JP2019144476A - Electrophotographic photoreceptor and image forming apparatus including the same - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は非晶質シリコン主体とする感光体層を有する電子写真感光体およびこれを備える画像形成装置に関するものである。 The present invention relates to an electrophotographic photosensitive member having a photosensitive layer mainly composed of amorphous silicon and an image forming apparatus including the same.
電子写真方式を採用した画像形成装置には、例えばアルミニウム製の円筒状の導電性基体の外周面に感光体層を含む成膜層を形成してなる電子写真感光体が搭載されている。このような電子写真感光体には、負の表面電荷を帯電する負帯電用電子写真感光体がある。非晶質シリコンを主体とする感光体層を有する負帯電用電子写真感光体の場合は、一般的に図4(a)に断面図で示すように、導電性基体100A上に、下部電荷注入阻止層201、光導電層202、上部電荷注入阻止層203および表面保護層204の順で感光体層100Bが形成されている。このような構成の電子写真感光体100の上部電荷注入阻止層203には、非晶質シリコンを主体として周期表第13族元素を含有させて、露光によって光導電層202で発生した
正電荷を表面保護層204に向けて通過させるとともに、表面保護層204上に帯電した負電荷(電子)を光導電層202に向けて通過させないようにする構成が採用されている(例えば
特許文献1参照)。
In an image forming apparatus employing an electrophotographic system, for example, an electrophotographic photosensitive member is formed by forming a film-forming layer including a photosensitive layer on the outer peripheral surface of a cylindrical conductive substrate made of aluminum. Such electrophotographic photoreceptors include negatively charged electrophotographic photoreceptors that charge negative surface charges. In the case of an electrophotographic photoreceptor for negative charging having a photoreceptor layer mainly composed of amorphous silicon, generally, a lower charge is injected on a
このような構成の電子写真感光体100では、上部電荷注入阻止層203および表面保護層204がいずれも1μm以下の薄い層厚で形成されることから、成膜の際に光導電層202と上部電荷注入阻止層203との界面に異物が付着したり、成膜後に微小な膜応力が集中したりすることによって、図4(b)に示すように、その界面を起点として上部電荷注入阻止層203と表面保護層204とが点状に剥落することがある。そして、その点状に剥落した部分は、同図に示すように表面の帯電電荷(負電荷)を維持できなくなるため、画像形成装置で印画したときに画像上に黒点として現れて画像欠陥を生じることがある。
In the electrophotographic
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、良好な帯電特性を有しつつ、表面近傍での点状の剥落が発生しても画像欠陥を生じにくくして良好な画像品質を維持することが可能な電子写真感光体およびそれを備える画像形成装置を提供することを目的とする。 The present invention has been conceived under such circumstances, and has good charging characteristics and makes it difficult for image defects to occur even if spot-like peeling occurs near the surface. It is an object of the present invention to provide an electrophotographic photosensitive member capable of maintaining good image quality and an image forming apparatus including the same.
本発明に係る電子写真感光体は、導電性基体と、該導電性基体上に位置する、非晶質シリコンを主体として周期表第15族元素を含む下部電荷注入阻止層と、該下部電荷注入阻止層上に位置する、非晶質シリコンを主体とする光導電層と、該光導電層上に位置する、非晶質シリコンを主体として周期表第13族元素を含む上部電荷注入阻止層と、該上部電荷注入阻止層上に位置する表面保護層とを有し、前記光導電層と前記上部電荷注入阻止層との間には界面を有さず、前記上部電荷注入阻止層と前記表面保護層との間に界面を有することを特徴としている。
The electrophotographic photosensitive member according to the present invention includes a conductive substrate, a lower charge injection blocking layer mainly comprising amorphous silicon and containing a
本発明に係る電子写真感光体において、前記上部電荷注入阻止層は、前記光導電層側から前記表面保護層側に向けて前記周期表第13族元素の濃度が増加していることが好ましい
。
In the electrophotographic photosensitive member according to the present invention, it is preferable that the upper charge injection blocking layer has a concentration of the
本発明に係る電子写真感光体において、前記表面保護層は、シリコンおよび炭素の少なくとも一方を含む非晶質材料からなることが好ましい。 In the electrophotographic photosensitive member according to the present invention, the surface protective layer is preferably made of an amorphous material containing at least one of silicon and carbon.
本発明に係る電子写真感光体において、前記下部電荷注入阻止層は、酸素および周期表第13族元素の少なくとも一方をさらに含むことが好ましい。
In the electrophotographic photosensitive member according to the present invention, it is preferable that the lower charge injection blocking layer further includes at least one of oxygen and a
本発明に係る電子写真感光体において、前記周期表第15族元素は、窒素であることが好ましい。
In the electrophotographic photosensitive member according to the present invention, the
本発明に係る電子写真感光体において、前記周期表第13族元素は、硼素であることが好ましい。
In the electrophotographic photosensitive member according to the present invention, the
本発明に係る画像形成装置は、上述の本発明に係る電子写真感光体を備えることを特徴としている。 An image forming apparatus according to the present invention includes the above-described electrophotographic photosensitive member according to the present invention.
本発明に係る電子写真感光体では、光導電層と上部電荷注入阻止層との間には界面を有さず、上部電荷注入阻止層と表面保護層との間に界面を有することから、成膜の際に光導電層上に上部電荷注入阻止層および表面保護層を形成する間に異物が付着したり、成膜後に微小な膜応力が集中したりすることによって、その部分を起点として点状の剥落が生じるとしても、界面を有する上部電荷注入阻止層と表面保護層との間から剥落することになり、界面を有しない光導電層と上部電荷注入阻止層との間から剥落することが抑制されるので、その点状に剥落した部分においても表面の帯電電荷を維持することができる。そのため、画像形成装置で印画したときに画像上に黒点として現れる画像欠陥を生じにくくして良好な画像品質を維持することが可能となる。 In the electrophotographic photoreceptor according to the present invention, there is no interface between the photoconductive layer and the upper charge injection blocking layer, and there is an interface between the upper charge injection blocking layer and the surface protective layer. When a film is deposited, foreign matter adheres to it during the formation of the upper charge injection blocking layer and the surface protective layer on the photoconductive layer, or minute film stress concentrates after the film formation. Even if a strip-like peeling occurs, it will peel off from between the upper charge injection blocking layer having the interface and the surface protective layer, and from the photoconductive layer having no interface and the upper charge injection blocking layer Therefore, the charged charge on the surface can be maintained even in the part peeled off in the dot shape. Therefore, it is possible to maintain good image quality by making it difficult for image defects that appear as black spots on an image when printed by the image forming apparatus.
上記のような界面の有無は、後述するように、光導電層、上部電荷注入阻止層および表面保護層の成膜時に制御することができる。 The presence or absence of the interface as described above can be controlled when the photoconductive layer, the upper charge injection blocking layer, and the surface protective layer are formed, as will be described later.
以下、本発明に係る電子写真感光体および画像形成装置について、図面を参照しつつ説明する。 Hereinafter, an electrophotographic photoreceptor and an image forming apparatus according to the present invention will be described with reference to the drawings.
図1(a)は本発明に係る電子写真感光体の実施形態の一例の概略構成を表す断面図であり、図1(b)はその一部(A部に相当)を拡大して示す断面図である。図1(a)に示すように、電子写真感光体10は、円筒状の導電性基体10Aおよび導電性基体10Aの外周面上に形成された感光体層10Bを有しており、電子写真方式の画像形成装置において画像信号に基づいた静電潜像やトナー像が表面に形成されるものである。この電子写真感光体10は、必要に応じて両端部にフランジFが固定され、これを介して画像形成装置内に回転
可能に搭載される。
FIG. 1A is a cross-sectional view illustrating a schematic configuration of an example of an embodiment of an electrophotographic photosensitive member according to the present invention, and FIG. 1B is a cross-sectional view illustrating an enlarged part (corresponding to part A). FIG. As shown in FIG. 1 (a), an
導電性基体10A(以下、基体10Aともいう。)は、電子写真感光体10(以下、感光体10ともいう)において感光体層10Bの支持部材となるものであり、少なくとも表面に導電性を有するように構成されている。本例における基体10Aの形状は円筒状であるが、これには限られず、例えば無端ベルト状としてもよい。基体10Aは、例えば金属あるいは金属を含んでなる合金によって全体が導電性を有する構成としてもよいし、合成樹脂やガラス、セラミックスなどによって構成される絶縁体の表面に金属および透明導電性材料などの導電性膜を形成することにより、表面に導電性を有する構成としてもよい。
The
金属としては、例えばアルミニウム(Al),ステンレス(SUS),亜鉛(Zn),銅(Cu),鉄(Fe),チタン(Ti),ニッケル(Ni),クロム(Cr),モリブデン(Mo),インジウム(In),ニオブ(Nb),テルル(Te),バナジウム(V),パラジウム(Pd),タンタル(Ta),スズ(Sn),白金(Pt),金(Au)および銀(Ag)が挙げられる。合成樹脂としては、例えばポリエステル,ポリエチレン,ポリカーボネート,セルロースアセテート,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル,ポリスチレンおよびポリアミドが挙げられる。透明導電性材料としては、例えばITO(Indium Tin Oxide)およびSnO2が挙げられる。以上のような構成の中でも、非晶質(アモルファス)シリコン系(a−Si系)材料によって感光体層10Bを形成する場合においてこの感光体層10Bとの密着性を高める観点からは、基体10Aの少なくとも表面をAl系合金(例えばAl−Mn系合金,Al−Mg系合金,Al−Mg−Si系合金)によって構成するものが好ましい。
Examples of the metal include aluminum (Al), stainless steel (SUS), zinc (Zn), copper (Cu), iron (Fe), titanium (Ti), nickel (Ni), chromium (Cr), molybdenum (Mo), Indium (In), Niobium (Nb), Tellurium (Te), Vanadium (V), Palladium (Pd), Tantalum (Ta), Tin (Sn), Platinum (Pt), Gold (Au) and Silver (Ag) Can be mentioned. Examples of the synthetic resin include polyester, polyethylene, polycarbonate, cellulose acetate, polypropylene, polyvinyl chloride, polystyrene, and polyamide. Examples of the transparent conductive material include ITO (Indium Tin Oxide) and SnO 2 . Among the configurations described above, in the case where the
基体10Aにおける感光体層10Bの形成面は、旋盤加工などによって表面処理が施される。表面処理としては、例えば鏡面加工および線状溝加工が挙げられる。
The surface of the
感光体層10Bは、基体10Aの外周面上に位置しており、その厚みは例えば15μm以上90μm以下に設定される。感光体層10Bの厚みを15μm以上にすると、例えば長波長光吸収層を設けなくても、記録画像に干渉縞が発生するのを適切に抑制することができる。他方、感光体層10Bの厚みを90μm以下にすると、膜の応力に起因して基体10Aから感光体層10Bが剥がれてしまうのを適切に抑制することができる。
The
本例において、感光体層10Bは、下部電荷注入阻止層101,光導電層102,上部電荷注入阻止層103および表面保護層104を積層して形成したものである。
In this example, the
下部電荷注入阻止層101(以下、下部阻止層101ともいう。)は、基体10A側からの電荷が光導電層102側に注入されるのを阻止する役割を担うものである。具体的に、下部阻止
層101は、負極性の帯電処理を感光体層10Bの自由表面に受けた際に、基体10A側から光
導電層102側にホール(正電荷)が注入されるのを阻止する機能を有している。
The lower charge injection blocking layer 101 (hereinafter also referred to as the lower blocking layer 101) plays a role of blocking the injection of charges from the
下部阻止層101は、非晶質シリコンを主体とする非単結晶材料により構成されている。
ここで非単結晶材料とは、多結晶、微結晶あるいは非晶質の部分を含む材料を意味している。また、下部阻止層101は、周期表第15族元素を含んでいる。下部阻止層101に含まれる周期表第15族元素(以下、第15族元素ともいう。)は、下部阻止層101中に実質的に均一
に分布していてもよいし、層厚方向において不均一に分布している部位を有していてもよい。基体10Aへの密着性の観点からは、下部阻止層101における光導電層102側の端部領域よりも基体10A側の端部領域の方で濃度が小さくなるように分布しているのが好ましい。なお、いずれの場合においても、面内方向における特性の均一化を図る観点から、基体10Aの表面に平行な面内方向において実質的に均一に分布しているのが好ましい。
The
Here, the non-single crystal material means a material containing a polycrystalline, microcrystalline, or amorphous part. The
下部阻止層101における第15族元素の原子濃度は、例えば5×1017[1/cm3]以
上5×1019[1/cm3]以下とされる。下部阻止層101における第15族元素の原子濃
度が5×1017[1/cm3]未満であると、正電荷に対する耐電圧を充分に(例えば第15族元素の原子濃度が0の場合の1.5倍以上に)高めることが困難となる傾向にある。他
方、下部阻止層101における第15族元素の原子濃度が5×1019[1/cm3]を超えると、残留電位を充分に低い状態(例えば残留電位−20V以下の状態)に維持することが困難となる傾向がある。
The atomic concentration of the
第15族元素としては、窒素(N),燐(P),砒素(As),アンチモン(Sb),ビスマス(Bi)などが挙げられ、中でもプラズマCVD法、例えばグロー放電分解法による成膜時のドーピング濃度の制御容易性の観点からは、窒素または燐が好ましい。中でも窒素は、安全性および使用後の廃棄容易性の点でより好ましい。
Examples of the
また、下部阻止層101は、酸素(O)および周期表第13族元素の少なくとも一方をさら
に含んでいてもよい。下部阻止層101が酸素を含むことによって、基体10Aとの密着性が
向上することとなるので好ましい。
The
下部阻止層101に第15族元素を導入するための原料としては、例えばN2,NH3,NO,N2O,PH3,PF3,PF5,AsH3が挙げられる。
Examples of the raw material for introducing the
酸素を導入するための原料としては、例えばO2,NO,N2Oが挙げられる。 Examples of the raw material for introducing oxygen include O 2 , NO, and N 2 O.
第13族元素を導入するための原料としては、例えばB2H6およびB4H10などの水素化硼素、あるいはBF3,BCl3およびBBr3などのハロゲン化硼素、あるいはAlCl3,GaCl3,Ga(CH3)3,InCl3またはTlCl3などが挙げられる。
Examples of the raw material for introducing the
また、下部阻止層101は、炭素(C)をさらに含んでいてもよい。下部阻止層101が炭素を含むことによって、基体10Aとの密着性が向上する効果が期待でき、また基体10Aからの電荷注入を阻止する機能が向上する効果が期待できるようになるので好ましい。下部阻止層101に炭素を導入するための原料としては、例えばCH4,C2H2,C2H6,C
3H8,C4H10などが挙げられる。
The
3 H 8 , C 4 H 10 and the like can be mentioned.
上記の添加元素は、いずれも下部阻止層101中に実質的に均一に分布していてもよいし
、層厚方向において不均一に分布している部位を有していてもよい。但し、分布濃度が不均一である場合は、残留電荷の発生を低減する観点から、基体10A側における添加元素の濃度が大きくなるように含有させるのが好ましい。なお、いずれの場合においても、面内方向における特性の均一化を図る観点から、基体10Aの表面に平行な面内方向において実質的に均一に分布しているのが好ましい。
Any of the above-mentioned additive elements may be distributed substantially uniformly in the
下部阻止層101の厚さは、所望の電子写真特性および経済的効果などの観点から、0.1μm以上10μm以下に設定される。下部阻止層101の厚さが0.1μm未満であると、基体10A側からの電荷の注入を充分に阻止することができない場合がある。他方、下部阻止層101
の厚さが10μmを超えると、残留電荷が発生し、メモリ特性が悪化してしまう場合がある。
The thickness of the
If the thickness exceeds 10 μm, residual charges are generated and the memory characteristics may be deteriorated.
光導電層102は、レーザ光などの光照射によってキャリアを発生させる役割を担うもの
である。光導電層102は、非晶質シリコンを主体とするものである。すなわち、シリコン
を主体とする非単結晶材料により構成されており、微結晶シリコンを含んでなる場合は、暗導電率・光導電率を高めることができ、光導電層102の設計自由度を高めることができ
る。このような微結晶シリコンは、成膜条件を変えることによって形成することができ、例えばグロー放電分解法を採用する場合は、基体10Aの温度および直流パルス電力を高めに設定し、希釈ガス(例えば水素)の流量を増すことによって形成できる。
The
光導電層102は、シリコンの未結合手(ダングリングボンド)を補償する観点から、水
素およびハロゲン元素の少なくとも一方を含むものが好ましい。光導電層102における水
素およびハロゲン元素の含有量の総和は、シリコンと水素とハロゲン元素との含有量の総和に対して1原子%以上40原子%以下とされるのが好ましい。光導電層102にシリコンを
導入するための原料としては、SiH4,Si2H6,Si3H8およびSi4H10などの水素化珪素(シラン類)が挙げられ、中でもシリコンの供給効率あるいは取扱い容易性などの観点からSiH4およびSi2H6が特に好ましい。光導電層102にハロゲン元素
を導入するための原料としては、F2,BrF,ClF,ClF3,BrF3,BrF5,IF3,IF7,SiF4およびSi2F6などが挙げられる。なお、光導電層102に
シリコンを導入するための原料は、必要に応じてH2およびHeの少なくとも一方によって希釈してもよい。
The
光導電層102における水素あるいはハロゲン元素の含有量を制御するには、例えば、基
体10Aの温度、光導電層102に各元素を導入するための原料の供給量あるいはグロー放電
分解の放電電力などを調整すればよい。
In order to control the content of hydrogen or halogen element in the
また、光導電層102には、伝導性を制御するための伝導性制御元素を導入してもよい。
伝導性制御元素としては、例えばp型伝導特性を付与する第13族元素およびn型伝導特性を付与する第15族元素が挙げられる。半導体特性に対する感応性あるいは光感度の観点から、第13族元素としては硼素、第15族元素としては燐が好ましい。特に、伝導性制御元素としては、光導電層102を真性型(i型)に近付けるべく第13族元素を採用するのが好ま
しい。なお、光導電層102に対する伝導性制御元素の導入は、層形成時に、光導電層102の主たる構成元素を導入する原料とともに、伝導性制御元素を導入するための上記の原料を反応容器中に供給することにより行なう。また、伝導性制御元素を導入するための原料は、必要に応じてH2,He,ArおよびNeなどのガスによって希釈してもよい。さらに、原料における伝導性制御元素の含有量を経時的に変化させたり、希釈の程度を変化させたりすることにより、光導電層102における伝導性制御元素の濃度を層厚方向に変化させてもよい。このような構成の場合は、光導電層102における伝導性制御元素の含有量は、光導電層102の全体における平均含有量が所定範囲内であればよい。
In addition, a conductivity control element for controlling conductivity may be introduced into the
Examples of the conductivity control element include a
さらに、光導電層102には、炭素、酸素および窒素のうちの少なくとも1種の元素を含
有させてもよい。光導電層102における炭素と酸素と窒素との含有量の総和は、これらの
元素とシリコンとの総和に対して1×10−5原子%以上10原子%以下とするのが好ましい。
Further, the
光導電層102の厚さ(層厚)は、所望の電子写真特性および経済的効果などの観点から
、5μm以上100μm以下(好適には10μm以上80μm以下)に設定される。光導電層102の厚さが5μm未満であると、帯電能あるいは光感度を充分に確保できない場合がある。他方、光導電層102の厚さが100μmを超えると、電子写真特性上不必要な厚さになり、形成時間も長くなって製造コストの増大に繋がってしまうことになる。
The thickness (layer thickness) of the
上部電荷注入阻止層103(以下、上部阻止層103ともいう。)は、画像形成装置において帯電器によって感光体層10Bの表面に帯電した電荷が光導電層102側に注入されるのを阻
止する役割を担うものである。上部阻止層103は、非晶質シリコンを主体として第13族元
素を含むものである。
The upper charge injection blocking layer 103 (hereinafter also referred to as the upper blocking layer 103) blocks the charge charged on the surface of the
上部阻止層103に含まれる第13族元素は、上部阻止層103中に実質的に均一に分布していてもよいし、層厚方向において不均一に分布している部位を有していてもよい。いずれの場合においても、面内方向における特性の均一化を図る観点から、基体10Aの表面に平行な面内方向において実質的に均一に分布しているのが好ましい。
The
上部阻止層103における第13族元素の原子濃度は、5×1017[1/cm3]以上5×1019[1/cm3]以下とされる。上部阻止層103における第13族元素の原子濃度が5×1017[1/cm3]未満であると、電荷注入阻止能力を充分に確保できない場合がある。他方、上部阻止層103における第13族元素の原子濃度が5×1019[1/cm3]を超えると、
残留電荷が発生し、メモリ特性が悪化してしまう場合がある。
The atomic concentration of the
Residual charges are generated, and memory characteristics may be deteriorated.
ここで、上部阻止層103において第13族元素の濃度(含有量)が層厚方向において不均
一に分布している場合は、残留電荷の発生を低減する観点から、光導電層102側から表面
保護層104(以下、表面層104ともいう。)側に向けて第13族元素の濃度が一様な勾配で増加していることが好ましい。
Here, when the concentration (content) of the
第13族元素としては、硼素(B),アルミニウム(Al),ガリウム(Ga),インジウム(In)およびタリウム(Tl)などが挙げられる。中でもプラズマCVD法(グロー放電分解法)による成膜時のドーピング濃度の制御容易性の観点から、硼素が特に好ましい。
Examples of
上部阻止層103に第13族元素を導入するための原料としては、前述の下部阻止層101の場合と同様である。また、第13族元素を導入するための原料は、必要に応じてH2,He,ArおよびNeなどのガスによって希釈してもよい。
The raw material for introducing the
上部阻止層103に対する第13族元素の導入は、層形成時に、上部阻止層103の主たる構成元素を導入する原料とともに、第13族元素を導入するための原料を反応容器中に供給することによって行なわれる。
The introduction of the
上部阻止層103は、窒素,酸素および炭素のうちの少なくとも1種をさらに含んでいて
もよい。上部阻止層103に含まれる窒素,酸素あるいは炭素は、上部阻止層103中に実質的に均一に分布していてもよいし、層厚方向において不均一に分布している部位を有していてもよい。いずれの場合においても、面内方向における特性の均一化を図る観点から、基体10Aの表面に平行な面内方向において実質的に均一に分布しているのが好ましい。
The
上部阻止層103に炭素が含まれる場合の含有量は、シリコンおよび炭素の総和に対して10原子%以上70原子%以下の範囲であり、表面層104における炭素の含有量よりも少ないことが好ましい。上部阻止層103における炭素の含有量が10原子%未満であると、電荷注入を阻止する能力が充分に確保できない場合がある。他方、上部阻止層103における炭素の含有量が70原子%を超えると、電荷の横流れ(いわゆるEV流れ)を充分に抑制できない場合がある。また、上部阻止層103における炭素の含有量を表面層104における炭素の含有量よりも少なくすることにより、上部阻止層103と表面層104との界面における電荷の滞留が抑制され、残留電位を低減することが可能となる。
When carbon is contained in the
上部阻止層103における窒素,酸素および炭素の含有量の総和は、これらの各元素とシ
リコンとの総和に対して10原子%以上70原子%以下であることが好ましい。
The total content of nitrogen, oxygen and carbon in the
上部阻止層103の厚さ(層厚)は、電荷注入の阻止能力あるいは画像品質などの電子写
真特性の観点から、0.01μm以上1μm以下に設定される。上部阻止層103の厚さが0.01
μm未満であると、電荷注入阻止能力を充分に確保できない場合がある。他方、上部阻止
層103の厚さが1μmを超えると、残留電荷が発生し、画像におけるメモリ特性が悪化し
てしまう場合がある。
The thickness (layer thickness) of the
If it is less than μm, the charge injection blocking ability may not be sufficiently secured. On the other hand, if the thickness of the
ここで、以上の説明においては光導電層102と上部電荷注入阻止層103とをそれぞれ独立した層であるように説明したが、本発明に係る電子写真感光体10においては、光導電層102と上部電荷注入阻止層103との間には界面を有しないことが重要である。すなわち、光導電層102と上部電荷注入阻止層103との間には明確な境界が存在せず、光導電層102から上部電荷注入阻止層103へと連続的に変化(遷移)する領域(遷移領域)を有している。また、光導電層102と上部電荷注入阻止層103との間には界面を有していないことから、両者を全体として見た場合には、遷移領域を介して、基体10A側に光導電層領域が位置し、表面保護層104側に上部電荷注入阻止層領域が位置しているものと認識できる。
Here, in the above description, the
このように光導電層102と上部阻止層103との間に界面を有しない構造とするには、例えば後述するようにグロー放電分解法によって各層を形成する際に、光導電層102から上部
阻止層103にかけてグロー放電を維持したまま原料ガスを光導電層102用の組成から上部阻止層103の組成に連続的に変化させることによって、光導電層102上に界面を有さず遷移領域を介して上部阻止層103が位置する構造とすることができる。またこの遷移領域の厚さ
および組成の変化具合は、要求される電子写真特性に応じて適宜設定すればよい。例えば、解像性の観点からは、遷移領域の厚さは0.2μm以下にすることが好ましい。
In order to obtain a structure having no interface between the
表面層104は、主として感光体10の耐湿性、繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環
境特性あるいは耐久性を高める役割を担うものであり、例えばシリコンおよび炭素の少なくとも一方を主体とする非単結晶材料によって構成されている。
The
表面層104は、例えば、アモルファスシリコンカーバイド(a−SiC)により構成す
る場合であれば、a−SiC中の炭素の含有量がシリコンおよび炭素の総和に対して40原子%以上90原子%以下であるものが好ましい。また、水素化アモルファスシリコンカーバイド(a−SiC:H)により構成する場合であれば、a−SiC:H中の炭素の含有量がシリコンおよび炭素の総和に対して55原子%以上93原子%以下(好適には60原子%以上70原子%以下)であるものが好ましい。
If the
表面層104は、シリコンの未結合手を補償する観点から、水素およびハロゲン元素の少
なくとも一方を含むことが好ましい。表面層104における水素の含有量は、構成元素の総
和に対して1原子%以上70原子%以下(好適には1原子%以上45原子%以下)とするのが好ましい。表面層104における水素の含有量が1原子%未満であると、水素を含有させる
ことによる効果を充分に得ることができない場合がある。他方、表面層104における水素
の含有量が70原子%を超えると、表面層104の表面に光が照射される際に生じる電荷のト
ラップを充分に抑制できない(ひいては残留電位に起因する画像不良の発生を充分に抑制できない)場合がある。
The
表面層104の厚さは、耐久性あるいは残留電位などの観点から、0.2μm以上1.5μm以
下(好適には、0.5μm以上1μm以下)に設定される。表面層104の厚さが0.2μm未満
であると、画像形成装置での耐刷性について画像傷あるいは画像濃度むらの発生を充分に抑制できない場合がある。他方、表面層104の厚さが1.5μmを超えると、残留電位に起因する画像不良の発生を適切に抑制できない場合がある。
The thickness of the
本発明に係る電子写真感光体10においては、上部電荷注入阻止層103と表面保護層104との間には界面を有することが重要である。すなわち、上記のように光導電層102と上部電
荷注入阻止層103との間には界面を有さず、また上部電荷注入阻止層103と表面保護層104
との間には界面を有することから、成膜の際に光導電層102上に上部電荷注入阻止層103お
よび表面保護層104を形成する間に異物が付着したり、成膜後に微小な膜応力が集中した
りすることによって、その部分を起点として点状の剥落が生じるとしても、図1(c)に示すように、界面を有しない光導電層102と上部電荷注入阻止層103との間から剥落することが抑制され、界面を有する上部電荷注入阻止層103と表面保護層104との間から剥落することになる。このとき、その点状に剥落した部分においても、光導電層102上に上部電荷
注入阻止層103が存在していることから、表面の帯電電荷を維持することができる。その
ため、画像形成装置で印画したときに画像上に黒点として現れる画像欠陥を生じにくくして良好な画像品質を維持することが可能となる。
In the
Since there is an interface therewith, foreign matter adheres during formation of the upper charge
上部阻止層103と表面層104との間に界面を有する構造とするには、例えば後述するようにグロー放電分解法によって各層を形成する際に、上部阻止層103の成膜終了時にグロー
放電を中止し、原料ガスを表面層104用の組成に変化させた後にグロー放電を再開するこ
とによって、上部阻止層103と表面層104との間に界面を有する構造とすることができる。
In order to obtain a structure having an interface between the
このような光導電層102と上部阻止層103との間および上部阻止層103と表面層104との間の界面の有無を確認するには、例えば、2次イオン質量分析法による深さ方向組成分析あるいは透過電子顕微鏡による断面構造確認などが利用できる。
In order to confirm the presence or absence of such an interface between the
図2は、感光体10における下部阻止層101、光導電層102、上部阻止層103および表面層104をグロー放電分解法によって基体10A上に形成する成膜装置である、グロー放電分解法によるプラズマCVD装置Yの一例を示す模式的構成図である。
FIG. 2 is a film forming apparatus for forming the
プラズマCVD装置Yは、反応室20と支持機構30と直流電圧供給機構40と温度制御機構50と回転機構60とガス供給機構70と排気機構80とを備えている。
The plasma CVD apparatus Y includes a
反応室20は、基体10Aに対して各層となる堆積膜を形成するための空間であり、円筒状電極21と、一対のプレート22,23と、絶縁部材24,25とにより仕切られている。
The
円筒状電極21は、堆積膜の形成空間を仕切るとともに、グロー放電を発生させるために基体10A側を第1導体とした場合の第2導体としての役割を担うものである。円筒状電極21は、基体10Aと同様の導電性材料で構成されており、絶縁部材24,25を介して一対のプレート22,23と一体化されている。本例における円筒状電極21は、支持機構30に支持させた基体10Aと円筒状電極21との距離が10mm以上100mm以下となるように構成されてい
る。基体10Aと円筒状電極21との距離が10mmよりも小さくなると、基体10Aと円筒状電極21との間で安定した放電を得難くなる場合がある。他方、基体10Aと円筒状電極21との距離が100mmよりも大きくなると、安定した放電を得るための電力が必要以上に大きく
なり、プラズマCVD装置Yが必要以上に大きくなってしまい、単位設置面積当たりの生産性が低下する場合がある。
The
円筒状電極21は、ガス導入口21aおよび複数のガス吹き出し孔21bを有しており、その一端において接地されている。なお、円筒状電極21の接地は必須の条件ではなく、後述の直流電源41とは別の基準電源に接続する構成としてもよい。円筒状電極21を直流電源41とは別の基準電源に接続する場合に、基準電源における基準電圧は、例えば−1500V以上1500V以下とされる。
The
ガス導入口21aは、洗浄ガスまたは原料ガスを反応室20に導入するための開口であり、ガス供給機構70に接続されている。
The
複数のガス吹き出し孔21bは、円筒状電極21の内部に導入された洗浄ガスまたは原料ガスを基体10Aに向けて吹き出すための開口であり、図の上下方向および周方向において例
えば等間隔で配置される。複数のガス吹き出し孔21bは、同一形状の円形に形成されており、その孔径は例えば0.5mm以上2mm以下とされる。なお、複数のガス吹き出し孔21
bの孔径、形状および配置については、適宜変更可能である。
The plurality of
About the hole diameter of b, a shape, and arrangement | positioning, it can change suitably.
プレート22は、反応室20の開放状態と閉塞状態とを選択することができるように着脱可能な構成とされており、プレート22を開閉することによって反応室20に対する後述の支持体31の出し入れが可能となっている。プレート22は、基体10Aと同様の導電性材料で形成されており、その下面側に防着板26が取り付けられている。これにより、プレート22に対して堆積膜が形成されるのが防止されている。なお、防着板26は、基体10Aと同様の導電性材料で形成されており、プレート22に対して着脱自在とされている。
The
プレート23は、反応室20のベースとなるものであり、基体10Aと同様の導電性材料で形成されている。プレート23と円筒状電極21との間に介在する絶縁部材25は、円筒状電極21とプレート23との間にアーク放電が発生するのを抑制する役割を担うものである。このような絶縁部材25は、例えばガラス材料(ホウ珪酸ガラス,ソーダガラス,耐熱ガラスなど)、無機絶縁材料(セラミックス,石英,サファイヤなど)、あるいは合成樹脂絶縁材料(ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂,ポリカーボネート,ポリエチレンテレフタレート,ポリエステル,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,ポリアミド,ビニロン,エポキシ,マイラー,ポリエーテルエーテルケトンなど)で形成することができる。絶縁部材25の材料としては、絶縁性を有し、使用温度で充分な耐熱性があり、真空中でガスの放出が小さい材料であれば特に限定はない。
The
プレート23および絶縁部材25には、ガス排出口23A,25Aおよび圧力計27が設けられている。ガス排出口23A,25Aは、反応室20の内部の気体を排出する役割を担うものであり、排気機構80に接続されている。圧力計27は、反応室20の圧力をモニタリングするためのものであり、公知の種々のものを使用することができる。
The
支持機構30は、基体10Aを支持するとともに、グロー放電を発生させる第1導体としての役割を担うものである。支持機構30は、支持体31と導電性支柱32と絶縁材33とを含んで構成されている。本例における支持機構30は、2つの基体10Aを支持することができる長さ(寸法)に形成されており、支持体31が導電性支柱32に対して着脱自在とされている。このような構成によると、支持した2つの基体10Aの表面に直接触れることなく、反応室20に対して2つの基体10Aの出し入れを行なうことができる。
The
支持体31は、フランジ部31aを有する中空状の部材であり、基体10Aと同様の導電性材料によって全体が導体として構成されている。
The
導電性支柱32は、導板32aを有する筒状の部材であり、基体10Aと同様の導電性材料によって全体が導体として構成されている。導電性支柱32は、その上端部において支持体31の内壁面に当接するように構成されている。
The
絶縁材33は、導電性支柱32とプレート23との間の電気的絶縁性を確保する役割を担うものであり、反応室20の略中央において導電性支柱32とプレート23との間に介在している。
The insulating
直流電圧供給機構40は、導電性支柱32に直流電圧を供給する機構であり、直流電源41および制御部42を有している。
The DC
直流電源41は、導電性支柱32に印加する直流電圧を発生させる役割を担うものであり、導板32aを介して導電性支柱32に接続されている。
The
制御部42は、直流電源41の動作を制御する役割を担うものであり、直流電源41に接続されている。制御部42は、直流電源41の動作を制御して、導電性支柱32を介して支持体31に例えばパルス状の直流電圧を印加できるように構成されている。
The
温度制御機構50は、基体10Aの温度を制御する役割を担うものであり、セラミックパイプ51およびヒータ52を有している。
The
セラミックパイプ51は、絶縁性および熱伝導性を確保する役割を担うものであり、導電性支柱32の内部に収容されている。
The
ヒータ52は、基体10Aを加熱する役割を担うものであり、導電性支柱32の内部に収容されている。基体10Aの温度制御は、例えば支持体31あるいは導電性支柱32に熱電対(図示せず)を取り付け、そのモニタ結果に基づいてヒータ52をオン/オフ制御することによって行なわれる。基体10Aの温度は、例えば200℃以上400℃以下の範囲における所定温度に維持される。なお、ヒータ52としては、例えばニクロム線またはカートリッジヒータが挙げられる。
The heater 52 plays a role of heating the
回転機構60は、支持体31を回転させる役割を担うものであり、回転モータ61と回転導入端子62と絶縁軸部材63と絶縁平板64とを有している。回転機構60によって支持機構30を回転させて成膜を行なう場合は、支持体31とともに基体10Aが回転するため、原料ガスの分解成分を基体10Aの外周に対して略均等に堆積させるうえで好適である。
The
回転モータ61は、基体10Aに回転力を付与する役割を担うものである。回転モータ61は、例えば基体10Aを1rpm以上10rpm以下の一定の回転数で回転させるように動作制御される。回転モータ61としては、公知の種々のものを使用することができる。
The
回転導入端子62は、反応室20内を所定の真空度に保ちながら絶縁軸部材63に回転力を伝達する役割を担うものである。このような回転導入端子62としては、回転軸を2重もしくは3重構造とした、オイルシールあるいはメカニカルシールなどの真空シール手段を用いることができる。
The
絶縁軸部材63および絶縁平板64は、支持機構30とプレート22との間の絶縁状態を維持しつつ、回転モータ61からの回転導入端子62を介した回転力を支持機構30に伝達する役割を担うものである。これらは例えば絶縁部材25と同様の絶縁材料で形成されている。
The insulating shaft member 63 and the insulating flat plate 64 serve to transmit the rotational force from the
絶縁平板64は、プレート22を取り外す際に落下するゴミあるいは粉塵などの異物が基体10Aに付着するのを防止する役割を担うものである。このような絶縁平板64を有する場合は、基体10Aに異物が付着することに起因する異常放電の発生を抑制することができ、成膜欠陥の発生を抑制することができる。
The insulating flat plate 64 plays a role of preventing foreign matter such as dust or dust falling when the
ガス供給機構70は、複数の原料ガスタンク71〜74と、複数の配管71A〜74Aと、複数のバルブ71B〜74B,71C〜74Cと、複数のマスフローコントローラ71D〜74Dとを含んでおり、配管75およびガス導入口21aを介して円筒状電極21に接続されている。
The
各原料ガスタンク71〜74は、原料ガスが充填されたものである。原料ガスとしては、例えばSiH4,H2,B2H6,CH4,N2あるいはNOが用いられる。
Each of the
バルブ71B〜74B,71C〜74Cおよびマスフローコントローラ71D〜74Dは、反応室20に導入するガス成分の流量、組成およびガス圧を調整するためのものである。なお、ガス供給機構70においては、各原料ガスタンク71〜74に充填すべきガスの種類あるいは複数の
原料ガスタンク71〜74の数は、基体10Aに形成すべき膜の種類あるいは組成に応じて適宜選択すればよい。
The valves 71B to 74B, 71C to 74C and the
排気機構80は、反応室20のガスをガス排出口23A,25Aを介して外部に排出する役割を担うものであり、例えばメカニカルブースタポンプ81およびロータリーポンプ82を有している。これらのポンプ81,82は、圧力計27でのモニタリング結果によって動作制御されるものである。すなわち、排気機構80では、圧力計27でのモニタリング結果に基づいて、反応室20を所定の真空状態に維持するとともに、反応室20のガス圧を目的値に設定する。なお、反応室20の圧力は、例えば1Pa以上100Pa以下とされる。
The
次に、プラズマCVD装置Yを用いた堆積膜の形成方法について、感光体10(図1参照)を作製する場合を例にして説明する。 Next, a method for forming a deposited film using the plasma CVD apparatus Y will be described by taking as an example the case of producing the photoreceptor 10 (see FIG. 1).
まず、プラズマCVD装置Yのプレート22を取り外して、複数(図2では2つ)の基体10Aを支持した支持機構30を反応室20の内部にセットし、再びプレート22を取り付ける。支持機構30における2つの基体10Aの支持は、支持体31のフランジ部31a上において、下ダミー基体D1,基体10A,中間ダミー基体D2,基体10Aおよび上ダミー基体D3を順次積み上げる形で行なわれる。各ダミー基体D1〜D3としては、例えば、全体が導電性を有する構成のものや、絶縁体の表面に導電性膜を形成した構成のものが使用できるが、中でも基体10Aと同様の構成のものが特に好ましい。
First, the
下ダミー基体D1は、主として基体10Aの高さ位置を調整する役割を担うものである。中間ダミー基体D2は、主として隣接する基体10Aの端部間に不均一な放電が発生するのを抑制する役割を担うものである。中間ダミー基体D2の長さは、不均一な放電の発生を充分に抑制できる長さ(例えば1cm以上)に設定される。また、その外周面側角部に曲面加工(例えば曲率半径0.5mm以上)あるいは面取り加工(カットされた部分の軸方向
の長さおよび深さ方向の長さがそれぞれ0.5mm以上)を施したものが採用される。上ダ
ミー基体D3は、主として支持体31に堆積膜が形成されるのを抑制する役割を担うものである。上ダミー基体D3としては、その上側端部が支持体31の最上部よりも上方に突出するように構成されたものが採用される。
The lower dummy base D1 mainly plays a role of adjusting the height position of the
次いで、温度制御機構50によって基体10Aを所定温度に制御するとともに、排気機構80によって反応室20を減圧する。基体10Aの温度制御は、ヒータ52を発熱させることによって所定温度近傍まで昇温させた後、ヒータ52をオン/オフすることによって所定温度に維持するように行なわれる。基体10Aの温度は、その表面に形成すべき膜の種類および組成によって適宜設定されるが、例えばa−Si系膜を形成する場合は250℃以上300℃以下の範囲に設定される。一方、反応室20の減圧は、圧力計27での反応室20の圧力をモニタリングしつつ、メカニカルブースタポンプ81およびロータリーポンプ82の動作を制御することにより、ガス排出口23A,25Aを介して反応室20からガスを排出させることによって行なわれる。なお、原料ガス導入前における反応室20の減圧は、例えば1×10−3Pa程度に至るまで行なわれる。
Next, the
次いで、基体10Aの温度を所定温度で維持するとともに、反応室20を所定圧力まで減圧した状態で、ガス供給機構70によって反応室20に原料ガスを供給するとともに、円筒状電極21と支持体31との間に例えばパルス状の直流電圧を印加する。これにより、円筒状電極21と支持体31(基体10A)との間にグロー放電が発生して原料ガスが分解され、その分解成分が基体10Aの表面に堆積することとなる。排気機構80においては、圧力計27でモニタリングしつつ、メカニカルブースタポンプ81およびロータリーポンプ82の動作を制御することにより、反応室20の圧力を所定範囲(例えば1Pa以上100Pa以下)に維持する。
すなわち、反応室20の内部は、ガス供給機構70におけるマスフローコントローラ71D〜74
Dと排気機構80におけるポンプ81,82によって圧力を所定範囲に維持する。
Next, while maintaining the temperature of the
That is, the inside of the
The pressure is maintained in a predetermined range by D and pumps 81 and 82 in the
反応室20への原料ガスの供給は、バルブ71B〜74B,71C〜74Cの開閉状態を適宜制御しつつ、マスフローコントローラ71D〜74Dを制御することにより、原料ガスタンク71〜74の原料ガスを所望の組成および流量で、配管71A〜74A,75およびガス導入口21aを介して円筒状電極21の内部に導入することによって行なわれる。円筒状電極21の内部に導入された原料ガスは、複数のガス吹き出し孔21bを介して基体10Aに向けて吹き出される。そして、バルブ71B〜74B,71C〜74Cおよびマスフローコントローラ71D〜74Dによって原料ガスの組成を適宜変化させる。
The source gas is supplied to the
一方、円筒状電極21と支持体31との間におけるパルス状直流電圧の印加は、円筒状電極21が接地されている場合は、−3000V以上−50V以下(好適には−3000V以上−500V以
下)の負のパルス状直流電位V1となるように行なわれる。また、円筒状電極21が基準電源(図示せず)に接続されている場合は、基準電源から供給される電位V2を基準電位として、目的とする電位差ΔV(例えば−3000V以上−50V以下)となるように行なわれる。また、支持体31(基体10A)に対して負のパルス状電圧を印加する場合は、基準電源から供給される電位V2は、例えば−1500V以上1500V以下に設定される。制御部42は、直流電圧の周波数(1/T[秒])が300kHz以下に、Duty比(T1/T)が20%以上90%以下になるように直流電源41を制御する。本例におけるDuty比とは、パルス状の直流電圧の1周期T(基体10Aと円筒状電極21との間に電位差が生じた瞬間から、次に電位差が生じた瞬間までの時間)における電位差発生時間T1が占める時間割合と定義する。例えば、Duty比が20%とは、パルス状の電圧を印加する際の1周期に占める電位差発生時間が1周期全体の20%であることを意味する。
On the other hand, the application of the pulsed DC voltage between the
以上のようにして、基体10Aの表面には、下部阻止層101、光導電層102、上部阻止層103および表面層104が順次積層形成される。このとき、光導電層102上に上部阻止層103を積層する際は、グロー放電を維持しつつ原料ガスの組成を変化させて成膜する。次いで、上部阻止層103上に表面層104を積層する際は、グロー放電を中止してから原料ガスの組成を変化させ、その後にグロー放電を再開して成膜する。これにより、光導電層102と上部阻止層103との間には界面を有さず、上部阻止層103と表面層104との間には界面を有する電子写真感光体10を得ることができる。なお、下部阻止層101と光導電層102との間には、界面を有していなくても有していてもよい。この間の界面の有無は、所望の電子写真特性および成膜工程の効率などを考慮して選択すればよい。
As described above, the
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る電子写真感光体を備えていることから、電子写真感光体が有する効果と同様の効果を享受することができる。すなわち、画像形成装置で印画したときに画像上に黒点として現れる画像欠陥を生じにくくして良好な画像品質を維持することが可能となる。 According to the image forming apparatus of the present invention, since the electrophotographic photosensitive member according to the present invention is provided, the same effect as that of the electrophotographic photosensitive member can be obtained. That is, it is possible to maintain good image quality by making it difficult for image defects that appear as black spots on an image when printed by the image forming apparatus.
図3は本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例の概略構成を表す模式的断面図である。本例の画像形成装置Xは画像形成方式として電子写真法のカールソン法を採用したものであり、図3に示すように、感光体10,帯電器11,露光器12,現像器13,転写器14,定着器15,クリーニング器16および除電器17を備えている。
FIG. 3 is a schematic cross-sectional view showing a schematic configuration of an example of the image forming apparatus according to the embodiment of the present invention. The image forming apparatus X of this example employs the Carlson method of electrophotography as an image forming method. As shown in FIG. 3, the
帯電器11は、感光体10の表面をここでは負極性に帯電する役割を担うものである。帯電電圧は、例えば−1000V以上−200V以下に設定される。本例における帯電器11には、例
えば芯金を導電性ゴムおよびポリフッ化ビニリデンによって被覆して構成される接触型帯電器が採用されるが、これに代えて、放電ワイヤを備える非接触型帯電器(例えばコロナ帯電器)を採用してもよい。
The charger 11 plays a role of charging the surface of the
露光器12は、帯電した感光体10に静電潜像を形成する役割を担うものである。具体的には、露光器12は、画像信号に応じて特定波長(例えば650nm以上780nm以下)の露光光(例えばレーザ光)を感光体10に照射することにより、帯電状態にある感光体10の露光部分の電位を減衰させて静電潜像を形成する。露光器12としては、例えば複数のLED素子(波長が例えば680nm)を配列させてなるLEDヘッドを採用することもできる。
The
もちろん、露光器12の光源としては、LED素子に代えてレーザ光を出射可能なLD(Laser Diode)素子、あるいは白色光を発光可能なランプを使用することもできる。すなわち、LD素子とポリゴンミラーを含んでなる光学系との組合せを採用してレーザプリンタの構成とすることもできる。あるいは、ランプと原稿からの反射光を通すレンズおよびミラーを含んでなる光学系との組合せを採用して複写機の構成とすることもできる。
Of course, as the light source of the
現像器13は、感光体10の静電潜像を現像してトナー像を形成する役割を担うものである。本例における現像器13は、現像剤(トナー)Tを磁気的に保持する磁気ローラ13Aを備えている。
The developing
現像剤Tは、感光体10の表面上に形成されるトナー像を構成するものであり、現像器13において摩擦帯電させる。現像剤Tとしては、例えば磁性キャリアおよび絶縁性トナーを含んでなる2成分系現像剤と、磁性トナーを含んでなる1成分系現像剤とが挙げられる。
The developer T constitutes a toner image formed on the surface of the
磁気ローラ13Aは、感光体10の表面(現像領域)に現像剤を搬送する役割を担うものである。磁気ローラ13Aは、現像器13において摩擦帯電した現像剤Tを一定の穂長に調整された磁気ブラシの形で搬送する。この搬送された現像剤Tは、感光体10の現像領域において、静電潜像の静電引力によって感光体10の表面に付着してトナー像を形成する(静電潜像を可視化する)。トナー像の帯電極性は、正規現像によって画像形成を行なう場合には感光体10の表面の帯電極性と逆極性とされ、反転現像によって画像形成を行なう場合には、感光体10の表面の帯電極性と同極性とされる。
The
なお、本例における現像器13は乾式現像方式を採用しているが、液体現像剤を用いた湿式現像方式を採用してもよい。
Although the developing
転写器14は、感光体10と転写器14との間の転写領域に供給された記録媒体Pに、感光体10のトナー像を転写する役割を担うものである。本例における転写器14は、転写用放電器14Aおよび分離用放電器14Bを備えている。転写器14では、転写用放電器14Aによって記録媒体Pの背面(非記録面)がトナー像とは逆極性に帯電し、この帯電電荷とトナー像との静電引力によって記録媒体P上にトナー像が転写される。また、転写器14では、トナー像の転写と同時的に分離用放電器14Bにおいて記録媒体Pの背面が交流放電によって帯電が消去され、記録媒体Pが感光体10の表面から速やかに分離される。
The
また、転写器14としては、感光体10の回転に従動し、かつ感光体10とは微小間隙(通常は0.5mm以下)を介して配置された転写ローラを用いることも可能である。転写ローラ
は、例えば直流電源を用いて、感光体10上のトナー像を記録媒体P上に引き付けるような転写電圧を印加するように構成される。転写ローラを用いる場合には、分離用放電器14Bのような転写分離装置は省略することができる。
Further, as the
定着器15は、記録媒体Pに転写されたトナー像を記録媒体Pに定着させる役割を担うものであり、一対の定着ローラ15A,15Bを備えている。定着ローラ15A,15Bは、例えば金属ローラ上をポリテトラフルオロエチレンなどで表面被覆したものが用いられる。定着器15では、一対の定着ローラ15A,15Bの間を通過させる記録媒体Pに対して熱および圧力などを作用させることにより、記録媒体Pにトナー像を定着させることができる。
The fixing
クリーニング器16は、転写後に感光体10の表面に残存するトナーを除去する役割を担うものである。本例のクリーニング器16はクリーニングブレード16Aを備えている。クリーニングブレード16Aは、感光体10の表面から残留トナーを掻き取る役割を担うものである。クリーニングブレード16Aは、例えばポリウレタン樹脂を主成分としたゴム材料で形成されている。
The
除電器17は、静電潜像として残っている感光体10の表面電荷を除去する役割を担うものである。本例の除電器17は感光体10への露光によって除電を行なうものであり、特定波長(例えば780nm以上)の光を出射可能なものが使用される。除電器17は、例えばLED
などの光源を用いて感光体10の表面の軸方向全体に光照射することにより、感光体10の表面電荷(残余の静電潜像)を除去するように構成されている。
The
The surface charge (residual electrostatic latent image) of the
<電子写真感光体の作製>
電子写真感光体は、円筒状基体としてアルミニウム合金素管(外径:30mm、長さ254
mm)を用いて作製した。このアルミニウム素管に対しては、図2に示すプラズマCVD装置Yを用いて、表1に示す条件で感光体層(下部電荷注入阻止層、光導電層、上部電荷注入阻止層および表面保護層)を形成した。表1におけるB2H6の流量は、SiH4の流量に対する比で表している。なお、プラズマCVD装置の電源としては、直流パルス電源(パルス周波数:33kHz、Duty比:70%)を使用した。ここで、光導電層上に上部電荷注入阻止層を形成する際にはグロー放電を継続したままガス流量を変化させて成膜し、上部電荷注入阻止層上に表面保護層を形成する際には、グロー放電を一旦停止し、ガス流量を変化させた後にグロー放電を再開して成膜した。このようにして、本発明の実施例としての試料1〜8を作製した。
<Production of electrophotographic photoreceptor>
The electrophotographic photosensitive member has an aluminum alloy tube (outer diameter: 30 mm, length 254 as a cylindrical substrate).
mm). For this aluminum base tube, a photosensitive layer (a lower charge injection blocking layer, a photoconductive layer, an upper charge injection blocking layer, and a surface protective layer) under the conditions shown in Table 1 using the plasma CVD apparatus Y shown in FIG. ) Was formed. The flow rate of B 2 H 6 in Table 1 is expressed as a ratio to the flow rate of SiH 4 . A DC pulse power supply (pulse frequency: 33 kHz, Duty ratio: 70%) was used as a power supply for the plasma CVD apparatus. Here, when the upper charge injection blocking layer is formed on the photoconductive layer, the film is formed by changing the gas flow rate while continuing the glow discharge, and when the surface protective layer is formed on the upper charge injection blocking layer. The film was formed by stopping the glow discharge and changing the gas flow rate to resume the glow discharge. Thus, samples 1 to 8 as examples of the present invention were produced.
<感光体層における界面の有無の確認>
透過型電子顕微鏡(型番:JEM−2010F)を用いて、試料に対して加速電圧200kV
で電子線を照射し、試料を透過した電子波を対物レンズなどの電子レンズによって拡大し、顕微鏡像および電子回折像を観察することで界面の有無を確認した。その結果、試料1〜8のいずれにおいても、光導電層と上部電荷注入阻止層との間には界面を有さず、上部電荷注入阻止層と表面保護層との間には界面を有していることが確認できた。
<Confirmation of presence or absence of interface in photoreceptor layer>
Using a transmission electron microscope (model number: JEM-2010F), an acceleration voltage of 200 kV is applied to the sample.
The electron beam was irradiated with, the electron wave transmitted through the sample was magnified by an electron lens such as an objective lens, and the presence of an interface was confirmed by observing a microscopic image and an electron diffraction image. As a result, none of the samples 1 to 8 has an interface between the photoconductive layer and the upper charge injection blocking layer, and has an interface between the upper charge injection blocking layer and the surface protective layer. It was confirmed that
また、作製した感光体を画像形成装置に搭載し、印画評価を行なった。その際、感光体上の感光体層の表面近傍における点状の剥落は事前に目視によって確認しておき、その箇所が印画結果として画像黒点となるかどうかの相関を確認した。その結果として表2に、感光体層について事前に確認した点状の剥落の個数に対し、印画において画像上の黒点として現れた個数を示す。 The produced photoreceptor was mounted on an image forming apparatus and evaluated for printing. At that time, spot-like peeling near the surface of the photosensitive layer on the photosensitive member was confirmed in advance by visual observation, and a correlation was confirmed as to whether or not the spot becomes an image black spot as a printing result. As a result, Table 2 shows the number of black spots on the image in the print with respect to the number of spot-like peelings confirmed in advance for the photoreceptor layer.
<評価結果>
表2に示す結果から明らかなように、本発明に係る感光体によれば、感光体層の点状の剥落が事前に目視で最大5個程度確認できたものの、いずれも画像上の黒点として現れることはなく、優れた印画品質が得られるものであった。
<Evaluation results>
As is apparent from the results shown in Table 2, according to the photoreceptor of the present invention, although up to about 5 dot-like peelings of the photoreceptor layer could be confirmed by visual observation in advance, all of them were as black spots on the image. It did not appear, and excellent print quality was obtained.
以上、本発明の具体的な実施形態の例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。 As mentioned above, although the example of specific embodiment of this invention was shown, this invention is not limited to this, A various change is possible within the range which does not deviate from the thought of invention.
10……電子写真感光体
10A……基体
10B……感光体層
101……下部電荷注入阻止層
102……光導電層
103……上部電荷注入阻止層
104……表面保護層
X……画像形成装置
10 …… Electrophotographic photoconductor
10A …… Base
10B …… Photoreceptor layer
101 …… Lower charge injection blocking layer
102 …… Photoconductive layer
103 …… Upper charge injection blocking layer
104 …… Surface protective layer X …… Image forming device
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