JP2019115439A - 遊技機 - Google Patents

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真介 松下
隆廣 長江
Takahiro Nagae
隆廣 長江
一秀 樋浦
Kazuhide Hiura
一秀 樋浦
茂 首藤
Shigeru Shudo
首藤  茂
和明 三浦
Kazuaki Miura
和明 三浦
曜拓 関
Yotaku Seki
曜拓 関
貴紀 伊藤
Takanori Ito
貴紀 伊藤
慎介 榎戸
Shinsuke Enokido
慎介 榎戸
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Abstract

【課題】遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供する。【解決手段】ナビが行われない通常区間と、有利区間移行抽籤の当籤時に押し順ベルのナビが可能な有利区間として、「通常有利」の状態と、当該「通常有利」の状態よりもナビの可能性が高い「GG」(ART)の状態とがあり、「通常有利」の状態には、通常モードとして、“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“冥界”、“次回前兆”がある。通常区間は、「通常有利」の状態における“低確”、“天国準備”のモードよりも「GG」の状態に移行する可能性(「GG」の当籤確率)が高い。【選択図】図152

Description

本発明は、パチスロ機などの遊技機に関する。
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
この種の遊技機では、遊技者にとって有利な状態となるAT(assist time)に当籤しているか否かの前兆演出として、主に熟練度の高い遊技者を想定した複雑な演出態様によって趣向を凝らした遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−16085号公報
しかしながら、特許文献1の遊技機では、演出態様や仕様が複雑であり、非熟練者にとってはどのような状態が有利なのか把握しづらいという難点があった。例えば、内部的にATの当籤が確定した本前兆状態であるにもかかわらず、それに気づかずに遊技を終えてしまうと、遊技者が本来得られるべき利益を享受できないことになる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、
前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、
開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、
遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、副制御基板72及び報知ランプ147a)と、
前記操作態様報知手段による報知を実行可能な有利状態(例えば、有利区間)及び前記操作態様報知手段による報知を実行不能な一般状態(例えば、通常区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記有利状態を告知する有利状態告知手段(例えば、状態表示器147b)と、
を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記有利状態として、所定条件の成立時(例えば、有利区間移行抽籤の当籤時)に前記操作態様報知手段による報知が可能な第1有利状態(例えば、「通常有利」の状態)と、当該第1有利状態から移行可能で当該第1有利状態よりも前記操作態様報知手段による報知の可能性が高い第2有利状態(例えば、「GG」(ART)の状態)と、を少なくとも有し、
前記第1有利状態におけるモード(例えば、通常モード)を制御可能なモード制御手段(例えば、主制御基板71)を備え、
前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出され得る特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、
前記状態制御手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記有利状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、
前記第1有利状態におけるモードとして、第1モード(例えば、通常モードの“低確”、“天国準備”)と第2モード(例えば、通常モードの“天国”、“超天国”、“冥界”、“次回前兆”)とを少なくとも有し、
前記第2モードは、前記第1モードよりも前記第2有利状態に移行する可能性が高く、
前記一般状態は、前記第1モードよりも前記第2有利状態に移行する可能性(例えば、「GG」の当籤確率)が高いことを特徴とする。
このような構成によれば、報知が行われない一般状態と、報知の可能性が異なる第1有利状態及び第2有利状態とが設けられ、第1有利状態においては、第2有利状態に移行する可能性が異なる第1モードと第2モードとが設けられる。そして、一般状態において第2有利状態に移行する可能性の方が、第1有利状態の第1モードにおいて第2有利状態に移行する可能性よりも高いので、遊技者は、報知を受けることができない一般状態にあっても第2有利状態への移行に期待しながら遊技を行うことができ、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、いわゆるAT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる。
本発明によれば、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することができる。
本発明の実施の形態に係るパチスロ機の機能フローを示す図である。 上記パチスロ機の外部構造を示す全体斜視図である。 上記パチスロ機の外部構造を示す全体正面図である。 上記パチスロ機の筐体内部の概略配置図である。 上記パチスロ機の分解斜視図である。 上記パチスロ機の分解斜視図である。 ミラー機構の分解斜視図である。 プロジェクタ機構とミラー機構との位置関係を示す説明図である。 ミラー機構の取付け状態を示す説明図である。 表示ユニットの縦断面図である。 フロントスクリーン機構の斜視図である。 フロントスクリーン機構の斜視図である。 表示ユニットの正面図である。 表示ユニットの斜視図である。 表示ユニットの分解斜視図である。 表示ユニットの分解斜視図である。 操作用開口部の状態を示す説明図である。 表示ユニットの斜視図である。 固定スクリーン機構への照射状態を示す説明図である。 フロントスクリーン機構への照射状態を示す説明図である。 リアスクリーン機構への照射状態を示す説明図である。 フロントスクリーン機構の分解斜視図である。 スクリーン筐体の右側板を取り外した状態を示す説明図である。 右フロントスクリーン駆動機構の斜視図である。 右フロントスクリーン駆動機構の作動状態を示す説明図である。 右フロントスクリーン駆動機構の作動過程を示す説明図である。 右フロントスクリーン駆動機構の作動過程を示す説明図である。 右フロントスクリーン駆動機構の作動過程を示す説明図である。 上記パチスロ機のサブ表示装置に表示される表示画面の一部を示す図である。 上記パチスロ機の電気的構成を示すブロック図である。 上記パチスロ機の副制御基板の構成を示すブロック図である。 上記パチスロ機の遊技状態の遷移フローを示す図である。 上記パチスロ機の報知の有無に関する遊技状態の遷移フローを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される図柄配置テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される図柄組合せテーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される図柄組合せテーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される図柄組合せテーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される図柄組合せテーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される内部抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される内部抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機における内部当籤役と停止表示可能な図柄組合せとの対比表を示す図である。 上記パチスロ機における内部当籤役と停止表示可能な図柄組合せとの対比表を示す図である。 上記パチスロ機における内部当籤役と停止表示可能な図柄組合せとの対比表を示す図である。 上記パチスロ機における内部当籤役と停止表示可能な図柄組合せとの対比表を示す図である。 上記パチスロ機における内部当籤役と停止表示可能な図柄組合せとの対比表を示す図である。 上記パチスロ機における内部当籤役と停止表示可能な図柄組合せとの対比表を示す図である。 上記パチスロ機における内部当籤役と実際に表示される図柄組合せとの対応関係を示す図である。 上記パチスロ機における内部当籤役と実際に表示される図柄組合せとの対応関係を示す図である。 上記パチスロ機における当籤役の略称を示す図である。 上記パチスロ機における一般遊技状態中の遊技の流れを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される通常中高確率抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるCZ抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるCZ1中モードアップ抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるCZ2中ポイントアップ抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるCZ中ART抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるCZ中ART抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機における通常ART中の遊技の流れを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるART中フラグ変換抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるARTレベル決定テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される通常ART中高確率抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるART中CT抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される通常ART中上乗せ抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機におけるCT中の遊技の流れを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるCT中抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるCT中フラグ変換抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるCT中上乗せ抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるCT中セット数上乗せ抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機におけるボーナス中の遊技の流れを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるボーナス種別抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるボーナス終了時CT抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機における一般遊技状態中の例外的な遊技の流れを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される非ART中フラグ変換抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機におけるメイン側で行う報知とサブ側で行う報知との対応関係を示す図である。 上記パチスロ機のメイン制御処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の状態別制御処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のフラグ変換処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の通常中スタート時処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のCZ中スタート時処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のCZ1(CZ2)中処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のCZ1(CZ2)中処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のCZ3中処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の通常ART中スタート時処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のCT中スタート時処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のBB中スタート時処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のリール停止初期設定処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のリール停止制御処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のBBチェック処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のRTチェック処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のRTチェック処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のCZ・ART終了時処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のサブ側ナビ制御処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の遊技者登録処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の履歴管理処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のサブ表示装置の表示画面の遷移例を示す図である。 上記パチスロ機におけるCT前兆中の遊技の流れを示す図である。 上記パチスロ機における内部当籤役と実際に表示される図柄組合せとの対応関係を示す図である。 別実施形態のパチスロ機における遊技状態の遷移フローを示す図である。 別実施形態のパチスロ機における内部当籤役と実際に表示される図柄組合せとの対応関係を示す図である。 別実施形態のパチスロ機における内部当籤役と実際に表示される図柄組合せとの対応関係を示す図である。 別実施形態のパチスロ機に記憶される通常ART中フラグ変換抽籤テーブルを示す図である。 別実施形態のパチスロ機に記憶されるART中上乗せ抽籤テーブルを示す図である。 別実施形態のパチスロ機におけるCT中の遊技の流れを示す図である。 別実施形態のパチスロ機に記憶されるCT中フラグ変換抽籤テーブルを示す図である。 別実施形態のパチスロ機に記憶されるCT中CTメーター昇格抽籤テーブルを示す図である。 別実施形態のパチスロ機に記憶されるCT中上乗せ抽籤テーブルを示す図である。 別実施形態のパチスロ機におけるCZ中の遊技の流れを示す図である。 別実施形態のパチスロ機に記憶されるCZ2終了抽籤テーブルを示す図である。 別実施形態のパチスロ機に記憶されるロック抽籤テーブルを示す図である。 別実施形態のパチスロ機におけるCT前兆中の遊技の流れを示す図である。 別実施形態のパチスロ機におけるMBフラグ間中の報知の内容を示す図である。 パチスロ機におけるメイン側で行う報知とサブ側で行う報知との対応関係の変形例を示す図である。 変形例のパチスロ機におけるロック状態と報知との対応関係を示す図である。 変形例のパチスロ機におけるメイン側で行う報知とサブ側で行う報知との対応関係を示す図である。 変形例のパチスロ機におけるサブ側で行う報知の一例を示す図である。 別実施形態のパチスロ機の電気的構成を示すブロック図である。 上記パチスロ機の主制御基板の構成を示すブロック図である。 上記パチスロ機の割合表示器の構成を示すブロック図である。 上記パチスロ機の情報表示器の構成を示すブロック図である。 上記パチスロ機における状態表示器の点灯タイミングのパターン例を示す図である。 上記パチスロ機において特定区間への移行抽籤の当籤の有無の報知方法を示す図である。 上記パチスロ機の基本的な遊技フローを示す図である。 上記パチスロ機が有するそれぞれの遊技状態の概要を示す図である。 上記パチスロ機に記憶される内部抽籤テーブル及び移行抽籤テーブルを示す図である。 ART遊技状態への移行抽籤を一義的に定めた確率で行う場合のCZの実現方法を示す図である。 上記パチスロ機におけるリミットゲーム数の計数方法を示す図である。 上記パチスロ機における特定区間のリミット処理の方法を示す図である。 上記パチスロ機における特定区間終了時のナビ保証処理の方法を示す図である。 上記パチスロ機における外部機器への信号出力タイミングのパターン例を示す図である。 上記パチスロ機において行う外部機器と連携した演出の一例を示す図である。 上記パチスロ機において行う外部機器と連携した演出の一例を示す図である。 上記パチスロ機における特定区間中のナビ確保方法を示す図である。 上記パチスロ機において特定区間を用いた前兆実現方法の一例を示す図である。 上記パチスロ機において特定区間を用いた前兆実現方法の一例を示す図である。 上記パチスロ機においてナビ回数管理の特定区間を実行する場合のナビ回数の節約方法の一例を示す図である。 上記パチスロ機において特定区間中にリプナビとベルナビとを個別に管理する場合の遊技の一例を示す図である。 上記パチスロ機において特定区間中にリプナビとベルナビとを個別に管理する場合の遊技の一例を示す図である。 上記パチスロ機において特定区間中にリプナビとベルナビとを個別に管理する場合の演出例を示す図である。 上記パチスロ機において特定区間中にリプナビとベルナビとを個別に管理する場合の遊技の一例を示す図である。 上記パチスロ機において特定区間中にリプナビとベルナビとを個別に管理する場合の遊技の一例を示す図である。 上記パチスロ機において特定区間中にリプナビとベルナビとを個別に管理する場合の遊技の一例を示す図である。 上記パチスロ機において終了期間の異なるCZの選択方法の一例を示す図である。 上記パチスロ機において特定区間を開始する際のリール制御方法を示す図である。 上記パチスロ機において特定区間を開始する際のリール制御方法を示す図である。 上記パチスロ機において特定区間を開始する際のリール制御方法を示す図である。 上記パチスロ機における設定変更時の制御の内容を示す図である。 別実施形態のパチスロ機の出玉状態の遷移フローである。 出玉状態のうちMB作動中の処理を示す図である。 出玉状態及び遊技状態の概要を一覧にまとめて示す図である。 別実施形態のパチスロ機の遊技状態の遷移フローである。 内部抽籤テーブルを示す図である。 通常_有利区間移行抽籤テーブルを示す図である。 通常_有利区間初期通常モード抽籤テーブルを示す図である。 通常有利_GG抽籤テーブルを示す図である。 通常有利_有利区間終了抽籤テーブルを示す図である。 共通_終了時有利区間終了抽籤テーブルを示す図である。 仕様例1に係る有利区間の流れを説明するための図である。 仕様例1に係る有利区間の流れを説明するための図である。 仕様例1に係る有利区間の流れを説明するための図である。 実施例1に係る有利区間の流れを説明するための図である。 仕様例1と実施例1との有利区間における払出量を比較するための図である。 仕様例2に係る有利区間終了時の流れを説明するための図である。 実施例2に係る有利区間終了時の流れを説明するための図である。 実施例3として、設定変更がない場合の電源オン後と、設定変更がなされた場合の電源オン後について説明するための図である。 別実施形態の変形例に係る遊技状態の遷移フローである。 別実施形態の変形例に係る有利区間及び有利区間ランプの状態を一覧にまとめて示す図である。
[第1実施形態]
以下では、本発明に係る遊技機の一実施形態を示すパチスロ機について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態のパチスロ機では、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークンなどを適用することもできる。また、遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し所定の付与条件が成立した場合に獲得ポイント等、電子データとして特典を付与する封入式の遊技機に適用することも可能である。また、本実施形態では、特定の小役の成立をランプなどでナビゲートする機能であるアシストタイム(以下、「AT」という)と、特定プレイ数の間、リプレイ確率が通常時より高くなる機能であるRTとが同時に作動するアシストリプレイタイム(以下、「ART」という)の機能を備えたパチスロについて説明する。
[パチスロ機の機能フロー]
図1に示すように、パチスロ機1は、遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー6が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から一つの値(以下、乱数値)を抽出する。
内部当籤役決定手段(後述のメインCPU31)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。すなわち、内部当籤役決定手段は、スタートスイッチ6S(図30参照)によるスタートレバー6に対する単位遊技の開始操作の検出(所定の開始条件の成立)に基づき、複数の役の中から所定の当籤確率で内部当籤役を決定する。
内部当籤役の決定により、後述の入賞ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払出、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動などといった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール3L、3C、3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン7L、7C、7Rが押されると、リール停止制御手段(後述のメインCPU31、後述のモータ駆動回路39、後述のステッピングモータ49L、49C、49R)は、内部当籤役とストップボタン7L、7C、7Rが押されたタイミングとに基づいて、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロ機1では、基本的に、ストップボタン7L、7C、7Rが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L、3C、3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分(最大滑り駒数)に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞ライン(以下、「有効ライン」という)に沿って極力表示されるように最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、有効ラインに沿って表示されることがないように最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール3L、3C、3Rの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述のメインCPU31)は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。
すなわち、入賞判定手段は、リール停止制御手段により図柄の変動が停止されたことに基づいて、有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて役の入賞又は非入賞を判定する。
入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払出などの特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ機1における1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、本実施の形態では、全てのリール3L、3C、3Rが回転しているときに最初に行われるリールの停止操作(ストップボタン7L、7C、7Rの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
また、パチスロ機1では、前述した一連の流れの中で、表示ユニット100により行う光(映像)の出力、スピーカ9L、9Rにより行う音の出力、あるいはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御基板が担う。
演出内容が決定されると、表示ユニット100やスピーカ9L,9Rは、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時などの各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロ機1では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
[パチスロ機の構造]
パチスロ機1の機能フローについての説明は以上である。次に、図2及び図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機1の構造について説明する。
図2は、本実施の形態におけるパチスロ機1の斜視図である。図3は、本実施の形態におけるパチスロ機1の正面図である。
パチスロ機1の全体を形成している筐体60は、前面側に矩形状の開口を有する箱状のキャビネット61と、キャビネット61の前面上部に配置された上ドア62aと、キャビネット61の前面下部に配置された下ドア62bとを有している。キャビネット61は、遊技に用いられる機器(例えば、リールなど)を収容する。上ドア62a及び下ドア62bは、キャビネット61の開口の形状及び大きさに対応するように形成されている。上ドア62aは、キャビネット61における開口の上部を閉塞可能に設けられ、下ドア62bは、キャビネット61における開口の下部を閉塞可能に設けられる。
なお、キャビネット61は、上ドア62a及び下ドア62bを固定する部材であるため、固定枠と称することがあり、また、上ドア62a及び下ドア62bは、前扉と称することがある。
上ドア62aは、表示ユニット100を中央部に有している。表示ユニット100は、遊技の進行に応じた演出を行う演出装置であり、後述の副制御基板72の制御のもと遊技の進行に応じて様々な映像を表示する。なお、表示ユニット100は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどのような表示装置であってもよいが、本実施形態では、後述するようにいわゆるプロジェクションマッピング装置を用いる。
下ドア62bの上部の略中央部には、矩形状の開口部として形成された表示窓4が設けられている。表示窓4は、後述するリール3L、3C、3Rに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段を構成する。表示窓4には、右上り斜めのクロスアップライン、上段のトップライン、中段のセンターライン、下段のボトムライン及び右下がり斜めのクロスダウンラインが表示されている。
図3に示すように、表示窓4は、リール3L、3C、3Rに表示された複数の図柄のうちの3個の図柄を表示する。そのため、表示窓4は、3×3の図柄が表示される。表示窓4に表示されるクロスアップライン〜クロスダウンラインの5本のラインは、表示窓4が表示する3×3の図柄を直線的に結ぶラインである。
本実施形態では、これら5本のラインのうちのセンターラインが有効ラインであり、センターラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて、入賞の判定が行われる。一方、センターライン以外の4本のラインは、入賞の判定に用いられることのない疑似的なラインである。
なお、有効ライン(センターライン)は、後述のMAXベットボタン11を操作すること、又はメダル投入口22にメダルを投入することにより有効化される。ここで、MAXベットボタン11を操作することと、メダルを投入することとは同義である。したがって、例えば「メダルの投入枚数」という場合には、上述のMAXベットボタン11の操作によるBET枚数と実際にメダル投入口22に投入された投入枚数のいずれも含まれる。
キャビネット61には、複数のリール3L、3C、3Rが回転自在に横一列に設けられている。各リール3L、3C、3Rは、それぞれの外周面に、遊技に必要な複数種類の図柄によって構成される識別情報としての図柄列が描かれたリール帯を有する。すなわち、リール3L、3C、3Rには、複数の図柄が表示されている。
各リール帯に描かれた図柄は表示窓4を通して、パチスロ機1の外部から視認できるようになっている。また、各リール3L、3C、3Rは、定速回転(例えば80回転/分)で回転し、図柄列を変動表示する。
表示窓4の下方には、略水平面の台座部10が形成されている。台座部10の水平面内のうち、右側にはメダル投入口22が設けられ、左側にはMAXベットボタン11及び1ベットボタン(図示せず)が設けられる。MAXベットボタン11の内部には、メダルの投入が可能な時に点灯するベットボタンLED103(図30参照)が設けられている。
このMAXベットボタン11を押下操作することで、単位遊技(一のゲーム)の用に供される枚数(3枚)のメダルが投入され、有効ラインが有効化される。一方、1ベットボタンを1回、押下操作する度に1枚のメダルが投入される。1ベットボタンが3回操作されると、単位遊技用に供される3枚のメダルが投入され、有効ラインが有効化される。
MAXベットボタン11の操作、1ベットボタンの操作及びメダル投入口22にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)を「投入操作」という。
台座部10の水平面内の略中央には、情報表示器14が設けられている。情報表示器14には、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)に対応して点灯するLED(図示せず)が設けられている。また、情報表示器14には、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ機1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)などの情報を遊技者に対してデジタル表示するデジタル表示器(図示せず)が設けられている。
また、情報表示器14には、内部当籤役として決定された役に応じた図柄の組合せを有効ラインに沿って表示するために必要な停止操作の情報を報知する指示モニタ(図示せず)が設けられている。指示モニタは、例えば、7セグメントLEDにより構成され、報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様で点灯や点滅することで、遊技者に対して必要な停止操作の情報を報知する。後述するように、本実施形態では、停止操作の順序(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である「押し順役」を設けている。報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様とは、例えば、押し順「1st(第1停止操作を左のリール3Lに対して行うこと)」を報知する場合に「1」を表示し、押し順「2nd(第1停止操作を中のリール3Cに対して行うこと)」を報知する場合に「2」を表示し、押し順「3rd(第1停止操作を右のリール3Rに対して行うこと)」を報知する場合に「3」を表示するといったことである。なお、指示モニタにおける停止操作の情報の報知の詳細は、図74で後述する。
後述の図30に示すように、情報表示器14は、ドア中継基板74を介して主制御基板71により制御される。ここで、パチスロ機1では、主制御基板71により制御される指示モニタに加えて、副制御基板72により制御される他の手段を用いて停止操作の情報を報知することとしてもよく、例えば、上述の表示ユニット100において停止操作の情報を報知することとしてもよい。
この場合において、指示モニタにおける報知の態様と、その他の手段における報知の態様とは、異なる態様であってもよい。すなわち、指示モニタでは、報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様で報知すればよく、必ずしも、停止操作の情報を直接的に報知する必要はない(例えば、指示モニタにおいて「1」と表示されたとしても、遊技者によっては報知内容を特定できない可能性もあり、直接的な報知とは言えない)。これに対して、その他の手段における報知では、停止操作の情報を直接的に報知することとしてもよい。例えば、押し順「1st」を報知する場合に、指示モニタでは報知する押し順に一義的に対応する「1」を表示する一方で、その他の手段(表示ユニット100)では、第1停止操作を左のリール3Lに対して行うことを直接的に報知することとしてもよい。
このように本実施形態のパチスロ機1では、副制御基板72の制御だけでなく、主制御基板71の制御によっても、内部当籤役に応じた必要な停止操作の情報を報知することができる。もちろん、停止操作の情報の報知は、遊技状態に応じて制御されることとしてもよい。より具体的には、後述の一般遊技状態(非ART)では停止操作の情報を報知することなく、後述のART遊技状態(図33参照)において停止操作の情報を報知することとしてもよい。
また、台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出を押しボタン操作で切り換える精算ボタン13が設けられている。この精算ボタン13の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払い出され、払い出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。
精算ボタン13の右側には、遊技者の傾動操作により上記リール3L、3C、3Rを回転させ、表示窓4内での図柄の変動表示を開始するための開始操作手段としてのスタートレバー6が所定の角度範囲で傾動自在に取り付けられている。
台座部10の前面部の略中央には、遊技者の押下操作により3個のリール3L、3C、3Rの回転をそれぞれ停止させるための停止操作手段としてのストップボタン7L、7C、7Rが設けられている。なお、実施例では、一のゲーム(単位遊技)は、基本的にスタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのリール3L、3C、3Rが停止したときに終了する。
下ドア62bの上部の正面には、第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202が設けられる。第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイであり、各種情報を表示する。図2及び図3に示すように、第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202は、下ドア62bの前面部のうち、台座部10の水平面から略垂直に立設する面の側方に設けられ、左側(MAXベットボタン11やスタートレバー6側)に第1サブ表示装置201が設けられ、右側(メダル投入口22側)に第2サブ表示装置202が設けられる。
第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202のうちの少なくとも一方、本実施形態では、第1サブ表示装置201の表示面上には、タッチセンサ201aを設けられ、タッチセンサ201aを介して受け付けた遊技者の操作に応じて表示が切り替え可能になっている。タッチセンサ201aは、静電容量方式などの所定の動作原理に従い動作し、遊技者の操作を受け付けると、タッチ入力情報として当該操作に応じた信号を出力する。第1サブ表示装置201は、タッチセンサ201aから出力されるタッチ入力情報に基づいて副制御基板72(図31参照)により制御される。
下ドア62bの下部の正面には、左右に効果音や音声などの音による演出を行うスピーカ9L、9Rが設けられ、このスピーカ9L、9Rの間にメダルが払い出されるメダル払出口15が設けられている。下ドア62bの最下部には、払い出されたメダルを貯留するメダル受け部16が設けられている。
また、下ドア62bの下部の正面のうち、ストップボタン7L、7C、7Rとメダル受け部16とに上下を挟まれた面には、機種のモチーフに対応したデザインがあしらわれた腰部パネル25が取り付けられている。この腰部パネル25は、背後に設けられた腰部パネル照明器(図示せず)により照射される。
[表示ユニットの構造]
続いて、図4〜図28を参照して、パチスロ機1が備える表示ユニット100の構造について説明する。
(表示ユニット100)
図4に示すように、上ドア62aの後側におけるキャビネット61の内部には、表示ユニット100が設けられている。図5に示すように、表示ユニット100は、キャビネット61内の中間支持板301上に着脱可能に設けられている。なお、中間支持板301は、キャビネット61内の上部空間と下部空間との仕切り壁として機能している。表示ユニット100は、映像を含む照射光を出射する照射光装置Bと、照射光装置Bからの照射光が照射されることにより映像を出現させるスクリーン装置Cとを有した所謂プロジェクションマッピング装置である。
ここで、プロジェクションマッピング装置は、建造物や自然物などの立体物の表面に映像を投影するためのものであって、例えば、後述のスクリーンである役物に対して、その位置(投影距離や角度など)や形状に基づいて生成される、演出情報に応じた映像を投影することにより、高度で、かつ迫力のある演出を可能とする。
(表示ユニット100:照射光装置B)
図6に示すように、照射光装置Bは、照射光を前方に出射するプロジェクタ機構B2と、プロジェクタ機構B2の前方に配置され、プロジェクタ機構B2からの照射光を斜め下後方に配置されたスクリーン装置C方向に反射するミラー機構B3と、プロジェクタ機構B2及びミラー機構B3を収容したプロジェクタカバーB1とを有している。
(表示ユニット100:照射光装置B:プロジェクタ機構B2)
プロジェクタ機構B2は、キャビネット61内の後部に配置されている。プロジェクタ機構B2は、水平配置された平板状のベース部材B22を有している。ベース部材B22の下面には、レンズ機構B21及び図示しない光源が設けられている。レンズ機構B21は、光源から出射された照射光を前方のミラー機構B3に向けて出射するように配置されている。
また、ベース部材B22の下面には、排熱機構B23,B24が設けられている。排熱機構B23,B24は、レンズ機構B21及び光源の右側及び左側にそれぞれ配置されている。排熱機構B23,B24は、空気を流通させるダクトと空気を送出するファンとを有しており、空気を後方に吹き出すことによって、照射光を生成する際に発生する熱を強制的に後方に流動させるようになっている。図2に示すように、排熱機構B23,B24における空気の流動方向には、キャビネット61の通気穴21aが配置されている。これにより、排熱機構B23,B24は、プロジェクタ機構B2の熱を空気とともに通気穴21aを介して機外に強制的に排出することが可能になっている。
(表示ユニット100:照射光装置B:ミラー機構B3)
図6に示すように、プロジェクタ機構B2の前方(照射光の出射方向)には、ミラー機構B3が配置されている。図7に示すように、ミラー機構B3は、ミラーホルダB31と、ミラーホルダB31に収容された光学ミラーB32と、光学ミラーB32の両端部をミラーホルダB31に固定するミラーストッパB33,B34とを有している。図8にも示すように、ミラーホルダB31は、前面が長方形状の板状に形成されている。ミラーホルダB31の各コーナー部には、角度調整穴B311が形成されているとともに、角度調整穴B311を中心にして凹部B312が前面に形成されている。また、上下方向の角度調整穴B311,B311間には、取付け穴B314,B314が上下対称に形成されている。
また、ミラーホルダB31の後面には、ミラー保持部B313が形成されている。ミラー保持部B313は、中央部に形成されており、角度調整穴B311及び取付け穴B314に重複しないサイズで形成されている。ミラー保持部B313の左側及び右側には、ミラーストッパB33,B34がそれぞれ設けられている。ミラーストッパB33,B34は、角度調整穴B331,B341と、取付け穴B334,B344とをそれぞれ有している。ミラーストッパB33,B34における角度調整穴B331,B341及び取付け穴B334,B344は、ミラーホルダB31における角度調整穴B311,B311及び取付け穴B314,B314に対応するように配置されている。
ミラーストッパB33,B34は、一部がミラー保持部B313と重複するように形成されている。これにより、ミラーストッパB33,B34は、ミラー保持部B313に嵌合された光学ミラーB32の左右方向の両辺部に当接し、取付け穴B314,B334,B344によりミラーホルダB31にネジ締結されることによって、光学ミラーB32をミラーホルダB31に保持させている。
図9に示すように、上記のように構成されたミラー機構B3は、プロジェクタカバーB1におけるリフレクタ保持部B11の内側面に設けられている。リフレクタ保持部B11は、プロジェクタカバーB1の前面中央部に形成されており、上ドア62aを開いたときに前側に露出するように配置されている。リフレクタ保持部B11は、角度調整穴B111を有している。角度調整穴B111は、ミラー機構B3の角度調整穴B311に対応した位置に形成されている。
リフレクタ保持部B11の角度調整穴B111には、図示しないネジが前面側から挿通されており、このネジは、ミラーホルダB31の角度調整穴B311を貫通する。そして、ミラーストッパB33,B34の角度調整穴B331,B341は、ネジが螺合可能なネジ穴として形成されており、ミラーホルダB31の角度調整穴B311を貫通したネジは、ミラーストッパB33,B34の角度調整穴B331,B341に螺合される。
そして、上記ネジが角度調整穴B331,B341との螺合が緩む方向に回転されると、リフレクタ保持部B11とミラーストッパB33,B34との距離が広がることとなる。一方、上記ネジが角度調整穴B331,B341との螺合が締まる方向に回転されると、リフレクタ保持部B11とミラーストッパB33,B34との距離が縮まることとなる。
上記のように、取付け穴B314,B334,B344を介してミラーホルダB31とミラーストッパB33,B34とがネジ締結されており、これにより、ミラーホルダB31とミラーストッパB33,B34との間に光学ミラーB32が挟持されている。このように、ミラーホルダB31と光学ミラーB32とミラーストッパB33,B34とは、ミラー機構B3として一体化されており、ネジの回転によりリフレクタ保持部B11とミラーストッパB33,B34との距離を変化させることにより、リフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離を増減することができる。そして、角度調整穴B311,331,B341がミラー機構B3のコーナー部に対応して4方向に配置されているため、各角度調整穴B311,331,B341の配置位置におけるリフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離を増減させることによって、プロジェクタ機構B2から出射された照射光の進行方向に対する光学ミラーB32の反射角度を微調整することを可能にしている。
また、リフレクタ保持部B11とミラーホルダB31との間には、図示しないバネが設けられている。バネは、後端面がミラーホルダB31の凹部B312に当接されており、前端面がリフレクタ保持部B11の内壁面(後壁面)に当接されることによって、リフレクタ保持部B11とミラーホルダB31とで挟持されている。そして、リフレクタ保持部B11の角度調整穴B111から挿通されたネジが当該バネを貫通している。これにより、ネジの回転に伴ってリフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離が広がっても、バネの付勢力により、ネジ頭部がリフレクタ保持部B11の角度調整穴B111に当接することとなり、ネジ頭部が角度調整穴B111から飛び出してリフレクタ保持部B11とネジとの位置関係が崩れてしまうことを防止することができる。
(表示ユニット100:照射光装置B:プロジェクタカバーB1)
図10に示すように、上記のように構成されたプロジェクタ機構B2及びミラー機構B3は、プロジェクタカバーB1に収容されている。プロジェクタカバーB1は、水平配置された上壁部B12と、上壁部B12の前側に配置されたリフレクタ保持部B11と、上壁部B12の左右方向において左右対称に配置された側壁部B13,B13とを有している。上壁部B12は、前部が図5のキャビネット61よりも前方に突出されている。上壁部B12の前辺中央部には、リフレクタ保持部B11が前方に突出した形態に形成されており、突出により形成された空間部に上述のミラー機構B3を角度調整可能に保持している。
また、側壁部B13,B13は、下端部から水平方向に突出された突出部B131を有している。突出部B131は、前部側の第1突出部B131aと、後部側の第2突出部B131bとを有している。第1突出部B131aは、プロジェクタカバーB1がキャビネット61に装着されたときに、キャビネット61の開口部に対応する位置に形成されており、キャビネット61の開口部の幅よりも僅かに小さな幅に設定されている。一方、第2突出部B131bは、プロジェクタカバーB1がキャビネット61に装着されたときに、キャビネット61の開口部から後方の空間部に対応する位置に形成されており、後方の空間部の幅よりも僅かに小さな幅に設定されている。即ち、各側壁部B13,B13は、第1突出部B131aの幅よりも第2突出部B131bの幅が広く形成されている。これにより、プロジェクタカバーB1は、キャビネット61における内部空間の大部分を覆うことが可能になっている。
プロジェクタカバーB1の下面側には、複数の孔B151を有した多孔板B15が設けられている。多孔板B15は、金属(例えば、ステンレス、鉄、鋼、アルミ等)製の板に打ち抜き加工を施すことにより複数の孔を開けたパンチングメタルである。複数の孔B151は、多孔板B15の全面において略均等に分散して形成されている。多孔板B15は、多孔板B15の全面において空気を流通可能にしており、プロジェクタ機構B2の排熱機構B23,B24による吸引により下側から上側への空気の流動を可能にしている。孔B151のサイズ及び個数は、外部からプロジェクタカバーB1内を目視できない程度に設定されている。孔B151は、丸、四角、六角形等の形状に形成されており、孔径は、3〜5mm程度となっている。
多孔板B15は、プロジェクタカバーB1の第1突出部B131a及び第2突出部B131bを下側位置から覆うように形成されている。図12に示すように、多孔板B15は、前部側の上側部B15aと、中部側の傾斜部B15bと、後部側の下側部B15cとを有している。上側部B15aは、水平配置されている。傾斜部B15bは、上側部B15aの後辺から斜め下後方に曲折されることにより形成されている。下側部B15cは、傾斜部B15bの後辺から水平方向に曲折されることにより形成されている。
多孔板B15の上側部B15aは、プロジェクタカバーB1の側壁部B13,B13に取付けられている。これにより、多孔板B15は、プロジェクタカバーB1の前部を上側部B15aで下側から覆い、プロジェクタカバーB1の中部から後部にかけて傾斜部B15b及び下側部B15cで下側から覆うように配置されている。図10に示すように、多孔板B15の下方には、スクリーン装置Cにおけるフロントスクリーン機構E1が配置されている。
詳細は後述するが、フロントスクリーン機構E1は、照射光による映像の出現を禁止する待機姿勢となる上側に配置されたフロント待機位置と、照射光による映像の出現を許可する露出姿勢となる下側に配置されたフロント露出位置との間を回動可能にされており、待機姿勢におけるフロントスクリーン機構E1は、多孔板B15の傾斜部B15bに略平行に近接した傾斜姿勢にされている。一方、フロントスクリーン機構E1が露出姿勢となったときには、多孔板B15の下方に大きな空間部が出現し、この空間部に存在する空気が流動抵抗のない状態で多孔板B15に到達し、複数の孔B151を通過することによって、スクリーン装置C内への空気の流入を容易にして冷却効率を高めることを可能にしている。
また、多孔板B15は、プロジェクタカバーB1の下面を覆うように設けられることによって、例えば図13に示すように、前側に位置した遊技者の目線位置がスクリーン装置Cの上下方向及び左右方向の中心部の水平線上に存在し、この目線位置から照射光装置Bを見上げる状態になったとしても、多孔板B15により照射光装置Bの内部を目視されないようにしている。
(表示ユニット100:スクリーン装置C)
図14に示すように、上記のように構成された照射光装置Bは、スクリーン装置Cの上面にネジ締結により連結されている。これにより、表示ユニット100は、照射光装置Bとスクリーン装置Cとをユニット化して一体的に取り扱うことが可能になっている。
(表示ユニット100:スクリーン装置C:スクリーン筐体C10)
スクリーン装置Cは、箱形形状のスクリーン筐体C10を有している。図15にも示すように、スクリーン筐体C10は、水平配置された底板C1と、底板C1の右端部に立設された右側板C2と、底板C1の左端部に立設された左側板C3と、底板C1の後端部に立設された背板C4とを有している。これにより、底板C1に対して右側板C2と左側板C3と背板C4とがネジ締結により連結されることによって、遊技者が位置する前面側と、照射光装置Bが位置する上面側とが開放された箱形形状のスクリーン筐体C10が形成されている。
スクリーン筐体C10を構成する底板C1と右側板C2と左側板C3と背板C4とは、それぞれが独立して所定形状に形成されており、固定スクリーン機構D等の所定の機能部品が取付け可能にされている。これにより、スクリーン装置Cのユニット全体として共通化を図れない場合でも、底板C1と右側板C2と左側板C3と背板C4との板部材単位で共通化することが可能になっている。また、板部材毎の部分的な変更が可能であるため、遊技機1の機種毎に容易に仕様変更することが可能になっている。
(表示ユニット100:スクリーン装置C:スクリーン筐体C10:底板C1)
具体的に説明すると、スクリーン筐体C10の底板C1は、上面視が長方形の平板形状に形成されている。底板C1の上面には、中央部に配置された中央載置部C11と、中央載置部C11を中心として左右方向に配置された右載置部C12及び左載置部C13とを有している。これらの載置部C11,C12,C13は、凹状に形成されている。中央載置部C11は、固定スクリーン機構Dの下端部が嵌合されることによって、固定スクリーン機構Dを位置決め可能に載置している。右載置部C12及び左載置部C13は、右可動体ベースC5及び左可動体ベースC6の下端部がそれぞれ嵌合されることによって、右可動体ベースC5及び左可動体ベースC6をそれぞれ位置決め可能に載置している。
また、底板C1の前辺部C14は、下方に曲折されることによって、先端部が底板C1の下面よりも下方に位置されている。前辺部C14には、複数の貫通穴C141が形成されている。図5に示すように、前辺部C14は、表示ユニット100がキャビネット61の中間支持板301に載置されながら組み込まれる際に、中間支持板301の前面に当接することによって、キャビネット61内の後方への位置決めを行うことを可能にしている。そして、表示ユニット100は、前辺部C14の貫通穴C141を介してキャビネット61の前面にネジ締結されることによって、キャビネット61の前面側からの表示ユニット100の組み込み作業及び据え付け作業を行うことが可能になっている。
(表示ユニット100:スクリーン装置C:スクリーン筐体C10:右側板C2、左側板C3)
図15及び図16に示すように、スクリーン筐体C10の右側板C2及び左側板C3は、操作用開口部C21,C31を有している。操作用開口部C21,C31は、取っ手として形成されており、操作用開口部C21,C31に手を引っかけることによって表示ユニット100を持ち運ぶことができるようになっている。操作用開口部C21,C31は、フロントスクリーン駆動機構E2のクランクギアE21,E21の側方に配置されている。操作用開口部C21,C31は、水平方向に長手方向を一致させた長方形状に形成されている。操作用開口部C21,C31の開口面積は、クランクギアE21,E21を外部から人手により操作することができる程度に設定されている。
これにより、表示ユニット100をキャビネット61に組み込んだ後に、待機位置のフロントスクリーン機構E1を手動で移動させる場合は、先ず、上ドア62aが開放されたキャビネット61の前面側から表示ユニット100を取り出す。具体的には、キャビネット61の前面側に位置した作業者がキャビネット61に対する表示ユニット100のネジ締結を解除してネジを取り外す。そして、キャビネット61内に手を伸ばして表示ユニット100の操作用開口部C21,C31を両手で把持し、表示ユニット100をキャビネット61外に取り出す。この後、例えば図17に示すように、取り外した表示ユニット100の一方の操作用開口部C21からスクリーン装置C内に手を伸ばし、操作用開口部C21から水平方向に見えるクランクギアE21を回転させることによって、ロック状態のフロントスクリーン機構E1を待機位置から容易に移動させることができる。フロントスクリーン機構E1のロック状態については後述する。待機位置からの移動によりロック状態が解除されると、フロントスクリーン機構E1を所望の位置に素早く回動させることができる。
なお、上ドア62aを開けた状態で、キャビネット61の開口の前方から、キャビネット61の側面壁302とスクリーン装置Cの右側板C2との間のスペース内に手を伸ばし、操作用開口部C21からクランクギアE21を操作することによって、クランクギアE21を回転させることができる。この場合には、表示ユニット100をキャビネット61外に取り外さなくても、フロントスクリーン機構E1のロック状態を解除することができる。
また、右側板C2には、モータ収容部C22が形成されている。モータ収容部C22は、リールスクリーン駆動機構F2の駆動モータF21を収容している。
(表示ユニット100:スクリーン装置C:スクリーン筐体C10:背板C4)
図18に示すように、スクリーン筐体C10の背板C4は、平板状に形成されており、背面に中継基板CKが設けられている。中継基板CKは、表示ユニット100における複数の信号線を集合して表示ユニット100外との配線を一箇所で行うことを可能にしている。中継基板CKは、背板C4の背面に設けられることによって、キャビネット61の背面壁213の前方に配置された状態にされている。即ち、中継基板CKは、キャビネット61の背面壁213とスクリーン筐体C10の背板C4との隙間に配置されている。中継基板CKの下方には、図5に示すように、表示ユニット100を支持する中間支持板301の貫通穴303が配置されており、中継基板CKの信号線が挿通されている。
これにより、中継基板は、スクリーン装置Cの外部に配置されることによって、配線作業が容易化されているとともに、スクリーン装置C内に中継基板CK用の設置スペースを確保することを不要にし、スクリーン装置C内の設計の自由度を拡大させている。
また、図18に示すように、背板C4には、操作用開口部C41が形成されている。操作用開口部C41は、右側下部に配置されており、フロントスクリーン駆動機構E2の中間ギアE23に対向されている。操作用開口部C41は、中間ギアE23を手動で操作可能なサイズに形成されている。これにより、表示ユニット100をキャビネット61に組み込んだ後に、待機位置のフロントスクリーン機構E1を手動で移動させる場合は、先ず、表示ユニット100をキャビネット61から取り外す。この後、操作用開口部C41からスクリーン装置C内に手を伸ばし、操作用開口部C41から水平方向に見える中間ギアE23を回転させることによって、ロック状態のフロントスクリーン機構E1を待機位置から容易に移動させることができる。
(表示ユニット100:スクリーン装置C:スクリーン機構)
スクリーン筐体C10の内部には、照射光装置Bからの照射光の照射により映像を出現させる複数のスクリーン機構が照射対象を切り替え可能に設けられている。具体的には、複数のスクリーン機構として固定スクリーン機構Dとフロントスクリーン機構E1とリールスクリーン機構F1とが設けられている。各スクリーン機構D,E1,F1の詳細な構造は後述する。
(表示ユニット100:スクリーン装置C:スクリーン位置関係)
図19に示すように、固定スクリーン機構Dは、照射光の照射方向に存在する固定露出位置に固定状態で設けられている。図20に示すように、フロントスクリーン機構E1は、フロント露出位置とフロント待機位置との間を回動可能に設けられている。固定露出位置とフロント露出位置との位置関係は、フロント露出位置が照射光の照射方向であって且つ固定露出位置よりも前方に存在するように設定されている。これにより、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置に移動した場合は、フロントスクリーン機構E1が固定スクリーン機構Dを前方から覆い隠した状態にすることによって、照射光による映像をフロントスクリーン機構E1だけに出現可能にしている。フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置に移動した場合は、固定スクリーン機構Dを露出させることによって、照射光による映像を固定スクリーン機構Dに出現可能にしている。
また、図21に示すように、リールスクリーン機構F1は、リール露出位置とリール待機位置との間を回動可能に設けられている。リール露出位置と固定露出位置との位置関係は、リール露出位置が照射光の照射方向であって且つ固定露出位置よりも前方に存在するように設定されている。これにより、リールスクリーン機構F1がリール露出位置に移動した場合は、リールスクリーン機構F1が固定スクリーン機構Dを前方から覆い隠した状態にすることによって、照射光による映像をリールスクリーン機構F1だけに出現可能にしている。リールスクリーン機構F1がリール待機位置に移動した場合は、固定スクリーン機構Dを露出させることによって、照射光による映像を固定スクリーン機構Dに出現可能にしている。
フロント待機位置とリール待機位置との位置関係は、フロント待機位置に存在するフロントスクリーン機構E1とリール待機位置に存在するリールスクリーン機構F1とが干渉しないように設定されている。即ち、フロント待機位置は、固定スクリーン機構Dの上方に配置されている一方、リール待機位置は、固定スクリーン機構Dの後方に配置されている。これにより、フロントスクリーン機構E1の回動距離がリールスクリーン機構F1の回動距離よりも短くされている。
フロントスクリーン機構E1とリールスクリーン機構F1とは、回動による作動領域の重複が最小限になるように、フロントスクリーン機構E1の回動中心軸とリールスクリーン機構F1の回動中心軸とが相違されている。具体的には、フロントスクリーン機構E1の回動中心軸は、リールスクリーン機構F1の回動中心軸よりもフロント待機位置方向となる上方に設定されている。これにより、フロントスクリーン機構E1の移動が最小限に設定されている。
また、フロントスクリーン機構E1とリールスクリーン機構F1とは、少なくとも一方のスクリーン機構E1,F1が待機位置に存在することを条件として回動可能にされている。これにより、スクリーン機構E1,F1同士の回動時における干渉が防止されている。
(表示ユニット100:スクリーン装置C:固定スクリーン機構D)
図15及び図16に示すように、固定スクリーン機構Dは、スクリーン筐体C10の底板C1上にネジ締結により固定されている。固定スクリーン機構Dは、正面反射部D1と右面反射部D2と左面反射部D3と下面反射部D4とを有している。これらの反射部D1〜D4の反射面は、照射光装置Bからの照射光の光軸に対してそれぞれ異なる角度に設定されている。
尚、固定スクリーン機構Dは、照射光の光軸に対して複数の異なる角度の反射面を有する構成であれば、例えば2面や3面、5面の反射部を有してもよいし、あるいは、光軸に対して連続的に異なる角度となる、曲率中心点が前面側に位置する湾曲状や円弧状の反射面の反射部を備えていてもよい。
上記の正面反射部D1は、反射面が前側の遊技者に対して対向配置されており、固定スクリーン機構Dの前方上部に配置された照射光装置Bからの反射光の大部分を前方に反射するように設定されている。右面反射部D2及び左面反射部D3は、正面反射部D1の右辺部及び左辺部に接合されており、正面反射部D1を中心として左右対称に配置されている。右面反射部D2及び左面反射部D3は、正面反射部D1における左右方向の幅よりも前端部間の幅が拡大するように配置されている。これにより、右面反射部D2及び左面反射部D3は、反射面に対する照射光の反射方向が正面反射部D1方向に向い易くなることによって、照射光による映像を出現させながら照射光の一部を正面反射部D1方向に反射するようになっている。また、下面反射部D4についても、反射面に対する照射光の反射方向が正面反射部D1方向に向い易くなることによって、照射光による映像を出現させながら照射光の一部を正面反射部D1方向に反射するようになっている。
上記の固定スクリーン機構Dは、反射面の明度が後述のフロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の各反射面の明度よりも低く設定されている。即ち、固定スクリーン機構Dは、照射光が反射面を反射する光量が、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の反射面を反射する光量よりも少なくされている。これにより、固定スクリーン機構Dは、反射部D1〜D4の乱反射による光の混合による白ぼけが防止されている。尚、固定スクリーン機構Dは、正面反射部D1の明度よりも他の反射部D2,D3,D4の明度が低くされていてもよい。この場合には、他の反射部D2,D3,D4における照射光の正面反射部D1への反射を低減できるため、正面反射部D1において映像を強く出現させながら白ぼけを低減することができる。
なお、明度としては、L*a*b*表色系(L*a*b*色空間)やL*u*v*表色系(L*u*v*色空間)におけるBrightnessを採用することができるが、白を基準として、その他の色を相対値で表すことができるのであれば、どのように定義することも可能である。
固定スクリーン機構Dの反射面の明度と、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の反射面の明度とは、固定スクリーン機構Dの反射面の明度が、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の反射面の明度よりも低ければ特に限定されない。例えば、固定スクリーン機構Dの反射面の明度を、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の反射面の明度よりも、5〜25%(又は10〜20%)程度低い値とすればよい。
固定スクリーン機構Dの反射面の明度を、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の反射面の明度よりも低くするためには、固定スクリーン機構Dの基材に塗布する塗料の色を、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の基材に塗布する塗料の色よりも、黒くすればよい。例えば、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の基材に塗布する塗料として白色のものを使用し、固定スクリーン機構Dの基材に塗布する塗料としては、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の基材に塗布する塗料に対して黒色顔料が添加されたものを使用すればよい。
このような塗料において、白色顔料(例えば、酸化チタン)と黒色顔料(例えば、カーボンブラック)との割合を異ならせることによって、スクリーン機構の反射面の明度を変化させることができる。例えば、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の基材に塗布する塗料には、白色顔料と黒色顔料とのうち白色顔料のみが含まれ、固定スクリーン機構Dの基材に塗布する塗料には、白色顔料と黒色顔料の双方が含まれるようにしてもよい。また、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の基材に塗布する塗料よりも、固定スクリーン機構Dに塗布する塗料の方が、白色顔料に対する黒色顔料の割合が(例えば、5〜25%(又は10〜20%)程度)高くなるようにしてもよい。なお、これらのスクリーン機構の基材に塗布する塗料としては、従来公知のスクリーン用塗料を適宜採用することができ、スクリーンの型(例えば、拡散型や反射型)に応じて調整することができる。
なお、固定スクリーン機構Dの基材に塗布する塗料に黒色顔料を含ませるのではなく、固定スクリーン機構Dの基材を成形する前に、当該基材の材料となる樹脂中に黒色顔料を分散させることにより、基材自体に色を付け、基材自体の明度を低くしてもよい。
また、光の乱反射を防止するという観点からは、周囲壁(底板C1、右側板C2、左側板C3、及び、背板C4)等、スクリーン筐体C10を構成する部材やスクリーン筐体C10の内部に配置された他の部材(スクリーン以外の部材)の明度も低くすることが望ましい。それらの部材の明度は、固定スクリーン機構Dの反射面の明度よりも低いことが望ましく、例えば、周囲壁については、スクリーンとして映像が投影されることを考慮する必要がないため、明度は低ければ低いほど望ましい。すなわち、周囲壁の色は、黒に近いほど望ましい。
(表示ユニット100:スクリーン装置C:フロントスクリーン機構E1)
図22に示すように、フロントスクリーン機構E1は、投影面E11aを全面に有した長方形状のフロントスクリーン部材E11と、第1模様面E12a等の模様を両面に有したフロントスクリーン支持台E12とを有している。フロントスクリーン部材E11は、薄板状の平面パネルにスクリーン塗料を塗布することにより形成されている。これにより、フロントスクリーン部材E11は、投影面E11aが平坦状に形成されることによって、照射光の照射時に歪みの無い映像を出現させるようになっている。
一方、フロントスクリーン支持台E12は、フロントスクリーン部材E11を保持する保持凹部E121を有している。保持凹部E121は、フロントスクリーン部材E11の投影面E11aに対して僅かに拡大した状態で相似する開口形状を有しており、フロントスクリーン部材E11全体を収容している。また、保持凹部E121は、深さが深部と浅部との2段階に設定されている。浅部は、フロントスクリーン支持台E12の周縁部に形成された段部E121aと、中心部を通過する短手方向の両端にかけて直線状に形成された段部E121bとで実現されている。
これにより、保持凹部E121に収容されたフロントスクリーン部材E11は、周縁部の段部E121aと中心部を通過する直線状の段部E121bとに当接及び支持され、残りの深部部分から離隔された状態にされている。この結果、深部部分におけるフロントスクリーン支持台E12の変形が、フロントスクリーン部材E11を変形させて投影面E11aに歪みを引き起こすことが防止されている。
また、フロントスクリーン支持台E12は、投影面E11aの周囲の一部領域に第1模様面E12aを有している。第1模様面E12aは、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置に位置されたときに、前方の遊技者から目視可能にされている。さらに、フロントスクリーン支持台E12は、第1模様面E12aとは反対側の面全体に第2模様面E12bを有している。第2模様面E12bは、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置に位置されたときに、前方の遊技者から目視可能にされている。これらの第1模様面E12a及び第2模様面E12bは、例えば遊技の演出に関連した模様が凹凸により立体的に形成されている。
上記のように構成されたフロントスクリーン部材E11とフロントスクリーン支持台E12とは、別個に形成された後に、接着剤で接着されることにより一体化されている。これにより、フロントスクリーン機構E1は、フロントスクリーン支持台E12に模様等を形成する際の成形収縮等によりひけが発生することがあっても、このひけがフロントスクリーン部材E11から機械的に分離した状態で発生するため、フロントスクリーン部材E11における投影面E11aのひけによる歪みの発生を防止することが可能になっている。
なお、フロントスクリーン部材E11とフロントスクリーン支持台E12との固着方法としては、接着剤での接着に限らず、ネジ締結等の任意の方法を採用することができる。
フロントスクリーン部材E11を構成する平面パネル、及び、フロントスクリーン支持台E12は、それぞれ射出成形により作製される。フロントスクリーン部材E11を構成する平面パネル、及び、フロントスクリーン支持台E12の材料としては、射出成形を行った場合にひけが発生し得る熱可塑性樹脂(例えば、ABS樹脂等)を適宜採用することができる。
(表示ユニット100:スクリーン装置C:フロントスクリーン駆動機構E2)
上記のフロントスクリーン機構E1は、フロントスクリーン駆動機構E2の駆動力により回動可能にされている。図15及び図16に示すように、フロントスクリーン駆動機構E2は、フロントスクリーン機構E1の左端部下面に連結された左フロントスクリーン駆動機構E2Aと、フロントスクリーン機構E1の右端部下面に連結された右フロントスクリーン駆動機構E2Bとを有している。
図23及び図24に示すように、右フロントスクリーン駆動機構E2Bは、クランク部材E22とクランクギアE21と中間ギアE23とモータ軸ギアE24と駆動モータE25とを有している。右フロントスクリーン駆動機構E2Bにおけるクランク部材E22は、上端部(一端部)がフロントスクリーン機構E1の右端部下面に連結されている。図25に示すように、クランク部材E22は、中間位置E22aにおいて図15の右可動体ベースC5に回転自在に軸支されている。これにより、クランク部材E22は、中間位置E22aを回転中心として上端部及び下端部(他端部)を回動可能にしている。
クランク部材E22は、中間位置E22aから上端部側の上側領域と、中間位置E22aから下端部側の下側領域とを有している。図25のようにクランク部材E22を側面視したとき、上側領域における中心線(中間位置E22aと、クランク部材E22の上端辺における中点とを通過する直線)は、待機姿勢において上下方向となるように設定されている。一方、下側領域における中心線(中間位置E22aと、クランク部材E22の下端辺における中点とを通過する直線)は、待機姿勢において下側が上側よりも前側に傾斜するように設定されている。
クランク部材E22の下側領域には、スライド溝E22bが形成されている。スライド溝E22bは、溝壁面E22b1が側面視U字形状となるように形成されている。該U字は、2つの直線部と、該2つの直線部の端部同士を結んだ曲線部とから構成されている。2つの直線部は、平行に形成されており、スライド溝E22bは、溝壁面E22b1の上記直線部に相当する面が下側領域の中心線に平行に設定されている。スライド溝E22bには、スライド部材E26が移動自在に係合されている。スライド溝E22bの溝幅(上記2つの直線部間の距離)は、スライド部材E26の部材幅にほぼ一致されており、移動時において摺動するように設定されている。即ち、スライド部材E26は、常時、スライド溝E22bの溝壁面E22b1に当接状態にされている。また、スライド溝E22bの上端部は、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢である場合において、スライド部材E26が上端面(上記曲線部に相当する面)に当接するように設定されている。一方、スライド溝E22bの下端部は、スライド部材E26の一部を露出可能に開放状態にされている。
上記のスライド部材E26は、クランクギアE21の偏心位置E21bに回転自在に軸支されている。クランクギアE21の回転中心位置E21aは、図24の右可動体ベースC5に回転自在に軸支されている。クランクギアE21の回転中心位置E21aは、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合において、回転中心位置E21aと偏心位置E21bとを結ぶ線分が、クランク部材E22における中間位置E22aとスライド部材E26の中心点とを結ぶ線分に対して直交する関係を有するように設定されている。
これにより、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合においては、クランク部材E22の下側領域を回動させる方向に力が働いても、この力の全成分の付与方向に回転中心位置E21aが存在し、固定端として作用するため、スライド部材E26が移動することはない。この結果、クランク部材E22の中間位置E22aとクランクギアE21の回転中心位置E21aとを固定端とし、スライド部材E26を自由端とする0自由度の三節リンクによるトラス構造が形成されるため、フロントスクリーン機構E1を手で押した場合でも、クランク部材E22及びクランクギアE21が強固なブレーキとして作用することによって、フロントスクリーン機構E1が動くことはない。
上記のクランクギアE21には、中間ギアE23が噛合されている。中間ギアE23には、モータ軸ギアE24が噛合されている。モータ軸ギアE24は、駆動モータE25の駆動軸が接続されている。これにより、右フロントスクリーン駆動機構E2Bは、駆動モータE25の回転駆動力をモータ軸ギアE24及び中間ギアE23を介してクランクギアE21に伝達可能にされている。
ここで、クランクギアE21に付与された回転駆動力の全成分は、スライド部材E26の旋回軌跡の接線方向に一致する。また、図26及び図28に示すように、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合において、回転中心位置E21aと偏心位置E21bとを結ぶ線分が、クランク部材E22における中間位置E22aとスライド部材E26の中心点とを結ぶ線分に対して直交する関係を有するように設定されているため、旋回軌跡の接線方向がクランク部材E22のスライド溝E22bの溝壁面に平行となっている。これにより、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合において、クランクギアE21に回転駆動力が付与されると、スライド部材E26の移動方向(接線方向)に反力となる溝壁面が存在しないため、クランクギアE21が容易に回転を開始する。
クランクギアE21に回転駆動力が付与された場合は、偏心位置E21bに設けられたスライド部材E26がスライド溝E22bとの摺動によりスライド溝E22bに沿って移動自在にされているため、クランク部材E22の中間位置E22aとクランクギアE21の回転中心位置E21aとを固定端とし、スライド部材E26を溝壁面に沿って移動自在の自由端にした1自由度の二節リンクが形成される。そして、スライド部材E26が回動すると、スライド部材E26が係合されたスライド溝E22bを備えたクランク部材E22が中間位置E22aを支点として回動し、クランク部材E22の上側領域を回動させることになる。この結果、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置及びフロント露出位置間を移動することになる。
また、フロントスクリーン機構E1の移動速度は、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合において停止状態0であり、徐々に増速し、待機姿勢及び露出姿勢間の中間姿勢(図27)において最大速度となった後、徐々に減速し、露出姿勢及び待機姿勢になったときに停止状態0になる。これにより、クランクギアE21の角加速度が小さな状態(慣性モーメント)で回動を開始及び停止させることができるため、クランクギアE21に必要なトルクを小さくすることが可能になり、結果として駆動機構(中間ギアE23、モータ軸ギアE24、駆動モータE25)の過負荷による故障や消耗を低減することが可能になっている。
図15に示すように、上記のように構成された右フロントスクリーン駆動機構E2Bは、モータ軸ギアE24と駆動モータE25とを除いて、左フロントスクリーン駆動機構E2Aと同一構成とされている。そして、左フロントスクリーン駆動機構E2Aと右フロントスクリーン駆動機構E2Bとは、左右対称に配置されている。左フロントスクリーン駆動機構E2AのクランクギアE21と右フロントスクリーン駆動機構E2BのクランクギアE21とは、シャフト部材E3を介して連結され、駆動モータE25の回転駆動力が均等に付与されるようになっている。
(表示ユニット100:スクリーン装置C:リールスクリーン機構F1)
図15及び図16に示すように、リールスクリーン機構F1は、湾曲形状の平板からなるリールスクリーン部F11と、リールスクリーン部F11の左端に接続された左リールスクリーン支持部F12と、リールスクリーン部F11の右端に接続された右リールスクリーン支持部F13とを有している。
リールスクリーン部F11は、回動方向に近似した形状に湾曲されており、回動中心側である裏面に模様が形成されている。この裏面の模様は、リールスクリーン機構F1がリール待機位置に位置されたときに、前方の遊技者から目視可能にされている。また、リールスクリーン部F11の表面は、周縁部に模様が形成されているとともに、周縁部の内周領域が投影面とされている。投影面は、リールスクリーン機構F1がリール露出位置に位置されたときに、照射光の照射により映像を出現可能になっている。
左右のリールスクリーン支持部F12,F13の一端部は、リールスクリーン部F11に接続されている。一方、リールスクリーン支持部F12,F13の他端部は、図示しない突出部をそれぞれ有している。突出部は、各リールスクリーン支持部F12,F13の外側に水平方向に突出されており、リールスクリーン駆動機構F2に連結されることによって、リールスクリーン機構F1の回動中心軸とされている。
(表示ユニット100:スクリーン装置C:スクリーン装置による演出)
本実施形態のパチスロ機1では、以上説明した表示ユニット100を用いて様々な演出を実行する。具体的には、パチスロ機1では、照射光装置Bからの照射光の照射により映像を出現させる複数のスクリーン機構を切り替えることで、平面状の映像表示を用いた演出、奥行き感(立体感)のある映像表示を用いた演出、及び、湾曲した映像表示を用いた演出を実行することができる。
例えば、照射光装置Bからの照射光の照射により映像を出現させるスクリーン機構を、フロントスクリーン機構E1に切り替えた場合、平坦状の投影面E11aに映像を出現させることで、照射光の照射時に歪みの無い映像を出現させることができ、この平面的な映像を用いた演出を実行することができる。
また、例えば、照射光装置Bからの照射光の照射により映像を出現させるスクリーン機構を、固定スクリーン機構Dに切り替えた場合、固定スクリーン機構Dが有する複数の反射部により、奥行き感(立体感)のある映像を出現させることができ、この奥行き感のある映像を用いた演出を実行することができる。
また、例えば、照射光装置Bからの照射光の照射により映像を出現させるスクリーン機構を、リールスクリーン機構F1に切り替えた場合、湾曲形状の平板からなるリールスクリーン部F11に映像を出現させることで、湾曲した映像を出現させることができ、この湾曲した映像を用いた演出を実行することができる。
[第1サブ表示装置の表示例]
続いて、第1サブ表示装置201に表示される表示画面について説明する。図29は、第1サブ表示装置201に表示される表示画面の一部を示す図である。図29に示すように、第1サブ表示装置201には、トップ画面211、メニュー画面212及び遊技情報画面213,214,215を含む複数の表示画面が表示される。これら複数の表示画面は、タッチセンサ201aを介して受け付けた遊技者の操作に応じて切り替えられる。
トップ画面211は、第1サブ表示装置201に表示される表示画面のうちの初期画面であり、メニューボタン211aと概要遊技履歴211bとを表示する。メニューボタン211aは、遊技者により操作(タップ)されることで、メニュー画面212を呼び出す操作ボタンである。概要遊技履歴211bは、パチスロ機1における遊技履歴のうちの一部の遊技履歴(概要遊技履歴)を表示する。本実施形態では、概要遊技履歴として、例えば、パチスロ機1におけるボーナス回数、ART回数、及びゲーム数(遊技回数)を表示する。
メニュー画面212は、第1サブ表示装置201に表示される表示画面のメニューであり、戻るボタン212aと、登録ボタン212bと、説明ボタン212cと、配列配当ボタン212dと、リーチ目ボタン212eと、WEBサイトボタン212fと、音量ボタン212gとを表示する。戻るボタン212aは、遊技者により操作されることで、トップ画面211を呼び出す操作ボタンである。また、登録ボタン212b〜音量ボタン212gは、遊技者により操作されることで対応する表示画面を呼び出す操作ボタンである。
例えば、登録ボタン212bが遊技者により操作された場合、遊技中の遊技者を登録する登録画面(図示せず)が呼び出される。近年のパチスロ機では、機種ごとに遊技者を登録しておき、当該遊技者のこれまでの遊技履歴から、定められたミッションの達成状況などの様々な情報を管理するサービスが広く行われている。登録ボタン212bにより呼び出される登録画面は、このサービスの提供を受ける際に遊技者を登録するための表示画面である。
また、説明ボタン212cが遊技者により操作された場合、パチスロ機1の説明画面(図示せず)が呼び出される。説明画面で説明する内容としては、例えば、設定値ごとのボーナス当籤確率やART当籤確率などのパチスロ機1の仕様に関する説明の他、パチスロ機1の演出に登場するキャラクタの紹介などが含まれる。
また、配列配当ボタン212dが遊技者により操作された場合、パチスロ機1の配列配当画面(図示せず)が呼び出される。配列配当画面には、例えば、パチスロ機1において入賞と判定される図柄の組合せと入賞と判定された際の特典との対応関係(配当表)や、リール3L,3C,3Rに描かれた図柄列(リール配列)などが表示される。
また、リーチ目ボタン212eが遊技者により操作された場合、パチスロ機1のリーチ目画面(図示せず)が呼び出される。リーチ目画面には、パチスロ機1におけるリーチ目が表示される。なお、リーチ目は、有効ラインに沿って表示されることで、特別な特典が付与される図柄の組合せであり、本実施形態のパチスロ機1では、図35及び図36に示すリーチ目リプの図柄の組合せが該当する。本実施形態のパチスロ機1では、リーチ目リプの図柄の組合せが有効ラインに沿って表示された場合には、その後、遊技者にとって有利な状態(例えば、ボーナス状態、通常ART又はCT(図33参照))に移行することが確定していることになっている。
また、WEBサイトボタン212fが遊技者により操作された場合、パチスロ機1のWEB紹介画面(図示せず)が呼び出される。WEB紹介画面には、パチスロ機1の機種ごとに設けられた特設WEBサイトやパチスロ機1のメーカーのWEBサイトなど任意のWEBサイトのURLを示す二次元コード(例えば、QRコード(登録商標))が表示される。遊技者は、携帯電話などでWEB紹介画面に表示される二次元コードを読み込むことで、対応するWEBサイトにアクセスすることができる。
また、音量ボタン212gが遊技者により操作された場合、スピーカ9L,9Rから出力する音の音量を調整する音量調整画面(図示せず)が呼び出される。遊技者は、音量調整画面を介してパチスロ機1の演出音の音量を調整することができる。
ここで、第1サブ表示装置201は、演出を行う表示ユニット100とは別体に設けられるため、表示ユニット100とは別に制御することができ、遊技中(すなわち、表示ユニット100で演出を実行中)であっても、第1サブ表示装置201の表示を切り替えることができる。遊技者にとってみると、例えば、表示ユニット100における演出に登場するキャラクタを知りたいことがあり、このような場合に、説明ボタン212cを操作し説明画面を呼び出すことで、キャラクタ間の関係性などを遊技中に把握することができる。また、遊技者にとってみると、いわゆるレア役が当籤した場合のリール回転中にレア役を入賞させるために目安とすべき図柄の把握を望むことがあり、このような場合に、配列配当ボタン212dを操作し配列配当画面を呼び出すことで、リール配列を把握することができる。
遊技情報画面213,214,215は、パチスロ機1の遊技履歴のうちのトップ画面に表示する概要遊技履歴を含む詳細遊技履歴を表示する表示画面である。遊技情報画面213は、戻るボタン213aと、メニューボタン213bと、前へボタン213cと、次へボタン213dと、遊技履歴213eとを表示する。戻るボタン213a及びメニューボタン213bは、遊技者により操作されることで、それぞれトップ画面211及びメニュー画面212を呼び出す操作ボタンである。また、前へボタン213c及び次へボタン213dは、遊技者により操作されることで、遊技情報画面を切り替える操作ボタンであり、前へボタン213cが操作されると、遊技情報画面213から遊技情報画面215に表示画面が切り替わり、また、次へボタン213dが操作されると、遊技情報画面213から遊技情報画面214に表示画面が切り替わる。また、遊技履歴213eは、パチスロ機1におけるボーナス回数、ART回数、及びゲーム数(遊技回数)を表示する。
遊技情報画面214は、戻るボタン214aと、メニューボタン214bと、前へボタン214cと、次へボタン214dと、遊技履歴214eとを表示する。戻るボタン214a及びメニューボタン214bは、遊技者により操作されることで、それぞれトップ画面211及びメニュー画面212を呼び出す操作ボタンである。また、前へボタン214c及び次へボタン214dは、遊技者により操作されることで、所定の順序で遊技情報画面を切り替える操作ボタンである。また、遊技履歴214eは、パチスロ機1におけるCZ(チャンスゾーン)の突入回数及び成功回数を表示する。なお、後述するように本実施形態では、CZとしてCZ1,CZ2,CZ3を有するため、遊技履歴214eには、CZ1〜3のそれぞれの突入回数及び成功回数が表示される。
遊技情報画面215は、戻るボタン215aと、メニューボタン215bと、前へボタン215cと、次へボタン215dと、遊技履歴215eとを表示する。戻るボタン215a及びメニューボタン215bは、遊技者により操作されることで、それぞれトップ画面211及びメニュー画面212を呼び出す操作ボタンである。また、前へボタン215c及び次へボタン215dは、遊技者により操作されることで、所定の順序で遊技情報画面を切り替える操作ボタンである。また、遊技履歴215eは、パチスロ機1におけるいわゆる小役の当籤回数及び当籤確率(分子が1の分数)を表示する。
なお、第1サブ表示装置201に表示される表示画面は、それぞれの表示画面に表示される操作ボタンに対するタップ操作に基づいて切り替えることとしてもよく、また、表示画面に対するスワイプ操作に基づいて切り替えることとしてもよい。
[パチスロ機が備える回路の構成]
パチスロ機1の構造についての説明は以上である。次に、図30及び図31を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機1が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ機1は、主制御基板71、副制御基板72及びこれらと電気的に接続する外部集中端子板73や周辺装置(アクチュエータ)を備える。
<主制御基板>
図30は、本実施の形態におけるパチスロ機1の主制御基板71を主とする電気的な構成を示す。
(マイクロコンピュータ)
主制御基板71は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、CPU(以下、メインCPU)31、ROM(以下、メインROM)32及びRAM(以下、メインRAM)33により構成される。
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブルなどのデータテーブル、副制御基板72に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータなどが記憶されている。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役などの各種データを格納する格納領域が設けられる。
(乱数発生器など)
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、クロックパルスを発生する。
メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、発生された乱数の中から用途に応じて少なくとも一つの値を抽出する。
(周辺装置及び回路)
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ49L、49C、49R及びメダル払出装置(以下、ホッパーという)40がある。また、マイクロコンピュータ30の入出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するためのモータ駆動回路39やホッパー駆動回路41、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51、外部集中端子板73及びドア中継基板74などの各種回路や各種基板が接続されている。
モータ駆動回路39は、図柄変動手段を構成し、各リール3L、3C、3Rに対応して設けられたステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動を制御する。すなわち、モータ駆動回路39は、所定の開始条件の成立に基づき、各リール3L、3C、3Rを回転させることにより各リール3L、3C、3Rに表示された図柄を変動させる。
リール位置検出回路50は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3L、3C、3Rが一回転したことを示すリールインデックスを各リール3L、3C、3Rに応じて検出する。ここで、リールインデックスとは、リール3L、3C、3Rが一回転したことを示す情報である。
ステッピングモータ49L、49C、49Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール3L、3C、3Rに伝達される。ステッピングモータ49L、49C、49Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール3L、3C、3Rは一定の角度で回転する。
メインCPU31は、リールインデックスを検出してから各リール3L、3C、3Rのステッピングモータ49L、49C、49Rに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU31は、各リール3L、3C、3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
次いで、各リール3L、3C、3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータ49L、49C、49Rに対して出力されたパルスの数は、メインRAM33に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1個分の回転に必要な所定回数のパルスの出力がパルスカウンタで計数されるごとに、メインRAM33に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L、3C、3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出回路50によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態において、メインCPU31は、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L、3C、3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
ホッパー駆動回路41は、ホッパー40の動作を制御する。また、払出完了信号回路51は、ホッパー40に設けられたメダル検出部40Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー40から外部に払い出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
(外部集中端子板)
外部集中端子板73は、主制御基板71からのメダルの投入/払出枚数、遊技回数、ボーナスの作動有無情報などの信号が入力されるとともに、それらの信号を遊技回数やボーナス作動回数などを表示する外部表示器や、遊技場のホストコンピュータに出力する。外部表示器は、例えばパチスロ機1の上方に設置され、遊技回数の進行やボーナス作動と連動して表示を更新したり、ランプなどによりボーナス作動を報知したりするものである。
ここで、メダル投入信号は、メダル投入を認識可能とする信号であって、スタートレバー6の操作時に出力される。メダル払出信号は、メダル払出又は再遊技を認識可能とする信号であって、メダル払出(クレジット貯留含む)時、又は再遊技作動時に出力される。
(ドア中継基板)
ドア中継基板74は、主制御基板71と、各種のボタンやスイッチ及び情報表示器14との配線を中継する基板である。また、ドア中継基板74は、副中継基板75を介して副制御基板72と接続されている。なお、ドア中継基板74は、副中継基板75に対してのみ情報を送信可能に接続されており、副中継基板75から情報が送信されないようになっている。これにより、主制御基板71と副制御基板72との間は、主制御基板71から副制御基板72に対してのみ情報を送信可能な一方向通信とされる。
このドア中継基板74には、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7S、メダルセンサ42S、MAXベットスイッチ11S、1ベットスイッチ(図示せず)及び精算スイッチ13Sが接続されている。
スタートスイッチ6Sは、開始操作検出手段を構成し、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。また、ストップスイッチ7Sは、停止操作検出手段を構成し、3つのストップボタン7L、7C、7Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
メダルセンサ42Sは、メダル投入口22に受け入れられたメダルがセレクタ内を通過したことを検出する。また、MAXベットスイッチ11Sは、MAXベットボタン11が遊技者により押されたことを検出する。また、1ベットスイッチは、1ベットボタンが遊技者により押されたことを検出する。メインCPU31は、メダルセンサ42S、あるいはMAXベットスイッチ11S及び1ベットスイッチの検出結果に基づき有効ラインを有効化する。また、精算スイッチ13Sは、精算ボタン13が遊技者により押されたことを検出する。
また、ドア中継基板74には、ストップボタン7L、7C、7Rのそれぞれ内部に設けられ、これらの受付け状態を表示するストップボタン内部LED107L、107C、107Rと、メダル枚数や有利な停止操作を一義的に報知する情報表示器14(指示モニタ)とが接続されている。
<副制御基板>
図31は、本実施の形態におけるパチスロ機1の副制御基板72を主とする電気的な構成を示す。副制御基板72は、主制御基板71と電気的に接続されており、主制御基板71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行などの処理を行う。
副制御基板72は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)81、ロムカートリッジ基板82、RAM(以下、サブRAM)83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85及びドライバ86を含む。
サブCPU81は、主制御基板71から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力制御を行う。なお、ロムカートリッジ基板82は、基本的には、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を有する。
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する各種制御プログラムが記憶される。なお、プログラム記憶領域に格納される制御プログラムには、例えば、主制御基板71との通信を制御するための主基板通信タスク、演出用乱数値を抽出して演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて表示ユニット100による映像の表示を制御するための描画制御タスク、各種LED101による光の出力を制御するためのランプ制御タスク、スピーカ9L,9Rによる音の出力を制御するための音声制御タスクなどのプログラムが含まれる。
データ記憶領域には、例えば、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各種演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域などの各種記憶領域が含まれる。
サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御基板71から送信される内部当籤役などの各種データを格納する格納領域などを有する。
また、副制御基板72には、図30及び図31に示すように、表示ユニット100、第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202が所定の中継基板を介して接続される。例えば、副制御基板72は、役物中継基板(図示せず)を表示ユニット100と接続され、また、液晶中継回路(図示せず)を介して第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202と接続される。表示ユニット100、第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202は、副制御基板72の制御のもとそれぞれ個別に制御される。
また、図30に示すように、主制御基板71と副制御基板72との間には、副中継基板75が設けられ、主制御基板71と副制御基板72とを接続する配線を中継する。また、副中継基板75は、副制御基板72と副制御基板72の周辺に配設された複数の基板とを接続する配線を中継することで、副制御基板72と各種周辺装置とを接続する。例えば、副中継基板75は、LED基板(図示せず)を介して副制御基板72と各種LED101、リール照明器102及びベットボタンLED103とを接続する。また、副中継基板75は、サウンドI/O基板(図示せず)を介して副制御基板72とスピーカ9L、9Rとを接続し、タッチセンサ中継基板(図示せず)を介して副制御基板72とタッチセンサ201aとを接続する。
[パチスロ機の遊技状態の遷移フロー]
次に、図32及び図33を参照しながら、本実施形態のパチスロ機1の主制御基板71(メインCPU31)により制御される遊技状態及びその遷移フローについて説明する。
<基本的な遊技状態の遷移フロー>
本実施形態では、主制御基板71は、ボーナスの当籤/作動の有無、リプレイに係る内部当籤役の種別、及びその当籤確率に基づいて遊技状態を管理する。図32に示すように、主制御基板71は、ボーナス(F_BB1,2)の当籤/作動の有無に基づいて、ボーナス非当籤状態、フラグ間状態及びボーナス状態を区別する。具体的には、ボーナス非当籤状態は、ボーナスに非当籤、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、フラグ間状態は、ボーナス当籤、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、ボーナス状態は、ボーナスが作動している状態である。
なお、ボーナスの当籤の有無は、メインRAM33に設けられる内部当籤役格納領域(図示せず)に格納されるデータに基づいて管理され、ボーナスの作動の有無は、メインRAM33に設けられる遊技状態フラグ格納領域(図示せず)に格納されるデータに基づいて管理される。ここで、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されると、ボーナスが作動するまで複数回の遊技にわたりボーナスに係る役が内部当籤役として持ち越される。フラグ間状態は、ボーナス役が内部当籤役として持ち越されている状態である。
また、主制御基板71は、リプレイに係る内部当籤役の種別及びその当籤確率が互いに異なる、RT0遊技状態〜RT5遊技状態の6種類の状態を設ける。なお、RT0遊技状態、RT2遊技状態及びRT5遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が低確率となる遊技状態であり、RT1遊技状態はリプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が中程度の中確率となる遊技状態である。また、RT3遊技状態及びRT4遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高確率となる遊技状態である。
これらRT0遊技状態〜RT5遊技状態は、メインRAM33に設けられる遊技状態フラグ格納領域(図示せず)に格納されるデータに基づいて管理される。具体的には、パチスロ機1では、RT1遊技状態フラグ〜RT5遊技状態フラグの5つのフラグを有し、これらフラグのオン/オフをメインRAM33で管理することでRT遊技状態を管理する。より具体的には、主制御基板71は、オンであるRT遊技状態フラグに応じたRT遊技状態を現在のRT遊技状態として特定する。なお、全てのRT遊技状態フラグがオフである場合には、主制御基板71は、現在のRT遊技状態がRT1遊技状態であると特定する。
図32に示すように、主制御基板71は、(1)ボーナス非当籤状態においてボーナスに係る役(F_BB1,2)が内部当籤役として決定されると、ボーナス非当籤状態からフラグ間状態に遊技状態を移行させる。そして、主制御基板71は、(2)フラグ間状態においてボーナスに係る役が入賞すると、フラグ間状態からボーナス状態に遊技状態を移行させる。
また、主制御基板71は、(3)ボーナス状態において規定枚数(216枚)を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了し、ボーナス状態からRT1遊技状態に遊技状態を移行させる。このRT1遊技状態では、主制御基板71は、(4)20ゲームが経過すると、RT1遊技状態からRT0遊技状態に遊技状態を移行させ、20ゲームが経過する前に(5)ベルこぼし目が表示されると、RT1遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させる。また、RT0遊技状態では、主制御基板71は、(5)ベルこぼし目が表示されると、RT0遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させる。
また、主制御基板71は、(6)RT2遊技状態においてRT3移行リプが表示されると、RT2遊技状態からRT3遊技状態に遊技状態を移行させ、(7)RT3遊技状態においてRT4移行リプが表示されると、RT3遊技状態からRT4遊技状態に遊技状態を移行させる。また、主制御基板71は、(8)RT3遊技状態においてベルこぼし目又はRT2移行リプが表示されると、RT3遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させ、同様に、RT4遊技状態においてベルこぼし目又はRT2移行リプが表示されると、RT4遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させる。
ここで、ベルこぼし目は、後述する押し順ベル(F_3択ベル_1st、F_3択ベル_2nd、F_3択ベル_3rd)が内部当籤役として決定された場合に、押し順ベルの種別ごとに定められた押し順に不正解のときに表示される図柄の組合せである。また、RT2移行リプは、後述する維持リプ(F_維持リプ_1st、F_維持リプ_2nd、F_維持リプ_3rd)が内部当籤役として決定された場合に、維持リプの種別ごとに定められた押し順に不正解のときに表示される図柄の組合せである。また、RT3移行リプは、後述するRT3リプ(F_RT3リプ_1st、F_RT3リプ_213、F_RT3リプ_231、F_RT3リプ_3rd)が内部当籤役として決定された場合に、RT3リプの種別ごとに定められた押し順に正解のときに表示される図柄の組合せである。また、RT4移行リプは、後述するRT4リプ(F_RT4リプ_123、F_RT4リプ_132、F_RT4リプ_2nd、F_RT4リプ_3rd)が内部当籤役として決定された場合に、RT4リプの種別ごとに定められた押し順に正解のときに表示される図柄の組合せである。
<報知の有無に関する遊技状態の遷移フロー>
以上のようにパチスロ機1は、ボーナスの当籤/作動の有無、リプレイに係る内部当籤役の種別、及びその当籤確率に基づいて遊技状態を管理する一方で、遊技者にとって有利な停止操作を報知するか否かなどに基づいて遊技状態を管理する。図33は報知の有無に関する遊技状態の遷移フローを示す図である。
図33に示すように、パチスロ機1の主制御基板71は、報知の有無に基づいて一般遊技状態とART遊技状態とを区別する。一般遊技状態は、基本的には、遊技者にとって有利な停止操作の内容を報知しない遊技状態(非ART)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。反対に、ART遊技状態は、遊技者にとって有利な停止操作を報知する遊技状態であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。本実施形態のパチスロ機1では、遊技者は、一般遊技状態から(状況に応じてボーナス状態を挟みながら)、遊技者にとって有利なART遊技状態に移行するように遊技を行っていくことになる。
一般遊技状態は、RT0〜RT4遊技状態のうちARTに非当籤の遊技状態である。図33に示すように、一般遊技状態は、通常遊技状態及びCZ(チャンスゾーン)により構成される。通常遊技状態及びCZは、移行先の遊技状態がそれぞれ異なる遊技状態であり、本実施形態のパチスロ機1では、通常遊技状態からCZに移行し、CZからART遊技状態に移行することで、遊技が行われる。
通常遊技状態は、パチスロ機1において最も不利な遊技状態であり、図33に示すように、通常遊技状態からはCZに移行する可能性がある。具体的には、通常遊技状態ではCZへの移行抽籤を行っており、(A)この移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、通常遊技状態からCZに遊技状態を移行させる。
CZは、ART遊技状態に移行することについての期待度が高い遊技状態(チャンスゾーン)であり、図33に示すように、CZからは通常遊技状態又はART遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、CZではARTへの移行抽籤を行っており、(B)この移行抽籤に非当籤すると、主制御基板71は、CZから通常遊技状態に遊技状態を移行させ、(C)この移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、CZからART準備中を経由してART遊技状態(通常ART又はCT)に遊技状態を移行させる。
ここで、パチスロ機1において、ART遊技状態は、基本的にはRT4遊技状態のうちARTに当籤中の遊技状態であり、ART当籤後にRT遊技状態がRT4遊技状態まで移行すると開始する。図32に示すように、RT4遊技状態は、RT0〜RT2遊技状態からRT3遊技状態を経由して移行することになるため、ART当籤後であってもすぐにART遊技状態が開始されるわけではない。そこで、パチスロ機1では、ART当籤後のRT4遊技状態に移行するまでの間をART準備中とし、このART準備中においてRT4遊技状態に移行するために必要な停止操作を報知する。
続いて、ART遊技状態は、基本的にはRT4遊技状態のうちARTに当籤中の遊技状態である。図33に示すように、ART遊技状態は、通常ART及びCTにより構成される。通常ART及びCTは、それぞれ遊技性が異なる遊技状態であり、通常ARTは、所定ゲーム数の間、遊技者にとって有利な停止操作(例えば、払い出されるメダルの枚数が多い図柄の組合せを表示させるための停止操作や、RT4遊技状態を維持するために必要な停止操作)を報知する遊技状態であり、CTは、遊技者にとって有利な停止操作を報知するとともに、通常ARTの継続期間を上乗せする上乗せチャンスゾーンとして機能する遊技状態である。なお、CT中は、通常ARTの継続期間を消化せずに遊技が行われる。
図33に示すように、通常ARTからはCT又は一般遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、通常ARTではCTへの移行抽籤を行っており、(D)この移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、通常ARTからCTに遊技状態を移行させる。また、通常ARTは、継続期間が管理されており、(E)この継続期間が終了すると、主制御基板71は、通常ARTから一般遊技状態(通常遊技状態又はCZ)に遊技状態を移行させる。なお、通常ARTの継続期間の管理方法は任意であるが、本実施形態のパチスロ機1では、ゲーム数により継続期間を管理する。もちろん、ゲーム数ではなく、通常ART中に払い出されるメダルの枚数や差枚数により継続期間を管理することとしてもよく、また、通常ART中にメダルの払い出しに影響を与える報知を行った回数(ナビ回数)により継続期間を管理することとしてもよい。
図33に示すように、CTからは通常ARTに移行する可能性がある。具体的には、CTは、継続期間が管理されており、(F)この継続期間が終了すると、主制御基板71は、CTから通常ARTに遊技状態を移行させる。本実施形態のパチスロ機1では、CTは、1セット8ゲームの継続期間により管理されるが、詳しくは後述する(図63参照)。
また、図33に示すように、一般遊技状態(通常遊技状態又はCZ)及びART遊技状態(通常ART又はCT)からは、ボーナス状態に移行する可能性がある。具体的には、図32に示すように、(2)一般遊技状態及びART遊技状態においてボーナスに係る役が入賞すると、主制御基板71は、一般遊技状態又はART遊技状態からボーナス状態に遊技状態を移行させる。
ボーナス状態では、ARTへの移行抽籤を行っており、(G)この移行抽籤に非当籤すると、主制御基板71は、ボーナス状態から一般遊技状態(通常遊技状態又はCZ)に遊技状態を移行する(ただし、ART遊技状態(通常ART又はCT)からボーナス状態に移行していた場合には、移行抽籤に非当籤しても、主制御基板71は、ボーナス状態からART遊技状態(通常ART又はCT)に遊技状態を移行する)。また、(H)ボーナス状態中の移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、ボーナス状態からART遊技状態(通常ART又はCT)に遊技状態を移行する。なお、上述のように、ボーナス状態が終了した場合には、RT1遊技状態に移行するため、ボーナス状態からART遊技状態に遊技状態を移行する場合には、主制御基板71は、ART準備中を経由してART遊技状態に遊技状態を移行する。
[主制御側の各種のデータテーブル]
次に、図34〜図74を参照して、メインROM32に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
<図柄配置テーブル>
図34に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、20個の図柄位置「0」〜「19」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」〜「19」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「19」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
図柄の種類としては、「白7」、「青7」、「チリ上1」、「チリ上2」、「チリ下」、「リプレイ」、「帽子」、「サボテン1」、「サボテン2」及び「サボテン3」を含んでいる。
図34に示す図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓4の中段に位置する図柄(表示窓4の中段を通過中の図柄)を図柄位置「0」に割り当てるとともに、リール3L、3C、3Rの回転方向に移動する順に、20個の図柄の各々に対して図柄位置「0」〜「19」を割り当てた対応関係を規定する。
このように、表示窓4の中段を基準にすることで、表示窓4の中段に位置する図柄の種別を、3つのリール3L、3C、3Rごとに特定することができる。
<図柄コード表>
また、図34に示すように、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図34に示す図柄コード表は、3つのリール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。
本実施の形態によるパチスロ機1で用いる図柄は、上述のように「白7」、「青7」、「チリ上1」、「チリ上2」、「チリ下」、「リプレイ」、「帽子」、「サボテン1」、「サボテン2」及び「サボテン3」の10種類である。
図柄コード表では、「白7」図柄(図柄コード1)に対して、データとして「00000001」が割り当てられている。「青7」図柄(図柄コード2)に対しては、データとして「00000010」が割り当てられている。「チリ上1」図柄(図柄コード3)に対しては、データとして「00000011」が割り当てられている。
同様に、「チリ上2」、「チリ下」、「リプレイ」、「帽子」、「サボテン1」、「サボテン2」及び「サボテン3」の各図柄(図柄コード4〜10)に対しても、データとして「00000100」から「00001010」が割り当てられている。
<図柄組合せテーブル>
次に、図35〜図38を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せ(コンビネーション)と、当該図柄の組合せが表示された際にメインRAM33に格納するデータと、当該図柄の組合せが表示された際の特典(メダルの払出枚数)との対応関係を規定する。
本実施形態では、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定された図柄の組合せ(コンビネーション)と一致する場合に入賞と判定される。そして、入賞と判定されると、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスゲーム(役物連続作動装置)の作動といった特典が遊技者に与えられる。なお、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せのいずれとも一致しない場合には、いわゆる「はずれ」となる。すなわち、本実施形態では、「はずれ」に対応する図柄の組合せを図柄組合せテーブルに規定しないことにより、「はずれ」の図柄の組合せを規定する。なお、本発明はこれに限定されず、図柄組合せテーブルに、「はずれ」の項目を設けて、直接「はずれ」を規定してもよい。
図柄組合せテーブル中のデータ欄は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するための情報が規定される。具体的には、データ欄には、対応する図柄の組合せのデータが格納される「格納領域」と、当該格納領域に格納される「データ(1バイトのデータ中の図柄の組合せに応じたビットを指定するためのデータ)」が規定される。本実施形態では、1バイトの格納領域を22個用いることで、それぞれの図柄の組合せを判別する。例えば、図35に示す「C_BB1」は、格納領域0のビット1に1が格納されることで判別される。
図柄組合せテーブルに規定する、コンビネーションは、各リール3L、3C、3Rが停止した場合に、有効ラインに沿って表示される各リール3L、3C、3Rの図柄組合せを意味する。それぞれのコンビネーションには、当該コンビネーションの役割や当該コンビネーションを構成する図柄の種別に応じたコンビネーション名が規定されている。
また、図柄組合せテーブルに規定する、払出枚数は、対応する図柄の組合せ(コンビネーション)が表示された際に払い出されるメダルの枚数を規定する。例えば、図37を参照すると、コンビネーション名「C_9枚A_01」が表示された場合には、9枚のメダルが払い出されることになる。
また、図柄組合せテーブル中の内容欄は、それぞれの図柄の組合せの役割や、それぞれの図柄の組合せの特徴を示す。図35を参照して、例えば、コンビネーション名「C_BB1」「C_BB2」は、BBに係る図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、遊技状態がボーナス状態に移行する(図32参照)。
また、コンビネーション名「R_RT移行目A_01」〜「R_RT移行目B_02」は、ベルこぼし目である。有効ラインに沿ってベルこぼし目が表示されると、RT遊技状態がRT2遊技状態に移行する(図32参照)。
また、コンビネーション名「C_維持リプA_01」〜「C_維持リプG_01」は、リプレイである。リプレイは、表示窓4に表示されるボトムライン、トップライン又はクロスダウンラインの3つのラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってリプレイが表示されると、再遊技の作動が行われる。
また、コンビネーション名「C_RT2リプA_01」、「C_RT2リプA_02」は、RT2移行リプである。RT2移行リプは、表示窓4に表示されるクロスアップラインに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってRT2移行リプが表示されると、再遊技の作動が行われるとともに、RT遊技状態がRT2遊技状態に移行する(図32参照)。
また、コンビネーション名「C_RT3リプ_01」は、RT3移行リプである。RT3移行リプは、表示窓4に表示されるセンターライン(有効ライン)に「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってRT3移行リプが表示されると、再遊技の作動が行われるとともに、RT遊技状態がRT3遊技状態に移行する(図32参照)。
また、コンビネーション名「C_RT4リプA_01」〜「C_RT4リプD_02」は、RT4移行リプである。有効ラインに沿ってRT4移行リプが表示されると、再遊技の作動が行われるとともに、RT遊技状態がRT4遊技状態に移行する(図32参照)。
また、コンビネーション名「C_チリリプA_01」〜「C_1確チリリプD_01」は、チリリプである。チリリプは、表示窓4にチリ図柄が表示される図柄の組合せである。ここで、図34に示すように、本実施形態では、各リール上に図柄「チリ上1」と図柄「チリ下」とを連続して配置している。チリ図柄とは、図柄「チリ上1」と図柄「チリ下」とを一つの図柄として捉えた場合の名称である。有効ラインに沿ってチリリプが表示されると、再遊技の作動が行われる。
なお、チリリプのうち、コンビネーション名「C_チリリプA_01」は、表示窓4に表示されるリール3L、3C、3Rのうちの一つのリールにのみチリ図柄が表示される図柄の組合せであり、以下では「単チリリプ」と呼ぶことがある。また、チリリプのうち、コンビネーション名「C_チリリプB_01」「C_チリリプC_01」は、表示窓4に表示されるリール3L、3C、3Rのうちの二つのリールにチリ図柄が表示される図柄の組合せであり、以下では「2連チリリプ」と呼ぶことがある。また、チリリプのうち、コンビネーション名「C_チリリプD_01」〜「C_1確チリリプD_01」は、表示窓4に表示されるリール3L、3C、3Rの全てにチリ図柄が表示される図柄の組合せ(又は当該図柄の組合せを表示させるための停止操作に失敗した際に(いわゆる、目押ミス時)に表示される図柄の組合せ)であり、以下では「3連チリリプ」と呼ぶことがある。
また、コンビネーション名「C_リーチ目リプA_01」〜「C_リーチ目リプP_02」は、リーチ目リプである。リーチ目リプは、いわゆるリーチ目であり、表示窓4Lに特別な図柄の組合せが表示される図柄の組合せである。例えば、コンビネーション名「C_リーチ目リプA_01」は、トップラインに沿って「白7−白7−白7」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってリーチ目リプが表示されると、再遊技の作動が行われる。
また、コンビネーション名「C_RB役A_01」〜「C_RB役G_02」は、BB中9枚出目である。有効ラインに沿ってBB中9枚出目が表示されると、9枚のメダルが払い出される。なお、BB中9枚出目のうち、コンビネーション名「C_RB役C_01」、「C_RB役C_02」を除く図柄の組合せは、表示窓4に表示される5本のラインのいずれかに7図柄(図柄「白7」又は図柄「青7」)が3つ並んで表示される図柄の組合せ(又は当該図柄の組合せを表示させるための停止操作に失敗した際に表示される図柄の組合せ)であり、以下では「BB中7揃い」と呼ぶことがある。一方、コンビネーション名「C_RB役C_01」、「C_RB役C_02」は、5本のラインのいずれかに7図柄が2つ並んで表示される図柄の組合せであり、以下では「BB中7煽り」と呼ぶことがある。
また、コンビネーション名「C_9枚A_01」〜「C_9枚H_04」は、ベルである。ベルは、表示窓4に表示される5本のラインのいずれかに「帽子−帽子−帽子」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってベルが表示されると、9枚のメダルが払い出される。
また、コンビネーション名「C_1st_A_01」〜「C_2nd_B_04」は、1枚出目である。有効ラインに沿って1枚出目が表示されると、1枚のメダルが払い出される。また、コンビネーション名「C_SP1_01」「C_SP2_01」は、確定出目である。有効ラインに沿って確定出目が表示されると、1枚のメダルが払い出される。
また、コンビネーション名「C_3枚A_01」〜「C_3枚F_01」は、サボテンである。有効ラインに沿ってサボテンが表示されると、3枚のメダルが払い出される。また、コンビネーション名「C_弱2枚A_01」〜「C_弱2枚B_03」は、弱チェリーであり、コンビネーション名「C_強2枚A_01」〜「C_強2枚C_09」は、強チェリーである。有効ラインに沿って弱チェリー又は強チェリーが表示されると、2枚のメダルが払い出される。
<内部抽籤テーブル>
続いて、図39及び図40を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態ごとに設けられ、それぞれの役に対応する抽籤値の情報を規定する。図39は、RT0遊技状態〜RT4遊技状態のそれぞれにおいて参照される内部抽籤テーブルであり、図40は、RT5遊技状態又はボーナス状態において参照される内部抽籤テーブルである。
本実施形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各役に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられた役が内部当籤役として決定される確率が高い。すなわち、各番号の当籤確率は、「各番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
内部抽籤テーブルは、基本的には、RT遊技状態の種別に応じて内部当籤役として決定されるリプレイに係る役の種別及び当籤確率が変化する。図39に示すRT0遊技状態〜RT4遊技状態の内部抽籤テーブルを比較すると、それぞれの遊技状態において内部当籤役として決定されるリプレイに係る役の種別及び当籤確率が異なることが分かる。最も特徴的な点として、本実施形態のパチスロ機1では、「F_チリリプ(No.25)」〜「F_リーチ目リプD(No.31)」は、RT0遊技状態〜RT3遊技状態では内部当籤役として決定されることなく、RT4遊技状態でのみ内部当籤役として決定される。パチスロ機1では、RT4遊技状態中に、「F_チリリプ(No.25)」〜「F_リーチ目リプD(No.31)」が内部当籤役として決定された場合には、特有の制御(後述のフラグ変換)を行うが、この特有の制御については後述する。
なお、RT0遊技状態〜RT3遊技状態であっても、「F_リーチ目リプA〜D」については「F_BB1,2」とともに内部当籤役として決定されることはあるものの(No.3〜6、No.15〜18参照)、「F_リーチ目リプA〜D」が単独で内部当籤役として決定されることはない。そのため、RT0遊技状態〜RT3遊技状態中に「F_リーチ目リプA〜D」が内部当籤役として決定された場合(遊技者からすると「F_リーチ目リプA〜D」に応じた図柄の組合せが表示された場合)、ボーナスに係る役(F_BB1,2)が同時に内部当籤役として決定されていることになる。
また、フラグ間状態であるRT5遊技状態は、上述のようにボーナスに係る役を内部当籤役として持ち越す。そのため、図40に示すRT5遊技状態の内部抽籤テーブルでは、持ち越しているボーナスに係る役が必ず内部当籤役として決定されるようになっている。
<内部当籤役と図柄組合せの比較表>
図41〜図46は、それぞれの役が内部当籤役として決定された場合に各内部当籤役において有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)との対応関係を示す比較表である。各対応表における丸印は、内部当籤役として決定された役において、有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)を示す。
パチスロ機1では、主制御基板71は、内部当籤役及び遊技状態に応じて停止制御を異ならせ、所定の役が内部当籤役として決定された場合に、図42〜図48に示す対応関係の図柄の組合せ(コンビネーション)を表示可能にリール3L,3C,3Rの回転を停止する。なお、図42〜図48に示す対応表では、役が内部当籤役として決定された場合に表示される可能性のある全ての図柄の組合せを列挙しているが、役に対応して丸印が付された図柄の組合せであっても、表示されないことがある。
すなわち、パチスロ機1では、停止表示可能な図柄の組合せや現在の遊技状態に応じて停止制御(例えば、優先して引き込む図柄)を異ならせることとしており、優先して引き込む図柄の関係上、丸印が付された図柄の組合せであっても表示されないことがある。そこで、役の種別と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係を、図47及び図48に示す。
<非フラグ間中の当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係>
図47は、フラグ間状態を除く遊技状態中の当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係(一部の役については省略)とを示す図である。パチスロ機1では、複数の役として、停止操作の順序(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である「押し順役」を設ける。図47における「押し順正解」に対応付けられた図柄の組合せは、押し順に応じて表示される図柄の組合せのうち、遊技者にとって有利な図柄の組合せであり、「押し順不正解」に対応付けられた図柄の組合せは、押し順に応じて表示される図柄の組合せのうち、遊技者にとって不利な図柄の組合せである。遊技者にとって有利な停止操作を報知する場合、正解となる押し順を報知し、結果、「押し順正解」に対応付けられた図柄の組合せが表示されることになる。なお、ART遊技状態であっても、不正解となる押し順を報知することもあるが、詳しくは後述する。
ここで、本実施形態では、押し順役の名称の末尾は、正解となる押し順を表している。具体的には、役の名称の末尾「1st」は、正解となる押し順が、第1停止操作が左のリール3Lに対するものであることを意味し、役の名称の末尾「2nd」は、正解となる押し順が、第1停止操作が中のリール3Cに対するものであることを意味し、役の名称の末尾「3rd」は、正解となる押し順が、第1停止操作が右のリール3Rに対するものであることを意味している。また、役の名称の末尾「123」は、正解となる押し順が「左、中、右」であることを意味し、役の名称の末尾「132」は、正解となる押し順が「左、右、中」であることを意味し、役の名称の末尾「213」は、正解となる押し順が「中、左、右」であることを意味し、役の名称の末尾「231」は、正解となる押し順が「左、右、中」であることを意味している。
図47に示すように役「F_チリリプ」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、チリリプ(図35参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図35参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。なお、図41〜図46を参照すると、役「F_チリリプ」は、3連チリリプ(「C_チリリプD_01」〜「C_1確チリリプD_01」)を表示できず、単チリリプ又は2連チリリプ(「C_チリリプA_01」「C_チリリプB_01」「C_チリリプC_01」)しか表示できないことが分かる。すなわち、役「F_チリリプ」は、3連チリリプを表示できない役である。
また、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、チリリプ(図35参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図35参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。なお、図41〜図46を参照すると、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、3連チリリプを表示できることが分かる。すなわち、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、3連チリリプを表示できる役である。
また、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、リーチ目リプ(図35、図36参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図35参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
なお、役「F_チリリプ」「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」及び役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」における正解の押し順は、任意であってよいが、本実施形態では、第1停止操作が左のリール3Lに対するものである押し順を正解の押し順としている。そのため、例えば、役「F_リーチ目リプA」が内部当籤役として決定されている遊技において、遊技者が左のリール3Lに対して第1停止操作を行った場合には、リーチ目リプが表示されることになる。
また、役「F_維持リプA」「F_維持リプB」は、押し順に関わらずリプレイ(図35参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。また、役「F_維持リプ_1st」〜「F_維持リプ_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、リプレイ(図35参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、RT2移行リプ(図35参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_RT3リプ_1st」〜「F_RT3リプ_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、RT3移行リプ(図35参照)が有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図35参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_RT4リプ_123」〜「F_RT4リプ_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、RT4移行リプ(図35参照)が有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図35参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、ベル(図37参照)が有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、ベルこぼし目(図35参照)又は1枚出目(図37、図38参照)が表示される。
また、役「F_共通ベル」は、押し順に関わらずベル(図37参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。また、役「F_サボ1」「F_サボ2」は、押し順に関わらずサボテン(図38参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
また、役「弱チリ」は、押し順に関わらず弱チェリー(図38参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。また、役「F_強チリ1」「F_強チリ2」は、押し順に関わらず強チェリー(図38参照)のうちの図41〜図46に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
<フラグ間中の当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係>
図48は、フラグ間状態中の当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係(一部の役については省略)とを示す図であり、特に、フラグ間状態中にBB(「C_BB1」「C_BB2」)を表示可能であるか否を示す。図48の「BBの成立可否」において「○」とは、BBを表示可能であることを示し、「×」は、BBを表示不可能であることを示す。
なお、BBを表示不可能な場合には、内部当籤役として決定されているボーナスに係る役以外の役に応じた図柄の組合せが表示されることになる。このボーナスに係る役以外の役に応じて表示される図柄の組合せは、図47において示した通りである。例えば、役「F_BB1+F_チリリプ」では、BBを表示することはできずに、図47の役「F_チリリプ」に示した対応関係の図柄の組合せが表示される。この場合において、フラグ間状態中は、図47に示す押し順正解時に表示される図柄の組合せのみを表示可能にしてもよく、また、押し順不正解時に表示される図柄の組合せのみを表示可能にしてもよい。
例えば、役「F_BB1+F_3択ベル_1st」では、BBを表示することはできないため、図47の役「F_3択ベル_1st」に示した対応関係の図柄の組合せが表示されることになるが、この場合には、押し順正解時に表示されるベルのみを表示可能にし、押し順不正解時に表示されるベルこぼし目や1枚出目を表示不可能にしてもよい。また、役「F_BB1+F_RT3リプ_1st」の場合に、押し順不正解時に表示されるリプレイのみを表示可能にし、押し順正解時に表示されるRT3移行リプを表示不可能にしてもよい。
図48に示すように、フラグ間状態では、ボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊1」「F_特殊2」「F_特殊3」のいずれかとが内部当籤役として決定されている場合に、BBを表示することができる。
<当籤役の略称>
以上、当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係について説明した。続いて、一般遊技状態やART遊技状態などで各種抽籤を行う際に用いられるデータテーブルについて説明するが、以下では、当該データテーブルを参照する際に用いる当籤役を略称で表すため、当該データテーブルの説明の前に当籤役の略称について説明する。図49は、当籤役の略称を示す図である。
図49(A)に示すように、以下において、役「F_BB1」「F_BB2」は役「BB」呼び、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」は役「押し順ベル」呼び、役「F_共通ベル」は役「共通ベル」呼び、役「F_サボ1」「F_サボ2」は役「サボテン」呼び、役「F_弱チリ」は役「弱チェリー」呼び、役「F_強チリ1」「F_強チリ2」は役「強チェリー」と呼ぶ。
また、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、フラグ変換抽籤に当籤すると役「3連チリリプ」と呼び、フラグ変換抽籤に非当籤すると「リプレイ」と呼ぶ。同様に、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」は、フラグ変換抽籤に当籤すると役「リーチ目リプ」と呼び、フラグ変換抽籤に非当籤すると「リプレイ」と呼ぶ。
(フラグ変換抽籤)
ここで、図49(B)を参照して、フラグ変換抽籤について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、RT4遊技状態中に役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」のいずれかが単独で内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤を行う。そして、パチスロ機1では、このフラグ変換抽籤に当籤した場合に特別な特典(例えば、ARTゲーム数の上乗せやCT当籤)を付与する。
図47に示したように、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、押し順正解時に「3連チリリプ」の図柄の組合せが表示され、押し順不正解時に「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。パチスロ機1では、フラグ変換抽籤に当籤した場合に、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を役「3連チリリプ」として扱い、「3連チリリプ」の図柄の組合せを表示するための情報を報知する(例えば、順押しでチリ図柄を狙わせる)。一方で、フラグ変換抽籤に非当籤した場合に、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を役「リプレイ」として扱い、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するための情報を報知する(例えば、順押し以外の押し順を報知する)。
同様に、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」は、押し順正解時に「リーチ目リプ」の図柄の組合せが表示され、押し順不正解時に「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。パチスロ機1では、フラグ変換抽籤に当籤した場合に、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」を役「リーチ目リプ」として扱い、「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示させるための情報を報知する(例えば、順押しで図柄「白7」を狙わせる)。一方で、フラグ変換抽籤に非当籤した場合に、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」を役「リプレイ」として扱い、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するための情報を報知する。
この報知に従い停止操作を行うことで、フラグ変換抽籤に当籤した場合に、「3連チリリプ」又は「リーチ目リプ」の図柄の組合せが表示され、特別な特典が付与されることになる。パチスロ機1からすると、フラグ変換抽籤に当籤したことに応じて特別な特典を付与しているものの、遊技者からすると、「3連チリリプ」の図柄の組合せが表示されたことで特別な特典が付与されたと感じることになる。
パチスロ機の遊技性を高めるためには、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度が一定であるよりも、状態に応じて異なる方が好ましいことがある。停止制御(表示される図柄の組合せ)は、内部当籤役の種類によって異なるため、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度を状態に応じて異ならせる手法としては、役の当籤確率を異ならせる手法も考えられる(パチスロ機1では、役の当籤確率は、ボーナスの作動の有無やRT遊技状態に応じて異ならせることができるため、例えば、ART遊技状態に対応する遊技状態としてRT4遊技状態だけでなく、RT6遊技状態やRT7遊技状態などの他の遊技状態を設けるという手法も考えられる)。しかしながら、役の当籤確率を異ならせる契機(RT遊技状態の移行契機)は限定されているため、この手法では柔軟性に欠けてしまう。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、役の当籤確率は変えることなく、内部当籤役を決定するための内部抽籤に加え、フラグ変換抽籤及びその抽籤結果に基づく報知を行うことで、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度を状態に応じて柔軟に異ならせることができる。すなわち、フラグ変換抽籤に当籤し易い状態では、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度を上げることができ、反対に、フラグ変換抽籤に当籤し難い状態では、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度を下げることができる。
なお、以下では、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定された場合のフラグ変換抽籤に当籤することを、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を「3連チリリプ」に変換する(又は単に「3連チリリプ」に変換する)と称することがあり、また、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」が内部当籤役として決定された場合のフラグ変換抽籤に当籤することを、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」を「リーチ目リプ」に変換する(又は単に「リーチ目リプ」に変換する)と称することがある。
[一般遊技状態中の遊技の流れ]
続いて、図50を参照して、一般遊技状態中の遊技の流れについて説明する。パチスロ機1では、一般遊技状態の通常遊技状態から一般遊技状態のCZに移行し、その後、一般遊技状態のCZからART遊技状態に移行することで、一般遊技状態(非ART)からART遊技状態への移行が行われる(図33参照)。図50(A)は、一般遊技状態の通常遊技状態から一般遊技状態のCZに移行する際の遊技の流れを示す図である。
図50(A)に示すように、通常遊技状態は、CZの抽籤状態として低確率状態と高確率状態とを有する。この低確率状態及び高確率状態は、通常遊技状態中に行われるCZ抽籤に当籤する期待度がそれぞれ異なる状態であり、低確率状態はCZ抽籤に当籤し難く、高確率状態はCZ抽籤に当籤し易い状態である。なお、通常遊技状態中に行われるCZ抽籤に当籤した場合には、通常遊技状態からCZに遊技状態が移行することになる(図33参照)。
本実施形態のパチスロ機1では、CZ(チャンスゾーン)として、CZ1,CZ2及びCZ3の複数のチャンスゾーンを有する。これらCZ1〜CZ3は、CZ中に行われるART抽籤に当籤する期待度が異なるチャンスゾーンであり、CZ3は、ART抽籤に必ず当籤するチャンスゾーンであり、CZ1,CZ2は、所定の確率でART抽籤に当籤するチャンスゾーンである。通常遊技状態中に行われるCZ抽籤では、これらCZ1〜CZ3の中から通常遊技状態から移行するCZを抽籤する。
続いて、図50(B)は、一般遊技状態のCZ1,CZ2からART遊技状態に移行する際の遊技の流れを示す図である。CZ1,CZ2は、前半部と後半部とから構成される。前半部は、CZ中に行われるART抽籤に当籤する期待度が異なるランクを昇格させる期間であり、後半部は、ランクに基づくART抽籤の抽籤結果をバトル演出により報知する期間である。
CZ1中は、ランクとして6段階のモードを用い、モードが上がるほど、ART抽籤に当籤する期待度が高くなる。CZ1の前半部は、第1ゲーム数(例えば、最大で12ゲーム)継続し、内部当籤役に基づいてモードの昇格抽籤を行う。そして、CZ1の後半部の1ゲーム目に前半部で昇格させたモードに基づいてART抽籤を行う。
また、CZ2中は、ランクとして10段階のポイントを用い、ポイントが上がるほど、ART抽籤に当籤する期待度が高くなる。CZ2の前半部は、第2ゲーム数(例えば、最大で15ゲーム)継続し、内部当籤役に基づいてポイントの昇格抽籤を行う。そして、CZ2の後半部の1ゲーム目に前半部で昇格させたポイントに基づいてART抽籤を行う。
CZ1の後半部では、味方キャラクタと敵キャラクタAとが対戦するバトル演出が行われ、CZ2の後半部では、味方キャラクタと敵キャラクタBとが対戦するバトル演出が行われる。このバトル演出は、第3ゲーム数(例えば、最大で4ゲーム)継続し、ART抽籤の結果に基づき勝敗が管理され、ART抽籤に当籤している場合には味方キャラクタが勝利し、非当籤している場合には敵キャラクタが勝利する。また、CZ1,CZ2の後半部では、毎ゲーム、内部当籤役に基づいてART抽籤を行い、このART抽籤に当籤した場合には、バトル演出の結果を書き換える。すなわち、バトル演出中にいわゆるレア役が内部当籤役として決定されると、ART抽籤を行い、その結果に基づいてバトル演出の結果を書き換える。
CZ1,CZ2において、ARTに非当籤の場合には、後半部のバトル演出で敗北し、基本的には、その後、遊技状態が通常遊技状態に移行する。一方、CZ1,CZ2において、ARTに当籤している場合には、後半部のバトル演出で勝利し、その後、遊技状態がART準備中を経由して通常ARTに移行する。なお、CZ1,CZ2の前半部では、フリーズが発生することもあり、この場合には、遊技状態が(ART準備中を経由して)通常ARTではなくCT(上乗せチャンスゾーン)に移行する。
続いて、図50(C)は、一般遊技状態のCZ3からART遊技状態に移行する際の遊技の流れを示す図である。CZ3は、第4ゲーム数(例えば、最大で17ゲーム)継続し、毎ゲーム、内部当籤役に基づいてART抽籤を行う。CZ3は、ART抽籤に当籤した時点で終了し、次ゲームから遊技状態がART準備中を経由してCT(上乗せチャンスゾーン)に移行する。また、CZ3では、フリーズが発生することもあり、この場合にも、次ゲームから遊技状態がART準備中を経由してCT(上乗せチャンスゾーン)に移行する。一方で、CZ3中のART抽籤に非当籤のまま第4ゲーム数が経過した場合、遊技状態がART準備中を経由して通常ARTに移行する。すなわち、CZ3は、移行した時点でART遊技状態への移行が確定しているチャンスゾーンである。
[一般遊技状態中に用いるデータテーブル]
続いて、図51〜図56を参照して、一般遊技状態中に用いるデータテーブルについて説明する。
<通常中高確率抽籤テーブル>
図51は、CZの抽籤状態(低確率及び高確率)の移行抽籤に用いられる通常中高確率抽籤テーブルである。本実施形態のパチスロ機1では、内部当籤役に基づいてCZの抽籤状態を移行させるとともに、ボーナス終了時やCZ,ART終了時にもCZの抽籤状態を移行させる。図51(A)は、内部当籤役に基づいてCZの抽籤状態を移行させる際に用いられる通常中高確率抽籤テーブルであり、通常遊技状態中に毎ゲーム参照される。また、図51(B)は、ボーナス終了時などにCZの抽籤状態を移行させる際に用いられる通常中高確率抽籤テーブルであり、設定変更時、ボーナス終了時又はCZ,ART終了時に参照される。
図51(A)に示す通常中高確率抽籤テーブルは、現在のCZの抽籤状態及び当籤役に対応付けて、移行後のCZの抽籤状態についての抽籤値の情報を規定する。
なお、以下に示す各種データテーブルでは、抽籤値の情報を概念的に示している。図中「0」は、抽籤確率「0%」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「極々低」は、抽籤確率「0%〜1%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「極低」は、抽籤確率「1%〜10%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「低」は、抽籤確率「10%〜30%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「中」は、抽籤確率「30%〜60%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「高」は、抽籤確率「60%〜80%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「極高」は、抽籤確率「80%〜99%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「極々高」は、抽籤確率「99%〜100%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「確定」は、抽籤確率「100%」に相当する抽籤値が規定されていることを意味する。
そして、以下に示す各種データテーブルでは、予め定められた数値の範囲(確率分母が256の場合には「0〜255」、確率分母が65536の場合には「0〜65535」)から抽出される抽籤用乱数値を、規定された抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
図51(A)に示す通常中高確率抽籤テーブルを参照すると、現在のCZの抽籤状態が低確率である場合には、弱チェリーが内部当籤役である場合に高確率に移行し易いことが分かる。また、現在のCZの抽籤状態が高確率である場合には、共通ベル、サボテン、弱チェリー、強チェリーのいずれかが内部当籤役として決定されることで、高確率が維持されることが分かる。
図51(B)に示す通常中高確率抽籤テーブルは、参照する際の状況に応じて移行後のCZの抽籤状態についての抽籤値の情報を規定する。図51(B)に示す通常中高確率抽籤テーブルを参照すると、ボーナス終了時にはCZの抽籤状態が必ず高確率に移行することが分かる。
<CZ抽籤テーブル>
図52は、CZ抽籤に用いられるCZ抽籤テーブルであり、図52(A)は、通常遊技状態中に内部当籤役に基づいてCZ抽籤を行う際に用いられるCZ抽籤テーブルであり、図52(B)は、CZ失敗時やART終了時にCZの引き戻しを行うか否かのCZ抽籤を行う際に用いられるCZ抽籤テーブルである。
図52(A)に示すCZ抽籤テーブルは、現在のCZの抽籤状態及び内部当籤役に対応付けて、CZ1、CZ2,CZ3の当籤/非当籤に関する抽籤値の情報を規定する。図52(A)に示すCZ抽籤テーブルを参照すると、現在のCZの抽籤状態が高確率中である場合は、低確率中である場合よりもCZ抽籤に当籤する確率が高いことが分かる。
図52(B)に示すCZ抽籤テーブルは、CZ1、CZ2,CZ3の当籤/非当籤に関する抽籤値の情報を規定する。CZ失敗時(CZ1、CZ2中のART抽籤に非当籤時)やART遊技状態の終了時には、図52(B)に示すCZ抽籤テーブルを用いてCZの引き戻し抽籤が行われる。
<CZ1中モードアップ抽籤テーブル>
図53は、CZ1の前半部においてCZ1のモードアップ抽籤に用いられるCZ1中モードアップ抽籤テーブルである。CZ1中モードアップ抽籤テーブルは、現在のモード及び内部当籤役に対応付けて、モードアップ抽籤の結果についての抽籤値の情報を規定する。後述の図55(A)に示すように、CZ1では、モードが上がるほどART抽籤に当籤する確率が上がり、モード6まで上がると、ART抽籤に必ず当籤する。なお、抽籤結果の「モード1UP」とは、CZ1のモードが1上がることを意味し、抽籤結果の「モード2UP」とは、CZ1のモードが2上がることを意味する。すなわち、現在のモードが「2」である状況で、「モード2UP」に当籤すると、CZ1のモードは「2」から「4」に上がることになる。また、抽籤結果の「モード6UP_フリーズ発生」に当籤すると、フリーズが発生し、ART抽籤に当籤するとともにCTが付与される。
<CZ2中ポイント抽籤テーブル>
図54は、CZ2の前半部においてCZ2のポイントアップ抽籤に用いられるCZ2中ポイント抽籤テーブルである。CZ2中ポイント抽籤テーブルは、現在のポイント及び内部当籤役に対応付けて、ポイントアップ抽籤の結果についての抽籤値の情報を規定する。後述の図55(B)に示すように、CZ2では、ポイントが上がるほどART抽籤に当籤する確率が上がり、ポイント10まで上がると、ART抽籤に必ず当籤する。なお、抽籤結果の「ポイント2UP」とは、CZ2のポイントが2上がることを意味し、例えば、現在のポイントが「2」である状況で、「ポイント2UP」に当籤すると、CZ2のポイントは「2」から「4」に上がることになる。また、抽籤結果の「ポイント10UP_フリーズ発生」に当籤すると、フリーズが発生し、ART抽籤に当籤するとともにCTが付与される。
<CZ中ART抽籤テーブル>
図55及び図56は、CZ中のART抽籤に用いられるCZ中ART抽籤テーブルであり、図55(A)は、CZ1の後半部の1ゲーム目に用いられるCZ中ART抽籤テーブル(CZ1用)であり、図55(B)は、CZ2の後半部の1ゲーム目に用いられるCZ中ART抽籤テーブル(CZ2用)であり、図55(C)は、CZ1,CZ2の後半部に用いられるCZ中ART抽籤テーブル(CZ1,CZ2共通 後半バトル中用)であり、図55(D)は、CZ3中のART抽籤に用いられるCZ中ART抽籤テーブル(CZ3用)である。
図55(A)に示すCZ中ART抽籤テーブル(CZ1用)は、現在のモードに対応付けてART抽籤の当籤の有無についての抽籤値の情報を規定する。また、図55(B)に示すCZ中ART抽籤テーブル(CZ2用)は、現在のポイントに対応付けてART抽籤の当籤の有無についての抽籤値の情報を規定する。CZ中ART抽籤テーブル(CZ1用)及びCZ中ART抽籤テーブル(CZ2用)を参照すると、CZ1,CZ2では前半部のランク(モード又はポイント)が上がるほど、ART抽籤に当籤し易いことが分かる。
図55(C)に示すCZ中ART抽籤テーブル(CZ1,CZ2共通 後半バトル中用)は、内部当籤役に対応付けてART抽籤の当籤の有無についての抽籤値の情報を規定する。CZ中ART抽籤テーブル(CZ1,CZ2共通 後半バトル中用)を参照すると、CZ1,CZ2の後半部において、レア役(弱チェリー、サボテン又は強チェリー)が内部当籤役として決定されると、所定の確率でART抽籤に当籤することが分かる。
図56(D)に示すCZ中ART抽籤テーブル(CZ3用)は、CZ3の継続ゲーム数及び内部当籤役に対応付けてART抽籤の当籤の有無についての抽籤値の情報を規定する。CZ中ART抽籤テーブル(CZ3用)を参照すると、CZ3中はART抽籤に当籤すると必ずCTにも当籤することが分かる。
[通常ART中の遊技の流れ]
続いて、図57を参照して、通常ART中の遊技の流れについて説明する。パチスロ機1では、ART遊技状態として、通常ARTとCTとを有し(図33参照)、CT中を上乗せチャンスゾーンとしている。そのため、パチスロ機1では、通常ART中は、CTへの移行を目指して遊技を行うことになる。図57(A)は、通常ART中のCTへの移行抽籤の流れを示す図である。
図57(A)に示すように、パチスロ機1は、通常ART中に行われる様々な抽籤に影響を与える状態として、ARTレベル及びCT抽籤状態を有する。ARTレベルは、レベル1〜レベル4の4段階設けられ、主に通常ART中の継続ゲーム数に基づいて制御される。そして、ARTレベルは、CT抽籤状態の決定や後述する通常ART中のフラグ変換抽籤に対して影響を与える。また、CT抽籤状態は、低確率、通常、高確率及び超高確率の4段階設けられ、主としてARTレベルや通常ART中の内部当籤役に基づいて制御される。そして、CT抽籤状態は、通常ART中に行うCT抽籤や後述する通常ART中のフラグ変換抽籤に対して影響を与える。
(通常ART中のフラグ変換)
上述のように、本実施形態のパチスロ機1では、RT4遊技状態中(すなわち、ART遊技状態中)に役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」のいずれかが単独で内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤を行い、その抽籤結果に応じて特別な特典(例えば、ARTゲーム数の上乗せやCT当籤)を付与する。図57(B)は、通常ART中のフラグ抽籤方法を示す図である。
図57(B)に示すように、パチスロ機1は、通常ART中は、ARTレベル及びCT抽籤状態を参照して、フラグ変換抽籤を行う。その結果、フラグ変換抽籤に当籤した場合には、特別な特典を付与するとともに、「3連チリリプ」の図柄の組合せや「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示させるための報知(例えば、順押しで所定の図柄を狙わせる報知)を行う。反対に、フラグ変換抽籤に非当籤した場合には、「リプレイ」の図柄の組合せを表示させるための報知(例えば、順押し以外の押し順の報知)を行う。遊技者がこの報知に従い停止操作を行うことで、報知内容に応じた図柄の組合せ、すなわち、フラグ変換抽籤に当籤した場合には「3連チリリプ」の図柄の組合せや「リーチ目リプ」の図柄の組合せが表示され、フラグ変換抽籤に非当籤した場合には「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。
[通常ART中に用いるデータテーブル]
続いて、図58〜図62を参照して、通常ART中に用いるデータテーブルについて説明する。
<ART中フラグ変換抽籤テーブル>
図58は、通常ART中のフラグ変換抽籤に用いられるART中フラグ変換抽籤テーブルである。本実施形態に係るパチスロ機1では、通常ART中のフラグ変換抽籤を2段階で行う。具体的には、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されると、まず、1段階目のフラグ変換抽籤を行い、この1段階目のフラグ変換抽籤に当籤すると、その後、2段階目のフラグ変換抽籤を行う。そして、この2段階目のフラグ変換抽籤に当籤すると、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を「3連チリリプ」に変換し、1段階目のフラグ変換抽籤又は2段階目のフラグ変換抽籤に非当籤すると、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を「3連チリリプ」に変換することなく、「リプレイ」として扱う。
図58(A)は、1段階目のフラグ変換抽籤に用いられるART中フラグ変換抽籤テーブルであり、図58(B)は、2段階目のフラグ変換抽籤に用いられるART中フラグ変換抽籤テーブルである。図58(A)に示すART中フラグ変換抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けて1段階目のフラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、パチスロ機1では、1段階目のフラグ変換抽籤を役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」に対してのみ行い、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」については2段階目のフラグ変換抽籤のみを行う。
図58(B)に示すART中フラグ変換抽籤テーブルは、内部当籤役、ARTレベル及びCT抽籤状態に対応付けて2段階目のフラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、通常ARTにおいて一度CTに当籤するまでは、項目「ARTレベル」の「初回(一度CTに当籤するまで)」欄が参照される。
ここで、図58(A)(B)に示すように、ART中フラグ変換抽籤テーブルのそれぞれでは、確率分母256の範囲の乱数値(0〜255)を用いて1段階目及び2段階目のフラグ変換抽籤を行うため、2段階のフラグ変換抽籤は、確率分母65536の範囲の乱数値を用いて行う抽籤と擬制することができる。近年のパチスロ機では、従来サブ側で行っていた出玉に関する抽籤(ART抽籤など)をメイン側で行うことが求められているが、メイン側の記憶手段(ROM)の容量が限られているため、容量を抑えつつ遊技性を損なうことのない抽籤を可能にする仕組みが求められている。
この点、本発明に係るパチスロ機1では、確率分母256を2段階で行うことで、確率分母65536の抽籤を行うことができるため、容量を抑えることができる。また、2段階目の抽籤に対して、ARTレベルやCT抽籤状態を参照することで、内部当籤役だけでなく現在の状態に応じてフラグ変換抽籤を行うことができるため、多様な遊技性を持ったフラグ変換抽籤を行うことができる。
<ARTレベル決定テーブル>
図59は、ARTレベルを決定するために用いるARTレベル決定テーブルである。ARTレベルの決定は、ART遊技状態への移行が決まったART当籤時、及び通常ART中に行われる。図59(A)は、ART当籤時にARTレベルを決定するためのARTレベル決定テーブルであり、図59(B)は、通常ART中にARTレベルを決定するためのARTレベル決定テーブルである。
図59(A)に示すARTレベル決定テーブルは、ARTレベルごとに抽籤値の情報を規定する。なお、ART当籤時にフリーズが発生していた場合(図53など参照)には、ARTレベルとしてARTレベル2が決定される。図59(B)に示すARTレベル決定テーブルは、現在のARTレベル及び通常ART中の継続ゲーム数に対応付けて、移行先のARTレベルについての抽籤値の情報を規定する。また、図59(B)に示すARTレベル決定テーブルは、現在のARTレベル及びCT突入時の通常ART中の継続ゲーム数に対応付けて、移行先のARTレベルについての抽籤値の情報を規定する。すなわち、通常ART中では、継続ゲーム数に応じてARTレベルが移行するとともに、通常ARTからCTに突入したタイミングでもARTレベルが移行する。
<通常ART中高確率抽籤テーブル>
図60は、通常ART中のCT抽籤状態を抽籤するための通常ART中高確率抽籤テーブルである。通常ART中高確率抽籤テーブルは、現在のCT抽籤状態及び内部当籤役に対応づけて、移行先のCT抽籤状態についての抽籤値の情報を規定する。通常ART中高確率抽籤テーブルを参照すると、役「3連チリリプ(役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」当籤時のフラグ変換抽籤に当籤)」や役「リーチ目リプ(役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」当籤時のフラグ変換抽籤に当籤)」では、CT抽籤状態が「低確率」に移行(転落)し易いことが分かる。上述の説明では、フラグ変換抽籤に当籤している場合には、特別な特典が付与されるとしていたため、CT抽籤状態が転落し易いことは上述の説明に反するようにも思えるが、図61で後述するように、役「3連チリリプ」「リーチ目リプ」は、CT抽籤に必ず当籤する。そのため、CT抽籤状態が転落してしまったとしても、CT当籤という特別な特典が付与されることに変わりはない。
<ART中CT抽籤テーブル>
図61は、通常ART中のCT抽籤に用いるART中CT抽籤テーブルである。ART中CT抽籤テーブルは、現在のCT抽籤状態及び内部当籤役に対応付けて、CT抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。ART中CT抽籤テーブルでは、内部当籤役として「サボテン」「弱チェリー」「強チェリー」「3連チリリプ」「リーチ目リプ」「BB」が決定されている場合には、確率分母256の範囲の乱数値を用いてCT抽籤が行われる。一方で、内部当籤役としてそれ以外の役(例えば、リプレイ、共通ベル、押し順ベルなど)が決定されている場合には、確率分母65536の範囲の乱数値を用いてCT抽籤が行われる。
なお、パチスロ機1では、CTとして「通常CT」及び「高確CT」を有している。「通常CT」と「高確CT」とでは、CT(上乗せチャンスゾーン)中に上乗せするARTゲーム数の期待度が異なり、「高確CT」は「通常CT」に比べて多くのARTゲーム数が上乗せされ易い(図66参照)。
<通常ART中上乗せ抽籤テーブル>
図62は、通常ART中にARTゲーム数を上乗せする上乗せ抽籤に用いる通常ART中上乗せ抽籤テーブルである。通常ART中上乗せ抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けて上乗せ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
[CT中の遊技の流れ]
続いて、図63を参照して、CT中の遊技の流れについて説明する。図63(A)に示すように、パチスロ機1では、1セット8回の遊技によりCTが行われる。CT中は、内部当籤役に基づいてARTゲーム数の上乗せ抽籤を行っており、上乗せ抽籤に当籤した場合には遊技回数の減算は行われず、上乗せ抽籤に非当籤した場合に限り遊技回数が減算される。そのため、CT中はARTゲーム数が上乗せされた遊技では終了することがなく、同一のセット内でARTゲーム数が上乗せされない遊技が8回行われると終了する。
また、図63(A)(B)に示すように、CT中に役「3連チリリプ」に当籤すると(すなわち、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」当籤時のフラグ変換抽籤に当籤すると)、1セット8回の遊技が再セットされる。例えば、同一のセット内でARTゲーム数が上乗せされない遊技が7回行われた場合、あと1回ARTゲーム数が上乗せされない遊技が行われるとCTが終了してしまうものの、役「3連チリリプ」に当籤するとCTの再セットが行われ、結果、その後、8回ARTゲーム数が上乗せされない遊技が行われるまでCTが終了しないことになる。そのため、CTは、役「3連チリリプ」が当籤するほど継続し易くなる。
(CT中のフラグ変換)
図63(C)は、CT中のフラグ抽籤方法を示す図である。CT中は、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」については必ず役「3連チリリプ」に変換する。上述したように、CT中に役「3連チリリプ」に当籤すると、CTが再セットされるため、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されると、CTが再セットされることになる。
一方で、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」については、3段階のテーブル(テーブル0〜2)に基づいて、フラグ変換抽籤の当籤確率を制御する。具体的には、図63(C)に示すように、テーブル0は「リーチ目リプ」に変換する確率が最も低く、テーブル1は「リーチ目リプ」に変換する確率が次に低く、テーブル2は「リーチ目リプ」に変換する確率が最も高い。なお、CT中に役「リーチ目リプ」に当籤すると、後述の図67に示すように、CTが新たに付与される。
図63(C)に示すように、通常CTでは、ARTレベルに基づいてテーブルが決定される。また、高確率CTでは、ARTレベルに関係なく、テーブル0が必ず決定される。
[CT中に用いるデータテーブル]
続いて、図64〜図67を参照して、CT中に用いるデータテーブルについて説明する。
<CT中テーブル抽籤テーブル>
図64は、3段階のテーブルの中からフラグ変換抽籤に用いるテーブルを決定するためのCT中テーブル抽籤テーブルである。CT中テーブル抽籤テーブルは、ARTレベルやこれから実行するCTの種別などの状態に対応付けて、フラグ変換抽籤に用いるテーブルについての抽籤値の情報を規定する。CT中テーブル抽籤テーブルは、CT抽籤に当籤しCTに移行することが決まると、又はCTの開始時に参照され、CT中のフラグ変換抽籤に用いるテーブルを決定する。
<CT中フラグ変換抽籤テーブル>
図65は、CT中のフラグ変換抽籤に用いられるCT中フラグ変換抽籤テーブルである。CT中フラグ変換抽籤テーブルは、フラグ変換抽籤に用いるテーブル及び内部当籤役に対応付けて、フラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。CT中フラグ変換抽籤テーブルを参照すると、CT中は、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は必ず役「3連チリリプ」に変換されることが分かる。
<CT中上乗せ抽籤テーブル>
図66は、CT中にARTゲーム数を上乗せする上乗せ抽籤に用いるCT中上乗せ抽籤テーブルである。CT中上乗せ抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けて上乗せ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図66に示す当籤役以外の役については、CT中の上乗せ抽籤に当籤することがない。
また、通常CT中の上乗せ抽籤では、役「3連チリリプ」に当籤した回数に応じて上乗せゲーム数が異なる。具体的には、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「1〜8回」の場合には、上乗せゲーム数として「10ゲーム」が決定され易く、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「9〜16回」の場合には、上乗せゲーム数として「20ゲーム」が決定され易く、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「17〜24回」の場合には、上乗せゲーム数として「30ゲーム」が決定され易く、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「25回以上」の場合には、上乗せゲーム数として「50ゲーム」が決定され易い。
より具体的には、CT中上乗せ抽籤テーブルでは、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「1〜8回」の場合には、図中の役「3連チリリプ」の抽籤値「極高」に対応する上乗せゲーム数は「10ゲーム」であり、抽籤値「極低」に対応する上乗せゲーム数は「20ゲーム」である。そして、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「9回以上」になると、図中の役「3連チリリプ」の抽籤値「極高」に対応する上乗せゲーム数が「20ゲーム」に昇格する。更に、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「17回以上」になると、図中の役「3連チリリプ」の抽籤値「極高」及び「極低」に対応する上乗せゲーム数が「30ゲーム」に昇格する。同様に、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「25回以上」になると、図中の役「3連チリリプ」の抽籤値「極高」及び「極低」に対応する上乗せゲーム数が「50ゲーム」に昇格する。
このように本実施形態のパチスロ機1では、CT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数に応じて1回あたりに上乗せするゲーム数を増やす。上述のように、ARTゲーム数の上乗せが行われている限り、CTは終了することなく、また、役「3連チリリプ」に当籤するとCTの再セットが行われるため、遊技者からすると、CTが継続するほど1回あたりの上乗せ量が増えることについての期待を持つことができ、CT中の興趣が向上する。また、1回あたりの上乗せ量を増やす契機となる回数は、CTの1セット分の遊技回数(8回)よりも多い回数(9回以上)であるため、遊技者に対して過大な利益を与えてしまうことを防止でき、遊技者及び遊技店の利益のバランスを図ることができる。
<CT中セット数上乗せ抽籤テーブル>
図67は、CT中に新たなCTを付与するセット数上乗せ抽籤に用いられるCT中セット数上乗せ抽籤テーブルである。CT中セット数上乗せ抽籤テーブルは、実行しているCTの種別及び内部当籤役に対応付けて、セット数上乗せ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。図67に示すように、CT中に役「リーチ目リプ」に当籤すると、新たなCTが付与される。セット数上乗せ抽籤に伴い新たなCTが付与された場合には、実行しているCTが終了したタイミングで再度新たなCTが開始される。
なお、上述の役「3連チリリプ」に当籤した回数は、同一のCT中に限り計数することとしているが、この「同一のCT中」は、CT中に行うセット数上乗せ抽籤に当籤した場合に付与される新たなCTも含むこととしてもよく、含まないこととしてもよい。
[ボーナス状態中の遊技の流れ]
続いて、図68を参照して、ボーナス状態中の遊技の流れについて説明する。図68(A)は、一般遊技状態(ART非当籤)中にボーナス状態に移行した場合の遊技の流れを示す図であり、図68(B)は、通常ART中にボーナス状態に移行した場合の遊技の流れを示す図であり、図68(C)は、CT中にボーナス状態に移行した場合の遊技の流れを示す図である。図68(A)〜(C)に示すように、パチスロ機1では、ボーナスの種別として、通常BBと特殊BBとを有し、ボーナス状態の移行時にボーナスの種別を決定する。このとき、特殊BBが決定された場合には、ボーナス状態の終了後、ART準備中を経由してCTに移行することになる。一方で、通常BBが決定された場合は、ボーナス状態に移行する前の状態に応じて異なる流れになる。
図68(A)を参照して、一般遊技状態から通常BBに移行した場合には、通常BB中に内部当籤役に基づいてART抽籤が行われる。このART抽籤に当籤すると、ボーナス状態の終了後、ART準備中を経由して通常ARTに移行することになる。なお、ART抽籤に当籤した後は、ボーナス状態中にARTゲーム数の上乗せ抽籤が行われる。
図68(B)を参照して、通常ARTから通常BBに移行した場合には、通常BBの終了時にCT抽籤が行われる。このCT抽籤は50%の確率で当籤し、当籤するとボーナス状態の終了後にART準備中を経由してCTに移行し、非当籤するとボーナス状態の終了後にART準備中を経由して通常ARTに移行する。また、通常ARTから移行したボーナス状態中は、ARTゲーム数の上乗せ抽籤も行われる。
図68(C)を参照して、CTから通常BB又は特殊BBに移行した場合には、ボーナス状態の終了後にART準備中を経由してCTに移行する。また、通常ARTから移行したボーナス状態中は、ARTゲーム数の上乗せ抽籤も行われる。
[ボーナス状態中に用いるデータテーブル]
続いて、図69〜図71を参照して、ボーナス状態中に用いるデータテーブルについて説明する。
<ボーナス種別抽籤テーブル>
図69は、ボーナス種別(通常BB、特殊BB)を決定するためのボーナス種別抽籤テーブルである。ボーナス種別抽籤テーブルは、ボーナス状態の開始時に参照され、ボーナス状態に移行する前の状態に対応付けてボーナス種別についての抽籤値の情報を規定する。
<ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブル>
図70は、ボーナス状態中に行うART抽籤及びARTゲーム数の上乗せ抽籤に用いられるボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルである。ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルは、ボーナス種別及び内部当籤役に対応付けて、ART抽籤の抽籤結果及び上乗せゲーム数についての抽籤値の情報を規定する。
ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルは、ART非当籤の状態(一般遊技状態から移行した通常BBにおいて、ART抽籤に当籤するまで)では、ART抽籤に用いられることになる。すなわち、ART非当籤の状態で上乗せゲーム数として1以上(実際には最低50ゲーム)が決定されると、ART抽籤に当籤するとともに、対応するゲーム数が付与されることになる。一方、ART当籤後の状態では、ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルは、ARTゲーム数の上乗せ抽籤に用いられる。
<ボーナス終了時CT抽籤テーブル>
図71は、ボーナス状態の終了時に行うCT抽籤に用いられるボーナス終了時CT抽籤テーブルである。ボーナス終了時CT抽籤テーブルは、ボーナス種別及びボーナス状態に移行する前の遊技状態に対応付けて、CT抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。図71に示すボーナス終了時CT抽籤テーブルを参照すると、例えば、通常ART中に通常BBが行われると、ボーナス状態の終了時に50%の確率でCTに当籤することが分かる。
[一般遊技状態中の例外的な遊技の流れ]
続いて、図72を参照して、一般遊技状態中の例外的な遊技の流れについて説明する。パチスロ機1では、基本的には、一般遊技状態中に通常遊技状態からCZに移行し、CZにおいてART抽籤に当籤することでART遊技状態を目指すことになる。ここで、パチスロ機1では、RT4遊技状態中に報知を行うことでART遊技状態を実現しており、また、図72に示すように、表示される図柄の組合せに応じてRT遊技状態を制御している。図47に示したように、RT遊技状態を移行させるための図柄の組合せは、遊技者の停止操作の順序(押し順)に応じて表示されるため、報知が行われない場合であっても、偶然にRT4遊技状態に移行することがある。
また、RT4遊技状態では、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」が内部当籤役として決定される可能性があるため、一般遊技状態(非ART)中であっても、特別な特典が付与されるリーチ目(リーチ目リプ)を表示することができる。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、図72に示すように、一般遊技状態(非ART)中に偶然にRT4遊技状態に移行した場合に、「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示可能な状態になると、CZを経由することなくART遊技状態(通常ART)に移行可能にする。
より具体的には、一般遊技状態、かつ、RT4遊技状態中に役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」が内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤を行い、このフラグ変換抽籤に当籤すると、「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示するための報知を行うとともに、ARTの権利を付与する。反対に、フラグ変換抽籤に非当籤すると、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するための報知を行い、「リーチ目リプ」の図柄の組合せが表示されないように制御する。
<非ART中フラグ変換抽籤テーブル>
図73は、一般遊技状態、かつ、RT4遊技状態中に行うフラグ変換抽籤に用いられる非ART中フラグ変換抽籤テーブルである。非ART中フラグ変換抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けてフラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
[メイン側の制御による報知]
パチスロ機では、従来、ART機中にサブ(副制御基板72)側の制御のもとに停止操作の情報(押し順など)の報知を行っていたが、報知の有無が遊技者の利益(いわゆる、出玉)に影響を与えるため、近年では、遊技者の利益を管理するメイン(主制御基板71)側で報知を行うことが求められている。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71が制御する情報表示器14に停止操作の情報を報知する指示モニタを設け、メイン側の制御のもとに停止操作の情報を報知することとしている。
図74は、メイン側で行う報知(ナビ)とサブ側で行う報知(ナビ)との対応関係を示す図である。図74に示すように、主制御基板71は、指示モニタに「1」〜「11」の数値を表示することで、停止操作の情報を報知する。この「1」〜「11」の数値は、それぞれが報知する停止操作の内容に一義的に対応しており、「1」〜「3」は、それぞれ第1停止操作を行うリールの種別を示しており、「1」は第1停止操作を左のリール3Lに対して行うことを意味し、「2」は第1停止操作を中のリール3Cに対して行うことを意味し、「3」は第1停止操作を右のリール3Rに対して行うことを意味している。
また、「4」〜「9」は、それぞれ報知する押し順を示しており、「4」は押し順が「左、中、右」であることを意味し、「5」は押し順が「左、右、中」であることを意味し、「6」は押し順が「中、左、右」であることを意味し、「7」は押し順が「中、右、左」であることを意味し、「8」は押し順が「右、左、中」であることを意味し、「9」は押し順が「右、中、左」であることを意味している。
また、「10」「11」は、ボーナスに係る役を報知するものであり、「10」は「白7−白7−白7」からなる図柄の組合せ「C_BB1」を意味し、「11」は「青7−青7−青7」からなる図柄の組合せ「C_BB2」を意味している。
ここで、メイン側で報知する「1」〜「11」の数値は、報知する停止操作の内容に一義的に対応しているものの、全ての遊技者が明確に報知内容を把握できるとは限らない。すなわち、メイン側で指示モニタに対して「6」と表示しただけでは、遊技者によっては報知内容を把握できない可能性もある。
そこで、パチスロ機1では、メイン側の報知と併せてサブ側でも停止操作の内容を報知する。具体的には、パチスロ機1は、副制御基板72が制御する表示ユニット100を設け、サブ側の制御のもとに停止操作の情報を報知する。例えば、第1停止操作を左のリール3Lに対して行うことを報知する場合、メイン側で指示モニタに対して「1」を表示するとともに、サブ側では、表示ユニット100の左のリール3Lの上方に「1」と表示し、左のリール3Lが第1停止操作の対象であることを報知する。同様に、押し順「中、左、右」を報知する場合、メイン側で指示モニタに対して「6」を表示するとともに、サブ側では、表示ユニット100の中のリール3Cの上方に「1」、左のリール3Lの上方に「2」、右のリール3Rの上方に「3」と表示し、押し順が「中、左、右」であることを報知する。また、「F_BB1」が内部当籤役として決定されている場合、メイン側で指示モニタに対して「10」を表示するとともに、サブ側では、表示ユニット100に「白7−白7−白7」を表示し、遊技者に対して狙うべき図柄を報知する。
図74(A)に示すように、ART準備中は、メイン側の制御のもと「ベルナビ」「維持リプナビ」「RT3移行リプナビ」及び「RT4移行リプナビ」が行われる。「ベルナビ」は、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」に対して「ベル」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知する。また、「維持リプナビ」は、役「F_維持リプ_1st」〜「F_維持リプ_3rd」に対して「リプレイ」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知する。また、「RT3移行リプナビ」は、役「F_RT3移行リプ_1st」〜「F_RT3移行リプ_3rd」に対して「RT3移行リプ」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知する。また、「RT4移行リプナビ」は、役「F_RT4移行リプ_123」〜「F_RT4移行リプ_3rd」に対して「RT4移行リプ」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知する。
なお、メイン側で報知を行うタイミングは、少なくとも報知を行う一遊技の間であればよく、任意である。例えば、開始操作を受け付けたタイミングでメイン側の報知を行うこととしてもよく、リール3L,3C,3Rの回転開始時にメイン側の報知を行うこととしてもよく、第1停止操作〜第3停止操作のいずれかを受け付けたタイミングでメイン側の報知を行うこととしてもよい。一方で、サブ側で報知を行うタイミングは、少なくとも第1停止操作よりも前のタイミングであることが好ましい。この点、本実施形態のパチスロ機1では、開始操作を受け付けたタイミング、又はリール3L,3C,3Rの回転開始時にメイン側及びサブ側の双方において報知を行う。これにより、遊技者が停止操作を行う前に、メイン側の指示モニタ及びサブ側の表示ユニット100の双方において停止操作の情報が報知される。
また、図74(B)に示すように、ART遊技状態中は、メイン側の制御のもと「ベルナビ」「維持リプナビ」「RT3移行リプナビ」及び「RT4移行リプナビ」が行われる。なお、ART遊技状態(RT4遊技状態)中は、フラグ変換抽籤が行われ、この抽籤結果に基づいて「3連チリリプ」「リーチ目リプ」又は「リプレイ」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知するが、この報知に関しては、メイン側では行うことなく、サブ側でのみ行う。
上述したように、「3連チリリプ」「リーチ目リプ」の図柄の組合せは、特別な特典の付与に関係しているため、報知の有無が遊技者の利益(出玉)に影響を与えるようにも考えられる。しかしながら、パチスロ機1では、実際には、特別な特典をフラグ変換抽籤の抽籤結果に基づいて付与することとしており、表示される図柄の組合せは付与する特典に対して影響を与えない。すなわち、フラグ変換抽籤に当籤している場合には、仮に、「リプレイ」の図柄の組合せを表示してしまったとしても、特別な特典が付与され、反対に、フラグ変換抽籤に当籤していない場合には、仮に、「3連チリリプ」「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示できたとしても、特別な特典は付与しない。
本実施形態のパチスロ機1では、このように表示される図柄の組合せが遊技者の利益(出玉)に影響を与えない場合には、メイン側の指示モニタでの報知を行わずに、サブ側でのみ表示ユニット100での報知を行う。
また、図74(C)(D)に示すように、RT5遊技状態(フラグ間状態)中は、内部当籤役として持ち越しているボーナスに係る役に応じた図柄の組合せを狙わせる報知を行う。具体的には、図74(C)に示すように、役「F_BB1」を持ち越している場合には「白7ナビ」を行い、図74(D)に示すように、役「F_BB2」を持ち越している場合には「青7ナビ」を行う。「白7ナビ」は、役「F_BB1」に対して、「C_BB1」の図柄の組合せを表示させるための停止操作の情報を報知し、「青7ナビ」は、役「F_BB2」に対して、「C_BB2」の図柄の組合せを表示させるための停止操作の情報を報知する。
ここで、図48において上述したように、フラグ間状態では、ボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊1」「F_特殊2」「F_特殊3」のいずれかとが内部当籤役として決定されている場合に、BBの図柄の組合せを表示することができ、それ以外の役がボーナスに係る役とともに内部当籤役として決定されている場合には、BBの図柄の組合せを表示することができない。そのため、図74(C)(D)に示すように、主制御基板71は、メイン側で制御を行う場合、持ち越しているボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊役1」「F_特殊役2」「F_特殊役3」のいずれかとが内部当籤役として決定されている場合に限り、「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行う。これにより、メイン側のナビを、ボーナスに係る役を入賞させることのできる適切なタイミングで行うことができる。
なお、主制御基板71は、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されていることを告知(ボーナス告知)した後に限り、「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行うこととしてもよい。ここで、ボーナス告知は、例えば、ボーナス確定画面を表示することや、ボーナス確定ランプを点灯させることなどにより行われる。
一例として、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定された場合に、数回の遊技にわたり行われる演出(いわゆる連続演出)を行い、この連続演出の結果に応じてボーナス確定画面を表示することが一般的に行われている。この連続演出の最中にメイン側で「白7ナビ」などを行ってしまったのでは、連続演出の結果が途中で分かってしまい、興趣を損ねてしまう可能性がある。そこで、パチスロ機1の主制御基板71は、ボーナス告知が行われた後に限り、「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行う。なお、ボーナス告知が行われたタイミングをメイン側で把握可能にする方法は任意である。
一手法としては、ボーナスに係る役を内部当籤役として決定すると、主制御基板71がボーナス告知までに要するゲーム数を決定し、このゲーム数を消化した後に、「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行う方法が考えられる。より具体的には、主制御基板71は、ボーナス告知までに要するゲーム数を決定すると、このゲーム数を副制御基板72に通知する。副制御基板72は、このゲーム数に従い演出を制御し、ゲーム数が消化したタイミングでボーナス確定画面を表示することで、メイン側においてボーナス告知が行われたタイミングを把握することができる。すなわち、主制御基板71は、ボーナスに係る役を持ち越していない状態でボーナスに係る役を内部当籤役として決定してからの単位遊技の回数を計数し、その計数結果が所定回数に達した後にボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊役1」「F_特殊役2」「F_特殊役3」のいずれかとが内部当籤役として決定された場合に「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行う。
また、他の手法としては、ボーナス告知をサブ側ではなくメイン側において制御する方法が考えられる。より具体的には、主制御基板71は、ボーナスに係る役を持ち越していない状態でボーナスに係る役を内部当籤役として決定すると、表示ユニット100で実行する演出(少なくとも演出に要するゲーム数)を決定し、副制御基板72に通知する。副制御基板72が通知された演出を実行し、ボーナス確定画面を表示することで、メイン側においてボーナス告知が行われたタイミングを把握することができる。
もちろん、その他の手法によりボーナス告知が行われたタイミングをメイン側で把握可能にすることとしてもよい。この場合において、主制御基板71は、副制御基板72などからの信号を受け付けることができないため、主制御基板71が受け付け可能な信号に基づいてボーナス告知が行われたタイミングを把握する必要がある。例えば、停止操作に伴う信号は、主制御基板71が受け付け可能であるため、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されている状態で、所定の停止操作(例えば、順押し以外)が行われた場合に、ボーナス告知を行うことも考えられる。具体的には、副制御基板72は、主制御基板71から内部当籤役に関する情報と停止操作に関する情報とを取得し、これらの情報の組合せが所定の組合せ(内部当籤役「ボーナスに係る役」、停止操作「順押し以外」)である場合にボーナス告知を行う。このようなボーナス告知は、その契機を主制御基板71でも把握することができるため、メイン側においてボーナス告知が行われたタイミングを把握することができる。
[主制御基板の動作説明]
次に、図75〜図91を参照して、主制御基板71のメインCPU31が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
<メインCPUの制御によるパチスロの主要動作処理>
まず、メインCPU31の制御で行うパチスロ機1の主要動作処理(電源投入以降の処理)の手順を、図75に示すフローチャート(以下、メインフローという)を参照しながら説明する。
まず、パチスロ機1に電源が投入されると、メインCPU31は、電源投入時の初期化処理を行う(S1)。この処理では、バックアップが正常に行われたか、設定変更が適切に行われたかなどが判定され、その判定結果に対応した初期化が行われる。
続いて、メインCPU31は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。この初期化処理では、メインRAM33における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでいう指定格納領域は、例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域などの1回の単位遊技(ゲーム)ごとにデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU31は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、メダルセンサ42Sやスタートスイッチ6Sの入力のチェックなどが行われる。
続いて、メインCPU31は、内部抽籤処理を行う(S4)。この処理では、メインCPU31は、現在の遊技状態に応じた内部抽籤テーブル(図39、図40)を参照して、複数の役の中から内部当籤役として決定する役を抽籤する。続いて、メインCPU31は、S4の内部抽籤処理において、役「F_BB1」「F_BB2」を内部当籤役として決定したか否かを判定する(S5)。役「F_BB1」「F_BB2」を内部当籤役として決定した場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT5遊技状態フラグをオンにし、遊技状態をフラグ間遊技状態にセットする(S6)。
S6の処理に続いて、又はS5において役「F_BB1」「F_BB2」を内部当籤役として決定していないと判定した場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、図76で後述する状態別遊技制御処理を行う(S7)。
続いて、メインCPU31は、メイン側ナビ制御処理を行う(S8)。この処理では、メインCPU31は、図74に示す対応関係に基づいて、現在の遊技状態及び内部当籤役に応じたナビデータをセットする。なお、セットしたナビデータは、スタートコマンドに格納され副制御基板72に通知される。また、セットしたナビデータに応じた報知は、任意のタイミングで行われる。
続いて、メインCPU31は、図86で後述するリール停止初期設定処理を行う(S9)。この処理では、S5で決定した内部当籤役や現在の遊技状態に応じて停止制御に用いるリール停止制御情報を決定する。決定したリール停止制御情報は、メインRAM33に格納され、S12のリール停止制御処理において用いられる。
続いて、メインCPU31は、スタートコマンド送信処理を行う(S10)。この処理では、メインCPU31は、スタートコマンドのデータを生成し、副制御基板72に送信する。なお、スタートコマンドデータには、内部当籤役などの演出に必要な各種の情報が含まれる。
続いて、メインCPU31は、ウェイト処理を行った後にリール回転開始処理を行う(S11)。この処理において、メインCPU31は、全リールの回転開始を要求する。そして、全リールの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1172msec)で実行される割込処理により、各リールは、その回転速度が定速度に達するまで加速制御され、その後、該定速度が維持されるように制御される。
続いて、メインCPU31は、図87で後述するリール停止制御処理を行う(S12)。この処理では、S9で決定したリール停止制御情報を用いて、左のストップボタン7L、中のストップボタン7C及び右のストップボタン7Rがそれぞれ押されたタイミングに基づいて該当するリールの回転が停止される。
続いて、メインCPU31は、入賞判別メダル払出処理を行う(S13)。この入賞判別メダル払出処理では、リール3L,3C,3Rが停止した結果、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて、メダルの払い出しや再遊技の作動などの当該図柄の組合せに応じた利益を付与する。続いて、メインCPU31は、入賞作動コマンド送信処理を行う(S14)。この処理では、メインCPU31は、入賞作動コマンドのデータを生成し、副制御基板72に送信する。なお、入賞作動コマンドデータには、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せなどの各種の情報が含まれる。
続いて、メインCPU31は、図88で後述するBBチェック処理を行う(S15)。この処理では、メインCPU31は、ボーナス状態の作動及び終了を制御する。続いて、メインCPU31は、図89及び図90で後述するRTチェック処理を行う(S16)。この処理では、メインCPU31は、表示された図柄の組合せに基づいてRT遊技状態を移行させる制御を行う。
続いて、メインCPU31は、図91で後述するCZ・ART終了時処理を行う(S17)。この処理では、メインCPU31は、CZの引き戻し抽籤を行う。CZ・ART終了時処理を行うと、メインCPU31は、一遊技(単位遊技)が終了したとして処理をS2に戻す。
<状態別制御処理>
次に、図76を参照して、状態別制御処理について説明する。状態別制御処理では、初めに、メインCPU31は、現在の遊技状態がRT4遊技状態中であるか否かを判定する(S31)。RT4遊技状態である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図77で後述するフラグ変換処理を行う(S32)。
S32の処理に続いて、又は、S31においてRT4遊技状態中ではないと判定した場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態が通常遊技状態中であるか否かを判定する(S33)。通常遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図78で後述する通常中スタート時処理を行い(S34)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態が通常遊技状態ではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態がCZ中であるか否かを判定する(S35)。CZ中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図79で後述するCZ中スタート時処理を行い(S36)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態がCZではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態が通常ART中であるか否かを判定する(S37)。通常ART中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図83で後述する通常ART中スタート時処理を行い(S38)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態が通常ARTではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態がCT中であるか否かを判定する(S39)。CT中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図84で後述するCT中スタート時処理を行い(S40)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態がCTではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態がボーナス状態中であるか否かを判定する(S41)。ボーナス状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図85で後述するBB中スタート時処理を行い(S42)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態がボーナス状態ではない場合には(NO)、メインCPU31は、その他処理を行い(S43)、状態別制御処理を終了する。例えば、メインCPU31は、ART準備中である場合に、準備中に応じた処理を行う。
<フラグ変換処理>
次に、図77を参照して、フラグ変換処理について説明する。フラグ変換処理では、初めに、メインCPU31は、CT開始時であるか否かを判定する(S50)。CT開始時である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CT中フラグ変換テーブル抽籤テーブル(図64)を参照して、CT中のフラグ変換抽籤に用いるテーブル番号を抽籤し、セットする(S51)。
S51の処理に続いて、又は、S50においてCT開始時ではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の状態に応じたフラグ変換抽籤テーブルをセットする(S52)。例えば、現在の状態が非ART中のRT4遊技状態である場合には、非ART中フラグ変換抽籤テーブル(図73)をセットし、現在の状態が通常ART中のRT4遊技状態である場合には、ART中フラグ変換抽籤テーブル(図58)をセットし、現在の状態がCT中のRT4遊技状態である場合には、CT中フラグ変換抽籤テーブル(図65)をセットする。
続いて、メインCPU31は、内部当籤役に基づいてフラグ変換抽籤を行い(S53)、続いて、当籤したか否かを判定する(S54)。フラグ変換抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、フラグ変換処理を行う(S55)。この処理では、例えば、役「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されている場合に、役「F_1確チリリプ」を役「3連チリリプ」として扱うように処理する。
続いて、メインCPU31は、現在の遊技状態が非ART中であるか否かを判定する(S56)。すなわち、メインCPU31は、RT4遊技状態への移行が、一般遊技状態(非ART)という報知が行われない状態において、遊技者の停止操作に応じて偶然に行われたものであるか否かを判定する。現在の遊技状態が非ART中である場合には(YES)、メインCPU31は、ARTセット数に1を加算し(S57)、続いて、次遊技にART準備中をセットし(S58)、フラグ変換処理を終了する。他方、現在の遊技状態が非ART中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、フラグ変換処理を終了する。
また、S54において、フラグ変換抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、フラグ維持処理を行い(S59)、フラグ変換処理を終了する。このフラグ維持処理では、例えば、役「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されている場合に、役「F_1確チリリプ」を役「リプレイ」として扱うように処理する。
<通常中スタート時処理>
次に、図78を参照して、通常中スタート時処理について説明する。通常中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、図52(A)に示すCZ抽籤テーブルを参照して、現在のCZの抽籤状態及び内部当籤役に基づいてCZ抽籤を行う(S61)。
続いて、メインCPU31は、このCZ抽籤に当籤したか否かを判定する(S62)。CZ抽籤に当籤した場合には(YES)、メインCPU31は、次遊技に当籤した種別のCZをセットし(S63)、続いて、当籤した種別のCZに応じた値をCZゲーム数カウンタにセットする(S64)。なお、CZゲーム数カウンタは、CZの継続期間を計数するカウンタであり、CZ1に当籤している場合には、CZゲーム数カウンタ(前半)に第1ゲーム数(例えば、12)をセットし、CZ2に当籤している場合には、CZゲーム数カウンタ(前半)に第2ゲーム数(例えば、15)をセットし、CZ3に当籤している場合には、CZゲーム数カウンタに第4ゲーム数(例えば、17)をセットする。
S64の処理に続いて、又は、S62においてCZ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、図51(A)の通常中高確率抽籤テーブルを参照して、内部当籤役に基づいてCZの抽籤状態の移行抽籤を行い(S65)、移行抽籤の結果に基づきCZの抽籤状態を更新し(S66)、通常中スタート時処理を終了する。
<CZ中スタート時処理>
次に、図79を参照して、CZ中スタート時処理について説明する。CZ中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、現在の遊技状態がCZ1中であるか否かを判定する(S71)。CZ1中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図80及び図81で後述するCZ1(CZ2)中処理を行い(S72)、CZ中スタート時処理を終了する。
他方、CZ1中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、現在の遊技状態がCZ2中であるか否かを判定する(S73)。CZ2中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図80及び図81で後述するCZ1(CZ2)中処理を行い(S74)、CZ中スタート時処理を終了する。なお、本実施形態において、CZ1とCZ2とではART抽籤に当籤する期待度が異なるランク(モード又はポイント)が異なるだけであり、基本的な処理は同じである。そこで、本実施形態では、CZ1及びCZ2中の処理をCZ1(CZ2)中処理として一つの処理で説明する。
他方、CZ2中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、図82で
後述するCZ3中処理を行い(S75)、CZ中スタート時処理を終了する。
<CZ1(CZ2)中処理>
次に、図80及び図81を参照して、CZ1(CZ2)中処理について説明する。CZ1(CZ2)中処理では、初めに、メインCPU31は、CZ1又はCZ2の前半部であるか否かを判定する(S81)。メインCPU31は、前半部である場合には(YES)、処理をS82に移し、前半部ではない(後半部である)場合には(NO)、処理を図81のS91に移す。
CZ1の前半部である場合には、メインCPU31は、CZ1中モードアップ抽籤テーブル(図53)を参照して、内部当籤役に基づいてモードアップ抽籤を行う(S82)。同様に、CZ2の前半部である場合には、メインCPU31は、CZ2中ポイント抽籤テーブル(図54)を参照して、内部当籤役に基づいてポイントアップ抽籤を行う(S82)。続いて、メインCPU31は、S82の抽籤結果に基づいて、モード(又はポイント)を更新する(S83)。
続いて、メインCPU31は、S82の抽籤においてフリーズに当籤したか否かを判定する(S84)。フリーズに当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、遊技の進行を一時的に停止するフリーズ処理を行うとともに、ARTセット数及びCTセット数に1加算する(S85)。この処理では、メインCPU31は、更に、ARTレベル決定テーブル(図59(A))を参照してARTレベルを決定し、セットする。なお、フリーズ発生時には、ARTレベルとして「ARTレベル2」が決定される。続いて、メインCPU31は、CZを終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S86)、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
他方、S84においてフリーズに当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(前半)を1減算する(S87)。続いて、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(前半)が0か否かを判定する(S88)。CZゲーム数カウンタ(前半)が0ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
他方、CZゲーム数カウンタ(前半)が0である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、次遊技にCZ1又はCZ2の後半をセットし(S89)、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
続いて、図81を参照して、CZ1又はCZ2の後半部である場合には、メインCPU31は、後半部の1ゲーム目であるか否かを判定する(S91)。後半部の1ゲーム目である場合には、CZ中ART抽籤テーブル(図55(A)(B))を参照して、前半部のモード又はポイントに基づいてART抽籤を行う(S92)。続いて、メインCPU31は、このART抽籤に当籤したか否かを判定する(S93)。
ART抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数に1加算するとともに、ARTレベル決定テーブル(図59(A))を参照してARTレベルを抽籤し、セットする(S94)。S94の処理に続いて、又は、ART抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(後半)に所定値をセットする(S95)。メインCPU31は、例えば、ART抽籤に当籤している場合にCZゲーム数カウンタ(後半)に「4」をセットし、ART抽籤に非当籤している場合にCZゲーム数カウンタ(後半)に「3」をセットする。
S95の処理に続いて、又は、S91において後半部の1ゲームではない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ中ART抽籤テーブル(図55(C))を参照して、内部当籤役に基づいてART抽籤を行い(S96)、ART抽籤に当籤したか否かを判定する(S97)。このART抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数に1加算するとともに、ARTレベル決定テーブル(図59(A))を参照してARTレベルを抽籤し、セットする(S98)。
S98の処理に続いて、又は、S97においてART抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(後半)を1減算する(S99)。続いて、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(後半)が0であるか否かを判定する(S100)。CZゲーム数カウンタ(後半)が0ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
他方、CZゲーム数カウンタ(後半)が0である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数が1以上であるか否かを判定する(S101)。ARTセット数が1以上である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CZを終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S102)、CZ1(CZ2)中処理を終了する。他方、ARTセット数が1以上ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、CZ失敗時をセットし(S103)、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
<CZ3中処理>
次に、図82を参照して、CZ3中処理について説明する。CZ3中処理では、初めに、メインCPU31は、CZ中ART抽籤テーブル(図56(D))を参照して、内部当籤役に基づいてART抽籤を行い(S121)、このART抽籤に当籤したか否かを判定する(S122)。
ART抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数及びCTセット数に1加算する(S123)。続いて、メインCPU31は、S121のART抽籤においてフリーズに当籤したか否かを判定する(S124)。フリーズに当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、遊技の進行を一時的に停止するフリーズ処理を行う(S125)。
S125の処理に続いて、又は、S124においてフリーズに当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、ARTレベル決定テーブル(図59(A))を参照してARTレベルを抽籤し、セットする(S126)。続いて、メインCPU31は、CZを終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S127)、CZ3中処理を終了する。
他方、S122においてART抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、CZゲーム数カウンタを1減算する(S128)。続いて、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタが0であるか否かを判定する(S129)。CZゲーム数カウンタが0ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ3中処理を終了する。
他方、CZゲーム数カウンタが0である場合には、メインCPU31は、ARTセット数に1加算するとともに、ARTレベル決定テーブル(図59(A))を参照してARTレベルを抽籤し、セットする(S130)。続いて、メインCPU31は、CZを終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S131)、CZ3中処理を終了する。
<通常ART中スタート時処理>
次に、図83を参照して、通常ART中スタート時処理について説明する。通常ART中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、ART継続ゲーム数カウンタを1加算する(S141)。なお、ART継続ゲーム数カウンタは、通常ARTが継続したゲーム数を計数するカウンタである。本実施形態では、ART継続ゲーム数カウンタの他に、通常ARTが継続可能なゲーム数を計数するART終了ゲーム数カウンタを設ける。そして、パチスロ機1は、ART継続ゲーム数カウンタの値とART終了ゲーム数カウンタの値とを比較し、ART継続ゲーム数カウンタの値がART終了ゲーム数カウンタの値に到達すると、ART遊技状態を終了する。
続いて、メインCPU31は、ART中CT抽籤テーブル(図61)を参照して、現在のCT抽籤状態及び内部当籤役に基づいてCT抽籤を行い(S142)、このCT抽籤に当籤したか否かを判定する(S143)。CT抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、CTセット数に1加算するとともに、CTゲーム数カウンタに8をセットし(S144)、続いて、次遊技に当籤した種別のCTをセットする(S145)。
S145の処理に続いて、又は、S143においてCT抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、ARTレベル決定テーブル(図59(B))を参照して、ART継続ゲーム数カウンタの値に基づいてARTレベルを抽籤し、セットする(S146)。続いて、メインCPU31は、通常ART中高確率抽籤テーブル(図60)を参照して、現在のCT抽籤状態及び内部当籤役に基づいて、移行先のCT抽籤状態を抽籤し、セットする(S147)。
続いて、メインCPU31は、通常ART中上乗せ抽籤テーブル(図62)を参照して、内部当籤役に基づいてARTゲーム数の上乗せ抽籤を行い(S148)、この上乗せ抽籤に当籤したか否かを判定する(S149)。上乗せ抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、当籤結果をART終了ゲーム数カウンタに加算する(S150)。
S150の処理に続いて、又は、S149において上乗せ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、ART継続ゲーム数カウンタの値が、ART終了ゲーム数カウンタの値に達したか否かを判定する(S151)。ART継続ゲーム数カウンタの値が、ART終了ゲーム数カウンタの値に達していない場合には(NO)、メインCPU31は、通常ART中スタート時処理を終了する。
他方、ART継続ゲーム数カウンタの値が、ART終了ゲーム数カウンタの値に達した場合には(YES)、メインCPU31は、ARTセット数を1減算し(S152)、続いて、ART終了時をセットし(S153)、通常ART中スタート時処理を終了する。
<CT中スタート時処理>
次に、図84を参照して、CT中スタート時処理について説明する。CT中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、CT中上乗せ抽籤テーブル(図66)を参照して、内部当籤役に基づいてARTゲーム数の上乗せ抽籤を行い(S161)、この上乗せ抽籤に当籤したか否かを判定する(S162)。
上乗せ抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、当籤結果をART終了ゲーム数カウンタに加算する(S163)。なお、上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が増えるほど、1回あたりの上乗せ量が増えることになる。
続いて、メインCPU31は、内部当籤役が役「3連チリリプ」であるか否か(すなわち、図77のフラグ変換処理において役「3連チリリプ」に変換されたか否か)を判定する(S164)。内部当籤役が役「3連チリリプ」である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CTゲーム数カウンタに8を再セットし(S165)、CT中スタート時処理を終了する。また、内部当籤役が役「3連チリリプ」ではない場合には(NO)メインCPU31は、CT中スタート時処理を終了する。
S162において、上乗せ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、CT中セット数上乗せ抽籤テーブル(図67)を参照して、内部当籤役に基づいてCTセット数の上乗せ抽籤を行い(S166)、このCTセット数の上乗せ抽籤に当籤したか否かを判定する(S167)。CTセット数の上乗せ抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CTセット数に1加算し(S168)、CT中スタート時処理を終了する。
他方、CTセット数の上乗せ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、CTゲーム数カウンタを1減算し(S169)、続いて、減算の結果、CTゲーム数カウンタが0になったか否かを判定する(S170)。CTゲーム数カウンタが0ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CT中スタート時処理を終了する。
CTゲーム数カウンタが0である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CTセット数を1減算する(S171)。続いて、メインCPU31は、CTセット数が1以上であるか否かを判定する(S172)。CTセット数が1以上である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CTゲーム数カウンタに8をセットし(S173)、CT中スタート時処理を終了する。他方、CTセット数が1以上ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CTを終了し、次遊技に通常ARTをセットし(S174)、CT中スタート時処理を終了する。
<BB中スタート時処理>
次に、図85を参照して、BB中スタート時処理について説明する。BB中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブル(図70)を参照して、内部当籤役に基づいてARTゲーム数の上乗せ抽籤を行い(S181)、この上乗せ抽籤に当籤したか否かを判定する(S182)。上乗せ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、BB中スタート時処理を終了する。
他方、上乗せ抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、当籤結果をART終了ゲーム数カウンタに加算する(S183)。続いて、メインCPU31は、ARTセット数が0であるか否かを判定する(S184)。ARTセット数が0ではない場合には、メインCPU31は、BB中スタート時処理を終了する。他方、ARTセット数が0である場合には、メインCPU31は、ARTセット数に1加算し(S185)、BB中スタート時処理を終了する。
<リール停止初期設定処理>
次に、図86を参照して、リール停止初期設定処理について説明する。リール停止初期設定処理では、初めに、メインCPU31は、回胴停止初期設定テーブル(図示せず)を参照し、内部当籤役などに基づいて回胴停止用番号を取得する(S191)。続いて、メインCPU31は、回胴停止初期設定テーブルを参照し、回胴停止用番号に基づいて各情報を取得する(S192)。この処理では、メインCPU31は、例えば、押下順序別判定データなどの回胴停止用番号に対応付けられた各種情報を取得する。
続いて、メインCPU31は、図柄コード格納領域(図示せず)に回転中の識別子を格納する(S193)。すなわち、メインCPU31は、全図柄コード格納領域(未使用領域を除く)のビットを「1」にセットする。続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタに3を格納し(S194)、リール停止初期設定処理を終了する。なお、ストップボタン未作動カウンタは、遊技者により停止操作が行われていないストップボタン7L、7C、7Rの数を判別するためのものであり、メインRAM33の所定の領域に格納されている。
<リール停止制御処理>
続いて、図87を参照して、リール停止制御処理について説明する。リール停止制御処理では、初めに、メインCPU31は、有効なストップボタンが押されたか否かを判定する(S201)。この処理は、ストップスイッチ7Sから信号が出力されたか否かを判定する処理である。メインCPU31は、有効なストップボタンが押されていないと判定した場合には(NO)、ステップS201の処理を繰り返し実行する。
一方、メインCPU31は、有効なストップボタンが押されたと判定した場合には(YES)、押されたストップボタンに応じて、押下順序格納領域(図示せず)と、作動ストップボタン格納領域(図示せず)とを更新する(S202)。すなわち、メインCPU31は、作動ストップボタン格納領域を更新することで、押されたストップボタンの種別を管理するとともに、押されたストップボタンの種別及びその順序に基づいて押下順序格納領域を更新することで、停止操作の順序(押し順)を管理する。
続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタから1を減算し(S203)、作動ストップボタンから検索対象リールを決定し(S204)、図柄カウンタに基づいて停止開始位置をメインRAM33に格納する(S205)。停止開始位置は、ストップスイッチ7Sによって停止操作が検出されたときの該当リールの図柄カウンタに対応する図柄位置である。
次に、メインCPU31は、滑り駒数決定処理を実行する(S206)。この滑り駒数決定処理は、回胴停止初期設定テーブルから内部当籤役に基づいて選択されるリール停止制御情報(停止テーブル群)に基づいて、停止開始位置に規定された滑り駒数を決定する処理である。
次に、メインCPU31は、主制御基板71から副制御基板72へ送信するリール停止コマンドデータを生成し、生成したリール停止コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納するリール停止コマンド生成処理を実行する(S167)。このリール停止コマンドデータは、停止されるリールの種別、停止開始位置及び滑り駒数(又は停止予定位置)などを表す。
次に、メインCPU31は、停止開始位置と滑り駒数決定データとに基づいて停止予定位置を決定し、メインRAM33に格納する(S208)。停止予定位置は、滑り駒数として規定されている予め定められた数値「0」〜「4」のうちの何れかを停止開始位置に加算した図柄位置であり、リールの回転が停止する図柄位置である。
次に、メインCPU31は、停止予定位置を検索図柄位置としてセットする(S209)。次に、メインCPU31は、図柄コード格納処理を実行する(S210)。この図柄コード格納処理は、回転中のリールの図柄位置をチェックするためのチェック用図柄位置データの図柄コードを取得する。
次に、メインCPU31は、図柄コード格納処理で取得した図柄コードから図柄コード格納領域を更新する(S211)。次に、メインCPU31は、制御変更処理を行う(S212)。この制御変更処理では、特定の停止位置にあった場合に、リールの停止に用いる停止情報群が更新される。
次に、メインCPU31は、押されたストップボタンが放されたか否かを判定する(S213)。この処理は、ストップスイッチ7Sから信号が出力されなくなったか否かを判定する処理である。
メインCPU31は、押されたストップボタンが放されていないと判定した場合には(NO)、ステップS213の処理を繰り返し実行する。一方、メインCPU31は、押されたストップボタンが放されたと判定した場合には(YES)、リール停止コマンドを送信する(S214)。
次に、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタが0であるか否かを判定する(S215)。ここで、ストップボタン未作動カウンタが0でないと判定した場合には(NO)、メインCPU31は、引込優先順位格納処理を実行し(S216)、ステップS201の処理を実行する。この引込優先順位格納処理では、回転しているリール3L、3C、3Rの全ての図柄の引込優先順位が決定される。一方、ストップボタン未作動カウンタが0であると判定した場合には(YES)、メインCPU31は、リール停止制御処理を終了する。
<BBチェック処理>
続いて、図88を参照して、BBチェック処理について説明する。BBチェック処理では、初めに、メインCPU31は、ボーナス状態中であるか否かを判定する(S221)。ボーナス状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ボーナス状態中に払い出し可能なメダルの枚数を計数するBB中払出枚数カウンタから、入賞判別メダル払出処理(図75のS13)において払い出されたメダルの払出枚数を減算する(S222)。
続いて、メインCPU31は、BB中払出枚数カウンタが0未満になったか否かを判定する(S223)。BB中払出枚数カウンタが0未満ではない場合には(NO)、BBチェック処理を終了する一方で、BB中払出枚数カウンタが0未満である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ボーナス終了時処理を行う(S224)。この処理では、メインCPU31は、ボーナス状態中の各種情報をクリアするとともに、RT1遊技状態フラグをオンにセットする。
続いて、メインCPU31は、ボーナス終了時CT抽籤テーブル(図71)を参照して、ボーナス終了時のCT抽籤を行い(S225)、このCT抽籤に当籤したか否かを判定する(S226)。CT抽籤に当籤している場合には、メインCPU31は、続いて、CTセット数に1加算する(S227)。なお、ARTセット数が0のときにCT抽籤に当籤した場合には、S227においてCTセット数に1加算するとともに、ARTセット数にも1加算する。
S227の処理に続いて、又はS226においてCT抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数又はCTセット数が1以上であるか否かを判定する(S228)。ARTセット数又はCTセット数が1以上である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ボーナス状態を終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S229)、BBチェック処理を終了する。
他方、ARTセット数及びCTセット数のいずれも1以上ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、ボーナス状態を終了するとともに、次遊技に通常遊技状態をセットする(S230)。続いて、メインCPU31は、通常中高確率抽籤テーブル(図51(B))を参照して、CZの抽籤状態を抽籤し、セットし(S231)、BBチェック処理を終了する。
また、S221においてボーナス状態中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、BBの図柄の組合せ(C_BB1,2)が表示されたか否かを判定する(S232)。BBの図柄の組合せが表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、BBチェック処理を終了する。
他方、BBの図柄の組合せが表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ボーナス種別抽籤テーブル(図69)を参照して、ボーナス種別を抽籤し、セットする(S233)。続いて、メインCPU31は、BB中払出枚数カウンタに所定値(例えば、216)をセットし(S234)、ボーナス開始時処理を行い(S235)、BBチェック処理を終了する。なお、ボーナス開始時処理では、メインCPU31は、ボーナスの作動を開始し、次遊技にボーナス状態をセットするなどの各種の処理を行う。
<RTチェック処理>
続いて、図89及び図90を参照して、RTチェック処理について説明する。RTチェック処理では、初めに、メインCPU31は、RT5遊技状態中であるか否かを判定する(S241)。RT5遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、RT5遊技状態中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT0遊技状態中であるか否かを判定する(S242)。
S242においてRT0遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、「ベルこぼし目」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S243)。「ベルこぼし目」が表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、「ベルこぼし目」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT2遊技状態フラグをオンにセットし、RT0遊技状態からRT2遊技状態に移行させ(S244)、RTチェック処理を終了する。
他方、S242においてRT0遊技状態中でない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT1遊技状態中であるか否かを判定する(S245)。RT1遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、「ベルこぼし目」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S246)。「ベルこぼし目」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT2遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT1遊技状態フラグをオフにし、RT1遊技状態からRT2遊技状態に移行させ(S247)、RTチェック処理を終了する。
他方、S246において「ベルこぼし目」が表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT1遊技状態が20ゲーム経過したか否かを判定する(S248)。20ゲーム経過していない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、20ゲーム経過した場合には(YES)、メインCPU31は、RT1遊技状態フラグをオフにし、RT1遊技状態からRT0遊技状態に移行させ(S249)、RTチェック処理を終了する。
他方、S245においてRT1遊技状態中でない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT2遊技状態中であるか否かを判定する(S250)。RT2遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、「RT3移行リプ」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S251)。「RT3移行リプ」が表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、「RT3移行リプ」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT3遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT2遊技状態フラグをオフにし、RT2遊技状態からRT3遊技状態に移行させ(S252)、RTチェック処理を終了する。
他方、S250においてRT2遊技状態中でない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT3遊技状態中であるか否かを判定する(S261)。RT3遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、「ベルこぼし目」又は「RT2移行リプ」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S262)。「ベルこぼし目」又は「RT2移行リプ」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、RT2遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT3遊技状態フラグをオフにし、RT3遊技状態からRT2遊技状態に移行させ(S263)、RTチェック処理を終了する。
他方、S262において「ベルこぼし目」及び「RT2移行リプ」のいずれも表示されていない場合には、メインCPU31は、続いて、「RT4移行リプ」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S264)。「RT4移行リプ」が表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、「RT4移行リプ」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT4遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT3遊技状態フラグをオフにし、RT3遊技状態からRT4遊技状態に移行させる(S265)。
続いて、メインCPU31は、ART準備中がセットされているか否かを判定する(S266)。ART準備中がセットされていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、ART準備中がセットされている場合には(YES)、メインCPU31は、CTセット数が1以上であるか否かを判定する(S267)。
CTセット数が1以上である場合には(YES)、メインCPU31は、次遊技にCTをセットするとともに、CTゲーム数カウンタに8をセットし(S268)、RTチェック処理を終了する。他方、CTセット数が1以上ではない場合には(NO)、メインCPU31は、次遊技に通常ARTをセットし、ART終了ゲーム数カウンタに所定値をセットし(S269)、RTチェック処理を終了する。
他方、S261においてRT3遊技状態中ではない場合には(NO)、RT4遊技状態中であるため、メインCPU31は、続いて、「ベルこぼし目」又は「RT2移行リプ」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S270)。「ベルこぼし目」及び「RT2移行リプ」のいずれも表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、「ベルこぼし目」又は「RT2移行リプ」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、RT2遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT4遊技状態フラグをオフにし、RT4遊技状態からRT2遊技状態に移行させ(S271)、RTチェック処理を終了する。
<CZ・ART終了時処理>
続いて、図91を参照して、CZ・ART終了時処理について説明する。CZ・ART終了時処理では、初めに、メインCPU31は、CZ失敗時又はART終了時であるか否かを判定する(S281)。CZ失敗時及びART終了時のいずれでもない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ・ART終了時処理を終了する一方で、CZ失敗時又はART終了時である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CZ抽籤テーブル(図52(B))を参照して、CZの引き戻し抽籤を行い(S282)、この引き戻し抽籤に当籤したか否かを判定する(S283)。
引き戻し抽籤に当籤した場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、次遊技に当籤した種別のCZをセットし(S284)、当籤した種別のCZに応じた値をCZゲーム数カウンタにセットし(S285)、CZ・ART終了時処理を終了する。
他方、引き戻し抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、次遊技に通常遊技状態をセットする(S286)。続いて、メインCPU31は、通常中高確率抽籤テーブル(図51(B))を参照して、CZの抽籤状態を抽籤し、セットし(S287)、CZ・ART終了時処理を終了する。
[副制御基板の動作説明]
次に、図92〜図94を参照して、副制御基板72のサブCPU81が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
<サブ側ナビ制御処理>
まず、図92を参照して、サブ側ナビ制御処理について説明する。サブ側ナビ制御処理では、初めに、サブCPU81は、ナビデータを取得したか否かを判定する(S301)。サブCPU81は、主制御基板71から受信したスタートコマンドデータの中から主制御基板71が決定したナビデータを取得する。S301の処理では、サブCPU81は、受信したスタートコマンドデータの中にナビデータが含まれていたか否かを判定する。
ナビデータを取得した場合には(YES)、サブCPU81は、続いて、ナビデータに応じたサブ側ナビデータをセットする(S302)。図74を参照して、サブCPU81は、例えば、ナビデータ「4」を取得した場合には、サブ側ナビデータといして押し順「左、中、右」を報知するためのナビデータをセットする。これにより、メイン側及びサブ側の双方において停止操作の内容を報知することができる。
他方、ナビデータを取得していない場合には(NO)、サブCPU81は、続いて、ナビ(停止操作の報知)の必要があるか否かを判定する(S303)。本実施形態では、サブCPU81は、例えば、主制御基板71においてフラグ変換抽籤が行われた場合や、主制御基板71において所定の役が内部当籤役として決定された場合に、ナビの必要があると判定する。フラグ変換抽籤の結果や、内部当籤役の種別は、スタートコマンドデータに含まれており、サブCPU81は、スタートコマンドデータに含まれる各種情報からナビの必要があるか否かを判定することができる。
ナビの必要がないと判定した場合には(NO)、サブCPU81は、サブ側ナビ制御処理を終了する。他方、ナビの必要があると判定した場合には(YES)、サブCPU81は、各種抽籤結果に応じたサブ側ナビデータをセットし(S304)、サブ側ナビ制御処理を終了する。例えば、サブCPU81は、役「F_確チリリプ」が内部当籤役として決定されており、フラグ変換抽籤に当籤している場合には、「3連チリリプ」の図柄の組合せを表示するためのナビデータ(例えば、順押しでチリ図柄を狙わせるナビデータ)をセットし、役「F_確チリリプ」が内部当籤役として決定されており、フラグ変換抽籤に非当籤した場合に、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するためのナビデータ(例えば、順押し以外の押し順を示すナビデータ)をセットする。これにより、メイン側で停止操作の内容を報知しない場合であっても、サブ側単独で停止操作の内容を報知することができる。
<遊技者登録処理>
次に、図93を参照して、遊技者登録処理について説明する。遊技者登録処理では、初めに、サブCPU81は、登録操作を受け付けたか否かを判定する(S311)。例えば、第1サブ表示装置201のメニュー画面212(図29参照)において登録ボタン212bの操作を受け付けた場合に表示する登録画面において所定の操作を受け付けると、サブCPU81は、登録操作を受け付けたと判定する。
登録操作を受け付けた場合には(YES)、サブCPU81は、続いて、遊技者登録状態をセットする(S312)。後述するように、遊技者登録状態がセットされている状況では、サブCPU81は、第1サブ表示装置201に遊技情報画面213,214,215(図29参照)を表示可能に第1サブ表示装置201の表示画面を制御する。
他方、登録操作を受け付けていない場合には(NO)、サブCPU81は、登録削除操作を受け付けたか否かを判定する(S313)。例えば、第1サブ表示装置201の登録画面において特定の操作を受け付けると、サブCPU81は、登録削除操作を受け付けたと判定する。登録削除操作を受け付けていない場合には(NO)、サブCPU81は、遊技者登録処理を終了する。
他方、登録削除操作を受け付けた場合には(YES)、サブCPU81は、続いて、遊技者登録状態をクリアする。後述するように、遊技者登録状態がクリアされている状況では、サブCPU81は、第1サブ表示装置201に遊技情報画面213,214,215(図29参照)を表示不可能に第1サブ表示装置201の表示画面を制御する。
<履歴管理処理>
次に、図94を参照して、履歴管理処理について説明する。履歴管理処理では、初めに、サブCPU81は、主制御基板71から受信した各種コマンドデータから遊技結果を取得する(S321)。続いて、サブCPU81は、遊技履歴を更新し(S322)、履歴管理処理を終了する。サブCPU81は、例えば、スタートコマンドデータから内部当籤役として決定された役の種類を把握することができ、また、入賞作動コマンドデータから表示された図柄の組合せ(すなわち、内部当籤役として決定された役の入賞の有無)を把握することができる。また、サブCPU81は、例えば、スタートコマンドデータなどから現在の遊技状態や遊技状態の移行状況を把握することができる。サブCPU81は、各種コマンドデータから取得したこれらの遊技結果から、例えば、ボーナス回数、ART回数、ゲーム数(遊技回数)、CZ回数、CZ成功回数、それぞれの役の当籤回数及び当籤確率などの様々な遊技履歴を管理することができる。
[第1サブ表示装置の表示画面の切り替え]
次に、図95を参照して、本実施形態のパチスロ機1における第1サブ表示装置201の表示画面の切り替え方法について説明する。図95(A)は、遊技者登録状態がセットされていない状況での第1サブ表示装置201の表示画面の遷移例であり、図95(B)は、遊技者登録状態がセットされている状況での第1サブ表示装置201の表示画面の遷移例である。
図95(A)に示すように、遊技者登録状態がセットされていない状況では、副制御基板72(サブCPU81)は、第1サブ表示装置201に表示する表示画面を、トップ画面211、メニュー画面212及びメニュー画面212から遷移可能な各種表示画面の間でのみ遷移可能に制御する。具体的には、副制御基板72は、タッチセンサ201aを介して取得したタッチ操作(例えば、所定のボタンに対するタップ操作や、表示画面上におけるスワイプ操作)に基づいて、トップ画面211及びメニュー画面212の間で表示画面を切り替える。一方で、遊技者登録状態がセットされていない状況では、副制御基板72は、遊技情報画面213,214,215の表示を不可能に制御する。すなわち、遊技者登録状態がセットされていない状況では、遊技者は、第1サブ表示装置201に遊技情報画面213,214,215を表示することができない。
また、図95(B)に示すように、遊技者登録状態がセットされている状況では、副制御基板72は、第1サブ表示装置201に表示する表示画面を、トップ画面211、メニュー画面212及びメニュー画面212から遷移可能な各種表示画面に加え、遊技情報画面213,214,215での間でも遷移可能に制御する。すなわち、副制御基板72は、タッチセンサ201aを介して取得したタッチ操作に基づいて、トップ画面211及びメニュー画面212だけでなく遊技情報画面213,214,215も表示可能に制御する。これにより、遊技者登録状態がセットされている状況では、遊技者は、第1サブ表示装置201に遊技情報画面213,214,215を表示することができる。
なお、図95(B)に示すように、トップ画面211、メニュー画面212及び遊技情報画面213,214,215の間での表示画面の遷移順序は任意である。例えば、トップ画面211から遊技情報画面213,214,215に直接遷移可能にしてもよく、また、トップ画面211からメニュー画面212を介してのみ遊技情報画面213,214,215に遷移可能にしてもよい。
この点、本実施形態のパチスロ機1では、トップ画面211からは、遊技情報画面213,214,215に直接遷移することはできず、メニュー画面212を介してのみ遊技情報画面213,214,215に遷移可能にしている。より具体的には、本実施形態のパチスロ機1では、メニュー画面212において、スワイプ操作を行うことで、遊技情報画面213,214,215に遷移可能にしている。
ここで、遊技情報画面213,214,215は、メニュー画面212に対応するボタンが設けられた表示画面ではなく、メニュー画面212から完全に独立して設けられた表示画面である。すなわち、本実施形態のパチスロ機1では、遊技履歴という遊技者が遊技中に強い関心を抱く遊技の結果を示す情報を、配当配列や音量調節などの遊技の結果とは関係のない関連情報から独立して表示する。そして、パチスロ機1では、遊技者登録状態がセットされている状況において、メニュー画面212におけるメニュー選択操作を必要とすることなく、遊技情報画面213,214,215に遷移可能にしている。これにより、パチスロ機1では、遊技者登録状態がセットされている状況において、遊技者が確認することを望む情報(遊技履歴)へのアクセスをし易くすることができる。
一方で、メニュー画面212におけるメニュー選択操作では遊技情報画面213,214,215に遷移できず、メニュー表示にはないスワイプ操作を行わなければ遊技情報画面213,214,215に遷移することができないようにしているため、本実施形態のパチスロ機1では、遊技情報画面213,214,215への遷移のための操作を、遊技者登録状態がセットされている状況における隠しコマンドとして扱うことができる。遊技者にとってみれば、パチスロ機1に対する自身の知識により、知識の少ない他の遊技者では見ることのできないより詳細な遊技履歴を見ることができるため、当該他の遊技者よりも有利に遊技を行うことができ、結果、積極的に遊技を行うことが期待できる。
(遊技情報画面からトップ画面の表示)
パチスロ機1では、遊技情報画面213,214,215から、遊技者の手動により、又は自動的にトップ画面211に遷移する。具体的には、遊技情報画面213,214,215において戻るボタンが操作されると、遊技情報画面213,214,215からトップ画面211に表示画面を遷移する(手動遷移)。また、遊技情報画面213,214,215を表示している状態において所定の条件を満たした場合には、遊技者の操作とは関係なく自動的にトップ画面211に遷移する(自動遷移)。
より具体的には、パチスロ機1では、遊技情報画面213,214,215を表示している状態において、投入操作(MAXベットボタン11の操作、1ベットボタンの操作及びメダル投入口22にメダルを投入する操作)が行われると、自動的にトップ画面211に遷移する。なお、ART遊技状態のように再遊技の作動を行うリプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高い状態(高リプ状態)では、リプレイ入賞に伴う再遊技の作動によりメダルが自動的に投入されてしまう結果、高リプ状態では、遊技情報画面213,214,215を表示する機会が限られてしまう可能性がある。そこで、パチスロ機1では、再遊技の作動によりメダルが自動的に投入された場合には、メダルの投入ではなく開始操作が行われると、自動的に遊技情報画面213,214,215からトップ画面211に遷移する。
すなわち、パチスロ機1では、再遊技の作動が行われている場合には、開始操作が行われると、自動的に遊技情報画面213,214,215からトップ画面211に遷移し、再遊技の作動が行われていない場合には、投入操作が行われると、自動的に遊技情報画面213,214,215からトップ画面211に遷移する。
(メニューに応じた表示画面からトップ画面(又はメニュー画面)の表示)
また、パチスロ機1では、メニュー画面212におけるメニュー選択操作により遷移可能な各種表示画面(登録画面、説明画面、配列配当画面、リーチ目画面、WEB紹介画面、及び音量調整画面)から、遊技者の手動により、又は自動的にトップ画面211(又はメニュー画面212)に遷移する。具体的には、各種表示画面において所定のボタン(例えば、トップボタン)が操作されると、当該各種表示画面からトップ画面211に表示画面を遷移し、また、各種表示画面において特定のボタン(例えば、戻るボタン)が操作されると、当該各種表示画面からメニュー画面212に表示画面を遷移する(手動遷移)。また、各種表示画面を表示している状態において所定の時間が経過すると、遊技者の操作とは関係なく自動的にトップ画面211(又はメニュー画面212)に遷移する。
ここで、パチスロ機1では、トップ画面211(又はメニュー画面212)に遷移することになる時間を、現在表示している表示画面の種類に応じて異ならせている。例えば、パチスロ機1から出力する音量の調整を行う音量調整画面は、長く表示していると誤操作により意図しない音量に調整してしまう虞があり、また、誤操作により他の遊技者を不快にしてしまう虞があるため、他の表示画面よりも短い時間で、トップ画面211(又はメニュー画面212)に遷移する。一方、登録画面は、遊技者の登録を行い易くするために、他の表示画面よりも長い時間で、トップ画面211(又はメニュー画面212)に遷移する。
すなわち、各種表示画面には、トップ画面211(又はメニュー画面212)に遷移することになる時間が設定されており、音量調整画面には、他の表示画面よりも短い時間が設定され、また、登録画面には、他の表示画面よりも長い時間が設定されている。
(メニューの操作可否の選択機能)
パチスロ機1では、遊技者は、メニュー画面212から、登録画面、説明画面、配列配当画面、リーチ目画面、WEB紹介画面、及び音量調整画面に遷移することで、これら各種表示画面に応じた各種操作を行うことや、各種情報を確認することができる。ここで、遊技者が選択できる機能を遊技店側の設定に応じて制限可能にしてもよい。
例えば、遊技店は、メニュー画面212から音量調節画面に遷移不可能(例えば、メニュー画面212に音量ボタン212gを表示しない)に制限することで、遊技者による音量調節を不可能にすることができる。
[第1実施形態の変形例]
以上、第1実施形態のパチスロ機1について説明した。続いて、第1実施形態のパチスロ機1の変形例について説明する。
<通常ART中のCT前兆遊技と報知抽籤>
上述した第1実施形態のパチスロ機1では、理解を容易にするために、有利な状態(例えば、CT)に当籤した場合に、次遊技からすぐに有利な状態に移行させることとしているが、パチスロ機では、遊技者に対して有利な制御を行う場合に、すぐに当該有利な制御を行うのではなく、所定回数の遊技を行った後に当該有利な制御を行うことがある。この所定回数の遊技は、いわゆる前兆遊技などと呼ばれている。本変形例では、例えば、通常ART中にCT抽籤に当籤した場合に、すぐにCTを行うのではなく、所定回数の前兆遊技を挟むパチスロ機1について説明する。
図96(A)に示すように、通常ART中は、ART中CT抽籤テーブル(図61)を用いて内部当籤役に基づいてCT抽籤を行う。このCT抽籤に当籤するとCT(上乗せチャンスゾーン)という遊技者にとって有利な状態に移行することから、CTに当籤するまではCT抽籤のための各種抽籤を、メイン側(主制御基板71)で行う。具体的には、主制御基板71は、内部当籤役を決める内部抽籤を行うとともに、内部当籤役として役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」のいずれかが決定された場合に、ART中フラグ変換抽籤テーブル(図58)を用いてフラグ変換抽籤を行う。
一方で、本変形例のパチスロ機1では、CT抽籤に当籤した後のCT前兆中は、フラグ変換抽籤後の役(すなわち、役「3連チリリプ」や役「リーチ目リプ」)に基づくCT抽籤などの遊技者にとって特典を付与する抽籤を行わないこととする。そして、このCT前兆中は、フラグ変換抽籤をサブ側(副制御基板72)で行い、このサブ側で行ったフラグ変換抽籤の結果に基づいて、サブ側で行う報知内容を制御する。例えば、サブ側で行ったフラグ変換抽籤に当籤した場合には、「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示するための情報を表示ユニット100に表示し、フラグ変換抽籤に非当籤した場合には、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するための情報を表示ユニット100に表示する。
上述のように近年のパチスロ機では、遊技者の利益(出玉)に影響を与える抽籤をメイン側で行うことが求められているが、本変形例のパチスロ機1では、フラグ変換抽籤の抽籤結果が遊技者の利益に何らの影響を与えない期間(CT前兆中)を設け、この期間に限り、サブ側でフラグ変換抽籤を行う。これにより、例えば、CT前兆中という特典の付与が決まっている状況において、「リーチ目リプ」という特別な図柄の組合せを表示する機会を増やすことができ、図柄の組合せの見せ方のバリエーションが増すため、遊技性の向上が期待できる。
なお、図96(B)は、サブ側で行うフラグ変換抽籤に用いるCT前兆中のフラグ変換抽籤テーブルであり、ロムカートリッジ基板82に記憶されている。CT前兆中のフラグ変換抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けてサブ側で行うフラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。CT前兆中のフラグ変換抽籤テーブルを参照すると、CT前兆中は、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」が非常に高い確率で役「リーチ目リプ」に変換されることが分かる。その結果、CT前兆中に役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」が内部当籤役として決定された場合には、高い確率で「リーチ目リプ」の図柄の組合せが表示されることになり、遊技者に対して、前兆中であることを示唆することができる。なお、繰り返しになるが、サブ側で行うフラグ変換抽籤に当籤した場合には、「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示するための報知は行われるものの、特典を付与することはない。
もちろん、CT前兆中のフラグ変換抽籤をメイン側で行ってもよいが、本変形例のように遊技者の利益に何らの影響を与えない期間における抽籤をサブ側で行うことで、メイン側のデータ容量や処理負荷を軽減することができ、好適である。
<3連チリリプ表示用の押し順の別例>
上述した第1実施形態のパチスロ機1では、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定された場合、押し順に正解すると「3連チリリプ」の図柄の組合せを表示し、押し順に不正解すると「リプレイ」の図柄の組合せを表示することとしている(図47)。また、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」に対して正解の押し順が「順押し」であるものとしている。
この点、本変形例のパチスロ機1では、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定された場合の、押し順に不正解時に表示される図柄の組合せの種類を増やすとともに、正解の押し順を役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」のそれぞれで異ならせる。
具体的には、図97(A)に示すように、本変形例のパチスロ機1では、役「F_確チリリプ」は、正解となる押し順が「順押し(第1停止操作が左のリール3L)」であり、不正解となる押し順が「中押し(第1停止操作が中のリール3C)」及び「逆押し(第1停止操作が右のリール3R)」であるものとする。そして、役「F_確チリリプ」は、順押しされた場合に「3連チリリプ」の図柄の組合せが表示され、「中押し」された場合に「リプレイ」の図柄の組合せが表示され、「逆押し」された場合に「2連チリリプ」の図柄の組合せが表示される。
また、本変形例のパチスロ機1では、役「F_1確チリリプ」は、正解となる押し順が「逆押し」であり、不正解となる押し順が「順押し」及び「中押し」であるものとする。そして、役「F_1確チリリプ」は、逆押しされた場合に「3連チリリプ」の図柄の組合せが表示され、「中押し」された場合に「リプレイ」の図柄の組合せが表示され、「順押し」された場合に「2連チリリプ」の図柄の組合せが表示される。
すなわち、本変形例のパチスロ機1では、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」のいずれかが内部当籤役として決定されている場合に、「順押し」すると当籤している役の種類に応じて「3連チリリプ」又は「2連チリリプ」が表示され、同様に、「逆押し」すると当籤している役の種類に応じて「3連チリリプ」又は「2連チリリプ」が表示される。一方で、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」のいずれかが内部当籤役として決定されている場合に、「中押し」すると当籤している役の種類に関係なく「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。
このようにすることで、例えば、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定された場合に、チリ図柄を狙わせる様々なナビ(報知)が可能になる。具体的には、「順押しでチリ図柄を狙わせるナビ」と「逆押しでチリ図柄を狙わせるナビ」との双方を行うことができる。なお、役「F_確チリリプ」が内部当籤役として決定されている場合には、「順押しでチリ図柄を狙わせるナビ」は「3連チリリプ」を表示させるためのナビであり、「逆押しでチリ図柄を狙わせるナビ」は「3連チリリプ」を表示させないためのナビ(2連チリリプが表示)である。反対に、役「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されている場合には、「順押しでチリ図柄を狙わせるナビ」は「3連チリリプ」を表示させないためのナビであり、「逆押しでチリ図柄を狙わせるナビ」は「3連チリリプ」を表示させるためのナビ(2連チリリプが表示)である。
本変形例のパチスロ機1では、これらのナビを行うか否かをメイン側で行うフラグ変換抽籤により管理し、このメイン側のフラグ変換抽籤の結果に基づいてサブ側の制御のもとにナビが実行される。
図97(B)は、通常ART中のメイン側のフラグ変換抽籤と、サブ側のナビとの関係性を示す図である。通常ART中は、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されると、主制御基板71は、2段階のフラグ変換抽籤を行う(図58参照)。サブ側では、この2段階のフラグ変換抽籤の結果を、スタートコマンドデータから取得し、2段階のフラグ変換抽籤の結果に基づいて表示ユニット100で行うナビを決定する。
具体的には、2段階のフラグ変換抽籤のうち1段階目のフラグ変換抽籤の時点で非当籤した場合には、副制御基板72は、「リプレイナビ」を行う。この「リプレイナビ」では、副制御基板72は、遊技者に対して中押しするように報知する。図97(A)に示すように、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」のいずれであっても、中押し時には「リプレイ」の図柄の組合せが表示されることになる。
また、2段階のフラグ変換抽籤のうち1段階目のフラグ変換抽籤に当籤し、2段階目のフラグ変換抽籤に非当籤した場合には、副制御基板72は、「チリリプ煽りナビ」を行う。この「チリリプ煽りナビ」では、副制御基板72は、役「F_確チリリプ」が内部当籤役である場合は、逆押しでチリ図柄を狙わせるように報知し、役「F_1確チリリプ」が内部当籤役である場合は、順押しでチリ図柄を狙わせるように報知する。図97(A)に示すように、役「F_確チリリプ」の逆押し時、及び役「F_1確チリリプ」は順押し時には、いずれであっても「2連チリリプ」の図柄の組合せが表示されることになる。
また、2段階のフラグ変換抽籤のうち1段階目及び2段階目の双方のフラグ変換抽籤に当籤した場合には、副制御基板72は、「チリリプ揃いナビ」を行う。この「チリリプ揃いナビ」では、副制御基板72は、役「F_確チリリプ」が内部当籤役である場合は、順押しでチリ図柄を狙わせるように報知し、役「F_1確チリリプ」が内部当籤役である場合は、逆押しでチリ図柄を狙わせるように報知する。図97(A)に示すように、役「F_確チリリプ」の順押し時、及び役「F_1確チリリプ」は逆押し時には、いずれであっても「3連チリリプ」の図柄の組合せが表示されることになる。
上述のように、フラグ変換抽籤の抽籤結果に基づく報知は、利益に影響を与えるものではないため(フラグ変換抽籤自体は利益に影響を与えるものの、結果として表示される図柄の組合せは利益に影響を与えない)、フラグ変換抽籤の抽籤結果に基づく報知は、メイン側(指示モニタ)では行わず、サブ側(表示ユニット100)でのみ行う。この点、本変形例のように、「チリリプ揃いナビ」だけでなく、「チリリプ煽りナビ」も併せて行うことで、利益に影響しないナビをサブ側で多様な態様で行うことができ、興趣が向上する。
[パチスロ機の効果]
以上、本発明に係るパチスロ機1について説明した。このようなパチスロ機1によれば以下の効果が期待できる。
(CT中の継続期間の管理)
パチスロ機1では、通常ARTの継続期間を延長する上乗せチャンスゾーンとしてCTを設け、このCT中の内部当籤役に基づいてARTゲーム数の上乗せを行う。CTは、1セット8回の遊技により行われるが、CT中にARTゲーム数の上乗せを行うことができた場合には遊技回数の減算を行わずに、上乗せできない場合に限り遊技回数を減算する。遊技者にとってみれば、CTがいつまで続くか分からず、また、上乗せが行われている限りCTが終了することがないため、CT中の遊技の興趣を高めることができる。
このとき、パチスロ機1では、CT中に役「3連チリリプ」に応じて上乗せが行われた場合には、1セット8回の遊技を再セットする。これにより、CTが終了直前になったとしても役「3連チリリプ」に応じて上乗せが行われることで、CTが初めから再開されることになるため、CT中の遊技に対して強い関心を抱くことになり退屈することなく遊技を継続できるとともに、CT中の遊技の興趣を高めることができる。
また、役「3連チリリプ」に応じた上乗せは、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定された場合のフラグ変換抽籤に当籤した場合に限り行われるため、遊技者に対して過大な利益を与えてしまうことを防止でき、遊技者及び遊技店の利益のバランスを図ることができる。なお、上述したパチスロ機1では、CT中に、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」に対するフラグ変換抽籤に必ず当籤することとしているが(図65参照)、当籤確率は一例に過ぎず、遊技者及び遊技店の利益のバランスに応じて適宜することを妨げるものではない。
(CT中の役「3連チリリプ」に基づく上乗せゲーム数)
また、パチスロ機1では、CT中に役「3連チリリプ」に基づく上乗せが行われた回数が一定の回数を超えると、1回あたりに上乗せするゲーム数を増やす。上述のように、ARTゲーム数の上乗せが行われている限り、CTは終了することなく、また、役「3連チリリプ」に当籤するとCTの再セットが行われるため、遊技者からすると、CTが継続するほど1回あたりの上乗せ量が増えることについての期待を持つことができ、CT中の興趣が向上する。また、1回あたりの上乗せ量を増やす契機となる回数は、CTの1セット分の遊技回数(8回)よりも多い回数(9回以上)であるため、遊技者に対して過大な利益を与えてしまうことを防止でき、遊技者及び遊技店の利益のバランスを図ることができる。
(メイン側で行うボーナス報知)
また、パチスロ機1では、情報表示器14の指示モニタに「10」(又は「11」)というボーナスに係る役に応じた図柄の組合せを表示させるための停止操作の情報に一義的に対応する表示を行うことで、メイン側でボーナス報知を行う。ここで、パチスロ機には通常、引き込む図柄の優先順位が定められており、ボーナスに係る役とその他の役とが重複して内部当籤役として決定されている場合、優先順位によってボーナスに係る役に応じた図柄の組合せを引き込めることもあれば、引き込めないこともある。
この点、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊役1」「F_特殊役2」「F_特殊役3」のいずれかとが内部当籤役として決定されている場合には、ボーナスに係る役に応じた図柄の組合せを引き込むことができるが、その他の役が内部当籤役として決定されている場合には、ボーナスに係る役に応じた図柄の組合せを引き込むことができない。そこで、パチスロ機1では、ボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊役1」「F_特殊役2」「F_特殊役3」のいずれかとが内部当籤役として決定されている場合に限り、指示モニタに「10」(又は「11」)という表示を行う。これにより、メイン側のナビを、ボーナスに係る役を入賞させることのできる適切なタイミングで行うことができる。
また、パチスロ機1では、ボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊役1」「F_特殊役2」「F_特殊役3」のいずれかとが内部当籤役として決定されたとしても、ボーナスに係る役が最初に当籤してから所定回数の遊技が経過するまでは、指示モニタに「10」(又は「11」)という表示を行わず、所定回数の遊技が経過することを条件に、指示モニタに「10」(又は「11」)という表示を行う。
例えば、ボーナスに係る役に当籤したことを契機として複数回の遊技にわたり行われる演出(いわゆる連続演出)を行うことがあるが、この連続演出の最中に、指示モニタに「10」(又は「11」)と表示してしまったのでは、連続演出の意味が薄れてしまい、興趣を損ねてしまう可能性がある。この点、本実施形態のパチスロ機1では、所定回数の遊技が経過するまでは、指示モニタにおける表示を行わず、所定回数の遊技が経過した後に、指示モニタにおける表示を行うため、演出効果を損ねることなく、メイン側でのボーナス報知を行うことができる。
(メイン・サブ側で行う報知とサブ側単独での報知)
また、パチスロ機1では、停止操作の態様(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役を複数種類設けるとともに(図47参照)、これら複数種類の役には、表示される図柄の組合せによって異なる特典を付与する役と、表示される図柄の組合せが異なったとしても同一の特典を付与する役とが含まれる。
例えば、「ベル」の図柄の組合せが表示された場合と「ベルこぼし目」の図柄の組合せが表示された場合とでは払い出されるメダルの枚数が異なり、また、「リプレイ」の図柄の組合せが表示された場合と「RT2移行リプ」の図柄の組合せが表示された場合とでは再遊技の作動に加えてRT遊技状態の移行が行われるか否かが異なるため、役「F_3択ベル_1st」や役「F_維持リプ_1st」は、表示される図柄の組合せによって異なる特典を付与する役である。一方で、「3連チリリプ」の図柄の組合せが表示された場合と「リプレイ」の図柄の組合せが表示された場合とでは、両者ともに再遊技の作動が行われるだけであるため、役「F_確チリリプ」は、表示される図柄の組合せが異なったとしても同一の特典を付与する役である(なお、役「F_確チリリプ」は、フラグ変換抽籤の結果に応じて付与する特典が異なるものの、表示される図柄の組合せは付与する特典に影響を与えない)。
本実施形態のパチスロ機1では、表示される図柄の組合せによって異なる特典を付与する役については、メイン及びサブ側の双方で報知を行う一方で、表示される図柄の組合せが異なったとしても同一の特典を付与する役については、メイン側の指示モニタでは報知せずに、サブ側の表示ユニット100でのみ報知する。これにより、特典に影響する報知は、特典を管理するメイン側の指示モニタで適切に行いつつ、特典に影響しない報知については、サブ側の表示ユニット100で多様性のあるナビを行うことができる。
(サブ側での報知抽籤)
なお、役「F_確チリリプ」当籤時のサブ側での報知は、メイン側で行うフラグ変換抽籤の結果に基づいて行われるため、報知を行うか否かの抽籤(報知抽籤)は、メイン側で管理している。すなわち、役「F_確チリリプ」当籤時は、フラグ変換抽籤の結果に応じて付与する特典が異なるため、フラグ変換抽籤は、特典に影響を与える抽籤でありメイン側で厳密に管理する。
一方で、パチスロ機1では、付与する特典に対して何ら影響を与えることなく、完全に演出としての報知を行うこともあり、このような場合には、報知を行うか否かの報知抽籤自体をサブ側で行う。例えば、CT前兆中は既にCTという特典の付与が決まっている状態であり、「リーチ目リプ」という特別な図柄の組合せを表示する機会を増やすことができる(反対に、特典を付与しないのに表示してしまったのでは、遊技者に対して不満感を与えてしまうため、表示することはできない)。
そこで、パチスロ機1では、CT前兆中に役「F_リーチ目リプA〜D」に当籤すると、サブ側でフラグ変換抽籤を行い、この抽籤結果に基づいて「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示させるための報知を行う。これにより、CT前兆中という特典の付与が決まっている状況において、図柄の組合せの見せ方のバリエーションが増すため、遊技性の向上が期待できる。また、特典に何らの影響を与えない期間における報知抽籤(フラグ変換抽籤)をサブ側で行うことで、メイン側のデータ容量や処理負荷を軽減することができ、好適である。
(遊技履歴の表示方法)
また、パチスロ機1では、表示ユニット100とは別に第1サブ表示装置201を設け、この第1サブ表示装置201に遊技者に役立つ様々な情報を表示する。例えば、パチスロ機1は、第1サブ表示装置201に概要遊技履歴を表すトップ画面211や、パチスロ機1に対する様々な操作が可能なメニュー画面212や、詳細遊技履歴を表す遊技情報画面213,214,215を表示する。また、パチスロ機1は、遊技を行う遊技者を登録して遊技者に固有のサービスを提供する。例えば、遊技者の登録を受け付けていない場合には、詳細遊技履歴を表す遊技情報画面213,214,215を第1サブ表示装置201に表示不可能にするものの、遊技者の登録を受け付けている場合には、詳細遊技履歴を表す遊技情報画面213,214,215を第1サブ表示装置201に表示可能に制御する。より詳細な遊技履歴が確認できることは遊技者の利便性の向上につながるため、パチスロ機1では、遊技者の登録を受け付けている場合に、利便性を向上させることができる。
ここで、第1サブ表示装置201は、演出を行う表示ユニット100とは別体に設けられ、副制御基板72は、液晶中継回路(図示せず)を介して第1サブ表示装置201(及び第2サブ表示装置202)を制御し、役物中継基板(図示せず)を介して表示ユニット100を制御するため、第1サブ表示装置201は、表示ユニット100とは別に制御することができる。具体的には、遊技中(すなわち、表示ユニット100で演出を実行中)であっても、第1サブ表示装置201の表示を切り替えることができる。遊技者にとってみると、遊技中に第1サブ表示装置201の表示を切り替えることで、表示ユニット100で実行中の演出を邪魔することなく様々な情報を取得することができ、好適である。
特に、本実施形態のパチスロ機1における表示ユニット100のように、照射光装置Bからの照射光の照射により映像を出現させる複数のスクリーン機構を切り替えることで、平面状の映像表示を用いた演出、奥行き感(立体感)のある映像表示を用いた演出、及び、湾曲した映像表示を用いた演出を実行する場合、演出効果を著しく高めることができるものの、演出中に遊技履歴などの演出とは関係ない情報を表示することには適さない。この点、本実施形態のパチスロ機1では、表示ユニット100とは別体に設けられた第1サブ表示装置201にこれらの演出とは関係ない情報を表示するため、演出効果を損なうことなく、かつ、遊技履歴などの各種情報を適切に表示することができる。
ところで、一般的に、パチスロ機では台座部の遊技者から見て右側にメダルの投入口が設けられ、遊技者から見て左側にベットボタンやスタートレバーが設けられるため、遊技の進行を行う場合には、遊技者は台座部の右側又は左側(側方)を操作することになる。
この点、パチスロ機1では、台座部10から略垂直に立設する面の側方(右側又は左側)に第1サブ表示装置201を設け、この第1サブ表示装置201の画面上に第1サブ表示装置201の表示を切り替えるためのタッチセンサ201aを設ける。そのため、パチスロ機1では、遊技中に遊技者の手が位置する場所に第1サブ表示装置201やその表示を制御する入力装置(タッチセンサ201a)が設けられることになり、遊技者の操作性が向上する。特に、タッチセンサ201a付きの第1サブ表示装置201を、台座部10の水平面から立設する面に設けているため、遊技者は、台座部10に自身の手を置きながら、第1サブ表示装置201を操作することができ、これにより、操作性が向上するだけでなく、操作に伴う疲労も軽減することができるため、稼働率の向上も期待できる。
[第2実施形態]
続いて、図98〜図109を参照して、第2実施形態のパチスロ機1について説明する。なお、第1実施形態のパチスロ機1と同様の構成、制御については、詳細な説明を省略する。
[第2実施形態のパチスロ機の遊技フロー]
初めに、図98を参照して、第2実施形態のパチスロ機1の遊技フローについて説明する。図98は、第2実施形態のパチスロ機1の報知の有無に関する遊技状態の遷移フローである。図98に示す第2実施形態の遊技状態の遷移フローと、図33に示す第1実施形態の遊技状態の遷移フローとを比較すると、第1実施形態と第2実施形態とでは基本的には同じ流れで遊技が行われるが、ART遊技状態中に関しては、異なる流れで遊技が行われる。すなわち、第1実施形態のパチスロ機1と第2実施形態のパチスロ機1では、ART遊技状態中のCTの制御が大きく異なる。
具体的には、第1実施形態のパチスロ機1では、通常ART中に内部当籤役に基づいてCT抽籤を行い、このCT抽籤に当籤すると遊技状態をCTに移行することとしていた。これに対して、第2実施形態のパチスロ機1では、ART遊技状態中のMBフラグ間をCTとする点で、第1実施形態のパチスロ機1と異なる。なお、MB(役「F_MB」)とは、いわゆる第二種特別役物に係る連続作動装置であり、第2実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71は、MBが内部当籤役として決定されると、対応する図柄の組合せ(コンビネーション「C_MB」)が有効ラインに沿って表示されるまで複数回の遊技にわたり内部当籤役として持ち越す。
第2実施形態のパチスロ機1では、図98に示すように、ART遊技状態中のMB非フラグ間を通常ARTとし、ART遊技状態中のMBフラグ間においてCTを行う。すなわち、第2実施形態では、主制御基板71は、(H)通常ART中にMBが内部当籤役として決定されると、遊技状態をMBフラグ間に移行する。ART遊技状態中のMBフラグ間は、MBに係る図柄の組合せが表示されないように遊技が行われ、主制御基板71は、この期間中にCTを行う。なお、MBフラグ間中にMBに応じた図柄の組合せが表示されないように遊技を行う方法は、既に周知であり、例えば、MBに応じた図柄の組合せが表示されることのない図柄を狙わせる報知や、MBに応じた図柄の組合せが表示されることのない押し順の報知などを行うことで実現することができる。
一方で、CTが終了すると、MBの入賞が促され(報知され)、(I)MBに応じた図柄の組合せが表示されると、遊技状態がMBフラグ間からMB遊技状態に移る。その後、(J)MB遊技状態の終了条件を満たすと、遊技状態がMB遊技状態からMB非フラグ間に移行し、通常ARTが行われることになる。
<MBフラグ間中に行うCTの特徴>
MBフラグ間中は、MBが内部当籤役として持ち越されていることから、MB非フラグ間中とは異なる停止制御を行うことができる。例えば、MBフラグ間中とMB非フラグ間中とで、所定小役が内部当籤役として決定された場合、MBフラグ間中は、MBが持ち越されているため、内部当籤役は「MB+所定小役」となるものの、MB非フラグ間中は、MBが持ち越されていないため、内部当籤役は「所定小役」のみである。パチスロ機では、内部当籤役に基づいて停止制御が行われるため、MBフラグ間とMB非フラグ間とでは、同じ所定小役が内部当籤役として決定されている場合であっても、異なる停止制御情報に基づいて停止制御を行うことができ、結果、MBフラグ間とMB非フラグ間とでは、所定小役に対して表示可能な図柄の組合せを異ならせることができる。
第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間中とMB非フラグ間中とで停止制御を異ならせることで、通常ART中(MB非フラグ間中)に表示困難(又は表示不可能)な図柄の組合せを、CT中(MBフラグ間中)に表示することで、多様な遊技性を実現する。以下、第1実施形態との相違部分に着目しつつ、第2実施形態のパチスロ機1について具体的に説明する。
[当籤役と停止図柄との対応関係]
次に、図99及び図100を参照して、第2実施形態のパチスロ機1における内部当籤役と表示される図柄の組合せとの関係性について説明する。なお、第1実施形態のパチスロ機1と第2実施形態のパチスロ機1とでは、用いる役の種類及び図柄の組合せの種類が異なるため、初めにこの点について説明する。
(第2実施形態で用いる役の種類)
第1実施形態のパチスロ機1では役「F_チリリプ」「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」を用いていた。これに対して、第2実施形態のパチスロ機1では、これらの役に代えて役「R_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」を用いる。
また、第1実施形態のパチスロ機1では役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」を用いていた。これに対して、第2実施形態のパチスロ機1では、これらの役に代えて役「F_押し順ベル1」〜「F_押し順ベル6」を用いる。なお、以下において、役「F_押し順ベル1」〜「F_押し順ベル6」を単に「押し順ベル」と呼ぶことがある。また、第2実施形態のパチスロ機1では、第1実施形態のパチスロ機1が有することのないMBに係る役(役「F_MB」)を用いる。なお、その他の役については、第1実施形態と第2実施形態とで共通であってもよく、また、異なっていてもよいため、説明を省略する。
(第2実施形態で用いる図柄の組合せの種類)
第1実施形態のパチスロ機1では、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」に対応する図柄の組合せとして「ベル」「ベルこぼし目」「1枚出目」の図柄の組合せを用いていた。これに対して、第2実施形態のパチスロ機1では、役「F_押し順ベル1」〜「F_押し順ベル6」に対応する図柄の組合せとして、これらの図柄の組合せに加えて、「MB」「サボテン」の図柄の組合せを用いる。なお、「MB」の図柄の組合せは、任意であってよい。また、「サボテン」の図柄の組合せは、第1実施形態のパチスロ機1と同一であってもよいが、表示されたときに払い出されるメダルの枚数が「ベル」の図柄の組合せと同一(9枚)であるものとする。
<MB非フラグ間中の当籤役と停止図柄との対応関係>
図99は、MB非フラグ間中の内部当籤役と表示される図柄の組合せとの関係性を示す図である。図99に示すように、MB非フラグ間中において、役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が「順押し」である場合には、「リプレイ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。他方、押し順が「順押し」以外の場合には、正解の押し順で「チリリプ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、不正解の押し順で「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。
より具体的には、役「F_単チリリプ1」〜「F_単チリリプ4」では、それぞれの役ごとに正解の押し順の場合には、「単チリリプ」の図柄の組合せが表示され、それぞれの役ごとに不正解の押し順の場合には、「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。また、役「F_2連チリリプ1」〜「F_2連チリリプ4」では、それぞれの役ごとに正解の押し順の場合には、「2連チリリプ」の図柄の組合せが表示され、それぞれの役ごとに不正解の押し順の場合には、「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。また、役「F_3連チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」では、それぞれの役ごとに正解の押し順の場合には、「3連チリリプ」の図柄の組合せが表示され、それぞれの役ごとに不正解の押し順の場合には、「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。
また、MB非フラグ間中において、役「F_押し順ベル1」〜「F_押し順ベル6」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、それぞれの役ごとに正解の押し順の場合には、「ベル」の図柄の組合せが表示され、それぞれの役ごとに不正解の押し順の場合には、「ベルこぼし目」又は「1枚出目」の図柄の組合せが表示される。
<MBフラグ間中の当籤役と停止図柄との対応関係>
図100は、MBフラグ間中の内部当籤役と表示される図柄の組合せとの関係性を示す図である。図100に示すように、MBフラグ間中において、役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」は、押し順に関わらず「チリリプ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。すなわち、第2実施形態のパチスロ機1では、役「F_MB」と役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」のいずれかとが内部当籤役として決定されている場合、必ず、「チリリプ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。
より具体的には、役「F_単チリリプ1」〜「F_単チリリプ4」では、押し順に関わらず「単チリリプ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、役「F_2連チリリプ1」〜「F_2連チリリプ4」では、押し順に関わらず「2連チリリプ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、役「F_3連チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」では、押し順に関わらず「3連チリリプ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。
図99及び図100を比較すると、第2実施形態のパチスロ機1では、役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」は、MB非フラグ間中は押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なるのに対して、MBフラグ間中は押し順が表示される図柄の組合せに対して影響を与えない。
また、MBフラグ間中において、役「F_押し順ベル1」〜「F_押し順ベル6」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、それぞれの役ごとに定められた押し順に従い「ベル」「ベルこぼし目又は1枚出目」「サボテン」「MB」の図柄の組合せが表示される。図99及び図100を比較すると、第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間中は、役「押し順ベル」当籤時にMB非フラグ間中よりも多くの種類の図柄の組合せを表示することができる。具体的には、MB非フラグ間中では、押し順に応じて「ベル」「ベルこぼし目又は1枚出目」の図柄の組合せが表示される一方で、MBフラグ間中は、押し順に応じて「ベル」「サボテン」「MB」「ベルこぼし目又は1枚出目」の図柄の組合せが表示される。
以上のように、第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間中の役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」及び役「F_押し順ベル1」〜「F_押し順ベル6」に対する停止制御と、MB非フラグ間中の役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」及び役「F_押し順ベル1」〜「F_押し順ベル6」に対する停止制御が異なる。
[通常ART中の遊技の流れ]
続いて、第2実施形態のパチスロ機1の通常ART中の遊技の流れについて説明する。上述のように、第2実施形態のパチスロ機1において、役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる。パチスロ機1では、通常ART中に役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤を行い、このフラグ変換抽籤に当籤すると、「チリリプ」の図柄の組合せを表示するための報知を行うとともに、ARTゲーム数の上乗せを行う。反対に、フラグ変換抽籤に非当籤すると、ARTゲーム数の上乗せを行うことなく、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するための報知を行う。
また、パチスロ機1では、フラグ変換抽籤に当籤した場合のARTゲーム数の上乗せ量を、内部当籤役として決定された役の種類に基づいて決定する。具体的には、パチスロ機1では、フラグ変換抽籤に当籤したときの内部当籤役が、役「F_単チリリプ1」〜「F_単チリリプ4」である場合に最も少ない上乗せ量を決定し、役「F_2連チリリプ1」〜「F_2連チリリプ4」である場合に次に少ない上乗せ量を決定し、役「F_3連チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」である場合に最も多い上乗せ量を決定する。上述のように、フラグ変換抽籤に当籤した場合には、「チリリプ」の図柄の組合せを表示するための報知を行うため、遊技者にとってみると、チリ図柄が多く表示されるほど上乗せ量が多くなる。
[通常ART中のデータテーブル]
続いて、図101及び図102を参照して、通常ART中に用いるデータテーブルについて説明する。なお、図101及び図102に示すデータテーブルは、主制御基板71のメインROM32に記憶される。
<ART中フラグ変換抽籤テーブル>
図101は、第2実施形態の通常ART中に行うフラグ変換抽籤に用いるART中フラグ変換抽籤テーブルである。ART中フラグ変換抽籤テーブルは、内部当籤役、ARTレベル及び抽籤状態に対応付けてフラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、ARTレベルは、第1実施形態と同様に制御される情報であり、抽籤状態は、第1実施形態のCT抽籤状態と同様に制御される情報である。
第2実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71は、このART中フラグ変換抽籤テーブルを用いて、役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」を役「チリリプ」に変換するか否かを抽籤(フラグ変換抽籤)する。そして、このフラグ変換抽籤に当籤した場合には、副制御基板72は、表示ユニット100を介して当籤した役ごとに正解の押し順を報知し、このフラグ変換抽籤に非当籤した場合には、副制御基板72は、表示ユニット100を介して当籤した役ごとに不正解の押し順を報知する。
<通常ART中上乗せ抽籤テーブル>
続いて、図102は、第2実施形態の通常ART中に行うARTゲーム数を上乗せする上乗せ抽籤に用いる通常ART中上乗せ抽籤テーブルである。通常ART中上乗せ抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けて上乗せ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
第2実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71は、フラグ変換抽籤に当籤すると、この通常ART中上乗せ抽籤テーブルを用いて上乗せ抽籤を行い、この上乗せ抽籤に当籤した場合には、対応する上乗せゲーム数を上乗せする(ART終了ゲーム数カウンタに加算する)。なお、図中の当籤役「単チリリプ」に対応付けられた抽籤値の情報は、フラグ変換抽籤に当籤した際の内部当籤役が役「F_単チリリプ1」〜「F_単チリリプ4」である場合に参照され、当籤役「2連チリリプ」に対応付けられた抽籤値の情報は、フラグ変換抽籤に当籤した際の内部当籤役が役「F_2連チリリプ1」〜「F_2連チリリプ4」である場合に参照され、当籤役「3連チリリプ」に対応付けられた抽籤値の情報は、フラグ変換抽籤に当籤した際の内部当籤役が役「F_3連チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」である場合に参照される。
[CT中の遊技の流れ]
続いて、図103を参照して、第2実施形態のパチスロ機1のCT中の遊技の流れについて説明する。第2実施形態のパチスロ機1は、第1実施形態のパチスロ機1とはCTの継続期間の管理方法が大きく異なる。上述したように、第1実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71は、1セット8回の遊技によりCTの継続期間を管理していたが、第2実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71は、CT中に払い出されるメダルの枚数(より詳細には、「払い出されるメダルの枚数」から「遊技に用いるメダルの枚数」を減算したいわゆる「差枚数」)に基づきCTの継続期間を管理する。
具体的には、主制御基板71は、CT中の差枚数が終了枚数(50枚)に達するとCTを終了する(例えば、役「押し順ベル」当籤時にMBを入賞させるための報知を行う)。ここで、「ベル」「サボテン」の図柄の組合せが表示されると、9枚のメダルが払い出されるため、CT中に「ベル」の図柄の組合せが表示されると(より詳細には、CT中にフラグ変換抽籤に非当籤すると)、CTの継続期間が増加した差枚数(6枚)分消化する。一方で、CT中に「サボテン」の図柄の組合せが表示された場合には(より詳細には、CT中にフラグ変換抽籤に当籤した場合には)、第2実施形態のパチスロ機1では、CTの継続期間を維持する。
より具体的には、図103(A)に示すように、主制御基板71は、CT中に役「押し順ベル」が内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤を行う。このフラグ変換抽籤に当籤した場合には、主制御基板71及び副制御基板72は、指示モニタ及び表示ユニット100を介して当籤した役ごとに「サボテン」の図柄の組合せが表示される押し順を報知し、フラグ変換抽籤に非当籤した場合には、主制御基板71及び副制御基板72は、指示モニタ及び表示ユニット100を介して当籤した役ごとに「ベル」の図柄の組合せが表示される押し順を報知する。
そして、主制御基板71は、「ベル」又は「サボテン」の図柄の組合せが表示されると差枚数を6枚増加させ、CTの継続期間を消化することになるが、フラグ変換抽籤に当籤している場合には、主制御基板71は、差枚数だけでなくCTの終了枚数にも6枚を加算する。これにより、「サボテン」の図柄の組合せの表示に伴いCT中の差枚数が6枚増加したものの、CTの終了枚数も6枚増加しているため、フラグ変換抽籤に当籤している場合、CTの継続期間が維持されることになる。
なお、このフラグ変換抽籤は、CTメーターの値に基づいて行われる。すなわち、図103(A)に示すように、第2実施形態のパチスロ機1では「1」〜「MAX」までの複数段階のCTメーターを設け、CTメーターが低いほどフラグ変換抽籤に当籤にする確率を低くし、CTメーターが高いほどフラグ変換抽籤に当籤する確率を高くする。
このCTメーターは、CT中の遊技の結果に基づいて昇格又は降格する。すなわち、主制御基板71は、CT中に役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が内部当籤役として決定されると、所定の確率でCTメーターを昇格する。具体的には、図103(B)に示すように、主制御基板71は、CT中に役「F_単チリリプ1」〜「F_単チリリプ4」が内部当籤役として決定されると、最も低い確率でCTメーターを昇格し、CT中に役「F_2連チリリプ1」〜「F_2連チリリプ4」が内部当籤役として決定されると、次に低い確率でCTメーターを昇格し、CT中に役「F_3連チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が内部当籤役として決定されると、最も高い確率でCTメーターを昇格する。
また、主制御基板71は、CT中の役「押し順ベル」当籤時のフラグ変換抽籤に非当籤すると、CTメーターを降格する。なお、主制御基板71は、フラグ変換抽籤に非当籤の場合に、CTメーターを所定の確率で降格することとしてもよく、必ず降格することとしてもよい。
また、第2実施形態のパチスロ機1では、CT中に役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が内部当籤役として決定されると、ARTゲーム数の上乗せを行う。ARTゲーム数の上乗せ量は、表示されるチリ図柄の数に応じて異なり、具体的には、図103(C)に示すように、主制御基板71は、CT中に役「F_単チリリプ1」〜「F_単チリリプ4」が内部当籤役として決定されると最も少ない上乗せ量を決定し、CT中に役「F_2連チリリプ1」〜「F_2連チリリプ4」が内部当籤役として決定されると次に少ない上乗せ量を決定し、CT中に役「F_3連チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が内部当籤役として決定されると最も多い上乗せ量を決定する。
[CT中のデータテーブル]
続いて、図104〜図106を参照して、CT中に用いるデータテーブルについて説明する。なお、図104〜図106に示すデータテーブルは、主制御基板71のメインROM32に記憶される。
<CT中フラグ変換抽籤テーブル>
図104は、第2実施形態のCT中に行うフラグ変換抽籤に用いるCT中フラグ変換抽籤テーブルである。CT中フラグ変換抽籤テーブルは、内部当籤役及びCTメーターに対応付けてフラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
第2実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71は、このART中フラグ変換抽籤テーブルを用いて、役「F_押し順ベル1」〜「F_押し順ベル6」を「サボテン」に変換するか否かを抽籤(フラグ変換抽籤)する。そして、このフラグ変換抽籤に当籤した場合には、主制御基板71及び副制御基板72は、指示モニタ及び表示ユニット100を介して当籤した役ごとに「サボテン」の図柄の組合せを表示するための押し順を報知し、このフラグ変換抽籤に非当籤した場合には、主制御基板71及び副制御基板72は、指示モニタ及び表示ユニット100を介して当籤した役ごとに「ベル」の図柄の組合せを表示するための押し順を報知する。
ここで、図104を参照すると、CT中のフラグ変換抽籤は、CTメーターの値が高いほど当籤し易いことが分かり、CTメーターが「MAX」である場合には、フラグ変換抽籤に必ず当籤することが分かる。フラグ変換抽籤に当籤した場合には、CTの継続期間が維持されるため、CTメーターが「MAX」である場合は、CTは終了することなく継続する。なお、CTが終了しないと遊技者に付与する利益が過大になってしまうことから、CTメーターが「MAX」になると所定のタイミングでCTメーターを降格させることとしてもよく、また、終了枚数の上限を設けることとしてもよく、また、CTメーターの降格と終了枚数の上限との双方を適用することとしてもよい。
CTメーターを降格させる場合、「MAX」まで昇格した後にすぐ降格させてしまったのでは、遊技者の興趣を損ねてしまう。そこで、CTメーターが「MAX」になった後の所定のタイミングでCTメーターを降格させることとしてもよい。ここで、CTメーターは「1」〜「MAX」の8段階設けられているため、例えば、CTメーターが「MAX」になってから8回の遊技が行われた後にCTメーターを降格させることとしてもよく、また、CTメーターが「MAX」になってからフラグ変換抽籤が8回行われた後にCTメーターを降格させることとしてもよい。また、降格後のCTメーターの値は任意であり、例えば、CTメーター「1」まで降格させることとしてもよく、また、CTメーター「7」に降格させることとしてもよく、また、CTメーター「1」〜「7」の中から降格先の値を抽籤により決定することとしてもよい。
<CT中CTメーター昇格抽籤テーブル>
図105は、第2実施形態のCT中に行うCTメーターの昇格抽籤に用いるCT中CTメーター昇格抽籤テーブルである。CT中CTメーター昇格抽籤テーブルは、現在のCTメーターの値及び内部当籤役に対応付けてCTメーターの昇格抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
図105を参照すると、CTメーターの昇格抽籤に当籤する確率は、役「F_単チリリプ1」〜「F_単チリリプ4」が最も低く、役「F_2連チリリプ1」〜「F_2連チリリプ4」が次に低く、役「F_3連チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が最も高いことが分かる。なお、第2実施形態のパチスロ機1では、CTメーターを1段階ずつ昇格させることとしているが、これに限られるものではなく、一度に複数段階を昇格可能にしてもよい。
<CT中上乗せ抽籤テーブル>
続いて、図106は、第2実施形態のCT中に行うARTゲーム数を上乗せする上乗せ抽籤に用いるCT中上乗せ抽籤テーブルである。CT中上乗せ抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けて上乗せ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。第2実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71は、CT中上乗せ抽籤テーブルを用いて上乗せ抽籤を行い、この上乗せ抽籤に当籤した場合には、対応する上乗せゲーム数を上乗せする(ART終了ゲーム数カウンタに加算する)。
図106を参照すると、CT中のARTゲーム数の上乗せ量は、役「F_単チリリプ1」〜「F_単チリリプ4」が最も少なく、役「F_2連チリリプ1」〜「F_2連チリリプ4」が次に少なく、役「F_3連チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が最も多いことが分かる。より具体的には、チリ図柄が一つ表示される役「F_単チリリプ1」〜「F_単チリリプ4」では、10ゲーム以上のARTゲーム数が上乗せされ、チリ図柄が二つ表示される役「F_2連チリリプ1」〜「F_2連チリリプ4」では、20ゲーム以上のARTゲーム数が上乗せされ、チリ図柄が三つ表示される役「F_3連チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」では、30ゲーム以上のARTゲーム数が上乗せされる。すなわち、第2実施形態のパチスロ機1では、CT中に表示されるチリ図柄の個数に応じてARTゲーム数が上乗せされることになる。
[CZ中の遊技の流れ]
続いて、図107を参照して、第2実施形態のパチスロ機1のCZ中の遊技の流れについて説明する。第2実施形態のパチスロ機1では、第1実施形態のパチスロ機1と同様にCZとしてCZ1,2,3を有する。第2実施形態のパチスロ機1において、CZ3の遊技の流れは、第1実施形態のパチスロ機1と同様であるが、CZ1,2の遊技の流れは、第1実施形態のパチスロ機1とは異なる。
具体的には、第1実施形態のパチスロ機1では、CZ1,2を前半部と後半部とに分け、前半部においてART抽籤に当籤する期待度が異なるランク(モードやポイント)を昇格させ、後半部でランクに基づくART抽籤の抽籤結果をバトル演出により報知している(図50参照)。図107に示すように、このようなCZ1,2中の基本的な流れは、第2実施形態のパチスロ機1でも同様である。
一方で、第2実施形態のパチスロ機1は、第1実施形態のパチスロ機1と比べて、前半部の終了条件が大きく異なる。すなわち、第1実施形態のパチスロ機1では、継続ゲーム数に基づきCZ1,2の前半部を終了させることとしていたが、第2実施形態のパチスロ機1では、CZ1は、継続ゲーム数に基づき前半部を終了させるが、CZ2は、終了抽籤の結果に基づき前半部を終了させる。また、CZ1,2ともに、前半部においてロック抽籤を行っており、このロック抽籤に当籤した場合にもCZ1,2の前半部を終了させる。
具体的には、図107(A)に示すように、CZ1の前半部では、主制御基板71は、毎ゲーム、ランクアップ抽籤を行う。このランクアップ抽籤は、第1実施形態と同様(図53参照)であるため詳細な説明を省略する。
また、CZ1の前半部では、主制御基板71は、毎ゲーム、ロック抽籤を行う。このロック抽籤は、内部当籤役に基づいて遊技ロックを行うか否かを抽籤する処理である。そして、主制御基板71は、ロック抽籤に当籤すると、CZ1の前半部を終了させるとともに、遊技ロック(例えば、リール回転開始時に回転開始を遅らせる)を行う。一方で、主制御基板71は、ロック抽籤に非当籤の場合には、CZ1の前半部を終了させることなく、CZ1の前半部が15ゲーム数経過するまでCZ1の前半部を継続させる。
そして、主制御基板71は、CZ1の前半部が15ゲーム数経過、又はロック抽籤に当籤すると、CZ1の前半部を終了し、後半部に移行させる。CZ1の後半部では、主制御基板71は、前半部のランクアップ抽籤の結果得られたランクなどに基づいて、ART抽籤を行う。このART抽籤も、第1実施形態と同様(図55(A)(C)参照)であるため詳細な説明を省略するが、主制御基板71は、ロック抽籤に当籤している場合には、ART抽籤に必ず当籤させる。主制御基板71は、このART抽籤に非当籤の場合は、通常遊技状態に遊技状態を移行し、ART抽籤に当籤の場合は、ART準備中を経由してART遊技状態に遊技状態を移行する。
一方、CZ2の前半部では、図107(B)に示すように、主制御基板71は、毎ゲーム、ランクアップ抽籤を行う。このランクアップ抽籤は、第1実施形態と同様(図54参照)であるため詳細な説明を省略する。また、主制御基板71は、CZ1の前半部において、毎ゲーム、終了抽籤を行っており、この終了抽籤に当籤するとCZ1の前半部を終了し、後半部に移行させる一方で、終了抽籤に非当籤の場合には、CZ1の前半部を継続させる。
また、CZ2の前半部では、主制御基板71は、毎ゲーム、ロック抽籤を行う。そして、主制御基板71は、ロック抽籤に当籤すると、CZ2の前半部を終了させるとともに、遊技ロックを行う。一方で、主制御基板71は、ロック抽籤に非当籤の場合には、CZ2の前半部を終了させることなく、終了抽籤に当籤するまでCZ2の前半部を継続させる。
そして、主制御基板71は、終了抽籤又はロック抽籤に当籤すると、CZ2の前半部を終了し、後半部に移行させる。CZ2の後半部では、主制御基板71は、前半部のランクアップ抽籤の結果得られたランクなどに基づいて、ART抽籤を行う。このART抽籤も、第1実施形態と同様(図55(B)(C)参照)であるため詳細な説明を省略するが、主制御基板71は、ロック抽籤に当籤している場合には、ART抽籤に必ず当籤させる。主制御基板71は、このART抽籤に非当籤の場合は、通常遊技状態に遊技状態を移行し、ART抽籤に当籤の場合は、ART準備中を経由してART遊技状態に遊技状態を移行する。
このように第2実施形態のパチスロ機1では、CZ1,2の前半部において、毎ゲーム、ロック抽籤を行う点で、第1実施形態のパチスロ機1と異なる。また、第2実施形態のパチスロ機1では、CZ2の前半部の終了条件を継続ゲーム数ではなく、終了抽籤に当籤することとしている点で、第1実施形態のパチスロ機1と異なる。
[CZ中のデータテーブル]
続いて、図108及び図109を参照して、CZ中に用いるデータテーブルについて説明する。なお、図108及び図109に示すデータテーブルは、主制御基板71のメインROM32に記憶される。
<CZ2終了抽籤テーブル>
図108は、第2実施形態のCZ2の前半部で行う終了抽籤に用いるCZ2終了抽籤テーブルである。CZ2終了抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けて終了抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
図108を参照すると、第2実施形態のCZ2の前半部は、役「リプレイ」が内部当籤役として決定された場合に、終了抽籤が行われ、この終了抽籤には高い確率で当籤することが分かる。なお、CZ2は、基本的には、RT0〜RT3遊技状態中に行われるため、役「リプレイ」とは役「F_維持リプA」〜「F_RT4リプ_3rd」のいずれかである。パチスロ機においてリプレイは、少なくとも所定(約1/7.3)以上の確率で内部当籤役として決定されるため、第2実施形態のパチスロ機1では、CZ2の前半部が終了してしまう状況が比較的頻繁に生じてしまうことが分かる。
<ロック抽籤テーブル>
続いて、図109は、第2実施形態のCZ1,2の前半部で行うロック抽籤に用いるロック抽籤テーブルであり、図109(A)は、CZ1の前半部で行うロック抽籤に用いるロック抽籤テーブルであり、図109(B)は、CZ2の前半部で行うロック抽籤に用いるロック抽籤テーブルである。ロック抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けてロック抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
図109(A)(B)を比較すると、CZ2の前半部で行うロック抽籤は、CZ1の前半部で行うロック抽籤よりも高い確率で当籤することが分かる。
上述のように、第2実施形態では、CZ1の前半部は、所定ゲーム数(15ゲーム)が経過すると終了する一方で、CZ2の前半部は、終了抽籤に当籤すると終了する。また、CZ1,2の前半部では、ランクアップ抽籤を行っており、CZ1,2の前半部が終了すると、このランクアップ抽籤の結果に基づいてART抽籤が行われる。そのため、CZ1は、ART抽籤のタイミングが固定的なチャンスゾーンであるといえ、CZ2は、ART抽籤のタイミングが不定なチャンスゾーンであるといえる。
また、CZ2の前半部で行う終了抽籤は、比較的高い確率で当籤する役「リプレイ」が内部当籤役として決定された場合に行われるため、CZ2中は、CZ1中に比べてランクアップ抽籤を受ける機会が少なくなってしまいやすい。そこで、第2実施形態のパチスロ機1では、CZ1,2の前半部においてロック抽籤を行い、このロック抽籤に当籤する確率を、CZ2の方がCZ1よりも高くなっている。これにより、ランクアップ抽籤を受ける機会が少なくなってしまいやすいCZ2であっても、ARTへの移行に期待を持つことができる。
[第2実施形態の変形例]
以上、第2実施形態のパチスロ機1について説明した。続いて、第2実施形態のパチスロ機1の変形例について説明する。
<CT前兆遊技と報知抽籤>
上述した第2実施形態のパチスロ機1では、理解を容易にするために、通常ART中にMBフラグ間に移行すると、次遊技からすぐにCTに移行させることとしているが、MBフラグ間に移行した後に所定回数の前兆遊技を挟むこととしてもよい。
図110(A)に示すように、通常ART中にMBが内部当籤役として決定されると、主制御基板71は、遊技状態をMB非フラグ間からMBフラグ間に移行する。通常ART中(MB非フラグ間中)は、役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」当籤時のフラグ変換抽籤に当籤するとARTゲーム数の上乗せを行うことから(図102参照)、MBフラグ間に移行するまでのフラグ変換抽籤は、遊技者に付与する特典に影響を与えるため、メイン側(主制御基板71)で行う。
ここで、第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間になると押し順に関わらず必ず「チリリプ」の図柄の組合せが表示されるため、MBフラグ間中に前兆遊技を行うこととした場合、停止制御(表示される図柄の組合せ)から、前兆遊技中であることが遊技者に分かってしまうことがある。例えば、図99に示すように、MB非フラグ間中は、役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」当籤時に順押しでは「チリリプ」の図柄の組合せが表示されることがないため、順押しで「チリリプ」の図柄の組合せが表示された場合には、MBフラグ間中(前兆遊技中)であることが遊技者に分かってしまう。
そこで、本変形例のパチスロ機1では、MBフラグ間中に役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が内部当籤役として決定されると、敢えて押し順を報知する。上述のように、MBフラグ間中に役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が内部当籤役として決定された場合には、押し順に関係なく「チリリプ」の図柄の組合せが表示されるものの、押し順を報知した場合には、遊技者は、報知された押し順によって「チリリプ」の図柄の組合せが表示されたと認識することになり、遊技者がMBフラグ間中であることを把握し難くすることができる。
なお、このような押し順の報知は、遊技者の利益に何らの影響も与えないため、本変形例のパチスロ機1では、MBフラグ間中に押し順を報知するか否かの抽籤(報知抽籤)をサブ(副制御基板72)側で行う。もちろん、MBフラグ間中の報知抽籤をメイン側で行ってもよいが、本変形例のように遊技者の利益に何らの影響を与えない抽籤をサブ側で行うことで、メイン側のデータ容量や処理負荷を軽減することができ、好適である。
図110(B)は、サブ側で行う報知抽籤に用いるCT前兆中の報知抽籤テーブルであり、ロムカートリッジ基板82に記憶されている。CT前兆中の報知抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けてサブ側で行う報知抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
このCT前兆中の報知抽籤テーブルを用いた報知抽籤に当籤すると、副制御基板72は、表示ユニット100を介して順押し以外の任意の押し順を報知する。
<MBフラグ間の押し順ベル当籤時のナビ>
また、上述した第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間中に役「押し順ベル」が当籤するとMB非フラグ間中よりも多くの種類の図柄の組合せを表示する。具体的には、MB非フラグ間中は、押し順に応じて「ベル」「ベルこぼし目又は1枚出目」の図柄の組合せを表示する一方で、MBフラグ間中は、押し順に応じて「ベル」「サボテン」「MB」「ベルこぼし目又は1枚出目」の図柄の組合せを表示する。第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間中にのみ表示可能な「サボテン」の図柄の組合せを表示させるために必要な押し順を、MBフラグ間中のCT中に報知することとしている。
この点、本変形例のパチスロ機1では、MBフラグ間中に役「押し順ベル」に当籤した場合に、MB開始までの状態に応じて、報知内容を異ならせることとしている。
具体的には、第2実施形態のパチスロ機1では、通常ART中にMBが内部当籤役として決定されると遊技状態がMBフラグ間に移行し、その後、CTが行われる。この場合において、MBフラグ間に移行した後に所定回数の前兆遊技を挟むパチスロ機1では、MBフラグ間中の状態を、「前兆遊技」状態、「CT」状態、「MB待機中」状態に分けることができる。
より具体的には、図111に示すように、通常ART中にMBに当籤すると、MBフラグ間中の「前兆遊技」状態になり、その後、所定回数の前兆遊技が行われCTが開始すると、MBフラグ間中の「CT」状態になり、その後、CTが終了するとMBが入賞するまでの間「MB待機中」状態になる。
本変形例のパチスロ機1では、これらMBフラグ間中の状態に応じて役「押し順ベル」当籤時の報知内容を異ならせる。具体的には、図111に示すように、「前兆遊技」状態では、主制御基板71及び副制御基板72は、指示モニタ及び表示ユニット100を介して「ベル」の図柄の組合せが表示される押し順を報知する。また、「CT」状態では、主制御基板71及び副制御基板72は、指示モニタ及び表示ユニット100を介して「ベル」又は「サボテン」の図柄の組合せが表示される押し順を報知する。すなわち、「CT」状態では、上述のようにCTメーターに基づくフラグ変換抽籤の結果に基づいて、「ベル」又は「サボテン」のいずれかに応じた押し順を報知する。
なお、CTが終了した後の「MB待機中」状態では、主制御基板71及び副制御基板72は、指示モニタ及び表示ユニット100を介して任意の図柄の組合せを報知することとしてよい。例えば、主制御基板71及び副制御基板72は、「ベル」の図柄の組合せが表示される押し順を報知することとしてもよく、また、「サボテン」の図柄の組合せが表示される押し順を報知することとしてもよく、また、「MB」の図柄の組合せが表示される押し順を報知することとしてもよい。
一方、通常ART中は、「サボテン」の図柄の組合せを表示できないため、主制御基板71及び副制御基板72は、「ベル」の図柄の組合せが表示される押し順を報知する。
[第2実施形態のパチスロ機の効果]
以上、本発明に係るパチスロ機1の第2実施形態について説明した。このようなパチスロ機1によれば以下の効果が期待できる。
(MBフラグ間中に表示可能な図柄の組合せ)
第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間中は、役「押し順ベル」当籤時にMB非フラグ間中よりも多くの種類の図柄の組合せを表示することができる。具体的には、MB非フラグ間中では、押し順に応じて「ベル」「ベルこぼし目又は1枚出目」の図柄の組合せが表示される一方で、MBフラグ間中は、押し順に応じて「ベル」「サボテン」「MB」「ベルこぼし目又は1枚出目」の図柄の組合せが表示される。
これにより、当籤役の種類を増やすことなく、MBフラグ間中に表示される図柄の組合せの種類を増やすことができ、MBフラグ間中の遊技に多様性を持たせることができる。具体的には、MBフラグ間中にいわゆるレア役に対応する「サボテン」の図柄の組合せを表示することができるようになり、当籤役の種類、当籤確率を変えることなく、レア役の出現頻度を高めることができる。特に、第2実施形態のパチスロ機1では、役「押し順ベル」当籤時に表示される図柄の組合せを変えていることから、メダルの払出のあるレア役の出現頻度を高めることができる。
なお、MBフラグ間中に「サボテン」の図柄の組合せが連続して表示された場合には、MBフラグ間中であることが分かってしまう。そのため、第2実施形態のパチスロ機1では、フラグ変換抽籤に当籤した場合に限り、「サボテン」の図柄の組合せを報知し、非当籤の場合には「ベル」の図柄の組合せを報知する。これにより、遊技者に対して現在の状態を分かり難くすることができ、好適である。また、フラグ変換抽籤により報知内容を制御することで、MBフラグ間中の「サボテン」の図柄組合せ(レア役)の頻度を調整することができ、MBフラグ間中の遊技性を多様化することができる。
(CT中の遊技性)
また、第2実施形態のパチスロ機1では、このMBフラグ間中にARTゲーム数を上乗せする上乗せチャンスゾーンであるCTを行う。具体的には、第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間中に差枚数が終了枚数(50枚)に達するまで継続するCTを行う。このCT中は、役「押し順ベル」当籤時にフラグ変換抽籤に非当籤すると、差枚数が増加しCTの継続期間が消化する一方で、フラグ変換抽籤に当籤すると、差枚数の増加とともに終了枚数が増加しCTの継続期間が維持される。これにより、第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間中に停止制御を変えつつ、表示される図柄の組合せに応じて(詳細には、フラグ変換抽籤の結果に応じて)CTの継続期間を制御することができるため、MBフラグ間中の遊技性を多様化することができる。
このとき、第2実施形態のパチスロ機1では、フラグ変換抽籤に当籤する確率を、CTメーターの値に基づいて制御しているため、CTの継続期間をCTメーターの値に基づいて調整することができる。また、このCTメーターは、CT中に役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ4」が内部当籤役として決定されると昇格し、CT中にフラグ間抽籤に非当籤すると降格するため、遊技者は、CT中の遊技の結果に対して強い関心を抱くことになり、MBフラグ間中の遊技性を多様化することができる。
特に、CTメーターを「MAX」まで昇格できた場合には、所定の期間の間、フラグ変換抽籤に必ず当籤することになるため、その後の遊技に対して期待を持つことができ、遊技の興趣が向上する。
(MBフラグ間中とMB非フラグ間中に表示可能な図柄の組合せ)
また、第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間中とMB非フラグ間中とでは、役「押し順ベル」当籤時に表示される図柄の組合せが異なるだけでなく、役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ」当籤時に表示される図柄の組合せも異なる。すなわち、MB非フラグ間中は、押し順に応じて「リプレイ」又は「チリリプ」の図柄の組合せが表示されるのに対して、MBフラグ間中は、「リプレイ」の図柄の組合せが表示されることなく「チリリプ」の図柄の組合せのみが表示される。
第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間中とMB非フラグ間中との双方においてフラグ変換抽籤を行う。MBフラグ間中のフラグ変換抽籤は、役「押し順ベル」当籤時に報知する対象を「ベル」又は「サボテン」の図柄の組合せの中から抽籤するものであり、また、MB非フラグ間中のフラグ変換抽籤は、役「F_単チリリプ1」〜「F_3連チリリプ」当籤時に報知する対象を「リプレイ」又は「チリリプ」の図柄の組合せの中から抽籤するものである。このようにMBフラグ間中とMB非フラグ間中との双方においてフラグ変換抽籤を行うことで、MBフラグ間及びMB非フラグ間の双方において、表示される図柄の組合せを制御することができ、フラグ間及び非フラグ間の双方の遊技性を高めることができる。
このとき、MBフラグ間中のフラグ変換抽籤は、CTメーターの値に基づいて当籤確率が調整され、MB非フラグ間中のフラグ変換抽籤は、ARTレベルや抽籤状態に基づいて当籤確率が調整される。これにより、それぞれの抽籤をそれぞれ独自のモードで管理することができ、フラグ変換抽籤に基づく遊技性が向上する。
(サブ側での報知抽籤)
MBフラグ間中とMB非フラグ間中とでは停止制御が異なることから、表示される図柄の組合せから、MBフラグ間中であることが分かってしまうことがある。そこで、第2実施形態のパチスロ機1では、MBフラグ間中に本来不要な押し順の報知を敢えて行い、MBフラグ間中であることを把握し難くする。そして、この押し順の報知をサブ側で管理することで、メイン側のデータ容量や処理負荷を軽減することができる。
[変形例]
以上、第1実施形態及び第2実施形態に係るパチスロ機1について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
(フラグ間中のベルナビと非フラグ間中のベルナビ)
例えば、第1実施形態及び第2実施形態に係るパチスロ機1では、指示モニタに停止操作の情報に一義的に対応する数値を表示することで、メイン側での報知を行う。なお、メイン側の報知の態様は、第1実施形態及び第2実施形態において基本的に同じであるため、第1実施形態の図74にその一例を示している。ここで、図74では、フラグ間状態中に「白7ナビ」や「青7ナビ」を行う一方で、「ベルナビ」などを行わないこととしているが、これに限られるものではなく、フラグ間状態中に「ベルナビ」などを行うこととしてもよい。
この場合において指示モニタに表示する数値は、フラグ間状態中と非フラグ間状態中とで異ならせることとしてもよい。具体的には、図74(A)(B)に示すように、非フラグ間状態において「ベルナビ」を行う場合、指示モニタに「1」〜「3」の数値(押し順役第2指示情報)を表示する一方で、図112に示すように、フラグ間状態において「ベルナビ」を行う場合、指示モニタに「12」〜「14」の数値(押し順役第1指示情報)を表示することとしてもよい。なお、表示ユニット100を介して行うサブ側のナビは、フラグ間状態及び非フラグ間状態の双方において共通であってもよい。また、第2実施形態のパチスロ機1においても同様であり、MB非フラグ間中に「ベルナビ」を行う場合の数値と、MBフラグ間中に「ベルナビ」を行う場合の数値とを異ならせることとしてもよい。
第1実施形態及び第2実施形態に係るパチスロ機1では、フラグ変換抽籤の結果に基づいて特典を付与するか否かを制御することとしているが、これに限られるものではない。すなわち、第1実施形態及び第2実施形態に係るパチスロ機1では、フラグ変換抽籤の結果に基づいて報知内容が制御され、結果、報知従い停止操作を行った場合に表示される図柄の組合せが異なることになる。そこで、主制御基板71は、実際に表示された図柄の組合せに基づいて特典を付与することとしてもよい。
この場合において、主制御基板71は、フラグ変換抽籤の結果に応じて行われる報知に基づいて表示された図柄の組合せに基づいて特典を付与し、報知に従うことなく表示された図柄の組合せに基づいては特典を付与しないこととしてもよい。すなわち、第1実施形態及び第2実施形態に係るパチスロ機1では、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なるため、遊技者が報知を無視して停止操作を行ってしまった場合に、「3連チリリプ」などの特別な図柄の組合せが表示されてしまう可能性がある。しかしながら、報知を無視した結果として特別な図柄の組合せが表示されたとしても、特典を付与することなく、報知に従った結果として特別な図柄の組合せが表示された場合に限り、特典を付与することとしてもよい。
(利益(特典)に影響を与えない報知の制御)
また、第1実施形態及び第2実施形態に係るパチスロ機1では、利益に影響を与える報知は、メイン側で報知抽籤(フラグ変換抽籤)を行い、メイン側で報知を行うか否かを制御することとし、利益に影響を与えない報知は、サブ側で報知抽籤を行い、サブ側で報知を行うか否かを制御することとしている。そして、この利益に影響を与えない報知の一例として、第1実施形態に係るパチスロ機1では、前兆遊技中の「リーチ目リプ」の報知を示し、第2実施形態に係るパチスロ機1では、MBフラグ間中の「チリリプ」の報知を示している。この点、利益に影響を与えない報知は、これらに限られるものではない。
近年のパチスロ機では、停止操作の順序に応じて遊技ロックを行い易い(難い)状態に遷移させることがある。例えば、「左、中、右」の押し順である場合に遊技ロックを行い易い状態に遷移し、「右、中、左」の押し順である場合に遊技ロックを行い難い状態に遷移することがある。このようなパチスロ機では、押し順を報知することで、遊技ロックを行い易い(難い)状態に遷移させることになるが、遊技ロックを行うか否かが利益に対して影響を与える場合には、この報知をメイン側で制御する必要がある一方で、遊技ロックを行うか否かが利益に対して影響を与えない場合には、この報知をサブ側で制御することとしてもよい。
なお、遊技ロックを行うか否かが利益に対して影響を与える場合とは、例えば、第2実施形態のパチスロ機1のように遊技ロックが行われることで、ART抽籤に当籤するといった場合である(図107参照)。一方、遊技ロックを行うか否かが利益に対して影響を与えない場合とは、遊技ロックを演出として行う場合であり、例えば、利益(特典)を付与することが決まっている前兆遊技中に遊技ロックを頻繁に行うようにすることで、この後の遊技において利益が付与されることになることを演出的に示すことである。
図113(A)は、押し順とロック状態との対応関係の一例を示す図である。図113(A)に示す例では、役「F_維持リプA」当籤時に「左、中、右」の押し順で停止操作が行われると、ロック状態が「0」から「1」に遷移し、「左、右、中」「中、左、右」「中、右、左」の押し順で停止操作が行われると、現在のロック状態が維持され、「右、左、中」「右、中、左」の押し順で停止操作が行われると、ロック状態が「1」から「0」に遷移する。同様に、役「F_維持リプB」当籤時も同様であり、第1の押し順で停止操作が行われると、ロック状態が「0」から「1」に遷移し、第2の押し順で停止操作が行われると、ロック状態が維持され、第3の押し順で停止操作が行われると、ロック状態が「1」から「0」に遷移する。
なお、図113(A)に示す例では、説明を単純にするために、ロック状態「0」を遊技ロックし難い状態とし、ロック状態「1」を遊技ロックし易い状態としている。もちろん、ロック状態は2段階に限られず、3段階以上の段階数としてもよく、また、3段階以上の場合に1段階ずつ遷移するのではなく、多段階を一度に遷移することとしてもよい。
そして、図113(B)に示すように、遊技ロックが利益に影響を与える場合には、報知を行うか否かの報知抽籤をメイン(主制御基板71)側で行うとともに、その抽籤結果に基づいてメイン側及びサブ側の双方で所定の押し順を報知する。他方、遊技ロックが利益に影響を与えない場合には、報知を行うか否かの報知抽籤をサブ(副制御基板72)側で行うとともに、その抽籤結果に基づいてサブ側で所定の押し順を報知する。
なお、パチスロ機によっては、遊技の全期間にわたり遊技ロックが利益に影響を与えるパチスロ機もあれば、遊技の全期間にわたり遊技ロックが利益に影響を与えないパチスロ機もあれば、また、遊技の所定期間では遊技ロックが利益に影響を与える一方で、遊技の特定期間では遊技ロックが利益に影響を与えないパチスロ機もある。そのため、パチスロ機1では、遊技ロックが利益に影響を与える期間は、報知を行うか否かの報知抽籤をメイン側で行い、その抽籤結果に基づいてメイン側及びサブ側の双方で所定の押し順を報知する一方で、遊技ロックが利益に影響を与える期間は、報知を行うか否かの報知抽籤をサブ側で行い、その抽籤結果に基づいてサブ側で所定の押し順を報知することとしてもよい。
なお、遊技ロックは、通常、主制御基板71が行うため、図113(A)に示す押し順位応じてロック状態を遷移する機能は、主制御基板71が有することになる。すなわち、主制御基板71は、検出した停止操作の順序に基づいてロック状態を設定するロック状態設定手段、ロック状態設定手段が設定したロック状態に応じた確率で遊技ロックを行うか否かを抽籤により決定する遊技ロック判定手段、及び遊技ロック判定手段が遊技ロックを行うと判定すると、遊技の進行を一時的に停止するロック実行手段、として機能する。そして、主制御基板71又は副制御基板72は、遊技ロックを行い易い(難い)ロック状態をロック状態設定手段が設定することになる押し順を報知するか否かの報知抽籤を行う報知抽籤手段、及び報知抽籤手段の抽籤結果に基づいて所定の押し順を報知する報知手段として機能する。
(通常ARTやCTの終了条件)
通常ARTやCTの終了条件は、上述したものに限らず任意の終了条件を採用することができる。例えば、通常ARTやCT中に付与されたメダルの枚数、通常ARTやCT中の単位遊技の回数、通常ARTやCT中に遊技者にとって有利な情報を報知する回数、所定ゲーム数(例えば50ゲーム)を1セットとする場合のセット数、1セット終了時の継続率などの任意の終了条件を採用することができる。
また、通常ARTやCT中に付与されたメダルの枚数としては、例えば、同一の遊技において払い出されたメダルの枚数から遊技に用いたメダルの枚数を減算した差枚数(純増枚数)を用いることとしてもよい。また、通常ARTやCT中に付与されたメダルの枚数は、実際に増加したメダルに基づき算出することとしてもよく(実値による算出)、また、実際に増加したか否かに関わらず、報知に従った場合に増加する予定のメダルの枚数に基づき算出することとしてもよい(理想値による算出)。また、内部当籤役の種別によって、付与されたメダルの枚数を増加しないこととしてもよい。例えば、内部当籤役として決定される確率が低い一部の役、あるいは、停止操作のタイミングに応じて図柄の組合せの表示/非表示が切り替わる役に関しては、当該役が内部当籤役として決定されたとしても、付与されたメダルの枚数の増減を行わないこととしてもよい。
(報知の種別(押し順、タイミング))
また、通常ARTやCT中に行われる報知の内容も任意であり、遊技者にとって有利な図柄の組合せが表示される停止操作の順序(押し順)を報知することとしてもよく、当該図柄の組合せが表示されるために必要な停止操作のタイミング(狙うべき図柄)を報知することとしてもよい。
(その他)
また、有利状態としては、再遊技に係る内部当籤役の当籤確率は変化させることなく(又は遊技性に影響を与えない程度の範囲で変化させ)、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する、いわゆる「AT」を用いることとしてもよく、また、再遊技に係る内部当籤役の当籤確率が高くなる再遊技高確率状態(リプレイタイム)を作動するとともに、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する、いわゆる「ART」を用いることとしてもよい。
また、上述したパチスロ機1では、台座部10の左側(MAXベットボタン11やスタートレバー6側)に設けられた第1サブ表示装置201に対して、各種の表示画面を表示することとしているが、これに限られるものではなく、台座部10の右側(メダル投入口22側)に設けられた第2サブ表示装置202に対して、各種の表示画面を表示することとしてもよい。同様に、第2サブ表示装置202の表示面上にタッチセンサを設け、このタッチセンサから出力されるタッチ入力情報に基づいて、第2サブ表示装置202の表示画面を切り替えることとしてもよい。
(フラグ間中の白7(青7)ナビとベルナビ)
上記実施形態では、フラグ間状態中に、ボーナスに係る役(「F_BB1」「F_BB2」)と「はずれ」「F_特殊1」「F_特殊2」「F_特殊3」のいずれかとが内部当籤役として決定されている場合に、BB(「C_BB1」「C_BB2」)を表示可能に制御し、ボーナスに係る役と押し順役等のその他の役とが内部当籤役として決定されている場合には、BBを表示不可能に制御している(図48参照)。このような制御は、複数の役の引込優先順位に基づいて行われ、上記実施形態では、ボーナスに係る役よりも、押し順役等よりも引込優先順位を上位にしていることで、上述のような停止制御が行われている。
ところで、パチスロ機によっては、押し順役等のメダルの払出に係る役よりも、ボーナスに係る役の引込優先順位を上位にして、ボーナス役に係る役を優先して引き込む停止制御を行うこともある。そこで、図114及び図115を参照して、ボーナスに係る役を、メダルの払出に係る役(例えば、押し順役)よりも優先して引き込むパチスロ機における、白7又は青7ナビと、ベルナビとの関係性について説明する。
なお、以下では、白7ナビを例にとって説明し、青7ナビについての説明は省略するが、青7ナビについても白7と同様の関係性を有することになる。また、上記実施形態では、押し順役として、3択の押し順役(「F_3択ベル_1st」等)を用いていたが、以下に示す例では、説明をより明確にするため、6択の押し順役(「F_6択ベル_123」)を用いることとする。この場合において、6択の押し順役における役の名称の末尾は、正解となる押し順を意味していることは、上述の通りである。
図114(A)は、フラグ間状態中の当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係(一部の役については省略)とを示す図であり、上記実施形態の図48に相当する図である。図114(A)では、特に、フラグ間状態中にBB(「C_BB1」)を表示可能であるか否を示している。図114(A)に示す例では、フラグ間状態中は、ボーナスに係る役と「はずれ」とが内部当籤役として決定されている場合だけでなく、ボーナスに係る役と押し順役(「F_6択ベル_123」〜「F_6択ベル_321」)とが内部当籤役として決定されている場合にも、BBを表示することができる。
続いて、図114(B)は、フラグ間状態中の当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係(一部の役については省略)とを示す図である。パチスロ機1では、停止操作のタイミング(いわゆる「目押し」)と停止操作の順序(いわゆる「押し順」)とに応じて停止制御が異なるため、本変形例のように押し順役よりもボーナスに係る役を優先して引き込む場合には、図114(B)に示す図柄の組合せが表示されることになる。
具体的には、ボーナスに係る役(「F_BB1」)と押し順役(「F_6択ベル_123」〜「F_6択ベル_321」)とが内部当籤役として決定されている場合、目押しが正確であるときは、押し順役よりもボーナスに係る役を優先して引き込むため、押し順に関係なく、BBを表示することができる。一方で、目押しが正確ではない場合には、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なり、押し順が正解のときは、ベル(「C_9枚A_01」〜「C_9枚H_04」)の図柄の組合せが表示され、また、押し順が不正解のときは、ベルこぼし目(「R_RT移行目A_01」〜「R_RT移行目B_02」)の図柄の組合せ、又は1枚出目(「C_1st_A_01」〜「C_2nd_B_04」)の図柄の組合せが表示される。
ところで、押し順役よりもボーナスに係る役を優先して引き込む場合、停止操作の結果によっては、BB、ベル、ベルこぼし目及び1枚出目のいずれの図柄の組合せも表示できない場合がある。例えば、第1及び第2停止操作において目押しが正確である場合には、第1及び第2停止操作に伴い停止表示された図柄の組合せは、BBを表示可能であるものの、ベル、ベルこぼし目及び1枚出目の図柄の組合せは表示不可能であることがある。このような場合において、第3停止操作の目押しが不正確である場合には、ボーナスに係る役と押し順役とのいずれも取りこぼしてしまう。そのため、図114(B)に示すように、目押しが正確ではない場合には、押し順が正解/不正解に関わらず、はずれの図柄の組合せが表示されることもある。
ここで、ボーナスに係る役と押し順役とが内部当籤役として決定されている遊技において、はずれの図柄の組合せが表示され、いずれの役も取りこぼしてしまったのでは、遊技者は、損失感を覚えてしまうことになり、不満を感じることになってしまう。そこで、本変形例のパチスロ機1では、フラグ間状態中に以下のような報知(ナビ)を行う。図114(C)は、メイン側で行う報知(ナビ)とサブ側で行う報知(ナビ)との対応関係を示す図である。
図114(C)に示すように、本変形例のパチスロ機1では、上述した「白7ナビ」に加え、「白7ナビ_123」「白7ナビ_132」「白7ナビ_213」「白7ナビ_231」「白7ナビ_312」「白7ナビ_321」を行う。「白7ナビ_123」は、役「F_BB1」と役「F_6択ベル_123」とが内部当籤役として決定された場合に行われ、「白7ナビ_132」は、役「F_BB1」と役「F_6択ベル_132」とが内部当籤役として決定された場合に行われ、「白7ナビ_213」は、役「F_BB1」と役「F_6択ベル_213」とが内部当籤役として決定された場合に行われ、「白7ナビ_231」は、役「F_BB1」と役「F_6択ベル_231」とが内部当籤役として決定された場合に行われ、「白7ナビ_312」は、役「F_BB1」と役「F_6択ベル_312」とが内部当籤役として決定された場合に行われ、「白7ナビ_321」は、役「F_BB1」と役「F_6択ベル_321」とが内部当籤役として決定された場合に行われる。
「白7ナビ_123」を行う場合、主制御基板71は、指示モニタに「12」の数値を表示し、「白7ナビ_132」を行う場合、主制御基板71は、指示モニタに「13」の数値を表示し、「白7ナビ_213」を行う場合、主制御基板71は、指示モニタに「14」の数値を表示し、「白7ナビ_231」を行う場合、主制御基板71は、指示モニタに「15」の数値を表示し、「白7ナビ_312」を行う場合、主制御基板71は、指示モニタに「16」の数値を表示し、「白7ナビ_321」を行う場合、主制御基板71は、指示モニタに「17」の数値を表示する。
一方、「白7ナビ_123」〜「白7ナビ_321」を行う場合、副制御基板72は、図115に例示する特殊ナビを行う。なお、図115では、「白7ナビ_123」に応じた特殊ナビの例を示しているが、「白7ナビ_213」〜「白7ナビ_321」については、報知する押し順が異なるだけであり、基本的には、図115に示す「白7ナビ_123」と同じである。
「白7ナビ_123」を行う場合、副制御基板72は、図115(A)に示すように、全リール3L,3C,3Rの回転中には、内部当籤役として決定されている押し順役「F_6択ベル_123」に対して正解の押し順を、表示ユニット100に表示する。図115(A)に示す例では、押し順役「F_6択ベル_123」に対して正解の押し順である、「左、中、右」の押し順を表示ユニット100に表示している。
本変形例のパチスロ機1のように、押し順役よりもボーナスに係る役を優先して引き込む場合には、報知された押し順に従って停止操作を行ったとしても、ボーナスに係る役に応じた図柄を可能な限り引き込むように停止制御が行われることになる。その結果、第1停止操作に伴い第1リールが停止したタイミングでは、(1)ボーナスに係る役に応じた図柄が表示され、押し順役に応じた図柄が表示されない、(2)ボーナスに係る役に応じた図柄は表示されず、押し順役に応じた図柄が表示される、(3)ボーナスに係る役に応じた図柄、及び押し順役に応じた図柄の双方が表示される、の3パターンの停止態様が考えられる。
なお、「白7ナビ_123」を行う場合における、ボーナスに係る役に応じた図柄(特定役構成図柄)とは、コンビネーション名「C_BB1」の図柄の組合せを構成する図柄「白7」であり、押し順役に応じた図柄(押し順役構成図柄)とは、コンビネーション名「C_9枚役A_01」〜「C_9枚役H_04」を構成する図柄(例えば、図柄「帽子」)である。
本変形例のパチスロ機1では、副制御基板72は、停止操作に伴い表示された図柄の停止態様に応じて、報知する内容を切り替えることで、「白7ナビ_123」〜「白7ナビ_321」を行う。
具体的には、第1リールが停止したタイミングで(1)ボーナスに係る役に応じた図柄「白7」が表示され、押し順役に応じた図柄が表示されない場合、図115(B)に示すように、副制御基板72は、全リール3L,3C,3Rの回転中に行っていた正解の押し順の報知を止め、未だ回転中のリールに対して図柄「白7」を狙うようにナビを行う。停止した第1リールにおいて、押し順役に応じた図柄が表示されていない以上、遊技者は、押し順役に応じた利益を得ることはできないため、本変形例に係るパチスロ機1では、ナビを切り替えて、遊技者に対してBBの入賞を促す。これにより、今回の遊技で、はずれの図柄の組合せが表示されてしまうことを回避することができる。
また、第1リールが停止したタイミングで(2)ボーナスに係る役に応じた図柄は表示されず、押し順役に応じた図柄が表示される場合、図115(C)に示すように、副制御基板72は、全リール3L,3C,3Rの回転中に行っていた正解の押し順の報知を継続する。停止した第1リールにおいて、ボーナスに係る役に応じた図柄が表示されていない以上、残りのリールの停止時に押し順役に応じた図柄が引き込まれることになるため、本変形例に係るパチスロ機1では、当該押し順役に対して正解の押し順の報知を継続する。これにより、図115(D)に示すように、今回の遊技で、ベルの図柄の組合せが表示されることになり、遊技者は、当該図柄の組合せに応じた利益(9枚のメダルの払出)を受けることができる。
また、第1リールが停止したタイミングで(3)ボーナスに係る役に応じた図柄、及び押し順役に応じた図柄の双方が表示される場合、図115(E)に示すように、副制御基板72は、未だ回転中のリールに対して図柄「白7」を回避しつつ、全リール3L,3C,3Rの回転中に行っていた正解の押し順で停止操作を行うことを報知する。停止した第1リールにおいて、ボーナスに係る役に応じた図柄と押し順役に応じた図柄の双方が表示されている場合、BB及びベルのいずれかの図柄の組合せが表示される可能性がある。ボーナスに係る役は、入賞するまで内部当籤役として持ち越される一方で、押し順役(特に、入賞時に投入枚数を超える数のメダルが払い出される役)は、持ち越されることなく当該遊技においてのみ当籤しているため、当該遊技では、押し順役の入賞を実現した方が、遊技者にとってより有利になる。
そこで、本変形例に係るパチスロ機1では、リール停止時にボーナスに係る役に応じた図柄と押し順役に応じた図柄の双方が表示されている場合には、押し順の報知を継続しつつ、図柄「白7」の回避を促す。これにより、図115(F)に示すように、今回の遊技で、ベルの図柄の組合せが表示されることになり、遊技者は、当該図柄の組合せに応じた利益(9枚のメダルの払出)を受けることができる。
このように本変形例に係るパチスロ機1では、遊技の進行に合わせて報知する内容を切り替えることで、遊技者が損をしない報知を行うことができ、結果、遊技者が安心して遊技を行うことができる。
なお、図115に示す例では、第1停止時に限り説明しているが、第2停止時についても同様に、報知する内容を切り替えることができる。
また、このような「白7ナビ_123」〜「白7ナビ_321」は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する遊技状態(ART遊技状態)中にのみ行い、一般遊技状態中には単に「白7ナビ」を行うこととしてもよい。すなわち、主制御基板71及び副制御基板72は、ART遊技状態中に役「F_BB1」と役「F_6択ベル_123」とが内部当籤役として決定されると、「白7ナビ_123」を実行し、一般遊技状態中に役「F_BB1」と役「F_6択ベル_123」とが内部当籤役として決定されると、単に「白7ナビ」を実行することとしてもよい。
また、ART遊技状態中に「白7ナビ_123」等を実行する場合のART遊技状態の継続期間の管理は、任意に行うことができる。すなわち、フラグ間状態中であっても遊技者にとって有利な停止操作の態様(押し順)が報知されているため、例えば、ART遊技状態の継続期間がゲーム数により管理される場合には、フラグ間状態中のゲーム数もART遊技状態中のゲーム数としてカウント(ART継続ゲーム数カウンタに加算)することとしてもよく、また、例えば、ART遊技状態の継続期間がナビ回数により管理される場合には、フラグ間状態中に行った「白7ナビ_123」等の回数もART遊技状態中のナビ回数としてカウントすることとしてもよく、また、例えば、ART遊技状態の継続期間がART遊技状態中に払い出されたメダルの枚数や差枚数により管理される場合には、「白7ナビ_123」に伴い払い出されたメダルの枚数も、ART遊技状態中に払い出されたメダルの枚数としてカウントすることとしてもよい。
もちろん、反対に、フラグ間状態中については、ART遊技状態の継続期間に影響を与えないものとして管理することとしてもよい。また、「白7ナビ_123」等が行われた遊技の結果に基づいて、ART遊技状態の継続期間を管理することとしてもよい。例えば、「白7ナビ_123」等に応じて押し順役に応じた利益(9枚のメダルの払出)が付与された場合には、「白7ナビ_123」等が行われた当該遊技をART遊技状態中の遊技であるとして、ART遊技状態中の継続期間を管理し、「白7ナビ_123」等に応じて押し順役に応じた利益が付与されない場合には、当該遊技をART遊技状態中の遊技ではないとして、ART遊技状態中の継続期間を管理することとしてもよい。
なお、ボーナスに係る役に応じた図柄の組合せを表示させないことで、フラグ間状態中の報知区間を引き延ばすことが可能になる。そこで、一度、メイン側ナビ「10」に基づく報知(例えば、内部当籤役「はずれ」の遊技における「白7ナビ」)を実行し、当該遊技でボーナスに係る役に応じた図柄の組合せを表示できなかった場合には、副制御基板72は、その後、メイン側ナビ「12」〜「17」に対して「白7ナビ_123」〜「白7ナビ_321」ではなく、「白7ナビ」を実行することとしてもよい。これにより、引き延ばしによる攻略を防止することができる。なお、メイン側ナビ「12」〜「17」に基づく報知を実行した遊技において、ボーナスに係る役に応じた図柄の組合せを表示できない場合は、引き延ばしによる攻略には該当しないため、副制御基板72は、その後のメイン側ナビ「12」〜「17」に対しても「白7ナビ_123」〜「白7ナビ_321」を行う。
また、押し順ベルの一部をフラグ間状態中は押し順不問ベルと同じリール制御として遊技者の目押し頻度を軽減するものとしてよく、この場合は当該押し順不問扱いのベル成立の単位遊技では、押し順ナビも白7ナビも表示せず、押し順不問で小役が獲得できる旨を報知すると、遊技者が不要な目押しをせずにすむ。
[第3実施形態]
続いて、図116〜図146を参照して、第3実施形態のパチスロ機1について説明する。なお、第1実施形態又は第2実施形態のパチスロ機1と同様の構成、制御については、詳細な説明を省略する。また、以下に示す第3実施形態のパチスロ機1の特徴は、第1実施形態又は第2実施形態のパチスロ機1においても同様に適用することができる。
<パチスロ機が備える制御系>
第3実施形態のパチスロ機1が備える制御系について、図116を参照して説明する。図116は、第3実施形態のパチスロ機1の制御系の構成を示す回路ブロック図である。
パチスロ機1は、筐体60の内部に設けられた主制御基板71と、上ドア62aに設けられた副制御基板72とを有する。また、パチスロ機1は、主制御基板71に接続された、リール中継端子板410、割合表示装置420、設定用鍵型スイッチ430、キャビネット側中継基板440及び電源装置450を有する。さらに、パチスロ機1は、キャビネット側中継基板440を介して主制御基板71に接続された外部集中端子板73、ホッパー装置40、メダル補助収納庫スイッチ441及びリセットスイッチ442を有する。
なお、外部集中端子板73及びホッパー装置40の構成については上述したので、ここでは、それらの説明を省略する。
リール中継端子板410は、各リール3L,3C,3Rのリール本体の内側に配設されている。リール中継端子板410は、各リール3L,3C,3Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板71からステッピングモータに出力される信号を中継する。
割合表示装置420は、主制御基板71に接続された割合表示基板421と、割合表示基板421に接続された割合表示器422及び切替スイッチ423とを有する。割合表示基板421は、主制御基板71から出力される信号に基づいて割合表示器422の表示を制御する。割合表示器422は、特定区間割合や役物割合等の各種割合を表示する。切替スイッチ423は、割合表示器422の表示を切り替える。
なお、割合表示器422の構成、及び割合表示器422に表示される各種割合の詳細については、図118を参照して後述する。
設定用鍵型スイッチ430は、遊技者に付与される利益の大きさを設定するために設けられた複数の設定値の中から、いずれかの設定値を設定するとき、又はパチスロ機1に設定されている設定値の確認を行うときに使用される。主制御基板71は、設定用鍵型スイッチ430を用いた操作を受け付けると、複数の設定値の中から操作の内容に応じた設定値を設定する。
キャビネット側中継基板440は、主制御基板71と、外部集中端子板73、ホッパー装置40、メダル補助収納庫スイッチ441及びリセットスイッチ442とを電気的に接続するための中継基板である。メダル補助収納庫スイッチ441は、メダル補助収納庫(不図示)がメダルで満杯になっているか否かを検出する。リセットスイッチ442は、パチスロ機1の各種データをリセット(初期化)するときに使用される。
電源装置450は、主制御基板71に接続された電源基板451と、電源基板451に接続された電源スイッチ452とを有する。電源スイッチ452は、パチスロ機1に必要な電源を供給するときに押下される。
また、パチスロ機1は、ドア中継端子板460、並びに、該ドア中継端子板460を介して、主制御基板71に接続された、セレクタ461、ドア開閉監視スイッチ462、BETスイッチ11S、精算スイッチ13S、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ基板463、遊技動作表示基板470及び副中継基板75を有する。なお、BETスイッチ11S、精算スイッチ13S、スタートスイッチ6S及び副中継基板75については、上述したので、ここでは、それらの説明を省略する。
セレクタ461は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを選別する装置であり、メダル投入口22に投入された適正なメダルをホッパー装置40へ案内する。セレクタ461内においてメダルが通過する経路上には、図示しないが、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ(投入操作検出手段)が設けられる。
ドア開閉監視スイッチ462は、パチスロ機1の外部へ、上ドア62a及び下ドア62bの開閉を報知するためのセキュリティー信号を出力する。ストップスイッチ基板463(停止操作検出手段)は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLED等により表示するための回路とを備える。また、ストップスイッチ基板463には、ストップスイッチが設けられる。ストップスイッチは、各ストップボタン7L、7C、7Rが遊技者により押下されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板470は、情報表示器14に接続され、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール3L,3C,3Rが回動可能なとき、及び、再遊技を行うとき等に、投入されたメダルの枚数等を情報表示器14に表示させるための基板である。また、遊技動作表示基板470は、LED群471が接続され、LED群471は、例えば、遊技動作表示基板470から入力される信号に基づいて、遊技開始を表示するマークや再遊技を行うマーク等を点灯させる。
副制御基板72は、ドア中継端子板460及び副中継基板75を介して主制御基板71に接続される。また、パチスロ機1は、副中継基板75を介して副制御基板72に接続された、スピーカ9L,9R,各種LED101、タッチセンサ201a及び表示ユニット110を有する。
また、パチスロ機1は、副制御基板72に接続された、ロムカートリッジ基板82及び液晶中継基板480を有する。なお、ロムカートリッジ基板82及び液晶中継基板480は、副制御基板72とともに副制御基板ケースに収納されている。
ロムカートリッジ基板82は、演出用の画像(映像)、音声、光及び通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板480は、副制御基板72及び表示ユニット100間の接続配線を中継する基板である。
<主制御回路>
次に、主制御基板71に実装される主制御回路の構成について、図117を参照して説明する。なお、副制御基板72に実装される副制御回路の構成は、図31において示したものと同様であるため、説明を省略する。図117は、パチスロ機1の主制御回路の構成例を示すブロック図である。
図117(A)に示すように、主制御回路は、主に、主制御基板71に実装されたマイクロコンピュータ30により構成される。マイクロコンピュータ30は、メインCPU31、メインROM32及びメインRAM33により構成される。
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム、データテーブル、副制御基板72に実装される副制御回路に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。また、メインROM32には、単位遊技に係る最少の遊技時間が複数記憶される。
メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続される。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、クロックパルスを発生する。メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
<割合表示器>
次に、割合表示器422の構成について、図118を参照して説明する。図116において上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、各種の割合を表示する割合表示器422を有する。図118(A)は、割合表示器422の取り付け例を示し、図118(B)は、割合表示器422に表示される内容を示す。
(割合表示器の構成)
図118に示すように、割合表示器422は、4桁の7セグメントLEDにより構成され、図118(B)で後述するように、上位2桁は、表示する割合の種類を示し、下位2桁は、当該割合の値を示す。割合表示器422は、管理者(遊技店の店員等)がパチスロ機1に不正改造がないか確認する際などに使用されるため、パチスロ機1の筐体60の内部に設けられる。このとき、割合表示器422自体に対する不正を防止するため、割合表示器422は、主制御基板71を覆う主制御基板ケースの内部に設けられることが好ましい。
具体的な取り付け例としては、図118(A−1)に示すように、割合表示器422は、主制御基板71上に実装することとしてもよく、また、図118(A−2)に示すように、主制御基板71に接続された他の基板(割合表示基板)上に実装することとしてもよく、また、図118(A−3)に示すように、割合表示器422としての7セグメントLEDユニットを主制御基板に接続することで、取り付けることとしてもよい。いずれの場合であっても、図118(A)に示すように、主制御基板71とともに主制御基板ケースの内部に設けられることが好ましい。
なお、通常、主制御基板ケースには、封印シールが貼りつけられるが、主制御基板ケース内に割合表示器422を設ける場合には、封印シールにより割合表示器422の視認性が損なわれることがないように、封印シールを貼りつけることが好ましい。さらに、主制御基板ケースに、かしめ記録用シールも貼り付けられる。かしめ記録用シールとは、かしめの開封記録の担当者と日付の記入欄、主制御基板の製造番号、製造時に用いる識別用の2次元コードが記載されているシールである。機種によっては、製造時に用いる2次元コードのシールをさらに別に主制御基板ケースに貼り付ける場合もある。こうしたシール等の貼り付け部材によっても割合表示器の視認性が損なわれることのない配置とすることが好ましい。
また、主制御基板に組み付けられるかしめ部材やハーネス、あるいは重畳的に複数の基板を配置する基板構成である場合の他の基板、その他の筐体内の部材によっても、フロントドア(上ドア62a又は下ドア62b)の開放時には割合表示器の視認性が損なわれることのない設計とすることが好ましく、そうすることで管理者の割合表示器の確認作業の効率が良くなる。
(割合表示器の表示内容)
続いて、割合表示器422の表示例について説明する。図118(B)に示すように、割合表示器422には、累計の特定区間割合と、直近6000ゲーム間の連続役物割合及び役物割合と、累計の連続役物割合及び役物割合と、が表示される。割合表示器422に累計の特定区間割合を表示する場合、4桁の7セグメントLEDのうちの上位2桁には、「AU」と表示され、直近6000ゲーム間の連続役物割合を表示する場合、上位2桁には、「=r」と表示され、直近6000ゲーム間の役物割合を表示する場合、上位2桁には、「=b」と表示され、累計の連続役物割合を表示する場合、上位2桁には、「Ar」と表示され、累計の役物割合を表示する場合、上位2桁には、「Ab」と表示される。また、4桁の7セグメントLEDのうちの下位2桁には、対応する割合がパーセント表示で表示される。
ここで、「特定区間割合」とは、全ての遊技状態における遊技回数(すなわち、総遊技回数)に対して、遊技者にとって有利な遊技状態における遊技回数が占める割合をいう。この場合において、遊技者にとって有利な遊技状態とは、例えば、ボーナス作動中のボーナス状態及びART遊技状態に加え、ART遊技状態への移行期待度が高いCZも含めることとしてもよい(図33参照)。
主制御基板71は、メインRAM33に設けられた所定のカウンタにおいて、全ての遊技状態における遊技回数を示す総遊技回数と、遊技者にとって有利な遊技状態における遊技回数を示す特定遊技回数とを計数しておき、以下に示す式により特定区間割合を算出する。
特定区間割合=特定遊技回数/総遊技回数×100
また、「連続役物割合」とは、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(すなわち、総払出枚数)に対して、第一種特別役物、又は第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動中において払い出されたメダルの総数が占める割合をいう。
主制御基板71は、メインRAM33に設けられた所定のカウンタにおいて、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数を示す総払出枚数と、第一種特別役物、又は第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動中において払い出されたメダルの総数を示す第1特定遊技中払出枚数とを計数しておき、以下に示す式により連続役物割合を算出する。
連続役物割合=第1特定遊技中払出枚数/総払出枚数×100
また、「役物割合」とは、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(すなわち、総払出枚数)に対して、いずれかの役物が作動中に払い出されたメダルの総数が占める割合をいう。なお、いずれかの役物とは、第一種特別役物、第一種特別役物に係る役物連続作動装置、第二種特別役物、第二種特別役物に係る役物連続作動装置、又は普通役物をいう。また、ART遊技状態中やCZ中も、遊技者にとって有利な状態であるため、いずれかの役物が作動している状態に含めることとしてもよい。
主制御基板71は、メインRAM33に設けられた所定のカウンタにおいて、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数を示す総払出枚数と、いずれかの役物が作動中に払い出されたメダルの総数を示す第2特定遊技中払出枚数とを計数しておき、以下に示す式により役物割合を算出する。
役物割合=第2特定遊技中払出枚数/総払出枚数×100
また、「累計」とは、パチスロ機1を設置してから現在までの全期間をいい、「直近6000ゲーム間」とは、6000ゲーム前の遊技から現在までの期間をいう。「累計」の割合を算出する場合、主制御基板71は、全期間において計数していた計数結果を用いて割合を算出すればよく、また、「直近6000ゲーム間」の割合を算出する場合、主制御基板71は、6000ゲーム前の遊技から現在までの期間において計数していた計数結果を用いて割合を算出すればよい。
なお、パチスロ機1は、メインRAM33に設けられたカウンタにおける計数項目のいずれもが電断により消去されないように構成されている。具体的には、電断時にメインRAM33に設けられたバックアップ領域に当該データを退避させ、復帰時にバックアップ領域からデータを読み出して再セットする。これにより、閉店後に電源を落とし、開店前に電源を入れるという一般的な運用がされた場合であっても、設置時から継続してデータを累積することができる。
また、リプレイの入賞に伴う再遊技の権利は、当該遊技に用いたメダルと同数のメダルの払い出しと考えることもでき、また、0枚のメダルの払い出しと考えることもできる。上述した割合の算出においては、再遊技の権利をメダルの払い出しと考える計算方法Aと、再遊技の権利をメダルの払い出しとは考えない計算方法Bとで算出結果が異なることがある。例えば、連続役物割合や役物割合のように、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(総払出枚数)に対する割合の算出では、再遊技の権利をメダルの払い出しと考える計算方法Aでは、リプレイが入賞した回数分だけ総払出枚数も増えることになり、結果、当該割合が低くなる。反対に、再遊技の権利をメダルの払い出しと考えない計算方法Bでは、リプレイの入賞は総払出枚数に対して影響を与えないため、結果、当該割合は高くなる。このような計算方法Aと計算方法Bとのかい離は、リプレイが入賞した回数が増えるほど大きくなるため、遊技回数が増えるほど大きくなる。
そこで、割合表示器422では、計算方法Aによる算出結果と、計算方法Bによる算出結果とを切り替え可能に表示することとしてもよい。この場合は、計算方法Aによる算出結果を表示する際の上位2桁の識別子と、計算方法Bによる算出結果を表示する際の上位2桁の識別子とは異なるものとするべきである。また、割合表示器422を設ける基板の大きさに余裕がある場合には、割合表示器422の7セグユニットを増設して、両者を同時に表示することとしてもよい。
また、店舗管理者が表示できる設定用画面(いわゆるホールメニュー)において、連続役物割合や役物割合を表示させる場合にも、同様に、複数の計算方法で算出された結果を表示可能としてもよい。
(割合表示器の表示内容(切り替え表示))
割合表示器422では、主制御基板71が算出した各種の割合を切り替えて表示する。割合表示器422に表示する内容の切り替え方法は任意であり、例えば、所定の間隔で自動的に、各種の割合を切り替えることとしてもよく、また、切替スイッチ423(図116参照)の操作に応じて手動で、各種の割合を切り替えることとしてもよく、自動的な切り替えと手動による切り替えとを組み合わせて、各種の割合を切り替えることとしてもよい。
(割合表示器の表示内容(エラー時))
パチスロ機では、射幸性を徒に高めないように、業界内においてルール化がなされており、例えば、全遊技に対して遊技者にとって有利な遊技状態が占める割合が高くなりすぎないこと、また、通常の遊技状態において安心して遊技を行うことができるように、有利な遊技状態中だけでなく通常の遊技状態においてもメダルが所定以上払い出されることで、通常時のベース(いわゆるコイン持ち)を下げすぎてはいけない、といった規制がなされている。割合表示器422に表示する上述の各種割合は、これら規制を満たしているか確認可能にするものである。偶発的なボーナスの連続成立等により、一時的に規制の規定値を超える場合があるものの、統計的な観点から言えば遊技回数が増えるにつれて表示器に示される割合の値は、規制に沿って作成された設計値に近づくかたちで収束していく。そのため、遊技回数10万回など試行回数が多いときに、なお設計値と乖離した値が表示された場合は、不正行為がされたことを推認できる。また、設計値と乖離が大きい値が特定の台でのみ頻繁に表示される場合に、管理者は不正基板のぶら下げなど、その特定の台に不正行為が行われたことを推認できる。このように、割合表示器422に表示された値が規定値を超えるかどうかは、管理者が不正行為を見抜くための手がかりとして機能する。
そのため、割合表示器422に表示する各種割合が規定値を超えている場合には、管理者がその旨を適切に把握できるようにすることが好ましい。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71が算出した上述の各種割合(特定区間割合、連続役物割合、役物割合)が、当該割合に対して設定された規定値以上である場合と、当該割合に対して設定された規定値未満である場合とで、割合表示器422における当該割合の表示態様を異ならせる。例えば、割合表示器422は、規定値以上である場合には当該割合を点滅表示し、規定値未満である場合には当該割合を点灯表示する。これにより、管理者は、各種割合が規定値を満たしているか否かを一目で把握することができる。
また、規定値以上である割合が存在する場合には、外部機器(例えば、ホールコンピュータ)に対してその旨を通知(例えば、特定区間割合が規定値を超えている旨通知)することとしてもよい。具体的には、主制御基板71は、算出した割合の中に規定値以上の割合が存在する場合に、外部集中端子板73を介して、外部機器に対してその旨を通知する。なお、外部集中端子板73からの出力ピンに限りがある場合には、現在エラー出力として利用している出力ピンを利用して、外部機器に対して通知(すなわち、エラー出力)を行うこととしてもよい。
なお、規定値以上である割合が存在するからといって、ただちに不正行為であるとはいえない。そのため、不正行為の疑いが強い異常を検知した場合に出力される第1エラー出力と、通常遊技で発生する異常を検知した場合に出力される第2エラー出力を備えた機種の場合は、規定値を超えていることに基づくエラーは、第2エラー出力とすることが好ましい。ここで、不正行為の疑いが強い異常とは、例えば、RAMクリア検知、RAMの読み書き不能、RAMのソフト的異常、磁気検知、電波検知、通信異常、内部電圧の異常、内部当籤していない役に係る図柄が有効ライン上に表示されるという入賞異常、本来払出のできないタイミングでの払出を検知した場合、設定値が6段階以外の値を示した場合などが挙げられる。また、通常遊技で発生する異常とは、例えば、ホッパー装置40のメダルが底をつくホッパーエンプティ、ホッパー装置40の払出口のメダル詰まり検出、メダル補助収納庫が一杯になってしまうメダルオーバーフロー、メダル投入時のメダル詰まり又はメダル逆流検出や、メダル投入枚数を4枚など異常な枚数で検出した場合、ホール店員がメダル補給などでフロントドア(上ドア62a又は下ドア62b)を開けたことによるドア開放エラーや、メダル補給などの際にホッパーの配線が外れたことを検知した場合、などが挙げられる。
このように規定値以上である割合が存在する場合に外部機器に対して所定の通知を行うことで、管理者は、筐体60の内部に設けられた割合表示器422を見ることなく、各種割合が規定値を満たしているか否かを把握することができるため、管理者の負担を軽減することができる。
(割合表示器の表示内容(設置直後))
パチスロ機1の設置直後のように総遊技回数が所定回数に達するまでは、各種の割合はブレ幅が大きく上下に大きく動いてしまう。そのため、総遊技回数が所定回数に達するまでは、各種の割合の表示態様を異ならせることとしてもよい。このとき、所定回数は、算出する割合の種類によって異ならせることとしてもよい。例えば、累計の割合については、総遊技回数が「17500回」に達するまでは通常とは異なる態様で表示(例えば、黄色で表示)し、総遊技回数が「17500回」に達した後は、通常の態様で表示(例えば、赤色で表示)する一方で、直近6000ゲーム間の割合については、総遊技回数が「6000回」に達するまでは通常とは異なる態様で表示し、総遊技回数が「6000回」に達した後は、通常の態様で表示することとしてもよい。
また、外部機器への出力に関しても、総遊技回数が所定回数に達するまでは、各種の割合が規定値以上である場合であっても、行わないこととしてもよい。この場合においても、所定回数は、算出する割合の種類によって異ならせることとしてもよい。
(割合表示器の変形例)
ところで、既存のパチスロ機は、割合表示器を有していないため、図118(A)に示す割合表示器の取り付け例では、既存のパチスロ機に対して大きな改変を行う必要がある。そこで、既存のパチスロ機において設けられている表示器を、各種の割合を表示する割合表示器として用いることとしてもよい。具体的には、既存のパチスロ機では、貯留されているメダルの数(クレジット数)、及び今回の遊技において払い出されたメダルの枚数(払出枚数)を表示する表示器(情報表示器14)が設けられている。そこで、パチスロ機に対して特別な操作が行われた場合に、クレジット数を表示する表示部(後述のクレジットランプ145)に表示する割合の種類を表示し、払出枚数を表示する表示部(後述の払出枚数ランプ146)に当該種類の割合を表示するように、当該表示器の表示を切り替え可能にしてもよい。
なお、特別な操作は任意であるが、筐体60の内部に設けられたスイッチを用いた操作であることが好ましい。これにより、遊技者が偶然に特別な操作を行ってしまうことを防止できる。
<情報表示器>
次に、図119を参照して、主制御基板71が停止操作の情報を報知する指示モニタを含む情報表示器14の構成について説明する。
図119に示すように、情報表示器14は、インサートランプ141と、スタートランプ142と、リプレイランプ143と、ベット数ランプ144と、クレジットランプ145と、払出枚数ランプ146と、指示モニタ147と、リミットランプ148とを含んで構成される。
インサートランプ141は、点灯(又は点滅(以下省略))することでメダルの投入が可能であることを遊技者に対して報せ、スタートランプ142は、点灯することでスタートレバー6の操作に伴い遊技の開始が可能であることを遊技者に対して報せ、リプレイランプ143は、点灯することで再遊技の作動によりメダルが自動投入されたことを遊技者に対して報せる。また、ベット数ランプ144は、点灯することでベットされたメダルの枚数を遊技者に報せ、クレジットランプ145は、点灯することでパチスロ機1の内部に貯留されているメダルの枚数(クレジット数)を遊技者に対して報せ、払出枚数ランプ146は、点灯することで遊技の結果により払い出されたメダルの枚数(払出枚数)を遊技者に対して報せる。
また、指示モニタ147は、報知ランプ147aと、状態表示器147b(ATランプ)と、を含んで構成される。報知ランプ147aは、例えば、7セグメントLEDにより構成され、報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様で点灯することで、必要な停止操作の情報を遊技者に対して報せる。また、状態表示器147bは、点灯することで、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する遊技状態(例えば、ART遊技状態)であることを遊技者に対して報せる。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、クレジットランプ145及び払出枚数ランプ146とは別に報知ランプ147aを設けているが、報知ランプ147aを設けることなく、クレジットランプ145又は払出枚数ランプ146のいずれかを用いて、停止操作の情報を報知することとしてもよい。
また、リミットランプ148は、遊技者にとって有利な遊技状態が長期間にわたって継続した際に点灯する。遊技者にとって有利な遊技状態が長期間にわたって継続した場合、射幸性を徒に煽ってしまうおそれがある。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、遊技者にとって有利な遊技状態が長期間にわたって継続した際に、ART遊技状態の継続期間が満了する前であっても強制的にART遊技状態を終了する(リミット処理)。リミットランプ148は、このリミット処理によりART遊技状態を終了した際に点灯し、リミット処理が行われたことを遊技者に対して報せる。また、リミットランプ148は、リミット処理の発動が近い場合に点滅して、実際にリミット処理が行われると点灯することとしてもよい。
なお、リミット処理の詳細については、図126及び図127において後述する。
インサートランプ141〜リミットランプ148は、背面に設けられたLED(図示せず)により点灯、点滅、消灯する。パチスロ機1では、主制御基板71がこのLEDの点灯、点滅、消灯を制御することで、遊技に関する各種の情報を遊技者に対して報せる。
<状態表示器>
次に、図120を参照して、情報表示器14に設けられる状態表示器147bについて説明する。図120は、状態表示器147bの点灯タイミングのパターン例を示す図である。
図120において、タイミングT1は遊技の開始時であり、タイミングT2は当該遊技のリール回転開始時であり、タイミングT3は当該遊技の第1停止操作時であり、タイミングT4は当該遊技の第2停止操作時であり、タイミングT5は当該遊技の第3停止操作時であり、タイミングT6は当該遊技の全リール停止時であり、タイミングT7は当該遊技の終了時であり、タイミングT8は次遊技の開始時である。
図120に示す例では、タイミングT1(すなわち、遊技開始時)において、特定区間(例えば、ART遊技状態)への移行抽籤に当籤している。本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤に当籤すると、当該当籤した遊技中に状態表示器147bを点灯させる。例えば、点灯パターン例1では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技の開始時(タイミングT1)に状態表示器147bを点灯させている。また、点灯パターン例2では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技のリール回転開始時(タイミングT2)に状態表示器147bを点灯させ、点灯パターン例3では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技の第1停止操作時(タイミングT3)に状態表示器147bを点灯させ、点灯パターン例4では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技の全リール停止時(タイミングT6)に状態表示器147bを点灯させ、点灯パターン例5では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技の終了時(タイミングT7)に状態表示器147bを点灯させている。
なお、図120に示す点灯パターン例は、一例に過ぎず、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技中に状態表示器147bを点灯させればよく、そのタイミングは任意である。
このように特定区間への移行抽籤に当籤した遊技中に状態表示器147bを点灯させることで、遊技者は、特定区間への移行抽籤に当籤していることを把握できるため、その後の遊技に期待を持つことができ好適である。
(状態表示器による告知の改良)
ところで、当籤の有無を、単に一つのランプの点灯/消灯のみで告知していたのでは、当籤の有無は即座に分かるものの、遊技者に対してランプさえ点灯すればよいという気持ちを抱かせてしまうことになり、面白みにかけてしまい、結果、液晶表示装置等での他の演出に対する興味を失わせてしまうおそれがある。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、以下に示す方法により、特定区間への移行抽籤に当籤していることを、単調になることなく当該遊技中に報せることとしている。
(状態表示器に対する工夫1)
図119(B)及び図119(C)は、状態表示器147bの別構成例を示す。図119(B)に示す状態表示器147bでは、それぞれが点灯、点滅、消灯する複数のランプ「a」〜「i」を有し、これら複数のランプの点灯、点滅、消灯のパターンに基づいて、特定区間への移行抽籤に当籤していることを報せる。
一例として、特定区間への移行抽籤に当籤している場合には、複数のランプが特定のパターンで点灯(例えば、「a」「c」「d」「h」「i」が点灯)し、当籤していない場合には、複数のランプがこの特定のパターン以外のパターンで点灯する。なお、特定のパターンは、一つに限るものではなく、複数のパターンを有していてもよい。これにより、一つのランプが単に点灯した場合に当籤を報せる場合よりも、深みのある告知が可能になり、例えば、遊技を繰り返し行い当籤時の点灯パターンを覚えるにつれて、当籤の察知が早くなるといった遊技性を実現できる。
なお、移行抽籤の当籤の有無を、点灯パターンに基づいて報せるのではなく、点灯しているランプの数に基づいて報せることとしてもよい。例えば、移行抽籤に当籤している場合には、複数のランプのうちの特定数のランプが点灯し、移行抽籤に当籤していない場合には、複数のランプのうちの特定数以外の数のランプが点灯することとしてもよい。また、例えば、移行抽籤に当籤している場合には、複数のランプのうちの特定数以上(又は特定数以下)の数のランプが点灯し、移行抽籤に当籤していない場合には、複数のランプのうちの特定数未満(又は特定数を超える)の数のランプが点灯することとしてもよい。
また、遊技の進行に応じて複数のランプの点灯パターンを制御することで、複数のランプを用いて移行抽籤の当籤の期待度を示唆する演出を行うこともできる。例えば、移行抽籤に当籤していることを報せる点灯パターンを「全てのランプが点灯する」とした場合に、遊技の進行(開始操作、第1停止操作、第2停止操作、第3停止操作、全リール停止時等)に応じて点灯するランプの数を増減させることで、遊技の進行に合わせて移行抽籤の当籤の期待度を示唆することができる。
(状態表示器に対する工夫2)
図119(C)に示す状態表示器147bは、それぞれが点灯、点滅、消灯する複数のランプを有する点では図119(B)の状態表示器147bと同様であるが、図119(B)の状態表示器147bが複数のランプが全体として意味を持たなかったのに対して、図119(C)に示す状態表示器147bでは、全体として意味を持たせている点が異なる。すなわち、図119(C)に示す状態表示器147bでは、例えば、パチスロ機1のメーカー名、パチスロ機1の機種名、パチスロ機1やメーカーのモチーフとなったキャラクタ名、キャラクタの形状等の、遊技者に対して印象付けたい文字や形状を装飾としても用いる。複数のランプに対してこのような装飾を用いることで、装飾が表す文字や形状を遊技者に対して強く記憶させることができ、ブランド力の向上につながる。
この場合においても、点灯パターンや点灯するランプの数を制御することで、移行抽籤の当籤の有無を分かり難くすることができるとともに、遊技の進行に応じて複数のランプの点灯パターンを制御することで、移行抽籤の当籤の期待度を示唆する演出を行うことができる。
なお、パチスロ機によっては、特定区間として、遊技者にとっての有利度合いの異なる複数種類の特定区間を有することがあり、移行抽籤の結果に基づいていずれかの特定区間に移行することがある。例えば、ART遊技状態とCZとを有するパチスロ機において、移行抽籤の結果に基づいてART遊技状態又はCZに遊技状態を移行させるパチスロ機や、初期ゲーム数が50ゲームであるART遊技状態と初期ゲーム数が100ゲームであるART遊技状態とを有し、移行抽籤に伴い決定した初期ゲーム数のART遊技状態に遊技状態を移行させるパチスロ機等が考えられる。
ここで、上述の工夫1,2のように複数のランプを用いる場合、移行抽籤により当籤した特定区間の種類に応じて、異なる組合せのパターンで複数のランプ(状態表示器147b)を点灯又は消灯させることとしてもよい。一例として、初期ゲーム数が50ゲームのART遊技状態に当籤した場合には、第1の点灯パターンで状態表示器147bを点灯し、初期ゲーム数が100ゲームのART遊技状態に当籤した場合には、第1の点灯パターンとは異なる第2の点灯パターンで状態表示器147bを点灯することとしてもよい。
これにより、特定区間の種類に応じて点灯パターンが異なるため、状態表示器147bの点灯パターンのバリエーションを増やすことができる。遊技者にとってみれば、点灯パターンのバリエーションが増えることで、それぞれの点灯パターンの内容を正確に把握することが困難になるため、液晶表示装置等での他の演出に対する興味を失うことがない。
反対に、移行抽籤により当籤した特定区間の種類に関わらず、同一の組合せのパターンで複数のランプ(状態表示器147b)を点灯又は消灯させることとしてもよい。このような制御では、当籤した特定区間の種類に関わらず点灯パターンが同一であるため、点灯パターンからでは、当籤した特定区間の種類を把握することができない。熟練の遊技者によっては、複数のランプの点灯パターンを暗記してしまっていることがある。そこで、遊技者にとって真に有利な特定区間(例えば、50ゲーム等の長いART遊技状態)と、遊技者にとってあまり有利ではない特定区間(例えば、1ゲームで終了してしまうART遊技状態)とを設け、これら特定区間のいずれにおいても状態表示器147bの点灯パターンを同一にすることで、当籤した特定区間の種類を把握できなくすることができる。
また、初心者向けの配慮として、それぞれの点灯パターンの内容を腰部パネル25などに表示しておくこととしてもよい。例えば、一般的に導入されるデザインの腰部パネル25には、点灯パターンの内容を表示せずに、低貸玉店などのように主に初心者が多い店舗に出荷するパチスロ機の腰部パネル25には、点灯パターンの内容を表示することとしてもよい。また、購入店舗側が客層を踏まえて希望する腰部パネル25をメーカーに発注できるようにしてもよい。これにより、遊技店の客層に応じて点灯パターンの内容を報せる又は報せないといったことが可能になる。
腰部パネル25のデザイン変更は、試験機関による試験が不要であり、また、製造・開発コストの負荷も大きくないため、市場環境に合わせて簡単なパネル替えのみで適切な仕様のパチスロ機を提供することができ、好適である。なお、腰部パネル25自体のデザイン変更ではなく、所定のシール部材を貼り付ける、又は差し替え可能なシート部材により、点灯パターンの内容を報せる又は報せないを切り替え可能にしてもよい。また、点灯パターンの内容を表示する場所は、遊技者が遊技中に認識可能な場所であれば腰部パネル25以外の場所であってもよい。ただし、遊技者にとって見やすい場所であることが望ましい。
(状態表示器に対する工夫3)
また、一つのランプが点灯するか否かで当籤の有無が分かってしまうことを避けるために、状態表示器147bを遊技者が視認し難い位置に配置することとしてもよい。視認し難い位置とは、例えば、メダル受け部16、腰部パネル25、筐体60の側面、メダル投入口22の裏等の任意の場所であってよい。また、状態表示器147bを不透明なカバーで覆い、このカバーにあけられた穴部(のぞき穴)からのみ、状態表示器147bを視認できるようにすることで、状態表示器147bを視認し難くすることができる。また、例えば、お札クリップや駐車場利用サービス券のクリップをパチスロ機1に設け、このクリップの背後に状態表示器147bを設けることとしてもよい。
(状態表示器に対する工夫4)
また、特定区間への移行抽籤の当否を報せる状態表示器147bが同じ位置にある場合、その場所のみを見ていればすぐにわかってしまうため、状態表示器147bの位置を切り替えることとしてもよい。具体的な方法としては、パチスロ機1が有する複数個所のランプ(LED)の少なくとも複数に状態表示器147bの機能を持たせ、時間毎に移行抽籤の当否を報せるランプを異ならせることが考えられる。これにより、例えば、あるタイミングでは、右上部のランプが状態表示器147bの機能を果たしているが、別のタイミングでは、左下部のランプが状態表示器147bの機能を果たすといったことが可能になる。その結果、遊技者は、状態表示器147bの点灯パターンからだけでは、移行抽籤の当否を把握し難くなり、液晶表示装置等での他の演出に対する興味が失われてしまうことを防止できる。
(遊技性からの工夫)
続いて、図121を参照して、特定区間への移行抽籤に当籤していること分かり難くする方法に関する遊技性からの工夫について説明する。第1実施形態のパチスロ機1では、押し順役として「F_3択ベル_1st」「F_3択ベル_2nd」「F_3択ベル_3rd」を設け、押し順正解時には9枚のメダルが払い出され(ベルの図柄の組合せが表示され)、押し順不正解時には0枚又は1枚のメダルが払い出される(ベルこぼし目又は1枚出目の図柄の組合せが表示される)こととしている。そして、ART遊技状態では、押し順役が内部当籤役として決定されると、押し順役に応じた正解の押し順を報知することとしている。そのため、ART遊技状態中は、報知に従い遊技を行うことで、遊技に用いるメダル(例えば、3枚)を超える数のメダルが(例えば、9枚)払い出されることになる。
遊技性からの工夫としては、まず、押し順正解時であっても遊技に用いたメダル以下の数のメダルが払い出される押し順役を更に設ける。図121に示す例では、図121(A)に示すように、「F_3択1枚役_1st」「F_3択1枚役_2nd」「F_3択1枚役_3rd」という押し順役を設けている。「F_3択1枚役_1st」〜「F_3択1枚役3rd」は、押し順に正解したときに、1枚出目の図柄の組合せが表示され、1枚のメダルが払い出され、押し順に不正解のときに、はずれの図柄の組合せが表示され、0枚のメダルが払い出される。
なお、新たに設ける押し順役は、押し順正解時であってもメダルが増加しなければよく、押し順正解時に遊技に用いたメダルの数以下の数(第3数量)のメダルが払い出され、押し順不正解時に当該数(第3数量)よりも少ない数(第4数量)のメダルが払い出される、又はメダルが1枚も払い出されない(すなわち、0枚)役であればよい。
また、遊技性からの工夫では、ART遊技状態として少なくとも2種類のART遊技状態を設ける。具体的には、全ての押し順役(「F_3択1枚役_1st」〜「F_3択1枚役_3rd」及び「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」)について、内部当籤役として決定された際に正解の押し順を報知するART遊技状態と、押し順役のうち「F_3択1枚役_1st」〜「F_3択1枚役_3rd」が内部当籤役として決定された際に正解の押し順を報知し、「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」が内部当籤役として決定された際には正解の押し順を報知しない1枚役ART遊技状態と、を設ける。
そして、遊技性からの工夫では、遊技状態がこれらART遊技状態及び1枚役ART遊技状態のいずれであっても、状態表示器147bを点灯させる。なお、ART遊技状態と1枚役ART遊技状態とで、状態表示器147bの点灯パターンを異ならせてもよく、また、同一の点灯パターンであってもよい。
このような工夫により、状態表示器147bにより現在の遊技状態が押し順役を報知する遊技状態であることを報せることができるものの、状態表示器147bからだけでは、遊技者にとって真に有利なART遊技状態であるのか、1枚役ART遊技状態であるのかを把握できないようにすることができる。
なお、遊技者にとって真に有利なART遊技状態への移行は、特定区間への移行抽籤に当籤することにより行われるが、遊技者にとって必ずしも有利とはいえない1枚役ART遊技状態への移行は、任意に行うことができる。
図121(B)に示す例では、ART遊技状態以外の全ての遊技を1枚役ART遊技状態としている。具体的には、図121(B)に示す例において、11回目の遊技において、特定区間への移行抽籤(すなわち、ART遊技状態への移行抽籤)に当籤しているため、11回目以降の遊技がART遊技状態となっている。このART遊技状態中は、3択1枚役(「F_3択1枚役_1st」〜「F_3択1枚役_3rd」)及び3択ベル(「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」)のいずれが内部当籤役として決定されたとしても、正解の押し順の報知が行われる。
一方で、図121(B)に示す例では、ART遊技状態への移行抽籤に当籤する前の全ての遊技を、1枚役ART遊技状態としている。この1枚役ART遊技状態中は、3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技(1回目の遊技)では、正解の押し順の報知が行われる一方で、3択ベルが内部当籤役として決定された遊技(2回目の遊技)では、正解の押し順の報知が行われない。
このようにART遊技状態以外の全ての遊技を1枚役ART遊技状態とした場合、状態表示器147bは、ART遊技状態への移行抽籤に当籤したか否かに関わらず常に点灯していることになるため、遊技者は、状態表示器147bの点灯/消灯からだけでは移行抽籤に当籤したことを把握できなくなる。
また、図121(C)に示す例では、ART遊技状態以外の遊技のうち、3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技のみを1枚役ART遊技状態とし、それ以外の遊技を、ART遊技状態及び1枚役ART遊技状態のいずれでもない状態(通常)としている。具体的には、図121(C)に示す例において、11回目の遊技において、特定区間への移行抽籤(すなわち、ART遊技状態への移行抽籤)に当籤しているため、11回目以降の遊技がART遊技状態となっている。
一方で、図121(C)に示す例では、ART遊技状態への移行抽籤に当籤する前の遊技のうち、3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技のみを、1枚役ART遊技状態とし、それ以外の遊技を通常遊技状態としている。具体的には、1回目の遊技において3択1枚役が内部当籤役として決定されているため、この1回目の遊技の遊技状態を1枚役ART遊技状態とし、正解の押し順の報知を行っている。一方、2回目の遊技では、3択1枚役が内部当籤役として決定されてないため、通常遊技状態としており、正解の押し順の報知を行わない。
このようにART遊技状態以外の遊技のうちの3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技のみを1枚役ART遊技状態とした場合であっても、状態表示器147bは、3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技では、ART遊技状態への移行抽籤に当籤したか否かに関わらず点灯することになるため、遊技者は、状態表示器147bの点灯/消灯からだけでは移行抽籤に当籤したことを把握できなくなる。また、1枚役ART遊技状態といっても、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知されることになるため、図121(B)のように常時1枚役ART遊技状態としてしまうと、押し順の報知が行われる報知遊技状態が長期間継続してしまい、遊技の射幸性を徒に高めてしまうおそれがある。この点、図121(C)のように、ART遊技状態以外の遊技のうちの3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技のみを1枚役ART遊技状態とすることで、報知遊技状態の期間を限定的にすることができ、射幸性が徒に高まってしまうことを防止できる。
<基本的な遊技フロー>
続いて、本実施形態のパチスロ機1の基本的な遊技フローについて説明する。図122は、パチスロ機1における報知の有無に関する遊技状態の遷移フローである。なお、図122では、報知の有無に関する遊技状態についてのみ示し、ボーナスの作動の有無に関する遊技状態の遷移フローは省略している。
図122に示すように、パチスロ機1は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知しない通常区間と、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する特定区間とを有する。なお、通常区間とは、例えば、第1実施形態のパチスロ機1における一般遊技状態中の通常遊技状態が該当し、また、特定区間とは、例えば、第1実施形態のパチスロ機1における一般遊技状態中のCZ及びART遊技状態が該当する(図33参照)。
(通常区間から特定区間への移行)
通常区間から特定区間へは、特定区間への移行抽籤に当籤することで移行する。ここで、特定区間への移行抽籤とは、CZへの移行抽籤とART遊技状態への移行抽籤との双方を含むものである。本実施形態のパチスロ機1において、特定区間への移行抽籤は、設定値に差のない情報に基づいて行われる。「設定値に差のない情報」とは、内部抽籤処理において全ての設定値において同一の確率で内部当籤役として決定される役(設定不問役)や、全リールの停止時に全ての設定値において同一の確率で表示されることになる図柄の組合せ(設定差のない図柄の組合せ)を少なくとも含むものである。
すなわち、本実施形態のパチスロ機1では、設定不問役が内部当籤役として決定された場合に、特定区間への移行抽籤を行い、設定差のある役(設定差役)が内部当籤役として決定された場合には、特定区間への移行抽籤を行わない。また、本実施形態のパチスロ機1では、全リールの停止時に設定差のない図柄の組合せが表示された場合に、特定区間への移行抽籤を行い、設定差のある図柄の組合せが表示された場合には、特定区間への移行抽籤を行わない。
また、特定区間への移行抽籤は、予め定められており一切変動しない完全確率に基づき行われる。「予め定められており一切変動しない完全確率」とは、少なくとも設定値に基づいて変動することのない確率(すなわち、設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率)を意味する。
このように「設定値に差のない情報」に基づいて行う移行抽籤を、設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率で行うことで、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行に関する期待度を各設定値に対して同一にすることができ、出玉性能の差を、設定差のある設定差役の当籤確率に抑えることができる。
(移行抽籤に用いる抽籤テーブルの例)
ここで、特定区間への移行抽籤に用いる抽籤テーブルの例を、図124に示す。図124(A)は、内部当籤役を決定するための内部抽籤テーブルであり、図124(B)は、内部当籤役に基づいて特定区間への移行抽籤を行うための移行抽籤テーブルである。なお、以下では、内部抽籤テーブルは、確率分母を32768とし、移行抽籤テーブルは、確率分母を256としている。
図124(A)に示す例のように、内部抽籤テーブルは、それぞれの役に対応する抽籤値の情報を規定する。ここで、内部抽籤テーブルを用いた抽籤により決定される役には、設定値により抽籤値が異なる設定差役と、設定値に関わらず抽籤値が同一の設定不問役とが含まれる。図124(A)に示す例では、役「F_BB1」「F_維持リプA」等は、設定値により抽籤値が異なる設定差役であり、役「F_サボ1」「F_チリリプ」「F_BB1+F_リーチ目リプ」等は、設定値に関わらず抽籤値が同一の設定不問役である。パチスロ機1では、設定差役が内部当籤役として決定された場合に、特定区間への移行抽籤を行わず、設定不問役が内部当籤役として決定された場合に、特定区間への移行抽籤を行うことができる。なお、特定区間への移行抽籤を行わないとは、移行抽籤自体を行わないことに加え、移行抽籤は行うものの必ず非当籤になることを含むものである。また、特定区間への移行抽籤は、いずれかの設定不問役が内部当籤役として決定された場合に必ず行わなければならないわけではなく、移行抽籤を行う設定不問役と移行抽籤を行わない設定不問役とを設けることとしてもよい。
続いて、図124(B)に示す例のように、移行抽籤テーブルは、内部当籤役として決定された設定不問役毎に、移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。上述したように、特定区間への移行抽籤は、予め定められており一切変動しない完全確率に基づき行われるため、移行抽籤テーブルにおいて規定されている抽籤値の情報は、設定値に関わらず同一の値である。
なお、「予め定められており一切変動しない完全確率」として、更に、「設定値に差のない情報」に対して一義的に定められた確率であることを含めることとしてもよい。近年のパチスロ機では、移行抽籤に当籤し易い状態と当籤し難い状態とを設けることがある。このような場合に、「設定値に差のない情報に対して一義的に定められた確率」で移行抽籤を行う場合には、例えば、設定不問役の当籤時には、いかなる遊技状態であっても同一の確率で当籤する移行抽籤を行うことになる。反対に、「設定値に差のない情報に対して一義的に定められた確率ではない確率(すなわち、変動する確率)」で移行抽籤を行う場合には、例えば、設定不問役の当籤時に、現在の遊技状態に応じた確率で当籤する移行抽籤、すなわち、現在の遊技状態が高確率状態である場合には、高い確率で当籤する移行抽籤を行い、現在の遊技状態が低確率状態である場合には、低い確率で当籤する移行抽籤、を行うことになる。
(移行抽籤を一義的に定めた確率で行う場合のCZの実現方法)
ところで、このように一義的に定めた確率で移行抽籤を行う場合には、いかなる遊技状態であっても同一の確率で当籤する移行抽籤を行うことになるため、CZ(チャンスゾーン)のようにART遊技状態に移行し易い状態を設けるためには、工夫を講じる必要がある。続いて、図125を参照して、CZの実現方法の一例について説明する。
図125(A)は、CZ中のART抽籤方法の一例を示す図である。例えば、CZ中に内部当籤役として決定される確率に設定差のない押し順役の正解の押し順を報知することとし、ART遊技状態への移行抽籤を、設定差のない押し順役当籤時に表示された図柄の組合せに基づいて行うこととする。具体的には、図125(A)に示す移行抽籤テーブルのように、全リールの停止時にベルの図柄の組合せが表示されると、ART遊技状態への移行抽籤を行い、ベルこぼし目又は1枚出目の図柄の組合せが表示されると、ART遊技状態への移行抽籤を行わない。
通常区間とCZ中とを比較すると、押し順役の当籤確率は同一であるものの、通常区間では正解の押し順が報知されないため、移行抽籤が行われることになる図柄の組合せは表示され難く、反対に、CZ中は正解の押し順が報知されるため、移行抽籤が行われることになる図柄の組合せが表示され易い。その結果、CZ中は通常区間に比べて移行抽籤が行われる頻度が上がることになり、一義的に定めた確率で移行抽籤を行う場合であっても、ART遊技状態に移行し易いCZ(チャンスゾーン)を実現することができる。
また、図125(B)は、CZ中のART抽籤方法の別例を示す図である。パチスロ機1では、RT遊技状態を移行させることで、再遊技に係る役(リプレイ)の当籤確率を変更することができる。そこで、再遊技に係る役(リプレイ)のうちの設定差のない一部の役の当籤確率を、RT遊技状態において異ならせることで、一のRT遊技状態と別のRT遊技状態とでART遊技状態への移行抽籤が行われる頻度を異ならせることができる。
具体的には、図125(B)に示す内部抽籤テーブルにおいて、役「F_チリリプ」は、設定差のない設定不問役であり、図125(B)に示す移行抽籤テーブルのように、この役「F_チリリプ」が内部当籤役として決定されたときに、ART遊技状態への移行抽籤を行う。ここで、図125(B)に示す内部抽籤テーブルを参照すると、役「F_チリリプ」は、設定差はないものの、RT遊技状態に応じて当籤確率が異なり、RT2遊技状態ではRT1遊技状態よりも高い確率で内部当籤役として決定される。
そのため、RT2遊技状態では、RT1遊技状態に比べて移行抽籤が行われる頻度が上がることになり、一義的に定めた確率で移行抽籤を行う場合であっても、ART遊技状態に移行し易いCZ(チャンスゾーン)を実現することができる。より具体的には、RT2遊技状態をCZとして用いることができる。
(移行抽籤を一義的に定めた確率で行う場合のCZの実現方法の別例)
続いて、図125(C)は、CZの実現方法の別例を示す図である。図125(C)に示す方法では、MB(第二種特別役物に係る役物連続作動装置)を用いてCZを実現する。この方法におけるパチスロ機1では、MB中にも抽籤される役物として、シングルボーナス(以下「SB」)とレギュラーボーナス(以下「RB」)とを有し、MBの終了条件を、(A)規定枚数を超えるメダルが払い出されたこと、(B)MB中にSBが成立(内部当籤役として決定、又は入賞)すること、(C)MB中にRBが成立(内部当籤役として決定、又は入賞)すること、の3つの条件の何れかが満たされることとする。そして、パチスロ機1では、満たされた終了条件に応じて、MB終了後にART遊技状態に移行させる。例えば、図125(C)に示す例では、MBがRBの成立により終了すると、MB終了後にART遊技状態に移行し、その他の条件によりMBが終了した場合には、MB終了後にART遊技状態には移行しないこととしている。
すなわち、図125(C)に示す例では、SB成立によるMB終了(いわゆるパンク)や、規定枚数のメダルの払出を受けるよりも前にRBが成立した場合には、ART遊技状態への移行に当籤するというチャンスゾーン(CZ)として機能することになる。
なお、MB中のリール停止制御として、RBが内部当籤役として決定された遊技においてもメダルの払出のある図柄の組合せを優先して停止させることが可能であるため、規定枚数を超えるメダルの払出があった遊技と、RBが内部当籤役として決定された遊技とが同じ遊技であることもある。このような場合には、終了条件(C)が満たされたとしてART遊技状態に移行することが好ましい。
図125(C)に示す例では、(1)通常区間においてMBが入賞すると、CZであるMBに遊技状態が移行する。そして、(2)MB中に規定枚数を超えるメダルが払い出されると、又はSBが成立すると、CZであるMBが終了し、遊技状態が通常区間に移行する。一方で、(3)MB中にRBが内部当籤役として決定されると、CZであるMBが終了し、遊技状態がRBフラグ間に移行する。そして、(4)このRBフラグ間においてRBが入賞すると、遊技状態がRBに移行し、その後(5)RBが終了すると、RB終了を契機として発生する高RTにてART遊技状態が開始される。なお、MB中のRBが内部当籤役として決定された遊技においてRBが入賞した場合には、RBフラグ間を経由せずに、MBが終了した次の遊技からRBが開始する。
このようなパチスロ機1において、通常区間中における(CZとして機能する)MBの当籤確率、及びMB中における(ART遊技状態への移行契機となる)RBの当籤確率は、全ての設定値において共通の確率であるが、MB中における(CZの終了契機となる)SBの当籤確率は、全ての設定値において共通の確率としてもよく、設定値に応じて異なる確率としてもよい。例えば、MB中におけるSBの当籤確率を設定値に応じて異ならせる場合には、高設定ほどSBの当籤確率を低くして、MBが長く続きやすくすることでCZ(MB)中におけるART遊技状態への移行期待度を高めることができ、出玉仕様のバリエーションを豊富にすることができる。
また、ART遊技状態への移行契機となるRBの当籤確率は、他の終了条件との関係により任意に設定することができるが、現実的に当籤が期待できる確率にする方がゲームバランスが良くなるため、規定枚数を10〜30枚などの少なめにして、MB中にRBが比較的高確率で内部当籤役として決定されることとすることが好ましい。
(主制御基板の別構成例)
ここで、内部抽籤テーブルを用いた内部抽籤、及び移行抽籤テーブルを用いた移行抽籤は、主制御基板71において実行される。主制御基板71では、記憶手段(メインROM)の容量が限られているため、内部抽籤に加えて移行抽籤も行う場合には、抽籤のバリエーションが単調になってしまう。そこで、主制御基板71の改良方法を以下に示す。
図117(B)は、主制御基板の別構成例を示す図である。図117(B)において、主制御回路には、第1主制御基板71aと、第2主制御基板71bとが設けられる。これら第1主制御基板71a及び第2主制御基板71bは、シリアル通信等で双方向の通信が可能に接続される。なお、第1主制御基板71a及び第2主制御基板71bの構成は、図117に示した構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
このように主制御基板として、複数の第1主制御基板71a及び第2主制御基板71bを設け、例えば、第1主制御基板71aにおいて内部抽籤テーブルを用いた内部抽籤を行い、第2主制御基板71bにおいて移行抽籤テーブルを用いた移行抽籤を行うことで、それぞれの抽籤に用いる記憶手段の容量を十分に確保することができ、バリエーションに富んだ抽籤を行うことができる。
なお、図117(B)では、第1主制御基板71a及び第2主制御基板71bを双方向の通信が可能な構成としているが、これに限られるものではなく、第1主制御基板71aを上流、第2主制御基板71bを下流として、一方向(第1主制御基板71aから第2主制御基板71b)にのみ通信可能な構成としてもよい。一方向のみの通信とすることで、双方向通信とする場合よりも通信負荷の軽減を図ることができる。
また、内部抽籤と移行抽籤とを別の基板(第1主制御基板71a及び第2主制御基板71b)で行う場合には、内部抽籤と移行抽籤とを行う順序は任意である。例えば、一方の基板において先ず移行抽籤を行った後に、他の基板において内部抽籤を行うこととしてもよく、反対に、一方の基板において先ず内部抽籤を行った後に、他の基板において移行抽籤を行うこととしてもよい。この場合において、先に移行抽籤を行う場合には、移行抽籤の際に内部抽籤の結果(内部当籤役)を把握できないため、移行抽籤を内部抽籤の結果に影響されない形で行うことになる。例えば、内部当籤役に関わらず、単位遊技毎に所定の確率で移行抽籤を行う仕様の場合は、このような構成としてもよい。これにより、実際の内部当籤役と異なる当籤役情報を不正に入力するという不正行為を行ったとしても、移行抽籤の結果には影響がないため、有利な移行抽籤の結果を発生させるという不正行為を抑制できる。また、移行抽籤を先に行う場合には、内部当籤役が関係ないため設定値に差のない抽籤を行うだけで、設定値に差のない情報に基づく抽籤を行うことができる。
反対に、先に内部抽籤を行う場合には、この内部抽籤の結果として決定された内部当籤役を参照して移行抽籤を行うこととしてもよく、また、内部抽籤の結果として決定された内部当籤役を参照することなく移行抽籤を行うこととしてもよい。内部当籤役を参照して移行抽籤を行う場合には、上述のように設定不問役に基づき移行抽籤を行うことで、設定値に差のない情報に基づく抽籤を行うことができ、また、内部当籤役を参照することなく移行抽籤を行う場合には、設定値に差のない抽籤を行うことで、設定値に差のない情報に基づく抽籤を行うことができる。
また、図117(C)は、主制御基板の更に別の構成例を示す図である。主制御基板71において不足しているものは、記憶手段(メインROM)の容量であるため、図117(C)では、第1メインROM32a及び第2メインROM32bのように、一つの主制御基板71上に複数のメインROMを設ける。この場合において、例えば、第1メインROM32aに、内部抽籤に用いる各種のテーブルを格納し、第2メインROM32bに、移行抽籤に用いる各種のテーブルを格納することで、それぞれの抽籤に用いる記憶手段の容量を十分に確保することができ、バリエーションに富んだ抽籤を行うことができる。
(特定区間から通常区間への移行)
続いて、図122に戻り、特定区間から通常区間への移行に関して説明する。特定区間から通常区間へは、特定区間の終了条件を満たすと移行する。なお、特定区間の終了条件は、特定区間中のゲーム数、特定区間中に行われたナビ回数、特定区間中に払い出されたメダルの枚数や差枚数等の任意の条件を用いることができる。また、特定区間の種類に応じて終了条件が異なっていてもよく、例えば、CZとART遊技状態とで、終了条件が異なっていてもよい。
このように特定区間は、基本的には終了条件を満たすと終了するが、本実施形態のパチスロ機1では、例外的に、特定区間が長期間にわたり継続した場合には終了条件を満たすことなく、特定区間から通常区間へ移行し(リミット処理)、また、特定区間の終了条件を満たしたときであっても、保証回数分のナビが行われていない場合には、その後、保証回数分のナビが行われるまで特定区間を終了することなく継続し、保証回数分のナビが行われたことに応じて、特定区間から通常区間へ移行する(ナビ保証処理)。
(リミット処理)
ここで、図126及び図127を参照して、本実施形態のパチスロ機1におけるリミット処理について説明する。図126は、特定区間のリミットゲーム数の計数方法を示す図であり、図127は、特定区間のリミット処理の流れを示す図である。
パチスロ機では、CZやART遊技状態等の特定区間が長期間にわたり継続して行われてしまうと、特定区間中に遊技者が得る利益が大きくなってしまうとともに、全体的な利益のバランスをとるために通常区間中に遊技者が得る利益を減らす必要があり、遊技の射幸性を高めてしまうことになる。そのため、近年では、遊技者にとって有利な状態の継続期間を一定期間に抑えることが求められている。リミット処理は、遊技者にとって有利な特定区間の継続期間を一定期間(例えば、1500ゲーム)に抑える処理である。
(リミットゲーム数の計数方法)
初めに、図126を参照して、リミット処理を行う際の特定区間のリミットゲーム数の計数方法について説明する。図126(A)に示すように、主制御基板71は、特定区間が継続している場合、その継続ゲーム数(リミットゲーム数)を計数する。例えば、ART遊技状態が継続している場合には、主制御基板71は、継続ゲーム数を毎遊技1ずつ加算することで、リミットゲーム数を計数する。また、例えば、通常区間からCZに移行した後にART遊技状態に移行した場合、上述のように特定区間には、少なくともCZ及びART遊技状態が含まれるため、主制御基板71は、CZの継続ゲーム数、及びその後、連続して行われるART遊技状態の継続ゲーム数の和を、リミットゲーム数として計数する。
ところで、パチスロ機によっては、図126(B)に示すように、ART遊技状態やCZ(特定区間)に移行する際に、直ちに移行することなく、待機区間を挟むことがある。例えば、通常区間と特定区間とでRT遊技状態を異ならせるパチスロ機では、RT遊技状態を遷移させてから特定区間を開始する必要があるため、一度、待機区間を挟むことがある。具体的なケースとしては、特定区間への移行抽籤に当籤した場合の、通常区間から特定区間への移行の際に待機区間を挟むことがあり、また、特定区間中にボーナス(役物)が作動した場合の、ボーナス終了後の特定区間への復帰の際に待機区間を挟むことがある。
このような待機区間については、主制御基板71は、リミットゲーム数として計数してもよく、また、計数しないこととしてもよい。すなわち、主制御基板71は、図126(B)における「A1」〜「An」の回数分の遊技は、リミットゲーム数として計数することとしてもよく、また、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
また、主制御基板71は、待機区間の種別に応じて、リミットゲーム数として計数するか否かを異ならせることとしてもよい。例えば、特定区間への移行抽籤に当籤した場合の、通常区間から特定区間への移行の際に挟む特定区間については、リミットゲーム数として計数せず、特定区間中にボーナス(役物)が作動した場合の、ボーナス終了後の特定区間への復帰の際に挟む待機区間については、全体として一連の有利な状態中であるとして、リミットゲーム数として計数することとしてもよい。
また、主制御基板71は、待機区間中に行われる報知(ナビ)の種類に応じて、リミットゲーム数として計数するか否かを異ならせることとしてもよい。RT遊技状態を遷移させるために待機区間を設ける場合、待機区間中は、少なくともRT遊技状態を遷移させるための報知を行う必要があるものの、メダルの増減に係る押し順役についての報知は、必ずしも行う必要はない。第1実施形態のパチスロ機1では、ベルこぼし目の図柄の組合せがRT遊技状態を遷移させることになるためメダルの増減に係る押し順役「押し順ベル」を報知する必要があるものの、このベルこぼし目の図柄の組合せを、RT遊技状態を遷移させない制御とした場合には、メダルの増減に係る押し順役「押し順ベル」は、待機区間中に必ずしも報知しなくてもよい。
そこで、主制御基板71は、メダルの増減に係る押し順役についての報知を行う待機区間については、遊技者にとって有利な状態中であるとして、リミットゲーム数として計数し、メダルの増減に係る押し順役についての報知を行わない待機区間については、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
また、パチスロ機によっては、図126(C)に示すように、ART遊技状態やCZ(特定区間)中に、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されると、特定区間中にボーナスのフラグ間及びボーナス状態を挟むことがある。主制御基板71は、これらフラグ間やボーナス状態中の遊技を、リミットゲーム数として計数してもよく、また、計数しないこととしてもよい。すなわち、主制御基板71は、図126(C)における「C1」〜「Cn」の回数分の遊技や、「D1」〜「Dn」の回数分の遊技は、リミットゲーム数として計数することとしてもよく、また、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
この場合において、主制御基板71は、フラグ間中の遊技は、リミットゲーム数として計数する一方で、ボーナス状態中の遊技は、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよく、また反対に、フラグ間中の遊技は、リミットゲーム数として計数しない一方で、ボーナス状態中の遊技は、リミットゲーム数として計数することとしてもよい。また、フラグ間中の遊技、及びボーナス状態中の遊技の双方ともに、リミットゲーム数として計数することとしてもよく、また反対に、双方ともに、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
また、主制御基板71は、フラグ間中に行われる報知(ナビ)の種類に応じて、リミットゲーム数として計数するか否かを異ならせることとしてもよい。具体的には、主制御基板71は、メダルの増減に係る押し順役についての報知を行うフラグ間中については、遊技者にとって有利な状態中であるとして、リミットゲーム数として計数し、メダルの増減に係る押し順役についての報知を行わないフラグ間中については、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
また、主制御基板71は、ボーナス状態中に行われる報知(ナビ)の種類に応じて、リミットゲーム数として計数するか否かを異ならせることとしてもよい。パチスロ機によっては、ボーナス状態中にも押し順役(すなわち、押し順に応じて払い出されるメダルの枚数が異なる役)を当籤可能にすることがある。このようなパチスロ機では、ボーナス状態中に押し順役を報知することで、遊技者は、より多くの利益を得ることができる。そこで、主制御基板71は、ボーナス状態中に遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する場合には、ボーナス状態中の遊技をリミットゲーム数として計数し、ボーナス状態中に遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知しない場合には、ボーナス状態中の遊技をリミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
(リミット処理の流れ)
続いて、図127を参照して、リミット処理の流れについて説明する。図127(A)に示すように、主制御基板71は、上述した計数方法に従い計数したリミットゲーム数が一定ゲーム数(例えば、1500ゲーム)に達すると、遊技状態を特定区間から通常区間に移行させる。すなわち、主制御基板71は、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達すると、ゲーム数やナビ回数等が未だ残っている場合(終了条件を満たしていない場合)であっても、特定区間を終了する。
そして、特定区間の終了に伴い、主制御基板71は、報知(ナビ)の発生に関する変数の値を初期化する初期化処理を行う。なお、この初期化処理においてRT遊技状態は、そのまま維持しても、初期化して低RT状態であるRT0としても良い。例えば、ART遊技状態用のRT遊技状態において、ベルこぼし目や転落リプレイなどの図柄の組み合わせによるRT遊技状態への移行を行わず、規定ゲーム数の消化又はボーナスの当籤で終了となるRT遊技状態である場合、リミット処理によりナビが非発生となったとしても、高RTという遊技者に有利な状態が続いてしまうため、後者の仕様として、リプレイ確率の低い遊技状態とすることが望ましい。特に規定ゲーム数が6000ゲームなど大きい値で実質的に次回ボーナスまで継続するようなRT遊技状態である場合に、リミット処理でRT遊技状態を転落させることで、射幸性を適切に抑制することができる。
このようにリミット処理を行う場合、主制御基板71は、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達するまでは、状態表示器147bを点灯し続け、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達し、特定区間を終了すると状態表示器147bを消灯する。また、主制御基板71は、リミット処理により特定区間を終了した場合には、その後、所定期間にわたり、リミットランプ148を点灯させる。なお、所定期間としては、リミット処理をリミットゲーム数が一定ゲーム数に達した遊技の終了時に行う場合には、例えば、リミット処理が行われた遊技の次遊技中であってよい。また、上述したように、主制御基板71は、リミット処理の発動が近い場合にリミットランプ148を点滅させ、リミット処理の発動が近いことを遊技者に報せることとしてもよい。
ここで、例えば、ボーナス状態中の遊技もリミットゲーム数として計数する場合、ボーナス状態中にリミットゲーム数が一定ゲーム数に達してしまうことがある。この場合には、図127(B)に示すように、主制御基板71は、ボーナス状態中であっても、リミット処理を行い、遊技状態を特定区間から通常区間に移行させることとしてもよい。また、図127(C)に示すように、主制御基板71は、ボーナス状態中は、リミット処理を行うことなく、ボーナスが終了したタイミングでリミット処理を行うこととしてもよい。すなわち、図127(B)に示す例では、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達したタイミングで、特定区間から通常区間に遊技状態が移行しており、図127(C)に示す例では、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達したタイミングではなく、その後、ボーナス状態が終了したタイミングで、特定区間から通常区間に遊技状態が移行している。
もちろん、特定区間の待機区間中や、ボーナスのフラグ間中も同様に、当該遊技中もリミットゲーム数として計数する場合には、待機区間中やフラグ間中にリミットゲーム数が一定ゲーム数に達すると、待機区間中やフラグ間中であってもリミット処理を行うこととしてもよく、また、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達した後に待機区間から特定区間に移行したタイミング、又はリミットゲーム数が一定ゲーム数に達した後にフラグ間からボーナス状態を経て特定区間に移行したタイミングで、リミット処理を行うこととしてもよい。
(リミット処理時の外部機器への信号出力)
また、主制御基板71は、リミット処理により特定区間を終了した場合に、その旨を示す所定の信号を外部機器(データカウンタやホールコンピュータ)に対して出力する。この信号の出力を受けることで、ホール側では、当該パチスロ機においてリミット処理が行われたことを把握することができ、従来把握することができなかった新たな情報を把握することができる。
なお、ボーナス状態中にリミットゲーム数が一定ゲーム数に達してしまった場合には、主制御基板71は、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達したタイミング(すなわち、ボーナス状態中)で、外部機器に対して所定の信号を出力することとしてもよく、また、ボーナス状態が終了したタイミングで、外部機器に対して所定の信号を出力する(すなわち、主制御基板71は、特定区間中のボーナス状態中にリミットゲーム数が一定ゲーム数に達すると、当該ボーナス状態の終了時に、外部機器に対して所定の信号を出力する)こととしてもよい。
また、主制御基板71は、一台のパチスロ機1において通常想定される回数を超える回数だけリミット処理が行われた場合に、リミット処理が行われたことを示す信号(リミット信号)だけでなく、リミット処理が想定以上の回数行われたことを示す信号(エラー信号)も外部機器に対して出力することとしてもよい。具体的には、主制御基板71は、特定期間内にリミットゲーム数が一定ゲーム数に達した回数(すなわち、リミット処理が行われた回数)が所定回数に達すると、外部に対して特定の信号を出力する。一例として、主制御基板71は、パチスロ機1の電源投入から電源を落とすまでの間に想定を超える回数だけリミット処理が行われた場合に、リミット信号と合わせてエラー信号も外部機器に対して出力する。これにより、例えば、一日の間にリミット処理が10回といった普通ではありえない回数行われた場合に、ホール側においてそのことを把握することができる。
(ナビ保証処理)
続いて、図128を参照して、本実施形態のパチスロ機1におけるナビ保証処理について説明する。図128は、特定区間終了時のナビ保証処理の流れを示す図である。
特定区間の終了条件をゲーム数により管理するパチスロ機の場合、特定区間中に報知対象となる役(例えば、押し順ベル等)が内部当籤役として決定される回数が少ないと、特定区間中に払い出されるメダルが少なく、遊技者が損失感を覚えてしまうことがある。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間に移行した場合に、最低限のナビ回数を保証し、この保証回数分のナビが行われるまで特定区間を終了することなく継続する。
ここで、図128では、特定区間の終了条件がゲーム数により管理されるものであり、また、図128(A)〜(C)では、50ゲーム終了時に、特定区間の終了条件が満たされているものとする。図128(A)に示す例では、特定区間が50ゲーム継続した(すなわち、終了条件が満たされた)時点で、未だ保証回数分の報知(ナビ)が行われていない。このような場合には、主制御基板71は、終了条件を満たしたとしても特定区間を継続する。図128(A)に示す例では、その後、54ゲーム目に報知対象の役(例えば、押し順ベル)が内部当籤役として決定され、当該報知対象の役に対する報知が行われている。主制御基板71は、この報知に伴い保証回数分の報知が行われた場合には、特定区間を終了する。一方、主制御基板71は、特定区間の終了条件を満たした後の報知によっても、未だ保証回数分の報知が行われていない場合には、特定区間を終了することなく、継続する。
ところで、パチスロ機の中には、押し順役として、押し順正解時のメダルの払出枚数が異なる複数種類の押し順役を設け、主制御基板71が特定区間中にこれらの押し順役に対して正解の押し順を報知することがある。複数種類の押し順役としては、例えば、押し順に正解した場合であってもメダルが増加しない(すなわち、払出枚数が投入枚数以下)、又はメダルの増加が極めて少ない(例えば、3ベット時の払出枚数が4枚)押し順役や、押し順に正解した場合にメダルが増加(例えば、3ベット時の払出枚数が9枚)する押し順役が考えられる。なお、いずれの押し順役であっても、押し順に不正解のときには、押し順に正解したときよりもメダルの払出枚数が少ない、又はメダルの払出枚数が0枚である点は、共通である。
遊技者からすると、押し順正解時にメダルが増加しない又は増加が極めて少ない押し順役に対する報知が行われたとしても、特定区間中に獲得するメダルの総数が増加しないため、これらの押し順役については、特定区間中にナビ回数が保証されている必要はない。これに対して、押し順正解時にメダルが増加する押し順役については、特定区間中に獲得するメダルの総数に影響を与えるため、遊技者からすると、特定区間中にナビ回数が保証されていることが好ましい。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、押し順正解時のメダルの払出枚数が異なる複数種類の押し順役のうち、押し順正解時の払出枚数が投入枚数よりも多い押し順役についてのみ、ナビ回数を保証し、押し順正解時の払出枚数が投入枚数以下の押し順役については、ナビ回数を保証しないこととしてもよい。また、押し順正解時のメダルの払出枚数が異なる複数種類の押し順役のうち、押し順正解時の払出枚数が最も多い押し順役についてのみ、ナビ回数を保証し、それ以外の押し順役については、ナビ回数を保証しないこととしてもよい。
具体的には、主制御基板71は、特定区間中に、ナビ回数を保証する押し順役に対する報知が保証回数以上行われている状況で、特定区間の終了条件が満たされると、ナビ回数を保証しない押し順役に対する報知の回数に関わらず、特定区間の終了条件が満たされたことを条件に特定区間を終了する。一方で、主制御基板71は、特定区間中に、ナビ回数を保証する押し順役に対する報知が保証回数以上行われていない状況で、特定区間の終了条件が満たされた場合には、特定区間を終了することなく継続し、その後、ナビ回数を保証する押し順役に対する報知が保証回数分行われたタイミングで、特定区間を終了する。
このようにすることで、特定区間中に獲得するメダルの総数に影響を与える押し順役についての報知(ナビ)回数が保証されることになるため、遊技者が感じる損失を軽減することができる。
続いて、ボーナス状態を挟みつつ保証回数分の報知が行われることなく特定区間の終了条件が満たされた場合について説明する。図128(B)(C)は、特定区間の終了条件を満たしたとき(50ゲーム終了時)に、未だ保証回数分の報知が行われていないものの、終了条件を満たす前の特定区間中にボーナス状態に一度移行している例を示している。
ボーナス状態は、基本的には遊技者にとって有利な遊技状態であるため、特定区間を全体としてみると、遊技者には一定の利益が付与されていると考えることができる。そこで、主制御基板71は、図128(B)に示すように、特定区間の終了条件を満たしたときに、未だ保証回数分の報知が行われていない場合であっても、この特定区間中に一度でもボーナス状態に移行しているときには、特定区間の終了条件を満たしたことをもって、特定区間を終了させることとしてもよい。
一方で、図128(C)に示すように、主制御基板71は、特定区間の終了条件を満たしたときに、未だ保証回数分の報知が行われていない場合には、この特定区間中にボーナス状態に移行していたか否かに関係なく、保証回数分の報知が行われるまでは特定区間を継続し、その後、保証回数分の報知が行われたタイミングで特定区間を終了することとしてもよい。
続いて、保証回数分の報知が行われることなく特定区間のリミットゲーム数が一定ゲーム数に達した場合について説明する。リミットゲーム数が一定ゲーム数に達するまで特定区間が継続した場合には、遊技者には一定の利益が付与されていると考えることができるため、主制御基板71は、図128(D)に示すように、特定区間のリミットゲーム数が一定ゲーム数に達すると、未だ保証回数分の報知が行われていない場合であっても、特定区間を終了させることとしてもよい。反対に、図128(E)に示すように、主制御基板71は、特定区間のリミットゲーム数が一定ゲーム数に達したとしても、未だ保証回数分の報知が行われていない場合には、保証回数分の報知が行われるまでは特定区間を継続し、その後、保証回数分の報知が行われたタイミングで特定区間を終了することとしてもよい。
なお、ナビ保証処理により、保証回数分の報知が行われるまで特定区間を継続する場合、終了条件を満たした後の特定区間中にいわゆる上乗せ抽籤を行うか否かは任意である。すなわち、主制御基板71は、特定区間中は終了条件を満たすまでは上乗せ抽籤を行う一方で、終了条件を満たした後は、特定区間中であっても上乗せ抽籤を行わないこととしてもよい。反対に、主制御基板71は、終了条件を満たした後も保証回数分の報知が行われるまでの期間は上乗せ抽籤を行うこととしてもよい。
また、ナビ保証処理により、保証回数分の報知が行われるまで特定区間を継続する場合、表示ユニット100等の液晶表示装置上では、特定区間の終了条件を満たしたタイミングで通常画面に戻し、その後、報知の対象となる押し順役が内部当籤役として決定されると、この通常画面上で押し順の報知(ナビ)を行うこととしてもよい。すなわち、保証回数分の報知が行われることなく特定区間の終了条件を満たした場合、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯させ続けるものの、副制御基板72は、特定区間中の表示画面から通常区間中の表示画面に表示画面を切り替える。そして、その後、報知の対象となる押し順役が内部当籤役として決定されると、主制御基板71は、指示モニタ147の報知ランプ147aを介して押し順を報知するとともに、副制御基板72は、通常画面上で押し順を報知する。そして、保証回数分の報知が行われると、主制御基板71は、状態表示器147bを消灯させることとしてもよい。
<それぞれの遊技状態の概要>
以上、本実施形態のパチスロ機1の遊技フローの概要について説明した。続いて、図123を参照して、本実施形態のパチスロ機1が有するそれぞれの遊技状態の概要について説明する。
図123に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、大きく分類すると、通常区間と、待機区間と、特定区間とを有する。通常区間は、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知されない状態であり、特定区間は、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知される状態である。また、待機区間は、特定区間への移行抽籤に当籤した後の、通常区間から特定区間に移行するまでの間の状態である。
通常区間、待機区間及び特定区間には、ボーナスに係る役の当籤の有無又はボーナスの作動の有無に応じて、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されておらず、かつ、ボーナスが作動していない「ボーナス非作動(非フラグ間)」と、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定され、かつ、ボーナスが作動していない「フラグ間」と、内部当籤役として決定される確率に設定差がないボーナス役に応じたボーナスが作動している「ボーナス状態(設定差なし)」と、内部当籤役として決定される確率に設定差があるボーナス役に応じたボーナスが作動している「ボーナス状態(設定差あり)」と、の遊技状態が含まれる。
図123に示すように、通常区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、状態表示器147bを消灯させるとともに、内部当籤役として報知に係る役が決定されている場合には、これらの役をグループ化して副制御基板72に対して送信する。具体的には、役「F_3択ベル_1st」「F_3択ベル_2nd」「F_3択ベル_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定された場合、主制御基板71は、これらの役をグループ化した役「押し順ベル」が内部当籤役として決定されたとして、副制御基板72に対して情報を送信する。
また、通常区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」及び「ボーナス状態(設定差なし)」では、主制御基板71は、設定値に差のない情報に基づいて特定区間への移行抽籤を行う一方で、通常区間の「フラグ間」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、特定区間への移行抽籤を行わない。また、通常区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、特定区間の継続期間の上乗せ抽籤や、押し順役当籤時の報知を行わない。
また、待機区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯させる。なお、主制御基板71は、待機区間中と特定区間中とで状態表示器147bを異なる態様で点灯させることとしてもよい。
また、待機区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、押し順役当籤時の正解の押し順の報知を行うこととしてもよく、また、行わないこととしてもよい。なお、正解の押し順の報知を行う場合には、主制御基板71は、報知に係る役をグループ化することなく、副制御基板72に対して送信する。具体的には、役「F_3択ベル_1st」「F_3択ベル_2nd」「F_3択ベル_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定された場合には、主制御基板71は、実際に内部当籤役として決定されている役の種類を特定できる情報を、副制御基板72対して送信する。一方、正解の押し順の報知を行わない場合には、主制御基板71は、報知に係る役をグループ化して、副制御基板72に対して送信する。
また、待機区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、当籤している特定区間への移行抽籤を行わない(ただし、当籤している特定区間とは異なる特定区間については移行抽籤を行うこととしてもよい)。また、待機区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、特定区間の継続期間の上乗せ抽籤を行わない。なお、待機区間の「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、設定値に差のない情報に基づいて特定区間の継続期間の上乗せ抽籤を行うこととしてもよく、また、行わないこととしてもよい。
また、特定区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯させるとともに、押し順役当籤時の正解の押し順の報知を行う。そのため、主制御基板71は、特定区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、報知に係る役をグループ化することなく、副制御基板72に対して送信する。
また、主制御基板71は、特定区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、当籤している特定区間への移行抽籤を行わない(ただし、当籤している特定区間とは異なる特定区間については移行抽籤を行うこととしてもよい)。また、主制御基板71は、特定区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」及び「ボーナス状態(設定差なし)」では、設定値に差のない情報に基づいて特定区間の継続期間の上乗せ抽籤を行う一方で、特定区間の「フラグ間」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、特定区間の継続期間の上乗せ抽籤を行わない。
なお、主制御基板71は、3ベット時にのみ特定区間への移行抽籤、又は特定区間の継続期間の上乗せ抽籤を行い、1ベット又は2ベット時には、これらの抽籤を行わないこととしてもよい。
<移行抽籤結果の外部機器への出力>
続いて、図129〜図131を参照して、特定区間への移行抽籤の結果を、パチスロ機からデータカウンタやホールコンピュータ等の外部機器に対して出力する際の流れについて説明する。
遊技店では、パチスロ機等と併せてデータカウンタやホールコンピュータ等の外部機器を設置しており、例えば、パチスロ機においてボーナス状態が開始すると、パチスロ機からデータカウンタに対して信号が出力され、データカウンタにおいてボーナス回数をカウントする。従来のパチスロ機では、特定区間への移行抽籤をサブ(副制御基板72)側で行っていたため、主制御基板71は、メイン(主制御基板71)側で認識できる事象(例えば、RT状態の遷移や特定の押し順で複数回停止操作が行われた等)から抽籤結果を推測して、その推測に基づいて外部機器に対して信号を出力していた。しかしながら、このような従来の方法では、移行抽籤に当籤したことを出力するタイミングが、実際に当籤したタイミングから数ゲーム遅れてしまう上、遊技者の停止操作により偶然に特定の押し順が繰り返されてしまうと、移行抽籤に当籤していないにも関わらず当籤していると推測してしまい、結果、誤った信号が出力されてしまうことがあった。
また、RT遊技状態の遷移に基づいて信号を出力する仕様では、ART中にボーナスを引いた場合、ボーナス消化後にボーナス終了時のRT遊技状態からART用のRT遊技状態へ復帰したときにも信号が出力されることがあった。このような場合には、正確なARTの当籤回数や消化セット数よりも多く当該信号出力がなされてしまい、遊技者が設定を推測や台選びをする際に正確な情報を把握しづらいという問題が生じていた。
この点、本実施形態のパチスロ機1では、推測結果からではなく、特定区間への移行抽籤の結果自体をそのまま外部機器に対して出力するため、移行抽籤の結果を精度良く外部機器に対して出力することができる。
図129は、外部機器への信号出力タイミングのパターン例を示す図である。図129において、タイミングT1は、特定区間(例えば、ART遊技状態)への移行抽籤に当籤した遊技の開始時であり、期間P1は、当該遊技の一遊技間の期間であり、期間P2は、次遊技の一遊技間の期間である。
図129に示す例において、タイミングT1(すなわち、遊技開始時)において、特定区間への移行抽籤に当籤している。本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤をメイン(主制御基板71)側で行っているため、主制御基板71では、タイミングT1の時点から移行抽籤に当籤したことを把握できる。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、移行抽籤に当籤した遊技の期間P1中の任意のタイミングで、移行抽籤の結果を外部機器に対して出力する。例えば、出力パターン例Aでは、主制御基板71は、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技の開始時(すなわち、スタートレバー6の操作時)に、外部機器に対して移行抽籤の結果を出力している。同様に、出力パターン例Bでは、主制御基板71は、当該遊技のリール回転開始時に外部機器に対して移行抽籤の結果を出力し、出力パターン例Cでは、当該遊技の第1停止操作時に外部機器に対して移行抽籤の結果を出力し、出力パターン例Dでは、当該遊技の全リール停止時に外部機器に対して移行抽籤の結果を出力している。
また、出力パターン例E,Fに示すように、主制御基板71は、移行抽籤に当籤した遊技よりも後の遊技において、外部機器に対して移行抽籤の結果を出力することもできる。例えば、出力パターン例Eでは、主制御基板71は、移行抽籤に当籤した遊技の次の遊技のためのメダル投入時に外部機器に対して移行抽籤の結果を出力している。また、出力パターン例Fでは、主制御基板71は、その後更に複数回の遊技が行われた任意の遊技中(例えば、特定区間が開始する遊技の開始時)に外部機器に対して移行抽籤の結果を出力している。
なお、図129に示す出力パターン例は、一例に過ぎず、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤に当籤した後の任意のタイミングで外部機器に対して移行抽籤の結果を出力することができる。
また、図120に示す状態表示器147bの点灯パターン例と、図129に示す外部機器への信号の出力パターン例とを任意に組み合わせることで、従来にない目新しい面白さを実現することもできる。具体的には、状態表示器147bの点灯よりも先に外部機器に対して移行抽籤に当籤したことを示す信号を出力することとしてもよく、反対に、状態表示器147bを点灯した後に外部機器に対して移行抽籤に当籤したことを示す信号を出力することとしてもよく、また、状態表示器147bの点灯と同時に外部機器に対して移行抽籤に当籤したことを示す信号を出力することとしてもよい。
例えば、外部機器への信号の出力を、状態表示器147bよりも先に行うことで、状態表示器147bの点灯よりも先に、外部機器(データカウンタ)においてカウンタが更新されるため、パチスロ機1以外の外部機器から特定区間の移行の察知を行うことができる。また、例えば、外部機器での処理時間を考慮して、外部機器への信号を状態表示器147bの点灯よりも少し前に出力することで、状態表示器147bの点灯(パチスロ機1における報知)タイミングと、外部機器の更新(パチスロ機1以外の報知)タイミングとを合わせることができ、遊技者の違和感を軽減することができる。
なお、例えば、ボーナスの種類が多く、外部機器に信号を出力する8ピン信号線に空いている出力ピンがない場合のように、外部集中端子板73からの出力ピンに限りがある場合には、主制御基板71は、移行抽籤に当籤した場合であっても、外部機器に対して信号を出力しないこととしてもよい。
また、上記実施例では移行抽籤に当籤した場合に、信号を出力するものとしたが、ARTなどの特定区間が継続する場合に信号を出力するものであっても良い。例えば、ART遊技状態を30ゲーム1セットしてセット数管理をする遊技仕様の場合、移行抽籤に当籤した時(いわゆる初当たり時)に信号出力し、1セット目の30ゲーム消化後、2セット目が開始されるタイミングで外部信号を出力するものとすることができる。このように信号出力することで、正確なセット数が把握できるようになる。また、初当たりの信号と、継続時の信号を異なる信号として、初当たり回数と継続回数を正確にデータカウンタで把握できるものとしてもよく、この場合はさらに遊技状況の把握精度が高めることができる。
なお、このようなセット数管理する遊技機では、ART遊技状態の途中でボーナス状態が開始した場合に、ボーナス終了後に当該セット中のボーナス当籤時からの残りゲーム数から遊技を再開するパチスロ機や、ボーナス終了後に新たなセットを初めから開始するパチスロ機がある。
前者の場合、例えば、ART遊技状態の1セットの30ゲーム中25ゲームを消化したところでボーナスに当籤しボーナス状態が開始した場合に、ボーナス終了後に残りゲーム数5ゲームの時点(ボーナス当籤時の残りゲーム数)からART遊技状態を再開させる。このような場合には、単に1セットが途中で区切られただけであるためART再開時に信号出力をしないことが望ましい。一方後者の場合、ART遊技状態中にボーナスに当籤したことの恩恵として、実質的に1セット分のARTが追加されることになるため、ART再開時に信号出力をすることが望ましい。なお、所定ゲーム数を1セットとするタイプのARTだけでなく、差枚数やナビ回数でARTのセット数を管理するタイプの場合も同様の信号出力処理を適用できる。
なお、ボーナス終了後に当該セット中のボーナス当籤時からの残りゲーム数から遊技を再開するパターンと、ボーナス終了後に新たなセットを初めから開始するパターンとの双方を有するパチスロ機も考えられる。例えば、ART遊技状態の残りゲーム数が所定値未満のときにボーナスに当籤した場合は救済措置として1セット追加し、残りゲーム数が所定値以上のときにボーナスに当籤した場合はボーナス終了後に残りゲーム数から遊技を再開するといった仕様が考えられる。
このようなパチスロ機では、主制御基板71は、ボーナス当籤時のARTの上乗せの有無に応じて、信号出力を制御する。すなわち、ボーナス当籤時にARTの上乗せが発生している場合には、主制御基板71は、ボーナス終了後のART遊技状態の再開時に信号出力を行い、ボーナス当籤時にARTの上乗せが発生していない場合には、主制御基板71は、ボーナス終了後のART遊技状態の再開時に信号出力を行わない。より具体的には、主制御基板71は、ART遊技状態の残りゲーム数が所定値未満のときにボーナスに当籤した場合は、ARTの上乗せが発生したとしてボーナス終了後のART再開時に信号出力を行い、残りゲーム数が所定値以上のときにボーナスに当籤した場合は、ARTの上乗せが発生していないとしてボーナス終了後のART再開時に信号出力を行わない。
言い換えると、主制御基板71は、ART遊技状態の残りゲーム数が所定値未満のときにボーナスに当籤した場合は、ボーナス終了後にボーナス当籤時に実行していたセットとは別のセットのART遊技状態を再開するとともに、外部に対して信号出力を行う。他方、主制御基板71は、ART遊技状態の残りゲーム数が所定値以上のときにボーナスに当籤した場合は、ボーナス終了後にボーナス当籤時に実行していたセットと同じセットのART遊技状態を再開するとともに、外部に対して信号出力を行わない。
また、ボーナス当籤時のART上乗せ発生の有無だけでなく、ボーナス入賞からART開始までのART上乗せの有無に応じて信号出力の有無を決定することとしてもよい。
なお、これまで説明した信号出力は、1回の出力によりデータカウンタの値が1上がるような信号であるが、価値の大きなART遊技状態を開始させる場合は、価値の大きさに応じてデータカウンタの値が複数値上がる信号としてもよい。例えば、通常1セット30ゲームのARTであるところ、プレミアムなどで1セット90ゲームからなるロングARTが開始される場合は、データカウンタの値が3上昇するように信号の出力を行うこととしてもよい。
また、通常1セット30ゲームのARTであるところ、次回ボーナスまで継続するARTを開始する場合、ボーナス当籤までの平均ゲーム数に応じてデータカウンタの値が上昇するように信号の出力を行うこととしてもよい。例えば、ボーナスの当籤確率が1/150である場合には、平均継続ゲーム数は150ゲームであり、5セット分に相当するため、データカウンタの値が5上昇する信号を出力する。この場合、ボーナスの当籤確率に設定差がある場合には、設定が特定されないように、どの設定であっても特定の設定値(例えば、設定6)のボーナス確率から決定される平均継続ゲーム数に応じた信号を出力する。このようにすることで、開始時に価値の異なる複数のART遊技状態を有するパチスロ機であっても、データカウンタなどから事後的に、どの程度の利益が得られたか判断し易くなる。なお、データカウンタの値が複数値上がる信号とは、値を1上げる信号を複数回、外部機器が識別できるように間隔を空けて送信するものとしてもよく、また、値を複数上げる専用の信号を1ショットで送信するものとしてもよい。
(外部機器と連携した演出例)
続いて、図130及び図131を参照して、特定区間への移行抽籤に当籤した場合に、外部機器と連携して行う演出例について説明する。図130は、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技中に外部機器に対して信号を出力する場合の演出例を示し、図131は、特定区間への移行抽籤に当籤した後の遊技において外部機器に対して信号を出力する場合の演出例を示す。
(演出例1)
図130に示す演出例1では、移行抽籤に当籤した遊技において、主制御基板71は、リール回転開始に先立ちリール3L,3C,3Rを逆回転し、その後、リール3L,3C,3Rを順回転させることで遊技を進行している。この演出例1では、タイミングT1は、リール3L,3C,3Rの逆回転を開始するタイミングであり、タイミングT2は、リール3L,3C,3Rの順回転を開始するタイミング(すなわち、リール回転開始時)であり、タイミングT3は、当該遊技の全リール停止時である。また、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯パターン例4(全リール停止時)のタイミングで点灯し、移行抽籤に当籤したことを出力パターン例B(リール回転開始時)のタイミングで外部機器に対して出力している。
タイミングT1に示すように、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技において、主制御基板71は、スタートレバー6の操作に基づいてリール3L,3C,3Rの回転を開始する。このとき、主制御基板71は、まず、リール3L,3C,3Rを逆方向に回転させる。また、副制御基板72では、表示ユニット100を制御して、パチスロ機1の上部に設置されたデータカウンタに注目する旨の表示を行うとともに、5秒のカウントダウンを表示する。ここで、リール3L,3C,3Rの逆回転とは、リール3L,3C,3Rが下から上に向かって回転するものであるため、遊技者にとってみれば、リール3L,3C,3Rの逆回転に伴い、視線が下から上に誘導される。また、このリール3L,3C,3Rによる視線の誘導と併せて、表示ユニット100においても、データカウンタへの注目を促すため、遊技者の興味は、データカウンタに対して強く引き付けられることになる。
タイミングT1〜タイミングT2では、副制御基板72は、表示ユニット100を制御して、カウントダウンを進行する。その後、タイミングT2になると、主制御基板71は、リール3L,3C,3Rを順方向に回転させるとともに、データカウンタに対して移行抽籤に当籤したことを示す信号を出力する。この信号を受けると、データカウンタでは、カウンタを更新し、また、「当たり」等の表示を行う。
このように演出例1では、リール3L,3C,3Rの逆回転、及び表示ユニット100による表示を利用して、データカウンタに視線を誘導し、その後、データカウンタに対して信号を出力することで、遊技者の視線を集めたデータカウンタ上で特定区間への移行抽籤に当籤したことを報知する。これにより、パチスロ機1だけでなく、外部機器(データカウンタ)と連携した演出を実行することができる。
また、演出例1では、タイミングT3になると、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯させる。副制御基板72では、状態表示器147bの点灯タイミングに合わせて、表示ユニット100に対して特定区間に当籤したことを示す映像等を表示する。このように演出例1では、状態表示器147bの点灯タイミングや外部機器への信号の出力タイミングに合わせて演出を行うことで、様々な演出を連動して行うことができ、演出効果を高めることができる。
(演出例2)
続いて、図131を参照して、演出例2について説明する。ART遊技状態等の特定区間を有するパチスロ機では、特定区間への移行抽籤に当籤した後に直ちに特定区間を開始せず、移行抽籤に当籤した後に所定回数の遊技が経過してから特定区間を開始することがあり、この所定回数の遊技中にいわゆる前兆演出を行うことがある。ところで、本実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71は、自身が行った移行抽籤の結果をそのまま外部機器に対して出力するため、図129において示した出力パターン例A〜Dのように、移行抽籤に当籤した遊技においても、移行抽籤の結果を外部機器に対して出力できてしまう。ここで、移行抽籤に当籤した遊技において移行抽籤の結果を外部機器に対して出力した場合、データカウンタ(外部機器)上でカウンタが更新されてしまうため、前兆演出を行っている最中にデータカウンタの値から演出結果(すなわち、移行抽籤の当否)が分かってしまい、興趣が削がれてしまう。
そこで、図131に示す演出例2では、主制御基板71は、特定区間の移行抽籤に当籤した遊技から32ゲーム後の遊技中の任意のタイミングで、移行抽籤の結果を外部機器に対して出力する。そして、主制御基板71及び副制御基板72は、演出例Aに示すように、この32ゲームの間に前兆演出を行う。これにより、前兆演出が行われる32ゲーム間は、データカウンタの値が更新されることがなく、遊技者は、前兆演出に対して関心を抱くことができる。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間の移行抽籤に当籤すると、当該遊技中に状態表示器147bを点灯させることとしているが、前兆演出中に状態表示器147bから移行抽籤の結果が把握できたのでは興趣が削がれてしまうため、状態表示器147bからは移行抽籤の結果が分かり難くしていることが好ましい。状態表示器147bから移行抽籤の結果を分かり難くする方法は、上述した通りである。
また、遊技者から登録操作を受け付けている場合には、前兆演出を行う期間をカスタマイズ可能にしてもよい。図131に示す例では、演出例Aは、32ゲーム間にわたり前兆演出が行われているが、演出例Bでは、16ゲーム間にわたり前兆演出が行われ、その後は、特定区間の当籤が確定した後の待機演出を行うこととしている。なお、待機演出としては、例えば、パチスロ機1に登場するキャラクタの紹介やストーリ紹介等であってもよく、また、設定値を示唆する演出等であってもよい。また、このように前兆演出の期間をカスタマイズ可能にした場合であっても、主制御基板71は、カスタマイズの有無に関わらず、同じタイミングで外部機器に対して信号を出力する。すなわち、図131に示す例では、演出例Aを行う場合であっても演出例Bを行う場合であっても共に、主制御基板71は、特定区間の移行抽籤に当籤した遊技から32ゲーム後の遊技中に、移行抽籤の結果を外部機器に対して出力している。
<特定区間中のナビ確保方法>
続いて、図132を参照して、特定区間中に遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する回数を確保するためのナビ確保方法について説明する。ART遊技状態等の特定区間を有するパチスロ機では、特定区間中にナビが行われないと特定区間中の遊技が単調になってしまい、遊技者の興趣を削いでしまうことがある。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間中にナビが行われ易い状態を作り出すことで、特定区間中の遊技が単調になってしまうことを防止する。
具体的には、パチスロ機1では、特定区間を開始するタイミングを、ボーナス状態の開始時としつつ、このボーナス状態中は、ボーナス非作動中に比べて高い確率で押し順役(報知対象役)を内部当籤役として決定する。そして、ボーナス状態の開始時に特定区間も併せて開始する場合には、ボーナス状態中に当籤した押し順役に対して正解の押し順を報知し、ボーナス状態の開始時に特定区間を開始しない場合には、ボーナス状態中に押し順を報知しない。これにより、特定区間中にナビが行われないという状況を避けることができ、結果、特定区間中の遊技の興趣を高めることができる。
特に、特定区間を開始するタイミングを、ボーナス状態の開始時としているため、特定区間中に一度もボーナス状態にならないという状況、すなわち、特定区間中にナビが行われ易い状況(ボーナス状態)に一度もならないという状況を回避することができ、結果、遊技者は、特定区間中に一定回数分のナビを受けることができる。
(ボーナス開始時の特定区間開始方法例)
ここで、特定区間を開始するタイミングを、ボーナス状態の開始時とする方法は、任意である。例えば、図132(A−1)に示すように、主制御基板71は、通常区間中に設定不問役であるボーナスに係る役が内部当籤役として決定(すなわち、ボーナス当籤)されたことに応じて、移行抽籤を行う。そして、主制御基板71は、この移行抽籤に当籤している状態で、当該ボーナスに係る役に応じた図柄の組合せが表示されると、ボーナス状態と併せて特定区間を開始し、主制御基板71及び副制御基板72は、ボーナス状態中に高い確率で内部当籤役として決定される押し順役に対して正解の押し順を報知する。一方、主制御基板71は、移行抽籤に当籤していない状態で、ボーナスに係る役に応じた図柄の組合せが表示された場合には、特定区間を開始することなくボーナス状態を開始し、主制御基板71及び副制御基板72は、ボーナス状態中に押し順役が内部当籤役として決定されても正解の押し順を報知しない。
また、図132(A−2)に示すように、主制御基板71は、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されたことではなく、通常区間中に設定不問役であるボーナスに係る役に応じた図柄の組合せが表示(すなわち、ボーナス入賞)されたことに応じて、移行抽籤を行うこととしてもよい。
また、図132(A−3)に示すように、主制御基板71は、通常区間中にボーナスに係る役とは関係なく移行抽籤を行うこととしてもよい。具体的には、主制御基板71は、通常区間中に設定値に差のない情報に基づいて特定区間への移行抽籤を行い、この移行抽籤に当籤した場合には、特定区間への移行権利を付与する。そして、その後にボーナスに係る役に応じた図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、移行権利が付与されている場合には、ボーナス状態と併せて特定区間を開始し、主制御基板71及び副制御基板72は、ボーナス状態中に高い確率で内部当籤役として決定される押し順役に対して正解の押し順を報知する。一方、主制御基板71は、移行権利が付与されていない場合には、特定区間を開始することなくボーナス状態を開始し、主制御基板71及び副制御基板72は、ボーナス状態中に押し順役が内部当籤役として決定されても正解の押し順を報知しない。
(データ例)
図132(B)は、特定区間中のナビ確保方法を実現するためのデータ構成例である。図132(B)に示すように、ボーナス状態中は、ボーナス状態中以外の状態に比べて高い確率で、押し順役(「F_3択役_1st」「F_3択役_2nd」「F_3択役_3rd」)が内部当籤役として決定される。この押し順役は、例えば、押し順に正解した場合には、9枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、押し順に不正解の場合には、5枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されるものである。また、ボーナス状態は、例えば、10枚以上のメダルが払い出されると終了することとする。
このようなデータ例によれば、ボーナス状態中に押し順役に対して正解の押し順を報知する場合には、遊技者は、ボーナス状態中に18枚(=9枚×2回)のメダルの払出を受けることができる一方で、ボーナス状態中に押し順役に対して正解の押し順を報知しない場合には、遊技者は、ボーナス状態中に10枚(=5枚×2回)のメダルの払出しか受けることができないこともある。
<特定区間を用いた前兆実現方法>
続いて、図133及び図134を参照して、本実施形態のパチスロ機1における前兆演出の実現方法について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤に当籤すると、その遊技中に状態表示器147bを点灯して、移行抽籤に当籤したことを報知するため、複数回の遊技にわたり行う演出を用いて移行抽籤の結果を報知することには適していない。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、当否を報せる対象の特定区間(第2特定区間)とは別の特定区間(第1特定区間)を用いて、この第1特定区間中に前兆演出を行うこととしている。
(特定区間移行に関する前兆方法1)
初めに、図133を参照して、第2特定区間への移行に関する前兆実現方法の一手法について説明する。この方法では、ショートART(第1特定区間)及びロングART(第2特定区間)という継続期間の異なる複数の特定区間を設け、ショートART中の遊技を、ロングARTへの移行に関する前兆遊技として扱う。
具体的には、図133(A)に示すように、パチスロ機1では、第1の期間(例えば、3ゲーム間)継続するショートARTと、第1の期間を超える第2の期間(例えば、53ゲーム(3+50)間)継続するロングARTとを設け、通常区間中に、ショートART又はロングARTへの移行抽籤を行う。図133(B)は、移行抽籤に用いる移行抽籤テーブルの一例を示す図である。主制御基板71は、設定値に差のない情報(内部当籤役)に基づいて、設定値により変動することのない確率でショートART又はロングARTへの移行抽籤を行う。
この移行抽籤において、ショートART又はロングARTのいずれかに当籤すると、パチスロ機1では、ショートARTが継続する期間中にロングARTに当籤したか否かを報知する前兆演出を行う。より具体的には、パチスロ機1では、ショートARTに当籤しているときには、このショートARTの継続期間である第1の期間中にロングARTに当籤していないことを報知する前兆演出を行う。一方で、パチスロ機1では、ロングARTに当籤しているときには、ロングARTの継続期間のうちの、開始からショートARTの継続期間である第1の期間までの間、ロングARTに当籤していることを報知する前兆演出を行うとともに、この前兆演出の後にロングARTに固有の演出を行う。
なお、ショートARTを用いて前兆演出を行う場合、ショートART及びロングARTのいずれも特定区間であるため、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯させる。すなわち、図133(A)に示すように、主制御基板71は、移行抽籤においてショートARTに当籤した場合には、ショートARTの継続期間である第1の期間中、状態表示器147bを点灯させ、また、移行抽籤においてロングARTに当籤した場合には、ロングARTの継続期間である第2の期間中、状態表示器147bを点灯させる。なお、主制御基板71は、ショートARTとロングARTとで、状態表示器147bを異なる態様で点灯することとしてもよく、また、同じ態様で点灯することとしてもよい。
また、ショートARTを用いて前兆演出を行う場合の、外部機器に対する信号の出力方法も任意である。例えば、主制御基板71は、移行抽籤においてショートARTに当籤した場合には、外部機器に対して信号を出力せずに、移行抽籤においてロングARTに当籤した場合にのみ、外部機器に対して信号を出力することとしてもよい。また、主制御基板71は、移行抽籤においてショートARTに当籤した場合も、ロングARTに当籤した場合もともに、外部機器に対して信号を出力することとしてもよい。
また、ショートART及びロングARTの終了条件としては、特定区間中のゲーム数、特定区間中に行われたナビ回数、特定区間中に払い出されたメダルの枚数や差枚数等の任意の条件を用いることができる。この場合において、ショートARTに対して用いる終了条件と、ロングARTに対して用いる終了条件とは、同一の種別であってもよく、また、異なる種別であってもよい。なお、同一の種別とは、例えば、ショートARTの終了条件としてゲーム数を用いる場合には、ロングARTの終了条件としてもゲーム数を用いることであり、異なる種別とは、例えば、ショートARTの終了条件としてゲーム数を用いる場合に、ロングARTの終了条件としてゲーム数以外の条件を用いることである。
続いて、図133(C)を参照して、ショートARTを用いて前兆遊技を行う場合の演出例について説明する。ショートART又はロングARTに当籤すると、副制御基板72は、表示ユニット100において、例えば「爆破チャンス突入」という演出を行う。この「爆破チャンス」演出は、ショートARTの継続期間である第1の期間中に、爆弾を爆破できるか否かにより、ロングARTへの当籤を報知する演出である。なお、図133に示す例では、ショートARTの継続期間が3ゲーム間であるものとしている。
副制御基板72は、移行抽籤においてショートARTに当籤していた場合(すなわち、ロングARTに非当籤の場合)、爆弾を爆破できないまま「爆破チャンス」演出を終了し、移行抽籤においてロングARTに当籤していた場合には、「爆破チャンス」演出において爆弾の爆破に成功する演出を実行する。なお、ロングARTに当籤していた場合に爆弾の爆破に成功するタイミングは、任意である。例えば、ショートARTの継続期間が3ゲームである場合には、1ゲーム目や2ゲーム目に爆弾の爆破に成功してもよく、3ゲーム目に爆弾の爆破に成功してもよく、また、4ゲーム目の開始時に爆弾の爆破に成功してもよい。
また、ショートART及びロングARTは、特定区間であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、前兆演出中に、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知することができる。図133(C)に示す例では、ロングARTの前兆演出である「爆破チャンス」演出中に押し順役が当籤しているため、主制御基板71及び副制御基板72は、当該押し順役に対して正解の押し順を報知している。このようにパチスロ機1では、前兆演出中に遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知することができるため、遊技の興趣が高まるはずの前兆演出中に、遊技者に対して損失感を与えてしまうことがない。
(特定区間移行に関する前兆方法2)
続いて、図134を参照して、第2特定区間への移行に関する前兆実現方法の別手法について説明する。上述の前兆方法1では、「爆破チャンス」演出の開始時に既に移行抽籤の結果が確定しているため、前兆演出の結果は前兆遊技の開始時に既に決まってしまっている。続いて説明する別手法では、前兆演出の結果を前兆遊技中に決定可能にする方法である。この方法では、CZ(第1特定区間)とART遊技状態(第2特定区間)という複数の特定区間を設け、CZ中の遊技を、ART遊技状態への移行に関する前兆遊技として扱う。
具体的には、図134(A)に示すように、パチスロ機1では、通常区間中にCZへの移行抽籤を行うとともに、CZ中にARTへの移行抽籤を行う。図134(B)は、移行抽籤に用いる移行抽籤テーブルの一例を示す図である。主制御基板71は、CZへの移行抽籤は、内部当籤役に基づいて行い、ART遊技状態への移行抽籤は、図柄の組合せに基づいて行う。具体的には、主制御基板71は、ベルこぼし目又は1枚出目の図柄の組合せが表示されると、ART遊技状態への移行抽籤を行わず、ベルの図柄の組合せが表示されると、ART遊技状態への移行抽籤を行う。そして、CZ中に押し順ベルに対して正解の押し順を報知することで、CZ中をART遊技状態に移行し易い状態とすることができる。
パチスロ機1では、通常区間中に行う移行抽籤においてCZに当籤すると、図134(C)に示す「爆破チャンス」演出を行う。この「爆破チャンス」演出は、例えば、3ゲーム継続し、この3ゲームの間に押し順ベルが内部当籤役として決定されると、正解の押し順が報知される結果、ART遊技状態への移行抽籤を受けることができる。そして、副制御基板72は、ART遊技状態への移行抽籤に当籤せずにCZが終了すると、爆弾を爆破できないまま「爆破チャンス」演出を終了し、CZの終了前にART遊技状態への移行抽籤に当籤した場合には、「爆破チャンス」演出において爆弾の爆破に成功する演出を実行する。
なお、主制御基板71は、CZ及びART遊技状態の双方において、状態表示器147bを点灯させるが、状態表示器147bの点灯の態様は任意である。すなわち、主制御基板71は、CZとART遊技状態とで状態表示器147bを異なる態様で点灯することとしてもよく、また、同じ態様で点灯することとしてもよい。
また、外部機器に対する信号の出力方法も任意である。例えば、主制御基板71は、移行抽籤にCZに当籤した場合には、外部機器に対して信号を出力せずに、移行抽籤においてART遊技状態に当籤した場合にのみ、外部機器に対して信号を出力することとしてもよい。また、主制御基板71は、移行抽籤においてCZに当籤した場合も、ART遊技状態に当籤した場合もともに、外部機器に対して信号を出力することとしてもよい。
また、CZ及びART遊技状態の終了条件は任意であり、それぞれ異なる種別の終了条件を用いることとしてもよく、また、同一の種別の終了条件を用いることとしてもよい。
また、上述の例の変形として、いわゆるギャップMBの開始時にショートART又はロングARTを開始させる仕様も考えられる。
ここで、ギャップMBとは、例えば、MBの終了条件が14枚を超えるメダルの払出であり、MB中には14枚のメダルが払い出される図柄の組合せ又は15枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されるMBにおいて、報知が行われる状態では、MB中の1回目の遊技において、14枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されることになる押し順を報知し、次の遊技において、15枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されることになる押し順を報知することで、29枚のメダルの払出が得られるものの、報知が行われない状態では、15枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されることが多く、15枚のメダルの払出で終了してしまうMBをいう。
上述の例では、押し順役が内部当籤役として決定されるまで待ち続ける必要があるものの、このようなギャップMBの開始時にショートARTを開始させると、ショートART開始の遊技と次の遊技で押し順ナビが発生するため、押し順役が内部当籤役として決定されるまで待ち続ける必要がなくなり、遊技が間延びしなくなるため、遊技の興趣が高まる。また、ショートARTで終了したとしても、ギャップMBにより遊技が間延びしないため、通常の遊技でベルナビ回数を消化するよりも得られるメダルが多く、お得感のあるナビ消費を体感できるため、ロングARTにつながらなかったことによる残念さを軽減し、遊技者の遊技意欲の低下を抑制できる。
<ナビ回数の節約方法>
特定区間の継続期間の終了条件として、特定区間中に行われたナビ回数を用いる、いわゆるナビ回数管理のパチスロ機では、ナビ対象の役(報知対象役)が集中して当籤してしまうと、ナビが集中して行われてしまい、結果、特定区間が直ぐに終了してしまう。特定区間が直ぐに終了してしまったのでは、遊技者が不満に感じてしまう原因になってしまうため、以下では、図135を参照して、ナビ回数の節約方法について説明する。
特定区間の継続期間の終了条件としてナビ回数を用いる場合、本実施形態のパチスロ機1では、図135(A)に示すように、ボーナス状態中も遊技者にとって有利な停止操作の態様の報知が必要なボーナス(MB1)と、ボーナス状態中は遊技者にとって有利な停止操作の態様の報知が必要ないボーナス(MB2)とを設ける。具体的には、パチスロ機1では、主制御基板71は、MB1に応じた図柄の組合せが表示されるとMB1遊技状態を開始し、MB2に応じた図柄の組合せが表示されるMB2遊技状態を開始する。
図135(B)に示すように、主制御基板71は、MB1遊技状態中は、押し順に応じて払出枚数が異なる図柄の組合せが表示される役「F_維持リプ_1st+全小役」「F_維持リプ_2nd+全小役」「F_維持リプ_3rd+全小役」を内部当籤役として決定する一方で、MB2遊技状態中は、押し順に関わらず払出枚数が同じ図柄の組合せが表示される役のみを内部当籤役として決定する。そして、MB1遊技状態中は、押し順に応じて払出枚数が異なる可能性があるため、主制御基板71及び副制御基板72は、これらの役が内部当籤役として決定されると、正解の押し順(9枚役が表示される押し順)を報知する。
このようにすることで、特定区間中にMB1遊技状態が開始してしまった場合にはナビ回数を消費しつつ遊技を行うことになるものの、特定区間中にMB2遊技状態を開始できた場合には、ナビ回数を消費することなく遊技を行うことができ、ナビ回数の消費速度を緩和することができる。
なお、MB1遊技状態中は、押し順に応じて払出枚数が異なる図柄の組合せが表示される役を内部当籤役として決定する一方で、MB2遊技状態中は、押し順に関わらず払出枚数が同じ図柄の組合せが表示される役のみを内部当籤役として決定することを実現する方法は任意である。一例として、MB1遊技状態を3ベット専用の遊技状態として、MB1遊技状態中は、リプレイに係る役に関してのみ個別に抽籤しておき、全ての小役を内部当籤役として決定する際に個別に抽籤しておいたリプレイの種別に応じて停止制御を異ならせる。これにより、MB1遊技状態中は、押し順に応じて払出枚数が異なる図柄の組合せが表示される役を内部当籤役として決定することができる。一方で、MB2遊技状態を2ベット専用の遊技状態とし、2ベット時はどの小役もメダルの払出枚数が同じとなる役構成にする。これにより、MB2遊技状態中は、押し順に関わらず払出枚数が同じ図柄の組合せが表示される役のみを内部当籤役として決定することができる。
<リプナビとベルナビの個別管理>
続いて、図136〜図141を参照して、特定区間中にリプナビとベルナビとを個別に管理する方法について説明する。従来のパチスロ機では、特定区間中に、RT遊技状態を高リプ状態に維持するための報知、及びメダルを増加させるための報知の双方の報知を行うことが一般的であるが、これらの報知を個別に管理することで、従来にない新たな遊技性を実現することができる。
(遊技例1)
初めに、図136〜図138を参照して、リプナビとベルナビとを個別管理する場合の遊技例1について説明する。この遊技例1は、特定区間としてリプナビAT及びベルナビATという複数種類の特定区間を有する。リプナビATでは、RT遊技状態を高リプ状態に維持するための報知を行う一方で、メダルを増加させるための報知は行わない。また、ベルナビATでは、少なくともメダルを増加させるための報知を行うとともに、RT遊技状態を高リプ状態に維持するための報知は、必要に応じて行う。
図136(A)は、遊技例1における遊技フローである。図136(A)に示すように、パチスロ機1は、RT遊技状態として、リプレイに係る内部当籤役の種別及びその当籤確率が互いに異なる、RT0遊技状態〜RT3遊技状態の3種類の状態を設ける。RT0遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が低確率となる遊技状態であり、ボーナス終了後、初期化処理後、及び設定変更後等に滞在する遊技状態である。また、RT1遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が低確率となる遊技状態であり、主に通常遊技において使用される遊技状態である。また、RT2遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高確率となる遊技状態であり、報知に従い移行した場合にはリプナビATとして扱われ、報知に関係なく移行した場合には通常遊技として扱われる遊技状態である。また、RT3遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高確率となる遊技状態であり、主にベルナビATにおいて使用される遊技状態である。
RT0遊技状態からは、RT1遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、RT0遊技状態において、ベルこぼし目の図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、遊技状態をRT0遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。ここで、図136(B)の当籤役と停止図柄との対応関係に示すように、ベルこぼし目の図柄の組合せは、押し順役である役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順に不正解のときに表示される。なお、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順に正解のときには、ベルの図柄の組合せが表示され、9枚のメダルが払い出される。
また、RT1遊技状態からは、RT2遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、RT1遊技状態において、RT2移行リプの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、遊技状態をRT1遊技状態からRT2遊技状態に移行させる。ここで、図136(B)の内部抽籤テーブルに示すように、RT1遊技状態では、押し順役である役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」を所定の確率で内部当籤役として決定する。そして、図136(B)の当籤役と停止図柄との対応関係に示すように、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順に正解の場合にはRT2移行リプの図柄の組合せが表示され、押し順に不正解の場合にはリプレイの図柄の組合せが表示される。
また、RT2遊技状態からは、RT1遊技状態又はRT3遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、RT2遊技状態において、ベルこぼし目又はRT1移行リプの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、遊技状態をRT2遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。ここで、図136(B)の内部抽籤テーブルに示すように、RT2遊技状態では、押し順役である役「F_維持リプ_123」〜「F_維持リプ_321」を所定の確率で内部当籤役として決定する。そして、図136(B)の当籤役と停止図柄との対応関係に示すように、役「F_維持リプ_123」〜「F_維持リプ_321」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順に正解の場合にはリプレイの図柄の組合せが表示され、押し順に不正解の場合にはRT1移行リプの図柄の組合せが表示される。主制御基板71は、押し順正解によりリプレイの図柄の組合せが表示された場合には、遊技状態をRT2遊技状態のまま維持し、押し順不正解によりRT1移行リプの図柄の組合せが表示された場合には、遊技状態をRT2遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。
また、RT2遊技状態において、RT3移行リプの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、遊技状態をRT2遊技状態からRT3遊技状態に移行させる。ここで、図136(B)の内部抽籤テーブルに示すように、RT2遊技状態では、押し順役である役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」を所定の確率で内部当籤役として決定する。そして、図136(B)の当籤役と停止図柄との対応関係に示すように、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順に正解の場合にはRT3移行リプの図柄の組合せが表示され、押し順に不正解の場合にはリプレイの図柄の組合せが表示される。主制御基板71は、押し順正解によりRT3移行リプの図柄の組合せが表示された場合には、遊技状態をRT2遊技状態からRT3遊技状態に移行させ、押し順不正解によりリプレイの図柄の組合せが表示された場合には、遊技状態をRT2遊技状態のまま維持する。
また、RT3遊技状態からは、RT1遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、RT3遊技状態において、ベルこぼし目又はRT1移行リプの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、遊技状態をRT3遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。すなわち、主制御基板71は、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順正解によりベルの図柄の組合せが表示された場合には、9枚のメダルを払い出しつつ、遊技状態をRT3遊技状態のまま維持し、押し順不正解によりベルこぼし目の図柄の組合せが表示された場合には、9枚よりも少ない数(又は0枚)のメダルを払い出しつつ、遊技状態をRT3遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。
また、図137(C)の移行抽籤テーブルに示すように、パチスロ機1では、主制御基板71は、内部当籤役に基づいてリプナビATへの移行抽籤を行っている。なお、この移行抽籤テーブルは、内部当籤役に基づいてリプナビATへの移行抽籤が行われることを示すものであり、移行抽籤を行うことになる役の種類は単なる例示に過ぎない。
また、図137(C)の移行抽籤テーブルに示すように、パチスロ機1では、主制御基板71は、表示された図柄の組合せに基づいてベルナビATへの移行抽籤を行っている。この遊技例1では、主制御基板71は、RT3移行リプの図柄の組合せが表示された場合にのみ、ベルナビATへの移行抽籤を行い、かつ、RT3移行リプの図柄の組合せが表示された場合には、必ずベルナビATに当籤することとしている。
なお、図示の例では、ベルナビATへの移行抽籤を、RT3移行リプの図柄の組合せが表示されること、すなわち、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定された遊技において押し順に正解することを条件に行うこととしているが、これに限られるものではなく、主制御基板71は、単に、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定された場合に、ベルナビATへの移行抽籤を行うこととしてもよい。
ここで、パチスロ機1では、主制御基板71は、RT2遊技状態中に役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定し、その他のRT遊技状態中は役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定しない、又はその他のRT遊技状態中はRT2遊技状態中よりも低い確率で役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定する。そのため、RT2遊技状態は、その他のRT遊技状態中よりもベルナビATへの移行抽籤を行う頻度が高く、主制御基板71は、RT2遊技状態中は、その他のRT遊技状態(特に、RT1遊技状態)よりも高い頻度でベルナビATへの移行抽籤を行う。
パチスロ機1(主制御基板71及び副制御基板72)では、リプナビAT及びベルナビATのいずれにも当籤していない場合には、遊技者にとって有利な停止操作の態様(正解の押し順)を報知しない。一方で、パチスロ機1では、リプナビATに当籤している場合には、リプナビATに伴う報知を行い、ベルナビATに当籤している場合にはベルナビATに伴う報知を行う。
具体的には、リプナビATに当籤している場合には、主制御基板71及び副制御基板72は、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」、及び役「F_維持リプ_123」のいずれかが内部当籤役として決定されると、正解の押し順を報知する。一方で、リプナビATに当籤している場合であっても、主制御基板71及び副制御基板72は、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定されても、正解の押し順を報知しない。
また、ベルナビATに当籤している場合には、主制御基板71及び副制御基板72は、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定されると、正解の押し順を報知する。なお、ベルナビATに当籤している場合には、主制御基板71及び副制御基板72は、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」、及び役「F_維持リプ_123」のいずれかが内部当籤役として決定されている場合に正解の押し順を報知することとしてもよく、報知しないこととしてもよい。
このようにすることで、リプナビAT中を、ベルナビATへの移行抽籤の頻度が高いRT2遊技状態を維持するための報知を行う特定区間として扱うことができ、また、ベルナビAT中を、メダルを増加させるための報知を行う特定区間として扱うことができる。このように遊技例1では、リプナビATとベルナビATというそれぞれ役割が異なる特定区間を有するため、遊技者にとってみれば、報知が持つ意味が特定区間の種類によって異なることになるため、特定区間中の報知が単調になることなく、興趣の低下を防止することができる。
また、リプナビAT中は、メダルを増加させるための報知は行わないため、メダルの増加が抑えられることになる。パチスロ機では、遊技者と遊技店との利益のバランスを図る必要があるが、メダルが増加する期間が長いと遊技者が得る利益が過大になってしまうため、特定区間に移行し難くするなど他の部分で利益のバランスを図る必要がある。この点、遊技例1のパチスロ機1によれば、メダルを増加させるための報知を行うベルナビATとは別に、メダルを増加させるための報知は行わないリプナビATという特定区間を有するため、特定区間に移行し易い遊技性を実現しつつ、遊技者及び遊技店の利益のバランスを図ることができる。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、設定値に差のない情報に基づいて行う移行抽籤を行うことで、特定区間への移行に関する期待度を各設定値に対して同一にすることとしている。この点、移行抽籤自体は、設定値に差のない情報に基づいて行いつつも、特定区間への移行に関する期待度を設定値毎に異ならせることとしてもよい。以下に、その具体的な方法を示す。
上述の遊技例1では、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定されたことに応じて(より詳細には、内部当籤役として決定された場合に正解の押し順で停止操作されたことに応じて)、ベルナビATへの移行抽籤を行うこととしている。移行抽籤を、設定値に差のない情報に基づいて行うため、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」は、設定値に関わらず現在の遊技状態に応じた確率で内部当籤役として決定される必要がある。具体的には、主制御基板71は、RT2遊技状態中に設定値に関わらず所定の確率で、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定する。なお、上述したように、RT2遊技状態以外のRT遊技状態においても役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定することとしてもよく、この場合には、主制御基板71は、RT2遊技状態以外のRT遊技状態(例えば、RT1遊技状態)中に、設定値に関わらず所定の確率よりも低い確率で、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定する。
また、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤を設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率で行うため、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定されたことに応じて(より詳細には、内部当籤役として決定された場合に正解の押し順で停止操作されたことに応じて)、設定値に関わらず同一の確率で当籤する移行抽籤を行う必要がある。そこで、主制御基板71は、ベルナビATへの移行抽籤を行う場合には、設定値に関わらず同一の確率で当籤するように抽籤を行う。
このようにすることで、ベルナビATへの移行抽籤が行われる契機となる、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」は、設定値に関わらず同一の確率で内部当籤役として決定され、また、ベルナビATへの移行抽籤は、設定値に関わらず同一の確率で当籤することになる。そのため、一見すると、ベルナビATへの移行に関する期待度は、各設定値に対して同一になるが、本方法では、RT遊技状態の移行に関して設定差を持たせることで、ベルナビATへの移行に関する期待度を設定値毎に異ならせる。
具体的には、主制御基板71は、設定されている設定値に応じた確率で、RT1遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させる。上述のように、RT2遊技状態中は、その他のRT遊技状態よりも高い頻度でベルナビATへの移行抽籤を行うため、移行抽籤の契機や当籤確率には設定差を設けることなく、このRT2遊技状態への移行に関して設定差を設けることで、結果として、ベルナビATへの移行に関する期待度を設定値毎に異ならせることができる。より具体的には、図136(B)に示すRT1用の内部抽籤テーブルにおいて、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」を内部当籤役として決定する確率(抽籤値の情報)を、設定値毎に異ならせることで、RT2遊技状態への移行に関して設定差を設けることができる。これにより、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」を内部当籤役として決定する確率が高い設定値は、RT2遊技状態に移行し易くなり、結果、ベルナビATへの移行に関する期待度が高くなるため、ベルナビATへの移行に関して設定値毎の特徴を出すことができる。
(遊技例1における演出例)
続いて、図138を参照して、遊技例1のパチスロ機1における演出例について説明する。図138(A)は、当該演出を行う場合の遊技の流れの一例を示す図である。
図138(A)に示すように、1回目の遊技は、RT1遊技状態であり、リプナビAT及びベルナビATのいずれにも当籤していない遊技である。1回目の遊技では、リプナビAT及びベルナビATのいずれにも当籤していないため、状態表示器147bは消灯しており、また、リプナビ回数及びベルナビ回数の双方ともに0回のままである。なお、リプナビ回数とは、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」、及び役「F_維持リプ_123」のいずれかが内部当籤役として決定されている場合に正解の押し順を報知する回数であり、ベルナビ回数とは、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定されている場合に正解の押し順を報知する回数である。
続いて、2回目の遊技では、リプナビATへの移行抽籤に当籤している。そのため、状態表示器147bは点灯パターン1で点灯し、また、リプナビ回数として5回が付与されている。このとき、副制御基板72は、表示ユニット100において図138(B)の(a)に例示する演出を行う。すなわち、副制御基板72は、表示ユニット100にリプナビ回数が付与されたことを表示するとともに、「探索チャレンジ」演出が開始することを表示する。なお、「探索チャレンジ」演出は、リプナビAT中に行われる宝物を探索する演出であり、リプナビ回数が残っている間に宝物を見つけることができた場合には、成功(ベルナビAT)となる演出である。
続いて、3回目の遊技では、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」のいずれかが内部当籤役として決定されている。リプナビAT中であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、正解の押し順を報知し、RT2遊技状態への移行を促す。この報知に伴い、3回目の遊技では、リプナビ回数が5回から4回に減っている。このとき、副制御基板72は、表示ユニット100において図138(B)の(b)に例示する演出を行う。すなわち、副制御基板72は、表示ユニット100に待機の間(RT1遊技状態)から宝物の間(RT2遊技状態)に移行するための押し順を表示する。遊技者がこの報知に従い停止操作を行うことで、RT2移行リプの図柄の組合せが表示され、その後、図138(B)の(b)に示すように、副制御基板72は、表示ユニット100に待機の間から宝物の間に到着したことを示す表示を行う。
続いて、4回目の遊技では、3回目の遊技においてRT2遊技状態への移行が行われたため、状態表示器147bは点灯パターン2で点灯している。また、4回目の遊技では、役「F_維持リプ_123」〜「F_維持リプ_321」のいずれかが内部当籤役として決定されている。4回目の遊技はリプナビAT中であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、正解の押し順を報知し、RT2遊技状態を維持することを促す。この報知に伴い、4回目の遊技では、リプナビ回数が4回から3回に減っている。このとき、副制御基板72は、表示ユニット100において図138(B)の(c)に例示する演出を行う。すなわち、副制御基板72は、表示ユニット100にRT2遊技状態を維持するための押し順を表示する。遊技者がこの報知に従い停止操作を行うことで、RT2遊技状態が維持され、宝物の間における探索が継続することになる。
続いて、5回目の遊技では、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定されているが、リプナビAT中であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、正解の押し順を報知しない。そのため、副制御基板72は、図138(B)の(d)に示すように、表示ユニット100において押し順が不明であることを示す表示を行う。ここで、図138に示す例では、押し順に不正解であったものとしているため、ベルこぼし目の図柄の組合せが表示されることになる。主制御基板71は、ベルこぼし目の図柄の組合せの表示に伴い、遊技状態をRT2遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。また、副制御基板72は、表示ユニット100に宝物の間(RT2遊技状態)から待機の間(RT1遊技状態)に転落してしまったことを示す表示を行う。
続いて、6回目の遊技では、5回目の遊技においてRT1遊技状態への移行が行われたため、状態表示器147bは点灯パターン1で点灯している。また、6回目の遊技では、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」のいずれかが内部当籤役として決定されている。リプナビAT中であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、正解の押し順を報知し、RT2遊技状態への移行を促す。この報知に伴い、6回目の遊技では、リプナビ回数が3回から2回に減っている。また、副制御基板72は、図138の(e)に示すように、表示ユニット100に待機の間(RT1遊技状態)から宝物の間(RT2遊技状態)に移行するための押し順を表示し、その後、RT2移行リプの図柄の組合せが表示されると、表示ユニット100に待機の間から宝物の間に到着したことを示す表示を行う。
続いて、7回目の遊技では、6回目の遊技においてRT2遊技状態への移行が行われたため、状態表示器147bは点灯パターン2で点灯している。また、7回目の遊技では、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」のいずれかが内部当籤役として決定されている。7回目の遊技はリプナビAT中であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、正解の押し順を報知する。この報知に伴い、7回目の遊技では、リプナビ回数が2回から1回に減っている。このとき、副制御基板72は、表示ユニット100において図138(B)の(f)に例示する演出を行う。すなわち、副制御基板72は、表示ユニット100に正解の押し順を表示する。
ここで、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」のいずれかが内部当籤役として決定されたときに押し順に正解すると、ベルナビATへの移行抽籤が行われベルナビATに当籤することから、副制御基板72は、表示ユニット100にベルナビATに当籤したことを示す表示を行う。また、ベルナビATの当籤に応じて、リプナビ回数及びベルナビ回数にそれぞれ初期値(10)が加算される。なお、ベルナビATに当籤したときにリプナビ回数として1回が残っていることから、ベルナビAT当籤時のリプナビ回数は11回となっている。
その後、8回目の遊技から遊技状態がベルナビATとなり、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯パターン3で点灯する。このベルナビATでは、主制御基板71及び副制御基板72は、リプナビ回数が残っている限り、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」、及び役「F_維持リプ_123」に対して正解の押し順を報知し、ベルナビ回数が残っている限り、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択_3rd」に対して正解の押し順を報知する。
(遊技例2)
続いて、図139〜図141を参照して、リプナビとベルナビとを個別管理する場合の遊技例2について説明する。この遊技例2では、特定区間中は、リプナビ及びベルナビの双方を行うが、双方の報知回数をそれぞれ個別に管理する。すなわち、この遊技例2では、特定区間の終了条件として、リプナビ及びベルナビの双方の回数を用いる。なお、リプナビとは、RT遊技状態を高リプ状態に維持するための報知をいい、ベルナビとは、メダルを増加させるための報知をいう。
図139(A)は、遊技例2における遊技フローである。図139(A)に示すように、遊技例2では、通常区間と特定区間とを有し、また、特定区間中は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高いリプ高確率(例えば、遊技例1におけるRT2遊技状態やRT3遊技状態)と、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が低いリプ低確率(例えば、遊技例1におけるRT1遊技状態)とを有する。
遊技例2では、主制御基板71は、通常区間中に特定区間への移行抽籤を行っており、この移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、遊技状態を通常区間から特定区間に移行させる。なお、遊技例2において、特定区間への移行抽籤は任意の方法により行うこととしてよい。
また、特定区間中にリプナビ回数及びベルナビ回数の双方が0回になると、主制御基板71は、遊技状態を特定区間から通常区間に移行させる。すなわち、遊技例2では、主制御基板71及び副制御基板72は、リプナビ回数が示す回数分だけRT遊技状態を高リプ状態に維持するための報知を行い、ベルナビ回数が示す回数分だけメダルを増加させるための報知を行う。そして、主制御基板71は、リプナビ回数及びベルナビ回数の双方が0回になると、特定区間を終了し、遊技状態を特定区間から通常区間に移行させる。
また、特定区間中に転落リプレイの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、RT遊技状態を高リプ状態から低リプ状態に移行させ、昇格リプレイの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、RT遊技状態を低リプ状態から高リプ状態に移行させる。なお、転落リプレイ及び昇格リプレイの図柄の組合せは任意であるが、遊技例1の表現に合わせると、例えば、RT1移行リプの図柄の組合せが転落リプレイの図柄の組合せに相当し、また、RT2移行リプやRT3移行リプの図柄の組合せが昇格リプレイの図柄の組合せに相当する。
なお、RT1移行リプの図柄の組合せは、役「F_維持リプ_123」〜「F_維持リプ_321」が内部当籤役として決定された場合の押し順不正解時に表示され、また、RT2移行リプやRT3移行リプの図柄の組合せは、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定された場合の押し順正解時に表示される。そのため、遊技例2におけるリプナビとは、役「F_維持リプ_123」〜「F_維持リプ_321」が内部当籤役として決定された場合に正解の押し順を報知して、転落リプレイの図柄の組合せが表示されることを回避すること、及び、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定された場合に正解の押し順を報知して、昇格リプレイの図柄の組合せの表示を促すこと、を含むものである。
なお、役「F_維持リプ_123」〜「F_維持リプ_321」が内部当籤役として決定された場合に正解の押し順で停止操作が行われると、リプレイの図柄の組合せが表示され、RT遊技状態は、現在のRT遊技状態のまま維持される。すなわち、主制御基板71は、高リプ状態中に役「F_維持リプ_123」〜「F_維持リプ_321」が内部当籤役として決定されたときに、リプレイの図柄の組合せが表示されると(押し順正解)、RT遊技状態を高リプ状態のまま維持する一方で、転落リプレイの図柄の組合せが表示されると(押し順不正解)、RT遊技状態を高リプ状態から低リプ状態に移行させる。
続いて、図139(B)は、遊技例2の特定区間の特徴を示す図である。図139(B)に示すように、遊技例2では、特定区間中に、通常ART及び特殊状態という複数の状態を有する。通常ARTと特殊状態とを比較すると、通常ARTは、特殊状態に比べてベルナビ回数の消費速度が速い状態である。また、遊技例2では、特定区間中にリプナビ回数及びベルナビ回数の上乗せを行うところ、通常ARTと特殊状態とを比較すると、特殊状態中は、通常ARTに比べてベルナビ回数の上乗せ量を少なくする一方で、リプナビ回数の上乗せ量を多くする。すなわち、ベルナビ回数の消費速度が抑えられる特殊状態中は、ベルナビ回数よりもリプナビ回数を優先して上乗せする。
(特殊状態の実現方法)
続いて、図140を参照して、ベルナビ回数の消費速度を抑えることが可能な特殊状態の実現方法について説明する。パチスロ機1では、ベルナビの対象となる役として、役「F_3択ベルA_1st」「F_3択ベルA_2nd」「F_3択ベルA_3rd」と、役「F_3択ベルB_12t」「F_3択ベルB_2nd」「F_3択ベルB_3rd」と、を有する。なお、以下では、役「F_3択ベルA_1st」〜「F_3択ベルA_3rd」を単に役「F_3択ベルA」と呼び、役「F_3択ベルB_1st」〜「F_3択ベルB_3rd」を単に役「F_3択ベルB」と呼ぶことがある。
図140(A)に示すように、ボーナス非当籤時、すなわち、ボーナスに係る役が内部当籤役として持ち越されていない状態では、役「F_3択ベルA」及び役「F_3択ベルB」のいずれも押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である。具体的には、役「F_3択ベルA」及び役「F_3択ベルB」のいずれも、押し順正解時には、ベルの図柄の組合せが表示され、9枚のメダルが払い出され、押し順不正解時には、ベルこぼし目の図柄の組合せが表示され、9枚よりも少ない数(又は0枚)のメダルが払い出される。
そのため、主制御基板71及び副制御基板72は、ボーナス非当籤時の特定区間中に役「F_3択ベルA」及び役「F_3択ベルB」のいずれかが内部当籤役として決定されると、ベルナビ回数分だけベルナビ(正解の押し順の報知)を行う。言い換えると、ボーナス非当籤時の特定区間中は、役「F_3択ベルA」又は役「F_3択ベルB」のいずれが内部当籤役として決定された場合であっても、ベルナビ回数が減ることになる。
一方で、図140(B)に示すように、フラグ間中、すなわち、ボーナスに係る役が内部当籤役として持ち越されている状態では、役「F_3択ベルB」は押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であるが、役「F_3択ベルA」は押し順に関わらず表示される図柄の組合せが同一の役である。具体的には、役「F_3択ベルB」は、押し順正解時には、ベルの図柄の組合せが表示され、9枚のメダルが払い出され、押し順不正解時には、ベルこぼし目の図柄の組合せが表示され、9枚よりも少ない数(又は0枚)のメダルが払い出される。一方で、役「F_3択ベルA」は、押し順に関わらず、ベルの図柄の組合せが表示され、9枚のメダルが払い出される。
そのため、主制御基板71及び副制御基板72は、フラグ間の特定区間中に役「F_3択ベルA」が内部当籤役として決定された場合には、押し順の報知を行わずに、フラグ間の特定区間中に役「F_3択ベルB」が内部当籤役として決定された場合に、ベルナビ回数分だけベルナビ(正解の押し順の報知)を行う。言い換えると、フラグ間の特定区間中は、役「F_3択ベルA」が内部当籤役として決定されてもベルナビ回数は減らずに、役「F_3択ベルB」が内部当籤役として決定された場合にベルナビ回数が減ることになる。
このように、ボーナスに係る役が内部当籤役として持ち越されているか否かに応じて、通常ARTと特殊状態とを区別することで、ベルナビ回数の消費速度を抑えることが可能な特殊状態の実現することができる。すなわち、上述の例の場合には、ボーナス非当籤時の特定区間を通常ARTとし、フラグ間の特定区間を特殊状態とすることで、ベルナビ回数の消費速度を抑えることが可能な特殊状態の実現することができる。
(上乗せ例)
続いて、図141を参照して、リプナビ回数及びベルナビ回数の上乗せ方法について説明する。図141(A)の上乗せ抽籤テーブルは、内部当籤役及び遊技状態毎に、ベルナビ回数及びリプナビ回数の上乗せ量に対する抽籤値の情報を規定する。パチスロ機1では、主制御基板71は、図141(A)に示す上乗せ抽籤テーブルを参照して、ベルナビ回数及びリプナビ回数の上乗せを行う。なお、図141(B)は、図141(A)の上乗せ抽籤テーブルに応じた上乗せの期待度の概要を示す図である。
図141(A)(B)を参照すると、通常ARTと特殊状態とでは、ベルナビ回数の上乗せ期待度とリプナビ回数の上乗せ期待度が異なることが分かる。具体的には、サボテン及び弱チェリーに基づく上乗せでは、通常ART中は、ベルナビ回数の方が上乗せされ易い一方で、特殊状態中は、リプナビ回数の方が上乗せされ易い。より具体的には、特殊状態中は通常ART中に比べて、ベルナビ回数の上乗せ量を少なくし、反対にリプナビ回数の上乗せ量を多くしている。
なお、図141に示す例では、強チェリーに基づく上乗せは、通常ART中と特殊状態中とで、上乗せ期待度を同一にしている。
このような遊技例2のパチスロ機1では、特定区間中にリプナビとベルナビとを個別に管理し、リプナビ回数分だけリプナビを行い、また、ベルナビ回数分だけベルナビを行う。これにより、特定区間中にリプナビの対象となる役、又はベルナビの対象となる役のいずれかが集中して内部当籤役として決定された場合であっても、いずれか一方のナビ回数のみが消費され、他方のナビ回数が消費しないため、ナビ回数の消費速度を緩和することができる。
また、遊技例2のパチスロ機1では、特定区間として通常ARTと特殊状態とを設け、現在の状態に応じて上乗せの期待度を異ならせることとしている。具体的には、ベルナビ回数の消費速度が速い通常ART中は、ベルナビ回数が上乗せされ易くし、反対に、ベルナビ回数の消費速度が抑えられる特殊状態中は、ベルナビ回数の上乗せ量を少なくして、リプナビ回数の上乗せ量を多くする。これにより、ナビ回数の消費速度を緩和することができ、結果、特定区間中の興趣を損ねることがない。
<終了期間の異なるCZの選択方法>
続いて、図142を参照して、終了期間の異なるCZの選択方法について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、特定区間が長期間にわたり継続した場合には終了条件を満たすことなく、特定区間から通常区間へ移行することとしている(リミット処理)。また、特定区間にはART遊技状態の他にCZも含まれるため、リミット処理が行われる場合には、CZから連続して行われるART遊技状態は、CZが継続した遊技回数分だけ遊技期間が短くなってしまう。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、終了期間の異なるCZの中から実行するCZを遊技者が選択可能にするとともに、選択の際に遊技者にとって好ましいと考えられるCZを選択し易くしている。
図142に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、終了期間の異なる複数のCZを有する。具体的には、図142(A)に示すCZ「短期戦」は、終了期間が0ゲームのCZであり、図142(B)に示すCZ「勝負」は、終了期間が1ゲームのCZであり、図142(C)に示すCZ「安定」は、終了期間が10ゲームのCZであり、図142(D)に示すCZ「波乱」は、終了期間が10ゲームのCZであり、図142(E)に示すCZ「長期戦」は、終了期間が30ゲームのCZである。パチスロ機1では、主制御基板71は、CZの継続期間が実行する種類のCZの終了期間を超えると、CZを終了して遊技状態を通常区間に移行する。一方で、主制御基板71は、CZの継続期間が実行する種類のCZの終了期間を超える前に、ART遊技状態への移行抽籤に当籤すると、CZを終了して遊技状態をART遊技状態に移行する。
ここで、CZの選択方法について説明する。図142(A)〜(E)は、CZを選択するための選択画面である。この選択画面には、CZを選択するための選択カーソルが設けられている。図142において選択カーソルは、図142(A)ではCZ「短期戦」を指しており、図142(B)ではCZ「勝負」を指しており、図142(C)ではCZ「安定」を指しており、図142(D)ではCZ「波乱」を指しており、図142(E)ではCZ「長期戦」を指している。この選択カーソルは、例えば、時間の経過に伴い選択するCZを切り替える。
選択画面では、チャンスボタン(図示せず)に対する遊技者の操作を受け付けており、主制御基板71は、チャンスボタンが操作されたタイミングで選択カーソルが指しているCZを選択するものとして、実行するCZの選択を受け付け、その後、選択されたCZを開始する。すなわち、図142(A)のタイミングでチャンスボタンが操作された場合には、主制御基板71は、CZ「短期戦」を選択するものとして、遊技者からの選択を受け付け、その後、CZ「短期戦」を開始する。なお、主制御基板71による選択カーソルが指しているCZの特定方法は任意であるが、例えば、選択カーソルが指し示すCZを切り替える間隔を、主制御基板71においてもカウントしておくことで、主制御基板71において選択カーソルが指しているCZを特定することができる。
本実施形態のパチスロ機1では、選択カーソルは、初期状態において、終了期間が最も短いCZ「短期戦」を指しており、その後、時間の経過に伴い、終了期間が短い順に他のCZを指し示す。例えば、選択カーソルは、時間の経過に伴い、CZ「短期戦」、CZ「勝負」、CZ「安定」、CZ「波乱」、CZ「長期戦」の順にCZを指し示す。
ここで、上述のようにリミット処理が行われる場合には、CZが継続した遊技回数分だけART遊技状態の遊技期間が短くなってしまうため、終了期間が最も短いCZ「短期戦」は、遊技者にとって好ましいと考えられる。パチスロ機1では、選択カーソルが指しているCZに基づいてCZの選択が行われるが、選択カーソルの初期状態として、CZ「短期戦」を指し示すこととすることで、遊技者にとって親切なCZの選択方法を実現することができる。
また、遊技者によっては、選択画面において何らの選択もすることなく遊技を進行することがある。例えば、選択画面においてチャンスボタンに対する操作を受け付けることなく、スタートレバー6が操作され遊技が開始した場合(すなわち、所定の操作が行われた場合)には、遊技者による選択が行われていないことになる。このようにCZの選択を受け付けることなく遊技が開始された場合には、主制御基板71は、終了期間が異なる複数のCZのうち終了期間が最も短いCZを開始する。すなわち、主制御基板71は、遊技者がCZを選択することなく遊技を開始した場合には、遊技を開始したタイミングにおける選択カーソルの位置に関係なく、終了期間が最も短いCZ「短期戦」を自動的に選択し、その後、CZ「短期戦」を開始する。これにより、遊技者にとって親切なCZの選択方法を実現することができる。
なお、このような選択画面は、例えばCZの開始時、言い換えるとCZへの移行権利が付与されている状態で表示される。すなわち、主制御基板71は、ART遊技状態に移行させるか否かの移行抽籤を行うCZへの移行権利を付与するとともに、このCZへの移行権利が付与されている状態で、複数種類のCZの中から一のCZの選択を受け付ける。
<特定区間開始時のリール制御>
続いて、図143〜図145を参照して、特定区間を開始する際のリール制御について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、特定区間を開始する際に「7−7−7」等の特定の図柄の組合せ(以下、「AT開始出目」と呼ぶ)を表示可能にリールの停止制御を行う。具体的には、主制御基板71は、特定区間への移行抽籤に当籤すると、特定区間への移行権利を付与する。この特定区間への移行権利は、遊技状態が特定区間に移行するまで持ち越され、遊技状態が特定区間に移行するとクリア(剥奪)される。すなわち、主制御基板71は、移行権利が付与されている状態で特定区間への移行条件(例えば、AT開始出目が表示)を満たすと、遊技状態を特定区間に移行させるとともに、移行権利をクリアする。そして、主制御基板71は、移行権利が付与されている場合と、移行権利が付与されていない場合とで、異なる態様でリール3L,3C,3Rの回転を停止する(すなわち、リールの停止制御を異ならせる)。
図143及び図144は、リールの停止制御に用いられる回胴停止初期設定テーブルの一例を示す図であり、上述した図75のステップS9及びステップS12において用いられる。この回胴停止初期設定テーブルは、リール3L,3C,3Rの回転を停止するためのリール停止制御情報を決定する際に参照される。回胴停止初期設定テーブルは、内部当籤役として決定された役、現在の遊技状態、及び特定区間への移行権利の有無に対応付けて、当該役が内部当籤役として決定された際に用いられるリール停止制御情報を規定する。主制御基板71は、回胴停止初期設定テーブルを参照して、内部当籤役、遊技状態及び移行権利の有無に対応するリール停止制御情報を取得し、当該リール停止制御情報を用いてリール3L、3C、3Rを停止させる。
当籤役、遊技状態及び移行権利の有無に対応付けられたリール停止制御情報は、回胴停止用番号、押下順序別判定データ(引込優先順位テーブル番号、引込優先順位選択テーブル番号)、テーブル番号選択値(変更ステータス、ストップ用テーブルデータ)、第一回胴第一停止用テーブル変更データ、第一回胴停止データテーブル選択データ(左第1停止用停止テーブル)、第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値(変更ステータス、テーブル番号)、及び検索順序データテーブル番号を含む情報である。
「押下順序別判定データ」は、引込優先順位テーブル番号と、引込優先順位選択テーブル番号とを含む。「引込優先順位テーブル番号」は、引込優先順位テーブル(図示せず)を選択するための番号である。また、「引込優先順位選択テーブル番号」は、引込優先順位選択テーブル(図示せず)を選択するための番号である。
「テーブル番号選択データ」は、第一停止リールが左リール3L以外である場合に、全てのリールを停止させるときに参照される値であり、変更ステータスと、ストップ用テーブルデータと、を含む。
「ストップ用テーブル番号」は、第一停止リールが左リール3L以外である場合に、全てのリールを停止させるときに参照されるストップ用テーブルを選択するための番号である。「変更ステータス」は、ストップ用テーブルデータに基づいて選択されたストップ用テーブルにおいて参照されるラインを表す一遊技ごとのラインステータスを変更するためのデータであり、本実施の形態におけるラインステータスの初期状態は、Aラインである。ここで、変更ステータスが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「2」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更される。
第一回胴第一停止用テーブル変更データと、第一回胴停止データテーブル選択データと、第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値とは、第一停止リールが第一回胴すなわち左リール3Lである場合に参照されるデータである。
「第一回胴第一停止用テーブル変更データ」は、第一停止リールが左リール3Lである場合に、第二停止目以降にも同じ左第一停止後停止テーブルを使用するか変更するかを示すデータである。第一回胴第一停止用テーブル変更データに値(0以外の値)がある場合には、停止予定位置を基に変更データ検索テーブルを選択し、データの検索を行って第2停止目以降の停止テーブルを選択する。
「第一回胴停止データテーブル選択データ」は、第一回胴を停止させるときに参照される第一回胴停止データテーブル(図示せず)を選択するための番号である。
「第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値」は、第二及び第三回胴を停止させるときに参照されるデータであり、テーブル番号と、ラインステータスとを含む。「テーブル番号」は、第二及び第三停止リールを停止させるときに参照される第一回胴第一停止後停止データテーブルを選択するための番号である。「変更ステータス」は、テーブル番号に基づいて選択された第一回胴第一停止後停止データテーブルにおいて参照されるラインを表す一遊技ごとのラインステータスを変更するためのデータである。変更ステータスが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「2」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更され、「3」の場合には、ラインステータスがAライン又はBラインであれば、Cラインに変更される。
「検索順序テーブル番号」は、滑り駒数を決定するための検索順序テーブル(図示せず)を選択するための番号である。
図143(A)(B)に示すように、パチスロ機1では、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されているか否かに応じてそれぞれ異なるリール停止制御情報が用いられる。具体的には、ボーナスに係る役が非当籤の際に参照される図143(A)の回胴停止初期設定テーブルでは、役「F_3択ベル_1st」に対して回胴停止用番号「17」のリール停止制御情報が規定されており、ボーナスに係る役が当籤している際に参照される図143(B)の回胴停止初期設定テーブルでは、同一の役「F_3択ベル_1st」に対して回胴停止用番号「31」のリール停止制御情報が規定されている。このようにパチスロ機1では、ボーナスに係る役の当籤の有無に応じてリール停止制御情報を異ならせることで、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されている場合にリールの停止制御を異ならせることができる。
同様に、図143(A)及び図144(C)に示すように、パチスロ機1では、移行権利が付与されているか否かに応じてそれぞれ異なるリール停止制御情報が用いられる。具体的には、移行権利が付与されていない場合に参照される図143(A)の回胴停止初期設定テーブルでは、役「F_3択ベル_1st」に対して回胴停止用番号「17」のリール停止制御情報が規定されており、移行権利が付与されている場合に参照される図144(C)の回胴停止初期設定テーブルでは、同一の役「F_3択ベル_1st」に対して回胴停止用番号「41」のリール停止制御情報が規定されている。このようにパチスロ機1では、移行権利の有無に応じてリール停止制御情報を異ならせることで、特定区間への移行抽籤に当籤している場合にリールの停止制御を異ならせることができる。
続いて、図143及び図144に示す回胴停止初期設定テーブルを用いてリールの停止制御を行う場合の、当籤役と停止図柄との対応関係を図145に示す。図145に示すように、特定区間への移行権利が付与されていない通常区間では、内部当籤役が「はずれ」である場合には「はずれ」の図柄の組合せが表示され、また、内部当籤役が役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」である場合には、押し順に正解するとベルの図柄の組合せが表示され、押し順に不正解するとベルこぼし目又は1枚出目の図柄の組合せが表示される。
一方で、特定区間への移行権利が付与されている特定区間の待機区間では、内部当籤役が「はずれ」のときは、目押し操作が正確である場合にはAT開始出目の図柄の組合せが表示され、目押し操作が不正確である場合には「はずれ」の図柄の組合せが表示される。また、内部当籤役が役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」のときには、目押し操作が正確である場合にはAT開始出目の図柄の組合せが表示され、目押し操作が不正確である場合にはベル、ベルこぼし目又は1枚出目の図柄の組合せが表示される。
このようにパチスロ機1では、特定区間への移行権利の有無に応じてリールの停止制御を異ならせるため、特定区間の開始時に遊技者の停止操作に応じてAT開始出目の図柄の組合せを表示するようにリールの回転を停止することができる。
また、パチスロ機1では、移行先の特定区間の種別に応じてリールの停止制御を異ならせることとしてもよい。すなわち、パチスロ機1では、遊技者にとって有利の度合いが異なる複数の特定区間を有し、主制御基板71は、一の特定区間への移行権利が付与されている場合と、当該一の特定区間とは異なる他の特定区間への移行権利が付与されている場合とで、リールの停止制御を異ならせることとしてもよい。具体的には、一の特定区間への移行権利が付与されている場合と他の特定区間への移行権利が付与されている場合とで、同一の役が内部当籤役として決定されたときに用いられるリール停止制御情報が異なるように、回胴停止初期設定テーブルを設ければよい。
これにより、移行先の特定区間の種別に応じてリールの停止制御を異ならせることができるため、例えば、遊技者にとってより有利な特定区間に移行する場合とそれ以外の特定区間に移行する場合とで、特定区間の開始時に表示される図柄の組合せを異ならせることができる。遊技者にとってみれば、特定区間の開始時に表示される図柄の組合せによりその後の遊技の有利度合いが異なることになるため、特定区間の開始時の停止操作に対して強い関心を抱くことになり、遊技の興趣が向上する。
なお、パチスロ機1では、ボーナス状態やRT遊技状態に応じては、内部当籤役の当籤確率が異なるものの、特定区間の種別に応じては、内部当籤役の当籤確率は異ならない。
ここで、近年では、内部抽籤の結果に応じて制御されるリール(以下、「第1メインリール」)の他に別のリール(以下、「第2メインリール」)を設けるパチスロ機も知られている。例えば、第1メインリールとして、上述のリール3L,3C,3Rの3つのリールを有し、第2メインリールとして、リール3Rの右に一列だけ設けられるリールを有するパチスロ機などが知られている。移行抽籤の結果に応じて停止制御を異ならせるリールは、第1メインリールであってもよく、また、第2メインリールであってもよい。
移行抽籤の結果に応じて第2メインリールの停止制御を異ならせる場合、主制御基板71は、特定区間への移行抽籤を行った遊技では、スタートレバー6の操作に応じて、第1メインリールの回転を開始する前に第2メインリールの回転を開始する。そして、ストップボタン7Rが操作されると、主制御基板71は、特定区間への移行抽籤の結果に応じて第2メインリールの回転を停止する。具体的には、特定区間への移行抽籤に当籤している場合には、当籤していない場合には表示されることのない図柄を表示可能に、第2メインリールの回転を停止する。このようにして特定区間への移行抽籤の結果に応じて第2メインリールの回転を停止すると、その後、主制御基板71は、第1メインリールの回転を開始する。
なお、上述の例では、ストップボタン7Rの操作に基づいて第2メインリールを停止することとしているが、ストップボタン7L,7C,7Rの他に第2メインリール専用のストップボタンを設けることとしてもよい。また、第2メインリールは1つとせずに複数設けることとしてもよい。
このように特定区間の移行抽籤の結果に対する停止操作と、内部抽籤の結果に対する停止操作とを切り分けることで、双方の目押しを楽しむことができるとともに、遊技者がゲーム性を把握し易くなる。
<設定変更時の制御>
続いて、図146を参照して、設定変更時の制御について説明する。図146は、設定変更時とメインRAM33のクリア時との制御内容の対応関係を示す図である。本実施形態のパチスロ機1において、主制御基板71は、新たな設定値が設定された場合(設定変更時)は、フラグ間中であっても内部当籤役として持ち越されているボーナスに係る役をクリアすることなく維持し、特定区間中であっても特定区間を維持し、また、特定区間の移行抽籤に当籤している待機区間中であっても移行抽籤の結果を維持する。すなわち、パチスロ機1では、フラグ間中、特定区間中又は待機区間中に新たな設定値が設定された場合であっても、新たな設定値が設定される前の遊技状態がそのまま維持される。
なお、新たな設定値が設定された場合(設定変更時)とは、設定1から設定6というように異なる設定値へ変更する場合だけに限定されず、設定1から設定1というように同じ設定値を再設定する場合(いわゆる同一設定への打ち直し)も含まれる。
一方で、メインRAM33がクリアされた場合(RAMクリア時)は、主制御基板71は、全ての遊技状態をクリアする。すなわち、主制御基板71は、フラグ間中にRAMクリアがされた場合には、持ち越されているボーナスに係る役をクリアし、特定区間中にRAMクリアがされた場合には、特定区間を終了し遊技状態を通常区間に移行し、待機区間中にRAMクリアがされた場合には、移行抽籤の結果をクリアする。
このようにパチスロ機1では、特定区間中にRAMクリアが行われた場合には特定区間をクリアするものの、特定区間中に設定変更が行われた場合には、特定区間のまま維持する。遊技店側からすると、設定値を変更しつつ特定区間を維持/クリアするか選択することができるため、パチスロ機の運営に関して遊技店側に多様な選択肢を与えることができる。
なお、設定変更の操作は、例えば、設定用鍵型スイッチ430(図116参照)を介して行うことができ、また、RAMクリアの操作は、例えば、リセットスイッチ442(図116参照)を介して行うことができる。
[第4実施形態]
続いて、図147〜図164を参照して、第4実施形態のパチスロ機1について説明する。なお、第4実施形態のパチスロ機1について、第3実施形態のパチスロ機1と同様の構成、制御については、詳細な説明を省略する。第3実施形態において説明した「特定区間」については、第4実施形態において「有利区間」と称し、いわゆるナビや演出態様を加味した遊技状態を「出玉状態」と称する。その他、第1〜3実施形態において説明したものと同一又は類似の要素で異なる用語を用いる際は、その用語の末尾に第1〜3実施形態で使用した用語を括弧書きで付す。以下に示す第4実施形態のパチスロ機1の特徴は、第1〜3実施形態のパチスロ機1においても同様に適用することができる。
[第4実施形態のパチスロ機の遊技フロー]
初めに、図147〜149を参照して、第4実施形態のパチスロ機1の遊技フローについて説明する。図147は、第4実施形態のパチスロ機1の出玉状態の遷移フローである。図148は、出玉状態のうちMB作動中の処理を示す図である。図149は、出玉状態及び遊技状態の概要を一覧にまとめて示す図である。
図147に示すように、出玉状態は、大きく分けて通常区間と有利区間とに分けられる。通常区間では、主制御基板71の制御により有利区間ランプ(状態表示器147b)が消灯状態とされ、有利区間では、有利区間ランプ(状態表示器147b)が点灯状態とされる。有利区間ランプは、消灯状態によって有利区間に滞在していない旨を遊技者に告知する一方、点灯状態によって有利区間に滞在していない旨を遊技者に告知する。ただし、本実施形態においては、有利区間に滞在して有利区間ランプが点灯している状態にあっても、報知ランプ147aの点灯態様によって必要な停止操作の情報を遊技者に報知することを抑制(不許容)する状態と許容する状態とがある。図148に示すように、MBは、通常区間と有利区間とのいずれにあってもMBの入賞に応じて作動する。なお、本実施形態においては、当籤時にいずれの押し順によっても必ず入賞し、1枚を超えるメダル払出を終了条件として1Gで終了するショートMB(略して「SMB」という)と、基本的に当籤によりフラグ間状態を経て入賞し、81枚を超えるメダル払出を終了条件として複数ゲームを消化することで終了するロングMB(略して「LMB」という)とがある。LMBは、当籤確率について設定差が無く、SMBは、当籤確率について設定差が有る。以下の説明においては、SMB及びLMBをまとめてMBという。
通常区間は、出玉状態として「通常」が実行される。図147及び図149に示すように、「通常」は、電源オン後や設定変更後の初期状態であり、後述する有利区間の終了後に全ての変数がクリアされ、この「通常」の状態に移行する。「通常」では、ナビが行われず、単位遊技(一のゲーム)ごとに有利区間移行抽籤が実行される。有利区間移行抽籤で当籤すると、有利区間当籤となる。有利区間当籤には、「通常当籤」と「GG当籤」とがある。「通常当籤」の場合、次ゲームから出玉状態として後述する「通常有利」に移行する。一方、「GG当籤」の場合、出玉状態として後述する「GG前兆」に移行する。なお、有利区間移行抽籤については後述する。
有利区間は、主たる出玉状態として、「通常有利」、「JOT」、「GG前兆」、「MB_HZ」、「JM」、「GG」が実行可能である。有利区間は、最大払出枚数の押し順小役(本実施形態では、「押し順ベル」又は「打順ベル」)を入賞させ得るナビ(ベルナビ)が発生可能な状態であり、ベルナビの発生(押し順ベルの当籤)あるいはボーナス(MB)の作動といった終了条件のうち、少なくともいずれかの終了条件が成立するまでは終了させることができない状態である。上記の終了条件が成立すると、後述する有利区間終了抽籤が実行され、この抽籤結果に応じて「通常」に移行する。有利区間終了抽籤の抽籤結果によっては、有利区間が継続される場合もある。ただし、本実施形態では、MBが作動する場合を除き、有利区間が開始されてから例えば100Gまでは、押し順ベルに当籤してもベルナビが発生させられないベルナビ非発生状態(報知抑制状態、「待機区間」ともいう)とされる。すなわち、本実施形態においては、原則として、有利区間の開始からMBが作動することなく所定ゲーム数(100G)経過したことを条件に、押し順ベルの当籤に応じて初回のベルナビが発生可能(ベルナビ発生可能状態、報知許容状態)となる。なお、例外として、有利区間の開始から所定ゲーム数(100G)が経過する前であっても、MBに当籤した場合は、ベルナビ発生可能状態(報知許容状態)となる。なお、ゲーム数に関係なく押し順ベルの当籤についてフラグで管理し、フラグの有無や数に応じてベルナビ非発生状態とベルナビ発生可能状態とを制御するようにしてもよい。また、本実施形態では、有利区間が開始されてから例えば1500Gに達すると、上記有利区間の終了条件(押し順ベル当籤、ボーナス(MB)作動)が成立する前であっても、有利区間が強制的に終了させられ、通常区間(「通常」の状態)に移行するといったリミット処理が実行される。例えば、後述する「GG」というARTの状態であって有利区間の開始から1500Gに到達すると、ARTの残りゲーム数がたとえ残存していても、リミット処理が実行される。これにより、ARTと共に有利区間が終了させられ、通常区間に移行させられる。
図147及び図149に示すように、「通常有利」は、「通常」において有利区間抽籤により「通常当籤」となることで移行する。また、「通常有利」は、後述するART(GG)終了時の有利区間終了抽籤で継続となる抽籤結果が得られた場合のほか、後述「JOT」においてGG非当籤で残り0Gとなった場合にも移行する。「通常有利」においては、JOT抽籤及び後述するGG抽籤が実行される。JOT抽籤に当籤すると、「通常有利」から後述する「JOT」の状態に移行し、GG抽籤に当籤すると、「通常有利」から後述する「GG前兆」の状態に移行する。
「通常有利」には、“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”といったGG抽籤の「GG」当籤確率が異なる通常モードがある。通常モードの種類は、「通常」において有利区間抽籤により「通常当籤」となった場合、後述する有利区間初期通常モード抽籤により当初決定される。「通常有利」中の通常モードは、当籤役に応じて通常モード移行抽籤が実行され、抽籤結果に応じて基本的にGG抽籤の当籤確率が高いモードに昇格したりあるいはモードが維持される。また、「通常有利」には、“低確”、“高確A”、“高確B”、“高確C”といった「JOT」の当籤確率が異なるJOT抽籤モードがある。JOT抽籤モードの種類は、当初“低確”であり、「通常有利」中のJOT抽籤モードは、当籤役に応じてJOT抽籤モード移行抽籤又は規定ゲーム数到達時専用のJOT抽籤モード移行抽籤により昇格・転落あるいは維持される。基本的に、JOT抽籤モード移行抽籤では、「JOT」の当籤確率が低いモードに転落したりあるいはモードが維持される。規定ゲーム数到達時専用のJOT抽籤モード移行抽籤では、例えば20G、40G、80Gに到達すると実行され、JOT抽籤の当籤確率が高いモードに昇格したりあるいはモードが維持される。120G以降においては、専用の抽籤モードとなり、JOT抽籤及びGG抽籤において当籤確率が当初より上がる。なお、専用の抽籤モードとなる“ハマリ天井”となった後は、「通常有利」から「通常」への移行契機となる後述する有利区間終了抽籤(図155参照)を行わないものとし、実質的に「GG」当籤を確定させることが望ましい。このような救済的な措置を行うことにより、押し順ベルやMBにほぼ当籤することなく120ゲーム程度遊技を進めることで、メダルを減らした遊技者に対して恩恵を付与することができ、「通常有利」の状態においてあいにく押し順ベルやMBを引くこと(当籤)ができなかった場合であったとしても、“ハマリ天井”到達への期待感をもって遊技を進めることができるようになり、遊技の興趣が低下することを抑制することができる。また、“ハマリ天井”のモードにおいては、「GG」のみを抽籤してもよいし、「JOT」のみを抽籤してもよい。また、各通常モード及びJOT抽籤モードよりも「GG」や「JOT」の抽籤確率を高くして、“ハマリ天井”に到達したことで却って「GG」や「JOT」に当籤し難くなるといった事態が生じないようにすることが遊技の興趣を高める上で望ましい。また、「JOT」に当籤し、「JOT」に失敗したとしても、“ハマリ天井”のモードへと復帰させるようにして、メダル増加区間である「GG」当籤以上の恩恵を保障することが望ましい。また、「GG」以上の恩恵が確定する“ハマリ天井”のモードにおいて「JOT」に当籤した場合、メダル増加区間である「GG」が開始されるまでのゲーム数が結果的に増えることとなるが、「JOT」を経由して「GG」に当籤した場合は、後述の「JM」(上乗せ特化ゾーン)からARTが開始されるため、5ゲーム程度の「JOT」中に消費されるメダルを考慮したとしても、「GG」に直接当籤する場合よりも獲得することができるメダルの期待値が高くなるので、「GG」が確定しているのに余計なチャンス遊技でメダルを減らされるといった不快感を遊技者に与えにくいようにすることができる。
さらに、「通常有利」においては、後述するMBの当籤確率が約1/17であり、100Gに達するまでにMB入賞の可能性が高くなっている。そして、MBが入賞すると、ベルナビ発生可能状態となり、MB作動終了後に後述する有利区間終了抽籤が実行され、抽籤結果に応じて「通常」に移行するこことなる。要するに、「通常有利」に移行して所定ゲーム数(100G)を超えると、ベルナビ発生可能状態となるものの、100Gに達するまでにMBが成立するゲームにおいて又はフラグ間状態を経て入賞する可能性が高くなるので、「通常有利」の平均滞在ゲーム数は、概ね25G程度とされる。なお、詳しくは後述するが、MBの入賞を遊技者が意図的に遅らせることで出玉率が上昇するという攻略がなされないように、MBの図柄組合せが引き込み1(全ての押し順で、どのタイミングでストップボタン7L、7C、7Rを停止操作したとしても入賞可能)となるように、図柄配列及びリール停止制御を構成することが望ましい。
図147及び図149に示すように、「JOT」は、「通常有利」においてJOT抽籤によりJOT当籤となることで移行する。「JOT」は、後述する「GG」に比較的当籤しやすいチャンス遊技状態である。「JOT」には、“通常”、“レジェンド”といったJOT抽籤モードに応じてGG抽籤の当籤確率が異なる種別がある。例えば、JOT抽籤モードが“高確A”で種別が“レジェンド”の場合は、同じくJOT抽籤モードが“高確A”で種別が“通常”の場合よりもGG当籤確率が高くなる。基本的に、種別が“レジェンド”の場合の方が“通常”の場合よりもGG当籤確率が高くなる。JOTの種別は、役不問の抽籤により決定される。GG抽籤に当籤すると、「JOT」から後述する「JM」の状態に移行する。GG抽籤で当籤することなく「JOT」の規定ゲーム数(5G)が終了した場合、「通常有利」へ移行する。なお、「JOT」では、当籤した押し順ベルのナビが基本的に行われない。また、「JOT」の種別は、JOT抽籤に当籤した単位遊技(ゲーム)の内部当籤役を参照して決定するようにしてもよい。例えば、「強ベル」の当籤を契機に「JOT」に当籤した場合は、他の役を契機に当籤した場合よりも“レジェンド”が選択されやすいなどとしてもよい。また、「JOT」の種別は、「JOT」当籤時のJOT抽籤モードを参照してもよく、“低確”、“高確A”、“高確B”、“高確C”といったJOT抽籤モードごと又はその一部において“レジェンド”の選択率を異ならせてもよい。また、前述の“ハマリ天井”モードにおいては、“レジェンド”が確定するなどの特典を設けて、メダルを減らした遊技者に対する救済措置を設けることにより、遊技者の遊技意欲の低下を抑制する仕様としてもよい。なお、「JOT」中は、5ゲームの間、内部当籤役を参照してGG抽籤を行うが、ハズレ時においては、内部当籤役に非当籤の状態とも考えられるため、GG抽籤を行わないものとしてもよい。また、内部当籤役又は停止出目の少なくともいずれか一方を参照してGG抽籤を行うようにしてもよい。停止出目に基づいてGG抽籤を行う場合は、遊技者にリールでの出目を楽しませることができ、内部当籤役に基づいてGG抽籤を行う場合は、主制御基板71の制御負荷を軽減することができる。
「図147及び図149に示すように、「GG前兆」は、「通常」又は「通常有利」においてGG抽籤によりGG当籤となることで移行する。「GG前兆」は、規定ゲーム数消化後にGG準備状態を経て「GG」に移行する。ただし、通常モードが「特殊」に滞在でGG当籤により「GG前兆」に移行してきた場合には、後述する「JM」を経て「GG」に移行する。「GG前兆」においては、開始時からGG初期モード抽籤のランクアップ抽籤が実行される。基本的に、GG初期モード抽籤のランクが高いほど、遊技者にとって有利な状態となる。
図147及び図149に示すように、「MB_HZ」は、通常区間又は有利区間の如何を問わずLMBに当籤することで移行する。「MB_HZ」においては、HZモード昇格抽籤や役不問のGG抽籤が実行される。HZモードは、ランクが高いほど、遊技者にとって有利な状態となる。GG抽籤に当籤してLMBの作動が終了すると、「MB_HZ」から後述する「JM」の状態を経て「GG」に移行する。GG抽籤に当籤することなくLMBの作動が終了すると、「MB_HZ」から元の出玉状態(例えば、「通常」や「通常有利」など)に移行する。
図147及び図149に示すように、「JM」は、いわゆるARTの上乗せ特化ゾーンであり、「JOT」や「MB_HZ」でのGG当籤、あるいは「GG前兆」の規定ゲーム数終了後に移行する。「JM」では、JM種別に応じてGGゲーム数の上乗せ抽籤が実行される。「JM」の規定ゲーム数消化後、終了抽籤に当籤するとJMストックがあればそのまま「JM」の状態となり、JMストックなければ、「GG」に移行する。
図147及び図149に示すように、「GG」は、いわゆるARTの状態であり、「JM」あるいは「GG前兆」から移行する。「GG」は、“GG”、“チャンスA”、“チャンスB”、“チャンスC”といった上乗せ抽籤などの有利度合いが異なるモードがあり、上乗せ抽籤や各種モード移行抽籤が実行される。「GG」は、初期ゲーム数として例えば100Gが付与され、上乗せ抽籤の結果に応じてゲーム数が加算される。「GG」のゲーム数終了時、当籤役不問の有利区間抽籤が実行され、その抽籤結果が「継続」であれば「通常有利」に移行する一方、「終了」であれば「通常」に移行する。
図148及び図149に示すように、「MB」は、いわゆるボーナスの状態であり、LMB作動中以外は、通常区間又は有利区間のいずれにおいても入賞に応じて発生し得る。「MB」では、通常モード移行抽籤、JOTモード移行抽籤、GGモード移行抽籤、ゲーム数上乗せ抽籤などが実行される。
[主制御基板の制御による遊技状態]
次に、図150を参照して、第4実施形態のパチスロ機1の主制御基板71の制御による遊技状態について説明する。図150は、第4実施形態のパチスロ機1の遊技状態の遷移フローである。
図150に示すように、遊技状態としては、リプレイ当籤確率が比較的低いRT0、RT1と、リプレイ当籤確率が比較的高いRT2、RT3とがある。RT0は、設定変更後の初期状態あるいはMB終了後の遊技状態であって、出玉状態が「通常」の場合に滞在する状態であり、ベルこぼし目あるいはRT1移行リプが表示されると、RT1に移行する。RT1は、主として出玉状態が「通常」の場合に滞在する状態であり、RT2移行リプが表示されると、RT2に移行する。RT2は、RT3移行時における途中の状態であり、RT3移行リプが表示されると、RT3に移行する。RT3は、出玉状態が「GG」あるいは「JM」などに相当するいわゆるARTの状態であり、ベルこぼし目あるいはRT1移行リプの表示を経てRT1に移行する。
なお、設定変更後の初期状態は、必ずRT0で「通常」の状態となる一方、設定変更がない電源オン後の初期状態では、電源オフとなる前の遊技状態(一般的にはRT1)のままで「通常」の状態となる。設定変更後の初期状態においては、RT0の「通常」状態で有利区間に当籤すると、設定変更がない電源オン後の初期状態において有利区間に当籤した場合よりも相対的に有利な有利区間となる。これについては、図164を参照して後述する。
[主制御側の各種のデータテーブル]
次に、図151〜156を参照して、メインROM32に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
<内部抽籤テーブル>
次に、図151を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態ごとに設けられ、それぞれの役に対応する抽籤値の情報を規定する。図151は、RT0〜RT3、MB内部中、MB(作動)中のそれぞれにおいて参照される内部抽籤テーブルである。
本実施形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各役に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられた役が内部当籤役として決定される確率が高い。すなわち、各番号の当籤確率は、「各番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
内部抽籤テーブルは、基本的には、RT遊技状態の種別に応じて内部当籤役として決定されるリプレイに係る役の種別及び当籤確率が変化する。図151に示すRT0〜RT3の内部抽籤テーブルを比較すると、それぞれの遊技状態において内部当籤役として決定されるリプレイに係る役の種別及び当籤確率が異なることが分かる。最も特徴的な点として、本実施形態のパチスロ機1では、「SMB(No.48)」〜「LMB+F_XDリプ(No.50)」は、RT0〜RT3では内部当籤役として約1/17の確率で内部当籤役として決定される。ちなみに、RT0〜RT3又はMB内部中において、押し順ベル(「F_4択ベル1A(No.34)」〜「F_4択ベル4B(No.41)」)は、約1/4の確率で内部当籤役として決定される。なお、SMBは、設定差が有るボーナス役であり、「SMB(No.48)」の単独当籤役として決定可能とされる一方、LMBは、設定差が無いボーナス役であり、「LMB+F_煽りリプB(No.49)」又は「LMB+F_XDリプ(No.50)」の重複当籤役として決定可能とされる。なお、「SMB」は、単独当籤のみ、かつ「SMB」に対応する図柄組合せが引き込み1(全ての押し順で、どのタイミングでストップボタン7L、7C、7Rを停止操作したとしても他の役に阻害されない限り入賞可能)となるように、図柄配列及びリール停止制御が設計されており、必ず成立ゲーム(ボーナス非当籤の状態から持越しではなく初めて当籤したゲーム)で入賞するため、持ち越されることがない。「LMB」は、成立ゲームでは再遊技役(リプレイ)と重複して内部当籤し、再遊技役は、「LMB」よりも優先的に入賞するため、「LMB」の成立時は、必ずフラグ間状態であるMB内部中へ移行する。そして、「LMB」に対応する図柄組合せも引き込み1であるため、フラグ間状態においてボーナスよりも優先的に入賞する小役又は再遊技役が同時に成立しない限り必ず入賞する。このような役構成とすることにより、遊技者が目押しで意図的にMBの入賞を回避して、有利区間の終了条件の充足を遅らせることで“ハマリ天井”への到達率を上昇させるといった攻略法を予防し、ホール側に不測の損害が発生しないように抑制することができる。
<通常_有利区間移行抽籤テーブル>
次に、図152を参照して、通常_有利区間移行抽籤テーブルについて説明する。通常_有利区間移行抽籤テーブルは、「通常」の状態においてゲーム(単位遊技)ごとに内部当籤役に基づき有利区間移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。同図に示すように、通常_有利区間移行抽籤テーブルには、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、チャンスリプ、弱チャンス」、「中チャンス、煽りリプ」、「強ベル」、「確定役」、「LMB」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果を示す「非当籤」、「通常有利」、「特定役」、「LMB」の抽籤値が規定される。図151に示す内部当籤役として、「打順ベル」は、「F_4択ベル1A(No.34)」〜「F_4択ベル4B(No.41)」に相当し、「共通ベル、1枚」は、「F_共通ベルA(No.45)〜F_共通ベルB(No.46)」、「F_1枚役(No.47)」に相当し、「共通リプ、チャンスリプ、弱チャンス」は、「F_共通リプ(No.25)」、「F_チャンスリプ(No.26)」、「F_弱チャンス役(No.44)」に相当し、「中チャンス、煽りリプ」は、「F_中チャンス役(No.43)」、「F_煽りリプA(No.31)」〜「F_煽りリプB(No.32)」に相当し、「強ベル」は、「F_強ベル(No.42)」に相当し、「確定役」は、「F_黒BARリプ(No.37)」、「F_赤BARリプ(No.28)」、「F_紫7リプA(No.29)」〜「F_紫7リプB(No.30)」に相当し、「LMB」は、「LMB+F_煽りリプB(No.49)」〜「LMB+F_XDリプ(No.50)」に相当する。なお、抽籤結果としての「特定役」は、「確定役」として特定の処理の契機となるものである。
このような通常_有利区間移行抽籤テーブルを用いた有利区間移行抽籤によれば、「通常」の状態において例えば「打順ベル」に当籤すると、1/256の確率で「通常有利」の抽籤結果が得られ、当該抽籤結果に基づいて次のゲームから「通常有利」の状態となる。また、例えば「中チャンス」あるいは「煽りリプ」に当籤すると、248/256の確率で「通常有利」の抽籤結果が得られ、当該抽籤結果に基づいて次のゲームから「通常有利」の状態となるほか、8/256の確率で「GG」の抽籤結果が得られる場合があり、この場合、当該抽籤結果に基づいて次のゲームから「GG前兆」の状態となる。このような「GG」の当籤確率は、「中チャンス、煽りリプ」の当籤時に3.2%程度であり、「強ベル」の当籤時に12.5%程度であり、「有利区間」に当籤する確率よりも低く抑えられている。
<通常_有利区間初期通常モード抽籤テーブル>
次に、図153を参照して、通常_有利区間初期通常モード抽籤テーブルについて説明する。通常_有利区間初期通常モード抽籤テーブルは、「通常」から有利区間移行抽籤に当籤することで「有利区間」に移行した直後の初回ゲーム(単位遊技)において、当該初回ゲームの通常モードを有利区間初期通常モード抽籤により決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、通常_有利区間初期通常モード抽籤テーブルには、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、チャンスリプ、弱チャンス」、「中チャンス、煽りリプ」、「強ベル」、「確定役」、「LMB」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果を示す通常モードの種類として、“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”の抽籤値が規定される。
このような通常_有利区間初期通常モード抽籤テーブルを用いた有利区間初期通常モード抽籤によれば、「通常有利」の初回ゲームにおいて例えば「打順ベル」に当籤すると、248/256の確率で“低確”の抽籤結果が得られ、当該初回ゲームでは、その抽籤結果に基づいて“低確”の通常モードとなる。一方、例えば「打順ベル」に当籤した場合には、6/256の確率で“天国準備”の抽籤結果が得られ、この場合に「通常有利」の初回ゲームでは、その抽籤結果に基づいて“天国準備”の通常モードとなる。「通常有利」の初回ゲーム以降は、通常モード移行抽籤の抽籤結果に応じて通常モードが昇格する可能性がある。通常モードは、“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”の順に昇格し(2段階以上の昇格を含む)、基本的に昇格するほど「GG」の当籤確率(図154参照)が高くなるようになっているが、初回ゲームでの通常モードともなり得る“特殊”の場合は、「GG」の当籤確率が“超天国”の場合よりも必ずしも高いとはいえないようになっている(図154参照)。また、「通常有利」の状態で通常モードが“低確”又は“天国準備”の場合の「GG」の当籤確率は、「通常」の状態における「GG」の当籤確率よりも低くなるようになっている(図152及び図154参照)。これにより、「通常」から「通常有利」への移行直後は、「通常」の状態よりも「GG」に当籤し難い状態になりやすい。これについては、後述する通常有利_GG抽籤テーブルを参照して詳述する。
<通常有利_GG抽籤テーブル>
次に、図154を参照して、通常有利_GG抽籤テーブルについて説明する。通常有利_GG抽籤テーブルは、通常モードの種類(“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”)ごとに設けられており、「通常有利」の各通常モードごとに内部当籤役に基づき「GG」への移行(「GG当籤」)を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、各通常モードに対応する通常有利_GG抽籤テーブルには、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(非当籤、当籤)に対応する抽籤値が規定される。
このような通常有利_GG抽籤テーブルを用いたGG抽籤によれば、「通常有利」の状態において例えば“低確”の通常モードである場合には、「弱チャンス」に当籤すると、1/256の確率で「GG」当籤の抽籤結果が得られ、その後「GG前兆」を経て「GG」の状態に移行する。
ここで、通常モードが“低確”又は“天国準備”である場合、「GG」当籤の確率は、内部当籤役の当籤確率も加味すると、「GG」当籤確率(“低確”又は“天国準備”)=0.4%×0.8+0.8%×0.3+12.5%×0.1=1.81%程度となる。一方、図152を参照して「通常」時において有利区間移行抽籤により「GG」当籤の確率は、同様に内部当籤役の当籤確率も加味すると、「GG」当籤確率(通常時)=2.5%程度となる。すなわち、本実施形態では、「通常有利」に移行した当初の通常モード(主として“低確”又は“天国準備”)は、「通常」の状態よりも「GG」当籤の確率が低くなるように抑えられており、「通常」の状態よりも「通常有利」に移行した直後の方が「GG」に移行しにくくなっている。これにより、「通常」の状態であっても「通常有利」を経由せずに「GG」に移行するかもしれないという期待度が高められ、遊技の興趣を高めることができる。また、有利区間が終了し、有利区間ランプ〈状態表示器147b)が消灯した場合であっても、必ずしも最も不利な状況であるとは言い切れないため、ランプ消灯時をきっかけに遊技を止めようと考える遊技者に遊技を続行する意欲を生じさせることができる。また、開店直後以外の遊技場においては、前任者が遊技を止めた状態で放置された状況から空き台を選択することとなる。前述の工夫を施したとしても、有利区間ランプが消灯した状況で放置された台の方が多くなる傾向にあり、仮に有利区間ランプ消灯の状況がその機種で相対的に最も不利な状況であることが確定してしまうと、敢えて最も不利な状況から遊技を始める必要もないのではないか、とその遊技者が遊技の開始をためらう可能性がある。わざわざ遊技場まで足を運び、その機種を見に来ている時点で非常に高い遊技意欲をもっている遊技者といえるが、そのような遊技者の意欲を削ぐと稼働率の低下につながる。上述のように、有利区間ランプ消灯の状況が必ずしもその機種の遊技状態の中で最も不利とは限らない仕様とすることにより、ひとまず最も不利な状況とは言い切れないようし、これにより遊技を行ってみようかという気持ちを遊技者に抱かせて稼働率の低下を抑制するといった効果を期待することもできる。
<通常有利_有利区間終了抽籤テーブル>
次に、図155を参照して、通常有利_有利区間終了抽籤テーブルについて説明する。通常有利_有利区間終了抽籤テーブルは、通常モードの種類(“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“特殊”)ごとに設けられており、「通常有利」の各通常モードごとに内部当籤役に基づき有利区間の終了を決定する際に参照されるテーブルである。なお、通常モードが“次回前兆”の場合、有利区間を終了させないようにするために、“次回前兆”に対応する有利区間終了抽籤テーブルか設けられていない。同図に示すように、各通常モードに対応する通常有利_有利区間終了抽籤テーブルには、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(継続、終了)に対応する抽籤値が規定される。
このような通常有利_有利区間終了抽籤テーブルを用いた有利区間終了抽籤によれば、有利区間の開始から例えば100Gに達した後、「通常有利」の状態において、例えば“低確”の通常モードである場合には、「打順ベル」に当籤すると、252/256の高確率で有利区間終了の抽籤結果が得られ、次ゲームから有利区間の「通常有利」の状態から通常区間の「通常」の状態に移行する。一方、例えば“低確”の通常モードで「打順ベル」に当籤した場合にあっても、4/256という低い確率で有利区間継続の抽籤結果が得られる場合がある。この場合、有利区間が終了されることなく継続される。なお、有利区間終了の抽籤結果が得られた後に所定ゲーム数を経過してから通常区間の「通常」の状態に移行するようにしてもよい。また、有利区間終了の抽籤結果が得られた後に、通常区間の「通常」の状態に移行するまでに所定ゲーム数の移行待ち状態を設けることにより、当該所定ゲーム数において勝利で有利区間継続又は/及びGG当籤、敗北で有利区間終了といった複数ゲームにまたがる連続演出を行うことができるようにしてもよく、これにより遊技の興趣を高めることができる。この場合は、当該連続演出の最中に有利区間ランプが消灯してしまい、連続演出の途中において敗北が確定してしまうといった興趣が低下する状況を避けることができる。なお、連続演出は、移行待ちの所定ゲーム数よりも1ゲーム以上短いゲーム数で基本的な決着がつく構成として、基本的な決着としての敗北演出が発生した次ゲームで復活するパターンをもたせるようにしてもよい。敗北確定演出が発生したゲームの例えば第3停止時において有利区間ランプが消灯した場合は、復活演出で有利区間継続又はGG当籤となる可能性がなくなるため、次ゲームの遊技を継続する意欲が低下するので、そのような状況を避けるための配慮である。具体例としては、所定ゲーム数を5ゲームとして、連続演出について復活演出用の1ゲームを除いた決着までの内容を最大4ゲームで構成し、1ゲームで復活演出を行うといった場合である。復活演出が発生しないことを遊技者が確認した後に有利区間ランプが消灯することにより、連続演出の興趣を途中で低下させる事態を防止することができる。なお、リミッタ(リミット処理)が発動する場合は、「通常有利」から通常区間の「通常」に移行するまでに移行待ち状態を設けることができないので、リミッタ発動の直前については、上述の有利区間継続に関する連続演出の発生を抑制し、連続演出がリミッタで打ち切られる事態を防止するとよい。
<共通_終了時有利区間終了抽籤テーブル>
次に、図156を参照して、共通_終了時有利区間終了抽籤テーブルについて説明する。共通_終了時有利区間終了抽籤テーブルは、例えば「GG」(ART)の終了時に内部当籤役に関係なく有利区間の終了を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、共通_終了時有利区間終了抽籤テーブルには、抽籤結果(継続、終了)に対応する抽籤値が規定される。
このような共通_終了時有利区間終了抽籤テーブルを用いた終了時有利区間終了抽籤によれば、例えば「GG」のゲーム数を消化した終了時において、内部当籤役とは無関係に243/256の確率で有利区間終了の抽籤結果が得られ、次ゲームから通常区間の「通常」の状態に移行する。一方、例えば「GG」のゲーム数を消化した終了時においては、内部当籤役とは無関係に13/256の確率で有利区間継続の抽籤結果が得られる場合がある。この場合、有利区間が終了されることなく「GG」から「通常有利」の状態に移行することで有利区間が継続される。なお、図152〜156に示す通りAT関連の処理においては、設定1〜6の全設定で共通のテーブルを採用している。これにより、ATの設定差が極端に高くなることで射幸性をあおりすぎることを抑制することができるとともに、主制御基板71におけるAT抽籤に必要なデータ容量を削減することができる。
[有利区間の流れについて]
次に、図157〜164を参照して、有利区間の流れについて説明する。図157〜159は、有利区間の開始当初からベルナビを発生させる仕様例1を図示したものであり、仕様例1において打順ベル役及びMBの当籤する順番が異なる3パターンについて有利区間の流れを説明するための図である。図160は、第4実施形態の実施例1に係る有利区間の流れを説明するための図である。仕様例1との相違点として、実施例1では、有利区間開始直後においてベルナビ抑制状態(ベルナビ非発生状態)となっている。図161は、仕様例1と実施例1との有利区間における払出量を比較するための図であり、図160に示される実施例1による効果を示したものである。図162は、仕様例2に係る有利区間終了時の流れを説明するための図であり、図163は、第4実施形態の実施例2に係る有利区間終了時の流れを説明するための図である。図164は、第4実施形態の実施例3として、設定変更がない場合の電源オン後と、設定変更がなされた場合の電源オン後について説明するための図である。なお、仕様例とは、各実施例の効果を説明するために例示した仕様であるが、各仕様例も周知技術ではなく、採用する場合に各々の仕様に応じた効果を発揮するものであり、企画者が意図する遊技性によっては課題の解決手段として適宜採用することができる仕様である。図158〜160に示す「MB」は、図151に示す「SMB」及び「LMB」のいずれも該当するため、これらを総称して「MB」と表記するが、主に当籤確率が高い「SMB」を想定しており、フラグ間状態については、図示を省略している。
<有利区間の終了条件>
図157〜159に示す仕様例1及び図160に示す実施例1における有利区間の終了条件は、以下のとおりである。
条件1:打順ベルの当籤による押し順報知の少なくとも1回以上の発生
条件2:MBの少なくとも1回以上の入賞又は作動(入賞により作動するので、いずれに基づいて判定してもよい)
条件3:条件1又は条件2の少なくともいずれか一方を充足したことを前提として所定の終了条件が成立
この条件3における所定の終了条件が成立したときに有利区間を終了させるものであり、仕様例1と実施例1とで差はない。
なお、有利区間の開始時から所定期間経過(20ゲーム以上経過)又は当該有利区間の開始時から毎ゲーム有利区間の終了抽籤を行い、上述の条件1又は条件2の充足よりも以前に終了抽籤で当籤していた場合、終了フラグを設定しておき、ベルナビ発生により条件1を満たしたゲーム又はMB作動で条件2を充足したゲームにおいて条件3を充足したとみなして有利区間を終了させてもよい。また、条件3を充足してから有利区間を終了さるまでの間に、少なくとも1ゲーム以上の所定ゲーム数の移行待ち状態を設けてもよい。なお、説明の便宜上、MBと表記しているが、MB以外の所定のボーナスの作動を終了条件としてもよい。また、変形例として、ボーナス非搭載の機種、又はシングルボーナス(SB)や1ゲーム限りのCTボーナス(CB)のみをボーナスとして有する機種においては、条件2を設定せずに打順ベル成立によるナビ発生のみを有利区間終了の前提条件として設定しても問題ない。
<仕様例1>
仕様例1では、有利区間が開始されてから最初に打順ベルが当籤するまではベルナビ確定状態となる点に特徴がある。この仕様では、有利区間において打順ベルの当籤後、できる限り早期にベルナビ(押し順報知)を行い、有利区間の開始直後からベルナビ確定状態として、打順ベルに当籤すればそれに応じて1回目のベルナビが発生させられることとなり、その後は有利区間の終了抽籤の結果に応じて有利区間が終了される。この仕様は、実際に一様にメダルが増加するART状態である「GG」に当籤しない場合、なるべく早く有利区間を終了可能状態へと移行させることを目的とするものである。例えば、「通常有利」の有利区間に当籤した場合に、結果としてGG非当籤であるにもかかわらず、過度に長いゲーム数を有利区間として報知し、遊技者が遊技を止めにくい状況で遊技の続行が強いられる場合に、最終的に当たらなかったのに当たりそうなあおりを極端に長く見せられたと感じた遊技者が遊技機への興味を著しく低下させる場合があり、そうした場合を適切に抑制することができる仕様である。
有利区間終了までの流れとして、図157〜159の3パターンについて以下、図の順に説明を行う。
まず、図157は、有利区間開始後にMBよりも先に打順ベルに当籤し、MBに当籤することなく有利区間が終了した場合である。この場合は、ナビにより打順ベルが遊技者に獲得されるため、図161に示す「有利区間(CZ/高確用)のベルナビによる払出」が発生することとなる。打順ベルの当籤確率が約1/4であり、MBの当籤確率に設定差があるものの1/15〜1/17程度であることから、打順ベルがMBより先に当籤するというこのパターンは、発生の頻度が高い。なお、打順ベルに当籤して1回以上の押し順ナビが発生した後の有利区間終了前に、MBに当籤する場合も発生し得るが、MBの入賞及びMB作動中の獲得枚数は、押し順ナビの発生の影響を受けず、図161に示す「有利区間(CZ/高確用)のベルナビによる払出」にも影響しないものである。詳しくは後述の図159にて説明する。合わせて説明するが、本仕様例及び実施例のMBは同じ仕様であり、目押し位置正解で9枚の払出、目押し位置不正解で8枚の払出が得られる仕様である。最低限の技量介入を担保するために、8枚が入賞する場合を設けているが、例えば少なくとも1以上のいずれかのリールに赤BARの図柄を目押しで停止させれば9枚獲得可能など、容易に入賞できるものとして初心者でも安心して遊技を行うことができる仕様としている。
次に、図158は、仕様例1おいて打順ベルよりも先にMBに当籤し、その後に打順ベルに当籤することなく有利区間が終了した場合のパターンを示している。このバターンは、前述の通り、図161に示す「有利区間(CZ/高確用)のベルナビによる払出」が発生しないものであるが、MBの方が打順ベルよりも当籤確率が低いため、図157に示すパターンよりも発生の頻度は低い。なお、単に当籤確率のみを考慮した場合、MB当籤確率を打順ベルよりも高い確率とすれば、ベルナビの発生頻度を抑えられるとも考えられるが、例え当該MBによる払出枚数が少ないものとしても、出玉試験における役物比率(全払出に占めるボーナスによる払出の割合が高すぎることに基づく不適合事由)の項目で不適合となる可能性があり、MB当籤確率を打順ベルよりも高めるという解決策を採用する場合は、出玉設計の自由度が極めて低いものとなる。
次に、図159は、仕様例1において打順ベルがMBよりも先に当籤してベルナビが発生したものの、その後の有利区間終了よりも前にMBが当籤したパターンである。この場合は、結果的にMBの当籤・作動により上記条件2を満たすことで有利区間の終了条件を成立させることができたため、有利区間の「通常有利」の状態におけるナビによる出玉を抑制し、その分GG(本ATと記載する場合もある)における出玉の獲得を増して遊技者が待ち望む“当り”である「GG」で十分な出玉を獲得させて遊技の興趣を高めたいとの出玉設計思想からすると、有利区間突入直後に打順ベルナビの発生を許容する仕様が好ましくない方向に作用してしまったパターンといえる。なお、初回のベルナビ発生時点で即座に有利区間を終了させるという手法でこの事象を抑制することができるが、1/4程度の高確率で打順ベルが成立するため、有利区間ランプが点灯した直後に平均4ゲーム程度で、ベルナビが1回発生して有利区間が終了してしまうとなると、「通常有利」の状態を設けて適度なゲーム数の間、GGに当籤するか否かを演出などで楽しませることが難しいという側面もあるため、この手法を採用した場合は、出玉設計や演出設計の自由度が大幅に狭くなることとなる。
<実施例1>
次に、図160を参照して実施例1に係る有利区間の流れについて説明する。同図に示すように、実施例1では、有利区間について以下の条件が適用される。
第1条件:有利区間の開始から100G経過するまでは、打順ベルに当籤してもベルナビ非発生状態とし、ベルナビを発生させない。
第2条件:MBの当籤確率が比較的高い1/17程度とされる(図151参照)。
第3条件:MB作動終了後、有利区間終了抽籤の抽籤結果に応じて有利区間が終了させられる。
これにより、有利区間が開始されてから100Gに達するまでは打順ベルに当籤しても有利区間の終了不能状態(ベルナビ非発生状態)とされる一方、MBの当籤確率が比較的高いため、100GまでにMBが当籤しやすく、その後、有利区間の終了可能状態(ベルナビ発生可能状態)としてゲーム(単位遊技)ごとに有利区間の終了抽籤が行われ、有利区間の終了に当籤することでMB作動終了後に有利区間が終了することとなる。この実施例1によれば、有利区間の「通常有利」の状態におけるナビによる出玉を抑制し、その分GG(本ATと記載する場合もある)における出玉の獲得を増して遊技者が待ち望む“当り”である「GG」で十分な出玉を獲得させて遊技の興趣を高めたいとの出玉設計思想からすると、図157及び図159に示すように「通常有利」で打順ベルナビの発生によりベルを入賞させて出玉が獲得されるという、好ましくない事象を抑制することができる。なお、MB作動によるメダルの獲得は、ナビの影響を受けないため、「通常有利」でのナビ発生率を抑制することで、通常区間の「通常」と「通常有利」とのベース値(投入枚数に対する払出枚数の割合)を概ね近い値に抑制することができ、その分の出玉を「GG」に振り分けることができる。
このような実施例1による有利区間の流れでは、有利区間における押し順ナビの発生を適切に抑制することができ、出玉設計の自由度を高めることができる。具体的には、有利区間の「通常有利」の状態における出玉を増やさず、図161に示すように白抜き矢印で示す出玉分をART(「GG」)などの出玉に割振ることができ、出玉の設計自由度を高めることができる。
ここまでの説明において、MBは、成立ゲームで必ず入賞する「SMB」として図示及び説明をした。一方、「LMB」では、成立ゲームでリプレイにより入賞が阻害され、ボーナスのフラグ間状態(持越し中)が発生する。ここで、ボーナスのフラグ間状態では、押し順ナビを発生させる仕様としてもよいし、あるいは発生させない仕様としてもよい。前述の「通常有利」の状態におけるベルナビ発生を抑制する観点からは、押し順ナビを発生させない仕様とすると効果的である。また、有利区間中に約1/448(図151の当籤番号No.49及びNo.50参照 当籤確率が146/65536)の当籤確率でLMBを当籤させたことに基づいて、「GG」に当籤させる場合などは、フラグ間状態、LMB入賞、LMB作動中、「GG」という流れでゲームを進めていくため、当該フラグ間状態も遊技者にGG当籤状態と同視できる遊技状態となるので、ベルナビを発生させる仕様とすることが望ましい。なお、この実施例1の場合、持越し可能なボーナスが1種類であるが、例えばLMB1、LMB2など複数種類の持越し可能ボーナスを搭載した機種の場合は、持越し中のボーナス種別に応じて押し順ナビを発生させたり発生させなかったりして、ナビの有無でボーナスの種別を遊技者に対して推測させるようにしてもよいし、持越し中の打順ベル当籤ゲームでは、ナビを必ず発生させる仕様とするか、全く発生させない仕様として画一的に処理し、ナビの有無からボーナス種別の絞り込みが困難としてメインリールの停止出目(いわゆるリーチ目)でボーナス種別を絞り込ませるゲーム性としてもよい。
<仕様例2>
次に、図162を参照して典型例4に係る有利区間終了時の流れについて説明する。同図に示すように、典型例4では、ART(「GG」)が所定ゲーム数(例えば100G)を消化して終了すると、それに伴って有利区間も終了して初期化処理が行われる。これにより、ART終了後は、次ゲームから通常区間(非有利区間)に移行することとなる。このような有利区間終了時の流れによれば、ART中にはある程度の出玉を獲得することを期待しつつ遊技を行うことができるものの、それと引き換えにART終了後には通常区間へと移行してしまうことが確定しているため、遊技者は、ARTの終了時点で必ず遊技を終了しがちとなってしまう。すなわち、ARTの終了と共に有利区間も終了してしまう仕様であると、遊技の興趣を高めることができないばかりか、遊技機の稼働率低下も招きやすくなる。
<実施例2>
次に、図163を参照して実施例2に係る有利区間の流れについて説明する。同図に示すように、実施例2では、ART(「GG」)が所定ゲーム数(例えば100G)を消化して終了すると、先述した終了時有利区間終了抽籤が行われる。この終了時有利区間終了抽籤の結果として「終了」となると、典型例4と同様に、ART終了後は、次ゲームから通常区間(非有利区間)に移行することとなる。
一方、ARTの終了時に終了時有利区間終了抽籤の結果として「継続」に当籤すると、通常区間の「通常」に移行することなく有利区間初期通常モード抽籤により通常モードが決定され、有利区間の「通常有利」に移行する。このとき、「通常有利」の状態においては、基本的に有利区間の開始から所定ゲーム数(100G)を超えているため、ゲームごとに有利区間終了抽籤が行われ、そうして有利区間終了抽籤に当籤すると、有利区間の初期化処理を経て通常区間の「通常」の状態に移行することとなる。
また、「通常有利」の状態では、通常モードのランクが昇格して高くなると(例えば“超天国”や“次回前兆”等の場合)、GG抽籤に当籤しやすくなり、そうしてGG当籤すると、「GG前兆」等を経て再びART(「GG」)に移行することとなる。
このような実施例2の有利区間終了時の流れによれば、ART終了後にあっても有利区間が継続して再びARTに移行するかもしれないという期待感が高められるので、遊技の興趣を高めることができ、遊技機の稼働率アップにも寄与することができる。
<実施例3>
次に、図164を参照して実施例3に係る有利区間の流れについて説明する。同図に示すように、実施例3では、例えば開店時において表示ユニット100に表示される態様が異なる場合がある。
例えば、閉店後に電源を落とし、設定変更することなくそのまま開店前に電源オンとした後の初期状態では、同図の(a)に示すように、「通常」の状態に応じた一般的な表示態様が表示ユニット100に表示される。このとき、一般的には、遊技状態がRT1となっている。
一方、開店前などに設定変更(例えば、設定変更作業を行ったものの設定1から再度設定1を決定するなど同一設定への打ち直しを含む)がなされた後の初期状態では、同図の(b)に示すように、一般的に開店時に遊技状態として滞在するであろうRT1とは異なるRT0にあることを示唆するために、例えば「早起きは三文の徳ステージ」などといった表示態様が表示ユニット100に表示される。すなわち、設定変更後の開店時における初期状態では、遊技状態がRT0となっており、このRT0の「通常」状態であることが表示ユニット100において示唆される。
RT0と他のRT(例えばRT1)とにおいて「通常」の状態で有利区間に当籤した場合は、以下に示すような第1〜第3のいずれかのパターンで有利さに差が設けられている。
(第1のパターン)
RT0で有利区間当籤の場合:押し順ナビ2回以上となって出玉有りでART(「GG」)に当籤しやすい。
他のRTで有利区間当籤の場合:押し順ナビ1回で出玉無しのままCZ(「JOT」)に当籤しやすい。
(第2のパターン)
RT0で有利区間当籤の場合:ART(「GG」)の当籤が確定。
他のRTで有利区間当籤の場合:ART(「GG」)又はCZ(「JOT」)のいずれかに当籤可能。
(第3のパターン)
RT0で有利区間当籤の場合:ART(「GG」)及びCZ(「JOT」)のうち、ARTに当籤する比率が相対的に高い。なお、「相対的に高い」とは、ARTに当籤する比率が100%で、CZに当籤する比率が0%の場合を含むものとしてもよい。
他のRTで有利区間当籤の場合:ART(「GG」)及びCZ(「JOT」)のうち、ARTに当籤する比率が相対的に低い。なお、「相対的に低い」とは、ARTに当籤する比率が0%で、CZに当籤する比率が100%の場合を含むものとしてもよい。
このような実施例3の初期状態によれば、開店時の表示態様によって「通常」の状態でも有利さが期待し得る状態を判別することができ、遊技者が朝一で遊技機を選定する際の目安として有効に利用することができる。
なお、上述の仕様であると、遊技場側にとっては、設定変更がバレやすいというデメリットもある。同一設定への打ち直しを行えば、設定値が前日と変化したか否かを遊技者に推測されにくくすることはできるものの、設置台数が多い場合などは、全台を設定変更する作業に膨大な労力がかかる。そこで、電源投入時に、前回の電断から所定時間経過したことを条件として、電源投入後は設定変更時と同一の図164(a)に示すような画面を表示させるものとしてもよい。この場合の所定時間とは、営業中の一時的な電断で図164(a)に示すような示唆画面が表示されないように、例えば2時間あるいは4時間程度の時間として深夜の電断後に一般的に経過するであろう時間長さとすることが望ましい。
そして、携帯端末連動機能(ユニメモ(登録商標))などメーカーが提供するサービスを積極的にユーザが利用し得るように、携帯端末連動機能をONにする操作を遊技者が遊技者が遊技機で行った場合のみ図164(a)に示すような開店時の有利画面を表示させる仕様としてもよい。また、遊技者がメダルを1枚も投入していない客待ち画面では、設定変更状態か否かを判定することができないように、共通の客待ち画面(デモ画面)を表示するものとしてもよい。このようにすることにより、メダルを借りて実際にメダルを投入することで初めて状態を判別することができるようになるので、まず遊技者に着席してメダルを借りようという動機付けと開店時からの来店の動機付けを行うことができる。しかし、開店時の遊技客が極端に少ない店舗では、借りたメダルを持って複数の台を渡り歩いて有利なRT0を独占しようとする遊技者が現れる場合もある。そのような遊技者に対する対策として、図164(a)に示すような設定変更示唆画面を表示可能とするか否かをホールメニューで遊技場のスタッフが任意に設定可能として、設定変更を遊技者に判別されたくない店舗では、設定変更時においても図164(b)に示すような通常画面が表示される設定を可能とする機能を備えるようにしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上、本発明に係るパチスロ機1について説明した。続いて、パチスロ機1の主制御基板71及び副制御基板72が有する各種機能について説明する。
主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、変動制御手段、内部当籤役決定手段、停止制御手段、状態制御手段、有利状態告知手段、モード制御手段、及びRT制御手段として機能する。ストップボタン7L、7C、7Rは、停止操作手段として機能する。リール3L、3C、3R及び表示窓4は、可変表示手段として機能する。副制御基板72及び報知ランプ147aは、操作態様報知手段として機能する。状態表示器147bは、有利状態告知手段として機能する。これらの機能については、以下の付記において説明し、実施形態において対応するものを末尾に括弧書き付す。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下に説明するような機能などを備えたものでもよい。
例えば、「GG」(ART)終了時の終了時有利区間終了抽籤で当籤(継続)した場合には、所定ゲーム数にわたって「通常有利」の有利区間における滞在が保障される保障区間の状態を設けるようにしてもよい。保障区間を設けた場合は、終了時有利区間終了抽籤に当籤したにもかかわらず、例えば1ゲームや2ゲームで終了するような事態を回避することができ、たとえ有利区間が継続されても遊技者がストレスを感じるようなことを抑制することができる。
上記保障区間としては、例えば20ゲーム等といった固定的な期間を付与するようにしてもよい。固定的な期間とした場合、主制御基板71による出玉抽籤の処理による負荷を軽減することができ、ゲーム性も明瞭となる。一方、保障区間として付与されるゲーム数等を保障区間の継続及び終了に関する条件に基づき抽籤で決定するようにしてもよい。保障区間自体の付与についても決定するようにしてもよい。さらに、終了時有利区間終了抽籤によって当選となる継続と共に一括して保障区間のゲーム数等を決定するようにしてもよい。そうした場合、抽籤処理に必要なデータを軽減することができる。終了時有利区間終了抽籤とは別途の抽籤によって保障区間のゲーム数等を決定するようにした場合は、多彩なゲーム性を実現することができる。
また、上記保障区間については、ゲーム数を管理することなく、所定役(例えばベルあるいはリプレイ、MB等)が所定回数当籤又は入賞するまで継続させるようにしてもよい。
「通常有利」における有利区間終了抽籤については、上記保障区間が終了するまで行わないようにしてもよいし、保障区間中に行うようにしてもよい。保障区間中の有利区間終了抽籤において当籤(終了)した場合は、その当籤結果を例えばフラグとして記憶しておき、保障区間の終了時又はその終了時の次ゲームで通常区間(「通常」)へと移行させるようにしてもよい。
保障区間中であることや保障区間の終了条件が成立した旨を示唆あるいは報知するようにしてもよい。そうした場合、ART(「GG」)終了後にチャンスであることが分かりやすくなり、遊技者にとっては遊技意欲の低下を抑制することができ、ひいては遊技機の稼働率をも高めることができる。例えば、表示ユニット100に「チャンス状態継続確定残り20ゲーム」等と表示することで明確に報知してもよいし、ART(「GG」)が当籤しやすいことを示唆するステージ等を表示するような演出を行うようにしてもよい。また、映像、音、ランプなどの演出実行手段により保障区間専用の演出態様で演出を実行可能としてもよい。
保障区間の可否については、設定差を設けるようにし、設定値に基づいて保障区間に関する決定についての有利度合いを異ならせるようにしてもよい。例えば、保障区間のゲーム数を抽籤で決定する場合に、設定1であれば平均20ゲームとし、設定6であれば平均50ゲームとなるように設定し、高設定になるほどART(「GG」)の引き戻し(ARTが終了してからすぐに再度ARTに当籤すること)が発生しやすい仕様としてもよい。そうした場合、遊技者は、有利区間の終了について、状態表示器147bの消灯を確認することで確実に察知することができ、ART終了後の有利区間のゲーム数を確実に把握することができる。さらに、遊技者は、把握したART終了後有利区間のゲーム数に応じて設定値を推測することができ、ART終了後の出玉が減る状態であっても、設定値推測や引き戻しの期待感を持ちつつ遊技を行うことで遊技の興趣が高められる。
また、第4実施形態の変形例としては、例えば図165に示すような遊技状態の流れとし、このような遊技状態に対して図147に示すような出玉状態を適用するようにしてもよい。
また、第4実施形態は、有利区間ランプ(状態表示器147b)の点灯・非点灯の状態が有利区間と非有利区間(通常区間)とに対応するものとして説明したが、例えば図166に示すように、非有利区間(通常区間)から有利区間に移行する途中の区間として、ボーナス(設定差無しのBB等)に関係する待機区間を設定するようにしてもよい。
待機区間とは、設定差無しのボーナス当籤時に有利区間当籤となっても、当該ボーナスの入賞まで有利区間ランプ(状態表示器147b)を点灯させない区間を意味する。すなわち、ボーナスの当籤から入賞までは、有利区間ランプが非点灯の状態で待機区間となり、そのボーナス入賞時に有利区間ランプが点灯状態となって有利区間が進行することとなる。
このような待機区間について、例えば「BB1+スイカ」の当籤で待機区間フラグがセットされ、BB1の入賞まで待機区間が進行する一方、「BB1+チェリー」の当籤では待機区間フラグがセットされず、その当籤を条件に待機区間を経由することなく有利区間が開始されるというように、フラグ別に待機区間の設定有無を決定するようにしてもよい。ただし、同一のフラグで待機区間の設定有無を分けないことが望ましい。このように、待機区間設定有りに対応するボーナスでは、当該ボーナスの当籤と同時に有利区間に当籤していてもボーナス持越し中は待機区間として有利区間ランプを非点灯とすることができる。
<変形例>
ここまでの実施例及び仕様例では、有利区間はあくまで1つの有利区間という概念を前提として、その中で打順役の指示(ナビ)が発生しやすい状態、発生しにくい状態などを工夫することで出玉設計の白由度を高めつつ、遊技の興趣高める発明について説明をしてきた。ここからは、有利区間の概念をさらに細分化させることで、ゲーム性を整理し、
開発の効率を高めることも考えられる。以下、一例として、有利区間のうち、出玉が増加しにくい区間を「演出区間」、概ね出玉が増加しやすい区間を「増加区間」と定義する案について説明する。
まず、前提として各区間を以下のように定義する。
通常区間:出玉率が1を超えない区間(指示の発生は任意)であり、演出区間もしくは増加区間への移行割合が一の割合で定められている区間。
演出区間:出玉率が1を超えない区間(指示の発生は任意)であり、他の演出区間もしくは増加区間への移行割合が通常区間と共通であるが、移行先(指示機能に係る処理の内容)が異なる区間。有利区間に含まれる。
増加区間:押しなべて遊技メダルが増加する区間(常時出玉率が1を超えるわけではない)であり、通常区間及び演出区間とは異なり、増加区間においてあらかじめ定められている増加区間の状態ごとに指示機能に係る処理を自由に行うことができる区間。有利区間に含まれる。
この定義を前提として、有利区間ランプについては、演出区間又は増加区間に当籤し、かつ、出玉率が1を超える状態になったときに点灯させ、初期化するときに消灯させるものとするとよい。このようにすることで、有利区間ランプが点灯しているのに、メダルが増えないという状況が生じなくなるため、少なくともメダルが増加することで遊技者にとって分かりやすい仕様の遊技機となる。
また、増加区間を終了させる際には、指示機能に係る性能に関するパラメータを初期化し、通常区間に移行させることで、遊技者間の公平性も担保することができる。そして、前述の「GG」終了時の有利区間継続抽籤で当籤した場合のように、増加区間後に演出区間に移行して、「GG」の連荘を期待させる遊技状態では、出玉が減る状態であっても有利区間ランプが点灯状態を維持して、“当り”が連続する可能性がある状態で遊技者が遊技を止めないようにとの観点から配慮した仕様としてもよい。
他の演出区間もしくは増加区間への移行割合(当籤確率)が同じで、移行先(指示機能に係る処理の内容)が異なるとは、一例として以下のような遊技仕様を指すものである。
1:通常区間での有利区間移行抽籤
有利区間移行抽籤の当籤確率:1/100
移行先振分 演出区間(CZ)75% 増加区間(ART)25%
移行発生確率 演出区間(CZ)約1/133 増加区間(ART)約1/400
1:演出区間(CZ)での有利区間移行抽籤
有利区間移行抽籤の当籤確率:1/100 この当籤確率1/100が共通であり移行割合が同一となる。
移行先振分 演出区間(上位CZ)10% 増加区間(ART)90%
移行発生確率 演出区間(上位CZ)約1/1000 増加区間(ART)約1/111
このように、移行先の振り分けを変化させることにより、有利区間抽籤の当籤係数は同じ値を参照としつつ、有利区間のうち、「GG」のようにメダルが増加する増加区間へ移行させるか、「通常有利」や「JOT」のように、メダルの増加はあまり期待できないもののGG当籤のチャンス状態とするかという振り分けに幅を持たせることができ、全体的な処理のフローをシンプルなものとしつつ、多彩な遊技状態の遷移バリエーションを創出することができる。
なお、演出区間はあまりに長いと、メダルの増加が期待できない状態で過度に遊技者に遊技を強制することとなり、遊技者に不快感を与えるおそれがあるため、例えば16ゲーム以下とする、又は32ゲームとするなど一定のゲーム数を上限として設定してもよい。また、消費したメダルが所定枚数(例えば50枚)に達した場合や、打順ベルの成立回数が所定回数(例えば8回)となった場合など遊技者を過度に拘束しない指標として機能するゲーム数以外のパラメータを参照して演出区間の終了条件としてもよい。
前述の実施例では、設定差のない内部当籤役に基づいて有利区間移行抽籤を行っていたが、本変形例では、設定差のある内部当籤役が決定されたことに基づいて有利区間移行抽籤を行うものとしている。この場合でも、あくまで有利区間関連の抽籤テーブル自体には設定差がない全設定共通の抽籤テーブルを参照することとして、内部当籤役の当籤確率の差に基づいて出玉率の差やART発生率に差を創出することとする。これにより、有利区間関連の抽籤テーブル自体の容量を増大させずに、出玉率の差やART発生率に差を創出することができる。
ボーナス作動中に「演出区間」に当籤した場合は、有利区間かつ演出区間かつボーナス作動により遊技メダルの増加が期待できる状態のため、有利区間ランプを点灯させることが望ましい。ボーナス作動中が消化作業ならずに、有利区間ランプに注目しつつ遊技を楽しむことができる。なお、この場合、ボーナス後に一旦演出区間(CZなど)に移行する場合は、ボーナス終了を契機として有利区間ランプを消灯させるものとする。ボーナス後に増加区間(ARTなど)に移行する場合は、そのまま有利区間ランプを点灯させ続けるものとするとよい。
RTを高RTへ移行させるいわゆるART準備中においては、必ずしも出玉率が1を超える状態ではないものの、遊技者にとって非常に有利なARTに移行する権利が既に付与されていることを確定的に報知することにより、うっかりARTの権利を残したまま遊技をやめてしまうといった事態を抑制することができる。
なお、内部当籤役だけでなく、メインリールの有効ライン上の表示出目(図柄組合せ、入賞結果、結果表示ともいう)に基づいて有利区間関連の抽籤や判定を行ってもよい。例えば、目押しタイミングにより3枚役と1枚役のいずれかを入賞させ得る内部当籤役Aがある。この場合に、3枚役が入賞した場合は、有利区間関連抽籤を行わない、又は1枚役が入賞した場合よりも不利な条件で行う、1枚役が入賞した場合は、有利区間関連抽籤を3枚役が入賞した場合よりも有利な条件で行うものとして、遊技者に対して意図的に目押しで3枚役の入賞を回避する打法を推奨することで、通常時のベースが低い打ち方を選択した遊技者には、ARTが当籤しやすいといった仕様とすることができる。
このような仕様とすることにより、通常時に3枚役を目押ししてあまりメダルを減らさない代わりにARTに当籤しにくいゲーム性にて長時間遊技を楽しむか、通常時に1枚役を目押ししてメダルの減る速度が速い代わりにARTに当籤しやすいという短時間向きの遊技性で楽しむか遊技者が任意に選択することができ、遊技性の幅が広がることとなる。
なお、あくまで上記は一例であり、1枚役など少ない払出枚数の入賞を条件とするものに限らず、目押しにより有利度合いの低いRTへ移行するRT移行出目(小役こぼし目や転落リプレイ)を表示させたり、小役を取りこぼしたりした場合に有利区間関連抽籤を、有利な表示結果を導出させた場合に比べて良い条件で行うものとしてもよい。
この思想を整理すると、停止操作態様により表示結果が異なる所定の内部当籤役が決定された場合に、遊技価値(メダル)の付与又はRTの遷移あるいはボーナスの作動などに入賞判定による恩恵に関して最も有利ではない表示結果を導出したことに基づいて所定の有利区間関連抽籤を行う、又は有利区間関連抽籤の抽籤内容が入費判定による恩恵について最も有利な表示結果が導出された場合よりも有利な内容で行われるものとなると、表現することができる。
一部のボーナス作動中をメダルが実質的に減るように内部当籤役を重複させて決定させることで、ボーナス中を減る状態した分、ART中の1ゲームあたりの増加枚数を3枚程度に増やす手法ないし、ボーナス作動中は無純増役のみが成立して純増0枚のボーナスとなることで、遊技機型式試験においてボーナスを利用して、ART中の増加速度の速さを相殺して適合させる仕様も考えられる。また、ボーナス内部中で有利区間関連抽籤を行うものとして、通常区間、演出区間、有利区間もボーナス内部中RTに滞在し、小役確率を高めることでボーナスが極めて入賞しにくいというボーナスを封じ込めるような仕様を、変形例に合わせて採用し、遊技者や遊技場の希望が高い適切な出玉速度の遊技機を提供するようにしてもよい。
なお、出玉速度が速くなると射幸性が高いと感じる遊技者もいるため、リミッタゲーム数を1500ゲームから1200ゲームなど短くして適切に射幸性を抑制して、いわゆるのめり込みを防止すべきとの観点から配慮してもよい。
また、リミッタの発動条件となるゲーム数については、演出区間を含む有利区間の開始からカウントを始めても、増加区間の開始からカウントを始めてもよい。また、一日の遊技のうちで、客側から見て一番マイナスの大きい時点の差枚数を起点として、そこから3000枚メダルが増加した場合にリミッタを発動させるなど、当該有利区間以外の差枚数などの状況を参照して、ゲーム数以外の要素に応じたリミッタで射幸性を抑制してもよい。
[付記1]
付記1の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
この種の遊技機では、いわゆる出玉に関する設計を容易にするための工夫として、一部のボーナス状態において出玉率が1を下回るように内部当籤役を重複当籤させる遊技機が知られている(例えば、特開2015−202331号公報参照)。また、遊技者にとって有利な状態となるAT(assist time)に当籤しているか否かの前兆演出として、主に熟練度の高い遊技者を想定した複雑な演出態様によって趣向を凝らした遊技機も知られている(例えば、特開2015−16085号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1の遊技機では、遊技者が主にボーナス持越し状態で遊技することを前提としており、ボーナス当籤で出玉を獲得するという楽しみが失われていた。また、特許文献2の遊技機では、演出態様や仕様が複雑であり、非熟練者にとってはどのような状態が有利なのか把握しづらいという難点があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくするとともに、旧来とは異なる手法により出玉設計の自由度を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、
前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、
開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、
遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、副制御基板72及び報知ランプ147a)と、
前記操作態様報知手段による報知を実行可能な有利状態(例えば、有利区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記有利状態を告知する有利状態告知手段(例えば、状態表示器147b)と、
を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記有利状態として、所定条件の成立時(例えば、有利区間移行抽籤の当籤時)に前記操作態様報知手段による報知が可能な第1有利状態(例えば、「通常有利」の状態)と、当該第1有利状態よりも前記操作態様報知手段による報知の可能性が高い第2有利状態(例えば、「GG」(ART)の状態)と、を少なくとも有し、
前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出され得る特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、
前記状態制御手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記有利状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、
前記第1有利状態において、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われない報知抑制状態(例えば、ベルナビ非発生状態)と、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が許容される報知許容状態(例えば、ベルナビ発生可能状態)と、を有し、
前記第1有利状態が開始されてから特定条件(例えば、所定ゲーム数(100G)の経過)が成立するまでの間は、前記報知抑制状態となることを特徴とする。
このような構成によれば、報知の可能性が異なる第1有利状態及び第2有利状態が設けられ、第1有利状態は、基本的に特定条件が成立するまでは報知抑制状態として終了させられないので、そのような特定条件を適切に設定することで操作態様の報知を抑制して第1有利状態と第2有利状態との有利さバランスを図ることができ、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくしつつ、出玉設計の自由度を高めることができる。
本発明の好ましい実施の形態としては、
前記特定条件は、所定回数の単位遊技(例えば、100G)が実行されることであり、当該所定回数は、前記所定のボーナス役が前記内部当籤役として決定されるまでの平均単位遊技回数よりも多いことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定条件が成立するまでに所定のボーナス役が決定されて有利状態を終了させる判定結果が得られる可能性が高くなるので、有利状態とボーナスとの有利さバランスを適切に図ることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくするとともに、旧来とは異なる手法により出玉設計の自由度を高めることができる遊技機を提供することができる。
[付記2]
付記2の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
この種の遊技機では、遊技者にとって有利な状態となるAT(assist time)に当籤しているか否かの前兆演出として、主に熟練度の高い遊技者を想定した複雑な演出態様によって趣向を凝らした遊技機が知られている(例えば、特開2015−16085号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1の遊技機では、演出態様や仕様が複雑であり、非熟練者にとってはどのような状態が有利なのか把握しづらいという難点があった。また、何ら利益を得ることができないまま前兆演出が終了するので、遊技の興趣が低下するおそれがあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくするとともに、遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、
前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、
開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、
遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、副制御基板72及び報知ランプ147a)と、
前記操作態様報知手段による報知を実行可能な有利状態(例えば、有利区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記有利状態を告知する有利状態告知手段(例えば、状態表示器147b)と、
を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記有利状態として、所定条件の成立時(例えば、有利区間移行抽籤の当籤時)に前記操作態様報知手段による報知が可能な第1有利状態(例えば、「通常有利」の状態)と、当該第1有利状態から移行可能で当該第1有利状態よりも前記操作態様報知手段による報知の可能性が高い第2有利状態(例えば、「GG」(ART)の状態)と、を少なくとも有し、
前記第1有利状態におけるモード(例えば、通常モード)を制御可能なモード制御手段(例えば、主制御基板71)を備え、
前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出され得る特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、
前記状態制御手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記有利状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、
前記第1有利状態におけるモードとして、第1モード(例えば、通常モードの“低確”、“天国準備”)と第2モード(例えば、通常モードの“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”)とを少なくとも有し、
前記第1モードと前記第2モードとは、前記第2有利状態に移行する可能性(例えば、「GG」の当籤確率)が異なることを特徴とする。
このような構成によれば、報知の可能性が異なる第1有利状態及び第2有利状態が設けられ、第1有利状態においては、第2有利状態に移行する可能性が異なる第1モードと第2モードとが設けられるので、遊技者は、いずれのモードに滞在して第2有利状態への移行に期待しながら遊技を行うことができ、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくしつつ、遊技の興趣を高めることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくするとともに、遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供することができる。
[付記3]
付記3の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
この種の遊技機では、遊技者にとって有利な状態となるAT(assist time)に当籤しているか否かの前兆演出として、主に熟練度の高い遊技者を想定した複雑な演出態様によって趣向を凝らした遊技機が知られている(例えば、特開2015−16085号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1の遊技機では、演出態様や仕様が複雑であり、非熟練者にとってはどのような状態が有利なのか把握しづらいという難点があった。例えば、内部的にATの当籤が確定した本前兆状態であるにもかかわらず、それに気づかずに遊技を終えてしまうと、遊技者が本来得られるべき利益を享受できないことになる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、
前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、
開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手(例えば、主制御基板71)段と、
前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、
遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、副制御基板72及び報知ランプ147a)と、
前記操作態様報知手段による報知を実行可能な有利状態(例えば、有利区間)及び前記操作態様報知手段による報知を実行不能な一般状態(例えば、通常区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記有利状態を告知する有利状態告知手段(例えば、状態表示器147b)と、
を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記有利状態として、所定条件の成立時(例えば、有利区間移行抽籤の当籤時)に前記操作態様報知手段による報知が可能な第1有利状態(例えば、「通常有利」の状態)と、当該第1有利状態から移行可能で当該第1有利状態よりも前記操作態様報知手段による報知の可能性が高い第2有利状態(例えば、「GG」(ART)の状態)と、を少なくとも有し、
前記第1有利状態におけるモード(例えば、通常モード)を制御可能なモード制御手段(例えば、主制御基板71)を備え、
前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出され得る特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、
前記状態制御手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記有利状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、
前記第1有利状態におけるモードとして、第1モード(例えば、通常モードの“低確”、“天国準備”)と第2モード(例えば、通常モードの“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”)とを少なくとも有し、
前記第2モードは、前記第1モードよりも前記第2有利状態に移行する可能性が高く、
前記一般状態は、前記第1モードよりも前記第2有利状態に移行する可能性(例えば、「GG」の当籤確率)が高いことを特徴とする。
このような構成によれば、報知が行われない一般状態と、報知の可能性が異なる第1有利状態及び第2有利状態とが設けられ、第1有利状態においては、第2有利状態に移行する可能性が異なる第1モードと第2モードとが設けられる。そして、一般状態において第2有利状態に移行する可能性の方が、第1有利状態の第1モードにおいて第2有利状態に移行する可能性よりも高いので、遊技者は、報知を受けることができない一般状態にあっても第2有利状態への移行に期待しながら遊技を行うことができ、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、いわゆるAT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することができる。
[付記4]
付記4の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
この種の遊技機では、遊技者にとって有利な状態となるAT(assist time)に当籤しているか否かの前兆演出として、主に熟練度の高い遊技者を想定した複雑な演出態様によって趣向を凝らした遊技機が知られている(例えば、特開2015−16085号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1の遊技機では、演出態様や仕様が複雑であり、非熟練者にとってはどのような状態が有利なのか把握しづらいという難点があった。例えば、内部的にATの当籤が確定した本前兆状態であるにもかかわらず、それに気づかずに遊技を終えてしまうと、遊技者が本来得られるべき利益を享受できないことになる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、
前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、
開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、
遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、副制御基板72及び報知ランプ147a)と、
前記操作態様報知手段による報知を実行可能な有利状態(例えば、有利区間)及び前記操作態様報知手段による報知を実行不能な一般状態(例えば、通常区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記有利状態を告知する有利状態告知手段(例えば、状態表示器147b)と、
を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記有利状態として、所定条件の成立時(例えば、有利区間移行抽籤の当籤時)に前記操作態様報知手段による報知が可能な第1有利状態(例えば、「通常有利」の状態)と、当該第1有利状態から移行可能で当該第1有利状態よりも前記操作態様報知手段による報知の可能性が高い第2有利状態(例えば、「GG」(ART)の状態)と、を少なくとも有し、
前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出され得る特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、
前記状態制御手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記有利状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、
前記第2有利状態の終了条件(例えば、「GG」(ART)のゲーム数0)が成立したときに、前記第1有利状態に移行させるか前記一般状態に移行させるかについての判定(例えば、終了時有利区間終了抽籤)を実行可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、報知が行われない一般状態と、報知の可能性が異なる第1有利状態及び第2有利状態とが設けられ、有利状態は、特定役が内部当籤役として決定されて報知が行われるか、あるいは所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されるか、いずれか一方を満たした後、終了判定の結果によって一般状態に移行させられる可能性がある一方、報知の可能性がより高い第2有利状態の終了時においては、一般状態に移行させずに第1有利状態に移行させられて有利状態が継続する可能性があるので、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、いわゆるAT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することができる。
[付記5]
付記5の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
この種の遊技機では、遊技者にとって有利な状態となるAT(assist time)に当籤しているか否かの前兆演出として、主に熟練度の高い遊技者を想定した複雑な演出態様によって趣向を凝らした遊技機が知られている(例えば、特開2015−16085号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1の遊技機では、演出態様や仕様が複雑であり、非熟練者にとってはどのような状態が有利なのか把握しづらいという難点があった。例えば、内部的にATの当籤が確定した本前兆状態であるにもかかわらず、それに気づかずに遊技を終えてしまうと、遊技者が本来得られるべき利益を享受できないことになる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、
前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、
開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役として少なくとも1種類以上の再遊技役(例えば、リプレイ)の当籤確率が異なる複数のRTのうち、いずれかのRTに制御可能なRT制御手段(例えば、主制御基板71)と、
遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、副制御基板72及び報知ランプ147a)と、
前記操作態様報知手段による報知を実行可能な有利状態(例えば、有利区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記有利状態を告知する有利状態告知手段(例えば、状態表示器147b)と、
を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出され得る特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、
前記状態制御手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記有利状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、
前記RT制御手段は、設定変更時に特定のRT(例えば、RT0)に制御可能であり、
前記特定のRTに制御される旨が決定された前記有利状態は、前記特定のRT以外のRTにおいて制御される旨が決定された前記有利状態よりも遊技者にとって有利度合いが高くなる可能性が高いことを特徴とする。
このような構成によれば、報知が実行可能な有利状態が設けられ、有利状態は、特定役が内部当籤役として決定されて報知が行われるか、あるいは所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されるか、いずれか一方を満たした後、終了判定の結果によって終了させられる可能性がある一方、設定変更がなされた場合には、遊技状態が特定のRTに制御されることで有利状態よりも有利度合いが高くなる可能性が高いので、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、いわゆるAT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することができる。
1…パチスロ機、3L,3C,3R…リール、4L,4C,4R…表示窓、7L,7C,7R…ストップボタン、71…主制御基板、72…副制御基板、100…表示ユニット、147b…状態表示器

Claims (1)

  1. 複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段と、
    前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段と、
    開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段と、
    前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段と、
    前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段と、
    遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段と、
    前記操作態様報知手段による報知を実行可能な有利状態及び前記操作態様報知手段による報知を実行不能な一般状態を制御する状態制御手段と、
    前記有利状態を告知する有利状態告知手段と、
    を備えた遊技機であって、
    前記有利状態として、所定条件の成立時に前記操作態様報知手段による報知が可能な第1有利状態と、当該第1有利状態から移行可能で当該第1有利状態よりも前記操作態様報知手段による報知の可能性が高い第2有利状態と、を少なくとも有し、
    前記第1有利状態におけるモードを制御可能なモード制御手段を備え、
    前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出され得る特定役と、所定のボーナス役とを有し、
    前記状態制御手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記有利状態を終了させるか否かを判定するための終了判定を実行可能であり、
    前記第1有利状態におけるモードとして、第1モードと第2モードとを少なくとも有し、
    前記第2モードは、前記第1モードよりも前記第2有利状態に移行する可能性が高く、
    前記一般状態は、前記第1モードよりも前記第2有利状態に移行する可能性が高いことを特徴とする遊技機。
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