JP2019128580A - モデル表示方法、パターン設計方法、及びプログラム - Google Patents

モデル表示方法、パターン設計方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】演算負荷を抑制しつつ、レジストモデルの推定精度を向上させる。【解決手段】一実施形態のモデル表示方法は、パターン上の注目点をサンプリングすることと、上記注目点を含む上記パターン上のN個の点におけるデザイン密度、リソグラフィターゲット密度、マスク透過率、光学像強度の何れかを示す空間又は平面上の分布を算出することと(Nは、1以上の整数)、上記パターンについての閾値を算出することと、上記分布と上記閾値とに基づき、上記N個の点にそれぞれ対応するN個の要素をモデルとして推定することと、上記推定されたモデルを表示することと、を備える。【選択図】図6

Description

実施形態は、モデル表示方法、パターン設計方法、及びプログラムに関する。
マスクパターンに基づいて生成されるレジストパターンを予測する手段としてのレジストモデルが知られている。
米国特許第7739650号明細書
演算負荷を抑制しつつ、レジストモデルの推定精度を向上させる。
実施形態のモデル表示方法は、パターン上の注目点をサンプリングすることと、上記注目点を含む上記パターン上のN個の点におけるデザイン密度、リソグラフィターゲット密度、マスク透過率、光学像強度の何れかを示す空間又は平面上の分布を算出することと(Nは、1以上の整数)、上記パターンについての閾値を算出することと、上記分布と上記閾値とに基づき、上記N個の点にそれぞれ対応するN個の要素をモデルとして推定することと、を備える。
第1実施形態に係るマスクパターン設計システムの構成を説明するためのブロック図。 第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置の構成を説明するためのブロック図。 第1実施形態に係るテスト用マスクパターンを説明するための模式図。 第1実施形態に係るテスト用レジストパターンを説明するための模式図。 第1実施形態に係るマスクパターン設計装置の構成を説明するためのブロック図。 第1実施形態に係るレジストモデルを説明するための模式図。 第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置の機能構成を説明するためのブロック図。 第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置の機能構成を説明するためのブロック図。 第1実施形態に係るマスクパターン設計装置の機能構成を説明するためのブロック図。 第1実施形態に係るマスクパターン設計システムにおける全体動作を説明するためのフローチャート。 第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置におけるレジストモデル推定及び表示動作を説明するためのフローチャート。 第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示動作における注目点のサンプリング動作を説明するための模式図。 第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示動作における光学像強度分布行列の生成動作を説明するための模式図。 第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示動作におけるレジスト像ベクトルの生成動作を説明するための模式図。 第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示動作において可視化されたレジストモデルを説明するための模式図。 第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示動作において可視化されたレジストモデルを説明するための模式図。 第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示動作において可視化されたレジストモデルを説明するための模式図。 第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示動作において可視化されたレジストモデルを説明するための模式図。 第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示動作における有意でない特異値の打切り動作を説明するための模式図。 第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置におけるレジストモデル検証動作を説明するためのフローチャート。 第1実施形態に係るマスクパターン設計装置におけるマスクパターン設計動作を説明するためのフローチャート。 第2実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置の機能構成を説明するためのブロック図。 第2実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置におけるレジストモデル推定及び表示動作を説明するためのフローチャート。 第2実施形態に係るレジストモデル推定及び表示動作におけるマスク透過率分布行列の生成動作を説明するための模式図。 第2実施形態の変形例に係るレジストモデル推定及び表示装置の構成を説明するためのブロック図。 第2実施形態の変形例に係る各種パターンを説明するための模式図。 第2実施形態の変形例に係る各種分布を説明するためのダイアグラム。 第2実施形態の第1変形例に係るレジストモデル推定及び表示装置の機能構成を説明するためのブロック図。 第2実施形態の第1変形例に係るレジストモデル推定及び表示装置におけるレジストモデル推定及び表示動作を説明するためのフローチャート。 第2実施形態の第2変形例に係るレジストモデル推定及び表示装置の機能構成を説明するためのブロック図。 第2実施形態の第2変形例に係るレジストモデル推定及び表示装置におけるレジストモデル推定及び表示動作を説明するためのフローチャート。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する構成要素については、共通する参照符号を付す。
1. 第1実施形態
第1実施形態に係るマスクパターン設計システムについて説明する。第1実施形態に係るマスクパターン設計システムは、例えば、設計されたマスクパターンを用いて半導体基板に所望のレジストパターンを転写するためのリソグラフィ技術に適用される。第1実施形態に係るマスクパターン設計システムが適用されたリソグラフィ技術を用いることによって、例えば、半導体装置が製造される。半導体装置は、例えば、半導体記憶装置を含む。
1.1 ハードウェア構成について
まず、第1実施形態に係るマスクパターン設計システムのハードウェア構成について説明する。
1.1.1 マスクパターン設計システムの全体構成について
第1実施形態に係るマスクパターン設計システムの全体構成について、図1を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係るマスクパターン設計システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
マスクパターン設計システム1は、例えば、半導体基板に所望のレジストパターンを転写するための最適な形状を有するマスクパターンを設計する。設計されたマスクパターンは、外部の図示しないリソグラフィ装置に適用される。
図1に示すように、マスクパターン設計システム1は、レジストモデル推定及び表示装置10及びマスクパターン設計装置20を備えている。
レジストモデル推定及び表示装置10は、外部からテストパターンを入力として受け、当該テストパターンに適合するレジストモデルを推定(生成)し、これをユーザが視覚により認識可能な態様で表示する。テストパターンは、テスト用マスクパターンと、当該テスト用マスクパターンに対応するテスト用レジストパターンと、の組を含む。より具体的には、テスト用レジストパターンは、テスト用マスクパターンを用いて実際に半導体基板への転写を行った結果得られたレジストパターンである。レジストモデル推定及び表示装置10は、レジストモデルをマスクパターン設計装置20に出力する。
マスクパターン設計装置20は、外部から所望のレジストパターンを入力として受ける。マスクパターン設計装置20は、レジストモデル推定及び表示装置10から受けたレジストモデルに基づき、所望のレジストパターンを生成し得るマスクパターンの設計を行う。マスクパターン設計装置20は、設計されたマスクパターンを外部のリソグラフィ装置に出力する。
1.1.2 レジストモデル推定及び表示装置のハードウェア構成について
次に、第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置のハードウェア構成について、図2を用いて説明する。図2は、第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。図2に示すように、レジストモデル推定及び表示装置10は、制御部11、記憶部12、表示部13、ドライブ14、及び通信部15を備えている。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含み、レジストモデル推定及び表示装置10全体の動作を制御する。
記憶部12は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置である。記憶部12には、レジストモデル推定及び表示装置10で実行されるレジストモデル推定及び表示プログラム121及びレジストモデル検証プログラム122が記憶される。また、記憶部12には、レジストモデル推定及び表示プログラム121及びレジストモデル検証プログラム122が実行される際に必要な入力情報として、例えば、テスト用マスクパターン123及びテスト用レジストパターン124が記憶される。
レジストモデル推定及び表示プログラム121は、マスクパターンの設計に適用されるレジストモデルを推定し、これをユーザが視覚により認識可能な態様により表示するレジストモデル推定及び表示処理を、レジストモデル推定及び表示装置10に実行させるためのプログラムである。
レジストモデル検証プログラム122は、レジストモデル推定及び表示プログラム121によって表示されたレジストモデルの妥当性を評価し、マスクパターンの設計に適用可能か否かを検証するレジストモデル検証処理を、レジストモデル推定及び表示装置10に実行させるためのプログラムである。なお、レジストモデル推定及び表示処理及びレジストモデル検証処理の詳細については、後述する。
表示部13は、例えば、表示画面(例えば、LCD(Liquid Crystal Display)又はEL(Electroluminescence)ディスプレイ、ブラウン管等)等を含む。表示部13は、制御部11によって実行されたレジストモデル推定及び表示プログラム121及びレジストモデル検証プログラム122の実行結果をユーザに出力する。
ドライブ14は、例えば、CD(Compact Disk)ドライブ、DVD(Digital Versatile Disk)ドライブ等であり、記憶媒体141に記憶されたプログラムを読込むための装置である。ドライブ14の種類は、記憶媒体141の種類に応じて適宜選択されてよい。上記レジストモデル推定及び表示プログラム121、及びレジストモデル検証プログラム122は、この記憶媒体141に記憶されていてもよい。
記憶媒体141は、コンピュータその他装置、機械等が記録されたプログラム等の情報を読取り可能なように、当該プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積する媒体である。レジストモデル推定及び表示装置10は、この記憶媒体141から、レジストモデル推定及び表示プログラム121、及びレジストモデル検証プログラム122を取得してもよい。
通信部15は、レジストモデル推定及び表示装置10と、マスクパターン設計装置20及びマスクパターン設計システム1の外部と、の通信を司る通信インタフェースである。通信部15は、例えば、有線又は無線による任意の通信方式が適用可能である。通信部15は、例えば、テスト用マスクパターン123及びテスト用レジストパターン124を外部から受け、記憶部12に記憶させる。また、通信部15は、レジストモデル推定及び表示プログラム121及びレジストモデル検証プログラム122の実行結果として生成されたレジストモデルをマスクパターン設計装置20に出力する。
図3は、第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置に記憶されるテスト用マスクパターンを説明するための模式図である。図3では、レジストモデル推定及び表示処理に適用されるテスト用マスクパターン123の一例が、レジストパターンが転写される面(以下、「2次元平面」とも言う。)内に分布する様子が模式的に示される。
図3に示すように、テスト用マスクパターン123は、例えば、2次元平面内において、マスクの有無を示す境界を示す情報として記憶される。図3の例では、テスト用マスクパターン123として、複数の矩形状のマスクM1が2次元平面内に分布する場合が示される。テスト用マスクパターン123は、実際にリソグラフィ装置に適用されて、半導体基板にレジストパターンが転写された実績を有する。レジストモデル推定及び表示装置10の記憶部12には、当該テスト用マスクパターン123を用いて得られたレジストパターンであるテスト用レジストパターン124が、対となる情報として更に記憶される。
図4は、第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置に記憶されるテスト用レジストパターンを説明するための模式図である。図4では、レジストモデル推定及び表示処理に適用されるテスト用レジストパターン124の一例が、2次元平面内に分布する様子が模式的に示される。
図4に示すように、テスト用レジストパターン124は、例えば、2次元平面内において、レジストの有無を示す境界を示す情報として記憶される。テスト用レジストパターン124は、テスト用マスクパターン123とは異なる形状となり得る。図4の例では、矩形状のマスクM1に対応して、矩形状のマスクM1の隅の部分が転写されずに、丸形状のレジストR1が形成された場合が示される。
なお、テスト用レジストパターン124は、必ずしもテスト用マスクパターン123と1対1に対応しているとは限らず、1つのテスト用マスクパターン123に対して複数のテスト用レジストパターン124が対応し得る。具体的には、例えば、1つのテスト用マスクパターン123に対して、互いに異なる複数の条件下で転写を行った場合、当該複数の条件の各々について、互いに異なるテスト用レジストパターン124が生成され得る。複数の条件に含まれるパラメタとしては、例えば、露光量等が挙げられる。
1.1.3 マスクパターン設計装置のハードウェア構成について
次に、第1実施形態に係るマスクパターン設計装置のハードウェア構成について、図5を用いて説明する。図5は、第1実施形態に係るマスクパターン設計装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。図5に示すように、マスクパターン設計装置20は、制御部21、記憶部22、表示部23、ドライブ24、及び通信部25を備えている。
制御部21及び記憶部22のハードウェア構成はそれぞれ、上記レジストモデル推定及び表示装置10の制御部11及び記憶部12のハードウェア構成と同様である。
なお、記憶部22には、マスクパターン設計装置20で実行されるマスクパターン設計プログラム221が記憶される。また、記憶部22には、マスクパターン設計プログラム221が実行される際に必要な入力情報として、例えば、所望のレジストパターン222、及びレジストモデル223が記憶される。
マスクパターン設計プログラム221は、レジストモデル223を適用することによって、所望のレジストパターン222を転写可能なマスクパターンを設計するマスクパターン設計処理を、マスクパターン設計装置20に実行させるためのプログラムである。マスクパターン設計処理の詳細については、後述する。
所望のレジストパターン222は、実際にリソグラフィ装置によって半導体基板に転写された実績を有しない、シミュレーション結果である。すなわち、所望のレジストパターン222は、マスクパターン設計装置20によって設計されるマスクパターンによって生成されることが期待されるレジストパターンである。所望のレジストパターン222は、例えば、2次元平面内において、レジストの有無を示す境界を示す情報として記憶される。
レジストモデル223は、マスクパターンによって算出される光学像強度と、レジストパターン上におけるレジスト像と、を整合させ得る数学モデルに適用される。レジストモデル223は、例えば、任意の要素数を有する列ベクトルとして記憶される。
ここで、光学像強度は、露光の際にレジスト中に投影される光学像の強度(Intensity)である。レジスト像は、光学像強度(又はその分布)に所定の変調を施すことにより得られる形式的な像である。所定の変調とは、具体的には、或る領域にわたって広がるレジスト像の分布における任意の値の等高線が、レジストパターンの境界(レジスト輪郭)と一致するような変調処理である。なお、上述のようなレジスト像の分布は、物理的には、光によりレジスト中に生成された反応生成物(例えば、酸)の濃度分布に対応し得る。
表示部23のハードウェア構成は、上記レジストモデル推定及び表示装置10の表示部13のハードウェア構成と同様である。表示部23は、制御部21によって実行されたマスクパターン設計プログラム221の実行結果をユーザに通知する。
ドライブ24のハードウェア構成は、上記レジストモデル推定及び表示装置10のドライブ14のハードウェア構成と同様である。ドライブ24が読込可能な記憶媒体241は、上記マスクパターン設計プログラム221を記憶していてもよい。
通信部25のハードウェア構成は、上記レジストモデル推定及び表示装置10の通信部15のハードウェア構成と同様である。通信部25は、例えば、レジストモデル223をレジストモデル推定及び表示装置10から、所望のレジストパターン222を外部からそれぞれ受け、記憶部22に記憶させる。また、通信部25は、マスクパターン設計プログラム221の実行結果として生成されたマスクパターンを外部のリソグラフィ装置に出力する。
図6は、第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置において推定されるレジストモデルを説明するための模式図である。図6では、レジストモデル223を列ベクトルxとみなした場合の数式的表現と、当該レジストモデル223を積分核Kとみなした場合の視覚的表現と、の対応関係が模式的に示される。
図6に示すように、レジストモデル223は、光学像強度Iと、レジスト像I’と、を対応付ける積分変換の積分核Kとして数式的に表現される。なお、以下の説明では、この場合、レジスト像I’は、積分核K及び光学像強度Iを用いて、以下の式(1)で表される。
上式(1)を、例えば2次元で離散化すると、2次元平面Sにマッピングされたレジストパターンの境界上の注目点pにおけるレジスト像I’(p)を、線形和の演算によって算出する問題に帰着される。ここで、注目点pは、レジストパターンの境界上、又はその近傍から任意にサンプリングされる点である。
注目点pにおけるレジスト像I’(p)は、注目点pを中心として形成される格子内に割当てられた積分核Kの成分と、当該格子内の点に対応する光学像強度Iと、の積の線形和によって算出される。すなわち、積分核Kは、2次元平面S上にマッピングされた或る領域に形成される格子に対応する要素の集合として視覚的に表現される。
2次元平面S上における積分核Kの範囲を示す指標として、例えば、積分核Kの直径Dが定義され得る。積分核Kの直径Dは、注目点pを中心とする正方形が積分核Kの領域として定義された場合における、当該正方形の一辺の長さに対応する。図6の例では、積分核Kの直径Dが“3”である場合が示される。この場合、積分核Kの要素数Nは“9”(=D^2)となる(Nは、1以上の整数)。
また、レジストモデル223は、上述のように視覚的に定義されたN個の要素を成分として有する列ベクトルx=(x、x、x、…、xN−2、xN−1、xとして数式的に表現される。図6の例では、2次元平面S上に分布する3行3列の正方格子に対して、左上から右下に向けて成分x〜xが割当てられる場合が示される。
この場合、積分核Kの各要素の成分と掛け合わされる光学像強度Iは、N個の要素を成分として有する列ベクトルa=(I、I、I、…、IN−2、IN−1、Iとして数式的に表現される。ここで、列ベクトルaの成分I(1≦i≦N)は、列ベクトルxの成分xに対応する位置における光学像強度を示す。
以上のような対応付けを行うことにより、式(1)は、注目点pにおけるレジスト像I’(p)を、注目点pを中心とした領域について生成される列ベクトルaと、列ベクトルxとの内積演算axによって算出する問題に帰着する。以下の説明では、或る領域内の複数の点において算出された光学像及びレジスト像の強度の集合を、それぞれ光学像強度分布、及びレジスト像分布と言う。すなわち、列ベクトルaは、積分核Kの範囲に対応する光学像強度分布とも言える。
上述の内積演算は、複数の注目点をサンプリングし、当該複数の注目点の各々についてレジスト像I’を算出する場合に容易に拡張される。すなわち、M個(Mは自然数)の注目点(p、p、…、p)におけるレジスト像I’を列ベクトルb=(I’(p)、I’(p)、…、I’(p)、)とする場合、列ベクトルbを求める演算は、以下の式(2)のように表される。
Ax=b (2)
ここで、行列Aは、M個の注目点(p、p、…、p)の各々において生成された行ベクトルaで構成されたM行N列の行列である。すなわち、行列Aは、各々が積分核Kの範囲に対応する、複数の光学像強度分布の集合とも言える。
以下の説明では、行列A、列ベクトルb、及び列ベクトルxはそれぞれ、「光学像強度分布行列A」、「レジスト像ベクトルb」、及び「積分核ベクトルx」とも言う。すなわち、第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示処理において、レジストモデル223を推定することは、式(2)に最も適合する1つの積分核ベクトルxを推定することを意味する。
なお、光学像強度分布行列Aを構成する各行ベクトルaに任意の重み付けをしても良く、その際は推定した積分核ベクトルxについても同様の重み付けを行なう。
1.2 機能構成について
次に、第1実施形態に係るマスクパターン設計システムの機能構成について説明する。
1.2.1 レジストモデル推定及び表示装置の機能構成について
第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置の機能構成について説明する。
レジストモデル推定及び表示装置10の制御部11は、例えば、記憶部12に記憶されたレジストモデル推定及び表示プログラム121及びレジストモデル検証プログラム122をRAMに展開する。そして、制御部11は、RAMに展開されたレジストモデル推定及び表示プログラム121及びレジストモデル検証プログラム122をCPUにより解釈及び実行して、各構成要素を制御する。
1.2.1.1 レジストモデル推定及び表示処理に係る機能構成について
第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置の機能構成のうち、レジストモデル推定及び表示処理に係る機能構成について説明する。図7は、第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置の機能構成のうち、レジストモデル推定及び表示処理に係る機能構成を説明するためのブロック図である。
図7に示すように、レジストモデル推定及び表示装置10は、レジストモデル推定及び表示処理を実行する際、光学像強度分布算出部101、光学像強度分布切出し部102、現像閾値算出部103、積分核推定部104、及びレジストモデル可視化部105を備えるコンピュータとして機能する。
光学像強度分布算出部101は、テスト用レジストパターン124を記憶部12から読出し、2次元平面S上のレジストの境界部分から注目点をサンプリングする。光学像強度分布算出部101は、テスト用マスクパターン123を記憶部12から読出し、当該テスト用マスクパターン123に基づいて、サンプリングされた注目点を中心とする領域における光学像強度分布を算出する。以下の説明では、テスト用マスクパターン123に基づいて、注目点周りに算出された光学像強度分布を、第1光学像強度分布と言う。光学像強度分布算出部101は、注目点の周りに或る空間解像度で算出された第1光学像強度分布を、光学像強度分布切出し部102及び現像閾値算出部103に送出する。
光学像強度分布切出し部102は、注目点の周りに或る空間解像度で算出された第1光学像強度分布に対して必要に応じてアップサンプリングを実行する。アップサンプリングは、例えば、第1光学像強度分布の周波数領域におけるサンプリング周波数を逓倍する処理を含む。これにより、アップサンプリングされた第1光学像強度分布は、2次元平面領域における空間解像度が元の第1光学像強度分布に対して向上する。光学像強度分布切出し部102は、アップサンプリングされた第1光学像強度分布から、推定されるべきレジストモデル223を表す積分核Kの直径Dにより規定される範囲を、注目点が中心となるように切出し、積分核推定部104に送出する。
現像閾値算出部103は、レジストの境界部分からサンプリングされた注目点における現像閾値を算出する。例えば、レジストにおいて、現像閾値を超えた強度を持つ光学像が形成された箇所が、現像後に溶解され、これによってパターンが形成される。理想的には、レジストの境界部分におけるレジスト像(現像閾値)は、露光量等が同一の環境条件下においては、レジストの境界部分のどの場所からサンプリングされた注目点においても一致することが要請される。このため、現像閾値算出部103は、サンプリングされた複数の注目点における光学像強度に基づき、現像閾値の推定値を算出する。
具体的には、例えば、現像閾値算出部103は、或る露光量によって生成されたレジストパターンからサンプリングされた複数の注目点の各々に対応する光学像強度の平均値を現像閾値として算出する。なお、現像閾値の算出方法は、抽出した光学像強度の平均値に限らず、任意の値が適用可能である。
したがって、現像閾値算出部103は、同一の露光量によって生成されたレジストパターン(同一のテスト用レジストパターン124)からサンプリングされた複数の注目点に対しては、同一の現像閾値を算出する。現像閾値算出部103は、算出されたテスト用レジストパターン124毎の現像閾値を、積分核推定部104に送出する。
積分核推定部104は、光学像強度分布切出し部102から複数の注目点について切出された複数の第1光学像強度分布を受けると、当該複数の第1光学像強度分布に基づき、光学像強度分布行列Aを生成する。また、積分核推定部104は、現像閾値算出部103から複数の注目点について現像閾値を受けると、当該複数の現像閾値に基づき、レジスト像ベクトルbを生成する。積分核推定部104は、光学像強度分布行列A及びレジスト像ベクトルbに基づき、線形方程式Ax=bを解く。具体的には、積分核推定部104は、以下の式(3)に示すコスト関数Fの最小化問題を解くことにより、積分核ベクトルxを推定する。
なお、積分核推定部104は、積分核ベクトルxの推定に際し、種々の解法を適用可能である。
例えば、積分核推定部104は、線形方程式Ax=bが優決定系の場合、最小二乗問題を解き、劣決定系の場合、最小二乗最小ノルム問題を解くことにより、積分核ベクトルxを推定してもよい。
なお、積分核推定部104は、光学像強度分布行列Aを特異値分解し、有意な特異値及び特異値ベクトルを用いて生成した一般化逆行列を用いて積分核ベクトルxを推定してもよい(以下の説明では、上述の推定手法は、「特異値分解による推定手法」とも言う。)。また、積分核推定部104は、上述の式(3)に正則化項を導入する正則化を用いることにより、積分核ベクトルxを推定してもよい(以下の説明では、上述の推定手法は、「正則化による推定手法」とも言う。)。
積分核推定部104は、推定した積分核ベクトルxをレジストモデルとしてレジストモデル可視化部105及びマスクパターン設計装置20に送出する。
なお、上述の特異値分解による推定手法や、正則化による推定手法により積分核ベクトルxを推定した場合、積分核推定部104は、積分核ベクトルxに加え、当該積分核ベクトルxの推定に用いた有意な特異値の数、又は正則化項の値(以下の説明では、有意な特異値の数、又は正則化項の値を総称して「推定パラメタ」とも言う。)を併せてレジストモデル可視化部105に送出する。
レジストモデル可視化部105は、積分核推定部104によって推定された積分核ベクトルxを図6に示された積分核Kの視覚的表現にしたがって2次元平面にマッピングすることによって、レジストモデル223を可視化し、表示部13に表示させる。なお、レジストモデル可視化部105は、レジストモデル223に加え、推定パラメタを積分核推定部104から受けた場合、当該可視化されたレジストモデル223と、推定パラメタとを対応付けてユーザに提示してもよい。
1.2.1.2 レジストモデル検証処理に係る機能構成について
第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置の機能構成のうち、レジストモデル検証処理に係る機能構成について説明する。図8は、第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置の機能構成のうち、レジストモデル検証処理に係る機能構成を説明するためのブロック図である。
図8に示すように、レジストモデル推定及び表示装置10は、レジストモデル検証処理を実行する際、図8において説明された光学像強度分布算出部101に加え、レジスト輪郭情報生成部106及び検証部107を更に備えるコンピュータとして機能する。
光学像強度分布算出部101は、テスト用マスクパターン123を記憶部12から読出し、当該テスト用マスクパターン123に基づいて、2次元平面全体にわたって所定のグリッドに対して光学像強度を算出することにより、光学像強度分布を算出する。以下の説明では、テスト用マスクパターン123に基づいて、2次元平面全体にわたって算出された光学像強度分布を、第2光学像強度分布と言う。光学像強度分布算出部101は、得られた第2光学像強度分布を、レジスト輪郭情報生成部106に送出する。なお、レジストモデル検証処理に用いるテスト用マスクパターン123は、レジストモデル推定及び表示処理に用いたテスト用マスクパターン123と同一のものでも、異なるものでもよい。
レジスト輪郭情報生成部106は、第2光学像強度分布を受けると、レジストモデル推定及び表示処理において積分核推定部104によって推定されたレジストモデル223に基づき、2次元平面全体にわたるレジスト像分布を算出する。以下の説明では、第2光学像強度分布及びレジストモデル223に基づいて算出された、2次元平面全体にわたるレジスト像分布を、第1レジスト像分布と言う。レジスト輪郭情報生成部106は、算出された第1レジスト像分布に基づいて第1レジスト輪郭情報を生成し、検証部107に送出する。すなわち、第1レジスト輪郭情報は、2次元平面内において、現像閾値を超える領域と超えない領域とを区別する境界線(推定されたレジストパターン)を示す情報を、第1レジスト像分布に基づいて生成したものである。
検証部107は、第1レジスト輪郭情報を受けると、光学像強度分布算出部101によって用いられたテスト用マスクパターン123に対応するテスト用レジストパターン124を読出す。検証部107は、第1レジスト輪郭情報と、テスト用レジストパターン124とを比較することにより、第1レジスト輪郭情報の生成に用いられたレジストモデル223の妥当性を検証し、その検証結果をユーザに提示する。検証結果は、例えば、第1レジスト輪郭情報とテスト用レジストパターン124との一致度を含む。具体的には、検証部107は、例えば、第1レジスト輪郭情報とテスト用レジストパターン124とを重ねて表示部13に表示させると共に、両者の一致度を表示することにより、検証結果をユーザに提示してもよい。
1.2.2 マスクパターン設計装置の機能構成について
第1実施形態に係るマスクパターン設計装置の機能構成について説明する。
マスクパターン設計装置20の制御部21は、例えば、記憶部22に記憶されたマスクパターン設計プログラム221をRAMに展開する。そして、制御部21は、RAMに展開されたマスクパターン設計プログラム221をCPUにより解釈及び実行して、各構成要素を制御する。
図9は、第1実施形態に係るマスクパターン設計装置の機能構成を説明するためのブロック図である。
図9に示すように、マスクパターン設計装置20は、マスクパターン設計処理を実行する際、光学像強度分布算出部201、レジスト輪郭情報生成部202、評価部203、及びマスクパターン生成部204を備えるコンピュータとして機能する。
光学像強度分布算出部201及びレジスト輪郭情報生成部202の機能構成は、図8において説明されたレジストモデル推定及び表示装置10における光学像強度分布算出部101及びレジスト輪郭情報生成部106の機能構成と同様である。
すなわち、光学像強度分布算出部201は、マスクパターン生成部204からマスクパターンを受けると、マスクパターンに基づいて、2次元平面全体にわたって所定のグリッドに対して光学像強度を算出することにより、光学像強度分布を算出する。以下の説明では、マスクパターン生成部204からのマスクパターンに基づいて、2次元平面全体にわたって算出された光学像強度分布を、第3光学像強度分布と言う。光学像強度分布算出部201は、得られた第3光学像強度分布を、レジスト輪郭情報生成部202に送出する。
レジスト輪郭情報生成部202は、2次元平面全体にわたる第3光学像強度分布を受けると、レジストモデル推定及び表示装置10から受信したレジストモデル223に基づき、2次元平面全体にわたるレジスト像分布を算出する。以下の説明では、第3光学像強度分布及びレジストモデル223に基づいて算出された、2次元平面全体にわたるレジスト像分布を、第2レジスト像分布と言う。レジスト輪郭情報生成部202は、算出された第2レジスト像に基づいて第2レジスト輪郭情報を生成し、評価部203に送出する。すなわち、第2レジスト輪郭情報は、2次元平面内において、現像閾値を超える領域と超えない領域とを区別する境界線(推定されたレジストパターン)を示す情報を、第2レジスト像分布に基づいて生成したものである。
評価部203は、第2レジスト輪郭情報を受けると、所望のレジストパターン222を記憶部22から読出す。評価部203は、第2レジスト輪郭情報と、所望のレジストパターン222とを比較することにより、第2レジスト輪郭情報の生成に用いられたマスクパターンの妥当性を評価し、その評価結果をマスクパターン生成部204に送出する。評価結果は、例えば、第2レジスト輪郭情報が、所望のレジストパターン222によって実現される予定の回路を構成するための所定の基準を満たすか否かを含む。
マスクパターン生成部204は、評価部203からの評価結果に基づき、マスクパターンを再設計するか否かを判定する。マスクパターン生成部204は、当該判定の結果、マスクパターンを再設計すると判定した場合、例えば光近接効果補正(OPC:Optical proximity correction)を行って、評価結果を改善し得るマスクパターンの再設計を行い、再設計されたマスクパターンを光学像強度分布算出部201に送出する。また、マスクパターン生成部204は、当該判定の結果、マスクパターンを再設計しないと判定した場合、当該評価結果に対応するマスクパターンを外部に送出する。具体的には、マスクパターン生成部204は、例えば、設計が完了したマスクパターンを、図3に示したような形式にしたがって表示部23に表示させることにより、当該評価結果をユーザに提示してもよい。
1.3 動作について
次に、第1実施形態に係るマスクパターン設計システムの動作について説明する。
1.3.1 全体動作について
まず、第1実施形態に係るマスクパターン設計システムの全体動作について、図10に示すフローチャートを用いて説明する。
図10に示すように、ステップST1において、レジストモデル推定及び表示装置10は、レジストモデル推定及び表示処理を実行する。これにより、レジストモデル推定及び表示装置10は、レジストモデル223を推定し、推定結果をユーザに表示する。
ステップST2において、レジストモデル推定及び表示装置10は、レジストモデル検証処理を実行する。これにより、レジストモデル推定及び表示装置10は、ステップST1において表示されたレジストモデル223が妥当であるか否かを検証することができる。
ステップST3において、マスクパターン設計装置20は、ステップST2における検証の結果妥当であると判定されたレジストモデル223を用いて、マスクパターンを設計する。これにより、マスクパターン設計装置20は、シミュレーションによって、所望のレジストパターンを生成可能なマスクパターンを設計し、リソグラフィ装置に提供することができる。
以上で、全体動作が終了する。
1.3.2 レジストモデル推定及び表示動作について
次に、第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置におけるレジストモデル推定及び表示動作について説明する。以下に示すレジストモデル推定及び表示動作では、一例として、特異値分解によるレジストモデルの推定手法が適用される場合について説明する。
1.3.2.1 フローチャートについて
図11は、第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置におけるレジストモデル推定及び表示動作を説明するためのフローチャートである。図11は、図10において説明されたステップST1の詳細に対応する。
図11に示すように、ステップST10において、記憶部12は、通信部15を介して外部から入力されたテスト用マスクパターン123及びテスト用レジストパターン124を記憶する。
ステップST11において、制御部11は、光学像強度分布算出部101として機能し、テスト用レジストパターン124に基づき、レジストの境界上に位置する複数の注目点をサンプリングする。
ステップST12において、制御部11は、引き続き光学像強度分布算出部101として機能し、テスト用マスクパターン123に基づき、ステップST11においてサンプリングされた複数の注目点の各々について、注目点周りの第1光学像強度分布を算出する。
ステップST13において、制御部11は、光学像強度分布切出し部102として機能し、ステップST12において複数の注目点の各々について算出された第1光学像強度分布をアップサンプリングする。
ステップST14において、制御部11は、引き続き光学像強度分布切出し部102として機能し、ステップST13においてアップサンプリングされた第1光学像強度分布を、注目点を中心とする積分核Kの直径Dの範囲で切出す。
ステップST15において、制御部11は、現像閾値算出部103として機能し、ステップST11においてサンプリングされた複数の注目点に基づき、現像閾値を算出する。
ステップST16において、制御部11は、積分核推定部104として機能し、ステップST14において積分核Kの直径Dの範囲で切出された第1光学像強度分布と、ステップST15において算出された現像閾値とに基づいて、それぞれ光学像強度分布行列Aと、レジスト像ベクトルbとを生成する。
ステップST17において、制御部11は、引き続き積分核推定部104として機能し、ステップST16において生成された光学像強度分布行列A及びレジスト像ベクトルbに基づいて線形方程式Ax=bを解き、積分核ベクトルxを推定する。
具体的には、制御部11は、以下に示す式(4)にしたがって、光学像強度分布行列Aを特異値分解する。
ここで、行列U及びVはそれぞれ、UはM行M列のユニタリ行列、VはN行N列のユニタリ行列である。行列Iは単位行列である。値σ〜σは光学像強度分布行列Aの特異値である。
一般的に、特異値は、値が大きいほど、推定解に対して有意に寄与することが知られている。このため、制御部11は、得られたN個の特異値のうち値が大きい順にn(≦N)個の特異値を、有意な特異値として選択する。制御部11は、当該選択されたn個の特異値を用いて、以下に示す式(5)にしたがって、一般化逆行列Aを生成する。
続いて、制御部11は、生成された一般化逆行列Aを用いて、以下に示す式(6)にしたがって、積分核ベクトルxを推定する。
x=Ab (6)
ステップST18において、制御部11は、レジストモデル可視化部105として機能し、ステップST17において推定された積分核ベクトルxをレジストモデルとして表示部13に表示させる。具体的には、表示部13は、レジストモデル可視化部105によって2次元平面上にマッピングされ、ユーザが視覚により認識可能に可視化されたレジストモデルを表示する。
以上で、レジストモデル推定及び表示動作が終了する。
1.3.2.2 注目点のサンプリング動作について
図12は、第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示動作における注目点のサンプリング動作を説明するための模式図である。図12は、図11において説明されたステップST11に対応する。
図12に示すように、テスト用レジストパターン124aは、丸形状のレジストR1を含み、テスト用レジストパターン124bは、丸形状のレジストR2を含む。2つのテスト用レジストパターン124a及び124bは、例えば、同一のテスト用マスクパターン123に対して異なる露光量で転写された場合のレジストパターンを示す。図12の例では、テスト用レジストパターン124aは、テスト用レジストパターン124bよりも多い露光量で転写された場合のレジストパターンである場合が示される。
また、図12の例では、注目点の数Mが“10”である場合が示される。すなわち、光学像強度分布算出部101は、丸形状のレジストR1の境界上から5つの注目点p1、p2、p3、p4、及びp5をサンプリングする。また、光学像強度分布算出部101は、丸形状のレジストR2の境界上から5つの注目点p6、p7、p8、p9、及びp10をサンプリングする。注目点は、レジストの境界上から網羅的にサンプリングされるように、例えば、一定間隔でサンプリングされることが望ましい。
光学像強度分布算出部101は、当該注目点p1〜p10の各々を中心として、第1光学像強度分布を算出する。
1.3.2.3 光学像強度分布行列の生成動作について
図13は、第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示動作における光学像強度分布行列の生成動作を説明するための模式図である。図13は、図11において説明されたステップST14及びST16に対応する。また、図13では、説明を簡単にするために、図12において説明されたテスト用レジストパターン124a及び124bのうち、テスト用レジストパターン124aが示される。
図13に示すように、光学像強度分布切出し部102は、ステップST11においてサンプリングされた注目点p1〜p5の各々を中心とする領域a1〜a5を設定する。領域a1〜a5は、同一の大きさを有し、その大きさは積分核Kの直径Dによって定義される。積分核Kの直径Dは、予め設定される。図13の例では、積分核Kの直径Dは、“3”である場合が示される。このため、領域a1〜a5の要素数Nは、“9(=3^2)”となる。
光学像強度分布切出し部102は、注目点p1〜p5周りに算出された第1光学像強度分布から、それぞれ領域a1〜a5に対応する9個の光学像強度を(積分核推定部104に送出するための第1光学像強度分布として)切出す。より具体的には、光学像強度分布切出し部102は、注目点p1周りに算出された第1光学像強度分布から、領域a1に対応する9個の光学像強度(I11、I12、I13、I14、I15、I16、I17、I18、及びI19)を(積分核推定部104に送出するための第1光学像強度分布として)抽出する。
積分核推定部104は、注目点p1について切出された9個の光学像強度I11〜I19(第1光学像強度分布)に基づき、行ベクトルa =(I11、I12、I13、I14、I15、I16、I17、I18、I19)を生成する。また、積分核推定部104は、他の注目点p2〜p10についてそれぞれ切出された9個の光学像強度(第1光学像強度分布)に基づき、行ベクトルa 〜a10 を生成する。積分核推定部104は、生成された10個の行ベクトルa 〜a10 を行方向に合成する。これにより、M行N列(=10行9列)の光学像強度分布行列Aが生成される。
1.3.2.4 レジスト像ベクトルの生成動作について
図14は、第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示動作におけるレジスト像ベクトルの生成動作を説明するための模式図である。図14は、図11において説明されたステップST15及びST16に対応する。
図14に示すように、現像閾値算出部103は、注目点p1〜p10上の光学像強度Ip1〜Ip10を抽出し、同一のレジストパターン毎に分類する。図14の例では、現像閾値算出部103は、光学像強度Ip1〜Ip10を、テスト用レジストパターン124aに対応する光学像強度Ip1〜Ip5の組と、テスト用レジストパターン124bに対応する光学像強度Ip6〜Ip10の組と、の2つに分類する。
現像閾値算出部103は、分類した組毎に光学像強度の平均値を算出し、当該平均値を対応する注目点についての現像閾値とみなす。より具体的には、現像閾値算出部103は、光学像強度Ip1〜Ip5の組について、平均値b1=ave(Ip1〜Ip5)=(Ip1+Ip2+Ip3+Ip4+Ip5)/5を算出する。平均値b1は、対応する注目点p1〜p5の各々の現像閾値とみなされる。また、現像閾値算出部103は、光学像強度Ip6〜Ip10の組について、平均値b2=ave(Ip6〜Ip10)=(Ip6+Ip7+Ip8+Ip9+Ip10)/5を算出する。平均値b2は、対応する注目点p6〜p10の各々の現像閾値とみなされる。
積分核推定部104は、注目点p1〜p10の各々について算出された10個の現像閾値(5個の現像閾値b1及び5個の現像閾値b2)を行方向に合成する。これにより、M(=10)個の要素を有するレジスト像ベクトルbが生成される。
1.3.2.5 レジストモデルの可視化動作について
図15〜図17は、第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示動作において可視化されたレジストモデルを説明するための模式図である。図15〜図17は、図11において説明されたステップST18に対応する。図15は、適切な数の特異値が選択された場合に推定されたレジストモデル223が視覚的に示される。図16及び図17は、適切な数の特異値が選択されなかった場合に推定されたレジストモデル223が視覚的に示される。より具体的には、図16は、選択された特異値の数が不十分であった場合のレジストモデル223が示される。図17は、選択された特異値の数が過剰であった場合のレジストモデル223が示される。
図15〜図17に示すように、レジストモデル223は、例えば、下部に示されたスクロールバーによって、推定に使用された特異値の数と対応付けてユーザに出力される。また、レジストモデル223は、図6において説明された積分核Kに対応する領域にマッピングされる。すなわち、レジストモデル223がマッピングされた領域の中心部分は、注目点の位置に対応する。図15〜図17の例では、レジストモデル223は、積分核ベクトルxの各要素の成分の値の大小関係に応じて濃淡で表される。これにより、ユーザは、注目点の周辺の領域における光学像強度が、注目点におけるレジスト像に寄与する割合を視覚的に把握することができる。
図15に示されたレジストモデル223を参照すると、ユーザは、推定されたレジストモデル223について、中心点付近の寄与率が高く、中心点から離れるにしたがって寄与率が減衰する様子を把握することができる。一般的に、レジストモデルは、図15に示されたような包絡線が正規分布になる様にモデル化されることが知られている。このため、ユーザは、図15を参照することにより、選択した特異値に基づく推定によって、所望の形状のレジストモデル223が推定されたことを視覚的に確認することができる。なお、所望の形状であると推定され得るレジストモデル223の形状は、ユーザが視覚的に確認することによって、包絡線を正規分布の様な形状であるとみなし得る程度の形状であれば足り、必ずしも厳密に正規分布であることを要しない。
一方、図16に示されたレジストモデル223を参照すると、ユーザは、推定されたレジストモデル223について、包絡線が正規分布になる様な形状が得られているものの、図15に示されたレジストモデル223よりも中心部と周辺部の差異が明確に表れていないことを把握することができる。このため、ユーザは、図16を参照することにより、選択した特異値に基づく推定によって、所望の形状のレジストモデル223が推定されなかったことを視覚的に確認することができる。
また、図17に示されたレジストモデル223を参照すると、ユーザは、推定されたレジストモデル223について、図15に示されたレジストモデル223よりも中心部以外にも大きな寄与が散見される包絡線が正規分布ではない形状が得られていることを把握することができる。このため、ユーザは、図17を参照することにより、選択した特異値に基づく推定によって、所望の形状のレジストモデル223が推定されなかったことを視覚的に確認することができる。
なお、図15〜図17では、レジストモデル223が積分核ベクトルxの各要素の成分の値の大小関係に応じて濃淡で表される場合について説明したが、これに限られない。例えば、図18に示すように、レジストモデル223は、積分核ベクトルxの各要素の成分の値が縦軸方向に表現されるように、3次元的にユーザに出力されてもよい。
1.3.2.5 有意でない特異値の打切り動作について
上述の通り、適切な数の特異値が選択されなかった場合、レジストモデル223が正しく推定されない可能性がある。このため、推定に適用される特異値の数が適切に決定されることが望ましい。
図19は、第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示動作における有意でない特異値の打切り動作を説明するための模式図である。図19は、図11において説明されたステップST17に対応する。図19の例では、ステップST17において算出されたN個の特異値には、その値が大きい順に番号k(1、2、…、N)が割当てられる場合が示される。すなわち、図19の例では、一番大きな特異値はσ、k番目に大きな特異値はσk0、(k+1)番目に大きな特異値はσk0+1と表される。
図19に示すように、特異値の番号kを横軸とし、規格化した特異値y=σ/σを縦軸として特異値yをプロットすると、曲線Lが得られる。なお、図19では、縦軸が下に向かうほど、特異値yが小さくなる。有意な推定解を得るためには、曲線Lの右下部分に相当する番号の特異値が積分核ベクトルxの推定から除外されることが望ましい。
積分核推定部104は、例えば、規格化した特異値yの値に所定の閾値ythを設け、当該閾値yth未満の特異値を打切る。図19の例では、yk0>yth>yk0+1となっているため、(k+1)番目以降の特異値が打切られる。これにより、過剰に小さな値の特異値を推定から除外すると共に、十分な数の特異値を推定に適用することができる。なお、特異値の打切り方は、曲線Lの傾きが大きく変化して、急に特異値yが小さくなる前に特異値が打切られればよく、上述の手法に限られず、任意の手法が適用可能である。
1.3.3 レジストモデル検証動作について
次に、第1実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置におけるレジストモデル検証動作について、図20に示されるフローチャートについて説明する。図20は、図10において説明されたステップST2の詳細に対応する。
図20に示すように、ステップST20において、記憶部12は、通信部15を介して外部から入力されたテスト用マスクパターン123、及び積分核推定部104により推定されたレジストモデル223を記憶する。
ステップST21において、制御部11は、光学像強度分布算出部101として機能し、テスト用マスクパターン123に基づき、2次元平面にわたり第2光学像強度分布を算出する。
ステップST22において制御部11は、レジスト輪郭情報生成部106として機能し、ステップST21において算出された第2光学像強度分布、及びステップST10において推定されたレジストモデル223に基づき、第1レジスト輪郭情報を生成する。
ステップST23において、制御部11は、検証部107として機能し、ステップST22において生成された第1レジスト輪郭情報と、テスト用レジストパターン124とを比較する。具体的には、例えば、制御部11は、第1レジスト輪郭情報と、テスト用レジストパターン124との一致度を算出してもよい。また、制御部11は、第1レジスト輪郭情報とテスト用レジストパターン124との比較結果を、表示部13に表示させることによってユーザに提示してもよい。
ステップST24において、制御部11は、引き続き検証部107として機能し、レジストモデル223が妥当であるか否かを判定する。制御部11は、例えば、第1レジスト輪郭情報とテスト用レジストパターン124との一致度が所定の閾値を上回るか否かに応じて、レジストモデル223の妥当性を評価してもよい。レジストモデル223が妥当でないと判定された場合(ステップST24;no)、ステップST10に戻り、再度レジストモデル推定及び表示処理が実行される。レジストモデル223が妥当であると判定された場合(ステップST24;yes)、ステップST25に進む。
ステップST25において、制御部11は、引き続き検証部107として機能し、ステップST23及びST24における検証結果をユーザに出力する。具体的には、例えば、表示部13は、検証結果を表示してもよい。
以上により、レジストモデル検証処理が終了する。
1.3.4 マスクパターン設計動作について
次に、第1実施形態に係るマスクパターン設計装置におけるマスクパターン設計動作について、図21に示されるフローチャートを用いて説明する。図21は、図10において説明されたステップST3の詳細に対応する。
図21に示すように、ステップST30において、記憶部22は、通信部25を介して外部から入力された所望のレジストパターン222、及びレジストモデル推定及び表示装置10から入力されたレジストモデル223を記憶する。
ステップST31において、制御部21は、マスクパターン生成部204として機能し、所望のレジストパターン222に基づいて、マスクパターンを生成する。
ステップST32において、制御部21は、光学像強度分布算出部201として機能し、ステップST31において生成されたマスクパターンに基づき、2次元平面にわたる第3光学像強度分布を算出する。
ステップST33において、制御部21は、レジスト輪郭情報生成部202として機能し、ステップST32において算出された第3光学像強度分布、及びステップST20において検証されたレジストモデル223に基づき、第2レジスト輪郭情報を生成する。
ステップST34において、制御部21は、評価部203として機能し、ステップST33において生成された第2レジスト輪郭情報が所定の基準を満たすか否かを評価する。所定の基準を満たさないと判定された場合(ステップST34;no)、ステップST35に進み、所定の基準を満たすと判定された場合(ステップST34;yes)、ステップST36に進む。
ステップST35において、制御部21は、マスクパターン生成部204として機能し、ステップST31において生成されたマスクパターンを補正し、再度ステップST32〜ST34を実行する。
ステップST36において、制御部21は、マスクパターン生成部204として機能し、ステップST34において所定の基準を満たすと判定されたマスクパターンを外部の例えばリソグラフィ装置に出力する。制御部21は、ステップST34における評価結果を併せて出力してもよい。また、制御部21は、表示部23に、所定の基準を満たすと判定されたマスクパターンを表示させてもよい。
以上により、マスクパターン設計処理が終了する。
1.4 本実施形態に係る効果について
第1実施形態によれば、演算負荷を抑制しつつ、レジストモデルの推定精度を向上させることが出来る。本効果につき、以下に説明する。
第1実施形態によれば、光学像強度分布算出部101は、複数の注目点をサンプリングし、当該注目点周りに、積分核Kの直径Dに対応する領域の第1光学像強度分布を算出する。現像閾値算出部103は、サンプリングされた注目点の各々について、現像閾値を算出する。積分核推定部104は、光学像強度分布行列A及びレジスト像ベクトルbに基づき、線形方程式Ax=bを解き、直径Dの大きさを有する積分核Kを表すレジストモデルを推定する。これにより、レジストモデルを推定することは、1つの積分核ベクトルxの各成分を推定することと等価となる。このため、積分核推定部104は、レジストモデルを任意の形状として推定することができ、よりテストパターンとの整合性を高めることができる。
また、上述の通り、積分核推定部104は、線形方程式を解くことで、レジストモデルを推定することができる。このため、推定に際しての負荷は、組み合わせ最適化等の他の推定手法と比較して、演算負荷を軽減することができる。補足すると、レジストモデルは、1つの積分核Kとしてモデル化する以外にも、複数の物理モデルによる線形和によってモデル化され得る。レジストモデルを複数の物理モデルによる線形和でモデル化する場合、当該複数の物理モデルの全てに整合するように、各物理モデルの構成パラメタが推定される。このような問題は、コスト関数Fを最小化する組み合わせ最適化問題に帰着する。このため、推定精度を向上させるために物理モデルのパラメタ数を増やすと、最適解を得るために要する時間が膨大となる。一方、第1実施形態では、積分核推定部104は、線形方程式の直接解法によって積分核ベクトルxを推定することができる。このため、パラメタ(積分核Kの直径D)が多くなった場合でも、組み合わせ最適化問題を解く場合と比較して、演算負荷の増加量を抑制することができる。したがって、演算負荷を抑制しつつ、レジストモデルの推定精度を向上させることができる。
また、レジストモデル可視化部105は、推定された積分核ベクトルxを2次元平面又は3次元空間等にマッピングする。ことにより、表示部13は、視覚化されたレジストモデルをユーザに提示することができる。これにより、レジストモデル推定及び表示装置10による推定結果が妥当であるか否かを視覚的に判定する手段を、ユーザに提供することができる。
また、積分核推定部104は、推定に際し、光学像強度分布行列Aを特異値分解することによって、有意な特異値を選択し、当該選択された特異値のみを用いて積分核ベクトルxを推定する。これにより、積分核ベクトルxがレジスト輪郭情報に含まれる計測誤差の影響によって意味のない推定になってしまうことを回避することができる。
なお、積分核推定部104は、所定のアルゴリズムによって選択する特異値の数を決定してもよいが、選択する特異値の数を少しずつ変化させながら、任意の数の特異値を選択した場合について積分核ベクトルxを推定してもよい。この場合、レジストモデル可視化部105は、選択する特異値の数と、その場合に推定された積分核ベクトルxとを併せてユーザに提供する。これにより、ユーザは、積分核ベクトルxと特異値の数との関係を視覚的に把握することができる。
また、マスクパターン設計装置20は、推定されたレジストモデルを適用してマスクパターンを設計する。これにより、テストパターンによって妥当性が検証されたレジストモデルを用いてレジスト像分布を算出することができる。このため、所望のレジストパターンを得るために必要なマスクパターンの形状をより正確に予測することができる。
2. 第2実施形態
次に、第2実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置について説明する。
第1実施形態では、光学像強度分布をレジスト像分布に変換するレジストモデルを、線形方程式Ax=Bを解くことによって算出される積分核ベクトルxとして推定する方法について説明したが、これに限られない。例えば、レジストモデルは、光学像強度分布よりも上流の設計段階において適用される分布(例えば、マスクパターンを表すマスク透過率分布)と、レジスト像分布とを直接関連付ける積分核ベクトルx’として推定されてもよい。以下の説明では、第1実施形態と同様の構成及び動作についてはその説明を省略し、第1実施形態と異なる構成及び動作について主に説明する。
2.1 レジストモデル推定及び表示装置の機能構成について
第2実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置の機能構成について説明する。図22は、第2実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置の機能構成のうち、レジストモデル推定及び表示処理に係る機能構成を説明するためのブロック図である。
レジストモデル推定及び表示装置10Aは、レジストモデル推定及び表示処理を実行する際、積分核推定部104に代えて積分核推定部104Aを備え、かつマスク透過率分布切出し部108を更に備えるコンピュータとして機能する。
マスク透過率分布切出し部108は、テスト用マスクパターン123を記憶部12から読出し、注目点の周りにマスクパターンの形状にしたがって生成された矩形関数(マスク透過率分布)を算出する。すなわち、マスク透過率分布は、例えば、マスクが存在する領域と、存在しない領域との境界で値が切替わる2値関数として定義され得る。マスク透過率分布切出し部108は、算出されたマスク透過率分布から、推定されるべきレジストモデル223Aを表す積分核Kの直径Dにより規定される範囲を、注目点が中心となる様に切出し、積分核推定部104Aに送出する。
積分核推定部104Aは、マスク透過率分布切出し部108から複数の注目点について切出された複数のマスク透過率分布を受けると、当該複数のマスク透過率分布に基づき、マスク透過率分布行列A’を生成する。また、積分核推定部104Aは、現像閾値算出部103から複数の注目点について現像閾値を受けると、当該複数の現像閾値に基づき、レジスト像ベクトルbを生成する。積分核推定部104Aは、マスク透過率分布行列A’及びレジスト像ベクトルbに基づき、線形方程式A’x’=bを解き、積分核ベクトルx’を推定する。そして、積分核推定部104Aは、推定した積分核ベクトルx’をレジストモデルとしてレジストモデル可視化部105及びマスクパターン設計装置20に送出する。
2.2 動作について
次に、第2実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置の動作について説明する。
2.2.1 レジストモデル推定表示動作について
図23は、第2実施形態に係るレジストモデル推定及び表示装置におけるレジストモデル推定及び表示動作を説明するためのフローチャートである。図23は、第1実施形態において説明された図11に対応する。図23では、図11におけるステップST13、ST14、ST16、及びST17に代えて、ステップST13A、ST14A、ST16A、及びST17Aが実行される。
図23に示すように、ステップST10〜ST12、及びST15は、図11と同様であるため、その説明を省略する。
ステップST13Aは、例えば、ステップST12を介さず、ステップST11の後にステップST12と並行して実行される。ステップST13Aにおいて、制御部11は、マスク透過率分布切出し部108として機能し、ステップST11においてサンプリングされた複数の注目点の各々を含む領域について、テスト用マスクパターン123に基づき、マスク透過率分布を算出する。
ステップST14Aにおいて、制御部11は、引き続きマスク透過率分布切出し部108として機能し、ステップST13Aにおいて算出されたマスク透過率分布を、注目点を中心とする積分核Kの直径Dの範囲で切出す。
ステップST16Aにおいて、制御部11は、積分核推定部104Aとして機能し、ステップST14Aにおいて積分核Kの直径Dの範囲で切出されたマスク透過率分布と、ステップST15において算出された現像閾値とに基づいて、それぞれマスク透過率分布行列A’と、レジスト像ベクトルbとを生成する。
ステップST17Aにおいて、制御部11は、引き続き積分核推定部104Aとして機能し、ステップST16Aにおいて生成されたマスク透過率分布行列A’及びレジスト像ベクトルbに基づいて線形方程式A’x’=bを解き、積分核ベクトルx’を推定する。
ステップST18は、図11と同様であるため、その説明を省略する。
2.2.2 マスク透過率分布行列の生成動作について
図24は、第2実施形態に係るレジストモデル推定及び表示動作におけるマスク透過率分布行列の生成動作を説明するための模式図である。図24は、第1実施形態における図13に対応し、図23におけるステップST13A、ST14A及びST16Aに対応する。また、図24では、図3及び図4において説明されたテスト用マスクパターン123のマスクM1、及びテスト用レジストパターン124のレジストR1が示される。
図24に示すように、マスク透過率分布切出し部108は、ステップST11においてサンプリングされた注目点の各々を中心とする領域を設定する。図24の例では、一例として、領域aが図示されており、その大きさを表す積分核Kの直径Dが“5”である場合が示される。このため、領域aの要素数Nは、“25(=5^2)”となる。
マスク透過率分布切出し部108は、注目点周りに算出されたマスク透過率分布から、各領域に対応する25個のマスク透過率を(積分核推定部104Aに送出するためのマスク透過率分布として)切出す。より具体的には、マスク透過率分布切出し部108は、領域aに対応する25個のマスク透過率(I11〜I35)を(積分核推定部104Aに送出するためのマスク透過率分布として)抽出する。なお、マスク透過率分布は、例えば、テスト用マスクパターン123によってレジストに照射される光がマスクされる領域が“0”、光が通過する領域が“1”となるような関数として定義される。このため、マスク透過率(I11〜I35)は、例えば、マスクM1の境界との位置関係に応じて、離散的に(すなわち、“1”又は“0”に)決定される。
積分核推定部104Aは、1つの注目点について切出された25個のマスク透過率I11〜I35(マスク透過率分布)に基づき、行ベクトルa =(I11、I12、…、I35)を生成する。また、積分核推定部104Aは、他の注目点についても同様に行ベクトルを生成し、これらを1つのマスク透過率分布行列A’として合成する。
2.3 本実施形態に係る効果について
第2実施形態によれば、積分核推定部104は、マスク透過率分布から光学像強度分布を算出する光学モデルと、光学像強度分布からレジスト像分布を算出するレジストモデルと、を一括して演算し得る1つの積分核ベクトルx’を推定する。これにより、マスク透過率分布からレジスト像分布を直接算出可能な新たなレジストモデルを得ることができ、演算負荷を更に抑制することができる。
2.4 変形例
なお、上述の第2実施形態では、マスクパターンに基づくマスク透過率分布からレジスト像分布を算出可能な積分核ベクトルの推定方法について説明したが、これに限られない。例えば、マスクパターンよりさらに上流の工程に使用されるリソグラフィパターンや、配線パターンに基づく分布からレジスト像分布を算出可能な積分核ベクトルを推定してもよい。
2.4.1 レジストモデル推定及び表示装置のハードウェア構成について
図25は、第2実施形態の変形例に係るレジストモデル推定及び表示装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。図25は、第1実施形態において示した図2に対応する。
図25に示すように、レジストモデル推定及び表示装置10Bは、図2における記憶部12に代えて記憶部12Bを備えている。
記憶部12Bは、例えば、テスト用リソグラフィパターン125及びテスト用配線パターン126が更に記憶される。配線パターンは、半導体基板上において設計された配線の理想的な配置を示すパターンである。リソグラフィパターンは、所望の配線パターンを得るために塗布されたレジストのパターンを、当該所望の配線パターンに基づいて推定したものある。すなわち、リソグラフィパターンとレジストパターンとは、設計値と、実績値との関係を有し、両者のパターンの一致度が高いほど、所望のレジストパターンが得られているとみなすことができる。
図26は、第2実施形態の変形例に係るレジストモデル推定及び表示装置に記憶されるテスト用の各種パターンの関係を説明するための模式図である。図26では、半導体基板(rq平面)上に、テスト用配線パターン126、テスト用リソグラフィパターン125、テスト用マスクパターン123、及びテスト用レジストパターン124の各々の一部が対応付けて示される。
図26に示すように、テスト用配線パターン126は、例えば、2次元平面内において、配線の有無を示す境界を示す情報として記憶される。図26の例では、テスト用配線パターン126の例として、矩形状の配線D1が示される。配線D1のq方向に沿う一辺の長さは、例えば、長さS_Dを有する。
テスト用リソグラフィパターン125は、上述の通り、所望の配線パターンを得るために必要なレジストのパターンを、配線パターンに基づいて推定したものである。このため、テスト用リソグラフィパターン125は、テスト用配線パターン126を包含する大きさに設計され得る。図26の例では、テスト用リソグラフィパターン125の例として、矩形状のレジストL1が示される。レジストL1のq方向に沿う一辺の長さは、例えば、長さS_Dより大きい長さS_Lを有する。
テスト用マスクパターン123は、テスト用リソグラフィパターン125に基づいて設計される。テスト用マスクパターン123は、上述の通り、所望のレジストパターンを得るために必要な光学像強度分布を照射するために、リソグラフィパターンに基づいて推定されたマスクのパターンである。このため、テスト用マスクパターン123は、テスト用リソグラフィパターン125を包含する大きさに設計され得る。図26の例では、テスト用マスクパターン123の例として、矩形状のマスクM1が示される。マスクM1のq方向に沿う一辺の長さは、例えば、長さS_Lより大きい長さS_Mを有する。
テスト用レジストパターン124は、上述の通り、テスト用マスクパターン123を適用することによって得られた実際のレジストのパターンである。テスト用レジストパターン124は、例えば、他の矩形状のパターンに対して丸形状のレジストR1として得られる。レジストR1の直径の長さS_Rは、例えば、レジストL1の長さS_Lと概ね一致し得る。
図27は、各種パターンに対応する分布を模式的に示したダイアグラムである。図27では、図26で説明した配線D1、レジストL1、マスクM1、及びレジストR1の各々に対応する分布と、マスクM1に基づいて算出される光学像強度分布とがq方向に沿って模式的に示される。ここで、分布とは、平面上又は空間上の位置を関数として定まる設計関連値の分布である。設計関連値は、例えば、光学像強度、レジスト像を含む。また、設計関連値は、例えば、上述したマスクパターン、リソグラフィパターン、及び配線パターンの境界をそれぞれ識別可能な矩形関数で表されるマスク透過率、リソグラフィターゲット密度、及びデザイン密度を更に含む。なお、分布は、上述した特定の設計関連値に限らず、レジストパターン推定に際して生成され得るその他の設計関連値によっても生成され得る。
図27に示すように、配線D1に対応するデザイン密度分布は、rq平面上における配線パターンの境界で値が切替わる関数として表される。すなわち、デザイン密度分布は、例えば、配線パターンにおいて配線D1が配置される領域が“1”と定義され、それ以外の領域が“0”と定義される。同様に、レジストL1に対応するリソグラフィターゲット密度分布は、rq平面上におけるリソグラフィパターンの境界で値が切替わる関数として表される。すなわち、リソグラフィターゲット密度分布は、例えば、リソグラフィパターン上においてレジストL1が配置される領域が“1”と定義され、それ以外の領域が“0”と定義される。同様に、マスクM1に対応するマスク透過率分布は、rq平面上におけるマスクパターンの境界で値が切替わる関数として表される。すなわち、マスク透過率分布は、例えば、マスクパターン上においてマスクM1が配置される領域が“1”と定義され、それ以外の領域が“0”と定義される。
デザイン密度分布は、例えば、リソグラフィターゲット生成モデルによって、リソグラフィターゲット密度分布に変換される。リソグラフィターゲット密度分布は、例えば、OPCモデルによって、マスク透過率分布に変換される。マスク透過率分布は、上述の通り、光学モデルによって、光学像強度分布I(q)に変換される。また、光学像強度分布I(q)は、レジストモデルによって、レジスト像分布I’(q)に変換される。
第1実施形態では、このうち、光学像強度分布と、レジスト像分布とを関連づけるモデルが積分核ベクトルxとして推定される場合について説明した。第2実施形態では、マスク透過率分布と、レジスト像分布とを関連づけるモデルが積分核ベクトルx’として推定される場合について説明した。以下に示す変形例では、リソグラフィターゲット密度分布と、レジスト像分布とを関連づけるモデルが積分核ベクトルx”として推定される場合、及びデザイン密度分布と、レジスト像分布とを関連づけるモデルが積分核ベクトルx”’として推定される場合について説明する。
2.4.2 リソグラフィパターンからレジストパターンを推定する場合について
2.4.2.1 レジストモデル推定及び表示装置の機能構成について
図28は、第2実施形態の第1変形例に係るレジストモデル推定及び表示装置の機能構成のうち、レジストモデル推定及び表示処理に係る機能構成を説明するためのブロック図である。図28は、第2実施形態における図22に対応する。
レジストモデル推定及び表示装置10Bは、レジストモデル推定及び表示処理を実行する際、積分核推定部104Aに代えて積分核推定部104Bを備え、かつリソグラフィターゲット密度分布切出し部109を更に備えるコンピュータとして機能する。
リソグラフィターゲット密度分布切出し部109は、テスト用リソグラフィパターン125を記憶部12Bから読出し、注目点の周りにリソグラフィパターンの形状にしたがって生成された矩形関数(リソグラフィターゲット密度分布)を算出する。リソグラフィターゲット密度分布切出し部109は、算出されたリソグラフィターゲット密度分布から、推定されるべきレジストモデル223Bを表す積分核Kの直径Dにより規定される範囲を、注目点が中心となる様に切出し、積分核推定部104Bに送出する。
積分核推定部104Bは、リソグラフィターゲット密度分布切出し部109から複数の注目点について切出された複数のリソグラフィターゲット密度分布を受けると、当該複数のリソグラフィターゲット密度分布に基づき、リソグラフィターゲット密度分布行列A”を生成する。また、積分核推定部104Bは、現像閾値算出部103から複数の注目点について現像閾値を受けると、当該複数の現像閾値に基づき、レジスト像ベクトルbを生成する。積分核推定部104Bは、マスク透過率分布行列A”及びレジスト像ベクトルbに基づき、線形方程式A”x”=bを解き、積分核ベクトルx”を推定する。そして、積分核推定部104Bは、推定した積分核ベクトルx”をレジストモデルとしてレジストモデル可視化部105及びマスクパターン設計装置20に送出する。
2.4.2.2 レジストモデル推定表示動作について
図29は、第2実施形態の第1変形例に係るレジストモデル推定及び表示装置におけるレジストモデル推定及び表示動作を説明するためのフローチャートである。図29は、第2実施形態において説明された図23に対応する。図29では、図23におけるステップST10、ST13A、ST14A、ST16A、及びST17Aに代えて、ステップST10B、ST13B、ST14B、ST16B、及びST17Bが実行される。
図29に示すように、ステップST10Bにおいて、記憶部12Bは、通信部15を介して外部から入力されたテスト用マスクパターン123、テスト用レジストパターン124、及びテスト用リソグラフィパターン125を記憶する。
ステップST11、ST12、及びST15は、図23と同様であるため、その説明を省略する。
ステップST13Bにおいて、制御部11は、リソグラフィターゲット密度分布切出し部109として機能し、ステップST11においてサンプリングされた複数の注目点の各々を含む領域について、テスト用リソグラフィパターン125に基づき、各注目点周りのリソグラフィターゲット密度分布を算出する。
ステップST14Bにおいて、制御部11は、引き続きリソグラフィターゲット密度分布切出し部109として機能し、ステップST13Bにおいて算出されたリソグラフィターゲット密度分布を、注目点を中心とする積分核Kの直径Dの範囲で切出す。
ステップST16Bにおいて、制御部11は、積分核推定部104Bとして機能し、ステップST14Bにおいて積分核Kの直径Dの範囲で切出されたリソグラフィターゲット密度分布と、ステップST15において算出された現像閾値とに基づいて、それぞれリソグラフィターゲット密度分布行列A”と、レジスト像ベクトルbとを生成する。
ステップST17Bにおいて、制御部11は、引き続き積分核推定部104Bとして機能し、ステップST16Bにおいて生成されたリソグラフィターゲット密度分布行列A”及びレジスト像ベクトルbに基づいて線形方程式A”x”=bを解き、積分核ベクトルx”を推定する。
ステップST18は、図23と同様であるため、その説明を省略する。
以上のように動作することにより、リソグラフィターゲット密度分布からレジスト像分布を直接算出可能な新たなレジストモデルを得ることができ、演算負荷を更に抑制することができる。
2.4.3 配線パターンからレジストパターンを推定する場合について、
2.4.3.1 レジストモデル推定及び表示装置の機能構成について
図30は、第2実施形態の第2変形例に係るレジストモデル推定及び表示装置の機能構成のうち、レジストモデル推定及び表示処理に係る機能構成を説明するためのブロック図である。図30は、第2実施形態における図22に対応する。
レジストモデル推定及び表示装置10Bは、レジストモデル推定及び表示処理を実行する際、積分核推定部104Aに代えて積分核推定部104Bを備え、かつデザイン密度分布切出し部110を更に備えるコンピュータとして機能する。
デザイン密度分布切出し部110は、テスト用配線パターン126を記憶部12Bから読出し、注目点の周りに配線パターンの形状にしたがって生成された矩形関数(デザイン密度分布)を算出する。デザイン密度分布切出し部110は、算出されたデザイン密度分布から、推定されるべきレジストモデル223Bを表す積分核Kの直径Dにより規定される範囲を、注目点が中心となる様に切出し、積分核推定部104Bに送出する。
積分核推定部104Bは、デザイン密度分布切出し部110から複数の注目点について切出された複数のデザイン密度分布を受けると、当該複数のデザイン密度分布に基づき、デザイン密度分布行列A”’を生成する。また、積分核推定部104Bは、現像閾値算出部103から複数の注目点について現像閾値を受けると、当該複数の現像閾値に基づき、レジスト像ベクトルbを生成する。積分核推定部104Bは、マスク透過率分布行列A”’及びレジスト像ベクトルbに基づき、線形方程式A”’x”’=bを解き、積分核ベクトルx”’を推定する。そして、積分核推定部104Bは、推定した積分核ベクトルx”’をレジストモデルとしてレジストモデル可視化部105及びマスクパターン設計装置20に送出する。
2.4.3.2 レジストモデル推定表示動作について
図31は、第2実施形態の第2変形例に係るレジストモデル推定及び表示装置におけるレジストモデル推定及び表示動作を説明するためのフローチャートである。図31は、第2実施形態において説明された図23に対応する。図31では、図23におけるステップST10、ST13A、ST14A、ST16A、及びST17Aに代えて、ステップST10B、ST13B、ST14B、ST16B、及びST17Bが実行される。
図31に示すように、ステップST10Bにおいて、記憶部12Bは、通信部15を介して外部から入力されたテスト用マスクパターン123、テスト用レジストパターン124、及びテスト用配線パターン126を記憶する。
ステップST11、ST12、及びST15は、図23と同様であるため、その説明を省略する。
ステップST13Bにおいて、制御部11は、デザイン密度分布切出し部110として機能し、ステップST11においてサンプリングされた複数の注目点の各々を含む領域について、テスト用配線パターン126に基づき、各注目点周りのデザイン密度分布を算出する。
ステップST14Bにおいて、制御部11は、引き続きデザイン密度分布切出し部110として機能し、ステップST13Bにおいて算出されたデザイン密度分布を、注目点を中心とする積分核Kの直径Dの範囲で切出す。
ステップST16Bにおいて、制御部11は、積分核推定部104Bとして機能し、ステップST14Bにおいて積分核Kの直径Dの範囲で切出されたデザイン密度分布と、ステップST15において算出された現像閾値とに基づいて、それぞれデザイン密度分布行列A”’と、レジスト像ベクトルbとを生成する。
ステップST17Bにおいて、制御部11は、引き続き積分核推定部104Bとして機能し、ステップST16Bにおいて生成されたデザイン密度分布行列A”’及びレジスト像ベクトルbに基づいて線形方程式A”’x”’=bを解き、積分核ベクトルx”’を推定する。
ステップST18は、図23と同様であるため、その説明を省略する。
以上のように動作することにより、デザイン密度分布からレジスト像分布を直接算出可能な新たなレジストモデルを得ることができ、演算負荷を更に抑制することができる。
3. その他
なお、上述の第1実施形態及び第2実施形態は、種々の変形が可能である。
第1実施形態及び第2実施形態では、各種パターンからレジストパターンへの変換モデルをレジストモデルとして推定し、推定結果をユーザに表示するレジストモデル推定及び表示方法について説明したが、これに限られない。例えば、第1実施形態及び第2実施形態において説明したモデル推定及び表示手法は、レジストモデルに加え、レジストパターン形成後のハードマスクに対して形成されるハードマスクパターンの加工モデルをも加味したモデルを、一括して1つの積分核として推定する場合においても同様に適用可能である。この場合、注目点がサンプリングされるパターンは、レジストパターンの境界上ではなく、ハードマスクをレジストパターンに沿って加工した後に形成されるハードマスクパターン(図示せず)となり得る。また、注目点上の光学像強度に基づいて算出される閾値は、現像閾値ではなく、ハードマスクパターンの境界を形成する位置において理想的に一致することが要請される光学像強度の値となり得る。
また、例えば、第1実施形態では、光学像強度分布からレジスト像分布へ変換可能なレジストモデルを推定し、これを上流工程であるマスクパターンの設計に応用する例を説明したが、同様の応用が第2実施形態においても適用可能である。具体的には、例えば、第2実施形態において、マスク透過率分布からレジスト像分布へ変換可能なレジストモデルを推定した後、これを上流工程であるリソグラフィパターンの設計に応用するように、設計システムを構成してもよい。同様に、第2実施形態の第1変形例において、リソグラフィターゲット密度分布からレジスト像分布へ変換可能なレジストモデルを推定した後、これを上流工程である配線パターンの設計に応用するように、設計システムを構成してもよい。
また、例えば、第1実施形態では、マスクパターン設計システム1は、レジストモデル推定及び表示装置10及びマスクパターン設計装置20の2つの装置によって構成される旨を説明したが、これに限られない。例えば、レジストモデル推定及び表示装置10及びマスクパターン設計装置20は、1つの装置内に構成されてもよい。また、制御部11及び21は、1つ又は複数のGPU、ASIC、FPGA等で構成される専用回路(専用プロセッサ)を含んでもよい。制御部11及び21は、当該専用プロセッサにより、マスクパターン設計システム1の光学像強度分布算出部101及び201、光学像強度分布切出し部102、現像閾値算出部103、積分核推定部104、レジストモデル可視化部105、レジスト輪郭情報生成部106及び202、検証部107、評価部203、及びマスクパターン生成部204による機能を実現可能である。
また、第1実施形態及び第2実施形態では、光学像強度分布、マスク透過率、リソグラフィターゲット密度、及びデザイン密度のいずれかの設計関連値の分布からレジストモデルを推定する手法について説明したが、これに限られない。例えば、レジストモデルは、上述の設計関連値に限らず、レジストパターン推定に際して生成され得るその他の任意の設計関連値任意の分布からも、上述の手法と同様の手法を用いて推定することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…マスクパターン設計システム、10,10A,10B(10B,10B)…レジストモデル推定及び表示装置、20…マスクパターン設計装置、11,21…制御部、12,12B,22…記憶部、13,23…表示部、14,24…ドライブ、15,25…通信部、141,241…記憶媒体、101,201…光学像強度分布算出部、102…光学像強度分布切出し部、103…現像閾値算出部、104,104A,104B,104B…積分核推定部、105…レジストモデル可視化部、106,202…レジスト輪郭情報生成部、107…検証部、108…マスク透過率分布切出し部、109…リソグラフィターゲット密度分布切出し部、110…デザイン密度分布切出し部、203…評価部、204…マスクパターン生成部、121…レジストモデル推定及び表示プログラム、122…レジストモデル検証プログラム、123…テスト用マスクパターン、124…テスト用レジストパターン、125…テスト用リソグラフィパターン、126…テスト用配線パターン、221…マスクパターン設計プログラム、222…所望のレジストパターン、223,223A,223B,223B…レジストモデル。

Claims (14)

  1. パターン上の注目点をサンプリングすることと、
    前記注目点を含む前記パターン上のN個の点におけるデザイン密度、リソグラフィターゲット密度、マスク透過率、光学像強度の何れかを示す空間又は平面上の分布を算出することと(Nは、1以上の整数)、
    前記パターンについての閾値を算出することと、
    前記分布と前記閾値とに基づき、前記N個の点にそれぞれ対応するN個の要素をモデルとして推定することと、
    前記推定されたモデルを表示することと、
    を備える、モデル表示方法。
  2. 前記注目点は、前記パターンの境界上にサンプリングされる、請求項1記載のモデル表示方法。
  3. 前記パターンは、マスクパターンに対応するレジストパターンを含み、
    前記注目点は、前記レジストパターン上にサンプリングされ、
    前記分布は、前記マスクパターンに基づいて算出される光学像強度分布を含む、
    請求項2記載のモデル表示方法。
  4. 前記パターンは、マスクパターンに対応するレジストパターンを含み、
    前記注目点は、前記レジストパターン上にサンプリングされ、
    前記分布は、前記マスクパターンを表すマスク透過率分布を含む、
    請求項2記載のモデル表示方法。
  5. 前記パターンは、リソグラフィパターンに対応するレジストパターンを含み、
    前記注目点は、前記レジストパターン上にサンプリングされ、
    前記分布は、前記リソグラフィパターンを表すリソグラフィターゲット密度分布を含む、
    請求項2記載のモデル表示方法。
  6. 前記パターンは、配線パターンに対応するレジストパターンを含み、
    前記注目点は、前記レジストパターン上にサンプリングされ、
    前記分布は、前記配線パターンを表すデザイン密度分布を含む、
    請求項2記載のモデル表示方法。
  7. 前記サンプリングすることは、M個の前記注目点をサンプリングし(Mは自然数)、
    前記分布、及び前記閾値を算出することは、前記M個の注目点の各々について、前記分布、及び前記閾値を算出し、
    前記推定することは、前記M個の注目点の各々について算出された前記分布と前記閾値とに基づき、前記モデルを推定する、
    請求項1記載のモデル表示方法。
  8. 前記表示することは、前記N個の要素を所定の領域にマッピングすることにより、前記モデルを可視化することを含む、請求項7記載のモデル表示方法。
  9. 前記モデルは、前記分布との畳み込み積分により前記閾値を演算可能な少なくとも1つの積分核により表される、請求項8記載のモデル表示方法。
  10. 前記推定することは、
    前記M個の注目点の各々について算出された前記分布に基づき、M行N列の行列Aを生成することと、
    前記M個の注目点の各々について算出された前記閾値に基づき、M個の要素を有する第1ベクトルbを生成することと、
    線形方程式Ax=bを解くことによって、N個の要素を有する第2ベクトルxを、前記モデルとして推定することと、
    を含む、請求項9記載のモデル表示方法。
  11. 前記第2ベクトルxを推定することは、
    前記行列Aを特異値分解することによって複数の特異値を算出することと、
    前記複数の特異値から有意な特異値を選択することと、
    前記選択された有意な特異値に基づいて一般化逆行列を算出することと、
    前記算出された一般化逆行列に基づいて前記第2ベクトルを推定することと、
    を含む、請求項10記載のモデル表示方法。
  12. 前記第2ベクトルxを推定することは、前記線形方程式Ax=bの解法に正則化項を導入することを含む、請求項10記載のモデル表示方法。
  13. パターン上の注目点をサンプリングすることと、
    前記注目点を含む前記パターン上のN個の点におけるデザイン密度、リソグラフィターゲット密度、マスク透過率、光学像強度の何れかを示す空間又は平面上の分布を算出することと(Nは、1以上の整数)、
    前記パターンについての閾値を算出することと、
    前記分布と前記閾値とに基づき、前記N個の点にそれぞれ対応するN個の要素をモデルとして推定することと、
    前記推定されたモデルを表示することと、
    前記表示されたモデルを適用して、前記パターンの設計パラメタを含む第2パターンを設計することと、
    を備える、パターン設計方法。
  14. コンピュータに、
    パターン上の注目点をサンプリングすることと、
    前記注目点を含む前記パターン上のN個の点におけるデザイン密度、リソグラフィターゲット密度、マスク透過率、光学像強度の何れかを示す空間又は平面上の分布を算出することと(Nは、1以上の整数)、
    前記パターンについての閾値を算出することと、
    前記分布と前記閾値とに基づき、前記N個の点にそれぞれ対応するN個の要素をモデルとして推定することと、
    前記推定されたモデルを表示することと、
    を実行させるためのプログラム。
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