JP2019146509A - シリコンチップ及びその製造方法 - Google Patents

シリコンチップ及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019146509A
JP2019146509A JP2018032551A JP2018032551A JP2019146509A JP 2019146509 A JP2019146509 A JP 2019146509A JP 2018032551 A JP2018032551 A JP 2018032551A JP 2018032551 A JP2018032551 A JP 2018032551A JP 2019146509 A JP2019146509 A JP 2019146509A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
silicon
silicon oxide
oxide film
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018032551A
Other languages
English (en)
Inventor
愛弓 平野
Ayumi Hirano
愛弓 平野
大介 但木
Daisuke Tadaki
大介 但木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku University NUC
Original Assignee
Tohoku University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku University NUC filed Critical Tohoku University NUC
Priority to JP2018032551A priority Critical patent/JP2019146509A/ja
Publication of JP2019146509A publication Critical patent/JP2019146509A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)

Abstract

【課題】有機溶剤フリーで形成できるもので、微細孔エッジの耐久性に優れた人工脂質二分子膜形成用のシリコンチップ及びその製造方法を提供する。【解決手段】シリコン基板に設けられた貫通孔と、この貫通孔を覆うように設けられた窒化シリコン膜21と、この上に設けられた第1酸化シリコン膜22と、前記貫通孔の前記シリコン基板の内面及び前記窒化シリコン膜の前記第1酸化シリコン膜とは反対側に設けられた第2酸化シリコン膜23と、前記第1酸化シリコン膜、前記窒化シリコン膜及び前記第2酸化シリコン膜に設けられた微細孔と、を具備し、前記微細孔は、前記第2酸化シリコン側から前記第1酸化シリコン側の開口に向かって前記開口側ほど内径が漸大する形状であり、前記微細孔の内周面は、前記窒化シリコン膜の領域の内周面である第1傾斜面31aと、前記第1酸化シリコン膜の領域の内周面である第2傾斜面32aとを含み、前記第2傾斜面の膜厚方向に対して傾斜する傾きが、前記第1傾斜面の傾きより大きい。【選択図】図1

Description

本発明は、微細孔エッジの耐久性に優れ、有機溶剤フリーで形成できる人工脂質二分子膜形成用のシリコンチップ及びその製造方法に関する。
細胞膜は厚さ数nmのナノ薄膜であり、外界からの化学・光・力学等の刺激に非常に敏感な超高感度センサーでもある。その構造はリン脂質分子が二層整列した脂質二分子膜を基本構造とし、そこに種々の膜タンパク質が埋め込まれて構成されている。これらの膜タンパク質は細胞膜の高感度な物質感受性を担っており、創薬の重要なターゲットでもある。
細胞膜の基本構造である脂質二分子膜は脂質分子の自己集合により人工的に構築可能であり、この人工脂質二分子膜(人工細胞膜)に精製した膜タンパク質を埋め込んだ膜系は膜タンパク質の機能や薬物作用を、化学組成を制御した上で評価できる系として、生理学・薬理学の分野で広く用いられてきた。
一方、膜タンパク質の高度な物質認識能は、高感度バイオセンサーの認識素子として注目され、実際にイオンチャンネルを用いた脂質二分子膜センサーでは、pH(1012M(mol/L))レベルの高感度検出を達成している。
このように人工細胞膜センサーは、薬物候補化合物の評価や高感度バイオセンサーとしての可能性をもつが、膜タンパク質の機能発現にとって必須の環境である脂質二分子膜は安定性が極めて低く、その発展の障壁となってきている。
このような人工脂質二分子膜の安定化を図るため、2000年以降、微細加工技術と人工脂質二分子膜形成を融合する試みが盛んに行われた。これらの試みは、微細孔を作製して二分子膜の微小化を行い、膜の安定性を目指すものと、マイクロ流路の利用により、膜形成の簡便化を目指すものの二つに大別される。しかしながら、膜形成の簡便化・自動化は進んだものの、膜安定性については寿命の向上のみで、機械的強度の向上には至っていない。また、これらの研究の多くは、不揮発性の有機溶媒を膜形成に用いており、適用可能なチャンネルタンパク質の範囲には限界があった。
そこで、発明者らは、陽極酸化ポーラスアルミナフィルムとシリコン(Si)微細加工基板の二つを二分子膜保持体として作製することを試みた。陽極酸化ポーラスアルミナは、規則的なナノポア構造をもつ絶縁膜であり、二分子膜の微細化は実現され、印加電圧耐性と膜寿命に関してはある程度の向上が得られたが、薬物スクリーニングへの応用では必須の溶液交換耐性は得られなかった(非特許文献1参照)。
上記試みから、二分子膜の微小化では十分な膜安定性が得られないとの知見を得て、微細孔のエッジと二分子膜との接合部の形状に注目し、滑らかなエッジを持つような微細孔を半導体微細加工により、Si/Si基板中に作製した(以下「シリコンチップ」という。非特許文献1参照)。
このようなシリコンチップを用いることで、水中で安定した脂質二分子の自立膜が形成可能となった。
そこで、このような生体膜の特性をデバイスとして応用することを検討し、生体膜の末圧方向両側から垂直方向の電気的な刺激を与えることに加え、膜に平行な方向(平行方向)に対して電気的な刺激を加えるための電極を設けたチップの製作を行った。
応用物理 第81巻第2号(2012年)第143頁〜第146頁
しかしながら、上述したシリコンチップの構造では、薄膜状に設ける電極にリークが生じ、形成した人工脂質二分子膜内に安定した電界を形成できずに実用的な特性データが得られないという問題があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、人工脂質二分子膜を安定して形成でき且つ形成した人工脂質二分子膜内に安定した電界を形成できる電極を有する人工脂質二分子膜形成且つ特性評価用のシリコンチップ及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成する本発明の第1の態様は、シリコン基板に設けられた貫通孔と、この貫通孔を覆うように設けられた窒化シリコン(Si)膜と、この上に設けられた第1酸化シリコン(SiO)膜と、前記貫通孔の前記シリコン基板の内周面及び前記窒化シリコン膜の前記第1酸化シリコン膜とは反対側に設けられた第2酸化シリコン膜と、前記第1酸化シリコン膜、前記窒化シリコン膜及び前記第2酸化シリコン膜に設けられた微細孔と、前記第2酸化シリコン膜上に設けられ且つ前記微細孔を通る境界線を挟んで両側に配置された一対の電極とを具備し、前記電極は、融点が700℃以下の金属又は合金からなり、前記電極の前記境界線側の端部が前記境界線側ほど厚さが漸減していることを特徴とするシリコンチップにある。
ここで、前記電極は、第3酸化シリコン膜で覆われていることが好ましい。
また、前記電極は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなることが好ましい。
また、微細孔は、前記第2酸化シリコン膜側から前記第1酸化シリコン膜側の開口に向かって前記開口側ほど内径が漸大する形状であり、前記微細孔の内周面は、前記窒化シリコン膜の領域の内周面である第1傾斜面と、前記第1酸化シリコン膜の領域の内周面である第2傾斜面とを含み、前記第2傾斜面の膜厚方向に対して傾斜する傾きが、前記第1傾斜面の傾きより大きいことが好ましい。
また、前記第1傾斜面は、傾斜の傾きが前記開口に近づくほど大きくなる凸曲面で形成され、前記第2傾斜面は、傾斜の傾きが前記開口に近づくほど小さくなる凹曲面で形成されていることが好ましい。
また、前記微細孔の内周面には、前記窒素シリコン膜の領域も含めて酸化シリコン膜で覆われていることが好ましい。
また、前記貫通孔の内周面には、低誘電率絶縁膜が形成されていることが好ましい。
前記低誘電率絶縁膜は、アモルファスフッ素樹脂膜からなることが好ましい。
また、本発明の他の態様は、シリコン基板上に窒化シリコン膜を設け、この上に第1酸化シリコン膜を設ける第1膜形成工程と、前記シリコン基板の前記窒化シリコン膜を設けた側とは反対側から、前記窒化シリコン膜まで貫通する貫通孔をウェットエッチングによる形成する貫通孔形成工程と、前記貫通孔内に気相法により酸化シリコンを積層して第2酸化シリコン膜を形成する第2膜形成工程と、前記貫通孔に対向する領域の前記第1酸化シリコン膜に緩衝フッ化水素酸及びフッ化水素酸を用いてウェッチエッチングすることにより第1微細孔を形成する第1エッチング工程と、前記第1微細孔に対向する領域の前記窒化シリコン膜に前記第1微細孔を介してリン酸を用いてウェットエッチングにより前記第1微細孔より大きな第2微細孔を形成する第2エッチング工程と、前記第1酸化シリコン膜の前記第1微細孔の周囲及び前記第2微細孔に対向する前記第2酸化シリコン膜をフッ化水素酸を用いてウェットエッチングすることにより、第3微細孔及び第4微細孔を形成し、前記第2微細孔、前記第3微細孔及び前記第4微細孔からなる微細孔を形成する第3エッチング工程と、前記微細孔を通る境界線を含む境界領域を少なくとも覆うマスクを介して融点が700℃以下の金属又は合金を蒸着することにより、前記境界線を挟んだ両側に配置された一対の電極を設ける電極形成工程と、を具備することを特徴とするシリコンチップの製造方法にある。
ここで、前記電極形成工程の後、前記電極を覆う第3酸化シリコン膜を設ける第3膜形成工程を具備することが好ましい。
また、前記融点が700℃以下の金属又は合金は、アルミニウム又はアルミニウム合金であることが好ましい。
また、前記第3エッチング工程で形成される微細孔は、前記第2酸化シリコン膜側から前記第1酸化シリコン膜側の開口に向かって前記開口側ほど内径が漸大する形状であり、前記微細孔の内周面は、前記窒化シリコン膜の領域の内周面である第1傾斜面と、前記第1酸化シリコン膜の領域の内周面である第2傾斜面とを含み、前記第2傾斜面の膜厚方向に対して傾斜する傾きが、前記第1傾斜面の傾きより大きいことが好ましい。
また、前記第3エッチング工程の後、ウェット酸化工程を行い、前記電極形成工程の後、前記第2酸化シリコン膜上に低誘電率材料を塗布し、前記第4微細孔に対応する領域をドライエッチングすることにより第5微細孔を有する低誘電率絶縁膜を形成する低誘電率絶縁膜形成工程とを具備することが好ましい。
前記低誘電率絶縁膜形成工程の後、前記微細孔の内周面に酸化シリコン膜を気相法により設ける第4膜形成工程を具備することが好ましい。
本発明によれば、人工脂質二分子膜を安定して形成でき且つ形成した人工脂質二分子膜内に安定した電界を形成できる電極を有する人工脂質二分子膜形成且つ特性評価用のシリコンチップ及びその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る人工脂質二分子膜形成及び特性評価用のシリコンチップを模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る人工脂質二分子膜形成及び特性評価用のシリコンチップの他の態様を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る人工脂質二分子膜形成及び特性評価用のシリコンチップの製造プロセスを模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る人工脂質二分子膜形成及び特性評価用のシリコンチップの製造プロセスを模式的に示す断面図である。 実施例1、比較例1、2に係るチップの微細孔を模式的に示す要部断面図である。 試験例5の結果を示す図である。 試験例6を実施するデバイスを模式的に示す図である。 試験例6の結果を示す図である。 試験例6の結果を示す図である。
本発明を下記実施形態に基づいて詳細に説明する。以下の説明は本発明の一態様を示すものであって、本発明はその要旨を逸脱しない範囲内で任意に変更可能である。
(実施形態1)
図1には、本実施形態に係る人工脂質二分子膜を形成するための土台となり且つ形成した人工脂質二分子膜内に安定した電界を形成できる電極を具備するシリコンチップ、すなわち、人工脂質二分子膜形成及び特性評価用のシリコンチップの構造を模式的に示し、図1(a)は平面図、図1(b)は、A−A´線断面図、図1(c)は、B−B´線断面図である。
図1に示すように、人工脂質二分子膜形成及び特性評価用のシリコンチップ(単にチップともいう)1は、シリコン基板10を具備し、シリコン基板10には、四角錐台形状の貫通孔である貫通孔11が設けられている。直方体のシリコン基板10の貫通孔11の小面積の方の第1開口部12が形成された表面には、窒化シリコン(Si)膜21と、窒化シリコン(Si)膜21上に設けられた第1酸化シリコン(SiO)膜22とが設けられている。
また、シリコン基板10の貫通孔11の大面積の第2開口部13側の表面及び貫通孔11の内周面並びに窒化シリコン膜21の第1酸化シリコン膜22とは反対側を覆うように第2酸化シリコン膜23が設けられている。
開口部12を塞ぐ窒化シリコン膜21と、第1酸化シリコン(SiO)膜22と、第2酸化シリコン膜23との中央部には、微細孔30が形成されている。
微細孔30は、窒化シリコン膜21に形成された微細孔31と、第1酸化シリコン膜22に形成された微細孔32と、第2酸化シリコン膜23に形成された微細孔33とからなり、全体として、第2酸化シリコン側から第1酸化シリコン側の開口に向かって開口側ほど内径が漸大する形状であり、前記微細孔30の内周面30aは、前記窒化シリコン膜21の領域の内周面である第1傾斜面31aと、前記第1酸化シリコン膜22の領域の内周面である第2傾斜面32aとを含む。
ここで、第1傾斜面31aは、膜厚に直交する垂直面に対して35°〜55°、好ましくは、40°〜50°、さらに好ましくは、約45°前後傾斜し、第2傾斜面32aは、それより非常に緩やかな傾斜、例えば、数十ミクロンの範囲を平均すると、約89.7°〜89.9°傾斜している。このように、第1傾斜面31aと第2傾斜面32aとの傾斜の度合いが異なることが特徴であり、第1傾斜面31aの傾斜より、第2傾斜面32aの傾斜が非常に緩やかになっている(垂直面に対する傾きは大きい)点が特徴である。このように、図中、上部開口側の第2傾斜面32aは、第2傾斜面32aの内径が前記開口側ほど漸大する割合である傾斜の傾きが、第1傾斜面31aの領域の傾斜の傾きより大きくなっている。なお、第2酸化シリコン膜23は、窒化シリコン膜21及び第1酸化シリコン膜22のそれぞれと比較して非常に薄いので、その内周面の影響はほとんどない。
このような微細孔30とすることにより、窒化シリコン膜21及び第1酸化シリコン膜22の内周部、すなわち、エッジ部31b、32bの耐久性が著しく向上したものとなる。
微細孔30の中心を通る短辺に平行な境界線BOの長辺方向の両側には、第1酸化シリコン膜22上に一対の電極24が設けられている。
ここで、電極24は、融点が700℃以下の金属又は合金からなり、電極24の境界線BO側の端部24aが境界線BO側ほど厚さが漸減したものであり、端部24aの上面は傾斜面となっている。
ここで、微細孔30近傍では、電極24の端部24aは、第1酸化シリコン膜22の緩やかな第2傾斜面32a上にさらに緩やかな第3傾斜面33aを形成するように成膜される。
また、この端部24aの上面が傾斜面となる形状は、微細孔30近傍以外の端面で顕著に観察され、図1(c)に表れるように、電極24の端部24aの上面は緩やかに傾斜している。
このような端部24aの厚さが外側ほど漸減した電極24は、マスクを介して気相法による部分成膜により形成されたものである。すなわち、境界線BOを含む領域を少なくとも覆うマスクを介して、例えば、蒸着により成膜することにより、境界線BO側ほど厚さが小さい電極24が成膜される。このような部分成膜を行うことにより、エッチングによりパターニングする必要がないので、下地の第1酸化シリコン膜22及び窒化シリコン膜21の成膜欠陥等に起因する絶縁不良が回避される。
また、電極24は、融点が700℃以下の金属又は合金で形成する必要がある。これは融点が700℃を超える金属や合金を成膜することにより下地の第1酸化シリコン膜22及び窒化シリコン膜21の成膜欠陥に起因する絶縁不良が生じるのを回避するためである。
なお、融点が700℃以下の金属又は合金としては、アルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛、亜鉛合金、錫、錫合金などを挙げることができ、アルミニウム、アルミニウム合金が好適である。
また、電極24は、第3酸化シリコン膜25で覆われている。第3酸化シリコン膜25は、電極24の上面及び周縁部を覆うように設けられているが、長辺方向の両側には、電極24の端子部24b(図4参照)を露出させる矩形の開口25aが設けられている。
このような第3酸化シリコン膜25は、マスクを介して必要な領域のみに気相法、例えば、蒸着により部分的に成膜することにより形成した。
ここで、第3酸化シリコン膜25は薄く形成され、微細孔30の内周面、すなわち、窒化シリコン膜21の傾斜面31a上、及び第1酸化シリコン膜22の第2傾斜面32aと電極24の傾斜面33aとの積層膜上にも薄く形成されるが、薄膜なので、各傾斜面の形状への影響は小さい。
ここで、チップ1の電気的特性を向上させるためには、チップ1の電気容量を低下させるのが好ましく、表面を低誘電率の膜で被覆するのが好ましい。
このような低誘電率膜を設けたチップ1Aは、図2に示す。このチップ1Aは、貫通孔11内の第2酸化シリコン膜23上にアモルファスフッ素樹脂などの低誘電率材料の絶縁膜26を設けたものである。
以下、人工脂質二分子膜形成及び特性評価用のシリコンチップの製造方法の一例を示しながら、本発明をさらに詳細に説明する。
まず、図3(a)に示すように、約200μmの厚さのシリコン基板10上に、窒化シリコン(Si)膜110を有する基板を用意した。窒化シリコン膜110は、200nm〜220nmの厚さである。
次に、図3(b)に示すように、シリコン基板100の窒化シリコン膜110とは反対側にドライ熱酸化法により酸化シリコン(SiO)膜130を形成し、また、RFスパッタリング法により、窒化シリコン膜110上に酸化シリコン(SiO)膜120を形成する。酸化シリコン膜120の厚さは、300nm〜450nm程度とする。
ここで、熱酸化の条件は特に限定されないが、例えば、1100°の電気炉中に純酸素を1L/min程度までの流量で流し、1時間程度アニールすることにより行うことができる。
また、RFスパッタリングの条件も特に限定されないが、SiOターゲットを用い、例えば、5.0×10−4Pa以下の真空度で、雰囲気ガスとしてArを用いて、2.6Paの圧力、高周波電力150Wなどの条件下で行う。
次いで、図3(c)に示すように、窒化シリコン膜110とは反対側に設けた酸化シリコン膜130をマスクとして、シリコン基板100をウェットエッチングする。具体的には、酸化シリコン膜130上にレジストをスピンコートし、フォトリソグラフィーによるパターニングを行い、レジストを介して酸化シリコン膜130をパターニングし、パターニングした酸化シリコン膜130をマスクとして、90℃に加熱した25%TMAH(tetramethylammoniumhydroxide)中に基板を6時間浸漬して異方性エッチングを行い、貫通孔11を形成した。
貫通孔11は、四角錐台であり、窒化シリコン膜110側の小面積の第1開口部12は、一辺が約50μm〜60μmの正方形であり、酸化シリコン膜130側の大面積の第2開口部13は、一辺が約270μm〜280μmである。
次に、図3(d)に示すように、貫通孔11の内面及び窒化シリコン膜110の酸化シリコン膜120とは反対側に、酸化シリコン膜140をRFスパッタリング法により形成する。
次に、図3(e)に示すように、酸化シリコン膜120上に、レジスト150を設けてフォトリスグラフィー法によりパターニングして孔151を形成し、マスクとする。
そして、図3(f)に示すように、孔151を設けたレジスト150をマスクとして、微細孔32の元となる第1微細孔321を形成する。この第1微細孔321の形成は、緩衝フッ化水素酸とフッ化水素酸とを併用して行い、第1微細孔321の傾斜面321aは、微細孔32の第2傾斜面32aと同等の傾斜を有すると推定される。
このエッチングの手順の一例を以下に示す。
まず、RFスパッタリングで成膜した酸化シリコン膜120をエッチングするのに要する時間を計測する。すなわち、ダミー基板を用いて、エッチング液に緩衝フッ化水素酸(BHF)を用いた場合と、例えば、5%フッ化水素酸(HF)を用いた場合のそれぞれについて、エッチング時間を計測する。そして、計測した時間の半分を1割増した時間をエッチング時間とし、基板をBHF、5%HFの順にエッチングすることで、第1微細孔321を形成する。
なお、このように形成された第1微細孔321の傾斜面321aは、傾斜の傾きが開口(図中上方)に近づくほど小さくなる凹曲面となる。BHFのみ、又は5%HFのみを用いた場合にも凹曲面となるが、前者によって形成された傾斜面の傾きは傾斜面321aよりも非常に大きく、反対に後者は若干小さくなる。
次に、図3(g)に示すように、第1微細孔321を介して、窒化シリコン膜310を等方性エッチングし、微細孔31となる第2微細孔311を形成する。このエッチングのエッチャントにはリン酸、例えば、150°に加熱した85wt%のリン酸を使用し、エッチング後、30℃程度まで冷ました後、純水でリンスする。なお、このとき、酸化シリコン膜120も多少、等方性エッチングされるが、図示は省略する。
ここで、第2微細孔311の傾斜面311aは、微細孔31の第1傾斜面31aと同等なものとなる。
また、傾斜面311aは開口(図中上方)に近づくほど大きくなる凸曲面で形成される。
次に、図3(h)に示すように、窒化シリコン膜110の第2微細孔311を介して酸化シリコン膜140を等方性エッチングすると同時に、第1微細孔321の内周面を等方エッチングし、第3微細孔322及び第4微細孔331を形成し、第2微細孔311と共に微細孔30となる。なお、微細孔30の径、例えば、第4微細孔331の領域で、約30μm〜40μmであり、第3微細孔322の最大径は、例えば、140μm〜160μm程度である。
ここで、酸化シリコン膜120及び140の等方性エッチングは、5%フッ化水素酸を用いて行うことができる。
次に、図3(i)に示すように、ウェット熱酸化法により、シリコン基板10上の酸化シリコン膜140を成長させ、酸化シリコン膜145とする。ここでは、約300nm〜400nmの酸化シリコンを成長させた。このウェット熱酸化の目的は、チップ自体の電気的特性の向上(電気容量の低下)である。このウェット熱酸化は、約1100℃の電気炉内に純酸素と水蒸気を導入し、1時間アニールすることにより行うことができる。
次に、図4(a)に示すように、境界線BOの周囲領域を含む領域を覆うマスク160を用い、マスク160以外の領域に、気相法、例えば、本実施形態では蒸着により、アルミニウム膜を、例えば、30nmの厚さで成膜し、電極24とした(図4(b))。蒸着は650℃前後の温度で行った。
この電極24の周縁部である端部24a、すなわち、マスク160の近傍では、マスク160に近いほど膜厚が漸減する形状となった。なお、マスク160としては、ニッケル板を用いた。
次に、図4(c)に示すように、端子部24bにマスク170を設けた状態で、酸化シリコン膜をRFスパッタリング法で形成し、第3酸化シリコン膜25を設けた。なお、マスク170としては、無アルカリガラス板を用いた。
次に、図4(d)に示すように、酸化シリコン膜145上に、アモルファスフッ素樹脂(CYTOP(登録商標))をスピンコートし、アモルファスフッ素樹脂膜180を形成し、第4微細孔331内のアモルファスフッ素樹脂膜180を第4微細孔331側から除去して微細孔181を形成した。
図4(d)の工程は、チップ表面を低誘電率材料で被覆して、チップの電気容量を低下させるものである。なお、図4(d)の工程で用いたアモルファスフッ素樹脂は、これに限定されず、低誘電率材料であればよく、例えば、Teflon(登録商標)AFなどを用いることができる。なお、図4の工程(d)は、省略することもできる。
以上説明した微細孔30を有するチップは、人工脂質二分子膜形成用のシリコンチップとなるが、これを人工的な細胞膜構造に適用させるためには、チップ表面を疎水性にする必要がある。この疎水性にする工程は、例えば、チップをシランカップリング剤中に浸漬することにより実施することができる。シランカップリング剤としては、例えば、3−シアノプロピルジメチルクロロシラン(3-cyanopropyldimethylchlorosilane(CPDS))またはトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルジメチルクロロシラン(PFDS)を用いる。
(実施例1)
図3〜図4のプロセスにより製造したものを実施例1のチップとした。微細孔の模式図を図5(a)に示す。
(比較例1)
図3〜図4のプロセスにおいて、図3(h)の工程の後、酸化シリコン膜120を緩衝フッ化水素酸(BHF)で除去したものを、比較例1のチップとした。微細孔の模式図を図5(b)に示す。
(比較例2)
図3〜図4のプロセスにおいて、図3(h)の工程を、緩衝フッ化水素酸(BHF)のみを用いて実施して第2酸化シリコン膜23に傾斜が第1傾斜面31aと同程度の微細孔32Aを形成したものを、比較例2のチップとした。微細孔の模式図を図5(c)に示す。
(試験例1)人工脂質二分子膜形成確率
実施例1及び比較例1、2のチップをそれぞれn個用い、以下の手順で人工脂質二分子膜を形成し、膜形成試行回数n回の内、100ギガオーム以上の膜が形成された確率を膜形成確率とした。
人工脂質二分子膜形成は、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルジメチルクロロシラン(PFDS)で疎水化処理を行った後、気−液界面に展開した脂質の単分子膜を、チップの微細孔中ではりあわせる方法で形成した。なお、人工脂質二分子膜形成は、Langmuir 2010, 26(3), 1949-1952のBLM Formation and Current Recordingsを参照して行った。
また、人工脂質二分子膜抵抗は、膜の両側の水溶液にAg/AgCl電極を介して+100mVと−100mVの電圧を順番に印加し、その時観測された電流値の差(ΔI)を計測し、{100−(−100)}/ΔIから算出した。結果は、表1に示す。
(試験例2)遠心耐性
実施例1及び比較例1、2のチップをそれぞれについて、試験例1で形成した人工脂質二分子膜について、遠心耐性試験を実施した。
遠心耐性試験は、試験例1で100ギガオーム以上の膜が形成できたものに対し、遠心力(55×g)を10分間かけ、その後の膜抵抗が100ギガオーム以上のものを遠心耐性ありとした。なお、遠心耐性は、Langmuir 2010, 26(3), 1949-1952のBLM formation and protein incorporation via centrifugationを参照して行った。結果は、表1に示す。
(試験例3)水面を20回上下させる操作に耐える確率
試験例1で人工脂質二分子膜抵抗が100ギガオーム以上の膜が形成できたチップについて、水面を20回上下させる操作を行い、その後の膜抵抗が100ギガオーム以上維持できたものを耐性ありとした。結果は、表1に示す。
(試験例4)人工脂質二分子膜寿命
試験例1で人工脂質二分子膜抵抗が100ギガオーム以上の人工脂質二分子膜が形成できたチップを、0mVで放置し、30分毎に、膜の両側の水溶液にAg/AgCl電極を介して+100mVと−100mVの電圧を順番に印加し、観測された電流値から人工脂質二分子膜抵抗を上述した通りに算出し、人工脂質二分子膜抵抗が100ギガオームを維持していた時間を膜寿命とした。結果は、表1に示す。
表1の結果より、人工脂質二分子膜形成確率、遠心耐性、水面を上下させる操作に耐える確率及び人工脂質二分子膜寿命の全てについて、実施例1のチップは比較例1、2と比較して優れたものであった。これは、第1酸化シリコン膜22を除去した比較例1や第1酸化シリコン膜22の微細孔32の内面の傾斜が第1傾斜面31aのように緩やかではなく、第2傾斜面32aと同じような傾斜面となっている比較例2と比較した結果、第1酸化シリコン膜22の微細孔32の形状、すなわち、第2傾斜面32aが第1傾斜面31aより緩やかに傾斜しているためであることが確認された。
(実施例2)
図3〜図4のプロセスにより製造したものを実施例2のチップを作製した。
(比較例3)
図4のプロセス(a)、(b)の代わりに、電極としてチタン5nm、金30nm及びチタン5nmを蒸着した後、エッチングによりパターニングしたものとした以外は実施例1と同様なものを比較例3のチップとした。なお、金の上下層にチタン層を設けたのは密着を考慮したものである。なお、チタン及び金の蒸着は、それぞれ1650℃及び1050℃前後での温度で行った。
(比較例4)
図4のプロセス(a)、(b)の代わりに、電極としてチタン30nmをマスクを介して蒸着した以外は実施例1と同様なものを比較例4のチップとした。なお、チタンの蒸着は、1650℃前後での温度で行った。
(試験例5)チップ内リーク電流の測定
実施例2、比較例3及び比較例4のチップの一対の電極24に半導体パラメータアナライザを接続し、電圧を変化させたときの電流の変化素測定した結果を図6に示す。実施例2のチップでは、図6(a)に示すように、電圧の変化に対して電流値は一定であり、リーク電流がないことが確認できた。
一方、比較例3のチップでは、図6(b)に示すように、電流値が僅かに変化し、リーク電流が流れていることがわかった。これはチタン、金及びチタン層を蒸着したときの熱の影響による下層の損傷が原因であると予想される。
また、比較例4のチップでは、図6(c)に示すように、電圧の変化に対して電流値が大きく変化した。これは、チタンを長時間蒸着したために、熱の影響による下層の損傷がより大きくなったためだと考えられる。
(試験例6)人工脂質二分子膜への多方向電界印加時の膜特性の測定
試験例1と同様に、実施例2、比較例3のチップに人工脂質二分子膜を形成し、図7に示すようにデバイスを作製した。
図7において、チップ1の微細孔30には人工脂質二分子膜200が形成され、その厚さ方向の両側の液中に電極210を配置した。電極210は試験例1と同様にAg/AgCl電極とした。なお、電極210間にパッチクランプ増幅器220、電極24間に交流電源230を接続した。
電極24を介して、人工脂質二分子膜200の膜と平行な方向(横方向ともいう)に1000mV、500mV、100mVの11.6kHzの交流電圧を印加しながら、電極210を介して膜厚方向(縦方向ともいう)に直流電圧0mVを印加したときの縦方向の電流値を1kHzのローパスフィルターを通して測定した。実施例2のチップ及び比較例3のチップの結果を、図8(a)(実施例2)、(b)(比較例3)に示す。この結果、実施例2のチップでは、縦方向電流値は安定しており、実測定に用いることができそうであるが、比較例3のチップでは、縦方向電流値に大きなバラツキがあり、実用には使用できないことがわかった。
また、電極24を介して、人工脂質二分子膜200の膜と平行な方向(横方向ともいう)に印加する11.6kHzの交流電圧の電圧を変化させながら、電極210を介して膜厚方向(縦方向ともいう)の抵抗値(GΩ)、キャパシタンス(pF)及びノイズ電流(pA)を測定した結果を図9(a)に示す。抵抗値は、試験例1と同様に、電極210を介して+100mVと−100mVの電圧を順番に印加し、その時観測された電流値の差(ΔI)を計測し、{100−(−100)}/ΔIから算出した。また、キャパシタンスは、電極210に、±1Vの三角波電圧を印加することによって得られた出力矩形波から算出した。また、ノイズ電流は、電極210を介して膜厚方向(縦方向ともいう)に直流電圧0mVを印加したときの縦方向の電流値を1kHzのローパスフィルターを通して測定した。
この結果、抵抗、キャパシタンス及びノイズ電流が共に安定しており、実用に耐えるものであることがわかった。
一方、電極24を介して人工脂質二分子膜200の膜と平行な方向(横方向ともいう)に印加する電圧を直流電圧とした以外は同様条件で、縦方向の抵抗値(GΩ)、キャパシタンス(pF)及びノイズ電流(pA)を測定した結果を図9(b)に示す。
この結果、直流電圧の印加では、抵抗、キャパシタンス及びノイズ電流にそれぞれ大きなバラツキがあり、実用には使用できないことがわかった。
本発明の人工脂質二分子膜形成用のシリコンチップは、イオンチャンネルを用いた脂質二分子膜センサーなどに応用でき、特に創薬のスクリーニングなどでの利用が期待できる。また、細胞等から抽出したタンパク質のみならず、無細胞合成系によって合成されたタンパク質と組み合わせることができる。
また、膜に平行な方向に電界を印加できる電極をリーク電流のない状態で設けることで、膜の特性評価を高精度で行うことができる。
1、1A シリコンチップ
10 シリコン基板
11 貫通孔
12 第1開口部
13 第2開口部
21 窒化シリコン膜
22 第1酸化シリコン膜
23 第2酸化シリコン膜
24 電極
25 第3酸化シリコン膜
30、31、32、33 微細孔
30a 内周面
31a 第1傾斜面
32a 第2傾斜面
33a 第3傾斜面
31b、32b エッジ部

Claims (14)

  1. シリコン基板に設けられた貫通孔と、この貫通孔を覆うように設けられた窒化シリコン(Si)膜と、この上に設けられた第1酸化シリコン(SiO)膜と、前記貫通孔の前記シリコン基板の内周面及び前記窒化シリコン膜の前記第1酸化シリコン膜とは反対側に設けられた第2酸化シリコン膜と、前記第1酸化シリコン膜、前記窒化シリコン膜及び前記第2酸化シリコン膜に設けられた微細孔と、前記第2酸化シリコン膜上に設けられ且つ前記微細孔を通る境界線を挟んで両側に配置された一対の電極とを具備し、前記電極は、融点が700℃以下の金属又は合金からなり、前記電極の前記境界線側の端部が前記境界線側ほど厚さが漸減していることを特徴とするシリコンチップ。
  2. 前記電極は、第3酸化シリコン膜で覆われていることを特徴とする請求項1記載のシリコンチップ。
  3. 前記電極は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1又は2記載のシリコンチップ。
  4. 前記微細孔は、前記第2酸化シリコン膜側から前記第1酸化シリコン膜側の開口に向かって前記開口側ほど内径が漸大する形状であり、前記微細孔の内周面は、前記窒化シリコン膜の領域の内周面である第1傾斜面と、前記第1酸化シリコン膜の領域の内周面である第2傾斜面とを含み、前記第2傾斜面の膜厚方向に対して傾斜する傾きが、前記第1傾斜面の傾きより大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のシリコンチップ。
  5. 前記第1傾斜面は、傾斜の傾きが前記開口に近づくほど大きくなる凸曲面で形成され、前記第2傾斜面は、傾斜の傾きが前記開口に近づくほど小さくなる凹曲面で形成されていることを特徴とする請求項4記載のシリコンチップ。
  6. 前記微細孔の内周面には、前記窒素シリコン膜の領域も含めて酸化シリコン膜で覆われていることを特徴とする請求項4又は5記載のシリコンチップ。
  7. 前記貫通孔の内周面には、低誘電率絶縁膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載のシリコンチップ。
  8. 前記低誘電率絶縁膜は、アモルファスフッ素樹脂膜からなることを特徴とする請求項7記載のシリコンチップ。
  9. シリコン基板上に窒化シリコン膜を設け、この上に第1酸化シリコン膜を設ける第1膜形成工程と、
    前記シリコン基板の前記窒化シリコン膜を設けた側とは反対側から、前記窒化シリコン膜まで貫通する貫通孔をウェットエッチングによる形成する貫通孔形成工程と、
    前記貫通孔内に気相法により酸化シリコンを積層して第2酸化シリコン膜を形成する第2膜形成工程と、
    前記貫通孔に対向する領域の前記第1酸化シリコン膜に緩衝フッ化水素酸及びフッ化水素酸を用いてウェッチエッチングすることにより第1微細孔を形成する第1エッチング工程と、
    前記第1微細孔に対向する領域の前記窒化シリコン膜に前記第1微細孔を介してリン酸を用いてウェットエッチングにより前記第1微細孔より大きな第2微細孔を形成する第2エッチング工程と、
    前記第1酸化シリコン膜の前記第1微細孔の周囲及び前記第2微細孔に対向する前記第2酸化シリコン膜をフッ化水素酸を用いてウェットエッチングすることにより、第3微細孔及び第4微細孔を形成し、前記第2微細孔、前記第3微細孔及び前記第4微細孔からなる微細孔を形成する第3エッチング工程と、
    前記微細孔を通る境界線を含む境界領域を少なくとも覆うマスクを介して融点が700℃以下の金属又は合金を蒸着することにより、前記境界線を挟んだ両側に配置された一対の電極を設ける電極形成工程と、
    を具備することを特徴とするシリコンチップの製造方法。
  10. 前記電極形成工程の後、
    前記電極を覆う第3酸化シリコン膜を設ける第3膜形成工程を具備する
    ことを特徴とする請求項9記載のシリコンチップの製造方法。
  11. 前記融点が700℃以下の金属又は合金は、アルミニウム又はアルミニウム合金であることを特徴とする請求項9又は10記載のシリコンチップの製造方法。
  12. 前記第3エッチング工程で形成される微細孔は、前記第2酸化シリコン膜側から前記第1酸化シリコン膜側の開口に向かって前記開口側ほど内径が漸大する形状であり、前記微細孔の内周面は、前記窒化シリコン膜の領域の内周面である第1傾斜面と、前記第1酸化シリコン膜の領域の内周面である第2傾斜面とを含み、前記第2傾斜面の膜厚方向に対して傾斜する傾きが、前記第1傾斜面の傾きより大きい
    ことを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項記載のシリコンチップの製造方法。
  13. 前記第3エッチング工程の後、ウェット酸化工程を行い、
    前記電極形成工程の後、
    前記第2酸化シリコン膜上に低誘電率材料を塗布し、前記第4微細孔に対応する領域をドライエッチングすることにより第5微細孔を有する低誘電率絶縁膜を形成する低誘電率絶縁膜形成工程と
    を具備することを特徴とする請求項9記載のシリコンチップの製造方法。
  14. 前記低誘電率絶縁膜形成工程の後、
    前記微細孔の内周面に酸化シリコン膜を気相法により設ける第4膜形成工程を具備することを特徴とする請求項13記載のシリコンチップの製造方法。

JP2018032551A 2018-02-26 2018-02-26 シリコンチップ及びその製造方法 Pending JP2019146509A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018032551A JP2019146509A (ja) 2018-02-26 2018-02-26 シリコンチップ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018032551A JP2019146509A (ja) 2018-02-26 2018-02-26 シリコンチップ及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019146509A true JP2019146509A (ja) 2019-09-05

Family

ID=67848729

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018032551A Pending JP2019146509A (ja) 2018-02-26 2018-02-26 シリコンチップ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019146509A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023130839A1 (zh) * 2022-01-10 2023-07-13 成都齐碳科技有限公司 成膜支架、生物芯片、装置、制备方法及其应用

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023130839A1 (zh) * 2022-01-10 2023-07-13 成都齐碳科技有限公司 成膜支架、生物芯片、装置、制备方法及其应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4368883B2 (ja) ナノサイズの微細ホールを有するマルチスケールのカンチレバー構造物の製造方法
US10119955B2 (en) High-resolution molecular sensor
US20190120816A1 (en) Wafer-Scale Assembly of Insulator-Membrane-Insulator Devices for Nanopore Sensing
US9449787B2 (en) Liquid flow cells having graphene on nitride for microscopy
WO2015085816A1 (zh) 一种mems湿度传感器及制备方法
US20070020146A1 (en) Nanopore structure and method using an insulating substrate
US20050102721A1 (en) Apparatus and method for making a low capacitance artificial nanopore
Pedone et al. Fabrication and electrical characterization of a pore–cavity–pore device
JP6285040B2 (ja) 生体分子構造解析用デバイスおよび生体分子構造解析用デバイスの形成方法
US20110038497A1 (en) Microphone Devices and Methods for Tuning Microphone Devices
JP6730280B2 (ja) 限界電流式ガスセンサ
KR101987556B1 (ko) 유연성 나노-포어 소자 및 이의 제조 방법
US10914700B2 (en) Single cantilever gas sensor, sensor array, and manufacturing method thereof
US8847335B2 (en) Membrane structure for electrochemical sensor
JP2019146509A (ja) シリコンチップ及びその製造方法
CN107001029A (zh) 基于结构化基底具有带纳米范围内细孔的三维膜结构的结构元件和制造其的半导体技术方法
JPWO2017158845A1 (ja) メンブレンデバイスの製造方法、メンブレンデバイス、および、ナノポアデバイス
KR20170004176A (ko) 나노포어 구조체, 나노포어 구조를 이용한 이온소자 및 나노멤브레인 구조체 제조방법
JP2018140478A (ja) シリコンチップ及びその製造方法
WO2010016193A1 (ja) 細胞電気生理センサ用チップとこれを用いた細胞電気生理センサ、および細胞電気生理センサ用チップの製造方法
Petrossian et al. Fabrication of cylindrical nanopores and nanopore arrays in silicon-on-insulator substrates
Lee et al. Construction of Membrane Sieves Using Stoichiometric and Stress‐Reduced Si3N4/SiO2/Si3N4 Multilayer Films and Their Applications in Blood Plasma Separation
Lukas et al. Suspended Two-Dimensional Material Membranes For Sensor Applications Fabricated With A High-Yield Transfer Process
WO2021078263A1 (zh) 微流控芯片及其制备方法
Matthews et al. Characterization of a micromachined planar patch clamp for cellular electrophysiology