以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1〜図11を用いて、本発明に係る遊技機の一例であるスロットマシン1の構成について説明する。ここで、図1はスロットマシン1の正面図であり、図2はスロットマシン1の機能の概略を示すブロック図であり、図3はこのスロットマシン1における制御システムを示すブロック図であり、図4はリールの外周面の図柄配列の一例を示す説明図であり、図5は役
と図柄の組み合わせを示す説明図であり、図6は操作手段の操作とリールの作動のタイミングを示す説明図であり、図7はステッピングモータのステップ数の割り当て状態を説明するための説明図であり、図8は各遊技状態に対して設定された役抽選テーブルの当選確率を示す説明図であり、図9は役に割り当てられたストップボタンの押し順を示す説明図であり、図10はリールの停止制御に用いられるテーブルを説明するための説明図であり、図11はこのスロットマシン1における遊技状態の遷移を示す説明図である。
このスロットマシン1は、図1に示すように、3個のリール21a〜21cに表示されている図柄のうち、所定の図柄の組み合わせを所定のライン上に揃えることにより、所定の枚数の遊技メダルを獲得する遊技を提供するものであり、図2に示すように、リール21a〜21cにより図柄を表示する図柄表示手段20と、遊技者の操作を受け付ける操作手段30と、遊技の制御を行う主制御手段100と、遊技に対する演出を行う演出手段40と、この演出手段40を制御する副制御手段200と、から構成されている。
(主制御手段100)
主制御手段100は、スロットマシン1における遊技の進行や演出等を含む全体を統括制御する手段であり、役の抽選を行う当選役決定手段110、図柄表示手段20の駆動(回転及び停止)制御を行うリール制御手段120、図柄表示手段20が停止したときの図柄の判定を行う入賞判定手段130、入賞時の遊技メダルの払い出し等を制御する払出制御手段140、出玉率に関する設定値を設定する設定値設定手段150、遊技の進行や状態を制御する遊技状態制御手段160、後述するフリーズ制御を行うフリーズ制御手段170、操作手段30を構成するストップボタン33a〜33cの押し順を判定する操作順序判定手段175、遊技に関する情報を外部集中端子板80を介して外部機器(例えば、スロットマシン1を管理するホールコンピュータや各々のスロットマシン1の状態を表示する表示装置等)に出力する外部信号送信手段180、及び、主制御手段100から副制御手段200に制御コマンドを送信する制御コマンド送信手段185を有して構成されている。この主制御手段100は、図3に示すように、演算等を行うメインCPU101と、役の抽選や演出(フリーズ)の抽選等を行うための乱数値を発生させる乱数発生器102と、メインCPU101が各種制御を行うときに、取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM103と、遊技の進行等に必要なプログラムを記憶しておくROM104と、副制御手段200と通信を行うI/F回路105と、が主制御基板上に取り付けられて構成されており、これらはバス106で接続されてデータの送受信が可能に構成されている。この主制御手段100において、メインCPU101は、ROM104に記録された遊技用制御プログラムをRAM103に展開して実行し、遊技の制御を行うように構成されている。なお、メインCPU101には、プログラムの実行で用いる数値等を記憶するレジスタを有しており、以下の説明では、このレジスタを用いた処理について説明するが、これらの処理は一例であって、メインCPU101のレジスタとRAM103とは適宜使用することができる。
この主制御手段100の出力側(図2中、右側)には、図柄表示手段20が電気的に接続されている。この図柄表示手段20は、円筒外周面に沿って多種の図柄が描かれた回転可能な3個のリール21(左リール21a、中リール21b、右リール21c)、リール駆動手段22(左リール駆動手段22a、中リール駆動手段22b、右リール駆動手段22c)、及び、リール位置検出手段23(左リール位置検出手段23a、中リール位置検出手段23b、右リール位置検出手段23c)を有して構成されている。そして、3個のリール21a〜21cが、スロットマシン1の前扉3に形成されたリール表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、これらの左リール21a、中リール21b及び右リール21cは、スロットマシン1のリール表示窓11からは、合計9個の図柄(図柄90〜98)が見えるように配置されている。
リール21a〜21cの各々には、例えば、図4に示すように0番から19番までの20個の図柄が表示されており、番号が増加する順で変動表示される。なお、この図4に示す図柄及びその配置は一例である。また、図2に示すように、リール駆動手段22(22a〜22c)は、ステッピングモータ等で構成され、リール21(21a〜21c)の各々の回転中心部に連結され、その作動は主制御手段100のリール制御手段120により制御される。さらに、リール位置検出手段23a〜23cは、有効ライン上に表示されている図柄を判定するときに各々のリール21a〜21cの停止位置を決定するためのものであり、このリール位置検出手段23a〜23cによる検出値は主制御手段100により読み出され入賞判定手段130により処理される。ここで、各々のリール駆動手段22(22a〜22c)の上方には、リールセンサが配置されている。このリールセンサは、リール21(21a〜21c)の基準となる位置を検知するものであり、リール21(21a〜21c)とリール駆動手段22(22a〜22c)とを連結する部分に取り付けられた被検知部材(インデックス)がこのリールセンサの前を通過したときに、リールセンサで被検知部材を検出するように構成されている。これにより、リール21(21a〜21c)が一回転するごとに、それぞれの被検知部材がリールセンサにより検知され、基準となる位置を特定することができ、この基準となる位置に基づいて各々のリール21a〜21cの停止位置を決定することができる。なお、リールセンサとしては、フォトセンサ、磁気センサ、タッチセンサ等を用いることができる。
また、リール表示窓11から見える9つの図柄のそれぞれの後方に、9個のバックランプ44が配置されている。このバックランプ44を点灯することにより、各図柄を強調表示することができる。あるいは、全てのバックランプ44を点灯し、強調したいライン上のバックランプ44の照度を高くし、強調したくないその他のバックランプ44の照度を低くしてもよい。このように、リール21(21a〜21c)は、複数の図柄が表示された複数の表示領域(リール表示窓11から見える合計9つの図柄の領域)を変動表示させる変動表示手段としての機能を有し、また、バックランプ44は、この変動表示手段の表示領域に対する演出を行う表示領域演出手段としての機能を有している。また、後述する小役1のようにストップボタン33a〜33cの押し順が割り当てられている役に対してその押し順を演出として報知するときに、後述する無効ライン上にあるバックランプ44を点滅させたり、ストップボタン33a〜33cの停止操作毎に複数ある無効ライン上のバックランプ44を、1ラインずつ消灯するように構成してもよい。
また、主制御手段100の入力側(図2中、左側)には、操作手段30が電気的に接続されており、この操作手段30はベットボタン31(1ベットボタン31a及びMAXベットボタン31b)、スタートレバー32、ストップボタン33(左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33c)、清算ボタン34、電源スイッチ35、設定変更キースイッチ36、及び、リセット/設定スイッチ37を有している。
スタートレバー32は、図柄表示手段20として設けられたリール21a〜21cを始動させるときに操作するレバーであって、始動手段としての機能を有している。また、ストップボタン33(33a〜33c)は、回転しているリール21a〜21cの各々を停止させるときに遊技者が操作するボタンであって、停止手段としての機能を有している。また、ベットボタン31は、遊技者が貯留メダル(後述する「クレジット」)をスロットマシン1に投入する(ベットする)ときに操作するスイッチであって、その操作によって後述する図柄組み合わせラインが有効化される。なお、図1に示すメダル投入口51は、ベットボタン31と同様に、図柄組み合わせラインを有効化するために遊技メダルを投入する部分であり、このメダル投入口51からの遊技メダルの投入は、ベットボタン31の操作に含まれるものである。なお、1回の単位遊技にベット可能な枚数を超えて遊技メダルが投入された場合には、所定の枚数の範囲内でこのスロットマシン1の内部(遊技媒体貯留手段141)に電子的な情報として貯留される(例えば、RAM103に記憶される
)ように構成されている(以下、単に「貯留」と呼ぶ)。また、清算ボタン34は、スロットマシン1の内部に貯留された遊技メダル及びベットされている遊技メダルを払い出すためのボタンである。また、電源スイッチ35は、このスロットマシン1の電源をオン・オフするためのスイッチである。また、設定変更キースイッチ36およびリセット/設定スイッチ37は、後述する設定値設定手段150で設定値を変更するとき等に用いられる。
また、この主制御手段100の入力側には、メダル投入口51から投入された遊技メダルを検出するための2つのセンサ(第1投入センサ61及び第2投入センサ62)、遊技メダルを払い出す装置であるホッパー装置から払い出された遊技メダルを検出する払出センサ71、前扉3の開閉を検出するドアスイッチ91、並びに、設定変更キースイッチ36等が格納されたエリアのドアの開閉を検出する設定ドアスイッチ92が接続されている。第1及び第2投入センサ61,62並びに払出センサ71の検出結果は払出制御手段140で処理され、ドアスイッチ91及び設定変更キースイッチ36は設定値設定手段150で処理される。なお、メダル投入口51からホッパー装置に連通する流路に対し、上流側に第1投入センサ61が配置され、下流側に第2投入センサ62が配置されている。また、この流路を遊技メダルが流下する過程で、第1及び第2投入センサ61,62が同時に遊技メダルを検出するタイミングがあるように配置されている。
また、この主制御手段100の出力側には、メダル投入口51から投入された遊技メダルの流路を決定するセレクタに設けられたブロッカ60、ホッパーモータ70および外部集中端子板80が接続されている。ここで、ブロッカ60は、遊技メダルを受け付けない期間にメダル投入口51から投入されたメダルを返却用の流路に導く機能を有している。また、ホッパーモータ70は、ホッパー装置から遊技メダルを払い出すときに作動する。これらのブロッカ60及びホッパーモータ70の動作は、払出制御手段140により制御される。
(当選役決定手段110)
当選役決定手段110は、図3に示す乱数発生器102(以降の説明では、この乱数発生器102を「第1の乱数発生手段」とも呼ぶ)から第1の乱数値を取得し、この乱数発生器102とは異なる第2の乱数発生手段から第2の乱数値を取得して、これらの第1の乱数値及び第2の乱数値を演算により処理して第3の乱数値を生成し、この第3の乱数値と、複数の役の各々の当選確率が乱数値の取り得る範囲に対応して定義された役抽選テーブルとにより役に当選したか否かを判定するように構成されている(以下、役抽選テーブルに設定された役毎の当選確率のデータを「確率データ」と呼ぶ)。この当選役決定手段110による当選役の決定方法については後述する。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1の役としては、図5に示すように、特別役、小役(小役1〜3及び特殊役)、及び、再遊技役が設けられている。この当選役決定手段110は、何らかの役に当選したときは、後述するフラグ情報記憶手段111に対して当選した役のフラグをオンにする。このように、当選役決定手段110は、当選役を決定し、変動表示手段の表示領域を変動表示させるときに、少なくともその変動表示内容(停止図柄)を決定する役決定手段及び抽選手段としての機能を有している。
ここで、特別役とは、その役に対応する図柄の組み合わせが後述する有効ライン上に停止(入賞)すると、遊技メダルは払い出されないが、特別遊技状態に移行されるという役であり、本実施形態においては、MB(ミドルボーナス)が設けられている。このMBは特別遊技の1つであるMB遊技(いわゆる、第二種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する遊技)に移行させる役である。例えば、本実施形態に係るスロットマシン1においては、遊技メダルが3枚投入されて遊技が行われた場合には、図5に示す特別役MBの図柄の組み合わせが有効ライン上に停止(入賞)すると、MB遊技に移行するように構成さ
れている。なお、MB遊技は、抽選結果に関わらず全ての小役が当選した状態となり、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば、30枚)を超えるまで繰り返し行うことができる遊技である。なお、このMB遊技においては、後述するリール制御手段120は、3つのリール21a〜21cのうちの少なくとも1つのリールに対して、ストップボタン33(33a〜33c)が押されたときから、1コマ分以内で、そのリール21a〜21cの回転を停止させるよう定められている(本実施形態に係るスロットマシン1では、右リール21cが該当する)。また、本実施形態に係るスロットマシン1では、MB遊技においてベットされる遊技メダルの枚数は2枚に設定されている。
なお、特別役はこのMBに限定されることはなく、BB(ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)、SB(シングルボーナス)、CB(チャレンジボーナス)等を設けることもできる。BBは、特別遊技の1つであるBB遊技(いわゆる、第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する遊技)に移行させる役であり、RBは特別遊技の他の1つであるRB遊技(いわゆる、第一種特別役物に係る条件作動装置が作動する遊技)に移行させる役である。ここで、BB遊技は、一般遊技と所定小役が高確率で当選するボーナスゲームとを、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば、345枚)を超えるまで繰り返し行うことができる遊技である。他にも、一般遊技とボーナスゲーム(BB遊技)とで当選する図柄の組み合わせの当選確率がボーナスゲームの方が一般遊技よりも有利になるように構成することができる。また、RB遊技は、所定小役が高確率で当選するボーナスゲームを12回行うか、8回入賞するまで繰り返し行うことができる遊技である。また、SBの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、所定小役が高確率で当選するボーナスゲームを1遊技行うSB遊技が行われるが、このSBは遊技状態を制御するための役として用いられることもある。また、CBの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、抽選結果に関わらず全ての小役が当選した状態となり、1遊技の結果が得られた場合に終了する。このCB遊技において、後述するリール制御手段120は、3つのリール21a〜21cのうちの少なくとも1つのリールに対して、ストップボタン33(33a〜33c)が押されたときから1コマ分以内で、そのリール21a〜21cの回転を停止させるように定められている。
また、小役(本実施形態では小役1〜3及び特殊役)とは、その図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、予め定められた枚数の遊技メダルが払い出される役であり、図5に示すように、小役の種類に応じて、その役に対応する図柄の組み合わせ及び払い出される遊技メダルの枚数が異なるように設定されている。この本実施形態に係るスロットマシン1においては、小役1として小役1−01〜21、小役2として小役2−01〜04、小役3として小役3−01〜03及び特殊役として特殊役−01,02が設定されている。また、再遊技役(リプレイ)とは、この再遊技役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃った遊技で投入したメダル枚数を維持して再度遊技が行えるようにした役である。本実施形態に係るスロットマシン1においては、図5に示すように再遊技役−01〜12が設定されている。なお、再遊技役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止した次の遊技においても、メダル投入口51からの遊技メダルの投入は可能である。
この当選役決定手段110は、抽選結果等を記憶するフラグ情報記憶手段111、及び、当選役決定手段110で特別役に当選したときに、後述する有効ライン上に対応する図柄の組み合わせが停止するまで(入賞するまで)当選した状態を保持する特別役持ち越し手段112を有している。
(フラグ情報記憶手段111)
フラグ情報記憶手段111は、当選役決定手段110によって何らかの役に当選したとき(後述するように、役抽選処理S5080において当選した役の条件装置検索番号が条件装置番号バッファに設定されたとき)に、当選した役の種類及びそのフラグをオンにし
て記憶する。なお、特別役を有するスロットマシンにおいては、フラグ情報記憶手段111に記憶されている情報が消去されるタイミング(当選フラグがオフとなるタイミング)は、特別役とそれ以外の役とで異なっている。すなわち、特別役の場合、フラグ情報記憶手段111に記憶されている情報は、特別役の図柄が有効ライン上に揃ったことを条件として消去され、特別役の図柄が有効ライン上に揃わなければ次遊技以降、当該図柄が有効ライン上に揃うまで持ち越されるのに対し、それ以外の役の場合には、その役に対する図柄が有効ライン上に揃うか否かに関わらず、当該遊技の終了の際に消去され、次遊技まで持ち越されることはない。また、MB遊技中は、当選役決定手段110の抽選結果に拘わらず、特別役を除く全ての払い出しを有する役の当選フラグをオンすることができる。但し、抽選結果で再遊技役(リプレイ)が当選したときは、その再遊技役のフラグをオンにするように構成してもよい。このように、フラグ情報記憶手段111は、当選役決定手段110で決定された役を記憶する決定役記憶手段としての機能を有している。
(特別役持ち越し手段112)
特別役持ち越し手段112は、当選役決定手段110により特別役に当選し、フラグ情報記憶手段111に、この特別役に対するフラグが立てられると、当選した特別役の図柄が有効ライン上に揃うまで、その当選役を持ち越し(フラグが立てられた状態を維持し)、特別役の図柄が有効ライン上に揃うと特別役の持ち越しを終了する(フラグが下げられる)。なお、特別役のうちSBと、その他の役は、当選した遊技で図柄を揃えることができないと、フラグは下げられる(次遊技に持ち越すことはできない)。また、特別役を持ち越し中(後述する内部中遊技状態RT1にあるとき)に、当選役決定手段110による役抽選の結果、小役が当選したときは、特別役と小役のフラグが立っている状態であり、停止態様によって当選フラグのうちのいずれかを有効ライン上に停止させることができる。
(リール制御手段120)
リール制御手段120は、操作手段30のスタートレバー32及びストップボタン33が操作されたタイミングに応じて、リール21a〜21cの回転の開始及び停止の制御を行う。より具体的には、図6(a)に示すように、リール制御手段120は、時刻t0においてスタートレバー32が操作されると、リール21a〜21cを回転させ、その後、時刻t1〜t3においてストップボタン33a〜33cが操作される毎に、後述する遊技状態制御手段160で管理されている遊技状態(例えば、非内部中遊技状態、内部中遊技状態、特別遊技状態等)、当選役決定手段110による抽選の結果、並びに、ストップボタン33(左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33c)が操作されたタイミングに基づいて、当該操作がされたストップボタン33a〜33cに対応するリール21a〜21cの停止位置を決定すると共に、リール駆動手段(ステッピングモータ)22a〜22cの駆動を制御して、その決定した位置でリール21a〜21cの各々を停止させる。このように、リール制御手段120は、複数の図柄が表示された表示領域を変動表示させる変動表示手段としてのリール21a〜21cを、停止手段であるストップボタン33a〜33cの操作に応じて停止させる変動表示制御手段の機能を有している。
ここで、スロットマシン1のリール表示窓11に表示されているリール21a〜21cには、図柄組み合わせラインが設けられている。この「図柄組み合わせライン」とは、リール21a〜21cの停止時における図柄の並びラインであって、図柄の組み合わせを形成させるラインである。例えば、本実施形態では、図1に示すように、リール表示窓11に表示される3×3の9個の図柄停止位置90〜98に対して、それぞれのリール21a〜21cから1個ずつの図柄停止位置を選択してそれらを結ぶラインとして構成される。
さらに、これらの図柄組み合わせラインの中から、有効ラインと無効ラインとが設定さ
れる。「有効ライン」とは、本実施形態では、いずれかの役に対応する図柄の組み合わせがそのライン上に停止したときに、入賞と判定されその役に応じた利益が遊技者に付与されるラインである。一方、「無効ライン」とは、図柄組み合わせラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組み合わせがそのライン上に停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(遊技メダルの払い出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組み合わせの成立対象となっていないラインである。これらの有効ライン及び無効ラインは、遊技者によって投入された遊技メダルの枚数に応じて設定されるように構成することもできるし、予め決めておくこともできる。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、図1に示すように、左リール21a〜右リール21cの中段の図柄停止位置91,94及び97を結ぶラインLが有効ラインとして設定されている。なお、この図柄組み合わせラインの構成は一例であって、本発明がこの構成に限定されることはない。
上述したリール駆動手段22a〜22cの各々を構成するステッピングモータは、特に図示していないが、主制御手段100から供給される駆動パルスにより励磁する4相のコイルを有している。そして、4相のコイルのうち、同時に2つが励磁した状態となる2相励磁と、4相のコイルのうちの1つが励磁した状態となる1相励磁とが交互に繰り返される1〜2相励磁により、ローターが回転するように構成されている。また、このステッピングモータにはリール21a〜21cの制御用に所定のステップ数が定められており、リール21a〜21cの各図柄に対してステップ数を割り当てることで、1図柄単位での停止を制御するように構成されている。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1が有するステッピングモータ(リール駆動手段22a〜22c)におけるステップ数の割り当てについて説明する。このステッピングモータは、全ステップ数として例えば504ステップ(=21×24)が設定され、かつ、回転速度が80rpmとなっている。また、このスロットマシン1では、ストップボタン33a〜33cが操作された時点から所定の時間Ts(例えば、190ms)以内に、かつ、当該時点から最大5個の図柄の範囲内で、リール21a〜21cの回転を停止させるように構成されている。
例えば、リール21a〜21cとして、周囲に21個の図柄が配置されたリールを使用する場合には、各図柄に対して、均等に24ステップを割り当てることができる。そして、上述したように、ステッピングモータの回転速度は80rpmであることから、1ステップ当たりの制御時間は1.49msとなる。すると、ストップボタン33a〜33cの各々が操作された時点から最大で5図柄先で停止させるとすると、5図柄分のステップ数は120ステップ(=24×5)であるため、ストップボタン33a〜33cが操作されてから対応するリール21a〜21cが停止するまでの時間は、178.8ms(=1.49×120)となる。なお、ストップボタン33a〜33cの操作タイミングによっては、1ステップ分、遅れて停止の処理が行われる可能性があるが、これを考慮しても、ストップボタン33a〜33cが操作されてから対応するリール21a〜21cが停止するまでの時間は、最大で180.29ms(=178.8+1.49)となり、190ms以内に収めることができる。
しかし、本実施形態に係るスロットマシン1のリール21a〜21cには、上述したように、周囲に20個の図柄が表示されており、各図柄に対して均等にステップ数を割り当てることができない。また、21個の場合よりも図柄の数が1個減ることにより、割り当てられるステップ数が多くなる図柄が必要となるため、ステップ数の割り当てが偏ると、ストップボタン33a〜33cが操作された時点から最大で5図柄先で停止させようとした場合、190ms以内に停止させることができなくなるおそれがある。そのため、本実施形態に係るスロットマシン1では、図7に示すように、全ステップ数として設定されて
いる504ステップを20で除算したときの商M(すなわち25)及び余りP(すなわち4)に基づき、20個の図柄のうち、連続する5個の図柄の範囲のいずれにもM+1ステップ(すなわち、26ステップ)を割り当てたP/4個(すなわち、1個)の図柄と、Mステップ(すなわち、25ステップ)を割り当てた(20−P)/4個(すなわち、4個)の図柄とが含まれるように構成している。具体的には図8に示すように、25ステップ、25ステップ、25ステップ、25ステップ、26ステップという並びを4回繰り返すように、リール21a〜21cの各図柄に対してステップ数を割り当てている。
このように各リール21a〜21cにステップ数を割り当てることにより、20個の図柄のうち、いずれの連続する5個の範囲においても25ステップが割り当てられた4個と26ステップが割り当てられた1個が含まれることとなるため、5個の図柄の範囲におけるステップ数の合計は126ステップ(=25×4+26)となり、停止時間を190ms以内に収めることができる。
また、上述したように、当選役決定手段110で決定される役に特別役が含まれるスロットマシン1のリール制御手段120は、特別役に当選し、特別役持ち越し手段112によりその特別役が持ち越されている遊技において、小役1−01や再遊技役−01に当選しているときは、これらの役を優先して有効ライン上に停止させるようにリール21a〜21cの作動を制御するように構成することができる。具体的には、再遊技役が当選しているときは他の当選役に優先して必ずこの再遊技役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する。また、小役については、特別役に優先して図柄の組み合わせが有効ライン上に停止するように構成することができる。なお、このようなリール21a〜21cを停止させる際の制御は、後述するようにリール制御用の停止テーブルを用いて行われる。
また、リール制御手段120は、前の遊技と次の遊技との間隔が所定の時間(最小遊技時間)T0以上になるようにリール21a〜21cの作動を制御するように構成されている。すなわち、図6(a)に示すように、時刻t0においてスタートレバー32が操作されてリール21a〜21cが回転を開始したときから最小遊技時間T0が経過した後に次の遊技が開始されたとき(時刻t0から時間T0が経過した時刻t4よりも後の時刻t5において再びスタートレバー32が操作されたとき)は、そのスタートレバー32の操作に応じてリール21a〜21cの回転を開始させる(時刻t5にリール21a〜21cの回転を開始させる)。しかし、図6(b)に示すように、最小遊技時間T0が経過する時刻t4より前の時刻t5′においてスタートレバー32が操作されたときは、リール制御手段120は、スタートレバー32が操作された時点(時刻t5′)ではリール21a〜21cの回転は開始させず、最小遊技時間T0が経過した時点(時刻t4)においてリール21a〜21cの回転を開始させる。なお、この最小遊技時間T0としては、例えば、4.1秒が設定される。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1において、小役1は、上述したように小役1−01〜21の21個の役から構成されている。この小役1−01〜21は、図5に示すようにそれぞれの図柄の組み合わせが異なるように構成されている。また、これらの役に対して複数の図柄の組み合わせが対応付けられている場合がある(例えば、小役1−18〜21)。なお、この小役1−01〜21に対しては、図8に示すように、これらの小役1−01〜21を組み合わせた(重複当選されるように構成された)8個の当選役が割り当てられている(以下、これらの小役1−01〜21を含む当選役を「小役1」と呼ぶ(小役1−A1〜A2、小役1−B1〜B2、小役1−C1〜C2、小役1−D1〜D2)。この図8において、当選役の括弧内は、小役1に割り当てられた小役1−01〜21を示し、例えば、当選役として小役1−A1が決定されたときは、小役1−01、小役1−02、小役1−03、小役1−18及び小役1−19が重複して当選することを示している。小役2(小役2−A〜D)、小役3(小役3−A〜B)及び特殊役(特殊役−A〜
B)も同様である。なお、本実施形態においては、小役を含む当選役においては、この小役が重複当選する構成となっているが、いずれかの入賞役が単独当選する当選役を含むように構成してもよい(例えば、本実施系では特殊役)。
そして、図9(a)に示すように、これらの当選役のうち、小役1に含まれる小役1−A1〜A2、小役1−B1〜B2、小役1−C1〜C2及び小役1−D1〜D2に対して、小役1−01の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させることができるストップボタン33a〜33cの押し順が割り当てられている(以下、これらの小役1を「押し順ベル」と呼び、小役1−01の図柄の組み合わせが停止する押し順を「正解押し順」と呼ぶ)。この図9において、たとえば「左**」は、第1停止として左ストップボタン33aが操作され、第2及び第3停止は、中ストップボタン33b及び右ストップボタン33cが任意の順序で操作される場合を示している。また、「中左右」は、第1停止として中ストップボタン33bが操作され、第2停止として左ストップボタン33aが操作され、第3停止として右ストップボタン33cが操作される場合を示している。
上述したように、リール制御手段120は、ストップボタン33a〜33cの各々が操作されると、対応するリール21a〜21cを、その操作がされたときに、リール表示窓11の中段に相当する位置にある図柄を含めて5図柄以内に停止するように構成されている。図4に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1では、左リール21a〜右リール21cの何れにおいても、「ベル」の図柄は、互いの間隔が5図柄以内になるように配置されている。また、これらのリール21a〜21cにおける「リプレイ」の図柄、及び、左リール21aにおける「スイカ」の図柄も同様に、互いの間隔が5図柄以内になるように配置されている。そのため、これらのリール21a〜21cの各々がどのような回転位置にあったとしても、ストップボタン33a〜33cの操作がされると、リール制御手段120は、有効ライン上に、左リール21aから順に、「スイカ」−「ベル」−「リプレイ」の図柄を引き込んで停止させることができる。そのため、上述した小役1(押し順ベル)が当選し、割り当てられた押し順でストップボタン33a〜33cが操作されたときは、ストップボタン33a〜33cがどのタイミングで操作されたとしても、リール制御手段120は、上述した図柄で構成される小役1−01の図柄の組み合わせ(「スイカ」−「ベル」−「リプレイ」)を有効ライン上に揃える制御を行うように構成されている。
以下に、押し順ベルが当選したときのリール制御手段120による停止制御の例として、小役1−A1が当選役である場合について、ストップボタン33a〜33cの押し順毎に説明する。なお、図8に示すように小役1−A1に対しては、小役1−01、小役1−02、小役1−03、小役1−18及び小役1−19が重複当選し、その正解押し順(小役1−01の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃う押し順)は「中左右」である。
(中左右の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
当選役として小役1−A1が決定されたときに、中左右の順でストップボタン33a〜33cが操作される、すなわち、第1停止として中ストップボタン33bが操作され、第2停止として左ストップボタン33aが操作され、第3停止とし右ストップボタン33cが操作されると、各々のストップボタン33a〜33cの操作において、リール制御手段120は「枚数優先停止制御」に従って、有効ライン上に小役1−01(「スイカ」−「ベル」−「リプレイ」)の図柄の組み合わせを停止させ8枚(特別遊技中は2枚)の払い出しを行う(図9(a)の「○」)。なお、以降の説明において、この小役1−01を「8枚役ベル」と呼ぶ。ここで、「枚数優先停止制御」とは、重複当選している複数の小役のうち、最も払い出し枚数が多い役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止するようにリール21a〜21cを停止制御することを指す。本実施形態において、小役1−A1で当選する小役のうち、払い出される遊技メダルの枚数が最も多いのは、図5に示
すように、8枚(又は2枚)の遊技メダルが払い出される小役1−01である。
(中右左の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
中左右で操作した場合の停止制御で説明したように、第1停止である中ストップボタン33bの操作時に、リール制御手段120は「枚数優先停止制御」に従って、中リール21bの中段(有効ライン上)に小役1−01を構成する「ベル」の図柄を停止させる。
次に、第2停止である右ストップボタン33cの操作時に、リール制御手段120は「個数優先停止制御」に従って、右リール21cの中段(有効ライン上)に停止させる図柄を決定する。ここで、「個数優先停止制御」とは、1つのリール(21a〜21cの各々)の停止受付時に、停止可能な範囲内でその図柄を有効ラインに停止させたときに入賞可能性を有する役の数が最も多くなるように、リール21a〜21cを停止制御することを指す(一つの役に複数の図柄の組み合わせが割り当てられているときは、図柄の組み合わせ毎に1個の役と考える)。本実施形態のスロットマシン1において、小役1−A1を構成する小役1−01、小役1−02、小役1−03、小役1−18及び小役1−19に割り当てられた図柄の組み合わせのうち、中リール21bに「ベル」の図柄を含む図柄の組み合わせ(役)が割り当てられているものは、小役1−01、小役1−18及び小役1−19である。ここで、右リール21cの中段に「リプレイ」の図柄を停止させると小役1−01を構成する1つの図柄の組み合わせしか有効ライン上に揃えることができないが、「チェリーA」又は「チェリーB」のいずれかの図柄を停止させると、それぞれに対して小役1−18及び小役1−19を構成する図柄の組み合わせのうちの2つを有効ライン上に揃えることができる。また、図5に示すように、右リール21cにおいて、どのタイミングで右ストップボタン33cが操作された場合であっても、中段に「チェリーA」及び「チェリーB」のいずれかの図柄を引き込んで停止させることができる。以上より、リール制御手段120は、第2停止に対して右リール21cの中段に「チェリーA」及び「チェリーB」のいずれかの図柄を停止させる。
そして、第3停止である左ストップボタン33aが操作される時点で、上述のように、中リール21bの中段に「ベル」の図柄が停止し、右リール21cの中段に「チェリーA」又は「チェリーB」の図柄が停止しているため、左リール21aの中段に「ベル」又は「赤7」の図柄を停止させることで小役1−18又は小役1−19の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止することになる。ここで、図4から明らかなように、左リール21aにおける「ベル」の図柄は左ストップボタン33aの操作タイミングに関わらず必ず有効ライン上に引き込んで停止させることができる。そのため、リール制御手段120は、第3停止において「ベル」の図柄を有効ライン上に停止させる。なお、「赤7」の図柄を引き込んで停止させることができるタイミングで左ストップボタン33aが操作されたときは、「ベル」の図柄の代わりに「赤7」の図柄を有効ライン上に停止させるように構成してもよい。
このように、中左右でストップボタン33a〜33cが操作された場合は、必ず小役1−18又は小役1−19のいずれかの図柄の組み合わせが有効ライン上に停止し、1枚の払い出しが行われる(図9(a)の「△」)。なお、以降の説明において、小役1−02〜21を「1枚役ベル」と呼ぶ。
(右左中の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
第1停止である右ストップボタン33cの操作時に、リール制御手段120は「個数優先停止制御」に従って、右リール21cの中段(有効ライン上)に停止させる図柄を決定する。本実施形態に係るスロットマシン1の場合、右リール21cの中段に「リプレイ」を停止させると、小役1−01を構成する1つの図柄の組み合わせしか有効ライン上に揃えることができない。また同様に、「赤7」の図柄を停止させると、小役1−02を構成
する1つの図柄の組み合わせしか有効ライン上に揃えることができず、「青7」の図柄を停止させると、小役1−03を構成する1つの図柄の組み合わせしか有効ライン上に揃えることができない。一方、「チェリーA」又は「チェリーB」の図柄を停止させると、それぞれに対して小役1−18及び小役1−19を構成する図柄の組み合わせのうちの2つを有効ライン上に揃えることができる。上述したように、右リール21cにおいて、どのタイミングで右ストップボタン33cが操作された場合であっても、中段に「チェリーA」及び「チェリーB」のいずれかの図柄を引き込んで停止させることができる。以上より、リール制御手段120は、第1停止に対して右リール21cの中段に「チェリーA」及び「チェリーB」のいずれかの図柄を停止させる。
次に、第2停止である左ストップボタン33aの操作時点で、右リール21cの中段に「チェリーA」又は「チェリーB」が停止しているため、左リール21aの中段に「ベル」又は「赤7」の図柄を停止させると、小役1−18又は小役1−19を構成する図柄が有効ライン上に停止することになる。ここで、「ベル」の図柄は、左ストップボタン33aの操作タイミングに関わらず必ず有効ライン上に引き込んで停止させることができる図柄であるため、リール制御手段120は、左リール21aの中段に「ベル」の図柄を停止させる。なお、「赤7」の図柄を引き込んで停止させることができるタイミングで左ストップボタン33aが操作されたときは、「ベル」の図柄の代わりに「赤7」の図柄を有効ライン上に停止させるように構成してもよい。
そして、第3停止である中ストップボタン33bが操作される時点で、上述のように、左リール21aの中段に「ベル」(又は「赤7」)の図柄が停止し、右リール21cの中段に「チェリーA」又は「チェリーB」の図柄が停止しているため、中リール21bの中段に「ベル」の図柄を停止させることで小役1−18又は小役1−19の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止することになる。この中リール21bにおける「ベル」の図柄は中ストップボタン33bの操作タイミングに関わらず必ず有効ライン上に引き込んで停止させることができる。そのため、リール制御手段120は、第3停止において「ベル」の図柄を有効ライン上に停止させる。
このように、右左中でストップボタン33a〜33cが操作された場合は、必ず小役1−18又は小役1−19のいずれかの図柄の組み合わせが有効ライン上に停止し、1枚の払い出しが行われる(図9(a)の「△」)。
(右中左の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
右左中で操作されたときの停止制御で説明したように、第1停止である右ストップボタン33cの操作時に、リール制御手段120は「個数優先停止制御」に従って、右リール21cの中段(有効ライン上)に小役1−18又は小役1−19を構成する図柄である「チェリーA」又は「チェリーB」のいずれかを停止させる。
次に、第2停止である中ストップボタン33bの操作時点で、右リール21cの中段に「チェリーA」又は「チェリーB」が停止しているため、中リール21bの中段に「ベル」の図柄を停止させると、小役1−18又は小役1−19を構成する図柄が有効ライン上に停止することでき、この「ベル」の図柄は、中ストップボタン33bの操作タイミングに関わらず必ず有効ライン上に引き込んで停止させることができる図柄であるため、リール制御手段120は、中リール21bの中段に「ベル」の図柄を停止させる。
そして、第3停止である左ストップボタン33aが操作される時点で、上述のように、中リール21bの中段に「ベル」の図柄が停止し、右リール21cの中段に「チェリーA」又は「チェリーB」の図柄が停止しているため、左リール21aの中段に「ベル」又は「赤7」の図柄を停止させることで小役1−18又は小役1−19の図柄の組み合わせが
有効ライン上に停止することになる。ここで、左リール21aにおける「ベル」の図柄は左ストップボタン33baの操作タイミングに関わらず必ず有効ライン上に引き込んで停止させることができる。そのため、リール制御手段120は、第3停止において「ベル」の図柄を有効ライン上に停止させる。なお、「赤7」の図柄を引き込んで停止させることができるタイミングで左ストップボタン33aが操作されたときは、「ベル」の図柄の代わりに「赤7」の図柄を有効ライン上に停止させるように構成してもよい。
このように、右中左でストップボタン33a〜33cが操作された場合は、必ず小役1−18又は小役1−19のいずれかの図柄の組み合わせが有効ライン上に停止し、1枚の払い出しが行われる(図9(a)の「△」)。
(左中右の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
左中右の順でストップボタン33a〜33cが操作されると、第1停止である左ストップボタン33aの操作時に、リール制御手段120は「個数優先停止制御」に従って左リール21aの中段に停止させる図柄を決定する。本実施形態のスロットマシン1において、左リール21aの中段に「スイカ」の図柄を停止させると、小役1−01を構成する1つの図柄の組み合わせしか有効ライン上に揃えることができなくなる。一方、「リプレイ」、「ベル」又は「赤7」の図柄のいずれかを停止させると、小役1−02、小役1−03、小役1−18及び小役1−19を構成する図柄の組み合わせのうちの2つを有効ライン上に揃えることができる。ここで、「リプレイ」及び「ベル」の図柄は、左ストップボタン33aの操作タイミングに関わらず必ず有効ライン上に引き込んで停止させることができる。ここでは、リール制御手段120が、第1停止である左ストップボタン33aの操作時に、小役1−02又は小役1−03を構成する「リプレイ」の図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる場合について説明する。
次に、第2停止である中ストップボタンの操作時点では、左リール21aの中段に「リプレイ」の図柄が停止しているため、中リール21aの中段に「赤7」の図柄を停止させると、小役1−02又は小役1−03の図柄の組み合わせを揃えることができる。そのため、リール制御手段120は、中ストップボタン33bが操作されたときに、「赤7」の図柄を中リール21bの中段に引き込んで停止させることができるときはこの図柄を停止させ、停止させることができないときは、いずれの役の図柄の組み合わせも有効ライン上に停止しない図柄を停止させる。
そして、第3停止である右ストップボタン33cの操作時に、リール制御手段120は、左リール21a及び中リール21bの中段に、小役1−02又は小役1−03の図柄の組み合わせを構成する図柄が停止しているとき(具体的には、左リール21aの中段に「リプレイ」の図柄が停止し、中リール21bの中段の「赤7」の図柄が停止しているとき)で、右リール21cの中段に「赤7」又は「青7」の図柄を引き込んで停止させることができるときは、この図柄を停止させて1枚の払い出しを行い(図9(a)の「△」)、引き込むことができないとき又は中リール21bの中段に「赤7」以外の図柄が停止しているときは、いずれの役の図柄の組み合わせも有効ライン上に停止しない図柄を停止させる(図9(a)の「×」)。なお、このときに有効ライン上に表示した図柄の組み合わせを「ベルこぼし目」と呼ぶ。
このように、左中右でストップボタン33a〜33cが操作された場合は、中ストップボタン33b及び右ストップボタン33cの操作タイミングに応じて、小役1−02又は小役1−03のいずれかの図柄の組み合わせが有効ライン上に停止して1枚の払い出しが行われる場合と、ベルこぼし目の図柄の組み合わせが停止して遊技メダルが払い出されない場合とがある。なお、上述の説明において、第1停止で、「ベル」又は「赤7」を停止させるように構成してもよい。
(左右中の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
左中右で操作されたときの停止制御で説明したように、第1停止である左ストップボタン33aの操作時に、リール制御手段120は「個数優先停止制御」に従って、左リール21aの中段に小役1−02又は小役1−03の図柄の組み合わせを構成する「リプレイ」の図柄を中段(有効ライン上)に停止させる。
次に、第2停止である右ストップボタン33cの操作時に、小役1−02又は小役1−03の図柄の組み合わせを構成する「赤7」又は「青7」の図柄を右リール21cの中段に引き込んで停止させることができるときはこれらの図柄を停止させ、停止させることができないときは、ベルこぼし目を構成する図柄を停止させる。
そして、第3停止である中ストップボタン33bの操作時に、リール制御手段120は、左リール21a及び右リール21cの中段に、小役1−02又は小役1−03の図柄の組み合わせを構成する図柄が停止しているとき(具体的には、左リール21aの中段に「リプレイ」の図柄が停止し、右リール21cの中段の「赤7」又は「青7」の図柄が停止しているとき)で、中リール21bの中段に「赤7」の図柄を引き込んで停止させることができるときは、この図柄を停止させて1枚の払い出しを行い(図9(a)の「△」)、引き込むことができないとき又は右リール21cの中段に「赤7」及び「青7」以外の図柄が停止しているときは、ベルこぼし目を構成する図柄を停止させる(図9(a)の「×」)。
このように、左右中でストップボタン33a〜33cが操作された場合は、中ストップボタン33b及び右ストップボタン33cの操作タイミングに応じて、小役1−02又は小役1−03のいずれかの図柄の組み合わせが有効ライン上に停止して1枚の払い出しが行われる場合と、ベルこぼし目の図柄の組み合わせが停止して遊技メダルが払い出されない場合とがある。なお、上述の説明において、第1停止で、「ベル」又は「赤7」を停止させるように構成してもよい。
ここでは、押し順ベルの例として小役1−A1に当選した場合について説明したが、小役1−A2、小役1−B1〜B2、小役1−C1〜C2及び小役1−D1〜D2も同様の処理で停止制御が行われる。なお、以降の説明において、左ストップボタン33aを第1停止として押す操作を「順押し」と呼び、中ストップボタン33b又は右ストップボタン33cを第1停止として押す操作を「変則押し」と呼ぶ。
以上のように、本発明に係るスロットマシン1において、押し順ベルである小役1(小役1−A1〜A2、小役1−B1〜B2、小役1−C1〜C2及び小役1−D1〜D2)が当選したときは、予め割り当てられた押し順(正解押し順)でストップボタン33a〜33cが操作されたときは有効ライン上に小役1−01の図柄の組み合わせ(正解ベル表示である8枚役ベル)が揃って8枚(特別遊技中は2枚)の遊技メダルが払い出され、それ以外の押し順(以下「不正解押し順」と呼ぶ)でストップボタン33a〜33cが操作されたときは、第1停止として右又は中ストップボタン33b,33cが操作されたときは、必ず小役1−02〜21の図柄の組み合わせ(1枚役ベル)が揃って1枚(特別遊技中は1枚又は2枚)の遊技メダルが払い出され、第1停止として左ストップボタン33aが操作されたときは、中及び右ストップボタン33b,33cの操作タイミングに応じて、小役1−02〜21の図柄の組み合わせ(1枚役ベル)が有効ライン上に揃って1枚(特別遊技中は1枚又は2枚)の遊技メダルが払い出されるか、又は、揃えることができないときはベルこぼし目となり遊技メダルは払い出されない。
なお、図4に示すリール21a〜21cの図柄の配置、及び、図5に示す小役1−01
に割り当てられた図柄の組み合わせから明らかなように、小役1−01の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、リール窓11から見える左リール21aの下段及び右リール21cの上段に「ベル」の図柄が停止するため、右上がりのライン上に「ベル」の図柄が揃うことになる。
同様に、当選役である小役2(チェリー)は、図8に示すように、4つの小役2−A〜小役2−Dから構成されており、各々の小役2−A〜小役2−Dは図5に示す小役2−01〜小役2−04を組み合わせて構成されている。この図8に示す当選役の括弧内も、重複して当選する役が示されており、例えば、小役2−Aが当選すると、小役2−01及び小役2−03が重複して当選することを示している。なお、図5に示す「any」は、任意の図柄が停止することを意味している。したがって、小役2−01は左リール21aの中段(有効ライン上)に「バー」の図柄が停止すればこの役に入賞したと判断され、小役2−02は左リール21aの中段に「チェリーA」の図柄が停止すればこの役に入賞したと判断される。
小役2−Aが当選したときに、ストップボタン33a〜33cが順押しされた場合、第1停止である左ストップボタン33aが操作されたときに、左リール21aの有効ライン上に「バー」の図柄を引き込んで停止させることができるときはこの図柄を停止させ、停止させることができないときは「ベル」の図柄を停止させる。左リール21aの中段に「ベル」の図柄が停止すると、小役2−03を構成する中リール21bの「ベル」の図柄及び右リール21cの「リプレイ」の図柄は、中ストップボタン33b及び右ストップボタン33cがいずれのタイミングで操作されても必ず引き込むことができる図柄である。したがって、小役2−Aの当選に対して左リール21aの中段に「バー」の図柄が停止したときは小役2−01の図柄の組み合わせが揃い、「ベル」の図柄が停止したときは小役2−03の図柄の組み合わせが揃うことになる。なお、左リール21aの中段に「バー」の図柄が停止するとその下段に「チェリーA」の図柄が停止することになるので、その対角線上である右リール21cの上段に「リプレイ」の図柄を停止させることにより、この小役2−Aをいわゆる「弱チェリー」とすることができる。
小役2−Bが当選したときも小役2−Aと同様に、ストップボタン33a〜33cが順押しされた場合、第1停止である左ストップボタン33aが操作されたときに、左リール21aの中段に「バー」の図柄を停止させることができるときはこの図柄を停止させ、停止させることができないときは「ベル」の図柄を停止させる。そのため、この小役2−Bも小役2−01又は小役2−03の図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることができる。なお、左リール21aの中段に「バー」の図柄が停止したことにより下段に「チェリーA」の図柄が停止したときは、右リール21cの上段に「赤7」の図柄を停止させることで、この小役2−Bをいわゆる「強チェリー」とすることができる。
小役2−Cが当選したときは、ストップボタン33a〜33cが順押しされた場合、第1停止である左ストップボタン33aが操作されたときに、左リール21aの中段に「チェリーA」の図柄を停止させることができるときはこの図柄を停止させ、停止させることができないときで「バー」の図柄を停止させることができるときはこの図柄を停止させ、これらの図柄を停止させることができないときは「ベル」の図柄を停止させる。したがって、この小役2−Cは、小役2−01、小役2−02又は小役2−03の図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることができる。そのため、この小役2−Cを「中段チェリー」とすることができる。
小役2−Dが当選したときは、ストップボタン33a〜33cが順押しされた場合、第1停止である左ストップボタン33aが操作されたときに、左リール21aの中段に「チェリーA」の図柄を停止させることができるときはこの図柄を停止させ、停止させること
ができないときは「ベル」の図柄を停止させる。したがって、この小役2−Dも、小役2−02又は小役2−03の図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることができる。なお、左リール21aの中段に「チェリーA」の図柄が停止すると上段に「バー」の図柄が停止するため、中リール21bの上段又は中段と、右リール21cの中段又は下段に「バー」の図柄を停止させることで、この小役2−Dを、「バー」の図柄が揃う中段チェリーとすることができる。
また、当選役である小役3(スイカ)は、図8に示すように、2つの小役3−A〜小役3−Bから構成されており、各々の小役3−A〜小役3−Bは図5に示す小役3−01〜小役3−03を組み合わせて構成されている。この図8に示す当選役の括弧内も、重複して当選する役が示されており、例えば、小役3−Aが当選すると、小役3−01及び小役3−02が重複して当選することを示している。
小役3−Aが当選したときは、ストップボタン33a〜33cが順押しされた場合、第1停止である左ストップボタン33aが操作されたときに、左リール21aの中段に「ベル」の図柄を停止させる。そして、第2停止である中ストップボタン33bが操作されたときに、中リール21bの中段に「スイカ」の図柄を停止させる。これらの図柄は、左ストップボタン33a及び中ストップボタン33bの操作タイミングに拘わらず、必ず中段に引き込んで停止させることができる。そして、第3停止である右ストップボタン33cの操作時に「ブランク」の図柄又は「バー」の図柄を停止させることができるときはこの図柄を停止させ、停止させることができないときはハズレ目となる図柄を停止する。このとき、右リール21cの中段に「ブランク」の図柄を停止させると下段に「スイカ」の図柄が停止するため、右下がりのライン上に「スイカ」の図柄が揃うため、この小役3−Aをいわゆる「弱スイカ」とすることができる。
小役3−Bが当選したときは、ストップボタン33a〜33cが順押しされた場合、第1停止である左ストップボタン33aが操作されたときに、左リール21aの中段に「スイカ」の図柄を停止させる。そして、第2停止である中ストップボタン33bが操作されたときに、中リール21bの中段に「スイカ」の図柄を停止させる。これらの図柄は、左ストップボタン33a及び中ストップボタン33bの操作タイミングに拘わらず、必ず中段に引き込んで停止させることができる。そして、第3停止である右ストップボタン33cの操作時に「スイカ」の図柄を停止させることができるときはこの図柄を停止させ、停止させることができないときはハズレ目となる図柄を停止する。このとき、中段に「スイカ」の図柄が揃うため、この小役3−Bをいわゆる「強スイカ」とすることができる。
また、特殊役−A及び特殊役−Bは、いわゆる「チャンス目」とすることができる。
また、当選役である再遊技役(リプレイ)は、図8に示すように、再遊技役−A1〜A2、再遊技役−B1〜B4、再遊技役−C1〜C4、再遊技役−D1〜D2、再遊技役−E1〜E4及び再遊技役−F1から構成されており、これらの再遊技役は、図5に示す再遊技役−01〜12を組み合わせて構成されている(図8のかっこ内に示す番号の意味は、小役のときと同じである)。なお、これらの再遊技役は、図4に示すリール21a〜21cの図柄の配置、及び、図5に示す再遊技役−01〜12に割り当てられた図柄の組み合わせから明らかなように、ストップボタン33a〜33cがどのタイミングで操作されても、これらの再遊技役−01〜12のいずれかの図柄の組み合わせが有効ライン上に停止するように構成されている。
ここで、再遊技役−A1が当選した場合に、ストップボタン33a〜33cが「右中左」の順で操作され、かつ、リール21a〜21cの各々のリールにおいて「赤7」の図柄を有効ライン上に引き込んで停止させることができるときは、「赤7」の図柄が揃い(再
遊技役−09の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止し)、揃えることができないときはこの再遊技役−A1を構成する他の再遊技役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する。また、ストップボタン33a〜33cが「右中左」以外の順序で操作されたときは再遊技役−01の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する。また、再遊技役A−2が当選してストップボタン33a〜33cが「右中左」の順で操作され、かつ、リール21a〜21cの各々のリールにおいて「赤7」の図柄を有効ライン上に引き込んで停止させることができるときに、「赤7」の図柄が有効ライン上に揃わない(再遊技役−09以外の役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する)ように構成されている。ストップボタン33a〜33cが「右中左」以外の順序で操作されたときは、再遊技役−A1と同様に、再遊技役−01の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する。
再遊技役−B1〜B4は、後述するように、その押し順により、フリーズ状態を変化させ、疑似遊技を実行するとともに、所定の遊技数の間、特別遊技状態と同様に遊技者に有利な遊技(この遊技をサブボーナス又はサブボーナス遊技と呼び、「サブBB」と表す)を実行させ、また、AT遊技が実行されていることを外部集中端子板80から外部に出力させるための役である(この再遊技役−B1〜B4を「押し順リプレイ」と呼ぶ)。ここで、AT遊技とは、上述した小役1(押し順ベル)が当選したときに、後述する副制御手段200の演出制御手段301により、ストップボタン33a〜33cに対する正解押し順を演出として画像表示装置41等を用いて遊技者に報知する(アシストする)ことで、8枚役ベルの図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることができるという遊技者に有利な遊技を提供するものである。このとき、AT遊技にRT遊技を組み合わせてART遊技とすることも可能である。このRT遊技とは、遊技状態制御手段160により制御される再遊技確率変動遊技状態のうち、特に、再遊技役(リプレイ)の当選確率が通常遊技状態と異なる遊技状態において行われる遊技のことを示している。例えば、本実施形態に係るスロットマシン1においては、この再遊技役(リプレイ)の当選確率が通常遊技状態(後述する非内部中遊技状態RT0)よりも高く設定されている遊技状態(後述する内部中遊技状態RT1)において行われる遊技であるが、これに限定されず、再遊技役(リプレイ)の当選確率が通常遊技状態と同じかそれよりも低く設定されている遊技状態においてRT遊技を実行するように構成しても良い。
再遊技役−B1〜B4に対するストップボタン33a〜33cの押し順と、そのときの主制御手段100の動作については、図9(b)に示されている。ここで、「C」は後述する状態移行カウンタに1を加算し、「1」及び「2」は状態移行カウンタに1を加算するとともに、この状態移行カウンタの値が2となったときに、「1」の順序で操作されたときは2つのサブボーナス遊技の状態のうちサブBB1に移行し、「2」の順序で操作されたときはサブBB2に移行することを示している。また「S」は外部信号出力カウンタに1を加算することを示している。具体的な処理の内容については後述する。なお、再遊技役−B1〜B4が当選したときに図9(b)において「S」と示されている押し順でストップボタン33a〜33cが操作されると、有効ライン上に再遊技役−05又は再遊技役−06の図柄の組み合わせが停止し、リール表示窓11内の所定のライン(無効ライン)上に「ベル」の図柄が揃うことになる(再遊技役−05のときは右下がりのライン上に「ベル」の図柄が揃い、再遊技役−06のときは下段に「ベル」の図柄が揃う)。
また、再遊技役−C1〜C4が当選し、ストップボタン33a〜33cが「中左右」の順序で操作されると、再遊技役−06の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する。また、再遊技役−D1が当選し、第1停止として中ストップボタン33bが操作されたとき、また、再遊技役−D2が当選し、第1停止として右ストップボタン33cが操作されたときは、再遊技役−05の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する。その他の押し順のときは再遊技役−01の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する。
また、再遊技役−E1が当選し、ストップボタン33a〜33cが「中左右」の順で操作されたとき、再遊技役−E2が当選し、ストップボタン33a〜33cが「中右左」の順で操作されたとき、再遊技役−E3が当選し、ストップボタン33a〜33cが「右左中」の順で操作されたとき、及び、再遊技役−E4が当選し、ストップボタン33a〜33cが「右中左」の順で操作されたときは、有効ライン上に再遊技役−07の図柄の組み合わせが停止し、それ以外の順序で操作されたときは再遊技役−01の図柄が有効ライン上に停止する。また、再遊技役−F1が当選したときは、ストップボタン33a〜33cの操作順序に拘わらず再遊技役−07の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する。
なお、このようなスロットマシン1においては、特別役が当選するときに、小役1−01や再遊技役−01が重複して当選するように構成してもよい。例えば、特別役と小役−01又は再遊技役−01が重複当選する構成の場合は、特別役が当選した遊技では、小役1−01又は再遊技役−01の図柄の組み合わせが有効ライン上に優先して揃うため、当該遊技で特別役の図柄の組み合わせが揃うことはない。これに限らず、特別役は単独当選をしてもよく、非内部中遊技状態から内部中遊技状態へ移行したときは、特別役が入賞する(特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する)のを困難にするために、再遊技役の当選領域を多くすることもできる(例えば、非内部中遊技状態のときははずれの頻度を高くし、内部中遊技状態のときは、はずれの領域を再遊技役の領域にすることで、特別役の入賞を困難にすることができる)。また、2枚の遊技メダルをベットした遊技(2枚賭けの遊技)で当選することができる特別役(これを「特別役1」とする)を設け、この特別役1は、3枚の遊技メダルをベットした遊技(3枚賭けの遊技)ではその図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させることができないようにすることで、3枚賭けの遊技では特別役1に入賞しないようにする(特別役1が当選した状態の内部中遊技状態を継続させる)ように構成することもできる。この場合、3枚賭けの遊技で当選することができる特別役(これを「特別役2」とする)を設けてもよい。この場合、特別役2は、3枚賭けの遊技ではその図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させることができるが、2枚賭けの遊技では停止させることができないようにしてもよい。
ここで、リール制御手段120によるリール21a〜21cの停止制御の方法について説明する。このリール制御手段120は、上述したリール21a〜21cの制御を行うために、図2に示すように、回転開始制御手段121、停止テーブル記憶手段122、停止位置データ作成手段123、回転位置検出手段124及び回転停止制御手段125を有している。
(回転開始制御手段121)
回転開始制御手段121は、リール21a〜21cの回転の開始に関する制御を行うためのものであり、具体的には、スタートレバー32の操作に基づいて出力されるスタート信号が入力されることで、各々のリール21a〜21cに設けられているステッピングモータ(リール駆動手段22a〜22c)に回転開始信号を出力し、これらのステッピングモータを起動させることにより、全てのリール21a〜21cの回転を開始させるように構成されている。また、回転開始制御手段121は、スタートレバー32が操作されると、予め定められた所定の加速度で全てのリール21a〜21cを回転させ、全てのリール21a〜21cの回転速度が所定の速度に達すると、この所定の速度で定速回転を行わせるように構成されている。
(停止テーブル記憶手段122)
停止テーブル記憶手段122は、リール21a〜21cを停止させるための情報である停止順序選択テーブル及び停止テーブルを記憶している。停止テーブルは、図10(b)に示すように、リール21a〜21cの各々において、ストップボタン33a〜33cが操作されたときにリール表示窓11の中段に相当する位置にある図柄の番号(0〜19番
)に対して、どの図柄を下段に相当する位置に停止させるかについて規定されているテーブルであり、それぞれにテーブル番号が割り当てられている。例えば、図10(b)に示す停止テーブルは、押し順ベルの1つである小役1−A1を停止させるために用いられるテーブルを示している。
具体的に、この図10(b)において、1番のテーブルは、中リール21bの中段に「ベル」の図柄を停止させるために用いられる。また、2番のテーブルは、左リール21aの中段に「スイカ」の図柄を停止させるために用いられる。また、3番のテーブルは、右リール21cの中段に「リプレイ」の図柄を停止させるために用いられる。また、4番のテーブルは、右リール21cの中段に「チェリーA」または「チェリーB」の図柄を停止させるために用いられる。また、5番のテーブルは、左リール21aの中段に「ベル」の図柄を停止させるために用いられる。また、6番のテーブルは、左リール21aの中段に「リプレイ」の図柄を停止させるために用いられる。また、7番のテーブルは、中リール21bの中段に「赤7」の図柄を停止させるために用いられる。そして、8番のテーブルは、右リール21cの中段に「赤7」又は「青7」の図柄を停止させるために用いられる。なお、図10(b)においては、2つの図柄番号を選択可能なとき(例えば、左リール21aの中段に「ベル」の図柄を停止する場合に、5番の「リプレイ」の図柄で停止操作を受け付けたときは、この5番の「リプレイ」の図柄を下段に停止させれば6番の「ベル」の図柄が中段に停止し、7番の「スイカ」の図柄を下段に停止させれば8番の「ベル」の図柄が中段に停止するとき)は、いずれか一方の図柄番号を予め設定している。しかしながら、両方を設定して、ストップボタン33a〜33cの操作タイミングに応じて、所定のアルゴリズムに従って停止する図柄番号を選択するように構成してもよい。なお、この図10(b)は小役1−A1の場合を例示しているだけであり、その他の当選役に対しても定義されている。また、7番のテーブルは、中リール21bの中段に「赤7」の図柄を停止することができないときは、「チェリーA」又は「緑7」の図柄を中段に停止させるように構成されている。同様に、8番のテーブルは、右リール21cの中段に「赤7」又は「青7」の図柄を停止させることができなときは、「チェリーA」又は「緑7」の図柄を中段に停止させるように構成されている。
そして、上述の小役1−A1を例にして説明したリール制御手段120の具体的な停止制御に示すように、当選役とストップボタン33a〜33cの押し順(打順)により、どの停止テーブルを使用するかを決定することができる。本実施形態に係るスロットマシン1は、この当選役と打順の関係を、図10(a)に示す停止順序選択テーブルに記憶している。ここで、当選役決定手段110で当選した役(条件装置番号)に対して、図柄制御番号を割り当て、停止順序選択テーブルは、この図柄制御番号をキーにして打順とテーブルの関係を定義している。なお、この図10(a)において、「/」は、それまでに有効ライン上に停止している図柄により選択されるテーブルが変化する場合を表し、「*」は、図10(b)に示していない、ベルこぼし目を構成するためのテーブルが選択されることを表している。また、この図10(a)は小役1−A1の場合を例示しているだけであり、その他の当選役に対しても定義されている。
また、図10(a),(b)に示す停止順序選択テーブル及び停止テーブルにおいて、一部のテーブルは2以上のリールで共用してもよい。例えば、中リール21bと右リール21cにおいて、「ベル」の図柄配置は共通しており、これらのリールに「ベル」の図柄を停止させるときは、中リール21bと右リール21cで共通の停止テーブル(例えば、2番のテーブル)を共用してもよい。このように構成することにより、停止テーブルのための記憶容量を少なくし、ROM104等を有効利用することができる。
なお、図10(b)に示す停止テーブルは、受付操作がされたときの中段に位置する図柄番号と、その図柄番号に対して何番の図柄番号の図柄を下段に停止させるかの対応が定
義されているが、本発明はこの構成に限定されることはない。例えば、受付操作がされた図柄番号に対して、何コマ滑らせて停止するかを定義するテーブル構成とすることもできる。例えば、図10(b)に示すテーブル番号が1番の停止テーブルは中リール21bの中段に「ベル」の図柄を停止させるものである。ここで、中リール21bにおいて、7番の「スイカ」の図柄が中段にあるときに中ストップボタン33bが操作されると9番の「緑7」の図柄を下段に停止させる。そのため、滑らせるコマ数(スベリコマ数)で停止テーブルを規定するときは、7番の図柄番号に対しては「3」が設定される(中段にある7番から3コマ滑ると9番の図柄が下段に停止する)。このようなスベリコマ数による停止テーブルは、本実施形態に係るスロットマシン1のリール21a〜21bのいずれにも使用することもできるし、リール21a〜21bのうち、一部のルールに対しては、図10(b)に示す停止図柄の図柄番号を規定した停止テーブルを使用し、残りのリールに対してはスベリコマ数で定義した停止テーブルを使用するというように、使い分けることもできる。
(停止位置データ作成手段123)
停止位置データ作成手段123は、当選役決定手段110による抽選の結果に基づき、ストップボタン33a〜33cが操作された場合にリール21a〜21cを停止させる停止位置を決定するために、上述した停止順序選択テーブルに基づいて停止テーブルからいずれかのテーブルを選択して停止位置データを作成する。この停止位置データ作成手段123は、スタートレバー32が操作されて、3個のリール21a〜21cが全て定速回転状態となると、第1停止のストップボタンが操作されるまでの間に、3個のリール21a〜21cのそれぞれについて、停止順序選択テーブルに基づいて、停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。また、第1停止のストップボタン(ストップボタン33a〜33cのいずれか)が操作された後は、この第1停止から遅くとも第2停止のストップボタンが操作されるまで(すなわち、第2停止のストップブタンの操作を受け付けた時点まで)の間に、第1停止のストップボタンが操作された時点でストップボタンの操作がいまだ行われていない残りの2個のリール(すなわち、第1停止のストップボタンが操作された時点で回転中の2個のリール)のそれぞれについて、停止順序選択テーブルに基づいて、停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。また同様に、第2停止のストップボタンが操作された後は、第2停止のストップボタンが操作されてから遅くとも第3停止のストップボタンが操作されるまで(すなわち、第3停止のストップボタンの操作を受け付けた時点まで)の間に、第2停止のストップボタンが操作された時点でストップボタンの操作がいまだ行われていない残りの1個のリール(すなわち、第2停止のストップボタンが操作された時点で回転中の1個のリール)について、停止順序選択テーブルに基づいて、停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。
例えば、スタートレバー32が操作された後、中リール21bに対応する中ストップボタン33b、左リール21aに対応する左ストップボタン33a、右リール21cに対応する右ストップボタン33cという順番で(すなわち、小役1−A1に対する正解押し順で)、ストップボタン33a〜33cの操作が行われるものとする。この場合には、停止位置データ作成手段123は、スタートレバー32が操作され、3つ全てのリール21a〜21cの回転速度が定速となると、全てのリール21a〜21cについて停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。図10(a)に示す例では、第1停止の前に、左リール21aに対しては6番のテーブルを選択し、中リール21bに対しては1番のテーブルを選択し、右リール21cに対しては4番のテーブルを選択して停止位置データを作成する。そして、第1停止として中ストップボタン33bが操作されると、第2停止である左ストップボタン33aが操作されるまでの間に、回転中の左リール21a及び右リール21cについて停止位置データを選択して停止位置データを作成しなおす。すなわち、左リール21aに対しては2番のテーブルを選択し、右リール21cに対しては4番のテーブルを選択する。さらに、第2停止として左ストップボタン33aが操作されると、第
3停止である右ストップボタン33cが操作されるまでの間に、回転中の右リール21cについて停止位置データを選択して停止位置データを作成しなおす。ここでは、右リール21cに対して3番のテーブルを選択する。なお、第2停止に対する停止位置データの作成において、右リール21cに対しては4番の停止テーブルが選択されるが、既に第1停止に対して4番の停止テーブルが選択されて停止位置データが作成されているため、再度の作成の必要はなく、第1停止のための停止位置データをそのまま第2停止で利用することができる(もちろん、再度作成し直してもよい)。
また、停止位置データ作成手段123は、スタートレバー32が操作されたときは、3つ全てのリール21a〜21の回転速度が定速となったときではなく、3つ全てのリール21a〜21cの回転速度が定速となるまでの間や、リール21a〜21cが回転を開始するまでの間に、全てのリール21a〜21cについて、停止テーブルを選択して停止位置データを作成するように構成してもよい。また、停止位置データ作成手段123は、ストップボタン33a〜33cのうち、前回のストップボタンの操作後、次のストップボタンが操作される時点までの間に、停止テーブルを選択しなおすのではなく、前回のストップボタンの操作後、次のストップボタンの操作が可能となる時点(すなわち、次のストップボタンの操作を受付可能な状態となる時点)までの間に、停止テーブルを選択して停止位置データを作成しなおすように構成してもよい。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1では、スタートレバー32が操作されてから第1停止のストップボタンが操作されるまで、及び、ストップボタン33a〜33cのうち、いずれか一つのストップボタンが操作されてから次のストップボタンが操作されるまでに、リール21a〜21cのうち、回転中の全てのリールについての停止テーブルを選択して停止位置データを作成できるようにすべく、スタートレバー32及びストップボタン33a〜33cが操作された後に、所定時間の間、次のストップボタンの操作を受付不可とする受付不可期間を設けている。また、本実施形態に係るスロットマシン1では、スタートレバー32が操作されてから3つ全てのリール21a〜21cの回転速度が定速となるまでの時間は、これらのリール21a〜21cについての停止データを選択して停止位置データを作成するために十分なものとなっている。
(回転位置検出手段124)
回転位置検出手段124は、ストップボタン33a〜33cが操作された時点におけるリール21a〜21cの位置を検出するためのものである。具体的には、回転位置検出手段124は、特に図示していないが、ステッピングモータ(リール駆動手段22a〜22c)から出力されるパルス信号をカウントするためのカウント手段、及び、このカウント手段によるパルス信号のカウント値をリセットするためのリセット手段などを備えている。より具体的には、各リール21a〜21cが回転を開始し、全てのリール21a〜21cが所定の速度で定速回転するようになった後、リールセンサ(図示しておらず)により被検知部材(インデックス)の通過が検知されたことを契機として、カウント手段が、ステッピングモータから出力されるパルス信号のカウントを開始する。そして、ストップボタン33a〜33cが操作された時点におけるカウント値に基づいて、被検知部材(インデックス)の回転角度を算出し、これによりストップボタン33a〜33cが操作された時点におけるリール21a〜21cの位置を検出することとなる。また、カウント手段によるパルス信号のカウント値は、リールセンサにより被検知部材(インデックス)の通過が検知される都度、リセット手段によりリセットされ、この時点から新たにパルス信号のカウントが行われるものとなっている。
(回転停止制御手段125)
回転停止制御手段125は、ストップボタン33a〜33cの操作に基づき、停止位置データ作成手段123aにより作成された停止位置データにおいて当該ストップボタン3
3a〜33cが操作された時点のリール21a〜21cの位置に対応して定められた停止位置で、これらのリール21a〜21cを停止させるためのものである。すなわち、ストップボタン33a〜33cが操作されると、このストップボタン33a〜33cが操作された時点のリール21a〜21cの位置に対応して、停止位置データにおいて定められている停止位置で、リール21a〜21cは停止することとなる。
なお、図8には、後述する各遊技状態における役の当選確率(役抽選テーブルの構成)も示している。ここで、各役に示される「−」は、その遊技状態では当該役の抽選は行われないことを示している。また、MBが当選してその図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったときの特別遊技状態においては、役の抽選が行われた後、後述するフラグ情報記憶手段160の全てのフラグが当選した状態になるが、ストップボタン33a〜33cの押し順態様などにより、予め定められた役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止するように構成されている。また、どの役にも当選しない確率(いわゆる「はずれ」の場合の確率)は、特別役、小役及び再遊技役の当選確率の合計を1から引いた確率である。なお、「はずれ」は設けなくてもよい(抽選により、何れかの役に必ず当選するように構成してもよい)。また、役抽選の結果がはずれのときは、リール制御手段120は、図5に示す図柄の組み合わせのいずれにも該当しない図柄の組み合わせ(上述した「ハズレ目」)を有効ライン上に停止させるように構成されている。
(入賞判定手段130)
入賞判定手段130は、リール21a〜21cの全てが停止したときに、上述の有効ライン上に役の図柄の組み合わせが並んでいるか否かを判定し、並んでいるものがあれば当該遊技でその役が成立した(入賞した)、又は、遊技状態が移行する特定図柄が停止したと判定する。このとき、入賞判定手段130は、リール位置検出手段23a〜23cを用いて、例えばステッピングモータの停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上に位置する図柄を判定し、これに基づいて、役の成立(入賞)の有無を判定する。なお、リール21a〜21cを停止させる際の制御にテーブルを用いている場合には、リール21a〜21cが実際に停止してから入賞判定手段130が図柄の組み合わせを判定するのではなく、リール制御手段120により上述したようなテーブルを用いてリール21a〜21cの停止位置が定められた時に、有効ライン上に停止する図柄の組み合わせを判定するようにしてもよい。
(払出制御手段140)
払出制御手段140は、入賞判定手段130による判定の結果、成立(入賞)している役(本実施形態に係るスロットマシンにおいては小役1、小役2、小役3及び特殊役)に応じた遊技メダルの払い出しを行う。すなわち、この払出制御手段140は、リール21a〜21cの所定の図柄の組み合わせが停止表示されたことに基づいて遊技者に利益を付与する利益付与手段としての機能を有している。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1においては、払出制御手段140に設けられた遊技媒体貯留手段141により、内部に所定の枚数(例えば50枚)の遊技メダルを電子情報として貯留することができる(このスロットマシン1の内部に貯留されている遊技メダルを「クレジット」と呼ぶ)。メダル投入口51から最大のベット数(本実施の形態では3枚(特別遊技時は2枚))を超える遊技メダルが投入されるか、若しくは、遊技メダルが払い出される役に入賞すると、払出制御手段140は、その遊技メダルを遊技媒体貯留手段141に記憶(内部に貯留)する。なお、貯留されている遊技メダル(クレジット)の枚数が所定の枚数(上述の場合50枚)を超えると、払出制御手段140は、超えた枚数の遊技メダルの払い出しを、ホッパーモータ70を作動させてホッパー装置に行わせるように構成されている。また、払出制御手段140は、清算ボタン34が操作されると、ベットされている遊技メダル及び貯留されている遊技メダル(クレジット)の払い出しを、ホッパー装置に行わせるように構成されている。このとき、ベットされている遊技メダル及び遊技媒体貯留手段141の貯
留数は0になる。この遊技媒体貯留手段141に貯留されているクレジット数は、このスロットマシン1の前面(前扉3)の所定の位置(例えば、前扉3の上端部)に表示される(貯留されているクレジット数を表示する部分を「クレジット表示部」と呼ぶ)。
(設定値設定手段150)
設定値設定手段150は、設定変更キースイッチ36の操作により、本実施形態に係るスロットマシン1における役の抽選や払い出しに関する設定等を行うものである。このスロットマシン1においては、電源スイッチ35がオフにされている状態で設定変更キースイッチ36をオンにしたまま電源スイッチ35をオンして電源を投入し、所定の操作を行って設定値を入力した後、設定変更キースイッチ36をオフすると、この設定値が設定値記憶手段151に記憶されるように構成されている。例えば、1〜6までの6段階の設定値を設定することができ、当選役決定手段110は、当該設定値に応じて役の当選確率を変化させ、これにより、払い出される遊技メダルの出玉率(払出し率)を変化させるように構成されている。したがって、図8に示す当選確率は一例である(例えば、設定値が1のときの値である)。また、設定値の変更が行われると遊技に関する情報のうちの一部(特別役の当選フラグや通常遊技状態(非内部中遊技状態)、再遊技確率変動遊技状態(内部中遊技状態)などの遊技状態)は保持される一方、他の情報(リールの駆動状態や小役の当選フラグなど)は初期化されるように構成することもできる。また、特別役を有するスロットマシンにおいては、特別遊技状態にあるときは、上記操作を行っても設定値の変更ができないように構成することもできる。さらに、内部中遊技状態においても設定値の変更ができないように構成してもよい。また、フリーズが実行されているときは設定変更できないように構成してもよい。また、設定値を変更しても役の当選確率は変化しないように構成し、副制御手段200で実行される演出における抽選確率を変化させることで、出玉率を変化させるように構成してもよい。
(遊技状態制御手段160)
遊技状態制御手段160は、このスロットマシン1における遊技状態を制御するものであり、通常遊技制御手段161、特別遊技制御手段162、及び、再遊技確率変動遊技制御手段163を有して構成される。図13に示すように、このスロットマシン1の電源が投入されて設置値が変更されたとき(「RAMクリア」とも呼ばれる)のような初期状態において、遊技状態制御手段160は、通常遊技制御手段161を実行し、このスロットマシン1は、非内部中遊技状態RT0になる。ここで、「非内部中」とは、工場集荷後に初めて電源が投入されたときやRAMクリア時のように特別役に当選していない状態のことを指す。
そして、この非内部中遊技状態RT0において、抽選役決定手段110により特別役に当選し、その遊技においてリール21a〜21cの有効ライン上に特別役に割り当てられた図柄の組み合わせ以外の図柄の組み合わせが停止したこと、すなわち、特別役の当選に対して当該遊技で特別遊技へ移行しないことが決定すると、遊技状態制御手段160は、再遊技確率変動遊技制御手段163を起動し、このスロットマシン1は、内部中遊技状態RT1に移行する。ここで、「内部中」とは、特別役に当選はしているが、有効ライン上にこの特別役に対応する図柄の組み合わせを揃えていない状態のことである。また、再遊技確率変動遊技とは、リプレイ(再遊技役)の当選確率が非内部中遊技状態RT0とは異なるように構成された遊技である。また、図8に示す内部中遊技状態RT1の当選確率のように、リプレイ(再遊技役)の当選確率が非内部中遊技状態RT0よりも高く設定されている遊技状態を「リプレイタイム(RT)」とも呼ぶ。このように、内部中遊技状態RT1に移行すると、特別役持ち越し手段112により、当選した特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うまで当選役が持ち越される(すなわち、内部中遊技状態RT1が継続される)。なお、内部中に移行するタイミングとしては、当選役決定手段110により特別役に当選したことに基づいて移行してもよい。この通常の遊技状態(非内部中遊技
状態RT0及び内部中遊技状態RT1)では、後述するAT遊技が実行されなければ、基本的にはベットする遊技メダルの枚数の方が当該遊技で獲得できる期待枚数より多くなる。
また、非内部中遊技状態RT0及び内部中遊技状態RT1において、当選した特別役に対応する図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えると、遊技状態制御手段160は特別遊技制御手段162を実行し(作動させ)、このスロットマシン1は、特別遊技状態RT2になる。特別遊技状態RT2に移行すると、所定の終了条件を満たすまで遊技者にとって有利な遊技(特別遊技)が実行される。具体的には、この特別遊技状態RT2の遊技中は、ベットする遊技メダルの枚数と払い出される遊技メダルの枚数が同じであることから、枚数を維持して遊技を進めることができる。なお、遊技メダルの枚数が、遊技を進めるにつれて増えるようにベットする枚数に対する払い出し枚数を設定してもよい。ここで、所定の終了条件とは、上述したように、例えばその特別遊技状態RT2において、遊技者に対して所定の枚数以上の遊技メダルが払い出された場合(例えば、29枚を超える枚数が払い出された場合)である。この特別遊技状態RT2において所定の終了条件が満たされると、特別遊技制御手段162の作動が終了し、通常遊技制御手段161が実行されて非内部中遊技状態RT0に移行する。
なお、いずれの遊技状態においても、小役に当選して対応する図柄の組み合わせを有効ライン上に揃える(入賞する)と払出制御手段140により所定の枚数の遊技メダルが払い出され(若しくは貯留され)、再遊技役(リプレイ)に当選して対応する図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えると再遊技が実行されるように構成されている。また、以上の遊技状態の説明は一例であり、本発明がこの遊技状態の遷移に限定されることはない。例えば、有効ライン上に当選役の図柄の組み合わせが揃うことにより遊技状態を移行させるように構成してもよいし、有効ラインに当選役とは異なる遊技状態移行図柄(遊技メダルの払い出しや再遊技の付与の対象とならない図柄の組み合わせ)を表示させて、遊技状態を移行させてもよい。
(フリーズ制御手段170)
フリーズ制御手段170は、所定の条件を満たしたときに、遊技の進行を所定の期間において不能にする(一時停止状態にする)又は抽選結果を停止表示させる制御を遅延するフリーズ演出を行う。すなわち、このフリーズ制御手段170は、フリーズ演出を実行するための抽選を行う抽選手段として機能を有している。
遊技の進行を所定期間一時停止状態にして遅延させる「フリーズ演出」としては、例えば、遊技媒体(遊技メダル)の受け付け、予めクレジットされた遊技媒体の賭け枚数を定めるためのベットボタン31の操作の受け付け、遊技を開始するためのスタートレバー32の操作の受け付け、又は、リール21a〜21cの停止操作の受け付け(ストップボタン33a〜33cの操作の受け付け)に関する機能を一時停止状態(操作受付不可状態)にすることが挙げられる。
また、フリーズ演出としては、前述した遊技の進行に関わる全ての機能に関して一時停止状態にしてもよいし、一部の機能に関してのみ一時停止状態にしてもよい。
遊技の進行を一時停止状態にする態様としては、遊技者の操作に基づく制御処理(通過センサ(第1及び第2投入センサ61,62)による遊技媒体の投入検出処理、ベットボタン31の操作に基づいた賭け枚数設定処理、スタートレバー32の操作に基づいたリール回転処理または役抽選処理、ストップボタン33a〜33cの操作に基づいたリール停止処理)を行わないことが挙げられる。
フリーズ演出によって遊技の進行を一時停止状態にしている期間中に遊技者の操作に基づいた入力信号が発せられたときは、入力信号に基づく制御処理を行わない、入力信号を受け付けない、入力信号の送信を所定期間が経過するまで遅延させるなどの処理を行うことで、フリーズ演出を行わない場合と比べ1回の遊技における終了タイミングが遅延することになる。
スタートレバー32の操作に基づいて行われるフリーズ演出に関しては、スタートレバー32が操作されたときに所定期間はリール21a〜21cの回転を行わずに所定期間の経過後にリール21a〜21cの回転を行う場合や、スタートレバー32が操作されたときに所定期間は役抽選とリール21a〜21cの回転を行わずに所定期間の経過後に役抽選とリール21a〜21cの回転を行う場合や、スタートレバー32が操作されたときに所定期間は役抽選を行うがリール21a〜21cの回転は行わずに所定期間の経過後にリール21a〜21cの回転を行う場合や、スタートレバー32が操作されて役抽選が行われた後に所定期間を設定し所定期間中はリール21a〜21cの回転や停止を行う場合が挙げられる。
ストップボタン33a〜33cの操作に基づいて行われるフリーズ演出に関しては、ストップボタン33a〜33cの操作の受け付けに基づいて行うフリーズ演出と、ストップボタン33a〜33cの操作の結果、特定の図柄がリール21a〜21c上に停止表示されたことに基づいて行うフリーズ演出と、において、フリーズ演出の制御処理が異なる。また、ストップボタン33a〜33cの押し順(操作態様)によって、フリーズ演出が発生するか否かを決定するように構成してもよい。
ストップボタン33a〜33cの操作の受け付けに基づいて行うフリーズ演出の制御処理は、回転しているリール21a〜21cの停止制御処理を行わないことが挙げられる。これにより所定期間においては、遊技者が回転しているリール21a〜21cを停止できなくなるが、所定期間が経過したことによりストップボタン33a〜33cの操作の受付処理より後の停止制御処理を行うので、停止受け付けからリール停止までのタイミングを遅延させることができる。
ストップボタン33a〜33cの操作の結果、特定の図柄がリール21a〜21c上に停止表示されたことに基づいて行うフリーズ演出の制御処理は、ストップボタン33a〜33cのうち、最後のストップボタン以外のストップボタンの操作で特定の図柄が有効ライン上に停止表示されたときは、次に停止するストップボタンの停止制御を行わず、最後のストップボタンの操作で特定の図柄がリール上に停止表示されたときは、次の遊技を開始するベットボタン31の操作に基づいた賭け枚数設定処理、通過センサによる遊技媒体の投入検出処理、または、再遊技役(リプレイ)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止したときに行う自動賭け枚数設定処理に基づく制御処理を行わないことが挙げられる。
フリーズ演出を行う所定期間は、遊技者の操作に基づく遊技進行制御を一時停止状態にさせるが、遊技の進行に関わらない遊技機動作は実行可能である。例えば、ストップボタン33a〜33cの操作に基づく停止制御処理は行わないが、リール21a〜21cの回転態様は任意に設定することができる。
所定期間におけるリール21a〜21cの回転態様として、リール21a〜21cを通常回転とは逆方向に回転すること、リール21a〜21cを所定図柄数だけ回転させて特定の図柄組合せを停止すること、複数のリール21a〜21cのうち所定のリールを停止状態にして他のリールを回転状態にすること、リール21a〜21cの回転速度を変化すること、または、遊技者の操作に起因してリール21a〜21cの動作を変化することが挙げられる。
フリーズ演出を行う所定期間は、所定の条件(遊技者の操作、抽選等)によって変化させることができる。ここで、所定の条件とは、遊技者による操作(スタートレバー32、ベットボタン31、ストップボタン33a〜33c、清算ボタン32)に基づく信号の検出や抽選による所定の結果が挙げられる。また、変化させることとは一時停止状態の期間を短くすることや長くすることが挙げられる。
一時停止状態の期間を短くする制御処理として、一時停止状態の期間を強制終了すること、または、一時停止状態の期間よりも短い期間に書き換えることが挙げられる。そして、一時停止状態の期間を長くする制御処理として、一時停止状態の期間の後に他の期間を追加すること、または、一時停止状態の期間よりも長い期間に書き換えることが挙げられる。また、フリーズ演出に基づく一時停止状態の期間は、最大時間が定められたものでなく、遊技者の操作に基づき一定の結果が得られるまで継続してもよい。
フリーズ演出を行う一時停止状態の期間は、ウエイト期間の経過後に設定してもよいし、ウエイト期間を含んで設定してもよい。ウエイト期間を含んだ場合は、ウエイト期間中にフリーズ演出が終了するか否かを判断して、終了する場合は、ウエイト期間後にフリーズ演出期間を設定する態様やフリーズ演出終了後に残りのウエイト期間を再開する態様が挙げられる。または、予めウエイト期間よりも長い期間のフリーズ演出期間を設けることで、このような判断処理を省略することも可能である。
フリーズ演出として、あたかも通常の遊技を進行しているかのような疑似遊技フリーズ演出を行うことが挙げられる(以降の説明では単に「疑似遊技」とも呼ぶ)。疑似遊技フリーズ演出は、スタートレバー32が操作されたことに基づいたスタートレバー受付処理からリール21a〜21cの回転開始処理までの間にフリーズ演出期間を定め、フリーズ演出期間中は、通常の遊技のようにスタートレバー32の操作に基づいてリール回転制御を行い、ストップボタン33a〜33cの操作に基づいてリール停止制御を行う。但し、スタートレバー32の操作に基づく役抽選処理やストップボタン33a〜33cの操作に基づく入賞判定処理または払出制御処理は行わない。
疑似遊技フリーズ演出では、ストップボタン33a〜33cが操作されたタイミング、リール21a〜21cのうち、特定のリールが回転したタイミング、又は、全てのリールが停止したタイミングで上下に揺動する動き(揺れ変動)を行ってもよい。これにより、通常の遊技(以降の説明では「本遊技」と呼ぶ)であるか疑似遊技フリーズ演出であるかを示唆することができる。
なお、フリーズ演出は、所定の期間が経過すると終了するように構成されている。但し、所定の期間が経過する前に、所定の操作(スタートレバー32やストップボタン33a〜33cの操作)を行うと、フリーズ演出をキャンセルできるように構成することも可能である。また、所定の期間が経過する前に、さらに所定の期間だけフリーズ演出を実行するか否かを抽選で決定するように構成することも可能である。なお、フリーズ演出が終了した時点のリール21a〜21cの状態によっては、この状態からリール21a〜21cを回転開始させると、リール21a〜21cを停止させるための、ストップボタン33a〜33cの操作の補助となるおそれがあるため、全てのリール21a〜21cの回転開始時間をランダムに変化させる(すなわち、フリーズ演出後に、リール21a〜21cの回転開始順序がランダムに変化する)ように構成することができる。あるいは、フリーズ演出が実行されないときのリール21a〜21cの回転開始処理と、フリーズ演出が実行された後のリール21a〜21cの回転開始処理とを異なるように構成することも可能である。また、フリーズ演出でリール21a〜21cを回転及び停止させたときは、リール21a〜21cの図柄の位置を、フリーズ演出が実行される前の状態に戻し、そこから回転
を開始するように構成することができる。
(操作順序判定手段175)
操作順序判定手段175は、押し順ベルや押し順リプレイが当選した遊技において、ストップボタン33a〜33cの操作順序を取得し、当選役に割り当てられた押し順か否かを判定する手段である。この判定結果に基づいて、リール制御手段120によるリール21a〜21cの停止図柄の決定や、フリーズ状態の移行、及び、外部信号の出力が行われる。
−押し順によるフリーズ状態の管理−
本実施形態に係るスロットマシン1における押し順リプレイによるフリーズ状態の移行は、この押し順リプレイの当選に対して2回連続してフリーズ状態の移行に割り当てられた押し順(「フリーズ状態管理用押し順」と呼ぶ)でストップボタン33a〜33cが操作されると、次遊技で疑似遊技が実行されるとともに、この疑似遊技が実行される遊技からサブボーナス遊技が実行される。具体的には、押し順リプレイの当選に対してストップボタン33a〜33cがフリーズ状態管理用押し順で操作されたか否かを判断し、操作されたときは状態移行カウンタの値に1を加算し、操作されなかったときは状態移行カウンタの値をクリアし、この状態移行カウンタの値が2になったときに、フリーズ状態を変化させる。なお、本実施形態においては、押し順リプレイの当選に対するフリーズ状態管理用押し順による1日目の操作(状態移行カウンタの値が0のときの操作)は、図9(b)に示す「C」の押し順で操作されたときに状態移行カウンタに1が加算されるように構成されている。
また、本実施形態では、サブボーナス遊技としてサブBB1及びサブBB2の状態があり、これらの状態は押し順リプレイに対する2回目の押し順(状態移行カウンタの値が1のときの操作)で決定される。具体的には、図9(b)に示す「1」の押し順で操作されたときにサブBB1状態に移行し、「2」の押し順で操作されたときにサブBB2状態に移行する。ここで、サブBB1状態では、押し順ベルに20回当選するとサブボーナス遊技が終了し、サブBB2状態では、押し順ベルに40回当選するとサブボーナス遊技が終了するように構成されている。
このように、サブボーナス遊技は主制御手段100で実行されており、その状態は、フリーズ状態番号で管理されている。具体的には図11(b)に示すように、サブボーナス遊技が実行されていないときは、フリーズ状態番号が「0」に設定されており、上述したように、押し順リプレイに当選に対し、2回続けて図9(b)に示すフリーズ状態管理用押し順でストップボタン33a〜33cが操作されたときに、フリーズ状態番号が「1」に設定され、サブボーナス遊技が実行される。上述したように、サブボーナス遊技には、押し順ベルに20回当選するまでサブボーナス遊技状態が継続するサブBB1状態と、押し順ベルに40回当選するまでサブボーナス遊技状態が継続するサブBB2状態とがあるが、これらの状態は押し順リプレイに対して2回目に操作されたフリーズ状態管理用押し順に応じて決定される。なお、押し順ベルの当選に対して3回続けて不正解押し順であったときは、サブボーナス遊技が終了するように構成されている。具体的には、後述するように、押し順ベルの当選に対して、ストップボタン33a〜33cが正解押し順で操作されたか否かを判断し、正解押し順で操作されなかったときは正解ベル非表示カウンタに1を加算し、正解押し順で操作されたときにこのカウンタの値をクリアする。そして、正解ベル非表示カウンタの値が3になったときに、サブボーナス遊技を終了させるように構成されている。以上より、本実施形態に係るスロットマシン1では、フリーズ状態の移行及びサブBB状態の選択は、押し順リプレイの当選に対して、演出制御手段301で実行される演出により、この押し順リプレイに対する押し順を報知するか否かで制御される。なお、押し順ベルの当選に対して2回続けて不正解押し順であったとき(正解ベル非表示カ
ウンタの値が2になったとき)にサブボーナス遊技を終了するように構成してもよい。また、正解ベル非表示カウンタの値を減算し、この値が0になったときにサブボーナス遊技を終了するように構成してもよい。また、押し順リプレイの当選に対して、ストップボタン33a〜33cが外部信号用の押し順(図9(b)に示す「S」の押し順)で操作がされたときの外部信号の出力については後述する。
(外部信号送信手段180)
外部信号送信手段180は、主制御手段100に接続された外部集中端子板80を介して、遊技に関する情報を出力するものである。ここで、遊技に関する情報とは、スタートレバー32が操作されたときの情報、投入された遊技メダルや払い出された遊技メダルの情報、特定の図柄の組み合わせ(例えば「赤7−赤7−赤7」)が有効ライン上に表示されたときの情報等であって、これらの情報に基づいて遊技回数やボーナスゲームの開始を外部装置で表示する(若しくは管理する)ための情報である。例えば、スタートレバー32が操作されたときの情報により遊技回数を表示することができ、投入された遊技メダルと払い出された遊技メダルの差から差枚数を表示することができる。また、特定の図柄が有効ライン上に表示されたときの情報により、ボーナスの回数を表示することができる。具体的な処理については後述する。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、外部信号1、外部信号2、外部信号3を出力するように構成されており、外部信号1はAT遊技が実行されていることを示し、外部信号2はサブボーナス遊技が実行されていることを示し、外部信号3は遊技者が有利な状態(AT遊技、サブボーナス遊技に加えて、AT遊技又はサブボーナス遊技が連続して実行される可能性のある状態)であることを示している。
(制御コマンド送信手段185)
制御コマンド送信手段185は、主制御手段100の情報を副制御手段200に伝達するための制御コマンドを送信するための手段である。副制御手段200は、後述するように、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて、演出の態様や実行タイミングを決定するように構成されている。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、副制御手段200による制御コマンドの取りこぼし等を防止するために、後述するように、同じコマンドを2回送信するように構成されている。
(副制御手段200)
このようなスロットマシン1においては、遊技の結果に外部からの影響を加えることができないように、遊技を制御する主制御手段100とその遊技に対する演出を制御する副制御手段200とは分離して構成されている。そのため、主制御手段100は、副制御手段200で実行される演出を制御するために、上述の当選結果や遊技状態等の遊技に関する情報(制御状態)を含む制御コマンドを副制御手段200に送信するように構成されており、副制御手段200を構成する副制御基板300の演出制御手段301は、この制御コマンドを受信してその演出の態様を決定し、演出手段40を構成する画像表示装置41、各種演出用ランプ42、放音部(スピーカー)43、及び、バックランプ44により映像、光及び音響効果並びにリール表示窓11に表示される図柄を用いて演出を行うように構成されている。
この副制御手段200において副制御基板300と画像制御基板400とは、図3に示すように、バス210に接続されている。副制御基板300には、サブCPU310、乱数発生器320、RAM330、ROM340、及びI/F回路350が設けられており、これらはバス210に接続されている。一方、画像制御基板400には、サブサブCPU470、画像制御IC410及び音源IC440が設けられており、上述のバス210に接続されたサブサブCPU470により制御される。さらに、画像制御IC410には、ビデオRAM420及び画像ROM430と、画像表示装置41が接続されている。ま
た、音源IC440には音源ROM450及びアンプ460が接続され、アンプ460には上部及び下部スピーカー43(43a,43b)が接続されている。また、バス210には、上述の各種演出用ランプ42(42a,42b)、及び、バックランプ44も接続されてその点灯・消灯動作が副制御基板300により制御される。さらにバス210には、サブ操作スイッチ45が接続されている。このサブ操作スイッチ45は、副制御手段200の副制御基板300で実行される演出に対して遊技者からの指示を与えるものであり、例えば、ボタン及び方向キーから構成されている。このサブ操作スイッチ45は、例えば、図1に示すように、ストップボタン33a〜33cの上方に配置されている。
サブCPU310は、ROM340に記録された演出用制御プログラムをRAM330に展開して実行し、画像制御基板400に設けられたサブサブCPU470に対してサブ制御コマンドを送信することにより、このサブサブCPU470により画像制御IC410及び音源IC440を制御して、画像表示装置41や放音部43(43a,43b)を用いて映像や音響効果による遊技の演出を行うように構成されている。なお、画像表示装置41に表示される映像は、画像制御IC410が、画像ROM430に記憶された画像情報をビデオRAM420に展開して実行することにより表示され、また、放音部43(43a,43b)から出力される音響効果(音楽、音声、効果音等)は、音源IC440が音源ROM450から取り出した音響情報に基づいて再生され、アンプ460を介して放音部43(43a,43b)から出力される。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1では、画像表示装置41に表示される映像を用いた演出における放音部43を用いた音声の出力は、副制御基板300のサブCPU310から送信されるサブ制御コマンドに基づいて、画像制御基板400のサブサブCPU470により実行される。また、画像表示装置41を用いず、放音部43からの音の出力だけの演出(及びエラーの報知)も、サブCPU310から送信されるサブ制御コマンドによりサブサブCPU470で実行される。そのため、画像制御基板400に搭載される音源IC(サウンドチップ)440として、音を出力するチャネルを複数有するものを用いることにより、複数のチャネルに対して画像表示装置41を用いた演出の音声の出力(主に、画像制御基板400の制御による音の出力)と、画像表示装置41を用いない演出の音声の出力(主に、副制御基板300の制御による音の出力)とのそれぞれで使用するチャネルを割り当てることにより、副制御基板300と画像制御基板400とで使用チャネルが重ならないようにすることができる(例えば、16チャネルある音源IC440の場合に、1〜6チャネルを演出制御基板300に割り当て、7〜16チャネルを画像音響生成基板400に割り当てる)。このように、副制御基板300は音出力指示手段としての機能を有し、画像制御基板400は音出力制御手段としての機能を有している。
なお、このサブCPU310で実行される演出は、上述したように、主制御手段100から送信される制御コマンドを、サブCPU310がI/F回路350を介して受信し、この制御コマンドに応じて決定・制御されるが、この演出の態様(パターン)の一部は、副制御基板300に設けられた乱数発生器320で発生された乱数値を用いて決定されるように構成されている。
図2に示すように、副制御基板300には、演出を実行する演出制御手段301、主制御手段100から送信された制御コマンドを受信する制御コマンド受信手段302及び画像制御基板400に対してサブ制御コマンドを送信するサブ制御コマンド送信手段303が設けられている。また、画像制御基板400には、画像及びサウンドの制御を行う画像/サウンド出力手段401、及び、副制御基板300から送信されたサブ制御コマンドを受信するサブ制御コマンド受信手段402が設けられている。なお、上述したように、主制御手段100は、同一の制御コマンドを2回送信するように構成されている。そのため、副制御基板300は、2個の同一の制御コマンドを受信したときにその制御コマンドを有効としてもよい(1個しか受信できないときは無効として破棄する)。この場合、主制
御手段100から受信した制御コマンドの信頼性が向上する。また、いずれか一個の制御コマンドを受信できたときにその制御コマンドを有効としてもよい。あるいは、2個の制御コマンドの一部が欠損してもそれらの制御コマンドから1つの制御コマンドを再生することができるとは、その制御コマンドを有効として扱ってもよい。この場合、主制御手段100から送信される制御コマンドの取りこぼしを防止することができる。
(副制御基板300による処理の制御)
このような副制御基板300における処理の制御について、図12を用いて具体的に説明する。なお、図12は、副制御基板300の処理の流れを示すフローチャートである。この副制御基板300のサブCPU310は、図示しないクロックからの信号に基づいて、所定の間隔で(クロック数毎に)、図12に示す処理を割り込み処理により繰り返し実行するように構成されている(本実施形態では1m秒毎にこの処理を繰り返すように構成されており、1回の処理を「フレーム」と呼んでいる)。
1フレームの処理が開始されると、副制御基板300のサブCPU310は、ランプ(演出用ランプ42、バックランプ44等)の点灯及び音を出力するための制御を行う(ステップS700)。また、液晶ユニット(画像表示装置41及びこれを制御するための画像制御IC410等)の監視(ステップS701)、アンプ(音源IC440やアンプ460)の状態の監視(ステップS702)、及び、バスコントローラ(バス210等)の監視(ステップS703)を行う。さらに、サブCPU310は、フレーム毎に実行すべき処理の実行を行う(ステップS704)。そして、現在実行しているフレームの残りの時間で、主制御手段100から送信された制御コマンドをコマンドバッファから取り出し、当該制御コマンドに応じた処理(ステップS705)及び乱数の更新などの残余時間処理(ステップS706)を実行し、1フレームが終了したと判断すると上述したステップS700に戻りこれらの処理を繰り返す(ステップS707)。
なお、以上の説明において、「割り込み処理」とは、副制御手段200を構成する副制御基板300のサブCPU310において、現在行われている処理を中断し、別の処理を実行することを意味しており、割り込み方式は特に限定されない(例えば、ハードウェア割り込みやソフトウェア割り込みといった方式を採用することができる)。この割り込み処理については、後述する主制御手段100における処理として説明する。
(主制御手段100での処理)
次に、図13〜図39を合わせて用いて主制御手段100で実行される処理について説明する。ここで、図13はプログラム開始処理の流れを示すフローチャートであり、図14は設定変更処理の流れを示すフローチャートであり、図15は電源復帰処理の流れを示すフローチャートであり、図16は制御コマンドセット1処理及び制御コマンドセット2処理の流れを示すフローチャートであり、図17は遊技進行メイン処理の流れを示すフローチャートであり、図18は遊技メダル管理処理の流れを示すフローチャートであり、図19は遊技メダル投入チェック処理の前段の流れを示すフローチャートであり、図20は遊技メダル投入チェック処理の後段の流れを示すフローチャートであり、図21は貯留枚数1枚加算処理及び遊技メダル1枚加算処理の流れを示すフローチャートであり、図22は乱数値の取得方法を説明するための説明図であり、図23はソフト乱数更新処理の流れを示すフローチャートであり、図24は役抽選処理の流れを示すフローチャートであり、図25は抽選判定処理の流れを示すフローチャートであり、図26はフリーズ抽選処理の前段の流れを示すフローチャートであり、図27はフリーズ抽選処理の後段の流れを示すフローチャートであり、図28は乱数値の取得方法の第1の変形例を説明するための説明図であり、図29は乱数値の取得方法の第2の変形例を説明するための説明図であり、図30は疑似遊技開始処理の流れを示すフローチャートであり、図31はリール停止管理処理の前段の流れを示すフローチャートであり、図32はリール停止管理処理の後段の流れ
を示すフローチャートであり、図33は遊技終了チェック処理の流れを示すフローチャートであり、図34は演出状態チェック処理及び演出状態移行処理の流れを示すフローチャートであり、図35は外部信号制御処理の流れを示すフローチャートであり、図36は演出用押し順チェック処理の流れを示すフローチャートであり、図37は割込処理の流れを示すフローチャートであり、図38は電源断処理の流れを示すフローチャートであり、図39は制御コマンド送信処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態に係るスロットマシン1において、主制御手段100のメインCPU101で実行される遊技用制御プログラムとして、電源投入時に実行されるプログラム開始処理S500及びこのプログラム開始処理S500に続けて実行されるプログラムであって、単位遊技毎に繰り返し実行される遊技進行メイン処理S540と、所定の割込間隔で実行される割込処理S570とで構成されている。
−プログラム開始処理S500−
本実施形態に係るスロットマシン1の電源スイッチ35が操作されて電源が投入されると、主制御手段100のメインCPU101において、図13に示すプログラム開始処理S500が実行される。このプログラム開始処理S500において、主制御手段100は、まず、メインCPU101のレジスタを初期化し(ステップS501)、今回の電源投入の前の電源断において、後述する電源断処理S5280が正常に実行されたか否かを電源断処理フラグで確認する(ステップS502)。このステップS502において、電源断処理フラグが正常値である、すなわち、電源断処理S5280が正常に実行されたと判断すると、主制御手段100は、RAM103の全範囲に対してチェックサムを算出する(ステップS503,S504)。なお、ステップS502において電源断フラグが正常値でない(例えば設定されていない)ために電源断処理S5280が正常に実行されていないと判断したときは、このチェックサムを算出する処理は実行されず、電源断処理フラグに異常値を設定する。異常値を設定することで、電源断復帰データが異常であるとみなされる。そして、チェックサムを算出した結果を電源断復帰データとしてレジスタに記憶する(ステップS505)。すなわち、RAM103のいずれかの領域で異常が検出された情報、若しくは、RAM103の全ての範囲で正常である情報が電源断復帰データとして記憶される。
次に、主制御手段100は、入力ポート1のデータを読み出してレジスタに記憶する(ステップS506)。この入力ポート1は、1バイト(8ビット)の情報であって、ドアスイッチ91、設定ドアスイッチ92、設定変更キースイッチ35及びリセット/設定スイッチ37の開閉又はオン・オフ情報が予め決められたビットに設定されるように構成されている。すなわち、この入力ポート1の1バイトの情報を読み出すことにより、ドアの開閉又は設定変更キースイッチのオン・オフを検知することができる。主制御手段100は、この入力ポート1の情報のうち、指定スイッチ(ドアスイッチ91、設定ドアスイッチ92及び設定変更キースイッチ36の全て)がオンであるか否かを判断する(ステップS507)。そして、これらの全てのスイッチがオンであると判断すると、主制御手段100は、ステップS505でレジスタに記憶した電源断復帰データが異常であるか否かを判断し(ステップS508)、異常で無いと判断すると、設定変更不可フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS509)。この設定変更不可フラグは、設定変更処理を不可とするためのフラグであって、本発明に係るスロットマシン1では、後述する役抽選処理S545から遊技終了チェックS560までの間はこの設定変更不可フラグがオンとなる。主制御手段100は、ステップS507で指定スイッチの全てがオンでないと判断したとき、及び、ステップS509で設定変更不可フラグがオンでないと判断したときは、電源断復帰データが正常か否かを判断し(ステップS510)、正常であると判断したときは電源復帰処理S531を実行し、正常でないと判断したときは、リセット/設定スイッチ37が操作されてリセットされるまで待機状態となる(ステップS511)。また
、ステップS508で電源断復帰データが異常であると判断したとき、及び、ステップS509で設定変更不可フラグがオンであると判断したときは、設定変更処理S512を実行する。
−設定変更処理S512−
主制御手段100は、設定変更処理S512に移行したときは、図14に示すように、RAM103の初期化範囲として所定範囲をレジスタに記憶する(ステップS513)。この所定範囲は、電源断処理S5280が正常に実行されたと判断した場合の範囲であって、設定値データ、RT状態番号、条件装置フラグは含まれない(これらの値は初期化されない)。また、主制御手段100は上述した電源断復帰データが正常か否かを判断し(ステップS514)、正常でないと判断したときは、RAM103の初期化範囲として特定範囲をレジスタに記憶する(ステップ515)。電源断処理S5280が正常でないと判断したときは、設定値データ、RT状態番号及び条件装置フラグの範囲も初期化の対象とする。そして、主制御手段100は、上述したステップS513又はステップS515で設定された範囲の初期化を行う(ステップS516,S517)。
次に主制御手段100は、割込の種類や、タイマ割込の周期等の割込処理の起動設定を行い(ステップS518)、「設定変更開始」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS519)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS520)。
また、主制御手段100は、RAM103に記憶された設定値が正常範囲(1〜6)であるか否かを判断し(ステップS521)、正常でないと判断したときは、設定値として「1」をRAM103に記憶する(ステップS522)。そして、主制御手段100は、設定変更処理中を示すランプを点灯させ(ステップS523)、リセット/設定スイッチ37の操作を検出したときに(ステップS524)設定値を更新する(ステップS525)という処理をスタートレバー32の操作を検知するまで繰り返す(ステップS526)。ここで、設定変更処理中のランプは、例えば7セグメントディスプレイで構成され現在の設定値が表示されるように構成することができる。主制御手段100は、スタートレバー32の操作を検出し、設定変更キースイッチ36がオフになったことを検出すると(ステップS527)、設定変更処理中のランプを消灯し(ステップS528)、「設定変更終了」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS529)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行し(ステップS530)、遊技進行メイン処理S540を実行する。
−電源復帰処理S531−
主制御手段100は、電源復帰処理S531に移行したときは、図15に示すように、RAM103に記憶された設定値が正常範囲(1〜6)であるか否かを判断し(ステップS532)、正常であると判断したときは、RAM103の未使用領域の初期化範囲をレジスタに記憶し(ステップS533)、この初期化範囲の初期化を行う(ステップS534,S535)。次に、主制御手段100は、電源断前の入力データから最新のデータに更新するために、入力ポート0〜2のデータを読込(ステップS536)、割込の種類や、タイマ割込の周期等の割込処理の起動設定を行い(ステップS537)、「電源断処理フラグ」を示すデータをRAM103からクリアし(ステップS538)、電源断がされたときに中断されたプログラムの実行位置に復帰する。なお、主制御手段100は、ステップS532で設定値が正常でないと判断したときは、リセット/設定スイッチ37が操作されてリセットされるまで待機状態となる(ステップS539)。また、入力ポート0は、1バイト(8ビット)の情報であって、各ビットに、清算ボタン34、1ベットボタン31a、MAXベットボタン31b、スタートレバー32、左ストップボタン33a、中ストップボタン33b及び右ストップボタン33cがオンになったときに1がセットさ
れるように構成されている。また、入力ポート2も1バイト(8ビット)の情報であって、各ビットに、電源断を検知したとき、第1投入センサ61及び第2投入センサ62で遊技メダルを検知したとき、払出センサ71で遊技メダルを検知したとき、並びに、ホッパー装置の満杯を検知したときに1がセットされるように構成されている。
−制御コマンドセット1処理S5000−
−制御コマンドセット2処理S5010−
制御コマンドセット1処理S5000は、制御コマンドセット2処理S5010を呼び出して、レジスタに記憶された情報を制御コマンドとして制御コマンドバッファに記憶させるための処理である。なお、この処理で設定された制御コマンドは、後述する制御コマンド送信処理S5290で副制御手段200に送信される。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1における制御コマンドは2バイトデータで構成され、上位1バイトを「第1制御コマンド」と呼び、下位1バイトを「第2制御コマンド」と呼ぶ。また、副制御手段200に送信するための制御コマンドを記憶しておく制御コマンドバッファは、RAM103に設けられ、32個の制御コマンドをバッファ可能に構成されている(データサイズは64バイト)。
主制御手段100は、制御コマンドセット1処理S5000が呼び出されると、図16に示すように、まず、割込処理の実行を禁止し(ステップS5001)、制御コマンドセット2処理S5010を実行する(ステップS5002)。
この制御コマンドセット2処理S5010が呼び出されると、主制御手段100は、書込ポインタのアドレスをレジスタにセットし(ステップS5011)、このアドレスのデータ(書込ポインタの値)をレジスタにセットする(ステップS5012)。ここで、書込ポインタは、制御コマンドバッファにおいて、次の制御コマンドを書き込める位置を保持しており、制御コマンドバッファに1つの制御コマンドが書き込まれると、書込ポインタの値に1が加算される。なお、制御コマンドバッファは循環的に使用されるため、この制御コマンドバッファの最後の領域に制御コマンドが書き込まれると、書込ポインタは、制御コマンドバッファの先頭の領域の位置を記憶するように構成されている。同様に、後述する読込ポインタは、制御コマンドバッファに記憶された制御コマンドであって、未だ送信されていない制御コマンドうち、最初に記憶された位置を保持している。そして、制御コマンドバッファの先頭アドレスをレジスタにセットし(ステップS5013)、このレジスタの先頭アドレスの値に、レジスタにセットされた書込ポインタの値を2倍したものを加算することにより、制御コマンドを書き込むアドレス(以下「指定アドレス」と呼ぶ)を決定する(ステップS5014)。
次に、主制御手段100は、レジスタに記憶されている指定アドレスの位置に記憶されているデータを読み出し、このデータが「0」でないか否かを判断する。すなわち、この指定アドレスのデータが「0」でないときは、制御コマンドバッファに32個のコマンドがバッファされていることになるため、主制御手段100は、指定アドレスのデータとして「0」が記憶されているか否かを判断することにより、制御コマンドバッファに記憶されている制御コマンド数が32よりも小さいか否かを判断する(ステップS5015)。このステップS5015で制御コマンドバッファにバッファされている制御コマンドの数が32より少ないと判断すると、主制御手段100は、制御コマンドバッファに書き込むデータが、RAM103に記憶されているデータを参照する必要があるデータか否かを判断し(ステップS5016)、RAM103に記憶されているデータを参照するときは、第2制御コマンドとして書き込むデータをRAM103から読み出してレジスタに記憶する(ステップS5017)。ここで、「データを参照する必要があるデータ」としては、規定数情報(再遊技時の自動投入枚数)、設定値情報、RT状態番号、等である。そして、制御コマンドセット1処理S5000が実行される直前の処理でレジスタに記憶された
データを第1制御コマンドを示すデータとしてRAM103の指定アドレスの位置に記憶し(ステップS5018)、レジスタに記憶されている指定アドレスに1を加算して、RAM103の第1制御コマンドを記憶した次のアドレスに、レジスタに記憶されている第2制御コマンドを示すデータを記憶し(ステップS5019)、書込ポインタに1を加算し(ステップS5020)、制御コマンドセット1処理に戻る。そして、主制御手段100は、割込を許可し(ステップS5003)、制御コマンドセット1処理S5000を終了して、この制御コマンドセット1処理S5000が呼び出された処理に戻る。
−遊技進行メイン処理S540−
本実施形態に係るスロットマシン1は、電源投入後に上述したプログラム開始処理S500、設定変更処理S512、電源復帰処理S513が実行されると、遊技の進行を制御する遊技進行メイン処理S540が実行される。ここでは、1回の遊技の進行に沿ってこの遊技進行メイン処理S540を説明する。
主制御手段100は、遊技進行メイン処理S540に移行したときは、図17に示すように、まず、遊技開始処理を実行する(ステップS541)。この遊技開始処理S541では、前回の遊技で有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせにより、今回の遊技が再遊技又は特別遊技(MB遊技)であると判断したときは、それぞれの遊技に対応する作動フラグ(再遊技作動フラグ又は特別遊技作動フラグ)をセットする。また、前回の遊技において、後述するサブボーナス遊技が終了したときは、このサブボーナス遊技の終了に関する演出を副制御手段200で実行するために、所定の時間のウエイト(待機処理)を行う。また、各種遊技情報(設定値、遊技状態、RT状態)を示す制御コマンドを制御コマンドバッファに書き込む。また、今回の遊技が再遊技であるときは、前回の遊技でベットされた遊技メダルを自動投入する処理を行う。さらに、セレクタのブロッカ60をオンにし、メダルの流路を形成する。但し、今回の遊技が再遊技であって、クレジット数が最大(50枚)であるときは、ブロッカ60をオンにしない。
次に、主制御手段100は、メダル投入口51から投入されるかベットボタン31が操作されてベットされた遊技メダルの数と規定数が一致し(遊技メダル限界フラグがオンの状態)、且つ、スタートレバー32がオンされるまで、繰り返し遊技メダル管理処理S5030を実行する(ステップS542,S543)。なお、遊技メダル限界フラグは、遊技開始処理S541でクリアされる。また、このステップS543で遊技メダル限界フラグがオンで且つスタートレバー32がオンされたと判断すると、スタートレバー受付フラグがオフにされる。また、このスタートレバー受付フラグがオンとなっているときはスタートレバー32が操作可能であることを所定のランプで報知する。そして、主制御手段100は、ステップS543でベットされた遊技メダルの枚数と規定数が一致し、且つ、スタートレバー32がオンされたと判断すると、セレクタのブロッカ60をオフし(ステップS544)、役抽選処理S5080を実行して当選役を決定し(ステップS545)、続いて当選役や遊技状態に基づいてフリーズを実行するか否かをフリーズ抽選処理S5120で決定する(ステップS546)。そして、所定の条件を満たしたときは、疑似遊技開始処理により疑似遊技を実行し(ステップS547)、続いてリール停止管理処理により本遊技を実行し(ステップS548)、全てのリール21a〜21cが停止すると、有効ライン上に停止表示されている図柄の組み合わせに基づいて何れかの役に対応する図柄の組み合わせが停止したか否かを判断し(ステップS549)、小役に当選しているときは、停止表示されている図柄の組み合わせの小役に割り当てられている枚数の遊技メダルの払出しを行い(ステップS550)、遊技終了チェック処理S5220を実行し(ステップS560)、一回の遊技を終了してステップS541に戻る。
−遊技メダル管理処理S5030−
遊技メダル管理処理S5030は、上述した遊技進行メイン処理S540において、遊
技開始時の遊技メダルのベットを管理するものである。遊技メダル管理処理S5030が実行されると主制御手段100は、図18に示すように、ブロッカ60がオンであるか否かを判断し(ステップS5031)、ブロッカ60がオンのときは、さらに、第1投入センサ61又は第2投入センサ62がオンであるか否かを判断し(ステップS5032)、いずれかの投入センサがオンのときは遊技メダル投入チェック処理S5038を実行する。なお、図18〜図20においては、第1投入センサ61を「投入センサ1」と表記し、第2投入センサ62を「投入センサ2」と表記する。また、ステップS5031でブロッカ60がオンでないと判断したとき、及び、ステップS5032で2つの投入センサ61,62のいずれもがオンでないと判断したときは、主制御手段100は、ベットボタン31及び清算ボタン34の操作が受け付け可能であるか否かを判断し(ステップS5033)、さらに、これらのボタンの操作が受け付け可能であるときは、ベットボタン31又は清算ボタン34の操作受付を検出したか否かを判断する(ステップS5034)。そして、ステップS5034で操作受付を検出したときは、その操作受付が清算ボタン34に対する操作であるときは、遊技メダル清算処理を実行し(ステップS5036)、清算ボタン34に対する操作でないときはベットボタン31に対する操作であるため、遊技メダルの貯留投入処理を実行し(ステップS5037)、遊技メダル管理処理S5030を終了して遊技進行メインS540に戻る。なお、ステップS5033でベットボタン31及び清算ボタン34の操作受付が可能でないと判断したとき、及び、ステップS5034でベットボタン31又は清算ボタン34の操作受付を検出していないと判断したときは、そのまま遊技メダル管理処理S5030を終了する。
一方、ステップS5032で、第1投入センサ61又は第2投入センサ62がオンになったことを検知すると、主制御手段100は、図19に示す遊技メダル投入チェック処理S5038を実行する。主制御手段100は、スタートレバー受付許可フラグをクリアし(ステップS5039)、第1投入センサ61がオンであるか否かを判断する(ステップS5040)。第1投入センサ61がオンでないときは、下流側の第2投入センサ62が先に遊技メダルを検出したことを意味しているため、主制御手段100は、図20に示すように、「遊技メダル不正通過エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5074)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
図19に戻り、主制御手段100は、ステップS5040で第1投入センサ61がオンであると判断すると、投入センサ1通過チェック時間をセットし(ステップS5041)、第1投入センサ61及び第2投入センサ62がオンであるか否かを判断する(ステップS5042)。そして、このステップS5042で第1及び第2投入センサ61,62がオンでないと判断すると、主制御手段100は、第1投入センサ61がオンであるか否かを判断する(ステップS5043)。このステップS5043で第1投入センサ61がオンでないときは、遊技メダルが流路を逆流していると考えられるため、図20に示すように、「遊技メダル不正通過エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5074)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。また、主制御手段100は、ステップS5043で第1投入センサ61がオンであると判断したときは、投入センサ1通過チェック時間を経過しているか否かを判断し(ステップS5044)、経過していないと判断したときはステップS5042に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、ステップS5044で投入センサ1チェック時間を経過したと判断したときは、主制御手段100は、遊技メダルが第1投入センサ61で検出されている状態で滞留している(流路内で詰まっている)と判断し、図20に示すように、「遊技メダル滞留エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5075)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
図19に戻り、ステップS5042で第1及び第2投入センサ61,62がオンであると判断すると、主制御手段100は、投入センサ2通過チェック時間をセットし(ステップS5045)、第1投入センサ61がオフで、且つ、第2投入センサ62がオンであるか否かを判断する(ステップS5046)。主制御手段100は、第1投入センサ61がオフで、且つ、第2投入センサ62がオンでないと判断すると、次に、第1及び第2投入センサ61,62がオンであるか否かを判断し(ステップS5047)、これらのセンサ61,62がオンでないと判断すると、図20に示すように、「遊技メダル不正通過エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5074)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。また、主制御手段100は、ステップS5047で、第1及び第2投入センサ61,62がオンであると判断したときは、投入センサ1通過チェック時間又は投入センサ2通過チェック時間を経過しているか否かを判断し(ステップS5048)、いずれの通過チェック時間も経過していないと判断したときはステップS5046に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、ステップS5048で投入センサ1チェック時間又は投入センサ2チェック時間を経過したと判断したときは、主制御手段100は、遊技メダルが第1及び第2投入センサ61,62で検出されている状態で滞留している(流路内で詰まっている)と判断し、図20に示すように、「遊技メダル滞留エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5075)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
ステップS5046で第1投入センサ61がオフで、第2投入センサ62がオンであると判断すると、主制御手段100は、図20に示すように、第1及び第2投入センサ61,62がオフであるか否かを判断し(ステップS5049)、第1及び第2投入センサ61,62がオフでないと判断すると、第2投入センサ62がオンであるか否かを判断し(ステップS5050)、第2投入センサ62がオンでないときは、「遊技メダル不正通過エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5074)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。一方、ステップS5050で第2投入センサ62がオンであると判断したときは、主制御手段100は、投入センサ2通過チェック時間を経過しているか否かを判断し(ステップS5051)、経過していないと判断したときはステップS5049に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、ステップS5051で投入センサ2チェック時間を経過したと判断したときは、主制御手段100は、遊技メダルが第2投入センサ62で検出されている状態で滞留している(流路内で詰まっている)と判断し、「遊技メダル滞留エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5075)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
次に、主制御手段100は、ステップS5049で第1及び第2投入センサ61,62がオフであると判断すると、現在の遊技の規定数を取得し、また、現在の遊技において再遊技作動フラグがオンになっているか(再遊技が作動しているか)を確認し(ステップS5052)、貯留されている遊技メダルの枚数(クレジット数)を読み込む(ステップS5053)。そして、現時点でベットされている遊技メダルの枚数と貯留されている遊技メダルの枚数の合計値が、規定数に最大貯留数を加えた枚数より少ないか否かにより、次の遊技メダルも投入可能であるか否かを判断し(ステップS5054)、投入可能でないときはブロッカ60をオフにする(ステップS5055)。このブロッカ60のオフにより、以降に投入された遊技メダルは返却口へ戻されることになる。
更に、主制御手段100は、「1枚投入」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5056)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンド
セット1処理S5000を実行する(ステップS5057)。そして、主制御手段100は、遊技メダル限界フラグがオンであるか否かを判断し(ステップS5058)、この遊技メダル限界フラグがオンであるときは貯留枚数1枚加算処理S5059を実行し、オフであるときは遊技メダル1枚加算処理S5063を実行する。なお、遊技メダル限界フラグは、後述する遊技メダル1枚加算処理S5063でセットされる。
貯留枚数1枚加算処理S5059は、上記の処理により投入が検出された遊技メダルを、クレジットとして遊技媒体貯留手段141に加算するための処理であり、主制御手段100は、図21に示すように、貯留されている遊技メダルの枚数をRAM103から読み込み(ステップS5060)、この貯留枚数に1を加算して更新し(ステップS5061)、更新された貯留枚数をRAM103に保存し(ステップS5062)、図20に示すように、スタートレバー受付許可フラグをオンにして(ステップS5077)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
遊技メダル1枚加算処理S5063は、上記の処理により投入が検出された遊技メダルを、ベットされる遊技メダルの枚数に加算するための処理であり、主制御手段100は、図21に示すように、ベットされている遊技メダルの枚数をRAM103から読み出し(ステップS5064),この遊技メダル枚数に1を加算して更新し(ステップS5065)、更新された遊技メダル枚数をRAM103に保存する(ステップS5066)。次に、主制御手段100は、前回遊技における入賞で獲得した遊技メダルの枚数の情報をクリアし(ステップS5067)、ベットされた遊技メダルの枚数を出力ポートに設定することによりこの投入枚数を表示するLEDを点灯させる(ステップS5068)。さらに、主制御手段100は、現在の遊技の規定数を確認し(ステップS5069)、また、現在ベットされている遊技メダルの枚数をRAM103から読み込み(ステップS5070)、ベットされている遊技メダルの枚数と規定数が一致するか否かを判断することにより、ベットできる遊技メダルの枚数が限界に達しているか否かを判断し(ステップS5071)、限界に達しているときは遊技メダル限界フラグをセットし(ステップS5072)、スタートレバー受付許可フラグをオンにし(ステップS5073)、図20に戻り遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。なお、ステップS5071で限界に達していないと判断したときはステップS5072及びステップS5073は実行されない。
−乱数の取得方法−
後述する役抽選処理S5080及びフリーズ抽選処理S5120は乱数値による抽選で当選役やフリーズを決定しており、まず、これらの処理における乱数値の取得方法について、図22を用いて説明する。上述した主制御手段(主制御基板)100に搭載された乱数発生器(第1乱数発生手段)102には、図22に示すように8個の乱数回路が搭載されている。これらの乱数回路のうち、乱数回路A、乱数回路B、乱数回路C及び乱数回路Dはそれぞれ2バイトの乱数値を発生する回路である。また、乱数回路E、乱数回路F、乱数回路G及び乱数回路Hはそれぞれ1バイトの乱数値を発生する回路である。これらの乱数回路は、外部からのクロック信号を供給することにより各々の乱数回路で乱数値を発生するように構成されている。図22では、乱数回路AにクロックAのクロック信号を供給し、乱数回路E及び乱数回路FにクロックBのクロック信号を供給して、乱数回路Aで発生する2バイトの乱数値を当選役決定手段110における役の抽選に使用し、乱数回路E及びFで発生する1バイトの乱数値をフリーズ制御手段170におけるフリーズの決定に使用する場合を示している。なお、クロックAとクロックBとは非同期である。また、2バイト乱数である乱数回路A〜Dは、一定期間乱数が更新されない場合や、クロックからの入力がない場合等の異常を検出して異常信号を出力するように構成されており、主制御手段100は、この乱数発生器102から異常信号が出力されたときは、エラーを報知したり、処理を中断したりすることができる。
また、主制御手段100は、この主制御手段100により更新する第2乱数発生手段190を有している。この第2乱数発生手段190により発生する乱数値は2バイトの乱数値であって、ソフト乱数とも呼ぶ。この第2乱数発生手段190は、後述する割込処理S570が実行されるごとにソフト乱数更新処理S5400が実行されその値が更新されるように構成されている。また、このソフト乱数更新処理S5400は、遊技を開始してからスタートレバー32が操作されるまでの間(遊技メダル管理S542のループ処理により繰り返し実行される)と、リール21a〜21cが回転を開始してから全てのリールが停止するまでの間(リール停止管理5190において、全てのリールが停止するまでのループ処理により繰り返し実行される)においても実行されるように構成されている。このように、割込処理S570だけでなく、遊技進行メイン処理S540内のループ処理内でソフト乱数を更新することにより、遊技進行メイン処理S540内の更新タイミング及び回数は、遊技者の操作の影響を受けて変化するため(1回の単位遊技でソフト乱数が更新される回数が遊技者の操作タイミング等で変化するため)、この第2乱数発生手段190で発生される乱数値(ソフト乱数)のランダム性を担保することができる。
−ソフト乱数更新処理S5400−
図23を用いてソフト乱数更新処理S5400について説明する。上述したように、割込処理S570や、遊技進行メイン処理S540等からソフト乱数更新処理S5400が呼び出されると、第2乱数発生手段190からソフト乱数の現在値を取得し(ステップS5401)、この現在値に所定の加算値を加算する(ステップS5402)。ここで、加算値は素数であって、例えば10909が利用される。このような素数を加算して更新することにより、2バイトの乱数値であれば、各更新時には異なる値となり、且つ、65536回更新すると初期値に戻る。そして、RAM103に記憶されているソフト乱数の初期値を取得し(ステップS5403)、この初期値と加算値が加算された現在値とを比較する(ステップS5404)。初期値と現在値とが一致したときは、割込処理S570が実行される毎にカウントされる割込カウンタ値を取得し(ステップS5405)、この割込カウンタ値を第2乱数発生手段190の現在値として記憶し(ステップS5406)、また、割込カウンタ値を初期値として保存する(ステップS5407)。最後に現在値(ステップS5402において更新値が加算された現在値、又は、ステップS5406で割込カウンタ値が設定された現在値)をソフト乱数値として保存することで(ステップS5408)、第2乱数発生手段190の乱数値の更新を終了する。
−役抽選処理S5080−
役抽選処理S5080は、上述した遊技進行メイン処理S540において、当選役を決定する処理である。図24に示すように、役抽選処理S5080において、主制御手段100は、第1乱数発生手段である乱数発生器102の乱数値レジスタから乱数回路Aの乱数値(2バイト乱数)を取得して第1の乱数値とし(ステップS5081)、また、第2乱数発生手段190からソフト乱数(2バイト)を読み出して第2の乱数値とする(ステップS5082)。そして、第1の乱数値と第2の乱数値から演算で(例えば、加算処理により)第3の乱数値を生成して役抽選用乱数値とし(ステップS5083)、この役抽選用乱数値をレジスタにセットする(ステップS5084)。このように、第1乱数発生手段である乱数発生器102から取得した第1の乱数値と、第2乱数発生手段190から取得したソフト乱数である第2の乱数値とから演算により第3の乱数値を生成して役抽選に用いることにより、この役抽選で用いる乱数値のランダム性を高くし、当選する役に規則性がないようにすることができる。
主制御手段100は、このようにして生成された役抽選用乱数値を用いて役の抽選を行うが、このとき、本実施形態に係るスロットマシン1では、再遊技役、小役、特別役(MB)の順で抽選を行う。但し、再遊技役の抽選は特別遊技状態RT2では実行されない。あるいは、役の抽選は実行するが、再遊技役が抽選されないように構成してもよい。また
、特別役の抽選は、内部中遊技状態RT1及び特別遊技状態RT2では実行されない。
まず、主制御手段100は、RT状態番号を取得して、非内部中であるか内部中であるかを決定し(ステップS5085)、次に、MBが作動しているか否かを判断することにより特別遊技状態RT2であるか否かを判断し(ステップS5086)、特別遊技状態RT2でないときは、RT状態番号に応じて再遊技役の条件装置内部抽選アドレステーブルをセットし(ステップS5087)、抽選判定処理S5100を実行する(ステップS5088)。ここで、条件装置内部抽選アドレステーブルとは、図8に示す当選番号を検索キーとし(以下、検索番号と呼ぶ)、この検索番号に対して当該検索番号に対応する役の確率データ(図8に示す値数)が役の種類毎(再遊技役、小役、特別役)に設定されているテーブルである。後述する抽選判定処理S5100で当選の判定を行う順に検索番号と確率データの組みが並んで記憶されている。なお、以降の説明では当選判定を行う役の全てを検索番号及び確率データの組として列挙している場合について説明するが、検索番号が連続し、同じ確率データを繰り返すときは、その繰り返すデータの検索番号、確率データ及び繰り返し数を記憶するように構成してもよい。例えば、図8に示す構成の場合、検索番号(当選番号)が7〜10の再遊技役−C1〜C4は、その値数(確率データ)が400であるため、「検索番号=7」、「確率データ=400」、「繰り返し回数=4」と表し、繰り返す毎に検索番号に1を加算するように構成することができる。このように構成すると、条件装置内部抽選アドレステーブルに使用するメモリ量を削減することができる。
図25に示すように、抽選判定処理S5100において、主制御手段100は、再遊技役又は小役の抽選判定であるか否かを判断し(ステップS5101)、再遊技役又は小役の抽選判定であるときは、その条件装置内部抽選アドレステーブルの最初の検索番号をセットする(ステップS5102)。例えば、再遊技役の抽選判定であって、再遊技役の確率データが図8に示す順序に設定されている場合、検索番号として「1」が設定される。次に設定値別の確率データがあるか否かを判断し(ステップS5103)、設定値別の確率データがないときは、現在設定されている検索番号に基づいて設定値共通の確率データを取得し(ステップS5104)、設置値別の確率データがあるときは、設定値を取得し(ステップS5105),この設定値と現在設定されている検索番号に基づいて設定値別の確率データを取得する(ステップS5106)。また、役抽選処理S5080のステップS5084でセットした役抽選用乱数値(第3の乱数値)を読み込み(ステップS5107)、この役抽選用乱数値から現在の検索番号の確率データを減算し(ステップS5108)、確率データが減算された役抽選用乱数値を保存する(ステップS5109)。そして、主制御手段100は、現在の役抽選用乱数値が0より小さいかを判断し(ステップS5110)、役抽選用乱数値が0以上のときは、検索番号に1を加算し(ステップS5111)、全ての検索番号について検索が終了したか否かを判断し(ステップS5112)、当否判定が終了していないときは、ステップS5107に戻り上記の処理を繰り返す。
以上より、ステップS5110で役抽選用乱数が0より小さくなったときに、そのときの検索番号の役に当選したと判断し、ステップS5112において、条件装置内部抽選アドレステーブルの全ての検索番号の確率データを減算しても役抽選用乱数が0以上のときは検索番号をクリアする(検索番号=0)ことにより(ステップS5113)、現在の条件装置内部抽選アドレステーブルに含まれる役には当選していないと判断することができる。図8の場合、非内部中遊技状態RT0のときに、抽選判定手段S5100が呼び出された時点の役抽選用乱数値(第3の乱数値)が8600であった場合、検索番号(当選番号)1から17の再遊技役の確率データ(値数)をこの役抽選用乱数から減算しても0より小さくならないため、再遊技役には当選していないと判断される。また、役抽選用乱数(第3の乱数値)が50であった場合、検索番号(当選番号)が「1」の再遊技役−A1
の確率データ(60)を役抽選用乱数から減算すると0より小さくなるため、この再遊技役−A1に当選したと判断することができる。
図24に戻り、ステップS5088の抽選判定処理の結果、検索番号が0でないか否かにより再遊技役に当選したか否かを判断し(ステップS5089)、当選していると判断したときは、現在の検索番号を条件装置番号バッファに保存し(ステップS5099)、この役抽選処理S5080を終了する。一方、ステップS5089で再遊技役に当選していないと判断したときは、次に、RT状態番号に応じて小役の条件装置内部抽選アドレステーブルをセットし(ステップS5090)、抽選判定処理S5100を実行する(ステップS5091)。上述の例で説明すると、ステップS5083で生成した役抽選用乱数値(第3の乱数値)が8600であった場合、再遊技役に対する抽選判定処理を実行した時点で役抽選用乱数値は89となっている(再遊技役の全ての確率データの合計値が8511であるため)。そのため、非内部中遊技状態RT0における検索番号(当選番号)18の小役1−A1の確率データが4500であるため、この小役1−A1が当選したと判断される。主制御手段110は、ステップS5091の抽選判定の結果から小役に当選しているか否かを判断し(ステップS5092)、当選していないと判断したとき(検索番号が0であるとき)は、MB条件装置が作動して内部中遊技状態RT1であるか否かを判断し(ステップS5093)、内部中遊技状態RT1でないときは、特別役(MB)の条件装置検索番号を取得し(ステップS5094)、特別役の条件装置内部抽選アドレステーブルをセットし(ステップS5095)、抽選判定処理S5100を実行する(ステップS5096)。この処理でも、特別役に当選したときはその検索番号が設定され、特別役に当選していないとき(再遊技役、小役、特別役のいずれにも当選していなく、はずれとなったとき)は、検索番号に0が設定されている。
最後に、MBが作動中であるか否か、言い換えると特別遊技状態RT2であるか否かを判断し(ステップS5097)、MBが作動中であると判断したときは、全ての小役が当選しているときの条件装置検索番号をセットする(ステップS5098)。すなわち、特別遊技状態RT2においては、役の抽選結果に拘わらず、全ての小役が当選した状態となる。具体的には、図8の場合、検索番号(当選番号)が「34」となる。そして、現在の条件装置検索番号を条件装置番号バッファに保存し(ステップS5099)、この役抽選処理S5080を終了する。
このように、本実施形態に係るスロットマシン1では、役抽選のために生成した第3の乱数値(役抽選用乱数値)から、予め決められた順序で確率データ(当選判定データ)を減算していき、0より小さくなったときの確率データに対する役に当選したと判断するように構成されている。この構成によると、当選の判定を行いたい役(判定対象)毎に確率データを対応付けて条件装置内部抽選アドレステーブル(当選判定データ群)として記憶し、第3の乱数値からこの確率データを順に減算処理するだけで判定することができるので、抽選の判定処理を簡単に実現することができる。もちろん、第3の乱数値(役抽選用乱数値)に上記確率データを順番に加算していき、最大値(2バイトデータの場合は65535)を超えたときに当選していると判定することも可能である。しかしながら、加算により判定する場合、例えば、乱数値の範囲が0〜999の抽選を行う場合、第3の乱数値に所定の値(例えば、2バイトデータなら64537)を加算した上でさらに確率データを加算しなければならず、処理が複雑になってしまう。一方、上述した減算方式であれば、乱数値がどのような範囲であっても、抽選用の乱数値から確率データを順に減算することで判定することができる。
なお、以上の説明では、役の種類毎に、条件装置内部抽選アドレステーブルを設定する場合について説明したが、例えば、抽選の順序にしたがって、再遊技役、小役、特別役の順でまとめてテーブルを定義しておき、当選判定をする際に、判定に用いる範囲を指定す
るように構成してもよい。例えば、再遊技役が5個あり、その検索番号が1〜5とし、小役が5個あり、その検索番号が6〜10とし、特別役が1個あり、その検索番号が11として、この順で並んで定義されているとする。この場合、非内部中遊技状態RT0で再遊技役、小役、特別役の順で判定するときは、「検索番号が1から11個の確率データを使って判定する」と指定することで、再遊技役、小役、特別役の当選判定を行うことができる。一方、内部中遊技状態RT1のときは、特別役の当選判定をしないので、「検索番号が1から10個の確率データを使って判定する」と指定することで、再遊技役と小役の判定を行うことができる。そのため、このようなデータ構造で条件装置内部抽選アドレステーブルを記憶すると、当選判定の処理をより簡単に実現することができる。
−フリーズ抽選処理S5120−
フリーズ抽選処理S5120は、疑似遊技以外のフリーズ演出を実行するか否かを抽選で決定するための処理である。なお、ここでは説明を簡単にするために、役抽選処理S545により小役2や小役3のように他の役に比べて当選確率が低い役(以下「レア役」と呼ぶ)に当選したときに、抽選を行ってフリーズ演出を実行するか否かを決定する場合について説明する。また、フリーズ演出は2種類(フリーズパターン1及び2)あり、どちらのフリーズパターンを実行するかは抽選で決定する。例えば、ブリーズパターン1は「スタートレバー32の操作後に10秒間一時停止状態となる」というフリーズ演出を行い、フリーズパターン2は「リール21a〜21cの少なくとも1つが2秒間逆回転する」というフリーズ演出が行われる。さらに、フリーズパターン1のときは抽選で何ゲーム後に実行するかを決定し、フリーズパターン2のときは、遊技毎に継続するか否かを抽選で決定するものとする。なお、ここでは、非内部中遊技状態RT0のときにフリーズ演出は実行しないものとする。例えば、非内部中遊技状態RT0のときは、フリーズ抽選処理S5120を実行しないようにしてもよいし、抽選した結果を受けてフリーズ演出の処理を制御しないようにすることも考えられる。
図26に示すように、主制御手段100は、フリーズ抽選処理S5120を実行すると、まず、RT状態番号を取得し(ステップS5121)、現在の遊技状態が非内部中遊技状態RT0であるか否かを判断し(ステップS5122)、非内部中遊技状態RT0であるときはこのフリーズ抽選処理S5120を終了する。また、非内部中遊技状態RT0でないと判断したときは、前回の遊技における抽選で、フリーズパターン2の継続抽選に当選し継続フラグが1になっているかを判断し(ステップS5123)、継続フラグが1でないときはさらに、条件装置番号(直前に実行された役抽選処理S545で当選した役)を取得し(ステップS5124)、現在の遊技でレア役に当選しているか否かを判断する(ステップS5125)。
ステップS512でレア役に当選していると判断したときは、主制御手段110は、フリーズ演出を実行するか否かを抽選で決定する。まず、乱数発生器102の乱数回路Eから1バイトの乱数値eを取得し(ステップS5126)、所定時間のウエイト(待機処理)を行い(ステップS5127)、この乱数値eによりフリーズ演出を実行するか否かを抽選で決定する(ステップS5128)。このフリーズ実行抽選も、上述した役抽選処理S545と同様に、乱数値eから当選を判定したいフリーズの実行の状態(本実施形態では、実施する/実施しない)の確率データを減算することで判定してもよい。具体的には、1バイトの乱数値eの取り得る範囲は0〜255であり、フリーズを実行する場合の確率データ(値数)を32、フリーズを実行しない場合の確率データを224とする。このとき、乱数値eの値が100のときは、この乱数値eからフリーズを実行する場合の32を引いても0より小さくならないので、フリーズ演出は当選していないと判断される。一方、乱数値eの値が10のときは、フリーズを実行する場合の32を引くと0より小さくなるので、フリーズ演出に当選したと判断される。そして、この判定の結果、フリーズ演出を実行すると決定されたか否かを判断し(ステップS5129)、フリーズ演出を実行
すると判断したときは、「フリーズ当選」を示すデータをレジスタにセットし(ステップS5130)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5131)。なお、このフリーズ抽選処理S5120における以降の抽選(連続して行われる抽選)も同様に、上述した減算による当否の判断を行うように構成してもよい。
さらに、主制御手段110は、乱数発生器102の乱数回路Eから1バイトの乱数値eを取得し(ステップS5132)、また、乱数回路Fから1バイトの乱数値fを取得し(ステップS5133)、所定時間のウエイト(待機処理)を行い(ステップS5134)、乱数値e及び乱数値fから、例えば、乱数値eを上位バイト、乱数値fを下位バイトとした2バイトの乱数値efを作成し(ステップS5135)、さらに、第2乱数発生手段190から2バイトのソフト乱数値を取得し(ステップS5136)、乱数値ef及びソフト乱数値から演算(例えば加算処理)により抽選用乱数1を生成し(ステップS5137)、この抽選用乱数1を用いてフリーズの種類を決定する抽選を行う(ステップS5138)。そして、主制御手段100は、このフリーズ種類抽選で当選したフリーズパターン(上述したように、ここでは、フリーズパターン1又は2が当選する)をRAM103に記憶し(ステップS5139)、さらに、「フリーズパターン」を示すデータをレジスタにセットし(ステップS5140)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5141)。
次に、主制御手段100は、ステップS5138のフリーズ種類抽選で決定したフリーズパターンに応じて、そのフリーズパターンによるフリーズ演出を実行するための情報を抽選で決定する。まず、主制御手段100は、図27に示すように、当選したフリーズパターンがフリーズパターン1であるか否かを判断し(ステップS5142)、フリーズパターン1であるときは、乱数発生器102の乱数回路Eから1バイトの乱数値eを取得し(ステップS5143)、また、乱数回路Fから1バイトの乱数値fを取得し(ステップS5144)、所定時間のウエイト(待機処理)を行い(ステップS5145)、乱数値e及び乱数値fから2バイトの乱数値efを作成し(ステップS5146)、さらに、第2乱数発生手段190から2バイトのソフト乱数値を取得し(ステップS5147)、乱数値ef及びソフト乱数値から演算(例えば加算処理)により抽選用乱数2を生成し(ステップS5148)、この抽選用乱数2を用いて前兆遊技数(現在の遊技から何ゲーム後にフリーズパターン1のフリーズ演出が実行されるかを示す値)を決定する抽選を行う(ステップS5149)。そして、この抽選により決定された前兆遊技数をRAM103に記憶し(ステップS5150)、「前兆遊技数」を示すデータをレジスタにセットし(ステップS5151)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行し(ステップS5152)、フリーズ抽選処理S5120を終了する。
一方、ステップS5142において、当選したフリーズパターンがフリーズパターン2であると判断したときは、主制御手段100は、乱数発生器102の乱数回路Eから1バイトの乱数値eを取得し(ステップS5153)、所定時間のウエイト(待機処理)を行い(ステップS5154)、この乱数値eによりフリーズパターン2のフリーズ演出を、次遊技も継続して実行するか否かを抽選で決定する(ステップS5155)。そして、この継続抽選に当選したか否かを判断し(ステップS5156)、当選したときは継続フラグを1に設定してRAM104に記憶し(ステップS5157)、はずれたときは継続フラグを0に設定してRAM104に記憶する(ステップS5158)。さらに、主制御手段110は、「継続に関する情報」を示すデータをレジスタにセットし(ステップS5159)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行し(ステップS5160)、フリーズ抽選処理S5120を終了する。
なお、ステップS5122で非内部中遊技状態RT0であると判断したとき、及び、ステップS5125でレア役に当選していないと判断したときは、そのままこのフリーズ抽選処理S5120を終了する。また、ステップS5123で継続フラグが1であると判断したときは、ステップS5153の処理から実行して、次の遊技でさらにフリーズパターン2のフリーズを継続して実行するか否かを抽選で決定する。
このように、このフリーズ抽選処理S5120では、第1乱数発生手段である乱数発生器102の1バイトの乱数を発生する乱数回路E及び乱数回路Fから、繰り返し乱数値を取得して複数回の抽選を実行している。そのため、乱数回路E又は乱数回路Fから乱数値を取得したときは、必ず所定の時間のウエイト(待機処理)を行うことにより、各々の乱数回路の更新時間を確保することで、発生する乱数値の分布が均一になることを保証している。例えば、乱数回路E及び乱数回路Fには、クロックBからクロック信号が供給されており、1クロック毎に、乱数値が変化するように構成されているが、1バイトの乱数値の取り得る範囲は0〜255であるため、256クロックで更新が行われる。例えば、ある時点で乱数回路Eから乱数値を取得し、その時点から100クロック後に乱数値を取得すると、最初の乱数値は0〜255の範囲(256個の乱数値のいずれか1つ)となるが、2回目の乱数値は1回目の乱数値を除く範囲(255個の乱数値のいずれか1つ)となってしまう。そのため、乱数回路E又は乱数回路Fから乱数値を取得したときは、これらの乱数回路の更新時間より長い時間のウエイト(待機処理)を行うことで、取得する乱数値の分布を同一にすることができる。このウエイトの時間は、例えば、乱数回路E及び乱数回路Fが、主制御手段100で1回の割込処理が実行される時間より短いときは、この1回の割込処理の時間に設定すればよい。
以上の説明では、乱数回路E及び乱数回路Fから取得した乱数値e,fから2バイトの乱数値efを作成し、さらにソフト乱数値と演算して抽選用乱数値を生成していたが、ソフト乱数値との演算は行わなくてもよい。ここで、ソフト乱数値を取得する第2乱数発生手段190は、上述したソフト乱数更新処理S5400により更新されるが、この更新処理は、乱数発生器102の乱数回路E,Fから乱数値を取り出した後に実行されるウエイト(第1乱数発生手段である乱数発生器102が更新される所定の時間間隔以上の期間)で実行される。すなわち、この期間内で実行される割込処理S570で更新されるため、前回の抽選(例えば、図26のステップS5138)でこの第2乱数発生手段190から取得した第2の乱数値と次の抽選(例えば、図27のステップS5149)でこの第2乱数発生手段から取得した第2の乱数値とは、更新処理が行われて異なる値となっている。そのため、例えば、第1乱数発生手段(乱数発生器102)から取得した乱数値(第1の乱数値であって乱数値e,f)が何らかの理由で同じ値であったとしても、第2乱数発生手段190から取得した第2の乱数値と演算されて生成される抽選用の乱数値(第3の乱数値)を異ならせることができるので、この抽選用の乱数値を用いた抽選の結果をばらつかせることができる。役抽選処理S5080においても同様である。また、乱数発生器102の乱数回路から乱数値を取得した後にウエイトする期間の間で、上述した第2乱数発生手段190の更新が行われるように構成されている。また、1バイトの乱数値による抽選を行うときは、上述したように乱数回路E及び乱数回路Fから取得した乱数値e,fから2バイト乱数値efを作成した後、その上位バイトを0にしたものを用いてもよいし、この乱数値efの下位バイトを抽選に用いてもよい。
以上のように、フリーズ抽選処理S5120では、役抽選の結果、主制御手段100におけるフリーズ状態、特別遊技作動中か否か、内部中か否か、RT状態、先に行われた演出抽選(フリーズ抽選)の結果のうち、1又は複数の要素に基づき、演出(フリーズ)を選択することができる。
−乱数の取得方法の第1の変形例−
以上の説明では、乱数発生手段102の乱数回路AにクロックAの信号を供給し、この乱数回路Aから取得される乱数値(2バイト)を用いて役抽選を行い、乱数回路E及び乱数回路FにクロックBの信号を供給し、これらの乱数回路E,Fから取得される乱数値(各々1バイト)を用いてフリーズ抽選を行う場合について説明したが、本発明がこの方法に限定されることはない。例えば、図28に示すように、乱数回路E及び乱数回路Fに加えて、2バイトの乱数値を発生する乱数回路C及び乱数回路DにもクロックBの信号を供給し、1バイトの乱数値e,f及び、乱数回路Cから取得できる2バイトの乱数値c及び乱数回路Dから取得できる2バイトの乱数値dを用いてフリーズ抽選を行うように構成してもよい。この第1の変形例においては、フリーズ抽選処理S5120で上述したような複数回の抽選を行うときは、乱数値を取得する乱数回路の順序を決めておき、その順序に従って乱数値を取得する。また、全ての乱数回路から乱数値を取得したときは、所定の時間のウエイト(待機処理)を実行し、再度決められた順序に従って乱数値を取得することを繰り返す。例えば、第1の抽選は乱数回路Cから取得した乱数値cを用いて抽選を行い、第2の抽選は乱数回路Dから取得した乱数値dを用いて抽選を行い、第3の抽選は乱数回路E及びFから乱数値e,fを取得し、所定の時間のウエイトを実行した後、乱数値efを生成して抽選を行う。移行の抽選は、再度乱数回路Cから乱数値cを取得して抽選を行う処理を繰り返す。なお、ウエイトは乱数発生手段102の乱数回路から乱数値を取得する前に行ってもよい。また、複数の乱数回路から乱数値を取得する場合には、連続する抽選を開始する前にウエイトを行ってもよいし、特定の乱数回路(例えば、乱数更新周期が長い乱数回路)から乱数値を取得するタイミングで必要なウエイトを行ってもよい。
なお、この第1の変形例の場合、乱数回路C,Dは2バイトの乱数値を生成するため、1バイトの乱数値を生成する乱数回路E,Fよりも更新時間は長い。したがって、これらの乱数回路から乱数値を取り出した後のウエイト時間は、乱数回路C,Dの更新時間より長くする必要がある。例えば、乱数回路C,Dの更新時間が、主制御手段100における2回の割込時間より長く、3回の割込時間より短いときは、3回の割込時間だけウエイトすれば、乱数回路C,Dで発生する乱数値の分布を均一にすることができる。また、2バイトの乱数値を使って抽選を行うときは乱数値c,dを使い、1バイトの乱数値を使って抽選を行うときは乱数値e,fを使って抽選を行ってもよいし、上述したように、1バイトの乱数値e,fから2バイトの乱数値を生成して2バイトの抽選を行ってもよい。また、乱数回路E,Fと乱数回路G,Hを使用して、乱数値ef及び乱数値ghを交互に取得するように構成してもよい。
−乱数の取得方法の第2の変形例−
また、図29に示すように、乱数回路EにだけクロックBの信号を供給し、主制御手段100にこの乱数回路Eから予め乱数値eを取り出して、RAM103の所定の領域に記憶する乱数記憶手段195を設けるように構成してもよい。ここで、乱数記憶手段195は、乱数回路Eから乱数値を取り出すと、次の乱数値を取り出すまでに、少なくとも上述した所定の時間だけウエイト(待機処理)を行うように構成されている。また、この乱数記憶手段195は、所定の間隔で実行されるように構成され、RAM103の記憶領域を循環して利用する。すなわち、乱数回路Eから乱数値を取り出すと、RAM103の記憶領域の最初の領域に保存し、次の乱数値は次の領域に記憶し、この記憶領域の最後の領域に保存したときは、次の保存は最初の領域に上書きするように構成する。このように構成することにより、フリーズ抽選処理S5120でもこの記憶領域の先頭から順番に乱数値を取得すれば、このフリーズ抽選処理S5120において、乱数値を取得してから次の乱数値を取得するまでの間のウエイトは不要となり、処理を高速化することができる。なお、乱数記憶手段195が乱数回路Eから乱数値を取得してRAM103の記憶領域に保存する処理は、少なくともフリーズ抽選処理S5120が実行されていない期間に(特定のタイミングで)実行されるが、フリーズ抽選処理S5120が実行されている間も、常に
乱数値の取得及び保存を実行してもよい。常に乱数値の取得及び保存を実行する場合は、乱数記憶手段195は、RAM103の記憶領域が、新しく取得した乱数値で循環的に書き換えられる。また、乱数回路E,F,G,Hを順に乱数値を取得してもよい。また、乱数記憶手段195は、乱数値を特定のタイミングで取得する場合には、フリーズ抽選処理S5120で抽選に使用した分だけ新たに取得して保存してもよいし、記憶できる全ての数の乱数値を取得して保存してもよい。また、抽選するときに記憶されている乱数値を順に取り出す際に1バイトの乱数値を使った抽選を行うときは1つの記憶領域に記憶された乱数値を取得し、2バイトの乱数値を使った抽選を行うときは2つの記憶領域に記憶された乱数値を取得し、2バイトの乱数値として取り扱い抽選を行ってもよい。また、フリーズ抽選において、乱数発生手段102から取得した乱数値にソフト乱数値を加算してもよいし、加算しなくてもよい。加算する場合には1バイト抽選でも2バイトの乱数値を取得し、ソフト乱数値を加算して2バイトの乱数値を一度作成し、その後、必要な下位1バイト分の値を使って抽選をしてもよい。
−疑似遊技開始処理S5170−
本実施形態に係るスロットマシン1では、所定の条件を満たすと、スタートレバー32が操作されたタイミングで、本遊技を開始する前に疑似遊技が実行される。上述したように疑似遊技とは、フリーズ演出の一種であって、リール21a〜21cを用いて、あたかも通常の遊技を進行しているかのような演出を行うものである。具体的には、スタートレバー32が操作されると、リール21a〜21cが回転を開始し、遊技者がストップボタン33a〜33cを操作すると、一旦リール21a〜21cが停止する。このとき、疑似遊技であることを示すために、停止している各々のリール21a〜21cは、上下に振動している(これを「揺れ変動」と呼ぶ)。そして、遊技者が再度スタートレバー32を操作すると、フリーズが解除され、リール21a〜21cの回転が開始され、通常の遊技(これを本遊技と呼ぶ)が実行される。なお、本実施形態のスロットマシン1では、サブボーナス遊技が開始される最初の遊技で疑似遊技が実行される。この疑似遊技において、サブBB1状態のときは「緑7」の図柄が有効ライン上に揃って停止し、サブBB2状態のときは「赤7」の図柄が有効ライン上に揃って停止する。
疑似遊技開始処理S5170が実行されると、主制御手段100は、図30に示すように、疑似遊技番号が0であるか否かが判断される(ステップS5171)。本実施形態では、所定の条件を満たしたときにこの疑似遊技番号に1が設定され、この疑似遊技番号に基づいて次の遊技で疑似遊技が実行される。なお、本実施形態における所定の条件は、後述する遊技終了チェック処理S5220内で実行される演出押し順チェック処理S5241において、状態移行カウンタが2回更新されたと判断されフリーズ状態番号が1に設定された次の遊技(サブボーナス遊技の最初の遊技)である。ステップS5171で疑似遊技番号が0でないと判断すると、主制御手段100は、リール停止管理S5190を実行してリール21a〜21cの回転及び停止を行う(ステップS5172)。そして、主制御手段100は、「疑似遊技終了」を示すデータをレジスタにセットし(ステップS5173)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5174)。
また、上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1では、疑似遊技がサブボーナス遊技の最初の遊技で実行されることから、遊技者に有利な遊技が開始されたこと示す情報を、外部集中端子板80を介して外部に出力する。そのため、外部信号2データをオンにするための情報をRAM103に記憶し、サブボーナス遊技が実行されていることを出力する(ステップS5175)。また、外部信号3データをオンにするための情報をRAM103に記憶し、遊技者に有利な状態の遊技が実行されていることを出力する(ステップS5176)。
また、疑似遊技においてリール21a〜21cが揺れ変動して停止している状態で、所定の時間(例えば、20秒であって、「入力検知時間」と呼ぶ)経過すると、スタートレバー32が操作されていなくても、リール21a〜21cが回転を開始して本遊技が実行されるように構成されている。そのため、主制御手段100は、入力検知時間をRAM103に記憶し(ステップS5177)、疑似遊技番号に0を設定し(ステップS5178)、入力検知時間を経過するか(ステップS5179)、スタートレバー32の操作を検知すると(ステップS5180)、この疑似遊技開始処理S5170を終了する。
−リール停止管理処理S5190−
疑似遊技開始処理S5170が終了すると、本遊技におけるリール21a〜21cの回転開始及び停止の制御のためにリール停止管理処理S5190が実行される。なお、このリール停止管理処理S5190は、上述した疑似遊技開始処理S5170の中でも呼び出されて実行されている。
主制御手段100は、リール停止管理処理S5190が実行されると、図31に示すように、入力検知時間(例えば20秒)をRAM103に記憶する(ステップS5191)。この入力検知時間は本遊技では使用せずに疑似遊技の実行中に使用されるものであり、本実施形態に係るスロットマシン1では、スタートレバー32が操作されてリール21a〜21cが回転を開始してから、この入力検知時間が経過しても遊技者によりストップボタン33a〜33cが操作されないときは、全てのリール21a〜21cを揺れ変動している状態で停止させるように構成されている。第1停止から第2停止の間、また、第2停止から第3停止の間も入力検知時間を経過すると残りのリールの全てが停止するように構成されている。
次に、主制御手段100は、揺れ変動フラグがオンであるか否かを判断することにより、現在の遊技が疑似遊技を実行した後の遊技(すなわち、本遊技)であるか否かを判断する(ステップS5192)。揺れ変動フラグは、疑似遊技においてリール21a〜21cを停止させるときにオンになるように構成されており、この揺れ変動フラグにより、現在の遊技が疑似遊技の後の遊技であるか否を判断することができる。そして、疑似遊技を実行した後の遊技でない場合は、リール21a〜21cの各々のリールのリール回転開始待機カウンタの値として、所定の値(例えば「1」)をRAM103に記憶し、疑似遊技を実行した後の遊技である場合は、リール毎に設けられてリール回転開始待機カウンタの値として異なる値(例えば、第1乱数発生手段である乱数発生器102から取得した乱数値、または第2乱数発生手段190から取得したソフト乱数値)をRAM103に記憶する。ここで、リール回転開始待機カウンタは、リール21a〜21cの回転を開始させるまでの間のウエイト時間であり、リール回転開始待機カウンタの値が「0」となるとリール21a〜21cの回転を開始させる。疑似遊技では、「赤7−赤7−赤7」のような図柄の組み合わせが有効ライン上に停止するが、このとき、3つのリール21a〜21cの回転開始を同時に行うと、本遊技においてリール21a〜21cを停止させるための、ストップボタン33a〜33cの操作の補助となるおそれがあるため、各々のリールのリール回転開始待機カウンタに異なる値を与えることにより、それぞれのリールがランダムに回転を開始することになる。リール回転開始待機カウンタに異なる値を与える方法としては、3つの乱数値を用いてもよいし、1つの乱数値を用いてもよい。また、各々のリールのリール回転開始待機カウンタに値をセットするときに、特定の順序(例えば、左中右)で回転するような値をセットしてもよい。
また、主制御手段100は、「疑似遊技番号」を示すデータをレジスタにセットし(ステップS5195)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5196)。上述したように、疑似遊技が実行されているときは疑似遊技番号に「1」がセットされ、本遊技が実行されて
いるときは疑似遊技番号に「0」がセットされるため、副制御手段200は、この疑似遊技番号により、主制御手段100で実行されている遊技が、疑似遊技か本遊技かを判別することができる。また、主制御手段100は、役抽選処理S545で決定された当選役を副制御手段200に送信するために、「当選番号」を示すデータをレジスタにセットし(ステップS5197)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5198)。
上述した処理から明らかなように、遊技が開始してリール21a〜21cが回転を開始するまでの間に多数の制御コマンドが主制御手段100から副制御手段200に送信される。副制御手段200は、この制御コマンドに基づいて演出の実行を制御している。また、主制御手段100から副制御手段200に対する制御コマンドの送信は、後述する割込処理S570で実行されるが、1回の割込で1個の制御コマンドを送信し、また、副制御手段200での制御コマンドの取りこぼしを防止するために、同じコマンドを2回送信している。すなわち、1個の制御コマンドを送信するためには2回の割込処理が必要となる。さらに、副制御手段200に送信される制御コマンドの数は、例えば、フリーズ抽選処理S546の抽選結果等により変化する。そのため、例えば、リール21a〜21cの回転開始に合わせて実行される演出がある場合に、全ての制御コマンドが副制御手段200に送信されないと、リール21a〜21cの回転が開始しているにも拘わらず、対応する演出が遅れて実行されるという状態が発生する可能性がある。そのため、主制御手段100は、主制御手段100において送信待ち状態の制御コマンドが全て送信されるまでウエイトを行う(ステップS5199)。後述するように、送信待ちの制御コマンドはRAM103の制御コマンドバッファに記憶され、制御コマンド送信処理S5290により記憶された順番で取り出され副制御手段200に送信される。そのため、制御コマンド送信処理S5290による送信待ちの全ての制御コマンドが送信される(実際には、送信用のバッファ(キュー)に制御コマンドが書き込まれる)までウエイトすることで、リール21a〜21cの回転開始と副制御手段200により演出の実行タイミングを合わせることができる。
なお、ステップS5199で、全ての制御コマンドが送信されたことを確認する代わりに、予め決められた時間だけウエイトを行うように構成してもよい。また、送信待ちの制御コマンドの数に応じて、ウエイトする時間を決定するように構成してもよい。
また、主制御手段100は、前の遊技の開始(リール21a〜21cの回転開始)から最小遊技時間が経過しているかを監視し(ステップS5200)、最小遊技時間を経過しているときは、リールが回転開始待機状態であるという状態を副制御手段200に渡すために、「リール回転開始待機」を示すデータをレジスタにセットし(ステップS5201)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行し(ステップS5202)、リール21a〜21cを定速回転(80rpm/分)にするための情報をRAM103に記憶する(ステップS5203)。なお、リール21a〜21cの回転及び停止の制御(リール駆動制御)は、後述する割込処理S570で実行される。
また、主制御手段100は、リールが定速で回転中か否かを判断し(ステップS5204)、定速中のときは不良検出カウンタ値が異常値であるか否かを判断し(ステップS5205)、異常値であるときは、例えばリール21a〜21cを回転させるステッピングモータが脱調等している可能性があるため、リール21a〜21cを定速回転にするための情報をRAM103に再度記憶する(ステップS5206)。さらに、主制御手段100は、図32に示すように、リール21a〜21cの全てのリールに対して、リールが定速で回転中かの確認が終了したか否かを判断し、確認が終了するまでステップS5204に戻って上記の処理を繰り返す(ステップS5207)。
以上の処理により、リール21a〜21cが定速で回転している状態であるため、主制御手段100は、次に、リール制御手段140で説明した停止位置データ(停止可能位置)を作成済みか否かを判断し(ステップS5208)、作成されていない場合は、停止位置データ(停止可能位置)を作成する(ステップS5209)。また、主制御手段100は、上述した疑似遊技番号により疑似遊技中か否かを判断し(ステップS5210)、疑似遊技中であるときは揺れ変動フラグオンをRAM103に記憶し(ステップS5211)、疑似遊技中でないときは揺れ変動フラグオフをRAM103に記憶する(ステップS5212)。さらに、主制御手段100は、本遊技中はストップボタン33a〜33cの操作を受け付けたか否かを、また、疑似遊技中はストップボタン33a〜33cの操作を受け付けたか否か、又は、入力検知時間を経過したか否かを判断し(ステップS5213)、停止ボタンの受付又は疑似遊技中の入力検知時間の経過を検知すると、上述した停止位置データに基づいて停止位置を決定し(ステップS5214)、「停止するリール及び滑りコマ数」を示すデータをレジスタにセットし(ステップS5215)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5216)。そして、主制御手段100は、全てのリール21a〜21cが停止したか否かを判断し(ステップS5217)、停止していない場合はステップS5204に戻って上記の処理を繰り返し、停止しているときはこのリール停止管理処理S5190を終了する。
−遊技終了チェック処理S5220−
遊技終了チェック処理S5220は、一回の遊技の最後に主制御手段100で実行される遊技の状態や演出(サブボーナス遊技や疑似遊技)の状態を管理する処理である。この遊技終了チェック処理S5220が実行されると、主制御手段100は、図33に示すように、まず、フラグ情報記憶手段111における非持ち越し役(上述した特別役MB以外の役)に対応する条件装置アドレスをセットし(ステップS5221)、これらのアドレスに記憶されている全ての非持ち越し役に対応する条件装置フラグをオフにする(ステップS5222,S5223)。また、入賞判定処理S549で、有効ライン上にMB作動図柄(特別役に割り当てられた図柄の組み合わせ)が停止しているか否かを判断し(ステップS5224),停止しているときはMBの条件装置フラグをクリアする(ステップS5225)。また、主制御手段100は、特別遊技作動中を示す特別役作動フラグ及び再遊技作動中を示す再遊技作動フラグをチェックし(ステップS5226)、特別遊技(MB)が作動中か否かを判断し(ステップS5227)、MBが作動中であるときは、この特別遊技(MB)が開始してから払い出された遊技メダルの枚数が特別遊技の終了条件を満たしているか否かを判断する(ステップS5228)。そして、条件装置フラグを取得し(ステップS5229)、この条件装置フラグから現在の遊技状態を示すRT番号(非内部中遊技状態RT0又は内部中遊技状態RT1)を生成してRAM103に保存し(ステップS5230)、演出状態チェック処理S5231を実行する。
−演出状態チェック処理S5231−
遊技終了チェック処理S5220が終了すると、続いて演出状態チェック処理S5231が実行される。この演出状態チェック処理S5231は、フリーズ状態(通常の遊技状態か、サブボーナス遊技が実行されている状態)を切り替え、また、このフリーズ状態に応じて外部信号の出力を制御するための処理である。
この演出状態チェック処理S5220において、主制御手段100は、図34に示すように、外部信号制御処理S5270を実行する(ステップS5232)。この外部信号制御処理S5270において、主制御手段100は、図35に示すように、現在のフリーズ状態番号が0か否かを判断し(ステップS5271)、フリーズ状態番号が0でないとき(すなわち、サブボーナス遊技が実行されているとき)は、この外部信号制御処理S52
70を終了する。また、ステップS5271において現在のフリーズ状態番号が0であるときは、主制御手段100は、条件装置番号バッファに記憶されている条件装置番号(現在の遊技において当選している役)に基づいて、押し順ベル(小役1)に当選しているか否かを判断し(ステップS5272)、押し順ベルに当選しているときは、正解ベル表示(小役−01の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されている状態)であるか否かを判断し(ステップS5273)、正解表示でないときはさらにベルこぼし目が表示されているか否かを判断し(ステップS5274)、ベルこぼし目が表示されていないときは、外部信号1データオフ及び外部信号3データオフをRAM103に記憶するともに、外部信号出力カウンタをクリアして(ステップS5275)、外部信号制御処理S5270を終了する。本実施形態に係るスロットマシン1では、AT遊技やサブボーナス遊技が実行されているときは、後述する副制御手段200(演出制御手段301)による演出で押し順ベルに対する正解押し順が報知されているので、正解ベルが表示される。そのため、このような状態は、正解押し順が報知されない状態(後述する通常演出状態)であると判断し、AT遊技に関する外部信号1及び遊技者に有利な状態に関する外部信号3をオフにするように構成されている。また、外部信号出力カウンタは、再遊技役−B1〜B4が当選したときの押し順のうち、この外部信号出力カウンタに対応した押し順で操作された回数(連続して操作された回数)を計測するものである(図9(b)の「S」の押し順(外部信号管理用押し順))。また、後述する状態移行カウンタは、押し順リプレイの当選に対して連続してフリーズ状態管理用押し順(図9(b)に示す「C」、「1」又は「2」の押し順)でストップボタン33a〜33cが操作された回数を計測するものである。
一方、ステップS5272で押し順ベルに当選していないと判断したとき、ステップS5273で正解ベルが表示されたと判断したとき、及び、ステップS5274でベルこぼし目が表示されたと判断したときは、主制御手段100は、外部信号出力カウンタの値が2であるか否かを判断し(ステップS5276)、この外部信号出力カウンタの値が2であるときは、外部信号1データオンをRAM103に記憶し(ステップS5277)、外部信号出力カウンタをクリアして(ステップS5278)、この外部信号制御処理S5270を終了する。言い換えると、後述する演出制御手段301は、AT遊技を実行するときは、再遊技役−B1〜B4の当選に対して外部信号出力カウンタに加算される押し順を2回続けて報知して遊技者にその押し順でストップボタン33a〜33cを操作させることで、演出制御手段301でAT遊技が実行されていることを外部信号1及び外部信号3として出力させることができる。なお、ステップS5276で外部信号出力カウンタの値が2でないと判断したときは、そのまま外部信号制御処理S5270を終了する。
図34に戻り、主制御手段100は、押し順リプレイ(再遊技役−B1〜B4)に当選しているか否かを判断し(ステップS5233)、当選しているときは演出用押し順チェック処理S5241を実行する。図36に示すように、演出用押し順チェック処理S5241において、主制御手段100は、ブリーズ状態番号が1であるか否か(すなわち、サブボーナス遊技が実行されているか否か)を判断する(ステップS5242)。このステップS5242で、フリーズ状態番号が1でないと判断すると、主制御手段100は、押し順リプレイに対するストップボタン33a〜33cの押し順がブリーズ状態管理用押し順であるか否かを判断し(ステップS5243)、フリーズ状態管理用押し順でないときは状態移行カウンタをクリアし(ステップS5244)、外部信号管理用押し順であるか否かを判断する(ステップS5245)。そして、外部信号管理用押し順であると判断したときは、主制御手段100は、外部信号出力カウンタに1を加算し(ステップS5246)、外部信号出力カウンタの値が2になったか否かを判断し(ステップS5247)、この外部信号出力カウンタの値が2になったときは、外部信号1出力データオフ及び外部信号3出力データオンをRAM103に設定し(ステップS5248)、演出用押し順チェック処理S5241を終了する。一旦外部信号1をオフし、AT遊技の情報を再度出力可能に制御するためである。これにより、AT遊技の回数(セット数)を外部に出力可能
となる。ステップS5242でフリーズ状態番号が1であると判断したとき、及び、ステップS5247で外部信号出力カウンタの値が2でないと判断したときは、そのまま演出用押し順チェック処理S5241を終了する。
一方、ステップS5243でフリーズ状態管理用押し順であると判断したとき、及び、ステップS5245で外部信号管理用押し順でないと判断したときは、主制御手段100は、外部信号出力カウンタをクリアし(ステップS5249)、再度フリーズ状態管理用押し順であるか否かを判断する(ステップS5250)。また、フリーズ状態管理用押し順であると判断したときは、主制御手段100は、状態移行カウンタの値を更新すると共に保存する(ステップS5251)。具体的には、上述したように、フリーズ状態管理用押し順で操作されたと判断したときは、現在の状態移行カウンタの値が0で、且つ、フリーズ状態管理用押し順が図9(b)に示す「C」の押し順で操作されたときに状態移行カウンタに1を加算し、フリーズ状態管理用押し順で操作されなかったとき、及び、図9(b)に示す「C」以外の押し順で操作されたときは、状態移行カウンタに0を設定する。一方、現在の状態移行カウンタの値が1であるときは、フリーズ状態管理用押し順のうち、図9(b)に示す「1」及び「2」の押し順で操作されたときは、状態移行カウンタに1を加算し、それ以外の押し順のときは状態移行カウンタに0を設定する。そして、状態移行カウンタが2回更新されたか否か(状態移行カウンタの値が2であるか否か)を判断し(ステップS5252)、2回更新されたと判断したときは、2回目のフリーズ状態管理用押し順により、サブボーナス遊技の状態を決定し(「1」の押し順のときはサブBB1、「2」の押し順のときはサブBB2)、このサブBB1又はサブBB2に対応する遊技数をサブBBカウンタにセットして保存し(ステップS5253)、フリーズ状態番号を1に設定して保存し(ステップS5254)、この演出用押し順チェック処理S5241を終了する。なお、サブBB1状態のときはサブBBカウンタに20をセットし、サブBB2状態のときはサブBBカウンタに40をセットする。また、ステップS5250でフリーズ状態管理用押し順でないと判断したとき、及び、ステップS5252で状態移行カウンタが2回更新されていないと判断したときは、そのまま演出用押し順チェック処理S5241を終了する。
図34に戻り、ステップS5233で押し順リプレイに当選していないと判断したときは、主制御手段100は、押し順ベルに当選したか否かを判断し(ステップS5234)、押し順ベルに当選したと判断すると、フリーズ状態番号が1であるか否かを判断する(ステップS5235)。ここで、ステップS5234で押し順ベルに当選していないと判断したとき、及び、ステップS5235でフリーズ状態番号が1でないと判断したときは、この演出状態チェック処理S5231を終了する。一方、ステップS5235でフリーズ状態番号が1である、すなわち、サブボーナス遊技が実行されていると判断すると、主制御手段100は、サブBBカウンタから1を減算し(ステップS5236)、サブBBカウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS5237)。さらに主制御手段100は、サブBBカウンタの値が0でない(サブボーナス遊技が終了しない)と判断したときは、正解ベルの図柄が有効ライン上に表示されているか否かを判断し(ステップS5238)、正解ベルが表示されていないときは、正解ベル非表示カウンタの値が3であるか否かを判断する。そして、ステップS5238で正解ベルが表示されたと判断したときは、正解ベル非表示カウンタをクリアして保存し、ステップS5239で正解ベル非表示カウンタの値が「3」でないと判断したときは正解ベル非表示カウンタに1を加算して保存し(ステップS5240)、演出状態チェック処理S5231を終了する。また、ステップS5237でサブBBカウンタが0であると判断したとき、及び、ステップS5239で正解ベル非表示カウンタの値が3であると判断したときは演出状態移行処理S5255を実行する。小役1について説明したように、押し順ベルに当選して3回連続して正解押し順でストップボタン33a〜33cが操作されないと、サブボーナス遊技が終了したと判断される。
演出状態移行処理S5255は、サブボーナス遊技を終了するときの処理である。この演出状態移行処理S5255において、主制御手段100は、図38に示すように、外部信号2データオフをRAM103に記憶し(ステップS5256)、外部信号1データがオンであるか否かを判断する(ステップS5257)。本実施形態に係るスロットマシン1では、後述するように、AT遊技が実行されているときにサブボーナス遊技に当選すると、AT遊技が中断されてサブボーナス遊技が実行され、このサブボーナス遊技が終了したとき、AT遊技が再開されるように構成されている。そのため、外部信号1がオンのときは、AT遊技が再開されるため、遊技者に有利な状態が継続するが、外部信号1がオフのときは、サブボーナス遊技が終了すると通常演出状態に戻るため外部信号3をオフする必要がある。そのため、ステップS5258で外部信号1データオンでないと判断したときは、主制御手段100は、外部信号3データオフをRAM103に記憶する(ステップS5258)。そして、主制御手段は、フリーズ状態番号に0をセットして保存し(ステップS5259)、遊技進行メインS540の遊技開始処理S541で、サブボーナス遊技の終了時の演出の時間を確保するための待機の時間として、遊技状態移行時待機時間を示すデータをRAM103に記憶し(ステップS5260)、この演出状態移行処理S5255を終了する。
−割込処理S570−
主制御手段100のメインCPU101は、上述した遊技進行メイン処理S540を実行しているが、所定の割込間隔で、割込処理S570を実行するように構成されている。この割込処理S570は、制御用カウンタの更新、ソフト乱数の更新、入力ポートからのデータによる操作手段30等の操作の検出、リール21a〜21cの駆動制御、制御コマンドの送信等を行う処理である。
図37に示すように、この割込処理S570が実行されると、主制御手段100は、まず初期処理としてレジスタ値の退避及び重複割込の禁止を行う(ステップS571)。次に、主制御手段100は、電源断検出回路により電源電圧が所定値以下になったことに基づいて出力される信号が入力ポートに入力されるため、この入力ポートの状態により電源断を検知したか否かを判断し(ステップS572)、電源断を検出したときは後述する電源断処理S5280を実行する。一方、電源断を検知しないときは、制御用カウンタ値の更新を行う(ステップS573)。この制御用カウンタとは、上述した揺れ変動カウンタや割込カウンタ等である。また、主制御手段100は、タイマ計測を行う(ステップS574)。具体的には、最小遊技時間を計測カウンタやメダル滞留時間を計測するカウンタの減算処理を行う。また、主制御手段100は、7セグメントディスプレイの表示制御処理を実行する(ステップS575)。本実施形態では詳細に説明していないが、スロットマシン1には、このスロットマシン1の状態に応じて、設定値、獲得枚数値、貯留枚数値を表示するための7セグメントディスプレイが設けられており、これらの発光パターンが制御される。また、主制御手段100は、入力ポート0〜2の情報を読み出す処理を行う(ステップS576)。この処理により、ベットボタン31、スタートレバー32、ストップボタン33a〜33c等の操作系、並びに、セレクタやホッパー装置のセンサ系の状態を、入力ポートから読み出したデータにより生成し、RAM103に記憶する。さらに、主制御手段100は、リール21a〜21cの各々に対して回転や停止等の作動の制御を行い(ステップS577,S578)、また、ポート出力処理を行う(ステップS579)。具体的には、リール21a〜21cを回転させるステッピングモータ(リール駆動手段22a〜22c)やホッパーモータ70、ブロッカ60を作動させるための励磁出力値を出力ポートに設定する。また、主制御手段100は、後述する制御コマンド送信処理S5290を実行して遊技進行メイン処理S540等でRAM103の制御コマンドバッファに記憶された制御コマンドを副制御手段200に送信する(ステップS580)。
さらに、主制御手段100は、RAM103に記憶されている外部信号1データ、外部信号2データ及び外部信号3データをレジスタにセットし(ステップS581)、これらの外部信号1〜3データに基づいて外部信号出力する(ステップS582)。また、主制御手段100は、上述した第2乱数発生手段190のソフト乱数値を更新し、また、リール回転開始待機カウンタ値に乱数値の更新処理(減算)を行う(ステップS583)。最後に、ステップS571で退避させたレジスタ値を復帰させ、次回の割込許可をして(ステップS584)、一回の割込処理S570を終了する。
−電源断処理S5280−
電源断処理S5280が実行されると、主制御手段100は、図38に示すように、全出力ポートの出力をオフし(ステップS5281)、電源断処理が実行されたことを示すデータである電源断処理フラグをRAM103に記憶する(ステップS5282)。なお、電源断処理フラグには、この電源断処理S5280が実行されたときは、例えば「1」が設定される。そして、制御コマンドの読込ポインタ(詳細は後述する)の値を偶数に設定する(ステップS5283)。本実施形態に係るスロットマシン1では、制御コマンドを副制御手段200に送信するときに、同じコマンドを2回送信している。そのため、制御コマンドの1回目の送信をしたときに電源断が発生すると、電源断復帰後の制御コマンドの処理(設定処理及び送信処理)が複雑になるため、電源断発生時に再度1回目の送信から再開できるように、読込ポインタの値を偶数にしている(具体的には書込ポインタの値の最後のビットを0にする)。このように、本実施形態においては、最後のビットの値で1回目の送信であるか2回目の送信であるかを判断しているが、1回目の送信及び2回目の送信をフラグにより管理してもよい。例えば、1回目の送信が行われると送信済みフラグを設定し、2回目の送信が行われたときにこの送信済みフラグをクリアするようにしてもよい。また、電源断発生時には再度1回目の送信から再開できるように送信済みフラグをクリアする。
次に、主制御手段100は、RAM103の全範囲に対してチェックサムデータを算出し(ステップS5284,S5285)、このチェックサムデータをRAM103に記憶し(ステップS5286)、上述したRAMクリアがされるまで待機する(ステップS5287)。電源電圧が低下してこの電源断処理S5280が実行された後に、電源電圧が復帰すると、主制御手段100に設けられた電源電圧監視装置からリセット信号が出力され、このスロットマシン1は再起動することになる。
−制御コマンド送信処理S5290−
制御コマンド送信処理S5290は、割込処理S570で実行され、制御コマンドを副制御手段200に送信する処理を行う。図39に示すように、まず、主制御手段100は、制御コマンドバッファ(制御コマンドセット2処理S5010で制御コマンドが書き込まれる領域)の先頭アドレスをレジスタにセットし(ステップS5291)、さらに、読込ポインタのアドレスをレジスタにセットし(ステップS5291)、先頭アドレスがセットされているレジスタの値に、読込ポインタの値(読込ポインタのアドレスに格納されている値)を加算することにより、送信制御対象の制御コマンドが格納されている制御コマンドバッファのアドレスを決定する(ステップS5293)。なお、このステップS5293において、最下位ビットの値を0にする(2進数で、11111110と論理積を行う)。これにより、読込ポインタが偶数のときも、この偶数のときから1進めた奇数のときも、偶数のときと同じアドレスになる。すなわち、読込ポインタが偶数のときは制御コマンド送信の1回目の送信が行われ、奇数のときは同じデータに対して2回目の送信を行うことができる。なお、制御コマンドバッファの先頭アドレスも偶数であるものとする。そして、このアドレスに格納されている値が0であるか否かを判断することにより制御コマンドが格納されているか否かを判断し(ステップS5294)、制御コマンドが格納されていないときはこの制御コマンド送信処理S5290を終了する。
一方、ステップS5294で制御コマンドが格納されていると判断したときは、副制御手段200に制御コマンドを送信するためのレジスタ(送信用レジスタ)のアドレスをレジスタにセットし(ステップS5295)、現在の制御コマンドバッファのアドレス(レジスタに設定されている値)にあるデータ(制御コマンドの上位1バイト)を読み出して、このデータを送信用レジスタのアドレス(レジスタに設定されている)に書き込み、また、制御コマンドバッファのアドレス(レジスタに設定されている値)に1を加算する(ステップS5296)。さらに、現在の制御コマンドバッファのアドレスにあるデータ(ステップS5296でアドレスが1進められているため、制御コマンドの下位1バイト)を読み出して、送信用レジスタのアドレスにこのデータを送信用レジスタのアドレスに書き込む(ステップS5297)。なお、送信用レジスタにデータが書き込まれると、そのデータが副制御手段200に送信される。
さらに、主制御手段100は、読込ポインタの値が奇数であるか否かを判断することにより、制御コマンドの2回目の送信が行われた否かを判断し(ステップS5298)、2回目の送信が行われたときは当該制御コマンドが格納されている送信対象制御コマンドバッファの値を0に設定してクリアする(ステップS5299)。最後に(1回目の送信時も2回目の送信時も)、読込ポインタの値に1を加算して(ステップS5300)、制御コマンド送信処理S5290を終了する。
(副制御基板300による演出)
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1では、主制御手段(主制御基板)100で制御される遊技の進行に応じて、単位遊技ごとに、副制御手段200の副制御基板300で実行される演出制御手段(例えば、副制御基板300のサブCPU310で実行されるプログラム)301により演出パターンが選択され、画像表示装置41、演出用ランプ42、放音部43、バックランプ44等からなる演出手段40を用いた演出が実行される。まず、図40を用いてこの副制御基板300で実行される演出の流れについて説明する。ここで、図40は副制御基板300で実行される演出状態の流れを示す説明図である。
本実施形態に係るスロットマシン1において、非内部中遊技状態RT0の遊技で用いられる役抽選テーブルによる役の抽選では、図8に示すように、約1/5の確率で特別役に当選する。そのため、非内部中遊技状態RT0にあるときは、すぐに、遊技状態が内部中遊技状態RT1に移行する。そのため、このスロットマシン1においては、ほとんどの遊技が内部中遊技状態RT1で実行されることになるので、以下の説明では、特に断らない限り、内部中遊技状態RT1で遊技が行われているものとして説明する。なお、内部中遊技状態RT1にあるときに、特別役(MB)の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させる方法としては、置数が1(図8において、当選確率の分子の値が1)のはずれを設け、図8の当選役のいずれにも当選しない遊技において(すなわち、役抽選にはずれたときに)、特別役(MB)の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させることができるタイミングでストップボタン33a〜33cが操作されたときにこのMBの図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させるように構成してもよいし、特定役の当選時に、特定の押し順でストップボタン33a〜33cが操作されたときに、特別役(MB)の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させることを可能にしてもよい。
(演出状態の遷移)
図40に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1において、工場出荷時のように主制御手段100の遊技状態が非内部中遊技状態RT0にあるときは、演出制御手段301は通常演出状態D1の演出を実行する。また、当選役決定手段110により特別役(MB)に当選し、この非内部中遊技状態RT0から内部中遊技状態RT1に移った遊技で
も、基本的には通常演出状態D1の演出が実行される。また、この通常演出状態D1の遊技において、所定の条件を満たしたときに(例えば、レア役が当選したときに)抽選が行われ、この抽選でAT遊技に当選したときは、演出制御手段301は、演出状態をAT準備中演出状態D2に移行させ、このAT準備中演出状態D2の演出を実行する。また、AT準備中演出状態D2においては、押し順リプレイの当選に対する外部信号管理用押し順を報知することにより、外部集中端子板から外部信号(外部信号1及び外部信号3)を出力させることによりAT遊技の開始を外部に出力するとともに、演出状態をAT演出状態D3に移行させる。また、AT演出状態D3では、所定の終了条件を満たすまで、押し順ベルの当選に対してその正解押し順を報知して、遊技者にとって有利な遊技を提供する演出が実行される。ここで、所定の終了条件は、例えば、遊技数である。
一方、通常演出状態D1の遊技において、上記抽選でボーナス遊技に当選したときは、演出制御手段301は、演出状態をボーナス準備中演出状態D4に移行させる。このボーナス準備中演出状態D4においては、押し順リプレイの当選に対して、フリーズ状態管理用押し順を報知することにより、主制御手段100でサブボーナス遊技を実行させる演出を行う。そして、主制御手段100で実行されるサブボーナス遊技に対応して、演出制御手段301は、演出状態をボーナス演出状態D5に移行させ、サブボーナス遊技に対応した演出が実行される。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、AT演出状態D3の遊技が実行されているときにもサブボーナス遊技の抽選が行われ、この抽選に当選したときは、一旦AT遊技を中断してサブボーナス遊技を実行される。主制御手段100でサブボーナス遊技が終了すると、通常演出状態D1からボーナス準備中演出状態D4を経てボーナス演出状態D5に移行したときは、演出状態を通常演出状態D1に移行し、AT演出状態D3を中断して、ボーナス準備中演出状態D4を経てボーナス演出状態D5に移行したときは、AT演出状態D3に移行して、AT遊技を中断したところから再開するように構成されている。
(各演出状態における演出制御手段の処理)
それでは、図40に示す上述の各演出状態における演出制御手段の処理について図41〜図45を用いて説明する。ここで、図41は通常演出処理を示すフローチャートであり、図42はAT準備中演出処理を示すフローチャートであり、図43はAT演出処理を示すフローチャートであり、図44はボーナス準備中演出処理を示すフローチャートであり、図45はボーナス演出処理を示すフローチャートである。
なお、演出制御手段の基本的な処理は、遊技者によりスタートレバー32が操作されると、現在の演出状態に応じて、抽選により演出パターンを決定し、遊技の進行(ストップボタン33a〜33cの操作や、遊技メダルの払い出し等)に応じて、演出パターンにより決定される演出を画像表示装置41、演出用ランプ42、放音部43、及び、バックランプ44等を用いて実行する。ここで、演出パターンには、スタートレバー32が操作されてから第3停止のストップボタン33(33a〜33cのいずれか)が操作されて全てのリール21a〜21cが停止するまでの間に行う演出パターン(この演出パターンによる演出を「演出1」と呼ぶ)、全てのリール21a〜21cが停止したときに実行される演出パターン(「演出2」)、及び、次の遊技のベットボタン31の操作時に行う演出パターン(「演出3」)が含まれる。また、演出制御手段は、通常演出状態D1のときは、通常演出処理S600を実行し、AT準備中演出状態D2のときは、AT準備中演出処理S620を実行し、AT演出状態D3のときはAT演出処理S640を実行し、ボーナス準備中演出状態D4のときは、ボーナス準備中演出処理S660を実行し、ボーナス演出状態D5のときは、ボーナス演出処理S680を実行するが、これらは、RAM330等に記憶されて管理される演出状態によって切り換えられるように構成されている。この演出状態は、例えば工場出荷時のような初期状態においては、通常演出状態D1に設定されているものとする。
[通常演出状態D1]
まず、図41を用いて、通常演出状態D1における演出制御手段の処理(通常演出処理S600)について説明する。演出制御手段301は、主制御手段100から送信されるスタートレバーが受け付けられたことを示す制御コマンドを受信してスタートレバー32が操作されたと判断すると(ステップS601)、遊技状態等が含まれる制御コマンドを受信して、遊技状態、フリーズ制御の状態又は、フリーズ制御の有無、種類、並びに、条件装置状態番号(当選役決定手段110による役の抽選結果)等の遊技情報を取得し、これらの情報をRAM330に記憶する(ステップS602)。そして、演出制御手段301は、通常演出状態D1に対応した演出パターンを抽選で決定する(ステップS603)。
また、演出制御手段301は、条件装置状態番号からレア役に当選しているか否かを判断し(ステップS604)、レア役に当選しているときは、AT遊技及びサブボーナス遊技を実行するか否かを抽選で決定する(ステップS605)。そして、演出制御手段301は、まず、サブボーナス遊技の実行に当選しているか否かを判断し(ステップS606)、当選しているときは次の遊技からの演出状態を「ボーナス準備中」とする(ステップS607)。また、サブボーナス遊技に当選していないと判断すると、演出制御手段301は、AT遊技に当選しているか否かを判断し(ステップS608)、当選しているときは次の遊技からの演出状態を「AT準備中」とする(ステップS609)。なお、ステップS604でレア役に当選していないと判断したとき、及び、ステップS608でAT遊技に当選していない(すなわち、現在の遊技の抽選では、サブボーナス遊技にもAT遊技にも当選しなかったことを意味する)と判断したときは、ステップS610に移行する。
次に、演出制御手段は、ステップS603で決定された演出パターンに基づいて、通常演出状態D1における通常の演出1を実行する(ステップS610)。ここで、通常の演出1には、上述したように、演出パターンにより決定される演出を画像表示装置41、演出用ランプ42及び放音部43を用いて音声(音楽を含む)及び映像により行う演出に加えてバックランプ44を用いて行う演出が含まれる。なお、この通常演出状態D1では、押し順ベル及び押し順リプレイが当選しても、その押し順等の報知は行われない。
さらに、演出制御手段は、例えば、主制御手段100から送信される制御コマンドのうち、ストップボタン33a〜33cに対する第3停止の受け付けを示すコマンド等により全てのリール21a〜21cが停止したと判断すると(ステップS611)、有効ライン上に停止した図柄(停止図柄)を判定する(ステップS612)。また、演出制御手段301は、ストップボタン33a〜33cに対して変則押しがされたか否かを判断し、変則押しがされたときは、罰則処理により遊技者にペナルティを与える(遊技者に不利益を与える)罰則処理を行う(ステップS613)。ここで、ペナルティとは、所定の遊技数の遊技の間、遊技者にとって有利な処理の少なくとも1つを実行しない等を行うことである。例えば、ペナルティが発生したときは、演出制御手段301は、AT準備中演出状態D2やボーナス準備中演出状態D4へ移行する条件を満たしていても、当該ペナルティが発生した遊技から所定の遊技数の遊技が経過するまでの間はこれらの演出状態に移行しないように構成される。また、5ゲームの間、AT・ボーナス抽選を行わないように構成することや、AT遊技に移行したときに、5ゲーム又は5回の報知を行わないように構成することもできる。なお、ストップボタン33a〜33cに対して変則押しがされたときは、警告音を出力するように構成してもよい。この警告音は、罰則処理の対象となるときだけ出力するように構成してもよいし、罰則処理と関わりなく変則押しがされたときに出力するように構成してもよい。
そして、演出制御手段301は、上述の演出パターンに基づいて通常演出状態D1にお
ける演出2を実行する(ステップS614)。この演出2としては、例えば、何らかの役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止したときに、当該図柄の後方にあるバックランプ44を点灯又は点滅させたり、画像表示装置41にその役に応じた画像を表示する等が行われる。例えば、小役1−01の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止すると、上述したように右上がりのライン上に「ベル」の図柄が揃うため、これらの図柄のバックラップ44を点灯することにより、小役1(ベル)に入賞したことを強調することができる。以降の演出状態でも同様である。
最後に、演出制御手段301は、次の遊技のベット操作が行われ、主制御手段100から送信された制御コマンドによりベット操作がされたと判断すると(ステップS615)、上述の演出パターンに基づいて演出3を実行し(ステップS616)、一回の単位遊技に対する演出を終了する。
[AT準備中演出状態D2]
AT準備中演出状態D2において、演出制御手段301は、AT遊技を実行する前に、主制御手段100から外部に対してAT遊技実行されていることを示す信号(外部信号1及び外部信号3)を出力させるための演出を実行する。このとき実行されるAT準備中演出処理S620について、図42を用いて説明する。演出制御手段301は、スタートレバー32が操作されたと判断すると(ステップS621)、遊技情報を取得してRAM330に記憶し(ステップS622)、さらに、AT準備中演出状態D2に対応した演出パターンを抽選で選択する(ステップS623)。
また、演出制御手段301は、条件装置状態番号より押し順リプレイ(再遊技役−B1〜B4)に当選しているか否かを判断し(ステップS624)、押し順リプレイに当選しているときは、演出1として、ストップボタン33a〜33cが受付可能となるまでに、外部情報管理用押し順を画像表示装置41等を用いて報知する(ステップS625)。一方、押し順リプレイに当選していないときは、通常のAT準備中演出状態D2における演出1を実行する(ステップS626)。そして、演出制御手段301は、全てのリール21a〜21cが停止したと判断すると(ステップS627)、停止図柄を判定し(ステップS628)、ストップボタン33a〜33cが報知された押し順以外で操作されたときは罰則処理を実行する(ステップS629)。
次に、演出制御手段301は、AT演出状態D3への移行条件が成立しているか否かを判断する(ステップS630)。具体的には、今回の押し順リプレイの当選と、その前に押し順リプレイに当選したときに、遊技者が報知した外部情報管理用押し順でストップボタン33a〜33cを操作したときに、AT演出状態D3への移行条件が成立したと判断する。演出制御手段301は、ステップS630で、移行条件を満たしていないと判断したときは、AT準備中演出状態D2における通常の演出2を実行し(ステップS631)、移行条件を満たしていると判断したときは、次の遊技からの演出状態を「AT」とし(ステップS632)、演出2としてAT遊技が実行されることを報知する(ステップS633)。
最後に、演出制御手段301は、次の遊技のベット操作が行われ、主制御手段100から送信された制御コマンドによりベット操作がされたと判断すると(ステップS634)、上述の演出パターンに基づいて演出3を実行し(ステップS635)、一回の単位遊技に対する演出を終了する。
[AT演出状態D3]
AT準備中演出状態D2の遊技において、AT演出状態D3に移行することが決定すると、次の遊技から、AT演出状態D3の演出の処理(AT演出処理S640)が演出制御
手段301により実行される。このAT演出処理S640について、図43を用いて説明する。演出制御手段301は、スタートレバー32が操作されたと判断すると(ステップS641)、遊技情報を取得してRAM330に記憶し(ステップS642)、さらに、AT演出状態D3に対応した演出パターンを抽選で選択する(ステップS643)。
また、演出制御手段301は、条件装置状態番号からレア役に当選しているか否かを判断し(ステップS644)、レア役に当選しているときは、サブボーナス遊技を実行するか否かを抽選で決定する(ステップS645)。そして、演出制御手段301は、サブボーナス遊技の実行に当選しているか否かを判断し(ステップS646)、当選しているときは次の遊技からの演出状態を「ボーナス準備中」とする(ステップS647)。なお、AT演出状態D3からボーナス準備中演出状態D4に移行したときは、現在の演出に関する情報を記憶しておき、ボーナス演出状態D5が終了した後に、中断した状態から再度AT演出状態D3の演出が実行される。
また、演出制御手段301は、条件装置状態番号より押し順ベル(小役1)に当選しているか否かを判断し(ステップS648)、押し順ベルに当選しているときは、演出1として、ストップボタン33a〜33cが受付可能となるまでに、正解押し順を画像表示装置41等を用いて報知する(ステップS649)。一方、押し順ベルに当選していないときは、通常のAT演出状態D3における演出1を実行する(ステップS650)。
そして、演出制御手段301は、全てのリール21a〜21cが停止したと判断すると(ステップS651)、停止図柄を判定する(ステップS652)。また、演出制御手段301は、AT演出状態D3の終了条件を満足しているか否かを判断する(ステップS653)。ここで、AT演出状態D3の終了条件とは、このAT演出状態D3での総遊技数が所定の値になった場合でもよいし、小役1に当選してストップボタン33a〜33cの操作態様(正解押し順)が報知された回数が所定の値になった場合でもよいし、AT演出状態D3の遊技において払い出された遊技メダルの枚数(または、その間に獲得した遊技メダルの枚数からベットした枚数の差である差枚数)が所定の値を超えた場合でもよい。そして、演出制御手段301は、このステップS653において、終了条件を満足していないと判断すると、AT演出状態D3における通常の演出2を実行する(ステップS654)。一方、演出制御手段301は、ステップS653でAT演出状態D3の終了条件を満たしていると判断したときは、次の遊技からの演出状態を通常演出状態D1に設定し(ステップS655)、演出2としてAT遊技の終了を報知する(ステップS656)。なお、通常演出状態D1に移行すると、演出制御手段301は、押し順リプレイ及び押し順ベルに対する押し順の報知を行わないため、外部信号1及び外部信号3はオフとなる。
最後に、演出制御手段は、次の遊技のベット操作がされたと判断すると(ステップS657)、演出3を実行して(ステップS658)、一回の単位遊技に対する演出を終了する。
[ボーナス準備中演出状態D4]
ボーナス準備中演出状態D4において、演出制御手段301は、主制御手段100によりサブボーナス遊技を開始させるための演出を実行する。このとき実行されるボーナス準備中演出処理S660について、図44を用いて説明する。演出制御手段301は、スタートレバー32が操作されたと判断すると(ステップS661)、遊技情報を取得してRAM330に記憶し(ステップS662)、さらに、ボーナス準備中演出状態D4に対応した演出パターンを抽選で選択する(ステップS663)。
また、演出制御手段301は、条件装置状態番号より押し順リプレイ(再遊技役−B1〜B4)に当選しているか否かを判断し(ステップS664)、押し順リプレイに当選し
ているときは、演出1として、ストップボタン33a〜33cが受付可能となるまでに、フリーズ状態管理用押し順を画像表示装置41等を用いて報知する(ステップS665)。なお、上述したボーナスの抽選において、サブボーナス遊技のうち、サブBB1状態及びサブBB2状態の何れを選択するかも抽選で決定されており、演出制御手段301は、決定されているサブボーナス遊技に応じて、報知するフリーズ状態管理用押し順を選択する。一方、押し順リプレイに当選していないときは、通常のボーナス準備中演出状態D4における演出1を実行する(ステップS666)。そして、演出制御手段301は、全てのリール21a〜21cが停止したと判断すると(ステップS667)、停止図柄を判定し(ステップS668)、ストップボタン33a〜33cが報知した押し順以外で操作されたときは罰則処理を実行する(ステップS669)。
次に、演出制御手段301は、ボーナス演出状態D5への移行条件が成立しているか否かを判断する(ステップS670)。具体的には、今回の押し順リプレイの当選と、その前に押し順リプレイに当選したときに、遊技者が報知したフリーズ状態管理用押し順でストップボタン33a〜33cを操作したときに、ボーナス演出状態D5への移行条件が成立したと判断する。演出制御手段301は、ステップS670で、移行条件を満たしていないと判断したときは、ボーナス準備中演出状態D4における通常の演出2を実行し(ステップS671)、移行条件を満たしていると判断したときは、次の遊技からの演出状態を「ボーナス」とし(ステップS672)、演出2としてサブボーナス遊技が実行されることを報知する(ステップS673)。
最後に、演出制御手段301は、次の遊技のベット操作が行われ、主制御手段100から送信された制御コマンドによりベット操作がされたと判断すると(ステップS674)、上述の演出パターンに基づいて演出3を実行し(ステップS675)、一回の単位遊技に対する演出を終了する。
[ボーナス演出状態D5]
ボーナス準備中演出状態D4の遊技において、ボーナス演出状態D5に移行することが決定すると、次の遊技から、ボーナス演出状態D5の演出の処理(ボーナス演出処理S680)が演出制御手段301により実行される。このボーナス演出処理S680について、図45を用いて説明する。演出制御手段301は、スタートレバー32が操作されたと判断すると(ステップS681)、遊技情報を取得してRAM330に記憶し(ステップS682)、さらに、ボーナス演出状態D5に対応した演出パターンを抽選で選択する(ステップS683)。
また、演出制御手段301は、条件装置状態番号より押し順ベル(小役1)に当選しているか否かを判断し(ステップS684)、押し順ベルに当選しているときは、演出1として、ストップボタン33a〜33cが受付可能となるまでに、正解押し順を画像表示装置41等を用いて報知する(ステップS685)。一方、押し順ベルに当選していないときは、通常のボーナス演出状態D5における演出1を実行する(ステップS686)。なお、主制御手段100において、サブボーナス遊技に移行する最初の遊技において、上述したように疑似遊技が実行されるため、演出制御手段301は、演出1において、この疑似遊技に対応した演出を実行する。
そして、演出制御手段301は、全てのリール21a〜21cが停止したと判断すると(ステップS687)、停止図柄を判定する(ステップS686)。
次に、演出制御手段301は、ボーナス演出状態D5の終了条件を満足しているか否かを判断する(ステップS689)。具体的には、サブボーナス遊技の状態(サブBB1状態もしくはサブBB2状態)に応じて、押し順ベルに当選した回数を演出制御手段301
でカウントしてサブボーナス遊技の終了を判定してもよいし、主制御手段100から送信される制御コマンドを用いてサブボーナス遊技の終了を判定してもよい。演出制御手段301は、このステップS689において、終了条件を満足していないと判断すると、ボーナス演出状態D5における通常の演出2を実行する(ステップS690)。一方、演出制御手段301は、ステップS689でボーナス演出状態D5の終了条件を満たしていると判断したときは、次の遊技からの演出状態を通常演出状態D1またはAT演出状態D3に設定し(ステップS691)、演出2としてサブボーナス遊技の終了を報知する(ステップS692)。なお、通常演出状態D1に移行すると、演出制御手段301は、押し順リプレイ及び押し順ベルに対する押し順の報知を行わないため、外部信号1〜3はオフとなる。一方、AT演出状態D3の遊技を中断してこのボーナス演出状態D5に移行したときは、AT演出状態D3に戻るため、演出制御手段301が押し順ベルに対する正解押し順の報知を行うので、外部信号1及び3はオンの状態が継続する。
最後に、演出制御手段は、次の遊技のベット操作がされたと判断すると(ステップS693)、演出3を実行して(ステップS694)、一回の単位遊技に対する演出を終了する。
(効果)
本発明の主な効果をまとめると以下のようになる。
第1に、乱数発生手段(例えば、第1乱数発生手段である乱数発生器102の乱数回路A〜Hの少なくとも一つ)から乱数値を取得したときは、必ず所定の時間間隔のウエイト(待機処理)が行われるため、一の乱数値を取得してから次の乱数値を取得するまでに、乱数発生手段で発生する乱数値の分布の均一化(ランダム性)を保証することができ、偏りのない抽選を行うことができる。
また、複数の乱数発生手段を有するときに、これらの乱数発生手段から予め決められた取得順序で乱数値が取得するように構成することにより、それぞれの乱数発生手段で発生する乱数値の分布の均一化を保証することができ、偏りのない抽選を行うことができる。このとき、取得順序の最後の乱数発生手段から乱数値を取得してから、次の取得手段の最初の乱数発生手段から乱数値を取得する際に、必ず所定の時間間隔のウエイト(待機処理)を行うことにより、乱数発生手段で発生する乱数値の分布の均一化を保証することができ、偏りのない抽選を行うことができる。
また、乱数発生手段から乱数値を取得して記憶する乱数記憶手段を設けることにより、抽選手段(例えば、フリーズ制御手段170)による抽選処理とは別に、乱数発生手段から乱数値を取得することができるので、抽選手段の抽選処理を単純化することができ、また、連続する抽選処理に係る時間を短くすることができる。このときも、乱数記憶手段において、乱数発生手段から乱数値を取得したときは、必ず所定の時間間隔のウエイト(待機処理)を行うことにより、一の乱数値を取得してから次の乱数値を取得するまでに、乱数発生手段で発生する乱数値の分布の均一化を保証することができ、偏りのない抽選を行うことができる。
さらに、抽選手段が、上述した乱数発生手段(第1乱数発生手段である乱数発生器102)とは異なる更新方法を有する第2乱数発生手段から乱数値(ソフト乱数である第2の乱数値)を取得して、第1乱数発生手段から取得した第1の乱数値と演算することにより第3の乱数値を生成して、この第3の乱数値を用いて抽選を行うことにより、更に偏りのない抽選を行うことができる。このときも、第1乱数発生手段から乱数値を取得したときは、必ず所定の時間間隔のウエイト(待機処理)を行うことにより、一の乱数値を取得してから次の乱数値を取得するまでに、第1乱数発生手段で発生する乱数値の分布の均一化
を保証することができる。また、第2乱数発生手段は、抽選手段の所定の時間間隔の期間内で更新されるため、前回の抽選でこの第2乱数発生手段から取得した第2の乱数値と次の抽選でこの第2乱数発生手段から取得した第2の乱数値とは、異なる値となっているため、例えば第1の乱数値が同じ値であったとしても演算されて生成される第3の乱数値を異ならせることができるので、この第3の乱数値を用いた抽選の結果をばらつかせることができる。
なお、抽選手段であるフリーズ制御手段170は、当選役決定手段110による役の決定結果に応じて実行すべき抽選を決定する。そのため、当選役によっては、抽選手段で実行される抽選が複数回になるが、上述したように、乱数発生手段から乱数値を取得したときは、必ず所定の時間間隔のウエイト(待機処理)が行われるため、一の乱数値を取得してから次の乱数値を取得するまでに、乱数発生手段で発生する乱数値の分布の均一化を保証することができ、偏りのない抽選を行うことができる。このとき、制御コマンド送信手段に設定されている全ての制御コマンドが演出制御手段に送信された後、もしくは、始動手段が操作されてから所定の時間が経過したときに、リール制御手段がリールの回転を開始させるように構成することにより、抽選手段の抽選回数が増えて制御コマンドが増加しても、リールが回転を開始する時点で全ての制御コマンドが演出制御手段に送信されているため、リールの動作(例えば、回転開始のタイミング)と演出制御手段で実行される演出の実行タイミングとを合わせることができる。
第2に、抽選手段が抽選を行うときは、抽選毎に少なくとも一つの当選判定データ(確率データ)で構成される当選判定データ群を選択し、乱数発生手段から取得した乱数値から当選判定データ群に含まれる当選判定データを所定の順序で必要回数差分する(減算する)ことにより当選の判定を行うため、当選判定データ(確率データ)の範囲(乱数値の取り得る範囲)がどのような範囲であっても、同じ手順で当否の判定を行うことができるので、当選判定の処理を単純化することができる。