(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110〜S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
(特徴部31AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部31AKについて説明する。図8−1は、本実施の形態のパチンコ遊技機1における変動パターンやリーチの種類を説明するための図である。図8−1(A)に示すように、本実施の形態では、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに表示結果が「ハズレ」となる非リーチハズレの変動パターンPA1−1、PA1−2、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となって表示結果が「ハズレ」となるリーチハズレの変動パターンPA2−1〜PA2−6、PA3−1〜PA3−4等、表示結果が「大当り」となる変動パターンPB2−1〜PB2−6、PB3−1〜PB3−4等が用意されている。
また、図8−1(B)に示すように、本実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチA〜Eといったリーチ演出が実行されるようになっている。この実施の形態では、リーチ演出は、大当り状態に制御されることを示唆する示唆演出とも称される。各リーチが実行されたときの信頼度(大当り信頼度)は、図8−1(B)の黒色の星の数で表すように、ノーマルリーチ<スーパーリーチE<スーパーリーチD<スーパーリーチC<スーパーリーチB<スーパーリーチAの順番に高くなっている。なお、大当りとなることが確定するリーチを設けてもよい。
この実施の形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経由して実行されるようになっている。また、スーパーリーチのリーチ演出中に、より信頼度の高いリーチに発展(昇格)する発展演出が実行される場合がある。図8−1(A)に示す変動パターンPA3−1〜PA3−4等、変動パターンPB3−1〜PB3−4等が、発展演出が実行されることに対応した変動パターンとなっている。なお、図8−1(A)では、信頼度が一段階上のスーパーリーチに発展する変動パターンが示されているが、信頼度が二段階以上発展する変動パターンも設けられる。また、発展演出が複数回実行される変動パターンを設けてもよい。
この実施の形態では、信頼度が最も低いノーマルリーチ以外では、リーチ成立後の所定タイミングにおいて、そのリーチのタイトルが報知されるようになっている。図8−1(B)に示すように、リーチの種類によってタイトルの報知態様が異なっている。具体的には、スーパーリーチの中で最も信頼度の低いスーパーリーチEは、表示のみでリーチのタイトルが報知され、それ以外のスーパーリーチは、表示及び音声によりタイトルが報知される。このように、信頼度の高いリーチの方が信頼度の低いリーチより多くの演出装置によりタイトルの報知が実行されるようになっている。これにより、遊技者の期待感を効果的に煽ることができ演出効果が向上する。なお、タイトルの報知態様は、信頼度によってまたは信頼度によらず任意に変更してもよい。また、同じリーチ演出においても、実際の表示結果等に応じて報知態様を異ならせてもよい。また、リーチの種類によってタイトル文字のフォント(ゴシック体、明朝体等)や書体(行書、楷書等)を異ならせてもよい。
リーチのタイトルの報知(タイトル報知)とは、リーチの名称といったタイトルそのものを示すものに限定されず、リーチ演出で登場するキャラクタの名称、リーチ演出の演出内容等を示すものであってもよい。
(特徴部31AKの演出動作例)
続いて、本実施の形態における演出動作例について説明する。以下の演出動作は、主基板11から送信される演出制御コマンドに基づいて、演出制御用CPU120が演出制御プロセス処理を実行することで実行される。図8−2、図8−3は、本実施の形態におけるスーパーリーチの演出動作例を示す図である。図8−2(A)は、画像表示装置5の「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示が実行されていることを示している。その後、例えば、図8−2(B)に示すように、「左」及び「右」に7の数字を示す飾り図柄が停止してリーチ態様となる。その後はリーチの種類に応じて演出が分岐する。
(スーパーリーチA)
スーパーリーチAとなる場合には、図8−2(C)に示すように、画像表示装置5に味方キャラであるキャラクタ31AK001が表示されてリーチ演出が開始される。ここでは、例えばキャラクタ31AK001を使用したアニメーション等が表示される。スーパーリーチのリーチ演出(スーパーリーチ演出ともいう)の導入部分が終了する等、スーパーリーチ演出が開始されてから所定期間経過すると、図8−2(D)に示すように、画像表示装置5の画面全体にスーパーリーチAのタイトル31AK002(ここでは「SPリーチA」の文字)が表示されるとともに、スピーカ8からリーチのタイトル名に対応する音声(ここでは「スーパーリーチA」)が出力されることで、スーパーリーチAのタイトルが報知される。その後、スーパーリーチAのタイトル31AK002が消去され、図8−2(E)に示すように、敵キャラであるキャラクタ31AK003が表示され、キャラクタ31AK001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラクタ31AK001とキャラクタ31AK003とが対決するスーパーリーチAのリーチ演出の後続部分が実行される。キャラクタ同士が対決する演出をバトル演出ともいい、バトル演出において味方キャラが勝利すると大当りとなり、味方キャラが敗北するとハズレとなる。
なお、スーパーリーチ演出中に画像表示装置5にセリフを表示するときに、スピーカ8からセリフに対応する音声が出力されるようにしてもよい。また、セリフは図8−2(E)に示すように吹き出しに表示することに限定されず、画像表示装置5の下部等に字幕で表示するようにしてもよい。
(スーパーリーチB)
スーパーリーチBとなる場合には、図8−2(C)に示すように、画像表示装置5にキャラクタ31AK001が表示されてリーチ演出が開始される。ここでは、例えばキャラクタ31AK001を使用したアニメーション等が表示される。スーパーリーチ演出の導入部分が終了する等、スーパーリーチ演出が開始されてから所定期間経過すると、図8−2(F)に示すように、画像表示装置5の画面全体にスーパーリーチBのタイトル31AK005(ここでは「SPリーチB」の文字)が表示されるとともに、スピーカ8からリーチのタイトル名に対応する音声(ここでは「スーパーリーチB」)が出力されることで、スーパーリーチBのタイトルが報知される。その後、スーパーリーチBのタイトル31AK005が消去され、図8−2(G)に示すように、敵キャラであるキャラクタ31AK006が表示され、キャラクタ31AK001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラクタ31AK001とキャラクタ31AK006とが対決するスーパーリーチBのリーチ演出の後続部分が実行される。
このように、スーパーリーチAとスーパーリーチBとでは、スーパーリーチ演出が開始されてから所定期間経過したときにリーチのタイトルが報知されるようになっている。このようにすることで、スーパーリーチ演出の導入部分等を遊技者に見せた後にタイトルを報知できるので、タイトル報知の演出効果を高めることができる。
また、スーパーリーチA(図8−2(C)→(D)→(E)・・・)とスーパーリーチB(図8−2(C)→(F)→(G)・・・)とでは、タイトルが報知されるまでの導入部分においては、共通の演出態様でスーパーリーチ演出が実行されるようになっている(図8−2(C))。このようにすることで、スーパーリーチ演出が開始されてからいずれのスーパーリーチとなるか、いずれのタイトルが報知されるかに遊技者を注目させることができる。スーパーリーチAとスーパーリーチBとにおいて、タイトルが報知されるまでの演出態様を完全に共通にすることに限定されず、演出を注視すればいずれのスーパーリーチとなるかを判別できる等、少なくとも一部を共通の演出態様にするようにしてもよい。例えば、スーパーリーチAとスーパーリーチBとの導入部分において、その後に報知されるタイトルに関連する態様でスーパーリーチ演出(例えば敵キャラを表示したり敵キャラを示唆するような演出)を実行するようにしてもよい。このようにすることで、演出効果が向上し、遊技者が演出に注目するようになる。このように、いずれのスーパーリーチとなるかを特定可能にしてからタイトル報知を実行するようにしてもよい。
(スーパーリーチD)
スーパーリーチDとなる場合には、図8−2(H)に示すように、画像表示装置5の中央の一部にスーパーリーチDのタイトル31AK007(ここでは「SPリーチD」の文字)が表示されるとともに、スピーカ8からリーチのタイトル名に対応する音声(ここでは「敵を倒せ」)が出力されることで、スーパーリーチDのタイトルが報知される。このように、スーパーリーチDでは、スーパーリーチ演出の開始時にタイトルが報知されるようになっている。また、タイトル31AK007の下には、当該リーチの期待度を示唆する期待度示唆表示31AK008が表示される。期待度は、図8−2(H)に示すように、黒い星の数で表される。ここで、期待度とは大当りとなる期待度であるが、リーチの大当り信頼度と完全に一致していなくてもよい。
なお、スーパーリーチDの音声による報知は、タイトル名をそのまま報知するのではなく、リーチの内容を報知するようになっている。このように、この実施の形態では、リーチの種類によって音声によるタイトル報知の報知態様を異ならせている。これにより、タイトル報知の報知態様が多彩になり、興趣が向上する。
スーパーリーチDにおいてタイトルが報知された後には、図8−2(I)に示すように、画像表示装置5にキャラクタ31AK001が表示される。このとき、タイトル31AK007及び期待度示唆表示31AK008は、画像表示装置5の右上部分等に縮小して表示され続ける。このようにすることで、リーチ演出中にも遊技者がリーチの期待度を把握することができる。なお、図8−2(I)では、図8−2(C)(スーパーリーチA、スーパーリーチB)と共通の演出内容が示されているが、スーパーリーチD専用のスーパーリーチ演出が実行されてもよい。
その後、図8−2(J)に示すように、敵キャラであるキャラクタ31AK009が表示され、キャラクタ31AK001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラクタ31AK001とキャラクタ31AK009とが対決するスーパーリーチDのリーチ演出が実行される。
(スーパーリーチE)
スーパーリーチEとなる場合には、図8−3(A)に示すように、画像表示装置5の左上の一部にスーパーリーチEのタイトル31AK010(ここでは「SPリーチE」の文字)が表示されることで、スーパーリーチEのタイトルが報知される。なお、スーパーリーチEでは、音声によるタイトルの報知が行われない。また、タイトル31AK010の表示と合わせて、キャラクタ31AK001と敵キャラであるキャラクタ31AK011とが表示され、キャラクタ31AK001のセリフ31AK004が表示されたり、キャラクタ31AK001とキャラクタ31AK011とが対決するスーパーリーチEのリーチ演出が実行される。このように、スーパーリーチEでは、リーチ演出の進行と合わせてタイトルが報知されるようになっている。スーパーリーチEでは、リーチ演出中にタイトル31AK010が表示され続ける。
大当り信頼度の低いスーパーリーチEのリーチ演出では、リーチ演出の進行を止めずにタイトル報知を行うことで、遊技者に過度な期待感を与えることを防止できる。これに対して、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチDのリーチ演出では、リーチ演出の進行を停止してタイトル報知を行うようになっている(図8−2(D)、(F)、(H))。このようにすることで、スーパーリーチ演出に応じたタイトル報知を実行でき演出効果が向上する。なお、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチDといったスーパーリーチ演出においてもリーチの進行を停止せずにタイトル報知を行うようにしてもよい。また、この実施の形態とは逆に、大当り信頼度の高いスーパーリーチのリーチ演出では、リーチ演出の進行を止めずにタイトル報知を行うようにしてもよい。大当り信頼度の低いスーパーリーチのリーチ演出では、リーチ演出の進行を停止してタイトル報知を行うようにしてもよい。
(タイトルの報知タイミング)
以上のように、この実施の形態では、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、スーパーリーチ演出開始後所定期間経過してからタイトルが報知され、スーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、スーパーリーチ演出開始時にタイトルが報知されるようになっている。このようにすることで、リーチ演出に応じたタイトル報知を実行でき演出効果が向上する。なお、この実施の形態では、大当り信頼度の高いスーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、スーパーリーチ演出開始後所定期間経過してからタイトルが報知され、大当り信頼度の低いスーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、スーパーリーチ演出開始時にタイトルが報知されるようになっていたが、大当り信頼度の高いリーチの場合にスーパーリーチ演出開始時にタイトルが報知され、大当り信頼度の低いリーチの場合にスーパーリーチ演出後所定期間経過してからタイトルが報知されるようにしてもよい。
(タイトルの表示領域)
また、この実施の形態では、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、画像表示装置5の画面全体(第1領域)においてタイトルが報知され、スーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、画像表示装置5の画面の一部(第2領域)においてタイトルが報知される。このようにすることで、リーチ演出に応じたタイトル報知を実行でき演出効果が向上する。特に、大当り信頼度の高いリーチである場合には、信頼度の低いリーチである場合よりも広い表示領域でタイトル報知が実行されるので効果的なタイトル報知が可能になる。なお、画像表示装置5の画面全体におけるタイトル報知とは、画面いっぱいに収まるサイズでタイトルが表示されるものであってもよいし、背景全体をタイトル報知用の背景としてそこにタイトルが表示されるもの(画面全体を使用したタイトル報知)等であってもよい。また、スーパーリーチAとスーパーリーチBとでタイトル報知を行う表示領域を異ならせてもよいし、スーパーリーチDとスーパーリーチEとでタイトル報知を行う表示領域を異ならせてもよい。
リーチ演出に応じてタイトル報知を行う表示領域を異ならせる方法は、この実施の形態の例に限定されず、リーチ演出に応じてタイトル報知を行う表示領域を任意に異ならせてもよい。例えば、大当り信頼度の高いリーチである場合には、信頼度の低いリーチである場合よりも狭い表示領域でタイトル報知が実行されてもよい。また、リーチ演出に応じてタイトル報知を行う表示領域を異ならせる場合において、この実施の形態のように表示面積を異ならせてもよいし、表示させる場所を異ならせてもよい。
(期待度示唆表示)
この実施の形態では、大当り信頼度の高いスーパーリーチA及びスーパーリーチBにおけるタイトル報知では、期待度示唆表示を表示せずに、スーパーリーチA及びスーパーリーチBよりも大当り信頼度の低いスーパーリーチDにおけるタイトル報知では、期待度示唆表示を表示するようにしていた。このようにすることで、演出がくどくなることを防止できる。また、スーパーリーチDよりも大当り信頼度の低いスーパーリーチEにおけるタイトル報知では、期待度示唆表示を表示しないようになっていた。このようにすることで、信頼度の低いリーチにおいて信頼度が低いことを示す期待度示唆表示が表示されることで遊技者が期待感を失うことを防止できる。なお、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチEの少なくとも一部において期待度示唆表示を表示するようにしてもよい。
なお期待度示唆表示は、図8−2(H)等に示すように、黒い星の数によって示すものに限定されず、メーターやゲージにより期待度を示唆するようにしてもよいし、期待度に対応した数値を表示するようにしてもよい。また、図8−2(H)等に示すように、黒い星の数によって示す場合において、半個相当(半分)の黒い星を表示可能ようにして、期待度の段階数を増やしてもよい。
(タイトルの表示終了タイミング)
また、この実施の形態では、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、タイトルが表示された後、タイトルが消去されてスーパーリーチ演出が実行される。これにより、スーパーリーチA及びスーパーリーチBにおいては、リーチ演出に注目させることができる。また、スーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、タイトルが表示された後、後述の決め演出が実行されるまでタイトルが表示され続ける。これにより、スーパーリーチD及びスーパーリーチEにおいては、スーパーリーチ演出中もリーチの種類を把握することができる。また、以上のようにすることで、リーチ演出に応じたタイトル報知を実行でき演出効果が向上する。なお、タイトルの表示終了タイミングは、いずれであっても演出効果の向上を図れるため、任意に変更してもよい。
なお、ここではスーパーリーチCのリーチ演出の演出動作については省略するが、例えば大当り信頼度に応じたタイトル報知や期待度示唆表示が実行されればよい。
(決め演出)
各リーチ演出が実行されてから、表示結果を導出するタイミング(可変表示の終盤)になると、表示結果が「大当り」となるか否かを報知するための決め演出が実行される。決め演出には、表示結果が「大当り」となることを示す決め演出と、表示結果が「ハズレ」となることを示す決め演出と、が含まれる。この実施の形態では、図8−3(B)に示すように、画像表示装置5に画像31AK012が表示される決め演出が実行される。その後、表示結果が「大当り」であれば、図8−3(C)に示すように、味方キャラが勝利したことを示す画像31AK013が表示され、図8−3(D)に示すように、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される。なお、表示結果が「ハズレ」であれば、味方キャラが敗北したことを示す画像が表示され、リーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が導出される。
この実施の形態では、リーチ演出中も継続してタイトルを報知する場合でも、決め演出が実行される前にタイトルの報知を終了するようになっている。これにより、決め演出に注目させることができ、また、メリハリのあるタイトル報知を実行できる。
図8−2、図8−3に示した演出動作例では、スーパーリーチのリーチ演出中は画像表示装置5の右下部分で飾り図柄を縮小して可変表示を実行するようになっていたが、リーチ演出中の飾り図柄の表示のさせ方は任意でよい。例えば、リーチ演出中は飾り図柄が表示されなくてもよいし、リーチ演出の種類によって表示態様(大きさ、位置、濃淡、数等)を異ならせてもよい。
なお、画像表示装置5に保留表示、アクティブ表示、可変表示中に常駐表示されるキャラクタ、携帯連動関連の表示を表示する場合、スーパーリーチのリーチ演出中はリーチ演出に注目させるために適宜非表示としてもよい。その際に、スーパーリーチEといった低信頼度のリーチ演出中には、これらの表示を表示したままにするようにしてもよい。このようにすることで、低信頼度のリーチ演出により遊技者を過度に期待させてしまうことを防止できるとともに、高信頼度のリーチ演出ではリーチ演出に注目させることができる。
(発展演出)
続いて、発展演出が実行される場合の演出動作例について説明する。図8−4(A)に示すように、スーパーリーチDのリーチ演出が実行されている(スーパーリーチDのタイトル報知が実行されている)ときに発展演出が実行される場合、図8−4(B)に示すように、リーチ演出が中断して画面が裂けるような演出が実行される。その後、スーパーリーチAに発展する場合には、図8−4(C)に示すように、スーパーリーチAのタイトルが報知され、スーパーリーチAのリーチ演出が実行される。スーパーリーチBに発展する場合には、図8−4(D)に示すように、スーパーリーチBのタイトルが報知され、スーパーリーチのリーチ演出が実行される。このように、発展演出が実行された場合には、発展元のリーチのタイトル報知から発展先のリーチのタイトル報知に切り替えられるで、いずれのリーチに発展したかがわかりやすくなる。図8−4に示すように、発展先のリーチが表示及び音声によりタイトル報知を行うリーチである場合には、表示及び音声によるタイトル報知が改めて実行される。
なお、発展演出は図8−4(B)に示すような例に限定されず、画面に徐々にヒビが入って割れるような演出であってもよいし、砂嵐(故障したような表示)を表示するようにしてもよい。このような演出とすることで、意外性のある演出を実行できる。なお、画面に徐々にヒビが入るがリーチが発展しない演出といった、ガセの発展演出があってもよい。
(期待度示唆演出)
図8−2(H)に示す演出動作例では、期待度示唆表示31AK008が期待度を示す黒い星が最初から表示されるようになっていたが、最初に5つの白い星を表示し、段階的に黒い星となることで期待度示唆する期待度示唆演出を実行するようにしてもよい。
例えば、図8−5(A)に示すように、スーパーリーチDのタイトルを報知する際に、最初に5つの白い星の期待度示唆表示31AK021が表示される。そして、図8−5(B)に示すように、期待度示唆表示31AK021の星より大きな黒い星31AK022が表示され、図8−5(C)に示すように、黒い星31AK022が移動して期待度示唆表示31AK021の白い星の一つに収まるような演出が実行される。このとき、スピーカ8から期待度を示す黒い星が増加したことを示す「ピン」という音声が出力される。図8−5(D)、(E)に示すように、リーチの期待度に対応した回数同じ演出が繰り返される。このときに、繰り返される毎(星の数毎)にスピーカ8から出力される音声(音量、音階、音質等)を段階的に変化させるようにしてもよい。期待度示唆表示31AK021に期待度に対応した数の黒い星が収まった段階で、図8−5(F)に示すように、その黒い星が光るといったように強調表示される。このようにすることで、期待度示唆演出が終了したことがわかりやすくなる。
図8−5(A)〜(F)に示す例では、黒い星が1つずつ表示されて期待度示唆表示により示される期待度が1段階ずつ上がるようになっていたが、黒い星が2つ以上表示されて期待度が2段階以上上がるようにしてもよい。また、半分の黒い星が表示されて期待度が半段階上がるようにしてもよい。この場合において、表示される星の数(上昇する期待度の段階数)に応じて、異なる音声を出力するようにしてもよいし、同じ音声を出力するようにしてもよい。例えば、半分の黒い星が表示されるときと1つの黒い星が表示されるときとで同じ音声を出力するようにしてもよい。2つ半の黒い星が表示されるときと3つの黒い星が表示されるときとで同じ音声を出力するようにしてもよい。また、音声を出力しない場合があってもよい。このようにすることで、期待度示唆演出が多彩になり、演出効果が向上する。なお、一度に増加する期待度の段階数によらず、同じ黒い星の画像が表示されて、期待度示唆表示の白い星に収まって、増加する期待度の段階数に応じた黒い星が増加するような演出を実行するようにしてもよい。
(演出モード)
画像表示装置5、スピーカ8、遊技効果ランプ9といった演出装置における演出モードが複数あってもよい。異なる演出モードでは、主基板11から同じコマンド(例えば変動パターンを指定するコマンド)が送信された場合でも、当該コマンドに基づく演出が異なる演出態様で実行される。各演出モードでは、画像表示装置5に表示される背景、キャラクタ、モチーフ、スピーカ8から出力される音声等が異なっていればよい。演出モードは、可変表示の回数や遊技状態に応じて自動的に変更されるようにしてもよいし、遊技者の操作により変更可能にしてもよい。
図8−5(G)〜(L)は、演出モードとして通常モード及び特別モードが設けられる場合において、特別モードとなっている場合のタイトル報知及び期待度示唆演出の演出動作例である。通常モードでは、図8−5(A)〜(F)に示すようタイトル報知及び期待度示唆演出が実行される。特別モードでは、スーパーリーチDの変動パターンに基づくリーチ演出は、スーパーリーチDのリーチ演出とは演出態様の異なるスーパーリーチD2のリーチ演出となる。従って、スーパーリーチDの変動パターンが指定された場合、図8−5(G)に示すように、スーパーリーチD2のタイトル31AK023が表示される。このとき、スピーカ8からリーチのタイトル名に対応する音声が出力されるが、通常モードとは異なる音声(例えば声色が異なる音声)が出力される。また、スーパーリーチD2における期待度示唆表示31AK024は、星型ではなく菱形となっている。
その後、図8−5(H)に示すように、期待度示唆表示31AK024の星より大きな黒い菱形31AK025が表示され、図8−5(I)に示すように、黒い菱形31AK025が移動して期待度示唆表示31AK024の白い菱形の一つに収まるような演出が実行される。このとき、スピーカ8から期待度を示す黒い菱形が増加したことを示す「ポン」という音声が出力される。図8−5(J)、(K)に示すように、リーチの期待度に対応した回数同じ演出が繰り返される。期待度示唆表示31AK024に期待度に対応した数の黒菱形が収まった段階で、図8−5(L)に示すように、その黒い菱形が光るといったように強調表示される。このように、遊技者の選択や遊技状態等に応じて決定される演出モード(リーチ演出が実行されるときの状態)によって、タイトルの報知態様を異ならせることで演出が多彩になり演出効果が向上する。
図8−5では、スーパーリーチDの変動パターンが指定された場合の演出動作例を示したが、演出モード(リーチ演出が実行されるときの状態)によって他のリーチ演出(タイトル報知、期待度示唆演出を含む)の演出態様を異ならせるようにしてもよい。演出モード(リーチ演出が実行されるときの状態)によって、リーチのタイトルを報知するか否かやタイトル報知の実行割合を異ならせてもよい。例えば、所定の演出モードが選択された場合には、リーチのタイトルが報知されないようにしてもよい。このようにすることで、遊技者の好みに応じた演出を実行でき演出効果が向上する。
なお、この実施の形態では、期待度示唆表示における黒い星の数によって期待度を示唆し、黒い星の数を段階的に増加させる期待度示唆演出を実行するようになっていたが、期待度を示唆する表示の数を段階的に減少させる期待度示唆演出を実行するようにしてもよい。そのような期待度示唆演出をこの実施の形態の期待度示唆演出に加えて実行するようにしてもよいし、代えて実行するようにしてもよい。
(発展演出の他の例)
期待度示唆表示の期待度を示す表示を段階的に増加させる期待度示唆演出を実行する場合において、期待度を示す表示を増加させた後に発展演出を実行するようにしてもよい。この場合において、発展演出後に期待度を示す表示を増加させる場合、増加させる表示については段階的ではなく一度に表示するようにしてもよい。例えば図8−6(A)に示すように、スーパーリーチDのタイトルが報知され、黒い星を段階的に増加させる演出が完了した後に、図8−6(B)に示すように、画像表示装置5にボタン画像31AK031が表示される発展演出が実行される。ここで、プッシュボタン31Bへの操作が検出されると、図8−6(C)に示すように、スーパーリーチCのタイトル31AK032(ここでは「SPリーチC」の文字)が表示されることで、スーパーリーチCのタイトルが報知される。このように、発展演出が実行された場合には、発展元のリーチのタイトル報知から発展先のリーチのタイトル報知に切り替えられるで、いずれのリーチに発展したかがわかりやすくなる。また、タイトル31AK032の下には、黒い星の数が3個である期待度示唆表示31AK033が強調表示される。なお、黒い星の数が2個以上増加する場合でも一度に表示される。なお、可動体32が動作した後に、タイトルや期待度示唆表示が変化する発展演出を実行するようにしてもよい。
(予告演出)
この実施の形態では、予告演出として、タイトルの報知態様(例えばタイトルの表示色等)によって、大当り信頼度を予告するタイトル予告を実行するようになっている。例えば図8−7(A)に示すように、スーパーリーチAのタイトル31AK036が黒色で表示されるとともに、スピーカ8からリーチのタイトル名に対応する音声が出力されることで、スーパーリーチAのタイトルが報知された後、図8−7(B)に示すようにタイトル31AK036の表示色が赤色に変化するタイトル予告を実行するようになっている。このように、タイトル予告が実行されない場合はタイトルが黒色で表示され、タイトル予告が実行される場合はタイトルが黒色以外の色で表示される。図8−7に示すタイトル予告では、音声によりリーチのタイトルが報知された後に、タイトルの表示態様(表示色)が変化する場合がある。このようにすることで、予告演出の演出効果を高めることができる。なお、タイトルが黒色以外で表示されるタイミングはこれに限定されず、タイトルの表示開始時から黒色以外で表示されるようにしてもよい。
また、タイトルの表示態様(表示色)が変化するタイトル予告が実行された場合には、タイトルの表示態様が変化した後に、変化後の表示態様に応じた音声を出力するようにしてもよい。このようにすることで、予告演出の演出効果を高めることができる。また、音声によるタイトル報知は、タイトルの表示態様(表示色)が変化した後に実行されるようにしてもよい。この場合、変化後のタイトルの表示態様(表示色)に応じた音声が出力するようにしてもよい。
(タイトル報知の実行タイミング)
リーチ中のタイトルの報知は、予告演出や発展演出といった、大当り有利状態に制御される期待度が向上する演出(特定演出)の実行タイミング以外で実行することが好ましい。このようにすることで、一旦タイトルが報知された場合、期待度が向上する演出が実行され得るので、遊技者の期待感を維持することができる。
図8−8は、予告演出の実行の有無や演出態様を決定するための予告演出決定処理の一例を示すフローチャートである。予告演出決定処理は、演出制御用CPU120が図7のステップS171の可変表示開始設定処理内で実行する。予告演出決定処理では、演出制御用CPU120は、先ず、主基板11から送信されるコマンドから特定される変動パターンがスーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する(ステップ31AKS001)。
スーパーリーチの変動パターンである場合には(ステップ31AKS001;Yes)、スーパーリーチのタイトルの表示色(タイトル予告の実行の有無)を決定する(ステップ31AKS002)。
ステップ31AKS002では、表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに応じて、例えば図8−9(A)に示す決定割合で、スーパーリーチのタイトルの表示色を決定する。スーパーリーチのタイトルの表示色は、図8−9(A)に示すように、「黒」、「赤」、「黒」から「赤」に変化するもの、「黒」から「フルーツ柄」に変化するもの、「赤」から「フルーツ柄」に変化するものが設けられており、この順番(昇順)で大当り信頼度が高くなっている。即ち、タイトルの表示色の変化タイミングに応じて大当り信頼度が異なっている。このようにすることで、遊技者がタイトルの表示色の変化タイミングに注目するようになり、演出効果が向上する。
なお、「フルーツ柄」は、タイトルの文字が太字で表示され文字そのものが「フルーツ柄」であってもよいし、タイトルの表示領域の背景部分が「フルーツ柄」となるものであってもよい。最初から「フルーツ柄」で表示されるパターンがあってもよい。表示色が変化するものについては、図8−7に示したように、タイトル報知が実行された後に表示色が変化すればよい。表示色が変化するものについて、表示色が変化するタイミングが複数あってもよい。そして、表示色が変化するタイミングに応じて大当り信頼度を異ならせてもよい。また、スーパーリーチの種類によって、タイトルの表示期間が異なるため、スーパーリーチの種類によって表示色が変化するタイミングが異なるようにしてもよい。タイトルの表示期間が長いスーパーリーチ(例えばスーパーリーチDやスーパーリーチE)の場合には、変化するタイミングを複数設けて、変化タイミングをいずれかに決定するようにしてもよい。そして、タイトルの表示期間が短いスーパーリーチ(例えばスーパーリーチAやスーパーリーチB)の場合には、変化するタイミングの数を1つ又はタイトルの表示期間が長いスーパーリーチよりも少数にしてもよい。
演出モードとして、通常モードと特別モードとがある場合、通常モードでは図8−9(A)に示す決定割合でタイトルの表示色を決定し、特別モードでは図8−9(B)に示すような通常モードと異なる割合でタイトルの表示色を決定する。なお、特別モードでは、表示色のパターンや信頼度の順位が通常モードと異なるようにしてもよい。このように、演出モードによってタイトル予告の実行態様(表示色や表示色の変化タイミング)を異ならせることで、演出が多彩になり演出効果が向上する。
この実施の形態では、予告演出として、スーパーリーチのリーチ演出におけるキャラクタのセリフの表示態様(例えばセリフの表示色等)によって、大当り信頼度を予告するセリフ予告を実行するようになっている。
スーパーリーチのタイトルの表示色を決定した後には、スーパーリーチのリーチ演出におけるキャラクタのセリフの表示色(セリフ予告の実行の有無)を決定する(ステップ31AKS003)。
ステップ31AKS003では、表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに応じて、例えば図8−9(C)に示す決定割合で、リーチ演出におけるセリフの表示色を決定する。リーチ演出におけるセリフの表示色は、図8−9(C)に示すように、「白」、「赤」、「白」から「赤」に変化するものが設けられており、この順番(昇順)で大当り信頼度が高くなっている。即ち、セリフの表示色の変化タイミングに応じて大当り信頼度が異なっている。このようにすることで、遊技者がセリフの表示色の変化タイミングに注目するようになり、演出効果が向上する。なお、表示色が変化するものについては、セリフが表示された後に表示色が変化すればよい。表示色が変化するものについて、表示色が変化するタイミングが複数あってもよい。そして、表示色が変化するタイミングに応じて大当り信頼度を異ならせてもよい。
また、タイトル予告とセリフ予告との演出態様の組み合わせで、大当り信頼度が異なるようにしてもよい。例えば、タイトル予告とセリフ予告とで同じ演出態様(表示色)が含まれる場合、同じ演出態様となった場合には大当り信頼度が高くなるようにしてもよい。また、タイトル予告とセリフ予告との演出態様の変化タイミングの組み合わせで、大当り信頼度が異なるようにしてもよい。例えば、変化タイミングが同じ場合に変化タイミングが異なる場合より大当り信頼度が高くなるようにしたり、いずれの変化が先かで大当り信頼度を異ならせてもよい。このようにすることで、タイトル予告とセリフ予告とのそれぞれの変化タイミングに注目させることができる。
演出モードとして、通常モードと特別モードとがある場合、特別モードでは通常モードと異なる割合でセリフの表示色を決定するようにしてもよい。なお、特別モードでは、表示色のパターンや信頼度の順位が通常モードと異なるようにしてもよい。
なお、セリフ予告に代えてリーチ演出の演出態様の変化によって大当り信頼度を予告する予告演出を実行するようにしてもよい。その場合、その予告演出において、演出態様の変化タイミングを複数設けて、変化タイミングに応じて大当り信頼度が異なるようにすればよい。
リーチ演出におけるセリフの表示色を決定した後や、スーパーリーチの変動パターンでないと判定された場合(ステップAK31S001;No)、その他の予告演出に実行有無や演出態様を決定する(ステップAK31S004)。その後、31AKS002〜31AKS004における決定結果をRAM122の所定領域に保存し(ステップAK31S005)、予告演出決定処理を終了する。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチである場合に、タイトル予告及びセリフ予告を実行可能となっているが、特定のスーパーリーチ(例えば信頼度の低いスーパーリーチ以外)である場合に、タイトル予告及びセリフ予告のうち少なくとも一方を実行可能にしてもよい。また、タイトル予告及びセリフ予告については、図8−9に示す決定割合で決定されるものとして説明したが、決定割合は任意であり、例えばスーパーリーチの種類に応じて決定割合を異ならせてもよい。このようにすることで、リーチの種類に応じた予告演出を実行でき、演出効果が向上する。
この実施の形態では、タイトル予告とセリフ予告とでは、実行可能な演出態様の数(表示可能な表示色の数)が異なっている。このようにすることで、演出が多彩になり演出効果が高まる。タイトル予告とセリフ予告とにおいて、実行可能な演出態様の数は任意に変更してもよく、実行可能な演出態様の数や種類が同じであってもよい。このようにすることで、統一感ある予告演出が実行でき、遊技者は大当り信頼度を把握しやすくなる。
(作用演出)
このタイトル予告とセリフ予告との演出態様が変化するときに、演出態様が変化することを示す演出を実行するようにしてもよい。例えば、画像表示装置5に作用演出画像を表示し、その画像がタイトル及びセリフのうち少なくとも1つに作用する作用演出を実行するようにしてもよい。そして、作用演出が実行された後に、タイトルやセリフの演出態様(表示色)が変化するようにしてもよい。作用演出の演出態様(作用演出画像等)はタイトル及びセリフにいずれに作用する場合でも共通としてもよい。なお、作用演出が実行されたにも関わらず、タイトルやセリフの演出態様が変化しない場合があってもよい。作用演出を実行する場合には、タイトル予告とセリフ予告に係る決定結果に基づいて、作用演出の実行の有無や実行タイミング、演出態様を決定するようにすればよい。そのような決定はステップAK31S004の処理で実行されればよい。例えば、作用演出の演出態様に応じて、タイトル予告とセリフ予告との少なくとも一方の演出態様が変化する割合(作用演出により演出態様が変化する割合)が異なるようにしてもよいし、タイトル予告とセリフ予告といずれの演出態様が変化するかの割合(いずれに作用するかの割合)が異なるようにしてもよいし、何色に(何段階)変化するかの割合が異なるようにしてもよい。このような作用演出を実行することで、遊技者はいずれ作用演出画像が表示されたときに、タイトルとセリフのいずれに作用するかに注目するようになり演出効果が向上する。なお、複数の演出モードがある場合、演出モードに応じて異なる割合で作用演出の実行有無や演出態様を決定するようにしてもよい。このようにすることで、演出モードに応じた作用演出を実行でき、演出効果が向上する。
このような作用演出の他の例として、リーチ演出の演出内容(例えばキャラクタの動作やバトル演出における演出内容等)に応じて、タイトル及びセリフのいずれかのうち少なくとも1つの演出態様(表示色)が変化するようにしてもよい。このようにすることで、遊技者はリーチ演出の演出内容に注目するようになる。
この発明は、上記特徴部31AKで説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。例えば、上記実施の形態で説明した特徴部分は、全てが必須構成ではなく、適宜省略可能である。
(サブ液晶)
画像表示装置5とは異なるサブ表示装置として、遊技盤2または遊技機用枠3にサブ液晶が設けられていてもよい。ここではサブ液晶と表現するが、サブ表示装置は、有機ELやドットマトリクスのLEDにより構成されてもよい。サブ液晶装置は、例えば画像表示装置5の近傍等に固定されるものであってもよいし、可動式または収納式であってもよい。サブ液晶においては、予告演出や保留表示の表示といった各種演出を実行する。例えば、サブ液晶においてタイトル報知を実行するようにしてもよい。上記実施の形態のスーパーリーチD及びスーパーリーチEのように、タイトル報知後にも継続してタイトルを表示する場合に、サブ液晶においてタイトルや期待度示唆表示を表示するようにしてもよい。この場合、画像表示装置5においてタイトルを報知した後に、サブ液晶においてタイトルや期待度示唆表示を表示するようにしてもよい。このようにすることで、画像表示装置5におけるスーパーリーチ演出を阻害することなくタイトルや期待度示唆表示を表示することができる、タイトルや期待度示唆表示もわかりやすくなる。
上記実施の形態では、示唆演出としてのリーチ演出のタイトルの報知について、本発明を適用した例を説明したが、他の演出に関するタイトル報知(主に文字を表示する報知)に本発明を適用してもよい。例えば、予告演出(例えば先読み予告演出)として、画像表示装置5における背景画像や演出態様がそれぞれ異なる複数のゾーン(ステージ、演出モード等)に移行させる先読みゾーン演出を実行する場合において、移行したゾーンのタイトル報知に本発明を適用してもよい。ミッション(「7でリーチをかけろ」、「スティックコントローラを使って敵を全滅させろ」等)を提示し、当該ミッションを達成したときに遊技者に有利な状態となるミッション演出を実行する場合に、ミッションのタイトル報知に本発明を適用してもよい。
(特徴部31AKの変形例1)
上記実施の形態では、表示結果を導出するタイミングになると、表示結果が「大当り」となるか否かを報知するための決め演出が実行され、その後、表示結果が示されるようになっていた(図8−3(B)〜(D))。このような決め演出に代えて、表示結果を導出する前の所定タイミングになると、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作を促す操作演出が実行され、操作有効期間に所定の操作が検出されるとバトル演出の勝敗が表示されたり、表示結果が仮停止される等により、表示結果が示されるようにしてもよい。このようにすることで、遊技者の操作に応じて表示結果が示されるため、遊技者の遊技参加意欲を高めることができ、興趣が向上する。
図8−10、図8−11は、操作演出が実行され、その操作に応じて表示結果が示される変形例におけるスーパーリーチの演出動作例を示す図である。図8−10(A)に示すように、画像表示装置5においてリーチ態様となった後、例えば図8−10(B)に示すように、味方キャラであるのキャラクタ31AK041と敵キャラであるキャラクタ31AK042とが表示され、図8−10(C)〜(F)、図8−11(G)〜(I)に示すように、キャラクタ31AK041とキャラクタ31AK042とが対決するリーチ演出が実行される。
リーチ演出に伴い、図8−10(C)に示すように、画像表示装置5の右下に小ボタン画像31AK043と小ボタン画像31AK043に重畳する規制線31AK044とが表示される。これにより、プッシュボタン31Bを使用する操作演出が実行されるが、現状は操作の受付が規制されていることが示唆される。
この変形例では、操作演出が実行されることを示す操作演出画像が複数種類用意されている。そして、いずれの操作演出画像が表示されて操作演出が実行されるかによって大当り信頼度が異なるようになっている。また、リーチ演出中に操作演出が実行されることを示す画像がより信頼度の高い態様に変化する場合があるようになっている。
例えば、図8−10(D)に示すように、祈るキャラクタ31AK045が表示され、図8−10(E)に示すように、祈るキャラクタ31AK045が喜ぶキャラクタ31AK046に変化するとともに、小ボタン画像31AK043が大ボタン画像31AK047に変化する。
その後、図8−11(H)に示すように、大砲31AK048が表示され、図8−11(I)に示すように、大砲31AK048から弾が発射されるエフェクト31AK049が表示され、大ボタン画像31AK047に弾が命中するエフェクト31AK050が表示される。そして、大ボタン画像31AK047がスティック画像31AK051に変化する。
このように、この変形例では、操作演出画像が変化する場合には操作演出画像が変化することを示す作用演出が実行される。なお、作用演出を伴わずに操作演出画像が変化する場合があってもよい。また、作用演出が実行されたにも関わらず操作演出画像が変化しない場合があってもよい。作用演出の種類によって、操作演出画像が変化する割合が異なっていてもよい。
その後、表示結果が導出される所定時間前に、図8−11(J)に示すように、規制線31AK044が消去され、図8−11(K)に示すように、スティック画像31AK051が中央部に拡大表示され、スティックコントローラ31Aを引く操作を促す表示がされる。また、このときスティックコントローラ31Aへの操作が有効な操作有効期間となる。
ここで、スティックコントローラ31Aを引く操作が検出されると、図8−11(L)に示すように、味方キャラが勝利したことを示す画像31AK052が表示される。その後、変動時間の終了するタイミングで、図8−11(M)に示すように、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される。なお、予め定められた操作有効期間内に操作が検出されなかった場合には、自動的に図8−11(L)に示す画像が表示される。
この変形例では、操作演出画像として、小ボタン画像、大ボタン画像、スティック画像とがあり、小ボタン画像<大ボタン画像<スティック画像の順でこれらの画像を用いた操作演出が実行された場合の大当り信頼度が高くなっている。信頼度の低い操作演出画像が表示された場合であっても、リーチ演出中に信頼度の高い操作演出画像に変化する場合があるので、演出効果が向上し、また、遊技者の期待感を維持することができる。
なお、図8−10、図8−11に示した演出動作例では、リーチのタイトル報知や、期待度示唆表示は省略しているが、図8−10、図8−11に示したリーチ演出や操作演出と並行して適宜実行されるようにしてもよい。操作演出や操作演出画像に係る決定(操作演出の有無、表示する操作演出画像、作用演出の有無等)は、図8−8のステップ31AKS004にて実行されればよい。
(特徴部31AKの変形例2)
大当り遊技状態等の有利状態への制御の期待度を示唆する示唆表示を行なうようにしてもよい。例えば、第1示唆表示を行うシャッター演出と、第2示唆表示を行うリーチタイトル演出と、実行するようにしてもよい。シャッター演出では、可変表示開始後に画面上をシャッター表示で覆う演出が実行される。また、リーチタイトル演出では、リーチ後にリーチ演出の発展先を示すリーチタイトル表示をする演出が実行される。シャッター表示およびリーチタイトル表示のいずれを表示するときにも特定画像が含まれて表示される場合がある。リーチタイトル演出は、上記実施の形態のタイトル予告と同じであってもよいし、別の処理で決定される別の演出であってもよい。
特定画像とは、画像内に複数種類の要素を含んで表示される大当り信頼度の高い画像のことである。複数種類の要素としては、要素E1のバナナ画像、要素E2のメロン画像、要素E3のリンゴ画像、要素E4のスイカ画像、要素E5のイチゴ画像が含まれる。これら要素E1〜E5を含んで構成されたフルーツ柄画像が特定画像である。シャッター表示およびリーチタイトル表示のいずれにおいても、要素E1〜E5の全てが視認可能となるように表示される。また、特定画像を構成する要素E1〜E5の表示サイズは、シャッター表示とリーチタイトル表示との表示サイズの違いに応じて変更して表示される。また、要素E1〜E5のすべてがシャッター表示およびリーチタイトル表示のそれぞれに収まるように表示される。
可変表示開始後にシャッター演出が実行された場合に、フルーツ柄画像が表示されるときには、フルーツ柄画像が表示されないときよりも大当り信頼度が高い。また、リーチ演出実行中に、リーチタイトル表示をする際に、フルーツ柄画像で表示がされるときには、フルーツ柄画像で表示がされないときよりも大当り信頼度が高い。フルーツ柄が表示されないときには、たとえば、各要素E1〜E5を含まない無地の画像が表示される。なお、シャッター演出およびリーチタイトル演出が実行されたときの大当り信頼度を示す画像として、フルーツ柄画像以外の画像のパターンが用意されていてもよい。たとえば、大当り信頼度の順に白画像<青画像<赤画像<フルーツ柄画像が用意されていてもよい(たとえば、赤色のシャッターや赤文字のリーチタイトル等)。そして、可変表示の表示結果が大当りとなるか否かにより、所定の乱数抽選でいずれか1つの画像パターンが選択されるようにしてもよい。
シャッター表示およびリーチタイトル表示を行なう際に、フルーツ柄が表示される際においても、スピーカ8による共通音(メロディ)を出力する報知を行なうとともに遊技効果ランプ9の発光による報知を行なう。共通音および遊技効果ランプ9の発光制御により、フルーツ柄が特別な画像であることが遊技者に示される。このような、シャッター表示およびリーチタイトル表示を行なう際には、フルーツ柄に対する共通報知が実行される。また、リーチタイトル表示では、共通報知の後に、特定音(ボイス)がさらに出力される。なお、共通音と特定音とは、出力期間が一部重なるようにしてもよい。
図8−12は、シャッター演出およびリーチタイトル演出が実行されるときの表示画面図である。図8−12(a)に示すように、シャッター演出が実行される場合、画像表示装置5において可変表示の開始時にシャッター画像31AK061が表示される。シャッター画像31AK061には、要素E1〜E5全てを含むフルーツ柄の画像が表示される。また、シャッター演出実行時には、スピーカ8による共通音(メロディ)を出力する報知が実行されるとともに遊技効果ランプ9の発光による報知が実行される。閉じていたシャッターが開くと、図8−12(b)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始される。下向きの矢印が左、中、右図柄の可変表示を示している。左図柄および右図柄の可変表示が仮停止すると、図8−12(c)に示すように、リーチ状態となる。
次いで、図8−12(d)に示すように、スーパーリーチ演出が開始される。可変表示は例えば画面右上に小さく表示され、画面左側にキャラクタが表示される。画面右下には、リーチタイトル画像31AK062が表示され、これから実行されるスーパーリーチの内容がリーチタイトル表示として示される。リーチタイトル画像31AK062には、要素E1〜E5全てを含むフルーツ柄の画像が表示される。また、リーチタイトル画像31AK062には、バトル演出を伴うリーチ演出が実行されることを示す「バトルリーチ」の文字が表示される。
また、リーチタイトル演出実行時には、スピーカ8による共通音(メロディ)を出力する報知が実行されるとともに遊技効果ランプ9の発光による報知が実行される。さらに、共通音を出力後に、キャラクタが「アツイアツイ」のような大当り信頼度が高いことを示す特定音(ボイス)を発する演出が実行される。ここで、リーチタイトル演出ではシャッター演出に比べ表示する示唆表示のサイズが小さい。しかし、このように、リーチタイトル演出においては、特定音を出力することで、フルーツ柄画像が表示されたことを遊技者により認識させやすくすることができる。なお、共通音と特定音とは、出力期間が完全に分かれている場合を説明したが、出力期間が一部重なるようにしてもよい。
その後、図8−12(e)に示すような、バトルリーチ演出が実行される。画面左には敵キャラクタが表示され、画面右には味方キャラクタが表示される。味方キャラクタが敵キャラクタとのバトルに勝利すると、画面左上には「バトル勝利!」の文字が表示される。バトルに勝利したことで大当りが確定したことが報知される。バトル演出が終了すると元の数字図柄による可変表示画面に戻る。図8−12(f)に示すように、全ての図柄が停止し、「777」の大当り図柄が表示される。
図8−12(a)、(d)に示すように、シャッター画像31AK061およびリーチタイトル画像31AK062のいずれにもフルーツ柄画像を構成する全ての要素E1〜E5を含んで表示される。このようにすれば、表示サイズの異なるシャッター画像31AK061とリーチタイトル画像31AK062とのいずれにおいても、フルーツ柄画像を好適に表示することができる。これにより、大当り信頼度の高いフルーツ柄画像が表示されたことを正確に伝えることができる。
また、図8−12(a)に示すシャッター画像31AK061の表示サイズは、図8−12(d)に示すリーチタイトル画像31AK062の表示サイズよりも大きく表示される。よって、シャッター画像31AK061の表示サイズとリーチタイトル画像31AK062の表示サイズとの違いに注目させることができる。
また、図8−12(a)に示すシャッター画像31AK061と図8−12(d)に示すリーチタイトル画像31AK062とは異なるタイミングで表示される。このようにすれば、実行タイミングが重なることにより特定画像であるフルーツ柄画像が見えづらくなってしまうことを防止することができる。
シャッター演出に係る決定(シャッター演出の有無や演出態様)は、図8−8のステップ31AKS004にて実行されればよい。その際には、図8−8のステップ31AKS002におけるタイトルの表示色の決定結果に基づいてシャッター演出に係る決定を行うようにしてもよい。例えば、タイトルの表示色がフルーツ柄になるものが決定されている場合は、フルーツ柄のシャッター演出が実行されやすくしてもよい。また、リーチタイトル演出の係る決定もシャッター演出に係る決定と合わせて図8−8のステップ31AKS004にて実行されるようにしてもよい。
[特徴部21TMに関する説明]
次に、特徴部21TMに関して説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図9−1に示すような主基板11、演出制御基板12、ターミナル基板(情報出力基板)21TM016といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
なお、前述した図2に示すように、主基板11には、第1始動口スイッチ22A及び第2始動口スイッチ22B、並びに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4B等の各種部品が接続されており、演出制御基板12には、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等の各種演出装置が接続されているが、図9−1では、これらを省略している。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、図9−3に示すように、基板ケース21TM201に収納された状態でパチンコ遊技機1の背面に搭載され、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
また、主基板11には、図9−3に示すように、パチンコ遊技機1の背面側から視認可能な表示モニタ21TM029が設けられており、該表示モニタ21TM029に、入賞に関する各種の入賞情報を表示する機能も備えている。尚、表示モニタ21TM029の左側方には表示切替スイッチ21TM030が設けられており、該表示切替スイッチ21TM030の操作によって表示モニタ21TM029に表示されている情報を切り替えることが可能となっている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号の他、電源断信号、クリア信号、リセット信号等の各種信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、ターミナル基板21TM016からセキュリティ信号等の各種の信号の出力を行うための情報出力回路112が搭載されている。
また、図9−1に示す主基板11は、図9−3に示すように、透過性を有する合成樹脂材からなる基板ケース21TM201に封入されており、主基板11の中央には表示モニタ21TM029(例えば、7セグメント)が配置され、表示モニタ21TM029の右側には表示切替スイッチ21TM030が配置されている。表示モニタ21TM029及び表示切替スイッチ21TM030は、主基板11を視認する際の正面に配置されている。主基板11の背面中央下部には、後述する設定変更モードまたは設定確認モードに切り替えるための錠スイッチ21TM051(図9−1参照)が設けられている。主基板11は、遊技機用枠3を開放していない状態では視認できないので、主基板11を視認する際の正面とは、遊技機用枠3を開放した状態における遊技盤2の裏面側を視認する際の正面であり、パチンコ遊技機1の正面とは異なる。ただし、主基板11を視認する際の正面とパチンコ遊技機1の正面とが共通するようにしてもよい。
また、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、各入賞口(大入賞口、第2始動入賞口、第1始動入賞口、第1〜第4一般入賞口、以下、「進入領域」ともいう)への遊技球の進入数の集計を行い、該集計による連比、役比などの各種の入賞情報が表示モニタ21TM029に表示されるようになっており、これら入賞情報が表示されることで、遊技場に設置後における連比、役比などの各種の入賞情報を確認できる。つまり、パチンコ遊技機1のメーカ側においては、予め定められた頻度で一般入賞口に遊技球が進入するように(試験を通過するように)遊技盤面を設計することが通常である。また、試験を行う際には、あらかじめ定められた頻度で一般入賞口に遊技球が進入しているかが確認される。さらに、パチンコ遊技機1を設置した後においても、どのような調整が行われているか、その調整の結果、設計どおりの頻度で一般入賞口に遊技球が進入しているかが確認される。そこで、本実施例のパチンコ遊技機1では、当該パチンコ遊技機1において、設置後にどのような調整を加えられたかを認識できるようになっている。
また、電源基板は、透過性を有する合成樹脂材からなる基板ケースに封入されており、電源基板の背面右側下部には、後述する大当りの当選確率(出玉率)等の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052と、電源スイッチ21TM055が設けられている。遊技場の店員等が、パチンコ遊技機1に電源電圧が供給されていない状態で、電源スイッチ21TM055を操作することで、主基板11、演出制御基板12、払出制御基板21TM037等の各基板に所定の動作電圧が供給される。さらに、電源スイッチ21TM055が操作されるタイミングで、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052が操作されていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ100にクリア信号が入力され、後述する初期化処理(RAMクリア)が実行される。同じ電源基板上において、電源スイッチ21TM055とクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052を近くに配置することで、電源投入操作及び初期化操作を行い易いようにしている。
尚、錠スイッチ21TM051及びクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052は、パチンコ遊技機1の背面側に設けられており、所定のキー操作により開放可能な遊技機用枠3を開放しない限り操作不可能とされており、所定のキーを所持する店員のみが操作可能となる。また、錠スイッチ21TM051はキー操作を要することから、遊技店の店員のなかでも、錠スイッチ21TM051の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。また、錠スイッチ21TM051は、所定のキーによってONとOFFの切替操作を実行可能なスイッチであるが、該切替操作を実行可能であると共に該切替操作とは異なる操作(例えば、押込み操作)を実行可能なスイッチであっても良い。
なお、錠スイッチ21TM051は、ON状態又はOFF状態を維持可能である。即ち、遊技場の店員等により力を加えられなくても、錠スイッチ21TM051は、ON状態又はOFF状態を維持可能である。また、錠スイッチ21TM051は、OFF状態でのみキーを挿抜可能な構成とする。このような構成によれば、遊技場の店員等は、キーを回収するために錠スイッチ21TM051をOFF状態としなければならないので、遊技場の店員等が錠スイッチ21TM051をON状態としたまま放置してしまうことを防ぐことができる。
尚、図9−3に示すように、パチンコ遊技機1の背面側の下部には、各入賞口に入賞した遊技球やアウト口に進入した遊技球をパチンコ遊技機1外に排出するためのノズル(排出口)が設けられており、該ノズル内には、パチンコ遊技機1内から排出される遊技球を検出する(発射された遊技球を検出する)ための排出口スイッチ21TM070が設けられている。該排出口スイッチ21TM070は、スイッチ回路110に接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるLED制御コマンドが含まれている。
図9−2は、払出制御基板21TM037および球払出装置21TM097などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。図9−2に示すように、払出制御基板21TM037には、払出制御用CPU21TM371を含む払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が搭載されている。この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、1チップマイクロコンピュータであり、少なくともRAMが内蔵されている。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370、RAM(図示せず)、払出制御用プログラムを格納したROM(図示せず)およびI/Oポート等は、払出制御基板21TM037を構成する。すなわち、払出制御基板21TM037は、払出制御用CPU21TM371、RAMおよびROMを有する払出制御用マイクロコンピュータ21TM370と、I/Oポートとで実現される。また、I/Oポートは、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に内蔵されていてもよい。
球切れスイッチ21TM187、満タンスイッチ21TM048および払出個数カウントスイッチ21TM301からの検出信号は、中継基板21TM072を介して払出制御基板21TM037のI/Oポート21TM372fに入力される。なお、この実施の形態では、払出個数カウントスイッチ21TM301からの検出信号は、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に入力されたあと、I/Oポート21TM372aおよび出力回路21TM373Bを介して主基板11に出力される。
また、払出制御基板21TM037には、図9−2に示すように、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3の開放を検知する遊技機枠開放センサと、遊技盤2の前面を開閉可能に覆うガラス扉枠3aの開放を検知する扉枠開放センサと、を備える遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300が接続されており、これらのセンサから出力される検知信号に基づいて、各種の異常(エラー)の発生を判定する機能も備えている。なお、遊技機用枠3の開放が検知されたときの検知信号と、ガラス扉枠3aの開放が検知されたときの検出信号とは、異なる端子に入力されることにより、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、遊技機用枠3の開放状態と、ガラス扉枠3aの開放状態とを、区別して認識可能となっている。
また、払出モータ位置センサ21TM295からの検出信号は、中継基板21TM072を介して払出制御基板21TM037のI/Oポート21TM372eに入力される。払出モータ位置センサ21TM295は、払出モータ21TM289の回転位置を検出するための発光素子(LED)と受光素子とによるセンサであり、遊技球が詰まったこと、すなわちいわゆる球噛みを検出するために用いられる。払出制御基板21TM037に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、球切れスイッチ21TM187からの検出信号が球切れ状態を示していたり、満タンスイッチ21TM048からの検出信号が満タン状態を示していると、球払出処理を停止する。
さらに、満タンスイッチ21TM048からの検出信号が満タン状態を示していると、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、打球発射装置からの球発射を停止させるために、発射基板21TM090に対してローレベルの満タン信号を出力する。発射基板21TM090のAND回路21TM091が出力する発射モータ21TM094への発射モータ信号は、発射基板21TM090から発射モータ21TM094に伝えられる。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370からの満タン信号は、発射基板21TM090に搭載されたAND回路21TM091の入力側の一方に入力され、駆動信号生成回路21TM092からの駆動信号(発射モータ21TM094を駆動するための信号であって、電源基板からの電源を供給する役割を果たす信号である。)は、AND回路21TM091の入力側の他方に入力される。そして、AND回路21TM091の発射モータ信号が発射モータ21TM094に入力される。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が満タン信号を出力している間は、発射モータ21TM094への発射モータ信号の出力が停止される。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370には、遊技制御用マイクロコンピュータ100とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路21TM380が内蔵されている。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100と 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370とは、シリアル通信回路21TM505,21TM380を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ100と 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との間の接続確認を行うために、一定の間隔(例えば1秒)で信号(賞球要求信号、受信ACK信号)をやり取り(送受信)している。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、シリアル通信回路21TM505を介して、一定の間隔で接続確認を行うための信号(この実施の形態における賞球要求信号)を送信し、 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの賞球要求信号を受信した場合、その旨を通知する信号(受信ACK信号)を遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信する。この実施の形態では、賞球要求信号や受信ACK信号に特定のデータを乗せることにより、賞球要求信号や受信ACK信号を送受信するタイミングにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ100と払出制御用マイクロコンピュータ21TM370との間で特定のデータをやり取りするように構成している。例えば、入賞が発生した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、払い出すべき賞球個数を示すデータを、賞球要求信号の所定ビットを異ならせることにより設定し、当該設定がなされた賞球要求信号を 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に送信する。そして、 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、賞球払出動作が終了すると、賞球終了を示すデータを、受信ACK信号の所定ビットを異ならせることにより設定し、当該設定がなされた受信ACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信する。また、所定のエラー(球貸し、満タン、球切れなどのエラー)が発生した場合には、エラーの内容を示すデータを、受信ACK信号の所定ビットを異ならせることにより設定し、当該設定がなされた受信ACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、出力ポート21TM372bを介して、賞球払出数を示す賞球情報信号および貸し球数を示す球貸し個数信号をターミナル基板(枠用外部端子基板と盤用外部端子基板とを含む)21TM160に出力する。なお、出力ポート21TM372bの外側に、ドライバ回路が設置されているが、図9−2では記載省略されている。
また、 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、出力ポート21TM372cを介して、7セグメントLEDによるエラー表示用LED21TM374にエラー信号を出力する。さらに、出力ポート21TM372bを介して、点灯/消灯を指示するための信号を賞球LED21TM053および球切れLED21TM054に出力する。なお、払出制御基板21TM037の入力ポート21TM372fには、エラー状態を解除するためのエラー解除スイッチ21TM375からの検出信号が入力される。エラー解除スイッチ21TM375は、ソフトウェアリセットによってエラー状態を解除するために用いられる。
さらに、 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370からの払出モータ21TM289への駆動信号は、出力ポート21TM372aおよび中継基板21TM072を介して球払出装置21TM097の払出機構部分における払出モータ21TM289に伝えられる。なお、出力ポート21TM372aの外側に、ドライバ回路(モータ駆動回路)が設置されているが、図9−3では記載省略されている。
遊技機に隣接して設置されているカードユニット21TM050には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニット21TM050には、使用可表示ランプ、連結台方向表示器、カード投入表示ランプおよびカード挿入口が設けられている。インタフェース基板(中継基板)21TM066には、度数表示LED21TM060、球貸し可LED21TM061、球貸スイッチ21TM062および返却スイッチ21TM063が接続される。
インタフェース基板21TM066からカードユニット21TM050には、遊技者の操作に応じて、球貸スイッチ21TM062が操作されたことを示す球貸スイッチ信号および返却スイッチ21TM063が操作されたことを示す返却スイッチ信号が与えられる。また、カードユニット21TM050からインタフェース基板21TM066には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および球貸し可表示信号が与えられる。カードユニット21TM050と払出制御基板21TM037の間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)が入力ポート21TM372fおよび出力ポート21TM372dを介して送受信される。カードユニット21TM050と払出制御基板21TM037の間には、インタフェース基板21TM066が介在している。よって、接続信号(VL信号)等の信号は、図9−2に示すように、インタフェース基板21TM066を介してカードユニット21TM050と払出制御基板21TM037の間で送受信されることになる。
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、払出制御基板21TM037に搭載されている 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、カードユニット21TM050にPRDY信号を出力する。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、電源が投入されると、VL信号を出力する。 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、VL信号の入力状態によってカードユニット21TM050の接続状態/未接続状態を判定する。カードユニット21TM050においてカードが受け付けられ、球貸スイッチが操作され球貸スイッチ信号が入力されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板21TM037にBRDY信号を出力する。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板21TM037にBRQ信号を出力する。
そして、 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、カードユニット21TM050に対するEXS信号を立ち上げ、カードユニット21TM050からのBRQ信号の立ち下がりを検出すると、払出モータ21TM289を駆動し、所定個の貸し球を遊技者に払い出す。そして、払出が完了したら、 払出制御用マイクロコンピュータ21TM370は、カードユニット21TM050に対するEXS信号を立ち下げる。その後、カードユニット21TM050からのBRDY信号がオン状態でないことを条件に、遊技制御用マイクロコンピュータ100から払出指令信号を受けると賞球払出制御を実行する。
カードユニット21TM050で用いられる電源電圧AC24Vは払出制御基板21TM037から供給される。すなわち、カードユニット21TM050に対する電源基板からの電力供給は、払出制御基板21TM037およびインタフェース基板21TM066を介して行われる。この例では、インタフェース基板21TM066内に配されているカードユニット21TM050に対するAC24Vの電源供給ラインに、カードユニット21TM050を保護するためのヒューズが設けられ、カードユニット21TM050に所定電圧以上の電圧が供給されることが防止される。
本実施例のパチンコ遊技機1は、設定値に応じて大当りの当選確率(出玉率)が変わる構成とされている。詳しくは、後述する特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当りの当選確率(出玉率)が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も出玉率が高く、6,5,4,3,2,1の順に値が小さくなるほど出玉率が低くなる。すなわち、設定値として6が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が高く、5,4,3,2,1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
図9−4(A)〜(F)は、各設定値に対応する表示結果判定テーブルを示す説明図である。表示結果判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、MR1と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。各表示結果判定テーブルは、変動特図指定バッファが1(第1)である、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と、変動特図指定バッファが2(第2)である、つまり、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合のそれぞれについて、大当りとする判定値が設定されている。
図9−4(A)に示すように、設定値1に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、設定値が「2」、「3」、「4」、「5」、「6」である場合よりも低い確率(1/300)で大当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(1/300)で大当りに当選するようになっている。
また、図9−4(B)に示すように、設定値2に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合には、設定値が「1」である場合よりも高い確率(1/280)で大当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(1/280)で大当りに当選するようになっている。
また、図9−4(C)に示すように、設定値3に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合には、設定値が「1」、「2」である場合よりも高い確率(1/280)で大当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(1/280)で大当りに当選するようになっている。
また、図9−4(D)に示すように、設定値4に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合には、設定値が「1」、「2」、「3」である場合よりも高い確率(1/250)で大当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(1/250)で大当りに当選するようになっている。
また、図9−4(E)に示すように、設定値5に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合には、設定値が「1」、「2」、「3」、「4」である場合よりも高い確率(1/235)で大当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(1/235)で大当りに当選するようになっている。
また、図9−4(F)に示すように、設定値5に対応する表示結果判定テーブルを用いるときに、変動特図指定バッファが第1である場合には、設定値が「1」、「2」、「3」、「4」、「5」である場合よりも高い確率(1/220)で大当りに当選するようになっている。また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率(1/220)で大当りに当選するようになっている。
つまり、CPU103は、その時点で設定されている設定値に対応する表示結果判定テーブルを参照して、MR1の値が図9−4(A)〜(F)に示す大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(大当りA〜大当りF)とすることを決定する。すなわち、設定値に応じた確率で大当りの当選を決定する。尚、図9−4(A)〜(F)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
また、本実施例では、CPU103は、図9−4(A)〜(F)に示す表示結果判定テーブルを用いて大当りとするか否かを判定するようになっているが、大当り判定テーブルを別個に設け、大当りの判定は、変動特図指定バッファによらず第1特別図柄の変動表示である場合と第2特別図柄の変動表示である場合とで共通のテーブルを用いて行うようにしてもよい。
尚、本実施例では、パチンコ遊技機1に設定可能な設定値として1〜6の計6個の設定値を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設定可能な設定値は、2個、3個、4個、5個、または7個以上であってもよい。
(設定示唆演出)
設定コマンドを受信した演出制御用CPU120は、設定コマンドが指定する設定値に応じた演出を実行することにより、設定値を示唆することが可能である。例えば、大当り遊技状態が終了したときに実行されるエンディング演出の態様を、指定された設定値に応じて異ならせることで、遊技者に設定値を示唆することが可能である。図9−5(1)、(2)、及び(3)は、設定示唆演出の例を示している。図9−5(1)は、大当り終了画面において「晴れ」態様のエンディング画像が選択された例、図9−5(2)は、大当り終了画面において「曇り」態様のエンディング画面が選択された例、図9−5(3)は、大当り終了画面において「雨」態様のエンディング画像が選択された例を示している。また、図9−5(4)は、設定示唆演出の態様を、設定コマンドが指定した設定値に基づいて決定するためのテーブルの具体例を示す説明図である。
CPU103は、設定値を指定する設定コマンドを演出制御用CPU120に送信している。また、CPU103は、大当り遊技状態が終了したときに、画像表示装置5においてエンディング演出を実行するための演出制御用コマンドを演出制御用CPU120に送信する。演出制御用CPU120は、受信した設定コマンドにより指定された設定値をRAM102に記憶することにより、記憶した設定値に基づいてエンディング演出の態様を決定可能である。例えば、大当り遊技状態が終了したときに送信される演出制御用コマンドに基づいて、画像表示装置5に、大当り遊技状態が終了したことを報知する文字(「BONUS終了」の文字)と共に、記憶している設定値に基づいて決定された態様(晴れの態様、曇りの態様、雨の態様)のエンディング画像を表示することが可能となる。
図9−5(4)に示すテーブルには、設定コマンドで指定された設定値が「1,2」である場合、「3,4」である場合、及び「5,6」である場合について、それぞれ、設定示唆演出の態様を、図9−5(1)に示す「晴れ」態様に決定する場合、図9−5(2)に示す「曇り」態様に決定する場合、及び図9−5(3)に示す「雨」態様に決定する場合、の判定値が割り振られている。
演出制御用CPU120は、受信した設定コマンドで指定された設定値が「1」又は「2」である場合には、低い割合(例えば20%)で(1)に示す「晴れ」態様の設定示唆演出(エンディング演出)を実行することに決定し、中程度の割合(例えば40%)で(2)に示す「曇り」態様の設定示唆演出(エンディング演出)を実行することに決定し、中程度の割合(例えば40%)で(3)に示す「雨」態様の設定示唆演出(エンディング演出)を実行することに決定する。また、演出制御用CPU120は、受信した設定コマンドで指定された設定値が「3」又は「4」である場合には、低い割合(例えば20%)で(1)に示す「晴れ」態様の設定示唆演出(エンディング演出)を実行することに決定し、高い割合(例えば50%)で(2)に示す「曇り」態様の設定示唆演出(エンディング演出)を実行することに決定し、中程度の割合(例えば30%)で(3)に示す「雨」態様の設定示唆演出(エンディング演出)を実行することに決定する。また、演出制御用CPU120は、受信した設定コマンドで指定された設定値が「5」又は「6」である場合には、高い割合(例えば50%)で(1)に示す「晴れ」態様の設定示唆演出(エンディング演出)を実行することに決定し、低い割合(例えば20%)で(2)に示す「曇り」態様の設定示唆演出(エンディング演出)を実行することに決定し、中程度の割合(例えば30%)で(3)に示す「雨」態様の設定示唆演出(エンディング演出)を実行することに決定する。
このように、設定値に応じて設定示唆演出の各態様の決定割合を異ならせることにより、遊技者は設定示唆演出がどのような態様で実行されるかに関心を抱くことになり、設定示唆演出の興趣を向上させることができる。本例では、遊技者は、大当り遊技状態が終了したときに実行されるエンディング演出がどのような態様で実行されるかに関心を抱くことになり、特に、「晴れ」態様でエンディング演出が実行されることに期待することになる。
(電源投入時処理)
次に、電源投入時処理について説明する。
図9−6〜図9−8は、パチンコ遊技機1の電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ100において実行される処理の一例を示す図である。
図9−6に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、電源が投入された後に、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS21TM4010)。この処理は、データチェックとしてパリティチェックを行う。
チェック結果が正常であれば(ステップS21TM4010でYES)、CPU103は、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値が、正規の値、例えば、0〜5の何れかに合致するか否かを確認する(ステップS21TM4020)。本例では設定値格納領域に格納されている設定値として、0、1、2、3、4、及び5の6つの数字を正規の値としており、大当り確率が異なる6段階の設定値を設けている。本例における設定値0は前述した図9−4等で示す設定値1に相当し、本例における設定値1は前述した図9−4等で示す設定値2に相当し、本例における設定値2は前述した図9−4等で示す設定値3に相当し、本例における設定値3は前述した図9−4等で示す設定値4に相当し、本例における設定値4は前述した図9−4等で示す設定値5に相当し、本例における設定値5は前述した図9−4等で示す設定値6に相当する。
ここで、本例では、パチンコ遊技機1が遊技機メーカから出荷される際(遊技場に設置される前)には、設定値格納領域に、上記正規の値のうち最も大当り確率が低い値(本例では0)が記憶されているものとする。なお、設定値格納領域のデータが壊れている場合には、正規の値となっていない場合がある。設定値が正規の値であれば(ステップS21TM4020でYES)、設定変更中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS21TM4030)。設定変更中フラグは、後述する設定変更モードに移行したときにセットされ(ステップS21TM4580)、錠スイッチ21TM051がOFF状態に切り替えられたときにクリアされる(ステップS21TM4720)。
設定変更中フラグがセットされていなければ(ステップS21TM4030でNO)、CPU103は、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態であるか否かを確認する(ステップS21TM4040)。
クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態であれば(ステップS21TM4040でYES)、CPU103は、RAMクリアフラグを1に設定する(ステップS21TM4050)。RAMクリアフラグの値は、RAMクリア(遊技状態の初期化)が実行されることに決定されたか否かを示す値であり、値が1である場合にはRAMクリアが実行されることに決定されたことを示している。本例では、RAMクリアフラグが1にセットされた時点では実際にRAMクリアは実行されておらず、設定変更モードに制御される場合には、設定変更モードに関する処理が終了した後にRAMクリアが実行されることになる。
RAMクリアフラグの値が格納される領域は、バックアップRAM領域には含まれない。そのため電源断が発生した場合にはRAMクリアフラグの値は保持されず、電源復旧時のRAMクリアフラグの値は0(初期値が非セット状態)となっている。なお、遊技状態が初期化されることの報知は、設定変更モード又は設定確認モードに制御される前に行われるようにしても良く、後述するように、設定変更モード又は設定確認モードの終了後に行われるようにしても良い。
一方、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がOFF状態であれば(ステップS21TM4040でNO)、CPU103は、ステップS21TM4060に移行する。
次いで、CPU103は、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となっているか否かを確認する(ステップS21TM4060)。ここで、前述したように、遊技機用枠3の開放状態、ガラス扉枠3aの開放状態は、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300により検出可能となっており、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300から払出制御用マイクロコンピュータ21TM370に、遊技機用枠3の開放状態が検出されたことを示す検出信号、ガラス扉枠3aの開放状態が検出されたことを示す検出信号が出力される。払出制御用マイクロコンピュータ21TM370が、遊技機用枠3の開放状態が検出されたことを認識すると、遊技制御用マイクロコンピュータ100に、遊技機用枠3の開放状態が検出された旨を通知し、ガラス扉枠3aの開放状態が検出されたことを認識すると、遊技制御用マイクロコンピュータ100に、ガラス扉枠3aの開放状態が検出された旨を通知することで、遊技制御用マイクロコンピュータ100側で、遊技機用枠3の開放状態と、ガラス扉枠3aの開放状態とを、個別に認識可能となっている。
なお、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300から遊技制御用マイクロコンピュータ100に対して、遊技機用枠3の開放状態が検出されたことを示す検出信号、ガラス扉枠3aの開放状態が検出されたことを示す検出信号が出力される構成とした場合(即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ100が遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300を備える場合)には、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、これらの検出信号の入力によって、遊技機用枠3の開放状態と、ガラス扉枠3aの開放状態とを、個別に認識可能となる。
CPU103が、遊技機用枠3の開放状態又はガラス扉枠3aの開放状態を認識した場合には(ステップS21TM4060でYES)、錠スイッチ21TM051がON状態であるか否かを確認する(ステップS21TM4070)。そして、錠スイッチ21TM051がON状態であれば(ステップS21TM4070でYES)、図9−7に示す、設定変更モード又は設定確認モードに関連したステップS21TM4510以降の処理、に移行する。設定変更モードに移行した場合には設定値の確認及び変更が可能となり、設定確認モードに移行した場合には設定値の確認が可能となる。
即ち、バックアップRAM領域のデータチェック結果が正常であり(ステップS21TM4010でYES)、設定値が正規の値であり(ステップS21TM4020でYES)、設定変更中に電源断が発生していない場合には(ステップS21TM4030でNO)、遊技機用枠3が開放状態であり(ステップS21TM4060でYES)、且つ、錠スイッチ21TM051がON状態である(ステップS21TM4070でYES)ことを条件として、設定値の変更及び/又は確認が可能となる。一方、遊技機用枠3が閉鎖状態であるか(ステップS21TM4060でNO)、又は、錠スイッチ21TM051がOFF状態である(ステップS21TM4070でNO)場合には、設定変更モード及び設定確認モードの何れのモードにも制御されることなく、後述するステップS21TM4760(設定コマンドの送信)に移行する。
本実施形態では、設定値の変更を許可しないものの設定値を確認することが可能な状態(設定確認モード)とするためには、(1)遊技機用枠3が開放状態であり、(2)錠スイッチ21TM051がON状態である、という2つの条件が必要となっている。CPU103は、ステップS21TM4060及びステップS21TM4070の判定処理によって、これら(1)及び(2)の条件が何れも成立していることを確認したときに、設定値を確認することが可能な状態(設定確認モード)に移行可能としている。また、これら(1)及び(2)の条件に加えて、さらに、(3)クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態である(YES)と判定されたことに基づいてRAMクリアフラグがセットされていることを条件として、後述するように、設定値を変更することが可能な状態(設定変更モード)に移行可能となっている。
前述したように、設定値を確認又は変更するために操作しなければならない錠スイッチ21TM051は、遊技盤2の裏面側に設けられており、遊技機用枠3を開放状態としなければ操作することができない。仮に、遊技機用枠3が開放状態となっていないにもかかわらず、錠スイッチ21TM051が操作されたということは、遊技機枠・扉枠開放センサ21TM300に異常があるか、又は、何らかの不正な手段で設定値の確認又は変更が行われようとしている可能性がある。このような状態で、設定値の確認又は変更を許可することは不適切であるため、本実施形態では、遊技機用枠3が開放状態となっていないときには、パチンコ遊技機1を設定確認モード及び設定変更モードの何れにも制御させないようにしている。
なお、本実施形態では、(1)の条件として、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの何れか一方が開放状態となっているときには、パチンコ遊技機1を設定確認モード又は設定変更モードに制御可能としているが、このような形態に限らず、仮に、ガラス扉枠3aが開放状態となっていても、遊技機用枠3が開放状態となっていなければ、設定確認モード及び設定変更モードの何れにも制御させないようにしても良い。
一方、ステップS21TM4060で、遊技機用枠3の開放状態又はガラス扉枠3aの開放状態を認識しなかった場合(ステップS21TM4060でNO)、即ち、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aが何れも閉鎖状態となっている場合には、設定変更モード及び設定確認モードの何れのモードにも制御されることなく、後述するステップS21TM4760(設定コマンドの送信)に移行する。また、ステップS21TM4070で、錠スイッチ21TM051がOFF状態であることが確認されると(ステップS21TM4070でNO)、設定変更モード及び設定確認モードの何れのモードにも制御されることなく、後述するステップS21TM4760(設定コマンドの送信)に移行する。
バックアップRAM領域のデータチェックにおいて(ステップS21TM4010)、チェック結果が異常であれば(ステップS21TM4010でNO)、CPU103は、ステップS21TM4120に移行する。また、設定値格納領域に格納されている値のチェックにおいて(ステップS21TM4020)、設定値格納領域に正規の値(0〜5)が格納されていない場合には(ステップS21TM4020でNO)、CPU103は、ステップS21TM4120に移行する。また、設定変更中フラグのチェックにおいて(ステップS21TM4030)、設定変更中フラグがセットされていることが確認された場合には(ステップS21TM4030でYES)、CPU103は、ステップS21TM4120に移行する。
ここで、仮に、設定値格納領域に正規の値(0〜5)が格納されている場合であっても、バックアップRAM領域の一部が壊れている場合には、ステップS21TM4010でNOと判定されて、ステップS21TM4120に移行する。即ち、設定値格納領域に格納されている値が不適切である可能性がある場合には、設定変更モード移行条件(後述するステップS21TM4120〜ステップS21TM4140)が成立していることに基づいて設定変更モードに制御されることになる。また、仮に、バックアップRAM領域のデータチェックにおいて(ステップS21TM4010)、チェック結果が正常であっても(ステップS21TM4010でYES)、設定値格納領域に正規の値(0〜5)が格納されていない場合には(ステップS21TM4020でNO)、設定変更モード移行条件(後述するステップS21TM4120〜ステップS21TM4140)が成立していることに基づいて設定変更モードに制御されることになる。また、前回の電源断発生時に設定変更モードに制御されていた場合には、設定変更モード移行条件(後述するステップS21TM4120〜ステップS21TM4140)が成立していることに基づいて設定変更モードに制御されることになる。
ステップS21TM4120において、CPU103は、遊技機用枠3又はガラス扉枠3aが開放状態となっているか否かを確認する(ステップS21TM4120)。CPU103が、遊技機用枠3の開放状態又はガラス扉枠3aの開放状態を認識した場合には(ステップS21TM4120でYES)、錠スイッチ21TM051がON状態であるか否かを確認する(ステップS21TM4130)。
錠スイッチ21TM051がON状態であれば(ステップS21TM4130でYES)、CPU103は、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態であるか否かを確認する(ステップS21TM4140)。
クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態であれば(ステップS21TM4140でYES)、CPU103は、RAMクリアフラグを1に設定する(ステップS21TM4150)。そして、図9−7に示す、設定変更モードに関連したステップS21TM4510以降の処理が実行される。
一方、ステップS21TM4120で、遊技機用枠3の開放状態又はガラス扉枠3aの開放状態を認識しなかった場合(ステップS21TM4120でNO)、即ち、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aが何れも閉鎖状態となっている場合、ステップS21TM4130で、錠スイッチ21TM051がON状態となっていない場合(ステップS21TM4130でNO)、ステップS21TM4140において、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態となっていない場合(ステップS21TM4140でNO)には、CPU103は、設定変更モードに関連したステップS21TM4510以降の処理を実行することなく、設定値格納領域に格納されている設定値が異常である可能性があることを示す設定値異常エラーコマンドを演出制御用CPU120に送信する。
演出制御用CPU120は、設定値異常エラーコマンドを受信すると、画像表示装置5において、設定値が異常である可能性があることを報知する。例えば「設定値が異常である可能性があります」というメッセージを表示する。さらに、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において、一旦は電源断の状態(電源スイッチ21TM055をOFF)にした後、電源再投入時(電源スイッチ21TM055をON時)に設定変更モードに移行させて設定値を変更するための操作を行う(設定値を確定させる)ように促す報知を行う。例えば「電源断後に電源を再投入して設定変更モードに移行させて下さい」というメッセージを表示する。なお、スピーカ8L、8Rからの音声出力により、同様の報知を行うようにしても良い。
次いで、演出制御用CPU120は、電源断となるまで所定のループ処理(ステップS21TM4200〜ステップS21TM4220の繰り返し)を実行する。
このループ処理では、CPU103が、4msのウエイト(ステップS21TM4200)を行った後に、表示モニタ21TM029に「E」の文字を表示すること等により、「設定値が正規の値(0〜5)ではない可能性があるにもかかわらず設定変更モードに制御するための移行条件(ステップS21TM4120〜ステップS21TM4140で全てYESと判定されること)が成立しておらず設定変更モードに移行していないこと」を報知する(ステップS21TM4210)。そして、セキュリティ信号線の一端が接続されている出力端子(端子番号10)からセキュリティ信号を出力する(ステップS21TM4220)。セキュリティ信号はセキュリティ信号線の他端が接続されている外部装置(例えば、複数の遊技機の情報を管理するホールコンピュータ、当該遊技機に対応して設けられるカードユニット又は呼出ランプ装置等)に入力される。
ループ処理の期間は、表示モニタ21TM029が備える7セグメント表示器に、4ms毎に「E」の文字が表示されることになる。4msのウエイトを設けることで7セグメント表示器に過度の熱が滞留して表示器にダメージを及ぼすことを防止するようにしている。また、ループ処理の期間はセキュリティ信号が継続して出力されている。セキュリティ信号を外部出力することで、ホールコンピュータ等の外部装置において、セキュリティ信号が入力されたことに基づいて当該パチンコ遊技機1で所定事象(本例では、設定値が正規の値(0〜5)ではない可能性があるにもかかわらず設定変更モードに制御するための移行条件が成立しておらず設定変更モードに移行していないこと)が発生した可能性を特定可能となる。
ステップS21TM4200〜ステップS21TM4220のループ処理は、電力供給が停止するまで(電源スイッチ21TM055がOFFとされるまで)継続されることになる。
即ち、バックアップRAM領域のデータチェック結果が異常である場合(ステップS21TM4010でNO)、設定値が正規の値ではない場合(ステップS21TM4020でNO)、及び、設定変更中に電源断が発生した場合(即ち、電源投入時に設定変更中フラグがセットされていた場合であり、ステップS21TM4030でYESと判定される場合)、のいずれかに該当する場合には、この状態で遊技を行わせるべきではなく、通常遊技処理(例えば、賞球処理や特別図柄プロセス処理等を含む遊技制御用タイマ割込処理)に移行する前に、設定値格納領域の設定値を正規の値に確定させる必要がある。そのため、RAMクリアフラグをセットして設定変更モードに移行させるようにしている。
本実施形態では、設定値の変更が可能な状態(設定変更モード)とするためには、(1)遊技機用枠3が開放状態であり、(2)錠スイッチ21TM051がON状態であり、(3)クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態である、という3つの条件が必要となっている。CPU103は、ステップS21TM4120、ステップS21TM4130、及びステップS21TM4140の判定処理によって、これら(1)〜(3)の条件が何れも成立していることを確認したときに、設定値の変更が可能な状態(設定変更モード)に移行可能としている。
仮に、(1)〜(3)の条件のうち何れかの条件が成立していなければ、設定値の変更が許可されないため、設定値格納領域の設定値を正規の値に確定させることができず、通常遊技処理に移行させることができない。そのため、ステップS21TM4120、ステップS21TM4130、及びステップS21TM4140の判定処理のうち、何れかでNOと判定された場合には、前述したループ処理(ステップS21TM4200〜ステップS21TM4220)に移行する。
ループ処理(ステップS21TM4200〜ステップS21TM4220)に移行してしまうと通常遊技処理に移行することができなくなるため、遊技場の店員等は、一旦パチンコ遊技機1を電源断として再度電源を投入しなければならない。このように、設定変更モードに移行するための条件が成立していない場合には、一旦は電源断を行わせて、次の電源投入時に(1)〜(3)の条件を全て成立させるようにして、設定変更モードに移行させ、設定値格納領域の設定値を正規の値に確定させるようにしている。
なお、CPU103は、(1)〜(3)の条件のうち何れかの条件が成立していない場合には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bを、予め定められた電源断指示態様で発光させることにより、電源をOFF状態とするように促すようにしても良い。
本実施形態では、設定変更中フラグがセットされていない場合(ステップS21TM4030でNO)、設定値の変更を許可しないものの、設定値を確認することが可能な状態(設定確認モード)とするために、(1)遊技機用枠3が開放状態であり(ステップS21TM4060でYES)、(2)錠スイッチ21TM051がON状態である(ステップS21TM4070でYES)、という2つの条件が必要となっている。
しかしながら、設定変更中フラグがセットされている場合には(ステップS21TM4030でYES)、(1)遊技機用枠3が開放状態であり(ステップS21TM4120でYES)、(2)錠スイッチ21TM051がON状態である(ステップS21TM4130でYES)、という2つの条件が成立している場合であっても、設定確認モードに制御されることはない。これら(1)及び(2)の条件が成立している場合であっても、(3)ステップS21TM4140でクリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態でない(NO)と判定された場合には、設定変更モード及び設定確認モードの何れのモードにも制御されることなく遊技停止状態(ステップS21TM4200〜ステップS21TM4220のループ処理)に制御されることになる。
次に、設定変更モード及び設定確認モードに関連する処理について、図9−7及び図9−8を用いて説明する。図9−7の処理において、CPU103は、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値が、正規の値(本例では0〜5の何れか)に合致するか否かを確認する(ステップS21TM4510)。設定値格納領域に正規の値(0〜5)が格納されている場合には(ステップS21TM4510でYES)、ステップS21TM4530に移行する。設定値格納領域に正規の値(0〜5)が格納されていない場合には(ステップS21TM4510でNO)、CPU103は、設定値格納領域に、正規の値として、最も大当り確率が低い「0」を格納する(ステップS21TM4520)。そして、ステップS21TM4530に移行する。
次いで、CPU103は、4msのウエイト(ステップS21TM4530)を行った後に、電源断用処理を実行する(ステップS21TM4540)。電源断用処理において、CPU103は、不測の停電等を含む電源断に基づく電源断信号が入力されているか否かを確認して、電源断信号が入力されている場合には、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。即ち、電源断用処理では所定のバックアップ領域にチェックデータを格納する。
これにより、設定変更モード又は設定確認モードに制御されているときに(ステップS21TM4530〜ステップS21TM4620の繰返し処理、又は、ステップS21TM4530〜ステップS21TM4570及びステップS21TM4650の繰返し処理が行われているときに)、電源断が発生した場合、電源復旧後のステップS21TM4010で適切にデータチェックが実行されることになる。
次いで、CPU103は、設定値格納領域に格納されている設定値(本例では0〜5)に対応した値を、表示モニタ21TM029に表示させる(ステップS21TM4550)。ここで、表示モニタ21TM029に表示される値は、設定値格納領域に格納されている値(0〜5)に1を加算した値(1〜6)である。遊技場の店員は通常、設定値の範囲を1〜6と認識しているため、設定値格納領域に格納されている値をそのまま表示モニタ21TM029に表示させてしまうと、遊技場の店員が実際の設定値を誤って認識してしまうおそれがある。従って、本例では[設定値格納領域に格納されている値+1]を、設定値として表示モニタ21TM029に表示させるようにしている。次いで、CPU103は、セキュリティ信号を出力する(ステップS21TM4560)。
次いで、CPU103は、RAMクリアフラグが0であるか否かを確認する(ステップS21TM4570)。RAMクリアフラグが0であれば(ステップS21TM4570でYES)、即ち、モード(ここでは設定確認モード)終了後にRAMクリアが実行されない場合には、CPU103は、設定確認モードに制御されたことを指定する設定確認モードコマンドを送信し(ステップS21TM4650)、ステップS21TM4680に移行する。演出制御用CPU120は、設定確認モードコマンドを受信したことに基づいて、遊技制御用マイクロコンピュータ100が設定確認モードに移行したことを特定可能である。従って、画像表示装置5やスピーカ8L、8Rにより、当該遊技機が設定確認モードに制御されていることを報知することが可能となる。
一方、RAMクリアフラグが1であれば(ステップS21TM4570でNO)、即ち、モード(ここでは設定変更モード)終了後にRAMクリアが実行される場合には、CPU103は、設定値の変更が行われている可能性があることを示す設定変更中フラグをセットする(ステップS21TM4580)。設定変更中フラグの値が格納される領域は、バックアップRAM領域に含まれるため、電源断の状態となっても、設定変更中フラグの値は保持される。そのため設定変更モードに制御されているときに電源断が発生した場合には、次回の電源投入時に設定変更中フラグの値が1の状態(セット状態)となっている。
次いで、CPU103は、設定変更モードに制御されたことを指定する設定変更モードコマンドを送信する(ステップS21TM4590)。演出制御用CPU120は、設定変更モードコマンドを受信したことに基づいて、遊技制御用マイクロコンピュータ100が設定変更モードに移行したことを特定可能である。従って、画像表示装置5やスピーカ8L、8Rにより、当該遊技機が設定変更モードに制御されていることを報知することが可能となる。
次いで、CPU103は、設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052が操作されたか否かを示す設定切替スイッチ情報を入力し(ステップS21TM4600)、設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052が操作されたか否かを確認する(ステップS21TM4610)。
設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052が操作されていなければ(ステップS21TM4610でNO)、CPU103は、ステップS21TM4680に移行する。設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052が操作された場合には(ステップS21TM4610でYES)、CPU103は、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値を更新して(ステップS21TM4620)、ステップS21TM4680に移行する。更新された設定値は次回のステップS21TM4550で表示モニタ21TM029に表示される。
遊技場の店員が、設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052を操作する(ステップS21TM4610でYES)毎に、設定値格納領域に格納されている設定値が更新される(ステップS21TM4620)。例えば、正規の設定値が0〜5の範囲であり、設定変更モードに制御されたとき(電源投入時、前回の電源断発生時)に設定値格納領域に格納されていた設定値が3であったとすると、設定変更操作毎に、設定値格納領域に格納される設定値が、3→4→5→0→1→2→3の順序で更新され、これに応じて、表示モニタ21TM029に表示される情報が、4→5→6→1→2→3→4の順序で更新されることになる。
ここで、現在の設定値の表示(ステップS21TM4550)及びセキュリティ信号の出力(ステップS21TM4560)、並びに設定確認モードコマンドの送信(ステップS21TM4650)を実行可能であるが、設定変更モードコマンドの送信(ステップS21TM4590)及び設定値の更新(ステップS21TM4620)を実行できない状態は、設定値の確認は可能であるか設定値の変更はできない設定確認モードに相当する。設定確認モードに制御されている期間は、ステップS21TM4530〜ステップS21TM4570及びステップS21TM4650の処理が繰り返し実行されることになる。
設定確認モードには、錠スイッチ21TM051がON状態であり(ステップS21TM4070でYESと判定され)、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がOFF状態であること(ステップS21TM4040でNOと判定されてRAMクリアフラグが0のままであること)に基づいて制御される。
また、現在の設定値の表示(ステップS21TM4550)及びセキュリティ信号の出力(ステップS21TM4560)を実行可能であると共に、設定変更モードコマンドの送信(ステップS21TM4590)及び設定値の更新(ステップS21TM4620)を実行可能な状態は、設定値の確認及び変更が可能な設定変更モードに相当する。
設定変更モードには、錠スイッチ21TM051がON状態であり(ステップS21TM4070又はステップS21TM4130でYESと判定され)、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態であること(ステップS21TM4040又はステップS21TM4140でYESと判定されて、ステップS21TM4050又はステップS21TM4150でRAMクリアフラグが1に設定されていること)に基づいて制御される。
なお、設定確認モードコマンドに関しては、設定確認モード制御時に1回のみ送信されるコマンドである。そのため、CPU103は、設定確認モードコマンドを送信したときに、設定確認モードコマンドを送信したことを特定可能であり電源断時のバックアップ記憶が不要な設定確認モードコマンド送信フラグをセットするようにしておき、設定変更中フラグがクリアされたとき(ステップS21TM4720)に、設定確認モードコマンド送信フラグをクリアするようにしても良い。そして、設定確認モードコマンド送信フラグがセットされていない場合にのみ、設定確認モードコマンドを送信可能としても良い。同様に、設定変更モードコマンドに関しては、設定変更モード制御時に1回のみ送信されるコマンドである。そのため、CPU103は、設定変更モードコマンドを送信したときに、設定変更モードコマンドを送信したことを特定可能であり電源断時のバックアップ記憶が不要な設定変更モードコマンド送信フラグをセットするようにしておき、設定変更中フラグがクリアされたとき(ステップS21TM4720)に、設定変更モードコマンド送信フラグをクリアするようにしても良い。そして、設定変更モードコマンド送信フラグがセットされていない場合にのみ、設定変更モードコマンドを送信可能としても良い。
CPU103は、ステップS21TM4680において、錠スイッチ21TM051がOFF状態であるか否かを確認する。そして、錠スイッチ21TM051がON状態であれば(ステップS21TM4680でNO)、再び4msのウエイト(ステップS21TM4530)を行った後にステップS21TM4540以降の処理を繰り返す。即ち、RAMクリアフラグの値が0であれば設定確認モードの制御を継続し、RAMクリアフラグの値が1であれば設定変更モードの制御を継続する。
ステップS21TM4680において、錠スイッチ21TM051がOFF状態であれば(ステップS21TM4680でYES)、CPU103は、設定変更モード又は設定確認モードを終了させて、セキュリティ信号タイマの値として1000msを設定する(ステップS21TM4710)。セキュリティ信号タイマの値として所定時間が設定されることで、その後、通常遊技処理に移行した際の情報出力処理において、セキュリティ信号タイマの値が所定時間から0msになるまでセキュリティ信号が継続して出力されることになる。例えば、遊技制御用タイマ割込処理が2ms毎に実行される場合には、セキュリティ信号タイマの値が2msずつ減算され、0msになった時点でセキュリティ信号の出力が停止される。従って、ステップS21TM4710の時点では、設定変更モードが終了したのか、あるいは、設定確認モードが終了したのかにかかわらず、セキュリティ信号の残り出力期間が1000msに設定されていることになる。
即ち、図9−9(1)に示すように、設定変更モード及び設定確認モードの何れかの制御の開始に対応してセキュリティ信号の出力を開始し(ステップS21TM4560)、設定変更モード及び設定確認モードの何れかの制御の終了に対応して、設定変更モード及び設定確認モードの何れかの制御の終了から少なくとも1secが経過するまでセキュリティ信号を継続して出力するようにセキュリティ信号タイマの値をセットする(ステップS21TM4710)。
ここで、ステップS21TM4560でセキュリティ信号の出力を開始する処理は、設定変更モードに制御されるか、あるいは設定確認モードに制御されるかにかかわらず(何れのモードに制御されるかの判定を行うことなく)共通の処理として実行されている。また、ステップS21TM4710においてセキュリティ信号の残り出力期間をセットする処理も、設定変更モードに制御されたのか、あるいは設定確認モードに制御されたのかにかかわらず(何れのモードに制御されたかの判定を行うことなく)共通の処理として実行されている。このように、設定変更モードに制御される場合と、設定確認モードに制御される場合とで、セキュリティ信号の出力開始制御及び出力終了制御を共通化することにより、セキュリティ信号の出力制御を簡素化し、制御負担を軽減させることができる。
また、設定変更モード及び設定確認モードの何れかの制御の開始に対応してセキュリティ信号の出力を開始し、設定変更モード及び設定確認モードの何れかの制御の終了に対応してセキュリティ信号の出力を停止することにより、ホールコンピュータ等の外部装置に対して、当該遊技機が設定変更モード又は設定確認モードに制御された可能性があることを適切に通知することができる。
ここで、設定変更モード又は設定確認モードの制御が終了した直後のステップS21TM4710では、設定変更モードに制御された場合と、設定確認モードに制御された場合とで共通の値(1000ms)をセキュリティ信号タイマにセットしている。しかしながら、設定変更モードに制御された場合と、設定変更モードに制御された場合とで、セキュリティ信号の出力開始制御及び出力終了制御を両方とも共通化してしまうと、外部装置側で何れのモードに制御されたのかを把握することが困難となってしまう。
そこで、本実施形態では、図9−9(2)に示すように、設定変更モードに制御された場合、即ちRAMクリアフラグが1にセットされている場合には、一旦はステップS21TM4710でセキュリティ信号タイマの値として1000msをセットした後に、後述するステップS21TM4770でNOと判定されたことに基づいて、RAMクリア後のステップS21TM1465でセキュリティ信号タイマの値として30000msを再セットする(上書きする)ようにしている。即ち、セキュリティ信号の残り出力期間を一旦は1secにセットした後に、セキュリティ信号の残り出力期間を30secに再セットする(上書きする)ようにしている。
以上に示した信号出力制御を行った場合、セキュリティ信号の最終的な出力停止タイミングは、図9−9(2)に示すように、設定確認モードに制御されていた場合には設定確認モード終了から1secが経過したタイミングとなり、設定変更モードに制御されていた場合には設定変更モード終了から30secが経過したタイミングとなる。
具体的には、設定確認モードに制御されていた場合(RAMクリアが行われず、セキュリティ信号タイマの値が1秒から変更されなかった場合)には、割込許可後の遊技制御用タイマ割込処理(例えば、情報出力処理)において、セキュリティ信号タイマの値が1000msから0msになるまでセキュリティ信号の出力を継続し、設定変更モードに制御されていた場合(RAMクリアが行われた場合であり、セキュリティ信号タイマの値が1秒から30秒に変更された場合)には、割込許可後の遊技制御用タイマ割込処理(例えば、情報出力処理)において、セキュリティ信号タイマの値が30000msから0msになるまでセキュリティ信号の出力を継続することになる。なお、設定確認モードに制御されていた場合、設定変更モードに制御されていた場合に、遊技制御用タイマ割込処理に移行する前のタイミングで、セキュリティ信号タイマの値が所定時間(1000ms又は30000ms)から0msになるまでセキュリティ信号の出力を継続するようにして、セキュリティ信号の出力終了後に遊技制御用タイマ割込処理に移行するようにしても良い。
このように、設定確認モードの制御が終了した場合と、設定変更モードの制御が終了した場合とで、少なくとも1secはセキュリティ信号が継続して出力されることになり、設定変更モードに制御された場合には、設定変更モードの制御が終了してから30secが経過するまでセキュリティ信号が継続して出力されることになる。このような構成により、セキュリティ信号の出力制御を共通化しつつ、設定確認モードに制御された場合と、設定変更モードに制御された場合とで、セキュリティ信号の出力期間を異ならせることができる。
その結果、外部装置においては、初期化処理が実行されずに設定確認モードに制御されたのか、又は、初期化処理が実行されて設定変更モードに制御されたのかを把握することも可能となる。例えば、セキュリティ信号の出力期間が30秒未満であれば初期化処理が実行されることなく設定確認モードに制御されたことを特定可能であり、セキュリティ信号の出力期間が30秒以上であれば初期化処理が実行されて設定変更モードに制御された可能性があることを推定可能となる。
なお、磁気異常等の遊技停止対象エラーが異常検出センサにより検出された場合にも、セキュリティ信号が出力されることになる。この場合のセキュリティ信号は、遊技機の電源がOFFとなるまで継続して出力される。また、CPU103は、異常検出センサにより異常が検出されたことに基づいてRAM102のバックアップ領域(ただし初期化処理によりクリアされる領域)に異常検出フラグをセットする。そして、電源復旧時に異常検出フラグがセットされていることに基づいて、セキュリティ信号を4分間出力するものとする。
ここで、電源復旧時に設定確認モードに制御された場合には、RAMクリアが実行されないため、信号出力処理において異常検出フラグの値が初期化されずにセットされたままの状態となっており、セキュリティ信号を電源ONから4分間継続して出力することが可能である。即ち、セキュリティ信号の出力期間を、設定確認モードの制御終了から1秒が経過するまでの期間に限定させないことが可能となる。一方で、電源復旧時に設定変更モードに制御された場合には、RAMクリアが実行されることになるため、その後の信号出力処理において異常検出フラグがクリアされた状態となっており(電源断発生時に異常が検出されていたか否かが不明な状態となっており)、結果として、セキュリティ信号の出力期間は、設定変更モードの終了から30秒が経過するまでの期間(RAMクリアの実行に応じた期間)となる。
なお、図9−7のステップS21TM4710に示す例では、セキュリティ信号タイマの値として1秒を設定するようにしているが、このような形態に限らず、設定変更モード又は設定確認モードの終了後に最初に設定するセキュリティ信号タイマの値は、少なくともセキュリティ信号が出力されたことを外部装置側で認識可能な期間であれば良く、例えば50ms以上であれば良い。即ち、設定変更モードが終了した場合と設定確認モードが終了した場合とで、共通の50msをセキュリティ信号タイマの値として設定しても良い。
ステップS21TM4710の処理の後、CPU103は、設定変更中フラグをクリアする(ステップS21TM4720)。ここで、設定変更中フラグがクリアされたことにより、これ以降に電源断が発生した場合には、電源復旧時に設定変更中フラグがセットされていない(ステップS21TM4030でNO)と判定されることになる。
次いで、CPU103は、表示モニタ21TM029に表示している設定値を消去する(ステップS21TM4730)。そして、設定値格納領域に格納されている設定値(0〜5の何れか)を設定コマンドにセットして、その設定コマンドを送信する(ステップS21TM4760)。なお、電源投入時に設定変更モード及び設定確認モードの何れのモードにも制御されない場合であっても、ステップS21TM4760の処理は実行されることになり、設定コマンドが送信される。
ここで、遊技者は通常、設定値の範囲を1〜6と認識しており、演出制御用CPU120側で、設定コマンドが指定する値(設定値格納領域に格納されている値)をそのまま画像表示装置5に表示してしまうと、遊技者が設定値を誤って理解してしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、演出制御用CPU120側で、設定コマンドにより指定される値(0〜5)に1を加算した値を設定値(1〜6)として認識し、設定値1〜6の範囲で、設定値を示唆する演出を実行するようにしている。
なお、このような形態に限らず、CPU103が、設定値格納領域に格納されている設定値(0〜5)に1を加算した値(1〜6)を設定コマンドにセットして、演出制御用CPU120に送信するようにしても良い。これにより、設定コマンドが指定する設定値の範囲は1〜6となり、遊技者が通常認識している範囲と合致することになる。演出制御用CPU120側では、設定コマンドが指定する設定値(1〜6)をそのまま画像表示装置5に表示したり、あるいは、設定コマンドが指定する設定値(1〜6)を示唆する演出を実行することで、適切に設定値を報知又は示唆することができる。また、演出制御用CPU120側で、受信した設定コマンドが指定する設定値に対して加算処理を行うことも不要となり、演出制御用CPU120側の制御負担を軽減できる。
前述したように、演出制御用CPU120は、設定コマンドの受信により、設定確認モード又は設定変更モードが終了したことを特定可能である。また、設定コマンドが指定する設定値に応じた演出を実行することにより、設定値を示唆することが可能である。例えば、大当り遊技状態が終了したときに実行されるエンディング演出の態様を、指定された設定値に応じて異ならせることで、遊技者に設定値を示唆することが可能である。
次いで、CPU103は、RAMクリアフラグの値が0であるか否かを確認する(ステップS21TM4770)。
ここで、RAMクリアフラグの値が0である(ステップS21TM4770でYES)ということは、バックアップRAM領域のデータチェック結果が正常であり(ステップS21TM4010でYES)、設定値が正規の値である(ステップS21TM4020でYES)、と判定され、且つ、設定変更中に電源断が発生しておらず(ステップS21TM4030でNO)、さらに、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がOFF状態である(ステップS21TM4040でNO)ということであるから、RAMクリアを伴わない電源断復旧時の処理を実行すれば良い。
CPU103は、RAMクリアフラグの値が0である場合、電源投入時にバックアップRAM領域のデータチェック結果が正常であった場合の処理を実行して、割込許可後に遊技制御用タイマ割込処理(特別図柄プロセス処理等を含む)に移行すれば良い。即ち、設定変更モード及び設定確認モードの何れにも制御されなかった場合、又は、設定確認モードの制御が終了した場合には、CPU103は、RAMクリアフラグの値が0であることに基づいてRAMクリアを実行することなく、電源断復旧時のコマンドとしてバックアップコマンドを送信して、通常遊技処理に移行することになる。
演出制御用CPU120では、このバックアップコマンド(復旧時のコマンド)を受信したことに基づいて、電力供給停止時のデータに基づいて電源断からの復旧が行われたこと(RAMクリアは行われてないこと)を認識する。演出制御用CPU120は、バックアップコマンドを受信すると、例えば画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等の演出装置において、電力供給停止時のデータに基づいて電源断からの復旧が行われたこと(RAMクリアは行われてないこと)を報知することが可能である。
一方、RAMクリアフラグの値が1である(ステップS21TM4770でNO)ということは、ステップS21TM4050又はステップS21TM4150で、RAMクリアが1に設定されており、RAMクリアを実行することに決定されているということであるから、RAMクリアを伴う電源投入時の処理を実行すれば良い。
CPU103は、RAMクリアフラグの値が1である場合、セキュリティ信号タイマの値として30秒を設定する処理、及び電源投入時にバックアップRAM領域のデータチェック結果が異常であった場合の処理を実行して、割込許可後に遊技制御用タイマ割込処理(特別図柄プロセス処理等を含む)に移行すれば良い。
図9−8に示すように、CPU103は、RAMクリアフラグが1であることに基づいてRAMクリア処理を行う(ステップS21TM1410)。RAMクリア処理では、RAM102の遊技状態情報格納領域に格納されている電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ、保留記憶等)はクリアされて、初期値が設定されるが、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値はクリアされず、RAMクリア処理の前から変更されない。また、設定値毎に、連比、役比、及びベース等の各集計値(表示モニタ21TM029に表示可能な遊技情報)が記憶されている領域も、クリアされず、これら設定値毎の各集計値は、RAMクリア処理の前から変更されない。そして、表示モニタ21TM029に「C」の文字を表示すること等により、遊技状態が初期化されたことを報知する(ステップS21TM1420)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM102の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。
このRAMクリア処理において設定値格納領域に格納されている設定値をクリアさせない理由は、(a)設定変更モードに制御されなかった場合には、電源投入時に設定値格納領域には正規の値が格納されていたことになり(ステップS21TM4020でYES)、(b)設定変更モードに制御された場合には、設定値格納領域の値が0に設定されたか(ステップS21TM4520)又は設定変更モード中の操作によって正規の値が格納されている(ステップS21TM4610及びステップS21TM4620)ためである。さらに、RAMクリア処理以降は、設定変更モードに制御することができず、設定値格納領域に格納されている値を変更する機会がないためである。
次いで、CPU103は、ROM101に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS21TM1430)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS21TM1440)。ステップS21TM1430およびステップS21TM1440の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
ステップS21TM1430、ステップS21TM1440の実行後、CPU103は、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値を読み出す(ステップS21TM1450)。後述する遊技制御用タイマ割込処理では、ここで読み出された設定値に基づいて特別図柄プロセス処理における大当り判定が実行される。次いで、CPU103は、電源投入時(あるいは設定変更モードの終了時)に初期化処理が行われたことを指定する初期化コマンドを送信する(ステップS21TM1460)。演出制御用CPU120では、この初期化コマンドを受信したことに基づいて、初期化処理が行われたこと(電力供給停止時のデータに基づいて電源断からの復旧が行われずに、RAMクリアが行われたこと)を認識する。演出制御用CPU120は、初期化コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等の演出装置において、遊技状態等の初期化が行われたこと(電力供給停止時のデータに基づいて電源断からの復旧が行われずに、RAMクリアが行われたこと)を報知することが可能である。
次いで、CPU103は、セキュリティ信号タイマの値として30秒を設定する(ステップS21TM1465)。これにより、設定変更モード終了後のステップS21TM4710で設定されていたセキュリティ信号タイマの値(1秒)が、RAMクリアが実行されたことに対応した値(30秒)に変更(上書き)されることになる。また、設定変更モード及び設定確認モードの何れのモードにも制御されることなくRAMクリアが実行された場合には、ステップS21TM4710が実行されることなく(セキュリティ信号タイマの値として1秒が設定されることなく)、セキュリティ信号タイマの値が、RAMクリアが実行されたことに対応した30秒に設定される。一方、RAMクリアが実行されなかった場合(設定確認モードに制御された場合を含む)には、このステップS21TM1465の処理は実行されないので、セキュリティ信号タイマの値はステップS21TM4710で設定された1秒のままである。
このステップS21TM1465又は前述したステップS21TM4710で、セキュリティ信号タイマの値が設定されたことにより、割込許可後の遊技制御用タイマ割込処理においてセキュリティ信号が出力されることになり(情報出力処理)、その後、割込許可により遊技制御用タイマ割込処理が実行される毎に、セキュリティ信号タイマの値が2msずつ減算され、セキュリティ信号タイマの値が0となったタイミングでセキュリティ信号の出力が停止されることになる。
そして、CPU103は、シリアル通信回路21TM505の設定処理を実行する(ステップS21TM1480)。この設定処理では、主基板11の出力回路21TM067から払出制御基板21TM037の入力回路21TM373Aに接続確認信号が出力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100のシリアル通信回路21TM505と、払出制御用マイクロコンピュータ21TM370のシリアル通信回路21TM380との通信を実行可能な状態に設定する。
次に、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS21TM1490)。CPU103は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路104に特図表示結果判定用の乱数値MR1の値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS21TM1500において、CPU103は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
次いで、CPU103は、表示用乱数更新処理(ステップS21TM1520)および初期値用乱数更新処理(ステップS21TM1530)を繰返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS21TM1510)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS21TM1540)。これにより、遊技制御用タイマ割込み処理を実行可能な通常遊技処理に移行する。本実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、本例では、CPU103は、ステップS21TM4770でRAMクリアフラグが0である(YES)と判定された場合、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aが何れも閉鎖状態となっているか否かを確認することなく(遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの状態によらず)、電源断復旧時の処理に移行しているが、このような形態に限らず、ステップS21TM4770でRAMクリアフラグが0である(YES)と判定された場合、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aが何れも閉鎖状態となっていることを条件として(遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの状態に応じて)、電源断復旧時の処理に移行しても良い。
また、本例では、CPU103は、ステップS21TM4770でRAMクリアフラグが1である(NO)と判定された場合、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aが何れも閉鎖状態となっているか否かを確認することなく(遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの状態によらず)、電源投入時の処理(ステップS21TM1410(RAMクリア)以降の処理)に移行しているが、このような形態に限らず、ステップS21TM4770でRAMクリアフラグが1である(NO)と判定された場合、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aが何れも閉鎖状態となっていることを条件として(遊技機用枠3又はガラス扉枠3aの状態に応じて)、電源投入時の処理(ステップS21TM1410(RAMクリア)以降の処理)に移行しても良い。
以上に示したように、遊技場の店員等は、電源投入時に錠スイッチ21TM051をON状態とし、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052をON状態とすることで、パチンコ遊技機1を設定変更モードに制御させることが可能であると共に、遊技状態等を初期化させること(RAMクリアを実行させること)ことが可能となる。また、電源投入時に錠スイッチ21TM051をON状態とし、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052をOFF状態とすることで、パチンコ遊技機1を設定確認モードに制御させることが可能であると共に、遊技状態等を初期化させない(ステップS21TM4040又はステップS21TM4140でNOと判定させてRAMクリアフラグを1に設定させないこと)ことが可能となる。このように、遊技場の店員は、パチンコ遊技機1を設定変更モード及び設定確認モードの何れに制御させるのかを選択可能であると共に、遊技状態等を初期化させるか否かも選択可能となっている。
前述したように、電源投入時に設定変更中フラグがセットされている場合には、電源断発生時に設定変更モードに制御されていたことになるため、設定値が不安定な状態となっており、遊技場側で確定させようとしている設定値が設定値格納領域に格納されていない可能性がある。図9−6〜図9−8に示した例では、CPU103は、設定変更中フラグがセットされていること(ステップS21TM4030でYES)に基づいて、通常遊技処理に移行させず遊技停止状態(ステップS21TM4200〜ステップS21TM4220のループ処理)に制御可能なようにしており、遊技停止状態への制御に対応してセキュリティ信号を出力するようにしている(ステップS21TM4220)。
このような構成とすることにより、設定値が不安定な状態で遊技が開始される(遊技制御用タイマ割込処理が実行される)ことを防止するとともに、電源が投入されたときに、電源断発生時に設定変更モードに制御されていたことを外部装置に通知可能としている。
また、図9−6〜図9−8に示した例では、CPU103は、設定変更中フラグがセットされていること(ステップS21TM4030でYES)に基づいて、設定変更モードに移行するための条件(ステップS21TM4120〜ステップS21TM4140が全てYESであること)が成立していない場合に、設定値異常エラーコマンドを送信する(ステップS21TM4190)とともに、遊技停止状態(ステップS21TM4200〜ステップS21TM4220のループ処理)において表示モニタ21TM029に「E」の文字を表示するエラー表示を行う(ステップS21TM4210)。
図9−10に示す例では、表示モニタ21TM029を構成する各7セグメント表示器21TM029A〜21TM029Dに、それぞれ「E」の文字を表示することで、遊技場の店員に異常の発生(設定変更モードに制御されていた状態で電源断が発生した可能性があること)を明確に報知するようにしている。また、設定値異常エラーコマンドを受信した演出制御用CPU120は、画像表示装置5に「電源断後に電源を再投入して設定変更モードに移行させて下さい」というメッセージを表示することにより、遊技場の店員等に、一旦は電源断の状態(電源スイッチ21TM055をOFF)にした後、電源再投入時(電源スイッチ21TM055をON時)に設定変更モードに移行させて設定値を変更するための操作を行う(設定値を確定させる)ように促す報知を行う。
本例では、(a)電源投入時に設定変更中フラグがセットされていた場合において、設定変更モードに制御するための移行条件が成立している場合、即ち、(i)遊技機用枠3が開放状態であり(ステップS21TM4120でYES)、(ii)錠スイッチ21TM051がON状態であり(ステップS21TM4130でYES)、且つ、(iii)クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態である(ステップS21TM4140でYES)、と判定された場合には、設定変更モードに制御される。その結果、主基板11側でのエラー表示(ステップS21TM4210:表示モニタ21TM029における「E」の表示)は実行されず、演出制御基板12側でのメッセージ表示(「電源断後に電源を再投入して設定変更モードに移行させて下さい」)も行われないことになる。
ここで、設定変更モードコマンド(ステップS21TM4590)を受信した演出制御用CPU120では、画像表示装置5に設定変更モードに制御されたこと、即ち、設定変更操作(設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052の操作)に応じて設定値の変更が可能であることを報知できる。例えば、「設定変更モード中です」というメッセージや、「設定変更操作を行って設定値を変更して下さい」というメッセージを画像表示装置5に表示させることができる。これにより、遊技場の店員等は、設定変更モードに制御されていることを把握可能であり、設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052を操作することで、設定値格納領域に格納されている設定値を、予定していた設定値に変更した後に、錠スイッチ21TM051をOFF状態に切り替えることで、設定値を確定させてパチンコ遊技機1を通常遊技処理に移行させることができる。
一方で、(b)電源投入時に設定変更中フラグがセットされていた場合において、設定変更モードに制御するための移行条件が成立していない場合、即ち、上記(i)〜(iii)のうちの何れかの条件が不成立の場合には、設定変更モードに制御されることなく、設定値異常エラーコマンド送信(ステップS21TM4190)後に遊技停止状態(ステップS21TM4200〜ステップS21TM4220のループ処理)に制御される。その結果、主基板11側でのエラー表示(ステップS21TM4210:表示モニタ21TM029における「E」の表示)が実行されるとともに、演出制御基板12側でのメッセージ表示(「電源断後に電源を再投入して設定変更モードに移行させて下さい」)も行われることになる。
このように、主基板11側でのエラー表示(ステップS21TM4210:表示モニタ21TM029における「E」の表示)が実行されるとともに、演出制御基板12側でのメッセージ表示(「電源断後に電源を再投入して設定変更モードに移行させて下さい」)も行われる場合には、遊技機の状態として、設定変更モード中に電源断が発生したにもかかわらず電源復旧後に設定変更モードへの移行条件が成立していない状態であることが報知されることになる。この場合には、遊技場の店員等は、設定変更モードに制御されておらず、遊技停止状態となっていること(電源を再投入して設定変更モードに制御させる必要があること)を把握可能である。従って、一端電源をOFFにした後に、設定変更モードへの移行条件(i)〜(iii)が全て成立するように操作して電源を再投入する。そして、設定変更モードにおいて、設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052を操作することで、設定値格納領域に格納されている設定値を、予定していた設定値に変更した後に、錠スイッチ21TM051をOFF状態に切り替えることで、設定値を確定させてパチンコ遊技機1を通常遊技処理に移行させることができる。
このように、設定変更モードにおいて電源断が発生した場合には、電源復旧時に遊技機の状態を適切に報知することができる。
ここで、電源復旧時に設定変更モードへの移行条件が成立している(a)の場合には、主基板11側でのエラー表示(ステップS21TM4210:表示モニタ21TM029における「E」の表示)が行われることなく自動的に設定変更モードに移行されることになり、不要なエラー表示を回避して適切に設定値の変更を促すことができる。
一方で、電源復旧時に設定変更モードへの移行条件が成立していない(b)の場合には、設定変更モード中に電源断が発生したにもかかわらず、電源復旧時に設定変更モードに移行できない状態となっているため、強制的に遊技停止状態(ステップS21TM4200〜ステップS21TM4220のループ処理)に制御され、主基板11側でのエラー表示(ステップS21TM4210:表示モニタ21TM029における「E」の表示)が行われることになる。これにより、設定値が確定していない不安定な状態での遊技の進行を制限することができ、適切な遊技制御を実現できる。
なお、設定変更中フラグがセットされている場合に(ステップS21TM4030でYES)、設定変更モードに移行するための移行条件(i)〜(iii)が全て成立している場合と、移行条件(i)〜(iii)の何れかが成立していない場合とで、設定値が異常である可能性があることを示すコマンドとして異なるコマンドを送信するようにしても良い。
例えば、移行条件が成立している場合には、設定値が異常である可能性があることを示すコマンドであり且つ設定変更モードに移行されたこと(あるいは移行する条件が成立していること)を示すコマンドを送信し、このコマンドを受信した演出制御用CPU120では、「設定値が異常である可能性があります」というメッセージ及び「自動的に設定変更モードに制御されます」というメッセージを画像表示装置5に表示させるようにすると良い。一方、移行条件が成立していない場合には、前述したようにステップS21TM4190の設定値異常エラーコマンドを送信すると良い。
設定変更モード又は設定確認モードが終了して通常遊技処理へ移行した後は、遊技機用枠3及びガラス扉枠3aが何れも閉鎖状態となっているときに、(1)錠スイッチ21TM051が操作されたこと(OFF状態からON状態となったこと)に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御用CPU120に対して、錠スイッチ操作コマンドが送信され、(2)設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052が操作されたこと(OFF状態からON状態となったこと)に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御用CPU120に対して、設定切替スイッチ操作コマンドが送信されることになる。
そして、演出制御基板12(演出制御用CPU120)は、錠スイッチ操作コマンド、及び/又は、設定切替スイッチ操作コマンドを受信したことに基づいて、設定変更モード及び設定確認モードの何れにも制御されていないにもかかわらず、設定値を変更させるための操作が行われたことを特定して、その旨を報知可能である。例えば、錠スイッチ操作コマンドを受信したことに基づいて、画像表示装置5において「錠スイッチの操作を検出しました。」の文字を表示する異常操作警告報知を実行する。また、設定切替スイッチ操作コマンドを受信したことに基づいて、「設定切替スイッチの操作を検出しました。」の文字を表示する異常操作警告報知を実行する。これにより、遊技場の店員等は、設定変更モード及び設定確認モードの何れにも制御されていないにもかかわらず設定値を変更させるための操作が行われたことを明確に把握して、不正が行われていないか等を確認することができる。
なお、このような形態に限らず、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、設定変更モード又は設定確認モードが終了して通常遊技処理へ移行した後は、錠スイッチ21TM051が操作されたか否か、及び、設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052が操作されたか否か、を確認することなく、錠スイッチ操作コマンド及び設定切替スイッチ操作コマンドを送信しないようにしても良い。このように、通常遊技処理(遊技制御用タイマ割込処理)が実行されている期間は、設定値を変更するための操作及び設定値を確認するための操作の実行状況を確認しないようにすることで、遊技制御用マイクロコンピュータ100の制御負担を軽減することが可能になる。
(電源投入時処理の変形例)
図9−6に示した例では、電源投入時に設定変更中フラグがセットされていた場合には(ステップS21TM4030でYES)、(i)遊技機用枠3が開放状態であり(ステップS21TM4120でYES)、(ii)錠スイッチ21TM051がON状態であり(ステップS21TM4130でYES)、且つ、(iii)クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態である(ステップS21TM4140でYES)、という3条件が成立していることを確認した場合にのみ、RAMクリアフラグを1に設定して(ステップS21TM4150)、設定変更モードに移行した(ステップS21TM4570でNO)。
このような形態に限らず、図9−11に示すように、電源投入時に設定変更中フラグがセットされていた場合には(ステップS21TM4030でYES)、(i)〜(iii)の3条件が成立しているか否かを確認することなく、RAMクリアフラグを1に設定して(ステップS21TM4150)、設定変更モードに移行する(ステップS21TM4570でNO)ようにしても良い。
図9−11に示す処理では、バックアップRAM領域のデータチェック結果が異常である場合(ステップS21TM4010でNO)、設定値が正規の値ではない場合(ステップS21TM4020でNO)、設定変更中フラグがセットされている場合(ステップS21TM4030でYES)に、(i)〜(iii)の条件が成立しているか否かを判定することなく、RAMクリアフラグを1に設定して(ステップS21TM4150)、設定変更モードに制御され(ステップS21TM4570でNO)、遊技停止状態(ステップS21TM4200〜ステップS21TM4220のループ処理に相当する処理)には制御されない部分が、図9−6に示した処理と異なる。それ以外の部分は、図9−6〜図9−8に示した処理と同様である。
このような形態とした場合であっても、電源投入時に設定変更中フラグがセットされていることに基づいて、RAMクリアフラグが1に設定されて設定変更モードに移行されることになり、設定変更中に電源断が発生した場合の遊技機の状態を適切に定めることができる。
図9−11に示す例では、設定変更中フラグがセットされていない場合には(ステップS21TM4030でNO)、(i)遊技機用枠3が開放状態であり、(ii)錠スイッチ21TM051がON状態であり、且つ、(iii)クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態である、という3条件が成立していることに基づいて、設定変更モードに制御される(ステップS21TM4570でNOと判定されて、設定値格納領域の設定値を変更可能な状態となる)のに対して、設定変更中フラグがセットされている場合(ステップS21TM4030でYES)には、(i)〜(iii)の3条件が成立しているか否かにかかわらず、強制的に設定変更モードに制御されることになる。
このように、設定変更モードに制御されているときに電源断が発生した場合には、電源復旧時に設定変更中フラグが設定されていることに基づいて、(i)〜(iii)の3条件が成立しているか否かにかかわらず自動的に設定変更モードに制御されることにより、設定値を確定させるための作業性を向上させることができる。
ここで、設定変更中フラグがセットされている場合(ステップS21TM4030でYES)には、(ii)錠スイッチ21TM051がON状態である(ステップS21TM4130でYES)という条件が成立していない場合でも、設定変更モードに制御されることになる。その結果、設定変更モードにおいては、錠スイッチ21TM051がOFF状態のままで、設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052を操作することで、設定値格納領域に格納されている設定値が変更されることになる(図9−7のステップS21TM4610〜ステップS21TM4620)。
前述したように、設定変更モードを終了させる条件は、錠スイッチ21TM051をON状態からOFF状態に切り替えることである(ステップS21TM4680でYESと判定させることである)。そのため、設定値の変更操作を行った遊技場の店員は、設定値を確定して設定変更モードを終了させるために、錠スイッチ21TM051がOFF状態であれば、一旦、錠スイッチ21TM051をOFF状態からON状態に切り替えた後に、錠スイッチ21TM051をON状態からOFF状態に切り替える(ステップS21TM4680でYESと判定させる)ことになる。
このように、設定変更中フラグがセットされていない場合と(ステップS21TM4030でNO)、設定変更中フラグがセットされている場合とで(ステップS21TM4030でYES)、設定変更モードの制御を開始させる条件を異ならせる一方で、設定変更モードの制御を終了させる条件(錠スイッチ21TM051をON状態からOFF状態に切り替える操作)は共通化することで、設定変更モードの制御を終了させる条件を明確にして、適切に通常遊技処理に移行させるようにしている。
ここで、設定変更中フラグがセットされている(ステップS21TM4030でYES)ことに基づいて設定変更モードに制御された場合に、錠スイッチ21TM051をON状態にするように促す報知を行うようにしても良い。例えば、CPU103は、設定変更中フラグがセットされている場合に(ステップS21TM4030でYES)、ステップS21TM4150でRAMクリアフラグを1に設定するとともに、設定値異常エラーコマンドを送信する(前述したステップS21TM4190に相当する処理を実行する)ようにしておき、設定値異常エラーコマンド(ステップS21TM4110)を受信した演出制御用CPU120が、「錠スイッチを一旦ONにして、設定値変更後にOFFに切り替えて下さい」というメッセージを画像表示装置5に表示するようにしても良い。
なお、図9−6〜図9−8、並びに図9−11に示した処理においては、設定変更中フラグがセットされている状態では通常遊技処理に移行できないようになっている。そのため、遊技機メーカーが、パチンコ遊技機1を出荷する際(遊技場への設置前)に、予め設定変更中フラグをセットさせておくことで、その後、遊技場側では、設定変更モードを経て設定値を変更し、設定変更モードを終了させなければ、当該パチンコ遊技機1での遊技を行わせることができなくなる。これにより、遊技場でパチンコ遊技機1を設置する際に、確実に設定変更モードに制御させて設定変更操作を行わせ、設定値を確定させる措置をとるようにすることができる。
(設定値変更中に電源断が発生した場合の設定値記憶制御)
次に、設定値変更中に電源断が発生した場合の設定値記憶制御に関して、図9−12を用いて説明する。図9−7に示した例では、設定変更モードにおいて、設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052が操作されることで、設定値格納領域に格納されている設定値自体が変更されることになる。
まず、設定変更モード中に設定値の変更操作が行われて、錠スイッチ21TM051がON状態からOFF状態に切り替えられる前(設定変更モード終了前)に電源断が発生した場合の制御に関して、図9−12(1)を用いて説明する。
順番1に示すように、電源投入時に錠スイッチ21TM051をON状態として(クリアスイッチ21TM052もON状態として)設定変更モードに制御させるものとする。本例では、この電源投入時において、RAM102の設定値格納領域に設定値として「0」が格納されている。次いで、順番2に示すように、設定変更モードが開始されたことに伴い、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値「0」が読み出されて、読み出された設定値に1を加算した「1」が表示モニタ21TM029に表示されることになる。この時点で錠スイッチ21TM051はON状態のままである。
次いで、順番3に示すように、設定変更モードにおいて、1回目の設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052の操作が行われたことに基づいて、設定値格納領域に格納される設定値が「0」から「1」に変更され、変更後の設定値に1を加算した「2」が表示モニタ21TM029に表示されることになる。この時点で錠スイッチ21TM051はON状態のままである。さらに、順番4に示すように、設定変更モードにおいて、2回目の設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052の操作が行われたことに基づいて、設定値格納領域に格納される設定値が「1」から「2」に変更され、変更後の設定値に1を加算した「3」が表示モニタ21TM029に表示されることになる。この時点で錠スイッチ21TM051はON状態のままである。
次いで、順番5に示すように、設定変更モードにおいて、錠スイッチ21TM051がON状態のままで、即ち、設定変更モードを終了させる操作が行われる前に、電源断が発生したものとする。このとき、設定値格納領域には、2回目の設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052の操作が行われた後の設定値「2」が格納された状態である。電源断の状態では、RAM102のバックアップ領域に形成された設定値格納領域に格納されている設定値「2」がそのまま保持されることになる。
次いで、順番6に示すように、電源投入時に錠スイッチ21TM051をON状態として(クリアスイッチ21TM052もON状態として)設定変更モードに制御させるものとする。この電源投入時において、RAM102の設定値格納領域に設定値として「2」が格納されている。この設定値「2」は、前回の設定変更モード中の電源断発生時に設定値格納領域に格納されていた値である。
次いで、順番7に示すように、設定変更モードが開始されたことに伴い、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値「2」が読み出されて、読み出された設定値に1を加算した「3」が表示モニタ21TM029に表示されることになる。この時点で錠スイッチ21TM051はON状態のままである。
なお、順番6の電源投入時には、設定変更中フラグがセットされた状態であるため、前述した図9−11に示した制御を適用する場合、錠スイッチ21TM051がOFF状態であっても(又はクリアスイッチ21TM052がOFF状態であっても)、自動的に設定変更モードに制御されることになる。そのため、順番6及び順番7における錠スイッチ21TM051の状態は、OFF状態である場合がある。
このように、設定変更モードにおいて設定値の変更が行われて、錠スイッチ21TM051がOFF状態とされることなく(設定変更モードを終了させることなく)電源断が発生した場合には、電源復旧時に、前回の設定変更モードにおける変更後の設定値が設定値格納領域に保持された状態となっている。従って、電源復旧時には、既に予定していた設定値が設定されている場合もあり、この場合には、遊技場の店員は改めて設定値を変更する操作を行わずとも、設定変更モードを終了させて遊技機を通常遊技処理に移行させれば良いため、作業性を向上させることができる。
次に、設定変更モード中に設定値の変更操作が行われて、錠スイッチ21TM051がON状態からOFF状態に切り替えられた後(設定変更モード終了後)に電源断が発生した場合の制御に関して、図9−12(2)を用いて説明する。
順番1〜順番4に関しては、図9−12(1)に示した例と同様であり、説明を省略する。次いで、順番5に示すように、設定変更モードにおいて、錠スイッチ21TM051がON状態からOFF状態に切り替えられたことにより、設定変更モードが終了する。これにより、2回目の設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052の操作が行われた後の設定値「2」が、最終的な設定値として確定する。このとき設定値格納領域には設定値として「2」が格納されており、表示モニタ21TM029には、確定した設定値に1を加算した「3」が表示されている。
その後に、順番6に示すように、電源スイッチ21TM055をOFF状態とする操作が行われて、電力供給が停止された状態となったものとする。この電源断の状態では、RAM102のバックアップ領域に形成された設定値格納領域に格納されている設定値「2」がそのまま保持されることになる。
次いで、順番7に示すように、電源投入時に錠スイッチ21TM051をON状態として(クリアスイッチ21TM052もON状態として)設定変更モードに制御させるものとする。この電源投入時において、RAM102の設定値格納領域に設定値として「2」が格納されている。この設定値「2」は、前回の設定変更モード終了時に最終的に設定値格納領域に格納されていた値である。
次いで、順番8に示すように、設定変更モードが開始されたことに伴い、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値「2」が読み出されて、読み出された設定値に1を加算した「3」が表示モニタ21TM029に表示されることになる。この時点で錠スイッチ21TM051はON状態のままである。
図9−12(1)及び(2)に示すように、設定変更モードに制御されているときに電源断が発生した場合と、設定変更モードの制御が終了した後に電力供給が停止された場合とで、何れの場合にも、電源復旧時には、前回の設定変更モードにおける設定変更操作に応じて変更された後の設定値、即ち電源断直前に設定値格納領域に格納されていた設定値が、有効な設定値(電源復旧時に設定格納領域に格納されている設定値)となっている。
なお、図9−12に示した設定値の記憶制御に限られない。即ち、設定変更モードに制御されたときに設定値格納領域に格納されている設定値を設定情報一時記憶領域にコピーして、設定変更モードに制御されているときに設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052が操作された場合には、設定値格納領域の設定値を変更せずに設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値を変更し、設定変更モードを終了させる操作(錠スイッチ21TM051をON状態からOFF状態に切り替える操作)が行われたことに基づいて、設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値を設定値格納領域に格納して(上書きして)設定値を確定させるようにしても良い。なお、この場合に表示モニタ21TM029に表示させる設定値は、設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値(0〜5)に1を加算した値(1〜6)となり、設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値が変更されることに応じて、表示モニタ21TM029に表示される設定値も変化することになる。
このような構成とすることで、電源投入に伴い設定変更モードに制御され、設定変更操作が行われた場合(表示モニタ21TM029に表示される設定値が変更された場合)であっても、設定変更モードを終了させる操作が完了することなく(錠スイッチ21TM051がOFF状態に切り替えられることなく)、電源断が発生した場合には、RAM102の設定値格納領域に格納されている設定値は、電源投入時(設定変更モードにおいて設定変更操作が行われる前)から変更されていないことになる。即ち、電力供給停止状態では、前回の電源投入時に設定値格納領域に格納されていた設定値が引き続き保持されていることになる。従って、電源復旧後に設定変更モード又は設定確認モードに制御されたときに表示モニタ21TM029(第1表示部21TM029A)に表示される設定値は、前回の電源投入時にRAM102の設定値格納領域に格納されていた設定値に応じた値となる。
このように、設定変更モードに制御されているときに電源断が発生した場合の設定値を適切に定めることができる。また、設定変更モードが終了していない不安定な状態において電力供給が停止された場合に、設定値の変更を制限することができる。
上記の実施形態に示した設定変更モード及び設定確認モードに関連した制御は、複数の設定値(例えば0〜5)が設けられており、設定値に応じて大当り確率が異なる遊技機に対して適用可能であるが、これに限らず、複数の設定値(例えば0〜5)が設けられているものの、設定値によらず大当り確率は共通である(例えば、設定値0〜5の全てに関して大当り確率が300分の1である)遊技機に対しても適用可能である。
また、本特徴部21TMでは、以下に示す発明が開示されている。
特開2010−200902号公報(段落0007)に示すように、複数段階の設定値を外部からの設定変更操作に基づいて変更する設定変更手段を備える遊技機が提案されている。また、特開2014−200506号公報(段落0102)に示すように、主制御基板の外部出力端子から、「大当たり信号」等が出力される遊技機が提案されている。特開2010−200902号公報(段落0007)に記載されたような遊技機に関しては、設定値の変更等の際に、設定に関連する制御状態を外部装置側で把握することが必要となる場合があるが、特開2014−200506号公報(段落0102)に記載されている従来の遊技機の信号出力技術を適用しても、外部装置側でこれを把握することが困難であるという課題がある。手段O1〜手段O4に係る発明は、上記の実状に鑑みてなされたものであり、設定に関連する制御状態を遊技機外部に適切に通知可能な遊技機を提供することにある。
手段O1の遊技機は、
設定値(大当り判定用乱数の範囲が異なる設定値0〜5の6段階)に応じた制御(特別図柄プロセス処理における大当り判定処理等)を実行可能な遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
設定値を変更可能な設定変更モードに制御可能な設定変更モード制御手段(ステップS21TM4530〜ステップS21TM4620を実行可能な遊技制御用マイクロコンピュータ100)と、
設定値を確認可能な設定確認モードに制御可能な設定確認モード制御手段(ステップS21TM4530〜ステップS21TM4570及びステップS21TM4650を実行可能な遊技制御用マイクロコンピュータ100)と、
前記設定変更モード及び前記設定確認モードの何れかの制御の開始に対応して特定信号(セキュリティ信号)を出力する特定信号出力手段(ステップS21TM4560でセキュリティ信号を出力する遊技制御用マイクロコンピュータ100)と、
特定信号が出力される期間に関する値(セキュリティ信号タイマの値)を設定する設定手段(セキュリティ信号タイマの値をセットする遊技制御用マイクロコンピュータ100)と、を備え、
前記設定手段は、前記設定変更モードに制御される場合と前記設定確認モードに制御される場合とで共通の所定値を設定可能であり(ステップS21TM4710でセキュリティ信号タイマの値として1秒を設定し)、
前記特定信号出力手段は、前記設定変更モード及び前記設定確認モードの何れかの制御の終了に対応して、少なくとも前記所定値に対応した期間が経過するまで特定信号を出力する(設定確認モードの終了に伴い設定確認モードの終了から1秒が経過するまでセキュリティ信号を継続して出力し、設定変更モードの終了に伴い設定変更モードの終了から30秒が経過するまでセキュリティ信号を継続して出力する)
ことを特徴とする。
これによれば、設定に関連する遊技機の状態を外部装置に適切に通知できる。
手段O2の遊技機は、
手段O1の遊技機であって、
遊技状態を初期化する初期化手段(ステップS21TM4050、ステップS21TM4150でRAMクリアフラグがセットされていることに基づいてRAMクリア(ステップS21TM1410)を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ100)を備え、
前記初期化手段は前記設定変更モードの制御に伴い遊技状態を初期化し(設定変更モードに制御される場合には、設定変更モードに制御された後にRAMクリアが実行されており)、
前記設定手段は、前記所定値を設定した後(ステップS21TM4710でセキュリティ信号タイマの値として1秒を設定した後)に、前記所定値に対応した期間よりも長い期間に対応した特定値を設定可能であり(RAMクリアが実行される場合にはステップS21TM1465でセキュリティ信号タイマの値として30秒を設定可能であり)、
前記特定信号出力手段は、前記設定変更モードの制御の終了に対応して、前記特定値に対応した期間が経過するまで特定信号を出力する(設定変更モードの終了に伴い設定変更モードの終了から30秒が経過するまでセキュリティ信号を継続して出力する)
ことを特徴とする。
これによれば、設定変更モードの制御が終了した場合及び設定確認モードの制御が終了した場合の何れの場合にも少なくとも所定値に対応した期間は特定信号が出力されることになり、設定変更モードに制御された場合には所定値に対応した期間よりも長い期間、特定信号が出力されることになるため、設定手段による設定処理を共通化しつつ設定変更モードと設定確認モードとで異なる出力期間を設定することが可能となる。
手段O3の遊技機は、
手段O1又は手段O2の遊技機であって、
前記設定変更モードにおいて、前記設定変更モードを終了させるための特定操作(ステップS21TM4680で錠スイッチ21TM051がOFFとされたことの検出)が行われることなく当該遊技機への電力供給が停止された場合に特定情報(設定変更中フラグ)を記憶する特定情報記憶手段(RAM102のバックアップ領域において、設定変更モードに移行したことに基づいてステップS21TM4580で設定変更中フラグをセットし、設定変更モードが終了したことに基づいてステップS21TM4720で設定変更中フラグをクリアする遊技制御用マイクロコンピュータ100)を備え、
当該遊技機への電力供給が開始された場合に前記特定情報記憶手段に前記特定情報が記憶されているときに(電源復旧時のステップS21TM4030で設定変更中フラグがセットされていると判定された場合に)、遊技停止状態とするとともに特定信号を出力する(設定変更モードに移行するための条件が成立していないことに基づいてステップS21TM4200〜ステップS21TM4220の処理を電源断まで繰り返し実行する)ことが可能である
ことを特徴とする。
これによれば、設定変更モードの制御中に電力供給が停止された場合に、電力供給再開時に遊技機の状態を外部装置に適切に通知することができる。
手段O4の遊技機は、
手段O1〜手段O3から選択される何れかの遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御用タイマ割込処理を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ100)と、
演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御用CPU120)と、を備え、
前記遊技制御手段は、
表示手段(表示モニタ21TM029)と、
前記設定変更モード制御手段(ステップS21TM4530〜ステップS21TM4620の処理を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ100)と、
前記設定変更モードにおいて、前記設定変更モードを終了させるための特定操作が行われることなく(ステップS21TM4680で錠スイッチ21TM051がOFFとされる操作が検出されることなく)当該遊技機への電力供給が停止された場合に特定情報を記憶する特定情報記憶手段(RAM102のバックアップ領域において、設定変更モードに移行したことに基づいてステップS21TM4580で設定変更中フラグをセットし、設定変更モードが終了したことに基づいてステップS21TM4720で設定変更中フラグをクリアする遊技制御用マイクロコンピュータ100)と、を有し、
当該遊技機への電力供給が開始された場合に前記特定情報記憶手段に前記特定情報が記憶されているときに(電源復旧時のステップS21TM4030で設定変更中フラグがセットされていると判定された場合に)、前記表示手段においてエラー報知を実行するとともに前記演出制御手段にエラーコマンドを送信することが可能であり(ステップS21TM4190で設定値異常エラーコマンドを送信し、ステップS21TM4210のエラー表示において表示モニタ21TM029に「E」の文字を表示することが可能であり)、
前記演出制御手段は、前記エラーコマンドを受信したことに応じて、設定値を変更するための操作を促す報知を行う(画像表示装置5に「電源断後に電源を再投入して設定変更モードに移行させて下さい」というメッセージを表示する)
ことを特徴とする。
これによれば、遊技場の店員に対して遊技機の状態を適切に報知できるとともに、設定値を変更するための操作を促すことができる。
また、特開2010−200902号公報(段落0007)に示すように、複数段階の設定値を外部からの設定変更操作に基づいて変更する設定変更手段を備える遊技機が提案されている。特開2010−200902号公報(段落0007)に記載されたような遊技機では、設定値を変更する際に電力供給が停止された場合に、遊技機の状態を適切に報知する必要がある。手段P1〜手段P4に係る発明は、上記の実状に鑑みてなされたものであり、設定値を変更する際に電力供給が停止された場合に、遊技機の状態を適切に報知する遊技機を提供することにある。
手段P1の遊技機は、
設定値(大当り判定用乱数の範囲が異なる設定値0〜5の6段階)に応じた制御(特別図柄プロセス処理における大当り判定処理等)を実行可能な遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
設定値を変更可能な設定変更モードに制御可能な設定変更モード制御手段(ステップS21TM4530〜ステップS21TM4620を実行可能な遊技制御用マイクロコンピュータ100)と、
前記設定変更モードに制御されたことを特定可能な特定情報を記憶する特定情報記憶手段(設定変更モードに移行したことに基づいてステップS21TM4580で設定変更中フラグをセットし、設定変更モードが終了したことに基づいてステップS21TM4720で設定変更中フラグをクリアする遊技制御用マイクロコンピュータ100)と、を備え、
前記特定情報記憶手段は、当該遊技機への電力供給が停止された後も前記特定情報を記憶可能であり(設定変更中フラグの値はRAM102のバックアップ領域に格納されており)、
当該遊技機への電力供給が開始された場合に前記特定情報記憶手段に前記特定情報が記憶されているときに(電源復旧時のステップS21TM4030で設定変更中フラグがセットされていると判定された場合に)、エラー報知を実行可能なエラー報知手段(設定変更モードへの移行条件が成立していない場合にステップS21TM4210でエラー表示を行う遊技制御用マイクロコンピュータ100)をさらに備える
ことを特徴とする。
これによれば、設定変更モードにおいて電力供給が停止された場合に遊技機の状態を適切に報知することができる。
手段P2の遊技機は、
手段P1の遊技機であって、
前記設定変更モード制御手段は、設定変更条件が成立していること(電源投入時に、遊技機用枠3が開放状態となっており、錠スイッチ21TM051がON状態であり、且つ、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態であること)に基づいて前記設定変更モードに制御可能であり、
当該遊技機への電力供給が開始された場合に前記特定情報記憶手段に前記特定情報が記憶されているときに(電源復旧時のステップS21TM4030で設定変更中フラグがセットされていると判定された場合に)、前記設定変更条件が成立していることに基づいて、前記エラー報知を実行することなく前記設定変更モードに制御可能である(電源投入時に、ステップS21TM4120、ステップS21TM4130、ステップS21TM4140ですべてYESと判定されたことに基づいて、ステップS21TM4200〜ステップS21TM4220のループ処理に移行することなく設定変更モードに移行する)
ことを特徴とする。
これによれば、設定変更モードに制御される条件が成立しているときにはエラー報知を実行することなく設定変更モードに制御されることになり、不要なエラー報知を回避して適切に設定値の変更を促すことができる。
手段P3の遊技機は、
手段P1又は手段P2の遊技機であって、
当該遊技機への電力供給が開始された場合に前記特定情報記憶手段に前記特定情報が記憶されているときに(電源復旧時のステップS21TM4030で設定変更中フラグがセットされていると判定された場合に)、前記エラー報知を実行するとともに遊技停止状態とすることが可能である(電源投入時に、設定変更モードへの移行条件が成立していない場合には(ステップS21TM4120〜ステップS21TM4140の何れかでNOと判定された場合には)、設定変更モードに移行することなくステップS21TM4200〜ステップS21TM4220のループ処理に移行する)
ことを特徴とする。
これによれば、設定値が不安定な状態での遊技の進行を制限することができ、適切な遊技制御を実現できる。
手段P4の遊技機は、
手段P1〜手段P3から選択される何れかの遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御用タイマ割込処理を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ100)と、
演出の実行を制御する演出制御手段(演出制御用CPU120)と、を備え、
前記遊技制御手段は、
表示手段(表示モニタ21TM029)と、
前記設定変更モード制御手段(ステップS21TM4530〜ステップS21TM4620の処理を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ100)と、
前記特定情報記憶手段と、を有し、
当該遊技機への電力供給が開始された場合に前記特定情報記憶手段に前記特定情報が記憶されているときに(電源復旧時のステップS21TM4030で設定変更中フラグがセットされていると判定された場合に)、前記表示手段において前記エラー報知を実行するとともに前記演出制御手段にエラーコマンドを送信することが可能であり(ステップS21TM4190で設定値異常エラーコマンドを送信し、ステップS21TM4210のエラー表示において表示モニタ21TM029に「E」の文字を表示することが可能であり)、
前記演出制御手段は、前記エラーコマンドを受信したことに応じて、設定値を変更するための操作を促す報知を行う(画像表示装置5に「電源断後に電源を再投入して設定変更モードに移行させて下さい」というメッセージを表示する)
ことを特徴とする。
これによれば、遊技場の店員に対して遊技機の状態を適切に報知できるとともに、設定値を変更するための操作を促すことができる。
また、特開2010−200902号公報(段落0007)に示すように、複数段階の設定値を外部からの設定変更操作に基づいて変更する設定変更手段を備える遊技機が提案されている。特開2010−200902号公報(段落0007)に記載されたような遊技機では、設定値を変更する際に電力供給が停止された場合に、遊技機の状態を適切に定める必要がある。手段Q1〜手段Q5に係る発明は、上記の実状に鑑みてなされたものであり、設定値を変更する際に電力供給が停止された場合に、遊技機の状態を適切に定める遊技機を提供することにある。
手段Q1の遊技機は、
設定値(大当り判定用乱数の範囲が異なる設定値0〜5の6段階)に応じた制御(特別図柄プロセス処理における大当り判定処理等)を実行可能な遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
設定値を変更可能な設定変更モードに制御可能な設定変更モード制御手段(ステップS21TM4530〜ステップS21TM4620を実行可能な遊技制御用マイクロコンピュータ100)と、
前記設定変更モードに制御されたことを特定可能な特定情報を記憶する特定情報記憶手段(設定変更モードに移行したことに基づいてステップS21TM4580で設定変更中フラグをセットし、設定変更モードが終了したことに基づいてステップS21TM4720で設定変更中フラグをクリアする遊技制御用マイクロコンピュータ100)と、を備え、
前記特定情報記憶手段は、当該遊技機への電力供給が停止された後も前記特定情報を記憶可能であり(設定変更中フラグの値はRAM102のバックアップ領域に格納されており)、
前記設定変更モード制御手段は、当該遊技機への電力供給が開始された場合に前記特定情報記憶手段に前記特定情報が記憶されているときに(電源復旧時のステップS21TM4030で設定変更中フラグがセットされていると判定された場合に)、前記設定変更モードに制御する(電源投入時に、遊技機用枠3が開放状態となっており、錠スイッチ21TM051がON状態であり、且つ、クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態である、という設定変更モードに移行するための条件が成立しているか否かにかかわらず、自動的に設定変更モードに制御する)
ことを特徴とする。
これによれば、遊技状態の初期化を伴う設定変更モードにおいて電力供給が停止された場合に遊技機の状態を適切に定めることができる。
なお、手段Q1の遊技機が、前記設定変更モードの制御に対応して遊技状態を初期化する初期化手段(例えば、ステップS21TM4050、ステップS21TM4150でRAMクリアフラグがセットされていることに基づいてRAMクリア(ステップS21TM1410)を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ100)を更に備えていても良い。
手段Q2の遊技機は、
手段Q1の遊技機であって、
前記設定変更モード制御手段は、当該遊技機への電力供給が開始された場合に、前記特定情報記憶手段に前記特定情報が記憶されていないときには設定変更条件が成立していることに基づいて前記設定変更モードに制御し(電源投入時に、設定変更中フラグがセットされていない場合には(ステップS21TM4030でNO)、遊技機用枠3が開放状態となっており、錠スイッチ21TM051がON状態であり、且つ、RAMクリアフラグが1である(クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態であったことにより設定変更モード終了後にRAMクリアが実行される)、という設定変更モードに移行するための条件が成立していることに基づいて設定変更モードに移行し)、前記特定情報記憶手段に前記特定情報が記憶されている場合には前記設定変更条件が成立しているか否かにかかわらず前記設定変更モードに制御する(電源投入時に、設定変更中フラグがセットされている場合には(ステップS21TM4030でYES)、設定変更モードに移行するための条件が成立しているか否かにかかわらず、自動的に設定変更モードに制御する)
ことを特徴とする。
これによれば、設定変更モード制御中に電源断が発生した場合には、電源復旧時に特定情報が記憶されていることに基づいて、設定変更条件が成立していないときにも設定変更モードに制御されることになるため、作業性を向上させることができる。
手段Q3の遊技機は、
手段Q1又は手段Q2の遊技機であって、
前記設定変更モード制御手段は、当該遊技機への電力供給が開始された場合の移行操作(電源投入時に、設定変更中フラグがセットされていないときには(ステップS21TM4030でNO)、遊技機用枠3が開放状態となっており、錠スイッチ21TM051がON状態であり、且つ、RAMクリアフラグが1である(クリアスイッチ(設定切替スイッチ)21TM052がON状態であったことにより設定変更モード終了後にRAMクリアが実行される)、という設定変更モードに移行するための条件が成立していること)に基づいて前記設定変更モードに制御することが可能であり、前記設定変更モードに制御されているときの特定操作(ステップS21TM4680で錠スイッチ21TM051がOFFになったことが確認されたこと)に基づいて前記設定変更モードを終了させることが可能であり、
前記特定情報記憶手段は、前記設定変更モードに制御されるときに前記特定情報を記憶し(設定変更モードの制御が開始されたステップS21TM4580のタイミングで設定変更中フラグをセットし)、前記特定操作に基づいて前記設定変更モードが終了するときに前記特定情報を消去し(設定変更モードの制御が終了したステップS21TM4720のタイミングで設定変更中フラグをクリアし)、
前記設定変更モード制御手段は、当該遊技機への電力供給が開始された場合に、前記特定情報記憶手段に前記特定情報が記憶されているときには前記移行操作が行われたか否かにかかわらず前記設定変更モードに制御し(電源投入時に、設定変更中フラグがセットされている場合には(ステップS21TM4030でYES)、設定変更モードに移行するための条件が成立しているか否かにかかわらず、自動的に設定変更モードに制御し)、前記特定操作に基づいて前記設定変更モードを終了させる(ステップS21TM4680で錠スイッチ21TM051がOFFになったことが確認されたことに基づいて設定変更モードを終了させる)
ことを特徴とする。
これによれば設定変更モードの制御を終了させる条件を適切に定めることができる。
手段Q4の遊技機は、
手段Q1〜手段Q3から選択される何れかの遊技機であって、
設定値(大当り判定用乱数の範囲が異なる設定値0〜5の6段階)を記憶する設定値記憶手段(設定値が格納されるRAM102の設定値格納領域)を備え、
前記設定値記憶手段に記憶されている設定値に応じた制御(特別図柄プロセス処理における大当り判定処理等)を実行可能であり、
前記設定変更モードに制御されているときの変更操作に基づいて前記設定値記憶手段に記憶されている設定値を変更し(ステップS21TM4610で設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052が操作された場合には設定値格納領域に格納されている設定値を変更し)、
前記設定変更モード制御手段は、前記設定変更モードに制御されているときの特定操作に基づいて前記設定変更モードを終了させ(ステップS21TM4680で錠スイッチ21TM051がOFFになったことが確認されたことに基づいて設定変更モードを終了させ)、
前記設定値記憶手段は、前記設定変更モードに制御されている場合に前記特定操作が行われることなく当該遊技機への電力供給が停止されたときに、前記設定変更モードにおいて前記変更操作により変更された後の設定値を継続して記憶する(設定値格納領域はRAM102のバックアップ領域に形成されており、設定変更モード中に設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052が操作されると設定値格納領域に格納されている設定値自体が変更されることになるため、設定変更モード中に電源断が発生した場合でも変更操作により変更された後の設定値が保持される)
ことを特徴とする。
これによれば、電力供給が再開されたときに、電源断発生前の設定変更モードにおいて変更操作により変更された後の設定値が設定値記憶手段に記憶されており、当該設定値に応じた制御が実行されることになるため作業性を向上できる。
手段Q5の遊技機は、
手段Q1〜手段Q3から選択される何れかの遊技機であって、
設定値(大当り判定用乱数の範囲が異なる設定値0〜5の6段階)を記憶する設定値記憶手段(設定値が格納されるRAM102の設定値格納領域)を備え、
前記設定値記憶手段に記憶されている設定値に応じた制御(特別図柄プロセス処理における大当り判定処理等)を実行可能であり、
前記設定変更モード制御手段は、前記設定変更モードに制御されているときの変更操作と(設定変更モードにおいて設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052が操作された場合には設定値格納領域に格納されている設定値ではなく設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値のみを変更し)、該変更操作後の特定操作とに基づいて前記設定値記憶手段に記憶されている設定値を変更するとともに前記設定変更モードを終了させ(設定変更モードにおいて錠スイッチ21TM051がOFFになったことが確認されたことに基づいてそのとき設定情報一時記憶領域に記憶されている設定値を設定値格納領域に格納して有効な設定値として確定させるとともに設定変更モードを終了させ)、
前記設定値記憶手段は、前記設定変更モードに制御されている場合に前記特定操作が行われることなく当該遊技機への電力供給が停止されたときに、前記設定変更モードにおいて前記変更操作が行われる前の設定値を記憶する(設定変更モード中に設定切替スイッチ(クリアスイッチ)21TM052が操作された場合でも錠スイッチ21TM051がOFFに切り替えられなければ設定値格納領域に格納されている設定値自体は変更されないため、設定変更モード中に電源断が発生した場合には設定変更モードに制御される前の設定値が保持される)
ことを特徴とする。
これによれば、設定変更モードが終了していない不安定な状態において電力供給が停止された場合に、設定値の変更を制限することができる。
なお、この特徴部21TMで示した構成は、特徴部31AKで示した構成と適宜組み合わせて遊技機を構成することが可能である。例えば、特徴部21TMで示した設定値を変更可能に構成した遊技機において、特徴部31AKで示した構成に適用し、特徴部31AKで示したタイトル画像を表示可能に構成してもよい。
(特徴部142IWに関する説明)
次に、特徴部142IWについて説明する。
(変動パターン決定テーブル)
まず、本特徴部142IWにおける大当り用の変動パターン決定テーブルについて説明する。図10−1は、変動パターン決定テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図10−1(A)は、はずれとなる場合に用いられる大当り用変動パターン決定テーブルの具体例を示している。また、図10−1(B)は、大当りとなる場合に用いられる大当り用変動パターン決定テーブルの具体例を示している。
遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)は、図5に示された特別図柄プロセス処理の変動パターン設定処理(ステップS111)において、大当りと決定されている場合には、図10−1に示す大当り用変動パターン決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、いずれの変動パターンとするかを決定する。なお、はずれと決定されている場合には、CPU103は、はずれ用の変動パターン決定テーブル(図示せず)を用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、いずれの変動パターンとするかを決定する。
図10−1(A)に示すように、本例では、はずれとなる場合には、変動パターン1〜5のいずれかの変動パターンに決定される。また、図10−1(B)に示すように、大当りとなる場合には、変動パターン2〜5のいずれかの変動パターンに決定される。変動パターン1は、リーチを伴わない通常変動の変動パターンであり、変動時間は5秒である。また、変動パターン2は、飾り図柄の変動表示中にノーマルリーチを実行する変動パターンであり、変動時間は10秒である。
なお、はずれとなる場合に、さらに短縮変動の変動表示を実行可能に構成してもよい。例えば、通常変動よりも変動時間が短い(例えば、2秒)短縮変動用の変動パターンを設けるように構成し、遊技状態が時短状態(高ベース状態)に制御されている場合や、遊技状態が通常状態(低ベース状態)であっても保留記憶数が所定数(例えば、3)以上である場合に、短縮変動の変動パターンを決定可能に構成してもよい。
また、変動パターン3〜5は、飾り図柄の変動表示中にスーパーリーチ演出を実行する変動パターンである。本例では、スーパーリーチ演出A〜Cの3種類のスーパーリーチ演出を実行可能であり、スーパーリーチ演出A〜Cの演出期間はそれぞれ20秒である。変動パターン3は、変動時間が30秒であり、最初の10秒間でノーマルリーチが成立した後、20秒間のスーパーリーチ演出を1回実行可能である。また、変動パターン4は、変動時間が50秒であり、最初の10秒間でノーマルリーチが成立した後、20秒間のスーパーリーチ演出を2回実行可能である。また、変動パターン5は、変動時間が70秒であり、最初の10秒間でノーマルリーチが成立した後、20秒間のスーパーリーチ演出を3回実行可能である。
本例では、図10−1に示すように、変動パターン5に従って飾り図柄の変動表示が実行される場合(すなわち、スーパーリーチ演出が3回実行される場合)、大当りに対する期待度(信頼度)が最も高くなるように構成されている。また、変動パターン4に従って飾り図柄の変動表示が実行される場合(すなわち、スーパーリーチ演出が2回実行される場合)、変動パターン5の次に大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成されている。また、変動パターン3に従って飾り図柄の変動表示が実行される場合(すなわち、スーパーリーチ演出が1回実行される場合)、変動パターン4の次に大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成されている。また、変動パターン2に従って飾り図柄の変動表示が実行される場合(すなわち、ノーマルリーチのみ実行される場合)、変動パターン3の次に大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成されている。また、変動パターン1に従って飾り図柄の変動表示が実行される場合(すなわち、通常変動の場合)、大当りに対する期待度(信頼度)が最も低くなるように構成されている。
なお、本例では、飾り図柄の変動表示中にスーパーリーチ演出を1回〜3回実行可能に構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、飾り図柄の変動表示中にスーパーリーチ演出を4回以上実行可能に構成してもよい。
(可変表示開始設定処理)
図10−2は、図7に示された演出制御プロセス処理における可変表示開始設定処理(ステップS171)を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターンコマンド格納領域(RAM122に設けられた受信した変動パターンコマンド(変動パターンを指定する演出制御コマンド)を格納する領域)から変動パターンコマンドを読み出す(ステップ142IWS001)。次いで、演出制御用CPU120は、ステップ142IWS001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域(RAM122に設けられた受信した表示結果指定コマンド(大当りとするか否かや大当り種別を指定する演出制御コマンド)を格納する領域)に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップ142IWS002)。すなわち、演出制御用CPU120によってステップ142IWS002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(飾り図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、演出制御用CPU120は、決定した飾り図柄の停止図柄を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域(RAM122に設けられている)に格納する。なお、ステップ142IWS002において、演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
ステップ142IWS002では、例えば、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。また、例えば、受信した表示結果指定コマンドが通常大当り(非確変大当り)を示している場合には、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドがはずれを示している場合には、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。
演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、飾り図柄の組み合わせを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、飾り図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する飾り図柄の組み合わせを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
次いで、演出制御用CPU120は、飾り図柄の変動表示中に実行するスーパーリーチ演出およびリーチ示唆演出を設定するためのリーチ演出/リーチ示唆演出設定処理を実行する(ステップ142IWS003)。なお、「リーチ示唆演出」とは、スーパーリーチ演出が実行される前に、飾り図柄の変動表示中に実行されるスーパーリーチ演出の実行回数と種類とを示唆する演出である。
次いで、演出制御用CPU120は、変動パターン、および決定したスーパーリーチ演出、リーチ示唆演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップ142IWS004)。そして、演出制御用CPU120は、ステップ142IWS004で選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップ142IWS005)。
プロセステーブルとは、演出制御用CPU120が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU120は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って画像表示装置5等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、画像表示装置5の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU120は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行う。また、プロセステーブルは、演出制御基板12におけるROM121に格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8L,8R)の制御を実行する(ステップ142IWS006)。
本例では、変動パターンにおいてノーマルリーチが指定されている場合には、ステップ142IWS004で選択したプロセステーブルに従ってステップ142IWS006および可変表示中演出処理(ステップS172)が実行されることによって、飾り図柄の変動表示中にノーマルリーチが実行される。
また、リーチ演出/リーチ示唆演出設定処理(ステップ142IWS003)においてスーパーリーチ演出A〜Cやリーチ示唆演出が決定された場合には、ステップ142IWS004で選択したプロセステーブルに従ってステップ142IWS006および可変表示中演出処理(ステップS172)が実行されることによって、飾り図柄の変動表示中に、リーチ示唆演出が実行された後、スーパーリーチ演出A〜Cが実行される。
なお、この特徴部142IWでは、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップ142IWS007)。そして、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し(ステップ142IWS008)、可変表示開始設定処理を終了する。
(リーチ演出/リーチ示唆演出設定処理)
図10−3は、リーチ演出/リーチ示唆演出設定処理(ステップ142IWS003)を示すフローチャートである。リーチ演出/リーチ示唆演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、ステップ142IWS001で読み出した変動パターンコマンドで示される変動パターンが変動パターン3であるか否かを確認する(ステップ142IWS101)。変動パターン3であれば(すなわち、飾り図柄の変動表示中にスーパーリーチ演出を1回実行する場合であれば)、演出制御用CPU120は、スーパーリーチ演出およびリーチ示唆演出の演出パターンであるリーチ演出/リーチ示唆演出パターンを決定するためのテーブルとして、リーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルAを選択する(ステップ142IWS102)。
変動パターン3でなければ、演出制御用CPU120は、ステップ142IWS001で読み出した変動パターンコマンドで示される変動パターンが変動パターン4であるか否かを確認する(ステップ142IWS103)。変動パターン4であれば(すなわち、飾り図柄の変動表示中にスーパーリーチ演出を2回実行する場合であれば)、演出制御用CPU120は、リーチ演出/リーチ示唆演出パターンを決定するためのテーブルとして、リーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルBを選択する(ステップ142IWS104)。
変動パターン4でもなければ、演出制御用CPU120は、ステップ142IWS001で読み出した変動パターンコマンドで示される変動パターンが変動パターン5であるか否かを確認する(ステップ142IWS105)。変動パターン5であれば(すなわち、飾り図柄の変動表示中にスーパーリーチ演出を3回実行する場合であれば)、演出制御用CPU120は、リーチ演出/リーチ示唆演出パターンを決定するためのテーブルとして、リーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルCを選択する(ステップ142IWS106)。
そして、演出制御用CPU120は、ステップ142IWS102,S104,S106で選択したリーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、リーチ演出/リーチ示唆演出パターンを決定する(ステップ142IWS107)。
図10−4および図10−5は、リーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図10−4は、リーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルAの具体例を示している。また、図10−5(1)は、リーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルBの具体例を示している。また、図10−5(2)は、リーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルCの具体例を示している。
まず、図10−4を用いて、リーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルAについて説明する。既に説明したように、リーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルAは、変動パターン3に従って飾り図柄の変動表示が実行される場合(すなわち、飾り図柄の変動表示中にスーパーリーチ演出を1回実行する場合)に選択されるリーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルである。図10−4に示すように、リーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルAでは、リーチ演出/リーチ示唆演出パターンとして、演出パターン01〜08に対して、それぞれ判定値が割り振られている。
演出パターン01は、スーパーリーチ演出Aを実行するとともに、そのスーパーリーチ演出Aの前に、スーパーリーチ演出Aの実行を示唆するリーチ示唆演出を実行する演出パターンである。また、演出パターン02は、スーパーリーチ演出Aを実行するとともに、そのスーパーリーチ演出Aの前に、スーパーリーチ演出Aおよびスーパーリーチ演出Bの実行を示唆するリーチ示唆演出を実行する演出パターンである。また、演出パターン03は、スーパーリーチ演出Aを実行するとともに、そのスーパーリーチ演出Aの前に、スーパーリーチ演出Aおよびスーパーリーチ演出Cの実行を示唆するリーチ示唆演出を実行する演出パターンである。
演出パターン02,03は、実際にはスーパーリーチ演出Aが1回実行されるのであるが、リーチ示唆演出では恰もスーパーリーチ演出が2回実行されるかのような示唆を行う演出パターンである。このように、本例では、リーチ示唆演出で示唆されるスーパーリーチ演出の実行回数と実際のスーパーリーチ演出の実行回数とが必ずしも一致しない場合がある。
また、本例では、リーチ示唆演出において、スーパーリーチ演出の実行が示唆されるものの、そのスーパーリーチ演出の種類が秘匿される場合がある。演出パターン04は、スーパーリーチ演出Aを実行するとともに、そのスーパーリーチ演出Aの前に、スーパーリーチ演出Aの実行を示唆するともに種類が秘匿されたスーパーリーチ演出の実行を示唆するリーチ示唆演出を実行する演出パターンである。なお、演出パターン04も、実際にはスーパーリーチ演出Aが1回実行されるのであるが、リーチ示唆演出では恰もスーパーリーチ演出が2回実行されるかのような示唆を行い、リーチ示唆演出で示唆されるスーパーリーチ演出の実行回数と実際のスーパーリーチ演出の実行回数とが一致しない演出パターンである。
また、演出パターン05は、スーパーリーチ演出Aを実行するとともに、そのスーパーリーチ演出Aの前に、スーパーリーチ演出A、スーパーリーチ演出B、およびスーパーリーチ演出Cの実行を示唆するリーチ示唆演出を実行する演出パターンである。なお、演出パターン05も、実際にはスーパーリーチ演出Aが1回実行されるのであるが、リーチ示唆演出では恰もスーパーリーチ演出が3回実行されるかのような示唆を行い、リーチ示唆演出で示唆されるスーパーリーチ演出の実行回数と実際のスーパーリーチ演出の実行回数とが一致しない演出パターンである。
また、演出パターン06は、スーパーリーチ演出Bを実行するとともに、そのスーパーリーチ演出Bの前に、スーパーリーチ演出Bの実行を示唆するリーチ示唆演出を実行する演出パターンである。また、演出パターン07は、スーパーリーチ演出Bを実行するとともに、そのスーパーリーチ演出Bの前に、スーパーリーチ演出Bおよびスーパーリーチ演出Cの実行を示唆するリーチ示唆演出を実行する演出パターンである。なお、演出パターン07も、実際にはスーパーリーチ演出Bが1回実行されるのであるが、リーチ示唆演出では恰もスーパーリーチ演出が2回実行されるかのような示唆を行い、リーチ示唆演出で示唆されるスーパーリーチ演出の実行回数と実際のスーパーリーチ演出の実行回数とが一致しない演出パターンである。
また、演出パターン08は、スーパーリーチ演出Cを実行するとともに、そのスーパーリーチ演出Cの前に、スーパーリーチ演出Cの実行を示唆するリーチ示唆演出を実行する演出パターンである。
図10−4に示すように、本例では、演出パターン08が選択されて飾り図柄の変動表示中にスーパーリーチ演出Cが実行される場合に、大当りに対する期待度(信頼度)が最も高くなるように構成されている。また、演出パターン06,07が選択されて飾り図柄の変動表示中にスーパーリーチ演出Bが実行される場合に、スーパーリーチ演出Cの次に大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成されている。また、演出パターン01〜05が選択されて飾り図柄の変動表示中にスーパーリーチ演出Aが実行される場合に、大当りに対する期待度(信頼度)が最も低くなるように構成されている。従って、本例では、スーパーリーチ演出A<スーパーリーチ演出B<スーパーリーチ演出Cの順に大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成されている。
次に、図10−5(1)を用いて、リーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルBについて説明する。既に説明したように、リーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルBは、変動パターン4に従って飾り図柄の変動表示が実行される場合(すなわち、飾り図柄の変動表示中にスーパーリーチ演出を2回実行する場合)に選択されるリーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルである。図10−5(1)に示すように、リーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルBでは、リーチ演出/リーチ示唆演出パターンとして、演出パターン11〜16に対して、それぞれ判定値が割り振られている。
演出パターン11は、スーパーリーチ演出Aおよびスーパーリーチ演出Bの順に実行するとともに、そのスーパーリーチ演出Aおよびスーパーリーチ演出Bの前に、スーパーリーチ演出Aおよびスーパーリーチ演出Bの実行を示唆するリーチ示唆演出を実行する演出パターンである。
また、演出パターン12は、スーパーリーチ演出Aおよびスーパーリーチ演出Bの順に実行するとともに、そのスーパーリーチ演出Aおよびスーパーリーチ演出Bの前に、スーパーリーチ演出Aの実行を示唆するともに種類が秘匿されたスーパーリーチ演出の実行を示唆するリーチ示唆演出を実行する演出パターンである。従って、演出パターン12は、リーチ示唆演出においてスーパーリーチ演出Bの実行を秘匿する演出パターンである。
また、演出パターン13は、スーパーリーチ演出Aおよびスーパーリーチ演出Bの順に実行するとともに、そのスーパーリーチ演出Aおよびスーパーリーチ演出Bの前に、スーパーリーチ演出A、スーパーリーチ演出B、およびスーパーリーチ演出Cの実行を示唆するリーチ示唆演出を実行する演出パターンである。なお、演出パターン13も、実際にはスーパーリーチ演出Aおよびスーパーリーチ演出Bの順に2回実行されるのであるが、リーチ示唆演出では恰もスーパーリーチ演出が3回実行されるかのような示唆を行い、リーチ示唆演出で示唆されるスーパーリーチ演出の実行回数と実際のスーパーリーチ演出の実行回数とが一致しない演出パターンである。
演出パターン14は、スーパーリーチ演出Aおよびスーパーリーチ演出Cの順に実行するとともに、そのスーパーリーチ演出Aおよびスーパーリーチ演出Cの前に、スーパーリーチ演出Aおよびスーパーリーチ演出Cの実行を示唆するリーチ示唆演出を実行する演出パターンである。
また、演出パターン15は、スーパーリーチ演出Aおよびスーパーリーチ演出Cの順に実行するとともに、そのスーパーリーチ演出Aおよびスーパーリーチ演出Cの前に、スーパーリーチ演出Aの実行を示唆するともに種類が秘匿されたスーパーリーチ演出の実行を示唆するリーチ示唆演出を実行する演出パターンである。従って、演出パターン15は、リーチ示唆演出においてスーパーリーチ演出Cの実行を秘匿する演出パターンである。
演出パターン16は、スーパーリーチ演出Bおよびスーパーリーチ演出Cの順に実行するとともに、そのスーパーリーチ演出Bおよびスーパーリーチ演出Cの前に、スーパーリーチ演出Bおよびスーパーリーチ演出Cの実行を示唆するリーチ示唆演出を実行する演出パターンである。
図10−5(1)に示すように、本例では、リーチ示唆演出においてスーパーリーチ演出の種類が秘匿される演出パターン12と演出パターン15とを比較すると、演出パターン15の方が演出パターン12よりも大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。従って、本例では、同じリーチ示唆演出においてスーパーリーチ演出の種類が秘匿される場合で比較すると、スーパーリーチ演出Cの実行が秘匿された方が、スーパーリーチ演出Bの実行が秘匿された場合よりも、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。
次に、図10−5(2)を用いて、リーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルCについて説明する。既に説明したように、リーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルCは、変動パターン5に従って飾り図柄の変動表示が実行される場合(すなわち、飾り図柄の変動表示中にスーパーリーチ演出を3回実行する場合)に選択されるリーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルである。図10−5(2)に示すように、リーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルCでは、リーチ演出/リーチ示唆演出パターンとして、演出パターン21のみに対して判定値が割り振られており、100%の確率で演出パターン21が選択される。
演出パターン21は、スーパーリーチ演出A、スーパーリーチ演出B、およびスーパーリーチ演出Cの順に実行するとともに、そのスーパーリーチ演出A、スーパーリーチ演出B、およびスーパーリーチ演出Cの前に、スーパーリーチ演出A、スーパーリーチ演出B、およびスーパーリーチ演出Cの実行を示唆するリーチ示唆演出を実行する演出パターンである。
なお、リーチ演出/リーチ示唆演出パターンは、本例で示したものにかぎられない。例えば、図10−4および図10−5に示す例では、飾り図柄の変動表示中に大当りに対する期待度(信頼度)が低い種類のスーパーリーチ演出から高い種類のスーパーリーチ演出の順に実行する場合を示したが、大当りに対する期待度(信頼度)が同じ種類のスーパーリーチ演出を連続して実行したり、大当りに対する期待度(信頼度)が高い種類のスーパーリーチ演出から低い種類のスーパーリーチ演出の順に実行したりするリーチ演出/リーチ示唆演出パターンを設けるように構成してもよい。例えば、スーパーリーチ演出Bを2回連続して実行したり、スーパーリーチ演出Bの後にスーパーリーチAを実行したりするリーチ演出/リーチ示唆演出パターンを設けるように構成してもよい。
また、本例では、スーパーリーチ演出A〜Cの3種類のスーパーリーチ演出を実行可能に構成する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、4種類以上のスーパーリーチ演出を実行可能に構成してもよい。例えば、スーパーリーチ演出A〜Cに加えてスーパーリーチ演出Dを実行可能に構成してもよい。この場合、例えば、図10−5(2)に示すリーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルCにおいて、スーパーリーチ演出A、スーパーリーチ演出B、およびスーパーリーチ演出Dの順に実行する演出パターンや、スーパーリーチ演出B、スーパーリーチ演出C、およびスーパーリーチ演出Dの順に実行する演出パターンを設けるなど、複数のリーチ演出/リーチ示唆演出パターンに対して判定値を割り振るように構成してもよい。また、この場合、例えば、図10−5(2)に示すリーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルCにおいて、スーパーリーチ演出Aおよびスーパーリーチ演出Bの実行を示唆するともに種類が秘匿されたスーパーリーチ演出の実行を示唆するリーチ示唆演出を実行する演出パターンを設けるように構成して、3回目に実行されるスーパーリーチ演出がスーパーリーチ演出Cであるかスーパーリーチ演出Dであるかが秘匿される場合があるように構成してもよい。
ステップ142IWS107でリーチ演出/リーチ示唆演出パターンを決定すると、演出制御用CPU120は、リーチ示唆演出の演出態様を決定する(ステップ142IWS108)。ステップ142IWS108では、演出制御用CPU120は、リーチ示唆演出の演出態様を決定するためのリーチ示唆演出態様決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、リーチ示唆演出の演出態様を決定する。
図10−6は、リーチ示唆演出態様決定テーブルの具体例を示す説明図である。図10−6に示すように、リーチ示唆演出態様決定テーブルでは、リーチ示唆演出の演出態様として、演出態様αおよび演出態様βに対して、それぞれ判定値が割り振られている。図10−6に示すように、本例では、演出態様βによりリーチ示唆演出が実行された場合には、演出態様αによりリーチ示唆演出が実行された場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように判定値が割り振られている。
なお、本例では、図10−6に示すように、リーチ示唆演出の演出態様が2種類である場合を示したが、そのような態様にかぎらず、3種類以上の演出態様を設けるように構成してもよい。
なお、本例では、図10−4および図10−5に示したように、いずれのリーチ演出/リーチ示唆演出パターンであるか(いずれのリーチ示唆演出が実行されるか)に応じて大当りに対する期待度(信頼度)が異なるので、結果として、リーチ示唆演出の演出態様が演出態様αであるか演出態様βであるかに応じて、いずれのリーチ示唆演出が実行されるかの選択割合が異なるものとなっている。
なお、リーチ示唆演出の演出態様の決定方法は、本例で示した処理方法にかぎられない。例えば、図10−4および図10−5に示したリーチ演出/リーチ示唆演出パターンとしてリーチ示唆演出の演出態様も含む演出パターンを設定することによって、スーパーリーチ演出の種類、リーチ示唆演出、およびリーチ示唆演出の演出態様を一括して決定するように構成してもよい。また、逆に、スーパーリーチ演出の種類とリーチ示唆演出とを、それぞれ別々の抽選処理によって個別に決定するように構成してもよい。
ステップ142IWS108でリーチ示唆演出の演出態様を決定すると、演出制御用CPU120は、ステップ142IWS107で決定したリーチ演出/リーチ示唆演出パターン、およびステップ142IWS108で決定したリーチ示唆演出の演出態様を、RAM122に設けられた格納領域に格納し、リーチ演出/リーチ示唆演出設定処理を終了する。
(演出例)
次に、スーパーリーチ演出およびリーチ示唆演出の演出態様について説明する。図10−7および図10−8は、スーパーリーチ演出およびリーチ示唆演出の演出態様の一例を説明するための説明図である。なお、図10−7および図10−8において、(A)(B)(C)・・・の順に表示画面が遷移するものとする。
図10−7および図10−8に示す例では、変動パターン4に従って飾り図柄の変動表示が実行される(すなわち、飾り図柄の変動表示中にスーパーリーチ演出が2回実行される)ものとし、飾り図柄の変動開始時にリーチ演出/リーチ示唆演出パターンとして演出パターン11が決定されたものとする。また、リーチ示唆演出の演出態様として演出態様αが決定されたものとする。
図10−7(A)に示すように、飾り図柄の変動表示が実行されているときに、まず左の飾り図柄が停止表示され、次に右の飾り図柄が停止表示され、図10−7(B)に示すように、左右の飾り図柄が同じ図柄(本例では、図柄「7」)で停止表示されてリーチ状態が成立したものとする。この場合、リーチ示唆演出の演出態様として演出態様αと決定されていることにもとづいて、図10−7(B)に示すように、画像表示装置5において、左中右の飾り図柄を囲むような態様で所定のエフェクト表示142IW001が表示され、リーチ示唆演出が開始される。
次いで、図10−7(C)に示すように、画像表示装置5において、リーチ示唆画面142IW002が表示されてリーチ示唆演出が実行される。本例では、リーチ演出/リーチ示唆演出パターンとして演出パターン11が決定されたことにもとづいて、図10−7(C)に示すように、リーチ示唆画面142IW002において「A」の文字表示142IW003および「B」の文字表示142IW004が表示され、スーパーリーチ演出Aおよびスーパーリーチ演出Bの実行が示唆される。
次いで、変動開始から10秒か経過し、1つ目のスーパーリーチ演出への発展タイミングとなると、図10−7(D)に示すように、画像表示装置5においてスーパーリーチ演出Aが実行される。次いで、変動開始から30秒が経過し、2つ目のスーパーリーチ演出への発展タイミングとなると、図10−8(E)に示すように、画像表示装置5においてスーパーリーチ演出Bが実行される。そして、変動開始から50秒が経過し、変動時間を終了すると、図10−8(F)に示すように、画像表示装置5において飾り図柄の最終停止図柄が停止表示される。図10−8(F)に示す例では、飾り図柄の最終停止図柄としてリーチはずれ図柄(本例では、「767」の図柄の組み合わせ)が停止表示される場合が示されている。
なお、本例では、図10−7(C)〜図10−8(E)に示すように、リーチ示唆演出およびスーパーリーチ演出の実行中は、飾り図柄の変動表示は画像表示装置5の表示画面の左上端部に縮小表示されるものとする。
図10−9および図10−10は、スーパーリーチ演出およびリーチ示唆演出の演出態様の他の例を説明するための説明図である。なお、図10−9および図10−10において、(A)(B)(C)・・・の順に表示画面が遷移するものとする。
図10−9および図10−10に示す例では、変動パターン5に従って飾り図柄の変動表示が実行される(すなわち、飾り図柄の変動表示中にスーパーリーチ演出が3回実行される)ものとし、飾り図柄の変動開始時にリーチ演出/リーチ示唆演出パターンとして演出パターン21が決定されたものとする。また、リーチ示唆演出の演出態様として演出態様βが決定されたものとする。
図10−9(A)に示すように、飾り図柄の変動表示が実行されているときに、まず左の飾り図柄が停止表示され、次に右の飾り図柄が停止表示され、図10−9(B)に示すように、左右の飾り図柄が同じ図柄(本例では、図柄「7」)で停止表示されてリーチ状態が成立したものとする。この場合、リーチ示唆演出の演出態様として演出態様βと決定されていることにもとづいて、図10−9(B)に示すように、画像表示装置5において、左中右の飾り図柄を囲むような態様で所定のエフェクト表示142IW005が表示され、リーチ示唆演出が開始される。
なお、本例では、図10−7(B)および図10−9(B)に示すように、演出態様βによるリーチ示唆演出が実行される場合には、演出態様αによるリーチ示唆演出が実行される場合と比較して、画像表示装置5の表示画面の広範囲にエフェクト(例えば、キラキラ光るような画像表示)が広がる態様でエフェクト表示が表示される。
次いで、図10−9(C)に示すように、画像表示装置5において、リーチ示唆画面142IW006が表示されてリーチ示唆演出が実行される。本例では、リーチ演出/リーチ示唆演出パターンとして演出パターン21が決定されたことにもとづいて、図10−9(C)に示すように、リーチ示唆画面142IW006において「A」の文字表示142IW007、「B」の文字表示142IW008、および「C」の文字表示142IW009が表示され、スーパーリーチ演出A、スーパーリーチ演出B、およびスーパーリーチ演出Cの実行が示唆される。
次いで、変動開始から10秒か経過し、1つ目のスーパーリーチ演出への発展タイミングとなると、図10−9(D)に示すように、画像表示装置5においてスーパーリーチ演出Aが実行される。次いで、変動開始から30秒が経過し、2つ目のスーパーリーチ演出への発展タイミングとなると、図10−10(E)に示すように、画像表示装置5においてスーパーリーチ演出Bが実行される。次いで、変動開始から50秒が経過し、3つ目のスーパーリーチ演出への発展タイミングとなると、図10−10(F)に示すように、画像表示装置5においてスーパーリーチ演出Cが実行される。そして、変動開始から70秒が経過し、変動時間を終了すると、図10−10(G)に示すように、画像表示装置5において飾り図柄の最終停止図柄が停止表示される。図10−10(G)に示す例では、飾り図柄の最終停止図柄として大当り図柄(本例では、「777」の図柄の組み合わせ)が停止表示される場合が示されている。
なお、本例では、図10−9(C)〜図10−10(F)に示すように、リーチ示唆演出およびスーパーリーチ演出の実行中は、飾り図柄の変動表示は画像表示装置5の表示画面の左上端部に縮小表示されるものとする。
また、図10−9および図10−10では、リーチ示唆演出でスーパーリーチ演出A〜Cの実行が示唆された後に、示唆通りにスーパーリーチ演出A〜Cが順に実行される場合を示したが、例えば、演出パターン05が選択された場合には、リーチ示唆演出でスーパーリーチ演出A〜Cの実行が示唆された後に、示唆とは異なりスーパーリーチ演出Aが実行された段階で大当りとなる場合もある(図10−4参照)。また、例えば、演出パターン13が選択された場合には、リーチ示唆演出でスーパーリーチ演出A〜Cの実行が示唆された後に、示唆とは異なりスーパーリーチ演出Aの後スーパーリーチ演出Bが実行された段階で大当りとなる場合もある(図10−5参照)。このように、本例では、リーチ示唆演出で示唆された示唆回数よりも少ない回数のスーパーリーチ演出で大当りとなる場合があるので、演出に意外性をもたせることができる。
図10−11および図10−12は、スーパーリーチ演出およびリーチ示唆演出の演出態様のさらに他の例を説明するための説明図である。なお、図10−11および図10−12において、(A)(B)(C)・・・の順に表示画面が遷移するものとする。
図10−11および図10−12に示す例では、変動パターン4に従って飾り図柄の変動表示が実行される(すなわち、飾り図柄の変動表示中にスーパーリーチ演出が2回実行される)ものとし、飾り図柄の変動開始時にリーチ演出/リーチ示唆演出パターンとして演出パターン15が決定されたものとする。また、リーチ示唆演出の演出態様として演出態様βが決定されたものとする。
図10−11(A)に示すように、飾り図柄の変動表示が実行されているときに、まず左の飾り図柄が停止表示され、次に右の飾り図柄が停止表示され、図10−11(B)に示すように、左右の飾り図柄が同じ図柄(本例では、図柄「7」)で停止表示されてリーチ状態が成立したものとする。この場合、リーチ示唆演出の演出態様として演出態様βと決定されていることにもとづいて、図10−11(B)に示すように、画像表示装置5において、左中右の飾り図柄を囲むような態様で所定のエフェクト表示142IW010が表示され、リーチ示唆演出が開始される。
次いで、図10−11(C)に示すように、画像表示装置5において、リーチ示唆画面142IW011が表示されてリーチ示唆演出が実行される。本例では、リーチ演出/リーチ示唆演出パターンとして演出パターン15が決定されたことにもとづいて、図10−11(C)に示すように、リーチ示唆画面142IW011において「A」の文字表示142IW012および「?」の文字表示142IW013が表示され、スーパーリーチ演出Aの実行が示唆されるとともに、種類が秘匿されたスーパーリーチ演出の実行が示唆される。
次いで、変動開始から10秒か経過し、1つ目のスーパーリーチ演出への発展タイミングとなると、図10−11(D)に示すように、画像表示装置5においてスーパーリーチ演出Aが実行される。次いで、変動開始から30秒が経過し、2つ目のスーパーリーチ演出への発展タイミングとなると、図10−12(E)に示すように、画像表示装置5においてスーパーリーチ演出Cが実行される。そして、変動開始から50秒が経過し、変動時間を終了すると、図10−12(F)に示すように、画像表示装置5において飾り図柄の最終停止図柄が停止表示される。図10−8(F)に示す例では、飾り図柄の最終停止図柄として大当り図柄(本例では、「777」の図柄の組み合わせ)が停止表示される場合が示されている。
なお、本例では、図10−11(C)〜図10−12(E)に示すように、リーチ示唆演出およびスーパーリーチ演出の実行中は、飾り図柄の変動表示は画像表示装置5の表示画面の左上端部に縮小表示されるものとする。
以上に説明したように、本特徴部142IWによれば、遊技者にとって有利な内容が報知されることを示唆する複数種類の特定演出(例えば、スーパーリーチ演出A〜C)を実行可能であるとともに、該特定演出を複数回数(例えば、1回〜3回)実行可能である。また、特定演出が実行される前に、特定演出の実行回数と特定演出の種類とを示唆する特別演出(例えば、リーチ示唆演出)を実行可能である。また、特定演出の種類によって、遊技者にとって有利な内容が報知される期待度が異なる(例えば、図10−4に示すように、スーパーリーチ演出A<スーパーリーチ演出B<スーパーリーチ演出Cの順に大当りに対する期待度(信頼度)が高い)。そして、複数回数の特定演出のうちの少なくとも一部の特定演出の種類を特定可能であるが該一部の特定演出以外の特定演出の種類を秘匿したパターンにより特別演出(例えば、図10−11(C)に示す「?」の文字表示142IW013を含むリーチ示唆画面142IW011を表示するリーチ示唆演出)を実行可能である(例えば、リーチ演出/リーチ示唆演出パターンとして演出パターン04,12,15に従ってリーチ示唆演出を実行する)。そのため、特定演出の実行回数が示唆されたときに秘匿した特定演出の種類がいずれであるかに注目させることができ、特定演出を実行する場合の興趣を向上させることができる。
また、本特徴部142IWによれば、特別演出において示唆される内容(例えば、スーパーリーチ演出の種類および実行回数)によって、特定演出によって遊技者にとって有利な内容が報知される期待度が異なるように、特別演出を実行可能である(例えば、図10−4および図10−5に示すように、いずれのリーチ演出/リーチ示唆演出パターンに従ってリーチ示唆演出が実行されるかに応じて、大当りに対する期待度(信頼度)が異なる)。そのため、特別演出において示唆される内容に対する注目度合いを高めて、特定演出を実行する場合の興趣を向上させることができる。
また、本特徴部142IWによれば、特別演出において秘匿した特定演出の種類によって、特定演出によって遊技者にとって有利な内容が報知される期待度が異なるように、特別演出を実行可能である(例えば、図10−5(1)に示すように、リーチ示唆演出において、演出パターン15に従ってスーパーリーチ演出Cの実行が秘匿された場合の方が、演出パターン12に従ってスーパーリーチ演出Bの実行が秘匿された場合よりも、大当りに対する期待度(信頼度)が高い)。そのた、秘匿した特定演出の種類に遊技者を注目させることができ、特定演出(演出内容を秘匿した演出)を実行する場合の興趣を向上させることができる。
なお、本特徴部142IWでは、「遊技者にとって有利な内容が報知される期待度」として、大当りに対する期待度(大当り期待度)を異ならせる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、「遊技者にとって有利な内容が報知される期待度」として、確変大当りとなることに対する期待度(確変期待度)を異ならせたり、大当り遊技後の時短状態の継続回数(時短回数)に対する期待度(時短回数期待度)を異ならせたり、大当り遊技中のラウンド数に対する期待度(ラウンド数期待度)を異ならせたりしてもよい。また、例えば、本特徴部142IWで示した構成をスロット機に適用する場合に、いわゆるARTなどの有利な状態が継続する回数が上乗せされることに対する期待度(上乗せ期待度)を異ならせたりしてもよい。
また、本特徴部142IWによれば、特定演出の実行回数とは異なる回数を示す演出を特別演出として実行可能である(例えば、図10−4に示すように、演出パターン02〜05,07に従ってリーチ示唆演出が実行される場合、リーチ示唆演出においてスーパーリーチ演出の実行回数が2〜3回と示唆されるが、実際にはスーパーリーチ演出が1回のみ実行される。例えば、図10−5(1)に示すように、演出パターン13に従ってリーチ示唆演出が実行される場合、リーチ示唆演出においてスーパーリーチ演出の実行回数が3回と示唆されるが、実際にはスーパーリーチ演出が2回のみ実行される。)。そのため、先に実行される特定演出に対する注目度合いを高めて、特定演出を実行する場合の興趣を向上させることができる。例えば、図10−4に示す演出パターン02〜05,07に従ってリーチ示唆演出およびスーパーリーチ演出が実行される場合、リーチ示唆演出でスーパーリーチ演出の実行回数が2回〜3回と示唆された場合であっても、1回目のスーパーリーチ演出Aやスーパーリーチ演出Bが実行されてそのまま大当りとなる場合があるので、2回〜3回のうち初回のスーパーリーチ演出で成功して大当りとなるか否かに期待させることができ、先に実行される特定演出に対する注目度合いを高めることができる。
また、本特徴部142IWによれば、複数種類の演出態様(例えば、演出態様α、演出態様β)により特別演出を実行可能である。また、特別演出の演出態様によって、該特別演出において示唆される内容の選択割合が異なるように、特別演出を実行可能である(例えば、図10−6に示すように、演出態様βによりリーチ示唆演出が実行された場合には、演出態様αによりリーチ示唆演出が実行された場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高い)。そのため、特別演出の演出態様に対する注目度合いを高めて、特定演出を実行する場合の興趣を向上させることができる。
なお、本例では、リーチ示唆演出の演出態様として、図10−7(B)、図10−9(B)、および図10−11(B)に示すエフェクト表示を行い、演出態様αであるか演出態様βであるかに応じて、エフェクトの範囲が異なるように表示する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、スーパーリーチ演出としてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作を伴う演出を実行するように構成し、リーチ示唆演出の開始時にスーパーリーチ演出における操作方法を示す画面を表示するとともに、演出態様αであるか演出態様βであるかに応じて、スティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bのいずれを操作するかを示す画面を表示するように構成してもよい。また、例えば、リーチ示唆画面の形状や表示色を異ならせてもよく、リーチ示唆演出の演出態様として様々な態様が考えられる。
(変形例)
なお、本特徴部142IWでは、飾り図柄の変動表示中にリーチ示唆演出を実行して、その変動表示中に実行されるスーパーリーチ演出の種類および実行回数を示唆する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、保留表示を用いてリーチ示唆演出を実行して、示唆対象の変動表示が開始される前からスーパーリーチ演出の種類や実行回数を示唆したり、実行中の変動表示に対応したアクティブ表示を用いてリーチ示唆演出を実行してスーパーリーチ演出の種類や実行回数を示唆したりしてもよい。以下、保留表示やアクティブ表示を用いてリーチ示唆演出を実行する変形例について説明する。
図10−13および図10−14は、リーチ示唆演出の演出態様の変形例を説明するための説明図である。なお、図10−13および図10−14において、(A)(B)(C)・・・の順に表示画面が遷移するものとする。また、図10−13および図10−14に示す例では、画像表示装置5において、アクティブ表示を表示するアクティブ表示領域142IW101が設けられているとともに、保留表示を表示する保留表示領域142IW102が設けられている。
図10−13および図10−14に示す変形例では、特別図柄プロセス処理の始動入賞判定処理(ステップS101参照)において、CPU103は、始動入賞の発生時に変動パターンの先読み判定を行い、その先読み判定結果を特定可能な先読み判定結果指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するものとする。
図10−13に示す例では、図10−13(A)に示すように、飾り図柄の変動表示が実行されているときに新たな始動入賞が発生し、保留表示領域142IW102において、3つ目の保留表示として新たに保留表示を1増加させたものとする。この場合、演出制御用CPU120は、受信した先読み判定結果指定コマンドにもとづいて先読み判定結果が変動パターン4であると特定したものとし、図10−4および図10−5と同様のリーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルを用いて、ステップ142IWS107と同様の処理を行ってリーチ演出/リーチ示唆演出パターンを決定したものとする。なお、図10−13に示す例では、演出パターン11と決定したものとし、図10−13(A)に示すように、「A」の文字表示と「B」の文字表示とを含むリーチ示唆用の保留表示142IW103を1増加させたものとする。本変形例では、リーチ示唆用の保留表示142IW103が表示されることによって、図10−13(A)に示すように、スーパーリーチ演出Aおよびスーパーリーチ演出Bの実行が示唆される。
次いで、保留記憶を1つ消化して次の飾り図柄の変動表示が実行されると、図10−13(B)に示すように、保留表示領域142IW102において1つ目の保留表示が消去され、2つ目および3つ目の保留表示が1つずつ左にシフト表示され、リーチ示唆用の保留表示142IW103が2つ目の保留表示として表示されている状態に変化する。さらに、保留記憶を1つ消化して次の飾り図柄の変動表示が実行されると、図10−13(C)に示すように、保留表示領域142IW102において1つ目の保留表示が消去され、2つ目のリーチ示唆用の保留表示142IW103が1つ左にシフト表示され、1つ目の保留表示として表示されている状態に変化する。
そして、保留記憶を1つ消化して示唆対象の飾り図柄の変動表示が実行されると、図10−13(D)に示すように、保留表示領域142IW102において表示されていたリーチ示唆用の保留表示142IW103がアクティブ表示領域142IW101に移行したような表示が行われ、アクティブ表示領域142IW101においてリーチ示唆用のアクティブ表示が表示された状態となる。本変形例では、図10−13(D)に示すように、アクティブ表示領域142IW101において、「A」の文字表示と「B」の文字表示とを含むリーチ示唆用のアクティブ表示が表示される。
その後、その示唆対象の飾り図柄の変動表示中に、図10−7および図10−8と同様の態様の演出が実行され、リーチ成立にもとづいてリーチ示唆用のアクティブ表示が拡大表示されて、図10−7(C)に示すように、リーチ示唆画面142IW002が表示され、さらに、図10−7(D)および図10−8(E)に示すように、スーパーリーチ演出Aおよびスーパーリーチ演出Bが実行される。
また、図10−14に示す例では、図10−14(A)に示すように、飾り図柄の変動表示が実行されているときに新たな始動入賞が発生し、保留表示領域142IW102において、3つ目の保留表示として新たに保留表示を1増加させたものとする。この場合、演出制御用CPU120は、受信した先読み判定結果指定コマンドにもとづいて先読み判定結果が変動パターン4であると特定したものとし、図10−4および図10−5と同様のリーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルを用いて、ステップ142IWS107と同様の処理を行ってリーチ演出/リーチ示唆演出パターンを決定したものとする。なお、図10−14に示す例では、演出パターン15と決定したものとし、図10−14(A)に示すように、「A」の文字表示と「?」の文字表示とを含むリーチ示唆用の保留表示142IW104を1増加させたものとする。本変形例では、リーチ示唆用の保留表示142IW104が表示されることによって、図10−14(A)に示すように、スーパーリーチ演出Aの実行が示唆されるとともに、種類が秘匿されたスーパーリーチ演出の実行が示唆される。
次いで、保留記憶を1つ消化して次の飾り図柄の変動表示が実行されると、図10−14(B)に示すように、保留表示領域142IW102において1つ目の保留表示が消去され、2つ目および3つ目の保留表示が1つずつ左にシフト表示され、リーチ示唆用の保留表示142IW103が2つ目の保留表示として表示されている状態に変化する。さらに、保留記憶を1つ消化して次の飾り図柄の変動表示が実行されると、図10−14(C)に示すように、保留表示領域142IW102において1つ目の保留表示が消去され、2つ目のリーチ示唆用の保留表示142IW104が1つ左にシフト表示され、1つ目の保留表示として表示されている状態に変化する。
そして、保留記憶を1つ消化して示唆対象の飾り図柄の変動表示が実行されると、図10−14(D)に示すように、保留表示領域142IW102において表示されていたリーチ示唆用の保留表示142IW104がアクティブ表示領域142IW101に移行したような表示が行われ、アクティブ表示領域142IW101においてリーチ示唆用のアクティブ表示が表示された状態となる。本変形例では、図10−14(D)に示すように、アクティブ表示領域142IW101において、「A」の文字表示と「?」の文字表示とを含むリーチ示唆用のアクティブ表示が表示される。
その後、その示唆対象の飾り図柄の変動表示中に、図10−11および図10−12と同様の態様の演出が実行され、リーチ成立にもとづいてリーチ示唆用のアクティブ表示が拡大表示されて、図10−11(C)に示すように、リーチ示唆画面142IW011が表示され、さらに、図10−11(D)および図10−12(E)に示すように、スーパーリーチ演出Aおよびスーパーリーチ演出Cが実行される。
図10−13および図10−14に示す変形例によれば、可変表示に対応した対応表示(例えば、アクティブ表示)を表示可能である。また、可変表示中に特定演出(例えば、スーパーリーチ演出A〜C)を複数回(例えば、1回〜3回)実行可能である。そして、対応表示の態様を変化させることにより、実行中の可変表示中に実行される複数回の特定演出のうちの少なくとも一部の特定演出の種類を特定可能とするが該一部の特定演出以外の特定演出の種類を秘匿して、特別演出を実行可能である(例えば、図10−14に示すように、スーパーリーチ演出Aの実行を示唆するとともに、種類が秘匿されたスーパーリーチ演出の実行を示唆するリーチ示唆用の保留表示やアクティブ表示を表示する)。そのため、対応表示の態様に関する興趣を向上させることができる。
また、図10−13および図10−14に示す変形例によれば、複数の対応表示の態様の組み合わせによって、特定演出によって遊技者にとって有利な内容が報知される期待度が異なるように、特別演出を実行可能である(例えば、図10−4および図10−5と同様のリーチ演出/リーチ示唆演出パターン決定テーブルを用いてリーチ演出/リーチ示唆演出パターンが決定されることにより、リーチ示唆用の保留表示やアクティブ表示によってリーチ示唆演出が実行されるかに応じて、大当りに対する期待度(信頼度)が異なる)。そのため、複数の対応表示のそれぞれがどのような態様で表示されるかに注目させることができ、特定演出を実行する場合の興趣を向上させることができる。
なお、図10−13および図10−14に示す変形例では、リーチ示唆用の保留表示がアクティブ表示領域142IW101まで移動してリーチ示唆用のアクティブ表示として表示されてから、その変動表示においてリーチ示唆用の保留表示やアクティブ表示で示唆されたスーパーリーチ演出が実行される場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、リーチ示唆用の保留表示がアクティブ表示領域142IW101の位置まで移動する前の変動表示であっても、リーチ示唆用の保留表示で示唆されたスーパーリーチ演出が実行される場合があるように構成してもよい。
また、図10−13および図10−14に示す変形例では、リーチ示唆用の保留表示で示唆されるスーパーリーチ演出の種類および実行回数の内容が変化することなく、そのままアクティブ表示領域142IW101まで移動してリーチ示唆用のアクティブ表示として表示される場合を示したが、そのような態様にかぎらず、途中で示唆されるスーパーリーチ演出の種類や実行回数の内容が変化してもよい。例えば、図10−13(A)に示すように3つ目の保留表示として表示されている状態では「A」および「B」の文字表示を含むリーチ示唆用の保留表示として表示されたが、次に図10−13(B)で2つ目の保留表示の位置に移動したときには「A」、「B」および「C」の文字表示を含むリーチ示唆用の保留表示に変化したりしてもよい。
また、上記のように構成する場合、必ずしも先読み判定結果にもとづいてリーチ演出/リーチ示唆演出パターンを決定する必要はなく、リーチ示唆用の保留表示を表示している段階ではランダムな抽選処理に従ってリーチ示唆用の保留表示の内容を決定し、リーチ示唆用のアクティブ表示として表示する段階でその変動表示の変動パターンに従ってリーチ演出/リーチ示唆演出パターンを決定し、スーパーリーチ演出の種類およびリーチ示唆演出を決定して実行するように構成してもよい。
また、本特徴部142IWおよび変形例では、飾り図柄の変動表示中に実行されるスーパーリーチ演出の種類および実行回数を示唆する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、飾り図柄の変動表示中に実行される予告演出や、大当り遊技中に実行される各種演出、再抽選演出、先読み予告演出を実行する場合に、本特徴部142IWおよび変形例で示した構成を適用し、これら予告演出や、大当り遊技中の演出、再抽選演出、先読み予告演出の種類や実行回数を示唆するように構成してもよい。
なお、この特徴部142IWで示した構成は、特徴部31AKおよび特徴部21TMで示した構成と適宜組み合わせて遊技機を構成することが可能である。例えば、特徴部142IWで示した構成を特徴部31AKで示した構成に適用し、特徴部31AKで示したスーパーリーチA〜Eの実行や実行回数を示唆するリーチ示唆演出を実行するように構成してもよい。また、例えば、特徴部21TMで示した設定値を変更可能とする構成を本特徴部142IWに適用し、図9−4と同様に設定値1〜6のいずれであるかに応じて大当り確率を異ならせるように構成してもよい。そして、設定値を変更可能に構成した遊技機において、リーチ示唆演出を実行してスーパーリーチ演出を実行可能に構成してもよい。
また、特徴部21TMで示した設定値を変更可能とする構成を本特徴部142IWに適用した場合、例えば、図10−9および図10−10に示す一連の演出において、途中でチャンスアップ演出(例えば、カットイン演出)を実行するように構成し、そのチャンスアップ演出が設定値の示唆を兼ねる態様で実行されるように構成してもよい。また、例えば、設定値に応じて複数回実行されるスーパーリーチ演出の組み合わせの選択割合を異ならせるように構成してもよい。また、例えば、図10−13および図10−14に示すような先読み予告演出を実行可能に構成する場合に、設定値に応じて先読み予告演出の選択割合を異ならせるように構成してもよい。