JP2019108021A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハイブリッド車における発進時や再加速時に係合させるクラッチの耐久性を向上させるとともに駆動トルクを効果的に制御することのできる装置を提供する【解決手段】エンジンが出力したトルクによって選択的に駆動されて発電することによりエンジンからクラッチに伝達されるトルクを加減する発電機と、いずれかの車輪に連結されかつ発電機で発電した電力で駆動するモータとを備えたハイブリッド車両の制御装置であって、クラッチおよび発電機ならびにモータを制御するコントローラは、エンジンの出力トルクを増大させかつクラッチを解放状態から係合状態に切り換える際に、発電機によって発電させることによりエンジンからクラッチに入力されるトルクを減少させ、発電機によって発電した電力をモータに供給してモータを力行させることによりハイブリッド車両の駆動トルクを増大させる。【選択図】図9
Description
この発明は、エンジンに加えてモータ(もしくはモータ・ジェネレータ)を駆動力源とし、その駆動力源のトルクの伝達および遮断を行うクラッチを備えたハイブリッド車において、エンジンの出力トルクを増大させる際の制御を行う装置に関するものである。
エンジンを駆動力源として備えた車両では、停車状態でエンジンの運転を可能にするために流体継手を変速機との間に配置している。また、その流体継手として、トルクの増幅作用を備えているトルクコンバータが一般的に使用され、さらに高速運転時の燃費を向上させるために、ロックアップクラッチを備えたトルクコンバータが広く使用されている。この種の流体継手は、ポンプインペラ、タービンランナ、ステータ、ステータを保持する一方向クラッチなどを必要とするために体格が大きくなり、駆動ユニットの小型化には不利である。そこで、特許文献1には、流体継手に替わるクラッチおよびそのクラッチの制御方法が記載されている。そのクラッチはパウダクラッチであり、励磁コイルに流す電流値に応じてトルク容量が変化するように構成されている。特許文献1に記載された方法では、そのクラッチのトルク容量を、クラッチの入力側回転数と出力側回転数との比率である速度比と、エンジン回転数とに基づいて制御するように構成されている。したがって、特許文献1に記載の方法によれば、加速時などにおける駆動トルクの変化が、トルクコンバータを搭載している車両と近似したものとなり、違和感のない運転が可能である、としている。
上述した特許文献1に記載されているようにクラッチのトルク容量を制御すれば、発進あるいは加速に必要な駆動トルクを得ることができ、またエンジン回転数が過度に高回転数になるいわゆる吹き上がりを回避もしくは抑制することができる。しかしながら、エンジンから出力される動力をクラッチに伝達し、その一部を出力側に伝達するとともに余剰の動力を摩擦熱などに変換して放散することになり、そのためエネルギ効率が低下し、またクラッチの耐久性が低下するなどの技術的課題がある。また、トルクを電力に変換する発電機やその発電機で得られた電力を駆動トルクに再変換するモータなどをエンジンと共に搭載している車両においては、発進のためのクラッチによる駆動トルクの制御だけでなく、上記の発電機やモータによる駆動トルクの制御が可能であるにも拘わらず、発進時や加速時においてこれらの発電機やモータを併用して駆動トルクを制御する有効な技術が知られておらず、この点に改良の余地があった。
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであって、ハイブリッド車における発進時や再加速時に係合させるクラッチの耐久性を向上させるとともに駆動トルクを効果的に制御することのできる装置を提供することを目的とするものである。
この発明は、上記の目的を達成するために、エンジンと、前記エンジンが出力したトルクを車輪に選択的に伝達するクラッチと、前記エンジンが出力したトルクによって選択的に駆動されて発電することにより前記エンジンから前記クラッチに伝達されるトルクを加減する発電機と、いずれかの車輪に連結されかつ前記発電機で発電した電力で駆動するモータとを備えたハイブリッド車両の制御装置であって、前記クラッチおよび前記発電機ならびに前記モータを制御するコントローラを有し、前記コントローラは、前記エンジンの出力トルクを増大させかつ前記クラッチを解放状態から係合状態に切り換える際に、前記発電機によって発電させることにより前記エンジンから前記クラッチに入力されるトルクを減少させ、前記発電機によって発電した電力を前記モータに供給して前記モータを力行させることにより前記ハイブリッド車両の駆動トルクを増大させることを特徴としている。
この発明においては、ハイブリッド車が発進する場合、あるいは減速走行もしくは惰性走行から再加速する場合などに、エンジンの出力トルクが増大させられるとともにクラッチが解放状態から係合状態に切り換えられる。その際に、発電機によって発電を行い、その発電のためのトルクが、エンジンが出力するトルクから減じられ、エンジンからクラッチに入力されるトルクが低下させられる。その場合、エンジンが出力するトルクの全てを発電のために使用するとすれば、クラッチにはトルクが入力されず、クラッチを介して車輪に伝達される駆動トルクはゼロになる。また、発電機で発電に使用できるトルクに対してエンジンの出力トルクが上回っていれば、そのトルクの差分がクラッチに入力されるトルクとなる。発電機で生じた電力は、モータに供給されてモータが力行し、そのモータが出力するトルクが車輪に伝達されてハイブリッド車両が加速される。すなわち、クラッチに掛かるトルクが低減されるとしてもハイブリッド車両の駆動力あるいは加速度は確保され、発進性能あるいは加速性能を損なうことなくクラッチの耐久性を向上させることができる。
この発明の実施形態におけるハイブリッド車両は、駆動トルクを発生もしくは制御する手段としてエンジンと、発電機と、モータとを備えている。エンジンはガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関であり、発電機およびモータは、発電機能とモータ機能とを兼ね備えた永久磁石式の同期電動機などのモータ・ジェネレータであってよい。また、この発明の実施形態におけるハイブリッド車両は、エンジンが出力したトルクを車輪に伝達し、またそのトルクを車輪に対して遮断するクラッチを備えている。このようにトルクを選択的に伝達するクラッチは、エンジンと自動変速機とを断接するいわゆる発進クラッチであってよく、あるいは自動変速機においてギヤ段を設定するために係合するクラッチやブレーキであってもよい。
図1にこの発明の実施形態におけるハイブリッド車両1を模式的に示してあり、ここに示すハイブリッド車両1は、エンジン2と二つのモータ3,4とを備えている。より具体的には、ここに示すハイブリッド車両1は、フロントエンジン・後輪駆動車(FR車)をベースとした四輪駆動車の例であり、車体の前方側にエンジン(E/G)2が車体の後方に向けて配置されており、そのエンジン2に続けて第1モータ(MG1)3と自動変速機(A/T)5とが順に配列されている。そして、エンジン2(より詳しくはエンジン2の出力軸)と第1モータ3(より詳しくは第1モータ3のロータ軸)とが自動変速機5の入力軸6に連結されている。
エンジン2は、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量(アクセル開度)などの要求駆動力に応じてスロットル開度や燃料噴射量が制御されて要求駆動力に応じたトルクを出力するように構成されている。また、エンジン2は、燃料の供給を停止(フューエルカット:F/C)した状態で空転させることも可能である。その場合、ポンピングロスなどによる動力損失によって制動力(エンジンブレーキ力)が発生する。第1モータ3は、永久磁石式同期電動機などの発電機能のあるモータ(モータ・ジェネレータ:MG)であり、図1に示す例においては主として発電機として機能する。この第1モータ3がこの発明における発電機に相当する。
また、自動変速機5は、クラッチやブレーキなどの複数の係合機構を備え、それらの係合機構の係合および解放の状態に応じて、複数の前進段や後進段を設定できるいわゆる有段式の自動変速機であり、その一例は特開2017−155779号公報に記載されている自動変速機あるいはその一部を変更した自動変速機などであってよい。これらの係合機構のうちのいずれかの係合機構Cは、自動変速機5がエンジン2のトルクを伝達しないニュートラル状態を作る係合機構であり、例えば自動変速機5の入力側に設けられた発進クラッチであってよく、あるいは所定のギヤ段を設定するために係合させるクラッチもしくはブレーキであってよい。このような係合機構Cがこの発明の実施形態における「クラッチ」に相当する。
図2にこの発明の実施形態として採用することのできる前進10段の自動変速機をスケルトン図で示してある。自動変速機5は、発進クラッチC0を、従来のトルクコンバータに替えて設けた例であり、発進クラッチC0は入力軸6に介装されている。なお、発進クラッチC0は、油圧式の多板クラッチや電磁クラッチ、パウダクラッチなど従来知られている適宜の係合機構であってよい。入力軸6によってトルクが入力される歯車変速部11は、ラビニョ型の第1遊星歯車機構12と、シングルピニオン型の第2遊星歯車機構13と、シングルピニオン型の第3遊星歯車機構14とを主たる歯車機構として備えている。第1遊星歯車機構12は、二つのサンギヤS121,S122と、リングギヤR12と、サンギヤS121とリングギヤR12とに噛み合っている第1ピニオンギヤP121および第2サンギヤS122と第1ピニオンギヤP121とに噛み合っている第2ピニオンギヤP122を保持しているキャリヤC12とを、互いに差動作用を行う回転要素として備えている。その第1サンギヤS121を選択的に固定する第1ブレーキB1が設けられている。
第2遊星歯車機構13および第3遊星歯車機構14は上記の第1遊星歯車機構12と同一軸線上に配置されており、第2遊星歯車機構13は、サンギヤS13と、リングギヤR13と、これらのサンギヤS13およびリングギヤR13に噛み合っているピニオンギヤP13を保持しているキャリヤC13とを、互いに差動作用を行う回転要素として備えている。同様に、第3遊星歯車機構14は、サンギヤS14と、リングギヤR14と、これらのサンギヤS14およびリングギヤR14に噛み合っているピニオンギヤP14を保持しているキャリヤC14とを、互いに差動作用を行う回転要素として備えている。
第2遊星歯車機構13のサンギヤS13と第3遊星歯車機構14のサンギヤS14とは互いに一体化されており、これらのサンギヤS13,S14と前述した第1遊星歯車機構12におけるリングギヤR12とを選択的に連結する第1クラッチK1が設けられている。また互いに一体化されているサンギヤS13,S14と第1遊星歯車機構12における第2サンギヤS122とを選択的に連結する第2クラッチK2が設けられている。さらに、第2遊星歯車機構13のリングギヤR13と第1遊星歯車機構12におけるリングギヤR12とを選択的に連結する第3クラッチK3が設けられている。この第2遊星歯車機構13のリングギヤR13の回転を選択的に止める第2ブレーキB2が設けられている。
そして、第3遊星歯車機構14におけるキャリヤC14が歯車変速部11の入力要素となっている。さらに、第2遊星歯車機構13のキャリヤC13が出力要素であって、歯車変速部11(自動変速機5)の出力軸15に連結されている。この出力要素である第2遊星歯車機構13のキャリヤC13と第3遊星歯車機構14のリングギヤR14とを選択的に連結する第4クラッチK4が設けられている。この第4クラッチK4が係合した場合には、第2遊星歯車機構13と第3遊星歯車機構14とは、それぞれ二つの回転要素同士が連結されることにより、差動作用を生じることなく一体となって回転する。
各クラッチK1〜K4およびブレーキB1,B2のそれぞれは、例えば油圧によって係合および解放させられる摩擦式の係合機構であり、そのトルク容量(伝達可能なトルク)を連続的に変化させることができるように構成されている。これらのクラッチK1〜K4およびブレーキB1,B2がこの発明の実施形態における係合機構に相当する。
図2に示す上記の自動変速機5では、10段の前進段(1st〜10th)および後進段(Rev)を設定することができる。これらのギヤ段で係合および解放させる係合機構を図3の係合作動表にまとめて示してある。図3で「○」印は係合状態を示し、空欄は解放状態を示す。これらの係合機構を係合および解放させる制御は、従来知られている油圧制御装置(図示せず)によって行うことができ、またその油圧制御装置は電気的に制御することができる。その制御は、従来知られている変速制御と同様であり、アクセル開度と車速となどの駆動データに応じて各ギヤ段の領域を定めた変速マップを予め用意し、アクセル開度と車速とが、各領域を定めている線(変速線)を横切って変化した場合に、変速が実行される。したがって、アクセル開度などの要求駆動力と車速もしくはこれに相当する回転部材の回転数とによって目標ギヤ段が決まり、その目標ギヤ段を設定するように各係合機構が係合および解放させられる。その変速制御は、ギヤ段を1段ずつ変化させる制御だけでなく、2段以上離れたギヤ段へのいわゆる飛び変速や、飛び変速の際に中間のギヤ段(中間段)を経由して目標ギヤ段を設定するいわゆる多重変速などの制御が可能である。
図1に示す例では、自動変速機5にはリヤプロペラシャフト16を介してリヤデファレンシャルギヤ17が連結されており、リヤデファレンシャルギヤ17から駆動輪である左右の後輪18に駆動トルクが伝達される。また、自動変速機5の出力側にトランスファ19が設けられている。トランスファ19は、自動変速機5から出力されたトルクの一部を前輪20に伝達して四輪駆動状態を成立させるための機構であり、このトランスファ19にはフロントプロペラシャフト21が連結され、そのフロントプロペラシャフト21が、駆動力を左右の前輪20に伝達するためのフロントデファレンシャルギヤ22に連結されている。
トランスファ19は従来知られている構成のものを採用することができる。例えば、フロントプロペラシャフト21にトルクを伝達する歯車列とトルクの伝達を選択的に遮断するクラッチ(それぞれ図示せず)からなるいわゆるパートタイム式のトランスファや、後輪18と前輪20との差動を許容しつつ常時トルクを後輪18と前輪20とに伝達するフルタイム式のトランスファ、さらには後輪18と前輪20との差動を選択的に制限できるフルタイム式のトランスファなどであってよい。
トランスファ19には、フロントプロペラシャフト21(すなわち前輪20)を駆動する第2モータ(MG2)4が連結されている。第2モータ4は主として走行のための駆動トルクを出力するモータであり、前述した第1モータ3より最大出力トルクが大きいモータである。なお、減速時にエネルギ回生を行うために、第2モータ4は前述した第1モータ3と同様に、永久磁石式同期電動機などの発電機能のあるモータ・ジェネレータによって構成することが好ましい。この第2モータ4はトランスファ19を介して自動変速機5の出力側に連結されており、したがってこの第2モータ4がこの発明の実施形態におけるモータに相当している。
第1モータ3と第2モータ4とは、蓄電池やキャパシターなどの蓄電装置(BATT)23にそれぞれ電気的に接続されている。したがって、第1モータ3および第2モータ4を蓄電装置23の電力によってモータとして機能させ、あるいはこれらのモータ3,4で発電した電力を蓄電装置23に充電することが可能である。また、第1モータ3で発電した電力によって第2モータ4をモータとして機能させ、その第2モータ4のトルクで走行することも可能である。
上述したエンジン2、各モータ3,4、自動変速機5、ならびに発進クラッチC0、トランスファ19などを制御する電子制御装置(ECU)24が設けられている。このECU24はマイクロコンピュータを主体にして構成され、入力されるデータおよび変速マップなどの予め記憶しているデータに基づいて演算を行い、演算の結果を制御指令信号として出力するように構成されている。ECU24は、エンジン2などの上述した機器を制御するためのものであるから、エンジン用ECUやモータ用ECUならびに自動変速機用ECUなどを統合した制御装置であってもよく、あるいはこれらの各ECUに指令信号を出力する上位の制御装置であってもよい。
入力されるデータおよび制御指令信号の例を図4に模式的に示してある。ECU24には、車速V、アクセル開度ACC、蓄電装置23の充電残量SOC、エンジン回転数NE、ブレーキオン・オフ信号Br、入力軸6の回転数NTなどが入力されている。また、制御指令信号として、第1モータ(MG1)3の制御信号、第2モータ(MG2)4の制御信号、エンジン2における電子スロットルバルブの開度信号、ギヤ段制御信号、発進クラッチC0のトルク容量制御信号、トランスファ(Tr)19の制御信号などが出力される。さらに、ECU24には、制御に用いる種々のデータを記憶させておくことができ、予め記憶させておくデータの例は、前述した変速マップ、発進クラッチC0に代替して設けると仮定した場合の流体継手(トルクコンバータ)の容量係数やトルク比などである。
上述したハイブリッド車両1では、停車中や惰性走行中などにエンジン2を車輪18から切り離すために発進クラッチC0を解放し、発進や再加速時などにエンジン2の出力トルクを増大させるとともに、発進クラッチC0を係合させる。発進クラッチC0を設けずに、歯車変速部11での適宜のクラッチもしくはブレーキによって自動変速機5をニュートラル状態とするように歯車変速部11を構成した場合には、各ギヤ段を設定するために係合させるいずれかのクラッチもしくはブレーキを同様に制御する。このような発進あるいは再加速時において係合させるいずれかのクラッチもしくはブレーキあるいは発進クラッチC0が係合機構Cであって、その係合機構Cを係合させる場合、この発明の実施形態では、加速性能を損なうことなく係合機構Cの耐久性を維持できる以下の制御を行う。
図5はその制御の一例を説明するためのフローチャートであって、レディースイッチ(Ready switch)がオンになっているなど上述したハイブリッド車両1がいわゆる起動状態になっている場合に、所定の短時間ごとに繰り返し実行される。なお、図5に示す制御は前述したECU24によって実行され、したがってECU24がこの発明の実施形態におけるコントローラに相当する。
図5に示すフローチャートにおいて、先ず、制御に使用するデータが読み込まれる(ステップS1)。読み込まれるデータは、アクセル開度ACC、車速V、ブレーキのオン・オフの信号Br、エンジン回転数NE、入力回転数NTなどの各回転数などのデータである。これら読み込んだデータに基づいて、ハイブリッド車両1の発進もしくは再加速の判断が行われる(ステップS2)。具体的には、車速Vがゼロ程度の所定車速以下でかつ発進クラッチC0が解放している状態(もしくは歯車変速部11がニュートラルになっている状態)からアクセル開度ACCが所定値以上に増大することにより発進の判断が成立する。あるいはアクセル開度ACCがゼロ程度の所定開度以下でかつ車速Vがゼロ以上、さらに発進クラッチC0が解放している状態(もしくは歯車変速部11がニュートラルになっている状態)からアクセル開度ACCが所定値以上に増大することにより再加速の判断が成立する。
アクセル開度ACCがゼロ程度の所定開度以下に維持されている場合にはステップS2で否定的に判断され、その場合は特に制御を行うことなくリータンする。これに対してアクセル開度ACCが増大するとステップS2で肯定的に判断される。アクセル開度ACCが増大することによりエンジン2の出力トルクが増大するので、エンジン回転数NEの吹き上がりを抑制するようにエンジン回転数NEを制御するために、また発進クラッチC0あるいは再加速のために係合する係合機構に掛かる負荷を適正値に設定するために、以下の制御が実行される。
先ず、発電機として機能する第1モータ(MG1)3の制御量が算出される(ステップS3)。その制御量は第1モータ3のトルクTmg1のための制御量であり、エンジン2側から伝達されるトルクとして算出される。自動変速機5は前述したようにトルクコンバータを備えていないが、現存する自動変速機の多くはトルクコンバータを備えていて運転者はトルクコンバータを備えた自動変速機を搭載している車両に習熟していると考えられるので、発進時あるいは再加速時の駆動トルクの変化は、トルクコンバータを備えた自動変速機を搭載している車両に近似させることが好ましいものと考えられる。そこで、ステップS3では、トルクコンバータが存在すると仮定して、エンジン2側から伝達されるトルクTmg1を求める。トルクコンバータにおけるタービントルクすなわち出力側のトルクは、入力回転数であるエンジン回転数NEと容量係数cとから算出でき、容量係数cは存在が仮定されるトルクコンバータ(以下、仮想トルクコンバータと記す)の容量係数であって速度比に応じた値としてECU24に予め記憶されている。さらに、速度比は仮想トルクコンバータにおけるポンプインペラの回転数とタービンランナの回転数との比である。これを模式的に示すと図6のとおりであり、速度比eは「0」から「1」までの値を取り、容量係数cは速度比eが所定値以上に大きくなると低下する。
容量係数cを決める速度比eは、この発明の実施形態では発進クラッチC0の入力側の回転数であるエンジン回転数NEと発進クラッチC0の出力側の回転数である歯車変速部11の入力軸6の回転数との比として求められる。したがって発進クラッチC0の入力側のトルク、すなわちエンジン2から第1モータ3に掛かるトルクTmg1は、
Tmg1=c・NE2
として算出することができる。なお、容量係数cは、図6に示すように速度比が「1」で「0」になるから、エンジン回転数NEと入力軸6の回転数NTが等しい場合に第1モータ3のトルクTmg1が「0」になってしまい、実際の状態とは異なる値が算出されてしまう。これを避けるために、ECU24で予め記憶している容量係数cは、速度比が「1」およびこれに近い場合には、「0」より大きい値に補正した係数とする。図6には補正した容量係数cを鎖線で示してある。このような補正もしくは変更は、容量係数自体に所定の値を加算することにより行ってもよく、あるいは算出された速度比を小さい値にする補正もしくは変更であってもよい。
Tmg1=c・NE2
として算出することができる。なお、容量係数cは、図6に示すように速度比が「1」で「0」になるから、エンジン回転数NEと入力軸6の回転数NTが等しい場合に第1モータ3のトルクTmg1が「0」になってしまい、実際の状態とは異なる値が算出されてしまう。これを避けるために、ECU24で予め記憶している容量係数cは、速度比が「1」およびこれに近い場合には、「0」より大きい値に補正した係数とする。図6には補正した容量係数cを鎖線で示してある。このような補正もしくは変更は、容量係数自体に所定の値を加算することにより行ってもよく、あるいは算出された速度比を小さい値にする補正もしくは変更であってもよい。
第1モータ3に掛かるトルクTmg1を第1モータ3で吸収することを考慮して、第1モータ3で回転制御できない(制御不可)か否か、すなわち上記の算出されたトルクTmg1が第1モータ3の制御可能範囲を超えているか否か(外れているか否か)が判断される(ステップS4)。第1モータ3が発電機として機能できる上限回転数もしくはトルクと、下限回転数もしくはトルクとは、第1モータ3の構造や第1モータ3が接続されている図示しない蓄電装置での充電残量などによって規定される。したがって、これらの上下限の回転数やトルクは、ECU24に予め記憶させておくことができ、ステップS4ではステップS3で算出されたトルクTmg1と予め記憶してある上下限の回転数もしくはトルクとを比較する。
ステップS3で算出されたトルクTmg1が第1モータ3についての上限値もしくは下限値を超えている場合、すなわちステップS4で肯定的に判断された場合には、その上限値もしくは下限値を第1モータ3のトルクTmg1に置き換える。これとは反対にステップS3で算出されたトルクTmg1が上下限値の範囲内に入っている場合には、ステップS3で算出されたトルクTmg1を第1モータ3のトルクとする。
ステップS4で肯定的に判断された場合には、余剰のトルクが発進クラッチC0に掛かることになるので、その余剰のトルクを発進クラッチC0で伝達するための制御量が算出される(ステップS5)。歯車変速部11の入力側に設けられている発進クラッチC0であれば、発進クラッチC0に掛かるトルクTc0はエンジン2側から入力されるトルク(c・NE2)から第1モータ3のトルクTmg1を差し引いたトルクとなる。
Tc0=c・NE2−Tmg1
また、発進あるいは再加速のために係合させる係合機構が発進時あるいは再加速時に設定されるギヤ段で係合させられるクラッチもしくはブレーキであれば、これらのクラッチもしくはブレーキのトルク分担比を前述した余剰のトルクに掛け算したトルクが、当該クラッチもしくはブレーキに掛かるトルクとなる。例えば発進時に第1速が設定され、第1速を設定する三つの係合機構のうち第2ブレーキB2が最後に係合させられてトルクを伝達する場合には、第2ブレーキB2のトルク分担比Xb2_1stとすると、第2ブレーキB2に掛かるトルクTb2は、
Tb2=(c・NE2−Tmg1)・Xb2_1st
として算出できる。なお、歯車変速部11における各クラッチおよびブレーキのトルク分担比は、歯車変速部11の構造、特に前述した各遊星歯車機構12,13,14のギヤ比(サンギヤの歯数とリングギヤの歯数との比率)に基づいて決まる。
Tc0=c・NE2−Tmg1
また、発進あるいは再加速のために係合させる係合機構が発進時あるいは再加速時に設定されるギヤ段で係合させられるクラッチもしくはブレーキであれば、これらのクラッチもしくはブレーキのトルク分担比を前述した余剰のトルクに掛け算したトルクが、当該クラッチもしくはブレーキに掛かるトルクとなる。例えば発進時に第1速が設定され、第1速を設定する三つの係合機構のうち第2ブレーキB2が最後に係合させられてトルクを伝達する場合には、第2ブレーキB2のトルク分担比Xb2_1stとすると、第2ブレーキB2に掛かるトルクTb2は、
Tb2=(c・NE2−Tmg1)・Xb2_1st
として算出できる。なお、歯車変速部11における各クラッチおよびブレーキのトルク分担比は、歯車変速部11の構造、特に前述した各遊星歯車機構12,13,14のギヤ比(サンギヤの歯数とリングギヤの歯数との比率)に基づいて決まる。
エンジン2が出力したトルクは、最終的には、後輪18や前輪20に伝達されてハイブリッド車両1を走行させる駆動トルクとなる。上述した制御では、エンジン2が出力したトルクの一部もしくは全量が第1モータ3によって吸収され、また一部が自動変速機5を介して後輪18に伝達される。第1モータ3で吸収されたトルクに相当するトルクを第2モータ4が出力することにより、発進もしくは再加速に要求される駆動トルクとなる。そこで、ステップS6では第2モータ(MG2)4の制御量が算出される。前述したように発進クラッチC0や歯車変速部11に入力されるトルクは、仮想トルクコンバータを模擬して算出できるから、その演算にはトルクコンバータの容量式(特にタービンランナ側の容量式)を使用する。具体的には、発進もしくは再加速の際に係合させる係合機構が前述した発進クラッチC0であれば、発進クラッチC0を介して自動変速機5から後輪18に出力されるトルクをエンジン2から入力されるトルクから減じたトルクに変速比γを掛けたトルクが第2モータ4で出力するべきトルクTmg2となる。
Tmg2=γ(t・c・NE2−Tco)
ここで、tは仮想トルクコンバータのトルク比であり、例えば図7に模式的に示すように、速度比eの増大に応じて小さい値になる。Tc0は発進クラッチC0のトルク容量である。
Tmg2=γ(t・c・NE2−Tco)
ここで、tは仮想トルクコンバータのトルク比であり、例えば図7に模式的に示すように、速度比eの増大に応じて小さい値になる。Tc0は発進クラッチC0のトルク容量である。
また、発進もしくは再加速のために係合させる係合機構が、その際のギヤ段を設定するために係合させられるクラッチもしくはブレーキであれば、そのクラッチもしくはブレーキのトルク容量を入力トルクに加えたトルクが第2モータ4で出力するべきトルクTmg2となる。すなわち、この種のクラッチもしくはブレーキが係合することによる出力トルクToに対する影響分を、歯車変速部11の構成に応じた運動方程式を元に補正する。その運動方程式は、例えばギヤ段が第1速であれば、入力トルクをTinとすると、
To=α・Tin−β・Tb2
となる。そして、第2モータ4で出力するべきトルクTmg2は
Tmg2=γ・t・c・NE2+β・Tb2
となる。
To=α・Tin−β・Tb2
となる。そして、第2モータ4で出力するべきトルクTmg2は
Tmg2=γ・t・c・NE2+β・Tb2
となる。
以上のようにして第1モータ3の制御量Tmg1、発進もしくは再加速の際に係合させる係合機構(発進クラッチC0もしくはギヤ段を設定するクラッチもしくはブレーキ)の制御量TcoまたはTb2、第2モータ4の制御量Tmg2をそれぞれ算出した後、それぞれの制御量を制御指令信号として出力する(ステップS7)。それらの制御量を再度記載すると、
Tmg1=Tmg1’(エンジン2から入力されるトルクもしくは上下限の制限されたトルク)
Tc0=c・NE2−Tmg1’または
Tb2=(c・NE2−Tmg1)・Xb2_1st
Tmg2=γ(t・c・NE2−Tco)または
Tmg2=γ・t・c・NE2+β・Tb2
Tmg1=Tmg1’(エンジン2から入力されるトルクもしくは上下限の制限されたトルク)
Tc0=c・NE2−Tmg1’または
Tb2=(c・NE2−Tmg1)・Xb2_1st
Tmg2=γ(t・c・NE2−Tco)または
Tmg2=γ・t・c・NE2+β・Tb2
なお、前述したステップS4で否定的に判断された場合には、ステップS6に進んで、第2モータ4の制御量を算出する。その場合、発進クラッチC0や第2ブレーキB2などの係合機構Cの制御量を求めることがなく、その制御も行わない。すなわち、この発明の実施形態では、第1モータ3による制御を優先的に行い、第1モータ3では制御しきれないいわゆる余剰のトルクが生じる場合に、係合機構Cを用いたトルク制御を行う。
上述した各制御量を算出するアルゴリズムを図8にブロック図で示してある。エンジン回転数NEと歯車変速部11の入力回転数NTとの比率である速度比eに基づいて容量係数マップ30から容量係数cを算出する。その容量係数cとエンジン回転数NEの自乗値NE2とを乗算器31で掛け合わせて第1モータ3に掛かるトルクTmg1(=c・NE2)を算出する。ついで、制限マップ32の上下限値を参照して第1モータ3の制御量Tmg1’を求める。乗算器31で算出されたトルクTmg1が上下限値の範囲内であれば、その値が制御量Tmg1’となり、上下限値の範囲を外れていれば、上限値もしくは下限値が第1モータ3の制御量Tmg1’となる。その制御量Tmg1’を入力トルク(すなわちエンジン2側から入力されるトルクTmg1=c・NE2)から減算器33で減算し、係合機構Cで受け持つトルクを算出する。その値に補正器34によってトルク分担比を乗算してクラッチ制御トルクを算出する。補正器34によるトルク分担比は、発進クラッチC0であれば「1」であり、第1速で発進する場合には前述した「Xb2_1st」である。
一方、速度比eに基づいてトルク比マップ35からトルク比tが算出され、そのトルク比tとエンジン2からの前述した入力トルク(=c・NE2)とを乗算器36で掛けて歯車変速部11に入力されるトルク(=t・c・NE2)を算出する。これにギヤ比(第1速の場合は前述したγ)を乗算器37で掛けて変速比に応じたトルクを算出する。その値から係合機構Cが係合することによる影響度となるトルクを加算器38で加算し、第2モータ4の制御トルクを算出する。ここで、係合機構Cが係合することによる影響度は、上記の補正器34で補正された値に所定の係数を掛けたトルクであり、係合機構Cが発進クラッチC0であれば、その係数は変速比γであり、第1速を設定するための第2ブレーキB2であれば、係数は前述した「β」であり、このような演算が補正器39によって行われて加算器38で加算もしくは減算が行われ、第2モータ4の制御トルクTmg2が算出される。
上記の制御を行うことによる効果について説明する。この発明の実施形態では、エンジン2の出力トルクを増大させるとともに所定の係合機構Cを係合させてトルクを駆動輪に伝達する場合、エンジン2の出力トルクの少なくとも一部を第1モータ3によって吸収することにより、係合機構Cに掛かるトルクを抑制し、併せて第2モータ4を力行させて駆動トルクを増大させる。その後、係合機構Cが十分に係合した状態すなわち係合機構Cのトルク容量が増大した状態で第1モータ3および第2モータ4のトルク制御を終了して、エンジン2の出力トルクを自動変速機5を介して駆動輪(後輪18)に伝達して走行する。したがって発進あるいは再加速の際に係合させられる係合機構Cが係合過程にある場合、言い換えれば、トルク容量が小さい状態でその係合機構Cに大きいトルクが作用することが回避もしくは抑制され、その結果、係合機構Cの滑りやそれに伴う発熱が抑制されて係合機構Cの耐久性が向上する。なお、その場合、駆動トルクは第2モータ4によって確保されるので、加速性が損なわれることはなく、あるいは加速性が向上する。
図9はその状況を説明するためのタイムチャートであり、第1速を設定する第2ブレーキB2が係合することにより駆動トルクが発生してハイブリッド車両1が発進する際の加速度G、トルク、回転数、トルク容量、発熱量の変化の一例を示すタイムチャートである。第1速は、図3に示すように、第1クラッチK1、第2クラッチK2、第2ブレーキB2が係合することにより設定され、図9に示す例では、停車時に第1クラッチK1および第2クラッチK2が係合し、かつ第2ブレーキB2が解放していることにより、自動変速機5はニュートラル状態になっている。エンジン2はアイドリング状態に制御されていてその回転数NEは所定のアイドル回転数になっている。この状態でアクセルペダル(図示せず)が踏み込まれるなどのことによる発進要求が生じると、エンジン2のトルクTEが増大し始め、またエンジン回転数NEが増大し始める(t1時点)。
前述したようにこの発明の実施形態では、エンジン回転数NEすなわち自動変速機5あるいは発進クラッチC0に対する入力回転数に基づいて第1モータ3や第2モータ4の制御量Tmg1,Tmg2が算出され、それらの制御が実行されるから、t1時点とほぼ同時点に第1モータ3および第2モータ3の制御が開始される。具体的には、第1モータ3が発電機として機能して第1モータ3が負のトルクTmg1を発生させる。したがって、エンジントルクTEと第1モータ3のトルクとを加算すると、そのトルクはエンジントルクTEより小さいトルクになる。そのエンジントルクTEより小さいトルクが自動変速機5を介して後輪18に駆動トルクとして伝達されるが、その駆動トルクのみでは、エンジン2で走行する際の加速性が不十分になる。
一方、第1モータ3の制御と併せて第2モータ4の制御が実行されており、その制御は第1モータ3で発電した電力によって第2モータ4からトルクを出力させる第2モータ4の力行の制御であり、第2モータ4の出力トルクが前輪20に駆動トルクとして伝達される。その過程で発進のためのクラッチとしての第2ブレーキB2のトルク容量が次第に増大する。したがって、ハイブリッド車両1は、自動変速機5を介して後輪18に伝達されるトルクと第2モータ4が出力して前輪20に伝達されるトルクとを駆動トルクとして発進し、その結果、加速度Gはt1時点もしくはその直後に速やかに増大する。また、エンジントルクTEの増大に合わせてエンジン回転数NEが増大し、それに遅れて自動変速機5の出力回転数Noが次第に増大する。
エンジン回転数NEおよび加速度Gがある程度増大したt2時点では、第2ブレーキB2の差回転数が小さくなっており、このt2時点で第2ブレーキB2のトルク容量をいわゆる完全係合状態のトルク容量にまで増大させる。その後、エンジントルクTEがアクセル開度に応じたトルクにまで増大し、それに伴って第1モータ3および第2モータ4のトルクを「0」に向けて次第に減少させ、そのトルク制御を終了する。すなわち、発進もしくは再加速のために係合させる係合機構Cの係合過渡制御を終了する。
この過程で発進のためのクラッチとして機能している第2ブレーキB2の熱負荷は、図9に示すようになる。なお、図9において熱負荷を示す線のうち符号dQで示す線は各時点(瞬時)ごとの熱負荷を示し、これは第2ブレーキB2のスリップ量に相当する。また、符号Qで示す線は、熱負荷の積算値を示している。すなわち、第2ブレーキB2に掛かるトルクはエンジントルクTEから第1モータ3による負のトルクTmg1を減じたトルクであるから、第2ブレーキB2の熱負荷が小さくなる。結局、加速度Gが迅速かつ十分に大きくなって加速性能が良好になり、また発進のために係合する係合機構Cの熱負荷が小さくなってその耐久性が向上する。
比較のために、第1モータ3および第2モータ4の上述した制御を行わずに、係合機構C(発進クラッチC0もしくは第2ブレーキB2)のみで発進する場合の加速度Gと熱負荷とを図9に破線で併記してある。この場合、熱負荷がこの発明の実施形態によるよりも多くなり、その係合機構Cの耐久性が損なわれる。また、係合機構Cによるトルク容量に制約があるから、駆動トルクの増大すなわち加速度Gの増大に遅れが生じ、加速性が損なわれる。
以上、この発明の実施形態を主として発進時の制御を例に採って説明したが、この発明は上述した実施形態に限定されないのであって、この発明の実施形態による制御装置は、ハイブリッド車両1が所定の車速で惰性走行している状態から再加速する際の制御にも適用することができる。その場合、歯車変速部11の入力回転数NTが車速Vに応じた回転数になっていて前述した速度比eが「1」に近い値になるので、容量係数cやトルク比tが小さくなる。そのため、再加速の際に係合させる係合機構Cに掛かるトルクが上述した発進の場合より小さくなる。したがって、この発明の実施形態における制御装置は、ハイブリッド車両1が発進する際の制御を行う装置として使用することにより、発進加速性をより向上させ、また係合機構Cの耐久性をより向上させることができる。
1…ハイブリッド車、 2…エンジン、 3…第1モータ、 4…第2モータ、 5…自動変速機、 6…入力軸、 11…歯車変速部、 12,13,14…遊星歯車機構、 15…出力軸、 18…後輪、 20…前輪、 23…蓄電装置、 24…電子制御装置(ECU)、 B2…第2ブレーキ、 C…係合機構、 C0…発進クラッチ、 K1,K2,K3,K4…クラッチ。
Claims (1)
- エンジンと、前記エンジンが出力したトルクを車輪に選択的に伝達するクラッチと、前記エンジンが出力したトルクによって選択的に駆動されて発電することにより前記エンジンから前記クラッチに伝達されるトルクを加減する発電機と、いずれかの車輪に連結されかつ前記発電機で発電した電力で駆動するモータとを備えたハイブリッド車両の制御装置において、
前記クラッチおよび前記発電機ならびに前記モータを制御するコントローラを有し、
前記コントローラは、
前記エンジンの出力トルクを増大させかつ前記クラッチを解放状態から係合状態に切り換える際に、前記発電機によって発電させることにより前記エンジンから前記クラッチに入力されるトルクを減少させ、
前記発電機によって発電した電力を前記モータに供給して前記モータを力行させることにより前記ハイブリッド車両の駆動トルクを増大させる
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017242458A JP2019108021A (ja) | 2017-12-19 | 2017-12-19 | ハイブリッド車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2017242458A JP2019108021A (ja) | 2017-12-19 | 2017-12-19 | ハイブリッド車両の制御装置 |
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JP2019108021A true JP2019108021A (ja) | 2019-07-04 |
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ID=67178831
Family Applications (1)
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JP2017242458A Pending JP2019108021A (ja) | 2017-12-19 | 2017-12-19 | ハイブリッド車両の制御装置 |
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JP (1) | JP2019108021A (ja) |
-
2017
- 2017-12-19 JP JP2017242458A patent/JP2019108021A/ja active Pending
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