JP2019124615A - 放射性核種製造方法及びターゲット台車 - Google Patents
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Abstract
【課題】放射性核種を製造することができる新たな放射性核種製造方法を提供する。【解決手段】加速器1によって加速した1次粒子4のビームを第1ターゲット5に照射して得られる2次粒子6のビームをビーム利用装置3が利用する。第1ターゲット5の近傍に第2ターゲット7を配置する。2次粒子6の放射線を第2ターゲット7に照射して放射性核種を生成する。【選択図】図1
Description
本発明は、医療、工業、農業等の分野で使用される放射性核種(Radio Isotope;RI)を製造するための放射性核種製造方法に関する。
医療、工業、農業等の分野では、放射線源として又は追跡子として放射性核種が用いられている。例えば医療分野では、がん等の治療を行うために、放射性核種が放射線源として用いられている。また、がん等の診断のために、放射性核種が追跡子として用いられている。さらに、工業分野では、溶鉱炉の湯面レベルを知るために、放射性核種が放射線源として用いられている。農業分野では、土壌中における肥料成分の動きを知るために、放射性核種が追跡子として用いられている。
現在、放射性核種の多くは、海外から輸入されている。放射性核種の需要の増大に伴い、放射性核種の新たな製造方法が要請されている。放射性核種の製造方法として、特許文献1には、加速器によって加速した1次粒子(陽子)をターゲットに照射して得られる2次粒子(中性子)を利用する放射性核種の製造方法が提案されている。この方法では、2次粒子(中性子)のビームをターゲットに照射し、ターゲット核種に(n,p)反応を起こさせて、放射性核種を製造する。
特許文献2には、加速器によって加速した1次粒子(陽子)をターゲットに照射して得られる2次粒子(ミューオン)を利用する放射性核種の製造方法が提案されている。この方法では、2次粒子(ミューオン)のビームをターゲットに照射し、ターゲット核種にミューオン原子核捕獲反応を起こさせ、放射性核種を製造する。
しかし、特許文献1に記載の放射性核種製造方法にあっては、加速器が1MeV以下の小型の加速器であるので、中性子の強度やエネルギーが小さく、製造される放射性核種の収量が少なかったり、製造される放射性核種の種類に制限があったりするという課題がある。このため、放射性核種の需要に充分に応えることができない。
特許文献2に記載の放射性核種製造方法にあっては、ミューオンのビームは、英国RAL、日本のJ−PARC(高エネルギー加速器研究機構及び日本原子力研究開発機構が所有する、茨城県東海村にある大強度陽子(又は重陽子)加速器施設)において生成される。
しかし、J−PARC等は、物理、化学、生物学等の研究のための施設であり、加速器から得られるビームは、生物の構造解析装置、物質の構造解析装置、計測装置等のビーム利用装置に利用されているのが現状である。このため、放射性核種の製造のために、新たにビームラインを確保するのが困難であるという課題がある。大型の加速器を新たに建設することも考えられるが、その初期投資は数百億円に及ぶので、現実的には不可能である。
そこで、本発明は、放射性核種を製造することができる新たな放射性核種製造方法及びターゲット台車を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、加速器によって加速した1次粒子のビームを第1ターゲットに照射して得られる2次粒子のビームをビーム利用装置が利用し、前記第1ターゲットの近傍に第2ターゲットを配置し、前記2次粒子の放射線を前記第2ターゲットに照射して放射性核種を生成する放射性核種製造方法である。
本発明の他の態様は、加速器によって加速した1次粒子のビームを第1ターゲットに照射して得られる2次粒子のビームをビーム利用装置が利用する施設に設けられ、前記第1ターゲットを交換するためのターゲット台車において、前記ターゲット台車に第2ターゲットを配置し、前記2次粒子の放射線を前記第2ターゲットに照射して放射性核種を生成するターゲット台車である。
1次粒子が照射される第1ターゲットの近傍には、多量の2次粒子が発生する。2次粒子の一部は、ビーム利用装置で利用される。しかし、2次粒子の大部分は余計な放射線となり、遮蔽体によって遮蔽され、周囲環境への影響を抑制するように取り扱われている。本発明によれば、この廃棄されていた放射線を再利用し、有用な放射性核種を製造することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態の放射性核種製造方法及びターゲット台車を詳細に説明する。ただし、本発明の放射性核種製造方法及びターゲット台車は種々の形態で具体化することができ、明細書に記載される実施形態に限定されるものではない。本実施形態は、明細書の開示を十分にすることによって、当業者が発明を十分に理解できるようにする意図をもって提供されるものである。
図1は、本発明の一実施形態の放射性核種製造方法(以下、RI製造方法という)が実施される加速器施設の模式図である。1は加速器、2は2次粒子源ステーション、3はビーム利用装置、4は1次粒子、5は第1ターゲット、6は2次粒子、7は第2ターゲットである。
本実施形態の加速器施設は、既存のものであり、例えばJ−PARC(日本)、SNS(米国)、ESS(欧州)等の核破砕中性子源施設である。
加速器1は、エネルギーが100MeV以上の大型の加速器1である。加速器1の種類は、限定されるものではなく、線形加速器、サイクロトロン、シンクロトロン等のいずれでもよい。
加速器1は、陽子、重陽子、電子等の1次粒子4を加速する。そして、1次粒子4のビームを水銀、タングステン等の第1ターゲット5に照射する。1次粒子4の衝突によって、第1ターゲット5のターゲット核種が核破砕反応を起こし、中性子、ミューオン、中間子、ガンマ線等の2次粒子6が発生する。
第1ターゲット5は、2次粒子源ステーション2に収容される。2次粒子源ステーション2は、第1ターゲット5と、液体水素等の減速材8と、鉄、鉛、コンクリートブロック等の遮蔽体9と、を備える。減速材8は、中性子等の2次粒子6の速度(エネルギー)を下げるために設けられる。2次粒子源ステーション2には、減速材8を循環させるために、輸送配管11a,11bが接続される。輸送配管11a,11bには、図示しない循環ユニットが接続される。遮蔽体9は、第1ターゲット5及び減速材8を覆う。
2次粒子源ステーション2には、加速器1によって加速された1次粒子4を第1ターゲット5に導くビームライン1aが接続される。また、2次粒子源ステーション2には、減速材8によって減速された2次粒子6のビームをビーム利用装置3に導くビームライン3aが接続される。
ビーム利用装置3は、物理、化学、生物学等の研究のための実験装置である。例えばビーム利用装置3は、タンパク質等の構造を解析する生物の構造解析装置、リチウムイオン電池、水素燃料電池等の構造を解析する物質の構造解析装置、原子核や素粒子を研究するための計測装置、RIの諸性質を解明するための計測装置、長寿命の核種に中性子を照射して短寿命核種に変換する核変換技術研究装置等である。
第2ターゲット7は、第1ターゲット5の近傍、この実施形態では、2次粒子源ステーション2に配置される。遮蔽体9の周囲には、放射線の強度が高い領域S1が薄く存在する(領域S1をドットで示す)。この領域S1のうち、特にビームライン1a,3a、輸送配管11a,11bの接続部の近傍S2は、これらを介して放射線が漏洩するので、放射線の強度がより高い(接続部の近傍S2を細かいピッチの斜線で示す)。このため、本実施形態では、この接続部の近傍S2に第2ターゲット7を配置する。
第2ターゲット7には、2次粒子6の放射線が照射される。これにより、第2ターゲット7のターゲット核種が核反応を起こし、RIが生成される。ターゲット核種の核反応は、例えば以下のとおりである。
2次粒子6が中性子の場合、例えばターゲット核種67Znに(n,p)反応が起こり、67Cuが生成される。また、例えばターゲット核種100Moに(n,2n)反応が起こり、99Moが生成される。さらに、例えばターゲット核種176Luに(n,γ)反応が起こり、177Luが生成される。
2次粒子6がγ線の場合、例えばターゲット核種68Znに(γ,p)反応が起こり、67Cuが生成される。また、例えばターゲット核種100Moに(γ,n)反応が起こり、99Moが生成される。
2次粒子6がミューオンの場合、例えばターゲット核種100Moに(μ−,nν)反応が起こり、99Nbが生成される。また、例えばターゲット核種226Raに(μ−,nν)反応が起こり、225Frが生成される。
図2は、第2ターゲット7をターゲット台車12に配置した例を示す。第1ターゲット5が収容されるターゲット容器10は、1次粒子4のビームの照射によって損傷する。このため、第1ターゲット5及びターゲット容器10は、定期的に交換される。ターゲット台車12には、交換できるように第1ターゲット5及びターゲット容器10が着脱自在に取り付けられる。ターゲット台車12は、レール13上を自走して、2次粒子源ステーション2に向かって進退する。
2次粒子6はターゲット台車12にも飛来する。このため、ターゲット台車12の周辺にも2次粒子6の放射線の強度が高い領域S3が存在する(領域S3をドットで示す)。この例では、ターゲット台車12に第2ターゲット14を配置する。ターゲット台車12のカバー12aの内側に第2ターゲット7を配置することもできるし、カバー12aの外側に配置することもできる。第2ターゲット14に2次粒子6の放射線を照射するとRIが生成されるのは、上述のとおりである。
以上に本実施形態のRI製造方法を説明した。本実施形態のRI製造方法によれば、以下の効果を奏する。
本実施形態によれば、従来は廃棄されていた2次粒子6の放射線を再使用し、有用なRIを製造することができる。加速器1の運転に必要な膨大な電気代や人件費等を支払う必要がないので、RIを低コストで製造することができる。
第2ターゲット7を第2粒子源ステーション2に配置するので、2次粒子6の放射線の強度が高い領域S2に第2ターゲット7を配置することができる。
第2ターゲット14をターゲット台車12に配置するので、2次粒子6の放射線の強度が高い領域S3に第2ターゲット14を配置することができる。
加速器1のエネルギーが100MeV以上の大型の加速器1であるので、RIの収量を増大させることができる。
なお、本発明は上記実施形態に具現化されるのに限られることはなく、本発明の要旨を変更しない範囲で他の実施形態に変更可能である。
上記実施形態では、ビーム利用装置として、物理、化学、生物学等の研究のための実験装置を用いているが、ビーム利用装置として、RI製造装置を用いることもできる。
1…加速器
2…2次粒子源ステーション
3…ビーム利用装置
3a…ビームライン
4…1次粒子
5…第1ターゲット
6…2次粒子
7,14…第2ターゲット
12…ターゲット台車
2…2次粒子源ステーション
3…ビーム利用装置
3a…ビームライン
4…1次粒子
5…第1ターゲット
6…2次粒子
7,14…第2ターゲット
12…ターゲット台車
Claims (5)
- 加速器によって加速した1次粒子のビームを第1ターゲットに照射して得られる2次粒子のビームをビーム利用装置が利用し、
前記第1ターゲットの近傍に第2ターゲットを配置し、前記2次粒子の放射線を前記第2ターゲットに照射して放射性核種を生成する放射性核種製造方法。 - 前記第2ターゲットは、前記第1ターゲットを有し、前記2次粒子のビームを前記ビーム利用装置に導くビームラインが接続される2次粒子源ステーションに配置されることを特徴とする請求項1に記載の放射性核種製造方法。
- 前記第2ターゲットは、前記第1ターゲットを交換するためのターゲット台車に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射性核種製造方法。
- 前記加速器は、エネルギーが100MeV以上の大型の加速器であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の放射性核種製造方法。
- 加速器によって加速した1次粒子のビームを第1ターゲットに照射して得られる2次粒子のビームをビーム利用装置が利用する施設に設けられ、前記第1ターゲットを交換するためのターゲット台車において、
前記ターゲット台車に第2ターゲットを配置し、前記2次粒子の放射線を前記第2ターゲットに照射して放射性核種を生成するターゲット台車。
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JP2018006136A JP2019124615A (ja) | 2018-01-18 | 2018-01-18 | 放射性核種製造方法及びターゲット台車 |
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JPWO2021161419A1 (ja) * | 2020-02-12 | 2021-08-19 |
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JP7219513B2 (ja) | 2020-02-12 | 2023-02-08 | 株式会社千代田テクノル | 放射性同位体の製造方法及び装置 |
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