JP2019144626A - 電力管理システム及び電力管理アプリケーション - Google Patents

Abstract

【課題】電力の需要と供給を適切に管理する技術を提供する。【解決手段】電力管理システム１０は、電池５０を備えた移動体４０と、移動体４０の乗員が使用する端末１００と、電池５０を充電するための電力を供給可能な複数の充電装置２０と、電池５０に充電された電力を受電可能な複数の受電装置３０と、電池５０の残量、移動体４０における電力の需要量、複数の充電装置２０のそれぞれにおける電力の供給量、又は複数の受電装置３０のそれぞれにおける電力の需要量を送受信するための通信網１２とを備える。【選択図】図１

Description

本発明は、電力管理技術に関し、とくに、電力の需要と供給を管理する電力管理システム及び電力管理アプリケーションに関する。

現在、世界における貧困問題において、エネルギーを十分に活用できないことが原因となっていることが多いため、エネルギー問題の解決を行うことができれば、世界規模での貧困問題解決の糸口を見いだすことができよう。

しかし、実際のエネルギーの活用には、送電網や発電設備など、インフラの構築が不可欠であるが、世界ではまだまだ十分にインフラ整備が行われていないという現状が存在する。例えば、風を十分に受けられる土地であっても、送電網がないことから風力発電を行うことができないといった現状が存在するのである。

本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、電力の需要と供給を適切に管理する技術を提供することにある。

上記課題を解決するために、本発明のある態様の電力管理システムは、電池を備えた移動体と、電池を充電するための電力を供給可能な複数の充電装置と、電池に充電された電力を受電可能な複数の受電装置と、電池の残量、移動体における電力の需要量、複数の充電装置のそれぞれにおける電力の供給量、又は複数の受電装置のそれぞれにおける電力の需要量を送受信するための通信網と、を備える。

電池の所有者又は管理者、充電装置の所有者又は管理者、及び受電装置の所有者又は管理者のいずれか二者以上の間での電力の売買のためのトランザクションが、通信網を介したピア・ツー・ピア通信により実行されてもよい。

電力の売買のためのトランザクションがブロックチェーンにより管理されてもよい。

電力の売買がブロックチェーンにより管理される仮想通貨により決済可能であってもよい。

本発明の別の態様は、電力管理アプリケーションである。この電力管理アプリケーションは、電池を備えた移動体の乗員が使用する端末において実行可能な電力管理アプリケーションにおいて、電池を充電するための電力を買電する場合に、移動体の現在又は将来の位置の周辺にある充電装置の情報を提示する充電装置情報提示部と、電池に充電された電力を売電する場合に、移動体の現在又は将来の位置の周辺にある受電装置の情報を提示する受電装置情報提示部と、を備える。

電池の残量と、移動体により必要とされる電力量の予測値とに基づいて、電池に充電するための電力の買電の要否、又は、電池に充電された電力の売電の適否を判定する判定部を更に備えてもよい。

判定部は、移動体の現在又は将来の位置の周辺にある複数の充電装置による電力の供給量の現在値又は予測値、又は、移動体の現在又は将来の位置の周辺にある複数の受電装置による電力の需要量の現在値又は予測値に更に基づいて、電池に充電するための電力の買電の要否、又は、電池に充電された電力の売電の適否を判定してもよい。

予測値は、過去の実績値に基づく機械学習により獲得されたアルゴリズムにより算出されてもよい。

なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。

本発明によれば、電力の需要と供給を適切に管理する技術を提供することができる。

実施の形態に係る電力管理システムの構成を示す図である。 本実施の形態の第一の特徴を概念的に示す図である。 本実施の形態の第二の特徴を概念的に示す図である。

図１は、実施の形態に係る電力管理システムの構成を示す。電力管理システム１０は、電池５０を備えた移動体４０と、移動体４０の乗員が使用する端末１００と、電池５０を充電するための電力を供給可能な複数の充電装置２０と、電池５０に充電された電力を受電可能な複数の受電装置３０と、電池５０の残量、移動体４０における電力の需要量、複数の充電装置２０のそれぞれにおける電力の供給量、又は複数の受電装置３０のそれぞれにおける電力の需要量を送受信するための通信網１２とを備える。

電池５０の所有者又は管理者、充電装置２０の所有者又は管理者、及び受電装置３０の所有者又は管理者のいずれか二者以上の間での電力の売買のためのトランザクションは、通信網１２を介したピア・ツー・ピア通信により実行される。電力の売買のためのトランザクションは、ブロックチェーンにより管理される。電力の売買は、ブロックチェーンにより管理される仮想通貨により決済可能である。

移動体４０の乗員が使用する端末１００は、電力管理アプリケーションを実行可能である。電力管理アプリケーションは、電池５０を充電するための電力を買電する場合に、移動体４０の現在又は将来の位置の周辺にある充電装置２０の情報を提示する充電装置情報提示部と、電池５０に充電された電力を売電する場合に、移動体４０の現在又は将来の位置の周辺にある受電装置３０の情報を提示する受電装置情報提示部と、電池５０に充電するための電力の買電の要否、又は、電池５０に充電された電力の売電の適否を判定する判定部とを備える。判定部は、電池５０の残量と、移動体４０により必要とされる電力量の予測値と、移動体４０の現在又は将来の位置の周辺にある複数の充電装置２０による電力の供給量の現在値又は予測値、又は、移動体４０の現在又は将来の位置の周辺にある複数の受電装置３０による電力の需要量の現在値又は予測値に基づいて、電池５０に充電するための電力の買電の要否、又は、電池５０に充電された電力の売電の適否を判定する。予測値は、過去の実績値に基づく機械学習により獲得されたアルゴリズムにより算出される。

［ブロックチェーン］
ブロックチェーンとは、中央集権的な管理者を置くことなく、高度な暗号技術と分散技術を組み合わせることでトランザクションの信頼性を担保する分散型台帳技術である。これまで中央集権的な管理者の存在によって担保されていた「信用」を個々のノードの監視によって成立させることが可能となり、これにより、ネットワーク内のすべての参加者は、第三者を介さずに直接取引を行うことができるのである。

［エネルギー分野におけるブロックチェーン］
エネルギー関連のブロックチェーンアプリケーションは、現時点では実際の市場で一般的に利用される段階ではなく、コンセプト、もしくはプロトタイプの段階である。しかし、分野は異なるが、FinTechに代表されるように金融部門でのブロックチェーン技術は既に実用段階にあり、融資と決済領域への米国、中国を始めとする各国の投資は右肩上がりに伸長しており、そこで得られている実績とノウハウの蓄積、更なる研究・開発とその活用は、エネルギー分野のブロックチェーンアプリケーションへの応用と分散型エネルギー供給システム構築の実現性を可能にする。これにより、エネルギー分野のシステム全体における取引コストは削減でき、取引のプロセスの効率を高め、エネルギーを購入するユーザーだけでなく、そこに関わる全ての人たちがメリットを享受できるようになる。このことはエネルギーの利用とその価格を高めることに貢献する。

［本実施の形態におけるブロックチェーン］
本実施の形態では、エネルギー分野におけるブロックチェーンの可能性と有用性を鑑み、これまでの中央集権的でない、分散型エネルギー取引の仕組みと、それを安定的に、そしてスムーズに供給できるシステムを提供する。この分散型エネルギー取引・供給システムでは、エネルギーを消費する人は、エネルギーの生産者にもなり得る。例えば、プロシューマーな人たちは、エネルギーを消費するだけでなく、太陽光発電、小規模風力タービン、水力発電、またはＣＨＰプラントを活用してエネルギーを生産することも可能となる。この時、エネルギー分野におけるブロックチェーン技術は、プロシューマーが発電したエネルギーを従来のような仲介者を介すことなく直接それを必要としている人に売ることも可能にする。

本実施の形態では、動く送電網としての役割を果たす電気自動車（ＥＶ）を活用する。この電気自動車の普及には、必要な時にいつでも、どこでも充電できる充電ステーションと合わせ、簡単に支払いができるシステムも必要となる。例えば、充電を必要とする電気自動車をＡＩ（人工知能）が自律的に情報を認知、充電を行い、その電気料金の決済を自動で課金するシステム提供もこのブロックチェーン技術を活用して提供していくことが可能となる。

ここで行われる全てのピアツーピアネットワークを通じた消費者と生産者間の取引は、スマートコントラクトに基づいて行われ、この分散化されたブロックチェーンシステムは、それぞれのトランザクションが改竄されることを防ぐのと合わせ、エネルギーの需要と供給バランスを均一に図ることを実現する。

加えて、より消費者、ユーザーの利便性、利用率の向上を促進するために、これらブロックチェーン技術をスマートデバイスと組み合わせることで、より汎用性があり、付加価値の高いエネルギープラットフォームを構築していく。

本実施の形態のシステムの目的は、エネルギーの自由化であるが、これを独自のブロックチェーン技術の開発と合わせ、ビッグデータ、ＡＩ、ＩｏＴと組み合わせながら、具体的に一歩ずつ成し遂げていく。

図２は、本実施の形態の第一の特徴を概念的に示す。第一の特徴は、動く送電網としての役割を持つ、電気自動車の活用である。ある一定の纏まった電気を蓄電可能な電気自動車は、地域間での電力の過不足を解消し、その均衡化を図ることを可能にする。また、電力のインフラが十分でない国においても、大きな力を発揮する。

例えば、移動前に電気自動車にフル充電した電力が、その往復の移動工程にて余剰となるようであれば、その需給バランスをシステムが検知、その電力を必要としている先に電気自動車の電力を供給することで電力の需給バランスを図ることが可能となる。

また、アフリカや中南米をはじめとした発展途上国においては、電力供給が恒常的に不足、不安定なことから頻繁に停電が起きることがあるが、その際には、大量の電気を蓄電した電気自動車に家庭の電力の供給元を変更することで、電力供給の安定化を図り、それらの地域の生活水準の安定化と豊かな暮らしを実現することができるのである。

図３は、本実施の形態の第二の特徴を概念的に示す。第二の特徴は、現在、産学により研究開発の進む、無線による充電など、送電インフラの構築と実用化である。その早期実現に向けて、多くの研究者、機関から出されている学術論文、研究成果の情報を共有化、ブロックチェーンを活用することで秘匿性が高く、安心、安全で、改竄されることの無いデータを活用できる分散型のシステムプラットフォームを構築する。加えて、今後、発展性のある研究テーマには積極的に投資、またベンチャーがＩＣＯを行う環境も整えることで、豊かな社会を担う研究、ビジネスイノベーションが着実に生まれ、促進されるプラットフォームを構築する。

第三の特徴は、次世代型エネルギー装置の活用である。世界各国では、以前から多くの企業や研究機関が次世代型エネルギー装置とその供給システムのプラットフォームを実現しようと試みている。本実施の形態では、スマートコントラクトに根ざすトランザクション管理と、ブロックチェーン技術を活用したシステムを利用することで、従来の中央集権型ではない、ピアツーピアでの双方向ネットワークを通じた情報の保存と、それを活用した未来永劫に続く研究・開発、そしてそれに基づく分散型のエネルギー発電と供給、取引システムのプラットフォーム構築を実現する。

以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、その各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。

１０ 電力管理システム、１２ 通信網、２０ 充電装置、３０ 受電装置、４０ 移動体、５０ 電池、１００ 端末。

Claims (8)

1. 電池を備えた移動体と、
   前記電池を充電するための電力を供給可能な複数の充電装置と、
   前記電池に充電された電力を受電可能な複数の受電装置と、
   前記電池の残量、前記移動体における電力の需要量、前記複数の充電装置のそれぞれにおける電力の供給量、又は前記複数の受電装置のそれぞれにおける電力の需要量を送受信するための通信網と、
   を備えることを特徴とする電力管理システム。
2. 前記電池の所有者又は管理者、前記充電装置の所有者又は管理者、及び前記受電装置の所有者又は管理者のいずれか二者以上の間での電力の売買のためのトランザクションが、前記通信網を介したピア・ツー・ピア通信により実行されることを特徴とする請求項１に記載の電力管理システム。
3. 電力の売買のためのトランザクションがブロックチェーンにより管理されることを特徴とする請求項１に記載の電力管理システム。
4. 電力の売買がブロックチェーンにより管理される仮想通貨により決済可能であることを特徴とする請求項２又は３に記載の電力管理システム。
5. 電池を備えた移動体の乗員が使用する端末において実行可能な電力管理アプリケーションにおいて、
   前記電池を充電するための電力を買電する場合に、前記移動体の現在又は将来の位置の周辺にある充電装置の情報を提示する充電装置情報提示部と、
   前記電池に充電された電力を売電する場合に、前記移動体の現在又は将来の位置の周辺にある受電装置の情報を提示する受電装置情報提示部と、
   を備えることを特徴とする電力管理アプリケーション。
6. 前記電池の残量と、前記移動体により必要とされる電力量の予測値とに基づいて、前記電池に充電するための電力の買電の要否、又は、前記電池に充電された電力の売電の適否を判定する判定部を更に備えることを特徴とする請求項５に記載の電力管理アプリケーション。
7. 前記判定部は、前記移動体の現在又は将来の位置の周辺にある複数の充電装置による電力の供給量の現在値又は予測値、又は、前記移動体の現在又は将来の位置の周辺にある複数の受電装置による電力の需要量の現在値又は予測値に更に基づいて、前記電池に充電するための電力の買電の要否、又は、前記電池に充電された電力の売電の適否を判定することを特徴とする請求項６に記載の電力管理アプリケーション。
8. 前記予測値は、過去の実績値に基づく機械学習により獲得されたアルゴリズムにより算出されることを特徴とする請求項７に記載の電力管理アプリケーション。