JP2019147707A - 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス - Google Patents

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悠平 新井
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Abstract

【課題】耐衝撃性と耐貫通性との双方を高めることができる合わせガラス用中間膜を提供する。【解決手段】本発明に係る合わせガラス用中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂と、ポリビニルアセタール樹脂以外の第2の樹脂とを含み、剥離試験「縦25mm及び横120mmの中間膜を用意する。中間膜をクリアフロートガラスとポリエチレンテレフタレートフィルムとで挟み、試験片を得る。試験片において、23℃、ピール速度100mm/分及び試験距離0〜100mmにて、JIS 6854−2に準拠して、剥離試験を行い、剥離強度を測定する。」をしたときに、剥離強度が5N/25mm以上、45N/25mm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、合わせガラスを得るために用いられる合わせガラス用中間膜に関する。また、本発明は、上記合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスに関する。
合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片の飛散量が少なく、安全性に優れている。このため、上記合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶及び建築物等に広く使用されている。上記合わせガラスは、2つのガラス板の間に合わせガラス用中間膜を挟み込むことにより、製造されている。
上記合わせガラス用中間膜の一例として、下記の特許文献1には、アセタール化度が60〜85モル%のポリビニルアセタール樹脂100重量部と、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の内の少なくとも一種の金属塩0.001〜1.0重量部と、30重量部を超える可塑剤とを含む遮音層が開示されている。この遮音層は、単層で中間膜として用いられ得る。
さらに、下記の特許文献1には、上記遮音層と他の層とが積層された多層の中間膜も記載されている。遮音層に積層される他の層は、アセタール化度が60〜85モル%のポリビニルアセタール樹脂100重量部と、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の内の少なくとも一種の金属塩0.001〜1.0重量部と、30重量部以下である可塑剤とを含む。
下記の特許文献2には、33℃以上のガラス転移温度を有するポリマー層である中間膜が開示されている。特許文献2では、上記ポリマー層が、厚みが4.0mm以下であるガラス板の間に配置されることが記載されている。
特開2007−070200号公報 US2013/0236711A1
中間膜を用いた合わせガラスでは、破損時のガラスの飛散量を少なくして、ガラスにより人等が傷つくことを防ぐために、耐衝撃性が求められる。中間膜を用いた合わせガラスでは、衝撃時に人等が車外に飛び出すことを防ぐために、耐貫通性も求められる。
しかしながら、一般的に、耐衝撃性を高めようとすると、耐貫通性が低下する傾向があり、耐貫通性を高めようとすると、耐衝撃性が低下する傾向がある。このため、耐衝撃性を高めることができたとしても、耐貫通性を高めることが困難な場合がある。また、耐貫通性を高めることができたとしても、耐衝撃性を高めることが困難な場合がある。従来の中間膜を用いた合わせガラスでは、耐衝撃性と耐貫通性との双方を高めることは困難である。
本発明の目的は、耐衝撃性と耐貫通性との双方を高めることができる合わせガラス用中間膜を提供することである。また、本発明は、上記合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供することも目的とする。
本発明の広い局面によれば、ポリビニルアセタール樹脂と、ポリビニルアセタール樹脂以外の第2の樹脂とを含み、下記の剥離試験をしたときに、剥離強度が5N/25mm以上、45N/25mm以下である、合わせガラス用中間膜(以下、中間膜と記載することがある)が提供される。
剥離試験:縦25mm及び横120mmの中間膜を用意する。JIS 3202に準拠した厚み3mmのクリアフロートガラスを用意する。厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用意する。中間膜をクリアフロートガラスとポリエチレンテレフタレートフィルムとで挟み、10分間、100℃、及び100kPaの圧力の条件で、予備圧着を行う。その後、10分かけて1.3MPaまで加圧、及び、30分かけて140℃まで加熱し、その後20分間、140℃、及び1.3MPaの圧力の条件で圧着する。その後1.3MPaの加圧条件下にて40分かけて32℃まで降温し、さらにその後10分かけて0MPaまで降圧し、試験片を得る。試験片において、23℃、ピール速度100mm/分及び試験距離0〜100mmにて、JIS 6854−2に準拠して、剥離試験を行い、剥離強度を測定する。
本発明に係る中間膜のある特定の局面では、前記ポリビニルアセタール樹脂と前記第2の樹脂との合計100重量%中、前記第2の樹脂の含有量が40重量%以上、80重量%以下である。
本発明に係る中間膜のある特定の局面では、カルボキシル基、水酸基、チオール基、アミノ基又はリン酸基を有する接着力調整剤を含む。
本発明に係る中間膜のある特定の局面では、前記接着力調整剤の分子量が200以上、4000以下である。
本発明に係る中間膜のある特定の局面では、前記ポリビニルアセタール樹脂と前記第2の樹脂との合計100重量部に対して、前記接着力調整剤の含有量が0.01重量部以上、0.4重量部以下である。
本発明に係る中間膜のある特定の局面では、前記接着力調整剤が、カルボキシル基又は水酸基を有する。
本発明に係る中間膜のある特定の局面では、前記接着力調整剤がカルボキシル基を有する場合に、前記ポリビニルアセタール樹脂と前記第2の樹脂との合計100重量部に対して、前記接着力調整剤の含有量が0.01重量部以上、0.5重量部以下であり、前記接着力調整剤が水酸基を有する場合に、前記ポリビニルアセタール樹脂と前記第2の樹脂との合計100重量部に対して、前記接着力調整剤の含有量が0.1重量部以上、3重量部以下である。
本発明に係る中間膜のある特定の局面では、前記接着力調整剤が、カルボキシル基を有する。
本発明に係る中間膜のある特定の局面では、前記第2の樹脂が(メタ)アクリル重合体である。
本発明に係る中間膜のある特定の局面では、前記中間膜は、可塑剤を含む。
本発明に係る中間膜のある特定の局面では、前記ポリビニルアセタール樹脂と前記第2の樹脂との合計100重量部に対して、前記可塑剤の含有量が35重量部以下である。
本発明の広い局面によれば、第1の合わせガラス部材と、第2の合わせガラス部材と、上述した合わせガラス用中間膜とを備え、前記第1の合わせガラス部材と前記第2の合わせガラス部材との間に、前記合わせガラス用中間膜が配置されている、合わせガラスが提供される。
本発明に係る合わせガラス用中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂と、ポリビニルアセタール樹脂以外の第2の樹脂とを含む。本発明に係る合わせガラス用中間膜では、上記の剥離試験をしたときに、剥離強度が5N/25mm以上、45N/25mm以下である。本発明に係る合わせガラス用中間膜では、上記の構成が備えられているので、耐衝撃性と耐貫通性との双方を高めることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の第2の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図である。 図3は、図1に示す合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの一例を模式的に示す断面図である。 図4は、図2に示す合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの一例を模式的に示す断面図である。 図5は、曲げ剛性の測定方法を説明するための模式図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(合わせガラス用中間膜)
本発明に係る合わせガラス用中間膜(以下、中間膜と記載することがある)は、ポリビニルアセタール樹脂と、ポリビニルアセタール樹脂以外の第2の樹脂とを含む。本発明に係る中間膜では、下記の剥離試験をしたときに、剥離強度が5N/25mm以上、45N/25mm以下である。
剥離試験:縦25mm及び横120mmの中間膜を用意する。JIS 3202に準拠した厚み3mmのクリアフロートガラスを用意する。厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用意する。中間膜をクリアフロートガラスとポリエチレンテレフタレートフィルムとで挟み、10分間、100℃、及び100kPaの圧力の条件で、予備圧着を行う。その後、10分かけて1.3MPaまで加圧、及び、30分かけて140℃まで加熱し、その後20分間、140℃、及び1.3MPaの圧力の条件で圧着する。その後1.3MPaの加圧条件下にて40分かけて32℃まで降温し、さらにその後10分かけて0MPaまで降圧し、試験片を得る。試験片において、23℃、ピール速度100mm/分及び試験距離0〜100mmにて、剥離試験を行い、剥離強度を測定する。32℃の試験片を得た後、例えば、試験片を23℃に保管することで、試験片を23℃にすることができる。剥離強度は試験距離0〜100mmについての剥離強度の積分値を平均することによって求める。
縦25mm及び横120mmの中間膜は、中間膜を切断することにより得ることができる。また、中間膜の形成材料を用いて、縦25mm及び横120mmの剥離試験用の中間膜を作製してもよい。
本発明では、上記の構成が備えられているので、耐衝撃性と耐貫通性との双方を高めることができる。本発明では、耐衝撃性が高められるために、破損時のガラスの飛散量を少なくして、ガラスにより人等が傷つくことを防ぐことができる。本発明では、耐貫通性が高められるために、衝撃時に人等が車外に飛び出すことを防ぐことができる。
上記剥離試験おける剥離強度は、5N/25mm以上、45N/25mm以下である。
耐衝撃性及び耐貫通性をバランスよく高める観点からは、上記剥離強度は好ましくは10N/25mm以上、より好ましくは15N/25mm以上、好ましくは40N/25mm以下、より好ましくは35N/25mm以下、更に好ましくは30N/25mm以下である。
上記剥離試験は、JIS 6854−2に準拠して行われる。
上記剥離試験において、ORIENTEC社製「UTA−500」等を用いることができる。
また、本発明では、上記中間膜が上記ポリビニルアセタール樹脂と上記第2の樹脂とを含むので、高温での曲げ剛性を高めることができる。合わせガラスを得るために、中間膜は、第1のガラス板と第2のガラス板との間に配置されることが多い。第1のガラス板の厚みが薄くても、本発明に係る中間膜の使用により、合わせガラスの曲げ剛性を充分に高くすることができる。また、第1のガラス板と第2のガラス板との双方の厚みが薄くても、本発明に係る中間膜の使用により、合わせガラスの曲げ剛性を充分に高くすることができる。なお、第1のガラス板と第2のガラス板との双方の厚みが厚いと、合わせガラスの曲げ剛性はより一層高くなる。
上記中間膜中の上記ポリビニルアセタール樹脂のガラス転移温度は、好ましくは85℃以上、より好ましくは105℃以上である。上記ポリビニルアセタール樹脂のガラス転移温度が上記下限以上であると、65℃における曲げ剛性がより一層高くなる。上記中間膜中の上記ポリビニルアセタール樹脂のガラス転移温度は、好ましくは200℃以下、より好ましくは150℃以下である。上記ポリビニルアセタール樹脂のガラス転移温度が上記上限以下であると、成形性がより一層高くなる。上記ポリビニルアセタール樹脂のガラス転移温度は、上記ポリビニルアセタール樹脂に由来するガラス転移温度である。
上記中間膜中の上記第2の樹脂のガラス転移温度は、好ましくは−20℃以上、より好ましくは−12℃以上、好ましくは0℃以下、より好ましくは−8℃以下である。上記第2の樹脂のガラス転移温度が上記下限と上記上限との範囲内であると、遮音性がより一層高くなる。上記中間膜中の上記第2の樹脂のガラス転移温度は、好ましくは−30℃以下、より好ましくは−40℃以下である。上記第2の樹脂のガラス転移温度が上記上限以下であると、耐貫通性がより一層高くなる。上記第2の樹脂のガラス転移温度は、上記第2の樹脂に由来するガラス転移温度である。
本発明に係る中間膜は、1層の構造又は2層以上の構造を有する。本発明に係る中間膜は、1層の構造を有していてもよく、2層以上の構造を有していてもよい。本発明に係る中間膜は、2層の構造を有していてもよく、3層以上の構造を有していてもよい。本発明に係る中間膜は、第1の層を備える。本発明に係る中間膜は、第1の層のみを備える単層の中間膜であってもよく、第1の層と他の層とを備える多層の中間膜であってもよい。
上記中間膜は、第1の層のみを有していてもよく、第1の層に加えて第2の層を備えていてもよい。上記中間膜は、第2の層をさらに備えることが好ましい。上記中間膜が上記第2の層を備える場合に、上記第1の層の第1の表面側に、上記第2の層が配置される。
上記中間膜は、3層以上の構造を有していてもよく、第1の層及び第2の層に加えて第3の層を備えていてもよい。上記中間膜は、第3の層をさらに備えることが好ましい。上記中間膜が上記第2の層及び上記第3の層を備える場合に、上記第1の層の上記第1の表面とは反対の第2の表面側に、上記第3の層が配置される。
上記第2の層の上記第1の層側とは反対の表面は、合わせガラス部材又はガラス板が積層される表面であることが好ましい。上記第2の層に積層されるガラス板の厚みは好ましくは1.6mm以下、より好ましくは1.3mm以下である。上記第1の層の第1の表面(上記第2の層側の表面)とは反対の第2の表面は、合わせガラス部材又はガラス板が積層される表面であってもよい。上記第1の層に積層されるガラス板の厚みは好ましくは1.6mm以下、より好ましくは1.3mm以下である。上記第3の層の上記第1の層側とは反対の表面は、合わせガラス部材又はガラス板が積層される表面であることが好ましい。上記第3の層に積層されるガラス板の厚みは好ましくは1.6mm以下、より好ましくは1.3mm以下である。
上記中間膜は、第1のガラス板と第2のガラス板との間に配置されて、合わせガラスを得るために好適に用いられる。中間膜に起因して曲げ剛性を充分に高くすることができるので、上記第1のガラス板の厚みと上記第2のガラス板の厚みとの合計は好ましくは3.5mm以下、より好ましくは3mm以下である。上記中間膜は、第1のガラス板と第2のガラス板との間に配置されて、合わせガラスを得るために好適に用いられる。中間膜に起因して曲げ剛性を充分に高くすることができるので、上記中間膜は、厚みが1.6mm以下(好ましくは1.3mm以下)である第1のガラス板を用いて、該第1のガラス板と第2のガラス板との間に配置されて、合わせガラスを得るために好適に用いられる。上記中間膜は、厚みが1.6mm以下(好ましくは1.3mm以下)である第1のガラス板と厚みが1.6mm以下(好ましくは1.3mm以下)である第2のガラス板とを用いて、上記第1のガラス板と上記第2のガラス板との間に配置されて、合わせガラスを得るためにより好適に用いられる。この場合にも、中間膜に起因して曲げ剛性を充分に高くすることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図である。
図1に示す中間膜11は、2層以上の構造を有する多層の中間膜である。中間膜11は、合わせガラスを得るために用いられる。中間膜11は、合わせガラス用中間膜である。中間膜11は、第1の層1と、第2の層2と、第3の層3とを備える。第1の層1の第1の表面1aに、第2の層2が配置されており、積層されている。第1の層1の第1の表面1aとは反対の第2の表面1bに、第3の層3が配置されており、積層されている。第1の層1は中間層である。第2の層2及び第3の層3はそれぞれ、保護層であり、本実施形態では表面層である。第1の層1は、第2の層2と第3の層3との間に配置されており、挟み込まれている。従って、中間膜11は、第2の層2と第1の層1と第3の層3とがこの順で積層された多層構造(第2の層2/第1の層1/第3の層3)を有する。
なお、第2の層2と第1の層1との間、及び、第1の層1と第3の層3との間にはそれぞれ、他の層が配置されていてもよい。第2の層2と第1の層1、及び、第1の層1と第3の層3とはそれぞれ、直接積層されていることが好ましい。他の層として、ポリエチレンテレフタレート等を含む層が挙げられる。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に示す断面図である。
図2に示す中間膜11Aは、1層の構造を有する単層の中間膜である。中間膜11Aは、第1の層である。中間膜11Aは、合わせガラスを得るために用いられる。中間膜11Aは、合わせガラス用中間膜である。
以下、本発明に係る中間膜を構成する上記第1の層、上記第2の層及び上記第3の層の詳細、並びに上記第1の層、上記第2の層及び上記第3の層に含まれる各成分の詳細を説明する。
(樹脂)
中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂と、ポリビニルアセタール樹脂以外の第2の樹脂とを含む。上記第1の層、上記第2の層、上記第3の層は、ポリビニルアセタール樹脂を含むことが好ましい。上記第1の層、上記第2の層、上記第3の層は、ポリビニルアセタール樹脂以外の第2の樹脂を含むことが好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記第2の樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリビニルアセタール樹脂と上記第2の樹脂との合計100重量%中、上記ポリビニルアセタール樹脂の含有量は、好ましくは20重量%以上、より好ましくは25重量%以上、更に好ましくは30重量%以上、特に好ましくは35重量%以上、好ましくは100重量%未満である。上記ポリビニルアセタール樹脂の含有量が上記下限以上であると、曲げ剛性が効果的に高くなる。上記ポリビニルアセタール樹脂と上記第2の樹脂との合計100重量%中、上記ポリビニルアセタール樹脂の含有量は、90重量%以下であってもよく、80重量%以下であってもよく、75重量%以下であってもよく、70重量%以下であってもよく、65重量%以下であってもよく、60重量%以下であってもよい。
高温での引張特性をより一層高める観点、及び、樹脂成分と可塑剤との親和性を効果的に高め、耐貫通性を効果的に高める観点からは、上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルベンジルアセタール樹脂又はポリビニルクミンアセタール樹脂であることが好ましい。
高温での曲げ剛性をより一層高める観点からは、ポリビニルアセトアセタール樹脂が好ましい。本明細書において、ポリビニルアセタール樹脂には、アセトアセタール化された樹脂、ベンジルアセタール化された樹脂及びクミンアセタール化された樹脂が含まれる。
曲げ剛性及び遮音性を効果的に高める観点からは、中間膜は、上記第2の樹脂として、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル重合体、ウレタン重合体、シリコーン重合体、ゴム、又は酢酸ビニル重合体を含むことが好ましく、(メタ)アクリル重合体を含むことがより好ましい。
曲げ剛性を効果的に高める観点からは、中間膜は、上記第2の樹脂として、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル重合体、ウレタン重合体、シリコーン重合体、ゴム、又は酢酸ビニル重合体を含むことが好ましく、(メタ)アクリル重合体を含むことがより好ましい。
上記(メタ)アクリル重合体は、(メタ)アクリル酸エステルを含む重合成分の重合体であることが好ましい。上記(メタ)アクリル重合体は、ポリ(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましい。
上記ポリ(メタ)アクリル酸エステルは特に限定されない。上記ポリ(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸n−プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸i−プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸n−ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸i−ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸t−ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、ポリ(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ポリ(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、ポリ(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、ポリ(メタ)アクリル酸グリシジル、ポリ(メタ)アクリル酸オクチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸2−エチルオクチル、ポリ(メタ)アクリル酸ノニル、ポリ(メタ)アクリル酸イソノニル、ポリ(メタ)アクリル酸デシル、ポリ(メタ)アクリル酸イソデシル、ポリ(メタ)アクリル酸ラウリル、ポリ(メタ)アクリル酸イソテトラデシル、ポリ(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、ポリ(メタ)アクリル酸イソボルニル、及びポリ(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。また、極性基を有する(メタ)アクリル酸、及び、(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、及び(メタ)アクリル酸グリシジル等が挙げられる。動的粘弾性スペクトルにおいて、損失正接の極大値を示す温度を適度な範囲内に容易に制御することができることから、ポリアクリル酸エステルが好ましく、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸n−ブチル、ポリアクリル酸2−エチルヘキシル又はポリアクリル酸オクチルがより好ましい。これらの好ましいポリ(メタ)アクリル酸エステルの使用により、中間膜の生産性と中間膜の特性のバランスとがより一層良好になる。上記ポリ(メタ)アクリル酸エステルは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリビニルアセタール樹脂と上記第2の樹脂との合計100重量%中、ポリビニルアセタール樹脂以外の第2の樹脂の含有量は好ましくは20重量%以上、より好ましくは25重量%以上、より一層好ましくは30重量%以上、更に好ましくは35重量%以上である。上記ポリビニルアセタール樹脂と上記第2の樹脂との合計100重量%中、ポリビニルアセタール樹脂以外の第2の樹脂の含有量は、更に一層好ましくは40重量%以上、特に好ましくは45重量%以上、最も好ましくは50重量%以上である。上記ポリビニルアセタール樹脂と上記第2の樹脂との合計100重量%中、ポリビニルアセタール樹脂以外の第2の樹脂の含有量は、好ましくは100重量%未満である。上記第2の樹脂の含有量が上記下限以上であると、遮音性が効果的に高くなる。上記ポリビニルアセタール樹脂と上記第2の樹脂との合計100重量%中、上記第2の樹脂の含有量は、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下、更に好ましくは75重量%以下、特に好ましくは70重量%以下、最も好ましくは65重量%以下である。上記第2の樹脂の含有量が上記上限以下であると、曲げ剛性が効果的に高くなる。
上記ポリビニルアセタール樹脂と上記第2の樹脂との合計100重量%中、(メタ)アクリル重合体の含有量は好ましくは20重量%以上、より好ましくは25重量%以上、より一層好ましくは30重量%以上、更に好ましくは35重量%以上である。上記ポリビニルアセタール樹脂と上記第2の樹脂との合計100重量%中、(メタ)アクリル重合体の含有量は、更に一層好ましくは40重量%以上、特に好ましくは45重量%以上、最も好ましくは50重量%以上である。上記ポリビニルアセタール樹脂と上記第2の樹脂との合計100重量%中、(メタ)アクリル重合体の含有量は、好ましくは100重量%未満である。上記アクリル重合体の含有量が上記下限以上であると、脱気性及び遮音性が効果的に高くなる。上記ポリビニルアセタール樹脂と上記第2の樹脂との合計100重量%中、上記(メタ)アクリル重合体の含有量は、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下、更に好ましくは75重量%以下、特に好ましくは70重量%以下、最も好ましくは65重量%以下である。上記(メタ)アクリル重合体の含有量が上記上限以下であると、曲げ剛性が効果的に高くなる。
上記第2の樹脂が架橋構造を有するか、又は、上記ポリビニルアセタール樹脂と上記第2の樹脂とが架橋していることが好ましい。上記中間膜は、上記ポリビニルアセタール樹脂と上記第2の樹脂とを、上記ポリビニルアセタール樹脂と上記第2の樹脂とが架橋した架橋物として含んでいてもよい。
樹脂を架橋させる方法としては、以下の方法が挙げられる。樹脂のポリマー構造中に互いに反応する官能基を導入しておき、架橋を形成させる方法。樹脂のポリマー構造中に存在する官能基に対して反応する官能基を2つ以上有する架橋剤を用いて架橋させる方法。過酸化物等の水素引き抜き能を有するラジカル発生剤を用いてポリマーを架橋させる方法。電子線照射により架橋させる方法。せん断貯蔵弾性率を制御しやすく、中間膜の生産性が高くなることから、樹脂のポリマー構造中に互いに反応する官能基を導入しておき、架橋を形成させる方法が好適である。
なお、中間膜が上記ポリビニルアセタール樹脂と上記第2の樹脂との架橋物を含む場合に、上記ポリビニルアセタール樹脂のガラス転移温度は、上記架橋物における上記ポリビニルアセタール樹脂に由来するガラス転移温度を示し、上記第2の樹脂のガラス転移温度は、上記架橋物における上記第2の樹脂に由来するガラス転移温度を示す。
上記第1の層(単層の中間膜を含む)は、熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂(1)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第1の層(単層の中間膜を含む)は、熱可塑性樹脂(1)として、ポリビニルアセタール樹脂(以下、ポリビニルアセタール樹脂(1)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第1の層のみの単層の中間膜である場合に、中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂(1)を含むことが好ましい。上記第2の層は、熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂(2)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第2の層は、熱可塑性樹脂(2)として、ポリビニルアセタール樹脂(以下、ポリビニルアセタール樹脂(2)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第3の層は、熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂(3)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第3の層は、熱可塑性樹脂(3)として、ポリビニルアセタール樹脂(以下、ポリビニルアセタール樹脂(3)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂(1)と上記ポリビニルアセタール樹脂(2)と上記ポリビニルアセタール樹脂(3)とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。遮音性がより一層高くなることから、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)は、上記ポリビニルアセタール樹脂(2)及び上記ポリビニルアセタール樹脂(3)と異なっていることが好ましい。上記熱可塑性樹脂(1)と上記熱可塑性樹脂(2)と上記熱可塑性樹脂(3)とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。上記ポリビニルアセタール樹脂(1)、上記ポリビニルアセタール樹脂(2)及び上記ポリビニルアセタール樹脂(3)はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記熱可塑性樹脂(1)、上記熱可塑性樹脂(2)及び上記熱可塑性樹脂(3)はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。これら以外の熱可塑性樹脂を用いてもよい。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールのアセタール化物であることが好ましい。上記ポリビニルアルコールは、例えば、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより得られる。上記ポリビニルアルコールのけん化度は、一般に70〜99.9モル%である。
上記ポリビニルアルコール(PVA)の平均重合度は、好ましくは200以上、より好ましくは500以上、より一層好ましくは1500以上、更に好ましくは1600以上、特に好ましくは2600以上、最も好ましくは2700以上、好ましくは5000以下、より好ましくは4000以下、更に好ましくは3500以下である。上記平均重合度が上記下限以上であると、合わせガラスの耐貫通性と曲げ剛性とがより一層高くなる。上記平均重合度が上記上限以下であると、中間膜の成形が容易になる。
上記ポリビニルアルコールの平均重合度は、JIS K6726「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠した方法により求められる。
上記ポリビニルアセタール樹脂におけるアセタール基の炭素数は2〜10であることが好ましく、2〜5であることがより好ましく、2、3又は4であることが更に好ましい。また、上記ポリビニルアセタール樹脂におけるアセタール基の炭素数が2又は4であることが好ましく、この場合には、ポリビニルアセタール樹脂の生産が効率的である。
アルデヒドとして、一般には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1〜10のアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、クミンアルデヒド、及びベンズアルデヒド等が挙げられる。アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド又はn−バレルアルデヒドが好ましい。アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド又はn−バレルアルデヒドがより好ましく、アセトアルデヒド、n−ブチルアルデヒド又はn−バレルアルデヒドが更に好ましい。上記アルデヒドは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリビニルアセタール樹脂(1)を多層の中間膜の一部として用いる場合には、水酸基の含有率は、以下を満足することが好ましい。上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率(水酸基量)は、好ましくは25モル%以上、より好ましくは28モル%以上、より好ましくは30モル%以上、より一層好ましくは31.5モル%以上、更に好ましくは32モル%以上、特に好ましくは33モル%以上である。上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率(水酸基量)は、好ましくは37モル%以下、より好ましくは36.5モル%以下、更に好ましくは36モル%以下である。上記水酸基の含有率が上記下限以上であると、曲げ剛性がより一層高くなり、中間膜の接着力がより一層高くなる。また、上記水酸基の含有率が上記上限以下であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。
上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率(水酸基量)は、好ましくは17モル%以上、より好ましくは20モル%以上、更に好ましくは22モル%以上、好ましくは28モル%以下、より好ましくは27モル%以下、更に好ましくは25モル%以下、特に好ましくは24モル%以下である。上記ポリビニルアセタール樹脂(1)を多層の中間膜の一部として用いる場合には特に、この水酸基の含有率の下限及び上限を満足することが好ましい。上記水酸基の含有率が上記下限以上であると、中間膜の機械強度がより一層高くなる。特に、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率が20モル%以上であると反応効率が高く生産性に優れ、また28モル%以下であると、合わせガラスの遮音性がより一層高くなる。また、上記水酸基の含有率が上記上限以下であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。特に、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率が28モル%以下である中間膜を用いた合わせガラスは曲げ剛性が低くなる傾向にあるが、本発明の構成によって、曲げ剛性を顕著に改善できる。
上記ポリビニルアセタール樹脂(2)及び上記ポリビニルアセタール樹脂(3)の水酸基の各含有率は、好ましくは25モル%以上、より好ましくは28モル%以上、より好ましくは30モル%以上、より一層好ましくは31.5モル%以上、更に好ましくは32モル%以上、特に好ましくは33モル%以上である。上記ポリビニルアセタール樹脂(2)及び上記ポリビニルアセタール樹脂(3)の水酸基の各含有率は、好ましくは37モル%以下、より好ましくは36.5モル%以下、更に好ましくは36モル%以下である。上記水酸基の含有率が上記下限以上であると、曲げ剛性がより一層高くなり、中間膜の接着力がより一層高くなる。また、上記水酸基の含有率が上記上限以下であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。
遮音性をより一層高める観点からは、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率は、上記ポリビニルアセタール樹脂(2)の水酸基の含有率よりも低いことが好ましい。遮音性をより一層高める観点からは、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率は、上記ポリビニルアセタール樹脂(3)の水酸基の含有率よりも低いことが好ましい。遮音性を更に一層高める観点からは、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率と、上記ポリビニルアセタール樹脂(2)の水酸基の含有率との差の絶対値は、好ましくは1モル%以上、より好ましくは5モル%以上、更に好ましくは9モル%以上、特に好ましくは10モル%以上、最も好ましくは12モル%以上である。遮音性を更に一層高める観点からは、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率と、上記ポリビニルアセタール樹脂(3)の水酸基の含有率との差の絶対値は、好ましくは1モル%以上、より好ましくは5モル%以上、更に好ましくは9モル%以上、特に好ましくは10モル%以上、最も好ましくは12モル%以上である。上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率と、上記ポリビニルアセタール樹脂(2)の水酸基の含有率との差の絶対値、及び、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)の水酸基の含有率と、上記ポリビニルアセタール樹脂(3)の水酸基の含有率との差の絶対値は、好ましくは20モル%以下である。
上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率で示した値である。上記水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
上記ポリビニルアセタール樹脂(1)のアセチル化度(アセチル基量)は、好ましくは0.01モル%以上、より好ましくは0.1モル%以上、より一層好ましくは7モル%以上、更に好ましくは9モル%以上、好ましくは30モル%以下、より好ましくは25モル%以下、更に好ましくは24モル%以下である。上記アセチル化度が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤や他の熱可塑性樹脂との相溶性が高くなり、遮音性や耐貫通性により一層優れ、長期間に渡り性能がより一層安定する。上記アセチル化度が上記上限以下であると、中間膜及び合わせガラスの耐湿性が高くなる。特に、上記ポリビニルアセタール樹脂(1)のアセチル化度が0.1モル%以上、25モル%以下であると、耐貫通性により一層優れる。
上記ポリビニルアセタール樹脂(2)及び上記ポリビニルアセタール樹脂(3)の各アセチル化度は、好ましくは0.01モル%以上、より好ましくは0.5モル%以上、好ましくは10モル%以下、より好ましくは2モル%以下である。上記アセチル化度が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセチル化度が上記上限以下であると、中間膜及び合わせガラスの耐湿性が高くなる。
上記アセチル化度は、アセチル基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率で示した値である。上記アセチル基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
上記ポリビニルアセタール樹脂(1)のアセタール化度(ポリビニルブチラール樹脂の場合にはブチラール化度)は、好ましくは47モル%以上、より好ましくは60モル%以上、更に好ましくは68モル%以上、好ましくは85モル%以下、より好ましくは80モル%以下、更に好ましくは75モル%以下である。上記アセタール化度が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセタール化度が上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂を製造するために必要な反応時間が短くなる。
上記ポリビニルアセタール樹脂(2)及び上記ポリビニルアセタール樹脂(3)の各アセタール化度(ポリビニルブチラール樹脂の場合にはブチラール化度)は、好ましくは55モル%以上、より好ましくは60モル%以上、好ましくは75モル%以下、より好ましくは71モル%以下である。上記アセタール化度が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセタール化度が上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂を製造するために必要な反応時間が短くなる。
上記アセタール化度は、以下のようにして求める。先ず、主鎖の全エチレン基量から、水酸基が結合しているエチレン基量と、アセチル基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を求める。得られた値を、主鎖の全エチレン基量で除算してモル分率を求める。このモル分率を百分率で示した値がアセタール化度である。
なお、上記水酸基の含有率(水酸基量)、アセタール化度(ブチラール化度)及びアセチル化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定された結果から算出することが好ましい。但し、ASTM D1396−92による測定を用いてもよい。ポリビニルアセタール樹脂がポリビニルブチラール樹脂である場合は、上記水酸基の含有率(水酸基量)、上記アセタール化度(ブチラール化度)及び上記アセチル化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定された結果から算出され得る。
(可塑剤)
上記中間膜は、可塑剤を含むことが好ましい。上記第1の層(単層の中間膜を含む)は、可塑剤(以下、可塑剤(1)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第2の層は、可塑剤(以下、可塑剤(2)と記載することがある)を含むことが好ましい。上記第3の層は、可塑剤(以下、可塑剤(3)と記載することがある)を含むことが好ましい。可塑剤の使用により、またポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との併用により、耐衝撃性及び耐貫通性により一層優れ、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含む層の合わせガラス部材又は他の層に対する接着力が適度に高くなる。上記可塑剤は特に限定されない。上記可塑剤(1)と上記可塑剤(2)と上記可塑剤(3)とは同一であってもよく、異なっていてもよい。上記可塑剤(1)、上記可塑剤(2)及び上記可塑剤(3)はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記可塑剤としては、一塩基性有機酸エステル及び多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、並びに有機リン酸可塑剤及び有機亜リン酸可塑剤などの有機リン酸可塑剤等が挙げられる。有機エステル可塑剤が好ましい。上記可塑剤は液状可塑剤であることが好ましい。
上記一塩基性有機酸エステルとしては、グリコールと一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコールエステル等が挙げられる。上記グリコールとしては、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びトリプロピレングリコール等が挙げられる。上記一塩基性有機酸としては、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、n−ノニル酸及びデシル酸等が挙げられる。
上記多塩基性有機酸エステルとしては、多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物等が挙げられる。上記多塩基性有機酸としては、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸等が挙げられる。
上記有機エステル可塑剤としては、トリエチレングリコールジ−2−エチルプロパノエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリレート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ヘプチルとアジピン酸ノニルとの混合物、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、及びリン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物等が挙げられる。これら以外の有機エステル可塑剤を用いてもよい。上述のアジピン酸エステル以外の他のアジピン酸エステルを用いてもよい。
上記有機リン酸可塑剤としては、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート及びトリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
上記可塑剤は、下記式(1)で表されるジエステル可塑剤であることが好ましい。
Figure 2019147707
上記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ、炭素数2〜10の有機基を表し、R3は、エチレン基、イソプロピレン基又はn−プロピレン基を表し、pは3〜10の整数を表す。上記式(1)中のR1及びR2はそれぞれ、炭素数5〜10の有機基であることが好ましく、炭素数6〜10の有機基であることがより好ましい。
上記可塑剤は、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)又はトリエチレングリコールジ−2−エチルプロパノエートを含むことが好ましい。上記可塑剤は、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート又はトリエチレングリコールジ−2−エチルブチレートを含むことがより好ましく、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートを含むことが更に好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂と上記第2の樹脂との合計100重量部に対して、上記可塑剤の含有量は、好ましくは2重量部以上、より好ましくは3重量部以上、更に好ましくは4重量部以上、好ましくは35重量部以下、より好ましくは30重量部以下、更に好ましくは15重量部以下、特に好ましくは10重量部以下である。上記可塑剤の含有量が上記下限以上であると、高温での引張特性及び遮音性がより一層高くなる。上記可塑剤の含有量が上記上限以下であると、曲げ剛性がより一層高くなる。
上記第2の層において、上記熱可塑性樹脂(2)100重量部(熱可塑性樹脂(2)がポリビニルアセタール樹脂(2)である場合には、ポリビニルアセタール樹脂(2)100重量部)に対する上記可塑剤(2)の含有量を、含有量(2)とする。上記第3の層において、上記熱可塑性樹脂(3)100重量部(熱可塑性樹脂(3)がポリビニルアセタール樹脂(3)である場合には、ポリビニルアセタール樹脂(3)100重量部)に対する上記可塑剤(3)の含有量を、含有量(3)とする。上記含有量(2)及び上記含有量(3)はそれぞれ、好ましくは10重量部以上、より好ましくは15重量部以上、好ましくは40重量部以下、より好ましくは35重量部以下、更に好ましくは32重量部以下、特に好ましくは30重量部以下である。上記含有量(2)及び上記含有量(3)が上記下限以上であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。上記含有量(2)及び上記含有量(3)が上記上限以下であると、曲げ剛性がより一層高くなる。
上記第1の層において、上記熱可塑性樹脂(1)100重量部(熱可塑性樹脂(1)がポリビニルアセタール樹脂(1)である場合には、ポリビニルアセタール樹脂(1)100重量部)に対する上記可塑剤(1)の含有量を含有量(1)とする。上記含有量(1)は、好ましくは1重量部以上、より好ましくは2重量部以上、より一層好ましくは3重量部以上、更に好ましくは5重量部以上、好ましくは90重量部以下、より好ましくは85重量部以下、更に好ましくは80重量部以下である。上記含有量(1)が上記下限以上であると、中間膜の柔軟性が高くなり、中間膜の取扱いが容易になる。上記含有量(1)が上記上限以下であると、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。上記含有量(1)は、50重量部以上であってもよく、55重量部以上であってもよく、60重量部以上であってもよい。上記含有量(1)は、30重量部以下であってもよく、20重量部以下であってもよく、10重量部以下であってもよい。
上記中間膜が2層以上である場合には、合わせガラスの遮音性を高めるために、上記含有量(1)は上記含有量(2)よりも多いことが好ましく、上記含有量(1)は上記含有量(3)よりも多いことが好ましい。
合わせガラスの遮音性をより一層高める観点からは、上記含有量(2)と上記含有量(1)との差の絶対値、並びに上記含有量(3)と上記含有量(1)との差の絶対値はそれぞれ、好ましくは10重量部以上、より好ましくは15重量部以上、更に好ましくは20重量部以上である。上記含有量(2)と上記含有量(1)との差の絶対値、並びに上記含有量(3)と上記含有量(1)との差の絶対値はそれぞれ、好ましくは80重量部以下、より好ましくは75重量部以下、更に好ましくは70重量部以下である。
(遮熱性物質)
上記中間膜は、遮熱性物質を含むことが好ましい。上記第1の層は、遮熱性物質を含むことが好ましい。上記第2の層は、遮熱性物質を含むことが好ましい。上記第3の層は、遮熱性物質を含むことが好ましい。上記遮熱性物質は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記遮熱性物質は、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物及びアントラシアニン化合物の内の少なくとも1種の成分Xを含むか、又は遮熱粒子を含むことが好ましい。この場合に、上記成分Xと上記遮熱粒子との双方を含んでいてもよい。
成分X:
上記中間膜は、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物及びアントラシアニン化合物の内の少なくとも1種の成分Xを含むことが好ましい。上記第1の層は、上記成分Xを含むことが好ましい。上記第2の層は、上記成分Xを含むことが好ましい。上記第3の層は、上記成分Xを含むことが好ましい。上記成分Xは遮熱性物質である。上記成分Xは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記成分Xは特に限定されない。成分Xとして、従来公知のフタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物及びアントラシアニン化合物を用いることができる。
中間膜及び合わせガラスの遮熱性をより一層高くする観点からは、上記成分Xは、フタロシアニン、フタロシアニンの誘導体、ナフタロシアニン及びナフタロシアニンの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、フタロシアニン及びフタロシアニンの誘導体の内の少なくとも1種であることがより好ましい。
遮熱性を効果的に高め、かつ長期間にわたり可視光線透過率をより一層高いレベルで維持する観点からは、上記成分Xは、バナジウム原子又は銅原子を含有することが好ましい。上記成分Xは、バナジウム原子を含有することが好ましく、銅原子を含有することも好ましい。上記成分Xは、バナジウム原子又は銅原子を含有するフタロシアニン及びバナジウム原子又は銅原子を含有するフタロシアニンの誘導体の内の少なくとも1種であることがより好ましい。中間膜及び合わせガラスの遮熱性を更に一層高くする観点からは、上記成分Xは、バナジウム原子に酸素原子が結合した構造単位を有することが好ましい。
上記成分Xを含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)100重量%中、上記成分Xの含有量は、好ましくは0.001重量%以上、より好ましくは0.005重量%以上、更に好ましくは0.01重量%以上、特に好ましくは0.02重量%以上である。上記成分Xを含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)100重量%中、上記成分Xの含有量は、好ましくは0.2重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下、更に好ましくは0.05重量%以下、特に好ましくは0.04重量%以下である。上記成分Xの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、遮熱性が充分に高くなり、かつ可視光線透過率が充分に高くなる。例えば、可視光線透過率を70%以上にすることが可能である。
遮熱粒子:
上記中間膜は、遮熱粒子を含むことが好ましい。上記第1の層(単層の中間膜を含む)は、上記遮熱粒子を含むことが好ましい。上記第2の層は、上記遮熱粒子を含むことが好ましい。上記第3の層は、上記遮熱粒子を含むことが好ましい。上記遮熱粒子は遮熱性物質である。遮熱粒子の使用により、赤外線(熱線)を効果的に遮断できる。上記遮熱粒子は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
合わせガラスの遮熱性をより一層高める観点からは、上記遮熱粒子は、金属酸化物粒子であることがより好ましい。上記遮熱粒子は、金属の酸化物により形成された粒子(金属酸化物粒子)であることが好ましい。
可視光よりも長い波長780nm以上の赤外線は、紫外線と比較して、エネルギー量が小さい。しかしながら、赤外線は熱的作用が大きく、赤外線が物質に吸収されると熱として放出される。このため、赤外線は一般に熱線と呼ばれている。上記遮熱粒子の使用により、赤外線(熱線)を効果的に遮断できる。なお、遮熱粒子とは、赤外線を吸収可能な粒子を意味する。
上記遮熱粒子の具体例としては、アルミニウムドープ酸化錫粒子、インジウムドープ酸化錫粒子、アンチモンドープ酸化錫粒子(ATO粒子)、ガリウムドープ酸化亜鉛粒子(GZO粒子)、インジウムドープ酸化亜鉛粒子(IZO粒子)、アルミニウムドープ酸化亜鉛粒子(AZO粒子)、ニオブドープ酸化チタン粒子、ナトリウムドープ酸化タングステン粒子、セシウムドープ酸化タングステン粒子、タリウムドープ酸化タングステン粒子、ルビジウムドープ酸化タングステン粒子、錫ドープ酸化インジウム粒子(ITO粒子)、錫ドープ酸化亜鉛粒子、珪素ドープ酸化亜鉛粒子等の金属酸化物粒子や、六ホウ化ランタン(LaB)粒子等が挙げられる。これら以外の遮熱粒子を用いてもよい。熱線の遮蔽機能が高いため、金属酸化物粒子が好ましく、ATO粒子、GZO粒子、IZO粒子、ITO粒子又は酸化タングステン粒子がより好ましく、ITO粒子又は酸化タングステン粒子が特に好ましい。特に、熱線の遮蔽機能が高く、かつ入手が容易であるので、錫ドープ酸化インジウム粒子(ITO粒子)が好ましく、酸化タングステン粒子も好ましい。
中間膜及び合わせガラスの遮熱性をより一層高くする観点からは、酸化タングステン粒子は、金属ドープ酸化タングステン粒子であることが好ましい。上記「酸化タングステン粒子」には、金属ドープ酸化タングステン粒子が含まれる。上記金属ドープ酸化タングステン粒子としては、具体的には、ナトリウムドープ酸化タングステン粒子、セシウムドープ酸化タングステン粒子、タリウムドープ酸化タングステン粒子及びルビジウムドープ酸化タングステン粒子等が挙げられる。
中間膜及び合わせガラスの遮熱性をより一層高くする観点からは、セシウムドープ酸化タングステン粒子が特に好ましい。中間膜及び合わせガラスの遮熱性を更に一層高くする観点からは、該セシウムドープ酸化タングステン粒子は、式:Cs0.33WOで表される酸化タングステン粒子であることが好ましい。
上記遮熱粒子の平均粒子径は好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.02μm以上、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下である。平均粒子径が上記下限以上であると、熱線の遮蔽性が充分に高くなる。平均粒子径が上記上限以下であると、遮熱粒子の分散性が高くなる。
上記「平均粒子径」は、体積平均粒子径を示す。平均粒子径は、粒度分布測定装置(日機装社製「UPA−EX150」)等を用いて測定できる。
上記遮熱粒子を含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)100重量%中、上記遮熱粒子の含有量は、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、更に好ましくは1重量%以上、特に好ましくは1.5重量%以上である。上記遮熱粒子を含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)100重量%中、上記遮熱粒子の含有量は、好ましくは6重量%以下、より好ましくは5.5重量%以下、更に好ましくは4重量%以下、特に好ましくは3.5重量%以下、最も好ましくは3重量%以下である。上記遮熱粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、遮熱性が充分に高くなり、かつ可視光線透過率が充分に高くなる。
(接着力調整剤)
耐衝撃性及び耐貫通性を効果的に高める観点からは、上記中間膜は、カルボキシル基、水酸基、チオール基、アミノ基又はリン酸基を有する接着力調整剤(以下、接着力調整剤Lと記載することがある)を含む好ましい。上記第1の層は、上記接着力調整剤Lを含むことが好ましい。上記第2の層は、上記接着力調整剤Lを含むことが好ましい。上記第3の層は、上記接着力調整剤Lを含むことが好ましい。上記接着力調整剤Lの使用により、中間膜と合わせガラス部材との接着性又は中間膜における各層間の接着性を制御することが容易になり、上記剥離試験における剥離強度を適度な範囲に制御することが容易になる。また、上記接着力調整剤Lの使用により、耐衝撃性及び耐貫通性が効果的に高くなる。上記接着力調整剤Lは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
耐衝撃性及び耐貫通性をより一層高める観点からは、上記接着力調整剤Lは、カルボキシル基及び水酸基を有することが好ましく、カルボキシル基を有することがより好ましい。上記接着力調整剤Lは、水酸基を有していてもよい。上記接着力調整剤Lが水酸基を有する場合には、該水酸基は、フェノール性水酸基ではないことが好ましい。
カルボキシル基を有する接着力調整剤としては、UC3510が挙げられる。
水酸基を有する接着力調整剤としては、KE−604が挙げられる。
チオール基を有する接着力調整剤としては、LP−55、及びLP−980が挙げられる。
アミノ基を有する接着力調整剤としては、PAA−01、及びPAA−03が挙げられる。
リン酸基を有する接着力調整剤としては、JP−524Rが挙げられる。
上記接着力調整剤Lの分子量は、好ましくは100以上、より好ましくは200以上、更に好ましくは500以上、好ましくは10000以下、より好ましくは5000以下、更に好ましくは4000以下である。上記分子量が上記下限以上及び上記上限以下であると、耐衝撃性及び耐貫通性をより一層高めることができ、接着力調整剤Lと他の成分との相溶性が高くなる。
上記ポリビニルアセタール樹脂と上記第2の樹脂との合計100重量部に対して、上記接着力調整剤Lの含有量は、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上、好ましくは3重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。上記接着力調整剤Lの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、耐衝撃性及び耐貫通性がより一層高くなる。
上記接着力調整剤Lがカルボキシル基を有する場合に、上記ポリビニルアセタール樹脂と上記第2の樹脂との合計100重量部に対して、カルボキシル基を有する接着力調整剤の含有量は好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上、更に好ましくは0.1重量部以上である。上記接着力調整剤Lがカルボキシル基を有する場合に、上記ポリビニルアセタール樹脂と上記第2の樹脂との合計100重量部に対して、カルボキシル基を有する接着力調整剤の含有量は好ましくは0.5重量部以下、より好ましくは0.3重量部以下、好ましくは0.25重量部以下である。カルボキシル基を有する接着力調整剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、耐衝撃性及び耐貫通性がより一層高くなる。
上記接着力調整剤Lが水酸基を有する場合に、上記ポリビニルアセタール樹脂と上記第2の樹脂との合計100重量部に対して、水酸基を有する接着力調整剤の含有量は好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上、更に好ましくは0.25重量部以上、特に好ましくは0.5重量部以上である。上記接着力調整剤Lが水酸基を有する場合に、上記ポリビニルアセタール樹脂と上記第2の樹脂との合計100重量部に対して、水酸基を有する接着力調整剤の含有量は好ましくは3重量部以下、より好ましくは2重量部以下、更に好ましくは1重量部以下である。水酸基を有する接着力調整剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、耐衝撃性及び耐貫通性がより一層高くなる。
(金属塩)
上記中間膜は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びマグネシウム塩の内の少なくとも1種の金属塩(以下、金属塩Mと記載することがある)を含んでいてもよい。上記第1の層は、上記金属塩Mを含んでいてもよい。上記第2の層は、上記金属塩Mを含んでいてもよい。上記第3の層は、上記金属塩Mを含んでいてもよい。上記金属塩Mは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記金属塩Mは、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr及びBaからなる群から選択された少なくとも1種の金属を含んでいてもよい。中間膜中に含まれている金属塩は、K及びMgの内の少なくとも1種の金属を含んでいてもよい。
また、上記金属塩Mは、炭素数2〜16の有機酸のアルカリ金属塩、炭素数2〜16の有機酸のアルカリ土類金属塩又は炭素数2〜16の有機酸のマグネシウム塩であってもよく、炭素数2〜16のカルボン酸マグネシウム塩又は炭素数2〜16のカルボン酸カリウム塩であってもよい。
上記炭素数2〜16のカルボン酸マグネシウム塩及び上記炭素数2〜16のカルボン酸カリウム塩としては特に限定されないが、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、プロピオン酸マグネシウム、プロピオン酸カリウム、2−エチル酪酸マグネシウム、2−エチルブタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム及び2−エチルヘキサン酸カリウム等が挙げられる。
上記金属塩Mを含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)におけるMg及びKの含有量の合計は、5ppm以上であってもよく、10ppm以上であってもよく、20ppm以上であってもよく、300ppm以下であってもよく、250ppm以下であってもよく、200ppm以下であってもよい。
(紫外線遮蔽剤)
上記中間膜は、紫外線遮蔽剤を含むことが好ましい。上記第1の層は、紫外線遮蔽剤を含むことが好ましい。上記第2の層は、紫外線遮蔽剤を含むことが好ましい。上記第3の層は、紫外線遮蔽剤を含むことが好ましい。紫外線遮蔽剤の使用により、中間膜及び合わせガラスが長期間使用されても、可視光線透過率がより一層低下し難くなる。上記紫外線遮蔽剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記紫外線遮蔽剤には、紫外線吸収剤が含まれる。上記紫外線遮蔽剤は、紫外線吸収剤であることが好ましい。
上記紫外線遮蔽剤としては、例えば、金属原子を含む紫外線遮蔽剤、金属酸化物を含む紫外線遮蔽剤、ベンゾトリアゾール構造を有する紫外線遮蔽剤(ベンゾトリアゾール化合物)、ベンゾフェノン構造を有する紫外線遮蔽剤(ベンゾフェノン化合物)、トリアジン構造を有する紫外線遮蔽剤(トリアジン化合物)、マロン酸エステル構造を有する紫外線遮蔽剤(マロン酸エステル化合物)、シュウ酸アニリド構造を有する紫外線遮蔽剤(シュウ酸アニリド化合物)及びベンゾエート構造を有する紫外線遮蔽剤(ベンゾエート化合物)等が挙げられる。
上記金属原子を含む紫外線遮蔽剤としては、例えば、白金粒子、白金粒子の表面をシリカで被覆した粒子、パラジウム粒子及びパラジウム粒子の表面をシリカで被覆した粒子等が挙げられる。紫外線遮蔽剤は、遮熱粒子ではないことが好ましい。
上記紫外線遮蔽剤は、好ましくはベンゾトリアゾール構造を有する紫外線遮蔽剤、ベンゾフェノン構造を有する紫外線遮蔽剤、トリアジン構造を有する紫外線遮蔽剤又はベンゾエート構造を有する紫外線遮蔽剤である。上記紫外線遮蔽剤は、より好ましくはベンゾトリアゾール構造を有する紫外線遮蔽剤又はベンゾフェノン構造を有する紫外線遮蔽剤であり、更に好ましくはベンゾトリアゾール構造を有する紫外線遮蔽剤である。
上記金属酸化物を含む紫外線遮蔽剤としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン及び酸化セリウム等が挙げられる。さらに、上記金属酸化物を含む紫外線遮蔽剤に関して、表面が被覆されていてもよい。上記金属酸化物を含む紫外線遮蔽剤の表面の被覆材料としては、絶縁性金属酸化物、加水分解性有機珪素化合物及びシリコーン化合物等が挙げられる。
上記ベンゾトリアゾール構造を有する紫外線遮蔽剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製「TinuvinP」)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製「Tinuvin320」)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(BASF社製「Tinuvin326」)、及び2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(BASF社製「Tinuvin328」)等が挙げられる。紫外線を吸収する性能に優れることから、上記紫外線遮蔽剤は、ハロゲン原子を含むベンゾトリアゾール構造を有する紫外線遮蔽剤であることが好ましく、塩素原子を含むベンゾトリアゾール構造を有する紫外線遮蔽剤であることがより好ましい。
上記ベンゾフェノン構造を有する紫外線遮蔽剤としては、例えば、オクタベンゾン(BASF社製「Chimassorb81」)等が挙げられる。
上記トリアジン構造を有する紫外線遮蔽剤としては、例えば、ADEKA社製「LA−F70」及び2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール(BASF社製「Tinuvin1577FF」)等が挙げられる。
上記マロン酸エステル構造を有する紫外線遮蔽剤としては、2−(p−メトキシベンジリデン)マロン酸ジメチル、テトラエチル−2,2−(1,4−フェニレンジメチリデン)ビスマロネート、2−(p−メトキシベンジリデン)−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル4−ピペリジニル)マロネート等が挙げられる。
上記マロン酸エステル構造を有する紫外線遮蔽剤の市販品としては、Hostavin B−CAP、Hostavin PR−25、Hostavin PR−31(いずれもクラリアント社製)が挙げられる。
上記シュウ酸アニリド構造を有する紫外線遮蔽剤としては、N−(2−エチルフェニル)−N’−(2−エトキシ−5−t−ブチルフェニル)シュウ酸ジアミド、N−(2−エチルフェニル)−N’−(2−エトキシ−フェニル)シュウ酸ジアミド、2−エチル−2’−エトキシ−オキシアニリド(クラリアント社製「SanduvorVSU」)などの窒素原子上に置換されたアリール基などを有するシュウ酸ジアミド類が挙げられる。
上記ベンゾエート構造を有する紫外線遮蔽剤としては、例えば、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(BASF社製「Tinuvin120」)等が挙げられる。
上記紫外線遮蔽剤を含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)100重量%中、上記紫外線遮蔽剤の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.2重量%以上、更に好ましくは0.3重量%以上、特に好ましくは0.5重量%以上である。上記紫外線遮蔽剤を含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)100重量%中、上記紫外線遮蔽剤の含有量は、好ましくは2.5重量%以下、より好ましくは2重量%以下、更に好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0.8重量%以下である。上記紫外線遮蔽剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、期間経過後の可視光線透過率の低下をより一層抑制することができる。特に、上記紫外線遮蔽剤を含む層100重量%中、上記紫外線遮蔽剤の含有量が0.2重量%以上であることにより、中間膜及び合わせガラスの期間経過後の可視光線透過率の低下を顕著に抑制できる。
(酸化防止剤)
上記中間膜は、酸化防止剤を含むことが好ましい。上記第1の層は、酸化防止剤を含むことが好ましい。上記第2の層は、酸化防止剤を含むことが好ましい。上記第3の層は、酸化防止剤を含むことが好ましい。上記酸化防止剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤等が挙げられる。上記フェノール系酸化防止剤はフェノール骨格を有する酸化防止剤である。上記硫黄系酸化防止剤は硫黄原子を含有する酸化防止剤である。上記リン系酸化防止剤はリン原子を含有する酸化防止剤である。
上記酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤又はリン系酸化防止剤であることが好ましい。
上記フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェノール)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,3’−t−ブチルフェノール)ブチリックアッシドグリコールエステル及びビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンゼンプロパン酸)エチレンビス(オキシエチレン)等が挙げられる。これらの酸化防止剤の内の1種又は2種以上が好適に用いられる。
上記リン系酸化防止剤としては、トリデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリノニルフェニルホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(デシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)エチルエステル亜リン酸、及び2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチル−1−フェニルオキシ)(2−エチルヘキシルオキシ)ホスホラス等が挙げられる。これらの酸化防止剤の内の1種又は2種以上が好適に用いられる。
上記酸化防止剤の市販品としては、例えばBASF社製「IRGANOX 245」、BASF社製「IRGAFOS 168」、BASF社製「IRGAFOS 38」、住友化学工業社製「スミライザーBHT」、住友化学工業社製「スミライザーGA−80」、堺化学工業社製「H−BHT」、並びにBASF社製「IRGANOX 1010」等が挙げられる。
中間膜及び合わせガラスの高い可視光線透過率を長期間に渡り維持するために、上記中間膜100重量%中又は酸化防止剤を含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)100重量%中、上記酸化防止剤の含有量は0.1重量%以上であることが好ましい。また、酸化防止剤の添加効果が飽和するので、上記中間膜100重量%中又は上記酸化防止剤を含む層100重量%中、上記酸化防止剤の含有量は2重量%以下であることが好ましい。
(他の成分)
上記中間膜、上記第1の層、上記第2の層及び上記第3の層はそれぞれ、必要に応じて、珪素、アルミニウム又はチタンを含むカップリング剤、分散剤、界面活性剤、難燃剤、帯電防止剤、フィラー、顔料、染料、接着力調整剤、耐湿剤、蛍光増白剤及び赤外線吸収剤等の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
せん断貯蔵弾性率を好適な範囲に制御するために、中間膜、第1の層、第2の層及び第3の層は、フィラーを含んでいてもよい。上記フィラーとしては、炭酸カルシウム粒子、及びシリカ粒子等が挙げられる。曲げ剛性及を効果的に高め、透明性の低下を効果的に抑える観点からは、シリカ粒子が好ましい。
フィラーを含む層(第1の層、第2の層又は第3の層)100重量%中、上記フィラーの含有量は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重量%以下である。
(合わせガラス用中間膜の他の詳細)
上記中間膜の厚みは特に限定されない。実用面の観点、並びに合わせガラスの耐貫通性及び曲げ剛性を充分に高める観点からは、中間膜の厚みは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.25mm以上、好ましくは3mm以下、より好ましくは1.5mm以下である。中間膜の厚みが上記下限以上であると、合わせガラスの耐貫通性及び曲げ剛性がより一層高くなる。中間膜の厚みが上記上限以下であると、中間膜の透明性がより一層良好になる。
中間膜の厚みをTとする。上記第1の層の厚みは、好ましくは0.035T以上、より好ましくは0.0625T以上、更に好ましくは0.1T以上、好ましくは0.4T以下、より好ましくは0.375T以下、更に好ましくは0.25T以下、特に好ましくは0.15T以下である。上記第1の層の厚みが0.4T以下であると、曲げ剛性がより一層良好になる。
上記第2の層及び上記第3の層の各厚みは、好ましくは0.3T以上、より好ましくは0.3125T以上、更に好ましくは0.375T以上、好ましくは0.97T以下、より好ましくは0.9375T以下、更に好ましくは0.9T以下である。上記第2の層及び上記第3の層の各厚みは、0.46875T以下であってもよく、0.45T以下であってもよい。また、上記第2の層及び上記第3の層の各厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、合わせガラスの曲げ剛性がより一層高くなる。
上記第2の層及び上記第3の層の合計の厚みは、好ましくは0.625T以上、より好ましくは0.75T以上、更に好ましくは0.85T以上、好ましくは0.97T以下、より好ましくは0.9375T以下、更に好ましくは0.9T以下である。また、上記第2の層及び上記第3の層の合計の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、合わせガラスの曲げ剛性がより一層高くなる。
上記中間膜は、厚みが均一な中間膜であってもよく、厚みが変化している中間膜であってもよい。上記中間膜の断面形状は矩形であってもよく、楔形であってもよい。
本発明に係る中間膜の製造方法としては特に限定されない。本発明に係る中間膜の製造方法としては、単層の中間膜の場合に、樹脂組成物を押出機を用いて押出する方法が挙げられる。本発明に係る中間膜の製造方法としては、多層の中間膜の場合に、例えば、各層を形成するための各樹脂組成物を用いて各層をそれぞれ形成した後に、得られた各層を積層する方法、並びに各層を形成するための各樹脂組成物を押出機を用いて共押出することにより、各層を積層する方法等が挙げられる。連続的な生産に適しているため、押出成形する製造方法が好ましい。
中間膜の製造効率が優れることから、上記第2の層と上記第3の層とに、同一のポリビニルアセタール樹脂が含まれていることが好ましい。中間膜の製造効率が優れることから、上記第2の層と上記第3の層とに、同一のポリビニルアセタール樹脂及び同一の可塑剤が含まれていることがより好ましい。中間膜の製造効率が優れることから、上記第2の層と上記第3の層とが同一の樹脂組成物により形成されていることが更に好ましい。
上記中間膜は、両側の表面の内の少なくとも一方の表面に凹凸形状を有することが好ましい。上記中間膜は、両側の表面に凹凸形状を有することがより好ましい。上記の凹凸形状を形成する方法としては特に限定されず、例えば、リップエンボス法、エンボスロール法、カレンダーロール法、及び異形押出法等が挙げられる。定量的に一定の凹凸模様である多数の凹凸形状のエンボスを形成することができることから、エンボスロール法が好ましい。
(合わせガラス)
図3は、図1に示す合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの一例を模式的に示す断面図である。
図3に示す合わせガラス31は、第1の合わせガラス部材21と、第2の合わせガラス部材22と、中間膜11とを備える。中間膜11は、第1の合わせガラス部材21と第2の合わせガラス部材22との間に配置されており、挟み込まれている。
中間膜11の第1の表面11aに、第1の合わせガラス部材21が積層されている。中間膜11の第1の表面11aとは反対の第2の表面11bに、第2の合わせガラス部材22が積層されている。第2の層2の外側の表面2aに第1の合わせガラス部材21が積層されている。第3の層3の外側の表面3aに第2の合わせガラス部材22が積層されている。
図4は、図2に示す合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの一例を模式的に示す断面図である。
図4に示す合わせガラス31Aは、第1の合わせガラス部材21と、第2の合わせガラス部材22と、中間膜11Aとを備える。中間膜11Aは、第1の合わせガラス部材21と第2の合わせガラス部材22との間に配置されており、挟み込まれている。
中間膜11Aの第1の表面11aに、第1の合わせガラス部材21が積層されている。中間膜11Aの第1の表面11aとは反対の第2の表面11bに、第2の合わせガラス部材22が積層されている。
このように、本発明に係る合わせガラスは、第1の合わせガラス部材と、第2の合わせガラス部材と、中間膜とを備えており、該中間膜が、本発明に係る合わせガラス用中間膜である。本発明に係る合わせガラスでは、上記第1の合わせガラス部材と上記第2の合わせガラス部材との間に、上記中間膜が配置されている。
上記第1の合わせガラス部材は、第1のガラス板であることが好ましい。上記第2の合わせガラス部材は、第2のガラス板であることが好ましい。
上記合わせガラス部材としては、ガラス板及びPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等が挙げられる。合わせガラスには、2枚のガラス板の間に中間膜が挟み込まれている合わせガラスだけでなく、ガラス板とPETフィルム等との間に中間膜が挟み込まれている合わせガラスも含まれる。上記合わせガラスは、ガラス板を備えた積層体であり、少なくとも1枚のガラス板が用いられていることが好ましい。上記第1の合わせガラス部材及び上記第2の合わせガラス部材がそれぞれ、ガラス板又はPETフィルムであり、かつ上記合わせガラスは、上記第1の合わせガラス部材及び上記第2の合わせガラス部材の内の少なくとも一方として、ガラス板を備えることが好ましい。
上記ガラス板としては、無機ガラス及び有機ガラスが挙げられる。上記無機ガラスとしては、フロート板ガラス、熱線吸収板ガラス、熱線反射板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、及び線入り板ガラス等が挙げられる。上記有機ガラスは、無機ガラスに代わる合成樹脂ガラスである。上記有機ガラスとしては、ポリカーボネート板及びポリ(メタ)アクリル樹脂板等が挙げられる。上記ポリ(メタ)アクリル樹脂板としては、ポリメチル(メタ)アクリレート板等が挙げられる。
上記合わせガラス部材の厚みは、好ましくは1mm以上、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下である。また、上記合わせガラス部材がガラス板である場合に、該ガラス板の厚みは、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.7mm以上、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下である。上記合わせガラス部材がPETフィルムである場合に、該PETフィルムの厚みは、好ましくは0.03mm以上、好ましくは0.5mm以下である。
本発明に係る中間膜の使用により、合わせガラスの厚みが薄くても、合わせガラスの曲げ剛性を高く維持することができる。上記ガラス板の厚みは、好ましくは2mm以下、より好ましくは1.8mm以下、より一層好ましくは1.6mm以下、より一層好ましくは1.5mm以下、更に好ましくは1.4mm以下、更に好ましくは1.3mm以下、更に一層好ましくは1.0mm以下、特に好ましくは0.7mm以下である。上記ガラス板の厚みが上記上限以下であると、合わせガラスを軽量化したり、合わせガラスの材料を少なくして環境負荷を低減したり、合わせガラスの軽量化によって自動車の燃費を向上させて環境負荷を低減したりすることができる。上記第1のガラス板の厚みと上記第2のガラス板の厚みとの合計は、好ましくは3.5mm以下、より好ましくは3.2mm以下、更に好ましくは3mm以下、特に好ましくは2.8mm以下である。上記第1のガラス板の厚みと上記第2のガラス板の厚みとの合計が上記上限以下であると、合わせガラスを軽量化したり、合わせガラスの材料を少なくして環境負荷を低減したり、合わせガラスの軽量化によって自動車の燃費を向上させて環境負荷を低減したりすることができる。
上記合わせガラスの製造方法は特に限定されない。先ず、上記第1の合わせガラス部材と上記第2の合わせガラス部材との間に、中間膜を挟んで、積層体を得る。次に、例えば、得られた積層体を押圧ロールに通したり又はゴムバッグに入れて減圧吸引したりすることにより、上記第1の合わせガラス部材と上記第2の合わせガラス部材と中間膜との間に残留する空気を脱気する。その後、約70〜110℃で予備接着して予備圧着された積層体を得る。次に、予備圧着された積層体をオートクレーブに入れたり、又はプレスしたりして、約120〜150℃及び1〜1.5MPaの圧力で圧着する。このようにして、合わせガラスを得ることができる。上記合わせガラスの製造時に、第1の層と第2の層と第3の層とを積層してもよい。
上記中間膜及び上記合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶及び建築物等に使用できる。上記中間膜及び上記合わせガラスは、これらの用途以外にも使用できる。上記中間膜及び上記合わせガラスは、車両用又は建築用の中間膜及び合わせガラスであることが好ましく、車両用の中間膜及び合わせガラスであることがより好ましい。上記中間膜及び上記合わせガラスは、自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス又はルーフガラス等に使用できる。上記中間膜及び上記合わせガラスは、自動車に好適に用いられる。上記中間膜は、自動車の合わせガラスを得るために用いられる。
以下に実施例及び比較例を掲げて本発明を更に詳しく説明する。本発明はこれら実施例のみに限定されない。
以下の材料を用意した。
(ポリビニルアセタール樹脂)
下記の表1〜4に示すポリビニルアセタール樹脂を適宜用いた。
ポリビニルアセタール樹脂に関しては、アセタール化度(ブチラール化度)、アセチル化度及び水酸基の含有率はJIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定した。なお、ASTM D1396−92により測定した場合も、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法と同様の数値を示した。また、アセタールの種類がアセトアセタール等である場合には、アセタール化度は、同様に、アセチル化度、水酸基の含有率を測定し、得られた測定結果からモル分率を算出し、次いで、100モル%からアセチル化度及び水酸基の含有率を引くことにより、算出される。
(第2の樹脂)
下記の表1〜4に示す(メタ)アクリル重合体を適宜用いた。
下記の表1〜4に示す(メタ)アクリル重合体は、下記の成分を下記の表1〜4に示す含有量で含む重合成分を重合させたアクリル重合体である。
アクリル酸エチル
アクリル酸2−エチルヘキシル
アクリル酸ベンジル
アクリル酸2−ヒドロキシエチル
アクリル酸n−ブチル
アクリル酸イソボルニル
トリプロピレングリコールジアクリレート(架橋剤)
(可塑剤)
トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)
(接着力調整剤L)
UC3510(分子量1500、ガルボキシル基を有する接着力調整剤、東亞合成社製)
KE−604(分子量400、水酸基を有する接着力調整剤、荒川化学工業社製)
(金属塩M)
2−エチル酪酸マグネシウムと酢酸マグネシウムとの50:50(重量比)混合物
(紫外線遮蔽剤)
Tinuvin326(2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、BASF社製「Tinuvin326」)
(酸化防止剤)
BHT(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)
(実施例1)
中間膜(第1の層)を形成するための組成物の作製:
下記の成分を混合し、中間膜を形成するための組成物を得た。
下記表1に示す種類のポリビニルアセタール樹脂100重量部
下記の表1に示す種類の(メタ)アクリル重合体150重量部
可塑剤(3GO)12.5重量部
下記表1に示す種類の接着力調整剤0.05重量部
紫外線遮蔽剤(Tinuvin326)0.2重量部
酸化防止剤(BHT)0.2重量部
中間膜の作製:
中間膜を形成するための組成物を、押出機を用いて押出して、厚み760μmの中間膜を作製した。
合わせガラス(耐衝撃試験用)の作製:
得られた中間膜を縦31.0cm×横31.0cmの大きさに切断した。第1の合わせガラス部材及び第2の合わせガラス部材として、ガラス板(クリアフロートガラス、縦30.5cm×横30.5cm×厚み1.0mm)を用意した。2枚のガラス板の間に、中間膜を挟み込み、10分間、100℃、及び100kPaの圧力をかけて予備圧着を行った。その後10分かけて1.3MPaまで加圧、及び、30分かけて140℃まで加熱し、その後20分間1.3MPa・140℃の条件で圧着した。その後1.3MPaの加圧条件下にて、40分かけて32℃まで降温し、さらにその後10分かけて加圧条件を0MPaとし、合わせガラスを得た。ガラス端部にはみ出した中間膜に関してはカットした。
合わせガラス(耐貫通試験用)の作製:
得られた中間膜を縦31.0cm×横31.0cmの大きさに切断した。第1の合わせガラス部材及び第2の合わせガラス部材として、ガラス板(クリアフロートガラス、縦30.5cm×横30.5cm×厚み1.0mm)を用意した。2枚のガラス板の間に、中間膜を挟み込み、10分間、100℃、及び100kPaの圧力をかけて予備圧着を行った。その後10分かけて1.3MPaまで加圧、及び、30分かけて140℃まで加熱し、その後20分間1.3MPa・140℃の条件で圧着した。その後1.3MPaの加圧条件下にて、40分かけて32℃まで降温し、さらにその後10分かけて加圧条件を0MPaとし、合わせガラスを得た。ガラス端部にはみ出した中間膜に関してはカットした。
(実施例2〜18及び比較例1〜6)
中間膜を形成するための組成物の組成を下記の表1〜4に示すように設定したこと以外は実施例1と同様にして、中間膜及び合わせガラスを得た。
なお、金属塩Mを用いる場合に、金属塩Mは、得られる中間膜中で金属(マグネシウム)の濃度が下記の表1〜4示す含有量となるように配合した。
また、実施例2〜18及び比較例1〜6では、実施例1と同じ種類の紫外線遮蔽剤及び酸化防止剤を、実施例1と同様の配合量(ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して0.2重量部)で配合した。
(評価)
(1)ガラス転移温度
得られた中間膜を、室温23±2℃、湿度25±5%の環境下に12時間保管した直後に、Metravib社製の粘弾性測定装置「DVA−200」を用いて、せん断貯蔵弾性率を測定した。中間膜を長さ50mm及び幅20mmで切り出し、せん断モードで2℃/分の昇温速度で−50〜200℃まで温度を上昇させる条件、及び周波数0.5Hz及び歪0.05%の条件で測定した。ポリビニルアセタール樹脂のガラス転移温度(ポリビニルアセタール樹脂に由来する成分のガラス転移温度)と、第2の樹脂のガラス転移温度(第2の樹脂に由来する成分のガラス転移温度)とを評価した。
(2)剥離強度
以下の剥離試験を実施した。
剥離試験:縦25mm、横120mmの中間膜を用意した。JIS 3202に準拠した厚み3mmのクリアフロートガラスを用意した。中間膜をクリアフロートガラスと厚さ100μmのPETフィルムで挟み、10分間、100℃、及び100kPaの圧力をかけて予備圧着を行った。その後10分かけて1.3MPaまで加圧、及び、30分かけて140℃まで加熱し、その後20分間1.3MPa・140℃の条件で圧着した。その後1.3MPaの加圧条件下にて、40分かけて32℃まで降温し、さらにその後10分かけて加圧条件を0MPaとし、試験片を得た。試験片において、23℃、ピール速度100mm/分及び試験距離0〜100mmにて、JIS 6854−2に準拠して剥離試験をして、剥離強度を測定した。
(3)耐衝撃性
得られた合わせガラスを、表面温度が23℃となるように調整した。次いで、5.0mの高さから、6枚の合わせガラスに対してそれぞれ、質量227g及び直径38mmの鋼球を、合わせガラスの中心部分に落下させた。まず、鋼球が合わせガラスを貫通していないか確認した。貫通していない合わせガラスに関して、衝撃面の反対側からの剥離破片の総重量を測定した。
耐衝撃性を下記の基準で判定した。
[耐衝撃性の判定基準]
○○:剥離破片の総重量が1g未満
○:剥離破片の総重量が1g以上、3g未満
×:剥離破片の総重量が3g以上
(4)耐貫通性
得られた合わせガラスを、表面温度が23℃となるように調整した。次いで、2.0mの高さから、6枚の合わせガラスに対してそれぞれ、質量2260g及び直径82mmの鋼球を、合わせガラスの中心部分に落下させた。6枚の合わせガラス全てについて、鋼球が衝突した後5秒以内に鋼球が貫通しなかった場合を合格とした。鋼球が衝突した後5秒以内に鋼球が貫通しなかった合わせガラスが3枚以下であった場合は不合格とした。4枚の場合には、新しく6枚の合わせガラスの耐貫通性を評価した。5枚の場合には、新しく1枚の合わせガラスを追加試験し、鋼球が衝突した後5秒以内に鋼球が貫通しなかった場合を合格とした。同様の方法で、25cmずつ高くし、6枚の合わせガラスに対してそれぞれ、質量2260g及び直径82mmの鋼球を、合わせガラスの中心部分に落下させ、合わせガラスの耐貫通性(最大高さ)を評価した。耐貫通性を以下の基準で判定した。
[耐貫通性の判定基準]
○○:6mの高さで合格
○:○○及び×の基準に相当しない
×:2.0m〜4.0mの高さのいずれかで不合格
詳細及び結果を下記の表1〜4に示す。なお、下記の表1〜4では、紫外線遮蔽剤及び酸化防止剤の記載は省略した。
Figure 2019147707
Figure 2019147707
Figure 2019147707
Figure 2019147707
1…第1の層
1a…第1の表面
1b…第2の表面
2…第2の層
2a…外側の表面
3…第3の層
3a…外側の表面
11…中間膜
11A…中間膜(第1の層)
11a…第1の表面
11b…第2の表面
21…第1の合わせガラス部材
22…第2の合わせガラス部材
31…合わせガラス
31A…合わせガラス

Claims (12)

  1. ポリビニルアセタール樹脂と、ポリビニルアセタール樹脂以外の第2の樹脂とを含み、
    下記の剥離試験をしたときに、剥離強度が5N/25mm以上、45N/25mm以下である、合わせガラス用中間膜。
    剥離試験:縦25mm及び横120mmの中間膜を用意する。JIS 3202に準拠した厚み3mmのクリアフロートガラスを用意する。厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用意する。中間膜をクリアフロートガラスとポリエチレンテレフタレートフィルムとで挟み、10分間、100℃、及び100kPaの圧力の条件で、予備圧着を行う。その後、10分かけて1.3MPaまで加圧、及び、30分かけて140℃まで加熱し、その後20分間、140℃、及び1.3MPaの圧力の条件で圧着する。その後1.3MPaの加圧条件下にて40分かけて32℃まで降温し、さらにその後10分かけて0MPaまで降圧し、試験片を得る。試験片において、23℃、ピール速度100mm/分及び試験距離0〜100mmにて、JIS 6854−2に準拠して、剥離試験を行い、剥離強度を測定する。
  2. 前記ポリビニルアセタール樹脂と前記第2の樹脂との合計100重量%中、前記第2の樹脂の含有量が40重量%以上、80重量%以下である、請求項1に記載の合わせガラス用中間膜。
  3. カルボキシル基、水酸基、チオール基、アミノ基又はリン酸基を有する接着力調整剤を含む、請求項1又は2に記載の合わせガラス用中間膜。
  4. 前記接着力調整剤の分子量が200以上、4000以下である、請求項3に記載の合わせガラス用中間膜。
  5. 前記ポリビニルアセタール樹脂と前記第2の樹脂との合計100重量部に対して、前記接着力調整剤の含有量が0.01重量部以上、0.4重量部以下である、請求項3又は4に記載の合わせガラス用中間膜。
  6. 前記接着力調整剤が、カルボキシル基又は水酸基を有する、請求項3〜5のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  7. 前記接着力調整剤がカルボキシル基を有する場合に、前記ポリビニルアセタール樹脂と前記第2の樹脂との合計100重量部に対して、前記接着力調整剤の含有量が0.01重量部以上、0.5重量部以下であり、
    前記接着力調整剤が水酸基を有する場合に、前記ポリビニルアセタール樹脂と前記第2の樹脂との合計100重量部に対して、前記接着力調整剤の含有量が0.1重量部以上、3重量部以下である、請求項6に記載の合わせガラス用中間膜。
  8. 前記接着力調整剤が、カルボキシル基を有する、請求項6又は7に記載の合わせガラス用中間膜。
  9. 前記第2の樹脂が(メタ)アクリル重合体である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  10. 可塑剤を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  11. 前記ポリビニルアセタール樹脂と前記第2の樹脂との合計100重量部に対して、前記可塑剤の含有量が35重量部以下である、請求項10に記載の合わせガラス用中間膜。
  12. 第1の合わせガラス部材と、
    第2の合わせガラス部材と、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜とを備え、
    前記第1の合わせガラス部材と前記第2の合わせガラス部材との間に、前記合わせガラス用中間膜が配置されている、合わせガラス。
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