部957c3の内側に配置されるので、連結部958aが板部材951側に押し出される。これにより、伝達部材958の先端部958cには、軸孔958bを中心に重力方向一側(図102(a)下側)に回転する方向に力が伝達される。
先端部958cが重力方向一側に押し下げられると、先端部958cと凹設部951d1とが当接して、板部材951の本体部951aが入球部材953の本体部953aの開口953a1側に近づく方向に回転される。これにより、板部材951を閉鎖状態に維持することができる。
また、板部材951が閉鎖状態とされる場合には、連結部材957cの板部材951側の面と、伝達部材958のソレノイド957a側の面とが、当接した状態とされる。これにより、遊技者が不正操作をして板部材951側を無理に開放状態とする場合には、連結部材957cの板部材951側の面を、伝達部材958のソレノイド957a側の面で押し出すことができるので、連結部958a又は係合部957c3に不正操作の力がかかることを抑制できる。その結果、連結部958a又は係合部957c3が破損することを抑制できる。
図102(b)及び図103(b)に示すように、ソレノイド957aの本体部957a1に電力が付与(供給)された状態では、軸部957a2が本体部957a1の内側に引き込まれ(吸着され)た状態とされる。これにより、軸部957a2(円環部957a3)に配設される連結部材957cも同様に、本体部957a1側に配置される。
この場合、上述したように、伝達部材958の連結部958a(図101参照)は、連結部材957cの係合部957c3の内側に配置されるので、連結部材957cの変位に伴って本体部958a1側(図102(b)右側)に変位される。これにより、伝達部材965には、先端部958cを軸孔958bを中心に重力方向他側(図102(b)上側)に回転する方向の力が伝達される。
先端部958cが、重力方向他側に押し上げられると、先端部958cと凹設部951d1とが当接して、板部材951の本体部951aが、入球部材953の本体部953aの開口側から離間する方向に回転される。これにより、板部材951を開放状態にできる。
また、板部材951が閉鎖状態から開放状態に変位される場合には、板部材951の自重を利用して板部材951を開放方向に変位させることができるので、連結部958a又は係合部957c3に力がかかることを抑制できる。その結果、連結部958a又は係合部957c3が破損することを抑制できる。
次いで、図104を参照して、入球部材953の本体部953aの内側部分について説明する。図104(a)は、特定入賞口ユニット950の正面図であり、図104(b)は、図104(a)のCIVb−CIVb線における特定入賞口ユニット950の断面図である。なお、図104(a)では、板部材951が取り外された状態が図示され、図104(b)では、板部材951が取り付けられた状態が図示される。また、図104(a)及び図104(b)では、板部材951の閉鎖状態が図示される。
図104に示すように、本体部953aの内側には、本体部953aの長手方向(図104(a)左右方向)中間位置から外側に向かって重力方向一側に傾斜する傾斜面954aと、その傾斜面954aの端部に凹設される凹部954bと、傾斜面954a及び凹部954bの連結部分に突設される突設部954cと、長手方向の両端の各面および通路部材955側の面に連なって立設される立設壁954dとを備えて形成される。
傾斜面954aは、一対の流入口953jの対向間に流入する遊技球を流入口953j側に転動させる遊技球の転動面であり、流入口953j側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、流入口953jの対向間に流入する遊技球を流入口953jへ流入口に転動させることができる。
凹部954bは、流入口953jの前方(図104(b)下方)に位置し、重力方向一側(重力方向下側)に向かって凹設される。また、凹部954bは、凹設先端面が流入口953jに向かって下降傾斜して形成されており、本体部953aの転動面953a2を転動する遊技球を受け入れて流入口953j(通路部材955の凹設部955a)に案内することができる。よって、本体部953aの開口953a1から入球した遊技球を通路部材955の凹設部955aへ短時間で流入させることができ、その結果、板部材951により開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
また、凹部954bは、転動面953a2の長手方向に略直交する方向(図104(b)上下方向)に直線状に延設される。これにより、転動面953a2をその転動面953a2の長手方向(図104(b)左右方向)に転動する遊技球を凹部954bに受け入れやすくできると共に、受け入れた遊技球を通路部材955へ短時間で案内する(流入させる)ことができる。その結果、板部材951により開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
さらに、凹部954bは、転動面953a2の長手方向における幅寸法L9(図104(b)参照)が遊技球の直径と略同一に設定される。これにより、凹部954bに複数の遊技球が受け入れられる場合に、それら各遊技球を整列させた状態で通路部材955へ速やかに流入させることができる。その結果、板部材951により開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
また、凹部954bは、通路部材955側から開口953a1側(板部材951側)に向かって転動面953a2の長手方向における幅寸法が小さくされる。これにより、転動面953a2をその転動面953a2の長手方向に転動する遊技球が凹部954bに受け入れられた場合に、遊技球を通路部材955側に流れやすくできる。その結果、板部材951により開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
第2傾斜面954eは、上述した傾斜面954aに対して転動面953a2の長手方向に凹部954bを挟んで反対側に形成されると共に、流入口953j(通路部材955)に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第2傾斜面954e側に入球した遊技球を、第2傾斜面954eの下降傾斜を利用して、流入口953jの手前に転動させ、通路部材955へ向けて速やかに転動させることができる。その結果、板部材951により開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
立設壁954dは、第2傾斜面954eと所定の距離離間する位置に形成されると共に、第2傾斜面954eに流入する遊技球の転動方向を流入口953j(通路部材955)側に第2案内面954d1を備える。
第2案内面954d1は、開口953a1側の端面であり、転動面953a2の長手方向において、凹部954b側に向かって開口953a1側から流入口953j側に傾いて形成される。即ち、第2案内面954d1は、開口953a1から通路部材955へ向けて傾斜し転動面953a2を転動する遊技球に当接可能に形成されると共に、転動面953a2の長手方向端部と通路部材955との間に配設される。これにより、開口953a1の長手方向端部から本体部953aに流入する遊技球を、通路部材955へ向けて速やかに転動させることができる。その結果、板部材951により、開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
突設部954cは、傾斜面954aの転動面953a2の長手方向両端部に形成されると共に、重力方向他側(重力方向上側)に向かって突設される。これにより、傾斜面954aを転動面953a2の長手方向(図104(b)左右方向)外側に転動する遊技球の転動速度を凹部954b(通路部材955)の手前で減速させることができる。即ち、凹部954bまでは、遊技球の転動速度を速くしつつ、凹部954bの手前(直前)で遊技球の転動を減速させて、遊技球が傾斜面954aから凹部954bを通過して第2傾斜面954eまで転動することを抑制できる。よって、その分、遊技球を通路部材955へ短時間で流入させることができる。その結果、板部材951により、開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
また、突設部954cは、上面視略三角形に形成され、1面が開口953a1と反対側の面に連結されると共に、残りの2面の内の1面が凹部954b側の側縁部954c3が凹部954bの側面に連結して形成され、残りの1面の案内面954c1が遊技球の傾斜面954aの遊技球の転動方向(転動面953a2の長手方向外側方向)に向かって開口953a1側に傾斜して形成される。これにより、傾斜面954aを転動面953a2の長手方向に転動する遊技球の転動面953a2の長手方向における転動速度を凹部954b(通路部材955)の手前で減速させることができる。
即ち、凹部954bまでは、遊技球の転動面953a2の長手方向における転動速度を速くしつつ、凹部954bの手前(直前)で遊技球の転動面953a2の長手方向における転動を減速させて、遊技球が傾斜面954aから凹部954bを通過して第2傾斜面954eまで転動することを抑制できる。よって、その分、遊技球を通路部材955へ短時間で流入させることができる。その結果、板部材951により、開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
また、上述したように、板部材951の回転軸は、本体部953aの開口953a1の短手方向における両端部の間に形成されるので、板部材951が開放された状態とされる場合に、板部材951の端部が転動面953a2よりも重力方向一端(重力方向上)側に位置できる。これにより、板部材951が開放状態とされた場合に、本体部951aの内側に流入した遊技球が、本体部951aの開口953a1側から飛び出ることを抑制できる。
さらに、案内面954c1により開口953a1側に案内された遊技球を、板部材951に当接させることができるので、傾斜面954aを転動面953a2の長手方向に転動する遊技球の転動速度を凹部954b(通路部材955)の手前で減速させることができる。即ち、凹部954bまでは、遊技球の転動速度を速くしつつ、凹部954bの手前(直前)で遊技球の転動を減速させて、遊技球が傾斜面954aから凹部954bを通過して第2傾斜面954eまで転動することを抑制できる。よって、その分、遊技球を通路部材955へ短時間で流入させることができる。その結果、板部材951により、開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
また、案内面954c1は、側縁部954c3と流入口953jとの連結部分から傾斜面954aとの連結部分の側辺部954c2に向かう下降傾斜形状に形成される。これにより、傾斜面954aを転動面953a2の長手方向に転動する遊技球が開口953a1から飛び出ることを抑制しつつ、その遊技球を流入口953j(通路部材955)へ短時間で流入させることができる。
即ち、傾斜面954aを通路部材955へ向けて転動面953a2の長手方向に沿って転動される遊技球のうち、転動速度が比較的低い(遅い)遊技球に対しては、開口933a1から外部へ飛び出る恐れが低いので、案内面954c1に当接させて、開口953a1側へ案内することで、傾斜面954aから凹部954bを通過して第2傾斜面954eまで転動することを抑制して、その分、通路部材955へ短時間で流入させることができる。一方、転動速度が比較的高い(速い)遊技球に対しては、案内面954c1を乗り越えさせて、第2傾斜面954e側に形成さえる立設壁954dまで案内することができる。よって、案内面954c1の乗り越えと、立設壁954dへの衝突とにより遊技球の運動エネルギーを消費させ、確実に減速させることができる。よって、傾斜面954aを転動面953a2の長手方向に転動する遊技球を、開口953a1から飛び出ることを抑制しつつ、流入口953j(通路部材955)へ早く流入させることができる。これらの結果、板部材951により、開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
また、突設部954cは、立設壁954dと対向側の端面の側縁部954c3が、転動面953a2の長手方向に略直交する方向に延設される。立設壁954dは、突設部954cと対向側の端面の第2側縁部954d2が転動面953a2の長手方向に略直交する方向に延設される。側縁部954c3は、転動面953a2の長手方向に略直交する方向における長さ寸法L30(図104(b)参照)が、第2側縁部954d2の転動面953a2の長手方向に略直交する方向における長さ寸法L31よりも小さく設定される。これにより、案内面954c1を乗り越えた遊技球を立設壁954dの第2側縁部954d2に当接させて、確実に減速させることができると共に、通路部材955の近傍に位置させやすくできる。よって、遊技球を通路部材へ早く流入させることができる。その結果、板部材951により、開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
さらに、立設壁954dは、その厚み方向における中間位置と第2傾斜面954eとの離間距離L32(図104(a)参照)が、遊技球の半径と略同一に設定される。これにより、案内面954c1を乗り越えた遊技球を立設壁954dの第2側縁部954d2に当接させて、確実に減速させることができる。よって、遊技球を通路部材へ早く流入させることができる。その結果、板部材951により、開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
立設壁954dの第2案内面954d1の傾斜方向の延長線上に突設部954cが位置されており、第2案内面954d1により凹部954b(通路部材955)へ向けて案内された遊技球の転動速度が比較的高い(低い)場合であっても、かかる遊技球を突設部954cに当接させて、減速させることができる。よって、遊技球を通路部材955へ短時間で流入させることができる。その結果、板部材951により、開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
突設部954cは、凹部954bの凹設面から突出先端までの距離寸法L33(図104(a)参照)が、遊技球の半径よりも大きく設定される。また、上述したように、突設部954cは、凹部954bの側面に連なって形成されるので、立設壁954dの第2案内面954d1により通路部材955に向けて案内された遊技球を転動速度が比較的高い(速い)場合にも、かかる遊技球を突設部954cに当接しやすくできる。よって、かかる遊技球を減速させることができ、通路部材955に短時間で流入させることができる。その結果、板部材951により、開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
次いで、図105及び図106を参照して、特定入賞口ユニット950及び駆動ユニット960の組み立て状態について説明する。図105(a)は、特定入賞口ユニット950及び駆動ユニット960の上面図であり、図105(b)は、特定入賞口ユニット950及び駆動ユニット960の側面図である。図106(a)は、図105(a)のCVIa−CVIa線における特定入賞口ユニット950及び駆動ユニット960の断面図であり、図106(b)は、図106(a)のCVIb−CVIb線における特定入賞口ユニット950及び駆動ユニット960の断面図である。
なお、図105(a)及び図105(b)では、板部材951を動作するソレノイド957aに連結される配線HS1及び一対の羽部材(図83(a)参照)を動作するソレノイド610に連結される配線HS2の一部が図示された状態とされる。また、図106(b)では、特定入賞口65aに流入した遊技球の数を検出する検出装置SE1に連結される配線HS3の一部が図示された状態とされる。
図105及び図106に示すように、入賞口ユニット930の羽部材945(図83(a)参照)を駆動する駆動ユニット960は、正面視において、特定入賞口ユニット950とその一部が重なる位置に形成される。これより、第2入賞口140(一対の羽部材945)の遊技領域と反対側(背面側)に空間を形成することができる。
ここで、従来より、第2入賞口140と、その第2入賞口140を開放または閉鎖する一対の羽部材945と、その一対の羽部材945を駆動する第1駆動手段と、特定入賞口65aと、その特定入賞口65aを開放または閉鎖する板部材951と、その板部材951を駆動する第2駆動手段とを備えた遊技機が知られている。しかしながら、上述した従来の遊技機では、第1駆動手段および第2駆動手段が、それぞれ一対の羽部材945と、板部材951の背面側に配設されるため、これら一対の羽部材945及び板部材951の背面側に他の部材や装置を配設し難く、スペースを有効に活用することが困難であるという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、一対の羽部材945を駆動する駆動ユニット960が、板部材951の背面側に配設されるので、一対の羽部材945の背面側にスペースを形成することができる(図97参照)。即ち、一対の羽部材を駆動する駆動ユニット960及び板部材951を駆動する駆動ユニット957を板部材951(特定入賞口65a)の背面側に集約することで、他の部材や装置を配設するためのスペースを一対の羽部材945(第2入賞口140)の背面に確保でき、その分、スペースを有効に活用することができる。
また、ベース板60(図82参照)に形成される(センターフレーム86が配設される)中央開口の近傍に配設される羽部材945の動作手段(駆動ユニット960)を、中央開口から遠方に配設される板部材951(特定入賞口ユニット950)の背面側に配設することで、中央開口(センターフレーム86)の内側を介して遊技者に視認させる動作ユニットの可動体をベース板60の背面側(遊技領域と反対側)に退避させて遊技者から視認し難くできる。
即ち、動作ユニットの可動体は、通常(退避)時にベース板60の背面側に配設され、遊技者から視認し難くされると共に、可動(張出)時にベース板60の中央開口(センターフレーム86)の内側に張り出すことで遊技者から視認されやすくされるところ、中央開口の近傍に配設される羽部材945の動作手段(駆動ユニット960)を、中央開口から遠方に位置する特定入賞口ユニット950と水平方向に重なる位置に配設することで、退避時に可動体を中央開口から離れた位置に配置しやすくできる。従って、通常(退避)時における動作ユニットの可動体を遊技者から視認し難くできる。その結果、可動体を動作させて張出状態とした場合に、遊技者に興趣を与え易くできる。
また、板部材951は、正面視における投影面積が一対の羽部材945の投影面積よりも大きく設定される。よって、特定入賞口65a(板部材951)の背面におけるデッドスペースを有効に活用できる。即ち、2の変位部材(板部材951及び一対の羽部材945)を備える遊技盤13において、正面視における投影面積の大きい側(板部材951側)の背面にそれぞれの駆動手段(駆動ユニット957及び駆動ユニット960)が配設されるので、それぞれの駆動手段を1の変位部材(板部材951)の背面に配設しやすくできると共に、その他の変位部材(一対の羽部材945)の背面側にスペースを形成できる。
さらに、板部材951は、正面視における投影面積が、一対の羽部材945を駆動する駆動ユニット960及び板部材951を駆動する駆動ユニット957の正面視における投影面積よりも大きく形成されるので、特定入賞口65a(板部材951)の背面におけるデッドスペースを有効に活用できる。
また、図105(a)に示すように、一対の羽部材945を駆動する駆動ユニット960及び板部材951を駆動する駆動ユニット957は、板部材951の長手方向(図105(a)左右方向)に沿って並設される。よって、特定入賞口65a(板部材951)の背面におけるデッドスペースを有効に活用できる。
この場合、上述したように、板部材951(特定入賞口ユニット950)は、ベース板60(図81参照)の中央開口から一対の羽部材945よりも離間した位置に配設されると共に、その離間方向に対して長手方向が直交して配設される。これにより、一対の羽部材945の背面側のスペースを確保しやすくできる。その結果、一対の羽部材945の背面側のスペースを有効に活用することができる。
上述したように、転動部943aは、正面ユニット940の正面ベース943に形成され、転動部943aは背面ベース941の第2入賞口140を介して配設され、駆動ユニット960は、背面ベース941に連結されるので、正面ベース943に背面ベース941を締結固定する作用と同時に、正面ベース943に駆動ユニット960を保持させる(配設する)ことができる。これにより、ベース板60(遊技盤13)に正面ユニット940及び送球ユニット970を取り付ける際に、駆動ユニット960を取り付け忘れることを抑制できる。
駆動ユニット957のソレノイド957a及び駆動ユニット960のソレノイド610は、特定入賞口ユニット950の板部材951側と反対側(背面側)の端部の位置が略同一の位置に設定されると共に、駆動ユニット957のソレノイド957a及び駆動ユニット960のソレノイド610に連結される配線HS1及び配線HS2が、特定入賞口ユニット950の板部材951側と反対側(背面側)の端部から連結される。これにより、ソレノイド957a及びソレノイド610の配線をまとめ易くできる。その結果、遊技盤13の遊技領域と反対側(背面側)で配線がばらけることを抑制でき、配線HS1及びHS2が他の装置や役物に干渉することを抑制できる。
即ち、羽部材945を駆動する駆動ユニット960のソレノイド610及び板部材951を駆動する駆動ユニット957のソレノイド957aは、軸部961b及び軸部957a2の軸方向が同一の方向に向けた姿勢で配設されると共に、本体部961a及び軸部957a2の軸部961b及び957a2と反対側に配線HS1及び配線HS2が連結される(引き出される)。これにより、駆動ユニット960の配線HS1と駆動ユニット957の配線HS2とをまとめやすくできる。
一対の羽部材945を駆動する駆動ユニット960及び板部材951を駆動する駆動ユニット957は、重力方向における両側面が略面一となる位置に配設される。これにより、駆動ユニット957及び駆動ユニット960を区画して、駆動ユニット957及び駆動ユニット960を配設した領域に電磁場が流れることを制限する区画部材(図示しない)の形状を簡易化できる。
即ち、駆動ユニット960の本体部961a及び駆動ユニット957の本体部957a1の側面が異なる大きさに形成される、又は、駆動ユニット960の本体部961a及び駆動ユニット957の本体部957a1の重力方向における両側面が重力方向に異なる位置に配置される場合には、駆動ユニット960の本体部961aと駆動ユニット957の本体部957a1との重力方向における両側面が段差を形成するため、その段差に合わせて区画部材を形成する必要が生じ、かかる区画部材の形状が複雑となる。
これに対し、本実施形態では、本体部961aと本体部957a1との重力方向における両側面どうしが略面一となる位置に駆動ユニット960及び駆動ユニット957が配設され、外面どうしが段差を形成しないので、区画部材を平板形状とすることができる。その結果、区画部材の形状を簡易化できる。
なお、区画部材とは、駆動ユニット960及び駆動ユニット957の配設領域と他の領域とを区画して、それら両領域の間を電磁波が流れることを制限するための導電体の障壁であり、金属製の板材から形成される。
また、伝達部材965は、特定入賞口ユニット950の通路部材955及び正面ユニット940の転動部943aとの対向間に配設され(図97参照)、その先端(挿入部965e)に伝達部材965の回転に伴ってスライド変位して一対の羽部材945を開閉させる変位部材966が配設されるので、一対の羽部材945の開閉を回転部材のみで行う従来品と比較して、第2入賞口140の背面側であって、転動部943aの両側(側方)にスペースを確保できる。また、従来品のように回転部材との干渉を避けるために、第2入賞口140から流入する遊技球の送球経路を特定入賞口ユニット950側に屈曲させる必要がないので、その分、第2入賞口140を特定入賞口65aへ近接させることができる。
さらに、駆動ユニット960は、図106(a)及び図106(b)に示すように、正面視において、特定入賞口ユニット950に一対に配置される検出装置SE2の検出基板SE1bと重なる位置に配設される。即ち、検出装置SE2は、板部材951と駆動ユニット960との間に配設される。これにより、例えば、板部材951を開放させて特定入賞口65aから駆動ユニット960に不正を加える場合、検出装置SE1の検出基板SE1bにより、駆動ユニット960を隠すことができるため、かかる不正行為を行いにくくすることができる。
ここで、上述したように、羽部材945を駆動する駆動手段(駆動ユニット960)が、特定入賞口ユニット950の背面側に配設される場合に、パチンコ機10の隙間からピアノ線等を挿入して遊技機を不正に操作することを目的として、入球部材953に遊技領域側からドリル等で駆動ユニット960まで貫通する穴が形成されると、その不正を店員が発見することが困難とされる恐れがあった。
即ち、入球部材953の遊技領域(遊技者)側には、板部材951が配設されるため、板部材951に入球部材953が隠れてしまい、入球部材953にされる不正を店員が発見することが困難とされる。
これに対し、本実施形態では、特定入賞口65aから第1駆動手段までの、経路を確保するために、例えばドリルなどによる工具が使用されて孔あけ加工などが行われた場合には、検出装置SE1の検出基板SE1bを破壊させることができるので、かかる検出装置SE1の状態を監視することで、不正行為を発見することができる。上述したように、本実施形態では、板部材951を開放して特定入賞口65aから駆動ユニット960に不正が加えられた場合でも、板部材951を閉鎖することで、駆動ユニット960が板部材951に遮蔽され、不正が加えられた箇所を視認不能となるため、検出装置SE1の状態の監視により不正行為を発見できることが特に有効となる。
また、検出装置SE1は、他の遊技球を検知する検出装置(例えば、検出装置SE2や検出装置SE3)と同一の流用品(既製品)であるため、その外形の大きさに自由度が確保できない。そのため、検出装置SE1の対向間に隙間が形成される。そのため、その隙間を狙って遊技者がドリル等で入球部材953に穴あけ加工をした場合に、遊技者の不正行為を店員に報知できなくなる恐れがあった。
これに対し、本実施形態では、一対の検出装置SE1の対向側に配線HS3が連結される。これにより、一対の検出装置SE1の対向間に形成される隙間に配線HS3を配設することができる。従って、遊技者が一対の検出装置SE1の対向間の隙間を狙ってドリル等を貫通させた場合に、ドリルにより配線HS3を断線させることができる。これにより、パチンコ機10に検出不良を認識させることができるので、パチンコ機10がエラーを報知することで店員に不正を発見させやすくできる。
即ち、配線は比較的損傷を生じやすい。そのため、特定入賞口65aから駆動ユニットまでの経路を確保するために、例えば、ドリルなどによる工具が使用されて穴あけ可能などが行われる場合には、その不正行為に伴って配線HS3を損傷(断線)させやすくできる。或いは、配線HS3を損傷(断線)させずに不正行為を行うことが困難と認識させ、不正行為を抑止しやすくできる。
また、一対の検出装置SE1の対向間には、入球部材953と通路部材955とを締結するねじを螺合させる円環突起953cが形成される。これにより、板部材951を開放させて、入球部材953の開放側(E10(a)下側)から駆動ユニット960に不正を加える場合、円環突起953cに螺合されるねじにより、駆動ユニット960を隠すことができるため、かかる不正行為をより行いにくくすることができる。即ち、上述したように駆動ユニット960の正面の前面を一対の検出装置SE1により遮蔽することは困難であり、一対の検出装置SE1の対向間には、隙間が形成されやすいため、かかる隙間をねじの締結位置とすることで、駆動ユニット960の正面における遮蔽されない領域をねじにより補うことができるので、不正行為をより行い難くできる。
さらに、図106(b)に示すように配線HS3は、入球部材953の円環突起953cの周囲に巻かれて配置される。これにより、配線HS3を、一対の検出装置SE1の対向間に形成される隙間のより広い範囲にわたって引きまわす(位置させる)ことができる。即ち、駆動ユニット960の正面のより広い範囲を配線HS3により遮蔽できる。よって、例えば、板部材951を開放させて、入球部材953の開放側から駆動ユニット960に不正を加える場合に、かかる不正行為をより行い難くすることができる。或いは、配線HS3を損傷(断線)させずに不正行為を行うことが困難と認識させやすくでき、不正行為を抑止しやすくできる。
従って、遊技者が一対の検出装置SE1の対向間の隙間を狙ってドリル等を貫通させた場合に、ドリルにより配線HS3を断線させる易くできる。これにより、パチンコ機10に検出不良を認識させることができるので、パチンコ機10がエラーを報知することで店員に不正を発見させやすくできる。
さらに、配線HS3は、円環突起953cに巻かれて配置される。これにより、検出装置SE1と配線HSとの連結部分にせん断方向の力が作用し難くできる。即ち、配線HS3が円環突起953cの周囲に巻かれず、特定入賞口ユニット950の外方に排出される場合には、配線HS3が特定入賞口ユニット950に排出方向に引っ張られることにより、検出装置SE1と配線HSとの連結部分にせん断方向の力が作用する。検出装置SE1と配線HS3との連結部分は、挿入式のコネクタにより形成されるので、せん断方向の力により切断され易い。
これに対し、本実施形態では、配線HS3が円環突起953cに巻かれて配置されるので、配線HS3が特定入賞口ユニット950の排出方向に引っ張られた場合に、検出装置SE1との連結部分に作用する力の方向を配線HS3が連結される方向に作用させることができる。その結果、配線HS3が、検出装置SE1との連結部分で切断されることを抑制できる。
また、一対の検出装置SE1の対向間に形成される円環突起953cは、検出装置SE1の配線HS3の排出側と反対側の端部に偏る位置に形成される。よって、一対の検出装置SE1の配線HS3が、ねじの螺合位置(円環突起953c)と反対側へ引き出されるので、かかる配線HS3を駆動ユニット960の正面のより広い範囲にわたって引き回す(位置させる)ことができる。即ち、駆動ユニット960の正面のより広い範囲をねじと配線とにより、遮蔽できる。よって、例えば、板部材951を開放させて特定入賞口65aから駆動ユニット960に不正を加える場合に、かかる不正行為をより行い難くすることができる。
次いで、図107及び図108を参照して、送球ユニット970の全体構成について説明する。図107(a)は、送球ユニット970の正面図であり、図107(b)は、送球ユニット970の側面図である。図108(a)は、送球ユニット970の分解斜視正面図であり、図108(b)は、送球ユニット970の分解斜視背面図である。
図107及び図108に示すように、送球ユニット970は、遊技者側(遊技領域側)に配設され内部に遊技球を挿通可能な空間を備える振分けユニット980と、その振分けユニット980の遊技領域と反対側に配設される通路ユニット990とを備えて形成される。
振分けユニット980は、上述した入賞口ユニット930の第1入賞口64及び第2入賞口140と連なる開口(流入口982d及び側壁部981b)を備えており、その開口(流入口982d及び側壁部981b)から第1入賞口64及び第2入賞口140の介して遊技領域と反対側に送球される遊技球を内部に受け入れることができる。なお、振分けユニット980についての詳しい説明は後述する。
通路ユニット990は、振分けユニット980の重力方向他端側(重力方向下側)に配設される。通路ユニット990は、振分けユニット980との対向面に複数の開口(第1挿通孔991a〜第2挿通孔991dを備えており、振分けユニット980の内部を送球される遊技球をその開口から受け入れることができる。なお、通路ユニット990についての詳しい説明は後述する。
次いで、図109から図112を参照して、振分けユニット980の構成について詳細な説明をする。図109(a)は、振分けユニット980の正面図であり、図109(b)は、振分けユニット980の側面図である。図110は、振分けユニット980の分解斜視正面図であり、図111は、振分けユニット980の分解斜視背面図である。図112(a)は、図109(a)のCXIIa−CXIIa線における振分けユニット980の断面図であり、図112(b)は、図112(a)のCXIIb−CXIIbにおける振分けユニット980の断面図である。
図109から図112に示すように、振分けユニット980は、背面ベース985と、その背面ベース985の遊技者側に配設される正面ベース981と、その正面ベース981と背面ベースとの間に回転可能な状態で配設される振分け部983と、背面ベース985の背面側に振分け部983と対応する位置に配設されるカバー部材987とを主に備えて形成される。
背面ベース985は、有色半透明(本実施形態では、青色)の樹脂材料から形成され、板状体に形成されるベース部985aと、そのベース部985aの厚み方向に貫通する複数の開口(開口985b〜985g)と、その複数の開口の重力方向他側(重力方向上側)に凹設される凹部985hと、その凹部985hの反対面から突出する収容部986b及び突設部986eとを主に備えて形成される。
ベース部985aは、正面視縦長矩形に形成され、その外縁部に円形状に貫通する複数の締結孔986c及び986dと、正面ベース981側と反対側に重力方向一側に向かって傾斜する傾斜面986aとを備えて形成される。締結孔986cは、後述する正面ベース981を挿通したネジを螺合する孔である。これにより、正面ベース981及び背面ベース985を締結固定することができる。また、締結孔986dは、後述する通路ユニット990を挿通するネジを螺合する孔である。これにより、背面ベース985(振分けユニット980)及び通路ユニット990を締結固定することができる。
傾斜面986aは、後述する開口985b〜985fの重力方向他側の一部と重なる位置に形成される。また、傾斜面986aは、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において、正面ベース981の傾斜部982bと対向する位置に形成される。これにより、重力方向に流下する遊技球の流下方向を開口985b〜985f側に案内することができる。その結果、遊技球を開口985b〜985fに流入させやすくできる。
凹部985hは、正面ベース981と反対側(図109(b)紙面手前側)に向かって凹設されると共に、ベース部985aの短手方向(図109(b)左右方向)略中央位置に形成される。また、凹部985hは、内側に後述する振分け部983の一部を収容可能な大きさに形成されると共に、底面に円環状に突出する軸受部985jを備える。軸受部985jは、振分け部983を軸支する軸部材988aの一端が挿入される孔であり、軸部材988aの外径よりも大きい内径に形成される。
開口985b及び開口985cは、それぞれベース部985aの短手方向両端部に形成されるとともに、内縁の寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、開口985b及び開口985cは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が正面ベース981側と反対側に向かうにつれて下降傾斜して形成される。これにより、正面ベース981側から流入する遊技球を正面ベース981側と反対側に転動させることができる。
開口985dは、ベース部985aの短手方向(図109(b)左右方向)略中央位置に形成され、重力方向(図109(b)上下方向)における位置が開口985b及び開口985cと略同一の位置に設定される。また、開口985dは、開口985b及び開口985cと同様に、重力方向一側(重力方向下側)の内面が正面ベース981側と反対側に向かうにつれて下降傾斜して形成される。これにより、正面ベース981側から流入する遊技球を正面ベース981側と反対側に転動させることができる。
開口985eは、開口985b及び開口985dの間に形成され、開口985fは、開口985c及び開口985dの間に形成される。また、開口985e,985fは、正面ベース981側に開口する空間の流入通路985e1,985f1と、正面ベース981側と反対側に開口する空間の排出通路985e3,985f3と、重力方向に延設され流入通路985e1,985f1及び排出通路985e3,985f3を連通する中間通路985e2,985f2と,を主に備えて形成される。
流入通路985e1,985f1は、後述する正面ベース981と背面ベース985との対向間に形成される第1通路TR1及び第2通路TR2に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、第1通路TR1及び第2通路を流下する遊技球を流入通路985e1,985f1に流入させることができる。
中間通路985e2,985f2は、重力方向に延設して形成され、重力方向他側(重力方向上側)が流入通路985e1,985f1に連通されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、流入通路985e1,985f1を通過する遊技球を中間通路985e2,985f2に流入させることができる。
また、中間通路985e2,985f2には、遊技球の送球方向(重力方向)と略直交する方向に凹設される凹設部985f4が形成される。凹設部985f4は、その内側に後述する検出装置SE3を配設するための切り欠きであり、背面視において検出装置SE3の外形と略同一に設定される。これにより、検出装置SE3をベース部985aの背面側(正面ベース981と反対側)から挿入して配設することができる。
また、検出装置SE3は、検出孔SE1aの軸方向が中間通路985e2,985f2の延設方向に平行に設定されると共に、検出孔SE1aの内部空間と中間通路985e2,985f2の空間とが略一致する位置に配置される。これにより、遊技球が中間通路985e2,985f2の重力方向他側(重力方向上側)から重力方向一側(重力方向下側)に流下する場合に、検出装置SE3の検出孔SE1aを通過させることができる。これにより、第1通路TR1及び第2通路TR2を通過する遊技球を検出することができる。
また、検出装置SE3は、検出孔SE1aの軸方向が重力方向と平行に形成されるので、遊技球を検出孔SE1aに送球する際に、遊技球の自重を利用しやすくできる。その結果、遊技球が中間通路985e2,985f2及び検出孔SE1aとの連結部分に引っ掛ることを抑制できる。なお、検出装置SE3の詳細な構成は、上述した検出装置SE1と同一であるので、その詳しい説明は省略する。
凹設部985e4,985f4は、流入通路985e1,985f1及び排出通路985e3,985f3の空間と連なって形成される。即ち、中間通路985e2,985f2は、検出装置SE3を利用して形成される。これにより、中間通路985e2,985f2の重力方向の長さ寸法が大きくなることを抑制できる。その結果、背面ベース985が重力方向に大型化することを抑制できる。
排出通路985e3,985f3は、中間通路985e2,985f2の重力方向一側(重力方向下側)に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。また、排出通路985e3,985f3は、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、後述する通路ユニット990の第3挿通孔991c及び第4挿通孔991dに連結される。これにより、中間通路985e2,985f2を通過する遊技球を、排出通路985e3,985f3に流入させることができると共に、その空間を通過させて通路ユニット990に送球できる。
開口985gは、開口985dの重力方向一側(重力方向下側)に形成される。また、開口985gは、開口985dと同様に、重力方向一側(重力方向下側)の内面が正面ベース981側と反対側に向かうにつてれて下降傾斜して形成される。これにより、正面ベース981側から流入する遊技球を正面ベース981と反対側に転動させることができる。
流入通路985e1,985f1は、後述する正面ベース981と背面ベース985との対向間に形成される第1通路TR1及び第2通路TR2に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球を流入通路985e1,985f1に流入させることができる。
収容部986bは、一対の半円環体から形成される。また、収容部986bは、後述する磁性体988bを内側に収容する部分であり、その内径が、円柱体に形成される磁性体988bの外径と略同一に設定される。また、収容部986bの突設寸法は、磁性体988bの軸方向寸法よりも大きく設定される。これにより、収容部986bの内側に磁性体988bを収容できる。また、収容部986bは、一対の半円環体から形成されるので、磁性体988bの外径が製造の誤差により微小に大きく形成された場合でも、一対の半円環体を弾性変形させて磁性体988bを配設できる。
突設部986eは、上述した軸受部985jとベース部985aを挟んで反対側の位置から円柱状に突設される。また、突設部986eは、その軸に円形状に凹設される締結孔を備える。締結孔は、後述するカバー部材987を挿通するネジの先端を螺合させる孔であり、カバー部材987を当接させた状態でネジを螺合することで、カバー部材987を背面ベース985に締結固定できる。
磁性体988bは、磁石から形成されており、収容部986bに配設されることで、ベース部985aを介して正面ベース981側に磁界を発生させることができる。これにより、後述する振分け部983に配設される磁性体988cを反発させて振分け部983を変位させやすくできる。
正面ベース981は、有色半透明(本実施形態では、青色)の樹脂材料から形成される。また、正面ベース981は、正面視において背面ベース985よりも大きい略矩形状に形成されると共に、ベース板981aとそのベース板981aから遊技者側(背面ベース986と反対側)に膨出する膨出部982とを主に備えて形成される。
ベース板981aは、正面視略矩形状の板部材に形成され、その外周縁部に板厚方向に貫通する複数の挿通孔981gと、背面ベース985側に向けて突設される第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dと、その第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dの近傍に貫通する第2挿通孔981eと、膨出部982の重力方向一側(重力方向下側)に板厚方向に貫通する貫通孔981cとを主に備えて形成される。
挿通孔981gは、組み立て状態の送球ユニット970をベース板60(図82参照)に締結するネジ(図示しない)を挿通する孔であり、ネジの先端部分の外径よりも大きい内径に設定される。
第1ガイド壁981fは、半円の円環形状に形成されると共に、後述する膨出部982を間に挟む状態で短手方向に一対形成される。また、第1ガイド壁981fは、半円の開放部分をベース板981aの短手方向略中央側に向けて形成される。
第2ガイド壁981dは、円環形状に形成されると共に、ベース板981aの短手方向に2箇所形成される。また、第2ガイド壁981dは、後述する膨出部982の重力方向下側に形成されると共に、2箇所の間に貫通孔981cが形成される。
第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dは、その内縁形状が上述した背面ベース985の締結孔986cの周囲の外形形状と略同一に形成される。これにより、正面ベース981及び背面ベース985を組み合わせた場合に、第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dの内側に締結孔986cの周囲の壁部を挿入でき、第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dを位置決めすることができる。
第2挿通孔981eは、第1ガイド壁981fの半円の中心および第2ガイド壁981dの中心に形成される。第2挿通孔981eは、正面ベース981及び背面ベース985が組み立られた状態において、締結孔986cと同軸上に形成されており、正面ベース981側からネジを挿通して締結孔986dに螺合させることで、正面ベース981と背面ベース985とを締結できる。
貫通孔981cは、一辺が遊技球の直径よりも大きい正方形に貫通形成される。また、貫通孔981cは、その縁部に沿って背面ベース985側と反対側(図109(a)紙面手前側)に立設される側壁部981bを備えて形成される。また、貫通孔981cは、上述した入賞口ユニット930の第2入賞口140に連通する部分であり、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、第2入賞口140に流入した遊技球の転動方向と重なる位置に形成される。
側壁部981bは、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、立設先端面が入賞口ユニット930の第2送球部942cと当接する寸法に形成される。また、側壁部981bは、重力方向他端側(重力方向下側)の内面の転動面981c1が、転動部943aの端面943a1よりも重力方向他端側に位置されると共に、背面ベース985側に向かって下降傾斜して形成される。
さらに、側壁部981bは、立設先端面から突設される突起981b1を備える。突起981b1は、転動面981c1から重力方向へ遊技球の半径分離間した位置に形成される。これにより、転動部943aの端面943a1から貫通孔981cの転動面981c1に遊技球が送球される場合に、遊技球が転動部943aと貫通孔981cとの間に挟まりにくくできる。なお、転動部943aの端面943a1から貫通孔981cの転動面981c1に遊技球が送球される場合についての詳しい説明は後述する。
膨出部982は、ベース板981aから膨出するドーム状に形成されると共に、その内側に遊技球を挿通可能な大きさに設定され、その内側に流入口982dから流入される遊技球が通過する送球通路TR0と、その送球通路TR0から分岐する第1通路TR1及び第2通路TR2とを備えて形成される。膨出部982は、正面視縦長矩形に形成されると共に、重力方向上端部を切り欠いて形成される流入口982dと、正面視略中間位置に背面ベース985側に向かって屈曲して立設する立設壁982aと、重力方向他側の複数箇所に凹設される凹部982e〜982jとを主に備えて形成される。
流入口982dは、正面視略U字状に切り欠き形成される。また、流入口982dは、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、内縁部分が、入賞口ユニット930の第1入賞口64に流入した遊技球の転動方向と重なる位置に形成される。
また、流入口982dは、重力方向他側(重力方向上側)の縁部に背面ベース985側と反対側に突出する第2突起982d1を備える。第2突起982d1は、上述した入賞口ユニット930の第1凹欠部942g1の内縁形状に形成されており、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に配設された場合に、第1凹欠部942g1の内縁に第2突起982d1が当接される。
また、第2突起982d1から流入口982dの重力方向一側(重力方向下側)の端面までの距離寸法L34(図109(a)参照)は、第1凹欠部942g1の内縁から第1送球部942gの重力方向一側の内縁までの距離寸法L35(図87(b)参照)までの距離寸法よりも大きく設定される。これにより、第1入賞口64を介して第1送球部942gに送球された遊技球が、流入口982dに流入する際に、流入口982d(膨出部982)と第1送球部942gとの間に挟まりにくくできる。
立設壁982aは、正面視において膨出部982の外縁形状と所定の間隔を隔てる矩形状に形成される。また、立設壁982aは、流入口982dの重力方向下側に形成されると共に、重力方向上側に立設方向視三角形状に形成される当接部982a1を備えて形成される。
立設壁982aは、膨出部982の外周部分の内縁と水平方向における離間距離L36(図112(b)参照)が、遊技球の直径よりも大きく設定されており、その対向間に遊技球が通過可能な空間の第1通路TR1及び第2通路TR2が形成される。
第1通路TR1及び第2通路TR2は、後述する振分け部983の下流側に形成されており、振分け部983を通過する遊技球がどちらかに送球される。振分け部983は、流入口982dに流入する遊技球を、第1通路TR1及び第2通路TR2に交互に送球可能に設定される。これにより、第1入賞口64に流入する遊技球の送球が単調になることを抑制できる。その結果、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
立設壁982aの重力方向他側(重力方向上側)には、膨出部982の内側面から背面ベース985側に円環状に突出する軸受部982cが形成される。軸受部982cは、後述する振分け部983を軸支する軸部材988aの他端側を支持する部分であり、内径が軸部材988aの外径と略同一に設定される。よって、軸部材988aを軸受部982cに挿入することで、軸部材988aの他端側を支持できる。
また、上述したように、軸部材988aの一端側は、背面ベース985の軸受部985jに挿入されるので、正面ベース981及び背面ベース985を組み合わせる際に、軸部材988aの一端を軸受部985jに挿入すると共に、軸部材988aの他端側を軸受部982cに挿入することで、軸部材988aを正面ベース981及び背面ベース985の間に支持できる。
当接部982a1は、後述する振分け部983の回転軌跡上に形成されており、振分け部983の作用部983aが当接することで、振分け部983の回転変位量が規制される。なお、当接部982a1と振分け部983との当接状態についての詳しい説明は後述する。
凹部982e及び凹部982fは、膨出部982の重力方向一側(重力方向下側)の内側面から第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向と略直交する方向に凹設される。また、凹部982e及び凹部982fの内側には、第1通路TR1又は第2通路TR2と連通する空間の第1分岐通路BK1又は第2分岐通路BK2が形成される。
第1分岐通路BK1は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985bと連通される。従って、第1分岐通路BK1は、第1通路TR1を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されると共に、その受け入れた遊技球を背面ベース985の開口985bに流入可能とされる。
第2分岐通路BK2は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985cと連通される。従って、第2分岐通路BK2は、第2通路TR2を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されると共に、その受け入れた遊技球を背面ベース985の開口985cに流入可能とされる。
凹部982h及び凹部982jは、膨出部982の重力方向一側(重力方向下側)の内側面から第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向に凹設される。即ち、第1通路TR1及び第2通路TR2は、凹部982h及び凹部982jの分、重力方向一側に延設される。
第1通路TR1は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985eと連通される。従って、第1通路TR1は、流入口982dに流入した遊技球が流入されると共に、その流入された遊技球を背面ベース985の開口985eに流入可能とされる。
第2通路TR2は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985fと連通される。従って、第1通路TR1は、流入口982dに流入した遊技球が流入されると共に、その流入された遊技球を背面ベース985の開口985eに流入可能とされる。
凹部982gは、凹部982h及び凹部982jの間に形成されると共に、凹設方向が第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向と平行に設定される。また、凹部982gの内側には、第1通路TR1及び第2通路TR2と連通する空間の第3分岐通路BK3が形成される。よって、第1通路TR1及び第2通路TR2に連通する第3分岐通路BK3が、第1通路TR1及び第2通路TR2との間に形成されるので、振分けユニット980の小型化を図ることができる。
第3分岐通路BK3は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985dと連通される。従って、第3分岐通路は、第1通路又は第2通路を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されると共に、その受け入れた遊技球を背面ベース985の開口985dに流入可能とされる。
傾斜部982bは、膨出部982の重力方向一側(重力方向下側)に形成されると共に、重力方向一側に向かって背面ベース985側に傾斜して延設される。また、傾斜部982bは、正面ベース981及び背面ベース985を組み合わせた状態において、開口985bから開口985fと対向する位置に形成される。これにより、第1通路TR1、第2通路TR2、第1分岐通路BK1、第2分岐通路BK2及び第3分岐通路BK3を流下する遊技球を傾斜部982bに当接させることで、流下する遊技球を開口985b〜985f側に案内して開口985b〜985fに流入させ易くできる。
案内部982h1,982j1及び案内部982j1は、凹部982h及び凹部982jと傾斜部982bとに連結されると共に、立設先端面が背面ベース985側(図109(b)紙面手前側)に向かって下降傾斜される。これにより、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球を、案内部982h1,982j1及び案内部982j1の立設先端面に当接させて、開口985e及び開口985f側に案内して、開口985e及び開口985fに流入しやすくできる。
また、案内部982h1,982j1は、傾斜部982bと連結して形成される。これにより、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球を傾斜部982bに当接させて背面ベース985側に案内しつつ案内部982h1,982j1に衝突させることで、遊技球を開口985e及び開口985fに流入させすくできる。さらに、傾斜部982bの傾斜の分、案内部982h1,982j1の立設距離を小さくすることができるので、案内部982h1,982j1の剛性を高めて耐久性の向上を図ることができる。
ここで、上述したように、振分けユニット980(送球ユニット970)は、遊技者側に配設される正面ユニット940(入賞口ユニット930)を介して遊技者から視認可能とされる。そのため、正面ユニット940を介す分、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球は、遊技者側から視認し難くなる。さらに、開口985e及び開口985fの正面側に案内部982h1,982j1が立設されると、その案内部982h1,982j1の厚みの分、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球が遊技者から視認し難くなるという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、案内部982h1,982j1は、傾斜部982bと連結して形成されるので、傾斜部982bの立設寸法を小さくできる。従って、開口985e及び開口985fに送球される遊技球(第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球)を、正面ユニット940を介した状態であっても視認させやすくすることができる。即ち、本実施形態では、傾斜部982bが、遊技球の流下方向へ向かうに従って背面ベース985側に位置するように傾斜されることで、剛性の確保と遊技球の案内とを可能としつつ、案内部982h1,982j1の前後方向の厚みを薄くすることができるので、遊技球の視認性を確保できる。
振分け部983は、正面ベース981及び背面ベース985の対向間の寸法よりも若干小さい厚みに設定されると共に、正面視略T字状に形成される。また、振分け部983は、T字状の一辺側の作用部983aと、その作用部983aの延設方向略中央位置から突出する中間板983bと、作用部983a及び中間板983bの連結部分に貫通される貫通孔983cと、その貫通孔983cの軸を中心に円形状に膨出する当接部983dと、作用部983a及び中間板983bの背面ベース985側に連結して形成される壁部983eとを主に備えて形成される。
貫通孔983cは、正面ベース981及び背面ベース985の対向間に支持される軸部材988aが挿入される孔であり、軸部材988aの外径よりも若干大きく形成される。これにより、正面ベース981及び背面ベース985を組み上げる場合に、軸部材988aを振分け部983の貫通孔983cに挿入した状態とすることで、振分け部983が回転可能な状態で正面ベース981及び背面ベース985の対向間に配設される。
中間板983bは、貫通孔983cの径方向外側に向かって延設して形成されると共に、振分け部983の変位が一方または他方に回転して規制された状態において、その先端から中間板983bの内側までの離間距離L37(図112(b)参照)が遊技球の直径よりも小さい寸法とされる。これにより、遊技球の送球が第1通路TR1又は第2通路TR2の一方または他方のどちらかに規制される。また、中間板983bは、振分け部983が貫通孔983cを中心に回転されることで、第1通路TR1の一方に遊技球の送球を規制した状態から第2通路TR2の他方に遊技球の送球を規制した状態に切り換えられる。
作用部983aは、正面視において中間板983bの延設方向と略直交する方向に延設して形成される。また、作用部983aは、当接部983dとの連結位置が、中間板983bの当接部983dとの連結位置よりも重力方向他端側(重力方向下側)に設定される。これにより、流入口982dを介して振分け部983に送球される遊技球は、作用部983a側に荷重をかけた状態とされる。その結果、振分け部983は、貫通孔983cを中心に回転変位される。
壁部983eは、作用部983a及び中間板983bに連結されると共に、貫通孔983cの軸方向視において略半円状の板状に形成される。壁部983eは、貫通孔983cの軸と直交する方向において作用部983a及び中間板983bよりも外側に突出して形成されると共に、厚み寸法が上述した背面ベース985の凹部985hの凹設寸法よりも小さく設定される。よって、背面ベース985及び正面ベース981の対向間に振分け部983を配設した状態において、凹部985hの内部に壁部983eを配置できる。これにより、流入口982dから振分けユニット980の内部に送球される遊技球が、凹部985hの内部に引っ掛ることで、その遊技球の流下が阻害されることを抑制できる。
また、壁部983eは、中間板983bの背面側であって、貫通孔983cから径方向外側端部に、中間板983b側に向かって凹設される収容部983e1を備える。収容部983e1は、円柱状体に形成される磁性体988cを内側に収容する部分であり、磁性体988cの外径と略同一の内径の円形に凹設される。また、収容部983e1は、背面ベース985側から正面ベース981側に向かって凹設されており、磁性体988cが背面ベース985側から内部に収容される。
磁性体988cは、磁石から形成されており、背面ベース985に配設される磁性体988bと反発する状態で配設される。これにより、振分け部983は、磁性体988cが背面ベース985に配設される磁性体988bから磁力が作用されて、貫通孔983cを軸に回転して作用部983aの延設方向を一方または他方に傾いた状態にできる。
また、磁性体988cと磁性体988bとが反発される状態に配設されると共に、収容部983e1が正面側に向かって凹設されるので、収容部983e1に挿入する磁性体988cが収容部983e1から抜け出ることを抑制できる。即ち、収容部983e1に挿入される磁性体988cを係止する部分を必要としないので、振分け部983の構造を簡易にできると共に、振分け部983への磁性体988cの配設を簡易にできる。
なお、磁性体988b及び磁性体988cの磁力は、遊技球の荷重よりも小さい磁着力に設定される。これにより、振分けユニット980の内側を送球される遊技球が磁性体988b及び磁性体988cに磁着して、振分けユニット980の内側に停滞することを抑制できる。
カバー部材987は、上面視縦長矩形に形成されると共に、背面ベース985の凹部985hの正面ベース981側と反対側に配設される。また、カバー部材987は、正面視円形状に重力方向に並んで凹設される2つの第1凹部987a及び第2凹部987bを備えて形成される。
第1凹部987aは、内側に上述した背面ベース985の収容部986bを収容する部分であり、収容部986bの外径と略同一の内径に設定される。よって、上述したように収容部986bの内部に磁性体988bを収容した状態で、第1凹部987aに収容部986bの先端を収容することで、収容部986bの内側に収容した磁性体988bが収容部986bから抜け出ることを抑制できる。
第2凹部987bは、その凹設底面に背面ベース985に締結固定するための貫通孔987b1を備える。また、第2凹部987bは、凹設部分の内形が、上述した背面ベース985の突設部986eの外径と略同一の内径に形成される。これにより、カバー部材987は、背面ベース985の突設部986eに第2凹部987bを収容して位置決め配置できると共に、位置決めした状態で貫通孔987b1を介してネジを突設部986eの締結孔に締結できる。
次いで、図113を参照して、流入口982dから遊技球が振分けユニット980に流入した場合の振り分け部983の動作について説明する。図113(a)及び図113(b)は、図112(b)の範囲CXIIIにおける振分けユニット980の部分拡大断面図である。なお、以下では、振分け部983の作用部983aが第1通路TR1の一方へ遊技球の送球を規制する状態から、第2通路TR2の他方への遊技球の送球を規制する状態へ変位される場合のみを説明し、第2通路TR2の他方への遊技球の送球を規制する状態から、第1通路TR1の一方への遊技球の送球を規制する場合の説明は省略する。
図113(a)及び図113(b)に示すように、振分け部983に遊技球が送球される前(作用部983aに遊技球が当接する前)では、上述したように、振分け983に配設される磁性体988cが磁性体988b(図110参照)と反発することで、貫通孔983cから径方向外側の中間板983bが、第2通路TR2側へ傾いた状態とされる。なお、第2通路TR2側の作用部983aが正面ベース981の当接部982a1に当接することで、その回転量が規制される(図113(a)参照)。
この状態で遊技球が振分け部983に送球されると、遊技球は、中間板983b及び第1通路TR1側の作用部983aとの間に送球される。上述したように、作用部983aは、当接部983dとの連結位置が、中間板983bの当接部983dとの連結位置よりも重力方向他端側(重力方向下側)に設定されるので、遊技球の荷重を第1通路TR1側の作用部983aに作用させることができる。
これにより、振分け部983は、図113(b)に示すように、貫通孔983cを軸に回転変位され、貫通孔983cから径方向外側の中間板983bが、第1通路TR1側へ傾いた状態とされる。なお、第1通路TR1側の作用部983aが正面ベース981の当接部982a1に当接することで、その回転量が規制される。また、この場合、磁性体988cの反発方向が、貫通孔983cから径方向外側の中間板983bを第2通路TR2側へ作用する状態から第1通路TR1側へ作用する状態に切り換えられる。
従って、振分け部983は、遊技球の荷重および磁性体988cの反発力を利用して、貫通孔983cを軸に回転変位させることができる。また、磁性体988cの反発力の方向が切り替わるので、振分け部983が回転した状態を維持させることができる。従って、振分け部983は、遊技球が送球される都度、中間板983bの傾き方向を変位させて、遊技球を第1通路TR1及び第2通路TR2に一球ずつ送球できる。
次いで、図114から図116を参照して、通路ユニット990の構成について説明する。図114(a)は、通路ユニット990の正面図であり、図114(b)は、通路ユニット990の側面図である。図115は、通路ユニット990の分解斜視正面図であり、図116は、通路ユニット990の分解斜視背面図である。
図114から図116に示すように、通路ユニット990は、振分けユニット980側が開口する複数の開口を備える第1通路部材991と、その第1通路部材991に配設される第1通路部材991を通過する遊技球を送球する第2通路部材992と、第2通路部材992に配設され第2通路部材992を通過した遊技球を送球する第3通路部材993と、第2通路部材992及び第3通路部材993の間に配設される検出装置SE4とを主に備えて形成される。
第1通路部材991は、正面視横長矩形に形成されると共に第2通路部材992側に所定の幅を備えて形成される。また、第1通路部材991は、振分けユニット980側の重力方向他側(重力方向上側)に貫通形成される第1挿通孔991aと、その第1挿通孔991aの重力方向一側(重力方向下側)に貫通形成される第2挿通孔991bと、その第2挿通孔991bの水平方向両隣に形成される貫通形成される第3挿通孔991c及び第4挿通孔991dと、正面視における外側周囲に円形状に複数個貫通形成される貫通孔991fとを主に備えて形成される。
第1挿通孔991aは、正面視において一辺が遊技球の直径よりも大きい正方形に形成される。また、第1挿通孔991aは、振分けユニット980及び通路ユニット990を組み合わせた状態において、振分けユニット980の開口985dと内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部を流下して開口985dを通過する遊技球を第1挿通孔991aに受け入れることができる。
また、第1挿通孔991aは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第1挿通孔991aに送球される遊技球を第2通路部材992側に転動させることができる。
さらに、第1挿通孔991aには、第2通路部材992を挿通するネジを螺合する締結孔991g1を備える円環状の円環突起991gが外周部分に連結して形成される。これにより、第1通路部材991及び第2通路部材992を締結固定することができる。
第2挿通孔991bは、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第2挿通孔991bは、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、振分けユニット980の開口985gと内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部を流下して開口985gを通過する遊技球を第2挿通孔991bに受け入れることができる。
また、第2挿通孔991bは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第2挿通孔991bに送球される遊技球を第2通路部材992側に転動させることができる。
第3挿通孔991cは、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第3挿通孔991cは、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、振分けユニット980の開口985bの内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部(第1通路TR1)を流下して開口985eを通過する遊技球を第3挿通孔991cに受け入れることができる。
また、第3挿通孔991cは、重力方向他側(重力方向上側)に水平方向両側に凹設される凹設部991c1を備える。凹設部991c1は、振分けユニット980に配設される検出装置SE3の検出基板SE1bを内部に収容する部分であり、検出装置SE3の外形と略同一の寸法に形成される。これにより、検出装置SE3の検出基板SE1b側を凹設部991c1により保護することができると共に、検出装置SE3が振分けユニット980及び通路ユニット990を組み合わせた状態で外部から不正に操作されることを抑制できる。
さらに、振分けユニット980と通路ユニット990とを組み合わせる場合に、振分けユニット980に配設する検出装置SE3の検出基板SE1bを通路ユニット990の凹設部991c1の内部に受け入れることができるので、振分けユニット980と通路ユニット990との位置決めとすることができる。これにより、検出装置SE3の一部が外部に張り出すことを抑制して、送球ユニット970の全体としての小型化を図ることができる。
第3挿通孔991cは、第2通路部材992側の内縁に第2挿通孔991b側から突出する突設部991c2を備えると共に、重力方向一側(重力方向下側)の内面が水平方向に隣り合う第2挿通孔991bから離間する方向に下降傾斜して形成される。これにより、第3挿通孔991cに流入した遊技球を突設部991c2に衝突させると共に、第2挿通孔991bから離間する方向(図114(a)左方向)に転動させることができる。
第4挿通孔991dは、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第4挿通孔991dは、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、振分けユニット980の開口985bの内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部(第2通路TR2)を流下して開口985fを通過する遊技球を第4挿通孔991dに受け入れることができる。
また、第4挿通孔991dは、重力方向他側(重力方向上側)に水平方向両側に凹設される凹設部991d1を備える。凹設部991d1は、振分けユニット980に配設される検出装置SE3の検出基板SE1bを内部に収容する部分であり、検出装置SE3の外形と略同一の寸法に形成される。これにより、検出装置SE3の検出基板SE1b側を凹設部991d1により保護することができると共に、検出装置SE3が振分けユニット980及び通路ユニット990を組み合わせた状態で外部から不正に操作されることを抑制できる。
さらに、第4挿通孔991dは、第2通路部材992側の内縁に第2挿通孔991b側から突出する突設部991c2を備えると共に、重力方向一側(重力方向下側)の内面が水平方向に隣り合う第2挿通孔991bから離間する方向に下降傾斜して形成される。これにより、第4挿通孔991dに流入した遊技球を突設部991d2に衝突させると共に、第2挿通孔991bから離間する方向(図114(a)右方向)に転動させることができる。
第2通路部材992は、正面視において上下反対の略T字状の板状に形成されると共に、重力方向他側(重力方向上側)に貫通する第5挿通孔922と、その第5挿通孔922の重力方向一側(重力方向下側)に貫通する第6挿通孔992cと、第5挿通孔922の内周縁に立設される立設壁992aとを主に備えて形成される。
第5挿通孔922は、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第5挿通孔991eは、第1通路部材991及び第2通路部材992が組み合わされた状態において、第1通路部材991の第1挿通孔991aの内部空間が連なる位置に形成される。これにより、第1通路部材991の第1挿通孔991aを通過する遊技球を第5挿通孔922に受け入れることができる。
立設壁992aは、第5挿通孔922の縁部全域から第3通路部材993側に向かって立設される。また、立設壁992aは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第3通路部材993側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第5挿通孔922に送球された遊技球を第3通路部材993側(図114(b)右側)に転動させることができる。
立設壁992aの外周面には、水平方向に突出する係合部992dと、第1通路部材991側の端部から水平方向に突出する突設壁992eとを備えて形成される。係合部992dは、水平方向に突出すると共に、その先端が第3通路部材993側に屈曲するL字状に形成される。係合部992dは、立設壁992aとの対向間に後述する検出装置SE4及び振分けユニット980に配設される検出装置SE3の配線が挿入される。これにより、検出装置SE3及び検出装置SE4の配線を係止することができるので、検出装置SE3及び検出装置SE4が振分けユニット980及び通路ユニット990から抜け出ることを抑制できる。
突設壁992eは、立設壁992aの水平方向両側に正面視半円状に突出して形成され、その半円の軸に貫通する貫通孔992e1を備える。また、突設壁992eは、第1通路部材991及び第2通路部材992が組み合わされた状態において、第1通路部材991の円環突起991gと対向する位置に形成されると共に、貫通孔992e1が締結孔991g1と同軸上に位置される。これにより、第2通路部材992側から貫通孔992e1にネジを挿通すると共に、そのネジを締結孔991g1に螺合することで、第1通路部材991及び第2通路部材992を締結固定できる。
第6挿通孔992cは、正面視において一辺が遊技球の直径よりも大きい正方形に形成される。また、第6挿通孔992cは、第1通路部材991及び第2通路部材992を組み合わせた状態において、その内部空間が第1通路部材991の第2挿通孔991bの内部空間と連なる位置に形成される。これにより、第1通路部材991の第2挿通孔991bを通過する遊技球を第6挿通孔992cに受け入れることができる。
また、第6挿通孔992cの周囲には、第3通路部材993側に向かって立設されるガイド壁992c1が形成される。ガイド壁992c1は、第6挿通孔992cの重力方向一側(重力方向下側)に立設される第1壁部992c2と、その第1壁部992c2の延設方向の端部と連なると共に重力方向に延設される第2壁部992c3とから形成される。
第1壁部992c2及び第2壁部992c3は、検出装置SE4を配設する位置決めとなる壁面であり、第3通路部材993に形成される立設壁993e及び係合部993dとの対向間における寸法が検出装置SE4の対向における寸法と略同一に設定される。
また、検出装置SE4は、検出孔SE1aの内部空間が第6挿通孔992cの内部空間と連なる位置に配置される。これにより、第6挿通孔992cを通過する遊技球は、検出孔SE1aを通過して検出装置SE4に検出されると共に、第3通路部材993側に送球される。
また、第2通路部材992は、第6挿通孔992cから水平方向(図114(a)左右方向)に離間した位置に、第3通路部材993側に突設される円環突起992fを備える。円環突起992fは、その軸に円形状の孔の締結孔992f1を備える。締結孔992f1は、第3通路部材993を挿通したネジを螺合する孔であり、これにより、第2通路部材992及び第3通路部材993を締結固定できる。
第1挿通孔991aは、正面視において一辺が遊技球の直径よりも大きい正方形に形成される。また、第1挿通孔991aは、振分けユニット980及び通路ユニット990を組み合わせた状態において、振分けユニット980の開口985dと内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部を流下して開口985dを通過する遊技球を第1挿通孔991aに受け入れることができる。
また、第1挿通孔991aは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第1挿通孔991aに送球される遊技球を第2通路部材992側に転動させることができる。
さらに、第1挿通孔991aには、第2通路部材992を挿通するネジを螺合する締結孔991g1を備える円環状の円環突起991gが外周部分に連結して形成される。これにより、第1通路部材991及び第2通路部材992を締結固定することができる。
第2挿通孔991bは、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第2挿通孔991bは、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、振分けユニット980の開口985gと内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部を流下して開口985gを通過する遊技球を第2挿通孔991bに受け入れることができる。
また、第2挿通孔991bは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第2挿通孔991bに送球される遊技球を第2通路部材992側に転動させることができる。
第3通路部材993は、正面視横長矩形の板状に形成される。第3通路部材993は、長手方向略中間位置に貫通形成される第7挿通孔993aと、その第7挿通孔993aの縁部から立設される案内壁993bと、重力方向他側の縁部から第2通路部材992側に立設される立設壁993eと、長手方向に突出する係合部993dと、第2通路部材992側の側面に凹設される凹部993cとを主に備えて形成される。
第7挿通孔993aは、正面視において一辺が遊技球の直径よりも多きい正方形に形成される。また、第7挿通孔993aは、第2通路部材992及び第3通路部材993を組み合わせた状態において、第2通路部材992に配設される検出装置SE4の内部空間と連なる位置に形成される。これにより、第2通路部材992の第7挿通孔993a及び検出装置SE4の検出孔SE1aを通過した遊技球を第7挿通孔993aに受け入れることができる。
案内壁993bは、第7挿通孔993aの重力方向他側(重力方向上側)を除く3方向の縁部から第2通路部材992側と反対側に向かって立設される。また、案内壁993bは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって上方傾斜(第2通路部材992側と反対側に向かって下降傾斜)して形成される。これにより、第7挿通孔992gに送球された遊技球を第2通路部材992側と反対側(図114(b)右側)に転動させることができる。
また、第3通路部材993は、図114(b)に示すように、第2通路部材992の立設壁992aの重力方向一側(図114(b)下側)に配設される。上述したように、第3通路部材993は、重力方向他側(図114(b)上側)が開放されるので、その分、第3通路部材993を立設壁992aに近づけて配設できる。その結果、上述した振分けユニット980の開口985dと開口985gとを近づけることができ、振分けユニット980及び通路ユニット990の重力方向における外形を小型化することができる。
立設壁993eは、第2通路部材992及び第3通路部材993が組み合わされた状態において、第2通路部材992の第1壁部992c2との対向間の距離寸法が、検出装置SE4の検出孔SE1aの軸と直交する方向における短手側の距離寸法と略同一に設定される。これにより、検出装置SE4の重力方向における位置決めをすることができる。
また、遊技球が送球される上流側(第2通路部材992側)に、検出装置SE4の重力方向下側の位置決めをする第1壁部992c2が形成される。これにより、第6挿通孔992cを通過する遊技球を検出装置SE4の検出孔SE1aに挿通させやすくできる。
即ち、検出孔SE1aは、遊技者の不正を防止する目的で、遊技球の直径よりも若干大きい寸法に形成されるため、遊技球の転動面の高さの微小な位置ずれにより、その内部に遊技球が挿通できなくなるところ、本実施形態では、遊技球が送球される上流側(第2通路部材992側)に、検出装置SE4の重力方向下側の位置決めをする第1壁部992c2が形成されるので、第6挿通孔992cと検出孔SE1aと転動面の高さが位置ずれすることを抑制できる。その結果、第6挿通孔992cを挿通する遊技球を検出孔SE1aに挿通させやすくできる。
係合部993dは、第3通路部材993の長手方向に突出して形成されると共に、その突出先端に第2通路部材992側に屈曲する屈曲部993d1を備える。屈曲部993d1は、第2通路部材992及び第3通路部材993が組み合わされた状態において、第2通路部材992の第2壁部992c3との対向間の距離寸法が、検出装置SE4の検出孔SE1aの軸と直交する方向における長手側の距離寸法と略同一に設定される。これにより、検出装置SE4の水平方向における位置決めをすることができる。
凹部993cは、第2通路部材992と第3通路部材993とが組み合わされた状態において、第2通路部材992の円環突起992fと対向する位置に形成されると共に、円環突起992fの外径よりも大きい内縁形状に形成される。また、凹部993cは、その凹設底面に円環突起992fの締結孔992f1と同軸上に貫通形成される貫通孔993c1を備える。これにより、凹部993cに第2通路部材992の円環突起992fを挿入すると共に、ネジを第3通路部材993側から貫通孔993c1を挿通させて締結孔992f1に螺合させることで、第2通路部材992及び第3通路部材993を締結固定できる。
以上のように構成される送球ユニット970によれば、送球ユニット970が、第1入賞口64及び第2入賞口140と異なるユニットから形成されると共に、第1入賞口64及び第2入賞口140を備える正面ユニット940の背面側(遊技領域と反対側)に配設されるので、送球ユニット970(振分けユニット980)を交換して別のユニットを配設することで、遊技領域を流下する遊技球の流下に影響することなく、別の遊技形態とできる。
図117及び図118を参照して、振分けユニット980の別のユニット(交換ユニット1980)について説明する。図117(a)は、交換ユニット1980の正面図であり、図117(b)は、交換ユニット1980の背面図である。図118(a)は、図117(a)のCXVIIIa−CXVIIIa線における交換ユニット1980の断面図であり、図118(b)は、図118(a)のCXVIIIb−CXVIIIb線における交換ユニット1980の断面図である。なお、上述した振分けユニット980と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図117及び図118に示すように、交換ユニット1980は、遊技領域側に配設される正面ベース1981と、その正面ベース1981の遊技領域側と反対側に配設される背面ベース1985とを主に備えて形成される。
正面ベース1981は、有色半透明の樹脂材料から形成される。また、正面ベース1981は、正面視おける外形が振分けユニット980の正面ベース981と略同一に形成される。正面ベース1981は、ベース板981aと、そのベース板981aから遊技者側(背面ベース1985と反対側)に膨出する膨出部1982とを主に備えて形成される。
また、正面ベース1981は、その色が振分けユニット980の正面ベース981の色と異なる色(本実施形態では、黄色)の材料から形成される。これにより、遊技盤13に振分けユニット980が配設されているのか、交換ユニット1980が配設されているのかを遊技者に認識させやすくできる。
即ち、振分けユニット980を配設した仕様の遊技盤13(パチンコ機10)と、交換ユニット1980を配設した仕様の遊技盤13(パチンコ機10)とが、同一の店舗に導入された場合に、後述するようにどちらの仕様も遊技領域(遊技盤13の前面)の形状が同一のため、遊技者がどちらの仕様か判断し難くなるところ、振分けユニット980と交換ユニット1980との配色を異なるものとすることで、遊技者にどちらの仕様の遊技盤13(パチンコ機10)であるのかを認識させやすくできる。
ベース板1981aは、正面視における外形が振分けユニット980のベース板981aの外形と略同一に設定される。よって、振分けユニット980から交換ユニット1980に交換(仕様が変更)された場合に、ベース板60の貫通孔60aの形状を変更することなく、正面ベース1981(交換ユニット1980)をベース板60に配設できる。従って、振分けユニット980と交換ユニット1980との交換による仕様変更に伴って、ベース板60の形状を変更する必要がなくなり、製造コストの削減をすることができる。
膨出部1982は、ベース板1981aから膨出するドーム状に形成されると共に、その内側に遊技球を挿通可能な大きさに設定される。膨出部1982は、正面視縦長矩形に形成されると共に、重力方向上端部を切り欠いて形成される流入口982dを備えて形成される。
膨出部1982の水平方向における幅寸法は、一球の遊技球のみが通過可能な大きさに設定されており、流入口982dから流入した遊技球をその内側を通過させて流下させることができる。また、膨出部1982の重力方向一側(重力方向下側)の内面が、背面ベース1985に形成される開口985dの重力方向一側の内面と略同一の重力方向位置に設定される。これにより、流入口982dから交換ユニット1980に流入した遊技球を、流入口982dに流入する順で開口985dに送球することができる。
背面ベース1985は、正面視における外形が振分けユニット980の背面ベース985の外形と略同一に設定されると共に、膨出部1982の内部空間に連通される開口985dと貫通孔981cの内部空間に連通する開口985gとを備えて形成される。
以上のように構成される交換ユニット1980によれば、上述したように、ベース板1981aの正面視における外形が、振分けユニット980のベース板981aと略同一であるので、振分けユニット980から交換ユニット1980への交換(仕様の変更)を簡易に行うことができる。
ここで、遊技球が入球可能に形成される入球口およびその入球口に連結される通路を備えた入球ユニットと、その入球ユニットが配設される遊技盤とを備えた遊技機が知られている。かかる遊技機によれば、入球ユニットを別の入球ユニット(例えば、通路の本数が異なるもの)に取り換えることで、遊技盤を流用(兼用)しつつ、遊技機の仕様を変更することができる。しかしながら、上述した遊技機では、入球ユニットが遊技盤の前面に配設されるので、例えば、通路の最大本数に応じたスペースを予め遊技盤の前面に確保しておく必要があった。そのため、通路の本数が少ない入球ユニットを用いる場合には、遊技盤の前面側のスペースに無駄が生じるという問題点があった。
これに対し、本実施形態によれば、振分けユニット980(入球ユニット)は、流入口982d及びその流入口982dに連結される第1通路TR1及び第2通路TR2を有すると共に、遊技盤13の前面側に配設される入賞口ユニット930と、その入賞口ユニット930の背面側にベース板60の貫通孔60aを介して配設されると共に、第1通路TR1及び第2通路TR2に連結される通路ユニット990を備えるので、遊技盤13の前面には入賞口ユニット930の大きさに対応するスペースを確保すれば足り、通路の最大本数に応じたスペースを遊技盤の前面に確保しておく必要がない。よって、振分けユニット980を交換ユニット1980に取り換えることで、遊技盤13(ベース板60及び正面ユニット940)を流用(兼用)しつつ、遊技盤13の仕様を変更する際に、遊技盤13の前面のスペースを有効に活用できる。
また、上述したように正面ユニット940は、上述したように無色透明(光透過性材料)の樹脂材料から形成され、振分けユニット980又は交換ユニット1980が、入賞口ユニットよりも小さな外形に形成されると共に、正面視において正面ユニット940に重なる位置に配設されるので、正面ユニット940を通して振分けユニット980を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、振分けユニット980又は交換ユニット1980を遊技者に視認可能とするために、ベース板60を光透過性材料から形成することが必須とされず、例えば、ベース板60をベニヤ板から形成することや、ベース板60にシールを張り付ける。或いは、ベース板60を塗装することも許容されるので、設計の自由度を高めることができる。
さらに、振分けユニット980又は交換ユニット1980は、有色半透明(光透過性材料)の樹脂材料から形成されるので、正面ユニット940と通して振分けユニット980又は交換ユニット1980の内部(通路)を流下する遊技球を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、正面ユニット940が、無色透明(光透過性材料)の樹脂材料から形成され、振分けユニット980又は交換ユニット1980は、有色半透明(光透過性材料)の樹脂材料から形成されるので、正面ユニット940を通して振分けユニット980又は交換ユニット1980との前後方向(重なり方向)の位置関係を遊技者に把握させやすくできる。即ち、遊技球が前後方向に位置を変化させて流下される態様を遊技者に視認させやすくできるので、遊技の興趣を高めることができる。
また、振分けユニット980の遊技球の通路は、流入口982dに連通される送球通路TR0と、その送球通路TR0から分岐される第1通路TR1及び第2通路TR2とを備えて形成される。また、振分けユニット980には、第1通路TR1及び第2通路TR2を通過する遊技球を検出する検出装置SE3が配設される。従って、遊技球の通過経路が多い振分けユニット980から少ない交換ユニット1980に変更して異なる仕様の遊技機を製造する場合に、検出装置SE3の配設数を作業者が間違えることを抑制できる。
即ち、振分けユニット980又は交換ユニット1980の下流側に配設される通路ユニット990に検出装置SE3を配設する構造では、振分けユニット980の通路の分だけ検出装置SE3を配設できるところ、流下通路が2本形成される振分けユニット980から流下通路が1本の交換ユニット1980に変更する場合に、1の検出センサを通路ユニット990に配設すれば足りるのに、振分けユニット980の流下通路の本数分だけ検出装置SE3を配設してしまう可能性がある。これに対し、送球通路TR0から分岐される通路に検出装置SE3を配設する構造であれば、振分けユニット980を交換ユニット1980に変更する際に、そのユニットに応じた数の検出装置SE3を配設することになるため、その配設数を作業者が間違えることを抑制できる。
一方、第2入賞口140への遊技球の流入を検出する検出装置SE4は、上述したように、通路ユニット990に配設される。よって、振分けユニット980及び交換ユニット1980に配設される検出装置を分散させることができ、その分、通路の配置の自由度を高めることができる。
また、交換ユニット1980には、振分けユニット980と同一の位置に第2入賞口140から流入される遊技球を送球する側壁部981bが形成される。従って、振分けユニット980と同様に、交換ユニット1980を正面ユニット940(入賞口ユニット930)に配設する際に、側壁部981bを利用して交換ユニット1980の位置決めをすることができる。即ち、交換ユニット1980の形態に関わらず、転動部943aと側壁部981bとの連結される位置は同一であるので、転動部943aに対して側壁部981bを位置決めすることで、交換ユニット1980であっても、正面ユニット940に対して位置決めを行うことができる。
さらに、正面ユニット940に対する交換ユニット1980の位置決めは、振分けユニット980と同様に、転動部943aと側壁部981bとの連結部分に位置ずれ(段差)が生じることを抑制することが目的となるところ、その対象となる部分を位置決めすることができるので、他の部分を位置決めする場合と比較して、位置ずれ(段差)の発生を効果的に抑制できる。その結果、遊技球をスムーズに流下させることができる。
次いで、図119を参照して、入賞口ユニット930及び送球ユニット970の配置について説明する。図119は、図81のCXIXa−CXIXa線における遊技盤13の断面図である。
図119に示すように、正面ユニット940及び送球ユニット970の各通路の連結は、前後方向(図119左右方向)に当接した状態とされると共に、送球ユニット970に形成される凸部が、正面ユニット940に形成される突部に挿入される。
詳しく説明すると、第1送球部942gと流入口982dとは、第1送球部942gに形成される第1凹欠部942g1の内側に流入口982dに形成される第2突起982d1が配置される。また、第2送球部942cと側壁部981bとは、第2送球部942cに形成される第2凹欠部942c1の内側に、側壁部981bに形成される突起981b1が配置される。
また、正面ユニット940の第2送球部942cと振分けユニット980の側壁部981bとは、駆動ユニット960に形成される腕部962eと壁部962fに囲われる内部空間に配設される。
ここで、従来より、遊技盤と、その遊技盤の正面側に配設されると共に遊技球が通過する第1通路を有する第1部材と、その第1部材の第1通路に連通される第2通路を有すると共に遊技盤の背面側に配設される第2部材と、を備えた遊技機が知られている。遊技盤の正面側を流下し、第1部材の第1通路に流入した遊技球は、第1通路を通過した後、第2部材の第2通路へ流入し、遊技盤の背面側において、第2通路を通過する。これにより、遊技球の通過経路が前後方向に変化され、遊技者に興趣を与えることができる。
この場合、第1通路と第2通路との連結部分に位置ずれ(段差)が生じていると、遊技球のスムーズな流下が阻害されるため、第1部材に対する第2部材の位置精度を確保することが要請される。しかしながら、上述した遊技機では、第1部材に対する第2部材の位置決めが困難であるという問題点があった。即ち、遊技盤の正面には、第1部材だけでなく、通路を有する他の部材や装飾部材などの各種部材が配設されるため、それらの各部材を位置決めするための位置決め孔を遊技盤に形成する工程内で、第1部材を位置決めするための位置決め孔も形成できる一方、第2部材を位置決めするための位置決め孔を遊技盤の背面に形成するためには、遊技盤を反転させた上で第2部材のためだけの位置決め孔を形成するという別工程が必要となり、現実的ではない。
これに対し、本実施形態では、上述したように、正面ユニット940に駆動ユニット960が配設されられる場合に、駆動ユニット960の突設部962gの対向間に正面ユニット940の一対の第2ガイド壁942dが挿入される。正面ユニット940に送球ユニット970が配設される場合には、突設部962gが突設される腕部962eの対向間に振分けユニット970の側壁部981bが挿入される。
即ち、駆動ユニット960は、正面ユニット940の第2ガイド壁942dと係合する突設部962g(ガイド部962b)と、送球ユニット970の側壁部981bと係合する腕部962e(ガイド部962b)とを備える。これにより、正面ユニット940と送球ユニット970とを駆動ユニット960のガイド部962bを利用して位置決めを行うことができる。
ガイド部962bの腕部962eは、正面ユニット940の一対の第2送球部942cの対向方向外側に位置される。これにより、ガイド部962bの腕部962eは、突設部962gが正面ユニット940の第2ガイド壁942dに、腕部962eが送球ユニット970の側壁部981bに、それぞれ係合されるので、正面ユニット940に対する送球ユニット970の位置決めを効果的に行うことができる。即ち、正面ユニット940に対する送球ユニット970の位置決めは、第2送球部942cと側壁部981bとの連結部分に位置ずれ(段差)が生じることを抑制することが目的となるところ、その対象となる部分(第2送球部942cと側壁部981bとの連結部分)をガイド部962b(腕部962e)により、直接位置決めすることができるので、他の部分をガイド部962bにより位置決めする場合と比較して、位置ずれ(段差)の発生を効果的に抑制できる。
また、ガイド部962bを備える駆動ユニット960は、正面ユニット940に配設された状態で、ベース板60の貫通孔60aの内部空間に配設される。よって、駆動ユニット960を配設するための開口部分を別途設ける必要がない。即ち、正面ユニット940の第2送球部942cと側壁部981bとの連結部分を配設するための貫通孔60aを配設空間としても兼用することができるので、その分、加工工数を低減して、製品コストの低減を図ることができる。
上述したように、ガイド部962bを備える駆動ユニット960は、第2送球部942cを備える正面ユニット940に配設(保持可能に形成)されるので、遊技盤13の正面および背面に正面ユニット940及び送球ユニット970をそれぞれ取り付ける際に、駆動ユニット960を別途取り付ける必要がなく、正面ユニット940を取り付けることで、駆動ユニット960の取り付けも同時に行うことができる。よって、その分、取り付けの作業性の向上を図ることができる。
また、正面ユニット940に駆動ユニット960を配設した状態では、正面ユニット940に駆動ユニット960の突設部962g及び腕部962eが、それぞれ第2ガイド壁942d及び第2送球部942cに係合される。よって、ベース板60に正面ユニット940と駆動ユニット960とを取り付けた後に、駆動ユニット960の突設部962g及び腕部962eをそれぞれ第2ガイド壁942d及び第2送球部942cに係合させる作業を別途行う必要がない。よって、その分、取り付け作業性の向上を図ることができる。
さらに、正面ユニット940に駆動ユニット960が配設された状態では、駆動ユニット960の腕部962eが、正面ユニット940と反対側から送球ユニット970に係合可能に形成されるので、ベース板60に正面ユニット940及び駆動ユニット960を同時に取り付けた後に、ベース板60の背面に駆動ユニット960を取り付けることで、かかる取り付け動作と同時に、駆動ユニット960の腕部962eを送球ユニット970に係合させることができる。よって、その分、取り付け作業の作業性の向上を図ることができる。
上述したように、一対の腕部962eの対向間は、壁部962fが連結されており、正面ユニット940及び駆動ユニット960が組み合わされた状態において、腕部962e及び壁部962fと正面ユニット940の背面ベース941との対向間に上述した変位部材966が配設される。よって、変位部材966の変位を案内する部材を別途設けることを不要とできる。よって、その分、正面ユニット940の構造を簡素化でき、製品コストの削減を図ることができる。
また、この場合、ガイド部962bの壁部962fは、一対の羽部材945の突起945bが挿入される変位部材966の摺動溝966a2とその開放方向に対向する位置に配置される。よって、駆動ユニット960の壁部962fにより変位部材966の摺動溝966a2の開口を外部から遮断して、埃や異物が摺動溝に侵入することを抑制できる。その結果、摺動溝966a2に侵入した埃や異物により、突出部966aの摺動が妨げられることを抑制して、一対の羽部材を安定して開放または閉鎖させることができる。
次いで、図120及び図121を参照して、第2送球部942cと側壁部981bとの連結を代表例として、その連結状態を説明する。図120(a)及び図121(a)は、図119の範囲CXXaにおける遊技盤13の部分拡大断面図であり、図120(b)及び図121(b)は、図120(a)のCXXb−CXXb線における遊技盤13の部分拡大断面図である。なお、図121(a)及び図121(b)では、図120(a)及び図120(b)に示す位置から、入賞口ユニット930及び送球ユニット970が所定の量離間された状態が図示される。
図120及び図121に示すように、突起981b1及び第2凹欠部942c1は、転動面981c1との離間距離L38が、遊技球の半径と略同一に設定される。
ここで、遊技球が通過する第1通路部材と、その第1通路部材の下流端に上流端が連結され第1通路部材から流下された遊技球が通過する第2通路部材とを備えた遊技機が知られている。しかしながら、このように、第1通路部材と第2通路部材とを連結する構造では、両者の間の位置ずれが避けられないため、第1通路部材の下流端と第2通路部材の上流端との連結部分に段差が形成され、遊技球のスムーズな流下が阻害される恐れがあるという問題点があった。
また、入賞口ユニット930及び送球ユニット970は、上述したように、ベース板60の両側にそれぞれ締結固定される。そのため、ベース板60の厚み寸法に誤差ができる(厚みが大きくされる)と入賞口ユニット930及び送球ユニット970とが、ベース板60の厚み方向(図120(a)左右方向)に離間する恐れがある。その場合、第2送球部942cと側壁部981bとの間に隙間が形成され、遊技球のスムーズな流下が阻害される恐れがあるという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、側壁部981bの転動面981c1と突起981b1の上流端部とが、遊技球の通過方向に位置を異ならせて形成されるので、遊技球が底面側の段差を通過するタイミングと側面側の段差を通過するタイミングとを異ならせることができる。よって、これら底面側の段差と側面側の段差との影響を遊技球が同時に受けることを回避し、それらの影響を分散させられるので、その分、遊技球をスムーズに流下(通過)させることができる。
即ち、図121に示すように、第2送球部942cの遊技球の転動部943a及び側壁部981bの遊技球の転動面981c1の間に形成される空間の隙間K1と、第2送球部942cの第2凹欠部942c1及び側壁部981bの突起981b1の間に形成される空間の隙間K2とは、遊技球の転動方向(図121(a)左右方向)に異なる位置に形成される。これにより、第2送球部942cから側壁部981bに転動される遊技球が、隙間K1と隙間K2との両方に入り込むことを抑制できる。よって、第2送球部942c及び側壁部981bの連結部分に形成される隙間により、遊技球が受ける抵抗の最大値を低減できる。その結果、遊技球が、第2送球部942c及び側壁部981bとの隙間で停止することを抑制できる。
次いで、図122を参照して、第7実施形態の変位部材8966について説明する。上記第6実施形態では、摺動溝966a2が直線状に形成される場合を説明したが、第7実施形態の変位部材8966の摺動溝8966a2は、変位部材8966の短手方向両外側に、重力方向他側(重力方向上側(図122上方))に向かって凹設される凹部8966a6を備え、背面視において略L字状に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図122は、第7実施形態における正面ユニット940及び変位部材8966の背面図である。なお、図122は、図91に対応する。図122に示すように、第7実施形態における変位部材8966は、正面視縦長矩形の板状に形成されると共に、正面視略中央位置に第2開口966cが板厚方向に貫通形成される。第2開口966cは、正面視における内縁の形状が背面ベース941の第2入賞口140の内縁形状よりも大きく形成され、変位部材8966が正面ユニット940に配設された状態では、その内側に第2入賞口140が配置される。
また、変位部材8966は、長手方向(図122上下方向)一端側(図122上側)から短手方向(図122左右方向)に突出する突出部966aと、長手方向他端側(図122下側)から背面側(図122紙面手前側)に膨出する膨出部966bとを備えて形成される。
突出部966aは、変位部材8966の板厚方向に貫通して形成される摺動溝8966a2と、変位部材8966の短手方向両外側に位置し長手方向に延設される当接部966a1とを備える。
摺動溝8966a2は、内側に羽部材945の突起945bが挿入される孔であり、変位部材966の短手方向に延設されると共に、短手方向外側に凹部8966a6が重力方向他側(重力方向上側(図122上側))に向かって凹設される。
凹部8966a6は、短手方向の幅寸法が、突起945bの外周面の対向間における最大寸法よりも大きく設定される。また、突起945bの移動側の側面は、突起945bの移動方向(図122左右方向)と略直交する方向に延設されると共に、その延設方向が、閉鎖状態における羽部材945の突起945bの第1面945b1と平行とされる。
従って、羽部材945が閉鎖状態とされる場合に、凹部8966a6の内側に突起945bの少なくとも一部を収容できると共に、羽部材945側が回転された場合に、第1面945b1を凹部8966a6の内面と当接させて突起945bの変位を規制することができる。
一方、伝達部材965(ソレノイド610)側から駆動が伝達される場合には、変位部材8966が重力方向他側(重力方向上側)にスライド変位されることで、羽部材945の突起945bを凹部8966a6の内側から抜き出すことができる。これにより、突起945bと摺動溝8966a2の内面とを当接させて、突起945bを変位させることができる。
即ち、羽部材945から駆動が伝達される場合には、その駆動が伝達部材965側へ伝達されることを規制できると共に、伝達部材965側から駆動が伝達される場合には突起945bと凹部8966a6との係合を解除して、突起945bを変位可能とできる。その結果、羽部材945が外部から強制開放されることを抑制できる。
さらに、一対の羽部材945が閉鎖状態とされる場合に、変位部材8966は、重力方向一側(重力方向下側)にスライド変位される。また、凹部8966a6は、重力方向他側(重力方向)上側に向かって凹設されるので、突起945bを変位部材8966のスライド変位に伴って受け入れることができる。従って、変位部材8966の重さ(自重)を利用して凹部8966a6に突起945bが受け入れられた状態を維持しやすくできる。
次いで、図123を参照して、第8実施形態の伝達部材9965の挿入部9965eについて説明する。上記第6実施形態では、伝達部材965の挿入部965eは、先端が変位部材966の連結孔966b1の内部に配置される場合を説明したが、第8実施形態では、伝達部材9965の挿入部9965eの先端が連結孔966b1から突出される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図123(a)及び図123(b)は、第8実施形態における駆動ユニット8960及び変位部材966の断面図である。なお、図123(a)及び図123(b)は、図96(a)に対応する。また、図123(a)では、羽部材945の閉鎖状態が図示され、図123(b)では、閉鎖状態の羽部材945が遊技者から不正に操作(強制開放)されて閉鎖状態から開放状態に変位する途中の係合状態が図示される。
図123に示すように、第8実施形態における伝達部材9965は、側面視において屈曲して形成され、ソレノイド610の軸部961bの変位方向に延設される先端部9965aと、その先端部9965aに連なると共に連結部材964側に延設される回転部965bとから形成される。
先端部9965aは、第6実施形態と同様にソレノイド610から離間するに従って回転軸965cの軸方向における幅寸法が小さくされる。また、先端部9965aは、その先端に変位部材966の連結孔966b1に挿入される挿入部9965eと、回転軸965cとの連結側から重力方向一側(重力方向下側)に突設される立設部965fとを備えて形成される。
挿入部9965eは、正面視における外形が変位部材966の連結孔966b1の内縁形状よりも小さく形成されており、連結孔966b1の内側に挿通して配設されると共に、先端の端部が連結孔966b1から突出される。また、挿入部9966eは、連結孔966b1から重力方向一側(重力方向下側)に突出する係合部9965e3と、重力方向他側(重力方向上側)から連結孔966b1の内面側に膨出する膨出部965e1とを備えて形成される。
係合部9965e3は、変位部材966の変位方向(重力方向)に突出して形成されると共に、回転軸965c側の側面の当接面9965e4が変位部材966の前面と若干の隙間を隔てる位置に形成される。これにより、図123(b)に示すように、変位部材966が矢印Yの方向(重力方向他側)に変位された場合に、変位部材966の前面と当接面9965e4を当接させて伝達部材9965の変位を規制できる。
詳しく説明すると、変位部材966が矢印Yの方向に変位されると、連結孔966b1の一側被当接部966b2が伝達部材9965の挿入部9965eに当接して、伝達部材9965が回転変位される。この場合、伝達部材9965の挿入部9965eは、回転変位により矢印Yの方向に変位されると共に回転軸965c側に変位される。従って、挿入部9965eの回転軸965c側への変位により、当接面9965e4を変位部材966の前面に当接させることができる。これにより、伝達部材9965の変位が規制されるので、変位部材966の矢印Yの方向への変位も同様に規制される。
一方、ソレノイド610から駆動が伝達される(連結部材964が変位される)場合には、伝達部材965が変位部材966よりも先に回転へえにすることで、挿入部9965eと変位部材966とが当接することを抑制できる。従って、伝達部材965を回転変位させて、変位部材966を変位させることができる。
上述したように、変位部材966には、一対の羽部材945の突起945bが連結される。よって、羽部材945側から駆動が伝達される場合には、変位部材966と当接面9965e4とが当接して伝達部材9965の回転を規制できる。よって、羽部材945が外部から強制開放されることを抑制できる。
即ち、第8実施形態における伝達部材9965は、挿入部9965eとその挿入部9965eの先端から張り出す係合部9965e3とを備え、羽部材945が閉鎖された状態で、変位部材966を変位させて変位部材966の他側被当接部966b3に挿入部9965eの一側が当接されると、係合部9965e3が変位部材966に係合される。よって、羽部材945が外部から強制開放される場合に、係合部9965e3と変位部材966とを係合させることができる。その結果、羽部材945が外部から強制開放されることを抑制できる。
次いで、図124を参照して、第9実施形態における伝達部材10965及び変位部材10966について説明する。上記第6実施形態では、伝達部材965の挿入部965eは、先端が変位部材966の連結孔966b1の内側に配置されるのみの場合を説明したが、第9実施形態では、伝達部材10965の挿入部10965eの先端が連結孔10966bと係合される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図124(a)及び図124(b)は、第9実施形態における駆動ユニット10960及び変位部材10966の断面図である。なお、図124(a)は、図96(a)と対応し、図124(b)は、図96(b)に対応する。また、図124(a)では、羽部材945の閉鎖状態が図示され、図124(b)では、羽部材945の開放状態が図示される。
図124に示すように、第9実施形態における伝達部材10965は、側面視において屈曲して形成され、ソレノイド610の軸部961bの変位方向に延設される先端部10965aと、その先端部10965aに連なると共に連結部材964側に延設される回転部とから形成される。
先端部10965aは、第6実施形態と同様にソレノイド610から離間するに従って回転軸965cの軸方向における幅寸法が小さくされる。また、先端部10965aは、その先端に後述する変位部材10966の連結孔10966bに挿入される挿入部10965eと、回転軸965cとの連結側から重力方向一側(重力方向下側)に突設される立設部965fとを備えて形成される。
挿入部10965eは、正面視における外形が変位部材10966の連結孔10966bの内縁形状よりも小さく形成されており、連結孔10966bの内側に挿入して配設される。また挿入部10965eは、重力方向一側(重力方向下側)から突設される係合部10965e3と、重力方向他側(重力方向上側)から連結孔966b1の内面側に膨出する膨出部964d1とを備えて形成される。
係合部10965e3は、回転軸965cの軸を中心に湾曲する板状に形成され、羽部材945が閉鎖された状態において、後述する変位部材10966の凹部10966dの内側に配設される。また、変位部材10966は、回転軸965c側の側面(内面)に当接面10965e4を備える。当接面10966d4は、羽部材945が閉鎖された状態において、後述する変位部材10966の当接面10966dcと所定の隙間を隔てて対向して配設される。
変位部材10966は、正面視横長矩形の板状体から形成されると共に、正面視略中央位置に第2開口966cが板厚方向(図124(a)左右方向)に貫通形成される。第2開口966cは、正面視における内縁の形状が背面ベース941の第2入賞口140及び第2送球部942c(図88参照)よりも大きく形成され、内側に第2送球部942cを挿入した状態で配置される。これにより、第2入賞口140を介して遊技領域と反対側に送球される遊技球が変位部材966の内縁に衝突することを抑制できる。
また、変位部材10966は、長手方向一端側から短手方向に突出する突出部966aと、長手方向他端側から背面側に膨出する膨出部966bと、その膨出部966bの反対面に凹設される凹部10966dとを主に備える。
凹部10966dは、連結孔966b1の他側被当接部966b3に連なって凹設されると共に、膨出部966b側の側面に被当接面10966d1を備える。被当接面10966d1は、羽部材945が閉鎖された状態において、上述した伝達部材10965の回転軸965cの軸を中心に湾曲して形成され、伝達部材10965の当接面10965e4と若干の隙間を隔てて対向して配設される。また、被当接面10966d1は、連結孔966b1に連結する端部に傾斜面10966d2を備える。
傾斜面10966d2は、一側被当接部966b2側に向かって背面側に傾斜して形成される。また、傾斜面10966d2は、回転軸965cを中心とする被当接面10966d1よりも径方向内側に形成される。
また、第9実施形態では、連結孔966b1の他側被当接部966b3から一側被当接部966b2までの対向間の距離寸法が、羽部材945が閉鎖された状態の正面視における挿入部10965eの重力方向の幅寸法L39(図124(a)参照)よりも大きく設定される。これにより、伝達部材10965が回転された場合に、当接面10965e4が背面側に変位されることで、当接面10965e4と被当接面10966d1とが当接して伝達部材10965の回転が規制されることを抑制できる。
以上のように構成される駆動ユニット10960及び変位部材10966によれば、羽部材945を開放状態に変位させる場合に、ソレノイド610が駆動されると、その駆動が連結部材964から伝達部材10965に伝達される。これにより、伝達部材10965が回転軸965cを軸に回転される。上述したように、伝達部材10965の当接面10965e4及び変位部材10966の被当接面10966d1は、回転軸965cの軸を中心に湾曲して形成されるので、伝達部材10965が回転軸965cを軸に回転されると、当接面10965e4が被当接面10966d1と若干の隙間を隔てた状態を維持つつ変位される。即ち、当接面10965e4と被当接面10966d1とが干渉せずに変位される。
上述したように、連結孔966b1の他側被当接部966b3から一側被当接部966b2までの対向間の距離寸法が、伝達部材10965の幅寸法L36よりも大きく形成されるので、伝達部材10965を回転させることで、変位部材10966の凹部10966dの内側に配設した挿入部10965eを凹部10966dの外側に出すことができる。これにより、伝達部材10965の膨出部965e1を他側被当接部10966b3に当接させて変位部材10966をスライド変位させることができる。従って、一対の羽部材945を開放状態に変位させることができる。
また、一対の羽部材945を開放状態から閉鎖状態に変位させる場合には、伝達部材10965の係合部10965e3の先端が、被当接面10966d1に形成された傾斜面10966d2に沿って摺動されることで、変位部材10966を重力方向一側(重力方向下側)に変位させつつ、係合部10965e3を凹部10966dの内側に変位させることができる。
一方、一対の羽部材945を開放状態に変位させる場合に、一対の羽部材945から駆動が伝達されると、その駆動が変位部材10966から伝達部材10965に伝達される。この場合、伝達部材10965の係合部10965e3が、変位部材10966の凹部10966dの内側に配置された状態で、変位部材10966がスライド変位される。従って、変位部材10966のスライド変位に伴って伝達部材965が回転変位されるので、その回転変位により係合部10965e3が背面側に変位される。従って、係合部10965e3の当接面10965e4が、凹部10966dの被当接面10966d1に当接され、伝達部材10965の回転変位が規制される。その結果、羽部材945が外部から強制開放されることを抑制できる。
即ち、第9実施形態における伝達部材10965は、挿入部10965eと、その挿入部10965eの先端から張り出す係合部10965e3とを備え、羽部材945が閉鎖された状態では、一側被当接部966b2に挿入部10965eの重力方向一側が当接されると共に係合部10965e3が変位部材10966に係合されると共に、他側被当接部966b3に挿入部10965eの重力方向他側(膨出部965e1)が当接される位置まで伝達部材10965が重力方向他側へ回転されると、係合部10965e3の変位部材10966との係合が解除されるので、伝達部材10965を回転させずに変位部材10966を重力方向他側へスライド変位させることが規制される。よって、羽部材945が外部から強制海保されることを抑制できる。
一方、係合部10965e3が、変位部材10966の凹部10966dの内側から外側に出る位置まで伝達部材10965が回転されると、係合部10965e3の変位部材10966との係合が解除されるので、伝達部材10965を更に重力方向他側へ回転させることで、変位部材10966を重力方向他側へ向けてスライド変位させ、羽部材945を開放することができる。
次いで、図125及び図126を参照して、第10実施形態における変位部材11966について説明する。上記第6実施形態では、変位部材966は、第2入賞口140からの遊技球の転動通路に配置されない場合について説明したが、第10実施形態における変位部材11966は、第2入賞口140からの遊技球の転動通路上に配置される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図125は、第10実施形態における背面ベース941及び変位部材11966の分解斜視背面図である。図126(a)及び図126(b)は、正面ユニット940及び変位部材11966の背面図である。なお、図126(a)では、羽部材945の閉鎖状態が図示され、図126(b)では、羽部材945の開放状態が図示される。
図125及び図126に示すように、第10実施形態における正面ユニット940は、第2入賞口140の水平方向両外側に一対の第2ガイド壁11942bが重力方向に延設される。また、第10実施形態では、第2送球部942cの対向間に配置される転動部943aの先端位置が、第2送球部942cの突設先端位置と略同一に設定される。
一対の第2ガイド壁11942bは、その対向する側面にギア歯面の第1歯面11942b1が形成される。また、一対の第2ガイド壁11942bは、その対向間における離間距離が後述する変位部材11966の水平方向(図126(a)左右方向)の幅寸法よりも大きく設定され、対向間に変位部材11966が配設される。
第1歯面11942b1は、後述する変位部材11966に軸支される第1ギヤGY1が歯合される。これにより、変位部材11966がスライド変位させることで、第1歯面11942b1に歯合する第1ギヤGY1を回転できる。
変位部材11966は、正面視横長矩形の板状体に形成される第1部材11967と、その第1部材11967に変位可能な状態で配設される第2部材11968と、第1部材11967に軸支されると共に第2部材11968に歯合される第1ギヤGY1とを備えて形成される。
第1部材11967は、正面視略中央位置に第2開口966cが板厚方向に貫通形成される。また、第1部材11967は、第2開口966cの重力方向他側(重力方向上側)に、変位部材11966の長手方向に沿って延設される一対の摺動溝966a2と、第2開口966cを挟んだ短手方向両側に円環状に突設される支持部11966d及び摺動突起11966eとを備えて形成される。
支持部11966dは、第1部材11967側に突設されると共に、先端が第1ギヤGY1の軸孔に挿入される。これにより、第1ギヤGY1を第1部材11967に回転可能な状態で支持することができる。
摺動突起11966eは、第1部材11967側に突設されると共に、先端が第2部材11968の摺動溝11968bの内側に挿入される。これにより、第2部材11968を第1部材11967に配設できる。
第2部材11968は、正面視略門型の板状体に金属材料から形成され、水平方向(図126(a)左右方向)の両端面にギア歯面の第2歯面11968a1と、その第2歯面11968a1(図126(a)上下方向)の延設方向に沿って長孔状に板厚方向に貫通形成される摺動溝11968bと、門型に形成された内縁のうちの水平方向に延設される端面に板厚方向に傾斜する刃部11968cとを備えて形成される。
一対の第2歯面11968a1は、それぞれ第1ギヤGY1に歯合される。これにより、第1ギヤGY1の回転を第2歯面11968a1が形成される第2部材11968の水平方向両側面から伝達できる。
摺動溝11968bは、上述したように第2歯面11968a1の延設方向に沿って長孔状に形成されると共に、内側に第1部材11967の摺動突起11966eが挿入される。よって、第2部材11968は、第1部材11967に対して摺動溝11968bと摺動突起11966eとの隙間の分、スライド変位させることができる。
よって、上述したように一対の第1ギヤGY1が第1部材11967の変位により回転変位されると、その第1ギヤGY1の回転が第2歯面11968a1から第2部材11968に伝達されて、第2部材11968が第2歯面11968a1の延設方向に変位される。
刃部11968cは、第1部材11967側に向かって下降傾斜して形成され、その下端部が、羽部材945が閉鎖された状態において、第2送球部942cの重力方向他端側の内面よりも、重力方向他端側に配置される。これにより、刃部11968cの先端を第2入賞口140から流入する遊技球の転動面よりも重力方向他端側に配置できる。
また、第2送球部942cの突設距離は、第2部材11968の背面側と当接する長さに設定される。上述したように、第10実施形態では、第2送球部942cの対向間に配置される転動部943aの先端位置が、第2送球部942cの先端位置と略同一の位置に設定される。これにより、第2入賞口140から流入する転動面の端部と刃部と11968cとで第2入賞口140の内部に挿入される異物を切断することができる。
以上の様に構成される変位部材11966によれば、図126(a)に示すように、羽部材945が閉鎖状態とされる場合には、第2部材11968の刃部11968cを転動部943a及び第2送球部942cの先端部よりも重力方向下側に配置できるので、駆動ユニット960のソレノイド610から駆動が伝達されていない状態で、不正操作により羽部材945の突起945bが切断されて突起945bが強制開放された場合に、第2入賞口140から入球される遊技球の流下を変位部材11966によって規制することができる。
一方、羽部材945が開放状態とされる場合には、変位部材11966の第1部材11967が伝達部材965により上方に変位されることで、第2部材11968が変位される。なお、第1部材11967の変位量は、遊技球の半径分よりも大きく設定される。これにより、第2部材11968は、上述したように、背面ベース941に対して、第1部材11967の変位量と倍の変位量とされるので、第2入賞口140から入球される遊技球の転動面となる転動部943aから遊技球の直径よりも大きい距離離間することができる。その結果、羽部材945が開放状態とされる場合には、第2入賞口140から入球される遊技球の流下を許容することができる。
即ち、第2部材11968は、羽部材945を開放させる位置から、閉鎖させる位置まで変位部材11966がスライド変位された際に第2入賞口140から流下する遊技球の通路を横切ると共にその通路の縁部(転動部943a及び第2送球部942cの端部)に擦接する刃部を備えるので、第2入賞口140から遊技球の転動通路内に不正に挿通された不正物を切断することができる。
例えば、遊技球に糸の先端を接着し、かかる遊技球を第2入賞口140から入球させると共に転動部943aを通過させて、その遊技球の通過を検知する検出装置SE4(図114参照)に遊技球が達した状態で、糸の他端を操作(繰り出し、引き寄せ)して、遊技球を往復させることで、検出装置SE4に複数回検出させる不正行為がある。かかる不正行為に対し、第10実施形態によれば、羽部材945が開放された状態で上述した遊技球が入球されたとしても、羽部材945を開放させる位置から閉鎖させる位置まで、変位部材11966(第2部材11968)がスライド変位され、刃部11968cが転動部943a及び第2送球部942cの通路を横切る際に、遊技球に先端が接着されている糸の途中部分を刃部11968cと共に変位させて転動部943a又は第2送球部942cの縁部へ押し付けると共に、刃部11968cが転動部943a及び第2送球部942cの縁部に擦接される際に、刃部11968cと転動部943a又は第2送球部942cの縁部との間で糸を切断することができる。その結果、上述した不正行為を抑制できる。
次いで、図127及び図128を参照して、第11実施形態における変位部材12966について説明する。上記第6実施形態では、変位部材966は、第2入賞口140から遊技球の転動通路上に配置されない場合について説明したが、第11実施形態における変位部材12966は、第2入賞口140からの遊技球の転動通路上に配置される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図127は、第11実施形態における背面ベース941及び変位部材12966の分解斜視背面図である。図128(a)及び図128(b)は、正面ユニット940及び変位部材12966の背面図である。なお、図128(a)では、羽部材945の閉鎖状態が図示され、図128(b)では、羽部材945の開放状態が図示される。
図127及び図128に示すように、第11実施形態における正面ユニット940は、第2入賞口140の水平方向両外側に一対の第2ガイド壁12942bが重力方向に延設される。また、第11実施形態では、第2送球部942c及び転動部943aの突出距離が短く設定され、突設先端面が後述する変位部材12966の第1部材12967の前面と当接する位置に設定される。
また、正面ユニット940の第2入賞口140の水平方向両外側には、変位部材12966側に突出する第1支持部12942k1及び第2支持部12942k2を備える。第1支持部12942k1及び第2支持部12942k2はそれぞれ後述する第1ギヤGY1及び第2ギヤGY2の軸に挿通され、第1ギヤGY1及び第2ギヤGY2を軸支できる。
一対の第2ガイド壁12942bは、その対向する側面の重力方向一端側(重力方向下側)に当接部12942b2が対向方向に突設される。一対の当接部12942b2の対向間の距離寸法は、後述する第1部材12967の短手方向の幅寸法よりも若干大きく設定される。これにより、一対の当接部12942b2の対向間に第1部材12967を配設できると共に、その第1部材12967のスライド変位を案内することができる。
変位部材12966は、正面視縦長矩形の板状体から形成される第1部材12967と、その第1部材12967に変位可能な状態で配設される第2部材12968と、背面ベース941に軸支されると共に第1部材12967に歯合される第1ギヤGY1と、背面ベース941に軸支されると共に第2部材12968に歯合される第2ギヤGY2とを主に備えて形成される。
第1ギヤGY1は、外周面に歯面を備えるギヤであり、上述したように背面ベース941の第1支持部12942k1に軸支されると共に、その歯面が、第1部材12967及び第2ギヤGY2に歯合される。
第2ギヤGY2は、それぞれ大きさの異なる2段のギヤから構成される多段のギヤであり、小径側の小径ギヤGY2aと、大径側の大径ギヤGY2bとを備えて形成される。また、第2ギヤGY2は、上述したように背面ベース941の第2支持部12942k2に軸支されると共に、小径ギヤGY2aの歯面が第1ギヤGY1に歯合され、大径ギヤGY2bの歯面が第2部材12968に歯合される。
第1部材12967は、金属材料から形成されると共に、正面視略中央位置に第2開口12966cが板厚方向に貫通形成される。また、第1部材12967は、第2開口12966cの重力方向他側(重力方向上側)に、第1部材12967の短手方向に沿って延設される一対の摺動溝966a2と、第2開口12966cを挟んだ短手方向両側に円環状に突設される摺動突起12966eと、長手方向に延設される両側面にギア歯面の第3歯面12966fとを備えて形成される。
第2開口12966cは、正面視における内縁の形状が上述した背面ベース941の第2入賞口140の内縁形状よりも大きく設定される。また、第2開口12966cには、重力方向他側(重力方向上側)の内面に第2刃部12966c2を備える。
第2刃部12966c2は、背面ベース941側から後述する第2部材12968側に向かって下降傾斜して形成される。第2開口12966cは、一対の羽部材945が閉鎖された状態において第2刃部12966c2が、第2入賞口140に流入する遊技球の転動通路上に配設され、一対の羽部材945が開放された状態において第2刃部12966c2が、第2入賞口140に流入する遊技球の転動通路の外側に配置される。
摺動突起12966eは、第2部材12968側に突設されると共に、先端が第2部材12968の摺動溝12968bの内側に挿入される。これにより、第2部材12968を第1部材12967に配設できる。
一対の第3歯面12966fは、それぞれ第1ギヤGY1に歯合される。これにより、第1ギヤGY1の第1部材12967が伝達部材965の回転変位に伴ってスライド変位されることで、第1ギヤGY1を回転させることができる。また、上述したように、第1ギヤGY1には、第2ギヤGY2の小径ギヤGY2aが歯合されており、これにより第2ギヤGY2を回転させることができる。
第2部材12968は、金属材料から正面視略H字状の板状体に形成され、一対の延設部分を重力方向(図128(a)上下方向)に向けた姿勢で配設される。また、第2部材12968は、一対の延設部分の対向方向外側にギア歯面の第2歯面12968aと、その第2歯面12968aの延設方向(図128(a)上下方向)に沿って長孔状に板厚方向に貫通形成される摺動溝12968bと、一対の延設部分を連結する連結部分の重力方向他側(重力方向上側)の端面に刃部6683とを備えて形成される。
摺動溝12968bは、上述したように第2歯面12968aの延設方向に沿って長孔状に形成されると共に、内側に第1部材12967の摺動突起12966eが挿入される。よって、第2部材12968は、第1部材12967に対して摺動溝12968bと摺動突起12966eとの隙間の分、重力方向にスライド変位させることができる。
一対の第2歯面12968aは、それぞれ第2ギヤGY2の大径ギヤGY2bが歯合される。よって、第2ギヤGY2が回転されることにより、第2部材12968がスライド変位される。上述したように、第2ギヤGY2は、伝達部材965により第1部材12967がスライド変位されることにより回転される。従って、第2部材12968は、第1部材12967の変位に伴って変位させることができる。
なお、第1部材12967と第2部材12968とは、そのスライド変位の方向が反対に設定されると共に、第2部材12968の変位量が小径の第2ギヤGY2を介する分、大きく設定される。
刃部6683は、第1部材12967側に向かって上昇傾斜して形成され、その上端部が、羽部材945が閉鎖された状態において、第2送球部942cの重力方向一側(重力方向下側)の内面よりも重力方向他側(重力方向上側)に配置される。即ち、第2部材12968は、羽部材945が閉鎖された状態の正面視において、刃部6683が第1部材12967と重なる位置に配置される。
よって、一対の羽部材945が開放する位置から閉鎖する位置まで変位される際に、転動部943a及び第2送球部942cの遊技球の転動通路を横切ると共に互いの縁部どうしを擦接させる第2刃部12966c2及び刃部6683を第1部材12967及び第2部材12968(変位部材12966)が備えるので、第2入賞口140から通路内に不正に挿通された不正物を切断することができる。
例えば、遊技球に糸の先端を接着し、かかる遊技球を第2入賞口140から入球させると共に転動部943a及び第2送球部942cの遊技球の転動通路を通過させ、検出装置SE4の検出位置に遊技球が達した状態で、糸の他端を操作(繰り出し、引き寄せ)して、遊技球を往復させることで、検出装置SE4に複数回検出させる不正行為がある。かかる不正行為に対し、本発明によれば、一対の羽部材945が開放された状態で上述した遊技球が入球されたとしても、一対の羽部材945が開放する位置から閉鎖する位置まで変位され、第2刃部12966c2及び刃部6683が通路部材の通路を横切る際に、遊技球に先端が接着されている糸の途中部分を、一対の第2刃部12966c2及び刃部6683の間に挟み込み、切断することができる。その結果、上述した不正行為を抑制できる。
一方、第2部材12968は、羽部材945が開放された状態において、刃部6683が第2入賞口140に入球した遊技球の転動面(転動部943a)よりも重力方向他側に配置される。上述したように、羽部材945が開放された状態では、第1部材12967の第2刃部12966c2が、第2入賞口140に流入する遊技球の転動通路の外側に配置される。よって、一対の羽部材945が開放された状態では、第2入賞口140に流入する遊技球を刃部6683及び第2刃部966c2の間を通過させることができる。
また、第11実施形態では、第1部材12967及び第2部材12968により、第2入賞口140に入流する遊技球の転動通路を塞ぐことができるので、第2部材12968の変位距離を第10実施形態における第2部材11968よりも少なくすることができる。その結果、第2入賞口140を流入する遊技球の転動通路を短時間で閉鎖することができ、一対の羽部材945の閉鎖したタイミングで流入する遊技球が転動通路内に流入することを抑制できる。
次いで、図129を参照して、第12実施形態における駆動ユニット13960について説明する。上記第6実施形態では、ソレノイド610から羽部材945への駆動の伝達が連結部材964、伝達部材965及び変位部材966の3部材を介す場合について説明したが、第12実施形態では、ソレノイド610から羽部材945への駆動の伝達が1部材で行われる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図129(a)は、第12実施形態における正面ユニット940の背面図であり、図129(b)は、図129(a)のCXXIXb−CXXIXb線における入賞口ユニット930の断面図である。なお、図129(b)では、理解を容易とするために特定入賞口ユニット950がその外形のみ鎖線で図示される。また、第12実施形態では、本体部961aに軸部961bが引き込まれた状態とされる場合に一対の羽部材945が閉鎖状態とされ、本体部961aから軸部961bが張り出した状態とされる場合に一対の羽部材945が開放する状態とされる。
図129に示すように、第12実施形態における駆動ユニット13960は、特定入賞口ユニット950の背面側(図129(b)右側)に配設されると共に、ソレノイド610の軸部961bの軸を重力方向(図129(b)上下方向)に向けた状態で配設される。また、ソレノイド610には、円環部961cに伝達部材13965が連結される。
伝達部材13965は、ソレノイド610側から正面ユニット940側に向かって延設される基部7658と、その基部7658の正面ユニット940側の端部から羽部材945の突起945b側に向けて立設される係合部13965jとを備えて形成される。
基部7658には、係合部13965j側の反対側の端部にソレノイド610の円環部961cが連結される。これにより、ソレノイド610の軸部961bをその軸方向に駆動することで、伝達部材13965をスライド変位させることができる。
係合部13965jは、一対の羽部材945の突起945bと背面視(又は正面視)において重力方向(図129(a)上下方向)に重なる位置に形成される。また、係合部13965jは、その立設寸法が、羽部材945の突起945bを超える長さに設定され、正面視において突起945bと重なる状態とされる。
また、係合部13965jには、その立設先端に側面視略C字状の支持部13965j1が突出される。支持部13965j1は、開口内側の対向間寸法が突起945bの外形の最大寸法よりも大きく設定される。また、一対の係合部13965jの対向方向(図129(a)左右方向)におけるの支持部13965j1の幅寸法は、突起945bの変位距離よりも大きく設定される。よって、支持部13965j1の開口内側に突起945bを配設することができる。
従って、上述したように連結部10965hが重力方向にスライド変位されると、係合部9965jが重力方向にスライド変位され、その変位に伴って突起945bが変位される。突起945bが変位されることにより、羽部材945を開放状態に変位させることができる。
以上のように構成される駆動ユニット13960によれば、一対の羽部材945を駆動する駆動ユニット13960及び板部材951を駆動する駆動ユニット957が板部材951の背面側に配設されるので、一対の羽部材945(第2入賞口140)の背面側にスペースを形成することができる。即ち、駆動ユニット13960及び駆動ユニット957を配設スペースを一対の羽部材945の背面側に集約することで、他の部材や装置を配設するためのスペースを一対の羽部材945(第2入賞口140)の背面側に確保でき、その分、スペースを有効に活用することができる。
次いで、図130及び図131を参照して、第13実施形態における変位部材14966について説明する。上記第6実施形態では、変位部材966の連結孔966b1の内縁形状が伝達部材965の挿入部965eの正面視における外形よりも若干大きく形成される場合について説明したが、第13実施形態では、変位部材14966の連結孔966b1の内縁形状が伝達部材965の外形よりも十分に大きく形成される場合について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図130(a)及び図131(a)は、第13実施形態における入賞口ユニット930の背面図である。図130(b)は、図130(a)のCXXXb−CXXXb線における入賞口ユニット930の断面図であり、図131(b)は、図131(a)のCXXXIb−CXXXIb線における入賞口ユニット930の断面図である。
なお、図130(a)及び図131(a)では、一対の羽部材945の外形が鎖線で図示される。また、図130(a)及び図130(b)では、一対の羽部材945の閉鎖状態が図示され、図131(a)及び図131(b)では、一対の羽部材945の突起945bが切断された場合における一対の羽部材945の開放状態が図示される。さらに、第13実施形態では、第6実施形態よりも特定入賞口65aが第2入賞口140から離間した位置に形成される。
図130(a)及び図130(b)に示すように、第13実施形態における変位部材14966は、正面視縦長矩形の板状に形成されると共に、正面視略中央位置に第2開口966cが板厚方向(図130(b)左右方向)に貫通形成される。
変位部材14966は、長手方向(図130(a)上下方向)一端側(図130(a)上側)から短手方向(図130(a)左右方向)に突出する突出部966aと、長手方向他端側(図130(b)下側)から背面側(背面ベース941側(図85参照))に膨出する膨出部14966bとを備える。
膨出部14966bは、背面側(背面ベース941側)に膨出して形成されると共に、背面視における内側部分に横長矩形の連結孔14966b1が形成される。連結孔14966b1は、後述する駆動ユニット960の伝達部材965の先端(挿入部965e)が挿入される開口であり、内縁の形状が、伝達部材965の先端の外形よりも大きく設定される。
連結孔14966b1は、正面視における内縁の形状が略正方形に設定されると共に、重力方向他側(重力方向上側(図130(a)上側))の内周面の一側被当接部966b2と、重力方向一側(重力方向下側(図90(a)下側))の内周面の他側被当接部966b3とを備える。
連結孔14966b1は、重力方向の対向間(他側被当接部966b3から一側被当接部14966b2)の離間距離L40が、挿入部965eの重力方向の幅寸法L41よりも十分に大きく形成され、一対の羽部材945が閉鎖状態とされる際には、他側被当接部966b3に挿入部965eが当接される。
また、連結孔14966b1は、重力方向の対向間(他側被当接部966b3から一側被当接部14966b2)の離間距離L40から挿入部965eの重力方向の幅寸法L41を引いた寸法が、転動部943aの端面943a1から変位部材14966の第2開口966cの内縁までの離間距離L42から遊技球の直径分を引いた寸法よりも大きく設定される(L40−L41)>(L42−遊技球の直径)。これにより、変位部材14966が重力方向一側(重力方向下側)に落下した場合に、変位部材14966の縁部で第2入賞口140から流入する遊技球の転動通路を塞ぐことができる。
次いで、図131(a)及び図131(b)を参照して、一対の羽部材945の突起945bが切断された場合の説明をする。上述したように、連結孔14966b1の離間距離L40が、挿入部965eの重力方向の幅寸法L41よりも十分に大きく形成され、一対の羽部材945が閉鎖状態とされる際には、他側被当接部966b3に挿入部965eが当接されるので、図131(a)及び図131(b)に示すように、一対の羽部材945の突起945bが切断されると、一側被当接部966b2と挿入部965eとの隙間の分、変位部材14966が重力方向一側に自由落下される。
連結孔14966b1は、上述したように、離間距離L40から幅寸法L41を引いた寸法が、離間距離L42から遊技球の直径分を引いた寸法よりも大きく設定される(L40−L41)>(L42−遊技球の直径)ので、変位部材14966が自由落下されることにより、第2入賞口140から流入する遊技球の転動通路を変位部材14966の縁部により塞ぐことができる。
即ち、第13実施形態では、一対の羽部材945が変位部材14966の摺動溝966a2に非連通とされた状態(図131(a)及び図131(b)に示す状態)では、変位部材14966の一部が、第2入賞口140から流入する遊技球の通路内に配置されるので、例えば、羽部材945の突起945bを切断して羽部材945を外部から強制開放したとしても、第2入賞口140から入球された遊技球の流下を変位部材14966によって規制することができる。
次いで、図132及び図133を参照して、第14実施形態における駆動ユニット15960について説明する。上記第6実施形態では、駆動ユニット960の腕部962eが振分けユニット980の側壁部981bの外側に配置されて位置決めされる場合について説明したが、第14実施形態では、第2腕部15962jが側壁部981bの内側に配置されて位置決めされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図132(a)は、第14実施形態における駆動ユニット15960の側面図であり、図132(b)は、駆動ユニット15960の上面図であり、図132(c)は、駆動ユニット15960の斜視正面図である。図133(a)は、遊技盤13の断面図であり、図133(b)は、図133(a)のCXXXIIIb−CXXXIIIb線における遊技盤13の断面図である。なお、図133(a)は、図120(a)に対応する。
初めに図132を参照して、第14実施形態における駆動ユニット15960について説明する。図132に示すように、第14実施形態部おける駆動ユニット15960は、箱形状に形成され、対向して配設される第1収容部15962及び第2収容部963と、第1収容部15962及び第2収容部963の間の空間に配設されるソレノイド610と、そのソレノイド610に連結される連結部材964と、第1収容部15962及び第2収容部963に軸支されると共に連結部材964に連結される伝達部材965とを主に備えて形成される。
第1収容部15962は、無色透明の樹脂材料から形成され、ソレノイド610の一側(図132(a)上側)を覆う覆設部962aと、その覆設部962aから背面ベース941側(図85参照)に突出するガイド部15962bとを備える。
駆動ユニット15960は、箱形状に形成され対向して配設される第1収容部962及び第2収容部963と、第1収容部962及び第2収容部963の間の空間に配設されるソレノイド610と、そのソレノイド610に連結される連結部材964と、第1収容部962及び第2収容部963に軸支されると共に連結部材964に連結される伝達部材965とを主に備えて形成される。
第1収容部962は、無色透明の樹脂材料から形成され、ソレノイド610の一側(図93(a)上側)を覆う覆設部962aと、その覆設部962aから背面ベース941側(図85参照)に突出するガイド部15962bとを備える。
ガイド部15962bは、側面視略L字状に形成される一対の腕部15962eと、その一対の腕部15962eに連結されると共に、正面視門型に形成される壁部962fと、その壁部962fから覆設部962aと反対側(背面ベース941側(図125参照))に突設される突設部962gと、一対の腕部15962eの重力方向他側に位置し壁部962fから突設される第2腕部15962jと、壁部962fを挟んで第2腕部15962jの反対側に突設される第3腕部15962hとを主に備えて形成される。
腕部15962eは、覆設部962aの対向する壁面のそれぞれから背面ベース941側(図85参照)に突出すると共に突出先端側を重力方向他側(ソレノイド610側と反対側)に屈曲する側面視略L字に形成される。また、腕部15962eは、重力方向の突設位置が、駆動ユニット15960及び振分けユニット970が組み合わされた状態において、振分けユニット980の側壁部981bの下方に設定される。
第2腕部15962jは、壁部962fの内縁部に連結されて形成されており、その一対の対向間の距離寸法L43が、一対の腕部962eの対向間における幅寸法よりも小さく設定されると共に、遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第2腕部15962jは、重力方向の距離寸法が振分けユニット980の側壁部981bの重力方向における対向間の寸法よりも小さく設定され、駆動ユニット15960及び振分けユニット980が組み合わされた状態において、側壁部981bの内側に挿入される。
また、一対の第2腕部15962jは、対向方向外側の距離寸法が、側壁部981bの水平方向における対向間の距離寸法と略同一に設定される。これにより、入賞口ユニット930に振分けユニット980(送球ユニット970)を配設する際に、側壁部981bの内側に第2腕部15962jを配置することで位置決めすることができる。
第3腕部15962hは、その対向間における距離寸法が、腕部15962eの対向間における距離寸法と略同一に設定される。また、第3腕部15962hには、第2腕部15962jの背面ベース941側端部に連結される突設部15962h1が形成される。
突設部15962h1は、第2腕部15962jの端部から背面ベース941(図85参照)側への突設距離が、第2凹欠部942c1の凹設寸法と略同一に設定される。また、突設部15962h1は、正面ユニット940と駆動ユニット15960とが組み合わされた状態において、第2凹欠部942c1と対応する位置に形成され、第2凹欠部942c1の内側に配置される。
よって、突設部15962h1及び側壁部981bの転動面981c1の上流端部を、遊技球の通過方向に位置を異ならせて形成されるので、遊技球が底面側の段差を通過するタイミングと側面側の段差を通過するタイミングとを異ならせることができる。よって、これら底面側の段差と側面側の段差との影響を遊技球が同時に受けることを回避し、それ羅の影響を分散させるので、その分、遊技球をスムーズに流下(通過)させることができる。
従って、第14実施形態では、駆動ユニット15960が、正面ユニット940の位置決めと、振分けユニット980の位置決めとを兼用させることができると共に、第2入賞口140から流入する遊技球の通過経路の一部となる。よって、振分けユニット980側も寸法効果または取り付け交差を許容しやすくできる。
次いで、図134(a)を参照して、第15実施形態における振分けユニット980の側壁部16981b及び入賞口ユニット930の第2送球部16942cについて説明する。上記第6実施形態では、側壁部981bの突起981b1が、第2送球部942cの第2凹欠部942c1の内側に配置される場合について説明したが、第15実施形態では、第2送球部16942cの突起16942c2が側壁部16981bの凹欠部16981b2の内側に配置される。上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図134(a)は、第15実施形態における遊技盤13の断面図である。なお、図134(a)は、図120(a)に対応する。図134(a)に示すように、第15実施形態における振分けユニット980の側壁部16981bは、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板に装着された状態において、立設先端面が入賞口ユニット930の第2送球部16942cの先端部と当接する寸法に形成される。
また、側壁部16981bは、立設先端面に立設基端側に凹設される凹欠部16981b2を備える。凹欠部16981b2は、転動面981c1から重力方向へ遊技球の半径分離間する位置に形成されると共に、側面視においてその凹設形状が後述する第2送球部16942cの突起16942c2の側面視形状と略同一に設定される。
これにより、転動部943aの端面943a1から貫通孔981cの転動面に遊技球が遊技球が送球される場合に、遊技球が転動部943aと貫通孔981cとの間に挟まりにくくできる。なお、転動部943aの端面943a1から貫通孔981cの転動面981c1に遊技球が送球される場合についての詳しい説明は後述する。
また、凹欠部16981b2は、側面視において略台形に凹設されており、側壁部16981bの立設基端側の内面が、遊技球の転動方向に沿って下降傾斜して形成される。これにより、貫通孔981cの転動面を転動する遊技球が、その遊技球の転動経路の切り替わり部分で上方にバウンドすることを抑制できる。
即ち、第15実施形態では、凹欠部16981b2の凹設先端面が、遊技球の通過方向に沿って下降傾斜して形成されるので、凹欠部16981b2の凹設先端面に衝突した遊技球を転動面981c1(底面)側へ押し付けることができる。従って、凹欠部16981b2の凹設先端面で遊技球が跳ね上げられて、バウンドすることを抑制できる。その結果、遊技球をスムーズに通過(流下)させやすくすることができる。
突起16942c2は、第2送球部16942cの突設先端面から突出して形成されると共に、側面視における外形が側壁部16981bの凹欠部16981b2と略同一に設定される。これにより、入賞口ユニット930の転動部943aの端面943a1を転動する遊技球が、振分けユニット980の転動面981c1に送球される場合に、その遊技球が振分けユニット980の凹欠部16981b2の内側に挟まることを抑制できる。その結果、入賞口ユニット930の転動部943aから振分けユニット980の転動面981c1へ、遊技球をスムーズに通過(流下)させやすくすることができる。
また、第15実施形態では、側壁部16981bの凹欠部16981b2及び転動面981c1の上流端部とが、遊技球の通過方向に位置をことならせて形成されるので、遊技球が底面側の段差を通過するタイミングと側面側の段差を通過するタイミングとを異ならせることができる。よって、これら底面側の段差と側面側の段差との影響を遊技球が同時に受けることを回避し、それらの影響を分散させられるので、その分、遊技球をスムーズに流下(通過)させることができる。
さらに、第15実施形態によれば、遊技球の転動方向の下流側に凹欠部16981b2が形成され、上流側に突起16942c2が形成されるので、第2送球部942cの側面下流端及び転動部943aの底面下流端を、側壁部16981bの側面上流端及び底面上流端に近接させることができる。即ち、第2送球部942cの側面上流端が、転動部943aの底面上流端に対して、遊技球の通過方向下流側に位置を異ならせて形成される場合に、側壁部16981bの側面上流端に遊技球が達するまでの間、第2送球部942cの突起16942c2により、遊技球を案内できる。よって、遊技球をスムーズに流下(通過)させることができる。
一方で、突起16942c2は、比較的剛性が弱く、折損の恐れがあるところ、第15実施形態によれば、突起16942c2の遊技球の通過方向上流側に形成されるので、突起16942c2が折損した場合であっても、側壁部16981bの底面上流端と、側面上流端とを遊技球の通過方向に位置を異ならせた状態を維持でき、遊技球が底面側の段差を通過するタイミングと側面側の段差を通過するタイミングとを異ならせることができる。よって、これら、底面側の段差と側面側の段差との影響を遊技球が同時に受けることを回避し、それ羅の影響を分散させられるので、その分、遊技球をスムーズに流下(通過)させることができる。
また、突起16942c2が、入賞口ユニット930側に、凹欠部16981b2が振分けユニット980側にそれぞれ形成されるので、突起16942c2に凹欠部16981b2の側面が当接されることで、転動部943aに対する振分けユニット980の重力方向上側への位置ずれを規制できる。即ち、転動部943aの底面下流端よりも、側壁部16981bの底面上流端が高い位置となる段差では、遊技球が乗り上げる際に跳ね上げられやすいため。逆の段差と比較して、遊技球のスムーズな流下(通過)を阻害しやすい。よって、側壁部16981bの底面上流端が、転動部943aの底面下流端よりも重力方向上側に位置ずれすることを規制できることが、遊技球のスムーズな流下に特に有効となる。
次いで、図134(b)を参照して、第16実施形態における振分けユニット980の側壁部17981b及び入賞口ユニット930の第2送球部17942cについて説明する。上記第6実施形態では、側壁部981bの突起981b1及び第2送球部942cの第2凹欠部942c1の端部が側面視において遊技球の転動方向に対し略直交する方向に形成される場合について説明したが、第16実施形態では、第2送球部17942c及び側壁部17981bの端部が側面視において傾斜して形成される。上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図134(b)は、第16実施形態における遊技盤13の断面図である。なお、図134(b)は、図120(a)に対応する。図134(b)に示すように、第16実施形態における振分けユニット980の側壁部17981bは、その立設先端の先端面17981b3が、基端側から先端側に向かって下降傾斜して形成される。言い変えると、先端面17981b3が、側壁部17981bの転動面981c1の遊技球の転動方向に沿って上昇傾斜して形成される。
一方、入賞口ユニット930の第2送球部17942cは、その突設先端面の先端面17942c3が、転動部943aの遊技球の転動方向に沿って上昇傾斜して形成される。また、第2送球部17942cの先端面17942c3は、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板に装着された状態において、上述した側壁部17981bの突設先端の先端面17981b3と略平行な状態で配設される。
よって、側壁部17981bの側面上流端(先端面17981b3)を遊技球の通過方向に対して傾斜させることができるので、側壁部17981bの側面上流端が遊技球の通過方向に対して直交して形成される(第6実施形態)の場合と比較して、側壁部17981bの側面上端面に衝突した遊技球を傾斜に沿って滑らせて跳ね返され難くできる。その結果、遊技球をスムーズに通過(流下)させやすくすることができる。
また、側壁部17981bの側面上流端(先端面17981b3)の全体が傾斜して形成されるので、例えば第15実施形態のように、凹欠部16981b2を有する形状に形成される場合と比較して、応力集中の発生を抑制して、側壁部17981bの耐久性を確保できる。また、側壁部17981bを樹脂材料から形成する場合に、その射出成型金型のキャビティ(空洞部分)の形状変化を緩やかとできるので、気泡だまり(エア噛み)や充填不良を抑制して成形性の向上を図ることができる。
次いで、図135から図137を参照して、第17実施形態における変位部材18966について説明する。上記第6実施形態では、変位部材966は、第2入賞口140から入球される遊技球の転動通路上に配置されない場合について説明したが、該18実施形態における変位部材18966は、第2入賞口140から入球される遊技球の転動通路上に配置される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図135(a)、図136(a)及び図137(a)は、第17実施形態における入賞口ユニット930を背面視した模式図であり、図135(b)は、図135(a)のCXXXVb−CXXXVb線における入賞口ユニット930の断面模式図である。図136(b)は、図136(a)のCXXXVIb−CXXXVIb線における入賞口ユニット930の断面模式図である。図137(b)は、図137(a)のCXXXVIIb−CXXXVIIb線における入賞口ユニット930の断面模式図である。
なお、図135では、一対の羽部材945の閉鎖状態が図示され、図136では、一対の羽部材945の開放状態が図示され、図137では、一対の羽部材945が強制的に開放された状態が図示される。また、図135(a)、図136(a)及び図137(a)では、一対の羽部材945、変位部材18966及び第2入賞口140のみが図示される。図135(b)、図136(b)及び図137(b)では、一対の羽部材945、背面ベース941、正面ベース943、変位部材18966、伝達部材19958及びソレノイド961のみが模式的に図示される。
図135に示すように、第17実施形態における変位部材18966は、第6実施形態における変位部材966に比べて、外形が重力方向(図135(a)上下方向)に大きく形成される。変位部材18966の摺動溝18966aは、背面視において略L字に屈曲する形状に形成され、重力方向に延設される非伝達部18966a6と、その非伝達部18966a6の重力方向下方の端部から左右方向中央側に屈曲して延設される伝達部18966a7とを備える。
また、変位部材18966は、一対の羽部材945が閉鎖状態とされる場合に、貫通孔966c1が第2入賞口140よりも重力方向下側に配置される。これにより、一対の羽部材945が閉鎖状態とされる場合は、第2入賞口140を通過する遊技球が転動部943aから送球ユニット970の貫通孔981cに流入することを規制できる。
さらに、変位部材18966は、貫通孔966c1の重力方向上側の内周縁に下方に向かうに従って正面側に傾斜する刃部1896gを備える。刃部1896gは、正面側が転動部943aの突出先端部および第2送球部942cの突出先端部に当接される。即ち、背面視において、一対の羽部材945が閉鎖状態とされる場合、刃部1896gと転動部943a及び第2送球部942cとが重なる位置に配置される。
また、第17実施形態における伝達部材18958は、第1実施形態に比べて、ソレノイド961が駆動された場合に先端部965a側の回転範囲が大きく設定される。即ち、先端部965a側の重力方向への変位寸法が大きく設定されており、その変位寸法が、第2入賞口140の重力方向の開口寸法より大きく設定される。
従って、図136に示すように、ソレノイド961が駆動された場合に、刃部1896gを第2入賞口140の上方に配置できると共に、背面視において変位部材18966の貫通孔966c1の内側に第2入賞口140の開口を配置することができる。
また、変位部材18966が伝達部材18958の変位により重力方向に変位することにより、突起945bが、摺動溝18966aの内側を摺動される。突起945bの摺動溝18966a内部の摺動は、初めに突起945bが非伝達部18966a6の内部を摺動した後に、伝達部18966a7の内部を摺動される。この場合、非伝達部18966の延設方向と変位部材18966の変位方向とが略同一に設定されるので、突起945bは、非伝達部18966a6を摺動する場合に、背面ベース942に対する位置が変更されることなく非伝達部18966a6の内側を摺動する。一方、突起945bは、伝達部18966a7を摺動する場合に、伝達部18966a7の内周縁により押し出されて変位(回転)される。これにより、一対の羽部材945は、開放状態に変位れる。
従って、一対の羽部材が開放状態とされる場合には、第2入賞口140を通過する遊技球が転動部943aから送球ユニット970の貫通孔981cに流入することを許容できる。
一方、一対の羽部材945が開放状態から閉鎖状態とされる場合には、羽部材945の突起945bが伝達部18966a7を摺動することで、羽部材945が回転される。この場合、上述したように、変位部材18966は、刃部18966gが第2入賞口140の内周縁よりも重力方向下方に配置されると共に、正面側の側面が転動部943aの突出先端部および第2送球部942cの突出先端部に当接されるので、重力方向下側に変位する動作に伴って、刃部18966gと転動部943a及び第2送球部942cとの間で、第2入賞口140からの遊技球の転動経路上に挿入される付勢物を切断することができる。
即ち、変位部材18966は、一対の羽部材945を開放させる位置から、閉鎖させる位置まで、変位部材18966がスライド変位された際に、第2入賞口140から流下する遊技球の通路を横切ると共に、その通路の縁部(転動部943a及び第2送球部942cの端部)にさ擦接する刃部18966gを備えるので、第2入賞口140から遊技球のる通路内に不正に挿通された付勢物を切断することができる。
例えば、遊技球に糸の先端を接着し、かかる遊技球を第2入賞口140から入球させると共に、転動部943aを通過させて、その遊技球の通過を検知する検出装置SE4(図114参照)に遊技球が達した状態で、糸の他端を操作(繰り出し、引き寄せ)して、遊技球を往復させることで、検出装置SE4に複数回検出させる不正行為がある。かかる不正行為に対し、第17実施形態によれば、羽部材945が開放された状態で上述した遊技球が入球されたとしても、羽部材945を開放させる位置から閉鎖させる位置まで、変位部材18966がスライド変位され、刃部18966gが転動部943a及び第2送球部942cの通路を横切る際に、遊技球に先端が接着されている糸の途中部分を刃部18966gと共に変位させて転動部943a又は第2送球部942cの縁部へ押し付けると共に、18966gが転動部943a及び第2送球部942cの縁部に擦接される際に、18966gと転動部943a又は第2送球部942cの縁部との間で糸を切断することができる。その結果、上述した不正行為を抑制できる。
また、図137に示すように、一対の羽部材945の突起945bが遊技者の不正行為により切断され(折られ)た場合には、第2入賞口140に対して、変位部材18966の貫通孔966c1が重力方向下側に配置される。これにより、遊技者が一対の羽部材945を強制的に開放状態とさせた場合に、第2入賞口140から入球される遊技球の流下を変位部材18966によって規制することができる。
なお、この場合、伝達部材18965は、ソレノイド961にコイルばねSP1(図94参照)により、先端部18965a側が重力方向下方に変位する方向に付勢される。即ち、変位部材18966が第2入賞口140を塞ぐ方向に付勢される。従って、一対の羽部材945が遊技者の不正行為により強制的に開放された場合に、変位部材18966も同様に強制的に開放されることを抑制できる。その結果、遊技者の不正行為を抑制することができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記第1実施形態では、下側規制部175及び上側規制部176が被駆動部材163の変位方向で対向配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下側規制部175や上側規制部176が、被駆動部材163の回転変位径方向で被駆動部材163に対向配置するよう構成しても良いし、回転軸方向(被駆動部材163が変位する平面と交差する方向)で被駆動部材163に対向配置するよう構成しても良い。この場合、被駆動部材163との間で摩擦力を生じさせ、その摩擦力により被駆動部材163を減速させることができる。
上記第1実施形態では、下側規制部175及び上側規制部176が被駆動部材163の変位方向で常に対向配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下側規制部175又は上側規制部176の少なくとも一方を被駆動部材163の変位方向と交差する方向に変位可能に構成し、被駆動部材163を減速させたいタイミングでは被駆動部材163の変位方向で被駆動部材163に対向配置させ、それ以外のタイミングでは被駆動部材163の変位軌跡外に退避させるように構成しても良い。これにより、被駆動部材163の変位態様を複数種類構成することができる。
上記第1実施形態では、下側規制部175及び上側規制部176の配置の一例について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、被駆動部材163の変位方向視で重なる位置に配置しても良いし、上側規制部176の配置を、下側規制部175よりも被駆動部材163の回転軸側に寄せて配置しても良い。
また、下側規制部175及び上側規制部176が被駆動部材163の回転軸の左右片側に配設される場合に限らず、下側規制部175及び上側規制部176の一方が左側に、他方が右側に配設されるようにしても良い。
上記第1実施形態では、電磁ソレノイドSOL1が、被駆動部材163を引き上げる方向に電磁力を作用させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電磁ソレノイドSOL1を被駆動部材163の下側に配置して、押し上げる電磁力を発生させるよう構成しても良い。また、電磁ソレノイドSOL1の代わりに、回転式のモータを利用して被駆動部材163を駆動するようにしても良い。
上記第1実施形態では、発光手段181がLEDで構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、豆電球でも良いし、レーザでも良いし、イルミネーションプレートでも良いし、小型の液晶表示面でも良い。
上記第1実施形態では、電磁ソレノイドSOL1と電飾基板180との間に隙間を構成することで、電飾基板180への振動伝達を抑える場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、隙間を詰める代わりに、高減衰の樹脂部材を電磁ソレノイドSOL1と電飾基板180との間の領域に充填するようにしても良い。この場合、電磁ソレノイドSOL1及び電飾基板180の配置スペースを狭めながら、振動伝達を抑えることができる。
また、逆に、電磁ソレノイドSOL1と電飾基板180との間の隙間を詰め、樹脂部材の充填は省略しても良い。この場合、電磁ソレノイドSOL1の駆動時における電飾基板180への振動伝達を促すことができるので、電飾基板180を振動に合わせて、発光手段181から照射される光を揺らす演出を行うことができる。
上記第1実施形態では、光透過孔60cが一つの大開口で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、パンチングメタルのように、貫通孔が複数構成されるものでも良い。
上記第1実施形態では、外側部94が薄肉板状に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、部分的に開口形成されても良い。この場合、発光手段181の配置に正面視で合致する位置に開口形成することで、発光手段181を正面視で露出させながら、電飾基板180の板部が視認されることを回避することができる。
上記第1実施形態では、昇降板430への駆動力伝達がアーム部材414により生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、無端状のギアベルトで伝達しても良いし、カム機構で伝達しても良い。
上記第1実施形態では、補助アーム部材444の回転角度幅が、水平に対して上下対称に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上下で非対称でも良いし、水平に対して上下一方にのみ回転角度幅を有する構成としても良い。
上記第1実施形態では、長孔部406が水平方向に長い長孔である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、水平方向に対して傾斜して延びる長孔でも良いし、湾曲形状の長孔でも良いし、鉛直方向に延びる部分を備える長孔でも良い。これにより、補助アーム部材444の設計自由度を向上することができる。
上記第1実施形態では、一対の羽状部材460が互いに当接し対称形状を構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、設計段階から若干の隙間を設けるように構成しても良い。これにより、羽状部材460同士が当接する場合に比較して、羽状部材460に当接により蓄積される疲労を省くことができるので、羽状部材460の耐久性を上げることができる。なお、この隙間を通して、隙間の背面側に形成される模様や発光手段から照射される光を遊技者が視認可能に構成しても良い。
上記第1実施形態では、一対の羽状部材460の変位量および変位速度が同等である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、羽状部材460の円弧状ギア462の大きさ左右で異ならせてギア比を調整することで、一対の羽状部材460の変位量や変位速度が異なるように構成しても良い。これにより、一対の羽状部材460同士で当接する側の形状を左右対称とする場合であっても、当接面S1を左右中心位置からずらすことができる。
上記第1実施形態では、当接時の羽状部材460が左右対称形状で視認される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ほとんどの部分は左右対称としながら、部分的に異なるように構成しても良い。例えば、一部形状が左右非対称であったり、正面側に描かれる模様が左右非対称であったり、色彩は左右非対称であったりするように構成しても良い。この場合であっても、羽状部材460の大部分の形状が左右対称であるので、羽状部材460が左右対称形状を構成しているように遊技者に思わせることができる。
上記第1実施形態では、互いに当接する羽状部材460が回転変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一対の羽状部材460を左右方向に平行移動して当接するように構成しても良い。この場合において、背面ケース310の形状との対比から、左側の羽状部材460を右側の羽状部材460に比較して大面積で形成することができる。
上記第1実施形態では、昇降板430に支持され変位する羽状部材460同士が一連の形状を構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、羽状部材460と、不変の所定部材(例えば、遊技盤13のセンターフレーム86)とが、組み合わさって、正面視で対称形状を構成するようにしても良い。これにより、羽状部材460のみで完結する形状と、他の所定部材および羽状部材460で完結する形状とを遊技者に視認させることができるので、羽状部材460の演出効果を向上することができる。
上記第1実施形態では、発光演出部材LA1、羽状部材460及び補助部材470により「貝および真珠」の概念を想起させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発光演出部材LA1が壁に打ち込まれた弾痕を表す装飾模様を付され、羽状部材460及び補助部材470が弾丸の勢いを表す形状から構成されても良い。この場合、羽状部材460の形状は流用し、発光演出部材LA1と補助部材470とを、装飾または形状違いの別部材で構成することで実現可能である。即ち、一部の部材を流用して新たに別の動作ユニットを構成することができるので、開発コストを低減することができる。
上記第1実施形態では、昇降板430が直線方向にスライド変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、補助アーム部材444の筒状部444dが配置固定で軸支されるよう構成され、昇降板430を、この軸を中心とした円弧軌道で変位可能に構成しても良い。
また、補助アーム部材444の筒状部444dが配置固定で軸支されるよう構成される場合において、昇降板430が依然として一方向に変位するよう構成しても良い。この場合、円弧状ギア部444bの左右方向の変位を相対変位部材442側で吸収できるように、相対変位部材442を左右方向にもスライド移動可能に構成しても良い。例えば、相対変位部材442を左右方向の円弧状ギア部444b側に付勢する付勢手段や電磁ソレノイドを設けることで、円弧状ギア部444bと相対変位部材442との歯合の安定化を図ることができる。
なお、円弧状ギア部444bを剛性の高い樹脂材料で構成するのではなく、ギアベルト等で用いられる柔軟な樹脂材料で構成しても良い。この場合、材料の変形により、円弧状ギア部444bの左右方向の変位を吸収することができる。
上記第1実施形態では、センターフレーム86により遊技盤13の中央部に区画される窓部が略左右対称形状で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、羽状部材460の大小関係に対応して、センターフレーム86の内側の形状を左右非対称の形状としても良い。これにより、遊技盤13に対して、遮蔽により背面側を隠す機能と、遊技領域の形状の自由度を向上させる機能とを付与することができる。
上記第1実施形態では、電飾基板777が光透過孔60cの背面側に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、光透過孔60cの内側に電飾基板777を配設するようにしても良い。この場合、電磁ソレノイドSOL2と流下面構成部材91の外側部94とを近接させることができるので、外側部94を薄肉に形成することで、電磁ソレノイドSOL2の励磁に対応して外側部94を振動させる(波打たせる)演出を実行することができる。
換言すれば、第2動作ユニット700の電磁ソレノイドSOL2の駆動により変位して遊技者に視認させる部分を、センターフレーム86に区画される窓部の内側のみでは無く、窓部の外側にも配置することができる。
上記第1実施形態では、電飾基板777の正面側に配置されるベース板60の凹設部を遊技領域の左右下方に配置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技球の流下に影響を与えない範囲として、センターフレーム86の内方に配置しても良いし、外レール62の下方に配置しても良いし、特定入賞口65aの開口内側に配置しても良い。
上記第1実施形態では、仕切り部材708が撓みの少ない樹脂材料(高剛性の樹脂材料)から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、仕切り部材708をゴム性の樹脂材料から形成しても良い。この場合、仕切り部材708の弾性変形で、電飾基板705や、薄膜カバー部材712に仕切り部材708を密着させることができ、光の漏れを防止することができる。
上記第1実施形態では、左右の負荷部材761が板状変位部材730と当接する位置と基準O1との距離が同じであり、左右の負荷部材761が基準O1の正面側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右で、負荷部材761が板状変位部材730に当接する位置と、基準O1との距離を異ならせても良いし、左右で負荷部材761の基準O1に対する配置を異ならせても良い。
上記第1実施形態では、負荷部材761の前傾斜部分が前蓋部材770と衝突しないように構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、負荷部材761が正面側に変位することで、前蓋部材770の上壁と負荷部材761の前面が当接する位置関係で構成しても良い。この場合、板状変位部材730から与えられる負荷により負荷部材761が正面側へ位置ずれしたとしても、前蓋部材770から与えられる負荷により負荷部材761の配置を背面側へ戻すことができる。
上記第1実施形態では、左右の駆動ユニット760が略対称形状とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右の負荷部材761の縦棒状延設部761cの密度を(局所的に)変えたり、太さを変えたり、材料を変える等の手法により、負荷部材761の撓み易さを変えても良い。これにより、左右の駆動ユニット760を片側励磁状態とする場合に、左右いずれの駆動ユニット760を駆動したかによって、板状変位部材730が停止する姿勢を変化させることができる。即ち、板状変位部材730を停止させることができる姿勢を増やすことができる。
なお、左右の駆動ユニット760を左右で略対称の構成としたままであっても、板状変位部材730の被負荷部733の形状を左右非対称とすることで(例えば、片側の被負荷部733の下底側に余分な肉厚を設けることで)、同様の効果を奏することができる。
上記第1実施形態では、板状変位部材730が回転変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状変位部材730が姿勢を維持したまま上下変位するよう構成される一方、負荷部材761が姿勢変化するよう構成しても良い。これにより、板状変位部材730が姿勢変化しない場合であっても、負荷部材761が撓みやすい状態(姿勢)と、負荷部材761が撓み難い状態(姿勢)とを構成することができる。
上記第1実施形態では、張出部761dが負荷部材761と一体で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、張出部761dが縦棒状延設部761cに締結、係合、嵌合、嵌め込み、挟み込み等の組み付け態様で組み付け可能に構成されることで、張出部761dと縦棒状延設部761cとが別体で構成されても良い。この場合、張出部761dが破損した場合であっても、縦棒状延設部761cまでの負荷部材761は流用し、張出部761dだけ交換すれば足りるので、負荷部材761全体を取り替える場合に比較してメンテナンス用の部材の大きさを小さくすることができる。
上記第1実施形態では、前小受け部735aと後小受け部735bとが板状変位部材730の回転軸方向に位置ずれする場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状変位部材730の回転軸と直交する同一平面と重なる位置に前小受け部735a及び後小受け部735bの中心が配置されるようにしても良い。
この場合、板状変位部材730の回転変位に基づく前小受け部735a及び後小受け部735bの間隔の変化の方向を板状変位部材730の回転軸に対して直交させることができるので、前小受け部735a及び後小受け部735bの間隔の変化を、中空部材740の姿勢変化では無く、中空部材740の保持力の変化に利用することができる。
即ち、板状変位部材730の傾斜角度が大きくなることで前小受け部735a及び後小受け部735bの間隔が機械的に狭まることを、中空部材740の前後一対の突設柱状部743を前後から挟み込むことに利用することができる。従って、板状変位部材730の姿勢変化に伴って、中空部材740の保持態様(振動のし易さ)を変化させることができる。
なお、この場合において、前小受け部735a及び突設柱状部743のクリアランスと、後小受け部735b及び突設柱状部743のクリアランスとを同等に構成するようにしても良い。この場合、前後の突設柱状部743の保持力が同様に上昇することから、クリアランスが小さい側を軸としてクリアランスが大きい側が回転することが許容される場合に比較して、中空部材740の姿勢変化を抑制し易くすることができる。
上記第1実施形態では、中空部材740の一対の突設柱状部743を支持する小受け部735が、板状変位部材730に基準O1の前後に分けて配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、基準O1の前側または後側に一対がまとめて配置されるようにしても良い。
上記第1実施形態では、板状変位部材730が回転変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状変位部材730が左右方向にスライド変位するように構成し、小受け部735をスライド方向に対して傾斜する方向に長尺の長溝として構成しても良い。この場合、前小受け部735aの傾斜と、後小受け部735bの傾斜とをスライド方向に対して反対側に設けることで、板状変位部材730のスライド変位に伴い、突設柱状部743と小受け部735とのクリアランスを変化させることができる。これにより、中空部材740の保持態様(振動のし易さ)を変化させることができる。
上記第1実施形態では、板状変位部材730が左右方向軸で軸支され変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、板状変位部材730が前後方向軸でも回転可能な態様(例えば、ボールジョイントでの支持態様)で支持しても良い。
また、板状変位部材730の被負荷部733の上側に、板状変位部材730の板本体(左右方向に亘って構成される長板)が別体として乗るように支持しても良い。この場合、駆動ユニット760の駆動態様に応じて、板状変位部材730の板本体に、左右方向軸の回転および前後方向軸の回転の組み合わせ変位を生じさせることができる。
また、軸支部が上下に長い長孔形状に構成されることで、板状変位部材730の被軸支部731の上下方向変位を許容するように構成しても良い。この場合、板状変位部材730の回転動作のみでなく、左右の被軸支部731の一方が他方に比較して上下変位することで生じる板状変位部材730の姿勢変化(前後方向の軸を中心とする回転変位に対応)も生じさせることができるので、板状変位部材730の変位に伴う中空部材740や可変装飾部材750の変位態様をより多様化させることができる。
上記第1実施形態では、負荷部材761の撓みを、板状変位部材730の姿勢変化に基づく負荷方向の変化によって生じさせる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、負荷部材761の変位方向に沿って延びる芯材が負荷部材761に通されるように構成し、負荷部材761の変位に伴って、芯が負荷部材761に入る長さが変化するようにしても良い(芯材が抜けていくように構成しても良い)。この場合、芯材の有無に基づき負荷部材761の剛性変化が生じるので、この剛性変化に伴い、負荷部材761の撓みを生じさせるようにしても良い。
上記第2実施形態では、被駆動部材163を減速させる部分の一方が変位可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、被駆動部材163を減速させる部分の双方が変位可能に構成されても良い。この場合において、減速させる部分の双方(下側規制部175及び上側規制部176)を同一部材で構成しても良い。
上記第2実施形態では、付勢バネSP21が被駆動部材163に直接的に当たるのではなく、間に当接部材2190を介して付勢力を与える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、付勢バネSP21が被駆動部材163に直接接触するように構成しても良い。
また、この場合において、付勢バネSP21の被駆動部材163に対する配置(接触箇所)は任意に設定可能である。例えば、(単数または複数の)付勢バネSP21と被駆動部材163との接触箇所を複数設けるようにしても良く、その接触箇所を、電磁ソレノイドSOL1を挟んで回転軸側と回転先端側とに分けて構成しても良い。
上記第3実施形態では、長孔部3406の形状を昇降板430の変位方向に延ばすことで、昇降板430の変位中であっても補助アーム部材444の姿勢が維持される区間を構成することで、その区間における補助アーム部材444の下流側への駆動力伝達を遮断する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、円弧状ギア部444bと回転ギア441との間に滑り部(ギア歯が歯合していない角度領域)を設けて、円弧状ギア部444bが回転しても回転ギア441が回転しない区間を構成することで補助アーム部材444の下流側への駆動力伝達を遮断するようにしても良い。
上記第3実施形態では、昇降板430に対する相対変位部材442の変位幅がアーム付き回転ギア3441のアーム先端の上下位置に対応する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、アーム付き回転ギア3441が全周にギア歯が形成されるギアでは無く、部分的に張出部が形成されカムとして機能可能に構成され、張出部が相対変位部材442に負荷を与えることで相対変位部材442を変位させるよう構成しても良い。この場合、昇降板430に対する相対変位部材442の変位態様(変位速度、変位幅)をアーム付き回転ギア3441の張出部および相対変位部材442の設計次第で任意に設計することができる。
上記第4実施形態では、検出センサ4782を負荷部材4761の一部であって破損し易い薄肉張出部4761gの検出用に構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、厚肉張出部4761fを検出するように構成しても良い。
上記第5実施形態では、調整部材5782が負荷部材761の下側から上方へ張り出し、負荷部材761の前側面を押す場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、調整部材5782が負荷部材761の後側から前方へ張り出すよう構成しても良い。
また、例えば、負荷部材761の肉内側に開口が形成され、その開口に調整部材5782が進入し、芯として機能するようにしても良い。この場合、調整部材5782の進入の度合いにより、負荷部材761の撓み易さを変化させることができる。
上記第1実施形態および第5実施形態では、負荷部材761が電磁ソレノイドSOL2で駆動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、負荷部材761を駆動する駆動装置をDCモータ等のモータで構成しても良い。これにより、瞬間的な駆動態様に限られず、負荷部材761を駆動することができる。
上記第6実施形態では、突起945bが背面視略三角形に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突起945bを背面視円形状に形成しても良い。この場合、羽部材945の開閉動作時における羽部材945のがたつきを抑制でき、羽部材945の開閉動作を安定させることができる。
即ち、突起945bが、背面視異形状に形成される又は摺動溝966a2が湾曲して形成されると、突起945bが摺動溝966a2を摺動することで、摺動溝966a2の内壁と突起945bとの間の隙間が変化する。従って、摺動溝966a2の内壁と突起945bとの間の隙間が大きくされると、その隙間の分、突起945bが動きやすくなり、羽部材945ががたつき易くなる。
これに対して、突起945bを背面視円形状に形成され、摺動溝966a2が変位部材966に直線状に延設されることで、羽部材945の開閉動作時における摺動溝966a2の内壁と突起945bとの隙間を常に一定の大きさとできる。よって、羽部材945のがたつきを抑制でき、羽部材945の開閉動作を安定させることができる。
さらに、摺動溝966a2が、変位部材966の変位方向に直交する方向に沿って直線状に延設されるので、かかる摺動溝966a2の延設長さを最小に抑制できる。その結果、摺動溝966a2の凹設に伴う肉抜き量を抑制して、変位部材966の剛性の向上を図ることができる。
上記第6実施形態では、一対の検出装置SE1の対向間に形成される円環突起953cに螺合されるねじが、入球部材953と通路部材955とを締結固定するためのものである場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ねじが、特定入賞口ユニット950と正面ユニット940とを締結固定するためのものであってもよい。
上記第6実施形態では、特定入賞口ユニット950の一対の検出装置SE1の対向間に形成される円環突起953cは、円環状に突出して形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一対の検出装置SE1の対向間に形成される円環突起953cが、入球部材953から通路部材955側に離間するほど拡径する円錐形状に形成されてもよい。
この場合、特定入賞口65aから駆動ユニット960までの岐路を確保するために、例えば、ドリルなどによる工具が使用されて穴あけ加工などが行われる場合に、ドリルの進行方向を円環突起953cの外周面(拡径部分の外周面)で横方向(円環突起953cの軸から径方向外側に離間する方向)へ位置ずれ(横滑り)させて、配線HS3を損傷(断線)させやすくできる。
上記第6実施形態では、振分けユニット980の正面ベース981の遊技領域(正面)側が遊技者から視認される場合について説明したが、必ずしもこれに限るものではなく、振分けユニット980の遊技領域(正面)側に、文字または図形からなる情報が表示されるシールを添付しても良い。
この場合、振分けユニット980の送球通路TR0、第1通路TR1及び第2通路TR2の遊技領域(正面)側には、文字または図形からなる情報が表示されるので、正面ユニット940(入賞口ユニット930)を通して、振分けユニット980を視認する場合であっても、表示を目印(基準位置)として、振分けユニット980の位置を遊技者に認識させやすくできる。なお、情報表示の形態としては、シールの添付に限らず、インクによる印刷や2色形成などでもよい。
上記第10実施形態では、変位部材11966を第1部材11967及び第2部材11968の2部材から形成して、刃部11968cを第1部材11967よりも変位量の大きい第2部材11968に形成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。変位部材11966を1部材から形成して、その1部材(変位部材11966)の伝達部材965による変位量を大きくすると共に、1部材の貫通孔966c1に刃部11968cを形成してもよい。
上記第11実施形態では、一対の羽部材945が閉鎖状態とされる場合には、駆動ユニット960の軸部961bがコイルばねSP1の付勢力により本体部961aから張り出される状態とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一対の羽部材945が閉鎖状態とされる場合には、本体部961aに電力を付与して、駆動ユニット960の軸部961bが本体部の内側に引き込まれた状態としてもよい。
この場合、変位部材11966,12966には、刃部11968c,6683及び第2刃部12966c2による、転動部943a及び第2送球部942cの転動する遊技球の転動通路の内部に挿入される不正物(糸)の切断を駆動ユニット960(ソレノイド610)の電磁力を利用して行うことができる。即ち、刃部11968c,6683及び第2刃部12966c2の切断方向(挟み込み方向)への変位が、電磁力を利用して行われるので、その駆動力を大きくできる。よって、刃部11968c,6683及び第2刃部12966c2による不正物の切断をしやすくできる。
また、上記第11実施形態では、駆動ユニット960の本体部961aと円環部961cとの間にコイルばねSP1が圧縮状態で配設され、本体部961aに電力が付与(供給)されることで、円環部961cが本体部961a側に変位される(軸部961bが本体部961aの内部に引き込まれる)場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、駆動ユニット960の本体部961aと円環部961cとの間に伸張状態のバネを配設して、本体部961aに電力を付与することで、円環部961cが本体部961aから離間する方向に変位させても良い。
この場合、上記と同様に、刃部11968c,6683及び第2刃部12966c2の切断方向(挟み込み方向)への変位が、電磁力を利用して行われるので、その駆動力を大きくできる。よって、刃部11968c,6683及び第2刃部12966c2による不正物の切断をしやすくできる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<ソレノイドでのバチン防止。クッションの利用>
変位可能に構成される変位手段と、その変位手段の所定方向側に配置され前記変位手段を前記所定方向側へ駆動するための駆動力を発生可能に構成される駆動手段と、前記変位手段の前記所定方向側への変位に対する抵抗を発生可能に構成される抵抗手段とを備え、その抵抗手段は、前記変位手段から前記駆動手段へ与えられる荷重を低減可能に構成されることを特徴とする遊技機A1。
パチンコ機等の遊技機において、電磁ソレノイドにより変位部材を変位させるよう構成される遊技機がある(例えば、特開2015−231434号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、変位部材からの負荷を受け止める箇所が電磁ソレノイドに限定されており、電磁ソレノイドが過大な荷重を受けることになることから、電磁ソレノイドが早期に故障し易いという問題点があった。即ち、遊技機の耐久性を向上する観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、抵抗手段が、変位手段の所定方向側(駆動手段側)への変位に対する抵抗を発生し、変位手段から駆動手段へ与えられる荷重を低減可能に構成されるので、駆動手段が過大な荷重を受けることを回避することができる。これにより、遊技機の耐久性を向上することができる。
なお、駆動手段へ与えられる荷重を低減する態様は、何ら限定されるものではない。例えば、荷重を受ける箇所の個数を増やすことで荷重を分散させて荷重の抑制を図っても良いし、抵抗手段により変位手段と駆動手段との間に隙間を設けるよう構成することで荷重の伝達を遮断するようにしても良いし、抵抗手段が変位手段に作用する面を大きくして単位面積当たりの荷重を減らすようにしても良い。
遊技機A1において、前記変位手段を支持する支持手段を備え、前記駆動手段は、前記抵抗手段に比較して、前記支持手段側に配置されることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、支持手段と駆動手段との間の腕長さ(力のモーメントの腕長さ)を短く抑えることで、抵抗手段に与えられる負荷が過大となることを回避することができる。
遊技機A2において、前記支持手段は、前記変位手段を所定軸で回転可能に支持し、その所定軸は、前記抵抗手段に対して前記所定方向側に配置されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、所定軸と変位手段との間で生じる負荷が、所定方向と交差する方向(左右方向)で反転することを回避することができ、回転軸を覆う部分の擦れが生じる側を片方に限定する(左右に若干変位することを回避する)ことができるので、肉厚に形成する必要がある部分を限定することができる。
遊技機A3において、前記所定方向側への変位に対する負荷を生じる第1抵抗手段と、前記所定方向側の反対方向側への変位に対する負荷を生じる第2抵抗手段とを備え、前記第1抵抗手段と前記第2抵抗手段とは、前記所定方向視で異なる位置に配置される位置ずれ部を備え、前記第1抵抗手段は、前記第2抵抗手段に比較して、前記所定軸から離れて配置されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、第1抵抗手段から変位手段に与えられる負荷を低減することができる。換言すれば、第1抵抗手段からの負荷で変位手段に生じる力のモーメントの腕長さを長くすることで、負荷の大きさを低減することができる。
また、第1抵抗手段と変位手段との間で負荷が生じる箇所と、第2抵抗手段と変位手段との間で負荷が生じる箇所とを分けることで、負荷が集中することを回避することができるので、変位手段の耐久性を向上することができる。
遊技機A3又はA4において、前記変位手段は、所定の変位手段へ駆動力を伝達するための伝達部と、その伝達部の径外方向へ延設される付属部とを備え、前記第1抵抗手段は、前記付属部に当接可能に配設されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A3又はA4の奏する効果に加え、万が一、付属部が破損しても変位手段への駆動力伝達は可能とすることができるので、メンテナンスまでの期間、駆動制御による変位手段の変位を継続できる。
なお、伝達部の態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、駆動手段に近接する位置に構成されるものでも良いし、所定軸に沿って配設される軸部材を基準として、駆動手段が配設される側の軸方向逆側に構成されるものでも良い。
また、軸部材を基準として、駆動手段が配設される側の軸方向逆側の態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、軸部材の所定部と直交する平面に対して表裏反対の位置に駆動手段と伝達部とが構成されるものでも良いし、その平面に対する位置は表裏反対では無い場合であっても、軸部材を介した駆動力の伝達経路において、伝達部が軸部材を挟んで駆動手段の反対側に構成されるものでも良い。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記変位手段に対し、前記所定方向に対する反対方向への負荷を付与する負荷付与手段を備えることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかの奏する効果に加え、変位手段を、駆動変位側から迅速に戻り変位させることができる。
遊技機A6において、前記負荷付与手段は、前記所定方向に対して交差する方向に沿って、前記駆動手段を挟む両側に配置されることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、駆動力の影響で、負荷付与手段の姿勢や、生じる負荷に不均衡が生じることを回避することができる。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、前記抵抗手段は、前記変位手段と当接した状態で反力を付与可能に構成されることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7のいずれかの奏する効果に加え、変位手段と抵抗手段との当接面で摩擦力を生じさせることができる。これにより、変位手段が所定方向以外の方向に位置ずれすることを防止することができる。
遊技機A8において、前記変位手段は外力を受け得るよう構成され、前記変位手段と前記抵抗手段との当接面が前記外力の少なくとも一の方向成分に対して平行に配置されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、変位手段が外力により位置ずれすることを摩擦抵抗により防止することができる。
<ラック、ピニオン、ギアアーム(変則ダブルラック)>
基礎手段と、その基礎手段にスライド変位可能に支持される中間手段と、その中間手段に変位可能に支持される先端側手段と、前記中間手段に支持され、前記中間手段が前記基礎手段に対して変位することに伴い前記中間手段に対して前記先端側手段を変位可能に構成される変位構成手段とを備える遊技機において、前記基礎手段は、前記中間手段の変位態様と非対応に変位可能に構成されることを特徴とする遊技機B1。
パチンコ機等の遊技機において、複数のラックでピニオンを挟むように配置する構造を備える遊技機がある(例えば、特開2016−153095号公報を参照)。この構造によれば、ピニオンの回転に伴いラックが逆方向に変位することになるので、一方のラックに対する他方のラックの変位速度を高くすることができ、高速変位する演出体を構成することが可能である。
しかし、上述した従来の遊技機では、固定のラックを隠すために遮蔽部材を別途用意する必要があり、演出体の設計自由度が低下する虞があるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、基礎手段が変位可能に構成されるので、先端側手段や中間手段の変位に合わせて基礎手段を変位させることで、先端側手段や中間手段で基礎手段を隠すことができる。これにより、遮蔽部材を別途用意することを不要とすることができ、先端側手段の設計自由度を向上させることができる。
遊技機B1において、前記基礎手段は、回転可能に構成されることを特徴とする遊技機B2。
ここで、ピニオンを挟む両部材(基礎手段と先端側手段)が平行スライド変位するラックである場合、ピニオンとラックとを同一平面上に配置する場合においては、部材同士の干渉を避けるためラックの変位方向視でラックと重なる位置にピニオンを配置することはできないことから、ラックを配置するためのスペースがピニオンの回転軸に対して交差する方向に嵩むことになり、コンパクトに設計することが困難であるという問題点があった。
加えて、ラックの姿勢を維持しピニオンとの歯合の適正化を図るための支持部を複数点に配設する必要があるので、部材構造の複雑化や組立工数の増加を招く恐れがあるという問題点があった。換言すれば、省スペース化の観点、及び構造簡易化の観点から改善の余地があるという問題点があった。
退避位置において、基礎手段側の張出分と、先端側手段の奥まり分とがスライド変位方向に重なっていたので、退避位置での遮蔽幅が嵩張っていた。
これに対し、遊技機B2によれば、基礎手段が回転変位するよう構成されるので、基礎手段と変位構成手段とを中間手段のスライド変位方向視で重なる位置に配置することができることから省スペース化を図ることができると共に、基礎手段については軸支するための構成を備えていれば足るので、構造簡易化を図ることができる。
また、基礎手段側の張出分を、湾曲を利用して奥側に配置することができるので、退避位置における遮蔽幅を狭くすることができる。
遊技機B2において、前記基礎手段は、一部が前記中間手段に回転可能に支持され、他部を支点に回転することで前記基礎手段の姿勢が前記中間手段のスライド変位方向に沿って反転し、前記他部は、前記スライド変位方向と交差する方向に変位可能に構成されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、基礎手段の一部と変位構成手段とが共に中間手段に支持されることから、基礎手段の一部と変位構成手段との間の負荷伝達を安定させることができる。
また、基礎手段の他部がスライド変位方向と交差する方向に変位することで、基礎手段の一部および他部の変位で変位のバランスをとることができ、基礎手段全体の変位量を(上下左右共に)抑制することができる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記先端側手段が変位範囲の一側(張出側)終端位置に配置された状態において、前記基礎手段は、前記スライド変位の方向に対し交差する方向から姿勢維持のための負荷を受けることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、姿勢維持のための負荷がスライド変位の方向にかけられる場合に比較して、スライド変位に必要な負荷を低減することができる。更に、先端側手段が一側終端位置に配置された状態で基礎手段が姿勢維持されることを利用して、中間手段および先端側手段の配置を安定させることができる。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記先端側手段が変位範囲の他側(退避側)終端位置に配置された状態において、前記基礎手段は、前記中間手段から与えられる負荷が前記基礎手段の変位可能方向を向く姿勢をとることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4のいずれかの奏する効果に加え、基礎手段、中間手段および変位可能手段の始動を滑らかにすることができる。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記先端側手段が変位範囲の他側(退避側)終端位置に配置された状態において、前記基礎手段は、前記中間手段よりも退避位置側に張り出す張出部を備えることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5の奏する効果に加え、遊技者から視認され難い他側(退避側)終端位置において張出部が中間手段からはみ出す構成を採用することで、中間手段の上下寸法を基礎手段の寸法未満に抑えながら、一側(張出側)終端位置において基礎手段を中間手段で目隠しするように構成することができる。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、前記基礎手段は、一部が前記中間手段に回転可能に支持され、前記中間手段または前記先端側手段の少なくとも一方は、前記基礎手段に案内される電気配線が接続されることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B1からB6のいずれかの奏する効果に加え、基礎手段の一部側の変位が抑制されることを利用して、電気配線の通過経路の容易確保および電気配線へかけられる負荷抑制を図ることができる。
遊技機B7において、前記先端側手段は、スライド変位可能に構成され、前記電気配線は、前記先端側手段の外方に配置されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、電気配線に負荷をかけやすいスライド変位で変位する先端側手段に電気配線を接続する場合に比較して、電気配線に与えられる負荷を抑制することができる。
これにより、電気配線にかけられる負荷を小さく保ったまま、先端側手段と、中間手段との動作に生じるずれ量(位置ずれや、速度差等)を大きくすることができる。例えば、電気配線にかけられる負荷を小さく保ったまま、基礎手段を基準に中間手段を駆動する駆動手段と、中間手段を基準に先端側手段を駆動する駆動手段とを別で構成することができる。
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、前記変位構成手段は、前記先端側手段を、前記中間手段の変位量に対応する所定量だけ前記中間手段に対して変位可能に構成されることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B1からB8のいずれかの奏する効果に加え、先端側手段を安定的に高速変位(中間手段よりも高速変位)させることができる。
<左右一対の部材が左右非対称に構成される>
第1相対位置と、その第1相対位置よりも互いに離れて配置される第2相対位置とを変位可能に構成される複数の変位手段を備え、前記複数の変位手段は、前記第1相対位置または前記第2相対位置の少なくとも一方で、一連の所定形状で視認されるよう構成され、前記複数の変位手段は、第1変位手段と、その第1変位手段よりも小さな第2変位手段とを備えることを特徴とする遊技機C1。
パチンコ機等の遊技機において、略同一形状の複数の動作部が近接配置されることで一連の形状を構成する遊技機がある(例えば、特開2016−153095号公報を参照)。この構造によれば、小型の動作部を組み合わせることで簡易に大型の演出体を構成することができることに加え、動作部自体の構成は略同等であるので、組立作業の難易度を下げることができる。
しかし、上述した従来の遊技機では、動作部の形状が略同等に構成されることから、各動作部の変位を実現するために必要な空間が各動作部で共通となることから、限られた空間を利用できるよう設計自由度を向上させる観点から改善の余地があるという問題点があった。
例えば、遊技領域の中央に配置される液晶表示装置などに例示される表示装置の右側を動作部が変位する場合には、表示装置に近い側の方が遊技者からの注目力が高くなるにも関わらず、動作部の変位に必要なスペースは動作部を基準に左右対称となるので、動作部の左側(遊技者の注目力が高い側)の変位可能量が、動作部の右側の変位許容量によって制限されることになるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、一連の形状で視認される第1変位手段および第2変位手段が異なる大きさで構成されることから、第1変位手段および第2変位手段の変位量が同じである場合でも、変位を実現するために必要な空間を異ならせることができるので、限られた空間を良好に利用することができ、設計自由度を向上させることができる。
遊技機C1において、前記第1変位手段および前記第2変位手段は、前記第2相対位置における配置可能領域に応じて外形が設定されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、第2相対位置における配置可能領域の大きさの違いに関わらず、第1相対位置において第1変位手段および第2変位手段で視認させる形状の設計自由度を向上させることができる。
また、遊技盤が光透過性樹脂で形成される場合のように、第2相対位置における領域の装飾を第1変位手段および第2変位手段で代用する場合における装飾性を向上させることができる。
遊技機C1又はC2において、前記複数の変位手段の背面側に配置され、前記複数の変位手段の変位を案内する案内手段を備え、その案内手段と前記変位手段間位置とは、所定方向視で位置ずれするよう構成されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、案内手段が複数の変位手段の隙間から視認されることを回避することができる。これにより、代わりに、隙間から案内手段以外の装飾部分を視認させるようにする等、隙間を有効活用するように構成することができる。
遊技機C3において、前記案内手段は所定方向に変位可能に構成され、前記複数の変位手段の間の位置は、前記案内手段の中央を通り前記所定方向に沿う基準線から、前記所定方向視でずれた位置に配置されることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、負荷バランス等を考慮して、複数の変位手段の案内のための案内手段が配置されるであろうと遊技者が予想する部分(基準線に相当)を、複数の変位手段で隠して遊技者から見え難いよう構成することで、意匠性の低下を回避することができる。
遊技機C1からC4のいずれかにおいて、駆動力を発生させる駆動手段を備え、前記第1変位手段は、前記駆動手段の駆動力伝達経路における所定位置に配置され、前記第2変位手段は、前記所定位置よりも前記駆動力伝達経路における下流側に配置されることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C1からC4のいずれかの奏する効果に加え、駆動力伝達経路において下流側へ行くほど部材が小さくなるよう構成することで、駆動力伝達経路中で局所的に過大な負担が生じることを防止することができる。
遊技機C5において、前記駆動手段および駆動力を伝達する伝達手段は、背面ケースの左上部に配設され、前記第1変位手段および前記第2変位手段は、左上部に配設される前記第1変位手段の方が、左上部とは異なる位置に配設される前記第2変位手段に比較して大きく構成されることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、払い出し装置の構成配置から、背面ケースの内部領域として右上部に比較して大きな領域を確保し易い左上部に配置される駆動手段および伝達手段を、同様に左上部に配置される第1変位手段で隠し易くすることができるので、遊技者に駆動手段や伝達手段が視認され難くすることができる。これにより、駆動手段や伝達手段を隠すための別のカバーを構成することを不要とすることができる。
遊技機C5又はC6において、前記第1変位手段は、前記第1相対位置側において、重力が傾倒方向に作用する姿勢とされ、傾倒変位により前記第2変位手段と近接するよう構成されることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C5又はC6の奏する効果に加え、第1変位手段および第2変位手段が当接可能な寸法関係で設定されているが、変位を可能とするためのクリアランス(歯合するギア歯の遊び、案内レールと被案内部との間の隙間等)に収まる位置ずれにより当接せず隙間が生じる場合に、重力による第1変位手段の傾倒変位により隙間を埋め易くすることができる。
これにより、第1変位手段と第2変位手段との間に隙間が生じている状態で維持されることを回避することができるので、第1変位手段と第2変位手段とが当接し一連の形状を構成する場合の意匠性を向上することができる。
遊技機C5からC7のいずれかにおいて、前記第1変位手段および前記第2変位手段の間における前記第2変位手段側を電気配線が通ることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C5からC7のいずれかの奏する効果に加え、過変位が生じ難い第2変位手段側に電気配線を通すことにより、第1変位手段および第2変位手段が過変位を生じた場合に電気配線に生じる負荷を低減することができる。
遊技機C1からC8のいずれかにおいて、前記所定形状は、対称形状から構成され、前記第1変位手段と前記第2変位手段とを分ける割り面を構成する割面構成部は、遊技領域の中央位置から遠い側に配置されることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C1からC8のいずれかの奏する効果に加え、視界から遠い側(遊技者から見え難い側)に非対称形状の割り面が配置されることで、第1変位手段および第2変位手段の見栄えが低下することを回避することができる。
なお、逆側である遊技領域の中央位置側(視界に近い側、遊技者が見易い側)の形状を対称形状とすることで、複数の変位手段の見栄えを向上させることができる。
遊技機C1からC9のいずれかにおいて、前記複数の変位手段は、前記第2相対位置において配置可能領域の寸法が制限される側が、前記第1相対位置において対向配置されることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C1からC9のいずれかの奏する効果に加え、非対称形状から構成される複数の変位手段を、第1相対位置において対称な一連の形状で視認させることを容易とすることができる。
遊技機C1からC10のいずれかにおいて、前記複数の変位手段は、前記第2相対位置から前記第1相対位置への変位が、下降変位から構成される第1変位と、その第1変位とは異なる第2変位とで構成され、変位開始時から所定区間は、前記第2変位は生じないように構成されることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C1からC10のいずれかの奏する効果に加え、複数の変位手段の変位態様を複雑にすることで、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、払い出し装置の形状との関係で、背面ケースの上側内面が左右で上下に位置ずれている場合には、複数の変位手段が背面ケースの上下位置ずれが影響しない程度(所定区間に相当)だけ下降してから第2変位を開始することにより、複数の変位手段の変位が許容される領域を背面ケースの上側内面の上下位置ずれに影響されず平等に形成することができるので、複数の変位手段の変位態様を同じとする場合においても複数の変位手段が背面ケースと衝突することを回避し易くすることができる。
<配置で相対変位を変化させる可動役物>
変位可能に構成される第1変位手段と、その第1変位手段に変位可能に支持される複数の第2変位手段とを備え、前記第1変位手段は、一の前記第2変位手段を支持する第1支持部と、他の前記第2変位手段を支持する第2支持部とを備え、前記第1変位手段に所定の変位が生じることに伴い前記第1支持部に支持される前記第2変位手段に生じる前記第1変位手段に対する変位態様と、前記第1変位手段に所定の変位が生じることに伴い前記第2支持部に支持される前記第2変位手段に生じる前記第1変位手段に対する変位態様とが異なるように構成されることを特徴とする遊技機D1。
パチンコ機等の遊技機において、所定の第1変位手段(351及び352)が変位することに伴い第2変位手段(353)が変位するよう構成される遊技機がある(例えば、特開2015−231434号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第1変位手段と第2変位手段との変位が単調であり、演出効果の観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、第1変位手段が変位することに伴って変位する第2変位手段が、第1支持部に支持されるか、第2支持部に支持されているかで、第1変位手段に対する変位態様を異ならせることができるので、第1変位手段と第2変位手段との変位態様を複雑化することができ、演出効果を向上することができる。
遊技機D1において、前記一の第2変位手段と前記第1支持部との隙間は、前記他の第2変位手段と前記第2支持部との隙間に比較して小さく構成され、前記第1変位手段は、前記第1支持部側の方が、前記第2支持部側に比較して変位量が大きく構成されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、第1変位手段の変位により、第1支持部の隙間が無くなるように構成できるので、変位態様の差を大きくすることができる。
遊技機D1又はD2において、前記第1変位手段に負荷を与えるよう構成される負荷付与手段を備え、前記第1変位手段は、所定方向の一側部を支持され、その一側部の変位可能量と、他側部の変位可能量とが異なるように構成され、前記負荷付与手段は、前記第1変位手段の前記他側部に負荷を与えるよう構成され、前記第2変位手段は、前記一側に配置される一側第2変位手段と、前記他側に配置される他側第2変位手段とを備えることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、負荷付与手段が第1変位手段のどこに負荷を与えるかに関わらず、第2変位手段の変位を、一側に配置されるのか、他側に配置されるのかにより異ならせることができる。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記第1変位手段に負荷を付与可能に構成される負荷付与手段を備え、前記負荷付与手段は、複数位置に配置され、それぞれ独立して前記第1変位手段に負荷を付与可能に構成されることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、負荷付与手段を変位させるための補助駆動手段を不要とすることができる。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて、前記第1変位手段に負荷を付与可能に構成される負荷付与手段を備え、発光面を有する発光基板を備え、前記負荷付与手段は、前記発光基板に少なくとも一部が所定方向視で遮蔽されることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D1からD4のいずれかの奏する効果に加え、発光基板で負荷付与手段を隠すことができる。即ち、発光演出の都合上必要な発光基板を利用して、負荷付与手段が遊技者に視認されることを回避することができる。この場合において、発光基板の発光面から強力な光を照射することにより、発光基板付近の視認性を落とすことができるので、発光基板に所定方向視で遮蔽されていない負荷付与手段の他部についても、遊技者に視認され難くすることができる。
また、発光基板と負荷付与手段とを近接配置する場合は、発光基板へ接続される電気配線の経路を利用して、負荷付与手段を駆動させる駆動装置(例えば、電磁ソレノイド)に電気を供給する電気配線を通すことができるので、別途新たに電気配線を通すための隙間を作ることを不要とすることができる。
遊技機D5において、前記発光基板は、遊技盤の背面側に配設され、その遊技盤は、前記発光基板に対向する位置において対向側が凹設される凹設部を備えることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、発光基板を配設するための領域を遊技盤との間に確保することができると共に、負荷付与手段からの負荷が遊技盤に伝達されることを防止することができる。
遊技機D6において、前記凹設部は、遊技領域の正面視における外形に対して外方に配設されることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、凹設部の正面に形成される膜部材が変位することがあっても、その変位が遊技領域に影響を与えることを回避することができる。
遊技機D1からD7のいずれかにおいて、前記第2変位手段の変位を案内する案内手段を備え、その案内手段は、前記第1変位手段の前記一側に配設されることを特徴とする遊技機D8。
遊技機8によれば、遊技機D1からD7のいずれかの奏する効果に加え、第2変位手段の変位を案内手段で規制することができると共に、案内手段が他側寄りに配設される場合に比較して、案内手段付近における第1変位手段の変位量を低減することができるので、第1変位手段と案内手段との擦れを抑制することができる。
遊技機D8において、前記案内手段を支持する支持板と、その支持板に所定領域を固定される薄膜部材と、その薄膜部材に対して支持板の反対側に配設され発光部を有する発光基板とを備え、前記薄膜部材は、前記案内手段と前記発光基板との間を隙間なく仕切るよう構成されることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D8の奏する効果に加え、薄膜部材で案内手段と発光基板との間を仕切ることで、案内手段の擦れ粉が発光基板側へ進入することを防止することができる。
遊技機D9において、前記薄膜部材は、他の変位手段との接触を回避可能な寸法で構成されることを特徴とする遊技機D10。
遊技機D10によれば、遊技機D9の奏する効果に加え、薄膜部材の剛性を確保することが不要となるので、最大限薄く形成することで、発光基板からの光が薄膜部材で弱められる程度を最小限とすることができる。
<たわみの利用。伝達にこそポイント>
変位可能に構成される変位手段と、その変位手段を変位させる駆動力を発生させる駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記変位手段へ伝達する伝達手段とを備え、その伝達手段は、駆動力の伝達態様を変化させるように状態を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機E1。
パチンコ機等の遊技機において、駆動力を伝達する伝達手段が、変位手段の変形溝に挿通され、伝達手段が変形溝を変位することで変位手段を変位させるよう構成される遊技機がある(例えば、特開2010−234152号公報を参照)。この遊技機によれば、変形溝が伝達手段の変位軌跡に沿って延長して形成されているので、伝達手段の多少の変位過多を吸収することができる。しかし、上述した従来の遊技機では、変形溝が伝達手段の変位過多を吸収するよう構成する関係上、その変形溝を構成する分の肉厚や、寸法長さが余分に必要になるので、変位手段の形状の制限が大きくなる。そのため、変位手段の構成の観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、伝達手段の状態の変化により駆動力の伝達態様を変化可能に構成しているので、伝達手段の変位過多を伝達手段の状態の変化により吸収することができる。従って、変位手段に余分な構成を付加する必要が無くなるので、変位手段の構成を改善することができる。
なお、伝達態様の変化については、なんら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、伝達手段の剛性を変化させたり、伝達手段に与えられる負荷の方向を調整したりすることで駆動力の伝達効率を変化させる態様でも良いし、伝達手段を増減させることで生じる変化でも良い。
遊技機E1において、前記伝達手段の状態の変化は、前記変位手段の変位中に生じることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、伝達手段の状態を変化させるための負荷を変位手段から生じさせることができる。これにより、伝達手段の状態を変化させるための別個の負荷発生源を不要とすることができる。
なお、伝達手段の状態の変化の態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、伝達手段の変形によるものでも良いし、伝達手段の剛性(強度)の変化によるものでも良い。
また、伝達手段の変形の態様としては、曲げや撓みや捻じれ等の弾性的(連続的)な変形や、屈曲や位置ずれ等の境界が生じる変形などが例示される。また、剛性(強度)の変化の態様としては、伝達手段の肉厚が変化する態様や、伝達手段に挿通されている芯が抜ける態様などが例示される。
遊技機E2において、前記伝達手段は、撓みやすさが方向で異なる形状から構成され、前記変位手段が変位に伴い所定の基準位置を通過する前後で、前記変位手段から受ける反力の方向と、撓みやすい方向とがなす角度が変化するよう構成されることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、変位手段から受ける反力の方向が変位手段の変位中に変化することを伝達手段の形状変化に利用することができるので、所定の基準位置を境に、駆動力が主に変位手段を変位させる範囲と、駆動力によって主に伝達手段が撓み変形する範囲とを分けることができる。
遊技機E3において、前記変位手段は、所定の途中姿勢で停止するよう駆動されるものであり、前記伝達手段は、前記変位手段が前記途中姿勢とされる際に、前記変位手段からの反力の方向が、撓みやすい方向に沿うように構成されることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、伝達手段の撓みにより変位手段を途中姿勢にとどめ易くすることができるので、駆動手段の駆動力の発生量や、発生期間を大雑把に設定しても、変位手段を途中姿勢にとどめやすくすることができる。
遊技機E4において、前記駆動手段は、前記伝達手段の前記変位手段を押進する押進部が、撓む前の状態で前記変位手段の途中姿勢における当接位置を通過するように駆動力を発生させるよう制御されることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、変位手段が途中姿勢となった後も、駆動のエネルギーを内在させることができ、これを使い、変位手段を振動させることができる。
即ち、伝達手段が撓みやすい姿勢となっていることから、駆動手段の駆動力を、振動を発生させるための態様で生じさせずとも、撓みを利用した振動を伝達手段に生じさせることができる。これにより、簡単な仕組みで振動を生じさせることができる。
遊技機E1からE5のいずれかにおいて、伝達手段の状態が変化する範囲を設定可能に構成される範囲設定手段を備えることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E1からE5のいずれかの奏する効果に加え、範囲設定手段によって伝達手段の状態が変化する範囲を設定することができるので、伝達手段の状態変化の程度を状況次第で調整することができる。
遊技機E6において、前記範囲設定手段は、前記伝達手段の状態が変化する範囲を、所定位置を基準として駆動力の伝達経路の下流側に限定するよう構成されることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、伝達経路の状態が変化する範囲を駆動手段の反対側の範囲に限定することができるので、駆動力の伝達経路の上流側における伝達効率が低下することを抑制することができる。
また、状態が変化する範囲を狭めることで、伝達手段に生じる状態変化の度合いを小さくすることができるので、変位手段の変位態様に及ぼす影響を小さくすることができる。従って、駆動手段の制御を精密に行えなかった場合でも、変位手段の変位態様のずれ(例えば、停止位置のずれ)を小さく抑えることができる。
<可動役物の配線経路>
回転変位可能に構成される回転変位手段と、その回転変位手段に回転軸と径外部とを結ぶ線に沿って配設され電気を供給可能に構成される電気供給手段とを備える遊技機において、前記電気供給手段は、前記回転変位手段の回転軸部に配置される被配置部を備えることを特徴とする遊技機F1。
パチンコ機等の遊技機において、回転可能に支持される腕状部材に電気配線が固定され、その電気配線が、腕状部材に連結される変位部材に連結される遊技機がある(例えば、特開2012−157474号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、腕状部材の回転変位に電気配線を緩く保持することに留まり、腕状部材の回転変位に伴い、電気配線が伸縮する虞があり、電気配線に与えられる負荷を抑制する観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機F1によれば、電気供給手段(電気配線)の被配置部が回転変位手段の回転軸部に配置されるので、回転変位手段の回転変位が生じた場合に回転変位手段に対して生じる被配置部の相対変位を抑制することができ、電気配線に与えられる負荷を抑制することができる。
遊技機F1において、前記電気供給手段の付近に変位可能に配設される配設変位手段と、前記電気供給手段が前記配設変位手段に近接する方向への変位を抑制する抑制手段とを備えることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、配設変位手段の配置自由度を向上することができるので、配設変位手段と電気配線との間の距離を短くすることができる。
遊技機F2において、前記配設変位手段は、予定外の変位が生じた場合に、前記電気供給手段から離反し易いように構成されることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、配設変位手段の配置自由度を向上することができるので、配設変位手段と電気配線との間の距離を短くすることができる。
遊技機F3において、前記配設変位手段は、前記電気供給手段へ近接変位し停止する第1配設変位手段と、前記電気供給手段へ近接変位し停止する位置が前記第1配設変位手段の停止位置に比較して前記電気供給手段から離れた位置に設定される第2配設変位手段とを備え、前記第1配設変位手段および前記第2配設変位手段は、前記電気供給手段へ近接変位することで当接し、互いに前記電気供給手段から離反する方向へ負荷を与えるよう構成されることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、第1配設変位手段およぎ第2配設変位手段が変位し過ぎた場合であっても、電気供給手段に負荷を与えることを回避することができる。
遊技機F4において、前記第1配設変位手段の方が、前記第2配設変位手段に比較して慣性が小さくなるように構成されることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F4の奏する効果に加え、第1配設手段が意図せず電気供給手段と接触した場合に、電気供給手段に与える負荷を低減することができる。
なお、慣性の大小を構成する態様は何ら限定されるものではない。例えば、第1配設変位手段の方が第2配設変位手段に比較して軽くて小さくなるように構成することで慣性の大小を構成しても良いし、支持部の態様を異ならせることで変位抵抗の大小を生じさせることで慣性の大小を構成しても良い。
遊技機F1からF5のいずれかにおいて、前記回転変位手段を支持する支持手段を備え、その支持手段は、前記回転変位手段の所定の回転軸の周方向に沿って開放される開放部を備え、前記電気供給手段は、前記開放部を通ることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F1からF5のいずれかの奏する効果に加え、電気供給手段を所定の回転軸の内部に通す場合に比較して、回転変位手段の占める軸方向幅を抑制することができる。
遊技機F1からF6において、前記電気供給手段の付近に変位可能に配設される配設変位手段と、その配設変位手段を駆動させる駆動力を発生する駆動手段を備え、その駆動手段は、前記回転変位手段の配置されていない側に配置されることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F2からF6のいずれかの奏する効果に加え、配置効率の向上を図ることができる。
遊技機F1からF7のいずれかにおいて、前記回転変位手段は、前記配設変位手段へ駆動力を伝達可能に構成されることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F1からF7のいずれかの奏する効果に加え、電気配線を案内する手段に、駆動力の伝達機能を持たせることで、部材の兼用を図ることができ、部材個数を削減することができる。
<駆動ユニット600を一例とする発明の概念について>
遊技球が入球可能に形成される入球口と、その入球口を挟んだ位置に回転可能に軸支され前記入球口を開放または閉鎖する一対の羽部材と、それら一対の羽部材を回転させるための駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記一対の羽部材に伝達する伝達機構とを備えた遊技機において、前記伝達機構は、前記駆動手段の駆動力により回転される回転部材と、その回転部材の回転に伴ってスライド変位されるスライド部材とを備え、前記スライド部材または前記一対の羽部材の一方から突設部が突設されると共に、その突設部が摺動可能に挿通される摺動溝が前記スライド部材または前記一対の羽部材の他方に凹設されることを特徴とする遊技機G1。
ここで、遊技球が入球可能に形成される入球口と、その入球口を挟んだ位置に回転可能に軸支され入球口を開放または閉鎖する一対の羽部材と、それら一対の羽部材を回転させるための駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を一対の羽部材に伝達する伝達機構とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2010−234009号公報)。伝達機構は、駆動手段の駆動力により回転される回転部材を備え、その回転部材の一端側が、一対の羽部材の背面から突設される突設部に連結される。詳細には、回転部材の一端側には、上下に所定間隔を隔てて対向する対向部が形成され、その対向部の対向間に、羽部材の突設部が挿通される。よって、回転部材が回転されると、その回転部材の対向部によって羽部材の突設部が押し上げられる又は押し下げられることで、羽部材が開放または閉鎖される。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、対向部と突設部との間の隙間を大きく設定する必要があるため、羽部材の開閉動作が安定しないという問題点があった。即ち、羽部材の開閉動作のために、回転部材が回転される際には、対向部の姿勢が突設部に対して傾斜されるところ、対向部の対向間隔が突設部の外形(太さ)と同等であると、対向部の対向間に突設部が干渉して、回転部材が回転できなくなる。そのため、突設部が干渉しない大きさに対向部の対向間隔を設定する必要があり、その分、対向部と突設部との間の隙間が大きくなる。その結果、羽部材のがたつきが生じやすいため、羽部材の開閉動作が安定しない。
これに対し、遊技機G1によれば、伝達機構は、駆動手段の駆動力により回転される回転部材と、その回転部材の回転に伴ってスライド変位されるスライド部材とを備え、スライド部材または一対の羽部材の一方から突設部が突設されると共に、その突設部が摺動可能に挿通される摺動溝がスライド部材または一対の羽部材の他方に凹設されるので、摺動溝の溝幅を抑制することができる。即ち、スライド部材の変位がスライド変位であり、摺動溝の姿勢が突設部に対して傾斜しないので、従来品のように回転する際の突設部との干渉を避ける必要がない。よって、例えば、摺動溝の溝幅を突設部の大きさ(太さ)と同等に設定するなど、溝幅を抑制できるので、摺動溝と突設部との間の隙間を小さくできる。その結果、羽部材のがたつきを抑制でき、羽部材の開閉動作を安定させることができる。
なお、摺動溝は、凹溝(窪み)であっても、貫通溝(開口)であっても良い。即ち、摺動溝は、挿通された突設部が摺動溝の延設方向(溝幅の方向と直交する方向)に沿って摺動可能に形成されていれば良い。
遊技機G1において、前記スライド部材のスライド変位の方向が、前記一対の羽部材の回転軸に略直交する方向であることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、スライド部材のスライド変位の方向が、一対の羽部材の回転軸に略直交する方向であるので、スライド部材を羽部材に対して略平行に配設することができる。その結果、羽部材およびスライド部材の配設に必要なスペースを抑制でき、その分、他の部材を配設するスペースを確保できる。
遊技機G1又はG2において、前記突設部が前記羽部材から突設され、前記摺動溝が前記スライド部材に凹設されると共に前記スライド部材のスライド変位の方向に直交する方向に沿って直線状に延設されることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1又はG2の奏する効果に加え、突設部が羽部材から突設され、摺動溝がスライド部材に凹設されると共に直線状に延設されるので、羽部材の開閉動作時における摺動溝の内壁と突設部との間の隙間を常に一定の大きさとできる。よって、羽部材のがたつきを抑制でき、羽部材の開閉動作を安定させることができる。また、摺動溝がスライド部材のスライド変位の方向に直交する方向に沿って直線状に延設されるので、かかる摺動溝の延設長さを最少に抑制できる。その結果、摺動溝の凹設に伴う肉抜き量を抑制して、スライド部材の剛性の向上を図ることができる。
遊技機G1からG3のいずれかにおいて、前記突設部が前記羽部材から突設されると共に、前記摺動溝が前記スライド部材に凹設され、前記スライド部材が重力方向上方へ向けてスライド変位を開始する際の前記突設部の位置が、前記羽部材の回転軸の重力方向に沿った下方に設定されることを特徴とする遊技機G4。
ここで、羽部材に回転部材が直接連結される従来品に対し、本発明では、羽部材と回転部材との間にスライド部材が介在されるため、スライド部材を重力方向上方へスライド変位させる方向への動作時には、スライド部材の重さが加算される分、慣性力が大きくなり、駆動手段に必要な駆動力が嵩む。よって、停止状態にある羽部材の駆動を開始して、開放または閉鎖させる際の初期動作をスムーズに行うことが困難となる。
これに対し、遊技機G4によれば、遊技機G1からG3のいずれかの奏する効果に加え、突設部が羽部材から突設されると共に、摺動溝がスライド部材に凹設され、スライド部材が重力方向上方へ向けてスライド変位を開始する際の突設部の位置が、羽部材の回転軸の重力方向に沿った下方に設定されるので、摺動溝の内壁で押し上げられる突設部の変位成分を、水平方向成分を大きくし、重力方向成分を小さくする(最少とする)ことができる。よって、スライド部材の重さが加算される本発明においても、停止状態にある羽部材の駆動を開始して、開放または閉鎖させる際の初期動作をスムーズに行うことができる。
遊技機G4において、前記スライド部材が重力方向上方へ向けてスライド変位を開始すると、前記羽部材が開放される方向へ回転されることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G4の奏する効果に加え、スライド部材が重力方向上方へ向けてスライド変位を開始すると、羽部材が開放される方向へ回転されるので、羽部材をその重さ(自重)により回転させることができる。よって、スライド部材の重さが加算される本発明においても、停止状態(閉鎖位置)にある羽部材の駆動を開始して、開放させる際の初期動作をスムーズに行うことができる。
遊技機G4又はG5において、前記スライド部材が重力方向上方へ向けてスライド変位を開始する際に前記突設部が当接する前記摺動溝の内壁には、前記羽部材の回転軸を含み且つ重力方向に直交する平面に対して傾斜する傾斜面が形成されることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G4又はG5のいずれかにおいて、スライド部材が重力方向上方へ向けてスライド変位を開始する際に突設部が当接する摺動溝の内壁には、羽部材の回転軸を含み且つ重力方向に直交する平面に対して傾斜する傾斜面が形成されるので、突起の位置が、羽部材の回転軸の重力方向に沿った下方に設定される場合であっても、傾斜面の傾斜方向に沿って突設部を案内して、スライド部材の重力方向上方へ向けたスライド変位をスムーズに開始させることができる。
また、摺動溝の内壁に傾斜面が形成されることで、その分、内壁と突設部との間の隙間を小さくできるだけでなく、かかる傾斜面への突設部の当接により、突設部の重力方向への変位に加え、水平方向への変位も規制することができる。よって、開放または閉鎖された停止状態における羽部材のがたつきを抑制しやすくできる。即ち、遊技球の流下に伴う振動の影響を受けた場合でも、羽部材を開放姿勢または閉鎖姿勢に維持しやすくできる。
遊技機G1からG6のいずれかにおいて、前記摺動溝の内壁には、前記羽部材を閉鎖させる位置まで前記スライド部材がスライド変位された際に前記突設部を受け入れる受入部が凹設され、前記受入部に前記突設部が受け入れられた状態では、前記羽部材の回転が規制されることを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G1からG6のいずれかの奏する効果に加え、摺動溝の内壁には、羽部材を閉鎖させる位置までスライド部材がスライド変位された際に突設部を受け入れる受入部が凹設され、受入部に突設部が受け入れられた状態では、羽部材の回転が規制されるので、羽部材が外部から強制開放されることを抑制できる。
遊技機G7において、前記スライド部材が重力方向下方へ向けてスライド変位されることで、前記受入部に前記突設部が受け入れられることを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G7の奏する効果に加え、スライド部材が重力方向下方へ向けてスライド変位されることで、受入部に突設部が受け入れられるので、スライド部材の重さ(自重)を利用して、受入部に突設部が受け入れられた状態を維持しやすくできる。
遊技機G1からG8のいずれかにおいて、前記回転部材は、当接部と、その当接部の先端から張り出す張出部とを備え、前記スライド部材は、前記羽部材を閉鎖させるために前記回転部材が一側へ向けて回転された際に前記当接部の一側が当接される一側被当接部と、その一側被当接部と前記スライド変位の方向に所定間隔を隔てて対向配置され前記羽部材を開放させるために前記回転部材が他側へ向けて回転された際に前記当接部の他側が当接される他側被当接部とを備え、前記羽部材が閉鎖された状態では、前記一側被当接部に前記当接部の一側が当接されると共に前記張出部が前記スライド部材に係合され、少なくとも前記他側被当接部に前記当接部の他側が当接される位置まで前記回転部材が他側へ回転されると、前記張出部の前記スライド部材との係合が解除されることを特徴とする遊技機G9。
遊技機G9によれば、遊技機G1からG8のいずれかの奏する効果に加え、回転部材は、当接部と、その当接部の先端から張り出す張出部とを備え、スライド部材は、羽部材を閉鎖させるために回転部材が一側へ向けて回転された際に当接部の一側が当接される一側被当接部と、その一側被当接部とスライド変位の方向に所定間隔を隔てて対向配置され羽部材を開放させるために回転部材が他側へ向けて回転された際に当接部の他側が当接される他側被当接部とを備えるので、回転部材が一側へ回転されると、その回転に伴って、一側被当接部が当接部の一側によって押され、スライド部材が一側へ向けてスライド変位されることで、羽部材が閉鎖される一方、回転部材が他側へ回転されると、その回転に伴って、他側被当接部が当接部の他側によって押され、スライド部材が他側へ向けてスライド変位されることで、羽部材が開放される。
この場合、羽部材が閉鎖された状態では、一側被当接部に当接部の一側が当接されると共に張出部がスライド部材に係合されるので、回転部材を回転させずにスライド部材を他側へスライド変位させることが規制される。よって、羽部材が外部から強制開放されることを抑制できる。
一方、少なくとも他側被当接部に当接部の他側が当接される位置まで回転部材が他側へ回転されると、張出部のスライド部材との係合が解除されるので、回転部材を更に他側へ回転させることで、スライド部材を他側へ向けてスライド変位させ、羽部材を開放することができる。
遊技機G1からG8において、前記伝達機構は、前記駆動手段の駆動力により回転される回転部材と、その回転部材の回転に伴ってスライド変位されるスライド部材とを備え、前記スライド部材または前記一対の羽部材の一方から突設部が突設されると共に、その突設部が摺動可能に挿通される摺動溝が前記スライド部材または前記一対の羽部材の他方に凹設され、前記回転部材は、当接部と、その当接部の先端から張り出す張出部とを備え、前記スライド部材は、前記羽部材を閉鎖させるために前記回転部材が一側へ向けて回転された際に前記当接部の一側が当接される一側被当接部と、その一側被当接部と前記スライド変位の方向に所定間隔を隔てて対向配置され前記羽部材を開放させるために前記回転部材が他側へ向けて回転された際に前記当接部の他側が当接される他側被当接部とを備え、前記羽部材が閉鎖された状態では、前記張出部が前記スライド部材に非係合とされると共に、前記羽部材が閉鎖された状態から、前記当接部の一側に前記一側当接部が当接される位置まで前記スライド部材がスライド変位されると、前記張出部が前記スライド部材に係合されることを特徴とする遊技機G10。
遊技機G10によれば、遊技機G1からG8のいずれかの奏する効果に加え、回転部材は、当接部と、その当接部の先端から張り出す張出部とを備え、スライド部材は、羽部材を閉鎖させるために回転部材が一側へ向けて回転された際に当接部の一側が当接される一側被当接部と、その一側被当接部とスライド変位の方向に所定間隔を隔てて対向配置され羽部材を開放させるために回転部材が他側へ向けて回転された際に当接部の他側が当接される他側被当接部とを備えるので、回転部材が一側へ回転されると、その回転に伴って、一側被当接部が当接部の一側によって押され、スライド部材が一側へ向けてスライド変位されることで、羽部材が閉鎖される一方、回転部材が他側へ回転されると、その回転に伴って、他側被当接部が当接部の他側によって押され、スライド部材が他側へ向けてスライド変位されることで、羽部材が開放される。
この場合、羽部材が閉鎖された状態から、当接部の一側に前記一側当接部が当接される位置までスライド部材がスライド変位されると、張出部がスライド部材に係合されるので、回転部材を回転させずにスライド部材を他側へスライド変位させることが規制される。よって、羽部材が外部から強制開放されることを抑制できる。
一方、羽部材が閉鎖された状態では、張出部がスライド部材に非係合とされるので、回転部材を更に他側へ回転させることで、スライド部材を他側へ向けてスライド変位させ、羽部材を開放することができる。ここで、羽部材が閉鎖された状態で、張出部がスライド部材に係合されていると、張出部および一側当接部の形状を、回転部材の他側への回転を許容可能な形状に形成する必要があり、形状が複雑化する。よって、強度が低下するだけでなく、係合が解除されやすくなる恐れがある。これに対し、本発明のように、羽部材が閉鎖された状態では、張出部がスライド部材に非係合とされていることで、張出部および一側当接部の形状を、回転部材の他側への回転を許容可能な形状に形成する必要がない。よって、形状を簡素化して、強度を確保できるだけでなく、係合を保持しやすい形状を採用でき、係合が解除され難くできる。
遊技機G1からG10のいずれかにおいて、前記入球口に入球された遊技球の通路を形成する通路部材を備え、前記突設部が前記摺動溝に非挿通とされた状態では、前記スライド部材の一部が前記通路部材の通路内に配置されることを特徴とする遊技機G11。
遊技機G11によれば、遊技機G1からG10のいずれかの奏する効果に加え、入球口に入球された遊技球の通路を形成する通路部材を備え、突設部が摺動溝に非挿通とされた状態では、スライド部材の一部が通路部材の通路内に配置されるので、例えば、突設部を切断して羽部材を外部から強制開放したとしても、入球口から入球された遊技球の流下をスライド部材によって規制することができる。
遊技機G1からG11のいずれかにおいて、前記入球口に入球された遊技球の通路を形成する通路部材を備え、前記スライド部材は、前記羽部材を開放させる位置から閉鎖させる位置まで前記スライド部材がスライド変位された際に前記通路部材の通路を横切ると共に前記通路部材の縁部に擦接する擦接部を備えることを特徴とする遊技機G12。
遊技機G12によれば、遊技機G1からG11のいずれかの奏する効果に加え、羽部材を開放させる位置から閉鎖させる位置までスライド部材がスライド変位された際に通路部材の通路を横切ると共に通路部材の縁部に擦接する擦接部をスライド部材が備えるので、入球口から通路内に不正に挿通された不正物を切断することができる。
例えば、遊技球に糸の先端を接着し、かかる遊技球を入球口から入球させると共に通路部材の通路を通過させ、検出センサの検出位置に遊技球が達した状態で、糸の他端を操作(繰り出し、引き寄せ)して、遊技球を往復させることで、検出センサに複数回検出させる不正行為がある。かかる不正行為に対し、本発明によれば、羽部材が開放された状態で上述した遊技球が入球されたとしても、羽部材を開放させる位置から閉鎖させる位置までスライド部材がスライド変位され、擦接部が通路部材の通路を横切る際に、遊技球に先端が接着されている糸の途中部分を、擦接部と共に変位させ通路部材の縁部へ押し付けると共に、擦接部が通路部材の縁部に擦接される際に、擦接部と通路部材の縁部との間で糸を切断することができる。その結果、上述した不正行為を抑制できる。
なお、スライド部材の擦接部は、金属材料から形成することが好ましい。この場合、スライド部材の全体を金属材料から形成しても良く、スライド部材の一部(擦接部)のみを金属材料から形成しても良い。通路部材についても同様であり、通路部材の全体を金属材料から形成しても良く、通路部材の一部(擦接部が擦接される部分)のみを金属材料から形成しても良い。また、擦接部およびその擦接部が擦接される部分(通路部材の縁部)は、刃(切断刃)として形成されることが好ましい。
遊技機G1からG11のいずれかにおいて、前記入球口に入球された遊技球の通路を形成する通路部材を備え、前記伝達機構は、前記羽部材が開放する位置から閉鎖する位置まで変位される際に前記通路部材の通路を横切ると共に互いの縁部どうしを擦接させる一対の切断部材を備えることを特徴とする遊技機G13。
遊技機G13によれば、遊技機G1からG11のいずれかの奏する効果に加え、羽部材が開放する位置から閉鎖する位置まで変位される際に通路部材の通路を横切ると共に互いの縁部どうしを擦接させる一対の切断部材を伝達機構が備えるので、入球口から通路内に不正に挿通された不正物を切断することができる。
例えば、遊技球に糸の先端を接着し、かかる遊技球を入球口から入球させると共に通路部材の通路を通過させ、検出センサの検出位置に遊技球が達した状態で、糸の他端を操作(繰り出し、引き寄せ)して、遊技球を往復させることで、検出センサに複数回検出させる不正行為がある。かかる不正行為に対し、本発明によれば、羽部材が開放された状態で上述した遊技球が入球されたとしても、羽部材が開放する位置から閉鎖する位置まで変位され、一対の切断部材が通路部材の通路を横切る際に、遊技球に先端が接着されている糸の途中部分を、一対の切断部材の間に挟み込み、切断することができる。その結果、上述した不正行為を抑制できる。
なお、一対の切断部材は、金属材料から形成することが好ましい。この場合、スライド部材の全体を金属材料から形成しても良く、スライド部材の一部(互いに擦接される縁部)のみを金属材料から形成しても良い。また、一対の切断部材における互いに擦接される部分は、刃(切断刃)として形成されることが好ましい。
遊技機G12又はG13において、前記駆動手段は、駆動軸の第1方向への変位が電磁力により行われると共に前記第1方向とは反対方向となる第2方向への前記駆動軸の変位が付勢手段の弾性回復力で行われるソレノイドアクチュエータとして形成され、前記羽部材の開放させる位置から閉鎖させる位置までの変位が、前記駆動手段の駆動軸を前記第1方向へ変位させることで行われることを特徴とする遊技機G14。
遊技機G14によれば、遊技機G12又はG13の奏する効果に加え、羽部材の開放させる位置から閉鎖させる位置までの変位が、駆動手段の駆動軸を第1方向へ変位させることで行われる、即ち、電磁力を利用して行われるので、その駆動力を大きくできる。よって、スライド部材の擦接部と通路部材の縁部との間で不正物(例えば、糸)を切断しやすくできる。
遊技機G1からG14のいずれかにおいて、前記回転部材は、当接部を備え、前記スライド部材は、前記羽部材を閉鎖させるために前記回転部材が一側へ向けて回転された際に前記当接部の一側が当接される一側被当接部と、その一側被当接部に対向配置され前記羽部材を開放させるために前記回転部材が他側へ向けて回転された際に前記当接部の他側が当接される他側被当接部とを備え、前記一側被当接部および他側被当接部が幅方向略中央に形成されることを特徴とする遊技機G15。
遊技機G15によれば、遊技機G1からG14の奏する効果に加え、回転部材が当接部を備え、スライド部材が、羽部材を閉鎖させるために回転部材が一側へ向けて回転された際に当接部の一側が当接される一側被当接部と、その一側被当接部に対向配置され羽部材を開放させるために回転部材が他側へ向けて回転された際に当接部の他側が当接される他側被当接部とを備え、一側被当接部および他側被当接部が幅方向略中央に形成されるので、一対の羽部材と回転部材との間でのスライド部材の姿勢変化を許容しやすくできる。よって、回転部材の回転に伴い、スライド部材をスムーズにスライド変位させることができ、その結果、羽部材を確実に開放または閉鎖させることができる。
即ち、回転部材の回転に伴ってスライド部材をスライド変位させ、一対の羽部材を開放または閉鎖させる動作中に、一対の羽部材のうちの一方のみに遊技球からの負荷が作用されると、スライド部材の姿勢が変化されるところ、スライド部材が、一対の羽部材に対して2カ所で連結されると共に、回転部材に対しても2カ所で連結されていると、一対の羽部材と回転部材との間でのスライド部材の姿勢の変化が許容され難く、スライド部材をスライド変位させる(即ち、回転部材を回転させる)際の抵抗が発生して、羽部材の開放または閉鎖が阻害される。これに対し、本発明によれば、スライド部材が、一対の羽部材に対して2カ所で連結されると共に、回転部材に対して1カ所で連結されているので、一対の羽部材のうちの一方のみに遊技球からの負荷が作用されても、一対の羽部材と回転部材との間でのスライド部材の姿勢変化を許容しやすくできる。
なお、一側被当接部および他側被当接部が形成される幅方向略中央とは、一対の羽部材が開放または閉鎖された状態における一対の突設部の間の略中央を通り、且つ、スライド変位の方向に沿う仮想線上の位置を意味する。
遊技機G15において、前記当接部の一側および他側の幅寸法が、前記突設部の最大外形寸法の少なくとも3倍以下に設定されることを特徴とする遊技機G16。
遊技機G16によれば、遊技機G15の奏する効果に加え、当接部の一側および他側の幅寸法が、突設部の最大外形寸法の少なくとも3倍以下に設定されるので、一対の羽部材と回転部材との間でのスライド部材の姿勢変化を許容しやすくできる。なお、当接部の一側および他側の幅寸法は、突設部の最大外形寸法の2倍以下に設定されることが好ましい。上述した姿勢変化の許容をより達成しやすくできるからである。
<入賞口ユニット930を一例とする発明の概念について>
第1入球口と、その第1入球口を開放または閉鎖する第1開閉部材と、その第1開閉部材を駆動する第1駆動手段と、第2入球口と、その第2入球口を開放または閉鎖する第2開閉部材と、その第2開閉部材を駆動する第2駆動手段と、を備えた遊技機において、前記第1駆動手段および第2駆動手段が前記第2開閉部材の背面側に配設されることを特徴とする遊技機H1。
ここで、第1入球口と、その第1入球口を開放または閉鎖する第1開閉部材と、その第1開閉部材を駆動する第1駆動手段と、第2入球口と、その第2入球口を開放または閉鎖する第2開閉部材と、その第2開閉部材を駆動する第2駆動手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2011−177416号公報)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、第1駆動手段および第2駆動手段がそれぞれ第1開閉部材および第2開閉部材の背面側に配設されるため、これら第1開閉部材および第2開閉部材の背面側に他の部材や装置を配設し難く、スペースを有効に活用することが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機H1によれば、第1駆動手段および第2駆動手段が第2開閉部材の背面側に配設されるので、第1開閉部材(第1入球口)の背面側にスペースを形成することができる。即ち、第1駆動手段および第2駆動手段の配設スペースを第2開閉部材の背面側に集約することで、他の部材や装置を配設するためのスペースを第1開閉部材(第1入球口)の背面に確保でき、その分、スペースを有効に活用することができる。
遊技機H1において、前記第2開閉部材の正面投影面積が前記第1開閉部材の正面投影面積よりも大きくされることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H1又はH2において、前記第2開閉部材の正面投影面積が前記第1駆動手段および第2駆動手段の合計の正面投影面積よりも大きくされることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H2又はH3によれば、遊技機H1又はH2の奏する効果に加え、第2開閉部材の正面投影面積が、第1開閉部材の正面投影面積よりも大きくされる、又は、第1駆動手段および第2駆動手段の合計の正面投影面積よりも大きくされるので、第2入球口(第2開閉部材)の背面におけるデッドスペースを有効に活用できる。
遊技機H3において、前記第2開閉部材が一方向を長手方向とする正面視矩形状に形成され、前記第1駆動手段および第2駆動手段が前記第2入球口の背面側において前記第2開閉部材の長手方向に沿って並設されることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H3の奏する効果に加え、第2開閉部材が一方向を長手方向とする正面視矩形状に形成され、第1駆動手段および第2駆動手段が第2入球口の背面側において第2開閉部材の長手方向に沿って並設されるので、第2入球口(第2開閉部材)の背面におけるデッドスペースを有効に活用できる。
遊技機H1からH4のいずれかにおいて、前記第1駆動手段および第2駆動手段は、本体部と、その本体部の一側に配設される駆動軸と、その駆動軸を駆動すると共に前記本体部に収容される駆動部と、その駆動部に電力を供給すると共に前記本体部の他側から引き出される配線とを備え、前記第1駆動手段および第2駆動手段が前記駆動軸を前記第2開閉部材へ向けた姿勢で配設されることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H1からH4のいずれかにおいて、第1駆動手段および第2駆動手段は、本体部と、その本体部の一側に配設される駆動軸と、その駆動軸を駆動すると共に本体部に収容される駆動部と、その駆動部に電力を供給すると共に本体部の他側から引き出される配線とを備え、第1駆動手段および第2駆動手段が駆動軸を第2開閉部材へ向けた姿勢で配設されるので、第1駆動手段の配線と第2駆動手段の配線とをまとめやすくできる。
遊技機H5において、前記第1駆動手段の本体部および前記第2駆動手段の本体部がそれぞれ略直方体形状に形成されると共に、前記本体部の外面のうちの前記駆動軸および配線が配設される外面を除く一の外面どうしが略面一となる位置に前記第1駆動手段および第2駆動手段が配設されることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H5の奏する効果に加え、第1駆動手段の本体部および第2駆動手段の本体部がそれぞれ略直方体形状に形成されると共に、本体部の外面のうちの駆動軸および配線が配設される外面を除く一の外面どうしが略面一となる位置に第1駆動手段および第2駆動手段が配設されるので、例えば、第1駆動手段および第2駆動手段が異なる出力とされ、両者の本体部の大きさが異なる場合であっても、第1駆動手段および第2駆動手段を他の領域から区画するためのシールド板の形状を簡素化できる。
即ち、第1駆動手段の本体部と第2駆動手段の本体部とが異なる大きさに形成される場合には、一方の本体部と他方の本体部との外面どうしが段差を形成するため、その段差に沿わせて屈曲させてシールド板を形成する必要が生じ、かかるシールド板の形状が複雑となる。これに対し、本発明によれば、本体部の一の外面どうしが略面一となる位置に第1駆動手段および第2駆動手段が配設され、外面どうしが段差を形成しないので、シールド板を平板形状とすることができる。その結果、シールド板の形状を簡素化できる。
なお、シールド板とは、第1駆動手段および第2駆動手段の配設領域と他の領域(例えば、検出センサや制御基板が配設される領域)とを区画して、それら両領域の間を電磁場が流れることを制限(抑制)するための導体製の障壁であり、例えば、金属製の板材として形成される。
遊技機H1からH6のいずれかにおいて、前記第1入球口に入球された遊技球の通路を形成する第1通路部材と、前記第2入球口に入球された遊技球の通路を形成する第2通路部材と、前記第1駆動手段の駆動力を前記第1開閉部材に伝達する第1伝達機構とを備え、前記第1開閉部材は、前記入球口を挟んだ位置に回転可能に軸支され前記入球口を開放または閉鎖する一対の羽部材を備え、前記第1伝達機構は、前記第1駆動手段の駆動力により回転されると共に前記第1通路部材および第2通路部材の間に配設される回転部材と、その回転部材の回転に伴ってスライド変位され前記一対の羽部材を開閉させるスライド部材とを備えることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H1からH6のいずれかの奏する効果に加え、第1伝達機構が、第1駆動手段の駆動力により回転されると共に第1通路部材および第2通路部材の間に配設される回転部材と、その回転部材の回転に伴ってスライド変位され一対の羽部材を開閉させるスライド部材とを備えるので、一対の羽部材の開閉を回転部材のみで行う従来品と比較して、第1入球口の背面側であって第1通路部材の両側(側方)にスペースを確保できる。また、従来品のように回転部材との干渉を避けるために第1通路部材を第2通路側へ屈曲させる必要ないので、その分、第1入球口を第2入球口へ近接させることができる。
遊技機H7において、前記回転部材は、回転軸から延設されると共に前記スライド部材に連結される第1部分と、前記回転軸から延設されると共に前記第1駆動手段に駆動される第2部分とを備え、前記第1部分が前記回転軸方向視において略くの字状に屈曲して形成されることを特徴とする遊技機H8。
遊技機H8によれば、遊技機H7の奏する効果に加え、回転部材は、回転軸から延設されると共にスライド部材に連結される第1部分と、回転軸から延設されると共に第1駆動手段に駆動される第2部分とを備え、第1部分が回転軸方向視において略くの字状に屈曲して形成されるので、スライド部材のスライド量を確保しつつ、第1駆動手段とスライド部材との間の距離を抑制できる。
即ち、第1部分を直線状に形成し、且つ、その第1部分の長さ寸法(回転軸からスライド部材に連結される部分までの距離)距離を本発明における回転軸からスライド部材に連結される部分までの直線距離と同等に設定した場合には、スライド部材のスライド量を本発明と同等とできるが、第1駆動手段とスライド部材との間の距離が嵩み、全体が大型化する。一方、第1部分を直線状に形成し、且つ、その第1部分の長さ寸法を本発明における回転軸からスライド部材に連結される部分までの直線距離よりも短くした場合には、第1駆動手段とスライド部材との間の距離を本発明と同等とできるが、スライド部材のスライド量が小さくなる。
これに対し、本発明によれば、第1部分が回転軸方向視において略くの字状に屈曲して形成されることで、スライド部材のスライド量を確保しつつ、第1駆動手段とスライド部材との間の距離を抑制できる。
遊技機H8において、前記回転部材の第2部分は、前記スライド部材と反対側となる前記第1部分の背面側に形成されることを特徴とする遊技機H9。
遊技機H9によれば、遊技機H8の奏する効果に加え、回転部材の第2部分が、スライド部材と反対側となる第1部分の背面側に形成されるので、前記第1部分を屈曲させることで生じたスペースを有効に活用して、回転部材を小型化できる。即ち、第1通路部材および第2通路部材の間のスペースに回転部材を効率的に配設して、全体としての小型化を図ることができる。
遊技機H1からH9のいずれかにおいて、前記第2入球口に入球した遊技球を検出する検出センサを備え、前記検出センサの少なくとも一部が前記第2開閉部材と前記第1駆動手段との間に配設されることを特徴とする遊技機H10。
遊技機H10によれば、遊技機H1からH9のいずれかの奏する効果に加え、第2入球口に入球した遊技球を検出する検出センサを備え、検出センサの少なくとも一部が第2開閉部材と第1駆動手段との間に配設されるので、例えば、第2開閉部材を開放させて第2入球口から第1駆動手段に不正を加える場合、検出センサの一部により第1駆動手段を隠すことができるため、かかる不正行為を行い難くすることができる。
この場合、第2入球口から第1駆動手段までの経路を確保するために、例えば、ドリルなどによる工具が使用されて穴あけ加工などが行われた場合には、検出センサを破壊させることができるので、かかる検出センサの状態を監視することで、不正行為を発見することができる。なお、第1駆動手段が第2開閉部材の背面側に配設される本発明では、第2開閉部材を開放して第2入球口から第1駆動手段に不正が加えられた場合でも、第2開閉部材を閉鎖することで、第1駆動手段が第2開閉部材に遮蔽され、不正が加えられた箇所を視認不能となるため、上述した検出センサの状態の監視により不正行為を発見できることが特に有効となる。
遊技機H10において、前記検出センサを収容するケース部材と、そのケース部材に締結されるねじ部材とを備え、前記検出センサが一対配設されると共に、前記一対の検出センサのそれぞれの少なくとも一部が前記第2開閉部材と前記第1駆動手段との間に配設され、前記ねじ部材が前記一対のセンサ装置の対向間に位置することを特徴とする遊技機H11。
遊技機H11によれば、遊技機H10の奏する効果に加え、一対の検出センサのそれぞれの少なくとも一部が第2開閉部材と第1駆動手段との間に配設され、ケース部材に締結されるねじ部材が一対のセンサ装置の対向間に位置するので、第2開閉部材を開放させて第2入球口から第1駆動手段に不正を加える場合、ねじ部材により第1駆動手段を隠すことができるため、かかる不正行為をより行い難くすることができる。即ち、第1駆動手段の正面の全面を一対の検出センサにより遮蔽することは困難であり、一対の検出センサの対向間には隙間が形成されやすいため、かかる隙間(一対の検出センサの対向間をねじ部材の締結位置とすることで、第1駆動手段の正面における遮蔽されない領域をねじ部材により補うことができるので、不正行為をより行い難くできる。
なお、ねじ部材は、ケース部材が2部材からなり、それら2部材どうしを締結固定するためのものであっても良く、或いは、ケース部材に他の部材を締結固定するためのものであっても良い。また、ねじ部材は金属製であることが好ましい。
遊技機H11において、前記一対の検出センサの配線が、それら一対の検出センサの対向間に位置することを特徴とする遊技機H12。
遊技機H12によれば、遊技機H11の奏する効果に加え、一対の検出センサの配線が、それら一対の検出センサの対向間に位置するので、例えば、第2開閉部材を開放させて第2入球口から第1駆動手段に不正を加える場合に、かかる不正行為をより行い難くすることができる。
即ち、配線は比較的損傷を生じやすい。そのため、第2入球口から第1駆動手段までの経路を確保するために、例えば、ドリルなどによる工具が使用されて穴あけ加工などが行われる場合には、その不正行為に伴って配線を損傷(断線)させやすくできる。或いは、配線を損傷(断線)させずに不正行為を行うことが困難と認識させ、不正行為を抑止しやすくできる。
遊技機H12において、前記ケース部材は、前記ねじ部材が締結される座部を備え、その座部に前記一対の検出センサの配線が巻回されることを特徴とする遊技機H13。
遊技機H13によれば、遊技機H12の奏する効果に加え、ねじ部材が締結される座部をケース部材が備え、その座部に一対の検出センサの配線が巻回されるので、かかる配線を、第1駆動手段の正面のより広い範囲にわたって引き回す(位置させる)ことができる。即ち、第1駆動手段の正面のより広い範囲を配線により遮蔽できる。よって、例えば、第2開閉部材を開放させて第2入球口から第1駆動手段に不正を加える場合に、かかる不正行為をより行い難くすることができる。
遊技機H12又はH13において、前記ケース部材は、前記ねじ部材が締結される座部を備え、その座部が前記第2開閉部材から離間するほど拡径する円錐形状に形成されることを特徴とする遊技機H14。
遊技機H14によれば、遊技機H12又はH13の奏する効果に加え、ねじ部材が締結される座部をケース部材が備え、その座部が第2開閉部材から離間するほど拡径する円錐形状に形成されるので、第2入球口から第1駆動手段までの経路を確保するために、例えば、ドリルなどによる工具が使用されて穴あけ加工などが行われる場合に、ドリルの進行方向を座部の外周面で横方向へ位置ずれ(横滑り)させて、配線を損傷(断線)させやすくできる。
遊技機H12からH14のいずれかにおいて、前記一対の検出センサの配線が、前記ねじ部材の締結位置と反対側へ引き出されることを特徴とする遊技機H15。
遊技機H15によれば、遊技機H12からH14のいずれかの奏する効果に加え、一対の検出センサの配線が、ねじ部材の締結位置と反対側へ引き出されるので、かかる配線を、第1駆動手段の正面のより広い範囲にわたって引き回す(位置させる)ことができる。即ち、第1駆動手段の正面のより広い範囲をねじ部材と配線とにより遮蔽できる。よって、例えば、第2開閉部材を開放させて第2入球口から第1駆動手段に不正を加える場合に、かかる不正行為をより行い難くすることができる。
<入賞口ユニット930及び送球ユニット970を一例とする発明の概念について>
遊技盤と、その遊技盤の正面側に配設されると共に遊技球が通過する第1通路を有する第1部材と、その第1部材の第1通路に連通される第2通路を有すると共に前記遊技盤の背面側に配設される第2部材と、を備えた遊技機において、前記第1部材に係合する第1係合部と、前記第2部材に係合する第2係合部とを有する第3部材を備えることを特徴とする遊技機I1。
ここで、遊技盤と、その遊技盤の正面側に配設されると共に遊技球が通過する第1通路を有する第1部材と、その第1部材の第1通路に連通される第2通路を有すると共に遊技盤の背面側に配設される第2部材と、を備えた遊技機が知られている(例えば、特開2012−5783号公報)。遊技盤の正面側を流下し、第1部材の第1通路に流入した遊技球は、第1通路を通過した後、第2部材の第2通路へ流入し、遊技盤の背面側において、第2通路を通過する。これにより、遊技球の通過経路が前後方向に変化され、遊技者に興趣を与えることができる。
この場合、第1通路と第2通路との連結部分に位置ずれ(段差)が生じていると、遊技球のスムーズな流下が阻害されるため、第1部材に対する第2部材の位置精度を確保することが要請される。しかしながら、上述した遊技機では、第1部材に対する第2部材の位置決めが困難であるという問題点があった。即ち、遊技盤の正面には、第1部材だけでなく、通路を有する他の部材や装飾部材などの各種部材が配設されるため、それらの各部材を位置決めするための位置決め孔を遊技盤に形成する工程内で、第1部材を位置決めするための位置決め孔も形成できる一方、第2部材を位置決めするための位置決め孔を遊技盤の背面に形成するためには、遊技盤を反転させた上で第2部材のためだけの位置決め孔を形成するという別工程が必要となり、現実的ではない。
これに対し、遊技機I1によれば、第1部材に係合する第1係合部と、第2部材に係合する第2係合部とを有する第3部材を備えるので、第3部材を利用して、第1部材に対する第2部材の位置決めを行うことができる。
遊技機I1において、前記遊技盤は、開口形成され、前記第1部材の第1通路と前記第2部材の第2通路との連結部分が内部空間に配設される開口部を備え、その開口部の内部空間に前記第3部材が配設されることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、遊技盤は、開口形成され、第1部材の第1通路と第2部材の第2通路との連結部分が内部空間に配設される開口部を備え、その開口部の内部空間に第3部材が配設されるので、第3部材を配設するための開口部を別途設ける必要がない。即ち、第1通路と第2通路との連結部分を配設するための開口部を第3部材の配設空間としても兼用するので、その分、加工工数を低減して、製品コストの低減を図ることができる。
遊技機I1又はI2において、前記第3部材は、前記第1係合部が前記第1部材の第1通路に、前記第2係合部が前記第2部材の第2通路に、それぞれ係合されることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I1又はI2において、第3部材は、第1係合部が第1部材の第1通路に、第2係合部が第2部材の第2通路に、それぞれ係合されるので、第1部材に対する第2部材の位置決めを効果的に行うことができる。即ち、第1部材に対する第2部材の位置決めは、第1通路と第2通路との連結部分に位置ずれ(段差)が生じることを抑制することが目的となるところ、その対象となる部分(第1通路と第2通路との連結部分)を第3部材により直接位置決めすることができるので、他の部分を第3部分により位置決めする場合と比較して、位置ずれ(段差)の発生を効果的に抑制できる。その結果、遊技球をスムーズに流下させることができる。
遊技機I3において、前記第1通路または第2通路の少なくとも一方における内壁の一部が前記第3部材により形成されることを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I3の奏する効果に加え、第1通路または第2通路の少なくとも一方における内壁の一部が第3部材により形成されるので、第1通路および第2通路の寸法公差または取り付け公差を許容しやすくできる。
遊技機I1からI4のいずれかにおいて、前記第1部材が前記第3部材を保持可能に形成されることを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I1からI4のいずれかの奏する効果に加え、第1部材が第3部材を保持可能に形成されるので、遊技盤の正面および背面に第1部材および第2部材をそれぞれ取り付ける際に、第3部材を別途取り付ける必要がなく、第1部材を取り付けることで、第3部材の取り付けも同時に行うことができる。よって、その分、取り付け作業の作業性の向上を図ることができる。
遊技機I5において、前記第1部材に前記第3部材が保持された状態では、前記第1部材に前記第3部材の第1係合部が係合されていることを特徴とする遊技機I6。
遊技機I6によれば、遊技機I5の奏する効果に加え、第1部材に第3部材が保持された状態では、第1部材に第3部材の第1係合部が係合されているので、遊技盤に第1部材と第3部材とを取り付けた後に、第3部材の第1係合部を第1部材に係合させる作業を別途行う必要がない。よって、その分、取り付け作業の作業性の向上を図ることができる。
遊技機I6において、前記第1部材に前記第3部材が保持された状態では、前記第3部材の第2係合部が前記第1部材と反対側から前記第2部材に係合可能に形成されることを特徴とする遊技機I7。
遊技機I7によれば、遊技機I6の奏する効果に加え、第1部材に第3部材が保持された状態では、第3部材の第2係合部が第1部材と反対側から第2部材に係合可能に形成されるので、遊技盤に第1部材および第3部材を同時に取り付けた後に、遊技盤の背面に第2部材を取り付けることで、かかる取り付け動作と同時に、第3部材の第2係合部を第2部材に係合させることができる。よって、その分、取り付け作業の作業性の向上を図ることができる。
遊技機I5からI7のいずれかにおいて、前記第1部材は、前記第1通路が配設される本体部材と、その本体部材に締結固定される固定部材とを備え、その固定部材に前記第3部材が固着または一体に形成されることを特徴とする遊技機I8。
遊技機I8によれば、遊技機I5からI7のいずれかの奏する効果に加え、第1部材は、第1通路が配設される本体部材と、その本体部材に締結固定される固定部材とを備え、その固定部材に第3部材が固着または一体に形成されるので、本体部材に固定部材を締結固定する作業と同時に、第1部材に第3部材を保持させる(配設する)ことができる。これにより、遊技盤に第1部材および第2部材を取り付ける際に第3部材を取り付け忘れるこを抑制できる。
遊技機I1からI8のいずれかにおいて、前記第1部材は、遊技球が入球可能に形成されると共に前記第1通路に連通される入球口と、その入球口を挟んだ位置に回転可能に軸支され前記入球口を開放または閉鎖する一対の羽部材と、それら一対の羽部材を回転させるための駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記一対の羽部材に伝達する伝達機構とを備え、前記伝達機構は、前記駆動手段の駆動力により回転される回転部材と、その回転部材の回転に伴ってスライド変位され前記一対の羽部材を開閉させるスライド部材とを備え、そのスライド部材のスライド変位を前記第3部材が案内可能に形成されることを特徴とする遊技機I9。
遊技機I9によれば、遊技機I1からI8のいずれかの奏する効果に加え、伝達機構が、駆動手段の駆動力により回転される回転部材と、その回転部材の回転に伴ってスライド変位され一対の羽部材を開閉させるスライド部材とを備えるので、一対の羽部材の開閉を回転部材のみで行う従来品と比較して、入球口の背面側であって第1通路の両側(側方)にスペースを確保できる。この場合、スライド部材のスライド変位を第3部材が案内可能に形成されるので、スライド部材のスライド変位を案内するための部材を別途設けることを不要とできる。よって、その分、第1部材の構造を簡素化でき、製品コストの低減を図ることができる。
遊技機I9において、前記一対の羽部材が前記スライド部材へ向けて突設される突設部を備えると共に、その突設部が摺動可能に挿通される摺動溝を前記スライド部材が備え、そのスライド部材の摺動溝における前記羽部材と反対側の開口に対面する覆設面部を前記第3部材が備えることを特徴とする遊技機I10。
遊技機I10によれば、遊技機I9の奏する効果に加え、一対の羽部材がスライド部材へ向けて突設される突設部を備えると共に、その突設部が摺動可能に挿通される摺動溝をスライド部材が備え、そのスライド部材の摺動溝における羽部材と反対側の開口に対面する覆設面部を第3部材が備えるので、第3部材の覆設面部によりスライド部材の摺動溝の開口を外部から遮蔽して、埃や異物が摺動溝に侵入することを抑制できる。その結果、摺動溝に侵入した埃や異物により突設部の摺動が妨げられることを抑制して、一対の羽部材を安定して開放または閉鎖させることができる。
<特定入賞口ユニット950を一例とする発明の概念について>
遊技球が入球可能に形成される入球口と、その入球口を開閉する開閉部材と、前記入球口に入球された遊技球が転動される転動面と、その転動面を転動した遊技球が流入する通路部材とを備えた遊技機において、前記通路部材が所定間隔を隔てつつ複数配設されることを特徴とする遊技機J1。
ここで、遊技球が入球可能に形成される入球口と、その入球口を開閉する開閉部材と、入球口に入球された遊技球の通路を形成する通路部材とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2015−3092号公報)。入球口は、複数の遊技球が同時に入球可能な大きさに形成され、入球口に入球された遊技球は、転動面を転動することで通路部材に集められ、通路部材へ1球ずつ流入される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、入球口を大型化すると、その分、入球口の端部から通路部材までの遊技球の転動距離(転動面の長さ)が長くなる。そのため、通路部材へ到達するまでに時間を要し、開閉部材により入球口を閉鎖するまでに別の遊技球が入球口から入球されることで、オーバー入賞が生じやすいという問題点があった。
これに対し、遊技機J1によれば、通路部材が所定間隔を隔てつつ複数配設されるので、入球口を大型化した場合でも、通路部材までの遊技球の転動距離(転動面の長さ)を短くできる。よって、その分、通路部材へ到達するまでの時間を短くして、通路部材へ早く流入させることができる。その結果、開閉部材により入球口を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
遊技機J1において、前記入球口に入球した遊技球を検出する検出センサを備え、その検出センサが前記転動面と前記通路部材との連結部分に配設されることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、入球口に入球した遊技球を検出する検出センサを備え、その検出センサが転動面と通路部材との連結部分に配設されるので、入球口に入球した遊技球をより早く検出できる。よって、開閉部材により入球口を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制でき、オーバー入賞を抑制できる。
遊技機J1又はJ2において、前記入球口から前記通路部材へ向けて傾斜し前記転動面を転動する遊技球に当接可能に形成される第1傾斜面を有する第1案内手段を備え、前記入球口が横長矩形状に形成されると共に前記転動面が前記入球口の長手方向に沿って延設され、前記第1案内手段が前記転動面の長手方向一側端部と前記通路部材との間に配設されることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J1又はJ2の奏する効果に加え、入球口から通路部材へ向けて傾斜し転動面を転動する遊技球に当接可能に形成される第1傾斜面を有する第1案内手段を備え、入球口が横長矩形状に形成されると共に転動面が入球口の長手方向に沿って延設され、第1案内手段が転動面の長手方向一側端部と通路部材との間に配設されるので、入球口の長手方向端部の近傍から遊技球が入球した場合に、その遊技球を第1案内手段の第1傾斜面により通路部材へ案内して、転動面の長手方向端部に滞らせ難くできる。よって、入球口から入球した遊技球を通路部材へ早く流入させることができ、その結果、開閉部材により入球口を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
遊技機J1からJ3のいずれかにおいて、前記転動面に凹設され前記入球口から前記通路部材へ向けて下降傾斜する凹溝として形成される案内溝を備えることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、遊技機J1からJ3のいずれかの奏する効果に加え、転動面に凹設され入球口から通路部材へ向けて下降傾斜する凹溝として形成される案内溝を備えるので、転動面をその転動面の長手方向に転動する遊技球を受け入れて通路部材へ案内することができる。即ち、遊技球が転動面の長手方向に転動する際に通路部材を通過することを抑制できる。よって、入球口から入球した遊技球を通路部材へ早く流入させることができ、その結果、開閉部材により入球口を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
遊技機J4において、前記案内溝が前記転動面の長手方向に略直交する方向に直線状に延設されることを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J4の奏する効果に加え、案内溝が転動面の長手方向に略直交する方向に直線状に延設されるので、転動面をその転動面の長手方向に転動する遊技球を案内溝に受け入れやすくできると共に、受け入れた遊技球を通路部材へ速やかに案内する(流入させる)ことができる。その結果、開閉部材により入球口を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
遊技機J4又はJ5において、前記案内溝の溝幅が遊技球の直径と略同等に設定されることを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J4又はJ5の奏する効果に加え、案内溝の溝幅が遊技球の直径と略同等に設定されるので、案内溝に複数の遊技球が受け入れられる場合に、それら各遊技球を整列させた状態で通路部材へ案内することができる。よって、各遊技球を通路部材へ速やかに流入させることができる。その結果、開閉部材により入球口を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
遊技機J3からJ6のいずれかにおいて、前記転動面は、前記第1案内手段が配設される第1領域に対して前記転動面の長手方向に前記通路部材を挟んで反対側となる第2領域が、前記第1領域へ向けて下降傾斜して形成されることを特徴とする遊技機J7。
遊技機J7によれば、遊技機J3からJ6のいずれかの奏する効果に加え、転動面は、第1案内手段が配設される第1領域に対して転動面の長手方向に通路部材を挟んで反対側となる第2領域が、第1領域へ向けて下降傾斜して形成されるので、第2領域へ入球した遊技球または第1領域から第2領域まで転動した遊技球を、第2領域の下降傾斜を利用して、通路部材へ向けて速やかに転動させることができる。その結果、開閉部材により入球口を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
遊技機J7において、前記転動面の第2領域から突設される第2案内手段を備えることを特徴とする遊技機J8。
遊技機J8によれば、遊技機J7の奏する効果に加え、転動面の第2領域から突設される第2案内手段を備えるので、第2領域の下降傾斜により転動速度が速くされた遊技球を通路部材の手前で減速させることができる。即ち、通路部材までは転動速度を速くしつつ、通路部材の手前(直前)で減速させて、遊技球が第2領域から通路部材を通過して第1領域まで転動することを抑制できる。よって、その分、遊技球を通路部材へ早く流入させることができる。その結果、開閉部材により入球口を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
遊技機J7又はJ8において、前記転動面の第2領域に配設され、前記通路部材へ向けて前記転動面の第2領域を前記転動面の長手方向に沿って転動される遊技球を前記入球口側へ案内可能に形成される第2案内手段を備えることを特徴とする遊技機J9。
遊技機J9によれば、遊技機J7又はJ8の奏する効果に加え、転動面の第2領域に配設され、通路部材へ向けて転動面の第2領域を転動面の長手方向に沿って転動される遊技球を入球口側へ案内可能に形成される第2案内手段を備えるので、第2領域の下降傾斜により転動速度が速くされた遊技球を通路部材の手前で減速させることができる。即ち、通路部材までは転動速度を速くしつつ、通路部材の手前(直前)で減速させて、遊技球が第2領域から通路部材を通過して第1領域まで転動することを抑制できる。よって、その分、遊技球を通路部材へ早く流入させることができる。その結果、開閉部材により入球口を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
遊技機J9において、前記入球口が開放された状態では、前記転動面を転動する遊技球が当接可能な位置に前記開閉部材が配設されることを特徴とする遊技機J10。
遊技機J10によれば、遊技機J9の奏する効果に加え、入球口が開放された状態では、転動面を転動する遊技球が当接可能な位置に開閉部材が配設されるので、第2案内手段により入球口側へ案内された遊技球を、開閉部材に当接させて、通路部材へ向けて跳ね返させることができる。よって、その分、遊技球を通路部材へ早く流入させることができる。その結果、開閉部材により入球口を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
遊技機J9又はJ10において、前記第2案内手段は、前記第1案内手段と反対側の側縁部が前記第1案内手段から離間するに従って前記入球口から離間する方向に傾斜されると共に、その上面が前記第1案内手段と反対側の側辺部へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機J11。
遊技機J11によれば、遊技機J9又はJ10の奏する効果に加え、第2案内手段は、第1案内手段と反対側の側縁部が第1案内手段から離間するに従って入球口から離間する方向に傾斜されると共に、その上面が第1案内手段と反対側の側縁部へ向けて下降傾斜されるので、遊技球を、入球口から飛び出ることを抑制しつつ、通路部材へ早く流入させることができる。
即ち、第2領域を通路部材へ向けて転動面の長手方向に沿って転動される遊技球のうち、転動速度が比較的低い(遅い)遊技球に対しては、入球口から外部へ飛び出る恐れが低いので、第2案内手段の側縁部に当接させて入球口側へ案内することで、第2領域から通路部材を通過して第1領域まで転動することを抑制して、その分、通路部材へ早く流入させることができる。一方、転動速度が比較的高い(速い)遊技球に対しては、第2案内手段の上面を乗り越えさせて、第1領域(第1案内手段)まで案内することができる。よって、第2案内手段の乗り越えと第1案内部材への衝突とにより遊技球の運動エネルギーを消費させ、確実に減速させることができる。よって、入球口から飛び出ることを抑制しつつ、通路部材へ早く流入させることができる。これらの結果、開閉部材により入球口を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
遊技機J11において、前記第2案内手段は、前記第1案内手段に対向する側の側縁部が前記転動面の長手方向に直交する方向に延設され、前記転動面の長手方向に直交する方向における前記第1案内手段の側縁部の寸法が、前記転動面の長手方向に直交する方向における前記第2案内手段の側縁部の寸法よりも大きくされることを特徴とする遊技機J12。
遊技機J12によれば、遊技機J11の奏する効果に加え、転動面の長手方向に直交する方向における第1案内手段の側縁部の寸法が、転動面の長手方向に直交する方向における第2案内手段の側縁部の寸法よりも大きくされるので、第2案内手段の上面を乗り越えた遊技球を、第1案内手段に当接(衝突)させて、確実に減速させることができると共に、通路部材の近傍に位置させやすくできる。よって、遊技球を通路部材へ早く流入させることができる。
遊技機J11又はJ12において、前記転動面から遊技球の半径だけ離間した位置が前記第2案内手段の側縁部に含まれることを特徴とする遊技機J13。
遊技機J13によれば、遊技機J11又はJ12の奏する効果に加え、転動面から遊技球の半径だけ離間した位置が第2案内手段の側縁部に含まれるので、第2案内手段の上面を乗り越えた遊技球を、第1案内手段の側縁部に当接(衝突)させて、確実に減速させることができると共に、通路部材の近傍に位置させやすくできる。よって、遊技球を通路部材へ早く流入させることができる。
遊技機J8からJ13のいずれかにおいて、前記第1案内手段の第1傾斜面における傾斜方向の延長上に前記第2案内手段が位置することを特徴とする遊技機J14。
遊技機J14によれば、遊技機J8からJ13のいずれかの奏する効果に加え、第1案内手段の第1傾斜面における傾斜方向の延長上に第2案内手段が位置するので、第1案内手段の第1傾斜面により通路部材へ向けて案内された遊技球の転動速度が比較的高い(速い)場合であっても、かかる遊技球を、第2案内手段に当接(衝突)させて、減速させることができると共に、通路部材の近傍に位置させやすくできる。よって、遊技球を通路部材へ早く流入させることができる。
遊技機J14において、前記転動面に凹設され前記入球口から前記通路部材へ向けて下降傾斜する凹溝として形成される案内溝を備え、前記案内溝の底面から前記第2案内手段の最上部までの高さ寸法が遊技球の半径よりも大きくされることを特徴とする遊技機J15。
遊技機J15によれば、遊技機J14の奏する効果に加え、転動面に凹設され入球口から通路部材へ向けて下降傾斜する凹溝として形成される案内溝を備え、案内溝の底面から第2案内手段の最上部までの高さ寸法が遊技球の半径よりも大きくされるので、第1案内手段の第1傾斜面により通路部材へ向けて案内された遊技球の転動速度が比較的高い(速い)場合に、かかる遊技球を、第2案内手段に当接(衝突)しやすくできる。よって、かかる遊技球を、減速させることができると共に、通路部材の近傍に位置させやすくでき、通路部材へ早く流入させることができる。
遊技機J1からJ15のいずれかにおいて、前記転動面に凹設され前記入球口から前記通路部材へ向けて下降傾斜する凹溝として形成される案内溝を備え、前記案内溝の溝幅が前記通路部材へ向かうに従って小さくされることを特徴とする遊技機J16。
遊技機J16によれば、遊技機J1からJ15のいずれかの奏する効果に加え、転動面に凹設され入球口から通路部材へ向けて下降傾斜する凹溝として形成される案内溝を備え、案内溝の溝幅が通路部材へ向かうに従って小さくされるので、転動面をその転動面の長手方向へ転動する遊技球が案内溝の側壁に当接(衝突)することで、かかる遊技球の転動方向を通路部材へ向かう方向へ転換させやすくできる。よって、遊技球を通路部材へ早く流入させることができる。
<入賞口ユニット930及び送球ユニット970を一例とする発明の概念について>
遊技球が入球可能に形成される入球口およびその入球口に連結される通路を備えた入球ユニットと、その入球ユニットが配設される遊技盤とを備えた遊技機において、前記遊技盤には、板厚方向に開口部が開口形成され、前記入球ユニットは、前記入球口およびその入球口に連結される第1通路を有すると共に前記遊技盤の前面側に配設される第1ユニットと、その第1ユニットの背面側に前記遊技盤の開口部を介して配設されると共に前記第1通路に連結される第2通路を有する第2ユニットとを備えることを特徴とする遊技機K1。
ここで、遊技球が入球可能に形成される入球口およびその入球口に連結される通路を備えた入球ユニットと、その入球ユニットが配設される遊技盤とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2015−131046号公報)。かかる遊技機によれば、入球ユニットを別の入球ユニット(例えば、通路の本数が異なるもの)に取り換えることで、遊技盤を流用(兼用)しつつ、遊技機の仕様を変更することができる。しかしながら、上述した遊技機では、入球ユニットが遊技盤の前面に配設されるので、例えば、通路の最大本数に応じたスペースを予め遊技盤の前面に確保しておく必要があった。そのため、通路の本数が少ない入球ユニットを用いる場合には、遊技盤の前面側のスペースに無駄が生じるという問題点があった。
これに対し、遊技機K1によれば、入球ユニットは、入球ユニットは、入球口およびその入球口に連結される第1通路を有すると共に遊技盤の前面側に配設される第1ユニットと、その第1ユニットの背面側に遊技盤の開口部を介して配設されると共に第1通路に連結される第2通路を有する第2ユニットとを備えるので、遊技盤の前面には第1ユニットの大きさに対応するスペースを確保すれば足り、通路(第2通路)の最大本数に応じたスペースを遊技盤の前面に確保しておく必要がない。よって、第2ユニットを別の第2ユニット(例えば、第2通路の本数が異なるもの)に取り換えることで、遊技盤を流用(兼用)しつつ、遊技盤の仕様を変更する際に、遊技盤の前面のスペースを有効に活用できる。
遊技機K1において、前記第1ユニットの少なくとも一部が光透過性材料から形成され、前記第2ユニットが、前記第1ユニットよりも小さな外形に形成されると共に、正面視において前記第1ユニットに重なる位置に配設されることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、第1ユニットが光透過性材料から形成され、第2ユニットが、第1ユニットよりも小さな外形に形成されると共に、正面視において第1ユニットに重なる位置に配設されるので、第1ユニットを通して第2ユニットを遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、第2ユニットを遊技者に視認可能とするために、遊技盤を光透過性材料から形成することが必須とされず、例えば、遊技盤をベニヤ板から形成することや遊技盤にシールを貼り付ける、或いは、遊技盤を塗装することも許容されるので、設計の自由度を高めることができる。
遊技機K2において、前記第2ユニットの少なくとも前記第2通路における正面側が光透過性材料から形成されることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K2の奏する効果に加え、第2ユニットの少なくとも第2通路における正面側が光透過性材料から形成されるので、第1ユニットを通して第2ユニットの第2通路を流下する遊技球を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第1ユニットは、その全体が光透過性材料から形成されていても良い。また、第1ユニットの一部のみが光透過性材料からなる場合は、正面視において第2ユニットの少なくとも第2通路に重なる部分が光透過性材料から形成されることが好ましい。遊技球の流下を視認可能として、遊技の興趣を高められるからである。
遊技機K3において、前記第1ユニットが無色の光透過性材料から形成され、前記第2ユニットが有色の光透過性材料から形成されることを特徴とする遊技機K4。
遊技機K4によれば、遊技機K3の奏する効果に加え、第1ユニットが無色の光透過性材料から形成され、第2ユニットが有色の光透過性材料から形成されるので、第1ユニットを通して第2ユニットを遊技者に視認させる場合に、第1ユニットと第2ユニットとの前後方向の位置関係を遊技者に把握させやすくできる。即ち、遊技球が前後方向に位置を変化させて流下される態様を遊技者に視認させやすくできるので、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機K4において、前記第2ユニットの前記第2通路の正面には、文字または図形からなる情報が表示されることを特徴とする遊技機K5。
遊技機K5によれば、遊技機K4の奏する効果に加え、第2ユニットの第2通路の正面には、文字または図形からなる情報が表示されるので、第1ユニットを通して第2ユニットを視認する場合であっても、表示を目印(基準位置)として、第2通路の位置(前後方向位置)を遊技者に認識させやすくできる。なお、表示の態様としては、インクによる印刷、シールの貼り付け、2色成形などが例示される。
遊技機K1からK5のいずれかにおいて、前記第2通路は、前記第1通路に連結される第2上流通路と、その第2上流通路から複数本に分岐される複数の第2分岐通路と、それら複数の第2分岐通路のそれぞれに連結される複数の第2連結通路とを備え、前記第2ユニットは、前記第1ユニットの背面側に配設されると共に前記第2上流通路と前記複数の第2分岐通路とが形成される第2上流ユニットと、その第2上流ユニットに配設されると共に前記複数の第2連結通路が形成される第2下流ユニットとを備え、前記複数の第2分岐通路に遊技球の通過を検出する検出センサが配設されることを特徴とする遊技機K6。
遊技機K6によれば、遊技機K1からK5のいずれかにおいて、第2ユニットは、第1ユニットの背面側に配設されると共に第2上流通路と複数の第2分岐通路とが形成される第2上流ユニットと、その第2上流ユニットに配設されると共に複数の第2連結通路が形成される第2下流ユニットとを備え、複数の第2分岐通路に遊技球の通過を検出する検出センサが配設されるので、例えば、第2上流ユニットを、第2分岐通路の本数が少ない別のユニットに変更して異なる仕様の遊技機を製造する場合に、検出センサの配設数を作業者が間違えることを抑制できる。
即ち、第2連結通路に検出センサを配設する構造では、第2連結通路の本数分だけ検出センサを配設できるところ、例えば、第2分岐通路が2本形成される第2上流ユニットを、第1通路と第2連結通路との間を1本の通路のみで連結する別のユニットに変更する場合に、1の検出センサを配設すれば足りるのに、第2連結通路の本数分だけ検出センサを配設してしまう可能性がある。これに対し、第2分岐通路に検出センサを配設する構造であれば、第2上流ユニットを別のユニットに変更する際に、そのユニットに応じた数の検出センサを配設することになるため、その配設数を作業者が間違えることを抑制できる。
遊技機K6において、前記第1ユニットは、遊技球が入球可能に形成される第2入球口を備え、その第2入球口に入球された遊技球が通過する第3通路が、前記第1ユニット、前記第2上流ユニット及び前記第2下流ユニットのそれぞれにわたって形成されると共に、前記第3通路のうちの前記第2下流ユニットに形成される部分に遊技球を検出する検出センサが配設されることを特徴とする遊技機K7。
遊技機K7によれば、遊技機K6の奏する効果に加え、第1ユニットは、遊技球が入球可能に形成される第2入球口を備え、その第2入球口に入球された遊技球が通過する第3通路が、第1ユニット、第2上流ユニット及び第2下流ユニットのそれぞれにわたって形成されると共に、第3通路のうちの第2下流ユニットに形成される部分に遊技球を検出する検出センサが配設されるので、第2ユニットに配設される検出センサを分散させることができ、その分、通路の配置の自由度を高めることができる。
遊技機K7において、前記第1通路に対して前記第2通路が直接または間接に係合することで、又は、前記第1ユニットおよび前記第2ユニットの前記第3通路どうしが直接または間接に係合することで、前記第1ユニットに対する前記第2ユニットの位置決めが行われることを特徴とする遊技機K8。
遊技機K8によれば、遊技機K7の奏する効果に加え、第1通路に対して第2通路が直接または間接に係合することで、又は、第1ユニットおよび第2ユニットの第3通路どうしが直接または間接に係合することで、第1ユニットに対する第2ユニットの位置決めが行われるので、第2ユニットの第2上流ユニットを別のユニットに変更する場合でも位置決めを可能とできる。即ち、別のユニットの形態に関わらず、第1通路と第2通路とが連結される位置または第3通路どうしが連結される位置は同一であるので、第1通路に対して前記第2通路を又は第3通路どうしを直接または間接に係合させて位置決めすることで、別ユニットであっても第1ユニットに対して位置決めを行うことができる。
また、第1ユニットに対する第2ユニットの位置決めは、第1通路と第2通路との連結部分または第3通路どうしの連結部分に位置ずれ(段差)が生じることを抑制することが目的となるところ、その対象となる部分(第1通路と第2通路との連結部分または第3通路どうしの連結部分)を位置決めすることができるので、他の部分を位置決めする場合と比較して、位置ずれ(段差)の発生を効果的に抑制できる。その結果、遊技球のスムーズに流下させることができる。
遊技機K6からK8のいずれかにおいて、前記第2上流通路の前記第2分岐通路に配設される検出センサの一部が前記第2下流ユニットへ向けて突出されると共に、その突出された検出センサの一部を受け入れる受入部が前記第2下流ユニットに形成されることを特徴とする遊技機K9。
遊技機K9によれば、遊技機K6からK8のいずれかの奏する効果に加え、第2上流通路の第2分岐通路に配設される検出センサの一部が第2下流ユニットへ向けて突出されると共に、その突出された検出センサの一部を受け入れる受入部が第2下流通路に形成されるので、検出センサと受入部との係合により第2上流ユニット及び第2下流ユニットの位置決めを行うことを可能としつつ、検出センサの一部が外部へ張り出すことを抑制して、第2ユニット全体としての小型化を図ることができる。
遊技機K1からK6において、前記第1ユニットは、遊技球が入球可能に形成される第2入球口を備え、その第2入球口に入球された遊技球が通過する第3通路が、前記第2ユニットにおいて、少なくとも前記第2分岐通路の間に形成されることを特徴とする遊技機K10。
遊技機K10によれば、遊技機K1からK9の奏する効果に加え、第2入球口に入球された遊技球が通過する第3通路が、第2ユニットにおいて、少なくとも第2分岐通路の間に形成されるので、第2ユニットの小型化を図ることができる。
遊技機K1からK10のいずれかにおいて、前記第2通路には、前記第2ユニットの正面から背面へ向けて屈曲される屈曲部分が形成されると共に、その屈曲部分における屈曲外側の壁部の内面から立設部が立設され、前記屈曲外側の壁部が遊技球の流下方向へ向かうに従って前記第2ユニットの背面側に位置するように傾斜されることを特徴とする遊技機K11。
遊技機K11によれば、遊技機K1からK10のいずれかの奏する効果に加え、第2通路には、第2ユニットの正面から背面へ向けて屈曲される屈曲部分が形成されると共に、その屈曲部分における屈曲外側の壁部の内面から立設部が立設され、屈曲外側の壁部が遊技球の流下方向へ向かうに従って第2ユニットの背面側に位置するように傾斜されるので、第2通路の屈曲部分を流下する遊技球を遊技者に視認させやすくできる。即ち、屈曲部分の屈曲外側の壁部の内面から立設部が立設されることで、通路の剛性を高めて耐久性の向上を図ると共に立設部の立設先端に沿って遊技球を案内して屈曲部分をスムーズに流下させることができる一方で、正面視において立設部が遊技球の正面に位置することとなるため、立設部に遊技球が隠れてその遊技球の視認性が低下する。これに対し、屈曲外側の壁部が遊技球の流下方向へ向かうに従って第2ユニットの背面側に位置するように傾斜されることで、剛性の確保と遊技球の案内とを可能としつつ、立設部の前後方向の厚みを薄くできるので、遊技球の視認性を確保できる。
<入賞口ユニット930及び送球ユニット970を一例とする発明の概念について>
遊技球が通過する第1通路部材と、その第1通路部材の下流端に上流端が連結され前記第1通路部材から流下された遊技球が通過する第2通路部材とを備えた遊技機において、少なくとも前記第2通路部材の上流端のうちの底面側の底面上流端と側面側の側面上流端とが遊技球の通過方向に位置を異ならせて形成されることを特徴とする遊技機L1。
ここで、遊技球が通過する第1通路部材と、その第1通路部材の下流端に上流端が連結され第1通路部材から流下された遊技球が通過する第2通路部材とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2012−5783号公報)。しかしながら、このように、第1通路部材と第2通路部材とを連結する構造では、両者の間の位置ずれが避けられないため、第1通路部材の下流端と第2通路部材の上流端との連結部分に段差が形成され、遊技球のスムーズな流下が阻害される恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機L1では、少なくとも第2通路部材の上流端のうちの底面側の底面上流端と側面側の側面上流端とが遊技球の通過方向に位置を異ならせて形成されるので、遊技球が底面側の段差(底面上流端)を通過するタイミングと側面側の段差(側面上流端)を通過するタイミングとを異ならせることができる。よって、これら底面側の段差と側面側の段差との影響を遊技球が同時に受けることを回避し、それらの影響を分散させられるので、その分、遊技球をスムーズに流下(通過)させることができる。
遊技機L1において、前記底面上流端から遊技球の半径だけ離間した位置が前記側面上流端に含まれることを特徴とする遊技機L2。
遊技機L2によれば、遊技機L1の奏する効果に加え、底面上流端から遊技球の半径だけ離間した位置が側面上流端に含まれるので、第1通路部材から第2通路部材へ遊技球が転動(流下)する際に、かかる遊技球を側面上流端に内接させることができる。即ち、遊技球が影響を受ける底面側の段差の位置と側面側の段差の位置とを遊技球の通過方向に確実に異ならせることができる。その結果、これら底面側の段差と側面側の段差との影響を遊技球が同時に受けることを確実に回避し、それらの影響を分散させやすくできるので、その分、遊技球をスムーズに流下(通過)させることができる。
遊技機L1又はL2において、前記第1通路部材の下流端のうちの底面側の底面下流端と側面側の側面下流端とが遊技球の通過方向に位置を異ならせて形成され、前記第1通路部材は、その下流端から前記第2通路部材の上流端へ向けて突出されると共にその突出先端が前記側面下流端とされる突出片を備えると共に、前記第2通路部材は、その上流端に凹設され前記突出片を受け入れると共に前記突出片の突出先端に対面する部分が前記側壁上流端とされる凹部を備えることを特徴とする遊技機L3。
遊技機L3によれば、遊技機L1又はL2の奏する効果に加え、第1通路部材は、その下流端から第2通路部材の上流端へ向けて突出されると共にその突出先端が側面下流端とされる突出片を備えると共に、第2通路部材は、その上流端に凹設され突出片を受け入れると共に突出片の突出先端に対面する部分が側壁上流端とされる凹部を備えるので、第1通路部材の側面下流端および底面下流端を、第2通路部材の側面上流端および側面下流端に近接させることができる。即ち、第2通路部材の側面上流端が底面上流端に対して遊技球の通過方向下流側に位置を異ならせて形成される場合に、その第2通路部材の側面上流端に遊技球が達するまでの間、第1通路部材の突出片により遊技球を案内できる。よって、遊技球をスムーズに流下(通過)させることができる。
一方で、突出片は比較的剛性が弱く、折損のおそれがあるところ、遊技機L3によれば、突出片が第1通路部材(即ち、遊技球の通過方向上流側)に形成されるので、突出片が折損した場合であっても、第2通路部材の底面上流端と側面上流端とを遊技球の通過方向に位置を異ならせた状態を維持でき、遊技球が底面側の段差(底面上流端)を通過するタイミングと側面側の段差(側面上流端)を通過するタイミングとを異ならせることができる。よって、これら底面側の段差と側面側の段差との影響を遊技球が同時に受けることを回避し、それらの影響を分散させられるので、その分、遊技球をスムーズに流下(通過)させることができる。
また、遊技機L3によれば、遊技機突出片が第1通路部材に、凹部が第2通路部材に、それぞれ形成されるので、突出片に凹部の側面が当接されることで、第1通路部材に対する第2通路部材の上方への位置ずれを規制できる。即ち、第1通路部材の下流端よりも第2通路部材の上流端が高い位置となる段差では、遊技球が乗り上げる際に跳ね上げられやすいため、逆の段差(第1通路部材の下流端よりも第2通路部材の上流端が低い位置となる段差)と比較して、遊技球のスムーズな流下(通過)を阻害しやすい。よって、遊技機L3のように、第1通路部材に対する第2通路部材の上方への位置ずれを規制できることは、第1通路部材の下流端よりも第2通路部材の上流端が高い位置となる段差が形成されることを抑制でき、遊技球のスムーズな流下に特に有効となる。
遊技機L3において、前記第2通路部材の側面上流端が遊技球の通過方向に対して傾斜して形成されることを特徴とする遊技機L4。
遊技機L4によれば、遊技機L3の奏する効果に加え、第2通路部材の側面上流端が遊技球の通過方向に対して傾斜して形成されるので、第2通路部材の側面上流端が遊技機の通過方向に対して直交して形成される場合と比較して、第2通路部材の側面上端面に衝突した遊技球を傾斜に沿って滑らせて、跳ね返され難くできる。その結果、遊技球をスムーズに通過(流下)させやすくすることができる。
遊技機L1又はL2において、少なくとも前記第2通路部材の上流端の全体が前記遊技球の通過方向に対して傾斜して形成されることを特徴とする遊技機L5。
遊技機L5によれば、遊技機L1又はL2の奏する効果に加え、少なくとも第2通路部材の上流端の全体が遊技球の通過方向に対して傾斜して形成されるので、第2通路部材の上流端のうちの側面上流端を遊技球の通過方向に対して傾斜せることができる。よって、第2通路部材の側面上流端が遊技機の通過方向に対して直交して形成される場合と比較して、第2通路部材の側面上端面に衝突した遊技球を傾斜に沿って滑らせて、跳ね返され難くできる。その結果、遊技球をスムーズに通過(流下)させやすくすることができる。
この場合、遊技機L5によれば、第2通路部材の上流端の全体が傾斜して形成されるので、例えば、突出片や凹部を有する形状(階段状)に形成される場合と比較して、応力集中の発生を抑制して、通路部材の耐久性を確保できる。また、第2通路部材が樹脂材料からなる場合には、その射出成型金型のキャビティ(空洞部分)の形状変化を緩やかとできるので、気泡だまり(エア噛み)や充填不良を抑制して、成形性の向上を図ることができる。
遊技機L4又はL5において、前記第2通路部材の側面上流端が遊技機の通過方向に沿って下降傾斜して形成されることを特徴とする遊技機L6。
遊技機L6によれば、遊技機L4又はL5の奏する効果に加え、第2通路部材の側面上流端が遊技機の通過方向に沿って下降傾斜して形成されるので、第2通路部材の側面上流端に衝突した遊技球を底面側へ押し付けることができる。即ち、第2通路部材の側面上流端で遊技球が跳ね上げられて、バウンドすることを抑制できる。その結果、遊技球をスムーズに通過(流下)させやすくすることができる。
<特定入賞口ユニット550を一例とする発明の概念について>
遊技球が入球可能に形成される入球口と、その入球口を挟んだ位置に回転可能に軸支され前記入球口を開放または閉鎖する一対の羽部材と、それら一対の羽部材を回転させるための駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記一対の羽部材に伝達する伝達機構とを備えた遊技機において、前記一対の羽部材が外部から開放方向へ変位された場合に、前記一対の羽部材の開放方向への変位を前記伝達機構が規制可能に形成されることを特徴とする遊技機M1。
ここで、遊技球が入球可能に形成される入球口と、その入球口を挟んで配設される一対の羽部材と、それら一対の羽部材に駆動力を付与して開放または閉鎖させる駆動手段と、その駆動手段の駆動力により一対の羽部材が開放されると入球口への遊技球の入球を許容する許容位置に配置されると共に駆動手段の駆動力により一対の羽部材が閉鎖されると入球口への遊技球の入球を規制する規制位置に配置される規制手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2011−172833号公報)。
この遊技機によれば、駆動手段の駆動力により一対の羽部材が開放されると、規制手段が許容位置に配置されることで、一対の羽部材の間を通過した遊技球を入球口へ入球させることができる。一方、駆動手段の駆動力により一対の羽部材が閉鎖されると、規制手段が規制位置に配置されるので、一対の羽部材が外部から強制開放された場合に、遊技球が入球口へ入球されることを規制できる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、規制手段の変位が規制されていないため、例えば、一対の羽部材を外部から強制開放した上で、規制手段を規制位置から許容位置へ変位させることができるため、遊技球が入球口へ不正に入球されることを規制する効果が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機M1によれば、一対の羽部材が外部から開放方向へ変位された場合に、それら一対の羽部材の開放方向への変位を伝達機構が規制可能に形成されるので、羽部材が強制開放されることを抑制できる。よって、遊技球が入球口へ不正に入球されることを規制しやすくできる。
遊技機M1において、前記伝達機構は、前記駆動手段の駆動力により回転される回転部材と、その回転部材の回転に伴ってスライド変位されるスライド部材とを備え、前記スライド部材または前記一対の羽部材の一方から突設部が突設されると共に、その突設部が摺動可能に挿通される摺動溝が前記スライド部材または前記一対の羽部材の他方に凹設され、前記摺動溝の内壁には、前記羽部材を閉鎖させる位置まで前記スライド部材がスライド変位された際に前記突設部を受け入れる受入部が凹設され、前記受入部に前記突設部が受け入れられた状態では、前記羽部材の回転が規制されることを特徴とする遊技機M2。
遊技機M2によれば、遊技機M1の奏する効果に加え、摺動溝の内壁には、羽部材を閉鎖させる位置までスライド部材がスライド変位された際に突設部を受け入れる受入部が凹設され、受入部に突設部が受け入れられた状態では、羽部材の回転が規制されるので、羽部材が外部から強制開放されることを抑制できる。
遊技機M2において、前記スライド部材のスライド変位の方向が、前記一対の羽部材の回転軸に略直交する方向であることを特徴とする遊技機M3。
遊技機M3によれば、遊技機M2の奏する効果に加え、スライド部材のスライド変位の方向が、一対の羽部材の回転軸に略直交する方向であるので、羽部材が外部から開放方向へ変位され、その外力が突設部および受入部を介してスライド部材に伝達された場合でも、スライド部材のスライド変位成分を発生し難くできる。その結果、羽部材が強制開放されることを抑制できる。
また、スライド部材を羽部材に対して略平行に配設することができる。その結果、羽部材およびスライド部材の配設に必要なスペースを抑制でき、その分、他の部材を配設するスペースを確保できる。
遊技機M2又はM3において、前記スライド部材が重力方向下方へ向けてスライド変位されることで、前記受入部に前記突設部が受け入れられることを特徴とする遊技機M4。
遊技機M4によれば、遊技機M2又はM3の奏する効果に加え、スライド部材が重力方向下方へ向けてスライド変位されることで、受入部に突設部が受け入れられるので、スライド部材の重さ(自重)を利用して、受入部に突設部が受け入れられた状態を維持しやすくできる。
遊技機M1において、前記伝達機構は、前記駆動手段の駆動力により回転される回転部材と、その回転部材の回転に伴ってスライド変位されるスライド部材とを備え、前記スライド部材または前記一対の羽部材の一方から突設部が突設されると共に、その突設部が摺動可能に挿通される摺動溝が前記スライド部材または前記一対の羽部材の他方に凹設され、前記回転部材は、当接部と、その当接部の先端から張り出す張出部とを備え、前記スライド部材は、前記羽部材を閉鎖させるために前記回転部材が一側へ向けて回転された際に前記当接部の一側が当接される一側被当接部と、その一側被当接部と前記スライド変位の方向に所定間隔を隔てて対向配置され前記羽部材を開放させるために前記回転部材が他側へ向けて回転された際に前記当接部の他側が当接される他側被当接部とを備え、前記羽部材が閉鎖された状態では、前記一側被当接部に前記当接部の一側が当接されると共に前記張出部が前記スライド部材に係合されると共に、少なくとも前記他側被当接部に前記当接部の他側が当接される位置まで前記回転部材が他側へ回転されると、前記張出部の前記スライド部材との係合が解除されることを特徴とする遊技機M5。
遊技機M5によれば、遊技機M1の奏する効果に加え、回転部材は、当接部と、その当接部の先端から張り出す張出部とを備え、スライド部材は、羽部材を閉鎖させるために回転部材が一側へ向けて回転された際に当接部の一側が当接される一側被当接部と、その一側被当接部とスライド変位の方向に所定間隔を隔てて対向配置され羽部材を開放させるために回転部材が他側へ向けて回転された際に当接部の他側が当接される他側被当接部とを備えるので、回転部材が一側へ回転されると、その回転に伴って、一側被当接部が当接部の一側によって押され、スライド部材が一側へ向けてスライド変位されることで、羽部材が閉鎖される一方、回転部材が他側へ回転されると、その回転に伴って、他側被当接部が当接部の他側によって押され、スライド部材が他側へ向けてスライド変位されることで、羽部材が開放される。
この場合、羽部材が閉鎖された状態では、一側被当接部に当接部の一側が当接されると共に張出部がスライド部材に係合されるので、回転部材を回転させずにスライド部材を他側へスライド変位させることが規制される。よって、羽部材が外部から強制開放されることを抑制できる。
一方、少なくとも他側被当接部に当接部の他側が当接される位置まで回転部材が他側へ回転されると、張出部のスライド部材との係合が解除されるので、回転部材を更に他側へ回転させることで、スライド部材を他側へ向けてスライド変位させ、羽部材を開放することができる。
遊技機M1において、前記伝達機構は、前記駆動手段の駆動力により回転される回転部材と、その回転部材の回転に伴ってスライド変位されるスライド部材とを備え、前記スライド部材または前記一対の羽部材の一方から突設部が突設されると共に、その突設部が摺動可能に挿通される摺動溝が前記スライド部材または前記一対の羽部材の他方に凹設され、前記回転部材は、当接部と、その当接部の先端から張り出す張出部とを備え、前記スライド部材は、前記羽部材を閉鎖させるために前記回転部材が一側へ向けて回転された際に前記当接部の一側が当接される一側被当接部と、その一側被当接部と前記スライド変位の方向に所定間隔を隔てて対向配置され前記羽部材を開放させるために前記回転部材が他側へ向けて回転された際に前記当接部の他側が当接される他側被当接部とを備え、前記羽部材が閉鎖された状態では、前記張出部が前記スライド部材に非係合とされると共に、前記羽部材が閉鎖された状態から、前記当接部の一側に前記一側当接部が当接される位置まで前記スライド部材がスライド変位されると、前記張出部が前記スライド部材に係合されることを特徴とする遊技機M6。
遊技機M6によれば、遊技機M1の奏する効果に加え、回転部材は、当接部と、その当接部の先端から張り出す張出部とを備え、スライド部材は、羽部材を閉鎖させるために回転部材が一側へ向けて回転された際に当接部の一側が当接される一側被当接部と、その一側被当接部とスライド変位の方向に所定間隔を隔てて対向配置され羽部材を開放させるために回転部材が他側へ向けて回転された際に当接部の他側が当接される他側被当接部とを備えるので、回転部材が一側へ回転されると、その回転に伴って、一側被当接部が当接部の一側によって押され、スライド部材が一側へ向けてスライド変位されることで、羽部材が閉鎖される一方、回転部材が他側へ回転されると、その回転に伴って、他側被当接部が当接部の他側によって押され、スライド部材が他側へ向けてスライド変位されることで、羽部材が開放される。
この場合、羽部材が閉鎖された状態から、当接部の一側に前記一側当接部が当接される位置までスライド部材がスライド変位されると、張出部がスライド部材に係合されるので、回転部材を回転させずにスライド部材を他側へスライド変位させることが規制される。よって、羽部材が外部から強制開放されることを抑制できる。
一方、羽部材が閉鎖された状態では、張出部がスライド部材に非係合とされるので、回転部材を更に他側へ回転させることで、スライド部材を他側へ向けてスライド変位させ、羽部材を開放することができる。ここで、羽部材が閉鎖された状態で、張出部がスライド部材に係合されていると、張出部および一側当接部の形状を、回転部材の他側への回転を許容可能な形状に形成する必要があり、形状が複雑化する。よって、強度が低下するだけでなく、係合が解除されやすくなる恐れがある。これに対し、本発明のように、羽部材が閉鎖された状態では、張出部がスライド部材に非係合とされていることで、張出部および一側当接部の形状を、回転部材の他側への回転を許容可能な形状に形成する必要がない。よって、形状を簡素化して、強度を確保できるだけでなく、係合を保持しやすい形状を採用でき、係合が解除され難くできる。
遊技機M2からM6のいずれかにおいて、前記入球口に入球された遊技球の通路を形成する通路部材を備え、前記突設部が前記摺動溝に非挿通とされた状態では、前記スライド部材の一部が前記通路部材の通路内に配置されることを特徴とする遊技機M7。
遊技機M7によれば、遊技機M2からM6のいずれかの奏する効果に加え、入球口に入球された遊技球の通路を形成する通路部材を備え、突設部が摺動溝に非挿通とされた状態では、スライド部材の一部が通路部材の通路内に配置されるので、例えば、突設部を切断して羽部材を外部から強制開放したとしても、入球口から入球された遊技球の流下をスライド部材によって規制することができる。
<入賞口ユニット930を一例とする発明の概念について>
遊技球が入球可能に形成される入球口と、その入球口を挟んだ位置に回転可能に軸支され前記入球口を開放または閉鎖する一対の羽部材と、それら一対の羽部材を回転させるための駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記一対の羽部材に伝達する伝達機構とを備えた遊技機において、前記入球口に入球された遊技球の通路を形成する通路部材を備え、前記羽部材を開放位置から閉鎖位置まで変位させる際に前記伝達機構の一部が前記通路部材の通路を横切ることを特徴とする遊技機N1。
ここで、遊技球が入球可能に形成される入球口と、その入球口を挟んだ位置に回転可能に軸支され入球口を開放または閉鎖する一対の羽部材と、それら一対の羽部材を回転させるための駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を一対の羽部材に伝達する伝達機構とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2010−234009号公報)。伝達機構は、駆動手段の駆動力により回転される回転部材を備え、回転部材が一側または他側へ向けて回転されることに伴い、羽部材が開放または閉鎖される。
この場合、例えば、遊技球に糸の先端を接着し、かかる遊技球を入球口から入球させると共に通路部材の通路を通過させ、検出センサの検出位置に遊技球が達した状態で、糸の他端を操作(繰り出し、引き寄せ)して、遊技球を往復させることで、検出センサに複数回検出させる不正行為がある。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技球に糸の先端を接着して、検出センサに複数回検出させる不正行為を有効に抑制することが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機N1によれば、羽部材を開放位置から閉鎖位置まで変位させる際に伝達機構の一部が通路部材の通路を横切るので、遊技球に先端が接着されている糸の途中部分に伝達機構を少なくとも干渉させることができる。その結果、遊技球を往復させることで、検出センサに複数回検出させる不正行為を抑制することができる。
遊技機N1において、前記伝達機構は、前記羽部材を開放位置から閉鎖位置まで変位させる際に前記スライド部材が前記通路部材の通路を横切ると共に、前記スライド部材が前記通路部材の縁部に擦接する擦接部を備えることを特徴とする遊技機N2。
遊技機N2によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、伝達機構は、羽部材を開放位置から閉鎖位置まで変位させる際にスライド部材が通路部材の通路を横切ると共に、スライド部材が通路部材の縁部に擦接する擦接部を備えるので、入球口から通路内に不正に挿通された不正物を切断することができる。
即ち、羽部材が開放された状態で上述した遊技球が入球されたとしても、羽部材を開放位置から閉鎖位置まで変位され、スライド部材の擦接部が通路部材の通路を横切る際に、遊技球に先端が接着されている糸の途中部分を、擦接部と共に変位させ通路部材の縁部へ押し付けると共に、擦接部が通路部材の縁部に擦接される際に、擦接部と通路部材の縁部との間で糸を切断することができる。その結果、上述した不正行為を抑制できる。
なお、スライド部材の擦接部は、金属材料から形成することが好ましい。この場合、スライド部材の全体を金属材料から形成しても良く、スライド部材の一部(擦接部)のみを金属材料から形成しても良い。通路部材についても同様であり、通路部材の全体を金属材料から形成しても良く、通路部材の一部(擦接部が擦接される部分)のみを金属材料から形成しても良い。また、擦接部およびその擦接部が擦接される部分(通路部材の縁部)は、刃(切断刃)として形成されることが好ましい。
遊技機N1において、前記伝達機構は、前記羽部材が開放する位置から閉鎖する位置まで変位される際に前記通路部材の通路を横切ると共に互いの縁部どうしを擦接させる一対の切断部材を備えることを特徴とする遊技機N3。
遊技機N3によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、羽部材が開放する位置から閉鎖する位置まで変位される際に通路部材の通路を横切ると共に互いの縁部どうしを擦接させる一対の切断部材を伝達機構が備えるので、入球口から通路内に不正に挿通された不正物を切断することができる。
即ち、羽部材が開放された状態で上述した遊技球が入球されたとしても、羽部材が開放する位置から閉鎖する位置まで変位され、一対の切断部材が通路部材の通路を横切る際に、遊技球に先端が接着されている糸の途中部分を、一対の切断部材の間に挟み込み、切断することができる。その結果、上述した不正行為を抑制できる。
なお、一対の切断部材は、金属材料から形成することが好ましい。この場合、スライド部材の全体を金属材料から形成しても良く、スライド部材の一部(互いに擦接される縁部)のみを金属材料から形成しても良い。また、一対の切断部材における互いに擦接される部分は、刃(切断刃)として形成されることが好ましい。
遊技機N2又はN3において、前記駆動手段は、駆動軸の第1方向への変位が電磁力により行われると共に前記第1方向とは反対方向となる第2方向への前記駆動軸の変位が付勢手段の弾性回復力で行われるソレノイドアクチュエータとして形成され、前記羽部材の開放させる位置から閉鎖させる位置までの変位が、前記駆動手段の駆動軸を前記第1方向へ変位させることで行われることを特徴とする遊技機N4。
遊技機N4によれば、遊技機N2又はN3の奏する効果に加え、羽部材の開放させる位置から閉鎖させる位置までの変位が、駆動手段の駆動軸を第1方向へ変位させることで行われる、即ち、電磁力を利用して行われるので、その駆動力を大きくできる。よって、スライド部材の擦接部と通路部材の縁部との間で不正物(例えば、糸)を切断しやすくできる。
遊技機A1からA9、B1からB9、C1からC11、D1からD10、E1からE7、F1からF8、G1からG16、H1からH15、I1からI10、J1からJ16、K1からK11、L1からL6、M1からM7及びN1からN4のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機K1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA9、B1からB9、C1からC11、D1からD10、E1からE7、F1からF8、G1からG16、H1からH15、I1からI10、J1からJ16、K1からK11、L1からL6、M1からM7及びN1からN4のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機K2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA9、B1からB9、C1からC11、D1からD10、E1からE7、F1からF8、G1からG16、H1からH15、I1からI10、J1からJ16、K1からK11、L1からL6、M1からM7及びN1からN4のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機K3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。