本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、特別図柄の当たり抽選が行われて、その抽選結果を報知する動的表示が表示装置において実行される。このような構成において、複数の始動口を備え、それぞれの始動口に対応する特別図柄に基づく動的表示を同時に実行可能に構成した遊技機が提案されている。
ところで、かかる遊技機では、さらに遊技の興趣を向上させることが求められていた。
本発明は、上記した遊技機において、さらに遊技の興趣の向上を可能とする遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、第1条件の成立に基づいて、第1判別を実行し、第2判別条件の成立に基づいて、第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記第1判別の第1判別結果を示す第1識別情報と前記第2判別の第2判別結果を示す第2識別情報とを同時に表示手段に動的表示させることが可能な表示制御手段と、その表示制御手段により動的表示される前記第1識別情報の第1動的表示期間と前記第2識別情報の第2動的表示期間とを複数の動的表示期間よりそれぞれ決定する動的表示期間決定手段と、前記第1判別結果または前記第2判別結果が特定の前記第1判別結果または前記第2判別結果である場合に遊技者に有利となる第1特典とその第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典との少なくともどちらか一方を遊技者に付与することを決定する特典決定手段とを有した遊技機において、前記特定の第1判別結果であることを示す第1識別情報が表示される動的表示と前記特定の第2判定結果であることを示す第2識別情報が表示される動的表示とを同時に動的表示することを規制する動的表示規制手段と、前記判別手段により前記特定の第2判別結果でないと判別された場合に、前記第2特典とは異なる特殊特典を付与する特殊第2判別結果の成立を判定する特殊判定手段と、その特殊判定手段により前記特殊第2判別結果の成立が判定されたことを示す前記第2識別情報を動的表示する特殊動的表示手段とを有している。
請求項2に記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、遊技球が入球可能な第1状態とその第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段に遊技球が入球した場合に遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、前記第1特典または前記第2特典として所定条件が成立するまで前記可変入球手段が前記第1状態に可変される特典遊技と、前記特殊特典として前記特典遊技以下の短期間で前記可変入球手段が前記第1状態に可変される特殊特典遊技を実行する特典遊技実行手段とを有している。
請求項3に記載の遊技機は、請求項2記載の遊技機において、前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果が通常時よりも判別される確率が高く設定される特別遊技状態と、前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果が判別される確率が前記通常時の確率に設定される通常遊技状態との少なくとも一方を設定する確率設定手段を有し、前記第2特典では、前記特典遊技後に前記特別遊技状態が前記確率設定手段により設定されるものである。
請求項4に記載の遊技機は、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記特典決定手段は、前記特定の第1判定結果である場合には、前記特定の第2判定結果である場合よりも前記第1特典を付与し易く構成されている。
請求項1記載の遊技機によれば、第1条件の成立に基づいて、第1判別を実行し、第2判別条件の成立に基づいて、第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記第1判別の第1判別結果を示す第1識別情報と前記第2判別の第2判別結果を示す第2識別情報とを同時に表示手段に動的表示させることが可能な表示制御手段と、その表示制御手段により動的表示される前記第1識別情報の第1動的表示期間と前記第2識別情報の第2動的表示期間とを複数の動的表示期間よりそれぞれ決定する動的表示期間決定手段と、前記第1判別結果または前記第2判別結果が特定の前記第1判別結果または前記第2判別結果である場合に遊技者に有利となる第1特典とその第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典との少なくともどちらか一方を遊技者に付与することを決定する特典決定手段とを有した遊技機において、前記特定の第1判別結果であることを示す第1識別情報が表示される動的表示と前記特定の第2判定結果であることを示す第2識別情報が表示される動的表示とを同時に動的表示することを規制する動的表示規制手段と、前記判別手段により前記特定の第2判別結果でないと判別された場合に、前記第2特典とは異なる特殊特典を付与する特殊第2判別結果の成立を判定する特殊判定手段と、その特殊判定手段により前記特殊第2判別結果の成立が判定されたことを示す前記第2識別情報を動的表示する特殊動的表示手段とを有している。これにより、判別手段により前記特定の第2判別結果でないと判別された場合に、遊技者に特殊特典を付与することができる。よって、遊技の興趣を向上させることができる。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技球が入球可能な第1状態とその第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段に遊技球が入球した場合に遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、前記第1特典または前記第2特典として所定条件が成立するまで前記可変入球手段が前記第1状態に可変される特典遊技と、前記特殊特典として前記特典遊技以下の短期間で前記可変入球手段が前記第1状態に可変される特殊特典遊技を実行する特典遊技実行手段とを有している。これにより、特殊特典として特殊特典遊技が実行される場合には、遊技者に有利な特典が付与される可能性がある。よって、遊技の興趣を向上させることができる。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項2記載の遊技機の奏する効果に加え、前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果が通常時よりも判別される確率が高く設定される特別遊技状態と、前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果が判別される確率が前記通常時の確率に設定される通常遊技状態との少なくとも一方を設定する確率設定手段を有し、前記第2特典では、前記特典遊技後に前記特別遊技状態が前記確率設定手段により設定されるものである。これにより、第2特典では、特典遊技終了後に特別遊技状態が設定される。よって、遊技の興趣を向上させることができる。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、前記特典決定手段は、前記特定の第1判定結果である場合には、前記特定の第2判定結果である場合よりも前記第1特典を付与し易く構成されている。これにより、遊技者に対して第2特典となることを期待させることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができる。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
第1実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
第1実施形態におけるパチンコ機の背面図である。
(a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置の表示領域を模式的に示した図であり、(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置で表示される表示態様の一例を示した模式図である。
(a)〜(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置で表示される確変遊技状態における表示態様の一例である。
(a)〜(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置で表示される確変遊技状態における表示態様の一例である。
第1実施形態における確変上限値の時間を示した図である。
第1実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
第1実施形態における各種カウンタ、特別図柄保留球格納エリア、特別図柄保留球実行エリア、普通図柄保留球格納エリア、普通図柄保留球実行エリアの構成を模式的に示した図である。
(a)は、第1実施形態における主制御装置のROMの内容を模式的に示した図であり、(b)は、第1実施形態における大当たり乱数テーブルを模式的に示した図であり、(c)は、第1実施形態における大当たり種別テーブルを模式的に示した図であり、(d)は、第1実施形態における普通図柄当たり乱数テーブルを模式的に示した図である。
(a)〜(c)は、第1実施形態における主制御装置110のROMに設定された変動パターン選択テーブルの一例を示した模式図である。
(a)〜(c)は、第1実施形態における主制御装置110のROMに設定された変動パターン選択テーブルの一例を示した模式図である。
(a)〜(c)は、第1実施形態における主制御装置110のROMに設定された変動パターン選択テーブルの一例を示した模式図である。
第1実施形態における主制御装置110のRAMの内容を模式的に示した模式図である。
(a)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223の内容を模式的に示した模式図である。
第1実施形態における加算時間選択テーブル222bの内容を模式的に示した模式図である。
(a)は、第1実施形態における並び替え保留記憶エリアを模式的に示した図であり、(b)は、第1実施形態における従並び替え保留記憶エリアを模式的に示した図である。
第1実施形態における保留図柄表示の並び替えの処理を模式的に示した図である。
第1実施形態における保留図柄表示の並び替えの処理を模式的に示した図である。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄大当たり判定処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動パターン選択処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動停止処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄大当たり判定処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動パターン選択処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動停止処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第1先読み処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第1先読み更新処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第2先読み処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第2先読み更新処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される変動監視処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される不正監視処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される確変設定処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される保留個数表示更新処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動更新処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される確変期間報知処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示すフローチャートである。
(a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
(a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。
(a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。
(a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。
(a)は、第2実施形態における主制御装置のROMに設定された小当たり乱数テーブルを模式的に示した図であり、(b)は、第2実施形態における小当たり選択テーブルを模式的に示した図であり、(c)は、第2実施形態における外れ(確変)特図1通常変動パターン選択テーブルを模式的に示した図である。
(a)〜(c)は、第2実施形態における主制御装置のROMに設定される変動パターン選択テーブルの一例を示した模式図である。
第2実施形態における主制御装置のROMに設定される変動パターン選択テーブルの一例を示した模式図である。
第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動開始処理2を示すフローチャートである。
第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄大当たり判定処理2を示すフローチャートである。
第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される小当たり処理を示すフローチャートである。
(a)〜(c)は、第3実施形態における主制御装置のROMの内容を模式的に示した模式図である。
第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄大当たり判定処理2を示すフローチャートである。
第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動パターン選択処理2を示すフローチャートである。
第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動停止処理2を示すフローチャートである。
(a),(b)は、第4実施形態における第3図柄表示装置で表示される確変遊技状態における表示態様の一例である。
第4実施形態における主制御装置のROMの内容を模式的に示した模式図である。
第4実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの内容を模式的に示した模式図である。
第4実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される確変期間報知処理2を示すフローチャートである。
第4実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される期間設定処理を示すフローチャートである。
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図63を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口64、640、67等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2)で表示される保留図柄表示(Ds1〜Ds8)の並び替えを行う場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯または点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
なお、本実施形態では、上記した構成としたが、それに限らず、主制御装置110や他の制御装置が球発射ユニット112aにより発射された遊技球を検出する構成や、球発射ユニット112aのソレノイドが遊技球を発射したことを検出するように構成してもよい。また、検出した遊技球の数をカウントして、RAMクリア等の処理が実行されるまで記憶するように構成してもよい。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、第1始動口64、第2始動口640、第1可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。第1始動口64、第2始動口640、第1可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。また、遊技領域は、戻り球防止部材68を通過した遊技球がアウト口66や入賞口を通過するまでに流下する領域はすべて含まれる。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技盤13の中央右側には、普通図柄始動口67が設けられている。普通図柄始動口67は、ゲート型で遊技球の通過を検出することができるセンサを有した始動口で構成されている。普通図柄始動口67を遊技球が通過した場合に、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。普通図柄始動口67へ遊技球が通過したことに対して行われる抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。
普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、後述する、可変表示装置ユニット80に設けられた第2図柄表示部88において普通図柄の変動表示が開始されて、「○」と「×」の図柄が交互に所定時間(例えば、20秒)点灯した後に、抽選結果を示す普通図柄(本実施形態では「○」もしくは「×」の図柄)が停止表示(点灯表示)される。第2図柄表示部88において変動表示が行われている間に普通図柄始動口67に球が通過すると、その通過回数は、最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示される。
普通図柄の当たりと判定された場合には、第2図柄表示部88に普通図柄の抽選が当たりであったことを示す図柄である「○」が点灯表示される。当たりである図柄が表示されると、普通電動役物640aが作動し、通常時は上方に起立した状態で維持されている普通電動役物640aが略垂直に起立した状態から反時計回りに所定角度(本実施形態では40度)回動し、遊技球を普通電動役物640aが第2始動口640へ誘導することにより、第2始動口640内に遊技球が入球し易い状態(特別状態)になる。一方、普通図柄の外れと判定された場合には、第2図柄表示部88に普通図柄の抽選が外れであったことを示す図柄である「×」が点灯表示される。このときには、普通電動役物640aは作動されず、次の普通図柄(第2図柄)の変動が実行される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1始動口64、第2始動口640、普通図柄始動口(スルーゲート)67に入賞された球のうち変動表示が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。また、大当たり中のラウンド数やエラー表示もそれに対応する点灯状態により示される。
7セグメント表示器37bは、左右に2つの7セグメントLEDで構成されている。左側の7セグメントLEDは、第1抽選遊技の判定結果を示す第1特別図柄が変動表示(動的表示)される。具体的には、第1始動口64への入賞に基づいて決定された、変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(本実施形態では、7セグメントの中央のセグメントが点滅表示)した後に、判定結果を示す図柄で停止表示される。判定結果が外れの場合には中央の1セグメントが点灯表示する外れを示す図柄「−」が表示される。一方、判定結果が当たりである場合には、当たりに対応した図柄「3」、「7」などの外れを示す図柄とは異なる図柄が表示される。第2抽選遊技についても、第1抽選遊技と同様に構成されている。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
また、パチンコ機10における変動パターン(変動態様または動的表示態様)は、後述するが、各変動態様毎に変動時間が設定されており、時間情報に関する動的表示態様に該当する。さらには、変動パターンは、リーチとなる変動パターンと非リーチとなる変動パターンとで、変動時間の比較的長い長時間変動パターンと比較的変動時間の短い短時間変動パターンとに分けることもできる。このように、大まかに、時間の一定基準(ここでは、リーチ、非リーチ、または、基準時間(例えば、10秒より長いか否か))で仕分けた場合に対しても、時間情報に関する動的表示態様に該当する。
さらに、詳細については後述するが、本実施形態では、長時間変動パターンとして、ロングリーチ1〜4が設定されている。このロングリーチ1〜4については、第1特別図柄(特図1)に対して、高確率状態中(確変中)で当否判定結果が外れの場合に選択されることが可能な変動パターンとして設定されている。
また、後述するが、変動開始時間となるまでの時間情報については、正確な変動開始となる時間も該当するし、上記した、大まかな変動パターンの時間情報(例えば、長時間変動パターンであるか否か等)に基づいて決定される時間情報(例えば、変動開始までに行われる長時間変動パターンの回数等)についての情報も該当する。
尚、本パチンコ機10では、第1始動口64または第2始動口640への入賞に対して行われる抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、第1特別図柄の大当たり種別として、大当たりA(15R大当たり)、大当たりB(14R大当たり)の2種類が設定されている。また、第2特別図柄の大当たり種別として、大当たりC(15R大当たり)の1種類が設定されている(図10(c)参照)。
ここで、本実施形態の構成では、大当たり遊技中に開放状態に作動される入賞装置として第1可変入賞装置65と第2可変入賞装置650とがそれぞれ配置されている。第1可変入賞装置65は、大当たりA〜Cの1R(ラウンド)目から14R目について、第1特定入賞口65aが開放されるように作動される。また、第2可変入賞装置650は、大当たりA、大当たりCの15R目に第2特定入賞口650aが開放されるように作動される。
本実施形態では、大当たり後の遊技状態が、大当たり遊技中の第2特定入賞口650aに入賞したことで、高確率状態(確変状態)へ移行するように制御される構成となっている。即ち、大当たりBでは、第2可変入賞装置640は作動されないので、高確率状態へ移行しない構成となっている。また、大当たりA、大当たりCでは、高確率状態へ移行させることが可能な大当たりとなっている。
また、第1始動口64へ入賞したことに基づいて、実行された当否判定結果が大当たりであった場合には、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄がぞろ目で表示されて、大当たりであったことが報知される。しかしながら、その第3図柄からは、大当たり種別が大当たりAであるか、大当たりBであるかを判別することは困難となっており、遊技者は、大当たり遊技をしながら、実行されている大当たりが大当たりAであることを期待して遊技を行うこととなる。そして、14R目から、次のラウンドに移行して、第2可変入賞装置650が作動して、第2特定入賞口650aが開放されると、遊技者は、大当たり種別が大当たりAであったことを認識して、第2特定入賞口650aへ遊技球を入球させて、高確率状態へ大当たり遊技後に移行するように遊技を行うことができる。
このように、本実施形態では、大当たり種別では、高確率状態へ移行させることが可能な状態を遊技者に付与するか否かが決定される。そして、遊技者が自ら遊技球を第2特定入賞口650aへ入賞させることで、高確率状態へ移行することを決定するように遊技を行うことができる。よって、遊技者に新鮮味のある遊技を提供することができ、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口79が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1始動口64または第2始動口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81が設けられている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、図4(a)に示すように、第1表示領域Dmに第3図柄の一つである第1特別図柄または第2特別図柄(遊技状態により異なる)を示す、左(左側表示領域Dm1)、中(中表示領域Dm2)及び右(右側表示領域Dm3)の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の第1表示領域Dm上にて第3図柄(第1特別図柄)が変動表示(動的表示)されるようになっている。
なお、第1表示領域Dmで表示される第3図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)は、「0」から「9」の数字を付した10種類の特別図柄によりそれぞれ構成されている。また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。
具体的には、第1表示領域Dmは、左・中・右のそれぞれ3つの図柄列L1,L2,L3が表示される。各図柄列L1〜L3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列L1〜L3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列L1〜L3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列L1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列L2及び右図柄列L3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。一方、右側表示領域Dm2には、第2特別図柄が第1特別図柄と同様に、図柄列R1、R2、R3が表示され、同様に変動表示が行われる。
また、第1表示領域Dmには、有効ラインU1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄が有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
また、第1表示領域Dmの右上には、第2表示領域Dnが形成されている。この第2表示領域Dnには、第1特別図柄または第2特別図柄(遊技状態により異なる)を示す図柄列が表示される。なお、この第2表示領域Dnには、図4(b)に示すような「○」、「×」の2種類の図柄列が並列して2列表示され、「○」図柄が2つ左右列に表示されると、第1特別図柄または第2特別図柄が当たりであったことを遊技者に報知するように構成されている。
なお、本実施形態では、遊技状態が、低確率状態(通常遊技状態)である場合には、第1表示領域Dmに第1特別図柄に対応した第3図柄が表示され、第2表示領域Dnに第2特別図柄に対応した第3図柄が表示される。また、遊技状態が高確率状態(確変遊技状態)、時短遊技状態である場合には、第1表示領域Dmに第2特別図柄に対応した第3図柄が表示される。そして、第2表示領域Dnに第1特別図柄に対応した第3図柄が表示される。
また、大当たり遊技状態では、大当たり遊技が開始される前に表示されていた状態で第1特別図柄、第2特別図柄が表示されて、大当たり遊技後に遊技状態が切り替えられるのに基づいて、表示領域が切り替えられる。
本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
図4(a)に示すように、第1表示領域の下方には、副表示領域Dsが形成される。この副表示領域Dsには、図4(b)に示すように、第1特別図柄に対応した保留図柄「黒い丸印」と第2特別図柄に対応した保留図柄「黒い三角印」とがそれぞれ表示される。本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との保留球数はそれぞれ4個に設定されているので、副表表示領域Dsには、保留図柄「黒い丸印」が4個、保留図柄「黒い三角印」が4個それぞれ最大では表示される。詳細には、後述するが、副表示領域Dsに表示される保留図柄は、第1特別図柄と第2特別図柄とを合わせた変動開始順序に並び替えて表示される。
ここで、図5〜図7を参照して、第3図柄表示装置81で表示される確変中(確変遊技状態中)の表示内容について説明する。図5(a)は、確変中の第3図柄表示装置81に第3図柄と保留図柄とが表示された場合の一例を示した模式図である。確変遊技状態に移行すると、第1表示領域Dm(図4(a)参照)に第2特別図柄に対応した第3図柄が表示され、第1特別図柄に対応した第3図柄が第2表示領域Dnに表示される。そして、第1表示領域Dmに、確変遊技状態が終了するまでの最短時間を報知する「確変終了まであと・・・」という文字が表示され、その下方に確変終了までの残り最短時間が時・分・秒・ミリ秒の順に数字でデジタル表示される。
ここで、この確変終了までの最短時間は、第1特別図柄で大当たりBが開始されるまでの時間を判別して、その時間内で抽選により決定される。なお、第1特別図柄で大当たりBが開始されることがまだ決定されていない(変動中、保留されている第1特別図柄の抽選で大当たりBに当選したものが設定されていないと判別した)状態では、その記憶されている第1特別図柄の最も変動開始順序が後となる第1特別図柄の変動が終了するまでの時間内で最短時間が設定される。さらに、変動中の第1特別図柄がなく、保留されている第1特別図柄の抽選もない場合には、第1特別図柄の一番短い変動時間(本実施形態では3秒)が設定される。
これにより、確変遊技状態は、第1特別図柄で大当たりBが開始されるまで、遊技者にとって継続される構成であるが、遊技者には確変遊技状態の残り時間を報知するようにできる。よって、遊技者は、確変遊技状態の期間が時間により設定されているかのように感じることができ、その時間が経過する前に、大当たりAまたは大当たりCに当選させて、確変状態を継続させようと期待して遊技を行うことができる。
ここで、図5(a)に示した例では、変動中の第1特別図柄と保留記憶されている第1特別図柄は、すべて当否判定結果外れであり、最も変動開始順序の遅い第1特別図柄の保留球に対する第1特別図柄の変動が終了するまでの時間は、10分9秒05ミリ秒以上である場合を例にして示してある。
次に、図5(b)は、図5(a)示した状態から第1始動口64に遊技球が入球して他場合に第3図柄表示装置81で表示される表示態様の一例を示した模式図である。第1特別図柄の保留図柄「黒い丸印」が一個増加して表示されている。ここで、新たに記憶された第1特別図柄の保留球は、当否判定結果が外れであり、ど外れ(5s)の変動パターンが選択される変動種別カウンタCS1が選択されている。よって、図5(b)が示す状態では、現在成立している第1特別図柄の変動が終了するまでの時間は、5秒加算されている。そして、上乗せ契機(本実施形態では、第1始動口64に入賞したことで成立)が成立して、後述する報知時間の加算抽選(図16参照)より5秒が決定されて、報知時間に5秒が加算されたことを示す「5秒延長!!」の文字が表示されて、デジタルカウンタにも5秒が加算された時間が表示される。
次に、図6(b)を参照して、確変中に第1特別図柄、第2特別図柄の保留球が共に記憶されておらず、第1特別図柄、第2特別図柄ともに変動が停止した状態である状態における第3図柄表示装置81で表示される表示態様の一例を示した模式図である。本実施形態の構成では、第1特別図柄で変動(抽選)が開始されなければ、確変遊技状態の終了契機となる大当たりBに当選することが無いため、実質、確変遊技状態は、継続され続ける状態となる。しかしながら、遊技者には、確変遊技状態は、あたかも時間管理されており、定められた期間が経過したら終了してしまうように報知しているので、第1特別図柄と第2特別図柄が変動されない状態となると、確変終了までの報知をしているデジタルカウンタの減算を停止させて、減算が停止していることを示す「タイマ停止中!!」という文字を表示させる。
これにより、遊技者は、遊技を中断して、トイレ等の休憩を取りたくなった場合にも、安心して休憩を取ることができる。なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄の変動が共に停止した場合にデジタルカウンタの停止が設定されるように構成したが、それに限らず、第1特別図柄の変動中と保留記憶されている中に、大当たりAまたは大当たりBとなるものがなければ、第2特別図柄の変動が停止したことに基づいて、デジタルカウンタの減算を停止させてもよい。本実施形態では、遊技者は、主に第2特別図柄に対応する第3図柄の変動に注意して遊技を行う。第1特別図柄については、表示領域が小さく構成された第2表示領域Dnで表示されるので、遊技者はその変動表示に気づき難く、変動に注意をせずに遊技を行うように構成されている。よって、遊技者に第1特別図柄が大当たりBに当選すると、確変遊技が終了する構成であることが気づき難くすることができる。
このような構成では、遊技者は、第2特別図柄に対応する第3図柄のみに注意を払って遊技を行っているので、第2特別図柄の変動が終了してしまえば、その後に第1特別図柄が変動していようと、関心は無く、休憩等を取り遊技を中断できると認識する。ここで、デジタルカウンタの減算が停止すれば、遊技者は安心して遊技を中断する。一方、第2特別図柄の変動が停止した状態で、保留球も無い状態にも関わらず、デジタルカウンタの減算が停止しない場合には、遊技者は、確変遊技の期間が減算されていることを認識して、遊技を中断せずに続行することができる。よって、遊技者に休憩等の遊技の中断が実行できる状態であるか否か認識させることができる。
次に、図6(b)を参照して、第1特別図柄で大当たりBに当選して確変遊技が終了した場合における第3図柄表示装置81で表示される表示態様の一例について説明する。図6(b)は、第1特別図柄で大当たりBに当選して、大当たりであることを示す図柄の組み合わせ「○」が並列して第2表示領域Dnで表示されている。大当たりBが実行された後に、通常遊技状態に移行するので、確変遊技状態中の可変表示ユニット80の右側に遊技球を流下させる強さで遊技球を発射させるように発射ハンドル51を操作している(右打ち遊技)状態から可変表示ユニット80の左側に遊技球を流下させる強さで遊技球を発射させる(左打ち遊技)ように発射ハンドル51を操作する(左打ち遊技)状態で遊技を行うように遊技者に報知する「左打ちに戻してください」という文字が表示される。
また、デジタルカウンタの残り時間が0で表示されて、確変遊技状態が終了したことを示す「確変終了!!」の文字が表示される。この場合、大当たりBの終了と共に、第1特別図柄に対応する第3図柄が第1表示領域Dmに、第2特別図柄に対応する第3図柄が第2表示領域Dnに表示されるように切り替えられる。
次に、図7を参照して、本実施形態における確変遊技状態における確変遊技期間の残り最大期間を決定する際の、算出方法について説明する。図7は、第1特別図柄の保留球が3個成立しており、変動中、保留球1〜2までがど外れの変動パターンが選択されている(される)ものであり、保留球3で大当たりBに当選することが判別されている状態を示している。この場合には、保留球3の変動が終了すると、確変遊技状態は終了することとなるため、確変終了時間までの最大期間は、保留3が変動終了するまでの時間となる。よって、変動中の残り変動時間と、保留1〜3で選択される変動パターンの変動時間を合計したものが、確変終了までの最大期間と判別される。そして、確変の終了が決定した場合には、その期間がデジタルカウンタに設定される(表示中の期間に、差分時間が加算されて表示される)。
なお、本実施形態においては、第1始動口64または第2始動口640への入賞は、それぞれ最大4回まで保留される。第1特別図柄が変動表示中に第1始動口64に遊技球が入賞すると、その入賞に基づく第1抽選遊技の開始は保留されて、下側表示領域Dsの保留図柄表示エリアの表示領域のうち保留図柄が表示されていないエリアのうち最も若い番号の保留図柄表示エリア(左側の保留図柄表示エリア)に、第1抽選遊技の保留図柄である「黒い丸印」が表示される。
また、第2特別図柄が変動表示中に第2始動口640に遊技球が入賞すると、第1始動口640に入賞した場合と同様に、第2抽選遊技の保留図柄である「黒い三角印」が下側表示領域Dsの保留図柄表示エリアに表示される。
また、本実施形態では、第1抽選遊技と第2抽選遊技の2つで構成されたパチンコ機10について説明したが、それに限らず、3つや4つ、それ以上の抽選遊技とそれに対応する始動口をそれぞれ設けて、同時にそれぞれの抽選結果の変動表示を可能に構成するようにしても当然良い。
第1始動口64、第2始動口640へ遊技球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1始動口スイッチまたは第2始動口スイッチ(図示せず)がオンとなる。その第1始動口スイッチ、第2始動口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37で示される。また、第1始動口64、第2始動口640は、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方が、大当たりを示す図柄で停止表示されると、他方の特別図柄が変動表示中であれば、大当たり期間中、変動時間の計測は中断されるが、変動表示は継続して行われる。その後、大当たり遊技が終了すると、変動時間の計測が再開されて、残りの変動期間で変動表示が実行される。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方で大当たりとなった場合には、変動時間の計測を中断して、変動表示を継続する構成としたが、それに限らず、変動中の変動表示を仮停止させて、大当たり終了後に、残りの変動時間を変動表示するように構成してもよい。
また、中断中については、所定周期で、第1特別図柄または第2特別図柄について、所定の表示態様「例えば、アルファベットのh」で停止表示させた状態で点滅表示させたりしてもよい。このように、構成することで、第1特別図柄または第2特別図柄が仮停止中(中断中)であることを遊技者に報知することができる。
遊技領域の下方右側には横長矩形状の第1可変入賞装置65と、その第1可変入賞装置65よりも横幅が短く構成されている第2可変入賞装置650とが配設されている。パチンコ機10においては、主制御装置110での第1特別図柄または第2特別図柄の大当たりに関する抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37を点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81の対応する表示領域(第1表示領域Dmまたは第2表示領域Dn)に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65aまたは第2特定入賞口650aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この第1特定入賞口65aまたは第2特定入賞口650aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この第1可変入賞装置65と第2可変入賞装置650aの開閉動作をさせる順序(開放するラウンド)は、決定された大当たりの種別によって決定されている。例えば、大当たりA、大当たりCであれば、第1ラウンドから第14ラウンドまでが第1特定入賞口65aが開放され、第15ラウンドで第2特定入賞口650aが開放される。また、大当たりBでは、第1ラウンドから第14ラウンドまで第1特定入賞口65aが開放されて、第2可変入賞装置650aは開放されることはない。
このように、大当たり遊技では、大当たり種別に開放される特定入賞口が変わるように構成されているので、第2特定入賞口65aが開放されるか否かで、大当たり種別を判別できる。よって、遊技者に図柄等で大当たり種別を報知しなくとも、開放される特定入賞口で大当たり種別を遊技者に認識させることができる。
さらに、第2特定入賞口650aは、遊技者に大当たり遊技後に確変遊技状態を付与することが決定される契機となる入賞口として構成されている。第2特定入賞口650aに遊技球が入球することに基づいて、確変遊技状態が大当たり遊技後から設定される。また、第1特定入賞口65a、第2特定入賞口650aに遊技球がそれぞれ入球した場合には、遊技球が1球入球したことに対して、15球の遊技球が賞球として、遊技者の払い出されるように構成されている。
具体的には、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650は、第1特別図柄または第2特別図柄が当たりを示す図柄で停止表示されると、その大当たり種別に基づいて開閉動作が設定され、第1特定入賞口65aまたは第2特定入賞口650aが所定時間、または所定条件が成立するまで(本実施形態では、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
第1可変入賞装置65は、第1特定入賞口65aを、第2可変入賞装置650は、第2特定入賞口650aをそれぞれ覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。第1特定入賞口65aと第2特定入賞口650aとは互いに、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が第1特定入賞口65aまたは第2特定入賞口650aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63にも入賞しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90、91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図8参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ(図3、122)が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図8参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ(図3、122)は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<構成について>
図2を参照して、本実施形態の特徴的な構成について説明する。本実施形態では、可変表示ユニット80の下方には、第1始動口64(左側第1始動口64とも称す)が設けられている。この左側第1始動口64は、遊技球が1球入球可能な大きさの開口部が上面に形成されており、その開口部の対向位置には、釘が2本遊技球の直径より若干広い間隔で配置されている。この釘の傾きを調整することで、左側第1始動口64への遊技遊の入賞率(例えば、250球の遊技球を発射した場合に、左側第1始動口64へ入賞する遊技球の数の割合)を可変させることが可能に構成されている。
また、可変表示ユニット80の右側領域には、第2始動口640と第1始動口64(右側第1始動口64とも称す)とがそれぞれ上下に並列して配置されている。第2始動口640は、遊技板60に取り付けられた飾り部材の側面に遊技球が1球入球可能な開口部を有している。その開口部の前面側(対向面)には、第2始動口640に付随する普通電動役物640aが配置されている。この普通電動役物640aは、遊技球3球分程度の長さを有しており、一端側を回動可能に軸支されている。そして、第2図柄が当たりとなることに基づいて、所定回数(本実施形態では、1回または2回)、所定秒数(本実施形態では、0.5秒または1秒)間で遊技球を第2始動口640へ誘導可能となる方向(開口部より離間する方向)に所定角度(本実施形態では、45度)で回動するように構成されている。普通電動役物640aは、ソレノイドにより回動される。なお、通常時(第2図柄の当たり時以外)では、第2始動口640aの開口部を閉塞する状態(垂直方向に起立した状態)に維持される。
また、右側第1始動口64は、図2に示すように、第2始動口640の下方に配置されている。そして、普通電動役物640aが開放状態(水平方向側に傾倒した状態)では、右側第1始動口64の開口部に対向する位置に、普通電動役物640aが配置される。このように構成することで、普通電動役物640aが開放状態にあるときには、右側第1始動口64に遊技球が入球し難い状態に構成できる。
なお、本実施形態では、遊技状態が高確率状態(確変状態)と時短遊技状態である場合には、第2図柄が当たりと判定される確率が高くなるように構成されている。また、遊技状態が低確率遊技状態である場合には、遊技者は可変表示ユニット80の左側を遊技球が通過するように遊技球を発射させて、左側第1始動口64に遊技球を入賞させるように遊技を実行する。そして、第3図柄が当たりとなり、確変遊技または時短遊技に移行すると第2図柄が当たりと判定される確率が上昇することから、スルーゲート67を遊技球が通過すると第2図柄が当たりとなり易く構成されている。そのことより、遊技者は、遊技球を可変表示ユニット80の右側を通過するように発射(右打ち遊技)させて遊技を実行する。この場合には、普通電動役物640aが開放状態となる確率が高くなるので、第2始動口640に入賞し易く構成される一方、右側第1始動口64への入賞は少なくなる。
ここで、本実施形態では、確変遊技状態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄で当選した方が遊技者に有利となるように構成されている。具体的には、第1特別図柄では、大当たりのうち、50%が大当たり遊技後に確変が付与され易い大当たりとなり、残りの50%は大当たり遊技後に時短遊技(低確率遊技状態)が付与されやすい(確変遊技が付与されがたい)大当たりが付与されるように構成されている。
一方、第2特別図柄では、大当たりとなった場合に、100%で大当たり遊技後に確変遊技が付与され易い大当たりが付与されるように構成されている。即ち、第2特別図柄で当選した方が、確変遊技状態が付与され易く構成されている。
詳細は後述するが、大当たり遊技中に開閉される第2特定入賞口650aへ遊技球が入球した場合に確変遊技が付与される。上述した、確変が付与され易い大当たりとは、大当たり遊技中に第2特定入賞口650aが開放され、第2特定入賞口650aへ遊技球が入球可能な大当たりのことを指す。なお、第2特定入賞口650aが開放される大当たりが選択された場合でも、第2特定入賞口650aへ遊技球が入球し易い状態と入球し難い状態とを設定可能に構成してもよい。例えば、第1特定入賞口65aと第2特定入賞口650aとの間に蛇行経路などを設けることで、第1特定入賞口65aへ入球しなかった遊技球が第2特定入賞口650aまで流下するのに所定時間(例えば5秒)が必要な構成とする。そして、第1特定入賞口65aが閉鎖してから第2特定入賞口650aが開放されるまでの時間(所謂インターバル時間)を可変させることで、第1特定入賞口65aから第2特定入賞口650aへ流下するのに必要な所定時間(例えば5秒)内に第2特定入賞口650aの開閉動作が終了する場合と終了しない場合とを設定すればよい。
また、可変表示ユニット80の右側の流路は、普通電動役物640aが開放状態となると、普通電動役物640aの先端と可変表示ユニット80との間隔は、遊技球が1球以上2球未満の間隔となっている。その間隔を流下した遊技球は、ゲート型の開口部を有したスルーゲート67を通過し易いように、スルーゲート67が配置されている。スルーゲート67を通過した遊技球は、スルーゲート67の下流側に配置された釘により、右側第1始動口64には入賞し難く構成されている。具体的には、スルーゲート67の出口側(下流側)には、右側第1始動口64の開口部上部に配置された釘により遊技球が右側第1始動口64の開口部側へは流下しない間隔(遊技球1球未満)で構成されており、そのまま、風車を経て下方へ流下するように構成されている。即ち、右側第1始動口64へ入賞する場合には、普通電動役物640aが閉鎖状態(垂直方向に起立した状態)に維持されている場合に限られるように構成されている。
また、確変状態中には、第2図柄の変動時間は、3秒と短く設定されており、頻繁に普通電動役物640aが開放状態になるように構成されている。よって、確変状態中には、右側第1始動口640aに遊技球が入球し難くなるように構成されている。よって、確変状態となると、確変状態が継続する回数が多くなるようにできる。従って、遊技者の遊技に対する意欲を増大させることができる。
なお、本実施形態では、普通電動役物640aの開放状態では、右側第1始動口64へ入賞しない構成としたが、それに限らず、スルーゲート67の出口から流下した遊技球が右側第1始動口64へ入賞可能な間隔に構成して、割合を低くして、右側第1始動口64へ入賞可能なように構成してもよい。
また、遊技領域の右側下方には、第1可変入賞装置65とその直下に第2可変入賞装置650とがそれぞれ配置されている。第1可変入賞装置65は、遊技球が入球可能な横長の開口部である第1特定入賞口65aを通常時は、遊技球が入球することを妨げる扉部材により閉鎖されて構成されている。そして、特別図柄の大当たりとなる場合に、扉部材が下方両端を回動軸として遊技板60に対して垂直となる位置まで回動して、流下してくる遊技球を扉部材で受けて、第1特定入賞口65aの内部へと誘導するように構成されている。
また、第2可変入賞装置650は、第1可変入賞装置よりも横幅の狭い開口部である第2特定入賞口650aが扉部材で通常時は遊技球が入球することを規制するように配置されている。そして、特別図柄の大当たりとなると扉部材が下方両端を回動軸として遊技板60に対して垂直となる位置まで回動して、流下する遊技球を受けるように構成されている。なお、第2特定入賞口650aに遊技球が入賞することで、大当たり遊技後に確変状態に設定されることが決定される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄(特図1)が大当たりとなった場合に付与される大当たりAと第2特別図柄(特図2)が大当たりとなった場合に付与される大当たりCとが実行された場合には、1R(ラウンド)目から14R目までは、第1可変入賞装置65が作動されて、15ラウンド目のみ第2可変入賞装置650が作動される。
一方、第1特別図柄が大当たりとなった場合に付与される大当たりBでは、1R目から14R目までが、第1可変入賞装置65が作動して、第2可変入賞装置650は作動することがないので、第2特定入賞口650aに入賞する機会は与えられず、確変状態が付与されることが困難な構成となっている。
なお、本実施形態では、第2特定入賞口650aへ遊技球が入球することにより確変状態が付与されるように構成したが、これに限られるものではない。例えば、第2特定入賞口650aへ遊技球が入球することに基づいて大当たりが発生するように構成してもよい。具体的には、特別図柄の抽選結果として小当たりとなった場合に第2特定入賞口650aを開閉させ、第2特定入賞口650aへ遊技球が入球することに基づいて、大当たり遊技として第1特定入賞口65aを開閉するように構成する(所謂、1種2種混合機としてもよい)。
本実施形態では、低確率遊技状態では、右打ち遊技で遊技を行うことが禁止されており、低確率遊技状態時に第2始動口640に遊技球が入賞すると異常処理が実行されて、第3図柄表示装置81に警報表示「左打ちで遊技してください」という文字を表示するとともに、音声でも同様の警告が報知される。また、低確率遊技状態で、第2始動口640に遊技球が入賞した場合には、大当たりが無効となるように制御してもよいし、ホールコンピュータ等に異常信号を出力するように構成してもよい。
<第1実施形態における電気的構成>
次に、図8を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図8は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示部88における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図9参照)が設けられている。
ここで、図9を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示部88の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する特別図柄当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する特別当たり種別カウンタC2と、変動パターンの選択に使用する変動種別カウンタC3と、特別当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1とが用いられる。また、普通図柄(第2図柄表示部88)の抽選には、普通当たり乱数カウンタC4が用いられ、普通当たり乱数カウンタC4の初期値設定には普通初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図20参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(S1250)(図41参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1始動口64に対する入賞について各カウンタ値が格納される第1特別図柄保留球格納エリア203aと第2始動口640に対する入賞について各カウンタ値が格納される第2特別図柄保留球格納203bとが設けられている。本実施形態では、第1始動口64、第2始動口640には、保留球が最大4個までそれぞれ設けられており、合計最大8個の保留球が記憶可能に構成されている。そのため、特別図柄が変動表示中でない場合や、特別図柄の大当たり遊技中でない場合等の特別図柄の抽選が可能な期間に遊技球が、第1始動口64に遊技球が入賞すると、各カウンタ値が第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納され、第2始動口640に遊技球が入賞すると、各カウンタ値が第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。その後、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納された各カウンタ値が第1特別図柄保留球実行エリア203cに移動されて、第1特別図柄を変動表示(動的表示)するための各種設定や制御処理が実行される。同様にして、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納された各カウンタ値が第2特別図柄保留球実行エリア203dに移動されて、第2特別図柄を変動表示するための各種設定や制御処理が実行される。
一方、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示中や第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり遊技中等の特別図柄の抽選が不可能な期間に、遊技球が第1始動口64または第2始動口640に入賞した場合には、入賞した始動口に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)未満である場合には、各カウンタ値の取得がされ、入賞した始動口に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶される。また、入賞した始動口に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)以上である場合には、各カウンタ値等の取得はされずに賞球(本実施例では、遊技球5個)のみが遊技者に払い出される無効球として扱われる。
なお、本実施形態では、保留球数の上限値は、第1始動口64と第2始動口640とに対してそれぞれ4個としたが、それに限らず、それぞれ4個でもよいし、上限値をもうけないようにしてもよい。
図9に示す各カウンタについて詳しく説明する。特別当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、特別当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINI1の値が当該特別当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、この特別当たり乱数カウンタC1は、第1始動口64、第2始動口640に対して共通に取得される。
初期値乱数カウンタCINI1は、特別当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、特別当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図20参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(S1250)(図41参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
特別当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1始動口64または第2始動口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の入賞した始動口に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202a(図10(b))によって設定されており、特別当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値(本実施形態では、低確率時には、「7」、高確率時には、「0〜9」)と一致する場合に、大当たりと判定する。
本実施形態のパチンコ機10における特別当たり乱数カウンタC1は、0〜399の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この特別当たり乱数カウンタC1では、大当たりとなる乱数の値(当たり値)の数は低確率時には1で、その値「7」が、高確率時には10で、その値「0〜9」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。
特別当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(本実施形態では、99)に達した後に0に戻る構成となっている。特別当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1始動口64または第2始動口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、入賞した始動口に対応するRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
ここで、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納された特別当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動表示演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、外れ時のものとなる。一方で、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球実行エリア203bに格納された特別当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動表示演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納された特別当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
本実施形態のパチンコ機10における特別当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。この特別当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202b(図10(c)参照)とに基づいて、大当たり種別が決定される。ここで、図10(a)に示すように、ROM202には、各種テーブルが格納されている。図10(b)は、大当たり乱数テーブル202a、図10(c)は、大当たり種別テーブル202bの一例を模式的に示した図である。大当たり種別テーブル202b(図8(c))は、大当たり種別と特別当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
大当たり種別としては、上述したように、第1特別図柄専用の大当たり種別として、大当たりAと大当たりBが設定され、第2特別図柄専用の大当たり種別として、大当たりCが設定されている。大当たりAは、15R(ラウンド)で構成された大当たりであり、1Rから14R目までは、第1可変入賞装置65が作動されて、15R目で第2可変入賞装置650が作動される。ここで、第2可変入賞装置650が作動(開放)して、第2特定入賞口650aへ遊技球が入球可能な状態となり、第2特定入賞口650aに遊技球が入球すると、大当たりAの大当たり遊技終了後の遊技状態が確変状態に設定される。これにより、大当たりAは、確変遊技が付与されることが可能となる大当たり種別となる。この大当たりAは、第1始動口64に遊技球が入球したことに基づいて当否判定が実行され、大当たりとなった場合に、取得している特別当たり種別カウンタC2の値(第1始動口64への入球時に取得)が0〜49のいずれかであると決定される大当たり種別である。
また、大当たりBは、14Rで構成された大当たり種別であり、1R目から14R目まで第1可変入賞装置65が作動して大当たり遊技が実行される。よって、第2可変入賞装置650が作動されることはないので、大当たりB終了後には、確変状態が設定されることはない。これにより、大当たりBは、確変状態が付与されることがない大当たり種別となる。この大当たりBは、第1始動口64に遊技球が入球したことに基づいて当否判定が実行され、大当たりとなった場合に、取得している特別当たり種別カウンタC2の値(第1始動口64への入球時に取得)が50〜99のいずれかであると決定される大当たり種別である。
大当たりCは、大当たりAと同様に、15Rの大当たりであり、1R目から14R目までは、第1可変入賞装置65が作動して、15R目は第2可変入賞装置650が作動する。これにより、大当たりCは、大当たり遊技後に確変状態が設定されることが可能な大当たり種別となる。この大当たりCは、第2始動口640に遊技球が入球したことに基づいて当否判定が実行され、大当たりとなった場合に、取得している特別当たり種別カウンタC2の値(第1始動口64への入球時に取得)が0〜99のいずれかであると決定される大当たり種別である。即ち、第2特別図柄の抽選では、大当たりとなると、必ず大当たりCが決定されて実行されることとなる。
このように、第1始動口64に入球したことに基づいて実行される第1特別図柄の抽選では、大当たりとなると、50%の確率でそれぞれ大当たりAと大当たりBとが選択される。一方、第2始動口64に入球したことに基づいて実行される第2特別図柄の抽選では、大当たりとなると100%の確率で大当たりCが選択される。よって、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも遊技者にとって有利な抽選が実行されることとなる。これにより、遊技者は、第1特別図柄よりも第2特別図柄で抽選が実行された方が有利に感じるので、第2特別図柄で抽選されて大当たりになることを期待して遊技を行うことができる。
上述したように、大当たり種別テーブル202b(図10(c)参照)では、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する特別当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。図10(c)の例では、大当たりAに対して特別当たり種別カウンタC2の値「0〜49」が対応付けられ、大当たりBに対して特別当たり種別カウンタC2の値「50〜99」が対応付けられ、大当たりCに対して特別当たり種別カウンタC2の値「0〜99」が対応付けられている。
特別当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、その特別当たり乱数カウンタC1の値が格納されている第1特別図柄保留球実行エリア203cまたは第2特別図柄保留球実行エリア203dに格納された特別当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が大当たり種別テーブル202bから決定される。例えば、特別当たり種別カウンタC2の値が「20」であれば、第1特別図柄であれば、大当たりAが、第2特別図柄であれば、大当たりCが決定される。
図9に戻って、各種カウンタの説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば、0〜198の範囲内で1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後、0に戻る構成となっている。
変動種別カウンタCS1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1始動口64、または第2始動口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
図11(a)〜(b)は、遊技状態が通常遊技状態である場合に、第1特別図柄、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択するための変動パターン選択テーブル202dを示した模式図である。第1特別図柄と第2特別図柄との通常遊技状態である場合に選択される変動パターンについて説明する。
図11(a)は、遊技状態が通常遊技状態であり、当否判定結果が外れである場合に第1特別図柄と第2特別図柄との変動パターンをそれぞれ選択するための変動パターンが設定された外れ(通常)共通変動パターン選択テーブル202dである。この外れ(通常)共通変動パターン選択テーブル202dでは、変動種別カウンタCS1の値に対応して、各変動パターン種別が割り付けされている。具体的には、変動種別カウンタCS1の値「0〜100」に対して、5秒の変動時間で構成されたど外れ(リーチの表示態様とならずに第3図柄が外れの表示態様で停止する表示態様)の変動パターンが設定されている。「101〜160」に対して、10秒の変動時間で構成されたノーマルリーチの変動パターンが設定されている。また、「161〜198」に対して、30秒の変動時間で構成されたスーパーリーチの変動パターンが設定されている。なお、ここで選択される変動パターンは、いずれも当否判定結果が外れとなる変動パターンである。
このように、遊技状態が通常遊技状態で当否判定結果が外れである場合には、比較的に変動時間の短い(5秒間)変動パターンであるど外れの変動パターンが約50%の割合で選択される。これにより、当否判定結果が外れであるにも関わらず長い変動時間の変動パターンが選択されて遊技が間延びしてしまい遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。また、第1特別図柄と第2特別図柄との変動パターンを選択する変動パターン選択テーブルを共通とすることで、第1特別図柄と第2特別図柄との変動を均等に実行することができる。
図11(b)は、遊技状態が通常遊技状態であり、当否判定結果が当たりである場合に第1特別図柄と第2特別図柄との変動パターンを選択するための当たり(通常)共通変動パターン選択テーブル202dの内容を模式的に示した模式図である。この当たり(通常)共通変動パターン選択テーブル202dでは、変動種別カウンタCS1の値「0〜10」に対して、10秒間の変動時間で構成されたノーマルリーチの変動パターンが設定されている。「11〜150」に対して、30秒間の変動時間で構成されたスーパーリーチの変動パターンが設定されている。「151〜198」に対して、60秒間の変動パターンで構成された変動パターンが設定されている。
次に、図11(c)〜図12(b)を参照して、遊技状態が時短遊技状態である場合に、第1特別図柄と第2特別図柄とで選択される変動パターンの変動パターン選択テーブル202dについて説明する。時短遊技状態で選択される変動パターンが設定された変動パターン選択テーブル202dとしては、第1特別図柄または第2特別図柄の当否判定結果が当たりの場合に参照される当たり(時短)共通変動パターン選択テーブル202d(図11(c))と第1特別図柄の抽選結果が外れの場合に参照される外れ(時短)特図1変動パターン選択テーブル202d(図12(a))と第2特別図柄の抽選結果が外れの場合に参照される外れ(時短)特図2変動パターン選択テーブル202d(図12(b))とがそれぞれ設定されている。
図11(c)は、当たり(時短)共通変動パターン選択テーブル202dの内容を模式的に示した模式図である。この当たり(時短)共通変動パターン選択テーブル202dは、第1特別図柄と第2特別図柄との時短遊技状態における当否判定結果が当たりであった場合に選択される変動パターン選択テーブルである。この当たり(時短)共通変動パターン選択テーブル202dでは、変動種別カウンタCS1の値「0〜198」に対して、5秒間の変動時間で構成されたノーマルリーチの変動パターンが設定されている。即ち、遊技状態が時短状態である場合には、当否判定結果が当たりであると第1特別図柄でも第2特別図柄でも当たりとなるノーマルリーチの変動パターンが選択される。これにより、時短遊技状態では当否判定結果が当たりとなると、比較的短い変動時間(5秒間)の変動パターンであるノーマルリーチの変動パターンが選択されるので、大当たりとなると短い変動パターンが実行されて速やかに大当たり遊技へと移行させることができる。ここで、詳細については後述するが、本実施形態では第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方で当否判定結果が大当たりとなる変動表示が開始されている場合に、後から変動開始する特別図柄では強制的に外れの当否判定結果となるように制御されている。よって、当否判定結果が大当たりである場合には、比較的に短い変動時間が選択されるようにすることで、遊技が無駄に間延びしてしまうのを抑制できる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりとなる変動表示が同時に変動しないように構成したが、それに限らず、同時に大当たりとなる変動表示がされることが可能に構成した場合には、第2特別図柄の大当たりとなる変動表示時間は第1特別図柄よりも短い(例えば、5秒間)または極端に短い変動時間(例えば、0.5秒)として、第1特別図柄の大当たりとなる変動時間は第2特別図柄よりも長い変動時間(例えば、60秒間)または極端に長い変動時間(例えば、5分間)が選択されるように構成してもよい。このように、構成することで、遊技者に不利な大当たり種別である大当たりBが決定される可能性がある第2特別図柄で大当たりすることを先延ばしにすることができ、その間に第2特別図柄で大当たりさせて、大当たりCを遊技者に付与することができる。なお、この場合には、一方の特別図柄で大当たりが開始された場合には、他方の特別図柄で変動中の抽選遊技は無効にするように構成する構成が考えられる。このように構成することで、遊技者に不利な大当たり種別である大当たりCが付与されて確変遊技状態が設定された後にすぐに決定されて、短期間で確変遊技状態が終了してしまう不具合を抑制することができる。
また、上記した、第1特別図柄と第2特別図柄とで当否判定結果が大当たりである変動表示を同時に変動表示することを可能にした構成では、第1特別図柄における当否判定結果が外れの変動表示時間を長く(例えば、100秒間)設定して、第2特別図柄における当否判定結果が当たりの変動時間を短く(例えば、1秒間)に設定することで、時短遊技中に第1特別図柄で抽選結果が表示される回数を減らす(第1特別図柄が変動表示される回数を減らす)ことができ、遊技者に有利な第2特別図柄での抽選回数を増やすことができる。なお、時短回数が第1特別図柄または第2特別図柄が100回変動表示するまでとされていた場合には、第1特別図柄の変動時間を第2特別図柄が外れ変動で連続して100回変動表示した場合の時間よりも長い時間で構成することにより第2特別図柄が時短遊技中に変動表示する回数を効果的に減らすことができる。
次に、図12(a)を参照して、時短遊技状態における第1特別図柄の当否判定結果が外れである場合に選択される変動パターンが設定された変動パターン選択テーブル202dの一つである外れ(時短)特図1変動パターン選択テーブル202dについて説明する。図12(a)は、外れ(時短)特図1変動パターン選択テーブル202dの内容を模式的に示した模式図である。この外れ(時短)特図1変動パターン選択テーブル202dには、変動時間が5秒間で構成されたど外れの変動パターンと、変動時間が10秒間で構成されたノーマルリーチの変動パターンと、変動時間が30秒間で構成されたスペシャルリーチの変動パターンと、変動時間が300秒間で構成されたセミロングの変動パターンとがそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が割付けされて設定されている。具体的には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜50」に対して、ど外れの変動パターンが設定されており、「51〜100」に対して、ノーマルリーチの変動パターンが設定されており、「101〜169」に対して、スペシャルリーチの変動パターンが設定されており、「170〜198」に対して、セミロングの変動パターンが設定されている。
ここで、時短遊技状態では、第1特別図柄と第2特別図柄との変動回数の合計が100回となるまで、普通図柄の当選確率が高く設定され、普通電動役物640aの開放時間が長くなり(通常時0.2秒が1秒間に延長)、開放回数も多く(通常時1回が2回)設定される。これにより、遊技者としては、遊技者に有利となる第2特別図柄(大当たりした場合に確変遊技状態が付与可能となる大当たりCが必ず決定される)で、なるべく多くの回数を変動表示させて遊技を行うことを期待する。そこで、外れ(時短)特図1変動パターン選択テーブル202dでは、比較的に長い変動時間となるスペシャルリーチ、セミロングの変動パターンが後述する外れ(時短)特図2変動パターン選択テーブル202dよりも選択され易く設定されている。
よって、変動時間が長い第1特別図柄の変動パターンが選択される機会が多くなり、第1特別図柄が時短遊技状態で変動される回数を減らすことができる。よって、時短遊技状態中に大当たりした場合に、大当たりCが遊技者に付与され易くすることができる。
なお、セミロングの変動パターンは、第1特別図柄に対応する図柄が300秒間高速で変動し続けて、その後、外れを示す組み合わせで停止表示される。また、後述する第2特別図柄は、時短中では当否判定結果が外れであれば、5秒間の変動時間で構成されたど外れの変動パターンが選択され易く構成されているので、最大で第2特別図柄で60回の変動を開始させることができる。よって、より多く時短遊技中に第2特別図柄での変動(抽選)を行うことができる。
なお、本実施形態では、セミロングの変動時間を300秒間としたが、それに限らず、第2特別図柄が外れの変動パターンで最大で時短回数分以上変動できる変動時間で構成してもよい。また、セミロングとは別に更に長い変動時間の変動パターンを設定するように構成してもよい。
次に、図12(b)を参照して、時短遊技状態における第2特別図柄の当否判定結果が外れである場合に選択される変動パターンが設定された外れ(時短)特図2変動パターン選択テーブル202dについて説明する。図12(b)は、この外れ(時短)特図2変動パターン選択テーブル202dの内容を模式的に示した模式図である。図12(b)に示したように、時短遊技状態では、第2特別図柄の外れ変動パターンとしては、5秒間の変動時間で構成されたど外れの変動パターンと、10秒間の変動時間で構成されたノーマルリーチの変動パターンとがそれぞれ設定されている。ど外れの変動パターンに対しては、変動種別カウンタCS1の値として「0〜180」が設定されており、ノーマルリーチの変動パターンに対しては、変動種別カウンタCS1の値として「181〜198」が設定されている。
これにより、時短遊技状態では、181/199の確率でど外れの変動パターンが第2特別図柄では当否判定結果が外れであれば選択される。よって、第2特別図柄の変動を短時間で実行することができるので、より多く第2特別図柄の抽選を実行できる。従って、時短遊技状態を利用して、遊技者により有利な抽選機会を多く与えることができる。
次に、図12(c)〜図13(c)を参照して、確変遊技状態における第1特別図柄と第2特別図柄との変動パターンをそれぞれ選択するための変動パターン選択テーブルについて説明する。
図12(c)は、確変遊技状態における第1特別図柄の当否判定結果が外れである場合の変動パターンを選択する為の変動パターン選択テーブル202dである外れ(確変)特図1変動パターン選択テーブル202dである。図12(c)は、外れ(確変)特図1変動パターン選択テーブル202dの内容を模式的に示した模式図である。この外れ(確変)特図1変動パターン選択テーブル202dでは、変動時間が5秒で構成されたど外れの変動パターンと、変動時間が30秒間で構成されたロングリーチ1の変動パターンと、変動時間が100秒間で構成されたロングリーチ2の変動パターンと、変動時間が500秒間で構成されたロングリーチ3の変動パターンと、変動時間が1000秒間で構成されたロングリーチ4の変動パターンとがそれぞれ、変動種別カウンタCS1の値に対応して設定されている。具体的には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜10」に対して、ど外れの変動パターンが設定されており、「11〜120」に対してロングリーチ1の変動パターンが設定されており、「121〜149」に対してロングリーチ2の変動パターンが設定されており、「150〜189」に対してロングリーチ3の変動パターンが設定されており、「190〜198」に対してロングリーチ4の変動パターンが設定されている。
このように、外れ(確変)特図1変動パターン選択テーブル202dでは、188/199の割合で変動時間が30秒以上の変動パターンが選択されるように設定されている。よって、確変遊技状態では、第1特別図柄の変動表示は比較的に長い変動時間(30秒以上)の変動パターンが選択され易くなり、第1特別図柄の変動回数は少なくなる。また、後述するが、確変遊技状態では、第2特別図柄の当否判定結果が外れである場合の変動時間は、0.5秒の変動時間が151/199の割合で選択されるように設定されており、第1特別図柄と比較して極端に短い変動時間が選択されるように設定されている。
従って、確変遊技状態では、第2特別図柄の変動回数が第1特別図柄と比較して多くなる。また、第2特別図柄の変動開始(抽選実行)の契機となる第2始動口640には、確変遊技状態では、普通電動役物640aが作動され易く設定されることで、遊技球が第1始動口64よりも入球し易く構成されている。これにより、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動回数を多くすることができる。よって、遊技者にとって有利な第2特別図柄での変動(抽選)機会を多く与えることができる。従って、確変遊技状態をより長い期間継続させて遊技者に付与することができる。
図13(a)を参照して、確変遊技状態における第1特別図柄の当否判定結果が当たりである場合に変動パターンを選択する為の変動パターン選択テーブル202dである当たり(確変)特図1変動パターン選択テーブル202dについて説明する。図13(a)は、当たり(確変)特図1変動パターン選択テーブル202dの内容を模式的に示した模式図である。この当たり(確変)特図1変動パターン選択テーブル202dには、変動時間が3秒で構成された特殊1変動パターンと、変動時間が30秒で構成された特殊2変動パターンとがそれぞれ変動種別カウンタCS1の値に対応して設定されている。具体的には、変動種別カウンタCS1の値「0〜190」に対して特殊1の変動パターンが設定され、「191〜198」に対して特殊2の変動パターンが設定されている。
このように、確変遊技状態における第1特別図柄の変動パターンでは、3秒間の変動時間と30秒間の変動時間とのどちらか一方が選択されるように構成されている。主に、3秒間の変動時間が選択されるように構成されているので、この3秒間を利用して、大当たりBが決定されている場合には、確変遊技状態の終了を示す確変期間のエンディング表示態様が表示される。一方、特殊2の変動パターンが選択されていて、大当たりBが決定されている場合には、残り最大で30秒間は確変期間が残っているという演出が実行される。また、特殊2の変動パターンでは、残り変動時間が3秒間となった場合に、特殊1の変動パターンと同様のエンディング演出を実行するように構成してもよい。
また、特殊1、特殊2の変動パターンが選択されていて、大当たりAが決定されている場合には、確変遊技状態が継続することを示す演出が第3図柄表示装置81に表示される。具体的には、図5(a)に示す確変期間の残り時間を示すカウンタが停止する演出が実行されたり、確変期間の残り時間が0秒とならないように加算される演出が実行される。さらに、一度、エンディングが実行されて、確変期間の終了が報知された後に、復活して確変期間が再度設定されたように遊技者に見せる復活演出が実行される場合もある。
次に、図13(b)を参照して、確変遊技状態における第2特別図柄の当否判定結果が外れである場合に選択される変動パターンが設定された変動パターン選択テーブル202dである外れ(確変)特図2変動パターン選択テーブル202dについて説明する。図13(b)は、外れ(確変)特図2変動パターン選択テーブル202dの内容を模式的に示した模式図である。この外れ(確変)特図2変動パターン選択テーブル202dには、0.5秒の変動時間で構成されたど外れ1の変動パターンと、3秒間の変動時間で構成されたど外れ2の変動パターンと、10秒間の変動時間で構成されたノーマルリーチの変動パターンと、20秒間の変動時間で構成されたスーパーリーチの変動パターンとがそれぞれ変動種別カウンタCS1の値に対応して設定されている。具体的には、変動種別カウンタCS1の値「0〜150」に対してど外れ1の変動パターンが設定され、「151〜170」に対してど外れ2の変動パターンが設定され、「171〜190」に対してノーマルリーチの変動パターンが設定され、「191〜198」に対してスーパーリーチの変動パターンがそれぞれ設定されている。
このように、確変遊技状態における第2特別図柄の当否判定結果が外れである場合に選択される変動パターンは、151/199の割合で変動時間が0.5秒のど外れ1の変動パターンが選択されることとなる。よって、第2特別図柄では、当否判定結果が外れであると第1特別図柄と比較して極端に短い変動時間の変動パターンが選択されるように構成されているので、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動回数を多くすることができる。よって、第2特別図柄での抽選機会を増すことができ、遊技者に大当たりCが付与される機会を増やすことができる。従って、連続して大当たりCが決定されて、確変遊技状態が連続して付与される期間を長くすることができる。その結果、遊技者が遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
次に、図13(c)を参照して、確変遊技状態における第2特別図柄の当否判定結果が当たりである場合に選択される変動パターンが設定された変動パターン選択テーブル202dである当たり(確変)特図2変動パターン選択テーブル202dについて説明する。図13(c)は、当たり(確変)特図2変動パターン選択テーブル202dの内容を模式的に示した模式図である。当たり(確変)特図2変動パターン選択テーブル202dでは、10秒の変動時間で構成されたノーマルリーチの変動パターンと、20秒の変動時間で構成されたスーパーリーチの変動パターンと、30秒の変動時間で構成されたスペシャルリーチの変動パターンとが変動種別カウンタCS1の値に対応してそれぞれ設定されている。具体的には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜150」に対してノーマルリーチの変動パターンが、「151〜190」に対してスーパーリーチの変動パターンが、「191〜198」に対してスペシャルリーチの変動パターンがそれぞれ設定されている。
このように、確変遊技状態において第2特別図柄の当否判定結果が当たりである場合には、変動時間が10秒以上の変動パターンが選択される。第2特別図柄が当たりである場合には、大当たり遊技後に確変遊技状態が付与されることが可能となる大当たりCが必ず決定されるので、変動パターンで設定される変動時間を利用して、確変期間の報知演出を多様に行うことができる。具体的には、図5(a)に示すような、確変期間の残り時間(期間)を示すカウンタを一時的に停止させたり、10秒以上の時間を加算したりする等の演出が実行される。ここでは、確変遊技状態が長く継続されることを示す報知演出であれば、適宜実行することができる。
このように、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動可能に構成して、どちらか一方で大当たりとなる変動が開始されている場合には、他方の特別図柄では強制的に外れとなる変動表示を開始させるように構成した。この構成において、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりとなった場合に、確変遊技状態が付与されることが可能となる大当たりの種別の選択割合を変えるように設定することで、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選で遊技者にとって、有利不利の差をつけて設定しておくことで、不利となる特別図柄の外れ変動時間が長く設定され易く構成することで、その間に有利となる特別図柄で短時間に多くの抽選を実行するように構成することで、遊技者により多くの有利な抽選を付与することができる。
また、確変遊技状態になった場合に、一方の特別図柄(本実施形態では、第1特別図柄)では、通常遊技状態が付与される大当たり種別を設定しておき、他方の特別図柄(本実施形態では、第2特別図柄)では、必ず確変遊技状態が設定されるように設定しておくことで、通常遊技状態が付与される方の特別図柄で外れの変動が実行されている期間を確変遊技状態が継続する期間として遊技者に報知することができる。
さらに、後述する第1特別図柄保留球格納エリア203aに記憶されている第1特別図柄の保留球に大当たりB(通常遊技状態が付与される大当たり種別)が決定される保留球が記憶されているかを判別して、その大当たりBが変動停止するまでの時間を確変期間の最大残り期間として、その最大残り期間内の時間で確変の残り期間を遊技者に報知演出を実行することができる。よって、遊技者にあたかも確変期間が予め設定されているように感じさせることができる。また、確変期間の残時間の報知演出が実際の時間とリンクして減算されるように構成することで、遊技者は早く特別図柄を変動開始させて、遊技者に有利な高確率状態でより多くの抽選を実行させようとして興奮できる。よって、斬新な遊技演出を遊技者に提供できる。また、確変期間の残り時間を少しずつ加算する演出を行ったり、確変期間の残り時間の減算が停止される演出を行うことで、遊技者に確変遊技状態が長く継続する安心感を与えることができ、大当たり以外にも遊技者に期待を持たせる演出を行うことができる。
なお、本実施形態では、主制御装置110のMPU201では、大まかな変動パターンの内容、リーチ、非リーチ等を決定すると共に、その変動時間を決定して、詳細な変動パターンの内容については、音声ランプ制御装置113のMPU221により決定されるように構成したが、それに限らず、主制御装置110のMPU201により、詳細な変動パターンの内容(リーチの表示内容等)まで決定するように構成してもよいし、主制御装置110側では、変動パターンを決定せずに、音声ランプ制御装置113やその他の制御装置により変動パターンについての決定制御を実行するように構成してもよい。
なお、「リーチ」とは、各リーチにおいても演出内容が異なるものが多数あることを意味しており、例えば、スーパーリーチには、背面画像を速く変化させて表示するリーチや、あるキャラクタを突然表示するリーチ等があり、そのほか変動表示開始前の予告演出が付加されるもの、再変動表示で大当たりとなる演出が付加されるものなど、演出内容が異なる複数のリーチが含まれている。
図9に戻って、各種カウンタの説明を続ける。普通当たり乱数カウンタC4は、0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。球が普通図柄始動口67を通過したタイミングでRAM203の普通図柄保留球格納エリア203h(図7参照)に格納される。そして、普通図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される普通図柄当たり乱数テーブル202c(図10(d))によって設定されており、普通当たり乱数カウンタC4の値が、普通図柄当たり乱数テーブル202c(図10(d))によって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。
また、普通当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の普通初期値乱数カウンタCINI2の値が当該普通当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。普通当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図20参照)毎に更新され、球が普通図柄始動口67(スルーゲート)を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は、通常遊技状態では、24であり、その範囲は「5〜28」となっている。また、高確率遊技状態では、200であり、その範囲は「5〜204」となっている。即ち、通常遊技状態では、取得された普通当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にある場合に当選と判定され、高確率遊技状態では、取得された普通当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にある場合に当選と判定され、第2図柄表示部88に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、普通電動役物640aの羽根640aが、通常遊技状態では、所定時間(本実施形態では1.2s)の開放動作が1回行われ、高確率遊技状態では、所定時間(本実施形態では1s)の開放動作が2回行われる。なお、普通初期値乱数カウンタCINI2は、普通当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図14参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(S1200)(図41参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
普通図柄始動口67を遊技球が通過すると、普通図柄(第2図柄)の変動表示中でなく、普通図柄保留球格納エリア203hに保留球に基づく各カウンタ値が記憶されていない場合には、普通図柄保留球実行エリア203iに普通当たり乱数カウンタC4から乱数値が取得されて、普通当たり乱数カウンタ格納エリア203i1に格納される。また、普通図柄(第2図柄)が変動表示中または普通図柄保留球格納エリア203hに記憶されている保留球に対応する乱数値が上限値(本実施形態では、4個)未満である場合には、普通当たり乱数カウンタC4から取得された乱数値が対応する保留回数(普通図柄保留1〜4)の普通当たり乱数カウンタ格納エリア203h1に格納される。なお、各エリアに乱数値が格納されると、普通図柄フラグ203jがオンに設定され、その乱数値に基づく、普通図柄の変動表示が停止され、または、保留を消化したことにより1つまえの保留エリアにデータがシフトされた場合には、オフに設定される。ここで、データがシフトされると、新たにシフトされて記憶された保留エリアの普通図柄フラグはオンに設定される。保留エリアにデータが記憶されているか否かまたは、普通図柄が変動表示中であるかの判定はどの保留エリア、または実行エリアの普通図柄フラグがオンになっているか否かで実行される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示部88における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
なお、本実施形態では、第1抽選遊技と第2抽選遊技との抽選については、共通の各種カウンタ値を選択するように構成したが、第1抽選遊技(第1特別図柄)と第2抽選遊技(第2特別図柄)とで、それぞれ専用の各種カウンタを設定して、第1抽選遊技と第2抽選遊技との各種カウンタの更新契機や初期値等を異ならせることにより、異なる値で更新されるカウンタ値で構成されるようにしても当然よい。
このように、構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選において、同じ契機でカウンタ値を取得することとなっても、異なる値のカウンタ値を取得することができ、第1特別図柄と第2特別図柄とで選択される変動パターンや、当否の判定結果が同期してしまう不具合を抑制することができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とで、共通の各変動パターンテーブルより変動パターンを選択するようにしたとしても、選択される変動パターンが同期してしまう不具合を抑制し、多彩な演出を行うことができる。また、主制御装置110のMPU201のRAM203の記憶データを抑制し、安価な構成(記憶領域の小さいRAM等を使用)とすることができる。
図8に戻り、説明を続ける。RAM203は、図9に図示したカウンタ用バッファのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(S1200)(図41参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図40参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図39参照)が即座に実行される。
RAM203は、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、第1特別図柄保留球実行エリア203c、第2特別図柄保留球実行エリア203d、第1特別図柄保留球数カウンタ203e、第2特別図柄保留球数カウンタ203f、普通図柄保留球数カウンタ203g、普通図柄保留球格納エリア203h、普通図柄保留球実行エリア203i、普通図柄フラグ203j、時短カウンタ203k、大当たり後状態エリア、大当たりフラグ203o、特図1変動停止フラグ203p、特図2変動停止フラグ203q、特図1変動時間カウンタ203r、特図2変動時間カウンタ203s、並び替え保留記憶エリア203t、状態設定エリア203u、異常監視フラグ203v、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
第1特別図柄保留球格納エリア203aは、上限個数(本実施形態では、4個)まで、第1始動口64に入賞したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。また、第2特別図柄保留球格納エリア203bは、上限個数(本実施形態では、4個)まで、遊技球が第2始動口640に入賞したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。
第1特別図柄保留球実行エリア203cは、第1特別図柄を変動表示開始するための各種カウンタ値が格納される記憶エリアであり、第1特別図柄が変動表示停止した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aに各種カウンタ値が記憶されている場合に、その各種カウンタ値がシフトして記憶される記憶エリアである。第2特別図柄保留球実行エリア203dは、第2特別図柄を変動表示開始するための各種カウンタ値が格納される記憶エリアであり、詳細については第1特別図柄保留球実行エリア203cと同様である。
第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、第1特別図柄保留球実行エリア203c、第2特別図柄保留球実行エリア203dは、始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図9参照)より取得した特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ記憶される。MPU201は、タイマ割込処理(図20参照)の中で、球が第1始動口64へ入賞したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、第1保留球格納エリア203aの特別当たり乱数カウンタ格納エリア203a1、特別当たり種別カウンタ格納エリア203a2、変動種別カウンタ格納エリア203a4にそれぞれ格納する。一方、球が第2始動口640へ入賞したことを検出すると、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C2、CS1の値を取得し、各対応するエリア(図示せず)にそれぞれ同様に記憶される。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示の設定等の処理を実行するために、上述した第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C2,CS1の各値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この特別図柄保留球実行エリア203cへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
第1特別図柄保留球数カウンタ203e、第2特別図柄保留球数カウンタ203fは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図20参照)の中で検出される第1始動口64または第2始動口640への入賞に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第3図柄表示装置81で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)をそれぞれ最大4回まで計数するカウンタである。第1特別図柄保留球数カウンタ203e、第2特別図柄保留球数カウンタ203fは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図40、S1242)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、それぞれ最大値4まで1加算される。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203a、第2特別図柄保留球数カウンタ203bは、変動表示演出が実行される毎に1減算される。
また、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(即ち、保留球数)は、第1始動口64に遊技球が入賞したことに基づいて、第1特別図柄保留球格納エリア203aにカウンタ値が格納された場合に、主制御装置110から出力される第1特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。第1特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第1特別図柄保留球数カウンタ203eが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
また、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(即ち、保留球数)は、第2始動口640に遊技球が入賞したことに基づいて、第2特別図柄保留球格納エリア203bにカウンタ値が格納された場合に、主制御装置110から出力される第2特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。第2特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第2特別図柄保留球数カウンタ203fが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
MPU201は、第1特別図柄保留球実行エリア203cまたは第2特別図柄保留球実行エリア203dにカウンタ用バッファから取得される上記カウンタC1〜C2、CS1の各値がそれぞれ記憶された場合には、第1特別図柄保留球実行エリア203cまたは第2特別図柄保留球実行エリア203dに格納されたデータを、第1特別図柄変動開始処理(図22、S203)または第2特別図柄変動開始処理(図26、S206)において参照し、その参照データに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。第1図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示演出が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、第1または特図2変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示演出が行われる。
普通図柄保留球数カウンタ203gは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図20参照)の中で検出される普通図柄始動口67を遊技球が通過(以下「始動入賞」と称す)したことに基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第3図柄表示装置81の第2図柄表示部88、第2図柄表示装置88で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)をそれぞれ最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203gは、普通図柄始動口67を遊技球が通過したことに基づいて記憶される保留球数の合計を記憶するカウンタである。電源投入後のRAM203の初期設定処理(図40、S1242)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される。一方、普通図柄保留球数カウンタ203gは、変動表示演出が実行される毎に1減算される(図35、S1169参照)。
普通図柄保留球格納エリア203hは、普通図柄始動口67への始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図9参照)より取得した普通当たり乱数カウンタC4が記憶される記憶エリアである。主制御装置110のMPU201は、タイマ割込処理(図20参照)の中で、球が普通図柄始動口67へ通過(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから普通当たり乱数カウンタC4の値を取得し、普通図柄保留球格納エリア203hの普通当たり乱数カウンタ格納エリア203h1に格納する。普通図柄フラグ203jを普通図柄フラグ格納エリア203h2にオンに設定して格納(記憶)する。普通図柄保留球格納エリア203hは、一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC4の値、普通図柄フラグ203j)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリアを有している。普通図柄保留球格納エリア203hには、普通図柄始動口67へ通過(始動入賞)した順に保留球のデータが、データが空いている保留エリアの内、消化される順序の早い保留エリアから順に記憶される。
また、普通図柄保留球実行エリア203iは、始動入賞に基づいて、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、各カウンタ値が格納され、普通図柄の当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示(変動パターン)の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC4の値)を記憶するためのメモリである。
なお、MPU201は、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、当たり抽選や、第2図柄表示部88または第2図柄表示装置88の表示の設定等の処理を実行するために、上述した普通図柄保留球格納エリア203hに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(普通当たり乱数カウンタC4の値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この普通図柄保留球実行エリア203iへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
普通図柄フラグ203jは、普通当たり乱数カウンタC4のデータが記憶されており、保留されていることを示すフラグであり、また、普通図柄が変動表示中であることを示すフラグである。普通図柄保留球実行エリア203iまたは普通図柄保留球格納エリア203hに普通当たり乱数カウンタC4の値が格納されるとオンに設定される。また、普通当たりカウンタC4の値が次の保留エリア(保留が消化され、一つ保留個数を減らした保留個数に対応する保留エリア)にシフトされた場合には、シフトされる前の保留エリアの普通図柄フラグ203jはオフに設定され、一方シフトされて記憶された保留エリアの普通図柄フラグ203jはオンに設定される。また、普通図柄の変動表示が変動停止処理されると普通図柄フラグ203jはオフに設定される。
時短カウンタ203kは、15R通常大当たり遊技が実行された後に、時短回数100が設定されるカウンタエリアである。時短回数が設定されると、時短回数が0に設定されるまでの間、普通図柄当たり乱数テーブル202cにおいて高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルが設定される。また、普通図柄の当たりを示す図柄「○」が第2図柄表示部88に表示された場合に、普通電動役物640aの羽根が通常遊技状態よりも長い開放時間(本実施形態では、1s)開放する動作を2回繰り返される。この遊技状態を以下、時短遊技状態とする。
時短カウンタ203kは、第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示停止する毎に1ずつ減算され、時短カウンタ203kの値が0となると、時短遊技状態から通常遊技状態へと移行し、普通図柄当たり乱数カウンタ202cの低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルが設定され、普通図柄の当たりを示す図柄「○」が第2図柄表示部88に表示された場合に、開放時間が0.2sで開放回数1回の設定で、普通電動役物640aの羽根が開放される。
大当たり後状態エリア203mは、大当たりが実行された場合に設定される遊技状態(時短遊技状態、確変遊技状態)が記憶される記憶エリアである。初期設定では、時短遊技状態に対応するデータが記憶されており、大当たり遊技中に第2特定入球口650aに遊技球が入球したことに基づいて、確変遊技状態に対応するデータが記憶される。これにより、第2特定入球口650aに遊技球が入球可能となる大当たりAまたはCが実行されても大当たり後状態エリア203mに設定されているデータは時短遊技状態に対応するデータとなり、第2特定入球口650aに遊技球が入球することで、確変遊技状態に対応したデータが設定(上書き)される。これにより、第2特定入球口650aに遊技球が入球しない限り、確変遊技状態には移行しない構成とすることができ、第2特定入球口650aに遊技球が入球するか否かを遊技者が期待して遊技を行うことができる。
大当たりフラグ203oは、第1始動口64または第2始動口640に入賞したことに基づいて、取得した特別当たり乱数カウンタC1の値が、変動開始時に当たりであると判定された場合に、オンに設定されるフラグである。また、大当たり遊技が終了するとオフに設定される。なお、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらの図柄に対応した大当たりであるかを識別可能なフラグで構成されている。具体的には、2ビットで構成されて、「10」で第1特別図柄に対して大当たりフラグ203oがオン、「01」で、第2特別図柄に対して大当たりフラグ203oがオンとして設定され、「00」で大当たりフラグ203oがオフとして設定される。
ここで、大当たりフラグ203oは、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通に使用されるので、変動開始時に、第1特別図柄と第2特別図柄とで先にどちらか一方がオンに設定されている場合には、他方の抽選結果が大当たりであっても、大当たりフラグ203oは上書きされたりせず、他方の抽選結果は、外れと同等に処理される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同時に大当たりとなる変動表示が実行されることがないように処理できる。
即ち、どちらか一方の特別図柄で大当たりとなる変動表示が開始されると、他方では、大当たりとなる変動表示が開始されず、外れの変動態様のみが表示されるように構成される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通した大当たりフラグ203oで構成したが、それに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄とでそれぞれ独立した大当たりフラグを設定して、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当たりとなる変動表示が実行されるように構成してもよい。このような構成とすることで、確変遊技状態中に第1特別図柄で、大当たりBとなる変動表示が開始されたとしても、その変動時間を長く設定しておき、第2特別図柄で短い変動時間で抽選され易く構成することで、大当たりBが開始されるまでの間に、第2特別図柄で大当たりし易く構成することができる。よって、遊技者に大当たりBが開始されるまでの時間(即ち、確変遊技状態が終了するまでの期間)を報知する演出を実行して、遊技者に急いで、第2特別図柄で大当たりを当選させようとして遊技を行わせる演出を実行できる。従って、遊技者に新鮮な演出を提供することができる。その結果、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
特図1変動停止フラグ203pは、第1特別図柄が変動表示中に、第2特別図柄の大当たりが実行開始されることを示すフラグである。後述する、主制御装置110のMPU201が実行する第2特別図柄変動停止処理(図29、S207)のS1005において、オンに設定される。また、第1特別図柄変動停止処理(図25、S204)のS613の処理において、オフに設定される。
特図2変動停止フラグ203qは、第2特別図柄が変動表示中に、第1特別図柄の大当たりが実行されることを示すフラグである。後述する、主制御装置110のMPU201が実行する第1特別図柄変動停止処理(図25、S204)のS605において、オンに設定される。また、第2特別図柄変動停止処理(図29、S207)のS1012の処理において、オフに設定される。
特図1変動時間カウンタ203rは、第1特別図柄の変動時間をカウントするためのカウンタである。第1特別図柄の変動パターンが選択された場合に、選択された変動パターンに対応する変動時間が設定される(図24のS507)。その後、第1特別図柄変動停止処理(図25、S204)のS602の処理において、経過した変動時間に対応したカウンタ値(本実施形態では、1ずつ)が減算されて更新される。
特図2変動時間カウンタ203sは、第2特別図柄の変動時間をカウントするためのカウンタである。第2特別図柄の変動パターンが選択された場合に、選択された変動パターンに対応する変動時間が設定される(図28のS907)。その後、第1特別図柄変動停止処理(図29、S207)のS1002の処理において、経過した変動時間に対応したカウンタ値(本実施形態では、1ずつ)が減算されて更新される。
並び替え保留記憶エリア203tは、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている保留エリア1〜4の各データに基づいて判定した各判定結果が記憶される記憶領域である。
図17(a)は、並び替え保留記憶エリア203tを模式的に示した図である。並び替え保留記憶エリア203tは、保留エリア1〜8の各保留回数に対応した各判定データが記憶される保留中データ記憶領域と、変動表示中の第1特別図柄と第2特別図柄とに対応する各判定データが記憶される変動中データ記憶領域とで構成されている。
保留中データの各保留エリア1〜8には、当否判定結果記憶エリア203t1、大当たり種別記憶エリア203t2、変動パターン種別記憶エリア203t3、変動順序記憶エリア203t4、変動開始時間記憶エリア203t5、先読み確変フラグ203t6がそれぞれ設けられている。なお、保留エリア1〜8は、それぞれの保留球が成立した順序(第1始動口64と第2始動口640とを合わせた総合的な成立順序)で保留エリア1から順に記憶される。つまり、保留エリア1〜8は、パチンコ機10で、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とを合わせて、保留球が成立した成立順序を示している。
変動表示中データ記憶エリアには、第1特別図柄と第2特別図柄とに対応して、当否判定結果記憶エリア203t1、大当たり種別記憶エリア203t2、変動パターン記憶エリア203t3、先読み確変フラグ203t6がそれぞれ設けられている。
当否判定結果記憶エリア203t1は、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている特別当たり乱数カウンタC1の当否を事前に判定した結果が記憶される記憶領域である。
大当たり種別記憶エリア203t2は、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている特別当たり種別カウンタC2より判別された大当たり種別が記憶される記憶領域である。
変動パターン種別記憶エリア203t3は、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各種データに基づいて、決定された変動パターンの種類が記憶される記憶領域である。この変動パターンは、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらの変動パターンであるかを識別できるデータになっており、その保留エリアのデータが第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらのデータであるかを識別するデータとしても用いられている。
変動表示順序記憶エリア203t4は、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各種データに基づいて、判別された保留エリア1〜8の中での実際の変動表示開始順序が記憶される記憶領域である。なお、変動表示開始順序は、具体的には、新たに記憶される保留球の変動開始時間を算出して、先に記憶されている各保留球の変動開始時間と比較して判別される。
変動開始時間記憶エリア203t5は、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各種データに基づいて、算出された保留エリア1〜8の各データが実際に変動表示開始となるまでの時間が記憶される記憶領域である。なお、この変動表示開始時間は、保留エリアに記憶されると、主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理(図14)のその他処理(S112)で随時更新される。
先読み確変フラグ記憶エリア203t6は、後述する、第1先読み更新処理(図32、S1133)において、記憶された大当たり種別記憶エリア203k2の種別が大当たりAまたは大当たりCであると判別された場合に、オンに設定されて記憶される記憶領域である。また、先読み確変フラグ記憶エリア203t6は、データが上位の保留エリアにシフトして記憶される度に、そのシフトされる前の領域は全て0クリアされるので、オフに設定されることとなる。つまり、一度、オンに設定された先読み確変フラグ記憶エリア203u6は、変動中データ記憶領域までシフトされ、変動中データ記憶領域に新たなデータが上書き(シフト)されることで、オフに設定される。また、遊技機に電源が投入され、RAMクリアの処理が実行された状態では、初期値としてオフに設定されている。
並び替え保留記憶エリア203tの各データは、パチンコ機10において、電源断が発生すると、RAM203のバックアップエリア(図示せず)にバックアップされ、記憶される。そして、再度、電源が投入された場合に、その記憶されたバックアップ領域から読み出され設定される。
状態設定エリア203uは、現在の遊技状態が記憶される記憶エリアである。本実施形態では、大当たり遊技後に大当たり後状態設定エリア203mに記憶されているデータに基づいて、状態設定エリア203uに遊技状態に対応するデータが設定されることにより、大当たり後の遊技状態が切り替わって設定される。また、時短遊技状態において、定められた回数(本実施形態では100回)の時短回数が実行されると、通常遊技状態に対応するデータが状態設定エリア203uに設定されることにより、遊技状態が時短遊技状態から、通常遊技状態に移行される。なお、初期化された状態では、通常遊技状態に対応したデータが設定されている。
異常監視フラグ203vは、遊技者が現在の遊技状態に対応して正しい遊技方法で遊技を行っているか否かを判別するためのフラグである。
確変遊技状態または時短遊技状態(大当たり遊技中を除く)には、右打ち遊技を実行することが正しい。この場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで抽選が実行されることが通常であるが、第2特別図柄のみで遊技が実行されている期間は、不正な遊技の仕方で遊技を行っている虞がある。よって、この異常監視フラグ203vがオンに設定される。後述するが異常監視フラグ203vがオンに設定されると、異常監視カウンタ(図示せず)により異常監視フラグ203vが継続してオンに設定されている期間が計時され、所定時間(本実施形態では、20秒)以上となると、異常報知(音声および警告画像を表示)が実行される。
また、通常遊技状態では、左打ちで遊技をすることが正しい遊技方法であるが、右打ちでしか入球しないはずの普通図柄始動口67に遊技球が入球して普通図柄が変動したと判別されると異常監視フラグ203vがオンに設定されて、異常報知を実行するように構成されている。
その他メモリエリア203zは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶して置くためのエリアである。
このように、第1始動口64または第2始動口640に遊技球が入賞して保留球が発生すると、第1始動口64と第2始動口640とを合わせた保留球の成立順序別に各保留球の各種判定データが記憶される。よって、入賞コマンドが並び替え保留記憶エリア203uに基づいて生成されることで、音声ランプ制御装置113は、その入賞コマンドに基づいて、第1特別図柄と第2特別図柄とを合わせた保留の成立順序で保留図柄表示を行うように表示制御装置114に出力するコマンドを生成することができる。従って、第3図柄表示装置81に、第1特別図柄と第2特別図柄との保留図柄表示を、第1特別図柄と第2特別図柄とを合わせた保留の成立順序で表示することができる。
また、成立順序に関連させて、各保留の変動表示開始順序も判別して記憶されているので、その変動表示開始順序に基づいて入賞コマンドを生成することで、音声ランプ制御装置113でも、受信した入賞コマンドに基づいて、各保留の成立順序と実際の変動表示開始順序を判別することができる。
また、各保留の変動開始時間が各保留エリアには記憶され、その時間が管理(時間の経過に合わせて更新)されているので、新たに記憶された保留データの変動表示開始順序を容易に判別することができる。
図8に戻って、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示部88、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ(図3、122)回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ(図3、122)回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図22参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動表示演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223と、を有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、振動センサ228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81の下側表示領域Dsに表示されている入賞順に表示されている保留図柄表示を変動表示開始順に並び替えて表示されるように、音声出力装置226を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。
また、振動センサ(図示せず)は、遊技板213の裏面に取り付けられている。パチンコ機10では、入賞口への入賞が遊技状態を決定する重要な要因となるので、振動によって球の流れを変え、意図的に入賞口への入賞が行われることを阻止する必要がある。そこで、振動センサ228の出力から、遊技者などによってパチンコ機10に振動が与えられたと判断される場合は、その振動エラーを伝えるエラーコマンドを表示制御装置114に送信する。その他、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
<音声ランプ制御装置113の電気的構成について>
次に、図15〜図19を参照して、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について説明する。図15(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。ROM222には、変動パターン選択テーブル222a、加算時間選択テーブル222bが少なくとも設定されている。
変動パターン選択テーブル222aは、主制御装置110より出力される変動パターンコマンドに基づいて、変動パターンの詳細な内容を決定するための選択テーブルである。この変動パターン選択テーブル222aは、主制御装置110から出力される変動パターンコマンドが示す、変動時間、大まかな変動パターン(リーチ、非リーチ等)に対応して、複数種類の変動内容(例えば、変動時間は同一、判定結果も同一で構成されたリーチAからDの異なる表示内容のリーチ変動パターン)から一つの変動内容を決定する。
加算時間選択テーブル222bは、確変期間の残時間に対する加算時間(図5(b)に示す延長されて表示される時間)として第3図柄表示装置81に表示する演出の加算時間を決定するためのデータテーブルである。この加算時間選択テーブル222bには、各加算時間に対応して加算時間が設定されている。なお、加算時間には、大当たりBとなる変動表示が開始されるまでの期間が最大時間となっており、選択された加算時間がその最大時間を超える場合には、加算時間選択テーブル222bに設定されている加算時間のうち、最大時間内の大きい値が選択されるように制御される。
なお、本実施形態では、大当たりBとなる第1特別図柄の変動が開始されるまでの時間としたがそれに限らず、大当たりBとなる第1特別図柄の変動が停止するまでの時間を最大時間として構成するように構成してもよい。
次に、図15(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223について説明する。図15(b)は、RAM223の内容を模式的に示した模式図である。RAM223には、コマンド記憶領域223a、第1特別図柄保留球数カウンタ223b1、第2特別図柄保留球数カウンタ223d1、特図2変動開始フラグ223c1、従特図1変動停止フラグ223c2、第2特別図柄保留球数カウンタ223d1、従特図2変動停止フラグ223d2、従特図1変動時間カウンタ223e、従特図2変動時間カウンタ223f、演出カウンタ223g、従状態設定エリア223h、確変上限値記憶エリア223i、確変期間記憶エリア223j、従並び替え保留記憶エリア223k、更新停止フラグ223m、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
コマンド記憶領域223aは、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図46参照)が実行されると、コマンド記憶領域223aに記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
外1特別図柄保留球数カウンタ223b1は、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203aと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる第1特別図柄の変動表示(動的表示)であって、主制御装置110において保留されている変動表示演出の保留球数(待機回数)を、最大4回まで計数するカウンタである。
特図1変動開始フラグ223b2は、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された第1特別図柄の変動パターンを通知する特図1変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定される(図46、S1502)。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図48、S1612)。
特図2変動開始フラグ223c1は、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された第2特別図柄の変動パターンを通知する特図2変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定される(図46、S1505)。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図48、S1617)。
従特図1停止種別選択フラグ(図示せず)は、主制御装置110から出力される第1特別図柄の変動停止種別を通知する第1停止種別コマンドを受信した場合にオンに設定される(図46、S1508)。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図48、S1622)。
従特図1変動停止フラグ223c2は、主制御装置110における特図1変動停止フラグ203pの内容を示すフラグである。これにより、特図1の変動状態が音声ランプ制御装置113のMPU221により判別することができる。
第2特別図柄保留球数カウンタ223d1は、主制御装置110の第2特別図柄保留球数カウンタ203aと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる第2特別図柄の変動表示(動的表示)であって、主制御装置110において保留されている変動表示演出の保留球数(待機回数)を、最大4回まで計数するカウンタである。
第2停止種別選択フラグ(図示せず)は、主制御装置110から出力される第2特別図柄の変動停止種別を通知する第2停止種別コマンドを受信した場合にオンに設定される(図46、S1508)。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図48、S1622)。
従特図2変動停止フラグ223d2は、主制御装置110における特図2変動停止フラグ203qの内容を示すフラグである。これにより、特図2の変動状態が音声ランプ制御装置113のMPU221により判別することができる。
従特図1変動時間カウンタ223eは、第1特別図柄の変動時間をカウントするためのカウンタである。
従特図1変動時間カウンタ223fは、第1特別図柄の変動時間をカウントするためのカウンタである。
演出カウンタ223gは、変動パターンの選択や、各種演出の選択、加算時間選択テーブル222bからの加算時間の選択等に使用されるカウンタである。0から198の範囲で繰り返し更新される。なお、メイン処理が実行される毎に1ずつ加算されて更新される。
従状態設定エリア223hは、主制御装置110から出力される状態コマンドに対応したデータが設定される。従状態設定エリア223hに設定されるデータにより、現在の遊技状態を音声ランプ制御装置113でも判別することができる。なお、状態設定コマンドは、電源投入時にも主制御装置110より出力されて、バックアップされた遊技状態が音声ランプ制御装置113により判別可能に構成されている。
確変上限値記憶エリア223iは、第1特別図柄の大当たりBとなる変動が開始されるまでの時間が記憶される記憶エリアである。なお、第1特別図柄の保留球に大当たりBとなる保留球が記憶されていない場合には、記憶されている第1特別図柄の保留球の最後の保留球の変動が終了するまでの時間が確変上限値記憶エリア223iに記憶される。
従並び替え保留記憶エリア223kは、図9(b)に示すように、主制御装置110から出力される入賞コマンドに基づいて、主制御装置110におけるRAM203の並び替え保留記憶エリア203uと同様のデータが、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力される入賞コマンドに基づいて記憶される記憶領域である。
図9(b)は、この従並び替え保留記憶エリア223kを模式的に示した図である。従並び替え保留記憶エリア223kは、保留エリア1から保留エリア8までの保留中データの保留エリアと第3図柄表示装置81で変動表示中の第1特別図柄と第2特別図柄の各種データが記憶される変動表示中データの記憶エリアとで構成されている。各保留エリアは、当否判定結果記憶エリア223k1、大当たり種別記憶エリア223k2、変動パターン種別記憶エリア223k3、変動順序記憶エリア223k4、変動開始時間記憶エリア223k5、従先読み確変フラグ記憶エリア223k6、並び替えフラグ223k7をそれぞれ有しており、受信した入賞コマンドから抽出した各データが対応する保留エリアに記憶される。また、特別図柄を変動表示開始するための表示用変動パターンコマンドを生成する毎に、従並び替え保留記憶エリア223kの保留エリアのデータが1つ前の保留エリアにシフトして記憶される。なお、保留エリア1の保留データは、第1特別図柄の場合には、第1特別図柄の変動中データの記憶エリアに、第2特別図柄の場合には、第2特別図柄の変動中データの記憶エリアにそれぞれシフトして記憶される。
当否判定結果記憶エリア223k1は、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている特別当たり乱数カウンタC1の当否を事前に判定した結果を、受信した入賞コマンドより抽出して記憶される記憶領域である。入賞コマンドから抽出した当否判定結果の情報は、その保留回数(主制御装置110の並び替え保留記憶エリア203uの該当する保留エリア)に対応した保留エリア1〜8のいずれかの当否判定結果記憶エリア223k1に記憶される。
大当たり種別記憶エリア223k2は、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている特別当たり種別カウンタC2より判別された大当たり種別を、受信した入賞コマンドより抽出して記憶される記憶領域である。
変動パターン種別記憶エリア223k3は、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各種データに基づいて、決定された変動パターンの種類を、受信した入賞コマンドより抽出して記憶される記憶領域である。この変動パターンは、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらの変動パターンであるかを識別できるデータになっており、その保留エリアのデータが第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらのデータであるかを識別するデータとしても用いられている。
変動順序記憶エリア223k4は、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図31、S1114)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各種データに基づいて、判別された保留エリア1〜8の中での実際の変動表示開始順序を、受信した入賞コマンドより抽出して記憶される記憶領域である。
変動開始時間記憶エリア223k5は、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各種データに基づいて、算出された保留エリア1〜8の各データが実際に変動表示開始となるまでの時間を、受信した入賞コマンドより抽出して記憶される記憶領域である。なお、この変動表示開始時間は、保留エリアに記憶されると、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図45、S1400)の保留個数表示処理(図45、S1406)で随時更新される。
なお、本実施形態では、入賞コマンドは、算出された保留エリア1〜8の各データが実際に変動表示開始となるまでの時間を示すコマンドとしたが、それに限らず、変動開始となるまでの時間を算出するための各カウンタ値(例えば、選択されている変動パターンの種類や、変動中の特別図柄の残りの変動時間を算出するためのカウンタ値(割込回数等))や変動表示開始となるまでの時間に対応したコマンドとしてもよい。
従先読み確変フラグ記憶エリア223k6は、記憶された大当たり種別記憶エリア223k2の種別が15R確変大当たりまたは2R確変大当たりであった場合に、オンに設定されて記憶される記憶領域である。
並び替えフラグ223k7は、遊技者が、枠ボタン22を操作して保留図柄表示の並び替えを要求した保留図柄(枠ボタン22を操作したときに表示されている保留図柄表示)であることを示すフラグである。
このように、第1始動口64または第2始動口640に遊技球が入賞して保留球が発生すると、入賞コマンドより抽出されたデータに基づいて、第1始動口64と第2始動口640とを合わせた保留球の成立順序別に各保留球の各種判定データが記憶される。よって、音声ランプ制御装置113は、従並び替え保留記憶エリア223kのデータに基づいて、第1特別図柄と第2特別図柄とを合わせた保留の成立順序で保留図柄表示を行うように表示制御装置114に出力するコマンドを生成することができる。従って、第3図柄表示装置81に、第1特別図柄と第2特別図柄との保留図柄表示を、第1特別図柄と第2特別図柄とを合わせた保留の成立順序で表示することができる。
また、入賞コマンドに基づいて、従並び替え保留記憶エリア223kが主制御装置110の並び替え保留記憶エリア203uに同期したデータで更新され、保留データの変更(新たな保留の成立等)があっても、順次、データを同期させて更新させることができる。
その他メモリエリア223mは、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶して置くためのエリアである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ(図3、122)(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ(図3、122)回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図39参照)を正常に実行し完了することができる。
なお、停電が発生すると、主制御装置110のMPU201は、並び替え保留記憶エリア203uの各データをバックアップデータとしてRAM203のバックアップエリアに記憶する。そして、再度、パチンコ機10に電力が供給されると、バックアップエリアより並び替え保留記憶エリア203uのバックアップされた各データが読み出され、並び替え保留記憶エリア203uの対応する各保留エリアまたは変動中データ記憶領域に記憶される。
そして、立ち上げ処理(図40)において、第1先読み更新処理(図32、S1127)で生成される入賞コマンドと同様に、バックアップしたデータが読み出され記憶された並び替え保留記憶エリア203uに基づいて全ての入賞コマンドが生成され、音声ランプ制御装置113に出力されることにより、従並び替え保留記憶エリア223kにも同じ並び替え保留記憶エリア203uと同期したデータが設定される。
また、立ち上げ処理(図40)において、音声ランプ制御装置113に入賞コマンドを送信することで、並び替え保留記憶エリア203uと従並び替え保留記憶エリア223kとのデータを停電時からの復帰時にも同期させる構成を説明したが、それに限らず、主制御装置110のMPU201と同様に、音声ランプ制御装置113のMPU221が、停電発生時に、従並び替え保留記憶エリア223kの各データをRAM223にバックアップデータとして記憶させる構成にしても当然よい。
RAM消去スイッチ(図3、122)回路253は、電源投入時(RAM消去スイッチ(図3、122)を押しながら電源投入)にRAM消去スイッチ(図3、122)(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
主制御装置110のMPU201は、特別図柄や普通図柄の入賞の検知や、その入賞に対して当たりや変動パターンの選択等の各種抽選等の制御処理を実行している。その為、MPU201の制御負荷は大きくなっており、安定してパチンコ機10の制御を実行するために、本実施形態のように、遊技動作示唆設定を設定するか否かの抽選を、サブ制御装置に該当する音声ランプ制御装置113のMPU221が行うようにすることで、主制御装置110の制御負荷を軽くすることができる。
主制御装置110と音声ランプ制御装置113との制御基板は、基板ボックスと呼ばれる、透明なプラスチック製のベース部材と蓋部材で構成された箱(ボックス)により覆われている。その基板ボックスは、ベース部材と蓋部材とを容易に離間できないように「封止部材」と呼ばれる不正防止のための部材によりかしめが行われている。一般的に封止部材は、ベース部材と蓋部材を勘合させた場合に、ベース部材と蓋部材との一部を貫通して設けられた貫通孔にピン形状の封止部材を挿入する(かしめる)ことで、貫通孔を形成している部材を破壊するか、封止部材を破壊するか等の開封痕の残る方法でしかベース部材と蓋部材を離間させることが困難に構成されている。
次に、表示制御装置114の電気的構成について説明する。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、ROM234と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、ROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、ROM234、画像コントローラ237について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、ROM234に記憶されている制御プログラムに従って、各種処理を実行する。
ROM234は、上述したように、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にROM234に直接アクセスし、そのROM234に記憶された制御プログラムを実行する。また、ROM234はバスライン240を介して画像コントローラ237と接続されており、画像コントローラ237はROM234に格納された画像データを、ワークRAM233へ転送する。MPU231は、ワークRAM233へ転送された画像データを随時、第3図柄表示装置81に出力し、第3図柄表示装置81の表示制御を行う。
第1始動口64に遊技球が入賞すると、各カウンタ値(C1〜C3及びCS1)が取得されて、その取得した各カウンタ値に基づいて、抽選及び変動パターン等の決定が行われた後に、第1抽選遊技に該当する第1特別図柄の変動表示が第1図柄表示装置37、第3図柄表示装置81で変動表示(動的表示)される。また、第2始動口640へ遊技球が入賞すると、第1始動口64に入賞した場合と同様に、第2抽選遊機に該当する第2特別図柄の変動表示のために、各カウンタ値(C1〜C3及びCS1)が取得されて、第2特別図柄の変動表示が第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81で実行される。
本パチンコ機10では、第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81とで第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示がそれぞれ同時に変動表示を可能に構成されている。具体的には、第1図柄表示装置37では、7セグメント表示器37bの2つの7セグメントLEDの内、左側の7セグメントLEDでは、第1特別図柄に対応する変動表示が実行され、右側の7セグメントLEDでは、第2特別図柄に対応する変動表示が実行される。
また、第3図柄表示装置81では、図4(a)に示すように、表示領域Dmには、第1特別図柄(または第2特別図柄)に対応する変動表示が実行され、右上表示領域Dnには、簡易な表示態様(○または×)で第2特別図柄(または第1特別図柄)に対応する変動表示が実行される。このように構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示を実行することができ、遊技者は、効率よく第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。
第1特別図柄が変動表示中(残り変動時間が設定されている状態)に、第1始動口64に遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて取得された各カウンタ値(C1〜C3及びCS1)の抽選結果を変動表示する第1抽選遊技は直ぐには実行されず、第1特別図柄保留球格納エリア203aに各カウンタ値が格納(記憶)される。第1特別図柄保留球格納エリア203aに各カウンタ値が格納されると、第1図柄表示装置37の複数の発光ダイオード37aの第1特別図柄の保留個数「1」を示す態様(例えば、1つの発光ダイオードが赤色点灯)で点灯表示される。第1特別図柄保留球格納エリア203aに各カウンタ値が格納されると、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値を更新(保留球数を1加算)する。
主制御装置110のMPU201は、第1特別図柄保留球格納エリア203aに各カウンタ値が格納されると、入賞コマンドを音声ランプ制御装置113に対して出力する。入賞コマンドには、第1始動口64、第2始動口640のどちらに対する入賞かが識別可能であり、且つ、何番目の保留球数(保留個数)であるかが識別可能となっている。
音声ランプ制御装置113は、入賞コマンドコマンドを受信すると、その受信したコマンドより保留個数や、入賞した始動口に関する情報等の保留情報を抽出して、その保留情報に基づいて、第3図柄表示装置81に下側表示領域Dsの対応する保留図柄表示エリア(Ds1〜Ds8)に保留図柄を表示する処理を実行する。この保留図柄は、図4(b)に示すように、第1特別図柄(第1始動口64)の保留情報に対応する保留図柄であれば「黒い丸印」が、第2特別図柄(第2始動口640)の保留情報に対応する保留図柄であれば「黒い三角印」が各保留情報毎(保留1つにつき保留図柄1つ)にそれぞれ表示される。
同様に、第2特別図柄が変動表示中(残り変動時間が設定されている状態)に、第2始動口640に遊技球が入賞すると各カウンタ値が取得され、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(記憶)され、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値が更新される。そして、第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81に保留情報が記憶されたことを示す保留図柄が表示される。
第3図柄表示装置81に表示される保留図柄は、第1始動口64と第2始動口640に入賞した遊技球を合わせた総合的な入賞順序でそれぞれ表示される。図18に示した1例について、具体的に説明する。これは、まず、第1特別図柄と第2特別図柄が変動表示中であり、第1特別図柄は、残り10sの変動時間があり、第2特別図柄は、残り5sの変動時間がある状態を示している。第3図柄表示装置81の下側表示領域Dsには、保留図柄表示エリアDs1に第2特別図柄の保留情報(第2始動口640への入賞に基づく保留情報)であることを示す保留図柄「黒い三角印」が、保留図柄表示エリアDs2に第1特別図柄の保留情報であることを示す保留図柄「黒い丸印」が、保留図柄表示エリアDs3に第2特別図柄の保留情報であることを示す保留図柄「黒い三角印」が、保留図柄表示エリアDs4に第1特別図柄の保留情報であることを示す保留図柄「黒い丸印」がそれぞれ表示されている。この場合には、第1始動口64と第2始動口640とに入賞した順序が早い順で保留図柄表示エリアDs1から順に保留図柄表示エリアDs4の順であることを示している。
つまりは、第2始動口640に遊技球が入賞した後で、第1始動口64に入賞し、次に、第2始動口640に入賞し、更にその次に、第1始動口64に遊技球が入賞したことを示している。
図18に示すように、各保留データには、その保留が変動開始となった場合に選択される変動パターンの変動時間が予測して予め記憶されている(決定される変動パターンの種類が記憶されている)。そして、入賞順序1番目(並び替え保留記憶エリア203uでは、保留エリア1が該当)に記憶されているのは第2特別図柄の保留であるので、現在、変動表示中の第2特別図柄の残り変動時間(5s)が経過すると、変動表示開始となるため変動表示開始時間が5秒後と算出されている。また、入賞順序2番目(並び替え保留記憶エリア203uでは、保留エリア2が該当)に記憶されているのは第1特別図柄の保留であるので、現在、変動表示中の第1特別図柄の残り変動時間(10s)が経過すると、変動表示開始となるため変動表示開始時間が10秒後と算出されている。次に、入賞順序3番目(並び替え保留記憶エリア203uでは、保留エリア3が該当)に記憶されているのは第2特別図柄の保留であるので、現在、変動表示中の第2特別図柄の残り変動時間(5s)に、入賞順序1番目に記憶されている保留データの変動時間(40s)が経過すると、変動表示開始になるので、変動表示開始時間が45秒後と算出されている。次に、入賞順序4番目(並び替え保留記憶エリア203uでは、保留エリア4が該当)に記憶されているのは第1特別図柄の保留であるので、現在、変動表示中の第1特別図柄の残り変動時間(10s)に、入賞順序2番目に記憶されている保留データの変動時間(10s)が経過すると、変動表示開始になるので、変動表示開始時間が20秒後と算出されている。
このように、並び替え保留記憶エリア203uには、成立(入賞)した順に第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示開始時間が算出され、その変動表示開始時間に基づいて、変動表示開始時間が早い順で、変動表示順序が割り当てられている。
このタイミングで、遊技者が枠ボタン22を操作すると、第3図柄表示装置81の保留図柄表示が、図18に示す並び替え表示態様で示すように、入賞順序4番目の第1特別図柄の保留図柄表示が、入賞順序3番目の第2特別図柄の保留図柄表示と並び替えて(入賞順序4番目の保留図柄表示が、入賞順序3番目の保留図柄表示の前に割り込んで)表示される。
図19は、図18の状態から1s後に、第1始動口64に遊技球が入賞した場合に、主制御装置110のMPU201が第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)において新たに記憶した保留図柄の変動表示開始順序を決定する処理を模式的に示した図である。
図19は、図18から1s後の状態であるので、変動表示中の第1特別図柄は、残り変動時間が9s、第2特別図柄は、残り変動時間が4sとなっている。また、並び替え保留記憶エリア203uの各保留エリアの変動開始時間も更新されている。
新たに成立した第1始動口64(第1特別図柄)の保留は、5番目の入賞順序となり、並び替え保留記憶エリア203uでは、保留エリア5に各データが記憶される。まず、新たに記憶された第1特別図柄と同じ、変動表示中の第1特別図柄の残り変動時間、入賞順序2及び4の第1特別図柄の保留の変動時間をそれぞれ加算して、新たに成立(記憶された)した第1特別図柄の保留が変動表示開始となる時間が算出される(この場合は、24s)。
次に、図19の並び替え模式図に示すように、各保留エリアの変動表示開始時間に基づいて、並び替え後順序(変動表示開始順序)が、変動表示開始する順につけ直される。このときに、遊技者が枠ボタン22を操作して、保留図柄表示の並び替えを要求したときには、図19の並び替え後表示態様で示すように、入賞順序4番目と5番目の保留図柄表示が入賞順序3番目の保留図柄表示と並び替えて(入賞順序4番目と5番目の保留図柄表示が、入賞順序3番目の保留図柄表示の前に割り込んで)表示される。
このように、保留が発生する毎に、その変動表示開始時間を算出して、並び替え順序を決定しておくことで、遊技者が、並び替えを要求する操作(枠ボタン22の操作)をした場合に、速やかに、並び替え後の保留図柄表示を表示させることができる。
また、15R確変大当たりと15R通常大当たりの変動パターンは変動時間が外れの場合に選択される変動パターンよりも長くなりやすい。図19に示すように、入賞順序1番目の保留は、変動時間が40秒と長い。そのため、その後に成立した、同じ第2特別図柄の保留は、後から成立した第1特別図柄の保留よりも変動表示開始時間が遅くなってしまい、並び替えをすると、長い変動時間が選択されている保留図柄表示の後ろには、その長い変動時間が選択されている保留とは異なる種類(第1特別図柄と第2特別図柄との違い)がまとめて表示される。よって、保留図柄表示の後続の保留図柄表示エリアに割り込んで表示される保留図柄表示の個数が多いほど、遊技者はその前の保留図柄表示に対して大当たりの期待を抱くこととなり、遊技者は並び替えを大当たりへの期待を持って行うことができる。従って、遊技への興味が増大し、より飽きずに遊技を続けることができる。
<主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図20から図43のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図40)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図41、S1250)と、定期的に(本実施形態では2ミリ秒周期で)起動されるタイマ割込処理(図20)と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理(図39)とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理(図40)とメイン処理(図41、S1250)とを説明する。
図20は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に繰り返し実行される定期処理である。MPU201がこのタイマ割込処理を実行することによって、定期的に実行すべき各種の処理が行われる。
このタイマ割込処理では、まず、外部出力処理を実行する(S101)。タイマ割込処理(図20)やメイン処理(図41、S1250)では、各種処理に基づいて、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等へ送信すべきコマンド等を生成し、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦記憶する。S101の外部出力処理では、このコマンド送信用リングバッファに記憶されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する。
例えば、後述する始動入賞処理(図30、S108)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、特別図柄変動処理(図21、S107)で設定された変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。
次に、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S102)、次いで、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放または閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S103)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aまたは特定入賞口650aを開放し、特定入賞口65aまたは特定入賞口650aの最大開放時間が経過したか、特定入賞口65aまたは特定入賞口650aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aまたは特定入賞口650aを閉鎖する。この特定入賞口65aまたは特定入賞口650aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次いで、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S104)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。また、入賞検知情報に基づいて払出制御装置111に対して送信すべき獲得球数に対応する賞球コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、賞球コマンドが払出制御装置111に向けて送信される。
次に、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S105)。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した際、0にクリアする。そして、初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。同様に、普通初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その普通初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。
更に、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2及び普通当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S106)。具体的には、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2及び普通当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399、99、239)に達した際、それぞれ0にクリアする。また、特別当たり乱数カウンタC1または普通当たり乱数カウンタC4が1周した場合には、その時点の初期値乱数カウンタCINI1または普通初期値乱数カウンタCINI2の値を当該特別当たり乱数カウンタC1または普通当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込み、その初期値を特別当たり乱数カウンタC1または普通当たり乱数カウンタC4に設定する。そして、各カウンタC1〜C2、C4の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。
次に、第1特別図柄と第2特別図柄の第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S107)、次いで、第1始動口64、または第2始動口640への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S108)。なお、特別図柄変動処理(S107)の詳細は図21を参照して後述し、始動入賞処理(S108)の詳細は図30を参照して後述する。
始動入賞処理(S108)を実行した後は、普通図柄始動口67を遊技球が通過したことに対する普通図柄の変動処理である普通図柄変動処理を実行し(S109)、次いで、普通図柄始動口67を遊技球が通過したことに対するスルーゲート処理を実行する(S110)。なお、普通図柄変動処理(S109)の詳細は図35を参照して後述し、スルーゲート処理(S110)の詳細は図36を参照して後述する。
次に、変動監視処理を実行し(S111)、不正監視処理を実行する(S112)。変動監視処理(S111)の詳細は図37を参照して後述し、不正監視処理(S112)の詳細は図38を参照して後述する。
S112の処理を終えると、遊技球の発射に関する制御を実行する発射制御処理を実行し(S113)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行し(S114)、タイマ割込処理を終了する。発射制御処理(S113)は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。そして、球の発射がオンである場合、発射制御装置112へ球発射信号を送信するために、その球発射信号の情報を、ワークRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、球発射信号が払出制御装置111を介して発射制御装置112へ送信される。
次に、図21を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理(S107)を説明する。図21は、この特別図柄変動処理(S107)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理(図21、S107)は、第1特別図柄と第2特別図柄とを、取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81とで同時に変動表示を可能に制御したり、判定結果を示す表示態様で停止表示させるための制御が実行される。以下、特別図柄変動処理(図21、S107)について説明する。
特別図柄変動処理(図21、S107)では、まず、大当たり遊技中であるか否か判定される(S201)。大当たり中であると判定された場合には(S201:Yes)、この処理を終了する。一方、大当たり中でないと判定された場合には(S201:No)、第1特別図柄の変動表示中であるかが判定される(S202)。第1特別図柄の変動表示中であると判定された場合には(S202:Yes)、第1特別図柄変動停止処理が実行される(S204)。第1特別図柄変動停止処理(図25、S204)については、詳しく後述するが、変動表示中の第1特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に、第1抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理と、第2特別図柄が大当たりを示す図柄で変動停止され、第2抽選遊技の大当たり遊技が実行される場合に、変動表示中の第1特別図柄を仮停止する処理が実行される。
一方、第1特別図柄が変動表示中でないと判定された場合には(S202:No)、第1特別図柄変動開始処理が実行される(S203)。第1特別図柄変動開始処理(図22、S203)については、詳しく後述するが、第1特別図柄が仮停止されている場合には、変動表示再開するための処理が実行される一方、仮停止されていない場合には、第1特別図柄保留球数格納エリア203aに保留データ(各種カウンタ値)が記憶されていれば、その保留データに基づいた大当たり判定や変動パターンの選択処理が実行される。
第1特別図柄変動開始処理(図22、S203)が実行された後に、第2特別図柄が変動表示中であるか否かが判定される(S205)。第2特別図柄が変動表示中であると判定された場合には(S205:Yes)、第2特別図柄変動停止処理(図29、S207)が実行される。第2特別図柄変動停止処理(図29、S207)については、詳しく後述するが、第1特別図柄変動停止処理(図25、S204)と同様に、変動表示中の第2特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に、第2抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理と、第1特別図柄が大当たりを示す図柄で変動表示停止され、第1抽選遊技の大当たり遊技が実行される場合に、変動表示中の第2特別図柄を仮停止する処理が実行される。
一方、第2特別図柄が変動表示中でないと判定された場合には(S205:No)、第2特別図柄変動開始処理が実行される(S206)。この第2特別図柄変動開始処理(図26、S206)は、詳しく後述するが、第1特別図柄変動開始処理(図22、S203)と同様に、第2特別図柄が仮停止されている場合には、変動表示再開するための処理が実行される一方、仮停止されていない場合には、第2特別図柄保留球数格納エリア203bに保留データ(各種カウンタ値)が記憶されていれば、その保留データに基づいた大当たり判定や変動パターンの選択処理が実行される。その後、この処理を終了する。
次に、図22を参照して、特別図柄変動処理(図21、S107)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(S203)について説明する。図22は、この第1特別図柄変動開始処理(S203)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動開始処理(図22、S203)では、まず、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を取得する(S301)。第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0より大きいか判別される(S302)。特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0であると判別された場合には(S302:No)、そのまま本処理を終了する。特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0より大きいと判別された場合には(S302:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を1減算する(S303)。第1特別図柄保留球数格納エリア203aの保留エリア1〜保留エリア4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う(S304)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
次に、第1特別図柄大当たり判定処理が実行される(S305)。第1特別図柄大当たり判定処理(図23、S305)については、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球実行エリア203cにシフトされた特別当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行する。
次に、第1特別図柄変動パターン選択処理が実行され(S306)、その後、本処理を終了する。第1特別図柄変動パターン選択処理(図24、S306)は、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球実行エリア203cに格納された特別当たり乱数カウンタC1の値に基づいた当否判定の結果に基づいて、変動パターンを各カウンタ値に基づいて選択するための処理である。
次に、図23を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図22、S203)の一処理である第1特別図柄大当たり判定処理(S305)について説明する。図23は、この第1特別図柄大当たり判定処理(S305)を示すフローチャートである。
第1特別図柄大当たり判定処理(図23、S305)では、まず、第1特別図柄保留球実行エリア203cに記憶されている各カウンタ値を取得する(S401)。遊技状態が確変遊技状態(確変中)であるか否かが判別される(S402)。遊技状態が確変遊技状態であるか否かの判別は、確変フラグ(図示せず)がオンに設定されているか否かにより実行される。確変フラグがオンである(即ち、遊技状態が確変遊技状態(確変中))と判別された場合には(S402:Yes)、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値と一致するか否か判別され、その抽選結果が取得される(S403)。一方、確変フラグがオフである(即ち、遊技状態が低確率遊技状態(確変中でない))と判別された場合には(S402:No)、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202a(図10(b)参照)に基づいて、特別当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値と一致するか否か判別され、その抽選結果が取得される(S404)。
大当たりフラグ203oがオンであるか判別する(S405)。ここで、大当たりフラグ203oがオンに設定されている場合には、第2特別図柄において、大当たりとなる変動が開始されている場合であることを示している。本実施形態では、この大当たりフラグ203oを第1特別図柄と第2特別図柄とで共通して使用することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当たりとなる変動が実行されないように構成している。このように構成することで、短時間に大当たりが連続して発生して、遊技店側の損失が過剰に大きくなる不具合を抑制できる。
S405において、大当たりフラグ203oがオフであると判別された場合、即ち、第2特別図柄で大当たりとなる変動が開始されていないと判別した場合には(S405:No)、S403またはS404の処理で実行された抽選結果が大当たりであるか判別する(S406)。抽選結果が大当たりであると判別した場合には(S406:Yes)、大当たりフラグ203oをオンに設定する(S407)。その後、第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定して(S408)、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の大当たり図柄を大当たり種別に基づいて設定する(S409)。その後、この処理を終了する。
一方、S405の処理において、大当たりフラグ203oがオンであると判別された場合(S405:Yes)、またはS406の処理において抽選結果が外れであると判別された場合には(S406:No)、第1特別図柄表示装置37に第1特別図柄の外れを示す図柄を設定する(S410)。
このように、実際に取得している特別当たり乱数カウンタC1の値に基づいた抽選結果が大当たりであったとしても、大当たりフラグ203oが既にオンに設定されている、即ち、第2特別図柄によって、大当たりとなる変動が開始されている場合には、強制的に外れの設定が第1特別図柄で実行される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、大当たりとなる変動が同時に実行されることがなく、短期間のうちに、連続して大当たりとなる変動が開始されて、遊技店側の損害が過剰に多くなってしまう不具合を抑制できる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同時に大当たりとなる変動が実行されない構成としたが、それに限らず、同時に実行されるように構成してもよい。この場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とでそれぞれ専用の大当たりフラグを設定すればよい。この場合には、他方の特別図柄で大当たり遊技が実行された場合には、一方の特別図柄の変動では、変動時間の計測を一時的に仮停止して、特別図柄を擬似的に変動したり、仮停止するように構成することが考えられる。
次に、図24を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図22、S203)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理(S306)について説明する。図24はこの第1特別図柄変動パターン選択処理(S306)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動パターン選択処理(図24、S306)では、まず、第1特別図柄大当たり判定処理(図23、S305)において、第1特別図柄の大当たりが設定されているか判別する(S501)。大当たりであるか否かの判定は、S408の処理で大当たりが設定されているかにより判別される。ここでは、図示しない専用のフラグがオンに設定されていることで大当たりであるか否かを判別できるように構成されている。
S501の処理において、第1特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S501:Yes)、現在の遊技状態(通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態のいずれか)に応じた第1特別図柄の当否判定結果が大当たりである変動パターン選択テーブル202dを設定する(S502)。大当たり種別テーブル202b(図10(b)参照)より取得している特別当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別を決定する(S503)。その後、S505の処理を実行する。一方、S501の処理において、第1特別図柄の外れが設定されていると判別した場合には(S501:No)、遊技状態に応じた第1特別図柄の抽選結果が外れの変動パターン選択テーブル202dを設定する(S504)。その後、S505の処理を実行する。
S505の処理では、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、設定されている変動パターン選択テーブル202dより変動パターンを選択する(S505)。選択した変動パターンを示す特図1変動パターンコマンドを生成(設定)する(S506)。選択した変動パターンに基づいて、特図1変動時間カウンタ203rにカウンタ値を設定する(S507)。その後、この処理を終了する。
次に、図25を参照して、特別図柄変動処理(図21、S107)の一処理である第1特別図柄変動停止処理(S204)について説明する。図25はこの第1特別図柄変動停止処理(S204)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動停止処理(図25、S204)では、まず、特図1変動停止フラグ203pがオンに設定されているか判別される(S601)。特図1変動停止フラグ203pがオフに設定されていると判別された場合には(S601:No)、第1特別図柄の残り変動時間を示す特図1変動時間カウンタ203rを減算して更新する(S602)。次に、更新した特別1変動時間カウンタ203rの値が0であるか、即ち、第1特別図柄の変動終了タイミングであるかが判別される(S603)。変動終了タイミングでないと判別された場合には(S603:No)、この処理を終了する。一方、S603の処理において、変動時間終了タイミングであると判別した場合には(S603:Yes)、変動中の第1特別図柄に対して大当たりが設定されているか判別される(S604)。第1特別図柄に対して大当たりが設定されていると判別された場合には(S604:Yes)、第2特別図柄の仮停止を設定するための特図2変動停止フラグ203qがオンに設定される(S605)。次いで、特図2変動停止フラグ203qがオンであることを示す特図2変動停止コマンドを設定する(S606)その後、選択されている大当たり種別に基づいた大当たり遊技の開始が設定され(S607)、時短カウンタ203kを初期値である0にリセットし(S608)、その後、S609の処理へ移行する。
一方、S604の処理において、変動中の第1特別図柄に対して外れが設定されていると判別された場合には(S604:No)、時短カウンタ203kが0であるか判別される(S611)。時短カウンタ203kが0より大きい値であると判別した場合には(S611:Yes)、時短カウンタ203kの値より1減算して更新する(S612)。その後、S609の処理へ移行する。一方、S611の処理において、時短カウンタ203kが0であると判別した場合には(S611:No)、S612の処理を行わず、そのままS609の処理へ移行する。
S609の処理では、第3図柄表示装置81に表示されている第1特別図柄に対応する主図柄を確定停止させることを指示するための特図1確定コマンドを設定する(S609)。第1図柄表示装置37に変動表示されている第1特別図柄の変動停止が設定される(S610)。その後、この処理を終了する。
一方、S601の処理において、特図1変動停止フラグ203pがオンであると判別された場合には(S601:Yes)、特図1変動停止フラグ203pをオフに設定し(S613)、特図1変動停止フラグ203pがオフであることを示す特図1変動停止コマンドが設定される(S614)。その後、この処理を終了する。
このように構成することで、第1特別図柄で大当たりとなり大当たり遊技が開始される場合には、第2特別図柄を仮停止するように設定することができる。その後、大当たり遊技が終了した後には、変動中の第2特別図柄に対して、残りの変動時間を変動再開することができる。よって、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動することが可能な構成であっても、一方の特別図柄が大当たりすると変動中の他方を仮停止させて大当たり遊技が終了するまで待機させることで、遊技者に大当たり遊技に集中させることができる。
次に、図26を参照して、特別図柄変動処理(図21、S107)の一処理である第2特別図柄変動開始処理(S206)について説明する。図26はこの第2特別図柄変動開始処理(S206)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動開始処理(図26、S206)では、上記した、第1特別図柄変動開始処理(図22、S203)に対して、S301〜S306までの各処理の第1特別図柄保留球数カウンタ203e、第1特別図柄保留球数カウンタの値(N1)、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第1特別図柄大当たり判定処理(S305)、第1特別図柄変動パターン選択処理(S306)がS701〜S706までの各処理では、第2特別図柄保留球数カウンタ203f、第2特別図柄保留球数カウンタの値(N2)、第2特別図柄保留球格納エリア203b、第2特別図柄大当たり判定処理(S705)、第2特別図柄変動パターン選択処理(S706)に、それぞれ変更される点を除いては同一であるので、その説明は省略する。
次に、図27を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図26、S206)の一処理である第2特別図柄大当たり判定処理(S705)について説明する。図27はこの第2特別図柄大当たり判定処理(S705)を示すフローチャートである。
第2特別図柄大当たり判定処理(図27、S705)では、上記した、第1特別図柄大当たり判定処理(図23、S305)に対して、S401の処理に対して、第1特別図柄保留球実行エリア203cがS801の処理では、第2特別図柄保留球実行エリア203dに、S408の処理に対して、特図1(第1特別図柄)がS808の処理では、特図2(第2特別図柄)に、S409およびS410の処理に対して、第1特別図柄がS809およびS810の処理では、第2特別図柄にそれぞれ変更される点を除いては同一であるので、その説明は省略する。
次に、図28を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図26、S206)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理(S706)について説明する。図28はこの第2特別図柄変動パターン選択処理(S706)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動パターン選択処理(図28、S706)では、上記した、第1特別図柄変動パターン選択処理(図24、S306)の、S501の処理に対して、特図1抽選結果(第1特別図柄の抽選結果)がS901の処理では、特図2抽選結果(第2特別図柄の抽選結果)に、S506〜S507までの各処理に対して、特図1変動パターンコマンド(第1特別図柄の変動パターンコマンド)、特図1変動時間カウンタ203rがS906〜S907の各処理に対して特図2変動パターンコマンド、特図2変動時間カウンタ203sにそれぞれ変更される点を除いては同一であるので、その説明は省略する。
次に、図29を参照して、特別図柄変動処理(図21、S107)の一処理である第2特別図柄変動停止処理(S207)について説明する。図29はこの第2特別図柄変動停止処理(S207)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動停止処理(図29、S207)では、上記した、第1特別図柄変動停止処理(図25、S204)に対して、次の点で相違する。S601〜S602までの各処理に対応するS1001〜S1002までの各処理では、特図1変動停止フラグ203p、特図1変動時間カウンタ203rが特図2変動停止フラグ203q、特図2変動時間カウンタ203sにそれぞれ変更される。S603の処理に対応するS1003の処理では、第1特別図柄の変動時間が終了タイミングであるかの判別が、第2特別図柄の変動時間が終了タイミングであるかの判別に変更される。S604の処理に対応するS1004の処理では、特図1の大当たりであるかの判別が、特図2の大当たりであるかの判別に変更される。S605〜S610の各処理に対応するS1005〜S1010の各処理では、特図2変動停止フラグ203q、特図2変動停止コマンド、第1特別図柄の大当たりの開始、特図1確定コマンド、第1特別図柄の変動停止が、それぞれ、特図1変動停止フラグ203p、特図1変動停止コマンド、第2特別図柄の大当たりの開始、特図2確定コマンド、第2特別図柄の変動停止に変更される。S613〜S614の各処理に対応するS1013〜S1014の各処理では、特図1変動停止フラグ203p、特図1変動停止コマンドが、それぞれ、特図2変動停止フラグ203q、特図2変動停止コマンドに変更される。その他の点は同一であるので、その説明は省略する。
このように、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の制御はそれぞれ独立して並行して実行可能に構成されているので、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示させることができる。よって、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者は、効率よく遊技を行うことができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄が同時に変動表示して抽選遊技が実行される構成であっても、第1または第2特別図柄の一方で大当たり遊技が発生した場合には、他方の特別図柄の変動表示が仮停止されるので、遊技者は、大当たり遊技に集中して遊技を行うことができる。
また、仮停止した特別図柄は、仮停止中であることが遊技者に分かる表示態様または報知態様で停止されているので、遊技者は変動表示途中であった抽選遊技が消滅していないことを把握することができ、安心して大当たり遊技を行うことができる。
次に、図30を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図20)の一処理である始動入賞処理(S108)を説明する。図30は、この始動入賞処理(S108)を示すフローチャートである。始動入賞処理(図30、S108)は、第1始動口64または第2始動口640に遊技球が入賞したか判別して、入賞した場合には、保留上限個数(第1始動口64、第2始動口640それぞれに最大4個)まで、取得した各カウンタ値を第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ格納する処理である。また、保留球に基づいて取得された各カウンタ値が、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ記憶されると、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bのそれぞれに記憶されている各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターン等を予測する処理が実行される。以下、始動入賞処理(図30、S108)について説明する。
始動入賞処理(図30、S108)では、まず、球が第1始動口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S1101)。ここでは、第1始動口64への入賞を検出する。球が第1始動口64に入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S1101:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が取得される(S1102)。取得した値(N1)は4未満であるか判別される(S1103)。これは、第1始動口64に対する保留個数の上限値である4個未満であるか(即ち、保留個数が上限値まで記憶されていないか)が判別される。取得した値(N1)が4未満であると判別された場合には(S1103:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)に1加算される(1104)。音声ランプ制御装置113に対して保留個数を通知するための保留球数コマンドが設定される(S1105)。各種カウンタ値である、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファから読み出し(取得して)、RAM203の第1特別図柄保留球実行エリア203cの特別当たり乱数カウンタ格納エリア203c1、特別当たり種別カウンタ格納エリア203c2、変動種別カウンタ格納エリア203c3に各々保留(格納)する(S1106)。
次に、第1先読み処理が実行される(S1107)。第1先読み処理(図31、S1107)については、詳しく後述するが、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aに記憶された各カウンタ値に基づく変動表示開始順序が記憶されている第1特別図柄と第2特別図柄とを合わせて何番目であるかを事前に判別し、さらにその変動表示順序と記憶されている各カウンタ値とから当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理が実行される。
次に、S1108〜S1114までの各処理については、S1101〜S1107までの各処理で実行された第1始動口64への遊技球の入賞に対して行われた処理と同様の処理が、第2始動口640に対して実行される処理であることが相違するのみであるので、詳細な説明は省略する。
次に、図31を参照して、始動入賞処理(図20、S108)の一処理である第1先読み処理(S1107)について説明する。図31は、この第1先読み処理(S1107)を示すフローチャートである。
第1先読み処理(図31、S1107)では、まず、新たに第1特別図柄保留格納エリア203aに記憶された格納エリアから各種カウンタ値である、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値が読み出される(S1121)。読み出したデータを並び替え保留記憶エリア203tの空いている記憶エリアのうち、入賞順序がもっとも小さいエリアに記憶され、その新たに記憶された保留データ(各カウンタ値)に基づく変動表示が開始される変動表示開始時間が算出される(S1122)。
この変動開始時間は、図18に示すように、新たに記憶された保留データに対応する変動表示中の特別図柄(第1始動口64に基づく保留データであれば、第1特別図柄、第2始動口640に基づく保留データであれば、第2特別図柄)の残り変動時間と、新たに記憶された保留データと同じ始動口64,640に基づいて先に記憶された各保留データの決定されている変動時間をそれぞれ加算することにより算出される。
ここで、新たに記憶された保留データと同じ始動口に基づいて先に記憶された各保留データとは、新たに記憶された保留データが第1始動口64に基づく保留データであれば、先に記憶されている第1始動口64に基づく(第1特別図柄に対応する)保留データ、一方、新たに記憶された保留データが第2始動口640に基づく保留データであれば、先に記憶されている第2始動口640に基づく(第2特別図柄に対応する)保留データのことである。
変動表示開始時間が算出されると、並び替え保留記憶エリア203tに記憶されている全ての保留データの変動表示開始時間の早い順に並び替え後の順序が再付番される(S1123)。ここで、変動表示開始時間の再付番については、本実施形態では、全ての保留データに付いて再付番を行ったが、それに限らず、前回と変動表示開始順序が入れ替わった場合、即ち、新たに記憶された保留データの変動表示開始順序が先に記憶されている保留データの変動表示開始順序に割り込まれる場合に、その変更となる順序のみ再付番するように構成しても当然よい。
新たに記憶された保留データが変動開始する時の遊技状態が高確率遊技状態であるかが判別される(S1124)。変動開始する時の遊技状態については、新たに記憶された保留データが変動開始する時までに停止するものの先読み確変フラグ203t6がオンの物があり、且つ、その後、15R通常大当たりで停止する保留がないかについて判別することで判別される。新たに記憶された保留データが変動開始する時の遊技状態が高確率遊技状態であると判別された場合には(S1124:Yes)、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aの大当たり判定値に基づいて、第1特別図柄の当否を予測して、その判定結果を該当する並び替え保留記憶エリア203tに記憶する(S1125)。一方、新たに記憶された保留データが変動開始する時の遊技状態が低確率遊技状態(通常遊技状態)であると判別された場合には(S1124:No)、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aの大当たり判定値に基づいて、第1特別図柄の当否を予測して、その判定結果を該当する並び替え保留記憶エリア203tに記憶する(S1126)。
第1先読み更新処理を実行する(S1127)。第1先読み更新処理(図32、S1127)については、詳しく後述するが、実際に変動表示開始される順序で、並び替え保留記憶エリア203tに記憶された保留データ(各種カウンタ値)の当否判定結果に基づいて、大当たり種別(確変か否か)、変動パターン(変動時間)が記憶(更新)される。
次に、図32を参照して、第1先読み処理(図31、S1107)の一処理である第1先読み更新処理(S1127)について説明する。図32は、この第1先読み更新処理(S1127)を示すフローチャートである。
第1先読み更新処理(図32、S1127)では、まず、第1先読み処理(図31、S1107)におけるS1125またはS1126の処理で予測した当否判定結果は大当たりであったか判別される(S1131)。第1先読み処理(図31、S1107)におけるS1125またはS1126の処理で予測した当否判定結果は大当たりであったと判別された場合には(S1131:Yes)、予測した大当たりは大当たりAまたは大当たりBであったか判別される(S1132)。予測した大当たりが大当たりAまたは大当たりBであると判別された場合には(S1132:Yes)、新たに記憶された保留データに対応した並び替え保留記憶エリア203tの先読み確変フラグ203t6をオンに設定する(S1133)。なお、先読み確変フラグ203t6は、上位の保留エリアへデータがシフトされて記憶される場合に、シフトされる前の保留エリアのデータは0クリアされるので、そこでオフに設定される。つまり、一度、オンに設定された先読み確変フラグ203t6は、順に保留エリアをシフトされ、変動中データ記憶領域において、次の新たなデータがシフトされて上書き(0クリア)されることによりオフに設定される。
一方、予測した大当たりが大当たりAまたは大当たりBでないと判別された場合には(S1132:No)、S1134の処理が実行される。
変動表示開始時の遊技状態(確変または時短中であるか否か)に対応した、変動パターン選択テーブル202dより、新たに記憶された保留データの変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動表示開始時に決定される変動パターンが予測される(S1134)。その後、S1136の処理へ移行する。
一方、第1先読み処理(図31、S1107)におけるS1125の処理で予測した当否判定結果が外れであると判別された場合には(S1131:No)、変動表示開始時の遊技状態(確変または時短中であるか否か)に対応した、変動パターン選択テーブル202dより、新たに記憶された保留データの変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動表示開始時に決定される変動パターンが予測される(S1135)。その後、S1136の処理へ移行する。
S1136の処理では、予測した当否、停止種別、及び変動パターンが並び替え保留記憶エリア203tの入賞順序に対応したエリアに(新たに記憶された保留データに対応して)記憶される(S1136)。並び替え保留記憶エリア203tに新たに記憶された保留データの変動表示開始順序は、先に記憶されていた変動表示開始順序に割り込ませて(順序を変えて)記憶されたか判別される(S1137)。並び替え保留記憶エリア203tに新たに記憶された保留データの変動表示開始順序は、先に記憶されていた変動表示開始順序に割り込ませて(順序を変えて)記憶されたのではないと判別された場合には(S1137:No)、次に、S1139の処理へ移行する。一方、並び替え保留記憶エリア203tに新たに記憶された保留データの変動表示開始順序は、先に記憶されていた変動表示開始順序に割り込ませて(順序を変えて)記憶されたと判別された場合には(S1137:Yes)、新たに記憶された保留データの変動表示開始順序の後の保留データ(新たに記憶された保留データに対応する特別図柄が変動停止した後に変動開始する順序の保留データ)について、再度、当否、停止種別、変動パターンを予測し、更新する(S1138)。次に、並び替え保留記憶エリア203tに記憶されている全ての保留データに対応する当否、停止種別、変動パターン、入賞順序、変動表示開始順序、先読み確変フラグ203t6に基づいて、その各データを音声ランプ制御装置113に対して通知するための入賞コマンドが各保留データ毎に生成される(S1139)。
このように、遊技球が第1始動口64または第2始動口640に入賞し、対応する特別図柄を変動表示開始できるまで保留されると、変動表示開始前に、その当否判定や選択される変動パターンの決定等が実行され、保留の中における変動開始順序も算出される。よって、保留図柄表示が表示されると、遊技者の操作により、変動開始順に保留図柄表示を並び替えることができる。
また、新たに保留が記憶され、その保留により変動開始する順序が変更される(新たに記憶された保留の変動開始順序が割り込まれて記憶される)と、再度、並び替え保留記憶エリア203tに記憶されている各保留エリアのうち、新たに記憶された保留が停止した後に変動開始となる保留に対して、当否判定、停止種別、変動パターンの更新がされるので、新たに保留が記憶されることで、変動開始時の遊技状態(高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるか)が変わる場合にも、正確なデータに更新することができる。
なお、本実施形態では、新たに記憶された保留の変動開始順序が割り込まれ記憶された場合に、再度、保留エリアの保留データ(当否判定、停止種別、変動パターン)を再度更新したが、それに限らず、新たに保留が記憶された場合には、毎回、全ての保留エリアに対して、再度判定するようにしてもよい。このように構成することで、保留エリアのデータを新たに保留が記憶される毎に、更新することができ、より正確なデータで常に構成することができる。
次に、図33を参照して、始動入賞処理(図30、S108)の一処理である第2先読み処理(S1114)について説明する。図33は、この第2先読み処理(S1114)を示すフローチャートである。
第2先読み処理(図33、S1114)は、上記した、第1先読み処理(図31、S1107)が第1始動口64に入賞したことに基づく保留データを事前に先読みして、記憶されている保留データの変動表示開始順序を決定して、各種判定を行う処理であるのに対して、第2始動口640に入賞したことに基づく保留データを事前に先読みして、記憶されている保留データの変動表示開始順序を決定して、各種判定を行う処理である点で異なるのみで、同一の処理が実行されるので、詳細な説明は省略する。
また、図34に示した、第2先読み処理(図33、S1114)の一処理である第2先読み更新処理(S1147)についても、上記した、第1先読み更新処理(図32、S1127)が第1始動口64に入賞したことに基づく保留データの変動表示開始順序に基づいて、各種選択データを予測して、入賞コマンドを生成する処理であるのに対して、第2始動口640に入賞したことに基づく保留データの変動表示開始順序に基づいて、各種選択データを予測して、入賞コマンドを生成する処理である点で異なるのみで、同一の処理が実行されるので、詳細な説明は省略する。
このように、第1始動口64または第2始動口640に遊技球が入賞して、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに各種カウンタ値が新たに記憶される(保留データが記憶される)と、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)が実行される。新たに記憶された保留データは、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)で、変動表示開始となる順序が先に並び替え保留球記憶エリア203tに記憶されている各保留データの変動表示開始時間と比較して決定されるので、記憶されている保留データが変動表示開始された場合の、遊技状態(確変中であるか否か)を正確に判別することができる。よって、当否判定結果や停止種別、変動表示される変動パターン等を正確に判定することができる。従って、次に、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第1特別図柄保留球格納エリア203bに新たに保留データが記憶された場合にも、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)で予測された各保留データの変動時間(変動パターン)に基づいて、新たに記憶された保留データの変動表示開始時間を正確に予測することができる。その結果、正しい変動表示開始順序を予測することができる。
また、新たに記憶された保留データの変動表示開始順序が、先に記憶されている保留データの変動表示開始順序に割り込んで(順序が早く)記憶される場合には、新たに記憶される保留データよりも後の変動表示開始順序の各保留データについては、再度、変動表示開始時の遊技状態が第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)で予測されて、当否、停止種別、変動パターンの予測(先読み)が行われるので、より正確な予測結果に基づいて、入賞コマンドを生成することができる。よって、音声ランプ制御装置113は、正確な、記憶されている保留データの予測結果を入賞コマンドから把握することができる。
次に、図35を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である普通図柄変動処理(S109)について説明する。図35は、この普通図柄変動処理(S109)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理(S109)は、第2図柄表示装部88において行う第2図柄の変動表示や、普通電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(図35、S109)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか判別される。(S1161)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示部83において当たりを示す表示がなされてから普通電動役物640aの開閉制御がなされている最中までが含まれる。普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別された場合には(S1161:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でないと判別された場合には(S1161:No)、第2図柄表示部83の普通図柄が変動表示中であるか判別される(S1162)。普通図柄(第2図柄)が変動表示中であると判別された場合には(S1162:Yes)、第2図柄表示部83において実行している普通図柄の変動時間が経過したか判別される(S1163)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装部88において変動表示が開始される前に、後述する、S1184の処理、S1185の処理によって予め設定された時間である。
S1163の処理において、変動時間が経過していなければ(S1163:No)、本処理を終了する。一方、S1163の処理において、変動表示している普通図柄の変動時間が経過していると判別された場合には(S1163:Yes)、第2図柄表示部83の停止表示を設定する(S1164)。S1164の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S1178の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄として第2図柄表示部83には「○」図柄が停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S1177の処理により外れ時の表示態様が設定されていれば、第2図柄として第2図柄表示部83には「×」図柄が、停止表示(点灯表示)されるように設定される。S1164の処理により、停止表示が設定されると、第2図柄表示部83における変動表示が終了し、S1177の処理、S1178の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示部83に停止表示(点灯表示)される。
次に、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであるかが判別される(S1165)。今回の普通図柄の抽選結果は当たりであると判別された場合には(S1165:Yes)、普通電動役物640aの開閉制御開始が設定される(1166)。一方、今回の普通図柄の抽選結果は外れであると判別された場合には(S1165:No)、本処理を終了する。
一方、S1162の処理において、普通図柄が変動表示中でないと判別された場合には(S1162:No)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S1167)。
次に、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が0よりも大きいか否かを判別される(S1168)。普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が0であると判別された場合には(S1168:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が0でないと判別された場合には(S1168:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)を1減算する(S1169)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203hに格納されたデータをシフトする(S1170)。S1170の処理では、普通図柄保留球格納エリア203hの普通図柄保留1〜普通図柄保留4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、普通図柄保留1→実行エリア、普通図柄保留2→普通図柄保留1、普通図柄保留3→普通図柄保留2、普通図柄保留4→普通図柄保留4といった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球実行エリア203iに格納されている普通当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S1171)。
次に、時短カウンタ203kの値が1以上である(即ち、0でないか)判別される(S1172)。時短カウンタ203kの値が0である(即ち、時短中でない)と判別された場合には(S1172:No)、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブル(図10(d))の当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得される(S1173)。一方、時短カウンタ203kの値が0でない(即ち、時短中である)と判別された場合には(S1172:Yes)、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であるか判別される(S1174)。第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であると判別された場合には(S1174:Yes)、S1173の処理が実行される。一方、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中でないと判別された場合には(S1174:No)、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブル(図10(d))の当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得される(S1175)。
次に、第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりであるか判別される(S1176)。第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりでない(即ち、外れである)と判別された場合には(S1176:No)、外れ時の表示態様である「×」の表示態様が設定される(S1177)。一方、第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりである(即ち、当たりである)と判別された場合には(S1176:Yes)、当たり時の表示態様である「○」の表示態様が設定される(S1178)。
遊技状態が時短遊技状態中(確変遊技状態含む)であるか判別される(S1179)。時短遊技中であると判別された場合には(S1179:Yes)、S1181の処理を実行する。時短遊技中でないと判別された場合には(S1179:No)、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であるか判別される(S1180)。第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であると判別された場合は(S1180:Yes)、S1181の処理を実行する。
S1181の処理では、普通電動役物640aの羽根の開放時間が1s、開放回数が2回に設定される(S1181)。一方、S1180の処理において、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり遊技中でない(即ち、低確率遊技状態である)と判別された場合には(S1180:No)、普通電動役物640aの羽根の開放時間が0.2s、開放回数が1回に設定される(S1182)。
遊技状態が時短遊技状態中(確変遊技状態含む)であるか判別される(S1183)。時短中であると判別された場合には(S1183:Yes)、普通図柄(第2図柄)の変動時間が3sに設定される(S1184)。一方、時短中でないと判別された場合には(S1183:No)、普通図柄(第2図柄)の変動時間が30sに設定される(S1185)。S1184、S1185の処理が実行された後には、この処理を終了する。
次に、図36のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S110)を説明する。図36は、このスルーゲート通過処理(S110)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S110)は、タイマ割込処理(図20参照)の中で実行され、普通図柄始動口67を遊技球が通過したかを判断し、遊技球の通過があった場合に、普通当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理(図36、S110)では、まず、球が普通図柄始動口(ゲート)67を通過したか否かを判定する(S1191)。ここでは、普通図柄始動口67を遊技球が通過したことを3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口67を通過したと判定されると(S1191:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)を取得する(S1192)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S1193)。
球が普通図柄始動口(ゲート)67を通過していないか(S1191:No)、或いは、球が普通図柄始動口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が4未満でなければ(S1193:No)、この処理を終了する。一方、球が普通図柄始動口67を通過し(S1191:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が4未満であれば(S1193:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)を1加算する(S1194)。そして、上述したタイマ割込処理のS106で更新した普通当たり乱数カウンタC4の値と、第1普通図柄フラグとをRAM203の普通図柄保留球格納エリア203hの空き保留エリア(普通図柄保留1〜普通図柄保留4)のうち最初のエリアに格納する(S1195)。尚、S1195の処理では、普通図柄保留球カウンタ203gの値を参照し、その値が0であれば、普通図柄保留1のエリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば普通図柄保留2のエリアを、その値が2であれば普通図柄保留3のエリアを、その値が3であれば普通図柄保留4のエリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図37を参照して、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図20参照)内の一処理である変動監視処理(S111)について説明する。図37は、この変動監視処理(S111)の内容を示したフローチャートである。この変動監視処理(S111)では、遊技者が遊技状態に対応した正しい遊技を行っているかを監視する処理が実行される。本実施形態では、通常遊技状態(低確率遊技状態)では、可変表示装置ユニット80の左側を遊技球が通過する強さで遊技球を発射させる打ち方(以下、左打ち)で遊技を行う方法が正規の遊技方法となり、大当たり遊技中、時短遊技状態中、確変遊技状態中では、可変表示装置ユニット80の右側を遊技球が通過する強さで遊技球を発射させる打ち方(以下、右打ち)で遊技を行う方法が正規の遊技方法となる。なお、通常遊技状態では、普通電動役物640aが第2始動口640を塞いでいる状態が通常状態となり、右側の第1始動口64への入賞率も左側の第1始動口64よりも低く設定されているので、通常遊技状態に右打ちをすることは遊技者にとって不利な打ち方となる。よって、正しい打ち方で遊技しているかを監視することで、遊技者に不利となることを低減することができる。また、不正に右打ちして、第2始動口640へ入賞させることを監視することができ、不正による被害を低減できる。
変動監視処理(図37、S111)では、まず、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり遊技中であるかが判別される(S1201)。大当たり遊技中でないと判別された場合には(S1201:No)、確変遊技状態または時短遊技状態中であるか判別される(S1202)。確変遊技状態または時短遊技状態中であると判別された場合には(S1202:Yes)、第1特別図柄が変動停止しているか判別される(S1203)。第1特別図柄が変動停止中であると判別された場合には(S1203:Yes)、異常監視フラグ203vがオンに設定される(S1204)。その後、この処理を終了する。ここで、異常監視フラグ203vは、遊技者が遊技状態に対応した正しい遊技方法(左打ち又は右打ち)で遊技を行っているか否かを判別するためのフラグである。後述するが、この異常監視フラグ203vがオンに設定されている時間が所定時間以上(例えば、20秒間以上)となると、異常報知コマンドが設定されて、そのコマンドにより音声ランプ制御装置113より異常報知(第3図柄表示装置81に異常であることを示す文字(例えば、正しい遊技方法を示唆する文字表示(右打ちしてください等)が実行され、音声によりエラー音や正しい遊技への指示音声が出力され、ホールコンピュータへの異常信号が出力される))が実行される。
このように、確変遊技状態または時短状態中である場合には、正しい遊技方法では、右打ち遊技されて第1特別図柄と第2特別図柄とがそれぞれ変動表示可能となる状態であるが、第1特別図柄が一定時間変動表示していないと、異常報知することにより遊技者にとって不利となる第1特別図柄が変動表示しないように遊技を行う不正な遊技が行われているかを監視することができる。よって、不正を早期に発見することができ、遊技店の損害を低減することができる。
一方、S1201の処理において、大当たり遊技中であると判別された場合(S1201:Yes)、S1203において、第1特別図柄が変動中であると判別された場合(S1203:No)には、異常監視フラグ203vがオフに設定される(S1205)。
一方、S1202の処理において確変遊技状態中または時短遊技状態中でないと判別された場合には(S1202:No)、普通図柄(第2図柄)の変動表示中であるか判別される(S1206)。普通図柄の変動表示中であると判別された場合には(S1206:Yes)、異常監視フラグ203vがオンに設定される(S1204)。
このように、右打ち遊技が実行されない通常遊技状態に、右打ち遊技でのみ変動が可能である普通図柄が変動表示している場合には、異常監視フラグ203vがオンに設定される。なお、異常監視フラグ203vがオンに設定されたまま20秒経過すると異常警報コマンドが設定されるが、大当たり遊技後や、時短遊技、確変遊技が終了した後に、普通図柄の保留球(最大4球)が記憶されている状態では、左打ち状態に移行しても普通図柄が変動表示しているため、異常監視フラグ203vがオンに設定されるが、その場合には普通図柄の変動時間は、3秒間であるので、異常警報コマンドが設定される前に異常監視フラグ203vがオフに設定されることとなる。これにより、正しい遊技方法で遊技を行っているのに、異常報知が実行される不具合を抑制できる。
一方、S1206の処理において、普通図柄の停止中であると判別された場合には(S1206:No)、第2特別図柄が変動表示中であるか判別される(S1207)。第2特別図柄が変動中であると判別した場合には(S1207:Yes)、異常監視フラグ203vをオンに設定する(S1204)。
このように、遊技状態が時短遊技状態または確変遊技状態でない、即ち、通常遊技状態である場合には、左打ちで遊技を行うことが正規の遊技方法であるが、右打ちした場合に変動表示可能となる第2特別図柄が変動中であれば、誤った遊技方法で遊技をしていることとなる。よって、異常監視フラグ203vをオンに設定することで、所定時間(本実施形態では、20秒)以上、異常監視フラグ203vがオンで設定されていると異常報知が実行されるので、不正な遊技をより早期に発見できる。従って、不正による遊技店の被害を低減することができる。
一方、S1207の処理において、第2特別図柄が変動停止中であると判別した場合には(S1207:No)、異常監視フラグ203vをオフに設定する(S1208)。その後、この処理を終了する。なお、この変動監視処理(S111)において、普通図柄、第1特別図柄、第2特別図柄が停止中であるかの判別は、保留球が記憶されていない状態で変動停止している状態である。保留球が記憶されている状態で、一時的な停止状態(変動停止から次の保留球による変動開始までの停止状態)は変動停止中ではなく、変動中と判別される。
ここで、遊技状態が通常遊技状態であり、第2特別図柄が変動停止している場合には、正しい遊技方法である左打ちで遊技が行われているので、異常監視フラグ203vがオフに設定され、後述する異常警報コマンドが設定されることが回避される。よって、遊技者が悪気なく誤った遊技方法で短時間遊技を行ってしまったとしても直ちには、異常報知がされないので、遊技者が異常報知により不快な思いをしてしまうことを抑制できる。
次に、図38を参照して、主制御装置110のMPU201におけるタイマ割込処理(図20参照)内の一処理である不正監視処理(S112)について説明する。図38は、この不正監視処理(S112)の内容を示したフローチャートである。不正監視処理(図38、S112)では、異常監視フラグ203vがオンに設定されている時間を計時して、所定時間以上(本実施形態では、20秒以上)となると、異常警報コマンドを設定する処理が実行される。
不正監視処理(図38、S112)では、まず、異常監視フラグ203vがオンであるか判別する(S1211)。異常監視フラグ203vがオンであると判別された場合には(S1211:Yes)、異常監視カウンタ203wを1加算して更新する(S1212)。異常監視カウンタ203wが上限値(本実施形態では、20秒に対応するカウンタ値)以上であるか判別される(S1213)。異常監視カウンタ203wが上限値未満であると判別された場合には(S1213:No)、この処理を終了する。一方、異常監視カウンタ203wが上限値以上であると判別された場合には(S1213:Yes)、異常警報コマンドを設定する(S1214)。その後、この処理を終了する。
この異常警報コマンドは、主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理(図20参照)の外部出力処理(S101)により音声ランプ制御装置113に対して出力される。音声ランプ制御装置113では、この異常警報コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81や、音声出力装置226に異常警報の態様を出力させる処理が実行される。これにより、不正や不具合を早期に発見することができる。
また、異常監視フラグ203vがオンに設定されてから所定時間(本実施形態では、20秒)以上、オンに設定され続けられた場合に、異常警報コマンドが設定されるように構成することで、遊技状態の切り替わり時等に短時間(20秒未満)の間だけ、正規の遊技方法で遊技が行われない期間(例えば、右打ち状態から左打ち状態に切り替える期間)があったとしても直ちに、異常警報が出力されないので、遊技者が不快な思いをしてしまう不具合を抑制できる。
なお、本実施形態では、所定時間は20秒としたが、それに限られるものではなく、遊技状態の切り替わりにおいて、通常の遊技をしていて必要な切替時間よりも長い時間で所定時間を構成すればよい。このように、構成することで、遊技者が遊技操作を変更している間に誤って異常警報が出力してしまう不具合を抑制できる。
一方、S1211の処理において、異常監視フラグ203vがオフであると判別された場合には(S1211:No)、異常監視カウンタ203wを初期値である0にリセットする処理が実行される。その後、この処理を終了する。
このように、異常監視フラグ203vがオフであると判別されると、異常監視カウンタ203wの値が初期値にリセットされるので、異常警報コマンドが設定される処理が回避され、正規の遊技方法で遊技を行っているのに、異常警報が出力される不具合を抑制できる。
図39は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1221)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図40を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図40は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。
この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理(図40)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1231)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1232)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1233)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ(図3、122)がオンされているか否かを判別し(S1234)、オンされていれば(S1234:Yes)、処理をS1240へ移行する。一方、RAM消去スイッチ(図3、122)がオンされていなければ(S1234:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1235)、記憶されていなければ(S1235:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1240へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1235:Yes)、RAM判定値を算出し(S1236)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1237:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1240へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1240の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1240)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1241、S1242)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ(図3、122)を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ(図3、122)が押されていれば、RAM203の初期化処理(S1241、S1242)を実行する。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1241、S1242)を実行する。RAMの初期化処理(S1241、S1242)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1241)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1242)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1243の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ(図3、122)がオンされておらず(S1234:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1235:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1237:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1238)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1239)、S1243の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力する(S1243)。その後、割込みを許可する(S1244)。そして、後述するメイン処理(S1250)に移行する。
次に、図41を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理(S1250)について説明する。図41は、このメイン処理(S1250)を示すフローチャートである。このメイン処理(S1250)では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。
メイン処理(図41、S1250)においては、まず、タイマ割込処理(図20参照)の中でRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1251)。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1252)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファに格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1253)を実行する。S1253の処理が実行された後には、確変設定処理が実行される(S1254)。この確変設定処理(S1254)については、図42を参照して、後述するが、大当たりAまたは大当たりCが実行されている場合に第2特定入球口(図示せず)に遊技球が入球したかを判別して、入球した場合には、大当たり遊技後の遊技状態を確変遊技状態に設定することを示すデータを大当たり後状態設定エリアに設定する処理が実行される。
確変設定処理(S1254)が実行されると、大当たり制御処理が実行される(S1255)。この大当たり制御処理(S1255)については、図43を参照して、詳細について後述するが、大当たり遊技における第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650の作動を設定する処理が実行される。
大当たり制御処理(S1255)が実行された後には、電動役物開閉処理が実行される(S1256)。この電動役物開閉処理(S1256)では、普通電動役物640aの開閉処理が実行される。その後、第1図柄表示装置37の表示制御処理が実行される(S1257)。
次に、第2図柄表示部83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S1258)。簡単に説明すると、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで普通当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、普通当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、普通電動役物640aが所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1259)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1259:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1260)、既に所定時間が経過していれば(S1260:Yes)、処理をS1251へ移行し、上述したS1251以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1260:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、初期値乱数カウンタCINI1及び普通初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1261,S1262)。
まず、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1261)。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399、239)に達した際、0にクリアする。そして、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1252の処理と同一の方法によって実行する(S1262)。
ここで、S1251〜S1258の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動表示する。故に、かかる残余時間を使用して初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2(即ち、特別当たり乱数カウンタC1の初期値、普通当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1259の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1259:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図39のNMI割込処理が実行されたということなので、S1263以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1263)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1264)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1265)、RAM203のアクセスを禁止して(S1266)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1259の処理は、S1251〜S1258で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1261とS1262の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1251の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1251の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1301)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1251の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図42を参照して、主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理(図41、S1250)内の一処理である確変設定処理(S1254)について説明する。図42は、この確変設定処理(S1254)の内容を示したフローチャートである。
確変設定処理(図42、S1254)では、まず、大当たりAまたは大当たりCの大当たり遊技が実行されているタイミングであるか判別される(S1261)。大当たりAまたは大当たりCが実行されているタイミングでないと判別された場合には(S1261:No)、この処理を終了する。一方、大当たりAまたは大当たりCが実行されているタイミングであると判別された場合には、第2特定入球口650aに遊技球が入球したか判別される(S1262)。第2特定入球口650aに遊技球が入球したと判別された場合には(S1262:Yes)、大当たり後状態エリア203mに確変の設定データを設定する(S1263)。その後、第2特定入球口650aに入球したことを音声ランプ制御装置113に対して通知するための入球報知コマンドが設定される(S1264)。なお、ここで大当たり後状態エリア203mは、デフォルトの設定では、時短遊技状態が設定されており、第2特定入球口650aに遊技球が入球することにより確変遊技状態を設定するためのデータに書き換えられる。確変遊技状態が設定されると、自動的にデフォルトの時短遊技状態のデータに書き換えられる。
これにより、第2特定入球口650aに遊技球が入球しなかった場合には、大当たり主別に関わらず、大当たり遊技後に自動的に時短遊技状態が設定されるので、主制御装置110の制御負荷を軽減することができる。
また、後述するが、入球報知コマンドを音声ランプ制御装置113が受信すると、第3図柄表示装置81や音声出力装置226によって、確変遊技状態が付与されることを報知する報知態様が出力されるように制御される。これにより、遊技者にわかり易く、大当たり遊技後の遊技状態を報知することができる。
次に、図43を参照して、主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理(図41、S1250)内の一処理である大当たり制御処理(S1255)について説明する。図43は、この大当たり制御処理(S1255)の内容を示したフローチャートである。
大当たり制御処理(図43、S1255)では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1271)。S1271の処理において、特別図柄の大当たりが開始されると判定された場合には(S1271:Yes)、ラウンド数カウンタの値に0を設定し(S1272)、そのまま、本処理を終了する。
一方、S1271の処理において、特別図柄の大当たりが開始されないと判定された場合には(S1271:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1273)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1273の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1273:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1273の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(S1273:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1274)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1274:Yes)、第1特定入賞口65aまたは第2特定入賞口650aを開放し(S1275)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定し(S1276)、ラウンド数カウンタの値に1を加算する(S1277)。ラウンド数カウンタの値に1を加算した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図41、S1250)の外部出力処理(S1251)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1274の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1274:No)、第1特定入賞口65aまたは第2特定入賞口650aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1278)。具体的には、第1特定入賞口65aまたは第2特定入賞口650aを開放した後に所定時間(例えば30秒)が経過した場合、または、第1特定入賞口65aまたは第2特定入賞口650aを開放した後に球が所定数(例えば10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1278の処理において、第1特定入賞口65aまたは第2特定入賞口650aの閉鎖条件が成立した場合には(S1278:Yes)、第1特定入賞口65aまたは第2特定入賞口650aを閉鎖し(S1279)、S1280の処理へ移行する。S1280の処理では、最終ラウンドであるかを判定する(S1280)。S1280の処理において、最終ラウンドでなければ(S1280:No)、本処理を終了する。S1280の処理において、最終ラウンドであれば(S1280:Yes)、大当たりの終了を設定し(S1281)、大当たり後状態エリア203mに設定されている遊技状態に基づいて、状態設定エリア203uと時短カウンタ203kとを設定する(S1282)。S1282の処理では、大当たり後状態エリア203mに設定されている遊技状態が時短遊技状態であれば、時短カウンタ203kの値として100が設定される。これにより、時短遊技状態に移行した後に時短遊技を100回分付与することができる。
次いで、状態エリア203uに対応した状態コマンドを設定し(S1283)、本処理を終了する。一方、S1278の処理において、第1特定入賞口65aまたは第2特定入賞口650aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1278:No)、そのまま本処理を終了する。
<音声ランプ制御装置113により実行される制御処理について>
次に、図44から図50を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(S1400)とがある。
まず、図44を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図44は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1301)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1418の電源断処理(図45参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1302)。図35を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図45、S1415参照)、S1418の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1418の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1302:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1418の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1303)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1306の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1303:Yes)、S1304へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1303:No)、S1308へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1303:Yes)、S1304へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1418の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1303:No)、S1308へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1302:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1418の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1304へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1304の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1304)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1305:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1306)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1305:No)、RAM223の異常を報知して(S1307)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1308の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1308)。電源断フラグはS1418の電源断処理の実行時にオンされる(図45、S1417参照)。つまり、電源断フラグは、S1418の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1308の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1418の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1308:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1309)、RAM223の初期値を設定した後(S1310)、割込み許可を設定して(S1313)、メイン処理(S1400)へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1308の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1304からS1306の処理を経由してS1308の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1308:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1309をスキップして、処理をS1310へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S1310)。
なお、S1309のクリア処理をスキップするのは、S1304からS1306の処理を経由してS1308の処理へ至った場合には、S1304の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図45を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S1400)について説明する。図45は、このメイン処理(S1400)を示したフローチャートである。メイン処理(S1400)が実行されると、まず、該メイン処理(S1400)が開始されてから、又は、前回S1401の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S1401)、1ミリ秒以上経過していなければ(S1401:No)、S1402〜S1410の処理を行わずにS1411の処理へ移行する。S1401の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S1402〜S1410が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1411の変動表示処理やS1412のコマンド判定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1414の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1414の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動表示演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1401の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S1401:Yes)、まず、S1403〜S1414の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1402)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1409の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1403)、その後電源投入報知処理を実行する(S1404)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1405の処理へ移行する。
S1405の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1406)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理(S1406)では、詳しくは、後述するが、従並び替え保留記憶エリア223kのデータに基づいて、第3図柄表示装置81の保留図柄表示の表示を更新する処理が実行される。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1407)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、後述する並び替え可能期間(大当たり遊技中と保留の無い状態とを省く期間)に枠ボタン22が押された場合は、保留の成立順で表示されていた保留図柄表示が、変動表示開始順に並び替えられて表示させられる。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S1408)、その後音編集・出力処理を実行する(S1409)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1409の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1410)。この後、S1411の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1408のランプ編集処理が実行される。なお、S1409の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1411の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を実行する(S1411)。このコマンド判定処理の詳細については、図46を参照して後述する。次いで、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示設定処理を実行する(S1412)。この変動表示設定処理の詳細については、図48を参照して後述する。
変動表示設定処理(S1412)の後、変動更新処理が実行される(S1413)。この変動更新処理(S1413)の詳細については、図49を参照して後述する。
変動更新処理(S1413)の後、確変期間報知処理が実行される(S1414)。この確変期間報知処理(S1414主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行う)の詳細については、図50を参照して後述する。
S1414の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1415)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1415の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1415:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1417)、電源断処理を実行する(S1418)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1419)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1415の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1415:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1416)、RAM223が破壊されていなければ(S1416:No)、S1401の処理へ戻り、繰り返しメイン処理(S1400)が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1416:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理(S1400)が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図46を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1411)について説明する。図46は、このコマンド判定処理(S1411)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1411)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S1400)(図45参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。以下、コマンド判定処理(S1411)の詳細を説明する。
コマンド判定処理(図46、S1411)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域223aから、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より特図1変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1501)。ここで、特図1変動パターンコマンドは、第1特別図柄を変動表示させるための変動表示態様を示す特別図柄である。そして、特図1変動パターンコマンドを受信したと判別された場合には(S1501:Yes)、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223b2がオンに設定される(S1502)。受信した特図1変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出する(S1503)。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223zに第1特別図柄の変動パターン種別であることを識別可能に記憶され、後述の変動表示設定処理(図48、S1412)において、表示制御装置114に対して第1特別図柄の変動表示演出の開始とその第1特別図柄の変動パターン種別とを通知する第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。
一方、特図1変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合には(S1501:No)、主制御装置110より特図2変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1504)。ここで、特図2変動パターンコマンドは、第2特別図柄を変動表示させるための変動表示態様を示す特別図柄である。そして、特図2変動パターンコマンドを受信したと判別された場合には(S1504:Yes)、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223c1がオンに設定される(S1505)。受信した特図2変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出する(S1506)。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223zに第2特別図柄の変動パターン種別であることを識別可能に記憶され、後述の変動表示設定処理(図38、S1411)において、表示制御装置114に対して第2特別図柄の変動表示演出の開始とその第2特別図柄の変動パターン種別とを通知する第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。
特図2変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合には(S1504:No)、主制御装置110より第1または第2停止種別コマンドを受信したか判別される(S1507)。第1または第2停止種別コマンドを受信したと判別された場合には(S1507:Yes)、第1停止種別コマンドを受信した場合には、第1停止種別選択フラグがオンに設定される。第2停止種別コマンドを受信した場合には、第2停止種別選択フラグがオンに設定される。(S1508)。受信した第1停止種別コマンドまたは第2停止種別コマンドから停止種別(15R確変大当たり、15R通常大当たり、2R確変大当たりのいずれか)が抽出される(S1509)。抽出した停止種別は、音声ランプ制御装置113にMPU221のRAM223のその他メモリエリア223zに記憶される。なお、第1停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第1特別図柄の停止種別であることを識別可能に、第2停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第2特別図柄の停止種別であることを識別可能にそれぞれ記憶される。
一方、第1または第2停止種別コマンドを受信していないと判別された場合には(S1507:No)、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか判別される(S1510)。保留球数コマンドを受信したと判別された場合には(S1510:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eまたは第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(即ち、主制御装置110に保留された第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示演出の保留球数)が抽出され、第1特別図柄の保留球数は、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1に格納され、第2特別図柄の保留球数は、第2特別図柄保留球数カウンタ223d1に格納される(S1511)。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1始動口64または第2始動口640に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S1508の処理によって、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1と第2特別図柄保留球数カウンタ223d1との値を主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eと第2特別図柄保留球カウンタ203fとの値にそれぞれ合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1または第2特別図柄保留球カウンタ223d1の値が、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eまたは第2特別図柄保留球カウンタ203fの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1または第2特別図柄保留球数カウンタ223d1の値を修正し、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eまたは第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値に合わせることができる。
保留球数コマンドを受信していないと判別された場合には(S1510:No)、入賞コマンドを受信したか判別される(S1512)。入賞コマンドを受信したと判別された場合には(S1512:Yes)、受信したコマンドから主制御装置110の並び替え保留記憶エリア203tの各保留エリアの情報が抽出される(S1513)。ここで、抽出される並び替え保留記憶エリア203tにおける各保留エリアの情報は、各保留毎の、当否判定結果、大当たり種別、変動パターン種別、変動表示順序、変動表示開始となるまでの時間である。
一方、入賞コマンドを受信していないと判別された場合には(S1512:No)、特図1変動停止コマンドまたは特図2変動停止コマンドを受信したか判別される(S1515)。特図1変動停止コマンドまたは特図2変動停止コマンドを受信したと判別された場合には(S1515:Yes)、特図1変動停止コマンドを受信した場合には、従特図1変動停止フラグ223c2がオンに設定され、特図2変動停止コマンドを受信した場合には、従特図2変動停止フラグ223d2がオンに設定される(S1516)。
一方、特図1変動停止コマンドまたは特図2変動停止コマンドを受信していないと判別された場合には(S1515:No)、状態コマンドを受信しているか判別される(S1517)。状態コマンドを受信していると判別された場合には(S1517:Yes)、従状態設定エリア223hに、受信したコマンドに対応した状態を設定する(S1518)。
一方、状態コマンドを受信していないと判別された場合には(S1517:No)、その他のコマンドに応じた処理が実行される(S1519)。
次に、図47を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留個数表示更新処理(S1406)について説明する。図47は、この保留個数表示更新処理(S1406)を示したフローチャートである。この保留個数表示更新処理(S1406)は、従並び替え保留記憶エリア223kの各保留エリアのデータに基づいて、第3図柄表示装置81で表示される保留図柄表示の更新を行うための処理である。
保留個数表示更新処理(図47、S1406)では、まず、従並び替え保留記憶エリア223kの各保留エリアの変動開始時間記憶エリア223k5の変動表示開始時間が更新される(S1601)。変動開始時間記憶エリア223k5に記憶された各時間データからこの処理の実行周期(本実施形態では、1ms)が減算される。また、変動表示開始時間の更新はこれに限らず、RTC等を設けることにより行ってもよいし、他の方法であっても当然よい。
従並び替え保留記憶エリア223kの並び替えフラグ223k7がオンになっている保留エリアに対応する保留図柄表示は、変動表示開始順序で、並び替えフラグ223k7がオフになっている保留エリアに対応する保留図柄表示は、保留の成立順序で保留図柄表示を表示させる表示用保留表示コマンドを生成する(S1602)。
ここで、並び替えフラグ223k7は、後述する、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する保留並び替え処理(図40、S1413)において、並び替え可能期間に枠ボタン22が操作(本実施形態では、押下)された場合に、保留データが記憶されているすべての保留エリアにおいて、オンに設定される。これにより、表示されている保留図柄表示は、すべて保留の成立順序から、保留の変動表示開始順序に基づいて並び替えて表示される。一方、並び替えフラグ223k7がオンに設定された後に、新たに記憶された保留に関しては、並び替えフラグ223k7がオフであるので、並び替えられずに成立した順序、即ち、第3図柄表示装置81に表示されている保留図柄表示の最後尾に表示される。
よって、遊技者が保留図柄表示の並び替えをさせようと思い、枠ボタン22を操作すると、そのときに表示されている保留図柄表示については、変動表示開始順序で並び替えが実行されて、その後も、並び替えられた保留図柄表示は、変動表示開始順序での表示が維持される一方、新たに記憶される(発生する)保留に対応する保留図柄表示については、成立順序で、先に表示されている保留図柄表示に割り込んで表示されることなく、最後尾で表示されるので、遊技者は、現在の表示が、どの順序で表示されているものなのかを混同する不具合を抑制することができる。
また、このように、枠ボタン22が操作された時に表示されている保留図柄表示のみを並び替えるようにすることで、遊技者が知りたい時だけ、変動表示開始順序を知らせることができる。
また、通常、15R確変大当たりまたは15R通常大当たりとなる場合には、比較的、長い変動パターンが選択される。そのため、大当たりとなる保留と同じ始動口64,630で成立した保留については、変動表示開始時間が遅くなる。よって、大当たりとなる保留と異なる始動口64,640で発生した成立順序の遅い保留の方が、変動表示開始時間が早くなる場合が発生する。このような場合には、保留図柄の並び替えが行われると、成立順序の遅い保留図柄が、それよりも成立順序の早い保留図柄よりも前(保留図柄表示エリアDs1側)に割り込んで表示される。従って、遊技者は、枠ボタン22を操作して、保留図柄表示の並び替えをさせた場合に、成立順序の遅い保留図柄が成立順序の早い保留図柄よりも前に割り込んで表示されると、その割り込んで表示された保留図柄よりも前に表示されている保留図柄のうち、その割り込んで表示された保留図柄とは異なる始動口64,640への入賞で発生した保留について、大当たりではないかと期待を持つことができる。
よって、遊技者は、枠ボタン22を操作する時に、保留図柄表示の中に、大当たりとなる保留があるかもしれないと思い、並び順序が変わることを期待して枠ボタンを操作することができ、大当たりへの期待感をもって枠ボタン22を操作することができる。
次に、図48を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1412)について説明する。図48は、この変動表示設定処理(S1412)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(図48、S1412)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S1400)(図45参照)の一処理である。上述したように、変動表示設定処理(図48、S1412)は、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した第1または特図2変動パターンコマンドに基づいて、第1特別図柄または第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信する処理を実行する。また、抽出した停止種別(15R確変大当たり、14R通常大当たり)に基づいて、その停止種別を表示制御装置114に通知するための表示用第1または第2停止種別コマンドを設定する処理を実行する。
変動表示設定処理(図48、S1412)では、まず、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223b2がオンに設定されているか判別される(S1611)。そして、特図1変動開始フラグ223b2がオフであると判別された場合には(S1611:No)、主制御装置110より特図1変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1616の処理を実行する。一方、特図1変動開始フラグ223b2がオンであると判別された場合には(S1611:Yes)、特図1変動開始フラグ223b2をオフに設定する(S1612)。
次いで、S1613の処理では、コマンド判定処理(図46、S1411)のS1503の処理において特図1変動パターンコマンドより抽出された第1特別図柄の変動表示演出における変動パターンを、RAM223のその他メモリエリア223zより取得して、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドが生成される(S1613)。なお、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、第1特別図柄に対応する表示用変動パターンコマンドであるか第2特別図柄の変動パターンコマンドであるかを識別可能に構成されている。具体的には、2バイト構成の表示用変動パターンコマンドの上位バイトの上位2ビットが「10」であれば、第1特別図柄に対応することを示し、「01」であれば第2特別図柄に対応することを示すように構成されている。
S1613の処理で設定された第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理(図45、S1400)のコマンド出力処理(S1402)により表示用制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される第1特別図柄の変動パターンで第3図柄表示装置81に対応する特別図柄の変動表示が行われるように、その変動表示演出の表示制御を開始する。
ここで、表示制御装置114では、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81の左側表示領域Dm1に、受信した表示用変動パターンコマンドが示す変動表示態様で、第1特別図柄(第3図柄)を変動表示(動的表示)する。
第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、その設定された表示用変動パターンコマンドに対応する特別図柄の保留球が消費される(即ち、第1特別図柄の保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、第1特別図柄保留球数カウンタ223b1の値を1減らし、従並び替え保留記憶エリア223kに記憶されている保留データが1つ前の保留エリアにシフトされる(S1614)。より具体的には、保留エリア1→変動表示中データの第1特別図柄または第2特別図柄、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3、保留エリア5→保留エリア4、保留エリア6→保留エリア5、保留エリア7→保留エリア6、保留エリア8→保留エリア7、といった具合に各エリア内のデータをシフトする。その後、従特図1変動時間カウンタ223eにカウンタ値を設定する(S1615)。
S1615の処理が終わると、次に、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223c1がオンに設定されているか判別される(S1616)。そして、特図2変動開始フラグ223c1がオンではない(即ち、オフである)と判別された場合には(S1616:No)、主制御装置110より特図2変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1621の処理を実行する。一方、特図2変動開始フラグ223c1がオンであると判別された場合には(S1616:Yes)、特図2変動開始フラグ223c1をオフに設定する(S1617)。次に、コマンド判定処理(図46、S1411)のS1506の処理において、特図2変動パターンコマンドより抽出された第2特別図柄の変動表示演出における変動パターンを、RAM223のその他メモリエリア223zより取得して、第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドが生成される(S1618)。
S1618の処理で設定された第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理(図45、S1400)のコマンド出力処理(S1402)により表示用制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される第2特別図柄の変動パターンで第3図柄表示装置81に対応する特別図柄の変動表示が行われるように、その変動表示演出の表示制御を開始する。
ここで、表示制御装置114では、第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81の右側表示領域Dm3に、受信した表示用変動パターンコマンドが示す変動表示態様で、第2特別図柄(第3図柄)を変動表示(動的表示)する。 第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、その設定された表示用変動パターンコマンドに対応する特別図柄の保留球が消費される(即ち、第2特別図柄の保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、第2特別図柄保留球数カウンタ223d1の値を1減らし、従並び替え保留記憶エリア223kに記憶されている保留データが1つ前の保留エリアにシフトされる(S1619)。より具体的には、保留エリア1→変動表示中データの第1特別図柄または第2特別図柄、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3、保留エリア5→保留エリア4、保留エリア6→保留エリア5、保留エリア7→保留エリア6、保留エリア8→保留エリア7、といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
その後、従特図2変動時間カウンタ223fにカウンタ値を設定し(S1620)、S1621の処理へ移行する。
特図1停止種別選択フラグ(図示せず)または第2停止種別選択フラグ(図示せず)がオンに設定されているか判別される(S1621)。特図1停止種別選択フラグ(図示せず)及び第2停止種別選択フラグ(図示せず)がオンに設定されていない(即ち、オフである)と判別された場合には(S1621:No)、この処理を終了する。
一方、特図1停止種別選択フラグ(図示せず)または第2停止種別選択フラグ(図示せず)がオンであると判別された場合には(S1621:Yes)、特図1停止種別選択フラグ(図示せず)がオンであった場合には、特図1停止種別選択フラグ(図示せず)がオフに設定され、第2停止種別選択フラグ(図示せず)がオンであった場合には、第2停止種別選択フラグ(図示せず)がオフに設定される(S1622)。
次に、コマンド判定処理(図46、S1411)のS1509の処理において、受信した第1停止種別コマンドまたは第2停止種別コマンドより抽出された停止種別が設定される(S1623)。設定されている停止種別が第1特別図柄の停止種別である場合には、その停止種別に基づいて、表示制御装置114に停止種別(15R確変大当たり、14R通常大当たりのいずれかであるか)を通知するための表示用第1停止種別コマンドが生成される。また、設定されている停止種別が第2特別図柄の停止種別である場合には、その停止種別に基づいて、表示制御装置114に停止種別(15R確変大当たり、14R通常大当たりのいずれかであるか)を通知するための表示用第2停止種別コマンドが生成される(S1624)。なお、主制御装置110から通知される第1または第2停止種別コマンドは、大当たりとなった場合に、その大当たり種別を通知するものであり、判定結果が外れの場合であっても通知される。判定結果が外れである場合には、その停止種別は参照されることなく、外れ図柄が設定されるものである。
このように構成されることで、音声ランプ制御装置113は、第1特別図柄と第2特別図柄との両方を同時に変動表示させるように、表示制御装置114を制御することができる。
また、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターンが設定されることに基づいて、従並び替え保留記憶エリア223kのデータもシフトすることで、主制御装置110からシフトするための専用のコマンドを送信する制御をする必要がなく、主制御装置110の制御負荷を軽減させることができる。
次に、図49を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動更新処理(S1413)について説明する。図49は、この変動更新処理(S1413)を示したフローチャートである。この変動更新処理(図49、S1413)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S1400)(図45参照)の一処理である。上述したように、変動更新処理(図49、S1413)は、第3図柄表示装置81において変動表示中の第1特別図柄または第2特別図柄の一方が、大当たりとなり、他方の変動表示をその大当たり遊技の間、仮停止させるための処理を実行する。
変動更新処理(図49、S1413)では、まず、従特図1変動停止フラグ223c2はオンに設定されているか判別される(S1701)。従特図1変動停止フラグ223c2がオンに設定されていると判別された場合には(S1701:Yes)、表示用特図1仮変動コマンドが設定される(S1702)。表示用特図1仮変動コマンドは、第3図柄表示装置81で変動表示中の第1特別図柄を、仮に変動表示停止させるように表示制御装置114を制御するためのコマンドである。表示制御装置114は、この表示用第1仮停止コマンドを設定すると、第1特別図柄の変動表示を停止させた後に、第1特別図柄(左中右の主図柄)を少し揺らして表示させることで、仮に変動表示停止していることを遊技者に報知する。また、第3図柄表示装置81の左側表示領域Dm1に、「第1特別図柄は仮停止中です」という文字を表示させることで、さらに遊技者に判り易く、仮に変動表示停止していることを報知する構成となっている。
このように、遊技者は、変動表示中であった特別図柄が、大当たりが発生した為に、仮停止したと認識でき、変動表示中であった抽選が消滅してしまったり、無効になってしまったと不安になるのを防止して、安心して遊技を行うことができる。
また、仮停止の表示態様は、本実施形態の構成に限るものではなく、左側表示領域Dmから第1特別図柄を消し、文字のみで仮停止中であることを報知する構成であっても良いし、その他の構成であっても当然よい。
表示用第1仮停止コマンドが設定されると、従第1変動時間記憶エリア223iで計測されている第1特別図柄の変動時間の計測が中断(一時停止)される。
このように構成することで、第1特別図柄の変動時間を正確に管理することができ、変動表示を再開させる場合にも、正確に残り変動時間で変動表示させることができる。
一方、従特図1変動停止フラグ223c2がオンに設定されていない(即ち、オフである)と判別された場合には(S1701:No)、従特図1変動時間カウンタ223eの値が0より大きいか否かが判別される(S1703)。従特図1変動時間カウンタ223eの値が0であると判別された場合には(S1703:No)、そのままS1706の処理へ移行する。従特図1変動時間カウンタ223eの値が0より大きいと判別された場合には(S1703:Yes)、従特図1変動時間カウンタ223eを減算して更新し(S1704)、表示用特図1変動時間コマンドを設定する(S1705)。表示用特図1変動時間コマンドは、表示用第1仮停止コマンドと同様に、第3図柄表示装置81で変動表示中の第1特別図柄を、仮に変動表示停止させるように表示制御装置114を制御するためのコマンドである。第2特別図柄も第1特別図柄と同様に、仮停止の表示態様で仮停止される。
表示用特図1変動時間コマンドが設定されると、従第2変動時間記憶エリア223jで計測されている第2特別図柄の変動時間の計測が中断(一時停止)される。
このように構成することで、第2特別図柄の変動時間を正確に管理することができ、変動表示を再開させる場合にも、正確に残り変動時間で変動表示させることができる。
S1706の処理では、従特図2変動停止フラグ223d2はオンに設定されているか判別される(S1706)。従特図2変動停止フラグ223d2がオンに設定されていると判別された場合には(S1706:Yes)、表示用特図2仮変動コマンドが設定され(S1707)、その後、本処理を終了する。
一方、従特図2変動停止フラグ223d2がオンに設定されていない(即ち、オフである)と判別された場合には(S1706:No)、従特図2変動時間カウンタ223fの値が0より大きいか否かが判別される(S1708)。従特図2変動時間カウンタ223fの値が0であると判別された場合には(S1708:No)、そのまま本処理を終了する。従特図2変動時間カウンタ223fの値が0より大きいと判別された場合には(S1708:Yes)、従特図2変動時間カウンタ223fを減算して更新し(S1709)、表示用特図2変動時間コマンドを設定し(S1710)、本処理を終了する。
なお、本実施形態では、音声ランプ制御装置113において、残りの変動時間に合わせて変動パターンを選択する構成とした。これに限らず、主制御装置110が、仮停止していた変動表時を再開させる場合に、残りの変動時間により、同じ変動時間の変動パターンや、残りの変動時間よりも少し短い変動時間の変動パターンを選択するように構成してもよい。少し短い変動時間の変動パターンが選択された場合には、音声ランプ制御装置113において、残りの変動時間と少し短い変動時間の変動パターンの差分を遅延させて変動表時させるように制御することで、残りの変動時間に合わせた第1特別図柄または第2特別図柄の変動表時を行うことができる。
次に、図50を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される確変期間報知処理(S1414)について説明する。図50は、この確変期間報知処理処理(S1414)を示したフローチャートである。この確変期間報知処理(図50、S1414)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S1400)(図45参照)の一処理である。
確変期間報知処理(図50、S1414)では、まず、遊技状態が確変状態であるか判別される(S1801)。
遊技状態が確変状態ではないと判別された場合には(S1801:No)、そのまま本処理を終了する。S1801の処理において、遊技状態が確変状態であると判別された場合には(S1801:Yes)、次に、従並び替え保留記憶エリア223kに特図1の大当たりBがあるかを判別する(S1803)。従並び替え保留記憶エリア223kに特図1の大当たりBがあると判別された場合は(S1803:Yes)、記憶されている特図1の大当たりBが開始されるまでの時間を確変上限値記憶エリア223iに設定し(S1804)、S1806の処理へ移行する。
一方、S1803の処理において、従並び替え保留記憶エリア223kに特図1の大当たりBがなければ(S1803:No)、記憶されている特図1の合計変動時間を確変上限値記憶エリア223iに設定し(S1805)、S1806の処理へ移行する。
また、本実施形態では、並び替え可能期間を設けたことで、遊技者が、並び替え操作が可能となるタイミングを容易に認識することができ、枠スイッチ22を適切なタイミングで操作することができる。また、並び替え可能期間は、特に設けずに、枠ボタン22が操作された時に、並び替えが可能であれば、並び替え表示を実行するように構成しても当然よい。
S1806の処理では、確変期間記憶エリア223jの値を更新し(S1806)、次いで、確変期間記憶エリア223jの値が0よりも大きいかを判定する(S1807)。S1807の処理において、確変期間記憶エリア223jの値が0であると判定された場合は(S1807:No)、次に、確変上限値記憶エリア223iが0より大きいかを判定する(S1808)。S1808の処理において、確変上限値記憶エリア223iの値が0よりも大きければ(S1808:Yes)、S1811の処理へ移行する。確変上限値記憶エリア223iの値が0であれば(S1808:No)、確変期間記憶エリアに5sを設定し(S1809)、S1813の処理へ移行する。
一方、S1807の処理において、確変期間記憶エリア223jの値が0よりも大きいと判定された場合は(S1807:Yes)、次に、上乗せ契機であるかを判定する(S1810)。S1810の処理において、上乗せ契機でないと判定された場合は(S1810:No)、そのまま本処理を終了する。上乗せ契機であると判定された場合は(S1810:Yes)、演出カウンタ223gの値を取得して、加算時間を選択し(S1811)、確変期間記憶エリア223jの値に選択した加算時間を加算して、確変上限値記憶エリア223iの値を上限値として設定し(S1812)、S813の処理へ移行する。
S1813の処理では、確変期間記憶エリア223jの値に対応した表示用期間コマンドを設定し(S1813)、本処理を終了する。
このように構成することで、遊技者が並び替えを行いたいと思ったときに、第3図柄表示装置81で表示されている保留図柄のみに対して並び替えを行うことができる。
遊技者は、実際の変動表示開始順序を知ることができ、次に注目するべき特別図柄(変動表示開始となる特別図柄)を事前に知ることができる。よって、予め見るべき表示領域を想定しながら遊技を行うことができ、遊技をスムーズに行うことができる。
また、本パチンコ機の構成では、振り分け装置630により、第1始動口64と第2始動口64aとを交互に遊技球が入賞し易く構成されているので、第1特別図柄と第2特別図柄とが均等に遊技が行われ効率良く遊技を行うことができる。
また、本パチンコ機10では、保留図柄の並び替えは、遊技者が枠ボタン22を操作したことに基づいて、実行する構成としてが、それに限らず、新たな保留が記憶される毎に実行するように構成しても当然よい。このように構成することで、遊技者は、常に、変動開始順序で並び替えられた保留図柄により、変動表示開始順序を正確に認識できる。
本実施形態では、並び替え可能期間は、大当たり遊技中や異なる始動口63a,63bで成立した保留の無い状態(第1特別図柄と第2特別図柄との保留がそれぞれ1個以上無い状態)以外の遊技状態として説明したが、これに限らず、大当たり遊技中も並び替え可能期間として設定するようにしてもよいし、反対に、並び替え可能期間を特定の変動表示態様が表示されている期間以外等に設定してもよく、適宜、決定すればよい。
なお、大当たり遊技中を、並び替え可能期間に設定した場合には、変動表示中で仮停止した変動表示の残りの変動時間を考慮して、並び替えを行う必要が有る。具体的には、保留されている第1特別図柄または第2特別図柄の決定されている変動時間(変動表示態様)と仮停止中の残りの変動時間とに基づいて、変動開始時間を算出して、並び替え順序を判断して、その並び替え順序に基づいて並び替えを行う。このように構成することで、大当たり遊技中に、新たな保留表示態様が表示されても、その保留表示態様とその保留表示態様が表示される前に既に表示されていた表示態様とを合わせて、正確な変動開始順序で並び替えを行い、大当たり遊技機中にも、正確な変動開始順序を遊技者に報知することができる。
また、本実施形態では、主制御装置110の並び替え保留記憶エリア203uと音声ランプ制御装置113の従並び替え保留記憶エリア223kとで並び替えを互いにしたデータを記憶するように構成した。それに限らず、主制御装置110は、音声ランプ制御装置113に入賞コマンドにより、並び替えに必要な各種データ(当否判定結果、大当たり種別、変動パターン種別、等)を通知するように構成して、音声ランプ制御装置113のみで、並び替えを行うように構成してもよい。
このように、構成することで、主制御装置110は停電が発生した場合にも、並び替えに必要な各種データをRAM203にバックアップし、電源復帰時に、立ち上げ処理(図32)において、その各種データを音声ランプ制御装置113に出力することで、音声ランプ制御装置113において、その各種データに基づいて並び替えを行うことで、電源断からの復帰を容易に行うことができる。
本実施形態では、変動開始中の第1特別図柄または第2特別図柄の残り変動時間と並び替え保留記憶エリア203uに記憶されたデータの変動パターン種別とにより、保留された第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始時間を算出して、変動開始順序を算出した。それに限らず、遊技球入賞時には、リーチとなる変動態様か否かを決定することにより一定時間よりも長い変動態様か否かの情報(時間情報)を決定しておき、その時間情報と変動中の第1特別図柄または第2特別図柄の残り変動時間とから変動開始順序を大まかに決定して並び替えるものであってもよい。このように構成することで、入賞時には、リーチとなる変動態様であるか否か(長時間変動態様か短時間変動態様か否か)を決定しておき、正確な変動時間(変動態様)は、変動開始時の保留球数等の情報により決定するパチンコ機10であっても、遊技者に大まかな変動開始順序を報知することができる。
よって、遊技者は、正確な変動開始順序では無いかもしれないが、並び替えが行われたということは長時間変動態様(リーチとなる変動態様)が保留されているものの中に含まれており、大当たりへの期待を持って遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、並び替え可能期間は、遊技状態によって判別したが、それに限らず、並び替えができる状態(例えば、保留図柄表示が表示されている状態)であるかを判別して、並び替えが可能であることを報知するように構成してもよい。このように構成することで、並び替えが可能な期間を柔軟に設定することができ、より遊技者に並び替えの機会を与えることができる。
<表示制御装置114により実行される制御処理について>
次に、図51から図62を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図51を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図51は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S3001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図52を参照して、ブート処理(S3001)について説明する。図52は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S3001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S3101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S3102)。これにより、MPU231は、S3101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S3102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S3102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S3103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S3104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図51のS3001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図51のS3002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S3105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S3001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図52に示すブート処理では、S3101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S3101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S3102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S3103〜S3105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S3101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S3101及びS3102の処理を含めて複数回繰り返した後、S3103〜S3105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S3101及びS3102の処理を行わずに、S3103〜S3105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図51の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S3002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S3003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S3003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S3004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S3004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S3005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図60(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図60(a)のS5302参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図54(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)(図示せず)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図53(b)のS4108参照)および簡易表示設定処理(図53(b)のS4109参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1始動口64、または第2始動口640へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されており、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S3005の処理の後、割込許可を設定し(S3006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S3006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図53(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図53(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S4001)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図53(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図53(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リストを作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図53(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S4101)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S4101:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S4102)を実行し、次いで、表示設定処理(S4103)を実行する。
コマンド判定処理(S4102)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図54〜図56を参照して後述する。
表示設定処理(S4103)では、コマンド判定処理(S4102)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図57〜図59を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S4104)。このタスク処理では、表示設定処理(S4103)もしくは簡易表示設定処理(S4109)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S4105)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図60および図61を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S4106)。この描画処理では、タスク処理(S4104)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S4105)により設定された転送指示とから、に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。なお、描画処理の詳細については、図62を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S4107)。そして、V割込処理を終了する。S4107の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S4101の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S4101:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S4108)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S4109)を実行して、S4104の処理へ移行する。
次いで、図54〜図56を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S4102)の詳細について説明する。まず、図54は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図54に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S4201)、未処理の新規コマンドがなければ(S4201:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S4201:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S4103)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S4202)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S4203)。
そして、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(S4204)。そして、表示用変動パターンコマンドがあれば(S4204:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S4205)、S4201の処理へ戻る。
ここで、図55を参照して、変動パターンコマンド処理(S4205)の詳細について説明する。図55は、変動パターンコマンド処理(S4205)を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理(S4205)は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S4301)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S4301の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S4301で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S4302)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S4301の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S4303)。表示設定処理では、S4303の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S4301の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4304)、ポインタ233fを0に初期化する(S4305)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S4306)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S4305の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S4301の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S4302の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S4304の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図54の説明に戻る。S4204の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S4204:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S4206)、表示用停止種別コマンドがあれば(S4206:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S4207)、S4201の処理へ戻る。
ここで、図55を参照して、停止種別コマンド処理(S4207)の詳細について説明する。図55は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理(S4207)では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S4401)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図53(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S4402)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S4402の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S4403)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S4402の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S4104)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S4403によって設定された停止図柄判別フラグからS4402の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S4401の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS4402の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図54に戻り、説明を続ける。S4206の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S4206:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S4208)、背面画像変更コマンドがあれば(S4208:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S4209)、S4201の処理へ戻る。
ここで、図56(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S4209)の詳細について説明する。図56(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S5303)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S4801)。そして、背面画像種別(背面A,B)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S4802)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S4801の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S4802の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S4802によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S4802の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図54の説明に戻る。S4208の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S4208:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S4210)、エラーコマンドがあれば(S4210:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S4211)、S4201の処理へ戻る。
ここで、図56(b)を参照して、エラーコマンド処理(S4211)の詳細について説明する。図56(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S4901)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S4902)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S4901の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S4902の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S4902に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図54の説明に戻る。S4210の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S4210:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S4212)、S4201の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS4201の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S4201:Yes)、再びS4202〜S4212の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S4201〜S4212の処理が繰り返し実行され、S4201の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図53(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S4108)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図55(a)参照)および停止種別コマンド処理(図55(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図55(a)参照)では、S4301の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S4302の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図57〜図59を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S4103)の詳細について説明する。図57は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図57に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S5001)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S5001:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S5002〜S5004の処理をスキップし、S5005の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S5001:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S5002)、S5003〜S5004の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S5003の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S5003)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S5003:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S5004)。
ここで、図58を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図58は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S5101)。
タスク処理(S4104)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S5101の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S5102)、表示設定処理に戻る。
ここで、図57の説明に戻る。警告画像設定処理(S5004)の後、又は、S5003の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S5003:No)、次いで、S5005の処理へ移行する。
S5005では、ポインタ更新処理を実行する(S5005)。ここで、図59を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図59は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S5201)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S5201の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S5202)。その結果、End情報であれば(S5202:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S5203)、デモ用表示データテーブルであれば(S5203:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5204)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S5205)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S5203の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S5203:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S5206)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S5202の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S5202:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図57に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を取得する(S5006)。タスク処理(S4104)では、先に展開された警告画像などと共に、S5006の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S5007)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S5008)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S5008:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S5008:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S5009)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S5009:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S5010)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S5011)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5012)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S5013)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S5014)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S5015)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
なお、S5015の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S4104)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S5015によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S5009の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S5009:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S5016)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S5016:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、確定表示演出の終了から一定時間経過後に、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させるための処理を行う。
まず、デモ表示データテーブルを取得して表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S5017)、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S5018)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5019)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S5020)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S5021)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S5016の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S5016:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図53(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S4109)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図60及び図61を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S4105)の詳細について説明する。まず、図60(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S5301)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S5301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S5302)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図60(b)を参照して後述する。
一方、S5301の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S5301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S5303)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図61を参照して後述する。
次いで、図60(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S4105)の一処理である常駐画像転送設定処理(S5302)について説明する。図60(b)は、この常駐画像転送設定処理(S5302)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S5401)、転送指示を送信していれば(S5401:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S5402)。このS3402の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S5402の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S5402:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S5402:Yes)、S5403の処理へ移行する。また、S5401の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S5401:No)、S5403の処理へ移行する。
S5403の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S5403)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S5403:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S5404)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S5403の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S5403:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S5405)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図53(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図53(b)のS4108参照)および簡易表示設定処理(図53(b)のS4109参照)ではなく、コマンド判定処理(図54〜図56参照)および表示設定処理(図57〜図59参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図61参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図60(a)のS5301:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図61を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S4105)の一処理である通常画像転送設定処理(S5303)について説明する。図61は、この通常画像転送設定処理(S5303)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S4103)のポインタ更新処理(S5005)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S5501)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S5502)、転送データ情報であれば(S5502:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S5503)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S5504)、S5505の処理へ移行する。
また、S5502の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S5502:No)、S5503及びS5504の処理をスキップして、S5505の処理へ移行する。S5505の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S5505)、転送指示を設定していれば(S5505:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S5506)。
このS5506の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S5506の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S5506:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S5506:Yes)、53507の処理へ移行する。また、S5505の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S5505:No)、S5507の処理へ移行する。
S5507の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S5507)、転送開始フラグがオンであれば(S5507:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S5508)、S5503の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S5517の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S5507:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S5513)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S5513:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S5513:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S5514)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S5515)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S5516)、S5517の処理へ移行する。
S5517の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S5517)。このS5517の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S5517の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S5517:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S5517の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S5517:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S5518)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S5518の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S5519)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、ファンファーレ演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図62を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S4106)の詳細について説明する。図62は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S4104)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S4105)により設定された転送指示から、描画リスト(図示せず)を生成する(S5601)。即ち、S5601の処理では、タスク処理(S4104)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S4105)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S5602)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S5602の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S5603)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図53(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明したように、本パチンコ機10では、通常の演出態様で演出が実行される期間(通常演出期間)と、通常の演出態様とは異なる特別な演出態様で演出が実行される期間(特別演出期間)との二種類の期間が存在し、現在どちらの期間であるかが、音声ランプ制御装置114により、計時装置262の時刻情報(計時情報)に基づいて判別される。そして、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信した場合は、判別された演出期間に対応する変動パターン種別が選択され、その選択された変動パターン種別に基づいて、第3図柄表示装置81において変動パターン演出が実行される。
また、音声ランプ制御装置114により、演出期間が異なる演出期間に切り替わったと判別される度に、その切り替わった後の演出期間に対応するコマンドが表示制御装置114へ出力される。そして、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置114により出力されたコマンドに基づいて現在の演出期間を判別し、判別した演出期間に基づいて、ラウンド演出やデモ演出に対応する表示データテーブルを選択する。
これにより、第3図柄表示装置81において実行される変動パターン演出、ラウンド演出、及びデモ演出の演出態様が、経過時間に応じて通常の演出態様で実行されたり、特別な演出態様で実行されたりする。よって、異なる演出態様へと切り替わる度に、遊技者に対して目新しさを感じさせることができるので、遊技が単調になってしまうことを抑制でき、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本パチンコ機10では、音声ランプ制御装置114により演出期間を判別する場合に、計時装置262の時刻情報(計時情報)から時刻を判断し、時間帯に応じて演出期間の種別を切り替えるのではなく、立ち上げ処理の際に取得した時刻情報と経過時間確認処理の中で取得される時刻情報とから経過時間Tを算出し、その経過時間Tに基づいて演出期間の種別を判断している。これにより、複数のパチンコ機10が設置されたホールにおいて、各パチンコ機10の計時装置262の時刻情報が、経年劣化等で互いにずれてしまっていたとしても、その互いにずれた計時情報を演出期間の種別の判断に直接用いるのではなく、経過時間Tという相対的な値に変換して演出期間の種別の判断に用いることができるので、ずれの影響を少なくすることができる。
よって、複数のパチンコ機10において、経過時間Tに基づいて通常演出期間から特別演出期間へ切り替えさせるタイミング及び経過時間Tに基づいて特別演出期間から通常演出期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができる。従って、各パチンコ機10の演出期間を揃えることができるので、一部のパチンコ機10は通常演出期間となり、その他のパチンコ機10は特別演出期間となることで、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機10では、電断状態とされる場合に、電源投入に基づく立ち上げ処理の際に取得した時刻情報を、計時装置262の投入時刻格納エリア352bへ格納され、計時装置262は電断状態中も計時装置用電源263より電源が供給され続けるので、電断状態中も投入時刻格納エリア352bへ格納された時刻情報が保持される。そして、RAM消去スイッチ122がオンされた状態でパチンコ機10の電源が投入された場合には、その電源投入時点で計時装置262が計時する時刻情報ではなく、投入時刻格納エリア格納エリア352bへ格納されていた時刻情報が、RAM223の時刻情報格納エリア223fに格納され、経過時間Tを判別するために用いられる。
これにより、例えばパチンコ機10の故障により基板交換が必要になったり、立ち入り検査が行われる等の理由により、ホールに設置されている複数のパチンコ機10のうち、一のパチンコ機10を電断状態とする必要が生じた場合であっても、RAM消去スイッチ122をオンとした状態で電源を再度投入するだけで、前回RAM消去スイッチ122をオフした状態で電源を投入した際に時刻取得処理によりRAM223の時刻情報格納エリア223fへ格納され、電断状態とする際に計時装置262の投入時刻格納エリア352bへ記憶された時刻情報を、再度RAM223の時刻情報格納エリア223fへ格納させることができる。
よって、ホールの複数のパチンコ機10に対して、RAM消去スイッチ122をオフした状態で一斉に電源を投入しておけば、その後に一のパチンコ機10が電断状態とされた場合であっても、そのパチンコ機10へ電源を再投入する際にRAM消去スイッチ122をオンしておくだけで、一斉に電源を投入した際の時刻情報に基づいて経過時間Tを判別することができる。従って、他の遊技機と同じ経過時間Tに基づいて通常演出期間から特別演出期間へ切り替えさせるタイミング及び特別演出期間から通常演出期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができるので、電断状態とされたパチンコ機10のみ演出態様を切り替えられるタイミングがずれてしまうことを抑制でき、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
次に、図63〜図68を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上記した第1実施形態では、遊技状態により特別図柄の変動パターンを取得する変動パターン選択テーブル202dの種別を切り替えるようにする構成について説明した。
これに対して、本第2実施形態では、第1実施形態の構成に加え、大当たりとは異なる小当たりに当選したことを契機に変動パターンテーブル202dの種別を特別図柄が所定回数変動表示されるまでの間、特定の変動パターンテーブルに切り替えるように構成した点で第1実施形態と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
<第2実施形態における電気的構成について>
第2実施形態における電気的構成は、第1実施形態における電気的構成に対して、主制御装置110のMPU201のROM202の内容が変更されている。具体的には、小当たり乱数テーブル202e(図63(a)参照)、小当たり選択テーブル202f(図63(b)参照)が追加され、変動パターン選択テーブル202dの内容が変更されている。その他の構成については、同一の構成であるのでその詳細な説明は省略する。
図63(a)を参照して、第2実施形態における主制御装置110のMPU201のROM202に記憶されている小当たり乱数テーブル202eについて説明する。図63(a)は、この小当たり乱数テーブル202eの内容を模式的に示した模式図である。本実施形態では、第1特別図柄に対して大当たり判定をする場合に、取得している特別当たり乱数カウンタC1の値と大当たりの判定値と一致するか判定され、一致しないと小当たり乱数テーブル202e(図63(a)参照)で設定されている判定値と一致しているかが判別される。
小当たり乱数テーブル202eでは、図63(a)に示すように、通常遊技状態と確変遊技状態との別で、それぞれ小当たりの判定値の数が異なって割り付けされている。通常遊技状態では、判定値は設定されていない。これにより、通常遊技状態では、小当たりの判定値が設定されておらず、通常遊技状態で小当たりに当選(決定)されることがないように構成されている。また、確変遊技状態では、特別当たり乱数カウンタC1の値に対して「100〜129」の値が小当たりの判定値として設定されている。即ち、確変遊技状態において、取得している特別当たり乱数カウンタC1の値が「100〜129」のいずれかであると小当たりであると判別される。なお、この小当たりの判定値は、大当たりと判定される判定値(本実施形態では「0〜9」)とは異なる値で設定されている。よって、外れ(大当たりでない)と判定された場合に、小当たりであるかが判別されることとなり、外れの中にも付加価値の差を付けることができる。
なお、後述するが、小当たりと判定された場合には、第1可変入賞装置65が短時間(1秒間)開放動作する2R(ラウンド)の小当たりが実行される。小当たりは、大当たり(大当たりA〜C)と比較して遊技者が得ることができる遊技球(賞球)の数が少なく構成されている(ラウンド数が少なく、開放時間も短い為)。また、小当たり遊技後も遊技状態の変更は実行されない。一方、小当たり遊技後には、比較的に長い変動時間が選択され易い変動パターン選択テーブル202dが設定され易いので、第1特別図柄の長い変動時間が選択され易くなる。
ここで、確変遊技状態においては、第1特別図柄の抽選は遊技者にとって、第2特別図柄の抽選と比較して不利(大当たりBが決定されて確変遊技状態の継続が終了してしまう)に設定されているので、遊技者にとっては、第1特別図柄での抽選回数(変動回数)をなるべく少なくしたいと期待する構成である。よって、本実施形態の構成のように、小当たりに当選することで、その後の第1特別図柄の変動時間が長いものが選択され易くすることで、遊技者に有利な状態を付与することができる。従って、遊技者は、得られる賞球が少ない小当たりであっても有利に感じることができる。その結果、大当たり以外にも小当たりを期待することができ、遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
次に、図63(b)を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のRAM202に記憶されている小当たり選択テーブル202fについて説明する。図63(b)は、この小当たり選択テーブル202fの内容を模式的に示した模式図である。小当たり選択テーブル202fでは、小当たりに当選した場合に、後述する取得した移行カウンタ(図示なし)の値に基づいて移行する変動パターン選択テーブル202dの種別を決定するためのデータテーブルである。
具体的には、本実施形態では、小当たりは、確変遊技状態において第1特別図柄の抽選にのみ決定されるように構成されている。この小当たりに当選すると、当否判定結果が外れであった場合に選択される変動パターンを選択するための変動パターン選択テーブル202dの種別が外れ(確変)特図1変動パターン選択テーブル202dが選択される状態(以後、通常テーブル選択時と称す)であると、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜3(図64(a)〜(c)参照)のいずれかが移行カウンタの値に基づいて決定される。
小当たり選択テーブル202fでは、通常テーブル選択時では、移行カウンタが「0〜100」に対して外れ(確変)変動移行テーブル1が、「101〜150」に対して外れ(確変)変動移行テーブル2が、「151〜198」に対して外れ(確変)変動移行テーブル3がそれぞれ設定されている。また、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜3にはそれぞれ移行回数が設定されている。移行回数とは、そのテーブルが設定されてから外れ(確変)特図1通常変動パターン選択テーブル202d(図63(c)参照)に自動的に切り替えられるまでの第1特別図柄の変動回数である。
例えば、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1(図64(a)参照)では、小当たり選択テーブル202f(図63(b)参照)に示すように、移行回数として10回が設定されているので、そのテーブルが設定されてから第1特別図柄が10回変動するまでの間は、当否判定結果が外れであれば、この外れ(確変)特図1変動移行テーブル1(図64(a)参照)より変動パターンが選択される。第1特別図柄が10回変動すると、外れ(確変)特図1通常変動パターン選択テーブル202d(図63(c)参照)が設定され当否判定結果が外れであれば、この外れ(確変)特図1通常変動パターン選択テーブル202d(図63(c)参照)より変動パターンが選択される。
詳細には、後述するが、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜3では、外れ(確変)通常変動パターン選択テーブル202d(図63(c)参照)よりも変動時間の長い変動パターンが選択され易く構成されている。ここで、本実施形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄でより多く抽選された方、即ち、第1特別図柄での抽選回数を少なくした方が遊技者にとって有利となるように構成されているので、第1特別図柄の変動時間が長く設定される第1特別図柄での抽選回数が単位時間あたりで少なくすることができるので、遊技者にとって有利な状態とすることができる。よって、小当たりに当選した外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜3が設定されることで遊技者に有利な状態を遊技者に付与することができる。また、移行回数が多い方が変動時間の長い変動パターンが選択される回数を多くすることができるので、第1特別図柄の変動回数をさらに少なくすることができ、遊技者に有利な状態を設定することができる。
外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜3のいずれかが選択されている状態で、小当たりに当選すると、小当たり選択テーブル202f(図63(b)参照)に示すように、移行カウンタの値が「0〜10」のいずれかであれば、外れ(確変)特図1変動移行テーブル4が設定される。外れ(確変)特図1変動移行テーブル4には移行回数として100が設定されている。また、後述するが、この外れ(確変)特図1変動移行テーブル4(図65参照)では、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜3よりも変動時間の長い変動パターンが選択され易く構成されている。よって、外れ(確変)特図1変動移行テーブル4が設定されることは、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜3が設定されるよりも遊技者にとって有利な状態とすることができる。
また、外れ(確変)特図1変動移行テーブル4の移行回数は100回となっており、長期間に跨って、この外れ(確変)特図1変動移行テーブル4が設定されることとなる。また、本実施形態では、第2特別図柄で大当たりが抽選された場合には、必ず大当たりCが決定されるように構成されているので、大当たり遊技が実行された後にも引き続き確変遊技状態が設定されることが可能となっている。確変遊技状態が継続して設定されている場合には、移行回数で設定された回数まで第1特別図柄が変動表示するまで外れ(確変)特図1変動移行テーブル4が設定され続けるので、遊技者に有利な状態を引き続いて設定することができる。
次に、図63(c)を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のMPU201のROM202の変動パターン選択テーブル202dの一つである外れ(確変)特図1通常変動パターンテーブル202dについて説明する。図63(c)は、この外れ(確変)特図1通常変動パターンテーブル202dの内容を模式的に示した模式図である。外れ(確変)特図1通常変動パターンテーブル202dは、遊技状態が確変遊技状態であり、当否判定結果が外れであり、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜4のいずれかが設定されていない場合に、第1特別図柄の変動パターンが選択されるテーブルである。
この外れ(確変)特図1通常変動パターン選択テーブル202d(図63(c)参照)では、変動時間が30秒で構成されたど外れの変動パターンと、変動時間が60秒で構成されたノーマルリーチの変動パターンと、変動時間が90秒で構成されたスーパーリーチの変動パターンがそれぞれ設定されている。
また、各変動パターンには、変動種別カウンタCS1の値がそれぞれ割り付けされて設定されており、変動開始時に取得している変動種別カウンタCS1の値に基づいて1の変動パターンの種別が決定される。
この外れ(確変)特図1通常変動パターン選択テーブル202dでは、101/199の確率でど外れの変動パターンが決定されるように構成されている。なお、確変遊技状態時に選択されるど外れの変動パターンの変動時間は30秒となっており、通常遊技状態において決定されるど外れの変動パターンの変動時間である5秒(図11(a)参照)よりも長い変動時間となっている。よって、確変遊技状態では、通常遊技状態と比較して長い変動時間の変動パターンが第1特別図柄では選択され易く構成されているので、遊技者に有利になるように設定されている。また、ど外れの変動パターンよりも選択される確率は低く設定されているが変動時間の更に長い変動パターンであるノーマルリーチの変動パターンとスーパーリーチの変動パターンとが設定されている。これにより、より長い変動時間の変動パターンが決定されることで、遊技者に有利な状態を付与(本実施形態では、確変遊技状態を長い期間遊技者付与)することができる。
次に、図64(a)を参照して、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1について説明する。図64(a)は、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1の内容を模式的に示した模式図である。この外れ(確変)特図1変動移行テーブル1は、確変遊技状態において、外れ(確変)特図1通常変動パターン選択テーブル202d(図63(c)参照)が設定されており、小当たりに当選した場合に、移行カウンタ(図示せず)の値が「0〜100」の値のいずれかであれば選択されるテーブルである。この外れ(確変)特図1変動移行テーブル1には10回の移行回数が設定されており、第1特別図柄が10回変動するまでまたは、遊技状態の変更が実行されるまで継続して設定されるように構成されている。
外れ(確変)特図1変動移行テーブル1では、図64(a)に示すように、30秒の変動時間で構成されたど外れの変動パターンと、60秒の変動時間で構成されたノーマルリーチの変動パターンと、90秒の変動時間で構成されたスーパーリーチの変動パターンと、180秒の変動時間で構成されたロングリーチ1の変動パターンと、600秒の変動時間で構成されたロングリーチ2の変動パターンとがそれぞれ設定されている。
この外れ(確変)特図1変動移行テーブル1(図64(a)参照)では、外れ(確変)特図1通常変動パターンテーブル202d(図63(c)参照)には設定されていなかったロングリーチ1とロングリーチ2の変動パターンが設定されている。このロングリーチ1とロングリーチ2は、変動時間が180秒と600秒と長く設定されている。よって、この変動時間の間は、第1特別図柄では新たな変動が開始されないので、その期間では第2特別図柄で抽選されることで確変遊技状態が継続することとなる。即ち、本実施形態では、確変遊技状態においては、第1特別図柄の外れの変動時間が、確変遊技の継続が確定した期間として置き換えて考えることができる。
ここで、確変遊技状態において、第2特別図柄の変動時間は、第1実施形態によって説明したように、当否判定結果が外れであれば、外れ(確変)特図2変動パターン選択テーブル202d(図13(b)参照)より変動パターンが選択され、当否判定結果が大当たりであれば当たり(確変)特図2変動パターン選択テーブル202d(図13(c)参照)より変動パターンが選択される。外れ(確変)特図2変動パターン選択テーブル202d(図13(b)参照)では、151/199の確率で0.5秒の変動時間で構成されたど外れの変動パターンが選択されるように構成されており、ど外れの変動パターンが極端に選択されやすく構成されている。また、最も変動時間の長いスーパーリーチの変動パターンであっても20秒の変動時間であり、選択される確率も8/199と他の変動パターンと比較して選択され難く構成されている。よって、確変遊技状態において第2特別図柄の当否判定結果が外れであれば、短い変動時間の変動パターンが選択され易いので、第1特別図柄が1回変動するまでの間により多くの抽選を第2特別図柄で実行することができる。
さらには、第1特別図柄の保留に、大当たりBとなる保留記憶が記憶され、その抽選結果が表示されるまでの期間(実際には、その変動表示が開始されるまでの期間)が高確率状態で第2特別図柄の当否抽選が実行される期間(実際の確変遊技状態が継続する期間)として置き換えることができる。
よって、本実施形態では、確変遊技状態があたかも有限の時間で設定されているかのような演出を図5(a)に示すように行っている。この演出は、確変遊技状態で実行される第1特別図柄の当否判定結果が外れの変動時間(第1特別図柄の大当たりBとなる変動が開始されるまでの時間)を判別して、その時間の範囲内で確変の残り時間として遊技者に報知する演出として行われる。遊技者は、この演出により、確変遊技状態が残っている間に、なるべく多く第2特別図柄で大当たりさせて、できるだけ多くの大当たり遊技を実行させることを期待して遊技を行うことができる。
また、新たに記憶される第1特別図柄の保留記憶の内容を判別して、確変遊技状態の残り期間を判別して、その範囲内で確変遊技状態の残り期間が延長する演出(図5(b)参照)を実行することで、遊技者にとって安堵感を与えることができる。よって、遊技者は、確変遊技状態の残り期間が延長することを期待して遊技を行うことができる。従って、大当たり以外にも期待して遊技を行うことができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
なお、本実施形態においては、確変遊技状態では、第1特別図柄を示す図柄は、第3図柄表示装置81の第2表示領域Dnで「○」、「×」の2種類からなる図柄列が並列して2列で表示される。ど外れの変動パターンも、リーチとなる変動パターンであっても、高速で「○」、「×」が繰り返して交互に表示されて、変動時間が経過すると当否判定結果を示す表示態様(大当たりであれば、「○」が揃い、外れであれば、「×」が揃うか、「○」と「×」の組み合わせ)で表示される。
よって、遊技者は、確変遊技状態になると、第3図柄表示装置81の第1表示領域Dmに表示される第2特別図柄を示す図柄を注視して遊技を主に行うことになる。従って、第1特別図柄が長時間、変動表示していても退屈してしまうことを抑制できる。また、第1特別図柄の外れ変動時間が長ければ長いほど遊技者に有利となることが分かっていない遊技者であっても、確変残り期間を報知する演出が表示されるので、遊技を分かり易く行うことができる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄に対応する図柄を第2表示領域Dnに、第2特別図柄に対応する図柄を第1表示領域Dmに表示するように構成したが、それに限らず、第1特別図柄に対応する図柄を第1表示領域Dmに、第2特別図柄に対応する図柄を第2表示領域Dnに表示するように構成してもよい。
さらにまた、第1特別図柄に対応する図柄を第2表示領域Dnに表示して、第2特別図柄に対応する図柄も第2表示領域Dnと同様に目立たない図柄で、小さい表示領域で表示したり、第3図柄表示装置81に表示せずにLED表示で表示するように構成してもよい。このように構成することで、特別図柄の変動表示よりも確変期間の演出表示等に遊技者の注意を向けることができるので、遊技性を複雑に感じさせることを抑制できる。なお、LED表示等で表示する場合には、例えば、複数の花びらをLEDでそれぞれ点灯させて、その点灯の組み合わせで当否判定を報知するように構成してもよい。このように構成することで、LEDが第2特別図柄に対応していることを分かり難くすることができ、第3図柄表示装置81に表示される演出に遊技者を集中させることができる。
次に、図64(b)〜図64(c),図65を参照して、外れ(確変)特図1変動移行テーブル2〜4について説明する。図64(b)は、外れ(確変)特図1変動移行テーブル2の内容を模式的に示した模式図である。この外れ(確変)特図1変動移行テーブル2では、上記した外れ(確変)特図1変動移行テーブル1に対して、ど外れの選択される確率が低くされ、一方、スーパーリーチ、ロングリーチ1、ロングリーチ2の選択される確率が高くなるようにされている点で相違する。また、移行回数も20回が設定されており、2倍に設定されている(図63(b)参照)。即ち、外れ(確変)特図1変動移行テーブル2(図64(a)参照)は、外れ(確変)特図1変動移行テーブル2(図64(b)参照)よりも、長い変動時間で構成された変動パターンが選択され易いことから、確変遊技状態が長く継続され易くなるので、遊技者に有利に設定されている。よって、小当たり選択テーブル202f(図63(b)参照)より選択されるテーブルにより遊技者に有利となる価値の大きさを変えることができ、遊技者にどのテーブルが選択されたかを予測したり、より良いテーブルが選択されることを期待させることができる。
図64(c)は、外れ(確変)特図1変動移行テーブル3の内容を模式的に示した模式図である。この外れ(確変)特図1変動移行テーブル3は、外れ(確変)特図1変動移行テーブル2(図64(b)参照)よりも、ど外れ、ノーマルリーチが選択される確率が低く設定されており、一方、スーパーリーチ、ロングリーチ1、ロングリーチ2は選択される確率が高く設定されている。さらに、移行回数も30回と外れ(確変)特図1変動移行テーブル2よりも多く設定されている。即ち、外れ(確変)特図1変動移行テーブル3は、外れ(確変)特図1変動移行テーブル2よりも確変期間が長く設定され易く構成されており、遊技者に有利なテーブルとして設定されている。
図65は、外れ(確変)特図1変動移行テーブル4の内容を模式的に示した模式図である。この外れ(確変)特図1変動移行テーブル4では、外れ(確変)特図1変動移行テーブル3と比較して、ど外れ、ノーマルリーチの変動パターンが選択される確率が低く設定されており、スーパーリーチ、ロングリーチ2の選択される確率が高く設定され、ロングリーチ1に代わり、ロングリーチ2よりもさらに変動時間の長い1200秒で構成されたロングリーチ3の変動パターンが外れ(確変)特図1変動移行テーブル3のロングリーチ2よりも高い確率で選択されるように設定されている。また、移行回数も100回と外れ(確変)特図1変動移行テーブル3よりも多い回数に設定されている。
よって、外れ(確変)特図1変動移行テーブル4は、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜3の中で、最も変動時間の長い変動パターンが選択され易く構成されており、それにより、確変遊技状態が最も長く継続され易く構成されている。従って、遊技者にとって最も有利なテーブルとして構成されている。
また、この外れ(確変)特図1変動移行テーブル4は、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜3のいずれかが決定されている場合に、小当たりに当選して、さらに移行カウンタの値が0〜10のいずれか、即ち、11/199の確率でしか選択されないように構成されている。よって、遊技者にとっては低い頻度でしか決定されないので、遊技店側の損害が過度に大きくなる不具合を抑制できる。また、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜3が設定されている状態で、遊技者は小当たりに対する期待が大きくなり大当たり以外の当否判定結果を遊技者に期待させることができる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きる不具合を抑制できる。
<第2実施形態における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図66〜図68を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。本第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理は、本第1実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理に対して、タイマ割込処理(図20参照)内の一処理である特別図柄変動処理(図21、S107)内の一処理の第1特別図柄変動開始処理(図22、S203)が第1特別図柄変動開始処理2(図66、S230)に変更されている点で相違している。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その図示と説明は省略する。
図66を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される第1特別図柄変動開始処理2(S230)について説明する。図66は、この第1特別図柄変動開始処理2(S230)の内容を示したフローチャートである。
第1特別図柄変動開始処理2(図66、S230)では、まず、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を取得する(S311)。第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0より大きいか判別される(S312)。第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0より大きいと判別された場合には(S312:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を1減算する(S313)。移行回数カウンタ(図示せず)の値が0より大きい値であるか判別される(S314)。
ここで、移行回数カウンタは、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜4のいずれかが設定された場合に、その各テーブルに設定されている移行回数(図63(b)参照)が設定され、第1特別図柄が変動表示される毎に1ずつ減算されることにより移行回数をカウントするためのカウンタである。なお、この移行回数カウンタは、初期化された状態では、初期値である0が設定される。また、電源断等が発生した場合には、バックアップされてカウント値が一定期間(例えば、1週間)保持される。
移行回数カウンタの値が0であると判別された場合には(S314:No)、S318の処理へ移行する。移行回数カウンタの値が0より大きい値である、即ち、移行回数が設定されていると判別された場合には(S314:Yes)、移行回数カウンタの値を1減算して更新する(S315)。更新した移行回数カウンタの値が0であるか判別される(S316)。移行回数カウンタの値が0であると判別された場合には(S316:Yes)、外れ(確変)特図1通常変動パターン選択テーブル202d(通常テーブル)が設定される(S317)。その後、S318の処理が実行される。一方、S316の処理において移行回数カウンタの値が0より大きい値であると判別された場合には(S316:No)、S318の処理が実行される。
このように、移行回数カウンタの値が0となると、通常テーブルが設定されるので、移行回数により決まった変動パターン選択テーブル202dの種別に切り替えて設定することができる。また、移行回数は、設定されるテーブルにより異なるように設定されているので、遊技者は、異なる変動回数まで異なる変動パターン演出を楽しむことができる。
S318の処理では、第1特別図柄保留球数格納エリア203aの保留エリア1〜保留エリア4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う(S318)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
次に、第1特別図柄大当たり判定処理2が実行される(S319)。第1特別図柄大当たり判定処理2(図67、S319)については、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球実行エリア203cにシフトされた特別当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行する。
次に、第1特別図柄変動パターン選択処理が実行される(S306)。第1特別図柄変動パターン選択処理(図24、S306)は、第1実施形態で既に説明した処理と同一の処理であるので、その詳細な説明を省略する。
次に、図67を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される第1特別図柄大当たり判定処理2(S319)について説明する。図67は、第1特別図柄大当たり判定処理2(S319)の内容を示したフローチャートである。
第1特別図柄大当たり判定処理2(S319)では、まず、第1特別図柄保留球実行エリア203cに記憶されている各カウンタ値を取得する(S421)。遊技状態が確変遊技状態(確変中)であるか否かが判別される(S422)。遊技状態が確変遊技状態であるか否かの判別は、確変フラグ(図示せず)がオンに設定されているか否かにより実行される。確変フラグがオンである(即ち、遊技状態が確変遊技状態(確変中))と判別された場合には(S422:Yes)、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値と一致するか否か判別され、その抽選結果が取得される(S423)。一方、確変フラグがオフである(即ち、遊技状態が低確率遊技状態(確変中でない))と判別された場合には(S422:No)、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202a(図10(b)参照)に基づいて、特別当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値と一致するか否か判別され、その抽選結果が取得される(S424)。
大当たりフラグ203oがオンであるか判別する(S425)。ここで、大当たりフラグ203oがオンに設定されている場合には、第2特別図柄において、大当たりとなる変動が開始されている場合であることを示している。本実施形態では、この大当たりフラグ203oを第1特別図柄と第2特別図柄とで共通して使用することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当たりとなる変動が実行されないように構成している。このように構成することで、短時間に大当たりが連続して発生して、遊技店側の損失が過剰に大きくなる不具合を抑制できる。
S425の処理において、大当たりフラグ203oがオフであると判別された場合には(S425:No)、次に、S423、S424の処理における当否判定結果が大当たりであるかを判別する(S426)。大当たりであれば(S426:Yes)、第1特別図柄に対して大当たりフラグ203oがオンに設定し(S427)、第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定する(S428)。そして、取得した当たり種別カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37に大当たり図柄が設定される(S429)。
一方、S425の処理において、大当たりフラグ203oがオンであると判別された場合には(S425:Yes)、S430の処理が実行される。また、S426の処理において、S423、S424の処理における当否判定結果が外れであると判別された場合にも(S426:No)、S430の処理が実行される。
S430の処理では、当否判定結果が小当たりであるか判別される(S430)。当否判定結果が小当たりであると判別された場合には(S430:Yes)、小当たり処理が実行される(S431)。この小当たり処理(S431)については、図68を参照して、詳細について後述するが、移行カウンタ(図示せず)の値を取得して、その値に基づいて、移行先のテーブルを決定する処理が実行される。
S431の処理が実行された後には、第1図柄表示装置37に第1特別図柄の小当たりを示す図柄を表示するように設定される(S432)。その後、この処理を終了する。一方、S430の処理において、当否判定結果が小当たりでない、即ち、外れであると判別された場合には(S430:No)、第1図柄表示装置37に第1特別図柄の外れを示す図柄を表示するように設定される(S433)。その後、この処理を終了する。
このように、S423、S424の当否判定結果が当たりであっても、大当たりフラグ203oが既にオンに設定されている場合には、S425の処理により大当たりと判定されずに、強制的に外れとして判定される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同時に大当たりとなる変動がされることがなく、大当たりが短時間に連続することを抑制できる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当たりとなる変動がされない構成としたが、それに限らずに、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当たりとなる変動が実行されるように構成してもよい。このような構成では、確変遊技状態において、第1特別図柄の当否判定結果が当たりとなる変動時間も長く構成することで、実際の確変遊技状態の期間を長く設定することができる。
次に、図68を参照して、第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される第1特別図柄大当たり判定処理2(図67、S319)内の一処理である小当たり処理(S431)について説明する。図68は、この小当たり処理(S431)の内容を示したフローチャートである。
小当たり処理(図68、S431)では、まず、移行カウンタの値を取得する(S441)。ここで、移行カウンタ(図示せず)は、主制御装置110のMPU201のRAM203に設定されており、メイン処理(図41、S1250)が実行される毎に1ずつ加算されて更新される。なお、この移行カウンタは「0〜198」の範囲で繰り返し更新されるカウンタ値であり、初期化された状態では、初期値である「0」に設定される。
S441の処理が実行されると、移行カウンタの値に基づいて、移行先のテーブルが小当たり選択テーブル202f(図63(b)参照)より移行カウンタ、現在選択されている第1特別図柄の当否判定結果が外れである場合に参照される変動パターン選択テーブル202dの種類とに基づいて選択される(S442)。S442によって、選択された移行先のテーブルの種別を音声ランプ制御装置113に対して通知するための移行コマンドが設定される(S443)。その後、この処理が終了される。
このように、本実施形態では、小当たりに当選すると、第1特別図柄の当否判定結果が外れである場合の変動パターン選択テーブル202dの種類を切り替える抽選が実行される。変動パターン選択テーブル202dの変更が決定されると、そのテーブルが設定されている移行回数の間設定される。その後、設定された移行回数が実行されると、予め定められている変動パターン選択テーブル202d(本実施形態では、外れ(確変)特図1通常変動パターン選択テーブル(図63(c)参照))に切り替えられる。
これにより、遊技者は、小当たりに当選すると、小当たり遊技により賞球が得られることだけでなく、変動パターン選択テーブル202dが切り替えられることについても期待をすることができる。さらに、切り替えられた変動パターン選択テーブル202dの種別によっても、得られる価値の大きさが異なっているために、種別に対しても興味を持つことができ遊技の趣向性を向上することができる。
このように、実際に取得している特別図柄大当たり乱数C1の値に基づいた抽選結果が大当たりであったとしても、大当たりフラグ203oが既にオンに設定されている、即ち、第2特別図柄によって、大当たりとなる変動が開始されている場合には、強制的に外れの設定が第1特別図柄で実行される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、大当たりとなる変動が同時に実行されることがなく、短期間のうちに、連続して大当たりとなる変動が開始されて、遊技店側の損害が過剰に多くなってしまう不具合を抑制できる。
<第3実施形態>
次に、図69〜図72を参照して、本パチンコ機10における第3実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、確変遊技状態において、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動する構成として、第1特別図柄の外れとなる当否判定結果の変動時間を第2特別図柄の変動時間に対して極端に長い変動時間となるように構成することで、その第1特別図柄の変動期間を確変遊技状態が継続する期間として報知する演出を実行するように構成した。また、第1特別図柄で当たりとなる変動が開始された場合には、第2特別図柄の変動を強制的に外れとなる変動で開始(実行)されるように構成した。
それに対して、本第3実施形態では、確変遊技状態において、第2特別図柄で外れである場合には、小当たりに当選する確率を高く設定し、小当たりとなる第2特別図柄の変動については、第1特別図柄で当たりとなる変動が開始されている場合にも変動できるように構成した。このように構成することで、第1特別図柄で通常遊技状態に移行する大当たりAの変動が開始されている場合にも、その変動期間内に小当たりに当選させることで、小当たり遊技が開始され、遊技者に賞球を付与して、遊技者の興趣を向上できる。なお、第1実施形態と相違する点について、その図示と説明とを行い、第1実施形態と同一の構成については、その図示と説明とを省略する。
<第3実施形態における電気的構成について>
第3実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成は、第1実施形態に対して、主制御装置110のMPU201におけるROM202の構成が相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、図示と詳細な説明とを省略する。
図69(a)は、本第3実施形態における主制御装置110のMPU201のROM202の内容を示した模式図である。本第3実施形態におけるROM202は、第1実施形態におけるROM202に対して、変動パターン選択テーブル202dの内容が変更され、小当たり乱数テーブル202eが追加されている点で相違する。その他の構成については、第1実施形態と同一の構成であるので、その詳細な説明は省略する。
図69(b)は、本第3実施形態におけるROM202の小当たり乱数テーブル202eの内容を模式的に示した模式図である。本実施形態では、特別図柄の抽選を行うための判定値として、大当たりでない外れとして設定されている判定値のうち、小当たりとなる小当たり判定値を設定する。その小当たり判定値と取得している第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致した場合に、特別図柄の抽選結果として小当たりを設定する。特別図柄の抽選結果が小当たりとなることで実行される小当たり遊技では、特定入賞口65aが3秒間開放される開放パターンが2回実行される。特定入賞口65aに遊技球が入球すると遊技者に1球に対して大当たり遊技と同一の賞球(例えば、15球)が払い出される。これにより、大当たり遊技よりも開放期間が短く、ラウンド数(開放回数)も少ない為、遊技者が得ることができる賞球の数は少ないが、外れである場合より遊技者に有利な特典が付与される。
本第3実施形態では、図69(b)に示すように、通常遊技状態では、第1特別図柄、第2特別図柄ともに、小当たり判定値は設定されていない。一方、確変遊技状態では、第1特別図柄に対しては、小当たり判定値は設定されていないものの、第2特別図柄に対しては、「10〜109」が小当たり判定値として設定されている。よって、第1当たり乱数カウンタC1の乱数値400個に対して、100個が小当たり判定値として設定されているので、1/4の確率で小当たりに当選するように構成されている。これにより、第2特別図柄の抽選結果が大当たりでない場合にも、小当たりが付与され易く、遊技者に対して第2特別図柄で抽選されることに魅力を感じさせることができる。
図69(c)は、本第3実施形態における確変遊技状態において、第1特別図柄の当否判定(抽選)結果が当たりとなった場合に変動パターンを選択するために用いられる当たり(確変)特図1変動パターン選択テーブルの内容を示した模式図である。本第3実施形態では、確変遊技状態において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合に選択される変動パターンの種別が第1実施形態とは相違する。なお、第2特別図柄が小当たりである場合には、0.5秒間の変動時間が選択される。
当たり(確変)特図1変動パターン選択テーブルは、図69(c)に示すように、第1特別図柄の判定結果が大当たりであり、大当たり種別が確変遊技状態の付与される大当たりである場合には、変動時間が30秒の変動パターンAと、変動時間が360秒の変動パターンBとのどちらかが選択されるように構成されている。ここで、変動パターンA(30秒)が変動パターンB(360秒)よりも選択され易いように、変動種別カウンタCS1の判定値が設定されている。具体的には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜190」である場合には変動パターンA(30秒)が選択され、変動種別カウンタCS1の値が「191〜198」である場合には変動パターンB(360秒)が選択される。詳細は後述するが、確変遊技が付与される大当たり(大当たりA)である場合には、後述する確変遊技が付与されない大当たり(大当たりB)である場合に比べ、短い変動時間(30秒または360秒)が選択され易く設定されているので、遊技店側が過剰に不利益となることを抑制できる。
第1特別図柄の抽選結果が当たりであり、通常遊技状態が付与される(確変遊技が付与されない)当たり種別(大当たりB)である場合には、変動時間が360秒の変動パターンCと720秒の変動パターンDとのどちらか一方が選択される。具体的には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜190」である場合には変動パターンC(360秒)が選択され、変動種別カウンタCS1の値が「191〜198」である場合には変動パターンD(720秒)が選択される。よって、第1特別図柄の当否判定結果として通常遊技が付与される大当たり(大当たりB)である場合には、確変遊技状態が付与される場合よりも長い変動時間が選択され易く設定されているので、その間に第2特別図柄において小当たりに当選させることでより多くの賞球を付与することができる。
ここで、本実施形態では、通常遊技状態では、第1特別図柄の抽選契機となる第1始動口64のみに遊技球が入球するように左流路PA1に遊技球を流下させて遊技(左打ち遊技)を行う。そのため、第1始動口64よりも、第2特別図柄の抽選契機となる第2始動口640へ遊技球が入球しやすい確変遊技状態に移行しても、最大4個の保留球が第1特別図柄に対して記憶されている場合がある。この場合には、早期に第1特別図柄で通常遊技状態となる大当たりに当選してしまうと、遊技者に過大に不利益となってしまう不具合がある。しかしながら、本第3実施形態の構成では、第1特別図柄で、通常遊技状態に移行する大当たりの変動が開始されても、その変動時間が比較的長く(360秒または720秒)設定されており、その間に小当たりを第2特別図柄で当選させることで賞球を得ることができる。よって、遊技者に対して過大な不利益となる不具合を抑制できる。
<第3実施形態における制御処理について>
図70〜図72を参照して、本第3実施形態における制御処理について説明する。本第3実施形態における制御処理は、第1実施形態における制御処理に対して、主制御装置110のMPU201における、第2特別図柄大当たり判定処理(図27、S705)が第2特別図柄大当たり判定処理2(図70、S705)に、第2特別図柄変動パターン選択処理(図28、S706)が第2特別図柄変動パターン選択処理2(図71、S706)に、第2特別図柄変動停止処理(図29、S207)が第2特別図柄変動停止処理2(図72、S207)に変更されている点で相違する。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行される。
まず、図70を参照して、第2特別図柄大当たり判定処理2(S705)の詳細について説明する。図70は、第2特別図柄大当たり判定処理2(S705)を示したフローチャートである。この第2特別図柄大当たり判定処理2(S705)では、第2特別図柄の抽選結果として小当たりが選択されるように構成した点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
第2特別図柄大当たり判定処理2(S705)では、まず、第1実施形態における第2特別図柄大当たり判定処理(図27)と同様にS801からS806の処理を実行する。そして、S805の処理において特図1に対して大当たりフラグ203oがオフであり、かつ、第2特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別された場合は(S805:No、かつ、S806:No)、第1実施形態における第2特別図柄大当たり判定処理(図27)と同様にS807からS809の処理を実行する。
一方、S805の処理において特図1に対して大当たりフラグ203oがオンであると判別された場合は(S805:Yes)、特図1において大当たりとなる変動が開始されている場合である。この場合には、特図2の抽選結果として大当たりが設定されないようにするため、S851の処理へ移行する。なお、これに限られず、特図1に対して大当たりフラグ203oがオンであると判別された場合(即ち、特図1において大当たりとなる変動が開始されている場合)には、S802からS804の処理(抽選結果を取得する処理)を実行しないようにしてもよい。これにより、S802からS804の処理(抽選結果を取得する処理)を実行するための処理負荷を軽減することができる。
また、S806の処理において、抽選結果が大当たりでないと判別された場合にも(S806:No)、S851の処理へ移行する。S851の処理では、抽選結果が小当たりであるか否かが判別される(S851)。S851の処理において、抽選結果が小当たりでないと判別された場合(S851:No)は、抽選結果が外れの場合であるので、第1実施形態における第2特別図柄大当たり判定処理(図27)と同様にS810の処理を実行して、本処理を終了する。
一方、S851の処理において、抽選結果が小当たりであると判別された場合は(S851:Yes)、特図2の抽選結果として小当たりを設定するためにS852の処理へ移行する。ここで、特図1の大当たりとなる変動が開始されている場合には、S851の処理へ移行することで、特図2の抽選結果として小当たりが設定されるように構成されている。この特図2の小当たり遊技では特定入賞口65aへ遊技球が入賞可能となり、その入賞に基づいて賞球を獲得することができる。また、本実施形態では、特図1の大当たりとなる変動の変動時間を、第1実施形態に比べて長く(30秒または360秒)なるように構成している。よって、その後通常遊技状態へ移行する可能性の高い、即ち、遊技者にとって不利な特図1の大当たりの変動が開始されたとしても、その間に第2特別図柄で小当たりを当選させることで、賞球を得ることができる。よって、遊技者にとって過大な不利益となる不具合を抑制できる。
S852の処理では、特図2抽選結果を小当たりに設定する(S852)。次いで、第1図柄表示装置37に第2特別図柄の小当たり図柄をセットして(S853)、本処理を終了する。
次に、図71を参照して、第2特別図柄変動パターン選択処理2(S706)の詳細について説明する。図71は、第2特別図柄変動パターン選択処理2(S706)を示したフローチャートである。この第2特別図柄変動パターン選択処理2では、上述した第1実施形態の第2特別図柄変動パターン選択処理(図28参照)に対して、抽選結果が小当たりの場合に小当たりに基づく変動パターンを設定するように構成した点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
第2特別図柄変動パターン選択処理2(S706)では、まず、第2特別図柄変動パターン選択処理(図28参照)と同様にS901の処理を実行する。S901の処理において、特図2の抽選結果が大当たりであると判別された場合には(S901:Yes)、第2特別図柄変動パターン選択処理(図28参照)と同様にS902、S903およびS905からS907の処理が実行される。
一方、S901の処理において、特図2の抽選結果が大当たりでないと判別された場合は(S901:Yes)、次いで、特図2の抽選結果が小当たりであるか否かを判別する(S951)。S951の処理において、抽選結果が小当たりでないと判別された場合には(S951:No)、抽選結果が外れの場合であるので、第2特別図柄変動パターン選択処理(図28参照)と同様に、S904の処理を実行し、S905の処理へ移行する。
S951の処理において、抽選結果が小当たりであると判別された場合には(S951:Yes)、遊技状態に応じた小当たり変動パターン選択テーブル(図示せず)をセットする(S952)。そして、小当たり種別テーブル(図示せず)より小当たり種別を選択して(S953)、S905の処理へ移行する。S905からS907の処理を終えると、本処理を終了する。S905からS907の処理は第2特別図柄変動パターン選択処理(図28参照)と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
S952の処理によりセットされる小当たり変動パターン選択テーブルは、図示は省略したが、変動時間0.5秒の変動パターンが選択されるように規定されているテーブルである。S952の処理により、小当たり変動パターン選択テーブル(図示せず)がセットされることにより、S905の処理において0.5秒の変動パターンが選択されることになる。
また、S953の処理における小当たり種別テーブルは、図示は省略したが、小当たり種別として小当たりAのみが規定されているテーブルである。これにより、S953の処理では、小当たり種別として小当たりAが選択されることになる。なお、これに限られず、小当たり種別として複数の小当たりを設けるようにしてもよい。例えば、小当たり遊技において賞球を獲得しやすい小当たりAと、それに比べ賞球を獲得し難い(または獲得できない)小当たりBとを設ける。これにより、遊技者はいずれの小当たり遊技が実行されるかに注目することになるため、遊技者の興趣を向上されることができる。選択される小当たり種別は遊技状態に応じて変更するようにしても当然よい。
次に、図72を参照して、第2特別図柄変動停止処理2(S207)の詳細について説明する。図72は第2特別図柄変動停止処理2(S207)を示したフローチャートである。この第2特別変動停止処理2(S207)では、第1実施形態における第2特別変動停止処理(図29参照)に対して、抽選結果が小当たりとなる変動を停止する場合の処理が追加された点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
第2特別図柄変動停止処理2(S207)では、まず、第2特別変動停止処理(図29参照)と同様にS1001からS1004の処理を実行する。そしてS1004の処理で変動時間が終了した特図2の抽選結果が大当たりでないと判別された場合に(S1004:No)、次いで、変動時間が終了した特図2の抽選結果が小当たりであるか否かを判別する(S1051)。S1051の処理において、変動時間が終了した特図2の抽選結果が小当たりであると判別された場合には(S1051:Yes)、特図1変動停止フラグをオンに設定して(S1052)、小当たりの開始を設定し(S1053)、S1011の処理へ移行する。S1053の処理が実行されることにより、小当たり遊技が実行されることとなる。
一方、S1051の処理において、変動時間が終了した特図2の抽選結果が小当たりでないと判別された場合は(S1051:No)、変動時間が終了した特図2の抽選結果が外れの場合であるので、S1052およびS1053の処理をスキップして、S1011の処理へ移行する。S1011以降の処理は、第2特別変動停止処理(図29参照)と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
以上、説明したように、本第3実施形態では、確変遊技状態において、第2特別図柄で外れである場合には、小当たりに当選する確率を高く設定し、小当たりとなる第2特別図柄の変動については、第1特別図柄で当たりとなる変動が開始されている場合にも変動できるように構成した。このように構成することで、第1特別図柄で通常遊技状態に移行する大当たりAの変動が開始されている場合にも、その変動期間内に小当たりに当選させることで、小当たり遊技が開始され、遊技者に賞球を付与することができるので、遊技者の興趣を向上できる。
また、確変遊技状態に移行しても、最大4個の保留球が第1特別図柄に対して記憶されている場合がある。この場合には、早期に第1特別図柄で通常遊技状態となる大当たりに当選してしまうと、遊技者に過大に不利益となってしまう不具合がある。しかしながら、本第3実施形態の構成では、第1特別図柄で、通常遊技状態に移行する大当たりの変動が開始されても、その変動時間が比較的長く設定されており、その間に小当たりを第2特別図柄で当選させることで賞球を得ることができる。よって、遊技者が過大な不利益となる不具合を抑制できる。
なお、第2特別図柄が小当たりとなる場合には、第1特別図柄で大当たりとなる変動が中断(仮停止)または中止(強制停止)されるように構成してもよい。これにより、第2特別図柄が小当たりとなることに基づいて、第1特別図柄の大当たりが発生するまでの期間、即ち、確変遊技状態である期間を長くすることができる。よって、遊技者に対して第2特別図柄の抽選結果が小当たりとなることを期待して遊技させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。また、この場合に、第2特別図柄で小当たりとなることによって確変遊技状態である期間を長くすることができるので、第2特別図柄に基づく小当たり遊技で賞球が得られない(または得られる賞球数を減らす)ように構成してもよい。これにより、遊技店側に過大な損失が発生することを防止(抑制)できる。
本実施形態では特図2の小当たり遊技(小当たり種別)を1種類のみとしたが、これに限られず、複数種類設けるようにしてもよい。例えば、小当たり遊技により賞球が得られる小当たりAと、小当たり遊技により賞球が得られない(または得難い)小当たりBとを設けるようにしてもよい。いずれの小当たりが付与されるかは、ランダムで決定されるようにしてもよいし、遊技状態によって決定されるようにしてもよい。これにより、遊技者は抽選結果が小当たりとなった場合に、賞球を得られる小当たりが付与されるか否かに注目することになるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、上述した第2実施形態と同様にして、特図2の小当たりとなった場合に、特図1の変動パターン選択テーブルを切り替えるようにしても当然よい。さらに、次のようにしてもよい。確変遊技状態(特別図柄の高確率状態)において、所定回数の抽選が実行された後に、状態を変更する(例えば、潜伏確変状態へと変更する)。そして、その状態が変更された契機に特図1(または特図2)の変動パターン選択テーブルを切り替えるようにしてもよい。例えば、確変遊技状態において所定回数の抽選が実行された後に、潜伏確変状態へと移行し、特図1の変動時間が長くなる(即ち、遊技者にとって有利な)変動パターン選択テーブルに切り替わるようにする。または、潜伏確変状態へと移行し、特図1の変動時間が短くなる(即ち、遊技者にとって不利な)変動パターン選択テーブルに切り替わるようにする。これにより、確変遊技状態において所定回数の抽選が実行されることで、遊技者にとって有利(または不利)な状態へ変更することができる。よって、遊技状態のバリエーションを増やすことができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
本実施形態では、確変遊技状態が次の大当たりの発生まで継続するように構成したが、これに限られるものではない。例えば、特図1および特図2(または、いずれか一方)の変動回数が所定回数となるまでを確変遊技状態とするようにしてもよい。これにより、特図1での大当たりが発生しない場合(例えば、遊技球が第1始動口64へ入球しないようにする不正行為が実行されている場合など)でも、確変遊技状態が所定回数の抽選を終えると終了するため、遊技店側に過大な損害が発生することを抑制(防止)できる。
また、右側流路PA2を流下する遊技球が、第1始動口64と第2始動口640とに均等(または所定の比率で)入賞されるような振分装置を設けるようにしてもよい。これにより、確変遊技状態において第2始動口640にのみ遊技球が入賞し、第1始動口に遊技球が入賞しない(即ち、特図1での大当たりが発生しない)ことで、確変遊技状態が終了しないとの不具合を抑制(防止)できる。その結果、遊技店側に過大な損害が発生することを抑制(防止)できる。
<第4実施形態>
次いで、図73から図76を参照し、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、上述した第1実施形態に対して、次の点で相違する。第1実施形態では、確変遊技状態において、第1特別図柄の抽選結果として大当たりB(通常大当たり)となる保留球が存在する場合(即ち、第1特別図柄の大当たり(大当たりB)の発生に基づいて通常遊技状態へ移行する(所謂、転落する)場合)、その大当たりBとなる変動が開始されるまでの期間を確変期間として報知(演出)するように構成されている(図5および図6参照)。これに対し、第4実施形態では、確変遊技状態において、第1特別図柄の抽選結果として大当たりA(確変大当たり)となる保留球が存在する場合(即ち、第1特別図柄に基づいて確変遊技状態が継続する(転落しない)場合)にも、その大当たりAとなる変動が開始されるまでの期間を確変期間として疑似的に報知(演出)するように構成した。この疑似的に報知される確変期間のことを疑似確変期間といい、疑似確変期間の終了時には、確変遊技状態が継続することを示唆する復活演出が実行(表示)される。これにより、確変期間(確変遊技状態)の終了が報知された後にも、復活演出が表示され、確変遊技状態が継続されることを遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。なお、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
まず、図73を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10の第3図柄表示装置81に表示される演出について説明する。図73は、本実施形態におけるパチンコ機10の第3図柄表示装置81に表示される演出の一例を示した図である。図73(a)、(b)は、第3図柄表示装置81に表示される復活演出の一例を示した図である。
本第4実施形態では、確変遊技状態において、第1特別図柄の抽選結果として大当たりA(確変大当たり)となる変動が開始されるまでの期間(疑似確変期間)を報知する演出が、上述した第1実施形態において実行(表示)される第1特別図柄の抽選結果として大当たりB(通常大当たり)となる変動が開始されるまでの期間(確変期間)を報知する演出と同じ表示態様で第3図柄表示装置81に表示される(図5参照)。よって、遊技者はこの疑似確変期間を報知する演出において、画面上部に表示されている確変終了までの残時間を、確変期間が終了するまでの残時間であると認識する。
そして、疑似確変期間の終了タイミング(大当たりAとなる変動が開始されるタイミング)では、確変終了までの残時間が0秒として表示される(図6(b)参照)。これにより、開始される変動が大当たりB(通常大当たり)となり、その後低確率状態(時短遊技状態)へ移行すると認識する。
しかし、実際の確変期間は終了しておらず、疑似確変期間の終了タイミングには復活演出を示す表示用期間コマンド(図77のS6105参照)が設定される。この復活演出を示す表示用期間コマンドにより、停止表示された特別図柄が画面左上部に縮小表示され、画面中央部に「復活上乗せチャンス!!」との文字(復活演出)が表示される(図73(a)参照)。これにより、遊技者に対して確変期間が終了したと認識したにも関わらず、確変期間が継続して実行されることを報知することで、意外性を付与することができ、遊技者の興趣を向上できる。
この復活演出が表示された後には、記憶されている特図1の入賞情報に基づいて、確変期間の残時間(加算時間)を示唆する演出(または、疑似確変期間の残時間を示唆する演出)が実行(表示)される(図73(b)参照)。これにより、復活演出の後に表示される、確変期間の残時間(加算時間)にも遊技者は注目することとなり、遊技者の興趣を向上できる。なお、上述した復活演出は、疑似確変期間の終了時だけに限られず、確変期間の終了時に表示されるように構成してもよい。この場合には、復活演出の後に確変期間の残時間(加算時間)として0秒を表示するように構成すればよい。
次に、図74を参照して、本第4実施形態における主制御装置110のMPU201に設けられるROM202について説明する。本第4実施形態では、上述した第1実施形態に対して、ROM202に設けられている変動パターン選択テーブル202dの一つである当たり(確変)特図1変動パターン選択テーブルの内容が変更される点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図74は、この当たり(確変)特図1変動パターン選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。当たり(確変)特図1変動パターン選択テーブルは、遊技状態が確変遊技状態である場合に、第1特別図柄の変動パターンを選択するために用いるテーブルである。大当たり種別と変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、変動パターン種別が選択される。
この当たり(確変)特図1変動パターン選択テーブルには、抽選結果が確変大当たり(大当たりA)の場合に選択される変動パターンとして、変動時間が0.5秒の変動パターンEと、変動時間が30秒の変動パターンFとが規定されている。また、抽選結果が通常大当たり(大当たりB)の場合に選択される変動パターンとして、変動時間が10秒の変動パターンGと、変動時間が30秒の変動パターンHと、変動時間が60秒の変動パターンIとが規定されている。
これらの変動パターンは、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、第1特別図柄変動パターン選択処理(図24参照)のS505の処理において選択される。具体的には、抽選結果が確変大当たり(大当たりA)の場合に、変動種別カウンタCS1の値が「0〜190」である場合には変動パターンE(0.5秒)が選択され、変動種別カウンタCS1の値が「191〜198」である場合には変動パターンF(30秒)が選択される。また、抽選結果が通常大当たり(大当たりB)の場合に、変動種別カウンタCS1の値が「0〜10」である場合には変動パターンG(10秒)が選択され、変動種別カウンタCS1の値が「11〜150」である場合には変動パターンH(30秒)が選択され、変動種別カウンタCS1の値が「151〜198」である場合には変動パターンI(60秒)が選択される。
次に、図75を参照して、本第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221に設けられるRAM223について説明する。本実施形態におけるRAM223では、上述した第1実施形態に対し、疑似確変期間記憶エリア223pが新たに設けられる点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
復活フラグ223nは、確変遊技状態において、第1特別図柄の抽選結果として大当たりA(確変大当たり)となる変動が開始されるまでの期間(疑似確変期間)を報知する演出が実行されているか否かを判別するためのフラグである。この復活フラグ223nは、後述する確変期間報知処理2(図76)において、特図1の大当たりAが開始されるまでの時間(疑似確変期間)の報知演出を実行(表示)する場合にオンに設定される(図76のS6005参照)。そして、期間設定処理(図77参照)において、疑似確変期間の報知を終え、復活演出を実行(表示)するための復活演出を示す表示用期間コマンドが設定された場合に、オフに設定される(図77のS6106参照)。
疑似確変期間記憶エリア223pは、確変遊技状態において、第1特別図柄の抽選結果として大当たりA(確変大当たり)となる変動が開始されるまでの期間(時間)を記憶するための領域である。この疑似確変期間記憶エリア223pは、後述する確変期間報知処理2(図76)において、特図1の大当たりAが開始されるまでの時間を示す値が設定される(図76のS6006参照)。そして、期間設定処理(図77参照)において、疑似確変期間記憶エリア223pの値が更新(減算)されて(図77のS6102参照)、疑似確変期間を報知するための表示用期間コマンドが設定される(図77のS6103)。また、疑似確変期間記憶エリア223pの値が0となった場合には、復活演出を実行(表示)するための復活演出を示す表示用期間コマンドが設定される(図77のS6105参照)。
<第4実施形態における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図76から図77を参照して、本第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理は、本第1実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理に対して、メイン処理(図45参照)内の一処理である確変期間報知処理(S1414)が、確変期間報知処理2(S1451)に変更される点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その図示と説明とを省略する。
図76を参照して、確変期間報知処理2(S1451)の詳細について説明する。図76は、確変期間報知処理2(S1451)を示したフローチャートである。確変期間報知処理2では、上述した第1実施形態で実行している、特図1の大当たりBが開始されるまでの期間(確変期間)を報知する処理に加え、特図1の大当たりAが開始されるまでの期間(疑似確変期間)を報知する処理を実行するように構成されている。
確変期間報知処理2(S1451)では、まず、パチンコ機10の遊技状態が確変遊技状態であるか否かを判別する(S6001)。S6001の処理において、遊技状態が確変遊技状態でないと判別された場合は(S6001:No)、確変期間と疑似確変期間とのいずれも報知しないため、そのまま本処理を終了する。
S6001の処理において、遊技状態が確変遊技状態であると判別された場合は(S6001:Yes)、次いで、復活フラグ223nがオンであるか否かを判別する(S6002)。S6002の処理において、復活フラグ223nがオンであると判別された場合は(S6002:Yes)、疑似確変期間を報知する演出が実行(表示)されている場合であり、疑似確変期間を報知する演出を実行(表示)するために、S6009の処理へ移行する。
一方、S6002の処理において、復活フラグ223nがオフであると判別された場合は(S6002:No)、S6003の処理へ移行する。S6003の処理では、従並び替え保留記憶エリア223kに特図1の大当たりがあるか否かを判別する(S6003)。S6003の処理において、従並び替え保留記憶エリア223kに特図1の大当たりがないと判別された場合は(S6003:No)、記憶されている全ての特図1の変動が終了しても大当たりB(通常大当たり)が発生しない、即ち、通常遊技状態へ移行することがない場合である。この場合には、記憶されている特図1の合計変動時間を示す値を確変上限値記憶エリア223iに設定して(S6008)、S6009の処理へ移行する。S6008の処理において設定された確変上限値記憶エリア223iの値を上限値として、後述する期間設定処理(S6009)において確変期間を報知する演出が実行(表示)される。
S6003の処理において、従並び替え保留記憶エリア223kに特図1の大当たりがあると判別された場合は(S6003:Yes)、記憶されている大当たりのうち、最後の(入賞した順が最も新しい)特図1の大当たりが大当たりAであるか否かを判別する(S6004)。S6004の処理において、記憶されている大当たりのうち、最後の(入賞した順が最も新しい)特図1の大当たりが大当たりAであると判別された場合は(S6004:Yes)、その特図1の大当たりAに基づく大当たり遊技が実行された後にも確変遊技状態が継続する(通常遊技状態へ転落しない)場合である。この場合には、その大当たりAとなる特図1の変動が開始されるまでの期間を疑似確変期間として報知するために、S6005の処理へ移行する。
S6005の処理では、疑似確変期間の報知が実行中であることを判別可能とするために、復活フラグ223nをオンに設定する(S6005)。そして、記憶されている最後の(入賞した順が最も新しい)特図1の大当たりAが開始されるまでの時間を疑似確変期間記憶エリア223pに設定して(S6006)、S6009の処理へ移行する。
なお、本実施形態では、最後の(入賞した順が最も新しい)特図1の大当たりAが開始されるまでの期間(時間)を設定し、報知するように構成したが、これに限られるものではない。例えば、特図1の大当たりAが開始される所定時間前(例えば5秒前)に疑似確変期間の報知を終了し、その所定時間で他の演出(例えば、確変期間の終了を示唆する演出)を行うようにしてもよい。また、特図1の大当たりAとなる以前(例えば1つ前)の保留球に基づく変動が開始されるまでの期間を疑似確変期間として設定(報知)するようにしてもよい。これにより、確変期間の終了が報知された後にも、復活演出が表示されることを期待して遊技させることができるため、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、復活演出は第2特定入賞口650aへ遊技球が入球することに基づいて表示するように構成してもよい。これにより、第2特定入賞口650aへ遊技球が入球し、確変遊技状態が付与される(即ち、確変期間が延長される)ことが確定してから復活演出が表示されることとなる。その結果、復活演出が表示されたにも関わらず、その後第2特定入賞口650aへ遊技球が入球せず、確変期間が延長されないとの不整合を抑制(防止)できる。なお、上述した不整合を抑制(防止)する方法は、これに限られるものではない。例えば、復活演出が表示された後に第2特定入賞口650aへ遊技球が入球しなかった場合には、確変期間が延長されないことを報知する演出(例えば、復活失敗演出)を実行するように構成してもよい。
S6004の処理において、記憶されている大当たりのうち、最後の(入賞した順が最も新しい)特図1の大当たりが大当たりBであると判別された場合は(S6004:No)、その特図1の大当たりBに基づく大当たり遊技が実行された後に確変遊技状態が終了する(通常遊技状態へ転落する)場合である。この場合には、記憶されている大当たりのうち、最初の(入賞した順が最も古い)大当たりBとなる特図1の変動が開始されるまでの期間を確変期間として報知するために、S6007の処理へ移行する。
S6007の処理では、記憶されている最初の(入賞した順が最も古い)特図1の大当たりBが開始されるまでの時間を確変上限値記憶エリア223iに設定して(S6007)、S6009の処理へ移行する。S6007の処理において設定された確変上限値記憶エリア223iの値を上限値として、後述する期間設定処理(S6009)において確変期間を報知する演出が実行(表示)される。
なお、本実施形態では、記憶されている最初の(入賞した順が最も古い)特図1の大当たりBが開始されるまでの時間を確変上限値記憶エリア223iに設定するようにしたが、これに限られるものではない。例えば、記憶されている最後の(入賞した順が最も新しい)特図1の大当たりBが開始されるまでの時間を確変上限値記憶エリア223iに設定するようにしてもよい。これにより、最初の(入賞した順が最も古い)特図1の大当たりBにより通常遊技状態へ移行(転落)したとしても、その後、最後の(入賞した順が最も新しい)特図1の大当たりBが開始されるので、遊技者に対して確変遊技状態(確変期間)が継続されているかのような印象を与えることができる。その結果、確変遊技状態(確変期間)が付与される期間が長いパチンコ機10であるとの印象を与えることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
S6002,S6006,S6007またはS6008の処理を終えると、期間設定処理を実行し(S6009)、本処理を終了する。
次に、図77を参照して、期間設定処理(S6009)の詳細について説明する。図77は、期間設定処理(S6009)を示したフローチャートである。この期間設定処理(S6009)は、上述した確変期間報知処理2(S1451)において設定された疑似確変期間または確変期間を報知するための処理である。
期間設定処理(S6009)では、まず、復活フラグ223nがオンであるか否かを判別する(S6101)。S6101の処理において、復活フラグ223nがオンであると判別された場合は(S6101:Yes)、疑似確変期間を報知するために、S6102の処理へ移行する。
S6102の処理では疑似確変期間記憶エリア223pの値を更新(減算)する(S6102)。そして、疑似確変期間記憶エリア223pの値に対応した表示用期間コマンドを設定して(S6103)、S6104の処理へ移行する。
S6104の処理では、S6102の処理において更新(減算)された疑似確変期間記憶エリア223pの値が0であるか否か、即ち、疑似確変期間の終了タイミングであるか否かを判別する(S6104)。S6104の処理において、疑似確変期間記憶エリア223pの値が0より大きい(0でない)と判別された場合は(S6104:No)、疑似確変期間の終了タイミングでないので、そのまま本処理を終了する。
一方、S6104の処理において、疑似確変期間記憶エリア223pの値が0であると判別された場合は(S6104:Yes)、疑似確変期間の終了タイミングであるので、疑似確変期間の終了を報知するために、S6105の処理へ移行する。
S6105の処理では、復活演出を示す表示用期間コマンドを設定する(S6105)。そして、復活フラグ223nをオフに設定して(S6106)、本処理を終了する。S6105の処理において設定される復活演出を示す表示用期間コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図45参照)のコマンド出力処理(S1402)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、この復活演出を示す表示用期間コマンドを受信すると、図73に示す復活演出を第3図柄表示装置81に表示する。なお、これに限られず、特図1の大当たりAに基づく大当たり遊技が終了した後に復活演出を実行するようにしてもよい。これにより、遊技者は確変期間の終了が報知された後の大当たり遊技が終了するまで、復活演出が表示されるか否かに注目することとなり、遊技者の興趣を向上させることができる。
S6101の処理において、復活フラグ223nがオンでないと判別された場合は(S6101:No)、確変期間記憶エリア223jの値を更新(減算)する(S6107)。そして、確変期間記憶エリア223jの値が0より大きいか否かを判別する(S6108)。S6108の処理において、確変期間記憶エリア223jの値が0より大きいと判別された場合は(S6108)、次いで、確変期間記憶エリア223jの値(確変期間として報知している時間)の上乗せ契機であるか否かを判別する(S6109)。S6109の処理では、第1始動口64または第2始動口640へ遊技球が入球した場合に上乗せ契機であると判別する。よって、第1始動口64または第2始動口640へ遊技球が入球することに基づいて、後述するS6110の処理へ移行し、確変期間の残時間が上乗せ(加算)表示される。これにより、遊技者に対して第1始動口64または第2始動口640へ遊技球を入球させることで、確変期間の残時間が上乗せ(加算)される、即ち、確変期間が延長されるとの印象を付与することができる。その結果、遊技者に対して遊技球の発射を促すことができる。
S6109の処理において、上乗せ契機でないと判別された場合は(S6109:No)、S6107の処理において更新(減算)された確変期間記憶エリア223jの値に対応した表示用期間演出コマンドを設定して(S6114)、本処理を終了する。
一方、S6109の処理において、上乗せ契機であると判別された場合は(S6109:Yes)、表示している確変期間を加算するためにS6110の処理へ移行する。S6110では、演出カウンタ223gの値と加算時間選択テーブル222bとに基づいて、加算時間を選択する(S6110)。そして、S6110の処理により選択された加算時間を確変期間記憶エリア223jの値に加算する(S6111)。S6111の処理では、加算後の確変期間記憶エリア223jの値が、確変上限値記憶エリア223iの値より大きい場合には、確変上限値記憶エリア223iの値が上限値として設定される。これにより、実際の確変期間よりも長い確変期間が報知されてしまうことを防止できる。
なお、実際の確変期間よりも長い確変期間が設定(報知)されないように構成したが、これに限られず、実際の確変期間よりも長い確変期間を設定(報知)するように構成してもよい。この場合には、S6110の処理において確変期間が減算されるような減算時間が選択可能に構成すればよい。これにより、確変期間が上乗せされる場合に加え、減算される場合を設けることができ、演出のバリエーションを増やすことができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
S6108の処理において、確変期間記憶エリア223jの値が0であると判別された場合は(S6108:No)、次いで、確変上限値記憶エリア223iの値が0より大きいか否かを判別する(S6112)。S6112の処理において、確変上限値記憶エリア223iの値が0より大きいと判別された場合は(S6112:Yes)、実際に確変期間が終了するまで(大当たりBとなる変動が開始されるまで)の期間がまだ残っている場合であるので、上乗せ契機であるか否かに関わらず確変期間の残時間を加算して表示するためにS6110の処理へ移行する。
一方、S6112の処理において、確変上限値記憶エリア223iの値が0であると判別された場合は(S6112:No)、実際に確変期間が終了するタイミング(大当たりBとなる変動が開始されるタイミング)である場合なので、そのまま確変上限値記憶エリア223iの値(0)に対応した表示用期間コマンドを設定して(S6114)、本処理を終了する。S6114の処理において、確変上限値記憶エリア223iの値(0)に対応した表示用期間コマンドが設定されることにより、図6(b)に示すように確変期間が終了したことを示唆する演出が第3図柄表示装置81に表示される。
以上、説明したように、本第4実施形態では、確変遊技状態において、第1特別図柄の抽選結果として大当たりA(確変大当たり)となる保留球が存在する場合(即ち、第1特別図柄に基づいて確変遊技状態が継続する(転落しない)場合)にも、その大当たりAとなる変動が開始されるまでの期間を確変期間として疑似的に報知(演出)するように構成されている。この疑似確変期間の終了時には、確変遊技状態が継続することを示唆する復活演出が実行(表示)される。これにより、確変期間(確変遊技状態)の終了が報知された後にも、復活演出が表示され、確変遊技状態が継続されることを遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
本実施形態では、疑似確変期間の終了時に復活演出を表示するようにしたが、第2特定入賞口650aへ遊技球が入球することに基づいて復活演出を表示するように構成してもよい。これにより、第2特定入賞口650aへ遊技球が入球し、確変遊技状態が付与される(即ち、確変期間が延長される)ことが確定してから復活演出が表示されることとなる。その結果、復活演出が表示されたにも関わらず、その後第2特定入賞口650aへ遊技球が入球せず、確変期間が延長されないとの不整合を抑制(防止)できる。なお、上述した不整合を抑制(防止)する方法は、これに限られるものではない。例えば、復活演出が表示された後に第2特定入賞口650aへ遊技球が入球しなかった場合には、確変期間が延長されないことを報知する演出(例えば、復活失敗演出)を実行するように構成してもよい。
本実施形態では、疑似確変期間を報知する演出を実行(表示)している間に、第1特別図柄の抽選結果として大当たりBとなる入賞があった場合にも、疑似確変期間を報知する演出を継続するように(確変期間を報知する演出に切り替わらない)ように、構成している。これにより、疑似確変期間の報知を終え、復活演出が実行(表示)される頻度を高くすることができる。なお、これに限られず、疑似確変期間を報知する演出を実行(表示)している間に、第1特別図柄の抽選結果として大当たりBとなる入賞があった場合には、確変期間を報知する演出に切り替わるように構成してもよい。この場合には、疑似確変期間(大当たりAとなる変動の開始まで)よりも長い確変期間(大当たりAの後に発生する大当たりBとなる変動の開始まで)が、確変期間の残時間として表示される。これにより、確変期間の残時間が長く表示される遊技機となるので、遊技者に対して確変遊技状態が長く継続する遊技機であるとの印象を付与することができる。
本実施形態では、確変遊技状態である期間(確変期間)を報知する場合と疑似的に報知する場合とを設けるように構成したが、これに限られるものではない。例えば、時短遊技状態である期間(時短期間)を報知する場合と疑似的に報知する場合とを設けるようにしてもよい。具体的には、第1特別図柄の大当たり(小当たりでもよい)種別として、時短遊技状態が終了される大当たりA(小当たりAでもよい)と、時短遊技状態が継続される大当たりB(小当たりBでもよい)とを設ける。大当たりA(時短遊技状態が終了される)の変動が開始されるまでの期間を時短期間として報知し、大当たりB(時短遊技状態が継続される)の変動が開始されるまでの期間を疑似的に時短期間として報知するように構成する。そして、疑似的な時短期間の終了時には、時短遊技状態が継続することを示唆する復活演出を実行(表示)するように構成すればよい。これにより、時短期間(時短遊技状態)の終了が報知された後にも、復活演出が表示され、時短遊技状態が継続されることを遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第2特別図柄に基づく小当たり(または大当たり)の変動に基づいて(変動開始される際、変動停止される際に)、第1特別図柄の変動表示を仮停止するように構成し、その仮停止されている期間(仮停止期間)を報知するように構成してもよい。そして、その仮停止期間を疑似的に報知し、その仮停止期間の終了時に復活演出を実行(表示)するように構成してもよい。なお、上述した仮停止期間と、時短期間と、確変期間とを全て表示(報知)してもよいし、いずれか2つを組み合わせて表示(報知)しても当然よい。
上記した各実施形態についてその全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。
<特徴A群>(電サポで特図1に入賞し難くする)
遊技球が入球可能な第1入球口と、その第1入球口とは異なる第2入球口と、前記第2入球口に遊技球が入球し易いように遊技球を誘導する第1状態と、その第1状態よりも前記第2入球口に遊技球が入球し難い状態にする第2状態とに可動可能な可動片と、を有し、前記可動片が第1状態に可動されることで、前記第1入球口に遊技球が入球可能な流路が前記第2状態である場合よりも狭くなるように構成されるものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、遊技球が入球可能な第1入球口と、第2入球口とが設けられている。可動変により、第2入球口に遊技球が入球し易いように遊技球を誘導する第1状態と、その第1状態よりも第2入球口に遊技球が入球し難い状態にする第2状態とに可動される。可動片が第1状態に可動されることで、第1入球口に遊技球が入球可能な流路が第2状態である場合よりも狭い状態とされる。これにより、一方の入球口に入球し難くなるので、遊技の興趣を変えることができる。よって、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機A1において、遊技球が前記第1入球口に入球し易い第1流路と、その第1流路よりも前記第2入球口に遊技球が入球し易い第2流路とを有し、前記可動片は、前記第1状態に可動することにより、前記第2流路を遊技球が流下し易くし、前記第1流路を前記第2状態である場合よりも遊技球の流下量を規制するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が第1入球口に入球し易い第1流路と、その第1流路よりも第2入球口に遊技球が入球しやすい第2流路とが設けられている。可動変を第1状態に可動することにより、第2流路を遊技球が流下し易くされ、第1流路を流下する遊技球の流下量が第2状態である場合に比べて規制される。これにより、第1入球口への入球量を効率良く減らすことができるという効果がある。
遊技機A1または遊技機A2において、前記第1入球口に遊技球が入球することに基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、前記第2入球口に遊技球が入球することに基づいて、第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段により当たりと判定されたことに基づいて、通常遊技状態とその通常遊技状態よりも遊技者に有利となる特別遊技状態とのどちらか一方を決定する遊技状態決定手段と、その遊技状態決定手段により決定された前記通常遊技状態または前記特別遊技状態を設定する遊技状態設定手段とを有することを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1またはA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、当否判定手段により、第1入球口に遊技球が入球することに基づいて、第1抽選遊技の当否判定が実行され、第2入球口に遊技球が入球することに基づいて、第2抽選遊技の当否判定が実行される。その当否判定手段により当たりと判定されたことに基づいて、通常遊技状態とその通常遊技状態よりも遊技者に有利となる特別遊技状態とのどちらか一方が遊技状態決定手段によって決定される。その遊技状態決定手段により決定された通常遊技状態または特別遊技状態が遊技状態設定手段によって設定される。これにより、特別遊技状態が設定されることを期待して遊技を行うことができる。よって、遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機A3において、遊技状態設定手段は、前記特別遊技状態として、前記通常遊技状態である場合よりも前記当否判定手段により当たりと判定される確率を高く設定するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、特別遊技状態として、状態設定手段により、通常遊技状態である場合よりも当否判定手段により当たりと判定される確率が高く設定されるので、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機A3またはA4において、前記遊技状態決定手段は、前記第1入球口または前記第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、前記通常遊技状態と前記特別遊技状態とのどちらか一方を決定するものであり、前記第1入球口と前記第2入球口とで前記通常遊技状態と前記特別遊技状態とを決定する割合が異なるように決定するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A3またはA4の奏する効果に加え、遊技状態決定手段により、第1入球口または第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、通常遊技状態と特別遊技状態とのどちらか一方が決定され、第1入球口と第2入球口とで通常遊技状態と特別遊技状態とを決定する割合が異なるように決定されるので、第2入球口で抽選が実行されるように期待させることができるという効果がある。
遊技機A5において、前記遊技状態決定手段は、前記第1入球口に遊技球が入球した場合に、前記第2入球口に遊技球が入球した場合よりも前記通常遊技状態に決定し易いものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、第1入球口に遊技球が入球した場合に、第2入球口に遊技球が入球した場合よりも、遊技状態決定手段により通常遊技状態に決定され易いので、遊技者により特別遊技状態を継続して遊技させることができるという効果がある。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、前記第1入球口または前記第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段を有し、前記特典付与手段は、前記第1入球口と前記第2入球口とで異なる大きさの特典を付与するものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球口または第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、特典付与手段により遊技者に有利となる特典が付与される。第1入球口と第2入球口とで異なる大きさの特典が特典付与手段により付与される。これにより、遊技者により多くの特典を付与することができるという効果がある。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、抽選条件の成立に基づいて、前記可動片を前記第2状態から前記第1状態に可動させるか否かを決定する可動決定手段と、前記特別遊技状態が設定された場合に、前記可動決定手段により前記可動片を前記第2状態から第1状態に可動させると決定され易く設定する可動率設定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抽選条件の成立に基づいて、可動決定手段により可動片を第2状態から第1状態に可動させるか否かが決定される。特別遊技状態が設定された場合に、可動率設定手段により、可動決定手段により可動片を第2状態から第2状態に可動させると決定され易く設定される。これにより、遊技の興趣を容易に変えることができるという効果がある。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段の発射力を遊技者の操作に基づいて調節する調節手段と、遊技者の第1の操作に基づいて前記調節手段により調節された発射力で発射された遊技球が流下する第1流下領域と、遊技者の第2操作に基づいて前記調節手段により調節された発射力で発射された遊技球が流下する前記第1流下領域とは異なる第2流下領域とが形成された遊技領域とを有し、前記第1流下領域を流下した遊技球は前記第1入球口にのみ入球可能に構成され、前記第2流下領域を流下した遊技球は、前記第1入球口と前記第2入球口とにそれぞれ入球可能に構成されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が発射手段により発射される。その発射手段の発射力がより遊技者の操作に基づいて調節手段に調節される。遊技者の第1の操作に基づいて調節手段により調節された発射力で発射された発射力で発射された遊技球が流下する第1流下領域と、遊技者の第2操作に基づいて調節手段により調節された発射力で発射された遊技球が流下する第2流下領域とが遊技領域に形成される。第1流下領域を流下した遊技球は第1入球口へ入球可能に構成され、第2流下領域を流下した遊技球は、第1入球口と第2入球口とにそれぞれ入球可能に構成される。これにより、遊技者に操作する楽しさを提供することができる。よって、遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機A9において、前記第1入球口として、前記第1流下領域または第2流下領域を流下した遊技球が入球可能な位置に配置される共通第1入球口と、前記第2流下領域を流下した遊技球のみが入球可能な片側第1入球口とが少なくとも配置されるものであることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、第1入球口として、第1流下領域または第2流下領域を流下した遊技球が入球可能な位置に配置される共通第1入球口と、第2流下領域を流下した遊技球が入球可能な片側第1入球口とが少なくとも配置されるので、遊技状態により興趣を効果的に変更することができるという効果ある。
遊技機A1からA10のいずれかにおいて、前記第1入球口は、第2入球口の下方に配置されるものであり、前記可動片が前記第1状態に可動されることで、前記可動片により前記第1入球口へ入球可能な流路への遊技球の通過が前記第2状態よりも制限されるものであることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A1からA10のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球口が、第2入球口の下方に配置される。可動片が第1状態に可動されることで、可動片により第1入球口へ入球可能な流路への遊技球の通過が第2状態よりも制限される。これにより、遊技球の流入量を容易に変えることができるという効果がある。
遊技機A3からA11のいずれかにおいて、前記遊技状態設定手段により前記特別遊技状態が設定されたことに基づいて、前記可動片を前記通常遊技状態よりも前記第2状態に可動され易く設定する可動設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、遊技機A3からA11のいずれかが奏する効果に加え、遊技状態設定手段により特別遊技状態が設定されたことに基づいて、可動設定手段により可動片が通常遊技状態よりも第2状態に可動されやすく設定されるので、遊技者に有利となる期間を設定でき、遊技者が飽きてしまう不具合を抑制できるという効果ある。
遊技機A1からA12のいずれかにおいて、遊技球が通過可能な通過口を有し、遊技球がその通過口を通過することで、抽選条件が成立する通過ゲートを有し、前記可動片が第2状態である場合には、前記通過ゲートまたは前記第1入球口に遊技球が入球可能な流路である共通流路が形成されており、前記第1状態に可動されることで、前記第1入球口に遊技球が入球することが前記可動片により規制され、前記通過ゲートに遊技球が入球する流路である単独流路が形成されるものであることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、遊技機A1からA12のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が通過可能な通過口を有し、その通過口を遊技球が通過することで抽選条件が成立する通過ゲートが設けられている。可動片が第2状態である場合には、通過ゲートまたは第1入球口に遊技球が入球可能な流路である共通流路が形成される。可動片が第1状態に可動されることで、第1入球口に遊技球が入球することが可動片により規制され、通過ゲートに遊技球が入球する流路である単独流路が形成される。これにより、遊技者が有利に遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機A3からA12のいずれかにおいて、前記当否判定手段による前記第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報と前記第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報とを同時に表示手段に表示させることが可能な表示制御手段を有するものであることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、遊技機A3からA13のいずれかが奏する効果に加え、当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報と第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報とが表示制御手段により表示手段に同時にされるので、遊技者に効率よく遊技を行わせることができる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴B群>(フリーズ演出で確変期間を時間で演出)
第1抽選条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、第2抽選条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による前記第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報と前記第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報とを同時に表示手段に動的表示させることが可能な表示制御手段と、その表示制御手段により動的表示される前記第1識別情報の第1動的表示期間と前記第2識別情報の第2動的表示期間とを複数の動的表示期間よりそれぞれ決定する動的表示期間決定手段と、当否判定結果が当たりである場合に遊技者に有利となる第1特典とその第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典との少なくともどちらか一方を遊技者に付与することを決定する特典決定手段とを有した遊技機において、前記特典決定手段は、前記第1抽選遊技の当たりよりも前記第2抽選遊技の当たりに基づいて、前記第2特典を決定し易いものであり、前記動的表示期間決定手段により決定された前記第1動的表示期間の情報に基づいて演出を実行する演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、当否判定手段により、第1抽選条件の成立に基づいて第1抽選遊技の当否判定が実行され、第2抽選条件の成立に基づいて第2抽選遊技の当否判定が実行される。その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報と第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報とが表示制御手段により同時に表示手段に動的表示される。その表示制御手段により動的表示される第1識別情報の第1動的表示期間と第2識別情報の第2動的表示期間とが、動的表示期間決定手段により複数の動的表示期間よりそれぞれ決定される。当否判定結果が当たりである場合に遊技者に有利となる第1特典とその第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典との少なくともどちらか一方を遊技者に付与することが特典決定手段により決定される。第1抽選遊技の当たりよりも第2抽選遊技の当たりに基づいて、特典決定手段により第2特典が決定され易い。動的表示期間決定手段により決定された第1動的表示期間の情報に基づいて演出実行手段により演出が実行される。これにより、遊技者に斬新な演出を行うことができる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機B1において、前記動的表示期間決定手段は、複数の動的表示期間で構成された第1動的表示期間群より前記第1動的表示期間を決定し、複数の動的表示期間で構成された第2動的表示期間群より前記第2動的表示期間を決定するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、動的表示期間決定手段により、複数の動的表示期間で構成された第1動的表示期間群から第1動的表示期間が決定され、複数の動的表示期間で構成された第2動的表示期間群から第2動的表示期間が決定されるので、変化に富んだ動的表示期間を選択することができるという効果がある。
遊技機B2において、複数の前記動的表示期間で構成された第1動的表示期間群が複数記憶された記憶手段と、その記憶手段から所定条件の成立に基づいて、1の前記第1動的表示期間群を決定する群決定手段とを有し、前記動的表示期間決定手段は、前記群決定手段により決定された前記第1動的表示期間群より1の前記第1動的表示期間を決定するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の動的表示期間で構成された第1動的表示期間群が記憶手段により複数記憶される。その記憶手段から所定条件の成立に基づいて、1の第1動的表示期間群が群決定手段により決定される。群決定手段によって決定された第1動的表示期間群から、動的表示期間決定手段により1の第1動的表示期間が決定される。これにより、遊技の制御を容易に行うことができるという効果がある。
遊技機B3において、前記複数の第1動的表示期間群には、動的表示期間の長い前記第1動的表示期間が前記動的表示期間決定手段により決定され易く構成された長第1動的表示期間群が含まれているものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、複数の第1動的表示期間群には、動的表示期間の長い第1動的表示期間が動的表示期間決定手段により決定され易く構成された長第1動的表示期間群が含まれるので、第1抽選遊技の回数を第2抽選遊技の回数よりも減らすことができ、より遊技者に有利となる遊技を提供できる。よって、遊技者に特別遊技状態へ移行することを期待させることができるという効果がある。
遊技機B4において、前記群決定手段は、前記第2特典が決定されたことに基づいて、前記長第1動的表示期間群を決定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、第2特典が決定されたことに基づいて、群決定手段により長第1動的表示期間群が決定されるので、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記演出実行手段は、前記表示手段に前記第2動的表示期間の情報に基づいた演出情報を表示するものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5のいずれかが奏する効果に加え、表示手段に第2動的表示期間の情報に基づいた演出情報が演出実行手段により表示されるので、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、前記当否判定手段により当たりと判定される確率が通常確率で設定される通常遊技状態とその通常遊技状態よりも当たりと判定される確率が高く設定される特別遊技状態との少なくともどちらか一方を設定する遊技状態設定手段と、前記特典決定手段は、前記第1特典の一つとして前記通常遊技状態と前記第2特典の一つとして前記特別遊技状態との少なくともどちらか一方を決定するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B1からB6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、当否判定手段により当たりと判定される確率が通常確率で設定される通常遊技状態とその通常遊技状態よりも当たりと判定される確率が高く設定される特別遊技状態とのどちらか一方が遊技状態設定手段により設定される。第1特典の一つとして通常遊技状態と第2特典の一つとして特別遊技状態との少なくともどちらか一方が特典決定手段により決定される。これにより、遊技の興趣をより向上できるという効果がある。
遊技機B1からB7のいずれかにおいて、前記特別遊技状態が設定されたことに基づいて、前記動的表示期間決定手段は、前記第1動的表示期間を決定する場合に前記第2動的表示期間よりも動的表示期間の長い動的表示期間を決定し易いものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B1からB7のいずれかが奏する効果に加え、特別遊技状態が設定されたことに基づいて第1動的表示期間を決定する場合に、第2動的表示期間よりも動的表示期間の長い動的表示期間が動的表示期間決定手段により決定され易いので、より第1抽選遊技の回数を減らすことで、遊技者に有利な状態を提供できるという効果がある。
遊技機B7またはB8において、前記第1抽選条件または前記第2抽選条件の成立に基づいて、前記当否判定手段による当否判定に用いられる抽選情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された抽選情報を記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記抽選情報について前記当否判定手段により当否判定されるよりも前に、事前に当否判定を実行する事前当否判定手段と、前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間を事前に判別する事前動的表示期間判別手段と、前記特別遊技状態が決定された場合に、前記事前動的表示期間判別手段により判別された判別結果に基づいて、前記通常遊技状態が設定されるまでの期間を判定する期間判定手段とを有し、前記演出実行手段は、前記期間判定手段により判定される期間の情報に基づいて演出を実行するものであることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B7またはB8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1抽選条件または第2抽選条件の成立に基づいて、当否判定手段による当否判定に用いられる抽選情報が取得手段により取得される。その取得手段により取得された抽選情報が記憶手段に記憶される。その記憶手段に記憶された抽選情報について当否判定手段により当否判定されるよりも前に、事前当否判定手段により事前に当否判定が実行される。動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間が事前動的表示期間判別手段により事前に判別される。特別遊技状態が決定された場合に、事前動的表示期間判別手段により判別された判別結果に基づいて、期間判定手段により通常遊技状態が設定されるまでの期間が判定される。期間判定手段により判定される期間の情報に基づいて演出実行手段により演出が実行される。これにより、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機B9において、前記事前当否判定手段により判定された結果、前記当たりとなる前記抽選情報が記憶されていると判定された場合に、前記遊技状態決定手段により決定される遊技状態を事前に判定する事前遊技状態判定手段を有し、前記演出実行手段は、前記事前遊技状態判定手段により、前記通常遊技状態が決定されると判定された場合には、その通常遊技状態が決定されている前記識別情報の動的表示が終了するまでの期間の情報に基づいて演出を実行するものであることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、事前当否判定手段により判定された結果、当たりとなる抽選情報が記憶されていると判定された場合に、遊技状態決定手段により決定される遊技状態が事前遊技状態判定手段により事前に判定される。事前遊技状態判定手段により、通常遊技状態が決定されると判定された場合には、その通常遊技状態が決定されている識別情報の動的表示が終了するまでの期間の情報に基づいて演出実行手段により演出が実行される。これにより、遊技者に斬新な演出をすることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機B9において、前記事前当否判定手段により判定された結果、前記当たりとなる前記抽選情報が記憶されていると判定された場合に、前記遊技状態決定手段により決定される遊技状態を事前に判定する事前遊技状態判定手段を有し、前記演出実行手段は、前記通常遊技状態となる前記抽選情報が記憶されていないと判別された場合には、前記記憶手段に記憶されている前記抽選情報に対応する前記識別情報の動的表示が終了するまでの期間内の期間の情報に基づいて演出を実行するものであることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、事前当否判定手段により判定された結果、当たりとなる抽選情報が記憶されていると判定された場合に、遊技状態決定手段により決定される遊技状態が事前遊技状態判定手段により事前に判定される。通常遊技状態となる抽選情報が記憶されていないと判別された場合には、記憶手段に記憶されている抽選情報に対応する識別情報の動的表示が終了するまでの期間内の期間の情報に基づいて演出実行手段により演出が実行される。これにより、遊技者に斬新な演出を提供できるという効果がある。
遊技機B7からB11のいずれかにおいて、前記群決定手段は、前記特別遊技状態が設定されている場合に、前記長第1動的表示期間群を決定するものであることを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、遊技機B7からB11のいずれかが奏する効果に加え、特別遊技状態が設定されている場合に、群決定手段により第1動的表示期間群が決定されるので、変化に富んだ演出を行うことができるという効果がある。
遊技機B4からB12のいずれかにおいて、前記長第1動的表示期間群は、前記複数の第2動的表示期間群よりも前記動的表示期間決定手段により長い動的表示期間が決定され易く構成されているものであることを特徴とする遊技機B13。
遊技機B13によれば、遊技機B4からB12の奏する効果に加え、複数の第2動的表示期間群よりも長い動的表示期間が、動的表示期間決定手段によって長第1動的表示期間群から決定され易く構成されているので、遊技者により有利な状態を設定し易くできるという効果がある。
遊技機B1からB13のいずれかにおいて、前記第2抽選条件が成立し易い第1状態とその第1状態よりも前記第2抽選条件が成立困難となる第2状態とを少なくとも設定する状態設定手段と、前記第1特典は前記第2特典よりも前記第2状態が設定され易く構成されているものであることを特徴とする遊技機B14。
遊技機B14によれば、遊技機B1からB13のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状態設定手段により、第2抽選条件が成立し易い第1状態とその第1状態よりも第2抽選条件が成立困難となる第2状態とが少なくとも設定される。第1特典は第2特典よりも第2状態が設定され易く構成される。これにより、遊技者に有利な状態を設定し易くして、遊技者が早期に飽きる不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴C群>(確変中小当たりするとテーブル切替によりフリーズ演出選択可能)
第1抽選条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の判定を実行し、第2抽選条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の判定を実行する判定手段と、その判定手段による前記第1抽選遊技の判定結果を示す第1識別情報と前記第2抽選遊技の判定結果を示す第2識別情報とを同時に表示手段に表示させることが可能な表示制御手段と、その表示制御手段により動的表示される前記第1識別情報の第1動的表示期間と前記第2識別情報の第2動的表示期間とを複数の動的表示期間よりそれぞれ決定する動的表示期間決定手段と、前記第1識別情報または前記第2識別情報が当たりを示す判定結果で表示された後に、遊技者に有利となる第1特典とその第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典とのうち少なくともどちらか一方を付与することを決定する特典決定手段とを有した遊技機において、前記特典決定手段は、前記第1識別情報が当たりで表示される場合よりも前記第2識別情報が当たりで表示される場合の方が、前記第2特典を決定し易く構成されたものであり、前記動的表示期間決定手段により決定される第1動的表示期間として複数の動的表示期間で構成された第1動的表示期間群が複数記憶された記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記複数の第1動的表示期間群より1の前記第1動的表示期間群を決定する群決定手段とを有し、前記複数の第1動的表示期間群には、前記動的表示期間決定手段により動的表示期間の長い前記第1動的表示期間が決定され易く構成された長第1動的表示期間群が含まれているものであり、前記群決定手段は、前記判定手段により特定の判定結果と判定されたことに基づいて、前記長第1動的表示期間群を決定することが可能に構成されたものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、判定手段により、第1抽選条件の成立に基づいて第1抽選遊技の判定が実行され、第2抽選条件の成立に基づいて第2抽選遊技の判定が実行される。その判定手段による第1抽選遊技の判定結果を示す第1識別情報と第2抽選遊技の判定結果を示す第2識別情報とが表示制御手段により同時に表示手段に表示される。その表示制御手段により動的表示される第1識別情報の第1動的表示期間と第2識別情報の第2動的表示期間とが動的表示期間決定手段により複数の動的表示期間からそれぞれ決定される。第1識別情報または第2識別情報が当たりを示す判定結果で表示された後に、遊技者に有利となる第1特典とその第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典とのうち少なくともどちらか一方を付与することが特典決定手段により決定される。第1識別情報が当たりで表示される場合よりも第2識別情報が当たりで表示される場合の方が、特典決定手段により第2特典が決定され易く構成される。動的表示期間決定手段により決定される第1動的表示期間として複数の動的表示期間で構成された第1動的表示期間群が記憶手段により複数記憶される。その記憶手段に記憶された複数の第1動的表示期間群より1の第1動的表示期間群が群決定手段により決定される。複数の第1動的表示期間群には、動的表示期間決定手段により動的表示期間の長い第1動的表示期間が決定され易く構成された長第1動的表示期間群が含まれる。判定手段により特定の判定結果と判定されたことに基づいて、群決定手段により長第1動的表示期間群が決定される。これにより、斬新な遊技性を提供することができる。よって、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機C1において、前記動的表示期間決定手段は、前記第1抽選遊技の判定結果を示す前記第1識別情報を動的表示する第1動的表示開始条件が成立した場合に、前記第1動的表示期間を決定し、前記第2抽選遊技の判定結果を示す前記第2識別情報を動的表示する第2動的表示開始条件が成立した場合に、前記第2動的表示期間をそれぞれ個別に決定するものであり、前記動的表示期間決定手段により決定された前記第1動的表示期間の情報に基づいて演出を実行する演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示期間決定手段により、第1抽選遊技の判定結果を示す第1識別情報を動的表示する第1動的表示開始条件が成立した場合に第1動的表示期間が決定され、第2抽選遊技の判定結果を示す第2識別情報を動的表示する第2動的表示開始条件が成立した場合に第2動的表示期間が決定される。動的表示期間決定手段により決定された第1動的表示期間の情報に基づいて演出実行手段により演出が実行される。これにより、斬新な演出を遊技者に行うことができる。よって、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機C1またはC2において、前記判定手段により、前記当たりまたは前記特定の判定結果と判定されたことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段を有することを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1またはC2の奏する効果に加え、判定手段により、当たりまたは特定の判定結果と判定されたことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行されるので、遊技者に当たり以外にも期待をさせることができるという効果がある。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記判定手段により当たりと判定される確率が通常確率で設定される通常遊技状態と、前記通常確率よりも当たりと判定される確率の高い特別確率で設定される特別遊技状態との少なくともどちらか一方を設定する遊技状態設定手段を有し、前記第2特典が決定された場合は、その第2特典の一つとして前記遊技状態設定手段により前記特別遊技状態が前記第1特典よりも設定され易く構成されているものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段により当たりと判定される確率が通常確率で設定される通常遊技状態と、通常確率よりも当たりと判定される確率の高い特別確率で設定される特別遊技状態との少なくともどちらか一方が遊技状態設定手段により設定される。第2特典が決定された場合は、その第2特典の一つとして遊技状態設定手段により特別遊技状態が第1特典よりも設定されやすく構成される。これにより、遊技者に有利な遊技状態をより設定することができる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機C4において、前記判定手段により前記特定の判定結果と判定されるのは、前記特別遊技状態が設定されている場合であることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、特別遊技状態が設定されている場合に判定手段により特定の判定結果と判定されるので、特別遊技状態の価値をより高めることができるという効果がある。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、前記複数の第1動的表示期間群には、前記長第1動的表示期間群よりも動的表示期間の長い前記第1動的表示期間が前記動的表示期間決定手段により決定され易く構成された特別長第1動的表示期間群が含まれており、前記群決定手段は、前記長第1動的表示期間群を決定している場合に、前記判定手段により前記特定の判定が実行されると、前記特別長第1動的表示期間群を決定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1からC5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の第1動的表示期間群には、長第1動的表示期間群よりも動的表示期間の長い第1動的表示期間が動的表示期間決定手段により決定され易く構成された特別長第1動的表示期間群が含まれる。長第1動的表示期間群を決定している場合に、判定手段により特定の判定が実行されると、群決定手段により特別長第1動的表示期間群が決定される。これにより、特定の判定結果となることの価値をより高めることができる。よって、当たり以外にも、特定の判定結果となることを期待させることができるという効果がある。
遊技機C1からC6のいずれかにおいて、前記群決定手段は、前記長第1動的表示期間群を決定した後に、所定条件が成立したことに基づいて、予め定められた前記第1動的表示期間群を決定するものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C1からC6のいずれかが奏する効果に加え、長第1動的表示期間群を決定した後に、所定条件が成立したことに基づいて、群決定手段により予め定められた第1動的表示期間群が決定されるので、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C1からC7のいずれかにおいて、前記第2抽選条件が成立する第1状態と、その第1状態よりも前記第2抽選条件が成立し易くなる第2状態とを設定可能な状態設定手段と、前記第1特典は、前記第2特典よりも前記状態設定手段により前記第1状態が設定され易くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C1からC7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2抽選条件が成立する第1状態と、その第1状態よりも第2抽選条件が成立し易くなる第2状態とが状態設定手段により設定される。第1特典は、第2特典よりも状態設定手段により第1状態が設定されやすくなるように構成される。これにより、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴D群>(特図1で通常当たりが開始された場合にも、小当たりにより出玉増)
第1条件の成立に基づいて、第1判別を実行し、第2判別条件の成立に基づいて、第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記第1判別の第1判別結果を示す第1識別情報と前記第2判別の第2判別結果を示す第2識別情報とを同時に表示手段に動的表示させることが可能な表示制御手段と、その表示制御手段により動的表示される前記第1識別情報の第1動的表示期間と前記第2識別情報の第2動的表示期間とを複数の動的表示期間よりそれぞれ決定する動的表示期間決定手段と、前記第1判別結果または前記第2判別結果が特定の前記第1判別結果または前記第2判別結果である場合に遊技者に有利となる第1特典とその第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典との少なくともどちらか一方を遊技者に付与することを決定する特典決定手段とを有した遊技機において、前記特定の第1判別結果であることを示す第1識別情報が表示される動的表示と前記特定の第2判定結果であることを示す第2識別情報が表示される動的表示とを同時に動的表示することを規制する動的表示規制手段と、前記判別手段により前記特定の第2判別結果でないと判別された場合に、前記第2特典とは異なる特殊特典を付与する特殊第2判別結果の成立を判定する特殊判定手段と、その特殊判定手段により前記特殊第2判別結果の成立が判定されたことを示す前記第2識別情報を動的表示する特殊動的表示手段とを有するものであることを特徴とする遊技機D1。
ここで、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、特別図柄の当たり抽選が行われて、その抽選結果を報知する動的表示が表示装置において実行される。また、複数の始動口を備え、それぞれの始動口に対応する特別図柄に基づく動的表示を同時に実行可能に構成したものがある。このような構成において、いずれかの特別図柄に基づく抽選が当たりとなった場合には、その他の特別図柄に基づく動的表示を中断(または停止)することで、いずれの特別図柄で当たりとなったかを、分かり易くするように構成した遊技機が提案されている(例えば、特開2005−319221号公報)。この場合、一方の特別図柄の抽選結果が当たりとなると、その他の特別図柄に基づく動的表示が中断(または停止)される。これにより、遊技者にとって有利な特典が付与される特別図柄に基づく抽選機会が減ることとなり、遊技の興趣が低下するという不具合があった。本技術特徴では、遊技の興趣を向上させる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機D1によれば、第1条件の成立に基づいて、第1判別が実行され、第2判別条件の成立に基づいて、第2判別が判別手段により実行される。その判別手段による第1判別の第1判別結果を示す第1識別情報と第2判別の第2判別結果を示す第2識別情報とを同時に表示手段に表示制御手段により動的表示される。その表示制御手段により動的表示される第1識別情報の第1動的表示期間と第2識別情報の第2動的表示期間とが複数の動的表示期間よりそれぞれ動的表示期間決定手段により決定される。第1判別結果または第2判別結果が特定の第1判別結果または第2判別結果である場合に遊技者に有利となる第1特典とその第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典との少なくともどちらか一方を遊技者に付与することが特典決定手段により決定される。
特定の第1判定結果であることを示す第1識別情報が表示される動的表示と特定の第2判定結果であることを示す第2識別情報が表示される動的表示とを同時に動的表示することが動的表示規制手段により規制される。判別手段により特定の第2判別結果でないと判別された場合に、第2特典とは異なる特殊特典を付与する特殊第2判別結果の成立が特殊判定手段により判定される。その特殊判定手段により特殊第2判定結果の成立が判定されたことを示す第2識別情報が特殊動的表示手段により動的表示される。
これにより、特定の第1判別結果を示す第1識別情報が既に動的表示されている場合であっても、特殊第2判定結果を示す第2識別情報を表示手段に同時に表示させることができるので、特殊特典を効率よく遊技者に付与することができる。よって、第1識別情報と第2識別情報との動的表示に遊技者の興味をより持たせることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機D1において、遊技球が入球可能な第1状態とその第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段に遊技球が入球した場合に遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、前記第1特典または前記第2特典として所定条件が成立するまで前記可変入球手段が前記第1状態に可変される特典遊技と、前記特殊特典として前記特典遊技以下の短期間で前記可変入球手段が前記第1状態に可変される特殊特典遊技を実行する特典遊技実行手段とを有するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、特殊特典として、可変入球手段が第1特典または第2特典により実行される特典遊技以下の短期間で第1状態に可変されるので、遊技者に特殊特典として、第1特典または第2特典で得られる特典以下の特典を与えることができ、射幸性が高くなりすぎるのを抑制しつつ、遊技者の得られる特典を増大させることができるという効果がある。
遊技機D2において、前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果が通常時よりも判別される確率が高く設定される特別遊技状態と、前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果が判別される確率が前記通常時の確率に設定される通常遊技状態との少なくとも一方を設定する確率設定手段を有し、前記第2特典では、前記特典遊技後に前記特別遊技状態が前記確率設定手段により設定されるものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、第2特典では、特典遊技後に特別遊技状態が設定されるので、第1特典よりも第2特典を遊技者の有利にすることができ、第1特典か第2特典かのどちらが付与されるかを遊技者に期待させて遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記特典決定手段は、前記特定の第1判定結果である場合には、前記特定の第2判定結果である場合よりも前記第1特典を付与し易く構成されているものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの遊技機の奏する効果に加え、特定の第2判定結果となることにより期待させることができ、第2条件の成立を期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機D3またはD4において、前記通常遊技状態が設定されている場合には、前記第1条件が前記第2条件よりも成立し易く構成され、前記特別遊技状態が設定されている場合には、前記第2条件が前記第1条件よりも成立し易く構成されているものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D3またはD4の遊技機の奏する効果に加え、特別遊技状態となることで、第2条件が成立し易くなるので、通常遊技状態よりも第2特典が付与される機会を増大させることができ、連続して遊技者に第2特典が付与され易くできるという効果がある。
遊技機D5において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第2入球手段に遊技球が入球し易い開放状態と、その開放状態よりも遊技球の入球が規制される規制状態に可変可能な可変手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、容易に第2入球手段への入球率を可変させることができるという効果がある。
遊技機D6において、遊技球が流下する第1流路と、その第1流路を流下した遊技球が流下し難い第2流路と、遊技者の操作に基づいて、前記第1流路と前記第2流路とにそれぞれ切り替えて遊技球を発射することが可能な発射手段と、を有し、前記第1流路に前記第1入球手段が配置され、前記第2流路に前記第1入球手段と前記第2入球手段とがそれぞれ配置されるものであることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、第2入球手段に遊技球を入球させて遊技を行う場合には、第1入球手段にも遊技球を入球させることとなり、第1識別情報と第2識別情報とが同時に動的表示させる機会を増大できるという効果がある。なお、第1識別情報では、第1特典が付与され易いので、第2特典が連続して付与され過ぎる不具合を抑制できる。さらに、第1識別情報が動的表示されることで、第1識別情報で特定の第1判定結果が表示されないことを遊技者は願い、第2識別情報で特定の第2判定結果が表示されることを願うので、遊技の興趣をより高めることができるという効果がある。
遊技機D7において、前記第2流路に配置された前記第1入球手段は、前記第1流路に配置された第1入球手段よりも遊技球の入球が困難に構成されており、前記通常遊技状態が設定されている場合には、前記第2入球手段よりも前記第1流路に配置された前記第1入球手段に遊技球が入球し易く構成されており、前記特別遊技状態が設定されている場合には、前記通常遊技状態である場合よりも前記可変手段が前記開放状態に可変され易く設定されることで、前記第1流路に配置された前記第1入球手段よりも前記第2入球手段に遊技球が入球し易く構成されるものであることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、通常遊技状態と特別遊技状態とで、遊技者が遊技球を流下させて行う流路を切り替えることができ、遊技に変化を与えることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴E群>(確変期間の復活演出)
第1条件の成立に基づいて、第1判別を実行し、第2条件の成立に基づいて、第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記第1判別の第1判別結果を示す第1識別情報と前記第2判別の第2判別結果を示す第2識別情報とを同時に表示手段に動的表示させることが可能な表示制御手段と、その表示制御手段により動的表示される前記第1識別情報の第1動的表示期間と前記第2識別情報の第2動的表示期間とを複数の動的表示期間よりそれぞれ決定する動的表示期間決定手段と、前記判別手段により判別される確率を通常時よりも高い高確率状態とその高確率状態よりも低い前記通常時の確率である低確率状態とのどちらか一方を設定する確率設定手段と、前記動的表示期間決定手段により決定された前記第1動的表示期間の情報に基づいて演出を実行する演出実行手段と、を有し、前記確率設定手段は、前記特定の第1判別結果となった場合に第1設定条件が成立することに基づいて前記低確率状態を設定し、第2設定条件が成立することに基づいて前記高確率状態を設定するものであり、前記演出実行手段は、前記特定の第1判別結果が判別される場合には特定の演出を実行するものであることを特徴とする遊技機E1。
ここで、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知する特別図柄の動的表示が表示装置において実行される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、当たりと判定される確率が通常の通常確率遊技状態と、当たりと判定される確率が高くなる高確率遊技状態とのいずれかの状態が設定される遊技機が提案されている(例えば、特開2005−319221号公報)。このような遊技機では、遊技者は、高確率遊技状態において特典遊技が実行された後に高確率遊技状態が継続して設定されるか否かに注目することとなる。よって、高確率遊技状態が継続されるか否かに関する演出において、更なる興趣の向上が求められていた。本技術特徴では、興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機E1によれば、特定の第1判別結果が判別されると、低確率状態または高確率状態が確率設定手段により設定されるので、演出実行手段により特定の演出を実行することで、確率が変更される可能性があることを事前に報知することができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機E1において、前記特定の演出は、前記低確率状態と前記高確率遊技状態とのどちらが設定されるかを成立する前記第1設定条件または前記第2設定条件に基づいて示唆する演出を含むものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、特定の演出により低確率状態であるか高確率状態であるかを早期に予測できるという効果がある。
遊技機E1またはE2において、第1取得条件または第2取得条件の成立に基づいて、情報を取得する情報取得手段と、その情報取得手段により取得された前記情報が少なくとも前記第1条件または前記第2条件が成立するまで記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報について、前記第1条件または前記第2条件が成立するよりも前に判定する事前判定手段と、その事前判定手段の判定結果に基づいて、前記動的表示期間決定手段により決定される前記第1動的表示期間または前記第2動的表示期間を事前に判別する事前期間判別手段と、を有し、前記演出実行手段により実行される前記演出は、前記事前期間判別手段により判別された前記第1動的表示期間に対応する期間情報を含むものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1またはE2の奏する効果に加え、事前期間判別手段により判別された第1動的表示期間に対応する期間情報を含む演出が実行されることで、第1識別情報が動的表示される期間を遊技者に動的表示の開始前に知らせることができ、遊技者に遊技の流れを早期に認識させて遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記演出実行手段により実行される演出は、前記高確率状態から前記低確率状態に移行して設定されるまでの残り期間を示唆する残期間情報を含むものであることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかの奏する効果に加え、演出実行手段により実行される演出により、高確率状態から低確率状態に移行するまでの残り期間が示唆される残期間情報が報知されるので、第2判別により高確率で判別されることをより期待して遊技を行わせることができるという効果がある。また、高確率状態が付与される期間を分かり易くできるという効果がある。
遊技機E1からE4のいずれかにおいて、前記演出実行手段は、前記第2設定条件が成立することに基づいて前記特定の演出を実行するものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E1からE4のいずれかの奏する効果に加え、第2設定条件が成立することに基づいて、特定の演出が実行されるので、遊技者に高確率状態が設定されることが決定したタイミングで報知することが可能となり、より斬新な演出を行うことができるという効果がある。
遊技機E1からE4のいずれかにおいて、前記第2設定条件が成立することが可能か否かを前記第1識別情報の動的表示を開始するよりも前に判別可能な事前条件判別手段を有し、前記演出実行手段は、前記第2設定条件が成立可能であることが前記事前条件判別手段により判別された場合に前記特定の演出の実行を開始するものであることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E1からE4のいずれかの奏する効果に加え、第2設定条件が成立するよりも前に、特定の演出の実行を開始することができ、第2設定条件の成立を事前に遊技者に示唆して、遊技者の期待を高めることができるという効果がある。
遊技機A1からA14、B1からB14、C1からC8、D1からD8、E1からE6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA14、B1からB14、C1からC8、D1からD8、E1からE6のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA14、B1からB14、C1からC8、D1からD8、E1からE6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
S305,S705 判別手段
S505,S905 動的表示期間決定手段
S506,S906 表示制御手段
S614,S1014 動的表示規制手段
S1282 特典決定手段
S851 特殊判定手段
S952 特殊動的表示手段
本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
従来より、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、特別図柄の当たり抽選が行われて、その抽選結果を報知する動的表示が表示装置において実行される。このような構成において、複数の始動口を備え、それぞれの始動口に対応する特別図柄に基づく動的表示を同時に実行可能に構成した遊技機が提案されている。
ところで、かかる遊技機では、さらに遊技の興趣を向上させることが求められていた。
本発明は、上記した遊技機において、さらに遊技の興趣の向上を可能とする遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、第1条件の成立に基づいて、第1判別を実行し、第2判別条件の成立に基づいて、第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記第1判別の第1判別結果を示すための第1識別情報と前記第2判別の第2判別結果を示すための第2識別情報とをそれぞれ表示手段に動的表示させることが可能な表示制御手段と、その表示制御手段により動的表示される前記第1識別情報の第1動的表示期間と前記第2識別情報の第2動的表示期間とを複数の動的表示期間よりそれぞれ決定することが可能な動的表示期間決定手段と、前記第1判別結果が特定の前記第1判別結果である場合に第1特典遊技を実行可能であり、前記第2判別結果が特定の前記第2判別結果である場合に第2特典遊技を実行可能であり、前記第2判別結果が特殊第2判別結果である場合に前記第1特典遊技と前記第2特典遊技とは異なる第3特典遊技を実行することが可能な特典遊技実行手段とを有し、前記判別手段により前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果と判別される確率として第1確率と、その第1確率よりも高い第2確率との一方を設定可能な確率設定手段と、前記第1確率が設定されている場合には、前記判別手段により前記特殊第2判別結果が判別されない第1設定を実行し、前記第2確率が設定されている場合には、前記判別手段により前記特殊第2判別結果が判別されることを可能とする第2設定を実行することが可能な設定手段と、を有し、前記遊技機は、前記特定の第1判別結果と前記判別手段により判別されたことに基づく前記第1識別情報の動的表示が実行されている期間には、前記特定の第2判別結果と前記判別手段により判別されたことに基づく前記第2識別情報の動的表示が実行されないようにされ、前記特定の第2判別結果と前記判別手段により判別されたことに基づく前記第2識別情報の動的表示が実行されている期間には、前記特定の第1判別結果と前記判別手段により判別されたことに基づく前記第1識別情報の動的表示が実行されないようにされ、前記特定の第1判別結果と前記判別手段により判別されたことに基づく前記第1識別情報の動的表示が実行されている期間には、前記特殊第2判別結果と前記判別手段により判別されたことに基づく前記第2識別情報の動的表示が実行可能にされ、前記確率設定手段は、前記第1特典遊技のうち、特定の第1特典遊技の終了後に、前記第2確率を設定し、前記第1特典遊技のうち、前記特定の第1特典遊技以外の第1特典遊技の終了後に、前記第1確率を設定するものであり、前記第2確率が設定されている場合には、動的表示の終了後に前記特定の第1特典遊技以外の第1特典遊技が実行される前記第1識別情報の動的表示期間として前記第1確率が設定されている場合よりも長い期間の動的表示が実行されるものである。
請求項1記載の遊技機によれば、第1条件の成立に基づいて、第1判別を実行し、第2判別条件の成立に基づいて、第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記第1判別の第1判別結果を示すための第1識別情報と前記第2判別の第2判別結果を示すための第2識別情報とをそれぞれ表示手段に動的表示させることが可能な表示制御手段と、その表示制御手段により動的表示される前記第1識別情報の第1動的表示期間と前記第2識別情報の第2動的表示期間とを複数の動的表示期間よりそれぞれ決定することが可能な動的表示期間決定手段と、前記第1判別結果が特定の前記第1判別結果である場合に第1特典遊技を実行可能であり、前記第2判別結果が特定の前記第2判別結果である場合に第2特典遊技を実行可能であり、前記第2判別結果が特殊第2判別結果である場合に前記第1特典遊技と前記第2特典遊技とは異なる第3特典遊技を実行することが可能な特典遊技実行手段とを有し、前記判別手段により前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果と判別される確率として第1確率と、その第1確率よりも高い第2確率との一方を設定可能な確率設定手段と、前記第1確率が設定されている場合には、前記判別手段により前記特殊第2判別結果が判別されない第1設定を実行し、前記第2確率が設定されている場合には、前記判別手段により前記特殊第2判別結果が判別されることを可能とする第2設定を実行することが可能な設定手段と、を有し、前記遊技機は、前記特定の第1判別結果と前記判別手段により判別されたことに基づく前記第1識別情報の動的表示が実行されている期間には、前記特定の第2判別結果と前記判別手段により判別されたことに基づく前記第2識別情報の動的表示が実行されないようにされ、前記特定の第2判別結果と前記判別手段により判別されたことに基づく前記第2識別情報の動的表示が実行されている期間には、前記特定の第1判別結果と前記判別手段により判別されたことに基づく前記第1識別情報の動的表示が実行されないようにされ、前記特定の第1判別結果と前記判別手段により判別されたことに基づく前記第1識別情報の動的表示が実行されている期間には、前記特殊第2判別結果と前記判別手段により判別されたことに基づく前記第2識別情報の動的表示が実行可能にされ、前記確率設定手段は、前記第1特典遊技のうち、特定の第1特典遊技の終了後に、前記第2確率を設定し、前記第1特典遊技のうち、前記特定の第1特典遊技以外の第1特典遊技の終了後に、前記第1確率を設定するものであり、前記第2確率が設定されている場合には、動的表示の終了後に前記特定の第1特典遊技以外の第1特典遊技が実行される前記第1識別情報の動的表示期間として前記第1確率が設定されている場合よりも長い期間の動的表示が実行されるものである。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
第1実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
第1実施形態におけるパチンコ機の背面図である。
(a)は、第1実施形態における第3図柄表示装置の表示領域を模式的に示した図であり、(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置で表示される表示態様の一例を示した模式図である。
(a)〜(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置で表示される確変遊技状態における表示態様の一例である。
(a)〜(b)は、第1実施形態における第3図柄表示装置で表示される確変遊技状態における表示態様の一例である。
第1実施形態における確変上限値の時間を示した図である。
第1実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
第1実施形態における各種カウンタ、特別図柄保留球格納エリア、特別図柄保留球実行エリア、普通図柄保留球格納エリア、普通図柄保留球実行エリアの構成を模式的に示した図である。
(a)は、第1実施形態における主制御装置のROMの内容を模式的に示した図であり、(b)は、第1実施形態における大当たり乱数テーブルを模式的に示した図であり、(c)は、第1実施形態における大当たり種別テーブルを模式的に示した図であり、(d)は、第1実施形態における普通図柄当たり乱数テーブルを模式的に示した図である。
(a)〜(c)は、第1実施形態における主制御装置110のROMに設定された変動パターン選択テーブルの一例を示した模式図である。
(a)〜(c)は、第1実施形態における主制御装置110のROMに設定された変動パターン選択テーブルの一例を示した模式図である。
(a)〜(c)は、第1実施形態における主制御装置110のROMに設定された変動パターン選択テーブルの一例を示した模式図である。
第1実施形態における主制御装置110のRAMの内容を模式的に示した模式図である。
(a)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223の内容を模式的に示した模式図である。
第1実施形態における加算時間選択テーブル222bの内容を模式的に示した模式図である。
(a)は、第1実施形態における並び替え保留記憶エリアを模式的に示した図であり、(b)は、第1実施形態における従並び替え保留記憶エリアを模式的に示した図である。
第1実施形態における保留図柄表示の並び替えの処理を模式的に示した図である。
第1実施形態における保留図柄表示の並び替えの処理を模式的に示した図である。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄大当たり判定処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動パターン選択処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動停止処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄大当たり判定処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動パターン選択処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動停止処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第1先読み処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第1先読み更新処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第2先読み処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第2先読み更新処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される変動監視処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される不正監視処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される確変設定処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示すフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される保留個数表示更新処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動更新処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される確変期間報知処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示すフローチャートである。
(a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
(a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。
(a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。
表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。
(a)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。
第1実施形態における表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。
(a)は、第2実施形態における主制御装置のROMに設定された小当たり乱数テーブルを模式的に示した図であり、(b)は、第2実施形態における小当たり選択テーブルを模式的に示した図であり、(c)は、第2実施形態における外れ(確変)特図1通常変動パターン選択テーブルを模式的に示した図である。
(a)〜(c)は、第2実施形態における主制御装置のROMに設定される変動パターン選択テーブルの一例を示した模式図である。
第2実施形態における主制御装置のROMに設定される変動パターン選択テーブルの一例を示した模式図である。
第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄変動開始処理2を示すフローチャートである。
第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第1特別図柄大当たり判定処理2を示すフローチャートである。
第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される小当たり処理を示すフローチャートである。
(a)〜(c)は、第3実施形態における主制御装置のROMの内容を模式的に示した模式図である。
第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄大当たり判定処理2を示すフローチャートである。
第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動パターン選択処理2を示すフローチャートである。
第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される第2特別図柄変動停止処理2を示すフローチャートである。
(a),(b)は、第4実施形態における第3図柄表示装置で表示される確変遊技状態における表示態様の一例である。
第4実施形態における主制御装置のROMの内容を模式的に示した模式図である。
第4実施形態における音声ランプ制御装置のRAMの内容を模式的に示した模式図である。
第4実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される確変期間報知処理2を示すフローチャートである。
第4実施形態における音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される期間設定処理を示すフローチャートである。
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図63を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口64、640、67等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2)で表示される保留図柄表示(Ds1〜Ds8)の並び替えを行う場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯または点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
なお、本実施形態では、上記した構成としたが、それに限らず、主制御装置110や他の制御装置が球発射ユニット112aにより発射された遊技球を検出する構成や、球発射ユニット112aのソレノイドが遊技球を発射したことを検出するように構成してもよい。また、検出した遊技球の数をカウントして、RAMクリア等の処理が実行されるまで記憶するように構成してもよい。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、第1始動口64、第2始動口640、第1可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。第1始動口64、第2始動口640、第1可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。また、遊技領域は、戻り球防止部材68を通過した遊技球がアウト口66や入賞口を通過するまでに流下する領域はすべて含まれる。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技盤13の中央右側には、普通図柄始動口67が設けられている。普通図柄始動口67は、ゲート型で遊技球の通過を検出することができるセンサを有した始動口で構成されている。普通図柄始動口67を遊技球が通過した場合に、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。普通図柄始動口67へ遊技球が通過したことに対して行われる抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。
普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、後述する、可変表示装置ユニット80に設けられた第2図柄表示部88において普通図柄の変動表示が開始されて、「○」と「×」の図柄が交互に所定時間(例えば、20秒)点灯した後に、抽選結果を示す普通図柄(本実施形態では「○」もしくは「×」の図柄)が停止表示(点灯表示)される。第2図柄表示部88において変動表示が行われている間に普通図柄始動口67に球が通過すると、その通過回数は、最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示される。
普通図柄の当たりと判定された場合には、第2図柄表示部88に普通図柄の抽選が当たりであったことを示す図柄である「○」が点灯表示される。当たりである図柄が表示されると、普通電動役物640aが作動し、通常時は上方に起立した状態で維持されている普通電動役物640aが略垂直に起立した状態から反時計回りに所定角度(本実施形態では40度)回動し、遊技球を普通電動役物640aが第2始動口640へ誘導することにより、第2始動口640内に遊技球が入球し易い状態(特別状態)になる。一方、普通図柄の外れと判定された場合には、第2図柄表示部88に普通図柄の抽選が外れであったことを示す図柄である「×」が点灯表示される。このときには、普通電動役物640aは作動されず、次の普通図柄(第2図柄)の変動が実行される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1始動口64、第2始動口640、普通図柄始動口(スルーゲート)67に入賞された球のうち変動表示が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。また、大当たり中のラウンド数やエラー表示もそれに対応する点灯状態により示される。
7セグメント表示器37bは、左右に2つの7セグメントLEDで構成されている。左側の7セグメントLEDは、第1抽選遊技の判定結果を示す第1特別図柄が変動表示(動的表示)される。具体的には、第1始動口64への入賞に基づいて決定された、変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(本実施形態では、7セグメントの中央のセグメントが点滅表示)した後に、判定結果を示す図柄で停止表示される。判定結果が外れの場合には中央の1セグメントが点灯表示する外れを示す図柄「−」が表示される。一方、判定結果が当たりである場合には、当たりに対応した図柄「3」、「7」などの外れを示す図柄とは異なる図柄が表示される。第2抽選遊技についても、第1抽選遊技と同様に構成されている。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
また、パチンコ機10における変動パターン(変動態様または動的表示態様)は、後述するが、各変動態様毎に変動時間が設定されており、時間情報に関する動的表示態様に該当する。さらには、変動パターンは、リーチとなる変動パターンと非リーチとなる変動パターンとで、変動時間の比較的長い長時間変動パターンと比較的変動時間の短い短時間変動パターンとに分けることもできる。このように、大まかに、時間の一定基準(ここでは、リーチ、非リーチ、または、基準時間(例えば、10秒より長いか否か))で仕分けた場合に対しても、時間情報に関する動的表示態様に該当する。
さらに、詳細については後述するが、本実施形態では、長時間変動パターンとして、ロングリーチ1〜4が設定されている。このロングリーチ1〜4については、第1特別図柄(特図1)に対して、高確率状態中(確変中)で当否判定結果が外れの場合に選択されることが可能な変動パターンとして設定されている。
また、後述するが、変動開始時間となるまでの時間情報については、正確な変動開始となる時間も該当するし、上記した、大まかな変動パターンの時間情報(例えば、長時間変動パターンであるか否か等)に基づいて決定される時間情報(例えば、変動開始までに行われる長時間変動パターンの回数等)についての情報も該当する。
尚、本パチンコ機10では、第1始動口64または第2始動口640への入賞に対して行われる抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、第1特別図柄の大当たり種別として、大当たりA(15R大当たり)、大当たりB(14R大当たり)の2種類が設定されている。また、第2特別図柄の大当たり種別として、大当たりC(15R大当たり)の1種類が設定されている(図10(c)参照)。
ここで、本実施形態の構成では、大当たり遊技中に開放状態に作動される入賞装置として第1可変入賞装置65と第2可変入賞装置650とがそれぞれ配置されている。第1可変入賞装置65は、大当たりA〜Cの1R(ラウンド)目から14R目について、第1特定入賞口65aが開放されるように作動される。また、第2可変入賞装置650は、大当たりA、大当たりCの15R目に第2特定入賞口650aが開放されるように作動される。
本実施形態では、大当たり後の遊技状態が、大当たり遊技中の第2特定入賞口650aに入賞したことで、高確率状態(確変状態)へ移行するように制御される構成となっている。即ち、大当たりBでは、第2可変入賞装置640は作動されないので、高確率状態へ移行しない構成となっている。また、大当たりA、大当たりCでは、高確率状態へ移行させることが可能な大当たりとなっている。
また、第1始動口64へ入賞したことに基づいて、実行された当否判定結果が大当たりであった場合には、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄がぞろ目で表示されて、大当たりであったことが報知される。しかしながら、その第3図柄からは、大当たり種別が大当たりAであるか、大当たりBであるかを判別することは困難となっており、遊技者は、大当たり遊技をしながら、実行されている大当たりが大当たりAであることを期待して遊技を行うこととなる。そして、14R目から、次のラウンドに移行して、第2可変入賞装置650が作動して、第2特定入賞口650aが開放されると、遊技者は、大当たり種別が大当たりAであったことを認識して、第2特定入賞口650aへ遊技球を入球させて、高確率状態へ大当たり遊技後に移行するように遊技を行うことができる。
このように、本実施形態では、大当たり種別では、高確率状態へ移行させることが可能な状態を遊技者に付与するか否かが決定される。そして、遊技者が自ら遊技球を第2特定入賞口650aへ入賞させることで、高確率状態へ移行することを決定するように遊技を行うことができる。よって、遊技者に新鮮味のある遊技を提供することができ、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口79が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1始動口64または第2始動口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81が設けられている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、図4(a)に示すように、第1表示領域Dmに第3図柄の一つである第1特別図柄または第2特別図柄(遊技状態により異なる)を示す、左(左側表示領域Dm1)、中(中表示領域Dm2)及び右(右側表示領域Dm3)の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の第1表示領域Dm上にて第3図柄(第1特別図柄)が変動表示(動的表示)されるようになっている。
なお、第1表示領域Dmで表示される第3図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)は、「0」から「9」の数字を付した10種類の特別図柄によりそれぞれ構成されている。また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。
具体的には、第1表示領域Dmは、左・中・右のそれぞれ3つの図柄列L1,L2,L3が表示される。各図柄列L1〜L3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列L1〜L3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列L1〜L3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列L1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列L2及び右図柄列L3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。一方、右側表示領域Dm2には、第2特別図柄が第1特別図柄と同様に、図柄列R1、R2、R3が表示され、同様に変動表示が行われる。
また、第1表示領域Dmには、有効ラインU1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄が有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
また、第1表示領域Dmの右上には、第2表示領域Dnが形成されている。この第2表示領域Dnには、第1特別図柄または第2特別図柄(遊技状態により異なる)を示す図柄列が表示される。なお、この第2表示領域Dnには、図4(b)に示すような「○」、「×」の2種類の図柄列が並列して2列表示され、「○」図柄が2つ左右列に表示されると、第1特別図柄または第2特別図柄が当たりであったことを遊技者に報知するように構成されている。
なお、本実施形態では、遊技状態が、低確率状態(通常遊技状態)である場合には、第1表示領域Dmに第1特別図柄に対応した第3図柄が表示され、第2表示領域Dnに第2特別図柄に対応した第3図柄が表示される。また、遊技状態が高確率状態(確変遊技状態)、時短遊技状態である場合には、第1表示領域Dmに第2特別図柄に対応した第3図柄が表示される。そして、第2表示領域Dnに第1特別図柄に対応した第3図柄が表示される。
また、大当たり遊技状態では、大当たり遊技が開始される前に表示されていた状態で第1特別図柄、第2特別図柄が表示されて、大当たり遊技後に遊技状態が切り替えられるのに基づいて、表示領域が切り替えられる。
本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
図4(a)に示すように、第1表示領域の下方には、副表示領域Dsが形成される。この副表示領域Dsには、図4(b)に示すように、第1特別図柄に対応した保留図柄「黒い丸印」と第2特別図柄に対応した保留図柄「黒い三角印」とがそれぞれ表示される。本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との保留球数はそれぞれ4個に設定されているので、副表表示領域Dsには、保留図柄「黒い丸印」が4個、保留図柄「黒い三角印」が4個それぞれ最大では表示される。詳細には、後述するが、副表示領域Dsに表示される保留図柄は、第1特別図柄と第2特別図柄とを合わせた変動開始順序に並び替えて表示される。
ここで、図5〜図7を参照して、第3図柄表示装置81で表示される確変中(確変遊技状態中)の表示内容について説明する。図5(a)は、確変中の第3図柄表示装置81に第3図柄と保留図柄とが表示された場合の一例を示した模式図である。確変遊技状態に移行すると、第1表示領域Dm(図4(a)参照)に第2特別図柄に対応した第3図柄が表示され、第1特別図柄に対応した第3図柄が第2表示領域Dnに表示される。そして、第1表示領域Dmに、確変遊技状態が終了するまでの最短時間を報知する「確変終了まであと・・・」という文字が表示され、その下方に確変終了までの残り最短時間が時・分・秒・ミリ秒の順に数字でデジタル表示される。
ここで、この確変終了までの最短時間は、第1特別図柄で大当たりBが開始されるまでの時間を判別して、その時間内で抽選により決定される。なお、第1特別図柄で大当たりBが開始されることがまだ決定されていない(変動中、保留されている第1特別図柄の抽選で大当たりBに当選したものが設定されていないと判別した)状態では、その記憶されている第1特別図柄の最も変動開始順序が後となる第1特別図柄の変動が終了するまでの時間内で最短時間が設定される。さらに、変動中の第1特別図柄がなく、保留されている第1特別図柄の抽選もない場合には、第1特別図柄の一番短い変動時間(本実施形態では3秒)が設定される。
これにより、確変遊技状態は、第1特別図柄で大当たりBが開始されるまで、遊技者にとって継続される構成であるが、遊技者には確変遊技状態の残り時間を報知するようにできる。よって、遊技者は、確変遊技状態の期間が時間により設定されているかのように感じることができ、その時間が経過する前に、大当たりAまたは大当たりCに当選させて、確変状態を継続させようと期待して遊技を行うことができる。
ここで、図5(a)に示した例では、変動中の第1特別図柄と保留記憶されている第1特別図柄は、すべて当否判定結果外れであり、最も変動開始順序の遅い第1特別図柄の保留球に対する第1特別図柄の変動が終了するまでの時間は、10分9秒05ミリ秒以上である場合を例にして示してある。
次に、図5(b)は、図5(a)示した状態から第1始動口64に遊技球が入球して他場合に第3図柄表示装置81で表示される表示態様の一例を示した模式図である。第1特別図柄の保留図柄「黒い丸印」が一個増加して表示されている。ここで、新たに記憶された第1特別図柄の保留球は、当否判定結果が外れであり、ど外れ(5s)の変動パターンが選択される変動種別カウンタCS1が選択されている。よって、図5(b)が示す状態では、現在成立している第1特別図柄の変動が終了するまでの時間は、5秒加算されている。そして、上乗せ契機(本実施形態では、第1始動口64に入賞したことで成立)が成立して、後述する報知時間の加算抽選(図16参照)より5秒が決定されて、報知時間に5秒が加算されたことを示す「5秒延長!!」の文字が表示されて、デジタルカウンタにも5秒が加算された時間が表示される。
次に、図6(b)を参照して、確変中に第1特別図柄、第2特別図柄の保留球が共に記憶されておらず、第1特別図柄、第2特別図柄ともに変動が停止した状態である状態における第3図柄表示装置81で表示される表示態様の一例を示した模式図である。本実施形態の構成では、第1特別図柄で変動(抽選)が開始されなければ、確変遊技状態の終了契機となる大当たりBに当選することが無いため、実質、確変遊技状態は、継続され続ける状態となる。しかしながら、遊技者には、確変遊技状態は、あたかも時間管理されており、定められた期間が経過したら終了してしまうように報知しているので、第1特別図柄と第2特別図柄が変動されない状態となると、確変終了までの報知をしているデジタルカウンタの減算を停止させて、減算が停止していることを示す「タイマ停止中!!」という文字を表示させる。
これにより、遊技者は、遊技を中断して、トイレ等の休憩を取りたくなった場合にも、安心して休憩を取ることができる。なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄の変動が共に停止した場合にデジタルカウンタの停止が設定されるように構成したが、それに限らず、第1特別図柄の変動中と保留記憶されている中に、大当たりAまたは大当たりBとなるものがなければ、第2特別図柄の変動が停止したことに基づいて、デジタルカウンタの減算を停止させてもよい。本実施形態では、遊技者は、主に第2特別図柄に対応する第3図柄の変動に注意して遊技を行う。第1特別図柄については、表示領域が小さく構成された第2表示領域Dnで表示されるので、遊技者はその変動表示に気づき難く、変動に注意をせずに遊技を行うように構成されている。よって、遊技者に第1特別図柄が大当たりBに当選すると、確変遊技が終了する構成であることが気づき難くすることができる。
このような構成では、遊技者は、第2特別図柄に対応する第3図柄のみに注意を払って遊技を行っているので、第2特別図柄の変動が終了してしまえば、その後に第1特別図柄が変動していようと、関心は無く、休憩等を取り遊技を中断できると認識する。ここで、デジタルカウンタの減算が停止すれば、遊技者は安心して遊技を中断する。一方、第2特別図柄の変動が停止した状態で、保留球も無い状態にも関わらず、デジタルカウンタの減算が停止しない場合には、遊技者は、確変遊技の期間が減算されていることを認識して、遊技を中断せずに続行することができる。よって、遊技者に休憩等の遊技の中断が実行できる状態であるか否か認識させることができる。
次に、図6(b)を参照して、第1特別図柄で大当たりBに当選して確変遊技が終了した場合における第3図柄表示装置81で表示される表示態様の一例について説明する。図6(b)は、第1特別図柄で大当たりBに当選して、大当たりであることを示す図柄の組み合わせ「○」が並列して第2表示領域Dnで表示されている。大当たりBが実行された後に、通常遊技状態に移行するので、確変遊技状態中の可変表示ユニット80の右側に遊技球を流下させる強さで遊技球を発射させるように発射ハンドル51を操作している(右打ち遊技)状態から可変表示ユニット80の左側に遊技球を流下させる強さで遊技球を発射させる(左打ち遊技)ように発射ハンドル51を操作する(左打ち遊技)状態で遊技を行うように遊技者に報知する「左打ちに戻してください」という文字が表示される。
また、デジタルカウンタの残り時間が0で表示されて、確変遊技状態が終了したことを示す「確変終了!!」の文字が表示される。この場合、大当たりBの終了と共に、第1特別図柄に対応する第3図柄が第1表示領域Dmに、第2特別図柄に対応する第3図柄が第2表示領域Dnに表示されるように切り替えられる。
次に、図7を参照して、本実施形態における確変遊技状態における確変遊技期間の残り最大期間を決定する際の、算出方法について説明する。図7は、第1特別図柄の保留球が3個成立しており、変動中、保留球1〜2までがど外れの変動パターンが選択されている(される)ものであり、保留球3で大当たりBに当選することが判別されている状態を示している。この場合には、保留球3の変動が終了すると、確変遊技状態は終了することとなるため、確変終了時間までの最大期間は、保留3が変動終了するまでの時間となる。よって、変動中の残り変動時間と、保留1〜3で選択される変動パターンの変動時間を合計したものが、確変終了までの最大期間と判別される。そして、確変の終了が決定した場合には、その期間がデジタルカウンタに設定される(表示中の期間に、差分時間が加算されて表示される)。
なお、本実施形態においては、第1始動口64または第2始動口640への入賞は、それぞれ最大4回まで保留される。第1特別図柄が変動表示中に第1始動口64に遊技球が入賞すると、その入賞に基づく第1抽選遊技の開始は保留されて、下側表示領域Dsの保留図柄表示エリアの表示領域のうち保留図柄が表示されていないエリアのうち最も若い番号の保留図柄表示エリア(左側の保留図柄表示エリア)に、第1抽選遊技の保留図柄である「黒い丸印」が表示される。
また、第2特別図柄が変動表示中に第2始動口640に遊技球が入賞すると、第1始動口640に入賞した場合と同様に、第2抽選遊技の保留図柄である「黒い三角印」が下側表示領域Dsの保留図柄表示エリアに表示される。
また、本実施形態では、第1抽選遊技と第2抽選遊技の2つで構成されたパチンコ機10について説明したが、それに限らず、3つや4つ、それ以上の抽選遊技とそれに対応する始動口をそれぞれ設けて、同時にそれぞれの抽選結果の変動表示を可能に構成するようにしても当然良い。
第1始動口64、第2始動口640へ遊技球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1始動口スイッチまたは第2始動口スイッチ(図示せず)がオンとなる。その第1始動口スイッチ、第2始動口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37で示される。また、第1始動口64、第2始動口640は、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方が、大当たりを示す図柄で停止表示されると、他方の特別図柄が変動表示中であれば、大当たり期間中、変動時間の計測は中断されるが、変動表示は継続して行われる。その後、大当たり遊技が終了すると、変動時間の計測が再開されて、残りの変動期間で変動表示が実行される。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方で大当たりとなった場合には、変動時間の計測を中断して、変動表示を継続する構成としたが、それに限らず、変動中の変動表示を仮停止させて、大当たり終了後に、残りの変動時間を変動表示するように構成してもよい。
また、中断中については、所定周期で、第1特別図柄または第2特別図柄について、所定の表示態様「例えば、アルファベットのh」で停止表示させた状態で点滅表示させたりしてもよい。このように、構成することで、第1特別図柄または第2特別図柄が仮停止中(中断中)であることを遊技者に報知することができる。
遊技領域の下方右側には横長矩形状の第1可変入賞装置65と、その第1可変入賞装置65よりも横幅が短く構成されている第2可変入賞装置650とが配設されている。パチンコ機10においては、主制御装置110での第1特別図柄または第2特別図柄の大当たりに関する抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37を点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81の対応する表示領域(第1表示領域Dmまたは第2表示領域Dn)に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65aまたは第2特定入賞口650aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この第1特定入賞口65aまたは第2特定入賞口650aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この第1可変入賞装置65と第2可変入賞装置650aの開閉動作をさせる順序(開放するラウンド)は、決定された大当たりの種別によって決定されている。例えば、大当たりA、大当たりCであれば、第1ラウンドから第14ラウンドまでが第1特定入賞口65aが開放され、第15ラウンドで第2特定入賞口650aが開放される。また、大当たりBでは、第1ラウンドから第14ラウンドまで第1特定入賞口65aが開放されて、第2可変入賞装置650aは開放されることはない。
このように、大当たり遊技では、大当たり種別に開放される特定入賞口が変わるように構成されているので、第2特定入賞口65aが開放されるか否かで、大当たり種別を判別できる。よって、遊技者に図柄等で大当たり種別を報知しなくとも、開放される特定入賞口で大当たり種別を遊技者に認識させることができる。
さらに、第2特定入賞口650aは、遊技者に大当たり遊技後に確変遊技状態を付与することが決定される契機となる入賞口として構成されている。第2特定入賞口650aに遊技球が入球することに基づいて、確変遊技状態が大当たり遊技後から設定される。また、第1特定入賞口65a、第2特定入賞口650aに遊技球がそれぞれ入球した場合には、遊技球が1球入球したことに対して、15球の遊技球が賞球として、遊技者の払い出されるように構成されている。
具体的には、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650は、第1特別図柄または第2特別図柄が当たりを示す図柄で停止表示されると、その大当たり種別に基づいて開閉動作が設定され、第1特定入賞口65aまたは第2特定入賞口650aが所定時間、または所定条件が成立するまで(本実施形態では、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
第1可変入賞装置65は、第1特定入賞口65aを、第2可変入賞装置650は、第2特定入賞口650aをそれぞれ覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。第1特定入賞口65aと第2特定入賞口650aとは互いに、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が第1特定入賞口65aまたは第2特定入賞口650aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63にも入賞しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90、91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図8参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ(図3、122)が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図8参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ(図3、122)は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<構成について>
図2を参照して、本実施形態の特徴的な構成について説明する。本実施形態では、可変表示ユニット80の下方には、第1始動口64(左側第1始動口64とも称す)が設けられている。この左側第1始動口64は、遊技球が1球入球可能な大きさの開口部が上面に形成されており、その開口部の対向位置には、釘が2本遊技球の直径より若干広い間隔で配置されている。この釘の傾きを調整することで、左側第1始動口64への遊技遊の入賞率(例えば、250球の遊技球を発射した場合に、左側第1始動口64へ入賞する遊技球の数の割合)を可変させることが可能に構成されている。
また、可変表示ユニット80の右側領域には、第2始動口640と第1始動口64(右側第1始動口64とも称す)とがそれぞれ上下に並列して配置されている。第2始動口640は、遊技板60に取り付けられた飾り部材の側面に遊技球が1球入球可能な開口部を有している。その開口部の前面側(対向面)には、第2始動口640に付随する普通電動役物640aが配置されている。この普通電動役物640aは、遊技球3球分程度の長さを有しており、一端側を回動可能に軸支されている。そして、第2図柄が当たりとなることに基づいて、所定回数(本実施形態では、1回または2回)、所定秒数(本実施形態では、0.5秒または1秒)間で遊技球を第2始動口640へ誘導可能となる方向(開口部より離間する方向)に所定角度(本実施形態では、45度)で回動するように構成されている。普通電動役物640aは、ソレノイドにより回動される。なお、通常時(第2図柄の当たり時以外)では、第2始動口640aの開口部を閉塞する状態(垂直方向に起立した状態)に維持される。
また、右側第1始動口64は、図2に示すように、第2始動口640の下方に配置されている。そして、普通電動役物640aが開放状態(水平方向側に傾倒した状態)では、右側第1始動口64の開口部に対向する位置に、普通電動役物640aが配置される。このように構成することで、普通電動役物640aが開放状態にあるときには、右側第1始動口64に遊技球が入球し難い状態に構成できる。
なお、本実施形態では、遊技状態が高確率状態(確変状態)と時短遊技状態である場合には、第2図柄が当たりと判定される確率が高くなるように構成されている。また、遊技状態が低確率遊技状態である場合には、遊技者は可変表示ユニット80の左側を遊技球が通過するように遊技球を発射させて、左側第1始動口64に遊技球を入賞させるように遊技を実行する。そして、第3図柄が当たりとなり、確変遊技または時短遊技に移行すると第2図柄が当たりと判定される確率が上昇することから、スルーゲート67を遊技球が通過すると第2図柄が当たりとなり易く構成されている。そのことより、遊技者は、遊技球を可変表示ユニット80の右側を通過するように発射(右打ち遊技)させて遊技を実行する。この場合には、普通電動役物640aが開放状態となる確率が高くなるので、第2始動口640に入賞し易く構成される一方、右側第1始動口64への入賞は少なくなる。
ここで、本実施形態では、確変遊技状態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄で当選した方が遊技者に有利となるように構成されている。具体的には、第1特別図柄では、大当たりのうち、50%が大当たり遊技後に確変が付与され易い大当たりとなり、残りの50%は大当たり遊技後に時短遊技(低確率遊技状態)が付与されやすい(確変遊技が付与されがたい)大当たりが付与されるように構成されている。
一方、第2特別図柄では、大当たりとなった場合に、100%で大当たり遊技後に確変遊技が付与され易い大当たりが付与されるように構成されている。即ち、第2特別図柄で当選した方が、確変遊技状態が付与され易く構成されている。
詳細は後述するが、大当たり遊技中に開閉される第2特定入賞口650aへ遊技球が入球した場合に確変遊技が付与される。上述した、確変が付与され易い大当たりとは、大当たり遊技中に第2特定入賞口650aが開放され、第2特定入賞口650aへ遊技球が入球可能な大当たりのことを指す。なお、第2特定入賞口650aが開放される大当たりが選択された場合でも、第2特定入賞口650aへ遊技球が入球し易い状態と入球し難い状態とを設定可能に構成してもよい。例えば、第1特定入賞口65aと第2特定入賞口650aとの間に蛇行経路などを設けることで、第1特定入賞口65aへ入球しなかった遊技球が第2特定入賞口650aまで流下するのに所定時間(例えば5秒)が必要な構成とする。そして、第1特定入賞口65aが閉鎖してから第2特定入賞口650aが開放されるまでの時間(所謂インターバル時間)を可変させることで、第1特定入賞口65aから第2特定入賞口650aへ流下するのに必要な所定時間(例えば5秒)内に第2特定入賞口650aの開閉動作が終了する場合と終了しない場合とを設定すればよい。
また、可変表示ユニット80の右側の流路は、普通電動役物640aが開放状態となると、普通電動役物640aの先端と可変表示ユニット80との間隔は、遊技球が1球以上2球未満の間隔となっている。その間隔を流下した遊技球は、ゲート型の開口部を有したスルーゲート67を通過し易いように、スルーゲート67が配置されている。スルーゲート67を通過した遊技球は、スルーゲート67の下流側に配置された釘により、右側第1始動口64には入賞し難く構成されている。具体的には、スルーゲート67の出口側(下流側)には、右側第1始動口64の開口部上部に配置された釘により遊技球が右側第1始動口64の開口部側へは流下しない間隔(遊技球1球未満)で構成されており、そのまま、風車を経て下方へ流下するように構成されている。即ち、右側第1始動口64へ入賞する場合には、普通電動役物640aが閉鎖状態(垂直方向に起立した状態)に維持されている場合に限られるように構成されている。
また、確変状態中には、第2図柄の変動時間は、3秒と短く設定されており、頻繁に普通電動役物640aが開放状態になるように構成されている。よって、確変状態中には、右側第1始動口640aに遊技球が入球し難くなるように構成されている。よって、確変状態となると、確変状態が継続する回数が多くなるようにできる。従って、遊技者の遊技に対する意欲を増大させることができる。
なお、本実施形態では、普通電動役物640aの開放状態では、右側第1始動口64へ入賞しない構成としたが、それに限らず、スルーゲート67の出口から流下した遊技球が右側第1始動口64へ入賞可能な間隔に構成して、割合を低くして、右側第1始動口64へ入賞可能なように構成してもよい。
また、遊技領域の右側下方には、第1可変入賞装置65とその直下に第2可変入賞装置650とがそれぞれ配置されている。第1可変入賞装置65は、遊技球が入球可能な横長の開口部である第1特定入賞口65aを通常時は、遊技球が入球することを妨げる扉部材により閉鎖されて構成されている。そして、特別図柄の大当たりとなる場合に、扉部材が下方両端を回動軸として遊技板60に対して垂直となる位置まで回動して、流下してくる遊技球を扉部材で受けて、第1特定入賞口65aの内部へと誘導するように構成されている。
また、第2可変入賞装置650は、第1可変入賞装置よりも横幅の狭い開口部である第2特定入賞口650aが扉部材で通常時は遊技球が入球することを規制するように配置されている。そして、特別図柄の大当たりとなると扉部材が下方両端を回動軸として遊技板60に対して垂直となる位置まで回動して、流下する遊技球を受けるように構成されている。なお、第2特定入賞口650aに遊技球が入賞することで、大当たり遊技後に確変状態に設定されることが決定される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄(特図1)が大当たりとなった場合に付与される大当たりAと第2特別図柄(特図2)が大当たりとなった場合に付与される大当たりCとが実行された場合には、1R(ラウンド)目から14R目までは、第1可変入賞装置65が作動されて、15ラウンド目のみ第2可変入賞装置650が作動される。
一方、第1特別図柄が大当たりとなった場合に付与される大当たりBでは、1R目から14R目までが、第1可変入賞装置65が作動して、第2可変入賞装置650は作動することがないので、第2特定入賞口650aに入賞する機会は与えられず、確変状態が付与されることが困難な構成となっている。
なお、本実施形態では、第2特定入賞口650aへ遊技球が入球することにより確変状態が付与されるように構成したが、これに限られるものではない。例えば、第2特定入賞口650aへ遊技球が入球することに基づいて大当たりが発生するように構成してもよい。具体的には、特別図柄の抽選結果として小当たりとなった場合に第2特定入賞口650aを開閉させ、第2特定入賞口650aへ遊技球が入球することに基づいて、大当たり遊技として第1特定入賞口65aを開閉するように構成する(所謂、1種2種混合機としてもよい)。
本実施形態では、低確率遊技状態では、右打ち遊技で遊技を行うことが禁止されており、低確率遊技状態時に第2始動口640に遊技球が入賞すると異常処理が実行されて、第3図柄表示装置81に警報表示「左打ちで遊技してください」という文字を表示するとともに、音声でも同様の警告が報知される。また、低確率遊技状態で、第2始動口640に遊技球が入賞した場合には、大当たりが無効となるように制御してもよいし、ホールコンピュータ等に異常信号を出力するように構成してもよい。
<第1実施形態における電気的構成>
次に、図8を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図8は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示部88における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図9参照)が設けられている。
ここで、図9を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示部88の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する特別図柄当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する特別当たり種別カウンタC2と、変動パターンの選択に使用する変動種別カウンタC3と、特別当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1とが用いられる。また、普通図柄(第2図柄表示部88)の抽選には、普通当たり乱数カウンタC4が用いられ、普通当たり乱数カウンタC4の初期値設定には普通初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図20参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(S1250)(図41参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1始動口64に対する入賞について各カウンタ値が格納される第1特別図柄保留球格納エリア203aと第2始動口640に対する入賞について各カウンタ値が格納される第2特別図柄保留球格納203bとが設けられている。本実施形態では、第1始動口64、第2始動口640には、保留球が最大4個までそれぞれ設けられており、合計最大8個の保留球が記憶可能に構成されている。そのため、特別図柄が変動表示中でない場合や、特別図柄の大当たり遊技中でない場合等の特別図柄の抽選が可能な期間に遊技球が、第1始動口64に遊技球が入賞すると、各カウンタ値が第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納され、第2始動口640に遊技球が入賞すると、各カウンタ値が第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。その後、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納された各カウンタ値が第1特別図柄保留球実行エリア203cに移動されて、第1特別図柄を変動表示(動的表示)するための各種設定や制御処理が実行される。同様にして、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納された各カウンタ値が第2特別図柄保留球実行エリア203dに移動されて、第2特別図柄を変動表示するための各種設定や制御処理が実行される。
一方、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示中や第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり遊技中等の特別図柄の抽選が不可能な期間に、遊技球が第1始動口64または第2始動口640に入賞した場合には、入賞した始動口に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)未満である場合には、各カウンタ値の取得がされ、入賞した始動口に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶される。また、入賞した始動口に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)以上である場合には、各カウンタ値等の取得はされずに賞球(本実施例では、遊技球5個)のみが遊技者に払い出される無効球として扱われる。
なお、本実施形態では、保留球数の上限値は、第1始動口64と第2始動口640とに対してそれぞれ4個としたが、それに限らず、それぞれ4個でもよいし、上限値をもうけないようにしてもよい。
図9に示す各カウンタについて詳しく説明する。特別当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、特別当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINI1の値が当該特別当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、この特別当たり乱数カウンタC1は、第1始動口64、第2始動口640に対して共通に取得される。
初期値乱数カウンタCINI1は、特別当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、特別当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図20参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(S1250)(図41参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
特別当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1始動口64または第2始動口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の入賞した始動口に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202a(図10(b))によって設定されており、特別当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値(本実施形態では、低確率時には、「7」、高確率時には、「0〜9」)と一致する場合に、大当たりと判定する。
本実施形態のパチンコ機10における特別当たり乱数カウンタC1は、0〜399の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この特別当たり乱数カウンタC1では、大当たりとなる乱数の値(当たり値)の数は低確率時には1で、その値「7」が、高確率時には10で、その値「0〜9」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。
特別当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(本実施形態では、99)に達した後に0に戻る構成となっている。特別当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1始動口64または第2始動口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、入賞した始動口に対応するRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
ここで、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納された特別当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動表示演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、外れ時のものとなる。一方で、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球実行エリア203bに格納された特別当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動表示演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納された特別当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
本実施形態のパチンコ機10における特別当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。この特別当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202b(図10(c)参照)とに基づいて、大当たり種別が決定される。ここで、図10(a)に示すように、ROM202には、各種テーブルが格納されている。図10(b)は、大当たり乱数テーブル202a、図10(c)は、大当たり種別テーブル202bの一例を模式的に示した図である。大当たり種別テーブル202b(図8(c))は、大当たり種別と特別当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
大当たり種別としては、上述したように、第1特別図柄専用の大当たり種別として、大当たりAと大当たりBが設定され、第2特別図柄専用の大当たり種別として、大当たりCが設定されている。大当たりAは、15R(ラウンド)で構成された大当たりであり、1Rから14R目までは、第1可変入賞装置65が作動されて、15R目で第2可変入賞装置650が作動される。ここで、第2可変入賞装置650が作動(開放)して、第2特定入賞口650aへ遊技球が入球可能な状態となり、第2特定入賞口650aに遊技球が入球すると、大当たりAの大当たり遊技終了後の遊技状態が確変状態に設定される。これにより、大当たりAは、確変遊技が付与されることが可能となる大当たり種別となる。この大当たりAは、第1始動口64に遊技球が入球したことに基づいて当否判定が実行され、大当たりとなった場合に、取得している特別当たり種別カウンタC2の値(第1始動口64への入球時に取得)が0〜49のいずれかであると決定される大当たり種別である。
また、大当たりBは、14Rで構成された大当たり種別であり、1R目から14R目まで第1可変入賞装置65が作動して大当たり遊技が実行される。よって、第2可変入賞装置650が作動されることはないので、大当たりB終了後には、確変状態が設定されることはない。これにより、大当たりBは、確変状態が付与されることがない大当たり種別となる。この大当たりBは、第1始動口64に遊技球が入球したことに基づいて当否判定が実行され、大当たりとなった場合に、取得している特別当たり種別カウンタC2の値(第1始動口64への入球時に取得)が50〜99のいずれかであると決定される大当たり種別である。
大当たりCは、大当たりAと同様に、15Rの大当たりであり、1R目から14R目までは、第1可変入賞装置65が作動して、15R目は第2可変入賞装置650が作動する。これにより、大当たりCは、大当たり遊技後に確変状態が設定されることが可能な大当たり種別となる。この大当たりCは、第2始動口640に遊技球が入球したことに基づいて当否判定が実行され、大当たりとなった場合に、取得している特別当たり種別カウンタC2の値(第1始動口64への入球時に取得)が0〜99のいずれかであると決定される大当たり種別である。即ち、第2特別図柄の抽選では、大当たりとなると、必ず大当たりCが決定されて実行されることとなる。
このように、第1始動口64に入球したことに基づいて実行される第1特別図柄の抽選では、大当たりとなると、50%の確率でそれぞれ大当たりAと大当たりBとが選択される。一方、第2始動口64に入球したことに基づいて実行される第2特別図柄の抽選では、大当たりとなると100%の確率で大当たりCが選択される。よって、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも遊技者にとって有利な抽選が実行されることとなる。これにより、遊技者は、第1特別図柄よりも第2特別図柄で抽選が実行された方が有利に感じるので、第2特別図柄で抽選されて大当たりになることを期待して遊技を行うことができる。
上述したように、大当たり種別テーブル202b(図10(c)参照)では、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する特別当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。図10(c)の例では、大当たりAに対して特別当たり種別カウンタC2の値「0〜49」が対応付けられ、大当たりBに対して特別当たり種別カウンタC2の値「50〜99」が対応付けられ、大当たりCに対して特別当たり種別カウンタC2の値「0〜99」が対応付けられている。
特別当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、その特別当たり乱数カウンタC1の値が格納されている第1特別図柄保留球実行エリア203cまたは第2特別図柄保留球実行エリア203dに格納された特別当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が大当たり種別テーブル202bから決定される。例えば、特別当たり種別カウンタC2の値が「20」であれば、第1特別図柄であれば、大当たりAが、第2特別図柄であれば、大当たりCが決定される。
図9に戻って、各種カウンタの説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば、0〜198の範囲内で1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後、0に戻る構成となっている。
変動種別カウンタCS1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1始動口64、または第2始動口640に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
図11(a)〜(b)は、遊技状態が通常遊技状態である場合に、第1特別図柄、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択するための変動パターン選択テーブル202dを示した模式図である。第1特別図柄と第2特別図柄との通常遊技状態である場合に選択される変動パターンについて説明する。
図11(a)は、遊技状態が通常遊技状態であり、当否判定結果が外れである場合に第1特別図柄と第2特別図柄との変動パターンをそれぞれ選択するための変動パターンが設定された外れ(通常)共通変動パターン選択テーブル202dである。この外れ(通常)共通変動パターン選択テーブル202dでは、変動種別カウンタCS1の値に対応して、各変動パターン種別が割り付けされている。具体的には、変動種別カウンタCS1の値「0〜100」に対して、5秒の変動時間で構成されたど外れ(リーチの表示態様とならずに第3図柄が外れの表示態様で停止する表示態様)の変動パターンが設定されている。「101〜160」に対して、10秒の変動時間で構成されたノーマルリーチの変動パターンが設定されている。また、「161〜198」に対して、30秒の変動時間で構成されたスーパーリーチの変動パターンが設定されている。なお、ここで選択される変動パターンは、いずれも当否判定結果が外れとなる変動パターンである。
このように、遊技状態が通常遊技状態で当否判定結果が外れである場合には、比較的に変動時間の短い(5秒間)変動パターンであるど外れの変動パターンが約50%の割合で選択される。これにより、当否判定結果が外れであるにも関わらず長い変動時間の変動パターンが選択されて遊技が間延びしてしまい遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。また、第1特別図柄と第2特別図柄との変動パターンを選択する変動パターン選択テーブルを共通とすることで、第1特別図柄と第2特別図柄との変動を均等に実行することができる。
図11(b)は、遊技状態が通常遊技状態であり、当否判定結果が当たりである場合に第1特別図柄と第2特別図柄との変動パターンを選択するための当たり(通常)共通変動パターン選択テーブル202dの内容を模式的に示した模式図である。この当たり(通常)共通変動パターン選択テーブル202dでは、変動種別カウンタCS1の値「0〜10」に対して、10秒間の変動時間で構成されたノーマルリーチの変動パターンが設定されている。「11〜150」に対して、30秒間の変動時間で構成されたスーパーリーチの変動パターンが設定されている。「151〜198」に対して、60秒間の変動パターンで構成された変動パターンが設定されている。
次に、図11(c)〜図12(b)を参照して、遊技状態が時短遊技状態である場合に、第1特別図柄と第2特別図柄とで選択される変動パターンの変動パターン選択テーブル202dについて説明する。時短遊技状態で選択される変動パターンが設定された変動パターン選択テーブル202dとしては、第1特別図柄または第2特別図柄の当否判定結果が当たりの場合に参照される当たり(時短)共通変動パターン選択テーブル202d(図11(c))と第1特別図柄の抽選結果が外れの場合に参照される外れ(時短)特図1変動パターン選択テーブル202d(図12(a))と第2特別図柄の抽選結果が外れの場合に参照される外れ(時短)特図2変動パターン選択テーブル202d(図12(b))とがそれぞれ設定されている。
図11(c)は、当たり(時短)共通変動パターン選択テーブル202dの内容を模式的に示した模式図である。この当たり(時短)共通変動パターン選択テーブル202dは、第1特別図柄と第2特別図柄との時短遊技状態における当否判定結果が当たりであった場合に選択される変動パターン選択テーブルである。この当たり(時短)共通変動パターン選択テーブル202dでは、変動種別カウンタCS1の値「0〜198」に対して、5秒間の変動時間で構成されたノーマルリーチの変動パターンが設定されている。即ち、遊技状態が時短状態である場合には、当否判定結果が当たりであると第1特別図柄でも第2特別図柄でも当たりとなるノーマルリーチの変動パターンが選択される。これにより、時短遊技状態では当否判定結果が当たりとなると、比較的短い変動時間(5秒間)の変動パターンであるノーマルリーチの変動パターンが選択されるので、大当たりとなると短い変動パターンが実行されて速やかに大当たり遊技へと移行させることができる。ここで、詳細については後述するが、本実施形態では第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらか一方で当否判定結果が大当たりとなる変動表示が開始されている場合に、後から変動開始する特別図柄では強制的に外れの当否判定結果となるように制御されている。よって、当否判定結果が大当たりである場合には、比較的に短い変動時間が選択されるようにすることで、遊技が無駄に間延びしてしまうのを抑制できる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりとなる変動表示が同時に変動しないように構成したが、それに限らず、同時に大当たりとなる変動表示がされることが可能に構成した場合には、第2特別図柄の大当たりとなる変動表示時間は第1特別図柄よりも短い(例えば、5秒間)または極端に短い変動時間(例えば、0.5秒)として、第1特別図柄の大当たりとなる変動時間は第2特別図柄よりも長い変動時間(例えば、60秒間)または極端に長い変動時間(例えば、5分間)が選択されるように構成してもよい。このように、構成することで、遊技者に不利な大当たり種別である大当たりBが決定される可能性がある第2特別図柄で大当たりすることを先延ばしにすることができ、その間に第2特別図柄で大当たりさせて、大当たりCを遊技者に付与することができる。なお、この場合には、一方の特別図柄で大当たりが開始された場合には、他方の特別図柄で変動中の抽選遊技は無効にするように構成する構成が考えられる。このように構成することで、遊技者に不利な大当たり種別である大当たりCが付与されて確変遊技状態が設定された後にすぐに決定されて、短期間で確変遊技状態が終了してしまう不具合を抑制することができる。
また、上記した、第1特別図柄と第2特別図柄とで当否判定結果が大当たりである変動表示を同時に変動表示することを可能にした構成では、第1特別図柄における当否判定結果が外れの変動表示時間を長く(例えば、100秒間)設定して、第2特別図柄における当否判定結果が当たりの変動時間を短く(例えば、1秒間)に設定することで、時短遊技中に第1特別図柄で抽選結果が表示される回数を減らす(第1特別図柄が変動表示される回数を減らす)ことができ、遊技者に有利な第2特別図柄での抽選回数を増やすことができる。なお、時短回数が第1特別図柄または第2特別図柄が100回変動表示するまでとされていた場合には、第1特別図柄の変動時間を第2特別図柄が外れ変動で連続して100回変動表示した場合の時間よりも長い時間で構成することにより第2特別図柄が時短遊技中に変動表示する回数を効果的に減らすことができる。
次に、図12(a)を参照して、時短遊技状態における第1特別図柄の当否判定結果が外れである場合に選択される変動パターンが設定された変動パターン選択テーブル202dの一つである外れ(時短)特図1変動パターン選択テーブル202dについて説明する。図12(a)は、外れ(時短)特図1変動パターン選択テーブル202dの内容を模式的に示した模式図である。この外れ(時短)特図1変動パターン選択テーブル202dには、変動時間が5秒間で構成されたど外れの変動パターンと、変動時間が10秒間で構成されたノーマルリーチの変動パターンと、変動時間が30秒間で構成されたスペシャルリーチの変動パターンと、変動時間が300秒間で構成されたセミロングの変動パターンとがそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が割付けされて設定されている。具体的には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜50」に対して、ど外れの変動パターンが設定されており、「51〜100」に対して、ノーマルリーチの変動パターンが設定されており、「101〜169」に対して、スペシャルリーチの変動パターンが設定されており、「170〜198」に対して、セミロングの変動パターンが設定されている。
ここで、時短遊技状態では、第1特別図柄と第2特別図柄との変動回数の合計が100回となるまで、普通図柄の当選確率が高く設定され、普通電動役物640aの開放時間が長くなり(通常時0.2秒が1秒間に延長)、開放回数も多く(通常時1回が2回)設定される。これにより、遊技者としては、遊技者に有利となる第2特別図柄(大当たりした場合に確変遊技状態が付与可能となる大当たりCが必ず決定される)で、なるべく多くの回数を変動表示させて遊技を行うことを期待する。そこで、外れ(時短)特図1変動パターン選択テーブル202dでは、比較的に長い変動時間となるスペシャルリーチ、セミロングの変動パターンが後述する外れ(時短)特図2変動パターン選択テーブル202dよりも選択され易く設定されている。
よって、変動時間が長い第1特別図柄の変動パターンが選択される機会が多くなり、第1特別図柄が時短遊技状態で変動される回数を減らすことができる。よって、時短遊技状態中に大当たりした場合に、大当たりCが遊技者に付与され易くすることができる。
なお、セミロングの変動パターンは、第1特別図柄に対応する図柄が300秒間高速で変動し続けて、その後、外れを示す組み合わせで停止表示される。また、後述する第2特別図柄は、時短中では当否判定結果が外れであれば、5秒間の変動時間で構成されたど外れの変動パターンが選択され易く構成されているので、最大で第2特別図柄で60回の変動を開始させることができる。よって、より多く時短遊技中に第2特別図柄での変動(抽選)を行うことができる。
なお、本実施形態では、セミロングの変動時間を300秒間としたが、それに限らず、第2特別図柄が外れの変動パターンで最大で時短回数分以上変動できる変動時間で構成してもよい。また、セミロングとは別に更に長い変動時間の変動パターンを設定するように構成してもよい。
次に、図12(b)を参照して、時短遊技状態における第2特別図柄の当否判定結果が外れである場合に選択される変動パターンが設定された外れ(時短)特図2変動パターン選択テーブル202dについて説明する。図12(b)は、この外れ(時短)特図2変動パターン選択テーブル202dの内容を模式的に示した模式図である。図12(b)に示したように、時短遊技状態では、第2特別図柄の外れ変動パターンとしては、5秒間の変動時間で構成されたど外れの変動パターンと、10秒間の変動時間で構成されたノーマルリーチの変動パターンとがそれぞれ設定されている。ど外れの変動パターンに対しては、変動種別カウンタCS1の値として「0〜180」が設定されており、ノーマルリーチの変動パターンに対しては、変動種別カウンタCS1の値として「181〜198」が設定されている。
これにより、時短遊技状態では、181/199の確率でど外れの変動パターンが第2特別図柄では当否判定結果が外れであれば選択される。よって、第2特別図柄の変動を短時間で実行することができるので、より多く第2特別図柄の抽選を実行できる。従って、時短遊技状態を利用して、遊技者により有利な抽選機会を多く与えることができる。
次に、図12(c)〜図13(c)を参照して、確変遊技状態における第1特別図柄と第2特別図柄との変動パターンをそれぞれ選択するための変動パターン選択テーブルについて説明する。
図12(c)は、確変遊技状態における第1特別図柄の当否判定結果が外れである場合の変動パターンを選択する為の変動パターン選択テーブル202dである外れ(確変)特図1変動パターン選択テーブル202dである。図12(c)は、外れ(確変)特図1変動パターン選択テーブル202dの内容を模式的に示した模式図である。この外れ(確変)特図1変動パターン選択テーブル202dでは、変動時間が5秒で構成されたど外れの変動パターンと、変動時間が30秒間で構成されたロングリーチ1の変動パターンと、変動時間が100秒間で構成されたロングリーチ2の変動パターンと、変動時間が500秒間で構成されたロングリーチ3の変動パターンと、変動時間が1000秒間で構成されたロングリーチ4の変動パターンとがそれぞれ、変動種別カウンタCS1の値に対応して設定されている。具体的には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜10」に対して、ど外れの変動パターンが設定されており、「11〜120」に対してロングリーチ1の変動パターンが設定されており、「121〜149」に対してロングリーチ2の変動パターンが設定されており、「150〜189」に対してロングリーチ3の変動パターンが設定されており、「190〜198」に対してロングリーチ4の変動パターンが設定されている。
このように、外れ(確変)特図1変動パターン選択テーブル202dでは、188/199の割合で変動時間が30秒以上の変動パターンが選択されるように設定されている。よって、確変遊技状態では、第1特別図柄の変動表示は比較的に長い変動時間(30秒以上)の変動パターンが選択され易くなり、第1特別図柄の変動回数は少なくなる。また、後述するが、確変遊技状態では、第2特別図柄の当否判定結果が外れである場合の変動時間は、0.5秒の変動時間が151/199の割合で選択されるように設定されており、第1特別図柄と比較して極端に短い変動時間が選択されるように設定されている。
従って、確変遊技状態では、第2特別図柄の変動回数が第1特別図柄と比較して多くなる。また、第2特別図柄の変動開始(抽選実行)の契機となる第2始動口640には、確変遊技状態では、普通電動役物640aが作動され易く設定されることで、遊技球が第1始動口64よりも入球し易く構成されている。これにより、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動回数を多くすることができる。よって、遊技者にとって有利な第2特別図柄での変動(抽選)機会を多く与えることができる。従って、確変遊技状態をより長い期間継続させて遊技者に付与することができる。
図13(a)を参照して、確変遊技状態における第1特別図柄の当否判定結果が当たりである場合に変動パターンを選択する為の変動パターン選択テーブル202dである当たり(確変)特図1変動パターン選択テーブル202dについて説明する。図13(a)は、当たり(確変)特図1変動パターン選択テーブル202dの内容を模式的に示した模式図である。この当たり(確変)特図1変動パターン選択テーブル202dには、変動時間が3秒で構成された特殊1変動パターンと、変動時間が30秒で構成された特殊2変動パターンとがそれぞれ変動種別カウンタCS1の値に対応して設定されている。具体的には、変動種別カウンタCS1の値「0〜190」に対して特殊1の変動パターンが設定され、「191〜198」に対して特殊2の変動パターンが設定されている。
このように、確変遊技状態における第1特別図柄の変動パターンでは、3秒間の変動時間と30秒間の変動時間とのどちらか一方が選択されるように構成されている。主に、3秒間の変動時間が選択されるように構成されているので、この3秒間を利用して、大当たりBが決定されている場合には、確変遊技状態の終了を示す確変期間のエンディング表示態様が表示される。一方、特殊2の変動パターンが選択されていて、大当たりBが決定されている場合には、残り最大で30秒間は確変期間が残っているという演出が実行される。また、特殊2の変動パターンでは、残り変動時間が3秒間となった場合に、特殊1の変動パターンと同様のエンディング演出を実行するように構成してもよい。
また、特殊1、特殊2の変動パターンが選択されていて、大当たりAが決定されている場合には、確変遊技状態が継続することを示す演出が第3図柄表示装置81に表示される。具体的には、図5(a)に示す確変期間の残り時間を示すカウンタが停止する演出が実行されたり、確変期間の残り時間が0秒とならないように加算される演出が実行される。さらに、一度、エンディングが実行されて、確変期間の終了が報知された後に、復活して確変期間が再度設定されたように遊技者に見せる復活演出が実行される場合もある。
次に、図13(b)を参照して、確変遊技状態における第2特別図柄の当否判定結果が外れである場合に選択される変動パターンが設定された変動パターン選択テーブル202dである外れ(確変)特図2変動パターン選択テーブル202dについて説明する。図13(b)は、外れ(確変)特図2変動パターン選択テーブル202dの内容を模式的に示した模式図である。この外れ(確変)特図2変動パターン選択テーブル202dには、0.5秒の変動時間で構成されたど外れ1の変動パターンと、3秒間の変動時間で構成されたど外れ2の変動パターンと、10秒間の変動時間で構成されたノーマルリーチの変動パターンと、20秒間の変動時間で構成されたスーパーリーチの変動パターンとがそれぞれ変動種別カウンタCS1の値に対応して設定されている。具体的には、変動種別カウンタCS1の値「0〜150」に対してど外れ1の変動パターンが設定され、「151〜170」に対してど外れ2の変動パターンが設定され、「171〜190」に対してノーマルリーチの変動パターンが設定され、「191〜198」に対してスーパーリーチの変動パターンがそれぞれ設定されている。
このように、確変遊技状態における第2特別図柄の当否判定結果が外れである場合に選択される変動パターンは、151/199の割合で変動時間が0.5秒のど外れ1の変動パターンが選択されることとなる。よって、第2特別図柄では、当否判定結果が外れであると第1特別図柄と比較して極端に短い変動時間の変動パターンが選択されるように構成されているので、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動回数を多くすることができる。よって、第2特別図柄での抽選機会を増すことができ、遊技者に大当たりCが付与される機会を増やすことができる。従って、連続して大当たりCが決定されて、確変遊技状態が連続して付与される期間を長くすることができる。その結果、遊技者が遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
次に、図13(c)を参照して、確変遊技状態における第2特別図柄の当否判定結果が当たりである場合に選択される変動パターンが設定された変動パターン選択テーブル202dである当たり(確変)特図2変動パターン選択テーブル202dについて説明する。図13(c)は、当たり(確変)特図2変動パターン選択テーブル202dの内容を模式的に示した模式図である。当たり(確変)特図2変動パターン選択テーブル202dでは、10秒の変動時間で構成されたノーマルリーチの変動パターンと、20秒の変動時間で構成されたスーパーリーチの変動パターンと、30秒の変動時間で構成されたスペシャルリーチの変動パターンとが変動種別カウンタCS1の値に対応してそれぞれ設定されている。具体的には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜150」に対してノーマルリーチの変動パターンが、「151〜190」に対してスーパーリーチの変動パターンが、「191〜198」に対してスペシャルリーチの変動パターンがそれぞれ設定されている。
このように、確変遊技状態において第2特別図柄の当否判定結果が当たりである場合には、変動時間が10秒以上の変動パターンが選択される。第2特別図柄が当たりである場合には、大当たり遊技後に確変遊技状態が付与されることが可能となる大当たりCが必ず決定されるので、変動パターンで設定される変動時間を利用して、確変期間の報知演出を多様に行うことができる。具体的には、図5(a)に示すような、確変期間の残り時間(期間)を示すカウンタを一時的に停止させたり、10秒以上の時間を加算したりする等の演出が実行される。ここでは、確変遊技状態が長く継続されることを示す報知演出であれば、適宜実行することができる。
このように、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動可能に構成して、どちらか一方で大当たりとなる変動が開始されている場合には、他方の特別図柄では強制的に外れとなる変動表示を開始させるように構成した。この構成において、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たりとなった場合に、確変遊技状態が付与されることが可能となる大当たりの種別の選択割合を変えるように設定することで、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選で遊技者にとって、有利不利の差をつけて設定しておくことで、不利となる特別図柄の外れ変動時間が長く設定され易く構成することで、その間に有利となる特別図柄で短時間に多くの抽選を実行するように構成することで、遊技者により多くの有利な抽選を付与することができる。
また、確変遊技状態になった場合に、一方の特別図柄(本実施形態では、第1特別図柄)では、通常遊技状態が付与される大当たり種別を設定しておき、他方の特別図柄(本実施形態では、第2特別図柄)では、必ず確変遊技状態が設定されるように設定しておくことで、通常遊技状態が付与される方の特別図柄で外れの変動が実行されている期間を確変遊技状態が継続する期間として遊技者に報知することができる。
さらに、後述する第1特別図柄保留球格納エリア203aに記憶されている第1特別図柄の保留球に大当たりB(通常遊技状態が付与される大当たり種別)が決定される保留球が記憶されているかを判別して、その大当たりBが変動停止するまでの時間を確変期間の最大残り期間として、その最大残り期間内の時間で確変の残り期間を遊技者に報知演出を実行することができる。よって、遊技者にあたかも確変期間が予め設定されているように感じさせることができる。また、確変期間の残時間の報知演出が実際の時間とリンクして減算されるように構成することで、遊技者は早く特別図柄を変動開始させて、遊技者に有利な高確率状態でより多くの抽選を実行させようとして興奮できる。よって、斬新な遊技演出を遊技者に提供できる。また、確変期間の残り時間を少しずつ加算する演出を行ったり、確変期間の残り時間の減算が停止される演出を行うことで、遊技者に確変遊技状態が長く継続する安心感を与えることができ、大当たり以外にも遊技者に期待を持たせる演出を行うことができる。
なお、本実施形態では、主制御装置110のMPU201では、大まかな変動パターンの内容、リーチ、非リーチ等を決定すると共に、その変動時間を決定して、詳細な変動パターンの内容については、音声ランプ制御装置113のMPU221により決定されるように構成したが、それに限らず、主制御装置110のMPU201により、詳細な変動パターンの内容(リーチの表示内容等)まで決定するように構成してもよいし、主制御装置110側では、変動パターンを決定せずに、音声ランプ制御装置113やその他の制御装置により変動パターンについての決定制御を実行するように構成してもよい。
なお、「リーチ」とは、各リーチにおいても演出内容が異なるものが多数あることを意味しており、例えば、スーパーリーチには、背面画像を速く変化させて表示するリーチや、あるキャラクタを突然表示するリーチ等があり、そのほか変動表示開始前の予告演出が付加されるもの、再変動表示で大当たりとなる演出が付加されるものなど、演出内容が異なる複数のリーチが含まれている。
図9に戻って、各種カウンタの説明を続ける。普通当たり乱数カウンタC4は、0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。球が普通図柄始動口67を通過したタイミングでRAM203の普通図柄保留球格納エリア203h(図7参照)に格納される。そして、普通図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される普通図柄当たり乱数テーブル202c(図10(d))によって設定されており、普通当たり乱数カウンタC4の値が、普通図柄当たり乱数テーブル202c(図10(d))によって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。
また、普通当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の普通初期値乱数カウンタCINI2の値が当該普通当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。普通当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図20参照)毎に更新され、球が普通図柄始動口67(スルーゲート)を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は、通常遊技状態では、24であり、その範囲は「5〜28」となっている。また、高確率遊技状態では、200であり、その範囲は「5〜204」となっている。即ち、通常遊技状態では、取得された普通当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にある場合に当選と判定され、高確率遊技状態では、取得された普通当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にある場合に当選と判定され、第2図柄表示部88に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、普通電動役物640aの羽根640aが、通常遊技状態では、所定時間(本実施形態では1.2s)の開放動作が1回行われ、高確率遊技状態では、所定時間(本実施形態では1s)の開放動作が2回行われる。なお、普通初期値乱数カウンタCINI2は、普通当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図14参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(S1200)(図41参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
普通図柄始動口67を遊技球が通過すると、普通図柄(第2図柄)の変動表示中でなく、普通図柄保留球格納エリア203hに保留球に基づく各カウンタ値が記憶されていない場合には、普通図柄保留球実行エリア203iに普通当たり乱数カウンタC4から乱数値が取得されて、普通当たり乱数カウンタ格納エリア203i1に格納される。また、普通図柄(第2図柄)が変動表示中または普通図柄保留球格納エリア203hに記憶されている保留球に対応する乱数値が上限値(本実施形態では、4個)未満である場合には、普通当たり乱数カウンタC4から取得された乱数値が対応する保留回数(普通図柄保留1〜4)の普通当たり乱数カウンタ格納エリア203h1に格納される。なお、各エリアに乱数値が格納されると、普通図柄フラグ203jがオンに設定され、その乱数値に基づく、普通図柄の変動表示が停止され、または、保留を消化したことにより1つまえの保留エリアにデータがシフトされた場合には、オフに設定される。ここで、データがシフトされると、新たにシフトされて記憶された保留エリアの普通図柄フラグはオンに設定される。保留エリアにデータが記憶されているか否かまたは、普通図柄が変動表示中であるかの判定はどの保留エリア、または実行エリアの普通図柄フラグがオンになっているか否かで実行される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示部88における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
なお、本実施形態では、第1抽選遊技と第2抽選遊技との抽選については、共通の各種カウンタ値を選択するように構成したが、第1抽選遊技(第1特別図柄)と第2抽選遊技(第2特別図柄)とで、それぞれ専用の各種カウンタを設定して、第1抽選遊技と第2抽選遊技との各種カウンタの更新契機や初期値等を異ならせることにより、異なる値で更新されるカウンタ値で構成されるようにしても当然よい。
このように、構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選において、同じ契機でカウンタ値を取得することとなっても、異なる値のカウンタ値を取得することができ、第1特別図柄と第2特別図柄とで選択される変動パターンや、当否の判定結果が同期してしまう不具合を抑制することができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とで、共通の各変動パターンテーブルより変動パターンを選択するようにしたとしても、選択される変動パターンが同期してしまう不具合を抑制し、多彩な演出を行うことができる。また、主制御装置110のMPU201のRAM203の記憶データを抑制し、安価な構成(記憶領域の小さいRAM等を使用)とすることができる。
図8に戻り、説明を続ける。RAM203は、図9に図示したカウンタ用バッファのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(S1200)(図41参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図40参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図39参照)が即座に実行される。
RAM203は、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、第1特別図柄保留球実行エリア203c、第2特別図柄保留球実行エリア203d、第1特別図柄保留球数カウンタ203e、第2特別図柄保留球数カウンタ203f、普通図柄保留球数カウンタ203g、普通図柄保留球格納エリア203h、普通図柄保留球実行エリア203i、普通図柄フラグ203j、時短カウンタ203k、大当たり後状態エリア、大当たりフラグ203o、特図1変動停止フラグ203p、特図2変動停止フラグ203q、特図1変動時間カウンタ203r、特図2変動時間カウンタ203s、並び替え保留記憶エリア203t、状態設定エリア203u、異常監視フラグ203v、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
第1特別図柄保留球格納エリア203aは、上限個数(本実施形態では、4個)まで、第1始動口64に入賞したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。また、第2特別図柄保留球格納エリア203bは、上限個数(本実施形態では、4個)まで、遊技球が第2始動口640に入賞したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。
第1特別図柄保留球実行エリア203cは、第1特別図柄を変動表示開始するための各種カウンタ値が格納される記憶エリアであり、第1特別図柄が変動表示停止した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aに各種カウンタ値が記憶されている場合に、その各種カウンタ値がシフトして記憶される記憶エリアである。第2特別図柄保留球実行エリア203dは、第2特別図柄を変動表示開始するための各種カウンタ値が格納される記憶エリアであり、詳細については第1特別図柄保留球実行エリア203cと同様である。
第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、第1特別図柄保留球実行エリア203c、第2特別図柄保留球実行エリア203dは、始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図9参照)より取得した特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ記憶される。MPU201は、タイマ割込処理(図20参照)の中で、球が第1始動口64へ入賞したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、第1保留球格納エリア203aの特別当たり乱数カウンタ格納エリア203a1、特別当たり種別カウンタ格納エリア203a2、変動種別カウンタ格納エリア203a4にそれぞれ格納する。一方、球が第2始動口640へ入賞したことを検出すると、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C2、CS1の値を取得し、各対応するエリア(図示せず)にそれぞれ同様に記憶される。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示の設定等の処理を実行するために、上述した第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C2,CS1の各値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この特別図柄保留球実行エリア203cへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
第1特別図柄保留球数カウンタ203e、第2特別図柄保留球数カウンタ203fは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図20参照)の中で検出される第1始動口64または第2始動口640への入賞に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第3図柄表示装置81で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)をそれぞれ最大4回まで計数するカウンタである。第1特別図柄保留球数カウンタ203e、第2特別図柄保留球数カウンタ203fは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図40、S1242)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、それぞれ最大値4まで1加算される。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203a、第2特別図柄保留球数カウンタ203bは、変動表示演出が実行される毎に1減算される。
また、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(即ち、保留球数)は、第1始動口64に遊技球が入賞したことに基づいて、第1特別図柄保留球格納エリア203aにカウンタ値が格納された場合に、主制御装置110から出力される第1特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。第1特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第1特別図柄保留球数カウンタ203eが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
また、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(即ち、保留球数)は、第2始動口640に遊技球が入賞したことに基づいて、第2特別図柄保留球格納エリア203bにカウンタ値が格納された場合に、主制御装置110から出力される第2特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。第2特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第2特別図柄保留球数カウンタ203fが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
MPU201は、第1特別図柄保留球実行エリア203cまたは第2特別図柄保留球実行エリア203dにカウンタ用バッファから取得される上記カウンタC1〜C2、CS1の各値がそれぞれ記憶された場合には、第1特別図柄保留球実行エリア203cまたは第2特別図柄保留球実行エリア203dに格納されたデータを、第1特別図柄変動開始処理(図22、S203)または第2特別図柄変動開始処理(図26、S206)において参照し、その参照データに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。第1図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示演出が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、第1または特図2変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示演出が行われる。
普通図柄保留球数カウンタ203gは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図20参照)の中で検出される普通図柄始動口67を遊技球が通過(以下「始動入賞」と称す)したことに基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第3図柄表示装置81の第2図柄表示部88、第2図柄表示装置88で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)をそれぞれ最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203gは、普通図柄始動口67を遊技球が通過したことに基づいて記憶される保留球数の合計を記憶するカウンタである。電源投入後のRAM203の初期設定処理(図40、S1242)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される。一方、普通図柄保留球数カウンタ203gは、変動表示演出が実行される毎に1減算される(図35、S1169参照)。
普通図柄保留球格納エリア203hは、普通図柄始動口67への始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図9参照)より取得した普通当たり乱数カウンタC4が記憶される記憶エリアである。主制御装置110のMPU201は、タイマ割込処理(図20参照)の中で、球が普通図柄始動口67へ通過(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから普通当たり乱数カウンタC4の値を取得し、普通図柄保留球格納エリア203hの普通当たり乱数カウンタ格納エリア203h1に格納する。普通図柄フラグ203jを普通図柄フラグ格納エリア203h2にオンに設定して格納(記憶)する。普通図柄保留球格納エリア203hは、一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC4の値、普通図柄フラグ203j)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリアを有している。普通図柄保留球格納エリア203hには、普通図柄始動口67へ通過(始動入賞)した順に保留球のデータが、データが空いている保留エリアの内、消化される順序の早い保留エリアから順に記憶される。
また、普通図柄保留球実行エリア203iは、始動入賞に基づいて、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、各カウンタ値が格納され、普通図柄の当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示(変動パターン)の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC4の値)を記憶するためのメモリである。
なお、MPU201は、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、当たり抽選や、第2図柄表示部88または第2図柄表示装置88の表示の設定等の処理を実行するために、上述した普通図柄保留球格納エリア203hに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(普通当たり乱数カウンタC4の値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この普通図柄保留球実行エリア203iへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
普通図柄フラグ203jは、普通当たり乱数カウンタC4のデータが記憶されており、保留されていることを示すフラグであり、また、普通図柄が変動表示中であることを示すフラグである。普通図柄保留球実行エリア203iまたは普通図柄保留球格納エリア203hに普通当たり乱数カウンタC4の値が格納されるとオンに設定される。また、普通当たりカウンタC4の値が次の保留エリア(保留が消化され、一つ保留個数を減らした保留個数に対応する保留エリア)にシフトされた場合には、シフトされる前の保留エリアの普通図柄フラグ203jはオフに設定され、一方シフトされて記憶された保留エリアの普通図柄フラグ203jはオンに設定される。また、普通図柄の変動表示が変動停止処理されると普通図柄フラグ203jはオフに設定される。
時短カウンタ203kは、15R通常大当たり遊技が実行された後に、時短回数100が設定されるカウンタエリアである。時短回数が設定されると、時短回数が0に設定されるまでの間、普通図柄当たり乱数テーブル202cにおいて高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルが設定される。また、普通図柄の当たりを示す図柄「○」が第2図柄表示部88に表示された場合に、普通電動役物640aの羽根が通常遊技状態よりも長い開放時間(本実施形態では、1s)開放する動作を2回繰り返される。この遊技状態を以下、時短遊技状態とする。
時短カウンタ203kは、第1特別図柄または第2特別図柄が変動表示停止する毎に1ずつ減算され、時短カウンタ203kの値が0となると、時短遊技状態から通常遊技状態へと移行し、普通図柄当たり乱数カウンタ202cの低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルが設定され、普通図柄の当たりを示す図柄「○」が第2図柄表示部88に表示された場合に、開放時間が0.2sで開放回数1回の設定で、普通電動役物640aの羽根が開放される。
大当たり後状態エリア203mは、大当たりが実行された場合に設定される遊技状態(時短遊技状態、確変遊技状態)が記憶される記憶エリアである。初期設定では、時短遊技状態に対応するデータが記憶されており、大当たり遊技中に第2特定入球口650aに遊技球が入球したことに基づいて、確変遊技状態に対応するデータが記憶される。これにより、第2特定入球口650aに遊技球が入球可能となる大当たりAまたはCが実行されても大当たり後状態エリア203mに設定されているデータは時短遊技状態に対応するデータとなり、第2特定入球口650aに遊技球が入球することで、確変遊技状態に対応したデータが設定(上書き)される。これにより、第2特定入球口650aに遊技球が入球しない限り、確変遊技状態には移行しない構成とすることができ、第2特定入球口650aに遊技球が入球するか否かを遊技者が期待して遊技を行うことができる。
大当たりフラグ203oは、第1始動口64または第2始動口640に入賞したことに基づいて、取得した特別当たり乱数カウンタC1の値が、変動開始時に当たりであると判定された場合に、オンに設定されるフラグである。また、大当たり遊技が終了するとオフに設定される。なお、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらの図柄に対応した大当たりであるかを識別可能なフラグで構成されている。具体的には、2ビットで構成されて、「10」で第1特別図柄に対して大当たりフラグ203oがオン、「01」で、第2特別図柄に対して大当たりフラグ203oがオンとして設定され、「00」で大当たりフラグ203oがオフとして設定される。
ここで、大当たりフラグ203oは、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通に使用されるので、変動開始時に、第1特別図柄と第2特別図柄とで先にどちらか一方がオンに設定されている場合には、他方の抽選結果が大当たりであっても、大当たりフラグ203oは上書きされたりせず、他方の抽選結果は、外れと同等に処理される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同時に大当たりとなる変動表示が実行されることがないように処理できる。
即ち、どちらか一方の特別図柄で大当たりとなる変動表示が開始されると、他方では、大当たりとなる変動表示が開始されず、外れの変動態様のみが表示されるように構成される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通した大当たりフラグ203oで構成したが、それに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄とでそれぞれ独立した大当たりフラグを設定して、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当たりとなる変動表示が実行されるように構成してもよい。このような構成とすることで、確変遊技状態中に第1特別図柄で、大当たりBとなる変動表示が開始されたとしても、その変動時間を長く設定しておき、第2特別図柄で短い変動時間で抽選され易く構成することで、大当たりBが開始されるまでの間に、第2特別図柄で大当たりし易く構成することができる。よって、遊技者に大当たりBが開始されるまでの時間(即ち、確変遊技状態が終了するまでの期間)を報知する演出を実行して、遊技者に急いで、第2特別図柄で大当たりを当選させようとして遊技を行わせる演出を実行できる。従って、遊技者に新鮮な演出を提供することができる。その結果、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
特図1変動停止フラグ203pは、第1特別図柄が変動表示中に、第2特別図柄の大当たりが実行開始されることを示すフラグである。後述する、主制御装置110のMPU201が実行する第2特別図柄変動停止処理(図29、S207)のS1005において、オンに設定される。また、第1特別図柄変動停止処理(図25、S204)のS613の処理において、オフに設定される。
特図2変動停止フラグ203qは、第2特別図柄が変動表示中に、第1特別図柄の大当たりが実行されることを示すフラグである。後述する、主制御装置110のMPU201が実行する第1特別図柄変動停止処理(図25、S204)のS605において、オンに設定される。また、第2特別図柄変動停止処理(図29、S207)のS1012の処理において、オフに設定される。
特図1変動時間カウンタ203rは、第1特別図柄の変動時間をカウントするためのカウンタである。第1特別図柄の変動パターンが選択された場合に、選択された変動パターンに対応する変動時間が設定される(図24のS507)。その後、第1特別図柄変動停止処理(図25、S204)のS602の処理において、経過した変動時間に対応したカウンタ値(本実施形態では、1ずつ)が減算されて更新される。
特図2変動時間カウンタ203sは、第2特別図柄の変動時間をカウントするためのカウンタである。第2特別図柄の変動パターンが選択された場合に、選択された変動パターンに対応する変動時間が設定される(図28のS907)。その後、第1特別図柄変動停止処理(図29、S207)のS1002の処理において、経過した変動時間に対応したカウンタ値(本実施形態では、1ずつ)が減算されて更新される。
並び替え保留記憶エリア203tは、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている保留エリア1〜4の各データに基づいて判定した各判定結果が記憶される記憶領域である。
図17(a)は、並び替え保留記憶エリア203tを模式的に示した図である。並び替え保留記憶エリア203tは、保留エリア1〜8の各保留回数に対応した各判定データが記憶される保留中データ記憶領域と、変動表示中の第1特別図柄と第2特別図柄とに対応する各判定データが記憶される変動中データ記憶領域とで構成されている。
保留中データの各保留エリア1〜8には、当否判定結果記憶エリア203t1、大当たり種別記憶エリア203t2、変動パターン種別記憶エリア203t3、変動順序記憶エリア203t4、変動開始時間記憶エリア203t5、先読み確変フラグ203t6がそれぞれ設けられている。なお、保留エリア1〜8は、それぞれの保留球が成立した順序(第1始動口64と第2始動口640とを合わせた総合的な成立順序)で保留エリア1から順に記憶される。つまり、保留エリア1〜8は、パチンコ機10で、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とを合わせて、保留球が成立した成立順序を示している。
変動表示中データ記憶エリアには、第1特別図柄と第2特別図柄とに対応して、当否判定結果記憶エリア203t1、大当たり種別記憶エリア203t2、変動パターン記憶エリア203t3、先読み確変フラグ203t6がそれぞれ設けられている。
当否判定結果記憶エリア203t1は、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている特別当たり乱数カウンタC1の当否を事前に判定した結果が記憶される記憶領域である。
大当たり種別記憶エリア203t2は、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている特別当たり種別カウンタC2より判別された大当たり種別が記憶される記憶領域である。
変動パターン種別記憶エリア203t3は、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各種データに基づいて、決定された変動パターンの種類が記憶される記憶領域である。この変動パターンは、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらの変動パターンであるかを識別できるデータになっており、その保留エリアのデータが第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらのデータであるかを識別するデータとしても用いられている。
変動表示順序記憶エリア203t4は、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各種データに基づいて、判別された保留エリア1〜8の中での実際の変動表示開始順序が記憶される記憶領域である。なお、変動表示開始順序は、具体的には、新たに記憶される保留球の変動開始時間を算出して、先に記憶されている各保留球の変動開始時間と比較して判別される。
変動開始時間記憶エリア203t5は、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各種データに基づいて、算出された保留エリア1〜8の各データが実際に変動表示開始となるまでの時間が記憶される記憶領域である。なお、この変動表示開始時間は、保留エリアに記憶されると、主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理(図14)のその他処理(S112)で随時更新される。
先読み確変フラグ記憶エリア203t6は、後述する、第1先読み更新処理(図32、S1133)において、記憶された大当たり種別記憶エリア203k2の種別が大当たりAまたは大当たりCであると判別された場合に、オンに設定されて記憶される記憶領域である。また、先読み確変フラグ記憶エリア203t6は、データが上位の保留エリアにシフトして記憶される度に、そのシフトされる前の領域は全て0クリアされるので、オフに設定されることとなる。つまり、一度、オンに設定された先読み確変フラグ記憶エリア203u6は、変動中データ記憶領域までシフトされ、変動中データ記憶領域に新たなデータが上書き(シフト)されることで、オフに設定される。また、遊技機に電源が投入され、RAMクリアの処理が実行された状態では、初期値としてオフに設定されている。
並び替え保留記憶エリア203tの各データは、パチンコ機10において、電源断が発生すると、RAM203のバックアップエリア(図示せず)にバックアップされ、記憶される。そして、再度、電源が投入された場合に、その記憶されたバックアップ領域から読み出され設定される。
状態設定エリア203uは、現在の遊技状態が記憶される記憶エリアである。本実施形態では、大当たり遊技後に大当たり後状態設定エリア203mに記憶されているデータに基づいて、状態設定エリア203uに遊技状態に対応するデータが設定されることにより、大当たり後の遊技状態が切り替わって設定される。また、時短遊技状態において、定められた回数(本実施形態では100回)の時短回数が実行されると、通常遊技状態に対応するデータが状態設定エリア203uに設定されることにより、遊技状態が時短遊技状態から、通常遊技状態に移行される。なお、初期化された状態では、通常遊技状態に対応したデータが設定されている。
異常監視フラグ203vは、遊技者が現在の遊技状態に対応して正しい遊技方法で遊技を行っているか否かを判別するためのフラグである。
確変遊技状態または時短遊技状態(大当たり遊技中を除く)には、右打ち遊技を実行することが正しい。この場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで抽選が実行されることが通常であるが、第2特別図柄のみで遊技が実行されている期間は、不正な遊技の仕方で遊技を行っている虞がある。よって、この異常監視フラグ203vがオンに設定される。後述するが異常監視フラグ203vがオンに設定されると、異常監視カウンタ(図示せず)により異常監視フラグ203vが継続してオンに設定されている期間が計時され、所定時間(本実施形態では、20秒)以上となると、異常報知(音声および警告画像を表示)が実行される。
また、通常遊技状態では、左打ちで遊技をすることが正しい遊技方法であるが、右打ちでしか入球しないはずの普通図柄始動口67に遊技球が入球して普通図柄が変動したと判別されると異常監視フラグ203vがオンに設定されて、異常報知を実行するように構成されている。
その他メモリエリア203zは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶して置くためのエリアである。
このように、第1始動口64または第2始動口640に遊技球が入賞して保留球が発生すると、第1始動口64と第2始動口640とを合わせた保留球の成立順序別に各保留球の各種判定データが記憶される。よって、入賞コマンドが並び替え保留記憶エリア203uに基づいて生成されることで、音声ランプ制御装置113は、その入賞コマンドに基づいて、第1特別図柄と第2特別図柄とを合わせた保留の成立順序で保留図柄表示を行うように表示制御装置114に出力するコマンドを生成することができる。従って、第3図柄表示装置81に、第1特別図柄と第2特別図柄との保留図柄表示を、第1特別図柄と第2特別図柄とを合わせた保留の成立順序で表示することができる。
また、成立順序に関連させて、各保留の変動表示開始順序も判別して記憶されているので、その変動表示開始順序に基づいて入賞コマンドを生成することで、音声ランプ制御装置113でも、受信した入賞コマンドに基づいて、各保留の成立順序と実際の変動表示開始順序を判別することができる。
また、各保留の変動開始時間が各保留エリアには記憶され、その時間が管理(時間の経過に合わせて更新)されているので、新たに記憶された保留データの変動表示開始順序を容易に判別することができる。
図8に戻って、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示部88、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ(図3、122)回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ(図3、122)回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図22参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動表示演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223と、を有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、振動センサ228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81の下側表示領域Dsに表示されている入賞順に表示されている保留図柄表示を変動表示開始順に並び替えて表示されるように、音声出力装置226を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。
また、振動センサ(図示せず)は、遊技板213の裏面に取り付けられている。パチンコ機10では、入賞口への入賞が遊技状態を決定する重要な要因となるので、振動によって球の流れを変え、意図的に入賞口への入賞が行われることを阻止する必要がある。そこで、振動センサ228の出力から、遊技者などによってパチンコ機10に振動が与えられたと判断される場合は、その振動エラーを伝えるエラーコマンドを表示制御装置114に送信する。その他、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
<音声ランプ制御装置113の電気的構成について>
次に、図15〜図19を参照して、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について説明する。図15(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。ROM222には、変動パターン選択テーブル222a、加算時間選択テーブル222bが少なくとも設定されている。
変動パターン選択テーブル222aは、主制御装置110より出力される変動パターンコマンドに基づいて、変動パターンの詳細な内容を決定するための選択テーブルである。この変動パターン選択テーブル222aは、主制御装置110から出力される変動パターンコマンドが示す、変動時間、大まかな変動パターン(リーチ、非リーチ等)に対応して、複数種類の変動内容(例えば、変動時間は同一、判定結果も同一で構成されたリーチAからDの異なる表示内容のリーチ変動パターン)から一つの変動内容を決定する。
加算時間選択テーブル222bは、確変期間の残時間に対する加算時間(図5(b)に示す延長されて表示される時間)として第3図柄表示装置81に表示する演出の加算時間を決定するためのデータテーブルである。この加算時間選択テーブル222bには、各加算時間に対応して加算時間が設定されている。なお、加算時間には、大当たりBとなる変動表示が開始されるまでの期間が最大時間となっており、選択された加算時間がその最大時間を超える場合には、加算時間選択テーブル222bに設定されている加算時間のうち、最大時間内の大きい値が選択されるように制御される。
なお、本実施形態では、大当たりBとなる第1特別図柄の変動が開始されるまでの時間としたがそれに限らず、大当たりBとなる第1特別図柄の変動が停止するまでの時間を最大時間として構成するように構成してもよい。
次に、図15(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223について説明する。図15(b)は、RAM223の内容を模式的に示した模式図である。RAM223には、コマンド記憶領域223a、第1特別図柄保留球数カウンタ223b1、第2特別図柄保留球数カウンタ223d1、特図2変動開始フラグ223c1、従特図1変動停止フラグ223c2、第2特別図柄保留球数カウンタ223d1、従特図2変動停止フラグ223d2、従特図1変動時間カウンタ223e、従特図2変動時間カウンタ223f、演出カウンタ223g、従状態設定エリア223h、確変上限値記憶エリア223i、確変期間記憶エリア223j、従並び替え保留記憶エリア223k、更新停止フラグ223m、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
コマンド記憶領域223aは、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図46参照)が実行されると、コマンド記憶領域223aに記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
外1特別図柄保留球数カウンタ223b1は、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203aと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる第1特別図柄の変動表示(動的表示)であって、主制御装置110において保留されている変動表示演出の保留球数(待機回数)を、最大4回まで計数するカウンタである。
特図1変動開始フラグ223b2は、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された第1特別図柄の変動パターンを通知する特図1変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定される(図46、S1502)。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図48、S1612)。
特図2変動開始フラグ223c1は、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された第2特別図柄の変動パターンを通知する特図2変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定される(図46、S1505)。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図48、S1617)。
従特図1停止種別選択フラグ(図示せず)は、主制御装置110から出力される第1特別図柄の変動停止種別を通知する第1停止種別コマンドを受信した場合にオンに設定される(図46、S1508)。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図48、S1622)。
従特図1変動停止フラグ223c2は、主制御装置110における特図1変動停止フラグ203pの内容を示すフラグである。これにより、特図1の変動状態が音声ランプ制御装置113のMPU221により判別することができる。
第2特別図柄保留球数カウンタ223d1は、主制御装置110の第2特別図柄保留球数カウンタ203aと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる第2特別図柄の変動表示(動的表示)であって、主制御装置110において保留されている変動表示演出の保留球数(待機回数)を、最大4回まで計数するカウンタである。
第2停止種別選択フラグ(図示せず)は、主制御装置110から出力される第2特別図柄の変動停止種別を通知する第2停止種別コマンドを受信した場合にオンに設定される(図46、S1508)。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図48、S1622)。
従特図2変動停止フラグ223d2は、主制御装置110における特図2変動停止フラグ203qの内容を示すフラグである。これにより、特図2の変動状態が音声ランプ制御装置113のMPU221により判別することができる。
従特図1変動時間カウンタ223eは、第1特別図柄の変動時間をカウントするためのカウンタである。
従特図1変動時間カウンタ223fは、第1特別図柄の変動時間をカウントするためのカウンタである。
演出カウンタ223gは、変動パターンの選択や、各種演出の選択、加算時間選択テーブル222bからの加算時間の選択等に使用されるカウンタである。0から198の範囲で繰り返し更新される。なお、メイン処理が実行される毎に1ずつ加算されて更新される。
従状態設定エリア223hは、主制御装置110から出力される状態コマンドに対応したデータが設定される。従状態設定エリア223hに設定されるデータにより、現在の遊技状態を音声ランプ制御装置113でも判別することができる。なお、状態設定コマンドは、電源投入時にも主制御装置110より出力されて、バックアップされた遊技状態が音声ランプ制御装置113により判別可能に構成されている。
確変上限値記憶エリア223iは、第1特別図柄の大当たりBとなる変動が開始されるまでの時間が記憶される記憶エリアである。なお、第1特別図柄の保留球に大当たりBとなる保留球が記憶されていない場合には、記憶されている第1特別図柄の保留球の最後の保留球の変動が終了するまでの時間が確変上限値記憶エリア223iに記憶される。
従並び替え保留記憶エリア223kは、図9(b)に示すように、主制御装置110から出力される入賞コマンドに基づいて、主制御装置110におけるRAM203の並び替え保留記憶エリア203uと同様のデータが、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力される入賞コマンドに基づいて記憶される記憶領域である。
図9(b)は、この従並び替え保留記憶エリア223kを模式的に示した図である。従並び替え保留記憶エリア223kは、保留エリア1から保留エリア8までの保留中データの保留エリアと第3図柄表示装置81で変動表示中の第1特別図柄と第2特別図柄の各種データが記憶される変動表示中データの記憶エリアとで構成されている。各保留エリアは、当否判定結果記憶エリア223k1、大当たり種別記憶エリア223k2、変動パターン種別記憶エリア223k3、変動順序記憶エリア223k4、変動開始時間記憶エリア223k5、従先読み確変フラグ記憶エリア223k6、並び替えフラグ223k7をそれぞれ有しており、受信した入賞コマンドから抽出した各データが対応する保留エリアに記憶される。また、特別図柄を変動表示開始するための表示用変動パターンコマンドを生成する毎に、従並び替え保留記憶エリア223kの保留エリアのデータが1つ前の保留エリアにシフトして記憶される。なお、保留エリア1の保留データは、第1特別図柄の場合には、第1特別図柄の変動中データの記憶エリアに、第2特別図柄の場合には、第2特別図柄の変動中データの記憶エリアにそれぞれシフトして記憶される。
当否判定結果記憶エリア223k1は、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている特別当たり乱数カウンタC1の当否を事前に判定した結果を、受信した入賞コマンドより抽出して記憶される記憶領域である。入賞コマンドから抽出した当否判定結果の情報は、その保留回数(主制御装置110の並び替え保留記憶エリア203uの該当する保留エリア)に対応した保留エリア1〜8のいずれかの当否判定結果記憶エリア223k1に記憶される。
大当たり種別記憶エリア223k2は、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている特別当たり種別カウンタC2より判別された大当たり種別を、受信した入賞コマンドより抽出して記憶される記憶領域である。
変動パターン種別記憶エリア223k3は、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各種データに基づいて、決定された変動パターンの種類を、受信した入賞コマンドより抽出して記憶される記憶領域である。この変動パターンは、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらの変動パターンであるかを識別できるデータになっており、その保留エリアのデータが第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらのデータであるかを識別するデータとしても用いられている。
変動順序記憶エリア223k4は、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図31、S1114)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各種データに基づいて、判別された保留エリア1〜8の中での実際の変動表示開始順序を、受信した入賞コマンドより抽出して記憶される記憶領域である。
変動開始時間記憶エリア223k5は、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各種データに基づいて、算出された保留エリア1〜8の各データが実際に変動表示開始となるまでの時間を、受信した入賞コマンドより抽出して記憶される記憶領域である。なお、この変動表示開始時間は、保留エリアに記憶されると、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図45、S1400)の保留個数表示処理(図45、S1406)で随時更新される。
なお、本実施形態では、入賞コマンドは、算出された保留エリア1〜8の各データが実際に変動表示開始となるまでの時間を示すコマンドとしたが、それに限らず、変動開始となるまでの時間を算出するための各カウンタ値(例えば、選択されている変動パターンの種類や、変動中の特別図柄の残りの変動時間を算出するためのカウンタ値(割込回数等))や変動表示開始となるまでの時間に対応したコマンドとしてもよい。
従先読み確変フラグ記憶エリア223k6は、記憶された大当たり種別記憶エリア223k2の種別が15R確変大当たりまたは2R確変大当たりであった場合に、オンに設定されて記憶される記憶領域である。
並び替えフラグ223k7は、遊技者が、枠ボタン22を操作して保留図柄表示の並び替えを要求した保留図柄(枠ボタン22を操作したときに表示されている保留図柄表示)であることを示すフラグである。
このように、第1始動口64または第2始動口640に遊技球が入賞して保留球が発生すると、入賞コマンドより抽出されたデータに基づいて、第1始動口64と第2始動口640とを合わせた保留球の成立順序別に各保留球の各種判定データが記憶される。よって、音声ランプ制御装置113は、従並び替え保留記憶エリア223kのデータに基づいて、第1特別図柄と第2特別図柄とを合わせた保留の成立順序で保留図柄表示を行うように表示制御装置114に出力するコマンドを生成することができる。従って、第3図柄表示装置81に、第1特別図柄と第2特別図柄との保留図柄表示を、第1特別図柄と第2特別図柄とを合わせた保留の成立順序で表示することができる。
また、入賞コマンドに基づいて、従並び替え保留記憶エリア223kが主制御装置110の並び替え保留記憶エリア203uに同期したデータで更新され、保留データの変更(新たな保留の成立等)があっても、順次、データを同期させて更新させることができる。
その他メモリエリア223mは、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶して置くためのエリアである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ(図3、122)(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ(図3、122)回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図39参照)を正常に実行し完了することができる。
なお、停電が発生すると、主制御装置110のMPU201は、並び替え保留記憶エリア203uの各データをバックアップデータとしてRAM203のバックアップエリアに記憶する。そして、再度、パチンコ機10に電力が供給されると、バックアップエリアより並び替え保留記憶エリア203uのバックアップされた各データが読み出され、並び替え保留記憶エリア203uの対応する各保留エリアまたは変動中データ記憶領域に記憶される。
そして、立ち上げ処理(図40)において、第1先読み更新処理(図32、S1127)で生成される入賞コマンドと同様に、バックアップしたデータが読み出され記憶された並び替え保留記憶エリア203uに基づいて全ての入賞コマンドが生成され、音声ランプ制御装置113に出力されることにより、従並び替え保留記憶エリア223kにも同じ並び替え保留記憶エリア203uと同期したデータが設定される。
また、立ち上げ処理(図40)において、音声ランプ制御装置113に入賞コマンドを送信することで、並び替え保留記憶エリア203uと従並び替え保留記憶エリア223kとのデータを停電時からの復帰時にも同期させる構成を説明したが、それに限らず、主制御装置110のMPU201と同様に、音声ランプ制御装置113のMPU221が、停電発生時に、従並び替え保留記憶エリア223kの各データをRAM223にバックアップデータとして記憶させる構成にしても当然よい。
RAM消去スイッチ(図3、122)回路253は、電源投入時(RAM消去スイッチ(図3、122)を押しながら電源投入)にRAM消去スイッチ(図3、122)(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
主制御装置110のMPU201は、特別図柄や普通図柄の入賞の検知や、その入賞に対して当たりや変動パターンの選択等の各種抽選等の制御処理を実行している。その為、MPU201の制御負荷は大きくなっており、安定してパチンコ機10の制御を実行するために、本実施形態のように、遊技動作示唆設定を設定するか否かの抽選を、サブ制御装置に該当する音声ランプ制御装置113のMPU221が行うようにすることで、主制御装置110の制御負荷を軽くすることができる。
主制御装置110と音声ランプ制御装置113との制御基板は、基板ボックスと呼ばれる、透明なプラスチック製のベース部材と蓋部材で構成された箱(ボックス)により覆われている。その基板ボックスは、ベース部材と蓋部材とを容易に離間できないように「封止部材」と呼ばれる不正防止のための部材によりかしめが行われている。一般的に封止部材は、ベース部材と蓋部材を勘合させた場合に、ベース部材と蓋部材との一部を貫通して設けられた貫通孔にピン形状の封止部材を挿入する(かしめる)ことで、貫通孔を形成している部材を破壊するか、封止部材を破壊するか等の開封痕の残る方法でしかベース部材と蓋部材を離間させることが困難に構成されている。
次に、表示制御装置114の電気的構成について説明する。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、ROM234と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、ROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、ROM234、画像コントローラ237について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、ROM234に記憶されている制御プログラムに従って、各種処理を実行する。
ROM234は、上述したように、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にROM234に直接アクセスし、そのROM234に記憶された制御プログラムを実行する。また、ROM234はバスライン240を介して画像コントローラ237と接続されており、画像コントローラ237はROM234に格納された画像データを、ワークRAM233へ転送する。MPU231は、ワークRAM233へ転送された画像データを随時、第3図柄表示装置81に出力し、第3図柄表示装置81の表示制御を行う。
第1始動口64に遊技球が入賞すると、各カウンタ値(C1〜C3及びCS1)が取得されて、その取得した各カウンタ値に基づいて、抽選及び変動パターン等の決定が行われた後に、第1抽選遊技に該当する第1特別図柄の変動表示が第1図柄表示装置37、第3図柄表示装置81で変動表示(動的表示)される。また、第2始動口640へ遊技球が入賞すると、第1始動口64に入賞した場合と同様に、第2抽選遊機に該当する第2特別図柄の変動表示のために、各カウンタ値(C1〜C3及びCS1)が取得されて、第2特別図柄の変動表示が第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81で実行される。
本パチンコ機10では、第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81とで第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示がそれぞれ同時に変動表示を可能に構成されている。具体的には、第1図柄表示装置37では、7セグメント表示器37bの2つの7セグメントLEDの内、左側の7セグメントLEDでは、第1特別図柄に対応する変動表示が実行され、右側の7セグメントLEDでは、第2特別図柄に対応する変動表示が実行される。
また、第3図柄表示装置81では、図4(a)に示すように、表示領域Dmには、第1特別図柄(または第2特別図柄)に対応する変動表示が実行され、右上表示領域Dnには、簡易な表示態様(○または×)で第2特別図柄(または第1特別図柄)に対応する変動表示が実行される。このように構成することで、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示を実行することができ、遊技者は、効率よく第1抽選遊技と第2抽選遊技とを実行することができる。
第1特別図柄が変動表示中(残り変動時間が設定されている状態)に、第1始動口64に遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて取得された各カウンタ値(C1〜C3及びCS1)の抽選結果を変動表示する第1抽選遊技は直ぐには実行されず、第1特別図柄保留球格納エリア203aに各カウンタ値が格納(記憶)される。第1特別図柄保留球格納エリア203aに各カウンタ値が格納されると、第1図柄表示装置37の複数の発光ダイオード37aの第1特別図柄の保留個数「1」を示す態様(例えば、1つの発光ダイオードが赤色点灯)で点灯表示される。第1特別図柄保留球格納エリア203aに各カウンタ値が格納されると、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値を更新(保留球数を1加算)する。
主制御装置110のMPU201は、第1特別図柄保留球格納エリア203aに各カウンタ値が格納されると、入賞コマンドを音声ランプ制御装置113に対して出力する。入賞コマンドには、第1始動口64、第2始動口640のどちらに対する入賞かが識別可能であり、且つ、何番目の保留球数(保留個数)であるかが識別可能となっている。
音声ランプ制御装置113は、入賞コマンドコマンドを受信すると、その受信したコマンドより保留個数や、入賞した始動口に関する情報等の保留情報を抽出して、その保留情報に基づいて、第3図柄表示装置81に下側表示領域Dsの対応する保留図柄表示エリア(Ds1〜Ds8)に保留図柄を表示する処理を実行する。この保留図柄は、図4(b)に示すように、第1特別図柄(第1始動口64)の保留情報に対応する保留図柄であれば「黒い丸印」が、第2特別図柄(第2始動口640)の保留情報に対応する保留図柄であれば「黒い三角印」が各保留情報毎(保留1つにつき保留図柄1つ)にそれぞれ表示される。
同様に、第2特別図柄が変動表示中(残り変動時間が設定されている状態)に、第2始動口640に遊技球が入賞すると各カウンタ値が取得され、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(記憶)され、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値が更新される。そして、第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81に保留情報が記憶されたことを示す保留図柄が表示される。
第3図柄表示装置81に表示される保留図柄は、第1始動口64と第2始動口640に入賞した遊技球を合わせた総合的な入賞順序でそれぞれ表示される。図18に示した1例について、具体的に説明する。これは、まず、第1特別図柄と第2特別図柄が変動表示中であり、第1特別図柄は、残り10sの変動時間があり、第2特別図柄は、残り5sの変動時間がある状態を示している。第3図柄表示装置81の下側表示領域Dsには、保留図柄表示エリアDs1に第2特別図柄の保留情報(第2始動口640への入賞に基づく保留情報)であることを示す保留図柄「黒い三角印」が、保留図柄表示エリアDs2に第1特別図柄の保留情報であることを示す保留図柄「黒い丸印」が、保留図柄表示エリアDs3に第2特別図柄の保留情報であることを示す保留図柄「黒い三角印」が、保留図柄表示エリアDs4に第1特別図柄の保留情報であることを示す保留図柄「黒い丸印」がそれぞれ表示されている。この場合には、第1始動口64と第2始動口640とに入賞した順序が早い順で保留図柄表示エリアDs1から順に保留図柄表示エリアDs4の順であることを示している。
つまりは、第2始動口640に遊技球が入賞した後で、第1始動口64に入賞し、次に、第2始動口640に入賞し、更にその次に、第1始動口64に遊技球が入賞したことを示している。
図18に示すように、各保留データには、その保留が変動開始となった場合に選択される変動パターンの変動時間が予測して予め記憶されている(決定される変動パターンの種類が記憶されている)。そして、入賞順序1番目(並び替え保留記憶エリア203uでは、保留エリア1が該当)に記憶されているのは第2特別図柄の保留であるので、現在、変動表示中の第2特別図柄の残り変動時間(5s)が経過すると、変動表示開始となるため変動表示開始時間が5秒後と算出されている。また、入賞順序2番目(並び替え保留記憶エリア203uでは、保留エリア2が該当)に記憶されているのは第1特別図柄の保留であるので、現在、変動表示中の第1特別図柄の残り変動時間(10s)が経過すると、変動表示開始となるため変動表示開始時間が10秒後と算出されている。次に、入賞順序3番目(並び替え保留記憶エリア203uでは、保留エリア3が該当)に記憶されているのは第2特別図柄の保留であるので、現在、変動表示中の第2特別図柄の残り変動時間(5s)に、入賞順序1番目に記憶されている保留データの変動時間(40s)が経過すると、変動表示開始になるので、変動表示開始時間が45秒後と算出されている。次に、入賞順序4番目(並び替え保留記憶エリア203uでは、保留エリア4が該当)に記憶されているのは第1特別図柄の保留であるので、現在、変動表示中の第1特別図柄の残り変動時間(10s)に、入賞順序2番目に記憶されている保留データの変動時間(10s)が経過すると、変動表示開始になるので、変動表示開始時間が20秒後と算出されている。
このように、並び替え保留記憶エリア203uには、成立(入賞)した順に第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示開始時間が算出され、その変動表示開始時間に基づいて、変動表示開始時間が早い順で、変動表示順序が割り当てられている。
このタイミングで、遊技者が枠ボタン22を操作すると、第3図柄表示装置81の保留図柄表示が、図18に示す並び替え表示態様で示すように、入賞順序4番目の第1特別図柄の保留図柄表示が、入賞順序3番目の第2特別図柄の保留図柄表示と並び替えて(入賞順序4番目の保留図柄表示が、入賞順序3番目の保留図柄表示の前に割り込んで)表示される。
図19は、図18の状態から1s後に、第1始動口64に遊技球が入賞した場合に、主制御装置110のMPU201が第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)において新たに記憶した保留図柄の変動表示開始順序を決定する処理を模式的に示した図である。
図19は、図18から1s後の状態であるので、変動表示中の第1特別図柄は、残り変動時間が9s、第2特別図柄は、残り変動時間が4sとなっている。また、並び替え保留記憶エリア203uの各保留エリアの変動開始時間も更新されている。
新たに成立した第1始動口64(第1特別図柄)の保留は、5番目の入賞順序となり、並び替え保留記憶エリア203uでは、保留エリア5に各データが記憶される。まず、新たに記憶された第1特別図柄と同じ、変動表示中の第1特別図柄の残り変動時間、入賞順序2及び4の第1特別図柄の保留の変動時間をそれぞれ加算して、新たに成立(記憶された)した第1特別図柄の保留が変動表示開始となる時間が算出される(この場合は、24s)。
次に、図19の並び替え模式図に示すように、各保留エリアの変動表示開始時間に基づいて、並び替え後順序(変動表示開始順序)が、変動表示開始する順につけ直される。このときに、遊技者が枠ボタン22を操作して、保留図柄表示の並び替えを要求したときには、図19の並び替え後表示態様で示すように、入賞順序4番目と5番目の保留図柄表示が入賞順序3番目の保留図柄表示と並び替えて(入賞順序4番目と5番目の保留図柄表示が、入賞順序3番目の保留図柄表示の前に割り込んで)表示される。
このように、保留が発生する毎に、その変動表示開始時間を算出して、並び替え順序を決定しておくことで、遊技者が、並び替えを要求する操作(枠ボタン22の操作)をした場合に、速やかに、並び替え後の保留図柄表示を表示させることができる。
また、15R確変大当たりと15R通常大当たりの変動パターンは変動時間が外れの場合に選択される変動パターンよりも長くなりやすい。図19に示すように、入賞順序1番目の保留は、変動時間が40秒と長い。そのため、その後に成立した、同じ第2特別図柄の保留は、後から成立した第1特別図柄の保留よりも変動表示開始時間が遅くなってしまい、並び替えをすると、長い変動時間が選択されている保留図柄表示の後ろには、その長い変動時間が選択されている保留とは異なる種類(第1特別図柄と第2特別図柄との違い)がまとめて表示される。よって、保留図柄表示の後続の保留図柄表示エリアに割り込んで表示される保留図柄表示の個数が多いほど、遊技者はその前の保留図柄表示に対して大当たりの期待を抱くこととなり、遊技者は並び替えを大当たりへの期待を持って行うことができる。従って、遊技への興味が増大し、より飽きずに遊技を続けることができる。
<主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図20から図43のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図40)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図41、S1250)と、定期的に(本実施形態では2ミリ秒周期で)起動されるタイマ割込処理(図20)と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理(図39)とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理(図40)とメイン処理(図41、S1250)とを説明する。
図20は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に繰り返し実行される定期処理である。MPU201がこのタイマ割込処理を実行することによって、定期的に実行すべき各種の処理が行われる。
このタイマ割込処理では、まず、外部出力処理を実行する(S101)。タイマ割込処理(図20)やメイン処理(図41、S1250)では、各種処理に基づいて、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等へ送信すべきコマンド等を生成し、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦記憶する。S101の外部出力処理では、このコマンド送信用リングバッファに記憶されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する。
例えば、後述する始動入賞処理(図30、S108)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、特別図柄変動処理(図21、S107)で設定された変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。
次に、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S102)、次いで、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放または閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S103)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aまたは特定入賞口650aを開放し、特定入賞口65aまたは特定入賞口650aの最大開放時間が経過したか、特定入賞口65aまたは特定入賞口650aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aまたは特定入賞口650aを閉鎖する。この特定入賞口65aまたは特定入賞口650aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次いで、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S104)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。また、入賞検知情報に基づいて払出制御装置111に対して送信すべき獲得球数に対応する賞球コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、賞球コマンドが払出制御装置111に向けて送信される。
次に、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S105)。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した際、0にクリアする。そして、初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。同様に、普通初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その普通初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。
更に、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2及び普通当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S106)。具体的には、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2及び普通当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399、99、239)に達した際、それぞれ0にクリアする。また、特別当たり乱数カウンタC1または普通当たり乱数カウンタC4が1周した場合には、その時点の初期値乱数カウンタCINI1または普通初期値乱数カウンタCINI2の値を当該特別当たり乱数カウンタC1または普通当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込み、その初期値を特別当たり乱数カウンタC1または普通当たり乱数カウンタC4に設定する。そして、各カウンタC1〜C2、C4の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。
次に、第1特別図柄と第2特別図柄の第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S107)、次いで、第1始動口64、または第2始動口640への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S108)。なお、特別図柄変動処理(S107)の詳細は図21を参照して後述し、始動入賞処理(S108)の詳細は図30を参照して後述する。
始動入賞処理(S108)を実行した後は、普通図柄始動口67を遊技球が通過したことに対する普通図柄の変動処理である普通図柄変動処理を実行し(S109)、次いで、普通図柄始動口67を遊技球が通過したことに対するスルーゲート処理を実行する(S110)。なお、普通図柄変動処理(S109)の詳細は図35を参照して後述し、スルーゲート処理(S110)の詳細は図36を参照して後述する。
次に、変動監視処理を実行し(S111)、不正監視処理を実行する(S112)。変動監視処理(S111)の詳細は図37を参照して後述し、不正監視処理(S112)の詳細は図38を参照して後述する。
S112の処理を終えると、遊技球の発射に関する制御を実行する発射制御処理を実行し(S113)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行し(S114)、タイマ割込処理を終了する。発射制御処理(S113)は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。そして、球の発射がオンである場合、発射制御装置112へ球発射信号を送信するために、その球発射信号の情報を、ワークRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、球発射信号が払出制御装置111を介して発射制御装置112へ送信される。
次に、図21を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理(S107)を説明する。図21は、この特別図柄変動処理(S107)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理(図21、S107)は、第1特別図柄と第2特別図柄とを、取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81とで同時に変動表示を可能に制御したり、判定結果を示す表示態様で停止表示させるための制御が実行される。以下、特別図柄変動処理(図21、S107)について説明する。
特別図柄変動処理(図21、S107)では、まず、大当たり遊技中であるか否か判定される(S201)。大当たり中であると判定された場合には(S201:Yes)、この処理を終了する。一方、大当たり中でないと判定された場合には(S201:No)、第1特別図柄の変動表示中であるかが判定される(S202)。第1特別図柄の変動表示中であると判定された場合には(S202:Yes)、第1特別図柄変動停止処理が実行される(S204)。第1特別図柄変動停止処理(図25、S204)については、詳しく後述するが、変動表示中の第1特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に、第1抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理と、第2特別図柄が大当たりを示す図柄で変動停止され、第2抽選遊技の大当たり遊技が実行される場合に、変動表示中の第1特別図柄を仮停止する処理が実行される。
一方、第1特別図柄が変動表示中でないと判定された場合には(S202:No)、第1特別図柄変動開始処理が実行される(S203)。第1特別図柄変動開始処理(図22、S203)については、詳しく後述するが、第1特別図柄が仮停止されている場合には、変動表示再開するための処理が実行される一方、仮停止されていない場合には、第1特別図柄保留球数格納エリア203aに保留データ(各種カウンタ値)が記憶されていれば、その保留データに基づいた大当たり判定や変動パターンの選択処理が実行される。
第1特別図柄変動開始処理(図22、S203)が実行された後に、第2特別図柄が変動表示中であるか否かが判定される(S205)。第2特別図柄が変動表示中であると判定された場合には(S205:Yes)、第2特別図柄変動停止処理(図29、S207)が実行される。第2特別図柄変動停止処理(図29、S207)については、詳しく後述するが、第1特別図柄変動停止処理(図25、S204)と同様に、変動表示中の第2特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に、第2抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理と、第1特別図柄が大当たりを示す図柄で変動表示停止され、第1抽選遊技の大当たり遊技が実行される場合に、変動表示中の第2特別図柄を仮停止する処理が実行される。
一方、第2特別図柄が変動表示中でないと判定された場合には(S205:No)、第2特別図柄変動開始処理が実行される(S206)。この第2特別図柄変動開始処理(図26、S206)は、詳しく後述するが、第1特別図柄変動開始処理(図22、S203)と同様に、第2特別図柄が仮停止されている場合には、変動表示再開するための処理が実行される一方、仮停止されていない場合には、第2特別図柄保留球数格納エリア203bに保留データ(各種カウンタ値)が記憶されていれば、その保留データに基づいた大当たり判定や変動パターンの選択処理が実行される。その後、この処理を終了する。
次に、図22を参照して、特別図柄変動処理(図21、S107)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(S203)について説明する。図22は、この第1特別図柄変動開始処理(S203)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動開始処理(図22、S203)では、まず、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を取得する(S301)。第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0より大きいか判別される(S302)。特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0であると判別された場合には(S302:No)、そのまま本処理を終了する。特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0より大きいと判別された場合には(S302:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を1減算する(S303)。第1特別図柄保留球数格納エリア203aの保留エリア1〜保留エリア4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う(S304)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
次に、第1特別図柄大当たり判定処理が実行される(S305)。第1特別図柄大当たり判定処理(図23、S305)については、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球実行エリア203cにシフトされた特別当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行する。
次に、第1特別図柄変動パターン選択処理が実行され(S306)、その後、本処理を終了する。第1特別図柄変動パターン選択処理(図24、S306)は、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球実行エリア203cに格納された特別当たり乱数カウンタC1の値に基づいた当否判定の結果に基づいて、変動パターンを各カウンタ値に基づいて選択するための処理である。
次に、図23を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図22、S203)の一処理である第1特別図柄大当たり判定処理(S305)について説明する。図23は、この第1特別図柄大当たり判定処理(S305)を示すフローチャートである。
第1特別図柄大当たり判定処理(図23、S305)では、まず、第1特別図柄保留球実行エリア203cに記憶されている各カウンタ値を取得する(S401)。遊技状態が確変遊技状態(確変中)であるか否かが判別される(S402)。遊技状態が確変遊技状態であるか否かの判別は、確変フラグ(図示せず)がオンに設定されているか否かにより実行される。確変フラグがオンである(即ち、遊技状態が確変遊技状態(確変中))と判別された場合には(S402:Yes)、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値と一致するか否か判別され、その抽選結果が取得される(S403)。一方、確変フラグがオフである(即ち、遊技状態が低確率遊技状態(確変中でない))と判別された場合には(S402:No)、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202a(図10(b)参照)に基づいて、特別当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値と一致するか否か判別され、その抽選結果が取得される(S404)。
大当たりフラグ203oがオンであるか判別する(S405)。ここで、大当たりフラグ203oがオンに設定されている場合には、第2特別図柄において、大当たりとなる変動が開始されている場合であることを示している。本実施形態では、この大当たりフラグ203oを第1特別図柄と第2特別図柄とで共通して使用することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当たりとなる変動が実行されないように構成している。このように構成することで、短時間に大当たりが連続して発生して、遊技店側の損失が過剰に大きくなる不具合を抑制できる。
S405において、大当たりフラグ203oがオフであると判別された場合、即ち、第2特別図柄で大当たりとなる変動が開始されていないと判別した場合には(S405:No)、S403またはS404の処理で実行された抽選結果が大当たりであるか判別する(S406)。抽選結果が大当たりであると判別した場合には(S406:Yes)、大当たりフラグ203oをオンに設定する(S407)。その後、第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定して(S408)、第1図柄表示装置37に表示する第1特別図柄の大当たり図柄を大当たり種別に基づいて設定する(S409)。その後、この処理を終了する。
一方、S405の処理において、大当たりフラグ203oがオンであると判別された場合(S405:Yes)、またはS406の処理において抽選結果が外れであると判別された場合には(S406:No)、第1特別図柄表示装置37に第1特別図柄の外れを示す図柄を設定する(S410)。
このように、実際に取得している特別当たり乱数カウンタC1の値に基づいた抽選結果が大当たりであったとしても、大当たりフラグ203oが既にオンに設定されている、即ち、第2特別図柄によって、大当たりとなる変動が開始されている場合には、強制的に外れの設定が第1特別図柄で実行される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、大当たりとなる変動が同時に実行されることがなく、短期間のうちに、連続して大当たりとなる変動が開始されて、遊技店側の損害が過剰に多くなってしまう不具合を抑制できる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同時に大当たりとなる変動が実行されない構成としたが、それに限らず、同時に実行されるように構成してもよい。この場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とでそれぞれ専用の大当たりフラグを設定すればよい。この場合には、他方の特別図柄で大当たり遊技が実行された場合には、一方の特別図柄の変動では、変動時間の計測を一時的に仮停止して、特別図柄を擬似的に変動したり、仮停止するように構成することが考えられる。
次に、図24を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図22、S203)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理(S306)について説明する。図24はこの第1特別図柄変動パターン選択処理(S306)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動パターン選択処理(図24、S306)では、まず、第1特別図柄大当たり判定処理(図23、S305)において、第1特別図柄の大当たりが設定されているか判別する(S501)。大当たりであるか否かの判定は、S408の処理で大当たりが設定されているかにより判別される。ここでは、図示しない専用のフラグがオンに設定されていることで大当たりであるか否かを判別できるように構成されている。
S501の処理において、第1特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S501:Yes)、現在の遊技状態(通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態のいずれか)に応じた第1特別図柄の当否判定結果が大当たりである変動パターン選択テーブル202dを設定する(S502)。大当たり種別テーブル202b(図10(b)参照)より取得している特別当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別を決定する(S503)。その後、S505の処理を実行する。一方、S501の処理において、第1特別図柄の外れが設定されていると判別した場合には(S501:No)、遊技状態に応じた第1特別図柄の抽選結果が外れの変動パターン選択テーブル202dを設定する(S504)。その後、S505の処理を実行する。
S505の処理では、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、設定されている変動パターン選択テーブル202dより変動パターンを選択する(S505)。選択した変動パターンを示す特図1変動パターンコマンドを生成(設定)する(S506)。選択した変動パターンに基づいて、特図1変動時間カウンタ203rにカウンタ値を設定する(S507)。その後、この処理を終了する。
次に、図25を参照して、特別図柄変動処理(図21、S107)の一処理である第1特別図柄変動停止処理(S204)について説明する。図25はこの第1特別図柄変動停止処理(S204)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動停止処理(図25、S204)では、まず、特図1変動停止フラグ203pがオンに設定されているか判別される(S601)。特図1変動停止フラグ203pがオフに設定されていると判別された場合には(S601:No)、第1特別図柄の残り変動時間を示す特図1変動時間カウンタ203rを減算して更新する(S602)。次に、更新した特別1変動時間カウンタ203rの値が0であるか、即ち、第1特別図柄の変動終了タイミングであるかが判別される(S603)。変動終了タイミングでないと判別された場合には(S603:No)、この処理を終了する。一方、S603の処理において、変動時間終了タイミングであると判別した場合には(S603:Yes)、変動中の第1特別図柄に対して大当たりが設定されているか判別される(S604)。第1特別図柄に対して大当たりが設定されていると判別された場合には(S604:Yes)、第2特別図柄の仮停止を設定するための特図2変動停止フラグ203qがオンに設定される(S605)。次いで、特図2変動停止フラグ203qがオンであることを示す特図2変動停止コマンドを設定する(S606)その後、選択されている大当たり種別に基づいた大当たり遊技の開始が設定され(S607)、時短カウンタ203kを初期値である0にリセットし(S608)、その後、S609の処理へ移行する。
一方、S604の処理において、変動中の第1特別図柄に対して外れが設定されていると判別された場合には(S604:No)、時短カウンタ203kが0であるか判別される(S611)。時短カウンタ203kが0より大きい値であると判別した場合には(S611:Yes)、時短カウンタ203kの値より1減算して更新する(S612)。その後、S609の処理へ移行する。一方、S611の処理において、時短カウンタ203kが0であると判別した場合には(S611:No)、S612の処理を行わず、そのままS609の処理へ移行する。
S609の処理では、第3図柄表示装置81に表示されている第1特別図柄に対応する主図柄を確定停止させることを指示するための特図1確定コマンドを設定する(S609)。第1図柄表示装置37に変動表示されている第1特別図柄の変動停止が設定される(S610)。その後、この処理を終了する。
一方、S601の処理において、特図1変動停止フラグ203pがオンであると判別された場合には(S601:Yes)、特図1変動停止フラグ203pをオフに設定し(S613)、特図1変動停止フラグ203pがオフであることを示す特図1変動停止コマンドが設定される(S614)。その後、この処理を終了する。
このように構成することで、第1特別図柄で大当たりとなり大当たり遊技が開始される場合には、第2特別図柄を仮停止するように設定することができる。その後、大当たり遊技が終了した後には、変動中の第2特別図柄に対して、残りの変動時間を変動再開することができる。よって、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動することが可能な構成であっても、一方の特別図柄が大当たりすると変動中の他方を仮停止させて大当たり遊技が終了するまで待機させることで、遊技者に大当たり遊技に集中させることができる。
次に、図26を参照して、特別図柄変動処理(図21、S107)の一処理である第2特別図柄変動開始処理(S206)について説明する。図26はこの第2特別図柄変動開始処理(S206)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動開始処理(図26、S206)では、上記した、第1特別図柄変動開始処理(図22、S203)に対して、S301〜S306までの各処理の第1特別図柄保留球数カウンタ203e、第1特別図柄保留球数カウンタの値(N1)、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第1特別図柄大当たり判定処理(S305)、第1特別図柄変動パターン選択処理(S306)がS701〜S706までの各処理では、第2特別図柄保留球数カウンタ203f、第2特別図柄保留球数カウンタの値(N2)、第2特別図柄保留球格納エリア203b、第2特別図柄大当たり判定処理(S705)、第2特別図柄変動パターン選択処理(S706)に、それぞれ変更される点を除いては同一であるので、その説明は省略する。
次に、図27を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図26、S206)の一処理である第2特別図柄大当たり判定処理(S705)について説明する。図27はこの第2特別図柄大当たり判定処理(S705)を示すフローチャートである。
第2特別図柄大当たり判定処理(図27、S705)では、上記した、第1特別図柄大当たり判定処理(図23、S305)に対して、S401の処理に対して、第1特別図柄保留球実行エリア203cがS801の処理では、第2特別図柄保留球実行エリア203dに、S408の処理に対して、特図1(第1特別図柄)がS808の処理では、特図2(第2特別図柄)に、S409およびS410の処理に対して、第1特別図柄がS809およびS810の処理では、第2特別図柄にそれぞれ変更される点を除いては同一であるので、その説明は省略する。
次に、図28を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図26、S206)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理(S706)について説明する。図28はこの第2特別図柄変動パターン選択処理(S706)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動パターン選択処理(図28、S706)では、上記した、第1特別図柄変動パターン選択処理(図24、S306)の、S501の処理に対して、特図1抽選結果(第1特別図柄の抽選結果)がS901の処理では、特図2抽選結果(第2特別図柄の抽選結果)に、S506〜S507までの各処理に対して、特図1変動パターンコマンド(第1特別図柄の変動パターンコマンド)、特図1変動時間カウンタ203rがS906〜S907の各処理に対して特図2変動パターンコマンド、特図2変動時間カウンタ203sにそれぞれ変更される点を除いては同一であるので、その説明は省略する。
次に、図29を参照して、特別図柄変動処理(図21、S107)の一処理である第2特別図柄変動停止処理(S207)について説明する。図29はこの第2特別図柄変動停止処理(S207)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動停止処理(図29、S207)では、上記した、第1特別図柄変動停止処理(図25、S204)に対して、次の点で相違する。S601〜S602までの各処理に対応するS1001〜S1002までの各処理では、特図1変動停止フラグ203p、特図1変動時間カウンタ203rが特図2変動停止フラグ203q、特図2変動時間カウンタ203sにそれぞれ変更される。S603の処理に対応するS1003の処理では、第1特別図柄の変動時間が終了タイミングであるかの判別が、第2特別図柄の変動時間が終了タイミングであるかの判別に変更される。S604の処理に対応するS1004の処理では、特図1の大当たりであるかの判別が、特図2の大当たりであるかの判別に変更される。S605〜S610の各処理に対応するS1005〜S1010の各処理では、特図2変動停止フラグ203q、特図2変動停止コマンド、第1特別図柄の大当たりの開始、特図1確定コマンド、第1特別図柄の変動停止が、それぞれ、特図1変動停止フラグ203p、特図1変動停止コマンド、第2特別図柄の大当たりの開始、特図2確定コマンド、第2特別図柄の変動停止に変更される。S613〜S614の各処理に対応するS1013〜S1014の各処理では、特図1変動停止フラグ203p、特図1変動停止コマンドが、それぞれ、特図2変動停止フラグ203q、特図2変動停止コマンドに変更される。その他の点は同一であるので、その説明は省略する。
このように、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の制御はそれぞれ独立して並行して実行可能に構成されているので、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示させることができる。よって、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者は、効率よく遊技を行うことができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄が同時に変動表示して抽選遊技が実行される構成であっても、第1または第2特別図柄の一方で大当たり遊技が発生した場合には、他方の特別図柄の変動表示が仮停止されるので、遊技者は、大当たり遊技に集中して遊技を行うことができる。
また、仮停止した特別図柄は、仮停止中であることが遊技者に分かる表示態様または報知態様で停止されているので、遊技者は変動表示途中であった抽選遊技が消滅していないことを把握することができ、安心して大当たり遊技を行うことができる。
次に、図30を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図20)の一処理である始動入賞処理(S108)を説明する。図30は、この始動入賞処理(S108)を示すフローチャートである。始動入賞処理(図30、S108)は、第1始動口64または第2始動口640に遊技球が入賞したか判別して、入賞した場合には、保留上限個数(第1始動口64、第2始動口640それぞれに最大4個)まで、取得した各カウンタ値を第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ格納する処理である。また、保留球に基づいて取得された各カウンタ値が、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ記憶されると、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bのそれぞれに記憶されている各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターン等を予測する処理が実行される。以下、始動入賞処理(図30、S108)について説明する。
始動入賞処理(図30、S108)では、まず、球が第1始動口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S1101)。ここでは、第1始動口64への入賞を検出する。球が第1始動口64に入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S1101:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が取得される(S1102)。取得した値(N1)は4未満であるか判別される(S1103)。これは、第1始動口64に対する保留個数の上限値である4個未満であるか(即ち、保留個数が上限値まで記憶されていないか)が判別される。取得した値(N1)が4未満であると判別された場合には(S1103:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)に1加算される(1104)。音声ランプ制御装置113に対して保留個数を通知するための保留球数コマンドが設定される(S1105)。各種カウンタ値である、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファから読み出し(取得して)、RAM203の第1特別図柄保留球実行エリア203cの特別当たり乱数カウンタ格納エリア203c1、特別当たり種別カウンタ格納エリア203c2、変動種別カウンタ格納エリア203c3に各々保留(格納)する(S1106)。
次に、第1先読み処理が実行される(S1107)。第1先読み処理(図31、S1107)については、詳しく後述するが、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aに記憶された各カウンタ値に基づく変動表示開始順序が記憶されている第1特別図柄と第2特別図柄とを合わせて何番目であるかを事前に判別し、さらにその変動表示順序と記憶されている各カウンタ値とから当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理が実行される。
次に、S1108〜S1114までの各処理については、S1101〜S1107までの各処理で実行された第1始動口64への遊技球の入賞に対して行われた処理と同様の処理が、第2始動口640に対して実行される処理であることが相違するのみであるので、詳細な説明は省略する。
次に、図31を参照して、始動入賞処理(図20、S108)の一処理である第1先読み処理(S1107)について説明する。図31は、この第1先読み処理(S1107)を示すフローチャートである。
第1先読み処理(図31、S1107)では、まず、新たに第1特別図柄保留格納エリア203aに記憶された格納エリアから各種カウンタ値である、特別当たり乱数カウンタC1、特別当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値が読み出される(S1121)。読み出したデータを並び替え保留記憶エリア203tの空いている記憶エリアのうち、入賞順序がもっとも小さいエリアに記憶され、その新たに記憶された保留データ(各カウンタ値)に基づく変動表示が開始される変動表示開始時間が算出される(S1122)。
この変動開始時間は、図18に示すように、新たに記憶された保留データに対応する変動表示中の特別図柄(第1始動口64に基づく保留データであれば、第1特別図柄、第2始動口640に基づく保留データであれば、第2特別図柄)の残り変動時間と、新たに記憶された保留データと同じ始動口64,640に基づいて先に記憶された各保留データの決定されている変動時間をそれぞれ加算することにより算出される。
ここで、新たに記憶された保留データと同じ始動口に基づいて先に記憶された各保留データとは、新たに記憶された保留データが第1始動口64に基づく保留データであれば、先に記憶されている第1始動口64に基づく(第1特別図柄に対応する)保留データ、一方、新たに記憶された保留データが第2始動口640に基づく保留データであれば、先に記憶されている第2始動口640に基づく(第2特別図柄に対応する)保留データのことである。
変動表示開始時間が算出されると、並び替え保留記憶エリア203tに記憶されている全ての保留データの変動表示開始時間の早い順に並び替え後の順序が再付番される(S1123)。ここで、変動表示開始時間の再付番については、本実施形態では、全ての保留データに付いて再付番を行ったが、それに限らず、前回と変動表示開始順序が入れ替わった場合、即ち、新たに記憶された保留データの変動表示開始順序が先に記憶されている保留データの変動表示開始順序に割り込まれる場合に、その変更となる順序のみ再付番するように構成しても当然よい。
新たに記憶された保留データが変動開始する時の遊技状態が高確率遊技状態であるかが判別される(S1124)。変動開始する時の遊技状態については、新たに記憶された保留データが変動開始する時までに停止するものの先読み確変フラグ203t6がオンの物があり、且つ、その後、15R通常大当たりで停止する保留がないかについて判別することで判別される。新たに記憶された保留データが変動開始する時の遊技状態が高確率遊技状態であると判別された場合には(S1124:Yes)、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aの大当たり判定値に基づいて、第1特別図柄の当否を予測して、その判定結果を該当する並び替え保留記憶エリア203tに記憶する(S1125)。一方、新たに記憶された保留データが変動開始する時の遊技状態が低確率遊技状態(通常遊技状態)であると判別された場合には(S1124:No)、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aの大当たり判定値に基づいて、第1特別図柄の当否を予測して、その判定結果を該当する並び替え保留記憶エリア203tに記憶する(S1126)。
第1先読み更新処理を実行する(S1127)。第1先読み更新処理(図32、S1127)については、詳しく後述するが、実際に変動表示開始される順序で、並び替え保留記憶エリア203tに記憶された保留データ(各種カウンタ値)の当否判定結果に基づいて、大当たり種別(確変か否か)、変動パターン(変動時間)が記憶(更新)される。
次に、図32を参照して、第1先読み処理(図31、S1107)の一処理である第1先読み更新処理(S1127)について説明する。図32は、この第1先読み更新処理(S1127)を示すフローチャートである。
第1先読み更新処理(図32、S1127)では、まず、第1先読み処理(図31、S1107)におけるS1125またはS1126の処理で予測した当否判定結果は大当たりであったか判別される(S1131)。第1先読み処理(図31、S1107)におけるS1125またはS1126の処理で予測した当否判定結果は大当たりであったと判別された場合には(S1131:Yes)、予測した大当たりは大当たりAまたは大当たりBであったか判別される(S1132)。予測した大当たりが大当たりAまたは大当たりBであると判別された場合には(S1132:Yes)、新たに記憶された保留データに対応した並び替え保留記憶エリア203tの先読み確変フラグ203t6をオンに設定する(S1133)。なお、先読み確変フラグ203t6は、上位の保留エリアへデータがシフトされて記憶される場合に、シフトされる前の保留エリアのデータは0クリアされるので、そこでオフに設定される。つまり、一度、オンに設定された先読み確変フラグ203t6は、順に保留エリアをシフトされ、変動中データ記憶領域において、次の新たなデータがシフトされて上書き(0クリア)されることによりオフに設定される。
一方、予測した大当たりが大当たりAまたは大当たりBでないと判別された場合には(S1132:No)、S1134の処理が実行される。
変動表示開始時の遊技状態(確変または時短中であるか否か)に対応した、変動パターン選択テーブル202dより、新たに記憶された保留データの変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動表示開始時に決定される変動パターンが予測される(S1134)。その後、S1136の処理へ移行する。
一方、第1先読み処理(図31、S1107)におけるS1125の処理で予測した当否判定結果が外れであると判別された場合には(S1131:No)、変動表示開始時の遊技状態(確変または時短中であるか否か)に対応した、変動パターン選択テーブル202dより、新たに記憶された保留データの変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動表示開始時に決定される変動パターンが予測される(S1135)。その後、S1136の処理へ移行する。
S1136の処理では、予測した当否、停止種別、及び変動パターンが並び替え保留記憶エリア203tの入賞順序に対応したエリアに(新たに記憶された保留データに対応して)記憶される(S1136)。並び替え保留記憶エリア203tに新たに記憶された保留データの変動表示開始順序は、先に記憶されていた変動表示開始順序に割り込ませて(順序を変えて)記憶されたか判別される(S1137)。並び替え保留記憶エリア203tに新たに記憶された保留データの変動表示開始順序は、先に記憶されていた変動表示開始順序に割り込ませて(順序を変えて)記憶されたのではないと判別された場合には(S1137:No)、次に、S1139の処理へ移行する。一方、並び替え保留記憶エリア203tに新たに記憶された保留データの変動表示開始順序は、先に記憶されていた変動表示開始順序に割り込ませて(順序を変えて)記憶されたと判別された場合には(S1137:Yes)、新たに記憶された保留データの変動表示開始順序の後の保留データ(新たに記憶された保留データに対応する特別図柄が変動停止した後に変動開始する順序の保留データ)について、再度、当否、停止種別、変動パターンを予測し、更新する(S1138)。次に、並び替え保留記憶エリア203tに記憶されている全ての保留データに対応する当否、停止種別、変動パターン、入賞順序、変動表示開始順序、先読み確変フラグ203t6に基づいて、その各データを音声ランプ制御装置113に対して通知するための入賞コマンドが各保留データ毎に生成される(S1139)。
このように、遊技球が第1始動口64または第2始動口640に入賞し、対応する特別図柄を変動表示開始できるまで保留されると、変動表示開始前に、その当否判定や選択される変動パターンの決定等が実行され、保留の中における変動開始順序も算出される。よって、保留図柄表示が表示されると、遊技者の操作により、変動開始順に保留図柄表示を並び替えることができる。
また、新たに保留が記憶され、その保留により変動開始する順序が変更される(新たに記憶された保留の変動開始順序が割り込まれて記憶される)と、再度、並び替え保留記憶エリア203tに記憶されている各保留エリアのうち、新たに記憶された保留が停止した後に変動開始となる保留に対して、当否判定、停止種別、変動パターンの更新がされるので、新たに保留が記憶されることで、変動開始時の遊技状態(高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるか)が変わる場合にも、正確なデータに更新することができる。
なお、本実施形態では、新たに記憶された保留の変動開始順序が割り込まれ記憶された場合に、再度、保留エリアの保留データ(当否判定、停止種別、変動パターン)を再度更新したが、それに限らず、新たに保留が記憶された場合には、毎回、全ての保留エリアに対して、再度判定するようにしてもよい。このように構成することで、保留エリアのデータを新たに保留が記憶される毎に、更新することができ、より正確なデータで常に構成することができる。
次に、図33を参照して、始動入賞処理(図30、S108)の一処理である第2先読み処理(S1114)について説明する。図33は、この第2先読み処理(S1114)を示すフローチャートである。
第2先読み処理(図33、S1114)は、上記した、第1先読み処理(図31、S1107)が第1始動口64に入賞したことに基づく保留データを事前に先読みして、記憶されている保留データの変動表示開始順序を決定して、各種判定を行う処理であるのに対して、第2始動口640に入賞したことに基づく保留データを事前に先読みして、記憶されている保留データの変動表示開始順序を決定して、各種判定を行う処理である点で異なるのみで、同一の処理が実行されるので、詳細な説明は省略する。
また、図34に示した、第2先読み処理(図33、S1114)の一処理である第2先読み更新処理(S1147)についても、上記した、第1先読み更新処理(図32、S1127)が第1始動口64に入賞したことに基づく保留データの変動表示開始順序に基づいて、各種選択データを予測して、入賞コマンドを生成する処理であるのに対して、第2始動口640に入賞したことに基づく保留データの変動表示開始順序に基づいて、各種選択データを予測して、入賞コマンドを生成する処理である点で異なるのみで、同一の処理が実行されるので、詳細な説明は省略する。
このように、第1始動口64または第2始動口640に遊技球が入賞して、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに各種カウンタ値が新たに記憶される(保留データが記憶される)と、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)が実行される。新たに記憶された保留データは、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)で、変動表示開始となる順序が先に並び替え保留球記憶エリア203tに記憶されている各保留データの変動表示開始時間と比較して決定されるので、記憶されている保留データが変動表示開始された場合の、遊技状態(確変中であるか否か)を正確に判別することができる。よって、当否判定結果や停止種別、変動表示される変動パターン等を正確に判定することができる。従って、次に、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第1特別図柄保留球格納エリア203bに新たに保留データが記憶された場合にも、第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)で予測された各保留データの変動時間(変動パターン)に基づいて、新たに記憶された保留データの変動表示開始時間を正確に予測することができる。その結果、正しい変動表示開始順序を予測することができる。
また、新たに記憶された保留データの変動表示開始順序が、先に記憶されている保留データの変動表示開始順序に割り込んで(順序が早く)記憶される場合には、新たに記憶される保留データよりも後の変動表示開始順序の各保留データについては、再度、変動表示開始時の遊技状態が第1先読み処理(図31、S1107)または第2先読み処理(図33、S1114)で予測されて、当否、停止種別、変動パターンの予測(先読み)が行われるので、より正確な予測結果に基づいて、入賞コマンドを生成することができる。よって、音声ランプ制御装置113は、正確な、記憶されている保留データの予測結果を入賞コマンドから把握することができる。
次に、図35を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である普通図柄変動処理(S109)について説明する。図35は、この普通図柄変動処理(S109)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理(S109)は、第2図柄表示装部88において行う第2図柄の変動表示や、普通電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(図35、S109)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか判別される。(S1161)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示部83において当たりを示す表示がなされてから普通電動役物640aの開閉制御がなされている最中までが含まれる。普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別された場合には(S1161:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でないと判別された場合には(S1161:No)、第2図柄表示部83の普通図柄が変動表示中であるか判別される(S1162)。普通図柄(第2図柄)が変動表示中であると判別された場合には(S1162:Yes)、第2図柄表示部83において実行している普通図柄の変動時間が経過したか判別される(S1163)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装部88において変動表示が開始される前に、後述する、S1184の処理、S1185の処理によって予め設定された時間である。
S1163の処理において、変動時間が経過していなければ(S1163:No)、本処理を終了する。一方、S1163の処理において、変動表示している普通図柄の変動時間が経過していると判別された場合には(S1163:Yes)、第2図柄表示部83の停止表示を設定する(S1164)。S1164の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S1178の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄として第2図柄表示部83には「○」図柄が停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S1177の処理により外れ時の表示態様が設定されていれば、第2図柄として第2図柄表示部83には「×」図柄が、停止表示(点灯表示)されるように設定される。S1164の処理により、停止表示が設定されると、第2図柄表示部83における変動表示が終了し、S1177の処理、S1178の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示部83に停止表示(点灯表示)される。
次に、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであるかが判別される(S1165)。今回の普通図柄の抽選結果は当たりであると判別された場合には(S1165:Yes)、普通電動役物640aの開閉制御開始が設定される(1166)。一方、今回の普通図柄の抽選結果は外れであると判別された場合には(S1165:No)、本処理を終了する。
一方、S1162の処理において、普通図柄が変動表示中でないと判別された場合には(S1162:No)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S1167)。
次に、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が0よりも大きいか否かを判別される(S1168)。普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が0であると判別された場合には(S1168:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が0でないと判別された場合には(S1168:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)を1減算する(S1169)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203hに格納されたデータをシフトする(S1170)。S1170の処理では、普通図柄保留球格納エリア203hの普通図柄保留1〜普通図柄保留4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、普通図柄保留1→実行エリア、普通図柄保留2→普通図柄保留1、普通図柄保留3→普通図柄保留2、普通図柄保留4→普通図柄保留4といった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球実行エリア203iに格納されている普通当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S1171)。
次に、時短カウンタ203kの値が1以上である(即ち、0でないか)判別される(S1172)。時短カウンタ203kの値が0である(即ち、時短中でない)と判別された場合には(S1172:No)、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブル(図10(d))の当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得される(S1173)。一方、時短カウンタ203kの値が0でない(即ち、時短中である)と判別された場合には(S1172:Yes)、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であるか判別される(S1174)。第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であると判別された場合には(S1174:Yes)、S1173の処理が実行される。一方、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中でないと判別された場合には(S1174:No)、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブル(図10(d))の当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得される(S1175)。
次に、第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりであるか判別される(S1176)。第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりでない(即ち、外れである)と判別された場合には(S1176:No)、外れ時の表示態様である「×」の表示態様が設定される(S1177)。一方、第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりである(即ち、当たりである)と判別された場合には(S1176:Yes)、当たり時の表示態様である「○」の表示態様が設定される(S1178)。
遊技状態が時短遊技状態中(確変遊技状態含む)であるか判別される(S1179)。時短遊技中であると判別された場合には(S1179:Yes)、S1181の処理を実行する。時短遊技中でないと判別された場合には(S1179:No)、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であるか判別される(S1180)。第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であると判別された場合は(S1180:Yes)、S1181の処理を実行する。
S1181の処理では、普通電動役物640aの羽根の開放時間が1s、開放回数が2回に設定される(S1181)。一方、S1180の処理において、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり遊技中でない(即ち、低確率遊技状態である)と判別された場合には(S1180:No)、普通電動役物640aの羽根の開放時間が0.2s、開放回数が1回に設定される(S1182)。
遊技状態が時短遊技状態中(確変遊技状態含む)であるか判別される(S1183)。時短中であると判別された場合には(S1183:Yes)、普通図柄(第2図柄)の変動時間が3sに設定される(S1184)。一方、時短中でないと判別された場合には(S1183:No)、普通図柄(第2図柄)の変動時間が30sに設定される(S1185)。S1184、S1185の処理が実行された後には、この処理を終了する。
次に、図36のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S110)を説明する。図36は、このスルーゲート通過処理(S110)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S110)は、タイマ割込処理(図20参照)の中で実行され、普通図柄始動口67を遊技球が通過したかを判断し、遊技球の通過があった場合に、普通当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理(図36、S110)では、まず、球が普通図柄始動口(ゲート)67を通過したか否かを判定する(S1191)。ここでは、普通図柄始動口67を遊技球が通過したことを3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口67を通過したと判定されると(S1191:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)を取得する(S1192)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S1193)。
球が普通図柄始動口(ゲート)67を通過していないか(S1191:No)、或いは、球が普通図柄始動口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が4未満でなければ(S1193:No)、この処理を終了する。一方、球が普通図柄始動口67を通過し(S1191:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が4未満であれば(S1193:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)を1加算する(S1194)。そして、上述したタイマ割込処理のS106で更新した普通当たり乱数カウンタC4の値と、第1普通図柄フラグとをRAM203の普通図柄保留球格納エリア203hの空き保留エリア(普通図柄保留1〜普通図柄保留4)のうち最初のエリアに格納する(S1195)。尚、S1195の処理では、普通図柄保留球カウンタ203gの値を参照し、その値が0であれば、普通図柄保留1のエリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば普通図柄保留2のエリアを、その値が2であれば普通図柄保留3のエリアを、その値が3であれば普通図柄保留4のエリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図37を参照して、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図20参照)内の一処理である変動監視処理(S111)について説明する。図37は、この変動監視処理(S111)の内容を示したフローチャートである。この変動監視処理(S111)では、遊技者が遊技状態に対応した正しい遊技を行っているかを監視する処理が実行される。本実施形態では、通常遊技状態(低確率遊技状態)では、可変表示装置ユニット80の左側を遊技球が通過する強さで遊技球を発射させる打ち方(以下、左打ち)で遊技を行う方法が正規の遊技方法となり、大当たり遊技中、時短遊技状態中、確変遊技状態中では、可変表示装置ユニット80の右側を遊技球が通過する強さで遊技球を発射させる打ち方(以下、右打ち)で遊技を行う方法が正規の遊技方法となる。なお、通常遊技状態では、普通電動役物640aが第2始動口640を塞いでいる状態が通常状態となり、右側の第1始動口64への入賞率も左側の第1始動口64よりも低く設定されているので、通常遊技状態に右打ちをすることは遊技者にとって不利な打ち方となる。よって、正しい打ち方で遊技しているかを監視することで、遊技者に不利となることを低減することができる。また、不正に右打ちして、第2始動口640へ入賞させることを監視することができ、不正による被害を低減できる。
変動監視処理(図37、S111)では、まず、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり遊技中であるかが判別される(S1201)。大当たり遊技中でないと判別された場合には(S1201:No)、確変遊技状態または時短遊技状態中であるか判別される(S1202)。確変遊技状態または時短遊技状態中であると判別された場合には(S1202:Yes)、第1特別図柄が変動停止しているか判別される(S1203)。第1特別図柄が変動停止中であると判別された場合には(S1203:Yes)、異常監視フラグ203vがオンに設定される(S1204)。その後、この処理を終了する。ここで、異常監視フラグ203vは、遊技者が遊技状態に対応した正しい遊技方法(左打ち又は右打ち)で遊技を行っているか否かを判別するためのフラグである。後述するが、この異常監視フラグ203vがオンに設定されている時間が所定時間以上(例えば、20秒間以上)となると、異常報知コマンドが設定されて、そのコマンドにより音声ランプ制御装置113より異常報知(第3図柄表示装置81に異常であることを示す文字(例えば、正しい遊技方法を示唆する文字表示(右打ちしてください等)が実行され、音声によりエラー音や正しい遊技への指示音声が出力され、ホールコンピュータへの異常信号が出力される))が実行される。
このように、確変遊技状態または時短状態中である場合には、正しい遊技方法では、右打ち遊技されて第1特別図柄と第2特別図柄とがそれぞれ変動表示可能となる状態であるが、第1特別図柄が一定時間変動表示していないと、異常報知することにより遊技者にとって不利となる第1特別図柄が変動表示しないように遊技を行う不正な遊技が行われているかを監視することができる。よって、不正を早期に発見することができ、遊技店の損害を低減することができる。
一方、S1201の処理において、大当たり遊技中であると判別された場合(S1201:Yes)、S1203において、第1特別図柄が変動中であると判別された場合(S1203:No)には、異常監視フラグ203vがオフに設定される(S1205)。
一方、S1202の処理において確変遊技状態中または時短遊技状態中でないと判別された場合には(S1202:No)、普通図柄(第2図柄)の変動表示中であるか判別される(S1206)。普通図柄の変動表示中であると判別された場合には(S1206:Yes)、異常監視フラグ203vがオンに設定される(S1204)。
このように、右打ち遊技が実行されない通常遊技状態に、右打ち遊技でのみ変動が可能である普通図柄が変動表示している場合には、異常監視フラグ203vがオンに設定される。なお、異常監視フラグ203vがオンに設定されたまま20秒経過すると異常警報コマンドが設定されるが、大当たり遊技後や、時短遊技、確変遊技が終了した後に、普通図柄の保留球(最大4球)が記憶されている状態では、左打ち状態に移行しても普通図柄が変動表示しているため、異常監視フラグ203vがオンに設定されるが、その場合には普通図柄の変動時間は、3秒間であるので、異常警報コマンドが設定される前に異常監視フラグ203vがオフに設定されることとなる。これにより、正しい遊技方法で遊技を行っているのに、異常報知が実行される不具合を抑制できる。
一方、S1206の処理において、普通図柄の停止中であると判別された場合には(S1206:No)、第2特別図柄が変動表示中であるか判別される(S1207)。第2特別図柄が変動中であると判別した場合には(S1207:Yes)、異常監視フラグ203vをオンに設定する(S1204)。
このように、遊技状態が時短遊技状態または確変遊技状態でない、即ち、通常遊技状態である場合には、左打ちで遊技を行うことが正規の遊技方法であるが、右打ちした場合に変動表示可能となる第2特別図柄が変動中であれば、誤った遊技方法で遊技をしていることとなる。よって、異常監視フラグ203vをオンに設定することで、所定時間(本実施形態では、20秒)以上、異常監視フラグ203vがオンで設定されていると異常報知が実行されるので、不正な遊技をより早期に発見できる。従って、不正による遊技店の被害を低減することができる。
一方、S1207の処理において、第2特別図柄が変動停止中であると判別した場合には(S1207:No)、異常監視フラグ203vをオフに設定する(S1208)。その後、この処理を終了する。なお、この変動監視処理(S111)において、普通図柄、第1特別図柄、第2特別図柄が停止中であるかの判別は、保留球が記憶されていない状態で変動停止している状態である。保留球が記憶されている状態で、一時的な停止状態(変動停止から次の保留球による変動開始までの停止状態)は変動停止中ではなく、変動中と判別される。
ここで、遊技状態が通常遊技状態であり、第2特別図柄が変動停止している場合には、正しい遊技方法である左打ちで遊技が行われているので、異常監視フラグ203vがオフに設定され、後述する異常警報コマンドが設定されることが回避される。よって、遊技者が悪気なく誤った遊技方法で短時間遊技を行ってしまったとしても直ちには、異常報知がされないので、遊技者が異常報知により不快な思いをしてしまうことを抑制できる。
次に、図38を参照して、主制御装置110のMPU201におけるタイマ割込処理(図20参照)内の一処理である不正監視処理(S112)について説明する。図38は、この不正監視処理(S112)の内容を示したフローチャートである。不正監視処理(図38、S112)では、異常監視フラグ203vがオンに設定されている時間を計時して、所定時間以上(本実施形態では、20秒以上)となると、異常警報コマンドを設定する処理が実行される。
不正監視処理(図38、S112)では、まず、異常監視フラグ203vがオンであるか判別する(S1211)。異常監視フラグ203vがオンであると判別された場合には(S1211:Yes)、異常監視カウンタ203wを1加算して更新する(S1212)。異常監視カウンタ203wが上限値(本実施形態では、20秒に対応するカウンタ値)以上であるか判別される(S1213)。異常監視カウンタ203wが上限値未満であると判別された場合には(S1213:No)、この処理を終了する。一方、異常監視カウンタ203wが上限値以上であると判別された場合には(S1213:Yes)、異常警報コマンドを設定する(S1214)。その後、この処理を終了する。
この異常警報コマンドは、主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理(図20参照)の外部出力処理(S101)により音声ランプ制御装置113に対して出力される。音声ランプ制御装置113では、この異常警報コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81や、音声出力装置226に異常警報の態様を出力させる処理が実行される。これにより、不正や不具合を早期に発見することができる。
また、異常監視フラグ203vがオンに設定されてから所定時間(本実施形態では、20秒)以上、オンに設定され続けられた場合に、異常警報コマンドが設定されるように構成することで、遊技状態の切り替わり時等に短時間(20秒未満)の間だけ、正規の遊技方法で遊技が行われない期間(例えば、右打ち状態から左打ち状態に切り替える期間)があったとしても直ちに、異常警報が出力されないので、遊技者が不快な思いをしてしまう不具合を抑制できる。
なお、本実施形態では、所定時間は20秒としたが、それに限られるものではなく、遊技状態の切り替わりにおいて、通常の遊技をしていて必要な切替時間よりも長い時間で所定時間を構成すればよい。このように、構成することで、遊技者が遊技操作を変更している間に誤って異常警報が出力してしまう不具合を抑制できる。
一方、S1211の処理において、異常監視フラグ203vがオフであると判別された場合には(S1211:No)、異常監視カウンタ203wを初期値である0にリセットする処理が実行される。その後、この処理を終了する。
このように、異常監視フラグ203vがオフであると判別されると、異常監視カウンタ203wの値が初期値にリセットされるので、異常警報コマンドが設定される処理が回避され、正規の遊技方法で遊技を行っているのに、異常警報が出力される不具合を抑制できる。
図39は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1221)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図40を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図40は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。
この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理(図40)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1231)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1232)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1233)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ(図3、122)がオンされているか否かを判別し(S1234)、オンされていれば(S1234:Yes)、処理をS1240へ移行する。一方、RAM消去スイッチ(図3、122)がオンされていなければ(S1234:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1235)、記憶されていなければ(S1235:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1240へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1235:Yes)、RAM判定値を算出し(S1236)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1237:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1240へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1240の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1240)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1241、S1242)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ(図3、122)を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ(図3、122)が押されていれば、RAM203の初期化処理(S1241、S1242)を実行する。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1241、S1242)を実行する。RAMの初期化処理(S1241、S1242)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1241)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1242)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1243の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ(図3、122)がオンされておらず(S1234:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1235:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1237:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1238)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1239)、S1243の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力する(S1243)。その後、割込みを許可する(S1244)。そして、後述するメイン処理(S1250)に移行する。
次に、図41を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理(S1250)について説明する。図41は、このメイン処理(S1250)を示すフローチャートである。このメイン処理(S1250)では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。
メイン処理(図41、S1250)においては、まず、タイマ割込処理(図20参照)の中でRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1251)。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1252)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファに格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1253)を実行する。S1253の処理が実行された後には、確変設定処理が実行される(S1254)。この確変設定処理(S1254)については、図42を参照して、後述するが、大当たりAまたは大当たりCが実行されている場合に第2特定入球口(図示せず)に遊技球が入球したかを判別して、入球した場合には、大当たり遊技後の遊技状態を確変遊技状態に設定することを示すデータを大当たり後状態設定エリアに設定する処理が実行される。
確変設定処理(S1254)が実行されると、大当たり制御処理が実行される(S1255)。この大当たり制御処理(S1255)については、図43を参照して、詳細について後述するが、大当たり遊技における第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650の作動を設定する処理が実行される。
大当たり制御処理(S1255)が実行された後には、電動役物開閉処理が実行される(S1256)。この電動役物開閉処理(S1256)では、普通電動役物640aの開閉処理が実行される。その後、第1図柄表示装置37の表示制御処理が実行される(S1257)。
次に、第2図柄表示部83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S1258)。簡単に説明すると、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで普通当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、普通当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、普通電動役物640aが所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1259)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1259:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1260)、既に所定時間が経過していれば(S1260:Yes)、処理をS1251へ移行し、上述したS1251以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1260:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、初期値乱数カウンタCINI1及び普通初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1261,S1262)。
まず、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1261)。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399、239)に達した際、0にクリアする。そして、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1252の処理と同一の方法によって実行する(S1262)。
ここで、S1251〜S1258の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動表示する。故に、かかる残余時間を使用して初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、初期値乱数カウンタCINI1と普通初期値乱数カウンタCINI2(即ち、特別当たり乱数カウンタC1の初期値、普通当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1259の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1259:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図39のNMI割込処理が実行されたということなので、S1263以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1263)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1264)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1265)、RAM203のアクセスを禁止して(S1266)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1259の処理は、S1251〜S1258で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1261とS1262の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1251の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1251の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1301)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1251の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図42を参照して、主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理(図41、S1250)内の一処理である確変設定処理(S1254)について説明する。図42は、この確変設定処理(S1254)の内容を示したフローチャートである。
確変設定処理(図42、S1254)では、まず、大当たりAまたは大当たりCの大当たり遊技が実行されているタイミングであるか判別される(S1261)。大当たりAまたは大当たりCが実行されているタイミングでないと判別された場合には(S1261:No)、この処理を終了する。一方、大当たりAまたは大当たりCが実行されているタイミングであると判別された場合には、第2特定入球口650aに遊技球が入球したか判別される(S1262)。第2特定入球口650aに遊技球が入球したと判別された場合には(S1262:Yes)、大当たり後状態エリア203mに確変の設定データを設定する(S1263)。その後、第2特定入球口650aに入球したことを音声ランプ制御装置113に対して通知するための入球報知コマンドが設定される(S1264)。なお、ここで大当たり後状態エリア203mは、デフォルトの設定では、時短遊技状態が設定されており、第2特定入球口650aに遊技球が入球することにより確変遊技状態を設定するためのデータに書き換えられる。確変遊技状態が設定されると、自動的にデフォルトの時短遊技状態のデータに書き換えられる。
これにより、第2特定入球口650aに遊技球が入球しなかった場合には、大当たり主別に関わらず、大当たり遊技後に自動的に時短遊技状態が設定されるので、主制御装置110の制御負荷を軽減することができる。
また、後述するが、入球報知コマンドを音声ランプ制御装置113が受信すると、第3図柄表示装置81や音声出力装置226によって、確変遊技状態が付与されることを報知する報知態様が出力されるように制御される。これにより、遊技者にわかり易く、大当たり遊技後の遊技状態を報知することができる。
次に、図43を参照して、主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理(図41、S1250)内の一処理である大当たり制御処理(S1255)について説明する。図43は、この大当たり制御処理(S1255)の内容を示したフローチャートである。
大当たり制御処理(図43、S1255)では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1271)。S1271の処理において、特別図柄の大当たりが開始されると判定された場合には(S1271:Yes)、ラウンド数カウンタの値に0を設定し(S1272)、そのまま、本処理を終了する。
一方、S1271の処理において、特別図柄の大当たりが開始されないと判定された場合には(S1271:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1273)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1273の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1273:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1273の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(S1273:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1274)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1274:Yes)、第1特定入賞口65aまたは第2特定入賞口650aを開放し(S1275)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定し(S1276)、ラウンド数カウンタの値に1を加算する(S1277)。ラウンド数カウンタの値に1を加算した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図41、S1250)の外部出力処理(S1251)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1274の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1274:No)、第1特定入賞口65aまたは第2特定入賞口650aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1278)。具体的には、第1特定入賞口65aまたは第2特定入賞口650aを開放した後に所定時間(例えば30秒)が経過した場合、または、第1特定入賞口65aまたは第2特定入賞口650aを開放した後に球が所定数(例えば10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1278の処理において、第1特定入賞口65aまたは第2特定入賞口650aの閉鎖条件が成立した場合には(S1278:Yes)、第1特定入賞口65aまたは第2特定入賞口650aを閉鎖し(S1279)、S1280の処理へ移行する。S1280の処理では、最終ラウンドであるかを判定する(S1280)。S1280の処理において、最終ラウンドでなければ(S1280:No)、本処理を終了する。S1280の処理において、最終ラウンドであれば(S1280:Yes)、大当たりの終了を設定し(S1281)、大当たり後状態エリア203mに設定されている遊技状態に基づいて、状態設定エリア203uと時短カウンタ203kとを設定する(S1282)。S1282の処理では、大当たり後状態エリア203mに設定されている遊技状態が時短遊技状態であれば、時短カウンタ203kの値として100が設定される。これにより、時短遊技状態に移行した後に時短遊技を100回分付与することができる。
次いで、状態エリア203uに対応した状態コマンドを設定し(S1283)、本処理を終了する。一方、S1278の処理において、第1特定入賞口65aまたは第2特定入賞口650aの閉鎖条件が成立していない場合には(S1278:No)、そのまま本処理を終了する。
<音声ランプ制御装置113により実行される制御処理について>
次に、図44から図50を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(S1400)とがある。
まず、図44を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図44は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1301)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1418の電源断処理(図45参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1302)。図35を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図45、S1415参照)、S1418の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1418の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1302:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1418の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1303)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1306の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1303:Yes)、S1304へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1303:No)、S1308へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1303:Yes)、S1304へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1418の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1303:No)、S1308へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1302:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1418の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1304へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1304の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1304)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1305:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1306)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1305:No)、RAM223の異常を報知して(S1307)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1308の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1308)。電源断フラグはS1418の電源断処理の実行時にオンされる(図45、S1417参照)。つまり、電源断フラグは、S1418の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1308の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1418の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1308:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1309)、RAM223の初期値を設定した後(S1310)、割込み許可を設定して(S1313)、メイン処理(S1400)へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1308の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1304からS1306の処理を経由してS1308の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1308:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1309をスキップして、処理をS1310へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S1310)。
なお、S1309のクリア処理をスキップするのは、S1304からS1306の処理を経由してS1308の処理へ至った場合には、S1304の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図45を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S1400)について説明する。図45は、このメイン処理(S1400)を示したフローチャートである。メイン処理(S1400)が実行されると、まず、該メイン処理(S1400)が開始されてから、又は、前回S1401の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S1401)、1ミリ秒以上経過していなければ(S1401:No)、S1402〜S1410の処理を行わずにS1411の処理へ移行する。S1401の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S1402〜S1410が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1411の変動表示処理やS1412のコマンド判定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1414の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1414の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動表示演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1401の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S1401:Yes)、まず、S1403〜S1414の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1402)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1409の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1403)、その後電源投入報知処理を実行する(S1404)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1405の処理へ移行する。
S1405の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1406)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理(S1406)では、詳しくは、後述するが、従並び替え保留記憶エリア223kのデータに基づいて、第3図柄表示装置81の保留図柄表示の表示を更新する処理が実行される。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1407)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、後述する並び替え可能期間(大当たり遊技中と保留の無い状態とを省く期間)に枠ボタン22が押された場合は、保留の成立順で表示されていた保留図柄表示が、変動表示開始順に並び替えられて表示させられる。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S1408)、その後音編集・出力処理を実行する(S1409)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1409の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S1410)。この後、S1411の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1408のランプ編集処理が実行される。なお、S1409の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1411の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を実行する(S1411)。このコマンド判定処理の詳細については、図46を参照して後述する。次いで、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示設定処理を実行する(S1412)。この変動表示設定処理の詳細については、図48を参照して後述する。
変動表示設定処理(S1412)の後、変動更新処理が実行される(S1413)。この変動更新処理(S1413)の詳細については、図49を参照して後述する。
変動更新処理(S1413)の後、確変期間報知処理が実行される(S1414)。この確変期間報知処理(S1414主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行う)の詳細については、図50を参照して後述する。
S1414の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1415)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1415の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1415:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1417)、電源断処理を実行する(S1418)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1419)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1415の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1415:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1416)、RAM223が破壊されていなければ(S1416:No)、S1401の処理へ戻り、繰り返しメイン処理(S1400)が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1416:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理(S1400)が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図46を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1411)について説明する。図46は、このコマンド判定処理(S1411)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1411)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S1400)(図45参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。以下、コマンド判定処理(S1411)の詳細を説明する。
コマンド判定処理(図46、S1411)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域223aから、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より特図1変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1501)。ここで、特図1変動パターンコマンドは、第1特別図柄を変動表示させるための変動表示態様を示す特別図柄である。そして、特図1変動パターンコマンドを受信したと判別された場合には(S1501:Yes)、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223b2がオンに設定される(S1502)。受信した特図1変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出する(S1503)。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223zに第1特別図柄の変動パターン種別であることを識別可能に記憶され、後述の変動表示設定処理(図48、S1412)において、表示制御装置114に対して第1特別図柄の変動表示演出の開始とその第1特別図柄の変動パターン種別とを通知する第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。
一方、特図1変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合には(S1501:No)、主制御装置110より特図2変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1504)。ここで、特図2変動パターンコマンドは、第2特別図柄を変動表示させるための変動表示態様を示す特別図柄である。そして、特図2変動パターンコマンドを受信したと判別された場合には(S1504:Yes)、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223c1がオンに設定される(S1505)。受信した特図2変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出する(S1506)。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223zに第2特別図柄の変動パターン種別であることを識別可能に記憶され、後述の変動表示設定処理(図38、S1411)において、表示制御装置114に対して第2特別図柄の変動表示演出の開始とその第2特別図柄の変動パターン種別とを通知する第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。
特図2変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合には(S1504:No)、主制御装置110より第1または第2停止種別コマンドを受信したか判別される(S1507)。第1または第2停止種別コマンドを受信したと判別された場合には(S1507:Yes)、第1停止種別コマンドを受信した場合には、第1停止種別選択フラグがオンに設定される。第2停止種別コマンドを受信した場合には、第2停止種別選択フラグがオンに設定される。(S1508)。受信した第1停止種別コマンドまたは第2停止種別コマンドから停止種別(15R確変大当たり、15R通常大当たり、2R確変大当たりのいずれか)が抽出される(S1509)。抽出した停止種別は、音声ランプ制御装置113にMPU221のRAM223のその他メモリエリア223zに記憶される。なお、第1停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第1特別図柄の停止種別であることを識別可能に、第2停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第2特別図柄の停止種別であることを識別可能にそれぞれ記憶される。
一方、第1または第2停止種別コマンドを受信していないと判別された場合には(S1507:No)、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか判別される(S1510)。保留球数コマンドを受信したと判別された場合には(S1510:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eまたは第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(即ち、主制御装置110に保留された第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示演出の保留球数)が抽出され、第1特別図柄の保留球数は、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1に格納され、第2特別図柄の保留球数は、第2特別図柄保留球数カウンタ223d1に格納される(S1511)。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1始動口64または第2始動口640に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S1508の処理によって、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1と第2特別図柄保留球数カウンタ223d1との値を主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eと第2特別図柄保留球カウンタ203fとの値にそれぞれ合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1または第2特別図柄保留球カウンタ223d1の値が、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eまたは第2特別図柄保留球カウンタ203fの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1または第2特別図柄保留球数カウンタ223d1の値を修正し、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eまたは第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値に合わせることができる。
保留球数コマンドを受信していないと判別された場合には(S1510:No)、入賞コマンドを受信したか判別される(S1512)。入賞コマンドを受信したと判別された場合には(S1512:Yes)、受信したコマンドから主制御装置110の並び替え保留記憶エリア203tの各保留エリアの情報が抽出される(S1513)。ここで、抽出される並び替え保留記憶エリア203tにおける各保留エリアの情報は、各保留毎の、当否判定結果、大当たり種別、変動パターン種別、変動表示順序、変動表示開始となるまでの時間である。
一方、入賞コマンドを受信していないと判別された場合には(S1512:No)、特図1変動停止コマンドまたは特図2変動停止コマンドを受信したか判別される(S1515)。特図1変動停止コマンドまたは特図2変動停止コマンドを受信したと判別された場合には(S1515:Yes)、特図1変動停止コマンドを受信した場合には、従特図1変動停止フラグ223c2がオンに設定され、特図2変動停止コマンドを受信した場合には、従特図2変動停止フラグ223d2がオンに設定される(S1516)。
一方、特図1変動停止コマンドまたは特図2変動停止コマンドを受信していないと判別された場合には(S1515:No)、状態コマンドを受信しているか判別される(S1517)。状態コマンドを受信していると判別された場合には(S1517:Yes)、従状態設定エリア223hに、受信したコマンドに対応した状態を設定する(S1518)。
一方、状態コマンドを受信していないと判別された場合には(S1517:No)、その他のコマンドに応じた処理が実行される(S1519)。
次に、図47を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留個数表示更新処理(S1406)について説明する。図47は、この保留個数表示更新処理(S1406)を示したフローチャートである。この保留個数表示更新処理(S1406)は、従並び替え保留記憶エリア223kの各保留エリアのデータに基づいて、第3図柄表示装置81で表示される保留図柄表示の更新を行うための処理である。
保留個数表示更新処理(図47、S1406)では、まず、従並び替え保留記憶エリア223kの各保留エリアの変動開始時間記憶エリア223k5の変動表示開始時間が更新される(S1601)。変動開始時間記憶エリア223k5に記憶された各時間データからこの処理の実行周期(本実施形態では、1ms)が減算される。また、変動表示開始時間の更新はこれに限らず、RTC等を設けることにより行ってもよいし、他の方法であっても当然よい。
従並び替え保留記憶エリア223kの並び替えフラグ223k7がオンになっている保留エリアに対応する保留図柄表示は、変動表示開始順序で、並び替えフラグ223k7がオフになっている保留エリアに対応する保留図柄表示は、保留の成立順序で保留図柄表示を表示させる表示用保留表示コマンドを生成する(S1602)。
ここで、並び替えフラグ223k7は、後述する、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する保留並び替え処理(図40、S1413)において、並び替え可能期間に枠ボタン22が操作(本実施形態では、押下)された場合に、保留データが記憶されているすべての保留エリアにおいて、オンに設定される。これにより、表示されている保留図柄表示は、すべて保留の成立順序から、保留の変動表示開始順序に基づいて並び替えて表示される。一方、並び替えフラグ223k7がオンに設定された後に、新たに記憶された保留に関しては、並び替えフラグ223k7がオフであるので、並び替えられずに成立した順序、即ち、第3図柄表示装置81に表示されている保留図柄表示の最後尾に表示される。
よって、遊技者が保留図柄表示の並び替えをさせようと思い、枠ボタン22を操作すると、そのときに表示されている保留図柄表示については、変動表示開始順序で並び替えが実行されて、その後も、並び替えられた保留図柄表示は、変動表示開始順序での表示が維持される一方、新たに記憶される(発生する)保留に対応する保留図柄表示については、成立順序で、先に表示されている保留図柄表示に割り込んで表示されることなく、最後尾で表示されるので、遊技者は、現在の表示が、どの順序で表示されているものなのかを混同する不具合を抑制することができる。
また、このように、枠ボタン22が操作された時に表示されている保留図柄表示のみを並び替えるようにすることで、遊技者が知りたい時だけ、変動表示開始順序を知らせることができる。
また、通常、15R確変大当たりまたは15R通常大当たりとなる場合には、比較的、長い変動パターンが選択される。そのため、大当たりとなる保留と同じ始動口64,630で成立した保留については、変動表示開始時間が遅くなる。よって、大当たりとなる保留と異なる始動口64,640で発生した成立順序の遅い保留の方が、変動表示開始時間が早くなる場合が発生する。このような場合には、保留図柄の並び替えが行われると、成立順序の遅い保留図柄が、それよりも成立順序の早い保留図柄よりも前(保留図柄表示エリアDs1側)に割り込んで表示される。従って、遊技者は、枠ボタン22を操作して、保留図柄表示の並び替えをさせた場合に、成立順序の遅い保留図柄が成立順序の早い保留図柄よりも前に割り込んで表示されると、その割り込んで表示された保留図柄よりも前に表示されている保留図柄のうち、その割り込んで表示された保留図柄とは異なる始動口64,640への入賞で発生した保留について、大当たりではないかと期待を持つことができる。
よって、遊技者は、枠ボタン22を操作する時に、保留図柄表示の中に、大当たりとなる保留があるかもしれないと思い、並び順序が変わることを期待して枠ボタンを操作することができ、大当たりへの期待感をもって枠ボタン22を操作することができる。
次に、図48を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1412)について説明する。図48は、この変動表示設定処理(S1412)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(図48、S1412)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S1400)(図45参照)の一処理である。上述したように、変動表示設定処理(図48、S1412)は、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した第1または特図2変動パターンコマンドに基づいて、第1特別図柄または第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信する処理を実行する。また、抽出した停止種別(15R確変大当たり、14R通常大当たり)に基づいて、その停止種別を表示制御装置114に通知するための表示用第1または第2停止種別コマンドを設定する処理を実行する。
変動表示設定処理(図48、S1412)では、まず、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223b2がオンに設定されているか判別される(S1611)。そして、特図1変動開始フラグ223b2がオフであると判別された場合には(S1611:No)、主制御装置110より特図1変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1616の処理を実行する。一方、特図1変動開始フラグ223b2がオンであると判別された場合には(S1611:Yes)、特図1変動開始フラグ223b2をオフに設定する(S1612)。
次いで、S1613の処理では、コマンド判定処理(図46、S1411)のS1503の処理において特図1変動パターンコマンドより抽出された第1特別図柄の変動表示演出における変動パターンを、RAM223のその他メモリエリア223zより取得して、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドが生成される(S1613)。なお、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、第1特別図柄に対応する表示用変動パターンコマンドであるか第2特別図柄の変動パターンコマンドであるかを識別可能に構成されている。具体的には、2バイト構成の表示用変動パターンコマンドの上位バイトの上位2ビットが「10」であれば、第1特別図柄に対応することを示し、「01」であれば第2特別図柄に対応することを示すように構成されている。
S1613の処理で設定された第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理(図45、S1400)のコマンド出力処理(S1402)により表示用制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される第1特別図柄の変動パターンで第3図柄表示装置81に対応する特別図柄の変動表示が行われるように、その変動表示演出の表示制御を開始する。
ここで、表示制御装置114では、第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81の左側表示領域Dm1に、受信した表示用変動パターンコマンドが示す変動表示態様で、第1特別図柄(第3図柄)を変動表示(動的表示)する。
第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、その設定された表示用変動パターンコマンドに対応する特別図柄の保留球が消費される(即ち、第1特別図柄の保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、第1特別図柄保留球数カウンタ223b1の値を1減らし、従並び替え保留記憶エリア223kに記憶されている保留データが1つ前の保留エリアにシフトされる(S1614)。より具体的には、保留エリア1→変動表示中データの第1特別図柄または第2特別図柄、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3、保留エリア5→保留エリア4、保留エリア6→保留エリア5、保留エリア7→保留エリア6、保留エリア8→保留エリア7、といった具合に各エリア内のデータをシフトする。その後、従特図1変動時間カウンタ223eにカウンタ値を設定する(S1615)。
S1615の処理が終わると、次に、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223c1がオンに設定されているか判別される(S1616)。そして、特図2変動開始フラグ223c1がオンではない(即ち、オフである)と判別された場合には(S1616:No)、主制御装置110より特図2変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1621の処理を実行する。一方、特図2変動開始フラグ223c1がオンであると判別された場合には(S1616:Yes)、特図2変動開始フラグ223c1をオフに設定する(S1617)。次に、コマンド判定処理(図46、S1411)のS1506の処理において、特図2変動パターンコマンドより抽出された第2特別図柄の変動表示演出における変動パターンを、RAM223のその他メモリエリア223zより取得して、第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドが生成される(S1618)。
S1618の処理で設定された第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理(図45、S1400)のコマンド出力処理(S1402)により表示用制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される第2特別図柄の変動パターンで第3図柄表示装置81に対応する特別図柄の変動表示が行われるように、その変動表示演出の表示制御を開始する。
ここで、表示制御装置114では、第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81の右側表示領域Dm3に、受信した表示用変動パターンコマンドが示す変動表示態様で、第2特別図柄(第3図柄)を変動表示(動的表示)する。 第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、その設定された表示用変動パターンコマンドに対応する特別図柄の保留球が消費される(即ち、第2特別図柄の保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、第2特別図柄保留球数カウンタ223d1の値を1減らし、従並び替え保留記憶エリア223kに記憶されている保留データが1つ前の保留エリアにシフトされる(S1619)。より具体的には、保留エリア1→変動表示中データの第1特別図柄または第2特別図柄、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3、保留エリア5→保留エリア4、保留エリア6→保留エリア5、保留エリア7→保留エリア6、保留エリア8→保留エリア7、といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
その後、従特図2変動時間カウンタ223fにカウンタ値を設定し(S1620)、S1621の処理へ移行する。
特図1停止種別選択フラグ(図示せず)または第2停止種別選択フラグ(図示せず)がオンに設定されているか判別される(S1621)。特図1停止種別選択フラグ(図示せず)及び第2停止種別選択フラグ(図示せず)がオンに設定されていない(即ち、オフである)と判別された場合には(S1621:No)、この処理を終了する。
一方、特図1停止種別選択フラグ(図示せず)または第2停止種別選択フラグ(図示せず)がオンであると判別された場合には(S1621:Yes)、特図1停止種別選択フラグ(図示せず)がオンであった場合には、特図1停止種別選択フラグ(図示せず)がオフに設定され、第2停止種別選択フラグ(図示せず)がオンであった場合には、第2停止種別選択フラグ(図示せず)がオフに設定される(S1622)。
次に、コマンド判定処理(図46、S1411)のS1509の処理において、受信した第1停止種別コマンドまたは第2停止種別コマンドより抽出された停止種別が設定される(S1623)。設定されている停止種別が第1特別図柄の停止種別である場合には、その停止種別に基づいて、表示制御装置114に停止種別(15R確変大当たり、14R通常大当たりのいずれかであるか)を通知するための表示用第1停止種別コマンドが生成される。また、設定されている停止種別が第2特別図柄の停止種別である場合には、その停止種別に基づいて、表示制御装置114に停止種別(15R確変大当たり、14R通常大当たりのいずれかであるか)を通知するための表示用第2停止種別コマンドが生成される(S1624)。なお、主制御装置110から通知される第1または第2停止種別コマンドは、大当たりとなった場合に、その大当たり種別を通知するものであり、判定結果が外れの場合であっても通知される。判定結果が外れである場合には、その停止種別は参照されることなく、外れ図柄が設定されるものである。
このように構成されることで、音声ランプ制御装置113は、第1特別図柄と第2特別図柄との両方を同時に変動表示させるように、表示制御装置114を制御することができる。
また、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターンが設定されることに基づいて、従並び替え保留記憶エリア223kのデータもシフトすることで、主制御装置110からシフトするための専用のコマンドを送信する制御をする必要がなく、主制御装置110の制御負荷を軽減させることができる。
次に、図49を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動更新処理(S1413)について説明する。図49は、この変動更新処理(S1413)を示したフローチャートである。この変動更新処理(図49、S1413)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S1400)(図45参照)の一処理である。上述したように、変動更新処理(図49、S1413)は、第3図柄表示装置81において変動表示中の第1特別図柄または第2特別図柄の一方が、大当たりとなり、他方の変動表示をその大当たり遊技の間、仮停止させるための処理を実行する。
変動更新処理(図49、S1413)では、まず、従特図1変動停止フラグ223c2はオンに設定されているか判別される(S1701)。従特図1変動停止フラグ223c2がオンに設定されていると判別された場合には(S1701:Yes)、表示用特図1仮変動コマンドが設定される(S1702)。表示用特図1仮変動コマンドは、第3図柄表示装置81で変動表示中の第1特別図柄を、仮に変動表示停止させるように表示制御装置114を制御するためのコマンドである。表示制御装置114は、この表示用第1仮停止コマンドを設定すると、第1特別図柄の変動表示を停止させた後に、第1特別図柄(左中右の主図柄)を少し揺らして表示させることで、仮に変動表示停止していることを遊技者に報知する。また、第3図柄表示装置81の左側表示領域Dm1に、「第1特別図柄は仮停止中です」という文字を表示させることで、さらに遊技者に判り易く、仮に変動表示停止していることを報知する構成となっている。
このように、遊技者は、変動表示中であった特別図柄が、大当たりが発生した為に、仮停止したと認識でき、変動表示中であった抽選が消滅してしまったり、無効になってしまったと不安になるのを防止して、安心して遊技を行うことができる。
また、仮停止の表示態様は、本実施形態の構成に限るものではなく、左側表示領域Dmから第1特別図柄を消し、文字のみで仮停止中であることを報知する構成であっても良いし、その他の構成であっても当然よい。
表示用第1仮停止コマンドが設定されると、従第1変動時間記憶エリア223iで計測されている第1特別図柄の変動時間の計測が中断(一時停止)される。
このように構成することで、第1特別図柄の変動時間を正確に管理することができ、変動表示を再開させる場合にも、正確に残り変動時間で変動表示させることができる。
一方、従特図1変動停止フラグ223c2がオンに設定されていない(即ち、オフである)と判別された場合には(S1701:No)、従特図1変動時間カウンタ223eの値が0より大きいか否かが判別される(S1703)。従特図1変動時間カウンタ223eの値が0であると判別された場合には(S1703:No)、そのままS1706の処理へ移行する。従特図1変動時間カウンタ223eの値が0より大きいと判別された場合には(S1703:Yes)、従特図1変動時間カウンタ223eを減算して更新し(S1704)、表示用特図1変動時間コマンドを設定する(S1705)。表示用特図1変動時間コマンドは、表示用第1仮停止コマンドと同様に、第3図柄表示装置81で変動表示中の第1特別図柄を、仮に変動表示停止させるように表示制御装置114を制御するためのコマンドである。第2特別図柄も第1特別図柄と同様に、仮停止の表示態様で仮停止される。
表示用特図1変動時間コマンドが設定されると、従第2変動時間記憶エリア223jで計測されている第2特別図柄の変動時間の計測が中断(一時停止)される。
このように構成することで、第2特別図柄の変動時間を正確に管理することができ、変動表示を再開させる場合にも、正確に残り変動時間で変動表示させることができる。
S1706の処理では、従特図2変動停止フラグ223d2はオンに設定されているか判別される(S1706)。従特図2変動停止フラグ223d2がオンに設定されていると判別された場合には(S1706:Yes)、表示用特図2仮変動コマンドが設定され(S1707)、その後、本処理を終了する。
一方、従特図2変動停止フラグ223d2がオンに設定されていない(即ち、オフである)と判別された場合には(S1706:No)、従特図2変動時間カウンタ223fの値が0より大きいか否かが判別される(S1708)。従特図2変動時間カウンタ223fの値が0であると判別された場合には(S1708:No)、そのまま本処理を終了する。従特図2変動時間カウンタ223fの値が0より大きいと判別された場合には(S1708:Yes)、従特図2変動時間カウンタ223fを減算して更新し(S1709)、表示用特図2変動時間コマンドを設定し(S1710)、本処理を終了する。
なお、本実施形態では、音声ランプ制御装置113において、残りの変動時間に合わせて変動パターンを選択する構成とした。これに限らず、主制御装置110が、仮停止していた変動表時を再開させる場合に、残りの変動時間により、同じ変動時間の変動パターンや、残りの変動時間よりも少し短い変動時間の変動パターンを選択するように構成してもよい。少し短い変動時間の変動パターンが選択された場合には、音声ランプ制御装置113において、残りの変動時間と少し短い変動時間の変動パターンの差分を遅延させて変動表時させるように制御することで、残りの変動時間に合わせた第1特別図柄または第2特別図柄の変動表時を行うことができる。
次に、図50を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される確変期間報知処理(S1414)について説明する。図50は、この確変期間報知処理処理(S1414)を示したフローチャートである。この確変期間報知処理(図50、S1414)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(S1400)(図45参照)の一処理である。
確変期間報知処理(図50、S1414)では、まず、遊技状態が確変状態であるか判別される(S1801)。
遊技状態が確変状態ではないと判別された場合には(S1801:No)、そのまま本処理を終了する。S1801の処理において、遊技状態が確変状態であると判別された場合には(S1801:Yes)、次に、従並び替え保留記憶エリア223kに特図1の大当たりBがあるかを判別する(S1803)。従並び替え保留記憶エリア223kに特図1の大当たりBがあると判別された場合は(S1803:Yes)、記憶されている特図1の大当たりBが開始されるまでの時間を確変上限値記憶エリア223iに設定し(S1804)、S1806の処理へ移行する。
一方、S1803の処理において、従並び替え保留記憶エリア223kに特図1の大当たりBがなければ(S1803:No)、記憶されている特図1の合計変動時間を確変上限値記憶エリア223iに設定し(S1805)、S1806の処理へ移行する。
また、本実施形態では、並び替え可能期間を設けたことで、遊技者が、並び替え操作が可能となるタイミングを容易に認識することができ、枠スイッチ22を適切なタイミングで操作することができる。また、並び替え可能期間は、特に設けずに、枠ボタン22が操作された時に、並び替えが可能であれば、並び替え表示を実行するように構成しても当然よい。
S1806の処理では、確変期間記憶エリア223jの値を更新し(S1806)、次いで、確変期間記憶エリア223jの値が0よりも大きいかを判定する(S1807)。S1807の処理において、確変期間記憶エリア223jの値が0であると判定された場合は(S1807:No)、次に、確変上限値記憶エリア223iが0より大きいかを判定する(S1808)。S1808の処理において、確変上限値記憶エリア223iの値が0よりも大きければ(S1808:Yes)、S1811の処理へ移行する。確変上限値記憶エリア223iの値が0であれば(S1808:No)、確変期間記憶エリアに5sを設定し(S1809)、S1813の処理へ移行する。
一方、S1807の処理において、確変期間記憶エリア223jの値が0よりも大きいと判定された場合は(S1807:Yes)、次に、上乗せ契機であるかを判定する(S1810)。S1810の処理において、上乗せ契機でないと判定された場合は(S1810:No)、そのまま本処理を終了する。上乗せ契機であると判定された場合は(S1810:Yes)、演出カウンタ223gの値を取得して、加算時間を選択し(S1811)、確変期間記憶エリア223jの値に選択した加算時間を加算して、確変上限値記憶エリア223iの値を上限値として設定し(S1812)、S813の処理へ移行する。
S1813の処理では、確変期間記憶エリア223jの値に対応した表示用期間コマンドを設定し(S1813)、本処理を終了する。
このように構成することで、遊技者が並び替えを行いたいと思ったときに、第3図柄表示装置81で表示されている保留図柄のみに対して並び替えを行うことができる。
遊技者は、実際の変動表示開始順序を知ることができ、次に注目するべき特別図柄(変動表示開始となる特別図柄)を事前に知ることができる。よって、予め見るべき表示領域を想定しながら遊技を行うことができ、遊技をスムーズに行うことができる。
また、本パチンコ機の構成では、振り分け装置630により、第1始動口64と第2始動口64aとを交互に遊技球が入賞し易く構成されているので、第1特別図柄と第2特別図柄とが均等に遊技が行われ効率良く遊技を行うことができる。
また、本パチンコ機10では、保留図柄の並び替えは、遊技者が枠ボタン22を操作したことに基づいて、実行する構成としてが、それに限らず、新たな保留が記憶される毎に実行するように構成しても当然よい。このように構成することで、遊技者は、常に、変動開始順序で並び替えられた保留図柄により、変動表示開始順序を正確に認識できる。
本実施形態では、並び替え可能期間は、大当たり遊技中や異なる始動口63a,63bで成立した保留の無い状態(第1特別図柄と第2特別図柄との保留がそれぞれ1個以上無い状態)以外の遊技状態として説明したが、これに限らず、大当たり遊技中も並び替え可能期間として設定するようにしてもよいし、反対に、並び替え可能期間を特定の変動表示態様が表示されている期間以外等に設定してもよく、適宜、決定すればよい。
なお、大当たり遊技中を、並び替え可能期間に設定した場合には、変動表示中で仮停止した変動表示の残りの変動時間を考慮して、並び替えを行う必要が有る。具体的には、保留されている第1特別図柄または第2特別図柄の決定されている変動時間(変動表示態様)と仮停止中の残りの変動時間とに基づいて、変動開始時間を算出して、並び替え順序を判断して、その並び替え順序に基づいて並び替えを行う。このように構成することで、大当たり遊技中に、新たな保留表示態様が表示されても、その保留表示態様とその保留表示態様が表示される前に既に表示されていた表示態様とを合わせて、正確な変動開始順序で並び替えを行い、大当たり遊技機中にも、正確な変動開始順序を遊技者に報知することができる。
また、本実施形態では、主制御装置110の並び替え保留記憶エリア203uと音声ランプ制御装置113の従並び替え保留記憶エリア223kとで並び替えを互いにしたデータを記憶するように構成した。それに限らず、主制御装置110は、音声ランプ制御装置113に入賞コマンドにより、並び替えに必要な各種データ(当否判定結果、大当たり種別、変動パターン種別、等)を通知するように構成して、音声ランプ制御装置113のみで、並び替えを行うように構成してもよい。
このように、構成することで、主制御装置110は停電が発生した場合にも、並び替えに必要な各種データをRAM203にバックアップし、電源復帰時に、立ち上げ処理(図32)において、その各種データを音声ランプ制御装置113に出力することで、音声ランプ制御装置113において、その各種データに基づいて並び替えを行うことで、電源断からの復帰を容易に行うことができる。
本実施形態では、変動開始中の第1特別図柄または第2特別図柄の残り変動時間と並び替え保留記憶エリア203uに記憶されたデータの変動パターン種別とにより、保留された第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始時間を算出して、変動開始順序を算出した。それに限らず、遊技球入賞時には、リーチとなる変動態様か否かを決定することにより一定時間よりも長い変動態様か否かの情報(時間情報)を決定しておき、その時間情報と変動中の第1特別図柄または第2特別図柄の残り変動時間とから変動開始順序を大まかに決定して並び替えるものであってもよい。このように構成することで、入賞時には、リーチとなる変動態様であるか否か(長時間変動態様か短時間変動態様か否か)を決定しておき、正確な変動時間(変動態様)は、変動開始時の保留球数等の情報により決定するパチンコ機10であっても、遊技者に大まかな変動開始順序を報知することができる。
よって、遊技者は、正確な変動開始順序では無いかもしれないが、並び替えが行われたということは長時間変動態様(リーチとなる変動態様)が保留されているものの中に含まれており、大当たりへの期待を持って遊技を行うことができる。
なお、本実施形態では、並び替え可能期間は、遊技状態によって判別したが、それに限らず、並び替えができる状態(例えば、保留図柄表示が表示されている状態)であるかを判別して、並び替えが可能であることを報知するように構成してもよい。このように構成することで、並び替えが可能な期間を柔軟に設定することができ、より遊技者に並び替えの機会を与えることができる。
<表示制御装置114により実行される制御処理について>
次に、図51から図62を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図51を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図51は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S3001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図52を参照して、ブート処理(S3001)について説明する。図52は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S3001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S3101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S3102)。これにより、MPU231は、S3101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S3102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S3102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S3103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S3104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図51のS3001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図51のS3002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S3105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S3001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図52に示すブート処理では、S3101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S3101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S3102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S3103〜S3105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S3101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S3101及びS3102の処理を含めて複数回繰り返した後、S3103〜S3105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S3101及びS3102の処理を行わずに、S3103〜S3105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図51の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S3002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S3003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S3003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S3004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S3004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S3005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図60(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図60(a)のS5302参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図54(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)(図示せず)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図53(b)のS4108参照)および簡易表示設定処理(図53(b)のS4109参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1始動口64、または第2始動口640へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されており、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S3005の処理の後、割込許可を設定し(S3006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S3006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図53(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図53(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S4001)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図53(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図53(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リストを作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図53(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S4101)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S4101:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S4102)を実行し、次いで、表示設定処理(S4103)を実行する。
コマンド判定処理(S4102)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図54〜図56を参照して後述する。
表示設定処理(S4103)では、コマンド判定処理(S4102)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図57〜図59を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S4104)。このタスク処理では、表示設定処理(S4103)もしくは簡易表示設定処理(S4109)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S4105)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図60および図61を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S4106)。この描画処理では、タスク処理(S4104)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S4105)により設定された転送指示とから、に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。なお、描画処理の詳細については、図62を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S4107)。そして、V割込処理を終了する。S4107の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S4101の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S4101:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S4108)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S4109)を実行して、S4104の処理へ移行する。
次いで、図54〜図56を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S4102)の詳細について説明する。まず、図54は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図54に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S4201)、未処理の新規コマンドがなければ(S4201:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S4201:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S4103)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S4202)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S4203)。
そして、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(S4204)。そして、表示用変動パターンコマンドがあれば(S4204:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S4205)、S4201の処理へ戻る。
ここで、図55を参照して、変動パターンコマンド処理(S4205)の詳細について説明する。図55は、変動パターンコマンド処理(S4205)を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理(S4205)は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S4301)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S4301の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S4301で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S4302)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S4301の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S4303)。表示設定処理では、S4303の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S4301の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4304)、ポインタ233fを0に初期化する(S4305)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S4306)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S4305の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S4301の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S4302の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S4304の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図54の説明に戻る。S4204の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S4204:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S4206)、表示用停止種別コマンドがあれば(S4206:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S4207)、S4201の処理へ戻る。
ここで、図55を参照して、停止種別コマンド処理(S4207)の詳細について説明する。図55は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理(S4207)では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、チャンス目のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S4401)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図53(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S4402)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S4402の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S4403)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S4402の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S4104)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S4403によって設定された停止図柄判別フラグからS4402の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S4401の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS4402の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図54に戻り、説明を続ける。S4206の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S4206:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S4208)、背面画像変更コマンドがあれば(S4208:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S4209)、S4201の処理へ戻る。
ここで、図56(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S4209)の詳細について説明する。図56(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S5303)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S4801)。そして、背面画像種別(背面A,B)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S4802)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S4801の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S4802の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S4802によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S4802の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図54の説明に戻る。S4208の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S4208:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S4210)、エラーコマンドがあれば(S4210:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S4211)、S4201の処理へ戻る。
ここで、図56(b)を参照して、エラーコマンド処理(S4211)の詳細について説明する。図56(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S4901)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S4902)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S4901の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S4902の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S4902に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図54の説明に戻る。S4210の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S4210:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S4212)、S4201の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS4201の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S4201:Yes)、再びS4202〜S4212の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S4201〜S4212の処理が繰り返し実行され、S4201の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図53(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S4108)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図55(a)参照)および停止種別コマンド処理(図55(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図55(a)参照)では、S4301の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S4302の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図57〜図59を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S4103)の詳細について説明する。図57は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図57に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S5001)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S5001:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S5002〜S5004の処理をスキップし、S5005の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S5001:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S5002)、S5003〜S5004の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S5003の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S5003)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S5003:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S5004)。
ここで、図58を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図58は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S5101)。
タスク処理(S4104)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S5101の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S5102)、表示設定処理に戻る。
ここで、図57の説明に戻る。警告画像設定処理(S5004)の後、又は、S5003の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S5003:No)、次いで、S5005の処理へ移行する。
S5005では、ポインタ更新処理を実行する(S5005)。ここで、図59を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図59は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S5201)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S5201の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S5202)。その結果、End情報であれば(S5202:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S5203)、デモ用表示データテーブルであれば(S5203:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5204)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S5205)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S5203の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S5203:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S5206)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S5202の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S5202:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図57に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を取得する(S5006)。タスク処理(S4104)では、先に展開された警告画像などと共に、S5006の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S5007)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S5008)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S5008:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S5008:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S5009)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S5009:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S5010)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S5011)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S5012)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S5013)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S5014)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S5015)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
なお、S5015の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S4104)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S5015によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S5009の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S5009:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S5016)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S5016:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、確定表示演出の終了から一定時間経過後に、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させるための処理を行う。
まず、デモ表示データテーブルを取得して表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S5017)、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S5018)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5019)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S5020)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S5021)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S5016の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S5016:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図53(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S4109)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図60及び図61を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S4105)の詳細について説明する。まず、図60(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S5301)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S5301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S5302)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図60(b)を参照して後述する。
一方、S5301の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S5301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S5303)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図61を参照して後述する。
次いで、図60(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S4105)の一処理である常駐画像転送設定処理(S5302)について説明する。図60(b)は、この常駐画像転送設定処理(S5302)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S5401)、転送指示を送信していれば(S5401:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S5402)。このS3402の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S5402の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S5402:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S5402:Yes)、S5403の処理へ移行する。また、S5401の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S5401:No)、S5403の処理へ移行する。
S5403の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S5403)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S5403:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S5404)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S5403の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S5403:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S5405)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図53(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図53(b)のS4108参照)および簡易表示設定処理(図53(b)のS4109参照)ではなく、コマンド判定処理(図54〜図56参照)および表示設定処理(図57〜図59参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図61参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図60(a)のS5301:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図61を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S4105)の一処理である通常画像転送設定処理(S5303)について説明する。図61は、この通常画像転送設定処理(S5303)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S4103)のポインタ更新処理(S5005)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S5501)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S5502)、転送データ情報であれば(S5502:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S5503)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S5504)、S5505の処理へ移行する。
また、S5502の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S5502:No)、S5503及びS5504の処理をスキップして、S5505の処理へ移行する。S5505の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S5505)、転送指示を設定していれば(S5505:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S5506)。
このS5506の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S5506の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S5506:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S5506:Yes)、53507の処理へ移行する。また、S5505の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S5505:No)、S5507の処理へ移行する。
S5507の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S5507)、転送開始フラグがオンであれば(S5507:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S5508)、S5503の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S5517の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S5507:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S5513)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S5513:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S5513:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S5514)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S5515)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S5516)、S5517の処理へ移行する。
S5517の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S5517)。このS5517の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S5517の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S5517:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S5517の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S5517:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S5518)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S5518の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S5519)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、ファンファーレ演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図62を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S4106)の詳細について説明する。図62は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S4104)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S4105)により設定された転送指示から、描画リスト(図示せず)を生成する(S5601)。即ち、S5601の処理では、タスク処理(S4104)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S4105)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S5602)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S5602の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S5603)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図53(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明したように、本パチンコ機10では、通常の演出態様で演出が実行される期間(通常演出期間)と、通常の演出態様とは異なる特別な演出態様で演出が実行される期間(特別演出期間)との二種類の期間が存在し、現在どちらの期間であるかが、音声ランプ制御装置114により、計時装置262の時刻情報(計時情報)に基づいて判別される。そして、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信した場合は、判別された演出期間に対応する変動パターン種別が選択され、その選択された変動パターン種別に基づいて、第3図柄表示装置81において変動パターン演出が実行される。
また、音声ランプ制御装置114により、演出期間が異なる演出期間に切り替わったと判別される度に、その切り替わった後の演出期間に対応するコマンドが表示制御装置114へ出力される。そして、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置114により出力されたコマンドに基づいて現在の演出期間を判別し、判別した演出期間に基づいて、ラウンド演出やデモ演出に対応する表示データテーブルを選択する。
これにより、第3図柄表示装置81において実行される変動パターン演出、ラウンド演出、及びデモ演出の演出態様が、経過時間に応じて通常の演出態様で実行されたり、特別な演出態様で実行されたりする。よって、異なる演出態様へと切り替わる度に、遊技者に対して目新しさを感じさせることができるので、遊技が単調になってしまうことを抑制でき、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本パチンコ機10では、音声ランプ制御装置114により演出期間を判別する場合に、計時装置262の時刻情報(計時情報)から時刻を判断し、時間帯に応じて演出期間の種別を切り替えるのではなく、立ち上げ処理の際に取得した時刻情報と経過時間確認処理の中で取得される時刻情報とから経過時間Tを算出し、その経過時間Tに基づいて演出期間の種別を判断している。これにより、複数のパチンコ機10が設置されたホールにおいて、各パチンコ機10の計時装置262の時刻情報が、経年劣化等で互いにずれてしまっていたとしても、その互いにずれた計時情報を演出期間の種別の判断に直接用いるのではなく、経過時間Tという相対的な値に変換して演出期間の種別の判断に用いることができるので、ずれの影響を少なくすることができる。
よって、複数のパチンコ機10において、経過時間Tに基づいて通常演出期間から特別演出期間へ切り替えさせるタイミング及び経過時間Tに基づいて特別演出期間から通常演出期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができる。従って、各パチンコ機10の演出期間を揃えることができるので、一部のパチンコ機10は通常演出期間となり、その他のパチンコ機10は特別演出期間となることで、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機10では、電断状態とされる場合に、電源投入に基づく立ち上げ処理の際に取得した時刻情報を、計時装置262の投入時刻格納エリア352bへ格納され、計時装置262は電断状態中も計時装置用電源263より電源が供給され続けるので、電断状態中も投入時刻格納エリア352bへ格納された時刻情報が保持される。そして、RAM消去スイッチ122がオンされた状態でパチンコ機10の電源が投入された場合には、その電源投入時点で計時装置262が計時する時刻情報ではなく、投入時刻格納エリア格納エリア352bへ格納されていた時刻情報が、RAM223の時刻情報格納エリア223fに格納され、経過時間Tを判別するために用いられる。
これにより、例えばパチンコ機10の故障により基板交換が必要になったり、立ち入り検査が行われる等の理由により、ホールに設置されている複数のパチンコ機10のうち、一のパチンコ機10を電断状態とする必要が生じた場合であっても、RAM消去スイッチ122をオンとした状態で電源を再度投入するだけで、前回RAM消去スイッチ122をオフした状態で電源を投入した際に時刻取得処理によりRAM223の時刻情報格納エリア223fへ格納され、電断状態とする際に計時装置262の投入時刻格納エリア352bへ記憶された時刻情報を、再度RAM223の時刻情報格納エリア223fへ格納させることができる。
よって、ホールの複数のパチンコ機10に対して、RAM消去スイッチ122をオフした状態で一斉に電源を投入しておけば、その後に一のパチンコ機10が電断状態とされた場合であっても、そのパチンコ機10へ電源を再投入する際にRAM消去スイッチ122をオンしておくだけで、一斉に電源を投入した際の時刻情報に基づいて経過時間Tを判別することができる。従って、他の遊技機と同じ経過時間Tに基づいて通常演出期間から特別演出期間へ切り替えさせるタイミング及び特別演出期間から通常演出期間へ切り替えさせるタイミングを合わせることができるので、電断状態とされたパチンコ機10のみ演出態様を切り替えられるタイミングがずれてしまうことを抑制でき、遊技を行っている遊技者が他のパチンコ機10と異なる演出態様で演出が実行されていることに対して違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
次に、図63〜図68を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上記した第1実施形態では、遊技状態により特別図柄の変動パターンを取得する変動パターン選択テーブル202dの種別を切り替えるようにする構成について説明した。
これに対して、本第2実施形態では、第1実施形態の構成に加え、大当たりとは異なる小当たりに当選したことを契機に変動パターンテーブル202dの種別を特別図柄が所定回数変動表示されるまでの間、特定の変動パターンテーブルに切り替えるように構成した点で第1実施形態と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
<第2実施形態における電気的構成について>
第2実施形態における電気的構成は、第1実施形態における電気的構成に対して、主制御装置110のMPU201のROM202の内容が変更されている。具体的には、小当たり乱数テーブル202e(図63(a)参照)、小当たり選択テーブル202f(図63(b)参照)が追加され、変動パターン選択テーブル202dの内容が変更されている。その他の構成については、同一の構成であるのでその詳細な説明は省略する。
図63(a)を参照して、第2実施形態における主制御装置110のMPU201のROM202に記憶されている小当たり乱数テーブル202eについて説明する。図63(a)は、この小当たり乱数テーブル202eの内容を模式的に示した模式図である。本実施形態では、第1特別図柄に対して大当たり判定をする場合に、取得している特別当たり乱数カウンタC1の値と大当たりの判定値と一致するか判定され、一致しないと小当たり乱数テーブル202e(図63(a)参照)で設定されている判定値と一致しているかが判別される。
小当たり乱数テーブル202eでは、図63(a)に示すように、通常遊技状態と確変遊技状態との別で、それぞれ小当たりの判定値の数が異なって割り付けされている。通常遊技状態では、判定値は設定されていない。これにより、通常遊技状態では、小当たりの判定値が設定されておらず、通常遊技状態で小当たりに当選(決定)されることがないように構成されている。また、確変遊技状態では、特別当たり乱数カウンタC1の値に対して「100〜129」の値が小当たりの判定値として設定されている。即ち、確変遊技状態において、取得している特別当たり乱数カウンタC1の値が「100〜129」のいずれかであると小当たりであると判別される。なお、この小当たりの判定値は、大当たりと判定される判定値(本実施形態では「0〜9」)とは異なる値で設定されている。よって、外れ(大当たりでない)と判定された場合に、小当たりであるかが判別されることとなり、外れの中にも付加価値の差を付けることができる。
なお、後述するが、小当たりと判定された場合には、第1可変入賞装置65が短時間(1秒間)開放動作する2R(ラウンド)の小当たりが実行される。小当たりは、大当たり(大当たりA〜C)と比較して遊技者が得ることができる遊技球(賞球)の数が少なく構成されている(ラウンド数が少なく、開放時間も短い為)。また、小当たり遊技後も遊技状態の変更は実行されない。一方、小当たり遊技後には、比較的に長い変動時間が選択され易い変動パターン選択テーブル202dが設定され易いので、第1特別図柄の長い変動時間が選択され易くなる。
ここで、確変遊技状態においては、第1特別図柄の抽選は遊技者にとって、第2特別図柄の抽選と比較して不利(大当たりBが決定されて確変遊技状態の継続が終了してしまう)に設定されているので、遊技者にとっては、第1特別図柄での抽選回数(変動回数)をなるべく少なくしたいと期待する構成である。よって、本実施形態の構成のように、小当たりに当選することで、その後の第1特別図柄の変動時間が長いものが選択され易くすることで、遊技者に有利な状態を付与することができる。従って、遊技者は、得られる賞球が少ない小当たりであっても有利に感じることができる。その結果、大当たり以外にも小当たりを期待することができ、遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
次に、図63(b)を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のRAM202に記憶されている小当たり選択テーブル202fについて説明する。図63(b)は、この小当たり選択テーブル202fの内容を模式的に示した模式図である。小当たり選択テーブル202fでは、小当たりに当選した場合に、後述する取得した移行カウンタ(図示なし)の値に基づいて移行する変動パターン選択テーブル202dの種別を決定するためのデータテーブルである。
具体的には、本実施形態では、小当たりは、確変遊技状態において第1特別図柄の抽選にのみ決定されるように構成されている。この小当たりに当選すると、当否判定結果が外れであった場合に選択される変動パターンを選択するための変動パターン選択テーブル202dの種別が外れ(確変)特図1変動パターン選択テーブル202dが選択される状態(以後、通常テーブル選択時と称す)であると、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜3(図64(a)〜(c)参照)のいずれかが移行カウンタの値に基づいて決定される。
小当たり選択テーブル202fでは、通常テーブル選択時では、移行カウンタが「0〜100」に対して外れ(確変)変動移行テーブル1が、「101〜150」に対して外れ(確変)変動移行テーブル2が、「151〜198」に対して外れ(確変)変動移行テーブル3がそれぞれ設定されている。また、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜3にはそれぞれ移行回数が設定されている。移行回数とは、そのテーブルが設定されてから外れ(確変)特図1通常変動パターン選択テーブル202d(図63(c)参照)に自動的に切り替えられるまでの第1特別図柄の変動回数である。
例えば、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1(図64(a)参照)では、小当たり選択テーブル202f(図63(b)参照)に示すように、移行回数として10回が設定されているので、そのテーブルが設定されてから第1特別図柄が10回変動するまでの間は、当否判定結果が外れであれば、この外れ(確変)特図1変動移行テーブル1(図64(a)参照)より変動パターンが選択される。第1特別図柄が10回変動すると、外れ(確変)特図1通常変動パターン選択テーブル202d(図63(c)参照)が設定され当否判定結果が外れであれば、この外れ(確変)特図1通常変動パターン選択テーブル202d(図63(c)参照)より変動パターンが選択される。
詳細には、後述するが、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜3では、外れ(確変)通常変動パターン選択テーブル202d(図63(c)参照)よりも変動時間の長い変動パターンが選択され易く構成されている。ここで、本実施形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄でより多く抽選された方、即ち、第1特別図柄での抽選回数を少なくした方が遊技者にとって有利となるように構成されているので、第1特別図柄の変動時間が長く設定される第1特別図柄での抽選回数が単位時間あたりで少なくすることができるので、遊技者にとって有利な状態とすることができる。よって、小当たりに当選した外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜3が設定されることで遊技者に有利な状態を遊技者に付与することができる。また、移行回数が多い方が変動時間の長い変動パターンが選択される回数を多くすることができるので、第1特別図柄の変動回数をさらに少なくすることができ、遊技者に有利な状態を設定することができる。
外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜3のいずれかが選択されている状態で、小当たりに当選すると、小当たり選択テーブル202f(図63(b)参照)に示すように、移行カウンタの値が「0〜10」のいずれかであれば、外れ(確変)特図1変動移行テーブル4が設定される。外れ(確変)特図1変動移行テーブル4には移行回数として100が設定されている。また、後述するが、この外れ(確変)特図1変動移行テーブル4(図65参照)では、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜3よりも変動時間の長い変動パターンが選択され易く構成されている。よって、外れ(確変)特図1変動移行テーブル4が設定されることは、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜3が設定されるよりも遊技者にとって有利な状態とすることができる。
また、外れ(確変)特図1変動移行テーブル4の移行回数は100回となっており、長期間に跨って、この外れ(確変)特図1変動移行テーブル4が設定されることとなる。また、本実施形態では、第2特別図柄で大当たりが抽選された場合には、必ず大当たりCが決定されるように構成されているので、大当たり遊技が実行された後にも引き続き確変遊技状態が設定されることが可能となっている。確変遊技状態が継続して設定されている場合には、移行回数で設定された回数まで第1特別図柄が変動表示するまで外れ(確変)特図1変動移行テーブル4が設定され続けるので、遊技者に有利な状態を引き続いて設定することができる。
次に、図63(c)を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のMPU201のROM202の変動パターン選択テーブル202dの一つである外れ(確変)特図1通常変動パターンテーブル202dについて説明する。図63(c)は、この外れ(確変)特図1通常変動パターンテーブル202dの内容を模式的に示した模式図である。外れ(確変)特図1通常変動パターンテーブル202dは、遊技状態が確変遊技状態であり、当否判定結果が外れであり、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜4のいずれかが設定されていない場合に、第1特別図柄の変動パターンが選択されるテーブルである。
この外れ(確変)特図1通常変動パターン選択テーブル202d(図63(c)参照)では、変動時間が30秒で構成されたど外れの変動パターンと、変動時間が60秒で構成されたノーマルリーチの変動パターンと、変動時間が90秒で構成されたスーパーリーチの変動パターンがそれぞれ設定されている。
また、各変動パターンには、変動種別カウンタCS1の値がそれぞれ割り付けされて設定されており、変動開始時に取得している変動種別カウンタCS1の値に基づいて1の変動パターンの種別が決定される。
この外れ(確変)特図1通常変動パターン選択テーブル202dでは、101/199の確率でど外れの変動パターンが決定されるように構成されている。なお、確変遊技状態時に選択されるど外れの変動パターンの変動時間は30秒となっており、通常遊技状態において決定されるど外れの変動パターンの変動時間である5秒(図11(a)参照)よりも長い変動時間となっている。よって、確変遊技状態では、通常遊技状態と比較して長い変動時間の変動パターンが第1特別図柄では選択され易く構成されているので、遊技者に有利になるように設定されている。また、ど外れの変動パターンよりも選択される確率は低く設定されているが変動時間の更に長い変動パターンであるノーマルリーチの変動パターンとスーパーリーチの変動パターンとが設定されている。これにより、より長い変動時間の変動パターンが決定されることで、遊技者に有利な状態を付与(本実施形態では、確変遊技状態を長い期間遊技者付与)することができる。
次に、図64(a)を参照して、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1について説明する。図64(a)は、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1の内容を模式的に示した模式図である。この外れ(確変)特図1変動移行テーブル1は、確変遊技状態において、外れ(確変)特図1通常変動パターン選択テーブル202d(図63(c)参照)が設定されており、小当たりに当選した場合に、移行カウンタ(図示せず)の値が「0〜100」の値のいずれかであれば選択されるテーブルである。この外れ(確変)特図1変動移行テーブル1には10回の移行回数が設定されており、第1特別図柄が10回変動するまでまたは、遊技状態の変更が実行されるまで継続して設定されるように構成されている。
外れ(確変)特図1変動移行テーブル1では、図64(a)に示すように、30秒の変動時間で構成されたど外れの変動パターンと、60秒の変動時間で構成されたノーマルリーチの変動パターンと、90秒の変動時間で構成されたスーパーリーチの変動パターンと、180秒の変動時間で構成されたロングリーチ1の変動パターンと、600秒の変動時間で構成されたロングリーチ2の変動パターンとがそれぞれ設定されている。
この外れ(確変)特図1変動移行テーブル1(図64(a)参照)では、外れ(確変)特図1通常変動パターンテーブル202d(図63(c)参照)には設定されていなかったロングリーチ1とロングリーチ2の変動パターンが設定されている。このロングリーチ1とロングリーチ2は、変動時間が180秒と600秒と長く設定されている。よって、この変動時間の間は、第1特別図柄では新たな変動が開始されないので、その期間では第2特別図柄で抽選されることで確変遊技状態が継続することとなる。即ち、本実施形態では、確変遊技状態においては、第1特別図柄の外れの変動時間が、確変遊技の継続が確定した期間として置き換えて考えることができる。
ここで、確変遊技状態において、第2特別図柄の変動時間は、第1実施形態によって説明したように、当否判定結果が外れであれば、外れ(確変)特図2変動パターン選択テーブル202d(図13(b)参照)より変動パターンが選択され、当否判定結果が大当たりであれば当たり(確変)特図2変動パターン選択テーブル202d(図13(c)参照)より変動パターンが選択される。外れ(確変)特図2変動パターン選択テーブル202d(図13(b)参照)では、151/199の確率で0.5秒の変動時間で構成されたど外れの変動パターンが選択されるように構成されており、ど外れの変動パターンが極端に選択されやすく構成されている。また、最も変動時間の長いスーパーリーチの変動パターンであっても20秒の変動時間であり、選択される確率も8/199と他の変動パターンと比較して選択され難く構成されている。よって、確変遊技状態において第2特別図柄の当否判定結果が外れであれば、短い変動時間の変動パターンが選択され易いので、第1特別図柄が1回変動するまでの間により多くの抽選を第2特別図柄で実行することができる。
さらには、第1特別図柄の保留に、大当たりBとなる保留記憶が記憶され、その抽選結果が表示されるまでの期間(実際には、その変動表示が開始されるまでの期間)が高確率状態で第2特別図柄の当否抽選が実行される期間(実際の確変遊技状態が継続する期間)として置き換えることができる。
よって、本実施形態では、確変遊技状態があたかも有限の時間で設定されているかのような演出を図5(a)に示すように行っている。この演出は、確変遊技状態で実行される第1特別図柄の当否判定結果が外れの変動時間(第1特別図柄の大当たりBとなる変動が開始されるまでの時間)を判別して、その時間の範囲内で確変の残り時間として遊技者に報知する演出として行われる。遊技者は、この演出により、確変遊技状態が残っている間に、なるべく多く第2特別図柄で大当たりさせて、できるだけ多くの大当たり遊技を実行させることを期待して遊技を行うことができる。
また、新たに記憶される第1特別図柄の保留記憶の内容を判別して、確変遊技状態の残り期間を判別して、その範囲内で確変遊技状態の残り期間が延長する演出(図5(b)参照)を実行することで、遊技者にとって安堵感を与えることができる。よって、遊技者は、確変遊技状態の残り期間が延長することを期待して遊技を行うことができる。従って、大当たり以外にも期待して遊技を行うことができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
なお、本実施形態においては、確変遊技状態では、第1特別図柄を示す図柄は、第3図柄表示装置81の第2表示領域Dnで「○」、「×」の2種類からなる図柄列が並列して2列で表示される。ど外れの変動パターンも、リーチとなる変動パターンであっても、高速で「○」、「×」が繰り返して交互に表示されて、変動時間が経過すると当否判定結果を示す表示態様(大当たりであれば、「○」が揃い、外れであれば、「×」が揃うか、「○」と「×」の組み合わせ)で表示される。
よって、遊技者は、確変遊技状態になると、第3図柄表示装置81の第1表示領域Dmに表示される第2特別図柄を示す図柄を注視して遊技を主に行うことになる。従って、第1特別図柄が長時間、変動表示していても退屈してしまうことを抑制できる。また、第1特別図柄の外れ変動時間が長ければ長いほど遊技者に有利となることが分かっていない遊技者であっても、確変残り期間を報知する演出が表示されるので、遊技を分かり易く行うことができる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄に対応する図柄を第2表示領域Dnに、第2特別図柄に対応する図柄を第1表示領域Dmに表示するように構成したが、それに限らず、第1特別図柄に対応する図柄を第1表示領域Dmに、第2特別図柄に対応する図柄を第2表示領域Dnに表示するように構成してもよい。
さらにまた、第1特別図柄に対応する図柄を第2表示領域Dnに表示して、第2特別図柄に対応する図柄も第2表示領域Dnと同様に目立たない図柄で、小さい表示領域で表示したり、第3図柄表示装置81に表示せずにLED表示で表示するように構成してもよい。このように構成することで、特別図柄の変動表示よりも確変期間の演出表示等に遊技者の注意を向けることができるので、遊技性を複雑に感じさせることを抑制できる。なお、LED表示等で表示する場合には、例えば、複数の花びらをLEDでそれぞれ点灯させて、その点灯の組み合わせで当否判定を報知するように構成してもよい。このように構成することで、LEDが第2特別図柄に対応していることを分かり難くすることができ、第3図柄表示装置81に表示される演出に遊技者を集中させることができる。
次に、図64(b)〜図64(c),図65を参照して、外れ(確変)特図1変動移行テーブル2〜4について説明する。図64(b)は、外れ(確変)特図1変動移行テーブル2の内容を模式的に示した模式図である。この外れ(確変)特図1変動移行テーブル2では、上記した外れ(確変)特図1変動移行テーブル1に対して、ど外れの選択される確率が低くされ、一方、スーパーリーチ、ロングリーチ1、ロングリーチ2の選択される確率が高くなるようにされている点で相違する。また、移行回数も20回が設定されており、2倍に設定されている(図63(b)参照)。即ち、外れ(確変)特図1変動移行テーブル2(図64(a)参照)は、外れ(確変)特図1変動移行テーブル2(図64(b)参照)よりも、長い変動時間で構成された変動パターンが選択され易いことから、確変遊技状態が長く継続され易くなるので、遊技者に有利に設定されている。よって、小当たり選択テーブル202f(図63(b)参照)より選択されるテーブルにより遊技者に有利となる価値の大きさを変えることができ、遊技者にどのテーブルが選択されたかを予測したり、より良いテーブルが選択されることを期待させることができる。
図64(c)は、外れ(確変)特図1変動移行テーブル3の内容を模式的に示した模式図である。この外れ(確変)特図1変動移行テーブル3は、外れ(確変)特図1変動移行テーブル2(図64(b)参照)よりも、ど外れ、ノーマルリーチが選択される確率が低く設定されており、一方、スーパーリーチ、ロングリーチ1、ロングリーチ2は選択される確率が高く設定されている。さらに、移行回数も30回と外れ(確変)特図1変動移行テーブル2よりも多く設定されている。即ち、外れ(確変)特図1変動移行テーブル3は、外れ(確変)特図1変動移行テーブル2よりも確変期間が長く設定され易く構成されており、遊技者に有利なテーブルとして設定されている。
図65は、外れ(確変)特図1変動移行テーブル4の内容を模式的に示した模式図である。この外れ(確変)特図1変動移行テーブル4では、外れ(確変)特図1変動移行テーブル3と比較して、ど外れ、ノーマルリーチの変動パターンが選択される確率が低く設定されており、スーパーリーチ、ロングリーチ2の選択される確率が高く設定され、ロングリーチ1に代わり、ロングリーチ2よりもさらに変動時間の長い1200秒で構成されたロングリーチ3の変動パターンが外れ(確変)特図1変動移行テーブル3のロングリーチ2よりも高い確率で選択されるように設定されている。また、移行回数も100回と外れ(確変)特図1変動移行テーブル3よりも多い回数に設定されている。
よって、外れ(確変)特図1変動移行テーブル4は、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜3の中で、最も変動時間の長い変動パターンが選択され易く構成されており、それにより、確変遊技状態が最も長く継続され易く構成されている。従って、遊技者にとって最も有利なテーブルとして構成されている。
また、この外れ(確変)特図1変動移行テーブル4は、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜3のいずれかが決定されている場合に、小当たりに当選して、さらに移行カウンタの値が0〜10のいずれか、即ち、11/199の確率でしか選択されないように構成されている。よって、遊技者にとっては低い頻度でしか決定されないので、遊技店側の損害が過度に大きくなる不具合を抑制できる。また、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜3が設定されている状態で、遊技者は小当たりに対する期待が大きくなり大当たり以外の当否判定結果を遊技者に期待させることができる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きる不具合を抑制できる。
<第2実施形態における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図66〜図68を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。本第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理は、本第1実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理に対して、タイマ割込処理(図20参照)内の一処理である特別図柄変動処理(図21、S107)内の一処理の第1特別図柄変動開始処理(図22、S203)が第1特別図柄変動開始処理2(図66、S230)に変更されている点で相違している。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その図示と説明は省略する。
図66を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される第1特別図柄変動開始処理2(S230)について説明する。図66は、この第1特別図柄変動開始処理2(S230)の内容を示したフローチャートである。
第1特別図柄変動開始処理2(図66、S230)では、まず、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を取得する(S311)。第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0より大きいか判別される(S312)。第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0より大きいと判別された場合には(S312:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を1減算する(S313)。移行回数カウンタ(図示せず)の値が0より大きい値であるか判別される(S314)。
ここで、移行回数カウンタは、外れ(確変)特図1変動移行テーブル1〜4のいずれかが設定された場合に、その各テーブルに設定されている移行回数(図63(b)参照)が設定され、第1特別図柄が変動表示される毎に1ずつ減算されることにより移行回数をカウントするためのカウンタである。なお、この移行回数カウンタは、初期化された状態では、初期値である0が設定される。また、電源断等が発生した場合には、バックアップされてカウント値が一定期間(例えば、1週間)保持される。
移行回数カウンタの値が0であると判別された場合には(S314:No)、S318の処理へ移行する。移行回数カウンタの値が0より大きい値である、即ち、移行回数が設定されていると判別された場合には(S314:Yes)、移行回数カウンタの値を1減算して更新する(S315)。更新した移行回数カウンタの値が0であるか判別される(S316)。移行回数カウンタの値が0であると判別された場合には(S316:Yes)、外れ(確変)特図1通常変動パターン選択テーブル202d(通常テーブル)が設定される(S317)。その後、S318の処理が実行される。一方、S316の処理において移行回数カウンタの値が0より大きい値であると判別された場合には(S316:No)、S318の処理が実行される。
このように、移行回数カウンタの値が0となると、通常テーブルが設定されるので、移行回数により決まった変動パターン選択テーブル202dの種別に切り替えて設定することができる。また、移行回数は、設定されるテーブルにより異なるように設定されているので、遊技者は、異なる変動回数まで異なる変動パターン演出を楽しむことができる。
S318の処理では、第1特別図柄保留球数格納エリア203aの保留エリア1〜保留エリア4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う(S318)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
次に、第1特別図柄大当たり判定処理2が実行される(S319)。第1特別図柄大当たり判定処理2(図67、S319)については、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球実行エリア203cにシフトされた特別当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行する。
次に、第1特別図柄変動パターン選択処理が実行される(S306)。第1特別図柄変動パターン選択処理(図24、S306)は、第1実施形態で既に説明した処理と同一の処理であるので、その詳細な説明を省略する。
次に、図67を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される第1特別図柄大当たり判定処理2(S319)について説明する。図67は、第1特別図柄大当たり判定処理2(S319)の内容を示したフローチャートである。
第1特別図柄大当たり判定処理2(S319)では、まず、第1特別図柄保留球実行エリア203cに記憶されている各カウンタ値を取得する(S421)。遊技状態が確変遊技状態(確変中)であるか否かが判別される(S422)。遊技状態が確変遊技状態であるか否かの判別は、確変フラグ(図示せず)がオンに設定されているか否かにより実行される。確変フラグがオンである(即ち、遊技状態が確変遊技状態(確変中))と判別された場合には(S422:Yes)、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値と一致するか否か判別され、その抽選結果が取得される(S423)。一方、確変フラグがオフである(即ち、遊技状態が低確率遊技状態(確変中でない))と判別された場合には(S422:No)、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル202a(図10(b)参照)に基づいて、特別当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値と一致するか否か判別され、その抽選結果が取得される(S424)。
大当たりフラグ203oがオンであるか判別する(S425)。ここで、大当たりフラグ203oがオンに設定されている場合には、第2特別図柄において、大当たりとなる変動が開始されている場合であることを示している。本実施形態では、この大当たりフラグ203oを第1特別図柄と第2特別図柄とで共通して使用することで、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当たりとなる変動が実行されないように構成している。このように構成することで、短時間に大当たりが連続して発生して、遊技店側の損失が過剰に大きくなる不具合を抑制できる。
S425の処理において、大当たりフラグ203oがオフであると判別された場合には(S425:No)、次に、S423、S424の処理における当否判定結果が大当たりであるかを判別する(S426)。大当たりであれば(S426:Yes)、第1特別図柄に対して大当たりフラグ203oがオンに設定し(S427)、第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定する(S428)。そして、取得した当たり種別カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37に大当たり図柄が設定される(S429)。
一方、S425の処理において、大当たりフラグ203oがオンであると判別された場合には(S425:Yes)、S430の処理が実行される。また、S426の処理において、S423、S424の処理における当否判定結果が外れであると判別された場合にも(S426:No)、S430の処理が実行される。
S430の処理では、当否判定結果が小当たりであるか判別される(S430)。当否判定結果が小当たりであると判別された場合には(S430:Yes)、小当たり処理が実行される(S431)。この小当たり処理(S431)については、図68を参照して、詳細について後述するが、移行カウンタ(図示せず)の値を取得して、その値に基づいて、移行先のテーブルを決定する処理が実行される。
S431の処理が実行された後には、第1図柄表示装置37に第1特別図柄の小当たりを示す図柄を表示するように設定される(S432)。その後、この処理を終了する。一方、S430の処理において、当否判定結果が小当たりでない、即ち、外れであると判別された場合には(S430:No)、第1図柄表示装置37に第1特別図柄の外れを示す図柄を表示するように設定される(S433)。その後、この処理を終了する。
このように、S423、S424の当否判定結果が当たりであっても、大当たりフラグ203oが既にオンに設定されている場合には、S425の処理により大当たりと判定されずに、強制的に外れとして判定される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同時に大当たりとなる変動がされることがなく、大当たりが短時間に連続することを抑制できる。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当たりとなる変動がされない構成としたが、それに限らずに、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当たりとなる変動が実行されるように構成してもよい。このような構成では、確変遊技状態において、第1特別図柄の当否判定結果が当たりとなる変動時間も長く構成することで、実際の確変遊技状態の期間を長く設定することができる。
次に、図68を参照して、第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される第1特別図柄大当たり判定処理2(図67、S319)内の一処理である小当たり処理(S431)について説明する。図68は、この小当たり処理(S431)の内容を示したフローチャートである。
小当たり処理(図68、S431)では、まず、移行カウンタの値を取得する(S441)。ここで、移行カウンタ(図示せず)は、主制御装置110のMPU201のRAM203に設定されており、メイン処理(図41、S1250)が実行される毎に1ずつ加算されて更新される。なお、この移行カウンタは「0〜198」の範囲で繰り返し更新されるカウンタ値であり、初期化された状態では、初期値である「0」に設定される。
S441の処理が実行されると、移行カウンタの値に基づいて、移行先のテーブルが小当たり選択テーブル202f(図63(b)参照)より移行カウンタ、現在選択されている第1特別図柄の当否判定結果が外れである場合に参照される変動パターン選択テーブル202dの種類とに基づいて選択される(S442)。S442によって、選択された移行先のテーブルの種別を音声ランプ制御装置113に対して通知するための移行コマンドが設定される(S443)。その後、この処理が終了される。
このように、本実施形態では、小当たりに当選すると、第1特別図柄の当否判定結果が外れである場合の変動パターン選択テーブル202dの種類を切り替える抽選が実行される。変動パターン選択テーブル202dの変更が決定されると、そのテーブルが設定されている移行回数の間設定される。その後、設定された移行回数が実行されると、予め定められている変動パターン選択テーブル202d(本実施形態では、外れ(確変)特図1通常変動パターン選択テーブル(図63(c)参照))に切り替えられる。
これにより、遊技者は、小当たりに当選すると、小当たり遊技により賞球が得られることだけでなく、変動パターン選択テーブル202dが切り替えられることについても期待をすることができる。さらに、切り替えられた変動パターン選択テーブル202dの種別によっても、得られる価値の大きさが異なっているために、種別に対しても興味を持つことができ遊技の趣向性を向上することができる。
このように、実際に取得している特別図柄大当たり乱数C1の値に基づいた抽選結果が大当たりであったとしても、大当たりフラグ203oが既にオンに設定されている、即ち、第2特別図柄によって、大当たりとなる変動が開始されている場合には、強制的に外れの設定が第1特別図柄で実行される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、大当たりとなる変動が同時に実行されることがなく、短期間のうちに、連続して大当たりとなる変動が開始されて、遊技店側の損害が過剰に多くなってしまう不具合を抑制できる。
<第3実施形態>
次に、図69〜図72を参照して、本パチンコ機10における第3実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、確変遊技状態において、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動する構成として、第1特別図柄の外れとなる当否判定結果の変動時間を第2特別図柄の変動時間に対して極端に長い変動時間となるように構成することで、その第1特別図柄の変動期間を確変遊技状態が継続する期間として報知する演出を実行するように構成した。また、第1特別図柄で当たりとなる変動が開始された場合には、第2特別図柄の変動を強制的に外れとなる変動で開始(実行)されるように構成した。
それに対して、本第3実施形態では、確変遊技状態において、第2特別図柄で外れである場合には、小当たりに当選する確率を高く設定し、小当たりとなる第2特別図柄の変動については、第1特別図柄で当たりとなる変動が開始されている場合にも変動できるように構成した。このように構成することで、第1特別図柄で通常遊技状態に移行する大当たりAの変動が開始されている場合にも、その変動期間内に小当たりに当選させることで、小当たり遊技が開始され、遊技者に賞球を付与して、遊技者の興趣を向上できる。なお、第1実施形態と相違する点について、その図示と説明とを行い、第1実施形態と同一の構成については、その図示と説明とを省略する。
<第3実施形態における電気的構成について>
第3実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成は、第1実施形態に対して、主制御装置110のMPU201におけるROM202の構成が相違し、その他の部分は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、図示と詳細な説明とを省略する。
図69(a)は、本第3実施形態における主制御装置110のMPU201のROM202の内容を示した模式図である。本第3実施形態におけるROM202は、第1実施形態におけるROM202に対して、変動パターン選択テーブル202dの内容が変更され、小当たり乱数テーブル202eが追加されている点で相違する。その他の構成については、第1実施形態と同一の構成であるので、その詳細な説明は省略する。
図69(b)は、本第3実施形態におけるROM202の小当たり乱数テーブル202eの内容を模式的に示した模式図である。本実施形態では、特別図柄の抽選を行うための判定値として、大当たりでない外れとして設定されている判定値のうち、小当たりとなる小当たり判定値を設定する。その小当たり判定値と取得している第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致した場合に、特別図柄の抽選結果として小当たりを設定する。特別図柄の抽選結果が小当たりとなることで実行される小当たり遊技では、特定入賞口65aが3秒間開放される開放パターンが2回実行される。特定入賞口65aに遊技球が入球すると遊技者に1球に対して大当たり遊技と同一の賞球(例えば、15球)が払い出される。これにより、大当たり遊技よりも開放期間が短く、ラウンド数(開放回数)も少ない為、遊技者が得ることができる賞球の数は少ないが、外れである場合より遊技者に有利な特典が付与される。
本第3実施形態では、図69(b)に示すように、通常遊技状態では、第1特別図柄、第2特別図柄ともに、小当たり判定値は設定されていない。一方、確変遊技状態では、第1特別図柄に対しては、小当たり判定値は設定されていないものの、第2特別図柄に対しては、「10〜109」が小当たり判定値として設定されている。よって、第1当たり乱数カウンタC1の乱数値400個に対して、100個が小当たり判定値として設定されているので、1/4の確率で小当たりに当選するように構成されている。これにより、第2特別図柄の抽選結果が大当たりでない場合にも、小当たりが付与され易く、遊技者に対して第2特別図柄で抽選されることに魅力を感じさせることができる。
図69(c)は、本第3実施形態における確変遊技状態において、第1特別図柄の当否判定(抽選)結果が当たりとなった場合に変動パターンを選択するために用いられる当たり(確変)特図1変動パターン選択テーブルの内容を示した模式図である。本第3実施形態では、確変遊技状態において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合に選択される変動パターンの種別が第1実施形態とは相違する。なお、第2特別図柄が小当たりである場合には、0.5秒間の変動時間が選択される。
当たり(確変)特図1変動パターン選択テーブルは、図69(c)に示すように、第1特別図柄の判定結果が大当たりであり、大当たり種別が確変遊技状態の付与される大当たりである場合には、変動時間が30秒の変動パターンAと、変動時間が360秒の変動パターンBとのどちらかが選択されるように構成されている。ここで、変動パターンA(30秒)が変動パターンB(360秒)よりも選択され易いように、変動種別カウンタCS1の判定値が設定されている。具体的には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜190」である場合には変動パターンA(30秒)が選択され、変動種別カウンタCS1の値が「191〜198」である場合には変動パターンB(360秒)が選択される。詳細は後述するが、確変遊技が付与される大当たり(大当たりA)である場合には、後述する確変遊技が付与されない大当たり(大当たりB)である場合に比べ、短い変動時間(30秒または360秒)が選択され易く設定されているので、遊技店側が過剰に不利益となることを抑制できる。
第1特別図柄の抽選結果が当たりであり、通常遊技状態が付与される(確変遊技が付与されない)当たり種別(大当たりB)である場合には、変動時間が360秒の変動パターンCと720秒の変動パターンDとのどちらか一方が選択される。具体的には、変動種別カウンタCS1の値が「0〜190」である場合には変動パターンC(360秒)が選択され、変動種別カウンタCS1の値が「191〜198」である場合には変動パターンD(720秒)が選択される。よって、第1特別図柄の当否判定結果として通常遊技が付与される大当たり(大当たりB)である場合には、確変遊技状態が付与される場合よりも長い変動時間が選択され易く設定されているので、その間に第2特別図柄において小当たりに当選させることでより多くの賞球を付与することができる。
ここで、本実施形態では、通常遊技状態では、第1特別図柄の抽選契機となる第1始動口64のみに遊技球が入球するように左流路PA1に遊技球を流下させて遊技(左打ち遊技)を行う。そのため、第1始動口64よりも、第2特別図柄の抽選契機となる第2始動口640へ遊技球が入球しやすい確変遊技状態に移行しても、最大4個の保留球が第1特別図柄に対して記憶されている場合がある。この場合には、早期に第1特別図柄で通常遊技状態となる大当たりに当選してしまうと、遊技者に過大に不利益となってしまう不具合がある。しかしながら、本第3実施形態の構成では、第1特別図柄で、通常遊技状態に移行する大当たりの変動が開始されても、その変動時間が比較的長く(360秒または720秒)設定されており、その間に小当たりを第2特別図柄で当選させることで賞球を得ることができる。よって、遊技者に対して過大な不利益となる不具合を抑制できる。
<第3実施形態における制御処理について>
図70〜図72を参照して、本第3実施形態における制御処理について説明する。本第3実施形態における制御処理は、第1実施形態における制御処理に対して、主制御装置110のMPU201における、第2特別図柄大当たり判定処理(図27、S705)が第2特別図柄大当たり判定処理2(図70、S705)に、第2特別図柄変動パターン選択処理(図28、S706)が第2特別図柄変動パターン選択処理2(図71、S706)に、第2特別図柄変動停止処理(図29、S207)が第2特別図柄変動停止処理2(図72、S207)に変更されている点で相違する。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行される。
まず、図70を参照して、第2特別図柄大当たり判定処理2(S705)の詳細について説明する。図70は、第2特別図柄大当たり判定処理2(S705)を示したフローチャートである。この第2特別図柄大当たり判定処理2(S705)では、第2特別図柄の抽選結果として小当たりが選択されるように構成した点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
第2特別図柄大当たり判定処理2(S705)では、まず、第1実施形態における第2特別図柄大当たり判定処理(図27)と同様にS801からS806の処理を実行する。そして、S805の処理において特図1に対して大当たりフラグ203oがオフであり、かつ、第2特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別された場合は(S805:No、かつ、S806:No)、第1実施形態における第2特別図柄大当たり判定処理(図27)と同様にS807からS809の処理を実行する。
一方、S805の処理において特図1に対して大当たりフラグ203oがオンであると判別された場合は(S805:Yes)、特図1において大当たりとなる変動が開始されている場合である。この場合には、特図2の抽選結果として大当たりが設定されないようにするため、S851の処理へ移行する。なお、これに限られず、特図1に対して大当たりフラグ203oがオンであると判別された場合(即ち、特図1において大当たりとなる変動が開始されている場合)には、S802からS804の処理(抽選結果を取得する処理)を実行しないようにしてもよい。これにより、S802からS804の処理(抽選結果を取得する処理)を実行するための処理負荷を軽減することができる。
また、S806の処理において、抽選結果が大当たりでないと判別された場合にも(S806:No)、S851の処理へ移行する。S851の処理では、抽選結果が小当たりであるか否かが判別される(S851)。S851の処理において、抽選結果が小当たりでないと判別された場合(S851:No)は、抽選結果が外れの場合であるので、第1実施形態における第2特別図柄大当たり判定処理(図27)と同様にS810の処理を実行して、本処理を終了する。
一方、S851の処理において、抽選結果が小当たりであると判別された場合は(S851:Yes)、特図2の抽選結果として小当たりを設定するためにS852の処理へ移行する。ここで、特図1の大当たりとなる変動が開始されている場合には、S851の処理へ移行することで、特図2の抽選結果として小当たりが設定されるように構成されている。この特図2の小当たり遊技では特定入賞口65aへ遊技球が入賞可能となり、その入賞に基づいて賞球を獲得することができる。また、本実施形態では、特図1の大当たりとなる変動の変動時間を、第1実施形態に比べて長く(30秒または360秒)なるように構成している。よって、その後通常遊技状態へ移行する可能性の高い、即ち、遊技者にとって不利な特図1の大当たりの変動が開始されたとしても、その間に第2特別図柄で小当たりを当選させることで、賞球を得ることができる。よって、遊技者にとって過大な不利益となる不具合を抑制できる。
S852の処理では、特図2抽選結果を小当たりに設定する(S852)。次いで、第1図柄表示装置37に第2特別図柄の小当たり図柄をセットして(S853)、本処理を終了する。
次に、図71を参照して、第2特別図柄変動パターン選択処理2(S706)の詳細について説明する。図71は、第2特別図柄変動パターン選択処理2(S706)を示したフローチャートである。この第2特別図柄変動パターン選択処理2では、上述した第1実施形態の第2特別図柄変動パターン選択処理(図28参照)に対して、抽選結果が小当たりの場合に小当たりに基づく変動パターンを設定するように構成した点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
第2特別図柄変動パターン選択処理2(S706)では、まず、第2特別図柄変動パターン選択処理(図28参照)と同様にS901の処理を実行する。S901の処理において、特図2の抽選結果が大当たりであると判別された場合には(S901:Yes)、第2特別図柄変動パターン選択処理(図28参照)と同様にS902、S903およびS905からS907の処理が実行される。
一方、S901の処理において、特図2の抽選結果が大当たりでないと判別された場合は(S901:Yes)、次いで、特図2の抽選結果が小当たりであるか否かを判別する(S951)。S951の処理において、抽選結果が小当たりでないと判別された場合には(S951:No)、抽選結果が外れの場合であるので、第2特別図柄変動パターン選択処理(図28参照)と同様に、S904の処理を実行し、S905の処理へ移行する。
S951の処理において、抽選結果が小当たりであると判別された場合には(S951:Yes)、遊技状態に応じた小当たり変動パターン選択テーブル(図示せず)をセットする(S952)。そして、小当たり種別テーブル(図示せず)より小当たり種別を選択して(S953)、S905の処理へ移行する。S905からS907の処理を終えると、本処理を終了する。S905からS907の処理は第2特別図柄変動パターン選択処理(図28参照)と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
S952の処理によりセットされる小当たり変動パターン選択テーブルは、図示は省略したが、変動時間0.5秒の変動パターンが選択されるように規定されているテーブルである。S952の処理により、小当たり変動パターン選択テーブル(図示せず)がセットされることにより、S905の処理において0.5秒の変動パターンが選択されることになる。
また、S953の処理における小当たり種別テーブルは、図示は省略したが、小当たり種別として小当たりAのみが規定されているテーブルである。これにより、S953の処理では、小当たり種別として小当たりAが選択されることになる。なお、これに限られず、小当たり種別として複数の小当たりを設けるようにしてもよい。例えば、小当たり遊技において賞球を獲得しやすい小当たりAと、それに比べ賞球を獲得し難い(または獲得できない)小当たりBとを設ける。これにより、遊技者はいずれの小当たり遊技が実行されるかに注目することになるため、遊技者の興趣を向上されることができる。選択される小当たり種別は遊技状態に応じて変更するようにしても当然よい。
次に、図72を参照して、第2特別図柄変動停止処理2(S207)の詳細について説明する。図72は第2特別図柄変動停止処理2(S207)を示したフローチャートである。この第2特別変動停止処理2(S207)では、第1実施形態における第2特別変動停止処理(図29参照)に対して、抽選結果が小当たりとなる変動を停止する場合の処理が追加された点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
第2特別図柄変動停止処理2(S207)では、まず、第2特別変動停止処理(図29参照)と同様にS1001からS1004の処理を実行する。そしてS1004の処理で変動時間が終了した特図2の抽選結果が大当たりでないと判別された場合に(S1004:No)、次いで、変動時間が終了した特図2の抽選結果が小当たりであるか否かを判別する(S1051)。S1051の処理において、変動時間が終了した特図2の抽選結果が小当たりであると判別された場合には(S1051:Yes)、特図1変動停止フラグをオンに設定して(S1052)、小当たりの開始を設定し(S1053)、S1011の処理へ移行する。S1053の処理が実行されることにより、小当たり遊技が実行されることとなる。
一方、S1051の処理において、変動時間が終了した特図2の抽選結果が小当たりでないと判別された場合は(S1051:No)、変動時間が終了した特図2の抽選結果が外れの場合であるので、S1052およびS1053の処理をスキップして、S1011の処理へ移行する。S1011以降の処理は、第2特別変動停止処理(図29参照)と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
以上、説明したように、本第3実施形態では、確変遊技状態において、第2特別図柄で外れである場合には、小当たりに当選する確率を高く設定し、小当たりとなる第2特別図柄の変動については、第1特別図柄で当たりとなる変動が開始されている場合にも変動できるように構成した。このように構成することで、第1特別図柄で通常遊技状態に移行する大当たりAの変動が開始されている場合にも、その変動期間内に小当たりに当選させることで、小当たり遊技が開始され、遊技者に賞球を付与することができるので、遊技者の興趣を向上できる。
また、確変遊技状態に移行しても、最大4個の保留球が第1特別図柄に対して記憶されている場合がある。この場合には、早期に第1特別図柄で通常遊技状態となる大当たりに当選してしまうと、遊技者に過大に不利益となってしまう不具合がある。しかしながら、本第3実施形態の構成では、第1特別図柄で、通常遊技状態に移行する大当たりの変動が開始されても、その変動時間が比較的長く設定されており、その間に小当たりを第2特別図柄で当選させることで賞球を得ることができる。よって、遊技者が過大な不利益となる不具合を抑制できる。
なお、第2特別図柄が小当たりとなる場合には、第1特別図柄で大当たりとなる変動が中断(仮停止)または中止(強制停止)されるように構成してもよい。これにより、第2特別図柄が小当たりとなることに基づいて、第1特別図柄の大当たりが発生するまでの期間、即ち、確変遊技状態である期間を長くすることができる。よって、遊技者に対して第2特別図柄の抽選結果が小当たりとなることを期待して遊技させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。また、この場合に、第2特別図柄で小当たりとなることによって確変遊技状態である期間を長くすることができるので、第2特別図柄に基づく小当たり遊技で賞球が得られない(または得られる賞球数を減らす)ように構成してもよい。これにより、遊技店側に過大な損失が発生することを防止(抑制)できる。
本実施形態では特図2の小当たり遊技(小当たり種別)を1種類のみとしたが、これに限られず、複数種類設けるようにしてもよい。例えば、小当たり遊技により賞球が得られる小当たりAと、小当たり遊技により賞球が得られない(または得難い)小当たりBとを設けるようにしてもよい。いずれの小当たりが付与されるかは、ランダムで決定されるようにしてもよいし、遊技状態によって決定されるようにしてもよい。これにより、遊技者は抽選結果が小当たりとなった場合に、賞球を得られる小当たりが付与されるか否かに注目することになるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、上述した第2実施形態と同様にして、特図2の小当たりとなった場合に、特図1の変動パターン選択テーブルを切り替えるようにしても当然よい。さらに、次のようにしてもよい。確変遊技状態(特別図柄の高確率状態)において、所定回数の抽選が実行された後に、状態を変更する(例えば、潜伏確変状態へと変更する)。そして、その状態が変更された契機に特図1(または特図2)の変動パターン選択テーブルを切り替えるようにしてもよい。例えば、確変遊技状態において所定回数の抽選が実行された後に、潜伏確変状態へと移行し、特図1の変動時間が長くなる(即ち、遊技者にとって有利な)変動パターン選択テーブルに切り替わるようにする。または、潜伏確変状態へと移行し、特図1の変動時間が短くなる(即ち、遊技者にとって不利な)変動パターン選択テーブルに切り替わるようにする。これにより、確変遊技状態において所定回数の抽選が実行されることで、遊技者にとって有利(または不利)な状態へ変更することができる。よって、遊技状態のバリエーションを増やすことができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
本実施形態では、確変遊技状態が次の大当たりの発生まで継続するように構成したが、これに限られるものではない。例えば、特図1および特図2(または、いずれか一方)の変動回数が所定回数となるまでを確変遊技状態とするようにしてもよい。これにより、特図1での大当たりが発生しない場合(例えば、遊技球が第1始動口64へ入球しないようにする不正行為が実行されている場合など)でも、確変遊技状態が所定回数の抽選を終えると終了するため、遊技店側に過大な損害が発生することを抑制(防止)できる。
また、右側流路PA2を流下する遊技球が、第1始動口64と第2始動口640とに均等(または所定の比率で)入賞されるような振分装置を設けるようにしてもよい。これにより、確変遊技状態において第2始動口640にのみ遊技球が入賞し、第1始動口に遊技球が入賞しない(即ち、特図1での大当たりが発生しない)ことで、確変遊技状態が終了しないとの不具合を抑制(防止)できる。その結果、遊技店側に過大な損害が発生することを抑制(防止)できる。
<第4実施形態>
次いで、図73から図76を参照し、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、上述した第1実施形態に対して、次の点で相違する。第1実施形態では、確変遊技状態において、第1特別図柄の抽選結果として大当たりB(通常大当たり)となる保留球が存在する場合(即ち、第1特別図柄の大当たり(大当たりB)の発生に基づいて通常遊技状態へ移行する(所謂、転落する)場合)、その大当たりBとなる変動が開始されるまでの期間を確変期間として報知(演出)するように構成されている(図5および図6参照)。これに対し、第4実施形態では、確変遊技状態において、第1特別図柄の抽選結果として大当たりA(確変大当たり)となる保留球が存在する場合(即ち、第1特別図柄に基づいて確変遊技状態が継続する(転落しない)場合)にも、その大当たりAとなる変動が開始されるまでの期間を確変期間として疑似的に報知(演出)するように構成した。この疑似的に報知される確変期間のことを疑似確変期間といい、疑似確変期間の終了時には、確変遊技状態が継続することを示唆する復活演出が実行(表示)される。これにより、確変期間(確変遊技状態)の終了が報知された後にも、復活演出が表示され、確変遊技状態が継続されることを遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。なお、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
まず、図73を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10の第3図柄表示装置81に表示される演出について説明する。図73は、本実施形態におけるパチンコ機10の第3図柄表示装置81に表示される演出の一例を示した図である。図73(a)、(b)は、第3図柄表示装置81に表示される復活演出の一例を示した図である。
本第4実施形態では、確変遊技状態において、第1特別図柄の抽選結果として大当たりA(確変大当たり)となる変動が開始されるまでの期間(疑似確変期間)を報知する演出が、上述した第1実施形態において実行(表示)される第1特別図柄の抽選結果として大当たりB(通常大当たり)となる変動が開始されるまでの期間(確変期間)を報知する演出と同じ表示態様で第3図柄表示装置81に表示される(図5参照)。よって、遊技者はこの疑似確変期間を報知する演出において、画面上部に表示されている確変終了までの残時間を、確変期間が終了するまでの残時間であると認識する。
そして、疑似確変期間の終了タイミング(大当たりAとなる変動が開始されるタイミング)では、確変終了までの残時間が0秒として表示される(図6(b)参照)。これにより、開始される変動が大当たりB(通常大当たり)となり、その後低確率状態(時短遊技状態)へ移行すると認識する。
しかし、実際の確変期間は終了しておらず、疑似確変期間の終了タイミングには復活演出を示す表示用期間コマンド(図77のS6105参照)が設定される。この復活演出を示す表示用期間コマンドにより、停止表示された特別図柄が画面左上部に縮小表示され、画面中央部に「復活上乗せチャンス!!」との文字(復活演出)が表示される(図73(a)参照)。これにより、遊技者に対して確変期間が終了したと認識したにも関わらず、確変期間が継続して実行されることを報知することで、意外性を付与することができ、遊技者の興趣を向上できる。
この復活演出が表示された後には、記憶されている特図1の入賞情報に基づいて、確変期間の残時間(加算時間)を示唆する演出(または、疑似確変期間の残時間を示唆する演出)が実行(表示)される(図73(b)参照)。これにより、復活演出の後に表示される、確変期間の残時間(加算時間)にも遊技者は注目することとなり、遊技者の興趣を向上できる。なお、上述した復活演出は、疑似確変期間の終了時だけに限られず、確変期間の終了時に表示されるように構成してもよい。この場合には、復活演出の後に確変期間の残時間(加算時間)として0秒を表示するように構成すればよい。
次に、図74を参照して、本第4実施形態における主制御装置110のMPU201に設けられるROM202について説明する。本第4実施形態では、上述した第1実施形態に対して、ROM202に設けられている変動パターン選択テーブル202dの一つである当たり(確変)特図1変動パターン選択テーブルの内容が変更される点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図74は、この当たり(確変)特図1変動パターン選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。当たり(確変)特図1変動パターン選択テーブルは、遊技状態が確変遊技状態である場合に、第1特別図柄の変動パターンを選択するために用いるテーブルである。大当たり種別と変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、変動パターン種別が選択される。
この当たり(確変)特図1変動パターン選択テーブルには、抽選結果が確変大当たり(大当たりA)の場合に選択される変動パターンとして、変動時間が0.5秒の変動パターンEと、変動時間が30秒の変動パターンFとが規定されている。また、抽選結果が通常大当たり(大当たりB)の場合に選択される変動パターンとして、変動時間が10秒の変動パターンGと、変動時間が30秒の変動パターンHと、変動時間が60秒の変動パターンIとが規定されている。
これらの変動パターンは、変動種別カウンタCS1の値に基づいて、第1特別図柄変動パターン選択処理(図24参照)のS505の処理において選択される。具体的には、抽選結果が確変大当たり(大当たりA)の場合に、変動種別カウンタCS1の値が「0〜190」である場合には変動パターンE(0.5秒)が選択され、変動種別カウンタCS1の値が「191〜198」である場合には変動パターンF(30秒)が選択される。また、抽選結果が通常大当たり(大当たりB)の場合に、変動種別カウンタCS1の値が「0〜10」である場合には変動パターンG(10秒)が選択され、変動種別カウンタCS1の値が「11〜150」である場合には変動パターンH(30秒)が選択され、変動種別カウンタCS1の値が「151〜198」である場合には変動パターンI(60秒)が選択される。
次に、図75を参照して、本第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221に設けられるRAM223について説明する。本実施形態におけるRAM223では、上述した第1実施形態に対し、疑似確変期間記憶エリア223pが新たに設けられる点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
復活フラグ223nは、確変遊技状態において、第1特別図柄の抽選結果として大当たりA(確変大当たり)となる変動が開始されるまでの期間(疑似確変期間)を報知する演出が実行されているか否かを判別するためのフラグである。この復活フラグ223nは、後述する確変期間報知処理2(図76)において、特図1の大当たりAが開始されるまでの時間(疑似確変期間)の報知演出を実行(表示)する場合にオンに設定される(図76のS6005参照)。そして、期間設定処理(図77参照)において、疑似確変期間の報知を終え、復活演出を実行(表示)するための復活演出を示す表示用期間コマンドが設定された場合に、オフに設定される(図77のS6106参照)。
疑似確変期間記憶エリア223pは、確変遊技状態において、第1特別図柄の抽選結果として大当たりA(確変大当たり)となる変動が開始されるまでの期間(時間)を記憶するための領域である。この疑似確変期間記憶エリア223pは、後述する確変期間報知処理2(図76)において、特図1の大当たりAが開始されるまでの時間を示す値が設定される(図76のS6006参照)。そして、期間設定処理(図77参照)において、疑似確変期間記憶エリア223pの値が更新(減算)されて(図77のS6102参照)、疑似確変期間を報知するための表示用期間コマンドが設定される(図77のS6103)。また、疑似確変期間記憶エリア223pの値が0となった場合には、復活演出を実行(表示)するための復活演出を示す表示用期間コマンドが設定される(図77のS6105参照)。
<第4実施形態における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図76から図77を参照して、本第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理は、本第1実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理に対して、メイン処理(図45参照)内の一処理である確変期間報知処理(S1414)が、確変期間報知処理2(S1451)に変更される点で相違し、その他の点は同一である。同一の部分には、同一の符号を付して、その図示と説明とを省略する。
図76を参照して、確変期間報知処理2(S1451)の詳細について説明する。図76は、確変期間報知処理2(S1451)を示したフローチャートである。確変期間報知処理2では、上述した第1実施形態で実行している、特図1の大当たりBが開始されるまでの期間(確変期間)を報知する処理に加え、特図1の大当たりAが開始されるまでの期間(疑似確変期間)を報知する処理を実行するように構成されている。
確変期間報知処理2(S1451)では、まず、パチンコ機10の遊技状態が確変遊技状態であるか否かを判別する(S6001)。S6001の処理において、遊技状態が確変遊技状態でないと判別された場合は(S6001:No)、確変期間と疑似確変期間とのいずれも報知しないため、そのまま本処理を終了する。
S6001の処理において、遊技状態が確変遊技状態であると判別された場合は(S6001:Yes)、次いで、復活フラグ223nがオンであるか否かを判別する(S6002)。S6002の処理において、復活フラグ223nがオンであると判別された場合は(S6002:Yes)、疑似確変期間を報知する演出が実行(表示)されている場合であり、疑似確変期間を報知する演出を実行(表示)するために、S6009の処理へ移行する。
一方、S6002の処理において、復活フラグ223nがオフであると判別された場合は(S6002:No)、S6003の処理へ移行する。S6003の処理では、従並び替え保留記憶エリア223kに特図1の大当たりがあるか否かを判別する(S6003)。S6003の処理において、従並び替え保留記憶エリア223kに特図1の大当たりがないと判別された場合は(S6003:No)、記憶されている全ての特図1の変動が終了しても大当たりB(通常大当たり)が発生しない、即ち、通常遊技状態へ移行することがない場合である。この場合には、記憶されている特図1の合計変動時間を示す値を確変上限値記憶エリア223iに設定して(S6008)、S6009の処理へ移行する。S6008の処理において設定された確変上限値記憶エリア223iの値を上限値として、後述する期間設定処理(S6009)において確変期間を報知する演出が実行(表示)される。
S6003の処理において、従並び替え保留記憶エリア223kに特図1の大当たりがあると判別された場合は(S6003:Yes)、記憶されている大当たりのうち、最後の(入賞した順が最も新しい)特図1の大当たりが大当たりAであるか否かを判別する(S6004)。S6004の処理において、記憶されている大当たりのうち、最後の(入賞した順が最も新しい)特図1の大当たりが大当たりAであると判別された場合は(S6004:Yes)、その特図1の大当たりAに基づく大当たり遊技が実行された後にも確変遊技状態が継続する(通常遊技状態へ転落しない)場合である。この場合には、その大当たりAとなる特図1の変動が開始されるまでの期間を疑似確変期間として報知するために、S6005の処理へ移行する。
S6005の処理では、疑似確変期間の報知が実行中であることを判別可能とするために、復活フラグ223nをオンに設定する(S6005)。そして、記憶されている最後の(入賞した順が最も新しい)特図1の大当たりAが開始されるまでの時間を疑似確変期間記憶エリア223pに設定して(S6006)、S6009の処理へ移行する。
なお、本実施形態では、最後の(入賞した順が最も新しい)特図1の大当たりAが開始されるまでの期間(時間)を設定し、報知するように構成したが、これに限られるものではない。例えば、特図1の大当たりAが開始される所定時間前(例えば5秒前)に疑似確変期間の報知を終了し、その所定時間で他の演出(例えば、確変期間の終了を示唆する演出)を行うようにしてもよい。また、特図1の大当たりAとなる以前(例えば1つ前)の保留球に基づく変動が開始されるまでの期間を疑似確変期間として設定(報知)するようにしてもよい。これにより、確変期間の終了が報知された後にも、復活演出が表示されることを期待して遊技させることができるため、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、復活演出は第2特定入賞口650aへ遊技球が入球することに基づいて表示するように構成してもよい。これにより、第2特定入賞口650aへ遊技球が入球し、確変遊技状態が付与される(即ち、確変期間が延長される)ことが確定してから復活演出が表示されることとなる。その結果、復活演出が表示されたにも関わらず、その後第2特定入賞口650aへ遊技球が入球せず、確変期間が延長されないとの不整合を抑制(防止)できる。なお、上述した不整合を抑制(防止)する方法は、これに限られるものではない。例えば、復活演出が表示された後に第2特定入賞口650aへ遊技球が入球しなかった場合には、確変期間が延長されないことを報知する演出(例えば、復活失敗演出)を実行するように構成してもよい。
S6004の処理において、記憶されている大当たりのうち、最後の(入賞した順が最も新しい)特図1の大当たりが大当たりBであると判別された場合は(S6004:No)、その特図1の大当たりBに基づく大当たり遊技が実行された後に確変遊技状態が終了する(通常遊技状態へ転落する)場合である。この場合には、記憶されている大当たりのうち、最初の(入賞した順が最も古い)大当たりBとなる特図1の変動が開始されるまでの期間を確変期間として報知するために、S6007の処理へ移行する。
S6007の処理では、記憶されている最初の(入賞した順が最も古い)特図1の大当たりBが開始されるまでの時間を確変上限値記憶エリア223iに設定して(S6007)、S6009の処理へ移行する。S6007の処理において設定された確変上限値記憶エリア223iの値を上限値として、後述する期間設定処理(S6009)において確変期間を報知する演出が実行(表示)される。
なお、本実施形態では、記憶されている最初の(入賞した順が最も古い)特図1の大当たりBが開始されるまでの時間を確変上限値記憶エリア223iに設定するようにしたが、これに限られるものではない。例えば、記憶されている最後の(入賞した順が最も新しい)特図1の大当たりBが開始されるまでの時間を確変上限値記憶エリア223iに設定するようにしてもよい。これにより、最初の(入賞した順が最も古い)特図1の大当たりBにより通常遊技状態へ移行(転落)したとしても、その後、最後の(入賞した順が最も新しい)特図1の大当たりBが開始されるので、遊技者に対して確変遊技状態(確変期間)が継続されているかのような印象を与えることができる。その結果、確変遊技状態(確変期間)が付与される期間が長いパチンコ機10であるとの印象を与えることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
S6002,S6006,S6007またはS6008の処理を終えると、期間設定処理を実行し(S6009)、本処理を終了する。
次に、図77を参照して、期間設定処理(S6009)の詳細について説明する。図77は、期間設定処理(S6009)を示したフローチャートである。この期間設定処理(S6009)は、上述した確変期間報知処理2(S1451)において設定された疑似確変期間または確変期間を報知するための処理である。
期間設定処理(S6009)では、まず、復活フラグ223nがオンであるか否かを判別する(S6101)。S6101の処理において、復活フラグ223nがオンであると判別された場合は(S6101:Yes)、疑似確変期間を報知するために、S6102の処理へ移行する。
S6102の処理では疑似確変期間記憶エリア223pの値を更新(減算)する(S6102)。そして、疑似確変期間記憶エリア223pの値に対応した表示用期間コマンドを設定して(S6103)、S6104の処理へ移行する。
S6104の処理では、S6102の処理において更新(減算)された疑似確変期間記憶エリア223pの値が0であるか否か、即ち、疑似確変期間の終了タイミングであるか否かを判別する(S6104)。S6104の処理において、疑似確変期間記憶エリア223pの値が0より大きい(0でない)と判別された場合は(S6104:No)、疑似確変期間の終了タイミングでないので、そのまま本処理を終了する。
一方、S6104の処理において、疑似確変期間記憶エリア223pの値が0であると判別された場合は(S6104:Yes)、疑似確変期間の終了タイミングであるので、疑似確変期間の終了を報知するために、S6105の処理へ移行する。
S6105の処理では、復活演出を示す表示用期間コマンドを設定する(S6105)。そして、復活フラグ223nをオフに設定して(S6106)、本処理を終了する。S6105の処理において設定される復活演出を示す表示用期間コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図45参照)のコマンド出力処理(S1402)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、この復活演出を示す表示用期間コマンドを受信すると、図73に示す復活演出を第3図柄表示装置81に表示する。なお、これに限られず、特図1の大当たりAに基づく大当たり遊技が終了した後に復活演出を実行するようにしてもよい。これにより、遊技者は確変期間の終了が報知された後の大当たり遊技が終了するまで、復活演出が表示されるか否かに注目することとなり、遊技者の興趣を向上させることができる。
S6101の処理において、復活フラグ223nがオンでないと判別された場合は(S6101:No)、確変期間記憶エリア223jの値を更新(減算)する(S6107)。そして、確変期間記憶エリア223jの値が0より大きいか否かを判別する(S6108)。S6108の処理において、確変期間記憶エリア223jの値が0より大きいと判別された場合は(S6108)、次いで、確変期間記憶エリア223jの値(確変期間として報知している時間)の上乗せ契機であるか否かを判別する(S6109)。S6109の処理では、第1始動口64または第2始動口640へ遊技球が入球した場合に上乗せ契機であると判別する。よって、第1始動口64または第2始動口640へ遊技球が入球することに基づいて、後述するS6110の処理へ移行し、確変期間の残時間が上乗せ(加算)表示される。これにより、遊技者に対して第1始動口64または第2始動口640へ遊技球を入球させることで、確変期間の残時間が上乗せ(加算)される、即ち、確変期間が延長されるとの印象を付与することができる。その結果、遊技者に対して遊技球の発射を促すことができる。
S6109の処理において、上乗せ契機でないと判別された場合は(S6109:No)、S6107の処理において更新(減算)された確変期間記憶エリア223jの値に対応した表示用期間演出コマンドを設定して(S6114)、本処理を終了する。
一方、S6109の処理において、上乗せ契機であると判別された場合は(S6109:Yes)、表示している確変期間を加算するためにS6110の処理へ移行する。S6110では、演出カウンタ223gの値と加算時間選択テーブル222bとに基づいて、加算時間を選択する(S6110)。そして、S6110の処理により選択された加算時間を確変期間記憶エリア223jの値に加算する(S6111)。S6111の処理では、加算後の確変期間記憶エリア223jの値が、確変上限値記憶エリア223iの値より大きい場合には、確変上限値記憶エリア223iの値が上限値として設定される。これにより、実際の確変期間よりも長い確変期間が報知されてしまうことを防止できる。
なお、実際の確変期間よりも長い確変期間が設定(報知)されないように構成したが、これに限られず、実際の確変期間よりも長い確変期間を設定(報知)するように構成してもよい。この場合には、S6110の処理において確変期間が減算されるような減算時間が選択可能に構成すればよい。これにより、確変期間が上乗せされる場合に加え、減算される場合を設けることができ、演出のバリエーションを増やすことができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
S6108の処理において、確変期間記憶エリア223jの値が0であると判別された場合は(S6108:No)、次いで、確変上限値記憶エリア223iの値が0より大きいか否かを判別する(S6112)。S6112の処理において、確変上限値記憶エリア223iの値が0より大きいと判別された場合は(S6112:Yes)、実際に確変期間が終了するまで(大当たりBとなる変動が開始されるまで)の期間がまだ残っている場合であるので、上乗せ契機であるか否かに関わらず確変期間の残時間を加算して表示するためにS6110の処理へ移行する。
一方、S6112の処理において、確変上限値記憶エリア223iの値が0であると判別された場合は(S6112:No)、実際に確変期間が終了するタイミング(大当たりBとなる変動が開始されるタイミング)である場合なので、そのまま確変上限値記憶エリア223iの値(0)に対応した表示用期間コマンドを設定して(S6114)、本処理を終了する。S6114の処理において、確変上限値記憶エリア223iの値(0)に対応した表示用期間コマンドが設定されることにより、図6(b)に示すように確変期間が終了したことを示唆する演出が第3図柄表示装置81に表示される。
以上、説明したように、本第4実施形態では、確変遊技状態において、第1特別図柄の抽選結果として大当たりA(確変大当たり)となる保留球が存在する場合(即ち、第1特別図柄に基づいて確変遊技状態が継続する(転落しない)場合)にも、その大当たりAとなる変動が開始されるまでの期間を確変期間として疑似的に報知(演出)するように構成されている。この疑似確変期間の終了時には、確変遊技状態が継続することを示唆する復活演出が実行(表示)される。これにより、確変期間(確変遊技状態)の終了が報知された後にも、復活演出が表示され、確変遊技状態が継続されることを遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
本実施形態では、疑似確変期間の終了時に復活演出を表示するようにしたが、第2特定入賞口650aへ遊技球が入球することに基づいて復活演出を表示するように構成してもよい。これにより、第2特定入賞口650aへ遊技球が入球し、確変遊技状態が付与される(即ち、確変期間が延長される)ことが確定してから復活演出が表示されることとなる。その結果、復活演出が表示されたにも関わらず、その後第2特定入賞口650aへ遊技球が入球せず、確変期間が延長されないとの不整合を抑制(防止)できる。なお、上述した不整合を抑制(防止)する方法は、これに限られるものではない。例えば、復活演出が表示された後に第2特定入賞口650aへ遊技球が入球しなかった場合には、確変期間が延長されないことを報知する演出(例えば、復活失敗演出)を実行するように構成してもよい。
本実施形態では、疑似確変期間を報知する演出を実行(表示)している間に、第1特別図柄の抽選結果として大当たりBとなる入賞があった場合にも、疑似確変期間を報知する演出を継続するように(確変期間を報知する演出に切り替わらない)ように、構成している。これにより、疑似確変期間の報知を終え、復活演出が実行(表示)される頻度を高くすることができる。なお、これに限られず、疑似確変期間を報知する演出を実行(表示)している間に、第1特別図柄の抽選結果として大当たりBとなる入賞があった場合には、確変期間を報知する演出に切り替わるように構成してもよい。この場合には、疑似確変期間(大当たりAとなる変動の開始まで)よりも長い確変期間(大当たりAの後に発生する大当たりBとなる変動の開始まで)が、確変期間の残時間として表示される。これにより、確変期間の残時間が長く表示される遊技機となるので、遊技者に対して確変遊技状態が長く継続する遊技機であるとの印象を付与することができる。
本実施形態では、確変遊技状態である期間(確変期間)を報知する場合と疑似的に報知する場合とを設けるように構成したが、これに限られるものではない。例えば、時短遊技状態である期間(時短期間)を報知する場合と疑似的に報知する場合とを設けるようにしてもよい。具体的には、第1特別図柄の大当たり(小当たりでもよい)種別として、時短遊技状態が終了される大当たりA(小当たりAでもよい)と、時短遊技状態が継続される大当たりB(小当たりBでもよい)とを設ける。大当たりA(時短遊技状態が終了される)の変動が開始されるまでの期間を時短期間として報知し、大当たりB(時短遊技状態が継続される)の変動が開始されるまでの期間を疑似的に時短期間として報知するように構成する。そして、疑似的な時短期間の終了時には、時短遊技状態が継続することを示唆する復活演出を実行(表示)するように構成すればよい。これにより、時短期間(時短遊技状態)の終了が報知された後にも、復活演出が表示され、時短遊技状態が継続されることを遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第2特別図柄に基づく小当たり(または大当たり)の変動に基づいて(変動開始される際、変動停止される際に)、第1特別図柄の変動表示を仮停止するように構成し、その仮停止されている期間(仮停止期間)を報知するように構成してもよい。そして、その仮停止期間を疑似的に報知し、その仮停止期間の終了時に復活演出を実行(表示)するように構成してもよい。なお、上述した仮停止期間と、時短期間と、確変期間とを全て表示(報知)してもよいし、いずれか2つを組み合わせて表示(報知)しても当然よい。
上記した各実施形態についてその全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。
<特徴A群>(電サポで特図1に入賞し難くする)
遊技球が入球可能な第1入球口と、その第1入球口とは異なる第2入球口と、前記第2入球口に遊技球が入球し易いように遊技球を誘導する第1状態と、その第1状態よりも前記第2入球口に遊技球が入球し難い状態にする第2状態とに可動可能な可動片と、を有し、前記可動片が第1状態に可動されることで、前記第1入球口に遊技球が入球可能な流路が前記第2状態である場合よりも狭くなるように構成されるものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、遊技球が入球可能な第1入球口と、第2入球口とが設けられている。可動変により、第2入球口に遊技球が入球し易いように遊技球を誘導する第1状態と、その第1状態よりも第2入球口に遊技球が入球し難い状態にする第2状態とに可動される。可動片が第1状態に可動されることで、第1入球口に遊技球が入球可能な流路が第2状態である場合よりも狭い状態とされる。これにより、一方の入球口に入球し難くなるので、遊技の興趣を変えることができる。よって、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機A1において、遊技球が前記第1入球口に入球し易い第1流路と、その第1流路よりも前記第2入球口に遊技球が入球し易い第2流路とを有し、前記可動片は、前記第1状態に可動することにより、前記第2流路を遊技球が流下し易くし、前記第1流路を前記第2状態である場合よりも遊技球の流下量を規制するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が第1入球口に入球し易い第1流路と、その第1流路よりも第2入球口に遊技球が入球しやすい第2流路とが設けられている。可動変を第1状態に可動することにより、第2流路を遊技球が流下し易くされ、第1流路を流下する遊技球の流下量が第2状態である場合に比べて規制される。これにより、第1入球口への入球量を効率良く減らすことができるという効果がある。
遊技機A1または遊技機A2において、前記第1入球口に遊技球が入球することに基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、前記第2入球口に遊技球が入球することに基づいて、第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段により当たりと判定されたことに基づいて、通常遊技状態とその通常遊技状態よりも遊技者に有利となる特別遊技状態とのどちらか一方を決定する遊技状態決定手段と、その遊技状態決定手段により決定された前記通常遊技状態または前記特別遊技状態を設定する遊技状態設定手段とを有することを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1またはA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、当否判定手段により、第1入球口に遊技球が入球することに基づいて、第1抽選遊技の当否判定が実行され、第2入球口に遊技球が入球することに基づいて、第2抽選遊技の当否判定が実行される。その当否判定手段により当たりと判定されたことに基づいて、通常遊技状態とその通常遊技状態よりも遊技者に有利となる特別遊技状態とのどちらか一方が遊技状態決定手段によって決定される。その遊技状態決定手段により決定された通常遊技状態または特別遊技状態が遊技状態設定手段によって設定される。これにより、特別遊技状態が設定されることを期待して遊技を行うことができる。よって、遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機A3において、遊技状態設定手段は、前記特別遊技状態として、前記通常遊技状態である場合よりも前記当否判定手段により当たりと判定される確率を高く設定するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、特別遊技状態として、状態設定手段により、通常遊技状態である場合よりも当否判定手段により当たりと判定される確率が高く設定されるので、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機A3またはA4において、前記遊技状態決定手段は、前記第1入球口または前記第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、前記通常遊技状態と前記特別遊技状態とのどちらか一方を決定するものであり、前記第1入球口と前記第2入球口とで前記通常遊技状態と前記特別遊技状態とを決定する割合が異なるように決定するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A3またはA4の奏する効果に加え、遊技状態決定手段により、第1入球口または第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、通常遊技状態と特別遊技状態とのどちらか一方が決定され、第1入球口と第2入球口とで通常遊技状態と特別遊技状態とを決定する割合が異なるように決定されるので、第2入球口で抽選が実行されるように期待させることができるという効果がある。
遊技機A5において、前記遊技状態決定手段は、前記第1入球口に遊技球が入球した場合に、前記第2入球口に遊技球が入球した場合よりも前記通常遊技状態に決定し易いものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、第1入球口に遊技球が入球した場合に、第2入球口に遊技球が入球した場合よりも、遊技状態決定手段により通常遊技状態に決定され易いので、遊技者により特別遊技状態を継続して遊技させることができるという効果がある。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、前記第1入球口または前記第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利となる特典を付与する特典付与手段を有し、前記特典付与手段は、前記第1入球口と前記第2入球口とで異なる大きさの特典を付与するものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球口または第2入球口に遊技球が入球したことに基づいて、特典付与手段により遊技者に有利となる特典が付与される。第1入球口と第2入球口とで異なる大きさの特典が特典付与手段により付与される。これにより、遊技者により多くの特典を付与することができるという効果がある。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、抽選条件の成立に基づいて、前記可動片を前記第2状態から前記第1状態に可動させるか否かを決定する可動決定手段と、前記特別遊技状態が設定された場合に、前記可動決定手段により前記可動片を前記第2状態から第1状態に可動させると決定され易く設定する可動率設定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抽選条件の成立に基づいて、可動決定手段により可動片を第2状態から第1状態に可動させるか否かが決定される。特別遊技状態が設定された場合に、可動率設定手段により、可動決定手段により可動片を第2状態から第2状態に可動させると決定され易く設定される。これにより、遊技の興趣を容易に変えることができるという効果がある。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段の発射力を遊技者の操作に基づいて調節する調節手段と、遊技者の第1の操作に基づいて前記調節手段により調節された発射力で発射された遊技球が流下する第1流下領域と、遊技者の第2操作に基づいて前記調節手段により調節された発射力で発射された遊技球が流下する前記第1流下領域とは異なる第2流下領域とが形成された遊技領域とを有し、前記第1流下領域を流下した遊技球は前記第1入球口にのみ入球可能に構成され、前記第2流下領域を流下した遊技球は、前記第1入球口と前記第2入球口とにそれぞれ入球可能に構成されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が発射手段により発射される。その発射手段の発射力がより遊技者の操作に基づいて調節手段に調節される。遊技者の第1の操作に基づいて調節手段により調節された発射力で発射された発射力で発射された遊技球が流下する第1流下領域と、遊技者の第2操作に基づいて調節手段により調節された発射力で発射された遊技球が流下する第2流下領域とが遊技領域に形成される。第1流下領域を流下した遊技球は第1入球口へ入球可能に構成され、第2流下領域を流下した遊技球は、第1入球口と第2入球口とにそれぞれ入球可能に構成される。これにより、遊技者に操作する楽しさを提供することができる。よって、遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機A9において、前記第1入球口として、前記第1流下領域または第2流下領域を流下した遊技球が入球可能な位置に配置される共通第1入球口と、前記第2流下領域を流下した遊技球のみが入球可能な片側第1入球口とが少なくとも配置されるものであることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、第1入球口として、第1流下領域または第2流下領域を流下した遊技球が入球可能な位置に配置される共通第1入球口と、第2流下領域を流下した遊技球が入球可能な片側第1入球口とが少なくとも配置されるので、遊技状態により興趣を効果的に変更することができるという効果ある。
遊技機A1からA10のいずれかにおいて、前記第1入球口は、第2入球口の下方に配置されるものであり、前記可動片が前記第1状態に可動されることで、前記可動片により前記第1入球口へ入球可能な流路への遊技球の通過が前記第2状態よりも制限されるものであることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A1からA10のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球口が、第2入球口の下方に配置される。可動片が第1状態に可動されることで、可動片により第1入球口へ入球可能な流路への遊技球の通過が第2状態よりも制限される。これにより、遊技球の流入量を容易に変えることができるという効果がある。
遊技機A3からA11のいずれかにおいて、前記遊技状態設定手段により前記特別遊技状態が設定されたことに基づいて、前記可動片を前記通常遊技状態よりも前記第2状態に可動され易く設定する可動設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、遊技機A3からA11のいずれかが奏する効果に加え、遊技状態設定手段により特別遊技状態が設定されたことに基づいて、可動設定手段により可動片が通常遊技状態よりも第2状態に可動されやすく設定されるので、遊技者に有利となる期間を設定でき、遊技者が飽きてしまう不具合を抑制できるという効果ある。
遊技機A1からA12のいずれかにおいて、遊技球が通過可能な通過口を有し、遊技球がその通過口を通過することで、抽選条件が成立する通過ゲートを有し、前記可動片が第2状態である場合には、前記通過ゲートまたは前記第1入球口に遊技球が入球可能な流路である共通流路が形成されており、前記第1状態に可動されることで、前記第1入球口に遊技球が入球することが前記可動片により規制され、前記通過ゲートに遊技球が入球する流路である単独流路が形成されるものであることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、遊技機A1からA12のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が通過可能な通過口を有し、その通過口を遊技球が通過することで抽選条件が成立する通過ゲートが設けられている。可動片が第2状態である場合には、通過ゲートまたは第1入球口に遊技球が入球可能な流路である共通流路が形成される。可動片が第1状態に可動されることで、第1入球口に遊技球が入球することが可動片により規制され、通過ゲートに遊技球が入球する流路である単独流路が形成される。これにより、遊技者が有利に遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機A3からA12のいずれかにおいて、前記当否判定手段による前記第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報と前記第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報とを同時に表示手段に表示させることが可能な表示制御手段を有するものであることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、遊技機A3からA13のいずれかが奏する効果に加え、当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報と第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報とが表示制御手段により表示手段に同時にされるので、遊技者に効率よく遊技を行わせることができる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴B群>(フリーズ演出で確変期間を時間で演出)
第1抽選条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の当否判定を実行し、第2抽選条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の当否判定を実行する当否判定手段と、その当否判定手段による前記第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報と前記第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報とを同時に表示手段に動的表示させることが可能な表示制御手段と、その表示制御手段により動的表示される前記第1識別情報の第1動的表示期間と前記第2識別情報の第2動的表示期間とを複数の動的表示期間よりそれぞれ決定する動的表示期間決定手段と、当否判定結果が当たりである場合に遊技者に有利となる第1特典とその第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典との少なくともどちらか一方を遊技者に付与することを決定する特典決定手段とを有した遊技機において、前記特典決定手段は、前記第1抽選遊技の当たりよりも前記第2抽選遊技の当たりに基づいて、前記第2特典を決定し易いものであり、前記動的表示期間決定手段により決定された前記第1動的表示期間の情報に基づいて演出を実行する演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、当否判定手段により、第1抽選条件の成立に基づいて第1抽選遊技の当否判定が実行され、第2抽選条件の成立に基づいて第2抽選遊技の当否判定が実行される。その当否判定手段による第1抽選遊技の当否判定結果を示す第1識別情報と第2抽選遊技の当否判定結果を示す第2識別情報とが表示制御手段により同時に表示手段に動的表示される。その表示制御手段により動的表示される第1識別情報の第1動的表示期間と第2識別情報の第2動的表示期間とが、動的表示期間決定手段により複数の動的表示期間よりそれぞれ決定される。当否判定結果が当たりである場合に遊技者に有利となる第1特典とその第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典との少なくともどちらか一方を遊技者に付与することが特典決定手段により決定される。第1抽選遊技の当たりよりも第2抽選遊技の当たりに基づいて、特典決定手段により第2特典が決定され易い。動的表示期間決定手段により決定された第1動的表示期間の情報に基づいて演出実行手段により演出が実行される。これにより、遊技者に斬新な演出を行うことができる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機B1において、前記動的表示期間決定手段は、複数の動的表示期間で構成された第1動的表示期間群より前記第1動的表示期間を決定し、複数の動的表示期間で構成された第2動的表示期間群より前記第2動的表示期間を決定するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、動的表示期間決定手段により、複数の動的表示期間で構成された第1動的表示期間群から第1動的表示期間が決定され、複数の動的表示期間で構成された第2動的表示期間群から第2動的表示期間が決定されるので、変化に富んだ動的表示期間を選択することができるという効果がある。
遊技機B2において、複数の前記動的表示期間で構成された第1動的表示期間群が複数記憶された記憶手段と、その記憶手段から所定条件の成立に基づいて、1の前記第1動的表示期間群を決定する群決定手段とを有し、前記動的表示期間決定手段は、前記群決定手段により決定された前記第1動的表示期間群より1の前記第1動的表示期間を決定するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の動的表示期間で構成された第1動的表示期間群が記憶手段により複数記憶される。その記憶手段から所定条件の成立に基づいて、1の第1動的表示期間群が群決定手段により決定される。群決定手段によって決定された第1動的表示期間群から、動的表示期間決定手段により1の第1動的表示期間が決定される。これにより、遊技の制御を容易に行うことができるという効果がある。
遊技機B3において、前記複数の第1動的表示期間群には、動的表示期間の長い前記第1動的表示期間が前記動的表示期間決定手段により決定され易く構成された長第1動的表示期間群が含まれているものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、複数の第1動的表示期間群には、動的表示期間の長い第1動的表示期間が動的表示期間決定手段により決定され易く構成された長第1動的表示期間群が含まれるので、第1抽選遊技の回数を第2抽選遊技の回数よりも減らすことができ、より遊技者に有利となる遊技を提供できる。よって、遊技者に特別遊技状態へ移行することを期待させることができるという効果がある。
遊技機B4において、前記群決定手段は、前記第2特典が決定されたことに基づいて、前記長第1動的表示期間群を決定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、第2特典が決定されたことに基づいて、群決定手段により長第1動的表示期間群が決定されるので、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記演出実行手段は、前記表示手段に前記第2動的表示期間の情報に基づいた演出情報を表示するものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5のいずれかが奏する効果に加え、表示手段に第2動的表示期間の情報に基づいた演出情報が演出実行手段により表示されるので、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、前記当否判定手段により当たりと判定される確率が通常確率で設定される通常遊技状態とその通常遊技状態よりも当たりと判定される確率が高く設定される特別遊技状態との少なくともどちらか一方を設定する遊技状態設定手段と、前記特典決定手段は、前記第1特典の一つとして前記通常遊技状態と前記第2特典の一つとして前記特別遊技状態との少なくともどちらか一方を決定するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B1からB6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、当否判定手段により当たりと判定される確率が通常確率で設定される通常遊技状態とその通常遊技状態よりも当たりと判定される確率が高く設定される特別遊技状態とのどちらか一方が遊技状態設定手段により設定される。第1特典の一つとして通常遊技状態と第2特典の一つとして特別遊技状態との少なくともどちらか一方が特典決定手段により決定される。これにより、遊技の興趣をより向上できるという効果がある。
遊技機B1からB7のいずれかにおいて、前記特別遊技状態が設定されたことに基づいて、前記動的表示期間決定手段は、前記第1動的表示期間を決定する場合に前記第2動的表示期間よりも動的表示期間の長い動的表示期間を決定し易いものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B1からB7のいずれかが奏する効果に加え、特別遊技状態が設定されたことに基づいて第1動的表示期間を決定する場合に、第2動的表示期間よりも動的表示期間の長い動的表示期間が動的表示期間決定手段により決定され易いので、より第1抽選遊技の回数を減らすことで、遊技者に有利な状態を提供できるという効果がある。
遊技機B7またはB8において、前記第1抽選条件または前記第2抽選条件の成立に基づいて、前記当否判定手段による当否判定に用いられる抽選情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された抽選情報を記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記抽選情報について前記当否判定手段により当否判定されるよりも前に、事前に当否判定を実行する事前当否判定手段と、前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間を事前に判別する事前動的表示期間判別手段と、前記特別遊技状態が決定された場合に、前記事前動的表示期間判別手段により判別された判別結果に基づいて、前記通常遊技状態が設定されるまでの期間を判定する期間判定手段とを有し、前記演出実行手段は、前記期間判定手段により判定される期間の情報に基づいて演出を実行するものであることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B7またはB8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1抽選条件または第2抽選条件の成立に基づいて、当否判定手段による当否判定に用いられる抽選情報が取得手段により取得される。その取得手段により取得された抽選情報が記憶手段に記憶される。その記憶手段に記憶された抽選情報について当否判定手段により当否判定されるよりも前に、事前当否判定手段により事前に当否判定が実行される。動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間が事前動的表示期間判別手段により事前に判別される。特別遊技状態が決定された場合に、事前動的表示期間判別手段により判別された判別結果に基づいて、期間判定手段により通常遊技状態が設定されるまでの期間が判定される。期間判定手段により判定される期間の情報に基づいて演出実行手段により演出が実行される。これにより、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機B9において、前記事前当否判定手段により判定された結果、前記当たりとなる前記抽選情報が記憶されていると判定された場合に、前記遊技状態決定手段により決定される遊技状態を事前に判定する事前遊技状態判定手段を有し、前記演出実行手段は、前記事前遊技状態判定手段により、前記通常遊技状態が決定されると判定された場合には、その通常遊技状態が決定されている前記識別情報の動的表示が終了するまでの期間の情報に基づいて演出を実行するものであることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、事前当否判定手段により判定された結果、当たりとなる抽選情報が記憶されていると判定された場合に、遊技状態決定手段により決定される遊技状態が事前遊技状態判定手段により事前に判定される。事前遊技状態判定手段により、通常遊技状態が決定されると判定された場合には、その通常遊技状態が決定されている識別情報の動的表示が終了するまでの期間の情報に基づいて演出実行手段により演出が実行される。これにより、遊技者に斬新な演出をすることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機B9において、前記事前当否判定手段により判定された結果、前記当たりとなる前記抽選情報が記憶されていると判定された場合に、前記遊技状態決定手段により決定される遊技状態を事前に判定する事前遊技状態判定手段を有し、前記演出実行手段は、前記通常遊技状態となる前記抽選情報が記憶されていないと判別された場合には、前記記憶手段に記憶されている前記抽選情報に対応する前記識別情報の動的表示が終了するまでの期間内の期間の情報に基づいて演出を実行するものであることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、事前当否判定手段により判定された結果、当たりとなる抽選情報が記憶されていると判定された場合に、遊技状態決定手段により決定される遊技状態が事前遊技状態判定手段により事前に判定される。通常遊技状態となる抽選情報が記憶されていないと判別された場合には、記憶手段に記憶されている抽選情報に対応する識別情報の動的表示が終了するまでの期間内の期間の情報に基づいて演出実行手段により演出が実行される。これにより、遊技者に斬新な演出を提供できるという効果がある。
遊技機B7からB11のいずれかにおいて、前記群決定手段は、前記特別遊技状態が設定されている場合に、前記長第1動的表示期間群を決定するものであることを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、遊技機B7からB11のいずれかが奏する効果に加え、特別遊技状態が設定されている場合に、群決定手段により第1動的表示期間群が決定されるので、変化に富んだ演出を行うことができるという効果がある。
遊技機B4からB12のいずれかにおいて、前記長第1動的表示期間群は、前記複数の第2動的表示期間群よりも前記動的表示期間決定手段により長い動的表示期間が決定され易く構成されているものであることを特徴とする遊技機B13。
遊技機B13によれば、遊技機B4からB12の奏する効果に加え、複数の第2動的表示期間群よりも長い動的表示期間が、動的表示期間決定手段によって長第1動的表示期間群から決定され易く構成されているので、遊技者により有利な状態を設定し易くできるという効果がある。
遊技機B1からB13のいずれかにおいて、前記第2抽選条件が成立し易い第1状態とその第1状態よりも前記第2抽選条件が成立困難となる第2状態とを少なくとも設定する状態設定手段と、前記第1特典は前記第2特典よりも前記第2状態が設定され易く構成されているものであることを特徴とする遊技機B14。
遊技機B14によれば、遊技機B1からB13のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状態設定手段により、第2抽選条件が成立し易い第1状態とその第1状態よりも第2抽選条件が成立困難となる第2状態とが少なくとも設定される。第1特典は第2特典よりも第2状態が設定され易く構成される。これにより、遊技者に有利な状態を設定し易くして、遊技者が早期に飽きる不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴C群>(確変中小当たりするとテーブル切替によりフリーズ演出選択可能)
第1抽選条件の成立に基づいて、第1抽選遊技の判定を実行し、第2抽選条件の成立に基づいて、第2抽選遊技の判定を実行する判定手段と、その判定手段による前記第1抽選遊技の判定結果を示す第1識別情報と前記第2抽選遊技の判定結果を示す第2識別情報とを同時に表示手段に表示させることが可能な表示制御手段と、その表示制御手段により動的表示される前記第1識別情報の第1動的表示期間と前記第2識別情報の第2動的表示期間とを複数の動的表示期間よりそれぞれ決定する動的表示期間決定手段と、前記第1識別情報または前記第2識別情報が当たりを示す判定結果で表示された後に、遊技者に有利となる第1特典とその第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典とのうち少なくともどちらか一方を付与することを決定する特典決定手段とを有した遊技機において、前記特典決定手段は、前記第1識別情報が当たりで表示される場合よりも前記第2識別情報が当たりで表示される場合の方が、前記第2特典を決定し易く構成されたものであり、前記動的表示期間決定手段により決定される第1動的表示期間として複数の動的表示期間で構成された第1動的表示期間群が複数記憶された記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記複数の第1動的表示期間群より1の前記第1動的表示期間群を決定する群決定手段とを有し、前記複数の第1動的表示期間群には、前記動的表示期間決定手段により動的表示期間の長い前記第1動的表示期間が決定され易く構成された長第1動的表示期間群が含まれているものであり、前記群決定手段は、前記判定手段により特定の判定結果と判定されたことに基づいて、前記長第1動的表示期間群を決定することが可能に構成されたものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、判定手段により、第1抽選条件の成立に基づいて第1抽選遊技の判定が実行され、第2抽選条件の成立に基づいて第2抽選遊技の判定が実行される。その判定手段による第1抽選遊技の判定結果を示す第1識別情報と第2抽選遊技の判定結果を示す第2識別情報とが表示制御手段により同時に表示手段に表示される。その表示制御手段により動的表示される第1識別情報の第1動的表示期間と第2識別情報の第2動的表示期間とが動的表示期間決定手段により複数の動的表示期間からそれぞれ決定される。第1識別情報または第2識別情報が当たりを示す判定結果で表示された後に、遊技者に有利となる第1特典とその第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典とのうち少なくともどちらか一方を付与することが特典決定手段により決定される。第1識別情報が当たりで表示される場合よりも第2識別情報が当たりで表示される場合の方が、特典決定手段により第2特典が決定され易く構成される。動的表示期間決定手段により決定される第1動的表示期間として複数の動的表示期間で構成された第1動的表示期間群が記憶手段により複数記憶される。その記憶手段に記憶された複数の第1動的表示期間群より1の第1動的表示期間群が群決定手段により決定される。複数の第1動的表示期間群には、動的表示期間決定手段により動的表示期間の長い第1動的表示期間が決定され易く構成された長第1動的表示期間群が含まれる。判定手段により特定の判定結果と判定されたことに基づいて、群決定手段により長第1動的表示期間群が決定される。これにより、斬新な遊技性を提供することができる。よって、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機C1において、前記動的表示期間決定手段は、前記第1抽選遊技の判定結果を示す前記第1識別情報を動的表示する第1動的表示開始条件が成立した場合に、前記第1動的表示期間を決定し、前記第2抽選遊技の判定結果を示す前記第2識別情報を動的表示する第2動的表示開始条件が成立した場合に、前記第2動的表示期間をそれぞれ個別に決定するものであり、前記動的表示期間決定手段により決定された前記第1動的表示期間の情報に基づいて演出を実行する演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示期間決定手段により、第1抽選遊技の判定結果を示す第1識別情報を動的表示する第1動的表示開始条件が成立した場合に第1動的表示期間が決定され、第2抽選遊技の判定結果を示す第2識別情報を動的表示する第2動的表示開始条件が成立した場合に第2動的表示期間が決定される。動的表示期間決定手段により決定された第1動的表示期間の情報に基づいて演出実行手段により演出が実行される。これにより、斬新な演出を遊技者に行うことができる。よって、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機C1またはC2において、前記判定手段により、前記当たりまたは前記特定の判定結果と判定されたことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段を有することを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1またはC2の奏する効果に加え、判定手段により、当たりまたは特定の判定結果と判定されたことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技が特典遊技実行手段により実行されるので、遊技者に当たり以外にも期待をさせることができるという効果がある。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記判定手段により当たりと判定される確率が通常確率で設定される通常遊技状態と、前記通常確率よりも当たりと判定される確率の高い特別確率で設定される特別遊技状態との少なくともどちらか一方を設定する遊技状態設定手段を有し、前記第2特典が決定された場合は、その第2特典の一つとして前記遊技状態設定手段により前記特別遊技状態が前記第1特典よりも設定され易く構成されているものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段により当たりと判定される確率が通常確率で設定される通常遊技状態と、通常確率よりも当たりと判定される確率の高い特別確率で設定される特別遊技状態との少なくともどちらか一方が遊技状態設定手段により設定される。第2特典が決定された場合は、その第2特典の一つとして遊技状態設定手段により特別遊技状態が第1特典よりも設定されやすく構成される。これにより、遊技者に有利な遊技状態をより設定することができる。よって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機C4において、前記判定手段により前記特定の判定結果と判定されるのは、前記特別遊技状態が設定されている場合であることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、特別遊技状態が設定されている場合に判定手段により特定の判定結果と判定されるので、特別遊技状態の価値をより高めることができるという効果がある。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、前記複数の第1動的表示期間群には、前記長第1動的表示期間群よりも動的表示期間の長い前記第1動的表示期間が前記動的表示期間決定手段により決定され易く構成された特別長第1動的表示期間群が含まれており、前記群決定手段は、前記長第1動的表示期間群を決定している場合に、前記判定手段により前記特定の判定が実行されると、前記特別長第1動的表示期間群を決定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1からC5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の第1動的表示期間群には、長第1動的表示期間群よりも動的表示期間の長い第1動的表示期間が動的表示期間決定手段により決定され易く構成された特別長第1動的表示期間群が含まれる。長第1動的表示期間群を決定している場合に、判定手段により特定の判定が実行されると、群決定手段により特別長第1動的表示期間群が決定される。これにより、特定の判定結果となることの価値をより高めることができる。よって、当たり以外にも、特定の判定結果となることを期待させることができるという効果がある。
遊技機C1からC6のいずれかにおいて、前記群決定手段は、前記長第1動的表示期間群を決定した後に、所定条件が成立したことに基づいて、予め定められた前記第1動的表示期間群を決定するものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C1からC6のいずれかが奏する効果に加え、長第1動的表示期間群を決定した後に、所定条件が成立したことに基づいて、群決定手段により予め定められた第1動的表示期間群が決定されるので、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C1からC7のいずれかにおいて、前記第2抽選条件が成立する第1状態と、その第1状態よりも前記第2抽選条件が成立し易くなる第2状態とを設定可能な状態設定手段と、前記第1特典は、前記第2特典よりも前記状態設定手段により前記第1状態が設定され易くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C1からC7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2抽選条件が成立する第1状態と、その第1状態よりも第2抽選条件が成立し易くなる第2状態とが状態設定手段により設定される。第1特典は、第2特典よりも状態設定手段により第1状態が設定されやすくなるように構成される。これにより、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴D群>(特図1で通常当たりが開始された場合にも、小当たりにより出玉増)
第1条件の成立に基づいて、第1判別を実行し、第2判別条件の成立に基づいて、第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記第1判別の第1判別結果を示す第1識別情報と前記第2判別の第2判別結果を示す第2識別情報とを同時に表示手段に動的表示させることが可能な表示制御手段と、その表示制御手段により動的表示される前記第1識別情報の第1動的表示期間と前記第2識別情報の第2動的表示期間とを複数の動的表示期間よりそれぞれ決定する動的表示期間決定手段と、前記第1判別結果または前記第2判別結果が特定の前記第1判別結果または前記第2判別結果である場合に遊技者に有利となる第1特典とその第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典との少なくともどちらか一方を遊技者に付与することを決定する特典決定手段とを有した遊技機において、前記特定の第1判別結果であることを示す第1識別情報が表示される動的表示と前記特定の第2判定結果であることを示す第2識別情報が表示される動的表示とを同時に動的表示することを規制する動的表示規制手段と、前記判別手段により前記特定の第2判別結果でないと判別された場合に、前記第2特典とは異なる特殊特典を付与する特殊第2判別結果の成立を判定する特殊判定手段と、その特殊判定手段により前記特殊第2判別結果の成立が判定されたことを示す前記第2識別情報を動的表示する特殊動的表示手段とを有するものであることを特徴とする遊技機D1。
ここで、パチンコ機などの遊技機では、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、特別図柄の当たり抽選が行われて、その抽選結果を報知する動的表示が表示装置において実行される。また、複数の始動口を備え、それぞれの始動口に対応する特別図柄に基づく動的表示を同時に実行可能に構成したものがある。このような構成において、いずれかの特別図柄に基づく抽選が当たりとなった場合には、その他の特別図柄に基づく動的表示を中断(または停止)することで、いずれの特別図柄で当たりとなったかを、分かり易くするように構成した遊技機が提案されている(例えば、特開2005−319221号公報)。この場合、一方の特別図柄の抽選結果が当たりとなると、その他の特別図柄に基づく動的表示が中断(または停止)される。これにより、遊技者にとって有利な特典が付与される特別図柄に基づく抽選機会が減ることとなり、遊技の興趣が低下するという不具合があった。本技術特徴では、遊技の興趣を向上させる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機D1によれば、第1条件の成立に基づいて、第1判別が実行され、第2判別条件の成立に基づいて、第2判別が判別手段により実行される。その判別手段による第1判別の第1判別結果を示す第1識別情報と第2判別の第2判別結果を示す第2識別情報とを同時に表示手段に表示制御手段により動的表示される。その表示制御手段により動的表示される第1識別情報の第1動的表示期間と第2識別情報の第2動的表示期間とが複数の動的表示期間よりそれぞれ動的表示期間決定手段により決定される。第1判別結果または第2判別結果が特定の第1判別結果または第2判別結果である場合に遊技者に有利となる第1特典とその第1特典よりも遊技者に有利となる第2特典との少なくともどちらか一方を遊技者に付与することが特典決定手段により決定される。
特定の第1判定結果であることを示す第1識別情報が表示される動的表示と特定の第2判定結果であることを示す第2識別情報が表示される動的表示とを同時に動的表示することが動的表示規制手段により規制される。判別手段により特定の第2判別結果でないと判別された場合に、第2特典とは異なる特殊特典を付与する特殊第2判別結果の成立が特殊判定手段により判定される。その特殊判定手段により特殊第2判定結果の成立が判定されたことを示す第2識別情報が特殊動的表示手段により動的表示される。
これにより、特定の第1判別結果を示す第1識別情報が既に動的表示されている場合であっても、特殊第2判定結果を示す第2識別情報を表示手段に同時に表示させることができるので、特殊特典を効率よく遊技者に付与することができる。よって、第1識別情報と第2識別情報との動的表示に遊技者の興味をより持たせることができる。よって、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機D1において、遊技球が入球可能な第1状態とその第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段に遊技球が入球した場合に遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、前記第1特典または前記第2特典として所定条件が成立するまで前記可変入球手段が前記第1状態に可変される特典遊技と、前記特殊特典として前記特典遊技以下の短期間で前記可変入球手段が前記第1状態に可変される特殊特典遊技を実行する特典遊技実行手段とを有するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、特殊特典として、可変入球手段が第1特典または第2特典により実行される特典遊技以下の短期間で第1状態に可変されるので、遊技者に特殊特典として、第1特典または第2特典で得られる特典以下の特典を与えることができ、射幸性が高くなりすぎるのを抑制しつつ、遊技者の得られる特典を増大させることができるという効果がある。
遊技機D2において、前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果が通常時よりも判別される確率が高く設定される特別遊技状態と、前記特定の第1判別結果または前記特定の第2判別結果が判別される確率が前記通常時の確率に設定される通常遊技状態との少なくとも一方を設定する確率設定手段を有し、前記第2特典では、前記特典遊技後に前記特別遊技状態が前記確率設定手段により設定されるものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、第2特典では、特典遊技後に特別遊技状態が設定されるので、第1特典よりも第2特典を遊技者の有利にすることができ、第1特典か第2特典かのどちらが付与されるかを遊技者に期待させて遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記特典決定手段は、前記特定の第1判定結果である場合には、前記特定の第2判定結果である場合よりも前記第1特典を付与し易く構成されているものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの遊技機の奏する効果に加え、特定の第2判定結果となることにより期待させることができ、第2条件の成立を期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機D3またはD4において、前記通常遊技状態が設定されている場合には、前記第1条件が前記第2条件よりも成立し易く構成され、前記特別遊技状態が設定されている場合には、前記第2条件が前記第1条件よりも成立し易く構成されているものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D3またはD4の遊技機の奏する効果に加え、特別遊技状態となることで、第2条件が成立し易くなるので、通常遊技状態よりも第2特典が付与される機会を増大させることができ、連続して遊技者に第2特典が付与され易くできるという効果がある。
遊技機D5において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、前記第2入球手段に遊技球が入球し易い開放状態と、その開放状態よりも遊技球の入球が規制される規制状態に可変可能な可変手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、容易に第2入球手段への入球率を可変させることができるという効果がある。
遊技機D6において、遊技球が流下する第1流路と、その第1流路を流下した遊技球が流下し難い第2流路と、遊技者の操作に基づいて、前記第1流路と前記第2流路とにそれぞれ切り替えて遊技球を発射することが可能な発射手段と、を有し、前記第1流路に前記第1入球手段が配置され、前記第2流路に前記第1入球手段と前記第2入球手段とがそれぞれ配置されるものであることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、第2入球手段に遊技球を入球させて遊技を行う場合には、第1入球手段にも遊技球を入球させることとなり、第1識別情報と第2識別情報とが同時に動的表示させる機会を増大できるという効果がある。なお、第1識別情報では、第1特典が付与され易いので、第2特典が連続して付与され過ぎる不具合を抑制できる。さらに、第1識別情報が動的表示されることで、第1識別情報で特定の第1判定結果が表示されないことを遊技者は願い、第2識別情報で特定の第2判定結果が表示されることを願うので、遊技の興趣をより高めることができるという効果がある。
遊技機D7において、前記第2流路に配置された前記第1入球手段は、前記第1流路に配置された第1入球手段よりも遊技球の入球が困難に構成されており、前記通常遊技状態が設定されている場合には、前記第2入球手段よりも前記第1流路に配置された前記第1入球手段に遊技球が入球し易く構成されており、前記特別遊技状態が設定されている場合には、前記通常遊技状態である場合よりも前記可変手段が前記開放状態に可変され易く設定されることで、前記第1流路に配置された前記第1入球手段よりも前記第2入球手段に遊技球が入球し易く構成されるものであることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、通常遊技状態と特別遊技状態とで、遊技者が遊技球を流下させて行う流路を切り替えることができ、遊技に変化を与えることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴E群>(確変期間の復活演出)
第1条件の成立に基づいて、第1判別を実行し、第2条件の成立に基づいて、第2判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記第1判別の第1判別結果を示す第1識別情報と前記第2判別の第2判別結果を示す第2識別情報とを同時に表示手段に動的表示させることが可能な表示制御手段と、その表示制御手段により動的表示される前記第1識別情報の第1動的表示期間と前記第2識別情報の第2動的表示期間とを複数の動的表示期間よりそれぞれ決定する動的表示期間決定手段と、前記判別手段により判別される確率を通常時よりも高い高確率状態とその高確率状態よりも低い前記通常時の確率である低確率状態とのどちらか一方を設定する確率設定手段と、前記動的表示期間決定手段により決定された前記第1動的表示期間の情報に基づいて演出を実行する演出実行手段と、を有し、前記確率設定手段は、前記特定の第1判別結果となった場合に第1設定条件が成立することに基づいて前記低確率状態を設定し、第2設定条件が成立することに基づいて前記高確率状態を設定するものであり、前記演出実行手段は、前記特定の第1判別結果が判別される場合には特定の演出を実行するものであることを特徴とする遊技機E1。
ここで、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知する特別図柄の動的表示が表示装置において実行される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、当たりと判定される確率が通常の通常確率遊技状態と、当たりと判定される確率が高くなる高確率遊技状態とのいずれかの状態が設定される遊技機が提案されている(例えば、特開2005−319221号公報)。このような遊技機では、遊技者は、高確率遊技状態において特典遊技が実行された後に高確率遊技状態が継続して設定されるか否かに注目することとなる。よって、高確率遊技状態が継続されるか否かに関する演出において、更なる興趣の向上が求められていた。本技術特徴では、興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機E1によれば、特定の第1判別結果が判別されると、低確率状態または高確率状態が確率設定手段により設定されるので、演出実行手段により特定の演出を実行することで、確率が変更される可能性があることを事前に報知することができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機E1において、前記特定の演出は、前記低確率状態と前記高確率遊技状態とのどちらが設定されるかを成立する前記第1設定条件または前記第2設定条件に基づいて示唆する演出を含むものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、特定の演出により低確率状態であるか高確率状態であるかを早期に予測できるという効果がある。
遊技機E1またはE2において、第1取得条件または第2取得条件の成立に基づいて、情報を取得する情報取得手段と、その情報取得手段により取得された前記情報が少なくとも前記第1条件または前記第2条件が成立するまで記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報について、前記第1条件または前記第2条件が成立するよりも前に判定する事前判定手段と、その事前判定手段の判定結果に基づいて、前記動的表示期間決定手段により決定される前記第1動的表示期間または前記第2動的表示期間を事前に判別する事前期間判別手段と、を有し、前記演出実行手段により実行される前記演出は、前記事前期間判別手段により判別された前記第1動的表示期間に対応する期間情報を含むものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1またはE2の奏する効果に加え、事前期間判別手段により判別された第1動的表示期間に対応する期間情報を含む演出が実行されることで、第1識別情報が動的表示される期間を遊技者に動的表示の開始前に知らせることができ、遊技者に遊技の流れを早期に認識させて遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記演出実行手段により実行される演出は、前記高確率状態から前記低確率状態に移行して設定されるまでの残り期間を示唆する残期間情報を含むものであることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかの奏する効果に加え、演出実行手段により実行される演出により、高確率状態から低確率状態に移行するまでの残り期間が示唆される残期間情報が報知されるので、第2判別により高確率で判別されることをより期待して遊技を行わせることができるという効果がある。また、高確率状態が付与される期間を分かり易くできるという効果がある。
遊技機E1からE4のいずれかにおいて、前記演出実行手段は、前記第2設定条件が成立することに基づいて前記特定の演出を実行するものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E1からE4のいずれかの奏する効果に加え、第2設定条件が成立することに基づいて、特定の演出が実行されるので、遊技者に高確率状態が設定されることが決定したタイミングで報知することが可能となり、より斬新な演出を行うことができるという効果がある。
遊技機E1からE4のいずれかにおいて、前記第2設定条件が成立することが可能か否かを前記第1識別情報の動的表示を開始するよりも前に判別可能な事前条件判別手段を有し、前記演出実行手段は、前記第2設定条件が成立可能であることが前記事前条件判別手段により判別された場合に前記特定の演出の実行を開始するものであることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E1からE4のいずれかの奏する効果に加え、第2設定条件が成立するよりも前に、特定の演出の実行を開始することができ、第2設定条件の成立を事前に遊技者に示唆して、遊技者の期待を高めることができるという効果がある。
遊技機A1からA14、B1からB14、C1からC8、D1からD8、E1からE6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA14、B1からB14、C1からC8、D1からD8、E1からE6のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA14、B1からB14、C1からC8、D1からD8、E1からE6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
S305,S705 判別手段
S505,S905 動的表示期間決定手段
S506,S906 表示制御手段
S423,S424,S803,S804 確率設定手段
S1053 特典遊技実行手段の一部
S1255 特典遊技実行手段の一部(大当たり制御処理)
202e 設定手段の一部