JP2019109062A - 腐食試験装置 - Google Patents

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Katsuhiro Nishihara
克浩 西原
翔輝 畑中
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翔輝 畑中
大介 桑野
Daisuke Kuwano
大介 桑野
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Abstract

【課題】制御された腐食環境での腐食の進行に伴う金属材料からの元素の溶出量を、高精度で定量分析することが可能な腐食試験装置を提供する。【解決手段】腐食溶液を調製する調製部1と、腐食溶液が流れる流路2と、腐食溶液を回収する回収部3と、試料41を設置する設置部42を有する装置本体部4と、調製部1から装置本体部4へ腐食溶液を送る第1ポンプ5と、装置本体部4から回収部3へ腐食溶液を送る第2ポンプ6と、を備え、流路2は、導入路21と、第1脈動緩和路22と、試験流路23と、第2脈動緩和路24と、排出路25と、を有し、試験流路23は、上昇部23a、層流部23bおよび下降部23cを含み、設置部42は、層流部23bにおいて腐食溶液が表面41aを流れるように試料41を設置可能である、腐食試験装置。【選択図】 図1

Description

本発明は、腐食試験装置に関する。
大気中で使用される金属材料の表面では腐食が生じることがあり、腐食の態様および進行度合いは、使用環境によって様々である。そのため、使用環境に応じた最適な金属材料を選別するためにも、それぞれの環境において、金属材料表面でどのような腐食反応が生じるか明らかにすることは重要な課題といえる。
腐食試験としては、実環境における曝露試験のほか、塩水噴霧試験等の腐食促進試験(例えば、特許文献1を参照。)または電気化学試験(例えば、特許文献2を参照。)等が従来用いられてきた。
しかしながら、従来の腐食試験方法では、実環境での腐食反応に伴う材料からの元素の溶出量を正確に測定することは極めて困難であった。すなわち、実環境曝露試験および腐食促進試験では、試験後の材料を評価することで腐食の程度を解析するため、腐食に伴う元素の溶出量を測定することはできない。また、電気化学試験では腐食挙動を間接的に評価することは可能であるが、元素の溶出量を定量的に測定することはできないという問題がある。
そこで、特許文献3では、制御された腐食環境での腐食の進行に伴う金属材料からの元素の溶出量を、高精度で定量分析することが可能な腐食試験装置および腐食試験方法が開示されている。特許文献3においては、成分を調製した腐食溶液を、層流となるように整流した状態で試料表面に流して腐食反応を生じさせ、その後、腐食溶液を回収し分析を行うことで、元素の溶出量を定量的に分析する。
特開2011−174859号公報 特開2003−149198号公報 特開2015−200538号公報
ところで、腐食環境を厳密に制御するためには、試験途中での腐食溶液の成分を厳密に管理する必要がある。例えば、成分を調製した腐食溶液をシリンジポンプで試料表面に流す場合、シリンジポンプ内の腐食溶液の成分が試験途中で変化してしまうという問題がある。
そのため、成分を調製した腐食溶液を連続的に試料表面に供給する機構が必要となる。具体的には、腐食溶液の供給には、腐食溶液の成分調製用の装置と試料との間の流路上に設置可能な、ローラーポンプなどの送流ポンプを採用する必要がある。しかしながら、ローラーポンプを用いる場合には、腐食溶液の流れに脈動が生じてしまうという問題がある。
また、腐食溶液の成分を一定に保つために、溶液中に腐食性の気体を過飽和状態で溶解させることがある。この場合、溶けきれなくなった気体は、腐食溶液内で気泡として発生することとなる。気泡が試料表面に付着すると、高精度かつ再現性の高い腐食試験を行うことができなくなる。
特許文献3では、上記の問題点について十分に検討がなされておらず、改善の余地が残されている。
本発明は、上記の問題点を解決し、制御された腐食環境での腐食の進行に伴う金属材料からの元素の溶出量を、高精度で定量分析することが可能な腐食試験装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、下記の腐食試験装置を要旨とする。
(1)腐食溶液を調製する調製部と、
前記調製部から供給される腐食溶液が流れる流路と、
前記流路を介して前記調製部に接続され、前記調製部から前記流路に供給された腐食溶液を回収する回収部と、
前記流路上において前記調製部と前記回収部との間に設けられ、前記流路内の腐食溶液が試料の表面を流れるように前記試料を設置することのできる設置部を有する装置本体部と、
前記流路上において前記調製部と前記装置本体部との間に設けられ、前記調製部から前記装置本体部へ向けて腐食溶液を送る第1ポンプと、
前記流路上において前記装置本体部と前記回収部との間に設けられ、前記装置本体部から前記回収部へ向けて腐食溶液を送る第2ポンプと、を備え、
前記流路は、
前記第1ポンプが設けられ、かつ前記第1ポンプによって調製部から送り出された腐食溶液が流入する導入路と、
腐食溶液の流れ方向における前記導入路の先端部に接続され、かつ所定の断面積を有する第1小径部および前記第1小径部に接続されかつ前記第1小径部よりも大きい断面積を有する第1大径部を含む第1脈動緩和路と、
前記流れ方向における前記第1脈動緩和路の先端部から屈曲して上方に延びる上昇部、前記上昇部の上端部から直角に屈曲して直線状に延びる層流部、および前記流れ方向における前記層流部の先端部から直角に屈曲して下方に延びる下降部を含み、かつ前記装置本体部に固定される試験流路と、
前記下降部の下端部から屈曲するように前記下端部に接続され、かつ所定の断面積を有する第2小径部および前記第2小径部に接続されかつ前記第2小径部よりも大きい断面積を有する第2大径部を含む第2脈動緩和路と、
前記流れ方向における前記第2脈動緩和路の先端部に接続され、前記第2ポンプが設けられ、かつ前記第2ポンプによって前記第2脈動緩和路から送り出された腐食溶液を前記回収部へ導く排出路と、を有し、
前記設置部は、前記層流部において腐食溶液が前記試料の表面を流れるように前記試料を設置可能である、
腐食試験装置。
(2)前記層流部の先端部は、前記上昇部の上端部よりも上方に位置し、
前記上昇部の下端を通りかつ前記層流部に平行な仮想的な直線を基準線とした場合に、前記下降部の下端部は前記基準線よりも上側に位置する、
上記(1)に記載の腐食試験装置。
(3)前記層流部の水平面に対する傾斜角度が60°以下である、
上記(1)または(2)に記載の腐食試験装置。
(4)前記第1脈動緩和路および/または前記第2脈動緩和路が、伸縮性を有する部材を含む、
上記(1)から(3)までのいずれかに記載の腐食試験装置。
(5)前記第1大径部が、気泡を排出するための排出部を有する、
上記(1)から(4)までのいずれかに記載の腐食試験装置。
(6)前記装置本体部が、電気化学測定用電極をさらに有する、
上記(1)から(5)までのいずれかに記載の腐食試験装置。
(7)前記装置本体部が、前記試料の表面を装置本体部の外部から観察するための観察窓をさらに有する、
上記(1)から(6)までのいずれかに記載の腐食試験装置。
(8)前記第1ポンプおよび前記第2ポンプによって送られる腐食溶液の体積流量が等しい、
上記(1)から(7)までのいずれかに記載の腐食試験装置。
(9)前記第1ポンプおよび前記第2ポンプによって送られる腐食溶液の体積流量が、腐食溶液の動粘性係数および層流部の幅に応じて、下記(i)式を満足する、
上記(8)に記載の腐食試験装置。
2F/νw<1000 ・・・(i)
但し、式中の各記号の意味は以下のとおりである。
F:腐食溶液の体積流量(m/s)
ν:腐食溶液の動粘性係数(m/s)
w:層流部の幅(m)
(10)前記層流部の幅に対する、前記上昇部の上端部および前記下降部の上端部の幅の比が、いずれも0.9〜1.0である、
上記(1)から(9)までのいずれかに記載の腐食試験装置。
(11)前記腐食溶液とは異なる流体を供給する1つ以上の流体供給部と、
前記導入路上に設置される切替部と、をさらに備え、
前記切替部は、前記腐食溶液と、前記1つ以上の流体供給部からそれぞれ供給される1種類以上の前記流体とを切り替えながら装置本体部に導入する、
上記(1)から(10)までのいずれかに記載の腐食試験装置。
本発明によれば、制御された腐食環境において、金属材料表面から溶出する元素量を簡易かつ正確に測定することが可能である。したがって、金属材料表面における腐食反応の解明につながり、使用環境に最適な金属材料の選択に大きく貢献することができる。
本発明の一実施形態に係る腐食試験装置を模式的に示した図である。 本発明の他の実施形態に係る腐食試験装置を模式的に示した図である。 本発明の他の実施形態に係る腐食試験装置を模式的に示した図である。 本発明の装置本体部の一例を上面側から見た模式図である。 本発明の装置本体部の他の一例を上面側から見た模式図である。 本発明の装置本体部の他の一例を上面側から見た模式図である。 本発明の他の実施形態に係る腐食試験装置を模式的に示した図である。 本発明の他の実施形態に係る腐食試験装置を模式的に示した図である。 本発明の他の実施形態に係る腐食試験装置を模式的に示した図である。 本発明の他の実施形態に係る腐食試験装置を模式的に示した図である。 本発明の他の実施形態に係る腐食試験装置を模式的に示した図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る腐食試験装置を模式的に示した図である。本発明の腐食試験装置には、調製部1、流路2、回収部3、装置本体部4、第1ポンプ5および第2ポンプ6が含まれる。各構成要素について、以下に詳細を示す。ただし、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。
1.調製部
調製部1は、腐食溶液を調製する。調製部1を備えることにより、温度も含めた所定の腐食環境を再現するための腐食溶液を正確に調製することが可能となる。腐食反応の再現性の観点からは、調製部1は、腐食性の気体(例えば、酸素等)を飽和させた腐食溶液を調製することが好ましい。
2.流路
流路2は、調製部1から供給される腐食溶液が流れる部分である。流路2は、腐食溶液の流れ方向において、順に導入路21、第1脈動緩和路22、試験流路23、第2脈動緩和路24および排出路25を有する。
導入路21は、後述する第1ポンプ5が設けられ、かつ第1ポンプ5によって調製部1から送り出された腐食溶液が流入する流路である。導入路21には、例えば、内径が0.5〜2.0mm程度の樹脂製のチューブを用いることができる。
第1脈動緩和路22は、腐食溶液の流れ方向における導入路21の先端部に接続され、第1小径部22aおよび第1大径部22bを含む。第1大径部22bは、第1小径部22aに接続されており、腐食溶液の流れ方向に垂直な断面において、第1小径部22aよりも大きい面積を有する。
第1小径部22aよりも断面積が大きい第1大径部22bを有することにより、前述した第1ポンプ5による腐食溶液の脈動の影響を緩和させることが可能になる。脈動の影響を十分に緩和するためには、第1大径部22bの最大断面積は、第1小径部22aの断面積の2倍以上であることが好ましく、4倍以上であることがより好ましい。
また、腐食溶液の脈動の影響をさらに緩和するためには、第1脈動緩和路22は、伸縮性を有する部材を含むことが好ましく、特に、第1大径部22bが伸縮性を有する部材であることが好ましい。具体的には、シリコンゴムなどを使用することができる。
さらに、腐食溶液として腐食性の気体を飽和させた溶液を用いる場合には、第1大径部22bにおいて圧力が緩和されることにより、過飽和となった溶液中の気体が気泡となる場合がある。それに加えて、各流路の繋ぎ目部分から大気が混入し、気泡が生じる場合もある。
しかし、発生した気泡を第1大径部22b内に閉じ込めることにより、装置本体部4への気泡の混入を抑制することが可能になる。なお、第1大径部22bは、閉じ込めた気泡を排出するための排出部(図示せず)を有していてもよい。
試験流路23は、装置本体部4内に位置し、装置本体部4に固定されている。そして、試験流路23は、上昇部23a、層流部23bおよび下降部23cを含む。上昇部23aは、流れ方向における第1脈動緩和路22の先端部から屈曲して上方に延びる。図1に示す構成のように、上昇部23aは、第1脈動緩和路22の先端部から直角に屈曲することが好ましいが、図2に示す構成のように、直角でなくてもよい。また、図1に示す構成では、上昇部23aは直線状であるが、図3に示す構成のように曲線状であってもよい。
層流部23bは、上昇部23aの上端部から直角に屈曲して直線状に延びる。また、下降部23cは、流れ方向における層流部23bの先端部から直角に屈曲して下方に延びる。このように、上昇部23aと層流部23bとが直角に屈曲しかつ層流部23bと下降部23cとが直角に屈曲していることにより、層流部23bを流れる腐食溶液の流れを層流にすることが可能になる。
層流部23bの厚さについて制限は設けないが、薄すぎると試料41の表面41aにおける腐食溶液の流れに乱れが生じるおそれがある。一方、厚すぎると流れる腐食溶液の量に対して表面41aに接触する流体の割合が小さくなるため、反応後における腐食溶液中に溶出した元素の濃度が減少し、分析精度が低下するおそれがある。また、溶出した元素の厚さ方向への拡散が大きくなり、試験の再現性が低下するおそれがある。
したがって、腐食溶液の動粘性係数等に応じて適宜調整することが好ましく、層流部23bの厚さは数10μm〜3mm程度とするのが好ましい。また、層流部23bの幅についても試料の大きさに合わせて適宜選択することが可能であるが、分析精度を高めるためには、20〜30mm程度とするのが好ましい。
なお、上昇部23aの上端部および下降部23cの上端部の形状については特に制限はなく、図4に示すように円状でもよいが、図5に示すような長方形状であってもよい。特に、上昇部23aの上端部および下降部23cの上端部が、層流部23bの幅に近い幅を有することで、表面41a上を腐食溶液が平行に流れ、より均一な流れとなるため、試験の再現性が向上する。具体的には、層流部23bの幅に対する、上昇部23aの上端部および下降部23cの上端部の幅の比は、いずれも0.9〜1.0であることが好ましい。
例えば、図6に示すように、表面41aの幅より大きな幅を有する開口部の上に、表面41aの幅に対応した幅を有するゴムスペーサー41bを設けることによって、層流部23bの幅と上昇部23aの上端部および下降部23cの上端部の幅を一致させることが可能になる。表面41aの幅に対する層流部23bの幅は、0.8〜1.2とすることが好ましく、0.9〜1.1とすることがより好ましく、1.0〜1.1とすることがさらに好ましい。
さらに、上昇部23aの上端部および下降部23cの上端部の付近では多少の上下方向への拡散が生じ、流れが平行でないため、上昇部23aの上端部および下降部23cの上端部と表面41aとの距離は10mm以上程度とすることが望ましい。
第2脈動緩和路24は、下降部23cの下端部から屈曲するように下端部に接続される。図1に示す構成のように、第2脈動緩和路24は、下降部23cの下端部から直角に屈曲することが好ましいが、図2に示す構成のように、直角でなくてもよい。また、図1に示す構成では、下降部23cは直線状であるが、図3に示す構成のように曲線状であってもよい。
また、第2脈動緩和路24は、第2小径部24aおよび第2大径部24bを含む。第2大径部24bは、第2小径部24aに接続されており、腐食溶液の流れ方向に垂直な断面において、第2小径部24aよりも大きい面積を有する。
第2小径部24aよりも断面積が大きい第2大径部24bを有することにより、第2ポンプ6による腐食溶液の脈動の影響を緩和させることが可能になる。脈動の影響を十分に緩和するためには、第2大径部24bの最大断面積は、第2小径部24aの断面積の2倍以上であることが好ましく、4倍以上であることがより好ましい。
また、腐食溶液の脈動の影響をさらに緩和するためには、第2脈動緩和路24は、伸縮性を有する部材を含むことが好ましく、特に、第2大径部24bが伸縮性を有する部材であることが好ましい。具体的には、シリコンゴムなどを使用することができる。
さらに、腐食反応に伴って、試料41の表面41aで気体(例えば水素等)が発生して気泡となる場合がある。それに加えて、各流路の繋ぎ目部分から大気が混入し、気泡が生じる場合もある。
しかし、発生した気泡を第2大径部24b内に閉じ込めることにより、第2ポンプ6への気泡の混入を抑制することが可能になる。なお、第2大径部24bは、閉じ込めた気泡を排出するための排出部(図示せず)を有していてもよい。
そして、排出路25は、流れ方向における第2脈動緩和路24の先端部に接続される。排出路25は、後述する第2ポンプが設けられ、かつ第2ポンプ6によって第2脈動緩和路24から送り出された腐食溶液を回収部3へ導く部分である。排出路25には、例えば、樹脂製のチューブを用いることができる。
3.回収部
回収部3は、流路2を介して調製部1に接続され、調製部1から流路2に供給された腐食溶液を回収する。回収された腐食溶液を分析することによって、試料から溶出した元素量を定量的に測定することが可能となる。回収した腐食溶液を分析するための装置については特に制限はなく、公知の分析装置を用いれば良い。
しかし、溶液中の元素の濃度は微量であることが多いため、分析装置として、ICP−MSを用いるのが望ましい。回収した溶液は、そのままインラインで分析装置に供給することでリアルタイム分析を行ってもよいし、例えば一定時間ごとに容器に回収した後、個別に分析を行ってもよい。また、得られた溶液を直接分析に供しても良いし、濃縮、希釈、または試薬の追加等の処理を施した後、分析に供してもよい。
4.装置本体部
装置本体部4は、流路2上において調製部1と回収部3との間に設けられ、流路2内の腐食溶液が試料41の表面41aを流れるように試料41を設置することのできる設置部42を有する。
設置部42は、層流部23bにおいて腐食溶液が試料41の表面41aを流れるように試料41を設置する。また、設置部42は、表面41aのみが腐食溶液に曝される構成となっていることが望ましい。また、設置部42の材質については特に制限は設けないが、例えば、フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の腐食溶液と反応が生じない材質のものを選択することが望ましい。
なお、図7に示す構成のように、装置本体部4を水平面に対して傾斜させずに使用することも可能である。しかしながら、図1に示すように、装置本体部4を水平面に対して傾斜させ、層流部23bの先端部が上昇部23aの上端部よりも上方に位置するように、装置本体部4を支持することが好ましい。このような状態で支持することによって、腐食溶液中で気泡が発生したとしても試料41の表面41aに付着せず、速やかに排出することが可能になる。
また、図8に示す構成のように、装置本体部4を水平面に対して傾斜させ、層流部23bの先端部が上昇部23aの上端部よりも下方に位置するように、装置本体部4を支持してもよい。
なお、層流部23bの水平面に対する傾斜角度が10°未満では、気泡が表面41aに付着しないようにする効果が十分に得られない場合がある。この効果を得るためには、傾斜角度を10°以上とするのが好ましく、15°以上とするのがさらに好ましく、20°以上とするのがより一層好ましい。一方、層流部23bの水平面に対する傾斜角度が60°を超えると、層流部23bを通過する気泡の速度が速くなりすぎて、表面41aに形成した腐食生成物が剥がれ落ちてしまうおそれがある。そのため、傾斜角度を60°以下とするのが好ましく、50°以下とするのがより好ましく、45°以下とするのがさらに好ましい。
さらに、装置本体部4を水平面に対して傾斜させるだけでは、腐食溶液中で発生した気泡が試料41の表面41aに付着したまま、排出できない場合もある。その場合には、第1脈動緩和路22に設けた第1大径部22bと第2脈動緩和路に設けた第2大径部24bをそれぞれ交互に押し潰すことにより、腐食溶液の流れを速めて、気泡を排出することが可能になる。
上述のように、層流部23bを流れる腐食溶液の流れを層流にするためには、層流部23bに対して直角に屈曲する下降部23cが必要である。そのため、気泡が層流部23bの先端部にたまるおそれがある。そのため、図1に示すように、層流部23bの先端部が上昇部23aの上端部よりも上方に位置する場合には、上昇部23aの下端を通りかつ層流部23bに平行な仮想的な直線を基準線Aとした場合に、下降部23cの下端部が基準線Aよりも上側に位置するような構造とすることが好ましい。
なお、装置本体部4を水平面に対して傾斜させずに使用する場合には、図9に示すように、下降部23cの下端部が基準線Aと一致していてもよい。さらに、層流部23bの先端部が上昇部23aの上端部よりも下方に位置する場合には、図10に示すように、下降部23cの下端部が基準線Aよりも下側に位置するような構造とすることが好ましい。
また、図1に示すように、装置本体部4は電気化学測定用電極43をさらに有していてもよい。電気化学測定用電極43(具体的には、対電極および参照電極)は層流部23bの試料近くに、腐食溶液の流路を阻害しないように設置される。電気化学測定用電極43を設けることによって、腐食電流密度の測定および試料の電位を変化させた際の腐食挙動の変化が電気化学的に解析可能となる。
さらに、図1に示すように、装置本体部4は観察窓44をさらに有していてもよい。腐食試験においては、表面41aから元素が腐食溶液中に溶出するだけでなく、表面41aに腐食生成物が析出する。装置本体部4に観察窓44を設けることによって、表面41aを外部から視認することができるようになり、腐食試験による元素の溶出または腐食生成物の析出の様子を常時観察することが可能となる。
また、観察窓44を通してレーザー光、X線等を照射することで、腐食生成物のその場分析を実施することが可能となる。制御された腐食環境において、腐食による腐食生成物の種類、成分および析出量を明らかにすることによって、所定の腐食環境における腐食生成物の析出過程を明らかにするとともに、腐食生成物による腐食抑制効果の定量的な評価も行うことができるようになる。
なお、腐食生成物の分析は、腐食試験後に試料を取り出してから行ってもよい。析出物の分析方法については特に制限はなく、例えば、腐食生成物の重量測定、XRDによる腐食生成物の種類の特定、XRF、EPMA、ICP−OES、ICP−MS等による成分分析を行うことができる。
5.第1ポンプ
第1ポンプ5は、流路2上において調製部1と装置本体部4との間に設けられ、調製部1から装置本体部4へ向けて腐食溶液を送る。上述のように、第1ポンプ5は、導入路21上に設けられる。第1ポンプ5としては、例えば、ローラーポンプを用いることができる。
6.第2ポンプ
第2ポンプ6は、流路2上において装置本体部4と回収部3との間に設けられ、装置本体部4から回収部3へ向けて腐食溶液を送る。上述のように、第2ポンプ6は、排出路25上に設けられる。第1ポンプ5と同様に、第2ポンプ6としては、例えば、ローラーポンプを用いることができる。
なお、第1ポンプ5および第2ポンプ6によって送られる腐食溶液の体積流量は、等しくすることが好ましい。そのような構成にすることで、装置本体部の流路における腐食溶液の圧力を静水圧にすることができるため、気泡の混入等を抑制し、より精度の高い腐食試験を行うことが可能となる。
また、第1ポンプ5および第2ポンプ6によって送られる腐食溶液の体積流量は、腐食溶液の動粘性係数および層流部23bの幅に応じて、下記(i)式を満足することが好ましい。これにより、試料40の表面41aにおいて、腐食溶液がより確実に層流の状態で流れるようになる。
2F/νw<1000 ・・・(i)
但し、式中の各記号の意味は以下のとおりである。
F:腐食溶液の体積流量(m/s)
ν:腐食溶液の動粘性係数(m/s)
w:層流部の幅(m)
7.切替部
本発明の一実施形態に係る腐食試験装置は、図11に示すように、導入路21上に設置される切替部7をさらに備えていてもよい。この場合、腐食溶液とは異なる他の流体を供給する流体供給部8を備えることとなる。切替部7を備えることによって、腐食溶液と他の流体とを適宜切り替えながら装置本体部4に導入することが可能となるため、異なる腐食環境を連続的に再現することができるようになる。
他の流体は1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。また、流体供給部8は1つであってもよいし、流体の種類に応じて2つ以上設けてもよい。なお、他の流体には、他の腐食溶液のほか、純水、気体などが含まれる。気体を供給する場合には、流体供給部8は圧力調整器および混合流量計を備え、気体の成分および供給量を調整できる構成であることが望ましい。流体供給部8は、調製部1と同様に、所定の腐食環境を再現するため、流体の成分(気体の場合は湿度も含む)、温度を調製する機能を備えてもよい。
本発明によれば、制御された腐食環境において、金属材料表面から溶出する元素量を簡易かつ正確に測定することが可能である。したがって、金属材料表面における腐食反応の解明につながり、使用環境に最適な金属材料の選択に大きく貢献することができる。
1.調製部
2.流路
3.回収部
4.装置本体部
5.第1ポンプ
6.第2ポンプ
7.切替部
8.流体供給部
21.導入路
22.第1脈動緩和路
22a.第1小径部
22b.第1大径部
23.試験流路
23a.上昇部
23b.層流部
23c.下降部
24.第2脈動緩和路
24a.第2小径部
24b.第2大径部
25.排出路
41.試料
41a.表面
41b.ゴムスペーサー
42.設置部
43.電気化学測定用電極
44.観察窓

Claims (11)

  1. 腐食溶液を調製する調製部と、
    前記調製部から供給される腐食溶液が流れる流路と、
    前記流路を介して前記調製部に接続され、前記調製部から前記流路に供給された腐食溶液を回収する回収部と、
    前記流路上において前記調製部と前記回収部との間に設けられ、前記流路内の腐食溶液が試料の表面を流れるように前記試料を設置することのできる設置部を有する装置本体部と、
    前記流路上において前記調製部と前記装置本体部との間に設けられ、前記調製部から前記装置本体部へ向けて腐食溶液を送る第1ポンプと、
    前記流路上において前記装置本体部と前記回収部との間に設けられ、前記装置本体部から前記回収部へ向けて腐食溶液を送る第2ポンプと、を備え、
    前記流路は、
    前記第1ポンプが設けられ、かつ前記第1ポンプによって調製部から送り出された腐食溶液が流入する導入路と、
    腐食溶液の流れ方向における前記導入路の先端部に接続され、かつ所定の断面積を有する第1小径部および前記第1小径部に接続されかつ前記第1小径部よりも大きい断面積を有する第1大径部を含む第1脈動緩和路と、
    前記流れ方向における前記第1脈動緩和路の先端部から屈曲して上方に延びる上昇部、前記上昇部の上端部から直角に屈曲して直線状に延びる層流部、および前記流れ方向における前記層流部の先端部から直角に屈曲して下方に延びる下降部を含み、かつ前記装置本体部に固定される試験流路と、
    前記下降部の下端部から屈曲するように前記下端部に接続され、かつ所定の断面積を有する第2小径部および前記第2小径部に接続されかつ前記第2小径部よりも大きい断面積を有する第2大径部を含む第2脈動緩和路と、
    前記流れ方向における前記第2脈動緩和路の先端部に接続され、前記第2ポンプが設けられ、かつ前記第2ポンプによって前記第2脈動緩和路から送り出された腐食溶液を前記回収部へ導く排出路と、を有し、
    前記設置部は、前記層流部において腐食溶液が前記試料の表面を流れるように前記試料を設置可能である、
    腐食試験装置。
  2. 前記層流部の先端部は、前記上昇部の上端部よりも上方に位置し、
    前記上昇部の下端を通りかつ前記層流部に平行な仮想的な直線を基準線とした場合に、前記下降部の下端部は前記基準線よりも上側に位置する、
    請求項1に記載の腐食試験装置。
  3. 前記層流部の水平面に対する傾斜角度が60°以下である、
    請求項1または請求項2に記載の腐食試験装置。
  4. 前記第1脈動緩和路および/または前記第2脈動緩和路が、伸縮性を有する部材を含む、
    請求項1から請求項3までのいずれかに記載の腐食試験装置。
  5. 前記第1大径部が、気泡を排出するための排出部を有する、
    請求項1から請求項4までのいずれかに記載の腐食試験装置。
  6. 前記装置本体部が、電気化学測定用電極をさらに有する、
    請求項1から請求項5までのいずれかに記載の腐食試験装置。
  7. 前記装置本体部が、前記試料の表面を装置本体部の外部から観察するための観察窓をさらに有する、
    請求項1から請求項6までのいずれかに記載の腐食試験装置。
  8. 前記第1ポンプおよび前記第2ポンプによって送られる腐食溶液の体積流量が等しい、
    請求項1から請求項7までのいずれかに記載の腐食試験装置。
  9. 前記第1ポンプおよび前記第2ポンプによって送られる腐食溶液の体積流量が、腐食溶液の動粘性係数および層流部の幅に応じて、下記(i)式を満足する、
    請求項8に記載の腐食試験装置。
    2F/νw<1000 ・・・(i)
    但し、式中の各記号の意味は以下のとおりである。
    F:腐食溶液の体積流量(m/s)
    ν:腐食溶液の動粘性係数(m/s)
    w:層流部の幅(m)
  10. 前記層流部の幅に対する、前記上昇部の上端部および前記下降部の上端部の幅の比が、いずれも0.9〜1.0である、
    請求項1から請求項9までのいずれかに記載の腐食試験装置。
  11. 前記調製部を複数備え、前記導入路上に、前記複数の調製部で調製された2種類以上の溶液を切り替えながら装置本体部に導入することが可能な切替部をさらに備える、
    請求項1から請求項10までのいずれかに記載の腐食試験装置。
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