JP2019151915A - Plate-like member, and heat exchanger formed by using plate-like member - Google Patents
Plate-like member, and heat exchanger formed by using plate-like member Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019151915A JP2019151915A JP2018235092A JP2018235092A JP2019151915A JP 2019151915 A JP2019151915 A JP 2019151915A JP 2018235092 A JP2018235092 A JP 2018235092A JP 2018235092 A JP2018235092 A JP 2018235092A JP 2019151915 A JP2019151915 A JP 2019151915A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- coating
- plate
- barrier film
- heat exchanger
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Abstract
Description
本開示は、板状部材、及び板状部材を用いて形成された熱交換器に関する。 The present disclosure relates to a plate-shaped member and a heat exchanger formed using the plate-shaped member.
例えば蒸発器のような熱交換器では、空気中の水分が結露してその表面に付着することにより、熱交換器を構成する金属製の板状部材が腐食してしまう可能性がある。このため、板状部材の表面には、防錆のための被膜が形成されることが多い。例えば下記特許文献1には、金属基体の表面に、鍍金による金属皮膜を介して防錆被膜を形成することが記載されている。 For example, in a heat exchanger such as an evaporator, moisture in the air condenses and adheres to the surface of the heat exchanger, which may corrode the metal plate-like member constituting the heat exchanger. For this reason, a coating for rust prevention is often formed on the surface of the plate-like member. For example, Patent Document 1 below describes forming a rust-preventing film on the surface of a metal substrate via a metal film formed by plating.
防錆等の目的によって形成される被膜からは、時間の経過に伴って、一部の成分が被膜の外へと移動してしまう傾向がある。例えば、被膜の表面が外気に曝される場合には、防錆機能を発揮するために必要な成分が、被膜の表面に付着した結露水へと溶出してしまうことがある。その結果、被膜の機能が時間の経過とともに低下してしまう。 From the film formed for the purpose of rust prevention or the like, some components tend to move out of the film over time. For example, when the surface of the film is exposed to the outside air, components necessary for exhibiting the rust prevention function may be eluted into the condensed water adhering to the surface of the film. As a result, the function of the coating deteriorates with time.
また、被膜の表面が、更に別の被膜によって覆われている場合においても、上記と同様の問題が生じ得る。このような場合の例としては、例えば、板状部材の表面を覆うように防錆のための被膜を形成し、当該被膜の表面を更に覆うように、親水性を有する被膜を形成する場合等が挙げられる。この場合、機材の表面を覆う被膜の成分が、拡散によって表面側の被膜へと移動してしまう。その結果、やはり被膜の機能が低下してしまう。 Moreover, even when the surface of the coating is covered with another coating, the same problem as described above may occur. As an example of such a case, for example, a film for rust prevention is formed so as to cover the surface of the plate-like member, and a hydrophilic film is formed so as to further cover the surface of the film, etc. Is mentioned. In this case, the component of the coating covering the surface of the equipment moves to the coating on the surface side by diffusion. As a result, the function of the coating is also deteriorated.
本開示は、被膜の機能が低下することを防止することのできる板状部材、及び当該板状部材を用いて形成された熱交換器、を提供することを目的とする。 An object of this indication is to provide the plate-shaped member which can prevent that the function of a film falls, and the heat exchanger formed using the said plate-shaped member.
本開示に係る板状部材(20)は、基材(210)と、基材の表面を覆うように形成された被膜(220)と、を備える。被膜の表面には、被膜の成分が被膜の外へと移動してしまうことを防止するためのバリア膜(230)が形成されている。 The plate-like member (20) according to the present disclosure includes a base material (210) and a coating (220) formed so as to cover the surface of the base material. A barrier film (230) is formed on the surface of the coating to prevent the components of the coating from moving out of the coating.
このような構成の板状部材では、被膜の表面にバリア膜が形成されている。被膜の成分が被膜の外へと移動してしまうことは、バリア膜によって遮断される。このため、成分の移動に伴って被膜の機能が低下してしまうことが防止される。 In the plate-like member having such a configuration, a barrier film is formed on the surface of the coating. The movement of the components of the coating to the outside of the coating is blocked by the barrier film. For this reason, it is prevented that the function of a film falls with the movement of a component.
尚、バリア膜によって外側から覆われる上記の被膜は、単一の層からなる被膜であってもよく、複数の層からなる被膜であってもよい。 In addition, the coating film covered from the outside by the barrier film may be a coating film composed of a single layer or a coating film composed of a plurality of layers.
また、バリア膜は最も外側の膜、すなわち、その表面が外気に触れるような膜であってもよいのであるが、バリア膜の更に外側が、他の被膜によって覆われているような構成であってもよい。つまり、上記の「被膜」である第1被膜と、第1被膜の表面を覆うように形成された第2被膜を更に備えた板状部材において、バリア膜が、第1被膜と第2被膜との間に形成されているような態様であってもよい。このような構成においては、第1被膜から第2被膜への成分の移動、及び第2被膜から第1被膜への成分の移動、のそれぞれを、バリア膜によって遮断することができる。 Further, the barrier film may be the outermost film, that is, a film whose surface is exposed to the outside air, but the structure is such that the outer side of the barrier film is covered with another film. May be. That is, in the plate-like member further provided with the first film that is the “film” and the second film formed so as to cover the surface of the first film, the barrier film includes the first film and the second film. It may be an aspect formed between. In such a configuration, the movement of the component from the first film to the second film and the movement of the component from the second film to the first film can be blocked by the barrier film.
本開示によれば、被膜の機能が低下することを防止することのできる板状部材、及び当該板状部材を用いて形成された熱交換器、が提供される。 According to this indication, a plate-like member which can prevent that a function of a coat falls and a heat exchanger formed using the plate-like member are provided.
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。 Hereinafter, the present embodiment will be described with reference to the accompanying drawings. In order to facilitate the understanding of the description, the same constituent elements in the drawings will be denoted by the same reference numerals as much as possible, and redundant description will be omitted.
第1実施形態に係る熱交換器10の構成について、図1を参照しながら説明する。熱交換器10は、車両の空調システムとして構成された不図示の冷凍サイクルの一部を成す蒸発器として構成されている。熱交換器10には、冷凍サイクルの一部に配置された不図示のコンプレッサにより、熱媒体である冷媒が送り込まれる。熱交換器10は、送り込まれた冷媒を内部で蒸発させながら、冷媒と空気との間で熱交換を行うことにより空気を冷却するものである。熱交換器10は、上部タンク11と、下部タンク13と、チューブ110と、フィン120と、を備えている。
The configuration of the
上部タンク11は、熱交換器10に対して供給された冷媒を一時的に貯留し、当該冷媒をそれぞれのチューブ110に供給するための容器である。上部タンク11は、細長い棒状の容器として形成されている。上部タンク11は、その長手方向を水平方向に沿わせた状態で、熱交換器10のうち上方側部分に配置されている。
The
上部タンク11の長手方向における一端側には、供給部12が形成されている。供給部12は、外部から供給される冷媒を上部タンク11内に受け入れる部分である。供給部12には、熱交換器10に冷媒を供給するための不図示の配管が接続される。当該配管は、冷凍サイクルにおける上流側の膨張弁と、熱交換器10との間を繋ぐ配管である。
A
下部タンク13は、上部タンク11と略同一形状の容器である。下部タンク13は、上部タンク11からチューブ110を通って来た冷媒を受け入れるものである。下部タンク13は、上部タンク11と同様にその長手方向を水平方向に沿わせた状態で、熱交換器10のうち下方側部分に配置されている。
The
下部タンク13の長手方向における一端側には、排出部14が形成されている。排出部14は、熱交換器10において熱交換に供された後の冷媒を、下部タンク13から外部へと排出する部分である。排出部14には、熱交換器10から冷媒を排出するための不図示の配管が接続される。当該配管は、冷凍サイクルにおける下流側の圧縮機と、熱交換器10との間を繋ぐ配管である。
A
チューブ110は、扁平形状の断面を有する細長い管状の部材であって、熱交換器10に複数備えられている。チューブ110の内部には、冷媒の流れる流路がその長手方向に沿って形成されている。それぞれのチューブ110は、その長手方向を鉛直方向に沿わせており、互いの主面を対向させた状態で積層配置されている。積層された複数のチューブ110が並ぶ方向は、上部タンク11の長手方向と同じである。
The
それぞれのチューブ110は、その一端が上部タンク11に接続されており、その他端が下部タンク13に接続されている。このような構成により、上部タンク11の内部空間と、下部タンク13の内部空間とは、それぞれのチューブ110内の流路によって連通されている。
Each
冷媒は、チューブ110内の流路を通って上部タンク11から下部タンク13へと移動する。その際、チューブ110の外側を通過する空気との間で熱交換が行われ、これにより冷媒は液相から気相へと変化する。また、空気は冷媒との熱交換により熱を奪われて、その温度を低下させる。
The refrigerant moves from the
尚、上部タンク11の内部空間、及び下部タンク13の内部空間が仕切り板によって複数に区分された構成とした上で、上部タンク11と下部タンク13との間を冷媒が往復しながら流れるような態様としてもよい。
The internal space of the
フィン120は、金属板を波状に折り曲げることにより形成された部材であって、互いに隣り合うチューブ110の間に配置されている。波状であるフィン120のそれぞれの頂部は、チューブ110の表面に対して当接しており、且つろう接されている。このため、熱交換器10を通過する空気の熱は、チューブ110を介して冷媒に伝達されるだけでなく、フィン120及びチューブ110を介しても冷媒に伝達される。つまり、フィン120によって空気との接触面積が大きくなっており、冷媒と空気との熱交換が効率よく行われる。
The
フィン120は、互いに隣り合う2本のチューブ110の間に形成された空間の全体、すなわち、上部タンク11から下部タンク13に至るまでの全範囲に亘って配置されている。ただし、図1においてはその一部のみが図示されており、他の部分については図示が省略されている。
The
本実施形態では、熱交換器10を構成する複数の部材のうち、チューブ110とフィン120とが、次に説明する板状部材20を用いて形成されている。尚、チューブ110を形成する板状部材20と、フィン120を形成する板状部材20とは、その厚さについては互いに異なるのであるが、その外表面に形成された膜の構成については互いに同じである。チューブ110及びフィン120の両方が板状部材20を用いて形成されているのではなく、いずれか一方のみが板状部材20を用いて形成されている構成としてもよい。また、チューブ110やフィン120以外の部材の一部も、板状部材20を用いて形成されている構成としてもよい。
In this embodiment, the
また、以下に説明する板状部材20の構成上の工夫を実現するにあたっては、熱交換器10の種類は蒸発器に限定されない。例えば、熱交換器10が、車両において冷却水の温度を低下させるためのラジエータであってもよい。
Moreover, in realizing the configuration of the plate-
図2を参照しながら、板状部材20の構成について説明する。板状部材20は、基材210と、下地被膜220と、バリア膜230と、上地被膜240と、を備えている。
The configuration of the plate-
基材210は、アルミニウムによって形成された板状の部材であって、板状部材20の大部分を占めている。基材210は、例えばSUS等の他の金属によって形成されていてもよい。
The
基材210の表面には、次に述べる下地被膜220等の複数層の被膜が形成されている。本実施形態では、これらの被膜は全て、チューブ110やフィン120のろう接が完了した後に形成される。図1において符号210Aが付されているのは、基材210の表面に形成されたアルミニウムの酸化被膜である。以下では、この酸化被膜のことを「酸化被膜210A」とも表記する。また、図2において符号210Bが付されているのは、ろう接の過程で表面に残留したフラックス残渣や、基材210の内側から表面に析出したSi、Zn、Mn等の成分である。以下では、これらのことを総じて「残留析出成分210B」とも表記する。
On the surface of the
下地被膜220は、基材210の表面、具体的には酸化被膜210Aの表面を覆うように形成された被膜である。下地被膜220は、基材210に錆が生じてしまうことを防止するためのものである。下地被膜220は、例えば、6価クロムを含む処理液を用いて形成された化成被膜である。下地被膜220は、本実施形態における「第1被膜」に該当する。
下地被膜220は、上記のような化成被膜であってもよいが、他の膜であってもよい。例えば、樹脂プライマからなる膜として下地被膜220が形成されていてもよい。いずれの場合であっても、下地被膜220は、基材210の表面が錆により腐食することを防止するための膜、として形成される。
The
バリア膜230は、下地被膜220の表面を外側から覆うように形成された被膜である。バリア膜230は、下地被膜220と、後述の上地被膜240との間に形成されている。バリア膜230は、無機材料であるアルミナ(酸化アルミニウム:Al2O3)をドライコーティングすることによって形成されている。無機材料としては、アルミナの他、酸化チタン(TiO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化バナジウム(V2O5)等が用いられてもよい。また、上記から選択された複数の無機材料によってバリア膜230が形成されていてもよい。
The
バリア膜230を形成するためのドライコーティングとしては、例えばALD(Atomic Layer Deposition)やCVD(Chemical Vapor Deposition)等の成膜法を用いることができる。
As the dry coating for forming the
バリア膜230は、無機材料をドライコーティングすることによって形成された緻密な被膜となっている。このため、表面側から上地被膜240を水分が透過しても、当該水分はバリア膜230によって遮断されるので、その内側の下地被膜220や基材210に到達することは無い。
The
また、下地被膜220から上地被膜240へと成分が拡散し移動すること、及び、上地被膜240から下地被膜220へと成分が拡散して移動すること、のいずれについても、バリア膜230によって遮断される。このため、成分の移動に伴って被膜の機能が低下してしまうことが防止される。上記における「被膜の機能」とは、本実施形態の場合には親水性や耐食性のことである。
In addition, the
上記のアルミナ、酸化チタン、酸化タンタル、酸化バナジウムは、いずれも、基材210に白錆が生じることを防止する「防錆成分」としても機能し得る材料である。このような防錆成分を含む無機材料によってバリア膜230を形成することで、基材210の耐食性をより向上させることができる。更に、上記材料のうち酸化チタン及び酸化タンタルは、バリア膜230の成分が、隣接する他の被膜へと溶出してしまうことを防止する機能をも有している。
All of the above-mentioned alumina, titanium oxide, tantalum oxide, and vanadium oxide are materials that can also function as a “rust preventive component” that prevents white rust from occurring on the
上地被膜240は、バリア膜230の表面を更に外側から覆うように形成された被膜である。上地被膜240は、基材210の表面を覆う複数の被膜のうち最も外側に形成されている。本実施形態における上地被膜240はPVA(Polyvinyl Alcohol)によって形成されているのであるが、PVP(Polyvinyl Pyrrolidone)等の他の樹脂によって形成されていてもよい。上地被膜240は、バリア膜230が形成された後の板状部材20を、樹脂材料からなる液中に浸漬してから取り出し、当該液を加熱によって硬化させることにより形成される。上地被膜240は、本実施形態における「第2被膜」に該当する。
The
上地被膜240の表面Sは親水性を有している。表面Sに親水性を持たせるためには、上地被膜240そのものを親水性の材料によって形成してもよく、上地被膜240を形成した後、表面Sに親水性を付与するための表面処理を施してもよい。「親水性の材料」としては、例えば上記のPVA等のように、その内部や表面にOH基を有する材料が挙げられる。
The surface S of the
このように、本実施形態に係る熱交換器10では、チューブ110やフィン120を構成する板状部材20の表面に、防錆性と親水性の両方が成膜によって付与されている。具体的には、板状部材20の表面を覆うように防錆のための下地被膜220を形成し、当該下地被膜220の表面を更に覆うように、親水性を有する上地被膜240を形成した構成となっている。このような構成の板状部材20では、親水性を有する上地被膜240の表面に付着した水が排水されやすくなる。このため、熱交換器10のチューブ110やフィン120に沿って通過する空気の流れが、滞留した水によって妨げられてしまうことが防止される。
As described above, in the
下地被膜220と上地被膜240との間にバリア膜230を形成することの効果について、図3に示される比較例を参照しながら説明する。図3の比較例では、下地被膜220の表面を直接覆うように上地被膜240が形成されており、下地被膜220と上地被膜240との間にバリア膜230は形成されていない。
The effect of forming the
このような構成においては、結露によって表面Sに付着した水が、樹脂である上地被膜240を透過して、下地被膜220や基材210にまで到達してしまう。図3では、このように水が透過する経路が矢印AR1で示されている。
In such a configuration, water adhering to the surface S due to condensation passes through the
下地被膜220と基材210との境界部まで水が到達すると、下地被膜220の密着性が水分の影響によって低下してしまう。また、上記境界部に存在する残留析出成分210Bが、水分によって拡散し、下地被膜220や上地被膜240の内部にまで到達してしまうこともある。図3では、このように残留析出成分210Bが拡散する経路が矢印AR2、AR3で示されている。
When water reaches the boundary between the
上記のような残留析出成分210Bの拡散が生じると、下地被膜220や上地被膜240の機能が低下してしまうことに加えて、各被膜同士の密着性が低下してしまうという問題も生じる。
When the
また、図3の比較例においては、下地被膜220と上地被膜240とが直接接している。このため、下地被膜220の一部の成分が上地被膜240の内部へと拡散して移動したり、上地被膜240の一部の成分が下地被膜220の内部へと拡散して移動したりすることにより、それぞれの被膜の機能が低下してしまう可能性もある。図3では、このように各被膜の成分が拡散して移動する経路が矢印AR4、AR5で示されている。拡散による成分の移動は、矢印AR1に沿って水分が内部に透過した場合には特に生じやすくなる。
Further, in the comparative example of FIG. 3, the
これに対し、本実施形態に係る板状部材20では、下地被膜220と上地被膜240との間にバリア膜230が形成されている。このため、図3の矢印AR1のような経路で透過する水は、バリア膜230によって遮断されるので、下地被膜220の内部や基材210の表面に到達することが無い。これに伴い、図3の矢印AR2、AR3のような経路で残留析出成分210Bが拡散することも無い。
On the other hand, in the plate-
また、下地被膜220と上地被膜240との間にバリア膜230が介在していることにより、図3の矢印AR4、AR5のような経路で各被膜の成分が拡散、移動することもない。これにより、それぞれの被膜の機能を十分に発揮させることができ、且つ、それぞれの被膜の密着性を十分に確保することもできる。また、下地被膜220と上地被膜240とが互いに影響し合うことが防止されるので、それぞれの被膜の材料を自由に選定することができる。
In addition, since the
尚、以上においては、下地被膜220が化成被膜として形成されている場合の例について説明した。このような態様に替えて、下地被膜220が、陽極酸化や樹脂コーティングなどのウェットコーティングによって形成されているような態様であってもよい。また、下地被膜220がALDやCVDのようなドライコーティングによって形成されているような態様であってもよい。
In the above description, an example in which the
以上のように、本実施形態に係る板状部材20は、基材210と、基材210の表面を覆うように形成された被膜、である下地被膜220と、を備える。下地被膜220の表面には、下地被膜220の成分が下地被膜220の外へと移動してしまうことを防止するためのバリア膜230が形成されている。これにより、下地被膜220の成分が、下地被膜220の外、すなわち上地被膜240へと移動してしまうことが防止される。
As described above, the plate-
第2実施形態について、図4を参照しながら説明する。本実施形態では、熱交換器10を構成する板状部材20の構成においてのみ第1実施形態と異なっている。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
A second embodiment will be described with reference to FIG. This embodiment is different from the first embodiment only in the configuration of the plate-
本実施形態では、下地被膜220と上地被膜240との間にバリア膜230は形成されていない。つまり、上地被膜240は、下地被膜220の表面を直接覆うように形成されている。
In this embodiment, the
本実施形態では、上地被膜240の更に表面を覆うようにバリア膜230が形成されている。バリア膜230は、板状部材20を覆う膜のうち最も外側の膜として形成されている。つまり、バリア膜230は、その表面が外気に触れる膜として形成されている。
In this embodiment, the
本実施形態では、バリア膜230の位置のみならず、バリア膜230を構成する材料においても第1実施形態と異なっている。本実施形態のバリア膜230、親水性を有する無機材料によって形成された膜となっている。「親水性を有する無機材料」としては、例えばSi化合物、具体的にはSiOやSiCからなる材料を用いることができる。
In the present embodiment, not only the position of the
上記のようなバリア膜230を形成するには、先ず、粉末状のSi化合物をアルコールと混ぜたもの、を上地被膜240の表面に塗布する。その後、加熱によってアルコールを除去することで、Si化合物からなるバリア膜230を形成することができる。
In order to form the
本実施形態におけるバリア膜230は、その表面Sにおいて親水性を有している。このため、本実施形態においても、熱交換器10の表面に付着した水が排水されやすくなっている。その結果、熱交換器10のチューブ110やフィン120に沿って通過する空気の流れが、滞留した水によって妨げられてしまうことが防止される。
The
本実施形態におけるバリア膜230は、更に、無機材料によって形成されている。このため、第1実施形態のように、樹脂からなる上地被膜240が表面に露出している場合に比べて、板状部材20の表面の耐久性を向上させることができる。また、表面Sの親水性が長期間にわたって維持されるという利点も得られる。
The
ところで、樹脂からなる上地被膜240は、水分の吸収及び放出を行うことにより、その表面に付着した臭気成分を内部に取り込んで徐々に放出するという機能をも有している。これにより、熱交換器10から不快な臭気が発せられることが防止される。
By the way, the
本実施形態におけるバリア膜230は、僅かではあるが水分を透過させる性質を有している。このため、上地被膜240が有する上記の機能を、バリア膜230が妨げてしまうことは無い。
The
以上のように、本実施形態に係る板状部材20は、基材210と、基材210の表面を覆うように形成された被膜、である下地被膜220及び上地被膜240と、を備える。上地被膜240の表面には、上地被膜240の成分が上地被膜240の外へと移動してしまうことを防止するためのバリア膜230が形成されている。これにより、上地被膜240の成分が、上地被膜240の外、例えば結露水等へと移動してしまうことが防止される。その結果、上地被膜240の機能を長期間にわたって維持することが可能となる。
As described above, the plate-
本発明者らが実験によって確認したところによれば、本実施形態に係る板状部材20の表面、すなわちバリア膜230の表面に付着した水滴の接触角が、上地被膜240の表面に付着した場合における水滴の接触角、と同程度に小さく抑えられることが確認された。また、流水に長時間曝すなどの耐久試験を行っても、バリア膜230の表面に付着した水滴の接触角が、初期の接触角と同程度に小さく抑えられることも確認された。
According to what the present inventors have confirmed through experiments, the contact angle of water droplets attached to the surface of the plate-
バリア膜230は、全ての板状部材20において、上地被膜240の表面全体を覆うように形成されてもよいのであるが、上地被膜240の一部のみを覆うように形成されていてもよい。例えば、上地被膜240によって覆われている部分と、上地被膜240によって覆われていない部分とを、交互に並べて配置する等により、板状部材20の表面における排水性を更に向上させることとが可能となる。
The
尚、本実施形態に係るバリア膜230、すなわち、親水性を有する無機材料によって形成された膜を、第1実施形態におけるバリア膜230として用いることとしてもよい。逆に、第1実施形態に係るバリア膜230、すなわち、無機材料をドライコーティングすることによって形成された膜を、本実施形態におけるバリア膜230として用いることとしてもよい。
The
また、本実施形態における下地被膜230と上地被膜240との間に、第1実施形態と同様のバリア膜230を更に形成することとしてもよい。つまり、下地被膜230の表面を覆うように、無機材料をドライコーティングしてなるバリア膜230を形成するとともに、上地被膜240の表面を覆うように、親水性を有する無機材料からなるバリア膜230を更に形成することとしてもよい。
Further, a
第3実施形態について、図5を参照しながら説明する。本実施形態では、熱交換器10を構成する板状部材20の構成においてのみ第2実施形態と異なっている。以下では、第2実施形態と異なる点について主に説明し、第2実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
A third embodiment will be described with reference to FIG. This embodiment is different from the second embodiment only in the configuration of the plate-
本実施形態では、下地被膜220及びバリア膜230のみが形成されており、上地被膜240は形成されていない。バリア膜230は、下地被膜220の表面を覆うように形成されている。本実施形態でも、バリア膜230は、板状部材20を覆う膜のうち最も外側の膜として形成されている。つまり、バリア膜230は、その表面が外気に触れる膜として形成されている。バリア膜230を構成する材料は、第2実施形態における材料と同じである。つまり、バリア膜230は、「親水性を有する無機材料」によって形成されている。
In the present embodiment, only the
このように、本実施形態に係る板状部材20は、基材210と、基材210の表面を覆うように形成された被膜、である下地被膜220と、を備える。下地被膜220の表面には、下地被膜220の成分が下地被膜220の外へと移動してしまうことを防止するためのバリア膜230が形成されている。これにより、下地被膜220の成分が、下地被膜220の外、例えば結露水等へと移動してしまうことが防止される。その結果、下地被膜220の機能を長期間にわたって維持することが可能となる。
As described above, the plate-
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。 The present embodiment has been described above with reference to specific examples. However, the present disclosure is not limited to these specific examples. Those in which those skilled in the art appropriately modify the design of these specific examples are also included in the scope of the present disclosure as long as they have the features of the present disclosure. Each element included in each of the specific examples described above and their arrangement, conditions, shape, and the like are not limited to those illustrated, and can be changed as appropriate. Each element included in each of the specific examples described above can be appropriately combined as long as no technical contradiction occurs.
10:熱交換器
110:チューブ
120:フィン
20:板状部材
210:基材
220:下地被膜
230:バリア膜
10: heat exchanger 110: tube 120: fin 20: plate member 210: base material 220: undercoat 230: barrier film
Claims (8)
前記基材の表面を覆うように形成された被膜(220)と、を備え、
前記被膜の表面には、前記被膜の成分が前記被膜の外へと移動してしまうことを防止するためのバリア膜(230)が形成されている板状部材。 A substrate (210);
A coating (220) formed to cover the surface of the substrate,
A plate-like member in which a barrier film (230) is formed on the surface of the coating to prevent components of the coating from moving outside the coating.
前記第1被膜の表面を覆うように形成された第2被膜(240)を更に備えており、
前記バリア膜は、前記第1被膜と前記第2被膜との間に形成されている、請求項1に記載の板状部材。 The coating is a first coating (220);
A second coating (240) formed to cover the surface of the first coating;
The plate-like member according to claim 1, wherein the barrier film is formed between the first film and the second film.
内部を熱媒体が流れる複数のチューブ(110)と、
互いに隣り合う前記チューブの間に配置されたフィン(120)と、を備え、
前記チューブ及び前記フィンのうち少なくとも一方が、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の板状部材を用いて形成されている熱交換器。 A heat exchanger (10) for exchanging heat between a heat medium and air,
A plurality of tubes (110) through which the heat medium flows;
Fins (120) disposed between the tubes adjacent to each other,
A heat exchanger in which at least one of the tube and the fin is formed using the plate-like member according to any one of claims 1 to 7.
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018037829 | 2018-03-02 | ||
JP2018037829 | 2018-03-02 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019151915A true JP2019151915A (en) | 2019-09-12 |
Family
ID=67948425
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018235093A Pending JP2019152422A (en) | 2018-03-02 | 2018-12-17 | Tabular member, and heat exchanger including tabular member |
JP2018235092A Pending JP2019151915A (en) | 2018-03-02 | 2018-12-17 | Plate-like member, and heat exchanger formed by using plate-like member |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018235093A Pending JP2019152422A (en) | 2018-03-02 | 2018-12-17 | Tabular member, and heat exchanger including tabular member |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP2019152422A (en) |
-
2018
- 2018-12-17 JP JP2018235093A patent/JP2019152422A/en active Pending
- 2018-12-17 JP JP2018235092A patent/JP2019151915A/en active Pending
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2019152422A (en) | 2019-09-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2962057B1 (en) | Aluminum heat exchanger with corrosion resistant coating | |
JP2017044468A (en) | Brazable component and heat exchanger comprising the same | |
US11274887B2 (en) | Aluminum heat exchanger with fin arrangement for sacrificial corrosion protection | |
US10473411B2 (en) | Aluminum alloy finned heat exchanger | |
JP2019151915A (en) | Plate-like member, and heat exchanger formed by using plate-like member | |
JP2006183986A (en) | Anticorrosive agent and heat exchanger provided therewith | |
JP2019151888A (en) | Plate-like member, and heat exchanger formed by using plate-like member | |
JPH11264691A (en) | Heat exchanger | |
JP2001141389A (en) | Heat exchanger | |
US10465998B2 (en) | Heat exchanger coating | |
JP5753698B2 (en) | Aluminum fin for heat exchanger and heat exchanger | |
US10024609B2 (en) | Steel covering layer and method of surface treatment of heat transfer tube | |
JP2011163646A (en) | Aluminum fin for heat exchanger and the heat exchanger | |
JP5506566B2 (en) | Aluminum fin for heat exchanger and heat exchanger | |
JP3258244B2 (en) | Fin material for heat exchanger with excellent hydrophilicity | |
US20210348859A1 (en) | Heat exchanger with aluminum alloy clad tube and method of manufacture | |
US20170190239A1 (en) | Condenser arrangement for an air conditioning system | |
JP2017155973A (en) | Fin material for heat exchanger and heat exchanger | |
JP2009210141A (en) | Header tank for heat exchanger, and manufacturing method of heat exchanger | |
JP2007101094A (en) | Heat exchanger device | |
JP6565608B2 (en) | Coating structure, heat exchanger, and method of manufacturing heat exchanger | |
TWI304126B (en) | Heat exchanger, heat exchanger tube member, heat exchanger fin member and process for fabricating the heat exchanger | |
JP7502232B2 (en) | Aluminum fin material | |
JP4877284B2 (en) | Exhaust heat recovery device | |
US20220282940A1 (en) | Heat Exchangers and Systems Thereof |