JP2019112092A - ダイアフラム式サックバック充填ノズル - Google Patents

ダイアフラム式サックバック充填ノズル Download PDF

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行雄 大野
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行雄 大野
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Abstract

【課題】液体用の自動充填機において、充填ノズル待機時に液ダレなどをおこすことのないダイアフラム式サックバック充填ノズルを提供することを課題とする。【解決手段】充填ノズルであって、円筒形の外観を有し、内側には、円筒の内径との間隙を液体の流路とする棒状のプランジャーを有し、円筒形下部においてノズル内径が狭まっており、プランジャーの先端部は、弾性を有するバルブシートを有し、ピストン運動によって弾性を有するダイアフラムと接触し、液体の流れを遮断することが可能であり、ダイアフラムの裏面には、可動式のレバーが配置され、さらに押し込み可能で、円筒形下部の内径を押し広げることが可能であり、レバーは、レバーを充填ノズル内側方向に押し戻し可能なスプリングと接続しており、レバーおよびダイアフラムを、押し込み前の位置に押し戻すことが可能であることを特徴とするダイアフラム式サックバック充填ノズルである。【選択図】図1

Description

本発明は充填ノズルに関するものである。特に液体飲料等を対象にした、ダイアフラムを用いた定量吐出式の充填ノズルに関して、液体の流量、流速、方向圧力などを制御するための自動充填ノズルに係り、充填ノズル待機時に液ダレなどをおこすことのないダイアフラム式サックバック充填ノズルに関するものである。
現代の生活様式において、液体を商品とした流通、販売の場面で、プラスチックフィルムを用いた液体容器や、液体用紙容器を用いた商品はさまざまな種類のものが生産、流通、販売され消費者の手元に届けられている。
たとえばジュース、乳飲料、酒類などの飲料は、メーカーにおいて液体の自動充填装置によりビンや紙製容器などの液体容器に、所定量だけ充填され商品として送り出されている。また、スープやカレーなどの調理済み食品、さらに高粘度のたとえば餡子、羊羹、クリームといった食品にも液体の自動充填装置が使われるようになっている。
この自動充填装置には種々の方式、あるいはその変形タイプがあるが、いずれも供給タンクに収容された液体充填物を充填ノズル先端から容器内に吐出するものである。充填ノズルは基本的には液体が流れるパイプ部と、液体の流量(吐出と遮断)もしくは流速等を制御するための弁機構等からなり、弁機構はパイプの先端近傍など所定の位置に備え付けられている。
供給タンクから自動充填ノズルへの充填物の送出については、重力を利用するものもあるが、一般には何らかのピストン機構、ポンプにより充填物を圧送している。圧送のほうが粘性の高い充填物や果肉などを含む非均一系充填物にも適しており、ピストン機構のストローク調整によって充填量の調整も容易であり、また圧送と弁開閉の同期も取りやすいため、充填物と液体容器双方に対する適応性が高い。
一般に液体充填装置では、液体容器は間欠的に充填ノズルの下部に配置され、充填ノズルからは所定の時間だけ充填物が吐出、滴下される。所定量の充填が終われば、次の吐出まで充填ノズルは待機状態に入る。
ノズル先端は、容器口部に挿入される場合もあり、挿入されない場合もある。挿入する場合でも浅い場合、深い場合、あるいは充填物液面に追随して移動する場合などいくつかの種類がある。また一般に口栓付きの液体パウチなどの場合には口栓にノズル先端を接触、挿入して充填を行なう。
いずれの場合においても、間欠的な液体充填では、ひとつの容器の充填が終了して、次の容器の充填開始までの待機時間が生まれ、その間に充填ノズル先端部に付着した充填物が乾燥して固化したり、ノズルから雫がたれ落ちる、所謂液ダレがおきる恐れがある。
液ダレは容器の口部周辺や外面、あるいは搬送装置上に落下してこれらを汚損する不具合を生じる。特に粘度の高い液体の場合には液体の流動性が低いため、液ダレをなくそうとすれば待機時間が長くなってしまうことがあった。これはすなわち、充填工程の生産性に低下に直結する問題である。
液ダレ防止については、液体用充填ノズルの内部構造を工夫して、充填終了時にノズル
内を負圧にして、ノズル内外周に残存している充填物を吸引する技術が開示されている。これによって液ダレを防止しようとするものである。
あるいはノズル先端内面部にメッシュ状のスクリーンを設置しこれらの材質と形状の最適化によって充填物とスクリーン間の摩擦抵抗を大きくし充填物をスクリーン中央に集めて液ダレを防止する技術が提案されている。
しかしながらこれらの方法では、高粘度の内容物には不適であることに加えて、液ダレを防止するために時間がかかり、サイクルタイムが落ちるなど、生産性を犠牲にする恐れがあった。
また特許文献1には、液体充填ノズルの先端の内外周に撥液コーティングを設けるという液ダレ対策が提案されているが、充填においてノズルが容器の口栓と擦れあって撥液コーティングが剥がれてしまう恐れがあった。
さらに、撥液コーティングを設けた場合においても、その効果は充分であるとはいえず、液ダレを完全に防止することはできないため、液ダレによってシール部のシール不良を起こすこともあった。
特に比較的高粘度の充填物の場合、充填物がノズル内のピストン先端部まで流れて集まるまでに相応の時間がかかり、たとえばキャッピング後にキャップの上に充填物液体の雫が落ちて、カビや腐敗の原因となるおそれがあった。あるいはノズル内のピストン先端部に充填物が付着したままになるなどの恐れもあって、これら衛生上の問題も懸念されてきた。
そのため、液ダレに対して、確実に液ダレを防止できる液体用自動充填ノズルが求められている。
特開2014−5009号公報
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、液体用の自動充填機において、充填ノズル待機時に液ダレなどをおこすことのないダイアフラム式サックバック充填ノズルを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、
液体用自動充填機に用いることのできる充填ノズルであって、
該充填ノズルは円筒形の外観を有し、
該充填ノズルの内側には、円筒の内径との間隙を液体の流路とする棒状のプランジャーを有し、
液体は該充填ノズルの下端から吐出可能であって、
該充填ノズルは、円筒形下部においてノズル内径が狭まっており、
該プランジャーは、ノズルの円筒形上部にあって、上下にピストン運動可能に設けられ、
該プランジャーの先端部は、弾性を有するバルブシートを有し、ピストン運動によって円筒形の充填ノズルの内径が狭まっている部分と接触可能であって、
該プランジャーが下降して、充填ノズルの内径が狭まっている部分と接触する際には、充填ノズルの内径が狭まっている部分の表面に設けられた、弾性を有するダイアフラムと接触し、液体の流れを遮断することが可能であり、
該ダイアフラムの裏面には、レバー支点を有して可動式のレバーが配置され、
該プランジャーは、ダイアフラムと接触してさらに押し込み可能で、円筒形下部の内径を押し広げることが可能であり、
該レバーは、レバーを充填ノズル内側方向に押し戻し可能なスプリングと接続しており、
該プランジャーが上昇する際には、レバーおよびダイアフラムを、押し込み前の位置に押し戻すことが可能であることを特徴とするダイアフラム式サックバック充填ノズルである。
本発明によれば、液体用の自動充填機において、充填ノズル待機時に液ダレなどをおこすことのないダイアフラム式サックバック充填ノズルを提供することが可能である。
図1は本発明に係る、ダイアフラム式サックバック充填ノズルの一実施態様のうち、液体が吐出されている状態を説明するための断面模式図である。 図2は本発明に係る、ダイアフラム式サックバック充填ノズルの一実施態様のうち、液体が遮断されている状態を説明するための断面模式図である。 図3は本発明に係る、ダイアフラム式サックバック充填ノズルの一実施態様のうち、ダイアフラムの部分をより詳細に説明するための部分断面模式図である。 図4は本発明に係る、ダイアフラム式サックバック充填ノズルの一実施態様のうち、ダイアフラムの部分が押し下げられて、流路の体積が増加してサックバックを実現する仕組みを詳細に説明するための部分断面模式図である。
以下、本発明を図を参照しながら、更に詳しい説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって限定されるものである。
図1は本発明に係る、ダイアフラム式サックバック充填ノズルの一実施態様のうち、液体が吐出されている状態を説明するための断面模式図である。
本発明は、液体用自動充填機に用いることのできる充填ノズル(10)であって、充填ノズル(10)は円筒形の外観を有する。
また、充填ノズル(10)の内側には、円筒の内径との間隙を液体の流路(4)とする棒状のプランジャー(1)を有し、その先端には、弾性を有するバルブシート(2)が設けてある。
液体は該充填ノズル(10)の下端の開口部(5)から吐出可能であって、プランジャー(1)先端のバルブシート(2)が円筒の内側に接触せず、空隙がある場合には、液体の流路(4)が形成されて、液体は開口部(5)から吐出される。
充填ノズルは、円筒形上部(11)と円筒形下部(12)からなり、充填ノズル(10)は、円筒形下部(12)においてノズル内径(18)が狭まっており、プランジャー(1)は、ノズルの円筒形上部(11)にあって、上下にピストン運動可能に設けられている。
図2は本発明に係る、ダイアフラム式サックバック充填ノズルの一実施態様のうち、液体が遮断されている状態を説明するための断面模式図である。
プランジャー(1)の先端部に設けられたバルブシート(2)は、円筒形の充填ノズル(10)の内径が狭まっている部分とピストン運動によって接触可能であって、プランジャー(1)が矢印(14)の方向に下降して、充填ノズル(10)の内径が狭まっている部分と接触する際には、充填ノズル(10)の内径が狭まっている部分の表面に設けられた、弾性を有するダイアフラム(6)と接触し、液体の流路(4)を遮断することが可能である。
このとき、開口部(5)において液面(3)は下方に凸型となって、このままでは液ダレを引き起こす可能性がある形状となっている。
図3は本発明に係る、ダイアフラム式サックバック充填ノズルの一実施態様のうち、ダイアフラムの部分をより詳細に説明するための部分断面模式図である。
前述のように、プランジャー(1)の先端に設けられたバルブシート(2)は、充填ノズル(10)の内径が狭まっている部分の表面に設けられた、弾性を有するダイアフラム(6)と矢印(14)方向の動きによって接触し、液体の流路(4)を遮断することが可能である。
バルブシート(2)、および弾性を有するダイアフラム(6)には、格別の制約を設けるものではなく、バルブとしての硬度や弾性、また液体に対する耐性、特に液体が飲料である場合には食品としての安全性などに配慮して適宜選択することができ、たとえばシリコンゴムなどを好適に用いることができる。
ダイアフラム(6)の裏面には、支点レバー(8)に接続する可動式のレバー(7)が設けてあり、バルブシート(2)の更なる押圧によって、ダイアフラム(6)およびレバー(7)は、レバー支点(8)を中心にして矢印(13)の方向に押し込まれる。
レバー(7)の裏面には、さらにスプリング(9)が設けてあり、バルブシート(2)が上昇する際には、ダイアフラム(6)およびレバー(7)を押し込み前の位置に押し戻すことができる。
図4は本発明に係る、ダイアフラム式サックバック充填ノズルの一実施態様のうち、ダイアフラムの部分が押し下げられて、流路の体積が増加してサックバックを実現する仕組みを詳細に説明するための部分断面模式図である。
プランジャー(1)の先端に設けられたバルブシート(2)は、充填ノズル(10)の内径が狭まっている部分の表面に設けられた、弾性を有するダイアフラム(6)と図3に示す矢印(14)の方向の動きによって接触し、液体の流路(4)を遮断したのち、さらに図4に示す矢印(15)の方向に押し込みが可能である。これは、バルブシートおよびダイアフラムの弾性、また可動式のレバーの動きによるものである。
ダイアフラムのおよび可動式のレバーが矢印(13)の方向に押し込まれる結果、対向するダイアフラムの間、すなわち体積が広がった流路(20)が矢印(16)の方向に膨らんで形成され、円筒形下部(12)の内径が押し広げられて、流路の体積は増大する。
その結果流路内の液体はサックバックされ、液面(3)は矢印(17)の方向に引き上
げられ、上に向かって凸形状になる。すなわち、液ダレに対しては発生する事のない、より安全な形状となる。
実際に液体のサックバックは、プランジャー(1)の先端のバルブシート(2)とダイアフラム(6)との接触による流路の遮断と、プランジャー(1)による更なる押し込みによる体積の広がった流路(20)の形成とがほぼ同時に連続して行なわれるために、ほとんど時間を要することがなく、かつ液ダレ恐れもない。
すなわち、この充填ノズルの機構は液ダレを起こすことなく、生産性へのマイナス影響を極小に抑えることができる。
このように本発明によれば、液体用の自動充填機において、充填ノズル待機時に液ダレなどをおこすことのないダイアフラム式サックバック充填ノズルを提供することが可能である。
1・・・プランジャー
2・・・バルブシート
3・・・液面
4・・・液体の流路
5・・・開口部
6・・・ダイアフラム
7・・・レバー
8・・・レバー支点
9・・・スプリング
10・・・充填ノズル
11・・・円筒形上部
12・・・円筒形下部
13・・・矢印
14・・・矢印
15・・・矢印
16・・・矢印
17・・・矢印
18・・・ノズル内径
20・・・体積が広がった流路

Claims (1)

  1. 液体用自動充填機に用いることのできる充填ノズルであって、
    該充填ノズルは円筒形の外観を有し、
    該充填ノズルの内側には、円筒の内径との間隙を液体の流路とする棒状のプランジャーを有し、
    液体は該充填ノズルの下端から吐出可能であって、
    該充填ノズルは、円筒形下部においてノズル内径が狭まっており、
    該プランジャーは、ノズルの円筒形上部にあって、上下にピストン運動可能に設けられ、
    該プランジャーの先端部は、弾性を有するバルブシートを有し、ピストン運動によって円筒形の充填ノズルの内径が狭まっている部分と接触可能であって、
    該プランジャーが下降して、充填ノズルの内径が狭まっている部分と接触する際には、充填ノズルの内径が狭まっている部分の表面に設けられた、弾性を有するダイアフラムと接触し、液体の流れを遮断することが可能であり、
    該ダイアフラムの裏面には、レバー支点を有して可動式のレバーが配置され、
    該プランジャーは、ダイアフラムと接触してさらに押し込み可能で、円筒形下部の内径を押し広げることが可能であり、
    該レバーは、レバーを充填ノズル内側方向に押し戻し可能なスプリングと接続しており、
    該プランジャーが上昇する際には、レバーおよびダイアフラムを、押し込み前の位置に押し戻すことが可能であることを特徴とするダイアフラム式サックバック充填ノズル。
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