以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
図1は、本実施形態の遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、この外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠104と、この中枠104に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。
中枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤108が保持されている。また、前枠106には、ガラス製または樹脂製の透過板110が保持されている。そして、これら中枠104および前枠106を外枠102に対して閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。
図2は、遊技機100の正面図である。この図に示すように、前枠106の下部には、遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられている。この操作ハンドル112は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤108に設けられたレール114a、114b間を上昇して遊技領域116に導かれることとなる。
遊技領域116は、遊技盤108と透過板110との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤108には、多数の釘や風車(不図示)が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にし、遊技球の打ち分けが可能な第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを備えている。第1遊技領域116aは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。レール114a、114bが遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域116aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域116bに進入することとなる。
また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122が設けられており、これら一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120内には第1始動領域が設けられ、また、第2始動口122内には第2始動領域が設けられている。そして、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球して第1始動領域または第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な大役遊技や小当たり遊技の実行可否が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
また、第1始動口120には、可動片120bが開閉可能に設けられており、この可動片120bの状態に応じて、第1始動口120への遊技球の進入容易性が変化するようになっている。具体的には、可動片120bが閉状態にあるときには、第1始動口120に所定の頻度で遊技球が入球する。これに対して、遊技領域116(第1遊技領域116a)に設けられたゲート124内の進入領域を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片120bが所定時間、開状態に制御される。このように、可動片120bが開状態になると、当該可動片120bが遊技球を第1始動口120に導く受け皿として機能し、第1始動口120への遊技球の入球が容易となる。このように、可動片120bは、始動領域への遊技球の進入を可能とする開状態、および、開状態よりも始動領域への遊技球の進入を困難とする閉状態に変移する始動可変入賞装置として機能する。
なお、第1始動口120は、第1遊技領域116aを流下する遊技球のみが入球可能となり、第2始動口122は、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能となる位置に配されている。なお、第1始動口120は、第2遊技領域116bを流下する遊技球が入球してもよいが、この場合には、第1遊技領域116aを流下する遊技球の方が、第2遊技領域116bを流下する遊技球よりも入球しやすい位置に配することが望ましい。同様に、第2始動口122は、第1遊技領域116aを流下する遊技球が入球してもよいが、この場合には、第2遊技領域116bを流下する遊技球の方が、第1遊技領域116aを流下する遊技球よりも入球しやすい位置に配することが望ましい。いずれにしても、第1始動口120は、少なくとも第1遊技領域116aを流下する遊技球が入球可能な位置に配され、第2始動口122は、少なくとも第2遊技領域116bを流下する遊技球が入球可能な位置に配されるとよい。
さらに、第1始動口120の下方には、第1遊技領域116aを流下する遊技球のみが入球可能であるか、もしくは、第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを流下するいずれの遊技球も入球可能に配された第1大入賞口126が設けられている。第1大入賞口126には、開閉扉126bが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉126bが第1大入賞口126を閉鎖して、第1大入賞口126への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の大役遊技が実行されると、開閉扉126bが開放されて、開閉扉126bが受け皿として機能し、第1大入賞口126への遊技球の入球が可能となる。そして、第1大入賞口126に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
また、第2遊技領域116bには、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能であるか、もしくは、第2遊技領域116bに進入した遊技球の方が、第1遊技領域116aに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に、第2大入賞口128が設けられている。なお、第1大入賞口126および第2大入賞口128をまとめて単に大入賞口ともよぶ。
図3は、第2大入賞口128を説明する図である。第2遊技領域116bには、遊技盤108の正面側に突出する構造物129が設けられている。この構造物129は、遊技機100の左右方向と前後方向とに位置する四辺、および、底辺が囲繞されており、上部に開口が形成されている。この構造物129の上部に形成される開口が、第2大入賞口128となる。構造物129の上部には、開閉扉128bが設けられており、通常、図3(a)に示すように、開閉扉128bは、第2大入賞口128を閉鎖する閉状態に維持されている。
開閉扉128bは、遊技機100の上方に臨むようにして、遊技球が転動、流下する遊技領域116に突出している。したがって、開閉扉128bが閉状態に維持されている場合には、遊技領域116(第2遊技領域116b)を流下する遊技球が、開閉扉128b上に落下することとなる。ここで、構造物129は、底辺が水平方向に略平行であり、遊技機100の右側の側面は、左側の側面よりも高さ方向に僅かに長い寸法関係となっている。したがって、第2大入賞口128は、遊技機100の左側が右側よりも僅かに低く、閉状態に維持された開閉扉128bは、遊技機100の左側が右側よりも僅かに低い位置になるように傾斜している。そのため、開閉扉128bが閉状態にあるときには、図3(a)に矢印で示すように、開閉扉128b上に落下した遊技球が、開閉扉128b上を右方から左方へとゆっくりと転動することになる。
そして、後述の小当たり遊技が実行されると、開閉扉128bは、第2大入賞口128を開放する開状態に変移する。ここで、開閉扉128bは、図3(b)に示すように、遊技機100の正面側に位置する一辺を回転軸として、遊技機100の背面側の一辺を下方側に移動させるように、閉状態から開状態へと変移する。その結果、閉状態から開状態に変移する際に、開閉扉128b上を転動している遊技球が第2大入賞口128内に導かれることとなる。
このように、本実施形態では、開閉扉128bを僅かに傾斜させ、開閉扉128b上を遊技球が転動する時間を長く確保する。そして、開閉扉128bが閉状態から開状態に変移することで、開閉扉128b上を転動している遊技球を第2大入賞口128内に導く。上記の構成により、開閉扉128bを開状態に維持する時間を僅かに設定したとしても、第2大入賞口128内に所定数の遊技球を導くことができる。換言すれば、第2大入賞口128内に所定数の遊技球を入球させるために必要となる、開閉扉128bを開状態に維持する時間を短時間とすることができる。なお、構造物129の背面には、遊技盤108の背面側に連通する孔が形成されており、第2大入賞口128に入球した遊技球は、遊技盤108の背面側に排出される。そして、第2大入賞口128に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
なお、図2に示すように、遊技領域116の最下部には、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、第1大入賞口126、第2大入賞口128のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出する排出口130が設けられている。
そして、遊技機100には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置200、可動装置からなる演出役物装置202、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置204、スピーカからなる音声出力装置206、遊技者の操作を受け付ける演出操作装置208が設けられている。
演出表示装置200は、画像を表示する画像表示部からなる演出表示部200aを備えており、この演出表示部200aを、遊技盤108の略中央部分において、遊技機100の正面側から視認可能に配置している。この演出表示部200aには、図示のように演出図柄210a、210b、210cが変動表示される等、種々の演出が実行されることとなる。
演出役物装置202は、演出表示部200aよりも前面に配置され、通常、遊技盤108の背面側の原点位置において、複数の構成部材に分割された状態で退避しており、遊技者が視認できないようになっている。そして、上記の演出図柄210a、210b、210cの変動表示中などに、アクチュエータの駆動により、演出表示部200aの前面にある可動位置まで各構成部材が移動すると、演出表示部200aの前面で各構成部材が合体して、遊技者に大当たりの期待感を付与する。
演出照明装置204は、演出役物装置202や遊技盤108等に設けられており、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
音声出力装置206は、前枠106の上部位置や外枠102の最下部位置に設けられ、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、遊技機100の正面側に向けてさまざまな音声を出力する。
演出操作装置208は、遊技者の押下操作を受け付けるボタンで構成され、遊技機100の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板110よりも下方位置に設けられている。この演出操作装置208は、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて有効化されるものであり、操作有効時間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行される。
なお、図中符号132は、遊技機100から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿であり、この上皿132が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿134に導かれることとなる。また、この下皿134の底面には、当該下皿134から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ134aを押下することにより、当該球抜きつまみ134aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿134の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
また、遊技盤108には、遊技領域116の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が設けられている。これら各表示器160〜172は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。
(制御手段の内部構成)
図4は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
主制御基板300は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板300は、メインCPU300a、メインROM300b、メインRAM300cを備えている。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM300cは、メインCPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
上記主制御基板300には、一般入賞口118に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口120に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口122に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ122s、ゲート124を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ124s、第1大入賞口126に遊技球が入球したことを検出する第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口128に遊技球が入球したことを検出する第2大入賞口検出スイッチ128sが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板300に検出信号が入力されるようになっている。
また、主制御基板300には、第1始動口120の可動片120bを作動する普通電動役物ソレノイド120cと、第1大入賞口126を開閉する開閉扉126bを作動する第1大入賞口ソレノイド126cと、第2大入賞口128を開閉する開閉扉128bを作動する第2大入賞口ソレノイド128cと、が接続されており、主制御基板300によって、第1始動口120、第1大入賞口126、第2大入賞口128の開閉制御がなされるようになっている。
さらに、主制御基板300には、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が接続されており、主制御基板300によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
また、本実施形態の遊技機100は、主に第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート124を遊技球が通過することによって開始される普通遊技とに大別される。そして、主制御基板300のメインROM300bには、特別遊技および普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
また、主制御基板300には、払出制御基板310および副制御基板330が接続されている。払出制御基板310は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板310も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板300に対して双方向に通信可能に接続されている。この払出制御基板310には遊技情報出力端子板312が接続されており、主制御基板300から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板310および遊技情報出力端子板312を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
また、払出制御基板310には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ314が接続されている。払出制御基板310は、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ314を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ316sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。
また、払出制御基板310には、下皿134の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ318sが接続されている。この皿満タン検出スイッチ318sは、賞球として払い出される遊技球を下皿134に導く通路に設けられており、遊技球検出信号が払出制御基板310に入力されるようになっている。
そして、下皿134に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿134に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ318sから払出制御基板310に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板310は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿134が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板300に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板300に送信する。
また、払出制御基板310には、遊技球の発射制御を行う発射制御回路320が設けられている。払出制御基板310には、操作ハンドル112に設けられ、当該操作ハンドル112に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ112sと、操作ハンドル112の操作角度を検出する操作ボリューム112aと、が接続されている。そして、タッチセンサ112sおよび操作ボリューム112aから信号が入力されると、発射制御回路320において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド112cを通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
副制御基板330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板330は、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330cを備えており、主制御基板300に対して、当該主制御基板300から副制御基板330への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU330aは、主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行制御する。このとき、サブRAM330cは、サブCPU330aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
具体的には、副制御基板330では、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330cが協働して、サブメイン、画像制御部、役物制御部、照明制御部、音声制御部として機能する。サブメインは、各種入力コマンドに応じて、実行する演出の内容を決定したり、演出の実行を管理、統括したりする。画像制御部は、上記演出表示部200aに画像を表示させる画像表示制御を行う。サブROM330bには、演出表示部200aに表示される図柄や背景、字幕等の画像データが多数格納されており、画像制御部が、画像データをサブROM330bから不図示のVRAMに読み出して、演出表示部200aの画像表示を制御する。
また、役物制御部は、サブメインによる演出の管理にしたがってアクチュエータを駆動し、演出役物装置202を可動制御する。照明制御部は演出照明装置204を点灯制御する。また、音声制御部は、上記音声出力装置206から音声を出力させる音声出力制御を行う。サブROM330bには、音声出力装置206から出力される音声や楽曲等の音声データが多数格納されており、音声制御部が、音声データをサブROM330bから読み出して、音声出力装置206の音声出力を制御する。
さらに、副制御基板330では、演出操作装置208が押下操作または回転操作されたことを検出する演出操作装置検出スイッチ208sから操作検出信号が入力された際に、所定の演出を実行する。
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されており、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給がなされている。また、電源基板にはコンデンサからなるバックアップ電源が設けられている。
次に、本実施形態の遊技機100における遊技について、メインROM300bに記憶されている各種テーブルと併せて説明する。
前述したように、本実施形態の遊技機100は、特別遊技と普通遊技の2種類の遊技が並行して進行するものである。特別遊技は、低確率遊技状態および高確率遊技状態のいずれかの遊技状態にて遊技が進行し、普通遊技は、非時短遊技状態、中時短遊技状態、時短遊技状態のいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。
各遊技状態の詳細については後述するが、低確率遊技状態というのは、大入賞口が開放される大役遊技を実行する権利獲得の確率が低く設定された遊技状態であり、高確率遊技状態というのは、大役遊技を実行する権利獲得の確率が高く設定された遊技状態である。また、非時短遊技状態というのは、可動片120bが開状態になりにくく、第1始動口120に遊技球が入球し難い遊技状態であり、中時短遊技状態というのは、非時短遊技状態よりも可動片120bが開状態になりやすく、第1始動口120に遊技球が入球しやすい遊技状態である。また、時短遊技状態というのは、中時短遊技状態よりも、さらに、可動片120bが開状態になりやすく、第1始動口120に遊技球が最も入球しやすい遊技状態である。なお、時短遊技状態では、遊技中に第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射し続けている場合に、僅かに遊技球が減少するか、遊技球が殆ど減少しないように設定されている。
上記のように、特別遊技と普通遊技とは同時並行して進行することから、本実施形態では、低確率遊技状態または高確率遊技状態と、非時短遊技状態、中時短遊技状態、時短遊技状態のいずれかとが組み合わされた遊技状態となる。以下では、理解を容易とするため、特別遊技に係る遊技状態、すなわち、低確率遊技状態および高確率遊技状態を特別遊技状態と呼び、普通遊技に係る遊技状態、すなわち、非時短遊技状態、中時短遊技状態、時短遊技状態を普通遊技状態と呼ぶ場合がある。遊技機100の初期状態は、低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定されている。
遊技者が操作ハンドル112を操作して遊技領域116に遊技球を発射させるとともに、遊技領域116を流下する遊技球が第1始動口120または第2始動口122に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かの抽選(以下、「大役抽選」という)が行われる。この大役抽選において、大当たりに当選すると、大入賞口が開放されるとともに当該大入賞口への遊技球の入球が可能となる大役遊技が実行され、また、当該大役遊技の終了後の遊技状態が、上記のいずれかの遊技状態に設定される。以下では、大役抽選方法について説明する。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、大役抽選に係る種々の乱数値(大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM300cの特図保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口120に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特1保留とよび、第2始動口122に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特2保留とよぶ。
メインRAM300cの特図保留記憶領域は、第1特図保留記憶領域と第2特図保留記憶領域とを備えている。第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域は、それぞれ4つの記憶部(第1〜第4記憶部)を有している。そして、第1始動口120に遊技球が入球すると、特1保留を第1特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶し、第2始動口122に遊技球が入球すると、特2保留を第2特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶する。
例えば、第1始動口120に遊技球が入球したとき、第1特図保留記憶領域の第1〜第4記憶部のいずれにも保留が記憶されていない場合には、第1記憶部に特1保留を記憶する。また、例えば、第1記憶部〜第3記憶部に特1保留が記憶されている状態で、第1始動口120に遊技球が入球した場合には、特1保留を第4記憶部に記憶する。また、第2始動口122に遊技球が入球した場合にも、上記と同様に、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部の中で、特2保留が記憶されていない、最も番号(序数)の小さい記憶部に特2保留が記憶される。
ただし、第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域に記憶可能な特1保留数(X1)および特2保留数(X2)は、それぞれ4つに設定されている。したがって、例えば、第1始動口120に遊技球が入球したときに、第1特図保留記憶領域に既に4つの特1保留が記憶されている場合には、当該第1始動口120への遊技球の入球によって新たに特1保留が記憶されることはない。同様に、第2始動口122に遊技球が入球したときに、第2特図保留記憶領域に既に4つの特2保留が記憶されている場合には、当該第2始動口122への遊技球の入球によって新たに特2保留が記憶されることはない。
図5は、大当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜65535の範囲内から1つの大当たり決定乱数が取得される。そして、大役抽選を開始するとき、すなわち、大当たりの判定を行うときの遊技状態に応じて大当たり決定乱数判定テーブルが選択され、当該選択された大当たり決定乱数判定テーブルと取得された大当たり決定乱数とによって大役抽選が行われる。
低確率遊技状態において大役抽選を開始する場合には、図5(a)に示すように、低確時大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この低確時大当たり決定乱数判定テーブルによれば、大当たり決定乱数が10001〜10205であった場合に大当たりと判定し、大当たり決定乱数が20001〜56408であった場合に小当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/319.6、小当たり確率は約1/1.8となる。
また、高確率遊技状態において大役抽選を開始する場合には、図5(b)に示すように、高確時大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この高確時大当たり決定乱数判定テーブルによれば、大当たり決定乱数が10001〜10655であった場合に大当たりと判定し、大当たり決定乱数が20001〜56408であった場合に小当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/100.0、小当たり確率は約1/1.8となる。
図6は、当たり図柄乱数判定テーブルおよび小当たり図柄乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜99の範囲内から1つの当たり図柄乱数が取得される。そして、上記の大役抽選により「大当たり」の判定結果が導出された場合に、取得している当たり図柄乱数と当たり図柄乱数判定テーブルとによって、特別図柄の種別が決定される。このとき、特1保留によって「大当たり」に当選した場合には、図6(a)に示すように、特1用当たり図柄乱数判定テーブルaが選択され、特2保留によって「大当たり」に当選した場合には、図6(b)に示すように、特2用当たり図柄乱数判定テーブルbが選択され、特1保留によって「小当たり」に当選した場合には、図6(c)に示すように、特1用小当たり図柄乱数判定テーブルaが選択され、特2保留によって「小当たり」に当選した場合には、図6(d)に示すように、特2用小当たり図柄乱数判定テーブルbが選択される。以下では、当たり図柄乱数によって決定される特別図柄、すなわち、大当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を大当たり図柄と呼び、小当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を小当たり図柄と呼び、ハズレの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄をハズレ図柄と呼ぶ。
図6(a)に示す特1用当たり図柄乱数判定テーブルa、および、図6(b)に示す特2用当たり図柄乱数判定テーブルbによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、特別図柄として大当たり図柄(特別図柄A〜I)が決定される。また、図6(c)に示す特1用小当たり図柄乱数判定テーブルa、および、図6(d)に示す特2用小当たり図柄乱数判定テーブルbによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、特別図柄として小当たり図柄(特別図柄Z1〜Z6)が決定される。
なお、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、当該抽選結果が特1保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Xが決定され、当該抽選結果が特2保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Yが決定される。つまり、当たり図柄乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「大当たり」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「ハズレ」または「小当たり」であった場合に参照されることはない。また、小当たり図柄乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「小当たり」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「大当たり」または「ハズレ」であった場合に参照されることはない。なお、小当たり図柄である特別図柄Z1〜Z6をまとめて単に特別図柄Zともよぶ。
図7(a)は、変動パターン乱数判定テーブルを説明する図であり、図7(b)は変動時間決定テーブルを説明する図である。なお、変動パターン乱数判定テーブルは、保留種別、大役抽選の結果(特別図柄種別)、遊技状態、変動回数、さらには保留数ごとに複数設けられているが、ここでは、任意の変動パターン乱数判定テーブルxについて説明する。上記のようにして特別図柄の種別が決定されると、図7(a)に示すような変動パターン乱数判定テーブルと、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球したときに取得した0〜238の範囲の変動パターン乱数とに基づいて、いずれかの変動パターン番号が決定される。この変動パターン番号には、図7(b)に示すように、それぞれ変動時間が対応付けられている。この変動時間というのは、決定された特別図柄を、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に停止表示させるまでの時間である。
詳しくは後述するが、特1保留に基づいて特別図柄が決定されるとともに、変動パターン番号すなわち変動時間が決定されると、当該決定された変動時間に亘って第1特別図柄表示器160において図柄の変動表示が行われ、変動時間が経過すると、第1特別図柄表示器160に、決定された特別図柄が停止表示される。また、特2保留に基づいて特別図柄が決定されるとともに、変動パターン番号すなわち変動時間が決定されると、当該決定された変動時間に亘って第2特別図柄表示器162において図柄の変動表示が行われ、変動時間が経過すると、第2特別図柄表示器162に、決定された特別図柄が停止表示される。このとき、ハズレ図柄が第1特別図柄表示器160に停止表示されることで、大役抽選の結果としてハズレが確定し、次の特1保留に基づく大役抽選が実行可能となり、ハズレ図柄が第2特別図柄表示器162に停止表示されることで、大役抽選の結果としてハズレが確定し、次の特2保留に基づく大役抽選が実行可能となる。一方、大当たり図柄が第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に停止表示されると、大役抽選の結果として大当たりが確定し、大役遊技が実行され、小当たり図柄が第2特別図柄表示器162に停止表示されると、大役抽選の結果として小当たりが確定し、小当たり遊技が実行されることとなる。
このように、変動時間は、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の時間、換言すれば、大役抽選の結果を確定させるまでの時間を規定するものとなるが、この変動時間を決定するための変動パターン乱数判定テーブルは、保留種別、大役抽選の結果(特別図柄種別)、遊技状態等に応じて複数設けられている。これにより、取得した変動パターン乱数の値が同一であったとしても、選択する変動パターン乱数判定テーブルによって、異なる変動パターン番号、すなわち、変動時間が決定されることとなる。
以上のようにして変動パターン番号が決定されると、当該決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330においては、受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様が決定されることとなるが、その詳細については説明を省略する。
図8は、遊技状態および変動時間を説明する図である。上述のように、特別遊技状態と普通遊技状態とが組み合わされて1の遊技状態となり、設定中の遊技状態に応じて遊技の進行制御がなされる。既に説明したように、特別遊技状態は、大当たりの当選確率を異にする低確率遊技状態および高確率遊技状態の2種類が設けられている。また、普通遊技状態は、互いに第1始動口120への遊技球の入球容易性(入球頻度)を異にする非時短遊技状態、中時短遊技状態、時短遊技状態の3種類が設けられている。
ここで、普通遊技において、第1始動口120への遊技球の入球容易性は、当選確率、変動時間、開放時間の3つの要素によって決定される。詳しくは後述するが、普通遊技では、ゲート124を遊技球が通過すると普図保留が記憶される。そして、記憶された普図保留に基づいて、可動片120bを開放するか否かを決定する普図抽選が行われる。この普図抽選の結果は、所定の変動時間が経過したところで確定する。普図抽選の結果として当たりが確定すると、可動片120bが開放される。このとき、普図抽選における当選確率、変動時間、および、可動片120bを開放する際の開放時間が、それぞれ普通遊技状態ごとに設定されている。
本実施形態では、図8(a)に示すように、特別遊技状態および普通遊技状態の組み合わせにより5種類の遊技状態が設けられる。遊技機100の初期状態は、低確率遊技状態および非時短遊技状態となっている。なお、非時短遊技状態では、普図抽選における当選確率が低く、変動時間が長く、可動片120bの開放時間が短い。以下では、低確率遊技状態および非時短遊技状態が組み合わされた遊技状態を通常状態と呼ぶ。
また、本実施形態では、高確率遊技状態および非時短遊技状態に設定される場合があり、この両者が組み合わされた遊技状態を最優位状態と呼ぶ。なお、この最優位状態は、5つの遊技状態の中で最も有利度合いが高く、適切に遊技球を発射していると、大当たりに当選せずとも、遊技中に徐々に遊技球が増加していくように設定されている。
また、本実施形態では、低確率遊技状態および時短遊技状態に設定される場合がある。なお、時短遊技状態では、普図抽選における当選確率が高く、変動時間が短く、可動片120bの開放時間が長い。以下では、低確率遊技状態および時短遊技状態が組み合わされた遊技状態を通常時短状態または通常前兆状態と呼ぶ。なお、通常時短状態および通常前兆状態は、特別遊技状態および普通遊技状態が同一であるため、主制御基板300における遊技の進行制御上の差異はない。このように、遊技の進行制御が完全に等しい1の遊技状態を2つの異なる遊技状態に分けたのは、単に演出上の都合によるものである。つまり、実際には、主制御基板300において、通常時短状態と通常前兆状態とを区別することなく、遊技の進行制御がなされており、副制御基板330における演出の制御のみが、通常時短状態および通常前兆状態で異なっている。したがって、主制御基板300における遊技の進行制御上の観点からすれば、通常時短状態および通常前兆状態は1つの遊技状態とみなされる。
また、本実施形態では、高確率遊技状態および時短遊技状態に設定される場合がある。以下では、高確率遊技状態および時短遊技状態が組み合わされた遊技状態を高確前兆状態と呼ぶ。なお、副制御基板330においては、主制御基板300で設定されている遊技状態に対応する演出モードが設定される。演出モードというのは、演出表示部200aに表示される背景画像やBGM等を規定するものであり、演出モードごとに、演出の内容が異なっている。つまり、遊技者は、演出モードによって、現在の遊技状態を識別することができる。
ただし、高確前兆状態および上記の通常前兆状態では、同一の演出モード(以下、高確前兆状態および通常前兆状態に対応する演出モードを「前兆モード」と呼ぶ)に設定される。つまり、前兆モードは、高確前兆状態および通常前兆状態の双方で設定されることから、前兆モード中は、現在の遊技状態を遊技者が識別することができなくなる。このように、通常前兆状態および高確前兆状態は、互いに遊技状態を識別することができないことから、以下では、両遊技状態を総称して前兆状態と呼ぶ。
また、本実施形態では、高確率遊技状態および中時短遊技状態に設定される場合がある。なお、中時短遊技状態では、普図抽選における当選確率が、非時短遊技状態よりも高く時短遊技状態よりも低く、変動時間が短く、可動片120bの開放時間が長い。この遊技状態は、適切に遊技球を発射させなかった場合等、不測の事態が生じた場合に設定され得るものである。以下では、高確率遊技状態および中時短遊技状態が組み合わされた遊技状態をペナルティ状態と呼ぶ。
以上のように、本実施形態では、6つの遊技状態(実質上は5つの遊技状態)が設けられている。そして、図8(b)に示すように、大役抽選が行われたときの遊技状態、保留種別、当該遊技状態における変動回数、図柄の種別に応じて、変動パターン乱数判定テーブルが選択され、選択した変動パターン乱数判定テーブルを参照して変動パターン番号が決定される。
ここで、遊技機100では、遊技状態ごとに、実質変動対象が設定されている。実質変動対象というのは、本来、大役抽選を行うべき保留の種別を示しており、遊技状態ごとに、特1保留および特2保留のいずれかが実質変動対象に設定されている。通常状態では、特1保留が実質変動対象に設定されている。したがって、通常状態では、遊技者は、第1始動口120に遊技球を入球させるべく、第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させる必要がある。
通常状態において、実質変動対象である特1保留によって大役抽選が行われ、ハズレ図柄もしくは小当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルAが選択される。このテーブルAによれば、3〜100秒の範囲内で変動時間が決定される。また、通常状態において、特1保留によって大役抽選が行われ、大当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルBが選択される。このテーブルBによれば、40〜100秒の範囲内で変動時間が決定される。
一方、通常状態において、実質変動対象ではない特2保留によって大役抽選が行われた場合には、決定された図柄種別に拘わらず、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルCが選択される。このテーブルCによれば、変動時間が必ず10分に決定される。このように、変動時間を10分といった長時間に設定することで、通常状態では、仮に遊技者が第2始動口122に遊技球を入球させたとしても、特2保留に基づく大役抽選の実行機会が極めて少なくなる。
具体的に説明すると、第2始動口122が第2遊技領域116bに設けられており、また、第2始動口122は、常に遊技球が入球可能となる固定始動口で構成されている。さらに、遊技機100の遊技性により、第2始動口122は、第1始動口120よりも、容易に遊技球が入球する位置に配されている。そのため、仮に、通常状態において、特2保留に係る変動時間を短時間としてしまうと、大役抽選の機会が必要以上に遊技者に与えられてしまう。そこで、通常状態における本来の遊技性に則り、適切に第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させるべく、変動時間を10分といった長時間に設定している。
最優位状態では、特2保留が実質変動対象に設定されている。したがって、最優位状態では、遊技者は、第2始動口122に遊技球を入球させるべく、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させる必要がある。最優位状態において、実質変動対象ではない特1保留によって大役抽選が行われた場合には、決定された図柄種別に拘わらず、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルDが選択される。このテーブルDによれば、変動時間が必ず10秒に決定される。なお、最優位状態において実質変動対象ではない特1保留によって大役抽選が行われる場合の方が、通常状態で実質変動対象ではない特2保留によって大役抽選が行われる場合に比べて、遊技性に与える影響が小さい。そのため、最優位状態では、実質変動対象ではない特1保留によって大役抽選が行われた場合の変動時間を、10秒と短く設定している。
最優位状態において、実質変動対象である特2保留によって大役抽選が行われ、ハズレ図柄または小当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルEが選択される。このテーブルEによれば、1秒〜3秒の変動時間が決定される。また、最優位状態において、特2保留によって大役抽選が行われ、大当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルFが選択される。このテーブルFによれば、変動時間が2秒〜10秒に決定される。
通常時短状態、通常前兆状態、高確前兆状態では、いずれも特1保留が実質変動対象に設定されている。したがって、これら3つの遊技状態では、遊技者は、第1始動口120に遊技球を入球させるべく、第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させる必要がある。これら3つの遊技状態では、いずれも同一の変動パターン乱数判定テーブルが選択されるが、これら3つの遊技状態は、普通遊技状態が時短遊技状態である点で共通している。つまり、普通遊技状態が時短遊技状態である場合において、実質変動対象である特1保留によって大役抽選が行われ、ハズレ図柄もしくは小当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルGが選択される。このテーブルGによれば、1〜30秒の範囲内で変動時間が決定される。また、普通遊技状態が時短遊技状態である場合において、特1保留によって大役抽選が行われ、大当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルHが選択される。このテーブルHによれば、変動時間が必ず30秒に決定される。
なお、詳しい説明は省略するが、テーブルGは、例えばテーブルG1、G2のように、複数設けられており、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示の回数と、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の回数とを合計した合計変動回数に応じて、いずれかのテーブルGが選択される。
一方、普通遊技状態が時短遊技状態である場合において、実質変動対象ではない特2保留によって大役抽選が行われた場合には、各遊技状態に設定されてからの特2保留に係る変動回数(第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の回数。以下、「第2変動回数」と呼ぶ)に応じて、異なる変動パターン乱数判定テーブルが選択される。具体的には、時短遊技状態に設定されてからの第2変動回数が4回以下である場合には、決定された図柄種別に拘わらず、変動パターン乱数判定テーブルとして特殊テーブルが選択される。この特殊テーブルによれば、変動時間が必ず1分に決定される。これに対して、時短遊技状態に設定されてからの第2変動回数が5回以上である場合には、決定された図柄種別に拘わらず、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルIが選択される。このテーブルIによれば、変動時間が必ず10分に決定される。
ペナルティ状態では、特1保留が実質変動対象に設定されている。したがって、ペナルティ状態では、遊技者は、第1始動口120に遊技球を入球させるべく、第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させる必要がある。ペナルティ状態において、実質変動対象である特1保留によって大役抽選が行われ、ハズレ図柄または小当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルJが選択される。このテーブルJによれば、3〜100秒の範囲内で変動時間が決定される。また、ペナルティ状態において、特1保留によって大役抽選が行われ、大当たり図柄が決定されると、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルKが選択される。このテーブルKによれば、40〜100秒の範囲内で変動時間が決定される。
一方、ペナルティ状態において、実質変動対象ではない特2保留によって大役抽選が行われた場合には、決定された図柄種別に拘わらず、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルLが選択される。このテーブルLによれば、変動時間が必ず10分に決定される。
以上のように、遊技状態ごとに実質変動対象が設定されており、実質変動対象としての保留種別に基づく大役抽選が行われた場合には、最長でも変動時間が100秒となっている。一方、実質変動対象ではない保留種別に基づく大役抽選が行われた場合には、変動時間が概ね10分となり、本来の遊技性に反した遊技が行われないようにしている。なお、実質変動対象ではない保留種別に基づく大役抽選が行われた場合に、変動時間が1分となる場合があるが、その理由については後述する。
図9は、特別電動役物作動ラムセットテーブルを説明する第1の図であり、図10は、特別電動役物作動ラムセットテーブルを説明する第2の図である。なお、特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大役遊技または小当たり遊技を制御するための各種データが記憶されたものであり、大役遊技中および小当たり遊技中は、特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cが通電制御される。なお、実際は、特別電動役物作動ラムセットテーブルは、特別図柄(大当たり図柄および小当たり図柄)の種別ごとに複数設けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、対応するテーブルが大役遊技または小当たり遊技の開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、図柄の種別ごとに特別図柄の制御データを示す。
図9に示すように、大役遊技は、大入賞口が所定回数開閉される複数回のラウンド遊技で構成され、小当たり遊技は、ラウンド遊技が1回のみ実行される。この特別電動役物作動ラムセットテーブルによれば、オープニング時間(最初のラウンド遊技が開始されるまでの待機時間)、特別電動役物最大作動回数(1回の大役遊技または小当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の回数)、特別電動役物開閉切替回数(1ラウンド中の大入賞口の開放回数)、ソレノイド通電時間(大入賞口の開放回数ごとの第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電時間、すなわち、1回の大入賞口の開放時間)、規定数(1回のラウンド遊技における大入賞口への最大入賞可能数)、大入賞口閉鎖有効時間(ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖時間、すなわち、インターバル時間)、エンディング時間(最後のラウンド遊技が終了してから、通常の特別遊技(後述する図柄の変動表示)が再開されるまでの待機時間)が、制御データとして、特別図柄の種別ごとに、図示のように予め記憶されている。
なお、特1保留によって大当たりに当選し、大当たり図柄として特別図柄A〜Fが決定された場合には、いずれも6回のラウンド遊技で構成される大役遊技が実行される。各大役遊技においては、1〜6回目のラウンド遊技において第1大入賞口126が1回のみ開放される。各ラウンド遊技では、第1大入賞口126が最大で29.0秒開放され、この間に規定数の遊技球が入球するか、もしくは、最大開放時間(29.0秒)が経過すると、第1大入賞口126が閉鎖されて1回のラウンド遊技が終了となる。
また、特1保留によって小当たりに当選し、小当たり図柄として特別図柄Z1〜Z3が決定された場合には、1回のラウンド遊技で構成される小当たり遊技が実行される。この小当たり遊技では、1回のラウンド遊技において、第2大入賞口128が0.1秒×1回開放される。
また、図10に示すように、特2保留によって大当たりに当選し、大当たり図柄として特別図柄G、Iが決定された場合には、5回のラウンド遊技で構成される大役遊技が実行される。この大役遊技においては、1〜5回目のラウンド遊技において第2大入賞口128が1回のみ開放される。各ラウンド遊技では、第2大入賞口128が最大で29.0秒開放され、この間に規定数の遊技球が入球するか、もしくは、最大開放時間(29.0秒)が経過すると、第2大入賞口128が閉鎖されて1回のラウンド遊技が終了となる。
また、特2保留によって大当たりに当選し、大当たり図柄として特別図柄Hが決定された場合には、16回のラウンド遊技で構成される大役遊技が実行される。この大役遊技においては、1回目のラウンド遊技で第2大入賞口128が0.1秒×12回開放され、2〜16回目のラウンド遊技で第2大入賞口128が最大で29.0秒×1回開放される。各ラウンド遊技は、規定数の遊技球が入球するか、もしくは、最大開放時間が経過すると、第2大入賞口128が閉鎖されて終了する。
また、特2保留によって小当たりに当選し、小当たり図柄として特別図柄Z4〜Z6が決定された場合にも、1回のラウンド遊技からなる小当たり遊技が実行される。ここで、小当たり図柄として特別図柄Z4が決定された場合の小当たり遊技では、1回のラウンド遊技において、第2大入賞口128が0.1秒×2回開放される。なお、第2大入賞口128の2回の開放の間の休止時間であるラウンド中インターバル時間は、1.78秒に設定されている。遊技球は最短で0.6秒間隔で発射されるため、第2大入賞口128の開放時間と、遊技球の発射間隔とから考えると、この小当たり遊技中に遊技球が第2大入賞口128に入球する確率は低い。
しかしながら、本実施形態では、第2大入賞口128を閉状態に維持する開閉扉128b上に遊技球が滞留しやすい構造となっており、開閉扉128bが開状態に変移することで、開閉扉128b上に滞留する遊技球が第2大入賞口128内に導かれる。そのため、第2大入賞口128の0.1秒×2回の開放により、平均で2〜3個の遊技球が第2大入賞口128に入球することとなる。
また、小当たり図柄として特別図柄Z5が決定された場合の小当たり遊技では、1回のラウンド遊技において、第2大入賞口128が0.1秒×3回開放される。なお、この場合のラウンド中インターバル時間は、0.84秒に設定されている。この小当たり遊技においては、平均で3〜4個の遊技球が第2大入賞口128に入球する。
さらに、小当たり図柄として特別図柄Z6が決定された場合の小当たり遊技では、1回のラウンド遊技において、第2大入賞口128が0.1秒×12回開放される。なお、この場合のラウンド中インターバル時間は、0.84秒に設定されている。この小当たり遊技においては、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射し続けることにより、ほぼ確実に規定数(例えば8個)の遊技球を第2大入賞口128に入球させることができる。
ここで、図6(d)に示すように、特別図柄Z4〜Z6の選択比率は、49:49:2となっている。したがって、第2大入賞口128の最大開放時間が長く、最も多量の賞球を獲得可能な小当たり遊技が実行される確率は低い。つまり、特別図柄Z6は、遊技者にとって希少なものであり、大当たりに次いで賞球数が多い特典として位置付けられている。
また、遊技機100の設計段階では、遊技球の発射球数と、払い出された賞球数との比率である発射賞球比率を厳密に管理、調整する必要がある。そのため、本実施形態では、小当たり遊技において0.1秒の開放が2回なされる特別図柄Z4と、小当たり遊技において0.1秒の開放が3回なされる特別図柄Z5とを設け、これらの選択比率を変更するだけで、発射賞球比率を容易に調整、変更することができるようにしている。
図11は、大役遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。本実施形態においては、大役遊技が実行された場合、大当たり当選時の遊技状態、保留種別、特別図柄(大当たり図柄)の種別に応じて、遊技状態設定テーブルを参照し、大役遊技の終了後の遊技状態を設定する。
大当たり当選時の遊技状態が通常状態またはペナルティ状態である場合、実質変動対象である特1保留によって大当たりに当選すると、大当たり図柄の種別に応じて大役遊技後の遊技状態が設定される。具体的には、大当たり図柄として特別図柄Aが決定された場合には、通常前兆状態(特別遊技状態が低確率遊技状態、普通遊技状態が時短遊技状態)に設定される。このとき、時短遊技状態の継続回数(以下、「時短回数」という)は50回に設定される。これは、大役抽選の結果が50回確定するまで、時短遊技状態が継続することを意味している。ただし、上記した時短回数は1の時短遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、遊技状態の設定が行われることとなる。したがって、大役遊技の終了後に時短遊技状態に設定された場合に、当該時短遊技状態において大当たりの抽選結果が導出されることなく、大当たり以外の抽選結果が50回導出(確定)されると、非時短遊技状態に遊技状態が変更されることとなる。
また、大当たり図柄として特別図柄Bが決定された場合には、最優位状態(特別遊技状態が高確率遊技状態、普通遊技状態が非時短遊技状態)に設定される。このとき、高確率遊技状態の継続回数(以下、「高確回数」という)は10000回に設定される。これは、大役抽選の結果が10000回確定するまで、高確率遊技状態が継続することを意味している。ただし、上記した高確回数は1の高確率遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、遊技状態の設定が行われることとなる。したがって、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定された場合に、当該高確率遊技状態において大当たりの抽選結果が導出されることなく、大当たり以外の抽選結果が10000回導出(確定)されると、低確率遊技状態に遊技状態が変更されることとなる。なお、本実施形態では、高確率遊技状態における大当たりの当選確率は約1/100となっている。したがって、ひとたび高確率遊技状態に設定されれば、次の大当たりの当選が実質上確約されることとなる。
また、大当たり図柄として特別図柄C〜Fが決定された場合には、高確前兆状態(特別遊技状態が高確率遊技状態、普通遊技状態が時短遊技状態)に設定される。このとき、高確回数は10000回に設定され、時短回数は、大当たり図柄の種別に応じて、10回、20回、40回、50回に設定される。
また、大当たり当選時の遊技状態が通常状態またはペナルティ状態である場合、実質変動対象ではない特2保留によって大当たりに当選すると、大役遊技後の遊技状態が次のように設定される。すなわち、大当たり図柄として特別図柄Gが決定された場合には、通常状態(特別遊技状態が低確率遊技状態、普通遊技状態が非時短遊技状態)に設定される。また、大当たり図柄として特別図柄H、Iが決定された場合には、ペナルティ状態(特別遊技状態が高確率遊技状態、普通遊技状態が中時短遊技状態)に設定される。このとき、高確回数および時短回数ともに10000回に設定される。
また、大当たり当選時の遊技状態が最優位状態である場合、実質変動対象ではない特1保留によって大当たりに当選すると、大役遊技後の遊技状態が次のように設定される。すなわち、大当たり図柄として特別図柄Aが決定された場合には、通常時短状態(特別遊技状態が低確率遊技状態、普通遊技状態が時短遊技状態)に設定される。このとき、時短回数は50回に設定される。また、大当たり図柄として特別図柄B〜Fが決定された場合には、最優位状態(特別遊技状態が高確率遊技状態、普通遊技状態が非時短遊技状態)に設定される。このとき、高確回数は10000回に設定される。
一方、大当たり当選時の遊技状態が最優位状態である場合、実質変動対象である特2保留によって大当たりに当選すると、大役遊技後の遊技状態が次のように設定される。すなわち、大当たり図柄として特別図柄Gが決定された場合には、通常時短状態(特別遊技状態が低確率遊技状態、普通遊技状態が時短遊技状態)に設定される。このとき、時短回数は50回に設定される。また、大当たり図柄として特別図柄H、Iが決定された場合には、最優位状態(特別遊技状態が高確率遊技状態、普通遊技状態が非時短遊技状態)に設定される。このとき、高確回数は10000回に設定される。
また、大当たり当選時の遊技状態が通常時短状態、通常前兆状態、高確前兆状態である場合、つまり、普通遊技状態が時短遊技状態である場合に、実質変動対象である特1保留によって大当たりに当選すると、大役遊技後の遊技状態が次のように設定される。すなわち、大当たり図柄として特別図柄Aが決定された場合には、通常時短状態(特別遊技状態が低確率遊技状態、普通遊技状態が時短遊技状態)に設定される。このとき、時短回数は50回に設定される。また、大当たり図柄として特別図柄B〜Fが決定された場合には、最優位状態(特別遊技状態が高確率遊技状態、普通遊技状態が非時短遊技状態)に設定される。このとき、高確回数は10000回に設定される。
一方、普通遊技状態が時短遊技状態である場合、実質変動対象ではない特2保留によって大当たりに当選すると、大役遊技後の遊技状態が次のように設定される。すなわち、大当たり図柄として特別図柄Gが決定された場合には、通常状態(特別遊技状態が低確率遊技状態、普通遊技状態が非時短遊技状態)に設定される。また、大当たり図柄として特別図柄H、Iが決定された場合には、ペナルティ状態(特別遊技状態が高確率遊技状態、普通遊技状態が中時短遊技状態)に設定される。このとき、高確回数および時短回数は、いずれも10000回に設定される。
図12は、当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。遊技領域116を流下する遊技球がゲート124を通過すると、第1始動口120の可動片120bを通電制御するか否かが対応付けられた普通図柄の判定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
なお、詳しくは後述するが、遊技球がゲート124を通過すると、0〜99の範囲内から1つの当たり決定乱数が取得されるとともに、この乱数値がメインRAM300cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。つまり、普図保留記憶領域は、当たり決定乱数をセーブする4つの記憶部を備えている。したがって、普図保留記憶領域の4つの記憶部全てに当たり決定乱数が記憶された状態で、遊技球がゲート124を通過した場合には、当該遊技球の通過に基づいて当たり決定乱数が記憶されることはない。以下では、ゲート124を遊技球が通過して普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数を普図保留とよぶ。
普通遊技状態が非時短遊技状態であるときに普図抽選を開始する場合には、図12(a)に示すように、非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が1〜99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、非時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は1/100となる。詳しくは後述するが、この普図抽選において当たり図柄が決定されると、第1始動口120の可動片120bが開状態に制御され、ハズレ図柄が決定された場合には、第1始動口120の可動片122bが閉状態に維持される。
また、中時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図12(b)に示すように、中時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この中時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0〜49であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が50〜99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、中時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は50/100となる。
また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図12(c)に示すように、時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0〜98であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は99/100となる。
図13(a)は、普通図柄変動時間データテーブルを説明する図であり、図13(b)は、開閉制御パターンテーブルを説明する図である。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動時間が決定される。普通図柄変動時間データテーブルは、普図抽選によって当たり図柄もしくはハズレ図柄が決定されたときに、当該普通図柄の変動時間を決定する際に参照されるものである。この普通図柄変動時間データテーブルによれば、遊技状態が非時短遊技状態および中時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が10秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が1秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示器168が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が消灯する。
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器168が点灯した場合には、第1始動口120の可動片122bが、図13(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して通電制御される。なお、実際は、開閉制御パターンテーブルは、遊技状態ごとに設けられており、普通図柄が決定されたときの遊技状態に応じて、対応するテーブルが普通電動役物ソレノイド120cの通電開始時にセットされる。
当たり図柄が決定されると、図13(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して第1始動口120が開閉制御される。この開閉制御パターンテーブルによれば、普電開放前時間(第1始動口120の開放が開始されるまでの待機時間)、普通電動役物最大開閉切替回数(第1始動口120の開放回数)、ソレノイド通電時間(第1始動口120の開放回数ごとの普通電動役物ソレノイド120cの通電時間、すなわち、1回の第1始動口120の開放時間)、規定数(第1始動口120の全開放中における第1始動口120への最大入賞可能数)、普電閉鎖有効時間(第1始動口120の各開放間の閉鎖時間、すなわち、休止時間)、普電有効状態時間(第1始動口120の最後の開放終了からの待機時間)、普電終了ウェイト時間(普電有効状態時間の経過後、後述する普通図柄の変動表示が再開されるまでの待機時間)が、第1始動口120の制御データとして、遊技状態ごとに、図示のように予め記憶されている。
このように、普通図柄の当選確率、変動時間および開放時間を設定することにより、図13(b)の下部に示すように、発射賞球比率(遊技領域116に発射される遊技球に対して第1始動口120に遊技球が入球して遊技者に払い出される賞球数の比率)は、非時短遊技状態では発射数:賞球数=100:20、中時短遊技状態では発射数:賞球数=100:40、時短遊技状態では発射数:賞球数=100:99となる。
なお、第1始動口120の開閉条件は、普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示の時間、第1始動口120の開放時間の3つの要素を規定するものである。つまり、普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示の時間、第1始動口120の開放時間の3つの要素を組み合わせることにより、非時短遊技状態、中時短遊技状態、時短遊技状態それぞれにおける、第1始動口120への遊技球の入球頻度や、発射賞球比率を設定可能である。いずれにしても、ここに示した3つの要素の組み合わせは一例にすぎず、非時短遊技状態よりも時短遊技状態の方が、発射賞球比率が高くなるように、3つの要素を組み合わせればよい。
図14は、本来の遊技性に則った遊技状態の遷移を説明する図である。上記の構成により、遊技機100は、次のような遊技性を実現する。まず、遊技機100の初期状態では、図14の(a)に示す通常状態に設定されている。通常状態では、実質変動対象が特1保留に設定されているため、遊技者は第1始動口120に遊技球を入球させるべく、第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させる。第1遊技領域116aは、遊技盤108の左側に位置することから、遊技者は、通常状態において、所謂「左打ち」を行うこととなる。
第1始動口120に遊技球が入球すると特1保留が第1特図保留記憶領域に記憶される。第1特図保留記憶領域に記憶された特1保留は、始動条件の成立により順次読み出され、読み出した特1保留に基づく大役抽選が行われる。このとき、大当たりの当選確率は約1/319に設定されている。通常状態では、この特1保留に基づく大役抽選において、大当たりに当選することを目的として遊技を行うこととなる。なお、この通常状態では、普通遊技状態が非時短遊技状態であるため、可動片120bが開状態になる頻度が極めて低く、発射賞球比率は100:20となり、遊技中に遊技球が減少していくことになる。
そして、通常状態において、特1保留による大役抽選で大当たりに当選すると、大役遊技が実行される。この大役遊技では、第1大入賞口126が開放されるラウンド遊技が6回実行され、遊技者は6ラウンド分の賞球を獲得することができる。そして、特1保留によって大当たりに当選した場合には、大当たり図柄として特別図柄A〜Fのいずれかが決定される。
通常状態において、第1特別図柄表示器160に停止表示された大当たり図柄が特別図柄Aであった場合、大役遊技後の遊技状態は、図14の(c)に示す通常前兆状態となる。特1保留で大当たりに当選した場合に、大当たり図柄として特別図柄Aが決定される確率は35%である。したがって、通常状態で大当たりに当選した場合、35%の確率で、遊技状態が通常前兆状態に移行する。通常前兆状態では、実質変動対象が特1保留に設定されているため、遊技者は第1始動口120に遊技球を入球させるべく、引き続き左打ちを行うこととなる。この通常前兆状態では、通常状態と同様、特1保留に基づく大役抽選において、大当たりに当選することを目的として遊技を行うこととなる。なお、通常前兆状態は、大当たりの当選確率が約1/319であるが、普通遊技状態が時短遊技状態であることから、可動片120bが頻繁に開状態となる。そのため、発射賞球比率は100:99となり、遊技者は、遊技球の費消を低減しながら、大当たりの当選を狙うことができる。
なお、適切に遊技が行われていることを前提にすると、この通常前兆状態に移行するのは、通常状態において特別図柄Aが決定された場合に限られる。通常前兆状態に移行すると、時短回数が50回に設定され、50回の大役抽選で大当たりに当選しなかった場合には、遊技状態が再び通常状態に移行することとなる(時短抜け)。
また、通常状態において、第1特別図柄表示器160に停止表示された大当たり図柄が特別図柄C〜Fであった場合、大役遊技後の遊技状態は、図14の(b)に示す高確前兆状態となる。特1保留で大当たりに当選した場合に、大当たり図柄として特別図柄C〜Fが決定される確率は60%である。したがって、通常状態で大当たりに当選した場合、60%の確率で、遊技状態が高確前兆状態に移行する。高確前兆状態では、実質変動対象が特1保留に設定されているため、遊技者は第1始動口120に遊技球を入球させるべく、引き続き左打ちを行うこととなる。この高確前兆状態では、通常状態と同様、特1保留に基づく大役抽選において、大当たりに当選することを目的として遊技を行うこととなる。なお、高確前兆状態は、大当たりの当選確率が約1/100であり、普通遊技状態が時短遊技状態であることから、可動片120bが頻繁に開状態となる。そのため、発射賞球比率は100:99となり、遊技者は、遊技球の費消を低減しながら、大役抽選を行うことができる。
また、通常状態において、第1特別図柄表示器160に停止表示された大当たり図柄が特別図柄Bであった場合、大役遊技後の遊技状態は、図14の(d)に示す最優位状態となる。特1保留で大当たりに当選した場合に、大当たり図柄として特別図柄Bが決定される確率は5%である。したがって、通常状態から最優位状態へと移行するのは、極めて稀なケースといえる。最優位状態では、実質変動対象が特2保留に設定されているため、遊技者は第2始動口122に遊技球を入球させるべく、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させる。第2遊技領域116bは、遊技盤108の右側に位置することから、遊技者は、最優位状態において、所謂「右打ち」を行うこととなる。
第2始動口122に遊技球が入球すると特2保留が第2特図保留記憶領域に記憶される。第2特図保留記憶領域に記憶された特2保留は、始動条件の成立により順次読み出され、読み出した特2保留に基づく大役抽選が行われる。このとき、大当たりの当選確率は約1/100に設定されており、また、小当たりの当選確率は約1/1.8に設定されている。最優位状態では、この特2保留に基づく大役抽選において、小当たりに当選することが遊技の最大の目的となる。
具体的には、第2始動口122は、閉状態の第1始動口120よりも遊技球が入球しやすいように、周囲の釘や構造物の配置がなされている。第2始動口122に遊技球が入球すると、所定数の賞球が払い出されるが、第2遊技領域116bに遊技球を発射させた場合、発射球数に対する、第2始動口122への遊技球の入球によって払い出される賞球の比率は、100:60〜80程度に設定されている。
そして、最優位状態では、特2保留による大役抽選において、約1/1.8の確率で小当たりに当選するため、大役抽選の結果が確定するたびに、小当たり遊技が頻繁に行われる。ここで、特2保留によって小当たりに当選した場合には、小当たり図柄Z4〜Z6が決定される。上記したように、小当たり図柄Z4が第2特別図柄表示器162に停止表示された場合の小当たり遊技では、平均2〜3個の遊技球が第2大入賞口128に入球する。小当たり図柄Z5が第2特別図柄表示器162に停止表示された場合の小当たり遊技では、平均3〜4個の遊技球が第2大入賞口128に入球する。さらに、小当たり図柄Z6が第2特別図柄表示器162に停止表示された場合の小当たり遊技では、ほぼ規定数の遊技球が第2大入賞口128に入球する。
第2大入賞口128に遊技球が入球すると、例えば、1個の遊技球の入球に対して15個の賞球が払い出される。これにより、最優位状態では、発射球数に対する全ての賞球数の比率である発射賞球比率が100:120となり、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射し続けるだけで、遊技球を増加させることができる。
このように、小当たり図柄には、開閉条件として第1の開閉条件(0.1秒×2回または3回の第2大入賞口128の開放)が規定された特別図柄Z4、Z5(第1の小当たり図柄)と、第1の開閉条件よりも第2大入賞口128の最大開放時間が長い第2の開閉条件(0.1秒×12回の第2大入賞口128の開放)が規定された特別図柄Z6(第2の小当たり図柄)と、が含まれる。そして、最優位状態には、特別図柄Z4、Z5(第1の小当たり図柄)の停止表示により実行される小当たり遊技で払い出される賞球数、および、特別図柄Z6(第2の小当たり図柄)の停止表示により実行される小当たり遊技で払い出される賞球数を含む、遊技者に払い出される合計賞球数が、発射される遊技球数よりも多くなる遊技進行条件が規定されている。
なお、この最優位状態では、普通遊技状態が非時短遊技状態となっており、可動片120bが開状態となることは殆どない。また、最優位状態では、特別遊技状態が高確率遊技状態となっており、最優位状態への移行時には、高確回数が必ず10000回に設定される。最優位状態における大当たりの当選確率が約1/100であることから、最優位状態では、実質上、次回の大当たりの当選が確約された状態と言える。
この最優位状態における実質変動対象の特2保留によれば、大当たりに当選した場合に、大当たり図柄として特別図柄G、H、Iが決定される。特2保留によって大当たりに当選した場合に、大当たり図柄として特別図柄Gが決定される確率は35%である。特別図柄Gが決定されると、大役遊技において5回のラウンド遊技が実行されるとともに、大役遊技後の遊技状態が、図14の(e)に示す通常時短状態となる。一方、特2保留によって大当たりに当選した場合に、大当たり図柄として特別図柄Hが決定される確率は50%である。特別図柄Hが決定されると、大役遊技において16回のラウンド遊技が実行されるとともに、大役遊技後の遊技状態が再度、最優位状態となる。また、特2保留によって大当たりに当選した場合に、大当たり図柄として特別図柄Iが決定される確率は15%である。特別図柄Iが決定されると、大役遊技において5回のラウンド遊技が実行されるとともに、大役遊技後の遊技状態が再度、最優位状態となる。
つまり、最優位状態において大当たりに当選した場合、大役遊技後も最優位状態が継続する確率は65%、換言すれば、最優位状態が終了する確率は35%である。また、最優位状態において大当たりに当選した場合、1/2の確率で、16回のラウンド遊技分の賞球を獲得した上に、さらに最優位状態を継続させることができる。しかも、こうした大当たりに当選するまでの遊技中は、上記のように小当たり遊技によって遊技球が徐々に増加していく。したがって、最優位状態では、小当たり遊技によって徐々に遊技球を増加させながら、大役遊技によって短時間のうちに一気に遊技球を増加させることができる。
このように、最優位状態は、他の遊技状態に比べて、有利度合いが極めて高い。したがって、遊技機100における遊技の最大の目的は、遊技状態を最優位状態に移行させることとなる。上記のとおり、遊技はまず、通常状態で開始されるが、この通常状態から一気に最優位状態に移行する確率は、大当たりの当選確率(約1/319)×特別図柄Bの選択比率(5%)≒1/6380と極めて低い。そのため、図14の一点鎖線で囲んだ前兆状態を経由して最優位状態へ移行するという移行ルートが、遊技機100における最優位状態への主な移行ルートとなる。
すなわち、前兆状態(高確前兆状態および通常前兆状態)において、特1保留により大当たりに当選すると、大当たり図柄として、特別図柄Aが35%、特別図柄B〜Fが65%の確率で決定される。特別図柄Aが決定された場合には、大役遊技後の遊技状態が、図14の(e)に示す通常時短状態となり、時短回数が50回に設定される。一方、特別図柄B〜Fが決定された場合には、大役遊技後の遊技状態が、図14の(d)に示す最優位状態となる。このように、通常状態で大当たりに当選して前兆状態に移行した後、この前兆状態において再度大当たりに当選すれば、65%の確率で最優位状態に移行することになる。
なお、図14の(b)に示す高確前兆状態に設定される場合には、高確回数が必ず10000回に設定され、また、時短回数が、大当たり図柄の種別に応じて10回、20回、40回、50回のいずれかに設定される。上記のように、時短回数は、時短遊技状態の最大継続回数であるため、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示された回数(以下、「変動回数」という)が時短回数に達すると、時短遊技状態が終了となり、非時短遊技状態に移行する。その結果、高確前兆状態において、変動回数が時短回数に達したところで、特別遊技状態が高確率遊技状態のまま、普通遊技状態が非時短遊技状態となる。つまり、高確前兆状態において、大当たりに当選することなく、変動回数が時短回数に到達すること、すなわち、高確前兆状態の時短抜けにより、遊技状態が最優位状態となる。
高確前兆状態において大当たりに当選した場合の最優位状態への移行確率は65%である。これに対して、変動回数が時短回数に達すれば、必ず、最優位状態へ移行する。したがって、通常前兆状態ではなく、高確前兆状態であることを遊技者が把握している場合には、大当たりの当選が遊技の目的となるのではなく、大当たりに当選せずに、時短抜けすることが遊技の目的となる。従来の一般的な遊技機では、時短回数が多くなるほど、遊技者の期待感が高まるが、本実施形態の遊技機100では、時短回数が少ないことを遊技者が期待することとなり、従来の遊技とは、遊技者心理が大きく異なるものとなる。
以上のように、遊技機100によれば、有利度合いを異にする複数の遊技状態に、最優位状態と、最優位状態よりも有利度合いが低い前兆状態(高確前兆状態)と、前兆状態(高確前兆状態)よりもさらに有利度合いが低い通常状態と、が含まれている。また、通常状態に設定されているときに大当たり図柄が決定された場合に、大役遊技の終了後に設定される遊技状態に前兆状態(高確前兆状態)が含まれる。そして、前兆状態(高確前兆状態)において、大役抽選から図柄の停止表示までの一連の遊技処理が所定回数(時短回数)実行された場合に、遊技状態を最優位状態に変更する。換言すれば、最も有利度合いが高い最優位状態以外の所定の遊技状態(高確前兆状態)に設定され、この所定の遊技状態(高確前兆状態)において所定回数の遊技処理が実行された場合に、遊技状態を最優位状態に変更する。これにより、大当たりに当選しないことが遊技の目的となり、これまでにない遊技性が付与され、遊技の興趣を向上することができる。
なお、本実施形態では説明を省略するが、左打ち時には第1遊技領域116aへの遊技球の発射操作を報知し、右打ち時には第2遊技領域116bへの遊技球の発射操作を報知する等、遊技状態に応じて適切な発射操作を促すための演出を実行するとよい。この場合、高確前兆状態から最優位状態に移行した際に、左打ちから右打ちへと発射操作を変更する必要がある。そのため、発射操作の変更を遊技者に報知する演出が必須となるが、最優位状態への移行時に第2特別図柄表示器162において図柄の変動表示が行われていることもある。この場合、遊技者が即座に右打ちを開始しても、小当たり遊技が実行されないため、右打ちを促す演出を遅延させるとよい。
図15は、適切に遊技が行われなかった場合の遊技状態の遷移を説明する図である。上記のように、遊技機100では、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示とが、同時並行して行われる。このとき、実質変動対象以外の保留によって大役抽選が行われた結果、遊技者に不利益が生じる可能性がある場合については、変動時間を10分とった長時間に設定している。しかしながら、実質変動対象以外の保留によって大役抽選が行われた後、例えば、遊技を中断してしまう等した結果、実質変動対象以外の保留による大当たりが確定してしまうこともある。この場合には、次のように遊技状態が遷移する。
すなわち、図15の(d)に示す最優位状態以外の遊技状態では、いずれも実質変動対象が特1保留に設定されている。そして、図15の(a)、(b)、(c)、(e)、(f)に示すように、最優位状態以外の遊技状態において、特2保留で大当たりに当選し、大当たり図柄として特別図柄Gが第2特別図柄表示器162に停止表示されると、大役遊技後の遊技状態が、必ず通常状態に設定される。また、大当たり図柄として特別図柄H、Iが第2特別図柄表示器162に停止表示されると、大役遊技後の遊技状態が、必ずペナルティ状態に設定される。
一方、図15の(d)に示す最優位状態では、実質変動対象が特2保留に設定されている。そして、図15の(d)に示すように、最優位状態において、特1保留で大当たりに当選し、大当たり図柄として特別図柄Aが第1特別図柄表示器160に停止表示されると、大役遊技後の遊技状態が通常時短状態に設定される。また、大当たり図柄として特別図柄B〜Fが第1特別図柄表示器160に停止表示されると、大役遊技後の遊技状態が、再度、最優位状態に設定される。
このように、本来、左打ちをすべきときに右打ちをして大当たりが確定した場合には、ペナルティ状態に移行させる。また、実質変動対象が特1保留であるときに、特2保留による大役抽選が行われた場合には、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の時間を10分とすることで、実質変動対象以外の保留による大役抽選の実行頻度が低くなるようにしている。このような対策により、本来、左打ちをすべきときに、意図的に右打ちが行われる可能性を低減することができる。
ところが、上記のように、ペナルティ状態を設けたり、実質変動対象以外の保留について、変動時間を長時間にしたりすると、遊技者が適切に遊技を行っているにも拘わらず、遊技者に不利益を与えてしまうこともある。
具体的には、図14の(d)に示す最優位状態において、適切に遊技を行っているときに、実質変動対象である特2保留で大当たりに当選し、大当たり図柄として特別図柄Gが決定されたとする。この場合、大役遊技後の遊技状態は、図14の(e)に示す通常時短状態となる。通常時短状態では、実質変動対象が特1保留であるため、大役遊技後、遊技者は左打ちをしなければならない。ここで、通常時短状態における遊技の再開とともに、遊技者が適切に左打ちを開始したとしても、最優位状態における右打ち中や大役遊技中に記憶された特2保留が残っている可能性が高い。
その結果、通常時短状態における遊技の再開直後は、実質変動対象ではない特2保留による大役抽選が行われてしまう。このとき、特2保留によって大当たりに当選し、しかも、大当たり図柄として特別図柄H、Iが決定された場合には、図15の(e)に示すように、遊技状態がペナルティ状態に移行してしまう。ペナルティ状態は、適切に遊技を行わなかった場合の罰則として与えられるものであるため、上記のように、適切に遊技を行っているにも拘わらず、ペナルティ状態に移行するのは望ましくない。
そこで、遊技機100においては、特1保留による大役抽選で小当たりに当選するようにする。そして、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示中(第2図柄表示処理中)に、小当たり図柄が第1特別図柄表示器160に停止表示されると、第2特別図柄表示器162にハズレ図柄を強制的に停止表示させる。これにより、通常時短状態において、残っている特2保留で大当たりに当選してしまったとしても、その大当たりが、特1保留による小当たりの確定で消されることとなり、ペナルティ状態への移行を防止することができる。
また、適切に遊技を行った結果、遊技状態が最優位状態に移行したとする。最優位状態の移行前の遊技状態は、通常状態、高確前兆状態、通常時短状態であるが、これらのいずれの遊技状態においても、実質変動対象が特1保留である。そのため、実質変動対象が特2保留である最優位状態に移行した直後に、実質変動対象ではない特1保留が残っている可能性が高い。そして、このとき、残った特1保留によって大当たりに当選し、大当たり図柄として特別図柄Aが決定されてしまうと、適切に遊技を行っているにも拘わらず、遊技者は最優位状態で殆ど遊技を行えないまま、通常時短状態に移行してしまうことになる。
このように、適切に遊技を行っている遊技者に対して多大な不利益が生じる可能性があることから、本実施形態では、大当たり図柄が決定された第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示中(第1図柄表示処理中)に、小当たり図柄を第2特別図柄表示器162に停止表示させる場合に、第1特別図柄表示器160にハズレ図柄を強制的に停止表示させる。これにより、遊技の最大の目的となる最優位状態に移行したにも拘らず、殆ど最優位状態で遊技を行えないまま、他の遊技状態に移行してしまうといった不利益を解消することができる。
なお、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示中(第1図柄表示処理中)に、小当たり図柄を第2特別図柄表示器162に停止表示させる場合、特1保留に基づいて決定された特別図柄の種別に拘わらず、第1特別図柄表示器160にハズレ図柄を強制的に停止表示させることも考えられる。つまり、保留種別、すなわち、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162の種別に拘わらず、一方に小当たり図柄が停止表示された場合には、他方に停止表示される特別図柄の種別に拘わらず、ハズレ図柄を停止表示させることも考えられる。
しかしながら、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示中(第1図柄表示処理中)に、小当たり図柄が第2特別図柄表示器162に停止表示されたときに、第1特別図柄表示器160にハズレ図柄を一様に強制的に停止表示させると、遊技者に不信感を与える可能性がある。
例えば、適切に左打ちを行っている場合に、釘や構造物に衝突した勢いで、遊技球が意図せずに第2遊技領域116bに進入し、第2始動口122に入球することがある。また、例えば、左打ちをすべき状態で意図的に特2保留を記憶させた状態で遊技を終了した後に、新たな遊技者が遊技を開始してしまうこともある。このような場合には、適切に左打ちを行っているにも拘わらず、特2保留によって小当たりに当選してしまうことがある。
そして、通常状態等、左打ちを行う状況では、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示中に、特1保留に基づく大役抽選の結果を報知する変動演出が実行される。こうした変動演出中に、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示され、第1特別図柄表示器160にハズレ図柄が強制的に停止表示されると、変動演出を打ち切らざるを得ない。仮に、遊技者にとって大当たりの期待度の高い変動演出が実行されている状態で、突如として変動演出が打ち切られ、ハズレが確定することとなれば、遊技者に多大な不信感を与えてしまうことになる。
そこで、本実施形態では、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示中(第1図柄表示処理中)に、小当たり図柄が第2特別図柄表示器162に停止表示されると、第1図柄表示処理すなわち第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示を中断するとともに、小当たり遊技が終了すると(所定の期間が経過すると)、第1図柄表示処理(第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示)を再開する。このように、ハズレ図柄(小当たり図柄)が決定された第1図柄表示処理中に、小当たり図柄を第2特別図柄表示器162に停止表示させる場合に、第1図柄表示処理を中断するとともに、所定の期間が経過すると、第1図柄表示処理を再開することで、変動演出が突然打ち切られる等、遊技者に不信感を与えてしまう事態を回避することができる。
なお、第2図柄表示処理中に、第1特別図柄表示器160に大当たり図柄が停止表示されると、第2特別図柄表示器162にハズレ図柄が停止表示される。同様に、第1図柄表示処理中に、第2特別図柄表示器162に大当たり図柄が停止表示されると、第1特別図柄表示器160にハズレ図柄が停止表示される。
また、実質変動対象以外の保留について、変動時間を10分に設定する場合の弊害として、次の点が挙げられる。すなわち、遊技機100においては、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示とが、同時並行して行われる。そのため、各図柄の変動表示の時間、つまり、変動時間は、大役抽選の実行時の遊技状態に基づいて決定され、また、当該遊技状態における変動回数が時短回数に達した場合には、図柄の変動表示の開始時に遊技状態が変更される。
例えば、高確前兆状態の移行時に、時短回数が10回に設定されるとともに、時短抜けによって、高確前兆状態から最優位状態に遊技状態が移行したとする。このとき、高確前兆状態における10回目の大役抽選が、実質変動対象ではない特2保留によって行われたとする。この場合、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の開始をもって、高確前兆状態における変動回数が10回に達するため、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の開始時に、普通遊技状態が非時短遊技状態となり、遊技状態が最優位状態に移行することになる。
ところが、10回目の大役抽選の開始時の遊技状態は高確前兆状態であるため、特2保留は実質変動対象ではない。そこで、仮に、変動時間を10分に設定してしまうと、最優位状態に移行しているにも拘わらず、この変動時間が経過するまで、次の特2保留による大役抽選が実行されなくなってしまう。つまり、最優位状態において、適切に第2遊技領域116bに遊技球を発射させても、特2保留による大役抽選が10分近く実行されず、遊技者に不利益を生じさせることになる。これは、最優位状態への移行が、時短抜けによってなされるとともに、時短抜けによる遊技状態の変更時には、図柄が停止表示されないためである。
そこで、上記の不都合を解消するべく、遊技機100においては、普通遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合に、特2保留によって大役抽選が実行されると、当該時短遊技状態に設定された後の、第2特別図柄表示器162における図柄の変動回数(第2変動回数)に基づいて変動時間を決定する。具体的には、図8(b)に示すように、通常時短状態、通常前兆状態、高確前兆状態では、第2変動回数が4回以下である場合に、変動パターン乱数判定テーブルとして特殊テーブルが選択される。この特殊テーブルによれば、図柄の種別に拘わらず、変動時間が1分に決定される。一方、第2変動回数が5回以上である場合には、変動パターン乱数判定テーブルとしてテーブルIが選択される。このテーブルIによれば、図柄の種別に拘わらず、変動時間が10分に決定される。
このように、第2変動回数が、特2保留の上限数である4回以下である場合と、第2変動回数が、特2保留の上限数よりも多い場合とで、変動時間を異ならせている。これにより、時短抜けによって最優位状態に移行したにも拘わらず、特2保留による大役抽選が長時間に亘って実行されないといった不都合を解消することができる。なお、普通遊技状態が時短遊技状態に設定されているときに、実質変動対象ではない特2保留による大役抽選が、上限数を超えて実行される場合というのは、遊技者が意図的に第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させているものと推定される。そのため、このような場合には、遊技者にペナルティを科すべく、変動時間が10分に設定されることとなる。
以下に、上記の遊技性を実現するための、主制御基板300の主な処理について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板300のCPU初期化処理)
図16は、主制御基板300におけるCPU初期化処理(S100)を説明するフローチャートである。
電源基板より電源が供給されると、メインCPU300aにシステムリセットが発生し、メインCPU300aは、以下のCPU初期化処理(S100)を行う。
(ステップS100−1)
メインCPU300aは、電源投入に応じて、初期設定処理として、メインROM300bから起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行う。
(ステップS100−3)
メインCPU300aは、タイマカウンタにウェイト処理時間を設定する。
(ステップS100−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。なお、主制御基板300には、電源断検知回路が設けられており、電源電圧が所定値以下になると、電源検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出している場合には、上記ステップS100−3に処理を移し、電源断予告信号を検出していない場合には、ステップS100−7に処理を移す。
(ステップS100−7)
メインCPU300aは、上記ステップS100−3で設定したウェイト時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト時間が経過したと判定した場合にはステップS100−9に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には上記ステップS100−5に処理を移す。
(ステップS100−9)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを許可するために必要な処理を実行する。
(ステップS100−11)
メインCPU300aは、RAMクリア信号がオンしているか否かを判定する。なお、遊技盤108の背面には不図示のRAMクリアボタンが設けられており、このRAMクリアボタンが押圧操作されると、RAMクリア検出スイッチがRAMクリアボタンの押圧操作を検出して、主制御基板300にRAMクリア信号が出力される。ここでは、RAMクリアボタンが押圧操作された状態で電源が投入された場合に、RAMクリア信号がオンしていると判定される。そして、RAMクリア信号がオンしていると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、RAMクリア信号はオンしていないと判定した場合にはステップS100−19に処理を移す。
(ステップS100−13)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源投入時(メインRAM300cをクリアするリセット時)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
(ステップS100−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップS100−17)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップS100−19)
メインCPU300aは、チェックサムを算出するために必要な処理を実行する。
(ステップS100−21)
メインCPU300aは、上記ステップS100−19で算出したチェックサムが、電源断時に保存されたチェックサムと不一致であるかを判定する。その結果、両者が不一致であると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、両者が不一致ではない(一致する)と判定した場合にはステップS100−23に処理を移す。
(ステップS100−23)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源復帰時(メインRAM300cをクリアせずに、電源断前のデータを維持するとき)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
(ステップS100−25)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップS100−27)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップS100−29)
メインCPU300aは、特別図柄の種別を示す電源投入時特図図柄種別指定コマンド、特1保留数(X1)を示す特1保留指定コマンド、特2保留数(X2)を示す特2保留指定コマンド、記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を示す特別図柄入賞順序コマンドを送信するための電源投入時サブコマンドセット処理を実行する。
(ステップS100−31)
メインCPU300aは、タイマ割込みの周期を設定する。
(ステップS100−33)
メインCPU300aは、割込みを禁止するための処理を行う。
(ステップS100−35)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数用初期値更新乱数を更新する。なお、当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値および終了値を決定するためのものである。つまり、後述する当たり図柄乱数の更新処理によって当たり図柄乱数が、当たり図柄乱数用初期値更新乱数から、当該当たり図柄乱数用初期値更新乱数−1まで1周すると、当たり図柄乱数は、そのときの当たり図柄乱数用初期値更新乱数に更新されることとなる。
(ステップS100−37)
メインCPU300aは、払出制御基板310から受信した受信データ(主コマンド)を解析し、受信データに応じた種々の処理を実行する。
(ステップS100−39)
メインCPU300aは、送信バッファに格納されているサブコマンドを副制御基板330に送信するための処理を行う。
(ステップS100−41)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS100−43)
メインCPU300aは、変動パターン乱数を更新し、以後、上記ステップS100−33から処理を繰り返す。
次に、主制御基板300における割込み処理について説明する。ここでは、電源断時退避処理(XINT割込み処理)およびタイマ割込み処理について説明する。
(主制御基板300の電源断時退避処理(XINT割込み処理))
図17は、主制御基板300における電源断時退避処理(XINT割込み処理)を説明するフローチャートである。メインCPU300aは、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になると、CPU初期化処理に割り込んで電源断時退避処理を実行する。
(ステップS300−1)
電源断予告信号が入力されると、メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS300−3)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−11に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−7に処理を移す。
(ステップS300−7)
メインCPU300aは、レジスタを復帰させる。
(ステップS300−9)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行い、当該電源断時退避処理を終了する。
(ステップS300−11)
メインCPU300aは、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
(ステップS300−13)
メインCPU300aは、チェックサムを算出して保存するチェックサム設定処理を実行する。
(ステップS300−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。
(ステップS300−17)
メインCPU300aは、電源断発生監視時間を設定すべく、ループカウンタのカウンタ値に所定の電源断検出信号検出回数をセットする。
(ステップS300−19)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300−21)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−17に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−23に処理を移す。
(ステップS300−23)
メインCPU300aは、上記ステップS300−17でセットしたループカウンタの値を1減算する。
(ステップS300−25)
メインCPU300aは、ループカウンタのカウンタ値が0でないかを判定する。その結果、カウンタ値が0ではないと判定した場合にはステップS300−19に処理を移し、カウンタ値が0であると判定した場合には上記したCPU初期化処理(ステップS100)に移行する。
なお、実際に電源断が生じた場合には、ステップS300−17〜ステップS300−25をループしている間に遊技機100の稼働が停止する。
(主制御基板300のタイマ割込み処理)
図18は、主制御基板300におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。主制御基板300には、所定の周期(本実施形態では4ミリ秒、以下「4ms」という)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、CPU初期化処理(ステップS100)に割り込んで、以下のタイマ割込み処理が実行される。
(ステップS400−1)
メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS400−3)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS400−5)
メインCPU300aは、コモン出力バッファにセットされたコモンデータを出力ポートに出力し、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172を点灯制御するダイナミックポート出力処理を実行する。
(ステップS400−7)
メインCPU300aは、各種の入力ポート情報を読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
(ステップS400−9)
メインCPU300aは、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該主制御基板300のタイマ割込み処理の度に減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS400−11)
メインCPU300aは、上記ステップS100−35と同様、当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新処理を実行する。
(ステップS400−13)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを1加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。
なお、詳しい説明は省略するが、本実施形態では、大当たり決定乱数および当たり決定乱数は、主制御基板300に内蔵されたハードウェア乱数生成部によって更新されるハードウェア乱数を用いている。ハードウェア乱数生成部は、大当たり決定乱数および当たり決定乱数を、いずれも一定の規則にしたがって更新し、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列を変更するとともに、システムリセット毎にスタート値を変更している。
(ステップS500)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、ゲート検出スイッチ124s、第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口検出スイッチ128sから信号の入力があったか否か判定するスイッチ管理処理を実行する。なお、このスイッチ管理処理の詳細については後述する。
(ステップS600)
メインCPU300aは、上記の特別遊技を進行制御するための特別遊技管理処理を実行する。なお、この特別遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS700)
メインCPU300aは、上記の普通遊技を進行制御するための普通遊技管理処理を実行する。なお、この普通遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS400−15)
メインCPU300aは、各種エラーの判定およびエラー判定結果に応じた設定を行うためのエラー管理処理を実行する。
(ステップS400−17)
メインCPU300aは、一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口検出スイッチ128sのチェックを行い、該当する賞球制御用のカウンタ等を加算するための入賞口スイッチ処理を実行する。
また、メインCPU300aは、第1大入賞口126または第2大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたものであることを示す大入賞口入球コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS400−19)
メインCPU300aは、上記ステップS400−17でセットされた賞球制御用のカウンタのカウンタ値等に基づく払出コマンドの作成および送信を行うための払出制御管理処理を実行する。
(ステップS400−21)
メインCPU300aは、遊技情報出力端子板312から外部へ出力する外部情報用の出力データをセットするための外部情報管理処理を実行する。
(ステップS400−23)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172等の各種表示器(LED)を点灯制御するためのコモンデータをコモン出力バッファにセットするLED表示設定処理を実行する。
(ステップS400−25)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド120c、第1大入賞口ソレノイド126c、第2大入賞口ソレノイド128cのソレノイド出力イメージを合成し、出力ポートバッファに格納するためのソレノイド出力イメージ合成処理を実行する。
(ステップS400−27)
メインCPU300aは、各出力ポートバッファに格納されたコモン出力バッファの値を出力ポートに出力するためのポート出力処理を実行する。
(ステップS400−29)
メインCPU300aは、レジスタを復帰してタイマ割込み処理を終了する。
以下に、上記したタイマ割込み処理のうち、ステップS500のスイッチ管理処理、ステップS600の特別遊技管理処理、ステップS700の普通遊技管理処理について、詳細に説明する。
図19は、主制御基板300におけるスイッチ管理処理(ステップS500)を説明するフローチャートである。
(ステップS500−1)
メインCPU300aは、ゲート検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、ゲート124を遊技球が通過してゲート検出スイッチ124sからの検出信号がオンされたかを判定する。その結果、ゲート検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS510に処理を移し、ゲート検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−3に処理を移す。
(ステップS510)
メインCPU300aは、ゲート124への遊技球の通過に基づいてゲート通過処理を実行する。なお、このゲート通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−3)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1始動口120に遊技球が入球して第1始動口検出スイッチ120sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第1始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS520に処理を移し、第1始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−5に処理を移す。
(ステップS520)
メインCPU300aは、第1始動口120への遊技球の入球に基づいて第1始動口通過処理を実行する。なお、この第1始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−5)
メインCPU300aは、第2始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第2始動口122に遊技球が入球して第2始動口検出スイッチ122sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第2始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS530に処理を移し、第2始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−7に処理を移す。
(ステップS530)
メインCPU300aは、第2始動口122への遊技球の入球に基づいて第2始動口通過処理を実行する。なお、この第2始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−7)
メインCPU300aは、大入賞口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1大入賞口126または第2大入賞口128に遊技球が入球して第1大入賞口検出スイッチ126sまたは第2大入賞口検出スイッチ128sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、大入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS540に処理を移し、大入賞口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合には当該スイッチ管理処理を終了する。
(ステップS540)
メインCPU300aは、第1大入賞口126または第2大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたものであるかを判定し、遊技球の入球が適正になされたと判定した場合には、第1大入賞口126または第2大入賞口128への遊技球の入球を示す大入賞口入球コマンドを副制御基板330に送信するための大入賞口通過処理を実行する。なお、この大入賞口通過処理の詳細については後述する。
図20は、主制御基板300におけるゲート通過処理(ステップS510)を説明するフローチャートである。
(ステップS510−1)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された当たり決定乱数をロードする。
(ステップS510−3)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であるか、つまり、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が4以上であるかを判定する。その結果、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であると判定した場合には当該ゲート通過処理を終了し、普通図柄保留球数カウンタは最大値以上ではないと判定した場合にはステップS510−5に処理を移す。
(ステップS510−5)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS510−7)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の4つの記憶部のうち、取得した当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS510−9)
メインCPU300aは、上記ステップS510−1で取得した当たり決定乱数を、上記ステップS510−7で算定した対象記憶部にセーブする。
(ステップS510−11)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットし、当該ゲート通過処理を終了する。
図21は、主制御基板300における第1始動口通過処理(ステップS520)を説明するフローチャートである。
(ステップS520−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「00H」をセットする。なお、特別図柄識別値は、保留種別として特1保留および特2保留のいずれであるかを識別するためのもので、特別図柄識別値(00H)は特1保留を示し、特別図柄識別値(01H)は特2保留を示す。
(ステップS520−3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、特別図柄乱数取得処理を実行し、当該第1始動口通過処理を終了する。なお、この特別図柄乱数取得処理は、第2始動口通過処理(ステップS530)と共通のモジュールを利用して実行される。したがって、特別図柄乱数取得処理の詳細は、第2始動口通過処理の説明後に説明する。
図22は、主制御基板300における第2始動口通過処理(ステップS530)を説明するフローチャートである。
(ステップS530−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「01H」をセットする。
(ステップS530−3)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、後述する特別図柄乱数取得処理を実行し、当該第2始動口通過処理を終了する。
図23は、主制御基板300における特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を説明するフローチャートである。この特別図柄乱数取得処理は、上記した第1始動口通過処理(ステップS520)および第2始動口通過処理(ステップS530)において、共通のモジュールを用いて実行される。
(ステップS535−1)
メインCPU300aは、上記ステップS520−1またはステップS530−1でセットした特別図柄識別値をロードする。
(ステップS535−3)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数をロードする。ここでは、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「00H」であれば、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数をロードする。また、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「01H」であれば、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数をロードする。
(ステップS535−5)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された大当たり決定乱数をロードする。
(ステップS535−7)
メインCPU300aは、上記ステップS535−3でロードした対象特別図柄保留球数が上限値以上であるかを判定する。その結果、上限値以上であると判定した場合には、当該特別図柄乱数取得処理を終了し、上限値以上ではないと判定した場合には、ステップS535−9に処理を移す。
(ステップS535−9)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS535−11)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域の記憶部のうち、取得した大当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS535−13)
メインCPU300aは、上記ステップS535−5でロードした大当たり決定乱数、上記ステップS400−13で更新された当たり図柄乱数、上記ステップS100−43で更新された変動パターン乱数を取得し、上記ステップS535−11で算定した対象記憶部に格納する。
(ステップS535−15)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードする。
(ステップS535−17)
メインCPU300aは、上記ステップS535−15でロードしたカウンタ値に基づいて、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特図2保留指定コマンドをセットする。これにより、特1保留または特2保留が記憶されるたびに、特1保留数および特2保留数が副制御基板330に伝達されることとなる。
(ステップS536)
メインCPU300aは、取得時演出判定処理を行い、当該特別図柄乱数取得処理を終了する。この取得時演出判定処理では、大役抽選の結果や、変動パターン番号等が仮判定され、所定の先読み指定コマンドが副制御基板330に送信される。
図24は、主制御基板300における大入賞口通過処理(ステップS540)を説明するフローチャートである。
(ステップS540−1)
メインCPU300aは、上記ステップS500−7で大入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合には、特別遊技管理フェーズをロードする。なお、詳しくは後述するが、特別遊技管理フェーズは、特別遊技の実行処理の段階、すなわち、特別遊技の進行状況を示すものであり、特別遊技の実行処理の段階に応じて更新される。
(ステップS540−3)
メインCPU300aは、上記ステップS540−1でロードした特別遊技管理フェーズが、大入賞口開放前処理以上の実行処理の段階を示すものであるかを判定する。なお、特別遊技管理フェーズは、00H〜08Hの9段階が設けられており、このうち、01H〜08Hが、大入賞口開放前処理以上の実行処理の段階に相当する。大役遊技または小当たり遊技は、特別遊技管理フェーズが01H〜08Hである場合に実行されることから、ここでは、現在、大役遊技中または小当たり遊技中であるかを判定することとなる。特別遊技管理フェーズが、大入賞口開放前処理以上の実行処理の段階を示すものであると判定した場合にはステップS540−5に処理を移し、特別遊技管理フェーズは、大入賞口開放前処理以上の実行処理の段階を示すものではないと判定した場合にはステップS540−7に処理を移す。
(ステップS540−5)
メインCPU300aは、第1大入賞口126または第2大入賞口128に適正に遊技球が入球したことを示す大入賞口入球コマンドを送信バッファにセットし、大入賞口通過処理を終了する。
(ステップS540−7)
メインCPU300aは、第1大入賞口126または第2大入賞口128への遊技球の入球が不適切なものであるとして、所定のエラー処理を実行し、大入賞口通過処理を終了する。
図25は、特別遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球を契機とする特別遊技と、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技とが、同時並行して進行する。特別遊技に係る処理は、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした特別遊技に係る各処理を特別遊技管理フェーズによって管理している。
図25に示すように、メインROM300bには、特別遊技を実行制御するための複数の特別遊技制御モジュールが格納されており、これら特別遊技制御モジュールごとに、特別遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、特別遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「特別図柄変動処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「01H」または「05H」である場合には、「大入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「02H」または「06H」である場合には、「大入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「03H」または「07H」である場合には、「大入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「04H」または「08H」である場合には、「大入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
図26は、主制御基板300における特別遊技管理処理(ステップS600)を説明するフローチャートである。
(ステップS600−1)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS600−3)
メインCPU300aは、上記ステップS600−1でロードした特別遊技管理フェーズに対応する特別遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS600−5)
メインCPU300aは、上記ステップS600−3で選択した特別遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
(ステップS600−7)
メインCPU300aは、特別遊技の制御時間を管理する特別遊技タイマをロードし、当該特別遊技管理処理を終了する。
図27は、主制御基板300における特別図柄変動処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動処理は、特別遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS610)
メインCPU300aは、特別図柄変動待ち処理を実行する。この特別図柄変動待ち処理については、図28〜図30を用いて後述する。
(ステップS620)
メインCPU300aは、特別図柄変動中処理を実行する。この特別図柄変動中処理については、図31を用いて後述する。
(ステップS630)
メインCPU300aは、特別図柄停止図柄表示処理を実行する。この特別図柄停止図柄表示処理については、図32を用いて後述する。
図28は、主制御基板300における特別図柄変動待ち処理(ステップS610)を説明する第1のフローチャートであり、図29は、主制御基板300における特別図柄変動待ち処理(ステップS610)を説明する第2のフローチャートである。
(ステップS610−1)
メインCPU300aは、中断中フラグがオンしているかを判定する。なお、詳しくは後述するが、本実施形態では、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示中に、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示される場合がある。この場合、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示されると、小当たり遊技が実行されるが、この間、第1特別図柄表示器160における特別図柄の変動時間の減算が中断され、小当たり遊技の終了後に、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示が再開される。中断中フラグは、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示されたときに、第1特別図柄表示器160において図柄の変動表示中であった場合にオンされる。ここでは、中断中フラグがオンしていると判定した場合にはステップS610−3に処理を移し、中断中フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS610−5に処理を移す。
(ステップS610−3)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示を再開するための処理を実行し、図29のステップS610−51に処理を移す。
(ステップS610−5)
メインCPU300aは、特1保留数が1以上であるかを判定する。その結果、特1保留数が1以上であると判定した場合にはステップS610−7に処理を移し、特1保留数は1以上ではないと判定した場合にはステップS610−51に処理を移す。
(ステップS610−7)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160において、特1保留に基づく図柄の変動表示中であるか、または、特1保留に基づく図柄が停止表示中(停止表示時間の計時中)であるかを判定する。その結果、変動表示中である、または、停止表示中であると判定した場合にはステップS610−51に処理を移し、変動表示中ではなく、かつ、停止表示中ではないと判定した場合にはステップS610−9に処理を移す。
(ステップS610−9)
メインCPU300aは、第1特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている特1保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、特1保留に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特1保留が「1」減算されたことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−11)
メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162において図柄の変動表示中であるかを判定する。その結果、図柄の変動表示中であると判定した場合にはステップS610−17に処理を移し、図柄の変動表示中ではないと判定した場合にはステップS610−13に処理を移す。
(ステップS610−13)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを識別する特別図柄確率状態フラグをロードし、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択して大役抽選を行い、その抽選結果を記憶する特別図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS610−15)
メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄図柄判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−13における大役抽選の結果が大当たりまたは小当たりであった場合、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルまたは小当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS610−13における大役抽選の結果がハズレであった場合には、ハズレ用の特別図柄判定データをセーブする。そして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−17)
メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162に最終的に停止表示される特別図柄が大当たり図柄であるかを判定する。その結果、大当たり図柄であると判定した場合にはステップS610−19に処理を移し、大当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS610−13に処理を移す。
(ステップS610−19)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数が、小当たりの範囲内であるかを判定する。その結果、小当たりの範囲内であると判定した場合にはステップS610−21に処理を移し、小当たりの範囲外であると判定した場合にはステップS610−23に処理を移す。
(ステップS610−21)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する小当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(小当たり図柄の種別)をセーブする。
(ステップS610−23)
メインCPU300aは、ハズレ図柄にかかる特別図柄判定データをセーブし、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。つまり、第2特別図柄表示器162において最終的に大当たり図柄が停止表示される図柄の変動表示が行われている場合、第1特別図柄表示器160においては、必ず、小当たり図柄またはハズレ図柄が最終的に停止表示される図柄の変動表示のみが行われることとなる。
(ステップS610−25)
メインCPU300aは、上記ステップS610−15、ステップS610−21、ステップS610−23で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。なお、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162は、それぞれ7セグで構成されており、7セグを構成する各セグメントには番号(カウンタ値)が対応付けられている。ここで決定する特別図柄停止図柄番号は、最終的に点灯するセグメントの番号(カウンタ値)を示すものである。
(ステップS611)
メインCPU300aは、変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
(ステップS610−27)
メインCPU300aは、上記ステップS611で決定された変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して変動時間を決定する。そして、決定した変動時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
(ステップS610−29)
メインCPU300aは、大役抽選の結果が大当たりであるか否かを判定し、大当たりであった場合には、上記ステップS610−15でセーブした特別図柄判定データをロードして、大当たり図柄の種別を確認する。そして、遊技状態設定テーブルおよび現在の遊技状態を参照して、大役遊技終了後に設定される遊技状態および高確回数、時短回数を判定し、その判定結果を特別図柄確率状態予備フラグ、時短状態予備フラグ、および、高確回数切り予備カウンタ、時短回数切り予備カウンタにセーブする。なお、ハズレ図柄がセーブされている場合には、当該処理を実行することなく、次の処理に移行する。
(ステップS610−31)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160において図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第1特別図柄表示器160を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。なお、特別図柄表示図柄カウンタは、第1特別図柄表示器160に対応する特別図柄1表示図柄カウンタと、第2特別図柄表示器162に対応する特別図柄2表示図柄カウンタとが別個に設けられており、ここでは、特別図柄1表示図柄カウンタにカウンタ値が設定される。
(ステップS610−33)
メインCPU300aは、回数切り管理処理を実行する。ここでは、特別図柄確率状態フラグをロードして、現在の遊技状態が低確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が高確率遊技状態であった場合には、高確回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、高確回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、低確率遊技状態に対応する特別図柄確率状態フラグをセットする。これにより、高確率遊技状態において、大当たりに当選することなく、大役抽選が所定回数実行されたところで、遊技状態が低確率遊技状態に移行することとなる。
また、ここでは、時短状態フラグをロードして、現在の遊技状態が中時短遊技状態または時短遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が中時短遊技状態または時短遊技状態であった場合には、時短回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、時短回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、非時短遊技状態に対応する時短状態フラグをセットする。これにより、中時短遊技状態または時短遊技状態において、大当たりに当選することなく、大役抽選が所定回数実行されたところで、遊技状態が非時短遊技状態に移行することとなる。
(ステップS610−35)
メインCPU300aは、高確回数および時短回数が0になるまでの残り回数(実残り回数)を示す回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−37)
メインCPU300aは、特別図柄の変動表示の開始時の遊技状態を示す遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−51)
図29に示すように、メインCPU300aは、特2保留数が1以上であるかを判定する。その結果、特2保留数が1以上であると判定した場合にはステップS610−53に処理を移し、特2保留数は1以上ではないと判定した場合にはステップS610−85に処理を移す。
(ステップS610−53)
メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162において、特2保留に基づく図柄の変動表示中であるか、または、特2保留に基づく図柄が停止表示中(停止表示時間の計時中)であるかを判定する。その結果、変動表示中、または、停止表示中であると判定した場合にはステップS610−85に処理を移し、変動表示中ではなく、かつ、停止表示中ではないと判定した場合にはステップS610−55に処理を移す。
(ステップS610−55)
メインCPU300aは、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている特2保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、特2保留に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特2保留が「1」減算されたことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−57)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160において図柄の変動表示中であるかを判定する。その結果、図柄の変動表示中であると判定した場合にはステップS610−63に処理を移し、図柄の変動表示中ではないと判定した場合にはステップS610−59に処理を移す。
(ステップS610−59)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを識別する特別図柄確率状態フラグをロードし、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択して大役抽選を行い、その抽選結果を記憶する特別図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS610−61)
メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄図柄判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−59における大役抽選の結果が大当たりまたは小当たりであった場合、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルまたは小当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS610−59における大役抽選の結果がハズレであった場合には、ハズレ用の特別図柄判定データをセーブする。そして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−63)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160に最終的に停止表示される特別図柄が大当たり図柄であるかを判定する。その結果、大当たり図柄であると判定した場合にはステップS610−65に処理を移し、大当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS610−59に処理を移す。
(ステップS610−65)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数が、小当たりの範囲内であるかを判定する。その結果、小当たりの範囲内であると判定した場合にはステップS610−67に処理を移し、小当たりの範囲外であると判定した場合にはステップS610−69に処理を移す。
(ステップS610−67)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する小当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(小当たり図柄の種別)をセーブする。
(ステップS610−69)
メインCPU300aは、ハズレ図柄にかかる特別図柄判定データをセーブし、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。つまり、第1特別図柄表示器160において最終的に大当たり図柄が停止表示される図柄の変動表示が行われている場合、第2特別図柄表示器162においては、必ず、小当たり図柄またはハズレ図柄が最終的に停止表示される図柄の変動表示のみが行われることとなる。
(ステップS610−71)
メインCPU300aは、上記ステップS610−61、ステップS610−67、ステップS610−69で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。
(ステップS611)
メインCPU300aは、変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
(ステップS610−73)
メインCPU300aは、上記ステップS611で決定された変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して変動時間を決定する。そして、決定した変動時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
(ステップS610−75)
メインCPU300aは、上記ステップS610−59における大役抽選の結果が大当たりであるか否かを判定し、大当たりであった場合には、上記ステップS610−61でセーブした特別図柄判定データをロードして、大当たり図柄の種別を確認する。そして、遊技状態設定テーブルおよび現在の遊技状態を参照して、大役遊技終了後に設定される遊技状態および高確回数、時短回数を判定し、その判定結果を特別図柄確率状態予備フラグ、時短状態予備フラグ、および、高確回数切り予備カウンタ、時短回数切り予備カウンタにセーブする。なお、ハズレ図柄がセーブされている場合には、当該処理を実行することなく、次の処理に移行する。
(ステップS610−77)
メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162において、図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄2表示図柄カウンタに設定されることとなる。
(ステップS610−79)
メインCPU300aは、上記ステップS610−33と同様の回数切り管理処理を実行する。
(ステップS610−81)
メインCPU300aは、上記ステップS610−79で更新されたカウンタ値(高確回数が0になるまでの残り回数)を示す回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−83)
メインCPU300aは、特別図柄の変動表示の開始時の遊技状態を示す遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−85)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162のいずれにおいても、図柄の変動表示および停止表示中でない場合に、所定の客待ち処理を実行し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
図30は、主制御基板300における特別図柄変動番号決定処理(ステップS611)を説明するフローチャートである。
(ステップS611−1)
メインCPU300aは、上記ステップS610でセーブされた特別図柄判定データ(特別図柄の種別)をロードする。
(ステップS611−3)
メインCPU300aは、現在設定されている遊技状態を確認し、普通遊技状態が時短遊技状態であるかを判定する。その結果、普通遊技状態が時短遊技状態であると判定した場合にはステップS611−7に処理を移し、時短遊技状態ではないと判定した場合にはステップS611−5に処理を移す。
(ステップS611−5)
メインCPU300aは、現在の遊技状態、保留種別、決定された特別図柄の種別に基づいて、対応する変動パターン乱数判定テーブルを選択、セットする変動パターン乱数判定テーブル選択処理を実行する。
(ステップS611−7)
メインCPU300aは、合計変動回数カウンタをインクリメントする。なお、合計変動回数カウンタは、時短遊技状態に設定された後の、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示の回数(第1変動回数)と、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の回数(第2変動回数)と、を合計した合計変動回数を計数するものである。この合計変動回数は、時短遊技状態において図柄の変動表示が開始されるたびに、1ずつ更新されていく。
(ステップS611−9)
メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の開始時であるかを判定する。その結果、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の開始時であると判定した場合にはステップS611−11に処理を移し、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の開始時ではないと判定した場合にはステップS611−5に処理を移す。
なお、時短遊技状態において、第1特別図柄表示器160で図柄の変動表示が開始される場合には、上記ステップS611−7で更新した合計変動回数に基づいて、変動パターン乱数判定テーブルが選択されることとなる。
(ステップS611−11)
メインCPU300aは、第2変動回数カウンタをインクリメントする。なお、第2変動回数カウンタは、時短遊技状態に設定された後の、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の回数(第2変動回数)を計数するものである。この第2変動回数は、時短遊技状態に設定されている場合に、第2特別図柄表示器162において図柄の変動表示が開始されるたびに、1ずつ更新されていく。
(ステップS611−13)
メインCPU300aは、上記ステップS611−11で更新した第2変動回数が4以下であるかを判定する。その結果、4以下であると判定した場合にはステップS611−15に処理を移し、4以下ではないと判定した場合にはステップS611−5に処理を移す。
なお、時短遊技状態において、第2特別図柄表示器162で図柄の変動表示が開始され、かつ、第2変動回数が5回以上である場合には、上記ステップS611−7で更新した合計変動回数に基づいて、変動パターン乱数判定テーブルが選択される。このとき選択されるテーブルIによれば、必ず、変動時間が10分に決定されることとなる。
(ステップS611−15)
メインCPU300aは、変動パターン乱数判定テーブルとして特殊テーブルを選択、セットする。
(ステップS611−17)
メインCPU300aは、上記ステップS611−5またはステップS611−15でセットした変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS610−9またはステップS610−55で第0記憶部に転送した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定する。
(ステップS611−19)
メインCPU300aは、上記ステップS611−17で決定した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドを送信バッファにセットし、当該特別図柄変動番号決定処理を終了する。
図31は、主制御基板300における特別図柄変動中処理を説明するフローチャートである。
(ステップS620−1)
メインCPU300aは、処理対象識別値として「00H」をセットする。なお、処理対象識別値というのは、以下の各処理を実行する際に、特1保留にかかる処理を実行するのか、特2保留にかかる処理を実行するのかを識別するためのものであり、処理対象識別値として「00H」がセットされている場合には、特1保留にかかる処理が実行され、処理対象識別値として「01H」がセットされている場合には、特2保留にかかる処理が実行される。なお、特別図柄変動中処理および特別図柄停止図柄表示処理の説明で登場する各種のカウンタやタイマには、特1保留用と特2保留用とが設けられており、以下のステップS620−5〜ステップS620−23の処理では、メインRAM300cに記憶された処理対象識別値に対応する処理対象(カウンタやタイマ等)についてなされるものである。
(ステップS620−3)
メインCPU300aは、処理対象の保留が第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162において変動表示中であるかを判定する。その結果、変動表示中であれば、ステップS620−5に処理を移し、変動表示中でなければ、ステップS620−25に処理を移す。
(ステップS620−5)
メインCPU300aは、特別図柄変動ベースカウンタを更新する処理を実行する。なお、特別図柄変動ベースカウンタは、所定周期(例えば100ms)で1周するようにカウンタ値が設定される。具体的には、特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であった場合には、所定のカウンタ値(例えば25)がセットされ、カウンタ値が「1」以上であった場合には、現在のカウンタ値から「1」減算した値にカウンタ値を更新する。
(ステップS620−7)
メインCPU300aは、上記ステップS620−5で更新した特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であった場合にはステップS620−9に処理を移し、カウンタ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−13に処理を移す。
(ステップS620−9)
メインCPU300aは、上記ステップS610−27またはステップS610−73で設定された特別図柄変動タイマのタイマ値を所定値減算する特別図柄変動タイマ更新処理を行う。
(ステップS620−11)
メインCPU300aは、上記ステップS620−9で更新した特別図柄変動タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS620−19に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−13に処理を移す。
(ステップS620−13)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントの点灯時間を計時する特別図柄表示タイマを更新する。具体的には、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS620−15)
メインCPU300aは、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS620−17に処理を移し、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合にはステップS620−25に処理を移す。
(ステップS620−17)
メインCPU300aは、更新対象の特別図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新し、ステップS620−25に処理を移す。これにより、7セグを構成する各セグメントが、所定時間おきに順次点灯することとなる。
(ステップS620−19)
メインCPU300aは、対象の特別図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS610−25またはS610−71で決定した特別図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に、決定された特別図柄が停止表示されることとなる。
(ステップS620−21)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示されたことを示す特図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS620−23)
メインCPU300aは、特別図柄を停止表示する時間である特別図柄変動停止時間を特別遊技タイマにセットする。
(ステップS620−25)
メインCPU300aは、メインRAM300cに記憶された処理対象識別値が最大(01H)であるかを判定する。その結果、処理対象識別値が最大であると判定した場合には当該特別図柄変動中処理を終了し、処理対象識別値は最大ではないと判定した場合にはステップS620−27に処理を移す。
(ステップS620−27)
メインCPU300aは、処理対象識別値として「01H」をセットし、ステップS620−3に処理を移す。
図32は、主制御基板300における特別図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。
(ステップS630−1)
メインCPU300aは、処理対象識別値として「00H」をセットする。
(ステップS630−3)
メインCPU300aは、メインRAM300cにセットされた処理対象識別値に対応する保留種別にかかる特別図柄が、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に停止表示中であるかを判定する。その結果、停止表示中であると判定した場合にはステップS630−5に処理を移し、停止表示中ではないと判定した場合にはステップS630−27に処理を移す。
(ステップS630−5)
メインCPU300aは、上記ステップS620−23でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS630−27に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS630−7に処理を移す。
(ステップS630−7)
メインCPU300aは、大役抽選の結果を確認する。
(ステップS630−9)
メインCPU300aは、大役抽選の結果がハズレであるかを判定する。その結果、ハズレであると判定した場合にはステップS630−25に処理を移し、ハズレではないと判定した場合にはステップS630−11に処理を移す。
(ステップS630−11)
メインCPU300aは、変動表示中の特別図柄があるかを判定する。その結果、変動表示中の特別図柄があると判定した場合にはステップS631に処理を移し、変動表示中の特別図柄はないと判定した場合にはステップS630−13に処理を移す。
(ステップS631)
メインCPU300aは、図柄強制停止処理を実行する。この図柄強制停止処理については、図33を用いて後述する。
(ステップS630−13)
メインCPU300aは、遊技状態を更新する遊技状態更新処理を行う。ここでは、停止表示中の特別図柄が大当たり図柄である場合に遊技状態を初期状態に設定し、停止表示中の特別図柄が小当たり図柄である場合には、そのまま次の処理に移る。
(ステップS630−15)
メインCPU300aは、確定した特別図柄の種別に応じて、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータをセットする。
(ステップS630−17)
メインCPU300aは、特別電動役物最大作動回数設定処理を行う。具体的には、上記ステップS630−15でセットしたデータを参照し、特別電動役物最大作動回数カウンタに、カウンタ値として所定数(特別図柄の種別に対応するカウンタ値=ラウンド数)をセットする。なお、この特別電動役物最大作動回数カウンタは、これから開始する大役遊技において実行可能なラウンド数を示すものである。一方、メインRAM300cには、特別電動役物連続作動回数カウンタが設けられており、各ラウンド遊技の開始時に、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を「1」加算することで、現在のラウンド遊技数が管理される。ここでは、大役遊技の開始に伴って、この特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値をリセット(「0」に更新)する処理が併せて実行される。
(ステップS630−19)
メインCPU300aは、上記ステップS630−15でセットしたデータを参照し、特別遊技タイマに、タイマ値として所定のオープニング時間をセーブする。
(ステップS630−21)
メインCPU300aは、大役遊技の開始を副制御基板330に伝達するためのオープニング指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−23)
メインCPU300aは、大役遊技を開始する場合には特別遊技管理フェーズを「01H」に更新し、小当たり遊技を開始する場合には特別遊技管理フェーズを「05H」に更新して、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、大役遊技または小当たり遊技が開始されることとなる。
(ステップS630−25)
メインCPU300aは、特別図柄が確定したときの遊技状態を示す特図確定時遊技状態確認指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−27)
メインCPU300aは、メインRAM300cに記憶された処理対象識別値が最大(01H)であるかを判定する。その結果、処理対象識別値が最大であると判定した場合には当該特別図柄停止図柄表示処理を終了し、処理対象識別値は最大ではないと判定した場合にはステップS630−29に処理を移す。
(ステップS630−29)
メインCPU300aは、処理対象識別値に01Hを加算し、ステップS630−3に処理を移す。
図33は、主制御基板300における図柄強制停止処理(ステップS631)を説明するフローチャートである。
(ステップS631−1)
メインCPU300aは、停止表示中(当該)の特別図柄が小当たり図柄であるかを判定する。その結果、小当たり図柄であると判定した場合にはステップS631−3に処理を移し、小当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS631−11に処理を移す。
(ステップS631−3)
メインCPU300aは、処理対象識別値が00Hであるか、つまり、小当たり図柄が停止表示されたのが、第1特別図柄表示器160であるかを判定する。その結果、処理対象識別値が00Hであると判定した場合にはステップS631−11に処理を移し、処理対象識別値は00Hではないと判定した場合にはステップS631−5に処理を移す。
(ステップS631−5)
メインCPU300aは、変動表示中(他方)の特別図柄が大当たり図柄であるかを判定する。その結果、大当たり図柄であると判定した場合にはステップS631−11に処理を移し、大当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS631−7に処理を移す。
(ステップS631−7)
メインCPU300aは、中断中フラグをオンする。
(ステップS631−9)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示を中断する変動中断処理を実行し、当該図柄強制停止処理を終了する。ここでは、変動時間の残り時間や、特別図柄にかかる情報を一時的に所定の記憶領域に退避させる処理を行う。
(ステップS631−11)
メインCPU300aは、図柄が変動表示されている第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162にハズレ図柄を強制停止させる処理を行い、当該図柄強制停止処理を終了する。
上記の処理により、第1特別図柄表示器160に小当たり図柄が停止表示された場合には、第2特別図柄表示器162にハズレ図柄が強制停止表示される。また、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示された場合、大当たり図柄が第1特別図柄表示器160に最終的に停止表示される変動表示中であれば、第1特別図柄表示器160にハズレ図柄が強制停止表示される。一方、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示された場合、小当たり図柄またはハズレ図柄が第1特別図柄表示器160に最終的に停止表示される変動表示中であれば、第1特別図柄表示器160における変動表示が一時的に中断されることとなる。
図34は、主制御基板300における大入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放前処理は、特別遊技管理フェーズが「01H」、「05H」であった場合に実行される。
(ステップS640−1)
メインCPU300aは、上記ステップS630−19等でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口開放前処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS640−3に処理を移す。
(ステップS640−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS640−5)
メインCPU300aは、大入賞口の開放開始(ラウンド遊技の開始)を副制御基板330に伝達するための大入賞口開放指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS641)
メインCPU300aは、大入賞口開閉切替処理を実行する。この大入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS640−7)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「02H」または「06H」)に更新し、当該大入賞口開放前処理を終了する。
図35は、主制御基板300における大入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
(ステップS641−1)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数(1回のラウンド遊技中における大入賞口の開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641−3に処理を移す。
(ステップS641−3)
メインCPU300aは、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータを参照し、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、第1大入賞口ソレノイド126c、第2大入賞口ソレノイド128cを通電制御するためのソレノイド制御データ、および、通電時間もしくは通電停止時間であるタイマデータを抽出する。
(ステップS641−5)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始するか、もしくは、通電を停止するための大入賞口ソレノイド通電制御処理を実行する。この大入賞口ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS641−7)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、特別遊技タイマにセーブする。なお、ここで特別遊技タイマにセーブされるタイマ値は、大入賞口の1回の最大開放時間となる。
(ステップS641−9)
メインCPU300aは、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS641−5において、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS641−11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップS641−11)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
図36は、主制御基板300における大入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放制御処理は、特別遊技管理フェーズが「02H」、「06H」であった場合に実行される。
(ステップS650−1)
メインCPU300aは、上記ステップS641−7でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS650−5に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS650−3に処理を移す。
(ステップS650−3)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS650−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641に処理を移す。
(ステップS641)
上記ステップS650−3において、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS641の処理を実行する。
(ステップS650−5)
メインCPU300aは、上記ステップS500−9で更新された大入賞口入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、大入賞口に、1ラウンド中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該大入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS650−7に処理を移す。
(ステップS650−7)
メインCPU300aは、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を停止して大入賞口を閉鎖するために必要な大入賞口閉鎖処理を実行する。これにより、大入賞口は閉鎖状態となる。
(ステップS650−9)
メインCPU300aは、大入賞口閉鎖有効時間(インターバル時間)を特別遊技タイマにセーブする。
(ステップS650−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「03H」または「07H」)に更新する。
(ステップS650−13)
メインCPU300aは、大入賞口が閉鎖されたことを示す大入賞口閉鎖指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口開放制御処理を終了する。
図37は、主制御基板300における大入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この大入賞口閉鎖有効処理は、特別遊技管理フェーズが「03H」、「07H」であった場合に実行される。
(ステップS660−1)
メインCPU300aは、上記ステップS650−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該大入賞口閉鎖有効処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS660−3に処理を移す。
(ステップS660−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致するか、すなわち、予め設定された回数のラウンド遊技が終了したかを判定する。その結果、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致すると判定した場合にはステップS660−9に処理を移し、一致しないと判定した場合にはステップS660−5に処理を移す。
(ステップS660−5)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「01H」に更新する。なお、特別遊技管理フェーズが07Hである場合、すなわち、小当たり遊技の制御中は、小当たり遊技のラウンド遊技回数が「1」であることから、上記ステップS660−3で必ずYESと判定され、当該ステップに処理が移行することはない。
(ステップS660−7)
メインCPU300aは、所定の大入賞口閉鎖時間を特別遊技タイマにセーブし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。これにより、次のラウンド遊技が開始されることとなる。
(ステップS660−9)
メインCPU300aは、エンディング時間を特別遊技タイマにセーブするエンディング時間設定処理を実行する。
(ステップS660−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「04H」または「08H」)に更新する。
(ステップS660−13)
メインCPU300aは、エンディングの開始を示すエンディング指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。
図38は、主制御基板300における大入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この大入賞口終了ウェイト処理は、特別遊技管理フェーズが「04H」、「08H」であった場合に実行される。
(ステップS670−1)
メインCPU300aは、上記ステップS660−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口終了ウェイト処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS670−3に処理を移す。
(ステップS670−3)
メインCPU300aは、大役遊技終了後の遊技状態を設定するための状態設定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−29またはステップS610−75で予備領域に設定した遊技状態や高確回数、時短回数をロードし、大役遊技後の遊技状態として各フラグの設定やカウンタ値をセットする。なお、この処理は、大役遊技が実行された場合にのみ行われ、小当たり遊技が実行された場合には、当該処理を行うことはない。
(ステップS670−5)
メインCPU300aは、大役遊技の終了後に設定される遊技状態を伝達するための遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670−7)
メインCPU300aは、上記ステップS670−3でセーブした高確回数、時短回数に対応する回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670−9)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該大入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、図柄の変動表示が再開されることとなる。
図39は、普通遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技に係る処理が、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした普通遊技に係る各処理を普通遊技管理フェーズによって管理している。
図39に示すように、メインROM300bには、普通遊技を実行制御するための複数の普通遊技制御モジュールが格納されており、これら普通遊技制御モジュールごとに、普通遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、普通遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「普通図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「普通図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「普通図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「普通電動役物入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「普通電動役物入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
図40は、主制御基板300における普通遊技管理処理(ステップS700)を説明するフローチャートである。
(ステップS700−1)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS700−3)
メインCPU300aは、上記ステップS700−1でロードした普通遊技管理フェーズに対応する普通遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS700−5)
メインCPU300aは、上記ステップS700−3で選択した普通遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
(ステップS700−7)
メインCPU300aは、普通遊技の制御時間を管理する普通遊技タイマをロードする。
図41は、主制御基板300における普通図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動待ち処理は、普通遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS710−1)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、カウンタ値が「0」であるか、すなわち、普図保留が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であると判定した場合には当該普通図柄変動待ち処理を終了し、カウンタ値は「0」ではないと判定した場合にはステップS710−3に処理を移す。
(ステップS710−3)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留(当たり決定乱数)を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている普図保留を、第0記憶部に転送する。なお、この普通図柄記憶エリアシフト処理においては、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、普図保留が「1」減算したことを示す、普図保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−5)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された当たり決定乱数をロードし、現在の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブルを選択して普図抽選を行い、その抽選結果を記憶する普通図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS710−7)
メインCPU300aは、上記ステップS710−5の普図抽選の結果に対応する普通図柄停止図柄番号をセーブする。なお、本実施形態では、普通図柄表示器168は1つのLEDランプで構成されており、当たりの場合には普通図柄表示器168を点灯させ、ハズレの場合には普通図柄表示器168を消灯させる。ここで決定する普通図柄停止図柄番号は、最終的に普通図柄表示器168を点灯するか否かを示すものであり、例えば、当たりに当選した場合には、普通図柄停止図柄番号として「0」が決定され、ハズレの場合には、普通図柄停止図柄番号として「1」が決定される。
(ステップS710−9)
メインCPU300aは、現在の遊技状態を確認し、対応する普通図柄変動時間データテーブルを選択してセットする。
(ステップS710−11)
メインCPU300aは、上記ステップS710−3で第0記憶部に転送した当たり決定乱数と、上記ステップS710−9でセットした普通図柄変動時間データテーブルとに基づいて、普通図柄変動時間を決定する。
(ステップS710−13)
メインCPU300aは、上記ステップS710−11で決定した普通図柄変動時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS710−15)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168において、普通図柄の変動表示を開始するために、普通図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。この普通図柄表示図柄カウンタに、カウンタ値として例えば「0」が設定されている場合には普通図柄表示器168が点灯制御され、カウンタ値として「1」が設定されている場合には普通図柄表示器168が消灯制御される。ここでは、普通図柄の変動表示の開始時に所定のカウンタ値が普通図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。
(ステップS710−17)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−19)
メインCPU300aは、上記ステップS710−7で決定された普通図柄停止図柄番号、すなわち、普通図柄当たり判定処理によって決定された図柄種別(当たり図柄またはハズレ図柄)に基づいて、普通図柄指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−21)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該普通図柄変動待ち処理を終了する。
図42は、主制御基板300における普通図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動中処理は、普通遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
(ステップS720−1)
メインCPU300aは、上記ステップS710−13でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS720−9に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS720−3に処理を移す。
(ステップS720−3)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168の点灯時間および消灯時間を計時する普通図柄表示タイマを更新する。具体的には、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS720−5)
メインCPU300aは、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS720−7に処理を移し、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該普通図柄変動中処理を終了する。
(ステップS720−7)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新する。ここでは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値が、普通図柄表示器168の消灯を示すカウンタ値であった場合には点灯を示すカウンタ値に更新し、普通図柄表示器168の点灯を示すカウンタ値であった場合には消灯を示すカウンタ値に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。これにより、普通図柄表示器168は、普通図柄変動時間に亘って、所定時間おきに点灯、消灯を繰り返す(点滅する)こととなる。
(ステップS720−9)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS710−7で決定した普通図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、普通図柄表示器168が最終的に点灯もしくは消灯制御され、普図抽選の結果が報知されることとなる。
(ステップS720−11)
メインCPU300aは、普通図柄を停止表示する時間である普通図柄変動停止時間を普通遊技タイマにセットする。
(ステップS720−13)
メインCPU300aは、普通図柄の停止表示が開始されたことを示す普図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS720−15)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「02H」に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。
図43は、主制御基板300における普通図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この普通図柄停止図柄表示処理は、普通遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
(ステップS730−1)
メインCPU300aは、上記ステップS720−11でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通図柄停止図柄表示処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS730−3に処理を移す。
(ステップS730−3)
メインCPU300aは、普図抽選の結果を確認する。
(ステップS730−5)
メインCPU300aは、普図抽選の結果が当たりであるかを判定する。その結果、当たりであると判定した場合にはステップS730−9に処理を移し、当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS730−7に処理を移す。
(ステップS730−7)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の普図保留に基づく普通遊技管理処理が終了し、普図保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく普通図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
(ステップS730−9)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通遊技タイマに、タイマ値として普電開放前時間をセーブする。
(ステップS730−11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「03H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、第1始動口120の開閉制御が開始されることとなる。
図44は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放前処理は、普通遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
(ステップS740−1)
メインCPU300aは、上記ステップS730−9でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS741に処理を移す。
(ステップS741)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞口開閉切替処理を実行する。この普通電動役物入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS740−3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了する。
図45は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
(ステップS741−1)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数(1回の開閉制御中における第1始動口120の可動片120bの開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741−3に処理を移す。
(ステップS741−3)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、普通電動役物ソレノイド120cを通電制御するためのソレノイド制御データ(通電制御データまたは通電停止制御データ)、および、普通電動役物ソレノイド120cの通電時間(ソレノイド通電時間)もしくは通電停止時間(普電閉鎖有効時間=休止時間)であるタイマデータを抽出する。
(ステップS741−5)
メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、普通電動役物ソレノイド120cの通電を開始するか、もしくは、普通電動役物ソレノイド120cの通電を停止するための普通電動役物ソレノイド通電制御処理を実行する。この普通電動役物ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、普通電動役物ソレノイド120cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS741−7)
メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、普通遊技タイマにセーブする。なお、ここで普通遊技タイマにセーブされるタイマ値は、第1始動口120の1回の最大開放時間となる。
(ステップS741−9)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド120cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS741−5において、普通電動役物ソレノイド120cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS741−11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップS741−11)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
図46は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放制御処理は、普通遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
(ステップS750−1)
メインCPU300aは、上記ステップS741−7でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS750−5に処理を移し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS750−3に処理を移す。
(ステップS750−3)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS750−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741に処理を移す。
(ステップS741)
上記ステップS750−3において、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS741の処理を実行する。
(ステップS750−5)
メインCPU300aは、上記ステップS530−9で更新された普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、第1始動口120に、1回の開閉制御中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS750−7に処理を移す。
(ステップS750−7)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド120cの通電を停止して第1始動口120を閉鎖するために必要な普通電動役物閉鎖処理を実行する。これにより、第1始動口120が閉鎖状態となる。
(ステップS750−9)
メインCPU300aは、普電有効状態時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS750−11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「05H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了する。
図47は、主制御基板300における普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口閉鎖有効処理は、普通遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される。
(ステップS760−1)
メインCPU300aは、上記ステップS750−9でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS760−3に処理を移す。
(ステップS760−3)
メインCPU300aは、普電終了ウェイト時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS760−5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「06H」に更新し、当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了する。
図48は、主制御基板300における普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口終了ウェイト処理は、普通遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
(ステップS770−1)
メインCPU300aは、上記ステップS760−3でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS770−3に処理を移す。
(ステップS770−3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、普図保留が記憶されている場合には、普通図柄の変動表示が再開されることとなる。
以上のように、主制御基板300においては、特別遊技と普通遊技とが同時並行して行われるが、こうした遊技の進行中は、主制御基板300で設定されている遊技状態に応じて種々の演出が実行される。この演出を実行制御するのが副制御基板330であるが、以下では、遊技状態が最優位状態に設定されている場合に実行される演出について一例を用いて説明する。なお、上記したように、最優位状態では、特2保留が実質変動対象に設定されている。したがって、ここでは、最優位状態において適切に遊技が行われ、実質変動対象である特2保留に基づく大役抽選が行われる際の演出について説明する。
図49は、最優位状態における演出の一例を説明する図である。上記したように、本実施形態では、6つ(実質上は5つ)の遊技状態が設けられており、副制御基板330では、設定中の遊技状態に応じて演出モードが設定される。各演出モードには、演出表示部200aに表示される背景画像やBGMが規定されており、遊技中は、設定されている演出モードに応じて、演出表示部200aに背景画像が表示され、また、音声出力装置206からBGMが出力されている。
主制御基板300において最優位状態に設定されている場合には、副制御基板330において最優位モードに設定される。この最優位モード中は、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示および停止表示に合わせて変動演出が実行される。最優位モード中の変動演出では、図49(a)に示す図柄配列212が変動表示および停止表示されるリール演出が行われる。図柄配列212は、タオル、ベル、スイカ、チェリーの4種類の絵柄で構成されている。最優位モード中は、図49(b)に示すように、演出表示部200aの下部に、第1リール表示部214a、第2リール表示部214b、第3リール表示部214cの3つの表示領域に区画されたリール表示部214が設けられる。
第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示が開始されると、図49(b)に示すように、リール表示部214において図柄配列212が変動表示を開始する。なお、図中下向きの白抜き矢印は、図柄配列212の縦方向のスクロール表示を示している。そして、大役抽選の結果がハズレであり、第2特別図柄表示器162にハズレ図柄(特別図柄Y)が停止表示されると、これに合わせて、図49(c)に示すように、第1リール表示部214a、第2リール表示部214b、第3リール表示部214cに、それぞれタオルが停止表示される。つまり、図柄配列212に含まれるタオルの絵柄が3つ揃うことで、大役抽選の結果がハズレであったことが遊技者に報知される。なお、上記のリール演出中は、演出表示部200aに最優位モード用の背景画像が表示されている。
また、最優位状態では、頻繁に小当たり遊技が実行され、この小当たり遊技において、遊技球が第2大入賞口128に入球することで、遊技球の発射数よりも払い出される賞球数が多くなり、大当たりに当選せずとも、遊技球数が徐々に増加していく。したがって、所定の小当たり図柄(特別図柄Z4、Z5)が決定された場合には、図49(d)、(e)に示すように、第1リール表示部214a、第2リール表示部214b、第3リール表示部214cにおいて図柄配列212がスクロール表示された後に、それぞれベルが停止表示される。つまり、図柄配列212に含まれるベルの絵柄が3つ揃うことで、大役抽選の結果が小当たりであったことが報知される。
また、最優位モード中は、上記のリール演出とともに保留表示演出が実行される。保留表示演出においては、演出表示部200aの右側に設けられた保留表示領域216に保留表示218が表示される。保留表示領域216は、当該保留表示領域216aと、前保留表示領域216bとに区分けされている。当該保留表示領域216aには、大役抽選で処理領域(第0記憶部)に読み出された特2保留に対応する保留表示218が表示され、前保留表示領域216bには、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留に対応する保留表示218が表示される。このとき、当該保留表示領域216aに表示される保留表示218は、前保留表示領域216bに表示される保留表示218よりも大きくなっている。
例えば、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示中であって、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部のそれぞれに特2保留が記憶されている場合には、図49(b)に示すように、当該保留表示領域216aに1つの保留表示218が表示され、前保留表示領域216bに4つの保留表示218が表示される。
そして、この状態において、大役抽選の結果がハズレであり、第2特別図柄表示器162にハズレ図柄が停止表示された場合には、図49(c)に示すように、第2特別図柄表示器162にハズレ図柄が停止表示されるのに伴って、当該保留表示領域216aから保留表示218が消去される。つまり、第2特別図柄表示器162におけるハズレ図柄の停止表示に伴って、当該保留表示領域216aにおける保留表示218の表示が終了となる。
主制御基板300においては、第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示される時間、すなわち、確定時間(S620−23でセットされる特別図柄変動停止時間)が0.5秒に設定されている。確定時間が経過すると、第1記憶部から第0記憶部に特2保留が読み出されて大役抽選が行われるとともに、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留が、第1記憶部〜第3記憶部にシフトされる。これに伴い、副制御基板330においては、次の変動演出が開始されるが、この変動演出の開始に伴って、図49(d)に示すように、保留表示218がシフト表示される。具体的には、前保留表示領域216bのうち、もっとも下方に表示されている保留表示218が当該保留表示領域216aに移動し、前保留表示領域216bに表示されている他の保留表示218は、それぞれ1つ分だけ下方に移動する。
ここで、大役抽選の結果が小当たりであり、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示された場合には、確定時間の経過後に小当たり遊技が実行される。詳しくは後述するが、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示された場合には、図49(e)に示すように、小当たり図柄の停止表示後、より詳細には、確定時間中や小当たり遊技中も、当該保留表示領域216aに保留表示218が表示されたままとなる。
なお、このリール演出中においても、演出表示部200aには、最優位モード用の背景画像が表示されている。また、最優位モード中に大当たりに当選した場合には、リール演出に代えて、もしくはリール演出に加えて、特別演出が実行される。
図50は、大当たりパターンの特別演出の一例を説明する図である。本実施形態では、最優位状態において特2保留によって大当たりに当選した場合、必ず、大当たりパターンの特別演出が実行される。なお、ここでは、大当たり当選時に必ず大当たりパターンの特別演出が実行されることとするが、例えば、大当たり当選時に特別演出が実行されず、上記のリール演出のみが実行されることがあってもよい。
大当たりパターンの特別演出は、複数の演出パートで構成されており、まず、第1の演出パートとして共通演出が実行される。共通演出では、図50(a)、(b)に示すように、「闘魂」と記された扉画像が背景画像に重畳表示されるとともに、この扉画像が徐々に閉じられていく。ただし、共通演出では、図50(b)に示すように、扉画像が完全に閉じきることなく、扉画像の隙間に背景画像が表示されている。
そして、第1の演出パートとしての共通演出が終了すると、第2の演出パートとして分岐演出が実行される。この分岐演出は、第1分岐演出と第2分岐演出とに区分けされており、共通演出に続いて、まず、第1分岐演出が開始となる。第1分岐演出では、図50(c)に示すように、共通演出で演出表示部200aに表示された扉画像が完全に閉じられるとともに、演出操作装置208の押下操作を促すボタン画像が扉画像に重畳表示される。
このとき、演出操作装置208の操作を有効とする操作有効期間(例えば1〜2秒)が設定され、操作有効期間中に演出操作装置208の操作が検出されるか、あるいは、演出操作装置208の操作が検出されることなく操作有効期間が経過すると、第1分岐演出が終了となり、第2分岐演出が開始される。つまり、演出操作装置208の操作検出、あるいは、操作有効期間の経過が、第1分岐演出の終了条件および第2分岐演出の開始条件に設定されている。
第2分岐演出が開始されると、演出表示部200aの表示画像が、所定時間(例えば1〜2秒)をかけて徐々にブラックアウトしていく。その後、図50(d)に示すように、第1分岐演出と同様に、ボタン画像が黒の背景画像(以下、暗転画像という)に重畳表示されるとともに、演出表示部200aに「連打」と表示され、演出操作装置208の連打操作が促される。このとき、演出操作装置208の操作を有効とする操作有効時間(例えば6秒)が設定され、操作有効時間内で演出操作装置208の操作が検出されたことを条件として、図50(e)、(f)に示すように、暗転画像が徐々に開かれていく。このとき、暗転画像の背面側には、「RUSH GET」と記された特別背景画像が表示されており、暗転画像が開かれることにより、特別背景画像が徐々に拡大していくこととなる。
ここで、特別演出の大当たりパターンは、第1の大当たりパターンと第2の大当たりパターンとが設けられている。特2保留によって大当たりに当選した場合には、大当たり図柄として特別図柄G、H、Iのいずれかが決定される。このとき、特別図柄Gが決定されると、大役遊技後の遊技状態が通常時短状態となり、特別図柄H、Iが決定されると、大役遊技後の遊技状態が再度、最優位状態となる。
大役遊技後の遊技状態が通常時短状態となる場合、つまり、特別図柄Gが決定された場合には、必ず、第1の大当たりパターンの特別演出が実行される。この第1の大当たりパターンの特別演出では、暗転画像が完全に開ききることがなく、換言すれば、特別背景画像が完全に表示されることがなく、操作有効時間が経過することとなる。
そして、第1の大当たりパターンの特別演出では、操作有効時間が経過したところで第2分岐演出が終了となり、第3の演出パートとして第1大当たり報知演出が実行される。この第1大当たり報知演出では、図50(g)に示すように、演出図柄210a、210b、210cが演出表示部200aに停止表示される。演出表示部200aに停止表示される演出図柄210a、210b、210cは、演出表示部200aに表示される全ての画像の中で最もプライオリティが高く設定されており、暗転画像に重畳して最前面に表示される。このとき、演出図柄210a、210cは同一の図柄で表示され、演出図柄210bは、演出図柄210a、210cと1つ数字がずれた図柄で表示される通常大当たり組み合わせとなっている。その後、図50(h)に示すように、第2遊技領域116bに向けた遊技球の発射操作を促す画像が表示される。この画像は、大役遊技中も継続して表示されることとなる。
なお、この第1大当たり報知演出は、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示中から、大役遊技が終了するまでの間、継続して実行される。そして、大役遊技が終了して通常時短状態に設定されると、通常時短状態用の演出モードに設定されることとなる。ただし、上記の第1大当たり報知演出は、大役遊技の開始前まで実行することとし、大役遊技中は他の演出を実行してもよい。
一方、大役遊技後も最優位状態が継続する場合、つまり、特別図柄H、Iが決定された場合には、必ず、第2の大当たりパターンの特別演出が実行される。この第2の大当たりパターンの特別演出においても、第1の大当たりパターンの特別演出と同様に、操作有効時間内で演出操作装置208の操作が検出されたことを条件として、暗転画像が徐々に開かれていく。このとき、第2の大当たりパターンの特別演出では、暗転画像が完全に開かれ、演出表示部200aの全面に特別背景画像が表示されるように設定されている。そして、第2の大当たりパターンの特別演出においては、暗転画像が完全に開かれるか、もしくは、操作有効時間が経過したところで第2分岐演出が終了となり、第3の演出パートとして第2大当たり報知演出が実行される。
この第2大当たり報知演出では、まず、演出役物装置202が演出表示部200aの前面まで作動して、演出表示部200aを遊技者が視認できないように被覆する。その後、所定時間(例えば2〜3秒)が経過すると、演出役物装置202が演出表示部200aの前面から退避する。このとき、図50(i)に示すように、演出表示部200aの全面には、特別背景画像が表示されており、この特別背景画像に重畳して、演出図柄210a、210b、210cが停止表示されている。演出図柄210a、210b、210cは、それらの全てが同一の図柄で表示される確変大当たり組み合わせとなっている。その後、図50(j)に示すように、第2遊技領域116bに向けた遊技球の発射操作を促す画像が表示される。この画像は、大役遊技中も継続して表示されることとなる。
上記のように、第1の大当たりパターンおよび第2の大当たりパターンの特別演出では、第2分岐演出において演出操作装置208の操作が検出されると、暗転画像が徐々に開かれていく。このとき、第2の大当たりパターンの特別演出においては、第2分岐演出中に特定予告演出が実行され得る。
図51は、特定予告演出の一例を説明する図である。上記したように、第2の大当たりパターンの特別演出において、第2分岐演出中に、演出操作装置208の操作が検出されると、図51(a)、(b)に示すように、暗転画像が徐々に開かれていく。副制御基板330では、演出操作装置208の操作が検出されると、特定予告演出の実行有無が抽選により決定され、この抽選で当選するとともに、所定の実行条件が成立していると判定した場合に、特定予告演出が実行される。この特定予告演出では、図51(c)に示すように、特定画像220が演出表示部200aに表示される。特定画像220は、演出図柄210a、210b、210cよりもプライオリティが低く設定されており、また、特別背景画像や暗転画像、さらには、暗転画像に表示されるボタンを模した画像よりもプライオリティが高く設定されている。したがって、特定画像220が表示される場合には、暗転画像の開き具合に拘わらず、特定画像220の全体が演出表示部200aに表示されることとなる。ここでは、特定画像220が、演出表示部200aの大半を覆う大きさであり、遊技者にインパクトを確実に与えるように構成されているが、特定画像220の内容は特に限定されるものではなく、所定の図柄、絵柄、記号等で構成されてもよい。
この特定画像220の表示時間は1秒に設定されており、特定画像220の表示開始から1秒が経過すると、図51(d)に示すように、特定画像220が非表示となり、以後は、特定予告演出が実行されない場合と同様に変動演出が行われることとなる。なお、この特定予告演出は、第1の大当たりパターンの特別演出において実行されることはなく、第2の大当たりパターンの特別演出においてのみ実行され得る。したがって、特定予告演出が実行された場合には、その時点で、第2大当たり報知演出が実行されること、すなわち、最優位状態の継続が遊技者に報知されることとなる。
なお、ここでは、第2の大当たりパターンの特別演出においてのみ特定予告演出が実行されることとしたが、第1の大当たりパターンの特別演出においても特定予告演出が実行されるとしてもよい。この場合、第2の大当たりパターンの特別演出の方が、第1の大当たりパターンの特別演出よりも、特定予告演出の実行確率を高確率に設定すればよい。また、例えば、大当たり図柄の種別、つまり、特別図柄H、Iに応じて、特定予告演出の実行確率を異ならせてもよい。この場合には、特定予告演出により、大当たり当選時に実行されるラウンド遊技の回数が示唆されることとなる。
また、特別演出中は、図51(a)〜(d)に示すように、ミニ図柄222が変動表示されている。このミニ図柄は、特定画像220よりもプライオリティが高く設定されており、特別背景画像や暗転画像の表示中も遊技者が視認可能に表示されている。このミニ図柄は、図柄の変動表示中であることを遊技者に知らしめるものであり、ここでは、第1リール表示部214a、第2リール表示部214b、第3リール表示部214cに表示される図柄配列212も小さく表示されている。なお、ミニ図柄222は、図柄配列212と異なる所定の図柄を点滅等させてもよい。
また、特定画像220は、特定画像220よりも表示レイヤ層が後ろの表示レイヤ層に表示される所定の絵柄や背景画像等をうっすらと視認させる程度の透過率に設定してもよい。この場合、特定画像220が表示されても、後ろの表示レイヤ層で表示されている画像の表示が中断されたという不満を抑制することができる。
以上説明したように、大当たりには、大役遊技後に通常時短状態に設定される第1の大当たり(特別図柄G)と、大役遊技後に通常時短状態よりも有利な最優位状態に設定される第2の大当たり(特別図柄H、I)と、が含まれる。また、大当たりに当選した場合に決定される特別演出の実行パターンには、共通演出が実行された後に、大当たり報知演出が実行される大当たりパターンが含まれる。そして、大当たりパターンには、第1の大当たりに当選した場合に決定され得る実行パターンであって、共通演出が実行された後に分岐演出が実行され、分岐演出後に、第1大当たり報知演出が実行される第1の大当たりパターンと、第2の大当たりに当選した場合に決定され得る実行パターンであって、共通演出が実行された後に分岐演出が実行され、分岐演出後に、第2大当たり報知演出が実行される第2の大当たりパターンと、が含まれる。
このように、大役遊技後に最優位状態が終了してしまう場合と、大役遊技後も最優位状態が継続する場合とで、第1および第2の演出パートが共通化されており、遊技者に高い緊張感と期待感が付与され、演出効果の向上ならびに遊技の興趣向上が図られている。ここで、特別演出の実行パターンとして、大当たりパターンのみが設けられると、共通演出の開始時に大当たりの当選が確定してしまう。本実施形態では、より演出効果を高めるべく、特別演出の実行パターンとして小当たりパターンが設けられている。本実施形態では、特別演出の小当たりパターンとして、通常小当たりパターンと特殊小当たりパターンとが設けられている。
図52は、通常小当たりパターンの特別演出の一例を説明する図である。通常小当たりパターンの特別演出は、複数の演出パートで構成されており、まず、第1の演出パートとして、大当たりパターンと同じ共通演出が実行される。つまり、通常小当たりパターンの特別演出においても、図52(a)、(b)に示すように、「闘魂」と記された扉画像が徐々に閉じられていく。
そして、第1の演出パートとしての共通演出が終了すると、第2の演出パートとして、第1小当たり報知演出が実行される。この第1小当たり報知演出では、図52(c)に示すように、共通演出で演出表示部200aに表示された扉画像が破壊され、背景画像が全面に表示されるとともに、この背景画像に「継続」の文字が重畳表示される。この通常小当たりパターンの特別演出中は、リール演出が同時並行して実行されており、リール表示部214にベルが表示される。通常小当たりパターンの特別演出は、小当たり遊技中も継続して実行され、小当たり遊技が終了して第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示が再開されると、図52(d)に示すように、リール演出が再開される。
図53は、特殊小当たりパターンの特別演出の一例を説明する図である。特殊小当たりパターンの特別演出は、複数の演出パートで構成されており、まず、第1の演出パートとして、大当たりパターンおよび通常小当たりパターンと同じ共通演出が実行される。つまり、特殊小当たりパターンの特別演出においても、図53(a)、(b)に示すように、「闘魂」と記された扉画像が徐々に閉じられていく。
そして、第1の演出パートとしての共通演出が終了すると、第2の演出パートとして、大当たりパターンと同じ分岐演出が実行される。この分岐演出では、上記の第1分岐演出が実行され、図53(c)に示すように、共通演出で演出表示部200aに表示された扉画像が完全に閉じられるとともに、演出操作装置208の押下操作を促すボタン画像が扉画像に重畳表示される。
この場合にも、上記と同様に、演出操作装置208の操作を有効とする操作有効期間(例えば1〜2秒)が設定され、操作有効期間中に演出操作装置208の操作が検出されるか、あるいは、演出操作装置208の操作が検出されることなく操作有効期間が経過すると、第1分岐演出が終了となる。ここで、大当たりパターンの特別演出では、第1分岐演出の終了と同時に第2分岐演出が開始されるが、特殊小当たりパターンの特別演出では、第1分岐演出の終了と同時に、第2小当たり報知演出が実行される。
この第2小当たり報知演出では、図53(d)に示すように、演出表示部200aに、所定のキャラクタと、「お願いしま〜す!」というメッセージとが所定時間表示される。その後、所定のタイミングで、図53(e)に示すように、背景画像とリール表示部214とが表示される。このとき、リール表示部214にはベルが表示されており、小当たりの当選がリール演出によっても遊技者に報知されることとなる。
図54は、特別演出の分岐ルートを説明する図である。上記したように、特別演出は、第1の大当たりパターン、第2の大当たりパターン、通常小当たりパターン、特殊小当たりパターンの4つの実行パターンが設けられている。特別演出は、これら4つのいずれの実行パターンにおいても、共通演出(図54(a))が実行される。そして、この共通演出の後に第1の分岐点が設けられており、通常小当たりパターンの特別演出では、共通演出に続いて第1小当たり報知演出(図54(b))が実行される。
一方、第1の大当たりパターン、第2の大当たりパターン、特殊小当たりパターンの特別演出では、共通演出に続いて第1分岐演出(図54(c))が実行される。そして、この第1分岐演出の後に第2の分岐点が設けられており、特殊小当たりパターンの特別演出では、第1分岐演出に続いて第2小当たり報知演出(図54(d))が実行される。
これに対して、第1の大当たりパターン、第2の大当たりパターンの特別演出では、第1分岐演出に続いて第2分岐演出(図54(e))が実行される。そして、この第2分岐演出の後に第3の分岐点が設けられており、第1の大当たりパターンの特別演出では、第2分岐演出に続いて第1大当たり報知演出(図54(f)、(g))が実行され、第2の大当たりパターンの特別演出では、第2分岐演出に続いて第2大当たり報知演出(図54(h)、(i))が実行される。
以上のように、小当たりの当選時に決定される特別演出の実行パターンには、共通演出が実行された後に、小当たり報知演出が実行される小当たりパターンが含まれる。このように、大当たりパターンと同じ共通演出が実行された後に小当たりの当選が報知されることから、大当たりに当選して最優位状態が終了してしまう危険を回避できたという印象が遊技者に付与される。これにより、単にリール演出が実行される場合に比べて、最優位状態が継続することや、小当たり遊技によって賞球を獲得することができる喜びが高められる。
また、小当たりパターンには、共通演出が実行された後に分岐演出が実行され、分岐演出の開始後に小当たり報知演出(第2小当たり報知演出)が実行される特殊小当たりパターンと、共通演出が実行された後に分岐演出が実行されることなく、小当たり報知演出(第1小当たり報知演出)が実行される通常小当たりパターンと、が含まれる。つまり、大当たりから小当たりに分岐するタイミングが2段階設けられており、演出効果をより一層向上させることができる。
次に、上記の特別演出を実行するための副制御基板330の処理について説明し、その後、上記の保留表示演出を実行するための副制御基板330の処理について説明する。
図55(a)は、特別図柄と変動パターン番号との関係の一例を説明する図であり、図55(b)は、演出決定テーブルを説明する図である。遊技者が適切に遊技を行っている場合、最優位状態では、大当たり当選時に特別図柄G、H、Iのいずれかが決定される。主制御基板300では、最優位状態において特別図柄Gが決定された場合に、A0Hの変動パターン番号が決定され、最優位状態において特別図柄Hが決定された場合に、A1Hの変動パターン番号が決定され、最優位状態において特別図柄Iが決定された場合に、A2Hの変動パターン番号が決定される。なお、ここでは、理解を容易とするため、特別図柄G、H、Iが決定された場合に、それぞれA0H、A1H、A2Hの変動パターン番号のみが決定されることとするが、これとは別の変動パターン番号が決定されることがあってもよい。
また、最優位状態では、小当たり当選時に特別図柄Z4、Z5、Z6のいずれかが決定される。主制御基板300では、最優位状態において特別図柄Z4、Z5が決定された場合に、B0H、B1H、00Hの変動パターン番号のうちのいずれかが決定され、最優位状態において特別図柄Z6が決定された場合に、B0H、B1Hの変動パターン番号のうちのいずれかが決定される。なお、ここでは、理解を容易とするため、特別図柄Z4、Z5、Z6が決定された場合に、B0H、B1H、00Hの変動パターン番号のいずれかのみが決定されることとするが、これとは別の変動パターン番号が決定されることがあってもよい。
また、最優位状態では、ハズレ時に特別図柄Yが決定される。主制御基板300では、最優位状態において特別図柄Yが決定された場合に、00Hの変動パターン番号が決定される。
上記のようにして、主制御基板300において変動パターン番号が決定されると、当該変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330においては、受信した変動パターンコマンドに基づき、演出決定テーブルを参照して特別演出の実行有無ならびに実行パターンが決定される。演出決定テーブルは、図55(b)に示すように、受信し得る変動パターンコマンド(変動パターン番号)ごとに、特別演出の実行有無、ならびに、特別演出の各実行パターンの選択比率が設定されている。
具体的には、A0Hの変動パターン番号に対して、第1の大当たりパターンの特別演出の実行が決定されるように選択比率の設定がなされている。同様に、A1H、A2Hの変動パターン番号に対して、第2の大当たりパターンの特別演出の実行が決定され、B0Hの変動パターン番号に対して、通常小当たりパターンの特別演出の実行が決定され、B1Hの変動パターン番号に対して、特殊小当たりパターンの特別演出の実行が決定されるように設定されている。なお、00Hの変動パターン番号に対しては、特別演出の不実行を示す「なし」が決定されるように設定されている。
ここで、特別図柄Z4、Z5が決定された場合には、大入賞口が0.1秒の開放を2回または3回繰り返す小当たり遊技(以下、第1の小当たり遊技という)が実行されるのに対して、特別図柄Z6が決定された場合には、大入賞口が0.1秒の開放を12回繰り返す小当たり遊技(以下、第2の小当たり遊技という)が実行される。上記したように、第1の小当たり遊技では、平均で2〜4個の遊技球が大入賞口に入球し、第2の小当たり遊技では、ほぼ確実に規定数(例えば8個)の遊技球を大入賞口に入球させることができる。
そして、特別図柄Z4、Z5が決定された場合、B0Hの変動パターン番号が5%、B1Hの変動パターン番号が1%、00Hの変動パターン番号が94%の確率で決定される。つまり、獲得可能な賞球数が少ない第1の小当たり遊技が実行される場合、5/100の確率で通常小当たりパターンの特別演出が実行され、1/100の確率で特殊小当たりパターンの特別演出が実行され、94/100の確率で特別演出の不実行が決定される。
一方、特別図柄Z6が決定された場合、B0Hの変動パターン番号が5%、B1Hの変動パターン番号が95%の確率で決定される。したがって、獲得可能な賞球数が多い第2の小当たり遊技が実行される場合、5/100の確率で通常小当たりパターンの特別演出が実行され、95/100の確率で特殊小当たりパターンの特別演出が実行される。
このように、第1の小当たり遊技が実行される第1の小当たりと、第1の小当たり遊技よりも有利な第2の小当たり遊技が実行される第2の小当たりと、が含まれ、特殊小当たりパターンは、第2の小当たりに当選した場合の方が、第1の小当たりに当選した場合よりも高確率で決定される。これにより、特別演出において、大当たりから小当たりに分岐するタイミングが遅い場合には、より有利な特典が付与される可能性が高くなり、より一層演出効果を向上させることができる。
図56は、第1の大当たりパターンおよび第2の大当たりパターンの特別演出の実行が決定された場合の処理を説明する図である。上記したように、演出決定テーブルを参照して第1の大当たりパターンおよび第2の大当たりパターンの特別演出の実行が決定された場合には、まず、特定予告演出決定テーブルを参照して、特定予告演出の出現可否が決定される。特定予告演出決定テーブルによれば、図56(a)に示すように、特定予告演出を出現不可能とする「出現不可」、もしくは、特定予告演出を出現可能とする「出現可」のいずれかが決定されるように、変動パターン番号ごとに選択比率が設定されている。
具体的には、第1の大当たりパターンの特別演出の実行が決定されるA0Hの変動パターン番号には、必ず、「出現不可」が決定されるように選択比率が設定されている。また、第2の大当たりパターンの特別演出の実行が決定されるA1Hの変動パターン番号には、「出現不可」が50/250、「出現可」が200/250の確率で決定されるように選択比率が設定されている。さらに、第2の大当たりパターンの特別演出の実行が決定されるA2Hの変動パターン番号には、「出現不可」が150/250、「出現可」が100/250の確率で決定されるように選択比率が設定されている。
なお、特定予告演出を出現可能とする決定がなされた場合には、第2分岐演出中に演出操作装置208の操作が検出されると、特定予告演出を実行するか否かの抽選が行われ、この抽選で当選すると、特定予告演出が実行される。したがって、特定予告演出を出現可能とする決定がなされたとしても、特定予告演出が必ずしも実行されるとは限らない。これに対して、特定予告演出を出現不可能とする決定がなされた場合には、第2分岐演出中に演出操作装置208の操作が検出されても、特定予告演出を実行するか否かの抽選が行われることがない。したがって、特定予告演出を出現不可能とする決定がなされた場合に、特定予告演出が実行されることはない。
また、第1の大当たりパターンおよび第2の大当たりパターンの特別演出の実行が決定された場合には、シナリオ決定テーブルを参照して、シナリオが決定される。シナリオ決定テーブルによれば、図56(b)に示すように、10種類のシナリオのうちのいずれかが決定されるように、変動パターン番号ごとに選択比率が設定されている。
本実施形態において、シナリオは、第2分岐演出中の暗転画像の段階と進展可能時間とを規定したものである。つまり、操作有効時間内において演出操作装置208の操作が検出された場合に、暗転画像をどこまで開いてよいかを、操作有効時間の残り時間に対応付けたものである。具体的には、暗転画像の段階は7段階に分割されており、演出表示部200aの全面に暗転画像が表示された状態(図50(d)参照)を初期段階とし、以後、2段階目から6段階目まで段階が進展するのに伴って、暗転画像が開かれていく。そして、最終段階は、暗転画像が完全に開かれた状態、すなわち、第2分岐演出の終了を意味している。
例えば、シナリオNo.1が決定された場合、操作有効時間の残り時間が4.5秒以下となると、暗転画像が2段階目まで進展可能となる。したがって、操作有効時間は当初6.0秒に設定されるため、操作有効時間が設定されてから、1.5秒間は、遊技者が演出操作装置208を操作したとしても、暗転画像が開かれることはない。同様に、シナリオNo.1が決定された場合には、残り時間が3.0秒以下となると暗転画像が3段階目まで進展可能となり、残り時間が2.5秒以下となると暗転画像が4段階目まで進展可能となり、残り時間が2.0秒以下となると暗転画像が5段階目まで進展可能となり、残り時間が1.5秒以下となると暗転画像が6段階目まで進展可能となる。ここで、シナリオNo.1においては、最終段階に進展可能となる残り時間が設定されていないため、暗転画像が最終段階まで進展することはない。
したがって、図56(c)からも明らかなように、シナリオNo.1〜シナリオNo.3が決定された場合には、暗転画像が最終段階まで進展することはなく、シナリオNo.4〜シナリオNo.10が決定された場合に、暗転画像が最終段階まで進展可能となる。図56(b)に示すように、シナリオ決定テーブルによれば、変動パターン番号がA0Hの場合に、シナリオNo.1〜シナリオNo.3のいずれかが決定され、シナリオNo.4〜シナリオNo.10が決定されることはない。一方、このシナリオ決定テーブルによれば、変動パターン番号がA1HまたはA2Hの場合に、シナリオNo.1〜シナリオNo.3が決定されることはなく、シナリオNo.4〜シナリオNo.10のいずれかが決定される。これにより、第1の大当たりパターンの特別演出では、暗転画像が最終段階まで進展することがなく、第2の大当たりパターンの特別演出では、暗転画像が最終段階まで進展可能となる。
ここで、上記したように、第2の大当たりパターンの特別演出では、特定予告演出が実行される場合がある。特定予告演出では、特定画像220が暗転画像に1秒間、重畳表示される。しかしながら、特定予告演出の実行タイミングによっては、他の演出との重複により、かえって演出効果が低下する可能性がある。本実施形態では、第2大当たり報知演出の開始前に、特定画像220の表示が終了する場合に限り、特定予告演出を実行可能としている。
図57は、特定予告演出の開始可能期間を説明する図である。ここでは、シナリオNo.4が決定された場合における特定予告演出の開始可能期間を図57(a)に示し、シナリオNo.10が決定された場合における特定予告演出の開始可能期間を図57(b)に示す。なお、図57(a)、(b)においては、横軸に操作有効時間の経過時間(残り時間)を示しており、各段階の白色部分は進展不可能であることを示し、クロスハッチング部分は進展可能であることを示している。
図57(a)に示すように、シナリオNo.4が決定された場合には、操作有効時間が設定されてから5.0秒が経過したところ、すなわち、操作有効時間の残り時間が1.0秒となったところで、暗転画像が最終段階に進展可能となる。つまり、第2大当たり報知演出の最短の実行タイミングは、操作有効時間の残り時間が1.0秒になったときと言える。また、特定予告演出において、特定画像220が1.0秒間、演出表示部200aに表示される。したがって、特定画像220の表示を、第2大当たり報知演出と時間的に確実に重複させないようにするためには、第2大当たり報知演出の最短の実行タイミングの1秒以上前に、特定予告演出を開始しなければならない。
そこで、本実施形態では、操作有効時間の開始からの経過時間(時間a)+特定予告演出の実行時間(時間b)<操作有効時間c−第2大当たり報知演出の最短の実行タイミングにおける残り時間(時間d)の関係が成立する場合に限り、特定予告演出を実行可能としている。したがって、シナリオNo.4が決定された場合における特定予告演出の開始可能期間は、操作有効時間の開始から4.0秒が経過するまでとなる。
また、例えば、シナリオNo.10が決定された場合には、操作有効時間が設定されてから2.5秒が経過したところ、すなわち、操作有効時間の残り時間が3.5秒となったところで、暗転画像が最終段階に進展可能となる。つまり、第2大当たり報知演出の最短の実行タイミングは、操作有効時間の残り時間が3.5秒になったときと言える。したがって、シナリオNo.10が決定された場合における特定予告演出の開始可能期間は、操作有効時間の開始から1.5秒が経過するまでとなる。
上記のように、特定予告演出の開始可能期間を制限することで、例えば、特定画像220が表示された後すぐに第2大当たり報知演出が実行され、演出表示部200aの前面に作動した演出役物装置202によって、特定画像220を遊技者が視認できなくなってしまうという事態を回避することができる。これにより、演出効果の低下が抑制され、遊技者に違和感や不快感を与えることもない。
次に、保留表示演出について説明する。図58(a)は、最終保留表示パターン決定テーブルを説明する図であり、図58(b)は、1つ前保留表示パターン決定テーブルを説明する図である。副制御基板330においては、先読み指定コマンドを受信すると、保留変化の許可条件が成立しているかを判定する。なお、保留変化の許可条件としては、例えば、遊技状態が所定の遊技状態であること、他の保留に対応する保留表示218がデフォルト以外に変化していない、および、変化する予定もないこと等が挙げられる。そして、保留変化の許可条件が全て成立していれば、最終保留表示パターン決定テーブルを参照して、当該保留表示領域216aにおける保留表示218の最終の表示パターンが決定される。
図58(a)に示すように、最終保留表示パターン決定テーブルによれば、先読み指定コマンド(変動パターン番号)ごとに、保留表示218の表示パターンの選択比率がそれぞれ設定されている。この最終保留表示パターン決定テーブルによれば、「デフォルト(白)」、「点滅」、「青」、「黄」、「緑」、「黒」、「赤」、「プレミア(虹)」の8種類の表示パターンのいずれかが決定される。なお、ここでは、「デフォルト(白)」→「点滅」→「青」→「黄」→「緑」→「黒」→「赤」→「プレミア(虹)」の順に信頼度が高くなるように、変動パターン番号(先読み指定コマンド)ごとに選択比率が設定されている。
そして、当該保留表示領域216aにおける保留表示218の最終の表示パターンが決定されると、それ以前に表示される保留表示218の表示パターンが、図58(b)に示す1つ前保留表示パターン決定テーブルを参照して決定される。この1つ前保留表示パターン決定テーブルによれば、保留表示218の表示パターンごとに、前保留表示領域216bに表示する保留表示218の表示パターンの選択比率が設定されている。
ここで、保留表示218は、保留表示領域216内でシフト表示されるたびに表示パターンが変化し得る。当該保留表示領域216aにおける保留表示218の表示パターンが決定されると、現在の特2保留数に応じて、保留表示218が最初に表示されてから最終的に消去されるまでの間に存在する全ての変化タイミングが特定され、その数だけ、1つ前保留表示パターン決定テーブルを参照して、保留表示218の表示パターンが決定される。
例えば、主制御基板300において、第2特図保留記憶領域の第1記憶部に保留が記憶されたとする。このとき、保留表示218の変化タイミングは、第1記憶部から第0記憶部へのシフト時の1つとなる。この場合、最終保留表示パターン決定テーブルを参照して、当該保留表示領域216aに表示する保留表示218の最終の表示パターンが決定され、次に、特2保留が第1記憶部に記憶されているときの保留表示218の表示パターンが、1つ前保留表示パターン決定テーブルを参照して決定される。このとき、保留表示218の表示パターンは、先に決定された当該保留表示領域216aに表示する表示パターンに基づいて決定される。例えば、当該保留表示領域216aにおける保留表示218の表示パターンが「青」であった場合、1つ前保留表示パターン決定テーブルによれば、「点滅」が200/250の確率で決定され、「青」が50/250の確率で決定される。
上記のようにして保留表示218の表示パターンが決定されると、決定された表示パターンで、保留表示領域216に保留表示218が表示される。この保留表示218は、第2始動口122に遊技球が入球して特2保留が記憶されたタイミングで表示開始となり、当該特2保留に基づく大役抽選の結果を報知する変動演出中まで継続して表示される。ここで、一般的な遊技機においては、第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示されるか、あるいは、新たに大役抽選が行われたときに、当該保留表示領域216aから保留表示218が消去される。しかしながら、本実施形態では、最優位状態において、頻繁に小当たり遊技が実行され、遊技球の発射球数よりも払出球数が多くなるように遊技の進行条件が設定されている。そのため、保留表示218の消去タイミングを一様に設定してしまうと、遊技者に違和感を与えるおそれがある。そこで、本実施形態では、上記したように、当該保留表示領域216aから保留表示218を消去するタイミングを特別図柄の種別に応じて異ならせている。
図59は、保留表示218の消去タイミングを説明する図である。最優位モードに設定されている場合に、特2保留に基づいて大役抽選が行われ、その結果がハズレであったとする。この場合には、図59(a)に示すように、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の開始(変動演出の開始)に伴って、保留表示218のシフト表示がなされる。つまり、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の開始時に、当該保留表示領域216aにおける保留表示218の表示が開始される。そして、第2特別図柄表示器162におけるハズレ図柄の停止表示(変動演出の終了)に伴って、当該保留表示領域216aから保留表示218が消去される。したがって、当該保留表示領域216aに保留表示218が表示される当該保留表示期間は、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の開始から終了までとなる。
このとき、前保留表示領域216bに表示されている保留表示218は、そのまま表示されたままとなっている。主制御基板300においては、第2特別図柄表示器162に0.5秒間、ハズレ図柄を停止表示(確定表示)させ、0.5秒が経過すると、次の大役抽選ならびに図柄の変動表示を開始する。この図柄の変動表示の開始に伴って、前保留表示領域216bに表示されている保留表示218がシフト表示される。つまり、大役抽選の結果がハズレであった場合には、ハズレ図柄が第2特別図柄表示器162に停止表示されている0.5秒間、当該保留表示領域216aに保留表示218が表示されない状態となる。このように、当該保留表示領域216aに表示されている保留表示218を先に消去し、0.5秒の間をもって前保留表示領域216bから当該保留表示領域216aに保留表示218をシフトさせることで、当該保留表示領域216aにおける保留表示218の更新に違和感が生じないようにしている。
しかしながら、上記と同様に、小当たり当選時においても、第2特別図柄表示器162における小当たり図柄の停止表示に伴って、当該保留表示領域216aから保留表示218が消去されると、小当たり遊技中、当該保留表示領域216aに保留表示218が長時間に亘って表示されないこととなり、遊技者に違和感や不信感を与えてしまう。そこで、本実施形態では、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示されて小当たり遊技が実行される場合、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示中に当該保留表示領域216aに表示される保留表示218を、小当たり遊技中も継続して表示する。
具体的には、特2保留に基づいて大役抽選が行われ、その結果が小当たりであった場合には、図59(b)に示すように、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の開始(変動演出の開始)に伴って、保留表示218のシフト表示がなされる。つまり、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の開始時に、当該保留表示領域216aにおける保留表示218の表示が開始される。そして、変動時間が経過すると、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示されるが、この間も、当該保留表示領域216aには、保留表示218が継続して表示される。
さらに、主制御基板300においては、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄を停止表示(確定表示)させてから0.5秒が経過すると、小当たり遊技が実行される。小当たり遊技では、まずオープニング時間(0.02秒)が設定され(図中OPと示す)、その後、第2大入賞口128が開閉制御され、第2大入賞口128の最後の開放が終了すると、大入賞口閉鎖有効時間(0.9秒)が設定され、その後、エンディング時間(0.1秒)が設定される(図中EDと示す)。エンディング時間が経過した際、特2保留が記憶されていれば、次なる大役抽選および図柄の変動表示が開始される。
副制御基板330においては、小当たり遊技において、第2大入賞口128の開放が終了したとき、すなわち、第2大入賞口128の最後の開放が終了した後の大入賞口閉鎖有効時間の開始時に、当該保留表示領域216aから保留表示218が消去される。また、小当たり遊技後、次の大役抽選ならびに図柄の変動表示の開始に伴って、前保留表示領域216bに表示されている保留表示218がシフト表示される。
以上のように、何らの遊技利益も付与しないことが規定されたハズレ図柄と、小当たり遊技の実行が規定された小当たり図柄とが特別図柄に含まれる。そして、第2特別図柄表示器162にハズレ図柄が停止表示されてから所定の確定時間が経過した際に、メインRAM300cに特2保留が記憶されていると、始動条件が成立したものとして特別図柄が決定される。第2特別図柄表示器162にハズレ図柄が停止表示された場合、第2特別図柄表示器162におけるハズレ図柄の停止表示時に、当該保留表示領域216aにおける保留表示218の表示を終了させる。一方、小当たり遊技が実行される場合、小当たり遊技中も継続して当該保留表示領域216aに保留表示218を表示させる。このように、第2特別図柄表示器162に停止表示される図柄の種別に応じて、当該保留表示領域216aから保留表示218を消去するタイミングを異ならせることで、遊技者に違和感を与えることがなくなり、演出効果を向上させることができる。
特に、本実施形態では、大役抽選で決定された特別図柄の種別に応じて変動演出が実行されるが、小当たり図柄が決定された場合には、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示から小当たり遊技に跨って変動演出が実行される。つまり、小当たり当選時には、図柄の変動表示中から小当たり遊技中まで、一連の演出が継続的に実行される。そのため、変動演出の途中で当該保留表示領域216aから保留表示218が消去されるとともに、保留表示218が表示されていない状態が長く続くと、より一層違和感が大きくなってしまう。上記のように、保留表示218を小当たり遊技中まで継続して表示させることで、図柄の変動表示中から小当たり遊技中まで変動演出を継続させたとしても、違和感が生じることがない。
以下に、上記の特別演出および保留表示演出を実行するための副制御基板330の具体的な制御処理について説明する。なお、ここでは、最優位状態における特別演出および保留表示演出に係る処理について説明し、その他の遊技状態および演出に係る処理については説明を省略する。また、以下では、理解を容易とするため、副制御基板330における実際の処理とは順番を入れ替えて説明する。
(副制御基板330のサブCPU初期化処理)
図60は、副制御基板330のサブCPU初期化処理(S1000)を説明するフローチャートである。
(ステップS1000−1)
サブCPU330aは、電源投入に応じて、サブROM330bからCPU初期化処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM330cに記憶されるフラグ等の初期化、設定処理を行う。
(ステップS1000−3)
次に、サブCPU330aは、各演出乱数を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1000−3の処理を繰り返し行う。なお、演出乱数は複数種類設けられており、ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
(副制御基板330のサブタイマ割込み処理)
図61は、副制御基板330のサブタイマ割込み処理(S1100)を説明するフローチャートである。副制御基板330には、所定の周期でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU330aはタイマ割込み処理プログラムを読み込んで当該サブタイマ割込み処理を開始する。
(ステップS1100−1)
サブCPU330aは、レジスタを退避する。
(ステップS1100−3)
サブCPU330aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS1100−5)
サブCPU330aは、副制御基板330で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該副制御基板330のサブタイマ割込み処理の度に1ずつ減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS1200)
サブCPU330aは、サブRAM330cの受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を行う。副制御基板330においては、主制御基板300からコマンドが送信されると、コマンド受信割込み処理が行われ、主制御基板300から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。ここでは、コマンド受信割込み処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析することとなる。
(ステップS1300)
サブCPU330aは、特別演出を実行制御するための特別演出実行処理を行う。この特別演出実行処理については、図64を用いて後述する。
(ステップS1100−7)
サブCPU330aは、演出の経過時間を計時するとともに、演出ごとにセットされるタイムテーブルを参照して、当該タイムテーブルに記憶された該当時間に対応する処理を実行するタイムスケジュール管理処理を行う。ここでは、タイムテーブルにセットされたタイムデータに基づいて、各種のフラグをオン、オフしたり、あるいは、各演出デバイスにコマンドを送信したりすることで、各演出の実行を制御することとなる。また、ここでは、演出操作装置208の操作有効期間の設定や、演出操作装置208の操作検出に伴って、各種の演出を実行するための処理がなされる。
(ステップS1100−9)
サブCPU330aは、レジスタを復帰して当該サブタイマ割込み処理を終了する。
図62は、上記コマンド解析処理のうち、先読み指定コマンドを受信した際に実行される先読み指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、先読み指定コマンドは、主制御基板300において、図23のステップS536でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(図16参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1210−1)
サブCPU330aは、まず、受信した先読み指定コマンドを解析する。
(ステップS1210−3)
サブCPU330aは、上記ステップS1210−1の解析結果を事前判定情報として事前判定情報記憶部に記憶する。なお、副制御基板330のサブRAM330cには、主制御基板300の第2特図保留記憶領域に対応する事前判定情報記憶部が設けられている。事前判定情報記憶部は第1記憶部〜第4記憶部の4つの記憶部を備えており、これら事前判定情報記憶部の第1記憶部〜第4記憶部は、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部にそれぞれ対応している。ここでは、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部のうち、新たに特2保留が記憶された記憶部に対応する対象記憶部に事前判定情報が記憶される。そして、事前判定情報として、図柄情報、変動モード番号、変動パターン番号を示す情報が記憶されることとなる。また、主制御基板300においては、第2特図保留記憶領域の第1記憶部から読み出された保留情報が転送される第0記憶部が設けられているが、事前判定情報記憶部にも、主制御基板300と同様に第0記憶部が設けられている。
(ステップS1210−5)
サブCPU330aは、保留変化の許可条件が全て成立しているかを判定する。なお、保留変化の許可条件は予め設定しておけば、その内容は特に限定されるものではない。保留変化の許可条件が全て成立していると判定した場合にはステップS1210−9に処理を移し、保留変化の許可条件が全て成立していないと判定した場合にはステップS1210−7に処理を移す。
(ステップS1210−7)
サブCPU330aは、新たに記憶された保留に対応する保留表示218の最終の表示パターンをデフォルト(白)に決定して記憶する。
(ステップS1210−9)
サブCPU330aは、最終保留表示パターン決定テーブル(図58(a))を参照し、上記ステップS1210−1の解析結果に基づいて、新たに記憶された保留に対応する保留表示218の最終の表示パターンを決定して記憶する。
(ステップS1210−11)
サブCPU330aは、保留が記憶された記憶部に基づいて、保留表示218の表示パターンを決定する回数、すなわち保留表示218の変化タイミングを導出し、導出した回数だけ、1つ前保留表示パターン決定テーブル(図58(b))を参照して、保留表示218の表示パターンを決定する。そして、決定した保留表示218の表示パターン情報を所定の記憶部に記憶する。
(ステップS1210−13)
サブCPU330aは、上記ステップS1210−11の決定に基づいて、新たに記憶された保留に対応する保留表示218の表示を開始する保留表示開始処理を実行し、当該先読み指定コマンド受信処理を終了する。これにより、保留が記憶された時点で、保留表示218の表示が開始されることとなる。
図63は、上記コマンド解析処理のうち、変動パターンコマンドを受信した際に実行される変動パターンコマンド受信処理を説明するフローチャートである。なお、変動パターンコマンドは、図30のステップS611−19でセットされた後、図16のステップS100−39で副制御基板330に送信される。
(ステップS1220−1)
サブCPU330aは、まず、受信した変動パターンコマンドを解析する。
(ステップS1220−3)
サブCPU330aは、事前判定情報記憶部の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている事前判定情報をシフトするとともに、上記ステップS1210−7〜ステップS1210−11で決定、記憶された表示パターンにしたがって保留表示218を保留表示領域216に表示させる保留シフト処理を行う。この保留シフト処理により、変動演出の開始時に保留表示218がシフト表示されることとなる。
(ステップS1220−5)
サブCPU330aは、上記ステップS1220−1の解析結果に基づき、演出決定テーブルを参照して、特別演出の実行有無ならびに実行パターンを決定する。
(ステップS1220−7)
サブCPU330aは、上記ステップS1220−1の解析結果に基づき、リール演出の実行有無や、リール演出においてリール表示部214に停止させる停止図柄を決定するリール演出決定処理を行う。
(ステップS1220−9)
サブCPU330aは、上記ステップS1220−5において、特別演出の実行が決定されたかを判定する。その結果、特別演出の実行が決定されたと判定した場合にはステップS1220−11に処理を移し、特別演出の実行は決定されなかったと判定した場合にはステップS1220−17に処理を移す。
(ステップS1220−11)
サブCPU330aは、特定予告演出決定テーブル(図56(a))を参照し、上記ステップS1220−1の解析結果に基づいて、特定予告演出の出現可否を決定して記憶する。
(ステップS1220−13)
サブCPU330aは、シナリオ決定テーブル(図56(b))を参照し、上記ステップS1220−1の解析結果に基づいてシナリオを決定して記憶する。
(ステップS1220−15)
サブCPU330aは、上記ステップS1220−1の解析結果に基づいて、最終的に演出表示部200aに停止表示させる演出図柄210a、210b、210cを決定して記憶する。
(ステップS1220−17)
サブCPU330aは、上記各ステップの決定に基づいてタイムテーブルのタイムデータをセットし、当該変動パターンコマンド受信処理を終了する。なお、ここでセットされたタイムテーブルに基づいて、上記ステップS1100−7において、変動演出画像を演出表示部200aに表示する処理や、変動演出画像に対応する音声出力処理、演出照明装置204の点灯制御処理等の演出実行制御がなされることとなる。
図64は、上記特別演出実行処理(S1300)を説明するフローチャートである。
(ステップS1300−1)
サブCPU330aは、まず、特別演出の実行中であるかを判定する。その結果、特別演出の実行中であると判定した場合にはステップS1300−3に処理を移し、特別演出の実行中ではないと判定した場合には当該特別演出実行処理を終了する。
(ステップS1300−3)
サブCPU330aは、第2分岐演出における操作有効期間の開始タイミング、すなわち、操作有効時間の計時開始タイミングであるかを判定する。その結果、操作有効期間の開始タイミングであると判定した場合にはステップS1300−5に処理を移し、操作有効期間の開始タイミングではないと判定した場合にはステップS1300−7に処理を移す。
(ステップS1300−5)
サブCPU330aは、操作有効時間の残り時間を計時する残り時間タイマに、タイマ値として所定値(ここでは6秒相当の値)をセットする。
(ステップS1300−7)
サブCPU330aは、操作有効期間中であるかを判定する。その結果、操作有効期間中であると判定した場合にはステップS1300−9に処理を移し、操作有効期間中ではないと判定した場合には当該特別演出実行処理を終了する。
(ステップS1300−9)
サブCPU330aは、残り時間タイマのタイマ値をデクリメント(1減算)する。
(ステップS1300−11)
サブCPU330aは、残り時間タイマのタイマ値が0であるかを判定する。その結果、タイマ値=0であると判定した場合にはステップS1300−13に処理を移し、タイマ値=0ではないと判定した場合にはステップS1300−15に処理を移す。
(ステップS1300−13)
サブCPU330aは、第2分岐演出を終了させる終了処理を行い、当該特別演出実行処理を終了する。この終了処理は、操作有効期間の終了時において、暗転画像が最終段階に到達していない場合に実行される。ここでは、第2分岐演出を終了させるとともに、第1の大当たりパターンの特別演出が実行されている場合には、第1大当たり報知演出を開始し、第2の大当たりパターンの特別演出が実行されている場合には、第2大当たり報知演出を開始する。
(ステップS1300−15)
サブCPU330aは、演出操作装置検出スイッチ208sから操作信号が入力されているかを判定する。その結果、操作信号が入力されていると判定した場合にはステップS1300−17に処理を移し、操作信号は入力されていないと判定した場合には当該特別演出実行処理を終了する。
(ステップS1300−17)
サブCPU330aは、上記ステップS1220−13で記憶されたシナリオと、残り時間タイマのタイマ値とから、現在、暗転画像を進展可能な段階の上限を特定する。
(ステップS1300−19)
サブCPU330aは、上記ステップS1300−17で特定した上限と、現在の暗転画像の段階とから、暗転画像の段階を進展(UP)可能であるかを判定する。その結果、進展可能であると判定した場合にはステップS1300−23に処理を移し、進展可能ではないと判定した場合にはステップS1300−21に処理を移す。
(ステップS1300−21)
サブCPU330aは、暗転画像が進展せずに、現在の段階に維持されることを示す段階維持演出を実行する。段階維持演出では、所定の効果音が出力される。
(ステップS1301)
サブCPU330aは、特定予告演出を実行するか否かを判定する特定予告演出判定処理を行い、当該特別演出実行処理を終了する。この特定予告演出判定処理の詳細は後述する。
(ステップS1300−23)
サブCPU330aは、暗転画像の段階を進展させる進展演出を実行する。ここでは、所定の効果音を出力するとともに、演出表示部200aにおいて、現在の暗転画像の段階を1段階進展させるための処理が行われる。
(ステップS1300−25)
サブCPU330aは、暗転画像が最終段階に到達したかを判定する。その結果、最終段階に到達したと判定した場合にはステップS1300−27に処理を移し、最終段階に到達していないと判定した場合にはステップS1301に処理を移す。
(ステップS1300−27)
サブCPU330aは、演出役物装置202を作動させる等、第2大当たり報知演出を実行する。
(ステップS1300−29)
サブCPU330aは、残り時間タイマのタイマ値をリセットし(0にし)、当該特別演出実行処理を終了する。
図65は、上記特定予告演出判定処理(S1301)を説明するフローチャートである。
(ステップS1301−1)
サブCPU330aは、まず、上記ステップS1220−11において、特定予告演出の出現を可能とする出現可能情報がセットされたかを判定する。その結果、出現可能情報がセットされていると判定した場合にはステップS1301−3に処理を移し、出現可能情報はセットされていないと判定した場合には当該特定予告演出判定処理を終了する。
(ステップS1301−3)
サブCPU330aは、特定予告演出が既に実行されていることを示す実行済み情報が記憶されていないかを判定する。その結果、実行済み情報が記憶されていないと判定した場合にはステップS1301−5に処理を移し、実行済み情報が記憶されていると判定した場合には当該特定予告演出判定処理を終了する。
(ステップS1301−5)
サブCPU330aは、特定予告演出の実行有無を決定する特定予告演出実行抽選処理を行う。ここでは、所定の確率(例えば1/20)で特定予告演出の実行が決定される。
(ステップS1301−7)
サブCPU330aは、上記ステップS1301−5において、特定予告演出の実行が決定されたかを判定する。その結果、特定予告演出の実行が決定されたと判定した場合にはステップS1301−9に処理を移し、特定予告演出の実行は決定されていないと判定した場合には当該特定予告演出判定処理を終了する。
(ステップS1301−9)
サブCPU330aは、実行済み情報を記憶する。
(ステップS1301−11)
サブCPU330aは、開始可能期間中であるかを判定する。ここでは、操作有効期間の経過時間と特定予告演出の実行に要する時間との合計時間が、最初にセットされる操作有効時間から最短で第2大当たり報知演出が実行される残り時間を差し引いた時間よりも短い場合に、開始可能期間中であると判定する。その結果、開始可能期間中であると判定した場合にはステップS1301−13に処理を移し、開始可能期間中ではないと判定した場合には当該特定予告演出判定処理を終了する。
(ステップS1301−13)
サブCPU330aは、特定画像220を演出表示部200aに所定時間表示させる等、特定予告演出を実行するための処理を行い、当該特定予告演出判定処理を終了する。
図66は、上記コマンド解析処理のうち、特図停止指定コマンドを受信した際に実行される特図停止指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。なお、特図停止指定コマンドは、図31のステップS620−21でセットされた後、図16のステップS100−39で副制御基板330に送信される。
(ステップS1230−1)
サブCPU330aは、まず、第2特別図柄表示器162に停止表示された特別図柄が小当たり図柄であるかを判定する。その結果、小当たり図柄であると判定した場合には当該特図停止指定コマンド受信処理を終了し、小当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS1230−3に処理を移す。
(ステップS1230−3)
サブCPU330aは、当該保留表示領域216aに表示されている保留表示218を消去し、当該特図停止指定コマンド受信処理を終了する。
図67は、上記コマンド解析処理のうち、大入賞口閉鎖指定コマンドを受信した際に実行される大入賞口閉鎖指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。なお、大入賞口閉鎖指定コマンドは、図36のステップS650−13でセットされた後、図16のステップS100−39で副制御基板330に送信される。
(ステップS1240−1)
サブCPU330aは、まず、小当たり遊技中であるかを判定する。その結果、小当たり遊技中であると判定した場合にはステップS1240−3に処理を移し、小当たり遊技中ではないと判定した場合には当該大入賞口閉鎖指定コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1240−3)
サブCPU330aは、第2大入賞口128の最後の開放の終了かを判定する。その結果、第2大入賞口128の最後の開放の終了であると判定した場合にはステップS1240−5に処理を移し、第2大入賞口128の最後の開放の終了ではないと判定した場合には当該大入賞口閉鎖指定コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1240−5)
サブCPU330aは、当該保留表示領域216aに表示されている保留表示218を消去し、当該大入賞口閉鎖指定コマンド受信処理を終了する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態の遊技性は一例に過ぎない。上記実施形態では、第1始動口120および第2始動口122を設けることとしたが、始動口の数は特に限定されるものではない。また、上記実施形態では、第2始動口122を、常時遊技球が入球可能な所謂、固定始動口で構成し、第1始動口120を、遊技球の入球容易性が可変となる所謂、可変始動口で構成したが、これらの構成は必須ではない。したがって、例えば、第1始動口120を2つ設け、一方を固定始動口とし、他方を可変始動口としてもよい。さらには、上記実施形態では、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示(第1の変動処理)と、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示(第2の変動処理)とを同時並行して実行可能とした。しかしながら、例えば、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示を第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示よりも優先的に実行したり、保留が記憶された順に図柄の変動表示を実行したりしてもよい。
また、上記実施形態における特別図柄の種別や決定確率、遊技状態の遷移、さらには、遊技盤108の盤面構成等は一例に過ぎない。いずれにしても、本発明は、始動条件の成立により、遊技者に遊技利益を付与するか否かの判定を行う遊技機に広く適用可能である。したがって、上記実施形態における最優位状態は一例に過ぎず、例えば、遊技状態は1種類のみでもよいし、遊技の進行条件や有利度合いを異にする複数の遊技状態を設けてもよい。この場合、遊技状態ごとに設定される遊技の進行条件は適宜設定可能である。
また、上記実施形態では、最優位状態において、特別演出が実行される変動演出中に特定予告演出が実行される場合について説明した。しかしながら、特定予告演出が実行される際の変動演出の内容はこれに限らない。いずれにしても、変動演出は、画像表示部に停止表示された演出図柄によって判定の結果が報知される図柄表示演出、および、演出図柄の停止表示前に実行され判定の結果を示唆または報知する予告演出を含むものであればよい。
また、上記実施形態では、特定予告演出を出現可能とする決定がなされることや、操作有効時間内に演出操作装置208の操作がなされることが特定予告演出の実行条件として設定され、これらの実行条件が成立した場合に特定予告演出が実行され得ることとした。しかしながら、特定予告演出の実行条件はこれに限らない。例えば、上記実施形態において、特定予告演出を出現可能とするか否かの抽選は必須ではなく、操作有効時間内に所定回数、演出操作装置208が操作された場合に、特定予告演出を実行してもよい。いずれにしても、特定予告演出は、予め設定された実行条件が設けられており、この実行条件が成立すると実行されるものであればよい。
また、上記実施形態では、演出役物装置202が作動する第2大当たり報知演出の開始前に特定画像220の表示が終了するタイミングで実行条件が成立した場合に、特定予告演出が実行されることとしたが、特定画像220の表示終了後に実行される演出はこれに限らず、どのような内容の演出であってもよい。例えば、上記実施形態において、演出図柄210a、210b、210cが演出表示部200aに停止表示される前に特定画像220の表示が終了するタイミングで実行条件が成立した場合に、特定予告演出を実行してもよい。いずれにしても、演出図柄が画像表示部に停止表示される前、もしくは、変動演出を構成する演出のうち判定の結果を報知する所定の演出の開始前に特定画像の表示が終了するタイミングで、実行条件が成立した場合に、特定予告演出を実行すればよい。
なお、特定予告演出において、特定画像が画像表示部に所定時間表示されるのに加えて、所定のランプを点灯させたり、音声を出力させたり、さらには、特定画像以外の画像を画像表示部に表示させる等、特定画像以外の演出が行われてもよい。この場合、演出図柄が画像表示部に停止表示される前、もしくは、変動演出を構成する演出のうち判定の結果を報知する所定の演出の開始前に特定画像の表示が終了すれば、特定予告演出を構成する他の演出は、演出図柄が画像表示部に停止表示された後や、所定の演出の開始後も継続しても構わない。
なお、上記実施形態において、図28および図29の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の判定手段に相当する。
また、上記実施形態において、図63〜図65の処理を実行するサブCPU330aが、本発明の演出実行手段に相当する。
また、上記実施形態において、図51のボタンを模した画像および暗転画像が、本発明の所定の予告画像に相当し、特別背景画像が本発明の報知画像に相当する。