JP2019107690A - 油圧加工システム、油圧加工機械の検査方法および油圧加工機械検査用コンピュータプログラム - Google Patents
油圧加工システム、油圧加工機械の検査方法および油圧加工機械検査用コンピュータプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】油圧加工機械の劣化の傾向を判断し得る情報を表示することができる、油圧加工システム、検査方法、および、油圧加工機械検査用コンピュータプログラムを提供する。【解決手段】油圧加工システム1の処理装置210は、検査項目を検査するための所定の駆動モードで駆動させている油圧加工機械100の状態をセンサ170に出力させる。そして、処理装置210は、複数の検査項目毎に、センサ170が出力したデータを、検査項目の検査に使用可能な検査データに変換する。得られた複数の検査データをセンサの出力日に対応されてまとめたデータセットを作成し、データセットをストレージ220(第1の記憶装置)に記憶させる。処理装置210は、ストレージ220に記憶されている過去に作成されたデータセットと直近に作成したデータセットとの両方を第1の表示装置230に表示させる。【選択図】 図2
Description
本発明は、油圧加工機械を複数の検査項目にて検査する処理が可能な油圧加工システム、ならびに、上記油圧加工機械の検査方法、および、上記処理をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
一般的に、油圧加工機械は、加工材料を加圧加工するために、駆動オイルの油圧によりピストンを移動させるシリンダと、ピストンに取り付けられたスライドとを有する加圧部を備えている。加圧部のスライドには、加工材料を加圧するための金型が一体に取り付けられる。油圧加工機械による加圧加工では、駆動オイルの油圧によりピストンを移動させることで、スライドと金型とを移動させて、加工材料に圧力をかける操作が行われる。この操作においては、加工材料にかかる圧力を高い精度で制御するために、スライドの移動速度や移動位置を高い精度で制御する必要がある。スライドの移動速度や移動位置を高い精度で制御できない場合は、所望の油圧加工を行うことができないおそれがある。
そこで、スライドの移動速度や移動位置を充分高い精度で制御できるか否かの検査に使用可能な技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載の技術では、スライドを移動させている時に、スライドを急停止させる処理を開始し、この処理を開始してからスライドが停止するまでの間において、スライドの移動距離である慣性下降値と、経過時間である急停止時間とを高い精度で計測することができる。そして、特許文献1に記載の技術を用いて、慣性下降値および急停止時間を計測した結果、慣性下降値もしくは急停止時間に異常がみられるときは、油圧加工機械をメンテナンスする必要があると判断することができる。
しかし、特許文献1に記載の技術を用いて油圧加工機械を検査し、この油圧加工機械をメンテナンスする必要があるか否かを判断できたとしても、油圧加工システムの操作者が、油圧加工機械にメンテナンスがいつ必要となるかを予想できないおそれがあった。すなわち、一般的に、油圧加工機械の各部は次第に劣化し、この劣化が進む速さは、油圧加工機械の作業内容や部位の特性によって変化する。このため、特許文献1に記載の技術を用いてスライドの慣性下降値と急停止時間を検査しても、スライド以外の状態を把握できないため、油圧加工機械の劣化の傾向を判断することは困難である。
本発明は、上述した問題を解決するものとして創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、油圧加工機械の劣化の傾向を判断し得る情報を表示する油圧加工システムと、油圧加工機械の劣化の傾向を判断し得る検査方法と、コンピュータに油圧加工機械の劣化の傾向を判断し得る情報を表示させる油圧加工機械検査用コンピュータプログラムと、を提供することにある。
本発明の一つの特徴によると、油圧加工システムは、駆動オイルの油圧により加工材料を加圧する油圧加工を行う油圧加工機械を備え、当該油圧加工機械を前もって設定された複数の検査項目にて検査することが可能とされた油圧加工システムであって、前記油圧加工機械の状態を計測するセンサと、前記検査項目を検査するための所定の駆動モードで前記油圧加工機械を駆動させる駆動処理を行うことが可能な処理装置と、前記処理装置からの出力を記憶する第1の記憶装置と、前記処理装置からの出力を表示する第1の表示装置と、を備え、前記処理装置は、前記駆動処理が行われている状態において、前記センサの出力を取得するセンサ検出処理と、前記センサの出力を前記検査項目の検査に使用可能なデータである検査データに変換する変換処理と、前記変換処理の対象となる前記センサの出力が行われた出力日を得て、当該出力日と前記検査データとを対応付ける出力日対応付け処理と、複数の前記検査項目のそれぞれに対して前記変換処理および前記出力日対応付け処理を行い、複数の前記検査データが同一の前記出力日に対応されてまとめられたデータセットを作成するデータセット作成処理と、前記データセット作成処理で作成された前記データセットを前記第1の記憶装置に出力する第1の出力処理と、前記第1の記憶装置に記憶されている前記データセットの中から、前記出力日が所定の条件に合致する前記データセットを検索して取得するデータセット取得処理と、直近に実行された前記データセット作成処理で作成された前記データセット、および、直近に実行された前記データセット取得処理で取得された前記データセットの両方を、前記第1の表示装置に出力する第2の出力処理と、を含む検査項目表示処理を実行する。
従って、処理装置は、検査項目表示処理を実行すると、複数の検査項目それぞれについて、検査に使用可能な検査データを作成する。すなわち、処理装置は、センサ検出処理でセンサが出力した計測値を得た後、変換処理でこの計測値を検査データに変換することで、検査データを得ることができる。そして、処理装置は、複数の検査項目それぞれに関する検査データと、センサが計測値を出力した出力日とを含むデータセットを、データセット作成処理で得る。こうして得られたデータセットは、第1の出力処理で第1の記憶装置に記憶されるため、日時が経つと、第1の記憶装置は過去のデータセットが記憶された状態になる。
そして、処理装置は、データセット取得処理において、第1の記憶装置に記憶されている過去のデータセットのうち、所定の条件に合致するデータセットを取得する。この様に取得した過去のデータセットと、直近に作成されたデータセットとの両方を、第2の出力処理で表示装置に表示する。すなわち、第2の出力処理では、複数の検査項目のそれぞれについて、直近に得られた検査データと、過去に得られた検査データとが、それらの出力日と対応されたデータセットの形で第1の表示装置により表示される。
センサが計測した計測値は、センサ検出処理において、駆動処理により所定の検査項目を検査するための駆動モードで駆動している状態の油圧加工機械に対して、センサに計測された計測値である。従って、同一の検査項目について作成された、直近および過去の検査データは、同一の駆動モードで油圧加工機械が駆動された状態における検査データとなるため、これらの検査データを比較するとき、駆動モードの違いによる検査データへの影響を考慮する必要はない。
さらに、一般的に、油圧加工機械の各部は次第に劣化し、この劣化が進む速さは、油圧加工機械の作業内容や部位の特性によって変化する。従って、油圧加工機械において、比較的急速に劣化が進む部位や、比較的緩やかに劣化が進む部位があると考えられ、劣化が進む速さは各部で一律ではないと考えることができる。そこで、検査項目の数は、1つではなく、複数であるため、油圧加工システムの操作者は、検査項目が1つの場合よりも多くの観点から油圧加工機械の状態を理解し得るだけでなく、複数の検査項目の相関関係を考慮したうえで油圧加工機械の状態を理解し得る。また、第2の出力処理では、直近に得られた検査データだけでなく、過去に得られた検査データをも第1の表示装置に表示することで、油圧加工システムの操作者が、劣化が進む速さを含めた油圧加工機械の状態を把握し得るようになっている。すなわち、油圧加工システムは、油圧加工機械の劣化の傾向を判断し得る情報を表示することができる。
そして、例えば、油圧加工システムの操作者は、油圧加工機械の状態がメンテナンスを早急に行う必要がある状態にまで劣化する前に、油圧加工機械の状態がメンテナンスを近々行う必要のある状態であると判断し得る。仮に、油圧加工機械の状態が、メンテナンスを近々行う必要のある状態であると判断できる場合は、メンテナンスを早急に行う必要があるほど油圧加工機械が劣化していないときでもあると考えることができるため、油圧加工機械が故障する前に、メンテナンス担当者および操作者にとって適切な時にメンテナンスを行い得る。
次に、他の特徴によると、前記第1の表示装置は、前記処理装置から出力される複数の前記データセットを、これらの前記データセットが対応する前記出力日の時間順に並んだ状態で表示することが好ましい。
この場合、第2の出力処理では、複数の検査項目のそれぞれについて、直近に得られた検査データと、過去に得られた検査データとが、それらの出力日と対応されたデータセットの形で表示される。ここで、複数のデータセットが、これらのデータセットが対応する出力日の時間順に並んだ状態で表示されることにより、直近に得られた検査データと、過去に得られた検査データとが、データが得られた時間順に並んだ状態で表示される。その結果、油圧加工システムの操作者は、検査データの経時変化の理解がより容易となり得る。
次に、他の特徴によると、前記油圧加工機械は、前記加工材料に圧力を加える加圧部を備え、前記検査データが、前記加圧部の状態に対応するデータを含むものであることが好ましい。
この場合、検査データが加圧部の状態に対応するデータを含むことにより、第2の出力処理で、加圧部の状態に関する検査データが第1の表示装置により表示されるため、油圧加工システムの操作者は、加圧部の状態を把握し得る。
次に、他の特徴によると、前記油圧加工機械は、前記駆動オイルが流通されるオイル通路を備え、前記検査データが、前記オイル通路内の前記駆動オイルの性状に対応するデータを含むものであることが好ましい。
この場合、検査データに駆動オイルの性状に対応するデータを含むことにより、第2の出力処理で、駆動オイルの性状に関する検査データが第1の表示装置により表示されるため、油圧加工システムの操作者は、駆動オイルの性状を把握し得る。
次に、他の特徴によると、前記第1の記憶装置は、前記油圧加工機械が新品の状態または整備直後の状態のいずれかの状態にあるときに前記データセット作成処理にて作成された前記データセットを基準データセットとして記憶し、前記処理装置は、前記検査項目表示処理において、前記第1の記憶装置から前記基準データセットを取得し、当該基準データセットを前記第1の表示装置に出力する第3の出力処理を実行する、ことが好ましい。
新品の状態または整備直後の状態のいずれかの状態は、油圧加工機械の状態を劣化がない状態と見做すことができる。従って、基準データセットは、油圧加工機械の状態が劣化のない状態におけるデータセットであると考えることができる。そして、第3の出力処理では、基準データセットを表示する。このため、基準データセットに含まれる検査データと、直近に得られた検査データとを比較することで、油圧加工システムの劣化の度合いをより一層容易に把握し得る。
次に、他の特徴によると、前記処理装置は、前記検査項目表示処理を、前もって設定された所定の時間間隔で繰り返し実行する、ことが好ましい。
従って、検査項目表示処理は、所定の時間間隔毎に繰り返し実行されるため、油圧加工機械の状態が大きく劣化した状態となる前に、検査項目表示処理をより確実に実行し得る。その結果、油圧加工システムの操作者は、油圧加工機械の状態がメンテナンスを早急に行う必要がある状態にまで劣化する前に、油圧加工機械の状態がメンテナンスを近々行う必要のある状態か否かをより確実に判断し得る。
次に、他の特徴によると、前記処理装置は、前記第2の出力処理において、前記各データセットを、それらの前記各検査データが所定の基準範囲に含まれるか否かを示す付加情報が付加された状態で前記第1の表示装置に出力し、前記第1の表示装置は、前記検査データが前記基準範囲に含まれない旨の前記付加情報が付加された前記データセットを、前記検査データが前記基準範囲に含まれる旨の前記付加情報が付加された前記データセットからの識別が可能な態様で表示することが好ましい。
従って、第2の出力処理において、第1の表示装置は、各検査データが所定の基準範囲に含まれるか否かを識別可能な態様で表示する。このため、油圧加工システムの操作者は、各検査データが所定の基準範囲に含まれるか否かを容易に識別し、油圧加工機械の状態をより容易に把握し得る。
次に、他の特徴によると、油圧加工システムは、前記データセットを記憶する第2の記憶装置と、前記データセットを表示する第2の表示装置とを有する情報管理装置を備え、前記処理装置および前記情報管理装置は、それぞれコンピュータ・ネットワークに接続され、前記処理装置は、前記コンピュータ・ネットワーク経由で前記データセットを前記情報管理装置に宛てて送信し、前記情報管理装置は、前記処理装置から送信された前記データセットを前記第2の記憶装置に記憶させる管理記憶処理と、前記第2の記憶装置が記憶している前記データセットを前記第2の表示装置に表示させる管理表示処理とを行う、ことが好ましい。
従って、データセットは、管理記憶処理により第2の記憶装置に記憶される。また、データセットは、第1の表示装置だけでなく、管理表示処理により第2の表示装置に表示される。このため、油圧加工システムの操作者だけでなく、情報管理装置の操作者も、油圧加工機械の状態がメンテナンスを近々行う必要のある状態か否かを判断し得る。その結果、この判断がより正確になり得る。
次に、他の特徴によると、油圧加工システムは、1台の前記油圧加工機械に前記センサおよび前記処理装置が対応付けられたユニットを複数備え、前記各ユニットに備えられた前記処理装置は、それぞれが同一の前記情報管理装置に宛てて出力をすることが可能とされ、前記情報管理装置は、前記管理記憶処理において、複数の前記処理装置からの出力を、この出力を行っている前記処理装置が属する前記ユニットの情報と一緒に前記第2の記憶装置に記録させ、前記管理表示処理において、前記データセットを、当該データセットと一緒に前記第2の記憶装置に記憶された前記情報の識別が可能な態様で前記第2の表示装置に表示させる、ことが好ましい。
油圧加工システムは、油圧加工機械を備えるユニットを複数備えており、情報管理装置は、複数のユニットそれぞれの油圧加工機械について、一括して状態を把握することができる。従って、情報管理装置の操作者は、複数の油圧加工機械の状態をより容易に把握できる。さらに、複数の油圧加工機械の検査データを比較することで、油圧加工機械それぞれの状態を把握することができ、それぞれの油圧加工機械にメンテナンスを近々行う必要があるか否かをより確実に判断し得る。
また、本発明における油圧加工機械の検査方法は、駆動オイルの油圧により加工材料を加圧する油圧加工を行う油圧加工機械を、前もって設定された複数の検査項目にて検査する、油圧加工機械の検査方法であって、前記検査項目を検査するための所定の駆動モードで前記油圧加工機械を駆動させる駆動処理と、前記駆動処理が行われている状態の前記油圧加工機械をセンサで計測して、この計測結果を前記検査項目の検査に使用可能なデータである検査データに変換する変換処理と、前記変換処理の対象となる前記センサの計測が行われた計測日を得て、当該計測日と前記検査データとを対応付ける計測日対応付け処理と、複数の前記検査項目のそれぞれに対して前記変換処理および前記計測日対応付け処理を行い、複数の前記検査データが同一の前記計測日に対応されてまとめられたデータセットを作成するデータセット作成処理と、直近に実行された前記データセット作成処理で作成された前記データセットを、当該データセットよりも前に作成された前記データセットと対比して前記油圧加工機械を検査する検査処理と、を含む複数の処理を実行する。
従って、上述した検査方法では、検査を行うと、複数の検査項目それぞれについて、検査に使用可能な検査データを作成する。すなわち、駆動処理により検査項目を検査するための所定の駆動モードで駆動している状態の油圧加工機械をセンサで計測して、この計測結果を検査データに変換する変換処理で、検査データを作成する。そして、上述の検査方法では、複数の検査項目それぞれに関する検査データと、センサの計測が行われた計測日とを含むデータセットを、データセット作成処理で作成する。上述の検査処理では、こうして直近に作成されたデータセットと、過去に作成されたデータセットとを対比して、油圧加工機械を検査する。
ここで、検査項目を検査するための所定の駆動モードで駆動している状態の油圧加工機械をセンサで計測して、この検査結果を、検査データに変換する。従って、同一の検査項目において、直近および過去の検査データは、同一の駆動モードで油圧加工機械が駆動された状態における検査データとなるため、これらの検査データを比較するとき、駆動モードの違いによる検査データへの影響を考慮する必要はない。
さらに、一般的に、油圧加工機械の各部は次第に劣化し、この劣化が進む速さは、油圧加工機械の作業内容や部位の特性によって変化する。このため、油圧加工機械において、比較的急速に劣化が進む部位や、比較的緩やかに劣化が進む部位があると考えられ、劣化が進む速さは各部で一律ではないと考えることができる。そこで、検査項目の数は、1つではなく、複数であるため、検査結果の閲覧者は、検査項目が1つの場合よりも多くの観点から油圧加工機械の状態を把握し得るだけでなく、複数の検査項目の相関関係を考慮したうえで油圧加工機械の状態を把握し得る。また、検査処理では、直近に作成されたデータセットと、過去に作成されたデータセットとを対比して、油圧加工機械を検査することで、検査結果の閲覧者が、劣化が進む速さを含めた油圧加工機械の状態を把握し得るようになっている。換言すれば、上述の検査方法では、油圧加工機械の劣化の傾向を判断し得る。
そして、例えば、油圧加工システムの操作者は、油圧加工機械の状態がメンテナンスを早急に行う必要がある状態にまで劣化する前に、油圧加工機械の状態がメンテナンスを近々行う必要のある状態であると判断し得る。仮に、油圧加工機械の状態が、メンテナンスを近々行う必要のある状態であると判断できる場合は、メンテナンスを早急に行う必要があるほど油圧加工機械が劣化していないときでもあると考えることができるため、油圧加工機械が故障する前に、メンテナンス担当者および操作者にとって適切な時にメンテナンスを行い得る。
また、本発明における油圧加工機械検査用コンピュータプログラムは、駆動オイルの油圧により加工材料を加圧する油圧加工を行う油圧加工機械に、当該油圧加工機械の状態を計測するセンサと、表示装置を有するコンピュータとが付設された油圧加工システムに対して、前記油圧加工機械を前もって設定された複数の検査項目にて検査することが可能な状態にする処理を、前記コンピュータに実行させる油圧加工機械検査用コンピュータプログラムであって、前記コンピュータに、前記検査項目を検査するための所定の駆動モードで前記油圧加工機械を駆動させる駆動処理と、前記駆動処理が行われている状態において前記センサの出力を取得する取得処理と、前記センサの出力を前記検査項目の検査に使用可能なデータである検査データに変換する変換処理と、前記変換処理の対象となる前記センサの出力が行われた出力日を得て、当該出力日と前記検査データとを対応付ける出力日対応付け処理と、複数の前記検査項目のそれぞれに対して前記変換処理および前記出力日対応付け処理を行い、複数の前記検査データが同一の前記出力日に対応されてまとめられたデータセットを作成するデータセット作成処理と、前記データセット作成処理で作成された前記データセットを記憶する記憶処理と、前記記憶処理において記憶されたデータの中から、前記出力日が所定の条件に合致する前記データセットを検索して取得するデータセット取得処理と、直近に実行された前記データセット作成処理で作成された前記データセット、および、直近に実行された前記データセット取得処理で取得された前記データセットの両方を、前記表示装置にて表示する表示処理と、を含む複数の処理を実行させる。
従って、油圧加工機械検査用コンピュータプログラムが実行されたコンピュータは、複数の検査項目のそれぞれに対して、検査に使用可能な検査データを作成する。すなわち、コンピュータは、取得処理でセンサが出力した計測値を得た後、変換処理でこの計測値を検査データに変換することで、検査データを得ることができる。そして、コンピュータは、複数の検査項目それぞれに関する検査データと、センサが計測値を出力した出力日とを含むデータセットを、データセット作成処理で得る。こうして得られたデータセットは、記憶処理でコンピュータに記憶されるため、日時が経つと、過去のデータセットがコンピュータに記憶された状態になる。
そして、コンピュータは、データセット取得処理において、記憶している過去のデータセットのうち、所定の条件に合致するデータセットを取得する。コンピュータは、この様に取得した過去のデータセットと、直近に作成されたデータセットとの両方を、表示処理で表示装置にて表示する。ここで、コンピュータが行う表示処理では、複数の検査項目のそれぞれについて、直近に得られた検査データと、過去に得られた検査データとを、それらの出力日と対応されたデータセットの形で表示装置にて表示する。
コンピュータは、駆動処理により所定の検査項目を検査するための駆動モードで駆動している状態の油圧加工機械に対して、センサが計測した計測値を取得処理で得て、この計測値を変換処理で検査データに変換する。従って、同一の検査項目について作成された、直近および過去の検査データは、同一の駆動モードで油圧加工機械が駆動された状態における検査データとなるため、これらの検査データを比較するとき、駆動モードの違いによる検査データへの影響を考慮する必要はない。
さらに、一般的に、油圧加工機械の各部は次第に劣化し、この劣化が進む速さは、油圧加工機械の作業内容や部位の特性によって変化する。このため、油圧加工機械において、比較的急速に劣化が進む部位や、比較的緩やかに劣化が進む部位があると考えられ、劣化が進む速さは各部で一律ではないと考えることができる。そこで、検査項目の数は、1つではなく、複数であるため、油圧加工システムの操作者は、検査項目が1つの場合よりも多くの観点から油圧加工機械の状態を理解し得るだけでなく、複数の検査項目の相関関係を考慮したうえで油圧加工機械の状態を理解し得る。また、表示処理では、直近に得られた検査データだけでなく、過去に得られた検査データをも表示装置にて表示することで、油圧加工システムの操作者が、劣化が進む速さを含めた油圧加工機械の状態を把握し得るようになっている。すなわち、油圧加工機械検査用コンピュータプログラムは、コンピュータに、油圧加工機械の劣化の傾向を判断し得る情報を表示させることができる。
そして、例えば、油圧加工システムの操作者は、油圧加工機械の状態がメンテナンスを早急に行う必要がある状態にまで劣化する前に、油圧加工機械の状態がメンテナンスを近々行う必要のある状態であると判断し得る。仮に、油圧加工機械の状態が、メンテナンスを近々行う必要のある状態であると判断できる場合は、メンテナンスを早急に行う必要があるほど油圧加工機械が劣化していないときでもあると考えることができるため、油圧加工機械が故障する前に、メンテナンス担当者および操作者にとって適切な時にメンテナンスを行い得る。
本発明の油圧加工システムは、上記の構成をもつことにより、油圧加工機械の劣化の傾向を判断し得る情報を表示することができる。また、本発明の検査方法では、油圧加工機械の劣化の傾向を判断し得る。そして、本発明の油圧加工機械検査用コンピュータプログラムは、コンピュータに、油圧加工機械の劣化の傾向を判断し得る情報を表示させることができる。
[第1の実施形態]
始めに、第1の実施形態にかかる油圧加工機械の検査方法について説明する。この油圧加工機械の検査方法は、後述する油圧加工機械検査用コンピュータプログラムにより機能されるコンピュータ200(図1参照)を使用して、油圧加工システム1の構成要素である油圧加工機械100を検査する方法である。
始めに、第1の実施形態にかかる油圧加工機械の検査方法について説明する。この油圧加工機械の検査方法は、後述する油圧加工機械検査用コンピュータプログラムにより機能されるコンピュータ200(図1参照)を使用して、油圧加工システム1の構成要素である油圧加工機械100を検査する方法である。
すなわち、コンピュータ200には、図1に示すように、このコンピュータ200が自在にアクセスすることができるストレージ220が接続されている。このストレージ220には、上記油圧加工機械の検査方法を実現させるための油圧加工機械検査用コンピュータプログラムが、コンピュータ読み取り可能に記録されている。この油圧加工機械検査用コンピュータプログラムは、コンピュータ200を、上記油圧加工システム1(図2参照)における制御手段として機能させることで、油圧加工システム1の操作者(以下、単に「操作者」とも称する。)が油圧加工機械100を前もって設定された複数の検査項目にて検査できる状態(以下、「検査可能状態」とも称する。)を実現させるものである。
<<A−1.油圧加工システム1の構成について>>
次に、油圧加工システム1の構成について、図1および図2を用いて説明する。この油圧加工システム1は、図1に示すように、駆動オイルOiの油圧により加工材料を加圧する油圧加工を行う油圧加工機械100と、油圧加工機械100を制御するコンピュータ200とを有している。以下では、先ず油圧加工機械100の構成について説明する。なお、本実施形態において、付随的な構成については、その図示および詳細な説明を省略する。
次に、油圧加工システム1の構成について、図1および図2を用いて説明する。この油圧加工システム1は、図1に示すように、駆動オイルOiの油圧により加工材料を加圧する油圧加工を行う油圧加工機械100と、油圧加工機械100を制御するコンピュータ200とを有している。以下では、先ず油圧加工機械100の構成について説明する。なお、本実施形態において、付随的な構成については、その図示および詳細な説明を省略する。
<A−2.油圧加工機械100の構成について>
図1に示す様に、油圧加工機械100は、後述する複動シリンダ110と、オイルタンク120と、ポンプ130と、フィルタ140と、方向切換弁Vdと、逃がし弁Vpと、流量制御弁Vfと、を有している。これらの各構成の間は、駆動オイルOiの流路となる2本のオイル通路150によってつながれている。また、油圧加工機械100には、後述するコンピュータ200および複数のセンサ170が付設されている。
図1に示す様に、油圧加工機械100は、後述する複動シリンダ110と、オイルタンク120と、ポンプ130と、フィルタ140と、方向切換弁Vdと、逃がし弁Vpと、流量制御弁Vfと、を有している。これらの各構成の間は、駆動オイルOiの流路となる2本のオイル通路150によってつながれている。また、油圧加工機械100には、後述するコンピュータ200および複数のセンサ170が付設されている。
複動シリンダ110は、その一端および他端のそれぞれにオイル通路150が1本ずつ接続されて、これらのオイル通路150から流入される駆動オイルOiの油圧によりピストンロッド111を往復動させるものである。このピストンロッド111の一端には、図示しないスライドを介して、加工材料FM(具体的には例えばプレス絞り加工を施すべき金属ワーク)を加圧するためのパンチ金型D1が一体に取り付けられる。本実施形態では、パンチ金型D1は、駆動オイルOiの油圧によりピストンロッド111と一体に往復動されることで、前もってダイスD2にセットされた加工材料FMに圧力をかける油圧加工を行う。すなわち、パンチ金型D1が取り付けられた複動シリンダ110は、本発明における「加圧部」に相当する。
なお、油圧加工機械100は、所定の状態(例えば、ピストンロッド111のスライドが移動中で、かつ、操作者の身体の一部等がスライド周辺の所定の領域に侵入した状態)のときに、ピストンロッド111のスライドを急停止させる急停止機構(図示せず)をスライド周辺に備えているものとすることができる。また、この急停止機構はコンピュータ200に接続されているものとすることができる。また、この急停止機構は、上記の所定の状態のときにピストンロッド111のスライドを急停止させるが、コンピュータ200が急停止機構に急停止信号(図示せず)を出力した場合にも、急停止機構はピストンロッド111のスライドを急停止させるようにすることができる。
オイルタンク120は、駆動オイルOiを貯留しながらこの駆動オイルOiの温度を調節する機能を有する温調タンクである。また、オイルタンク120には、このオイルタンク120に貯留された駆動オイルOiのサンプリングを可能とするサンプリング装置160が付設されている。このサンプリング装置160は、電動ポンプ160Aの吸い上げによりオイルタンク120の駆動オイルOiをサンプリングし、サンプリングした駆動オイルOiをオイルタンク120に戻すように構成されている。また、オイルタンク120は、上述した2本のオイル通路150が接続されて、これらのオイル通路150の一方に設けられたポンプ130により駆動オイルOiを吸い上げることができるように構成されている。ここで、以下においては、上記2本のオイル通路150のうち、ポンプ130が設けられているオイル通路150のことを「オイル通路150a」とも称し、ポンプ130が設けられてないオイル通路150のことを「オイル通路150b」とも称する。また、2本のオイル通路150において、複動シリンダ110に接続される側のことを「上流側」とも称し、オイルタンク120に接続される側のことを「下流側」とも称する。なお、オイル通路150aには、駆動オイルOiに混入した不純物をろ過するフィルタ140が設けられている。このフィルタ140は、オイル通路150aにおいてポンプ130とオイルタンク120の間となる位置に設けられている。
ポンプ130は、モータの駆動力により駆動オイルOiを搬送する電動ポンプであり、オイルタンク120に貯蔵された駆動オイルOiを吸い上げて上流側に搬送する。また、ポンプ130には、駆動オイルOiの搬送に際してポンプ130から漏れ出した駆動オイルOiをオイルタンク120に戻すためのドレイン150cが設けられている。このドレイン150cは、いわゆる排油管として構成されている。なお、ポンプ130が搬送流体の漏れ出しのないポンプ(具体的には例えばギヤポンプ)である場合にはドレイン150cを設けなくともよい。
また、オイル通路150aとオイル通路150bとの間には、方向切換弁Vdおよび逃がし弁Vpが架け渡された状態に設けられている。ここで、オイル通路150aにおいては、逃がし弁Vpはポンプ130よりも上流側となる位置に位置される。また、方向切換弁Vdは、オイル通路150aにおいて逃がし弁Vpよりも上流側となる位置と、オイル通路150bにおいて逃がし弁Vpよりも上流側となる位置と、の間に架け渡される。また、オイル通路150aにおいて逃がし弁Vpと方向切換弁Vdとの間となる位置には、流量制御弁Vfが設けられている。この流量制御弁Vfは、その開度をコンピュータ200からの制御信号200Cに応じて変化させることで、オイル通路150aにおける駆動オイルOiの流量を制御する。また、逃がし弁Vpは、オイル通路150a内の駆動オイルOiの油圧が、コンピュータ200からの制御信号200Bによって設定された圧力よりも高いときのみオイル通路150a内の駆動オイルOiをオイル通路150bに流すことで、オイル通路150a内の油圧が上がりすぎないようにする。
また、方向切換弁Vdは、コンピュータ200からの制御信号200Aに応じて、流量制御弁Vfを通って方向切換弁Vdに搬送された駆動オイルOiを、遮断するか、複動シリンダ110の一端側に流すか、複動シリンダ110の他端側に流すかのいずれかに切り換える。ここで、駆動オイルOiが複動シリンダ110に流される場合は、同時に、この複動シリンダ110の中に入っていた駆動オイルOiが、2本のオイル通路150のうち駆動オイルOiが複動シリンダ110に流入される側とは反対側のオイル通路150を通ってオイルタンク120に流下される。
<A−3.センサ170について>
図2に示す様に、油圧加工システム1は、後述するスライド位置センサSzと、温度計Tと、圧力計Psと、流量計Fpinと、流量計Fpoutと、オイル差圧計dPfと、水分濃度センサAと、微粒子数計測センサCdとをセンサ170として備えている。これらのセンサ170は、それぞれコンピュータ200に接続されている。
図2に示す様に、油圧加工システム1は、後述するスライド位置センサSzと、温度計Tと、圧力計Psと、流量計Fpinと、流量計Fpoutと、オイル差圧計dPfと、水分濃度センサAと、微粒子数計測センサCdとをセンサ170として備えている。これらのセンサ170は、それぞれコンピュータ200に接続されている。
スライド位置センサSzは、離れた場所にある物体の位置または移動速度を計測するために使用される位置センサであり、ピストンロッド111のスライド(図示せず)の位置170aに対応する出力170Aを出すように調整されている。圧力計Psは、オイル通路150において方向切換弁Vdよりも上流側となる位置(図1参照)に設けられて、複動シリンダ110に流入される駆動オイルOiの圧力170bに対応する出力170Bを出す。また、流量計Fpinは、オイル通路150aにおいてフィルタ140とポンプ130との間となる位置(図1参照)に設けられており、ポンプ130に流入する駆動オイルOiの流量170cに対応する出力170Cを出す。また、流量計Fpoutは、オイル通路150aにおいてポンプ130と逃がし弁Vpとの間となる位置(図1参照)に設けられており、ポンプ130がオイル通路150aの上流側に搬送する駆動オイルOiの流量170dに対応する出力170Dを出す。
オイル差圧計dPfは、フィルタ140(図1参照)に設けられて、このフィルタ140に流入する駆動オイルOiの圧力と、フィルタ140から流出する駆動オイルOiの圧力との差圧170eに対応する出力170Eを出す。なお、オイル差圧計dPfは、1つの差圧計であっても、フィルタ140に流入する駆動オイルOiの圧力に応じた出力を出す油圧計とフィルタ140から流出する駆動オイルOiの圧力に応じた出力を出す油圧計との2つの油圧計を組み合わせたアッセンブリであってもよい。
水分濃度センサAは、サンプリング装置160に設けられて、このサンプリング装置160がサンプリングした駆動オイルOiの水分飽和度170gに対応する出力170Gを出す。また、微粒子数計測センサCdは、サンプリング装置160に設けられて、このサンプリング装置160がサンプリングした駆動オイルOiに混入した微粒子の粒径分布170fに対応する出力170Fを出す。また、温度計Tは、オイルタンク120内に設けられて、このオイルタンク120に貯留された駆動オイルOiの温度170hに対応する出力170Hを出す。ここで、温度計Tを設ける場所は、オイルタンク120内に限らず、複動シリンダ110またはポンプ130であってもよい。
<A−4.コンピュータ200の構成>
次に、コンピュータ200の構成について説明する。図2に示す様に、コンピュータ200は、処理装置210と、ストレージ220と、第1の表示装置230と、時計240とを備えている。処理装置210は、上述した油圧加工機械検査用コンピュータプログラムを実行することで、油圧加工システム1を制御する制御手段として機能する。すなわち、処理装置210は、図1に示すように、ポンプ130と、方向切換弁Vdと、逃がし弁Vpと、流量制御弁Vfと、ポンプ160Aとに接続されて、それぞれに制御信号200D、200A、200B、200C、200Eを出力することで、油圧加工機械100の制御を実現させる。また、処理装置210は、スライド位置センサSzと、圧力計Psと、流量計Fpinと、流量計Fpoutと、オイル差圧計dPfと、水分濃度センサAと、微粒子数計測センサCdと、温度計Tとに接続されており、これらのセンサ170の出力を取得することができる。なお、コンピュータ200の処理装置210とセンサ170との接続は、有線接続および無線接続のいずれであってもよい。
次に、コンピュータ200の構成について説明する。図2に示す様に、コンピュータ200は、処理装置210と、ストレージ220と、第1の表示装置230と、時計240とを備えている。処理装置210は、上述した油圧加工機械検査用コンピュータプログラムを実行することで、油圧加工システム1を制御する制御手段として機能する。すなわち、処理装置210は、図1に示すように、ポンプ130と、方向切換弁Vdと、逃がし弁Vpと、流量制御弁Vfと、ポンプ160Aとに接続されて、それぞれに制御信号200D、200A、200B、200C、200Eを出力することで、油圧加工機械100の制御を実現させる。また、処理装置210は、スライド位置センサSzと、圧力計Psと、流量計Fpinと、流量計Fpoutと、オイル差圧計dPfと、水分濃度センサAと、微粒子数計測センサCdと、温度計Tとに接続されており、これらのセンサ170の出力を取得することができる。なお、コンピュータ200の処理装置210とセンサ170との接続は、有線接続および無線接続のいずれであってもよい。
ストレージ220は、上述した様に、処理装置210が自在にアクセスすることができ、油圧加工機械検査用コンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能に記憶している。また、ストレージ220は、処理装置210からの出力を記憶できる。ストレージ220は、情報を記憶させるために、電源を供給しなくても記憶を保持できる記憶媒体(不図示)を備えている。この記憶媒体は、例えば、SD(登録商標)、CF カード、メモリースティック(登録商標)、マルチメディアカード(Multi Media Card(登録商標))、などのメモリカード(Memory card)、Flash ROM(又はFlash Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの不揮発性メモリ(Non−volatile memory)、HDD(Hard Disk Drive)および円盤型磁性体ディスクなどの磁気ディスク、CD―R(Compact Disk Recordable)、DVD−R(DVDは登録商標)、Blu−ray Disc(登録商標)などの光ディスク、並びに、SSD(Solid state drive)、MO(Magneto−optical)ディスクなどの不揮発性記憶装置(Non−volatile storage)、USBメモリであってもよい。
第1の表示装置230は、処理装置210からの出力210Aを表示する表示装置である。本実施形態では、第1の表示装置230は、タッチパネルとなっており、油圧加工システム1の操作者(図示せず)の指示230Aを処理装置210に入力することができるように構成されている。また、時計240は、現在日時240Aを処理装置210に出力する。コンピュータ200は、以上に説明した構成を有し、処理装置210が油圧加工機械検査用コンピュータプログラムを実行することで、後述する検査項目表示処理を実行することができる。処理装置210が検査項目表示処理を実行すると、油圧加工システムの操作者が油圧加工機械100を前もって設定された複数の検査項目にて検査できる状態を実現することができる。なお、本実施形態におけるストレージ220が本発明の「第1の記憶装置」に相当する。また、本実施形態では、第1の表示装置230をタッチパネルとしたが、第1の表示装置230を入力デバイスとしての機能を有さないモニターにし、操作者の指示230Aを第1の表示装置230とは別の入力デバイスによりコンピュータ200に入力するものとしてもよい。
<B−1.油圧加工機械検査用コンピュータプログラム>
続いて、上述した油圧加工機械の検査方法において実行される一連の各ステップについて、主に図3に示すフローチャートを用いて説明する。上記油圧加工機械の検査方法を実行する場合、まず、操作者(図示せず)は、油圧加工機械100の暖機運転を行い、この油圧加工機械100の状態を油圧加工に適した状態にする。続いて、操作者は、油圧加工機械100の暖機運転が完了したと判断したときに、コンピュータ200に油圧加工機械検査用コンピュータプログラムを実行させる。これに対し、コンピュータ200の処理装置210(以下、単に「処理装置210」とも称する。)は、種々の初期設定(図示せず)を行った後に、その処理を図3に示すステップS10に進める。なお、上記初期設定には、上記油圧加工機械検査用コンピュータプログラムを終了させるためのアイコン230B(図5参照)を第1の表示装置230に表示させる処理が含まれる。
続いて、上述した油圧加工機械の検査方法において実行される一連の各ステップについて、主に図3に示すフローチャートを用いて説明する。上記油圧加工機械の検査方法を実行する場合、まず、操作者(図示せず)は、油圧加工機械100の暖機運転を行い、この油圧加工機械100の状態を油圧加工に適した状態にする。続いて、操作者は、油圧加工機械100の暖機運転が完了したと判断したときに、コンピュータ200に油圧加工機械検査用コンピュータプログラムを実行させる。これに対し、コンピュータ200の処理装置210(以下、単に「処理装置210」とも称する。)は、種々の初期設定(図示せず)を行った後に、その処理を図3に示すステップS10に進める。なお、上記初期設定には、上記油圧加工機械検査用コンピュータプログラムを終了させるためのアイコン230B(図5参照)を第1の表示装置230に表示させる処理が含まれる。
ステップ10に処理を進めた処理装置210は、後述するステップS20からステップS170に至る一連の処理を繰り返し実行する。この一連の処理は、操作者が上記アイコン230Bに触れて上記油圧加工機械検査用コンピュータプログラムを終了させる指示230A(図2参照)を入力するまでの間繰り返し実行される。なお、処理装置210は、上記油圧加工機械検査用コンピュータプログラムを終了させる指示230Aが入力されると、ステップS10の繰り返し処理をストップさせて上記油圧加工機械検査用コンピュータプログラムを終了させる。
ステップS20において、処理装置210は、現在日時240Aを時計240から取得する。そして、処理装置210は、その処理をステップS30に進める。
ステップS30において、処理装置210は、後述する現在日時の条件が成立するか否かを判定する。ここで、「現在日時の条件」は、「直近の所定の期間内においてコンピュータ200が油圧加工システム1の制御手段として機能して検査可能状態を実現させたことを示す情報が、ストレージ220に記憶されていない」という条件である。ここで、上記「所定の期間」は、本発明における「時間間隔」に相当する。また、この所定の期間は、油圧加工機械100が明らかに大きく変化し得る期間(例えば1年や、半年等)よりも短い期間(例えば、7日や、1か月等、1日から数か月の間)に適宜設定することができる。ステップS30において、処理装置210は、直近に実行されたステップS20で取得された現在日時240Aを検索キーとして、ストレージ220に記憶されている情報を検索することで、現在日時の条件が成立しているか否かを判定する。そして、この判定の結果が「No」である(すなわち上述した検査可能状態が実現されたことを示す情報がストレージ220に記憶されていた)場合、処理装置210は、その処理をステップS170に進める。また、上記判定の結果が「Yes」である(すなわち上述した検査可能状態が実現されたことを示す情報がストレージ220に記憶されていない)場合、処理装置210は、その処理をステップS40に進める。
ステップS170は、上記ステップ10において繰り返される一連の処理の最後に実行される戻り処理である。すなわち、ステップS170において、処理装置210は、その処理をステップS20に進める。
ステップS40において、処理装置210は、上述した初期設定で設定された複数の検査項目に対して、後述するステップS50からステップS120に至る一連の処理を1回ずつ行う繰り返し処理を実行する。なお、処理装置210は、ステップS40の繰り返し処理において未処理の検査項目がなくなった場合、このステップS40の繰り返し処理を終了させてその処理をステップS130に進める。本実施形態においては、上記検査項目は、ポンプ130の容積効率、フィルタ140の目詰率、駆動オイルOiにおける水分飽和度および微粒子汚染度(粒径分布)、ならびに、シリンダのオイルリーク量(複動シリンダ110における駆動オイルOiのリーク量)およびピストンロッド111のスライドの慣性下降値/急停止時間である。
ステップS50において、処理装置210は、未処理の検査項目を1つ選択し、この検査項目を処理対象の検査項目として設定する処理を行う。そして、処理装置210は、その処理をステップS60に進める。
ステップS60において、処理装置210は、直前に実行されたステップS50にて設定された処理対象の検査項目に対して、この処理対象の検査項目に関する事象の検出に適した油圧加工機械100の駆動モードを設定する。この駆動モードは、前もってストレージ220に記憶されたデータに基づいて設定されるものであり、上述した初期設定において設定される検査項目により異なるモードが設定される。そして、処理装置210は、その処理をステップS70に進める。
ステップS70において、処理装置210は、直前に実行されたステップS60にて設定された駆動モードで油圧加工機械100を駆動させる駆動処理を実行する。この駆動処理は、処理装置210が、ポンプ130と、方向切換弁Vdと、逃がし弁Vpと、流量制御弁Vfと、ポンプ160Aのそれぞれに制御信号200D、200A、200B、200C、200Eを出力することで実現される。そして、処理装置210は、その処理をステップS80に進める。
ステップS80において、処理装置210は、直前に実行されたステップS70にて出力された制御信号200D、200A、200B、200C、200Eに応じて油圧加工機械100が上記駆動処理を行っている状態となるまで待機する。この待機の待機時間は、前もってストレージ220に記憶されたデータに基づいて設定される。そして、処理装置210は、その処理をステップS90に進める。
ステップS90において、処理装置210は、直近に実行されたステップS50にて設定された処理対象の検査項目に対して、この処理対象の検査項目に関する事象の検出に適したセンサ170の出力を取得する。すなわち、例えば処理対象の検査項目として駆動オイルOiにおける水分飽和度170gが設定されている場合は、処理装置210は、複数のセンサ170のうち水分濃度センサAの出力170Gと温度計Tの出力170Hとを取得する。そして、処理装置210は、その処理をステップS100に進める。なお、処理対象の検査項目が、所定の駆動モードにある油圧加工機械100に関する場合は(例えば、シリンダのオイルリーク量)、ステップS90において、処理装置210は、油圧加工機械100を上記所定の駆動モードに駆動させている状態でステップS80の待機を行い、取得すべきセンサ170の出力を適切なタイミングで取得する。また、処理対象の検査項目によっては、処理装置210は、ステップS90において、1種類に限らず2種類以上のセンサ170からの出力を取得するものとする。
また、ステップS90において、処理装置210は、複数のセンサ170の出力を経時的に得て、得られた出力を用いて演算してもよい。例えば、ステップS90において、処理装置210が、移動中のピストンロッド111のスライドの速度を算出する場合は、所定の時間内のピストンロッド111のスライドの移動位置を算出することを経時的に行い、ピストンロッド111のスライドの速度を演算により求めることができる。この場合、処理装置210が、スライド位置センサSzから出力されたピストンロッド111のスライドの位置170aに対応する出力170Aを取得すること(図2参照)と、時計240から出力された現在日時240Aを取得すること(図2参照)を繰り返し、取得した出力を用いて演算し、ピストンロッド111のスライドの速度を算出する。
ステップS100において、処理装置210は、直前に実行されたステップS90にて取得したセンサ170の出力を、検査項目の検査に使用可能なデータである検査データに変換する変換処理を実行する。そして、処理装置210は、その処理をステップS110に進める。
ここで、上記変換処理における具体的な処理について、処理対象の検査項目としてポンプ130の容積効率が設定されている場合を例にして説明する。この場合、処理装置210は、直前に実行されたステップS90にて取得した流量計Fpinの出力170Cから、ポンプ130に流入する駆動オイルOiの流量170cを導出する。続いて、処理装置210は、直前に実行されたステップS90にて取得した流量計Fpoutの出力170Dから、ポンプ130がオイル通路150aの上流側に搬送する駆動オイルOiの流量170dを導出する。続いて、処理装置210は、導出された流量170dを同じく導出された流量170cで割った百分率を算出することで、ポンプ130の容積効率の検査データを得る。
なお、上記変換処理は、処理装置210が、処理済みの検査項目の検査データと実行中の変換処理の進捗とを第1の表示装置230に表示させる処理を含んでいてもよい。例えば、図4では、第1の表示装置230は、処理済みの検査項目の検査データとしてポンプ130の容積効率の検査データを表示している。また、第1の表示装置230は、実行中の変換処理の進捗を示す表示として、処理対象の検査項目(フィルタの目詰率)と、進捗状況(計測中)と、直前に取得したセンサ170の出力(オイル温度 40.2℃)とを表示している。この場合、操作者は、駆動処理が行われている状態の油圧加工機械100をセンサ170で計測することになる。
ステップS110において、処理装置210は、直近に実行されたステップS90にて取得したセンサ170の出力を、この出力が行われた出力日と対応付ける出力日対応付け処理を実行する。そして、処理装置210は、その処理をステップS120に進める。
なお、処理装置210は、直近に実行されたステップS20にて取得した現在日時240Aを参照することで、上記出力日を得る。この出力日は、駆動処理が行われている状態の油圧加工機械100を操作者がセンサ170で計測している場合には、この計測が行われた計測日と同じ日となる。このとき、上記ステップS110の処理は、本発明における「計測日対応付け処理」に相当する。
ステップS120は、上記ステップS40において繰り返される一連の処理の最後に実行される戻り処理である。すなわち、ステップS120において、処理装置210は、その処理をステップS50に進める。
ステップS130において、処理装置210は、直前に実行されたステップS40の繰り返し処理で得られた複数の検査データを1つにまとめたデータセットを作成する。そして、処理装置210は、その処理をステップS140に進める。
ここで、上記ステップS40の繰り返し処理は1日以内に完了する処理であるので、上記データセットは、複数の検査データが同一の出力日(あるいは計測日)に対応付けられてまとめられたものとなる。すなわち、上記ステップS40の繰り返し処理からステップS130に至る一連の処理は、本発明における「データセット作成処理」に相当する。
ステップS140において、処理装置210は、直前に実行されたステップS130にて作成したデータセットをストレージ220に記憶させる記憶処理を実行する。そして、処理装置210は、その処理をステップS150に進める。
なお、上記記憶処理は、データセット220Aをストレージ220に出力する(図2参照)処理でもあるため、本発明における「第1の出力処理」に相当する。また、ストレージ220は、本発明における「第1の記憶装置」に相当する。
ステップS150において、処理装置210は、ストレージ220に記憶されているデータセット220A(図2参照)の中から、出力日が所定の条件に合致する(具体的には例えば出力日が直近1か月以内である)データセット220Aを検索して取得するデータセット取得処理を実行する。そして、処理装置210は、その処理をステップS160に進める。
ステップS160において、処理装置210は、直近に実行されたデータセット作成処理で作成されたデータセット、および、直近に実行されたデータセット取得処理で取得されたデータセットの両方を、第1の表示装置230に表形式(図5参照)で表示させる処理である表示処理を実行する。そして、処理装置210は、その処理を上述したステップS170に進める。また、ステップS40における処理の繰り返しからステップS160に至るステップが、本発明における「検査項目表示処理」に相当する。このため、処理装置210は、本発明における検査項目表示処理を上述した所定の期間ごとに繰り返し実行することになる。
上記表示処理においては、処理装置210は、各データセットの各検査データが所定の基準範囲に含まれるか否かを判定し、この判定結果を示す付加情報が各データセットに付加された出力210Aを第1の表示装置230に出力する。すなわち、上記表示処理は、本発明における「第2の出力処理」に相当する。なお、上記「所定の基準範囲」は、前もってストレージ220に記憶されたデータに基づいて、上述した初期設定において設定されるものである。
また、上記表示処理においては、第1の表示装置230は、各データセットを、これらのデータセットが対応する出力日の時間順に並んだ状態で表示する。なお、図5に記載されている「出力日お」「出力日え」「出力日う」「出力日い」「出力日あ」は、この順で出力日が古くなるものである。
また、上記表示処理においては、第1の表示装置230は、検査データが上記所定の基準範囲に含まれない旨の付加情報が付加されたデータセットを、検査データが上記所定の基準範囲に含まれる旨の付加情報が付加されたデータセットからの識別が可能な態様(例えば図5では枠付きの態様)で表示する。
ところで、ストレージ220には、油圧加工機械100が完調状態(新品の状態または整備直後の状態の様に劣化がないと見做すことができる状態)にあるときに行われた油圧加工機械検査用コンピュータプログラムのテストランにおいて、このテストランのデータセット作成処理にて作成されたデータセットを基準データセットとして記憶させておくことができる。この場合、処理装置210は、上記表示処理において、ストレージ220から上記基準データセットを取得し、この基準データセットを第1の表示装置230に出力する第3の出力処理を実行する。なお、図5においては、上記基準データセットは、表中の「納品時」の欄に表示されている。
さて、上記表示処理が実行された状態の第1の表示装置230においては、直近に実行されたデータセット作成処理で作成されたデータセットと、このデータセットよりも前に作成されたデータセットとが、互いを対比できる状態で表示されている。これに対し、操作者は、第1の表示装置230に表示された各データセットを対比して油圧加工機械100を検査する検査処理を実行する。
上述した油圧加工システム1の各構成および上述した各ステップによれば、処理装置210は、検査項目表示処理を実行することで、複数の検査項目それぞれについて、検査に使用可能な検査データを作成する。すなわち、処理装置210は、センサ検出処理でセンサ170が出力した計測値を得た後、変換処理でこの計測値を検査データに変換することで、検査データを得ることができる。そして、処理装置210は、複数の検査項目それぞれに関する検査データと、センサ170が計測値を出力した出力日とを含むデータセットを、データセット作成処理で得る。こうして得られたデータセットは、第1の出力処理でストレージ220(第1の記憶装置)に記憶されるため、日時が経つと、ストレージ220(第1の記憶装置)は過去のデータセットが記憶された状態になる。
そして、処理装置210は、データセット取得処理において、ストレージ220(第1の記憶装置)に記憶されている過去のデータセットのうち、所定の条件に合致するデータセットを取得する。この様に取得した過去のデータセットと、直近に作成されたデータセットとの両方を、第2の出力処理で表示装置に表示する。すなわち、第2の出力処理では、複数の検査項目のそれぞれについて、直近に得られた検査データと、過去に得られた検査データとが、それらの出力日と対応されたデータセットの形で第1の表示装置230により表示される。
ここで、センサ170の出力(センサ170にて計測した計測値)は、センサ検出処理において、駆動処理により所定の検査項目を検査するために前もって用意された駆動モードで駆動している状態の油圧加工機械100に対しての出力(計測値)である。従って、同一の検査項目について作成された、直近および過去の検査データを、同一の駆動モードで油圧加工機械100が駆動された状態における検査データとして、これらの検査データを比較するときに、駆動モードの違いによる検査データへの影響を考慮する必要性をなくすことができる。
さらに、一般的に、油圧加工機械100の各部は次第に劣化し、この劣化が進む速さは、油圧加工機械100の作業内容や部位の特性によって変化する。従って、油圧加工機械100において、比較的急速に劣化が進む部位や、比較的緩やかに劣化が進む部位があると考えられ、劣化が進む速さは各部で一律ではないと考えることができる。上述した油圧加工システム1の各構成および上述した各ステップによれば、検査項目の数は、1つではなく、複数であるため、油圧加工システム1の操作者は、検査項目が1つの場合よりも多くの観点から油圧加工機械100の状態を理解し得るだけでなく、複数の検査項目の相関関係を考慮したうえで油圧加工機械100の状態を理解し得る。また、第2の出力処理では、直近に得られた検査データだけでなく、過去に得られた検査データをも第1の表示装置230に表示することで、油圧加工システム1の操作者が、劣化が進む速さを含めた油圧加工機械100の状態を把握し得るようになっている。すなわち、油圧加工システム1は、油圧加工機械100の劣化の傾向を判断し得る情報を表示することができる。
そして、例えば、油圧加工システム1の操作者は、油圧加工機械100の状態がメンテナンスを早急に行う必要がある状態にまで劣化する前に、油圧加工機械100の状態がメンテナンスを近々行う必要のある状態であると判断し得る。仮に、油圧加工機械100の状態が、メンテナンスを近々行う必要のある状態であると判断できる場合は、メンテナンスを早急に行う必要があるほど油圧加工機械100が劣化していないときでもあると考えることができるため、油圧加工機械100が故障する前に、メンテナンス担当者および操作者にとって適切な時にメンテナンスを行い得る。
また、上述した各ステップによれば、第2の出力処理において、複数の検査項目のそれぞれについて、直近に得られた検査データと、過去に得られた検査データとが、それらの出力日と対応されたデータセットの形で表示される。ここで、データセットが対応する出力日の時間順に並んだ状態で表示されることにより、直近に得られた検査データと、過去に得られた検査データとが、データが得られた時間順に並んだ状態で表示される。その結果、油圧加工システム1の操作者は、検査データの経時変化の理解がより容易となり得る。
また、上述した各ステップによれば、検査データが加圧部(スライドを介してパンチ金型D1が取り付けられた複動シリンダ110)の状態に対応するデータ(上記、シリンダのオイルリーク量(複動シリンダ110における駆動オイルOiのリーク量)、およびピストンロッド111のスライドの慣性下降値/急停止時間)を含むことにより、第2の出力処理で、加圧部の状態に関する検査データが第1の表示装置230により表示されるため、油圧加工システム1の操作者は、加圧部の状態を把握し得る。
また、上述した各ステップによれば、検査データに駆動オイルOiの性状(水分飽和度および微粒子汚染度(粒径分布))に対応するデータを含むことにより、第2の出力処理で、駆動オイルOiの性状に関する検査データが第1の表示装置230により表示されるため、油圧加工システム1の操作者は、駆動オイルOiの性状を把握し得る。
また、上述した各ステップにおいて、油圧加工機械100の状態が完調状態(新品の状態または整備直後の状態の様に劣化がないと見做すことができる状態)にあるときにおけるデータセットである基準データセットを表示させる場合には、基準データセットに含まれる検査データと、直近に得られた検査データとを比較することで、油圧加工システム1の劣化の度合いをより一層容易に把握し得る。
また、上述した各ステップによれば、検査項目表示処理を、所定の時間間隔毎に繰り返し実行することができるため、油圧加工機械100の状態が大きく劣化した状態となる前に、検査項目表示処理をより確実に実行し得る。また、上記の時間間隔は、上述した様に、油圧加工機械100が明らかに大きく変化し得る期間(例えば1年や、半年等)よりも短い時間間隔(例えば、7日や、1か月等、1日から数か月の間)に適宜設定できる。その結果、油圧加工システム1の操作者は、油圧加工機械100の状態がメンテナンスを早急に行う必要がある状態にまで劣化する前に、油圧加工機械100の状態がメンテナンスを近々行う必要のある状態か否かをより確実に判断し得る。
また、上述した油圧加工システム1の各構成によれば、第1の表示装置230は、各検査データを、これらの検査データが所定の基準範囲に含まれるか否かを識別可能な態様で表示する。このため、油圧加工システム1の操作者は、各検査データが所定の基準範囲に含まれるか否かを容易に識別し、油圧加工機械100の状態をより容易に把握し得る。
また、上述した油圧加工機械の検査方法によれば、操作者が油圧加工機械100の検査を行う際に、複数の検査項目それぞれについて、検査に使用可能な検査データを作成する。すなわち、駆動処理により検査項目を検査するための所定の駆動モードで駆動している状態の油圧加工機械100をセンサ170で計測して、この計測結果を検査データに変換する変換処理で、検査データを作成する。そして、複数の検査項目それぞれに関する検査データと、センサ170の計測が行われた計測日とを含むデータセットを、データセット作成処理で作成する。また、上述した検査処理では、直近に作成されたデータセットと、過去に作成されたデータセットとを対比して、油圧加工機械100を検査する。
ここで、検査項目を検査するために前もって用意された所定の駆動モードで駆動している状態の油圧加工機械100をセンサ170で計測して、この検査結果を、検査データに変換する。従って、同一の検査項目において、直近および過去の検査データを、同一の駆動モードで油圧加工機械100が駆動された状態における検査データとして、これらの検査データを比較するときに、駆動モードの違いによる検査データへの影響を考慮する必要性をなくすことができる。
上述した油圧加工機械の検査方法においては、検査項目の数は、1つではなく、複数であるため、検査結果の閲覧者は、検査項目が1つの場合よりも多くの観点から油圧加工機械100の状態を把握し得るだけでなく、複数の検査項目の相関関係を考慮したうえで油圧加工機械100の状態を把握し得る。また、検査処理では、直近に作成されたデータセットと、過去に作成されたデータセットとを対比して、油圧加工機械100を検査することで、検査結果の閲覧者が、劣化が進む速さを含めた油圧加工機械100の状態を把握し得るようになっている。換言すれば、検査方法では、油圧加工機械100の劣化の傾向を判断し得る。
そして、例えば、油圧加工システム1の操作者は、油圧加工機械100の状態がメンテナンスを早急に行う必要がある状態にまで劣化する前に、油圧加工機械100の状態がメンテナンスを近々行う必要のある状態であると判断し得る。仮に、油圧加工機械100の状態が、メンテナンスを近々行う必要のある状態であると判断できる場合は、メンテナンスを早急に行う必要があるほど油圧加工機械100が劣化していないときでもあると考えることができるため、油圧加工機械100が故障する前に、メンテナンス担当者および操作者にとって適切な時にメンテナンスを行い得る。
また、上述した油圧加工機械検査用コンピュータプログラムによれば、コンピュータ200に、油圧加工機械100における複数の検査項目のそれぞれについてこれらの検査に使用可能な検査データを作成させることができる。すなわち、コンピュータ200の処理装置210は、取得処理でセンサ170の出力を得た後、変換処理でこの出力を検査データに変換することで、検査データを得ることができる。そして、コンピュータ200の処理装置210は、複数の検査項目それぞれに関する検査データと、センサ170が出力をした出力日とが対応付けられたデータセットを、データセット作成処理で得る。こうして得られたデータセットは、記憶処理でコンピュータ200のストレージ220に記憶されるため、日時が経つと、過去のデータセットがコンピュータ200に記憶された状態になる。
そして、コンピュータ200の処理装置210は、データセット取得処理において、コンピュータ200が記憶している過去のデータセットのうち、所定の条件に合致するデータセットを取得する。コンピュータ200は、この様に取得した過去のデータセットと、直近に作成されたデータセットとの両方を、表示処理で第1の表示装置230にて表示する。ここで、上記表示処理では、複数の検査項目のそれぞれについて、直近に得られた検査データと、過去に得られた検査データとを、それらの出力日と対応されたデータセットの形で第1の表示装置230にて表示する。
ここで、コンピュータ200の処理装置210は、駆動処理により、所定の検査項目を検査するために前もって用意された所定の駆動モードで油圧加工機械100を駆動させて、この状態の油圧加工機械100に対して、上記取得処理および上記変換処理を実行する。これにより、コンピュータ200に油圧加工機械検査用コンピュータプログラムを実行させる操作者は、同一の検査項目について作成された、直近および過去の検査データを、同一の駆動モードで油圧加工機械100が駆動された状態における検査データとして、これらの検査データを比較するときに、駆動モードの違いによる検査データへの影響を考慮する必要性をなくすことができる。
上述した油圧加工機械検査用コンピュータプログラムによりコンピュータ200が実行する各ステップによれば、検査項目の数は、1つではなく、複数であるため、油圧加工システム1の操作者は、検査項目が1つの場合よりも多くの観点から油圧加工機械100の状態を理解し得るだけでなく、複数の検査項目の相関関係を考慮したうえで油圧加工機械100の状態を理解し得る。また、表示処理では、直近に得られた検査データだけでなく、過去に得られた検査データをも表示装置にて表示することで、油圧加工システム1の操作者が、劣化が進む速さを含めた油圧加工機械100の状態を把握し得るようになっている。すなわち、上述した油圧加工機械検査用コンピュータプログラムは、コンピュータに、油圧加工機械100の劣化の傾向を判断し得る情報を表示させることができる。
そして、例えば、油圧加工システム1の操作者は、油圧加工機械100の状態がメンテナンスを早急に行う必要がある状態にまで劣化する前に、油圧加工機械100の状態がメンテナンスを近々行う必要のある状態であると判断し得る。仮に、油圧加工機械100の状態が、メンテナンスを近々行う必要のある状態であると判断できる場合は、メンテナンスを早急に行う必要があるほど油圧加工機械100が劣化していないときでもあると考えることができるため、油圧加工機械100が故障する前に、メンテナンス担当者および操作者にとって適切な時にメンテナンスを行い得る。
[第2の実施形態]
続いて、第2の実施形態の油圧加工システム91の構成について、図6を用いて説明する。本実施形態の油圧加工システム91は、第1の実施形態の油圧加工システム1を変形した実施形態である。そこで、本実施形態において、第1の実施形態の油圧加工システム1の各構成と共通する構成については、第1の実施形態の油圧加工システム1の各構成に付した符号の左端に「9」または「8」のいずれかを追加した符号を付して対応させ、その詳細な説明を省略する。
続いて、第2の実施形態の油圧加工システム91の構成について、図6を用いて説明する。本実施形態の油圧加工システム91は、第1の実施形態の油圧加工システム1を変形した実施形態である。そこで、本実施形態において、第1の実施形態の油圧加工システム1の各構成と共通する構成については、第1の実施形態の油圧加工システム1の各構成に付した符号の左端に「9」または「8」のいずれかを追加した符号を付して対応させ、その詳細な説明を省略する。
図6に示す様に、第2の実施形態の油圧加工システム91は、2つの油圧加工機械8100、9100を備えている。これらの油圧加工機械8100、9100は、コンピュータ8200、9200およびセンサ群8170、9170が付設されることで、ユニット8000、9000を構成している。ここで、センサ群8170、9170は、第1の実施形態の油圧加工システム1における複数のセンサ170と同じ構成を1つのブロックで表したものであり、油圧加工機械8100、9100の状態8100A、9100Aに対応する出力8170A、9170Aをコンピュータ8200、9200の処理装置8210、9210に出力するものである。これらの処理装置8210、9210は、それぞれ、制御信号6210A、7210Aを油圧加工機械8100、9100に出力することで、油圧加工機械8100、9100の制御を行う。また、処理装置8210、9210は、それぞれコンピュータ・ネットワークNWに接続されている。そして、第2の実施形態の油圧加工システム91は、データセットを記憶する第2の記憶装置310と、データセットを表示する第2の表示装置320とを有する情報管理装置300を備えている。情報管理装置300もコンピュータ・ネットワークNWに接続されている。
各ユニット8000、9000の処理装置8210、9210は、上述した第1の実施形態にて説明した油圧加工機械検査用コンピュータプログラムを実行して作成したデータセットと、処理装置8210、9210が属するユニットの情報とを一緒にして、コンピュータ・ネットワークNW経由で同一の情報管理装置300に宛てて送信する。このユニットの情報は、上記データセットを送信した処理装置(処理装置8210または処理装置9210)がユニット8000、9000のいずれに属するかを識別する情報を含んでいる。従って、データセットとユニットの情報とを一緒に受け取った情報管理装置300は、受け取ったデータセットがユニット8000、9000のいずれから送信されたかを識別できる。そして、情報管理装置300は、受け取ったデータセットとユニットの情報とを一緒に第2の記憶装置310に記憶させる管理記憶処理を実行する。なお、本実施形態において、処理装置8210、9210から情報管理装置300へのデータの送信は、処理装置8210、9210のそれぞれに1つずつ備えられた送受信装置6210B、7210Bによって実現される。
さらに、情報管理装置300は、第2の記憶装置320が記憶しているデータセットを第2の表示装置310に表示させる管理表示処理を行う。ここで、第2の記憶装置320は、データセットと、このデータセットを作成した処理装置210が属するユニットの情報とを一緒に記憶している。そこで、上記管理表示処理では、第2の表示装置310は、データセットと、このデータセットを作成した処理装置210が属するユニットの情報とを一緒に表示する。
なお、情報管理装置300は、第2の記憶装置310が記憶しているデータセットと、データセットを作成した処理装置210が属するユニットの情報とを、コンピュータ・ネットワークNWに接続された他のコンピュータ(図示せず)に宛てて送信してもよい。これにより、このデータセットとユニットの情報とを受け取った他のコンピュータも、油圧加工システム91の油圧加工機械8100、9100の状態を把握することができる。そして、例えば、上記他のコンピュータが、油圧加工システム91のメンテナンス会社のコンピュータである場合は、このメンテナンス会社でも、油圧加工システム91の油圧加工機械8100、9100の状態を把握することができる。
上述した油圧加工システム91の各構成によれば、データセットは、管理記憶処理により第2の記憶装置320に記憶される。また、データセットは、第1の表示装置8230、9230だけでなく、管理表示処理により第2の表示装置310に表示される。このため、油圧加工機械8100、9100の各操作者だけでなく、情報管理装置300の操作者も、油圧加工機械8100、9100の状態がメンテナンスを近々行う必要のある状態か否かを判断し得る。その結果、この判断がより正確になり得る。
また、上述した油圧加工システム91の各構成によれば、情報管理装置300は、複数のユニット8000、9000それぞれの油圧加工機械8100、9100について、一括して状態を把握することができる。従って、情報管理装置300の操作者は、複数の油圧加工機械8100、9100の状態をより容易に把握できる。さらに、複数の油圧加工機械8100、9100の検査データを比較することで、油圧加工機械8100、9100それぞれの状態を把握することができ、それぞれの油圧加工機械8100、9100にメンテナンスを近々行う必要があるか否かをより確実に判断し得る。
本発明は、上述した第1および第2の実施形態で説明した構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、以下のような各種の形態を実施することができる。
(1)上述した第1の実施形態の油圧加工機械100において、複動シリンダ110に接続されるオイル通路150に設けられるポンプ130を、駆動オイルOiを搬送する向きの切り替えが可能な正逆回転ポンプにした変形例を採用することができる。この場合、正逆回転ポンプによる駆動オイルOiの搬送の向きを切り替えて複動シリンダ110を動作させることで、油圧加工機械100の方向切換弁Vdを不要のものとすることができる。
(2)上述した第1の実施形態では、油圧加工機械100は複動シリンダ110を1つだけ備えるものであったが、油圧加工機械の構成は上記構成に限定されない。例えば、油圧加工機械の複動シリンダを、単動シリンダなどの別種のシリンダにした変形例を採用することができる。また、油圧加工機械が備えるシリンダの数は2つ以上であってもよい。この場合、シリンダに関する検査項目である、シリンダのオイルリーク量(複動シリンダ110における駆動オイルOiのリーク量)、およびピストンロッド111のスライドの慣性下降値/急停止時間は、シリンダ毎に検査データを表示する。また、同様に、油圧加工機械においてシリンダに駆動オイルOiを搬送するポンプの数は2つ以上であってもよい。この場合、複数のポンプのそれぞれについて、ポンプ130に関する検査項目である、ポンプの容積効率の検査データを計測する。この様に、油圧加工機械が有する部材に応じて、適宜センサと、検査項目を増やしても良い。
(3)上述した第1の実施形態では、センサ170として、スライド位置センサSzと、温度計Tと、圧力計Psと、流量計Fpinと、流量計Fpoutと、オイル差圧計dPfと、水分濃度センサAと、微粒子数計測センサCdとの8つのセンサを例として示したが、センサの数や種類は、これに限定しなくてもよく、油圧加工機械を計測できるセンサであればよい。
(4)上述した第1の実施形態の表示処理(図3のステップS160、図5参照)では、直近に作成されたデータセット、および、直近に実行されたデータセット取得処理で取得された過去のデータセットの両方を、データセットが対応する出力日の時間順に並んだ状態を表形式で表示(図5参照)させるが、表示の形式は表形式に限定しなくてもよい。例えば、縦軸に検査データの値をとり、横軸に直近に作成されたデータセットに対応する日から経過した日数をとるグラフ形式で表示してもよい。この様にグラフ形式で表示することで、油圧加工システム1の操作者の検査データの経時変化の理解が、より容易となり得る。さらには、操作者が、上述の表形式とグラフ形式とを切り換え可能な態様としてもよい。表形式とグラフ形式とを切り換え可能な態様とする場合、例えば、表形式の表示とグラフ形式の表示とを切り換えるアイコンを第1の表示装置230に適宜表示させ、操作者がこのアイコンを触れることで表示を表形式にするかグラフ形式にするかを切り換える態様にしてもよい。また、グラフ形示としては、1つの検査項目についての検査データを1つのグラフに示す態様であっても、複数の検査項目についての検査データをまとめて1つのグラフに示す態様であってもよい。
(5)上述した第1の実施形態では、図3に示すステップS30により、検査項目表示処理(ステップS40における処理の繰り返しからステップS160に至るステップ)を所定の時間間隔(例えば、7日や、1か月等、1日から数か月の間)毎に繰り返し実行するが、これに限らず、操作者が検査項目表示処理を開始する旨の指示をコンピュータ200に入力したら検査項目表示処理を開始する態様を加えてもよい。例えば、検査項目表示処理を実行する旨のアイコンを第1の表示装置230に適宜表示させ、操作者がこのアイコンに触れると検査項目表示処理を実行する態様を加えてもよい。また、直近に作成されたデータセットの検査データが所定の条件を満たすときに、上記の時間間隔を変更する態様を加えてもよい。
(6)上述した第2の実施形態の油圧加工システム91において、油圧加工機械にコンピュータおよびセンサ群を付設したユニットの数を、1つあるいは3つ以上の任意の数に変更した変形例を採用することができる。
1 油圧加工システム
100 油圧加工機械
110 複動シリンダ
111 ピストンロッド
120 オイルタンク
130 ポンプ
140 フィルタ
150 オイル通路
150c ドレイン
160 サンプリング装置
160A 電動ポンプ
160A ポンプ
Vd 方向切換弁
Vf 流量制御弁
Vp 逃がし弁
D1 パンチ金型
D2 ダイス
FM 加工材料
Oi 駆動オイル
170 センサ
A 水分濃度センサ
Cd 微粒子数計測センサ
dPf オイル差圧計
Fpin 流量計
Fpout 流量計
Ps 圧力計
Sz スライド位置センサ
T 温度計
200 コンピュータ
210 処理装置
220 ストレージ
230 第1の表示装置
240 時計
300 情報管理装置
310 記憶装置
320 表示装置
8000、9000 ユニット
8100、9100 油圧加工機械
8170、9170 センサ群
8200、9200 コンピュータ
8210、9210 処理装置
8220、9220 ストレージ
8230、9230 表示装置
8240、9240 時計
8100A、9100A 状態
8170A、9170A 出力
NW コンピュータ・ネットワーク
100 油圧加工機械
110 複動シリンダ
111 ピストンロッド
120 オイルタンク
130 ポンプ
140 フィルタ
150 オイル通路
150c ドレイン
160 サンプリング装置
160A 電動ポンプ
160A ポンプ
Vd 方向切換弁
Vf 流量制御弁
Vp 逃がし弁
D1 パンチ金型
D2 ダイス
FM 加工材料
Oi 駆動オイル
170 センサ
A 水分濃度センサ
Cd 微粒子数計測センサ
dPf オイル差圧計
Fpin 流量計
Fpout 流量計
Ps 圧力計
Sz スライド位置センサ
T 温度計
200 コンピュータ
210 処理装置
220 ストレージ
230 第1の表示装置
240 時計
300 情報管理装置
310 記憶装置
320 表示装置
8000、9000 ユニット
8100、9100 油圧加工機械
8170、9170 センサ群
8200、9200 コンピュータ
8210、9210 処理装置
8220、9220 ストレージ
8230、9230 表示装置
8240、9240 時計
8100A、9100A 状態
8170A、9170A 出力
NW コンピュータ・ネットワーク
Claims (11)
- 駆動オイルの油圧により加工材料を加圧する油圧加工を行う油圧加工機械を備え、当該油圧加工機械を前もって設定された複数の検査項目にて検査することが可能とされた油圧加工システムであって、
前記油圧加工機械の状態を計測するセンサと、
前記検査項目を検査するための所定の駆動モードで前記油圧加工機械を駆動させる駆動処理を行うことが可能な処理装置と、
前記処理装置からの出力を記憶する第1の記憶装置と、
前記処理装置からの出力を表示する第1の表示装置と、
を備え、
前記処理装置は、
前記駆動処理が行われている状態において、前記センサの出力を取得するセンサ検出処理と、
前記センサの出力を前記検査項目の検査に使用可能なデータである検査データに変換する変換処理と、
前記変換処理の対象となる前記センサの出力が行われた出力日を得て、当該出力日と前記検査データとを対応付ける出力日対応付け処理と、
複数の前記検査項目のそれぞれに対して前記変換処理および前記出力日対応付け処理を行い、複数の前記検査データが同一の前記出力日に対応されてまとめられたデータセットを作成するデータセット作成処理と、
前記データセット作成処理で作成された前記データセットを前記第1の記憶装置に出力する第1の出力処理と、
前記第1の記憶装置に記憶されている前記データセットの中から、前記出力日が所定の条件に合致する前記データセットを検索して取得するデータセット取得処理と、
直近に実行された前記データセット作成処理で作成された前記データセット、および、直近に実行された前記データセット取得処理で取得された前記データセットの両方を、前記第1の表示装置に出力する第2の出力処理と、
を含む検査項目表示処理を実行する、
油圧加工システム。 - 請求項1に記載された油圧加工システムであって、
前記第1の表示装置は、前記処理装置から出力される複数の前記データセットを、これらの前記データセットが対応する前記出力日の時間順に並んだ状態で表示する、
油圧加工システム。 - 請求項1または請求項2に記載された油圧加工システムであって、
前記油圧加工機械は、前記加工材料に圧力を加える加圧部を備え、
前記検査データが、前記加圧部の状態に対応するデータを含むものである、
油圧加工システム。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載された油圧加工システムであって、
前記油圧加工機械は、前記駆動オイルが流通されるオイル通路を備え、
前記検査データが、前記オイル通路内の前記駆動オイルの性状に対応するデータを含むものである、
油圧加工システム。 - 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1項に記載された油圧加工システムであって、
前記第1の記憶装置は、前記油圧加工機械が新品の状態または整備直後の状態のいずれかの状態にあるときに前記データセット作成処理にて作成された前記データセットを基準データセットとして記憶し、
前記処理装置は、前記検査項目表示処理において、前記第1の記憶装置から前記基準データセットを取得し、当該基準データセットを前記第1の表示装置に出力する第3の出力処理を実行する、
油圧加工システム。 - 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1項に記載された油圧加工システムであって、
前記処理装置は、前記検査項目表示処理を、前もって設定された所定の時間間隔で繰り返し実行する、
油圧加工システム。 - 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1項に記載された油圧加工システムであって、
前記処理装置は、前記第2の出力処理において、前記各データセットを、それらの前記各検査データが所定の基準範囲に含まれるか否かを示す付加情報が付加された状態で前記第1の表示装置に出力し、
前記第1の表示装置は、前記検査データが前記基準範囲に含まれない旨の前記付加情報が付加された前記データセットを、前記検査データが前記基準範囲に含まれる旨の前記付加情報が付加された前記データセットからの識別が可能な態様で表示する、
油圧加工システム。 - 請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1項に記載された油圧加工システムであって、
前記データセットを記憶する第2の記憶装置と、前記データセットを表示する第2の表示装置とを有する情報管理装置を備え、
前記処理装置および前記情報管理装置は、それぞれコンピュータ・ネットワークに接続され、
前記処理装置は、前記コンピュータ・ネットワーク経由で前記データセットを前記情報管理装置に宛てて送信し、
前記情報管理装置は、前記処理装置から送信された前記データセットを前記第2の記憶装置に記憶させる管理記憶処理と、前記第2の記憶装置が記憶している前記データセットを前記第2の表示装置に表示させる管理表示処理とを行う、油圧加工システム。 - 請求項8に記載された油圧加工システムであって、
1台の前記油圧加工機械に前記センサおよび前記処理装置が対応付けられたユニットを複数備え、
前記各ユニットに備えられた前記処理装置は、それぞれが同一の前記情報管理装置に宛てて出力をすることが可能とされ、
前記情報管理装置は、前記管理記憶処理において、複数の前記処理装置からの出力を、この出力を行っている前記処理装置が属する前記ユニットの情報と一緒に前記第2の記憶装置に記録させ、
前記管理表示処理において、前記データセットを、当該データセットと一緒に前記第2の記憶装置に記憶された前記情報の識別が可能な態様で前記第2の表示装置に表示させる、
油圧加工システム。 - 駆動オイルの油圧により加工材料を加圧する油圧加工を行う油圧加工機械を、前もって設定された複数の検査項目にて検査する、油圧加工機械の検査方法であって、
前記検査項目を検査するための所定の駆動モードで前記油圧加工機械を駆動させる駆動処理と、
前記駆動処理が行われている状態の前記油圧加工機械をセンサで計測して、この計測結果を前記検査項目の検査に使用可能なデータである検査データに変換する変換処理と、
前記変換処理の対象となる前記センサの計測が行われた計測日を得て、当該計測日と前記検査データとを対応付ける計測日対応付け処理と、
複数の前記検査項目のそれぞれに対して前記変換処理および前記計測日対応付け処理を行い、複数の前記検査データが同一の前記計測日に対応されてまとめられたデータセットを作成するデータセット作成処理と、
直近に実行された前記データセット作成処理で作成された前記データセットを、当該データセットよりも前に作成された前記データセットと対比して前記油圧加工機械を検査する検査処理と、
を含む複数の処理を実行する、
油圧加工機械の検査方法。 - 駆動オイルの油圧により加工材料を加圧する油圧加工を行う油圧加工機械に、当該油圧加工機械の状態を計測するセンサと、表示装置を有するコンピュータとが付設された油圧加工システムに対して、前記油圧加工機械を前もって設定された複数の検査項目にて検査することが可能な状態にする処理を、前記コンピュータに実行させる油圧加工機械検査用コンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記検査項目を検査するための所定の駆動モードで前記油圧加工機械を駆動させる駆動処理と、
前記駆動処理が行われている状態において前記センサの出力を取得する取得処理と、
前記センサの出力を前記検査項目の検査に使用可能なデータである検査データに変換する変換処理と、
前記変換処理の対象となる前記センサの出力が行われた出力日を得て、当該出力日と前記検査データとを対応付ける出力日対応付け処理と、
複数の前記検査項目のそれぞれに対して前記変換処理および前記出力日対応付け処理を行い、複数の前記検査データが同一の前記出力日に対応されてまとめられたデータセットを作成するデータセット作成処理と、
前記データセット作成処理で作成された前記データセットを記憶する記憶処理と、
前記記憶処理において記憶されたデータの中から、前記出力日が所定の条件に合致する前記データセットを検索して取得するデータセット取得処理と、
直近に実行された前記データセット作成処理で作成された前記データセット、および、直近に実行された前記データセット取得処理で取得された前記データセットの両方を、前記表示装置にて表示する表示処理と、
を含む複数の処理を実行させる、
油圧加工機械検査用コンピュータプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017243892A JP2019107690A (ja) | 2017-12-20 | 2017-12-20 | 油圧加工システム、油圧加工機械の検査方法および油圧加工機械検査用コンピュータプログラム |
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-
2017
- 2017-12-20 JP JP2017243892A patent/JP2019107690A/ja active Pending
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