<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしても良い。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作ハンドル24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、演出ボタン25右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作ハンドル24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の左部及び右部には、動作する可動演出部材によって、特図変動表示ゲームを含む遊技の演出を行う可動演出装置をなす盤演出装置44が設けられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
また、センターケース40の左下部には、表示装置41で表示する飾り特図変動表示ゲームとは別に飾り特図変動表示ゲームを実行する第4図柄の表示や、始動記憶数の表示を行うサブ情報表示装置90が設けられている。
このサブ情報表示装置90は、第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを実行する第4図柄を表示するサブゲーム表示部をなす単一の発光部で構成された第1サブゲーム表示部91と、第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを実行する第4図柄を表示するサブゲーム表示部をなす単一の発光部で構成された第2サブゲーム表示部92と、を備える。さらに、二つの発光部により第1特図変動表示ゲームを実行する権利である第1始動記憶の数を示す第1サブ表示部93と、二つの発光部により第2特図変動表示ゲームを実行する権利である第2始動記憶の数を示す第2サブ表示部94と、を備える。
第1サブゲーム表示部91と、第2サブゲーム表示部92では、対応する特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す表示や、結果を示す表示を発光部の消灯、点滅、点灯により表示可能である。また、第1サブ表示部93、第2サブ表示部94は、第1始動記憶(特図1保留)、第2始動記憶(特図2保留)の数を、それぞれ二つの発光部の消灯、点滅、点灯により表示可能である。
サブ情報表示装置90を表示装置41とは別途に設けたことで、第4図柄を表示装置41に表示することにより表示装置41の表示領域を占有することがなく、表示領域を有効に活用することができる。なお、サブ情報表示装置90は、盤演出装置44の動作範囲外に設けられており、盤演出装置44が動作する過程でサブ情報表示装置90が覆われてしまうことがないようにされている。
遊技領域32におけるセンターケース40の下方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート34(普図始動ゲート、始動領域、流入領域)が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって普図始動ゲート34よりも下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口、始動領域、流入領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。
また、始動入賞口36の直下には、第2特図変動表示ゲームの開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動領域、流入領域)が設けられている。
普通変動入賞装置37は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにものとしても良い。
また、普通変動入賞装置37の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
さらに、遊技領域32におけるセンターケース40の下方であって、始動入賞口36よりも右側には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)が配設されている。本実施形態の遊技機では、大入賞口スイッチ38aが2つ設けられ、大入賞口内に流入した遊技球は何れかの大入賞口スイッチ38aに検出されるようになっている。このように大入賞口スイッチ38aを複数設けることで、大入賞口内に流入した遊技球を迅速に検出できる。
本実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37や特別変動入賞装置38への入賞を狙うことができるようになっている。
ここで、本実施形態の遊技機10において、右側遊技領域に対応する位置には、センターケース40の右端部に取り付けられた流路形成部材42が配設されており、右側遊技領域へと発射された遊技球は、流路形成部材42によって形成される流路を通過するよう構成されている。なお、流路形成部材42の少なくとも前面の材質は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球を外部から視認可能な材質になっているので、遊技者等は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球(すなわち、右側遊技領域を流下する遊技球)を、流路形成部材42の前方から流路形成部材42を透して視認することができる。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54,55,56とを備える。
また、一括表示装置50には、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態であることを報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器、右打ち報知部)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器、時短状態報知部)58、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)59、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
なお、一括表示装置50には、更に、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する表示部(表示器)等が設けられていてもよい。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。点滅周期は、例えば100m秒に設定されている。なお、本実施形態の場合、特図1表示器51における特図変動表示ゲームにおいては、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するよう構成されている。
そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。また、普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。
第1遊技状態表示部(右打ち報知部)57は、LEDランプ等で構成され、右打ちよりも左打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(通常打ち時)にはランプを消灯状態にし、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(右打ち時)にはランプを点灯状態にする。
第2遊技状態表示部(時短状態報知部)58は、LEDランプ等で構成され、時短状態が発生していない通常の遊技状態の場合(変動時間短縮機能未作動時)にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合(変動時間短縮機能作動時)にはランプを点灯状態にする。
第3遊技状態表示部(確率状態表示部)59は、LEDランプ等で構成され、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態(確変状態)の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部60は、LEDランプ等で構成され、例えば、特別遊技状態中でない場合にはランプを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。すなわち、遊技制御装置100が電源遮断状態でも記憶したデータを保持可能なバックアップ記憶手段なす。そして、電源復旧時にはバックアップ記憶手段により保持されたデータに基づき制御を再開可能に構成されている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当り又は小当り)あるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a及び大入賞口スイッチ38aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。
また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
さらに、第3入力ポート124には、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられた確率設定値を複数から選択するための操作部における操作を検出する検出手段をなす設定値変更スイッチ151と設定キースイッチ152からの信号が入力される。
設定キースイッチ152は、操作部のうちの第1操作部をなす設定キー操作部の操作を検出するものである。設定キー操作部は、設定キーを差し込む鍵穴を備え、対応する設定キーを差し込んだ場合にのみ第1位置から第2位置(所定状態)へ当該設定キーを回すことができるように構成されている。設定キースイッチ152は、第2位置へ回した状態となっていることを検出可能なセンサであり、第2位置に回した状態である場合にオン状態となり、第2位置に回していない状態である場合にオフ状態となる。
設定値変更スイッチ151は、操作部のうちの第2操作部をなす設定値変更ボタンの操作を検出するものである。設定値変更ボタンはプッシュ式のボタンであり、設定値変更スイッチ151は、設定値変更ボタンが押下されている状態である場合にオン状態となり、押下されていない場合にオフ状態となる。
これらの操作部を操作することで、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられた確率設定値を選択することができ、選択された確率設定値に対応する確率値が遊技で使用されるようになっている。ここでは確率設定値として設定1〜設定6の6つが用意されている。各確率設定値に割り当てられた確率値は、設定1では1/320、設定2では1/310、設定3では1/300、設定4では1/290、設定5では1/280、設定6では1/270とされている。この確率値は通常確率状態での確率値であり、高確率状態での確率値は通常確率状態での確率値の10倍とされている。
確率設定値を選択する際には、まず、前面枠12を開放した状態とし、さらに設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態で遊技機の電源を投入することで確率設定値を変更可能な確率設定値変更状態となり、この確率設定値変更状態で設定値変更ボタンを押下することで確率設定値を変更することができるようになっている。選択されている確率設定値は確率設定値表示装置153に表示される。
また、前面枠12が閉鎖された状態で設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態として電源を投入した場合や、遊技機の電源を投入した後に設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した場合は、現在選択されている確率設定値が確率設定値表示装置153に表示されるが確率設定値の変更はできない確率設定値確認モードとなる。
確率設定値表示装置153は7セグメント式のディスプレイであり、確率設定値を1〜6の数字で表示するようになっている。もちろん表示態様はこれに限られず、確率設定値を認識できる表示態様であれば良い。また、液晶表示装置など他の形式の表示装置でも良いし、一又は複数のLEDの点灯態様や発光色等により確率設定値を示すものであっても良い。また、確率設定値表示装置153を設けず、算出されたベース値や役物比率を表示するための状態表示装置160を用いて確率設定値の情報を表示するようにしても良い。この場合、確率設定値に関する操作をしている間(確率設定値変更状態や確率設定値確認モードなど)では確率設定値の情報を表示し、それ以外は算出されたベース値や役物比率の表示を優先するようにする。
なお、本実施形態では設定値変更ボタン、設定キー操作部及び確率設定値表示装置153などを遊技制御装置100に設けており、遊技制御装置100が、特図変動表示ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を操作部の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段をなすものとしている。この設定手段の機能を設定用副基板に設け、遊技制御装置100に接続する構成としても良い。すなわち、遊技制御装置100とは別個に設定手段を備えるようにしても良い。この場合、設定値変更スイッチ151や設定キースイッチ152の操作信号が遊技制御装置100に入力されて遊技制御装置100で確率設定値の変更を行うようにしても良いし、設定用副基板側で設定値変更スイッチ151や設定キースイッチ152の操作に基づき確率設定値を変更して決定し、決定結果が遊技制御装置100に送信されるようにしても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)、アウト球検出スイッチ信号(遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出するアウトスイッチでの検出に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、第2出力ポート134は、算出されたベース値や役物比率を表示するための状態表示装置160の表示データを出力する。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。また、出力部130には、選択されている確率設定値を表示する確率設定値表示装置153の表示データを出力するための第6出力ポート170が設けられている。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第2出力ポート134から出力される表示データを受けて状態表示装置160に表示させるための第5ドライバ138eが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46やサブ情報表示装置90を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備え、動作する可動演出部材によって、特図変動表示ゲームを含む遊技の演出を行う可動演出装置をなす枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図3参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図始動記憶数が上限数(例えば、4個)未満ならば普図始動記憶数を加算(+1)してROM111Bに普図始動記憶を1つ記憶する。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、ゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき抽出された普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっている。
そして、普図始動記憶があり普図変動表示ゲームを開始可能な場合、すなわち、普図変動表示ゲームの実行中でなく、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37を開状態に変換する当り状態でもない場合は、最先に記憶された普図始動記憶に記憶された当り判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定し、普図変動表示ゲームを開始する処理を行う。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
また、遊技制御装置100は普図変動表示ゲームを実行する処理として、一括表示装置50に設けられた普図表示器53に、所定の変動時間に亘り予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する普図変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。なお、普図表示器53を表示装置41で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。
普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、当りの種類に対応して普図表示器53に特別の結果態様をなす第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の何れかとなる点灯パターンを停止表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.5秒間又は1.7秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様となる点灯パターンを表示する制御を行う。
また、始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれ内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、始動入賞口36への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第1始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶するとともに、普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第2始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶する。始動入賞口36や普通変動入賞装置37への入賞に基づき、それぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出されるようになっており、抽出された乱数値は、第1始動記憶や第2始動記憶としてRAM111Bに記憶される。そして、この始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の特図1保留表示器54や特図2保留表示器55に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。また、サブ情報表示装置90の第1サブ表示部91や第2サブ表示部92においても表示される。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが開始可能な状態となると、開始する特図変動表示ゲームに応じた最先の始動記憶に記憶された大当り判定用乱数値と、ROM111Bに記憶され、確率設定値に応じて設定される判定値と比較し、特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理などを行う。さらに、遊技制御装置100のCPU111Aは、実行する特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。
そして、第1特図変動表示ゲームを実行する場合は、所定の変動時間に亘り特図1表示器51(変動表示装置)で予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する特図1変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する第1特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、第2特図変動表示ゲームを実行する場合は、所定の変動時間に亘り特図2表示器52(変動表示装置)で予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する特図2変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する第2特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41(変動表示装置)で特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、サブ情報表示装置90のサブゲーム表示部で特図変動表示ゲームに対応して発光部の発光態様を変化させる飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1表示器51又は特図2表示器52に特別結果態様や小当り結果態様となる点灯パターンを表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理を行う。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様や小当り結果態様となる。
特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置100のCPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51又は特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態、第2動作状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が0に設定されている。すなわち、普通変動入賞装置37の動作状態を、第1動作状態と、該第1動作状態よりも入賞が容易な第2動作状態と、の何れかの動作状態で制御するように構成されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、例えば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、例えば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×3回)、となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行うよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定しても良く、例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動時間よりも短い第2変動時間となるように制御することが可能である(例えば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば、2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、例えば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、例えば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
なお、特図1表示器51と特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行(優先して実行)されるようになっている。また、本実施形態の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出するアウトスイッチには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5及び図6に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図7に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図5及び図6に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップS4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート3(第3入力ポート124)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第3入力ポート124には、設定値変更スイッチ151及び設定キースイッチ152からの信号や本体枠開放検出スイッチからの信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第3入力ポート124の状態を読み込むことで、電源投入時における設定値変更スイッチ151及び設定キースイッチ152の状態や、前面枠12(本体枠)の開放状態を把握することができる。すなわち、遊技制御装置100が前面枠12の開閉状態を検出可能な開閉検出手段をなす。上述したように、前面枠12を開放した状態とし、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態で電源を投入した場合には、確率設定値を変更可能な確率設定値変更状態となる。また、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態とせず、設定値変更ボタンを押下した状態で電源を投入した場合には、RAM111Cのクリア(初期化)が行われるようになっている。設定キー操作部や設定値変更ボタンは前面枠12を開状態としなければ操作できないものであることから前面枠12の開放が条件とされている。
待機時間の開始前に第3入力ポート124の状態を読み込むことで、設定値変更ボタンの操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定値変更スイッチ151の状態を読み込むようにすると、電源投入から待機時間の経過まで設定値変更ボタンを操作し続ける必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても良くなり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(ステップS15)。
次いで、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップS16)、正常であれば(ステップS16;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップS17)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS18)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS19)。すなわち、遊技制御装置100が、電源の投入時に記憶手段に記憶されている情報が正当なものであるかを判定する正当性判定手段をなす。チェックサムが一致する場合(ステップS19;Y)は、RAMクリア先頭アドレス2を設定し(ステップS20)、確率設定値変更状態であるかを判定する(ステップS21)。確率設定値変更状態である場合には確率設定値変更中フラグがセットされていることから判別可能である。
この確率設定値変更状態である場合(ステップS21;Y)は、ステップS35に移行し、RAMの初期化の処理と確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理を行う。なお、ここで確率設定値変更中であると判定されるのは、確率設定値変更状態中に電源が遮断され、RAMのデータが正常にバックアップされていた場合であり、この場合は再び確率設定値変更状態となるようにされている。また、確率設定値変更状態でない場合(ステップS21;N)は、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から本体枠(前面枠12)は開放状態であるかを判定する(ステップS22)。
RAM111Cの記憶領域には、先頭から順に確率設定値用の領域、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域、遊技制御用の領域、状態表示用の領域が設定されている。確率設定値用の領域には、現在設定されている確率設定値の情報を格納する確率設定値領域や、確率設定値の変更又は確認の処理で一時的に各種情報を格納する作業領域が設定される。この作業領域には、確率設定値変更状態で選択されている確率設定値の情報を格納する作業用確率設定値領域や、各種フラグを格納する領域が含まれる。また、初期値乱数用の領域には随時更新される大当り図柄初期値乱数、小当り図柄初期値乱数、当り初期値乱数、当り図柄初期値乱数が格納される。また、変動パターン乱数用の領域には、随時更新される変動パターン乱数1〜3が格納される。また、遊技制御用の領域には、遊技制御を行うために必要な情報(各種データやプログラム)が格納されるワーク領域や、スタック領域が設定される。また、状態表示用のワーク領域には、ベース値や役物比率などを表示するために必要な情報が格納されるワーク領域や、スタック領域が設定される。
ベース値は、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球(セーフ球及びアウト球)を検出するアウトスイッチでの遊技球の検出数や入賞領域への入賞に基づく払出数から算出される値であり、ベース値を表示するために必要な情報は、例えば、アウトスイッチでの遊技球の検出数に関する情報と、入賞領域への入賞に基づく払出数に関する情報とを含む。また、役物比率は、遊技機10の電源投入から現在までに入賞口に入賞したことで得られた全賞球数(賞球の合計数)のうち、大当り状態中(すなわち、ファンファーレ及びエンディング中は除外)に大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(いわゆる連続役物比率)であり、役物比率を表示するために必要な情報は、例えば、全賞球数(賞球の合計数)に関する情報と、賞球数(役物別獲得球数)に関する情報とを含む。
RAMクリア先頭アドレス2は、初期値乱数用の領域の先頭アドレスであり、このアドレスを設定した状態でRAMをクリアする処理を行うことで、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域がクリアされることとなる。なお、初期値乱数用の領域及び変動パターン乱数用の領域をクリア対象に含めないようにしても良い。また、後述するRAMクリア先頭アドレス1は、確率設定値用の領域の先頭アドレスであり、このアドレスを設定した状態でRAMをクリアする処理を行うことで、確率設定値用の領域、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域(ワーク領域とスタック領域)がクリアされることとなる。さらに、後述するRAMクリア先頭アドレス3は、遊技制御用の領域の先頭アドレスであり、このアドレスを設定した状態でRAMをクリアする処理を行うことで、遊技制御用の領域がクリアされることとなる。
なお、状態表示用の領域については、後述するタイマ割込み処理での状態表示編集出力処理において正当性を判定して異常である場合に初期化するようにしているが、バックアップされた情報が正常でない場合に設定されるRAMクリア先頭アドレス1が設定された状態でのRAMをクリアする処理において状態表示用の領域についても初期化するようにしても良い。すなわち、RAMクリア先頭アドレス1が設定された状態でのRAMをクリアする処理では、RAM111Cの全ての領域を初期化するようにしても良い。
ステップS18及び後述のステップS57のチェックサム算出処理では、遊技制御用のワーク領域のみを対象としてチェックサムを算出する。なお、確率設定値用の領域、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域、遊技制御用の領域及び状態表示用の領域のうちの一つ又は複数を対象としても良い。複数の領域を対象とする場合、それぞれの領域のチェックサムを個別に算出しておき、正当性を個別に判定するようにしても良いし、それぞれの領域のチェックサムを合算し、正当性を一括して判定するようにしても良い。
本体枠が開放状態である場合は(ステップS22;Y)は、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から設定キースイッチがオン状態であるかを判定する(ステップS23)。設定キースイッチがオン状態である場合(ステップS23;Y)は、ステップS35に移行し、RAMの初期化の処理と確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理を行う。また、設定キースイッチがオン状態でない場合(ステップS23;N)や、本体枠が開放状態でない場合(ステップS22;N)は、ステップS24に移行し、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から設定値変更スイッチがオン状態であるかを判定する(ステップS24)する。
設定値変更スイッチがオン状態でない場合(ステップS24;N)は、ステップS30に移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。また、設定値変更スイッチがオン状態である場合(ステップS24;Y)は、ステップS41に移行し、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用のRAM領域の初期化の処理を行う。すなわち、設定値変更スイッチ151が、外部からの操作が可能な初期化操作部としての機能も有し、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
一方、停電検査領域の値が正常なチェックデータでないと判定された場合(ステップS16;NもしくはステップS17;N)、チェックサムが一致しないと判定された場合(ステップS19;N)は、ステップS25へ移行して、全てのRAM領域の初期化の処理を行う。すなわち、確率設定値用のRAM領域及び状態表示用のRAM領域は、RAM異常が生じた場合にのみ初期化される。また、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用のRAM領域は、上述したように設定値変更スイッチ151がオンにされた場合だけでなく、RAM異常が生じた場合にも初期化される。
まず、RAMクリア先頭アドレス1を設定し(ステップS25)、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から本体枠(前面枠12)は開放状態であるかを判定する(ステップS26)。本体枠が開放状態である場合は(ステップS26;Y)は、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から設定キースイッチがオン状態であるかを判定する(ステップS27)。設定キースイッチがオン状態である場合(ステップS27;Y)は、ステップS35に移行し、RAMを初期化する処理と確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理を行う。なお、後述するように、ステップS35、S36においてはRAMを初期化するようになっており、この場合はRAMクリア先頭アドレス1が設定されているので、確率設定値用の領域、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域(ワーク領域とスタック領域)がクリアされて初期値がセーブされる。なお、状態表示用の領域についてもここで初期化するようにしても良い。
また、設定キースイッチがオン状態でない場合(ステップS27;N)や、本体枠が開放状態でない場合(ステップS26;N)は、設定変更指示のコマンド(特定情報)を演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップS28)、RAMアクセスを禁止し(ステップS29)、制御を停止して遊技機の電源の遮断を待つ。演出制御装置300では、設定変更指示のコマンドを受信することに基づき、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値の変更を促す報知を行う。この報知は遊技機の電源遮断まで継続される。
この場合、遊技機の電源を遮断した後、前面枠12を開放した状態として設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態で再度電源を投入すれば、ステップS27の処理で設定キースイッチがオン状態であると判定され(ステップS27;Y)、ステップS35に移行し、RAMを初期化する処理と確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理を行う。なお、ステップS29に移行して制御が停止した場合に、遊技機の電源を遮断した後に前面枠12を開放せずに又は設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態とせずに再度電源を投入した場合は、RAMのデータが異常なままであるとともに確率設定値変更状態への移行もできないので、再びステップS28、S29の処理に至ることとなる。
なお、ステップS28において演出制御装置300に設定変更指示コマンドを送信することで報知を行うようにしているが、遊技制御装置100が報知を行うようにしても良い。例えば、遊技制御装置100が制御する一括表示装置50において報知を行うようにしても良く、特図1表示器51や特図2表示器52において、識別情報として用いられない表示を行うようにしても良いし、異常を報知するための表示器を設けても良い。
停電から正常に復旧した場合の処理として図6のステップS30では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS30)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS31)。
ここで、特図の高確率中でない場合(ステップS31;N)は、ステップS32,S33をスキップしてステップS34へ移行する。また、特図の高確率中である場合(ステップS31;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS32)、遊技盤30に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS33)。
そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS34)、ステップS45へ進む。本実施形態の場合、ステップS34では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、選択されている確率設定値の情報である確率設定値情報、画面指定コマンド(例えば、客待ち状態中の場合には客待ちデモコマンド、それ以外の場合には復旧画面コマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。特に、演出制御装置300に選択されている確率設定値の情報である確率設定値情報を送信することで、確率設定値に応じた演出を行うことや、確率設定値に応じて遊技の演出の選択確率を異ならせるなど、確率設定値を示唆又は報知する演出を実行可能となる。
画面指定コマンドは、再開された遊技の状態に応じたコマンドを送信する。制御の再開に伴い電源遮断により中断された特図変動表示ゲームを再開する場合には、画面指定コマンドとして復旧情報をなす復旧画面コマンドを送信する。さらにこの場合は、再開される特図変動表示ゲームの結果に関する情報も送信する。また、客待ち状態中に電源が遮断されて電源の復旧により客待ち状態で制御を再開する際には画面指定コマンドとして客待ちデモコマンドを送信する。また、制御の再開に伴い電源遮断により中断された特別遊技状態を再開する場合には、画面指定コマンドとして特別遊技状態再開コマンドを送信する。
また、RAMの初期化の処理と確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理として図6のステップS35では、クリア対象のRAM領域を0クリアし(ステップS35)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS36)。ここで、バックアップされた情報が正常でありステップS21又はS23から移行した場合は、RAMクリア先頭アドレス2が設定されているので、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)が0クリアされて初期値がセーブされる。すなわち、確率設定値用の領域及び状態表示用の領域は初期化されない。ただし、初期値乱数用の領域及び変動パターン乱数用の領域はクリアしなくても良い。
一方、バックアップされた情報が異常でありステップS27から移行した場合は、RAMクリア先頭アドレス1が設定されているので、確率設定値用の領域、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域(ワーク領域とスタック領域)がクリアされて初期値がセーブされる。すなわち、遊技制御装置100が、操作部(ここでは設定キー操作部)の操作に基づき記憶手段を初期化可能な初期化手段をなす。なお、状態表示用の領域についてもここで初期化するようにしても良い。
また、初期化すべき領域とは、0クリアした領域のうち0以外の値をセットしたい領域であり、例えば客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。また、すべてのRAM領域を0クリアした場合には、確率設定値用の領域に0がセットされることにより確率設定値は設定1となる。最も確率が低い確率設定値が設定されるようにしたことで、異常や不正行為によりRAMクリアされた場合でも遊技店の被害を最小限とすることができる。なお、初期値として0以外の値を設定するようにすれば、RAM領域の全てが初期化された際に特定の確率設定値(例えば設定3)が設定されるようにすることもできる。
その後、確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理として確率設定値変更中フラグをセットする(ステップS37)。これにより確率設定値変更状態となる。次に、確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブする(ステップS38)。これにより確率設定値表示装置153に現在設定されている確率設定値の情報を表示可能となる。
そして、確率設定値領域の値をロードし、作業用確率設定値領域にセーブし(ステップS39)、確率設定変更中のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップS40)、ステップS45に移行する。演出制御装置300では、確率設定変更中のコマンドを受信することに基づき、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値の変更中である旨を示す報知を行う。なお、RAMが初期化されているが、ここではRAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送信しない。また、セキュリティ信号を出力するための設定も行われる。この場合、タイマを設定して所定時間だけセキュリティ信号が出力されるようにしても良いし、確率設定値変更状態である期間では継続してセキュリティ信号が出力されるようにしても良い。また、ここでは未だRAMの初期化が行われていないことから、セキュリティ信号を出力するための設定を行わないようにしても良い。
また、遊技制御用のRAM領域の初期化の処理として図6のステップS41では、RAMクリア先頭アドレス2を設定し(ステップS41)、クリア対象のRAM領域を0クリアし(ステップS42)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS43)。これにより初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)が0クリアされて初期値がセーブされる。また、セキュリティ信号を出力するためのタイマの設定も行われる。すなわち、遊技制御装置100が、操作部(ここでは設定値変更ボタン)の操作に基づき記憶手段を初期化可能な初期化手段をなす。
そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS44)、ステップS45へ進む。本実施形態の場合、ステップS44では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、選択されている確率設定値の情報である確率設定値情報、RAM初期化コマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。特に、演出制御装置300に選択されている確率設定値の情報である確率設定値情報を送信することで、確率設定値に応じた演出を行うことや、確率設定値に応じて遊技の演出の選択確率を異ならせるなど、確率設定値を示唆又は報知する演出を実行可能となる。
ステップS45では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS45のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS46)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS47)、割込みを許可する(ステップS48)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS49)を行う。本実施形態において、初期値乱数更新処理では、大当り図柄初期値乱数と、小当り図柄初期値乱数と、当り初期値乱数と、当り図柄初期値乱数とを更新(例えば+1更新)する。ここで、「大当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことであり、「小当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの小当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。また、「当り初期値乱数」は、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数のことであり、「当り図柄初期値乱数」は、普図変動表示ゲームの当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。このように、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。なお、小当り図柄乱数は、小当りのない機種では当然存在しない。また、機種によっては、当り図柄初期値乱数が存在しない遊技機もある。
また、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1、あるいは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップS49の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS50)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS51)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS51;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS49)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS49)の前に割り込みを許可する(ステップS48)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS49での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS51;Y)は、ステップS50で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS52)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS52;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS51)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS52;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS53)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS54)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS55)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS56)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS57)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS58)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS59)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(設定値変更ボタン、設定キー操作部)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
なお、以上のメイン処理において、ステップS28の処理を行った後、ステップS26の処理に戻るようにし、設定キースイッチがオン状態とされるまでステップS26〜S28の処理を繰り返し行うようにしても良い。すなわち、遊技の制御を停止して設定キースイッチがオン状態とされるまで待機するようにしても良い。この場合、ステップS26及びS27では、ステップS6で読み込んだ第3入力ポート124の状態ではなく、現時点での第3入力ポート124の状態に基づき判定を行うようにする。さらに、ステップS26〜S28の処理を繰り返し行う状態が一定時間にわたり継続した場合にはステップS29に移行して電源の遮断を待つようにしても良い。
また、ここでは確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態へ移行する条件を、本体枠(前面枠12)が開放状態であり、設定キースイッチがオン状態であることとしたが、前面枠12の開放状態については条件としなくても良い。また、前面枠12の開放とガラス枠15の開放の両方を条件としても良いし、ガラス枠15の開放のみを条件としても良い。
また、設定キースイッチを備えずに、設定値変更スイッチがオン状態であることのみを条件に確率設定値変更状態に移行するようにしても良い。すなわち、ステップS22、S23の処理を行わず、ステップS24で設定値変更スイッチがオン状態である場合(ステップS24;Y)に図6のステップS35に移行するようにしても良い。この場合、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域を初期化する図6のステップS41〜S44の処理は行われなくなるが、確率設定値変更状態で設定を変更せずに終了する又は同じ確率設定値を設定して終了することで初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び遊技制御用の領域のみの初期化を行うことができる。このように設定値変更スイッチがオン状態であることのみを条件として確率設定値変更状態に移行するようにすれば、従来のパチンコ遊技機におけるRAMクリアスイッチの構成を流用することができる。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、制御手段は、電源遮断状態でも記憶内容を保持可能な記憶手段(RAM111C)と、電源の投入時に記憶手段に記憶されている情報が正当なものであるかを判定する正当性判定手段(遊技制御装置100)と、確率設定値を選択するための操作部の操作に基づき記憶手段を初期化可能な初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、正当性判定手段により、記憶手段に記憶されている情報が正当なものでないと判定された場合に、確率設定値の選択を促す報知を行うようにしたこととなる。したがって、正常な状態への復帰を促すことができる。また、RAM111Cが初期化されることにより、遊技店において設定した確率設定値の情報も失われ初期値が設定されることとなるが、確率設定値の選択を促す報知を行うことで、初期化によって遊技店が意図しない確率設定値が設定されたままの状態となることを防止することができる。
また、制御手段は、電源の投入時に操作部が操作されている場合に確率設定値の選択が可能な状態となるように構成され、正当性判定手段により、記憶手段に記憶されている情報が正当なものでないと判定された場合には、電源の遮断まで確率設定値の選択を促す報知を継続するようにしたこととなる。したがって、正常な状態への復帰を促すことができるとともに初期化によって遊技店が意図しない確率設定値が設定されたままの状態となることを防止することができる。
また、制御手段は、正当性判定手段により、記憶手段に記憶されている情報が正当なものでないと判定された場合に、遊技の制御を停止して確率設定値の選択を待機するようにしたこととなる。したがって、正常な状態への復帰を促すことができるとともに初期化によって遊技店が意図しない確率設定値が設定されたままの状態となることを防止することができる。
また、遊技の制御を行う遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段からの情報に基づき演出の制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、遊技制御手段は、正当性判定手段により、記憶手段に記憶されている情報が正当なものでないと判定された場合に、特定情報を演出制御手段に送信して遊技の制御を停止し、演出制御手段は、特定情報を受信することに基づき確率設定値の選択を促す報知を行うようにしたこととなる。したがって、正常な状態への復帰を促すことができるとともに初期化によって遊技店が意図しない確率設定値が設定されたままの状態となることを防止することができる。
また、演出制御手段は、特定情報を受信した場合には、電源の遮断まで確率設定値の選択を促す報知を継続するようにしたこととなる。したがって、正常な状態への復帰を促すことができるとともに初期化によって遊技店が意図しない確率設定値が設定されたままの状態となることを防止することができる。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、第1操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152))及び第2操作部(設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、制御手段は、電源遮断状態でも記憶内容を保持可能な記憶手段(RAM111C)を備え、電源の投入時に、第1操作部及び第2操作部が操作されていない場合は、記憶手段に記憶保持された情報に基づき復旧し、電源の投入時に、第1操作部が操作されている場合は、設定手段による確率設定値の変更を可能とする変更可能状態とし、電源の投入時に、第2操作部のみが操作されている場合は、記憶手段を初期化するようにしたこととなる。したがって、確率設定値の変更とRAMのクリアの作業を最小限の操作部を用いてそれぞれ選択的に行うことができ、遊技店での作業効率を高めることができる。また、操作部を必要以上に設けなくても良くなり遊技機の製造のコストを低減することができ、さらに、操作部を設けるスペースも少なくて済むようになる。
また、設定手段は、変更可能状態において第2操作部を操作することにより、確率設定値を変更可能であることとなる。したがって、同じ操作部を用いて確率設定値を選択する操作と初期化を選択する操作を行うことができ、遊技店での作業効率を高めることができる。また、操作部を必要以上に設けなくても良くなり遊技機の製造のコストを低減することができ、さらに、操作部を設けるスペースも少なくて済むようになる。
また、制御手段は、電源の投入時に記憶手段に記憶されている情報が正当なものであるかを判定する正当性判定手段(遊技制御装置100)を備え、正当性判定手段により記憶手段に記憶されている情報が正当なものでないと判定された場合であって第1操作部が操作されていない場合には、記憶手段の初期化を促す報知を行うようにしたこととなる。したがって、正常な状態への復帰を促すことができる。
また、制御手段は、電源の投入時に第1操作部が操作されている場合は、設定手段による確率設定値の変更を可能とする変更可能状態とするとともに、記憶手段を初期化するように構成され、正当性判定手段により記憶手段に記憶されている情報が正当なものでないと判定された場合であって第1操作部が操作されていない場合には、第1操作部を操作した状態で電源を投入するように促す報知を行うようにしたこととなる。したがって、正常な状態への復帰を促すことができる。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、複数の操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、設定手段により選択された確率設定値の情報を含む制御手段による遊技の制御に必要な情報を記憶可能な記憶手段(RAM111C)と、を備え、制御手段は、複数の操作部のうち所定の操作部が操作された状態で遊技機の電源が投入された場合に、記憶手段を初期化するようにしたこととなる。したがって、確率設定値の変更とRAMのクリアの作業を最小限の操作部を用いてそれぞれ選択的に行うことができ、遊技店での作業効率を高めることができる。また、操作部を必要以上に設けなくても良くなり遊技機の製造のコストを低減することができ、さらに、操作部を設けるスペースも少なくて済むようになる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図7のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS102)。ステップS102では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS103)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS104)を行う。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新する乱数更新処理1(ステップS105)、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2(ステップS106)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS107)を行う。
次に、確率設定値の変更や確認に関する処理を行う確率設定値変更処理(ステップS108)を行い、確率設定値変更状態であるかを判定する(ステップS109)。確率設定値変更状態である場合には確率設定値変更中フラグがセットされていることから判別可能である。確率設定値変更状態でない場合(ステップS109;N)は、確率設定値確認モードであるかを判定する(ステップS110)。確率設定値確認モードは、確率設定値の変更はできないが現在設定されている確率設定値を確認することができる状態である。
確率設定値確認モードでない場合(ステップS110;N)は、遊技の進行に関する処理として、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS111)、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS112)、普図変動表示ゲームに関す処理を行う普図ゲーム処理(ステップS113)を行う。一方、確率設定値変更状態である場合(ステップS109;Y)や、確率設定値確認モードである場合(ステップS110;Y)は、遊技に関する上記の処理を行わずにステップS114に移行する。すなわち、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードでは、遊技の進行を行うことができない状態とされる。
なお、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードである場合には、払出コマンド送信処理(ステップS111)、特図ゲーム処理(ステップS112)、普図ゲーム処理(ステップS113)を行わないようにしたが、これらのうちの一つ又は複数について行うようにしても良い。例えば、払出コマンド送信処理(ステップS111)は行うようにして賞球の払い出しは行われるようにしても良い。また、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードで行わない処理として上述の処理以外の処理を含んでも良い。例えば、確率設定値変更状態では乱数更新処理1(ステップS105)や乱数更新処理2(ステップS106)を行わないようにし、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードでは乱数の更新を行わないようにしても良い。また、確率設定値変更状態と確率設定値確認モードで実行しないようにする処理の種類が異なっていても良い。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS114)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップS115)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップS116)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS117)を行って、アウトスイッチでの遊技球の検出数や入賞領域への入賞に基づく払出数からベース値を算出する処理等を行う状態表示編集出力処理を行い(ステップS118)、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔出力処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップS104)の詳細について説明する。図8に示すように、出力処理では、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出力する出力ポート135にオフデータを出力(リセット)する(ステップS141)。次に、大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37cのデータを出力する出力ポート134に出力するデータを合成し、出力する(ステップS142)。
そして、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新して(ステップS143)、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得する(ステップS144)。本実施形態の場合、デジットカウンタの値は0から3の範囲で+1更新される。次いで、取得したデータと外部情報データを合成して(ステップS145)、合成したデータ(例えば、「扉・枠開放」のデータ、「セキュリティ信号」のデータ)をデジット・外部情報出力用の出力ポート136に出力する(ステップS146)。
その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(ステップS147)、ロードしたデータをセグメント出力用の出力ポート135に出力する(ステップS148)。これにより、一括表示装置50に設けられた複数の発光表示部がダイナミック制御によって制御されることとなる。
続いて、外部情報の各種出力データを合成し(ステップS149)、合成したデータ(例えば、「大当り信号1」のデータ、「大当り信号2」のデータ、「大当り信号3」のデータ、「大当り信号4」のデータ、「図柄確定回数信号」のデータ、「始動口信号」のデータ、「メイン賞球信号」のデータ)と発射許可の出力データを合成して(ステップS150)、合成したデータを外部情報・発射許可信号出力用の出力ポート137へ出力する(ステップS151)。
次に、確率設定値表示装置153における表示内容として確率設定値表示のオフ出力データを設定し(ステップS152)、確率設定値表示許可フラグがセットされているかを判定する(ステップS153)。確率設定値表示許可フラグは、確率設定値表示装置153に確率設定値に関する表示を許可する場合にセットされるフラグである。
この確率設定値表示許可フラグがセットされている場合(ステップS153;Y)は、確率設定値表示データ領域から確率設定値表示データをロードし(ステップS154)、表示データを確率設定値表示の出力ポート134に出力する(ステップS155)。これにより確率設定値表示装置153に確率設定値に関する表示が行われるようになる。一方、確率設定値表示許可フラグがセットされていない場合(ステップS153;N)は、表示データを確率設定値表示の出力ポート134に出力する(ステップS155)。この場合、ステップS152で設定されたオフ出力データが設定され、確率設定値表示装置153には何も表示されない状態となる。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップS156)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップS157)。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップS158)。さらに、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップS159)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート5へ合成したデータを出力する(ステップS160)。
次に、確率設定値の試験信号出力データをロードする(ステップS161)。ここでは、確率設定値表示データ領域から確率設定値表示データを試験信号出力データとしてロードする。すなわち、試験試射装置への試験信号のうち確率設定値に関する情報については、確率設定値表示装置153の表示用のデータをそのまま用いる。これにより、処理が簡単になるとともに、確率設定値の情報が変化することがなく、正確な情報を出力することが可能となる。もちろん表示用のデータを値の情報に変換して出力するようにしても良い。
そして、設定キースイッチがオン状態であるかを判定し(ステップS162)、オン状態でない場合(ステップS162;N)は、ステップS184に移行する。また、オン状態である場合(ステップS162;Y)は、ロードしたデータと設定キースイッチオン情報を合成して(ステップS163)、ステップS184に移行する。その後、合成したデータを試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート6に出力し(ステップS164)、出力処理を終了する。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップS111)の詳細について説明する。図9に示すように払出コマンド送信処理では、まず、入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする(ステップS181)。
入賞数カウンタ領域は遊技制御装置100のRAM111Cに設けられ、入賞数カウンタ領域1と入賞数カウンタ領域2が設けられている。入賞数カウンタ領域1は、払出制御装置200に対して賞球の払い出しを指示するための払出コマンド(賞球指令)を送信するために用いる領域であって、払出コマンドを未だ送信していない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域1が、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタをなす。
入賞数カウンタ領域2は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に外部装置へ出力するメイン賞球信号を送信するために用いる領域であって、メイン賞球信号の生成処理を行っていない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域2が、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタをなす。なお、外部装置には、このメイン賞球信号の他に、払出制御装置200からも実際に払い出した賞球数が所定数(ここでは10個)になる毎に払出賞球信号が出力されるようになっており、この二つの信号を照合することで、不正な払い出しを監視することが可能となっている。
これらの入賞数カウンタ領域にはそれぞれ、各入賞口に対して設定された賞球数別(本実施形態の場合、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に入賞数カウンタ領域が設けられており、入賞口への入賞に基づき対応する入賞数カウンタ領域のカウント数が1加算されるようになっている。つまり、入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能とされている。なお、入賞数カウンタ領域1は入賞数カウンタ領域2よりも広い領域が割り当てられ、より多くの入賞のデータを記憶できるようにされている。これは、メイン賞球信号が送信先の状態に関係なく送信可能であるのに対し、払出コマンドが送信先である払出制御装置200の状態により送信を保留する場合もあり、より多くの未送信データが蓄積される可能性があるためである。
具体的には、本実施形態の場合、入賞数カウンタ領域1の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ65535入賞まで記憶することができ、入賞数カウンタ領域2の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ255入賞まで記憶することができるよう構成されている。
入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS181)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。そして、カウント数がない場合(ステップS181;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新し(ステップS182)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS183)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS183;Y)と判定すると、ステップS192に移行する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS183;N)と判定すると、ステップS181へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新する。
また、上記ステップS181で、カウント数がある(ステップS181;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS184)、対象の入賞数カウンタ領域2のアドレスに対応する払出数を取得する(ステップS185)。そして、賞球残数領域の値と取得した払出数を加算し(ステップS186)、加算結果を賞球残数領域にセーブする(ステップS187)。なお、この処理の前における賞球残数領域の値としては、メイン賞球信号の出力の基準となる所定数に満たなかった端数が記憶されている。
その後、加算結果から10を減算して(ステップS188)、減算結果が0以上かを判定し(ステップS189)、0以上でない場合(ステップS189;N)は、ステップS192の処理に移行する。また、0以上である場合(ステップS189;Y)は、メイン賞球信号出力回数領域の値を+1更新する(ステップS190)。すなわち、賞球残数が10個になる度に、メイン賞球信号の出力回数を+1更新する。
そして、減算結果を賞球残数領域にセーブして(ステップS191)、ステップS188の処理に戻る。これにより、ホールコンピュータなどの外部の装置にメイン賞球信号が出力されるようになる。すなわち、遊技制御装置100が、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含むメイン賞球信号を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段をなす。なお、メイン賞球信号を出力するようにすることで、大当り中などの遊技球の払い出しが集中する場合に、遊技球の払い出しとともに賞球信号の出力が遅延して、大当り中に発生した正確な賞球数が計数することができないといった不具合を防止することができる。
ここで、ステップS181〜S191の処理は、メイン賞球信号の出力回数を更新する(増やす)処理であり、ステップS192〜S201の処理は、払出コマンドを送信する処理である。
ステップS192では、払出コマンド送信タイマが「0」でなければ−1更新し(ステップS192)、払出コマンド送信タイマが「0」になったかを判定する(ステップS193)。払出コマンド送信タイマが「0」でない場合(ステップS193;N)は、払出コマンド送信処理を終了する。また、払出コマンド送信タイマが「0」である場合(ステップS193;Y)は、払出ビジー信号フラグをチェックして、払出ビジー信号がビジー状態であるかを判定する(ステップS194)。
払出ビジー信号は払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを示す信号であって、払出制御を即座に開始可能でない場合には払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)とされる。つまり、払出ビジー信号は、払出コマンド(賞球指令)を受付可能な状態であるか否かを示す信号とも言える。すなわち、払出ビジー信号が、払出制御手段(払出制御装置200)が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号をなす。
この払出ビジー信号がビジー状態である場合(ステップS194;Y)は、払出コマンド送信処理を終了する。すなわち、本実施形態では、タイマ割込み毎に払出コマンドを送信するのではなく、所定時間が経過し(払出コマンド送信タイマの値が0になり)、且つ、払出制御装置200側が賞球を払い出せる状態である場合に、払出コマンドを送信するよう構成されている。このように払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能でなく、払出コマンドを送信しない場合は、払出コマンドの送信に関する以降の処理を行わないようにすることで、無駄な処理を行うことを防止し制御の負担を軽減するようにしている。
払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)になる条件は、例えば、払出動作中、球貸し動作中、シュート球切れエラー中、オーバーフローエラー中、枠電波不正発生中、払出球検出スイッチ(払い出された球を監視するスイッチ)の異常中、払出不足エラー中、払出過剰エラー中、払出制御装置200のメモリ内に払い出すべき賞球数のカウント(未払い出しの賞球数=獲得遊技球数残)があるとき(=0でないとき)等である。
払出ビジー信号がビジー状態でない場合(ステップS194;N)は、入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする(ステップS195)。入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS195)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。
そして、カウント数がない場合(ステップS195;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新し(ステップS196)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS197)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS197;Y)と判定すると、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS197;N)と判定すると、ステップS195へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新する。
また、上記ステップS195で、カウント数がある(ステップS195;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS198)、対象の入賞数カウンタ領域1のアドレスに対応する払出数コマンドを取得する(ステップS199)。そして、取得した払出数コマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップS200)、払出コマンド送信タイマ領域に初期値をセーブして(ステップS201)、払出コマンド送信処理を終了する。払出コマンド送信タイマは送信間隔を管理するためのもので、初期値として、例えば200m秒が設定される。
これにより、入賞領域への一の入賞を単位とした払出コマンド(賞球指令)が生成され、払出制御装置200に送信されるようになる。払出制御装置200はこの払出コマンドに基づき所定数の賞球を払い出す制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御手段(払出制御装置200)から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段をなす。
このように遊技制御装置100が、払出制御装置200から出力される状態信号に基づいて賞球指令を送信する制御を行うので、払出制御装置200が即座に払出制御を実行可能な場合にのみ賞球指令が送信されることとなる。これにより、未だ払い出しが行われていない入賞に対応するデータは遊技制御装置100側で保持されるようになるので停電発生時には遊技制御装置100でバックアップされるようになり、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
従来の遊技機(例えば、特開2000−312759号公報の遊技機)では、何らかの原因により電源の遮断状態が発生した場合、払出制御装置200は自身の記憶手段にデータをバックアップし、電源遮断直前のデータによる払出制御状態を維持するようにしている。しかしながら、従来の遊技機では、バックアップするための機能が必要となるため、コストアップにつながるという問題があった。本発明によれば、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できるようにすることができる。
また、外部の装置に送信されるメイン賞球信号は払出ビジー信号の状態に関係なく出力されるので、遅滞なくメイン賞球信号を出力でき、ホールコンピュータなどの外部の装置では賞球の払い出しの時期を正確に把握でき、例えばベース値を正確に把握できるようになる。また、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタと、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタとを別々に備えるので、送信タイミングが異なる賞球指令とメイン賞球信号の情報を別々に管理でき、情報を確実に管理することができる。
以上のことから、統括的に遊技制御を行うとともに、遊技領域32に設けられた入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号(ビジー信号)に基づいて賞球指令を払出制御手段に送信する制御を行い、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段に送信せず、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしていることとなる。
また、遊技領域32に賞球数の異なる入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)を複数設け、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球数毎に、遊技球の払出制御を指示する賞球指令の未送信の有無を特定可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)を備え、状態信号が払出制御を開始可能であることを示し、かつ、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令がある場合に、賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するようにし、状態信号が当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かの特定を、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令があるか否かの特定よりも先に行うようにしていることとなる。
また、統括的に遊技制御を行うとともに、所定の入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段(遊技制御装置100)と、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含む賞球信号(メイン賞球信号)を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段(遊技制御装置100)と、を備え、外部情報出力手段は、払出制御手段から出力される状態信号が、払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かに関係なく賞球信号の出力を行うようにしたこととなる。
また、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、停電が発生し該停電から復帰した場合には、状態信号が払出制御を開始可能であることを示していたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信せず、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している状態が所定期間に亘って継続していることに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしたこととなる。
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)と、賞球信号(メイン賞球信号)に関する情報を記憶可能な賞球信号カウンタ(遊技制御装置100)と、を備え、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への一の入賞を単位として賞球指令を生成し、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に一の賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するように構成され、賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、払出制御手段への賞球指令への送信に対応させて更新を行うことで、送信していない賞球指令の数を記憶可能とし、外部情報出力手段は、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数を累積し、累積値が所定数に達する毎に賞球信号を遊技機の外部に出力するように構成され、賞球信号カウンタは、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、外部情報出力手段による賞球数の累積処理に対応させて更新を行うことで、未だ累積処理を行っていない賞球数を記憶可能であることとなる。
また、本実施形態では、遊技制御装置100からは、遊技球の払出予定個数が10個になる毎にメイン賞球信号が出力され、払出制御装置200からは、遊技球の払出個数が10個になる毎にメイン賞球信号が出力されるよう構成されている。
具体的には、遊技制御装置100は、10個の払出予定毎(払出コマンドを送信する毎)に、メイン賞球数信号出力回数を+1更新(払出コマンド送信処理内のサブルーチン)し、更新(設定)されている出力回数分、メイン賞球信号を出力する。
予定毎に出力されるメイン賞球信号に対し、払出制御装置200からは実際に10個の払出が行われる毎に賞球信号が送信されるので、予定と結果の整合をとることができ、不正な払出に対応することができる。また、大当り期間中に入賞しても、球切れ等で払出が遅れ、大当り終了後に払い出された場合にも、入賞時に出力されるメイン賞球信号によって、ホールコン(ホールコンピュータ)が正確な情報を収集(判断)することができる。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図10には、タイマ割込み処理における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS107)を示した。この入賞口スイッチ/状態監視処理では、まず、確率設定値変更状態であるかを判定する(ステップS299)。確率設定値変更状態である場合には確率設定値変更中フラグがセットされていることから判別可能である。確率設定値変更状態でない場合(ステップS299;N)は、確率設定値確認モードであるかを判定する(ステップS300)。確率設定値確認モードは、確率設定値の変更はできないが現在設定されている確率設定値を確認することができる状態である。
確率設定値確認モードでない場合(ステップS300;N)は、遊技の進行に関する処理として、ステップS301以降の処理を行う。一方、確率設定値変更状態である場合(ステップS299;Y)や確率設定値確認モードである場合(ステップS300;Y)は、ステップS309に移行する。すなわち、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードでは、入賞に関する処理を行わず遊技の進行を行うことができない状態とされる。
なお、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードである場合には、特別変動入賞装置38の不正と入賞の監視、普通動入賞装置37の不正と入賞の監視及び常時入賞可能な入賞口への入賞の監視を行わないようにしたが、これらのうちの一つ又は複数について行うようにしても良い。例えば、特別変動入賞装置38や普通変動入賞装置37への不正の監視は行うようにしても良い。また、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードで行わない処理として上述の処理以外の処理を含んでも良い。例えば、ステップS309以降の処理も行わないようにしても良い。また、確率設定値変更状態と確率設定値確認モードで実行しないようにする処理の種類が異なっていても良い。
ステップS301では大入賞口(特別変動入賞装置38)内の一方の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル1を準備し(ステップS301)、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS302)を実行する。
入賞口監視テーブルには、対象のスイッチに入力があるかを判定するデータの位置を示す監視スイッチビット、不正監視情報の下位アドレス、不正入賞数領域の下位アドレス、不正入賞エラー報知コマンド、不正入賞数上限値(不正発生判定個数)、入賞口スイッチテーブルのアドレス、報知タイマ更新情報(許可/更新)の情報が定義されている。また、入賞口監視テーブルのうちの入賞テーブルには、監視の繰り返し回数(スイッチの数)に加えて、各スイッチ毎に、監視スイッチビット、入賞数カウンタ領域1の下位アドレス、入賞数カウンタ領域2の下位アドレスの情報が定義されている。入賞口監視テーブルは、監視対象のスイッチのそれぞれに応じたものが用意されている。
その後、大入賞口(特別変動入賞装置38)内の他方の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル2を準備し(ステップS303)、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS304)を実行する。
次に、普電内の入賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS305)、普電が開いていないにもかかわらず普電に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS306)を実行する。そして、常時入賞可能な入賞口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36aや一般入賞口35の入賞口スイッチ35a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS307)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS308)を行う。
次に、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(ステップS309)。本実施形態の場合、状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。その後、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップS310)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS311)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常1信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は払出制御装置200からのシュート球切れスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が「2」である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合は払出異常ステータス信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップS312)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS313)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はガラス枠開放検出スイッチ63から出力される信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は本体枠開放検出スイッチ64から出力される信号に基づく状態の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が「2」である場合は枠電波不正信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値が「0」であるかを判定し(ステップS314)、エラースキャンカウンタの値が「0」でない場合(ステップS314;N)は、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監視対象がない場合である。また、エラースキャンカウンタの値が「0」である場合(ステップS314;Y)は、遊技機状態監視テーブル3を準備し(ステップS315)、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS316)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常2信号に基づく状態の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状態スキャンカウンタが「1」から「3」の場合は定義されていない。
その後、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号をチェックする払出ビジー信号チェック処理(ステップS317)を行って、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。なお、ステップS315からS317の処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が「0」の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ割込みが4m秒毎に行われる場合は、16m秒毎にステップS315からS317の処理が行われることとなる。
〔確率設定値変更処理〕
図11には、タイマ割込み処理における確率設定値変更処理(ステップS108)を示した。この確率設定値変更処理では、まず、確率設定値変更状態であるかを判定し(ステップS401)、確率設定値変更状態でない場合(ステップS401;N)は、確率設定値を確認可能とする処理である確率設定値確認処理を行い(ステップS422)、確率設定値変更処理を終了する。
また、確率設定値変更状態である場合(ステップS401;Y)は、確率設定値消灯タイマが0でなければ−1更新し(ステップS402)、確率設定値消灯タイマが0であるかを判定する。確率設定値消灯タイマが0である場合(ステップS403;Y)は、確率設定値表示許可フラグをセットし(ステップS404)、ステップS405に移行する。この場合は上述した出力処理(図8参照)により確率設定値表示装置153に確率設定値の情報が表示される。また、確率設定値消灯タイマが0でない場合(ステップS403;N)は、ステップS405に移行する。この場合は確率設定値表示許可フラグがセットされていない状態となり、上述した出力処理により確率設定値表示装置153に何も表示しない状態とされる。
その後、確率設定値変更済みであるかを判定する(ステップS405)。確率設定値変更済みとは、後述する確定操作が行われて遊技で使用する確率設定値が新たに設定された状態であり、この場合は確率設定値変更済みフラグがセットされている。確率設定値変更済みである場合(ステップS405;Y)は、ステップS416に移行する。また、確率設定値変更済みでない場合(ステップS405;N)は、設定値変更スイッチからの入力があるかを判定する(ステップS406)。
そして、設定値変更スイッチからの入力があるかの判定(ステップS406)では、設定値変更スイッチからの入力状態がオン状態へ変化したかを判定する。すなわち、確率設定値変更ボタンが押下されたかを判定する。設定値変更スイッチからの入力がない場合(ステップS406;N)は、ステップS411に移行する。
また、設定値変更スイッチからの入力がある場合(ステップS406;Y)は、作業用確率設定値領域の値を0〜5の範囲で+1更新する。作業用確率設定値領域の0〜5の値は設定1〜設定6にそれぞれ対応するものであり、設定値変更ボタンを押下する毎に作業用確率設定値領域の値が+1更新されることで、選択される確率設定値が順次変化することとなる。なお、作業用確率設定値領域の値が5の状態で+1更新された場合は0に戻るようになっている。また、この段階では作業用確率設定値領域の値を変化させるだけであり、遊技に使用する確率設定値を格納する確率設定値領域の値は変化しない。後述する確定操作に基づき選択された確率設定値が確率設定値領域にセーブされることとなる。また、ここでは確率設定値の数を6つとしているが、これ以外の数とすることも可能である。
次に、作業用確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブする(ステップS408)。これにより確率設定値表示装置153に表示するデータは新たに選択された確率設定値の情報となる。そして、確率設定値消灯タイマ領域に初期値(例えば100ms)をセーブして(ステップS409)、確率設定値表示許可フラグをクリアする(ステップS410)。これにより、設定値変更ボタンの操作から所定時間(例えば100ms)にわたり特定表示として、確率設定値表示装置153の表示を消灯して何も表示しないブランク表示を行ってから新たな確率設定値の情報が表示されるようになる。このようにすることで、表示が更新されたことをわかりやすくすることができる。
ここでは、特定表示として何も表示しないブランク表示を設定するようにしたが、これ以外の表示としても良い。例えば、確率設定値の表示として1〜6の数字で行う場合に、この数字以外の表示を特定表示としても良い。すなわち、特定表示を確率設定値の表示としては用いられない表示としても良い。また、確率設定値の表示を連続した点灯状態で表示する場合に、特定表示として更新後の確率設定値の表示を点滅させるようにしても良い。すなわち特定表示を、特定表示の経過後の表示態様と異なる表示態様としても良い。特定表示として用いる表示態様としては、点滅させる表示態様や、特定表示ではない場合と点滅の周期を異ならせた表示態様や、特定表示ではない場合と表示色を異ならせた表示態様などが挙げられる。
また、設定値変更ボタンの操作に基づき演出制御装置300に情報を送信し、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、選択された確率設定値が変更された旨の報知である特定報知を行うようにしても良い。すなわち、特定表示と併せて又は特定表示に代えて特定報知を行うようにしても良い。また、表示装置41や特図1表示器51、特図2表示器に確率設定値表示装置153と同様の表示を行うようにしても良い。
次に、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチからの入力があるかを判定する(ステップS411)。タッチスイッチは操作ハンドル24への人体の接触を検出可能なセンサであり、接触がある場合に信号を出力するようになっている。このタッチスイッチからの入力がない場合(ステップS411;N)は、確率設定値変更処理を終了する。また、タッチスイッチからの入力がある場合(ステップS411;Y)は、作業用確率設定値領域の値をロードして確率設定値領域にセーブする(ステップS412)。これにより、選択された確率設定値が遊技に使用する確率設定値として設定される。すなわち、操作ハンドル24に触れることが選択した確率設定値を確定する確定操作となる。もちろんこの操作以外の操作を確定操作としても良く、確定操作用の操作部を設定手段に設けても良い。
その後、確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブする(ステップS413)。次に、確率設定値変更済みフラグをセットし(ステップS414)、確率設定値変更のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップS415)、確率設定値変更処理を終了する。演出制御装置300では、確率設定値変更のコマンドを受信することに基づき、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値が変更された旨の報知を行う。
一方、確率設定値変更済みである場合(ステップS405;Y)は、設定キースイッチがオフであるかを判定する(ステップS416)。設定キースイッチがオフでない場合(ステップS416;N)、すなわち、設定キー操作部の設定キーが第2位置にある場合は、確率設定値変更処理を終了する。また、設定キースイッチがオフである場合(ステップS416;Y)、すなわち、設定キー操作部の設定キーが第2位置にない場合は、RAMクリア先頭アドレス3を設定し(ステップS417)、クリア対象のRAM領域を0クリアし(ステップS418)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS419)。
これにより遊技制御用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)が0クリアされて初期値がセーブされる。また、セキュリティ信号を出力するためのタイマの設定も行われる。すなわち、確率設定値用の領域、初期値乱数用の領域、変動パターン乱数用の領域及び状態表示用の領域は初期化されない。ただし、初期値乱数用の領域及び変動パターン乱数用の領域はクリアしても良い。また、確率設定値用の領域のうち確率設定値変更状態で選択されている確率設定値の情報や各種フラグを一時的に格納する作業用確率設定値領域など、変更作業にかかわる領域はクリアされる。よって、確率設定値表示許可フラグがクリアされるので、確率設定値表示装置153での表示が終了する。また、確率設定値変更中フラグがクリアされるので確率設定値変更状態が終了する。
次に、確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブし(ステップS420)、確率設定変更終了のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップS421)、図6に示すメイン処理のステップS48へ移行する。演出制御装置300では、確率設定値変更のコマンドを受信することに基づき、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値の変更が終了した旨の報知を行う。この報知ではRAMが初期化された旨の報知を兼ねている。
本実施形態の場合、ステップS421では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、選択されている確率設定値の情報である確率設定値情報、確率設定変更終了のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。確率設定変更終了のコマンドはRAM初期化コマンドであっても良い。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。特に、演出制御装置300に選択されている確率設定値の情報である確率設定値情報を送信することで、確率設定値に応じた演出を行うことや、確率設定値に応じて遊技の演出の選択確率を異ならせるなど、確率設定値を示唆又は報知する演出を実行可能となる。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作に基づき複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)を備え、設定手段は、選択された確率設定値の情報を表示する表示部(確率設定値表示装置153)を備え、操作部の操作に基づき確率設定値の選択操作が行われることに伴い表示部の表示を更新する際に、当該更新から一定期間にわたり特定表示を行うようにしたこととなる。したがって、表示が更新されたことを分かり易くすることができ、選択されている確率設定値を明確に把握可能とすることができる。
また、設定手段は、特定表示として、確率設定値の情報の表示として用いられない表示を表示するようにしたこととなる。したがって、表示が更新されたことを分かり易くすることができ、選択されている確率設定値を明確に把握可能とすることができる。
また、設定手段は、特定表示として、一定期間にわたり当該一定期間の経過後とは異なる態様で更新後の情報を表示するようにしたこととなる。したがって、表示が更新されたことを分かり易くすることができ、選択されている確率設定値を明確に把握可能とすることができる。
〔確率設定値確認処理〕
図12には、確率設定値変更処理における確率設定値確認処理(ステップS422)を示した。この確率設定値確認処理では、まず、確率設定値確認モード中であるかを判定する(ステップS431)。確率設定値確認モードは、確率設定値の変更はできないが現在設定されている確率設定値を確認することができる状態である。この確率設定値確認モードである場合には確率設定値確認モード中フラグがセットされていることから判別可能である。
確率設定値確認モードでない場合(ステップS431;N)は、確率設定値表示許可フラグをクリアする(ステップS432)。これにより確率設定値表示装置153の表示として何も表示しない状態が設定される。その後、遊技中であるかを判定する(ステップS433)。
遊技中とは、特図変動表示ゲームの実行中、普図変動表示ゲームの実行中、特別遊技状態中又は普図の当り状態中のいずれかに該当する場合である。すなわち、遊技の状態が確率設定値確認モードを開始することを禁止する禁止状態である場合である。遊技中である場合(ステップS433;Y)は、確率設定値確認処理を終了する。すなわち、遊技中である場合は確率設定値確認モードに移行しない。この場合、演出制御装置300に遊技中であるので確率設定値確認モードに移行できない旨の情報を送信し、その旨の報知を行うようにしても良い。
なお、遊技中(禁止状態)と判定する条件は上述したものに限られるものではない。特図変動表示ゲームの実行中、普図変動表示ゲームの実行中、特別遊技状態中、普図の当り状態中のうちから選択された一又は複数の状態を条件としても良く、例えば、特図変動表示ゲームの実行中又は特別遊技状態中のいずれかに該当する場合に遊技中であるとしても良い。また、上記以外の条件を加えても良く、例えば操作ハンドル24が操作されていてタッチスイッチからの入力がある場合は遊技中であるとして確率設定値確認モードに移行しないようにしても良い。
また、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出するアウトスイッチで遊技球を検出してから所定期間は遊技中であるとして確率設定値確認モードに移行しないようにしても良い。また、前面枠12の閉鎖中は遊技中であるとして確率設定値確認モードに移行しないようにしても良い。また、遊技が行われていない状態で一定期間経過することにより移行する節電モード中は確率設定値確認モードに移行しないようにしても良い。この節電モードは、前面枠12の開放に伴い解除されるようになっており、節電モードであることは前面枠12が閉鎖されているとみなすことができる。
また、遊技中でない場合(ステップS433;N)は、設定キースイッチがオン状態であるか、すなわち、操作部が操作されて所定状態とされているかを判定する(ステップS434)。設定キースイッチがオン状態でない場合(ステップS434;N)は、確率設定値確認処理を終了する。また、設定キースイッチがオン状態である場合(ステップS434;Y)は、確率設定値確認モード中フラグをセットし(ステップS435)、確率設定値表示許可フラグをセットする(ステップS436)。これにより確率設定値確認モードが開始され、確率設定値表示装置153の表示として現在設定されている確率設定値の情報が表示される。
その後、セキュリティ信号制御タイマ領域に初期値をセーブし(ステップS437)、確率設定値確認中のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップS438)、確率設定値確認処理を終了する。確率設定値確認モードが開始された場合には外部情報として所定期間にわたりセキュリティ信号が出力される。また、演出制御装置300では、確率設定値確認中のコマンドを受信することに基づき、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値の確認中である旨の報知を行う。
一方、確率設定値確認モード中である場合(ステップS431;Y)は、設定キースイッチがオン状態であるかを判定する(ステップS439)。設定キースイッチがオン状態である場合(ステップS439;Y)は、確率設定値確認処理を終了する。この場合は、確率設定値確認モードが継続する。
また、設定キースイッチがオン状態でない場合(ステップS439;N)は、確率設定値確認モード中フラグをクリアし(ステップS440)、確率設定値表示許可フラグをクリアする(ステップS441)。これにより確率設定値確認モードが終了し、確率設定値表示装置153の表示として何も表示しない状態が設定される。そして、確率設定値確認終了のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップS442)、確率設定値確認処理を終了する。演出制御装置300では、確率設定値確認終了のコマンドを受信することに基づき、確率設定値の確認中である旨の報知を終了する。
すなわち、確率設定値確認モードは、電源が投入された状態で設定キー操作部の設定キーを第2位置に回すことで開始され、第2位置から戻すことで終了する。なお、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態で電源を投入した場合には、確率設定値変更状態となる。
以上のように、遊技中である場合に設定キースイッチをオン状態としても確率設定値確認モードに移行しないようにしたことで、遊技の進行中に確率設定値を知られてしまうことを防止でき、遊技の公平性を確保することができる。なお、遊技中である場合に設定キースイッチをオン状態としても確率設定値確認モードに移行しないようにしたが、遊技中に設定キースイッチをオン状態とし、当該オン状態としたまま遊技中でない状態となった場合は、その時点から確率設定値確認モードに移行する。このようにすることで、遊技が進行しない状態となれば自動的に確率設定値を確認することができるようになるので、確認作業の効率を向上することができる。
また、確率設定値確認モードに移行しないようにする条件を遊技中としたが、これに限られるものではなく、遊技制御装置100により制御される遊技の状態に応じて確率設定値確認モードに移行するか否かを選択するものであれば良い。例えば、高確率状態である場合には確率設定値確認モードに移行しないようにしても良い。また、後述するように所定の異常が発生している場合に確率設定値確認モードに移行しないようにしても良い。
以上のことから、始動条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、設定手段は、操作部が操作されて所定状態とされることに基づき、確率設定値の確認が可能な確認状態とすることが可能であり、制御手段により制御される遊技の状態が、確認状態を開始することを禁止する禁止状態である場合には、操作部が所定状態であっても確認状態としないようにしたこととなる。したがって、遊技の状態に応じて確率設定値確認モードに移行するか否かを選択できるようになり、確率設定値が示されることによる不都合を防止できる。
また、禁止状態は、ゲームが実行中の状態であることである。したがって、遊技の進行中に確率設定値を知られてしまうことを防止でき、遊技の公平性を確保することができる。
また、禁止状態は、特別遊技状態中である状態であることである。したがって、遊技の進行中に確率設定値を知られてしまうことを防止でき、遊技の公平性を確保することができる。
また、遊技球が入賞不能な閉状態と、遊技球の入賞が容易な開状態と、に変換可能であり、入賞によりゲームの実行権利を発生可能な普通変動入賞装置37と、所定条件の成立に基づき普図ゲーム(普図変動表示ゲーム)を実行し、当該普図ゲームの結果が特定結果となった場合に普通変動入賞装置37を開状態に変換する当り状態(普図当り状態)を発生可能な普通変動入賞装置制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、禁止状態は、普図ゲームの実行中又は当り状態中である状態であることである。したがって、遊技の進行中に確率設定値を知られてしまうことを防止でき、遊技の公平性を確保することができる。
また、設定手段は、制御手段により制御される遊技の状態が禁止状態である状態において操作部が所定状態とされ、当該所定状態とされたまま禁止状態が終了した場合には、当該禁止状態の終了に基づき確認状態とすることとなる。したがって、遊技が進行しない状態となれば自動的に確率設定値を確認することができるようになるので、確認作業の効率を向上することができる。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS112)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図13に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップA3)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA7)。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA8)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA9)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA10)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA12)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA13)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA14)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA15)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA16)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA17)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA18)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図1表示器51による特別図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA21)、特図2表示器52による特別図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップA22)を行い、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA19の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない結果態様であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。図14に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)を行って、第1始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、第1始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA109の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA103にて、第1始動口への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA104)。
ステップA104にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA104;N)には、ステップA107の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA104にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA104;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、当該コマンドを演出制御装置300へ送信する演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。本実施形態の遊技機10の場合、第1始動口(始動入賞口36)へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態となるが、時短状態中に第1始動口に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
次いで、第1始動口(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108)を行う。
次に、第2始動口(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理(ステップA110)を行って、第2始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。
ステップA111にて、第2始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA111;N)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA111にて、第2始動口への入賞があると判定した場合(ステップA111;Y)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップA112)、普通電動役物が作動中である(ステップA112;Y)と判定すると、ステップA114の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA112にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA112;N)と判定すると、普電不正発生中であるかを判定する(ステップA113)。
普電不正発生中であるかの判定では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
ステップA113にて、普電不正発生中でない(ステップA113;N)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA114)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA115)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA113にて、普電不正発生中である(ステップA113;Y)と判定した場合は、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔ハード乱数取得処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップA102、A110)の詳細について説明する。図15に示すように、ハード乱数取得処理では、まず、第1始動口(始動入賞口36)及び第2始動口(普通変動入賞装置37)のうち、監視対象の始動口の入賞なし情報を設定して(ステップA121)、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA122)。そして、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合(ステップA122;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。一方、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合(ステップA122;Y)は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み(ステップA123)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるかを判定する(ステップA124)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップA124;N)、すなわち乱数が抽出されていない場合は、ハード乱数取得処理を終了する。また、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップA124;Y)は、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA125)。そして、第1始動口(始動入賞口36)及び第2始動口(普通変動入賞装置37)のうち、監視対象の始動口の入賞あり情報を設定して(ステップA126)、ハード乱数取得処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108、A115)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図16に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA131)、ロードした値を+1更新して(ステップA132)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA133)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA133;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA134)、ステップA135の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA133;Y)は、ステップA135の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステップA135)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA135;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA135;Y)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(ステップA136)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA137)。続けて、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップA138)、ハード乱数取得処理のステップA125にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA139)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA140)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA141)。
次いで、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA142)。
ステップA142にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA142;N)には、ステップA145の処理に移行する。
一方、ステップA142にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA142;Y)には、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA143)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA144)。
次いで、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップA145)、特図保留情報判定処理(ステップA146)を行う。
次いで、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA147)、演出コマンド設定処理(ステップA148)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域での遊技球の検出に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA146)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図17に示すように、まず、特図始動口スイッチ共通処理のステップA137にてセーブした始動口入賞フラグをチェックして、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA151)。
ステップA151にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA151;N)には、ステップA154の処理に移行する。
一方、ステップA151にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA151;Y)には、特図時短中であるかを判定する(ステップA152)。
ステップA152にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA152;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA152にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA152;N)には、大当り中または小当り中であるかを判定する(ステップA153)。
ステップA153にて、大当り中または小当り中であると判定した場合(ステップA153;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA153にて、大当り中または小当り中でないと判定した場合(ステップA153;N)には、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA154)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA155;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA156)、特図始動口スイッチ共通処理のステップA140にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA157)、ステップA164の処理に移行する。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA155;N)は、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA158)。
ステップA158にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA158;N)には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA163)、ステップA164の処理に移行する。
一方、ステップA158にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA158;Y)には、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA159)を行う。そして、判定結果が小当りでない場合(ステップA160;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA163)、ステップA164の処理に移行する。
一方、判定結果が小当りである場合(ステップA160;Y)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA161)、特図始動口スイッチ共通処理のステップA143にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA162)、ステップA164の処理に移行する。
そして、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備し(ステップA164)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA165)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA166)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を行う(ステップA167)。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA168)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA169)、特図保留情報判定処理を終了する。
なお、ステップA157における大当り判定処理、ステップA159における小当り判定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される図20、図21に示す処理と同様である。すなわち、設定されている確率設定値に応じた判定が行われる。また、ステップA166における特図情報設定処理、ステップA167における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA8)の詳細について説明する。図18に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA301)。特図2保留数が「0」である(ステップA301;Y)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA305)。そして、特図1保留数が「0」である(ステップA305;Y)と判定すると、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA309)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA309;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA310)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA311)、演出コマンド設定処理(ステップA312)を行う。次いで、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定して(ステップA313)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA314)。そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA315)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA316)、特図普段処理を終了する。すなわち、特図変動表示ゲームを開始可能な状態であるが始動条件が成立しない場合に、待機情報をなす客待ちデモコマンドを演出制御装置300に送信するようにしていることとなる。
一方、ステップA309にて、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA309;Y)は、ステップA310〜A312の処理を行わずに、ステップA313の処理へ移行する。
また、ステップA301にて、特図2保留数が「0」でない場合(ステップA301;N)は、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA302)。次いで、演出コマンド設定処理(ステップA303)を行い、特図2変動開始処理(ステップA304)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA305にて、特図1保留数が「0」でない場合(ステップA305;N)は、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA306)。次いで、演出コマンド設定処理(ステップA307)を行い、特図1変動開始処理(ステップA308)を行って、特図普段処理を終了する。
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が「0」でない場合には特図2変動開始処理(ステップA304)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA308)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。図19(a)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA321)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定するとともに、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判別するための小当りフラグにはずれ情報や小当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA322)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA324)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA325)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA326)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA327)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA328)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA329)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA330)、特図1の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA331)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA332)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100ms)を設定する(ステップA333)。次いで、特図1変動図柄番号領域に初期値(ここでは「0」)をセーブして(ステップA334)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA304)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図19(a)に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
図19(b)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA341)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA344)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA345)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA346)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA347)を行う。
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA348)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA349)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA350)、特図2の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA351)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA352)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100ms)を設定する(ステップA353)。次いで、特図2変動図柄番号領域に初期値(ここでは「0」)をセーブして(ステップA354)、特図2変動開始処理を終了する。
なお、上述の特図1変動開始処理や特図2変動開始処理において特図変動表示ゲームの変動パターンを選択する際に、設定されている確率設定値の情報を参照するようにしても良い。これにより、確率設定値に応じた変動パターンを選択することや、確率設定値に応じて変動パターンの選択確率を異ならせるなど、確率設定値を示唆又は報知する演出を実行可能となる。
〔大当り判定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップA322)及び特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップA342)において行われる大当り判定処理の詳細について説明する。
図20に示すようにこの大当り判定処理では、まず、確率設定値に対応する上限判定値テーブルを設定する(ステップA381)。上限判定値テーブルは確率設定値毎に設けられており、それぞれ高確率状態での上限判定値と低確率状態(通常確率状態)での上限判定値とが規定されている。ここでは現在設定されている確率設定値に応じて対応するテーブルを設定する。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。確率設定値に対応した上限判定値テーブルを設定することで、確率設定値に対応した確率値で大当り判定が行われるようになる。
次に、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップA382)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満かを判定する(ステップA383)。ここでは下限判定値の値は、確率設定値や確率状態(高確率状態又は通常確率状態)によらず同一の値となっているが、確率設定値や確率状態により下限判定値を異ならせても良い。この場合は上限判定値と同様に、確率設定値毎に下限判定値が規定された下限判定値テーブルを確率設定値に応じて選択するようにし、確率状態に応じて使用する下限判定値を選択して設定するようにする。もちろん上限判定値テーブルと下限判定値テーブルをまとめて判定値テーブルとしても良い。
大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA383;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA389)、大当り判定処理を終了する。なお、ステップA389でのはずれとは大当りでないことを意味し、後の小当り判定処理で小当りと判定される可能性がある。また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップA383;N)は、高確率状態であるかを判定する(ステップA384)。そして、高確率状態である場合(ステップA384;Y)は、高確率中の上限判定値を取得し(ステップA385)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA387)。また、高確率状態でない場合(ステップA384;N)は、低確率中の上限判定値を設定し(ステップA386)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA387)。ここで取得する上限判定値は、上述のステップA381で設定された上限判定値テーブルを参照して取得する。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA387;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA358)、大当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップA387;N)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(ステップA389)、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップA322)及び特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップA342)において行われる小当り判定処理の詳細について説明する。
図21に示すようにこの小当り判定処理では、まず、確率設定値に対応する小当り上限判定値を設定する(ステップA401)。小当り上限判定値は確率設定値毎に設けられている。また、小当り確率は高確率状態であるか否かにかかわらず一定である。また、同一の確率設定値における大当り判定値の範囲と小当り判定値の範囲は重なることがないようにされている。異なる確率設定値どうしでの大当り判定値の範囲と小当り判定値の範囲は重なっていても良いが、重ならないようにしても良い。
なお、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である小当り下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である小当り上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。確率設定値に対応した小当り上限判定値を設定することで、確率設定値に対応した確率値で小当り判定が行われるようになる。
次に、対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満かを判定する(ステップA402)。ここでは小当り下限判定値の値は異なる確率設定値であっても同一となっている。大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(ステップA402;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA404)、大当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合(ステップA402;N)は、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいかを判定する(ステップA403)。
大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(ステップA403;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA404)、小当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(ステップA403;N)、すなわち小当りである場合は、判定結果として小当りを設定し(ステップA405)、小当り判定処理を終了する。
なお、大当り判定の場合と同様に、先に確率設定値に対応する小当り上限判定値テーブルを設定し、設定された上限判定値テーブルから小当り上限判定値を取得するようにしても良いし、確率設定値毎に設けられた判定値テーブルに大当り判定での上限判定値と小当り判定での小当り上限判定値をまとめて規定しても良い。さらに、小当り下限判定値の値は異なる確率設定値であっても同一となっているが、確率設定値により小当り下限判定値を異ならせても良く、この場合は、確率設定値に応じて小当り下限判定値を選択するようにする。
また、確率設定値に対応する上限値設定テーブルを設定する処理(ステップA381)や、確率設定値に対応した小当り上限判定値を設定する処理(ステップA401)において、参照した確率設定値を示す値がどの確率設定値にも対応しないなどの異常な値である場合は、予め定めた確率設定値(例えば設定1)であるものとして設定を行うようにしても良いし、異常が発生したとして遊技を停止しエラー報知を行うようにしても良い。また、大当りの判定毎及び小当りの判定毎に確率設定値を参照しているが、確率設定値変更状態において確率設定値を設定した際に当該設定した確率設定値に対応する上限値設定テーブルや小当り上限判定値を設定する処理を行っておき、大当りの判定時や小当りの判定時にはこれを参照するのみとしても良い。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA9)の詳細について説明する。図22に示すように、特図変動中処理では、まず、変動図柄判別フラグ(特図1変動フラグ又は特図2変動フラグ)に対応する図柄停止コマンドを準備し(ステップA601)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA602)。すなわち、実行中の特図変動表示ゲームの変動時間が終了して結果を導出表示することに伴い停止情報をなす図柄停止コマンドが演出制御装置300に送信されることとなる。演出制御装置300では、この図柄停止コマンドの受信に伴い、当該特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームの変動表示を停止して結果を停止表示する。
その後、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定して(ステップA603)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA604)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターン、大当り図柄パターン又は小当り図柄パターンの何れであっても表示時間として600m秒を設定するが、停止図柄パターンによって表示時間を異ならせても良い。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。
次いで、処理番号として特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し(ステップA605)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA606)。
次に、特図1の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA607)、特図2の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA608)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば256m秒)をセーブする(ステップA609)。その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA610)、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブして(ステップA611)、特図変動中処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図23及び図24に示すように、特図表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグをロードして(ステップA701)、RWMの小当りフラグ領域をクリアする処理(ステップA702)を行う。
次いで、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA703)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA704)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップA705)、大当りである(ステップA705;Y)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA708)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA709)。
一方、ステップA705にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA705;N)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA706)、大当りである(ステップA706;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA707)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行う。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、「16」又は「4」)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA710)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA711)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA712)、演出コマンド設定処理(ステップA713)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA714)、演出コマンド設定処理(ステップA715)を行う。続けて、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA716)、演出コマンド設定処理(ステップA717)を行う。このファンファーレコマンドが特別遊技状態の開始時に演出制御装置300に送信される特別遊技状態開始情報をなす。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA718)。本実施形態の場合、ステップA718において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号は、出玉のある大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1以外)である場合にはON、出玉のない大当り(所謂、突確大当りなど。大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1)である場合には、時短状態中での大当り時であればON、それ以外ではOFFとなる。また、大当り3信号は、出玉のある大当りである場合にはON、出玉のない大当りである場合にはOFFとなる。
その後、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000m秒、4700m秒、7700m秒又は300m秒)を設定して(ステップA719)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA720)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA721)。これにより特別結果が発生した際における特図の確率状態、時短状態の情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(特別変動入賞装置38)の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップA722)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA723)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA724)を行い、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れかで結果が特別結果となることに基づき、特別変動入賞装置38を開状態に変換する特別遊技状態を発生する特別遊技状態発生手段をなす。
一方、ステップA706にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA706;N)は、ロードした小当りフラグが小当りかを判定する(ステップA725)。
ステップA725にて、小当りフラグが小当りであると判定した場合(ステップA725;Y)には、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための高確率変動回数領域の値(高確率変動回数)を更新する高確率変動回数更新処理(ステップA726)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA727)を行って、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるかを判定する(ステップA728)。
ステップA728にて、特図の高確率中でないと判定した場合(ステップA728;N)には、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、準備して(ステップA729)、演出コマンド設定処理(ステップA730)を行う。次いで、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップA731)、演出コマンド設定処理(ステップA732)を行って、ステップA733の処理に移行する。この小当りファンファーレコマンドも特別遊技状態の開始時に演出制御装置300に送信される特別遊技状態開始情報をなす。
また、ステップA728にて、特図の高確率中であると判定した場合(ステップA728;Y)には、ステップA733の処理に移行する。このように、本実施形態の遊技機10においては、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態である場合には、小当りの発生で大入賞口は開くが、小当りの発生を遊技者に意識させないようにするために、表示装置41に表示される画面を変化させないようになっている。
そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA733)。次いで、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定して(ステップA734)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA735)。
次いで、小当りファンファーレ時間(例えば0.3秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA736)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON(大当り+小当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA737)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA738)。
次いで、大入賞口不正入賞数領域をクリアして(ステップA739)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA740)。
次いで、右打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA741)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA742)、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA725にて、小当りフラグが小当りでないと判定した場合(ステップA725;N)には、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための高確率変動回数領域の値(高確率変動回数)を更新する高確率変動回数更新処理(ステップA743)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA744)を行い、演出モード番号に対応する切替準備残り回転数を設定して(ステップA745)、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致するかを判定する(ステップA746)。なお、切替準備残り回転数は、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて異なる値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの何れかの演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよい。
ステップA746にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致しないと判定した場合(ステップA746;N)には、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(ステップA749)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブして(ステップA750)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(ステップA751)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA752)、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA746にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致すると判定した場合(ステップA746;Y)には、演出モード切替準備コマンドを準備して(ステップA747)、演出コマンド設定処理(ステップA748)を行った後に、ステップA749の処理に移行する。演出モード切替準備コマンドは、演出モードが切り替わる数回転前から先読み演出を行わないようにするためのコマンドであり、演出モード切替準備コマンドを演出制御装置300に送信することによって、モードをまたいで演出に矛盾等が生じないようにすることができる。
〔普図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における普図ゲーム処理(ステップS113)の詳細について説明する。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
図25に示すように、普図ゲーム処理では、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理(ステップB1)を行い、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)を行う。次に、普図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップB3)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、普図ゲーム処理タイマの値が「0」となったかを判定する(ステップB4)。
普図ゲーム処理タイマの値が「0」である(ステップB4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていたと判定すると、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップB5)を行って、当該テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップB6)を行う。そして、普図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップB7)。
ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「0」の場合は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理(ステップB8)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「1」の場合は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理(ステップB9)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「2」の場合は、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理(ステップB10)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、あるいは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理(ステップB11)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理(ステップB12)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理(ステップB13)を行う。
その後、普図表示器による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備した後(ステップB14)、普図表示器53による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップB15)を行って、普図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップB4にて、普図ゲーム処理タイマの値が「0」でない(ステップB4;N)、すなわちタイムアップしていないと判定すると、ステップB14の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
〔普図普段処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図普段処理(ステップB8)の詳細について説明する。図26に示すように、普図普段処理では、まず、普図保留数が「0」であるかを判定し(ステップB301)、普図保留数が「0」である場合(ステップB301;Y)は、処理番号として普図普段処理にかかる「0」を設定し(ステップB322)、普図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップB323)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップB324)、普図普段処理を終了する。
また、普図保留数が「0」でない場合(ステップB301;N)は、RWMの当り乱数格納領域(保留数1用)、当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードし、ロードした領域、すなわち当り乱数格納領域(保留数1用)及び当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップB302)、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率(すなわち、普図低確率)よりも高くされた普図高確率中であるか、すなわち時短状態中であるかを判定する(ステップB303)。
普図高確率中でない場合(ステップB303;N)は、普図低確率時の下限判定値(低確率下限判定値)を設定し(ステップB304)、普図高確率中である場合(ステップB303;Y)は、普図高確率時の下限判定値(高確率下限判定値)を設定する(ステップB305)。
その後、当り乱数の値が上限判定値以上であるかを判定し(ステップB306)、当り乱数の値が上限判定値以上でない場合(ステップB306;N)は、当り乱数の値がステップB304又はB305にて設定した下限判定値未満であるかを判定する(ステップB307)。
当り乱数の値が上限判定値以上である場合(ステップB306;Y)や、当り乱数の値がステップB304又はB305にて設定した下限判定値未満である場合(ステップB307;Y)は、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブし(ステップB308)、はずれ停止図柄番号を設定し(ステップB309)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB310)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB314)。
一方、当り乱数の値がステップB304又はB305にて設定した下限判定値未満でない場合(ステップB307;N)は、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(ステップB311)、ステップB302にてロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(ステップB312)、停止図柄番号に対応する停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB313)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB314)。
本実施形態の場合、普図低確率時における当りの確率は0/251、普図高確率時における当りの確率は250/251であり、上限判定値は「251」、低確率下限判定値は「251」、高確率下限判定値は「1」である。したがって、普図低確率時は、当り乱数の値が「0」〜「250」全ての場合ではずれとなる。また、普図高確率時は、当り乱数の値が「1」〜「250」の何れかである場合が当り、当り乱数の値が「0」である場合がはずれとなる。
また、本実施形態の場合、当り図柄は2種類ある。
停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブ(ステップB314)した後、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB315)。
その後、当り乱数格納領域をシフトし(ステップB316)、シフト後の空き領域を0クリアして(ステップB317)、普図保留数を−1更新する(ステップB318)。すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2〜4の順位を1つずつ繰り上げる処理を行う。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
次いで、変動パターン乱数3を抽出して(ステップB319)、当該変動パターン乱数3に対応する変動時間を設定し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB320)。そして、普図変動中処理に移行するための普図変動中処理移行設定処理(ステップB321)を行い、普図普段処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、普図始動ゲート34(流入領域)での遊技球の検出に基づいて(普図始動記憶に基づいて)変動表示ゲームとして普図変動表示ゲームを実行するゲーム実行手段をなす。
本実施形態の場合、ステップB320では、変動時間として、200/256の確率で500m秒が設定され、40/256の確率で1500m秒が設定され、16/256の確率で3000m秒が設定される。
〔普図変動中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図変動中処理(ステップB9)の詳細について説明する。図27に示すように、普図変動中処理では、まず、処理番号として普図表示中処理にかかる「2」に設定し(ステップB401)、当該処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB402)。その後、普図表示器53における普図変動表示ゲームの結果の表示時間である普図表示時間(例えば600m秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB403)、普図の変動終了に関する信号(例えば、普通図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB404)、普図変動表示ゲームが停止中であることを示す停止フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブして(ステップB405)、普図変動中処理を終了する。
〔普図表示中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図表示中処理(ステップB10)の詳細について説明する。図28に示すように、普図表示中処理では、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグ(当り情報又ははずれ情報)をロードし(ステップB501)、RWMの当りフラグ領域をクリアして(ステップB502)、ロードされた当りフラグが当り情報かを判定する(ステップB503)。
当りフラグが当り情報でない場合(ステップB503;N)は、処理番号として普図普段処理にかかる「0」を設定し(ステップB515)、当該処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB516)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップB517)、普図表示中処理を終了する。
一方、当りフラグが当り情報である場合(ステップB503;Y)は、当り中処理設定テーブルを設定して(ステップB504)、普図停止図柄情報に対応する当り開始ポインタの値(例えば、「0」又は「5」)を取得し、普図当り中制御ポインタ領域にセーブする(ステップB505)。次いで、普図停止図柄情報に対応する当り終了ポインタの値(例えば、「4」又は「7」)を取得し、普図当り終了ポインタ領域にセーブする(ステップB506)。次いで、普図停止図柄情報に対応する普電開放時間(例えば、1700m秒又は2600m秒)を取得し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB507)。
次いで、普図当り中処理に移行するための処理番号として「3」を設定し(ステップB508)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB509)。その後、普図変動表示ゲームの当りの開始に関する信号(例えば、普通図柄1当り中信号をON)と、普電作動開始に関する信号(例えば、普通電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB510)、普電ソレノイドを駆動(オン)する信号を出力するため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(ステップB511)。
さらに、普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電カウント数領域の情報をクリアして(ステップB512)、普電不正監視期間における普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電不正入賞数領域の情報をクリアする(ステップB513)。そして、普通変動入賞装置37の不正監視期間外を規定するフラグ(不正監視期間外フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップB514)、普図表示中処理を終了する。
〔普図当り中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り中処理(ステップB11)の詳細について説明する。図29に示すように、普図当り中処理では、まず、普図当り中制御ポインタをロードし、準備して(ステップB601)、ロードした普図当り中制御ポインタの値が上限値以上であるかを判定する(ステップB602)。
そして、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上でない場合(ステップB602;N)は、普図当り中制御ポインタを+1更新して(ステップB603)、普図当り中制御ポインタの値(ステップB603で+1更新する前の値)に応じた分岐処理を行う(ステップB604)。
また、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上である場合(ステップB602;Y)は、ステップB603における普図当り中処理制御ポインタ領域を+1更新する処理を行わずに、普図当り中制御ポインタの値に応じた分岐処理を行う(ステップB604)。
制御ポインタの値が「0」、「2」又は「5」であった場合は、ステップB605へ移行して、普通変動入賞装置37の閉塞を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の閉塞後のウェイト時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB605)、普電ソレノイド37cをオフさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップB606)、普図当り中処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「1」又は「3」であった場合は、ステップB607へ移行して、普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB607)、普電ソレノイド37cをオンさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップB608)、普図当り中処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「6」であった場合は、ステップB609へ移行して、普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB609)、普電ソレノイド37cをオンさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップB610)、普図当り中処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「4」又は「7」であった場合は、ステップB611へ移行して、普通変動入賞装置37の開放制御を終了して普電残存球処理を行うため、処理番号として「4」を設定する(ステップB611)。そして、この処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップB612)、普電残存球処理時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB613)。その後、普電ソレノイド37cをオフさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップB614)、普図当り中処理を終了する。
ここで、本実施形態では、例えば、ステップB605にてウェイト時間として300m秒を、ステップB607にて普電開放時間として1700m秒を、ステップB609にて普電開放時間として2600m秒を、ステップB613にて普電残存球処理時間として600m秒をセーブする。
さらに、普図停止図柄が「当り図柄1」である場合は、図28に示す普図表示中処理のステップB505において、当り開始ポインタの値として「0」が取得され、普図表示中処理のステップB506において、当り終了ポインタの値として「4」が取得され、普図表示中処理のステップB507において、普電開放時間として「1700m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「1700m秒」であるため普電が1700m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「0」であるため300m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「1」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「2」に更新されるため300m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「3」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「4」に更新されるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。
また、普図停止図柄が「当り図柄2」である場合は、図28に示す普図表示中処理のステップB505において、当り開始ポインタの値として「5」が取得され、普図表示中処理のステップB506において、当り終了ポインタの値として「7」が取得され、普図表示中処理のステップB507において、普電開放時間として「2600m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「2600m秒」であるため普電が2600m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「5」であるため300m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「6」に更新されるため普電が2600m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「7」に更新されるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。すなわち、遊技制御手段100が所定条件の成立に基づき普図ゲーム(普図変動表示ゲーム)を実行し、当該普図ゲームの結果が特定結果となった場合に普通変動入賞装置37を開状態に変換する当り状態(普図当り状態)を発生可能な普通変動入賞装置制御手段をなす。
〔外部情報編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS117)の詳細について説明する。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップS111)、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS107)、磁石不正監視処理(ステップS115)、盤電波不正監視処理(ステップS116)での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
図30及び図31に示すように、外部情報編集処理では、まず、ガラス枠開放エラーの発生中でもなく(ステップS801;N)、本体枠開放エラーの発生中でもない場合(ステップS802;N)には、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS803)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS804)、ステップS807の処理に移行する。
一方、ガラス枠開放エラーの発生中である場合(ステップS801;Y)、あるいは、本体枠開放エラーの発生中である場合(ステップS802;Y)には、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS805)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS806)、ステップS807の処理に移行する。
そして、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータの初期化が行われた時から所定時間(例えば256m秒)を計時するセキュリティ信号制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS807)。なお、セキュリティ信号制御タイマの初期値は、メイン処理においてRAMクリアで起動したときのRAM初期値設定時に設定され、セキュリティ信号制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS808)。
セキュリティ信号制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS808;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS809)、ステップS810の処理に移行する。また、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」である場合(ステップS808;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、ステップS809の処理を行わずに、ステップS810の処理に移行する。
そして、磁石不正の発生中である場合(ステップS810;Y)、盤電波不正の発生中である場合(ステップS811;Y)、枠電波不正の発生中である場合(ステップS812;Y)、普電不正の発生中である場合(ステップS813;Y)、あるいは、大入賞口不正の発生中である場合(ステップS814;Y)は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS817)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS818)、ステップS819の処理に移行する。すなわち、エラーの発生が外部情報として出力される。
一方、磁石不正の発生中でもなく(ステップS810;N)、盤電波不正の発生中でもなく(ステップS811;N)、枠電波不正の発生中でもなく(ステップS812;N)、普電不正の発生中でもなく(ステップS813;N)、大入賞口不正の発生中でもない場合(ステップS814;N)は、スイッチ異常の発生中であるかを判定する(ステップS815)。
スイッチ異常の発生中である場合(ステップS815;Y)には、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS818)、ステップS819の処理に移行する。また、スイッチ異常の発生中でない場合(ステップS815;N)には、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS816)、ステップS819の処理に移行する。
そして、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理(ステップS819)を行い、始動口の入賞信号を編集する始動口信号編集処理(ステップS820)を行う。
次に、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の出力時間を制御するための図柄確定回数制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS821)。なお、図柄確定回数制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、図柄確定回数制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS822)。
図柄確定回数制御タイマの値が「0」である場合(ステップS822;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、図柄確定回数信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS823)、外部情報編集処理を終了する。
また、図柄確定回数制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS822;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、図柄確定回数信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS824)、外部情報編集処理を終了する。
次に演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311では、図32に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。
〔メイン処理〕
図32に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出ボタン25やタッチパネル29の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出ボタン25やタッチパネル29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では演出ボタン25やタッチパネル29からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)には、画面描画を指示する(ステップC16)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や枠装飾装置18、サブ情報表示装置90などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行い、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図33には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC203)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204)、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステップC208)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC210;Y)には、受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図34には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC234)。
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップC234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC234;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC241;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するために必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
また、電源投入に関するコマンドや、確率設定値に関するコマンドについては単発系コマンド処理で対応する処理が行われるようになっている。電源投入に関するコマンドとしては、停電復旧時のコマンドやRAM初期化時のコマンドが挙げられる。確率設定値に関するコマンドとしては、確率設定変更中、確率設定値変更、確率設定変更終了、確率設定値確認中、確率設定値確認終了の各コマンドが挙げられる。
なお、以上の第1実施形態では、電源の投入後に設定キースイッチ152をオン状態とした場合には確率設定値確認モードに移行するようにしたが、電源の投入後に設定キースイッチ152をオン状態とした場合でも確率設定値変更状態に移行するようにしても良い。ただし、確率設定値変更状態の終了に伴いRAMが初期化されるので、特図変動表示ゲームの実行中、普図変動表示ゲームの実行中、特別遊技状態中又は普図の当り状態中のいずれにも該当しないことを条件としても良い。また、客待ち状態であることを条件としても良い。また、操作ハンドル24が操作されていてタッチスイッチからの入力がある場合は確率設定値変更状態に移行できないようにしても良い。
また、確率設定値変更状態の終了に伴いRAM111Cの初期化を行うとしたが、RAM111Cのデータに異常があると判定された場合以外はRAM111Cの初期化を行わないようにしても良い。
また、各確率設定値に対応する確率値をそれぞれ異なるものとしたが、異なる確率設定値に対して同じ確率値を割り当てても良い。図35(a)には、本実施形態での確率設定値を示した。RAM111Cの確率設定値領域の値は0〜5の値を取るようになっている。作業用確率設定値領域も同じである。この確率設定値領域の値に対応して確率設定値として設定1〜設定6が割り当てられている。確率設定値表示装置153の表示は確率設定値の値に対応して1〜6の表示がなされる。確率値は、設定1〜設定6でそれぞれ異なる確率値が割り当てられている。
図35(b)には、確率値の割り当てが異なる例を示した。この例では、設定4〜設定6として設定1〜設定3の確率値が割り当てられている。よって、実質的には3段階の確率値を切り替え可能となっている。これ以外は図35(a)と同様である。このようにすることで、6段階の確率値が不要な場合には確率値だけを異ならせればよく、容易に設計変更が可能となる。
なお、どの確率設定値にどの確率値を割り当てるかは自由であり、例えば、設定1と設定6、設定2と設定5、設定3と設定4を同じ確率値としても良い。設定値変更ボタンの操作により確率設定値領域(作業用確率設定値領域)の値は+1更新されるので、割り当てを変えることで設定値変更ボタンを操作した際に変化する確率値の順序が異なる順序となる。また、例えば、2つの確率設定値について他の確率設定値と同じ確率値を割り当てれば変化の段階を4段階とすることができ、1段階〜6段階の任意の段階とすることができる。
図35(c)にも、確率値の割り当てが異なる例を示した。この例では、図35(b)において設定4〜設定6であったものを設定1〜設定3とし、確率設定値表示装置153での表示もこれに対応して1〜3としている。これにより、確率設定値表示装置153の表示と確率値が対応するようになり、作業を行う係員が確率値を把握しやすくすることができる。
図35(d)にも、確率値の割り当てが異なる例を示した。この例では、全て設定1であり、確率設定値表示装置153の表示も全て1であり、確率値も全て同じである。すなわち、実質的に一つの確率値だけを設定可能となり、確率値を変化させる機能が不要な場合でも遊技制御装置100の構成を変更せずに値の設定だけで対応することが可能となる。このようにした場合、設定値変更ボタンを操作しても確率設定値表示装置153では同じ表示がなされるとなるが、上述したように特定表示(例えばブランク表示)が行われることで、操作が受け付けられたことを作業員が把握しやすくなる。
なお、確率設定値領域の値の数を6つとしたが、これ以外の数であっても良い。例えば、図35(b)や(c)の場合に確率設定値領域の値の数も3つとしても良い。また、図35(d)の場合に確率設定値領域の値の数を1つとしても良い。また、より多くの段階数を設定可能とするために、確率設定値領域の値の数を7以上としても良い。また、確率値が割り当てられた確率設定値を選択するようにしたが、確率値を選択するようにしても良い。この場合、確率設定値表示装置153には選択されている確率値を表示するようにする。
また、確率設定値に応じて大当りの確率値を割り当てているが、小当りの確率値も割り当てられており、確率設定値の変更に対応して小当りの確率値も変更されるようになっている。各確率設定値に対応する大当りの確率値と小当りの確率値はそれぞれ独立して決めることが可能である。ただし、特図変動表示ゲームの結果として大当りと小当りのみとする場合には、大当りの確率値に応じた小当りの確率値を設定する必要がある。また、大当りの確率値を設定するための確率設定値と、小当りの確率値を設定するための確率設定値をそれぞれ別々に設定できるようにしても良い。また、小当りの確率値を確率設定値に関わらず一定値としても良い。さらに、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率についても大当りとなる確率値を規定する確率設定値に応じて設定されるようにしても良いし、独立して設定できるようにしても良い。
また、設定値変更ボタン、設定キー操作部及び確率設定値表示装置153などを設定用副基板に設けて遊技制御装置100に接続する構成とした場合に、確率値を変化させる機能が不要な場合にはこの設定用副基板を取り外し、遊技制御装置100の設定用副基板との接続部にはGND接続等の終端処理を行った副基板等を接続するようにしても良い。このようにすることで、遊技制御装置100の構成を変更せずに確率値を変化させる機能だけをなくすことができ、コストの低減を図ることができる。また、確率変動機能を有しない遊技機において、確率設定値毎に作動確率Mを設けても良い。
〔第1変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技制御装置100が電源の投入時に払出制御装置200に対して払い出しを指示するコマンドを送信するようにしている。
本変形例での払出制御装置200は、電源遮断状態でも記憶内容を保持可能な記憶手段を備えている。この記憶手段には、遊技制御装置100から受信した払出コマンドの情報を記憶するようになっており、ここに記憶された情報に基づき払い出しを行うようになっている。このように払出制御装置200の記憶手段が、電源遮断状態での記憶内容を保持可能であるので、遊技制御装置100は払出ビジー信号の状態にかかわらず払出コマンドを順次送信するようになっている。よって、未払出の払出コマンドの情報は払出制御装置200の記憶手段に蓄積されるようになっている。
〔メイン処理〕
本変形例の遊技機では、図5に示したメイン処理に替えて図36に示すメイン処理を行う。この処理では、設定変更指示のコマンド(特定情報)を演出制御基板(演出制御装置300)に送信する場合(ステップS28)には、払出制御装置200に払い出し指示のコマンド(特定情報)を送信する(ステップS81)ようになっている。払出制御装置200では、この払い出し指示のコマンドを受信することに基づき、自身の記憶手段にバックアップされた情報に基づき払い出しを開始する。このようにすることで、遊技制御装置100のバックアップデータが破損している場合でも、払出制御装置200に記憶されていた情報に基づき払い出しを行うことができ、遊技者の利益を損なうことを防止できる。
なお、演出制御装置300では、設定変更指示のコマンドを受信することに基づき、確率設定値の変更を促す報知を行うことに加えて、払い出しが行われる可能性がある旨の報知も行うようにしても良い。また、払出制御装置200に払い出し指示のコマンド(特定情報)を送信するのは、上記の場合に限られず、例えば、図6において確率設定変更中のコマンドを演出制御装置300に送信する場合(ステップS40)や、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送信する場合(ステップS44)にも払出制御装置200に払い出し指示のコマンド(特定情報)を送信するようにしても良い。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段からの情報に基づき、遊技の演出の制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段からの払出情報に基づき、遊技媒体を払い出す制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、電源遮断状態でも記憶内容を保持可能な記憶手段(RAM111C)と、電源の投入時に記憶手段に記憶されている情報が正当なものであるかを判定する正当性判定手段(遊技制御装置100)と、確率設定値を選択するための操作部の操作に基づき記憶手段を初期化可能な初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、正当性判定手段により、記憶手段に記憶されている情報が正当なものでないと判定された場合に、特定情報を演出制御手段及び払出制御手段に送信して遊技の制御を停止し、演出制御手段は、特定情報を受信することに基づき確率設定値の選択を促す報知を行い、払出制御手段は、電源遮断状態でも記憶内容を保持可能であり、遊技制御手段から受信した払出情報を記憶可能な払出情報記憶手段を備え、特定情報を受信すると、払出情報記憶手段に記憶された払出情報に基づき遊技媒体を払い出す制御を行うようにしたこととなる。したがって、正常な状態への復帰を促すことができるとともに、遊技者が得た利益を損なわないようにすることができる。また、RAM111Cが初期化されることにより、遊技店において設定した確率設定値の情報も失われ初期値が設定されることとなるが、確率設定値の選択を促す報知を行うことで、初期化によって遊技店が意図しない確率設定値が設定されたままの状態となることを防止することができる。
〔第2変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、選択した確率設定値の確定条件が複数用意されている。
〔確率設定値変更処理〕
本変形例の遊技機では、図11に示した確率設定値変更処理に替えて図37に示す確率設定値変更処理を行う。この確率設定値変更処理では、選択した確率設定値を確定するための条件が成立したかを監視する確定条件監視処理(ステップS450)を行う。
〔確定条件監視処理〕
図38に示すように確定条件監視処理では、まず、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチからの入力があるかを判定し(ステップS411)、タッチスイッチからの入力がある場合(ステップS411;Y)は、終了待機フラグをクリアし(ステップS457)、ステップS412〜S415の処理を行って確定条件監視処理を終了する。
すなわち、作業員が操作ハンドル24に触れる第1操作を行うことでタッチスイッチからの入力を条件とする第1確定条件が成立し、選択された確率設定値が設定されるようになっている。なお、終了待機フラグは後述するように第2確定条件の成立を監視するために用いるフラグであり、ここではタッチスイッチからの入力を条件とする第1確定条件が成立したことにより第2確定条件を監視する必要がなくなったため、終了待機フラグはクリアするようにしている。
一方、タッチスイッチからの入力がない場合(ステップS411;N)、つまり第1確定条件が成立していない場合は、終了待機フラグがあるかを判定する(ステップS451)。終了待機フラグがある場合(ステップS451;Y)は、ステップS455に移行する。この場合は既に第2確定条件の監視が開始されている状態である。また、終了待機フラグがない場合(ステップS451;N)は、設定キースイッチがオフ状態であるかを判定する(ステップS452)。
設定キースイッチがオフ状態でない場合(ステップS452;N)は、確定条件監視処理を終了する。この場合は確率設定値変更状態が継続する。また、設定キースイッチがオフ状態である場合(ステップS452;Y)は、変更終了タイマ領域に初期値(例えば3秒)をセーブし(ステップS453)、終了待機フラグをセットする(ステップS454)。
その後、変更終了タイマが0でなければ−1更新し(ステップS455)、変更終了タイマが0であるかを判定する(ステップS456)。変更終了タイマが0でない場合(ステップS456;N)は、確定条件監視処理を終了する。また、変更終了タイマが0である場合(ステップS456;Y)は、ステップS457以降の処理を行い、確定条件監視処理を終了する。すなわち、第2操作をなす設定キースイッチをオフ状態とする操作が行われてから所定時間(例えば3秒)が経過することで第2確定条件が成立し、選択された確率設定値が設定されるようになっている。
以上のように本変形例では、第1確定条件と第2確定条件のいずれかが成立することで選択された確率設定値が遊技に使用する確率設定値として設定されるようになっている。これらの確定条件が成立するまでは、選択された確率設定値は作業用確率設定値領域に記憶されており、遊技で使用する確率設定値が記憶された確率設定値領域の情報は変更されていない。よって、確定条件が成立する前に電源が遮断された場合には、選択された確率設定値は破棄され、元の確率設定値が設定された状態となる。
なお、確率設定値変更状態では、操作ハンドル24にタッチすることにより選択された確率設定値が設定されることを報知するようにしても良い。この報知は確率設定値変更状態において常に行うようにしても良いし、終了待機フラグが設定されている状態でのみ行うようにしても良い。また、第1確定条件及び第2確定条件は、上述の条件に限られず任意に設定可能である。例えば、第2確定条件を設定キースイッチがオフ状態となることのみとしても良い。また、3つ以上の確定条件を用意して何れかが成立したことにより選択された確率設定値が設定されるようにしても良い。
また、確定条件が成立する前に電源が遮断された場合に元の確率設定値が設定された状態となるとしたが、所定の確率設定値が設定されるようにしても良い。例えば、確率設定値変更状態が開始されたことに基づき確率設定値領域の情報を初期値(例えば設定1)に設定し、確定条件が成立する前に電源が遮断された場合にはこの初期値が設定された状態となるようにしても良い。この場合の初期値は任意の確率設定値を予め設定しておくことが可能であるが、例えば、RAM111Cの確率設定値用の領域が初期化された際に設定される確率設定値と同じ確率設定値としても良い。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、設定手段は、複数の確定条件のうちのいずれかが成立したことに基づき選択された確率設定値を設定するようにしたこととなる。したがって、確率設定値の変更を確実に行うことができる。また、複数の確定条件を備えることで作業の自由度が高まり、遊技店での作業効率を高めることができる。
また、設定手段は、複数の確定条件のいずれか成立する前に電源が遮断された場合は、選択された確率設定値を設定しないようにしたこととなる。したがって、意図せず確率設定値が変更されることを防止できる。
また、複数の確定条件として、第1確定条件と、第2確定条件と、を含み、第1確定条件は所定の第1操作が行われたことであり、第2確定条件は第1操作とは異なる所定の第2操作が行われた後に所定時間が経過することであることとなる。したがって、確率設定値の変更を確実に行うことができる。
〔第3変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、設定手段に設定キー操作部を備えておらず設定キースイッチ152は設けられていない。また、確率設定値を変更可能な変更可能状態への移行条件が異なっている。
〔メイン処理〕
本変形例の遊技機では、図5に示したメイン処理に替えて図39に示すメイン処理を行う。この処理では、バックアップされた情報が正常であり、確率設定値変更状態でない場合(ステップS21;N)に、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から設定値変更スイッチがオン状態であるかを判定する(ステップS61)。
設定値変更スイッチがオン状態でない場合(ステップS61;N)は、停電から正常に復旧した場合の処理を行うために図6のステップS30に移行する。また、設定値変更スイッチがオン状態である場合(ステップS61;Y)は、移行判定処理を行う(ステップS62)。後述するように移行判定処理では、確率設定値変更状態への移行条件が成立したかの判定を行い、移行条件が成立した場合には確率設定値変更中フラグがセットされるようになっている。
移行判定処理で確率設定値変更中フラグがセットされた場合(ステップS63;Y)は、RAMの初期化の処理と設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理を行うために図6のステップS35に移行する。なお、本変形例では、移行判定処理で確率設定値変更中フラグがセットされるので、ステップS37の処理は行わなくても良い。また、移行判定処理で確率設定値変更中フラグがセットされなかった場合(ステップS63;N)は、遊技制御用のRAM領域の初期化の処理を行うために図6のステップS41に移行する。
一方、バックアップされた情報が正常でなかった場合に、RAMクリア先頭アドレス1を設定(ステップS25)した後、先に読み込んだ第3入力ポート124の状態から設定値変更スイッチがオン状態であるかを判定する(ステップS64)。設定値変更スイッチがオン状態でない場合(ステップS64;N)は、設定変更指示のコマンド(特定情報)を演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップS28)、RAMアクセスを禁止し(ステップS29)、制御を停止して遊技機の電源の遮断を待つ。
また、設定値変更スイッチがオン状態である場合(ステップS64;Y)は、移行判定処理を行う(ステップS65)。この移行判定処理はステップS62と同じ処理である。移行判定処理で確率設定値変更中フラグがセットされた場合(ステップS66;Y)は、RAMの初期化の処理と確率設定値の変更が可能な確率設定値変更状態とする処理を行うために図6のステップS35に移行する。また、移行判定処理で確率設定値変更中フラグがセットされなかった場合(ステップS66;N)は、ステップS27に移行する。
〔移行判定処理〕
図40には、上述のメイン処理における移行判定処理(ステップS62、S65)を示した。この移行判定処理では、まず、移行待機タイマ領域に初期値(例えば30秒)をセーブし(ステップS71)、入力ポート1の状態を読み込み(ステップS72)、移行条件が成立したかを判定する(ステップS73)。
本変形例では、所定時間内に係員が所定の順序で入賞領域に遊技球を入れることで確率設定値変更状態に移行させることができるようにされており、遊技領域32に設けられた入賞領域からの検出信号が入力される入力ポート1の状態からこの移行条件が成立したかを判定するようになっている。この移行条件が成立した場合(ステップS73;Y)は、確率設定値変更中フラグをセットし(ステップS76)、移行判定処理を終了する。これにより確率設定値変更状態に移行することとなる。
また、移行条件が成立していない場合(ステップS73;N)は、移行待機タイマが0でなければ−1更新し(ステップS74)、移行待機タイマが0であるかを判定する(ステップS75)。そして、移行待機タイマが0でない場合(ステップS75;N)は、ステップS72に戻る。すなわち、所定時間(例えば30秒)にわたり入賞領域からの検出信号を監視するようになっている。
また、移行待機タイマが0である場合(ステップS75;Y)は、移行判定処理を終了する。すなわち、所定時間内に移行条件が成立しなかった場合は、確率設定値変更中フラグをセットせずに移行判定処理を終了する。これにより、バックアップされたデータが正常である場合には遊技制御用のRAM領域の初期化の処理を行うために図6のステップS41に移行することとなり、バックアップされたデータが異常である場合にはステップS28、S29の処理が行われて制御が停止することとなる。
なお、移行条件は遊技店において変更可能としても良いし、変更できないものとしても良い。また、移行条件を所定の順序で入賞領域に遊技球を入れることとしたが、順序は問わずに所定の入賞領域に所定数の遊技球を入れることとしても良い。また、一つの検出手段での所定の検出を移行条件としても良い。この場合、単に当該検出手段で検出があったことのみを条件としても良いし、当該検出手段で複数回の検出が所定態様(検出回数や検出間隔など)であったことを所定条件としても良い。
また、移行条件を成立させるために用いる検出手段として入賞領域の検出センサを用いたが、これ以外の検出センサを使用可能としても良い。例えば、操作ハンドル24のタッチセンサや設定値変更スイッチ151を使用可能としても良い。ただし、入賞領域の検出センサのように遊技中に遊技者が自由に操作することができない検出手段での検出を移行条件に含むようにすることが好ましい。
また、前面枠12を開放した状態でのみ操作可能な位置に複数のディップスイッチを設け、移行条件を成立させるために用いる検出手段として用い、各ディップスイッチの状態が所定の状態である場合に移行条件が成立するようにしても良い。また、前面枠12を開放した状態でのみ操作可能な位置にキーボードを設けて移行条件を成立させるために用いる検出手段として用い、キーボードから入力されたパスワードにより移行条件が成立するようにしても良い。
また、遊技機の電源投入時に設定値変更スイッチ151がオン状態とされている場合にのみ移行条件の成立を監視して確率設定値変更状態への移行を可能としたが、遊技機の電源投入時に設定値変更スイッチ151がオン状態とされていない場合でも移行条件の成立を監視して確率設定値変更状態への移行を可能としても良い。この場合は、遊技機の電源の投入に基づき常に移行条件の成立を監視する期間が必ず設定されるようにしても良いし、電源の投入後に設定値変更スイッチ151が操作された場合に移行条件の成立を監視する期間を開始するようにしても良い。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技において使用される検出手段(ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、大入賞口スイッチ38a)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作に基づき複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)を備え、設定手段は、検出手段で予め定められた態様の検出があった場合に、確率設定値の選択を可能とするようにしたこととなる。したがって、検出手段での予め定められた態様の検出が設定キーと同等の機能をなすので不正に確率設定値の変更が行われることを防止できる。また、同時に確率設定値の変更作業を実行可能な遊技機の数が設定キーの個数に限られることもなく、複数の遊技機で同時に確率設定値の変更作業を行うことができて作業の効率が向上する。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技において使用される複数の検出手段(ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、大入賞口スイッチ38a)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作に基づき複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)を備え、設定手段は、複数の検出手段で予め定められた態様の検出があった場合に、確率設定値の選択を可能とするようにしたこととなる。したがって、検出手段での予め定められた態様の検出が設定キーと同等の機能をなすので不正に確率設定値の変更が行われることを防止できる。また、同時に確率設定値の変更作業を実行可能な遊技機の数が設定キーの個数に限られることもなく、複数の遊技機で同時に確率設定値の変更作業を行うことができて作業の効率が向上する。
設定手段は、電源の投入後の一定期間において検出手段で前記予め定められた態様の検出があった場合に、確率設定値の選択を可能とするようにしたこととなる。したがって、意図せず確率設定値が変更されることを防止できる。
また、複数の検出手段は、遊技者が操作不能なものであることとなる。したがって、意図せず確率設定値が変更されることを防止できる。
〔第4変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、確率設定値の変更をディップスイッチにより構成された設定値変更操作部で行うようにしている。
設定値変更操作部をなすディップスイッチは前面枠12を開放した状態でのみ操作可能な位置に設けられており、その入力状態はCPU111Aに入力されるようになっている。図41に示すように、設定値変更操作部としてSW1〜SW3の3つのディップスイッチが設けられており、各確率設定値に対応したディップスイッチの状態が規定されている。
〔確率設定値変更処理〕
本変形例の遊技機では、図11に示した確率設定値変更処理に替えて図42に示す確率設定値変更処理を行う。この確率設定値変更処理では、設定値変更操作部の状態が変化したかを判定し(ステップS461)、変化した場合(ステップS461)は、作業用確率設定値領域の値を対応する値に設定するようにしている(ステップS462)。これにより、確率設定値変更状態中に設定値変更操作部を操作し、所望の確率設定値に対応する状態として確率設定値変更状態を終了することで、所望の確率設定値が設定されることとなる。
このようにディップスイッチを用いることで、所望の確率設定値を設定する作業が容易になるとともに、設定した確率設定値を一見して把握することができるようになる。なお、設定されている確率設定値を一見して把握可能であるので、確率設定値表示装置153は設けないようにしても良い。また、前面枠12を開放した際にディップスイッチの状態がすぐに見えてしまわないように、ディップスイッチを覆うカバーを取り付け可能としても良い。
また、各ディップスイッチの状態を把握しやすくするため、各ディップスイッチに対応して確認用LEDを設け、対応するディップスイッチがONである場合に点灯するようにしても良い。また、確認用LEDの点灯は、常時行うようにしても良いし、確率設定値変更状態や確率設定値確認モードでのみ点灯するようにしても良い。
また、設定値変更操作部としてはディップスイッチに限られるものではなく、トグルスイッチやロータリー式のスイッチなどでも良く、各スイッチの状態を視認することで確率設定値を把握できるものであればどのようなものでも良い。
また、設定キースイッチ152の状態により確率設定値変更状態とするようにしたが、上述の第3変形例のように設定値変更スイッチ151の状態により確率設定値変更状態に移行可能とし、所定時間の経過で確率設定値変更状態が終了するようにしても良い。この場合、当該所定時間の経過時の設定値変更操作部の状態に基づき確率設定値を設定するようにしても良いし、所定の確定操作があった時点の設定値変更操作部の状態に基づき確率設定値を設定するようにしても良い。
また、確率設定値変更状態ではない場合に、現在設定されている確率設定値と、設定値変更操作部の状態を比較し、両者の状態が一致するかを監視する監視処理を行うようにしても良い。監視処理は確率設定値変更状態でない場合に常時行うようにしても良いし、電源の投入時や特図変動表示ゲームの開始時など所定の時期にのみ行うようにしても良い。また、一定時間ごとに定期的に行うようにしても良い。監視処理により両者の状態が一致しないと判定された場合には、異常が発生した旨の報知を行うようにしても良いし、遊技を停止するようにしても良い。
〔第5変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第5変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、確率設定値の変更を可能な状態とするための設定キースイッチ152とCPU111Aとの間の配線が断線している場合は遊技を行うことができないようにされている。
本変形例では、設定値変更ボタン、設定キー操作部及び確率設定値表示装置153などを備えた設定手段をなす設定用副基板を備え、この設定用副基板が遊技制御装置100に接続されるようになっている。例えば図43(a)に示すように、設定用副基板に設けられた設定キースイッチ152からの配線は、コネクタ154を介して遊技制御装置100と接続されている。なお、ここでは設定値変更スイッチ151については図示を省略している。
図43(a)には設定キー操作部の設定キーが第2位置にない状態である場合を示した。この状態では設定キースイッチ152が閉じた状態となってCPU111Aへの入力はLOWとなるようにされ、設定キースイッチ152からの入力がオフ状態であると認識されるようになっている。これに基づき確率設定値変更状態とならないようにされて遊技の進行が可能な状態となる。また、本変形例の遊技機では、設定キースイッチ152の状態を視覚的に認識可能とする確認手段をなすLEDが設けられている。図14(a)の状態では、確認手段は消灯した状態となり、設定キースイッチ152がオフ状態であると認識されていることを確認可能となる。
図43(b)には設定キー操作部の設定キーが第2位置にある状態である場合を示した。この状態では設定キースイッチ152が開いた状態となってCPU111Aへの入力はHIとなるようにされ、設定キースイッチ152がオン状態であると認識されるようになっている。また、確認手段は点灯した状態となり、設定キースイッチ152がオン状態であると認識されていることを確認可能となる。
上述したように、電源の投入時に設定キー操作部の設定キーが第2位置とされて設定キースイッチ152からの入力がオン状態となっていることを条件に確率設定値変更状態となるように構成されている。すなわち、設定キースイッチ152からオン状態の入力がなされることが、操作部が特定の状態となるように操作されたことに基づき入力される特定操作情報をなし、この特定操作情報の入力に基づき確率設定値の選択が可能な確率設定値変更状態となる。この確率設定値変更状態では遊技の進行ができない状態とされ、確率設定値変更状態を終了することで遊技の進行が可能となる。
図43(c)には設定キースイッチ152とCPU111Aの間の配線が断線した場合を示し、図43(d)にはコネクタ154が抜けた場合を示した。いずれの場合もCPU111Aへの入力はHIとなるようにされ、設定キースイッチ152がオン状態であると認識されるようになっている。また、確認手段は点灯した状態となり、設定キースイッチ152がオン状態であると認識されていることを確認可能となる。
すなわち、確率設定値を変更可能とする際と同じ状態になることからこの場合にも特定操作情報が入力されることとなる。これにより確率設定値変更状態となって遊技の進行ができない状態となる。このように、断線やコネクタ抜けである場合にも特定操作情報が入力されるようにしたことで、異常である場合に遊技が進行してしまうことを防止できる。また、設定キー操作部の設定キーが第2位置にないにもかかわらず確認手段が点灯した状態となるので、異常が発生していることを視覚的に確認することが可能となる。
なお、ここでは設定キースイッチ152と遊技制御装置100がコネクタ154により接続されている例を挙げたが、コネクタ154を介さずに直接接続されていても良い。また、設定キースイッチ152等を備えた設定手段をなす設定用副基板が遊技制御装置100とは別個に備えられているとしたが、遊技制御装置100に設定キースイッチ152等を設けて設定手段が遊技制御装置100と一体となっていても良く、この場合も同様の構成により設定キースイッチ152とCPU111Aとの間の断線やコネクタ抜けを検出することが可能である。
また、ここでは設定キースイッチ152と遊技制御装置100の接続が途絶えた場合に特定操作情報が入力されるようにしたが、設定用副基板と遊技制御装置100の接続が途絶えた場合に特定操作情報が入力されるようにしても良い。また、設定用副基板が当該設定用副基板内での設定キースイッチ152等の接続状況を確認し、異常がある場合には設定用副基板が特定操作情報を出力するようにしても良い。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、制御手段と接続され、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、操作部が特定の状態となるように操作されたことに基づき、特定操作情報が制御手段に入力されて確率設定値の選択が可能となるように構成され、制御手段は、特定操作情報が入力されている状態では遊技の進行を行わないように構成され、設定手段と制御手段との間の配線が断線している場合は、制御手段に特定操作情報が入力されるようにしたこととなる。したがって、不正に確率設定値を変更する行為を未然に防止することができる。
また、操作部が特定の状態となるように操作された状態で電源が投入された場合に、確率設定値の選択が可能となるようにしたこととなる。したがって、不正に確率設定値を変更する行為を未然に防止することができる。
〔第6変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第6変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、確率設定値確認モードへの移行条件が異なる。
〔確率設定値確認処理〕
本変形例では、図12に示した確率設定値確認処理に替えて図44に示す確率設定値確認処理を行う。この確率設定値確認処理では、遊技中である場合(ステップS433;Y)に、オフ状態確認フラグをクリアして(ステップS474)、確率設定値確認処理を終了する。また、遊技中でない場合(ステップS433;N)に、設定キースイッチがオン状態であるかを判定し(ステップS434)、オン状態でない場合(ステップS434;N)は、オフ状態確認フラグをセットして(ステップS473)、確率設定値確認処理を終了する。このオフ状態確認フラグは、遊技中でない状態で設定キースイッチがオフ状態となっていたことを示す情報である。
そして、設定キースイッチがオン状態である場合(ステップS434;Y)は、オフ状態確認フラグがあるかを判定する(ステップS471)。オフ状態確認フラグがある場合(ステップS471;Y)は、オフ状態確認フラグをクリアして(ステップS472)、ステップS435以降の処理を行い、確率設定値確認モードに移行する。一方、オフ状態確認フラグがない場合(ステップS471;N)は、確率設定値確認処理を終了する。すなわち、遊技中に設定キースイッチがオン状態とされたまま遊技中でない状態となった場合には、確率設定値確認モードに移行しないようにされ、遊技中でない状態で設定キースイッチがオフ状態からオン状態に変化した場合に確率設定値確認モードに移行するようにしている。
このように、遊技中から設定キースイッチがオン状態とされたままの場合に確率設定値確認モードに移行しないようにすることで、確率設定値確認モードに移行できない禁止状態である遊技中に意図せず設定キースイッチをオン状態としていた場合に、その後に遊技中でない状態(禁止状態でない状態)となって、確率設定値確認モードに移行して確率設定値が表示されてしまうことを防止できる。すなわち、確率設定値を確認する意思を持って操作した場合にのみ確率設定値が確認できる状態となるようにすることができる。
以上のことから、設定手段(遊技制御装置100)は、制御手段(遊技制御装置100)により制御される遊技の状態が禁止状態でない状態において操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152))の状態が所定状態に変更された場合にのみ確認状態とするようにしたこととなる。したがって、意図せず確率設定値が示されてしまうことを防止できる。
〔第7変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第7変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、第1操作部をなす設定キー操作部、第2操作部をなす設定値変更ボタンに加えて、第3操作部としてRAMクリアボタンを備えている。RAMクリアボタンの操作を検出するRAMクリアスイッチからの信号は遊技制御装置100に入力されるようになっている。また、RAMクリアボタンも設定キー操作部や設定値変更ボタンと同様に、前面枠12を開状態としなければ操作できないようにされている。
〔メイン処理〕
本変形例では、図5に示したメイン処理に替えて図45に示すメイン処理を行う。このメイン処理では、RAMクリアスイッチがオン状態(RAMクリアボタンが押下操作された状態)である場合(ステップS481;Y)にステップS41に移行する。すなわち、RAMクリアスイッチがRAM111Cの初期化を行わせるための操作部をなす。
〔確率設定値変更処理〕
また、図11に示した確率設定値変更処理に替えて図46に示す確率設定値変更処理を行う。この確率設定値変更処理では、RAMクリアスイッチからの入力がある(オン状態である)場合(ステップS482;Y)に、ステップS412以降の処理を行い、選択された確率設定値を確定する処理を行う。
このように、RAMクリアボタンを押下した状態で電源を投入することでRAM111Cの初期化を行うことができ、このRAMクリアボタンにより確率設定値の確定を行うことができるので、RAMの初期化と確率設定値の確定の作業を最小限の操作部を用いてそれぞれ選択的に行うことができ、遊技店での作業効率を高めることができる。また、操作部を必要以上に設けなくても良くなり遊技機の製造のコストを低減することができ、さらに、操作部を設けるスペースも少なくて済むようになる。
また、電源投入時に設定キースイッチを操作した場合には確率設定値変更状態に移行するとともにRAMの初期化が行われるのに対し、電源投入時にRAMクリアボタンを操作した場合には確率設定値変更状態には移行せずにRAMの初期化のみを行うことができるので、RAMの初期化のみを行いたい場合に、設定キースイッチを操作する必要や確率設定値変更状態に移行してしまうことがなく、遊技店での作業効率を高めることができる。
以上のことから、設定手段(遊技制御装置100)は、複数の操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151)、RAMクリアボタン(RAMクリアスイッチ))のうち所定の操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、RAMクリアボタン(RAMクリアスイッチ))が操作された状態で遊技機の電源が投入された場合に、記憶手段(RAM111C)を初期化することが可能である。また、所定の操作部(RAMクリアボタン(RAMクリアスイッチ))を操作することにより、選択した確率設定値を確定可能であることとなる。
また、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、第1操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152))、第2操作部(設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))及び第3操作部(RAMクリアボタン(RAMクリアスイッチ))の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、設定手段により選択された確率設定値の情報を含む制御手段による遊技の制御に必要な情報を記憶可能な記憶手段(RAM111C)と、遊技機10の前面を覆い、閉状態と、開状態と、に変換可能な本体枠(前面枠12)と、本体枠の開閉状態を検出可能な開閉検出手段(遊技制御装置100)と、を備え、制御手段は、本体枠が開状態であると開閉検出手段により検出され、かつ、第1操作部が操作された状態で遊技機の電源が投入された場合には、確率設定値の変更を可能な状態とするとともに記憶手段を初期化するようにし、本体枠が開状態であると開閉検出手段により検出され、かつ、第3操作部が操作された状態で遊技機の電源が投入された場合には、確率設定値の変更を可能な状態とせずに記憶手段を初期化するようにしたこととなる。したがって、RAMの初期化のみを行いたい場合に確率設定値の変更操作を行う必要がなく、遊技店での作業効率を高めることができる。
また、制御手段は、本体枠が開状態であると開閉検出手段により検出され、かつ、第1操作部及び第3操作部が操作された状態で遊技機の電源が投入された場合には、確率設定値の変更を可能な状態とするとともに記憶手段を初期化するようにし、本体枠が閉状態であると開閉検出手段により検出され、かつ、第1操作部及び第3操作部が操作された状態で遊技機の電源が投入された場合には、確率設定値の変更を可能な状態とせずに記憶手段を初期化するようにしたこととなる。したがって、第1操作部及び第3操作部を同時に操作しても確率設定値変更状態に移行でき、遊技店での作業効率を高めることができる。また、本体枠が閉状態である場合は第1操作部が操作されていても確率設定値変更状態に移行しないので不正行為を防止できる。
なお、図45では設定キースイッチの状態をRAMクリアスイッチの状態の確認より先に行うことで設定キー操作部とRAMクリアボタンが同時に操作された場合でも確率設定値変更状態に移行するようにしているが、設定キースイッチがオン状態でありかつRAMクリアスイッチがオン状態であることを確率設定値変更状態への移行条件としても良い。複数の操作部の操作を条件とすることで、確率設定値変更状態への移行の意思を明確に確認することができる。
また、RAMクリアボタンを備えない第1実施形態の遊技機の場合は、本体枠が開状態であると開閉検出手段により検出され、かつ、設定キー操作部及び設定値変更ボタンが操作された状態で遊技機の電源が投入された場合には、確率設定値の変更を可能な状態とするとともに記憶手段を初期化するようにし、本体枠が閉状態であると開閉検出手段により検出され、かつ、設定キー操作部及び設定値変更ボタンが操作された状態で遊技機の電源が投入された場合には、確率設定値の変更を可能な状態とせずに記憶手段を初期化するようにしたこととなると言える。この場合も設定キースイッチがオン状態でありかつ設定値変更スイッチがオン状態であることを確率設定値変更状態への移行条件としても良い。
また、設定手段は、第2操作部を操作することにより、確率設定値を変更可能であることとなる。また、設定手段は、第3操作部を操作することにより、選択した確率設定値を確定可能であることとなる。
なお、図46において確率値変更スイッチとRAMクリアスイッチの機能を入れ替えても良い。すなわち、RAMクリアスイッチからの入力がある場合に、ステップS407以降の処理を行い、選択される確率設定値を変化させ、設定値変更スイッチからの入力がある場合に、ステップS412以降の処理を行い、選択された確率設定値を確定する処理を行うようにしても良い。
〔第8変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第8変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、確率設定値の確定操作が異なる。
〔確率設定値変更処理〕
本変形例では、図11に示した確率設定値変更処理に替えて図47に示す確率設定値変更処理を行う。この確率設定値変更処理では、設定値変更スイッチが第1入力態様で操作された場合(ステップS491;Y)に、ステップS407以降の処理を行い、選択される確率設定値を変化させる。また、設定値変更スイッチが第2入力態様で操作された場合(ステップS492;Y)に、ステップS412以降の処理を行い、選択された確率設定値を確定する処理を行う。
ここでの第1入力態様は、設定値変更ボタンが押下されて予め定められた規定時間未満で押下を終了する入力態様であって、当該押下を終了した時点で第1入力態様があったものと判断するようにしている。すなわち、短時間の押下操作であって設定値変更ボタンから手を離した際(設定値変更スイッチ151がオフ状態に変化した際)に確率設定値が変更されるようになっている。なお、設定値変更ボタンから手を離した時点としたのは、次に説明する第2入力態様を行った場合に確率設定値が更新されないようにするためである。
また、第2入力態様は、設定値変更ボタンが押下されて予め定められた規定時間以上で押下を終了する入力態様であって、当該規定時間を経過した時点で第2入力態様があったものと判断するようにしている。すなわち、規定時間を超える長時間の押下操作があった際(設定値変更スイッチ151が規定時間以上オン状態となった際)に確率設定値を確定するようにしている。
このように、設定値変更ボタンにより確率設定値の選択と確定を行うことができ、さらに設定値変更ボタンを押下した状態で電源を投入することでRAM111Cの初期化を行うことができるので、確率設定値の変更、確定とRAMのクリアの作業を最小限の操作部を用いてそれぞれ選択的に行うことができ、遊技店での作業効率を高めることができる。また、操作部を必要以上に設けなくても良くなり遊技機の製造のコストを低減することができ、さらに、操作部を設けるスペースも少なくて済むようになる。なお、第1入力態様と第2入力態様は上述の操作に限られず、それぞれを判別できる操作であればどのようなものであっても良い。
以上のことから、設定手段(遊技制御装置100)は、複数の操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))のうち所定の操作部が操作された状態で遊技機の電源が投入された場合に、記憶手段(RAM111C)を初期化することが可能であるとともに、所定の操作部を操作することにより、選択した確率設定値を確定可能であることとなる。
〔第9変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第9変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、確率設定値確認モードへの移行条件が異なる。
〔確率設定値確認処理〕
本変形例では、図12に示した確率設定値確認処理に替えて図48に示す確率設定値確認処理を行う。この確率設定値確認処理では、遊技中でない場合(ステップS433;N)に、所定の異常が発生しているかを判定する(ステップS501)。そして、所定の異常が発生している場合(ステップS501;Y)は、確率設定値確認処理を終了して確率設定値確認モードに移行しないようにしている。
所定の異常は任意に設定可能であるが、ここでは、磁石不正、盤電波不正、枠電波不正、普電不正及び大入賞口不正である。このいずれかの異常が発生中である場合は所定の異常が発生していると判定される。これらの異常は不正行為に起因する異常であり、このような異常が発生している場合に確率設定値確認モードに移行しないようにすることで、不正行為を行う者に確率設定値が知られてしまうことを防止することができる。
また、コネクタ抜けなどの発生によるスイッチ異常、シュート球切れエラー、オーバーフローエラー、払出異常エラー及びガラス枠開放エラーは所定の異常に含まれないが、これらを所定の異常に含んでも良い。また、前面枠12を開放して設定キー操作部や設定値変更ボタンを操作することとなるので、前面枠開放エラーについては所定の異常に含まないようにする。
また、図30に示したようにこれらの異常のいずれかが発生している場合には、特定外部情報をなすセキュリティ信号が外部に出力される状態となり、遊技店側に異常の発生を知らせるようになっており、この異常の発生の報知を受けて係員が確認するまでの間に確率設定値が知られてしまうことを防止できる。
なお、このセキュリティ信号は、RAM111Cの初期化が行われた場合や、確率設定値確認モードが開始された場合にも所定期間にわたり出力され、遊技機の確認を促すようにしている。遊技機の外部の装置では、所定時間を超えてセキュリティ信号が出力されることに基づき所定の異常が発生していることを把握可能となる。
また、所定の異常が発生している場合に設定キースイッチをオン状態としても確率設定値確認モードに移行しないようにしたが、所定の異常が発生している場合に設定キースイッチをオン状態とし、当該オン状態としたまま所定の異常がすべて解消した場合は、その時点から確率設定値確認モードに移行する。このようにすることで、所定の異常がすべて解消すれば自動的に確率設定値を確認することができるようになるので、確認作業の効率を向上することができる。
また、上述の第6変形例の構成を適用して、所定の異常が発生していない状態で設定キースイッチをオフ状態からオン状態に変化させた場合にのみ確率設定値確認モードに移行するようにしても良い。この場合、遊技中である場合(ステップS433;Y)及び所定の異常発生中である場合(ステップS501;Y)には、オフ状態確認フラグをクリアするようにする。
このように、所定の異常が発生している状態から設定キースイッチがオン状態とされたままの場合に確率設定値確認モードに移行しないようにすることで、確率設定値確認モードに移行できない禁止状態である所定の異常が発生している状態で意図せず設定キースイッチをオン状態としていた場合に、その後に所定の異常がすべて解消した状態(禁止状態でない状態)となって、確率設定値確認モードに移行して確率設定値が表示されてしまうことを防止できる。すなわち、確率設定値を確認する意思を持って操作した場合にのみ確率設定値が確認できる状態となるようにすることができる。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部(設定キー操作部(設定キースイッチ152)、設定値変更ボタン(設定値変更スイッチ151))の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、設定手段は、操作部が操作されて所定状態とされることに基づき、確率設定値の確認が可能な確認状態とすることが可能であり、制御手段により制御される遊技の状態が、所定の異常が発生している状態である場合には、操作部が所定状態であっても確認状態としないようにしたこととなる。したがって、遊技の状態に応じて確率設定値確認モードに移行するか否かを選択できるようになり、確率設定値が示されることによる不都合を防止できる。
また、所定の異常には複数種類の異常が含まれ、制御手段は、遊技機の外部に情報を出力可能であり、所定の異常のいずれかが発生している場合には、所定の異常のすべてが解消されるまで特定外部情報(セキュリティ信号)を外部に出力するようにしたこととなる。したがって、所定の異常が発生していることを遊技機の外部に報知できるとともに、確率設定値の確認を行うことができない状態であることを外部に報知できるようになり、確率設定値が示されることによる不都合を防止できる。
また、遊技の制御に必要な情報を記憶可能な記憶手段(RAM111C)を備え、制御手段は、記憶手段が初期化された場合及び確認状態が開始された場合に、所定期間にわたり特定外部情報を出力するようにしたこととなる。したがって、遊技機の確認が必要な状況が発生していることを遊技機の外部に報知できる。
また、設定手段は、所定の異常が発生している状態において操作部が所定状態とされ、当該所定状態とされたまま所定の異常がすべて解消した場合には、当該所定の異常がすべて解消したことに基づき確認状態とするようにしたこととなる。したがって、所定の異常が発生していない状態となれば自動的に確率設定値を確認することができるようになるので、確認作業の効率を向上することができる。
また、設定手段は、所定の異常が発生していない状態において操作部が所定状態に変更された場合にのみ確認状態とするようにしたこととなる。したがって、意図せず確率設定値が示されてしまうことを防止できる。
〔第10変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第10変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技中でも確率設定値確認モードへの移行が可能である。
〔確率設定値確認処理〕
本変形例では、図12に示した確率設定値確認処理に替えて図49に示す確率設定値確認処理を行う。この確率設定値確認処理では、設定キースイッチがオン状態である場合(ステップS434;Y)に、遊技中であるかを判定する(ステップS511)。遊技中でない場合(ステップS511;N)は、ステップS435に移行する。
一方、遊技中である場合(ステップS511;Y)は、遊技中断を設定し(ステップS512)、遊技中断フラグをセットして(ステップS513)、ステップS435に移行する。これにより、遊技中であっても確率設定値確認モードに移行でき、確率設定値確認モード中は遊技が中断された状態となる。
また、ステップS442の処理を行った後、遊技中断フラグがあるかを判定する(ステップS514)。遊技中断フラグがない場合(ステップS514;N)、すなわち遊技が中断されていない場合は、確率設定値確認処理を終了する。また、遊技中断フラグがある場合(ステップS514;Y)、すなわち遊技が中断されている場合は、遊技再開を設定し(ステップS515)、遊技中断フラグをクリアして(ステップS516)、確率設定値確認処理を終了する。これにより、確率設定値確認モードの終了に伴い中断されていた遊技が再開されるようになる。
遊技を中断している状態では、一括表示装置50の表示を一旦消去するようにしても良いし、中断直前の状態を継続するようにしても良い。また、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの変動表示中に遊技が中断された場合には、一括表示装置50での変動表示を継続するようにしても良い。また、一括表示装置50に中断状態であることを示す表示を行うようにしても良い。
また、遊技を中断する際に演出制御装置300に対して中断コマンドを送信し、遊技を再開する際に演出制御装置300に再開コマンドを送信するようにして、表示装置41や音声、LED等の発光部材又は可動役物により中断に対応した演出を行うようにしても良い。また、遊技を再開する際における表示装置41での表示等は、停電復旧時における表示装置41での表示等と同様としても良い。
また、遊技の中断中であっても始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35及び特別変動入賞装置38への入賞を有効としても良いし、無効としても良い。また、遊技の中断中であっても遊技球の払い出しは継続するようにしても良い。
〔第11変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第11変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、確率設定値の変更に伴う音声を出力するようにしている。
図50(a)には確率設定値の変更を行う場合の一例を示した。遊技機の電源がオフ状態である状態で設定キー操作部の設定キーを第2位置に回して設定キースイッチがオン状態となる状態とし(t11)、この状態で遊技機の電源を投入すると設定値変更状態となる(t12)。設定値変更状態となることに基づき遊技制御装置100から確率設定変更中のコマンドが演出制御装置300に送信され、演出制御装置300ではこのコマンドの受信に基づき確率設定値変更状態であることを報知する変更中報知音声を出力する。変更中報知音声としてはどのような音声であっても良いが、例えば「確率設定値の変更中です」という音声や、特定の音楽又は警報音が挙げられる。また、表示装置41やサブ情報表示装置90の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作によっても確率設定値変更状態であることを報知するようにしても良い。例えば、表示装置41に「確率設定値の変更中です」との表示を行っても良い。すなわち、遊技で使用する演出装置を用いて確率設定値変更状態であることを報知するようしている。このように演出装置を用いて報知を行うことで、確率設定値変更状態であることを明確に報知でき、営業中に不正に確率設定値変更状態とされた場合でも遊技店の店員や周囲の遊技者が気づくことができ、不正な遊技が行われることを未然に防止することができる。
そして、設定キー操作部の設定キーを第1位置に回して設定キースイッチがオフ状態となる状態とすると確率設定値変更状態が終了する(t13)。設定値変更状態が終了することに基づき遊技制御装置100から確率設定変更終了のコマンドが演出制御装置300に送信され、演出制御装置300ではこのコマンドの受信に基づき所定期間(例えば3分)にわたり設定された確率設定値の情報を報知するための確率設定値報知音声を出力する(t13〜t14)。その後、遊技の状態に応じた音声の出力が行われる(t14)。
確率設定値報知音声としてはどのような音声であっても良いが、例えば図50(b)に示すように、設定された確率設定値に応じた音声を出力する。例えば確率設定値が1である場合は「確率設定値1が設定されました」という音声が出力される。もちろんこれ以外の音声であっても良いし特定の音楽又は警報音であっても良い。また、表示装置41においても同様に設定された確率設定値に応じた表示が行われる。例えば確率設定値が1である場合は「確率設定値1が設定されました」という表示が行われる。もちろんこれ以外の表示であっても良い。
この他に、サブ情報表示装置90の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作を設定された確率設定値に応じたものとして確率設定値を報知するようにしても良い。すなわち、遊技で使用する演出装置を用いて確率設定値を報知するようしている。このように演出装置を用いて報知を行うことで、確率設定値が変更されたことを明確に報知でき、営業中に不正に確率設定値が変更された場合でも遊技店の店員や周囲の遊技者が気づくことができ、不正な遊技が行われることを未然に防止することができる。
なお、確率設定値変更状態である場合に、確率設定値変更状態である旨を示す外部情報を出力するようにし、外部装置(ホールコンピュータなど)で確率設定値変更状態であることを把握可能としても良い。また、確率設定値確認モードである場合にも同様に、確率設定値確認モードである旨を示す外部情報を出力するようにし、外部装置(ホールコンピュータなど)で確率設定値確認モードであることを把握可能としても良い。このようにすることで、遊技店側で確率設定値変更状態や確率設定値確認モードであることを即座に把握でき、不正行為を未然に防止することができる。
また、確率設定値変更状態の終了後の所定期間は遊技の進行ができないようにしても良い。また、この遊技の進行ができない期間にわたり確率設定値報知音声を出力するようにしても良い。このようにすることで、営業中において不正に確率設定値が変更されたとしてもすぐには遊技を行うことができず、不正に遊技が進行されることを防止できる。また、確率設定値確認モードである場合に、当該確率設定値確認モードであることをスピーカ19a、19b、表示装置41、サブ情報表示装置90、枠装飾装置18、盤装飾装置46、盤演出装置44などの演出装置により報知するようにしても良い。
また、確率設定値変更状態において操作により確率設定値が更新される毎に更新された確率設定値に応じた音声を出力するようにしても良い。また、他の演出装置でも同様に確率設定値の更新に対応して更新後の確率設定値を報知するようにしても良い。これにより選択している確率設定値を容易に確認することができる。
以上のことから、始動条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた確率設定値を、操作部の操作により複数種類の確率設定値から選択可能とする設定手段(遊技制御装置100)と、遊技の演出を行う演出装置(スピーカ19a、19b、表示装置41、サブ情報表示装置90、枠装飾装置18、盤装飾装置46、盤演出装置44)と、を備え、選択された確率設定値を演出装置により報知可能であることとなる。したがって、不正行為を未然に防止することができる。また、確率設定値を変更可能な状態であることを演出装置により報知可能であることとなる。また、確率設定値を確認可能な状態であることを演出装置により報知可能であることとなる。
また、確率設定値変更状態の終了後、所定期間にわたり遊技の進行を禁止するようにしたこととなる。したがって、営業中において不正に確率設定値が変更されたとしてもすぐには遊技を行うことができず、不正に遊技が進行されることを防止できる。
〔第12変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第12変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、磁気センサ61が初期設定延期機能、初期設定中止機能、出力ON保持機能及び出力OFF保持機能を有している。
図51(a)に、本変形例における磁気センサ61の内部回路と接続図を示す。
磁気センサ61は、配置環境における磁気の状態を検出して磁石や電波による不正行為(磁石不正)を検出するものである。磁気センサ61は、例えば、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス14の表面(遊技者側の面)から当該磁気センサ61の検出面までの距離が40mm〜60mmとなるように設置されている。
磁気センサ61は、例えば図51(a)に示すように、SEL−IN端子を備えており、磁気センサ61の感度は、SEL−IN端子に接続する抵抗Rdの値で設定される。すなわち、磁気センサ61は、複数段階(例えば4段階)の感度切り替えが可能となっている。磁気センサ61の感度は、SEL−IN端子に接続する抵抗Rdで選択されて磁気センサ61の初期設定時に設定され、電源遮断まで内部保持されるよう構成されており、電源供給状態での感度変更はできないようになっている。
SEL−IN端子は、使用する感度に対応する抵抗値を介して(すなわち抵抗Rdを介して)GNDに接続されている。抵抗Rdの接続するGNDは、磁気センサ61のGND(すなわち、磁気センサ61のGND端子に接続するGND)と共通となっている。
また、磁気センサ61は、例えば図51(a)に示すように、磁気状態の検出や異常発生の判定などを行う磁気センサ主回路61aを備えている。
磁気センサ主回路61aは、磁気を検出する回路の他、磁気センサ61の配置環境における磁気状態を基準磁気状態として記憶する基準磁気状態記憶手段と、基準磁気状態の記憶の開始を指令する基準磁気状態記憶指令手段と、基準磁気状態と現時点における磁気センサ61の配置環境における磁気状態とを比較して予め定められた許容範囲を外れる相違が検出された場合に異常な磁気が発生したものとして検出信号として異常信号を出力する異常信号出力手段とを備える。
磁気センサ主回路61aは、異常な磁気の検出時には出力トランジスタ61bをOFFとしてOUT端子をONとする。また、異常な磁気を検出していない時(非検出時)には出力トランジスタ61bをONとしてOUT端子をOFFとする。これにより、遊技制御装置100は、磁気センサ61のOUT端子の状態によって異常な磁気を検出したか否かを検知できるようになっている。すなわち、磁気センサ61は、異常な磁気の発生を検出する異常磁気検出手段をなす。
ここで、「異常な磁気」は、例えば、磁石の接近や電波の発射により発生するものであり、異常な磁気が発生している場合は不正行為(磁石不正)が行われている可能性が高い状態である。
また、磁気センサ61は、遊技機10の電源投入に基づき、基準磁気状態を記憶する初期設定(キャリブレーション)動作を行う。磁気センサ61の初期設定動作は、磁気センサ61に供給される電圧が所定の値になると、磁気センサ主回路61aにおいて基準磁気状態記憶指令手段が基準磁気状態記憶手段に対して基準磁気状態の記憶の開始を指令することで開始される。
すなわち、磁気センサ61は、周辺磁気の影響を補正するために、初期設定(キャリブレーション)動作を行う初期設定機能を有する。この初期設定動作によって検出領域の自動調整が行われ、自動調整された設定値は電源遮断まで内部保持される。初期設定動作には、例えば、最大で1.5秒の時間を要する。初期設定動作中にソレノイドやモータなどの電気的駆動源を駆動したり磁石を近づけたりすると磁気の影響を受けて検出領域が変動する要因となるため、初期設定動作の開始から終了までの間は磁気の影響を受けないように配慮する必要がある。
以上のことから、磁気センサ61(異常磁気検出手段)は、当該磁気センサ61の配置環境における磁気状態を基準磁気状態として記憶する基準磁気状態記憶手段と、基準磁気状態と現時点における当該磁気センサ61の配置環境における磁気状態とを比較して予め定められた許容範囲を外れる相違が検出された場合に異常な磁気が発生したものとして遊技制御装置100に検出信号として異常信号を出力する異常信号出力手段と、を備えるとともに、基準磁気状態記憶手段は、遊技機10の電源投入に基づき基準磁気状態の記憶を開始することとなる。
このような磁気センサ61を備えることで、基準となる磁気状態として、機種毎の差異の他、遊技店における各遊技機の設置環境に応じた設定が可能となり、より正確な不正検出を行うことができる。また、基準磁気状態記憶手段は、遊技機10の電源の投入に基づき基準磁気状態の記憶を開始するので、遊技機の移動や遊技店の改装などにより基準となる磁気状態が変化しても対応でき、常に正確な不正検出を行うことができる。
また、磁気センサ61は、例えば図51(a)に示すように、DOOR−IN入力端子(ドア信号入力端子)を備えており、DOOR−IN入力端子に入力される信号(ドア信号)がHi状態の場合には、磁気センサ61は機能しないよう構成されている。
電源立ち上げ時の初期設定動作は、磁気センサ61への電源供給があるという条件と、DOOR−IN入力端子に入力される信号(ドア信号)がLow状態であるという条件の双方を満たす場合に実行される。
したがって、遊技機10の電源投入時にドア信号がLow状態である場合には、直ちに磁気センサ61の初期設定動作が開始される(図52(a)参照)。
一方、遊技機10の電源投入時にドア信号がHi状態である場合には、ドア信号がLow状態となった後に磁気センサ61の初期設定動作が開始される(図52(b)参照)。すなわち、磁気センサ61は、遊技機10の電源投入時にドア信号がLow状態でない場合には、ドア信号がLow状態となった後に初期設定動作を実行する初期設定延期機能を有する。
また、磁気センサ61は、初期設定動作中にドア信号がHi状態になった場合には、初期設定動作を中止する初期設定中止機能を有する。そして、初期設定動作が中止された場合には、磁気センサ61への電源供給が維持された状態で、ドア信号が再度Low状態になることで初期設定動作がリスタートするよう構成されている。
さらに、磁気センサ61は、初期設定動作が正常に行われた後にドア信号がHi状態になった場合には、出力トランジスタ61bを出力ON状態(すなわち、異常な磁気を検出していない時(非検出時)と同じ状態)に保持する出力ON保持機能を有する(図52(a),(b)参照)。
また、磁気センサ61は、磁気センサ61周辺の磁気の影響等により初期設定動作が正常に行えなかった場合には、出力トランジスタ61bを出力OFF状態(すなわち、異常な磁気の検出時と同じ状態)に保持する出力OFF保持機能を有する(図52(c)参照)。出力トランジスタ61bの出力OFF状態を解除するためには、初期設定動作が正常に行えるよう周辺の磁気の影響等を配慮しつつ、磁気センサ61の電源を一度遮断し再起動する必要がある。
磁気センサ61の初期設定延期機能、初期設定中止機能、出力ON保持機能及び出力OFF保持機能の詳細について、図52に示す動作チャートを用いて説明する。なお、図52における「初期設定時間」は、磁気センサ61の電源を立ち上げてから検出状態を正確に出力するまでの時間である。
図52(a)に、ドアが閉鎖状態(前面枠12及びガラス枠15の双方が閉鎖状態)のときに遊技機10の電源が投入され、初期設定が正常に行われたときの動作チャートの一例を示す。
磁気センサ主回路61aは、遊技機10の電源が投入されて磁気センサ61に供給される電圧が所定の値になった時点(t21)で、初期設定動作を開始する。初期設定動作は、開始から所定時間(例えば1.5秒)以内に終了する(t22)。また、磁気センサ主回路61aは、遊技機10の電源投入から初期設定動作の終了までの間(t21〜t22)は、出力トランジスタ61bを出力ON状態(すなわち、異常な磁気を検出していない時(非検出時)と同じ状態)に保持する。
初期設定動作中にドア信号がHi状態になった場合には、初期設定中止機能が実行される。具体的には、磁気センサ主回路61aは、例えば、初期設定動作の開始から終了までの間(t21〜t22)にドア信号がHi状態となった場合には、初期設定動作を中止する。ドア信号が再びLow状態となり、初期設定動作が終了するまでドア信号のLow状態が維持されることで初期設定動作がはじめて完了する。なお、磁気センサ主回路61aは、初期設定動作が中止された場合でも、遊技機10の電源投入から初期設定動作の終了までの間(t21〜t22)は、出力トランジスタ61bを出力ON状態に保持する。
初期設定動作の終了後、DOOR−IN入力端子に入力される信号(ドア信号)がHi状態になった場合には、出力ON保持機能が実行される(t23〜t25,t26〜t29)。具体的には、磁気センサ主回路61aは、ドアが開放状態である間(t23〜t24、t26〜t28)とドアが閉鎖状態になってから所定の待機時間(例えば1秒)が経過するまでの間(t24〜t25、t28〜t29)は、出力トランジスタ61bを出力ON状態に保持する。
異常な磁気を検出した時点(t31)で出力トランジスタ61bはOFF状態となり、異常な磁気を検出しなくなった時点(t32)で出力トランジスタ61bはON状態に戻る。しかし、出力ON保持機能の実行中、出力トランジスタ61bは出力ON状態を保持しているため、出力ON保持機能の実行中(t26〜t29)に異常な磁気を検出した場合には、出力トランジスタ61bは異常な磁気の検出時(t27)にOFF状態とならず、出力ON保持機能の実行終了時(t29)にOFF状態となる。
図52(b)に、ドアが開放状態(前面枠12及びガラス枠15の少なくとも一方が開放状態)のときに遊技機10の電源が投入された後、ドアが閉鎖状態(前面枠12及びガラス枠15の双方が閉鎖状態)となって、初期設定が正常に行われたときの動作チャートの一例を示す。
遊技機10の電源投入時にドア信号がHi状態の場合には、初期設定延期機能が実行される(t41〜t43)。具体的には、磁気センサ主回路61aは、遊技機10の電源が投入されて磁気センサ61に供給される電圧が所定の値になった時点(t41)でドア信号がHi状態である場合には、ドア信号がLow状態になってから所定の待機時間(例えば1秒)が経過した時点(t43)で初期設定動作を開始する。初期設定動作は、開始から所定時間(例えば1.5秒)以内に終了する(t44)。また、磁気センサ主回路61aは、遊技機10の電源投入から初期設定動作の終了までの間(t41〜t44)は、出力トランジスタ61bを出力ON状態(すなわち、異常な磁気を検出していない時(非検出時)と同じ状態)に保持する。
初期設定動作中にドア信号がHi状態になった場合には、初期設定中止機能が実行される。具体的には、磁気センサ主回路61aは、例えば、ドア信号がLow状態となってから初期設定動作が終了するまでの間(t42〜t44)にドア信号がHi状態となった場合には、初期設定動作を中止する。ドア信号が再びLow状態となり、初期設定動作が終了するまでドア信号のLow状態が維持されることで初期設定動作がはじめて完了する。なお、磁気センサ主回路61aは、初期設定動作が中止された場合でも、遊技機10の電源投入から初期設定動作が終了するまでの間(t41〜t44)は、出力トランジスタ61bを出力ON状態に保持する。
そして、初期設定動作の終了後、ドア信号がHi状態になった場合には、出力ON保持機能が実行される(t45〜t47、t48〜t51)。
図52(c)に、ドアが閉鎖状態(前面枠12及びガラス枠15の双方が閉鎖状態)のときに遊技機10の電源が投入され、初期設定が異常となったときと、ドアが開放状態(前面枠12及びガラス枠15の少なくとも一方が開放状態)のときに遊技機10の電源が投入された後、ドアが閉鎖状態(前面枠12及びガラス枠15の双方が閉鎖状態)となって、初期設定が異常となったときの動作チャートの一例を示す。
磁気センサ61の初期設定動作が正常に終了しなかった場合には、出力OFF保持機能が実行される(t62〜t68,t72〜t77)。具体的には、磁気センサ主回路61aは、例えば、初期設定動作にて検出領域を自動調整するが、その際に磁気センサ61周辺の磁気の影響等により自動調整が正常に行えなかった場合には、初期設定動作が終了してから磁気センサ61の電源が遮断されるまでの間(t62〜t68、t72〜t77)、出力トランジスタ61bを出力OFF状態(すなわち、異常な磁気の検出時と同じ状態)に保持する。
すなわち、磁気センサ61の初期設定動作が正常に終了しなかった場合には、磁気センサ主回路61aは、異常な磁気の検出時と同様、出力トランジスタ61bをOFFとしてOUT端子をONとする。これにより、磁気エラーが報知されるため、遊技店の店員に不具合が発生していることを認識させることができる。この場合、遊技店の店員は、例えば、磁石不正が行われていないにもかかわらず磁気エラーが報知されているため、出力OFF保持機能の実行中であると判断し、出力OFF保持機能の実行を解除するために、初期設定動作が正常に行えるよう周辺の磁気の影響等を配慮しつつ遊技機10の電源を一度遮断して再投入する。
図52(a),(b)に示すように、磁気センサ61の初期設定延期機能や初期設定中止機能や出力ON保持機能を使用するためには、DOOR−IN入力端子に入力される信号(ドア信号)をLow状態とHi状態とに切り替える必要がある。すなわち、例えば図51(b)に示すように、DOOR−IN入力端子をドア(前面枠12やガラス枠15)の開閉に応じてON/OFFするトランジスタTrを介してGNDに接続することで、磁気センサ61の初期設定延期機能や初期設定中止機能や出力ON保持機能が使用可能となる。
トランジスタTrは、DOOR−IN入力端子とGNDとの接続及び非接続を切り替える切替手段をなす。具体的には、トランジスタTrは、ドアが閉鎖状態(前面枠12及びガラス枠15の双方が閉鎖状態)のときにON状態となってDOOR−IN入力端子とGNDとを接続状態にするとともに、ドアが開放状態(前面枠12及びガラス枠15の少なくとも一方が開放状態)のときにOFF状態となってDOOR−IN入力端子とGNDとを非接続状態にする。
したがって、DOOR−IN入力端子に入力される信号(ドア信号)は、ドアが閉鎖状態のときにはDOOR−IN入力端子とGNDとが接続状態になるためLow状態となり、ドアが開放状態のときにはDOOR−IN入力端子とGNDとが非接続状態になるためHi状態となる。
DOOR−IN入力端子は、周辺磁気の影響を軽減するために使用される端子である。すなわち、磁気センサ61の初期設定延期機能や初期設定中止機能や出力ON保持機能は、周辺磁気の影響を軽減するために使用される機能である。
例えば、ドアが開放状態のときに磁気センサ61の初期設定動作が実行された場合には、初期設定状態と使用状態とで周囲磁場環境のズレが発生してしまう虞があるが、初期設定延期機能や初期設定中止機能を実行してドア開放時には磁気センサ61の初期設定動作を行わないようにすることによって、このようなズレの発生を回避することができる。
また、例えば、ドアが開放状態のときに磁気センサ61から検出信号(異常信号)が出力された場合には、当該検出信号は、ドアの開閉に伴う周囲磁場環境の変化による検出信号の可能性がある。すなわち、磁石不正が行われていないにもかかわらず検出信号(異常信号)を出力してしまう虞があるが、出力ON保持機能を実行してドア開放時における検出信号(異常信号)の出力をキャンセルすることによって、誤った不正検出を回避することができる。
しかし、初期設定延期機能や初期設定中止機能が実行されると、ドアが開放状態である間とドアが閉鎖状態になってから所定の待機時間が経過するまでの間は磁気センサ61の初期設定動作が実行されないため、遊技機10の電源を投入してから遊技が行えるようになるまでに時間がかかるという問題がある。
また、出力ON保持機能が実行されると、ドアが開放状態である間とドアが閉鎖状態になってから所定の待機時間(例えば1秒)が経過するまでの間は磁石不正を検出しても検出信号(異常信号)の出力がキャンセルされるため、ドアが開放状態である間やドアが閉鎖状態になってから所定の待機時間が経過するまでの間を狙って磁石不正が行われるという問題がある。
そこで、本変形例では、これらの問題を解決するために、磁気センサ61の初期設定延期機能や初期設定中止機能や出力ON保持機能を無効化することとした。
具体的には、本変形例では、例えば図51(a)に示すように、DOOR−IN入力端子が直接GNDに接続しているため、DOOR−IN入力端子に入力される信号(ドア信号)は常にLow状態であり、Hi状態には切り替わらない。すなわち、本変形例では、DOOR−IN入力端子を直接GNDに接続することで、磁気センサ61の初期設定延期機能や初期設定中止機能や出力ON保持機能を無効化する。
したがって、本変形例においては、例えば図53に示すように、遊技機10の電源投入時にドアが開放状態であるか否かにかかわらず、遊技機10の電源が投入されると磁気センサ61の初期設定動作が開始され(t81)、初期設定動作が終了すると磁気センサ61による磁気異常の監視が有効になる(t82)。一方、遊技機10の電源が投入されると、盤電波センサ62や枠電波センサ(図示省略)による電波異常の監視は有効になる(t81)。したがって、磁気センサ61の初期設定動作中に、電波不正は検出できるが、磁石不正は検出できない。そのため、磁気センサ61の初期設定動作中を狙って磁石不正が行われる虞がある。
そこで、本変形例では、磁気センサ61の初期設定動作中を狙った磁石不正を抑制するために、例えば図53に示すように、磁気センサ61の初期設定動作と並行して確率設定値に関する処理を行うことを可能とした。
確率設定値に関する処理は、遊技店の店員の操作に応じて行われる処理である。すなわち、確率設定値に関する処理を行っている間は、遊技機の近くに店員がいるため、不正行為が行われにくい。したがって、磁気センサ61の初期設定動作と並行して確率設定値に関する処理を行うことを可能とすることによって、磁気センサ61の初期設定動作中を狙った磁石不正を抑制することが可能となる。
〔メイン処理〕
本変形例の遊技機では、図5〜図6に示すメイン処理に替えて、図54〜図55に示すメイン処理を行う。このメイン処理では、電源投入ディレイタイマに関する処理(ステップS7,S11,S12)に替えて、キャリブレーションタイマに関する処理(ステップS91〜S93)を行う。
図5〜図6に示すメイン処理では、電源投入ディレイタイマがタイムアップした後(例えば、電源投入から3秒が経過した後)に、ステップS13以降の処理を行う。したがって、ステップS13以降の処理は、磁気センサ61の初期設定動作(1.5秒以内)が終了した後に行われることとなる。
図54〜図55に示すメイン処理では、キャリブレーションタイマがタイムアップした後(例えば、電源投入から1.5秒が経過した後)に、ステップS48以降の処理を行う。したがって、ステップS48よりも前に実行される処理は、磁気センサ61の初期設定動作中に行われることとなる。
具体的には、遊技制御装置100は、例えば図54に示すように、ステップS6の処理の直後に、キャリブレーションタイマに初期値を設定し(ステップS91)、当該キャリブレーションタイマの更新を開始して(ステップS92)、ステップS8の処理に移行する。ステップS92の処理によって、キャリブレーションタイマを更新(例えば−1更新)する処理が所定時間周期(例えば4m秒)で行われることとなる。
そして、例えば図55に示すように、ステップS48の処理の直前に、キャリブレーションタイマがタイムアップしたかを判定し(ステップS93)、タイムアップしていないと判定した場合(ステップS93;N)には、ステップS93の処理を繰り返し行う。一方、タイムアップしたと判定した場合(ステップS93;Y)には、ステップS48の処理に移行する。
本変形例の場合、磁気センサ61の初期設定動作には、最大で1.5秒の時間を要するため、ステップS91では初期値として1.5秒に相当する値を設定する。これにより、キャリブレーションタイマがタイムアップした時点で、磁気センサ61の初期設定動作が確実に終了していることとなる。
このように、電源投入ディレイタイマに関する処理(ステップS7,S11,S12)に替えて、キャリブレーションタイマに関する処理(ステップS91〜S93)を行うことによって、磁気センサ61の初期設定動作中に、確率設定値に関する処理(確率設定値変更状態に移行するための処理(ステップS37〜S40))を含む所定の遊技制御処理(例えばステップS1〜S47)を行うことが可能となる。これにより、磁気センサ61の初期設定動作と並行して確率設定値に関する処理を含む所定の遊技制御処理が実行されるため、遊技機10の電源を投入してから遊技が行えるようになるまでの時間を短縮できる。また、磁気センサ61の初期設定動作と並行して確率設定値に関する処理を実行可能であるため、磁気センサ61の初期設定動作中を狙った磁石不正を抑制できる。
なお、キャリブレーションタイマの更新中(すなわち、キャリブレーションタイマに初期値を設定してからキャリブレーションタイマがタイムアップするまでの間)に、演出制御装置300に送信されるコマンド(停電復旧時のコマンド(ステップS34)、確率設定変更中のコマンド(ステップS40)、RAM初期化時のコマンド(ステップS44)等)や、払出制御装置200に送信されるコマンドは、キャリブレーションタイマがタイムアップした時点で送信するようにしても良い。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
また、キャリブレーションタイマがタイムアップしたとの判定(ステップS93;Y)の後、演出制御装置300に、磁気センサ61の初期設定動作の終了を報知するコマンドを送信しても良い。これにより、演出制御装置300は、磁気センサ61の初期設定動作が終了したことを確認してからソレノイドやモータなどの電気的駆動源を駆動することが可能となる。すなわち、磁気センサ61の初期設定動作中に電気的駆動源が駆動しないよう制御することが可能となるため、電気的駆動源が基準磁気状態の記憶に影響を与えることがないようにすることができる。なお、磁気センサ61の初期設定動作中には駆動頻度が低い電気的駆動源の駆動のみを禁止して、常時駆動しているモータ等、駆動頻度が高い電気的駆動源は、磁気センサ61の初期設定動作中に駆動可能としても良い。
また、遊技球の発射も基準磁気状態の記憶に影響を与える可能性がある。しかし、本変形例では、磁気センサ61の初期設定動作中は遊技球の発射が禁止されている。具体的には、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号が出力され、その後、タイマ割込み処理(図4)において出力処理(ステップS104)が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。そして、本変形例では、キャリブレーションタイマがタイムアップした後に割込みを許可する処理(ステップS48)を行うため、磁気センサ61の初期設定動作中はタイマ割込み処理が実行されない。したがって、本変形例では、磁気センサ61の初期設定動作中は遊技球の発射が禁止されているため、遊技球の発射が基準磁気状態の記憶に影響を与えることがない。
また、図53に示す例では、磁気センサ61の初期設定動作が終了すると磁気異常の監視が有効となるようにしたが、これに限定されない。例えば、磁気センサ61の初期設定動作の終了時にドアが開放状態である場合には、ドアが閉鎖状態になってから磁気異常の監視が有効となるようにしても良い。
無論、他の変形例の遊技機においても、初期設定延期機能、初期設定中止機能、出力ON保持機能及び出力OFF保持機能を有する磁気センサ61を使用することが可能である。また、図5〜図6に示すメイン処理だけでなく、図36、図39、図45に示すメイン処理においても、電源投入ディレイタイマに関する処理(ステップS7,S11,S12)に替えて、キャリブレーションタイマに関する処理(ステップS91〜S93)を行うことが可能である。
このように本変形例の遊技機10によれば、所定条件の成立に基づきゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に特別遊技状態を発生可能な遊技機において、当該遊技機10の電源投入時に実行されるキャリブレーション(初期設定)を保留し、当該遊技機10の電源投入後の所定条件が成立した場合(例えば、本体枠(前面枠12)及び透明部材保持枠(ガラス枠15)が閉鎖した場合)にキャリブレーションを実行するキャリブレーション延期を実行可能な磁気センサ61と、ゲームの抽選に用いる確率値が割り当てられた複数の確率設定値のうちから一の確率設定値を設定可能な設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、キャリブレーション延期の実行を無効化するとともに、キャリブレーションと並行して確率設定値に関する処理(確率設定値変更状態に移行するための処理(ステップS37〜S40))を行うことを可能とした(図53参照)。
したがって、キャリブレーションと並行して確率設定値に関する処理を行うことが可能であるため、磁気センサ61のキャリブレーション中を狙った磁気不正(磁石不正)を抑制できる。
また、キャリブレーションと並行して確率設定値に関する処理を行うことが可能であるとともに、キャリブレーション延期の実行が無効化されている(すなわち、所定条件が成立しているか否かにかかわらず電源投入時にキャリブレーションが実行される)ため、キャリブレーションの後に確率設定値に関する処理を行う場合や、所定条件が成立していない際にはキャリブレーションの実行を所定条件が成立するまで待つ場合と比べて、遊技機10の電源を投入してから遊技が行えるようになるまでの時間を短縮することができる。
なお、所定条件が成立した場合は、本体枠(前面枠12)及び透明部材保持枠(ガラス枠15)が閉鎖した場合に限定されず、適宜変更可能である。
また、キャリブレーションと並行して実行可能な確率設定値に関する処理は、確率設定値変更状態に移行するための処理(ステップS37〜S40)に限定されない。
具体的には、例えば、磁気センサ61の初期設定動作中に、確率設定値に関する処理として確率設定値変更状態に移行するための処理(ステップS37〜S40)を実行可能とするとともに、確率設定値に関する処理として確率設定値変更処理(ステップS108)に相当する処理を実行可能としても良い。
また、電源投入ディレイタイマに関する処理(ステップS7,S11,S12)と、キャリブレーションタイマに関する処理(ステップS91〜S93)の双方を実行しないよう構成することも可能である。この場合、磁気センサ61の初期設定動作中に、メイン処理(図54〜図55)における一部の処理(所定の遊技制御処理(例えばステップS1〜S47))に加えて、メイン処理の残りの処理(例えばステップS48〜S59)やタイマ割込み処理(図4)なども行うことが可能となる。これにより、磁気センサ61の初期設定動作中に、確率設定値に関する処理として確率設定値変更状態に移行するための処理(ステップS37〜S40)が実行可能となるとともに、確率設定値に関する処理として確率設定値変更処理(ステップS108)が実行可能となる。
また、本変形例の遊技機10においては、電波センサ(盤電波センサ62や図示しない枠電波センサ)を備え、当該遊技機10の電源投入時に電波センサによる電波不正監視が開始し、キャリブレーションの終了時に磁気センサ61による磁気不正(磁石不正)監視が開始するよう構成することができる(図53参照)。
このように構成することで、キャリブレーションと並行して電波不正を監視することが可能となる。
《報知》
第1実施形態(第1実施形態の各変形例を含む)の遊技機10は、複数種類の報知を実行可能である。具体的には、例えば、現在の音量を報知する音量報知、現在の輝度(LEDや液晶の輝度)を報知する輝度報知、所定のエラーの発生を報知するエラー報知、遊技者に対する所定の指示を報知する指示報知等が可能である。
音量報知では、例えば、現在の音量の値を報知する音量画像G11が表示装置41に表示されるとともに、遊技者の音量変更操作に応じた操作音がスピーカ19a,19bから出力される。音量画像G11は、例えば図56(a)に示すように、飾り特別図柄(識別情報)の変動表示中や客待ちデモ画面の表示中に表示可能であるが、飾り特別図柄(識別情報)の停止表示中や停電復旧画面の表示中は表示可能でない。
また、輝度報知では、例えば、現在の輝度の値を報知する輝度画像が表示装置41に表示されるとともに、遊技者の輝度変更操作に応じた操作音がスピーカ19a,19bから出力される。輝度画像は、例えば図56(a)に示すように、音量画像G11と同様、飾り特別図柄の変動表示中や客待ちデモ画面の表示中に表示可能であるが、飾り特別図柄の停止表示中や停電復旧画面の表示中は表示可能でない。
すなわち、飾り特別図柄の変動表示期間及び客待ちデモ画面の表示期間は、音量画像G11や輝度画像を表示可能な表示可能期間であり、飾り特別図柄の停止表示期間及び停電復旧画面の表示期間は、音量画像G11や輝度画像を表示不可能な表示不可能期間(非表示期間)である。
図56(b)〜(e)、図57、図58に、音量報知の一例を示す。なお、輝度報知では音量報知と同様の処理が行われるため、輝度報知については図面を用いての説明を省略する。
音量は、所定の操作手段(例えば図示しない十字キー)を用いて音量変更操作を行うことによって、所定の範囲(例えば1〜5の5段階)で調整が可能となっている。音量変更操作には、音量を増加させる増加操作と、音量を減少させる減少操作とがあり、それぞれ異なる操作である。
図57には、音量変更操作として短押し操作が行われる場合のタイミングチャートを示した。
例えば図57に示すように、飾り特別図柄(識別情報)の変動表示中に遊技者が音量変更操作を行った場合には、演出制御装置300は、音量変更操作を検出した時点(t101)で、音量を調整する。ここでは、音量変更操作として増加操作が行われため、音量が1段階(3から4へ)増加している。加えて、現在の音量(変更後の音量)を報知する音量画像G11を表示装置41に表示するとともに、音量変更操作に応じた操作音を現在の音量でスピーカ19a,19bから出力する(図56(b)〜(c)参照)。
次いで、演出制御装置300は、音量変更操作を検出してから所定の音量画像表示時間が経過した時点(t103)で、音量画像G11を消去する。
ただし、音量画像G11は、例えば図56(a)に示すように、飾り特別図柄の停止表示中は表示可能でない。したがって、所定の音量画像表示時間が経過する前に飾り特別図柄の変動表示が停止した場合には、変動表示の停止時に音量画像G11が消去される。その一方で、音量変更操作に応じた操作音(例えば「ピコーン」という音)は、当該操作音の途中で飾り特別図柄の変動表示が停止した場合でも、当該操作音が完結するまで出力される。
具体的には、例えば図57に示すように、音量変更操作を検出してから所定の音量画像表示時間が経過するまでの間(t104〜t107)に飾り特別図柄の停止表示が開始した場合には、演出制御装置300は、停止表示が開始した時点(t105)で音量画像G11の表示を中止するが、操作音の出力は中止しない(図56(d)〜(e)参照)。これにより、遊技者は音量変更操作が正常に受け付けられたことを認識することができる。すなわち、音量画像G11の表示時間が通常よりも短い場合には、遊技者は音量変更操作が正常に受け付けられなかったのではと不安に感じる虞があるが、本実施形態の場合、音量画像G11の表示時間が通常より短くても操作音の出力時間は通常と変わらない(すなわち、操作音は途切れずに最後まで出力される)ため、遊技者は音量変更操作が正常に受け付けられて音量変更(音量調整)がなされたことを認識することができる。
輝度報知の場合も同様である。すなわち、輝度変更操作を検出してから所定の輝度画像表示時間が経過するまでの間に飾り特別図柄の変動表示が停止した場合には、変動表示の停止時に輝度画像の表示は中止されるが操作音の出力は中止されない。
また、例えば図57に示すように、飾り特別図柄の停止表示中に遊技者が音量変更操作を行った場合には、演出制御装置300は、音量変更操作を検出しても(t108)、音量画像G11の表示や操作音の出力や音量の調整を行わない。
また、例えば図57に示すように、音量変更操作を検出してから所定の音量画像表示時間が経過するまでの間(t110〜t113)に、音量変更操作を再度検出(t112)した場合には、演出制御装置300は、音量変更操作を再検出した時点で、音量画像表示時間のカウントをリセットする。したがって、音量画像G11は、先の音量変更操作に対応する所定の音量画像表示時間が経過した時点(t113)で消去されずに、最後の音量変更操作に対応する所定の音量画像表示時間が経過した時点(t115)で消去される。
また、演出制御装置300は、音量が上限(あるいは下限)である際に音量変更操作を検出した場合には、音量画像G11の表示は行うが、操作音の出力や音量の調整は行わない。
図58には、音量変更操作として長押し操作が行われる場合のタイミングチャートを示した。
例えば図58に示すように、飾り特別図柄(識別情報)の変動表示中に遊技者が音量変更操作を行った場合には、演出制御装置300は、音量変更操作を検出した時点(t121)で、音量を調整し、かつ、現在の音量を報知する音量画像G11を表示装置41に表示するとともに、音量変更操作に応じた操作音を現在の音量でスピーカ19a,19bから出力する。
そして、音量変更操作が長押し操作(例えば、操作音の出力時間よりも長い押圧操作)である場合には、演出制御装置300は、音量を所定時間周期で調整し(t123,t125)、かつ、音量の調整に合わせて操作音を出力するとともに、音量の調整に合わせて音量画像G11を更新表示する。
次いで、音量変更操作(長押し操作)中に飾り特別図柄の停止表示が開始した場合には、演出制御装置300は、停止表示が開始した時点(t126)で音量画像G11の表示を中止するが、操作音の出力は中止しない。
また、演出制御装置300は、飾り特別図柄の停止表示中に音量変更操作を検出しても、音量画像G11の表示や操作音の出力や音量の調整を行わない。したがって、例えば図58に示すように、飾り特別図柄の停止表示中に遊技者の音量変更操作(長押し操作)が継続していても、音量画像G11の表示や操作音の出力や音量の調整は行われない。
次いで、音量変更操作(長押し操作)中に飾り特別図柄の変動表示が開始した場合には、演出制御装置300は、変動表示が開始した時点(t128)で、音量を調整し、かつ、現在の音量を報知する音量画像G11を表示装置41に表示するとともに、音量変更操作に応じた操作音を現在の音量でスピーカ19a,19bから出力する。
そして、音量変更操作(長押し操作)が終了すると(t130)、演出制御装置300は、最後に検出した音量変更操作に対応する所定の音量画像表示時間が経過した時点(t131)で音量画像G11を消去する。
また、例えば図58に示すように、演出制御装置300は、音量が上限(あるいは下限)である際に音量変更操作を検出した場合には、音量画像G11の表示は行うが、操作音の出力や音量の調整は行わない(t129〜t130)。
一方、エラー報知では、例えば、エラーの内容を報知するエラー画像G12が表示装置41に表示される。エラー画像G12は、例えば図56(a)に示すように、飾り特別図柄(識別情報)の変動表示中や客待ちデモ画面の表示中に表示可能であるだけでなく、飾り特別図柄(識別情報)の停止表示中や停電復旧画面の表示中も表示可能である。
ここで、エラーには、主に以下のものがある。例えば、スイッチのコネクタ抜けなどを示すスイッチ異常エラー、払い出す遊技球がないことを示すシュート球切れエラー、上皿21及び下皿23が遊技球で満たされて払い出しができないことを示すオーバーフローエラー、払出制御装置200が異常であることを示す払出異常エラー、ガラス枠15が開放されていることを示す前枠開放エラー、前面枠12が開放されていることを示す遊技機枠開放エラーが挙げられる。
また、前面枠12で異常な電波を検出したことを示す枠電波エラー、遊技盤30で異常な電波を検出したことを示す盤電波エラー、異常な磁気を検出したことを示す磁気エラー、特別変動入賞装置38への不正な入賞を検出したことを示す大入賞口不正エラー、普通変動入賞装置37への不正な入賞を検出したことを示す普電不正エラー、一定強度以上の振動を検出したことを示す振動エラーもエラーとして挙げられる。特に、変動入賞装置内で特定領域を通過するか否かの振り分けを行い、遊技球が特定領域を通過した場合には遊技者に有利な状態を発生させる遊技機の場合には振動エラーを監視することが多いが、これ以外の遊技機であっても監視しても良い。
また、左打ちをするべき遊技状態において右打ちを検出したことを示す右打ちエラー、右打ちをするべき遊技状態において左打ちを検出したことを示す左打ちエラーもエラーとして挙げられる。この右打ちエラー及び左打ちエラーについては、遊技制御装置100からエラーが解消した旨のコマンドを送信することなく、演出制御装置300においてエラーの報知を終了するための所定条件の成立を監視し、当該所定条件が成立したことに基づき異常報知を終了するようにしている。
また、指示報知では、例えば、指示の内容を報知する指示画像が表示装置41に表示される。指示画像は、例えば図56(a)に示すように、エラー画像G12と同様、飾り特別図柄の変動表示中や客待ちデモ画面の表示中に表示可能であるだけでなく、飾り特別図柄の停止表示中や停電復旧画面の表示中も表示可能である。
ここで、指示としては、例えば、左打ちをするべき遊技状態において左打ちするよう指示する左打ち指示や、右打ちをするべき遊技状態において右打ちするよう指示する右打ち指示といった打ち方指示等が挙げられる。
すなわち、飾り特別図柄の変動表示期間、飾り特別図柄の停止表示期間、客待ちデモ画面の表示期間及び停電復旧画面の表示期間は、エラー画像G12や指示画像を表示可能な表示可能期間である。
図56(f)〜(h)に、エラー報知の一例を示す。なお、指示報知ではエラー報知と同様の処理が行われるため、指示報知については図面を用いての説明を省略する。
例えば図56(f)〜(g)に示すように、飾り特別図柄(識別情報)の変動表示中に前面枠12やガラス枠15が開放されると、エラー(ここでは前枠開放エラーや遊技機枠開放エラー)を報知するエラー画像G12が表示装置41に表示される。エラー画像G12は、例えば、対応するエラーが解消することで消去される。
エラー画像G12は、例えば図56(a)に示すように、飾り特別図柄の停止表示中も表示可能である。したがって、例えば図56(h)に示すように、エラー画像G12は、途中で飾り特別図柄の変動表示が停止した場合でも、対応するエラーが解消されるまで消去されずに継続表示される。指示画像の場合も同様に、途中で飾り特別図柄の変動表示が停止した場合でも、指示画像の表示期間が終了するまで指示画像は消去されずに継続表示される。
なお、図56(f)〜(h)では、飾り特別図柄の変動表示中にエラーが発生した場合を例示しているが、飾り特別図柄の停止表示中にエラーが発生した場合も同様に、エラー画像G12は、エラーが検出された時点で表示され、エラーが非検出となった時点で消去される。
このように、音量報知や輝度報知における報知画像(音量画像G11や輝度画像。以下「第1報知画像」という)よりも、エラー報知や指示報知における報知画像(エラー画像G12や指示画像。以下「第2報知画像」という)の方が表示可能な期間が長い。これは、音量報知や輝度報知よりも、エラー報知や指示報知の方が、重要度が高いためである。
一方、飾り特別図柄は、特図変動表示ゲームの実行中に変動表示され、特図変動表示ゲームの終了時に停止表示される。すなわち、停止表示中の飾り特別図柄(停止図柄)は、特図変動表示ゲームの結果を報知するものであるため、変動表示中の飾り特別図柄よりも、停止表示中の飾り特別図柄の方が遊技者の関心が高い。また、停電復旧時に表示される画面のうち客待ちデモ画面は、客待ち状態中に電源が遮断されて電源の復旧により客待ち状態を再開する場合に表示され、停電復旧時に表示される画面のうち停電復旧画面は、特図変動表示ゲーム中や特別遊技状態中に電源が遮断されて電源の復旧により特図変動表示ゲーム(電源遮断により中断された特図変動表示ゲーム)や特別遊技状態(電源遮断により中断された特別遊技状態)を再開する場合に表示される。すなわち、停電復旧画面は、特図変動表示ゲーム中や特別遊技状態中に停電が発生した場合に表示され、当該停電から復旧したことを報知するものであるため、客待ちデモ画面よりも停電復旧画面の方が遊技者の関心が高い。
そのため、本実施形態では、遊技者の関心が高い停止図柄や停電復旧画面の視認性をできるだけ確保する等の観点から、重要度の低い第1報知画像を、飾り特別図柄の停止表示中や停電復旧画面の表示中に表示しないようにしている。具体的には、第2報知画像(エラー画像G12や指示画像など)は、停止図柄や停電復旧画面とともに表示可能であるのに対し、第1報知画像(音量画像G11や輝度画像など)は、停止図柄や停電復旧画面とともに表示されないようになっている。すなわち、報知画像に表示するべき優先度を付加することによって、停止図柄や停電復旧画面の視認性を妨げてまで表示すべきである報知画像と、停止図柄や停電復旧画面の視認性を妨げてまで表示すべきでない報知画像とを区別可能としている。したがって、停止図柄や停電復旧画面の視認性ができるだけ確保されることとなるため、遊技性の向上が期待できるとともに、エラー報知や指示報知における報知画像(第2報知画像)は飾り特別図柄の停止表示中や停電復旧画面の表示中も表示可能であるため、エラー(不正も含む)が発生しにくく、発生しても早急に対処することができる。
ここで、本発明では、表示装置41の表示部に表示する表示画面の描画制御において、シナリオデータ(シナリオレイヤ−)という概念が使用される。シナリオとは、例えば背景用シナリオ、左図柄用シナリオ、右図柄用シナリオ、・・・等のように、図柄の変動演出等の表示演出を複数の表示レイヤ(シナリオレイヤー)に分けてテーブルとして予め設定し、それらを個別にシナリオとして制御し、全てのシナリオを合成することで、1画面の絵を生成する手法である。
複数の表示レイヤ(シナリオレイヤー)は、例えば背景、左図柄、右図柄、・・・と個別に表示要素毎にカテゴリ分けが行われ、各々を独立して複数のモーション情報を同時にあるいは連続的に切り替えて演出表示させるための動作シナリオのテーブルとして設定される。
本発明において、表示装置41の演出で使用される表示要素(表示構成要素)は、「背景」、「左図柄」、「右図柄」、「中図柄」、「予告1キャラクタ」、「予告2キャラクタ」、「保留表示(飾り特図始動記憶表示)」及び「小図柄」の8つの要素に分けられている。
そして、複数の表示要素毎に分けられて変動演出等の表示演出におけるシナリオテーブルが作成される。本発明において、シナリオテーブルは、「背景制御のシナリオテーブル」、「左図柄制御のシナリオテーブル」、「右図柄制御のシナリオテーブル」、「中図柄制御のシナリオテーブル」、「予告1キャラクタ制御のシナリオテーブル」、「予告2キャラクタ制御のシナリオテーブル」、「保留表示制御のシナリオテーブル」及び「小図柄制御のシナリオテーブル」の8つの要素に分けられて作成されている。
また、各表示要素はそれぞれが表示レイヤによって構成されて、これら複数の表示レイヤが画面奥側から画面手前側に向かって順次重ねられて1つの表示画面が作成される。本発明の場合、表示レイヤには、「背景レイヤ」、「左図柄レイヤ」、「右図柄レイヤ」、「中図柄レイヤ」、「予告Aレイヤ」〜「予告Fレイヤ」、「保留レイヤ」及び「小図柄レイヤ」の12種類がある。
演出制御装置300は、メイン処理(図32)の演出表示編集処理(ステップC13)において、モーション管理領域の数だけ、モーション管理領域の番号順に、所定画像をVRAM326の仮想描画空間に描画する処理(すなわち、所定画像のスプライトを仮想描画空間に貼り付ける処理)を行う。
仮想描画空間は、図59に示すように、モーション管理領域0用描画領域〜モーション管理領域11用描画領域の12個の描画領域に分かれている。各描画領域は、対応するモーション管理領域の番号順に並んでおり、各描画領域に所定画像が描画された表示レイヤが記憶される。
具体的には、演出制御装置300は、演出表示編集処理において、まず、モーション管理領域0のアドレス領域のデータがNULLでない場合に、所定画像が描画された「背景レイヤ」を、仮想描画空間のモーション管理領域0用描画領域に記憶する。
次いで、モーション管理領域1のアドレス領域のデータがNULLでない場合に、所定画像が描画された「予告Aレイヤ」を、仮想描画空間のモーション管理領域1用描画領域に記憶する。
次いで、モーション管理領域2のアドレス領域のデータがNULLでない場合に、所定画像が描画された「予告Bレイヤ」を、仮想描画空間のモーション管理領域2用描画領域に記憶する。
以下、同様に、モーション管理領域3のアドレス領域のデータがNULLでない場合に「左図柄レイヤ」を仮想描画空間のモーション管理領域3用描画領域に記憶し、次いで、モーション管理領域4のアドレス領域のデータがNULLでない場合に「右図柄レイヤ」を仮想描画空間のモーション管理領域4用描画領域に記憶し、次いで、モーション管理領域5のアドレス領域のデータがNULLでない場合に「中図柄レイヤ」を仮想描画空間のモーション管理領域5用描画領域に記憶し、次いで、モーション管理領域6のアドレス領域のデータがNULLでない場合に「予告Cレイヤ」を仮想描画空間のモーション管理領域6用描画領域に記憶し、次いで、モーション管理領域7のアドレス領域のデータがNULLでない場合に「予告Dレイヤ」を仮想描画空間のモーション管理領域7用描画領域に記憶し、次いで、モーション管理領域8のアドレス領域のデータがNULLでない場合に「保留レイヤ」を仮想描画空間のモーション管理領域8用描画領域に記憶し、次いで、モーション管理領域9のアドレス領域のデータがNULLでない場合に「予告Eレイヤ」を仮想描画空間のモーション管理領域9用描画領域に記憶し、次いで、モーション管理領域10のアドレス領域のデータがNULLでない場合に「予告Fレイヤ」を仮想描画空間のモーション管理領域10用描画領域に記憶し、次いで、モーション管理領域11のアドレス領域のデータがNULLでない場合に「小図柄レイヤ」を仮想描画空間のモーション管理領域11用描画領域に記憶して、演出表示編集処理を終了する。
モーション管理領域Xのアドレス領域のデータがNULLである場合には、対応する描画領域に表示レイヤが記憶されないため、当該描画領域は空白のままとなる。具体的には、例えば、モーション管理領域10のアドレス領域のデータがNULLである場合には、VRAM326の仮想描画空間のモーション管理領域10用描画領域に表示レイヤ(本発明の場合、「予告Fレイヤ」)が記憶されないため、モーション管理領域10用描画領域は空白のままとなる。なお、空白でない描画領域が連続するように表示レイヤを順次記憶していく(すなわち、表示レイヤを前に詰めながら記憶していく)ことも可能であるが、その場合、1つの表示画面を構成する表示レイヤの数に応じて背景レイヤ以外の表示レイヤを記憶する描画領域が変わるため、これらの表示レイヤを仮想描画空間に記憶する度に、当該表示レイヤを記憶する描画領域(すなわち、空白の描画領域のうちで最も前(先頭)側にある描画領域)を探索する必要があり、その分処理が煩雑になる。その一方で、本発明のように、演出内容(すなわち、1つの表示画面を構成する表示レイヤの数)にかかわらず各表示レイヤを予め定められた描画領域に記憶するよう構成することで、表示レイヤを仮想描画空間に記憶する度に当該表示レイヤを記憶する描画領域をいちいち探索する必要がなくなるため、処理負担を軽減することができる。
各描画領域に記憶された表示レイヤは、描画領域の並び順に、画面奥側(下層側)から画面手前側(上層側)に向かって順次重ねられて1つの表示画面が作成される。具体的には、本発明においては、例えば図59に示すように、12個の描画領域のうちの先頭に位置するモーション管理領域1用描画領域に記憶されている「背景レイヤ」が最も画面奥側(最下層)に配置され、12個の描画領域のうちの最後尾に位置するモーション管理領域11用描画領域に記憶されている「小図柄レイヤ」が最も画面手前側(最上層)に配置される。
このような演出制御では、演出画面(表示画面)を生成するに際して、演出画面の表示要素に対応する複数の表示レイヤ(シナリオレイヤー)に分けてテーブルとして予め設定しておき、次いで、それらを個別にシナリオとして制御し、全てのシナリオを表示レイヤの形式で合成することで、1画面の絵が生成されて、表示装置41に表示される。
演出制御装置300は、演出表示編集処理において、例えば図60(a)に示すように、所定の表示レイヤに第1報知画像(音量画像G11や輝度画像など)を描画し、第1報知画像が描画される表示レイヤよりも画面手前側の表示レイヤに第2報知画像(エラー画像G12や指示画像など)を描画する。具体的には、例えば、第1報知画像が「予告Cレイヤ」される場合には、第2報知画像は、「予告Dレイヤ」と「予告Eレイヤ」と「予告Fレイヤ」のうちいずれかに描画される。
したがって、第1報知画像と第2報知画像の双方を含む表示画面が表示装置41に表示される場合には、例えば図60(b)に示すように、第2報知画像(エラー画像G12や指示画像など)は、第1報知画像(音量画像G11や輝度画像など)の手前側に表示される。そのため、第1報知画像の表示領域と第2報知画像の表示領域とが重複する場合には、第1報知画像のうち第2報知画像と重複する部分が、第2報知画像に隠れて視認不可能となる。図60(b)に示す例では、第1報知画像(音量画像G11)の上部が第2報知画像(エラー画像G12)に隠れて視認不可能となっている。
また、演出制御装置300は、例えば図61(a)〜(c)に示すように、所定の表示レイヤ(例えば「背景レイヤ」、「予告Aレイヤ」及び「予告Bレイヤ」のうち少なくとも一の表示レイヤ)を用いて客待ちデモ画面や停電復旧画面を作成し、客待ちデモ画面や停電復旧画面に用いる表示レイヤよりも画面手前側の表示レイヤに第1報知画像(音量画像G11や輝度画像など)や第2報知画像(エラー画像G12や指示画像など)を描画する。
したがって、第1報知画像(音量画像G11や輝度画像など)が客待ちデモ画面とともに表示される場合には、第1報知画像は客待ちデモ画面の手前側に表示される。また、第2報知画像(エラー画像G12や指示画像など)が客待ちデモ画面や停電復旧画面とともに表示される場合には、第2報知画像は、客待ちデモ画面や停電復旧画面の手前側に表示される。
なお、図56(b)〜(e)や図60(b)に示す例では、飾り特別図柄の変動表示領域と、第1報知画像(音量画像G11や輝度画像など)の表示領域とが重複しているが、これに限定されない。飾り特別図柄の変動表示領域と、第1報知画像の表示領域は重複しなくても良い。具体的には、例えば、第2報知画像の表示領域は、飾り特別図柄の変動表示領域と重複するが、第1報知画像の表示領域は、飾り特別図柄の変動表示領域と重複しないように、報知画像の表示領域を設定しても良い。
また、第2報知画像(エラー画像G12や指示画像など)の表示中は、飾り特別図柄の変動表示を強制停止する制御を実行しても良い。
このように本実施形態の遊技機10によれば、識別情報(飾り特別図柄)を変動表示した後に停止表示するゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を行う表示装置41を備えた遊技機において、当該遊技機10に対する所定の介入(例えば、音量変更操作、輝度変更操作、不正行為等のエラーを引き起こす行為、打ち方)に対応する報知として、第1報知表示(第1報知画像(例えば音量画像G11や輝度画像))を表示装置41に表示する報知と、第2報知表示(第2報知画像(例えばエラー画像G12や指示画像))を表示装置41に表示する報知と、を実行可能な報知手段(演出制御装置300)を備え、第1報知表示は、変動表示中及び遊技が行われていない客待ち状態中(例えば客待ちデモ画面の表示中)に表示可能である一方、停止表示中に非表示となり、第2報知表示は、変動表示中及び客待ち状態中に表示可能であるとともに停止表示中にも表示可能である(図56(a)参照)。
すなわち、所定の報知表示が、識別情報(飾り特別図柄)の停止表示中に表示可能な第2報知表示と、識別情報の停止表示中に表示不可能な第1報知表示とに分類されているため、停止図柄の視認性ができるだけ確保されるように、報知表示を好適に表示することができる。具体的には、例えば、重要度が低い報知表示を第1報知表示とし、重要度が高い報知表示を第2報知表示とすることで、重要度の低い報知表示が停止図柄とともに表示されることがなくなるため、重要度の低い報知表示によって停止図柄の視認性を妨げてしまうことがなく、報知表示を好適に表示できる。
なお、音量画像G11(第1報知表示)は、音量の値をメータ値で表すメータ画像に限定されず、適宜変更可能であり、例えば、音量の値を数値で表す数値画像であっても良い。
また、第1報知表示は、音量画像G11や輝度画像に限定されず適宜変更可能である。また、第2報知表示は、エラー画像G12や指示画像に限定されず適宜変更可能である。
また、本実施形態の遊技機10において、第1報知表示(第1報知画像(例えば音量画像G11や輝度画像))は、表示装置41に停電復旧画面が表示されている間も非表示となるよう構成することができる(図56(a)参照)。
このように構成することで、第1報知表示によって停電復旧画面の視認性を妨げてしまうことがなく、報知表示を好適に表示できる。
なお、本実施形態では、第2報知表示(第2報知画像(例えばエラー画像G12や指示画像))を停電復旧画面の表示中に表示可能としたが、これに限定されない。すなわち、第2報知表示は、停電復旧画面の表示中に非表示となっても良い。
また、本実施形態の遊技機10において、表示装置41に表示される表示画面は、積層された複数の表示レイヤによって作成され、第1報知表示(第1報知画像(例えば音量画像G11や輝度画像))と第2報知表示(第2報知画像(例えばエラー画像G12や指示画像))の双方を含む表示画面においては、第2報知表示を表示するための表示レイヤが、第1報知表示を表示するための表示レイヤよりも上層側(画面手前側)に位置するよう構成することができる(図60(a)参照)。
このように構成することで、第2報知表示を、第1報知表示よりも優先して表示することが可能となる。
また、本実施形態の遊技機10は、表示装置41とスピーカ19a,19bとを備えた遊技機において、遊技者の所定操作(例えば音量変更操作や輝度変更操作)に応じて所定情報を報知する報知表示(第1報知画像(例えば音量画像G11や輝度画像))を表示装置41に表示する表示制御手段(演出制御装置300)と、遊技者の所定操作に応じて操作音をスピーカ19a,19bから出力する出力制御手段(演出制御装置300)と、を備え、表示制御手段は、報知表示の表示中に、当該報知表示の表示を禁止する非表示期間(例えば、識別情報の停止表示期間や停電復旧画面の表示期間)が開始した場合には、当該報知表示の表示を中止し、出力制御手段は、操作音の出力中に非表示期間が開始した場合でも、当該操作音の出力を継続する(図56(d)〜(e)、図57のt105〜t109、図58のt126〜t128参照)。
すなわち、報知表示に非表示期間を設けているため、停止図柄や停電復旧画面の視認性ができるだけ確保されるように、報知表示を好適に表示することができる。具体的には、例えば、識別情報(飾り特別図柄)の停止表示期間や停電復旧画面の表示期間を非表示期間とすることで、報知表示が停止図柄や停電復旧画面とともに表示されることがなくなるため、報知表示によって停止図柄や停電復旧画面の視認性を妨げてしまうことがなく、報知表示を好適に表示できる。
また、非表示期間の開始によって報知表示の表示時間が短くなっても、操作音は途切れずに最後まで出力されるため、遊技者は所定操作が正常に受け付けられたことを認識することができる。
なお、非表示期間が設定されている報知表示は、音量画像G11や輝度画像に限定されず適宜変更可能であり、例えば、エラー画像G12であっても良いし、指示画像であっても良い。
《ボタン演出》
第1実施形態(第1実施形態の各変形例を含む)の遊技機10は、遊技者による演出ボタン25の操作を介入させたボタン演出として、表示装置41に表示した画像によって操作有効期間を報知するボタン演出や、演出ボタン25の発光によって操作有効期間を報知するボタン演出を実行可能である。
具体的には、演出制御装置300は、第1タイプのボタン演出と、第2タイプのボタン演出と、第3タイプのボタン演出とを実行可能である。
第1タイプのボタン演出は、例えば図62(a)〜(b)に示すように、ボタン演出が開始すると、表示装置41に、演出ボタン25を模したボタン画像G21と、操作有効期間の残り長さを報知する残り長さ報知画像G22(ここではタイムバー画像)と、演出ボタン25の操作態様を指示する操作態様指示画像G23(例えば「押せ!」や「連打!」などの文字画像)と、演出ボタン25の操作により変化する演出用変化画像G24(ここではメータ画像)とが表示される演出である。すなわち、第1タイプのボタン演出では、表示装置41に表示した画像によって操作有効期間中であることと操作有効期間の残り長さとを報知することができる。
第2タイプのボタン演出は、例えば図62(c)〜(d)に示すように、ボタン演出が開始されると、演出ボタン25が消灯状態から発光状態(例えば点灯状態)に切り替わる演出である。すなわち、第2タイプのボタン演出では、演出ボタン25の発光によって操作有効期間中であることを報知することができる。
第3タイプのボタン演出は、例えば図62(e)〜(f)に示すように、ボタン演出が開始すると、表示装置41にボタン画像G21や残り長さ報知画像G22などが表示されるとともに、演出ボタン25が消灯状態から発光状態に切り替わる演出である。すなわち、第3タイプのボタン演出では、表示装置41に表示した画像によって操作有効期間中であることと操作有効期間の残り長さとを報知することができるとともに、演出ボタン25の発光によって操作有効期間中であることを報知することができる。
第1タイプのボタン演出の場合、残り長さ報知画像G22が表示されるため、操作有効期間中であることだけでなく、操作有効期間の残り長さも報知することができる。したがって、例えば、操作有効期間のどのタイミングで演出ボタン25を操作するかを遊技者に選択させることや、操作有効期間の終了が迫っているから演出ボタン25を操作しようと遊技者に思わせることができる。
また、第2タイプのボタン演出の場合、演出ボタン25が発光するため、遊技者の演出ボタン25に対する注意力を向上させることができる。さらに、演出ボタン25の発光がいつ消えるか不明(すなわち、操作有効期間がいつ終了するのか不明)であるため、発光が消える前に早めに演出ボタン25を操作しようと遊技者に思わせることができる。
さらに、本実施形態では、第1タイプのボタン演出や第2タイプのボタン演出だけでなく、第1タイプと第2タイプを組み合わせた第3タイプのボタン演出も実行可能であるため、多様なボタン演出を実行することができ、単調にならず、興趣が高まる。
以下の説明において、第1タイプのボタン演出と第2タイプのボタン演出と第3タイプのボタン演出を区別しない場合は、単にボタン演出と称する。
図63に、第1タイプのボタン演出の一例を示す。
特図変動表示ゲームが開始すると、演出制御装置300は、例えば図63(a)に示すように、当該特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを開始する。すなわち、表示装置41において飾り特別図柄の変動表示を開始する。
当該特図変動表示ゲームが第1タイプのボタン演出を実行するゲームである場合には、演出制御装置300は、例えば図63(b)に示すように、当該特図変動表示ゲームの実行中に第1タイプのボタン演出を開始する。これにより、表示装置41に、ボタン画像G21と残り長さ報知画像G22と操作態様指示画像G23と演出用変化画像G24が表示される。
操作有効期間中に遊技者が演出ボタン25を操作すると、演出制御装置300は、例えば図63(c),(d),(e)に示すように、演出用変化画像G24の値(ここではメータ値)を増加させる。
そして、操作有効期間がタイムアップすると、演出制御装置300は、例えば図63(f)に示すように、ボタン画像G21と残り長さ報知画像G22と操作態様指示画像G23とを消去して、ボタン演出の結果を報知する。
本実施形態において、ボタン演出の開始タイミングや実行時間は、飾り特別図柄の変動表示が開始した後にボタン演出が開始し、飾り特別図柄の変動表示が終了する前にボタン演出が終了するように設定されている。すなわち、本実施形態において、ボタン演出に関する操作有効期間は、飾り特別図柄の変動表示期間内に収まる。
本実施形態のボタン演出には、期待度レベルが「低」のボタン演出(期待度が低いボタン演出)と、期待度レベルが「中」のボタン演出(期待度が中程度のボタン演出)と、期待度レベルが「高」のボタン演出(期待度が高いボタン演出)とがある。
具体的には、例えば、特図変動表示ゲームの結果がはずれであり、かつ、当該特図変動表示ゲームにおいてリーチが発生しない場合には、当該特図変動表示ゲームで実行するボタン演出として、期待度レベルが「低」のボタン演出が最も選択されやすく、特図変動表示ゲームの結果が大当りであり、かつ、当該特図変動表示ゲームにおいてSPリーチ以上のリーチが発生する場合には、当該特図変動表示ゲームで実行するボタン演出として、期待度レベルが「高」のボタン演出が最も選択されやすく、それ以外の場合は、期待度レベルが「中」のボタン演出が最も選択されやすくなっている。
そして、第1タイプのボタン演出及び第3タイプのボタン演出においては、ボタン演出の期待度レベルに応じて、演出ボタン25の操作1回あたりの、演出用変化画像G24の変化量が異なる。具体的には、例えば図64(a)に示すように、演出ボタン25の操作1回あたりの、演出用変化画像G24(メータ画像)のメータ値の変化量が、期待度レベルが「低」の場合には「+1」に設定され、期待度レベルが「中」の場合には「+2」に設定され、期待度レベルが「高」の場合は「+3」に設定されている。したがって、演出ボタン25の操作1回あたりの、演出用変化画像G24の変化量によって、実行中のボタン演出の期待度レベルを示唆することができる。
図63に示す例では、演出ボタン25が1回操作されるたびに、演出用変化画像G24(メータ画像)のメータ値が「2」ずつ増加しているため、期待度レベルが「中」のボタン演出が実行されていることが分かる。
なお、図64(a)に示す変化量は、演出用変化画像G24(メータ画像)のメータ値が所定の閾値に達するまでの変化量であっても良い。具体的には、例えば、期待度レベルが「高」のボタン演出の場合、メータ値が所定の閾値に達するまでは、演出ボタン25が1回操作されるたびにメータ値が「3」ずつ増加(すなわち、図64(a)に示す変化量で変化)し、メータ値が所定の閾値に達した後は、演出ボタン25の操作1回あたりのメータ値の増加量が徐々に減少し、そして、メータ値が上限値付近に達した後は、当該ボタン演出に成功する場合(例えば、実行中の特図変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合)にはメータ値が上限値に到達する一方、当該ボタン演出に失敗する場合にはメータ値が上限値に到達しない(すなわち演出ボタン25が操作されてもメータ値が変化しない)よう構成しても良い。すなわち、1回のボタン演出における演出用変化画像G24の変化量は、固定であっても良いし、演出用変化画像G24の状態やボタン演出の進行に合わせて変化しても良い。
また、演出用変化画像G24(メータ画像)は、演出ボタン25の操作に応じてメータ値が増加するものに限定されない。すなわち、演出用変化画像G24(メータ画像)は、演出ボタン25の操作に応じてメータ値が減少するものであっても良く、その場合、演出ボタン25の操作1回あたりの、演出用変化画像G24(メータ画像)のメータ値の変化量は、例えば、期待度レベルが「低」の場合には「−1」に設定され、期待度レベルが「中」の場合には「−2」に設定され、期待度レベルが「高」の場合は「−3」に設定される。
ここで、音量報知では、例えば図64(c)〜(d)に示すように、増加操作1回あたりの音量画像G11の変化量は常に「+1」であり、例えば図64(e)〜(f)に示すように、減少操作1回あたりの音量画像G11の変化量は常に「−1」である。輝度報知の場合も同様である。したがって、遊技環境(音量や輝度など)の調整時には、1回の操作に対する画像(例えば音量画像Gや輝度画像)の変化量の絶対値が一定である。これにより、確実な調整を行うことができるようになっている。
これに対し、第1タイプのボタン演出や第3タイプのボタン演出では、1回の操作に対する画像(例えば演出用変化画像G24)の変化量の絶対値が一定でない。すなわち、演出への参加時には、1回の操作に対する画像の変化量の絶対値にバリエーションを持たせているため、単調でない興趣の高いボタン演出を実行することが可能となって、演出ボタン25の機能を十分に発揮させることができる。
また、例えば図64(b)に示すように、第2タイプのボタン演出や第3タイプのボタン演出においては、ボタン演出の期待度レベルに応じて、演出ボタン25の発光色が異なる。したがって、演出ボタン25の発光色によって、実行中のボタン演出の期待度レベルを示唆することができる。
なお、ボタン演出の期待度レベルに応じて、ボタン画像G21の表示色が異なるよう構成されていても良い。さらに、このように構成されている場合、第3タイプのボタン演出における、ボタン画像G21の表示色と演出ボタン25の発光色は、同一であっても良いし、同一でなくても良い。
また、演出ボタン25の発光状態は、点灯状態に限定されない。すなわち、演出ボタン25の発光状態は、点滅状態であっても良い。さらに、演出ボタン25の発光状態が点滅状態である場合には、ボタン演出の期待度レベルに応じて、演出ボタン25の点滅速度が異なるよう構成することも可能である。
また、演出ボタン25の発光状態によって操作有効期間の残り長さを示唆するよう構成することも可能である。具体的には、例えば、演出ボタン25の点滅速度が徐々に増加する(あるいは減少する)ように制御しても良いし、演出ボタン25の発光色が所定の色に徐々に近づくように制御しても良いし、あるいは、操作有効期間の残り長さが所定長さ以上である間は点灯状態となり、操作有効期間の残り長さが所定長さ未満である間は点滅状態となるように制御しても良い。
また、図62に示す例では、第2タイプのボタン演出の実行中に演出用変化画像G24が表示されていないが、第2タイプのボタン演出において演出用変化画像G24を表示することも可能である。第2タイプのボタン演出では、演出ボタン25の発光色で期待度レベルを示唆できるため、演出用変化画像G24の変化量によって期待度レベルを示唆する必要はない。すなわち、第2タイプのボタン演出において演出用変化画像G24を表示する場合には、当該演出用変化画像G24の変化量は、ボタン演出の期待度レベルに応じて異なっても良いし、ボタン演出の期待度レベルにかかわらず一定であっても良い。
また、第1タイプのボタン演出と第2タイプのボタン演出とを重複して実行する第3タイプのボタン演出においては、第1タイプのボタン演出の開始タイミングと、第2タイプのボタン演出の開始タイミングとを異ならせても良い。具体的には、例えば、第1タイプのボタン演出を先に開始してボタン画像G21をフェードインさせる演出を実行し、ボタン画像G21が完全に出現したのと同時に第2タイプのボタン演出を開始して演出ボタン25を発光状態に切り替えるようにしても良い。
また、演出用変化画像G24は、操作手段の操作に応じてメータ値が増加(あるいは減少)していくメータ画像に限定されず、適宜変更可能である。具体的には、演出用変化画像G24は、例えば、操作手段の操作に応じて数値が増加(あるいは減少)していく数値画像であっても良い。
また、演出用変化画像G24は、操作手段の操作に応じて移動していくキャラクタ画像であっても良く、この場合、キャラクタ画像の移動量が演出用変化画像G24の変化量となる。すなわち、ボタン演出の期待度レベルに応じて、演出ボタン25の操作1回あたりの、キャラクタ画像の移動量が異なることとなる。
また、演出用変化画像G24は、操作手段の操作に応じて拡大(あるいは縮小)していくしていくキャラクタ画像であっても良く、この場合、キャラクタ画像の拡大率(あるいは縮小率)が演出用変化画像G24の変化量となる。すなわち、ボタン演出の期待度レベルに応じて、演出ボタン25の操作1回あたりの、キャラクタ画像の拡大率(あるいは縮小率)が異なることとなる。
このように本実施形態の遊技機10によれば、識別情報(飾り特別図柄)を変動表示した後に停止表示するゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を行う表示装置41を備えた遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン25や図示しない十字キー)と、操作手段の操作に応じて変化する表示として、第1表示(例えば音量画像G11や輝度画像)と第2表示(例えば演出用変化画像G24)を表示装置41に表示可能な表示制御手段(演出制御装置300)と、を備え、第1表示は、1回の操作に基づく変化量の絶対値が一定であり、第2表示は、1回の操作に基づく変化量の絶対値が、所定条件(例えば、実行中の特図変動表示ゲームの期待度)に応じて異なる。
したがって、1回の操作に基づく変化量の絶対値が一定である第1表示を、遊技環境の調整のための操作に応じて変化する調整画像(例えば音量画像Gや輝度画像)とすることで、確実な調整を行うことが可能となる。また、1回の操作に基づく変化量の絶対値が所定条件に応じて異なる第2表示を、ボタン演出での操作に応じて変化する演出用変化画像G24とすることで、単調でない興趣の高いボタン演出を実行することが可能となる。すなわち、操作手段を操作することで、確実な調整を行ったり、興趣の高いボタン演出に参加したりすることが可能となるため、操作手段が積極的に操作されることとなって、操作手段を有効に活用することができる。
なお、第1表示は、調整画像(例えば音量画像Gや輝度画像)に限定されず適宜変更可能である。また、第2表示は、演出用変化画像G24に限定されず適宜変更可能である。
また、第1表示を変化させる操作と、第2表示を変化させる操作を、同一の操作手段を用いて行うようにしても良い。
また、所定条件は、実行中の特図変動表示ゲームの期待度(大当り期待度やリーチ期待度)に限定されず適宜変更可能であり、例えば、実行前の特図変動表示ゲームの期待度であっても良い。これにより、第2表示によって、先読み判定の結果を示唆することが可能となる。
また、第1表示や第2表示は、識別情報の変動表示中だけでなく、大当り(特別遊技状態)中や、客待ち画面の表示中にも表示可能としても良い。
また、本実施形態の遊技機10において、第1表示(調整画像(例えば音量画像Gや輝度画像))は、識別情報(飾り特別図柄)が停止表示される期間は非表示となり(例えば図56(a)参照)、第1表示に対応する操作については操作有効期間が報知されず、第2表示に対応する操作については操作有効期間が報知されるとともに、当該操作有効期間として識別情報が変動表示される期間内に収まる期間が報知されるよう構成することができる(図63参照)。
このように構成することで、例えば第1表示と第2表示の双方を含む表示画面が表示装置41に表示される場合には、第1表示を変化させる操作と第2表示を変化させる操作のどちらの操作を優先的に行うべきかを示唆することができる。すなわち、第1表示に対応する操作については操作有効期間を報知しない一方で、第2表示に対応する操作については操作有効期間を報知することによって、第2表示を変化させる操作を優先的に行うべきことを示唆することができる。したがって、例えば、第2表示をボタン演出での操作に応じて変化する演出用変化画像G24とすることで、遊技環境(音量や輝度など)を調整していたためにボタン演出に参加できなかった等の不都合を回避でき、興趣の低下を防止することができる。
なお、第1表示が非表示となる非表示期間中は、第1表示を変化させる操作を有効にして、内部的に第1表示を変化させる(すなわち、音量や輝度などの遊技環境を調整する)ようにしても良い。
また、第2表示が表示されていない期間中は、第2表示を変化させる操作を有効にしても良いし、無効にしても良い。
識別情報(飾り特別図柄)の仮停止は、識別情報の停止表示に含まれず、識別情報が変動表示に含まれる。したがって、識別情報の停止表示期間が第1表示(調整画像(例えば音量画像Gや輝度画像))の表示を禁止する非表示期間であっても、第1表示は、識別情報の仮停止中は表示可能である。
また、本実施形態の遊技機10によれば、識別情報(飾り特別図柄)を変動表示した後に停止表示するゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を行う表示装置41を備えた遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン25)と、操作手段の操作有効期間を報知する報知手段(演出制御装置300)と、を備え、操作有効期間の報知態様には、操作有効期間中であることを認識可能であるとともに、操作有効期間の残り時間を認識可能な第1報知態様(図62(b)参照)と、操作有効期間中であることを認識可能であるとともに、操作有効期間の残り時間を認識不可能な第2報知態様(図62(d)参照)と、があり、第1報知態様及び第2報知態様は、単独であるいは互いに組み合わせて使用可能である(図62参照)。
すなわち、遊技者の操作を介入させた演出(ボタン演出)として、第1報知態様だけで操作有効期間が報知される演出と、第2報知態様だけで操作有効期間が報知される演出と、第1報知態様と第2報知態様の両方で操作有効期間が報知される演出とを実行可能である。したがって、遊技者の操作を介入させた演出として多様な演出を実行することができるため、単調にならず、遊技者の操作を介入させた演出の興趣を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10において、第1報知態様(図62(b)参照)は、同一色の単色光源の集合体(本実施形態の場合、表示装置41のバックライト)を用いて操作有効期間を報知する態様であり、第2報知態様(図62(d)参照)は、複数色の単色光源の集合体(本実施形態の場合、演出ボタン25に内蔵された発光素子群)を用いて操作有効期間を報知する態様であるよう構成することができる。
このように構成することで、遊技者の操作を介入させた演出(ボタン演出)として、同一色の単色光源の集合体だけで操作有効期間が報知される演出と、複数色の単色光源の集合体だけで操作有効期間が報知される演出と、同一色の単色光源の集合体と複数色の単色光源の集合体の両方で操作有効期間が報知される演出とを実行することが可能となる。したがって、遊技者の操作を介入させた演出として多様な演出を実行することができることとなって、単調にならず、遊技者の操作を介入させた演出の興趣を高めることができる。
なお、同一色の単色光源の集合体は、表示装置41のバックライトに限定されず適宜変更可能である。具体的には、例えば、前面枠12やガラス枠15に操作有効期間中に発光する同一色の単色光源の集合体(単色ランプ等)を設けても良い。
また、複数色の単色光源の集合体は、演出ボタン25に内蔵された発光素子群に限定されず適宜変更可能である。具体的には、例えば、前面枠12やガラス枠15に操作有効期間中に発光する複数色の単色光源の集合体(多色ランプ等)を設けても良い。
また、本実施形態の遊技機10において、第1報知態様(図62(b)参照)は、表示装置41に表示された画像(例えばボタン画像G21や残り長さ報知画像G22)によって操作有効期間を報知する態様であり、第2報知態様(図62(d)参照)は、操作手段(演出ボタン25)を発光させることによって操作有効期間を報知する態様であるよう構成することができる。
このように構成することで、遊技者の操作を介入させた演出(ボタン演出)として、表示装置41に表示された画像だけで操作有効期間が報知される演出と、操作手段の発光だけで操作有効期間が報知される演出と、表示装置41に表示された画像と操作手段の発光の両方で操作有効期間が報知される演出とを実行することが可能となる。したがって、遊技者の操作を介入させた演出として多様な演出を実行することができることとなって、単調にならず、遊技者の操作を介入させた演出の興趣を高めることができる。
《払出数報知演出》
第1実施形態(第1実施形態の各変形例を含む)の遊技機10は、払出合計数を報知する払出報知演出として、特別遊技状態中に当該特別遊技状態の開始から現時点までの払出合計数を報知する第1払出数報知演出と、特別遊技状態(初当り)中及びその後の時短状態中に当該特別遊技状態の開始から現時点までの払出合計数を報知する第2払出数報知演出とを実行可能である。
本実施形態では、大入賞口(特別変動入賞装置38)への遊技球の入賞に基づく払出数を、払出合計数とする。なお、払出合計数は、大入賞口への遊技球の入賞に基づく払出数に限定されず、適宜変更可能であり、例えば、大入賞口への遊技球の入賞に基づく払出数と一般入賞口35への遊技球の入賞に基づく払出数との和であっても良い。
図65に、第1払出数報知演出の一例を示す。
第1払出数報知演出は、特図変動表示ゲームの結果が時短状態を発生させない特別結果となった場合に実行される。
具体的には、例えば図65(a)に示すように、特図変動表示ゲームの結果が特別結果となり、当該特別結果が時短状態を発生させない特別結果である場合には、演出制御装置300は、当該特別結果に基づく特別遊技状態が開始すると、第1払出数報知演出を開始する。これにより、表示装置41に、特別遊技状態の開始から現時点までの払出合計数を報知する獲得累計数画像G31が表示される。そして、例えば図65(b)〜(d)に示すように、大入賞口へ遊技球が入賞するごとに、例えば「+14」を払出合計数に加算する。
その後、例えば図65(e)に示すように、演出制御装置300は、特別遊技状態が終了すると、第1払出数報知演出を終了して獲得累計数画像G31を消去する。
ここで、例えば図65(f)〜(j)に示すように、特別遊技状態の途中で、上皿21や下皿23が遊技球で満たされて払い出しができないことを示すオーバーフローエラーが発生した場合には、エラー画像G12が表示装置41に表示される。このエラー画像G12は、例えば図65(j)に示すように、途中で特別遊技状態が終了しても、対応するエラーが解消されるまで消去されずに継続表示される。
なお、図65(f)〜(j)では、特別遊技状態の途中でオーバーフローエラーが発生した場合を例示しているが、特別遊技状態の途中でその他のエラーが発生した場合も同様に、エラー画像G12は、エラーが検出された時点で表示されて、途中で特別遊技状態が終了した場合でも、当該エラーが解消されるまで消去されずに継続表示される。
図66に、第2払出数報知演出の一例を示す。
第2払出数報知演出は、特図変動表示ゲームの結果が時短状態を発生させる特別結果となった場合に実行される。
具体的には、例えば図66(a)に示すように、特図変動表示ゲームの結果が特別結果となり、当該特別結果が時短状態を発生させる特別結果である場合には、演出制御装置300は、当該特別結果に基づく特別遊技状態が開始すると、第2払出数報知演出を開始する。これにより、表示装置41に、特別遊技状態の開始から現時点までの払出合計数を報知する獲得累計数画像G31が表示される。そして、大入賞口へ遊技球が入賞するごとに、例えば「+14」を払出合計数に加算する。
例えば図66(b)〜(d)に示すように、第2払出数報知演出では、獲得累計数画像G31の表示が、特別遊技状態(初当り)が終了して時短状態が開始した後も継続される。
その後、例えば図66(e)に示すように、演出制御装置300は、時短状態が終了すると、第2払出数報知演出を終了して獲得累計数画像G31を消去する。
ここで、例えば図66(f)〜(j)に示すように、時短状態(初当りも含む)の途中で、上皿21や下皿23が遊技球で満たされて払い出しができないことを示すオーバーフローエラーが発生した場合には、エラー画像G12が表示装置41に表示される。このエラー画像G12は、例えば図66(j)に示すように、途中で時短状態が終了しても、対応するエラーが解消されるまで消去されずに継続表示される。
なお、図66(f)〜(j)では、時短状態の途中でオーバーフローエラーが発生した場合を例示しているが、時短状態の途中でその他のエラーが発生した場合も同様に、エラー画像G12は、エラーが検出された時点で表示されて、途中で時短状態が終了した場合でも、当該エラーが解消されるまで消去されずに継続表示される。
図67(a)に、獲得累計数画像G31及びエラー画像G12の表示・非表示のタイミングの一例を示す。
例えば図67(a)に示すように、時短状態を発生させない特別結果に基づく特別遊技状態が開始すると、第1払出数報知演出が開始して、獲得累計数画像G31が表示装置41に表示される(t151)。
次いで、エラーが発生すると、エラー画像G12が表示装置41に表示される(t152)。
次いで、当該特別遊技状態が終了すると、第1払出数報知演出が終了して、獲得累計数画像G31が消去される(t153)。
次いで、当該エラーが解消すると、エラー画像G12が消去される(t154)。
また、例えば図67(a)に示すように、時短状態を発生させる特別結果に基づく特別遊技状態が開始すると、第2払出数報知演出が開始して、獲得累計数画像G31が表示装置41に表示される(t155)。
次いで、当該特別遊技状態が終了すると、時短状態が開始する(t156)。
時短状態が終了する前(すなわち、最後の特別遊技状態が終了してからの特図変動表示ゲームの実行回数が所定回数(例えば100回)に達する前)に特図変動表示ゲームの結果が特別結果となり、当該特別結果が時短状態を発生させない特別結果である場合には、当該特図変動表示ゲームが終了すると時短状態が終了する。よって、その場合には、当該特図変動表示ゲームが終了すると第2払出報知演出が終了して、第1払出報知演出が開始する。
一方、時短状態が終了する前に特図変動表示ゲームの結果が特別結果となり、当該特別結果が時短状態を発生させる特別結果である場合には、時短状態が延長される。よって、その場合には、例えば図67(a)に示すように、当該特図変動表示ゲームが終了しても第2払出数報知演出は継続する。
次いで、エラーが発生すると、エラー画像G12が表示装置41に表示される(t159)。
次いで、時短状態が終了すると、第2払出数報知演出が終了して、獲得累計数画像G31が消去される(t160)。
次いで、当該エラーが解消すると、エラー画像G12が消去される(t161)。
このように、第1払出数報知演出では、特別遊技状態が開始すると獲得累計数画像G31が表示されて、特別遊技状態が終了すると獲得累計数画像G31が消去される。一方、第2払出数報知演出では、特別遊技状態(初当り)が開始すると獲得累計数画像G31が表示されて、時短状態が終了すると獲得累計数画像G31が消去される。すなわち、第1払出数報知演出と第2払出数報知演出とでは、獲得累計数画像G31の表示期間が異なる。
なお、図56(a)では図示を省略したが、特別遊技状態の発生期間も、エラー画像G12や指示画像を表示可能な表示可能期間である。
遊技機10では、一回の特別遊技状態において払い出された賞球の累計数や、特別遊技状態及びその後の時短状態において払い出された賞球の累計数を表示することで、遊技者が獲得した遊技球数を把握できるようにして、遊技の興趣を高めるようにしている。ただし、特別遊技状態や時短状態のように継続的に賞球が払い出される状態ではトラブルが発生しやすい。このようなトラブルとしては、例えば、下皿23への流入口手前が球詰まりになり、球抜きしても下皿23が満杯の状態を解除できないトラブルや、払出ユニットに不具合が生じ賞球の払い出しができないトラブルなどが挙げられる。このようなトラブルが発生した場合には、遊技球の払い出しが停止されるとともに、遊技球の払い出しを停止させるエラー(オーバーフローエラーや払出異常エラーなど)の発生を報知するエラー画像G12が表示される。
遊技の興趣を高めるために、遊技球の払い出しを停止させるエラーの発生を報知するエラー画像G12の表示よりも、遊技者が獲得した遊技球数を把握させる画像(例えば獲得累計数画像G31)の表示を優先させる場合があるが、これでは、エラーに気付かず、全ての賞球が払い出される前に遊技をやめてしまい遊技者が不利益を被る虞がある。
そこで、本実施形態では、遊技球の払い出しを停止させるエラーの発生による遊技者の不利益を回避するために、獲得累計数画像G31の表示よりも、エラー画像G12の表示を優先させることとする。ここでの「優先させる」は、より手前側に表示することである。
すなわち、演出制御装置300は、演出表示編集処理において、例えば図67(b)に示すように、所定の表示レイヤに獲得累計数画像G31を描画し、獲得累計数画像G31が描画される表示レイヤよりも画面手前側の表示レイヤにエラー画像G12を描画する。具体的には、例えば、獲得累計数画像G31が「予告Dレイヤ」される場合には、エラー画像G12は、「予告Eレイヤ」又は「予告Fレイヤ」に描画される。
したがって、獲得累計数画像G31とエラー画像G12の双方を含む表示画面が表示装置41に表示される場合には、例えば図65(h),(i)や図66(i)に示すように、エラー画像G12は、獲得累計数画像G31の手前側に表示される。そのため、獲得累計数画像G31の表示領域とエラー画像G12の表示領域とが重複する場合には、獲得累計数画像G31のうちエラー画像G12と重複する部分が、エラー画像G12に隠れて視認不可能となる。
ところで、演出制御装置300は、RAM322に大入賞口への入賞数を記憶可能であり、RAM322に記憶されている特別遊技状態の開始から現時点までの大入賞口への入賞数に基づいて払出合計数を算出し、当該算出した払出合計数を第1払出数報知演出や第2払出数報知演出によって報知する。あるいは、RAM322に大入賞口への入賞に基づき払い出される払出遊技球数を記憶可能であり、RAM322に記憶されている特別遊技状態の開始から現時点までの払出遊技球数を払出合計数として第1払出数報知演出や第2払出数報知演出によって報知する。
第1払出数報知演出や第2払出数報知演出の実行中に停電が発生した場合には、当該停電から復旧すると第1払出数報知演出や第2払出数報知演出が再開される。しかしながら、RAM322は、遊技機10への電源供給が停止すると記憶された情報の記憶保持が不可能な記憶手段であるため、停電復旧後に再開した第1払出数報知演出や第2払出数報知演出では、正確な払出合計数を報知することができない。
具体的には、例えば図68(a)〜(c)に示すように、第1払出数報知演出の実行中に停電が発生した場合には、当該停電から復旧した後に第1払出数報知演出が再開される。しかし、RAM322は電力が供給されないと記憶内容を保持することができないため、獲得累計数画像G31によって報知される払出合計数が0クリアされた状態から再開されることとなる。
第2払出数報知演出の場合も同様である。すなわち、例えば図68(d)〜(f)に示すように、第2払出数報知演出の実行中に停電が発生した場合には、当該停電から復旧した後に第2払出数報知演出が再開される。しかし、RAM322は電力が供給されないと記憶内容を保持することができないため、獲得累計数画像G31によって報知される払出合計数が0クリアされた状態から再開されることとなる。
また、停電から復旧するとエラーが発生していないかチェックする処理が行われる。したがって、例えば図68に示すように、停電発生前に発生したエラーが、停電復旧後に解消していない場合には、停電発生前に表示されていたエラー画像G12が、停電復旧後も表示される。すなわち、停電から復旧した際に、獲得累計数画像G31は引き続き表示されたかのように見せることができないが、エラー画像G12は引き続き表示されたかのように見せることができる。
本実施形態では、興趣の低下を防止する等の観点から、遊技機10への電源供給が停止すると記憶された情報の記憶保持が不可能な記憶手段(RAM322)に、大入賞口への入賞数や払出遊技球数を記憶している。具体的には、例えば、停電発生の瞬間において、遊技領域32に、まだ転動している遊技球(入賞口やアウト口に入る前の遊技球)が存在する場合には、当該遊技球が入賞口に入賞しても、停電しているため当該入賞は無効となってしまう(正確なカウントができない)。そのため、停電復帰後に停電前の大入賞口への入賞数や払出遊技球数を保持していると、停電発生の瞬間にまだ転動していた遊技球の入賞が反映されない払出合計数が報知されることとなり、興趣が低下してしまう。そこで、本実施形態では、このような不都合を回避するために、あえて記憶保持不能な記憶手段に大入賞口への入賞数や払出遊技球数を記憶することとしている。
ここで、盤演出装置44が、例えば図69に示すように、表示装置41の前方を移動可能に設けられた可動役物44aを備えており、可動役物44aの移動範囲に、表示装置41に表示されるエラー画像G12の少なくとも一部と前後に重なる位置が含まれる場合には、エラー画像G12を表示装置41に表示する態様だけでなく、それ以外の態様でもエラーの発生を報知することが好ましい。
具体的には、例えば図69に示すように、可動役物44aが、表示装置41の前方から退避した第1位置(図69(a)に示す位置)と、表示装置41の前方であってエラー画像G12の少なくとも一部と前後に重なる第2位置(図69(b)に示す位置)との間を移動可能であるとする。この場合、可動役物44aが移動している期間の一部や可動役物44aが第2位置にある期間においては、エラー画像G12は、当該可動役物44aで隠れて視認困難になる。
これでは、エラーに気付かず、全ての賞球が払い出される前に遊技をやめてしまい遊技者が不利益を被る虞がある。そこで、本実施形態では、例えば図69(b)に示すように、エラー画像G12を表示装置41に表示する第1態様に加えて、スピーカ19a,19bからエラー音(例えば「球を抜いて下さい」という音声)を出力する第2態様でも、エラーの発生を報知することとする。第2態様のエラー報知は、可動役物44aを用いた演出が実行されている場合にのみ行っても良いし、可動役物44aによる演出が実行されているか否かにかかわらず行っても良い。
なお、可動役物44aの前方(遊技者側)に更に導光板(他の役物)等を配設することも可能であり、その場合、導光板による演出(キャラクタ等が浮かび上がる演出等)がエラー画像G12に重なってしまう可能性が高いので、エラー画像G12の表示中(すなわちエラー発生中)は、導光板(他の役物)による演出を中止又は中断するようにしても良い。
このように本実施形態の遊技機10によれば、所定条件の成立に基づき実行されるゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果となった場合に、変動入賞装置(特別変動入賞装置38)を遊技球が入賞しやすい状態に変換する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、変動入賞装置への入賞に基づいて払い出される遊技球数を報知する球数報知表示(獲得累計数画像G31)を表示装置41に表示する第1表示制御手段(演出制御装置300)と、遊技球の払い出しを停止させるエラーが発生したことを報知するエラー表示(エラー画像G12)を表示装置41に表示する第2表示制御手段(演出制御装置300)と、球数報知表示とエラー表示とは同時に表示可能であり、球数報知表示よりも、エラー表示の方が表示の優先順位が高く(図67(b)参照)、球数報知表示は、特別遊技状態中に表示され、当該特別遊技状態が終了すると非表示となり、エラー表示は、特別遊技状態中に表示可能であり、当該特別遊技状態の終了後も表示可能である(図65や図67(a)参照)。
したがって、球数報知表示(獲得累計数画像G31)の表示よりもエラー表示(エラー画像G12)の表示が優先されるとともに、球数報知表示は特別遊技状態が終了すると非表示となるがエラー表示は特別遊技状態の終了後も表示可能であるため、遊技球の払い出しを停止させるエラーの発生による遊技者の不利益を回避することができる。
また、本実施形態の遊技機10によれば、所定条件の成立に基づき実行されるゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果となった場合に、変動入賞装置(特別変動入賞装置38)を遊技球が入賞しやすい状態に変換する特別遊技状態を発生可能な遊技機において、変動入賞装置への入賞に基づいて払い出される遊技球数を報知する球数報知表示(獲得累計数画像G31)を表示装置41に表示する第1表示制御手段(演出制御装置300)と、遊技球の払い出しを停止させるエラーが発生したことを報知するエラー表示(エラー画像G12)を表示装置41に表示する第2表示制御手段(演出制御装置300)と、特別遊技状態の終了後に、特別遊技状態と異なる特定遊技状態(時短状態)を発生可能であり、球数報知表示とエラー表示とは同時に表示可能であり、球数報知表示よりも、エラー表示の方が表示の優先順位が高く(図67(b)参照)、球数報知表示は、特定遊技状態中に表示され、当該特定遊技状態が終了すると非表示となり、エラー表示は、特定遊技状態中に表示可能であり、当該特定遊技状態の終了後も表示可能である(図66や図67(a)参照)。
したがって、球数報知表示(獲得累計数画像G31)の表示よりもエラー表示(エラー画像G12)の表示が優先されるとともに、球数報知表示は特定遊技状態が終了すると非表示となるがエラー表示は特定遊技状態の終了後も表示可能であるため、遊技球の払い出しを停止させるエラーの発生による遊技者の不利益を回避することができる。
なお、変動入賞装置は、大入賞口(特別変動入賞装置38)に限定されず適宜変更可能であり、例えば、普通変動入賞装置37や、Vスイッチを有する大入賞口などであっても良い。
また、本実施形態では、表示の優先順位が高い画像ほど、より手前側に表示されるようにしたが、表示の優先順位はこれに限定されない。表示の優先順位が高い画像ほど、視認性が高くなることが好ましく、例えば、表示の優先順位が高い画像ほど、より画面中央に近い位置に表示しても良いし、より大きいサイズで表示しても良いし、より高明度の表示色で表示しても良いし、より低透過率で表示(すなわち、表示の優先順位が低い画像ほど透明度が高くなるように表示)しても良い。また、第1の画像の表示タイミングと、当該第1の画像よりも優先順位が高い第2の画像の表示タイミングとが重複する場合、第2の画像の表示中は、第1の画像を非表示としても良い。
また、本実施形態では、表示の優先順位が高い画像ほど、より手前側に表示されるように、より優先順位が高い画像を、より画面手前側の表示レイヤに描画することとしたが、これに限定されない。例えば、表示の優先順位にかかわらず同じ表示レイヤに描画することも可能であり、その場合、表示の優先順位が高い画像ほど、より手前側に表示されるように、より優先順位が高い画像を、より手前側に配置した状態で同じ表示レイヤに描画する。
また、本実施形態の遊技機10においては、表示装置41の前方を移動可能に設けられた可動役物44aと、エラー表示(エラー画像G12)を表示装置41に表示する態様とは異なる態様で、エラーの発生を報知する報知手段(スピーカ19a,19b及び演出制御装置300)と、を備え、可動役物44aの移動範囲には、表示装置41に表示されるエラー表示の少なくとも一部と前後に重なる位置が含まれるよう構成することができる(図69参照)。
すなわち、エラー表示(エラー画像G12)を表示装置41に表示する第1態様だけでなく、第1態様とは異なる第2態様でもエラー報知を行うよう構成することができる。
このように構成することによって、エラー表示(エラー画像G12)が可動役物44aで隠れて視認困難になっても、第2態様のエラー報知によって、エラーの発生を把握することが可能となるため、遊技球の払い出しを停止させるエラーの発生による遊技者の不利益を回避することができる。
なお、第2態様のエラー報知は、エラー音を出力する態様に限定されない。具体的には、第2態様のエラー報知は、サブ情報表示装置90の表示、スピーカ19a,19bからの音声、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作のうち少なくとも一つによって、エラーの発生を報知するものであれば良い。また、遊技機10が、演出装置として振動装置や送風装置を備えている場合には、振動装置や送風装置を用いて、第2態様のエラー報知を実行することも可能である。また、遊技機10が、表示装置41以外に液晶表示器を備えている場合には、その液晶表示器を用いて、第2態様のエラー報知を実行することも可能である。
また、本実施形態の遊技機10においては、遊技球を賞球として払い出す払出機構(払出ユニット)を制御する払出制御手段(払出制御装置200)を備え、遊技球の払い出しを停止させるエラーは、払出機構から払い出された遊技球を貯留可能な貯留皿(上皿21や下皿23)に所定量以上の遊技球が貯留されていることを示すエラー(オーバーフローエラー)及び払出制御手段が異常であることを示すエラー(払出異常エラー)の少なくとも一方であるよう構成することができる。
このように構成することで、遊技球の払い出しを停止させるエラーの発生による遊技者の不利益を確実に回避することが可能となる。
《演出音とエラー音》
第1実施形態(第1実施形態の各変形例を含む)の遊技機10は、スピーカ19a,19bから、遊技を演出する演出音や、エラーの発生を報知するエラー音を出力可能である。
従来の遊技機では、演出音よりもエラー音が優先して出力されること、すなわち演出音の音量を下げた状態(消音状態も含む)でエラー音が出力されることが通例である。
例えば、特別遊技状態中に出力される演出音には、例えば、常時出力されるラウンドBGMや、特定の期間に出力される音(以下「期間限定音」という)がある。期間限定音は、例えば特別遊技状態の終了後に特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となることを報知する確変昇格音等であり、ラウンドBGMよりも遊技者の関心が高い演出音であるため、期間限定音よりもエラー音が優先して出力されると、遊技の興趣が低下してしまう虞がある。したがって、エラー音よりも期間限定音を優先して出力すれば、遊技の興趣低下を防止できる。
しかし、エラーには、複数の種類があり、エラーの種類によっては、エラー音よりも期間限定音を優先して出力することで不都合が生じる場合がある。具体的には、例えば、不正行為に関連するエラー(前枠開放エラー、遊技機枠開放エラー、枠電波エラー、盤電波エラー、磁気エラー、大入賞口不正エラー、普電不正エラー、振動エラーなど)を報知するエラー音よりも期間限定音を優先して出力した場合には、遊技店の店員がエラーの発生に気付くのが遅くなるため、不正しやすい遊技機になってしまう。
そこで、本実施形態では、所定の演出音を、第1演出音と第2演出音とに分類するとともに、所定のエラー音を、第1エラー音と第2エラー音とに分類し、第1演出音<第1エラー音<第2演出音<第2エラー音の順に優先順位が高くなるように出力制御を行うこととする。
具体的には、例えば、特別遊技状態中に出力される演出音のうち、ラウンドBGMを第1演出音とし、確変昇格音等の期間限定音を第2演出音とする。また、特別遊技状態中に出力される可能性があるエラー音のうち、オーバーフローエラー等の不正行為に関連しないエラーの発生を報知する不正非関連エラー音を第1エラー音とし、枠開放エラー(前枠開放エラーや遊技機枠開放エラー)等の不正行為に関連するエラーの発生を報知する不正関連エラー音を第2エラー音とする。すなわち、特別遊技状態中に出力される音においては、ラウンドBGM<不正非関連エラー音<期間限定音<不正関連エラー音の順に出力の優先順位が高い。
図70に、演出音及びエラー音の出力・非出力のタイミングの一例を示す。
例えば図70に示すように、特別遊技状態が開始すると、ラウンドBGMの出力が開始される(t181)。
次いで、確変昇格音を出力するタイミングになると、ラウンドBGMが非出力の状態となる(t182)。
確変昇格音は枠開放エラー音(枠開放エラーの発生を報知するエラー音)よりも優先順位が低いため、確変昇格音の出力と枠開放エラー音の出力とが重複する期間では、確変昇格音が非出力の状態となる。例えば図70に示す例において、確変昇格音の出力と枠開放エラー音の出力とが重複する期間は、t182〜t183である。
また、確変昇格音はオーバーフローエラー音(オーバーフローエラーの発生を報知するエラー音)よりも優先順位が高いため、確変昇格音の出力とオーバーフローエラー音の出力とが重複する期間では、オーバーフローエラー音が非出力の状態となる。例えば図70に示す例において、確変昇格音の出力とオーバーフローエラー音の出力とが重複する期間は、t182〜t184である。
また、枠開放エラー音はオーバーフローエラー音よりも優先順位が高いため、枠開放エラー音の出力とオーバーフローエラー音の出力とが重複する期間では、オーバーフローエラー音が非出力の状態となる。例えば図70に示す例において、枠開放エラー音の出力とオーバーフローエラー音の出力とが重複する期間は、t182〜t183である。
したがって、例えば図70に示すように、確変昇格音を出力するタイミングと、枠開放エラー音を出力するタイミングと、オーバーフローエラー音を出力するタイミングとが同時に到来した場合には、確変昇格音及びオーバーフローエラー音が非出力の状態となって、枠開放エラー音が出力される(t182)。そして、枠開放エラー音の出力が終了すると、確変昇格音が途中から出力され(t183)、確変昇格音の出力が終了すると、オーバーフローエラー音が途中から出力され(t184)、オーバーフローエラー音の出力が終了すると、ラウンドBGMの出力が再開される(t185)。
ここで、非出力の状態とは、再生は行っているが、スピーカ19a,19bからの出力は行わない状態である。なお、非出力の状態は、再生もスピーカ19a,19bからの出力も行わない状態であっても良い。
また、図70では、第1エラー音としてオーバーフローエラー音を例示しているが、第1エラー音は、オーバーフローエラー音以外の不正非関連エラー音であっても良い。
また、図70では、第2エラー音として枠開放エラー音を例示しているが、第2エラー音は、枠開放エラー音以外の不正関連エラー音であっても良い。
また、図70では、第2演出音として確変昇格音を例示しているが、第2演出音は、確変昇格音以外の期間限定音(ラウンド昇格音やVスイッチ通過演出音など)であっても良い。
このように、本実施形態では、期間限定音の出力機会をできるだけ確保する等の観点から、不正非関連エラー音の優先順位を期間限定音の優先順位よりも低く設定している。具体的には、不正関連エラー音は、期間限定音よりも優先されるのに対し、不正非関連エラー音は、期間限定音よりも優先されないようになっている。すなわち、エラー音に出力するべき優先度を付加することによって、期間限定音の出力を妨げてまで出力すべきであるエラー音と、期間限定音の出力を妨げてまで出力すべきでないエラー音とを区別可能としている。したがって、期間限定音の出力機会ができるだけ確保されることとなるため、遊技の興趣低下を防止できるとともに、不正関連エラー音は期間限定音よりも優先して出力されるため、不正が発生しにくく、発生しても早急に対処することができる。
なお、不正行為に関連するエラーの発生を報知する不正関連エラー音の出力時に、当該エラーの発生を報知する不正関連エラー画像を表示装置41に表示しても良い。
また、不正行為に関連しないエラーの発生を報知する不正非関連エラー音の出力時に、当該エラーの発生を報知する不正非関連エラー画像を表示装置41に表示しても良い。
また、期間限定音(特別遊技状態の終了後に特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となることを報知する確変昇格音等)の出力時に、期間限定画像(特別遊技状態の終了後に特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となることを報知する確変昇格画像等)を表示装置41に表示しても良い。
また、不正関連エラー画像、不正非関連エラー画像、期間限定画像の表示の優先順位は、音と同じであっても良いし、音と同じでなくても良い。すなわち、不正非関連エラー画像<期間限定画像<不正関連エラー画像の順(音と同じ順)に優先順位が高くなるように表示制御を行っても良いし、例えば、期間限定画像<不正非関連エラー画像<不正関連エラー画像の順(音と異なる順)に優先順位が高くなるように表示制御を行っても良い。
本実施形態では、表示の優先順位が高い画像ほど、より手前側に表示されることとするが、表示の優先順位はこれに限定されない。表示の優先順位が高い画像ほど、視認性が高くなることが好ましく、例えば、表示の優先順位が高い画像ほど、より画面中央に近い位置に表示しても良いし、より大きいサイズで表示しても良いし、より高明度の表示色で表示しても良いし、より低透過率で表示(すなわち、表示の優先順位が低い画像ほど透明度が高くなるように表示)しても良い。また、第1の画像の表示タイミングと、当該第1の画像よりも優先順位が高い第2の画像の表示タイミングとが重複する場合、第2の画像の表示中は、第1の画像を非表示としても良い。
また、表示の優先順位がより高い画像を、より手前側に表示する方法は、より優先順位が高い画像を、より画面手前側の表示レイヤに描画する方法であっても良いし、より優先順位が高い画像を、より手前側に配置した状態で同じ表示レイヤに描画する方法であっても良い。
このように本実施形態の遊技機10によれば、スピーカ19a,19bを備えた遊技機において、スピーカ19a,19bから出力される音の制御を行う出力制御手段(演出制御装置300)と、所定条件の成立に基づき実行されるゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果となった場合に特別遊技状態を発生可能な特別遊技状態制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、出力制御手段は、特別遊技状態の発生中に、遊技を演出する演出音として、第1演出音(例えばラウンドBGM)と、当該第1演出音よりも出力の優先順位が高い第2演出音(例えば期間限定音)とをスピーカ19a,19bから出力可能であり、特別遊技状態の発生中に、エラーの発生を報知するエラー音として、第1エラー音(例えば不正非関連エラー音)と、当該第1エラー音よりも出力の優先順位が高い第2エラー音(例えば不正関連エラー音)とをスピーカ19a,19bから出力可能であり、第1演出音の出力時又は第2演出音の出力時に第2エラー音を出力するエラーが発生した場合には、第2エラー音を優先して出力し、第1演出音の出力時に第1エラー音を出力するエラーが発生した場合には、第1エラー音を優先して出力し、第2演出音の出力時に第1エラー音を出力するエラーが発生した場合には、第2演出音を優先して出力する(図70参照)。
したがって、第2演出音が第1エラー音よりも優先して出力されるため、第2演出音の出力機会ができるだけ確保されるように、エラー音を好適に出力することができる。
また、第2エラー音は第1演出音や第2演出音や第1エラー音よりも優先して出力されるため、例えば、第2エラー音を不正関連エラー音とすることで、不正が発生しにくく、発生しても早急に対処することが可能となる。
また、本実施形態の遊技機10によれば、所定音を出力可能な音出力手段(スピーカ19a,19b)と、音出力手段から出力される音の制御を行う出力制御手段(演出制御装置300)と、所定の画像を表示可能な表示手段(表示装置41)と、表示手段の制御を行う表示制御手段(演出制御装置300)と、を備えた遊技機において、出力制御手段は、所定操作に応じて音出力手段の音量を変更可能であり、演出音(例えば期間限定音)と、所定エラーの発生を報知する第1エラー音(例えば不正非関連エラー音)と、当該第1エラー音よりも出力の優先順位が高い第2エラー音(例えば不正関連エラー音)と、を出力可能であり、演出音の出力時に第2エラー音を出力するエラーが発生した場合には、第2エラー音を優先して出力し、演出音の出力時に第1エラー音を出力するエラーが発生した場合には、演出音を優先して出力し、表示制御手段(演出制御装置300)は、音出力手段の音量が変更されたことに応じて変化可能な音量情報(音量画像G11)を表示可能であり、演出音の出力時に第2エラー音を出力するエラーが発生した場合には、演出音に対応する演出画像(例えば期間限定画像)よりも第2エラー音に対応する第2エラー報知画像(例えば不正関連エラー画像)を優先して表示可能であり、演出音の出力時に第1エラー音を出力するエラーが発生した場合には、演出音に対応する演出画像よりも第1エラー音に対応する第1エラー報知画像(例えば不正関連非エラー画像)を優先して表示可能である。
したがって、演出音が第1エラー音よりも優先して出力されるため、演出音の出力機会ができるだけ確保されるように、エラー音を好適に出力することができる。
また、第2エラー音は演出音や第1エラー音よりも優先して出力されるため、例えば、第2エラー音を不正関連エラー音とすることで、不正が発生しにくく、発生しても早急に対処することが可能となる。
また、音の優先順位は、第1エラー音<演出音<第2エラー音であるのに対し、画像の優先順位は、演出画像<第1エラー報知画像<第2エラー報知画像である。すなわち、音の優先順位と画像の優先順位とが異なる。したがって、第1エラー音よりも演出音を優先して出力しつつ、演出画像よりも第1エラー報知画像を優先して表示することができるため、音の優先順位と画像の優先順位とが同じ場合(すなわち、第1エラー音よりも演出音を優先して出力しつつ、第1エラー報知画像よりも演出画像を優先して表示する場合)と比較して、第1エラーが発生した際に早急に対処することが可能となる。
なお、本実施形態では、第1の音を出力するタイミングと、当該第1の音よりも優先順位が高い第2の音を出力するタイミングとが重複する場合、第2の音の出力中に第1の音を非出力の状態、すなわち消音状態としたが、これに限定されない。すなわち、第2の音の出力中、第1の音は、本来の音量(第2の音と出力タイミングが重複しないときの音量)よりも音量を下げた状態(消音状態も含む)であれば良い。
《操作音とエラー音》
前述したように、遊技者が遊技環境を調整するための変更操作(音量変更操作や輝度変更操作)を行うと、当該変更操作に応じた操作音がスピーカ19a,19bから出力される(図56参照)。本実施形態において、変更操作に応じた操作音は、不正関連エラー音よりも優先順位が低く、不正非関連エラー音よりも優先順位が高くなるように設定されている。
図71に、エラー報知中の音量報知についての一例を示す。なお、輝度報知では音量報知と同様の処理が行われるため、輝度報知については図面を用いての説明を省略する。
具体的には、例えば図71に示すように、枠開放エラー音等の不正関連エラー音が出力されていない場合には、演出制御装置300は、音量変更操作を検出すると(t198,t201,t204)、音量画像G11の表示や操作音の出力や音量の調整を行う。その一方で、枠開放エラー音等の不正関連エラー音が出力されている場合には、演出制御装置300は、音量変更操作を検出しても(t191,t194)、音量画像G11の表示や操作音の出力や音量の調整を行わないよう構成されている。
また、図72及び図73に、エラー報知中の音量報知についての他の一例を示す。
図72に示す例は、不正関連エラー音の出力中に音量画像G11の表示や音量の調整を行う点で、図71に示す例と異なる。
具体的には、例えば図72に示すように、枠開放エラー音等の不正関連エラー音が出力されていない場合には、演出制御装置300は、音量変更操作を検出すると(t198,t201,t204)、音量画像G11の表示や操作音の出力や音量の調整を行う。また、枠開放エラー音等の不正関連エラー音が出力されている場合には、演出制御装置300は、音量変更操作を検出すると(t191,t194)、音量画像G11の表示や音量の調整を行うが、操作音の出力を行わないよう構成しても良い。
図73に示す例は、不正関連エラー音の出力が終了すると操作音を途中から出力する点で、図72に示す例と異なる。
具体的には、例えば図73に示すように、枠開放エラー音等の不正関連エラー音が出力されていない場合には、演出制御装置300は、音量変更操作を検出すると(t198,t201,t204)、音量画像G11の表示や操作音の出力や音量の調整を行う。また、枠開放エラー音等の不正関連エラー音が出力されている場合には、演出制御装置300は、音量変更操作を検出すると(t191,t194)、音量画像G11の表示や音量の調整を行い、その後、不正関連エラー音の出力が終了すると(t195)、不正関連エラー音の出力が終了した時点で操作音の本来の出力期間(t194〜t196)が終了していない場合には、当該操作音の出力を途中から行うよう構成しても良い。
なお、不正行為に関連するエラーの発生を報知する不正関連エラー音の出力時に、当該エラーの発生を報知する不正関連エラー画像を表示装置41に表示しても良いし、不正行為に関連しないエラーの発生を報知する不正非関連エラー音の出力時に、当該エラーの発生を報知する不正非関連エラー画像を表示装置41に表示しても良い。
また、不正関連エラー画像、不正非関連エラー画像、音量画像G11の表示の優先順位は、音と同じであっても良いし、音と同じでなくても良い。すなわち、不正関連エラー画像、不正非関連エラー画像、音量画像G11(十字キー等の画像を含む)の表示の優先順位は、音と同じであっても良いし、音と同じでなくても良い。すなわち、不正非関連エラー画像<音量画像G11<不正関連エラー画像の順(音と同じ順)に優先順位が高くなるように表示制御を行っても良いし、音量画像G11<不正非関連エラー画像<不正関連エラー画像の順(音と異なる順)に優先順位が高くなるように表示制御を行っても良い。
このように本実施形態の遊技機10によれば、スピーカ19a,19bを備えた遊技機において、遊技者の所定操作(音量変更操作)に応じてスピーカ19a,19bの音量を変更する音量設定手段(演出制御装置300)と、所定操作に応じてスピーカ19a,19bの音量に関する音量情報(音量画像G11)を表示装置41に表示する表示制御手段(演出制御装置300)と、スピーカ19a,19bから出力される音の制御を行う出力制御手段(演出制御装置300)と、を備え、所定のエラーの発生を報知するエラー音(例えば不正関連エラー音)がスピーカ19a,19bから出力されている際に所定操作が行われた場合には、表示制御手段は、音量情報を表示し、出力制御手段は、音量情報に応じた操作音を出力しない(図72参照)。
したがって、エラー音が操作音よりも優先して出力されるため、エラー音を好適に出力することができる。
また、エラー音の出力中には、所定操作(音量変更操作)に応じた操作音は出力されないが、所定操作(音量変更操作)に応じた音量情報は表示されるため、遊技者は所定操作が正常に受け付けられたことを認識することができる。
なお、操作音よりも優先して出力されるエラー音は、不正関連エラー音に限定されず、適宜変更可能であり、例えば不正非関連エラー音であっても良い。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、所定の音を、遊技者(あるいはホール)が設定した音量とは異なる音量で出力することも可能である。輝度の場合も同様である。
具体的には、例えば、遊技者設定が「4」の場合、不正関連エラー音の音量を「4」、期間限定音の音量を「3」、不正非関連エラー音の音量を「2」、BGMの音量を「1」としても良い。すなわち、不正関連エラー音を遊技者の設定した音量で出力し、その他の音を遊技者が設定した音量を下回る音量で出力しても良い。
また、例えば、遊技者設定が「5」の場合、不正関連エラー音の音量を「7」、期間限定音の音量を「6」、不正非関連エラー音の音量を「5」、BGMの音量を「4」としても良い。すなわち、不正非関連エラー音(あるいは期間限定音であっても良い)を遊技者の設定した音量で出力し、不正非関連エラー音(あるいは期間限定音)よりも優先順位が高い音を遊技者が設定した音量を上回る音量で出力し、不正非関連エラー音(あるいは期間限定音)よりも優先順位が低い音を遊技者が設定した音量を下回る音量で出力しても良い。
また、上記実施形態では、音量を1〜5の範囲で調整可能としたが、「0(消音)」にも調整可能としても良い。そして、遊技者設定が「0(消音)」の場合、不正関連エラー音の音量を「1」、その他の音の音量を「0」としても良い。すなわち、不正関連エラー音以外を消音としても良い。勿論、不正関連エラー音を含む全て音を消音とすることも可能である。
また、遊技者(あるいはホール)が設定した音量がいずれであっても、所定の範囲内で出力される音量の割合が決まっていることとしても良い。すなわち、例えば、出力音量値=m(遊技者設定値)×a(各音に対応した倍率<係数>)で算出される出力音量値に応じて音を出力しても良い。ただし、遊技者(あるいはホール)が設定した音量が「0(消音)」の場合は、前述したように不正関連エラー音以外を消音としても良い。輝度の場合も同様である。
具体的には、例えば、遊技者設定が「3」の場合、不正関連エラー音の音量を「3.3(倍率1.1倍)」、期間限定音の音量を「3(倍率1倍)」、不正非関連エラー音の音量を「2.4(倍率0.8倍)」、BGMの音量を「2.1(倍率0.7倍)」とし、遊技者設定が「4」の場合、不正関連エラー音の音量を「4.4(倍率1.1倍)」、期間限定音の音量を「4(倍率1倍)」、不正非関連エラー音の音量を「3.2(倍率0.8倍)」、BGMの音量を「2.8(倍率0.7倍)」としても良い。
また、客待ち状態になると音量値が遊技者設定値からホール設定値になる仕様である場合には、客待ち状態以外の状態では、出力音量値=m(遊技者設定値)×a(各音に対応した倍率<係数>)で算出される出力音量値に応じて音を出力し、客待ち状態では、出力音量値=M(ホール設定値)×a(各音に対応した倍率<係数>)で算出される出力音量値に応じて音を出力しても良い。
エラー音や期間限定音は、遊技者設定(あるいはホール設定)の音量にかかわらず、予め定められた所定の音量(例えば最大音量)で出力することも可能であるが、遊技者(あるいはホール)が設定した音量に依存して各種の音を出力するよう構成することで、点検等の際にエラー音や期間限定音を出力しても、うるさくないため、快適に点検作業等を行うことが可能となる。
また、遊技者(あるいはホール)が設定した音量に依存して各種の音を出力するよう構成した場合、各種の音の倍率や出力態様が予め定められているので、制御が楽なうえに、全ての音が重複した場合でも優先されるものが明確なため、重要度が分かりやすくなる。
音量変更操作と輝度変更操作で十字キーを使用する場合であって、十字キーのうちの上下キーを音量変更操作及び輝度変更操作のいずれか一方で使用し、十字キーのうちの左右キーを音量変更操作及び輝度変更操作のいずれか他方で使用する場合に、上下キーのいずれか一方と左右キーのいずれか一方とが同時に操作された際、すなわち音量変更操作と輝度変更操作とが同時に行われた際には、(1)音量変更及び輝度変更の一方のみを行う、(2)音量変更及び輝度変更の両方を行わない、(3)音量変更及び輝度変更の両方を行う、のいずれで対処しても良い。
また、遊技者が音量変更操作として長押し操作を行って音量を調整している最中に、輝度変更操作として長押し操作を行った際には、(1)輝度変更操作の間も音量変更を継続して行う(輝度変更は行わない)、(2)輝度変更操作の間、音量変更のスピードが減少する(微調整できる機能となり得る)、(3)輝度変更操作の間、音量変更及び輝度変更の両方を行わない、(4)輝度変更操作の間、輝度変更に切り替わる(音量変更は行わない)、のいずれで対処しても良い。