次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。以下の実施例では、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、当該遊技球を遊技盤面に向けて発射することで遊技を進行させることが可能なパチンコ遊技機(弾球遊技機)に、本発明を適用したものについて説明する。具体的には、始動口への遊技球の入球に基づいて特別図柄の変動表示を行い、当該特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)が付与され得る大当り遊技(特別遊技)が実行可能となる所謂「1種タイプ」のパチンコ遊技機を例に説明する。
尚、以下の説明において、単に前側(前方)とは、遊技機を正面視した場合の手前側(遊技時に遊技者が位置する側)のことであり、単に後側(後方)とは、遊技機を正面視した場合の背面側(裏側)のことである。また、単に上側(上方)、下側(下方)、左側(左方)、右側(右方)とは、遊技機を正面視した場合の上・下・左・右の各方向のことであり、例えば、図1や図3における上側、下側、左側、右側を指す。
図1〜図3に示すように、本実施例のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。さらに、前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)や、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の枠ランプ66、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することが可能なスピーカ67等も設けられている。
演出ボタン63は、遊技者による入力が可能な入力手段として機能するもので、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンや十字キーを使い分けることができる。例えば、遊技演出の実行中に第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作(入力)に基づいて所定の対応演出が行われる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであれば足り、例えば、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。また、演出ボタンが、上方や手前側に突出したり振動したりする等の演出動作を行うもの(可動式の演出操作手段)であってもよい。
また、前面枠51には、遊技者による入力が可能な入力手段として図示しない十字キーが設けられている。十字キーは、第1演出ボタン63aと同様に、上皿61の上面に設けられるもので、上下左右の4方向の入力が可能なプッシュ式の入力手段として構成されるものである。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されており、レール部材4の先端には、球戻り防止片6が設けられている。球戻り防止片6は、一旦遊技領域へ誘導された遊技球を発射装置側へ戻るのを防止するためのものである。また、遊技盤2には、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の盤面ランプ5(図5を参照)も設けられている。
遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7(演出表示手段)が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L,8C,8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L,8C,8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に伴って(同期して)変動表示を行う。変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。
本実施例の演出図柄8L,8C,8Rは、それぞれ「1」〜「9」までの数字を表した複数の図柄(演出識別情報)からなる。本実施例では、「1」〜「9」の図柄(演出図柄)のうち、奇数図柄である「3」と「7」を赤色の図柄(「赤図柄」ともいう)としており、これ以外の奇数図柄である「1」、「5」、「9」を緑色の図柄(「緑図柄」ともいう)としている。また、偶数図柄である「2」、「4」、「6」、「8」を青色の図柄(「青図柄」ともいう)としている。つまり、本実施例では、演出図柄8の種類(図柄種)として、赤図柄、緑図柄、青図柄の3つの図柄種が存在する。尚、この図柄種は一例であり、これ以外の態様で演出図柄の図柄種を定めることも可能である。例えば、演出図柄が「数字」と人物・動物等を模した「キャラクタ」により構成される場合、そのキャラクタの種類(例えば男性キャラクタ、女性キャラクタ、味方キャラクタ、敵キャラクタ等)によって演出図柄の図柄種を定めることが可能である。
演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄の組合せ(停止表示態様)によって、後述の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果や、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果、つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果を、遊技者が認識し易いように表示する。本実施例では、変動表示している3つの演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する順序(停止順序)を、原則「左→右→中」としている。すなわち、停止順が1番目の停止図柄を左演出図柄8Lとし、停止順が2番目の停止図柄を右演出図柄8Rとし、停止順が3番目(最後)の停止図柄を中演出図柄8Cとしている。このうち、停止順が1番目の停止図柄のことを「第1停止図柄」ともいい、停止順が2番目の停止図柄のことを「第2停止図柄」ともいい、停止順が3番目の停止図柄のことを「第3停止図柄」や「最終停止図柄」ともいう。また、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ともいう。さらに、普通図柄のことを「普図」や「普通識別情報」、特別図柄のことを「特図」、第1特別図柄のことを「特図1」や「第1特図」、第2特別図柄のことを「特図2」や「第2特図」ともいう。また、演出図柄8を表示する画像表示装置7や第1特別図柄を表示する後述の第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示器41bのことを「識別情報表示手段」ともいう。
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当り(特定結果)となり、その大当りの種別が16R大当りや6R大当り等になった場合には、「222」や「777」などの3桁同一のゾロ目(特定態様)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、特別図柄当否判定の結果が大当り(特定結果)となり、その大当りの種別が2R大当りになった場合には、「123」や「135」等のチャンス目(特別態様)で演出図柄を停止表示することが可能である。さらに、特別図柄当否判定の結果が外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目(非特定態様)で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。尚、大当りのうち2R大当りについては、外れの場合と同じ態様(バラケ目)で演出図柄を停止表示することも可能である。
ここで、演出図柄の停止表示態様のうち、特別図柄当否判定の結果が大当り(特定結果)の場合に対応する停止表示態様のことを「大当り態様」、「特定態様」または「特定表示結果」ということがあり、特別図柄当否判定の結果が外れ(非特定結果)の場合に対応する停止表示態様のことを「外れ態様」、「非特定態様」または「非特定表示結果」ということがある。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、大当り遊技に伴って実行される大当り遊技演出(特別遊技演出)や、客待ち用のデモ演出などが表示される。演出図柄遊技演出や大当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。尚、演出図柄遊技演出のことを「変動演出」ともいう。
また、画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とが設けられている(図3を参照)。第1演出保留や第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43aにて表示される第1特図保留の記憶数や第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。さらに、本実施例の画像表示装置7の表示画面7aには、現在変動している特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)に対応する演出保留、すなわち、消化された特図保留に対応する演出保留(第1演出保留9aまたは第2演出保留9b)を表示する当該変動保留表示領域9eが設けられている(図3を参照)。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。また、センター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらに、センター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯・点滅等が可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
また、図3では図示していないが、センター装飾体10の後方(裏側)には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14が設けられている。可動装飾部材14は、普段(非動作時)は、センター装飾体10を構成する枠(フレーム)の後方(裏側)に隠れており、全体を視認できない状態となっている。本実施例の可動装飾部材14は、図44に示すように、主として、3つの板状(プレート状)の可動体(可動部材)14a,14b,14cから構成されており、これら3つの可動体14a〜14cが、普段(非作動時)は、画像表示装置7の表示画面7aに被らないよう、その外周側に位置している。具体的には、可動装飾部材14(可動体14a〜14c)は、遊技盤2とその後方(裏側)に配置される画像表示装置7との間に形成される空間に設けられるもので、普段(非動作時)は、図44(a)に示すように、画像表示装置7(表示画面7a)の上方に可動体14a、画像表示装置7(表示画面7a)の右下に可動体14b、画像表示装置7(表示画面7a)の左下に可動体14cが、それぞれ位置(待機)している。図44(a)では、待機位置にある(視認不可能な)可動体14a,14b,14cを点線で示している。
これに対し、可動装飾部材14を動作させる可動演出の実行条件が成立すると、可動装飾部材14が動作を開始して、3つの可動体14a,14b,14cが、それぞれ待機位置から所定の動作位置に向かって移動する。本実施例では、可動演出の実行により、可動体14a,14b,14cが、それぞれ表示画面7aの中央側に向かって一斉に移動し、すべてが画面手前側で近接した状態となる位置(動作位置)で停止するものとなっている。3つの可動体14a,14b,14cが動作位置に到達すると、図44(b)に示すように、各可動体(可動装飾部材14)が表示画面7aの手前側で合体(一体化)して、表示画面7aの大半(略全域)を覆う状態(動作状態)となる。また、本実施例の可動装飾部材14(可動体14a〜14c)の表面(手前側)には、図44(b)に示すように一つのモチーフ(形状、模様等。本例では所定の味方キャラクタの顔。)を表す造形処理が施されており、3つの可動体14a,14b,14cがすべて動作位置まで移動して互いに近接した状態となる(合体する)ことで、そのモチーフ(味方キャラクタの顔)が表示画面7aの手前側で完成するものとなっている(「役物完成演出」ともいう)。
本実施例では、このように3つの可動体14a,14b,14cが一斉に動作位置(表示画面7aの手前側)に移動する可動演出を、演出図柄8の変動表示中の所定時期における演出ボタン(本例では第1演出ボタン63a)の操作に基づいて実行することが可能となっている。これにより、遊技者は、このような可動演出の実行により、大当りへの期待感を高めるここととなる。尚、可動装飾部材14の動作パターンには、この他にも、例えば、3つの可動体14a,14b,14のうち少なくとも1つが、待機位置と動作位置との間を少ない(短い)動作量(移動量)で往復動作を数回繰り返すパターン(微動パターン)や、3つの可動体14a,14b,14が1つずつ時間差で動作位置まで移動して最終的に表示画面7aの大半(略全域)を覆うパターン(段階パターン)など、種々の動作パターンが設けられている。また、可動装飾部材14は、演出ボタン63の操作を契機として動作するだけでなく、例えば、特別図柄や演出図柄の変動パターンにしたがって動作したり、予告演出やリーチ演出等の演出パターンにしたがって動作したりするなど、演出ボタン63の操作に関係なく所定の動作条件(可動演出実行条件)の成立に基づいて動作することが可能である。さらに、可動装飾部材14は、変動演出としてだけでなく、予告演出や大当り遊技演出、デモ演出等、様々な演出の一環として動作することが可能である。また、可動装飾部材14(可動体14a〜14c)は、可動演出の終了に伴い、もとの待機位置に一斉に移動する動作(復帰動作)を行う。
ここで、特図保留に応じた演出保留9a,9bを表示することが可能な演出保留表示領域9c,9dのことを「演出保留表示手段」ともいい、遊技状況に応じた種々の演出画像を表示することで演出表示を行うことが可能な画像表示装置7のことを「演出表示手段」ともいい、遊技演出に伴って動作することで可動演出を行うことが可能な可動装飾部材14(可動体14a,14b,14c)のことを「可動演出手段」ともいう。尚、可動装飾部材14以外にも、例えば、演出ボタン63が遊技演出に伴って上下動や振動等する場合、演出ボタン63も「可動演出手段」といえる。また、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することで音演出を行うことが可能なスピーカ67のことを「音演出手段」ともいい、遊技の状況に応じて様々な光を発することで光演出を行うことが可能な盤面ランプ5、枠ランプ66および装飾部材13のことを「光演出手段」ともいう。尚、これら盤面ランプ5等以外にも、例えば、演出ボタン63や発射ハンドル60が、装飾部材13と同様にLED等の電飾部材を内蔵しており、電飾部材の作用により遊技の状況に応じて点灯・点滅等する場合、これら演出ボタン63や発射ハンドル60も「光演出手段」といえる。さらに、これら「演出保留表示手段」、「演出表示手段」(表示演出手段)、「可動演出手段」、「音演出手段」および「光演出手段」を総じて「演出手段」ともいう。また、少なくとも演出表示手段にて行う演出のことを「表示演出」ともいう。
また、本実施例では、特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)や大当り遊技(特別遊技)が行われておらず、かつ、特図保留が記憶されていない(特図保留球数がゼロである)ことにより新たな特別図柄の変動表示が開始されない状況、すなわち、待機状態(客待ち中、デモ演出中)にあるときに、演出ボタン63等の操作により、遊技者自らが演出に関する設定を行うことが可能となっている。演出に関する設定とは、演出図柄遊技演出(変動演出)や大当り遊技演出などの演出に伴ってスピーカ67から出力される効果音、画像表示装置7の表示画面7a(液晶画面)の輝度(明るさ)、盤面ランプ5や枠ランプ66等の電飾の輝度、演出表示で表示対象とするキャラクタの種類、表示画面7aの背景画像の種類、演出ボタン63の使用有無、演出モードなど、遊技演出の実行に関係する種々の条件の設定をいい、当該条件のことを「演出環境」ともいう。本実施例では、遊技者が行うことのできる演出に関する設定、すなわち、遊技者が設定可能な演出環境を、「効果音の音量」、「表示画面7aの輝度(明るさ)」および「当落分岐演出での演出ボタン使用有無」としている。尚、当落分岐演出とは、変動演出の実行中に当該変動演出の大当り期待度や確変期待度を示唆する演出のことであり、例えば、可動演出(役物完成演出)、演出図柄の停止(仮停止)演出、カットイン演出、背景演出等により実現される。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
尚、特別図柄当否判定の結果が「大当り」であることに基づいて行われる特別図柄の変動表示や演出図柄の変動表示のことを「大当り変動」や「特定変動」ともいい、特別図柄当否判定の結果が「外れ」であることに基づいて行われる特別図柄の変動表示や演出図柄の変動表示のことを「外れ変動」や「非特定変動」ともいう。
可変入賞装置22は、可動部材23を備え、可動部材23の動作によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。つまり、可動部材23は、所定の動作(開閉動作)を行うことで、第2始動口21への遊技球の入球可能性を変化させるものである。この可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口30(「第1可変入球口」ともいう)を備えた第1大入賞装置31が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1大入賞装置31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方であってセンター装飾体10の右下部には、第2大入賞口35(「第2可変入球口」ともいう)を備えた第2大入賞装置36が設けられている。第2大入賞装置36は、開閉部材(羽根部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2大入賞装置36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると、第2始動口21は開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。本実施例では、一般入賞口27を4個設けてあり、そのうちの3個を第1始動口20の左方に設けられた左一般入賞口とし、1個を第1大入賞口30の右方に設けられた右一般入賞口としている。第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35および一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(賞球)が払い出される。具体的には、第1始動口20の賞球数は「5」、第2始動口21の賞球数は「3」、第1大入賞口20および第2大入賞口35の賞球数は「15」、一般入賞口27の賞球数は「10」としている。
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、一般入賞口27及びゲート28)等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「左打ち」といい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「右打ち」という。ここで、複数の入球口のうち、第1始動口20および3個の左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けてあり、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、右一般入賞口27およびゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けてある。このため、本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際には、原則、左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において大当りとなり遊技状態が変化した際には、原則、右打ちにてゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30および第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。
また、図3および図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)と、が含まれている。また、主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44と、が含まれている。さらに、主表示器40には、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48と、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が大当りになった場合に実行される大当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向、すなわち右打ちを行うべき状態か左打ちを行うべき状態かを示す発射方向表示器47と、が含まれている。主表示器40に含まれるこれらの各種表示器は、後述の主制御部によって表示制御される。
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球に基づいて行われる。尚、以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20または第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合、すなわち、特別図柄の停止表示の態様(特別図柄の変動表示の表示結果)が大当りを示す特定態様(特定表示結果)である場合には、停止表示された大当り図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30または第2大入賞口35を開放させる大当り遊技(特別遊技)が行われる。尚、大当り遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果として「16R第1大当り」、「6R第2大当り」、「6R第3大当り」、「6R第4大当り」および「6R第5大当り」の5種類の大当りが設けられており(図8を参照)、第1特別図柄表示器41aのLEDは、それら5種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。具体的には、第1特別図柄当否判定の結果が16R第1大当りとなった場合には「ijn」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第1大当り図柄)、6R第2大当りとなった場合には「ino」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第2大当り図柄)、6R第3大当りとなった場合には「inp」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第3大当り図柄)、6R第4大当りとなった場合には「ijo」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第4大当り図柄)、6R第5大当りとなった場合には「jno」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(6R第5大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
また、第2特別図柄表示器41bは、「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第2特別図柄当否判定の結果として「16R第6大当り」、「16第7大当り」、「12R第8大当り」、「6R第9大当り」、「2R第10大当り」、「16R第11大当り」および「2R第12大当り」の7種類の大当りが設けられており(図8を参照)、第2特別図柄表示器41bのLEDは、それら2種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。具体的には、第2特別図柄当否判定の結果が16R第6大当りとなった場合には「abd」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第6大当り図柄)、16R第7大当りとなった場合には「abg」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第7大当り図柄)、12R第8大当りとなった場合には「abc」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(12R第8大当り図柄)、6R第9大当りとなった場合には「afg」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第9大当り図柄)、2R第10大当りとなった場合には「abde」の4個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(2R第10大当り図柄)、16R第11大当りとなった場合には「abe」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第11大当り図柄)、2R第12大当りとなった場合には「abdh」の4個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(2R第12大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「eh」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
尚、特別図柄の停止表示態様(停止図柄)は、これらに限定されるものではなく、任意に設定することができる。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば、予め定められた順序で光が左から右へ繰り返し流れるように各LEDを点灯させる態様とすることができる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値はそれぞれ「4」となっている。これら第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定数(本実施例では4)を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものとなっている。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
また、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には、図4に示す通り、普通図柄表示器42は「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値は「4」となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には、普図保留表示器44は「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7や演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。
また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(「遊技制御用マイコン」ともいう)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。また、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のRAM(主制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的には、センサ類として、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「遊技球検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。
また、ソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33および第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。これら各種ソレノイドを「駆動手段」ともいう。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのものである。
さらに、主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また、主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1を参照)が含まれる。
払出制御基板110は、所定のプログラムに従って遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号やパチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。遊技者による発射装置112の発射ハンドル60の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。尚、本実施例では、発射モータ113の駆動により発射装置112が連続して発射可能な遊技球の数は1分間で約100個となっている。
また、主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、サブ制御基板90には、所定のプログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。演出制御用マイコン91(演出制御手段)には、遊技の進行に伴って行われる演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。尚、入出力回路95は演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよく、ROMは外付けであってもよい。また、サブ制御基板90(演出制御用マイコン91)のRAM(演出制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。尚、サブ制御基板90(サブ制御部)や画像制御基板100(画像制御部)、音声制御基板106(音声制御部)、ランプ制御基板107(ランプ制御部)は、遊技の状況に応じて表示演出や音演出、ランプ演出(光演出)等の各種演出を、対応する演出用の装置や部材等(演出手段)に実行させる演出実行手段として機能するものである。また、識別情報の変動表示に関する情報を示唆する種々の予告演出(示唆演出)を、対応する演出用の装置や部材等(演出手段)に実行させる予告演出実行手段としても機能する。
サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」ともいう)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示および停止表示に合わせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数および第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)の略全体を被覆したりすることで、演出図柄8や第1演出保留9a、第2演出保留9b等、表示画面7aに表示される各種画像の一部または全部が視認できない状態になることがあるため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、または加えて、VDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御用マイコン101に音声制御を実行させてもよい。この場合、画像制御基板100のROMに音データを格納してもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。前述したように、可動装飾部材14は、センター装飾体10(装飾部材13の後方)に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
また、サブ制御基板90には、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63b(図1を参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからの信号がサブ制御基板90に入力される。尚、第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
さらに、サブ制御基板90には、第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63d(図5を参照)に加え、上皿61の上面に設けられた十字キー(図示せず)が操作されたことを検知する十字キー検知スイッチ(図示せず)が接続されている。十字キー検知スイッチは、上下左右の各方向の入力を区別して検知することが可能とされている。従って、遊技者が十字キーに対して上下左右いずれかの入力操作を行うと、これに対応する十字キー検知スイッチからの信号(上検知信号、下検知信号、左検知信号または右検知信号)がサブ制御基板90に入力される。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御(取得情報判定手段)について説明する。本実施例では、特別図柄当否判定の結果として「大当り」と「外れ」がある。「大当り」のときには特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。特別図柄当否判定で大当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類(大当り種別)に応じた開放パターンにて大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口35)を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」という。
本実施例の大当りには複数の種別がある。具体的には、図6に示すように、大当りとして「16R(ラウンド)第1大当り」、「6R第2〜第5大当り」、「16R第6大当り」、「16R第7大当り」、「12R第8大当り」、「6R第9大当り」、「2R第10大当り」、「16R第11大当り」および「2R第12大当り」の計12種類を設けている。これらの大当りのうち、第1特別図柄に係る大当りである「16R第1大当り」および「6R第2〜第5大当り」と、第2特別図柄に係る大当りである「16R第6大当り」および「16R第11大当り」は、何れも、第1大入賞口30(下アタッカー)を用いた大当り遊技に係る大当りである。具体的には、「16R第1大当り」および「16R第6大当り」は、第1大入賞口30の開放回数(ラウンド数)が16回で、開放時間が1回の開放(1ラウンド)につき25秒の大当りである。また、「16R第11大当り」は、第1大入賞口30の開放回数(ラウンド数)が16回で、そのうち1回目(1R)〜10回目(10R)の開放に係る開放時間が1回の開放(1ラウンド)につき25秒、11回目(11R)〜16回目(16R)の開放に係る開放時間が1回の開放(1ラウンド)につき0.1秒の大当りである。つまり、「16R第11大当り」は、第1大入賞口30の16回の開放のうち、1回目(1R)〜10回目(10R)の10回の開放(10ラウンド)は第1大入賞口30への遊技球の入球が容易(可能)となり、残りの11回目(11R)〜16回目(16R)の6回の開放(6ラウンド)は第1大入賞口30への遊技球の入球が困難(不可能)となる大当りである。このことから、「16R第11大当り」は実質的に「10R大当り」ともいえる。さらに、「6R第2〜第5大当り」は、何れも、第1大入賞口30の開放回数(ラウンド数)が6回で、開放時間が1回の開放(1ラウンド)につき25秒の大当りである。尚、ラウンドを、単に「R」ともいい、「ラウンド遊技」ともいう。
一方、第2特別図柄に係る大当りである「16R第7大当り」、「12R第8大当り」、「6R第9大当り」、「2R第10大当り」および「2R第12大当り」は、第2大入賞口35(上アタッカー)を用いた大当り遊技に係る大当りである。具体的には、「16R第7大当り」、「12R第8大当り」および「6R第9大当り」は、第2大入賞口35の開放回数(ラウンド数)が夫々16回、12回、6回で、開放時間が何れも1回の開放(1ラウンド)につき25秒の大当りである。また、「2R第10大当り」および「2R第12大当り」は、何れも、第2大入賞口35の開放回数(ラウンド数)が2回、開放時間が何れも1回の開放(1ラウンド)につき0.1秒の大当りである。特別図柄表示部41は、これらの大当り種別に応じた大当り図柄が停止表示される。
尚、16R第1大当り、16R第6大当り、16R第7大当り及び16R第11大当りのことを総じて「16R大当り」ともいい、16R第11大当りのことを「実質10R大当り」ともいい、6R第2〜第5大当りおよび6R第9大当りのことを総じて「6R大当り」ともいい、2R第10大当りおよび2R第12大当りのことを総じて「2R大当り」ともいう。また、12R第8大当りのことを単に「12R大当り」ともいう。
本実施例のパチンコ遊技機1では、発生(当選)した大当りの種別に応じて、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態や時短状態、高ベース状態等に移行させる。すなわち、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当り及び2R第10大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。これに対して、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の6R第3〜第5大当り、16R第11大当り(実質10R大当り)及び2R第12大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。このことから、16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当りおよび2R第10大当りは「確変大当り」として捉えることができ、6R第3〜第5大当り、16R第11大当り(実質10R大当り)および2R第12大当りは「非確変大当り」(通常大当り、時短大当り)として捉えることができる。また、2R大当り(2R第10大当り、2R第12大当り)は、前述したように第2大入賞口35を1ラウンドにつき0.1秒で開放(一瞬開閉)させる大当りであり、このように極短時間で開放する第2大入賞口35に遊技球が入球する可能性は低く、したがって、第2大入賞口35への入球に基づく賞球を獲得できる可能性も低い。このような2R大当りは、所謂「出球なし大当り」ともいい、そのうち2R第10大当りのことを「出球なし確変大当り」ともいい、2R第12大当りのことを「出球なし通常(時短)大当り」ともいう。尚、0.1秒の開放(一瞬開閉)は、16R第11大当り(実質10R大当り)の11ラウンド〜16ラウンドにおける第1大入賞口30の開放についても同様である。
また、本実施例では、第2大入賞口35(上アタッカー)を開放させる大当りのうち、16R第7大当り、12R第8大当りおよび6R第9大当りについては、大当りの発生や大当り遊技の開始の際、何れのラウンド数の大当り遊技が行われるのかを、遊技者にとって分かり難いものとしている。すなわち、これらの大当りについては、画像表示装置7(表示画面7a)に表示される演出図柄8の停止表示態様やその他の演出を通じて、これから行われる大当り遊技の正確なラウンド数を把握(判別)し難くしている。このため、これらの大当りは、ラウンドがどこまで続く分からない状況下でラウンドを消化しつつ、6ラウンドや12ラウンドの終了を迎えるタイミング(ラウンド分岐)で、ラウンドがさらに続くか否かに注目するといった遊技性となっている。このような大当りは、所謂「ランクアップボーナス」と呼ばれるもので、以下、この大当りのことを「RUB」と表記することもある。
第1特別図柄(特図1)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第1大当りが5%、6R第2大当りが55%、6R第3大当りが5%、6R第4大当りが15%、6R第5大当りが20%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第6大当りが35%、16R第7大当り、12R第8大当り及び6R第9大当りがそれぞれ8%(つまり、RUBが24%)、2R第10大当りが1%、16R第11大当り(実質10R大当り)が20%、2R第12大当りが20%となっている。すなわち、後述の開放延長機能の作動(高ベース状態の発生)により入球容易となった第2始動口21への入球に基づく当否判定(特図2当否判定)により大当りとなった場合には、第1始動口20への入球に基づく当否判定(特図1当否判定)により大当りとなった場合に比べ、16R大当りの出現率(振分確率)が高くなっている。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(特図1当否判定)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(特図2当否判定)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このため、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中においては顕著である。
ここで、本パチンコ遊技機1では、大当りか外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0〜629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0〜99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数であり、「0〜198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、「0〜240」までの範囲で値をとる。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄および普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能および開放延長機能の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」や「確変状態」といい、作動していない状態を「低確率状態」や「通常状態」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)を参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の表示結果が特定表示結果(特定態様)となる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
また、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9を参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しないものとなっている。このため、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなる。具体的に、時短状態では、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)を参照)。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)を参照)。さらに時短状態では、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放時間延長機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。加えて時短状態では、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。具体的には、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が0.2秒の開放動作を1回行い、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が2.0秒の開放動作を3回行うものとなっている。
普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球(持ち球)を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例のパチンコ遊技機1では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当りおよび2R第10大当りの何れかの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。この高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態であり、遊技者にとってはいわゆる「確変状態」となる。
また、6R第3〜第5大当り、16R第11大当り(実質10R大当り)および2R第12大当りの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の通常状態(低確率状態)になるとともに、特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。
尚、本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技状態として「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確高ベース状態」の3つの遊技状態を設定可能としているが、これに加え、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態、すなわち「高確低ベース状態」を設定可能としてもよい。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。このため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより、左打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域3Bを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(右打ち指示報知)。
これに対して、低ベース状態(例えば低確低ベース状態)では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより、右打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域3Aを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(左打ち指示報知)。
発射方向表示器47は「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
ここで、本実施例のパチンコ遊技機1においては、大当り遊技が行われていない低確低ベース状態を基準とすると、この低確低ベース状態を「通常遊技状態」もしくは「通常状態」として捉えることができ、当該状態で行う遊技を「通常遊技」として捉えることができる。これに対し、高確高ベース状態や低確高ベース状態は、低確低ベース状態に比べ遊技者にとって有利な状態であることから、これら高確高ベース状態や低確高ベース状態を「特別遊技状態」もしくは「特別状態」として捉えることができ、当該状態にて行う遊技を「特別遊技」として捉えることができる。
また、特別図柄当否判定の結果が大当りとなる確率(大当り確率)の点からみると、確率変動機能が作動する高確率状態(確変状態)は、確率変動機能が作動しない低確率状態(通常状態、非確変状態)に比べ遊技者にとって有利な状態であることから、高確率状態を「特別遊技状態」もしくは「特別状態」として捉えることができ、当該状態にて行う遊技(高確率遊技)を「特別遊技」として捉えることができる。
さらに、第2始動口21への入球頻度の点からみると、高ベース発生機能が作動する高ベース状態は、高ベース発生機能が作動しない低ベース状態に比べ遊技者にとって有利な状態であることから、高ベース状態を「特別遊技状態」もしくは「特別状態」として捉えることができ、当該状態にて行う遊技(高ベース遊技)を「特別遊技」として捉えることができる。
また、大当り遊技は、特別図柄を変動表示させて大当り図柄が停止表示されることで実行され得る遊技であって、遊技者にとっては、大入賞口(第1大入賞口30、第2大入賞口35)への遊技球の入球により多量の賞球を得ることが可能な有利な遊技であることから、大当り遊技を「特別遊技」として捉えることができ、当該大当り遊技が行われる遊技状態を「特別遊技状態」として捉えることができる。
さらに、低ベース状態は、前述のように左打ちによって遊技球を左遊技領域3Aに進入させて遊技を進行させる状態であることから「左打ち状態」ともいえる。一方、高ベース状態および大当り遊技が行われる状態は、前述のように右打ちによって遊技球を右遊技領域3Bに進入させて遊技を進行させる状態であることから「右打ち状態」ともいえる。そして、前述のように、高ベース状態(右打ち状態)では、低ベース状態(左打ち状態)に比べ第2始動口21が開放されやすく、第1始動口20よりも第2始動口21の方が遊技球の入球が容易となり、また、第1始動口20への入球に基づく第1特別図柄の当否判定で大当りとなるよりも、第2始動口21への入球に基づく第2特別図柄の当否判定で大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなっている。このことから、左打ち状態を「通常遊技状態」もしくは「通常状態」として捉えることができ、当該状態にて行う遊技を「通常遊技」として捉えることができる。また、右打ち状態を「特別遊技状態」もしくは「特別状態」として捉えることができ、当該状態にて行う遊技を「特別遊技」として捉えることができる。
また、高確低ベース状態を備える場合、高確低ベース状態と低確低ベース状態との比較において、何れも低ベース状態である点で一致するものの、高確率状態では特別図柄の確率変動機能が作動して特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる確率が低確率状態よりも高くなることから、高確低ベース状態を「特別遊技状態」もしくは「特別状態」として捉えることができ、当該状態にて行う遊技を「特別遊技」として捉えることができる。
以上のように、本パチンコ遊技機1にて実行可能な種々の遊技や遊技状態のうち、相対的に遊技者にとって有利となる遊技や遊技状態のことを「特別遊技」や「特別遊技状態」という。
[主制御メイン処理]
次に、図10〜図36に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部80による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示す主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、初期設定を行う(S101)。初期設定では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず、出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。尚、コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a等(図5を参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサ(図示せず)からの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)、保留球数処理(S208)および電源断監視処理(S209)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S210)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10を参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)では、まず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305の処理に移行し、ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否か判定する(S302)。
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305の処理に移行する。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)には、S309の処理に移行し、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S309の処理に移行し、特図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特図2保留球数に1を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで始動入球時処理(S205)を行う。図13に示すように、始動入球時処理(S205)では、まず、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。そして、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S315でYES)、S316の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S315でNO)、S319の処理に移行する。
S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S316)。次いで、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S317)。S317では、読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態(低確率状態か高確率状態か)に応じて大当りか外れかを判定し、当該判定の結果が大当りである場合には、さらに大当りの種別を判定する。このS317による判定は、特図2保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1304)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
尚、大当りか否かの事前判定は、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや大当り種別、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
次いでS318では、S317による事前判定の結果に係る遊技情報(事前判定情報)、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(当否情報)や、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報、変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報等を含むコマンドデータを、特図2始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S318)。尚、特図2始動入球コマンドとして、S316で読み出した特図2取得乱数の値の一部または全部を、そのままサブ制御基板に送信するようにしてもよいし、特図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
また、主制御部80から送信した特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるかどうか、大当り種別は何れであるか、変動パターンは何れであるか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例では、これに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、受信した特図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
尚、不正防止の観点から、S316で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、これをセットすることが可能である。
次いでS319では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。そして、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S319でYES)、S320の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S319で、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S319でNO)、そのまま処理を終える。
S320では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S320)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S320でYES)、そのまま処理を終える。一方、S320で時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S320でNO)、S321以降の事前判定に係る処理に進む。ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(所謂特図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば、特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このように大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合には(S320でYES)、S321以降の特図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理を終えることとしている。
S321〜S323の処理は、前述したS316〜S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値について事前判定を行う(S322)。そして、この事前判定に係る遊技情報を含むコマンドデータを特図1始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S323)。尚、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1604)に先立って行うものである。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S205)に次いで、図14に示す普図動作処理(S206)を行う。普図動作処理(S206)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚、普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)では、まず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)、この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。普通図柄変動パターン選択処理(S503)を終えたら、後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行い、次いで、普通図柄変動開始処理(S505)を行い、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)では、まず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONであるか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、S605で、普図当否判定(S603、S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)では、まず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)では、まず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)、処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行って(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)では、まず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして、時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)では、まず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)、処理を終え、至っていれば(S1003でYES)、第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして、第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対して、S1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903またはS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFにするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFにし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、図13に示す普図動作処理(S206)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図動作処理(S207)を行う。特図動作処理(S207)では、図21に示すように、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101,S1103,S1105の全てがNO)、大当り遊技としての特別電動役物処理(S1107)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、まず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、待機画面とする処理中であれば(S1211でYES)、処理を終え、待機画面とする処理中でなければ(S1211でNO)、待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
待機画面設定処理(S1212)では、特別図柄が変動表示していないことを条件に、待機画面(デモ画面、客待ち画面)の表示開始(客待ち開始)を指示する客待ち開始コマンドをRAMの出力バッファにセットするとともに、客待ち開始コマンドをセット済(送信済み)であることを示す不図示の客待ち開始フラグをONにする。客待ち開始コマンドが出力処理(S201)によってサブ制御基板90に出力(送信)されると、サブ制御基板90(演出制御用マイコン91)が所定のタイミング(例えば、客待ち開始コマンドの受信から所定時間経過)で画像制御基板100(画像制御用マイコン101)に対して待機画面の表示を指示し、これにより画像表示装置7の表示画面7aに待機画面(図示せず)が表示される。ここで、前述のS1211の処理では、この客待ち開始フラグを参照して待機画面とする処理中であるか否かを判定するものとなっており、客待ち開始フラグがONであれば、待機画面とする処理中であると判定する(S1211でYES)。また、待機画面設定処理(S1212)の実行に際し、特図2保留球数および特図1保留球数がともに「0」であっても(S1201でYES、S1206でYES)、未だ特別図柄が変動表示している場合、待機画面設定処理(S1212)では客待ち開始コマンドのセットや客待ちフラグのON設定を行うことなく、そのまま処理を終える。
S1201において特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYES)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B))。
[特図2当否判定処理]
図23に示すように、特図2当否判定処理(S1202)では、まず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、大当り判定テーブル(図8(A))のうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブル(図8(A))のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
大当り判定(S1303,S1304)の結果が「大当り」と判定した場合(S1305でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、処理を終える。一方、大当り判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1306)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。ここで、大当り判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
ここで、ラウンド表示器45は、2R用ランプ、6R用ランプ、12R用ランプ及び16R用ランプの4個のLEDで構成されている(図4を参照)。そして、例えば2R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、2R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R▲6△12△16R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、6R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、6R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△6▲12△16R△」の様な表示態様となる。また、12R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、12R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△6△12▲16R△」の様な表示態様となる。また、16R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、16R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△6△12△16R▲」の様な表示態様となる。
[特図2変動パターン選択処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図24及び図25に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)では、まず、遊技状態が時短状態であるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判定する(S1401)。S1401で、時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1402)。S1402で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。本実施例では、変動パターンP1〜P3の何れかが選択される。尚、本実施例では、変動パターンが決まれば変動時間も決まるものとされている。次いで、S1404の処理に移行する。
一方、S1402で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」であるか否かを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」〜「4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、保留数が「1」又は「2」であると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1,2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。本実施例では、変動パターンP4〜P7の何れかが選択される。一方、S1405で、保留数が「1」又は「2」でない、すなわち「3」又は「4」であると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3,4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP8〜P11の何れかが選択される。また、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
また、S1401で、時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1408)。S1408で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1408でYES)、時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。本実施例では、変動パターンP12〜P14の何れかが選択される。
一方、S1408で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、次いで保留数が「1」であるか否かを判定する(S1410)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」〜「4」の何れかの値とされている。S1410で、保留数が「1」であると判定した場合(S1410でYES)、第3保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP15〜P18の何れかが選択される。また、S1410で、保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2」〜「4」の何れかであると判定した場合(S1410でNO)、第4保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2〜4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP19〜P22の何れかが選択される。ここで、時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、短い変動パターンが選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早める(時短中の遊技を迅速に進行させる)ためである。
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、図24に示すその他の処理を行い(S1404)、処理を終える。その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。また、この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
[特図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)では、まず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部85bがアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部85bの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図22に示す特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図22の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、かつ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図27に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図23に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601〜S1609)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部85aの最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出して処理を行う。
[特図1変動パターン選択処理]
図28及び図29に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図24及び図25に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701〜S1712)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
[特図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)では、まず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図22に示す特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)では、まず、特別図柄の変動時間(図22のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9を参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONであるか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合と(S1903でNO)、確変カウンタが「0」でないと判定した場合には(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
そしてS1907では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」か否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合と(S1907でNO)時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合には(S1909でNO)、S1911の処理に移行する。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)では、まず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、次いで確定した大当りの種別が16R大当りであるか否かを判定し、16R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「16」をセットし(S2003)、S2009の処理に移行する。一方、S2002で、大当りの種別が16R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、確定した大当りの種別が12R大当りであるか否かを判定し(S2004)、12R大当りであると判定した場合(S2004でYES)、ラウンドカウンタの値に「12」をセットし(S2005)、S2009の処理に移行する。一方、S2004で、大当り種別が12R大当りでないと判定した場合(S2004でNO)、確定した大当りの種別が6R大当りであるか否かを判定し(S2006)、6R大当りであると判定した場合(S2006でYES)、ラウンドカウンタの値に「6」をセットし(S2007)、S2009の処理に移行する。一方、S2006で、大当りの種別が6R大当りでないと判定した場合(S2006でNO)、確定した大当りの種別は2R大当りであるため、ラウンドカウンタの値に「2」をセットし(S2008)、S2009の処理に移行する。
S2009では、確定した大当りの種別(種類)に応じた大入賞口開放パターンをセットし(S2009)、S2010の処理に移行する。ここで、前述したように、大入賞口の開放パターンは、大当りの種別に応じて定められているので、今回確定した大当りに対応する大入賞口開放パターンをセットする(図6を参照)。そして、夫々の大当り遊技において、S2009でセットした大入賞口開放パターンに基づく大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放動作が実行される。
S2010では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2010)。本実施例では、オープニングコマンドとして、16R第1大当りに対応する第1オープニングコマンド、6R第2〜第5大当りに対応する第2オープニングコマンド、16R第6大当りに対応する第3オープニングコマンド、RUB(16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当り)に対応する第4オープニングコマンド、2R大当り(2R第10大当り、2R第12大当り)に対応する第5オープニングコマンドおよび16R第11大当り(実質10R大当り)に対応する第6オープニングコマンドの計6種類が設けられている。S2010では、今回確定した大当り(開始する大当り)の種別に応じたオープニングコマンドがセットされる。そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、セットしたオープニングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドに基づいて所定の遊技演出の実行処理を行う。
オープニングコマンドをセットしたら、大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2012)。また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2013)、処理を終える。尚、オープニング期間は、大当り遊技における大入賞口の最初の開放動作を開始する前であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行不能とした後に設定される期間であり、「開始期間」ともいう。また、この「開始期間」において実行する演出を「開始演出(オープニング演出)」ともいう。本実施例では、確定した大当りの種別と、その大当りが確定したとき(つまり、大当り図柄が停止表示されたとき)の遊技状態とによって、オープニング期間(オープニング時間)が決まるものとなっており、前述のオープニングコマンドによってオープニング期間が特定可能となっている。よって、オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドにより特定される大当り種別およびオープニング期間に基づいて、オープニング演出を行うことが可能となっている。
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理(S1107)ではまず、確変フラグがONであるか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFにし(S2102)、次いで、時短フラグがONであるか否かを判定する(S2103)。S2103で、時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFにし(S2104)、S2105の処理に移行する。尚、S2101で確変フラグがONでないと判定した場合(S2101でNO)、S2102の処理を行うことなくS2103の処理に進み、S2103で時短フラグがONでないと判定した場合(S2103でNO)、S2104の処理を行うことなくS2105の処理に進む。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では、非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放処理が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期であるか否かを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるか否かによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル期間が終了している否かによって判定する。
S2106で、ラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行う(S2108)。これにより、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)が開放状態となり所定のラウンドが開始することとなる。尚、S2107では、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。S2108の大入賞口開放処理では、実行される大当りの種別に応じて定められた大入賞口開放パターン、すなわち、前述のS2009でセットした大入賞口開放パターンに基づいて大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させるべく、開閉部材を動作(開動作)させる。
一方、S2106で、ラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2112の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間中やラウンド遊技中、ラウンド遊技終了後のインターバル期間中(大入賞口閉鎖処理中)等を挙げることができる。
S2112では、大入賞口開放動作の実行中であるか否か、すなわち、S2108の処理によって開放された大入賞口が未だ開放中(ラウンド遊技中)であるか否かを判定する(S2112)。その結果、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)でないと判定した場合(S2112でNO)、S2116の処理に移行し、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)であると判定した場合(S2112でYES)、実行中のラウンド遊技の終了条件(ラウンド終了条件)が成立したか否かを判定する(S2113)。
ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンド遊技において定められた大入賞口の開放時間(例えば、25s)、つまりラウンド遊技の実行時間が経過したこと、(2)実行中のラウンド遊技において大入賞口に予め定められた規定数(例えば、10球)の遊技球が入球したこと、の2つの条件が定められている。そして、何れか一方の条件が成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立したこととなる。S2113で、ラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2113でNO)、処理を終える。
一方、S2113で、ラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2113でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2114)、S2115の処理に移行する。S2114では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。
S2115では、大入賞口閉鎖処理を行い(S2115)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開閉部材を動作(閉動作)させて、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖状態とする。また、大入賞口閉鎖処理では、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖状態に保つ閉鎖時間、すなわちインターバル時間をセットする。次いで、S2116でインターバル時間が経過したか否かを判定し(S2116)、経過していない(インターバル期間中である)と判定した場合(S2116でNO)、処理を終える。一方、S2116でインターバル時間が経過したと判定した場合(S2116でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2117)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2118)。S2118で、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2118でNO)、処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2118でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットすると共に(S2119)、大当りのエンディング期間を開始し(S2120)、大当り終了フラグをONにし(S2121)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタの値は、実行する大当り遊技における全てのラウンド遊技を終了すると「0」になる。
S2119では、予め定められた複数のエンディングコマンドの中から、今回の大当り発生時の遊技状態や今回の大当りの種別、大当り遊技後の遊技状態等に応じたエンディングコマンドが選択され、当該選択されたコマンドがセットされる。こうしてセットされるエンディングコマンドの種類によって、実行される(設定される)エンディング期間(エンディング時間)が決まるものとなっている。エンディング期間は、大当り遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の全ての開放動作を終了した後であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行可能とする前に設定される期間であり、「終了期間」ともいう。エンディング期間(終了期間)では、第1大入賞口30および第2大入賞口35は閉鎖状態とされている。この「終了期間」に実行する演出を「終了演出(エンディング演出)」ともいう。
そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、S2119でセットしたエンディングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該エンディングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該エンディングコマンドに基づいて所定のエンディング演出の実行処理を行う。
また、S2105において、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング時間が経過したか否か、すなわち、前述のS2120の処理で開始したエンディング期間の終了タイミングか否かを判定し(S2122)、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2122でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。次いで、大当りフラグをOFFにし(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、図21に示す特図動作処理(S207)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。尚、以上の特別電動役物処理(S1108)を実行する遊技制御用マイコン81は、「特別遊技実行手段」として機能するものといえる。
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2124)ではまず、今回終了した大当り遊技が確変大当りに係るものであるか否かを判定する(S2201)。本実施例では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当りおよび2R第10大当りの7種類を確変大当りとしていることから、S2201では、それら7種類のうちの何れかに該当するか否かを判定する。そして、今回終了したのが確変大当りであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONにするとともに(S2202)、確変カウンタに「10,000」をセットし(S2203)、さらに時短フラグをONにするとともに(S2204)、時短カウンタに「10,000」をセットして(S2205)、処理を終える。
ここで、確変カウンタにセットする値は、高確率における特別図柄当否判定を実行可能な回数である。本実施例においてセットする「10,000」という値(10,000回)は、高確率状態における大当り確率や遊技店の1日の営業時間、当該営業時間内に実行可能な特図当否判定の回数等を考慮すると、実質的には次回の大当りが発生するまで又は営業時間が終了するまで、高確率状態を保証しているのと同じことである。従って、遊技状態が高確率状態に設定された場合には、次回の大当りが発生するまで高確率状態が保証されるといってもよい(実質的に同義である)。また、確変フラグがONの場合には、時短カウンタにも同様に「10,000」がセットされるため、この高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)も共に設定されるといってよい。尚、本実施例の様に、確変カウンタおよび時短カウンタに「10,000」の値を設定して、実質的に次回大当りまで高確高ベース状態を設定するようにしてもよいし、確変フラグおよび時短フラグがONの場合には、カウンタに値をセットすることなく、次回大当りが発生するまで高確高ベース状態を設定する様な制御を採用してもよい。
一方、S2201で、確変大当りでないと判定した場合(S2201でNO)、すなわち、今回終了したのが非確変大当り(通常大当り)に係る大当り遊技である場合、確変フラグをONにすることなく、時短フラグをONにするとともに(S2206)、時短カウンタに「100」をセットして(S2207)、処理を終える。本実施例では、前述したように、6R第3〜第5大当り、16R第11大当り(実質10R大当り)および2R第12大当りの5種類を非確変大当りとしているので、これら5種類のうちの何れかに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が、低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)となる。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(特別図柄当否判定が100回行われること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。尚、時短カウンタおよび確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで、保留球数処理(S208)を行う。図35に示すように、保留球数処理(S208)では、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報をサブ制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。この保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)は、次回の割り込み処理(S105)での出力処理(S201)によって出力され、割り込み処理毎に、保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)の出力バッファへのセット(S2502)と、出力処理(S201)とが順次行われる。当該保留球数コマンドを受信したサブ制御部90は、受信した保留球数コマンドに基づいて特図保留球数に増減が生じたと判断した場合、これに応じて、画像表示装置7の表示画面7aにおける演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)の表示内容を更新する。具体的には、例えば、特図1保留球数が「3」から「4」に1増加した場合、その増加した分の特図1保留球数「4」に対応する第1演出保留9aを第1演出保留表示領域9cに追加表示する。また、特図1保留球数が「2」から「1」に1減少した場合(つまり、第1特図保留が消化された場合)、第1演出保留表示領域9cの左端(特図1保留球数「1」に対応する箇所、図3を参照)に表示されている第1演出保留9aを当該変動保留表示領域9e(図3を参照)に移動するとともに、これに伴って第1演出保留表示領域9cに表示されている第1演出保留9aを左側に1つ移動(シフト)する。
尚、特図保留球数が加算された際の特図保留球数のデータ、すなわち始動入球(始動入賞)の発生に伴う特図保留球数のデータについては、前述の始動入球コマンドに含めるか、加算後(始動入球後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを始動入球コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。また、特図保留球数が減算された際の保留球数のデータ、すなわち特別図柄の変動開始(特図保留の消化)に伴う特図保留球数のデータについては、前述の変動開始コマンドに含めるか、減算後(特図保留消化後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを変動開始コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。
[電源断監視処理]
図11に示すように、遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S208)に次いで電源断監視処理(S209)を行う。図36に示すように、電源断監視処理(S209)では、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変か否か、当り遊技中か否か、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONにし(S2603)、その後は割り込み処理(S105)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、図37〜図43に基づいて、演出制御用マイコン91の動作(サブ制御部90による制御処理)について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから図37に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まず、CPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
続いて、S4002で、電源断信号がONでかつサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001〜S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本実施例では、演出制御用マイコン91においても、図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S209)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータがサブ制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、サブ制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、サブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。尚、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技に係る特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図38に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図39に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)では、まず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプを発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理(S4202)と、可動装飾部材14(電気的駆動源)を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理(S4203)とを行う。尚、ランプデータおよび駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図40に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する演出設定処理(S4301)および受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
[演出設定処理]
図41に示すように、演出設定処理(S4301)では、まず、演出設定フラグがOFFであるか否かを判定し(S6001)、OFFでない場合(S6001でNO)、すなわち、ONになっているのであれば、後述するS6006の処理に移行し、OFFである場合には(S6001でYES)、S6002の処理に進み、客待ちフラグがONであるか否かを判定する(S6002)。ここで、演出設定フラグとは、演出に関する設定(演出環境の設定)を行うための演出設定画面160(図45(a)を参照)を画像表示装置7(表示画面7a)に表示中であること、すなわち、演出環境の設定期間中であることを示すフラグであり、後述のS6004でONとなる。したがって、演出設定フラグがOFFであれば(S6001でYES)、演出設定画面160が表示されておらず演出環境の設定期間中でないこととなるので、この場合にはS6002の処理を行う。一方、演出設定フラグがONであれば(S6001でNO)、演出設定画面160が表示されており演出環境の設定期間中であることとなるので、この場合には演出環境の設定に係る処理を進めるべく、後述するS6006以降の処理を行う。
また、客待ちフラグとは、パチンコ遊技機1が待機状態(客待ち状態)にあること、すなわち、画像表示装置7の表示画面7aに待機画面(デモ画面)が表示可能な状態であることを示すフラグである。客待ちフラグは、演出制御用マイコン91によりON/OFFの設定がなされるもので、主制御基板80からの客待ち開始コマンドをサブ制御基板90が受信することに基づいてONとなり、待機状態にて主制御基板80から特別図柄に係る変動開始コマンドをサブ制御基板90が受信したことに基づいてOFFとなる。
S6002にて、客待ちフラグがONでない(OFFである)と判定した場合(S6002でNO)、S6003以降の処理を行うことなく本処理を終え、ONであると判定した場合(S6002でYES)、第1演出ボタン63aが操作されたか否か、すなわち、第1演出ボタン検知スイッチ63cからの検知信号(ON信号)を入力したか否かを判定する(S6003)。その結果、第1演出ボタン63aが操作されていないと判定した場合(S6003でNO)、S6004以降の処理を行うことなく本処理を終え、操作されたと判定した場合(S6003でYES)、演出設定フラグをONにして(S6004)、演出設定画面160の表示処理を行う(S6005)。
S6005では、演出設定画面160の表示を指示する設定画面表示コマンドをサブ出力バッファにセットする。S6005でセットされた設定画面表示コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、演出設定画面用の画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる演出設定画面160の表示を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
ここで、本実施例の演出設定画面160について、図45に基づいて説明する。前述したように、本実施例では、遊技者が設定可能な演出環境を、「効果音の音量」、「表示画面7aの輝度(明るさ)」および「当落分岐演出での演出ボタン使用有無」の3つとしていることから、演出設定画面160には、その設定可能な演出環境に応じた項目と設定内容が表示される。具体的に、図45に示すように、演出設定画面160には、「音量」、「明るさ」および「当落分岐」の3つの項目が上下に並んで表示され、各項目の右側に、それぞれの設定内容が表示される。それら3つの項目のうち、「音量」および「明るさ」は、それぞれ基準設定(本パチンコ遊技機1に予め定められた初期設定)を中心に上下(音量であれば大小、明るさ(輝度)であれば明暗)に2段階ずつ、計5段階に設定可能となっている。本実施例では、「音量」および「明るさ」の基準設定(基準設定値)を、それぞれ「レベル3」としている。つまり、「音量」および「明るさ」は、それぞれ「レベル1」〜「レベル5」まで設定可能となっている。
また、「当落分岐」は、後述するバトル演出(スーパーリーチ演出の一種)にて当落分岐演出が実行される場合の当該実行の契機を、演出ボタン63の操作とするか否かを設定することが可能となっている。本実施例では、「当落分岐」の基準設定を「ボタンあり」(演出ボタン63の操作に基づいて当落分岐演出を実行)としている。尚、「当落分岐」を「ボタンなし」に設定した場合、バトル演出での当落分岐演出は、演出ボタン63の操作を契機とすることなく演出パターンにより定められた所定のタイミングで実行される。つまり、「当落分岐」の項目は、当落分岐演出を伴うバトル演出(所定の表示演出、特定表示演出)の実行パターン(実行態様)として、演出ボタン63の操作に基づく当落分岐演出(所定演出)の実行を含むパターン(第1実行態様)と、演出ボタン63の操作に基づく当落分岐演出(所定演出)の実行を含まないパターン(第2実行態様)と、の何れにするのかを遊技者に選択させる項目である。
図41に戻り、S6005にて演出設定画面160の表示処理を行ったら、次いで、十字キー操作による項目選択入力が行われたか否かを判定する(S6006)。項目選択入力は、十字キーの「上」または「下」の押圧操作(押下)により行われるもので、S6006では、十字キー検知スイッチからの上検知信号または下検知信号を入力したか否かを判定する。その結果、項目選択入力が行われていないと判定した場合(S6006でNO)、S6007の処理を行うことなくS6008の処理に移行し、項目選択入力が行われたと判定した場合(S6006でYES)、図45に示す演出設定画面160上の項目カーソル161を、十字キーの操作に応じた方向、すなわち、上検知信号に応じた上方向または下検知信号に応じた下方向に移動させる処理を行う(S6007)。
S6007では、項目カーソル161の上への移動を指示する上移動コマンドまたは下への移動を指示する下移動コマンドをサブ出力バッファにセットする。S6007でセットされた移動コマンド(上移動コマンドまたは下移動コマンド)が、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、演出設定画面160に表示している項目カーソル161を、現在の表示位置を基準に上方向または下方向に1段階移動させる。
ここで、項目カーソル161は、演出設定画面160の表示開始当初、図45に示すように「音量」の項目を指し示す位置に表示されており、この状態から、例えば、下移動コマンドを受信する毎に、項目カーソル161が「明るさ」、「当落分岐」、「終了」の順で移動していき、「終了」の位置で下移動コマンドを受信すると、項目カーソル161が「明るさ」の位置に戻るものとなっている。一方、上移動コマンドを受信した場合には、項目カーソル161が下移動コマンドを受信した場合と逆の動きをする。遊技者は、このようにして演出設定画面160上に表示される項目カーソル161を確認しながら十字キーを操作することで、設定したい演出環境の項目を選択することが可能となる。
次いで、S6008では、十字キー操作による設定選択入力が行われたか否かを判定する(S6008)。設定選択入力は、十字キーの「左」または「右」の押圧操作(押下)により行われるもので、S6008では、十字キー検知スイッチからの左検知信号または右検知信号を入力したか否かを判定する。その結果、設定選択入力が行われていないと判定した場合(S6008でNO)、S6009の処理を行うことなくS6010の処理に移行し、設定選択入力が行われたと判定した場合(S6006でYES)、図45に示す演出設定画面160上の設定カーソル162〜164のうち、項目カーソル161が位置している項目に対応する設定内容を指し示すカーソルを、十字キーの操作に応じた方向、すなわち、左検知信号に応じた左方向または右検知信号に応じた右方向に移動させる処理を行う(S6009)。
S6009では、設定カーソル162〜164のうち、移動対象のカーソルの左への移動を指示する左移動コマンドまたは右への移動を指示する右移動コマンドをサブ出力バッファにセットする。S6009でセットされた移動コマンド(左移動コマンドまたは右移動コマンド)が、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、演出設定画面160に表示している設定カーソル162〜164のうち、移動対象のカーソルを、現在の表示位置を基準に左方向または右方向に1段階移動させる。例えば、図45に示すように、項目カーソル161が「音量」の項目を指し示す位置に表示されている場合、移動対象のカーソルは設定カーソル162となるので、当該設定カーソル162を、現在の表示位置から左方向または右方向に1段階(「−1レベル」または「+1レベル」)移動させる。
ここで、設定カーソル162,163は、演出設定画面160の表示開始当初、図45に示すように「レベル3」を指し示す位置に表示されており、この状態から、例えば、設定カーソル162を移動対象とした場合(つまり、音量の設定を行う場合)、右移動コマンドを受信する毎に、設定カーソル162の表示位置が「レベル4」、「レベル5」の順に移動していき、以後、「レベル5」の位置で右移動コマンドを受信しても、設定カーソル162は移動しないものとなっている。一方、左移動コマンドを受信した場合には、設定カーソル162が右移動コマンドを受信した場合と逆の動き、すなわち、「レベル2」、「レベル1」の順に移動していき、以後、「レベル1」の位置で左移動コマンドを受信しても、設定カーソル162は移動しないものとなっている。このことは、設定カーソル163の移動表示についても同様である。遊技者は、このようにして演出設定画面160上に表示される設定カーソル162または設定カーソル163を確認しながら十字キーを操作することで、「音量」または「明るさ」についての設定を行うことが可能となる。
また、設定カーソル164は、演出設定画面160の表示開始当初、図45に示すように「ボタンあり」を指し示す位置に表示されており、この状態から、例えば、右移動コマンドを受信すると、設定カーソル164が「ボタンなし」に移動して、以後、「なし」の位置で右移動コマンドを受信しても、設定カーソル164は移動しないものとなっている。一方、設定カーソル164が「ボタンなし」を指し示す位置に表示されている状態で左移動コマンドを受信すると、設定カーソル164が「ボタンあり」に移動して、以後、「ボタンあり」の位置で左移動コマンドを受信しても、設定カーソル164は移動しないものとなっている。遊技者は、このようにして演出設定画面160上に表示される設定カーソル164を確認しながら十字キーを操作することで、「当落分岐」についての設定を行うことが可能となる。
次いで、S6010では、演出設定の終了指示入力が行われたか否かを判定する(S6010)。終了指示入力は、演出設定画面160上の項目カーソル161が「終了」の位置に表示されている状態での第1演出ボタン63aの押圧操作(押下)により行われるもので、S6010では、項目カーソル161を「終了」の位置に表示中であり、かつ、第1演出ボタン検知スイッチ63cからの検知信号を入力したか否かを判定する。その結果、終了指示入力が行われていないと判定した場合(S6010でNO)、S6011〜S6013の処理を行うことなく本処理を終了し、終了指示入力が行われたと判定した場合(S6010でYES)、設定保存処理を行う(S6011)。
設定保存処理(S6011)では、演出設定画面160に表示中の各項目の設定内容に基づいて特定される演出環境を示す設定値(音量、明るさは「1」〜「5」の何れか、当落分岐は「0(ボタンあり)」または「1(ボタンなし)」)を、RAM等に設けられる所定の記憶部(演出環境設定記憶部)に最新の演出環境として記憶(保存)して、演出環境の設定(更新)を行う。当該記憶(保存)した演出環境の設定内容(更新後の演出環境)にしたがって、この後の表示演出や音演出に係る演出制御が実行可能となる。これにより、演出設定画面160を通じて遊技者が設定した演出環境(効果音の音量、表示画面7aの輝度、当落分岐演出での演出ボタン使用有無)が、以後の演出(遊技)に反映されることとなる。尚、「当落分岐」に係る設定は、あくまでも「当落分岐演出での演出ボタン使用有無」に関してであり、それ以外の演出(予告演出等)での演出ボタンの使用に関してはその設定内容が反映されることはない。したがって、例えば「当落分岐」の項目で「ボタンなし」を選択したとしても、演出ボタン63の操作を伴う予告演出等は何ら制限されることなく実行され得る。
次いで、S6012にて演出設定フラグをOFFにした後、S6013にて待機画面表示処理を行う。S6013では、演出設定画面160の消去を指示する設定画面消去コマンドと、待機画面(デモ画面)の表示を指示する待機画面表示コマンドを、サブ出力バッファにセットする。設定画面消去コマンドおよび待機画面表示コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、演出設定画面160を表示画面7a上から消去するとともに、待機画面用の画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる待機画面の表示(図示せず)を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。このような演出設定処理(S6000)を実行する演出制御用マイコン91は、演出に関する設定を行うことが可能な「設定手段」として機能するものである。
以上の演出設定処理(S6000)により、遊技者は演出設定画面160を通じて「音量」、「明るさ」および「当落分岐」について、すなわち、「効果音の音量」、「表示画面7aの輝度」および「当落分岐演出での演出ボタン使用有無」の3つ演出環境について、任意に設定を行うことが可能となっている。そして、演出制御用マイコン91は、演出設定処理(S6000)による演出環境の設定によって、基準設定に対して演出環境の更新(変更)がなされた場合には、その更新後の演出環境の設定内容に基づいて演出制御を実行することが可能となっている。
[受信コマンド解析処理]
図42に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)では、まず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4395)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4395でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4395でYES)、演出保留情報記憶処理(S4400)を行って、S4401の処理に移行する。演出保留情報記憶処理(S4400)は、S4395で受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式でサブ制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。
前述したように、主制御基板80から送られてくる始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド、特図2始動入球コマンド)には、始動入球に基づき事前判定が行われた場合の当該事前判定の結果に関する情報(保留先読み情報)、具体的には、特別図柄当否判定に係る当否情報や、大当り種別決定用乱数値を示す情報、変動パターン乱数値を示す情報等が含まれているので(図13を参照)、これらの情報を演出保留情報として記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。サブ制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、サブ制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。
次に、S4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4403の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。S4403では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4403)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4403でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4404)。変動演出終了処理(S4404)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4403で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4403でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4405の処理に移行する。尚、変動演出とは、演出図柄8の変動表示やリーチ演出など、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
続いて、S4405では、主制御基板80から大当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4408)。ここで、大当り遊技関連コマンドとは、大当り遊技の実行にあたり主制御基板80から送信されるコマンドのことであり、具体的には、大当り遊技の開始(大当りの発生)に際して送信されるオープニングコマンド(S2010を参照)、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド(S2107を参照)、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド(S2114を参照)、大当り遊技の終了に際して送信されるエンディングコマンド(S2119を参照)等が該当する。S4405では、これらの大当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し、受信していなければ(S4405でNO)、S4407の処理に移行し、受信していれば(S4405でYES)、当該受信したコマンドの種類に応じた演出の実行に係る処理を行う(S4406)。
例えば、受信した大当り遊技関連コマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドに応じたラウンド演出を指定するラウンド演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。これらのセットした大当りに係る各種の演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、大当り遊技の進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出等の大当り遊技に関連する演出(「大当り遊技関連演出」ともいう)を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
最後にS4407の処理を行い、本処理を終える。S4407では、その他の処理として、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド、保留球数コマンド等)に基づく処理を行う(S4407)。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行される変動演出開始処理(S4402)について説明する。図43に示すように、変動演出開始処理(S4402)では、まず、変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理(S4501)を行う。本実施例では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングでS4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値(取得情報)に基づいて、実行する演出図柄遊技演出(変動演出)の態様や予告演出の態様、停止表示する演出図柄等を決定する。
次いで、S4502では、受信した変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、図9に示す変動パターン情報(P1〜P22)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果や、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8を参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかを判別することが可能となる。尚、変動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次いで、S4503では、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」〜「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA〜Eに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応し、モードステータス「5」が演出モードEに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、演出図柄8の表示態様(例えば、図柄デザイン、数字デザインなど)が異なったり、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なったりする等、画像表示装置7に表示される画像が演出モードによって異なるものとされる。また、演出図柄遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができ、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能とすることができる。
本実施例では、演出モードAは低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードBは低確高ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードCは高確高ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードD,Eは低確高ベース状態および高確高ベース状態の何れかに制御されているときに実行される。従って、演出モードがA〜Cの何れかである場合、遊技者は演出モードを確認することで、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握することができる。一方、演出モードがDまたはEである場合、遊技者は演出モードを確認しても、現在の遊技状態が低確高ベース状態(時短状態)であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握することは困難である。その意味において演出モードD,Eは、確率非報知モードといえる。尚、本実施例では、16R第1大当り、16R第6大当りおよびRUBの何れかに係る大当り遊技の終了後は演出モードCとなり、6R第2〜第5大当りの何れかに係る大当り遊技の終了後は演出モードDとなり、16R第11大当り(実質10R大当り)に係る大当り遊技の終了後は演出モードBとなり、2R大当りに係る大当り遊技の終了後は演出モードEとなる。これらの演出モードの設定(実行)に係る制御は選出制御用マイコン91によって行われる(演出モード制御手段)。
次いで、S4504では、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等を用いて行う変動演出のパターン(変動演出パターン)を決めるための図示しない変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、演出モード(モードステータス)に対応する複数の変動演出パターン決定テーブル(図示せず)がサブ制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。
次いで、S4505では、S4501において取得した変動演出決定用乱数およびS4504においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出(変動演出)において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有り変動演出)や、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ変動演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無し変動演出)等が決定される。
ここで、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L,8C,8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L,8C,8Rのうちの2個が大当り態様を構成する図柄で停止表示(仮停止)され、残り1個が変動表示を続けている状態で、残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄で停止表示されるか否か(大当りとなるか否か)を示す演出表示のことをいう。このようなリーチ演出のことを「特定演出」や「特定表示演出」ともいう。本実施例では、演出図柄8の変動表示(変動演出)の開始後、所定時間(例えば8秒)が経過したところで、左演出図柄8L(第1停止図柄)、右演出図柄8R(第2停止図柄)の順で演出図柄の停止表示(ここでは仮停止)が行われる。このとき、左演出図柄8L(第1停止図柄)と右演出図柄8R(第2停止図柄)が同じ数字の図柄(リーチ図柄)であればリーチ成立となり、これにより遊技者はリーチ演出の開始(発生)を認識することとなる。このリーチ成立までの流れは、ノーマルリーチやSPリーチ等のリーチ有り変動演出の種類(リーチ種別)を問わず、基本的に同様である。尚、左演出図柄8L(第1停止図柄)と右演出図柄8R(第2停止図柄)が同じ数字の図柄で停止(仮停止)し、中演出図柄8C(最終停止図柄)が変動表示している状態のことを「リーチ状態」ともいう。
また、S4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数および図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄8は、特別図柄当否判定の結果が外れであって、リーチ有り外れの場合は「787」等の3個の演出図柄8L,8C,8Rのうち中演出図柄8C(最終停止図柄)が他の演出図柄(第1停止図柄、第2停止図柄)と異なるバラケ目とされ、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄8L,8C,8Rのうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目とされる。
一方、特別図柄当否判定の結果が大当りである場合の停止演出図柄は、演出モードによて設定が異なるものとなっている。演出モードA(低確率時短なし)、演出モードB(低確率時短あり)及び演出モードD又はE(低確率時短あり又は高確率時短あり。すなわち確率非報知モード。)の場合、大当りの種別が16R第1大当り及び16R第6大当りの何れかであれば「7」のゾロ目(777)とされ、6R第2〜第5大当り及び16R第11大当り(実質10R大当り)の何れかであれば、「7」以外の奇数図柄のゾロ目(111、333等)または偶数図柄(青図柄)のゾロ目(222、444等)とされ、RUBに相当する大当りであれば「3★3」や「4★4」等の専用図柄「★」を含むRUB専用出目とされ、2R大当りであれば外れと同じ態様(バラケ目)とされる。尚、2R大当りの出目を「135」等の予め定めた出目(チャンス目)としてもよい。また、RUB専用出目を構成する停止演出図柄のうち、専用図柄「★」とされる中演出図柄8C以外の左右演出図柄8L,8R(第1停止図柄、第2停止図柄)については「7」以外の数字図柄とされる。さらに、「7」のゾロ目(777)は、16R第1大当り又は16R第6大当りでしか出現しない16R確変大当り(RUB除く)専用の停止演出図柄(停止表示態様)となっている。
これに対し、演出モードC(高確率時短あり)の場合、大当りの種別が16R第1大当り、6R第2〜第5大当り、16R第6大当り及び16R第11大当り(実質10R大当り)の何れかであれば「7」以外の数字図柄(「1」〜「6」、「8」及び「9」)のゾロ目(111、333、999等)とされ、RUBに相当する大当りであれば前述のRUB専用出目(左右演出図柄「7」を除く)とされ、2R大当りであれば外れと同じ態様(バラケ目)とされる。演出モードCにおいて「7」のゾロ目を停止演出図柄として設定しないのは、後述する演出モードCの遊技性を考慮したことによるものである。尚、本実施例で示す演出図柄8の停止表示態様(停止演出図柄)は一例であり、外れの場合や大当りの場合に停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
ここで、演出モードA(低確率時短なし)は低ベース状態であり、低ベース状態では主として第1特別図柄の変動表示が行われる。このため、低ベース状態における特別図柄当否判定の結果として、16R第6大当り、RUB、16R第11大当り(実質10R大当り)等の第2特別図柄に対応する大当りが得られるのは稀である。また、演出モードB(低確率時短あり)、演出モードC(高確率時短あり)、演出モードD,E(低確率時短あり又は高確率時短あり)は何れも高ベース状態であり、高ベース状態では主として第2特別図柄の変動表示が行われる、このため、高ベース状態における特別図柄当否判定の結果として、16R第1大当りや6R第2〜第5大当り等の第1特別図柄に対応する当りが得られるのは稀である。
本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出等が設けられており、S4505で、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが決定される。そして、リーチ有り変動演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、演出図柄遊技演出としてSPリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、SPリーチ演出はリーチ(ノーマルリーチ)演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。尚、リーチ演出は、主として、変動時間が30000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得る。
また、本実施例のパチンコ遊技機1には、SPリーチ演出の演出パターンとして、味方キャラクタ(「味方キャラ」ともいう)と敵キャラクタ(「敵キャラ」ともいう)の対決シーンを描いたバトル演出を表示するバトル演出パターン(特定演出パターン)が設けられており、S4505でSPリーチ演出を行うことが決定された場合、さらに、SPリーチ演出としてバトル演出(特定表示演出)を行うか否かが、SPリーチ用の変動演出パターン決定テーブルに基づいて決定される。ここで、本実施例では、バトル演出が実行されるときの演出モードによって、バトル演出の演出内容(演出態様)は同様であるものの、その機能(演出効果)を異なるものとしている。
具体的に、演出モードC(高確率時短あり)以外の演出モード(演出モードA,B,D,E)でバトル演出を実行する場合、当該バトル演出を、大当りになるか否か(大当り遊技の実行が確定するか否か)を示す演出として実行し、味方キャラの勝利により大当り確定を報知するものしている。つまり、当該演出モードでのバトル演出は、大当り発生の期待感を煽るSPリーチ演出と同様の機能(演出効果)となっており、当該演出モードで行われるバトル演出以外のリーチ演出(ノーマルリーチ、SPリーチ等)も、基本的には、大当り発生の期待感を煽る変動演出となっている。このようにバトル演出を含め大当りの当落を示すリーチ演出が実行され得る演出モード(演出モードC以外の演出モード)のことを「ノーマルモード」ともいう。ノーマルモードでのバトル演出は、変動時間が45000ms又は75000msの変動パターン(図9を参照)に対応する変動演出パターンとして設定され得る。尚、ノーマルモードでのバトル演出は、特別図柄当否判定の結果が「出球あり大当り」であることに基づいて実行されると「味方キャラ勝利」となり、特別図柄当否判定の結果が「出球なし大当り(2R大当り)」又は「外れ」であることに基づいて実行されると「味方キャラ敗北」となる。
これに対し、演出モードC(高確率時短あり)でバトル演出を実行する場合、当該バトル演出を、大当り遊技後の遊技状態が確変遊技状態になるか否か(高確率遊技の実行が確定するか否か)を示す演出として実行し、味方キャラの勝利により確変確定を報知するものとしている。これは、本実施例では、演出モードCを確変遊技(高確率遊技)専用の「バトルモード」としており、バトルモード中に実行されるバトル演出を、確変発生(確変継続)の期待感を煽る演出としているからである。すなわち、バトルモードでは、採り得る演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)を「リーチ無し変動演出」と「バトル演出」の2種類としており、バトルモードでのバトル演出を、「出球なし大当り(2R大当り)」以外の大当りに対応する変動演出としている。つまり、バトルモード中のバトル演出は、16R大当りやRUB、実質10R大当り等、大入賞口への入球に基づく多量の賞球を獲得できる可能性が高い「出球あり大当り」に対応する変動演出(出球あり大当り変動演出)となっている。
このため、バトルモード(演出モードC)では、特別図柄当否判定の結果が外れの場合と出球なし大当り(2R大当り)の場合、これに基づく特別図柄の変動パターンが変動時間3000ms以上の変動パターンであるか否かに関係なく、当該判定結果に基づく変動パターン(図9を参照)に対応する変動演出パターンとして、外れ変動演出に該当する「リーチ無し変動演出」が設定される。一方、特別図柄当否判定の結果が出球あり大当り(2R大当り以外の大当り)の場合、これに基づく特別図柄の変動パターンは変動時間3000ms以上の大当り変動パターンとなり(図9を参照)、当該大当り変動パターンに対応する変動演出パターンとして「バトル演出」が設定される。大当り変動パターンは変動時間が3000ms、45000ms及び75000msの3種類が存在することから(図9を参照)、これら変動時間に応じたバトル演出が設けられている。したがって、バトルモード(演出モードC)は、バトル演出が開始されるか否により「出球あり大当り」になるか否かを示すとともに、バトル演出の開始後は味方キャラが勝利するか否かによって「確変(高確率状態)」になるか否かを示す遊技性となっている。
また、バトル演出では、味方キャラと敵キャラの対決シーンを経て味方キャラが勝利すると、大当りや確変継続といった遊技者に有利な結果となり、味方キャラが敗北すると、外れや出球なし大当り、確変終了といった遊技者に不利な結果となるが、この味方キャラの勝敗が決するタイミングで当落分岐演出が行われる。つまり、本実施例のバトル演出は当落分岐演出を含む演出内容(演出態様)となっている。このため、バトル演出の実行に際しては、前述の演出設定画面160(図45を参照)を通じて選択可能な「当落分岐演出での演出ボタン使用有無」に関する設定内容が反映される。すなわち、演出設定画面160にて当落分岐の項目を「ボタンあり」に設定した場合、当該設定に基づいて実行されるバトル演出では、当落分岐演出が演出ボタン63の操作に基づいて実行されるものとなる。これに対し、当落分岐の項目を「ボタンなし」に設定した場合、当該設定に基づいて実行されるバトル演出では、当落分岐演出が演出ボタン63の操作によらずに実行されるものとなる。
S4505では、バトル演出に係る変動演出パターン(バトル演出パターン)を設定する場合、サブ制御基板90のRAM等(演出環境設定記憶部)に記憶されている演出環境の設定内容のうち当落分岐演出の設定内容(「0」:ボタンあり、「1」:ボタンなし)を参照し、その設定内容に準じたバトル演出パターン(ボタンありバトル演出パターン又はボタンなしバトル演出パターン)を設定する。これにより、演出設定画面160(図45を参照)を通じて選択可能な「当落分岐演出での演出ボタン使用有無」が、バトル演出に反映されることとなる。当落分岐演出を含むバトル演出の演出内容についての詳細は後述する。
尚、本実施例では、味方キャラと対決する敵キャラ(対戦相手)を複数種設け、その敵キャラの種類に応じて対決シーン等の演出内容が異なる複数のバトル演出パターンを設けている。これに伴い「ボタンありバトル演出パターン」と「ボタンなしバトル演出パターン」についても、それぞれ複数の演出パターンを設けている。したがって、S4505では、バトル演出パターンを設定する場合、それら複数のバトル演出パターンのの中から、指定された変動パターン(特別図柄の変動パターン指定コマンド)に適合したバトル演出パターンを、バトル演出パターン用の変動演出パターン決定テーブル及び変動演出決定用乱数に基づいて選択するものとなっている。
次いで、S4506では、予行演出の設定に係る予告演出設定処理を行う(S4506)。本実施例では、事前判定結果に基づく予告演出(保留先読み予告)や、現在の特図変動表示(変動演出)に係る予告演出(当該変動予告)など、種々の予告演出が実行可能となっていることから、S4506では、各予告演出について、実行するか否か(実行有無)を含めた予告演出の実行パターン(予告演出パターン)を設定する。具体的には、S4501において取得した予告演出決定用乱数と、サブ制御基板90のROMに記憶された予告決定テーブルとに基づいて、予告演出パターンを、予告演出の実行有無を含めて決定し、この決定結果に基づいて予告演出パターンを設定する。
尚、S4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄当否判定の結果、すなわち、今回の特図変動表示に係る当否判定(大当り判定)の結果(大当り又は外れ)や、同じく変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄の変動パターン情報、すなわち、今回の特図変動表示に係る変動パターンによって、S4506で設定する予告演出パターン、すなわち、実行する予告演出の種類(予告種)や態様、予告演出の有無等は異なるものとなる。また、予告演出を実行する場合、複数の予告演出のうち、一の予告演出(一種類の予告演出)を行うこともあれば、二以上の予告演出(複数種の予告演出)を複合して行うこと、すなわち、一の変動表示中(変動演出中)に複数種の予告演出を各々の実行タイミングで行うこともある。
最後に、S4507では、S4505で設定した変動演出パターンおよびS4506で設定した予告演出パターンに基づいて演出図柄遊技演出(変動演出表示、予告演出等)を開始するための変動演出開始コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4507)、変動演出開始処理を終える。S4507でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の変動演出用画像データと、変動演出開始コマンドに基づき特定される予告演出パターン、すなわちS4506で設定された予告演出パターンに対応する所定の予告演出用画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出表示や予告演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。また、演出表示器102での2個のLEDによる変動表示(点滅表示)も実行する。
[バトル演出]
次に、本実施例のパチンコ遊技機1で実行可能なSPリーチ演出の一種であるバトル演出について説明する。前述のように、バトル演出は、その実行時の演出モード(ノーマルモードまたはバトルモード)によって機能(演出効果)が異なるものとなっているが、演出内容(演出の流れ)は同様となっている。よって、以下では、ノーマルモード(演出モードC以外の演出モード)の場合とバトルモード(演出モードC)の場合とで共通する部分については特に区別することなく説明し、異なる部分については区別して説明する。
まず、前述の演出設定画面160(図45を参照)を通じて遊技者が当落分岐「ボタンあり」を選択した場合のバトル演出(「ボタンありバトル演出」ともいう)について説明する。バトル演出パターンに基づく変動演出では、画像表示装置7の表示画面7a上で演出図柄8の変動表示が開始されてリーチ成立となった後、図46(a)に示すように、味方キャラと敵キャラの対決開始(バトル開始)を報知する演出表示(「バトル開始演出」ともいう)が表示画面7a上で行われる。これにより、遊技者はバトル演出(SPリーチ)の開始を認識することとなる。また、このときの演出モードがバトルモードであれば、バトル演出の開始により「出球あり大当り」が確定することとなる。尚、本実施例では、バトル開始(バトル開始演出の実行)に伴い、リーチ状態となった演出図柄8が表示画面7aの左上部に縮小表示され、以後、バトル演出終了までリーチ状態を維持しつつ変動表示するものとなっている。この点、演出図柄8の縮小表示に伴ってリーチ状態を解除し、再び3つの演出図柄8L,8C,8Rすべてが変動表示するものとしてもよい。
バトル開始演出の後、表示画面7aでは、図46(b)に示すように、味方キャラと敵キャラの対決シーンが表示される。この対決シーンの内容(対決パターン)は、当該バトル演出の実行契機となった特別図柄の変動パターン(特別図柄当否判定結果、大当り種別判定結果、変動時間等)に準ずるものであり、味方キャラが対決を優位に進める優勢パターンや敵キャラが対決を優位に進める劣勢パターンなど(ここでのパターンは味方キャラ基準)、対決シーンの内容は様々である。尚、対決シーンの内容は、S4505で設定される変動演出パターン(バトル演出パターン)によって定まる。そして、対決シーンが進行して当該対決(バトル)の勝敗が決するタイミング、すなわち、当該バトル演出の当落分岐タイミングが到来すると、図46(c)に示すように、「ボタンを押せ!」の文字画像MG、演出ボタン(ここでは第1演出ボタン63a)の外観を模したボタン画像BG及びボタン操作を受け付ける期間(「操作受付期間」ともいう)を示す操作受付期間画像TGが表示画面7aに表示される。
ここで、当落分岐タイミングは、バトル演出パターンにおいて予め定められているもので、バトル演出が佳境に入るタイミング(バトル演出の終盤)に設定されている。また、文字画像MGは演出ボタンの操作態様を示すもので、ボタン画像BGは操作対象となる演出ボタンの種類を示すものである。本実施例では、演出ボタン(入力手段)として第1演出ボタン63aと第2演出ボタン63bとを備えており、第1演出ボタン63aを操作する場合の操作態様には、第1演出ボタン63aを1回押下する操作(単押し)、複数回連続して押下する操作(連打)及び所定時間押下し続ける操作(長押し)があり、第2演出ボタン63bを操作する場合の操作態様には、第2演出ボタン63bを奥側に押し込む操作(単押し)、第2演出ボタン63bを左右何れかの方向に回転させる回転操作(回転)、第2演出ボタン63bを手前側に引く操作(引っ張り)がある。本実施例の「ボタンありバトル演出」では、当落分岐タイミングの際、第1演出ボタン63aの単押しを遊技者に指示するものとしていることから、ここでは「ボタンを押せ!」の文字画像MGと第1演出ボタン63aの外観を模したボタン画像BGを表示するものとしている。尚、当落分岐タイミングにおける操作対象の演出ボタンの種類や操作態様はこれに限定されるものではなく、例えば、「第1演出ボタン63aの連打」や「第2演出ボタン63bの引っ張り」など、任意に定めることが可能であり、「ボタンありバトル演出パターン」の種類によって定めることも可能である。この場合、各操作態様に応じた文字画像MG(例えば「連打!」、「引っ張れ!」等)を予め用意(記憶)するとともに、第1演出ボタン63aだけでなく第2演出ボタン63bを模したボタン画像BGも予め用意(記憶)しておけばよい。
また、操作受付期間画像TGは、操作受付期間が終了(経過)するまでの残り時間(残り期間)を遊技者が認識可能となる態様で表示するものであり、本実施例では、その操作受付期間の残り時間をレベルゲージで表した動画として表示(動作表示)するものとなっている。本実施例では、操作受付期間を「5秒」としており、この期間内(5秒以内)に演出ボタンが操作された場合、その操作を有効として取り扱うものとしている。尚、操作受付期間の長さは任意である。
これら文字画像MG、ボタン画像BG及び操作受付期間画像TGの表示により、遊技者はバトル演出の当落分岐タイミング、すなわち、演出ボタン63(本例では第1演出ボタン63a)の操作タイミングであることを認識することとなる。このように、演出ボタン63の操作タイミングであることを遊技者に認識させることが可能な演出表示(本例では文字画像MG、ボタン画像BG及び操作受付期間画像TGの表示)のことを「操作指示演出」又は「操作促進演出」ともいい、また、演出ボタンだけでなくタッチパネルや非接触式センサ等の各種入力手段を考慮して「入力指示演出」又は「入力促進演出」ともいう。さらに、ボタン操作を受け付ける操作受付期間は、演出ボタンの操作に基づく演出(所定演出)の実行を可能とする期間といえることから、操作受付期間のことを「実行可能期間」ともいい、また、演出ボタンだけでなくタッチパネルや非接触式センサ等の各種入力手段を考慮して「入力受付期間」ともいう。
当落分岐タイミングにて操作指示演出が行われ、操作受付期間内に遊技者が第1演出ボタン63aを操作(押下)すると、当該操作に応じた対応演出として当落分岐演出が行われる。本実施例では、当落分岐演出の演出態様(演出パターン)を、特別図柄当否判定の結果や大当り種別判定の結果に対応する態様で設けている。具体的に、「ボタンありバトル演出」において、特別図柄当否判定の結果が大当りである場合(ノーマルモード)や大当り種別判定の結果が確変大当りである場合(バトルモード)等、遊技者にとって相対的に有利な結果である場合に対応する当落分岐演出として、図46(d1)に示すように、可動装飾部材14(可動体14a,14b,14c)が一斉に表示画面7aの手前側に出現して画面略全体を覆う可動演出(役物完成演出)を設けている(図44(b)を参照)。可動演出(役物完成演出)による当落分岐演出には、その可動演出の実行に伴う効果音の出力(音演出)やランプ類の発光(光演出)が含まれる。一方、特別図柄当否判定の結果が外れである場合(ノーマルモード)や大当り種別判定の結果が通常大当りである場合(バトルモード)等、遊技者にとって相対的に不利な結果となる場合に対応する当落分岐演出として、図46(d2)に示すように、表示画面7aの背景全体を敵キャラとする敵キャラ背景画像THの表示(「敵キャラ表示演出」ともいう)を設けている。敵キャラ表示演出による当落分岐演出には、その敵キャラ表示演出の実行に伴う効果音の出力(音演出)やランプ類の発光(光演出)が含まれる。こうした第1演出ボタン63aの操作に基づく当落分岐演出の実行により、バトル演出の結果(勝敗)が示唆されるため、これを見た遊技者は今回のバトル演出の結果(勝敗)を認識(推測)することが可能となる。
当落分岐演出の後、表示画面7aでは、対決の勝敗(バトル演出の結果)を示す結末演出が表示される。すなわち、第1演出ボタン63aの操作に基づく当落分岐演出として、図46(d1)に示す可動演出(役物完成演出)が行われた場合、その後、可動装飾部材14(可動体14a,14b,14c)の復帰動作を経て、図46(e1)に示すように、味方キャラの勝利を報知する演出表示(勝利演出)が、結末演出として行われる。一方、第1演出ボタン63aの操作に基づく当落分岐演出として、図46(d2)に示す敵キャラ背景演出が行われた場合、その後、図46(e2)に示すように、味方キャラの敗北(または敵キャラの勝利)を報知する演出表示(敗北演出)が、結末演出として行われる。そして、勝利演出または敗北演出の後は、それまで縮小表示されていた演出図柄8が元の大きさで表示画面7aの略中央(演出図柄表示領域7b)に表示され、その後、変動表示を終えて、バトル演出の結果(特別図柄当否判定の結果、大当り種別判定の結果)に即した停止表示態様で演出図柄8が停止表示(仮停止→確定停止)される。
ここで、ノーマルモードでのバトル演出の結果(結末演出)として勝利演出が実行された場合、その後に停止表示する演出図柄8の停止表示態様は大当り態様となり、これにより、遊技者は今回の変動演出の結果が「出球あり大当り」であることを認識することとなる。一方、ノーマルモードでのバトル演出の結果(結末演出)として敗北演出が実行された場合、その後に停止表示する演出図柄8の停止表示態様は外れ態様となり、これにより、遊技者は今回の変動演出の結果が「外れ」又は「出球なし大当り」であることを認識することとなる。これに対し、バトルモードでのバトル演出では、結末演出として勝利演出と敗北演出の何れが実行された場合であっても、その後に停止表示する演出図柄8の停止表示態様は大当り態様となり、結末演出として勝利演出が実行されたのであればその大当りは確変大当りとなり、敗北演出が実行されたのであればその大当りは通常大当り(非確変大当り)となる。したがって、遊技者は、バトルモードでのバトル演出の開始により大当り確定を認識し、その後のバトル演出の結果(結末演出)により大当り種別(確変大当り又は通常大当り)を認識することとなる。
以上までが「ボタンありバトル演出」の内容(演出の流れ)であるが、前述の演出設定画面160(図45を参照)を通じて遊技者が当落分岐「ボタンなし」を選択した場合のバトル演出(「ボタンなしバトル演出」ともいう)は、次のようにして行われる。「ボタンなしバトル演出」では、まず、前述の「ボタンありバトル演出」の場合と同様、図46(a),(b)に示すように、バトル開始演出および対決シーンの演出表示が表示画面7a上で行われる。その後、表示画面7aに対決シーンが表示されるなか、当該バトル演出(ボタンなしバトル演出)の当落分岐タイミングが到来すると、図47(a)に示すように、敵方キャラを表す敵パネル画像TPと味方キャラを表す味方パネル画像MPが表示画面7a全体に表示され、敵キャラと味方キャラが対峙して押し合う様子を表した敵パネル画像TPと味方パネル画像MPの動作表示(「押し合い演出」ともいう)が行われる。この動作表示は、敵パネル画像TPと味方パネル画像MPのそれぞれの表示画面7a(表示領域)を占める割合が大小変化するように、両画像が左右往復動作を繰り返す態様の演出表示である。
ここで、前述の「ボタンありバトル演出」では、当落分岐タイミングが到来すると操作指示演出が実行され、これを受けて遊技者が第1演出ボタン63aを操作(押下)することで、当落分岐演出(可動演出または敵キャラ表示演出)が実行されるものとなっていた(図46(c),(d1),(d2)を参照)。これに対し、「ボタンなしバトル演出」では、当落分岐演出を演出ボタンの操作に基づいて行うのではなく、ボタンなしバトル演出パターンにより予め定められた実行タイミングの到来(実行条件の成立)に基づいて行うものとなっている。このため、「ボタンなしバトル演出」では、当落分岐タイミングにおいて操作受付期間が発生せず、これに伴う操作指示演出(図46(c)を参照)が実行されないものとなっており、これに代えて、図47(a)に示す押し合い演出が実行され、当該押し合い演出を経て当落分岐演出が実行される。本実施例では、押し合い演出を、当落分岐演出実行前の煽り演出としている。
押し合い演出の開始から所定時間(例えば3秒)が経過すると、敵キャラと味方キャラの何れが優勢なのかを示す(予告する)カットイン画像として、敵カットイン画像TCまたは味方カットイン画像MCが表示画面7aに表示される。カットイン画像の表示は、特別図柄当否判定の結果(ノーマルモード)や大当り種別判定の結果(バトルモード)に基づいている。すなわち、特別図柄当否判定の結果が大当りである場合(ノーマルモード)や大当り種別判定の結果が確変大当りである場合(バトルモード)等、遊技者にとって相対的に有利な結果である場合には、図47(b1)に示すように、味方カットイン画像MCが表示される可能性が高くなっている。一方、特別図柄当否判定の結果が外れである場合(ノーマルモード)や大当り種別判定の結果が通常大当りである場合(バトルモード)等、遊技者にとって相対的に不利な結果となる場合には、図47(b2)に示すように、敵カットイン画像TCが表示される可能性が高くなっている。尚、特別図柄当否判定や大当り種別判定の結果が遊技者にとって相対的に有利な結果であっても敵カットイン画像TCが表示されることもあり、遊技者にとって相対的に不利な結果であっても味方カットイン画像MCが表示されることもある。本実施例の説明では、遊技者にとって相対的に有利な結果である場合に味方カットイン画像MCが表示されたものとし、遊技者にとって相対的に不利な結果である場合に敵カットイン画像TCが表示されたものとする。
押し合い演出にて味方カットイン画像MCが表示されて押し合い演出(煽り演出)が終了すると、これに続く当落分岐演出として、図47(c1)に示すように可動演出(役物完成演出)が実行され、その後、バトル演出の結果を示す結末演出として、図47(d1)に示すように勝利演出が実行される。一方、押し合い演出にて敵カットイン画像TCが表示されて押し合い演出(煽り演出)が終了すると、これに続く当落分岐演出として、図47(c2)に示すように敵キャラ表示演出が実行され、その後、バトル演出の結果を示す結末演出として、図47(d2)に示すように敗北演出が実行される。押し合い演出が終了した後の当落分岐演出および結末演出の内容(演出の流れ)は、前述の「ボタンありバトル演出」の場合(図46(d1),(e1)、図46(d2),(e2)を参照)と同様である。このように、「ボタンなしバトル演出」では、当落分岐タイミングにおいて操作受付期間が発生せずに押し合い演出が実行され、その後、演出ボタン63(本例では第1演出ボタン63a)の操作によらずに当落分岐演出が実行されるものとなっている。
[実施例1の作用効果]
以上に説明した本実施例のパチンコ遊技機1では、演出設定画面160を通じて遊技者が「当落分岐演出での演出ボタン使用有無」を選択(設定)することが可能となっている。すなわち、演出設定画面160の「当落分岐」の項目には、ボタンありバトル演出パターンに対応する「ボタンあり」と、ボタンなしバトル演出パターンに対応する「ボタンなし」と、が設けられており、この「ボタンあり」と「ボタンなし」の何れかを遊技者が選択することが可能となっている。ここで、ボタンありバトル演出パターンは、バトル演出(所定の表示演出、特定表示演出)の実行態様であって、演出ボタン(本例では第1演出ボタン63a)の操作に基づく当落分岐演出(所定演出)の実行を含む実行態様(第1実行態様)のことであり、ボタンなしバトル演出パターンは、バトル演出(所定の表示演出、特定表示演出)の実行態様であって、演出ボタン(本例では第1演出ボタン63a)の操作に基づく当落分岐演出(所定演出)の実行を含まない実行態様(第2実行態様)のことである。
本実施例では、それら第1実行態様と第2実行態様の何れに基づいてバトル演出を実行するのかを、演出設定画面160(「ボタンあり」又は「ボタンなし」)を通じて遊技者が選択(設定)することが可能となっている。このため、第1演出ボタン63aの操作に基づく当落分岐演出の実行を楽しみたいと考える遊技者は、バトル演出の実行態様として第1実行態様(ボタンありバトル演出パターン)を選択し、第1演出ボタン63aの操作に基づく当落分岐演出の実行を望まない遊技者は、バトル演出の実行態様として第2実行態様(ボタンなしバトル演出パターン)を選択することで、バトル演出での当落分岐演出の実行に関し自分の好みに応じてカスタマイズすることが可能となる。これにより、遊技者の意向に沿ったかたち(遊技者の好みを反映させたかたち)で、当落分岐演出を伴うバトル演出の実行が可能となる。
また、本実施例では、当落分岐演出が可動演出(役物完成演出)を含むものとなっているため、当落分岐演出での演出ボタン使用有無の選択は、当落分岐演出としての可動演出(役物完成演出)を、演出ボタンの操作に基づいて行うもの(ボタン操作あり)とするか、演出ボタンの操作に基づかずに行うもの(ボタン操作あり)とするかを選択することとなる。これにより、演出ボタンの操作に基づく可動演出の実行を好む遊技者と好まない遊技者の何れの意向にも沿うかたちで、バトル演出(所定の表示演出、特定表示演出)を実行することが可能となる。
また、本実施例では、当落分岐演出での演出ボタン使用有無(当落分岐演出を伴うバトル演出の実行態様)を、パチンコ遊技機1が待機状態(客待ち状態)となっているときに表示可能な演出設定画面160を通じて選択(設定)することが可能となっている。このため、特別図柄(演出図柄8)の変動表示中や大当り遊技中等の遊技進行中に、その選択(設定)を行うことはできないものとなっている。これにより、当落分岐演出での演出ボタン使用有無の選択が画像表示装置7(表示画面7a)で実行中の演出表示の妨げとなったり、その選択に係る操作(入力)が煩雑になったりすること等を回避して、機能性に優れた遊技機とすることが可能となる。
また、本実施例では、当落分岐演出にて演出ボタンを使用する態様(第1実行態様)のバトル演出と、当落分岐演出にて演出ボタンを使用しない態様(第2実行態様)のバトル演出とで、当落分岐演出の内容は同じであるものの、そこに至るまでの演出内容が一部異なるものとなっている。具体的に、第1実行態様のバトル演出における当落分岐タイミングでは第1演出ボタン63aの操作を遊技者に促すための操作指示演出を行い(図46(c)を参照)、第2実行態様のバトル演出における当落分岐タイミングでは操作指示演出に代わって当落分岐演出に対する遊技者の期待感を煽るための押し合い演出(代替演出)を行うものとなっている(図47(a),(b1),(b2)を参照)。これにより、バトル演出中の当落分岐タイミングでの演出ボタンの使用有無にかかわらず、それぞれの実行態様に特有の演出効果が得られるものとなり、何れの実行態様であっても興趣のあるバトル演出を実行することが可能となる。