JP2019158660A - 摩耗検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転機械の使用中に回転軸、被締結体、締結体のいずれかが摩耗して、回転軸に対する被締結体の周方向の位相ずれが生じたり、摩耗に伴い締結体が強度不足の状態となることで、回転機械が重大な損傷に到ることを予防する摩耗検出装置を提供する。【解決手段】摩耗検出装置は、外周に凹部を有する回転軸1と、回転軸に取り付けられ、内周に凹部を有する被締結体2と、両凹部を対向配置して形成された溝に挿入されることで回転軸と被締結体を一体化する締結体3と、を有する回転機械の摩耗を検出するものであって、回転体、被締結体、締結体の何れか二者を跨るように設置したセンサ5の出力が入力される。【選択図】図4
Description
本発明は、摩耗を検出する摩耗検出装置に関するものであり、特に大動力を伝達する回転機械で用いられるキーやピンなどの動力伝達部材の摩耗を検出する摩耗検出装置に関する。
先ず、図1を用いて、一般的な回転機械の構成のうち、本発明の摩耗検出装置が関連する部分の概要を説明する。この回転機械は、略円柱状の回転軸1と略円筒状の被締結体2を同心配置し、回転軸1の外周と被締結体2の内周の夫々に凹部を設け、両凹部を対向配置した溝に一般的にキーと呼称される四角柱状の締結体3を挿入することで回転軸1と被締結体2を一体化し、回転軸1の回転を被締結体2に確実に伝達している。
しかし、回転機械の運転を重ね、回転軸1の凹部、被締結体2の凹部、締結体3のいずれかが周方向に摩耗すると、図2のように隙間4が生じる。その結果、回転軸1に対する被締結体2の周方向の位相がずれたり、摩耗に伴い締結体3が強度不足の状態となったりすると、回転機械が重大な損傷に到る可能性がある。
この課題に対し、特許文献1では、回転軸と被締結体の位相ずれを目視点検できる部品を設け、目視した位相ずれ量から簡便に寿命を予測することを提案しており、また、特許文献2では、回転軸と被締結体の位相ずれを検出するセンサとして機能するピンを設け、ピンの検出結果に基づいて歯車型軸継手の使用限界を判定することを提案している。
しかしながら、特許文献1では、目視点検が必要なため、点検時には回転機械の運転停止が必須となり、回転機械を動力とする機器の稼働率が低下するという課題がある。
また、特許文献2では、締結体3が長手方向(図1、図2における奥行き方向)にのみ摩耗し、位相ずれが生じない場合には、センサによる摩耗検出ができないという課題がある。
本発明の目的は前述の点に鑑みてなされたものであり、回転機械の運転中であっても、回転軸に対する被締結体の周方向の位相ずれや、摩耗に伴う締結体の強度不足を検出でき、重大な損傷に到る前に回転機械の劣化を検出することができる摩耗検出装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の摩耗検出装置は、外周に凹部を有する回転軸と、該回転軸に取り付けられ、内周に凹部を有する被締結体と、両凹部を対向配置して形成された溝に挿入されることで前記回転軸と前記被締結体を一体化する締結体と、を有する回転機械の摩耗を検出するものであって、前記回転体、前記被締結体、前記締結体の何れか二者を跨るように設置したセンサの出力が入力される摩耗検出装置とした。
本発明の摩耗検出装置によれば、回転軸、被締結体、締結体のいずれかが摩耗して、回転軸に対する被締結体の周方向の位相ずれが生じた場合や、摩耗に伴い締結体の強度不足が生じた場合に、重大な損傷に到る前に回転機械の劣化を検出することが可能となる。
以下、図面を用いて、本発明の実施例を説明する。
本発明の実施例1を図3に示す。なお、上述した図1、図2と同等の構成については、重複説明を省略する。本実施例では、締結体3と被締結体2の周方向の境界を跨ぐようにセンサ5が設置されており、センサ5の計測結果は検出器6に入力されるように接続されている。この構成により、回転機械の運転中であっても、常時あるいは定期的に、センサ5の計測結果を検出器6で検出できるようになっている。
なお、図3では、センサ5と検出器6を有線接続することで、センサ5の計測結果を検出器6へ送信する構成を例示しているが、両者をBluetooth(登録商標)等の無線で接続した構成としても良い。無線接続を利用する場合、センサ5への給電には内蔵バッテリーを利用しても良く、無線給電方式を利用しても良い。信号伝達と給電を共に無線接続にできれば、回転側のセンサ5と固定側の検出器6の配線にスリップリングなどの特殊な機器を用いる必要がなくなるため、センサ5の簡便な設置が可能となる。
また、図3では、四角柱状の締結体3を単独で用い、回転軸1と被締結体2を一体化した構成を例示しているが、図10の回転軸と被締結体の伝達事例に示すように、円柱状の締結体3を用いたり、複数の締結体3を用いたりすることで、回転軸1と被締結体2を一体化する構成としても良い。締結体3の材料、形状、数は、締結体3に求められる強度等の仕様に応じて適宜設計すれば良い。
回転機械の運転を重ね、回転軸1の凹部、被締結体2の凹部、締結体3のいずれかが周方向に摩耗すると、被締結体2と締結体3の周方向の境界部には、図4に示すような摩耗に起因する位相ずれで生じた隙間4が生じる。このとき、センサ5は隙間4の大きさに応じて伸長するため、これをセンサ5で計測することにより、回転軸1に対する被締結体2の周方向の位相ずれの大きさ、すなわち、被締結体2と締結体3の摩耗量の和を検出することができる。このセンサ5は、伸長量を電気信号に変換して出力するものであり、例えば、ひずみ量に応じて抵抗が変化するひずみゲージや、内部導線のクラック状態に応じた信号を出力するクラックゲージを用いることができる。
そして、センサ5の出力に基づいて検出器6が検出した位相ずれが、許容値以上の位相ずれとなる前にアラームやランプ点灯により位相ずれの異常を作業員に報知することで、回転機械等に対する適時のメンテナンス実行を促すことができる。また、位相ずれの異常を運転システムにフィードバックすれば、回転機械を自動停止する運転停止シーケンスに入ることができ、異常報知を受けた作業員が適時のメンテナンスを実行しない場合であっても、機器の重大な損傷を抑止することができる。
なお、図3では、被締結体2と締結体3の境界を周方向に跨ぐようにセンサ5を設置して位相ずれを検出したが、締結体3と回転軸1の境界を周方向に跨ぐようにセンサ5を設置する図5の構成や、回転軸1と被締結体2の境界を径方向に跨ぐようにセンサ5を設置する図6の構成でも、位相ずれ量に応じてセンサ5が変形するので、図3と同様、回転軸1に対する被締結体2の周方向の位相ずれの大きさを検出できる。
また、図7のように、回転軸1と被締結体2の境界を径方向に跨ぐように複数個のセンサ5を設けることで、位相ずれ検出の確度を向上させることができる。このとき、各センサの位相ずれの検出範囲を段階的に変えることで、単独のセンサを用いる構成に比べ、幅広い範囲の位相ずれを検出することができる。
以上で説明した、本実施例の構成によれば、回転軸、被締結体、締結体のいずれかが摩耗して、回転軸に対する被締結体の周方向の位相ずれが生じた場合や、摩耗に伴い締結体の強度不足が生じた場合に、重大な損傷に到る前に回転機械の劣化を検出することが可能となる。そして、その検出結果を利用することで、作業員に適時のメンテナンス実行を促したり、回転機械を緊急停止したりするなどして、安全を確保することができる。
本発明の実施例2を図8、図9に示す。なお、実施例1との共通点は重複説明を省略する。実施例1では、複数部材に跨るセンサを利用したが、本実施例では、単一部材の表面にセンサを利用する。例えば、図8に示すように、締結体3の端面に、他部材に跨らないようにひずみゲージを設置し、このひずみゲージを検出器6に接続する構成とした。なお、本実施例では隙間4の大きさを計測することは想定していないため、以下では、センサ5がひずみゲージである構成を例に説明を進める。
本実施例の構成においても、回転機械の運転を重ね、回転軸1の凹部、被締結体2の凹部、締結体3のいずれかが周方向に摩耗すると、被締結体2と締結体3の周方向の境界部には、図9に示すような摩耗に起因する位相ずれで生じたすき隙間4が生じる。このとき、摩耗状態に応じて締結体3端面の応力状態が変化するので、摩耗状態に応じた応力値を事前に計算しておき、ひずみゲージの計測値に応じて摩耗状態を予測することが可能となる。そして、許容値以上の位相ずれとなる前にアラームを発報したり、回転機械を停止したりすることで、回転機械を動力源とする機器の重大な損傷を抑止することができる。
また、本実施例の構成において、締結体3の長手方向の摩耗状態に応じた締結体3端面の応力値の変化を事前に計算しておけば、ひずみゲージの計測値に応じて、締結体3の長手方向の摩耗状態を予測することが可能となる。すなわち、締結体3の目視不可能な先端側にのみ許容値以上の摩耗が生じている場合であっても、本実施例を用いることで、その摩耗を検出でき、その摩耗量に応じた適切な対応を採ることができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
1…回転軸、
2…被締結体、
3…締結体、
4…隙間、
5…センサ、6…検出器
2…被締結体、
3…締結体、
4…隙間、
5…センサ、6…検出器
Claims (9)
- 外周に凹部を有する回転軸と、
該回転軸に取り付けられ、内周に凹部を有する被締結体と、
両凹部を対向配置して形成された溝に挿入されることで前記回転軸と前記被締結体を一体化する締結体と、
を有する回転機械の摩耗を検出する摩耗検出装置であって、
前記被締結体と前記締結体を跨るように設置したセンサの出力が入力されることを特徴とする摩耗検出装置。 - 外周に凹部を有する回転軸と、
該回転軸に取り付けられ、内周に凹部を有する被締結体と、
両凹部を対向配置して形成された溝に挿入されることで前記回転軸と前記被締結体を一体化する締結体と、
を有する回転機械の摩耗を検出する摩耗検出装置であって、
前記回転軸と前記締結体を跨るように設置したセンサの出力が入力されることを特徴とする摩耗検出装置。 - 外周に凹部を有する回転軸と、
該回転軸に取り付けられ、内周に凹部を有する被締結体と、
両凹部を対向配置して形成された溝に挿入されることで前記回転軸と前記被締結体を一体化する締結体と、
を有する回転機械の摩耗を検出する摩耗検出装置であって、
前記回転軸と前記被締結体を跨るように設置したセンサの出力が入力されることを特徴とする摩耗検出装置。 - 外周に凹部を有する回転軸と、
該回転軸に取り付けられ、内周に凹部を有する被締結体と、
両凹部を対向配置して形成された溝に挿入されることで前記回転軸と前記被締結体を一体化する締結体と、
を有する回転機械の摩耗を検出する摩耗検出装置であって、
前記締結体の端面に設置したセンサの出力が入力されることを特徴とする摩耗検出装置。 - 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の摩耗検出装置において、
前記センサはひずみゲージであることを特徴とした摩耗検出装置。 - 請求項1から請求項3の何れか一項に記載の摩耗検出装置において、
前記センサはクラックゲージであることを特徴とした摩耗検出装置。 - 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の摩耗検出装置において、
前記センサの出力に基づいて、前記回転軸、前記被締結体、または、前記締結体の摩耗を検出することを特徴とした摩耗検出装置。 - 請求項1から請求項3の何れか一項に記載の摩耗検出装置において、
前記センサの出力に基づいて、前記回転軸に対する前記被締結体の周方向の位相ずれの大きさを検出することを特徴とした摩耗検出装置。 - 外周に凹部を有する回転軸と、
該回転軸に取り付けられ、内周に凹部を有する被締結体と、
両凹部を対向配置して形成された溝に挿入されることで前記回転軸と前記被締結体を一体化する締結体と、
前記回転軸、前記被締結体、前記締結体の何れかに設置されたセンサと、
請求項1から請求項8の何れか一項に記載の摩耗検出装置と、
を具備することを特徴とする回転機械。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018046947A JP2019158660A (ja) | 2018-03-14 | 2018-03-14 | 摩耗検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018046947A JP2019158660A (ja) | 2018-03-14 | 2018-03-14 | 摩耗検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019158660A true JP2019158660A (ja) | 2019-09-19 |
Family
ID=67993867
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2018046947A Pending JP2019158660A (ja) | 2018-03-14 | 2018-03-14 | 摩耗検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2019158660A (ja) |
-
2018
- 2018-03-14 JP JP2018046947A patent/JP2019158660A/ja active Pending
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