[第1実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1〜図5に示すように、遊技機1は、いわゆるパチスロ機である。遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークン等の他、遊技者に付与された又は付与される、遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技可能なものであるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
なお、以後の説明において、遊技機1から遊技者に向かう側(方向)を遊技機1の前側(前方向)と称し、前側とは逆側を後側(後方向、奥行方向)と称し、遊技者から見て右側及び左側を遊技機1の右側(右方向)及び左側(左方向)とそれぞれ称する。また、前側及び後側を含む方向は、前後方向又は厚み方向と称し、右側及び左側を含む方向は、左右方向又は幅方向と称する。前後方向(厚み方向)及び左右方向(幅方向)に直交する方向を上下方向又は高さ方向と称する。
図1及び図2に示すように、遊技機1の外観は、矩形箱状の筐体2により構成されている。筐体2は、遊技機本体として前面側に矩形状の開口を有する金属製のキャビネットGと、キャビネットGの前面上部に配置された上ドア機構UDと、キャビネットGの前面下部に配置された下ドア機構DDとを有している。
また、キャビネットGの上面壁G4には、左右方向に関して所定間隔隔てて、上下方向に貫通する2つの開口G41が形成されている。そして、この2つの開口G41それぞれを塞ぐように木製の板部材G42が上面壁G4に取り付けられている。
図3に示すように、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネットGの開口の形状及び大きさに対応するように形成されている。上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネットGにおける開口の上部及び下部を閉塞可能に設けられている。上ドア機構UDは、上側表示窓UD1を中央部に有している。上側表示窓UD1には、光を透過する透明パネルUD11が設けられている。
下ドア機構DDには、上部の略中央部に、矩形状の開口部として形成されたメイン表示窓DD4が設けられている。メイン表示窓DD4の裏面側には、キャビネットGの内部側から取り付けられたリールユニットRUが装着されている。さらに、リールユニットRUの背面には、主制御基板MSが取り付けられている。
リールユニットRUは、複数種類の図柄が各々の外周面に描かれた3個のリールRL(左リール),RC(中リール),RR(右リール)を主体に構成されている。これらのリールRL,RC,RRは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。リールRL,RC,RRは、メイン表示窓DD4を通じて、各リールRL,RC,RRの動作や各リールRL,RC,RR上に描かれている図柄が視認可能となる。
メイン表示窓DD4には、その表面部に、矩形状のアクリル板等からなる透明パネルDD41が取り付け固定されており、遊技者等がリールユニットRUに触れることができないようになっている。メイン表示窓DD4の下方には、略水平面の第1,第2,第3台座部DD2a,DD2b,DD2cが形成されている。メイン表示窓DD4の右側に位置する第1台座部DD2aには、メダルを投入するためのメダル投入口DD5が設けられている。メダル投入口DD5は、遊技者によりメダルが投入される開口である。メダル投入口DD5から投入されたメダルは、クレジットされるか又はゲームに賭けられる。
メイン表示窓DD4の左側に位置する第2台座部DD2bには、クレジットされているメダルを賭けるための、有効ライン設定手段としての最大BETボタンDD8(MAXBETボタンともいう)が設けられている。最大BETボタンDD8が押されると、メダルの投入枚数として「3」が選択される。
メイン表示窓DD4の前面側に位置する第3台座部DD2cには、液晶表示装置DD20が設けられている。液晶表示装置DD20は、液晶表示パネル(液晶パネル)のパネル面にタッチ式の位置入力装置としてのタッチセンサパネルが配されてなる、いわゆるタッチパネルとなっている。なお、タッチセンサパネルとしては、例えば、人体の一部(指先等)や静電ペン等の接触を検知して、その検知信号を出力する静電容量方式のものであってもよく、又は、ペン先等の堅い物質の接触を検知して、その検知信号を出力する方式のもの、あるいは、その他の方式のものや構造のもの(インセル構造等)であってもよい。
液晶表示装置DD20は、SUI(スマート・ユーザ・インターフェイス)として機能するもので、その表示画面上に、例えば、遊技の進行に伴って遊技回数等の遊技情報が表示されるとともに、遊技者による選択又は入力を求めるためのメッセージや入力キー等が表示される。
なお、液晶表示装置DD20においては、その表示画面上に、例えば、遊技の進行に伴って、遊技に関する演出に応じた内容(演出情報)を表示することも可能である。また、液晶表示装置DD20としては、例えば、演出役物としての機能を有するアタッチメントや、専用のアタッチメントとして、ジョグダイヤル又はプッシュボタン等を装着できるようにしてもよい。また、液晶表示装置DD20は、その機能を、後述する表示ユニットA等に振り分けることにより、省略することもできる。
最大BETボタンDD8の前面側には、遊技者の操作によりリールRL,RC,RRを回転駆動させるとともに、メイン表示窓DD4内で図柄の変動表示を開始させるスタートレバーDD6が設けられている。スタートレバーDD6は、所定の角度範囲で傾動自在に取り付けられる。
スタートレバーDD6の右側で、液晶表示装置DD20の前面側には、遊技者の押下操作(停止操作)により3個のリールRL,RC,RRの回転をそれぞれ停止させるための3個のストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rが設けられている。
最大BETボタンDD8の左側には、C/PボタンDD13が設けられている。C/PボタンDD13は、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるものである。このC/PボタンDD13の切り換えにより払出しが選択されている状態(非クレジット状態)においては、下ドア機構DDの下部側のコインガードプレート部に設けたメダル払出口DD14(キャンセルシュート)からメダルが払出され、払出されたメダルは、メダル受け部DD15に溜められる。
スタートレバーDD6、及び、ストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rの下部側には、腰部パネルDD18(腰部導光板)が配置されている。腰部パネルDD18は、アクリル板等を使用した化粧用パネルとして構成される。腰部パネルDD18には、遊技機1の機種を表す名称や種々の模様等が印刷により描かれている。
また、メダル払出口DD14の左側にはスピーカDD25Lが、右側にはスピーカDD25Rが、それぞれ設けられている。スピーカDD25L,DD25Rは、遊技者に遊技に関する種々の情報を声や音楽等の音により報知する。また、メイン表示窓DD4の左側及び右側には、第1サブ表示装置DD19L及び第2サブ表示装置DD19Rがそれぞれ配置されている。これらのサブ表示装置DD19L,DD19Rは、例えば入賞成立時のメダルの払出枚数やクレジットされている残メダル枚数を表示する。通常は、遊技機1にクレジットされるメダルの最大枚数は50枚であるため、50以下のクレジット枚数が表示される。なお、最大枚数の50枚のメダルがクレジシットされている状態では、投入されたメダルはそのままメダル払出口DD14より払出される。また、サブ表示装置DD19L,DD19Rは、タッチパネルを前面に備えていてもよい。
図4に示すように、キャビネットG内は、中間支持板G1により上部空間と下部空間とに仕切られている。すなわち、中間支持板G1は、キャビネットG内を上部空間と下部空間とに仕切る仕切板として機能している。上部空間は、キャビネットG内の上ドア機構UDの後側となる空間であり、表示ユニットA等が収容される。また、下部空間は、キャビネットG内の下ドア機構DDの後側となる空間であり、リールユニットRUや、遊技機1全体の動作を司る主制御基板MS、サブ制御装置SS(図11参照)等が収容される。主制御基板MSは、内部当籤役の決定、リールRL,RC,RRの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、遊技機1における遊技の主な流れを制御する回路(主制御回路)を構成する。サブ制御装置SSは、映像の表示等による演出の実行を制御する回路(副制御回路)を構成する。
(表示ユニットA)
図5に示すように、表示ユニットAは、キャビネットG内の中間支持板G1上に交換可能に載置される。表示ユニットAは、映像表示用の照射光を出射する照射ユニットBと、照射ユニットBからの照射光が照射されることにより映像を出現させるスクリーン装置Cとを有したいわゆるプロジェクションマッピング装置である。
ここで、プロジェクションマッピング装置は、構造物や自然物等の立体物の表面に映像を投影するためのものであって、例えば、後述のスクリーンである役物に対して、その位置(投影距離や角度等)や形状に基づいて生成される、演出情報に応じた映像を投影することにより、高度で、かつ迫力のある演出を可能とする。
表示ユニットAは、前方に開口が形成された筐体A1を有する。この筐体A1は、照射ユニットBの上部を形成するプロジェクタカバーB1、及び、スクリーン装置Cのスクリーン筐体C10とで構成されている。スクリーン筐体C10は、底板C1、右側板C2、左側板C3、及び背板C4を有した箱方形状をなしている。プロジェクタカバーB1は、スクリーン筐体C10の上面に交換可能に取り付けられる。
(表示ユニットA:照射ユニットB)
図6に示すように、照射ユニットBは、照射光を前方に出射するプロジェクタ装置B2と、プロジェクタ装置B2の前方に配置され、プロジェクタ装置B2からの照射光を斜め下後方に配置されたスクリーン装置Cの方向に反射するミラー機構B3と、プロジェクタ装置B2及びミラー機構B3を収容したプロジェクタカバーB1とを有している。
(表示ユニットA:照射ユニットB:プロジェクタ装置B2)
プロジェクタ装置B2は、ケースB22によって外装されつつプロジェクタカバーB1に取り付けられ、キャビネットG内の後部に配置されている。プロジェクタ装置B2は、水平配置された平板状の上側台座B220及び下側台座B221を介してプロジェクタカバーB1に取り付けられている。ケースB22は、その上面全体が開口されている。これにより、下側台座B221の下面には、ケースB22に収容されたレンズユニットB21や光学機構B24(図12参照)が位置する。レンズユニットB21は、光学機構B24の複数のLED光源から出射してDMD(Digital Micromirror Device)で反射した照射光を、レンズ等を介して前方のミラー機構B3に向けて出射するように配置されている。このプロジェクタ装置B2の詳細については、図11〜図17を用いて後述する。
(表示ユニットA:照射ユニットB:ミラー機構B3)
図6に示すように、プロジェクタ装置B2の前方(照射光の出射方向)には、ミラー機構B3が配置されている。図7に示すように、ミラー機構B3は、ミラーホルダB31と、ミラーホルダB31に収容された光学ミラーB32と、光学ミラーB32の両端部をミラーホルダB31に固定するミラーストッパB33・B34とを有している。図8にも示すように、ミラーホルダB31は、前面が長方形状の板状に形成されている。ミラーホルダB31の各コーナー部には、角度調整穴B311が形成されていると共に、角度調整穴B311を中心にして凹部B312が前面に形成されている。また、上下方向の角度調整穴B311・B311間には、取付け穴B314・B314が上下対称に形成されている。
一方、また、ミラーホルダB31の後面には、ミラー保持部B313が形成されている。ミラー保持部B313は、中央部に形成されており、角度調整穴B311及び取付け穴B314に重複しないサイズで形成されている。ミラー保持部B313の左側及び右側には、ミラーストッパB33・B34がそれぞれ設けられている。ミラーストッパB33・B34は、角度調整穴B331・B341と、取付け穴B334・B344とをそれぞれ有している。ミラーストッパB33・B34における角度調整穴B331・B341及び取付け穴B334・B344は、ミラーホルダB31における角度調整穴B311・B311及び取付け穴B314・B314に対応するように配置されている。
ミラーストッパB33・B34は、一部がミラー保持部B313と重複するように形成されている。これにより、ミラーストッパB33・B34は、ミラー保持部B313に嵌合された光学ミラーB32の左右方向の両辺部に当接し、取付け穴B314・B334・B344によりミラーホルダB31にネジ締結されることによって、光学ミラーB32をミラーホルダB31に保持させている。
図9に示すように、上記のように構成されたミラー機構B3は、プロジェクタカバーB1におけるリフレクタ保持部B11の内側面に設けられている。リフレクタ保持部B11は、プロジェクタカバーB1の前面中央部に形成されており、上ドア機構UDを開いたときに前側に露出するように配置されている。リフレクタ保持部B11は、角度調整穴B111を有している。角度調整穴B111は、ミラー機構B3の角度調整穴B311に対応した位置に形成されている。
リフレクタ保持部B11の角度調整穴B111には、図示しないネジが前面側から挿通されており、このネジは、ミラーホルダB31の角度調整穴B311を貫通する。そして、ミラーストッパB33・B34の角度調整穴B331・B341は、ネジが螺合可能なネジ穴として形成されており、ミラーホルダB31の角度調整穴B311を貫通したネジは、ミラーストッパB33・B34の角度調整穴B331・B341に螺合される。
そして、上記ネジが角度調整穴B331・B341との螺合が緩む方向に回転されると、リフレクタ保持部B11とミラーストッパB33・B34との距離が広がることとなる。一方、上記ネジが角度調整穴B331・B341との螺合が締まる方向に回転されると、リフレクタ保持部B11とミラーストッパB33・B34との距離が縮まることとなる。
上記のように、取付け穴B314・B334・B344を介してミラーホルダB31とミラーストッパB33・B34とがネジ締結されており、これにより、ミラーホルダB31とミラーストッパB33・B34との間に光学ミラーB32が挟持されている。このように、ミラーホルダB31と光学ミラーB32とミラーストッパB33・B34とは、ミラー機構B3として一体化されており、ネジの回転によりリフレクタ保持部B11とミラーストッパB33・B34との距離を変化させることにより、リフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離を増減することができる。そして、角度調整穴B311・331・B341がミラー機構B3のコーナー部に対応して4方向に配置されているため、各角度調整穴B311・331・B341の配置位置におけるリフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離を増減させることによって、プロジェクタ装置B2から出射された照射光の進行方向に対する光学ミラーB32の反射角度を微調整することを可能にしている。
また、リフレクタ保持部B11とミラーホルダB31との間には、図示しないバネが設けられている。バネは、後端面がミラーホルダB31の凹部B312に当接されており、前端面がリフレクタ保持部B11の内壁面(後壁面)に当接されることによって、リフレクタ保持部B11とミラーホルダB31とで挟持されている。そして、リフレクタ保持部B11の角度調整穴B111から挿通されたネジが当該バネを貫通している。これにより、ネジの回転に伴ってリフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離が広がっても、バネの付勢力により、ネジ頭部がリフレクタ保持部B11の角度調整穴B111に当接することとなり、ネジ頭部が角度調整穴B111から飛び出してリフレクタ保持部B11とネジとの位置関係が崩れてしまうことを防止することができる。
(表示ユニットA:照射ユニットB:プロジェクタカバーB1)
図10に示すように、プロジェクタ装置B2及びミラー機構B3は、プロジェクタカバーB1に収容されている。なお、プロジェクタ装置B2の下面B2aは、その前部に、後方から前方に向けて上方に傾斜する傾斜面B2a1を有している。図8に示すように、プロジェクタカバーB1は、水平配置された上壁部B12と、上壁部B12の前側に配置されたリフレクタ保持部B11と、上壁部B12の左右方向において左右対称に配置された側壁部B13,B13とを有している。上壁部B12は、前部がキャビネットGよりも前方に突出している(図5参照)。上壁部B12の前部の中央部には、リフレクタ保持部B11が前方に突出した形態に形成されており、突出により形成された空間部に上述のミラー機構B3が角度調整可能に保持されている。
(表示ユニットA:スクリーン装置C)
上記のように構成された照射ユニットBは、スクリーン装置Cの上面にネジ締結により連結されている。例えば、プロジェクタカバーB1に形成されたネジ穴を介して、スクリーン装置Cの右側板C2及び左側板C3それぞれの上面にネジがねじ込まれている(図5参照)。これにより、表示ユニットAは、照射ユニットBとスクリーン装置Cとをユニット化して一体的に取り扱うことが可能になっている。
スクリーン筐体C10の内部には、照射ユニットBからの照射光の照射により映像を出現させる複数のスクリーン機構が照射対象を切替え可能に設けられている。具体的には、図10に示すように、複数のスクリーン機構として、固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及びリールスクリーン機構F1が設けられている。固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及びリールスクリーン機構F1は、それぞれ、基材にスクリーン塗料が塗布されることにより構成され、映像を出現させることが可能な投影面を有している。
固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及びリールスクリーン機構F1それぞれの投影面は、映像表現を多様化するために、互いに異なる形状をなしている。具体的に、固定スクリーン機構D及びフロントスクリーン機構E1の投影面が平坦であるのに対し、リールスクリーン機構F1の投影面は、側面視円弧形状となっている。また、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1は、プロジェクタ装置B2やミラー機構B3に対して相対的に位置が変位する可動式のスクリーンであり、それぞれ、フロントスクリーン駆動機構E2及びリールスクリーン駆動機構F2(図示せず)により駆動される。
(表示ユニットA:照射ユニットB:プロジェクタ装置B2の電気的及び光学的構成)
図11に示すように、プロジェクタ装置B2は、電気的な構成要素として、プロジェクタ制御基板B23、光学機構B24、及び中継基板CKを備えている。プロジェクタ装置B2には、中継基板CKを介して上述したサブ制御装置SSが接続される。サブ制御装置SSは、スクリーンや役物の演出動作に応じて、プロジェクタ制御基板B23を制御し、光学機構B24を介して、スクリーンや役物に照射光を投影することにより、視覚的な演出として映像を表示する。また、表示ユニットAの組み立て工程等においては、プロジェクタ装置B2の中継基板CKに調整用PC(パーソナルコンピュータ)1000が接続される。この調整用PC(パーソナルコンピュータ)1000は、プロジェクタ装置B2により投影される照射光の位置調整やピント初期設定を行うために用いられる。なお、本実施形態においては、プロジェクタ装置B2の調整機器として調整用PC1000を採用しているが、プロジェクタ装置B2の調整機器としては、調整用プログラム(アプリケーションソフト)がインストールされたタブレットPCやいわゆるスマートフォン、あるいは専用の端末装置であってもよい。
プロジェクタ制御基板B23は、制御LSI230、EEPROM(登録商標)231、DLP(登録商標)制御回路232、及びLEDドライバ233を備える。光学機構B24は、レンズユニットB21の周辺に配置される構成要素として、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色光を発するLED光源、DMD、レンズユニットB21の投射レンズ210についてフォーカス調整を行うためのフォーカス機構等を備える(図示せず)。
制御LSI230は、サブ制御装置SSの指令に基づいて、照射光を投影するようにDLP制御回路232を制御する。制御LSI230は、サブ制御装置SSの指令に基づいて、フォーカス機構を制御して投射レンズ210を光軸方向に移動させることにより、照射光の投影に際してフォーカス調整を行う。EEPROM231には、制御LSI230による制御プログラムやプロジェクタ装置B2の設定・調整に関わるデータが記憶されている。
プロジェクタ装置B2のDLPシステムは、主として、DLP制御回路232、LEDドライバ233、並びに光学機構B24のLED光源及びDMDにより構成される。
DLP制御回路232の制御により、DMDで所定方向に反射した光は、レンズユニットB21へと進み、投射レンズ210を透過することでミラー機構B3に入射し、最終的にミラー機構B3で反射することによって投影対象へと導かれる。これにより、投影対象となるスクリーンや役物に対して照射光が投影され、演出に応じた映像が形成される。
本実施形態において、プロジェクタ装置B2は、いわゆるDLPプロジェクタとして構成される。また、プロジェクタ装置B2は、ミラー機構B3によって照射光を折り返すことにより投影対象までの投影距離を稼ぐとともに、例えばコントラスト比を1000:1とすることによって、照射光の投影距離をできるだけ短くするようにしている。これにより、プロジェクタ装置B2を備えた表示ユニットAは、より安価かつ小型に構成されるとともに、遊技機1のキャビネットGにおける限られたスペースに対して容易に搭載される。
(表示ユニットA:照射ユニットB:プロジェクタ装置B2の機械的構成)
図12に示すように、プロジェクタ装置B2は、外装となる構成要素として、ケースB22、レンズユニットカバーB222、アンダーカバーB223、上側台座B220、及び下側台座B221を有する。ケースB22の前部開口B22kには、レンズユニットカバーB222が取り付けられる。ケースB22の下面には、アンダーカバーB223が覆うように配置される。アンダーカバーB223は、ステーB223aを介して下側台座B221に支持されるとともに、ケースB22の下面適部にも固定される。プロジェクタ装置B2は、上側台座B220及び下側台座B221を介してプロジェクタカバーB1の上壁部B12(図8参照)の下面に取り付けられる。本実施形態では、上壁部B12の下面に上側台座B220が固定されるとともに、ケースB22の上面開口を覆うようにその上端部に対して下側台座B221が取り付けられ、上側台座B220の下面に下側台座B221が連結される。このようなプロジェクタ装置B2の取り付け調整手順については後述する。
また、プロジェクタ装置B2は、内部の構成要素として、レンズユニットB21、LED光源を搭載したLED基板(図示せず)、DMDを搭載したDMD基板(図示せず)、複数のヒートシンク243R,243G,243B,243D、吸気用ファン244A,244B、排気用ファン245、及びプロジェクタ制御基板B23を有する。ケースB22には、レンズユニットカバーB222でレンズユニットB21の投射レンズ210が覆われつつレンズユニットB21が収容されるとともに、LED基板、DMD基板、複数のヒートシンク243R,243G,243B,243D、吸気用ファン244A,244B、排気用ファン245が収容される。プロジェクタ制御基板B23は、ケースB22の下面に固定される。
このようなプロジェクタ装置B2は、サブ制御装置SSから演出等の映像に係る映像データが送信され、スクリーンや役物に映像を投影するようにサブ制御装置SSによって制御される。一方、サブ制御装置SSは、スクリーン駆動機構E2,F2を制御することにより、スクリーン機構E1,F1を演出内容に応じて移動させる。
ここで、サブ制御装置SSは、演出によるスクリーン機構E1,F1の移動に応じてプロジェクタ装置B2を制御し、移動したスクリーン機構E1,F1の投影面や固定スクリーン機構Dの投影面に、映像が鮮明に投影されるようにフォーカス調整を行う。
ヒートシンク243R,243G,243Bは、LED基板の背面に部分的に接触している。ヒートシンク243Dは、DMD基板の背面に部分的に接触している。本実施形態において、ヒートシンク243R,243G,243B,243Dのフィン外形サイズとしては、ヒートシンク243R及びヒートシンク243Gが相対的に大きい一方、ヒートシンク243B及びヒートシンク243Dが相対的に小さくなっている。これらのヒートシンク243R,243G,243B,243Dは、LED基板及びDMD基板それぞれにおいて発生した熱を空気中に放散することにより、光学特性を大きく変化させるまで光学素子や基板の温度を上昇させないように効率よく放熱する。放熱部材であるヒートシンク243R,243G,243B,243Dは、放熱効果を高めるために導熱性の高いアルミニウム素材が用いられ、空気との接触面積を大きくするために複数の放熱フィンを有している。
吸気用ファン244Aは、ケースB22の右側前部の背面に近接するように配置され、ヒートシンク243Rに近接している。吸気用ファン244Bは、ケースB22の左側部の背面に近接するように配置され、ヒートシンク243Dに近接している。排気用ファン245は、ケースB22の後部の背面に近接するように配置され、ヒートシンク243Gに近接している。
吸気用ファン244Aが近接するケースB22の右側前部には、吸気口B22Aが設けられており、吸気口B22Aに対向してヒートシンク243Rが近接するケースB22の右側後部には、排気口B22Eが設けられている。吸気用ファン244Bが近接するケースB22の左側部の一部には、吸気口B22Bが設けられており、この吸気口B22Bと並ぶようにケースB22の左側部の他の部分には、ケースB22内の空きスペースを通じて3つのヒートシンク243G,243B,243Dまで空気が達するように吸気口B22Cが設けられている。排気用ファン245が近接するケースB22の後部には、排気口B22Dが設けられている。
すなわち、プロジェクタ装置B2のケースB22内においては、吸気口B22Aから吸気用ファン244Aによって強制的に吸気された後、ヒートシンク243Rから熱を奪いつつ排気口B22Eから排気される空気の流れが形成される。また、ケースB22内においては、吸気口B22Bから吸気用ファン244Bによって強制的に吸気された後、ヒートシンク243D、ヒートシンク243B、及びヒートシンク243Gから熱を奪いつつ排気口B22Dから排気用ファン245によって強制的に排気される空気の流れが形成される。さらに、ケースB22内においては、吸気口B22Cから吸気された後、主としてヒートシンク243Gやヒートシンク243Bから熱を奪いつつ排気口B22Dから排気用ファン245によって強制的に排気される空気の流れが形成される。
プロジェクタ制御基板B23は、アンダーカバーB223で覆われつつケースB22の下面に取り付けられる。プロジェクタ制御基板B23には、制御LSI230、EEPROM231、DLP制御回路232、及びLEDドライバ233等が搭載されている。プロジェクタ制御基板B23は、ケースB22内に配置されたLED基板及びDMD基板、さらにフォーカス機構と電気的に接続される。
(表示ユニットA:照射ユニットB:プロジェクタ装置B2の位置・姿勢調整)
図13〜図15に示すように、上側台座B220は、プロジェクタカバーB1の上壁部B12(図8参照)に固定される板金部材であり、矩形状の本体部2200、本体部2200の左右両側を下方及び外方に折り曲げることで形成され、本体部2200と段差を有して左右両側に延出する左端部2201a及び右端部2201b、並びに本体部2200の後側から後方へと部分的に延出する後端部2202を有する。本体部2200及び後端部2202には、下側台座B221を連結するための3つの連結孔2200Aが設けられている。これら3つの連結孔2200Aは、本体部2200に沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように配置されている。左端部2201a及び右端部2201bのそれぞれには、上壁部B12の下面にネジ締結によって固定するための複数の角孔2201cが設けられている。本実施形態において、角孔2201cは、左端部2201a及び右端部2201bのそれぞれに3つずつ配置され、前後方向に等間隔に設けられている。角孔2201cの縦横内径寸法は、これに挿入して締結される取付ネジT(図16参照)のネジ軸径よりも大きくなっている。
下側台座B221は、上側台座B220の本体部2200及び後端部2202に概ね対応する板金部材である。下側台座B221には、3つの連結孔2200Aに対応して上向きに突出するように3つの連結ネジ部2210が一体形成されている。これら3つの連結ネジ部2210も、下側台座B221に沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように配置されている。下側台座B221は、連結ネジ部2210のそれぞれにコイルバネ2211を外嵌しつつ連結ネジ部2210の先端を連結孔2200Aに挿通し、本体部2200や後端部2202との間にコイルバネ2211を挟んだ状態としつつ、上側台座B220の上面側から連結ネジ部2210の先端にワッシャー2212を介してナット2213を締結することにより、上側台座B220の下面に懸架された状態で連結される。また、図12に示すように、下側台座B221には、ケースB22をネジ止めするための複数のネジ孔2214、及びステーB223aをネジ止めするための複数のネジ孔2215が設けられている。下側台座B221は、ケースB22やステーB223aを介してアンダーカバーB223を支持した状態で上側台座B220の下面に連結される。
すなわち、図12〜図15に示すように、上側台座B220と下側台座B221とは、3箇所の連結部R1,R2,R3のそれぞれにおいて互いの間隔を調整可能に連結される。連結部R1,R2,R3のそれぞれは、上側台座B220の連結孔2200A、並びに下側台座B221の連結ネジ部2210、コイルバネ2211、ワッシャー2212、及びナット2213により構成される。
このような上側台座B220及び下側台座B221を用いることにより、プロジェクタ装置B2は、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対して位置決め調整かつ光軸調整可能に取り付けられる。
図16は、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対する上側台座B220の取付形態を示したものである。図16(a)の下図は、上側台座B220の角孔2201cに対して取付ネジTが挿入・締結された状態を示す図であり、図16(a)の上図は、図16(a)の下図に示すB−B’線に沿う断面図である。なお、図16は、上側台座B220の左端部2201aに形成された角孔2201cの周辺を示すが、左端部2201a及び右端部2201bにおけるその余の角孔2201cの周辺も同様である。
図16(a)に示すように、角孔2201cには、下方から取付ネジTが挿入されるとともに、角孔2201cのほぼ中央に取付ネジTが配置される。取付ネジTは、上壁部B12の上面及び左端部2201aの下面に添うように配置されたワッシャーWを介して、上壁部B12の上面側に位置するナットNと螺結される。これにより、上側台座B220の左端部2201aは、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対してネジ止めにより取り付けられる。上側台座B220の右端部2201bも、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対して同様のネジ止めにより取り付けられる。
ここで、図16(a)において符号Aで示す斜線部分は、取付ネジTのネジ軸と角孔2201cとの間に形成される隙間である。図16(a)では、取付ネジTのネジ軸が、角孔2201cのほぼ中央に配置され固定されている。このとき、取付ネジTのネジ軸は、符号Aの斜線部分の範囲(調整範囲)のなかで移動可能となる。すなわち、取付ネジTの角孔2201cに対する相対位置を、角孔2201cの開口範囲内において微調整することにより、上側台座B220の左端部2201aをプロジェクタカバーB1の上壁部B12に対して位置決め調整することができる。同様に、上側台座B220の右端部2201bも、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対して位置決め調整することができる。
図16(b)は、図16(a)に対して上側台座B220の左端部2201aを矢印Eの方向にずらした状態を示している。図16(b)の上図は、図16(b)の下図に示すD−D’線に沿う断面図である。この図16(b)に示す状態では、取付ネジTのネジ軸が角孔2201cの開口範囲内において相対的に左寄りに偏位さられ、符号Cに示す斜線部分の範囲(調整範囲)のなかで移動可能になっている。
このように、上側台座B220は、角孔2201cの開口範囲となる所定の調整範囲のなかで位置決め調整されつつ、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対して取り付けられる。すなわち、プロジェクタ装置B2は、上側台座B220の左端部2201a及び右端部2201bに設けられた複数の角孔2201cにより、上壁部B12に対する取り付け位置が左右方向及び前後方向に調整される。これにより、プロジェクタ装置B2から照射される光の方向は、基準方向として、左右方向に垂直で前後方向に一致するように容易に調整される。
図17は、上側台座B220に対する下側台座B221の連結構造を示したものである。図17は、連結部R2において、連結孔2200A、連結ネジ部2210、コイルバネ2211、ワッシャー2212、及びナット2213により、下側台座B221が上側台座B220に連結されている状態を示す断面図である。なお、図17は、1箇所の連結部R2を示すが、その余の連結部R1,R3も同様である。
下側台座B221の連結ネジ部2210は、上側台座B220の本体部2200の下面側から連結孔2200Aに挿入され、本体部2200の上面側に配置されたワッシャー2212を介してナット2213に螺結される。連結ネジ部2210には、コイルバネ2211が外嵌されており、このコイルバネ2211は、連結孔2200Aの周縁部において本体部2200の下面と下側台座B221の上面との間に狭持される。このようなコイルバネ2211により、上側台座B220と下側台座B221との連結部R2付近の部分は、互いに離反する方向(上下方向)に付勢されるので、連結ネジ部2210とナット2213との螺合部分における緩み防止が図られる。
このような連結部R2においては、ナット2213を締め付ける方向あるいは緩める方向に適宜回すことにより、コイルバネ2211で付勢されつつも上側台座B220と下側台座B221との間隔が変化させられる。具体的には、ナット2213を締め付ける方向に回すと、連結部R2における上側台座B220と下側台座B221との間隔が狭められることとなる。このとき、上側台座B220は、図17において図示しない上壁部B12に固定されている。そのため、下側台座B221の連結部R2付近の部分は、ナット2213を適宜締め付けることで上側台座B220に対して近づく方向に変位し、より上位へと高さ位置が調整されることとなる。一方、ナット2213を緩める方向に回すと、連結部R2における上側台座B220と下側台座B221との間隔が拡大されることとなる。すなわち、下側台座B221の連結部R2付近の部分は、ナット2213を適宜緩めることで上側台座B220に対して遠ざかる方向に変位し、より下位へと高さ位置が調整されることとなる。
他の連結部R1,R3においても、上記と同様にナット2213の締め付け量を適宜調整することにより、下側台座B221の連結部R1,R3付近の高さ位置を容易に調整することができる。このような連結部R1,R2,R3は、上側台座B220や下側台座B221に沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように、具体的には互いに結んだ線が三角形をなすように配置されている。すなわち、下側台座B221は、3箇所の連結部R1,R2,R3のそれぞれにおいてナット2213の締め付け量により高さ位置を微調整することができるので、下側台座B221の姿勢を、前後方向、左右方向、及び上下方向のいずれ方向に対しても3次元空間内における傾き具合を調整することができる。
このような下側台座B221の姿勢調整は、下側台座B221に支持されたプロジェクタ装置B2からスクリーン等に対して光を照射しながら行われる。その際、スクリーン等には、照射光により映像が投影され、その映像を確認しながら下側台座B221の姿勢が調整される。これにより、プロジェクタ装置B2から照射される光の光軸方向は、スクリーン等の表面に適切な表示態様で映像が映し出されるように調整される。すなわち、光軸方向については、下側台座B221の姿勢調整により、映像の表示態様としていわゆる台形ひずみ等が生じないように前もって調整することができる。
光軸方向の調整等は、プロジェクタ装置B2に接続された調整用PC1000(図11参照)を用いて行われる。上側台座B220及び下側台座B221を介して上壁部B12に取り付けられたプロジェクタ装置B2は、工場での検査時等において、光軸方向の調整のほか、スクリーン等に対する表示映像のチェックが行われ、映像を投影表示するために必要な各種の調整が実施される。調整用PC1000は、調整作業に際して一時的にプロジェクタ装置B2の中継基板CKに接続される(図11参照)。調整用PC1000を操作すると、調整用PC1000から送信される所定のコマンドにより、プロジェクタ装置B2における照射光の投影位置やフォーカス調整等に関する光学パラメータが変更される。このようにして適切に調整された投影位置や光学パラメータは、水平方向及び垂直方向の調整値データとして、プロジェクタ装置B2のEEPROM231に記憶される(図11参照)。EEPROM231に記憶された水平方向及び垂直方向の調整値データは、工場出荷後の搬送等のためにプロジェクタ装置B2への電源供給が行われず、遊技機1が遊技場に設置された場合でも、そのまま使用することができる。
上述したことから明らかなように、プロジェクタ装置B2は、主に上側台座B220の上壁部B12に対する取り付け位置に応じて左右方向及び前後方向に位置決めされるとともに、下側台座B221の3次元空間内における姿勢に応じて光軸方向が調整される。
なお、本実施形態においては、上側台座B220と下側台座B221とを互いに連結するための連結部を3箇所に設けたが、少なくとも3箇所が同一直線上にないという条件を満たせば、4箇所以上に連結部を設けるようにしてもよい。また、本実施形態では、上側台座B220に連結孔2200Aを設けるとともに、下側台座B221に連結ネジ部2210を設けているが、これらの連結孔や連結ネジ部を上下反対に設けてもよい。連結ネジ部は、本実施形態のように台座と一体に形成されたものに限らず、一方の台座に対して固定可能なものであればよい。例えば、連結ネジ部としては、下側台座を貫通して固定されるボルトでもよい。
以上、本発明の一実施形態として、第1実施形態に係る遊技機1について説明した。第1実施形態に係る遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(1−1) 映像を表示するための表示ユニット(表示ユニットA)と、
前記表示ユニット(表示ユニットA)を収容し、前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部(キャビネットG)に対して開閉可能に取り付けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、を備え、
前記表示ユニット(表示ユニットA)は、
映像を投影することが可能なプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)と、
前記プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)から照射された光を反射させる反射ミラー(ミラー機構B3)と、
前記反射ミラー(ミラー機構B3)により反射された光に基づいて、前記プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)により投影された映像を表示可能なスクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)と、を備え、
前記プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)、前記反射ミラー(ミラー機構B3)、及び、前記スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)がユニット化されることにより構成されており、
前記反射ミラー(ミラー機構B3)は、前記開閉扉(上ドア機構UD)を開けた状態で前記表示ユニット(表示ユニットA)の外部から位置を調整することが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第1実施形態に係る遊技機1によれば、表示ユニットAは、プロジェクタ装置B2、ミラー機構B3、並びに、固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及び、リールスクリーン機構F1がユニット化されることにより構成されているが、ミラー機構B3は、上ドア機構UDを開けた状態で表示ユニットAの外部から位置を調整することが可能である。従って、表示ユニットAが遊技機1のキャビネットGに設置された後であっても、ミラー機構B3の位置を調整することが可能であるため、プロジェクタ装置B2により投影される映像の位置が適切でない場合であっても、投影位置を調整することができる。
(1−2) 前記(1−1)の遊技機であって、
前記プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)及び前記スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)は、前記表示ユニット(表示ユニットA)における所定の位置で固定されており、
前記プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)は、前記スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)の上方に配置される一方で、前方に光を照射することが可能であり、
前記反射ミラー(ミラー機構B3)は、前記プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)から照射された光を斜め下後方に反射させることが可能なように前記プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の前方に配置され、前記本体部(キャビネットG)の開口側に向けて露出した螺子における螺合の程度を変更することにより該光の反射方向を調整することが可能である。
第1実施形態に係る遊技機1によれば、プロジェクタ装置B2、並びに、固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及び、リールスクリーン機構F1は、表示ユニットAにおける所定の位置で固定されている。一方で、ミラー機構B3には、光の反射方向を調整するための螺子が設けられており、当該螺子は、キャビネットGの開口側に向けて露出している。従って、表示ユニットAが遊技機1のキャビネットGに設置された後であっても、上ドア機構UDを開けた状態で、螺子を緩めたり締めたりすることにより、光の反射方向(角度)を調整することができる。これにより、プロジェクタ装置B2により投影される映像の位置が適切でない場合であっても、投影位置を調整することができる。
(2−1) 照射光により映像を投影する投影装置(プロジェクタ装置B2)と、
前記投影装置により投影された映像を表示可能な複数の投影面と、
前記複数の投影面のうち少なくとも一の投影面を可動投影面として変位させる駆動機構(フロントスクリーン駆動機構E2、リールスクリーン駆動機構F2)と、
前記投影装置の上方に位置する上壁(上壁部B12)と、を備え、
前記複数の投影面は、表面加工が施され、
前記駆動機構は、前記投影装置に対して前記可動投影面を相対的に変位させるように構成されており、
前記投影装置と前記上壁との間には、上側台座(上側台座B220)及び下側台座(下側台座B221)が設けられ、
前記上側台座は、前記上壁に対して面内位置を調整可能に取り付けられるとともに、前記下側台座は、前記投影装置を支持しつつ、前記上側台座に対して3箇所以上で間隔を調整可能に取り付けられることを特徴とする遊技機。
第1実施形態に係る遊技機1によれば、プロジェクタ装置B2は、上壁部B12に対する上側台座B220の面内位置を適宜調整することにより、この上側台座B220を介して上壁部B12の適正な位置に取り付けられるとともに、そうして上壁部B12に位置決めされた上側台座B220に対して下側台座B221の上下間隔を3箇所以上の連結部R1,R2,R3で適宜調整することにより、この下側台座B221を介して支持される姿勢が適正となるように取り付けられる。したがって、プロジェクタ装置B2の面内配置位置及び空間内姿勢を上側台座B220及び下側台座B221を用いて簡単に調整することができ、ひいては映像視覚効果の高い高品位な映像を複数の投影面に映し出すことができる。
(2−2) 前記(2−1)の遊技機であって、
前記上側台座及び前記下側台座は、同一直線上にない3箇所以上の複数の連結部(連結部R1,R2,R3)で互いに連結され、
前記複数の連結部のそれぞれには、
前記上側台座及び前記下側台座のうちの一方から突出するとともに他方を貫通してネジ締結される連結ネジ部(連結ネジ部2210)と、
前記連結ネジ部に外嵌されるとともに前記上側台座と前記下側台座との間に配置されるコイルバネ(コイルバネ2211)と、が設けられることを特徴とする。
第1実施形態に係る遊技機1によれば、上側台座B220と下側台座B221とは、同一直線上にない3以上の連結部R1,R2,R3における互いの間隔が、連結ネジ部2210のネジ締結量を加減するだけで個別に調整可能とされるとともに、コイルバネ2211の弾性付勢力により調整後の間隔が一定に保たれるので、空間内の互いに直交する前後方向、左右方向、上下方向の3軸方向に対してプロジェクタ装置B2の各姿勢を微調整することができ、例えば上下方向、左右方向、前後方向のいずれの方向にもプロジェクタ装置B2を適正な姿勢で保持することができる。
[第2実施形態]
以上、第1実施形態について説明した。以下、第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る遊技機1の基本的な構成は、第1実施形態に係る遊技機1と同じである。以下においては、第1実施形態に係る遊技機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態における説明が第2実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<上側台座B220及び下側台座B221>
本実施形態に係る上側台座B220及び下側台座B221は、第1実施形態に係る上側台座B220及び下側台座B221とは異なる構成を有している。
図18は、上側台座及び下側台座の分解斜視図である。図19は、上側台座及び下側台座を組み付けた状態を示す平面図である。図20は、図19に示す上側台座及び下側台座を斜め前方から見た図である。図21は、図19に示す上側台座及び下側台座を斜め後方から見た図である。図22は、プロジェクタ機構の内部構成要素を収容するケースの斜視図である。図23は、下側台座にケースを取り付けた状態を示す斜視図である。
図18及び図19に示すように、上側台座B220は、平面視矩形状の板金部材に矩形状の開口を設けた形状を有している。図19に示すように、開口は、辺A、辺B、辺C、及び、辺Dに囲まれた略長方形の形状に形成されている。
上側台座B220の右側部分及び左側部分には、それぞれ、角孔2201cが設けられている。角孔2201cは、上側台座B220を中継板B300(図26参照)にネジ締結によって固定するための孔である。
第1実施形態では、プロジェクタ装置B2のプロジェクタカバーB1への取り付けにおいて、上側台座B220をプロジェクタカバーB1の上壁部B12にネジ締結することにより、プロジェクタ装置B2をプロジェクタカバーB1に直接固定することとして説明した。これに対し、本実施形態では、上側台座B220とプロジェクタカバーB1との間に、中継板B300を介在させることとしている。
角孔2201cの縦横内径寸法は、これに挿入して締結される取付ネジTのネジ軸径よりも大きくなっている。なお、図19には、上側台座B220を中継板B300に固定する際に使用される固定プレートB321も示されている。本実施形態において、中継板B300と上側台座B220とは、固定プレートB321及びキャップボルトを用いて締結される。第1実施形態では、固定プレートB321を示していなかったが、中継板B300と上側台座B220との締結に際しては、従来周知の部材を適宜選択して用いることができる。
また、上側台座B220には、下側台座B221を連結するための3つの連結孔2200Aが設けられている。3つの連結孔2200Aは、上側台座B220に沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように配置されている。
下側台座B221は、中央に矩形状の開口が形成された矩形状の本体部B221a、本体部B221aと段差を有して前方に延出する右側部B221b及び左側部B221c、並びに、本体部B221aと段差を有して後方に延出する後端部B221dを備える板金部材である。
図20に示すように、右側部B221bは、本体部B221aの前端右側を下方及び外方に折り曲げることで形成されている。左側部B221cは、本体部B221aの前端左側を下方及び外方に折り曲げることで形成されている。図21に示すように、後端部B221dは、本体部B221aの後端を下方に折り曲げるとともに、下方に折り曲げられた部分の一部を外方に折り曲げることで形成されている。右側部B221bと左側部B221cと後端部B221dとは、同一平面上に位置付けられるように形成されている。
右側部B221b、左側部B221c、及び、後端部B221dには、それぞれ、上側台座B220の3つの連結孔2200Aに対応して上向きに突出するように連結ネジ部2210が一体形成されている。3つの連結ネジ部2210は、右側部B221b、左側部B221c、及び、後端部B221dに沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように配置されている。
第1実施形態と同様に、上側台座B220と下側台座B221とは、3つの連結孔2200A及び3つの連結ネジ部2210に対応する3箇所の連結部のそれぞれにおいて互いの間隔を調整可能に連結される。3箇所の連結部は、それぞれ、連結孔2200A、連結ネジ部2210、コイルバネ2211、ワッシャー2212、及び、ナット2213により構成される(図12参照)。
また、図18に示すように、下側台座B221には、ケースB22をネジ止めするための複数のネジ孔2214が設けられている。ケースB22としては、第1実施形態と同様の構成のものを採用することが可能であるが、本実施形態では、図22に示すように、直方体の箱形形状を有するケースB22を採用している。
第1実施形態と同様に、ケースB22には、プロジェクタ装置B2の内部構成要素であるレンズユニットB21(図12参照)、LED基板、DMD基板、ヒートシンク、吸気用ファン等が収容されている。ケースB22の下面には、プロジェクタ制御基板B23(図12参照)が固定されている。
ケースB22の前面に設けられた前部開口B22kには、レンズユニットカバーB222(図12参照)が取り付けられる。レンズユニットB21は、レンズユニットカバーB222で投射レンズ210(図12参照)が覆われた状態で、ケースB22に収容されている。
また、図示しないが、ケースB22には、左右方向における中央よりも左寄りの箇所(下側台座B221に取り付けた状態(図23参照)における左側部B221cの右端付近)に、2つの吸気用ファン244A・244Bが前後に並ぶように配設されている。2つの吸気用ファン244A・244Bの左側には、ヒートシンクが設けられている。
また、ケースB22の右側面には、吸気口B22Aが設けられており(図22参照)、ケースB22の左側面には、排気口B22Eが設けられている(図23参照)。これにより、ケースB22内においては、吸気口B22Aから吸気用ファン244A・244Bによって強制的に吸気された後、ヒートシンクから熱を奪いつつ排気口B22Eから排気される空気の流れが形成される。
図23に示すように、ケースB22は、下側台座B221に対してネジ締結により取り付けられて、その上端面(図22に示す上壁部B22F)が下側台座B221の本体部B221aの内側面に当接している。また、上側台座B220と下側台座B221とが連結された状態において、下側台座B221の本体部B221aは、上側台座B220よりも上方に位置している。これにより、ケースB22の上壁部B22Fも、上側台座B220よりも上方に位置付けられることになる。
この点、第1実施形態では、ケースB22の上端が下側台座B221に取り付けられており、上側台座B220は、それよりも上方に配置されていた。そのため、上側台座B220と下側台座B221との間に形成された空間内にケースB22を配置することができなかった。これに対し、本実施形態では、上側台座B220に開口を形成し、ケースB22の上端(上壁部B22F)が当該開口を上方に挿通するようにケースB22を配置することにより、ケースB22の上端(上壁部B22F)を上側台座B220よりも上方に位置付けることができるようになっている。これにより、ケースB22を配置するためのスペースを有効活用することが可能となっている。
なお、このように、第1実施形態と比較して、上側台座B220に対するケースB22(プロジェクタ装置B2)の相対的な位置を上方に移動させたことにより、ケースB22の前面に設けられた前部開口B22k(図22参照)の前方に、上側台座B220の一部が配置されることになる(図23参照)。すなわち、当該上側台座B220の一部が、前部開口B22kに対応するように設置された投射レンズ210(図12参照)の前方に配置された状態となる。これにより、投射レンズ210から出射された光が上側台座B220によって遮られるようにも思われる。
しかしながら、このようにして照射光が遮られることはない。すなわち、本実施形態において、照射光は、投射レンズ210の光軸よりも下側の部分から出射される。換言すれば、照射光の出射に際しては、投射レンズ210の下半分(投射レンズ210の上下方向における中央部を通る水平面よりも下側の部分)だけが使用される。このような投射レンズ210における光の出射位置は、従来公知のプロジェクタ(例えば、特開2008−058875号公報参照)とは異なっている。
このように、本実施形態では、照射光の出射に際して、投射レンズ210の上半分が使用されず、照射光は、投射レンズ210の光軸よりも下側の部分から出射されるところ、図23のように投射レンズ210の前方に配置された上側台座B220は、投射レンズ210の光軸よりも上方に存在する。従って、投射レンズ210から出射された光の進路は、上側台座B220よりも下方となり、上側台座B220によって照射光が遮られることはない。
また、下側台座B221を下方に折り曲げて、右側部B221b、左側部B221c、及び、後端部B221dを形成することで、右側部B221b、左側部B221c、及び、後端部B221dそれぞれの上方に上側台座B220が配置されるように、上側台座B220と下側台座B221とを連結することができる。これにより、上側台座B220及び下側台座B221の構成を第1実施形態から変更しつつも、3箇所の連結部の構成については、第1実施形態と同様の構成を採用することができる。
従って、プロジェクタ装置B2から照射される光の光軸方向等の調整についても、第1実施形態と同様の方法により行うことができる。このような光軸方向等の調整には、高度なコンピュータプログラムが必要であるところ、当該プログラムの開発には、多額のコストが発生する。本実施形態では、第1実施形態と同じプログラムを用いて光軸方向等の調整を行うことができるため、新たなコストの発生を抑えることが可能である。
また、本実施形態では、ケースB22が上壁部B22Fを有することとして説明しているが、第1実施形態のように、上側が開放されたケースB22(図12参照)を使用することとしてもよい。また、ケースB22の下側台座B221への取付方法としては、特に限定されず、第1実施形態のように、ステーB223a(図12参照)を用いることにより、ケースB22を下側台座B221に取り付けることとしてもよい。
以上で説明したように、本実施形態では、ケースB22の一部を上側台座B220よりも上方に配置することにより、第1実施形態と比較してケースB22を上方に移動させることが可能であり、ケースB22の下方領域に新たな空間を作り出すことができる。このような効果は、上側台座B220の構成を第1実施形態から変更したことにより得られるものであり、プロジェクタカバーB1については、第1実施形態と同様の構成を採用することができる。
もっとも、本実施形態では、他の効果も勘案して、第1実施形態とは異なる構成を有するプロジェクタカバーB1を採用している。以下、本実施形態に係るプロジェクタカバーB1について説明する。
<プロジェクタカバーB1>
図24は、プロジェクタカバーの上壁部を取り外した状態を示す斜視図である。図25は、上壁部を取り外した状態のプロジェクタカバーの平面図である。図26は、図25に示すプロジェクタカバーの矢視L−Lに沿う断面図と、プロジェクタカバーに取り付けられる中継板の斜視図とを分解して示す図である。図27は、上壁部を取り外した状態のプロジェクタカバーを斜め上方から見た図である。図28は、上壁部を取り外した状態のプロジェクタカバーの正面図である。図29は、図28に示すプロジェクタカバーの矢視M−Mに沿う断面図である。
図24に示すように、プロジェクタカバーB1は、概ね左右対称となる構造を備えており、その内部において、中継板取付部B301を有している。中継板取付部B301は、左右の側壁部B13・B13それぞれの内側面から内側に突出するように形成されている。中継板取付部B301は、段差を有するように形成されており、前方及び後方に形成された中継板取付面B301aと、中継板取付面B301aよりも上方に形成された位置調整面B301dと、前方及び後方それぞれの中継板取付面B301aと位置調整面B301dとを接続する接続部B301eとを有している。
中継板取付面B301aには、取付用孔B301bが形成されている。また、位置調整面B301dには、位置調整用孔B301cが形成されている。取付用孔B301bは、中継板B300を中継板取付部B301にネジ締結により取り付けるためのネジ孔である。位置調整用孔B301cは、中継板B300を中継板取付部B301に取り付けた際に上側台座B220の角孔2201c(図18参照)と対向するような位置に形成されている。
図26に示すように、中継板B300は、本体部B300A、本体部B300Aと段差を有して前方に延出する前側部B300B、及び、本体部B300Aと段差を有して後方に延出する後側部B300Cを備える。前側部B300Bは、本体部B300Aの前端を下方及び前方に折り曲げることで形成されている。後側部B300Cは、本体部B300Aの後端を下方及び後方に折り曲げることで形成されている。このように、中継板B300の形状は、プロジェクタカバーB1の中継板取付部B301に設けられた段差に対応した形状となっている。
本体部B300Aには、第1貫通孔B300aが形成されている。前側部B300B及び後側部B300Cには、それぞれ、第2貫通孔B300bが形成されている。第1貫通孔B300aは、中継板B300を上側台座B220に取り付ける際にキャップボルトが挿通する孔である。一方、第2貫通孔B300bは、中継板B300を中継板取付部B301にネジ締結により取り付ける際にネジが挿通する孔である。
また、図24に示すように、プロジェクタカバーB1の前方における左右両側には、上側が開放した開口B400(右開口B400a及び左開口B400b)が設けられている。右開口B400aは、上面視における形状が辺E〜J(図25参照)により構成される六角形に近似する形状となっている。
図27に示すように、辺E〜Jを上端として、各辺からそれぞれ下方に向けて連続する壁面(壁面B401e、壁面B401f、壁面B401g、壁面B401h、壁面B401i、及び、壁面B401j)が形成されている。辺Jから連続して形成される壁面B401j(図24参照)は、その他の壁面B401e〜B401iと比較して、上下方向の長さが短くなっている。なお、辺Eから連続して形成される壁面B401eは、プロジェクタカバーB1の内側において後方まで連続しており、プロジェクタカバーB1の内側面403(図29参照)の一部となっている。
また、図26に示すように、中継板取付部B301の位置調整面B301dの下方には空洞B402が形成されている。
図29は、接続部B301eを通る水平面(中継板取付面B301aよりも上方であって、位置調整面B301dよりも下方を通る面)で切断したときの断面図である。
図29に示すように、プロジェクタカバーB1の上側に向けて開放した開口B400(右開口B400a及び左開口B400b)と、中継板取付部B301の位置調整面B301dの下方に形成された空洞402とが、プロジェクタカバーB1の内部において連通している。
<プロジェクタカバーB1及びブラインドB500による空間の形成>
本実施形態では、プロジェクタカバーB1の下側に設けられる部材として、第1実施形態における多孔板B15(図10参照)に代わって、ブラインドB500が採用されている。
図30は、ブラインドの斜視図である。図31は、プロジェクタカバーの上壁部を取り外した状態の照射ユニットの平面図である。図32は、図31に示す照射ユニットの矢視N−Nに沿う断面において開口近傍用ファン及びダクトカバーを取り外した状態を示す図である。
図30に示すように、ブラインドB500は、概ね左右対称となる構造を備えており、略水平に形成された第1水平部B501と、第1水平部B501と連続して傾斜を有するように形成された第1傾斜部B502aと、第1傾斜部B502aと連続して略水平に形成された第2水平部B502bと、第2水平部B502bと連続して傾斜を有するように形成された第2傾斜部B502cと、第2傾斜部B502cと連続して略水平に形成された第3水平部B502dと、第3水平部B502dと左右方向の幅が同じになるように第3水平部B502dの後端から上方に向かって立設された後壁部B503と、ブラインドB500の外壁を構成する外壁部B504と、外壁部B504と対向している内壁部B505と、を有している。
外壁部B504は、第1傾斜部B502a、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、第3水平部B502d、及び、後壁部B503と連続している。内壁部B505は、第1傾斜部B502a及び第2水平部B502bと連続している。なお、第1傾斜部B502a、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、及び、第3水平部B502dは、外壁部B504近傍の一定範囲が隆起しており、当該範囲の内側部分よりも高くなるような構造を有している。
また、ブラインドB500は、平面視矩形状の小部屋B507を有している。小部屋B507は、上下方向に形成された前側壁部B507a、外側壁部B507b、及び、後側壁部B507d、並びに、内壁部B505によって囲まれた空間である。前側壁部B507aは、第2水平部B502bから立設されて、左右方向に延在している。外側壁部B507bは、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、及び、第3水平部B502dから立設されて、前後方向に延在し、後壁部B503と連続している。後側壁部B507dは、後壁部B503と略同一平面を形成するように立設されている。
このように、小部屋B507は、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、及び、第3水平部B502dに跨るように形成されているため、第2傾斜部B502c及び第3水平部B502dにおける左右方向の幅は、第1傾斜部B502aにおける左右方向の幅と比較して、前側壁部B507aにおける左右方向の幅の長さ分だけ、狭くなっている。なお、外側壁部B507bには、上方が開放されたU字状の切り欠き507cが形成されている。また、前側壁部B507a、外側壁部B507b、及び、後側壁部B507dの上端は、内壁部B505の上端縁B505aよりも低くなっている。
第1水平部B501には、その前端において上方に向かって僅かに立設された第1壁部B501aと、第1壁部B501aにおける内側部分から後方に向かって連続する第2壁部B501bと、第2壁部B501bから斜め後方に向かって連続する第3壁部B501cと、第3壁部B501cから後方に向かって連続する第4壁部B501dと、第4壁部B501dから内側に向かって連続する第5壁部B501eと、が形成されている。第5壁部B501eは、内壁部B505と連続している。
第3壁部B501cと第4壁部B501dと第5壁部B501eとによって囲まれた領域には、ブラインドB500をプロジェクタカバーB1にネジ締結により取り付けるためのネジ孔B506が形成されている。
図32に示すように、ブラインドB500がプロジェクタカバーB1の下側に取り付けられた状態において、ブラインドB500の第1壁部B501aの面は、プロジェクタカバーB1の壁面B401fと連続し、ブラインドB500の第2壁部B501bの面は、プロジェクタカバーB1の壁面B401gと連続し、ブラインドB500の第3壁部B501cの面は、プロジェクタカバーB1の壁面B401hと連続し、ブラインドB500の第4壁部B501dの面は、プロジェクタカバーB1の壁面B401iと連続している。
また、図32には現れていないが、ブラインドB500の第5壁部B501eの面は、プロジェクタカバーB1の空洞B402(図26参照)の前方に存在する面B402a(図29参照)と略同一平面上に配置されている。第5壁部B501eの上端と面B402aの下端との間には、一定の間隙が存在している。後述するように、当該間隙は、ダクトカバーB600(ダクトカバーB650)によって埋められる(図36参照)。さらに、ブラインドB500の外壁部B504の内側面は、プロジェクタカバーB1の内側面403(図29参照)と連続している。
以上より、プロジェクタカバーB1とブラインドB500とによって、空間P(図32参照)が形成される。空間Pは、上方がプロジェクタカバーB1によって覆われるとともに、下方がブラインドB500によって覆われている。また、空間Pの側方は、ブラインドB500の第1壁部B501a〜第5壁部B501e、内壁部B505、後壁部B503、及び、外壁部B504、並びに、プロジェクタカバーB1の壁面B401f〜B401i、空洞B402の前後方に存在する面B402a・B402b、及び、内側面403等によって囲まれている。
そして、空間Pは、その上方の一部が開口B400(図24参照)を介してプロジェクタカバーB1の外部空間と繋がっており、また、空洞B402を介してプロジェクタカバーB1の内部空間Q(図29参照)と繋がっている。プロジェクタカバーB1とブラインドB500とが組み付けられた状態において、空洞B402は、空間Pの一部となっている。
なお、図31及び図32に示すように、開口B400(右開口B400a及び左開口B400b)には、メッシュ構造を有するパンチングB450(右パンチングB450a及び左パンチングB450b)が設けられている。これにより、開口B400を介して空間Pに異物が侵入してしまうことを一定程度防止することができる。
<空気流路及び液体貯留空間の形成>
図33は、図30に示すブラインドに開口近傍用ファン及びダクトカバーを取り付けるとともに、ケースを配置した状態を示す斜視図である。図34は、図31に示す照射ユニットから右パンチングを取り外した状態を示す斜視図である。図35は、図32に示す照射ユニットに開口近傍用ファン及びダクトカバーを取り付けた状態を示す断面図である。図36は、図35に示す照射ユニットの断面において開口近傍用ファンを取り外した状態を示す右側面図である。
図33に示すように、ブラインドB500の右側上部には、ダクトカバーB600が略水平に配設されている。ダクトカバーB600は、平板状の部材であり、上面視における外形形状が、ブラインドB500の後壁部B503、外壁部B504、内壁部B505、並びに、小部屋B507の前側壁部B507a及び外側壁部B507b(図30参照)それぞれの上端縁を含んで構成される図形に近似する形状となっている。これにより、ダクトカバーB600は、ブラインドB500を上方から覆っている。
また、ブラインドB500の左側上部には、ダクトカバーB650が略水平に配設されている。ダクトカバーB650は、平板状の部材であり、上面視における外形形状は、ダクトカバーB600と異なっているが(図40参照)、ダクトカバーB600と同様に、ブラインドB500を上方から覆っている。
図35に示すように、プロジェクタカバーB1とブラインドB500とによって形成される空間P(図32参照)は、ダクトカバーB600(ダクトカバーB650)よりも上方の空間P1とダクトカバーB600よりも下方の空間P2とに分けられる。分かりやすくするため、図35では、ダクトカバーB600を斜線で示している。
また、図33に示すように、ダクトカバーB600の上側前方には、開口近傍用ファンB700が載置されている。開口近傍用ファンB700は、吸気用のファンであり、開口近傍用ファンB700の前方に存在する空気を、空気通過部B710(図37参照)を通過させて、後方へと移動させることができるようになっている。
図34及び図35に示すように、ブラインドB500にプロジェクタカバーB1が取り付けられた状態において、開口近傍用ファンB700は、プロジェクタカバーB1の右開口B400aの近傍に位置付けられる。分かりやすくするため、図34及び図35では、開口近傍用ファンB700を網掛けで示している。
ここで、図示しないが、本実施形態では、表示ユニットAをキャビネットGに装着した際、照射ユニットBの前方部分がキャビネットGの前方へと突出し、照射ユニットBのうちキャビネットGから突出した部分は、上ドア機構UD(図1参照)に収容される。そして、上ドア機構UDの上面壁に形成された2つの開口(図示せず)が、それぞれ、プロジェクタカバーB1の2つの開口B400(右開口B400a及び左開口B400b)の真上に位置付けられる。
また、図35に示すように、空洞B402(2つある空洞B402のうちの右側の空洞B402)に近接するように、ケースB22の吸気口B22A(図22参照)が配置されている。図示しないが、ケースB22の排気口B22E(図23参照)についても、同様に、空洞B402(2つある空洞B402のうちの左側の空洞B402)に近接するように配置されている。
これにより、本実施形態では、上ドア機構UDの上面壁に形成された開口(2つある開口のうちの右側の開口)を介して、遊技機1の外部から上ドア機構UDの内部に空気が取り入れられる。この空気は、上ドア機構UDの内部を下向きに移動し、プロジェクタカバーB1の開口B400(右開口B400a)を介して、プロジェクタカバーB1の内部に取り入れられる。
プロジェクタカバーB1の内部に入った空気は、プロジェクタカバーB1とブラインドB500とによって形成された空間P(2つある空間Pのうちの右側の空間P、図32参照)のうちダクトカバーB600よりも上方の空間P1(図35参照)を後方に移動した後、プロジェクタカバーB1の内側へと向きを変え、空洞B402(2つある空洞B402のうちの右側の空洞B402)を通過して、吸気口B22Aを介してケースB22の内部に入る。
ケースB22の内部に入った空気は、ケースB22内で発生した熱を奪いながら左方向に進み、排気口B22Eを介してケースB22を出る。
ケースB22を出た空気は、空洞B402(2つある空洞B402のうちの左側の空洞B402)を通過した後、進路を前向きに変えて、空間P(2つある空間Pのうちの左側の空間P)のうちダクトカバーB650よりも上方の空間P1を前方に移動する。そして、当該空気は、プロジェクタカバーB1の開口B400(左開口B400b)を介して、プロジェクタカバーB1の外部に出る。
プロジェクタカバーB1の外部に出た空気は、上ドア機構UDの内部を上向きに移動した後、上ドア機構UDの上面壁に形成された開口(2つある開口のうちの左側の開口)を介して、遊技機1の外部に放出される。
以上で説明した空気の流れのうち、プロジェクタカバーB1の内部における空気流路を、図29中に太い矢印で示している。また、空間P1における空気の流れを、図35中に矢印Aで示している。本実施形態では、このような空気流路を形成することにより、プロジェクタ装置B2において発生した熱を遊技機1の外部に排出することができる。
ここで、上述したように、上ドア機構UDの上面壁に形成された開口は、プロジェクタカバーB1の開口B400(右開口B400a及び左開口B400b)の真上に存在している。すなわち、上ドア機構UDの開口とプロジェクタカバーB1の開口B400とを上面視したとき、少なくとも一部が重なり合っている。
そのため、上ドア機構UDの開口から液体等の異物が遊技機1の中に入った場合、当該異物は、プロジェクタカバーB1の内部に侵入することになる。しかしながら、本実施形態によれば、そのような場合であっても、当該異物がケースB22の内部に侵入してしまうことを防止することが可能である。以下、上ドア機構UDの開口から液体Lが投入された場合を例として説明する。
上ドア機構UDの開口から投入された液体Lは、プロジェクタカバーB1の開口B400(右開口B400a)を通過して、ブラインドB500の第1水平部B501(図30参照)に落下する。
ここで、図32を用いて説明したように、ブラインドB500の第5壁部B501eの上端とプロジェクタカバーB1の空洞B402(図26参照)の前方に存在する面B402a(図29参照)の下端との間には、一定の間隙が存在し、ダクトカバーB600の厚みは、当該間隙の長さと略一致する。ダクトカバーB600は、第5壁部B501eの上端及び面B402aの下端の双方に当接して、当該間隙を埋めるように配置される。これにより、ブラインドB500の第1水平部B501とダクトカバーB600との間には、ブラインドB500の第5壁部B501eの高さ相当の隙間が形成されている。液体Lは、当該隙間を通過して、第1水平部B501から第1傾斜部B502aの方へと流れていく。
ブラインドB500の第1傾斜部B502a及び第2傾斜部B502cは、後方に向かうにつれて下降するような傾斜を有しているため、液体Lは、第1傾斜部B502a、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、及び、第3水平部B502dを後方へと流れていく。このように、液体Lは、第1水平部B501、第1傾斜部B502a、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、及び、第3水平部B502dの面上を流れる。このような液体Lの流れを、図35中に矢印Lで示している。
後方へと流れてきた液体Lは、後壁部B503に衝突し、後壁部B503と外壁部B504と外側壁部B507b(及び内壁部B505)とで囲まれた領域に貯留される(図36参照)。当該領域は、プロジェクタカバーB1とブラインドB500とによって形成された空間P(図32参照)のうちダクトカバーB600よりも下方の空間P2(図35参照)に含まれる。分かりやすくするため、図36では、貯留された液体Lを網掛けで示している。
ここで、図35に示す空間P1とプロジェクタカバーB1の内部空間Q(図29参照)とは、図36に示す開口B510を介して繋がっている。図36に示すように、開口B510は、側面視における形状が辺K〜Nにより構成される長方形に近似する形状となっている。
開口B510の下端を構成する辺Kは、ブラインドB500の内壁部B505の上端縁B505a(図30参照)に対応している。そして、内壁部B505の上端縁B505a(開口510の下端)は、図30に示すように、第1水平部B501、第1傾斜部B502a、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、及び、第3水平部B502d(液体Lの通り道)よりも上方に位置している。
また、図には明示されていないが、ダクトカバーB600は、その右端がブラインドB500の外壁部B504の上端縁上に載置され、且つ、その左端がブラインドB500の内壁部B505の外側面に当接するように配置され、これにより、その主面B610(図37参照)がブラインドB500の内壁部B505の上端縁B505aと略同一平面を形成している(図33参照)。これにより、プロジェクタカバーB1の内部空間Qと液体Lの貯留空間(空間P2)とが、ダクトカバーB600によって隔てられ、液体Lが開口B510を介してプロジェクタカバーB1の内部空間Q(ケースB22の内部)に侵入するということが起こり難くなっている。
<開口近傍用ファンの取付構造及び取付位置>
図37は、ダクトカバー及び開口近傍用ファンの分解斜視図である。図38は、プロジェクタカバー及び開口近傍用ファンを後方且つ下方から見た分解斜視図である。図39は、プロジェクタカバー及び開口近傍用ファンを前方且つ下方から見た部分拡大斜視図である。
図37に示すように、ダクトカバーB600は、主面B610と、ファン設置構造B620と、後側部B630と、配線用開口B640(B640a及びB640b)と、ネジ孔B650(B650a及びB650b)と、を備えている。
主面B610は、上面視矩形形状における左後方コーナー部を切り欠いた形状を有している。ファン設置構造B620は、開口近傍用ファンB700を設置するための構造であり、主面B610の前方右寄りに形成されている。後側部B630は、主面B610の右側後部から後方に延在するように形成されている。配線用開口B640は、プロジェクタカバーB1の外部に配置された各種機能部品(サブ制御装置SS等)とプロジェクタ装置B2等とを接続する配線を挿通させるための孔である。ネジ孔B650は、ダクトカバーB600をプロジェクタカバーB1にネジ締結により取り付けるための孔である。
ファン設置構造B620は、主面B610の前端において立設された前側係合部B621と、前側係合部B621よりも後方において主面B610から立設された左後側係合部B622及び右後側係合部B623と、主面B610から僅かに立設されて前後方向に延在する下側係合部B624(下側左係合部B624a、下側中係合部B624b、及び、下側右係合部B624c)と、を有している。
下側左係合部B624a及び下側中係合部B624bは、前側係合部B621の背面と左後側係合部B622の前面とを接続している。下側右係合部B624cは、前側係合部B621の背面と右後側係合部B623の前面とを接続している。
前側係合部B621の上端縁B621a、左後側係合部B622の上端縁B622a、及び、右後側係合部B623の上端縁B623aは、それぞれカーブ状に形成されている。開口近傍用ファンB700は、円状の空気通過部B710を有している。上端縁B621a、上端縁B622a、及び、上端縁B623aは、空気通過部B710の形状に対応する形状(円弧状)に形成されている。なお、分かりやすくするため、図37では、上端縁B621a及び上端縁B622aを斜線で示し、空気通過部B710を網掛けで示している。
図38に示すように、プロジェクタカバーB1内側の天井部から下方に突出するように、開口近傍用ファンB700を設置するための構造(ファン設置構造)が形成されている。具体的に、プロジェクタカバーB1は、開口B400の後端に沿って形成された前側係合部B421と、前側係合部B421よりも後方に形成された後側係合部B422と、前後方向に延在する上側係合部B423(上側左係合部B423a、上側中係合部B423b、及び、上側右係合部B423c)と、を有している。
上側係合部B423は、前側係合部B421の背面と後側係合部B422の前面とを接続している。プロジェクタカバーB1内側の天井部からの下方への突出長は、上側係合部B423よりも前側係合部B421及び後側係合部B422の方が長くなっている。
前側係合部B421の下端縁B421a及び後側係合部B422の下端縁B422aは、それぞれカーブ状に形成されている。下端縁B421a及び下端縁B422aは、開口近傍用ファンB700の空気通過部B710の形状に対応する形状(円弧状)に形成されている。なお、分かりやすくするため、図38では、下端縁B421a及び下端縁B422aを斜線で示している。
開口近傍用ファンB700は、以上で説明したダクトカバーB600のファン設置構造B620及びプロジェクタカバーB1のファン設置構造によって挟持される。
具体的に、ダクトカバーB600の前側係合部B621と左後側係合部B622との間隔、前側係合部B621と右後側係合部B623との間隔、及び、プロジェクタカバーB1の前側係合部B421と後側係合部B422との間隔は、それぞれ、開口近傍用ファンB700における前後方向の長さと略等しくなっている。
これにより、開口近傍用ファンB700の左側前面は、ダクトカバーB600の前側係合部B621の背面と当接し、開口近傍用ファンB700の左側背面は、ダクトカバーB600の左後側係合部B622の前面と当接し、開口近傍用ファンB700は、ダクトカバーB600の前側係合部B621と左後側係合部B622とによって挟持される。また、開口近傍用ファンB700の右側前面は、ダクトカバーB600の前側係合部B621の背面と当接し、開口近傍用ファンB700の右側背面は、ダクトカバーB600の右後側係合部B623の前面と当接し、開口近傍用ファンB700は、ダクトカバーB600の前側係合部B621と右後側係合部B623とによって挟持される。
また、開口近傍用ファンB700の前面は、プロジェクタカバーB1の前側係合部B421の背面と当接し、開口近傍用ファンB700の背面は、プロジェクタカバーB1の後側係合部B422の前面と当接し、開口近傍用ファンB700は、プロジェクタカバーB1の前側係合部B421と後側係合部B422とによって挟持される。
また、ダクトカバーB600の3つの下側係合部B624(下側左係合部B624a、下側中係合部B624b、及び、下側右係合部B624c)は、主面B610からの上方への突出長が互いに略等しくなっている。また、プロジェクタカバーB1の3つの上側係合部B423(上側左係合部B423a、上側中係合部B423b、及び、上側右係合部B423c)は、プロジェクタカバーB1内側の天井部からの下方への突出長が互いに略等しくなっている。そして、ダクトカバーB600の下側係合部B624とプロジェクタカバーB1の上側係合部B423との間隔は、開口近傍用ファンB700における上下方向の長さと略等しくなっている。
これにより、開口近傍用ファンB700の下面は、ダクトカバーB600の3つの下側係合部B624(下側左係合部B624a、下側中係合部B624b、及び、下側右係合部B624c)の上面と当接し、開口近傍用ファンB700の上面は、プロジェクタカバーB1の3つの上側係合部B423(上側左係合部B423a、上側中係合部B423b、及び、上側右係合部B423c)の下面と当接し、開口近傍用ファンB700は、ダクトカバーB600の下側係合部B624とプロジェクタカバーB1の上側係合部B423とによって挟持される。
以上のようにして、開口近傍用ファンB700は、前後方向及び上下方向から、ダクトカバーB600及びプロジェクタカバーB1によって挟持されることで、固定される。
開口近傍用ファンB700が固定された状態において、空気通過部B710の前面側周縁は、ダクトカバーB600における前側係合部B621の上端縁B621a及びプロジェクタカバーB1における前側係合部B421の下端縁B421aに沿うように位置付けられる(図34及び図39参照)。また、図示しないが、空気通過部B710の背面側外縁は、ダクトカバーB600における左後側係合部B622の上端縁B622a及び右後側係合部B623の上端縁B623a、並びに、プロジェクタカバーB1における後側係合部B422の下端縁B422aに沿うように位置付けられる。
すなわち、空気通過部B710は、正面視において、ダクトカバーB600の前側係合部B621、左後側係合部B622、及び、右後側係合部B623、並びに、プロジェクタカバーB1の前側係合部B421及び後側係合部B422と重畳していない。換言すれば、空気通過部B710は、ダクトカバーB600の前側係合部B621、左後側係合部B622、及び、右後側係合部B623、並びに、プロジェクタカバーB1の前側係合部B421及び後側係合部B422によって覆われていない。これにより、空気の通過部分の面積を最大限確保することができる。
一方で、空気通過部B710の周縁と、ダクトカバーB600における係合部の上端縁(上端縁B621a、上端縁B622a、及び、上端縁B623a)並びにプロジェクタカバーB1における係合部の下端縁(下端縁B421a及び下端縁B422a)とを合致させることにより、開口近傍用ファンB700とダクトカバーB600とが当接する部分の面積、及び、開口近傍用ファンB700とプロジェクタカバーB1とが当接する部分の面積を大きくすることが可能であり、これにより、開口近傍用ファンB700を安定的に固定することができる。
また、図39に示すように、プロジェクタカバーB1における前側係合部B421の前面は、右開口B400aの後端縁(図25に示す辺j)から下方に向けて形成された壁面B401j(図24参照)と一致している。これにより、開口近傍用ファンB700は、前側係合部B421の前後方向における厚み分だけ、右開口B400aの後端縁(図25に示す辺j)よりも後方に配置されることになる。従って、開口近傍用ファンB700は、右開口B400aよりも奥まった位置に存在するため、プロジェクタカバーB1の右開口B400aから液体が入ってきたとしても、当該液体が開口近傍用ファンB700に直接かかり難いようになっている。一方で、開口近傍用ファンB700が右開口B400aに近接して配置されているため、右開口B400aを介して、プロジェクタカバーB1の外部から空気を取り込みやすくなっている。これにより、プロジェクタ装置B2において発生した熱を効率よく排出することができる。
なお、ダクトカバーB600の左後側係合部B622と右後側係合部B623とが別個に構成されているのに対し、前側係合部B621は、左右の部位が分断されることなく繋がった形状となっている。これにより、プロジェクタカバーB1の右開口B400aから液体が入ってきたとしても、当該液体が後方へと侵入し難いようになっている。
また、プロジェクタカバーB1における右開口B400aの後端縁(図25に示す辺j)の長さと、ダクトカバーB600における前側係合部B621の左右方向の長さと、ダクトカバーB600における左後側係合部B622の左端から右後側係合部B623の右端までの長さと、プロジェクタカバーB1における前側係合部B421の左右方向の長さと、プロジェクタカバーB1における後側係合部B422の左右方向の長さと、開口近傍用ファンB700における左右方向の長さは、全て略等しくなっている。これにより、プロジェクタカバーB1の右開口B400aから空間P1(図35参照)に至るまでの途中スペース(空間P1を左右方向の鉛直面で切断したときの断面)が開口近傍用ファンB700によって略隙間なく埋められた状態となっている。この点においても、空気の通過部分の面積が最大限確保されており、プロジェクタ装置B2の冷却効率を高めることができる。
<液体の貯留及び排出>
図40は、ブラインド及びダクトカバーを取り付けた状態を左方から見た斜視図である。図41は、プロジェクタカバー、ブラインド、及び、ダクトカバーを後方から見た斜視図である。図42は、図41に示すプロジェクタカバー、ブラインド、及び、ダクトカバーの分解斜視図である。図43は、ブラインド及びダクトカバーの分解斜視図である。
なお、図43では、ブラインドB500を前方且つ上方から見る一方、ダクトカバーB600を後方且つ下方から見た様子を示している。
上述したように、プロジェクタカバーB1とブラインドB500とによって形成された空間P(図32参照)のうちダクトカバーB600よりも下方の空間P2(図35参照)は、プロジェクタカバーB1の内部に入ってきた液体を貯留することが可能である(図36参照)。
図30を用いて説明したように、ブラインドB500には、第1水平部B501、第1傾斜部B502a、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、第3水平部B502d、及び、小部屋B507が形成されている。これにより、貯留可能な液体の容量を増やしつつ、ブラインドB500の下方においてスクリーン装置C(図5参照)を配置するためのスペースを確保するとともに、ブラインドB500の強度を維持することが可能となっている。
特に、本実施形態では、小部屋B507の存在によりブラインドB500の強度を高めるとともに、小部屋B507にも液体を貯留することができるようになっている。すなわち、上述したように、小部屋B507には、切り欠き507cが形成されており、液体の貯留量が一定量を超えると、切り欠き507cから小部屋B507に液体が流入する。このようにして、リブとして設けられた小部屋B507に液体を貯留することにより、ブラインドB500内の空間を有効に活用している。
図40に示すように、ダクトカバーB650は、上面視矩形形状における左前方コーナー部を切り欠いた形状を有している。分かりやすくするため、図40では、ダクトカバーB650を斜線で示している。図33を用いて説明したように、ダクトカバーB600は、上面視において小部屋B507の前側壁部B507a及び外側壁部B507b(図30参照)に沿うように配置される。これに対し、ダクトカバーB650は、ダクトカバーB600よりも前後方向の長さが短く、ダクトカバーB650の後端は、小部屋B507よりも前方に位置付けられる。
もっとも、図示しないが、ダクトカバーB650の後端は、プロジェクタカバーB1の空洞B402(図26参照)の後方に存在する面B402b(図29参照)、すなわち、図36に示す開口B510の辺Nよりも後方に配置される。これにより、ダクトカバーB650は、ダクトカバーB600と同様に、プロジェクタカバーB1の内部空間Qと液体Lの貯留空間(空間P2)とを隔てており、液体Lが開口B510を介してプロジェクタカバーB1の内部空間Q(ケースB22の内部)に侵入するということが起こり難くなっている。
ここで、ブラインドB500に貯留された液体は、ブラインドB500から遊技機1の外部まで連通するチューブを備える排出機構を用いて排出される。当該チューブは、液体排出用孔Sを挿通させることにより、ブラインドB500内に挿入される。以下、液体排出用孔Sについて説明する。
図41に示すように、液体排出用孔Sは、照射ユニットBの背面側に設けられている。具体的に、図42及び図43に示すように、液体排出用孔Sは、プロジェクタカバーB1の配線用開口B411と、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511aと、ダクトカバーB600の後側部B630(図37参照)と、によって構成される。
配線用開口B411は、プロジェクタカバーB1の背面を構成する背面側壁部B410において、下方が開放した切り欠きとして形成されている。
配線用開口B510aは、ブラインドB500の背面を構成する第1背面側壁部B510において、上方が開放した切り欠きとして形成されている。配線用開口B511aは、ブラインドB500の第1背面側壁部B510の前方に形成された第2背面側壁部B511において、上方が開放した切り欠きとして形成されている。第2背面側壁部B511は、後壁部B503の上端から後方に向けて連続して形成された水平面B508の後端から立設するように形成されている。第1背面側壁部B510は、第2背面側壁部B511の下端から後方に向けて連続して形成された水平面B509の後端から立設するように形成されている。
ダクトカバーB600の後側部B630は、裏側の面B631と、面B631の左右両端縁から下方に突出した下方突出部B632a及び下方突出部B632bと、を有している。下方突出部B632aと下方突出部B632bとは、一定の距離を隔てて略平行となるように対向しており、下方突出部B632aと下方突出部B632bとの間には、スペースが形成されている。
プロジェクタカバーB1、ブラインドB500、及び、ダクトカバーB600が組み付けられた状態において、プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511a、並びに、ダクトカバーB600の下方突出部B632aと下方突出部B632bとの間に形成されたスペースは、背面視において重畳し、これにより、液体排出用孔S(図41において2つ示される液体排出用孔Sのうち左側の液体排出用孔S)が形成される。なお、ダクトカバーB650には、後側部B630が形成されていないため(図40参照)、図41において2つ示される液体排出用孔Sのうち右側の液体排出用孔Sは、プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、並びに、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511aによって形成される。
液体排出用孔Sには、ブラインドB500に貯留された液体を排出するためのチューブが挿通されるとともに、照射ユニットB以外の各種機能部品(サブ制御装置SS等)とプロジェクタ装置B2等とを接続するための配線も挿通される。当該配線は、配線用開口B640a、B640b(図37参照)を挿通させることにより、プロジェクタ装置B2や開口近傍用ファンB700に接続される。
ここで、配線用開口B640a、B640bは、ダクトカバーB600の外側(右端近傍)に形成されており、配線用開口B640a、B640bの形成箇所は、プロジェクタカバーB1の内部空間Q(図29参照)に向けて開放された開口B510(図36参照)から離間した位置となっている。これにより、ブラインドB500に貯留された液体が配線用開口B640a、B640bを介してプロジェクタカバーB1の内部空間Q(ケースB22の内部)に侵入するということが起こり難くなっている。
以上、本発明の一実施形態として、第2実施形態に係る遊技機1について説明した。
従来、プロジェクタ等の投影装置により投影された映像をスクリーンに表示することにより演出を行うことが可能な遊技機が知られている(特開2012−147828号公報参照)。このような遊技機によれば、液晶表示装置と同程度の映像表現が可能であるとともに、液晶表示装置等と比較して、表示面が大型化した際のコストを低減させることができる。また、スクリーンの形状を適宜変更することにより、液晶表示装置では行うことのできない映像表現も可能となる。
しかしながら、投影装置は、液晶表示装置等と比較して、発熱しやすく、高温になりやすいため、発生した熱を放出しないと正常に機能しなくなってしまうという問題があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、映像を投影することが可能な投影装置で発生した熱を効率よく放出することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第2実施形態に係る遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(3−1) スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)と、
前記スクリーンに画像を表示するための光を投射するプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)と、
前記プロジェクタを囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)と、
前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記スクリーンに表示された画像を視認可能にするための表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、
前記カバー部材の内部に配置されたファン(開口近傍用ファンB700)と、
前記カバー部材の内部空間を仕切る仕切部材(ダクトカバーB600)と、を備え、
前記カバー部材には、前記カバー部材の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、前記カバー部材の内部に形成された第1の空間(空間Q)に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されており、
前記仕切部材は、前記カバー部材の内部において前記第1の開口から連通する空間を第2の空間(空間P1)及び第3の空間(空間P2)に仕切っており、
前記第1の空間と前記第2の空間とは、前記第2の開口を介して連通しており、
前記ファンは、前記第2の空間に配置されており、
前記プロジェクタは、前記第1の空間に配置されている、
ことを特徴とする遊技機。
第2実施形態に係る遊技機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)には、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部空間(第1の空間(空間Q))に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されている。カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部において第1の開口(右開口B400a)から連通する空間は、仕切部材(ダクトカバーB600)によって第2の空間(空間P1)及び第3の空間(空間P2)に仕切られている。第1の空間(空間Q)と第2の空間(空間P1)とは、第2の開口(開口B510)を介して連通している。プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)は、第1の空間(空間Q)に配置されており、第2の空間(空間P1)には、ファン(開口近傍用ファンB700)が配置されている。これにより、第2の空間(空間P1)を介して、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間と内部空間との間で、空気を移動させることが可能であり、このような空気の流れを通じて、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を効率よく放出することができる。
一方で、第2の空間(空間P1)にはファン(開口近傍用ファンB700)が配置されているため、仮に、第1の開口(右開口B400a)を介して、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部に異物が混入した場合であっても、ファン(開口近傍用ファンB700)の存在によって、当該異物がプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の配置されている方(第1の空間(空間Q)側)へと侵入するということを起こり難くすることができる。さらに、第3の空間(空間P2)は、第2の空間(空間P1)(プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の存在する第1の空間(空間Q)と連通する空間)から仕切部材(ダクトカバーB600)によって隔離されているため、仮に、異物が第3の空間(空間P2)に入ってきた場合、当該異物が第3の空間(空間P2)から第2の空間(空間P1)に侵入してしまうことを防止することができる。これにより、遊技機の外部から侵入してきた液体等の異物からプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を保護して、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)が故障してしまう原因を除去することができるとともに、第1の開口(右開口B400a)を介した不正なアクセスを抑制して、セキュリティを向上させることができる。
(4−1) スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)と、
前記スクリーンに画像を表示するための光を投射するプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)と、
前記プロジェクタを囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)と、
前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記スクリーンに表示された画像を視認可能にするための表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、
前記カバー部材の内部に配置されたファン(開口近傍用ファンB700)と、を備え、
前記カバー部材には、前記カバー部材の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、前記カバー部材の内部に形成された第1の空間(空間Q)に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されており、
前記第1の空間と、前記カバー部材の内部において前記第1の開口から連通する第2の空間(空間P)とは、前記第2の開口を介して連通しており、
前記プロジェクタは、前記第1の空間に配置されており、
前記第2の空間には、前記ファンを設置するためのファン設置用部材(ダクトカバーB600)が設けられており、
前記ファンは、前記第2の空間において、前記カバー部材の内側部と前記ファン設置用部材とによって挟持されている、
ことを特徴とする遊技機。
第2実施形態に係る遊技機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)には、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部空間(第1の空間(空間Q))に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されている。第1の空間(空間Q)と第2の空間(空間P)(カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部において第1の開口(右開口B400a)から連通する空間)とは、第2の開口(開口B510)を介して連通している。プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)は、第1の空間(空間Q)に配置されており、第2の空間(空間P)には、ファン(開口近傍用ファンB700)が配置されている。これにより、第2の空間(空間P)を介して、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間と内部空間との間で、空気を移動させることが可能であり、このような空気の流れを通じて、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を効率よく放出することができる。とりわけ、第2の空間(空間P)には、ファン(開口近傍用ファンB700)を設置するためのファン設置用部材(ダクトカバーB600)が設けられており、ファン(開口近傍用ファンB700)は、第2の空間(空間P)において、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内側部とファン設置用部材(ダクトカバーB600)とによって挟持されている。この点、ファン(開口近傍用ファンB700)を設置するに当たり、ビスや爪等の構造を別途設けることとすれば、当該構造のために(左右方向に)新たにスペースが必要になる。これに対し、第2実施形態に係る遊技機1によれば、省スペースでファン(開口近傍用ファンB700)を設置することが可能であり、第2の空間(空間P)内における空気の通過可能部分のスペースを最大限確保することができる。その結果、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間と内部空間との間での空気の移動効率を高めることが可能であり、ファン(開口近傍用ファンB700)の機能を最大限活かしつつ、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の冷却効果を向上させることができる。
(4−2) 前記(4−1)の遊技機であって、
前記ファン設置用部材には、前記ファンにおける空気の通過可能部分(空気通過部B710)の形状に対応する形状を有するファン設置部(ファン設置構造B620)が形成されている、
ことを特徴とする。
第2実施形態に係る遊技機1によれば、ファン設置部(ファン設置構造B620)は、ファン(開口近傍用ファンB700)における空気の通過可能部分(空気通過部B710)の形状に対応する形状を有しているため、ファン設置部(ファン設置構造B620)によって空気の通過が妨げられてしまうことを防止することができる。これにより、ファン(開口近傍用ファンB700)の吸引力を最大限活かしつつ、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の冷却効果をさらに向上させることができる。
(5−1) スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)と、
前記スクリーンに画像を表示するための光を投射するプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)と、
前記プロジェクタを囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)と、
前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記スクリーンに表示された画像を視認可能にするための表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、を備え、
前記カバー部材には、前記カバー部材の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、前記カバー部材の内部に形成された第1の空間(空間Q)に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されており、
前記第1の空間と、前記カバー部材の内部において前記第1の開口から連通する第2の空間(空間P)とは、前記第2の開口を介して連通しており、
前記プロジェクタは、前記第1の空間に配置されており、
前記第2の空間は、下方が閉塞することにより液体を貯留することが可能であり、
前記カバー部材には、さらに、前記カバー部材の外部に配置された機器と前記プロジェクタとを接続する配線を挿通させるための配線用開口(プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、並びに、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511a)が形成されており、
前記第2の空間と前記カバー部材の外部空間とは、前記配線用開口を介して連通しており、
前記配線用開口は、前記第2の空間に貯留された液体を前記カバー部材の外部に排出するための機構(排出機構が備えるチューブ)を挿通させることが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第2実施形態に係る遊技機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)には、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部空間(第1の空間(空間Q))に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されている。第1の空間(空間Q)と第2の空間(空間P)(カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部において第1の開口(右開口B400a)から連通する空間)とは、第2の開口(開口B510)を介して連通している。プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)は、第1の空間(空間Q)に配置されている。これにより、第2の空間(空間P)を介して、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間と内部空間との間で、空気を移動させることが可能であり、このような空気の流れを通じて、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を効率よく放出することができる。
また、第2実施形態に係る遊技機1によれば、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)には、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部に配置された機器とプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)とを接続する配線を挿通させるための配線用開口(プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、並びに、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511a)が形成されており、第2の空間(空間P)とカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間とは、配線用開口(プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、並びに、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511a)を介して連通している。そして、第2の空間(空間P)は、下方が閉塞することにより液体を貯留することが可能である一方、第2の空間(空間P)に貯留された液体は、配線用開口(プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、並びに、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511a)を介して、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部に排出することが可能である。これにより、仮に、第1の開口(右開口B400a)を介して、遊技機の外部からカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部へと液体(遊技者が注ぎ込んだ飲み物等)が入ってきた場合であっても、当該液体を第2の空間(空間P)内に滞留させることが可能であり、当該液体が第2の空間(空間P)外の機器に侵入してしまうことを防止することができる。また、貯留された液体を配線用開口(プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、並びに、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511a)から適宜排出することにより、液体の貯留量を一定限度以下に保つことが可能である。その結果、第2の空間(空間P)に液体が過剰に貯留されることに起因して、当該液体がプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の配置空間(第1の空間)に侵入してしまう、という事態を回避することができる。このようにして、第2実施形態に係る遊技機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)や他の機器が液体によって故障してしまうことを抑制することができる。なお、遊技機1の内部温度は、比較的高い(約60℃)ため、貯留された液体は、上記のような機構を用いて排出しなくても、放置しておけば自然に蒸発する。従って、当該排出機構を設けることは必須でなく、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)には、配線用開口(プロジェクタカバーB1の配線用開口B411、並びに、ブラインドB500の配線用開口B510a及び配線用開口B511a)が形成されていなくてもよい。
(6−1) スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)と、
前記スクリーンに画像を表示するための光を投射するプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)と、
前記プロジェクタを囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)と、
前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記スクリーンに表示された画像を視認可能にするための表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、
前記カバー部材の内部に配置されたファン(開口近傍用ファンB700)と、を備え、
前記カバー部材には、前記カバー部材の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、前記カバー部材の内部に形成された第1の空間(空間Q)に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されるとともに、前記第1の開口の周縁の一部(図25に示す辺j)から前記カバー部材の内側に向けて連続する開口縁部(プロジェクタカバーB1の前側係合部B421)が形成されており、
前記第1の空間と、前記カバー部材の内部において前記第1の開口から連通する第2の空間(空間P)とは、前記第2の開口を介して連通しており、
前記プロジェクタは、前記第1の空間に配置されており、
前記ファンは、前記第2の空間において前記開口縁部に当接するように配置されている、
ことを特徴とする遊技機。
第2実施形態に係る遊技機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)には、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間に向けて開放した第1の開口(右開口B400a)、及び、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部空間(第1の空間(空間Q))に向けて開放した第2の開口(開口B510)が形成されている。第1の空間(空間Q)と第2の空間(空間P)(カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部において第1の開口(右開口B400a)から連通する空間)とは、第2の開口(開口B510)を介して連通している。プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)は、第1の空間(空間Q)に配置されており、第2の空間(空間P)には、ファン(開口近傍用ファンB700)が配置されている。これにより、第2の空間(空間P)を介して、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間と内部空間との間で、空気を移動させることが可能であり、このような空気の流れを通じて、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を効率よく放出することができる。とりわけ、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)には、第1の開口(右開口B400a)の周縁の一部(図25に示す辺j)からカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内側に向けて連続する開口縁部(プロジェクタカバーB1の前側係合部B421)が形成されており、ファン(開口近傍用ファンB700)は、第2の空間(空間P)において開口縁部(プロジェクタカバーB1の前側係合部B421)に当接するように配置されている。これにより、仮に、第1の開口(右開口B400a)を介して、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部に液体等の異物(例えば、遊技者が注ぎ込んだ飲み物等)が混入した場合であっても、当該異物がファン(開口近傍用ファンB700)に直接接触してしまうことを防止することができる。一方で、ファン(開口近傍用ファンB700)の設置位置を可能な限り第1の開口(右開口B400a)に接近させることにより、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の外部空間と内部空間との間での空気移動をスムーズに行わせることができ、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の冷却効果を向上させることができる。
第2実施形態では、表示ユニットAをキャビネットGに装着した際、照射ユニットBの前方部分がキャビネットGの前方へと突出し、照射ユニットBのうちキャビネットGから突出した部分は上ドア機構UD(図1参照)に収容されることとして説明した。このように、照射ユニットBの前方部分がキャビネットGの前方へと突出する場合、図44に示すようにして上ドア機構UDがキャビネットGに取り付けられる構成を採用することが望ましい。
図44は、上ドア機構をキャビネットに取り付ける方法について説明するための図である。この構成によれば、引っ掛け部UD120は、上ドア機構UDから後方へと突出する部材であり、ネジ締結により上ドア機構UDに取り付けられる。一方、キャビネットGの側面壁G2の内側面には、内側に向けて突出する内面側突出部材G2a(例えば、側面壁G2の内側面にねじ込まれたネジ等)が設けられている。
上ドア機構UDをキャビネットGに取り付ける(上ドア機構UDをキャビネットGに対して閉じる)に当たっては、まず、上ドア機構UDの上壁の下側面を前面側突出部材G120の上面に載せつつ、引っ掛け部UD120の欠き込みを内面側突出部材G2aに引っ掛ける。この状態で下ドア機構DDをキャビネットGに対して閉じることで、下ドア機構DDによって上ドア機構UDが後方へと押し込まれる。これにより、上ドア機構UDも、キャビネットGに対して閉じられることになる。このような構成を採用することにより、上ドア機構UD及びキャビネットGの内部スペースを有効に活用することができる。
なお、第2実施形態では、上ドア機構UDの上面壁に形成された開口を介して、遊技機1の内部空間と外部空間との間で空気が流動することとして説明したが、本発明においては、キャビネットGの上面壁G4に形成された開口G41(図1参照)を介して空気を流動させることとしてもよい。この場合には、例えば、表示ユニットAをキャビネットGに装着した際、キャビネットGの上面壁G4に形成された開口G41がプロジェクタカバーB1の開口B400の真上に位置付けられるようにすればよい。
また、プロジェクタカバーB1の開口B400の上方に形成された開口(上ドア機構UD又はキャビネットGに形成された開口)から遊技機1の内部に侵入する異物の量をなるべく少なくするために、当該開口は、プロジェクタカバーB1の開口B400よりも小さい方がよく、当該開口には、異物の侵入を防止するための何らかの措置(例えば、パンチングB450と同様のメッシュ構造の設置)が施されていることが望ましい。
また、第2実施形態では、プロジェクタ装置B2(ケースB22の内部)に吸気用ファン244A・244Bが配設されるとともに、プロジェクタ装置B2の外部(プロジェクタカバーB1の内部空間)に開口近傍用ファンB700が配設されることとして説明した。本発明において、ファンの配置位置は、特に限定されず、プロジェクタ装置B2(ケースB22の内部)にのみファンを配設して、プロジェクタ装置B2の外部(プロジェクタカバーB1の内部空間)にはファンを配設しないこととしてもよい。逆に、プロジェクタ装置B2の外部(プロジェクタカバーB1の内部空間)にのみファンを配設して、プロジェクタ装置B2(ケースB22の内部)にはファンを配設しないこととしてもよい。
図45は、吸気用ファン及び排気用ファンの配置位置について説明するための図である。なお、この変形例では、プロジェクタカバーB1及びブラインドB500の構成が第2実施形態におけるこれらの構成と若干異なっている。基本的な構成は同様であるため、詳細な説明は省略するが、本変形例におけるブラインドB500には、第1傾斜部B502a、第2水平部B502b、第2傾斜部B502c、第3水平部B502dの代わりに傾斜部B502が形成され、小部屋B507は形成されていない。また、ブラインドB500の後壁部B503は、第2実施形態よりも前方に位置付けられ、後壁部B503の前側の面は、プロジェクタカバーB1の空洞B402の後方に存在する面B402bと連続している。
吸気用ファンは、プロジェクタカバーB1とブラインドB500とによって形成された空間P(2つある空間Pのうちの右側の空間P)中の所望の位置に配設することができる。
図45では、吸気用ファンの配置位置として、F(R1)で示す点線で囲まれた領域、F(R2)で示す点線で囲まれた領域、F(R3)で示す点線で囲まれた領域、及び、F(R4)で示す点線で囲まれた領域を例示している。
F(R1)で示す点線で囲まれた領域は、右側の開口B510(図36参照)近傍に位置しており、該領域に吸気用ファンが配設された場合、吸気用ファンは、ケースB22の右側面に設けられた吸気口B22A(図22参照)に近接する。これにより、プロジェクタカバーB1の外部から取り入れられた空気を、ケースB22の内部(プロジェクタ装置B2)へと効率的に送り込むことができる。
F(R2)で示す点線で囲まれた領域は、F(R1)で示す点線で囲まれた領域の右側領域であり、プロジェクタカバーB1の壁面B401iを後方へ延長した箇所である。F(R2)で示す点線で囲まれた領域に吸気用ファンが配設された場合、空間Pを後方に移動した空気の進行方向を、スムーズに内向きへと変えることができる。
F(R3)で示す点線で囲まれた領域は、F(R2)で示す点線で囲まれた領域の前方領域であり、プロジェクタカバーB1の壁面B401j(図24参照)の下側領域である。F(R3)で示す点線で囲まれた領域に吸気用ファンが配設された場合、開口B400を介してプロジェクタカバーB1の内部に取り入れられた空気を、スムーズに後方へと流すことができる。
F(R4)で示す点線で囲まれた領域は、F(R3)で示す点線で囲まれた領域の前方領域であり、開口B400の下方領域である。F(R4)で示す点線で囲まれた領域に吸気用ファンが配設された場合、プロジェクタカバーB1の内部への空気の取り入れをスムーズに行うことができる。
また、排気用ファンは、プロジェクタカバーB1とブラインドB500とによって形成された空間P(2つある空間Pのうちの左側の空間P)中の所望の位置に配設することができる。
図45では、排気用ファンの配置位置として、F(L1)で示す点線で囲まれた領域、及び、F(L2)で示す点線で囲まれた領域を例示している。
F(L1)で示す点線で囲まれた領域は、左側の開口B510近傍に位置しており、該領域に排気用ファンが配設された場合、排気用ファンは、ケースB22の左側面に設けられた排気口B22E(図23参照)に近接する。これにより、プロジェクタ装置B2で発生した熱によって温められた空気を、プロジェクタ装置B2の外部へと効率的に送り出すことができる。
F(L2)で示す点線で囲まれた領域は、プロジェクタカバーB1の壁面B401jの下側領域である。F(L2)で示す点線で囲まれた領域に排気用ファンが配設された場合、ケースB22から出た空気の進行方向を、スムーズに前向きへと変えることができる。
以上、図45を用いて説明した吸気用ファン及び排気用ファンは、吸気用ファンと排気用ファンとの双方を配設することとしてもよいし、吸気用ファンのみを配設することとしてもよいし、排気用ファンのみを配設することとしてもよい。
また、吸気用ファンは、F(R1)で示す点線で囲まれた領域、F(R2)で示す点線で囲まれた領域、F(R3)で示す点線で囲まれた領域、及び、F(R4)で示す点線で囲まれた領域のうちの何れか1つの領域のみに配設することとしてもよいし、これらの領域のうちの2つ以上の領域に配設することとしてもよい。排気用ファンは、F(L1)で示す点線で囲まれた領域とF(L2)で示す点線で囲まれた領域とのうち、一方の領域のみに配設することとしてもよいし、双方の領域に配設することとしてもよい。
なお、第2実施形態では、プロジェクタカバーB1の内部において、図29中に太い矢印で示したような空気流路が形成されることとして説明した。しかし、プロジェクタカバーB1内の空気は、必ずしも、当該経路に完全に沿って流れる必要はない。
図29に示す空気流路以外に形成され得る空気流路について、図46を用いて説明する。図46は、プロジェクタカバーの内部において形成され得る空気流路を示す図である。
図46の矢印X1に示すように、例えば、プロジェクタ装置B2で発生した熱によって温められた空気が、吸気口B22Aを介してケースB22の外部に出るような流れがあってもよい。このようにして吸気口B22Aから流れ出た空気は、矢印X2に示すように、プロジェクタカバーB1の後方に移動してもよい。また、矢印X3に示すように、排気口B22Eを介してケースB22から出た空気が、後方へと向かうような空気の流れがあってもよい。
プロジェクタカバーB1の後方は開放しているため、矢印X2又は矢印X3に示すように後方に移動した空気は、プロジェクタカバーB1の外部へと排出される。プロジェクタカバーB1の後方からの空気の排出がスムーズに行われるようにするため、プロジェクタカバーB1の後方領域に排気用ファンを配設することとしてもよい。
また、第2実施形態では、空気流路と液体貯留空間とを仕切るために仕切部材(ダクトカバーB600及びダクトカバーB650)を配設することとして説明したが、本発明において、仕切部材(ダクトカバーB600及びダクトカバーB650)を設けることは必須ではない。
上記変形例に係る遊技機1によれば、傾斜部B502は、後方に向かうにつれて下降するような傾斜を有しているため、傾斜部B502の後方部分は、内壁部B505の上端縁B505a(開口510の下端)との上下方向の距離が、前方部分よりも長くなっており、液体Lは、そのような傾斜部B502の後方部分(開口510の下端から離れた領域)に貯留される。従って、ダクトカバーB600及びダクトカバーB650を設けなかったとしても、液体Rが開口B510を介してプロジェクタカバーB1の内部空間Q(ケースB22の内部)に侵入するという事態が発生してしまうことを防止することができる。
さらに、上記変形例に係る遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(7−1) 映像を投影することが可能なプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)と、
前記プロジェクタを囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)と、
前記プロジェクタにより投影された映像を表示可能なスクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)と、
前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記スクリーンを視認可能な表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、を備え、
前記カバー部材(プロジェクタカバーB1)には、上方に向けて開放した第1の開口(2つある開口B400のうちの右側の開口B400)及び第2の開口(2つある開口B400のうちの左側の開口B400)が形成されており、
前記カバー部材の内部において、前記第1の開口から連通して第1の空間(2つある空間Pのうちの右側の空間P)が形成される一方、前記第2の開口から連通して第2の空間(2つある空間Pのうちの左側の空間P)が形成されており、
前記第1の空間は、前記カバー部材の内部に形成された第3の開口(2つある開口B510のうちの右側の開口B510)により、上方とは異なる方向(左方向)に開放している一方、前記第2の空間は、前記カバー部材の内部に形成された第4の開口(2つある開口B510のうちの左側の開口B510)により、上方とは異なる方向(右方向)に開放しており、
前記第1の開口(右側の開口B400)と前記第3の開口(右側の開口B510)とが連通する一方、前記第2の開口(左側の開口B400)と前記第4の開口(左側の開口B510)とが連通しており、
前記プロジェクタは、前記第3の開口(右側の開口B510)と前記第4の開口(左側の開口B510)との間に配置されており、
前記カバー部材(ブラインドB500)は、前記第1の空間(右側の空間P)の下端を規定する下端部(水平部B501及び傾斜部B502)を備えるとともに、前記下端部は、前記第1の開口の直下部分から離れるにつれて下降するような傾斜を有する傾斜部(傾斜部B502)を備えており、
前記傾斜部の少なくとも一部は、前記第3の開口の下端(内壁部B505の上端縁B505a)よりも下方に位置している、
ことを特徴とする遊技機。
上記変形例に係る遊技機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1)には、上方に向けて開放した第1の開口(右側の開口B400)及び第2の開口(左側の開口B400)が形成されている。また、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の内部には、上方とは異なる方向(左右方向)に開放した第3の開口(右側の開口B510)及び第4の開口(左側の開口B510)が形成されている。第1の開口(右側の開口B400)と第3の開口(右側の開口B510)とは連通しており、これにより第1の空間(右側の空間P)が形成される一方、第2の開口(左側の開口B400)と第4の開口(左側の開口B510)とは連通しており、これにより第2の空間(左側の空間P)が形成されている。そして、このような第3の開口(右側の開口B510)と第4の開口(左側の開口B510)との間にプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)が配置されている。これにより、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の外部から第1の開口(右側の開口B400)を介して流入した空気は、第1の空間(右側の空間P)及び第3の開口(右側の開口B510)を経由して、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過した後、第4の開口(左側の開口B510)及び第2の空間(左側の空間P)を経由して、第2の開口(左側の開口B400)を介してカバー部材(プロジェクタカバーB1)の外部に放出される。当該空気は、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過する際、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を吸収することにより温められるところ、温度の高い空気は上方に向かう性質を有する。そのため、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過した空気は、第2の空間(左側の空間P)内を上昇し、第2の空間(左側の空間P)の上方に形成された第2の開口(左側の開口B400)からスムーズに排出されることとなる。その結果、このような空気の流れを通じて、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を効率よく放出することが可能となり、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の冷却効率を高めることができる。
また、上記変形例に係る遊技機1によれば、カバー部材(ブラインドB500)は、第1の空間(右側の空間P)の下端を規定する下端部(水平部B501及び傾斜部B502)を備えるとともに、下端部(水平部B501及び傾斜部B502)は、第1の開口(右側の開口B400)の直下部分から離れるにつれて下降するような傾斜を有する傾斜部(傾斜部B502)を備えている。従って、第1の開口(右側の開口B400)を介して、遊技機の外部からカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部へと液体(遊技者が注ぎ込んだ飲み物等)が入ってきた場合、当該液体は、第1の開口(右側の開口B400)の直下部分から離れるにつれて下降するように、傾斜部(傾斜部B502)を流れることになる。ここで、傾斜部(傾斜部B502)の少なくとも一部は第3の開口(右側の開口B510)の下端(内壁部B505の上端縁B505a)よりも下方に位置しているため、当該液体が傾斜部(傾斜部B502)を下降しながら流れて第3の開口(右側の開口B510)の下端(内壁部B505の上端縁B505a)よりも下方に到達すると、当該液体よりも第3の開口(右側の開口B510)の下端(内壁部B505の上端縁B505a)の方が上方に存在することになるため、当該液体は、第3の開口(右側の開口B510)を通過しにくく、当該液体がプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の配置されている方へと侵入するということが起こりにくい状態となる。このようにして、上記変形例に係る遊技機1によれば、遊技機の外部から侵入してきた液体等の異物からプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を保護することができる。
(7−2) 前記(7−1)の遊技機であって、
前記本体部の上面(キャビネットGの上面壁G4)には、前記第1の開口及び前記第2の開口のそれぞれの上方に、第5の開口(2つある開口G41のうちの右側の開口G41)及び第6の開口(2つある開口G41のうちの左側の開口G41)が形成されている、
ことを特徴とする。
上記変形例に係る遊技機1によれば、本体部(キャビネットG)の上面(上面壁G4)には、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の第1の開口(右側の開口B400)及び第2の開口(左側の開口B400)のそれぞれの上方に、第5の開口(右側の開口G41)及び第6の開口(左側の開口G41)が形成されている。これにより、本体部(キャビネットG)の第5の開口(右側の開口G41)を介して遊技機の外部上方から遊技機の内部に空気を取り入れ、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の第1の開口(右側の開口B400)を介してこの空気をカバー部材(プロジェクタカバーB1)の内部に流入させた後、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過した空気を、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の第2の開口(左側の開口B400)及び本体部(キャビネットG)の第6の開口(左側の開口G41)を介して遊技機の外部上方に放出することができる。このように、上記変形例に係る遊技機1では、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過して温められた空気の排出先が遊技機の外部上方となっているが、仮に、当該空気を遊技機の背面から排出することとすれば、遊技店に設置される島設備に熱がこもってしまい、遊技機の制御に悪影響を招来してしまうことが懸念される。また、遊技機の側面から空気を排出することとすれば、温められた空気が隣の遊技機に取り込まれることになり、隣接する遊技機間で温かい空気の悪循環が生じてしまう結果として、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の冷却効率を高めることができないと考えられる。さらに、遊技機の前方に空気を排出することとすれば、遊技者の顔に熱風が吹き付けられてしまう恐れがある。この点、上記変形例に係る遊技機1によれば、このような問題を生じさせることなく、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を放出するための空気の流れを作り出すことができる。
一方で、上記変形例に係る遊技機1によれば、本体部の上面(キャビネットGの上面壁G4)に形成された第5の開口(右側の開口G41)及び第6の開口(左側の開口G41)が、カバー部材(プロジェクタカバーB1)に形成された第1の開口(右側の開口B400)及び第2の開口(左側の開口B400)の上方に存在しているため、第5の開口(右側の開口G41)又は第6の開口(左側の開口G41)を介して遊技機の外部から内部に異物が入った場合、当該異物は、第1の開口(右側の開口B400)又は第2の開口(左側の開口B400)を介してカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部に侵入しやすくなっている。そのため、カバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部に入った異物がプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)にまで到達し、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)に悪影響を及ぼしてしまうことが懸念される。例えば、第5の開口(右側の開口G41)から遊技者が飲み物を注入したような場合、当該飲み物が第1の空間(右側の空間P)及び第3の開口(右側の開口B510)を通過してプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の内部にまで侵入すると、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)が故障してしまう恐れがある。この点、上記変形例に係る遊技機1によれば、第5の開口(右側の開口G41)及び第1の開口(右側の開口B400)を介して遊技機の外部からカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)の内部へと液体が入ってきた場合であっても、当該液体は、上述したように傾斜部(傾斜部B502)に沿って流れるため、このような事態が発生してしまうことを防止することができる。
(7−3) 前記(7−1)又は(7−2)の遊技機であって、
前記傾斜部(傾斜部B502)及び前記傾斜部と連続する壁部(後壁部B503、外壁部B504、及び、内壁部B505)によって下方が閉塞した空間が形成されている、
ことを特徴とする。
上記変形例に係る遊技機1によれば、傾斜部(傾斜部B502)及び傾斜部(傾斜部B502)と連続する壁部(後壁部B503、外壁部B504、及び、内壁部B505)によって下方が閉塞した空間が形成されているため、傾斜部(傾斜部B502)を下降しながら流れてきた液体を当該空間に貯留することができる。これにより、貯留された液体の液面が第3の開口(右側の開口B510)の下端(内壁部B505の上端縁B505a)よりも下方に存在する限り、第3の開口(右側の開口B510)を介してプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の配置空間へと液体が侵入してしまうことを阻止することができる。
(8−1) 映像を投影することが可能なプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)と、
前記プロジェクタを囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1及びブラインドB500)と、
前記プロジェクタにより投影された映像を表示可能なスクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)と、
前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記スクリーンを視認可能な表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、を備え、
前記カバー部材(プロジェクタカバーB1)には、上方に向けて開放した第1の開口(2つある開口B400のうちの右側の開口B400)及び第2の開口(2つある開口B400のうちの左側の開口B400)が形成されており、
前記カバー部材の内部において、前記第1の開口から連通して第1の空間(2つある空間Pのうちの右側の空間P)が形成される一方、前記第2の開口から連通して第2の空間(2つある空間Pのうちの左側の空間P)が形成されており、
前記第1の空間は、前記カバー部材の内部に形成された第3の開口(2つある開口B510のうちの右側の開口B510)により、上方とは異なる方向(左方向)に開放している一方、前記第2の空間は、前記カバー部材の内部に形成された第4の開口(2つある開口B510のうちの左側の開口B510)により、上方とは異なる方向(右方向)に開放しており、
前記第1の開口(右側の開口B400)と前記第3の開口(右側の開口B510)とが連通する一方、前記第2の開口(左側の開口B400)と前記第4の開口(左側の開口B510)とが連通しており、
前記プロジェクタは、前記第3の開口(右側の開口B510)と前記第4の開口(左側の開口B510)との間に配置されている、
ことを特徴とする遊技機。
上記変形例に係る遊技機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を囲うように配置されたカバー部材(プロジェクタカバーB1)には、上方に向けて開放した第1の開口(右側の開口B400)及び第2の開口(左側の開口B400)が形成されている。また、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の内部には、上方とは異なる方向(左右方向)に開放した第3の開口(右側の開口B510)及び第4の開口(左側の開口B510)が形成されている。第1の開口(右側の開口B400)と第3の開口(右側の開口B510)とは連通しており、これにより第1の空間(右側の空間P)が形成される一方、第2の開口(左側の開口B400)と第4の開口(左側の開口B510)とは連通しており、これにより第2の空間(左側の空間P)が形成されている。そして、このような第3の開口(右側の開口B510)と第4の開口(左側の開口B510)との間にプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)が配置されている。これにより、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の外部から第1の開口(右側の開口B400)を介して流入した空気は、第1の空間(右側の空間P)及び第3の開口(右側の開口B510)を経由して、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過した後、第4の開口(左側の開口B510)及び第2の空間(左側の空間P)を経由して、第2の開口(左側の開口B400)を介してカバー部材(プロジェクタカバーB1)の外部に放出される。当該空気は、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過する際、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を吸収することにより温められるところ、温度の高い空気は上方に向かう性質を有する。そのため、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過した空気は、第2の空間(左側の空間P)内を上昇し、第2の空間(左側の空間P)の上方に形成された第2の開口(左側の開口B400)からスムーズに排出されることとなる。その結果、このような空気の流れを通じて、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を効率よく放出することが可能となり、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の冷却効率を高めることができる。
(8−2) 前記(8−1)の遊技機であって、
前記プロジェクタは、第1の通気口(吸気口B22A)及び第2の通気口(排気口B22E)と、前記第1の通気口と前記第2の通気口との間に配置されたファン(吸気用ファン244A・244B)とを備え、
前記第1の通気口(吸気口B22A)と前記第3の開口(右側の開口B510)とが対向する一方、前記第2の通気口(排気口B22E)と前記第4の開口(左側の開口B510)とが対向するように、前記プロジェクタが配置されている、
ことを特徴とする。
上記変形例に係る遊技機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)には、第1の通気口(吸気口B22A)と第2の通気口(排気口B22E)とが設けられるとともに、第1の通気口(吸気口B22A)と第2の通気口(排気口B22E)との間にファン(吸気用ファン244A・244B)が備えられており、第1の通気口(吸気口B22A)が第3の開口(右側の開口B510)と対向し第2の通気口(排気口B22E)が第4の開口(左側の開口B510)と対向するようにプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)が配置されるため、ファン(吸気用ファン244A・244B)によって強制的に吸気することにより、上記のような空気の流れをスムーズに作り出すことができる。
(8−3) 前記(8−1)又は(8−2)の遊技機であって、
前記本体部の上面(キャビネットGの上面壁G4)には、前記第1の開口及び前記第2の開口のそれぞれの上方に、第5の開口(2つある開口G41のうちの右側の開口G41)及び第6の開口(2つある開口G41のうちの左側の開口G41)が形成されており、
前記プロジェクタは、前記スクリーンの上方に配置されるように、前記本体部に収容されている、
ことを特徴とする。
上記変形例に係る遊技機1によれば、本体部(キャビネットG)の上面(上面壁G4)には、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の第1の開口(右側の開口B400)及び第2の開口(左側の開口B400)のそれぞれの上方に、第5の開口(右側の開口G41)及び第6の開口(左側の開口G41)が形成されている。これにより、本体部(キャビネットG)の第5の開口(右側の開口G41)を介して遊技機の外部上方から遊技機の内部に空気を取り入れ、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の第1の開口(右側の開口B400)を介してこの空気をカバー部材(プロジェクタカバーB1)の内部に流入させた後、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過した空気を、カバー部材(プロジェクタカバーB1)の第2の開口(左側の開口B400)及び本体部(キャビネットG)の第6の開口(左側の開口G41)を介して遊技機の外部上方に放出することができる。このように、上記変形例に係る遊技機1では、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を通過して温められた空気の排出先が遊技機の外部上方となっているが、仮に、当該空気を遊技機の背面から排出することとすれば、遊技店に設置される島設備に熱がこもってしまい、遊技機の制御に悪影響を招来してしまうことが懸念される。また、遊技機の側面から空気を排出することとすれば、温められた空気が隣の遊技機に取り込まれることになり、隣接する遊技機間で温かい空気の悪循環が生じてしまう結果として、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の冷却効率を高めることができないと考えられる。さらに、遊技機の前方に空気を排出することとすれば、遊技者の顔に熱風が吹き付けられてしまう恐れがある。この点、上記変形例に係る遊技機1によれば、このような問題を生じさせることなく、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)で発生した熱を放出するための空気の流れを作り出すことができる。
また、上記変形例に係る遊技機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)は、スクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、リールスクリーン機構F1)の上方に配置されるように本体部(キャビネットG)に収容され、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2)の配置位置が本体部の上面(キャビネットGの上面壁G4)に近くなっている。従って、本体部の上面(キャビネットGの上面壁G4)に形成された第5の開口(右側の開口G41)及び第6の開口(左側の開口G41)とプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)との距離も短く、それに伴い、第5の開口(右側の開口G41)及び第6の開口(左側の開口G41)とプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)との間に存在する部材や装置の数は比較的少なくなっている。そのため、第5の開口(右側の開口G41)から取り入れた空気をプロジェクタ(プロジェクタ装置B2)を経由して第6の開口(左側の開口G41)から排出するような流路を設計するに当たって、途中に存在する部材や装置を避けるために複雑な迂回経路を作る必要がなく、比較的容易に空気流路の設計を行うことができる。
以上、上述した実施形態では、本発明をパチスロ遊技機に適用した場合について説明した。以下、図47〜図51を用いて、本発明をパチンコ遊技機に適用した変形例について説明する。
図47は、パチンコ遊技機の外観を示す斜視図である。図48は、パチンコ遊技機の分解斜視図である。図49は、パチンコ遊技機の装飾ユニット及びフレーム部材を前方から示す分解斜視図である。
図47及び図48に示すように、パチンコ遊技機6100は、ガラスドア6111、木枠6112、ベースドア6113、遊技盤6114、皿ユニット6115、遊技球を発射する発射装置6122、各種の制御基板を含む基板ユニット6123、遊技価値としての遊技球を付与する球払出ユニットなどから構成されている。
上述したガラスドア6111は、ベースドア6113に対して開閉自在に軸着されている。また、このガラスドア6111の中央には、開口6116が形成されており、その開口6116には、透過性を有する保護ガラス6124が配設されている。また、上述した木枠6112は、その前方にベースドア6113が軸着される。
上述した皿ユニット6115は、ガラスドア6111の下方に位置するように、ベースドア6113に配設されている。皿ユニット6115には、その上方に上皿6125が、その下方に下皿6126が設けられている。上皿6125及び下皿6126には、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口6131A、6131Bが形成されており、所定の払出条件が成立した場合には、遊技球が排出され、特に、上皿6125には、遊技領域6141に発射させるための遊技球が貯留されることとなる。
上述した発射装置6122は、皿ユニット6115の側方に位置するように、ベースドア6113に配設されている。この発射装置6122には、遊技者によって操作可能な発射ハンドル6132が配設されており、遊技者によって発射ハンドル6132が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。この発射ハンドル6132が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿6125に貯留された遊技球が遊技盤に順次発射される。
上述した遊技盤6114は、保護ガラス6124の後方に位置するように、ベースドア6113の前方に配設されている。遊技盤6114は、その前面に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域6141を有している。この遊技領域6141は、ガイドレールなどに囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。このように、発射装置6122によって発射された遊技球は、遊技盤上に設けられたガイドレールに案内されて遊技盤6114の上部に移動し、その後、遊技領域6141に設けられた複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤の上方から下方に向かって流下することとなる。
図47に示すように、ガラスドア6111の前面における上部領域には、装飾ユニット6258が設けられている。装飾ユニット6258は、パチンコ遊技機6100の前方に突出するように配置されている。
装飾ユニット6258の内部には空洞が形成されており、該空洞には、上述した実施形態で説明した照射ユニットBが配設されている。図47では、装飾ユニット6258の上方から装飾ユニット6258の内部を透視した状態を示している。
図48に示すように、遊技盤6114の背面側には、スクリーン装置C(図5参照)が配置されている。これにより、上述した実施形態と同様に、照射ユニットBのプロジェクタ装置B2から出射された光をスクリーン装置Cのスクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及び、リールスクリーン機構F1)に照射させることができるようになっている。
装飾ユニット6258は、フレーム部材6211(図49参照)の上部に取り付けられる。図示しないが、フレーム部材6211は、ガラスドア6111の背面側に固定されている。
図49に示すように、照射ユニットBは、フレーム部材6211の上部に取り付けられる。照射ユニットBがフレーム部材6211に取り付けられた状態でフレーム部材6211に対して装飾ユニット6258を取り付けることにより、装飾ユニット6258の内部空間に照射ユニットBが収納される。
また、フレーム部材6211の上部には、照射ユニットBの左右双方において、スピーカ6152とスピーカホルダ6152Aとが一体となって取り付けられている。一方、装飾ユニット6258には、右側及び左側にそれぞれ、スピーカ用孔6151A,6151Bが設けられている。スピーカ用孔6151A,6151Bは、メッシュ状の開口として形成されている。
フレーム部材6211に装飾ユニット6258が取り付けられた状態において、スピーカ用孔6151A,6151Bは、それぞれ、スピーカ6152の前方を覆っており、スピーカ用孔6151A,6151Bを介して、スピーカ6152から発生した音をパチンコ遊技機6100の外部に放出することができるようになっている。
ここで、スピーカ用孔6151Aは、パチンコ遊技機6100の外部から空気を取り込むための通気口としても機能する。図49に示すように、照射ユニットBの前部右側には、吸気用ファン6244が配設されている。これにより、スピーカ用孔6151Aを介して、パチンコ遊技機6100の外部前方から、パチンコ遊技機6100の内部に空気が取り入れられる。
この空気は、第2実施形態と同様に、プロジェクタカバーB1の開口B400R(2つある開口B400のうちの右側の開口B400)を介して、プロジェクタカバーB1の内部に取り入れられ、プロジェクタ装置B2で発生した熱を奪いながらプロジェクタカバーB1内を進行し、開口B400L(2つある開口B400のうちの左側の開口B400)を介して、プロジェクタカバーB1の外部に出る。
プロジェクタカバーB1の外部に出た空気は、フレーム部材6211に形成された貫通孔6245を通過して後方へと移動し、パチンコ遊技機6100の背面側から外部に放出される。
以上で説明した空気の流れを図47及び図49中に矢印で示している。第2実施形態では、遊技機1の外部上方から空気を取り入れ、遊技機1の外部上方へと空気を排出する場合について説明した。これに対し、本変形例では、パチンコ遊技機6100の外部前方から空気を取り入れ、パチンコ遊技機6100の外部後方へと空気を排出することとしている。このように、本発明において、プロジェクタを冷却するための空気を取り入れる方向及び排出する方向は、特に限定されず、プロジェクタの配置位置やプロジェクタ周辺の構造等に応じて適宜設計することができる。
なお、パチンコ遊技機は、パチスロ遊技機と比較して、遊技機の前後方向における奥行きが短いため、同じ島設備において一のパチンコ遊技機の背面側に他のパチンコ遊技機が設置されている場合、これらのパチンコ遊技機の間には比較的大きなスペースが存在する。従って、プロジェクタにより温められた空気をパチンコ遊技機の背面から排出したとしても、パチンコ遊技機の島設備においては、パチスロ遊技機の島設備ほど熱がこもってしまうことはないと考えられる。
以下、他の変形例として、パチンコ遊技機6100の外部右側から空気を取り入れ、パチンコ遊技機6100の外部左側へと空気を排出する場合について、図50を用いて説明する。図50は、パチンコ遊技機の外観を示す斜視図である。
図50に示すように、装飾ユニット6258の右側面には、開口6300Rが形成されている。これにより、開口6300Rを介して、パチンコ遊技機6100の外部右側から、パチンコ遊技機6100の内部に空気が取り入れられる。
この空気は、上述した変形例と同様に、プロジェクタカバーB1の開口B400R(2つある開口B400のうちの右側の開口B400)を介して、プロジェクタカバーB1の内部に取り入れられ、プロジェクタ装置B2で発生した熱を奪いながらプロジェクタカバーB1内を進行し、開口B400L(2つある開口B400のうちの左側の開口B400)を介して、プロジェクタカバーB1の外部に出る。
図には表れていないが、装飾ユニット6258の左側面にも、右側面と同様に、開口(開口6300L)が形成されている。これにより、開口B400LからプロジェクタカバーB1の外部に出た空気は、開口6300Lからパチンコ遊技機6100の外部に放出される。
このような空気の流れを図50中に矢印で示している。本変形例では、空気の排出方向を遊技機の側方としていることに起因して、温められた空気が隣の遊技機に取り込まれてしまう可能性があると考えられる。このような事態が発生することを防止するため、空気の排出方向を遊技機の側方とする場合には、例えば、装飾ユニット6258の左右方向の幅をもっと短くする等して、一のパチンコ遊技機における排気口(開口6300L)と、該パチンコ遊技機の隣に設置されたパチンコ遊技機における吸気口(開口6300R)とが、ある程度離れるように構成されていることが望ましい。
以下、図51を用いて、他の変形例について説明する。図51は、パチンコ遊技機の分解斜視図である。
上述した変形例では、照射ユニットBがフレーム部材6211に取り付けられることとして説明した。これに対し、図51に示す例において、照射ユニットBは、ベースドア6113に取り付けられている。また、スピーカ6152も、ベースドア6113に取り付けられている。このような変形例においても、上述した例と同様の空気流路を形成することができる。
図51では、照射ユニットBがベースドア6113の前側に取り付けられる様子を示しているが、照射ユニットBは、ベースドア6113の後側に取り付けることとしてもよい。本発明において、照射ユニットBは、遊技盤よりも前方に設置されてもよいし、遊技盤よりも後方に設置されてもよい。照射ユニットBを遊技盤よりも後方に設置する場合には、遊技盤の背面側にスペースを形成しつつ、当該スペースを利用することにより、照射ユニットBを配設することができる。
例えば、遊技盤の中央に開口部分を備え、その開口部分に照射ユニットの前部が貫通するように、ベースドア又は遊技盤、その他パチンコ遊技機の後方部材に照射ユニットを配設するようにしてもよい。その場合、従来から存在する一般的なパチンコ遊技機(遊技盤の中央に開口を備え、その開口を通じて遊技盤の後方にある液晶表示装置等を視認可能とする構成のパチンコ遊技機)の遊技盤をそのまま転用することも可能となる。例えば、液晶表示装置を取り払い、スクリーン機構を配設し、さらに遊技盤等の後方部材に照射ユニットを配設することにより、遊技盤の形状を従来のままにしつつ、照射ユニット及びスクリーン機構を搭載した新たな遊技機とすることが可能となる。そのような構成を採用する場合、照射ユニットの前方の一部は遊技盤よりも前方に突出しているため、パチンコ遊技機の後方のスペースをより大きく確保することができる。そうすることで、島設備の狭い遊技場において、島設備全体に照射ユニット付きのパチンコ遊技機を設置した際に、島設備内の温度上昇を低減させることが可能となる。さらに、遊技者から視認可能となる照射ユニットの前方(例えば、リフレクタ保持部B11辺り)に、機種に応じたロゴ等の装飾部材を配置したり、補助的な装飾を行う小型サイズの液晶表示装置、電飾基板等を配置したりすることにより、照射ユニットが遊技者から見えないように目隠しすることができ、さらに演出効果を高めることが可能となる。
なお、スクリーン装置Cは、照射ユニットBに取り付けられた状態で設置されてもよいし、照射ユニットBとは分離した状態で設置されてもよい。
以上で説明した変形例では、空気の排出方向を遊技機の後方又は側方としているが、第2実施形態と同様に、遊技機の上方から空気を排出することとしてもよい。空気の排出方向を上方とする場合には、例えば、装飾ユニット6258(ガラスドア6111)の上面に排気用の開口を形成すればよい。この場合において、照射ユニットBを遊技盤よりも後方に設置する場合には、空気の通路を確保するために、遊技盤にも適宜開口を形成すればよい。
本発明においては、空気を取り入れる方向及び排出する方向、並びに、空気を流す経路に応じて、空気流路上に存在する部材に対して、適宜開口を形成することが可能である。空気流路に応じて、管状のダクトを設けることとしてもよい。
また、空気の流れをスムーズにするために、吸気用ファン及び/又は排気用ファンを適宜配設することが可能である。例えば、空気を取り入れるための開口(例えば、図50の開口6300R)とプロジェクタカバーB1の開口B400Rとの間に吸気用ファン(例えば、図49の吸気用ファン6244)を配設したり、空気を排出するための開口(例えば、図50の開口6300L)とプロジェクタカバーB1の開口B400Lとの間に排気用ファンを配設したりすることが可能である。もっとも、照射ユニットBの内部に設けられたファンにより吸気や排気が充分に行われるのであれば、照射ユニットBの外部にはファンを配設しなくてもよい。
なお、上述した変形例では、図45で説明したプロジェクタカバーB1が採用されるものとして図示しているが、プロジェクタカバーの構成は特に限定されず、プロジェクタの冷却用の空気を取り入れるための開口、及び、当該空気を排出するための開口が形成されたプロジェクタカバーを適宜採用することができる。これらの開口は、プロジェクタカバーの前方や後方、上方や下方、側方等、任意の場所に形成することが可能であり、プロジェクタの冷却効率等を勘案して、開口の形成位置を適宜決定することができる。さらに、プロジェクタは、プロジェクタカバーによって覆われずに、露出した状態で遊技機の内部に配設されていてもよく、遊技機の外部から取り入れた冷却用の空気をプロジェクタに直接(プロジェクタカバーを経由することなく)当てるように構成することも可能である。
[第3実施形態]
以上、第1実施形態及び第2実施形態について説明した。以下、第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る遊技機1の基本的な構成は、第1実施形態及び第2実施形態に係る遊技機1と同じである。以下においては、第1実施形態及び第2実施形態に係る遊技機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態及び第2実施形態における説明が第3実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<表示ユニット9000>
図52は、表示ユニットの外観を示す斜視図である。図53は、表示ユニットの内部構造を示す斜視図である。図54は、図53に示す表示ユニットからプロジェクタ及びミラーを分解した状態を示す斜視図である。図55は、図52に示す表示ユニットからプロジェクタ及びミラーを分解した状態においてプロジェクタから光が投射されている様子を示す斜視図である。
図52に示す表示ユニット9000は、第1実施形態で説明した表示ユニットAと同様に、キャビネットG内の中間支持板G1(図5参照)上に交換可能に載置される。
図52〜図54に示すように、表示ユニット9000は、ユニット用筐体9010と、プロジェクタ9020と、ミラー9030と、キャビネット側スクリーン9040と、を備えている。
ユニット用筐体9010は、水平配置された底板9011と、底板9011の右端部に立設された右側板9012と、底板9011の左端部に立設された左側板9013と、底板9011の後端部に立設された背板9014と、を有している。底板9011に対して右側板9012と左側板9013と背板9014とがネジ締結により連結されることによって、前面側と上面側とが開放された箱形形状の筐体が形成されている。
背板9014には、プロジェクタ9020を設置するためのプロジェクタ設置用部材9015が取り付けられている。プロジェクタ9020は、プロジェクタ設置用部材9015の前方部に係合されることにより、ユニット用筐体9010内に設置される。
プロジェクタ9020は、第1実施形態で説明したプロジェクタ装置B2(図12参照)と同様の構成(例えば、投射レンズ210と同様の構成を有するレンズ等)を有しており、画像を含む光を投射することが可能である。プロジェクタ9020は、レンズが下側となるように設置され、これにより、プロジェクタ9020から投射された光は、下向きに進行する。
プロジェクタ設置用部材9015の下方には、ミラー9030を設置するためのミラー設置部9016が形成されている。ミラー設置部9016は、背板9014から底板9011にかけて傾斜する傾斜辺9016a及び9016bを有している。
ミラー9030は、第1実施形態で説明した光学ミラーB32(図7参照)と同様の構成を有しており、プロジェクタ9020から投射された光を反射することが可能である。ミラー9030は、ミラー設置部9016の傾斜辺9016a及び9016bに沿うように設置される。これにより、ミラー9030は、後方よりも前方の方が低くなるような傾斜を有する姿勢となる。
その結果、プロジェクタ9020から投射されて下向きに進行した光は、ミラー9030によって前方に向けて反射される(図55参照)。図55では、光の照射範囲を斜線で示している。なお、図55に示すプロジェクタ9020とミラー9030との相対的な位置関係は、図53に示す状態(プロジェクタ9020及びミラー9030がユニット用筐体9010内に設置された状態)におけるこれらの相対的な位置関係と同じとなっている。すなわち、図55は、図53に示す状態におけるプロジェクタ9020とミラー9030との相対的な位置関係を保ちつつ、これらを分解して示した図である。
底板9011の前方部には、キャビネット側スクリーン9040が嵌合されることにより、立設されている。これにより、プロジェクタ9020から投射された後ミラー9030によって前方に向けて反射された光は、キャビネット側スクリーン9040に対して後方(背面側)から入射する。
キャビネット側スクリーン9040は、正面視長方形の形状を有しており、全面にわたって均等な厚みを有するように形成されている。キャビネット側スクリーン9040は、後方から投影像が投影されることで表示される透過式のものであり、プロジェクタ9020から投射された光が入射する一様に平坦な背面側の入射面9040aと、入射面9040aに入射した光が透過することで投影像が投影される前面側の表示面9040bと、を有する。キャビネット側スクリーン9040は、例えば、透光性を有するガラス板、アクリル板、樹脂製フィルムを主たる素材として形成され、非投影時に乳白色、半透明、あるいはグレー色を呈する。
このようなキャビネット側スクリーン9040の入射面9040aに対して、プロジェクタ9020から投射された光が入射することによって、キャビネット側スクリーン9040の表示面9040bに、遊技に関する画像(静止画像や動画像)が表示される。なお、動画像とは、多数の静止画像から構成され、多数の静止画像が経時的に連続して変化することにより得られるものである。本明細書において、動画像と映像とは同義である。
<光の照射範囲とキャビネット側スクリーン9040との関係>
図56は、プロジェクタから投射された光の照射範囲とキャビネット側スクリーンとの関係を示す図である。
図56では、キャビネット側スクリーン9040(表示面9040b)を網掛けで示している。プロジェクタ9020から投射された光の照射範囲は、キャビネット側スクリーン9040よりも広くなっている。具体的に、プロジェクタ9020から投射された光は、キャビネット側スクリーン9040(入射面9040a)の全面(図56において網掛けで示す領域)に入射するとともに、キャビネット側スクリーン9040の周縁領域を通過する。図56では、プロジェクタ9020から投射された光の照射範囲のうち、キャビネット側スクリーン9040の周縁領域を斜線で示している。
プロジェクタ9020から投射された光のうち、キャビネット側スクリーン9040に入射せず、図56において斜線で示す領域を通過した光は、キャビネット側スクリーン9040の前方へと進行する。キャビネット側スクリーン9040の前方へと進行した光のうちの一部は、以下で説明するように、上ドア機構UDのドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060に入射することとなる(図61(b)及び(c)参照)。
<上ドア機構UD>
図57は、上ドア機構を後方から見た斜視図である。図58は、上ドア機構の分解斜視図である。図59は、上ドア機構を前方から見た斜視図である。図60は、遊技機の正面図である。
第1実施形態で説明したように、キャビネットGの内部は、中間支持板G1により上部空間と下部空間とに仕切られている(図5参照)。図57に示す上ドア機構UDは、第1実施形態に係る上ドア機構UD(図4参照)と同様に、キャビネットGにおける上部空間の前方に配置され、キャビネットGにおける開口の上部を閉塞することが可能なように設けられている。
図58に示すように、上ドア機構UDは、上ドア機構UDの骨格を成すパネルベースHHを有している。パネルベースHHの前面側には、パネル機構HA・HB・HC・HD・HE・HF・HGが設けられている。また、上ドア機構UDは、上側表示窓UD1(図3参照)を中央部(正面視においてキャビネット側スクリーン9040と重畳する位置)に有しており、上側表示窓UD1には、透明パネルUD11が設けられている。これにより、キャビネット側スクリーン9040に画像が表示された場合、当該画像が遊技者から視認可能となる。
図59及び図60に示すように、透明パネルUD11(上側表示窓UD1)の右側の若干奥まった位置には、ドア側右スクリーン9050が設けられている。透明パネルUD11(上側表示窓UD1)の左側の若干奥まった位置には、ドア側左スクリーン9060が設けられている。ドア側右スクリーン9050とドア側左スクリーン9060とは、略同一の形状を有している。
ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060は、平坦なスクリーンを湾曲させた形状(例えば、円筒を半分に割った半円筒形状)を有しており、第1実施形態で説明したリールスクリーン機構F1(図10参照)の側面視における形状と同様、上面視(底面視)における形状が円弧形状となっている。ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060は、全面にわたって均等な厚みを有するように形成されている。
ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060は、キャビネット側スクリーン9040と同様に、後方から投影像が投影されることで表示される透過式のものである。ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060は、例えば、透光性を有するガラス板、アクリル板、樹脂製フィルムを主たる素材として形成され、非投影時に乳白色、半透明、あるいはグレー色を呈する。
ドア側右スクリーン9050は、プロジェクタ9020から投射された光が入射する背面側の入射面9050aと、入射面9050aに入射した光が透過することで投影像が投影される前面側の表示面9050bと、を有する。ドア側左スクリーン9060は、プロジェクタ9020から投射された光が入射する背面側の入射面9060aと、入射面9060aに入射した光が透過することで投影像が投影される前面側の表示面9060bと、を有する。
ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060は、それぞれ、曲率中心が背面側となるように配置されている。すなわち、ドア側右スクリーン9050の入射面9050a及び表示面9050b、並びに、ドア側左スクリーン9060の入射面9060a及び表示面9060bは、プロジェクタ9020から投射された光の進行方向下流側に凸となっている。
図57では、上ドア機構UDが閉じられた状態におけるドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060と、キャビネットG内に配置されたキャビネット側スクリーン9040との位置関係を示している。図中、キャビネット側スクリーン9040は、仮想線で示している。
図57に示すように、ドア側右スクリーン9050の左端を構成する辺(図60に示す辺9050c)と、キャビネット側スクリーン9040の右端を構成する辺(図52に示す辺9040c)とは、近接(あるいは略当接)しており、ドア側右スクリーン9050の辺9050cがキャビネット側スクリーン9040の辺9040cよりも僅かに右側に位置している。また、ドア側左スクリーン9060の右端を構成する辺(図60に示す辺9060c)と、キャビネット側スクリーン9040の左端を構成する辺(図52に示す辺9040d)とは、近接(あるいは略当接)しており、ドア側左スクリーン9060の辺9060cがキャビネット側スクリーン9040の辺9040dよりも僅かに左側に位置している。
ドア側右スクリーン9050の辺9050c、ドア側左スクリーン9060の辺9060c、並びに、キャビネット側スクリーン9040の辺9040c及び辺9040dは、前後方向における位置が略同一となっている。すなわち、ドア側右スクリーン9050の後端(辺9050c)及びドア側左スクリーン9060の後端(辺9060c)は、それぞれ、キャビネット側スクリーン9040の表示面9040bと略同一平面上に位置している。ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060は、前方に凸となるように湾曲しているため、ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060は、全体的に、キャビネット側スクリーン9040の前方に位置していることになる。
また、ドア側右スクリーン9050の下端を構成する辺(図60に示す辺9050d)、ドア側左スクリーン9060の下端を構成する辺(図60に示す辺9060d)、及び、キャビネット側スクリーン9040の下端を構成する辺(図52に示す辺9040e)は、上下方向における位置(高さ)が略同一となっている(これらの3つの辺は、略同一平面上に位置している)。また、ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060の上下方向の長さ(辺9050c及び辺9060c)は、キャビネット側スクリーン9040の上下方向の長さ(辺9040c及び辺9040d)よりも長くなっている。これにより、ドア側右スクリーン9050、ドア側左スクリーン9060、及び、キャビネット側スクリーン9040は、下端が略同一高さに位置し、キャビネット側スクリーン9040よりもドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060の方が背の高い構成となっている。
<キャビネット側スクリーン9040、ドア側右スクリーン9050、及び、ドア側左スクリーン9060への画像の表示>
図61(a)は、プロジェクタから投射された光の照射範囲とキャビネット側スクリーンとの関係を示す図である。図61(b)は、キャビネット側スクリーンに入射しなかった光がドア側右スクリーンに入射する様子を示す図である。図61(c)は、キャビネット側スクリーンに入射しなかった光がドア側左スクリーンに入射する様子を示す図である。図62及び図63は、キャビネット側スクリーン、ドア側右スクリーン、及び、ドア側左スクリーンに表示される画像について説明するための図である。
図61(a)では、図56において斜線で示した領域(プロジェクタ9020から投射された光の照射範囲のうち、キャビネット側スクリーン9040の周縁領域)を、便宜上3つの領域(領域I、領域II、及び、領域III)に分けて示している。領域Iは、キャビネット側スクリーン9040の右側に位置する領域である。領域IIは、キャビネット側スクリーン9040の左側に位置する領域である。領域IIIは、キャビネット側スクリーン9040の上側に位置する領域である。なお、図61(a)では、図56と同様、キャビネット側スクリーン9040(表示面9040b)を網掛けで示している。
上述したように、プロジェクタ9020から投射された光のうちの一部は、キャビネット側スクリーン9040の入射面9040aに入射する。これにより、キャビネット側スクリーン9040の表示面9040bに画像が表示される。
また、図61(b)に示すように、プロジェクタ9020から投射された光のうち、キャビネット側スクリーン9040に入射せず、図61(a)における領域Iを通過した光は、ドア側右スクリーン9050の入射面9050aに入射する。これにより、ドア側右スクリーン9050の表示面9050bに画像が表示される。
同様に、図61(c)に示すように、プロジェクタ9020から投射された光のうち、キャビネット側スクリーン9040に入射せず、図61(a)における領域IIを通過した光は、ドア側左スクリーン9060の入射面9060aに入射する。これにより、ドア側左スクリーン9060の表示面9060bに画像が表示される。
以上のようにして、キャビネット側スクリーン9040、ドア側右スクリーン9050、及び、ドア側左スクリーン9060のそれぞれに、画像(遊技に関する静止画像や動画像)が表示される。本実施形態では、3つのスクリーン(キャビネット側スクリーン9040、ドア側右スクリーン9050、及び、ドア側左スクリーン9060)に表示される各画像と、1つの画像データとが対応しており、1つの画像データを用いることにより3つのスクリーンのそれぞれに画像を表示することができる。
図62及び図63では、このような画像データについて示している。図62(a)において網掛けで示す領域(領域A)は、キャビネット側スクリーン9040に表示される画像を示す情報を含んでいる。図62(a)において斜線で示す領域(領域B)は、ドア側右スクリーン9050に表示される画像を示す情報を含んでいる。図62(a)において斜線で示す領域(領域C)は、ドア側左スクリーン9060に表示される画像を示す情報を含んでいる。図62(a)における残りの領域(領域D)は、画素値が0の情報を含んでいる。画素値とは、プロジェクタ9020の備える液晶パネルに形成された画素の光透過率に対応している。画素値が0であることは、光透過率が最小であることを示しており、画素値が0である領域に対応するスクリーンの表示面は黒色となる。
図62(b)では、画像データの一例を示している。図62(b)に示す画像データは、領域Aにおいて演出画像9100を示す情報を含み、領域Bにおいて花火画像9101を示す情報を含み、領域Cにおいて文字画像9102を示す情報を含んでいる。図中の斜線部分に対応する領域は、画素値が0の情報を含んでいる。このような画像データを用いることによって、キャビネット側スクリーン9040に演出画像9100が表示され、ドア側右スクリーン9050に花火画像9101が表示され、ドア側左スクリーン9060に文字画像9102が表示される。
なお、上述したように、本実施形態では、ドア側右スクリーン9050の後端(辺9050c)及びドア側左スクリーン9060の後端(辺9060c)と、キャビネット側スクリーン9040の表示面9040bとは、前後方向における位置が略同一となっている。これにより、キャビネット側スクリーン9040、ドア側右スクリーン9050、及び、ドア側左スクリーン9060は、それぞれ、プロジェクタ9020からの前後方向における距離が概ね等しくなっており、焦点が大きくずれてしまうことがないようになっている。
図63(a)では、別の画像データの一例を示している。図63(a)に示す画像データは、領域Aにおいて演出画像9100を示す情報を含み、領域Bにおいて装飾用画像9110を示す情報を含み、領域Cにおいて装飾用画像9111を示す情報を含んでいる。図中の斜線部分に対応する領域は、画素値が0の情報を含んでいる。このような画像データを用いることによって、キャビネット側スクリーン9040に演出画像9100が表示され、ドア側右スクリーン9050に装飾用画像9110が表示され、ドア側左スクリーン9060に装飾用画像9111が表示される。
図63(b)では、さらに別の画像データの一例を示している。図63(b)に示す画像データは、領域Bにおいて装飾用画像9110を示す情報を含み、領域Cにおいて装飾用画像9111を示す情報を含んでいる。図中の斜線部分に対応する領域は、画素値が0の情報を含んでいる。このような画像データを用いることによって、ドア側右スクリーン9050に装飾用画像9110が表示され、ドア側左スクリーン9060に装飾用画像9111が表示される。
以上、本発明の一実施形態として、第3実施形態に係る遊技機1について説明した。
従来、プロジェクタを用いることにより演出を行うことが可能な遊技機が知られている(特開平6−035066号公報及び特開2009−240459号公報参照)。このような遊技機によれば、遊技用の映像がプロジェクタからスクリーン等の投影面に投影されることにより、液晶表示装置の代わりに、スクリーン等に映像が表示されるようになっている。
しかしながら、このようなプロジェクタからスクリーンに映像が投影される遊技機においては、スクリーンが平坦であることに起因して、演出表現が乏しくなってしまうという問題があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、多彩な演出表現を行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第3実施形態に係る遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(9−1) スクリーン(キャビネット側スクリーン9040、ドア側右スクリーン9050、及び、ドア側左スクリーン9060)と、
前記スクリーンに画像を表示するための光を投射するプロジェクタ(プロジェクタ9020)と、を備え、
前記スクリーンは、前記プロジェクタにより投射された光が背面側から入射するように配置され、背面側から入射した光により前面側に画像を表示することが可能であり、
前記スクリーンとして、第1スクリーン(キャビネット側スクリーン9040)、及び、正面視において前記第1スクリーンの側方又は上方若しくは下方に配置された第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)が設けられ、
前記プロジェクタ、前記第1スクリーン、及び、前記第2スクリーンは、前記プロジェクタにより投射された光のうちの一部が前記第1スクリーンに入射する一方で、前記プロジェクタにより投射された光のうち前記第1スクリーンに入射しない光のうちの少なくとも一部が前記第2スクリーンに入射するように配置されている、
ことを特徴とする遊技機。
第3実施形態に係る遊技機1によれば、第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)は、正面視において第1スクリーン(キャビネット側スクリーン9040)の側方に配置されている。そして、プロジェクタ(プロジェクタ9020)により投射された光のうちの一部を第1スクリーン(キャビネット側スクリーン9040)に入射させる一方で、プロジェクタ(プロジェクタ9020)により投射された光のうち第1スクリーン(キャビネット側スクリーン9040)に入射しない光のうちの少なくとも一部を第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)に入射させることが可能である。
従って、第1スクリーン(キャビネット側スクリーン9040)及び第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)にそれぞれ画像を表示することが可能であり、これらの画像は、遊技者から見た場合、左右に並ぶような位置関係で表示されることになる。これにより、このような2つのスクリーン(第1スクリーン(キャビネット側スクリーン9040)及び第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060))に表示された画像を通じて、遊技者を視覚的に楽しませることが可能であり、多彩な演出表現を行うことができる。
(9−2) 前記(9−1)の遊技機であって、
前記第1スクリーン(キャビネット側スクリーン9040)を収容し、前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記第1スクリーンに表示された画像を視認可能にするための表示領域(上側表示窓UD1)が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、を備え、
前記第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)は、前記開閉扉に設けられている、
ことを特徴とする。
一般的に、遊技機の開閉扉には、機種に応じた装飾(造形)が施されているところ、このような装飾を施すには、多額のコストが発生する。そして、新たな機種を開発するごとに(プロジェクトごとに)、開閉扉の造形をして装飾替えを行おうとすれば、相応のコストが嵩んでしまうことになる。
この点、第3実施形態に係る遊技機1によれば、開閉扉(上ドア機構UD)に第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)が設けられており、第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)に画像(外観上装飾と類似するような画像)を表示することによって、当該機種特有の装飾を開閉扉(上ドア機構UD)に施さなくても、装飾を施した場合と同様の視覚的効果を得ることができる。従って、装飾を省略した簡易な開閉扉(上ドア機構UD)を採用することが可能であり、装飾にかかる費用を抑えることができる。そして、新たな機種を開発するに際しても、開閉扉(上ドア機構UD)の装飾替えを大々的に行う必要はなく、機種に応じた画像データ(当該機種特有の装飾と類似するような画像のデータ)を準備すればよい。これにより、第2スクリーン(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060)に表示する画像を当該新たな機種に応じたものにすれば、装飾替えと同様の効果を得ることが可能であり、コストの削減を図ることができる。
第3実施形態では、プロジェクタ9020から投射された光のうち、図61(a)における領域I(キャビネット側スクリーン9040の右側に位置する領域)を通過した光が、ドア側右スクリーン9050に入射し、プロジェクタ9020から投射された光のうち、図61(a)における領域II(キャビネット側スクリーン9040の左側に位置する領域)を通過した光が、ドア側左スクリーン9060に入射するように、ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060がそれぞれ配置されていることとして説明した。すなわち、ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060(第2スクリーン)が、正面視においてキャビネット側スクリーン9040(第1スクリーン)の側方に配置されていることとして説明した。
本発明において、第1スクリーン(キャビネット側スクリーン)と第2スクリーンとの位置関係は、この例に限定されず、第2スクリーンは、正面視において第1スクリーン(キャビネット側スクリーン)の上方又は下方に配置されることとしてもよい。例えば、透明パネルUD11(上側表示窓UD1)の上側にドア側上スクリーンを設けつつ、プロジェクタ9020から投射された光のうち、図61(a)における領域III(キャビネット側スクリーン9040の上側に位置する領域)を通過した光が、ドア側上スクリーンに入射するように、構成してもよい。また、透明パネルUD11(上側表示窓UD1)の下側にドア側下スクリーンを設けつつ、プロジェクタ9020から投射された光のうち、キャビネット側スクリーンの下側に位置する領域(例えば、図61(a)における領域IIIとキャビネット側スクリーン9040を挟んで対向する領域)を通過した光が、ドア側下スクリーンに入射するように、構成してもよい。本発明における第2スクリーンとしては、ドア側右スクリーン、ドア側左スクリーン、ドア側上スクリーン、及び、ドア側下スクリーンという4つのスクリーンを全て設けることとしてもよいし、4つのスクリーンのうちの任意の1つ、2つ、又は3つのスクリーンを設けることとしてもよい。なお、このようなキャビネット側スクリーンの側方に配置されたスクリーン(ドア側右スクリーン又はドア側左スクリーン)と、キャビネット側スクリーンの上方又は下方に配置されたスクリーン(ドア側上スクリーン又はドア側下スクリーン)とは、1つのスクリーンとして構成されていてもよい。例えば、ドア側右スクリーンとドア側左スクリーンとドア側上スクリーンとが、一体となるように構成されていてもよい。
本発明において、開閉扉(上ドア機構UD)における第2スクリーン(ドア側右スクリーン、ドア側左スクリーン、ドア側上スクリーン、及び、ドア側下スクリーン)の配置位置は、特に限定されない。すなわち、第2スクリーン(ドア側右スクリーン、ドア側左スクリーン、ドア側上スクリーン、及び、ドア側下スクリーン)は、正面視において、第1スクリーン(キャビネット側スクリーン)と近接する領域に設けられていてもよいし、第1スクリーン(キャビネット側スクリーン)からある程度離間した領域に設けられていてもよい。例えば、トップパネル機構HA、左上パネル機構HB、右上パネル機構HC、左横パネル機構HD、右横パネル機構HE(図60参照)等の配置位置の構造を変更して、当該位置に、ドア側上スクリーン、ドア側左スクリーン、ドア側右スクリーン等を設けることとしてもよい。これにより、これらのスクリーンの背面側にプロジェクタから投射された光を入射させて前面側に画像を表示させるようにすれば、これらのパネル機構の配置位置に相当する領域に、機種固有のデザインや機種情報を現すことができるとともに、画像データを適宜使用することにより、そのようなデザインや情報を容易に変更することができる。
なお、トップパネル機構HAは、上ドア機構UDの上端部に配置され、左横パネル機構HDは、上ドア機構UDの左端部に配置され、右横パネル機構HEは、上ドア機構UDの右端部に配置されているところ、これらの配置位置(上ドア機構UDの外周に沿った領域)に第2スクリーン(ドア側上スクリーン、ドア側左スクリーン、ドア側右スクリーン等)を設ける場合には、プロジェクタから投射された光の照射範囲(図56参照)を広くする必要がある。例えば、照射範囲を最大限広げ、(キャビネット側スクリーンが設けられていないと仮定した場合に)上ドア機構UD全体が照射されるような構成を採用することが可能である。照射範囲を広げるためには、例えば、ミラー9030の配置位置や傾斜を調整すればよい。プロジェクタ9020とミラー9030との相対的な位置関係を調整することにより、照射範囲を適宜変更することができ、キャビネット側スクリーンに入射せず前方へと進行した光が、トップパネル機構HA、左横パネル機構HD、右横パネル機構HE等の配置位置(上ドア機構UDの外周に沿った領域)にまで到達するように(上ドア機構UDの広い範囲に亘って光が照射されるように)設計することが可能である。このように、本発明においては、開閉扉(上ドア機構UD)のうち、正面視において第1スクリーン(キャビネット側スクリーン)と近接する部分のみが、プロジェクタから投射された光によって照射されることとしてもよいし、開閉扉(上ドア機構UD)の外周部分にかけてより広い範囲で照射されることとしてもよい。
第3実施形態では、画像データの例として、図62(a)に示す領域Aと領域Bと領域Cとが、それぞれ別個の画像(図62(b)の例では、演出画像9100、花火画像9101、及び、文字画像9102)を示す情報を含むような画像データについて説明した。本発明において使用する画像データは、この例に限定されず、例えば、領域Aと領域Bと領域Cとに跨るようにして1つの画像(例えば、演出画像9100)を示す情報を含んでいるような画像データを用いることとしてもよい。このような画像データを用いることによって、キャビネット側スクリーン9040、ドア側右スクリーン9050、及び、ドア側左スクリーン9060にそれぞれ、1つの画像(例えば、演出画像9100)の一部が表示され、各スクリーンに表示された一部の画像が一体となることにより当該1つの画像(例えば、演出画像9100)が構成されることになる。このように、本発明においては、キャビネット側スクリーン、及び、その周縁領域(ドア側右スクリーン、ドア側左スクリーン、ドア側上スクリーン、ドア側下スクリーン等)に配置されたスクリーンに、それぞれ異なる画像を個別に表示してもよいし、各スクリーンに表示された画像が合わさることにより全体として1つの映像表現が行われることとしてもよい。
また、第3実施形態では、ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060(第2スクリーン)が遊技機1の前面側に露出した状態で設けられている(ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060の前面側には、他の部材が設けられていない)こととして説明した。これにより、ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060に画像が表示された場合、当該画像は、遊技者から視認可能となる。もっとも、本発明においては、第2スクリーン(ドア側右スクリーン及びドア側左スクリーン)の前面側に透明パネルを設けることとしてもよい。透明パネルであれば、第2スクリーンに表示された画像を遊技者の視界から遮ることはなく、当該画像を遊技者が視認する上での支障はないと考えられる。一方で、第2スクリーンを透明パネルで覆うことにより、遊技機の剛性を担保し、第2スクリーンが破損してしまうことを防止することができる。透明パネルを設ける場合、透明パネルの形状は特に限定されないが、例えば、凹凸を有する透明パネルを採用することができる。これにより、第2スクリーン(ドア側右スクリーン及びドア側左スクリーン)に表示された画像に立体感を付与することが可能となり、開閉扉自体に立体的な装飾を施した場合に類似した外観を創出することができる。
また、第3実施形態では、ドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060の形状が、平坦なスクリーンを湾曲させた形状(上面視における形状が円弧形状)であることとして説明した。しかし、本発明における第2スクリーン(ドア側右スクリーン、ドア側左スクリーン、及び、ドア側上スクリーン)の形状は、特に限定されず、任意の形状を有するスクリーンを適宜採用することができる。例えば、第2スクリーンは、キャビネット側スクリーン9040のような平坦な形状のスクリーンであってもよいし、凹凸を有するスクリーンであってもよいし、丸みを帯びた形状のスクリーンであってもよいし、角張った形状のスクリーンであってもよい。
[第4実施形態]
以上、第1実施形態〜第3実施形態について説明した。以下、第4実施形態について説明する。第4実施形態に係る遊技機1の基本的な構成は、第1実施形態〜第3実施形態に係る遊技機1と同じである。以下においては、第1実施形態〜第3実施形態に係る遊技機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態〜第3実施形態における説明が第4実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<光の照射範囲とスクリーンの配置位置>
図64は、上ドア機構及びキャビネットの縦断面図である。
図64では、プロジェクタ9020から投射された光の照射範囲を、一点鎖線を用いて示している。第3実施形態と同様に、プロジェクタ9020から投射された光は、下向きに進行した後、ミラー9030によって前方に向けて反射される(図55参照)。
第3実施形態では、このようにして前方に進行した光のうちの一部が、キャビネット側スクリーン9040(図53参照)に対して後方(背面側)から入射することとして説明した。これに対し、第4実施形態では、キャビネット側スクリーン9040が設けられておらず、プロジェクタ9020から投射された光は、全て上ドア機構UDに到達する。
後述するように、上ドア機構UDには、スクリーンシート1046、スクリーンシート1056、及び、スクリーンシート1057が設けられている(図67及び図68参照)。プロジェクタ9020から投射された光は、スクリーンシート1046、スクリーンシート1056、及び、スクリーンシート1057のそれぞれに対して後方(背面側)から入射し、これらのスクリーンシートの前面側(表示面)に画像が表示されることになる。以下、詳述する。
<上ドア機構UD>
図65は、上ドア機構を前方から見た斜視図である。図66は、上ドア機構を後方から見た斜視図である。
図65及び図66に示すように、上ドア機構UDには、スクリーンユニット1040、装飾ユニット1050、及び、間接照明ユニット1060が設けられている。以下、各ユニットについて説明する。
<スクリーンユニット1040>
図67は、上ドア機構の分解斜視図である。図68は、上ドア機構の分解斜視図である。図69は、透光板、スクリーンシート、下押さえ部材、上押さえ部材、及び、下フレームを後方から見た斜視図である。図70は、透光板及びスクリーンシートを後方から見る一方、下押さえ部材及び上押さえ部材を前方から見た斜視図である。図71は、上押さえ部材及び上フレームを下方から見た斜視図である。図72は、透光板、スクリーンシート、及び、下フレームを後方から見た斜視図である。
なお、図67では、上ドア機構UDの各構成要素を斜め前方から見た様子を示している。図68では、上ドア機構UDの各構成要素を斜め後方から見た様子を示している。図69では、透光板1045、スクリーンシート1046、下押さえ部材UD101、及び、上押さえ部材UD102については、これらが組み付けられた状態を示し、下フレームUD100については、単独で存在する様子を示している。図70では、透光板1045及びスクリーンシート1046については、これらが組み付けられた状態を示し、下押さえ部材UD101及び上押さえ部材UD102については、これらがそれぞれ単独で存在する様子を示している。図71では、上押さえ部材UD102及び上フレームUD110について、これらがそれぞれ単独で存在する様子を示している。図72では、透光板1045、スクリーンシート1046、及び、下フレームUD100について、これらが組み付けられた状態を示している。
図67及び図68に示すように、スクリーンユニット1040は、透光板1045と、スクリーンシート1046と、を備えている。
透光板1045は、透光性を有するアクリル板等の樹脂又はガラス板等を主たる素材とし、全面に亘って均等な厚みを有するように形成されている。透光板1045は、中央に位置する平面部1045aと、平面部1045aの左右双方の側縁から後方に向けて連続して形成された湾曲部1045bと、湾曲部1045bの後端から後方に向けて連続して形成された側面部1045cと、を備えている。平面部1045a及び側面部1045cは、平面形状に形成され、これらの表面は互いに略直交している。湾曲部1045bは、第3実施形態におけるドア側右スクリーン9050及びドア側左スクリーン9060(図58参照)のように、平板を湾曲させた形状を有している。
スクリーンシート1046は、後方から投影像が投影されることで表示される透過式のスクリーンであり、第3実施形態におけるスクリーン(キャビネット側スクリーン9040、ドア側右スクリーン9050、及び、ドア側左スクリーン9060)と同様に、プロジェクタ9020から投射された光が入射する背面側の入射面と、入射面に入射した光が透過することで投影像が投影される前面側の表示面と、を有する。スクリーンシート1046は、例えば、透光性を有するガラス板、アクリル板、樹脂製フィルムを主たる素材として、全面に亘って均等な厚みを有するように形成され、非投影時に乳白色、半透明、あるいはグレー色を呈する。
スクリーンシート1046は、中央に位置する平面部1046aと、平面部1046aの左右双方の側縁から後方に向けて連続して形成された湾曲部1046bと、を備えている。平面部1046aは、平面形状に形成され、湾曲部1046bは、平板を湾曲させた形状を有している。スクリーンシート1046の平面部1046a及び湾曲部1046bは、透光板1045の平面部1045a及び湾曲部1045bと、略同一の大きさ及び形状を有している。
スクリーンシート1046は、透光板1045の背面側に配置されている。具体的には、透光板1045の平面部1045aにおける背面側の表面と、スクリーンシート1046の平面部1046aにおける前面側の表面とが密着し、透光板1045の湾曲部1045bにおける背面側の表面と、スクリーンシート1046の湾曲部1046bにおける前面側の表面とが密着した状態となっている。
スクリーンシート1046の入射面(背面側の表面)に対して、プロジェクタ9020から投射された光が入射することによって、スクリーンシート1046の表示面(前面側の表面)に、遊技に関する画像(静止画像や動画像)が表示される。透光板1045は、透明に形成されており、透光板1045の前方には遊技者の視界を遮る構造が存在しないため、スクリーンシート1046に画像が表示された場合、当該画像は、遊技者から視認可能となる。
また、スクリーンシート1046は、平面部1046aと湾曲部1046bとを有しており、平面部1046aと湾曲部1046bとでは奥行き方向の位置が異なるため、平面部1046aと湾曲部1046bの双方に画像を表示することによって、スクリーンシート1046に表示された画像全体に立体感を付与することができる。また、透光板1045及びスクリーンシート1046は、それぞれ、湾曲部1045b及び湾曲部1046bがフォーミング(開放空間内成形)により形成されており、これにより、例えば、真空加工等により湾曲部を形成した場合と比較して、画像の変形を抑えることができる。
以上のように構成された透光板1045及びスクリーンシート1046は、下部が下押さえ部材UD101によって押さえ付けられ且つ上部が上押さえ部材UD102によって押さえ付けられた状態で、下フレームUD100及び上フレームUD110によって支持されている。
具体的に、図69に示すように、下フレームUD100は、コの字状の部材として形成されており、水平配置された底板UD100aと、底板UD100aの前端において上方に向かって僅かに突設された壁部UD100bと、底板UD100aの右端部において上下方向に延在する右側部UD100cと、底板UD100aの左端部において上下方向に延在する左側部UD100dと、を備えている。透光板1045及びスクリーンシート1046は、透光板1045が底板UD100a、右側部UD100c、及び、左側部UD100dに当接した状態で、底板UD100a上に載置される。この状態において、透光板1045の前面下部は、壁部UD100bに当接する。壁部UD100bは、透光板1045の前面下部全体が当接可能なように、透光板1045の平面部1045a、湾曲部1045b、及び、側面部1045cに対応する形状を有している。
図70に示すように、下押さえ部材UD101は、板状に形成されており、その前方側面(押さえ面UD101a)は、スクリーンシート1046に対応して、平面形状に形成された部分と湾曲形状に形成された部分とを有している。透光板1045及びスクリーンシート1046が下フレームUD100の底板UD100a上に載置された状態で、下押さえ部材UD101が下フレームUD100に固定されることにより、スクリーンシート1046の下部は、下フレームUD100の壁部UD100b及び透光板1045と、下押さえ部材UD101の押さえ面UD101aとの間に挟持され、押さえ面UD101aによって押さえ付けられる。なお、下押さえ部材UD101は、ネジ挿通孔UD101b(図69参照)を通したネジを下フレームUD100のネジ穴UD100eにねじ込むことにより、下フレームUD100に取り付けることができる。
また、図71に示すように、上フレームUD110は、正面視略四角形状の外形を有する部材として形成されており、左右方向に延在する底面UD110aと、底面UD110aにおける前方部から下方に僅かに突出した壁部UD110bと、を備えている。下フレームUD100に対して上フレームUD110が固定された状態で、透光板1045及びスクリーンシート1046は、透光板1045の上端縁が上フレームUD110の底面UD110aに当接し、透光板1045の前面上部が上フレームUD110の壁部UD110bに当接するように位置付けられる。壁部UD110bは、透光板1045の前面上部が一定範囲に亘って当接可能なように、透光板1045に対応する形状を有している。
上押さえ部材UD102の前方側面(押さえ面UD102a、図70参照)は、スクリーンシート1046に対応して、平面形状に形成された部分と湾曲形状に形成された部分とを有している。上押さえ部材UD102は、その上面が上フレームUD110の底面UD110aに当接した状態で、ネジ挿通孔UD102bを(図71参照)を通したネジを、上フレームUD110の底面UD110aに形成されたネジ穴UD110cにねじ込むことにより、上フレームUD110に取り付けられる。これにより、スクリーンシート1046の上部は、上フレームUD110の壁部UD110b及び透光板1045と、上押さえ部材UD102の押さえ面UD102aとの間に挟持され、押さえ面UD102aによって押さえ付けられる。
以上のようにして、スクリーンシート1046は、下部が下押さえ部材UD101によって押さえ付けられ且つ上部が上押さえ部材UD102によって押さえ付けられる。下押さえ部材UD101の押さえ面UD101a及び上押さえ部材UD102の押さえ面UD102aは、それぞれ、スクリーンシート1046の形状に対応して、湾曲形状に形成された部分を有している。これにより、透光板1045とスクリーンシート1046との間に隙間ができたり、スクリーンシート1046にシワが発生したりすることを抑制しつつ、スクリーンシート1046を透光板1045に密着させることが可能となり、遊技者から視認される画像が乱れてしまうことを防止することができる。
図72に示すように、透光板1045とスクリーンシート1046とが密着した状態において、これらを後方から見た場合、透光板1045の平面部1045a及び湾曲部1045bは、スクリーンシート1046の平面部1046a及び湾曲部1046bによって覆われている一方、透光板1045の側面部1045cは、スクリーンシート1046によって覆われず露出した状態となっている。
図示していないが、透光板1045及びスクリーンシート1046の背面側には、キャビネットGが配置される。従って、スクリーンシート1046の後端とキャビネットG(側面壁G2)の前端との間には、少なくとも透光板1045の側面部1045cにおける前後方向の長さに相当する隙間が存在することになる。分かりやすくするため、図72では、このような隙間を斜線で示している。
そして、透光板1045のうちスクリーンシート1046によって覆われる部分(平面部1045a及び湾曲部1045b)には、画像が表示される一方、透光板1045のうちスクリーンシート1046によって覆われず露出した部分(側面部1045c、すなわち、図72における斜線部分)には、画像が表示されない。これにより、遊技者に対して、キャビネットG(側面壁G2)の前端から前方向に離間した位置において、画像が浮き出ているような印象を与えることが可能であり、多彩な画像表現を実現することができる。
<装飾ユニット1050>
図73は、上フレーム、第1構造体、第2構造体、第3構造体、第4構造体、及び、スクリーンシートを後方から見た斜視図である。
なお、図73では、第1構造体1051、第2構造体1052、第3構造体1053、及び、第4構造体1054については、これらが組み付けられた状態を示し、上フレームUD110、スクリーンシート1056、及び、スクリーンシート1057については、これらがそれぞれ単独で存在する様子を示している。
図73に示すように、装飾ユニット1050は、中央に配置された第1構造体1051と、第1構造体1051の周囲に配置された第2構造体1052と、第2構造体1052に隣接する第3構造体1053と、第3構造体1053に隣接する第4構造体1054と、これらの構造体の背面側に配置されたスクリーンシート1056及びスクリーンシート1057と、を備えている。
第1構造体1051、第2構造体1052、第3構造体1053、及び、第4構造体1054は、ネジ締結により上フレームUD110に取り付けられる。スクリーンシート1056は、押さえ部材UD111によって押さえ付けられた状態で、第1構造体1051及び第2構造体1052の背面側に配置される。スクリーンシート1057は、押さえ部材UD111によって押さえ付けられた状態で、第3構造体1053の背面側に配置される。スクリーンシート1056とスクリーンシート1057とは、隣接するように配置され、隣接部において嵌合可能な形状を有している。第4構造体1054は、上フレームUD110のスピーカ収納部UD110dの背面側に配置され、スピーカ収納部UD110dの背面側には、第4構造体1054とともに、図示しないスピーカが配置される。
第1構造体1051は、透光性の素材(例えば、アクリル樹脂等)により形成され、所定の立体的形状(例えば、文字形状)に形成されている。第2構造体1052は、透光性の素材(例えば、アクリル樹脂等)により形成され、所定の立体的形状(例えば、炎を模した形状)に形成されている。第3構造体1053は、透光性の素材(例えば、アクリル樹脂等)により形成され、所定の立体的形状(例えば、鎖を模した形状)に形成されている。第4構造体1054は、透光性の素材(例えば、アクリル樹脂等)により形成され、所定の立体的形状(例えば、鎖を模した形状)に形成されている。
スクリーンシート1056及びスクリーンシート1057は、後方から投影像が投影されることで表示される透過式のスクリーンであり、スクリーンシート1046と同様に、プロジェクタ9020から投射された光が入射する背面側の入射面と、入射面に入射した光が透過することで投影像が投影される前面側の表示面と、を有する。スクリーンシート1056及びスクリーンシート1057は、例えば、透光性を有するガラス板、アクリル板、樹脂製フィルムを主たる素材として、全面に亘って均等な厚みを有するように形成され、非投影時に乳白色、半透明、あるいはグレー色を呈する。
スクリーンシート1056及びスクリーンシート1057の入射面(背面側の表面)に対して、プロジェクタ9020から投射された光が入射することによって、スクリーンシート1056及びスクリーンシート1057の表示面(前面側の表面)に、遊技に関する画像(静止画像や動画像)が表示される。
ここで、第3構造体1053は、その前面側にハーフミラー(マジックミラー)が形成された構成を有している。ハーフミラーは、従来公知の方法により、半透過膜シートを基板の表面に貼り付けたり、金属膜を金属蒸着させたりすることによって形成することが可能であり、入射する光のうちの一部を反射する一方、一部を透過する性質を有する。
スクリーンシート1057の前面側にこのようなハーフミラーを配置することにより、プロジェクタ9020から光が投射されていない場合には、第3構造体1053の周囲に存在する物体が映り、例えば、黒いメッキ加工の施されたパーツのような外観を呈することになる。第3構造体1053の周囲に存在する物体としては、例えば、図65に示すような鎖を模した形状の構造物を設けることができる。なお、鎖を模した形状の構造物は、第3構造体1053の近傍に設けてもよいし、第3構造体1053(ハーフミラー)自体を当該形状に形成してもよい。一方、プロジェクタ9020から光が投射されている場合には、スクリーンシート1057に表示された画像がハーフミラーに映ることになる。例えば、第3構造体1053の周囲に存在する物体や第3構造体1053の形状に類似する形状(鎖を模した形状)の物体が流れて動いているような画像をスクリーンシート1057に表示することによって、プロジェクタ9020から光が投射されていない場合に静止していた当該物体が動いているような演出を行うことが可能となる。このように、上記構成によれば、造形物及び当該造形物に関連する映像との双方によって、魅力的な演出を生み出すことができる。
また、スクリーンシート1056は、光を拡散するための拡散層、入射面側に凸となる形状を有する単位プリズムが複数配列されたプリズム層を有している。これにより、プロジェクタ9020から投射された光が拡散され、スクリーンシート1056の前面側に配置された造形物と相俟って、魅力的な演出を行うことができる。例えば、図65に示すように、第1構造体1051が「GOD」という文字形状に形成されている場合、「GOD」という文字に対応する画像をスクリーンシート1056に表示することによって、「GOD」という文字がキラキラ輝いているような外観を創出することができる。また、プロジェクタ9020から投射される光の中心(投射レンズの光軸近傍から出射される照射光)は、スクリーンシート1046へと入射するところ、スクリーンシート1056は、画角中心から離れた位置に配置されているが、集光効果の高いプリズム層を設けることにより、スクリーンシート1056に表示される画像の輝度が低下してしまうことを抑えることができる。なお、スクリーンシート1057と同様に、スクリーンシート1056の前面側にもハーフミラーを配置してもよい。
<間接照明ユニット1060>
図74は、透光板、スクリーンシート、下フレーム、LED基板、及び、導光部材を後方から見た斜視図である。図75は、透光板、スクリーンシート、下フレーム、及び、導光部材を前方から見た斜視図である。図76は、透光板、スクリーンシート、下フレーム、LED基板、及び、導光部材の断面を前方から見た斜視図である。
なお、図74では、透光板1045、スクリーンシート1046、下フレームUD100、LED基板1061、及び、導光部材1062について、これらが組み付けられた状態から導光部材1062を取り外した様子を示している。図75では、透光板1045、スクリーンシート1046、下フレームUD100、及び、導光部材1062について、これらが組み付けられた状態から下フレームUD100の位置を僅かにずらした様子を、導光部材1062近傍を拡大して示している。図76では、透光板1045、スクリーンシート1046、下フレームUD100、LED基板1061、及び、導光部材1062について、これらが組み付けられた状態を水平面で切断した様子を、導光部材1062近傍を拡大して示している。
図66に示すように、間接照明ユニット1060は、下フレームUD100の右側部UD100c及び左側部UD100dのそれぞれに沿うように配置されており、各間接照明ユニット1060は、左右対称な構成を有している。
図74に示すように、間接照明ユニット1060は、LED基板1061と、導光部材1062と、を備えている。
LED基板1061は、下フレームUD100の右側部UD100cの若干左側及び左側部UD100dの若干右側のそれぞれ(透光板1045の側面部1045cの若干内側)において、側面部1045cと略平行に配置されている。LED基板1061には、複数のLED1061aが上下方向に等間隔に設けられている。具体的に、右側部UD100c近傍に配置されたLED基板1061のLED1061aは、右方向に光を出射するように設置されており、左側部UD100d近傍に配置されたLED基板1061のLED1061aは、左方向に光を出射するように設置されている。LED基板1061は、側面視において、その一部が透光板1045の側面部1045cと重畳するように配置されているが、LED1061aの設置位置は、側面部1045cの後端よりも後方となっており、LED1061aから出射された光は、側面部1045cによって遮られないようになっている。なお、LED基板1061は、側面部1045cと若干離間して配置されている。
導光部材1062は、下フレームUD100の右側部UD100c及び左側部UD100dと略同一の高さを有する部材であり、内向きに開放する開口1062aが上下方向に複数形成されている。導光部材1062には、上部と下部のそれぞれにネジ孔1062bが形成されており、LED基板1061に形成されたネジ孔1061bを挿通したネジによって、LED基板1061に対して導光部材1062が固定される。これにより、LED1061aから出射された光が開口1062aを通過して導光部材1062の内部に入るようになっている。
また、導光部材1062は、その上部に形成されたネジ孔1062c及び下フレームUD100の右側部UD100c(左側部UD100d)に形成されたネジ孔UD100fを挿通したネジによって、下フレームUD100に対して固定される。
さらに、図75に示すように、導光部材1062には、前方向に開放する開口1062dが上下方向に複数形成されている。図74に示す開口1062aと図75に示す開口1062dとは、導光部材1062の内部において連通している。また、下フレームUD100の右側部UD100c(左側部UD100d)には、前後方向に貫通する開口UD100gが上下方向に複数形成されている。これにより、導光部材1062が下フレームUD100に取り付けられた状態において、導光部材1062の開口1062dと下フレームUD100の開口UD100gとが連通することになる。
図76に示すように、導光部材1062の内部は、LED1061aから出射された光の進行方向を変化させるリフレクタとなっている。LED1061aから出射された光は、導光部材1062の開口1062aを通過して導光部材1062の内部に入った後、横向きから前向きに進行方向を変えて、導光部材1062の開口1062dを通過し、右側部UD100c(左側部UD100d)の開口UD100gから前方向に放出される。図76中の矢印は、LED1061aから出射された光の進行方向を示している。
ここで、図76に示すように、下フレームUD100の右側部UD100c(左側部UD100d)は、透光板1045の側面部1045cに当接している。また、右側部UD100c(左側部UD100d)の後端と側面部1045cの後端とは、前後方向における位置が略同一であり、右側部UD100c(左側部UD100d)における前後方向の長さは、側面部1045cにおける前後方向の長さよりも短くなっている。また、図示しないが、下フレームUD100の右側部UD100c(左側部UD100d)の背面側には、キャビネットGが配置される。キャビネットG(側面壁G2)の前端は、右側部UD100c(左側部UD100d)の後端と近接(略当接)し、キャビネットGの側面壁G2と、右側部UD100c(左側部UD100d)とは、略同一平面上に位置付けられる。
間接照明ユニット1060は、周辺の部材と以上のような位置関係を有するように、透光板1045の側面部1045cに沿って配置されている。そして、LED1061aから出射された光は、透光板1045の側面部1045cに沿って、前方へと放出されることになる。図72を用いて説明したように、透光板1045の側面部1045cは、スクリーンシート1046によって覆われず、当該部分(図72における斜線部分)には画像が表示されないため、画像が浮き出ているような印象を遊技者に与えることができる。本実施形態では、このような画像が表示されない部分から(透光板1045の側面部1045cに沿って)LED1061aの光が放出されることに起因して、画像が表示される部分と画像が表示されない部分との境界を強調し、画像が浮き出ているような印象をより顕著に遊技者に与えることができる。
<上ドア機構UDのキャビネットGへの取り付け>
図77は、上ドア機構、引っ掛け部、及び、前面側突出部材を後方から見た斜視図である。図78は、上ドア機構、引っ掛け部、及び、前面側突出部材を側方から見た斜視図である。図79は、キャビネット、引っ掛け部、及び、前面側突出部材を側方から見た斜視図である。図80は、上ドア機構、キャビネット、引っ掛け部、及び、前面側突出部材の断面の右側面図である。図81は、上ドア機構を下方から見た斜視図である。図82は、上ドア機構及び下ドア機構を前方から見た斜視図である。図83は、上ドア機構及び下ドア機構を後方から見た斜視図である。
なお、図77では、上ドア機構UDから引っ掛け部UD120及び前面側突出部材G120を取り外した様子を示している。図78では、引っ掛け部UD120については、上ドア機構UDに取り付けられている様子を示し、前面側突出部材G120については、上ドア機構UDから取り外した様子を示している。図79では、引っ掛け部UD120及び前面側突出部材G120がキャビネットGに取り付けられている様子を示している。図80では、上ドア機構UDがキャビネットGに対して閉じられた状態における上ドア機構UD、キャビネットG、引っ掛け部UD120、及び、前面側突出部材G120を前後方向の鉛直面で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図80では、引っ掛け部UD120及び前面側突出部材G120を斜線で示している。図81では、上ドア機構UDの各構成要素が組み付けられた状態を示している。図82では、上ドア機構UDと下ドア機構DDとが組み付けられていない状態において、これらを互いに異なる方向から見た様子を示しており、下ドア機構DDの方が側方に近い角度から観察している。図83では、上ドア機構UD及び下ドア機構DDがキャビネットGに対して閉じられた状態を示している。
上ドア機構UDは、引っ掛け部UD120及び前面側突出部材G120により、キャビネットGに取り付けられる。
図77及び図78に示すように、引っ掛け部UD120は、上フレームUD110から後方へと突出する部材であり、主面UD120aには、下方が開放された欠き込みUD120bが形成されている。引っ掛け部UD120の主面UD120aと直交する面には、ネジ孔UD120cが形成されており、引っ掛け部UD120は、ネジ締結により上フレームUD110に取り付けられる。引っ掛け部UD120が上フレームUD110に対して固定されることにより、主面UD120aは、前後方向に沿って配置される。
前面側突出部材G120は、水平配置された主面G120aと、主面G120aの前端中央付近を上方に折り曲げることで形成された前端中央部G120bと、主面G120aの前端右側を上方に折り曲げることで形成された前端右側部G120cと、主面G120aの前端左側を上方に折り曲げることで形成された前端左側部G120dと、前端中央部G120bと前端右側部G120cとの間において主面G120aの前端を上方及び後方に折り曲げることで形成された右載置部G120eと、前端中央部G120bと前端左側部G120dとの間において主面G120aの前端を上方及び後方に折り曲げることで形成された左載置部G120fと、主面G120aの左端及び右端双方の後部を下方に折り曲げることで形成された後側部G120gと、を備えている。
前端右側部G120c及び前端左側部G120dは、前端中央部G120bよりも後方に形成されており、前端中央部G120b、前端右側部G120c、及び、前端左側部G120dの高さは、略同一である。また、右載置部G120e及び左載置部G120fは、それぞれ、前端右側部G120c及び前端左側部G120dよりも後方に形成されており、右載置部G120e及び左載置部G120fの高さは、略同一であり、これらの高さは、前端中央部G120b、前端右側部G120c、及び、前端左側部G120dの高さよりも高くなっている。また、右載置部G120e及び左載置部G120fは、水平配置された面を有している。
後側部G120gには、ネジ孔G120hが形成されており、前面側突出部材G120は、ネジ孔G120hを挿通したネジにより、キャビネットGの側面壁G2に内側から取り付けられる。図79及び図80に示すように、前面側突出部材G120がキャビネットGに対して固定されることにより、主面UD120aの前方部分(前端中央部G120b、前端右側部G120c、前端左側部G120d、右載置部G120e、及び、左載置部G120fを含む)は、キャビネットGから前方へと突出する。
一方、キャビネットGの側面壁G2の内側面には、内側に向けて突出する内面側突出部材G2a(例えば、側面壁G2の内側面にねじ込まれたネジ等)が設けられており、引っ掛け部UD120の欠き込みUD120bが内面側突出部材G2aに引っ掛けられる。これにより、引っ掛け部UD120は、キャビネットGに係止される。
図81に示すように、下フレームUD100は、底板UD100a(図69参照)の下側を向いた面として、下側面UD100hを備えている。下側面UD100hには、下方に突出する下方突出部UD100iが複数形成されている。下方突出部UD100iは、略直方体の形状を有しており、下側面UD100hの後端から前方に向けて延在している。下方突出部UD100iの後端には、ネジ穴UD100e(図69参照)が形成されている。
図82に示すように、下ドア機構DDは、その上部において左右方向に水平配置された上板DD100を備えている。図83に示すように、上ドア機構UD及び下ドア機構DDがキャビネットGに対して閉じられた状態において、上板DD100の後端縁DD100aは、下フレームUD100に形成された下方突出部UD100iの前端と近接(略当接)している。
上ドア機構UD及び下ドア機構DDが以上のように構成されていることにより、上ドア機構UDをキャビネットGに取り付ける(上ドア機構UDをキャビネットGに対して閉じる)に当たっては、まず、上フレームUD110の上壁の下側面を前面側突出部材G120の右載置部G120e及び左載置部G120fの上面に載せつつ、引っ掛け部UD120の欠き込みUD120bを内面側突出部材G2aに引っ掛ける。この状態で下ドア機構DDをキャビネットGに対して閉じることで、下ドア機構DDの上板DD100の後端縁DD100aが下フレームUD100の下方突出部UD100iに当たり、上ドア機構UDが後方へと押し込まれる。これにより、上ドア機構UDも、キャビネットGに対して閉じられることになる。
本実施形態では、以上のようにして上ドア機構UDを閉めることが可能であるため、上ドア機構UDには、キャビネットGと連結するためのヒンジが設けられていない。ヒンジが設けられている場合には、遊技機のサイド部分において画像を表示することが可能な範囲が制限されるところ、本実施形態に係る遊技機1においては、ヒンジが存在しない分だけ、上ドア機構UDにおける広い範囲を画像表示領域として確保することができる。具体的には、スクリーンシート1046の後端(透光板1045の左右双方の湾曲部1045bにおける後端)に亘るまでの範囲を、プロジェクタ9020から投射された光の左右方向における照射範囲に含めることが可能になる。これにより、大画面による迫力のある演出を行うことができる。
また、スクリーンシート1046、スクリーンシート1056、及び、スクリーンシート1057という3つのスクリーンが設けられているが、第3実施形態と同様に、各スクリーンに表示される画像を示す情報を1つの画像データに含めれば(図62及び図63参照)、当該1つの画像データを用いることにより3つのスクリーンのそれぞれに画像を表示することができる。
なお、以上のようにして上ドア機構UDが閉じられた状態においては、上ドア機構UDとキャビネットGとの間に僅かな隙間が形成されるが(図80参照)、当該隙間から異物が入ってきた場合であっても、前面側突出部材G120が存在することにより、当該異物がキャビネットGのより内部へと侵入してしまうことを防止することができる。
[第5実施形態]
以上、第1実施形態〜第4実施形態について説明した。以下、第5実施形態について説明する。第5実施形態に係る遊技機1の基本的な構成は、第1実施形態〜第4実施形態に係る遊技機1と同じである。以下においては、第1実施形態〜第4実施形態に係る遊技機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態〜第4実施形態における説明が第5実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<光の照射範囲とスクリーンの配置位置>
図84は、上ドア機構及び下ドア機構を取り外した状態の遊技機を前方から見た斜視図である。図85は、プロジェクタ装置から光が投射されている様子を側方から見た斜視図である。
図84に示すように、キャビネットGの内部には、照射ユニットBが配置されている。第1実施形態(図6参照)と同様に、照射ユニットBは、照射光を出射するプロジェクタ装置B2と、プロジェクタ装置B2から出射された照射光を反射するミラー機構B3と、プロジェクタ装置B2及びミラー機構B3を収容するプロジェクタカバーB1と、を備えている。
プロジェクタカバーB1の構成は、第1実施形態と異なっており、リフレクタ保持部B11(図10参照)は、プロジェクタ装置B2の前方ではなく、プロジェクタ装置B2の上方に形成されている(図88参照)。第1実施形態と同様に、リフレクタ保持部B11の内側面には、ミラー機構B3が設けられており、ミラー機構B3は、プロジェクタ装置B2から投射された光を反射することが可能な光学ミラーB32(図7参照)を備えている。
本実施形態では、リフレクタ保持部B11の形状及び形成位置に対応して、ミラー機構B3(光学ミラーB32)が、前方よりも後方の方が低くなるような傾斜を有する姿勢で、プロジェクタ装置B2の上方に配置される。なお、ミラー機構B3自体の構成は、第1実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
プロジェクタ装置B2は、前方よりも後方の方が低くなるような傾斜(光学ミラーB32よりも急な傾斜)を有する姿勢で、プロジェクタカバーB1に対して固定されている。
これにより、プロジェクタ装置B2から投射されて上向きに進行した光は、ミラー機構B3(光学ミラーB32)によって前方に向けて反射される(図85参照)。図85では、光の照射範囲を斜線で示している。第4実施形態と同様に、ミラー機構B3(光学ミラーB32)によって反射されて前方に進行した光は、全て上ドア機構UDに到達する。上ドア機構UDは、第4実施形態と同様の構成を備えており、プロジェクタ装置B2から投射された光は、スクリーンシート1046、スクリーンシート1056、及び、スクリーンシート1057(図65〜図68参照)のそれぞれに対して後方(背面側)から入射し、これらのスクリーンシートの前面側(表示面)に画像が表示されることになる。
<照射光の進行方向の調節>
図86は、照射ユニットを側方から見た斜視図である。図87は、照射ユニットを後方から見た斜視図である。
第1実施形態で説明したように、プロジェクタ装置B2は、ケースB22によって外装されつつ、上側台座B220及び下側台座B221を介してプロジェクタカバーB1に取り付けられる(図12参照)。
具体的に、上側台座B220の右側部分及び左側部分には、それぞれ、角孔2201cが設けられている(図13参照)。上側台座B220は、角孔2201cに挿入された取付ネジT(図16参照)によって、プロジェクタカバーB1に取り付けられる。図16では、取付ネジTが角孔2201cの下方から挿入される様子を示しているが、本実施形態において、取付ネジTは、角孔2201cの上方から(ネジ頭部が上部背面側となるように)挿入される。なお、上側台座B220は、プロジェクタカバーB1ではなく、キャビネットGの内部に固定された他の部材に取り付けることとしてもよい。
また、下側台座B221には、ケースB22をネジ止めするための複数のネジ孔2214が設けられており(図12参照)、ケースB22は、下側台座B221に対して下方からネジ締結により取り付けられる。ケースB22の構成としては、特に限定されないが、本実施形態においては、直方体の箱形形状を有するケースB22(図22参照)を採用している。ケースB22には、プロジェクタ装置B2の内部構成要素であるレンズユニットB21(図12参照)、LED基板、DMD基板、ヒートシンク、吸気用ファン等が収容され、ケースB22の下面には、プロジェクタ制御基板B23(図12参照)が固定されている。
ここで、上側台座B220に形成された角孔2201cは、その縦横内径寸法が取付ネジTのネジ軸径よりも大きくなっている。これにより、プロジェクタ装置B2のプロジェクタカバーB1に対する取り付け位置を左右方向及び前後方向に調整することができるようになっている。プロジェクタ装置B2の取り付け位置を調整する方法の詳細については、図16を用いて説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
また、上側台座B220と下側台座B221とは、3つの連結孔2200A及び3つの連結ネジ部2210に対応する3箇所の連結部R1,R2,R3において連結される(図12及び図14参照)。これにより、上側台座B220と下側台座B221とは、連結部R1,R2,R3のそれぞれにおいて互いの間隔を調整することができるようになっている。連結部R1,R2,R3は、上側台座B220及び下側台座B221に沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように配置されており、連結部R1,R2,R3のそれぞれにおいて上側台座B220と下側台座B221との間隔を適宜変化させることによって、上側台座B220に対する下側台座B221の3次元空間内における傾き具合を調整することが可能である。各連結部R1,R2,R3において上側台座B220と下側台座B221との間隔を調整する方法の詳細については、図17を用いて説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
このような上側台座B220及び下側台座B221を用いることにより、プロジェクタカバーB1に対する上側台座B220の面内位置を適宜調整することが可能であり、プロジェクタ装置B2を適正な位置に配置することができる。また、上側台座B220に対する下側台座B221の傾きを適宜調整することが可能であり、下側台座B221に支持されたケースB22(プロジェクタ装置B2の内部構成要素であるレンズユニットB21等)の姿勢を適正なものとすることができる。このように、プロジェクタ装置B2は、キャビネットG内における位置や姿勢を変化させ、照射光の出射位置、進行方向、照射範囲を調整することが可能なように構成されている。
図86に示すように、上側台座B220及び下側台座B221は、プロジェクタカバーB1における後方に配置されている。プロジェクタカバーB1は、上側台座B220及び下側台座B221の後方が開放された形状となっている。これにより、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3が後方に向けて露出した状態となっている。また、図示しないが、上側台座B220の角孔2201cに挿入された取付ネジT(図16参照)も、後方に向けて露出した状態となっている。
図87に示すように、上側台座B220及び下側台座B221の上方には、プロジェクタカバーB1のリフレクタ保持部B11が配置されている。プロジェクタカバーB1は、リフレクタ保持部B11の上方及び後方が開放された形状となっている。
リフレクタ保持部B11には、角度調整穴B111(図9参照)が形成され、角度調整穴B111には、図示しないネジが上側(背面側)から挿通されている。第1実施形態で説明したように、当該ネジを緩めたり締めたりすることによって、リフレクタ保持部B11とミラー機構B3との距離を変化させることができる。これにより、リフレクタ保持部B11の内側面に保持された光学ミラーB32の位置(姿勢)を変化させ、プロジェクタ装置B2から出射された照射光の反射角度(反射後の照射光の進行方向)を調整することが可能である。
<操作用窓G10及び閉塞用蓋G100>
図88は、キャビネットの縦断面図である。図89は、照射ユニット、閉塞用蓋、及び、キャビネットの背面壁の分解斜視図である。図90は、閉塞用蓋を背面壁から取り外した状態における遊技機の背面図である。図91は、図90に示す遊技機における操作用窓周辺の部分拡大図である。図92は、閉塞用蓋及びキャビネットの背面壁の分解斜視図である。図93は、閉塞用蓋及びキャビネットの背面壁の分解斜視図である。図94は、閉塞用蓋を背面壁に取り付けた状態の遊技機における操作用窓周辺の部分拡大図である。
図88に示すように、照射ユニットBがキャビネットGの内部に配置された状態において、上側台座B220及び下側台座B221は、キャビネットGの後方に配置され、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3がキャビネットG(背面壁G3)に取り付けられた閉塞用蓋G100に対向するように位置付けられる。図示しないが、上側台座B220の角孔2201cに挿入された取付ネジTも、閉塞用蓋G100に対向するように位置付けられる。上側台座B220の後方には、他の部材が存在しない空間が形成されている。
また、キャビネットGの後方上部には、プロジェクタカバーB1のリフレクタ保持部B11が配置されている。リフレクタ保持部B11の上方及び後方には、他の部材が存在しない空間が形成されており、当該空間は、上側台座B220の後方空間と繋がっている。なお、図88では、プロジェクタ装置B2から投射された光の照射範囲を斜線で示している。
なお、照射ユニットBは、ネジ締結により背面壁G3に取り付けられる。図87に示すように、プロジェクタカバーB1の後部には、ネジを挿通させるためのネジ孔B100a〜dが形成されている。照射ユニットBが背面壁G3に取り付けられた状態においては、ネジ孔B100aの形成されている面B110a、ネジ孔B100bの形成されている面B110b、ネジ孔B100c、dの形成されている面B110cが、それぞれ、背面壁G3の内側面(前面側の面)に当接する。これらの面B110a〜cは、互いに分離して形成されており、これにより、プロジェクタカバーB1は、上側台座B220の後方空間、並びに、リフレクタ保持部B11の上方及び後方空間が開放された形状となっている。
図89に示すように、キャビネットGの背面壁G3には、操作用窓G10が形成されている。操作用窓G10は、キャビネットGの外部から内部を視認することが可能な開口として形成されている。操作用窓G10は、閉塞用蓋G100によって閉塞することができる。
図90に示すように、閉塞用蓋G100を背面壁G3から取り外した状態において、後方から正面視すると、操作用窓G10を介して、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3(特にナット2213、図17参照)、及び、上側台座B220の角孔2201cに挿入された取付ネジTの頭部(図示せず)が、操作用窓G10を介して見える。これにより、キャビネットGの外部からナット2213を操作することが可能であり、ナット2213を適宜回すことにより、プロジェクタ装置B2の姿勢を調整することができる。また、キャビネットGの外部から取付ネジTを操作することによって、上側台座B220に形成された角孔2201cの開口範囲内における取付ネジTの位置を移動させることが可能であり、プロジェクタ装置B2の位置を調整することができる。
また、図91に示すように、閉塞用蓋G100を背面壁G3から取り外した状態において、背面側下方から操作用窓G10付近を見上げると、操作用窓G10を介して、リフレクタ保持部B11の角度調整穴B111に挿通されたネジの頭部(図示せず)も視認することができる。これにより、キャビネットGの外部から当該ネジを操作することが可能であり、当該ネジを適宜回すことにより、ミラー機構B3の姿勢を調整することができる。
以下、操作用窓G10及び閉塞用蓋G100の構造について説明する。図92では、操作用窓G10及び閉塞用蓋G100を斜め後方から見た様子を示している。図93では、操作用窓G10及び閉塞用蓋G100を斜め前方から見た様子を示している。
図92に示すように、操作用窓G10は、前後方向に貫通する貫通孔として横長の長方形状に形成された開口G10aと、開口G10aの周縁においてキャビネットGの背面壁G3の外側面(背面側の面)に対して凹んだ位置にロの字状の面を有するように形成された周縁部G10bと、周縁部G10bに形成された4つのネジ孔G10cと、周縁部G10bの外縁と背面壁G3の外側面とを接続する接続部G10dと、を備えている。図93に示すように、周縁部G10bは、前方からは見えないが、ネジ孔G10cは、背面壁G3を貫通しているため、前方からも確認することができ、図93では、開口G10aの側方にネジ孔G10cが形成されている様子が示されている。
以上のように構成された操作用窓G10は、換言すれば、背面壁G3の外側面に対して凹んだ凹部を形成するとともに、当該凹部の大部分を貫通させることにより開口を形成した形状を有している。当該開口が開口G10aに相当し、当該凹部のうち開口の形成されていない部分が周縁部G10bに相当する。なお、周縁部G10bは、背面壁G3の外側面と略平行な平坦面(鉛直方向の面)として形成されており、接続部G10dは、水平方向及び鉛直方向の平坦面として形成されている。
閉塞用蓋G100は、板状の部材として構成されており、横長の長方形状に形成された背面G100aと、背面G100aの反対側に形成された前面G100bと、前面G100bに設けられた4つのボス部G100cと、背面G100aの周縁から前方に向かうように形成された周縁部G100dと、を備えている。背面G100a及び前面G100bは、鉛直方向の平坦面として形成されている。
閉塞用蓋G100(背面G100a)の外形状は、操作用窓G10の周縁部G10bの外形状と略同一(周縁部G10bよりも僅かに小さな相似形状)であり、操作用窓G10の開口G10aよりも大きくなっている。これにより、閉塞用蓋G100を上記凹部に嵌合する(上記凹部を埋めるように閉塞用蓋G100を背面壁G3に取り付ける)ことで、操作用窓G10の開口G10aを閉塞することができるようになっている。
より詳細に説明すると、閉塞用蓋G100の周縁部G100dが操作用窓G10の接続部G10dに沿うように閉塞用蓋G100が配置された場合、操作用窓G10の4つのネジ孔G10cと閉塞用蓋G100の4つのボス部G100cとが、それぞれ重畳するとともに、各ネジ孔G10cが各ボス部G100cの前方に位置付けられる。この状態で、前面側(キャビネットGの内側)からネジ孔G10cを挿通させたネジを、ボス部G100cに形成された穴にねじ込むことによって、閉塞用蓋G100がキャビネットG(背面壁G3)に取り付けられる。これにより、操作用窓G10の開口G10aが閉塞用蓋G100によって閉塞される。そして、閉塞用蓋G100を背面壁G3に締結するためのネジは、キャビネットGの内側から(ネジ頭部がキャビネットGの内部に位置付けられるように)螺合されるため、キャビネットGの内部に対するセキュリティを確保することができる。
なお、プロジェクタ装置B2及びミラー機構B3の位置や姿勢を調整するに当たっては、上ドア機構UD及び下ドア機構DDを開いた状態で、閉塞用蓋G100と背面壁G3とを締結しているネジを前面側から操作して適宜回すことにより、当該ネジ締結を解除すればよい。これにより、閉塞用蓋G100を背面壁G3から取り外すことが可能であり、閉塞用蓋G100によって閉塞されていた操作用窓G10(開口G10a)を出現させることができる。この状態で、開口G10aを介して、キャビネットGの外部(背面側)から、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3や上側台座B220の角孔2201cに挿入された取付ネジT、プロジェクタカバーB1(リフレクタ保持部B11)の角度調整穴B111に挿通されたネジを操作すれば、プロジェクタ装置B2及びミラー機構B3の位置や姿勢を調整することができる。
ここで、閉塞用蓋G100において、前面G100bから周縁部G100dの前端までの長さ(前面G100bを基準とした場合における周縁部G100dの前方への突出長)と、前面G100bからボス部G100cの先端までの長さ(ボス部G100cの高さ)とは、等しくなっている。従って、閉塞用蓋G100の周縁部G100dの前端が操作用窓G10の周縁部G10bに当接するように閉塞用蓋G100が配置された場合、閉塞用蓋G100のボス部G100cの先端も、操作用窓G10の周縁部G10bに当接することになる。
図94では、このような状態で閉塞用蓋G100が配置されている様子を示している。図94中、網掛け部分は、閉塞用蓋G100(前面G100b)を示し、斜線部分は、背面壁G3(開口G10aの周縁)を示している。網掛け部分(閉塞用蓋G100の前面G100b)と斜線部分(開口G10aの周縁)との間には、スペースSが形成されており、当該スペースSの幅(前後方向の長さ)が、上記「周縁部G100dの前方への突出長」及び「ボス部G100cの高さ」に相当する。
このような構成を採用することにより、閉塞用蓋G100を背面壁G3に対して安定的に取り付けることができるとともに、閉塞用蓋G100(周縁部G100dの前端)と背面壁G3(操作用窓G10の周縁部G10b)との間に隙間ができてしまうことを回避し、当該隙間を通じて不正行為が行われてしまうことを防止することができる。
また、操作用窓G10の周縁部G10bは、接続部G10dの前後方向における長さ分だけ、背面壁G3の外側面に対して段差を有するように形成されているところ、閉塞用蓋G100の周縁部G100dの前後方向における長さ(背面G100aを基準とした場合における周縁部G100dの前方への突出長)は、操作用窓G10の接続部G10dの前後方向における長さと略一致する(操作用窓G10の接続部G10dの前後方向における長さよりも僅かに短くなっている)。閉塞用蓋G100の周縁部G100dの前後方向における長さ、及び、操作用窓G10の接続部G10dの前後方向における長さは、それぞれ、全周に亘って一定の長さとなっている。これにより、閉塞用蓋G100が背面壁G3に取り付けられた状態においては、閉塞用蓋G100の背面G100aが背面壁G3の外側面と略同一平面を構成し(背面壁G3の外側面よりも僅かに前方に位置付けられ)、閉塞用蓋G100の存在することが外観上認識され難くなっている。
以上、本発明の一実施形態として、第5実施形態に係る遊技機1について説明した。
従来、プロジェクタを用いることにより演出を行うことが可能な遊技機が知られている(特開平6−035066号公報及び特開2009−240459号公報参照)。このような遊技機によれば、遊技用の映像がプロジェクタからスクリーン等の投影面に投影されることにより、液晶表示装置の代わりに、スクリーン等に映像が表示されるようになっている。
しかしながら、従来、このようなプロジェクタが搭載される遊技機においては、プロジェクタが遊技機の内部にいったん固定されてしまうと、その後にプロジェクタに対して微調整を施すことが困難であった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、プロジェクタを内部に取り付けた状態でプロジェクタに対して調整を行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第5実施形態に係る遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(10−1) スクリーン(スクリーンシート1046、スクリーンシート1056、及び、スクリーンシート1057)と、
前記スクリーンに画像を表示するための光を投射するプロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))と、
前記プロジェクタにより投射される光の進行方向を調節するための調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)と、
前記プロジェクタを収容する収容部(キャビネットG)と、を備え、
前記収容部には、前記調節部を外部から操作可能な位置に開口(操作用窓G10の開口G10a)が設けられるとともに、該開口を閉塞可能な閉塞部材(閉塞用蓋G100)が取り付けられている、
ことを特徴とする遊技機。
第5実施形態に係る遊技機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))を収容する収容部(キャビネットG)には、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))により投射される光の進行方向を調節するための調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を外部から操作可能な位置に開口(操作用窓G10の開口G10a)が設けられるとともに、該開口(操作用窓G10の開口G10a)を閉塞可能な閉塞部材(閉塞用蓋G100)が取り付けられている。従って、収容部(キャビネットG)から閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り外すことによって、閉塞部材(閉塞用蓋G100)で閉塞されている該開口(操作用窓G10の開口G10a)を出現させることが可能であり、該開口(操作用窓G10の開口G10a)を介して、収容部(キャビネットG)の外部から、調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を操作することができるようになる。これにより、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))を収容部(キャビネットG)の内部に固定した後であっても、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))を収容部(キャビネットG)の内部に取り付けた状態のまま、収容部(キャビネットG)の外部から調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を操作することによって、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))により投射される光の進行方向を調節することができる。
(10−2) スクリーン(スクリーンシート1046、スクリーンシート1056、及び、スクリーンシート1057)と、
前記スクリーンに画像を表示するための光を投射するプロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))と、
前記プロジェクタにより投射される光の進行方向を調節するための調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)と、
前記プロジェクタを収容し、前面に開口を有する本体部(キャビネットG)と、
前記本体部に対して開閉可能に取り付けられ、前記スクリーンに表示された画像を視認可能にするための表示領域が設けられた開閉扉(上ドア機構UD)と、を備え、
前記本体部には、前記前面とは別途、前記調節部を外部から操作可能な位置に開口(操作用窓G10の開口G10a)が設けられるとともに、該開口を閉塞可能な閉塞部材(閉塞用蓋G100)が取り付けられている、
ことを特徴とする遊技機。
第5実施形態に係る遊技機1によれば、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))を収容する本体部(キャビネットG)には、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))により投射される光の進行方向を調節するための調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を外部から操作可能な位置に開口(操作用窓G10の開口G10a)が設けられるとともに、該開口(操作用窓G10の開口G10a)を閉塞可能な閉塞部材(閉塞用蓋G100)が取り付けられている。従って、本体部(キャビネットG)から閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り外すことによって、閉塞部材(閉塞用蓋G100)で閉塞されている該開口(操作用窓G10の開口G10a)を出現させることが可能であり、該開口(操作用窓G10の開口G10a)を介して、本体部(キャビネットG)の外部から、調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を操作することができるようになる。これにより、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))を本体部(キャビネットG)の内部に固定した後であっても、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))を本体部(キャビネットG)の内部に取り付けた状態のまま、本体部(キャビネットG)の外部から調節部(上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を操作することによって、プロジェクタ(プロジェクタ装置B2の内部構成要素(レンズユニットB21等))により投射される光の進行方向を調節することができる。
(10−3) 前記(10−2)の遊技機であって、
前記閉塞部材(閉塞用蓋G100)は、前記本体部の内側からの螺合により、前記本体部に取り付けられている、
ことを特徴とする。
第5実施形態に係る遊技機1によれば、閉塞部材(閉塞用蓋G100)は、本体部(キャビネットG)の内側からの螺合により、本体部(キャビネットG)に取り付けられている。従って、閉塞部材(閉塞用蓋G100)を本体部(キャビネットG)から取り外すためには、本体部(キャビネットG)の内側から螺合を解除することが必要である。これにより、本体部(キャビネットG)の外部から閉塞部材(閉塞用蓋G100)が取り外されてしまうことを回避することが可能であり、本体部(キャビネットG)の内部に対するセキュリティを確保しつつ、本体部(キャビネットG)の外部から不正行為が行われてしまうことを防止することができる。
なお、本発明において、閉塞部材(閉塞用蓋G100)を本体部(キャビネットG)に取り付ける方法は、特に限定されず、閉塞部材(閉塞用蓋G100)は、本体部(キャビネットG)の内側からの螺合により、本体部(キャビネットG)に取り付けられることとしてもよいし、本体部(キャビネットG)の外側からの螺合により、本体部(キャビネットG)に取り付けられることとしてもよい。また、閉塞部材(閉塞用蓋G100)は、螺合以外の方法により、本体部(キャビネットG)に取り付けられることとしてもよい。例えば、閉塞部材(閉塞用蓋G100)を本体部(キャビネットG)の壁面(背面壁G3の内側面又は外側面)に沿って摺動(スライド)可能にするためのガイド部材を、キャビネットG(背面壁G3)の内側又は外側にレール状に形成し、該ガイド部材上において閉塞部材(閉塞用蓋G100)を係止することとしてもよい。閉塞部材(閉塞用蓋G100)が該ガイド部材上を左右方向(又は前後方向)に摺動することにより、開口(操作用窓G10の開口G10a)が閉塞される閉塞状態と開口(操作用窓G10の開口G10a)が開放される開放状態とが切り替えられるように構成すれば、開放状態において本体部(キャビネットG)の外部から調節部を操作することが可能であり、第5実施形態と同様に、プロジェクタにより投射される光の進行方向を調節することができる。なお、このような効果に鑑みれば、本発明において、閉塞部材(閉塞用蓋G100)の構成は必須ではなく、本体部(キャビネットG)に閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り付けず、本体部(キャビネットG)に設けられた開口(操作用窓G10の開口G10a)が常時開放された状態となるように構成してもよい。
第5実施形態では、キャビネットGの背面壁G3に、操作用窓G10の開口G10aが形成されるとともに、閉塞用蓋G10が取り付けられることとして説明した。本発明においては、本体部(キャビネットG)を構成する任意の壁面(例えば、背面壁G3、側面壁G2、上面壁G4等)に、開口(操作用窓G10の開口G10a)を設けるとともに、閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り付けるように構成することが可能である。例えば、キャビネットGの背面壁G3に代えて、側面壁G2又は上面壁G4に、開口(操作用窓G10の開口G10a)を設けるとともに、閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り付けることとしてもよい。そのように構成する場合には、調節部(例えば、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3や、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)が側面壁G2又は上面壁G4近傍に配置されるようにすればよい。なお、上面壁G4に、開口(操作用窓G10の開口G10a)を設けるとともに閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り付ける場合、開口G41及び板部材G42(図1参照)をそれぞれ、操作用窓G10の開口G10a及び閉塞用蓋G10として採用してもよいし、開口G41及び板部材G42を形成しないこととしつつ、別途、操作用窓G10の開口G10a及び閉塞用蓋G10に対応する構成を採用することとしてもよい。
また、本体部(キャビネットG)の複数の壁面(例えば、背面壁G3、側面壁G2、及び、上面壁G4のうち、2つ又は3つの壁面)に、開口(操作用窓G10の開口G10a)を設けるとともに、閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り付けることとしてもよい。例えば、プロジェクタ装置B2の位置(姿勢)を調節するための調節部(例えば、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3や、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分等)を外部から操作可能なように、キャビネットGの背面壁G3に操作用窓G10の開口G10aを設けるとともに閉塞用蓋G10を取り付ける一方、ミラー機構B3の位置(姿勢)を調節するための調節部(例えば、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を外部から操作可能なように、キャビネットGの上面壁G4に操作用窓G10の開口G10aを設けるとともに閉塞用蓋G10を取り付けることとしてもよい。
また、本体部(キャビネットG)の1つの壁面(例えば、背面壁G3、側面壁G2、又は、上面壁G4)に、複数の開口(操作用窓G10の開口G10a)を設けるとともに、各開口を閉塞可能な閉塞部材(閉塞用蓋G100)を取り付けることとしてもよい。例えば、プロジェクタ装置B2の位置(姿勢)を調節するための調節部(例えば、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3や、上側台座B220のプロジェクタカバーB1への取り付け部分等)を外部から操作可能なように、キャビネットGの背面壁G3の中央付近に第1の開口を設けるとともに第1の開口を閉塞可能な第1の閉塞用蓋を取り付ける一方、ミラー機構B3の位置(姿勢)を調節するための調節部(例えば、ミラー機構B3のリフレクタ保持部B11への取り付け部分等)を外部から操作可能なように、第1の開口よりも上方に第2の開口を設けるとともに第2の開口を閉塞可能な第2の閉塞用蓋を取り付けることとしてもよい。複数の開口を設ける場合、各開口を個別に閉塞可能な閉塞部材を開口の個数分だけ取り付けることとしてもよいし、複数の開口を同時に閉塞可能な閉塞部材を1つだけ取り付けることとしてもよい。
本体部(キャビネットG)の外部からこのような調節を行うに当たっては、調節のための操作を行いやすくするため、本体部(キャビネットG)の外部から開口(操作用窓G10の開口G10a)を正面視したときに、調節対象となる部材(例えば、上側台座B220と下側台座B221との連結部R1,R2,R3におけるナット2213や、上側台座B220の角孔2201cに挿入された取付ネジT、リフレクタ保持部B11の角度調整穴B111に挿通されたネジ等)が開口(操作用窓G10の開口G10a)を介して視認可能となるように、当該部材が配置されていることが望ましい(図90参照)。調節対象となる部材が複数設けられている場合には、本体部(キャビネットG)の外部から開口(操作用窓G10の開口G10a)を正面視したときに、これらの複数の部材が全て視認可能(例えば、上側台座B220全体が視認可能)となるように配置されていることが望ましい。調節対象となる部材が複数設けられる場合には、例えば、当該開口(操作用窓G10の開口G10a)を、これらの部材間の距離(最も離れている部材間の距離)よりも径の大きなものとするとよい。これにより、これらの部材に対する調節を行いやすくなる。もっとも、本体部(キャビネットG)の外部から開口(操作用窓G10の開口G10a)を正面視したときに、調節対象となる部材が開口(操作用窓G10の開口G10a)を介して視認可能となることは、必須ではない。例えば、本体部(キャビネットG)の外部から開口(操作用窓G10の開口G10a)を正面視したときに、調節対象となる部材(例えば、プロジェクタカバーB1(リフレクタ保持部B11)の角度調整穴B111に挿通されたネジ)が見えなかったとしても、角度を変えて本体部(キャビネットG)の内部を覗き込んだ場合に当該部材を視認することができるような場合には(図91参照)、当該部材と開口(操作用窓G10の開口G10a)との間に他の部材が存在しない空間が形成されていれば、当該部材を外部から操作することは可能である。本発明においては、調節対象となる部材(調節用のネジやナット等)と開口(操作用窓G10の開口G10a)とがこのような位置関係を有するように構成されていてもよい。
また、上述した実施形態では、キャビネットGの内部が中間支持板G1により上部空間と下部空間とに仕切られており、上部空間(上ドア機構UDの後側となる空間)に表示ユニットA(照射ユニットB)が収容される一方、下部空間(下ドア機構DDの後側となる空間)に制御基板(主制御基板MSやサブ制御装置SS等)が収容されることとして説明した(図5参照)。しかし、本発明において、本体部(キャビネットG)の内部は、上部空間と下部空間とに仕切られる必要はなく、プロジェクタ(照射ユニットB)が収容される空間と制御基板(主制御基板MSやサブ制御装置SS等)が収容される空間とを区別する必要もない。例えば、プロジェクタカバーB1のリフレクタ保持部B11(ミラー機構B3)の後方空間(図88参照)に制御基板(主制御基板MS又はサブ制御装置SS)を配置することとしてもよい。これにより、本体部(キャビネットG)内のスペースを有効に活用するとともに、制御基板(主制御基板MS又はサブ制御装置SS)から発生した熱が下部空間にこもってしまう現象を緩和することができる。なお、本発明における開閉扉は、複数の扉(上ドア機構UD及び下ドア機構DD)から構成されていてもよいし、1つの扉から構成されていてもよい。
[第6実施形態]
以上、第1実施形態〜第5実施形態について説明した。以下、第6実施形態について説明する。第6実施形態に係る遊技機1の基本的な構成は、第1実施形態〜第5実施形態に係る遊技機1と同じである。以下においては、第1実施形態〜第5実施形態に係る遊技機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態〜第5実施形態における説明が第6実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
[パチスロの機能フロー]
はじめに、図95を参照して、本実施の形態における遊技機(以下、パチスロともいう)の機能フローについて説明する。図95は、パチスロの機能フローを示す図である。
本実施形態に係るパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール(左リール、中リール、及び、右リール)の回転が行われた後で、遊技者によりストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ラインに沿って表示されることがないようにリールの回転を停止する。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロにおける1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、本明細書では、全てのリール(左リール、中リール、及び、右リール)が回転しているときに最初に行われるリールの停止操作(ストップボタンの操作)を第1停止操作と呼び、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作と呼び、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作と呼ぶこととする。
また、パチスロでは、前述した一連の流れの中で、表示ユニットにより行う映像の表示、各種LEDにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
遊技者によりスタートレバーが操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転が開始されるとき、各リールの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
[パチスロが備える制御系]
次に、遊技機1が備える制御系について、図96及び図97を参照して説明する。
第1実施形態において説明したように、遊技機1は、主制御基板MSと、サブ制御装置SSと備える。主制御基板MSは、主制御回路3060を構成する。主制御回路3060は、内部当籤役の決定、リールRL,RC,RRの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、遊技機1における遊技の主な流れを制御する回路である。サブ制御装置SSは、副制御回路3070を構成する。副制御回路3070は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。
以下、図96及び図97を用いて、主制御回路3060及び副制御回路3070の具体的な構成について説明する。
<主制御回路>
まず、主制御基板MSにより構成される主制御回路3060について、図96を参照して説明する。図96は、主制御回路の構成例を示すブロック図である。
主制御回路3060は、主制御基板MS上に設置されたマイクロコンピュータ3030を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ3030は、メインCPU3031、メインROM3032及びメインRAM3033により構成される。
メインROM3032には、メインCPU3031により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路3070に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM3033には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU3031には、クロックパルス発生回路3034、分周器3035、乱数発生器3036及びサンプリング回路3037が接続されている。クロックパルス発生回路3034及び分周器3035は、クロックパルスを発生する。メインCPU3031は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器3036は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路3037は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
マイクロコンピュータ3030の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU3031は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ3049L,3049C,3049R等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ3007S(ストップスイッチ3007LS,3007CS,3007RS)は、3つのストップボタンDD7(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R)のそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、スタートスイッチ3006Sは、スタートレバーDD6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
メダルセンサ3005Sは、メダル投入口DD5に受け入れられたメダルがセレクタ内を通過したことを検出する。また、C/Pスイッチ3013Sは、C/PボタンDD13が遊技者により押されたことを検出する。
BETスイッチ3008Sは、BETボタンが遊技者により押されたことを検出する。BETボタンとしては、第1実施形態において説明した最大BETボタンDD8の他に、1−BETボタンが設けられている。上述したように、最大BETボタンDD8が1回押下されるとメダルの投入枚数として「3」が選択される。一方、1−BETボタンが1回押下されるとメダルの投入枚数として「1」が選択され、1−BETボタンが2回押下されるとメダルの投入枚数として「2」が選択され、1−BETボタンが3回押下されるとメダルの投入枚数として「3」が選択される。BETボタン(最大BETボタンDD8又は1−BETボタン)が押下されることにより、1回の遊技を行うのに必要な枚数のメダルが投入されると、後述する入賞判定ラインが有効化される。
マイクロコンピュータ3030により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ3049L,3049C,3049R及びホッパ機構HPがある。また、マイクロコンピュータ3030の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
駆動制御基板RU114は、各リール(リールRL,RC,RR)に対応して設けられたステッピングモータ3049L,3049C,3049Rの駆動を制御する。リール位置検出回路3050は、発光部と受光部とを有する光センサ(センサ部RU112)により、リールRL,RC,RRが半周する毎に基準位置(第1基準位置及び第2基準位置)を検出する。
ステッピングモータ3049L,3049C,3049Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ3049L,3049C,3049Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリールRL,RC,RRに伝達される。ステッピングモータ3049L,3049C,3049Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リールRL,RC,RRは一定の角度で回転する。
メインCPU3031は、基準位置を検出してからステッピングモータ3049L,3049C,3049Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リールRL,RC,RRの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リールRL,RC,RRの表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
ホッパー駆動回路3041は、ホッパ機構HPの動作を制御する。また、払出完了信号回路3051は、ホッパ機構HPに設けられたメダル検出部3040Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパ機構HPから外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
<副制御回路>
次に、サブ制御装置SSにより構成される副制御回路3070について、図97を参照して説明する。図97は、副制御回路の構成例を示すブロック図である。
副制御回路3070は、主制御回路3060と電気的に接続されており、主制御回路3060から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路3070は、基本的に、サブCPU3071、サブROM3072、サブRAM3073、レンダリングプロセッサ3074、描画用RAM3075、ドライバ3076、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)3077、オーディオRAM3078、A/D変換器3079及びアンプ3080を含んで構成されている。
サブCPU3071は、主制御回路3060から送信されたコマンドに応じて、サブROM3072に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAM3073は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路3060から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROM3072は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU3071が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路3060との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて表示ユニットAによる映像の表示を制御するプロジェクションマッピング制御タスク、LEDによる光の出力を制御するLED制御タスク、スピーカDD25L,DD25Rによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するLEDデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
また、副制御回路3070には、その動作が制御される周辺装置として、プロジェクタ装置B2、フロントスクリーン駆動機構E2を構成する駆動モータE25、リールスクリーン駆動機構F2を構成する駆動モータF24、液晶表示装置DD20、スピーカDD25L,DD25R及びLED基板が接続されている。
プロジェクタ装置B2は、光源と、光の三原色である赤、緑、及び青のそれぞれに対応する3枚の液晶パネルと、液晶パネルを透過した光を拡大出射するレンズと、光源及び液晶パネルを制御する制御部とを備える透過型液晶プロジェクタである。制御部は、サブCPU3071からの指示に基づいて、光源の点灯及び消灯を制御するとともに、画像データに応じた駆動電圧を液晶パネルの各画素に印加するよう制御を行う。
サブCPU3071は、プロジェクタ装置B2を制御して、映像を含む光をレンズから出射させることにより、複数のスクリーン(固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及び、リールスクリーン機構F1)のうちの何れかのスクリーンに映像を表示させる。
第1実施形態において説明したように、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1は、可動式のスクリーンであり、それぞれ、フロントスクリーン駆動機構E2及びリールスクリーン駆動機構F2により駆動される。
サブCPU3071は、駆動モータE25を制御することにより、フロントスクリーン機構E1を所定範囲で回動させる一方、駆動モータF24を制御することにより、リールスクリーン機構F1を所定範囲で回動させる。
副制御回路3070には、センサ機構CS(センサCS1〜CS3)が接続されており、サブCPU3071は、センサCS1〜CS3から出力される信号に基づいて、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の位置を適切に管理している。これにより、スクリーン機構同士が干渉してしまうことが防止される。
サブCPU3071、レンダリングプロセッサ3074、描画用RAM3075(フレームバッファを含む)及びドライバ3076は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置DD20により表示する。
また、サブCPU3071、DSP3077、オーディオRAM3078、A/D変換器3079及びアンプ3080は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカDD25L,DD25Rにより出力する。
また、サブCPU3071は、演出内容により指定されたLEDデータに従って、LED基板を介してLEDの点灯及び消灯を制御する。
<遊技状態の遷移フロー>
図98(a)は、本発明の一実施形態に係る遊技状態の移行遷移を示す図である。図98(b)は、本発明の一実施形態に係る遊技状態の移行条件をまとめた表である。
本実施形態に係るパチスロにおいては、遊技状態(メイン)及び遊技状態(サブ)が設けられている。遊技状態(メイン)は、主制御回路3060によって制御される遊技状態である。遊技状態(サブ)は、副制御回路3070によって制御される遊技状態である。図98(a)及び図98(b)は、これらの遊技状態のうち遊技状態(メイン)について説明するための図である。なお、本明細書では、遊技状態(メイン)を単に遊技状態とも表記し、遊技状態(サブ)をサブ遊技状態とも表記する。
本実施形態では、図98(a)に示すような遊技状態が主制御回路3060によって管理されている。遊技状態(メイン)は、ボーナス非当籤状態、フラグ間状態、及び、ボーナス状態のうちの何れかに区分される。ボーナス非当籤状態は、ボーナスに非当籤であり、かつ、ボーナスが作動(入賞)していない状態である。フラグ間状態は、ボーナス役が内部当籤役として持ち越されている状態、すなわち、ボーナス役が当籤し、かつ、ボーナスが作動していない状態である。ボーナス状態は、ボーナスが作動している状態である。
本実施形態では、ボーナス状態として、BB遊技状態及びMB遊技状態が設けられており、BB遊技状態としては、7BB遊技状態及び鳥BB遊技状態が設けられている。7BB遊技状態に対応するボーナス役としては、「F_7BB」が設けられており、鳥BB遊技状態に対応するボーナス役としては、「F_鳥BB」が設けられており、MB遊技状態に対応するボーナス役としては、「F_MB」が設けられている(図101A〜図101C参照)。
また、本実施形態では、ボーナス非当籤状態として、RT0遊技状態が設けられており、フラグ間状態として、7BBフラグ間状態、鳥BBフラグ間状態、及び、MBフラグ間状態が設けられている。以下では、ボーナス非当籤状態及びフラグ間状態を総称して、一般遊技状態と表記することがある。
図98(a)及び図98(b)を参照して具体的に説明すると、RT0遊技状態において、「F_7BB」が内部当籤役として決定されると(内部当籤すると)、主制御回路3060は、RT0遊技状態から7BBフラグ間状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(1)参照)。また、RT0遊技状態において、「F_鳥BB」が内部当籤役として決定されると(内部当籤すると)、主制御回路3060は、RT0遊技状態から鳥BBフラグ間状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(2)参照)。また、RT0遊技状態において、「F_MB」が内部当籤役として決定されると(内部当籤すると)、主制御回路3060は、RT0遊技状態からMBフラグ間状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(3)参照)。
「F_7BB」(7BB)、「F_鳥BB」(鳥BB)、及び、「F_MB」(MB)は、所謂持越役である(図119(a)参照)。7BBが内部当籤すると、7BBに対応する図柄の組合せ(図100Aに示す「C_赤7」)が有効ラインに沿って停止表示されるまで(7BBが入賞するまで)、7BBが内部当籤した状態が持ち越される。7BBフラグ間状態は、7BBが内部当籤した状態が持ち越されている状態である。同様に、鳥BBが内部当籤すると、鳥BBに対応する図柄の組合せ(図100Aに示す「C_鳥7」)が有効ラインに沿って停止表示されるまで(鳥BBが入賞するまで)、鳥BBが内部当籤した状態が持ち越される。鳥BBフラグ間状態は、鳥BBが内部当籤した状態が持ち越されている状態である。また、MBが内部当籤すると、MBに対応する図柄の組合せ(図100Aに示す「C_BAR」又は「C_鳥BAR」)が有効ラインに沿って停止表示されるまで(MBが入賞するまで)、MBが内部当籤した状態が持ち越される。MBフラグ間状態は、MBが内部当籤した状態が持ち越されている状態である。
7BBフラグ間状態において、「C_赤7」に係る図柄の組合せ(図100A参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(7BBが入賞すると)、主制御回路3060は、7BBフラグ間状態から7BB遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(4)参照)。また、鳥BBフラグ間状態において、「C_鳥7」に係る図柄の組合せ(図100A参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(鳥BBが入賞すると)、主制御回路3060は、鳥BBフラグ間状態から鳥BB遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(5)参照)。また、MBフラグ間状態において、「C_BAR」又は「C_鳥BAR」に係る図柄の組合せ(図100A参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(MBが入賞すると)、主制御回路3060は、MBフラグ間状態からMB遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(6)参照)。
本明細書では、7BB遊技状態と鳥BB遊技状態とを区別せず、これらを総称して、単にBB遊技状態と表記することがある。BB遊技状態において規定枚数(344枚)を超えるメダルが払い出されると、主制御回路3060は、BB遊技状態からRT0遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(7)参照)。また、MB遊技状態において規定枚数(119枚)を超えるメダルが払い出されると、主制御回路3060は、MB遊技状態からRT0遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(8)参照)。
[メインROMに記憶されているデータテーブル]
図99〜図117は、メインROM3032に記憶されている各種のデータテーブルを示している。
<図柄配置テーブル>
図99(a)は、図柄配置テーブルを示す図である。
図99(a)に示す図柄配置テーブルは、左リールRL、中リールRC及び右リールRRの各々の表面に配されている図柄の配列を表している。図柄配置テーブルは、21個の図柄位置「0」〜「20」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」〜「20」は、左リールRL、中リールRC及び右リールRRの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「20」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
図柄の種類としては、「赤7」、「鳥」、「BAR」、「羽」、「プラム」、「ブドウ1」、「ブドウ2」、「チェリー1」、「チェリー2」及び「ブランク」を含んでいる。
ここで、「ブドウ1」及び「ブドウ2」は、メインCPU3031が内部的に異なる図柄であると識別可能であればよく、本実施の形態においては、同一の図柄のように遊技者が認識できる図柄とする。同様に、「チェリー1」及び「チェリー2」も、メインCPU3031が内部的に異なる図柄であるとそれぞれ識別可能であればよく、本実施の形態においては、同一の図柄と遊技者がそれぞれ認識できる図柄とする。
<図柄コード表>
図99(b)は、図柄コード表を示す図である。
図99(b)に示すように、各リールRL,RC,RRに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、本実施の形態においては、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図99(b)に示す図柄コード表は、3つのリールRL,RC,RRの表面に配された図柄を特定するためのデータとしての図柄コードを表している。
例えば、図99(a)に示した図柄配置テーブルは、左リールRL、中リールRC及び右リールRRの各々の表面に配されている図柄の配列を表すものとして説明したが、実際にメインROM3032に記憶されている図柄配置テーブルは、左リールRL、中リールRC及び右リールRRの各々の表面に配されている図柄を特定する図柄コードの配列を表している。
本実施の形態において、遊技機1で用いる図柄は、上述のように「赤7」、「鳥」、「BAR」、「羽」、「プラム」、「ブドウ1」、「ブドウ2」、「チェリー1」、「チェリー2」及び「ブランク」の10種類である。
図柄コード表では、「赤7」図柄に対する図柄コードとして「1」が割り当てられている。また、「鳥」図柄に対する図柄コードとして「2」が割り当てられている。また、「BAR」図柄に対する図柄コードとして「3」が割り当てられている。
同様に、「羽」、「プラム」、「ブドウ1」、「ブドウ2」、「チェリー1」、「チェリー2」及び「ブランク」の各図柄に対する図柄コードとして「4」から「10」が割り当てられている。
<図柄組合せテーブル>
図100A及び図100Bは、図柄組合せテーブルを示す図である。
図柄組合せテーブルは、有効ライン上に停止表示可能な図柄組合せ(コンビネーション)と、当該図柄組合せが有効ライン上に停止表示された場合に払い出されるメダルの枚数(払出枚数)との対応関係を規定している。図柄組合せ(コンビネーション)については、左リールRLにおける図柄、中リールRCにおける図柄、及び、右リールRRにおける図柄を、左から順に示している。各コンビネーションに対して付された名称も併せて示している。メダルの払出枚数については、1枚掛け遊技が行われた場合における払出枚数(1枚掛け時の払出)、2枚掛け遊技が行われた場合における払出枚数(2枚掛け時の払出)、及び、3枚掛け遊技が行われた場合における払出枚数(3枚掛け時の払出)をそれぞれ示している。
本実施形態では、一般遊技状態(RT0遊技状態及びフラグ間状態)において投入可能なメダルの枚数が1枚又は3枚として設定され、BB遊技状態において投入可能なメダルの枚数が1枚として設定され、MB遊技状態において投入可能なメダルの枚数が2枚として設定されている。本明細書では、1枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技を1枚掛け遊技と呼び、2枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技を2枚掛け遊技と呼び、3枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技を3枚掛け遊技と呼ぶ場合がある。
有効ラインとは、有効化された入賞判定ライン(入賞か否かの判定を行う対象となるライン)である。本実施形態において、入賞判定ラインは、メイン表示窓DD4上に形成されるラインとして、以下のように定義される。メイン表示窓DD4は、その背後に設けられたリールRL,RC,RRの回転が停止されたとき、各リールRL,RC,RRに描かれている複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。
入賞判定ラインとしては、左リールRLの中段領域、中リールRCの中段領域、及び、右リールRRの中段領域を結ぶ擬似的なライン(中段−中段−中段:センターライン)、左リールRLの上段領域、中リールRCの上段領域、及び、右リールRRの上段領域を結ぶ擬似的なライン(上段−上段−上段:トップライン)、左リールRLの下段領域、中リールRCの下段領域、及び、右リールRRの下段領域を結ぶ擬似的なライン(下段−下段−下段:ボトムライン)、左リールRLの上段領域、中リールRCの中段領域、及び、右リールRRの下段領域を結ぶ擬似的なライン(上段−中段−下段:クロスダウンライン)、左リールRLの下段領域、中リールRCの中段領域、及び、右リールRRの上段領域を結ぶ擬似的なライン(下段−中段−上段:クロスアップライン)、左リールRLの下段領域、中リールRCの中段領域、及び、右リールRRの下段領域を結ぶ擬似的なライン(下段−中段−下段)、並びに、左リールRLの下段領域、中リールRCの中段領域、及び、右リールRRの中段領域を結ぶ擬似的なライン(下段−中段−中段)が設定されている。
上述したように、入賞判定ラインは、メダルが投入されることにより有効化される。具体的に、一般遊技状態において3枚のメダルが投入された場合、5つの入賞判定ライン(「中段−中段−中段:センターライン」、「上段−上段−上段:トップライン」、「下段−下段−下段:ボトムライン」、「上段−中段−下段:クロスダウンライン」、及び、「下段−中段−上段:クロスアップライン」)が有効化される。MB遊技状態において2枚のメダルが投入された場合、5つの入賞判定ライン(「中段−中段−中段:センターライン」、「上段−中段−下段:クロスダウンライン」、「下段−中段−上段:クロスアップライン」、「下段−中段−下段」、及び、「下段−中段−中段」が有効化される。一般遊技状態又はBB遊技状態において1枚のメダルが投入された場合、1つの入賞判定ライン(「中段−中段−中段:センターライン」)が有効化される。本明細書では、このようにして有効化された入賞判定ラインを有効ラインと呼ぶ。
図100A及び図100Bに示す図柄組合せテーブルは、18バイトで表される格納領域識別データによって識別される図柄の組合せ(以下、「コンビネーション」という)と、1枚掛け、2枚掛け及び3枚掛け時に有効ライン上にコンビネーションが表示された場合のメダルの各払出枚数とが対応付けられている。なお、図100A及び図100Bに示す図柄組合せテーブルは、発明を理解しやすくするために、各コンビネーションに対して、簡単な説明が付けられている。
例えば、「C_赤7」と呼ばれる「赤7−赤7−赤7」のコンビネーションは、有効ラインに沿って表示された場合には、メダルの払出はないが、BBの作動役に入賞したことを表す。すなわち、「C_赤7」が有効ラインに沿って表示された場合には、遊技状態が7BB遊技状態に移行する。「C_鳥7」と呼ばれる「鳥−鳥−赤7」のコンビネーションが有効ラインに沿って表示された場合には、遊技状態が鳥BB遊技状態に移行する。
「C_BAR」と呼ばれる「BAR−BAR−BAR」のコンビネーションは、有効ラインに沿って表示された場合には、メダルの払出はないが、MBの作動役に入賞したことを表す。すなわち、「C_BAR」が有効ラインに沿って表示された場合には、遊技状態がMB遊技状態に移行する。「C_鳥BAR」と呼ばれる「鳥−鳥−BAR」のコンビネーションが有効ラインに沿って表示された場合にも、遊技状態がMB遊技状態に移行する。
「C_リプA」と呼ばれる「プラム−プラム−プラム」のコンビネーションは、有効ラインに沿って表示された場合には、メダルの払出はないが、再遊技の作動役であるリプレイ役に入賞したことを表す。「C_リプB_01」と呼ばれる「BAR−プラム−プラム」のコンビネーションが有効ラインに沿って表示された場合、「C_リプB_02」と呼ばれる「ブランク−プラム−プラム」のコンビネーションが有効ラインに沿って表示された場合、「C_リプC_01」と呼ばれる「赤7−プラム−プラム」のコンビネーションが有効ラインに沿って表示された場合、及び、「C_リプC_02」と呼ばれる「羽−プラム−プラム」のコンビネーションが有効ラインに沿って表示された場合にも、同様に再遊技が作動する。
<フラグ別コンビネーションテーブル>
図101A〜図101Cは、フラグ別コンビネーションテーブルを示す図である。
フラグ別コンビネーションテーブルは、各種内部当籤役と有効ライン上に停止表示可能な図柄組合せ(コンビネーション)との対応関係を規定している。これにより、内部当籤役が決定されると、有効ライン上に停止表示可能な図柄組合せの種別(入賞可能な表示役の種別)が一義的に決定されることになる。
具体的に、図101A〜図101Cに示すフラグ別コンビネーションテーブルは、内部当籤役に対応して有効ライン上に表示させることが許可されるコンビネーションを示している。本実施の形態における内部当籤役としては、「F_7BB」、「F_鳥BB」、「F_MB」、「F_リプレイ」、「F_共通リプ」、「F_羽A」、「F_羽B」、「F_ブドウA」、「F_ブドウB」、「F_羽鳥」、「F_チェリーA」、「F_チェリーB」、「F_特殊A」、「F_特殊B」、「F_特殊C」、「F_特殊D」、「F_共通羽」、「F_共通チェリーA」、「F_共通チェリーB」、「F_JAC役A」、「F_JAC役B」、「F_JAC役C」、「F_JAC役D」、「F_JAC役E」、「BB中ハズレ」、及び、「F_CB役」がある。
例えば、内部当籤役が「F_7BB」である場合には、「C_赤7」を有効ライン上に表示させることが許可される。また、内部当籤役が「F_鳥BB」である場合には、「C_鳥7」を有効ライン上に表示させることが許可される。すなわち、内部当籤役が「F_7BB」又は「F_鳥BB」である場合には、BBに内部当籤していることを表す。
同様に、内部当籤役が「F_MB」である場合には、「C_BAR」及び「C_鳥BAR」を有効ライン上に表示させることが許可される。すなわち、内部当籤役が「F_MB」である場合には、MBに内部当籤していることを表す。
また、内部当籤役が「F_リプレイ」である場合には、「C_リプA」、「C_リプB_01」、及び、「C_リプB_02」を有効ライン上に表示させることが許可される。
また、内部当籤役が「F_共通リプ」である場合には、「C_リプA」、「C_リプB_01」、「C_リプB_02」、「C_リプC_01」、及び、「C_リプC_02」を有効ライン上に表示させることが許可される。
また、内部当籤役が「F_ブドウA」である場合には、「C_ブドウ_01」〜「C_ブドウ_08」、「C_チェリA_01」〜「C_チェリA_07」、「C_チェリD_01」〜「C_チェリD_07」、「C_チェリE_01」〜「C_チェリE_18」、「C_チェリF」、「C_チェリG」、「C_チェリH」、「C_チェリI」、及び、「C_チェリJ」を有効ライン上に表示させることが許可される。
また、内部当籤役が「F_ブドウB」である場合には、「C_ブドウ_01」〜「C_ブドウ_08」、「C_チェリA_01」〜「C_チェリA_07」、「C_チェリD_01」〜「C_チェリD_07」、「C_チェリE_01」〜「C_チェリE_18」、「C_チェリF」、「C_チェリG」、「C_チェリH」、及び、「C_チェリI」を有効ライン上に表示させることが許可される。
また、内部当籤役が「F_CB役」である場合には、2枚掛け遊技における入賞時にメダルが払い出される全てのコンビネーションを有効ライン上に表示させることが許可される。
<内部抽籤テーブル>
本実施形態に係る内部抽籤テーブルとしては、RT0遊技状態中に1枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技において参照される内部抽籤テーブル(図102(a)参照)と、RT0遊技状態中に3枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技において参照される内部抽籤テーブル(図102(b)参照)と、7BBフラグ間状態中に1枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技において参照される内部抽籤テーブル(図103(a)参照)と、7BBフラグ間状態中に3枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技において参照される内部抽籤テーブル(図103(b)参照)と、鳥BBフラグ間状態中に1枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技において参照される内部抽籤テーブル(図104(a)参照)と、鳥BBフラグ間状態中に3枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技において参照される内部抽籤テーブル(図104(b)参照)と、MBフラグ間状態中に1枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技において参照される内部抽籤テーブル(図105(a)参照)と、MBフラグ間状態中に3枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技において参照される内部抽籤テーブル(図105(b)参照)と、7BB遊技状態において参照される内部抽籤テーブル(図106(a)参照)と、鳥BB遊技状態において参照される内部抽籤テーブル(図106(b)参照)と、MB遊技状態において参照される内部抽籤テーブル(図106(c)参照)と、が設けられている。
図102(a)は、RT0遊技状態(1枚掛け遊技)用内部抽籤テーブルを示す図である。図102(b)は、RT0遊技状態(3枚掛け遊技)用内部抽籤テーブルを示す図である。図103(a)は、7BBフラグ間状態(1枚掛け遊技)用内部抽籤テーブルを示す図である。図103(b)は、7BBフラグ間状態(3枚掛け遊技)用内部抽籤テーブルを示す図である。図104(a)は、鳥BBフラグ間状態(1枚掛け遊技)用内部抽籤テーブルを示す図である。図104(b)は、鳥BBフラグ間状態(3枚掛け遊技)用内部抽籤テーブルを示す図である。図105(a)は、MBフラグ間状態(1枚掛け遊技)用内部抽籤テーブルを示す図である。図105(b)は、MBフラグ間状態(3枚掛け遊技)用内部抽籤テーブルを示す図である。図106(a)は、7BB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。図106(b)は、鳥BB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。図106(c)は、MB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。
図102〜図106に示す複数の内部抽籤テーブルは、各遊技状態及び各投入枚数に対応してメインROM3032に記憶され、設定1、2、5、6ごとに分母を65536とした各フラグの当籤確率を示している。
例えば、図102(a)において、設定1の場合、「はずれ」の確率は「52264/65536」であり、「F_共通リプ」が内部当籤する確率は「8978/65536」である。図102(b)において、設定6の場合、「F_7BB」が単独で内部当籤する確率は「14/65536」であり、「F_7BB」と「F_羽B」とが重複して内部当籤する確率は「3/65536」である。
<回胴停止初期設定テーブル>
図107は、回胴停止初期設定テーブルを示す図である。
図107に示す回胴停止初期設定テーブルは、リールRL,RC,RRを停止させるための情報であり、メダルの投入枚数及び当籤役(内部当籤役)に応じて予め定められている。メインCPU3031は、回胴停止初期設定テーブルを参照して、投入枚数及び内部当籤役に対応する回胴停止用番号を取得し、リールRL,RC,RRを停止させるための各種データを取得するようになっている。
具体的には、回胴停止初期設定テーブルでは、回胴停止用番号に対応付けて、押下順序別判定データに加えて、テーブル番号選択値(テーブル番号選択データ)と、第一回胴第一停止用テーブル変更データ(第一回胴第一停止後変更データテーブル番号)と、第一回胴停止データテーブル選択データ(第一回胴停止データテーブル番号)と、第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値(第一回胴第一停止後初期データ)と、検索順序データテーブル(検索順序テーブル番号)とを遊技状態に応じて規定している。これらの各種のデータは、単位遊技の進行の状況に応じてリールRL,RC,RRの停止制御において選択すべき各種のテーブル番号を示す。
「押下順序別判定データ」は、引込優先順位テーブル番号と、引込優先順位選択テーブル番号とを含む。「引込優先順位テーブル番号」は、図108に示す引込優先順位テーブルを選択するための番号である。また、「引込優先順位選択テーブル番号」は、図109に示す引込優先順位テーブル選択テーブル(引込優先順位選択テーブル)を選択するための番号である。
「テーブル番号選択値」は、第一停止リールが左リールRL以外である場合に、全てのリールを停止させるときに参照される値であり、ストップ用テーブルデータ(ストップ用テーブル番号)と、変更ステータスとを含む。
「ストップ用テーブルデータ」は、第一停止リールが左リールRL以外である場合に、全てのリールを停止させるときに参照されるストップ用テーブルを図111A及び図111Bに一例を示すストップ用テーブルから選択するための番号である。
テーブル番号選択値の「変更ステータス」は、ストップ用テーブルデータに基づいて選択されたストップ用テーブルにおいて参照されるラインを表す一遊技ごとのラインステータスを変更するためのデータであり、本実施の形態におけるラインステータスの初期状態は、Aラインである。ここで、変更ステータスが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「2」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更される。
第一回胴第一停止用テーブル変更データと、第一回胴停止データテーブル選択データと、第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値とは、第一停止リールが第一回胴すなわち左リールRLである場合に参照されるデータである。
「第一回胴停止データテーブル選択データ」は、第一回胴を停止させるときに参照される第一回胴停止データテーブルを図112A〜図112Cに一例を示す左第1停止用停止テーブル(第一回胴停止データテーブル)から選択するための番号である。
「第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値」は、第二及び第三回胴を停止させるときに参照されるデータであり、テーブル番号と、変更ステータス(ラインステータス)とを含む。「テーブル番号」は、第二及び第三停止リールを停止させるときに参照される第一回胴第一停止後停止データテーブルを図114A及び図114Bに一例を示す左第1停止後停止データテーブル(第一回胴第一停止後停止データテーブル)から選択するための番号である。
第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値の「変更ステータス」は、テーブル番号に基づいて選択された第一回胴第一停止後停止データテーブルにおいて参照されるラインを表す一遊技ごとのラインステータスを変更するためのデータである。
ここで、変更ステータスが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「2」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更され、「3」の場合には、ラインステータスがAライン又はBラインであれば、Cラインに変更される。
「第一回胴第一停止用テーブル変更データ」は、第一回胴第一停止後初期データを変更するための第一回胴第一停止後変更データテーブルを図115A〜図115Cに一例を示す第一回胴第一停止用テーブル変更データ(第一回胴第一停止後変更データテーブル)から選択するためのデータである。
「検索順序データテーブル」は、滑り駒数を決定するための検索順序テーブルを図116に示す検索順序テーブルから選択するための番号である。
<引込優先順位テーブル>
図108は、引込優先順位テーブルを示す図である。
図108に示す引込優先順位テーブルは、内部当籤役に対応して引込み範囲内に表示することができる複数のコンビネーションのなかで、どのコンビネーションを優先して引込むかを表している。なお、図108では、コンビネーションの組合せを表す入賞作動フラグのデータは省略されている。
引込優先順位テーブルでは、入賞作動フラグが表すコンビネーションの引込みの優先順位が表されている。「引込優先順位データ」は、引込みの優先順位をメインCPU3031が識別するために設けられた情報である。
例えば、引込優先順位テーブル番号「00」では、「C_羽」及び「C_赤7」が入賞する可能性が有ると判定されている場合には、「C_赤7」より「C_羽」の方が優先順位が高いため、「C_羽」を優先して引込むように回転中のリールRL,RC,RRの停止制御が行われる。
<引込優先順位テーブル選択テーブル>
図109は、引込優先順位テーブル選択テーブルを示す図である。
図109に示す引込優先順位テーブル選択テーブルでは、引込優先順位テーブル選択データ(引込優先順位選択テーブル)ごとに、リールの停止操作の順序を示す停止操作種別に対する引込優先順位テーブル番号が対応付けられている。
例えば、引込優先順位テーブル選択データ「03」では、第1停止操作が「左」である場合には、引込優先順位テーブル番号「02」が対応付けられ、第1停止操作が「中」である場合には、引込優先順位テーブル番号「03」が対応付けられている。
また、引込優先順位テーブル選択データ「03」では、第2停止操作時に第1停止操作が「左」、第2停止操作が「中」である場合(図中「左→中」)には、引込優先順位テーブル番号「03」が対応付けられ、第2停止操作時に第1停止操作が「中」、第2停止操作が「左」である場合(図中「中→左」)には、引込優先順位テーブル番号「00」が対応付けられている。
<ストップ用テーブル>
図110は、ストップ用テーブルの構成を示す図である。図111A及び図111Bは、ストップ用テーブルの具体例を示す図である。
図110に構成を示し、図111A及び図111Bに具体例を示すように、ストップ用テーブルは、各図柄位置を表す図柄位置データに対して、7ビットで表される停止データを規定している。
ストップ用テーブルは、第一停止リールが左リールRL以外である場合に、図116に示す検索順序テーブルにおける滑り駒数決定データを決定するために参照される。
「bit0」は、右リールRRすなわち第三回胴のBラインデータを表し、「bit1」は、第三回胴のAラインデータを表し、「bit2」は、第三回胴のライン変更ビットを表す。
具体的には、第三回胴のライン変更ビットが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「1」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更される。
第三回胴停止時に、ラインステータスがAラインであれば、「bit1」によって構成されるAラインデータが参照され、ラインステータスがBラインであれば、「bit0」によって構成されるBラインデータが参照される。
また、「bit3」は、中リールRCすなわち第二回胴のBラインデータを表し、「bit4」は、第二回胴のAラインデータを表し、「bit5」は、第二回胴のライン変更ビットを表す。
具体的には、第二回胴のライン変更ビットが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「1」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更される。
第二回胴停止時に、ラインステータスがAラインであれば、「bit4」によって構成されるAラインデータが参照され、ラインステータスがBラインであれば、「bit3」によって構成されるBラインデータが参照される。
また、「bit6」は、左リールRLすなわち第一回胴のBラインデータを表し、「bit7」は、第一回胴のAラインデータを表す。具体的には、第一回胴停止時に、ラインステータスがAラインであれば、「bit7」によって構成されるAラインデータが参照され、ラインステータスがBラインであれば、「bit6」によって構成されるBラインデータが参照される。
ストップ用テーブルにおいて、メインCPU3031によってストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rのいずれかの押下が検出されたときに、該当するメイン表示窓DD4の中段に表示されたリールRL,RC,RRの図柄位置に応じた図柄位置データを起点として、リールの回転方向に、参照するラインデータが「1」となるまで探索した回数が滑り駒数決定データとして決定される。
例えば、図111Aに示すストップ用テーブル「00」において、ラインステータスがAラインであって、図柄位置データが「8」に該当するリールRLの図柄がメイン表示窓DD4の中段に表示されたときに、メインCPU3031によってストップボタンDD7Lの押下が検出された場合には、「bit7」によって構成されるAラインデータが参照され、ラインデータが「1」となる図柄位置データ「10」まで探索されるため、滑り駒数決定データは、「10」から「8」を減じた「2」となる。
<左第1停止用停止テーブル>
図112A〜図112Cは、左第1停止用停止テーブルを示す図である。
図112A〜図112Cに示す左第1停止用停止テーブル(第一回胴停止データテーブル)は、第一停止リールが左リールRLである場合に左リールRLを停止させるときに参照される。左第1停止用停止テーブルは、各図柄の位置を表す図柄位置データに対して、滑り駒数決定データと、チェンジステータスとが規定されている。なお、本実施の形態においては、12通りの第一回胴停止データテーブル「00」〜「11」を用いる。
「滑り駒数決定データ」は、図116に示す検索順序テーブルにおける滑り駒数決定データを特定するために参照され、「チェンジステータス」は、図115A〜図115Cに示す第一回胴第一停止用テーブル変更データテーブル(第一回胴第一停止後変更データテーブル)におけるチェンジステータスを特定するために参照される。
<停止データテーブル>
図113は、停止データテーブルの構成を示す図である。図114A及び図114Bは、停止データテーブルの具体例を示す図である。
図113に構成を示し、図114A及び図114Bに具体例を示すように、左第1停止後停止データテーブル(第一回胴第一停止後停止データテーブル)は、各図柄の位置を表す図柄位置データに対して、7ビットで表される停止データを規定している。
左第1停止後停止データテーブルは、第一停止リールが左リールRL以外である場合に、図116に示す検索順序テーブルにおける滑り駒数決定データを決定するために参照される。なお、以下の説明において、第一回胴第一停止後停止データテーブル、第一回胴停止データテーブル及びストップ用テーブルを総称して「停止テーブル」ともいう。
「bit0」は、右リールRRすなわち第三回胴のBラインデータを表し、「bit1」は、第三回胴のAラインデータを表し、「bit2」は、第三回胴のライン変更ビットを表す。
具体的には、第三回胴のライン変更ビットが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「1」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更される。
第三回胴停止時に、ラインステータスがAラインであれば、「bit1」によって構成されるAラインデータが参照され、ラインステータスがBラインであれば、「bit0」によって構成されるBラインデータが参照される。
また、「bit3」は、中リールRCすなわち第二回胴のBラインデータを表し、「bit4」は、第二回胴のAラインデータを表し、「bit5」は、第二回胴のライン変更ビットを表す。
具体的には、第二回胴のライン変更ビットが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「1」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更される。
第二回胴停止時に、ラインステータスがAラインであれば、「bit4」によって構成されるAラインデータが参照され、ラインステータスがBラインであれば、「bit3」によって構成されるBラインデータが参照される。
また、「bit6」は、第二回胴のCラインデータを表し、「bit7」は、第三回胴のCラインデータを表す。具体的には、第二回胴停止時に、ラインステータスがCラインであれば、「bit6」によって構成されるCラインデータが参照され、第三回胴停止時に、ラインステータスがCラインであれば、「bit7」によって構成されるCラインデータが参照される。
左第1停止後停止データテーブルにおいて、メインCPU3031によってストップボタンDD7C,DD7Rのいずれかの押下が検出されたときに、該当するメイン表示窓DD4の中段に表示されたリールRC,RRの図柄位置に応じた図柄位置データを起点として、リールの回転方向に、参照するラインデータが「1」となるまで探索した回数が滑り駒数決定データとして決定される。
例えば、図114Aに示す左第1停止後停止データテーブル「00」において、ラインステータスがCラインであって、図柄位置データが「13」に該当するリールRRの図柄がメイン表示窓DD4の中段に表示されたときに、メインCPU3031によってストップボタンDD7Lの押下が検出された場合には、「bit7」によって構成されるCラインデータが参照され、ラインデータが「1」となる図柄位置データ「16」まで探索されるため、滑り駒数決定データは、「16」から「13」を減じた「3」となる。
<第一回胴第一停止用テーブル変更データテーブル>
図115A〜図115Cは、第一回胴第一停止用テーブル変更データテーブルを示す図である。
図115A〜図115Cに示す第一回胴第一停止用テーブル変更データ(第一回胴第一停止後変更データテーブル)は、図柄の特定な位置を表す図柄位置データに対するチェンジステータスを規定している。
チェンジステータスは、図107に示す回胴停止初期設定テーブルにおける第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値(第一回胴第一停止後初期データ)によって決定されたテーブル番号と、ラインステータスとを変更するためのデータである。
第一回胴第一停止用テーブル変更データにおいて、メイン表示窓DD4の中段に表示されたリールRRの図柄位置に応じた図柄位置データが第一回胴第一停止用テーブル変更データに示されている場合には、図112A〜図112Cに示す左第1停止用停止テーブル(第一回胴停止データテーブル)で特定されたチェンジステータスに基づいて、テーブル番号と、ラインステータスとが変更される。
例えば、図115Aに示す第一回胴第一停止用テーブル変更データテーブル「00」において、図柄位置データが「05」に該当するリールRRの図柄がメイン表示窓DD4の中段に表示され、チェンジステータスが「0」である場合には、テーブル番号が「11」に変更され、ラインステータスが維持される。
同様に、図115Aに示す第一回胴第一停止用テーブル変更データテーブル「00」において、図柄位置データが「16」に該当するリールRRの図柄がメイン表示窓DD4の中段に表示され、チェンジステータスが「0」である場合には、テーブル番号が「41」に変更され、ラインステータスがBラインに変更される。
<検索順序テーブル>
図116は、検索順序テーブルを示す図である。
図116に示す検索順序テーブルは、各リールRL,RC,RRの滑り駒数を決定するために参照される。なお、本実施の形態においては、3通りの検索順序テーブル「00」〜「02」を用いる。検索順序テーブルは、滑り駒数決定データに対して、滑り駒数が優先順序に応じて対応付けられている。
例えば、図116(a)に示す検索順序テーブル「00」において、滑り駒数決定データが「3」である場合には、滑り駒数「3」が最も優先順序が高く、次いで、滑り駒数「1」、「0」、「4」、「2」の順序で優先順序が下がっていく。
この場合、該当リールを3駒滑らせたときに、内部当籤役に対応するコンビネーションを有効ラインに表示させることができる場合には、滑り駒数「3」が選択され、内部当籤役に対応するコンビネーションを有効ラインに表示させることができない場合には、当該コンビネーションを有効ラインに表示させることができるまで、優先順序が下げられていく。
なお、滑り駒数「2」まで優先順序が下げても内部当籤役に対応するコンビネーションを有効ラインに表示させることができない場合、又は、内部当籤役がない「はずれ」の場合には、最も優先順序が高い滑り駒数「3」が選択される。
<図柄対応入賞作動フラグデータテーブル>
図117(a)は、図柄対応入賞作動フラグデータテーブルを示す図である。
図117(a)に示す図柄対応入賞作動フラグデータテーブルは、リール種別と、入賞判定ラインに表示された各リールの図柄に応じて表示可能な内部当籤役のデータとの対応関係を規定する。すなわち、図柄対応入賞作動フラグデータテーブルを参照することにより、そのときに表示可能な内部当籤役を判別することができる。なお、図柄対応入賞作動フラグデータテーブルは、図100A及び図100Bに示した図柄組合せテーブルに対応して設けられる。
例えば、左リールRLの入賞判定ライン上に図柄「赤7」が停止表示された場合には、リール種別「左」における図柄コード「00000001」(赤7)に対応する格納領域1〜12において、表示可能な内部当籤役に対応するビットに「1」が格納される。この図柄対応入賞作動フラグデータテーブルで規定されるデータと、図118(b)に示す図柄コード格納領域に格納されるデータとの論理積で図柄コード格納領域のデータが更新される。
<ラインマスクデータテーブル>
図117(b)は、ラインマスクデータテーブルを示す図である。
ラインマスクデータテーブルは、ストップボタンの種別に対応してラインマスクデータを規定している。遊技者によって操作されたストップボタンが左ストップボタンDD7Lである場合には、ラインマスクデータ「10000000」が選択される。また、遊技者によって操作されたストップボタンが中ストップボタンDD7Cである場合には、ラインマスクデータ「00010000」が選択される。また、遊技者によって操作されたストップボタンが右ストップボタンDD7Rである場合には、ラインマスクデータ「00000010」が選択される。
[メインRAMに割り当てられる格納領域の構成]
図118〜図120は、メインRAM3033に割り当てられる各種の格納領域を示している。
<内部当籤役格納領域>
図118(a)は、内部当籤役格納領域を示す図である。
図118(a)に示す内部当籤役格納領域は、内部当籤役格納領域1〜18の18個の格納領域によって構成される。内部当籤役格納領域1〜18には、図101A〜図101Cに示すフラグ別コンビネーションにおいて、内部当籤役に対応付けられたコンビネーションに応じたデータ(ビット)が1にセットされ、他のデータが0にリセットされる。
<表示役格納領域>
表示役格納領域は、リールRL,RC,RRの各リールが停止した後に、有効ラインに沿って表示することができるコンビネーションを表す。すなわち、表示役格納領域は、リールRL,RC,RRの全てが停止した後には、入賞した内部当籤役を表す。表示役格納領域は、リールRL,RC,RRの全てが停止した後に、メインCPU3031が有効ラインに沿って表示されたコンビネーションを識別するために用いられる。なお、表示役格納領域は、内部当籤役格納領域と同一の構造を有するため図示を省略する。
<図柄コード格納領域>
図118(b)は、図柄コード格納領域を示す図である。
図118(b)に示す図柄コード格納領域は、有効ラインの数だけ割り当てられ、各図柄コード格納領域は、各有効ラインに沿って表示することができるデータが1にセットされ、リールRL,RC,RRの停止位置に応じて、有効ラインに沿って表示することができなくなったコンビネーションに応じたデータが0にリセットされる。また、図柄コード格納領域1の上位4ビットには、該当する有効ラインに最近に停止された図柄コードが記憶される。
<持越役格納領域>
図119(a)は、持越役格納領域を示す図である。
図119(a)に示す持越役格納領域は、持越役に係るデータが格納される。例えば、遊技状態が7BBの持越し状態になったことを条件として、持越役格納領域のビット0が「1」にセットされ、鳥BBの持越し状態になったことを条件として、持越役格納領域のビット1が「1」にセットされ、MBの持越し状態になったことを条件として、持越役格納領域のビット2が「1」がセットされ、7BB、鳥BB及びMBの各ボーナスが作動したことを条件として、該当ビットが「0」にリセットされる。
<遊技状態フラグ格納領域>
図119(b)は、遊技状態フラグ格納領域を示す図である。
図119(b)に示す遊技状態フラグ格納領域は、ボーナス状態(7BB遊技状態、鳥BB遊技状態、MB遊技状態、及び、RB遊技状態)並びにRT遊技状態(RT0遊技状態)に係るデータが格納される。例えば、遊技状態が7BBの作動状態になったことを条件として、遊技状態フラグ格納領域のビット0が「1」にセットされ、遊技状態が鳥BBの作動状態になったことを条件として、遊技状態フラグ格納領域のビット1が「1」にセットされ、遊技状態がMBの作動状態になったことを条件として、遊技状態フラグ格納領域のビット2が「1」にセットされ、7BB、鳥BB及びMBの各ボーナスが終了したことを条件として、該当ビットが「0」にリセットされる。また、遊技状態がRBの作動状態になったことを条件として、遊技状態フラグ格納領域のビット3が「1」にセットされる。
また、遊技状態がRT0遊技状態になったことを条件として、遊技状態フラグ格納領域のビット7が「1」にセットされ、遊技状態がボーナス役(7BB、鳥BB、又は、MB)の持越し状態になったことを条件として、遊技状態フラグ格納領域のビット7が「0」にリセットされる。
<作動ストップボタン格納領域>
図119(c)は、作動ストップボタン格納領域を示す図である。
図119(c)に示す作動ストップボタン格納領域は、ストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rの状態が格納される。ビット0は、ストップボタンDD7Lに対応し、ストップボタンDD7Lが操作されたときには、ビット0に「1」が格納される。同様に、ビット1は、ストップボタンDD7Cに対応し、ストップボタンDD7Cが操作されたときには、ビット1に「1」が格納される。また、ビット2は、ストップボタンDD7Rに対応し、ストップボタンDD7Rが操作されたときには、ビット2に「1」が格納される。
ビット4は、ストップボタンDD7Lに対応し、ストップボタンDD7Lが有効であるときには、ビット4に「1」が格納される。ビット5は、ストップボタンDD7Cに対応し、ストップボタンDD7Cが有効であるときには、ビット5に「1」が格納される。また、ビット6は、ストップボタンDD7Rに対応し、ストップボタンDD7Rが有効であるときには、ビット6に「1」が格納される。
本実施の形態において、有効なストップボタンとは、回転中のリールRL,RC,RRに対応し、メインCPU3031によって停止操作を検出することが可能なストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rのことをいう。
<押下順序格納領域>
図119(d)は、押下順序格納領域を示す図である。
図119(d)に示す押下順序格納領域は、3つのストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rの押下順序を示す情報を格納するための領域である。ビット0は押下順序が「左→中→右」に対応し、押下順序が「左→中→右」であるときにビット0に「1」が格納され、他のビットは、「0」にリセットされる。
同様に、ビット1は押下順序が「左→右→中」に対応し、ビット2は押下順序が「中→左→右」に対応し、ビット3は押下順序が「中→右→左」に対応し、ビット4は押下順序が「右→左→中」に対応し、ビット5は押下順序が「右→中→左」に対応する。
<引込優先順位データ格納領域>
図120は、引込優先順位データ格納領域を示す図である。
図120に示す引込優先順位データ格納領域は、左リール用引込優先順位データ格納領域、中リール用引込優先順位データ格納領域及び右リール用引込優先順位データ格納領域を含んでいる。なお、中リール用引込優先順位データ格納領域及び右リール用引込優先順位データ格納領域の内容については、左リール用引込優先順位データ格納領域と同様であるため、以下においては左リール用引込優先順位データ格納領域について説明する。
左リール用引込優先順位データ格納領域は、図柄位置データのそれぞれについて、引込優先順位データを格納する。例えば、図108に示す引込優先順位テーブルの引込優先順位データのうち、内部当籤役及び他のリールRC、RRの状態に基づいた、いずれかの引込優先順位データが図柄位置ごとに格納される。
[主制御処理]
主制御回路3060のメインCPU3031は、図121〜図139に示すフローチャートにしたがって各種処理を実行する。
<メイン制御処理>
図121は、メイン制御処理を示すフローチャートである。なお、以下に説明するメイン制御処理は、遊技機1に電源が投入されたときにスタートする。
最初に、遊技機1に電源が投入されると、メインCPU3031は、図122に示す電源投入時処理を実行する(ステップS10)。この電源投入時処理では、バックアップが正常であるか、設定変更が適切に行われたかなどが判断され、判断結果に応じた初期化処理が実行される。
次に、メインCPU3031は、一のゲーム(1単位遊技)終了時の初期化処理を実行する(ステップS11)。この初期化処理では、例えば、一遊技終了時に初期化するように予め指定された格納領域が初期化される。この初期化処理によって、メインRAM3033の内部当籤役格納領域及び表示役格納領域などに格納されたデータがクリアされる。
次に、メインCPU3031は、図123に示すメダル受付・スタートチェック処理を実行する(ステップS12)。このメダル受付・スタートチェック処理では、遊技者により投入されたメダルを検出する処理、及び開始操作を検出する処理が実行される。
次に、メインCPU3031は、3つの乱数値(乱数値1〜3)を抽出し、メインRAM3033に割り当てられた乱数値格納領域に格納する(ステップS13)。ここで、乱数値1は、内部抽籤処理のために使用される値で、本実施の形態においては、0〜65535の中から抽出される。
また、乱数値2、3は、その他の抽籤処理のために使用される値で、本実施の形態においては、それぞれ0〜65535及び0〜255の中から抽出される。なお、メインCPU3031は、ステップS13で乱数値2、3を常に抽出する必要はなく、各乱数値2、3を使用が生じた場合にのみ抽出するようにしてもよい。
次に、メインCPU3031は、図124に示す内部抽籤処理を実行する(ステップS14)。この内部抽籤処理を実行するメインCPU3031は、内部当籤役決定手段を構成する。
次に、メインCPU3031は、図125に示すリール停止初期設定処理を実行する(ステップS15)。このリール停止初期設定処理により、内部抽籤処理の結果(内部当籤役)に基づいて、リールの停止制御に関する各情報(例えば、停止テーブル番号等)がメインRAM3033の該当領域に格納される。
次に、メインCPU3031は、ロック時間抽籤処理を実行する(ステップS16)。ロック時間抽籤処理については、後に図146を用いて説明する。
次に、メインCPU3031は、主制御回路3060から副制御回路3070へ送信するスタートコマンドデータを生成し、生成したスタートコマンドデータをメインRAM3033に割り当てられた通信データ格納領域に格納する(ステップS17)。
スタートコマンドデータは、例えば、遊技状態フラグの種別、ボーナス終了枚数カウンタの値、内部当籤役の種別及び演出用のタイマの値等を表す。
次に、メインCPU3031は、ウェイト処理を実行する(ステップS18)。このウェイト処理では、前回の遊技開始(前回の単位遊技の開始)から所定時間を経過しているか否かが判断され、所定時間を経過していないと判断された場合には、所定時間を経過するまで待機して待ち時間が消化される。このウェイト処理における所定時間、すなわちウェイト時間は、例えば、前回の単位遊技の開始から4.1秒に設定される。
次に、メインCPU3031は、投入されたメダルの枚数に応じて、全てのリールRL,RC,RRを回転させるリール回転開始処理を実行する(ステップS19)。このリール回転開始処理に伴って、作動ストップボタン格納領域(図119(c)参照)に「01110000」が格納される。また、リール回転開始処理は、図138に示す割込処理によって実行される。この割込処理は、一定の周期(1.1172ms)で実行される処理である。
この割込処理によって、ステッピングモータ3049L,3049C,3049Rの駆動が制御され、リールRL,RC,RRの回転が開始する。その後、この割込処理によって、ステッピングモータ3049L,3049C,3049Rの駆動が制御され、リールRL,RC,RRの回転が定速に達するまで加速される。
さらに、リールRL,RC,RRの回転が定速に達すると、この割込処理によって、ステッピングモータ3049L,3049C,3049Rの駆動が制御され、リールRL,RC,RRが定速で回転するように維持される。
次に、メインCPU3031は、主制御回路3060から副制御回路3070へ送信するリール回転開始コマンドデータを生成し、生成したリール回転開始コマンドデータをメインRAM3033に割り当てられた通信データ格納領域に格納する(ステップS20)。
このリール回転開始コマンドデータを受信することにより、副制御回路3070は、リール回転開始を認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
次に、メインCPU3031は、引込優先順位格納処理を実行する(ステップS21)。この引込優先順位格納処理では、図127に示す引込優先順位テーブル選択処理が実行され、回転しているリールRL,RC,RRの全ての図柄の引込優先順位が決定される。すなわち、引込優先順位格納処理では、内部当籤役に基づいて、回転中の各リールの図柄位置ごとに、停止情報が図120に示す引込優先順位データ格納領域に格納される。
例えば、各リールRL,RC,RRの各図柄に対して、該当図柄が停止許可の場合には、優先順位テーブルに基づいてその引込優先順位データが引込優先順位データ格納領域に格納され、停止不許可の場合(例えば、内部当籤していない役が入賞してしまう場合等)には、引込優先順位データ格納領域に停止禁止を表すデータが格納される。
次に、メインCPU3031は、図129に示すリール停止制御処理を実行する(ステップS22)。この処理によって、リールRL,RC,RRの停止制御が行われる。次に、メインCPU3031は、入賞検索処理を実行する(ステップS23)。
この入賞検索処理では、全てのリールRL,RC,RRが停止した後に、入賞判定ラインのうち有効化された入賞判定ラインに表示された図柄組合せと図柄組合せテーブルとが照合されて、入賞判定ラインのいずれかに表示された図柄組合せが判断される。
具体的には、図柄コード格納領域(図118(b)参照)に格納されたデータと、図柄組合せテーブル(図100A及び図100B参照)のデータとが照合され、その照合結果が表示役格納領域に格納される。
より具体的には、図柄コード格納領域のデータが表示役格納領域にそのまま複写される。その際に、図柄組合せテーブルが参照されて、払出枚数が求められる。この入賞検索処理によって、全てのリールRL,RC,RRが停止したことでメイン表示窓DD4に表示される図柄の組合せが特定される。
次に、メインCPU3031は、演出用遊技ロック処理を実行する(ステップS24)。演出用遊技ロック処理については、後に図148及び図149を用いて説明する。
次に、メインCPU3031は、入賞検索処理の結果に基づいて、表示された図柄組合せに応じたメダル枚数の払出を実行する(ステップS25)。このメダル払出処理に伴って、払出枚数カウンタに基づいて、ホッパー駆動回路3041の制御やクレジット枚数の更新が行われる。
次に、メインCPU3031は、主制御回路3060から副制御回路3070へ送信する入賞作動コマンドデータを生成し、生成した入賞作動コマンドデータをメインRAM3033に割り当てられた通信データ格納領域に格納する(ステップS26)。入賞作動コマンドデータは、例えば、表示役の種別、及びメダルの払出枚数等を表す。
次に、メインCPU3031は、図136に示すボーナス終了チェック処理を実行する(ステップS27)。このボーナス終了チェック処理によって、BB又はMBの終了条件を満たした場合にBB又はMBの作動を終了する処理が実行される。
次に、メインCPU3031は、図137に示すボーナス作動チェック処理を実行する(ステップS28)。このボーナス作動チェック処理によって、リールRL,RC,RRにより表示された図柄の組合せに基づいてBB又はMBの作動を行う処理が実行される。メインCPU3031は、ステップS28の処理を実行した後、ステップS11の処理を実行する。
<電源投入時処理>
図122は、図121に示したメイン制御処理において実行される電源投入時処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU3031は、バックアップが正常であるか否かを判断する(ステップS30)。この判断処理では、チェックサム値を用いた誤り検出により、バックアップが正常であるか否かが判断される。
例えば、メインCPU3031は、電源オフ時に遊技機1の設定値等及びその設定値等から算出されたチェックサム値をバックアップデータとしてメインRAM3033に格納しておき、電源投入時の当該判断処理(ステップS30)において、メインRAM3033に格納されている設定値等及びチェックサム値を読み出す。
そして、メインCPU3031は、読み出された設定値等から算出したチェックサムと、バックアップされていたチェックサムとを比較し、比較結果が一致していれば、バックアップが正常であると判断する。
メインCPU3031は、バックアップが正常であると判断した場合には(YES)、バックアップされた設定値等をセットする(ステップS31)。これにより、バックアップが正常であった場合には、電源オフ前の設定値がセットされることになる。
ステップS31の処理を実行した後、又はステップS30においてバックアップが正常でないと判断した場合には(NO)、メインCPU3031は、遊技機1のキャビネットG内に設けられている設定変更スイッチがオンであるか否かを判断する(ステップS32)。ここで、メインCPU3031は、設定変更スイッチがオンであると判断すると(YES)、メインCPU3031は、設定変更時の初期化処理を実行する(ステップS33)。
この設定変更時の初期化処理では、例えば、メインRAM3033の内部当籤役格納領域及び表示役格納領域に格納されているデータがクリアされるとともに、設定値がクリアされる。
次に、メインCPU3031は、主制御回路3060から副制御回路3070へ送信する初期化コマンドデータを生成し、生成した初期化コマンドデータをメインRAM3033に割り当てられた通信データ格納領域に格納する(ステップS34)。初期化コマンドデータは、例えば、設定値変更の有無、及び設定値等を表す。
次に、メインCPU3031は、設定値変更処理を実行する(ステップS35)。この設定値変更処理では、リセットスイッチの操作結果に応じて、設定値が1、2、5、6のうちから選択され、これに続いて操作されるスタートレバーDD6が操作されたときに選択されていた設定値が確定させる。
次に、メインCPU3031は、設定変更スイッチがオン状態であるか否かを判断し(ステップS36)、オン状態でない判断結果が得られるまでステップS36の処理を繰り返し実行する。
ここで、設定変更スイッチがオン状態ではない判断結果が得られた場合には(NO)、主制御回路3060から副制御回路3070へ送信する初期化コマンドデータを生成し、生成した初期化コマンドデータをメインRAM3033に割り当てられた通信データ格納領域に格納し(ステップS37)、電源投入時処理を終了する。
ステップS32において、メインCPU3031は、設定変更スイッチがオンでないと判断した場合には(NO)、バックアップが正常であるか否かを判断する(ステップS38)。ここで、バックアップが正常でないと判断した場合には(NO)、メインCPU3031は、電源投入時エラー処理を実行する(ステップS39)。
電源投入時エラー処理において、メインCPU3031は、バックアップが正常ではないことをエラー表示等によって表示する。なお、メインCPU3031は、バックアップが正常でないエラー(バックアップエラー)の状態では、打止解除スイッチ又はリセットスイッチの操作によっては、エラー状態を解除しないようになっており、新たに設定変更が行われた場合にのみ、エラー状態を解除するようになっている。
ステップS38において、バックアップが正常であると判断した場合には(YES)、メインCPU3031は、メインRAM3033に格納されているバックアップデータに基づいて、遊技機1の状態を電源断前の状態に復帰させ(ステップS40)、電源投入時処理を終了する。
<メダル受付・スタートチェック処理>
図123は、図121に示したメイン制御処理において実行されるメダル受付・スタートチェック処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU3031は、自動投入要求があるか否かを判断する(ステップS50)。前回の単位遊技でリプレイ役に入賞した場合には、今回の単位遊技では、自動的にメダルが投入される。すなわち、ステップS50の判断処理では、前回の単位遊技でリプレイ役に入賞したか否かを判断すればよい。
ステップS50において、メインCPU3031は、自動投入要求があると判断した場合には(YES)、前回の単位遊技で投入されたメダルと同数のメダルを自動投入する自動投入処理を実行する(ステップS51)。具体的には、メインCPU3031は、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写し、自動投入カウンタをクリアする。
続いて、メインCPU3031は、主制御回路3060から副制御回路3070へ送信するメダル投入コマンドデータを生成し、生成したメダル投入コマンドデータをメインRAM3033に割り当てられた通信データ格納領域に格納するメダル投入コマンド送信処理を実行する(ステップS52)。ここで、メダル投入コマンドデータは、例えば、メダル投入の有無、投入枚数カウンタの値、及びクレジットカウンタの値等を表す。
ステップS50において、メインCPU3031は、自動投入要求がないと判断した場合には(NO)、メダルの受け付けを許可する(ステップS53)。例えば、メインCPU3031は、図示しないセレクタのソレノイドを駆動し、メダル投入口DD5に投入されたメダルがセレクタ内を通過するように径路を形成させる。
なお、ステップS50において、メインCPU3031は、自動投入要求があると判断した場合には(YES)、前回の単位遊技からメダルの受け付けが禁止されている状態になっているため、メダルの受け付けに関する処理は実行しない。
ステップS52又はステップS53の処理が実行された後、メインCPU3031は、遊技状態に応じて投入枚数の最大値をセットする(ステップS54)。本実施の形態において、一般遊技状態(RT0遊技状態及びフラグ間状態)では3枚をセットし、MB遊技状態では2枚、BB遊技状態では1枚をセットする。
次に、メインCPU3031は、メダルの受け付けが許可されているか否かを判断する(ステップS55)。ここで、メダルの受け付けが許可されていると判断した場合には(YES)、メインCPU3031は、投入されたメダルの枚数をチェックするメダル投入チェック処理を実行する(ステップS56)。このメダル投入チェック処理では、チェックされたメダルの枚数に応じて、投入枚数カウンタの値が更新される。
続いて、メインCPU3031は、主制御回路3060から副制御回路3070へ送信するメダル投入コマンドデータを生成し、生成したメダル投入コマンドデータをメインRAM3033に割り当てられた通信データ格納領域に格納するメダル投入コマンド送信処理を実行する(ステップS57)。
次に、メインCPU3031は、メダルの投入又はクレジットが可能か否かを判断する(ステップS58)。本実施の形態において、メインCPU3031は、一般遊技状態では投入枚数が3枚、MB遊技状態では2枚、BB遊技状態では1枚であり、かつ、クレジットが50となっていること、又は、ステップS51の自動投入処理を実行したことを条件として、当該条件が成立したときにメダルの投入又はクレジットが可能でないと判断し、当該条件が成立しないときにメダルの投入又はクレジットが可能であると判断する。
ステップS58において、メダルの投入又はクレジットが可能でないと判断した場合には(NO)、メインCPU3031は、メダルの受け付けを禁止する(ステップS59)。例えば、メインCPU3031は、セレクタのソレノイドの駆動を行わずに、メダル投入口DD5に投入されたメダルがメダル払出口DD14から排出する径路を形成させる。
ステップS55において、メダルの受け付けが許可されていないと判断した場合(NO)、ステップS58において、メダルの投入又はクレジットが可能であると判断した場合(YES)、又はステップS59の処理を実行した後、メインCPU3031は、メダルの投入枚数が遊技を開始できる枚数であるか否かを判断する(ステップS60)。
すなわち、メインCPU3031は、メダルの投入枚数が、単位遊技を開始できる枚数であるか否かを遊技状態に応じて判断する。本実施の形態において、メインCPU3031は、一般遊技状態では投入されたメダルが1枚又は3枚であるか否か、MB遊技状態では投入されたメダルが2枚であるか否か、BB遊技状態では投入されたメダルが1枚であるか否かを判断する。
ここで、メダルの投入枚数が遊技を開始できる枚数でないと判断した場合には(NO)、メインCPU3031は、ステップS55の処理を実行する。一方、メダルの投入枚数が遊技を開始できる枚数であると判断した場合には(YES)、メインCPU3031は、スタートスイッチ3006Sがオンであるか否かを判断する(ステップS61)。
ここで、スタートスイッチ3006Sがオンでないと判断した場合には(NO)、メインCPU3031は、ステップS55の処理を実行する。一方、スタートスイッチ3006Sがオンであると判断した場合には(YES)、メインCPU3031は、メダルの受け付けを禁止し(ステップS62)、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
<内部抽籤処理>
図124は、図121に示したメイン制御処理において実行される内部抽籤処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU3031は、遊技状態に応じた内部抽籤テーブルをセットする(ステップS70)。具体的には、メインCPU3031は、遊技状態及びメダルの投入枚数(1枚掛け、2枚掛け、3枚掛け)に応じて、図102〜図106のいずれかに示す内部抽籤テーブルをセットする。
次に、メインCPU3031は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得する(ステップS71)。次に、メインCPU3031は、取得した乱数値とセットした内部抽籤テーブルとに基づき、内部当籤役を決定して内部当籤役格納領域に格納する(ステップS72)。
次に、メインCPU3031は、持越役格納領域(図119(a)参照)の値が「0」であるか否かを判断する(ステップS73)。この判断処理では、持越役格納領域の「7BB」、「鳥BB」及び「MB」に対応するビット0〜2のいずれかが「1」にセットされたか否かが判断される。
ステップS73において、持越役格納領域の値が「0」でないと判断した場合には(NO)、メインCPU3031は、内部抽籤処理を終了する。一方、持越役格納領域の値が「0」であると判断した場合には(YES)、メインCPU3031は、内部当籤役格納領域に格納した内部当籤役のなかで持越役として規定された内部当籤役(例えば、7BB、鳥BB及びMB)を持越役格納領域(図119(a)参照)に格納する(ステップS74)。このステップS74の処理では、例えば内部当籤役として「鳥BB」が取得されたときに、持越役格納領域の「鳥BB」に対応するビット1が「1」にセットされる。
続いて、メインCPU3031は、持越役格納領域(図119(a)参照)の値が「0」であるか否かを判断する(ステップS75)。この判断処理では、持越役格納領域の「7BB」、「鳥BB」及び「MB」に対応するビット0〜2のいずれかが「1」にセットされたか否かが判断される。
ステップS75において、持越役格納領域の値が「0」であると判断した場合には(YES)、メインCPU3031は、内部抽籤処理を終了する。一方、持越役格納領域の値が「0」でないと判断した場合には(NO)、メインCPU3031は、遊技状態フラグ移行処理を実行する(ステップS76)。この処理において、メインCPU3031は、遊技状態フラグ格納領域(図119(b)参照)における「RT0遊技状態」に対応するビット7を「0」にセットする。ステップS76の処理を実行した後、メインCPU3031は、内部抽籤処理を終了する。
<リール停止初期設定処理>
図125は、図121に示したメイン制御処理において実行されるリール停止初期設定処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU3031は、回胴停止初期設定テーブルを参照し、内部当籤役等に基づいて回胴停止用番号を取得する(ステップS100)。回胴停止初期設定テーブルとは、投入枚数及び内部当籤役に対応する回胴停止用番号に対応付けて、停止制御に用いる各種情報が規定されているテーブルである。
次に、メインCPU3031は、回胴停止初期設定テーブルを参照し、回胴停止用番号に基づいて各情報を取得する(ステップS101)。この処理では、メインCPU3031は、例えば、第1〜第3停止時に使用する停止テーブルの番号や制御変更処理において制御変更を行うために必要な情報(すなわち、リールRL,RC,RRが特定の順番で停止される際に、特定の位置で停止(又は押下)された場合に再度停止テーブルを選択しなおすために用いられる情報)等を取得する。
停止テーブルには、押下位置に対する滑り駒数の情報が直接的又は間接的に格納されており、これらの情報を使用して、遊技者に不利益を与えず、かつ、誤入賞を発生させない限度において、開発者の意図する停止位置で停止させるように構成されている。
続いて、メインCPU3031は、図柄コード格納領域(図118(b)参照)に回転中の識別子を格納する(ステップS102)。すなわち、メインCPU3031は、全図柄コード格納領域(未使用領域を除く)のビットを「1」にセットする。
次に、メインCPU3031は、ストップボタン未作動カウンタに3を格納し(ステップS103)、リール停止初期設定処理を終了する。なお、ストップボタン未作動カウンタは、遊技者により停止操作が行われていないストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rの数を判別するためのものであり、メインRAM3033の所定の領域に格納されている。
<引込優先順位格納処理>
図126は、図121に示したメイン制御処理及び図129に示すリール停止制御処理において実行される引込優先順位格納処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU3031は、ストップボタン未作動カウンタの値を検索回数としてメインRAM3033に格納する(ステップS110)。次に、メインCPU3031は、検索対象のリールを決定する検索対象リール決定処理を実行する(ステップS111)。この処理では、回転中のリールのうち、例えば、より左側の1つのリールが検索対象のリールとして決定される。
次に、メインCPU3031は、図127に示す引込優先順位テーブル選択処理を実行する(ステップS112)。この引込優先順位テーブル選択処理は、引込優先順位テーブル(図108参照)のなかから1つの引込優先順位テーブル番号を選択する。
次に、メインCPU3031は、メインRAM3033にそれぞれ格納されている図柄チェック回数に21(各リールの図柄の数)をセットし、検索図柄位置に0をセットする(ステップS113)。
次に、メインCPU3031は、図128に示す図柄コード格納処理を実行する(ステップS114)。この図柄コード格納処理は、回転中のリールの図柄位置をチェックするためのチェック用図柄位置データの図柄コードを取得する。
次に、メインCPU3031は、取得した図柄コードと、図柄コード格納領域(図118(b)参照)とに基づいて、表示役格納領域を更新する(ステップS115)。次に、メインCPU3031は、引込優先順位データ取得処理を実行する(ステップS116)。
この引込優先順位データ取得処理は、表示役格納領域で該当するビットが1となっていて、内部当籤役格納領域で該当するビットが1となっている役について、ステップS112で選択された引込優先順位テーブルを参照して、引込優先順位データを取得する。
なお、引込優先順位データ取得処理は、停止させた場合に誤入賞となる図柄位置については、「停止禁止」(000H)をセットし、内部当籤していないが、停止させても誤入賞とならない図柄位置については、「停止可能」(001H)をセットする。
次に、メインCPU3031は、取得した引込優先順位データを検索対象リールに応じた引込優先順位データ格納領域に格納する(ステップS117)。次に、メインCPU3031は、図柄チェック回数から1を減算し、検索図柄位置に1を加算する(ステップS118)。
次に、メインCPU3031は、図柄チェック回数が0であるか否かを判断する(ステップS119)。ここで、図柄チェック回数が0でないと判断した場合には(NO)、メインCPU3031は、ステップS114の処理を実行する。
一方、図柄チェック回数が0であると判断した場合には(YES)、メインCPU3031は、検索回数分の検索を実行したか否かを判断する(ステップS120)。ここで、検索回数分の検索を実行したと判断した場合には(YES)、メインCPU3031は、引込優先順位格納処理を終了する。一方、検索回数分の検索を実行していないと判断した場合には(NO)、メインCPU3031は、ステップS111の処理を実行する。
<引込優先順位テーブル選択処理>
図127は、図126に示した引込優先順位格納処理において実行される引込優先順位テーブル選択処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU3031は、引込優先順位テーブル選択データがセットされているか否かを判断する(ステップS130)。ここで、引込優先順位テーブル選択データがセットされていると判断した場合には(YES)、メインCPU3031は、押下順序格納領域(図119(d)参照)、作動ストップボタン格納領域(図119(c)参照)を参照し、引込優先順位テーブル選択テーブル(図109参照)から引込優先順位テーブル選択データに対応する引込優先順位テーブル番号をセットし(ステップS131)、引込優先順位テーブル番号に応じた引込優先順位テーブルをセットし(ステップS132)、引込優先順位テーブル選択処理を終了する。
一方、引込優先順位テーブル選択データがセットされていないと判断した場合には(NO)、メインCPU3031は、引込優先順位テーブル番号に応じた引込優先順位テーブルをセットし(ステップS132)、引込優先順位テーブル選択処理を終了する。
<図柄コード格納処理>
図128は、図126に示した引込優先順位格納処理において実行される図柄コード格納処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU3031は、有効ラインデータをセットする(ステップS140)。次に、メインCPU3031は、検索図柄位置と有効ラインデータとに基づいて、検索対象リールのチェック用図柄位置データをセットする(ステップS141)。
次に、メインCPU3031は、チェック用図柄位置データの図柄コードを取得し(ステップS142)、図柄コード格納処理を終了する。
<リール停止制御処理>
図129は、図121に示したメイン制御処理において実行されるリール停止制御処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU3031は、有効なストップボタンが押されたか否かを判断する(ステップS150)。この処理は、ストップスイッチ3007Sから信号が出力されたか否かを判断する処理である。メインCPU3031は、有効なストップボタンが押されていないと判断した場合には(NO)、ステップS150の処理を繰り返し実行する。
一方、メインCPU3031は、有効なストップボタンが押されたと判断した場合には(YES)、押されたストップボタンに応じて、押下順序格納領域(図119(d)参照)と、作動ストップボタン格納領域(図119(c)参照)とを更新する(ステップS151)。
ここで、メインCPU3031は、第1停止操作、第2停止操作及び第3停止操作のそれぞれに対応する作動ストップボタンの種別を、押下順序納領域(図119(d)参照)に格納し、押下順序納領域を参照することで、ストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rの押し順を判断することができる。
続いて、メインCPU3031は、ストップボタン未作動カウンタから1を減算し(ステップS152)、作動ストップボタンから検索対象リールを決定し(ステップS153)、図柄カウンタに基づいて停止開始位置をメインRAM3033に格納する(ステップS154)。停止開始位置は、ストップスイッチ3007Sによって停止操作が検出されたときの該当リールの図柄カウンタに対応する図柄位置である。
次に、メインCPU3031は、図130に示す滑り駒数決定処理を実行する(ステップS155)。この滑り駒数決定処理は、回胴停止初期設定テーブル(図107参照)から内部当籤役に基づいて選択される停止テーブル選択データ群に基づいて、停止開始位置に規定された滑り駒数を決定する処理である。
次に、メインCPU3031は、主制御回路3060から副制御回路3070へ送信するリール停止コマンドデータを生成し、生成したリール停止コマンドデータをメインRAM3033に割り当てられた通信データ格納領域に格納するリール停止コマンド送信処理を実行する(ステップS156)。このリール停止コマンドデータは、停止されるリールの種別、停止開始位置及び滑り駒数(又は停止予定位置)等を表す。
次に、メインCPU3031は、停止開始位置と滑り駒数決定データとに基づいて停止予定位置を決定し、メインRAM3033に格納する(ステップS157)。停止予定位置は、滑り駒数として規定されている予め定められた数値「0」〜「4」のうちの何れかを停止開始位置に加算した図柄位置であり、リールの回転が停止する図柄位置である。
次に、メインCPU3031は、停止予定位置を検索図柄位置としてセットする(ステップS158)。次に、メインCPU3031は、図柄コード格納処理(図128参照)を実行する(ステップS159)。
次に、メインCPU3031は、図柄コード格納処理で取得した図柄コードから図柄コード格納領域を更新する(ステップS160)。次に、メインCPU3031は、図135に示す制御変更処理を行う(ステップS161)。この制御変更処理では、特定の停止位置にあった場合に、リール停止情報群が更新される。
次に、メインCPU3031は、押されたストップボタンが放されたか否かを判断する(ステップS162)。この処理は、ストップスイッチ3007Sから信号が出力されなくなったか否かを判断する処理である。
メインCPU3031は、押されたストップボタンが放されていないと判断した場合には(NO)、ステップS162の処理を繰り返し実行する。一方、メインCPU3031は、押されたストップボタンが放されたと判断した場合には(YES)、リール停止コマンド送信処理を実行する(ステップS163)。
このリール停止コマンド送信処理で生成されるリール停止コマンドには、ストップスイッチ3007SのONエッジ/OFFエッジの情報が含まれる。なお、当該ONエッジ/OFFエッジの情報は、割込処理にて監視してサブ制御装置SSに送信するようにしてもよい。
次に、メインCPU3031は、ストップボタン未作動カウンタが0であるか否かを判断する(ステップS164)。ここで、ストップボタン未作動カウンタが0でないと判断した場合には(NO)、メインCPU3031は、引込優先順位格納処理(図126参照)を実行し(ステップS165)、ステップS150の処理を実行する。一方、ストップボタン未作動カウンタが0であると判断した場合には(YES)、メインCPU3031は、リール停止制御処理を終了する。
<滑り駒数決定処理>
図130は、図129に示したリール停止制御処理において実行される滑り駒数決定処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU3031は、図117(b)に示すラインマスクデータテーブルに基づいて、作動ストップボタンに対応するラインマスクデータを選択する処理を行う(ステップS170)。ここで、ラインマスクデータテーブルは、ストップボタンの種別に対応してラインマスクデータを規定している。例えば、遊技者によって操作されたストップボタンが左ストップボタンDD7Lである場合には、ラインマスクデータ「10000000」が選択される。
次に、メインCPU3031は、第1停止時(ストップボタン未作動カウンタの値が2)であるか否かを判断する(ステップS171)。
第1停止時でない場合には(NO)、メインCPU3031は、図131に示す第2・第3停止処理を実行する(ステップS172)。一方、第1停止時である場合には(YES)、メインCPU3031は、操作されたストップボタンが左ストップボタンであるか否かを判断する(ステップS173)。
操作されたストップボタンが左ストップボタンである場合には(YES)、メインCPU3031は、第一回胴停止データテーブル及び図柄カウンタを取得する(ステップS174)。次に、メインCPU3031は、対応する第一回胴停止データテーブルを参照し、図柄カウンタに基づいて、滑り駒数決定データ及びチェンジステータスを取得する(ステップS175)。
一方、ステップS173において、操作されたストップボタンが左ストップボタンでないと判断した場合には、メインCPU3031は、テーブル番号選択データを取得し、対応するストップ用テーブル番号をセットする(ステップS176)。
次に、メインCPU3031は、図132に示すライン変更チェック処理を実行する(ステップS177)。その後、メインCPU3031は、図133に示すラインマスクデータ変更処理を実行する(ステップS178)。
次に、メインCPU3031は、セットされたストップ用テーブル番号を参照し、ラインマスクデータに基づいて、滑り駒数決定データを取得する(ステップS179)。
次に、ステップS179の処理を行った後、又はステップS172あるいはステップS175の処理を行った後、メインCPU3031は、図134に示す優先引込制御処理を実行して(ステップS180)、滑り駒数決定処理を終了する。
<第2・第3停止処理>
図131は、図130に示した滑り駒数決定処理において実行される第2・第3停止処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU3031は、図132に示すライン変更チェック処理を実行する(ステップS192)。ライン変更チェック処理は、ラインステータスを変更ステータス及び変更ビットに応じて変更するか処理である。次に、メインCPU3031は、図133に示すラインマスクデータ変更処理を実行する(ステップS193)。
その後、メインCPU3031は、滑り駒数検索処理を実行し(ステップS194)、第2・第3停止処理を終了する。具体的には、メインCPU3031は、選択されている第一回胴第一停止後停止データテーブル又はストップ用テーブルを参照して、滑り駒数決定データを決定する。
<ライン変更チェック処理>
図132は、図131に示した第2・第3停止処理において実行されるライン変更チェック処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU3031は、変更ステータスが「3」であるか否かを判断する(ステップS200)。ここで、変更ステータスが「3」であると判断した場合には(YES)、メインCPU3031は、ラインステータスをCラインに変更し(ステップS201)、ライン変更チェック処理を終了する。
一方、変更ステータスが「3」でないと判断した場合には(NO)、メインCPU3031は、変更ステータスが「2」であるか否かを判断する(ステップS202)。ここで、変更ステータスが「2」であると判断した場合には(YES)、メインCPU3031は、ラインステータスがAラインであるか否かを判断する(ステップS203)。
ここで、ラインステータスがAラインであると判断した場合には(YES)、メインCPU3031は、ラインステータスをBラインに変更し(ステップS204)、ライン変更チェック処理を終了する。
ステップS202において、変更ステータスが「2」でないと判断した場合には(NO)、メインCPU3031は、該当リールに対するライン変更ビットが「1」であるか否かを判断する(ステップS205)。
ここで、ライン変更ビットが「1」であると判断した場合には(YES)、メインCPU3031は、ライン変更チェック処理をS203に移す。一方、ライン変更ビットが「1」でないと判断した場合には(NO)、メインCPU3031は、ライン変更チェック処理を終了する。
<ラインマスクデータ変更処理>
図133は、図131に示した第2・第3停止処理において実行されるラインマスクデータ変更処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU3031は、ラインステータスがCラインであるか否かを判断する(ステップS210)。ラインステータスがCラインであると判断した場合には(YES)、メインCPU3031は、第2停止時の作動ストップボタンが中ストップボタンDD7Cであるか否か、すなわち、第1停止操作時に左ストップボタンDD7Lが選択され、かつ、第2停止操作時に中ストップボタンDD7Cが選択されたか否かを判断する(ステップS211)。
第2停止時の作動ストップボタンが中ストップボタンDD7Cであると判断した場合には(YES)、メインCPU3031は、ラインマスクデータを右に2回ローテートして(ステップS213)、ラインマスクデータ変更処理を終了する。
例えば、ラインマスクデータ「00000010」を右に2回ローテートすると、「10000000」に変更となる。この変更したラインマスクデータ「10000000」を用いることで、第一回胴第一停止後停止データテーブルのbit7の列を参照できる。
一方、ステップS211において、第2停止時の作動ストップボタンが中ストップボタンDD7Cでないと判定した場合には(NO)、メインCPU3031は、ラインマスクデータを左に2回ローテートして(ステップS213)、ラインマスクデータ変更処理を終了する。
ステップS210において、ラインステータスがCラインでないと判断した場合には(NO)、メインCPU3031は、ラインステータスがBラインであるか否かを判断する(ステップS214)。
ラインステータスがBラインであると判断した場合には、メインCPU3031は、ラインマスクデータを右にローテートし(ステップS215)、ラインマスクデータ変更処理を終了する。一方、ラインステータスがBラインでないと判断した場合には(NO)、メインCPU3031は、ラインマスクデータ変更処理を終了する。
<優先引込制御処理>
図134は、図130に示した滑り駒数決定処理において実行される優先引込制御処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU3031は、滑り駒数決定データに応じた検索順序テーブルをセットする(ステップS220)。次に、メインCPU3031は、検索順序カウンタ及びチェック回数に初期値をセットする(ステップS221)。具体的には、メインCPU3031は、検索順序カウンタには、「1」をセットし、チェック回数には、検索順序テーブルのデータ長を値としてセットする。
次に、メインCPU3031は、滑り駒数決定データに基づいて検索順序テーブルのアドレスを加算して(ステップS222)、検索順序カウンタの値に対応する滑り駒数を取得する(ステップS223)。その後、メインCPU3031は、停止開始時予想アドレスに取得した滑り駒数を加算し、引込優先順位データを取得する(ステップS224)。
続いて、メインCPU3031は、先に取得された引込優先順位データを超えるか否かを判断する(ステップS225)。先に取得された引込優先順位データを超える場合には(YES)、メインCPU3031は、滑り駒数を退避する(ステップS226)。
一方、先に取得された引込優先順位データを超えない場合(NO)、又はステップS226の処理を行った後、メインCPU3031は、チェック回数を「1」減算し、検索順序カウンタを1加算する(ステップS227)。
次に、メインCPU3031は、チェック回数が「0」であるか否かを判断する(ステップS228)。チェック回数が「0」である場合には(YES)、メインCPU3031は、退避された滑り駒数を復帰させて(ステップS229)、優先引込制御処理を終了する。一方、チェック回数が「0」でない場合には(NO)、メインCPU3031は、ステップS223の処理を実行する。
<制御変更処理>
図135は、図129に示したリール停止制御処理において実行される制御変更処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU3031は、順押しであるか否かを判断する(ステップS240)。順押しであると判断した場合には(YES)、メインCPU3031は、第一回胴停止データテーブルに応じた第一回胴第一停止後初期データを取得し、検索回数をセットする(ステップS241)。一方、順押しでないと判断した場合には(NO)、メインCPU3031は、制御変更処理を終了する。
次に、メインCPU3031は、停止予定位置を取得して(ステップS242)、変更対象ポジションを更新する(ステップS243)。次に、メインCPU3031は、更新した変更対象ポジションと停止予定位置とが一致するか否かを判断する(ステップS244)。
更新した変更対象ポジションと停止予定位置とが一致すると判断した場合には(YES)、メインCPU3031は、第一回胴第一停止後変更データテーブルの図柄位置に応じた、変更後の第一回胴第一停止後停止データテーブル番号をセットして(ステップS245)、制御変更処理を終了する。
一方、更新した変更対象ポジションと停止予定位置とが一致しないと判断した場合には(NO)、メインCPU3031は、第一回胴第一停止後初期データの変更ステータスとテーブル番号をセットして(ステップS246)、制御変更処理を終了する。
<ボーナス終了チェック処理>
図136は、図121に示したメイン制御処理において実行されるボーナス終了チェック処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU3031は、現在の遊技状態がBB遊技状態(7BB遊技状態又は鳥BB遊技状態)であるか否かを判断する(ステップS270)。メインCPU3031は、メインRAM3033の遊技状態フラグ格納領域(図119(b)参照)を参照することにより、現在の遊技状態を認識することができる。
現在の遊技状態がBB遊技状態であると判断した場合、メインCPU3031は、BB終了枚数カウンタの値を更新する(ステップS271)。この処理において、メインCPU3031は、BB遊技状態において払い出されたメダルの数を、予め設定されている払出枚数から減算することにより、BB終了枚数カウンタの値を更新する。
次に、メインCPU3031は、BB終了枚数カウンタの値が0よりも小さいか否かを判断する(ステップS272)。
BB終了枚数カウンタの値が0よりも小さいと判断した場合、メインCPU3031は、BB終了処理を行う(ステップS273)。この処理において、メインCPU3031は、BB終了枚数カウンタをクリアするとともに、遊技状態フラグ格納領域(図119(b)参照)のビット0又はビット1を「0」に更新する。
次に、メインCPU3031は、BB終了コマンドデータを生成し、生成したBB終了コマンドデータをメインRAM3033の通信データ格納領域に格納する(ステップS274)。通信データ格納領域に格納されたBB終了コマンドデータは、コマンドデータ送信処理(図138参照)において主制御回路3060から副制御回路3070へ送信される。これにより、副制御回路3070では、BB遊技状態が終了したことを認識することができるようになる。ステップS274の処理を実行した後、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
ステップS272においてBB終了枚数カウンタの値が0以上であると判断した場合、メインCPU3031は、小役が入賞したか否かを判断する(ステップS275)。この処理において、メインCPU3031は、入賞時にメダルが払い出されるコンビネーション(図100A及び図100B参照)が有効ラインに沿って停止表示されたか否かを判断する。
小役が入賞したと判断した場合、メインCPU3031は、入賞回数カウンタの値を1減算する(ステップS276)。
ステップS275において小役が入賞していないと判断した場合、又は、ステップS276の処理を実行した後、メインCPU3031は、遊技可能回数カウンタの値を1減算する(ステップS277)。
次に、メインCPU3031は、入賞回数カウンタの値又は遊技可能回数カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS278)。入賞回数カウンタの値及び遊技可能回数カウンタの値が何れも0ではないと判断した場合、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
一方、入賞回数カウンタの値又は遊技可能回数カウンタの値が0であると判断した場合、メインCPU3031は、RB終了処理を実行する(ステップS279)。この処理において、メインCPU3031は、入賞回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタをクリアするとともに、遊技状態フラグ格納領域(図119(b)参照)のビット3を「0」に更新する。ステップS279の処理を実行した後、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
ステップS270において現在の遊技状態がBB遊技状態ではないと判断した場合、メインCPU3031は、現在の遊技状態がMB遊技状態であるか否かを判断する(ステップS280)。メインCPU3031は、メインRAM3033の遊技状態フラグ格納領域(図119(b)参照)を参照することにより、現在の遊技状態を認識することができる。現在の遊技状態がMB遊技状態ではないと判断した場合、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
一方、現在の遊技状態がMB遊技状態であると判断した場合、メインCPU3031は、CB終了処理を行う(ステップS281)。MB遊技状態においては、単位遊技が1回行われるごとにCB遊技状態が終了する。そして、CB終了処理とCB作動処理(図137のステップS298参照)との繰り返しにより、MB遊技状態においては、MB遊技状態が終了するまでCB遊技状態の終了と作動とが繰り返されることになる。
次に、メインCPU3031は、MB終了枚数カウンタの値を更新する(ステップS282)。この処理において、メインCPU3031は、MB遊技状態において払い出されたメダルの数を、予め設定されている払出枚数から減算することにより、MB終了枚数カウンタの値を更新する。
次に、メインCPU3031は、MB終了枚数カウンタの値が0よりも小さいか否かを判断する(ステップS283)。MB終了枚数カウンタの値が0よりも小さくないと判断した場合、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
一方、MB終了枚数カウンタの値が0よりも小さいと判断した場合、メインCPU3031は、MB終了処理を行う(ステップS284)。この処理において、メインCPU3031は、遊技状態フラグ格納領域(図119(b)参照)のビット2を「0」に更新する。
次に、メインCPU3031は、MB終了コマンドデータを生成し、生成したMB終了コマンドデータをメインRAM3033の通信データ格納領域に格納する(ステップS285)。通信データ格納領域に格納されたMB終了コマンドデータは、コマンドデータ送信処理(図138参照)において主制御回路3060から副制御回路3070へ送信される。これにより、副制御回路3070では、MB遊技状態が終了したことを認識することができるようになる。
ステップS285の処理を実行した後、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
<ボーナス作動チェック処理>
図137は、図121に示したメイン制御処理において実行されるボーナス作動チェック処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU3031は、現在の遊技状態がBB遊技状態(7BB遊技状態又は鳥BB遊技状態)であるか否かを判断する(ステップS290)。メインCPU3031は、メインRAM3033の遊技状態フラグ格納領域(図119(b)参照)を参照することにより、現在の遊技状態を認識することができる。
現在の遊技状態が7BB遊技状態又は鳥BB遊技状態であると判断した場合、メインCPU3031は、RB作動中であるか否かを判断する(ステップS291)。この処理において、メインCPU3031は、メインRAM3033の遊技状態フラグ格納領域(図119(b)参照)を参照することにより、現在の遊技状態がRB遊技状態であるか否かを判断する。
RB作動中ではないと判断した場合、メインCPU3031は、RB作動処理を実行する(ステップS292)。この処理において、メインCPU3031は、遊技状態フラグ格納領域(図119(b)参照)のビット3を「1」に更新するとともに、入賞回数カウンタに「8」をセットし、遊技可能回数カウンタに「8」をセットする。ステップS291においてRB作動中であると判断した場合、又は、ステップS292の処理を実行した後、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
ステップS290において現在の遊技状態が7BB遊技状態でも鳥BB遊技状態でもないと判断した場合、メインCPU3031は、BBが入賞したか否かを判断する(ステップS293)。この処理において、メインCPU3031は、有効ラインに沿って停止表示された図柄組合せがBBに対応する図柄組合せ(図100Aに示す「C_赤7」又は「C_鳥7」に係るコンビネーション)であるか否かを判断する。
BBが入賞したと判断した場合、メインCPU3031は、BB作動処理を行う(ステップS294)。この処理において、メインCPU3031は、遊技状態フラグ格納領域(図119(b)参照)のビット0又は1を「1」に更新する。また、メインCPU3031は、BB終了枚数カウンタに「344」をセットする。BB遊技状態においてメダルが払い出されるごとに、BB終了枚数カウンタの値が減算され、BB終了枚数カウンタの値が0よりも小さくなった場合に、BB遊技状態が終了することとなる(図136のステップS271〜ステップS273参照)。さらに、メインCPU3031は、RB作動処理(ステップS292参照)を実行する。
次に、メインCPU3031は、持越役格納領域(図119(a)参照)の値をクリアする(ステップS295)。
次に、メインCPU3031は、BB開始コマンドデータを生成し、生成したBB開始コマンドデータをメインRAM3033の通信データ格納領域に格納する(ステップS296)。通信データ格納領域に格納されたBB開始コマンドデータは、コマンドデータ送信処理(図138参照)において主制御回路3060から副制御回路3070へ送信される。これにより、副制御回路3070では、BB遊技状態が開始したことを認識することができるようになる。ステップS296の処理を実行した後、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
ステップS293においてBBが入賞していないと判断した場合、メインCPU3031は、現在の遊技状態がMB遊技状態であるか否かを判断する(ステップS297)。メインCPU3031は、メインRAM3033の遊技状態フラグ格納領域(図119(b)参照)を参照することにより、現在の遊技状態を認識することができる。
現在の遊技状態がMB遊技状態であると判断した場合、メインCPU3031は、CB作動処理を行う(ステップS298)。CB作動処理とCB終了処理(図136のステップS281参照)との繰り返しにより、MB遊技状態においては、MB遊技状態が終了するまでCB遊技状態の作動と終了とが繰り返されることになる。ステップS298の処理を実行した後、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
ステップS297において現在の遊技状態がMB遊技状態ではないと判断した場合、メインCPU3031は、MBが入賞したか否かを判断する(ステップS299)。この処理において、メインCPU3031は、有効ラインに沿って停止表示された図柄組合せがMBに対応する図柄組合せ(図100Aに示す「C_BAR」又は「C_鳥BAR」に係るコンビネーション)であるか否かを判断する。
MBが入賞したと判断した場合、メインCPU3031は、MB作動処理を行う(ステップS300)。この処理において、メインCPU3031は、遊技状態フラグ格納領域(図119(b)参照)のビット2を「1」に更新する。また、メインCPU3031は、MB終了枚数カウンタに「119」をセットする。MB遊技状態においてメダルが払い出されるごとに、MB終了枚数カウンタの値が減算され、MB終了枚数カウンタの値が0よりも小さくなった場合に、MB遊技状態が終了することとなる(図136のステップS282〜ステップS284参照)。
そして、メインCPU3031は、CB作動処理を行う(ステップS301)。次に、メインCPU3031は、持越役格納領域(図119(a)参照)の値をクリアする(ステップS302)。
次に、メインCPU3031は、MB開始コマンドデータを生成し、生成したMB開始コマンドデータをメインRAM3033の通信データ格納領域に格納する(ステップS303)。通信データ格納領域に格納されたMB開始コマンドデータは、コマンドデータ送信処理(図138参照)において主制御回路3060から副制御回路3070へ送信される。これにより、副制御回路3070では、MB遊技状態が開始したことを認識することができるようになる。
ステップS299においてMBが入賞していないと判断した場合、メインCPU3031は、リプレイが表示されたか否かを判断する(ステップS304)。具体的には、メインCPU3031は、「C_リプA」と呼ばれる「プラム−プラム−プラム」のコンビネーション、「C_リプB_01」と呼ばれる「BAR−プラム−プラム」のコンビネーション、「C_リプB_02」と呼ばれる「ブランク−プラム−プラム」のコンビネーション、「C_リプC_01」と呼ばれる「赤7−プラム−プラム」のコンビネーション、及び、「C_リプC_02」と呼ばれる「羽−プラム−プラム」のコンビネーションのうちの何れか(図100A参照)が有効ラインに沿って表示されたか否かを判断する。
リプレイが表示されなかったと判断した場合には(NO)、メインCPU3031は、ボーナス作動チェック処理を終了する。一方、リプレイが表示されたと判断した場合には(YES)、メインCPU3031は、自動投入枚数カウンタに投入枚数カウンタの値を複写する自動投入要求を行い(ステップS305)、ボーナス作動チェック処理を終了する。
<メインCPUの制御による割込処理>
図138は、割込処理を示すフローチャートである。この処理は、1.1172ミリ秒ごとに実行される。
まず、メインCPU3031は、レジスタの退避を行う(ステップS320)。次に、メインCPU3031は、図139に示す入力ポートチェック処理を実行する(ステップS321)。この処理では、メインCPU3031は、サブ制御装置SSに送信される信号の有無を確認する。
例えば、メインCPU3031は、スタートスイッチ3006S、ストップスイッチ3007S等のオンエッジ、オフエッジを含む各種スイッチのオンエッジ、オフエッジの情報等を表す入力状態コマンドデータをメインRAM3033の通信データ格納領域に格納する。
次に、メインCPU3031は、タイマ更新処理を実行する(ステップS322)。続いて、メインCPU3031は、演出用タイマ更新処理を実行する(ステップS323)。次に、メインCPU3031は、コマンドデータ送信処理を行う(ステップS324)。この処理において、メインCPU3031は、メインRAM3033の通信データ格納領域に格納されたコマンドデータを副制御回路3070へ送信する。次に、メインCPU3031は、リールRL,RC,RRの回転を制御するリール制御処理を実行する(ステップS325)。
より詳細には、メインCPU3031は、リールRL,RC,RRの回転を開始する旨の要求、すなわち、開始操作に応じて、リールRL,RC,RRの回転を開始するとともに、一定の速度でリールRL,RC,RRが回転するように制御を行う。また、メインCPU3031は、停止操作に応じて、停止操作に対応するリールRL,RC,RRの回転が停止するように制御を行う。
次に、メインCPU3031は、ランプ・7SEG駆動処理を実行する(ステップS326)。例えば、メインCPU3031は、クレジットされているメダルの数、払出枚数等を各種表示部に表示する。次に、メインCPU3031は、レジスタの復帰を行い(ステップS327)、定期的に発生する割込処理を終了する。
<入力ポートチェック処理>
図139は、割込処理において実行される入力ポートチェック処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU3031は、各入力ポートの状態をチェックする(ステップS330)。次に、メインCPU3031は、前回の割り込み、すなわち、1割り込み前の入力ポートの状態をメインRAM3033に格納し(ステップS331)、現在の入力ポートの状態をメインRAM3033に格納する(ステップS332)。
このように、1割り込み前の入力ポートの状態と、現在の入力ポートの状態とを比較することができるようにすることにより、メインCPU3031は、双方の入力ポートの状態を確認することができるようになり、入力ポートの状態に変化があったか、例えば、最大BETボタンDD8や1−BETボタンが押されたか否か等をチェックしている。
次に、メインCPU3031は、オンエッジの状態をメインRAM3033に格納する(ステップS333)。本実施の形態において、オンエッジは、ボタンが押されたままの状態のことをいい、オフエッジは、ボタンが放された状態のことをいう。
次に、メインCPU3031は、主制御回路3060から副制御回路3070へ送信する入力状態コマンドデータを生成し、生成した入力状態コマンドデータをメインRAM3033に割り当てられた通信データ格納領域に格納する入力状態コマンド送信処理を実行して(ステップS334)、入力ポートチェック処理を終了する。
[副制御処理]
副制御回路3070のサブCPU3071は、図140〜図145に示すフローチャートにしたがって各種処理を実行する。
<電源投入処理>
図140は、電源投入時における電源投入処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU3071は、初期化処理を実行する(ステップS350)。この処理では、サブCPU3071は、サブRAM3073等のエラーチェック、タスクシステムの初期化を行う。タスクシステムは、タイマ割込同期のタスクグループであるランプ制御タスク、及びサウンド制御タスクを含む。
次に、サブCPU3071は、図141に示すランプ制御タスクを起動する(ステップS351)。ランプ制御タスクは、サブCPU3071が、サブCPU3071に対して2ミリ秒ごとに送信されるタイマ割込イベントメッセージを受け取るのを待ち、このタイマ割込イベントメッセージを受け取ったことに応じて、各種ランプの点灯状態を制御する処理を実行する処理である。
次に、サブCPU3071は、図142に示すサウンド制御タスクを起動する(ステップS352)。サウンド制御タスクでは、スピーカDD25L,DD25Rからの出音状態がサブCPU3071によって制御される。次に、サブCPU3071は、マザータスクを起動し(ステップS353)、電源投入処理を終了する。
<ランプ制御タスク>
図141は、図140に示した電源投入処理において起動されるランプ制御タスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU3071は、タイマ割込初期化処理を実行する(ステップS360)。次に、サブCPU3071は、ランプ関連データの初期化処理を実行する(ステップS361)。
次に、サブCPU3071は、タイマ割込待ちを実行する(ステップS362)。この処理では、サブCPU3071が2ミリ秒ごとにタイマ割込イベントメッセージを受け取るまでの間、サブCPU3071は、タイマ割込同期とは異なるタスクグループを実行する。
タイマ割込同期とは異なるタスクグループとして、例えば、コマンド受信割込同期のタスクグループである主基板通信タスクが挙げられる。また、電源割込同期のタスクグループ(図示せず)や、ドア監視ユニット通信同期のタスクグループ(図示せず)等が挙げられる。
次に、サブCPU3071は、図142に示すサウンド制御タスクを実行する(ステップS363)。この処理では、ランプ制御タスクと同一グループであるタイマ割込同期のタスクグループの次の優先順位にあるタスクを実行する。
本実施の形態において、タイマ割込同期のタスクグループの優先順位は、基本的に、ランプ制御タスク、サウンド制御タスクの順としている。したがって、ステップS363では、ランプ制御タスクの次の優先順位にあるサウンド制御タスクを実行する。なお、ステップS363では、図142に示したサウンド制御タスクのうち、ステップS372及びステップS373の処理が実行される。
次に、サブCPU3071は、ランプデータ解析処理を実行し(ステップS364)、ランプ演出実行処理を実行し(ステップS365)、ステップS362の処理を実行する。
<サウンド制御タスク>
図142は、図140に示した電源投入処理において起動されるサウンド制御タスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU3071は、スピーカDD25L,DD25Rからの出音状態に関連するサウンド関連データの初期化処理を実行する(ステップS370)。次に、サブCPU3071は、サウンド制御タスクと同一グループであるタイマ割込同期のタスクグループの次の優先順位にあるタスク、すなわち、ランプ制御タスクを実行する(ステップS371)。
次に、サブCPU3071は、サウンドデータの解析処理を実行し(ステップS372)、サウンド演出実行処理を行い(ステップS373)、ステップS371の処理を実行する。
<主基板通信タスク>
図143は、図140に示した電源投入処理において起動されたマザータスクにおいて起動される主基板通信タスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU3071は、通信メッセージキューの初期化を実行し(ステップS380)、受信コマンドのチェックを実行する(ステップS381)。
次に、サブCPU3071は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判断する(ステップS382)。ここで、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU3071は、ステップS381の処理を実行する。
一方、前回とは異なるコマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU3071は、受信したコマンドが正規のコマンドであると判断して、受信したコマンドから遊技情報を作成し、作成した遊技情報をサブRAM3073に格納する(ステップS383)。次に、サブCPU3071は、図144に示すコマンド解析処理を実行し(ステップS384)、ステップS381の処理を実行する。
<コマンド解析処理>
図144は、図143に示した主基板通信タスクにおいて実行されるコマンド解析処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU3071は、図145に示す演出内容決定処理を実行し(ステップS390)、ランプデータ決定処理を実行し(ステップS391)、サウンドデータ決定処理を実行し(ステップS392)、決定された各データを登録し(ステップS393)、コマンド解析処理を終了する。
<演出内容決定処理>
図145は、図144に示したコマンド解析処理において実行される演出内容決定処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU3071は、初期化コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS400)。ここで、初期化コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU3071は、初期化コマンド受信時処理を実行し(ステップS401)、演出内容決定処理を終了する。初期化コマンド受信時処理では、例えば、初期化コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、初期化コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU3071は、メダル投入コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS402)。ここで、メダル投入コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU3071は、メダル投入コマンド受信時処理を実行し(ステップS403)、演出内容決定処理を終了する。メダル投入コマンド受信時処理では、例えば、メダル投入コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、メダル投入コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU3071は、スタートコマンドを受信したか否かを判断する(ステップS404)。ここで、スタートコマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU3071は、スタートコマンド受信時処理を実行し(ステップS405)、演出内容決定処理を終了する。スタートコマンド受信時処理では、例えば、スタートコマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、スタートコマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU3071は、リール回転開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS406)。ここで、リール回転開始コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU3071は、リール回転開始コマンド受信時処理を実行し(ステップS407)、演出内容決定処理を終了する。リール回転開始コマンド受信時処理では、例えば、リール回転開始コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、リール回転開始コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU3071は、リール停止コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS408)。ここで、リール停止コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU3071は、リール停止コマンド受信時処理を実行し(ステップS409)、演出内容決定処理を終了する。リール停止コマンド受信時処理では、例えば、リール停止コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、リール停止コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU3071は、演出用遊技ロックコマンドを受信したか否かを判断する(ステップS410)。ここで、演出用遊技ロックコマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU3071は、演出用遊技ロックコマンド受信時処理を実行し(ステップS411)、演出内容決定処理を終了する。演出用遊技ロックコマンド受信時処理では、例えば、演出用遊技ロックコマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。演出用遊技ロックコマンド受信時処理については、後に図150(a)を用いて説明する。
一方、演出用遊技ロックコマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU3071は、入賞作動コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS412)。ここで、入賞作動コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU3071は、入賞作動コマンド受信時処理を実行し(ステップS413)、演出内容決定処理を終了する。入賞作動コマンド受信時処理では、例えば、入賞作動コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、入賞作動コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU3071は、ボーナス開始コマンド(BB開始コマンド又はMB開始コマンド)を受信したか否かを判断する(ステップS414)。ここで、ボーナス開始コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU3071は、ボーナス開始コマンド受信時処理を実行し(ステップS415)、演出内容決定処理を終了する。ボーナス開始コマンド受信時処理では、例えば、ボーナス開始コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、ボーナス開始コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU3071は、ボーナス終了コマンド(BB終了コマンド又はMB終了コマンド)を受信したか否かを判断する(ステップS416)。ここで、ボーナス終了コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU3071は、ボーナス終了コマンド受信時処理を実行し(ステップS417)、演出内容決定処理を終了する。ボーナス終了コマンド受信時処理では、例えば、ボーナス終了コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、ボーナス終了コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU3071は、入力状態コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS418)。ここで、入力状態コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU3071は、入力状態コマンド受信時処理を実行し(ステップS419)、演出内容決定処理を終了する。
入力状態コマンド受信時処理では、例えば、メインCPU3031は、入力状態コマンドとして、各操作部がオンエッジ状態であるか、オフエッジ状態であるかを送信する。一方、ステップS418において、入力状態コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU3071は、演出内容決定処理を終了する。
<演出用遊技ロック(バックライト演出)>
図146(a)は、主制御回路において行われるロック時間抽籤処理を示すフローチャートである。図146(b)は、演出用遊技停止番号とロック時間との対応関係を示す図である。図147A及び図147Bは、ロック時間抽籤テーブルを示す図である。図148は、主制御回路において行われる演出用遊技ロック処理を示すフローチャートである。図149は、主制御回路において行われる演出用遊技停止番号上書処理を示すフローチャートである。図150(a)は、副制御回路において行われる演出用遊技ロックコマンド受信時処理を示すフローチャートである。図150(b)は、演出用遊技停止番号と演出内容との対応関係を示す図である。図151A及び図151Bは、バックライト演出の具体的態様について説明するための図である。
本実施形態では、全てのリールRL,RC,RRの回転が停止した後、遊技ロック(演出用遊技ロック)が行われる場合がある。遊技ロックは、遊技者による操作を所定時間無効化するリール演出である。具体的に、演出用遊技ロックが行われると、全てのリールRL,RC,RRがロック(全回胴ロック)され、所定時間が経過するまで、遊技者による操作(例えば、BETボタンやスタートレバーDD6の操作)が無効化される。
このような演出用遊技ロックが発生した場合には、同時にバックライト演出(リールバックライトを用いた演出)が行われる。図示しないが、各リールRL,RC,RRには、リールバックライトとしてLEDが複数配設されている。これらのLEDは、メイン表示窓DD4の枠内に停止表示された9個の図柄を1個ずつ個別に照射することができるように、各リールRL,RC,RRにおけるリール本体の内側に配置されている。なお、各図柄を照射するためのLEDは、それぞれ多数設けられており、各リールRL,RC,RRにおいて複雑な点灯パターンを有するバックライト演出を実現することができるようになっている。
具体的に、バックライト演出としては、10種類の演出(「疾風」、「ダブルウインク」、「羽吹雪」、「V字」、「来襲」、「逆ナイアガラ」、「ハリケーン」、「横3本+V」、「噴水」、及び、「SPフラッシュ」)が設けられている。各バックライト演出は、リールバックライトの点灯パターンが互いに異なっている。
「疾風」、「ダブルウインク」、「羽吹雪」、「V字」、「来襲」、「逆ナイアガラ」、「ハリケーン」、「横3本+V」、及び、「噴水」については、図151A及び図151Bに示している。具体的に、図151A(a)では「疾風」について示し、図151A(b)では「ダブルウインク」について示し、図151A(c)では「羽吹雪」について示し、図151A(d)では「V字」について示し、図151A(e)では「来襲」について示し、図151A(f)では「逆ナイアガラ」について示し、図151B(a)では「ハリケーン」について示し、図151B(b)では「横3本+V」について示し、図151B(c)では「噴水」について示している。
例えば、図151A(a)に示すように、「疾風」では、「左リールRLの上段領域に対応するLED」から「右リールRRの下段領域に対応するLED」へと順次LEDが点灯するとともに、「右リールRRの上段領域に対応するLED」から「左リールRLの下段領域に対応するLED」へと順次LEDが点灯する。また、図151A(f)に示すように、「逆ナイアガラ」では、「左リールRLの下段領域に対応するLED」から「左リールRLの上段領域に対応するLED」へと順次LEDが点灯し、「中リールRCの下段領域に対応するLED」から「中リールRCの上段領域に対応するLED」へと順次LEDが点灯し、「右リールRRの下段領域に対応するLED」から「右リールRRの上段領域に対応するLED」へと順次LEDが点灯し、各リールRL,RC,RRにおけるLEDの点灯は、略同時に発生する。なお、何れのバックライト演出においても、LEDを点灯させる時間はごく僅かであり、点灯しているLEDが移動しているような外観を呈する。
「疾風」、「ダブルウインク」、「羽吹雪」、「V字」、「来襲」、「逆ナイアガラ」、「ハリケーン」、「横3本+V」、及び、「噴水」がリールバックライトのみを用いた演出であるのに対し、「SPフラッシュ」は、リールバックライトに加え、遊技機1の備えているLED(ランプ)のうちリールバックライト以外のLEDも用いて行われる演出である。図示しないが、「SPフラッシュ」では、例えば、図74に示す間接照明ユニット1060等を用いて、筐体2全体を周回するように各LEDが点灯する。
図150(b)に示すように、このような10種類のバックライト演出は、それぞれ、演出用遊技停止番号「1」〜「10」のうちの何れかと対応付けられている。具体的に、「疾風」は、演出用遊技停止番号「1」と対応付けられ、「ダブルウインク」は、演出用遊技停止番号「2」と対応付けられ、「羽吹雪」は、演出用遊技停止番号「3」と対応付けられ、「V字」は、演出用遊技停止番号「4」と対応付けられ、「来襲」は、演出用遊技停止番号「5」と対応付けられ、「逆ナイアガラ」は、演出用遊技停止番号「6」と対応付けられ、「ハリケーン」は、演出用遊技停止番号「7」と対応付けられ、「横3本+V」は、演出用遊技停止番号「8」と対応付けられ、「噴水」は、演出用遊技停止番号「9」と対応付けられ、「SPフラッシュ」は、演出用遊技停止番号「10」と対応付けられている。なお、バックライト演出が行われない場合に対しては、演出用遊技停止番号「0」が割り当てられている。
図146(b)に示すように、演出用遊技停止番号「1」〜「10」は、それぞれ、「ロック時間」と対応付けられている。「ロック時間」は、演出用遊技ロックにおいて遊技者による操作が無効化される時間である。具体的に、演出用遊技停止番号「1」は、「768ms」と対応付けられ、演出用遊技停止番号「2」は、「623ms」と対応付けられ、演出用遊技停止番号「3」は、「1039ms」と対応付けられ、演出用遊技停止番号「4」は、「831ms」と対応付けられ、演出用遊技停止番号「5」は、「1039ms」と対応付けられ、演出用遊技停止番号「6」は、「416ms」と対応付けられ、演出用遊技停止番号「7」は、「1247ms」と対応付けられ、演出用遊技停止番号「8」は、「1766」ms」と対応付けられ、演出用遊技停止番号「9」は、「1247ms」と対応付けられ、演出用遊技停止番号「10」は、「6600ms」と対応付けられている。
演出用遊技停止番号「7」〜「10」に対応するロック時間は、相対的に長くなっており、特に、演出用遊技停止番号「10」に対応するロック時間は、他の演出用遊技停止番号に対応するロック時間と比較して、かなり長くなっている。
各演出用遊技停止番号に対応するロック時間は、当該演出用遊技停止番号に対応するバックライト演出の行われる時間(演出時間)と略一致する(あるいは、ロック時間が演出時間よりも僅かに長く設定されている)。例えば、「疾風」は、最初のLEDが点灯してから最後のLEDが消灯するまでの時間が略768msであり、「SPフラッシュ」は、最初のLEDが点灯してから最後のLEDが消灯するまでの時間が略6600msである。これにより、バックライト演出は、必ず、演出用遊技ロックが行われている期間中に行われ、演出用遊技ロックが行われていないときにバックライト演出が行われることがないように制御されている。
以下、図146〜図150を用いて、演出用遊技ロック及びバックライト演出について、さらに詳細に説明する。
<ロック時間抽籤処理>
図146(a)を用いて、主制御回路3060において行われるロック時間抽籤処理について説明する。ロック時間抽籤処理は、図121(メイン制御処理)のステップS16において行われる処理である。
ロック時間抽籤処理において、まず、メインCPU3031は、現在の遊技状態がボーナス状態(7BB遊技状態、鳥BB遊技状態、及び、MB遊技状態のうちの何れか)であるか否かを判断する(ステップS1001)。メインCPU3031は、メインRAM3033の遊技状態フラグ格納領域(図119(b)参照)を参照することにより、現在の遊技状態を認識することができる。
現在の遊技状態がボーナス状態であると判断した場合、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
一方、現在の遊技状態がボーナス状態ではない(RT0遊技状態、7BBフラグ間状態、鳥BBフラグ間状態、又は、MBフラグ間状態である)と判断した場合、メインCPU3031は、ロック時間抽籤テーブル(図147A及び図147B参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、演出用遊技停止番号を決定する(ステップS1002)。
ロック時間抽籤テーブルとしては、RT0遊技状態用ロック時間抽籤テーブル(図147A(a)参照)、7BB当籤ゲーム用ロック時間抽籤テーブル(図147A(b)参照)、鳥BB当籤ゲーム用ロック時間抽籤テーブル(図147A(c)参照)、MB当籤ゲーム用ロック時間抽籤テーブル(図147B(a)参照)、BBフラグ間状態用ロック時間抽籤テーブル(図147B(b)参照)、及び、MBフラグ間状態用ロック時間抽籤テーブル(図147B(c)参照)が設けられている。
ステップS1002の処理において、メインCPU3031は、現在の遊技状態がRT0遊技状態である場合、RT0遊技状態用ロック時間抽籤テーブル(図147A(a)参照)を参照する。また、メインCPU3031は、現在行われている単位遊技において、「F_7BB」が内部当籤役として決定されることによりRT0遊技状態から7BBフラグ間状態へと遊技状態が移行した場合、7BB当籤ゲーム用ロック時間抽籤テーブル(図147A(b)参照)を参照する。また、メインCPU3031は、現在行われている単位遊技において、「F_鳥BB」が内部当籤役として決定されることによりRT0遊技状態から鳥BBフラグ間状態へと遊技状態が移行した場合、鳥BB当籤ゲーム用ロック時間抽籤テーブル(図147A(c)参照)を参照する。
また、メインCPU3031は、現在行われている単位遊技において、「F_MB」が内部当籤役として決定されることによりRT0遊技状態からMBフラグ間状態へと遊技状態が移行した場合、MB当籤ゲーム用ロック時間抽籤テーブル(図147B(a)参照)を参照する。また、メインCPU3031は、現在の遊技状態がBBフラグ間状態である場合、BBフラグ間状態用ロック時間抽籤テーブル(図147B(b)参照)を参照する。また、メインCPU3031は、現在の遊技状態がMBフラグ間状態である場合、MBフラグ間状態用ロック時間抽籤テーブル(図147B(c)参照)を参照する。
図147A及び図147Bに示すロック時間抽籤テーブルにおいては、内部当籤役(「はずれ」、「リプ」、「羽A」、「ブドウ」、「羽鳥」、「チェリーA」、「チェリーB」、「特殊A」、「特殊B」、「特殊C」、「特殊D」、「1枚はずれ」、及び、「羽B」)ごとに、演出用遊技停止番号「0」〜「10」と抽籤値とが対応付けて規定されている。図中、「リプ」は、「F_リプレイ」(図102〜図106参照)を示し、「羽A」は、「F_羽A」(図102〜図106参照)を示し、「ブドウ」は、「F_ブドウA」及び「F_ブドウB」(図102〜図106参照)を示し、「羽鳥」は、「F_羽鳥」(図102〜図106参照)を示し、「チェリーA」は、「F_チェリーA」(図102〜図106参照)を示し、「チェリーB」は、「F_チェリーB」(図102〜図106参照)を示し、「特殊A」は、「F_特殊A」(図102〜図106参照)を示し、「特殊B」は、「F_特殊B」(図102〜図106参照)を示し、「特殊C」は、「F_特殊C」(図102〜図106参照)を示し、「特殊D」は、「F_特殊D」(図102〜図106参照)を示し、「1枚はずれ」は、1枚掛け遊技において内部当籤し得る役のうちボーナス役以外の役、すなわち、「F_共通リプ」、「F_共通羽」、「F_共通チェリーA」、及び、「F_共通チェリーB」(図102〜図106参照)を示し、「羽B」は、「F_羽B」(図102〜図106参照)を示す。
図146(a)のステップS1002の処理において、メインCPU3031は、一のロック時間抽籤テーブル(図147A及び図147B参照)を参照し、図121のステップS14で決定した内部当籤役とステップS13で格納した乱数値とに基づいて、「0」〜「10」の演出用遊技停止番号のなかから一の演出用遊技停止番号を決定する。なお、ロック時間抽籤テーブル(図147A及び図147B参照)は、メインROM3032に記憶されている。
ステップS1002の処理を実行した後、メインCPU3031は、ステップS1002で決定した演出用遊技停止番号が「0」であるか否かを判断する(ステップS1003)。
ステップS1002で決定した演出用遊技停止番号が「0」ではないと判断した場合、メインCPU3031は、当該演出用遊技停止番号(「1」〜「10」の何れか)を示すデータを、メインRAM3033に設けられた演出用遊技停止番号格納領域(図示せず)に格納する(ステップS1004)。
ステップS1003において演出用遊技停止番号が「0」であると判断した場合、又は、ステップS1004の処理を実行した後、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
<演出用遊技ロック処理>
図148及び図149を用いて、主制御回路3060において行われる演出用遊技ロック処理について説明する。演出用遊技ロック処理は、図121(メイン制御処理)のステップS24において行われる処理である。
演出用遊技ロック処理において、まず、メインCPU3031は、メインRAM3033の演出用遊技停止番号格納領域(図146(a)のステップS1004参照)に「1」〜「10」のうちの何れかの演出用遊技停止番号を示すデータが格納されているか否かを判断する(ステップS1021)。
メインRAM3033の演出用遊技停止番号格納領域に「1」〜「10」のうちの何れの演出用遊技停止番号を示すデータも格納されていないと判断した場合、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
一方、メインRAM3033の演出用遊技停止番号格納領域に「1」〜「10」のうちの何れかの演出用遊技停止番号を示すデータが格納されていると判断した場合、メインCPU3031は、演出用遊技停止番号上書処理を実行する(ステップS1022)。
ここで、図149を用いて、演出用遊技停止番号上書処理について説明する。
演出用遊技停止番号上書処理において、まず、メインCPU3031は、現在の遊技状態がフラグ間状態(7BBフラグ間状態、鳥BBフラグ間状態、及び、MBフラグ間状態のうちの何れか)であるか否かを判断する(ステップS1041)。メインCPU3031は、メインRAM3033の持越役格納領域(図119(a)参照)を参照することにより、現在の遊技状態を認識することができる。
現在の遊技状態がフラグ間状態であると判断した場合、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
一方、現在の遊技状態がフラグ間状態ではない(RT0遊技状態である)と判断した場合、メインCPU3031は、内部当籤役がブドウであるか否かを判断する(ステップS1042)。この処理において、メインCPU3031は、図121のステップS14で決定した内部当籤役が「F_ブドウA」及び「F_ブドウB」のうちの何れかであるか否かを判断する。
内部当籤役が「F_ブドウA」及び「F_ブドウB」の何れでもないと判断した場合、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
一方、内部当籤役が「F_ブドウA」及び「F_ブドウB」のうちの何れかであると判断した場合、メインCPU3031は、ブドウ(「ブドウ1」図柄及び「ブドウ2」図柄のみから構成されるコンビネーション)が入賞したか否かを判断する(ステップS1043)。この処理において、メインCPU3031は、有効ラインに沿って停止表示された図柄組合せがブドウに対応する図柄組合せ(図100Aに示す「C_ブドウ_01」〜「C_ブドウ_08」に係るコンビネーションのうちの何れか)であるか否かを判断する。
ブドウが入賞したと判断した場合、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
一方、ブドウが入賞していないと判断した場合、メインCPU3031は、チェリー(左リールRLにおける図柄が「チェリー1」図柄又は「チェリー2」図柄であるコンビネーション)が入賞したか否かを判断する(ステップS1044)。この処理において、メインCPU3031は、有効ラインに沿って停止表示された図柄組合せがチェリーに対応する図柄組合せ(図100Aに示す「C_チェリA_01」〜「C_チェリA_07」、「C_チェリD_01」〜「C_チェリD_07」、「C_チェリE_01」〜「C_チェリE_18」、「C_チェリF」、「C_チェリG」、「C_チェリH」、「C_チェリI」、及び、「C_チェリJ」に係るコンビネーションのうちの何れか)であるか否かを判断する。
ここで、ステップS1044の処理は、「F_ブドウA」又は「F_ブドウB」が内部当籤役として決定されたことを条件として実行されるところ(ステップS1042参照)、内部当籤役が「F_ブドウA」又は「F_ブドウB」である場合、「C_チェリB_01」〜「C_チェリB_04」、「C_チェリC」、「C_チェリK_01」〜「C_チェリK_06」、「C_チェリL_01」〜「C_チェリL_24」、「C_チェリM」、「C_チェリN」、「C_チェリO_01」〜「C_チェリO_05」、「C_チェリP_01」〜「C_チェリP_02」、「C_チェリQ_01」〜「C_チェリQ_02」、「C_チェリR_01」〜「C_チェリR_04」、及び、「C_チェリS」に係るコンビネーションは、有効ライン上に表示され得ないため(図101A〜図101C参照)、これらのコンビネーションについては、ステップS1044の処理における判断対象から除外されている。
ステップS1044の処理においてチェリーが入賞していないと判断した場合、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
一方、チェリーが入賞したと判断した場合、メインCPU3031は、メインRAM3033の演出用遊技停止番号格納領域に格納されている演出用遊技停止番号を示すデータを、演出用遊技停止番号「2」を示すデータに上書きする(ステップS1045)。ステップS1045の処理は、RT0遊技状態において「F_ブドウA」又は「F_ブドウB」が内部当籤役として決定されたことを条件として実行されるところ(ステップS1041及びステップS1042参照)、RT0遊技状態において内部当籤役が「F_ブドウA」又は「F_ブドウB」である場合には、演出用遊技停止番号として、「7」、「8」、及び、「9」のうちの何れかが決定され得る(図147A(a)参照)。ステップS1045の処理は、演出用遊技停止番号格納領域に格納されている演出用遊技停止番号を示すデータを、「7」〜「9」の何れかを示すデータから、「2」を示すデータに変更する処理である。
ステップS1045の処理を実行した後、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
以上、図149を用いて、図148のステップS1022で行われる演出用遊技停止番号上書処理について説明した。図148に説明を戻す。
図148のステップS1022の処理を実行した後、メインCPU3031は、演出用遊技ロックフラグをオンにセットする(ステップS1023)。演出用遊技ロックフラグは、演出用遊技ロックが実行される期間であることを示すフラグである。
次に、メインCPU3031は、演出用遊技停止番号に対応する値を演出用遊技ロックタイマにセットする(ステップS1024)。この処理において、メインCPU3031は、メインRAM3033の演出用遊技停止番号格納領域に格納されている演出用遊技停止番号を示すデータに基づいて、該演出用遊技停止番号に対応するロック時間(図146(b)参照)に応じた値を演出用遊技ロックタイマにセットする。演出用遊技停止番号とロック時間との対応関係を示すテーブルがメインROM3032に記憶されており、メインCPU3031は、当該テーブルを参照することにより、演出用遊技停止番号に対応するロック時間を特定することができる。
演出用遊技ロックタイマは、図138の演出用タイマ更新処理(ステップS323)により更新される。図138のステップS323の処理において、メインCPU3031は、更新後の演出用遊技ロックタイマが0である場合、演出用遊技ロックフラグをオフにセットする。これにより、演出用遊技ロックが終了されることとなる(ステップS1027参照)。
次に、メインCPU3031は、演出用遊技ロックコマンドデータを生成し、生成した演出用遊技ロックコマンドデータをメインRAM3033の通信データ格納領域に格納する(ステップS1025)。通信データ格納領域に格納された演出用遊技ロックコマンドデータは、コマンドデータ送信処理(図138参照)において主制御回路3060から副制御回路3070へ送信される。これにより、副制御回路3070では、演出用遊技ロックが発生したことを認識することができるようになる。
次に、メインCPU3031は、メインRAM3033の演出用遊技停止番号格納領域に格納されている演出用遊技停止番号を示すデータをクリアする(ステップS1026)。
次に、メインCPU3031は、演出用遊技ロックフラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1027)。
演出用遊技ロックフラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU3031は、ステップS1027に処理を戻す。一方、演出用遊技ロックフラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。これにより、演出用遊技停止番号に対応する時間だけ、演出用遊技ロックが行われることになる。
<演出用遊技ロックコマンド受信時処理>
図150(a)を用いて、副制御回路3070において行われる演出用遊技ロックコマンド受信時処理について説明する。演出用遊技ロックコマンド受信時処理は、演出用遊技ロックコマンドデータ(図148のステップS1025参照)を受信したことを契機として、図145(演出内容決定処理)のステップS411において行われる処理である。
演出用遊技ロックコマンド受信時処理において、サブCPU3071は、演出用遊技停止番号に対応する演出データをセットする(ステップS1100)。図145のステップS410で受信する演出用遊技ロックコマンドデータに、メインRAM3033の演出用遊技停止番号格納領域に格納されている演出用遊技停止番号を示すデータが含まれるため、演出用遊技ロックコマンドデータを受信することにより、サブCPU3071は、演出用遊技停止番号を認識することができる。
ステップS1100の処理において、サブCPU3071は、演出用遊技ロックコマンドデータに含まれる演出用遊技停止番号を示すデータに基づいて、該演出用遊技停止番号に対応するバックライト演出(図150(b)参照)に応じた演出データを、今回の演出に用いられるデータに決定する。演出用遊技停止番号とバックライト演出の内容との対応関係を示すテーブルがサブROM3072に記憶されており、サブCPU3071は、当該テーブルを参照することにより、演出用遊技停止番号に対応するバックライト演出を特定することができる。バックライト演出に対応する演出データも、サブROM3072に記憶されている。
ステップS1100の処理を実行した後、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。図150(a)に示す演出用遊技ロックコマンド受信時処理が実行されることにより、演出用遊技停止番号に対応するバックライト演出が行われることになる。
<バックライト演出によるボーナス当籤示唆>
以上、図146〜図150を用いて、演出用遊技ロック及びバックライト演出について、説明した。
本実施形態では、以上のようにして行われるバックライト演出を通じて、遊技者に対して、ボーナス役(「F_7BB」、「F_鳥BB」、又は、「F_MB」)が内部当籤役として決定されたことを知る機会が提供される。
図147A(a)に示すRT0遊技状態用ロック時間抽籤テーブルにおいては、演出用遊技停止番号「1」に対する抽籤値として、0よりも大きな値が設定されている内部当籤役は、「リプ」及び「チェリーB」である。このことは、RT0遊技状態において演出用遊技停止番号「1」に対応するバックライト演出(「疾風」)が行われた場合、「F_リプレイ」又は「F_チェリーB」が内部当籤役として決定されたことを意味する。
同様に、図147A(a)に示すRT0遊技状態用ロック時間抽籤テーブルにおいては、演出用遊技停止番号「2」に対する抽籤値として、0よりも大きな値が設定されている内部当籤役は、「羽鳥」、「チェリーA」、及び、「チェリーB」である。このことは、RT0遊技状態において演出用遊技停止番号「2」に対応するバックライト演出(「ダブルウインク」)が行われた場合、「F_羽鳥」、「F_チェリーA」、又は、「F_チェリーB」が内部当籤役として決定されたことを意味する。
同様に、図147A(a)に示すRT0遊技状態用ロック時間抽籤テーブルにおいては、演出用遊技停止番号「3」に対する抽籤値として、0よりも大きな値が設定されている内部当籤役は、「羽A」、「チェリーA」、「チェリーB」、及び、「羽B」である。このことは、RT0遊技状態において演出用遊技停止番号「3」に対応するバックライト演出(「羽吹雪」)が行われた場合、「F_羽A」、「F_チェリーA」、「F_チェリーB」、又は、「F_羽B」が内部当籤役として決定されたことを意味する。
同様に、図147A(a)に示すRT0遊技状態用ロック時間抽籤テーブルにおいては、演出用遊技停止番号「4」に対する抽籤値として、0よりも大きな値が設定されている内部当籤役は、「羽A」、「羽鳥」、及び、「羽B」である。このことは、RT0遊技状態において演出用遊技停止番号「4」に対応するバックライト演出(「V字」)が行われた場合、「F_羽A」、「F_羽鳥」、又は、「F_羽B」が内部当籤役として決定されたことを意味する。
同様に、図147A(a)に示すRT0遊技状態用ロック時間抽籤テーブルにおいては、演出用遊技停止番号「5」に対する抽籤値として、0よりも大きな値が設定されている内部当籤役は、「羽鳥」及び「チェリーB」である。このことは、RT0遊技状態において演出用遊技停止番号「5」に対応するバックライト演出(「来襲」)が行われた場合、「F_羽鳥」又は「F_チェリーB」が内部当籤役として決定されたことを意味する。
同様に、図147A(a)に示すRT0遊技状態用ロック時間抽籤テーブルにおいては、演出用遊技停止番号「6」に対する抽籤値として、0よりも大きな値が設定されている内部当籤役は、「リプ」である。このことは、RT0遊技状態において演出用遊技停止番号「6」に対応するバックライト演出(「逆ナイアガラ」)が行われた場合、「F_リプレイ」が内部当籤役として決定されたことを意味する。
同様に、図147A(a)に示すRT0遊技状態用ロック時間抽籤テーブルにおいては、演出用遊技停止番号「7」に対する抽籤値として、0よりも大きな値が設定されている内部当籤役は、「ブドウ」及び「羽鳥」である。このことは、RT0遊技状態において演出用遊技停止番号「7」に対応するバックライト演出(「ハリケーン」)が行われた場合、「F_ブドウA」、「F_ブドウB」、又は、「F_羽鳥」が内部当籤役として決定されたことを意味する。
同様に、図147A(a)に示すRT0遊技状態用ロック時間抽籤テーブルにおいては、演出用遊技停止番号「8」に対する抽籤値として、0よりも大きな値が設定されている内部当籤役は、「ブドウ」である。このことは、RT0遊技状態において演出用遊技停止番号「8」に対応するバックライト演出(「横3本+V」)が行われた場合、「F_ブドウA」又は「F_ブドウB」が内部当籤役として決定されたことを意味する。
同様に、図147A(a)に示すRT0遊技状態用ロック時間抽籤テーブルにおいては、演出用遊技停止番号「9」に対する抽籤値として、0よりも大きな値が設定されている内部当籤役は、「ブドウ」である。このことは、RT0遊技状態において演出用遊技停止番号「9」に対応するバックライト演出(「噴水」)が行われた場合、「F_ブドウA」又は「F_ブドウB」が内部当籤役として決定されたことを意味する。
同様に、図147A(a)に示すRT0遊技状態用ロック時間抽籤テーブルにおいては、演出用遊技停止番号「10」に対する抽籤値として、0よりも大きな値が設定されている内部当籤役は存在しない。このことは、RT0遊技状態においては、演出用遊技停止番号「10」に対応するバックライト演出(「SPフラッシュ」)が行われないことを意味する。
以上のように、RT0遊技状態用ロック時間抽籤テーブル(図147A(a)参照)には、RT0遊技状態において発生し得るバックライト演出の種別と、当該バックライト演出が発生した場合に当籤している可能性のある内部当籤役との対応関係が示されている。
同様に、7BB当籤ゲーム用ロック時間抽籤テーブル(図147A(b)参照)には、7BB当籤ゲームにおいて発生し得るバックライト演出の種別と、当該バックライト演出が発生した場合に当籤している可能性のある内部当籤役との対応関係が示されている。また、鳥BB当籤ゲーム用ロック時間抽籤テーブル(図147A(c)参照)には、鳥BB当籤ゲームにおいて発生し得るバックライト演出の種別と、当該バックライト演出が発生した場合に当籤している可能性のある内部当籤役との対応関係が示されている。また、MB当籤ゲーム用ロック時間抽籤テーブル(図147B(a)参照)には、MB当籤ゲームにおいて発生し得るバックライト演出の種別と、当該バックライト演出が発生した場合に当籤している可能性のある内部当籤役との対応関係が示されている。
また、BBフラグ間状態用ロック時間抽籤テーブル(図147B(b)参照)には、BBフラグ間状態(BB当籤ゲームを除く)において発生し得るバックライト演出の種別と、当該バックライト演出が発生した場合に当籤している可能性のある内部当籤役との対応関係が示されている。また、MBフラグ間状態用ロック時間抽籤テーブル(図147B(c)参照)には、MBフラグ間状態(MB当籤ゲームを除く)において発生し得るバックライト演出の種別と、当該バックライト演出が発生した場合に当籤している可能性のある内部当籤役との対応関係が示されている。
以上のような対応関係は、RT0遊技状態と7BB当籤ゲームと鳥BB当籤ゲームとMB当籤ゲームとBBフラグ間状態(BB当籤ゲームを除く)とMBフラグ間状態(MB当籤ゲームを除く)とで、互いに異なっている。これにより、RT0遊技状態における上記対応関係とは異なる対応関係が発生した場合、当該対応関係のズレに気付いた遊技者は、遊技状態がフラグ間状態に移行していること(すなわち、ボーナス役(「F_7BB」、「F_鳥BB」、又は、「F_MB」)が内部当籤役として決定されたこと)を察知することができる。
例えば、BBフラグ間状態用ロック時間抽籤テーブル(図147B(b)参照)及びMBフラグ間状態用ロック時間抽籤テーブル(図147B(c)参照)においては、演出用遊技停止番号「6」に対する抽籤値として、0よりも大きな値が設定されている内部当籤役は、「リプ」、「羽A」、及び、「羽B」である。このことは、フラグ間状態(BB又はMBの当籤ゲームを除く)において演出用遊技停止番号「6」に対応するバックライト演出(「逆ナイアガラ」)が行われた場合、「F_リプレイ」、「F_羽A」、又は、「F_羽B」が内部当籤役として決定されたことを意味する。
換言すると、フラグ間状態においては、「F_リプレイ」が内部当籤役として決定された場合だけでなく、「F_羽A」又は「F_羽B」が内部当籤役として決定された場合にも、演出用遊技停止番号「6」に対応するバックライト演出(「逆ナイアガラ」)が行われ得る。これに対し、RT0遊技状態において演出用遊技停止番号「6」に対応するバックライト演出(「逆ナイアガラ」)が行われるのは、「F_リプレイ」が内部当籤役として決定された場合だけである(図147A(a)参照)。
ここで、「F_羽A」又は「F_羽B」が内部当籤役として決定された場合には、「C_羽」に係るコンビネーション(図100A参照)が有効ラインに沿って停止表示され得るが、「F_リプレイ」が内部当籤役として決定された場合、「C_羽」に係るコンビネーションは、有効ラインに沿って停止表示され得ない(図101A参照)。
従って、RT0遊技状態において、「C_羽」に係るコンビネーションが有効ラインに沿って停止表示された場合に、演出用遊技停止番号「6」に対応するバックライト演出(「逆ナイアガラ」)が行われるということは起こり得ない。一方、フラグ間状態においては、「C_羽」に係るコンビネーションが有効ラインに沿って停止表示された場合に、演出用遊技停止番号「6」に対応するバックライト演出(「逆ナイアガラ」)が行われるということも起こり得る。
以上より、「C_羽」に係るコンビネーションが有効ラインに沿って停止表示され、且つ、演出用遊技停止番号「6」に対応するバックライト演出(「逆ナイアガラ」)が行われるという状況は、RT0遊技状態では発生し得ず、遊技状態がフラグ間状態に移行していることを示すことになる。このような状況を通じて、遊技者は、ボーナス役(「F_7BB」、「F_鳥BB」、又は、「F_MB」)が内部当籤役として決定されたことを察知することができる。
このように、ボーナス役が内部当籤役として決定されたことを遊技者が知るに当たっては、有効ラインに沿って停止表示されたコンビネーションの種別とその際に発生したバックライト演出の種別との関係が手掛かりとなる。
ここで、RT0遊技状態においてチェリー(「F_チェリーA」又は「F_チェリーB」)が内部当籤役として決定された場合には、演出用遊技停止番号「1」、「2」、「3」、又は、「5」に対応するバックライト演出(「疾風」、「ダブルウインク」、「羽吹雪」、又は、「来襲」)が行われる可能性がある(図147A(a)参照)。また、チェリー(「F_チェリーA」又は「F_チェリーB」)が内部当籤役として決定された場合には、チェリー(左リールRLにおける図柄が「チェリー1」図柄又は「チェリー2」図柄であるコンビネーション)が入賞する可能性がある(図100A及び図100B、並びに、図101A〜図101C参照)。このことから、コンビネーションの種別とバックライト演出の種別との関係に関し、『コンビネーションとしての「チェリー」と、バックライト演出としての「疾風」、「ダブルウインク」、「羽吹雪」、及び、「来襲」とが対応する』ものとして、遊技者の脳裏に刻まれることが想定される。
一方で、RT0遊技状態においてブドウ(「F_ブドウA」又は「F_ブドウB」)が内部当籤役として決定された場合には、演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」に対応するバックライト演出(「ハリケーン」、「横3本+V」、又は、「噴水」)が行われる可能性がある。また、ブドウ(「F_ブドウA」又は「F_ブドウB」)が内部当籤役として決定された場合には、ブドウ(「ブドウ1」図柄及び「ブドウ2」図柄のみから構成されるコンビネーション)が入賞する可能性があるとともに、チェリー(左リールRLにおける図柄が「チェリー1」図柄又は「チェリー2」図柄であるコンビネーション)が入賞する可能性もある(図100A及び図100B、並びに、図101A〜図101C参照)。すなわち、ブドウ及びチェリーの双方が入賞する可能性があり、また、ブドウが入賞しなかった場合(ブドウを取りこぼした場合)にチェリーが入賞する可能性もある。
ここで、RT0遊技状態においてブドウ(「F_ブドウA」又は「F_ブドウB」)が内部当籤役として決定された場合に行われ得るバックライト演出(「ハリケーン」、「横3本+V」、及び、「噴水」)のなかに、RT0遊技状態においてチェリー(「F_チェリーA」又は「F_チェリーB」)が内部当籤役として決定された場合に行われ得るバックライト演出(「疾風」、「ダブルウインク」、「羽吹雪」、及び、「来襲」)は含まれていない。そのため、仮に、RT0遊技状態においてブドウ(「F_ブドウA」又は「F_ブドウB」)が内部当籤役として決定され、チェリーが入賞した場合(特に、ブドウを取りこぼした場合)に、演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」に対応するバックライト演出(「ハリケーン」、「横3本+V」、又は、「噴水」)が行われることとすると、遊技者の脳裏に刻まれているであろう上記「コンビネーションの種別とバックライト演出の種別との関係」とは異なる状況が発生することになる。そうすると、遊技者としては、当該状況に違和感を覚え、「内部当籤役の種別とバックライト演出の種別との対応関係が通常とは異なっている」ものと考え、「ボーナス役が内部当籤役として決定されたのではないか」という誤解を招いてしまうことが懸念される。
この点、本実施形態では、上述したように、ブドウ(「F_ブドウA」又は「F_ブドウB」)が内部当籤役として決定され、チェリーが入賞した場合に、演出用遊技停止番号を「2」に上書きすることとしている(図149参照)。これにより、演出用遊技停止番号「2」に対応するバックライト演出(「ダブルウインク」)が行われることになり、当該バックライト演出は、チェリー(「F_チェリーA」又は「F_チェリーB」)が内部当籤役として決定された場合に行われ得るものであるため、遊技者に違和感を覚えさせることはなく、上記のような懸念を払拭することが可能となる。
なお、図149に示す演出用遊技停止番号上書処理では、特定の演出用遊技停止番号(「2」)に上書きすることとして説明したが、複数の演出用遊技停止番号(「1」、「2」、「3」、及び、「5」)のなかから一の演出用遊技停止番号を抽籤により選択し、当該選択された演出用遊技停止番号に上書きすることとしてもよい。また、単に、演出用遊技停止番号をクリア(消去)することとしてもよい。すなわち、ブドウ(「F_ブドウA」又は「F_ブドウB」)が内部当籤役として決定され、チェリーが入賞した場合には、演出用遊技ロック及びバックライト演出を行わないこととしてもよい。
また、図149に示す演出用遊技停止番号上書処理では、ブドウ及びチェリーの双方が入賞した場合には、演出用遊技停止番号に関する当該上書きを行わないこととして説明したが、この場合にも、当該上書きを行うこととしてもよい。また、ブドウ及びチェリーの双方が入賞した場合には、演出用遊技停止番号を追加してもよい。すなわち、ブドウ(「F_ブドウA」又は「F_ブドウB」)が内部当籤役として決定され、ロック時間抽籤処理(図146参照)において演出用遊技停止番号「7」〜「9」の何れかが選択されている場合、当該選択されている一の演出用遊技停止番号(例えば、「7」)、及び、チェリー(「F_チェリーA」又は「F_チェリーB」)が内部当籤役として決定された場合に選択され得る複数の演出用遊技停止番号(「1」、「2」、「3」、又は、「5」)のうちの一の演出用遊技停止番号(例えば、「2」)の双方を、演出用遊技停止番号として決定してもよい。例えば、「7」及び「2」が演出用遊技停止番号として決定された場合には、演出用遊技停止番号「7」に対応するバックライト演出(「ハリケーン」)が行われた後に、演出用遊技停止番号「2」に対応するバックライト演出(「ダブルウインク」)が行われることとしてもよい。この場合には、演出用遊技停止番号「7」に対応するロック時間と演出用遊技停止番号「2」に対応するロック時間との合計時間だけ、演出用遊技ロックを行うように構成することが可能である。
また、図149に示す演出用遊技停止番号上書処理では、ブドウ及びチェリーの双方が入賞しなかった場合には、演出用遊技停止番号に関する当該上書きを行わないこととして説明したが、この場合にも、当該上書きを行うこととしてもよい。また、図149に示す演出用遊技停止番号上書処理では、RT0遊技状態においてのみ当該上書きを行うこととして説明したが、RT0遊技状態以外の遊技状態においても当該上書きを行うこととしてもよい。
また、図147A(a)に示すRT0遊技状態用ロック時間抽籤テーブルでは、RT0遊技状態においてブドウ(「F_ブドウA」又は「F_ブドウB」)が内部当籤役として決定された場合と、RT0遊技状態においてチェリー(「F_チェリーA」又は「F_チェリーB」)が内部当籤役として決定された場合との双方で選択され得る演出用遊技停止番号が設けられていないが、このような演出用遊技停止番号を設けることとしてもよい。この場合、当該双方で選択され得る演出用遊技停止番号がロック時間抽籤処理(図146参照)において決定されたときには、上記上書きを行わないこととしてもよい。
例えば、RT0遊技状態用ロック時間抽籤テーブルは、RT0遊技状態においてブドウ(「F_ブドウA」又は「F_ブドウB」)が内部当籤役として決定された場合に、演出用遊技停止番号「2」、「7」、「8」、及び、「9」のうちの何れかが選択され得るように構成されていてもよい。この場合、ロック時間抽籤処理(図146参照)において演出用遊技停止番号「7」〜「9」の何れかが決定された場合には、演出用遊技停止番号に関する上記上書きを行う一方、ロック時間抽籤処理(図146参照)において演出用遊技停止番号「2」が決定された場合には、当該上書きを行わないこととしてもよい。
また、上記上書きに係る処理(図149のステップS1045参照)は、全てのリールRL,RC,RRの回転が停止した後に行われることとして説明したが、当該処理は、全てのリールRL,RC,RRの回転の停止が完了する前に(少なくとも一のリールが回転しているときに)行われることとしてもよい。例えば、左リールRLの回転が停止した時点で、上記上書きを行うための条件(ブドウ(「F_ブドウA」又は「F_ブドウB」)が内部当籤役として決定され、且つ、チェリーが入賞すること)が成立することが確定していれば(左リールRLにおいて「チェリー1」図柄又は「チェリー2」図柄が停止表示されていれば)、当該時点で(中リールRC及び右リールRRの回転が停止する前に)上記上書きに係る処理を行うこととしてもよい。
<サブ遊技状態の遷移フロー>
図152Aは、本発明の一実施形態に係るサブ遊技状態の移行遷移を示す図である。図152Bは、本発明の一実施形態に係るサブ遊技状態の移行条件をまとめた表である。
本実施形態では、図152Aに示すようなサブ遊技状態が副制御回路3070によって管理されている。サブ遊技状態としては、通常ゾーン、2連BBチャレンジゾーン、3連BBチャレンジゾーン、及び、4連以降BBチャレンジゾーンが設けられている。
図152A(a)及び図152Bを参照して具体的に説明すると、初回BBが終了すると、副制御回路3070は、2連BBチャレンジゾーンへとサブ遊技状態を移行させる(移行条件(1)参照)。初回BBは、通常ゾーン中にBB(「F_7BB」又は「F_鳥BB」)が内部当籤役として決定された後、当該BBに対応する図柄の組合せ(図100Aに示す「C_赤7」又は「C_鳥7」)が有効ラインに沿って停止表示される(BBが入賞する)ことにより発生するBB遊技状態である。
また、2連BBが終了すると、副制御回路3070は、3連BBチャレンジゾーンへとサブ遊技状態を移行させる(移行条件(2)参照)。2連BBは、2連BBチャレンジゾーン中にBB(「F_7BB」又は「F_鳥BB」)が内部当籤役として決定された後、当該BBに対応する図柄の組合せ(図100Aに示す「C_赤7」又は「C_鳥7」)が有効ラインに沿って停止表示される(BBが入賞する)ことにより発生するBB遊技状態である。
また、3連BB又は4連以降BBが終了すると、副制御回路3070は、4連以降BBチャレンジゾーンへとサブ遊技状態を移行させる(移行条件(3)参照)。3連BBは、3連BBチャレンジゾーン中にBB(「F_7BB」又は「F_鳥BB」)が内部当籤役として決定された後、当該BBに対応する図柄の組合せ(図100Aに示す「C_赤7」又は「C_鳥7」)が有効ラインに沿って停止表示される(BBが入賞する)ことにより発生するBB遊技状態である。4連以降BBは、4連以降BBチャレンジゾーン中にBB(「F_7BB」又は「F_鳥BB」)が内部当籤役として決定された後、当該BBに対応する図柄の組合せ(図100Aに示す「C_赤7」又は「C_鳥7」)が有効ラインに沿って停止表示される(BBが入賞する)ことにより発生するBB遊技状態である。
2連BBチャレンジゾーンにおいて単位遊技が所定回数(50回)行われると、副制御回路3070は、2連BBチャレンジゾーンから通常ゾーンへとサブ遊技状態を移行させる(移行条件(4)参照)。3連BBチャレンジゾーンにおいて単位遊技が所定回数(50回)行われると、副制御回路3070は、3連BBチャレンジゾーンから通常ゾーンへとサブ遊技状態を移行させる(移行条件(5)参照)。4連以降BBチャレンジゾーンにおいて単位遊技が所定回数(100回)行われると、副制御回路3070は、4連以降BBチャレンジゾーンから通常ゾーンへとサブ遊技状態を移行させる(移行条件(6)参照)。
図152A(b)及び図152Bを参照して具体的に説明すると、2連BBチャレンジゾーン中にMB(「F_MB」)が内部当籤役として決定された後、当該MBに対応する図柄の組合せ(図100Aに示す「C_BAR」又は「C_鳥BAR」)が有効ラインに沿って停止表示される(MBが入賞する)ことにより発生するMB遊技状態(以下、2連BBチャレンジゾーン中MBとも言う)が終了すると、副制御回路3070は、2連BBチャレンジゾーンへとサブ遊技状態を移行させる(移行条件(7)参照)。
また、3連BBチャレンジゾーン中にMB(「F_MB」)が内部当籤役として決定された後、当該MBに対応する図柄の組合せ(図100Aに示す「C_BAR」又は「C_鳥BAR」)が有効ラインに沿って停止表示される(MBが入賞する)ことにより発生するMB遊技状態(以下、3連BBチャレンジゾーン中MBとも言う)が終了すると、副制御回路3070は、3連BBチャレンジゾーンへとサブ遊技状態を移行させる(移行条件(8)参照)。
また、4連以降BBチャレンジゾーン中にMB(「F_MB」)が内部当籤役として決定された後、当該MBに対応する図柄の組合せ(図100Aに示す「C_BAR」又は「C_鳥BAR」)が有効ラインに沿って停止表示される(MBが入賞する)ことにより発生するMB遊技状態(以下、4連以降BBチャレンジゾーン中MBとも言う)が終了すると、副制御回路3070は、4連以降BBチャレンジゾーンへとサブ遊技状態を移行させる(移行条件(9)参照)。
また、通常ゾーン中にMB(「F_MB」)が内部当籤役として決定された後、当該MBに対応する図柄の組合せ(図100Aに示す「C_BAR」又は「C_鳥BAR」)が有効ラインに沿って停止表示される(MBが入賞する)ことにより発生するMB遊技状態(以下、通常ゾーン中MBとも言う)が終了すると、副制御回路3070は、通常ゾーンへとサブ遊技状態を移行させる(移行条件(10)参照)。
2連BBチャレンジゾーンにおいて単位遊技が所定回数(50回)行われると、副制御回路3070は、2連BBチャレンジゾーンから通常ゾーンへとサブ遊技状態を移行させる(移行条件(11)参照)。3連BBチャレンジゾーンにおいて単位遊技が所定回数(50回)行われると、副制御回路3070は、3連BBチャレンジゾーンから通常ゾーンへとサブ遊技状態を移行させる(移行条件(12)参照)。4連以降BBチャレンジゾーンにおいて単位遊技が所定回数(100回)行われると、副制御回路3070は、4連以降BBチャレンジゾーンから通常ゾーンへとサブ遊技状態を移行させる(移行条件(13)参照)。
なお、明細書では、2連BB、3連BB、及び、4連以降BBを総称して、「連荘BB」と表記することがある。また、チャレンジゾーン中MB(2連BBチャレンジゾーン中MB、3連BBチャレンジゾーン中MB、及び、4連以降BBチャレンジゾーン中MB)を「BB連荘中のMB」と表記することがある。「BB連荘中」とは、初回BBが作動した時点を始点とし、ボーナス役(BB及びMB)が内部当籤役として決定されないままチャレンジゾーン(2連BBチャレンジゾーン、3連BBチャレンジゾーン、又は、4連以降BBチャレンジゾーン)から通常ゾーンに移行した時点を終点とする期間を指す。連荘BB及びBB連荘中のMBも、サブ遊技状態として副制御回路3070によって管理されている。
<BB中サウンド>
図153(a)は、BBの種別とBB中サウンドとの対応関係を示す図である。図153(b)は、BB中サウンドに対して設定された優先順位を示す図である。図154及び図155は、BB中サウンドを変更するための特殊条件について説明するための図である。
図153(a)に示すように、初回BB(7BB)(通常ゾーン中に7BBが内部当籤役として決定された後、当該7BBが入賞することにより発生する7BB遊技状態)においては、7BBが入賞してから7BB遊技状態の7ゲーム目までは楽曲Aが出力され、7BB遊技状態の8ゲーム目から12ゲーム目までは楽曲Cが出力され、7BB遊技状態の13ゲーム目から19ゲーム目までは楽曲Aが出力され、7BB遊技状態の20ゲーム目以降は楽曲Cが出力される。
初回BB(鳥BB)(通常ゾーン中に鳥BBが内部当籤役として決定された後、当該鳥BBが入賞することにより発生する鳥BB遊技状態)においては、鳥BBが入賞してから鳥BB遊技状態の7ゲーム目までは楽曲Bが出力され、鳥BB遊技状態の8ゲーム目から12ゲーム目までは楽曲Cが出力され、鳥BB遊技状態の13ゲーム目から19ゲーム目までは楽曲Bが出力され、鳥BB遊技状態の20ゲーム目以降は楽曲Cが出力される。
2連BB(2連BBチャレンジゾーン中に7BB又は鳥BBが内部当籤役として決定された後、当該7BB又は鳥BBが入賞することにより発生する7BB遊技状態又は鳥BB遊技状態)においては、BBが入賞してからBB遊技状態の7ゲーム目までは楽曲Dが出力され、BB遊技状態の8ゲーム目から12ゲーム目までは楽曲Eが出力され、BB遊技状態の13ゲーム目から19ゲーム目までは楽曲Dが出力され、BB遊技状態の20ゲーム目以降は楽曲Eが出力される。
3連BB(3連BBチャレンジゾーン中に7BB又は鳥BBが内部当籤役として決定された後、当該7BB又は鳥BBが入賞することにより発生する7BB遊技状態又は鳥BB遊技状態)においては、BBが入賞してからBB遊技状態の7ゲーム目までは楽曲Fが出力され、BB遊技状態の8ゲーム目から12ゲーム目までは楽曲Gが出力され、BB遊技状態の13ゲーム目から19ゲーム目までは楽曲Fが出力され、BB遊技状態の20ゲーム目以降は楽曲Gが出力される。
4連以降BB(7BB)(4連以降BBチャレンジゾーン中に7BBが内部当籤役として決定された後、当該7BBが入賞することにより発生する7BB遊技状態)においては、7BBが入賞してから7BB遊技状態の7ゲーム目までは楽曲Hが出力され、7BB遊技状態の8ゲーム目から12ゲーム目までは楽曲Iが出力され、7BB遊技状態の13ゲーム目から19ゲーム目までは楽曲Hが出力され、7BB遊技状態の20ゲーム目以降は楽曲Iが出力される。
4連以降BB(鳥BB)(4連以降BBチャレンジゾーン中に鳥BBが内部当籤役として決定された後、当該鳥BBが入賞することにより発生する鳥BB遊技状態)においては、鳥BBが入賞してから鳥BB遊技状態の7ゲーム目までは楽曲Jが出力され、鳥BB遊技状態の8ゲーム目から12ゲーム目までは楽曲Kが出力され、鳥BB遊技状態の13ゲーム目から19ゲーム目までは楽曲Jが出力され、鳥BB遊技状態の20ゲーム目以降は楽曲Kが出力される。
1G連BB(7BB)(BB遊技状態又はMB遊技状態が終了した後最初の単位遊技(1ゲーム目)で7BBが内部当籤役として決定された後、当該7BBが入賞することにより発生する7BB遊技状態)においては、7BBが入賞してから7BB遊技状態の7ゲーム目までは楽曲Lが出力され、7BB遊技状態の8ゲーム目から12ゲーム目までは楽曲Mが出力され、7BB遊技状態の13ゲーム目から19ゲーム目までは楽曲Lが出力され、7BB遊技状態の20ゲーム目以降は楽曲Mが出力される。
1G連BB(鳥BB)(BB遊技状態又はMB遊技状態が終了した後最初の単位遊技(1ゲーム目)で鳥BBが内部当籤役として決定された後、当該鳥BBが入賞することにより発生する鳥BB遊技状態)においては、鳥BBが入賞してから鳥BB遊技状態の7ゲーム目までは楽曲Nが出力され、鳥BB遊技状態の8ゲーム目から12ゲーム目までは楽曲Oが出力され、鳥BB遊技状態の13ゲーム目から19ゲーム目までは楽曲Nが出力され、鳥BB遊技状態の20ゲーム目以降は楽曲Oが出力される。
特殊条件(I)BB(BBフラグ間状態において特殊条件(I)が成立した後、当該BBフラグ間状態において持ち越されているBBが入賞することにより発生するBB遊技状態)においては、BBが入賞してからBB遊技状態の7ゲーム目までは楽曲Pが出力され、BB遊技状態の8ゲーム目から12ゲーム目までは楽曲Qが出力され、BB遊技状態の13ゲーム目から19ゲーム目までは楽曲Pが出力され、BB遊技状態の20ゲーム目以降は楽曲Qが出力される。特殊条件(I)については、後に図154を用いて説明する。
特殊条件(II)BB(BBフラグ間状態において特殊条件(II)が成立した後、当該BBフラグ間状態において持ち越されているBBが入賞することにより発生するBB遊技状態)においては、BBが入賞してからBB遊技状態の7ゲーム目までは楽曲Rが出力され、BB遊技状態の8ゲーム目から12ゲーム目までは楽曲Sが出力され、BB遊技状態の13ゲーム目から19ゲーム目までは楽曲Rが出力され、BB遊技状態の20ゲーム目以降は楽曲Sが出力される。特殊条件(II)については、後に図155を用いて説明する。
図154は、特殊条件(I)について説明するための図である。特殊条件(I)は、有効ラインに沿って「赤7」−「プラム」−「プラム」が停止表示されること(図100Aに示す「C_リプC_01」に係るコンビネーションが入賞すること)、である。図154では、「C_リプC_01」に係るコンビネーションが入賞する場合における図柄の停止表示態様を示している。「C_リプC_01」に係るコンビネーションは、「F_共通リプ」が内部当籤役として決定された場合に入賞し得る(図101A参照)。
具体的に、「F_共通リプ」が内部当籤役として決定された場合、図154(a)に示すように、右リールRRに対する停止操作が、図柄位置「3」の図柄(「赤7」)が中段領域に表示されているタイミングで行われた場合、図154(b)に示すように、右リールRRは、2図柄分滑って停止し、中段領域に「プラム」が停止表示される。その後、図154(c)に示すように、中リールRCに対する停止操作が、図柄位置「3」の図柄(「赤7」)が中段領域に表示されているタイミングで行われた場合、図154(d)に示すように、中リールRCは、4図柄分滑って停止し、中段領域に「プラム」が停止表示される。その後、図154(e)に示すように、左リールRLに対する停止操作が、図柄位置「3」の図柄(「赤7」)が中段領域に表示されているタイミングで行われた(図柄位置「3」の「赤7」がビタ押しされた)場合、図154(f)に示すように、左リールRLは、それ以上回転することなく(滑らずに)停止し、中段領域に「赤7」が停止表示される。これにより、センターラインに沿って「赤7」−「プラム」−「プラム」が揃い、「C_リプC_01」(図100A参照)が入賞する。
図155は、特殊条件(II)について説明するための図である。特殊条件(II)は、有効ラインに沿って「羽」−「プラム」−「プラム」が停止表示されること(図100Aに示す「C_リプC_02」に係るコンビネーションが入賞すること)、である。図155では、「C_リプC_02」に係るコンビネーションが入賞する場合における図柄の停止表示態様を示している。「C_リプC_02」に係るコンビネーションは、「F_共通リプ」が内部当籤役として決定された場合に入賞し得る(図101A参照)。
具体的に、「F_共通リプ」が内部当籤役として決定された場合、図155(a)に示すように、中リールRCに対する停止操作が、図柄位置「20」の図柄(「鳥」)が中段領域に表示されているタイミングで行われた場合、図155(b)に示すように、中リールRCは、3図柄分滑って停止し、中段領域に「プラム」が停止表示される。その後、図155(c)に示すように、右リールRRに対する停止操作が、図柄位置「14」の図柄(「鳥」)が中段領域に表示されているタイミングで行われた場合、図155(d)に示すように、右リールRRは、4図柄分滑って停止し、中段領域に「プラム」が停止表示される。その後、図155(e)に示すように、左リールRLに対する停止操作が、図柄位置「9」の図柄(「羽」)が中段領域に表示されているタイミングで行われた(図柄位置「9」の「羽」がビタ押しされた)場合、図155(f)に示すように、左リールRLは、それ以上回転することなく(滑らずに)停止し、中段領域に「羽」が停止表示される。これにより、センターラインに沿って「羽」−「プラム」−「プラム」が揃い、「C_リプC_02」(図100A参照)が入賞する。
以上のように、「赤7」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_01」)は、「F_共通リプ」が内部当籤役として決定された場合に、右リールRRに対する停止操作が第1停止操作として行われ、中リールRCに対する停止操作が第2停止操作として行われ、左リールRLに対する停止操作が第3停止操作として行われ、且つ、左リールRLに対する停止操作として図柄位置「3」の「赤7」がビタ押しされることにより、入賞する。図示しないが、中リールRCに対する停止操作が第1停止操作として行われ、右リールRRに対する停止操作が第2停止操作として行われ、左リールRLに対する停止操作が第3停止操作として行われた場合にも、同様に、左リールRLに対する停止操作として図柄位置「3」の「赤7」がビタ押しされることにより、「赤7」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_01」)が入賞する。
また、「羽」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_02」)は、「F_共通リプ」が内部当籤役として決定された場合に、中リールRCに対する停止操作が第1停止操作として行われ、右リールRRに対する停止操作が第2停止操作として行われ、左リールRLに対する停止操作が第3停止操作として行われ、且つ、左リールRLに対する停止操作として図柄位置「9」の「羽」がビタ押しされることにより、入賞する。図示しないが、右リールRRに対する停止操作が第1停止操作として行われ、中リールRCに対する停止操作が第2停止操作として行われ、左リールRLに対する停止操作が第3停止操作として行われた場合にも、同様に、左リールRLに対する停止操作として図柄位置「9」の「羽」がビタ押しされることにより、「羽」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_02」)が入賞する。
「赤7」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_01」)及び「羽」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_02」)は、順押し(左リールRLに対する停止操作を第1停止操作とする押し順による停止操作)を行った場合には、入賞させることができない。「F_共通リプ」が内部当籤役として決定された場合、遊技者としては、変則押し(中リールRC又は右リールRRに対する停止操作を第1停止操作とする押し順による停止操作)を行い、且つ、左リールRLに対する停止操作として図柄位置「3」の「赤7」又は図柄位置「9」の「羽」狙いのビタ押しに成功することにより、「赤7」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_01」)又は「羽」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_02」)を入賞させることができる。すなわち、図99(a)に示すように、中リールRC及び右リールRRにおいて「プラム」は、4図柄(滑り駒数の最大値)の範囲内に必ず存在するが、左リールRLにおいては、「プラム」が4図柄(滑り駒数の最大値)の範囲内に存在しない箇所が存在する。従って、停止操作のタイミングによっては、左リールRLにおいて「プラム」が引き込まれない場合がある。遊技者としては、左リールRLに対する停止操作において、このようなタイミングを狙って目押しを行うことになる。
そして、BBフラグ間状態において「赤7」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_01」)が入賞した場合(特殊条件(I)が成立した場合)には、BB遊技状態において楽曲P及び楽曲Qが出力される(図153(a)参照)。楽曲P及び楽曲Qは、BBフラグ間状態において特殊条件(I)が成立した場合にのみ出力されるBB遊技状態中のサウンド(BGM)である。同様に、BBフラグ間状態において「羽」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_02」)が入賞した場合(特殊条件(II)が成立した場合)には、BB遊技状態において楽曲R及び楽曲Sが出力される(図153(a)参照)。楽曲R及び楽曲Sは、BBフラグ間状態において特殊条件(II)が成立した場合にのみ出力されるBB遊技状態中のサウンド(BGM)である。
遊技者は、BBフラグ間状態において上記ビタ押しに成功することにより、このような特殊なサウンド(BGM)を享受することが可能となる。また、遊技者は、左リールRLに対する停止操作として図柄位置「3」の「赤7」を狙うのか、あるいは、図柄位置「9」の「羽」を狙うのかによって、BB遊技状態中に聴くBGMの種類(「楽曲P及び楽曲Q」又は「楽曲R及び楽曲S」)を選択することができる。
ここで、「赤7」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_01」)又は「羽」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_02」)が入賞するためには、「F_共通リプ」が内部当籤役として決定される必要がある(図101A参照)。「F_共通リプ」は、3枚掛け遊技においては内部当籤役として決定される可能性がなく、1枚掛け遊技においてのみ当籤し得る役である(図102〜図105参照)。フラグ間状態において、遊技者は、ボーナス役が内部当籤役として決定されたことに気付いた時点で、メダルの消費枚数を抑えるため、3枚掛け遊技から1枚掛け遊技に切り替えるものと考えられる。上述したように、遊技者は、バックライト演出を通じて、ボーナス役が内部当籤役として決定されたことを察知することができる。また、遊技者は、WINランプの点灯(図示せず)やWIN画面(「ボーナス確定」等の文字を含む画像)の表示により、ボーナス役が内部当籤役として決定されたことを確定的に認識することができる。
ボーナス役が内部当籤役として決定されたことに気付いた後、通常、遊技者は、一刻も早くボーナス役が入賞することを望んでおり、ボーナス役が入賞すること以外には大した興味を抱いていないものと考えられる。とりわけ、フラグ間状態においてリプレイ役の入賞が何度も繰り返し発生する場合には、遊技者にとって退屈な時間が続くことになる。この点、本実施形態では、「赤7」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_01」)及び「羽」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_02」)は、リプレイ(再遊技)を作動させる契機となるコンビネーションであり、これらのコンビネーションが表示された場合には、再遊技が作動し、その分だけボーナス役の入賞は先延ばしになる。しかしながら、これらのコンビネーションが表示された場合、遊技者は、BB遊技状態において特殊なサウンド(BGM)を享受することが可能であるため、遊技者に対して「時間を無駄にした」という感覚を抱かせ難くすることができる。このような効果は、フラグ間状態が高RT遊技状態である場合(フラグ間状態におけるリプレイ役の当籤確率がボーナス非当籤状態におけるリプレイ役の当籤確率よりも高い場合)や、1枚掛け遊技におけるリプレイ役の当籤確率が3枚掛け遊技におけるリプレイ役の当籤確率よりも高い場合に、特に意義深いものとなる。
また、「赤7」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_01」)及び「羽」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_02」)は、それぞれ、「プラム」−「プラム」−「プラム」(図100Aに示す「C_リプA」:左リールRLにおける図柄、中リールRCにおける図柄、及び、右リールRRにおける図柄が全て「プラム」であるコンビネーション)と比較して、左リールRLにおける図柄のみが異なっている。このようなコンビネーションは、過去に流行した所謂「リプレイはずし」に成功した場合に表示される図柄組合せと同様のコンビネーションとなっている。これにより、「赤7」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_01」)又は「羽」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_02」)が表示された場合には、「リプレイはずし」を彷彿とさせることが可能であり、遊技者を懐かしい気分にさせることができる。また、図154及び図155に示すように、右リールRRに対する停止操作及び中リールRCに対する停止操作においてボーナスに係る図柄(「赤7」又は「鳥」)を狙ったにもかかわらず、数駒滑って「プラム」が表示されたような場合、遊技者は、リプレイ役(「F_共通リプ」)が内部当籤役として決定されたことを予想することができる。このような場合に、「リプレイはずしに挑戦しよう」という遊技者の意欲を掻き立てることができる。
以上で説明したように、BB中サウンドとしては、初回BB(7BB)に対応するサウンド(初回7BB用サウンド:「楽曲A及び楽曲C」)、初回BB(鳥BB)に対応するサウンド(初回鳥BB用サウンド:「楽曲B及び楽曲C」)、2連BBに対応するサウンド(2連BB用サウンド:「楽曲D及び楽曲E」)、3連BBに対応するサウンド(3連BB用サウンド:「楽曲F及び楽曲G」)、4連以降BB(7BB)に対応するサウンド(4連以降7BB用サウンド:「楽曲H及び楽曲I」)、4連以降BB(鳥BB)に対応するサウンド(4連以降鳥BB用サウンド:「楽曲J及び楽曲K」)、1G連BB(7BB)に対応するサウンド(1G連7BB用サウンド:「楽曲L及び楽曲M」)、1G連BB(鳥BB)に対応するサウンド(1G連鳥BB用サウンド:「楽曲N及び楽曲O」)、特殊条件(I)BBに対応するサウンド(特殊条件(I)BB用サウンド:「楽曲P及び楽曲Q」)、並びに、特殊条件(II)BBに対応するサウンド(特殊条件(II)BB用サウンド:「楽曲R及び楽曲S」)が設けられている。なお、BB中サウンドに対応するサウンドデータは、サブROM3072に記憶されている。
各BB中サウンドには、出力されるための条件(再生条件)が設定されており、再生条件が成立した場合に、対応するBB中サウンドが出力され得るようになっている。ここで、一のBB中サウンドに対応する再生条件と他のBB中サウンドに対応する再生条件とが双方とも成立する場合がある。図153(b)では、このように複数のBB中サウンドに対応する再生条件が競合した場合に何れのBB中サウンドが優先されるのかを示している。
具体的に、図153(b)によれば、特殊条件BB用サウンド(特殊条件(I)BB用サウンド及び特殊条件(II)BB用サウンド)は、初回BB用サウンド(初回7BB用サウンド及び初回鳥BB用サウンド)、2連BB用サウンド、3連BB用サウンド、並びに、4連以降BB用サウンド(4連以降7BB用サウンド及び4連以降鳥BB用サウンド)よりも優先される。例えば、チャレンジゾーン(図152に示す2連BBチャレンジゾーン、3連BBチャレンジゾーン、及び、4連以降BBチャレンジゾーンのうちの何れか)中にBBが内部当籤役として決定されることにより発生するBBフラグ間状態において特殊条件(特殊条件(I)又は特殊条件(II))が成立し、その後にBBが入賞することによりBB遊技状態が発生した場合には、連荘BB用サウンド(2連BB用サウンド、3連BB用サウンド、又は、4連以降BB用サウンド)の再生条件、及び、特殊条件BB用サウンド(特殊条件(I)BB用サウンド又は特殊条件(II)BB用サウンド)の再生条件の双方が成立していることになる。この場合には、連荘BB用サウンド(2連BB用サウンド、3連BB用サウンド、又は、4連以降BB用サウンド)よりも特殊条件BB用サウンド(特殊条件(I)BB用サウンド又は特殊条件(II)BB用サウンド)が優先され、「楽曲P及び楽曲Q」又は「楽曲R及び楽曲S」が出力される。
また、図153(b)によれば、1G連BB用サウンド(1G連7BB用サウンド及び1G連鳥BB用サウンド)は、特殊条件BB用サウンド(特殊条件(I)BB用サウンド及び特殊条件(II)BB用サウンド)よりも優先される。例えば、BB遊技状態又はMB遊技状態が終了した後最初の単位遊技(1ゲーム目)でBBが内部当籤役として決定されることにより発生するBBフラグ間状態において特殊条件(特殊条件(I)又は特殊条件(II))が成立し、その後にBBが入賞することによりBB遊技状態が発生した場合には、1G連BB用サウンドの再生条件、及び、特殊条件BB用サウンド(特殊条件(I)BB用サウンド又は特殊条件(II)BB用サウンド)の再生条件の双方が成立していることになる。この場合には、特殊条件BB用サウンド(特殊条件(I)BB用サウンド又は特殊条件(II)BB用サウンド)よりも1G連BB用サウンドが優先され、「楽曲L及び楽曲M」又は「楽曲N及び楽曲O」が出力される。もっとも、これらの優先順位は特に限定されず、特殊条件BB用サウンドを1G連BB用サウンドよりも優先することとしてもよい。
なお、本実施形態では、BBフラグ間状態において特殊条件(特殊条件(I)又は特殊条件(II))が複数回成立した場合(「赤7」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_01」)又は「羽」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_02」)が入賞した後、BBが入賞する前に、さらに、「赤7」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_01」)又は「羽」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_02」)が入賞した場合)、最後に成立した特殊条件(特殊条件(I)又は特殊条件(II))に応じたサウンド(BGM)がBB遊技状態中に出力される。これにより、遊技者は、その時の気分に応じて、聴きたいサウンド(BGM)に適宜切り替えることができる。また、BBフラグ間状態において双方の特殊条件(特殊条件(I)及び特殊条件(II))が成立した場合には、楽曲P〜楽曲Sとは異なる他の楽曲(より希少価値の高いBGM)を出力することとしてもよい。また、BBフラグ間状態において特殊条件が複数回成立した場合、特殊条件が成立した回数に応じた楽曲を出力することとしてもよい(特殊条件が成立した回数が増えるほど、希少価値の高いBGMを出力することとしてもよい)。この場合、特殊条件が成立した回数が所定回数以上であることを条件として、特殊条件BB用サウンドを1G連BB用サウンドよりも優先するとよい。
また、本実施形態では、MBフラグ間状態において特殊条件(特殊条件(I)又は特殊条件(II))が成立しても、BB遊技状態中のサウンド(BGM)は変更されないが、この場合、BB遊技状態中のサウンド(BGM)を変更することとしてもよい。例えば、チャレンジゾーン(2連BBチャレンジゾーン、3連BBチャレンジゾーン、又は、4連以降BBチャレンジゾーン)中にMBが内部当籤役として決定されることにより発生するMBフラグ間状態において特殊条件が成立したとする。その後、当該MBが入賞することによりMB遊技状態(2連BBチャレンジゾーン中MB、3連BBチャレンジゾーン中MB、又は、4連以降BBチャレンジゾーン中MB)が発生し、当該MB遊技状態が終了することによりチャレンジゾーンに移行する(図152(b)参照)。そして、当該チャレンジゾーン中にBBが内部当籤役として決定された場合、その後、BBが入賞することにより連荘BB(2連BB、3連BB、又は、4連以降BB)が発生する。当該連荘BB中に流れるサウンド(BGM)として、楽曲P〜楽曲Sを出力することとしてもよい。
また、本実施形態では、特殊条件(I)BB用サウンド(BGM)と特殊条件(II)BB用サウンド(BGM)とが異なることとして説明したが、これらのサウンド(BGM)は、同じであってもよい。また、特殊条件として、特殊条件(I)及び特殊条件(II)とは異なる条件が設けられていてもよい。例えば、1枚掛け遊技において第1停止操作が行われた時点から第3停止操作が行われた時点までの時間が所定時間(例えば、1秒)以内であり、且つ、当該単位遊技においてBBが入賞すること、という条件を特殊条件(III)として設けることとしてもよい。この場合、特殊条件(III)が成立することにより発生するBB遊技状態中に出力されるサウンド(BGM)は、特殊条件(I)BB用サウンド(BGM)及び特殊条件(II)BB用サウンド(BGM)と同じであってもよいし異なっていてもよい。
<BB連荘中獲得枚数の表示>
図156(a)は、副制御回路において行われるBB開始コマンド受信時処理を示すフローチャートである。図156(b)は、副制御回路において行われるMB開始コマンド受信時処理を示すフローチャートである。図157は、副制御回路において行われるBB連荘中獲得枚数表示処理を示すフローチャートである。図158は、副制御回路において行われるBB中表示処理を示すフローチャートである。図159は、副制御回路において行われるMB中表示処理を示すフローチャートである。図160は、副制御回路において行われるチャレンジゾーン中表示処理を示すフローチャートである。
本実施形態では、BB連荘中に遊技者の獲得したメダルの枚数に基づいて算出される値(BB連荘中獲得枚数)が液晶表示装置DD20に表示される。上述したように、「BB連荘中」とは、初回BBが作動した時点を始点とし、ボーナス役(BB及びMB)が内部当籤役として決定されないままチャレンジゾーン(2連BBチャレンジゾーン、3連BBチャレンジゾーン、又は、4連以降BBチャレンジゾーン)から通常ゾーンに移行した時点を終点とする期間を指す。
<BB開始コマンド受信時処理>
まず、図156(a)を用いて、副制御回路3070において行われるBB開始コマンド受信時処理について説明する。BB開始コマンド受信時処理は、BB開始コマンドデータ(図137のステップS296参照)を受信したことを契機として、図145(演出内容決定処理)のステップS415において行われる処理である。
BB開始コマンド受信時処理において、まず、サブCPU3071は、今回開始するBB遊技状態が初回BBであるか否かを判断する(ステップS1300)。上述したように、初回BBとは、通常ゾーン中にBBが内部当籤役として決定された後、当該BBが入賞することにより発生するBB遊技状態である。BBが内部当籤役として決定されたとき、当該BBが内部当籤役として決定された時点におけるサブ遊技状態(通常ゾーン、2連BBチャレンジゾーン、3連BBチャレンジゾーン、又は、4連以降BBチャレンジゾーン)を示す情報がサブRAM3073に記憶される。サブCPU3071は、サブRAM3073に記憶されている当該情報に基づいて、今回開始するBB遊技状態の種別を特定することができる。
今回開始するBB遊技状態が初回BBであると判断した場合、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数カウンタをセットする(ステップS1301)。BB連荘中獲得枚数カウンタの値は、BB連荘中に遊技者の獲得したメダルの枚数(払出枚数から投入枚数を減じて得られる数)に基づいて算出される値であり、サブRAM3073に記憶される。ステップS1301の処理が実行されることにより、遊技者の獲得したメダルの枚数のカウントが開始されるとともに、BB連荘中獲得枚数として、「0」が液晶表示装置DD20に表示される。
なお、図156(a)には示していないが、BBが入賞すると、遊技ロック(BB入賞時ロック)が発生し、BB入賞時ロックが行われている間に、BB遊技状態が開始することを示す演出が行われる。BB連荘中獲得枚数は、BB入賞時ロック及び当該演出が終了した後に表示される。ステップS1301の処理を実行した後、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1300において今回開始するBB遊技状態が初回BBではないと判断した場合、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数カウンタの値が0よりも小さいか否かを判断する(ステップS1302)。
BB連荘中獲得枚数カウンタの値が0よりも小さいと判断した場合、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数カウンタに「0」をセットする(ステップS1303)。これにより、BB入賞時にBB連荘中獲得枚数カウンタの値がマイナスである場合、当該値が0に補正される。
ステップS1302においてBB連荘中獲得枚数カウンタの値が0以上であると判断した場合、又は、ステップS1303の処理を実行した後、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
<MB開始コマンド受信時処理>
次に、図156(b)を用いて、副制御回路3070において行われるMB開始コマンド受信時処理について説明する。MB開始コマンド受信時処理は、MB開始コマンドデータ(図137のステップS303参照)を受信したことを契機として、図145(演出内容決定処理)のステップS415において行われる処理である。
MB開始コマンド受信時処理において、まず、サブCPU3071は、今回開始するMB遊技状態がBB連荘中のMBであるか否かを判断する(ステップS1320)。上述したように、BB連荘中のMBとは、チャレンジゾーン(2連BBチャレンジゾーン、3連BBチャレンジゾーン、又は、4連以降BBチャレンジゾーン)中にMBが内部当籤役として決定された後、当該MBが入賞することにより発生するMB遊技状態である。MBが内部当籤役として決定されたとき、当該MBが内部当籤役として決定された時点におけるサブ遊技状態(通常ゾーン、2連BBチャレンジゾーン、3連BBチャレンジゾーン、又は、4連以降BBチャレンジゾーン)を示す情報がサブRAM3073に記憶される。サブCPU3071は、サブRAM3073に記憶されている当該情報に基づいて、今回開始するMB遊技状態の種別を特定することができる。
今回開始するMB遊技状態がBB連荘中のMBであると判断した場合、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数カウンタの値が0よりも小さいか否かを判断する(ステップS1321)。
BB連荘中獲得枚数カウンタの値が0よりも小さいと判断した場合、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数カウンタに「0」をセットする(ステップS1322)。これにより、MB入賞時にBB連荘中獲得枚数カウンタの値がマイナスである場合、当該値が0に補正される。
ステップS1320において今回開始するMB遊技状態がBB連荘中のMBではないと判断した場合、ステップS1321においてBB連荘中獲得枚数カウンタの値が0以上であると判断した場合、又は、ステップS1322の処理を実行した後、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
<BB連荘中獲得枚数表示処理>
次に、図157を用いて、副制御回路3070において行われるBB連荘中獲得枚数表示処理について説明する。BB連荘中獲得枚数表示処理は、入賞作動コマンドデータ(図121のステップS26参照)を受信したことを契機として、図145(演出内容決定処理)のステップS413において行われる処理である。
BB連荘中獲得枚数表示処理において、まず、サブCPU3071は、現在の遊技状態がBB遊技状態であるか否かを判断する(ステップS1340)。図145のステップS412で受信する入賞作動コマンドデータに、メインRAM3033の遊技状態フラグ格納領域(図119(b)参照)に格納されている遊技状態フラグを示す情報が含まれるため、入賞作動コマンドデータを受信することにより、サブCPU3071は、現在の遊技状態を認識することができる。
現在の遊技状態がBB遊技状態であると判断した場合、サブCPU3071は、BB中表示処理を実行する(ステップS1341)。
ここで、図158を用いて、BB中表示処理について説明する。
BB中表示処理において、まず、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数カウンタの値からBB遊技状態におけるメダルの投入枚数(1)を減算する(ステップS1360)。上述したように、BB遊技状態において投入可能なメダルの枚数は、1枚に固定されている。ステップS1360の処理において、サブCPU3071は、サブRAM3073に記憶されているBB連荘中獲得枚数カウンタの値から1を減じた値を、新たなBB連荘中獲得枚数カウンタの値としてサブRAM3073に記憶させる。
次に、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数カウンタの値が−1よりも小さいか否かを判断する(ステップS1361)。
BB連荘中獲得枚数カウンタの値が−1よりも小さいと判断した場合、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数カウンタに「−1」をセットする(ステップS1362)。これにより、BB連荘中獲得枚数カウンタの値は、下限値が−1となるように補正される。ここで、「−1」は、BB遊技状態におけるメダルの投入枚数(1)に応じたマイナス値(0から当該投入枚数を減じた値)である。
ステップS1361においてBB連荘中獲得枚数カウンタの値が−1以上であると判断した場合、又は、ステップS1362の処理を実行した後、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数カウンタの値に今回の単位遊技におけるメダルの払出枚数を加算する(ステップS1363)。この処理において、サブCPU3071は、サブRAM3073に記憶されているBB連荘中獲得枚数カウンタの値に、図121のステップS25で払い出されたメダルの枚数を加えた値を、新たなBB連荘中獲得枚数カウンタの値としてサブRAM3073に記憶させる。図145のステップS412で受信する入賞作動コマンドデータに、図121のステップS25で払い出されたメダルの枚数を示す情報が含まれるため、入賞作動コマンドデータを受信することにより、サブCPU3071は、当該払出枚数を認識することができる。
次に、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数カウンタの値が0よりも小さいか否かを判断する(ステップS1364)。
BB連荘中獲得枚数カウンタの値が0以上であると判断した場合、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数としてBB連荘中獲得枚数カウンタの値を液晶表示装置DD20に表示させる(ステップS1365)。なお、BB連荘中獲得枚数カウンタの値が1000以上である場合には、液晶表示装置DD20において、BB連荘中獲得枚数として「999」が点滅表示される。
一方、BB連荘中獲得枚数カウンタの値が0よりも小さいと判断した場合、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数カウンタの値ではなく、「0」をBB連荘中獲得枚数として液晶表示装置DD20に表示させる(ステップS1366)。
ステップS1365又はステップS1366の処理を実行した後、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
ここで、BB遊技状態は、規定枚数(344枚)を超えるメダルが払い出されることにより終了するところ、BB遊技状態において単位遊技が23回行われた場合に、全ての単位遊技において15枚のメダルが払い出されていれば、BB遊技状態中におけるメダルの払出枚数は、15×23=345枚となり(344枚を超え)、その時点でBB遊技状態は終了する。これに対し、BB遊技状態において単位遊技が23回行われた場合に、15枚のメダルが払い出された単位遊技が22回、14枚のメダルが払い出された単位遊技が1回であれば、BB遊技状態中におけるメダルの払出枚数は、15×22+14=344枚となり(344枚を超えず)、その時点でBB遊技状態は終了しない。この場合には、もう1回単位遊技が行われ、当該単位遊技において15枚のメダルが払い出されると、BB遊技状態中におけるメダルの払出枚数は、344+15=359枚となる。
このように、BB遊技状態中に一度だけ14枚のメダルが払い出されることにより、BB遊技状態中におけるメダルの払出枚数が最大枚数(359枚)となる。遊技者は、所定の目押しに成功することによって、メダルの払出枚数が14枚であるコンビネーションを有効ラインに沿って揃えることができる。従って、遊技者は、BB遊技状態中に当該目押しを一度だけ行うことによって、メダルの払出枚数を調整することが可能であり、これにより、最多のメダル払出を受けることができる。なお、BB遊技状態において、遊技者は、各単位遊技において1枚のメダルを消費するため、遊技者が実際に獲得するメダルの最大枚数は、359−24=335枚となる。
これに対し、図158に示すBB中表示処理が実行されることにより、例えば、初回BBにおける最初の単位遊技において15枚のメダルが払い出された場合には、BB連荘中獲得枚数カウンタの値が「14」となり、BB連荘中獲得枚数として「14」が表示される(ステップS1360、ステップS1363、及び、ステップS1365参照)。また、次の単位遊技において15枚のメダルが払い出された場合には、BB連荘中獲得枚数カウンタの値が「28」となり、BB連荘中獲得枚数として「28」が表示される。また、次の単位遊技において14枚のメダルが払い出された場合には、BB連荘中獲得枚数カウンタの値が「41」となり、BB連荘中獲得枚数として「41」が表示される。その後、15枚のメダルが払い出される単位遊技が21回連続して行われた場合、BB連荘中獲得枚数カウンタの値が「335」となり、BB連荘中獲得枚数として「335」が表示される。すなわち、液晶表示装置DD20に表示されるBB連荘中獲得枚数は、上記「遊技者が獲得するメダルの最大枚数」と一致する。
また、図158によれば、初回BBにおける最初の単位遊技においてメダルが払い出されなかった場合には、BB連荘中獲得枚数カウンタの値が「−1」となり(ステップS1360参照)、BB連荘中獲得枚数として「0」が表示される(ステップS1366参照)。次の単位遊技において、BB連荘中獲得枚数カウンタの値は、いったん「−2」になるが(ステップS1360参照)、その後「−1」に補正され(ステップS1362参照)、当該単位遊技において15枚のメダルが払い出された場合、BB連荘中獲得枚数カウンタの値は「14」になり(ステップS1363参照)、BB連荘中獲得枚数として「14」が表示される(ステップS1365参照)。
また、連荘BB(2連BB、3連BB、又は、4連以降BB)の開始時にBB連荘中獲得枚数カウンタの値がマイナスであり、BB連荘中獲得枚数カウンタの値が「0」にセットされた場合(図156(a)のステップS1303参照)、その後、連荘BBにおける最初の単位遊技において15枚のメダルが払い出された場合には、BB連荘中獲得枚数カウンタの値が「14」になり(ステップS1360及びステップS1363参照)、BB連荘中獲得枚数として「14」が表示される(ステップS1365参照)。以下、初回BB時と同様に、BB連荘中獲得枚数カウンタの値及びBB連荘中獲得枚数の表示内容が変更されていく。
なお、本実施形態では、各単位遊技においてメダルが投入された時点で、BB連荘中獲得枚数カウンタの値につき投入枚数分の減算は行われず(その時点ではBB連荘中獲得枚数の表示内容が変更されず)、メダルが払い出されるのを待って、BB連荘中獲得枚数の表示内容が更新される。例えば、BB連荘中獲得枚数として液晶表示装置DD20に「14」が表示されているとする。この状況で、新たな単位遊技が行われ、1枚のメダルが投入されても、この時点で、液晶表示装置DD20に表示されるBB連荘中獲得枚数は、「13」(14−1)に変更されず、「14」が表示されたままである。その後、当該単位遊技において15枚のメダルが払い出されると、液晶表示装置DD20に表示されているBB連荘中獲得枚数は、「14」から直接(「13」を経由することなく)「28」に変更される。換言すると、本実施形態において、BB連荘中獲得枚数の表示内容が更新されるタイミングは、各単位遊技においてメダルが払い出された後(1回の単位遊技につき1回)だけである。
以上、図158を用いて、図157のステップS1341で行われるBB中表示処理について説明した。図157に説明を戻す。
図157のステップS1341の処理を実行した後、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1340において現在の遊技状態がBB遊技状態ではないと判断した場合、サブCPU3071は、現在のサブ遊技状態がBB連荘中のMBであるか否かを判断する(ステップS1342)。サブRAM3073のサブ遊技状態フラグ格納領域(図示せず)には、サブ遊技状態を示す情報が格納されており、サブCPU3071は、サブ遊技状態フラグ格納領域を参照することにより、現在のサブ遊技状態を認識することができる。
現在のサブ遊技状態がBB連荘中のMBであると判断した場合、サブCPU3071は、MB中表示処理を実行する(ステップS1343)。
ここで、図159を用いて、MB中表示処理について説明する。
MB中表示処理において、まず、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数カウンタの値からMB遊技状態におけるメダルの投入枚数(2)を減算する(ステップS1380)。上述したように、MB遊技状態において投入可能なメダルの枚数は、2枚に固定されている。ステップS1380の処理において、サブCPU3071は、サブRAM3073に記憶されているBB連荘中獲得枚数カウンタの値から2を減じた値を、新たなBB連荘中獲得枚数カウンタの値としてサブRAM3073に記憶させる。
次に、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数カウンタの値が−2よりも小さいか否かを判断する(ステップS1381)。
BB連荘中獲得枚数カウンタの値が−2よりも小さいと判断した場合、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数カウンタに「−2」をセットする(ステップS1382)。これにより、BB連荘中獲得枚数カウンタの値は、下限値が−2となるように補正される。ここで、「−2」は、MB遊技状態におけるメダルの投入枚数(2)に応じたマイナス値(0から当該投入枚数を減じた値)である。
ステップS1381においてBB連荘中獲得枚数カウンタの値が−2以上であると判断した場合、又は、ステップS1382の処理を実行した後、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数カウンタの値に今回の単位遊技におけるメダルの払出枚数を加算する(ステップS1383)。この処理において、サブCPU3071は、サブRAM3073に記憶されているBB連荘中獲得枚数カウンタの値に、図121のステップS25で払い出されたメダルの枚数を加えた値を、新たなBB連荘中獲得枚数カウンタの値としてサブRAM3073に記憶させる。図145のステップS412で受信する入賞作動コマンドデータに、図121のステップS25で払い出されたメダルの枚数を示す情報が含まれるため、入賞作動コマンドデータを受信することにより、サブCPU3071は、当該払出枚数を認識することができる。
次に、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数カウンタの値が0よりも小さいか否かを判断する(ステップS1384)。
BB連荘中獲得枚数カウンタの値が0以上であると判断した場合、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数としてBB連荘中獲得枚数カウンタの値を液晶表示装置DD20に表示させる(ステップS1385)。なお、BB連荘中獲得枚数カウンタの値が1000以上である場合には、液晶表示装置DD20において、BB連荘中獲得枚数として「999」が点滅表示される。
一方、BB連荘中獲得枚数カウンタの値が0よりも小さいと判断した場合、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数カウンタの値ではなく、「0」をBB連荘中獲得枚数として液晶表示装置DD20に表示させる(ステップS1386)。
ステップS1385又はステップS1386の処理を実行した後、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
以上、図159を用いて、図157のステップS1343で行われるMB中表示処理について説明した。図157に説明を戻す。
図157のステップS1343の処理を実行した後、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1342において現在のサブ遊技状態がBB連荘中のMBではないと判断した場合、サブCPU3071は、現在のサブ遊技状態がチャレンジゾーン(2連BBチャレンジゾーン、3連BBチャレンジゾーン、又は、4連以降BBチャレンジゾーン)であるか否かを判断する(ステップS1344)。サブRAM3073のサブ遊技状態フラグ格納領域(図示せず)には、サブ遊技状態を示す情報が格納されており、サブCPU3071は、サブ遊技状態フラグ格納領域を参照することにより、現在のサブ遊技状態を認識することができる。
現在のサブ遊技状態がチャレンジゾーンであると判断した場合、サブCPU3071は、チャレンジゾーン中表示処理を実行する(ステップS1345)。ステップS1344において現在のサブ遊技状態がチャレンジゾーンではないと判断した場合、又は、ステップS1345の処理を実行した後、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
ここで、図160を用いて、チャレンジゾーン中表示処理について説明する。
チャレンジゾーン中表示処理において、まず、サブCPU3071は、チャレンジゾーンゲーム数カウンタの値を1減算する(ステップS1400)。チャレンジゾーンゲーム数カウンタの値は、チャレンジゾーン(2連BBチャレンジゾーン、3連BBチャレンジゾーン、又は、4連以降BBチャレンジゾーン)から通常ゾーンに移行されるまでに行われる単位遊技の残り回数を示し、サブRAM3073に記憶されている。
図示しないが、サブCPU3071は、ボーナス終了コマンド受信時処理(図145のステップS417参照)において、ボーナス状態(BB遊技状態又はMB遊技状態)の終了後に移行するサブ遊技状態が2連BBチャレンジゾーンである場合(図152A及び図152Bの移行条件(1)及び(7)参照)、チャレンジゾーンゲーム数カウンタに「50」をセットする。また、サブCPU3071は、ボーナス状態(BB遊技状態又はMB遊技状態)の終了後に移行するサブ遊技状態が3連BBチャレンジゾーンである場合(図152A及び図152Bの移行条件(2)及び(8)参照)、チャレンジゾーンゲーム数カウンタに「50」をセットする。また、サブCPU3071は、ボーナス状態(BB遊技状態又はMB遊技状態)の終了後に移行するサブ遊技状態が4連以降BBチャレンジゾーンである場合(図152A及び図152Bの移行条件(3)及び(9)参照)、チャレンジゾーンゲーム数カウンタに「100」をセットする。
ステップS1400の処理において、サブCPU3071は、サブRAM3073に記憶されているチャレンジゾーンゲーム数カウンタの値から1を減じた値を、新たなチャレンジゾーンゲーム数カウンタの値としてサブRAM3073に記憶させる。
次に、サブCPU3071は、チャレンジゾーンゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS1401)。チャレンジゾーンゲーム数カウンタの値が0であると判断した場合、サブCPU3071は、サブ遊技状態を通常ゾーンに移行させる(ステップS1402)。
そして、サブCPU3071は、現在の遊技状態がフラグ間状態であるか否かを判断する(ステップS1403)。図145のステップS412で受信する入賞作動コマンドデータに、メインRAM3033の持越役格納領域(図119(a)参照)に格納されているデータが含まれるため、入賞作動コマンドデータを受信することにより、サブCPU3071は、現在の遊技状態を認識することができる。
ステップS1401においてチャレンジゾーンゲーム数カウンタの値が0ではないと判断した場合、又は、ステップS1403において現在の遊技状態がフラグ間状態であると判断した場合、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数カウンタの値から、当該単位遊技において投入されたメダルの投入枚数を減算する(ステップS1404)。この処理において、サブCPU3071は、サブRAM3073に記憶されているBB連荘中獲得枚数カウンタの値から、図123で投入されたメダルの枚数を減じた値を、新たなBB連荘中獲得枚数カウンタの値としてサブRAM3073に記憶させる。図145のステップS402で受信するメダル投入コマンドデータに、図123で投入されたメダルの枚数を示す情報が含まれるため、メダル投入コマンドデータを受信することにより、サブCPU3071は、当該投入枚数を認識することができる。
次に、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数カウンタの値に今回の単位遊技におけるメダルの払出枚数を加算する(ステップS1405)。この処理において、サブCPU3071は、サブRAM3073に記憶されているBB連荘中獲得枚数カウンタの値に、図121のステップS25で払い出されたメダルの枚数を加えた値を、新たなBB連荘中獲得枚数カウンタの値としてサブRAM3073に記憶させる。図145のステップS412で受信する入賞作動コマンドデータに、図121のステップS25で払い出されたメダルの枚数を示す情報が含まれるため、入賞作動コマンドデータを受信することにより、サブCPU3071は、当該払出枚数を認識することができる。
次に、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数カウンタの値が0よりも小さいか否かを判断する(ステップS1406)。
BB連荘中獲得枚数カウンタの値が0以上であると判断した場合、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数としてBB連荘中獲得枚数カウンタの値を液晶表示装置DD20に表示させる(ステップS1407)。なお、BB連荘中獲得枚数カウンタの値が1000以上である場合には、液晶表示装置DD20において、BB連荘中獲得枚数として「999」が点滅表示される。
一方、BB連荘中獲得枚数カウンタの値が0よりも小さいと判断した場合、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数カウンタの値ではなく、「0」をBB連荘中獲得枚数として液晶表示装置DD20に表示させる(ステップS1408)。
ステップS1407又はステップS1408の処理を実行した後、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1403において現在の遊技状態がフラグ間状態ではないと判断した場合、サブCPU3071は、BB連荘中獲得枚数カウンタをクリアし(ステップS1409)、液晶表示装置DD20におけるBB連荘中獲得枚数の表示を終了させる(ステップS1410)。その後、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
本実施形態では、BB連荘中に遊技者の獲得したメダルの枚数に基づいて算出される値(BB連荘中獲得枚数)が液晶表示装置DD20に表示されるところ、「BB連荘中」にはチャレンジゾーンが含まれている。チャレンジゾーンは、ボーナス状態ではなく、一般遊技状態であるため、チャレンジゾーン中は、ボーナス状態と比較して、メダルが減少する可能性が高く、BB連荘中獲得枚数カウンタの値がマイナスになることも充分に想定される。このような場合に、BB連荘中獲得枚数として液晶表示装置DD20にマイナス値を表示すると、当該遊技機1において遊技を行っている遊技者を落胆させてしまうとともに、他の遊技者からも出玉率の高くない台として敬遠されてしまう恐れがある。この点、図160に示すチャレンジゾーン中表示処理が実行されることにより、BB連荘中獲得枚数カウンタの値がマイナスであっても、BB連荘中獲得枚数としてマイナス値が表示されることはなく、この場合には、「0」が表示される(ステップS1408参照)。これにより、BB連荘中獲得枚数の見栄えをよくすることができる。
以上、本発明の一実施形態として、第6実施形態に係る遊技機1について説明した。
<付記A1>
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、遊技メダルやコイン等(「メダル等」)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチおよびストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転およびその停止を行うリール制御部とを備え、スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(「内部当籤役」)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、いわゆるパチスロと称される遊技機が知られている。
このようなパチスロ遊技機では、一般的に、リールの回転が停止した結果として表示され得る図柄の組合せが、内部当籤役ごとに規定されており、遊技者は、停止表示された図柄の組合せを視認することによって、決定された内部当籤役の種別を推測することができる。
また、このような従来の遊技機として、内部当籤役に対応する演出を行うように構成された遊技機が知られている(例えば、特開2009−101012号公報参照)。このような遊技機によれば、内部当籤役と演出との対応関係に関する知識を有している遊技者は、演出を視認することによって、決定された内部当籤役の種別を一定程度予想することができる。
以上のように、従来の遊技機では、遊技者に対して、停止表示された図柄の組合せに基づいて内部当籤役の種別を推測させることができる一方で、演出の種別に基づいて内部当籤役の種別を予想させることもできる。
ここで、決定された内部当籤役の種別に関して、停止表示された図柄の組合せに基づく上記推測と演出の種別に基づく上記予想との間に、開発者の意図に反して齟齬が生じると、遊技者を混乱させてしまうことが懸念される。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、遊技者を混乱させてしまうことを防止することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第6実施形態に係る遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(A1−1) 複数の識別情報を変動表示することが可能な可変表示手段(リールRL,RC,RR)と、
所定の開始契機に基づいて当籤役を決定する役決定手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技者による停止操作を受け付けることが可能な停止操作手段(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R、及び、ストップスイッチ3007LS,3007CS,3007RS)と、
前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作とに基づいて前記可変表示手段における変動表示を停止させることで、表示結果を導出する停止制御手段(図121のステップS22の処理及び図138のステップS325の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記役決定手段により決定された当籤役に対応する演出を実行することが可能な演出実行手段(図150(a)の処理を実行するサブCPU3071)と、
前記演出実行手段により実行され得る演出に関連する演出関連情報(演出用遊技停止番号)を決定することが可能な演出関連情報決定手段(図146(a)の処理及び図149の処理を実行するメインCPU3031)と、を備え、
前記停止制御手段は、
前記役決定手段により第1の役(ブドウ)が当籤役として決定された場合、第1の表示結果(ブドウに係るコンビネーション)を導出するように停止制御を行うことが可能である一方、第2の表示結果(チェリーに係るコンビネーション)を導出するように停止制御を行うことが可能であり、
前記役決定手段により第2の役(チェリー)が当籤役として決定された場合、前記第2の表示結果を導出するように停止制御を行うことが可能であり、
前記演出関連情報決定手段は、
前記役決定手段により前記第1の役が当籤役として決定された場合、前記第1の役に対応する第1演出(図151A及び図151Bに示す「ハリケーン」、「横3本+V」、又は、「噴水」と呼ばれるバックライト演出)に関連する第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)を前記演出関連情報として選択することが可能な演出関連情報選択手段(図146(a)の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記役決定手段により前記第1の役が当籤役として決定され、前記演出関連情報選択手段により前記第1演出関連情報が選択された場合において、前記停止制御手段により前記第2の表示結果が導出されたとき、前記第1演出関連情報から、前記第2の役に対応する第2演出(図151Aに示す「ダブルウインク」と呼ばれるバックライト演出)に関連する第2演出関連情報(演出用遊技停止番号「2」)へと、前記演出関連情報を変更することが可能な演出関連情報変更手段(図149の処理を実行するメインCPU3031)と、を備える、
ことを特徴とする遊技機。
第6実施形態に係る遊技機1によれば、第2の役(チェリー)が当籤役として決定された場合、可変表示手段(リールRL,RC,RR)において第2の表示結果(チェリーに係るコンビネーション)が導出され得る。また、演出実行手段(サブCPU3071)は、決定された当籤役に対応する演出を実行することが可能であり、これによれば、第2の役(チェリー)が当籤役として決定された場合、第2の役(チェリー)に対応する演出(第2演出(図151Aに示す「ダブルウインク」と呼ばれるバックライト演出))を実行することが可能である。従って、第2の表示結果(チェリーに係るコンビネーション)が導出された場合、当該表示結果を視認した遊技者は、第2の役(チェリー)が当籤役として決定されたことを推測するとともに、第2の役(チェリー)と第2演出(図151Aに示す「ダブルウインク」と呼ばれるバックライト演出)とが対応していることを知っていれば、第2演出(図151Aに示す「ダブルウインク」と呼ばれるバックライト演出)が実行されたことに基づいて当該推測を裏付けることができる。
一方で、第6実施形態に係る遊技機1によれば、第2の役(チェリー)が当籤役として決定された場合だけでなく、第1の役(ブドウ)が当籤役として決定された場合にも、第2の表示結果(チェリーに係るコンビネーション)が導出され得る。この場合にも、当該表示結果を視認した遊技者は、第2の役(チェリー)が当籤役として決定されたものと推測する可能性がある。しかしながら、第1の役(ブドウ)が当籤役として決定された場合には、演出実行手段(サブCPU3071)により実行され得る演出に関連する演出関連情報(演出用遊技停止番号)として、第1の役(ブドウ)に対応する演出(第1演出(図151A及び図151Bに示す「ハリケーン」、「横3本+V」、又は、「噴水」と呼ばれるバックライト演出))に関連する第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)が選択され得る。これにより、第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)に関連して第1演出(図151A及び図151Bに示す「ハリケーン」、「横3本+V」、又は、「噴水」と呼ばれるバックライト演出)が実行されれば、第1の役(ブドウ)と第1演出(図151A及び図151Bに示す「ハリケーン」、「横3本+V」、又は、「噴水」と呼ばれるバックライト演出)とが対応していることを知っている遊技者は、第1の役(ブドウ)が当籤役として決定されたものと予想する可能性がある。このように、可変表示手段(リールRL,RC,RR)における表示結果(第2の表示結果(チェリーに係るコンビネーション)が導出されたこと)に基づく推測(第2の役(チェリー)が当籤役として決定された旨の推測)と、演出の種別(第1演出(図151A及び図151Bに示す「ハリケーン」、「横3本+V」、又は、「噴水」と呼ばれるバックライト演出)が実行されたこと)に基づく予想(第1の役(ブドウ)が当籤役として決定された旨の予想)とが一致しないと、遊技者を混乱させてしまうことが懸念される。
この点、第6実施形態に係る遊技機1によれば、第1の役(ブドウ)が当籤役として決定され、第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)が選択された場合において、第2の表示結果(チェリーに係るコンビネーション)が導出されたとき、第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)から第2演出関連情報(演出用遊技停止番号「2」)(第2演出(図151Aに示す「ダブルウインク」と呼ばれるバックライト演出)に関連する演出関連情報(演出用遊技停止番号))へと、演出関連情報(演出用遊技停止番号)を変更することが可能である。これにより、第2演出関連情報(演出用遊技停止番号「2」)に関連して第2演出(図151Aに示す「ダブルウインク」と呼ばれるバックライト演出)が実行されれば、第2の役(チェリー)と第2演出(図151Aに示す「ダブルウインク」と呼ばれるバックライト演出)とが対応していることを知っている遊技者に対して、第2の役(チェリー)が当籤役として決定された旨、予想させることができる。その結果、可変表示手段(リールRL,RC,RR)における表示結果(第2の表示結果(チェリーに係るコンビネーション)が導出されたこと)に基づく推測(第2の役(チェリー)が当籤役として決定された旨の推測)と、演出の種別(第2演出(図151Aに示す「ダブルウインク」と呼ばれるバックライト演出)が実行されたこと)に基づく予想(第2の役(チェリー)が当籤役として決定された旨の予想)とを一致させることが可能であり、遊技者が混乱するような事態を招来してしまうことを防止することができる。
なお、このような混乱を防止するための手段として、第1の役(ブドウ)が当籤役として決定された場合には、第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)及び第2演出関連情報(演出用遊技停止番号「2」)の双方を暫定的に選択しておき、その後第2の表示結果(チェリーに係るコンビネーション)が導出された場合に、第2演出関連情報(演出用遊技停止番号「2」)を演出関連情報(演出用遊技停止番号)として最終的に確定する、といったことも考えられる。しかしながら、このような手段を採用する場合には、第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)及び第2演出関連情報(演出用遊技停止番号「2」)の双方を一定時間記憶しておく必要があるため、一の演出関連情報(演出用遊技停止番号)のみを記憶する場合と比較して、データ領域を圧迫してしまうことが懸念される。とりわけ、第1の役(ブドウ)が当籤役として決定された場合に導出され得る表示結果(コンビネーション)の個数が多い(例えば、当該個数が3つ、4つ、又は、5つ以上であるような)形態(例えば、第1の役(ブドウ)が当籤役として決定された場合に、第1の表示結果(ブドウに係るコンビネーション)及び第2の表示結果(チェリーに係るコンビネーション)に加え、第3の表示結果(第3の役に対応するコンビネーション)が導出され得るような形態)においては、その分だけの演出関連情報(演出用遊技停止番号)を記憶しておく必要があるため、処理負担が増大してしまうことが想定される。この点、第6実施形態に係る遊技機1によれば、一の演出関連情報(第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」))のみを記憶しておけば足りるため、データ領域を有効に活用することが可能であり、処理負担の軽減を図ることができる。
(A1−2) 前記(A1−1)の遊技機であって、
遊技者による操作が所定時間無効化されるロック(演出用遊技ロック)を実行することが可能なロック実行手段(図148の処理を実行するメインCPU3031)を備え、
前記ロック実行手段は、
前記演出関連情報決定手段により決定された演出関連情報に応じた時間だけ前記ロックを実行することが可能であり、
前記演出実行手段は、
前記ロック実行手段により前記ロックが実行されている間に、前記演出関連情報決定手段により決定された演出関連情報に応じた演出(バックライト演出)を実行することが可能である、
ことを特徴とする。
第6実施形態に係る遊技機1によれば、演出関連情報(演出用遊技停止番号)に応じた時間だけロック(演出用遊技ロック)を実行することが可能であり、また、ロック(演出用遊技ロック)が実行されている間に、演出関連情報(演出用遊技停止番号)に応じた演出(バックライト演出)を実行することが可能である。これにより、ロック(演出用遊技ロック)が実行される時間と演出(バックライト演出)が実行される時間とを対応させることが可能であるとともに、ロック(演出用遊技ロック)が実行されている間は遊技者による操作が無効化されるため、遊技者に対して、遊技をいったん小休止させて、演出(バックライト演出)に集中してもらうことができる。
(A1−1′) 複数の識別情報を変動表示することが可能な可変表示手段(リールRL,RC,RR)と、
所定の開始契機に基づいて当籤役を決定する役決定手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技者による停止操作を受け付けることが可能な停止操作手段(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R、及び、ストップスイッチ3007LS,3007CS,3007RS)と、
前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作とに基づいて前記可変表示手段における変動表示を停止させることで、表示結果を導出する停止制御手段(図121のステップS22の処理及び図138のステップS325の処理を実行するメインCPU3031)と、
演出を実行することが可能な演出実行手段(図150(a)の処理を実行するサブCPU3071)と、
前記演出実行手段により実行され得る演出に関連する演出関連情報(演出用遊技停止番号)を決定することが可能な演出関連情報決定手段(図146(a)の処理及び図149の処理を実行するメインCPU3031)と、を備え、
前記演出実行手段は、
前記停止制御手段により第1の表示結果(ブドウに係るコンビネーション)が導出された場合に、第1演出(図151A及び図151Bに示す「ハリケーン」、「横3本+V」、又は、「噴水」と呼ばれるバックライト演出)を実行することが可能である一方、前記停止制御手段により第2の表示結果(チェリーに係るコンビネーション)が導出された場合に、第2演出(図151Aに示す「ダブルウインク」と呼ばれるバックライト演出)を実行することが可能であり、
前記演出関連情報決定手段は、
前記第1演出に関連する第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)を前記演出関連情報として選択することが可能な演出関連情報選択手段(図146(a)の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記演出関連情報選択手段により前記第1演出関連情報が選択された場合において、前記停止制御手段により前記第2の表示結果が導出されたとき、前記第1演出関連情報から、前記第2演出に関連する第2演出関連情報(演出用遊技停止番号「2」)へと、前記演出関連情報を変更することが可能な演出関連情報変更手段(図149の処理を実行するメインCPU3031)と、を備える、
ことを特徴とする遊技機。
第6実施形態に係る遊技機1によれば、第1の表示結果(ブドウに係るコンビネーション)が導出された場合に、第1演出(図151A及び図151Bに示す「ハリケーン」、「横3本+V」、又は、「噴水」と呼ばれるバックライト演出)を実行することが可能である一方、第2の表示結果(チェリーに係るコンビネーション)が導出された場合に、第2演出(図151Aに示す「ダブルウインク」と呼ばれるバックライト演出)を実行することが可能である。従って、第1の表示結果(ブドウに係るコンビネーション)と第1演出(「ハリケーン」、「横3本+V」、又は、「噴水」と呼ばれるバックライト演出)とが対応しており、第2の表示結果(チェリーに係るコンビネーション)と第2演出(「ダブルウインク」と呼ばれるバックライト演出)とが対応していることを、遊技者に意識させることができる。ここで、第1演出(「ハリケーン」、「横3本+V」、又は、「噴水」と呼ばれるバックライト演出)に関連する第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)が選択された場合に第2の表示結果(チェリーに係るコンビネーション)が導出されることがあるが、この場合に、第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)に関連して第1演出(「ハリケーン」、「横3本+V」、又は、「噴水」と呼ばれるバックライト演出)が実行されれば、上記のような表示結果と演出との対応関係に合致しないことになり、遊技者を混乱させてしまうことが懸念される。この点、第6実施形態に係る遊技機1によれば、第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)が選択された場合において、第2の表示結果(チェリーに係るコンビネーション)が導出されたときには、第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)から第2演出関連情報(演出用遊技停止番号「2」)(第2演出(「ダブルウインク」と呼ばれるバックライト演出)に関連する演出関連情報(演出用遊技停止番号))へと、演出関連情報(演出用遊技停止番号)を変更することが可能である。これにより、第2演出関連情報(演出用遊技停止番号「2」)に関連して第2演出(「ダブルウインク」と呼ばれるバックライト演出)が実行されれば、遊技者が意識しているであろう上記対応関係に合致させることが可能であり、遊技者が混乱するような事態を招来してしまうことを防止することができる。
なお、このような混乱を防止するための手段として、第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)及び第2演出関連情報(演出用遊技停止番号「2」)の双方を暫定的に選択しておき、その後第2の表示結果(チェリーに係るコンビネーション)が導出された場合に、第2演出関連情報(演出用遊技停止番号「2」)を演出関連情報(演出用遊技停止番号)として最終的に確定する、といったことも考えられる。しかしながら、このような手段を採用する場合には、第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)及び第2演出関連情報(演出用遊技停止番号「2」)の双方を一定時間記憶しておく必要があるため、一の演出関連情報(演出用遊技停止番号)のみを記憶する場合と比較して、データ領域を圧迫してしまうことが懸念される。この点、第6実施形態に係る遊技機1によれば、一の演出関連情報(演出用遊技停止番号)(第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」))のみを記憶しておけば足りるため、データ領域を有効に活用することが可能であり、処理負担の軽減を図ることができる。
第6実施形態では、第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)が選択される単位遊技と、第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)から第2演出関連情報(演出用遊技停止番号「2」)へと演出関連情報(演出用遊技停止番号)が変更される単位遊技とが、同一の単位遊技であることとして説明した。しかし、本発明においては、一の単位遊技において第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)が選択された場合、当該一の単位遊技以降の単位遊技において、第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)から第2演出関連情報(演出用遊技停止番号「2」)へと演出関連情報(演出用遊技停止番号)が変更されることとしてもよい。例えば、一の単位遊技においてロックに関する抽籤(例えば、図146(a)に示す処理)が行われた後、当該一の単位遊技の次の単位遊技(又は、当該一の単位遊技から所定回数目の単位遊技)において、演出用遊技停止番号の上書き(例えば、図149に示す処理)が行われることとしてもよい。また、第6実施形態では、第1の役(ブドウ)が当籤役として決定された場合に第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)が選択され得ることとして説明した。しかし、本発明において、第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)を選択する契機は、第1の役(ブドウ)の当籤に限定されない。例えば、内部抽籤とは別途行われる抽籤の結果が所定の結果である場合に第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)を選択することとしてもよいし、内部抽籤の結果がハズレである場合に第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)を選択することとしてもよいし、任意の所定役が複数回の単位遊技に亘って連続して当籤した場合に第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)を選択することとしてもよいし、ボーナス役が当籤した場合に第1演出関連情報(演出用遊技停止番号「7」、「8」、又は、「9」)を選択することとしてもよい。
<付記A2>
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、遊技メダルやコイン等(「メダル等」)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチおよびストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転およびその停止を行うリール制御部とを備え、スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(「内部当籤役」)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、いわゆるパチスロと称される遊技機が知られている。
このような従来の遊技機として、所謂ARTを備え、ART中と非ART中とで異なるBGMを出力するように構成された遊技機が知られている(例えば、特開2010−51492号公報参照)。このような遊技機によれば、ART(遊技者にとって有利な遊技状態)中に流れる特有のBGMを通じて、遊技を盛り上げ、遊技者の気持ちを高揚させることができる。
本発明者は、上述したような特定の遊技状態中に行われるBGM等の演出について、鋭意検討を重ねる過程において、特定の演出の発生条件に関して工夫を凝らすことにより、新たなエンターテインメント性を創出することができるのではないかという考えに至った。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、演出の発生に関し新たなエンターテインメント性を創出することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第6実施形態に係る遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(A2−1) 複数の識別情報を変動表示することが可能な複数の可変表示手段(リールRL,RC,RR)と、
所定の開始契機に基づいて当籤役を決定する役決定手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技者による停止操作を受け付けることが可能な停止操作手段(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R、及び、ストップスイッチ3007LS,3007CS,3007RS)と、
前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作とに基づいて前記可変表示手段における変動表示を停止させることで、表示結果を導出する停止制御手段(図121のステップS22の処理及び図138のステップS325の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記役決定手段により特別役(BB)が当籤役として決定された後、前記停止制御手段により所定の表示結果(図100Aに示す「C_赤7」又は「C_鳥7」)が導出された場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態(BB遊技状態)を作動させる特別遊技状態作動手段(図137の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記特別遊技状態において所定の演出(図153(a)に示す楽曲A〜Cの出力)を行うことが可能な特別遊技状態中演出実行手段と、を備え、
前記停止制御手段は、
前記役決定手段により前記特別役が当籤役として決定された後前記所定の表示結果が導出されるまでの特定遊技状態(BBフラグ間状態)において、前記複数の可変表示手段に対する停止操作が特定の順序(「右リールRR→中リールRC→左リールRL」の順序、又は、「中リールRC→右リールRR→左リールRL」の順序)で行われた場合に、前記所定の表示結果とは異なる特定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_01」又は「C_リプC_02」)を導出するように停止制御を行うことが可能であり、
前記特別遊技状態中演出実行手段は、
前記特定遊技状態において前記停止制御手段により前記特定の表示結果が導出された場合に、前記特別遊技状態において前記所定の演出とは異なる特定の演出(図153(a)に示す楽曲P〜Sの出力)を行うことが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第6実施形態に係る遊技機1によれば、特別役(BB)が当籤役として決定された後、所定の表示結果(図100Aに示す「C_赤7」又は「C_鳥7」)が導出された場合に、遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態(BB遊技状態))が作動し、当該特別遊技状態(BB遊技状態)においては所定の演出(図153(a)に示す楽曲A〜Cの出力)が行われ得る。ここで、特別役(BB)が当籤役として決定された後所定の表示結果(図100Aに示す「C_赤7」又は「C_鳥7」)が導出されるまでの遊技状態(特定遊技状態(BBフラグ間状態))において特定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_01」又は「C_リプC_02」)が導出された場合には、特別遊技状態(BB遊技状態)において、所定の演出(図153(a)に示す楽曲A〜Cの出力)ではなく特定の演出(図153(a)に示す楽曲P〜Sの出力)が行われ得る。特定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_01」又は「C_リプC_02」)は、特定遊技状態(BBフラグ間状態)において停止操作が特定の順序(「右リールRR→中リールRC→左リールRL」の順序、又は、「中リールRC→右リールRR→左リールRL」の順序)で行われた場合に導出可能となっている。従って、遊技者は、特定遊技状態(BBフラグ間状態)において特定の順序(「右リールRR→中リールRC→左リールRL」の順序、又は、「中リールRC→右リールRR→左リールRL」の順序)で停止操作を行って、特定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_01」又は「C_リプC_02」)を導出させることによって、特別遊技状態(BB遊技状態)中に行われる演出を、所定の演出(図153(a)に示す楽曲A〜Cの出力)から特定の演出(図153(a)に示す楽曲P〜Sの出力)に切り替えることができる。このように、遊技者の停止操作によって演出内容が変更され得るような状況を設定することにより、遊技者に対して、自身の手によって遊技内容を作り変えているような感覚を抱かせることができる。その結果、遊技者を遊技の世界へと誘い、遊技に熱中させることができる。
(A2−1′) 前記(A2−1)の遊技機であって、
1回の単位遊技に対して遊技価値(メダル)をベット可能なベット手段(BETボタン、及び、図121のステップS12の処理を実行するメインCPU3031)を備え、
前記停止制御手段は、
前記ベット手段からベットされた遊技価値の数が第1所定数(1)である場合においては、前記ベット手段からベットされた遊技価値の数が前記第1所定数と異なる第2所定数(3)である場合よりも高い確率で、前記特定の表示結果が導出され得るように停止制御を行うことが可能である、
ことを特徴とする。
第6実施形態に係る遊技機1によれば、遊技価値(メダル)のベット数が第1所定数(1)である場合には、遊技価値(メダル)のベット数が第2所定数(3)である場合よりも高い確率で、特定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_01」又は「C_リプC_02」)が導出され得るようになっている。これにより、遊技価値(メダル)のベット数が第2所定数(3)である場合と比較して、遊技価値(メダル)のベット数が第1所定数(1)である場合の方が、特別遊技状態(BB遊技状態)中に行われる演出が特定の演出(図153(a)に示す楽曲P〜Sの出力)に切り替わりやすくなっている。従って、特定の演出(図153(a)に示す楽曲P〜Sの出力)が行われることを望む遊技者に対して、第1所定数の遊技価値(1枚のメダル)をベットすることを促すことができる。
なお、特定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_01」又は「C_リプC_02」)が導出された場合、特別遊技状態(BB遊技状態)中に行われる演出を切り替えるのに代えて、何らかの特典を遊技者に付与することとしてもよい。また、第6実施形態では、特定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_01」又は「C_リプC_02」)を導出させるために、1枚掛け遊技を行う必要があることとして説明したが、特定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_01」又は「C_リプC_02」)を導出させるために必要な遊技価値(メダル)の投入枚数は、特に限定されない。例えば、1枚掛け遊技に限らず、3枚掛け遊技においても「F_共通リプ」が内部当籤役として決定され得るように構成してもよい。また、1枚掛け遊技及び3枚掛け遊技の双方で「F_共通リプ」が内部当籤役として決定され得るようにしつつ、1枚掛け遊技の方が3枚掛け遊技よりも「F_共通リプ」の当籤確率が高くなるように構成してもよい。逆に、3枚掛け遊技の方が1枚掛け遊技よりも「F_共通リプ」の当籤確率が高くなるように構成してもよい。
また、本実施形態では、「F_7BB」が内部当籤役として決定される場合には「F_鳥BB」が内部当籤役として決定されず、「F_鳥BB」が内部当籤役として決定される場合には「F_7BB」が内部当籤役として決定されないこととして説明した(図102参照)。すなわち、「F_7BB」及び「F_鳥BB」は、それぞれ単独で当籤し得る一方で、「F_7BB」及び「F_鳥BB」の双方が内部当籤役として決定されることはないものとして説明した。しかし、本発明においては、「F_7BB」と「F_鳥BB」とがともに内部当籤役として決定され得ることとしてもよい(複数のボーナス役が重複当籤し得るように構成してもよい)。これにより、RT0遊技状態において「F_7BB」及び「F_鳥BB」が重複当籤した場合には、7BBに対応する図柄の組合せ(「赤7」−「赤7」−「赤7」)及び鳥BBに対応する図柄の組合せ(「鳥」−「鳥」−「赤7」)の双方が有効ライン上に停止表示可能なフラグ間状態に移行する。そして、当該フラグ間状態において、例えば、遊技者が上記リプレイはずしに挑戦し、左リールRLに対する停止操作として図柄位置「3」の「赤7」狙いのビタ押しに成功したような場合には、左リールRLにおいて「赤7」がビタ止まりしやすいリール制御を行うことができる。
(A2−2) 複数の識別情報を変動表示することが可能な可変表示手段(リールRL,RC,RR)と、
所定の開始契機に基づいて当籤役を決定する役決定手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技者による停止操作を受け付けることが可能な停止操作手段(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R、及び、ストップスイッチ3007LS,3007CS,3007RS)と、
前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作とに基づいて前記可変表示手段における変動表示を停止させることで、表示結果を導出する停止制御手段(図121のステップS22の処理及び図138のステップS325の処理を実行するメインCPU3031)と、
特定の遊技状態(BB遊技状態)において第1の演出(図153(a)に示す楽曲P及びQの出力)及び第2の演出(図153(a)に示す楽曲R及びSの出力)を含む複数の演出のうちの何れかの演出を行うことが可能な演出実行手段と、を備え、
前記停止制御手段は、
前記役決定手段により特定の役(「F_共通リプ」)が当籤役として決定された場合において、前記可変表示手段に対して第1所定の停止操作(「右リールRR→中リールRC→左リールRL」の順序、且つ、左リールRLに対する停止操作として図柄位置「3」の「赤7」をビタ押しするような停止操作)が行われた場合には、第1所定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_01」)を導出するように停止制御を行うことが可能である一方、前記可変表示手段に対して第2所定の停止操作(「中リールRC→右リールRR→左リールRL」の順序、且つ、左リールRLに対する停止操作として図柄位置「9」の「羽」をビタ押しするような停止操作)が行われた場合には、第2所定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_02」)を導出するように停止制御を行うことが可能であり、
前記演出実行手段は、
前記役決定手段により前記特定の役が当籤役として決定された場合において、前記停止制御手段により前記第1所定の表示結果が導出された場合には、前記特定の遊技状態において前記第1の演出を行うことが可能である一方、前記停止制御手段により前記第2所定の表示結果が導出された場合には、前記特定の遊技状態において前記第2の演出を行うことが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第6実施形態に係る遊技機1によれば、特定の役(「F_共通リプ」)が当籤役として決定された場合において、第1所定の停止操作(「右リールRR→中リールRC→左リールRL」の順序、且つ、左リールRLに対する停止操作として図柄位置「3」の「赤7」をビタ押しするような停止操作)が行われた場合には、第1所定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_01」)を導出するように停止制御が行われ得る一方、第2所定の停止操作(「中リールRC→右リールRR→左リールRL」の順序、且つ、左リールRLに対する停止操作として図柄位置「9」の「羽」をビタ押しするような停止操作)が行われた場合には、第2所定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_02」)を導出するように停止制御が行われ得る。そして、第1所定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_01」)が導出された場合には、特定の遊技状態(BB遊技状態)において第1の演出(図153(a)に示す楽曲P及びQの出力)を行うことが可能である一方、第2所定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_02」)が導出された場合には、特定の遊技状態(BB遊技状態)において第2の演出(図153(a)に示す楽曲R及びSの出力)を行うことが可能となっている。従って、遊技者は、特定の役(「F_共通リプ」)が当籤役として決定された場合に、第1所定の停止操作(「右リールRR→中リールRC→左リールRL」の順序、且つ、左リールRLに対する停止操作として図柄位置「3」の「赤7」をビタ押しするような停止操作)を行って第1所定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_01」)を導出させることによって、特定の遊技状態(BB遊技状態)において行われる演出を第1の演出(図153(a)に示す楽曲P及びQの出力)とすることができる一方、第2所定の停止操作(「中リールRC→右リールRR→左リールRL」の順序、且つ、左リールRLに対する停止操作として図柄位置「9」の「羽」をビタ押しするような停止操作)を行って第2所定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_02」)を導出させることによって、特定の遊技状態(BB遊技状態)において行われる演出を第2の演出(図153(a)に示す楽曲R及びSの出力)とすることもできる。すなわち、遊技者は、第1所定の停止操作(「右リールRR→中リールRC→左リールRL」の順序、且つ、左リールRLに対する停止操作として図柄位置「3」の「赤7」をビタ押しするような停止操作)と第2所定の停止操作(「中リールRC→右リールRR→左リールRL」の順序、且つ、左リールRLに対する停止操作として図柄位置「9」の「羽」をビタ押しするような停止操作)とのうち何れの停止操作を行うのかによって、第1の演出(図153(a)に示す楽曲P及びQの出力)及び第2の演出(図153(a)に示す楽曲R及びSの出力)のうちの任意の演出を、特定の遊技状態(BB遊技状態)において行われる演出として選択することができる。このように、遊技者の停止操作によって演出内容が決定され得るような状況を設定することにより、遊技者に対して、自身の手によって遊技内容を作り変えているような感覚を抱かせることができる。その結果、遊技者を遊技の世界へと誘い、遊技に熱中させることができる。
また、第6実施形態に係る遊技機1によれば、遊技価値(メダル)のベット数が所定数(1)である場合にのみ、第1所定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_01」)及び第2所定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_02」)が導出され得るようになっている。従って、第1所定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_01」)を導出させるための停止操作(第1所定の停止操作)、又は、第2所定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_02」)を導出させるための停止操作(第2所定の停止操作)を行うことを通じて、特定の遊技状態(BB遊技状態)において行われる演出として、第1の演出(図153(a)に示す楽曲P及びQの出力)及び第2の演出(図153(a)に示す楽曲R及びSの出力)のうちの何れかの演出を選択することを望む遊技者に対して、所定数の遊技価値(1枚のメダル)をベットすることを促すことができる。
第6実施形態では、第1の演出(図153(a)に示す楽曲P及びQの出力)並びに第2の演出(図153(a)に示す楽曲R及びSの出力)のうちの任意の演出を選択するための停止操作、すなわち、第1所定の停止操作(「右リールRR→中リールRC→左リールRL」の順序、且つ、左リールRLに対する停止操作として図柄位置「3」の「赤7」をビタ押しするような停止操作)、及び、第2所定の停止操作(「中リールRC→右リールRR→左リールRL」の順序、且つ、左リールRLに対する停止操作として図柄位置「9」の「羽」をビタ押しするような停止操作)が、遊技者の技量(ビタ押しの技術)を必要とする停止操作であることとして説明した。しかし、本発明における第1所定の停止操作及び第2所定の停止操作は、遊技者の技量を必要としない停止操作であってもよい。例えば、第1所定の停止操作が第1の押し順(例えば、「右リールRR→中リールRC→左リールRL」の順序)での停止操作であり、第2所定の停止操作が第2の押し順(例えば、「中リールRC→右リールRR→左リールRL」の順序)での停止操作であることとしてもよい。この場合、第1の押し順で停止操作が行われた場合には、第1所定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_01」)が必ず導出され、第2の押し順で停止操作が行われた場合には、第2所定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_02」)が必ず導出されるように構成することが可能である。
また、第6実施形態では、選択対象となる演出が2種類(第1の演出(図153(a)に示す楽曲P及びQの出力)並びに第2の演出(図153(a)に示す楽曲R及びSの出力))存在し、これに対応する停止操作(第1所定の停止操作(「右リールRR→中リールRC→左リールRL」の順序、且つ、左リールRLに対する停止操作として図柄位置「3」の「赤7」をビタ押しするような停止操作)、及び、第2所定の停止操作(「中リールRC→右リールRR→左リールRL」の順序、且つ、左リールRLに対する停止操作として図柄位置「9」の「羽」をビタ押しするような停止操作))、並びに、停止表示されるコンビネーション(第1所定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_01」)及び第2所定の表示結果(図100Aに示す「C_リプC_02」))も、それぞれ2種類であることとして説明した。本発明において、選択対象となる演出の種類数、並びに、これに対応する停止操作及び表示結果の種類数は、特に限定されず、3種類以上であってもよい。
なお、以上では、図153(a)に示す楽曲P及びQの出力(特殊条件(I)BB用サウンドの再生)が「第1の演出」に相当し、図153(a)に示す楽曲R及びSの出力(特殊条件(II)BB用サウンドの再生)が「第2の演出」に相当することとして説明した。ここで、初回BB用サウンド、2連BB用サウンド、3連BB用サウンド、又は、4連以降BB用サウンド(通常のBB用サウンド)の再生が「第1の演出」に相当し、特殊条件(I)BB用サウンド又は特殊条件(II)BB用サウンド(特殊なBB用サウンド)の再生が「第2の演出」に相当するものと見做すこともできる。すなわち、遊技者は、「プラム」図柄を2つ揃えるのか3つ揃えるのかによって、通常のBB用サウンドと特殊なBB用サウンドとのうち何れのBB用サウンドを再生させるのかを選択することができる。このような観点からすると、左リールRLに対する停止操作が特定の図柄(プラム)の停止表示され得るタイミング(「プラム」までの距離が最大滑り駒数の範囲内であるようなタイミング)で行われることが「第1所定の停止操作」に相当し、左リールRLに対する停止操作が特定の図柄(プラム)の停止表示され得ないタイミング(「プラム」までの距離が最大滑り駒数の範囲内にないようなタイミング)で行われることが「第2所定の停止操作」に相当すると言える。
第6実施形態では、チャレンジゾーン(図152に示す2連BBチャレンジゾーン、3連BBチャレンジゾーン、及び、4連以降BBチャレンジゾーンのうちの何れか)中にBBが内部当籤役として決定されることにより発生するBBフラグ間状態において特殊条件(特殊条件(I)又は特殊条件(II))が成立し、その後にBBが入賞することによりBB遊技状態が発生した場合、連荘BB用サウンド(2連BB用サウンド、3連BB用サウンド、又は、4連以降BB用サウンド)よりも特殊条件BB用サウンド(特殊条件(I)BB用サウンド又は特殊条件(II)BB用サウンド)が優先されることとして説明した。これにより、例えば、2連BBチャレンジゾーン中にBBが内部当籤役として決定されることにより発生するBBフラグ間状態において特殊条件(特殊条件(I)又は特殊条件(II))が成立した場合、その後にBBが入賞することにより発生するBB遊技状態においては、2連BB用サウンド(「楽曲D及び楽曲E」)ではなく、特殊条件BB用サウンド(「楽曲P及び楽曲Q」又は「楽曲R及び楽曲S」)が出力される。その後、当該BB遊技状態が終了すると、3連BBチャレンジゾーンに移行し、当該3連BBチャレンジゾーン中にBBが内部当籤役として決定された場合には、当該BBが入賞することにより3連BBが発生し、当該3連BBにおいては3連BB用サウンド(「楽曲F及び楽曲G」)が出力される。そうすると、結果的に、2連BB用サウンド(「楽曲D及び楽曲E」)が出力されずに、スキップされてしまうような状況となる。本発明においては、このようにして、特殊条件が発生した場合に、出力される予定であったサウンド(上記の例では、2連BB用サウンド(「楽曲D及び楽曲E」))をスキップすることとしてもよいが、スキップせずに次回のBB遊技状態において当該サウンドを出力することとしてもよい。
すなわち、上記のように、BB連荘中において、2連BB用サウンド(「楽曲D及び楽曲E」)の代わりに、特殊条件BB用サウンド(「楽曲P及び楽曲Q」又は「楽曲R及び楽曲S」)が出力された場合、次回のBB遊技状態において2連BB用サウンド(「楽曲D及び楽曲E」)を出力し、その次に発生するBB遊技状態において3連BB用サウンド(「楽曲F及び楽曲G」)を出力し、その次に発生するBB遊技状態において4連以降BB用サウンド(「楽曲H及び楽曲I」又は「楽曲J及び楽曲K」)を出力することとしてもよい。換言すると、BBが連荘するのに伴い、BB遊技状態中に出力されるサウンドが、「初回BB用サウンド」(「楽曲A及び楽曲C」又は「楽曲B及び楽曲C」)→「2連BB用サウンド」(「楽曲D及び楽曲E」)→「3連BB用サウンド」(「楽曲F及び楽曲G」)→「4連以降BB用サウンド」(「楽曲H及び楽曲I」又は「楽曲J及び楽曲K」)と順次変化するような形態において、当該連荘の途中で特殊条件が成立した場合には、特殊条件BB用サウンド(「楽曲P及び楽曲Q」又は「楽曲R及び楽曲S」)を割り込ませることとし、以降の連荘BB用サウンドを順次先送りにするように構成することが可能である。
また、特殊条件が成立した場合には、上述した演出用遊技ロック(図148参照)を発生させることとしてもよく、演出用遊技ロックとともに、バックライト演出やその他の演出を行うこととしてもよい。例えば、特殊条件が成立したことを示す画像(「リプレイはずし成功!BB中サウンドが特殊サウンドに変わります」といった内容の文字画像)や、特殊条件(I)と特殊条件(II)とのうち何れの特殊条件が成立したのかを示す画像(「赤7のビタ押しに成功!BB中サウンドが楽曲P及び楽曲Qに変わります」又は「羽のビタ押しに成功!BB中サウンドが楽曲R及び楽曲Sに変わります」といった内容の文字画像)が表示されることとしてもよい。
このような変形例について、図161〜図163を用いて説明する。図161は、主制御回路において行われる演出用遊技停止番号上書処理を示すフローチャートである。図162は、副制御回路において行われるBB当籤コマンド受信時処理を示すフローチャートである。図163は、副制御回路において行われる特殊条件成立コマンド受信時処理を示すフローチャートである。
<演出用遊技停止番号上書処理>
図161を用いて、主制御回路3060において行われる演出用遊技停止番号上書処理について説明する。演出用遊技停止番号上書処理は、図148(演出用遊技ロック処理)のステップS1022において行われる処理である。
ステップS1041〜ステップS1045の処理については、図148を用いて説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
ステップS1041において現在の遊技状態がフラグ間状態であると判断した場合、メインCPU3031は、「赤7」−「プラム」−「プラム」に係る図柄組合せ又は「羽」−「プラム」−「プラム」に係る図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されたか否かを判断する(ステップS1046)。すなわち、メインCPU3031は、「C_リプC_01」に係るコンビネーション又は「C_リプC_02」に係るコンビネーション(図100A参照)が入賞したか否かを判断する。
「赤7」−「プラム」−「プラム」に係る図柄組合せ又は「羽」−「プラム」−「プラム」に係る図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されたと判断した場合、メインCPU3031は、メインRAM3033の演出用遊技停止番号格納領域に格納されている演出用遊技停止番号を示すデータを、特定の演出用遊技停止番号(例えば、「10」)を示すデータに上書きする(ステップS1047)。
次に、メインCPU3031は、特殊条件成立コマンドデータを生成し、生成した特殊条件成立コマンドデータをメインRAM3033の通信データ格納領域に格納する(ステップS1048)。通信データ格納領域に格納された特殊条件成立コマンドデータは、コマンドデータ送信処理(図138参照)において主制御回路3060から副制御回路3070へ送信される。これにより、副制御回路3070では、特殊条件が成立したことを認識することができるようになる。
ステップS1046において「赤7」−「プラム」−「プラム」に係る図柄組合せも「羽」−「プラム」−「プラム」に係る図柄組合せも有効ラインに沿って停止表示されていないと判断した場合、又は、ステップS1048の処理を実行した後、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
図161に示す演出用遊技停止番号上書処理が実行されることにより、BBフラグ間状態において「赤7」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_01」)又は「羽」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_02」)が入賞した場合(特殊条件が成立した場合)に、ステップS1047で上書きされた演出用遊技停止番号に対応する演出用遊技ロックが行われることになる。また、図150(a)に示す演出用遊技ロックコマンド受信時処理が実行されることにより、演出用遊技停止番号に対応するバックライト演出が行われることになる。
ここで、ステップS1047では、「赤7」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_01」)が入賞した場合と、「羽」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_02」)が入賞した場合とで、異なる演出用遊技停止番号に上書きすることとしてもよい。例えば、「赤7」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_01」)が入賞した場合には、最も長いロック時間に対応する演出用遊技停止番号(「10」)に上書きし、「羽」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_02」)が入賞した場合には、より短いロック時間に対応する演出用遊技停止番号(「1」)に上書きすることとしてもよい。これにより、「赤7」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_01」)が入賞した場合と、「羽」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_02」)が入賞した場合とで、演出用遊技ロックの発生時間が異なるとともに、その間に行われるバックライト演出の種類も異なることになる。
また、「赤7」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_01」)が入賞した場合と、「羽」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_02」)が入賞した場合とで、同一のバックライト演出を行いつつ、内容の異なる他の演出を行うこととしてもよい。例えば、「赤7」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_01」)が入賞した場合と、「羽」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_02」)が入賞した場合とで、異なる画像(例えば、上記「特殊条件(I)と特殊条件(II)とのうち何れの特殊条件が成立したのかを示す画像」)を表示することとしてもよい。この場合には、「赤7」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_01」)と「羽」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_02」)とのうち何れのコンビネーションが入賞したのか(特殊条件(I)と特殊条件(II)とのうち何れの特殊条件が成立したのか)を示す情報が特殊条件成立コマンドデータに含まれるようにすればよい。これにより、副制御回路3070は、特殊条件(I)と特殊条件(II)とのうち何れの特殊条件が成立したのかを認識することができ、成立した特殊条件に応じた演出を行うことが可能となる。
ここで、図161に示す変形例は、図147A及び図147Bの内容を前提としておらず、ステップS1047の処理を行うに当たって、何らかの演出用遊技停止番号を示すデータが、メインRAM3033の演出用遊技停止番号格納領域に既に格納されていることを前提としている。すなわち、ステップS1047の処理は、フラグ間状態において「F_共通リプ」が内部当籤役として決定されたことを条件として実行されるところ(図101A参照)、図147A及び図147Bの内容を前提とすれば、フラグ間状態において内部当籤役が「F_共通リプ」(「1枚はずれ」)である場合には、演出用遊技停止番号として「0」が決定される(図147A及び図147Bでは、「1枚はずれ」に対応する抽籤値として、演出用遊技停止番号「1」〜「10」の全てに対して0が設定されている)。そうすると、図146(a)に示すロック時間抽籤処理において、演出用遊技停止番号を示すデータは、メインRAM3033の演出用遊技停止番号格納領域に格納されないことになる。
このように、「赤7」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_01」)又は「羽」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_02」)が入賞した場合に演出用遊技停止番号を上書きするような形態においては、演出用遊技停止番号上書処理が開始される時点で、演出用遊技停止番号がメインRAM3033に格納されていないことが望ましい。なぜなら、図154及び図155を用いて説明したように、「赤7」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_01」)又は「羽」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_02」)を入賞させるための停止操作は、極めて限定的な打ち方であり、これらのコンビネーションは停止表示され難い設計となっているところ、このようなコンビネーションが停止表示された場合に備えて毎回ゲームにおいて演出用遊技停止番号を格納するように構成すれば、メインRAM3033のデータ領域を無駄に使用することになってしまうためである。この点、当該コンビネーションが実際に停止表示された場合に演出用遊技停止番号を上書きするような構成とすれば、このような無駄を省くことが可能となり、処理負担の軽減を図ることができる。なお、このような構成を採用する場合には、図148に示す演出用遊技ロック処理において、ステップS1022の処理を行った後にステップS1021の処理を行うようにするとよい。
また、以上では、全てのリールRL,RC,RRの回転が停止した後に行われる遊技ロックについて説明したが、各リールRL,RC,RRの回転が停止する前(例えば、第1停止操作が行われる前)に遊技ロックを行うこととしてもよい。当該遊技ロックが行われると、全てのリールRL,RC,RRがロック(全回胴ロック)され、スタートレバーDD6が操作された後所定時間(例えば、5秒)が経過するまで、遊技者による操作(例えば、ストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rの操作)が無効化される。なお、遊技者による操作を無効化するとともに、所定のリールアクション(例えば、スロー回転、高速回転、逆回転等)を行うこととしてもよい。
このような形態においては、例えば、特定の役(「F_共通リプ」)が内部当籤役として決定された場合に、当該遊技ロックを発生させるとともに、遊技ロックが行われている間に所定の演出を行うこととしてもよい。例えば、所定の停止操作を行うこと(「赤7」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_01」)又は「羽」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_02」)を入賞させること)によって特定の遊技状態中に行われる演出(BB中サウンド)を変更可能であることを示す画像や、第1所定の停止操作(「赤7」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_01」)を入賞させるための停止操作)又は第2所定の停止操作(「羽」−「プラム」−「プラム」(「C_リプC_02」)を入賞させるための停止操作)を行うことによって特定の遊技状態中に行われる演出(BB中サウンド)を選択可能であることを示す画像を表示することとしてもよい。
以上で説明したように、本発明においては、所定の停止操作(第1所定の停止操作及び第2所定の停止操作)を行うことによって特定の遊技状態(BB遊技状態)中に行われる演出の内容を変更(選択)することができるが、特定の遊技状態は、ボーナス状態に限定されず、任意の遊技状態を適宜採用することができる。例えば、特定の遊技状態は、遊技者にとって有利な情報(例えば、所定の役を入賞させるために必要なストップボタンの停止操作の順序に関する情報)が報知されるAT遊技状態、リプレイ役の当籤確率が相対的に高い状態(高RT遊技状態)、AT遊技状態且つ高RT遊技状態であるART遊技状態等の、遊技者にとって有利な遊技状態(有利遊技状態)や、有利遊技状態への移行に対する期待度が高い(あるいは、有利遊技状態への移行が確定している)チャンスゾーン(CZ)、あるいは、遊技者にとって不利な遊技状態等を、適宜採用することができる。
また、第6実施形態では、特定の遊技状態(BB遊技状態)中に行われる演出の内容を変更(選択)するための所定の停止操作(第1所定の停止操作及び第2所定の停止操作)を、フラグ間状態において行うことが可能であることとして説明したが、当該停止操作を行うことができるタイミングは、フラグ間状態に限定されず、任意のタイミングを適宜採用することができる。例えば、特定の役が内部当籤役として決定されたことを契機として(例えば、特定の役が内部当籤役として決定されたことを契機として行われる所定の抽籤(例えば、AT抽籤やCZへの移行抽籤)に当籤した場合に)特定の遊技状態へ移行可能としつつ、当該特定の役が内部当籤役として決定された当該単位遊技(上記所定の抽籤に当籤した単位遊技)において、上記所定の停止操作(第1所定の停止操作及び第2所定の停止操作)を行うことができるように構成してもよい。このような形態においては、特定の役が内部当籤役として決定されたこと(上記所定の抽籤に当籤したこと)を条件として、上述したように、各リールの回転が開始する前に遊技ロックを行い、当該遊技ロックが行われている間に特定の遊技状態中に行われる演出の内容を変更(選択)することが可能である旨報知することが望ましい。
また、所定の停止操作(第1所定の停止操作及び第2所定の停止操作)が行われた結果として、変更(選択)された内容の演出が発生するタイミングも、特に限定されず、当該所定の停止操作が行われた単位遊技から(当該所定の停止操作が行われた直後から)、あるいは、当該単位遊技の次の単位遊技から、変更(選択)された内容の演出を発生させることとしてもよい。例えば、当該所定の停止操作が行われることにより、上述した演出用遊技ロックを発生させることとし、当該演出用遊技ロックが終了した時点から(演出用遊技ロックが終了した後すぐに)、変更(選択)された内容の演出を発生させることとしてもよい。
<BB当籤コマンド受信時処理>
図162を用いて、副制御回路3070において行われるBB当籤コマンド受信時処理について説明する。BB当籤コマンド受信時処理は、BB当籤コマンドデータ(図示せず)を受信したことを契機として行われる処理である。BB当籤コマンドデータは、BBが内部当籤役として決定された場合(図124のステップS75において「No」と判断された場合)に、主制御回路3060から副制御回路3070へ送信される。
BB当籤コマンド受信時処理において、まず、サブCPU3071は、当該BBの内部当籤が、ボーナス状態(BB遊技状態又はMB遊技状態)が終了した後最初の単位遊技(1ゲーム目)におけるものであるか否かを判断する(ステップS1200)。
当該BBの内部当籤が、ボーナス状態(BB遊技状態又はMB遊技状態)が終了した後最初の単位遊技(1ゲーム目)におけるものであると判断した場合、サブCPU3071は、1G連BBフラグをオンにセットする(ステップS1201)。1G連BBフラグは、1G連BB用サウンド(図153(a)に示す「楽曲L及び楽曲M」又は「楽曲N及び楽曲O」)の再生条件が成立したことを示すフラグである。ステップS1201の処理を実行した後、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
一方、当該BBの内部当籤が、ボーナス状態(BB遊技状態又はMB遊技状態)が終了した後最初の単位遊技(1ゲーム目)におけるものではないと判断した場合、サブCPU3071は、当該BBの内部当籤が4連以降BBチャレンジゾーン中の単位遊技におけるものであるか否かを判断する(ステップS1202)。
当該BBの内部当籤が4連以降BBチャレンジゾーン中の単位遊技におけるものであると判断した場合、サブCPU3071は、4連以降BBフラグをオンにセットする(ステップS1203)。4連以降BBフラグは、4連以降BB用サウンド(図153(a)に示す「楽曲H及び楽曲I」又は「楽曲J及び楽曲K」)の再生条件が成立したことを示すフラグである。ステップS1203の処理を実行した後、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
一方、当該BBの内部当籤が4連以降BBチャレンジゾーン中の単位遊技におけるものではないと判断した場合、サブCPU3071は、当該BBの内部当籤が3連BBチャレンジゾーン中の単位遊技におけるものであるか否かを判断する(ステップS1204)。
当該BBの内部当籤が3連BBチャレンジゾーン中の単位遊技におけるものであると判断した場合、サブCPU3071は、3連BBフラグをオンにセットする(ステップS1205)。3連BBフラグは、3連BB用サウンド(図153(a)に示す「楽曲F及び楽曲G」)の再生条件が成立したことを示すフラグである。ステップS1205の処理を実行した後、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
一方、当該BBの内部当籤が3連BBチャレンジゾーン中の単位遊技におけるものではないと判断した場合、サブCPU3071は、当該BBの内部当籤が2連BBチャレンジゾーン中の単位遊技におけるものであるか否かを判断する(ステップS1206)。
当該BBの内部当籤が2連BBチャレンジゾーン中の単位遊技におけるものであると判断した場合、サブCPU3071は、2連BBフラグをオンにセットする(ステップS1207)。2連BBフラグは、2連BB用サウンド(図153(a)に示す「楽曲D及び楽曲E」)の再生条件が成立したことを示すフラグである。ステップS1206において当該BBの内部当籤が2連BBチャレンジゾーン中の単位遊技におけるものではないと判断した場合、又は、ステップS1207の処理を実行した後、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
<特殊条件成立コマンド受信時処理>
図163を用いて、副制御回路3070において行われる特殊条件成立コマンド受信時処理について説明する。特殊条件成立コマンド受信時処理は、特殊条件成立コマンドデータ(図161のステップS1048参照)を受信したことを契機として行われる処理である。
特殊条件成立コマンド受信時処理において、まず、サブCPU3071は、1G連BBフラグ(図162のステップS1201参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1220)。
1G連BBフラグがオンにセットされていると判断した場合、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。これにより、BB遊技状態が作動した際に(図145のステップS415に示すボーナス開始コマンド受信時処理において)、当該1G連BBフラグが参照されることにより、1G連BB用サウンド(図153(a)に示す「楽曲L及び楽曲M」又は「楽曲N及び楽曲O」)が出力されることになる。
ステップS1220において1G連BBフラグがオンにセットされていないと判断した場合、サブCPU3071は、4連以降BBフラグ(図162のステップS1203参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1221)。
4連以降BBフラグがオンにセットされていると判断した場合、サブCPU3071は、4連以降BBフラグをオフにセットする(ステップS1222)。そして、サブCPU3071は、特殊条件BBフラグにオンにセットし(ステップS1229)、本サブルーチンを終了する。
特殊条件BBフラグは、特殊条件BB用サウンド(図153(a)に示す「楽曲P及び楽曲Q」又は「楽曲R及び楽曲S」)の再生条件が成立したことを示すフラグである。これにより、BB遊技状態が作動した際に(図145のステップS415に示すボーナス開始コマンド受信時処理において)、当該特殊条件BBフラグが参照されることにより、特殊条件BB用サウンド(図153(a)に示す「楽曲P及び楽曲Q」又は「楽曲R及び楽曲S」)が出力されることになる。
ステップS1221において4連以降BBフラグがオンにセットされていないと判断した場合、サブCPU3071は、3連BBフラグ(図162のステップS1205参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1223)。
3連BBフラグがオンにセットされていると判断した場合、サブCPU3071は、3連BBフラグをオフにセットする(ステップS1224)。そして、サブCPU3071は、3連BB保留フラグにオンにセットし(ステップS1225)、特殊条件BBフラグにオンにセットして(ステップS1229)、本サブルーチンを終了する。これにより、BB遊技状態が作動した際には、特殊条件BB用サウンド(図153(a)に示す「楽曲P及び楽曲Q」又は「楽曲R及び楽曲S」)が出力されることになる。
また、当該BB遊技状態が終了した際には、4連以降BBチャレンジゾーンに移行し、当該4連以降BBチャレンジゾーン中にBBが内部当籤すると、4連以降BBが発生する。ここで、3連BB保留フラグがオンにセットされていれば、当該4連以降BBにおいては、4連以降BB用サウンド(「楽曲H及び楽曲I」又は「楽曲J及び楽曲K」)ではなく、3連BB用サウンド(「楽曲F及び楽曲G」)が再生される。3連BB保留フラグは、3連BB用サウンドの再生条件が成立しているときに特殊条件BB用サウンドの再生条件が成立した場合にセットされ、3連BB用サウンド(「楽曲F及び楽曲G」)の再生が保留されていることを示すフラグである。なお、BB遊技状態が終了した際に、3連BB保留フラグがオンにセットされていれば、3連BBチャレンジゾーンに移行させることとしてもよい。これにより、当該3連BBチャレンジゾーン中にBBが内部当籤した場合には、3連BBが発生し、当該3連BBにおいて、保留されていた3連BB用サウンド(「楽曲F及び楽曲G」)を再生することとしてもよい。
ステップS1223において3連BBフラグがオンにセットされていないと判断した場合、サブCPU3071は、2連BBフラグ(図162のステップS1207参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1226)。
2連BBフラグがオンにセットされていないと判断した場合、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。一方、2連BBフラグがオンにセットされていると判断した場合、サブCPU3071は、2連BBフラグをオフにセットする(ステップS1227)。そして、サブCPU3071は、2連BB保留フラグにオンにセットし(ステップS1228)、特殊条件BBフラグにオンにセットして(ステップS1229)、本サブルーチンを終了する。これにより、BB遊技状態が作動した際には、特殊条件BB用サウンド(図153(a)に示す「楽曲P及び楽曲Q」又は「楽曲R及び楽曲S」)が出力されることになる。
また、当該BB遊技状態が終了した際には、3連BBチャレンジゾーンに移行し、当該3連BBチャレンジゾーン中にBBが内部当籤すると、3連BBが発生する。ここで、2連BB保留フラグがオンにセットされていれば、当該3連BBにおいては、3連BB用サウンド(「楽曲F及び楽曲G」)ではなく、2連BB用サウンド(「楽曲D及び楽曲E」)が再生される。2連BB保留フラグは、2連BB用サウンドの再生条件が成立しているときに特殊条件BB用サウンドの再生条件が成立した場合にセットされ、2連BB用サウンド(「楽曲D及び楽曲E」)の再生が保留されていることを示すフラグである。なお、BB遊技状態が終了した際に、2連BB保留フラグがオンにセットされていれば、2連BBチャレンジゾーンに移行させることとしてもよい。これにより、当該2連BBチャレンジゾーン中にBBが内部当籤した場合には、2連BBが発生し、当該2連BBにおいて、保留されていた2連BB用サウンド(「楽曲D及び楽曲E」)を再生することとしてもよい。
<付記A3>
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、遊技メダルやコイン等(「メダル等」)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチおよびストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転およびその停止を行うリール制御部とを備え、スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(「内部当籤役」)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、いわゆるパチスロと称される遊技機が知られている。
このような従来の遊技機として、現在遊技を行っている遊技者がBB中に獲得した遊技媒体の枚数と、過去に遊技を行っていた遊技者がBB中に獲得した遊技媒体の枚数と、を比較するように構成された遊技機が知られている(例えば、特開2004−8647号公報参照)。
しかしながら、上述したような従来の遊技機では、BBが終了した時点で遊技者の手元に残る遊技媒体(遊技価値)の数を的確に示すことができなかった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、遊技者の手元に残る遊技価値の数を的確に示すことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第6実施形態に係る遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(A3−1) 1回の単位遊技に対して遊技価値(メダル)をベット可能なベット手段(BETボタン、及び、図121のステップS12の処理を実行するメインCPU3031)と、
複数の識別情報を変動表示することが可能な可変表示手段(リールRL,RC,RR)と、
所定の開始契機に基づいて当籤役を決定する役決定手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技者による停止操作を受け付けることが可能な停止操作手段(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R、及び、ストップスイッチ3007LS,3007CS,3007RS)と、
前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作とに基づいて前記可変表示手段における変動表示を停止させることで、表示結果を導出する停止制御手段(図121のステップS22の処理及び図138のステップS325の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記ベット手段からベットされた遊技価値の数と前記停止制御手段により導出された表示結果とに基づいて定められる数の遊技価値を付与する付与手段(図121のステップS25の処理を実行するメインCPU3031)と、
所定の遊技状態(BB遊技状態)において遊技価値に関する数(BB連荘中獲得枚数)を表示可能な遊技価値表示手段(液晶表示装置DD20、及び、図158の処理を実行するサブCPU3071)と、を備え、
前記所定の遊技状態は、1回の単位遊技に対して前記ベット手段から所定数の遊技価値(1枚のメダル)をベット可能な遊技状態であり、
前記遊技価値表示手段は、
前記付与手段により付与された遊技価値の数と前記ベット手段からベットされた遊技価値の数とに基づいて、前記所定の遊技状態において単位遊技が行われるごとに、表示される数を更新することが可能であり、
前記所定の遊技状態において、前記付与手段により付与された遊技価値の数が前記ベット手段からベットされた遊技価値の数以下である場合、0を表示することが可能であり、
前記所定の遊技状態において、前記遊技価値表示手段により0が表示されている状態で前記付与手段により遊技価値が付与された場合、前記付与手段により付与された遊技価値の数から前記所定数を減じて得られる数を表示することが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第6実施形態に係る遊技機1によれば、所定の遊技状態(BB遊技状態)において遊技価値(メダル)に関する数(BB連荘中獲得枚数)を表示可能であり、付与された遊技価値(メダル)の数とベットされた遊技価値(メダル)の数とに基づいて、所定の遊技状態(BB遊技状態)において単位遊技が行われるごとに、表示される数(BB連荘中獲得枚数)が更新されるようになっている。また、所定の遊技状態(BB遊技状態)において、付与された遊技価値(メダル)の数がベットされた遊技価値(メダル)の数以下である場合には、「0」を表示するようになっている。ここで、「0」が表示されている状態で単位遊技が行われ、遊技価値(メダル)が付与されたとする(付与された遊技価値(メダル)の数を「N」とする)。この場合、仮に、表示される数が「0」から「N」に更新されたとすると、表示されている数(「N」)と遊技者の手元に残る遊技価値(メダル)の数とが、一致しない可能性がある。すなわち、当該単位遊技を行うために遊技者は所定数(「1」)の遊技価値(メダル)を消費しているところ、その時点で遊技者の手持ちの遊技価値(メダル)の数は、所定数(「1」)だけ減少している。この状態で遊技価値(メダル)が「N」だけ付与された場合、当該単位遊技において、遊技者の手持ちの遊技価値(メダル)の数は、「N−1」だけ増加することになる。一方、上記のように更新後の表示数が「N」であるとすると、当該表示数は、遊技価値(メダル)の増加数と一致せず、遊技者の手持ちの遊技価値(メダル)の数を厳密に反映していないことになる。この点、第6実施形態に係る遊技機1は、「0」が表示されている状態で遊技価値(メダル)が付与された場合、付与された遊技価値(メダル)の数から所定数(「1」)を減じて得られる数を表示することが可能なように構成されている。これにより、遊技価値(メダル)の表示数と増加数とを一致させることが可能であり、遊技者の手元に実際に残る遊技価値(メダル)の数を的確に示すことができる。
[第7実施形態]
以上、第1実施形態〜第6実施形態について説明した。以下、第7実施形態について説明する。第7実施形態に係る遊技機1の基本的な構成は、第1実施形態〜第6実施形態に係る遊技機1と同じである。以下においては、第1実施形態〜第6実施形態に係る遊技機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態〜第6実施形態における説明が第7実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<遊技状態の遷移フロー>
図164(a)は、本発明の一実施形態に係る遊技状態の移行遷移を示す図である。図164(b)は、本発明の一実施形態に係る遊技状態の移行条件をまとめた表である。
本実施形態では、図164(a)に示すような遊技状態が主制御回路3060によって管理されている。第6実施形態と同様に、遊技状態(メイン)は、ボーナス非当籤状態、フラグ間状態、及び、ボーナス状態のうちの何れかに区分される。
本実施形態では、ボーナス状態として、BB遊技状態及びMB遊技状態が設けられている。BB遊技状態に対応するボーナス役としては、「F_BB」が設けられており、MB遊技状態に対応するボーナス役としては、「F_MB」が設けられている(図167参照)。
また、本実施形態では、ボーナス非当籤状態として、RT0遊技状態が設けられており、フラグ間状態として、BBフラグ間状態及びMBフラグ間状態が設けられている。以下では、ボーナス非当籤状態及びフラグ間状態を総称して、一般遊技状態と表記することがある。
図164(a)及び図164(b)を参照して具体的に説明すると、RT0遊技状態において、「F_BB」が内部当籤役として決定されると(内部当籤すると)、主制御回路3060は、RT0遊技状態からBBフラグ間状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(1)参照)。また、RT0遊技状態において、「F_MB」が内部当籤役として決定されると(内部当籤すると)、主制御回路3060は、RT0遊技状態からMBフラグ間状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(2)参照)。
「F_BB」(BB)及び「F_MB」(MB)は、所謂持越役である(図119(a)参照)。BBが内部当籤すると、BBに対応する図柄の組合せ(図166に示す「C_BB」)が有効ラインに沿って停止表示されるまで(BBが入賞するまで)、BBが内部当籤した状態が持ち越される。BBフラグ間状態は、BBが内部当籤した状態が持ち越されている状態である。また、MBが内部当籤すると、MBに対応する図柄の組合せ(図166に示す「C_MB」)が有効ラインに沿って停止表示されるまで(MBが入賞するまで)、MBが内部当籤した状態が持ち越される。MBフラグ間状態は、MBが内部当籤した状態が持ち越されている状態である。
BBフラグ間状態において、「C_BB」に係る図柄の組合せ(図166参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(BBが入賞すると)、主制御回路3060は、BBフラグ間状態からBB遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(3)参照)。また、MBフラグ間状態において、「C_MB」に係る図柄の組合せ(図166参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(MBが入賞すると)、主制御回路3060は、MBフラグ間状態からMB遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(4)参照)。
BB遊技状態において規定枚数(345枚)を超えるメダルが払い出されると、主制御回路3060は、BB遊技状態からRT0遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(5)参照)。また、MB遊技状態において規定枚数(105枚)を超えるメダルが払い出されると、主制御回路3060は、MB遊技状態からRT0遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(6)参照)。
<図柄配置テーブル>
図165(a)は、図柄配置テーブルを示す図である。図165(b)は、図柄コード表を示す図である。
第6実施形態で説明したように、図柄配置テーブルは、左リールRL、中リールRC、及び、右リールRRのそれぞれについて、回転方向における各図柄の位置と図柄コード(各位置に配置された図柄の種類を特定するデータ)との対応関係を規定している(図99参照)。
図165に示すように、本実施形態では、「7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル1」、「ベル2」、「スイカ1」、「スイカ2」、「チェリー」、「ブランク1」、及び、「ブランク2」という10種類の図柄が用いられている。
図柄配置テーブルと図柄カウンタの値(「0」〜「20」)とを参照することにより、メイン表示窓DD4(図3参照)の枠内における各リールの上段領域、中段領域、及び、下段領域に表示されている図柄の種類を特定することができる。詳細については、第6実施形態で説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
<図柄組合せテーブル>
図166は、図柄組合せテーブルを示す図である。
第6実施形態で説明したように、図柄組合せテーブルは、有効ライン上に停止表示可能な図柄組合せ(コンビネーション)と、当該図柄組合せが有効ライン上に停止表示された場合に払い出されるメダルの枚数(払出枚数)との対応関係を規定している(図100A及び図100B参照)。
本実施形態では、一般遊技状態(RT0遊技状態及びフラグ間状態)において投入可能なメダルの枚数が1枚又は3枚として設定され、BB遊技状態において投入可能なメダルの枚数が2枚として設定され、MB遊技状態において投入可能なメダルの枚数が2枚として設定されている。
また、入賞判定ラインとしては、「中段−中段−中段:センターライン」、「上段−上段−上段:トップライン」、「下段−下段−下段:ボトムライン」、「上段−中段−下段:クロスダウンライン」、及び、「下段−中段−上段:クロスアップライン」が設定されている。一般遊技状態において1枚又は3枚のメダルが投入された場合、BB遊技状態において2枚のメダルが投入された場合、及び、MB遊技状態において2枚のメダルが投入された場合の何れの場合においても、これらの5つの入賞判定ラインが有効化される。
図柄組合せテーブルの基本的な構成については、第6実施形態で説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
<フラグ別コンビネーションテーブル>
図167は、フラグ別コンビネーションテーブルを示す図である。
第6実施形態で説明したように、フラグ別コンビネーションテーブルは、各種内部当籤役と有効ライン上に停止表示可能な図柄組合せ(コンビネーション)との対応関係を規定している(図101A〜図101C参照)。これにより、内部当籤役が決定されると、有効ライン上に停止表示可能な図柄組合せの種別(入賞可能な表示役の種別)が一義的に決定されることになる。
本実施形態では、内部当籤役として、「F_BB」、「F_MB」、「F_リプレイ」、「F_ベル_1」、「F_ベル_2」、「F_スイカ」、「F_チェリー」、「F_確定チェリー」、「F_確定役_1」、「F_確定役_2」、「F_共通ベル」、「F_JACベル」、及び、「F_CB役」が設けられている。
フラグ別コンビネーションテーブルの基本的な構成については、第6実施形態で説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
なお、図167では、各コンビネーションが有効ライン上に停止表示された場合に払い出されるメダルの枚数(払出枚数)を併せて示している(図166参照)。また、図中、「FRU」は、入賞時にメダルが払い出されるコンビネーションを示し、「REP」は、入賞時にリプレイ(再遊技)を作動させるコンビネーションを示している。「BB」及び「MB」は、上述したように、それぞれ、入賞時にBB遊技状態及びMB遊技状態を作動させるコンビネーションを示している。
<内部抽籤テーブル>
本実施形態に係る内部抽籤テーブルとしては、RT0遊技状態中に1枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技において参照される内部抽籤テーブル(図168(a)参照)と、RT0遊技状態中に3枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技において参照される内部抽籤テーブル(図168(b)参照)と、BBフラグ間状態中に1枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技において参照される内部抽籤テーブル(図169(a)参照)と、BBフラグ間状態中に3枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技において参照される内部抽籤テーブル(図169(b)参照)と、MBフラグ間状態中に1枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技において参照される内部抽籤テーブル(図170(a)参照)と、MBフラグ間状態中に3枚のメダルが投入されることにより行われる単位遊技において参照される内部抽籤テーブル(図170(b)参照)と、BB遊技状態において参照される内部抽籤テーブル(図171(a)参照)と、MB遊技状態において参照される内部抽籤テーブル(図171(b)参照)と、が設けられている。
図168(a)は、RT0遊技状態(1枚掛け遊技)用内部抽籤テーブルを示す図である。図168(b)は、RT0遊技状態(3枚掛け遊技)用内部抽籤テーブルを示す図である。図169(a)は、BBフラグ間状態(1枚掛け遊技)用内部抽籤テーブルを示す図である。図169(b)は、BBフラグ間状態(3枚掛け遊技)用内部抽籤テーブルを示す図である。図170(a)は、MBフラグ間状態(1枚掛け遊技)用内部抽籤テーブルを示す図である。図170(b)は、MBフラグ間状態(3枚掛け遊技)用内部抽籤テーブルを示す図である。図171(a)は、BB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。図171(b)は、MB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。
内部抽籤テーブルの基本的な構成については、第6実施形態で説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
<サブ遊技状態の遷移フロー>
図172(a)は、本発明の一実施形態に係るサブ遊技状態の移行遷移を示す図である。図172(b)は、本発明の一実施形態に係るサブ遊技状態の移行条件をまとめた表である。
本実施形態では、図172(a)に示すようなサブ遊技状態が副制御回路3070によって管理されている。サブ遊技状態としては、第1連荘チャレンジゾーン、第2連荘チャレンジゾーン、及び、通常ゾーンが設けられている。
図172(a)及び図172(b)を参照して具体的に説明すると、BB遊技状態が終了すると、副制御回路3070は、第1連荘チャレンジゾーンへとサブ遊技状態を移行させる(移行条件(1)参照)。また、第1連荘チャレンジゾーン中にMBが内部当籤役として決定された後、当該MBが入賞することにより発生するMB遊技状態(第1連荘チャレンジゾーン中MB)が終了すると、副制御回路3070は、第1連荘チャレンジゾーンへとサブ遊技状態を移行させる(移行条件(2)参照)。
BB遊技状態又はMB遊技状態(第1連荘チャレンジゾーン中MB)が終了した後単位遊技が所定回数(32回)行われると(第1連荘チャレンジゾーンにおいて単位遊技が所定回数(32回)行われると)、副制御回路3070は、第1連荘チャレンジゾーンから第2連荘チャレンジゾーンへとサブ遊技状態を移行させる(移行条件(3)参照)。また、BB遊技状態又はMB遊技状態(第1連荘チャレンジゾーン中MB)が終了した後単位遊技が所定回数(100回)行われると(第2連荘チャレンジゾーンにおいて単位遊技が所定回数(68回)行われると)、副制御回路3070は、第2連荘チャレンジゾーンから通常ゾーンへとサブ遊技状態を移行させる(移行条件(4)参照)。
<BB中サウンド>
図173(a)は、BB中サウンドを示す図である。図173(b)は、BB中サウンドに対して設定された優先順位を示す図である。
本実施形態では、図173(a)に示すように、BB中サウンドとして、フリーズBB用サウンド、1G連BB用サウンド、第1連荘(奇数連)BB用サウンド、第1連荘(偶数連)BB用サウンド、第2連荘(5連以上)BB用サウンド、第2連荘(4連)BB用サウンド、第2連荘(3連)BB用サウンド、第2連荘(2連)BB用サウンド、ハマリBB用サウンド、及び、通常BB用サウンドが設けられている。
フリーズBB用サウンドは、BBが内部当籤役として決定された単位遊技においてフリーズが発生することを再生条件として出力されるBGM(楽曲a)である。フリーズは、上述した遊技ロック(各リールRL,RC,RRの回転が開始する前に行われる遊技ロック)の一種であり、BBが内部当籤役として決定されたことを報知するための演出として設けられている。フリーズについては、後に図174を用いて詳細に説明する。
1G連BB用サウンドは、ボーナス状態(BB遊技状態又はMB遊技状態)が終了した後最初の単位遊技(1ゲーム目)でBBが内部当籤役として決定されることを再生条件として出力されるBGM(楽曲b)である。
第1連荘(奇数連)BB用サウンドは、第1連荘回数が奇数の値(1を除く)であることを再生条件として出力されるBGM(楽曲c)である。第1連荘(偶数連)BB用サウンドは、第1連荘回数が偶数の値(0を除く)であることを再生条件として出力されるBGM(楽曲d)である。第1連荘回数は、第1連荘チャレンジゾーン中にBBが内部当籤役として決定された後、当該BBが入賞することにより発生するBB遊技状態(第1連荘チャレンジゾーン中BB)が連続している場合に累積的に計数される値である。第1連荘回数については、後に図174を用いて詳細に説明する。
第2連荘(5連以上)BB用サウンドは、第2連荘回数が5回以上であることを再生条件として出力されるBGM(楽曲e及び楽曲f)である。第2連荘(4連)BB用サウンドは、第2連荘回数が4回であることを再生条件として出力されるBGM(楽曲g及び楽曲h)である。第2連荘(3連)BB用サウンドは、第2連荘回数が3回であることを再生条件として出力されるBGM(楽曲i及び楽曲j)である。第2連荘(2連)BB用サウンドは、第2連荘回数が2回であることを再生条件として出力されるBGM(楽曲k及び楽曲l)である。第2連荘回数は、第2連荘チャレンジゾーン中にBBが内部当籤役として決定された後、当該BBが入賞することにより発生するBB遊技状態(第2連荘チャレンジゾーン中BB)が連続している場合に累積的に計数される値である。第2連荘回数については、後に図174を用いて詳細に説明する。
ハマリBB用サウンドは、ボーナス状態(BB遊技状態又はMB遊技状態)が終了した後800回の単位遊技に亘って、BB及びMBが内部当籤役として決定されなかったことを再生条件として出力されるBGM(楽曲m及び楽曲n)である。
通常BB用サウンドは、以上で説明したBB中サウンド(フリーズBB用サウンド、1G連BB用サウンド、第1連荘(奇数連)BB用サウンド、第1連荘(偶数連)BB用サウンド、第2連荘(5連以上)BB用サウンド、第2連荘(4連)BB用サウンド、第2連荘(3連)BB用サウンド、第2連荘(2連)BB用サウンド、及び、ハマリBB用サウンド)の再生条件が成立しない場合に出力されるBGM(楽曲o及び楽曲p)である。
第2連荘(5連以上)BB用サウンド、第2連荘(4連)BB用サウンド、第2連荘(3連)BB用サウンド、第2連荘(2連)BB用サウンド、ハマリBB用サウンド、及び、通常BB用サウンドは、それぞれ、払出枚数が240枚未満である場合に出力される楽曲と、払出枚数が240枚以上である場合に出力される楽曲とが異なっている。また、第1連荘(奇数連)BB用サウンド及び第1連荘(偶数連)BB用サウンド以外のBB中サウンドは、歌詞のないBGMであるが、第1連荘(奇数連)BB用サウンド及び第1連荘(偶数連)BB用サウンドは、歌詞付きのBGMである。
本実施形態では、第6実施形態(図153参照)と同様に、一のBB中サウンドに対応する再生条件と他のBB中サウンドに対応する再生条件とが双方とも成立する場合がある。図173(b)では、このように複数のBB中サウンドに対応する再生条件が競合した場合に何れのBB中サウンドが優先されるのかを示している。
図173(b)に示すように、通常BB用サウンドよりもハマリBB用サウンドが優先され、ハマリBB用サウンドよりも第2連荘BB用サウンド(第2連荘(2連)BB用サウンド、第2連荘(3連)BB用サウンド、第2連荘(4連)BB用サウンド、及び、第2連荘(5連以上)BB用サウンド)が優先され、第2連荘BB用サウンドよりも第1連荘BB用サウンド(第1連荘(奇数連)BB用サウンド及び第1連荘(偶数連)BB用サウンド)が優先され、第1連荘BB用サウンドよりも1G連BB用サウンドが優先され、フリーズBB用サウンドが最も優先される。
<BB当籤コマンド受信時処理>
図174は、副制御回路において行われるBB当籤コマンド受信時処理を示すフローチャートである。
図174に示すBB当籤コマンド受信時処理は、BB当籤コマンドデータ(図示せず)を受信したことを契機として副制御回路3070において行われる処理である。BB当籤コマンドデータは、BBが内部当籤役として決定された場合(図124のステップS75において「No」と判断された場合)に、主制御回路3060から副制御回路3070へ送信される。
BB当籤コマンド受信時処理において、まず、サブCPU3071は、フリーズ抽籤に当籤したか否かを判断する(ステップS2001)。フリーズ抽籤は、各リールRL,RC,RRの回転が開始する前にフリーズ(遊技ロック)を発生させるか否かを決定するための抽籤である。フリーズが発生すると、スタートレバーDD6が操作された後所定時間(例えば、5秒)が経過するまで、遊技者による操作(例えば、ストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rの操作)が無効化される。フリーズは、BBが内部当籤役として決定された場合にのみ発生し得るロック演出であり、フリーズが発生した場合には、BBが内部当籤したことが遊技者に対して確定的に報知される。
図示しないが、本実施形態において、主制御回路3060のメインCPU3031は、BBが内部当籤役として決定された場合、乱数値に基づいてフリーズ抽籤を行うことにより、当籤又は非当籤を決定する。具体的に、メインCPU3031は、BBが単独で内部当籤役として決定された場合(図168(a)及び図168(b)の「No.1」に示す「F_BB」が内部当籤役として決定された場合)、100%の確率で当籤に決定する。また、メインCPU3031は、BBが他の役と重複して内部当籤役として決定された場合(図168(a)及び図168(b)の「No.5」〜「No.7」に示す「F_BB+F_確定チェリー」、「F_BB+F_確定役1」、又は、「F_BB+F_確定役2」が内部当籤役として決定された場合)、25%の確率で当籤に決定する。当該フリーズ抽籤に当籤した場合、メインCPU3031は、所定のロック時間に応じた値をフリーズ用ロックタイマにセットし、フリーズ用ロックタイマにセットされた値が消化されるまで、遊技者による操作を無効化するように制御する。BB当籤コマンドデータには、フリーズ抽籤の結果を示す情報が含まれるため、BB当籤コマンドデータを受信することにより、サブCPU3071は、フリーズ抽籤に当籤したか否かを認識することができる。
フリーズ抽籤に当籤したと判断した場合、サブCPU3071は、フリーズBBフラグをオンにセットする(ステップS2002)。フリーズBBフラグは、フリーズBB用サウンド(図173(a)に示す「楽曲a」)の再生条件が成立したことを示すフラグである。これにより、その後、BBが入賞すると、フリーズBB用サウンドが出力されることになる。ステップS2002の処理を実行した後、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
ステップS2001においてフリーズ抽籤に当籤していないと判断した場合、サブCPU3071は、当該BBの内部当籤が、ボーナス状態(BB遊技状態又はMB遊技状態)が終了した後最初の単位遊技(1ゲーム目)におけるものであるか否かを判断する(ステップS2003)。
当該BBの内部当籤が、ボーナス状態(BB遊技状態又はMB遊技状態)が終了した後最初の単位遊技(1ゲーム目)におけるものであると判断した場合、サブCPU3071は、1G連BBフラグをオンにセットする(ステップS2004)。1G連BBフラグは、1G連BB用サウンド(図173(a)に示す「楽曲b」)の再生条件が成立したことを示すフラグである。これにより、その後、BBが入賞すると、1G連BB用サウンドが出力されることになる。ステップS2004の処理を実行した後、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
一方、当該BBの内部当籤が、ボーナス状態(BB遊技状態又はMB遊技状態)が終了した後最初の単位遊技(1ゲーム目)におけるものではないと判断した場合、サブCPU3071は、当該BBの内部当籤が第1連荘チャレンジゾーン中の単位遊技におけるものであるか否かを判断する(ステップS2005)。
当該BBの内部当籤が第1連荘チャレンジゾーン中の単位遊技におけるものであると判断した場合、サブCPU3071は、第1連荘回数カウンタの値に1加算する(ステップS2006)。第1連荘回数カウンタの値は、第1連荘回数を示し、第1連荘BB用サウンドの種別(第1連荘(奇数連)BB用サウンド又は第1連荘(偶数連)BB用サウンド)を決定する際に参照される値であり、サブRAM3073に記憶されている。ステップS2006の処理において、サブCPU3071は、サブRAM3073に記憶されている第1連荘回数カウンタの値に1を加えた値を、新たな第1連荘回数カウンタの値としてサブRAM3073に記憶させる。
次に、サブCPU3071は、第1連荘BBフラグをオンにセットする(ステップS2007)。第1連荘BBフラグは、第1連荘BB用サウンド(図173(a)に示す「楽曲c」又は「楽曲d」)の再生条件が成立したことを示すフラグである。これにより、その後、BBが入賞すると、第1連荘BB用サウンドが出力されることになる。
ここで、図示しないが、サブCPU3071は、第6実施形態で説明した初回BB(通常ゾーン中にBBが内部当籤役として決定された後、当該BBが入賞することにより発生するBB遊技状態)が終了したとき、第1連荘回数カウンタに「1」をセットする。従って、初回BBが終了した後に移行する第1連荘チャレンジゾーン中にBBが内部当籤役として決定されると、第1連荘回数カウンタの値(第1連荘回数)は、「2」となる。これにより、その後、BBが入賞すると、第1連荘(偶数連)BB用サウンドが出力される。そして、当該第1連荘(偶数連)BB用サウンドが出力されるBB遊技状態が終了した後に移行する第1連荘チャレンジゾーン中にBBが内部当籤役として決定されると、第1連荘回数カウンタの値(第1連荘回数)は、「3」となる。これにより、その後、BBが入賞すると、第1連荘(奇数連)BB用サウンドが出力される。
このように、第1連荘チャレンジゾーン中BB(第1連荘チャレンジゾーン中にBBが内部当籤役として決定された後、当該BBが入賞することにより発生するBB遊技状態)が連続している場合には、第1連荘(偶数連)BB用サウンドと第1連荘(奇数連)BB用サウンドとが交互にBB中サウンドとして決定される。なお、第1連荘回数は、基本的に、第1連荘チャレンジゾーン中BBの連続回数に対応しているが、フリーズBB用サウンドの再生条件が成立した場合、及び、1G連BB用サウンドの再生条件が成立した場合、第1連荘回数は更新されない(ステップS2001及びステップS2003参照)。従って、第1連荘回数は、第1連荘チャレンジゾーン中BBの連続回数と必ずしも一致するとは限らない。
ステップS2007の処理を実行した後、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
ステップS2005において当該BBの内部当籤が第1連荘チャレンジゾーン中の単位遊技におけるものではないと判断した場合、サブCPU3071は、当該BBの内部当籤が第2連荘チャレンジゾーン中の単位遊技におけるものであるか否かを判断する(ステップS2008)。
当該BBの内部当籤が第2連荘チャレンジゾーン中の単位遊技におけるものであると判断した場合、サブCPU3071は、第2連荘回数カウンタの値に1加算する(ステップS2009)。第2連荘回数カウンタの値は、第2連荘回数を示し、第2連荘BB用サウンドの種別(第2連荘(2連)BB用サウンド、第2連荘(3連)BB用サウンド、第2連荘(4連)BB用サウンド、又は、第2連荘(5連以上)BB用サウンド)を決定する際に参照される値であり、サブRAM3073に記憶されている。ステップS2009の処理において、サブCPU3071は、サブRAM3073に記憶されている第2連荘回数カウンタの値に1を加えた値を、新たな第2連荘回数カウンタの値としてサブRAM3073に記憶させる。
次に、サブCPU3071は、第2連荘BBフラグをオンにセットする(ステップS2010)。第2連荘BBフラグは、第2連荘BB用サウンド(図173(a)に示す「楽曲e及び楽曲f」、「楽曲g及び楽曲h」、「楽曲i及び楽曲j」、又は、「楽曲k及び楽曲l」)の再生条件が成立したことを示すフラグである。これにより、その後、BBが入賞すると、第2連荘BB用サウンドが出力されることになる。
ここで、図示しないが、サブCPU3071は、初回BB(通常ゾーン中にBBが内部当籤役として決定された後、当該BBが入賞することにより発生するBB遊技状態)が終了したとき、第2連荘回数カウンタに「1」をセットする。従って、初回BBが終了した後に(第1連荘チャレンジゾーンを経由して)移行する第2連荘チャレンジゾーン中にBBが内部当籤役として決定されると、第2連荘回数カウンタの値(第2連荘回数)は、「2」となる。これにより、その後、BBが入賞すると、第2連荘(2連)BB用サウンドが出力される。そして、当該第2連荘(2連)BB用サウンドが出力されるBB遊技状態が終了した後に(第1連荘チャレンジゾーンを経由して)移行する第2連荘チャレンジゾーン中にBBが内部当籤役として決定されると、第2連荘回数カウンタの値(第2連荘回数)は、「3」となる。これにより、その後、BBが入賞すると、第2連荘(3連)BB用サウンドが出力される。
同様に、当該第2連荘(3連)BB用サウンドが出力されるBB遊技状態が終了した後に(第1連荘チャレンジゾーンを経由して)移行する第2連荘チャレンジゾーン中にBBが内部当籤役として決定されると、第2連荘回数カウンタの値(第2連荘回数)は、「4」となる。これにより、その後、BBが入賞すると、第2連荘(4連)BB用サウンドが出力される。そして、当該第2連荘(4連)BB用サウンドが出力されるBB遊技状態が終了した後に(第1連荘チャレンジゾーンを経由して)移行する第2連荘チャレンジゾーン中にBBが内部当籤役として決定されると、第2連荘回数カウンタの値(第2連荘回数)は、「5」となる。これにより、その後、BBが入賞すると、第2連荘(5連以上)BB用サウンドが出力される。
このように、第2連荘チャレンジゾーン中BB(第2連荘チャレンジゾーン中にBBが内部当籤役として決定された後、当該BBが入賞することにより発生するBB遊技状態)が連続している場合には、第2連荘チャレンジゾーン中BBの連続回数に応じた第2連荘BB用サウンドがBB中サウンドとして決定される。なお、第2連荘回数は、基本的に、第2連荘チャレンジゾーン中BBの連続回数に対応しているが、フリーズBB用サウンドの再生条件が成立した場合、第2連荘回数は更新されない(ステップS2001参照)。従って、第2連荘回数は、第2連荘チャレンジゾーン中BBの連続回数と必ずしも一致するとは限らない。
また、1G連BB用サウンドの再生条件が成立した場合、及び、第1連荘BB用サウンドの再生条件が成立した場合にも、第2連荘回数は更新されない(ステップS2003及びステップS2005参照)。例えば、第2連荘(3連)BB用サウンドが出力されるBB遊技状態が終了した後に移行する第1連荘チャレンジゾーン中にBBが内部当籤役として決定されると、その後、BBが入賞すると、第1連荘BB用サウンドが出力される。この時点で、第2連荘回数カウンタの値(第2連荘回数)は、「3」である。そして、当該第1連荘BB用サウンドが出力されるBB遊技状態が終了した後に(第1連荘チャレンジゾーンを経由して)移行する第2連荘チャレンジゾーン中にBBが内部当籤役として決定されると、第2連荘回数カウンタの値(第2連荘回数)は、「4」となる。これにより、その後、BBが入賞すると、第2連荘(4連)BB用サウンドが出力される。
ここで、仮に、第2連荘(3連)BB用サウンドが出力されるBB遊技状態が終了した後に移行する第1連荘チャレンジゾーン中にBBが内部当籤役として決定された場合に、第2連荘回数カウンタの値(第2連荘回数)を更新することとすると、この時点で、第2連荘回数カウンタの値(第2連荘回数)は、「4」となる。そして、当該第1連荘チャレンジゾーン中BBが終了した後に(第1連荘チャレンジゾーンを経由して)移行する第2連荘チャレンジゾーン中にBBが内部当籤役として決定されると、第2連荘回数カウンタの値(第2連荘回数)は、「5」となる。これにより、その後、BBが入賞すると、第2連荘(5連以上)BB用サウンドが出力される。そうすると、結果的に、第2連荘(4連)BB用サウンドが出力されずに、スキップされてしまうような状況となる。この点、本実施形態では、上記のように、第2連荘チャレンジゾーン中BBが連続している間に、第1連荘チャレンジゾーン中BBが介在した場合、第2連荘回数カウンタの値(第2連荘回数)が更新されないため、第2連荘BB用サウンドがスキップされてしまうことはなく、各第2連荘BB用サウンドを順次再生させることができる。
ステップS2008において当該BBの内部当籤が第2連荘チャレンジゾーン中の単位遊技におけるものではないと判断した場合、又は、ステップS2010の処理を実行した後、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
<チャレンジゾーンゲーム数カウンタ更新処理>
図175は、副制御回路において行われるチャレンジゾーンゲーム数カウンタ更新処理を示すフローチャートである。
図175に示すチャレンジゾーンゲーム数カウンタ更新処理は、入賞作動コマンドデータ(図121のステップS26参照)を受信したことを契機として、副制御回路3070において図145(演出内容決定処理)のステップS413で行われる処理である。
チャレンジゾーンゲーム数カウンタ更新処理において、まず、サブCPU3071は、現在のサブ遊技状態が第1連荘チャレンジゾーンであるか否かを判断する(ステップS2021)。サブRAM3073のサブ遊技状態フラグ格納領域(図示せず)には、サブ遊技状態を示す情報が格納されており、サブCPU3071は、サブ遊技状態フラグ格納領域を参照することにより、現在のサブ遊技状態を認識することができる。
現在のサブ遊技状態が第1連荘チャレンジゾーンであると判断した場合、サブCPU3071は、チャレンジゾーンゲーム数カウンタの値に1加算する(ステップS2022)。チャレンジゾーンゲーム数カウンタの値は、BB遊技状態又はMB遊技状態(第1連荘チャレンジゾーン中MB)が終了してから行われた単位遊技の回数を示し、サブRAM3073に記憶されている。図示しないが、サブCPU3071は、ボーナス終了コマンド受信時処理(図145のステップS417参照)において、当該終了するボーナス状態がBB遊技状態又は第1連荘チャレンジゾーン中MBである場合、チャレンジゾーンゲーム数カウンタに「0」をセットする。
次に、サブCPU3071は、チャレンジゾーンゲーム数カウンタの値が32であるか否かを判断する(ステップS2023)。チャレンジゾーンゲーム数カウンタの値が32ではないと判断した場合、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
一方、チャレンジゾーンゲーム数カウンタの値が32であると判断した場合、サブCPU3071は、サブ遊技状態を第2連荘チャレンジゾーンに移行させる(ステップS2024)。そして、サブCPU3071は、現在の遊技状態がフラグ間状態であるか否かを判断する(ステップS2025)。図145のステップS412で受信する入賞作動コマンドデータに、メインRAM3033の持越役格納領域(図119(a)参照)に格納されているデータが含まれるため、入賞作動コマンドデータを受信することにより、サブCPU3071は、現在の遊技状態を認識することができる。
現在の遊技状態がフラグ間状態ではないと判断した場合、サブCPU3071は、第1連荘回数カウンタをクリアする(ステップS2026)。すなわち、サブCPU3071は、第1連荘回数カウンタに「0」をセットする。これにより、第1連荘チャレンジゾーン中にBB及びMBが双方とも内部当籤しなかった場合、第1連荘回数カウンタの値(第1連荘回数)は、リセットされることになる。従って、図174のステップS2009において第2連荘回数カウンタの値(第2連荘回数)が更新される際には、第1連荘回数カウンタの値(第1連荘回数)が0となっている。
ステップS2025において現在の遊技状態がフラグ間状態であると判断した場合、又は、ステップS2026の処理を実行した後、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
ステップS2021において現在のサブ遊技状態が第1連荘チャレンジゾーンではないと判断した場合、サブCPU3071は、現在のサブ遊技状態が第2連荘チャレンジゾーンであるか否かを判断する(ステップS2027)。
現在のサブ遊技状態が第2連荘チャレンジゾーンではないと判断した場合、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
一方、現在のサブ遊技状態が第2連荘チャレンジゾーンであると判断した場合、サブCPU3071は、チャレンジゾーンゲーム数カウンタの値に1加算する(ステップS2028)。
次に、サブCPU3071は、チャレンジゾーンゲーム数カウンタの値が100であるか否かを判断する(ステップS2029)。チャレンジゾーンゲーム数カウンタの値が100ではないと判断した場合、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
一方、チャレンジゾーンゲーム数カウンタの値が100であると判断した場合、サブCPU3071は、サブ遊技状態を通常ゾーンに移行させる(ステップS2030)。そして、サブCPU3071は、現在の遊技状態がフラグ間状態であるか否かを判断する(ステップS2031)。
現在の遊技状態がフラグ間状態であると判断した場合、サブCPU3071は、第2連荘チャレンジゾーン中にMBが内部当籤することにより当該フラグ間状態に移行したか否かを判断する(ステップS2032)。この処理において、サブCPU3071は、現在のメイン遊技状態がMBフラグ間状態であり、且つ、メイン遊技状態がRT0遊技状態からMBフラグ間状態へと移行した時点におけるサブ遊技状態が第2連荘チャレンジゾーンであったか否かを判断する。メインRAM3033には、当籤ゲーム(BB又はMBが内部当籤役として決定されることにより、RT0遊技状態からフラグ間状態へと移行した単位遊技)におけるサブ遊技状態を示す情報が記憶されており、サブCPU3071は、当該情報を参照することにより、上記判断を行うことができる。
第2連荘チャレンジゾーン中にMBが内部当籤することにより当該フラグ間状態に移行したのではない(すなわち、第1連荘チャレンジゾーン中にBB若しくはMBが内部当籤することにより当該フラグ間状態に移行した、又は、第2連荘チャレンジゾーン中にBBが内部当籤することにより当該フラグ間状態に移行した)と判断した場合、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
一方、第2連荘チャレンジゾーン中にMBが内部当籤することにより当該フラグ間状態に移行したと判断した場合、又は、ステップS2031の処理を実行した後、サブCPU3071は、第2連荘回数カウンタをクリアする(ステップS2033)。すなわち、サブCPU3071は、第2連荘回数カウンタに「0」をセットする。これにより、第1連荘チャレンジゾーン中にBB及びMBが双方とも内部当籤せず、且つ、第2連荘チャレンジゾーン中にBBが内部当籤しなかった場合、第2連荘回数カウンタの値(第2連荘回数)は、リセットされることになる。
このように、本実施形態では、第1連荘チャレンジゾーン中にMBが内部当籤した場合には第2連荘回数カウンタの値(第2連荘回数)をリセットしない一方、第2連荘チャレンジゾーン中にMBが内部当籤したとしても第2連荘回数カウンタの値(第2連荘回数)をリセットすることとしている。しかし、第1連荘チャレンジゾーン中にMBが内部当籤したとしても第2連荘回数カウンタの値(第2連荘回数)をリセットすることとしてもよいし、第2連荘チャレンジゾーン中にMBが内部当籤した場合には第2連荘回数カウンタの値(第2連荘回数)をリセットしないこととしてもよい。
また、第2連荘チャレンジゾーン中MB(第2連荘チャレンジゾーン中にMBが内部当籤役として決定された後、当該MBが入賞することにより発生するMB遊技状態)が終了した後にも、第1連荘チャレンジゾーンを発生させることとしてもよい。このような形態においては、第2連荘チャレンジゾーン中にMBが内部当籤した場合にも、第2連荘回数カウンタの値(第2連荘回数)をリセットしないことが望ましい。
ステップS2033の処理を実行した後、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
<BB入賞時ロック処理>
図176は、主制御回路において行われるBB入賞時ロック処理を示すフローチャートである。
図176に示すBB入賞時ロック処理は、図137(ボーナス作動チェック処理)のステップS296の処理が実行された後に、主制御回路3060において行われる処理である。
BB入賞時ロック処理において、まず、メインCPU3031は、今回開始するBB遊技状態が第1連荘チャレンジゾーン中BB(第1連荘チャレンジゾーン中にBBが内部当籤役として決定された後、当該BBが入賞することにより発生するBB遊技状態)であるか否かを判断する(ステップS2101)。副制御回路3070と同様に、主制御回路3060においても、図172に示す第1連荘チャレンジゾーンに対応する状態が管理されており、メインCPU3031は、BB遊技状態の種別を認識することができる。
今回開始するBB遊技状態が第1連荘チャレンジゾーン中BBではないと判断した場合、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
一方、今回開始するBB遊技状態が第1連荘チャレンジゾーン中BBであると判断した場合、メインCPU3031は、BB入賞時ロックフラグをオンにセットする(ステップS2102)。BB入賞時ロックフラグは、BB入賞時ロックが実行される期間であることを示すフラグである。
次に、メインCPU3031は、所定時間(例えば、5秒)に対応する値をBB入賞時ロックタイマにセットする(ステップS2103)。BB入賞時ロックタイマは、図138の演出用タイマ更新処理(ステップS323)により更新される。図138のステップS323の処理において、メインCPU3031は、更新後のBB入賞時ロックタイマが0である場合、BB入賞時ロックフラグをオフにセットする。これにより、BB入賞時ロックが終了されることとなる(ステップS2105参照)。
次に、メインCPU3031は、BB入賞時ロックコマンドデータを生成し、生成したBB入賞時ロックコマンドデータをメインRAM3033の通信データ格納領域に格納する(ステップS2104)。通信データ格納領域に格納されたBB入賞時ロックコマンドデータは、コマンドデータ送信処理(図138参照)において主制御回路3060から副制御回路3070へ送信される。これにより、副制御回路3070では、BB入賞時ロックが発生したことを認識することができるようになる。
次に、メインCPU3031は、BB入賞時ロックフラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS2105)。
BB入賞時ロックフラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU3031は、ステップS2105に処理を戻す。一方、BB入賞時ロックフラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
これにより、BB入賞時ロックが行われ、演出用遊技ロック(図148のステップS1027参照)と同様に、全てのリールRL,RC,RRがロック(全回胴ロック)され、所定時間が経過するまで、遊技者による操作(例えば、BETボタンやスタートレバーDD6の操作)が無効化される。
また、BB入賞時ロックコマンドデータ(ステップS2104参照)を受信したことを契機として、副制御回路3070では、BB入賞時に行われる各種演出(BB入賞時演出)に対応する演出データがセットされる。これにより、BB入賞時ロックが行われている間に、映像、音、光等を用いた盛大な演出を行うことが可能であり、BB遊技状態(遊技者にとって有利な状態)が発生したことを遊技者に報知するとともに、遊技者の気分を高揚させることができる。
一方で、第1連荘チャレンジゾーン中BB(第1連荘チャレンジゾーン中にBBが内部当籤役として決定された後、当該BBが入賞することにより発生するBB遊技状態)が開始する際には、このようなBB入賞時ロック及びBB入賞時演出が行われない(ステップS2101参照)。第1連荘チャレンジゾーン中BBが連続している場合には、遊技者の気分が乗っており、BB入賞時ロック及びBB入賞時演出を行うこととすると、かえって水を差してしまう可能性がある。本実施形態では、このような場合に、BB入賞時ロック及びBB入賞時演出によって遊技が中断されることなく、遊技者のテンションを高く維持したまま、BB遊技状態における遊技を開始してもらうことができる。
とりわけ、第1連荘チャレンジゾーン中BBが開始する際には、以下の理由から、BB入賞時ロックを行わないことが望ましい。
BB遊技状態においては、図173(a)に示すBB中サウンドのうちの何れかが出力されるが、BB中サウンドは、BB遊技状態中の単位遊技が開始されるのを待たずに出力される。すなわち、BB中サウンドに対応するサウンドデータは、BB開始コマンドデータ(図137のステップS296参照)を受信したことを契機として副制御回路3070においてセットされるため、BB中サウンドは、BBが入賞した直後(BBに対応する図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示された直後)から再生される。そして、上述したように、第1連荘BB用サウンド(図173(a)に示す「楽曲c」又は「楽曲d」)は、歌詞付きのBGMである。従って、BB中サウンドとして第1連荘BB用サウンドが再生される場合には、BBが入賞した直後から歌詞が流れることになる。
以上を前提として、BB入賞時ロックが発生したと仮定する。BB開始コマンドデータは、図176に示すBB入賞時ロック処理が行われる前に主制御回路3060から副制御回路3070へと送信されるため、BB入賞時ロック処理が行われる際には、既に第1連荘BB用サウンドの出力が開始されており、BB入賞時ロックの発生中に上記歌詞が流れることになる。一方で、その間、遊技者による操作(例えば、BETボタンやスタートレバーDD6の操作)は無効化されているため、遊技者は、BB遊技状態における単位遊技を開始することができない。遊技者からすると、歌詞が流れているにもかかわらず遊技を行うことができない点で、大きな違和感を覚える状況である。また、ごく短いファンファーレ等の音声が出力されるだけであれば、当該音声出力が終了したタイミングで、BB入賞時ロックが終了したこと(遊技を開始することができる状況になったこと)を察知することができるが、第1連荘BB用サウンド(BGM中の歌詞)はBB遊技状態にかけて連続的に流れるため、遊技者は、BB入賞時ロックが終了したタイミングが分からず、いつから遊技を行うことができるのかを判別することが難しい状況でもある。
この点、本実施形態では、第1連荘チャレンジゾーン中BBが開始する際にBB入賞時ロックを行わないように構成されているため、上記のような状況が生まれてしまうことを回避することができる。
<テンパイ音抽籤処理>
図177は、副制御回路において行われるテンパイ音抽籤処理を示すフローチャートである。
図177に示すテンパイ音抽籤処理は、リール停止コマンドデータ(図129のステップS156及びステップS163参照)を受信したことを契機として、副制御回路3070において図145(演出内容決定処理)のステップS409で行われる処理である。
テンパイ音抽籤処理において、まず、サブCPU3071は、今回行われた停止操作が第2停止操作であるか否かを判断する(ステップS2201)。この処理において、サブCPU3071は、操作済みのストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rの個数が2つであるか否かを判断する。図145のステップS408で受信するリール停止コマンドデータに、メインRAM3033の作動ストップボタン格納領域(図119(c)参照)に格納されているデータが含まれるため、リール停止コマンドデータを受信することにより、サブCPU3071は、操作(押下)済みのストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rを認識することができる。
今回行われた停止操作が第2停止操作ではないと判断した場合、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
一方、今回行われた停止操作が第2停止操作であると判断した場合、サブCPU3071は、「7」図柄がテンパイし得るタイミングで第2停止操作が行われたか否かを判断する(ステップS2202)。すなわち、BBに対応する図柄組合せ(図166に示す「C_BB」に係るコンビネーション)は、左リールRLにおける図柄、中リールRCにおける図柄、及び、右リールRRにおける図柄が、全て「7」図柄であるところ、サブCPU3071は、当該3つの「7」図柄のうち2つが有効ラインに沿って停止表示され得るか否かを判断する。なお、ステップS2202の処理が実行される時点では、第2停止操作の対象となったリールの回転がまだ停止していないが、図145のステップS408で受信するリール停止コマンドデータには、停止開始位置及び滑り駒数(又は停止予定位置)等を示す情報が含まれるため、リール停止コマンドデータを受信することにより、サブCPU3071は、停止表示される図柄の種別を特定することができる。
具体的に、ステップS2202の処理において、サブCPU3071は、左リールRL及び中リールRCにおいて「7」図柄が有効ラインに沿って停止表示される場合、左リールRL及び右リールRRにおいて「7」図柄が有効ラインに沿って停止表示される場合、並びに、中リールRC及び右リールRRにおいて「7」図柄が有効ラインに沿って停止表示される場合に、「Yes」と判断することになる。これらの場合、停止操作がまだ行われていない残り1つのリールに対する停止操作のタイミング次第で、BBが入賞する可能性がある。
ステップS2202において「7」図柄がテンパイし得るタイミングで第2停止操作が行われていないと判断した場合、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
一方、「7」図柄がテンパイし得るタイミングで第2停止操作が行われたと判断した場合、サブCPU3071は、現在の遊技状態がBBフラグ間状態であるか否かを判断する(ステップS2203)。図145のステップS408で受信するリール停止コマンドデータに、メインRAM3033の持越役格納領域(図119(a)参照)に格納されているデータが含まれるため、リール停止コマンドデータを受信することにより、サブCPU3071は、現在の遊技状態を認識することができる。なお、BBフラグ間状態は、当籤ゲーム(BBが内部当籤役として決定されることにより、RT0遊技状態からBBフラグ間状態へと移行した単位遊技)を含む概念である。
現在の遊技状態がBBフラグ間状態ではないと判断した場合、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
一方、現在の遊技状態がBBフラグ間状態であると判断した場合、サブCPU3071は、特殊テンパイ音が既に出力されたか否かを判断する(ステップS2204)。この処理において、サブCPU3071は、特殊テンパイ音選択済フラグ(ステップS2209参照)がオンにセットされているか否かを判断する。
特殊テンパイ音が既に出力されたと判断した場合、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
一方、特殊テンパイ音がまだ出力されていないと判断した場合、サブCPU3071は、BBが内部当籤役として決定されたことが確定的に報知されたか否かを判断する(ステップS2205)。BBが内部当籤役として決定されたことが確定的に報知される場合としては、LEDが特定のパターンで点灯する場合が挙げられる。当該特定のパターンは、BBが内部当籤役として決定されている場合にのみ出現する点灯パターンである。なお、LEDの点灯パターンとしては、BBが内部当籤役として決定されている場合だけでなく、MBが内部当籤役として決定されている場合にも出現し得るパターン(所定のパターン)も設けられている。LEDが当該所定のパターンで点灯する場合は、BBが内部当籤役として決定されたことが確定的に報知される場合に含まれない。
なお、本実施形態では、図示しないが、透明パネルUD11(図3参照)の内部に、ドット表示器が設けられており、ドット表示器には、複数のLEDが配列されている。ドット表示器と透明パネルUD11との間には、図示しない前面パネルが配置されている。前面パネルは、その一部又は全部においてドット表示器のLEDからの光を透過可能に構成され、パネル前面側に一対(左右にそれぞれ1つずつ)のハイビスカス絵柄を模したデザインが施されている。このハイビスカス絵柄には、所定の色彩が施され、ドット表示器から照明されることにより、透明パネルUD11を介して、遊技者がハイビスカス絵柄の照明パターンを視認することができるようになっている。
上記LEDの点灯パターン(特定のパターン)は、当該ハイビスカス絵柄の照明パターンと同義であり、特定のパターンとしては、例えば、ハイビスカスにおける花に相当する箇所ではなく、葉に相当する箇所のみが照明されるようなパターン、ハイビスカス全体が所定の時間間隔で点滅するようなパターン、左右のハイビスカスのうち一方(例えば、右)のハイビスカスのみが照明されるようなパターン等が挙げられる。
本実施形態では、スタートコマンドデータ(図121のステップS17参照)を受信したことを契機として、副制御回路200において、内部当籤役に基づいて、複数の演出パターンのなかから一の演出パターンが決定される。演出パターンは、上記LEDの点灯パターンを含んでおり、決定された演出パターンに応じた点灯パターンでLEDが点灯することになる。なお、図示しないが、サブROM3072には、内部当籤役ごとに、演出パターンと抽籤値とが対応付けて規定された演出パターン決定テーブルが記憶されており、サブCPU3071は、演出パターン決定テーブルを参照することにより、一の演出パターンを決定することができる。演出パターン決定テーブルは、第6実施形態で説明したロック時間抽籤テーブル(図147A及び図147B参照)と同様の構成を有しており、遊技状況に応じて異なる演出パターン決定テーブルが参照されるようになっている。例えば、RT0遊技状態で参照される演出パターン決定テーブル、BB当籤ゲームで参照される演出パターン決定テーブル、MB当籤ゲームで参照される演出パターン決定テーブル、BB当籤ゲームを除くBBフラグ間状態で参照される演出パターン決定テーブル、MB当籤ゲームを除くMBフラグ間状態で参照される演出パターン決定テーブル等が設けられている。
ステップS2205においてBBが内部当籤役として決定されたことが確定的に報知されたと判断した場合、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
一方、BBが内部当籤役として決定されたことが確定的に報知されていないと判断した場合、サブCPU3071は、テンパイ音抽籤を実行する(ステップS2206)。この処理において、サブCPU3071は、乱数値に基づいて抽籤を行うことにより、通常テンパイ音、特殊テンパイ音、及び、ハズレのうちの何れかを選択する。
次に、サブCPU3071は、ステップS2206において特殊テンパイ音が選択されたか否かを判断する(ステップS2207)。
特殊テンパイ音が選択されていないと判断した場合、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。なお、ハズレが選択された場合には、「7」図柄がテンパイしたことに対応する音として、スピーカDD25L,DD25Rから特に音は出力されず、通常テンパイ音が選択された場合には、「7」図柄がテンパイしたことに対応する音として、通常テンパイ音がスピーカDD25L,DD25Rから出力される。通常テンパイ音は、BBが内部当籤役として決定されていない場合(例えば、MBが内部当籤役として決定され、且つ、図166に示す「C_MB」に係るコンビネーションを構成する2つの「7」図柄が有効ラインに沿ってテンパイした場合や、RT0遊技状態において2つの「7」図柄が有効ラインに沿ってテンパイした場合等)にも出力され得る音である。
ステップS2007において特殊テンパイ音が選択されたと判断した場合、サブCPU3071は、特殊テンパイ音に対応する演出データをセットする(ステップS2208)。特殊テンパイ音に対応する演出データは、サブROM3072に記憶されている。ステップS2208の処理が実行されることにより、「7」図柄がテンパイしたことに対応する音として、特殊テンパイ音(通常テンパイ音とは異なる音)がスピーカDD25L,DD25Rから出力される。特殊テンパイ音は、BBが内部当籤役として決定されている場合にのみ出力され得る音である。従って、特殊テンパイ音を聴くことにより、遊技者は、BBが内部当籤役として決定されたことを察知することができる。なお、テンパイ音が出力されるタイミングは、第2停止操作の対象となったリールの回転が停止するタイミングと略同時であるが、テンパイ音が出力されるタイミングは、第2停止操作の対象となったリールの回転が停止するタイミングよりも、僅かに前(又は後)であってもよい。
次に、サブCPU3071は、特殊テンパイ音選択済フラグをオンにセットする(ステップS2209)。特殊テンパイ音選択済フラグは、特殊テンパイ音が出力されたことを示すフラグである。特殊テンパイ音は、BBが内部当籤役として決定されてからBBが入賞するまでの間に、1度だけ発生する可能性がある(ステップS2204参照)。BBが入賞すると、特殊テンパイ音選択済フラグは、オフにセットされる。
ステップS2209の処理を実行した後、サブCPU3071は、本サブルーチンを終了する。
<特殊ベルの表示>
図178は、一般遊技状態においてベルが入賞する場合における図柄の停止表示態様を示す図である。図179は、MB遊技状態において特殊ベルが入賞する場合における図柄の停止表示態様を示す図である。
図178は、一般遊技状態(RT0遊技状態又はフラグ間状態)において「F_ベル_2」が内部当籤役として決定された場合における図柄の停止表示態様の一例を示している。図179は、MB遊技状態において「F_CB役」が内部当籤役として決定された場合における図柄の停止表示態様の一例を示している。
一般遊技状態において「F_ベル_2」が内部当籤役として決定された場合、図178(a)に示すように、左リールRLに対する停止操作が、図柄位置「11」の図柄(「ベル2」)が中段領域に表示されているタイミングで行われた場合、図178(b)に示すように、左リールRLは、それ以上回転することなく(滑らずに)停止し、中段領域に「ベル2」が停止表示される。その後、図178(c)に示すように、中リールRCに対する停止操作が、図柄位置「18」の図柄(「ベル2」)が中段領域に表示されているタイミングで行われた場合、図178(d)に示すように、中リールRCは、それ以上回転することなく(滑らずに)停止し、中段領域に「ベル2」が停止表示される。その後、図178(e)に示すように、右リールRRに対する停止操作が、図柄位置「9」の図柄(「ベル2」)が中段領域に表示されているタイミングで行われた場合、図178(f)に示すように、右リールRRは、それ以上回転することなく(滑らずに)停止し、中段領域に「ベル2」が停止表示される。これにより、センターラインに沿って「ベル2」−「ベル2」−「ベル2」が揃い、「C_ベル_08」(図166参照)が入賞する。
MB遊技状態において「F_CB役」が内部当籤役として決定された場合、図179(a)に示すように、左リールRLに対する停止操作が、図柄位置「11」の図柄(「ベル2」)が中段領域に表示されているタイミングで行われた場合、図179(b)に示すように、左リールRLは、1図柄分滑って停止し、下段領域に「ベル2」が停止表示され、上段領域に「チェリー」が停止表示される。その後、図179(c)に示すように、中リールRCに対する停止操作が、図柄位置「18」の図柄(「ベル2」)が中段領域に表示されているタイミングで行われた場合、図179(d)に示すように、中リールRCは、3図柄分滑って停止し、中段領域に「7」が停止表示される。その後、図179(e)に示すように、右リールRRに対する停止操作が、図柄位置「9」の図柄(「ベル2」)が中段領域に表示されているタイミングで行われた場合、図179(f)に示すように、右リールRRは、3図柄分滑って停止し、上段領域に「スイカ2」が停止表示される。これにより、クロスアップラインに沿って「ベル2」−「7」−「スイカ2」が揃うとともに、トップラインに沿って「チェリー」−「ANY」−「ANY」が揃い、「C_特殊ベル」及び「C_チェリー」(図166参照)が入賞する。
このように、一般遊技状態において「F_ベル_2」が内部当籤役として決定された場合と、MB遊技状態において「F_CB役」が内部当籤役として決定された場合とでは、各リールRL,RC,RRの停止制御が異なっており、各リールRL,RC,RRに対する停止操作が同じ順序及びタイミングで行われたとしても、各リールRL,RC,RRにおいて異なる図柄が停止表示される。
図167に示すように、「F_ベル_2」が内部当籤役として決定された場合には、「C_ベル_01」〜「C_ベル_08」、及び、「C_特殊ベル」が有効ラインに沿って停止表示されることが許容される。ただ、一般遊技状態において「F_ベル_2」が内部当籤役として決定された場合、有効ラインに沿って実際に停止表示される可能性があるのは、「C_ベル_01」〜「C_ベル_08」であり、「C_特殊ベル」は、各リールRL,RC,RRに対する停止操作がどのような順序及びタイミングで行われたとしても、有効ラインに沿って停止表示されることはない。
図178を用いて説明した図柄の停止表示態様は、その一例である。なお、「C_特殊ベル」は、「F_共通ベル」が内部当籤役として決定された場合にも、有効ラインに沿って停止表示されることが許容されるが(図167参照)、この場合にも、各リールRL,RC,RRに対する停止操作の順序及びタイミングにかかわらず、「C_特殊ベル」が有効ラインに沿って停止表示されることはない。
「C_特殊ベル」は、遊技状態がMB遊技状態である場合にのみ、有効ラインに沿って停止表示され得る。MB遊技状態においては、内部当籤役として必ず「F_CB役」が決定され(図171(b)参照)、「F_CB役」が内部当籤役として決定された場合には、入賞時にメダルが払い出される全てのコンビネーション(小役)が有効ラインに沿って停止表示されることが許容される(図167参照)。
MB遊技状態においては、「C_特殊ベル」を引き込む際の優先順位が一般遊技状態と比較して高くなっている。これにより、左リールRLに対する停止操作が、「ベル2」の停止表示され得るタイミング(「ベル2」までの距離が最大滑り駒数の範囲内であるようなタイミング)で行われ、中リールRCに対する停止操作が、「7」の停止表示され得るタイミング(「7」までの距離が最大滑り駒数の範囲内であるようなタイミング)で行われ、右リールRRに対する停止操作が、「スイカ2」の停止表示され得るタイミング(「スイカ2」までの距離が最大滑り駒数の範囲内であるようなタイミング)で行われた場合に、「C_特殊ベル」が有効ラインに沿って停止表示されるようになっている。なお、一般遊技状態においては、各リールRL,RC,RRにおける最大滑り駒数が何れも「4」であるが、MB遊技状態においては、中リールRC及び右リールRRにおける最大滑り駒数が「4」であるのに対し、左リールRLにおける最大滑り駒数が「2」となっている。
図179を用いて説明した図柄の停止表示態様は、その一例である。図179の例では、「C_特殊ベル」が入賞するとともに、「C_チェリー」が入賞している。本実施形態では、MB遊技状態において、一の有効ラインに沿って「C_特殊ベル」が停止表示された場合、他の有効ラインに沿って「C_チェリー」が必ず入賞するようになっている。
ここで、RT0遊技状態においては、1枚掛け遊技よりも3枚掛け遊技の方が、ボーナス役(BB又はMB)が内部当籤役として決定される確率が高く(図168参照)、遊技者は、通常、3枚掛け遊技を行うものと考えられる。そして、3枚掛け遊技においては、「C_ベル_01」〜「C_ベル_08」が入賞した場合におけるメダルの払出枚数(7枚)よりも、「C_特殊ベル」が入賞した場合におけるメダルの払出枚数(12枚)の方が多くなっている(図166参照)。しかし、上記のように、一般遊技状態において「C_特殊ベル」が入賞することはないから、結局、一般遊技状態において「F_ベル_2」が内部当籤役として決定された場合には、「C_ベル_01」〜「C_ベル_08」の何れかが入賞したことを条件として、7枚のメダルが払い出されることになる。
一方、MB遊技状態において行うことができるのは、2枚掛け遊技のみである。2枚掛け遊技においては、「C_特殊ベル」が入賞した場合におけるメダルの払出枚数が12枚であり、「C_チェリー」が入賞した場合におけるメダルの払出枚数が15枚である(図166参照)。上記のように、「C_特殊ベル」が入賞した場合には、同時に「C_チェリー」も入賞し、「C_特殊ベル」が入賞した場合におけるメダルの払出枚数(12枚)と「C_チェリー」が入賞した場合におけるメダルの払出枚数(15枚)との合計は、27枚となる。しかし、MB遊技状態においてはメダルの払出枚数の上限が15枚に定められているため、結局、MB遊技状態において「C_特殊ベル」が入賞した場合には、15枚のメダルが払い出されることになる。
なお、以上の例では、「C_特殊ベル」に対応するメダルの払出枚数(12枚)がMB遊技状態において払い出され得るメダルの上限枚数(15枚)未満であることとしている。しかし、「C_特殊ベル」に対応するメダルの払出枚数は、当該上限枚数と同じであってもよいし、当該上限枚数よりも多くてもよい。また、「C_特殊ベル」に対応するメダルの払出枚数は、「C_チェリー」に対応するメダルの払出枚数よりも少なくてもよいし、「C_チェリー」に対応するメダルの払出枚数よりも多くてもよいし、「C_チェリー」に対応するメダルの払出枚数と同じであってもよい。
以上、本発明の一実施形態として、第7実施形態に係る遊技機1について説明した。
<付記B1>
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、遊技メダルやコイン等(「メダル等」)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチおよびストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転およびその停止を行うリール制御部とを備え、スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(「内部当籤役」)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、いわゆるパチスロと称される遊技機が知られている。
このような従来の遊技機として、所謂ARTを備え、ART中と非ART中とで異なるBGMを出力するように構成された遊技機が知られている(例えば、特開2010−51492号公報参照)。このような遊技機によれば、ART(遊技者にとって有利な遊技状態)中に流れる特有のBGMを通じて、遊技を盛り上げ、遊技者の気持ちを高揚させることができる。
本発明者は、上述したような特定の遊技状態中に行われるBGM等の演出について、鋭意検討を重ねる過程において、特定の演出の発生条件に関して工夫を凝らすことにより、新たなエンターテインメント性を創出することができるのではないかという考えに至った。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、演出の発生に関し新たなエンターテインメント性を創出することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第7実施形態に係る遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(B1−1) 複数の識別情報を変動表示することが可能な可変表示手段(リールRL,RC,RR)と、
所定の開始契機に基づいて当籤役を決定する役決定手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技者による停止操作を受け付けることが可能な停止操作手段(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R、及び、ストップスイッチ3007LS,3007CS,3007RS)と、
前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作とに基づいて前記可変表示手段における変動表示を停止させることで、表示結果を導出する停止制御手段(図121のステップS22の処理及び図138のステップS325の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記役決定手段により特定役(BB)が当籤役として決定された後、前記停止制御手段により所定の表示結果(図166に示す「C_BB」)が導出された場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(BB遊技状態)を作動させる特定遊技状態作動手段(図137の処理を実行するメインCPU3031)と、
所定の終了条件が成立した場合に、前記特定遊技状態を終了させる特定遊技状態終了手段(図136の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記特定遊技状態において演出を行うことが可能な特定遊技状態中演出実行手段(図173(a)に示す楽曲a〜pの何れかの出力を行うサブCPU3071)と、を備え、
前記特定遊技状態中演出実行手段は、
前記特定遊技状態終了手段により前記特定遊技状態が終了してから前記特定遊技状態作動手段により前記特定遊技状態が作動するまでの期間のうち、第1の期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に前記特定役が当籤役として決定されたことを契機として前記特定遊技状態が作動した場合、該特定遊技状態において演出を行うことが可能な第1特定遊技状態中演出実行手段と、
前記特定遊技状態終了手段により前記特定遊技状態が終了してから前記特定遊技状態作動手段により前記特定遊技状態が作動するまでの期間のうち、前記第1の期間とは異なる第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に前記特定役が当籤役として決定されたことを契機として前記特定遊技状態が作動した場合、該特定遊技状態において演出を行うことが可能な第2特定遊技状態中演出実行手段と、を備え、
前記第2特定遊技状態中演出実行手段は、
前記第2の期間中に前記特定役が当籤役として決定されたことを契機として作動する前記特定遊技状態が複数回発生した場合、該複数回の特定遊技状態において互いに異なる演出(図173(a)に示す「楽曲e及び楽曲f」、「楽曲g及び楽曲h」、「楽曲i及び楽曲j」、又は、「楽曲k及び楽曲l」)の出力)を行うことが可能であり、
前記第1特定遊技状態中演出実行手段は、
前記第2特定遊技状態中演出実行手段により行われ得る演出とは異なる演出(図173(a)に示す「楽曲c」又は「楽曲d」)の出力)を行うことが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第7実施形態に係る遊技機1によれば、一の特定遊技状態(BB遊技状態)が終了してから次回の特定遊技状態(BB遊技状態)が作動するまでの期間のうち、第1の期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定されたことを契機として特定遊技状態(BB遊技状態)が作動した場合と、第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定されたことを契機として特定遊技状態(BB遊技状態)が作動した場合とで、それぞれ特有の演出が行われるように構成されている。具体的に、第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定されたことを契機として作動する特定遊技状態(BB遊技状態)が複数回発生した場合には、該複数回の特定遊技状態(BB遊技状態)において互いに異なる演出(図173(a)に示す「楽曲e及び楽曲f」、「楽曲g及び楽曲h」、「楽曲i及び楽曲j」、又は、「楽曲k及び楽曲l」)の出力)を行うことが可能である。これにより、第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定されたことを契機として作動する特定遊技状態(BB遊技状態)が繰り返されるのに伴い、特定遊技状態(BB遊技状態)中の演出内容を変化させ、各特定遊技状態(BB遊技状態)において新たな演出を遊技者に提供することを通じて、各回の特定遊技状態(BB遊技状態)において、遊技者に新鮮な気持ちで遊技を行ってもらうことができる。また、第1の期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定されたことを契機として作動する特定遊技状態(BB遊技状態)においては、第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定されたことを契機として作動する特定遊技状態(BB遊技状態)において行われ得る演出(図173(a)に示す「楽曲e及び楽曲f」、「楽曲g及び楽曲h」、「楽曲i及び楽曲j」、又は、「楽曲k及び楽曲l」)の出力)とは異なる演出を行うことが可能である。このような演出内容の相違を通じて、第1の期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定された場合につき、第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定された場合との差別化を図ることが可能であり、第1の期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定されることに対する遊技者の関心を高めることができる。
第7実施形態では、第2連荘(2連)BB用サウンド、第2連荘(3連)BB用サウンド、第2連荘(4連)BB用サウンド、及び、第2連荘(5連以上)BB用サウンドが、全て異なるBGMであることとして説明したが、本発明においては、これらのBB用サウンドのなかに同じBGMが含まれていてもよい。より詳細に説明すると、本発明においては、第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定されたことを契機として作動する特定遊技状態(BB遊技状態)が複数回発生した場合、これらの複数回の特定遊技状態(BB遊技状態)のなかに、演出内容の異なる2回の特定遊技状態(BB遊技状態)が含まれていれば、当該2回の特定遊技状態(BB遊技状態)以外の特定遊技状態(BB遊技状態)において行われる演出の内容は、特に限定されない。すなわち、当該複数回の特定遊技状態(BB遊技状態)のうちの少なくとも一の特定遊技状態(BB遊技状態)において行われる演出が、他の特定遊技状態(BB遊技状態)において行われる演出と異なっていればよく、当該一の特定遊技状態(BB遊技状態)以外の特定遊技状態(BB遊技状態)においては、同じ演出が行われ得ることとしてもよい。例えば、BB遊技状態が4回発生した場合、1回目のBB遊技状態においては演出Aが行われ、2回目〜4回目のBB遊技状態においては演出Bが行われる(2回目〜4回目のBB遊技状態で同じ演出が行われる)こととしてもよい。また、1回目及び2回目のBB遊技状態においては演出Aが行われ(1回目及び2回目のBB遊技状態で同じ演出が行われ)、3回目及び4回目のBB遊技状態においては演出Bが行われる(3回目及び4回目のBB遊技状態で同じ演出が行われる)こととしてもよい。また、1回目〜3回目のBB遊技状態においては演出Aが行われ(1回目〜3回目のBB遊技状態で同じ演出が行われ)、4回目のBB遊技状態においては演出Bが行われることとしてもよい。また、1回目及び3回目のBB遊技状態においては演出Aが行われ(1回目及び3回目のBB遊技状態で同じ演出が行われ)、2回目及び4回目のBB遊技状態においては演出Bが行われる(2回目及び4回目のBB遊技状態で同じ演出が行われる)こととしてもよい。
(B1−2) 前記(B1−1)の遊技機であって、
前記特定遊技状態中演出実行手段は、
前記特定遊技状態がN回(Nは、3以上の整数)発生した場合において、該N回の特定遊技状態が全て前記第2の期間中に前記特定役が当籤役として決定されたことを契機として作動した場合、該N回の特定遊技状態のうち第1回目の特定遊技状態〜第N回目の特定遊技状態において、それぞれ第1の演出〜第Nの演出(第2連荘(2連)BB用サウンド、第2連荘(3連)BB用サウンド、第2連荘(4連)BB用サウンド、及び、第2連荘(5連以上)BB用サウンドの出力)を行うことが可能であり、
前記特定遊技状態がN回発生した場合において、該N回の特定遊技状態のうち第1回目の特定遊技状態〜第K回目(Kは、1〜(N−2)の整数)の特定遊技状態までは全て前記第2の期間中に前記特定役が当籤役として決定されたことを契機として作動し、第(K+1)回目の特定遊技状態は前記第1の期間中に前記特定役が当籤役として決定されたことを契機として作動した場合、第1回目の特定遊技状態〜第K回目の特定遊技状態において第1の演出〜第Kの演出(第2連荘(2連)BB用サウンド、及び、第2連荘(3連)BB用サウンドの出力)を行う一方、第(K+1)回目の特定遊技状態において前記第1の演出〜第Nの演出とは異なる演出(第1連荘BB用サウンドの出力)を行い、第(K+2)回目の特定遊技状態において第(K+1)の演出(第2連荘(4連)BB用サウンドの出力)を行うことが可能である、
ことを特徴とする。
第7実施形態に係る遊技機1によれば、例えば、特定遊技状態(BB遊技状態)が4回発生した場合において、該4回の特定遊技状態(BB遊技状態)が全て第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定されたことを契機として作動した場合、該4回の特定遊技状態(BB遊技状態)のうち第1回目の特定遊技状態(BB遊技状態)〜第4回目の特定遊技状態(BB遊技状態)において、それぞれ第1の演出〜第4の演出(第2連荘(2連)BB用サウンド、第2連荘(3連)BB用サウンド、第2連荘(4連)BB用サウンド、及び、第2連荘(5連以上)BB用サウンドの出力)を行うことが可能である(第1回目の特定遊技状態(BB遊技状態)〜第4回目の特定遊技状態(BB遊技状態)と第1の演出〜第4の演出(第2連荘(2連)BB用サウンド、第2連荘(3連)BB用サウンド、第2連荘(4連)BB用サウンド、及び、第2連荘(5連以上)BB用サウンドの出力)とがそれぞれ対応している)。また、特定遊技状態(BB遊技状態)が4回発生した場合において、該4回の特定遊技状態(BB遊技状態)のうち第1回目の特定遊技状態(BB遊技状態)及び第2回目の特定遊技状態(BB遊技状態)は第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定されたことを契機として作動し、第3回目の特定遊技状態(BB遊技状態)は第1の期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定されたことを契機として作動した場合、第1回目の特定遊技状態(BB遊技状態)及び第2回目の特定遊技状態(BB遊技状態)において第1の演出(第2連荘(2連)BB用サウンドの出力)及び第2の演出(第2連荘(3連)BB用サウンドの出力)を行う一方、第3回目の特定遊技状態(BB遊技状態)において第1の演出〜第4の演出とは異なる演出(第1連荘BB用サウンドの出力)を行い、第4回目の特定遊技状態(BB遊技状態)において第3の演出(第2連荘(4連)BB用サウンドの出力)を行うことが可能である。ここで、仮に、後者の場合において、(第1回目の特定遊技状態(BB遊技状態)〜第4回目の特定遊技状態(BB遊技状態)と第1の演出〜第4の演出(第2連荘(2連)BB用サウンド、第2連荘(3連)BB用サウンド、第2連荘(4連)BB用サウンド、及び、第2連荘(5連以上)BB用サウンドの出力)との上記対応関係に基づいて)第4回目の特定遊技状態(BB遊技状態)において第4の演出(第2連荘(5連以上)BB用サウンドの出力)を行うこととすると、結果的に、第3の演出(第2連荘(4連)BB用サウンドの出力)が行われずにスキップされてしまうような状況となる。この点、第7実施形態に係る遊技機1によれば、第4回目の特定遊技状態(BB遊技状態)において第3の演出(第2連荘(4連)BB用サウンドの出力)を行うことが可能であるため、第3の演出(第2連荘(4連)BB用サウンドの出力)が行われる機会が確保され、第1の演出〜第4の演出(第2連荘(2連)BB用サウンド、第2連荘(3連)BB用サウンド、第2連荘(4連)BB用サウンド、及び、第2連荘(5連以上)BB用サウンドの出力)を順次行うことができる。
(B1−1′) 遊技に関する所定の抽選を行う抽選手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記抽選手段により行われる前記所定の抽選の結果が所定の結果(BB当籤)である場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(BB遊技状態)を作動させることが可能な特定遊技状態作動手段(図137の処理を実行するメインCPU3031)と、
所定の終了条件が成立した場合に、前記特定遊技状態を終了させる特定遊技状態終了手段(図136の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記特定遊技状態において演出を行うことが可能な特定遊技状態中演出実行手段(図173(a)に示す楽曲a〜pの何れかの出力を行うサブCPU3071)と、を備え、
前記特定遊技状態中演出実行手段は、
前記特定遊技状態終了手段により前記特定遊技状態が終了してから前記特定遊技状態作動手段により前記特定遊技状態が作動するまでの期間のうち、第1の期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に前記所定の抽選の結果が前記所定の結果となったことを契機として前記特定遊技状態が作動した場合、該特定遊技状態において演出を行うことが可能な第1特定遊技状態中演出実行手段と、
前記特定遊技状態終了手段により前記特定遊技状態が終了してから前記特定遊技状態作動手段により前記特定遊技状態が作動するまでの期間のうち、前記第1の期間とは異なる第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に前記所定の抽選の結果が前記所定の結果となったことを契機として前記特定遊技状態が作動した場合、該特定遊技状態において演出を行うことが可能な第2特定遊技状態中演出実行手段と、を備え、
前記第2特定遊技状態中演出実行手段は、
前記第2の期間中に前記所定の抽選の結果が前記所定の結果となったことを契機として作動する前記特定遊技状態が複数回発生した場合、該複数回の特定遊技状態において互いに異なる演出(図173(a)に示す「楽曲e及び楽曲f」、「楽曲g及び楽曲h」、「楽曲i及び楽曲j」、又は、「楽曲k及び楽曲l」)の出力)を行うことが可能であり、
前記第1特定遊技状態中演出実行手段は、
前記第2特定遊技状態中演出実行手段により行われ得る演出とは異なる演出(図173(a)に示す「楽曲c」又は「楽曲d」)の出力)を行うことが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第7実施形態に係る遊技機1によれば、一の特定遊技状態(BB遊技状態)が終了してから次回の特定遊技状態(BB遊技状態)が作動するまでの期間のうち、第1の期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に所定の抽選(内部抽籤)の結果が所定の結果(BB当籤)となったことを契機として特定遊技状態(BB遊技状態)が作動した場合と、第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に所定の抽選(内部抽籤)の結果が所定の結果(BB当籤)となったことを契機として特定遊技状態(BB遊技状態)が作動した場合とで、それぞれ特有の演出が行われるように構成されている。具体的に、第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に所定の抽選(内部抽籤)の結果が所定の結果(BB当籤)となったことを契機として作動する特定遊技状態(BB遊技状態)が複数回発生した場合には、該複数回の特定遊技状態(BB遊技状態)において互いに異なる演出(図173(a)に示す「楽曲e及び楽曲f」、「楽曲g及び楽曲h」、「楽曲i及び楽曲j」、又は、「楽曲k及び楽曲l」)の出力)を行うことが可能である。これにより、第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に所定の抽選(内部抽籤)の結果が所定の結果(BB当籤)となったことを契機として作動する特定遊技状態(BB遊技状態)が繰り返されるのに伴い、特定遊技状態(BB遊技状態)中の演出内容を変化させ、各特定遊技状態(BB遊技状態)において新たな演出を遊技者に提供することを通じて、各回の特定遊技状態(BB遊技状態)において、遊技者に新鮮な気持ちで遊技を行ってもらうことができる。また、第1の期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に所定の抽選(内部抽籤)の結果が所定の結果(BB当籤)となったことを契機として作動する特定遊技状態(BB遊技状態)においては、第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に所定の抽選(内部抽籤)の結果が所定の結果(BB当籤)となったことを契機として作動する特定遊技状態(BB遊技状態)において行われ得る演出(図173(a)に示す「楽曲e及び楽曲f」、「楽曲g及び楽曲h」、「楽曲i及び楽曲j」、又は、「楽曲k及び楽曲l」)の出力)とは異なる演出を行うことが可能である。このような演出内容の相違を通じて、第1の期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に所定の抽選(内部抽籤)の結果が所定の結果(BB当籤)となった場合につき、第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に所定の抽選(内部抽籤)の結果が所定の結果(BB当籤)となった場合との差別化を図ることが可能であり、第1の期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に所定の抽選(内部抽籤)の結果が所定の結果(BB当籤)となることに対する遊技者の関心を高めることができる。
第7実施形態では、第1の期間が第1連荘チャレンジゾーンであり、第2の期間が第2連荘チャレンジゾーンである場合について説明したが、本発明における第1の期間及び第2の期間は、この例に限定されない。例えば、第1の期間及び第2の期間の順序は任意であり、第1の期間の後に第2の期間が設けられていてもよいし、第2の期間の後に第1の期間が設けられていてもよい。また、第7実施形態では、第1連荘チャレンジゾーンの終了後、直ちに第2連荘チャレンジゾーンが開始されることとして説明した。本発明における第1の期間及び第2の期間は、このように連続して発生するものであってもよいし、一方の期間が終了した後、所定の期間を経てから他方の期間を開始することとしてもよい。また、第1の期間は、所定の条件が成立した場合に発生する期間であってもよい。そのような所定の条件としては、例えば、所定の抽籤に当籤することという条件を採用してもよいし、第6実施形態で説明した特殊条件を採用してもよい。また、本発明における特定遊技状態は、BB遊技状態に限定されず、第6実施形態で説明した有利遊技状態を適宜採用することが可能である。
また、第7実施形態では、第1の期間(第1連荘チャレンジゾーン)において行われる単位遊技の回数(32回)及び第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)において行われる単位遊技の回数(68回)が一律固定されており、これらの回数は常に一定であることとして説明した。しかし、本発明において、第1の期間(第1連荘チャレンジゾーン)において行われる単位遊技の回数及び第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)において行われる単位遊技の回数は、それぞれ、遊技の状況に応じて変化させることとしてもよい。例えば、複数種類のBB遊技状態が設けられるように構成しつつ、終了したBB遊技状態の種類に応じて、その後に発生する第1の期間(第1連荘チャレンジゾーン)の長さ及び/又は第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)の長さを異ならせることとしてもよい。例えば、第1のBB遊技状態が終了した後に移行する第1の期間(第1BB終了後第1期間)において行われる単位遊技の回数が、第2のBB遊技状態が終了した後に移行する第1の期間(第2BB終了後第1期間)において行われる単位遊技の回数よりも多くなるように構成してもよい。この場合、第1BB終了後第1期間が終了した後に移行する第2の期間(第1BB終了後第2期間)において行われる単位遊技の回数は、第2BB終了後第1期間が終了した後に移行する第2の期間(第2BB終了後第2期間)において行われる単位遊技の回数よりも、多くてもよいし、少なくてもよいし、同じ回数であってもよい。第1BB終了後第1期間において行われる単位遊技の回数と第1BB終了後第2期間において行われる単位遊技の回数との合計が、第2BB終了後第1期間において行われる単位遊技の回数と第2BB終了後第2期間において行われる単位遊技の回数との合計と同じになるようにしてもよい。
また、遊技の状況に応じて、第1の期間(第1連荘チャレンジゾーン)と第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)とのうち何れか一方を発生させないこととしてもよい。例えば、終了したBB遊技状態の種類に応じて、第1の期間(第1連荘チャレンジゾーン)のみを発生させることとしてもよいし、第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)のみを発生させることとしてもよい。また、第1の期間(第1連荘チャレンジゾーン)における遊技結果に応じて、第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)の長さを変化させることとしてもよい。例えば、第1の期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に所定役(例えば、スイカ)が内部当籤した場合(又は、入賞した場合)には、第1の期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に所定役(例えば、スイカ)が内部当籤しなかった場合(又は、入賞しなかった場合)と比較して、第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)において行われる単位遊技の回数が多くなるようにしてもよいし少なくなるようにしてもよい。また、第1の期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に所定役(例えば、スイカ)が内部当籤しなかった場合(又は、入賞しなかった場合)には、第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)を発生させないこととしてもよい。逆に、第1の期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に所定役(例えば、スイカ)が内部当籤した場合(又は、入賞した場合)に、第2の期間(第2連荘チャレンジゾーン)を発生させないこととしてもよい。
また、第7実施形態では、本発明をパチスロ遊技機に適用した例について説明したが、本発明は、パチンコ遊技機に適用することも可能である。例えば、所謂ST(Specia1 Time)遊技状態及び時短遊技状態が設けられたパチンコ遊技機において、ST遊技状態が開始してから終了するまでの期間を第1の期間として採用し、ST遊技状態が終了してから時短遊技状態が終了するまでの期間を第2の期間として採用することができる。ST遊技状態は、大当り遊技状態の終了後、所定回数の特別図柄抽選を行うことで終了する確変遊技状態(特別図柄抽選の当選確率が非確変遊技状態よりも高くなる遊技状態)である。時短遊技状態は、普通図柄抽選の当選確率が非時短遊技状態よりも高くなる遊技状態であり、大当り遊技状態の終了後、特定回数の特別図柄抽選を行うまで継続するように構成することができる。特定回数が所定回数よりも多い場合には、上記のような態様で、本発明をパチスロ遊技機に適用することが可能である。また、所定回数が特定回数よりも多い場合には、時短遊技状態が開始してから終了するまでの期間を第1の期間として採用し、時短遊技状態が終了してからST遊技状態が終了するまでの期間を第2の期間として採用することができる。このように、本発明においては、第1の期間及び第2の期間の双方ともがST遊技状態(遊技者にとって有利な期間)が開始してから終了するまでの期間に含まれることとしてもよい。例えば、ST遊技状態が開始してから終了するまでの期間を、特定回数の特別図柄抽選が行われるまでの期間(遊技者にとって特に有利な期間)と、その後の期間とに分け、特定回数の特別図柄抽選が行われるまでの期間を第1の期間とし、その後の期間を第2の期間としてもよい。
(B1−3) 複数の識別表示を変動表示することが可能な可変表示手段(リールRL,RC,RR)と、
所定の開始契機に基づいて当籤役を決定する役決定手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技者による停止操作を受け付けることが可能な停止操作手段(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R、及び、ストップスイッチ3007LS,3007CS,3007RS)と、
前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作とに基づいて前記可変表示手段における変動表示を停止させることで、表示結果を導出する停止制御手段(図121のステップS22の処理及び図138のステップS325の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記役決定手段により特定役(BB)が当籤役として決定された後、前記停止制御手段により所定の表示結果(図166に示す「C_BB」)が導出された場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(BB遊技状態)を作動させる特定遊技状態作動手段(図137の処理を実行するメインCPU3031)と、
所定の終了条件が成立した場合に、前記特定遊技状態を終了させる特定遊技状態終了手段(図136の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記特定遊技状態において演出を行うことが可能な演出実行手段(図173(a)に示す楽曲a〜pの何れかの出力を行うサブCPU3071)と、
前記演出実行手段により行われる特定遊技状態中演出(BB中サウンドの再生演出)を決定することが可能な演出決定手段(図174の処理を実行するサブCPU3071)と、を備え、
前記演出決定手段は、
前記特定遊技状態終了手段により前記特定遊技状態が終了した後の第1期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に前記特定役が当籤役として決定された回数の少なくとも一部をカウントすることが可能な第1カウント手段(図174のステップS2006の処理を実行するサブCPU3071)と、
前記第1期間の後の第2期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に前記特定役が当籤役として決定された回数の少なくとも一部をカウントすることが可能な第2カウント手段(図174のステップS2009の処理を実行するサブCPU3071)と、を備え、
前記第1期間中に前記特定役が当籤役として決定されたことを契機として前記特定遊技状態が作動した場合、前記第1カウント手段によるカウント結果に応じた演出(第1連荘BB用サウンドの再生演出)を前記特定遊技状態中演出として決定することが可能である一方、前記第2期間中に前記特定役が当籤役として決定されたことを契機として前記特定遊技状態が作動した場合、前記第2カウント手段によるカウント結果に応じた演出(第2連荘BB用サウンドの再生演出)を前記特定遊技状態中演出として決定することが可能であり、
前記第1期間中に前記特定役が当籤役として決定された場合には、前記第2カウント手段によるカウントを更新せずに、前記第1カウント手段によるカウントを更新することが可能であるのに対し、前記第2期間中に前記特定役が当籤役として決定された場合には、前記第2カウント手段によるカウントを更新する一方、前記第1カウント手段によるカウントがリセットされている、
ことを特徴とする遊技機。
第7実施形態に係る遊技機1によれば、特定遊技状態(BB遊技状態)が終了した後の第1期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定された回数の少なくとも一部がカウントされるとともに、第1期間(第1連荘チャレンジゾーン)の後の第2期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定された回数の少なくとも一部がカウントされる(第1期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定された回数に関するカウントを「第1カウント」と表記し、第2期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定された回数に関するカウントを「第2カウント」と表記する)。第1期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定されたことを契機として特定遊技状態(BB遊技状態)が作動した場合、第1カウントの結果(第1連荘回数)に応じた演出(第1連荘BB用サウンドの再生演出)を特定遊技状態中演出(BB中サウンドの再生演出)として決定することが可能である一方、第2期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定されたことを契機として特定遊技状態(BB遊技状態)が作動した場合、第2カウントの結果(第2連荘回数)に応じた演出(第2連荘BB用サウンドの再生演出)を特定遊技状態中演出(BB中サウンドの再生演出)として決定することが可能である。このように、第7実施形態に係る遊技機1によれば、第1期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定された回数に関するカウントと、第2期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定された回数に関するカウントとを別個に行うことが可能であり、それぞれのカウント結果に応じた演出を特定遊技状態(BB遊技状態)中に行うことができる。これにより、第1期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定された回数に応じて異なる演出を行うことができるとともに、第2期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定された回数に応じて異なる演出を行うことができる。その結果、特定遊技状態中演出(BB中サウンドの再生演出)をバリエーションに富んだものとすることが可能であり、遊技者が飽きにくい特定遊技状態中演出(BB中サウンドの再生演出)を提供することができる。また、第7実施形態に係る遊技機1によれば、第1期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定された場合には、第2カウント(第2連荘回数カウンタによる計数)を更新せずに、第1カウント(第1連荘回数カウンタによる計数)を更新することが可能であるのに対し、第2期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に特定役(BB)が当籤役として決定された場合には、第2カウント(第2連荘回数カウンタによる計数)を更新する一方、第1カウント(第1連荘回数カウンタによる計数)がリセットされた状態となる。すなわち、第2カウント(第2連荘回数カウンタによる計数)が第1カウント(第1連荘回数カウンタによる計数)と比較して更新されやすいのに対して、第1カウント(第1連荘回数カウンタによる計数)は、第2カウント(第2連荘回数カウンタによる計数)と比較してリセットされやすい構成となっている。これにより、第1カウントの結果(第1連荘回数)に応じた演出の価値を相対的に高めることが可能であり、第1カウントの結果(第1連荘回数)に応じた演出が出現した際に、遊技者の気持ちを一層盛り上げることができる。
(B1−3′) 遊技に関する所定の抽選を行う抽選手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記抽選手段により行われる前記所定の抽選の結果が所定の結果(BB当籤)である場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(BB遊技状態)を作動させることが可能な特定遊技状態作動手段(図137の処理を実行するメインCPU3031)と、
所定の終了条件が成立した場合に、前記特定遊技状態を終了させる特定遊技状態終了手段(図136の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記特定遊技状態において演出を行うことが可能な演出実行手段(図173(a)に示す楽曲a〜pの何れかの出力を行うサブCPU3071)と、
前記演出実行手段により行われる特定遊技状態中演出(BB中サウンドの再生演出)を決定することが可能な演出決定手段(図174の処理を実行するサブCPU3071)と、を備え、
前記演出決定手段は、
前記特定遊技状態終了手段により前記特定遊技状態が終了した後の第1期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に前記所定の抽選の結果が前記所定の結果となった回数の少なくとも一部をカウントすることが可能な第1カウント手段(図174のステップS2006の処理を実行するサブCPU3071)と、
前記第1期間の後の第2期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に前記所定の抽選の結果が前記所定の結果となった回数の少なくとも一部をカウントすることが可能な第2カウント手段(図174のステップS2009の処理を実行するサブCPU3071)と、を備え、
前記第1期間中に前記所定の抽選の結果が前記所定の結果となったことを契機として前記特定遊技状態が作動した場合、前記第1カウント手段によるカウント結果に応じた演出(第1連荘BB用サウンドの再生演出)を前記特定遊技状態中演出として決定することが可能である一方、前記第2期間中に前記所定の抽選の結果が前記所定の結果となったことを契機として前記特定遊技状態が作動した場合、前記第2カウント手段によるカウント結果に応じた演出(第2連荘BB用サウンドの再生演出)を前記特定遊技状態中演出として決定することが可能であり、
前記第1期間中に前記所定の抽選の結果が前記所定の結果となった場合には、前記第2カウント手段によるカウントを更新せずに、前記第1カウント手段によるカウントを更新することが可能であるのに対し、前記第2期間中に前記所定の抽選の結果が前記所定の結果となった場合には、前記第2カウント手段によるカウントを更新する一方、前記第1カウント手段によるカウントがリセットされている、
ことを特徴とする遊技機。
第7実施形態に係る遊技機1によれば、特定遊技状態(BB遊技状態)が終了した後の第1期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に所定の抽選(内部抽籤)の結果が所定の結果(BB当籤)となった回数の少なくとも一部がカウントされるとともに、第1期間(第1連荘チャレンジゾーン)の後の第2期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に所定の抽選(内部抽籤)の結果が所定の結果(BB当籤)となった回数の少なくとも一部がカウントされる(第1期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に所定の抽選(内部抽籤)の結果が所定の結果(BB当籤)となった回数に関するカウントを「第1カウント」と表記し、第2期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に所定の抽選(内部抽籤)の結果が所定の結果(BB当籤)となった回数に関するカウントを「第2カウント」と表記する)。第1期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に所定の抽選(内部抽籤)の結果が所定の結果(BB当籤)となったことを契機として特定遊技状態(BB遊技状態)が作動した場合、第1カウントの結果(第1連荘回数)に応じた演出(第1連荘BB用サウンドの再生演出)を特定遊技状態中演出(BB中サウンドの再生演出)として決定することが可能である一方、第2期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に所定の抽選(内部抽籤)の結果が所定の結果(BB当籤)となったことを契機として特定遊技状態(BB遊技状態)が作動した場合、第2カウントの結果(第2連荘回数)に応じた演出(第2連荘BB用サウンドの再生演出)を特定遊技状態中演出(BB中サウンドの再生演出)として決定することが可能である。このように、第7実施形態に係る遊技機1によれば、第1期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に所定の抽選(内部抽籤)の結果が所定の結果(BB当籤)となった回数に関するカウントと、第2期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に所定の抽選(内部抽籤)の結果が所定の結果(BB当籤)となった回数に関するカウントとを別個に行うことが可能であり、それぞれのカウント結果に応じた演出を特定遊技状態(BB遊技状態)中に行うことができる。これにより、第1期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に所定の抽選(内部抽籤)の結果が所定の結果(BB当籤)となった回数に応じて異なる演出を行うことができるとともに、第2期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に所定の抽選(内部抽籤)の結果が所定の結果(BB当籤)となった回数に応じて異なる演出を行うことができる。その結果、特定遊技状態中演出(BB中サウンドの再生演出)をバリエーションに富んだものとすることが可能であり、遊技者が飽きにくい特定遊技状態中演出(BB中サウンドの再生演出)を提供することができる。また、第7実施形態に係る遊技機1によれば、第1期間(第1連荘チャレンジゾーン)中に所定の抽選(内部抽籤)の結果が所定の結果(BB当籤)となった場合には、第2カウント(第2連荘回数カウンタによる計数)を更新せずに、第1カウント(第1連荘回数カウンタによる計数)を更新することが可能であるのに対し、第2期間(第2連荘チャレンジゾーン)中に所定の抽選(内部抽籤)の結果が所定の結果(BB当籤)となった場合には、第2カウント(第2連荘回数カウンタによる計数)を更新する一方、第1カウント(第1連荘回数カウンタによる計数)がリセットされた状態となる。すなわち、第2カウント(第2連荘回数カウンタによる計数)が第1カウント(第1連荘回数カウンタによる計数)と比較して更新されやすいのに対して、第1カウント(第1連荘回数カウンタによる計数)は、第2カウント(第2連荘回数カウンタによる計数)と比較してリセットされやすい構成となっている。これにより、第1カウントの結果(第1連荘回数)に応じた演出の価値を相対的に高めることが可能であり、第1カウントの結果(第1連荘回数)に応じた演出が出現した際に、遊技者の気持ちを一層盛り上げることができる。
また、例えば、仮に、第2連荘(3連)BB用サウンド(第2の演出)が出力されるBB遊技状態(特定遊技状態)が終了した後に移行する第1連荘チャレンジゾーン(第1期間)中にBB(特定役)が内部当籤役として決定された場合に、第2連荘回数カウンタの値(第2連荘回数)を更新することとすると、この時点で、第2連荘回数カウンタの値(第2連荘回数)は、「4」となる。そして、当該第1連荘チャレンジゾーン中BBが終了した後に(第1連荘チャレンジゾーン(第1期間)を経由して)移行する第2連荘チャレンジゾーン(第2期間)中にBB(特定役)が内部当籤役として決定されると、第2連荘回数カウンタの値(第2連荘回数)は、「5」となる。これにより、その後、BB(特定役)が入賞すると、第2連荘(5連以上)BB用サウンド(第4の演出)が出力される。そうすると、結果的に、第2連荘(4連)BB用サウンド(第3の演出)が出力されずに、スキップされてしまうような状況となる。この点、第7実施形態に係る遊技機1によれば、第1連荘チャレンジゾーン(第1期間)中にBB(特定役)が当籤役として決定された場合には、第1カウント(第1連荘回数カウンタによる計数)を更新する一方で、第2カウント(第2連荘回数カウンタによる計数)を更新しないように制御する(第2連荘回数カウンタの値を保持する)ことが可能である。具体的に、この場合には、第1連荘回数カウンタの値が加算される(図174のステップS2006参照)一方で、第2連荘回数カウンタの値は、加算されないが(図174のステップS2009参照)、リセットされることもなく、それまでの値が維持される(図175を用いて説明したように、第2連荘回数カウンタの値は、第1連荘チャレンジゾーン中にBB及びMBが双方とも内部当籤せず、且つ、その後BBが内部当籤しないまま第2連荘チャレンジゾーンから通常ゾーンに移行した場合に、初めてリセットされることになる(図175のステップS2033参照)。これにより、第2連荘チャレンジゾーン中BBが連続している間に、第1連荘チャレンジゾーン中BBが介在した場合、第2連荘回数カウンタの値(第2連荘回数)が更新されないため、第2カウントの結果(第2連荘回数)に応じた演出(第2連荘BB用サウンドの再生演出)がスキップされてしまうことはなく、各第2連荘BB用サウンド(第1の演出〜第4の演出)を順次再生させることができる。
なお、第7実施形態では、第2連荘チャレンジゾーン中BB(第2連荘チャレンジゾーン中にBBが内部当籤役として決定された後、当該BBが入賞することにより発生するBB遊技状態)において、第2連荘回数が5回以上である場合には、同一のBB中サウンド(第2連荘(5連以上)BB用サウンド)が再生されることとして説明した。従って、第2連荘(4連)BB用サウンドが再生された後は、そもそもスキップされてしまうBB中サウンドが存在しない。この点に鑑み、第2連荘(4連)BB用サウンドが再生された後は(第2連荘回数が4回以上である場合には)、他の演出の再生条件が成立したとしても、第2連荘回数を更新することとしてもよい。もちろん、本発明においては、第2連荘回数が5回以上である場合にも、第2連荘回数が増えるのに伴い、毎回異なるBB中サウンドを再生することとしてもよい。また、第7実施形態では、第1連荘チャレンジゾーン中BB(第1連荘チャレンジゾーン中にBBが内部当籤役として決定された後、当該BBが入賞することにより発生するBB遊技状態)が連続している場合に、第1連荘(偶数連)BB用サウンドと第1連荘(奇数連)BB用サウンドとが交互にBB中サウンドとして決定されることとして説明した。もちろん、本発明においては、第1連荘BB用サウンドの再生条件が成立した場合についても、第2連荘BB用サウンドの再生条件が成立した場合と同様に、第1連荘回数が増えるのに伴い、毎回異なるBB中サウンドを再生することとしてもよい。
また、第7実施形態では、フリーズBB用サウンドの再生条件が成立した場合に、第1連荘回数及び第2連荘回数が更新されないこととして説明した。これにより、フリーズBB用サウンドが再生されたことにより、第1連荘BB用サウンド又は第2連荘BB用サウンドがスキップされてしまうことを回避することができる。なお、第7実施形態では、当籤ゲーム(BBが内部当籤役として決定されることにより、RT0遊技状態からBBフラグ間状態へと移行した単位遊技)においてのみ、フリーズが発生し得ることとして説明したが、当籤ゲーム以降のフラグ間状態においても、フリーズが発生し得ることとしてもよい。この場合、BB当籤コマンドデータを受信した時点では、フリーズ抽籤に当籤していないため、図174のステップS2006又はステップS2009において第1連荘回数又は第2連荘回数が更新されることになるが、その後フリーズ抽籤に当籤した時点で、更新された第1連荘回数又は第2連荘回数を元に戻す(1減算する)こととしてもよい。これにより、上記と同様に、第1連荘BB用サウンド又は第2連荘BB用サウンドがスキップされてしまうことを回避することができる。本発明においては、このように、特殊なBB中サウンドの再生条件が成立した場合に、第1連荘回数又は第2連荘回数に関するカウント方法を変更することが可能である。また、以上とは異なり、フリーズBB用サウンドの再生条件が成立した場合にも、第1連荘回数及び第2連荘回数を更新するように構成することも可能である。
また、第7実施形態では、複数のBB中サウンドに対応する再生条件が競合した場合に、予め設定された優先順位に基づいて一のBB中サウンドが決定されることとして説明した。本発明においては、一のBB中サウンドに対応する再生条件と他のBB中サウンドに対応する再生条件とが双方とも成立した場合、遊技者の操作により一のBB中サウンドを選択することが可能なように構成されていてもよい。例えば、停止操作の結果として停止表示されたコンビネーションの種別や、コンビネーションが停止表示された有効ラインの種別に応じて、一のBB中サウンドを選択することとしてもよい。
例えば、第6実施形態で説明したように、第1所定の停止操作(例えば、「右リールRR→中リールRC→左リールRL」の順序、且つ、左リールRLに対する停止操作として図柄位置「3」の「赤7」をビタ押しするような停止操作)と、第2所定の停止操作(例えば、「中リールRC→右リールRR→左リールRL」の順序、且つ、左リールRLに対する停止操作として図柄位置「9」の「羽」をビタ押しするような停止操作)とのうち、何れの停止操作が行われるのかによって、何れのBB中サウンドを再生するのかを決定することとしてもよい。
このような形態においては、第1連荘BB用サウンド(又は第2連荘BB用サウンド)以外のBB中サウンド(例えば、フリーズBB用サウンド)の再生条件が成立した場合(例えば、フリーズ抽籤に当籤した場合)であっても、第1連荘回数(又は第2連荘回数)を更新する(1加算する)こととしてもよい。その上で、第1連荘BB用サウンド(又は第2連荘BB用サウンド)が選択された場合には、更新後の第1連荘回数(又は第2連荘回数)を維持する一方、他のBB中サウンド(例えば、フリーズBB用サウンド)が選択された場合には、更新された第1連荘回数(又は第2連荘回数)を元に戻す(1減算する)こととしてもよい。また、第1連荘BB用サウンド(又は第2連荘BB用サウンド)以外のBB中サウンド(例えば、フリーズBB用サウンド)の再生条件の成否にかかわらず、第1連荘回数(又は第2連荘回数)の更新を保留しておき、最終的に第1連荘BB用サウンド(又は第2連荘BB用サウンド)が選択された時点で、第1連荘回数(又は第2連荘回数)を更新する(1加算する)こととしてもよい。
また、第1連荘チャレンジゾーン(又は第2連荘チャレンジゾーン)中にBBが内部当籤役として決定され、且つ、フリーズ抽籤に当籤した場合、停止操作の結果、複数の有効ラインのうちの何れの有効ラインに所定の表示結果(図166に示す「C_BB」)が導出されたのかに応じて、第1連荘BB用サウンド(又は第2連荘BB用サウンド)とフリーズBB用サウンドとのうち何れのBB中サウンドを再生するのかを決定することとしてもよい。一例として、所定の押し順(例えば、左リールRLに対する停止操作を第1停止操作とする順押し)による停止操作が行われた場合には、センターラインに沿ってBBに対応する図柄組合せが停止表示され、特定の押し順(中リールRC又は右リールRRに対する停止操作を第1停止操作とす変則押し)による停止操作が行われた場合には、クロスダウンライン又はクロスアップラインに沿ってBBに対応する図柄組合せが停止表示されるとする。このような形態において、BBに対応する図柄組合せがセンターラインに沿って停止表示された場合には、フリーズBB用サウンドを再生し、BBに対応する図柄組合せがクロスダウンライン又はクロスアップラインに沿って停止表示された場合には、第1連荘BB用サウンド(又は第2連荘BB用サウンド)を再生することとしてもよい。
また、第7実施形態では、第1連荘チャレンジゾーン中BBが開始する際に、BB入賞時ロック及びBB入賞時演出を行わないこととして説明した。これにより、遊技者の気分が乗っているであろう状況で、BB入賞時ロック及びBB入賞時演出が発生することにより、当該状況に水を差してしまうような事態を回避することができる。そして、BB入賞時ロック及びBB入賞時演出によって遊技が中断されることなく、遊技者のテンションを高く維持したまま、BB遊技状態における遊技を開始してもらうことができる。このような観点からすると、第2連荘チャレンジゾーン中BBが開始する際にも、BB入賞時ロック及びBB入賞時演出を行わないこととしてもよい。第2連荘チャレンジゾーン中BBにおいては、第1連荘チャレンジゾーン中BBと比較すると、遊技者のテンションが低下する可能性もあるが、BB遊技状態が連荘している状況であることには変わりない。このような状況においては、遊技者がテンポ良く遊技を消化したいと思っている可能性が高く、BB入賞時ロック及びBB入賞時演出によって遊技の流れを妨げないことが望ましい。
このように、本発明においては、「BB連荘中」におけるボーナス状態開始時の全て又は一部で、BB入賞時ロック及びBB入賞時演出を行わないように構成することが可能である。例えば、連荘チャレンジゾーン中BB(第1連荘チャレンジゾーン又は第2連荘チャレンジゾーン中にBBが内部当籤役として決定された後、当該BBが入賞することにより発生するBB遊技状態)が所定回数(例えば、3回)以上連続していることを条件として、第2連荘チャレンジゾーン中BBが開始する際にBB入賞時ロック及びBB入賞時演出を行わないこととしてもよい。また、第6実施形態で説明した演出用遊技ロックによりボーナス役が内部当籤役として決定されたことが報知された単位遊技において当該ボーナス役が入賞した場合にも、BB入賞時ロック及びBB入賞時演出を行わないこととしてもよい。なお、第7実施形態において、「BB連荘中」とは、第2連荘回数カウンタの値(第2連荘回数)が1以上である期間を指す。また、MB遊技状態の開始時には、基本的にMB入賞時ロック及びMB入賞時演出は行われないが、第1連荘チャレンジゾーン中MBの開始時のみ、MB入賞時ロック及びMB入賞時演出を行うこととしてもよい。
第7実施形態では、第1連荘チャレンジゾーン中BBが開始する際にBB入賞時ロックを行わないように構成した理由として、歌詞が流れているにもかかわらず遊技を行うことができないという状況に対して、遊技者が違和感を覚えてしまう点を挙げた。この点、本発明は、液晶表示装置が設けられていない遊技機に対しても適用することが可能であるところ、BB入賞時演出として映像演出が行われないような形態も想定される。その場合、視覚的な演出が存在しない中で、歌詞付きのBGMだけが流れており、その間遊技を行うことができない、というのは、かなり不自然であり、遊技者が特に違和感を覚えてしまいそうな状況であると言える。そこで、このような形態においては、第1連荘チャレンジゾーン中BBが開始する際にBB入賞時ロックを行わないように構成することが、より一層望ましい。
第7実施形態では、BBが入賞した直後(BBに対応する図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示された直後)からBB中サウンドが再生されることとして説明した。BB中サウンドの再生タイミングとしては、BBが内部当籤してからBB遊技状態における最初の単位遊技が開始されるときまでの任意のタイミングを適宜採用することができる。例えば、ボーナス役が内部当籤したことが告知されたときからBB中サウンドを再生することとしてもよい。具体的に、各単位遊技においては、演出を決定するための抽籤が行われており、フラグ間状態中の単位遊技においては、当該抽籤の結果として、ボーナス役が内部当籤したことを告知することが決定される場合がある。当該告知(ボーナス告知)は、WINランプの点灯(図示せず)やWIN画面(「ボーナス確定」等の文字を含む画像)の表示、あるいは、上述したハイビスカス絵柄の照明パターン等により、ボーナス役が内部当籤したことを、遊技者に対して確定的に報知するものである。この場合、遊技者は、ボーナス役が内部当籤したことを明確に認識しているため、BB中サウンドを流したとしても、特に違和感はない。そして、このようにボーナス告知を契機としてBB中サウンドが再生された場合には、BB入賞時ロック及びBB入賞時演出を行わないことが望ましい。この場合、BB中サウンドの再生が開始された後、BBが入賞してBB遊技状態が開始されるタイミングは、状況に応じて区々であり、BB入賞時ロック及びBB入賞時演出を行うことにより、遊技の流れを阻害してしまう恐れがあるためである。
上記ボーナス告知では、ボーナス役が内部当籤したことのみが報知され、ボーナス役の種別(BBとMBの何れが内部当籤したのか)までは報知されないこととしてもよい。この場合、BB中サウンド及びMB中サウンドとして互いに異なるサウンドを採用すれば、ボーナス告知を契機としてBB中サウンドとMB中サウンドとのうち何れかのサウンドを流すことにより、遊技者は、内部当籤したボーナス役の種別を把握することができる。例えば、歌詞付きのサウンドは、BBが内部当籤した場合にしか再生されないところ、ボーナス告知によりBBとMBのうちの何れが内部当籤したことが報知された後、BB中サウンドとして歌詞付きのサウンドが出力されることにより、遊技者は、内部当籤したボーナス役がBBであることを察知することが可能となる。なお、MB遊技状態においては、一律同一のサウンドを再生することとしてもよいし、第1連荘チャレンジゾーン中MBにおいてのみ、異なるMB中サウンドを再生することとしてもよいが、何れにしても、MB中サウンドとしては、歌詞のないBGMが用いられる。
<付記B2>
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、遊技メダルやコイン等(「メダル等」)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチおよびストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転およびその停止を行うリール制御部とを備え、スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(「内部当籤役」)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、いわゆるパチスロと称される遊技機が知られている。
このような従来の遊技機として、ボーナス役が内部当籤役として決定されてから5ゲームが経過すると、ボーナス役の内部当籤を報知するように構成された遊技機が知られている(例えば、特開2001−120707号公報参照)。このような遊技機によれば、遊技者は、当該報知を契機として、ボーナス図柄を狙って停止操作を行うことでボーナス図柄を揃えることが可能であり、これにより、ボーナス状態を作動させることができる。
しかしながら、上述したような従来の遊技機では、ボーナス役の内部当籤が報知されるタイミングが一律に固定されているため、遊技に多様性を持たせることが困難であり、面白みに欠けるという問題があった。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、当籤役の報知に関して遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第7実施形態に係る遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(B2−1) 図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能な複数の図柄表示手段(リールRL,RC,RR)と、
所定の開始契機に基づいて当籤役を決定する役決定手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技者による停止操作を受け付けることが可能な停止操作手段(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R、及び、ストップスイッチ3007LS,3007CS,3007RS)と、
前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作とに基づいて、前記図柄表示手段において変動表示が行われている図柄を停止表示させる停止制御手段(図121のステップS22の処理及び図138のステップS325の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記役決定手段により特定役(BB)が当籤役として決定された後、前記停止制御手段により特定の図柄組合せ(図166に示す「C_BB」)が停止表示された場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(BB遊技状態)を作動させる特定遊技状態作動手段(図137の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記役決定手段により前記特定役が当籤役として決定されたことを報知する報知手段(図177の処理を実行するサブCPU3071)と、
遊技に関する音を出力することが可能な音出力手段(スピーカDD25L,DD25R)と、を備え、
前記特定の図柄組合せは、各前記図柄表示手段における図柄が全て特定図柄(「7」図柄)であり、
前記報知手段は、
前記役決定手段により前記特定役が当籤役として決定されている場合にのみ出力され得る特定音(特殊テンパイ音)を、前記音出力手段により出力させることによって、前記役決定手段により前記特定役が当籤役として決定されたことを報知することが可能な第1報知手段(図177のステップS2208の処理を実行するサブCPU3071)と、
前記第1報知手段とは異なる態様(ハイビスカス絵柄の照明パターン)で、前記役決定手段により前記特定役が当籤役として決定されたことを報知することが可能な第2報知手段と、を備え、
前記第1報知手段は、
前記役決定手段により前記特定役が当籤役として決定された後、前記複数の図柄表示手段のうちの一の図柄表示手段以外の図柄表示手段において図柄が停止表示される時点で、該一の図柄表示手段以外の全ての図柄表示手段で前記特定図柄が停止表示されるときに、前記音出力手段により前記特定音を出力させることが可能である一方、
前記役決定手段により前記特定役が当籤役として決定された後、前記複数の図柄表示手段のうちの一の図柄表示手段以外の図柄表示手段において図柄が停止表示される時点で、該一の図柄表示手段以外の全ての図柄表示手段で前記特定図柄が停止表示される場合であっても、前記役決定手段により前記特定役が当籤役として決定されたことが前記第2報知手段により既に報知されている場合には、前記音出力手段により前記特定音を出力させないことが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第7実施形態に係る遊技機1によれば、特定役(BB)が当籤役として決定された後、特定の図柄組合せ(図166に示す「C_BB」)(各図柄表示手段(リールRL,RC,RR)における図柄が全て特定図柄(「7」図柄)である図柄組合せ)が停止表示された場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(BB遊技状態)が作動する。そして、少なくとも2通りの報知態様により、特定役(BB)が当籤役として決定されたことを報知することが可能である。1つの報知態様(第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力))は、特定役(BB)が当籤役として決定されている場合にのみ出力され得る特定音(特殊テンパイ音)を出力させることによって、特定役(BB)が当籤役として決定されたことを報知する、というものである。具体的に、第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)においては、特定役(BB)が当籤役として決定された後、複数の図柄表示手段(リールRL,RC,RR)のうちの一の図柄表示手段(リール)以外の図柄表示手段(リール)において図柄が停止表示される時点で、該一の図柄表示手段(リール)以外の全ての図柄表示手段(リール)で特定図柄(「7」図柄)が停止表示されるときに、特定音(特殊テンパイ音)を出力させることが可能である。一方で、特定役(BB)が当籤役として決定された後、複数の図柄表示手段(リールRL,RC,RR)のうちの一の図柄表示手段(リール)以外の図柄表示手段(リール)において図柄が停止表示される時点で、該一の図柄表示手段(リール)以外の全ての図柄表示手段(リール)で特定図柄(「7」図柄)が停止表示される場合であっても、特定役(BB)が当籤役として決定されたことが第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)とは異なる報知態様(第2の報知態様(ハイビスカス絵柄の照明パターン))により既に報知されている場合には、特定音(特殊テンパイ音)を出力させないことが可能なように構成されている。
仮に、特定役(BB)が当籤役として決定されたことが第2の報知態様(ハイビスカス絵柄の照明パターン)により既に報知されている場合、その時点で、遊技者は、特定役(BB)が当籤役として決定されたことを認識していると考えられるため、その後さらに第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)により報知が行われたとしても、特定役(BB)が当籤役として決定されたことを既に知っている遊技者からしてみると、当該第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)による報知は、大した意味を持たないことになる。そのため、第2の報知態様(ハイビスカス絵柄の照明パターン)による報知が行われた後に第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)による報知を行うこととすると、第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)による報知の存在意義が低下してしまう。これに対し、第2の報知態様(ハイビスカス絵柄の照明パターン)による報知が行われていない状況で第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)による報知が行われた場合、遊技者は、当該第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)による報知が行われることによって、初めて、特定役(BB)が当籤役として決定されたことを知ることができるため、当該第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)による報知は、遊技者にとって非常に嬉しいものである。第7実施形態に係る遊技機1によれば、第2の報知態様(ハイビスカス絵柄の照明パターン)による報知が行われた後に第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)による報知を行うことを回避し、第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)による報知を安易に行わない(第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)による報知の安売りをしない)ことによって、このような第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)による報知の存在意義を相対的に際立たせることが可能であり、その価値を高めることができる。
遊技者に対して2度の報知を行わないという観点からすると、第2の報知態様(ハイビスカス絵柄の照明パターン)による報知は、特定役(BB)が当籤役として決定されたことを遊技者に対して確定的に報知するもの(遊技者がはっきりと認識することができるような態様で報知するもの)であることが望ましい。例えば、第2の報知態様による報知として、ハイビスカス絵柄を照明する場合には、一般人が認知可能な程度の時間(例えば、3秒、5秒、又は、10秒以上)に亘ってLEDが点灯(点滅)している状態を継続するとよい。これに対し、ハイビスカス絵柄を一瞬(例えば、1秒、0.5秒、又は、0.3秒未満の時間)だけ照明するような場合は、第2の報知態様による報知として扱わないこととしてもよい(すなわち、この場合には、第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)による報知を行うこととしてもよい)。
また、第2の報知態様(ハイビスカス絵柄の照明パターン)による報知が行われたときに、特定役(BB)が当籤役として決定されている可能性があるが、特定役(BB)以外の役(例えば、MB)が当籤役として決定されている可能性もあるような場合にも、第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)による報知を行うこととしてもよい。この場合にも、第2の報知態様(ハイビスカス絵柄の照明パターン)による報知が行われた時点で、特定役(BB)が当籤役として決定されたことが確定するわけではないため、第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)による報知を行う意義はあると言える。
また、第2の報知態様による報知は、ハイビスカス絵柄を照明することによって行う例に限定されず、その他のWINランプ(図示せず)を点灯させたり、WIN画面(「ボーナス確定」等の文字を含む画像)を表示させたりすることによって、特定役(BB)が当籤役として決定されたことを報知することとしてもよい。なお、このような第2の報知態様による報知を行うタイミングは、特に限定されず、遊技者がスタートレバーDD6を操作した直後(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rを操作する前)であってもよいし、全てのリールRL,RC,RRの回転が停止した後であってもよい。
また、第6実施形態で説明したバックライト演出(図151A及び図151B参照)によっても、遊技者は、ボーナス役が内部当籤役として決定されたことを察知することができるが、そのためには、「バックライト演出の種別と、当該バックライト演出が発生した場合に当籤している可能性のある内部当籤役との対応関係」を遊技者が予め知っている必要がある。そのため、遊技の初心者を含め略全ての遊技者が、バックライト演出を通じて、ボーナス役が内部当籤役として決定されたことを認識することができるわけではなく、当該バックライト演出は、ボーナス役が内部当籤役として決定されたことを、遊技者に対して確定的に報知するものではない。従って、バックライト演出によりボーナス当籤が示唆された後に、第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)による報知を行うこととしてもよい。
なお、図147A及び図147Bに示すロック時間抽籤テーブルにおいては、「1枚はずれ」に対応する抽籤値として、演出用遊技停止番号「1」〜「10」の全てに対して0が設定されている。すなわち、1枚掛け遊技においては、バックライト演出が行われることがない。上述したように、遊技者は、ボーナス役が内部当籤役として決定されたことに気付いた時点で、メダルの消費枚数を抑えるため、3枚掛け遊技から1枚掛け遊技に切り替えるものと考えられる。このような状況において、遊技者は、ボーナス役が内部当籤役として決定されたことを既に認識しているところ、さらにバックライト演出(ボーナス役の当籤報知に係る演出)を行うこととすると、遊技者が不快に感じてしまうことが懸念される。この点、図147A及び図147Bに示すロック時間抽籤テーブルによれば、このような事態が発生してしまうことを防止することができる。
また、以上と同様の理由により、ボーナス役が内部当籤役として決定された場合に特有の各種演出(ボーナス当籤示唆演出)によりボーナス当籤が示唆された後であっても、第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)による報知を行うように構成することが可能である。そのようなボーナス当籤示唆演出としては、スタートレバーDD6が操作された際に出力される音を用いた演出、各リールRL,RC,RRの上部に設けられた3つのリール上ランプを停止操作に伴って消灯させる演出、内部当籤役の種類を示唆する画像演出等を挙げることができる。また、ウェイト(図121のステップS18参照)が発生した際、ボーナス役が内部当籤役として決定されていない場合にはウェイト音が出力されるが、ボーナス役が内部当籤役として決定されている場合にのみウェイト音が出力されないような形態においても、当該ウェイト音が出力されなかった後に、第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)による報知を行うこととしてもよい。
また、所謂リーチ目が表示された後に、第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)による報知を行うこととしてもよい。リーチ目は、ボーナス役が内部当籤役として決定されている場合にしか停止表示され得ない図柄組合せである。すなわち、リーチ目は、ボーナス役が内部当籤役として決定され、当該ボーナス役に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されなかった場合(ボーナス役を取りこぼした場合)に停止表示され得る図柄組合せである。
ここで、リーチ目が表示された後に、第2の報知態様による報知が行われた場合には、第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)による報知を行わないことが望ましい。すなわち、リーチ目が表示されたことを察知することに自信を持っている遊技者は、リーチ目が表示されたことに気付かないまま、第2の報知態様による報知が行われた場合、リーチ目が表示されたことに気付くことができなかったことについて、自信を喪失し、落胆してしまう可能性がある。その上で、第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)による報知まで行うこととすれば、落胆している遊技者にとってはむしろ皮肉であり、リーチ目を見逃した自分を情けなく感じさせ、場合によっては、遊技者を恥ずかしい感覚にさせてしまうようなことも想定される。このような場合に、第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)による報知を行わないことにより、遊技者の気持ちに最大限配慮することが可能であり、遊技者に気分よく遊技を行ってもらうことができる。同様の理由により、上記ボーナス当籤示唆演出によりボーナス当籤が示唆された後、第2の報知態様による報知が行われた場合にも、第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)による報知は行わないことが望ましい。
また、BBが内部当籤役として決定されている場合において、各リールRL,RC,RRが所定数の図柄分滑って停止する際に当該リールが滑っている間に出力される音(BB確定滑り音)が発生したときにも、第1の報知態様(特殊テンパイ音の出力)による報知を行わないようにすることが可能である。このようなBB確定滑り音(特殊テンパイ音とは異なる音)は、例えば、第1停止操作の対象となったリールが最大滑り駒数(4図柄)分滑って中段領域に「7」が停止表示されるような場合、当該リールが滑っている間に出力することとしてもよい。また、第2停止操作の対象となったリールが1〜4図柄分滑って「7」図柄がテンパイ表示されるような場合、当該リールが滑っている間に出力することとしてもよい。この場合には、テンパイ音抽籤(図177のステップS2206参照)を行うための条件と、BB確定滑り音を出力するための条件とが、双方とも成立し得ることになるが、何れを優先してもよい。BB確定滑り音を優先する場合には、テンパイ音抽籤が実行されず、特殊テンパイ音は出力されないことになる。また、BB確定滑り音は、特定のリール(例えば、左リールRL)に対する停止操作が第1停止操作として行われたことを条件として、出力することとしてもよい。この場合には、第2停止操作の対象となったリールが1〜4図柄分滑って「7」図柄がテンパイ表示されるような場合であっても、特定のリール(例えば、左リールRL)に対する停止操作が第1停止操作として行われていなければ、BB確定滑り音を出力するための条件は成立していないことになるため、テンパイ音抽籤を実行することとしてもよい。
<付記B3>
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、遊技メダルやコイン等(「メダル等」)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチおよびストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転およびその停止を行うリール制御部とを備え、スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(「内部当籤役」)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、いわゆるパチスロと称される遊技機が知られている。
このような従来の遊技機として、ボーナス遊技状態においては、遊技の開始に必要なメダルの数と同数のメダルが払い出される役(無増減役)のみが入賞し、ボーナス遊技状態中に所定の条件が成立した場合、当該ボーナス遊技状態が終了した後、再遊技の作動の契機となる役(リプレイ)の当籤確率が相対的に高い高RT遊技状態に移行させるとともに、内部当籤した小役を有利に入賞させるための停止操作を報知するアシストタイム(AT)を所定期間に亘って行うものが知られている(例えば、特開2012−170529号公報参照)。
このような構成により、特開2012−170529号公報に記載の遊技機は、ボーナス遊技状態以外の遊技状態(非ボーナス遊技状態)の所定期間に亘ってメダルの純増枚数を増加させ、非ボーナス遊技状態における遊技性を多様化させている。これにより、非ボーナス遊技状態に遊技者の興味を惹き付け、非ボーナス遊技状態の興趣を向上させている。
ここで、遊技機メーカが遊技機を開発するに当たっては、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)に規定された要件を充足する必要がある。出玉率が過度に高い遊技機が遊技店に設置されると、遊技者の射幸心が煽られる結果として、善良の風俗と清浄な風俗環境(風営法第1条)が保持されなくなってしまう。従って、遊技機メーカは、風営法に適合させるため、出玉率が所定の範囲内に収束するように出玉を設計する必要がある。
特開2012−170529号公報に記載の遊技機では、非ボーナス遊技状態におけるメダルの純増枚数を増加させる代わりに、ボーナス遊技状態におけるメダルの純増枚数を0とすることにより、出玉率が過度に高くなってしまうことを抑制し、出玉率を適切に管理している。これにより、非ボーナス遊技状態の興趣を向上させつつも、遊技者の射幸心が過度に煽られてしまうことを防止し、善良の風俗と清浄な風俗環境が保持されることを実現しようとしている。
しかしながら、このような遊技機では、ボーナス遊技状態において多数のメダルを獲得したいと考える遊技者の要望には応えることができない。遊技者にとって魅力的な遊技機を提供するためには、非ボーナス遊技状態及びボーナス遊技状態双方の遊技性や出玉率をいかにバランスよく図るか、という点が重要になる。
ただ、風営法に適合させるためには、各種要件を充足する必要があり、もし規制に違反してしまうと、風営法第20条第5項に基づく試験(型式試験)に合格することができず、遊技機メーカは、せっかく開発した遊技機を販売することができない。遊技機メーカとしては、このような規制の下で風営法に適合するように出玉設計を行うことが必要である一方、非ボーナス遊技状態及びボーナス遊技状態双方の興趣を向上させた遊技機を開発することが求められており、これらを両立させることが非常に困難であるという事情が存在する。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、出玉設計の行いやすい遊技機を提供することを目的とする。
この点、第7実施形態に係る遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(B3−1) 複数の識別情報を変動表示することが可能な可変表示手段(リールRL,RC,RR)と、
所定の開始契機に基づいて当籤役を決定する役決定手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技者による停止操作を受け付けることが可能な停止操作手段(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R、及び、ストップスイッチ3007LS,3007CS,3007RS)と、
前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作とに基づいて前記可変表示手段における変動表示を停止させることで、表示結果を導出する停止制御手段(図121のステップS22の処理及び図138のステップS325の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記停止制御手段により導出された表示結果に応じた数の遊技価値(メダル)を付与することが可能な付与手段(図121のステップS25の処理を実行するメインCPU3031)と、
第1の遊技状態(RT0遊技状態)及び第2の遊技状態(MB遊技状態)を含む複数の遊技状態のうちの何れかの遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段(図119(b)に示す遊技状態フラグ格納領域及び図119(a)に示す持越役格納領域の設けられたメインRAM3033、並びに、遊技状態フラグ格納領域及び持越役格納領域を参照して遊技状態を管理するメインCPU3031)と、を備え、
前記表示結果として、特定の表示結果(図166に示す「C_特殊ベル」)が設けられ、
前記停止制御手段は、
前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態のうち前記第2の遊技状態においてのみ、前記特定の表示結果を導出し得るように停止制御を行うことが可能である一方、前記第2の遊技状態において前記特定の表示結果を導出する場合には、他の表示結果(図166に示す「C_チェリー」)を併せて導出するように停止制御を行うことが可能であり、
前記付与手段は、
前記第2の遊技状態において最大で所定数(15)の遊技価値を付与することが可能であり、
前記第2の遊技状態において前記特定の表示結果が導出された場合に対応する遊技価値の付与数は、前記所定数よりも少ない、
ことを特徴とする遊技機。
第7実施形態に係る遊技機1によれば、表示結果として、特定の表示結果(図166に示す「C_特殊ベル」)が設けられており、特定の表示結果(図166に示す「C_特殊ベル」)は、第1の遊技状態(RT0遊技状態)では導出され得ないが、第2の遊技状態(MB遊技状態)では導出され得るように構成されている。ここで、第2の遊技状態(MB遊技状態)は、最大で所定数の遊技価値(15枚のメダル)を付与することが可能な遊技状態であるが、第2の遊技状態(MB遊技状態)において特定の表示結果(図166に示す「C_特殊ベル」)が導出された場合に対応する遊技価値(メダル)の付与数(12)は、所定数(15)よりも少なくなっている。従って、特定の表示結果(図166に示す「C_特殊ベル」)が第2の遊技状態(MB遊技状態)で導出され得ることにより、せっかく設計した特定の表示結果(図166に示す「C_特殊ベル」)が導出される場面を確保することができるが、特定の表示結果(図166に示す「C_特殊ベル」)を導出することに起因して、第2の遊技状態(MB遊技状態)において付与され得る遊技価値(メダル)の数が減ってしまうと、遊技者の満足感が得られない可能性がある。この点、第7実施形態に係る遊技機1によれば、第2の遊技状態(MB遊技状態)において特定の表示結果(図166に示す「C_特殊ベル」)が導出される場合には、他の表示結果(図166に示す「C_チェリー」)も併せて導出されるようになっている。これにより、所定数(15)を上限としつつ、特定の表示結果(図166に示す「C_特殊ベル」)に応じた数に他の表示結果(図166に示す「C_チェリー」)に応じた数を加えて得られる数の遊技価値(メダル)を付与することが可能であり、特定の表示結果(図166に示す「C_特殊ベル」)に応じた数(12)と所定数(15)との差分を調整することができる。上述した風営法に適合させつつこのような差分調整を行うことは、困難であると考えられるところ、本発明者は、鋭意検討を重ねる中で、上記のような着想に至り、出玉調整を容易に行うことができる方法を見出した。
上記のように、第7実施形態では、第1の遊技状態(RT0遊技状態)では導出されない特定の表示結果(「C_特殊ベル」)を、第2の遊技状態(MB遊技状態)で導出することにより、特定の表示結果(「C_特殊ベル」)が導出される場面を確保している。ここで、MB遊技状態は、入賞時にメダルが払い出される全てのコンビネーション(小役)が有効ラインに沿って停止表示されることが許容される遊技状態であるため、特定の表示結果(「C_特殊ベル」)は、基本的にいつでも導出可能な状況にある。従って、特定の表示結果(「C_特殊ベル」)を導出する場面を設計するに当たって、考慮すべき制約が相対的に少なく、比較的自由度の高い設計を行うことができる。なお、第7実施形態では、MB遊技状態においても、他の遊技状態と同様に、内部抽籤テーブル(図171(b)参照)が参照されることにより「F_CB役」が内部当籤役として決定されることとして説明したが、MB遊技状態においては、内部抽籤テーブルを設けることなく、全ての単位遊技で全ての小役に係るコンビネーションに対応するフラグをオンにセットすることとしてもよい。
また、第2の遊技状態(MB遊技状態)において特定の表示結果(「C_特殊ベル」)が導出される場合に併せて導出される他の表示結果(「C_チェリー」)は、左リールRLにおける図柄が「チェリー」であり、中リールRCにおける図柄が「ANY」であり、右リールRRにおける図柄が「ANY」である(図166参照)。「ANY」は、どのような図柄であってもよいことを示している。従って、左リールRLの上段領域、中段領域、及び、下段領域の何れかに「チェリー」が停止表示されれば、「C_チェリー」に係る図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示される。この点において、「C_チェリー」は、停止表示されやすいコンビネーションとなっている。特定の表示結果(「C_特殊ベル」)が導出される場合に併せて導出される他の表示結果(「C_チェリー」)として、このようなコンビネーションを採用することにより、特定の表示結果(「C_特殊ベル」)に対応する払出枚数(12)と第2の遊技状態(MB遊技状態)における払出枚数の上限値(15)との差分を比較的容易に調整することができる。特に、「C_チェリー」の左リールRLにおける図柄(「チェリー」)と、「C_特殊ベル」の左リールRLにおける図柄(「ベル2」)とは、近傍(2図柄の範囲内)に配置されており、これにより、「C_特殊ベル」と「C_チェリー」とを同時に表示させやすく、出玉調整を行いやすい状況を創出することができる。
[第8実施形態]
以上、第1実施形態〜第7実施形態について説明した。以下、第8実施形態について説明する。第8実施形態に係る遊技機1の基本的な構成は、第1実施形態〜第7実施形態に係る遊技機1と同じである。以下においては、第1実施形態〜第7実施形態に係る遊技機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態〜第7実施形態における説明が第8実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<遊技状態の遷移フロー>
図180Aは、本発明の一実施形態に係る遊技状態の移行遷移を示す図である。図180Bは、本発明の一実施形態に係る遊技状態の移行条件をまとめた表である。
本実施形態では、図180Aに示すような遊技状態が主制御回路3060によって管理されている。第6実施形態及び第7実施形態と同様に、遊技状態(メイン)は、ボーナス非当籤状態、フラグ間状態、及び、ボーナス状態のうちの何れかに区分される。
本実施形態では、ボーナス状態として、BB遊技状態及びMB遊技状態が設けられており、BB遊技状態としては、同色BB遊技状態及び異色BB遊技状態が設けられている。同色BB遊技状態に対応するボーナス役としては、「F_赤SBB」及び「F_青SBB」が設けられており、異色BB遊技状態に対応するボーナス役としては、「F_赤NBB」及び「F_青NBB」が設けられており、MB遊技状態に対応するボーナス役としては、「F_赤MB」及び「F_青MB」が設けられている(図183A及び図183B参照)。
また、本実施形態では、RT遊技状態(内部当籤役としてリプレイ役の決定される確率が互いに異なる遊技状態)として、RT0遊技状態〜RT6遊技状態が設けられている。RT0遊技状態〜RT4遊技状態は、ボーナス非当籤状態であり、RT5遊技状態及びRT6遊技状態は、フラグ間状態である。リプレイ役としては、「F_通常リプレイ」、「F_RTリプレイ」、及び、「F_確定リプレイ」が設けられている(図183A及び図183B参照)。なお、本明細書では、「リプレイ」を「リプ」と表記することがある。
図180A及び図180Bを参照して具体的に説明すると、ボーナス非当籤状態(RT0遊技状態〜RT4遊技状態)において、「F_赤SBB」又は「F_青SBB」が内部当籤役として決定されると(同色BBが内部当籤すると)、主制御回路3060は、ボーナス非当籤状態(RT0遊技状態〜RT4遊技状態)からRT6遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(1)参照)。本明細書では、「F_赤SBB」及び「F_青SBB」を総称して、「同色BB」と表記することがある。
また、ボーナス非当籤状態(RT0遊技状態〜RT4遊技状態)において、「F_赤NBB」又は「F_青NBB」が内部当籤役として決定されると(異色BBが内部当籤すると)、主制御回路3060は、ボーナス非当籤状態(RT0遊技状態〜RT4遊技状態)からRT5遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(2)参照)。本明細書では、「F_赤NBB」及び「F_青NBB」を総称して、「異色BB」と表記することがある。
また、ボーナス非当籤状態(RT0遊技状態〜RT4遊技状態)において、「F_赤MB」又は「F_青MB」が内部当籤役として決定されると(MBが内部当籤すると)、主制御回路3060は、ボーナス非当籤状態(RT0遊技状態〜RT4遊技状態)からRT5遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(2)参照)。本明細書では、「F_赤MB」及び「F_青MB」を総称して、「MB」と表記することがある。
「F_赤SBB」及び「F_青SBB」(同色BB)、「F_赤NBB」及び「F_青NBB」(異色BB)、並びに、「F_赤MB」及び「F_青MB」(MB)は、所謂持越役である(図119(a)参照)。同色BBが内部当籤すると、同色BBに対応する図柄の組合せ(図182Aに示す「C_赤SBB」又は「C_青SBB」)が有効ラインに沿って停止表示されるまで(同色BBが入賞するまで)、同色BBが内部当籤した状態が持ち越される。RT6遊技状態は、同色BBが内部当籤した状態が持ち越されている状態(同色BBフラグ間状態)である。
同様に、異色BBが内部当籤すると、異色BBに対応する図柄の組合せ(図182Aに示す「C_赤NBB」又は「C_青NBB」)が有効ラインに沿って停止表示されるまで(異色BBが入賞するまで)、異色BBが内部当籤した状態が持ち越される。また、MBが内部当籤すると、MBに対応する図柄の組合せ(図182Aに示す「C_赤MB」又は「C_青MB」)が有効ラインに沿って停止表示されるまで(MBが入賞するまで)、MBが内部当籤した状態が持ち越される。RT5遊技状態は、異色BB又はMBが内部当籤した状態が持ち越されている状態(異色BBフラグ間状態又はMBフラグ間状態)である。
RT6遊技状態において、「C_赤SBB」又は「C_青SBB」に係る図柄の組合せ(図182A参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(同色BBが入賞すると)、主制御回路3060は、RT6遊技状態から同色BB遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(3)参照)。また、RT5遊技状態において、「C_赤NBB」又は「C_青NBB」に係る図柄の組合せ(図182A参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(異色BBが入賞すると)、主制御回路3060は、RT5遊技状態から異色BB遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(4)参照)。また、RT5遊技状態において、「C_赤MB」又は「C_青MB」に係る図柄の組合せ(図182A参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(MBが入賞すると)、主制御回路3060は、RT5遊技状態からMB遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(5)参照)。
同色BB遊技状態において規定枚数(345枚)を超えるメダルが払い出されると、主制御回路3060は、同色BB遊技状態からRT2遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(6)参照)。また、異色BB遊技状態において規定枚数(351枚)を超えるメダルが払い出されると、主制御回路3060は、異色BB遊技状態からRT1遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(7)参照)。また、MB遊技状態において規定枚数(144枚)を超えるメダルが払い出されると、主制御回路3060は、MB遊技状態からRT1遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(8)参照)。
RT0遊技状態において、「C_RTリプ」に係る図柄の組合せ(図182A参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(高RT移行リプが入賞すると)、主制御回路3060は、RT0遊技状態からRT3遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(9)参照)。同様に、RT1遊技状態において、「C_RTリプ」に係る図柄の組合せ(図182A参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(高RT移行リプが入賞すると)、主制御回路3060は、RT1遊技状態からRT3遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(10)参照)。また、RT2遊技状態において、「C_RTリプ」に係る図柄の組合せ(図182A参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(高RT移行リプが入賞すると)、主制御回路3060は、RT2遊技状態からRT3遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(11)参照)。
そして、RT3遊技状態において単位遊技が所定回数(100回)行われると、主制御回路3060は、RT3遊技状態からRT0遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(12)参照)。
また、RT0遊技状態において、「C_チェリー」(「C_Aチェ01_01」〜「C_Aチェ01_07」、「C_Bチェ01_01」〜「C_Bチェ01_07」、「C_Cチェ01_01」〜「C_Cチェ01_07」、「C_Aチェ02」、「C_Bチェ02」、「C_Cチェ02」、「C_Aチェ03」、「C_Bチェ03」、「C_Cチェ03」、「C_Aチェ04」、「C_Bチェ04」、「C_Cチェ04」、「C_Aチェ05、「C_Bチェ05」、及び、「C_Cチェ05」)に係る図柄の組合せ(図182A及び図182B参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(チェリーが入賞すると)、主制御回路3060は、RT0遊技状態からRT4遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(13)参照)。
同様に、RT1遊技状態において、「C_チェリー」に係る図柄の組合せ(図182A及び図182B参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(チェリーが入賞すると)、主制御回路3060は、RT1遊技状態からRT4遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(14)参照)。また、RT2遊技状態において、「C_チェリー」に係る図柄の組合せ(図182A及び図182B参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(チェリーが入賞すると)、主制御回路3060は、RT2遊技状態からRT4遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(15)参照)。
ここで、RT3遊技状態は、内部当籤役としてリプレイ役の決定される確率(リプレイの当籤確率)の相対的に高い状態(高RT遊技状態)である。この点において、RT3遊技状態は、遊技者にとって有利な遊技状態である。これに対し、RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT4遊技状態、RT5遊技状態、及び、RT6遊技状態は、内部当籤役としてリプレイ役の決定される確率(リプレイの当籤確率)の相対的に低い状態(低RT遊技状態)である。
RT3遊技状態(高RT遊技状態)へは、高RT移行リプが入賞することにより移行する。高RT移行リプ(「C_RTリプ」)が入賞するためには、前提として、「F_RTリプレイ」又は「F_確定リプレイ」が内部当籤役として決定されることが必要である(図183A参照)。ここで、「F_確定リプレイ」については、以下に示すように、説明の対象から除外する。「F_RTリプレイ」(図184〜図188に示す「No.12」)が内部当籤役として決定される可能性がある遊技状態は、RT0遊技状態、RT1遊技状態、及び、RT2遊技状態である。この点において、RT0遊技状態、RT1遊技状態、及び、RT2遊技状態は、低RT遊技状態であるが、RT3遊技状態(高RT遊技状態)への移行を期待することができる遊技状態(チャンスゾーン、すなわち、CZ)である。
特に、「F_RTリプレイ」が内部当籤役として決定される確率は、RT2遊技状態が他の遊技状態よりも高くなっている。従って、RT2遊技状態は、他の遊技状態よりもRT3遊技状態(高RT遊技状態)に移行しやすく、高RT遊技状態への移行に対する期待度が高い遊技状態である。これに対し、RT4遊技状態は、低RT遊技状態であり、且つ、RT3遊技状態(高RT遊技状態)への移行も期待することができない遊技状態であることから、最も不利な遊技状態であると言える。なお、RT5遊技状態及びRT6遊技状態は、低RT遊技状態であるが、ボーナス状態への移行を期待することができる遊技状態である。
なお、図183Aによれば、「F_確定リプレイ」が内部当籤役として決定された場合にも、高RT移行リプ(「C_RTリプ」)が入賞し得るが、「F_確定リプレイ」は、必ずボーナス役と重複して内部当籤する(図184〜図188参照)。本実施形態では、ボーナス役が内部当籤した場合、フラグ間状態に移行するところ、ボーナス役が内部当籤している状態で高RT移行リプが入賞しても、RT3遊技状態(高RT遊技状態)には移行しない。そこで、本明細書では、「F_確定リプレイ」が内部当籤することにより高RT移行リプが入賞する場合については、考慮せずに説明する。また、「F_RTリプレイ」もボーナス役と重複して内部当籤し得るが、この場合についても同様である。もちろん、ボーナス役が内部当籤している状態で高RT移行リプが入賞した場合にも、高RT遊技状態に移行させることとしてもよい。もっとも、本実施形態において、ボーナス役と重複して「F_RTリプレイ」又は「F_確定リプレイ」が内部当籤する確率は、RT0遊技状態、RT1遊技状態、及び、RT2遊技状態において「F_RTリプレイ」が単独で(ボーナス役と重複せずに)内部当籤する確率と比較して、無視できる程度に小さな値となっている。
<図柄配置テーブル>
図181(a)は、図柄配置テーブルを示す図である。図181(b)は、図柄コード表を示す図である。
第6実施形態で説明したように、図柄配置テーブルは、左リールRL、中リールRC、及び、右リールRRのそれぞれについて、回転方向における各図柄の位置と図柄コード(各位置に配置された図柄の種類を特定するデータ)との対応関係を規定している(図99参照)。
図181に示すように、本実施形態では、「赤7」、「青7」、「チェリー1」、「チェリー2」、「チェリー3」、「ハコ」、「ベル」、「リプレイ1」、「リプレイ2」、及び、「BAR」という10種類の図柄が用いられている。
図柄配置テーブルと図柄カウンタの値(「0」〜「20」)とを参照することにより、メイン表示窓DD4(図3参照)の枠内における各リールの上段領域、中段領域、及び、下段領域に表示されている図柄の種類を特定することができる。詳細については、第6実施形態で説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
<図柄組合せテーブル>
図182A及び図182Bは、図柄組合せテーブルを示す図である。
第6実施形態で説明したように、図柄組合せテーブルは、有効ライン上に停止表示可能な図柄組合せ(コンビネーション)と、当該図柄組合せが有効ライン上に停止表示された場合に払い出されるメダルの枚数(払出枚数)との対応関係を規定している(図100A及び図100B参照)。
本実施形態では、非ボーナス状態(RT0遊技状態〜RT6遊技状態)において投入可能なメダルの枚数が3枚として設定され、ボーナス状態(BB遊技状態及びMB遊技状態)において投入可能なメダルの枚数が2枚として設定されている。
また、入賞判定ラインとしては、「中段−中段−中段:センターライン」、「上段−上段−上段:トップライン」、「下段−下段−下段:ボトムライン」、「上段−中段−下段:クロスダウンライン」、及び、「下段−中段−上段:クロスアップライン」が設定されている。非ボーナス状態において3枚のメダルが投入された場合、及び、ボーナス状態において2枚のメダルが投入された場合の何れの場合においても、これらの5つの入賞判定ラインが有効化される。
図柄組合せテーブルの基本的な構成については、第6実施形態で説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
<フラグ別コンビネーションテーブル>
図183A及び図183Bは、フラグ別コンビネーションテーブルを示す図である。
第6実施形態で説明したように、フラグ別コンビネーションテーブルは、各種内部当籤役と有効ライン上に停止表示可能な図柄組合せ(コンビネーション)との対応関係を規定している(図101A〜図101C参照)。これにより、内部当籤役が決定されると、有効ライン上に停止表示可能な図柄組合せの種別(入賞可能な表示役の種別)が一義的に決定されることになる。
本実施形態では、内部当籤役として、「F_赤SBB」、「F_青SBB」、「F_赤NBB」、「F_青NBB」、「F_赤MB」、「F_青MB」、「F_通常リプレイ」、「F_RTリプレイ」、「F_確定リプレイ」、「F_ベル1」、「F_ベル2」、「F_ハコ」、「F_チェリーA」、「F_チェリーB」、「F_チェリーC」、「F_ALLチェリー」、「F_BAR揃い」、「F_特殊役」、及び、「F_CB役」が設けられている。
フラグ別コンビネーションテーブルの基本的な構成については、第6実施形態で説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
<内部抽籤テーブル>
本実施形態に係る内部抽籤テーブルとしては、RT0遊技状態において参照される内部抽籤テーブル(図184A及び図184B参照)と、RT1遊技状態において参照される内部抽籤テーブル(図185A及び図185B参照)と、RT2遊技状態において参照される内部抽籤テーブル(図186A及び図186B参照)と、RT3遊技状態において参照される内部抽籤テーブル(図187A及び図187B参照)と、RT4遊技状態において参照される内部抽籤テーブル(図188A及び図188B参照)と、RT5遊技状態(異色赤BBフラグ間状態)において参照される内部抽籤テーブル(図189(a)参照)と、RT5遊技状態(異色青BBフラグ間状態)において参照される内部抽籤テーブル(図189(b)参照)と、RT5遊技状態(赤MBフラグ間状態)において参照される内部抽籤テーブル(図190(a)参照)と、RT5遊技状態(青MBフラグ間状態)において参照される内部抽籤テーブル(図190(b)参照)と、RT6遊技状態(同色赤BBフラグ間状態)において参照される内部抽籤テーブル(図191(a)参照)と、RT6遊技状態(同色青BBフラグ間状態)において参照される内部抽籤テーブル(図191(b)参照)と、同色BB遊技状態において参照される内部抽籤テーブル(図192A及び図192B参照)と、異色BB遊技状態において参照される内部抽籤テーブル(図193A及び図193B参照)と、MB遊技状態において参照される内部抽籤テーブル(図194参照)と、が設けられている。
なお、同色赤BBフラグ間状態は、「F_赤SBB」が内部当籤した状態が持ち越されている状態であり、同色青BBフラグ間状態は、「F_青SBB」が内部当籤した状態が持ち越されている状態であり、異色赤BBフラグ間状態は、「F_赤NBB」が内部当籤した状態が持ち越されている状態であり、異色青BBフラグ間状態は、「F_青NBB」が内部当籤した状態が持ち越されている状態であり、赤MBフラグ間状態は、「F_赤MB」が内部当籤した状態が持ち越されている状態であり、青MBフラグ間状態は、「F_青MB」が内部当籤した状態が持ち越されている状態である。
図184A及び図184Bは、RT0遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。図185A及び図185Bは、RT1遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。図186A及び図186Bは、RT2遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。図187A及び図187Bは、RT3遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。図188A及び図188Bは、RT4遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。図189は、RT5遊技状態(異色BBフラグ間状態)用内部抽籤テーブルを示す図である。図190は、RT5遊技状態(MBフラグ間状態)用内部抽籤テーブルを示す図である。図191は、RT6遊技状態(同色BBフラグ間状態)用内部抽籤テーブルを示す図である。図192A及び図192Bは、同色BB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。図193A及び図193Bは、異色BB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。図194は、MB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。
内部抽籤テーブルの基本的な構成については、第6実施形態で説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
<ボーナス当籤時処理>
図195は、主制御回路において行われるボーナス当籤時処理を示すフローチャートである。図196(a)は、リールアクション抽籤テーブルを示す図である。図196(b)は、BB入賞時ロック解除抽籤テーブルを示す図である。
図195に示すボーナス当籤時処理は、図124(内部抽籤処理)のステップS75において「No」と判断された場合に、主制御回路3060において行われる処理である。すなわち、ボーナス当籤時処理は、当籤ゲーム(BB又はMBが内部当籤役として決定されることにより、ボーナス非当籤状態からフラグ間状態へと移行した単位遊技)において、各リールRL,RC,RRの回転が開始する前に行われる処理である。
ボーナス当籤時処理において、まず、メインCPU3031は、リールアクション抽籤を実行する(ステップS3001)。この処理において、メインCPU3031は、リールアクション抽籤テーブル(図196(a)参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、リールアクションの内容を決定する。
図196(a)に示すリールアクション抽籤テーブルにおいては、当籤役(「同色BB(ALLチェリー非当籤)」、「異色BB」、「MB」、及び、「同色BB+ALLチェリー」)ごとに、リールアクションの内容(「通常回転」及び「1停ロック」)に対応する抽籤値が規定されている。図中、「同色BB(ALLチェリー非当籤)」は、同色BB(「F_赤SBB」又は「F_青SBB」)を含む当籤役のうち「F_ALLチェリー」を含まないもの(図184〜図188に示す「No.46」〜「No.59」のうち「No.48」及び「No.55」を除く当籤役)を示し、「異色BB」は、異色BB(「F_赤NBB」又は「F_青NBB」)を含む当籤役(図184〜図188に示す「No.30」〜「No.45」)を示し、「MB」は、MB(「F_赤MB」又は「F_青MB」)を含む当籤役(図184〜図188に示す「No.14」〜「No.29」)を示し、「同色BB+ALLチェリー」は、同色BB(「F_赤SBB」又は「F_青SBB」)及び「F_ALLチェリー」の双方を含む当籤役(図184〜図188に示す「No.48」及び「No.55」)を示す。なお、「同色BB(ALLチェリー非当籤)」は、同色BBが単独当籤する場合に対応する当籤役としてもよい。
リールアクションの内容としては、「通常回転」及び「1停ロック」が設けられている。「1停ロック」は、各リールRL,RC,RRに対する停止操作として第1停止操作が行われた後第2停止操作が行われる前に遊技ロックが発生するようなリールアクションである。1停ロックが発生すると、第1停止操作が行われた後所定時間(例えば、2秒)が経過するまで、遊技者による操作(例えば、ストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rの操作)が無効化される。「通常回転」は、遊技ロックが発生することなく各リールRL,RC,RRが回転するようなリールアクションである。
ステップS3001の処理において、メインCPU3031は、リールアクション抽籤テーブル(図196(a)参照)を参照し、図121のステップS14で決定した内部当籤役とステップS13で格納した乱数値とに基づいて、「通常回転」及び「1停ロック」のうちの何れかをリールアクションとして決定する。なお、メインCPU3031は、図196(a)に示されている当籤役以外の当籤役が決定された場合には、「通常回転」をリールアクションとして決定する。また、リールアクション抽籤テーブルは、メインROM3032に記憶されている。
ステップS3001の処理を実行した後、メインCPU3031は、ステップS3001で決定したリールアクションが1停ロックである(1停ロックに当籤した)か否かを判断する(ステップS3002)。
1停ロックに当籤したと判断した場合、メインCPU3031は、1停ロック当籤フラグをオンにセットする(ステップS3003)。1停ロック当籤フラグは、1停ロックに当籤したことを示すフラグである。ステップS3003の処理を実行した後、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
一方、1停ロックに当籤しなかったと判断した場合、メインCPU3031は、BB(「F_赤SBB」、「F_青SBB」、「F_赤NBB」、又は、「F_青NBB」)が内部当籤役として決定されているか(今回の単位遊技がBB当籤ゲームであるか)否かを判断する(ステップS3004)。
BBが内部当籤役として決定されていないと判断した場合、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
一方、BBが内部当籤役として決定されていると判断した場合、メインCPU3031は、BB入賞時ロック解除抽籤を実行する(ステップS3005)。この処理において、メインCPU3031は、BB入賞時ロック解除抽籤テーブル(図196(b)参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、当籤又は非当籤を決定する。
図196(b)に示すBB入賞時ロック解除抽籤テーブルは、当籤役(「同色BB」及び「異色BB」)ごとに、「当籤」及び「非当籤」に対応する抽籤値が規定されている。図中、「同色BB」は、同色BB(「F_赤SBB」又は「F_青SBB」)を含む当籤役(図184〜図188に示す「No.46」〜「No.59」)を示し、「異色BB」は、異色BB(「F_赤NBB」又は「F_青NBB」)を含む当籤役(図184〜図188に示す「No.30」〜「No.45」)を示す。
ステップS3005の処理において、メインCPU3031は、BB入賞時ロック解除抽籤テーブル(図196(b)参照)を参照し、図121のステップS14で決定した内部当籤役とステップS13で格納した乱数値とに基づいて、BB入賞時ロック解除抽籤の結果を「当籤」又は「非当籤」に決定する。なお、メインCPU3031は、図196(b)に示されている当籤役以外の当籤役が決定された場合には、BB入賞時ロック解除抽籤の結果を「非当籤」と決定する。また、BB入賞時ロック解除抽籤テーブルは、メインROM3032に記憶されている。
ステップS3005の処理を実行した後、メインCPU3031は、BB入賞時ロック解除抽籤に当籤したか否かを判断する(ステップS3006)。BB入賞時ロック解除抽籤に当籤していないと判断した場合、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
一方、BB入賞時ロック解除抽籤に当籤したと判断した場合、メインCPU3031は、BB入賞時ロック解除当籤フラグをオンにセットする(ステップS3007)。BB入賞時ロック解除当籤フラグは、BB入賞時ロック解除抽籤に当籤したことを示すフラグである。ステップS3007の処理を実行した後、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
<BB中サウンド再生開始処理>
図197は、主制御回路において行われるBB中サウンド再生開始処理を示すフローチャートである。
図197に示すBB中サウンド再生開始処理は、図123(メダル受付・スタートチェック処理)のステップS61において「Yes」と判断された場合に、主制御回路3060において行われる処理である。すなわち、BB中サウンド再生開始処理は、スタートレバーDD6が操作されたことを契機として行われる処理である。
BB中サウンド再生開始処理において、まず、メインCPU3031は、BB入賞時ロック解除当籤フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS3021)。BB入賞時ロック解除当籤フラグは、BB入賞時ロック解除抽籤に当籤した場合にオンにセットされる(図195のステップS3007参照)が、BBが入賞した場合にはオフにセットされる(図示せず)。従って、BB当籤ゲームにおいてBB入賞時ロック解除抽籤に当籤し、且つ、当該BB当籤ゲームにおいてBBが入賞しなかった場合には、ステップS3021の処理において「Yes」と判断されることになる。
BB入賞時ロック解除当籤フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
一方、BB入賞時ロック解除当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU3031は、BB中サウンド再生開始コマンドデータを生成し、生成したBB中サウンド再生開始コマンドデータをメインRAM3033の通信データ格納領域に格納する(ステップS3022)。通信データ格納領域に格納されたBB中サウンド再生開始コマンドデータは、コマンドデータ送信処理(図138参照)において主制御回路3060から副制御回路3070へ送信される。
ここで、ステップS3022の処理が実行されることは、「BB当籤ゲームにおいてBB入賞時ロック解除抽籤に当籤し、当該BB当籤ゲームにおいてBBが入賞せず、当該BB当籤ゲームの次のゲームにおいてスタートレバーDD6が操作されたこと」を意味する。本実施形態において、「BB当籤ゲームにおいてBB入賞時ロック解除抽籤に当籤し、当該BB当籤ゲームにおいてBBが入賞せず、当該BB当籤ゲームの次のゲームにおいてスタートレバーDD6が操作されること」は、BB中サウンドの再生を開始するための条件として規定されている。BB中サウンド再生開始コマンドデータを受信することにより、副制御回路3070は、BB中サウンドの再生を開始するための条件が成立したことを認識することができる。
そして、BB中サウンド再生開始コマンドデータを受信したことを契機として、副制御回路3070では、BB中サウンド(図153及び図173参照)に対応するサウンドデータがセットされる。これにより、BBが入賞する前から(BBが内部当籤役として決定された単位遊技の次の単位遊技から)BB中サウンドがスピーカDD25L,DD25Rから出力されることになる。
ステップS3022の処理を実行した後、メインCPU3031は、BB入賞時ロック解除当籤フラグをオフにセットして(ステップS3023)、BB入賞時ロック解除待機フラグをオンにセットする(ステップS3024)。BB入賞時ロック解除待機フラグは、BB入賞時ロックを行わないために用いられるフラグである(図199のステップS3101及びステップS3105参照)。本実施形態では、BBが入賞する前からBB中サウンドが再生されている場合、BB入賞時ロックを行わないようにしている。
ステップS3024の処理を実行した後、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
<1停ロック処理>
図198は、主制御回路において行われる1停ロック処理を示すフローチャートである。
図198に示す1停ロック処理は、図129(リール停止制御処理)のステップS164の処理が実行された後、ストップボタン未作動カウンタの値が2である場合に、主制御回路3060において行われる処理である。すなわち、1停ロック処理は、各リールRL,RC,RRに対する停止操作として第1停止操作が行われた後第2停止操作が行われる前に行われる処理である。
1停ロック処理において、まず、メインCPU3031は、第1停止操作の対象となったリールが左リールRLである(左リールRLに対する停止操作が第1停止操作として行われた)か否かを判断する(ステップS3041)。メインCPU3031は、メインRAM3033の作動ストップボタン格納領域(図119(c)参照)を参照することにより、停止操作が行われたリールを認識することができる。
第1停止操作の対象となったリールが左リールRLではない(中リールRC又は右リールRRに対する停止操作が第1停止操作として行われた)と判断した場合、メインCPU3031は、1停ロック当籤フラグ(図195のステップS3003参照)をオフにセットする(ステップS3042)。この処理において、メインCPU3031は、1停ロック当籤フラグがオンにセットされているか否かを判断し、1停ロック当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合には、当該1停ロック当籤フラグをオフにセットする。その後、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。これにより、中リールRC又は右リールRRに対する停止操作が第1停止操作として行われた場合には、1停ロック(ステップS3047参照)が行われないことになる。
一方、ステップS3041において第1停止操作の対象となったリールが左リールRLであると判断した場合、メインCPU3031は、1停ロック当籤フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS3043)。1停ロック当籤フラグは、リールアクション抽籤により1停ロックに当籤した場合にオンにセットされる(図195のステップS3003参照)。
1停ロック当籤フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
一方、1停ロック当籤フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU3031は、1停ロック当籤フラグをオフにセットして(ステップS3044)、1停ロック実行フラグをオンにセットする(ステップS3045)。1停ロック実行フラグは、1停ロックが実行される期間であることを示すフラグである。
次に、メインCPU3031は、所定時間(例えば、2秒)に対応する値を1停ロックタイマにセットする(ステップS3046)。1停ロックタイマは、図138の演出用タイマ更新処理(ステップS323)により更新される。図138のステップS323の処理において、メインCPU3031は、更新後の1停ロックタイマが0である場合、1停ロック実行フラグをオフにセットする。これにより、1停ロックが終了されることとなる(ステップS3047参照)。
次に、メインCPU3031は、1停ロック実行フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS3047)。
1停ロック実行フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU3031は、ステップS3047に処理を戻す。これにより、1停ロックが行われ、中リールRC及び右リールRRがロックされ、所定時間が経過するまで、遊技者による停止操作(ストップボタンDD7C,DD7Rの操作)が無効化される。
ステップS3047において1停ロック実行フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU3031は、BB(「F_赤SBB」、「F_青SBB」、「F_赤NBB」、又は、「F_青NBB」)が内部当籤役として決定されているか(今回の単位遊技がBB当籤ゲームであるか)否かを判断する(ステップS3048)。
BBが内部当籤役として決定されていないと判断した場合、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
一方、BBが内部当籤役として決定されていると判断した場合、メインCPU3031は、BB中サウンド再生開始コマンドデータを生成し、生成したBB中サウンド再生開始コマンドデータをメインRAM3033の通信データ格納領域に格納する(ステップS3049)。通信データ格納領域に格納されたBB中サウンド再生開始コマンドデータは、コマンドデータ送信処理(図138参照)において主制御回路3060から副制御回路3070へ送信される。
ここで、ステップS3049の処理が実行されることは、「BB当籤ゲームにおいて1停ロックに当籤し、これにより発生した1停ロックが終了したこと」を意味する。本実施形態において、「BB当籤ゲームにおいて1停ロックに当籤し、これにより発生した1停ロックが終了すること」は、BB中サウンドの再生を開始するための条件として規定されている。BB中サウンド再生開始コマンドデータを受信することにより、副制御回路3070は、BB中サウンドの再生を開始するための条件が成立したことを認識することができる。
そして、BB中サウンド再生開始コマンドデータを受信したことを契機として、副制御回路3070では、BB中サウンド(図153及び図173参照)に対応するサウンドデータがセットされる。これにより、BBが入賞する前から(BB当籤ゲームから)BB中サウンドがスピーカDD25L,DD25Rから出力されることになる。
ステップS3049の処理を実行した後、メインCPU3031は、BB入賞時ロック解除待機フラグをオンにセットする(ステップS3050)。上述したように、BB入賞時ロック解除待機フラグは、BB入賞時ロック(図199のステップS3105参照)を行わないために用いられるフラグである(図197のステップS3024参照)。
ステップS3050の処理を実行した後、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
以上のようにして、BBが入賞する前から(BB当籤ゲーム又は次のゲームから)再生が開始されたBB中サウンド(図197のステップS3022及び図198のステップS3049参照)は、BB遊技状態が終了するまで(図136のステップS273参照)、出力が継続されることになる。ここで、このようにして、BB中サウンドの再生が開始された後、BB遊技状態が作動(図137のステップS294参照)する前に、電断が発生したとする。BB入賞時ロック解除待機フラグは、このようなタイミングで電断が発生した場合に、電断から復帰した際にBB中サウンドを再開させるためにも用いられる。
図示しないが、本実施形態において、主制御回路3060は、電源管理回路を備えている。電源管理回路は、電源基板から供給される直流12Vの電源電圧の変動を管理する。そして、電源管理回路は、例えば、電源が投入された際(電源電圧が0Vから起動電圧値(10V)を上回った際)には、リセット信号をマイクロコンピュータ3030に出力し、電断が発生した際(電源電圧が12Vから停電電圧値(10.5V)を下回った際)には、電断検知信号をマイクロコンピュータ3030に出力する。
そして、電源管理回路から電断検知信号が出力された場合、メインCPU3031は、BB入賞時ロック解除待機フラグに対応する情報を、メインRAM3033の所定領域にバックアップデータとして記憶させる。BB入賞時ロック解除待機フラグは、BB中サウンド再生開始コマンドデータをメインRAM3033の通信データ格納領域に格納した際には、必ずオンにセットされる(図197のステップS3022及びステップS3024、並びに、図198のステップS3049及びステップS3050参照)。一方、BB入賞時ロック解除待機フラグがオンにセットされた場合には、必ずBB中サウンド再生開始コマンドデータが格納されている。
従って、BB入賞時ロック解除待機フラグは、BB入賞時ロックを行わないことを示す情報であるとともに、BBが入賞する前からBB中サウンドが再生されていることを示す情報でもあることになる(これらの情報を兼用させている)。これにより、電断から復帰した際に、当該バックアップデータに基づいて、メインCPU3031は、BBが入賞する前からBB中サウンドが再生されていたことを認識することができる。そして、メインCPU3031は、BBがまだ入賞していないにもかかわらず、再度BB中サウンドをスピーカDD25L,DD25Rから出力させることができる。
<BB入賞時ロック処理>
図199は、主制御回路において行われるBB入賞時ロック処理を示すフローチャートである。
図199に示すBB入賞時ロック処理は、図137(ボーナス作動チェック処理)のステップS296の処理が実行された後に、主制御回路3060において行われる処理である。
BB入賞時ロック処理において、まず、メインCPU3031は、BB入賞時ロック解除待機フラグ(図197のステップS3024及び図198のステップS3050参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS3101)。
BB入賞時ロック解除待機フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU3031は、ステップS3102〜ステップS3105の処理を実行するが、これらの処理は、図176のステップS2102〜ステップS2105の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。これにより、BB入賞時ロック解除待機フラグがオンにセットされていない場合には、図176で説明したように、BB入賞時ロックが発生するとともに、BB入賞時演出が行われることになる。
一方、BB入賞時ロック解除待機フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU3031は、BB中サウンド再生中BB入賞時コマンドデータを生成し、生成したBB中サウンド再生中BB入賞時コマンドデータをメインRAM3033の通信データ格納領域に格納する(ステップS3106)。通信データ格納領域に格納されたBB中サウンド再生中BB入賞時コマンドデータは、コマンドデータ送信処理(図138参照)において主制御回路3060から副制御回路3070へ送信される。これにより、副制御回路3070では、BBが入賞したがBB入賞時ロックが発生しなかったことを認識することができるようになる。
BB中サウンド再生中BB入賞時コマンドデータを受信したことを契機として、副制御回路3070では、BBの入賞に伴って出力される入賞音に対応するサウンドデータがセットされる。これにより、当該入賞音(BB中サウンド再生中BB入賞音)がスピーカDD25L,DD25Rから出力される。これに対し、図176を用いて説明したように、BB入賞時ロックコマンドデータ(ステップS3104参照)を受信した場合、副制御回路3070では、BB入賞時に行われる各種演出(BB入賞時演出)に対応する演出データがセットされる。これにより、BB入賞時ロックが行われている間に、映像、音、光等を用いた盛大な演出が行われる。音による演出としては、所謂ファンファーレがスピーカDD25L,DD25Rから出力される。
ここで、上記BB中サウンド再生中BB入賞音は、ファンファーレよりも音が小さく、また、スピーカDD25L,DD25Rから出力される時間(音の長さ)も短いものである。すなわち、BB中サウンド再生中BB入賞音は、BBが入賞した際に通常行われる派手な演出ではなく、BBが入賞したことに伴い、ごく簡単に目立たない態様で発生する小さな音にすぎない。この点、BBが入賞する前からBB中サウンドが再生されている場合、遊技者としては、既にBB遊技状態に移行しているかのような感覚を抱いており、気分が乗っていると考えられるところ、ファンファーレ等のBB入賞時演出を改めて行うこととすると、かえって水を差してしまう可能性がある。本実施形態では、このような場合に、遊技者の気持ちを途切れさせることなく、BB遊技状態における遊技を開始してもらうことができる。
ステップS3106の処理を実行した後、メインCPU3031は、BB入賞時ロック解除待機フラグをオフにセットして(ステップS3107)、本サブルーチンを終了する。
なお、図199では、BB入賞時ロック解除待機フラグがオンにセットされている場合(BBが入賞する前からBB中サウンドが再生されている場合)に、遊技ロックを発生させないこととしているが、この場合にも、遊技ロックを発生させることとしてもよい。もっとも、この場合に発生させる遊技ロックは、BB入賞時ロック解除待機フラグがオンにセットされていない場合(BBが入賞した時点ではBB中サウンドが再生されていない場合)に発生する遊技ロック(ステップS3105で発生させるBB入賞時ロック)よりも、ロック時間の短いものであることが望ましい。上記BB中サウンド再生中BB入賞音は、当該短い遊技ロックが発生している間に出力することとしてもよい。一方、BBが入賞する前からBB中サウンドが再生されている場合には、このような短い遊技ロックも発生させず、上記BB中サウンド再生中BB入賞音も発生させないこととしてもよい。すなわち、BBが入賞した場合においても、他のコンビネーションが表示された場合と同様の演出を行い、BB入賞時に特有の演出を行わないこととしてもよい。
<ロック演出決定処理>
図200は、主制御回路において行われるロック演出決定処理を示すフローチャートである。図201は、ロック演出抽籤テーブルを示す図である。
図200に示すロック演出決定処理は、図121(メイン制御処理)のステップS14の処理が実行された後に、主制御回路3060において行われる処理である。
ロック演出決定処理において、まず、メインCPU3031は、現在の遊技状態がRT0遊技状態、RT1遊技状態、及び、RT2遊技状態のうちの何れかであるか否かを判断する(ステップS3201)。メインCPU3031は、メインRAM3033の遊技状態フラグ格納領域(図119(b)参照)を参照することにより、現在の遊技状態を認識することができる。
現在の遊技状態がRT0遊技状態、RT1遊技状態、及び、RT2遊技状態のうちの何れの遊技状態でもないと判断した場合、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
一方、現在の遊技状態がRT0遊技状態、RT1遊技状態、及び、RT2遊技状態のうちの何れかであると判断した場合、メインCPU3031は、ロック不許可フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS3202)。
図示しないが、ロック不許可フラグは、電源が投入された際に、オンにセットされる場合がある。具体的に、電源が投入された時点で、電断が発生してからの経過時間(電断が発生した後該電断から復帰するまでの時間)が所定時間(例えば、4時間)以上である場合に、ロック不許可フラグは、オンにセットされる。また、電源が投入された後、電源が投入されたときの遊技状態から他の遊技状態へと遊技状態が移行した場合に、ロック不許可フラグは、オフにセットされる。
なお、電源が投入されたとき(電断から復帰したとき)の遊技状態は、基本的に、電断が発生したときの遊技状態と同じ遊技状態である。ただし、設定が変更された場合(図122のステップS33)には、メインRAM3033の遊技状態フラグ格納領域(図119(b)参照)に格納されている情報がクリアされるため、設定変更後の遊技状態は、原則として、RT0遊技状態となる。例外的に、設定変更前の遊技状態がRT4遊技状態である場合には、設定変更後の遊技状態もRT4遊技状態となる。
ロック不許可フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
一方、ロック不許可フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU3031は、ロック演出抽籤テーブル(図201参照)を参照して、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、回胴演出番号を決定する(ステップS3203)。
図201に示すロック演出抽籤テーブルにおいては、当籤役(「高RT移行リプ」、「チェリー」、「ボーナス」、及び、「その他」)ごとに、回胴演出番号「0」〜「2」と抽籤値とが対応付けて規定されている。回胴演出番号は、リールアクションの内容に対応している。具体的に、回胴演出番号「0」は、「通常回転」に対応している。「通常回転」は、遊技ロックが発生することなく各リールRL,RC,RRが回転するようなリールアクションである。回胴演出番号「1」は、「左から回転」に対応している。「左から回転」は、「左リールRL→中リールRC→右リールRR」の順にリールの回転が開始するようなリールアクションである。「右から回転」は、「右リールRR→中リールRC→左リールRL」の順にリールの回転が開始するようなリールアクションである。
図中、「高RT移行リプ」は、「F_RTリプレイ」を含む当籤役のうちボーナス役を含まないもの(図184〜図186に示す「No.12」)を示し、「チェリー」は、「F_チェリーA」、「F_チェリーB」、「F_チェリーC」、又は、「F_ALLチェリー」を含む当籤役のうちボーナス役を含まないもの(図184〜図186に示す「No.4」〜「No.7」)を示し、「ボーナス」は、ボーナス役を含む当籤役(図184〜図186に示す「No.14」〜「No.59」)を示し、「その他」は、「高RT移行リプ」、「チェリー」、及び、「ボーナス」以外の当籤役を示す。
ステップS3203の処理において、メインCPU3031は、ロック演出抽籤テーブル(図201参照)を参照し、図121のステップS14で決定した内部当籤役とステップS13で格納した乱数値とに基づいて、「0」〜「2」の回胴演出番号のなかから一の回胴演出番号を決定する。なお、ロック演出抽籤テーブル(図201参照)は、メインROM3032に記憶されている。
ステップS3203の処理を実行した後、メインCPU3031は、ステップS3203で決定した回胴演出番号が「0」であるか否かを判断する(ステップS3204)。
ステップS3203で決定した回胴演出番号が「0」ではないと判断した場合、メインCPU3031は、当該回胴演出番号(「1」又は「2」)を示すデータを、メインRAM3033に設けられた回胴演出番号格納領域(図示せず)に格納する(ステップS3205)。
ステップS3204において回胴演出番号が「0」であると判断した場合、又は、ステップS3205の処理を実行した後、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
<リール回転開始処理>
図202は、主制御回路において行われるリール回転開始処理を示すフローチャートである。
図202に示すリール回転開始処理は、主制御回路3060において図121(メイン制御処理)のステップS19で行われる処理である。
リール回転開始処理において、まず、メインCPU3031は、メインRAM3033の回胴演出番号格納領域(図200のステップS3205参照)に「1」及び「2」のうちの何れかの回胴演出番号を示すデータが格納されているか否かを判断する(ステップS3221)。
メインRAM3033の回胴演出番号格納領域に「1」及び「2」の何れの回胴演出番号を示すデータも格納されていないと判断した場合、メインCPU3031は、通常時加速処理を実行する(ステップS3222)。この処理において、メインCPU3031は、リールRL、RC、RRの回転の開始を要求する。リールRL、RC、RRの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1172msec)で実行される割込処理(図138参照)によってステッピングモータの駆動が制御され、各リールRL、RC、RRの回転が開始される。そして、各リールRL、RC、RRは、その回転が定速に達するまで加速が行われ、その後、定速が維持されるように制御される。
ステップS3222の処理を実行した後、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
ステップS3221においてメインRAM3033の回胴演出番号格納領域に「1」及び「2」のうちの何れかの回胴演出番号を示すデータが格納されていると判断した場合、メインCPU3031は、ロックコマンドデータを生成し、生成したロックコマンドデータをメインRAM3033の通信データ格納領域に格納する(ステップS3223)。通信データ格納領域に格納されたロックコマンドデータは、コマンドデータ送信処理(図138参照)において主制御回路3060から副制御回路3070へ送信される。これにより、副制御回路3070では、リールのロックが開始されたことを認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
次に、メインCPU3031は、回胴演出番号に対応するリールアクションを実行する(ステップS3224)。この処理において、メインCPU3031は、メインRAM3033の回胴演出番号格納領域に格納されている回胴演出番号を示すデータに基づいて、該回胴演出番号に対応するリールアクションを作動させる。
具体的に、メインCPU3031は、回胴演出番号が「1」である場合、まず、左リールRLの回転の開始を要求し、所定時間経過後に中リールRCの回転の開始を要求し、さらに所定時間経過後に右リールRRの回転の開始を要求する。各リールRL、RC、RRの回転開始が要求されると、通常時加速処理(ステップS3222参照)と同様に、ステッピングモータの駆動が制御され、まず、左リールRLの回転が開始され、所定時間経過後に中リールRCの回転が開始され、さらに所定時間経過後に右リールRRの回転が開始される。そして、各リールRL、RC、RRは、その回転が定速に達するまで加速が行われ、その後、定速が維持されるように制御される。
同様に、メインCPU3031は、回胴演出番号が「2」である場合、まず、右リールRRの回転の開始を要求し、所定時間経過後に中リールRCの回転の開始を要求し、さらに所定時間経過後に左リールRLの回転の開始を要求する。各リールRL、RC、RRの回転開始が要求されると、通常時加速処理(ステップS3222参照)と同様に、ステッピングモータの駆動が制御され、まず、右リールRRの回転が開始され、所定時間経過後に中リールRCの回転が開始され、さらに所定時間経過後に左リールRLの回転が開始される。そして、各リールRL、RC、RRは、その回転が定速に達するまで加速が行われ、その後、定速が維持されるように制御される。
ステップS3224の処理を実行した後、メインCPU3031は、メインRAM3033の回胴演出番号格納領域に格納されている回胴演出番号を示すデータをクリアして(ステップS3225)、本サブルーチンを終了する。
図202に示すリール回転開始処理が実行されることにより、RT0遊技状態、RT1遊技状態、及び、RT2遊技状態のうちの何れかの遊技状態において、「高RT移行リプ」又は「チェリー」が内部当籤した場合には、ロック不許可フラグがオンにセットされていないことを条件に、回胴演出番号「1」に対応するリールアクション(「左から回転」)、及び、回胴演出番号「2」に対応するリールアクション(「右から回転」)のうちの何れか一方のリールアクションが必ず発生する(図201参照)。具体的に、「高RT移行リプ」が内部当籤した場合には、回胴演出番号「1」に対応するリールアクション(「左から回転」)が高確率で発生する。また、「チェリー」が内部当籤した場合には、回胴演出番号「2」に対応するリールアクション(「右から回転」)が高確率で発生する。
なお、回胴演出番号「1」又は「2」に対応するリールアクション(ステップS3224参照)が発生している間(各リールRL、RC、RRの回転が定速に達するまでの間)は、遊技ロックが発生し、遊技者による操作(例えば、ストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rの操作)が無効化される。この点、通常時加速処理(ステップS3222参照)が行われる場合にも、各リールRL、RC、RRの回転が定速に達するまでの間は、ロックが発生するが、回胴演出番号「1」又は「2」に対応するリールアクションが発生する場合には、1つ目のリールの回転が開始されてから、2つ目及び3つ目のリールの回転が開始されるまでの間に時間差があるため、当該時間差の分だけ、通常時加速処理が行われる場合よりも、ロック時間が長くなる。回胴演出番号「1」に対応するリールアクションが発生する場合におけるロック時間と、回胴演出番号「2」に対応するリールアクションが発生する場合におけるロック時間とは、同じであってもよいし異なっていてもよい。
ここで、図180A及び図180Bを用いて説明したように、RT0遊技状態、RT1遊技状態、又は、RT2遊技状態において、高RT移行リプが入賞した場合には、RT3遊技状態(高RT遊技状態)に移行する。また、RT0遊技状態、RT1遊技状態、又は、RT2遊技状態において、チェリーが入賞した場合には、RT4遊技状態(最も不利な遊技状態)に移行する。
従って、回胴演出番号「1」に対応するリールアクション(「左から回転」)が発生した場合には、「高RT移行リプ」が内部当籤したことを示唆しており、遊技者に対して、RT3遊技状態(高RT遊技状態)への移行を期待させることができる。一方、回胴演出番号「2」に対応するリールアクション(「右から回転」)が発生した場合には、「チェリー」が内部当籤したことを示唆しており、RT4遊技状態(最も不利な遊技状態)に移行してしまうことに対する遊技者の不安を惹起させることになる。
なお、図201に示すロック演出抽籤テーブルでは、「高RT移行リプ」が内部当籤した場合に回胴演出番号「2」が決定される可能性があり、「チェリー」が内部当籤した場合に回胴演出番号「1」が決定される可能性があることとしている。しかし、「高RT移行リプ」が内部当籤した場合には、必ず回胴演出番号「1」が決定され、「チェリー」が内部当籤した場合には、必ず回胴演出番号「2」が決定されることとしてもよい。また、「高RT移行リプ」又は「チェリー」が内部当籤した場合には、回胴演出番号「1」又は「2」が必ず決定されることとしているが、回胴演出番号「0」が決定される可能性があってもよい。また、「その他」の当籤役が決定された場合には、回胴演出番号「0」が必ず決定されるが、この場合にも、回胴演出番号「1」又は「2」が決定される可能性があることとしてもよい。
また、ロックコマンドデータ(ステップS3223参照)を受信したことを契機として、副制御回路3070では、リールアクションに対応する演出データがセットされる。これにより、回胴演出番号「1」に対応するリールアクション(「左から回転」)が発生した場合に、RT3遊技状態(高RT遊技状態)に対する期待感を高めるような演出を行ったり、回胴演出番号「2」に対応するリールアクション(「右から回転」)が発生した場合に、RT4遊技状態(最も不利な遊技状態)への不安を煽るような演出を行ったりすることができる。例えば、キャラクタのセリフ内容(音声演出)やキャラクタ同士が戦う様子(映像演出)を通じて、期待度や不安度を変化させることが可能である。
以上、本発明の一実施形態として、第8実施形態に係る遊技機1について説明した。
<付記C1>
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、遊技メダルやコイン等(「メダル等」)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチおよびストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転およびその停止を行うリール制御部とを備え、スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(「内部当籤役」)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、いわゆるパチスロと称される遊技機が知られている。
このような従来の遊技機として、所謂ARTを備え、ART中と非ART中とで異なるBGMを出力するように構成された遊技機が知られている(例えば、特開2010−51492号公報参照)。このような遊技機によれば、ART(遊技者にとって有利な遊技状態)中に流れる特有のBGMを通じて、遊技を盛り上げ、遊技者の気持ちを高揚させることができる。
本発明者は、上述したような特定の遊技状態中に行われるBGM等の演出について、鋭意検討を重ねる過程において、特定の演出の発生条件に関して工夫を凝らすことにより、新たなエンターテインメント性を創出することができるのではないかという考えに至った。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、演出の発生に関し新たなエンターテインメント性を創出することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第8実施形態に係る遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(C1−1) 複数の識別情報を変動表示することが可能な可変表示手段(リールRL,RC,RR)と、
所定の開始契機に基づいて当籤役を決定する役決定手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技者による停止操作を受け付けることが可能な停止操作手段(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R、及び、ストップスイッチ3007LS,3007CS,3007RS)と、
前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作とに基づいて前記可変表示手段における変動表示を停止させることで、表示結果を導出する停止制御手段(図121のステップS22の処理及び図138のステップS325の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記役決定手段により特定役(BB)が当籤役として決定された後、前記停止制御手段により所定の表示結果(図182Aに示す「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出された場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(BB遊技状態)を作動させる特定遊技状態作動手段(図137の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記停止制御手段により前記所定の表示結果が導出された場合に、遊技者による操作が所定時間無効化される特定のロック(BB入賞時ロック)を実行することが可能なロック実行手段(図199のステップS3105の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記ロック実行手段により前記特定のロックを実行するか否かに関する決定を行うことが可能なロック決定手段(図195のステップS3001及びステップS3005の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技に関する音を出力することが可能な音出力手段(スピーカDD25L,DD25R)と、
前記特定遊技状態において前記音出力手段により所定のBGM(図153(a)及び図173(a)に示すBB中サウンド)を出力させることが可能なBGM出力制御手段と、を備え、
前記BGM出力制御手段は、
前記ロック決定手段による決定の結果、前記ロック実行手段により前記特定のロックが実行される場合には、前記所定の表示結果が導出された後に前記所定のBGMを出力させることが可能である一方、前記ロック実行手段により前記特定のロックが実行されない場合には、前記所定の表示結果が導出されるよりも前に前記所定のBGMを出力させることが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第8実施形態に係る遊技機1によれば、特定役(BB)が当籤役として決定された後、所定の表示結果(図182Aに示す「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出された場合には、遊技者にとって有利な特定遊技状態(BB遊技状態)が作動するところ、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出された場合には、遊技者による操作が所定時間無効化される特定のロック(BB入賞時ロック)を実行することが可能である。これにより、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出された場合(特定遊技状態(BB遊技状態)の作動条件が成立した場合)に、遊技を一時休止させ、これから特定遊技状態(BB遊技状態)(遊技者にとって有利な遊技状態)が作動することを遊技者にアナウンスし、遊技者の気持ちを盛り上げることができる。そして、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出された後には、所定のBGM(図153(a)及び図173(a)に示すBB中サウンド)(特定遊技状態(BB遊技状態)用のBGM)を出力させることが可能なようになっている。このようなBGMを流すことによって、特定遊技状態(BB遊技状態)に特有の雰囲気を醸し出し、特定遊技状態(BB遊技状態)が作動していることを遊技者に肌で感じさせることができる。これに対し、第8実施形態に係る遊技機1によれば、特定のロック(BB入賞時ロック)を実行するか否かに関する決定を行うことが可能であり、当該決定の結果、特定のロック(BB入賞時ロック)が実行されない場合には、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出されるよりも前に当該所定のBGM(BB中サウンド)を出力させることが可能なように構成されている。これにより、特定遊技状態(BB遊技状態)が作動するよりも前から、遊技者に一足早く、特定遊技状態(BB遊技状態)が作動しているかのような感覚を味わってもらうことができる。そして、その後所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出される頃には、遊技者は特定遊技状態(BB遊技状態)の雰囲気を満喫し、気分よく遊技を行っていると考えられるところ、このような状況で特定のロック(BB入賞時ロック)を行うこととすると、かえって水を差してしまう可能性がある。この点、第8実施形態に係る遊技機1によれば、この場合には、特定のロック(BB入賞時ロック)が実行されないようにすることが可能であり、遊技者の気持ちを途切れさせることなく、特定遊技状態(BB遊技状態)作動後の遊技を行ってもらうことができる。
第8実施形態(図199)では、このように、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出されるよりも前に所定のBGM(BB中サウンド)を出力させる場合、特定のロック(BB入賞時ロック)が実行されないこととして説明した。しかし、本発明においては、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出されるよりも前に所定のBGM(BB中サウンド)を出力させる場合であっても、特定のロック(BB入賞時ロック)以外の遊技ロック(例えば、BB入賞時ロックよりもロック時間の短い(例えば、1秒未満の)遊技ロック)であれば、発生させることとしてもよい。本発明においては、遊技者の気持ちを途切れさせない程度の遊技ロックであれば、上記のような効果を大きく阻害することはなく、発生させても問題はない。
(C1−2) 前記(C1−1)の遊技機であって、
前記停止制御手段により前記所定の表示結果が導出された場合に、前記所定のBGMとは異なる所定音を前記音出力手段により出力させることが可能な所定音出力制御手段を備え、
前記所定音出力制御手段は、
前記所定の表示結果が導出された後に前記所定のBGMが出力される場合には、第1の所定音(ファンファーレ)を出力させることが可能である一方、前記所定の表示結果が導出されるよりも前から前記所定のBGMが出力されている場合には、前記第1の所定音とは異なる第2の所定音(BB中サウンド再生中BB入賞音)を出力させることが可能である、
ことを特徴とする。
第8実施形態に係る遊技機1によれば、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出された場合に、所定のBGM(BB中サウンド)とは異なる所定音を出力させることが可能である。具体的に、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出された後に所定のBGM(BB中サウンド)が出力される場合には、第1の所定音(ファンファーレ)を出力させることが可能である一方、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出されるよりも前から所定のBGM(BB中サウンド)が出力されている場合には、第1の所定音(ファンファーレ)とは異なる第2の所定音(BB中サウンド再生中BB入賞音)を出力させることが可能である。このように、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出された時点で所定のBGM(BB中サウンド)が出力されているか否かによって、出力させる所定音を異ならせることが可能であるため、状況に応じた音による演出を行うことで、遊技者に最大限遊技を楽しんでもらうことができる。
例えば、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出されるよりも前から所定のBGM(BB中サウンド)が出力されている場合、第2の所定音(BB中サウンド再生中BB入賞音)を第1の所定音(ファンファーレ)あるいは所定のBGM(BB中サウンド)よりも小さな音とすれば、所定のBGM(BB中サウンド)が第2の所定音(BB中サウンド再生中BB入賞音)によって妨害されてしまうことを防止することができる。これにより、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出された時点で所定のBGM(BB中サウンド)が聞こえにくくなってしまうような事態を回避することが可能であり、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)の導出前後において所定のBGM(BB中サウンド)を連続的に遊技者の耳に届けることができる。なお、第1の所定音(ファンファーレ)は、所定のBGM(BB中サウンド)の再生を開始する前に出力してもよいし、所定のBGM(BB中サウンド)の再生を開始した後に出力してもよい。
(C1−1′) 複数の識別情報を変動表示することが可能な可変表示手段(リールRL,RC,RR)と、
所定の開始契機に基づいて当籤役を決定する役決定手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技者による停止操作を受け付けることが可能な停止操作手段(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R、及び、ストップスイッチ3007LS,3007CS,3007RS)と、
前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作とに基づいて前記可変表示手段における変動表示を停止させることで、表示結果を導出する停止制御手段(図121のステップS22の処理及び図138のステップS325の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記役決定手段により特定役(BB)が当籤役として決定された後、前記停止制御手段により所定の表示結果(図182Aに示す「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出された場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(BB遊技状態)を作動させる特定遊技状態作動手段(図137の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記停止制御手段により前記所定の表示結果が導出された場合に、遊技者による操作が所定時間無効化される特定のロック(BB入賞時ロック)を実行することが可能なロック実行手段(図199のステップS3105の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記ロック実行手段により前記特定のロックを実行するか否かに関する決定を行うことが可能なロック決定手段(図195のステップS3001及びステップS3005の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技に関する音を出力することが可能な音出力手段(スピーカDD25L,DD25R)と、
前記特定遊技状態において前記音出力手段により所定のBGM(図153(a)及び図173(a)に示すBB中サウンド)を出力させることが可能なBGM出力制御手段と、を備え、
前記BGM出力制御手段は、
前記ロック決定手段による決定の結果、前記ロック実行手段により前記特定のロックが実行される場合には、前記所定の表示結果が導出された後に前記所定のBGMを出力させることが可能である一方、前記ロック実行手段により前記特定のロックが実行されない場合には、前記所定の表示結果が導出されるよりも前に前記所定のBGMの出力を開始し、前記停止制御手段により前記所定の表示結果が導出されるまでの特定役持越状態(BBフラグ間状態)において前記所定のBGMの出力を継続し、前記所定の表示結果が導出されて前記特定遊技状態が作動した後も前記所定のBGMの出力を行うことが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第8実施形態に係る遊技機1によれば、特定役(BB)が当籤役として決定された後、所定の表示結果(図182Aに示す「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出された場合には、遊技者にとって有利な特定遊技状態(BB遊技状態)が作動するところ、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出された場合には、遊技者による操作が所定時間無効化される特定のロック(BB入賞時ロック)を実行することが可能である。これにより、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出された場合(特定遊技状態(BB遊技状態)の作動条件が成立した場合)に、遊技を一時休止させ、これから特定遊技状態(BB遊技状態)(遊技者にとって有利な遊技状態)が作動することを遊技者にアナウンスし、遊技者の気持ちを盛り上げることができる。そして、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出された後には、所定のBGM(図153(a)及び図173(a)に示すBB中サウンド)(特定遊技状態(BB遊技状態)用のBGM)を出力させることが可能なようになっている。このようなBGMを流すことによって、特定遊技状態(BB遊技状態)に特有の雰囲気を醸し出し、特定遊技状態(BB遊技状態)が作動していることを遊技者に肌で感じさせることができる。これに対し、第8実施形態に係る遊技機1によれば、特定のロック(BB入賞時ロック)を実行するか否かに関する決定を行うことが可能であり、当該決定の結果、特定のロック(BB入賞時ロック)が実行されない場合には、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出されるよりも前に当該所定のBGM(BB中サウンド)を出力させることが可能なように構成されている。このようにして出力が開始された所定のBGM(BB中サウンド)は、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出されるまで継続的に出力され、特定遊技状態(BB遊技状態)が作動した後も継続的に出力される(いったん出力の開始された所定のBGM(BB中サウンド)は、特定遊技状態(BB遊技状態)が終了するまで途切れることなく再生され続ける)。これにより、特定遊技状態(BB遊技状態)が作動するよりも前から、遊技者に一足早く、特定遊技状態(BB遊技状態)が作動しているかのような感覚を味わってもらうことができる。そして、その後所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出される頃には、遊技者は特定遊技状態(BB遊技状態)の雰囲気を満喫し、気分よく遊技を行っていると考えられるところ、このような状況で特定のロック(BB入賞時ロック)を行うこととすると、かえって水を差してしまう可能性がある。この点、第8実施形態に係る遊技機1によれば、この場合には、特定のロック(BB入賞時ロック)が実行されないようにすることが可能であり、遊技者の気持ちを途切れさせることなく、特定遊技状態(BB遊技状態)作動後の遊技を行ってもらうことができる。
(C1−3) 複数の識別情報を変動表示することが可能な複数の可変表示手段(リールRL,RC,RR)と、
所定の開始契機に基づいて当籤役を決定する役決定手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技者による停止操作を受け付けることが可能な停止操作手段(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R、及び、ストップスイッチ3007LS,3007CS,3007RS)と、
前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作とに基づいて前記可変表示手段における変動表示を停止させることで、表示結果を導出する停止制御手段(図121のステップS22の処理及び図138のステップS325の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記役決定手段により特定役(BB)が当籤役として決定された後、前記停止制御手段により所定の表示結果(図182Aに示す「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出された場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(BB遊技状態)を作動させる特定遊技状態作動手段(図137の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記複数の可変表示手段のうち少なくとも一の可変表示手段に対する停止操作が行われていないときに、前記停止操作が無効化される停止操作無効状態(1停ロック)を所定時間発生させることが可能な停止操作無効化手段(図198のステップS3047の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記役決定手段により前記特定役が当籤役として決定された場合に、前記停止操作無効状態を発生させるか否かに関する決定を行うことが可能な無効状態決定手段(図195のステップS3001の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技に関する音を出力することが可能な音出力手段(スピーカDD25L,DD25R)と、
前記特定遊技状態において前記音出力手段により所定のBGM(図153(a)及び図173(a)に示すBB中サウンド)を出力させることが可能なBGM出力制御手段と、を備え、
前記BGM出力制御手段は、
前記停止操作無効化手段により前記停止操作無効状態が発生した場合に、該停止操作無効状態が終了して有効な停止操作を行うことが可能になった後、前記所定のBGMを出力させることが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第8実施形態に係る遊技機1によれば、特定役(BB)が当籤役として決定された後、所定の表示結果(図182Aに示す「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出された場合には、遊技者にとって有利な特定遊技状態(BB遊技状態)が作動するところ、特定遊技状態(BB遊技状態)においては、所定のBGM(図153(a)及び図173(a)に示すBB中サウンド)(特定遊技状態(BB遊技状態)用のBGM)を出力させることが可能なようになっている。このようなBGMを流すことによって、特定遊技状態(BB遊技状態)に特有の雰囲気を醸し出し、特定遊技状態(BB遊技状態)が作動していることを遊技者に肌で感じさせることができる。これに対し、第8実施形態に係る遊技機1によれば、複数の可変表示手段(リールRL,RC,RR)のうち少なくとも一の可変表示手段(リール)に対する停止操作が行われていないときに、停止操作が無効化される停止操作無効状態(1停ロック)を発生させることが可能である。そして、当該停止操作無効状態(1停ロック)が発生した場合には、停止操作無効状態(1停ロック)が終了して有効な停止操作を行うことが可能になった後、所定のBGM(BB中サウンド)を出力させることが可能なように構成されている。すなわち、停止操作無効状態(1停ロック)が発生した場合には、停止操作無効状態(1停ロック)が終了したときから(所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出される前から)所定のBGM(BB中サウンド)が出力されることになる。このように、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出されていない(特定遊技状態(BB遊技状態)の作動条件が成立していない)にもかかわらず、所定のBGM(BB中サウンド)が突如流れ出すため、遊技者に対して驚きとともに喜びを与えることができる。また、このような停止操作無効状態(1停ロック)を発生させるか否かに関する決定は、特定役(BB)が当籤役として決定された場合に行われるため、所定のBGM(BB中サウンド)が出力されたことは、特定役(BB)が当籤役として決定されたことを意味する。従って、所定のBGM(BB中サウンド)の出力を通じて、特定役(BB)が当籤役として決定されたことを遊技者に報知することが可能であり、遊技者を嬉しい気持ちにさせることができる。そして、所定のBGM(BB中サウンド)(特定遊技状態(BB遊技状態)用のBGM)が流れ始めることとも相俟って、遊技者に対して、あたかも特定遊技状態(BB遊技状態)が始まったかのような感覚を抱かせることができる。
第8実施形態では、停止操作無効状態の一例として、1停ロックが発生する場合について説明した。本発明における停止操作無効状態は、1停ロックに限定されず、停止操作が所定時間無効化されるような遊技ロックを適宜採用することができる。すなわち、停止操作無効状態は、スタートレバーが操作された後第1停止操作が行われる前に発生させてもよいし、第1停止操作が行われた後第2停止操作が行われる前に発生させてもよいし、第2停止操作が行われた後第3停止操作が行われる前に発生させてもよい。
また、所定のBGM(BB中サウンド)を出力させるタイミングは、停止操作無効状態が終了して有効な停止操作を行うことが可能になった後、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出されるよりも前であれば、特に限定されない。もっとも、遊技者に対して驚きを与えるという観点からすると、停止操作無効状態が終了した後、なるべく早い時点(例えば、1秒以内、0.5秒以内、0.3秒以内、又は、0.1秒以内)で所定のBGM(BB中サウンド)を出力させることが望ましい。例えば、停止操作無効状態が終了した後、次の停止操作が行われる前に所定のBGM(BB中サウンド)を出力させることが可能である。停止操作無効状態として1停ロックを採用する場合には、第2停止操作が行われる前に所定のBGM(BB中サウンド)を出力させるとよい。
(C1−3′) 複数の識別情報を変動表示することが可能な複数の可変表示手段(リールRL,RC,RR)と、
所定の開始契機に基づいて当籤役を決定する役決定手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技者による停止操作を受け付けることが可能な停止操作手段(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R、及び、ストップスイッチ3007LS,3007CS,3007RS)と、
前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作とに基づいて前記可変表示手段における変動表示を停止させることで、表示結果を導出する停止制御手段(図121のステップS22の処理及び図138のステップS325の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記役決定手段により特定役(BB)が当籤役として決定された後、前記停止制御手段により所定の表示結果(図182Aに示す「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出された場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(BB遊技状態)を作動させる特定遊技状態作動手段(図137の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記複数の可変表示手段のうち少なくとも一の可変表示手段に対する停止操作が行われていないときに、前記停止操作が無効化される停止操作無効状態(1停ロック)を所定時間発生させることが可能な停止操作無効化手段(図198のステップS3047の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記役決定手段により前記特定役が当籤役として決定された場合に、前記停止操作無効状態を発生させるか否かに関する決定を行うことが可能な無効状態決定手段(図195のステップS3001の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技に関する音を出力することが可能な音出力手段(スピーカDD25L,DD25R)と、
前記特定遊技状態において前記音出力手段により所定のBGM(図153(a)及び図173(a)に示すBB中サウンド)を出力させることが可能なBGM出力制御手段と、を備え、
前記BGM出力制御手段は、
前記無効状態決定手段による決定の結果、前記停止操作無効化手段により前記停止操作無効状態が発生しない場合には、前記所定の表示結果が導出された後に前記所定のBGMを出力させることが可能である一方、前記停止操作無効化手段により前記停止操作無効状態が発生する場合には、前記所定の表示結果が導出されるよりも前に前記所定のBGMを出力させることが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第8実施形態に係る遊技機1によれば、特定役(BB)が当籤役として決定された後、所定の表示結果(図182Aに示す「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出された場合には、遊技者にとって有利な特定遊技状態(BB遊技状態)が作動するところ、特定遊技状態(BB遊技状態)においては、所定のBGM(図153(a)及び図173(a)に示すBB中サウンド)(特定遊技状態(BB遊技状態)用のBGM)を出力させることが可能なようになっている。このようなBGMを流すことによって、特定遊技状態(BB遊技状態)に特有の雰囲気を醸し出し、特定遊技状態(BB遊技状態)が作動していることを遊技者に肌で感じさせることができる。これに対し、第8実施形態に係る遊技機1によれば、複数の可変表示手段(リールRL,RC,RR)のうち少なくとも一の可変表示手段(リール)に対する停止操作が行われていないときに停止操作が無効化される停止操作無効状態(1停ロック)を発生させるか否かに関する決定を行うことが可能であり、当該決定の結果、停止操作無効状態(1停ロック)が発生する場合には、所定の表示結果(図182Aに示す「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出されるよりも前に所定のBGM(図153(a)及び図173(a)に示すBB中サウンド)を出力させることが可能なように構成されている。これにより、特定遊技状態(BB遊技状態)が作動するよりも前から、遊技者に一足早く、特定遊技状態(BB遊技状態)が作動しているかのような感覚を味わってもらうことができる。また、このような停止操作無効状態(1停ロック)を発生させるか否かに関する決定は、特定役(BB)が当籤役として決定された場合に行われるため、所定のBGM(BB中サウンド)が出力されたことは、特定役(BB)が当籤役として決定されたことを意味する。従って、所定のBGM(BB中サウンド)の出力を通じて、特定役(BB)が当籤役として決定されたことを遊技者に報知することが可能であり、遊技者を嬉しい気持ちにさせることができる。そして、所定のBGM(BB中サウンド)(特定遊技状態(BB遊技状態)用のBGM)が流れ始めることとも相俟って、遊技者に対して、あたかも特定遊技状態(BB遊技状態)が始まったかのような感覚を抱かせることができる。
(C1−4) 複数の識別情報を変動表示することが可能な可変表示手段(リールRL,RC,RR)と、
所定の開始契機に基づいて当籤役を決定する役決定手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技者による停止操作を受け付けることが可能な停止操作手段(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R、及び、ストップスイッチ3007LS,3007CS,3007RS)と、
前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作とに基づいて前記可変表示手段における変動表示を停止させることで、表示結果を導出する停止制御手段(図121のステップS22の処理及び図138のステップS325の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記役決定手段により特定役(BB)が当籤役として決定された後、前記停止制御手段により所定の表示結果(図182Aに示す「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出された場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(BB遊技状態)を作動させる特定遊技状態作動手段(図137の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技に関する音を出力することが可能な音出力手段(スピーカDD25L,DD25R)と、
前記特定遊技状態において前記音出力手段により所定のBGM(図153(a)及び図173(a)に示すBB中サウンド)を出力させることが可能なBGM出力制御手段と、
遊技に関する情報を記憶することが可能な記憶手段(メインRAM3033)と、を備え、
前記BGM出力制御手段は、
前記所定のBGMを出力させるタイミングに関する所定の条件(図195のステップS3001で行われるリールアクション抽籤で1停ロックに当籤すること、又は、図195のステップS3005で行われるBB入賞時ロック解除抽籤に当籤すること)が成立していない場合には、前記所定の表示結果が導出された後に前記所定のBGMを出力させることが可能である一方、前記所定の条件が成立した場合には、前記所定の表示結果が導出されるよりも前に前記所定のBGMを出力させることが可能であり、
前記所定の表示結果が導出されるよりも前に前記所定のBGMが出力されているときに電断が発生した場合には、前記記憶手段に記憶されている前記所定の条件が成立したことに関する情報(図197のステップS3024又は図198のステップS3050でオンにセットされるBB入賞時ロック解除待機フラグ)に基づいて、該電断から復帰したときにも前記所定のBGMを出力させることが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第8実施形態に係る遊技機1によれば、特定役(BB)が当籤役として決定された後、所定の表示結果(図182Aに示す「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出された場合には、遊技者にとって有利な特定遊技状態(BB遊技状態)が作動するところ、特定遊技状態(BB遊技状態)においては、所定のBGM(図153(a)及び図173(a)に示すBB中サウンド)(特定遊技状態(BB遊技状態)用のBGM)を出力させることが可能なようになっている。このようなBGMを流すことによって、特定遊技状態(BB遊技状態)に特有の雰囲気を醸し出し、特定遊技状態(BB遊技状態)が作動していることを遊技者に肌で感じさせることができる。これに対し、第8実施形態に係る遊技機1によれば、所定のBGM(BB中サウンド)を出力させるタイミングに関する所定の条件(図195のステップS3001で行われるリールアクション抽籤で1停ロックに当籤すること、又は、図195のステップS3005で行われるBB入賞時ロック解除抽籤に当籤すること)が成立した場合には、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出されるよりも前に所定のBGM(BB中サウンド)を出力させることが可能なように構成されている。従って、所定の条件(リールアクション抽籤で1停ロックに当籤すること、又は、BB入賞時ロック解除抽籤に当籤すること)が成立した場合には、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出されていない(特定遊技状態(BB遊技状態)の作動条件が成立していない)にもかかわらず、所定のBGM(BB中サウンド)が流れ出すため、遊技者に対して驚きとともに喜びを与えることができる。また、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出されるよりも前に所定のBGM(BB中サウンド)が出力されているときに電断が発生した場合には、記憶手段(メインRAM3033)に記憶されている所定の条件(リールアクション抽籤で1停ロックに当籤すること、又は、BB入賞時ロック解除抽籤に当籤すること)が成立したことに関する情報(図197のステップS3024又は図198のステップS3050でオンにセットされるBB入賞時ロック解除待機フラグ)に基づいて、該電断から復帰したときにも所定のBGM(BB中サウンド)を出力させることができるようになっている。これにより、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出されるよりも前から所定のBGM(BB中サウンド)が出力されているという状況が電断により中断された場合であっても、復帰時には当該状況を再度出現させることが可能であり、電断を契機として当該状況が消失してしまうことで遊技者が落胆してしまうことを防止することができる。
(C1−4′) 識別情報の導出表示を行うことが可能な表示手段(リールRL,RC,RR、並びに、図121のステップS22の処理及び図138のステップS325の処理を実行するメインCPU3031)と、
所定の抽選を行う抽選手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記抽選手段により行われる前記所定の抽選の結果が所定の結果(BB当籤)となった後、前記表示手段により所定の導出表示(図182Aに示す「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」の停止表示)が行われた場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(BB遊技状態)を作動させる特定遊技状態作動手段(図137の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技に関する音を出力することが可能な音出力手段(スピーカDD25L,DD25R)と、
前記特定遊技状態において前記音出力手段により所定のBGM(図153(a)及び図173(a)に示すBB中サウンド)を出力させることが可能なBGM出力制御手段と、
遊技に関する情報を記憶することが可能な記憶手段(メインRAM3033)と、を備え、
前記BGM出力制御手段は、
前記所定のBGMを出力させるタイミングに関する所定の条件(図195のステップS3001で行われるリールアクション抽籤で1停ロックに当籤すること、又は、図195のステップS3005で行われるBB入賞時ロック解除抽籤に当籤すること)が成立していない場合には、前記所定の導出表示が行われた後に前記所定のBGMを出力させることが可能である一方、前記所定の条件が成立した場合には、前記所定の導出表示が行われるよりも前に前記所定のBGMを出力させることが可能であり、
前記所定の導出表示が行われるよりも前に前記所定のBGMが出力されているときに電断が発生した場合には、前記記憶手段に記憶されている前記所定の条件が成立したことに関する情報(図197のステップS3024又は図198のステップS3050でオンにセットされるBB入賞時ロック解除待機フラグ)に基づいて、該電断から復帰したときにも前記所定のBGMを出力させることが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第8実施形態に係る遊技機1によれば、所定の抽選(内部抽籤)の結果が所定の結果(BB当籤)となった後、所定の導出表示(図182Aに示す「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」の停止表示)が行われた場合には、遊技者にとって有利な特定遊技状態(BB遊技状態)が作動するところ、特定遊技状態(BB遊技状態)においては、所定のBGM(図153(a)及び図173(a)に示すBB中サウンド)(特定遊技状態(BB遊技状態)用のBGM)を出力させることが可能なようになっている。このようなBGMを流すことによって、特定遊技状態(BB遊技状態)に特有の雰囲気を醸し出し、特定遊技状態(BB遊技状態)が作動していることを遊技者に肌で感じさせることができる。これに対し、第8実施形態に係る遊技機1によれば、所定のBGM(BB中サウンド)を出力させるタイミングに関する所定の条件(図195のステップS3001で行われるリールアクション抽籤で1停ロックに当籤すること、又は、図195のステップS3005で行われるBB入賞時ロック解除抽籤に当籤すること)が成立した場合には、所定の導出表示(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」の停止表示)が行われるよりも前に所定のBGM(BB中サウンド)を出力させることが可能なように構成されている。従って、所定の条件(リールアクション抽籤で1停ロックに当籤すること、又は、BB入賞時ロック解除抽籤に当籤すること)が成立した場合には、所定の導出表示(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」の停止表示)が行われていない(特定遊技状態(BB遊技状態)の作動条件が成立していない)にもかかわらず、所定のBGM(BB中サウンド)が流れ出すため、遊技者に対して驚きとともに喜びを与えることができる。また、所定の導出表示(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」の停止表示)が行われるよりも前に所定のBGM(BB中サウンド)が出力されているときに電断が発生した場合には、記憶手段(メインRAM3033)に記憶されている所定の条件(リールアクション抽籤で1停ロックに当籤すること、又は、BB入賞時ロック解除抽籤に当籤すること)が成立したことに関する情報(図197のステップS3024又は図198のステップS3050でオンにセットされるBB入賞時ロック解除待機フラグ)に基づいて、該電断から復帰したときにも所定のBGM(BB中サウンド)を出力させることができるようになっている。これにより、所定の導出表示(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」の停止表示)が行われるよりも前から所定のBGM(BB中サウンド)が出力されているという状況が電断により中断された場合であっても、復帰時には当該状況を再度出現させることが可能であり、電断を契機として当該状況が消失してしまうことで遊技者が落胆してしまうことを防止することができる。
第8実施形態では、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出されるよりも前に所定のBGM(BB中サウンド)が出力されているときに電断が発生した場合、BB入賞時ロック解除待機フラグに基づいて、電断から復帰したときにも所定のBGM(BB中サウンド)を出力させることが可能であることとして説明した。BB入賞時ロック解除待機フラグは、本発明における「所定の条件が成立したことに関する情報」に相当する。本発明において、「所定の条件が成立したことに関する情報」は、BB入賞時ロック解除待機フラグ(主制御回路において記憶される情報)に限定されず、副制御回路において記憶される情報であってもよい。例えば、所定のBGM(BB中サウンド)が再生されている期間中、サブRAMにおいて所定のフラグをセットすることとし、当該フラグ(BGM再生中フラグ)を「所定の条件が成立したことに関する情報」として採用してもよい。
また、第8実施形態では、BB入賞時ロック解除抽籤に当籤した後、即座に所定のBGM(BB中サウンド)の出力が開始されるわけではなく、次のゲームにおいてスタートレバーDD6が操作されるのを待って、所定のBGM(BB中サウンド)の出力が開始されることとして説明した。本発明においては、このように、所定の条件(例えば、所定の抽籤に当籤すること)が成立した後、さらに特定の条件(例えば、所定の操作が行われること)が成立したことを契機として所定のBGM(BB中サウンド)の出力が開始されるように構成することが可能である。このような構成を採用する場合、所定のBGM(BB中サウンド)の出力が開始された後に電断が発生したときには、所定の条件に加えて特定の条件が成立した場合にセットされるフラグ(例えば、図197のステップS3024でオンにセットされるBB入賞時ロック解除待機フラグや上記BGM再生中フラグ)をバックアップデータとして記憶しておくとよい。これにより、電断から復帰した際には、当該バックアップデータに基づいて、所定のBGM(BB中サウンド)の出力を行うことができる。また、所定の条件が成立した後特定の条件が成立する前に電断が発生した場合には、所定の条件が成立した場合にセットされるフラグ(例えば、図195のステップS3007でオンにセットされるBB入賞時ロック解除当籤フラグ)をバックアップデータとして記憶しておくとよい。これにより、所定の条件が成立した後特定の条件が成立する前に電断が発生した場合に、所定の条件が成立したことを示す情報が保存されていることになるので、電断から復帰した後特定の条件が成立しさえすれば、所定のBGM(BB中サウンド)の出力を行うようにすることができる。なお、所定の条件が成立した場合にセットされるフラグ(BB入賞時ロック解除当籤フラグ)がバックアップデータとして記憶されていたとしても、所定の条件に加えて特定の条件が成立した場合にセットされるフラグ(BB入賞時ロック解除待機フラグやBGM再生中フラグ)がバックアップデータとして記憶されていなければ、電断から復帰した際に、特定の条件が成立するまでは所定のBGM(BB中サウンド)の出力を行わないようにするとよい。これにより、電断が発生した時に既に所定のBGM(BB中サウンド)の出力が開始されている場合にのみ、電断から復帰した直後から所定のBGM(BB中サウンド)の出力を行うようにすることが可能である。
なお、電断からの復帰時においては、電断が発生した時点におけるBGM(BB中サウンド)の再生箇所から(BGMの途中から)再生してもよいし、BGM(BB中サウンド)の最初から再生してもよい。例えば、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出されるよりも前に所定のBGM(BB中サウンド)が出力されているときに電断が発生した場合において、電断が発生してから復帰するまでの時間が所定時間(例えば、1時間)未満である場合には、電断が発生した時点におけるBGM(BB中サウンド)の続きから再生し、電断が発生してから復帰するまでの時間が所定時間(例えば、1時間)以上である場合には、BGM(BB中サウンド)の最初から再生することとしてもよい。あるいは、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出されるよりも前に所定のBGM(BB中サウンド)が出力されているときに電断が発生した場合、電断が発生してから復帰するまでの時間が所定時間(例えば、1時間)未満であることを条件として、所定のBGM(BB中サウンド)を再開することとし、電断が発生してから復帰するまでの時間が所定時間(例えば、1時間)以上である場合には、復帰時に所定のBGM(BB中サウンド)を再生しないこととしてもよい。
第8実施形態では、所定の条件(リールアクション抽籤で1停ロックに当籤すること、又は、BB入賞時ロック解除抽籤に当籤すること)が成立した場合、BB当籤ゲーム又は次のゲームから、所定のBGM(BB中サウンド)の再生が開始されることとして説明した。本発明において、所定の条件が成立した場合に、所定のBGM(BB中サウンド)の出力を開始するタイミングは、特に限定されず、所定の条件が成立した後、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出されるまでの、任意のタイミングを適宜採用することができる。例えば、一の単位遊技において所定の条件が成立した場合、当該単位遊技において全てのリールRL,RC,RRの回転が停止したタイミングで、所定のBGM(BB中サウンド)の出力を開始することとしてもよい。
なお、第8実施形態では、BB入賞時ロック解除抽籤に当籤した場合、当該BB当籤ゲームの次のゲームから所定のBGM(BB中サウンド)の再生が開始されることとして説明した。しかし、本発明において、BB入賞時ロック解除抽籤に当籤した場合に、所定のBGM(BB中サウンド)の出力を開始するタイミングは、特に限定されず、BB入賞時ロック解除抽籤に当籤した後、所定の表示結果(「C_赤SBB」、「C_青SBB」、「C_赤NBB」、又は、「C_青NBB」)が導出されるまでの、任意のタイミングを適宜採用することができる。例えば、BB当籤ゲームの次のゲームまで待つことなく、当該BB当籤ゲームから所定のBGM(BB中サウンド)の出力を開始することとしてもよい。この場合、所定のBGM(BB中サウンド)の出力を開始するタイミングは、スタートレバーが操作された後第1停止操作が行われる前であってもよいし、第1停止操作が行われた後第2停止操作が行われる前であってもよいし、第2停止操作が行われた後第3停止操作が行われる前であってもよいし、第3停止操作が行われた後であってもよい。
また、第8実施形態では、1停ロックに当籤しなかったことを条件としてBB入賞時ロック解除抽籤が行われることとして説明した。従って、BB入賞時ロック解除抽籤に当籤した場合には、1停ロックが行われないことになる。しかし、本発明においては、1停ロックに当籤したか否かにかかわらず、BB入賞時ロック解除抽籤を行うこととしてもよい。すなわち、所定の条件(BB入賞時ロック解除抽籤に当籤すること)が成立した場合においても、遊技ロック(1停ロック)を行うこととしてもよい。この場合、例えば、遊技ロック(1停ロック)の開始と同時に所定のBGM(BB中サウンド)の出力を開始することとしてもよいし、遊技ロックが開始してから終了するまでの間に(遊技ロックが発生している途中で)所定のBGM(BB中サウンド)の出力を開始することとしてもよい。
また、第8実施形態では、所定の条件に関する抽籤(リールアクション抽籤及びBB入賞時ロック解除抽籤)が当籤ゲームにおいて実行されることとして説明したが、当該抽籤は、当籤ゲームに限らず、以降のフラグ間状態において行うこととしてもよい。また、高RT遊技状態(RT3遊技状態)においてBBが内部当籤したことを条件として、当該抽籤を行う(他の遊技状態でBBが内部当籤した場合には当該抽籤を行わない)こととしてもよい。高RT遊技状態においては、遊技者の気分が乗っていると考えられるところ、このような状況で所定のBGM(BB中サウンド)の再生を開始することにより、遊技者の喜びを増大させることができる。また、同色BBが内部当籤したことを条件として当該抽籤を行う(異色BBが内部当籤した場合には当該抽籤を行わない)こととしてもよい。同色BB遊技状態の終了後には、高RT遊技状態への移行に対する期待度が高い遊技状態(RT2遊技状態)へと移行するところ、同色BBが内部当籤した場合に所定のBGM(BB中サウンド)を再生することにより、遊技者にとって望ましい遊技展開を期待させることができる。特に、高RT遊技状態において同色BBが内部当籤したことを条件として当該抽籤を行うような形態を採用する場合、高RT遊技状態において所定のBGM(BB中サウンド)の再生が開始されることは、遊技者にとって望ましい遊技状況が連荘することを意味しており、遊技者の気持ちを大いに盛り上げることができる。
また、第8実施形態では、本発明をパチスロ遊技機に適用した例について説明したが、本発明は、パチンコ遊技機に適用することも可能である。例えば、所定の条件が成立した場合には、特別図柄抽選(始動口に遊技球が入球したことを契機として行われる抽選)の結果が大当りとなった後、特別図柄表示装置において大当りに対応する導出表示が行われるまでの間に、所定のBGM(大当り遊技状態中に流れるBGM)の再生を開始することとしてもよい。所定の条件は、特別図柄抽選の結果により成否が決定されるものであってもよいし、特別図柄抽選とは別途行われる抽選により成否が決定されるものであってもよい。例えば、大当りの種類が複数種類設けられているような形態においては、特別図柄抽選の結果が特定の大当りとなった場合に、大当りに対応する導出表示が行われるよりも前に所定のBGM(大当り遊技状態中に流れるBGM)の再生を開始することとしてもよい。所定のBGM(大当り遊技状態中に流れるBGM)の再生を開始するタイミングは、大当りに対応する導出表示が行われるよりも前であればよく、例えば、特別図柄の可変表示の開始と同時に、所定のBGM(大当り遊技状態中に流れるBGM)の再生を開始することとしてもよいし、特別図柄の可変表示が行われている間に、所定のBGM(大当り遊技状態中に流れるBGM)の再生を開始することとしてもよい。また、特別図柄の可変表示が保留されており、当該保留球に対応する大当り判定の結果が大当りであるような場合に、当該保留球に対応する特別図柄の可変表示が開始されるよりも前に、所定のBGM(大当り遊技状態中に流れるBGM)の再生を開始することとしてもよい。例えば、当該保留球について所謂先読み演出が行われるような場合において、当該保留球とは無関係な特別図柄始動入賞に対応する特別図柄の可変表示が行われているときに、所定のBGM(大当り遊技状態中に流れるBGM)の再生を開始することとしてもよい。そして、このように、大当りに対応する導出表示が行われるよりも前から所定のBGM(大当り遊技状態中に流れるBGM)の再生が行われているときに電断が発生した場合には、該電断から復帰したときにも所定のBGM(大当り遊技状態中に流れるBGM)を出力させるように構成することが可能である。
<付記C2>
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、遊技メダルやコイン等(「メダル等」)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチおよびストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転およびその停止を行うリール制御部とを備え、スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(「内部当籤役」)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、いわゆるパチスロと称される遊技機が知られている。
このような従来の遊技機として、再遊技の作動の契機となる役(リプレイ)の当籤確率が互いに異なる複数の遊技状態の設けられた遊技機が知られている(例えば、特開2010−029273号公報参照)。このような遊技機によれば、各遊技状態は、リプレイの当籤確率に応じて、その有利度合いが異なるため、遊技のバリエーションを広げることができる。
本発明者は、上述したような有利度合いの異なる複数の遊技状態が設けられた遊技機について、鋭意検討を重ねる過程において、現在の遊技状態が何れの遊技状態であるのかを分かり難くすることにより、遊技の興趣を向上させることができるのではないかという考えに至った。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、現在の遊技状態が何れの遊技状態であるのかを分かり難くすることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第8実施形態に係る遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(C2−1) 複数の識別情報を変動表示することが可能な可変表示手段(リールRL,RC,RR)と、
所定の開始契機に基づいて当籤役を決定する役決定手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技者による停止操作を受け付けることが可能な停止操作手段(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R、及び、ストップスイッチ3007LS,3007CS,3007RS)と、
前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作とに基づいて前記可変表示手段における変動表示を停止させることで、表示結果を導出する停止制御手段(図121のステップS22の処理及び図138のステップS325の処理を実行するメインCPU3031)と、
複数の遊技状態のうちの一の遊技状態から他の遊技状態へと、遊技状態を移行させる遊技状態移行手段(図119(b)に示す遊技状態フラグ格納領域及び図119(a)に示す持越役格納領域の設けられたメインRAM3033、並びに、遊技状態フラグ格納領域及び持越役格納領域により遊技状態を制御するメインCPU3031)と、
遊技者による操作が所定時間無効化されるロックを実行することが可能なロック実行手段(図202のステップS3224でリールアクションを実行している間ロックを発生させるメインCPU3031)と、を備え、
前記遊技状態移行手段は、
所定の遊技状態(RT0遊技状態、RT1遊技状態、又は、RT2遊技状態)において前記役決定手段により所定の役(高RT移行リプ又はチェリー)が当籤役として決定されたことを契機として、前記所定の遊技状態から、前記所定の遊技状態とは有利度合いの異なる他の遊技状態(RT3遊技状態又はRT4遊技状態)へと、遊技状態を移行させることが可能であり、
前記ロック実行手段は、
前記所定の遊技状態において前記役決定手段により前記所定の役が当籤役として決定された場合に、前記ロックを実行することが可能である一方、
電断が発生した後該電断から復帰したときの遊技状態が前記所定の遊技状態である場合には、前記役決定手段により前記所定の役が当籤役として決定されたとしても、前記ロックを実行しないことが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第8実施形態に係る遊技機1によれば、有利度合いの互いに異なる遊技状態が複数設けられており、これらの複数の遊技状態のうち所定の遊技状態(RT0遊技状態、RT1遊技状態、又は、RT2遊技状態)において所定の役(高RT移行リプ又はチェリー)が当籤役として決定されたことを契機として、所定の遊技状態(RT0遊技状態、RT1遊技状態、又は、RT2遊技状態)から、所定の遊技状態(RT0遊技状態、RT1遊技状態、又は、RT2遊技状態)とは有利度合いの異なる他の遊技状態(RT3遊技状態又はRT4遊技状態)へと、遊技状態を移行させることが可能である。そして、所定の遊技状態(RT0遊技状態、RT1遊技状態、又は、RT2遊技状態)において所定の役(高RT移行リプ又はチェリー)が当籤役として決定された場合には、ロック(リールアクション)を実行することが可能なように構成されている。従って、ロック(リールアクション)の発生を通じて、遊技者に対して、より有利な遊技状態又は不利な遊技状態(RT3遊技状態又はRT4遊技状態)へと移行する可能性があることを示唆することが可能であり、これにより、ロック(リールアクション)に対する遊技者の関心を高めることができる。一方で、ロック(リールアクション)が発生した場合には、現在の遊技状態が所定の遊技状態(RT0遊技状態、RT1遊技状態、又は、RT2遊技状態)である可能性があり、ロック(リールアクション)の発生を通じて、遊技者が現在の遊技状態を察知することができるような状況にもなっている。これに対し、第8実施形態に係る遊技機1によれば、電断が発生した後該電断から復帰したときの遊技状態が所定の遊技状態(RT0遊技状態、RT1遊技状態、又は、RT2遊技状態)である場合には、所定の役(高RT移行リプ又はチェリー)が当籤役として決定されたとしても、ロック(リールアクション)を実行しないことが可能であるように構成されている。これにより、ロック(リールアクション)の発生によって遊技者が現在の遊技状態を認識することは困難になるため、現在の遊技状態が何れの遊技状態であるのかについて遊技者に推測させる機会を増やすことが可能であり、このことを通じて遊技の興趣を向上させることができる。
第8実施形態では、電源が投入されたとき(電断から復帰したとき)の遊技状態が、設定が変更されない限り、電断が発生したときの遊技状態と同じ遊技状態であることとして説明した。ここで、仮に、電断が発生したときの遊技状態がRT2遊技状態であったとする(例えば、閉店間際に同色BB遊技状態が終了し、RT2遊技状態に移行したようなケースを想定する)。そうすると、設定が変更されていない場合には、翌日の開店に際して電源が投入されたときの遊技状態もRT2遊技状態ということになる。この場合に、所定の役(高RT移行リプ又はチェリー)が当籤役として決定された際に、普段通りロック(リールアクション)を発生させたとすると、設定が変更されていないこと(設定が据え置きであること)を遊技者に見抜かれてしまう可能性がある。この点、第8実施形態に係る遊技機1によれば、電断が発生した後該電断から復帰したときの遊技状態が所定の遊技状態(RT0遊技状態、RT1遊技状態、又は、RT2遊技状態)である場合には、所定の役(高RT移行リプ又はチェリー)が当籤役として決定されたとしても、ロック(リールアクション)を実行しないことが可能であるように構成されている。これにより、上記のようにして、設定が据え置きであることを遊技者に察知されてしまうことを防止することができる。
また、第8実施形態では、設定が変更された場合、設定変更後の遊技状態は原則としてRT0遊技状態となるが、例外的に、設定変更前の遊技状態がRT4遊技状態である場合には、設定変更後の遊技状態もRT4遊技状態となることとして説明した。RT4遊技状態は、最も不利な遊技状態であるところ、設定変更を契機としてRT0遊技状態(RT4遊技状態よりも有利な遊技状態)にセットしてしまうと、遊技者にとって過度に有利な状況を創出してしまう可能性があると考えられる。この点に鑑み、第8実施形態では、設定変更前の遊技状態がRT4遊技状態である場合には、設定変更後においても、RT4遊技状態を保持することとしている。このように、設定を変更した場合にも、予め指定しているRT遊技状態については、設定変更前の遊技状態を引き継ぐように構成することが可能である。
ここで、所定の遊技状態(RT0遊技状態、RT1遊技状態、又は、RT2遊技状態)においては、所定の役(高RT移行リプ又はチェリー)が当籤役として決定された場合に、ロック(リールアクション)を発生させているのに対し、RT4遊技状態ではロック(リールアクション)を発生させていない。RT4遊技状態においては、高RT移行リプが内部当籤することがなく、また、チェリーが入賞したとしても、さらに不利な遊技状態に移行する(転落する)ことがなく、転落の煽りを行う必要がないためである。以上より、設定変更前の遊技状態がRT4遊技状態であれば、設定変更後の遊技状態もRT4遊技状態となり、設定変更前の遊技状態がRT4遊技状態以外の遊技状態であれば、設定変更後の遊技状態はRT0遊技状態となる。そして、何れの場合においても、電断からの復帰時には、ロック(リールアクション)を発生させないようにすることが可能である。
[第9実施形態]
以上、第1実施形態〜第8実施形態について説明した。以下、第9実施形態について説明する。第9実施形態に係る遊技機1の基本的な構成は、第1実施形態〜第8実施形態に係る遊技機1と同じである。以下においては、第1実施形態〜第8実施形態に係る遊技機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態〜第8実施形態における説明が第9実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<装飾ユニット4050>
図203は、装飾ユニットの斜視図である。図204は、装飾ユニットから船用部材及び上側レンズを取り外した状態を示す斜視図である。図205は、装飾ユニットの分解斜視図である。
第4実施形態では、上ドア機構UD(図1参照)に装飾ユニット1050(図65参照)が設けられていることとして説明した。これに対し、第9実施形態では、図203に示す装飾ユニット4050が上ドア機構UDに設けられている。
図203〜図205に示すように、装飾ユニット4050は、上部カバー4110と、ロゴカバー4130と、ロゴシート4131と、背景シート4132と、発光機構4200と、を備えている。具体的には、ロゴカバー4130が最も前方に配置され、ロゴカバー4130の背面側にロゴシート4131が配置され、ロゴシート4131の背面側に発光機構4200が配置されている。
上部カバー4110は、正面視略四角形状の外形を有する部材として形成され、中央部分に開口4111が形成されている。開口4111は、ロゴカバー4130、ロゴシート4131、及び、背景シート4132に対応する形状となっており、装飾ユニット4050が組み立てられた状態においては、ロゴカバー4130、ロゴシート4131、及び、背景シート4132の外縁が、それぞれ、開口4111の周縁と概ね一致することになる。これにより、正面視において、開口4111は、ロゴカバー4130によって全体が塞がれた状態となる。
ロゴカバー4130は、透光性の素材(例えば、アクリル樹脂等)により形成され、図示しない立体的形状(例えば、機種に応じたロゴ等を示す文字形状)を象った装飾が施されている。ロゴシート4131は、透光性の素材(例えば、アクリル樹脂等)により形成され、図示しない模様(例えば、ロゴカバー4130に施された装飾に対応する模様)が施されている。背景シート4132は、透光性の素材(例えば、アクリル樹脂等)により形成され、図示しない模様(例えば、ロゴカバー4130に施された装飾の背景に対応する模様)が施されている。ロゴシート4131及び背景シート4132は、模様印刷用シートに遮光性インキを印刷することにより構成することができる。
装飾ユニット4050が組み立てられた状態において、上部カバー4110の上側には、上側レンズ4150が設けられている。上側レンズ4150は、板状部材を僅かに湾曲させた形状を有しており、背面から後方に突出する突起4151が複数形成されている(図204参照)。なお、図204では、上側レンズ4150以外の構成要素については、前方から見た様子を示しているが、上側レンズ4150については、後方から見た様子を示している。
上部カバー4110における開口4111の上側には、前後方向に貫通する貫通孔4112が左右方向に複数並ぶように形成されており、貫通孔4112の上側には、前後方向に貫通する貫通孔4113が左右方向に複数並ぶように形成されている。上側レンズ4150は、複数の突起4151がそれぞれ上部カバー4110の貫通孔4113内に係合されることにより、上部カバー4110の上面に載置される。
また、装飾ユニット4050が組み立てられた状態において、上部カバー4110における開口4111の周辺(ロゴカバー4130の周辺)には、船用部材4160が設けられている。船用部材4160は、左側船用部材4165と、右側船用部材4170と、左ロープ4175と、中ロープ4180と、右ロープ4185と、を備えている。左側船用部材4165及び左ロープ4175は、ロゴカバー4130の左側に配置され、右側船用部材4170及び右ロープ4185は、ロゴカバー4130の右側に配置され、中ロープ4180は、ロゴカバー4130の上側且つ上側レンズ4150の前面側に配置されている。
また、ロゴカバー4130の下側には、波状部材4190が設けられている。波状部材4190は、波を表現した外観を有している。また、上部カバー4110における開口4111の右側及び左側には、それぞれ、スピーカ用開口4114R,4114Lが形成されている。スピーカ用開口4114R,4114Lの背面側には、スピーカ用パンチング4115R,4115Lが配置される。また、発光機構4200の背面側には、上部ベース4195が配置され、上部ベース4195には、スピーカ用開口4196R,4196Lが形成されている。スピーカ用パンチング4115R,4115Lの背面側であって、スピーカ用開口4196R,4196Lに対応する位置には、図示しないスピーカが配置されている。
<発光機構4200>
図206は、発光機構から仕切部材を取り外した状態を示す正面図である。図207は、仕切部材を前方から見た斜視図である。
図206及び図207に示すように、発光機構4200は、LED基板4210と、仕切部材4220と、を備えている。LED基板4210には、複数のLED(LED4211a〜4211s、及び、LED4212)が設けられている。これらのLEDは、LED基板4210の表面の法線方向(前方向)に光を出射するように設置されている。また、これらのLEDは、フルカラーLEDであり、赤色、青色、及び、緑色を含む複数種類の色を発することが可能である。
仕切部材4220は、正面視四角形形状であり前後方向に所定の長さを有する部材として形成されている。仕切部材4220には、背面側に複数の開口4221a〜4221sが格子状に形成されており、開口4221a〜4221sは、それぞれ、前面側にかけて仕切部材4220を貫通している。これにより、各開口4221a〜4221sに対応して、所定の広がりを有する空間(光通過空間4222a〜4222s)が形成されている。分かりやすくするため、図206では、開口4221a〜4221sを斜線で示している。
発光機構4200が組み立てられた状態において、LED4211a〜4211sは、それぞれ、開口4221a〜4221sと重畳するように位置付けられる。仕切部材4220の内壁面(光通過空間4222a〜4222sに面している部分)は、光を反射するリフレクタとなっている。これにより、LED4211a〜4211sから出射された光は、それぞれ、光通過空間4222a〜4222sを通過することになる。
仕切部材4220における光通過空間4222a〜4222sが形成されている領域(仕切部材4220全体から、図206において網掛けで示す領域を除いた領域)の外形形状は、上部カバー4110における開口4111の形状に相似しており、装飾ユニット4050が組み立てられた状態において、当該領域の外縁は、開口4111の周縁と概ね一致する。従って、光通過空間4222a〜4222sを通過した光は、開口4111を塞ぐように配置された背景シート4132、ロゴシート4131、及び、ロゴカバー4130に到達することになる。
また、仕切部材4220には、光通過空間4222a〜4222sが形成されている領域よりも上側の領域において、前後方向に貫通する貫通孔4223が左右方向に複数並ぶように形成されている。発光機構4200が組み立てられた状態において、複数のLED4212は、それぞれ、貫通孔4223と重畳するように位置付けられる。これにより、LED4212から出射された光は、それぞれ、貫通孔4223を通過することになる。
装飾ユニット4050が組み立てられた状態において、仕切部材4220における貫通孔4223が形成されている領域(図206において網掛けで示す領域)は、上部カバー4110の開口4111よりも上側に存在しており、貫通孔4223は、上部カバー4110の貫通孔4112(図205参照)と重畳するように位置付けられる。従って、仕切部材4220の貫通孔4223を通過した光は、上側レンズ4150の裏面4152(図204参照)に入射する。このようにして、上側レンズ4150へ到達した光は、上側レンズ4150の上面4153を透過して、装飾ユニット4050の外部に放出される。
<仕切部材4220>
図208は、図207に示す仕切部材の部分拡大斜視図である。図209は、一の光通過空間周辺の部分拡大斜視図である。図210は、仕切部材の背面図である。図211は、仕切部材の断面図である。図212は、仕切部材の断面図である。図213は、仕切部材を後方から見た斜視図である。
図207に示す光通過空間4222a〜4222sは、それぞれ、仕切部材4220の内壁面によって、当該空間の範囲が画定されている。図208に示すように、仕切部材4220の内壁面は、右壁面4225a、左壁面4225b、上壁面4225c、及び、下壁面4225dによって構成される。光通過空間4222a〜4222sは、それぞれ、右壁面4225a、左壁面4225b、上壁面4225c、及び、下壁面4225dによって囲まれた空間である。
分かりやすくするため、図208では、光通過空間4222hを画定する内壁面のうち、右壁面4225a、左壁面4225b、及び、下壁面4225dを斜線で示し、上壁面4225cを網掛けで示している。図209では、光通過空間4222hの周辺を拡大して示すとともに、開口4221h(図206参照)を網掛けで示し、右壁面4225aの前端縁、左壁面4225bの前端縁、上壁面4225cの前端縁、及び、下壁面4225dの前端縁を斜線で示している。図210では、開口4221a〜4221s(図206参照)を斜線で示している。右壁面4225aの後端縁、左壁面4225bの後端縁、上壁面4225cの後端縁、及び、下壁面4225dの後端縁は、開口4221a〜4221sの周縁と一致する。
右壁面4225a、左壁面4225b、上壁面4225c、及び、下壁面4225dは、基本的に、略平坦な面として形成されているが、光通過空間4222g〜4222lに対応する(光通過空間4222g〜4222lの上端を規定する)上壁面4225cは、湾曲した形状の面として形成されている。
具体的に、右壁面4225a及び左壁面4225bは、全て平坦である。また、光通過空間4222a〜4222f(上段に位置する光通過空間)及び光通過空間4222m〜4222s(下段に位置する光通過空間)に対応する(光通過空間4222a〜4222f、4222m〜4222sの上端を規定する)上壁面4225c、並びに、光通過空間4222a〜4222f(上段に位置する光通過空間)及び光通過空間4222g〜4222l(中段に位置する光通過空間)に対応する(光通過空間4222a〜4222f、4222g〜4222lの下端を規定する)下壁面4225dは、平坦である。これに対し、光通過空間4222g〜4222lに対応する(光通過空間4222g〜4222lの上端を規定する)上壁面4225cは、上方に凸となるように湾曲している。
図211は、光通過空間4222g〜4222lを画定する仕切部材4220の内壁面のうち、右壁面4225a及び左壁面4225bを通る水平面で切断した様子を示している。図212は、光通過空間4222c、4222i、4222pを画定する仕切部材4220の内壁面のうち、上壁面4225c及び下壁面4225dを通る鉛直面で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図211では、切断面のうち、右壁面4225a及び左壁面4225bを構成する壁部の断面を斜線で示している。また、図212では、切断面のうち、上壁面4225c及び下壁面4225dを構成する壁部の断面を斜線で示している。
右壁面4225a及び左壁面4225bは、平坦であるため、図211において、右壁面4225a及び左壁面4225bを構成する壁部の断面(斜線部分)は、直線状となっている。また、光通過空間4222c、4222pに対応する(光通過空間4222c、4222pの上端を規定する)上壁面4225cは、平坦であるため、図212において、当該上壁面4225cを構成する壁部の断面(斜線部分)は、直線状となっている。また、光通過空間4222c、4222iに対応する(光通過空間4222c、4222iの下端を規定する)下壁面4225dは、平坦であるため、図212において、当該下壁面4225dを構成する壁部の断面(斜線部分)は、直線状となっている。これに対し、光通過空間4222iに対応する(光通過空間4222iの上端を規定する)上壁面4225cは、湾曲しているため、図212において、当該上壁面4225cを構成する壁部の断面(斜線部分)は、曲線状となっている。
また、右壁面4225aの前端縁は、後端縁よりも正面視において右側に位置しており、右壁面4225aは、後方から前方に向かうにつれて右寄りに偏るような傾斜を有している。左壁面4225bの前端縁は、後端縁よりも正面視において左側に位置しており、左壁面4225bは、後方から前方に向かうにつれて左寄りに偏るような傾斜を有している。これにより、図211において、右壁面4225a及び左壁面4225bを構成する壁部の断面(斜線部分)は、ハの字形状となっている。
同様に、上壁面4225cの前端縁は、後端縁よりも正面視において上側に位置しており、上壁面4225cは、後方から前方に向かうにつれて上寄りに偏るような傾斜を有している。下壁面4225dの前端縁は、後端縁よりも正面視において下側に位置しており、下壁面4225dは、後方から前方に向かうにつれて下寄りに偏るような傾斜を有している。
以上のような仕切部材4220の内壁面(右壁面4225a、左壁面4225b、上壁面4225c、及び、下壁面4225d)の構成と関連して、右壁面4225aの前端縁、左壁面4225bの前端縁、上壁面4225cの前端縁、及び、下壁面4225dの前端縁によって囲まれる図形の面積は、右壁面4225aの後端縁、左壁面4225bの後端縁、上壁面4225cの後端縁、及び、下壁面4225dの後端縁によって囲まれる図形の面積よりも大きくなっている。
図209に示す例では、右壁面4225aの前端縁、左壁面4225bの前端縁、上壁面4225cの前端縁、及び、下壁面4225dの前端縁によって囲まれる図形、並びに、右壁面4225aの後端縁、左壁面4225bの後端縁、上壁面4225cの後端縁、及び、下壁面4225dの後端縁によって囲まれる図形が、ともに正面視において略長方形である。そして、図209において斜線で示す4辺によって囲まれる長方形は、網掛けで示す長方形よりも大きくなっている。なお、当該長方形において、上辺及び下辺は、左右方向(水平方向)に形成され、右辺及び左辺は、上下方向(鉛直方向)に形成されている。
また、仕切部材4220を介して左右に隣り合う2つの光通過空間(例えば、光通過空間4222h及び光通過空間4222i)並びに上下に隣り合う2つの光通過空間(例えば、光通過空間4222b及び光通過空間4222h)に着目した場合、左側の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)に対応する右壁面4225aと右側の光通過空間(例えば、光通過空間4222i)に対応する左壁面4225bとの距離は、下側の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)に対応する上壁面4225cと上側の光通過空間(例えば、光通過空間4222b)に対応する下壁面4225dとの距離よりも大きくなっている。
具体的に、「左側の光通過空間に対応する右壁面4225aと右側の光通過空間に対応する左壁面4225bとの距離」は、左側の光通過空間に対応する右壁面4225aの後端縁と右側の光通過空間に対応する左壁面4225bの後端縁との距離(図210においてX(1)〜X(15)で示す長さ)の平均で表される。また、「下側の光通過空間に対応する上壁面4225cと上側の光通過空間に対応する下壁面4225dとの距離」は、下側の光通過空間に対応する上壁面4225cの後端縁と上側の光通過空間に対応する下壁面4225dの後端縁との距離(図210においてY(1)〜Y(12)で示す長さ)の平均で表される。X(1)〜X(15)の長さの平均は、Y(1)〜Y(12)の長さの平均よりも大きくなっている。
なお、図210において、X(1)は、光通過空間4222aに対応する右壁面4225aの後端縁と光通過空間4222bに対応する左壁面4225bの後端縁との距離である。X(2)は、光通過空間4222bに対応する右壁面4225aの後端縁と光通過空間4222cに対応する左壁面4225bの後端縁との距離である。X(3)は、光通過空間4222cに対応する右壁面4225aの後端縁と光通過空間4222dに対応する左壁面4225bの後端縁との距離である。X(4)は、光通過空間4222dに対応する右壁面4225aの後端縁と光通過空間4222eに対応する左壁面4225bの後端縁との距離である。X(5)は、光通過空間4222eに対応する右壁面4225aの後端縁と光通過空間4222fに対応する左壁面4225bの後端縁との距離である。X(6)は、光通過空間4222gに対応する右壁面4225aの後端縁と光通過空間4222hに対応する左壁面4225bの後端縁との距離である。X(7)は、光通過空間4222hに対応する右壁面4225aの後端縁と光通過空間4222iに対応する左壁面4225bの後端縁との距離である。X(8)は、光通過空間4222iに対応する右壁面4225aの後端縁と光通過空間4222jに対応する左壁面4225bの後端縁との距離である。X(9)は、光通過空間4222jに対応する右壁面4225aの後端縁と光通過空間4222kに対応する左壁面4225bの後端縁との距離である。X(10)は、光通過空間4222kに対応する右壁面4225aの後端縁と光通過空間4222lに対応する左壁面4225bの後端縁との距離である。X(11)は、光通過空間4222mに対応する右壁面4225aの後端縁と光通過空間4222nに対応する左壁面4225bの後端縁との距離である。X(12)は、光通過空間4222nに対応する右壁面4225aの後端縁と光通過空間4222pに対応する左壁面4225bの後端縁との距離である。X(13)は、光通過空間4222pに対応する右壁面4225aの後端縁と光通過空間4222qに対応する左壁面4225bの後端縁との距離である。X(14)は、光通過空間4222qに対応する右壁面4225aの後端縁と光通過空間4222rに対応する左壁面4225bの後端縁との距離である。X(15)は、光通過空間4222rに対応する右壁面4225aの後端縁と光通過空間4222sに対応する左壁面4225bの後端縁との距離である。
Y(1)は、光通過空間4222gに対応する上壁面4225cの後端縁と光通過空間4222aに対応する下壁面4225dの後端縁との距離である。Y(2)は、光通過空間4222mに対応する上壁面4225cの後端縁と光通過空間4222gに対応する下壁面4225dの後端縁との距離である。Y(3)は、光通過空間4222hに対応する上壁面4225cの後端縁と光通過空間4222bに対応する下壁面4225dの後端縁との距離である。Y(4)は、光通過空間4222nに対応する上壁面4225cの後端縁と光通過空間4222hに対応する下壁面4225dの後端縁との距離である。Y(5)は、光通過空間4222iに対応する上壁面4225cの後端縁と光通過空間4222cに対応する下壁面4225dの後端縁との距離である。Y(6)は、光通過空間4222pに対応する上壁面4225cの後端縁と光通過空間4222iに対応する下壁面4225dの後端縁との距離である。Y(7)は、光通過空間4222jに対応する上壁面4225cの後端縁と光通過空間4222dに対応する下壁面4225dの後端縁との距離である。Y(8)は、光通過空間4222qに対応する上壁面4225cの後端縁と光通過空間4222jに対応する下壁面4225dの後端縁との距離である。Y(9)は、光通過空間4222kに対応する上壁面4225cの後端縁と光通過空間4222eに対応する下壁面4225dの後端縁との距離である。Y(10)は、光通過空間4222rに対応する上壁面4225cの後端縁と光通過空間4222kに対応する下壁面4225dの後端縁との距離である。Y(11)は、光通過空間4222lに対応する上壁面4225cの後端縁と光通過空間4222fに対応する下壁面4225dの後端縁との距離である。Y(12)は、光通過空間4222sに対応する上壁面4225cの後端縁と光通過空間4222lに対応する下壁面4225dの後端縁との距離である。
また、右壁面4225a、左壁面4225b、上壁面4225c、及び、下壁面4225dを構成する壁部は、略一様の厚みを有している。このことに起因して、仕切部材4220を介して左右に隣り合う2つの光通過空間(例えば、光通過空間4222h及び光通過空間4222i)並びに上下に隣り合う2つの光通過空間(例えば、光通過空間4222b及び光通過空間4222h)に着目した場合、左側の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)に対応する右壁面4225aを構成する壁部と右側の光通過空間(例えば、光通過空間4222i)に対応する左壁面4225bを構成する壁部との間には、後方から見たときに空洞が形成される(図213参照)。同様に、下側の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)に対応する上壁面4225cを構成する壁部と上側の光通過空間(例えば、光通過空間4222b)に対応する下壁面4225dを構成する壁部との間には、空洞が形成される。
このような空洞の例として、図213では、光通過空間4222hと光通過空間4222iとの間に形成された空洞4228a、及び、光通過空間4222bと光通過空間4222hとの間に形成された空洞4228bを示している。図から、空洞4228aは三角柱形状を有していることが分かる。
ここで、発光機構4200が組み立てられた状態において、右壁面4225aの後端縁、左壁面4225bの後端縁、上壁面4225cの後端縁、及び、下壁面4225dの後端縁は、LED基板4210の表面に略当接する。従って、LED4211a〜4211sから出射された光は、上記空洞部分に進行することはなく、全て光通過空間4222a〜4222sの内部に入ることとなる。
<装飾ユニット4050における発光演出>
本実施形態では、以上のように構成された装飾ユニット4050により、LED(LED4211a〜4211s、及び、LED4212)を用いた発光演出が行われる。
以上で説明したように、仕切部材4220には、LED4211a〜4211sから出射された光が通過可能な空間として、光通過空間4222a〜4222sがマトリクス状に形成されている。仕切部材4220を介して左右に隣り合う2つの光通過空間並びに上下に隣り合う2つの光通過空間に着目した場合、左側の光通過空間と右側の光通過空間との間には、上下方向に延在する仕切部材4220が存在し、左側の光通過空間と右側の光通過空間とは、当該仕切部材4220によって隔てられている。また、下側の光通過空間と上側の光通過空間との間には、左右方向に延在する仕切部材4220が存在し、下側の光通過空間と上側の光通過空間とは、当該仕切部材4220によって隔てられている。
このように、仕切部材4220は、上下方向に延在する部分と左右方向に延在する部分とによって構成されており、このような上下方向及び左右方向の仕切り部分によって、LED4211a〜4211sから出射された光が通過可能な空間は、格子状に形成されている。上述したように、仕切部材4220の前面側には、背景シート4132、ロゴシート4131、及び、ロゴカバー4130が配置されている。従って、LED4211a〜4211sを点灯させた場合には、ロゴカバー4130上に上記仕切り部分に対応する陰を生じさせることが可能であり、その結果、ロゴカバー4130のうちLED4211a〜4211sによって照射される部分を、当該陰によって区切り、LED4211a〜4211sによる照射箇所を点在させる(ドット感を表現する)ことができる。これにより、例えば、第7実施形態で説明したフリーズが発生した場合に行われるフリーズ演出において、当該ドット感を利用して、パソコンがフリーズしたように見せることができる。
一方で、上述したように、ロゴカバー4130には、所定の立体的形状(例えば、機種に応じたロゴ等を示す文字形状)を象った装飾が施されており、通常時(上記フリーズ演出のような演出が行われていないとき)には、上記仕切り部分に対応する陰が目立たないようにすることが望ましい。
この点、本実施形態では、右壁面4225aの前端縁、左壁面4225bの前端縁、上壁面4225cの前端縁、及び、下壁面4225dの前端縁によって囲まれる図形の面積が、右壁面4225aの後端縁、左壁面4225bの後端縁、上壁面4225cの後端縁、及び、下壁面4225dの後端縁によって囲まれる図形の面積よりも大きくなっている(図209参照)。すなわち、光通過空間4222a〜4222sは、後方よりも前方の方がその範囲が拡大されるように構成されている。これにより、LED4211a〜4211sから出射された光が仕切部材4220の内壁面(右壁面4225a、左壁面4225b、上壁面4225c、及び、下壁面4225d)において反射する際の入射角を大きくすることが可能であり、当該光を仕切部材4220の仕切り部分近傍に集めることができる。その結果、ロゴカバー4130に生じる上記陰を薄くすることができる。
特に、上述したように、上壁面4225cは湾曲するように構成されているため、左右方向に延在する仕切り部分近傍に、より効率的に集光することができる。従って、ロゴカバー4130に生じる陰のうち左右方向に延在する仕切り部分に対応する陰を、上下方向に延在する仕切り部分に対応する陰よりも薄くすることが可能であり、これらの陰の濃さに差異を生じさせることができる。その結果、これらの陰が同程度の濃さで生じている場合と比較して、見た目上のドット感を低減させることが可能であり、当該陰を遊技者が知覚し難い状況を作り出すことができる。
<海をモチーフとしたデザイン>
図214は、仕切部材を上方から見た斜視図である。図215は、発光機構及び背景シートの分解斜視図である。図216は、上部カバーを上方から見た斜視図である。図217は、仕切部材、上部カバー、ロゴカバー、ロゴシート、及び、背景シートを示す断面図である。図218は、仕切部材、上部カバー、及び、波状部材を分解して示す正面図である。図219は、装飾ユニットが組み立てられた状態における仕切部材、上部カバー、及び、波状部材を抽出して示す正面図である。
図214に示すように、仕切部材4220は、下側部分における前端部近傍に波状構造部4230を有している。波状構造部4230は、山なりの形状に湾曲して形成された複数の山なり部4230a〜4230dが連なることにより構成されている。波状構造部4230は、光通過空間4222m〜4222s(下段に位置する光通過空間)に対応する(光通過空間4222m〜4222sの下端を規定する)下壁面4225dと連続しており、このことに起因して、光通過空間4222m〜4222sに対応する下壁面4225dは、不規則に湾曲した形状を有している。なお、分かりやすくするため、図214では、波状構造部4230の上面を網掛けで示し、波状構造部4230の前端縁を黒で示している。
波状構造部4230の前端縁は、仕切部材4220の内壁面(右壁面4225a、左壁面4225b、上壁面4225c、及び、下壁面4225d)の前端縁よりも前方に位置しており、背景シート4132は、その裏面が波状構造部4230の前端縁に当接するように配置される。従って、仕切部材4220の内壁面(右壁面4225a、左壁面4225b、上壁面4225c、及び、下壁面4225d)と背景シート4132の裏面との間には、一定の間隙が生じ、仕切部材4220の内壁面と背景シート4132の裏面とは当接しないことになる(図217参照)。
なお、図215に示すように、背景シート4132は、下縁部4132aが波状構造部4230に相似する形状となっており、仕切部材4220及び背景シート4132は、背景シート4132の下縁部4132aが波状構造部4230の前端縁と正面視において重畳するように配置される。また、図216に示すように、上部カバー4110における開口4111の周縁のうちの下側に位置する下縁部4111aも、波状構造部4230に相似する形状となっている。図216では、上部カバー4110における開口4111の下縁部4111aを黒で示している。
また、ロゴカバー4130及びロゴシート4131も、その下縁部が波状構造部4230に相似する形状となっている(図205参照)。これにより、ロゴシート4131は、その下縁部近傍が上部カバー4110における開口4111の下縁部4111aの前端と合致するように配置される。ロゴカバー4130は、裏面の略全体がロゴシート4131の表面と当接するように配置される。一方、背景シート4132は、その下縁部4132a近傍が上部カバー4110における開口4111の下縁部4111aの後端と合致するように配置される。従って、背景シート4132とロゴシート4131とは、上部カバー4110の下縁部4111aにおける前後方向に亘る長さだけ、離間して配置されることになる(図217参照)。
なお、図217では、装飾ユニット4050が組み立てられた状態における仕切部材4220、上部カバー4110、ロゴカバー4130、ロゴシート4131、及び、背景シート4132の相対的な位置関係を保ちつつ、前後方向の鉛直面で切断した様子を示している。分かりやすくするため、図中、仕切部材4220の波状構造部4230及び上部カバー4110の下縁部4111aを網掛けで示し、ロゴカバー4130及び背景シート4132を斜線で示し、光通過空間4222iを黒で示している。
さらに、図218に示すように、波状部材4190(図203参照)の上縁部4190aも、仕切部材4220の波状構造部4230及び上部カバー4110における開口4111の下縁部4111aに相似する形状となっている。装飾ユニット4050が組み立てられた状態においては、波状部材4190が上部カバー4110の前面側に配置され、波状部材4190の上縁部4190aと上部カバー4110の下縁部4111aと仕切部材4220の波状構造部4230とが正面視において重畳するように位置付けられる(図219参照)。
また、上部カバー4110における開口4111の周辺(ロゴカバー4130の周辺)には、船用部材4160(図204参照)が設けられている。船用部材4160の構成要素である左側船用部材4165及び右側船用部材4170は、それぞれ、船に関連する物体(錨及び舵)を表現した外観を呈している。以上より、装飾ユニット4050は、全体的に、海を連想させるようなデザインを有している。
ここで、本実施形態では、上述したように、ロゴカバー4130に生じる陰のうち左右方向に延在する仕切り部分に対応する陰を、上下方向に延在する仕切り部分に対応する陰よりも薄くすることができる。その結果、上下方向に延在する仕切り部分に対応する陰は、相対的に遊技者によって知覚されやすくなる。
当該陰は、光通過空間4222a,4222g,4222mと光通過空間4222b,4222h,4222nとを隔てる仕切り部分、光通過空間4222b,4222h,4222nと光通過空間4222c,4222i,4222pとを隔てる仕切り部分、光通過空間4222c,4222i,4222pと光通過空間4222d,4222j,4222qとを隔てる仕切り部分、光通過空間4222d,4222j,4222qと光通過空間4222e,4222k,4222rとを隔てる仕切り部分、及び、光通過空間4222e,4222k,4222rと光通過空間4222f,4222l,4222sとを隔てる仕切り部分に対応している。従って、遊技者が当該陰を知覚する場合、当該陰は、これらの仕切り部分に対応する5本の縦線として認識される。
そして、ロゴカバー4130の下方前面側には、波の形状を有する波状部材4190が配置されている。これにより、装飾ユニット4050を見る角度によっては、波状部材4190と上記5本の縦線とが相俟って、いわば蒲鉾状の外観を呈することが可能であり、あたかも波打っているかのような立体感を醸し出すことができる。また、上下方向に延在する仕切り部分は、波状部材4190における山に相当する部分及び谷に相当する部分に配置されるため(図219参照)、上記5本の縦線も、当該山及び谷に相当する部分に生じることになり、上記立体感を強調することができる。さらに、図216に示すように、上部カバー4110の上側部分には、レンズ設置面4140が設けられている。レンズ設置面4140は、上側レンズ4150(図205参照)の設置箇所であり、上側レンズ4150によって上から覆われる部分である。レンズ設置面4140は、中央部分が前方に突出するように形成されており、レンズ設置面4140の前端は、開口4111における下縁部4111aの前端よりも前方に位置している。これにより、あたかも波が押し寄せてくるかのような世界観も表現することができる。
<船用部材4160>
図220は、上部カバーにおける左側スピーカ用開口周辺を前方から見た部分拡大斜視図である。図221は、上部カバーにおける左側スピーカ用開口周辺を後方から見た部分拡大斜視図である。図222は、左ロープ、左側船用部材、及び、中ロープの左側部分を前方から見た分解斜視図である。図223は、左ロープ、左側船用部材、及び、中ロープの左側部分を後方から見た分解斜視図である。図224は、上部カバーにおける右側スピーカ用開口周辺を前方から見た部分拡大斜視図である。図225は、中ロープの右側部分、右側船用部材、及び、右ロープを前方から見た分解斜視図である。図226は、中ロープの右側部分、右側船用部材、及び、右ロープを後方から見た分解斜視図である。
図220及び図221に示すように、上部カバー4110の前面側において、左スピーカ用開口4114L近傍には、ロープ係合部4121が形成されている。図220では、ロープ係合部4121を斜線で示している。ロープ係合部4121は、曲線状に切り欠いた形状を有しており、周囲の面よりも凹んだ構造となっている。また、上部カバー4110の左スピーカ用開口4114L近傍には、ロープ係合部4122が形成されている。ロープ係合部4122は、正面視矩形状の開口として形成されている。ロープ係合部4122の背面側においては、矩形状の開口の周縁を規定する4辺のうちの1辺に対応するロープ係合面4122aが他の3辺に対応する面よりも前方に位置している。図221では、ロープ係合面4122aを斜線で示している。
また、上部カバー4110の前面側において、左スピーカ用開口4114Lの上部には、リング形状を有するリング部4123が形成されている。リング部4123は、円弧形状の2つの部分(ロープ当接部4123a及び錨当接部4123b)から構成されている。図220では、ロープ当接部4123a及び錨当接部4123bをそれぞれ斜線で示している。ロープ当接部4123aは、前面側の面が略平坦に形成されているのに対し、錨当接部4123bは、前面側の面が僅かに凹んだ湾曲状の面となっている。また、リング部4123の内側部分は、開口となっており、当該開口の周縁には、内側に向けて突出する突起4124が形成されている。
図222及び図223に示すように、左ロープ4175の背面側には、上部カバー係合部4176が形成されている。図223では、上部カバー係合部4176を斜線で示している。上部カバー係合部4176は、背面視において上部カバー4110のロープ係合部4121に相似する形状を有しており、周囲よりも隆起した構造となっている。また、左ロープ4175の背面側には、上部カバー係合部4177が形成されている。上部カバー係合部4177は、後端部において右方(図223における左側)に突設された爪4177aを有している。
船用部材4160を上部カバー4110に取り付ける際には、左ロープ4175の上部カバー係合部4176を上部カバー4110のロープ係合部4121に嵌合させる。これにより、左ロープ4175の爪4177aが上部カバー4110のロープ係合面4122aに当接した状態となり、左ロープ4175の爪4177aの前方への移動が規制される。このようにして、左ロープ4175は、上部カバー4110のロープ係合部4122によって係止される。
また、左ロープ4175の背面側には、上部カバー当接面4178aが設けられている。上部カバー当接面4178aは、略平坦な面として形成されている。左ロープ4175の前面側において、上部カバー当接面4178aに対応する位置には、錨当接面4178bが設けられている。錨当接面4178bは、僅かに凹んだ湾曲状の面となっている。
また、左ロープ4175には、ネジ孔4179a及びボス部4179bが形成されている。上部カバー4110のネジ孔4125aを挿通させたネジを、左ロープ4175のボス部4179bに形成された穴にねじ込むことによって、左ロープ4175が上部カバー4110に取り付けられる。この状態において、左ロープ4175の上部カバー当接面4178aは、上部カバー4110のロープ当接部4123aと当接する。また、左ロープ4175におけるネジ孔4179aの形成位置は、上部カバー4110におけるネジ孔4125bの形成位置に対応している。
左側船用部材4165は、上方にリング部4166を有している。リング部4166は、リング形状に形成されており、前面側には凹状に切り欠いた切り欠き4166aを有している。左側船用部材4165の背面側には、後方に向けて僅かに突出する突起4167が形成されるとともに、複数のボス部4168(4168a、4168b、及び、4168c)が形成されている。
また、中ロープ4180の左端部には、突起収容部4181aが形成されている。突起収容部4181aは、比較的小さなリング構造を有しており、突起収容部4181aの内側部分は、ネジ孔と同様の孔となっている。また、中ロープ4180には、錨当接部4182a、ネジ孔4183a、及び、ボス部4184が形成されている。
船用部材4160が上部カバー4110に取り付けられた状態においては、左側船用部材4165のリング部4166における背面側部分が上部カバー4110の錨当接部4123b及び左ロープ4175の錨当接面4178bと当接する。また、左側船用部材4165における突起4167の後端が上部カバー4110の突起4124と近接するように位置付けられる。そして、左側船用部材4165の突起4167は、中ロープ4180の突起収容部4181aに形成された孔を貫通し、突起収容部4181aは、突起4167を囲むように位置付けられる。このようにして、中ロープ4180の突起収容部4181aは、上部カバー4110と左側船用部材4165との間に配置される。
中ロープ4180は、突起収容部4181a近傍が左側船用部材4165におけるリング部4166の背面側に配置されるのに対し、正面視において上部カバー4110の錨当接部4123bに対応する部分が左側船用部材4165におけるリング部4166の前面側に配置される。具体的に、中ロープ4180における当該部分は、背面側における形状が左側船用部材4165の切り欠き4166aに対応する形状となっており、切り欠き4166aに嵌合するように配置される。
また、中ロープ4180の錨当接部4182aは、左側船用部材4165における尖頭部4169の背面側に配置される。具体的に、錨当接部4182aの形状は、尖頭部4169の背面側形状に対応しており、左側船用部材4165は、尖頭部4169が中ロープ4180の錨当接部4182aに嵌合するように配置される。また、中ロープ4180におけるネジ孔4183aの形成部分は、上部カバー4110における間隙部4123c(ロープ当接部4123aと錨当接部4123bとの間に存在する隙間部分)に配置され、左側船用部材4165におけるリング部4166の背面側に位置付けられる。
中ロープ4180におけるネジ孔4183aの形成位置は、左側船用部材4165におけるボス部4168aの形成位置に対応している。中ロープ4180のネジ孔4183aを挿通させたネジを、左側船用部材4165のボス部4168aに形成された穴にねじ込むことによって、中ロープ4180が左側船用部材4165に取り付けられる。
また、左側船用部材4165におけるボス部4168bの形成位置は、上部カバー4110におけるネジ孔4125bの形成位置及び左ロープ4175におけるネジ孔4179aに対応している。上部カバー4110のネジ孔4125b及び左ロープ4175のネジ孔4179aを挿通させたネジを、左側船用部材4165のボス部4168bに形成された穴にねじ込むことによって、上部カバー4110と左ロープ4175と左側船用部材4165とが固定される。
また、左側船用部材4165におけるボス部4168cの形成位置は、上部カバー4110におけるネジ孔4125cの形成位置に対応している。上部カバー4110のネジ孔4125cを挿通させたネジを、左側船用部材4165のボス部4168cに形成された穴にねじ込むことによって、上部カバー4110と左側船用部材4165とが固定される。
また、中ロープ4180におけるボス部4184の形成位置は、上部カバー4110におけるネジ孔4125dの形成位置に対応している。上部カバー4110のネジ孔4125dを挿通させたネジを、中ロープ4180のボス部4184に形成された穴にねじ込むことによって、上部カバー4110と中ロープ4180とが固定される。
図224に示すように、上部カバー4110の前面側において、右スピーカ用開口4114LRの周縁近傍には、複数の舵当接部4126が形成されている。舵当接部4126は、前面側の面が僅かに凹んだ湾曲状の面となっている。また、一の舵当接部4126近傍には、突起対向部4127が形成されている。
図225及び図226に示すように、右側船用部材4170は、放射状に伸びる放射状部4171を複数有している。また、一の放射状部4171における背面側には、後方に向けて僅かに突出する突起4172が形成されている。また、中ロープ4180の右端部には、突起収容部4181bが形成されている。突起収容部4181bは、突起収容部4181aと同様に、比較的小さなリング構造を有しており、突起収容部4181bの内側部分は、ネジ孔と同様の孔となっている。突起収容部4181bの周囲には、切り欠き4181cが形成されている。切り欠き4181cは、突起収容部4181bの周囲を矩形状に切り欠いた構造を有している。また、中ロープ4180には、舵当接部4182bが形成されている。
また、右ロープ4185の左端部には、突起収容部4186が形成されている。突起収容部4186は、中ロープ4180の突起収容部4181a、4181bと同様に、比較的小さなリング構造を有しており、突起収容部4186の内側部分は、ネジ孔と同様の孔となっている。また、右ロープ4185には、舵当接部4187及びネジ孔4188が形成されている。
船用部材4160が上部カバー4110に取り付けられた状態においては、右側船用部材4170の放射状部4171における背面側部分が、上部カバー4110の舵当接部4126、中ロープ4180の舵当接部4182b、及び、右ロープ4185の舵当接部4187と当接する。上部カバー4110の舵当接部4126、中ロープ4180の舵当接部4182b、及び、右ロープ4185の舵当接部4187は、それぞれ、放射状部4171の背面側形状に対応する形状を有しており、右側船用部材4170は、各放射状部4171が上部カバー4110、中ロープ4180、及び、右ロープ4185に嵌合するように配置される。
また、中ロープ4180は、突起収容部4181bの背面側部分が上部カバー4110の突起対向部4127と当接するように配置される。右ロープ4185は、突起収容部4186における左上の角張った部分が中ロープ4180の切り欠き4181cに嵌合し、中ロープ4180の突起収容部4181bに形成された孔と右ロープ4185の突起収容部4186に形成された孔とが連通する。そして、右側船用部材4170における突起4172は、右ロープ4185の突起収容部4186に形成された孔を貫通し、右ロープ4185の突起収容部4186及び中ロープ4180の突起収容部4181bは、それぞれ、右側船用部材4170の突起4172を囲むように位置付けられる。このようにして、右ロープ4185の突起収容部4186及び中ロープ4180の突起収容部4181bは、上部カバー4110と右側船用部材4170との間に配置される。
また、右側船用部材4170におけるボス部4173aの形成位置は、上部カバー4110におけるネジ孔4125eの形成位置に対応している。上部カバー4110のネジ孔4125eを挿通させたネジを、右側船用部材4170のボス部4173aに形成された穴にねじ込むことによって、上部カバー4110と右側船用部材4170とが固定される。
また、右側船用部材4170におけるボス部4173bの形成位置は、右ロープ4185におけるネジ孔4188の形成位置に対応している。右ロープ4185のネジ孔4188を挿通させたネジを、右側船用部材4170のボス部4173bに形成された穴にねじ込むことによって、右ロープ4185と右側船用部材4170とが固定される。
船用部材4160は、以上のように構成されているため、組み立て工程において、各構成要素の位置関係を保持しつつ、上部カバー4110に対して簡易且つ安定的に取り付けることができる。また、船用部材4160を上部カバー4110に取り付けた後も、強度を確保することができる。
以上、本発明の一実施形態として、第9実施形態に係る遊技機1について説明した。
<付記D>
従来、発光装飾部を備え、光源の発光による演出を行うことが可能な遊技機が知られている(例えば、特開2013−013686号公報参照)。
一般的に、上述したような発光手段を備える遊技機においては、各種の演出を行うことにより遊技の興趣を向上させることが求められている。本発明者は、このような遊技機について、鋭意検討を重ねる過程において、発光手段から発せられる光の通過経路に配置される部材に関して工夫を凝らすことにより、新たなエンターテインメント性を創出することができるのではないかという考えに至った。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、発光手段を備える遊技機において新たなエンターテインメント性を創出することを目的とする。
この点、第9実施形態に係る遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(D−1) 光を発することが可能な複数の発光手段(LED4211a〜4211s)と、
一の発光手段から発せられる光の通過経路と他の発光手段から発せられる光の通過経路とを仕切る仕切部材(仕切部材4220)と、を備え、
前記仕切部材は、互いに異なる方向に形成された第1仕切部(上下方向に延在する仕切り部分)及び第2仕切部(左右方向に延在する仕切り部分)を備え、前記第1仕切部及び前記第2仕切部によって、前記発光手段から発せられる光が通過可能な複数の光通過空間(光通過空間4222a〜4222s)を形成しており、
前記複数の光通過空間のうちの一の光通過空間を第1の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)と表記し、前記第1の光通過空間に対し前記第1仕切部を介して隣り合う光通過空間を第2の光通過空間(例えば、光通過空間4222i)と表記し、前記第1の光通過空間に対し前記第2仕切部を介して隣り合う光通過空間を第3の光通過空間(例えば、光通過空間4222b)と表記したとき、前記第1の光通過空間と前記第3の光通過空間とを隔てる前記第2仕切部の幅は、前記第1の光通過空間と前記第2の光通過空間とを隔てる前記第1仕切部の幅よりも小さく、前記第1の光通過空間と前記第3の光通過空間とを隔てる前記第2仕切部は、前記第1の光通過空間に面した部分が湾曲している、
ことを特徴とする遊技機。
第9実施形態に係る遊技機1によれば、仕切部材(仕切部材4220)は、互いに異なる方向に形成された第1仕切部(上下方向に延在する仕切り部分)及び第2仕切部(左右方向に延在する仕切り部分)を備え、第1仕切部(上下方向に延在する仕切り部分)及び第2仕切部(左右方向に延在する仕切り部分)によって、発光手段(LED4211a〜4211s)から発せられる光が通過可能な複数の光通過空間(光通過空間4222a〜4222s)を形成している。ここで、複数の光通過空間(光通過空間4222a〜4222s)のうちの一の光通過空間を第1の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)と表記し、第1の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)に対し第1仕切部(上下方向に延在する仕切り部分)を介して隣り合う光通過空間を第2の光通過空間(例えば、光通過空間4222i)と表記し、第1の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)に対し第2仕切部(左右方向に延在する仕切り部分)を介して隣り合う光通過空間を第3の光通過空間(例えば、光通過空間4222b)と表記する。第1の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)と第3の光通過空間(例えば、光通過空間4222b)とを隔てる第2仕切部(左右方向に延在する仕切り部分)の幅は、第1の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)と第2の光通過空間(例えば、光通過空間4222i)とを隔てる第1仕切部(上下方向に延在する仕切り部分)の幅よりも小さくなっている。また、第1の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)と第3の光通過空間(例えば、光通過空間4222b)とを隔てる第2仕切部(左右方向に延在する仕切り部分)は、第1の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)に面した部分が湾曲している。本発明者は、第1仕切部(上下方向に延在する仕切り部分)及び第2仕切部(左右方向に延在する仕切り部分)をこのように構成することにより、第1仕切部(上下方向に延在する仕切り部分)の存在する箇所よりも第2仕切部(左右方向に延在する仕切り部分)の存在する箇所の方が、遊技者から見て明るく知覚されやすくなるような視覚的効果を創出することができることを見出した。このようにして、第9実施形態に係る遊技機1によれば、第1仕切部(上下方向に延在する仕切り部分)の形成されている方向における明るさと第2仕切部(左右方向に延在する仕切り部分)の形成されている方向における明るさとの間に差異を生じさせることが可能であり、このような明るさの違いを各種演出に利用することができる。
(D−2) 光を発することが可能な発光手段(LED4211a〜4211s)と、
一の前記発光手段から発せられる光が通過可能な光通過空間(光通過空間4222a〜4222s)を画定する仕切部材(仕切部材4220)と、を備え、
前記仕切部材は、前記光通過空間に面する内側面(内壁面)を備え、
前記内側面は、互いに対向する第1の面(右壁面4225a)及び第2の面(左壁面4225b)、並びに、前記第1の面と前記第2の面とを接続する第3の面(上壁面4225c)を備え、前記第1の面及び前記第2の面が平坦に形成されている一方、前記第3の面が湾曲して形成されており、
前記内側面の前端縁によって形成される図形の面積が前記内側面の後端縁によって形成される図形の面積よりも大きくなっている、
ことを特徴とする遊技機。
第9実施形態に係る遊技機1によれば、仕切部材(仕切部材4220)は、一の発光手段(LED4211a〜4211s)から発せられる光が通過可能な光通過空間(光通過空間4222a〜4222s)を画定するとともに、光通過空間(光通過空間4222a〜4222s)に面する内側面(内壁面)を備えている。内側面(内壁面)は、互いに対向する第1の面(右壁面4225a)及び第2の面(左壁面4225b)、並びに、第1の面(右壁面4225a)と第2の面(左壁面4225b)とを接続する第3の面(上壁面4225c)を備え、第1の面(右壁面4225a)及び第2の面(左壁面4225b)が平坦に形成されている一方、第3の面(上壁面4225c)が湾曲して形成されている。また、内側面(内壁面)の前端縁によって形成される図形の面積が内側面(内壁面)の後端縁によって形成される図形の面積よりも大きくなっている。本発明者は、仕切部材(仕切部材4220)をこのように構成することにより、第1の面(右壁面4225a)及び第2の面(左壁面4225b)の存在する箇所よりも第3の面(上壁面4225c)の存在する箇所の方が、遊技者から見て明るく知覚されやすくなるような視覚的効果を創出することができることを見出した。このようにして、第9実施形態に係る遊技機1によれば、仕切部材(仕切部材4220)の位置に応じて明るさに差異を生じさせることが可能であり、このような明るさの違いを各種演出に利用することができる。
(D−3) 光を発することが可能な複数の発光手段(LED4211a〜4211s)と、
開口(開口4111)の形成されたベース部材(上部カバー4110)と、
正面視において前記開口の少なくとも一部を塞ぐように配置され、前記発光手段から発せられた光によって照射される照射対象部材(ロゴカバー4130)と、
前記発光手段と前記照射対象部材との間に配置され、前記発光手段から発せられる光が通過可能な複数の光通過空間(光通過空間4222a〜4222s)を画定する仕切部材(仕切部材4220)と、を備え、
前記複数の光通過空間のうちの一の光通過空間を第1の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)と表記し、前記第1の光通過空間の所定方向側(右側)において前記仕切部材を介して前記第1の光通過空間と隣り合う光通過空間を第2の光通過空間(例えば、光通過空間4222i)と表記し、前記第1の光通過空間の前記所定方向側とは異なる方向側(上側)において前記仕切部材を介して前記第1の光通過空間と隣り合う光通過空間を第3の光通過空間(例えば、光通過空間4222b)と表記したとき、前記第1の光通過空間と前記第2の光通過空間とを隔てる前記仕切部材は、前記第1の光通過空間に面した部分(右壁面4225a)及び前記第2の光通過空間に面した部分(左壁面4225b)がともに平坦に形成されているのに対し、前記第1の光通過空間と前記第3の光通過空間とを隔てる前記仕切部材は、前記第1の光通過空間に面した部分(上壁面4225c)及び前記第3の光通過空間に面した部分(下壁面4225d)のうちの少なくとも一方が湾曲して形成されており、
前記ベース部材における前記開口の周縁を規定する開口縁部(下縁部4111a)には、湾曲構造が連続的に形成されている、
ことを特徴とする遊技機。
第9実施形態に係る遊技機1によれば、発光手段(LED4211a〜4211s)と照射対象部材(ロゴカバー4130)との間に配置される仕切部材(仕切部材4220)は、発光手段(LED4211a〜4211s)から発せられる光が通過可能な複数の光通過空間(光通過空間4222a〜4222s)を画定している。ここで、複数の光通過空間(光通過空間4222a〜4222s)のうちの一の光通過空間を第1の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)と表記し、第1の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)の所定方向側(右側)において仕切部材(仕切部材4220)を介して第1の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)と隣り合う光通過空間を第2の光通過空間(例えば、光通過空間4222i)と表記し、第1の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)の所定方向側(右側)とは異なる方向側(上側)において仕切部材(仕切部材4220)を介して第1の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)と隣り合う光通過空間を第3の光通過空間(例えば、光通過空間4222b)と表記する。第1の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)と第2の光通過空間(例えば、光通過空間4222i)とを隔てる仕切部材(仕切部材4220)は、第1の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)に面した部分(右壁面4225a)及び第2の光通過空間(例えば、光通過空間4222i)に面した部分(左壁面4225b)がともに平坦に形成されているのに対し、第1の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)と第3の光通過空間(例えば、光通過空間4222b)とを隔てる仕切部材(仕切部材4220)は、第1の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)に面した部分(上壁面4225c)及び第3の光通過空間(例えば、光通過空間4222b)に面した部分(下壁面4225d)のうちの少なくとも一方が湾曲して形成されている。本発明者は、仕切部材(仕切部材4220)をこのように構成することによって、第1の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)と第2の光通過空間(例えば、光通過空間4222i)とを仕切っている部分よりも、第1の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)と第3の光通過空間(例えば、光通過空間4222b)とを仕切っている部分の方が、遊技者から見て明るく知覚されやすくなるような視覚的効果を創出することができることを見出した。このようにして、第9実施形態に係る遊技機1によれば、仕切部材(仕切部材4220)の位置に応じて明るさに差異を生じさせることが可能であり、このような明るさの違いを各種演出に利用することができる。
例えば、第1の光通過空間(例えば、光通過空間4222h)と第2の光通過空間(例えば、光通過空間4222i)とを仕切っている部分は、相対的に暗くなり得るところ、これを利用すれば、照射対象部材(ロゴカバー4130)のうち当該仕切り部分に対応する位置に陰を生じさせることができる。一方で、第9実施形態に係る遊技機1によれば、ベース部材(上部カバー4110)には、開口(開口4111)が形成されており、照射対象部材(ロゴカバー4130)は、当該開口(開口4111)の少なくとも一部を塞ぐように配置されている。また、ベース部材(上部カバー4110)に形成された開口(開口4111)の周縁を規定する開口縁部(下縁部4111a)には、湾曲構造が連続的に形成されている。従って、開口(開口4111)の周縁に形成された湾曲構造の連続構成と照射対象部材(ロゴカバー4130)(開口(開口4111)の内部)に生じた陰とが、同時に、遊技者の視界に入ってくることになる。これにより、このような湾曲構造と当該陰とが遊技者の脳内で合成されることを通じて、新たな視覚的表現を実現することが可能であり、従来存在しなかった斬新な演出効果を発揮することができる場合がある。
第9実施形態では、仕切部材4220を介して左右に隣り合う2つの光通過空間(例えば、光通過空間4222h及び光通過空間4222i)並びに上下に隣り合う2つの光通過空間(例えば、光通過空間4222b及び光通過空間4222h)に着目した場合、「左側の光通過空間に対応する右壁面4225aと右側の光通過空間に対応する左壁面4225bとの距離」(上下方向に延在する仕切り部分の幅)が、図210においてX(1)〜X(15)で示す長さの平均で表され、「下側の光通過空間に対応する上壁面4225cと上側の光通過空間に対応する下壁面4225dとの距離」(左右方向に延在する仕切り部分の幅)が、図210においてY(1)〜Y(12)で示す長さの平均で表されることとして説明した。すなわち、「上下方向に延在する仕切り部分の幅」は、上下方向に延在する全て(15個)の仕切り部分の平均値であり、「左右方向に延在する仕切り部分の幅」は、左右方向に延在する全て(12個)の仕切り部分の平均値であることとして説明した。しかし、本発明において、「上下方向に延在する仕切り部分の幅」は、上下方向に延在する一部の仕切り部分の平均値であることとしてもよいし、「左右方向に延在する仕切り部分の幅」は、左右方向に延在する一部の仕切り部分の平均値であることとしてもよい。例えば、最左列に形成された光通過空間(光通過空間4222a、4222g、4222m)、最右列に形成された光通過空間(光通過空間4222f、4222l、4222s)、下段に形成された光通過空間(光通過空間4222m〜4222s)の形状は、平均的な光通過空間の形状と差異が大きいため、これらの光通過空間に面している仕切り部分については、平均値を算出する際の対象から除外することとしてもよい。例えば、「上下方向に延在する仕切り部分の幅」としては、X(2)〜X(4)及びX(7)〜X(9)の平均値を採用してもよいし、X(7)〜X(9)の平均値を採用してもよい。また、「左右方向に延在する仕切り部分の幅」としては、Y(3)、Y(5)、Y(7)、及び、Y(9)の平均値を採用してもよい。
また、以上の説明では、「上下方向に延在する仕切り部分の幅」が、仕切り部分の後端縁における右壁面4225aと左壁面4225bとの距離であり、「左右方向に延在する仕切り部分の幅」が、仕切り部分の後端縁における上壁面4225cと下壁面4225dとの距離であることを前提としている。しかし、本発明において、「上下方向に延在する仕切り部分の幅」及び「左右方向に延在する仕切り部分の幅」は、それぞれ、仕切り部分の後端縁よりも前方部分における幅であることとしてもよい。例えば、当該仕切り部分の前後方向における中央、あるいは、前端から3分の1〜3分の2に相当する部分において当該仕切り部分を鉛直面で切断したとき、切断面における右壁面4225aと左壁面4225bとの距離を「上下方向に延在する仕切り部分の幅」とし、切断面における上壁面4225cと下壁面4225dとの距離を「左右方向に延在する仕切り部分の幅」としてもよい。本発明においては、このようにして求められる「上下方向に延在する仕切り部分の幅」が「左右方向に延在する仕切り部分の幅」よりも大きければ、仕切り部分の後端縁においては、「右壁面4225aと左壁面4225bとの距離」が「上壁面4225cと下壁面4225dとの距離」よりも小さくてもよい。
また、第9実施形態では、光通過空間4222g〜4222l(中段に位置する光通過空間)に対応する上壁面4225cのみが湾曲していることとして説明した。しかし、本発明においては、任意の内壁面を湾曲させることが可能である。例えば、光通過空間4222g〜4222l(中段に位置する光通過空間)に対応する上壁面4225cに加えて、光通過空間4222a〜4222f(上段に位置する光通過空間)に対応する下壁面4225dも湾曲させることとしてもよい。あるいは、光通過空間4222g〜4222l(中段に位置する光通過空間)に対応する上壁面4225cに代えて、光通過空間4222a〜4222f(上段に位置する光通過空間)に対応する下壁面4225dを湾曲させることとしてもよい。また、上壁面4225c及び下壁面4225dは、全て湾曲させることとしてもよい。また、上壁面4225c及び下壁面4225dに加えて、右壁面4225a及び左壁面4225bも湾曲させることとしてもよい。あるいは、上壁面4225c及び/又は下壁面4225dに代えて、右壁面4225a及び/又は左壁面4225bを湾曲させることとしてもよい。この場合には、「左右方向に延在する仕切り部分の幅」が「上下方向に延在する仕切り部分の幅」よりも大きくなるように構成するとよい。また、内壁面を湾曲させるか否かは、光通過空間の大きさに応じて決定することとしてもよい。例えば、右壁面4225aの後端縁、左壁面4225bの後端縁、上壁面4225cの後端縁、及び、下壁面4225dの後端縁によって囲まれる図形(図209参照)の面積が所定値以上である場合には、上壁面4225c及び下壁面4225dのうちの少なくとも一方を湾曲させ、当該面積が所定値未満である場合には、上壁面4225c及び下壁面4225dを双方とも湾曲させないこととしてもよい。また、当該面積が特定値以上である場合には、上壁面4225c及び下壁面4225dを双方とも湾曲させ、当該面積が特定値未満である場合には、上壁面4225c及び下壁面4225dのうちの何れか一方のみを湾曲させることとしてもよい。なお、当該面積にかかわらず、光通過空間4222a〜4222f(上段に位置する光通過空間)に対応する上壁面4225c、下段に形成された光通過空間(光通過空間4222m〜4222s)に対応する下壁面4225d、最左列に形成された光通過空間(光通過空間4222a、4222g、4222m)に対応する左壁面4225b、及び、最右列に形成された光通過空間(光通過空間4222f、4222l、4222s)に対応する右壁面4225aについては、湾曲させないこととしてもよい。
[第10実施形態]
以上、第1実施形態〜第9実施形態について説明した。以下、第10実施形態について説明する。第10実施形態に係る遊技機1の基本的な構成は、第1実施形態〜第9実施形態に係る遊技機1と同じである。以下においては、第1実施形態〜第9実施形態に係る遊技機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態〜第9実施形態における説明が第10実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<遊技状態の遷移フロー>
図227(a)は、本発明の一実施形態に係る遊技状態の移行遷移を示す図である。図227(b)は、本発明の一実施形態に係る遊技状態の移行条件をまとめた表である。
本実施形態では、図227(a)に示すような遊技状態が主制御回路3060によって管理されている。第6実施形態〜第8実施形態と同様に、遊技状態(メイン)は、ボーナス非当籤状態、フラグ間状態、及び、ボーナス状態のうちの何れかに区分される。
本実施形態では、ボーナス状態として、BB遊技状態及びMB遊技状態が設けられている。BB遊技状態に対応するボーナス役としては、「F_赤BB」及び「F_青BB」が設けられており、MB遊技状態に対応するボーナス役としては、「F_赤MB」及び「F_青MB」が設けられている(図229参照)。
また、本実施形態では、RT遊技状態(内部当籤役としてリプレイ役の決定される確率が互いに異なる遊技状態)として、RT0遊技状態〜RT4遊技状態が設けられている。RT0遊技状態〜RT3遊技状態は、ボーナス非当籤状態であり、RT4遊技状態は、フラグ間状態である。リプレイ役としては、「F_リプレイ」、「F_RT1リプ」、及び、「F_RT3リプ」が設けられている(図229参照)。なお、本明細書では、「リプレイ」を「リプ」と表記することがある。
図227(a)及び図227(b)を参照して具体的に説明すると、ボーナス非当籤状態(RT0遊技状態〜RT3遊技状態)において、「F_赤BB」又は「F_青BB」が内部当籤役として決定されると(BBが内部当籤すると)、主制御回路3060は、ボーナス非当籤状態(RT0遊技状態〜RT3遊技状態)からRT4遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(1)参照)。本明細書では、「F_赤BB」及び「F_青BB」を総称して、「BB」と表記することがある。
また、ボーナス非当籤状態(RT0遊技状態〜RT3遊技状態)において、「F_赤MB」又は「F_青MB」が内部当籤役として決定されると(MBが内部当籤すると)、主制御回路3060は、ボーナス非当籤状態(RT0遊技状態〜RT3遊技状態)からRT4遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(1)参照)。本明細書では、「F_赤MB」及び「F_青MB」を総称して、「MB」と表記することがある。
「F_赤BB」及び「F_青BB」(BB)、並びに、「F_赤MB」及び「F_青MB」(MB)は、所謂持越役である(図119(a)参照)。BBが内部当籤すると、BBに対応する図柄の組合せ(図229に示す「C_赤BB」又は「C_青BB」)が有効ラインに沿って停止表示されるまで(BBが入賞するまで)、BBが内部当籤した状態が持ち越される。また、MBが内部当籤すると、MBに対応する図柄の組合せ(図229に示す「C_赤MB」又は「C_青MB」)が有効ラインに沿って停止表示されるまで(MBが入賞するまで)、MBが内部当籤した状態が持ち越される。RT4遊技状態は、BB又はMBが内部当籤した状態が持ち越されている状態(BBフラグ間状態又はMBフラグ間状態)である。
RT4遊技状態において、「C_赤BB」又は「C_青BB」に係る図柄の組合せ(図229参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(BBが入賞すると)、主制御回路3060は、RT4遊技状態からBB遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(2)参照)。また、RT4遊技状態において、「C_赤MB」又は「C_青MB」に係る図柄の組合せ(図229参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(MBが入賞すると)、主制御回路3060は、RT4遊技状態からMB遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(3)参照)。
BB遊技状態において規定枚数(336枚)を超えるメダルが払い出されると、主制御回路3060は、BB遊技状態からRT2遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(4)参照)。また、MB遊技状態において規定枚数(111枚)を超えるメダルが払い出されると、主制御回路3060は、MB遊技状態からRT0遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(5)参照)。
RT2遊技状態において単位遊技が所定回数(53回)行われると、主制御回路3060は、RT2遊技状態からRT0遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(6)参照)。また、RT2遊技状態において、「C_特殊役01」に係る図柄の組合せ(図229参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(特殊役1が入賞すると)、主制御回路3060は、RT2遊技状態からRT1遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(7)参照)。
RT0遊技状態において、「C_RT3リプ」に係る図柄の組合せ(図229参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(RT3移行リプが入賞すると)、主制御回路3060は、RT0遊技状態からRT3遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(8)参照)。RT3遊技状態において単位遊技が所定回数(30回)行われると、主制御回路3060は、RT3遊技状態からRT0遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(9)参照)。
また、RT0遊技状態において、「C_RT1リプ」(「C_RT1リプ_01」〜「C_RT1リプ_04」)に係る図柄の組合せ、又は、「C_特殊役01」に係る図柄の組合せ(図229参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(RT1移行リプ又は特殊役1が入賞すると)、主制御回路3060は、RT0遊技状態からRT1遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(10)参照)。
ここで、RT0遊技状態、RT2遊技状態、及び、RT3遊技状態は、内部当籤役としてリプレイ役の決定される確率(リプレイの当籤確率)の相対的に高い状態(高RT遊技状態)である。これに対し、RT1遊技状態は、内部当籤役としてリプレイ役の決定される確率(リプレイの当籤確率)の相対的に低い状態(低RT遊技状態)である。この点において、RT1遊技状態は、遊技者にとって不利な遊技状態である。
このようなRT1遊技状態(不利な遊技状態)へは、RT1移行リプ又は特殊役1が入賞したことを条件として移行する。RT1移行リプ(「C_RT1リプ」)が入賞するためには、前提として、「F_RT1リプ」が内部当籤役として決定されることが必要である(図229参照)。「F_RT1リプ」(図230〜図233に示す「No.40」)が内部当籤役として決定される可能性がある遊技状態は、RT0遊技状態である。上述したように、RT0遊技状態においてRT1移行リプが入賞すると、RT1遊技状態に移行する(移行条件(10)参照)。
一方、特殊役1(「C_特殊役01」)が入賞するためには、前提として、「F_特殊役A」が内部当籤役として決定されることが必要である(図229参照)。「F_特殊役A」(図230〜図233に示す「No.47」)は、RT0遊技状態〜RT3遊技状態の何れの遊技状態においても内部当籤役として決定される可能性がある。上述したように、RT0遊技状態又はRT2遊技状態において特殊役1が入賞すると、RT1遊技状態に移行する(移行条件(7)及び(10)参照)。これに対し、RT1遊技状態において特殊役1が入賞しても、既に遊技状態がRT1遊技状態となっているため、遊技状態はRT1遊技状態のまま維持される。また、RT3遊技状態において特殊役1が入賞しても、RT1遊技状態への移行は行われず、遊技状態はRT3遊技状態のまま維持される。
RT3遊技状態においては、RT1遊技状態(不利な遊技状態)に移行する可能性がなく、いったんRT3遊技状態に移行すると、単位遊技が所定回数(30回)行われるまで、(ボーナス役が内部当籤してフラグ間状態に移行しない限り)RT3遊技状態が終了することはない。この点において、RT3遊技状態は、遊技者にとって有利な遊技状態であると言える。
このようなRT3遊技状態(有利な遊技状態)へは、RT3移行リプが入賞したことを条件として移行する。RT3移行リプ(「C_RT3リプ」)が入賞するためには、前提として、「F_RT3リプ」が内部当籤役として決定されることが必要である(図229参照)。「F_RT3リプ」(図230〜図233に示す「No.41」)が内部当籤役として決定される可能性がある遊技状態は、RT0遊技状態のみである。この点において、RT0遊技状態は、RT3遊技状態(有利な遊技状態)への移行を期待することができる遊技状態(チャンスゾーン、すなわち、CZ)である。
なお、「F_RT1リプ」、「F_RT3リプ」、及び、「F_特殊役A」は、それぞれ、ボーナス役と重複して内部当籤する場合があるが、この点については、第8実施形態と同様に、説明の対象から除外している。
<図柄配置テーブル>
図228(a)は、図柄配置テーブルを示す図である。図228(b)は、図柄コード表を示す図である。
第6実施形態で説明したように、図柄配置テーブルは、左リールRL、中リールRC、及び、右リールRRのそれぞれについて、回転方向における各図柄の位置と図柄コード(各位置に配置された図柄の種類を特定するデータ)との対応関係を規定している(図99参照)。
図228に示すように、本実施形態では、「赤7」、「青7」、「BAR」、「リプレイ」、「チェリー」、「オレンジ1」、「オレンジ2」、「スイカ1」、「スイカ2」、及び、「ブランク」という10種類の図柄が用いられている。
図柄配置テーブルと図柄カウンタの値(「0」〜「20」)とを参照することにより、メイン表示窓DD4(図3参照)の枠内における各リールの上段領域、中段領域、及び、下段領域に表示されている図柄の種類を特定することができる。詳細については、第6実施形態で説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
<フラグ別コンビネーションテーブル>
図229は、フラグ別コンビネーションテーブルを示す図である。
第6実施形態で説明したように、フラグ別コンビネーションテーブルは、各種内部当籤役と有効ライン上に停止表示可能な図柄組合せ(コンビネーション)との対応関係を規定している(図101A〜図101C参照)。これにより、内部当籤役が決定されると、有効ライン上に停止表示可能な図柄組合せの種別(入賞可能な表示役の種別)が一義的に決定されることになる。
本実施形態では、内部当籤役として、「F_赤BB」、「F_青BB」、「F_赤MB」、「F_青MB」、「F_リプレイ」、「F_RT1リプ」、「F_RT3リプ」、「F_スイカ」、「F_ミカン」、「F_チェリー」、「F_特殊役A」、「F_特殊役B」、「F_赤特殊」、「F_青特殊」、「F_確定チェリー」、「F_JAC役」、及び、「F_CB役」が設けられている。
図229では、各リールにおける具体的な図柄の組合せ(コンビネーション)、及び、当該図柄組合せが停止表示された場合に払い出されるメダルの枚数(払出枚数)を併せて示している。図柄組合せ(コンビネーション)については、左リールRLにおける図柄、中リールRCにおける図柄、及び、右リールRRにおける図柄を、左から順に示している。メダルの払出枚数については、1枚掛け遊技が行われた場合における払出枚数、2枚掛け遊技が行われた場合における払出枚数、及び、3枚掛け遊技が行われた場合における払出枚数をそれぞれ示している。
本実施形態では、非ボーナス状態(RT0遊技状態〜RT4遊技状態)において投入可能なメダルの枚数が3枚として設定され、ボーナス状態(BB遊技状態及びMB遊技状態)において投入可能なメダルの枚数が2枚として設定されている。
また、入賞判定ラインとしては、「中段−中段−中段:センターライン」、「上段−上段−上段:トップライン」、「下段−下段−下段:ボトムライン」、「上段−中段−下段:クロスダウンライン」、及び、「下段−中段−上段:クロスアップライン」が設定されている。非ボーナス状態において3枚のメダルが投入された場合、及び、ボーナス状態において2枚のメダルが投入された場合の何れの場合においても、これらの5つの入賞判定ラインが有効化される。
なお、図中、「BB」及び「MB」は、上述したように、それぞれ、入賞時にBB遊技状態及びMB遊技状態を作動させるコンビネーションを示している。「REP」は、入賞時にリプレイ(再遊技)を作動させるコンビネーションを示し、「FRU」は、入賞時にメダルが払い出されるコンビネーションを示している。
フラグ別コンビネーションテーブルの基本的な構成については、第6実施形態で説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
<内部抽籤テーブル>
本実施形態に係る内部抽籤テーブルとしては、RT0遊技状態において参照される内部抽籤テーブル(図230参照)と、RT1遊技状態において参照される内部抽籤テーブル(図231参照)と、RT2遊技状態において参照される内部抽籤テーブル(図232参照)と、RT3遊技状態において参照される内部抽籤テーブル(図233参照)と、RT4遊技状態(赤BBフラグ間状態)において参照される内部抽籤テーブル(図234(a)参照)と、RT4遊技状態(青BBフラグ間状態)において参照される内部抽籤テーブル(図234(b)参照)と、RT4遊技状態(赤MBフラグ間状態)において参照される内部抽籤テーブル(図235(a)参照)と、RT4遊技状態(青MBフラグ間状態)において参照される内部抽籤テーブル(図235(b)参照)と、BB遊技状態において参照される内部抽籤テーブル(図236(a)参照)と、MB遊技状態において参照される内部抽籤テーブル(図236(b)参照)と、が設けられている。
なお、赤BBフラグ間状態は、「F_赤BB」が内部当籤した状態が持ち越されている状態であり、青BBフラグ間状態は、「F_青BB」が内部当籤した状態が持ち越されている状態であり、赤MBフラグ間状態は、「F_赤MB」が内部当籤した状態が持ち越されている状態であり、青MBフラグ間状態は、「F_青MB」が内部当籤した状態が持ち越されている状態である。
図230は、RT0遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。図231は、RT1遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。図232は、RT2遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。図233は、RT3遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。図234(a)は、RT4遊技状態(赤BBフラグ間状態)用内部抽籤テーブルを示す図である。図234(b)は、RT4遊技状態(青BBフラグ間状態)用内部抽籤テーブルを示す図である。図235(a)は、RT4遊技状態(赤MBフラグ間状態)用内部抽籤テーブルを示す図である。図235(b)は、RT4遊技状態(青MBフラグ間状態)用内部抽籤テーブルを示す図である。図236(a)は、BB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。図236(b)は、MB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。
内部抽籤テーブルの基本的な構成については、第6実施形態で説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
<主制御回路3060から副制御回路3070へのフラグ情報送信>
図237は、内部当籤役とメイン送信番号との対応関係を示す図である。
図237では、各内部当籤役(「はずれ」、「リプレイ」、「RT1リプ」、「RT3リプ」、「スイカ」、「ミカン」、「チェリー」、「特殊役A」、「特殊役B」、「赤特殊」、「青特殊」、及び、「確定チェリー」)に対して、「0」〜「10」のうちの何れかのメイン送信番号が設定されている。
図中、「リプレイ」は、「F_リプレイ」(図229参照)を示し、「RT1リプ」は、「F_RT1リプ」(図229参照)を示し、「RT3リプ」は、「F_RT3リプ」(図229参照)を示し、「スイカ」は、「F_スイカ」(図229参照)を示し、「ミカン」は、「F_ミカン」(図229参照)を示し、「チェリー」は、「F_チェリー」(図229参照)を示し、「特殊役A」は、「F_特殊役A」(図229参照)を示し、「特殊役B」は、「F_特殊役B」(図229参照)を示し、「赤特殊」は、「F_赤特殊」(図229参照)を示し、「青特殊」は、「F_青特殊」(図229参照)を示し、「確定チェリー」は、「F_確定チェリー」(図229参照)を示す。
第6実施形態で説明したように、主制御回路3060において内部当籤役が決定されると、主制御回路3060から副制御回路3070にスタートコマンドデータが送信される(図121のステップS17参照)。スタートコマンドデータには、主制御回路3060で決定された内部当籤役の種別に対応する情報が含まれている。図237に示す「メイン送信番号」は、スタートコマンドデータに含まれる当該情報(内部当籤役の種別に対応する情報)である。
具体的に、内部抽籤の結果が「はずれ」である場合には、メイン送信番号「0」がスタートコマンドデータに含まれる。「F_リプレイ」が内部当籤役として決定された場合には、メイン送信番号「1」がスタートコマンドデータに含まれる。「F_RT1リプ」が内部当籤役として決定された場合には、メイン送信番号「2」がスタートコマンドデータに含まれる。「F_RT3リプ」が内部当籤役として決定された場合には、メイン送信番号「3」がスタートコマンドデータに含まれる。「F_スイカ」が内部当籤役として決定された場合には、メイン送信番号「4」がスタートコマンドデータに含まれる。「F_ミカン」が内部当籤役として決定された場合には、メイン送信番号「5」がスタートコマンドデータに含まれる。「F_チェリー」が内部当籤役として決定された場合には、メイン送信番号「6」がスタートコマンドデータに含まれる。「F_特殊役A」が内部当籤役として決定された場合には、メイン送信番号「7」がスタートコマンドデータに含まれる。「F_特殊役B」が内部当籤役として決定された場合には、メイン送信番号「7」がスタートコマンドデータに含まれる。「F_赤特殊」が内部当籤役として決定された場合には、メイン送信番号「8」がスタートコマンドデータに含まれる。「F_青特殊」が内部当籤役として決定された場合には、メイン送信番号「9」がスタートコマンドデータに含まれる。「F_確定チェリー」が内部当籤役として決定された場合には、メイン送信番号「10」がスタートコマンドデータに含まれる。
メイン送信番号「1」〜「6」、及び、「8」〜「10」は、それぞれ、一の内部当籤役に対応している。従って、副制御回路3070は、スタートコマンドデータに含まれるメイン送信番号に基づいて、当該一の内部当籤役を認識することができる。これにより、副制御回路3070は、当該一の内部当籤役に応じた演出を実行することが可能となる。例えば、「F_赤特殊」が内部当籤役として決定された場合と「F_青特殊」が内部当籤役として決定された場合とで、異なる演出が行われ得ることになる。
これに対し、メイン送信番号「7」は、「F_特殊役A」及び「F_特殊役B」という2つの内部当籤役に対応している。すなわち、「F_特殊役A」が内部当籤役として決定された場合及び「F_特殊役B」が内部当籤役として決定された場合の双方の場合で、内部当籤役の種別に対応する情報として、メイン送信番号「7」がスタートコマンドデータに含まれることになる。従って、副制御回路3070は、スタートコマンドデータに含まれるメイン送信番号が「7」である場合、「F_特殊役A」及び「F_特殊役B」のうちの何れの内部当籤役が決定されたのかを特定することができない。その結果、「F_特殊役A」が内部当籤役として決定された場合と「F_特殊役B」が内部当籤役として決定された場合とで、同一の演出が行われ得ることになる。
ここで、「F_特殊役A」及び「F_特殊役B」については、非ボーナス状態(RT0遊技状態〜RT4遊技状態)中に行われる1回の単位遊技における「期待値」が略同一となっている。「期待値」は、「各役の当籤確率」×「払出枚数」により求められる。一例として、図230を参照して、「F_特殊役A」及び「F_特殊役B」について、RT0遊技状態中に行われる1回の単位遊技における「期待値」をそれぞれ計算する。
RT0遊技状態において、「F_特殊役A」が内部当籤役として決定されるのは、図230に示す「No.11」、「No.23」、又は、「No.47」が決定された場合である。「No.11」に対応する抽籤値(1)と「No.23」に対応する抽籤値(1)と「No.47」に対応する抽籤値(4100)との合計は、4102であるので、「F_特殊役A」の当籤確率は、4102/65536となる。図229に示すように、「F_特殊役A」が内部当籤役として決定された場合には、「C_特殊役01」が有効ラインに沿って停止表示されることが許容され、「C_特殊役01」が有効ラインに沿って停止表示された場合には、1枚のメダルが払い出される。従って、「期待値」は、(4102/65536)×1≒0.062592となる。
同様に、RT0遊技状態において、「F_特殊役B」が内部当籤役として決定されるのは、図230に示す「No.12」、「No.24」、又は、「No.48」が決定された場合である。「No.12」に対応する抽籤値(1)と「No.24」に対応する抽籤値(1)と「No.48」に対応する抽籤値(647)との合計は、649であるので、「F_特殊役B」の当籤確率は、649/65536となる。図229に示すように、「F_特殊役B」が内部当籤役として決定された場合には、「C_ミカン02_01」、「C_ミカン02_02」、「C_ミカン03_01」、「C_ミカン03_02」、「C_特殊役02」、及び、「C_特殊役03」が有効ラインに沿って停止表示されることが許容され、何れのコンビネーションが有効ラインに沿って停止表示された場合にも、6枚のメダルが払い出される。従って、「期待値」は、(649/65536)×6≒0.059418となる。
このように、「F_特殊役A」についての「期待値」(≒0.062592)と「F_特殊役B」についての「期待値」(≒0.059418)とは、ともに略0.06であり、略等しくなっている。なお、以上では、RT0遊技状態における「期待値」を算出したが、RT1遊技状態〜RT4遊技状態における「期待値」も、同様に計算することが可能であり、それぞれ同じ値となっている。
本実施形態では、一の内部当籤役についての「期待値」と他の内部当籤役についての「期待値」とが互いに略等しい場合、当該一の内部当籤役が決定された場合と当該他の内部当籤役が決定された場合とで、主制御回路3060から副制御回路3070に送信されるメイン送信番号として、同じ情報を送信することとしている。これにより、「F_特殊役A」に対応するメイン送信番号と、「F_特殊役B」に対応するメイン送信番号とが、ともに「7」になっている。
これに対し、「F_赤特殊」に対応するメイン送信番号は「8」であり、「F_青特殊」に対応するメイン送信番号は「9」であり、これらは互いに異なっている。以下、「F_特殊役A」及び「F_特殊役B」についての「期待値」と同様に、「F_赤特殊」及び「F_青特殊」についての「期待値」を計算する。
RT0遊技状態において、「F_赤特殊」が内部当籤役として決定されるのは、図230に示す「No.9」、「No.21」、「No.30」、「No.37」、又は、「No.45」が決定された場合である。「No.9」に対応する抽籤値(16)と「No.21」に対応する抽籤値(9)と「No.30」に対応する抽籤値(14)と「No.37」に対応する抽籤値(6)と「No.45」に対応する抽籤値(170)との合計は、215であるので、「F_赤特殊」の当籤確率は、215/65536となる。図229に示すように、「F_赤特殊」が内部当籤役として決定された場合には、「C_赤特殊01」が有効ラインに沿って停止表示されることが許容され、「C_赤特殊01」が有効ラインに沿って停止表示された場合には、1枚のメダルが払い出される。従って、「期待値」は、(215/65536)×1≒0.003281となる。
同様に、RT0遊技状態において、「F_青特殊」が内部当籤役として決定されるのは、図230に示す「No.10」、「No.22」、「No.31」、「No.38」、又は、「No.46」が決定された場合である。「No.10」に対応する抽籤値(25)と「No.22」に対応する抽籤値(25)と「No.31」に対応する抽籤値(18)と「No.38」に対応する抽籤値(18)と「No.46」に対応する抽籤値(330)との合計は、416であるので、「F_青特殊」の当籤確率は、416/65536となる。図229に示すように、「F_青特殊」が内部当籤役として決定された場合には、「C_青特殊01」が有効ラインに沿って停止表示されることが許容され、「C_青特殊01」が有効ラインに沿って停止表示された場合には、1枚のメダルが払い出される。従って、「期待値」は、(416/65536)×1≒0.006348となる。
本実施形態では、一の内部当籤役についての「期待値」と他の内部当籤役についての「期待値」とが、ともに所定値(0.05)未満である場合、当該一の内部当籤役が決定された場合と当該他の内部当籤役が決定された場合とで、主制御回路3060から副制御回路3070に送信されるメイン送信番号として、異なる情報を送信することとしている。これにより、「F_赤特殊」に対応するメイン送信番号と「F_青特殊」に対応するメイン送信番号とは、互いに異なっている。
<2通りの遊技方法>
図238は、特殊役1が入賞する場合における図柄の停止表示態様を示す図である。図239は、ミカンが入賞する場合における図柄の停止表示態様を示す図である。図240は、特殊役2が入賞する場合における図柄の停止表示態様を示す図である。
図228を用いて説明したように、本実施形態では、「赤7」、「青7」、「BAR」、「リプレイ」、「チェリー」、「オレンジ1」、「オレンジ2」、「スイカ1」、「スイカ2」、及び、「ブランク」という10種類の図柄が用いられている。これらの図柄のうち、「赤7」、「青7」、「BAR」は、他の図柄よりも大きく、色及び形状が鮮明であるため、遊技者としては狙いやすい図柄となっている。なお、「オレンジ1」と「オレンジ2」とは、非常に似通った図柄であり、外観上ほとんど区別がつかない。同様に、「スイカ1」と「スイカ2」とは、非常に似通った図柄であり、外観上ほとんど区別がつかない。
図228(a)に示すように、「赤7」は、左リールRLにおける図柄位置「2」、中リールRCにおける図柄位置「2」、及び、右リールRRにおける図柄位置「2」に、それぞれ配置されている。「青7」は、左リールRLにおける図柄位置「15」、中リールRCにおける図柄位置「12」、及び、右リールRRにおける図柄位置「9」に、それぞれ配置されている。「BAR」は、左リールRLにおける図柄位置「11」、中リールRCにおける図柄位置「16」、及び、右リールRRにおける図柄位置「18」に、それぞれ配置されている。
これにより、遊技者としては、下記(i)及び(ii)のような打ち方をすることができる。
(i)左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「2」の「赤7」が下段領域に表示されているタイミングで行い、中リールRCに対する停止操作を、図柄位置「2」の「赤7」が下段領域に表示されているタイミングで行い、右リールRRに対する停止操作を、図柄位置「18」の「BAR」が下段領域に表示されているタイミングで行う
(ii)左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「11」の「BAR」が中段領域に表示されているタイミングで行い、中リールRCに対する停止操作を、図柄位置「12」の「青7」が上段領域に表示されているタイミングで行い、右リールRRに対する停止操作を、図柄位置「18」の「BAR」が下段領域に表示されているタイミングで行う
ここで、「F_スイカ」が内部当籤役として決定されている場合には、上記(i)の打ち方を行った場合及び上記(ii)の打ち方を行った場合の双方の場合で、スイカ(「C_スイカ_01」又は「C_スイカ_02」)が入賞し得る。また、「F_ミカン」が内部当籤役として決定されている場合には、上記(i)の打ち方を行った場合及び上記(ii)の打ち方を行った場合の双方の場合で、ミカン(「C_ミカン_01」〜「C_ミカン_03」)が入賞し得る。また、「F_チェリー」が内部当籤役として決定されている場合には、上記(i)の打ち方を行った場合及び上記(ii)の打ち方を行った場合の双方の場合で、チェリー(「C_チェ01」〜「C_チェ11」)が入賞し得る。また、「F_確定チェリー」が内部当籤役として決定されている場合には、上記(i)の打ち方を行った場合及び上記(ii)の打ち方を行った場合の双方の場合で、チェリー(「C_チェ01」〜「C_チェ11」)が入賞し得る。
これに対し、「F_特殊役A」が内部当籤役として決定されている場合には、上記(i)の打ち方を行った場合、「C_特殊役01」が入賞し得る一方、上記(ii)の打ち方を行った場合には、何れのコンビネーションも入賞しない。すなわち、「C_特殊役01」は、左リールRLにおける図柄が「スイカ2」であるところ、左リールRLにおいて、「スイカ2」は、図柄位置「3」にのみ配置されている(図228(a)参照)。左リールRLにおいて、「スイカ2」に対応する図柄位置(「3」)は、「赤7」に対応する図柄位置(「2」)と近い(最大滑り駒数(4図柄)の範囲内に存在する)が、「BAR」に対応する図柄位置(「11」)とはかなり離間している。従って、上記(i)の打ち方のように、左リールRLに対する停止操作として「赤7」に対応する図柄位置(「2」)を狙った場合には、左リールRLにおいて「スイカ2」が停止表示される可能性があり、「C_特殊役01」が入賞し得る。一方、上記(ii)の打ち方のように、左リールRLに対する停止操作として「BAR」に対応する図柄位置(「11」)を狙った場合には、左リールRLにおいて「スイカ2」が停止表示される可能性はなく、「C_特殊役01」は入賞し得ない。
また、「F_特殊役B」が内部当籤役として決定されている場合には、上記(ii)の打ち方を行った場合、「C_ミカン02_01」、「C_ミカン02_02」、「C_ミカン03_01」、「C_ミカン03_02」、「C_特殊役02」、又は、「C_特殊役03」が入賞し得る一方、上記(i)の打ち方を行った場合には、何れのコンビネーションも入賞しない。すなわち、「C_ミカン02_01」、「C_ミカン02_02」、「C_ミカン03_01」、「C_ミカン03_02」、「C_特殊役02」、及び、「C_特殊役03」は、左リールRLにおける図柄が何れも「オレンジ2」であるところ、左リールRLにおいて、「オレンジ2」は、図柄位置「13」にのみ配置されている(図228(a)参照)。左リールRLにおいて、「オレンジ2」に対応する図柄位置(「13」)は、「BAR」に対応する図柄位置(「11」)と近い(最大滑り駒数(4図柄)の範囲内に存在する)が、「赤7」に対応する図柄位置(「2」)とはかなり離間している。従って、上記(ii)の打ち方のように、左リールRLに対する停止操作として「BAR」に対応する図柄位置(「11」)を狙った場合には、左リールRLにおいて「オレンジ2」が停止表示される可能性があり、「C_ミカン02_01」、「C_ミカン02_02」、「C_ミカン03_01」、「C_ミカン03_02」、「C_特殊役02」、又は、「C_特殊役03」が入賞し得る。一方、上記(i)の打ち方のように、左リールRLに対する停止操作として「赤7」に対応する図柄位置(「2」)を狙った場合には、左リールRLにおいて「オレンジ2」が停止表示される可能性はなく、「C_ミカン02_01」、「C_ミカン02_02」、「C_ミカン03_01」、「C_ミカン03_02」、「C_特殊役02」、及び、「C_特殊役03」は入賞し得ない。
また、「F_赤特殊」が内部当籤役として決定されている場合には、上記(i)の打ち方を行った場合、「C_赤特殊01」が入賞し得る一方、上記(ii)の打ち方を行った場合には、何れのコンビネーションも入賞しない。すなわち、「C_赤特殊01」は、左リールRLにおける図柄が「赤7」であるところ、左リールRLにおいて、「赤7」は、図柄位置「2」にのみ配置されている(図228(a)参照)。左リールRLにおいて、「赤7」に対応する図柄位置(「2」)は、「BAR」に対応する図柄位置(「11」)とかなり離間している。従って、上記(i)の打ち方のように、左リールRLに対する停止操作として「赤7」に対応する図柄位置(「2」)を狙った場合には、左リールRLにおいて「赤7」が停止表示される可能性があり、「C_赤特殊01」が入賞し得る。一方、上記(ii)の打ち方のように、左リールRLに対する停止操作として「BAR」に対応する図柄位置(「11」)を狙った場合には、左リールRLにおいて「赤7」が停止表示される可能性はなく、「C_赤特殊01」は入賞し得ない。
また、「F_青特殊」が内部当籤役として決定されている場合には、上記(ii)の打ち方を行った場合、「C_青特殊01」が入賞し得る一方、上記(i)の打ち方を行った場合には、何れのコンビネーションも入賞しない。すなわち、「C_青特殊01」は、左リールRLにおける図柄が「青7」であるところ、左リールRLにおいて、「青7」は、図柄位置「15」にのみ配置されている(図228(a)参照)。左リールRLにおいて、「青7」に対応する図柄位置(「15」)は、「BAR」に対応する図柄位置(「11」)と近い(最大滑り駒数(4図柄)の範囲内に存在する)が、「赤7」に対応する図柄位置(「2」)とはかなり離間している。従って、上記(ii)の打ち方のように、左リールRLに対する停止操作として「BAR」に対応する図柄位置(「11」)を狙った場合には、左リールRLにおいて「青7」が停止表示される可能性があり、「C_青特殊01」が入賞し得る。一方、上記(i)の打ち方のように、左リールRLに対する停止操作として「赤7」に対応する図柄位置(「2」)を狙った場合には、左リールRLにおいて「青7」が停止表示される可能性はなく、「C_青特殊01」は入賞し得ない。
なお、「F_赤BB」が内部当籤役として決定されている場合には、上記(i)の打ち方を行うことにより、「C_赤BB」が入賞し得る。「F_赤MB」が内部当籤役として決定されている場合には、上記(i)の打ち方を行うことにより、「C_赤MB」が入賞し得る。「F_青MB」が内部当籤役として決定されている場合には、上記(ii)の打ち方を行うことにより、「C_青MB」が入賞し得る。
以上より、上記(i)の打ち方を行った場合と上記(ii)の打ち方を行った場合とで、メダルの払出枚数に差異が生じるのは、「F_特殊役A」、「F_特殊役B」、「F_赤特殊」、又は、「F_青特殊」が内部当籤役として決定された場合である。上述したように、「F_特殊役A」に対応する「期待値」は、0.062592であり、「F_特殊役B」に対応する「期待値」は、0.059418である。また、「F_赤特殊」に対応する「期待値」は、0.003281であり、「F_青特殊」に対応する「期待値」は、0.006348である。
上記(i)の打ち方を行った場合にメダルが払い出されるのは、「F_特殊役A」が内部当籤役として決定されており「F_特殊役A」に対応するコンビネーション(「C_特殊役01」)が入賞した場合、及び、「F_赤特殊」が内部当籤役として決定されており「F_赤特殊」に対応するコンビネーション(「C_赤特殊01」)が入賞した場合である。「F_特殊役A」に対応する「期待値」(0.062592)と「F_赤特殊」に対応する「期待値」(0.003281)との合計は、0.065873である。
上記(ii)の打ち方を行った場合にメダルが払い出されるのは、「F_特殊役B」が内部当籤役として決定されており「F_特殊役B」に対応するコンビネーション(「C_ミカン02_01」、「C_ミカン02_02」、「C_ミカン03_01」、「C_ミカン03_02」、「C_特殊役02」、又は、「C_特殊役03」)が入賞した場合、並びに、「F_青特殊」が内部当籤役として決定されており「F_青特殊」に対応するコンビネーション(「C_青特殊01」)が入賞した場合である。「F_特殊役B」に対応する「期待値」(0.059418)と「F_青特殊」に対応する「期待値」(0.006348)との合計は、0.065766である。
以上より、「F_特殊役A」に対応する「期待値」(0.062592)と「F_赤特殊」に対応する「期待値」(0.003281)との合計(0.065873)は、「F_特殊役B」に対応する「期待値」(0.059418)と「F_青特殊」に対応する「期待値」(0.006348)との合計(0.065766)よりも大きな値となる。従って、1回の単位遊技当たりに獲得可能なメダルの枚数に着目すれば、上記(ii)の打ち方よりも上記(i)の打ち方の方が、遊技者に対して利益をもたらす打ち方であると言える。
この点に鑑み、遊技者としては、上記(i)の打ち方を行うことができる。このような打ち方について、図238を用いて説明する。図238は、非ボーナス状態(RT0遊技状態〜RT4遊技状態)において「F_特殊役A」が内部当籤役として決定された場合における図柄の停止表示態様の一例を示している。
非ボーナス状態(RT0遊技状態〜RT4遊技状態)において「F_特殊役A」が内部当籤役として決定された場合、図238(a)に示すように、左リールRLに対する停止操作が、図柄位置「2」の図柄(「赤7」)が下段領域に表示されているタイミングで行われた場合、図238(b)に示すように、左リールRLは、それ以上回転することなく(滑らずに)停止し、中段領域に「スイカ2」が停止表示される。その後、図238(c)に示すように、右リールRRに対する停止操作が、図柄位置「18」の図柄(「BAR」)が下段領域に表示されているタイミングで行われた場合、図238(d)に示すように、右リールRRは、4図柄分滑って停止し、中段領域に「赤7」が停止表示される。その後、図238(e)に示すように、中リールRCに対する停止操作が、図柄位置「2」の図柄(「赤7」)が下段領域に表示されているタイミングで行われた場合、図238(f)に示すように、中リールRCは、1図柄分滑って停止し、中段領域に「チェリー」が停止表示される。これにより、センターラインに沿って「スイカ2」−「チェリー」−「赤7」が揃い、「C_特殊役01」(図229参照)が入賞する。
このように、上記(i)の打ち方を行った場合には、「C_特殊役01」が入賞する可能性がある。ここで、図227(a)及び図227(b)を用いて説明したように、RT0遊技状態又はRT2遊技状態において、「C_特殊役01」が入賞した場合には、遊技状態がRT1遊技状態に移行する(移行条件(7)及び(10)参照)。RT1遊技状態は、RT0遊技状態及びRT2遊技状態と比較して、リプレイ役の当籤確率が低く(図230〜図232参照)、RT0遊技状態及びRT2遊技状態よりも不利な遊技状態である。従って、RT0遊技状態又はRT2遊技状態において「C_特殊役01」が入賞すること(RT1遊技状態に移行すること)は、遊技者にとって望ましくない。
この点に鑑み、特に、RT0遊技状態及びRT2遊技状態において、遊技者としては、上記(ii)の打ち方を行うことができる。このような打ち方について、図239を用いて説明する。図239は、非ボーナス状態(RT0遊技状態〜RT4遊技状態)において「F_特殊役B」が内部当籤役として決定された場合における図柄の停止表示態様の一例を示している。なお、RT0遊技状態及びRT2遊技状態以外の遊技状態においても、もちろん、遊技者は、上記(ii)の打ち方を行ってもよい。
非ボーナス状態(RT0遊技状態〜RT4遊技状態)において「F_特殊役B」が内部当籤役として決定された場合、図239(a)に示すように、左リールRLに対する停止操作が、図柄位置「11」の図柄(「BAR」)が中段領域に表示されているタイミングで行われた場合、図239(b)に示すように、左リールRLは、3図柄分滑って停止し、下段領域に「オレンジ2」が停止表示される。その後、図239(c)に示すように、右リールRRに対する停止操作が、図柄位置「18」の図柄(「BAR」)が下段領域に表示されているタイミングで行われた場合、図239(d)に示すように、右リールRRは、4図柄分滑って停止し、上段領域に「オレンジ2」が停止表示される。このとき、上述したように、「スイカ1」と「スイカ2」とは類似しているため、遊技者からすると、センターラインに沿って「C_特殊役01」がテンパイしているかのように見える。その後、図239(e)に示すように、中リールRCに対する停止操作が、図柄位置「12」の図柄(「青7」)が上段領域に表示されているタイミングで行われた場合、図239(f)に示すように、中リールRCは、2図柄分滑って停止し、中段領域に「オレンジ1」が停止表示される。これにより、クロスアップラインに沿って「オレンジ2」−「オレンジ1」−「オレンジ2」が揃い、「C_ミカン02_02」(図229参照)が入賞する。
このように、「F_特殊役B」が内部当籤役として決定されている場合に、上記(ii)の打ち方を行うと、ミカン(「C_ミカン02_01」、「C_ミカン02_02」、「C_ミカン03_01」、又は、「C_ミカン03_02」)が入賞する可能性があり、これにより、遊技者は、6枚のメダルを獲得することができる。また、「F_特殊役A」が内部当籤役として決定されている場合であっても、上記(ii)の打ち方を行えば、上述したように、「C_特殊役01」は入賞しないため、遊技者は、RT0遊技状態又はRT2遊技状態からRT0遊技状態に移行(転落)してしまうことを回避することができる。
なお、図238及び図239の例では、左リールRLに対する停止操作が第1停止操作として行われた場合について示している。これに対し、図240の例では、変則押し(中リールRC又は右リールRRに対する停止操作を第1停止操作とする押し順による停止操作)が行われた場合について示している。図240は、非ボーナス状態(RT0遊技状態〜RT4遊技状態)において「F_特殊役B」が内部当籤役として決定された場合における図柄の停止表示態様の一例を示している。
非ボーナス状態(RT0遊技状態〜RT4遊技状態)において「F_特殊役B」が内部当籤役として決定された場合、図240(a)に示すように、右リールRRに対する停止操作が、図柄位置「18」の図柄(「BAR」)が下段領域に表示されているタイミングで行われた場合、図240(b)に示すように、右リールRRは、4図柄分滑って停止し、中段領域に「赤7」が停止表示される。その後、図240(c)に示すように、中リールRCに対する停止操作が、図柄位置「2」の図柄(「赤7」)が下段領域に表示されているタイミングで行われた場合、図240(d)に示すように、中リールRCは、1図柄分滑って停止し、中段領域に「チェリー」が停止表示される。その後、図240(e)に示すように、左リールRLに対する停止操作が、図柄位置「11」の図柄(「BAR」)が中段領域に表示されているタイミングで行われた場合、図240(f)に示すように、左リールRLは、2図柄分滑って停止し、中段領域に「オレンジ2」が停止表示される。これにより、センターラインに沿って「オレンジ2」−「チェリー」−「赤7」が揃い、「C_特殊役02」(図229参照)が入賞する。
なお、図240の例では、中リールRCが停止した時点で、センターラインに沿って、「C_特殊役02」とともに「C_特殊役01」がテンパイしている。ここで、図240の例とは異なり、「F_特殊役B」ではなく「F_特殊役A」が内部当籤役として決定されている場合においても、第1停止操作及び第2停止操作が図240(a)及び(c)のように行われた場合には、図240(b)及び(d)のような態様で図柄が停止表示される。その後、左リールRLに対する停止操作が、図柄位置「2」の図柄(「赤7」)が下段領域に表示されているタイミングで行われた場合、左リールRLは、それ以上回転することなく(滑らずに)停止し、中段領域に「スイカ2」が停止表示される。これにより、センターラインに沿って「スイカ2」−「チェリー」−「赤7」が揃い、「C_特殊役01」(図229参照)が入賞する。
<PUSHボタン演出>
図241は、重複当籤役とLED出力パターンとの対応関係を示す図である。
図示しないが、本実施形態に係る遊技機1には、遊技者が操作可能なボタンとして、PUSHボタン(演出用のボタン)が設けられている。PUSHボタンは、透光性を有する部材により構成されており、内部にはLEDが設けられている。当該LEDを点灯させることにより、PUSHボタンを各種パターンで光らせ、演出を行うことができるようになっている。
また、本実施形態において、BB(「F_赤BB」又は「F_青BB」)が内部当籤役として決定される場合としては、BBが単独で内部当籤役として決定される場合と、BBが他の役と重複して内部当籤役として決定される場合とがある。BBが内部当籤役として決定された後、BBが入賞した場合、次の単位遊技を開始させるための操作(スタートレバーDD6の操作)が行われる前にPUSHボタンが操作された場合、BB当籤ゲームにおけるBBの当籤態様に応じたパターンでLEDが点灯する。
これにより、BB当籤ゲームにおいてBBとともに内部当籤した役(重複当籤役)の有無及び重複当籤役の種別が示唆されるようになっている。なお、第7実施形態と同様に、BB当籤ゲームとは、BBが内部当籤役として決定されることにより、ボーナス非当籤状態(RT0遊技状態〜RT3遊技状態)からフラグ間状態(RT4遊技状態)へと移行した単位遊技である。
図241は、このようなPUSHボタンを用いた演出(PUSHボタン演出)について説明するための図である。図241では、各重複当籤役(「なし」、「リプレイ」、「ミカン」、「スイカ」、「チェリー」、「赤特殊」、「青特殊」、「RT1リプレイ」、「RT3リプレイ」、「グループ役」、及び、「確定チェリー」)に対して、LED出力パターンが設定されている。
図中、「なし」は、BBが単独で内部当籤役として決定されたこと(図230〜図233に示す「No.1」又は「No.13」が決定されたこと)を示す。BBが単独で内部当籤役として決定された場合には、PUSHボタン演出において、PUSHボタンのLEDが白色に点灯する。また、「リプレイ」は、BBが「F_リプレイ」と重複して決定されたこと(図230〜図233に示す「No.2」又は「No.14」が決定されたこと)を示す。BBが「F_リプレイ」と重複して決定された場合には、PUSHボタン演出において、PUSHボタンのLEDが青色に点灯する。
また、「ミカン」は、BBが「F_ミカン」と重複して決定されたこと(図230〜図233に示す「No.5」又は「No.17」が決定されたこと)を示す。BBが「F_ミカン」と重複して決定された場合には、PUSHボタン演出において、PUSHボタンのLEDが黄色に点灯する。また、「スイカ」は、BBが「F_スイカ」と重複して決定されたこと(図230〜図233に示す「No.8」又は「No.20」が決定されたこと)を示す。BBが「F_スイカ」と重複して決定された場合には、PUSHボタン演出において、PUSHボタンのLEDが緑色に点灯する。また、「チェリー」は、BBが「F_チェリー」と重複して決定されたこと(図230〜図233に示す「No.6」又は「No.18」が決定されたこと)を示す。BBが「F_チェリー」と重複して決定された場合には、PUSHボタン演出において、PUSHボタンのLEDが赤色に点灯する。
また、「赤特殊」は、BBが「F_赤特殊」と重複して決定されたこと(図230〜図233に示す「No.9」又は「No.21」が決定されたこと)を示す。BBが「F_赤特殊」と重複して決定された場合には、PUSHボタン演出において、PUSHボタンのLEDが紫色に点灯する。また、「青特殊」は、BBが「F_青特殊」と重複して決定されたこと(図230〜図233に示す「No.10」又は「No.22」が決定されたこと)を示す。BBが「F_青特殊」と重複して決定された場合には、PUSHボタン演出において、PUSHボタンのLEDが紫色に点灯する。
また、「RT1リプレイ」は、BBが「F_RT1リプ」と重複して決定されたこと(図230〜図233に示す「No.3」又は「No.15」が決定されたこと)を示す。BBが「F_RT1リプ」と重複して決定された場合には、PUSHボタン演出において、PUSHボタンのLEDが水色に点灯する。また、「RT3リプレイ」は、BBが「F_RT3リプ」と重複して決定されたこと(図230〜図233に示す「No.4」又は「No.16」が決定されたこと)を示す。BBが「F_RT3リプ」と重複して決定された場合には、PUSHボタン演出において、PUSHボタンのLEDが水色に点灯する。
また、「グループ役」は、BBが「F_特殊役A」又は「F_特殊役B」と重複して決定されたこと(図230〜図233に示す「No.11」、「No.12」、「No.23」、又は、「No.24」が決定されたこと)を示す。図237を用いて説明したように、「F_特殊役A」が内部当籤役として決定された場合と「F_特殊役B」が内部当籤役として決定された場合とでは、内部当籤役の種別に対応する情報として、同一の情報が主制御回路3060から副制御回路3070に送信される。これにより、副制御回路3070において、「F_特殊役A」と「F_特殊役B」とは区別されず、「グループ役」として纏めて処理されることになる。BBが「F_特殊役A」又は「F_特殊役B」と重複して決定された場合には、PUSHボタン演出において、PUSHボタンのLEDが白色に点滅する。
また、「確定チェリー」は、BBが「F_確定チェリー」と重複して決定されたこと(図230〜図233に示す「No.7」又は「No.19」が決定されたこと)を示す。BBが「F_確定チェリー」と重複して決定された場合には、PUSHボタン演出において、PUSHボタンのLEDが赤色に点灯する。
PUSHボタンは、例えば、BB入賞時ロック(図176及び図199参照)が行われている間や、BB入賞時ロックの終了後に、有効な操作が可能となる。具体的には、BB開始コマンドデータ(図137のステップS296参照)等を受信した後に、PUSHボタンが操作された場合に、副制御回路3070は、PUSHボタンに設けられたLEDの点灯制御を行う。PUSHボタンは、副制御回路3070に接続されており、サブCPU3071は、PUSHボタンが操作されたことを契機として発せられる検知信号を受信することにより、PUSHボタンが操作されたことを検出することができる。重複当籤役に関する情報は、BB当籤ゲームに送信されたスタートコマンドデータに含まれるメイン送信番号(図237参照)に基づいて、サブRAM3073に記憶される。PUSHボタン演出において、サブCPU3071は、サブRAM3073に記憶されている重複当籤役に関する情報を参照することにより、図241に示すようなパターンでLEDを点灯させるように構成されている。
以上、本発明の一実施形態として、第10実施形態に係る遊技機1について説明した。
<付記E>
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、遊技メダルやコイン等(「メダル等」)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチおよびストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転およびその停止を行うリール制御部とを備え、スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(「内部当籤役」)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、いわゆるパチスロと称される遊技機が知られている。
このような従来の遊技機として、決定された内部当籤役を示す情報を主制御回路から副制御回路へと送信するように構成された遊技機が知られている(例えば、特開2009−261547号公報参照)。このような遊技機によれば、決定された内部当籤役の種別に応じた演出を行うことが可能であり、演出を通じて、当該内部当籤役の種別を遊技者に報知することができる。これにより、例えば、遊技者は、所謂ATにおいて発生するナビに従うことで、特定の役を入賞させるといった特典を得ることができる。
上述したような従来の遊技機においては、近年、制御基板を操作することにより不正な利益を得ようとする所謂ゴト行為が問題となっている。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、ゴト行為を防止することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第10実施形態に係る遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(E−1) 遊技の実行に関する制御を行う第1制御手段(主制御回路3060)と、演出に関する制御を行う第2制御手段(副制御回路3070)と、を備える遊技機であって、
複数の識別情報を変動表示することが可能な可変表示手段(リールRL,RC,RR)と、
所定の開始契機に基づいて当籤役を決定する役決定手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技者による停止操作を受け付けることが可能な停止操作手段(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R、及び、ストップスイッチ3007LS,3007CS,3007RS)と、
前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作とに基づいて前記可変表示手段における変動表示を停止させることで、表示結果を導出する停止制御手段(図121のステップS22の処理及び図138のステップS325の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記停止制御手段により導出された表示結果に応じた数の遊技価値を付与することが可能な付与手段(図121のステップS25の処理を実行するメインCPU3031)と、を備え、
前記役決定手段は、
第1の役(「F_特殊役A」)を第1の確率で当籤役として決定することが可能である一方、第2の役(「F_特殊役B」)を前記第1の確率とは異なる第2の確率で当籤役として決定することが可能であって、前記第1の役及び前記第2の役の双方を当籤役として決定することはなく、
前記停止制御手段は、
前記役決定手段により前記第1の役が当籤役として決定された場合において、前記可変表示手段に対して第1所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「2」の「赤7」が下段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)が行われた場合には、第1所定の表示結果(特殊役1)を導出するように停止制御を行うことが可能である一方、前記役決定手段により前記第2の役が当籤役として決定された場合において、前記可変表示手段に対して第2所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「11」の「BAR」が中段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)が行われた場合には、第2所定の表示結果(ミカン)を導出するように停止制御を行うことが可能であり、
前記役決定手段により前記第1の役が当籤役として決定された場合において、前記可変表示手段に対して前記第2所定の停止操作が行われた場合には、前記第1所定の表示結果を導出しないように停止制御を行うことが可能である一方、前記役決定手段により前記第2の役が当籤役として決定された場合において、前記可変表示手段に対して前記第1所定の停止操作が行われた場合には、前記第2所定の表示結果を導出しないように停止制御を行うことが可能であり、
前記付与手段は、
前記停止制御手段により前記第1所定の表示結果が導出された場合には、第1所定数の遊技価値(1枚のメダル)を付与することが可能である一方、前記停止制御手段により前記第2所定の表示結果が導出された場合には、前記第1所定数とは異なる第2所定数の遊技価値(6枚のメダル)を付与することが可能であり、
前記第1所定数と前記第1の確率とを乗じて得られる値と、前記第2所定数と前記第2の確率とを乗じて得られる値とは、略同一であり、
前記第1制御手段は、
前記役決定手段により決定された当籤役に応じた情報を前記第2制御手段に送信することが可能な送信手段(図121のステップS17の処理及び図138のステップS324の処理を実行するメインCPU3031)を備え、
前記送信手段は、
前記役決定手段により前記第1の役が当籤役として決定された場合と、前記役決定手段により前記第2の役が当籤役として決定された場合とで、同一の情報を前記第2制御手段に送信することが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第10実施形態に係る遊技機1によれば、第1の役(「F_特殊役A」)が当籤役として決定された場合において、第1所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「2」の「赤7」が下段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)(適切な停止操作)が行われた場合には、第1所定の表示結果(特殊役1)が導出され得る一方、第2の役(「F_特殊役B」)が当籤役として決定された場合において、第2所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「11」の「BAR」が中段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)(適切な停止操作)が行われた場合には、第2所定の表示結果(ミカン)が導出され得る。そして、第1所定の表示結果(特殊役1)が導出された場合には、第1所定数の遊技価値(1枚のメダル)が付与され、第2所定の表示結果(ミカン)が導出された場合には、第2所定数の遊技価値(6枚のメダル)が付与される。従って、もし、第1の役(「F_特殊役A」)と第2の役(「F_特殊役B」)とのうち何れの役が当籤役として決定されたのかが分かれば、遊技者は、適切な停止操作(第1所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「2」の「赤7」が下段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)又は第2所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「11」の「BAR」が中段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作))を行うことによって、所定数(第1所定数又は第2所定数)の遊技価値(1枚又は6枚のメダル)を獲得することができる。
ここで、決定された当籤役に応じた情報は、第1制御手段(主制御回路3060)から第2制御手段(副制御回路3070)(演出制御手段)へと送信されるところ、第1の役(「F_特殊役A」)に応じた情報を受信した場合と第2の役(「F_特殊役B」)に応じた情報を受信した場合とで異なる演出が行われるように第2制御手段(副制御回路3070)が改造されたと仮定する。そうすると、遊技者は、当該演出を通じて、第1の役(「F_特殊役A」)と第2の役(「F_特殊役B」)とのうち何れの役が当籤役として決定されたのかを常に認識することが可能になり、適切な停止操作(第1所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「2」の「赤7」が下段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)又は第2所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「11」の「BAR」が中段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作))を行うことで所定数(第1所定数又は第2所定数)の遊技価値(1枚又は6枚のメダル)を漏れなく享受することができるような状況が発生する。このような状況は、遊技者に対して不当な利益を与え、遊技店に不測の損失を被らせてしまうものである。
この点、第10実施形態に係る遊技機1によれば、第1の役(「F_特殊役A」)が当籤役として決定された場合と第2の役(「F_特殊役B」)が当籤役として決定された場合とで、第1制御手段(主制御回路3060)から第2制御手段(副制御回路3070)へと送信される情報が同一の情報となるように構成されている。従って、第2制御手段(副制御回路3070)は、第1の役(「F_特殊役A」)が当籤役として決定された場合と第2の役(「F_特殊役B」)が当籤役として決定された場合とを区別して認識することができない。そのことに起因して、上述したような「第1の役(「F_特殊役A」)に応じた情報を受信した場合と第2の役(「F_特殊役B」)に応じた情報を受信した場合とで異なる演出が行われる」ような態様で第2制御手段(副制御回路3070)を不正に改造することもできないことになる。これにより、このようなゴト行為を回避することが可能であり、遊技店に損害が発生してしまうことを未然に防止することができる。
また、第10実施形態に係る遊技機1によれば、第1所定数(第1所定の表示結果(特殊役1)に対応する遊技価値(メダル)の付与数=1)と第1の確率(第1の役(「F_特殊役A」)の当籤確率)とを乗じて得られる値と、第2所定数(第2所定の表示結果(ミカン)に対応する遊技価値(メダル)の付与数=6)と第2の確率(第2の役(「F_特殊役B」)の当籤確率)とを乗じて得られる値とが、略同一となっている。従って、第1の役(「F_特殊役A」)と第2の役(「F_特殊役B」)とのうち何れの役が当籤役として決定されたのかが分からない状況において、確率論的には、第1所定の表示結果(特殊役1)が導出されることを狙って第1所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「2」の「赤7」が下段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)を行うことにより得られるであろう遊技価値(メダル)の数の期待値と、第2所定の表示結果(ミカン)が導出されることを狙って第2所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「11」の「BAR」が中段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)を行うことにより得られるであろう遊技価値(メダル)の数の期待値とは、略同一となる。第1所定数(1)と第2所定数(6)とは異なる数であるところ、このような状況において、遊技者は、確率は低いがより多くの遊技価値(メダル)の獲得を目指して停止操作を行う(射幸的な打ち方をする)こともできるし、得られる遊技価値(メダル)の数は少ないが遊技価値(メダル)の獲得可能性が相対的に高くなるような停止操作を行う(少しずつであっても、堅実にコツコツと遊技価値(メダル)を稼ぐような打ち方をする)こともできる。このようにして、遊技者に対して、単位遊技ごとに、停止操作の態様(狙うべき表示結果)を選択する機会を提供することが可能であり、遊技の多様性を高めることができる。
(E−2) 遊技の実行に関する制御を行う第1制御手段(主制御回路3060)と、演出に関する制御を行う第2制御手段(副制御回路3070)と、を備える遊技機であって、
複数の識別情報を変動表示することが可能な可変表示手段(リールRL,RC,RR)と、
所定の開始契機に基づいて当籤役を決定する役決定手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技者による停止操作を受け付けることが可能な停止操作手段(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R、及び、ストップスイッチ3007LS,3007CS,3007RS)と、
前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作とに基づいて前記可変表示手段における変動表示を停止させることで、表示結果を導出する停止制御手段(図121のステップS22の処理及び図138のステップS325の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記停止制御手段により導出された表示結果に応じた数の遊技価値を付与することが可能な付与手段(図121のステップS25の処理を実行するメインCPU3031)と、を備え、
前記役決定手段は、
第1の役(「F_特殊役A」)を第1の確率で当籤役として決定することが可能であり、第2の役(「F_特殊役B」)を第2の確率で当籤役として決定することが可能であり、第3の役(「F_赤特殊」)を第3の確率で当籤役として決定することが可能であり、第4の役(「F_青特殊」)を第4の確率で当籤役として決定することが可能であり、
前記停止制御手段は、
前記役決定手段により前記第1の役が当籤役として決定された場合において、前記可変表示手段に対して第1所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「2」の「赤7」が下段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)が行われた場合には、第1所定の表示結果(特殊役1)を導出するように停止制御を行うことが可能である一方、前記役決定手段により前記第2の役が当籤役として決定された場合において、前記可変表示手段に対して第2所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「11」の「BAR」が中段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)が行われた場合には、第2所定の表示結果(ミカン)を導出するように停止制御を行うことが可能であり、
前記役決定手段により前記第3の役が当籤役として決定された場合において、前記可変表示手段に対して第3所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「2」の「赤7」が下段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)が行われた場合には、第3所定の表示結果(赤特殊)を導出するように停止制御を行うことが可能である一方、前記役決定手段により前記第4の役が当籤役として決定された場合において、前記可変表示手段に対して第4所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「11」の「BAR」が中段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)が行われた場合には、第4所定の表示結果(青特殊)を導出するように停止制御を行うことが可能であり、
前記付与手段は、
前記停止制御手段により前記第1所定の表示結果が導出された場合には、第1所定数の遊技価値(1枚のメダル)を付与することが可能であり、前記停止制御手段により前記第2所定の表示結果が導出された場合には、第2所定数(6枚のメダル)の遊技価値を付与することが可能であり、前記停止制御手段により前記第3所定の表示結果が導出された場合には、第3所定数の遊技価値(1枚のメダル)を付与することが可能であり、前記停止制御手段により前記第4所定の表示結果が導出された場合には、第4所定数の遊技価値(1枚のメダル)を付与することが可能であり、
前記第1所定数と前記第1の確率とを乗じて得られる値と、前記第2所定数と前記第2の確率とを乗じて得られる値とは、ともに所定値(0.05)以上であり、前記第3所定数と前記第3の確率とを乗じて得られる値と、前記第4所定数と前記第4の確率とを乗じて得られる値とは、ともに前記所定値未満であり、
前記第1制御手段は、
前記役決定手段により決定された当籤役に応じた情報を前記第2制御手段に送信することが可能な送信手段(図121のステップS17の処理及び図138のステップS324の処理を実行するメインCPU3031)を備え、
前記送信手段は、
前記役決定手段により前記第1の役が当籤役として決定された場合と、前記役決定手段により前記第2の役が当籤役として決定された場合とで、同一の情報を前記第2制御手段に送信することが可能である一方、前記役決定手段により前記第3の役が当籤役として決定された場合と、前記役決定手段により前記第4の役が当籤役として決定された場合とで、互いに異なる情報を前記第2制御手段に送信することが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第10実施形態に係る遊技機1によれば、第1の役(「F_特殊役A」)が当籤役として決定された場合において、第1所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「2」の「赤7」が下段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)(適切な停止操作)が行われた場合には、第1所定の表示結果(特殊役1)が導出され得る一方、第2の役(「F_特殊役B」)が当籤役として決定された場合において、第2所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「11」の「BAR」が中段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)(適切な停止操作)が行われた場合には、第2所定の表示結果(ミカン)が導出され得る。そして、第1所定の表示結果(特殊役1)が導出された場合には、第1所定数の遊技価値(1枚のメダル)が付与され、第2所定の表示結果(ミカン)が導出された場合には、第2所定数の遊技価値(6枚のメダル)が付与される。従って、もし、第1の役(「F_特殊役A」)と第2の役(「F_特殊役B」)とのうち何れの役が当籤役として決定されたのかが分かれば、遊技者は、適切な停止操作(第1所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「2」の「赤7」が下段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)又は第2所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「11」の「BAR」が中段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作))を行うことによって、所定数(第1所定数又は第2所定数)の遊技価値(1枚又は6枚のメダル)を獲得することができる。
ここで、決定された当籤役に応じた情報は、第1制御手段(主制御回路3060)から第2制御手段(副制御回路3070)(演出制御手段)へと送信されるところ、第1の役(「F_特殊役A」)に応じた情報を受信した場合と第2の役(「F_特殊役B」)に応じた情報を受信した場合とで異なる演出が行われるように第2制御手段(副制御回路3070)が改造されたと仮定する。そうすると、遊技者は、当該演出を通じて、第1の役(「F_特殊役A」)と第2の役(「F_特殊役B」)とのうち何れの役が当籤役として決定されたのかを常に認識することが可能になり、適切な停止操作(第1所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「2」の「赤7」が下段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)又は第2所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「11」の「BAR」が中段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作))を行うことで所定数(第1所定数又は第2所定数)の遊技価値(1枚又は6枚のメダル)を漏れなく享受することができるような状況が発生する。このような状況は、遊技者に対して不当な利益を与え、遊技店に不測の損失を被らせてしまうものである。
この点、第10実施形態に係る遊技機1によれば、第1の役(「F_特殊役A」)が当籤役として決定された場合と第2の役(「F_特殊役B」)が当籤役として決定された場合とで、第1制御手段(主制御回路3060)から第2制御手段(副制御回路3070)へと送信される情報が同一の情報となるように構成されている。従って、第2制御手段(副制御回路3070)は、第1の役(「F_特殊役A」)が当籤役として決定された場合と第2の役(「F_特殊役B」)が当籤役として決定された場合とを区別して認識することができない。そのことに起因して、上述したような「第1の役(「F_特殊役A」)に応じた情報を受信した場合と第2の役(「F_特殊役B」)に応じた情報を受信した場合とで異なる演出が行われる」ような態様で第2制御手段(副制御回路3070)を不正に改造することもできないことになる。これにより、このようなゴト行為を回避することが可能であり、遊技店に損害が発生してしまうことを未然に防止することができる。
また、第10実施形態に係る遊技機1によれば、第3の役(「F_赤特殊」)が当籤役として決定された場合において、第3所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「2」の「赤7」が下段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)(適切な停止操作)が行われた場合には、第3所定の表示結果(赤特殊)が導出され得る一方、第4の役(「F_青特殊」)が当籤役として決定された場合において、第4所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「11」の「BAR」が中段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)(適切な停止操作)が行われた場合には、第4所定の表示結果(青特殊)が導出され得る。そして、第3所定の表示結果(赤特殊)が導出された場合には、第3所定数の遊技価値(1枚のメダル)が付与され、第4所定の表示結果(青特殊)が導出された場合には、第4所定数の遊技価値(1枚のメダル)が付与される。また、第3の役(「F_赤特殊」)が当籤役として決定された場合と第4の役(「F_青特殊」)が当籤役として決定された場合とで、第1制御手段(主制御回路3060)から第2制御手段(副制御回路3070)へと送信される情報が互いに異なる情報となるように構成されている。
従って、第3の役(「F_赤特殊」)に応じた情報を受信した場合と第4の役(「F_青特殊」)に応じた情報を受信した場合とで異なる演出が行われるように構成することが可能であり(ここでは、ゴト行為によってそのような演出が行われるという意味ではなく、遊技機本来の機能として当該演出に係る構成を搭載するという意味)、このように構成した場合には、演出を通じて、第3の役(「F_赤特殊」)と第4の役(「F_青特殊」)とのうち何れの役が当籤役として決定されたのかを遊技者に報知することができる。これにより、遊技者は、第3所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「2」の「赤7」が下段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)と第4所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「11」の「BAR」が中段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)とのうちの何れの停止操作が適切であるのかを認識することが可能となり、適切な停止操作を行うことで、所定数(第3所定数又は第4所定数)の遊技価値(1枚のメダル)を享受することができる。このようにして、遊技者が遊技価値(メダル)を獲得することができる機会を増やすことを通じて、遊技価値(メダル)を頻繁に獲得しているような感覚を遊技者に抱かせることが可能であり、遊技者に対して満足感を付与することができる。
なお、第3の役(「F_赤特殊」)が当籤役として決定された場合と第4の役(「F_青特殊」)が当籤役として決定された場合とで、第1制御手段(主制御回路3060)から第2制御手段(副制御回路3070)へと送信される情報が互いに異なる情報となるように構成されていることに起因して、「第3の役(「F_赤特殊」)に応じた情報を受信した場合と第4の役(「F_青特殊」)に応じた情報を受信した場合とで異なる演出が行われる」ような態様で第2制御手段(副制御回路3070)を不正に改造することもできることになる。しかしながら、第3所定数(第3所定の表示結果(赤特殊)に対応する遊技価値(メダル)の付与数=1)と第3の確率(第3の役(「F_赤特殊」)の当籤確率)とを乗じて得られる値と、第4所定数(第4所定の表示結果(青特殊)に対応する遊技価値(メダル)の付与数=1)と第4の確率(第4の役(「F_青特殊」)の当籤確率)とを乗じて得られる値とは、ともに所定値(0.05)未満である。従って、仮に、そのような不正改造が行われたとしても、上述した「第1の役(「F_特殊役A」)に応じた情報を受信した場合と第2の役(「F_特殊役B」)に応じた情報を受信した場合とで異なる演出が行われる」ような態様で第2制御手段(副制御回路3070)が不正に改造された場合と比較して、遊技店に発生する損害の程度は軽微なものとなる。逆に、こうしたゴト行為を行おうとする者からすると、不正改造を行ったとしても、得られる利益が少ないため、不正が発見されるリスクを冒してまであえて悪事を働こうとは考えない可能性が高いものと思われる。むしろ、第10実施形態に係る遊技機1によれば、上記のように、第3の役(「F_赤特殊」)が当籤役として決定された場合と第4の役(「F_青特殊」)が当籤役として決定された場合とで、第1制御手段(主制御回路3060)から第2制御手段(副制御回路3070)へと送信される情報が互いに異なる情報となるように構成することにより、遊技者が遊技価値(メダル)を獲得することができる機会を増やし、遊技者の満足度が高い遊技を提供することが可能である。従って、第3の役(「F_赤特殊」)が当籤役として決定された場合及び第4の役(「F_青特殊」)が当籤役として決定された場合においては、このように第1制御手段(主制御回路3060)から第2制御手段(副制御回路3070)へと送信される情報を異ならせた方が、当該情報を同一にするよりも(第1の役(「F_特殊役A」)が当籤役として決定された場合及び第2の役(「F_特殊役B」)が当籤役として決定された場合と同様の信号送信態様を採用するよりも)、その意義が大きいと考えられる。
(E−3) 遊技の実行に関する制御を行う第1制御手段(主制御回路3060)と、演出に関する制御を行う第2制御手段(副制御回路3070)と、を備える遊技機であって、
複数の識別情報を変動表示することが可能な可変表示手段(リールRL,RC,RR)と、
所定の開始契機に基づいて当籤役を決定する役決定手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技者による停止操作を受け付けることが可能な停止操作手段(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R、及び、ストップスイッチ3007LS,3007CS,3007RS)と、
前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作とに基づいて前記可変表示手段における変動表示を停止させることで、表示結果を導出する停止制御手段(図121のステップS22の処理及び図138のステップS325の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記停止制御手段により導出された表示結果に応じた数の遊技価値を付与することが可能な付与手段(図121のステップS25の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記役決定手段により特定役(BB)が当籤役として決定された後、前記停止制御手段により特定の表示結果(図229に示す「C_赤BB」又は「C_青BB」)が導出された場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(BB遊技状態)を作動させる特定遊技状態作動手段(図137の処理を実行するメインCPU3031)と、を備え、
前記役決定手段は、第1所定役(「F_特殊役A」)及び第2所定役(「F_特殊役B」)を含む複数の所定役(図241に示す役)のうちの何れかの所定役とともに前記特定役を当籤役として決定することが可能であり、
前記停止制御手段は、
前記役決定手段により前記第1所定役が当籤役として決定された場合において、前記可変表示手段に対して第1所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「2」の「赤7」が下段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)が行われた場合には、第1所定の表示結果(特殊役1)を導出するように停止制御を行うことが可能である一方、前記役決定手段により前記第2所定役が当籤役として決定された場合において、前記可変表示手段に対して第2所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「11」の「BAR」が中段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)が行われた場合には、第2所定の表示結果(ミカン)を導出するように停止制御を行うことが可能であり、
前記第1制御手段は、
前記役決定手段により決定された当籤役に応じた情報を前記第2制御手段に送信することが可能な送信手段(図121のステップS17の処理及び図138のステップS324の処理を実行するメインCPU3031)を備え、
前記第2制御手段は、
前記役決定手段により前記複数の所定役のうちの何れかの所定役とともに前記特定役が当籤役として決定された後、前記停止制御手段により前記特定の表示結果が導出された場合に、該特定役とともに当籤役として決定された所定役に応じた演出を行うことが可能な演出実行手段(PUSHボタン演出を行うサブCPU3071)を備え、
前記送信手段は、
前記役決定手段により前記第1所定役が当籤役として決定された場合と、前記役決定手段により前記第2所定役が当籤役として決定された場合とで、同一の情報を前記第2制御手段に送信することが可能であり、
前記演出実行手段は、
前記停止制御手段により前記特定の表示結果が導出された場合において、前記役決定手段により前記第1所定役とともに前記特定役が当籤役として決定された場合と、前記役決定手段により前記第2所定役とともに前記特定役が当籤役として決定された場合とで、同一の演出を行うことが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第10実施形態に係る遊技機1によれば、第1所定役(「F_特殊役A」)が当籤役として決定された場合において、第1所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「2」の「赤7」が下段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)(適切な停止操作)が行われた場合には、第1所定の表示結果(特殊役1)が導出され得る一方、第2所定役(「F_特殊役B」)が当籤役として決定された場合において、第2所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「11」の「BAR」が中段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)(適切な停止操作)が行われた場合には、第2所定の表示結果(ミカン)が導出され得る。そして、導出された表示結果に応じた数の遊技価値(メダル)が付与され得る。従って、もし、第1所定役(「F_特殊役A」)と第2所定役(「F_特殊役B」)とのうち何れの役が当籤役として決定されたのかが分かれば、遊技者は、適切な停止操作(第1所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「2」の「赤7」が下段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)又は第2所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「11」の「BAR」が中段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作))を行うことによって、遊技価値(メダル)を獲得することができる。
ここで、決定された当籤役に応じた情報は、第1制御手段(主制御回路3060)から第2制御手段(副制御回路3070)(演出制御手段)へと送信されるところ、第1所定役(「F_特殊役A」)に応じた情報を受信した場合と第2所定役(「F_特殊役B」)に応じた情報を受信した場合とで異なる演出が行われるように第2制御手段(副制御回路3070)が改造されたと仮定する。そうすると、遊技者は、当該演出を通じて、第1所定役(「F_特殊役A」)と第2所定役(「F_特殊役B」)とのうち何れの役が当籤役として決定されたのかを常に認識することが可能になり、適切な停止操作(第1所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「2」の「赤7」が下段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)又は第2所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「11」の「BAR」が中段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作))を行うことで遊技価値(メダル)を漏れなく享受することができるような状況が発生する。このような状況は、遊技者に対して不当な利益を与え、遊技店に不測の損失を被らせてしまうものである。
この点、第10実施形態に係る遊技機1によれば、第1所定役(「F_特殊役A」)が当籤役として決定された場合と第2所定役(「F_特殊役B」)が当籤役として決定された場合とで、第1制御手段(主制御回路3060)から第2制御手段(副制御回路3070)へと送信される情報が同一の情報となるように構成されている。従って、第2制御手段(副制御回路3070)は、第1所定役(「F_特殊役A」)が当籤役として決定された場合と第2所定役(「F_特殊役B」)が当籤役として決定された場合とを区別して認識することができない。そのことに起因して、上述したような「第1所定役(「F_特殊役A」)に応じた情報を受信した場合と第2所定役(「F_特殊役B」)に応じた情報を受信した場合とで異なる演出が行われる」ような態様で第2制御手段(副制御回路3070)を不正に改造することもできないことになる。これにより、このようなゴト行為を回避することが可能であり、遊技店に損害が発生してしまうことを未然に防止することができる。
また、第10実施形態に係る遊技機1によれば、特定役(BB)が当籤役として決定された後、特定の表示結果(図229に示す「C_赤BB」又は「C_青BB」)が導出された場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(BB遊技状態)が作動する。また、特定役(BB)は、第1所定役(「F_特殊役A」)及び第2所定役(「F_特殊役B」)を含む複数の所定役(図241に示す役)のうちの何れかの所定役とともに当籤役として決定され得る(特定役(BB)と所定役とが重複当籤し得る)ように構成されている。そして、複数の所定役(図241に示す役)のうちの何れかの所定役とともに特定役(BB)が当籤役として決定された後、特定の表示結果(「C_赤BB」又は「C_青BB」)が導出された場合(特定遊技状態(BB遊技状態)の作動条件が成立した場合)には、該特定役(BB)とともに当籤役として決定された(該特定役(BB)と重複当籤した)所定役に応じた演出を行うことが可能である。これにより、例えば、特定の表示結果(「C_赤BB」又は「C_青BB」)が導出された際に一の所定役に応じた演出が行われたような場合、当該特定の表示結果(「C_赤BB」又は「C_青BB」)が導出された単位遊技よりも数回前に行われた単位遊技において、当該所定役に対応する表示結果が導出されていたのであれば、遊技者は、当該数回前に行われた単位遊技において特定役(BB)が当籤役として決定されたことを認識することができる。一般的に、特定役(BB)が当籤役として決定された場合には、特定遊技状態(BB遊技状態)が作動し得る状況となっており、特定役(BB)がいつ当籤役として決定されたのかは、遊技者にとって関心事であることも多い。この点、第10実施形態に係る遊技機1によれば、遊技者に対して、特定役(BB)が当籤役として決定されたタイミングを事後的に察知する機会を提供することができる。
また、上述したように、第10実施形態に係る遊技機1によれば、第1所定役(「F_特殊役A」)が当籤役として決定された場合と第2所定役(「F_特殊役B」)が当籤役として決定された場合とで、第1制御手段(主制御回路3060)から第2制御手段(副制御回路3070)へと送信される情報が同一の情報となるように構成されている。そして、このことに起因して、第1所定役(「F_特殊役A」)とともに特定役(BB)が当籤役として決定された場合と、第2所定役(「F_特殊役B」)とともに特定役(BB)が当籤役として決定された場合とで、特定の表示結果(「C_赤BB」又は「C_青BB」)が導出された場合に行われ得る演出が同一となっている。そのような特定役(BB)と第1所定役(「F_特殊役A」)とが重複当籤した場合及び特定役(BB)と第2所定役(「F_特殊役B」)とが重複当籤した場合に共通の演出が行われた場合、遊技者は、当該演出を通じて、特定役(BB)と重複当籤した所定役が第1所定役(「F_特殊役A」)と第2所定役(「F_特殊役B」)とのうちの何れの役であったのかを認識することはできない。一方で、例えば、当該特定の表示結果(「C_赤BB」又は「C_青BB」)が導出された単位遊技よりも数回前に行われた単位遊技において、第1所定の表示結果(特殊役1)(第1所定役(「F_特殊役A」)に対応する表示結果)が導出されていたのであれば、遊技者は、当該数回前に行われた単位遊技において特定役(BB)が当籤役として決定されたのではないか、と予想することはできる。しかしながら、第1所定の表示結果(特殊役1)が導出されるためには、第1所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「2」の「赤7」が下段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)が行われる必要があり、例えば、当該数回前に行われた単位遊技において第2所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「11」の「BAR」が中段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)が行われていたような場合には、当該単位遊技において第1所定の表示結果(特殊役1)は導出されていないことになるため、上記のような予想はできないことになる。このように、第1所定役(「F_特殊役A」)又は第2所定役(「F_特殊役B」)が当籤役として決定された場合において、第1所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「2」の「赤7」が下段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)と第2所定の停止操作(左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「11」の「BAR」が中段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作)とのうちの何れの停止操作を行うのかは、上述したように遊技価値(メダル)の獲得に関わるだけでなく、特定役(BB)が当籤役として決定されたタイミングを予想することができるか否かという点にも関わっている。その結果、第10実施形態に係る遊技機1によれば、遊技者の停止操作に多様な意味合いを持たせることが可能であり、停止操作に対する遊技者の関心を高めることができ、このことを通じて、遊技の興趣を向上させることができる。
第10実施形態では、第1所定数(第1所定の表示結果(特殊役1)に対応する遊技価値(メダル)の付与数=1)と第1の確率(第1の役(「F_特殊役A」)の当籤確率)とを乗じて得られる値(期待値A)と、第2所定数(第2所定の表示結果(ミカン)に対応する遊技価値(メダル)の付与数=6)と第2の確率(第2の役(「F_特殊役B」)の当籤確率)とを乗じて得られる値(期待値B)とが、略同一であることとして説明した。ここで、期待値Aと期待値Bとが略同一であると言えるためには、期待値Aと期待値Bとが完全に同一である必要はなく、期待値Aと期待値Bとがかなり近い値であればよい。例えば、期待値Aと期待値Bとの差が0.01未満(あるいは、0.0075未満、0.005未満、0.0025未満、又は、0.001未満)である場合に、期待値Aと期待値Bとが略同一であるものとすることが可能である。また、期待値Aと期待値Bとの差がこれらの値の平均の1/10未満(あるいは、1/15未満、1/20未満、1/50未満、又は、1/100未満)である場合に、期待値Aと期待値Bとが略同一であるものとしてもよい。もっとも、本発明において、期待値Aと期待値Bとは、略同一でなくてもよく、例えば、期待値Aと期待値Bとの差が0.01以上となるように構成してもよい。
また、第10実施形態では、第3所定数(第3所定の表示結果(赤特殊)に対応する遊技価値(メダル)の付与数=1)と第3の確率(第3の役(「F_赤特殊」)の当籤確率)とを乗じて得られる値(期待値C)と、第4所定数(第4所定の表示結果(青特殊)に対応する遊技価値(メダル)の付与数=1)と第4の確率(第4の役(「F_青特殊」)の当籤確率)とを乗じて得られる値(期待値D)とが、ともに所定値(0.05)未満であることとして説明した。所定値としては、任意の値を採用することができるが、ゴト行為が行われた場合に遊技店に発生する損害の程度を軽微なものにするという観点からすると、ある程度低い値を採用することが望ましい。例えば、一の遊技機が1日稼働した際の当該遊技機における収支(遊技の結果)に大きな影響を与えない程度の値(例えば、0.1未満、0.075未満、0.05未満、0.025未満、0.01未満、又は、0.005未満)を適宜採用することができる。もっとも、本発明においては、期待値Cと期待値Dとのうち何れか一方が所定値以上であってもよいし、期待値C及び期待値Dが双方とも所定値以上であってもよい。
また、第10実施形態では、第1所定の停止操作及び第3所定の停止操作が、左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「2」の「赤7」が下段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作であることとして説明した。すなわち、第1所定の停止操作及び第3所定の停止操作が同じ停止操作であることとして説明した。本発明において、第1所定の停止操作及び第3所定の停止操作は、同じ停止操作であってもよいし、異なる停止操作であってもよい。また、第10実施形態では、第2所定の停止操作及び第4所定の停止操作が、左リールRLに対する停止操作を、図柄位置「11」の「BAR」が中段領域に表示されているタイミングで行うような停止操作であることとして説明した。すなわち、第2所定の停止操作及び第4所定の停止操作が同じ停止操作であることとして説明した。本発明において、第2所定の停止操作及び第4所定の停止操作は、同じ停止操作であってもよいし、異なる停止操作であってもよい。また、本発明において、第1所定数と第2所定数とは、同じ数であってもよいし、異なる数であってもよい。同様に、第3所定数と第4所定数とは、同じ数であってもよいし、異なる数であってもよい。
また、第10実施形態では、複数の所定役(図241に示す役)のうちの何れかの所定役とともに特定役(BB)が当籤役として決定された後、特定の表示結果(「C_赤BB」又は「C_青BB」)が導出された場合に、該特定役(BB)とともに当籤役として決定された所定役に応じた演出(PUSHボタン演出)が行われることとして説明した。本発明において、このような演出は、BBが入賞した場合だけでなく、もちろんMBが入賞した場合にも行われる(MB当籤ゲームにおけるMBの当籤態様に応じたパターンで演出が行われる)こととしてもよい。
また、本発明においては、一の単位遊技において、一の当籤役が決定された場合、当該一の当籤役に応じた演出を行うように構成してもよい。このような形態においては、第1の役(「F_特殊役A」)が当籤役として決定された場合と第2の役(「F_特殊役B」)が当籤役として決定された場合とで、第1制御手段(主制御回路3060)から第2制御手段(副制御回路3070)へと送信される情報が同一であることに起因して、第1の役(「F_特殊役A」)が当籤役として決定された場合及び第2の役(「F_特殊役B」)が当籤役として決定された場合については、同じ演出が行われることになる。一方、第3の役(「F_赤特殊」)が当籤役として決定された場合及び第4の役(「F_青特殊」)が当籤役として決定された場合については、同じ演出を行ってもよいし、異なる演出を行ってもよい。この点、第10実施形態では、「F_特殊役A」に対応する「期待値」(期待値A)と「F_特殊役B」に対応する「期待値」(期待値B)とが略同一であり、「F_赤特殊」に対応する「期待値」(期待値C)及び「F_青特殊」に対応する「期待値」(期待値D)がともに所定値未満であることとして説明したが、上述したように、期待値Aと期待値Bとは、略同一でなくてもよく、期待値C及び期待値Dは、所定値以上であってもよい。従って、2つの役について、これらの役に対応する期待値にかかわらず、一方の役が当籤役として決定された場合と他方の役が当籤役として決定された場合とで、同じ演出を行ってもよいし、異なる演出を行ってもよい。なお、演出の内容は、特に限定されず、PUSHボタン演出のように、ボタン(操作部)に設けられたLEDを当籤役に応じた態様で点灯させることとしてもよいし、第6実施形態で説明したようなバックライト演出を行うこととしてもよいし、画像又は音を用いた演出を行うこととしてもよい。このような演出が停止操作の前に行われ、演出内容に基づいて当籤役を一義的に判別することが可能であれば、当該演出は所謂ナビに該当し、遊技者に対して当籤役が報知されることになる。
[第11実施形態]
以上、第1実施形態〜第10実施形態について説明した。以下、第11実施形態について説明する。第11実施形態に係る遊技機1の基本的な構成は、第1実施形態〜第10実施形態に係る遊技機1と同じである。以下においては、第1実施形態〜第10実施形態に係る遊技機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態〜第10実施形態における説明が第11実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<装飾ユニット5050>
図242は、装飾ユニットの分解斜視図である。
第1実施形態では、メイン表示窓DD4(図3参照)が下ドア機構DDに設けられていることとして説明した。これに対し、第11実施形態では、メイン表示窓DD4が上ドア機構UDに設けられている。そして、上ドア機構UDに対応する位置には、装飾ユニット5050が設けられている。なお、本発明においては、もちろん、上ドア機構UDと下ドア機構DDとは一体的に1つの扉として構成されていてもよい。
図242に示すように、装飾ユニット5050は、フロントガラスシート5060と、液晶ガラス5070と、装飾ユニット本体5100と、を備えている。具体的には、フロントガラスシート5060が最も前方に配置され、フロントガラスシート5060の背面側に液晶ガラス5070が配置され、液晶ガラス5070の背面側に装飾ユニット本体5100が配置されている。
装飾ユニット本体5100は、リールガラスホルダ5110と、発光機構5150と、発光機構5200と、を備えている。リールガラスホルダ5110は、装飾ユニット本体5100の骨格を構成しており、メイン表示窓DD4に対応する開口5120が形成されている。
フロントガラスシート5060、液晶ガラス5070、及び、リールガラスホルダ5110は、外形形状が互いに相似する矩形形状となっており、正面視において外縁が重畳するように配置される。フロントガラスシート5060には、リールガラスホルダ5110の開口5120に対応する開口5061が形成されている。また、液晶ガラス5070は、装飾用のシート(図示せず)を含んで構成されている。
フロントガラスシート5060及び液晶ガラス5070は、透光性の素材により形成されており、遊技者は、発光機構5150及び発光機構5200から出射された光を視認することができるようになっている。
<発光機構5200>
図243は、発光機構の正面図である。図244は、発光機構から仕切部材を取り外した状態を示す正面図である。図245は、仕切部材の正面図である。図246は、仕切部材の背面図である。図247は、格子部の断面図である。図248は、発光機構の部分拡大斜視図である。図249は、仕切部材の部分拡大斜視図である。図250は、図243に示す発光機構の矢視A−Aに沿う断面図である。
図243及び図244に示すように、発光機構5200は、LED基板5210と、仕切部材5220と、を備えている。LED基板5210には、複数のLED5211(LED5211a〜5211c)が設けられている。これらのLEDは、LED基板5210の表面の法線方向(前方向)に光を出射するように設置されている。また、これらのLEDは、フルカラーLEDであり、赤色、青色、及び、緑色を含む複数種類の色を発することが可能である。
仕切部材5220は、正面視四角形形状の外形を有しており、前後方向に所定の長さを有する部材として形成されている。図245に示すように、仕切部材5220は、格子部5240と、第1突出部5260と、第2突出部5280と、第3突出部5290と、を備えている。分かりやすくするため、図245では、第1突出部5260を網掛けで示し、第2突出部5280及び第3突出部5290を斜線で示している。
図246〜図248に示すように、格子部5240は、背面側に複数の開口5241が格子状に形成された構造を有している。格子部5240は、所定の厚みを有しており、第9実施形態で説明した仕切部材4220(図206参照)の開口4221a〜4221sと同様に、格子部5240の開口5241は、格子部5240を厚み方向に貫通している。これにより、格子部5240は、上下方向に延在する部分と左右方向に延在する部分とによって構成され、仕切部材4220の光通過空間4222a〜4222s(図207参照)と同様の光通過空間5232が形成されている。なお、図247は、格子部5240を厚み方向に垂直な面(鉛直面)で切断した様子を示すとともに、開口5241を斜線で示している。
発光機構5200が組み立てられた状態において、LED5211(LED5211a〜5211c)は、それぞれ、正面視において各開口5241の中央付近に位置付けられる。格子部5240の内壁面(光通過空間5232に面している部分)は、光を反射するリフレクタとなっている。これにより、LED5211から出射された光は、光通過空間5232を通過することになる。
格子部5240は、第9実施形態で説明した仕切部材4220と同様に、内壁面5241(右壁面5241a、左壁面5241b、上壁面5241c、及び、下壁面5241d)を有している。また、格子部5240は、これらの内壁面5241と連続する後方部5242を有している。後方部5242は、直方体における2つの底面が開放した形状を有しており、後方部5242の前端が、内壁面5241の後端と一致し、後方部5242の後端が、仕切部材5220全体の後端となっている。なお、図248では、一の光通過空間5232に対応する後方部5242を斜線で示している。
図249に示すように、第1突出部5260は、格子部5240の内壁面5241と連続して形成されており、格子部5240から前面側に突出するように設けられている。具体的に、第1突出部5260の前端面5261(図245において網掛けで示している部分)は、格子部5240における内壁面5241の前端縁よりも前方に位置付けられている。これにより、格子部5240の一部は、第1突出部5260によって前方から覆われている。
また、第2突出部5280は、格子部5240の内壁面5241と連続して形成されており、格子部5240から前面側に突出するように設けられている。具体的に、第2突出部5280の前端面5281(図245において斜線で示している部分)は、格子部5240における内壁面5241の前端縁よりも前方に位置付けられている。これにより、格子部5240の一部は、第2突出部5280によって前方から覆われている。
同様に、第3突出部5290は、格子部5240の内壁面5241と連続して形成されており、格子部5240から前面側に突出するように設けられている。具体的に、第3突出部5290の前端面5291(図245において斜線で示している部分)は、格子部5240における内壁面5241の前端縁よりも前方に位置付けられている。これにより、格子部5240の一部は、第3突出部5290によって前方から覆われている。
このように、第1突出部5260の前端面5261、第2突出部5280の前端面5281、第3突出部5290の前端面5291は、それぞれ、格子部5240における内壁面5241の前端縁よりも前方に存在するが、第1突出部5260の前端面5261は、第2突出部5280の前端面5281及び第3突出部5290の前端面5291よりも前方に位置している。すなわち、第1突出部5260の格子部5240からの突出長は、第2突出部5280及び第3突出部5290の格子部5240からの突出長よりも長い。
図250において、D(0)は、仕切部材5220の後端から格子部5240における内壁面5241の前端縁までの距離である。D(1)は、仕切部材5220の後端から第1突出部5260の前端面5261までの距離である。D(2)は、仕切部材5220の後端から第2突出部5280の前端面5281までの距離である。D(3)は、仕切部材5220の後端から第3突出部5290の前端面5291までの距離である。D(1)、D(2)、及び、D(3)は、それぞれ、D(0)よりも長くなっている。また、D(1)は、D(2)及びD(3)よりも長くなっている。また、D(2)とD(3)とは略等しくなっている。
第1突出部5260の前端面5261は、略平坦な鉛直面となっており、仕切部材5220は、前端面5261全体が液晶ガラス5070の裏面と略当接するように配置される。また、第2突出部5280の前端面5281及び第3突出部5290の前端面5291も、それぞれ、略平坦な鉛直面となっている。従って、第2突出部5280の前端面5281及び第3突出部5290の前端面5291は、それぞれ、D(1)とD(2)との差、及び、D(1)とD(3)との差に相当する距離だけ、液晶ガラス5070の裏面から離間することになる。
なお、図250に示すように、発光機構5200が組み立てられた状態において、仕切部材5220の後端は、LED基板5210の表面に略当接する。これにより、LED5211から出射された光は、全て光通過空間5232の内部に入ることとなる。
また、図249では、第2突出部5280において格子部5240の内壁面5241と対向するように形成された側壁5282を斜線で示している。側壁5282は、光通過空間5232の中央付近(内壁面5241から離れている部分、すなわち、正面視においてLED5211が配置されている部分近傍)における幅(図中のr)が、格子部5240との接続部分(内壁面5241に近い部分)における幅(図中のR)よりも短くなっている。これにより、図248において網掛けで示すスペース(図中のS)が生じ、LED5211cから出射された光が前方へと進行しやすくなっている。
なお、分かりやすくするため、図248では、第2突出部5280の側壁5282と一の光通過空間5232に対応する左壁面5241bとの接点(図中のP)と第2突出部5280の側壁5282と当該光通過空間5232に対応する下壁面5241dとの接点(図中のQ)とを仮想線で結んでいる。詳細な図示は省略するが、第1突出部5260の側壁及び第3突出部5290の側壁(格子部5240との境界付近)にも、同様のスペースSが形成されている(図249参照)。
<発光機構5200を用いた発光演出>
図251は、仕切部材の模式図である。
本実施形態では、以上のように構成された発光機構5200により、LED5211(LED5211a〜5211c)を用いた発光演出が行われる。図251では、仕切部材5220を正面から見た状態を模式的に示している。説明の便宜上、仕切部材5220の外形形状を長方形とし、当該長方形の内部に仮想的な円を想定する。
第1突出部5260(図245参照)は、周囲遮蔽部5261と第1内側遮蔽部5262と第2内側遮蔽部5263と第3内側遮蔽部5264とによって構成される。図251(a)では、周囲遮蔽部5261を網掛けで示し、第1内側遮蔽部5262、第2内側遮蔽部5263、及び、第3内側遮蔽部5264を斜線で示している。
周囲遮蔽部5261は、上記円の外部に存在する部分であり、上記長方形から上記円を除いた部分に対応している。上記円の内部に存在する点をA、上記円の円周上の2点をB及びCと表記したとき、第1内側遮蔽部5262は、線分ABと線分ACと劣弧(短い方の弧)BCとによって囲まれる図形に対応している。上記円の内部に存在する点をD、上記円の円周のうち優弧(長い方の弧)BC上の2点をE及びFと表記したとき、第2内側遮蔽部5263は、線分DEと線分DFと劣弧EFとによって囲まれる図形に対応している。上記円の内部に存在する点をG、上記円の円周のうち優弧BC上且つ優弧EF上の2点をH及びIと表記したとき、第3内側遮蔽部5264は、線分GHと線分GIと劣弧HIとによって囲まれる図形に対応している。
上記円の内部のうち、第1内側遮蔽部5262、第2内側遮蔽部5263、及び、第3内側遮蔽部5264の外部に位置する点をJ、上記円の円周のうち優弧BC上、優弧EF上、且つ、優弧HI上の点をKと表記したとき、第2突出部5280は、線分JKに対応している。上記円の内部のうち、第1内側遮蔽部5262、第2内側遮蔽部5263、及び、第3内側遮蔽部5264の外部に位置する点をL、上記円の円周のうち優弧BC上、優弧EF上、且つ、優弧HI上の点をMと表記したとき、第3突出部5290は、線分LMに対応している。
以上より、仕切部材5220に対してLED基板5210を取り付けた状態において、LED基板5210は、以下の領域に区分される。
(i)線分KJ、線分JL、線分LM、劣弧MC、線分CA、線分AB、及び、劣弧BKによって囲まれる領域(図251(b)において斜線で示す領域)
(ii)線分JK、劣弧KE、線分ED、線分DF、劣弧FH、線分HG、線分GI、劣弧IM、線分ML、及び、線分LJによって囲まれる領域(図251(b)において網掛けで示す領域)
(iii)上記(i)及び(ii)以外の領域(周囲遮蔽部5261、第1内側遮蔽部5262、第2内側遮蔽部5263、及び、第3内側遮蔽部5264に対応する領域)
図243及び図244では、上記(i)の領域に設けられているLEDをLED5211aとして示し、上記(ii)の領域に設けられているLEDをLED5211bとして示し、上記(iii)の領域に設けられているLEDをLED5211cとして示している。
ここで、LED5211cから出射された光の進行経路には、周囲遮蔽部5261、第1内側遮蔽部5262、第2内側遮蔽部5263、又は、第3内側遮蔽部5264(第1突出部5260)が配設されている。LED5211cから出射された光が通過可能な光通過空間5232は、以下の光通過空間5232に分けられる。
(iii−1)前面側が第1突出部5260によって隙間なく覆われている光通過空間5232
(iii−2)前面側の一部が第1突出部5260によって覆われているが、一部が開放されている光通過空間5232(上記(i)の領域又は上記(ii)の領域との境界部分、すなわち、図251における線分AB、線分AC、線分DE、線分DF、線分GH、線分GI、劣弧BE、劣弧FH、及び、劣弧ICと重畳する位置に存在する光通過空間5232)
第1突出部5260は、光を反射するリフレクタとなっており、透光性を有していない。従って、上記(iii−1)の光通過空間5232に入った光は、液晶ガラス5070に到達することができない。これに対し、上記(iii−2)の光通過空間5232に入った光は、開放されている部分を通過して、液晶ガラス5070に到達することができる。これにより、線分AB、線分AC、線分DE、線分DF、線分GH、線分GI、劣弧BE、劣弧FH、及び、劣弧ICに対応する形状をそのまま投影することができる。
そして、このような形状に対応して、LED5211a及びLED5211bを全て点灯させた場合には、魚のような外観を呈することができる(図251(b)参照)。すなわち、第1内側遮蔽部5262によって魚の口を表現するとともに、第2内側遮蔽部5263及び第3内側遮蔽部5264によって魚の尾びれを表現することができる。
また、LED5211bを点灯させつつ、LED5211aを消灯させた場合には、魚が口を大きく開けている様子を表現することができる。さらに、LED5211bを点灯させつつ、LED5211aを点滅させた場合には、魚が口を開けたり閉じたりしている様子を表現することが可能であり、魚が餌を食べているような斬新な見せ方をすることができる。
LED5211aの点滅パターンとしては、複数のパターンが設けられていてもよい。例えば、所定時間の周期間隔で点滅する(所定時間の点灯と所定時間の消灯とが繰り返される)通常点滅パターンと、所定時間よりも短い時間の周期間隔で点滅する(通常点滅よりも高速で点滅する)高速点滅パターンとを設け、遊技状態に応じて点滅パターンを切り替えることとしてもよい。これにより、例えば、一般遊技状態において通常点滅パターンを採用し、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、BB遊技状態等の特別遊技状態)において高速点滅パターンを採用すれば、特別遊技状態中にLED5211aを高速で点滅させることを通じて、魚の口の動きを速く見せるといったことも可能となる。
なお、第2突出部5280及び第3突出部5290は、それぞれ、第1突出部5260と同様に、透光性を有していないため、第2突出部5280及び第3突出部5290の存在によって陰が投影されることになる。しかし、上述したように、第2突出部5280及び第3突出部5290は、それぞれ、液晶ガラス5070と当接していないため、当該陰が目立ちすぎず、魚の口の動きに関し、よりリアリティに富んだ態様での演出表現を実現することができる。
以上、本発明の一実施形態として、第11実施形態に係る遊技機1について説明した。
<付記F>
従来、発光装飾部を備え、光源の発光による演出を行うことが可能な遊技機が知られている(例えば、特開2013−013686号公報参照)。
一般的に、上述したような発光手段を備える遊技機においては、各種の演出を行うことにより遊技の興趣を向上させることが求められている。本発明者は、このような遊技機について、鋭意検討を重ねる過程において、発光手段から発せられる光の通過経路に配置される部材に関して工夫を凝らすことにより、新たなエンターテインメント性を創出することができるのではないかという考えに至った。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、発光手段を備える遊技機において新たなエンターテインメント性を創出することを目的とする。
この点、第11実施形態に係る遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(F−1) 光を発することが可能な複数の発光手段(LED5211)と、
前記発光手段から発せられた光によって照射される照射対象部材(液晶ガラス5070)と、
前記発光手段と前記照射対象部材との間に配置される介在部材(仕切部材5220)と、を備え、
前記介在部材は、格子状に形成された格子部(格子部5240)と、前記発光手段から発せられる光の進行方向側に向かって前記格子部から突出する突出部(第2突出部5280及び第3突出部5290)と、を備え、
前記格子部は、第1の方向に形成された第1方向部(上下方向に延在する部分)と、第2の方向に形成された第2方向部(左右方向に延在する部分)と、を備え、
前記突出部は、前記第1の方向及び前記第2の方向とは異なる方向に延在しており、
前記介在部材は、前記突出部と前記照射対象部材とが当接しないように配置されている、
ことを特徴とする遊技機。
第11実施形態に係る遊技機1によれば、介在部材(仕切部材5220)は、格子部(格子部5240)と突出部(第2突出部5280及び第3突出部5290)とを備えている。格子部(格子部5240)は、格子状に形成されるとともに、第1の方向(上下方向)に形成された第1方向部(上下方向に延在する部分)と第2の方向(左右方向)に形成された第2方向部(左右方向に延在する部分)とを備えている。突出部(第2突出部5280及び第3突出部5290)は、発光手段(LED5211)から発せられる光の進行方向側に向かって格子部(格子部5240)から突出して形成されるとともに、第1の方向(上下方向)及び第2の方向(左右方向)とは異なる方向(斜め方向)に延在している。また、介在部材(仕切部材5220)は、突出部(第2突出部5280及び第3突出部5290)と照射対象部材(液晶ガラス5070)とが当接しないように配置されている。本発明者は、介在部材(仕切部材5220)をこのように構成することにより、照射対象部材(液晶ガラス5070)において突出部(第2突出部5280及び第3突出部5290)の形状をシャープに表現することが可能であるとともに、突出部(第2突出部5280及び第3突出部5290)によって照射対象部材(液晶ガラス5070)に生じる陰が目立たないようにすることができることを見出した。このようにして、第10実施形態に係る遊技機1によれば、突出部(第2突出部5280及び第3突出部5290)によって独特の視覚的効果を創出することが可能であり、それによる外観表現を各種演出に利用することができる。
(F−2) 光を発することが可能な複数の発光手段(LED5211)と、
前記発光手段から発せられる光が通過可能な領域を区画する仕切部材(仕切部材5220)と、を備え、
前記仕切部材は、格子状に形成された格子部(格子部5240)と、特定の形状(図251に示す線分AB、線分AC、線分DE、線分DF、線分GH、線分GI、劣弧BE、劣弧FH、及び、劣弧ICに対応する形状)を有し前記発光手段から発せられる光の通過を遮る遮蔽部(第1突出部5260)と、を備え、
前記遮蔽部は、所定の形状(円形状)の周囲に位置する周囲遮蔽部(周囲遮蔽部5261)と前記所定の形状の内側に位置する内側遮蔽部(第1内側遮蔽部5262、第2内側遮蔽部5263、及び、第3内側遮蔽部5264)とを有するとともに、前記周囲遮蔽部及び前記内側遮蔽部によって前記特定の形状を構成しており、
前記内側遮蔽部は、前記所定の形状の内側に形成されている前記格子部の一部を覆うように形成されている、
ことを特徴とする遊技機。
第11実施形態に係る遊技機1によれば、仕切部材(仕切部材5220)は、格子部(格子部5240)と遮蔽部(第1突出部5260)とを備えている。格子部(格子部5240)は、格子状に形成されている。遮蔽部(第1突出部5260)は、発光手段(LED5211)から発せられる光の通過を遮る部分であり、特定の形状(図251に示す線分AB、線分AC、線分DE、線分DF、線分GH、線分GI、劣弧BE、劣弧FH、及び、劣弧ICに対応する形状)を有するとともに、周囲遮蔽部(周囲遮蔽部5261)と内側遮蔽部(第1内側遮蔽部5262、第2内側遮蔽部5263、及び、第3内側遮蔽部5264)とを備えている。周囲遮蔽部(周囲遮蔽部5261)は、所定の形状(円形状)の周囲に位置する部分であるのに対し、内側遮蔽部(第1内側遮蔽部5262、第2内側遮蔽部5263、及び、第3内側遮蔽部5264)は、当該所定の形状(円形状)の内側に位置する部分であり、周囲遮蔽部(周囲遮蔽部5261)と内側遮蔽部(第1内側遮蔽部5262、第2内側遮蔽部5263、及び、第3内側遮蔽部5264)とによって上記特定の形状(図251に示す線分AB、線分AC、線分DE、線分DF、線分GH、線分GI、劣弧BE、劣弧FH、及び、劣弧ICに対応する形状)が構成されている。そして、内側遮蔽部(第1内側遮蔽部5262、第2内側遮蔽部5263、及び、第3内側遮蔽部5264)は、上記所定の形状(円形状)の内側に形成されている格子部(格子部5240)の一部を覆うように形成されている。本発明者は、仕切部材(仕切部材5220)をこのように構成することにより、内側遮蔽部(第1内側遮蔽部5262、第2内側遮蔽部5263、及び、第3内側遮蔽部5264)近傍における明るさを保ちつつ、内側遮蔽部の輪郭をシャープに表現することができることを見出した。このようにして、第11実施形態に係る遊技機1によれば、周囲遮蔽部(周囲遮蔽部5261)と内側遮蔽部(第1内側遮蔽部5262、第2内側遮蔽部5263、及び、第3内側遮蔽部5264)とによって独特の視覚的効果を創出することが可能であり、それによる外観表現を各種演出に利用することができる。
この点、本発明者は、特定の形状(図251に示す線分AB、線分AC、線分DE、線分DF、線分GH、線分GI、劣弧BE、劣弧FH、及び、劣弧ICに対応する形状、すなわち、魚を象った形状)の外縁を、格子部(格子部5240)における第1方向部(上下方向に延在する部分)及び第2方向部(左右方向に延在する部分)に沿って形成することも検討した。しかしながら、その場合には、格子部(格子部5240)の格子形状に起因して、特定の形状(魚を象った形状)の輪郭がジグザグになってしまい、リアリティに富んだ見せ方をすることができなかった。また、上記外縁近傍における格子部(格子部5240)を無くしてしまうことも検討したが、その場合には、当該外縁近傍における明るさが低下してしまい、特定の形状(魚を象った形状)をくっきりと浮かび上がらせることができないという問題に直面した。本発明者は、第11実施形態のような構成を採用することによって、特定の形状(魚を象った形状)をリアリティに富んだ態様で見せることに見事成功した。また、同様に、突出部(第2突出部5280及び第3突出部5290)の形状(魚が口を開けている状態に対応する形状)も絶妙に表現することができることを見出した。
第11実施形態では、特定の形状として、図251に示す線分AB、線分AC、線分DE、線分DF、線分GH、線分GI、劣弧BE、劣弧FH、及び、劣弧ICに対応する形状を採用する例について説明した。本発明における特定の形状としては、直線及び曲線から構成される任意の形状を採用することができる。あるいは、直線のみによって特定の形状を構成してもよいし、曲線のみによって特定の形状を構成してもよい。直線のみによって特定の形状を構成する場合、特定の形状としては、任意の多角形を採用することができる。また、第11実施形態では、所定の形状として円形状を採用する例について説明した。本発明における所定の形状としては、円形状の他、楕円形状、長方形形状、菱形形状等、任意の図形形状を採用することができる。
また、第11実施形態では、格子部(格子部5240)における第1方向部及び第2方向部がそれぞれ、上下方向に延在する部分及び左右方向に延在する部分であることとして説明した。本発明における第1の方向及び第2の方向は、上下方向及び左右方向に限定されず、互いに異なる任意の2方向を適宜採用することができる。第1の方向を所定の方向(例えば、左右方向)としつつ、第1の方向と所定の角度をなす方向を第2の方向とした場合、所定の角度は、特に限定されず、75°〜90°程度の角度であってもよいし、60°〜75°程度の角度であってもよいし、45°〜60°程度の角度であってもよいし、30°〜45°程度の角度であってもよいし、30°以下の角度であってもよい。本発明における格子部は、このような第1の方向に形成された平行線群と第2の方向に形成された平行線群とによって構成されるものである。
また、第11実施形態では、図251に示す円周における左上部分に位置する点から円の中心付近にかけて第2突出部5280が延在し、図251に示す円周における左下部分に位置する点から円の中心付近にかけて第3突出部5290が延在することとして説明した。本発明において、突出部(第2突出部5280及び第3突出部5290)の延在する方向は、このように第1の方向及び第2の方向の双方と異ならせてもよいし、何れか一方の方向と一致させてもよい。また、内側遮蔽部(第1内側遮蔽部5262、第2内側遮蔽部5263、及び、第3内側遮蔽部5264)を構成する直線(線分AB、線分AC、線分DE、線分DF、線分GH、及び、線分GI)の延在する方向も、第1の方向及び第2の方向の双方と異ならせてもよいし、何れか一方の方向と一致させてもよい。突出部(第2突出部5280及び第3突出部5290)の延在方向と第1の方向(又は第2の方向)とがなす角度は、特に限定されず、75°〜90°程度の角度であってもよいし、60°〜75°程度の角度であってもよいし、45°〜60°程度の角度であってもよいし、30°〜45°程度の角度であってもよいし、30°以下の角度であってもよい。同様に、内側遮蔽部(第1内側遮蔽部5262、第2内側遮蔽部5263、及び、第3内側遮蔽部5264)を構成する直線(線分AB、線分AC、線分DE、線分DF、線分GH、及び、線分GI)の延在方向と第1の方向(又は第2の方向)とがなす角度は、特に限定されず、75°〜90°程度の角度であってもよいし、60°〜75°程度の角度であってもよいし、45°〜60°程度の角度であってもよいし、30°〜45°程度の角度であってもよいし、30°以下の角度であってもよい。
また、第11実施形態では、照射対象部材(液晶ガラス5070)の前面側にフロントガラスシート5060が配置されていることとして説明した。本発明においては、このように、照射対象部材(液晶ガラス5070)の前面側に透光性を有する他の部材を配置することとしてもよいし、照射対象部材(液晶ガラス5070)の前面側には、他の部材を配置しないこととしてもよい。一方、液晶ガラス5070の背面側に透光性を有する他の部材を配置してもよいが、この場合には、当該他の部材が本発明における照射対象部材に相当することとなる。なお、照射対象部材(液晶ガラス5070)及び他の部材(フロントガラスシート5060)には、仕切部材(仕切部材5220)における特定の形状(図251に示す線分AB、線分AC、線分DE、線分DF、線分GH、線分GI、劣弧BE、劣弧FH、及び、劣弧ICに対応する形状)と正面視において重畳する位置に、特定の形状(魚を象った形状)に対応する模様や装飾を施すこととしてもよい。
(F−3) 光を発することが可能な複数の発光手段(LED5211)と、
前記発光手段を発光させる発光制御手段(副制御回路3070)と、
前記発光手段から発せられる光が通過可能な領域を区画する仕切部材(仕切部材5220)と、を備え、
前記仕切部材は、格子状に形成された格子部(格子部5240)と、前記発光手段から発せられる光の進行方向側に向かって前記格子部から突出するとともに特定方向(斜め方向)に延在する突出部(第2突出部5280及び第3突出部5290)と、を備え、
前記複数の発光手段は、前記突出部の所定方向側(左側)に配置された複数の第1発光手段(LED5211a)と、前記突出部の前記所定方向側とは反対側(右側)に配置された複数の第2発光手段(LED5211b)と、を備え、
前記発光制御手段は、前記第1発光手段の発光態様と前記第2発光手段の発光態様とを異ならせることが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第11実施形態に係る遊技機1によれば、仕切部材(仕切部材5220)は、格子部(格子部5240)と突出部(第2突出部5280及び第3突出部5290)とを備えている。格子部(格子部5240)は、格子状に形成されている。突出部(第2突出部5280及び第3突出部5290)は、発光手段(LED5211)から発せられる光の進行方向側に向かって格子部(格子部5240)から突出して形成されるとともに、特定方向(斜め方向)に延在している。発光手段(LED5211)としては、突出部(第2突出部5280及び第3突出部5290)の所定方向側(左側)に配置された第1発光手段(LED5211a)と、突出部(第2突出部5280及び第3突出部5290)の所定方向側とは反対側(右側)に配置された第2発光手段(LED5211b)とが設けられており、第1発光手段(LED5211a)の発光態様と第2発光手段(LED5211b)の発光態様とを異ならせることが可能となっている。本発明者は、仕切部材(仕切部材5220)をこのように構成するとともに、突出部(第2突出部5280及び第3突出部5290)によって区画される各領域に配置された発光手段(LED5211)の発光態様を互いに異ならせることにより、突出部(第2突出部5280及び第3突出部5290)の形状をシャープに見せることが可能であるとともに、仕切部材(仕切部材5220)の象る外観を動的に表現することができることを見出した。このようにして、第11実施形態に係る遊技機1によれば、突出部(第2突出部5280及び第3突出部5290)及び当該突出部(第2突出部5280及び第3突出部5290)と関連付けた発光手段(LED5211)の発光態様によって斬新な演出を実現することができる。
[第12実施形態]
以上、第1実施形態〜第11実施形態について説明した。以下、第12実施形態について説明する。第12実施形態に係る遊技機1の基本的な構成は、第1実施形態〜第11実施形態に係る遊技機1と同じである。以下においては、第1実施形態〜第11実施形態に係る遊技機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態〜第11実施形態における説明が第12実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<遊技状態の遷移フロー>
図252Aは、本発明の一実施形態に係る遊技状態の移行遷移を示す図である。図252Bは、本発明の一実施形態に係る遊技状態の移行条件をまとめた表である。
本実施形態では、図252Aに示すような遊技状態が主制御回路3060によって管理されている。第10実施形態と同様に、遊技状態(メイン)は、ボーナス非当籤状態、フラグ間状態、及び、ボーナス状態のうちの何れかに区分される。
本実施形態では、ボーナス状態として、MB遊技状態が設けられており、MB遊技状態としては、MB1遊技状態、MB2遊技状態、及び、MB3遊技状態が設けられている。MB1遊技状態に対応するボーナス役としては、「F_MB1」が設けられており、MB2遊技状態に対応するボーナス役としては、「F_MB2」が設けられており、MB3遊技状態に対応するボーナス役としては、「F_MB3」が設けられている(図254A参照)。
また、本実施形態では、RT遊技状態(内部当籤役としてリプレイ役の決定される確率が互いに異なる遊技状態)として、RT0遊技状態及びRT1遊技状態が設けられている。ボーナス非当籤状態におけるRT遊技状態は、フラグ間状態及びボーナス状態(MB1遊技状態及びMB2遊技状態)において引き継がれることとされている。
リプレイ役としては、「F_通常リプ」、「F_チャンスリプ」、「F_確定リプA」、「F_確定リプB」、「F_煽りリプA」、「F_煽りリプB」、「F_紫7リプA」、「F_紫7リプB」、「F_紫7リプC」、及び、「F_紫7リプD」が設けられている(図254A及び図254B参照)。なお、本明細書では、「リプレイ」を「リプ」と表記することがある。
図252A及び図252Bを参照して具体的に説明すると、ボーナス非当籤状態(RT0遊技状態)において、「F_MB1」が内部当籤役として決定されると(MB1が内部当籤すると)、主制御回路3060は、ボーナス非当籤状態(RT0遊技状態)からRT0中フラグ間状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(1)参照)。また、ボーナス非当籤状態(RT0遊技状態)において、「F_MB2」が内部当籤役として決定されると(MB2が内部当籤すると)、主制御回路3060は、ボーナス非当籤状態(RT0遊技状態)からRT0中フラグ間状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(1)参照)。また、ボーナス非当籤状態(RT0遊技状態)において、「F_MB3」が内部当籤役として決定されると(MB3が内部当籤すると)、主制御回路3060は、ボーナス非当籤状態(RT0遊技状態)からRT0中フラグ間状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(1)参照)。
また、ボーナス非当籤状態(RT1遊技状態)において、「F_MB1」が内部当籤役として決定されると(MB1が内部当籤すると)、主制御回路3060は、ボーナス非当籤状態(RT1遊技状態)からRT1中フラグ間状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(2)参照)。また、ボーナス非当籤状態(RT1遊技状態)において、「F_MB2」が内部当籤役として決定されると(MB2が内部当籤すると)、主制御回路3060は、ボーナス非当籤状態(RT1遊技状態)からRT1中フラグ間状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(2)参照)。また、ボーナス非当籤状態(RT1遊技状態)において、「F_MB3」が内部当籤役として決定されると(MB3が内部当籤すると)、主制御回路3060は、ボーナス非当籤状態(RT1遊技状態)からRT1中フラグ間状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(2)参照)。
「F_MB1」(MB1)、「F_MB2」(MB2)、及び、「F_MB3」(MB3)は、所謂持越役である(図119(a)参照)。MB1が内部当籤すると、MB1に対応する図柄の組合せ(図254Aに示す「C_MB1」)が有効ラインに沿って停止表示されるまで(MB1が入賞するまで)、MB1が内部当籤した状態が持ち越される。MB2が内部当籤すると、MB2に対応する図柄の組合せ(図254Aに示す「C_MB2」)が有効ラインに沿って停止表示されるまで(MB2が入賞するまで)、MB2が内部当籤した状態が持ち越される。MB3が内部当籤すると、MB3に対応する図柄の組合せ(図254Aに示す「C_MB3」)が有効ラインに沿って停止表示されるまで(MB3が入賞するまで)、MB3が内部当籤した状態が持ち越される。フラグ間状態は、MB1、MB2、又は、MB3が内部当籤した状態が持ち越されている状態である。
RT0中フラグ間状態において、「C_MB1」に係る図柄の組合せ(図254A参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(MB1が入賞すると)、主制御回路3060は、RT0中フラグ間状態からRT0中MB1遊技状態(RT0遊技状態且つMB1遊技状態)へと遊技状態を移行させる(移行条件(3)参照)。具体的な「C_MB1」に係る図柄の組合せについては、後に説明する。
RT0中フラグ間状態において、「C_MB2」に係る図柄の組合せ(図254A参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(MB2が入賞すると)、主制御回路3060は、RT0中フラグ間状態からRT0中MB2遊技状態(RT0遊技状態且つMB2遊技状態)へと遊技状態を移行させる(移行条件(4)参照)。具体的な「C_MB2」に係る図柄の組合せについては、後に説明する。
RT0中MB1遊技状態において規定枚数(179枚)を超えるメダルが払い出されると、主制御回路3060は、RT0中MB1遊技状態からボーナス非当籤状態(RT0遊技状態)へと遊技状態を移行させる(移行条件(5)参照)。また、RT0中MB2遊技状態において規定枚数(44枚)を超えるメダルが払い出されると、主制御回路3060は、RT0中MB2遊技状態からボーナス非当籤状態(RT0遊技状態)へと遊技状態を移行させる(移行条件(6)参照)。
RT1中フラグ間状態において、「C_MB1」に係る図柄の組合せ(図254A参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(MB1が入賞すると)、主制御回路3060は、RT1中フラグ間状態からRT1中MB1遊技状態(RT1遊技状態且つMB1遊技状態)へと遊技状態を移行させる(移行条件(7)参照)。
RT1中フラグ間状態において、「C_MB2」に係る図柄の組合せ(図254A参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(MB2が入賞すると)、主制御回路3060は、RT1中フラグ間状態からRT1中MB2遊技状態(RT1遊技状態且つMB2遊技状態)へと遊技状態を移行させる(移行条件(8)参照)。
RT1中MB1遊技状態において規定枚数(179枚)を超えるメダルが払い出されると、主制御回路3060は、RT1中MB1遊技状態からボーナス非当籤状態(RT1遊技状態)へと遊技状態を移行させる(移行条件(9)参照)。また、RT1中MB2遊技状態において規定枚数(44枚)を超えるメダルが払い出されると、主制御回路3060は、RT1中MB2遊技状態からボーナス非当籤状態(RT1遊技状態)へと遊技状態を移行させる(移行条件(10)参照)。
フラグ間状態(RT0中フラグ間状態又はRT1中フラグ間状態)において、「C_MB3」に係る図柄の組合せ(図254A参照)が有効ラインに沿って停止表示されると(MB3が入賞すると)、主制御回路3060は、フラグ間状態からMB3遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(11)参照)。
MB3遊技状態において規定枚数(239枚)を超えるメダルが払い出されると、主制御回路3060は、MB3遊技状態からボーナス非当籤状態(RT1遊技状態)へと遊技状態を移行させる(移行条件(12)参照)。
MB3遊技状態が終了した後単位遊技が所定回数(700回)行われたときに、遊技状態がボーナス非当籤状態(RT1遊技状態)である場合、主制御回路3060は、ボーナス非当籤状態(RT1遊技状態)からボーナス非当籤状態(RT0遊技状態)へと遊技状態を移行させる(移行条件(13)参照)。
また、MB3遊技状態が終了した後単位遊技が所定回数(700回)行われたときに、遊技状態がRT1中フラグ間状態である場合、主制御回路3060は、RT1中フラグ間状態からRT0中フラグ間状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(14)参照)。
また、MB3遊技状態が終了した後単位遊技が所定回数(700回)行われたときに、遊技状態がRT1中MB1遊技状態である場合、主制御回路3060は、RT1中MB1遊技状態からRT0中MB1遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(15)参照)。また、MB3遊技状態が終了した後単位遊技が所定回数(700回)行われたときに、遊技状態がRT1中MB2遊技状態である場合、主制御回路3060は、RT1中MB2遊技状態からRT0中MB2遊技状態へと遊技状態を移行させる(移行条件(15)参照)。
ここで、RT0遊技状態は、内部当籤役としてリプレイ役の決定される確率(リプレイの当籤確率)の相対的に低い状態(低RT遊技状態)である。これに対し、RT1遊技状態は、内部当籤役としてリプレイ役の決定される確率(リプレイの当籤確率)の相対的に高い状態(高RT遊技状態)である。この点において、RT1遊技状態は、遊技者にとって有利な遊技状態である。
このようなRT1遊技状態へは、MB3遊技状態が終了した後に移行する。そして、RT1遊技状態は、フラグ間状態、並びに、MB1遊技状態及びMB2遊技状態においても継続する。従って、遊技者は、MB3遊技状態、及び、MB3遊技状態が終了した後に移行するRT1遊技状態(特に、RT1中MB1遊技状態及びRT1中MB2遊技状態)において多くのメダルを獲得することを期待しながら遊技を行うことになる。
<図柄配置テーブル>
図253(a)は、図柄配置テーブルを示す図である。図253(b)は、図柄コード表を示す図である。
第6実施形態で説明したように、図柄配置テーブルは、左リールRL、中リールRC、及び、右リールRRのそれぞれについて、回転方向における各図柄の位置と図柄コード(各位置に配置された図柄の種類を特定するデータ)との対応関係を規定している(図99参照)。
図253に示すように、本実施形態では、「GOD」、「赤7」、「紫7」、「ウエミリ」、「シタミリ」、「ブラ」、「ベル1」、「ベル2」、「リプ1」、及び、「リプ2」という10種類の図柄が用いられている。
図柄配置テーブルと図柄カウンタの値(「0」〜「20」)とを参照することにより、メイン表示窓DD4(図3参照)の枠内における各リールの上段領域、中段領域、及び、下段領域に表示されている図柄の種類を特定することができる。詳細については、第6実施形態で説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
<フラグ別コンビネーションテーブル>
図254A〜図254Cは、フラグ別コンビネーションテーブルを示す図である。
第6実施形態で説明したように、フラグ別コンビネーションテーブルは、各種内部当籤役と有効ライン上に停止表示可能な図柄組合せ(コンビネーション)との対応関係を規定している(図101A〜図101C参照)。これにより、内部当籤役が決定されると、有効ライン上に停止表示可能な図柄組合せの種別(入賞可能な表示役の種別)が一義的に決定されることになる。
本実施形態では、内部当籤役として、「F_MB1」、「F_MB2」、「F_MB3」、「F_通常リプ」、「F_チャンスリプ」、「F_確定リプA」、「F_確定リプB」、「F_煽りリプA」、「F_煽りリプB」、「F_紫7リプA」、「F_紫7リプB」、「F_紫7リプC」、「F_紫7リプD」、「F_通常ベル」、「F_チャンスベル」、「F_強ベル」、「F_弱チャンス役」、「F_確定ベルA」、及び、「F_確定ベルB」が設けられている。
図254A〜図254Cでは、各リールにおける具体的な図柄の組合せ(コンビネーション)、及び、当該図柄組合せが停止表示された場合に払い出されるメダルの枚数(払出枚数)を併せて示している。図柄組合せ(コンビネーション)については、左リールRLにおける図柄、中リールRCにおける図柄、及び、右リールRRにおける図柄を、左から順に示している。メダルの払出枚数については、1枚掛け遊技が行われた場合における払出枚数、2枚掛け遊技が行われた場合における払出枚数、及び、3枚掛け遊技が行われた場合における払出枚数をそれぞれ示している。
本実施形態では、遊技状態にかかわらず、投入可能なメダルの枚数が3枚として設定されている。また、入賞判定ラインとしては、「中段−中段−中段:センターライン」のみが設定されている。何れの遊技状態においても、3枚のメダルが投入された場合に、センターラインが有効化される。
なお、図中、「MB」は、上述したように、入賞時にMB遊技状態を作動させるコンビネーションを示している。「REP」は、入賞時にリプレイ(再遊技)を作動させるコンビネーションを示し、「FRU」は、入賞時にメダルが払い出されるコンビネーションを示している。
フラグ別コンビネーションテーブルの基本的な構成については、第6実施形態で説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
<内部抽籤テーブル>
本実施形態に係る内部抽籤テーブルとしては、ボーナス非当籤状態(RT0遊技状態)において参照される内部抽籤テーブル(図255参照)と、ボーナス非当籤状態(RT1遊技状態)において参照される内部抽籤テーブル(図256参照)と、RT0中フラグ間状態において参照される内部抽籤テーブル(図257参照)と、RT1中フラグ間状態において参照される内部抽籤テーブル(図258参照)と、RT0中MB1遊技状態及びRT0中MB2遊技状態において参照される内部抽籤テーブル(図259参照)と、RT1中MB1遊技状態及びRT1中MB2遊技状態において参照される内部抽籤テーブル(図260参照)と、が設けられている。
図255は、ボーナス非当籤状態(RT0遊技状態)用内部抽籤テーブルを示す図である。図256は、ボーナス非当籤状態(RT1遊技状態)用内部抽籤テーブルを示す図である。図257は、RT0中フラグ間状態用内部抽籤テーブルを示す図である。図258は、RT1中フラグ間状態用内部抽籤テーブルを示す図である。図259は、RT0中MB1遊技状態及びRT0中MB2遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。図260は、RT1中MB1遊技状態及びRT1中MB2遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。
内部抽籤テーブルの基本的な構成については、第6実施形態で説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
<MB1遊技状態及びMB2遊技状態の作動>
図253を用いて説明したように、本実施形態では、「GOD」、「赤7」、「紫7」、「ウエミリ」、「シタミリ」、「ブラ」、「ベル1」、「ベル2」、「リプ1」、及び、「リプ2」という10種類の図柄が用いられている。これらの図柄のうち、「赤7」は、数字の「7」に赤色が付された図柄であり、「紫7」は、数字の「7」に紫色が付された図柄である。「赤7」及び「紫7」は、「7」の字体が大きく、目立つデザインが施されており、遊技者が一目見て、ボーナス図柄であると認識できるような外観を呈している。以下では、「赤7」及び「紫7」をボーナス図柄と呼ぶことにする。
「ブラ」、「ベル1」、「ベル2」、「リプ1」、及び、「リプ2」も、数字の「7」に各種色が付された図柄であるが、「赤7」及び「紫7」と比較すると、「7」の字体が小さく、簡素な見栄えとなっている。なお、「ウエミリ」と「シタミリ」とは、上下対称なデザインの施された図柄となっており、双方の図柄を一体として見ることにより、1つの絵柄として認識されるようになっている。図柄配置テーブルにおいて、「ウエミリ」の下には、必ず「シタミリ」が配置されている(図253(a)参照)。「GOD」は、「GOD」という文字を表示した図柄である。
ここで、図252A及び図252Bを用いて説明したように、MB1遊技状態へは、MB1に対応する図柄の組合せ(「C_MB1」)が有効ラインに沿って停止表示されることにより移行する(移行条件(3)及び(7)参照)。図254Aに示すように、「C_MB1」としては、「C_MB1A」、「C_MB1B_01」、「C_MB1B_02」、「C_MB1B_03」、「C_MB1C_01」、「C_MB1C_02」、「C_MB1C_03」、「C_MB1C_04」、「C_MB1D」、「C_MB1E_01」、「C_MB1E_02」、「C_MB1F_01」、「C_MB1F_02」、「C_MB1F_03」、「C_MB1G_01」、「C_MB1G_02」、「C_MB1G_03」、及び、「C_MB1G_04」が設けられている。
MB1に対応する図柄の組合せのうち、「C_MB1A」は、左リールRLにおける図柄、中リールRCにおける図柄、及び、右リールRRにおける図柄が、全て「赤7」である。また、「C_MB1D」は、左リールRLにおける図柄及び右リールRRにおける図柄が「紫7」であり、中リールRCにおける図柄が「赤7」である。すなわち、「C_MB1A」及び「C_MB1D」は、左リールRLにおける図柄、中リールRCにおける図柄、及び、右リールRRにおける図柄が、全てボーナス図柄である。
これに対し、MB1に対応する図柄の組合せのうち、「C_MB1A」及び「C_MB1D」以外のコンビネーションは、左リールRLにおける図柄、中リールRCにおける図柄、及び、右リールRRにおける図柄のうち、少なくとも一の図柄がボーナス図柄とは異なる図柄(「GOD」、「ベル1」、「ベル2」、「リプ1」、又は、「リプ2」)となっている。以下では、「C_MB1A」及び「C_MB1D」に係るコンビネーションを「7揃い目」と呼ぶことがある。また、「C_MB1A」及び「C_MB1D」以外のコンビネーションを、(ボーナス図柄が揃っていない、すなわち、バラけているという意味で)「バラケ目」と呼ぶことがある。
同様に、MB2遊技状態へは、MB2に対応する図柄の組合せ(「C_MB2」)が有効ラインに沿って停止表示されることにより移行する(移行条件(4)及び(8)参照)。図254Aに示すように、「C_MB2」としては、「C_MB2A」、「C_MB2B_01」、「C_MB2B_02」、「C_MB2B_03」、「C_MB2C_01」、「C_MB2C_02」、「C_MB2C_03」、「C_MB2C_04」、「C_MB2D_01」、「C_MB2D_02」、「C_MB2D_03」、「C_MB2D_04」、「C_MB2D_05」、「C_MB2D_06」、「C_MB2E」、「C_MB2F_01」、「C_MB2F_02」、「C_MB2F_03」、及び、「C_MB2F_04」が設けられている。
MB2に対応する図柄の組合せのうち、「C_MB2A」は、左リールRLにおける図柄及び中リールRCにおける図柄が「赤7」であり、右リールRRにおける図柄が「紫7」である。すなわち、「C_MB2A」は、左リールRLにおける図柄、中リールRCにおける図柄、及び、右リールRRにおける図柄が、全てボーナス図柄である。すなわち、「C_MB2A」に係るコンビネーションは、7揃い目である。
これに対し、MB2に対応する図柄の組合せのうち、「C_MB2A」以外のコンビネーションは、左リールRLにおける図柄、中リールRCにおける図柄、及び、右リールRRにおける図柄のうち、少なくとも一の図柄がボーナス図柄とは異なる図柄(「GOD」、「ベル1」、「ベル2」、「リプ1」、又は、「リプ2」)となっている。すなわち、これらのコンビネーションは、バラケ目である。
本実施形態では、MB1又はMB2が入賞した場合、有効ラインに沿って停止表示されたコンビネーションが7揃い目であるのかバラケ目であるのかによって、異なる処理が行われるように構成されている。以下、この点について説明する。
なお、本実施形態では、MB1が単独で(他の役と重複することなく)内部当籤(単独当籤)した場合には、MB1が必ず入賞し、MB2が単独で(他の役と重複することなく)内部当籤(単独当籤)した場合には、MB2が必ず入賞する。従って、MB1が単独当籤した場合、7揃い目が停止表示されなかったとしても(7揃い目を取りこぼしたとしても)、バラケ目が必ず停止表示される。また、MB2が単独当籤した場合、7揃い目が停止表示されなかったとしても(7揃い目を取りこぼしたとしても)、バラケ目が必ず停止表示される。これに対し、MB1がリプレイ役又は小役とともに内部当籤(重複当籤)した場合には、リプレイ役又は小役に対応するコンビネーションが優先的に停止表示されるように各リールRL,RC,RRの制御が行われる。同様に、MB2がリプレイ役又は小役とともに内部当籤(重複当籤)した場合には、リプレイ役又は小役に対応するコンビネーションが優先的に停止表示されるように各リールRL,RC,RRの制御が行われる。
<MB入賞時ロック処理>
図261は、主制御回路において行われるMB入賞時ロック処理を示すフローチャートである。
図261に示すMB入賞時ロック処理は、図137(ボーナス作動チェック処理)のステップS303の処理が実行された後に、主制御回路3060において行われる処理である。なお、本実施形態では、BB遊技状態が設けられていないため、図137のステップS290〜ステップS296の処理は、もちろん行われない。
MB入賞時ロック処理において、まず、メインCPU3031は、今回開始するMB遊技状態がMB3遊技状態であるか否かを判断する(ステップS4001)。詳細な図示は省略するが、図137のステップS300の処理において、メインCPU3031は、有効ラインに沿って停止表示された図柄組合せが、「C_MB1」、「C_MB2」、及び、「C_MB3」(図254A参照)のうちの何れのコンビネーションであるかを特定し、特定されたMBの種別に応じて、遊技状態フラグ格納領域(図119(b)参照)において該当するMB遊技状態に対応するビットを更新する。メインCPU3031は、遊技状態フラグ格納領域(図119(b)参照)を参照することにより、今回開始するMB遊技状態の種別を認識することができる。
今回開始するMB遊技状態がMB3遊技状態であると判断した場合、メインCPU3031は、MB入賞時ロックフラグをオンにセットする(ステップS4002)。MB入賞時ロックフラグは、MB入賞時ロックが実行される期間であることを示すフラグである。
次に、メインCPU3031は、所定時間(例えば、5秒)に対応する値をMB入賞時ロックタイマにセットする(ステップS4003)。MB入賞時ロックタイマは、図138の演出用タイマ更新処理(ステップS323)により更新される。図138のステップS323の処理において、メインCPU3031は、更新後のMB入賞時ロックタイマが0である場合、MB入賞時ロックフラグをオフにセットする。これにより、MB入賞時ロックが終了されることとなる(ステップS4005参照)。
次に、メインCPU3031は、MB入賞時ロックコマンドデータを生成し、生成したMB入賞時ロックコマンドデータをメインRAM3033の通信データ格納領域に格納する(ステップS4004)。通信データ格納領域に格納されたMB入賞時ロックコマンドデータは、コマンドデータ送信処理(図138参照)において主制御回路3060から副制御回路3070へ送信される。これにより、副制御回路3070では、MB入賞時ロックが発生したことを認識することができるようになる。
次に、メインCPU3031は、MB入賞時ロックフラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4005)。
MB入賞時ロックフラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU3031は、ステップS4005に処理を戻す。
一方、MB入賞時ロックフラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU3031は、外部端子板を介して、MB3作動信号を外部に出力する(ステップS4006)。MB3作動信号は、MB3遊技状態が作動したことを示す信号である。図示しないが、主制御回路3060には、外部端子板が接続されており、メインCPU3031は、外部端子板を介して、外部機器に各種情報を送信することができるようになっている。外部機器としては、ホールコンピュータや呼出装置(データ表示器)が挙げられる。例えば、ホールコンピュータは、外部端子板を介してMB3作動信号を受信することにより、当該MB3作動信号の送信元の遊技機1においてMB3遊技状態が作動したことを認識することができる。
なお、外部端子板を介してホールコンピュータに出力される情報としては、MB遊技状態の作動に関する情報(図261のステップS4006、並びに、図262のステップS4025及びステップS4029参照)の他、メダルの投入枚数(IN枚数)及び払出枚数(OUT枚数)に関する情報が挙げられる。メインCPU3031は、図123(メダル受付・スタートチェック処理)のステップS62の処理を実行した後、当該単位遊技におけるメダルの投入枚数(本実施形態では、3枚)を示す情報を、外部端子板を介してホールコンピュータに送信する。また、メインCPU3031は、図121(メイン制御処理)のステップS25の処理を実行した後、当該単位遊技におけるメダルの払出枚数を示す情報を、外部端子板を介してホールコンピュータに送信する。
これにより、ホールコンピュータは、各遊技機1におけるメダルの収支(メダルの投入枚数から払出枚数を減じて得られる差枚数)を管理している。具体的に、ホールコンピュータは、各遊技機1における1日を通じての差枚数を計数するとともに、一のMB遊技状態が作動してから当該MB遊技状態が終了するまでの期間における差枚数(MB1遊技状態が作動してから当該MB1遊技状態が終了するまでの期間における差枚数、MB2遊技状態が作動してから当該MB2遊技状態が終了するまでの期間における差枚数、及び、MB3遊技状態が作動してから当該MB3遊技状態が終了するまでの期間における差枚数)をそれぞれ計数している。
また、メインCPU3031は、RT1遊技状態が終了した場合(図252A及び図252Bに示す移行条件(13)〜(15)の何れかが成立した場合)、外部端子板を介して、RT1終了信号をホールコンピュータに送信する。これにより、ホールコンピュータは、MB3遊技状態が作動してから当該MB3遊技状態後に移行するRT1遊技状態が終了するまでの期間(ボーナス期間)を認識することができる。そして、ホールコンピュータは、ボーナス期間における合計差枚数を計数するとともに、当該ボーナス期間内に発生したMB1遊技状態(RT1中MB1遊技状態)における差枚数、及び、当該ボーナス期間内に発生したMB2遊技状態(RT1中MB2遊技状態)における差枚数も計数している。また、ボーナス期間内にMB遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)が複数回発生した場合には、これらの複数回のMB遊技状態における差枚数の合計も計数している。
ステップS4006の処理を実行した後、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
ステップS4001において今回開始するMB遊技状態がMB3遊技状態ではない(すなわち、MB1遊技状態又はMB2遊技状態である)と判断した場合、メインCPU3031は、有効ラインに沿って停止表示された図柄組合せが7揃い目(図254Aに示す「C_MB1A」、「C_MB1D」、又は、「C_MB2A」に係るコンビネーション)であるか否かを判断する(ステップS4007)。
有効ラインに沿って停止表示された図柄組合せが7揃い目であると判断した場合、メインCPU3031は、MB入賞時ロックフラグをオンにセットする(ステップS4008)。MB入賞時ロックフラグは、MB入賞時ロックが実行される期間であることを示すフラグである。
次に、メインCPU3031は、所定時間(例えば、3秒)に対応する値をMB入賞時ロックタイマにセットする(ステップS4009)。MB入賞時ロックタイマは、図138の演出用タイマ更新処理(ステップS323)により更新される。図138のステップS323の処理において、メインCPU3031は、更新後のMB入賞時ロックタイマが0である場合、MB入賞時ロックフラグをオフにセットする。これにより、MB入賞時ロックが終了されることとなる(ステップS4011参照)。
次に、メインCPU3031は、MB入賞時ロックコマンドデータを生成し、生成したMB入賞時ロックコマンドデータをメインRAM3033の通信データ格納領域に格納する(ステップS4010)。通信データ格納領域に格納されたMB入賞時ロックコマンドデータは、コマンドデータ送信処理(図138参照)において主制御回路3060から副制御回路3070へ送信される。これにより、副制御回路3070では、MB入賞時ロックが発生したことを認識することができるようになる。
次に、メインCPU3031は、MB入賞時ロックフラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4011)。
MB入賞時ロックフラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU3031は、ステップS4011に処理を戻す。
一方、MB入賞時ロックフラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU3031は、7揃い目フラグをオンにセットする(ステップS4012)。7揃い目フラグは、7揃い目(図254Aに示す「C_MB1A」、「C_MB1D」、又は、「C_MB2A」に係るコンビネーション)が停止表示されたことによりMB1遊技状態又はMB2遊技状態が作動したことを示すフラグである。
ステップS4012の処理を実行した後、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
ステップS4007において、有効ラインに沿って停止表示された図柄組合せが7揃い目ではない(すなわち、バラケ目である)と判断した場合、メインCPU3031は、バラケ目フラグをオンにセットする(ステップS4013)。バラケ目フラグは、バラケ目(図254Aに示す「C_MB1」及び「C_MB2」のうち、「C_MB1A」、「C_MB1D」、及び、「C_MB2A」以外のコンビネーション)が停止表示されたことによりMB1遊技状態又はMB2遊技状態が作動したことを示すフラグである。
ステップS4013の処理を実行した後、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
以上、ステップS4005又はステップS4011の処理が実行されることにより、MB入賞時ロックが行われ、BB入賞時ロック(図176のステップS2105及び図199のステップS3105参照)と同様に、全てのリールRL,RC,RRがロック(全回胴ロック)され、所定時間が経過するまで、遊技者による操作(例えば、BETボタンやスタートレバーDD6の操作)が無効化される。
また、MB入賞時ロックコマンドデータ(ステップS4004又はステップS4010参照)を受信したことを契機として、副制御回路3070では、MB入賞時に行われる各種演出(MB入賞時演出)に対応する演出データがセットされる。これにより、MB入賞時ロックが行われている間に、映像、音、光等を用いた盛大な演出(例えば、音による演出として、所謂ファンファーレの出力)を行うことが可能であり、MB遊技状態(遊技者にとって有利な状態)が発生したことを遊技者に報知するとともに、遊技者の気分を高揚させることができる。この点についても、BB入賞時ロックが行われた場合と同様である。
なお、MB遊技状態としては、3種類のMB遊技状態(MB1遊技状態〜MB3遊技状態)が設けられているが、MB開始コマンドデータ(図137のステップS303参照)に、今回発生するMB遊技状態の種別を示す情報が含まれるため、MB開始コマンドデータを受信することにより、副制御回路3070は、当該MB遊技状態の種別を認識することができる。これにより、当該種別に応じたMB入賞時演出を行うことが可能となる。
また、MB遊技状態においては、BB遊技状態におけるBB中サウンド(図153(a)及び図173(a)参照)と同様に、MB中サウンド(MB遊技状態中に流れるBGM)が出力される。MB中サウンドに対応するサウンドデータは、MB入賞時ロックコマンドデータ(ステップS4004又はステップS4010参照)を受信したことを契機として副制御回路3070においてセットされる。これにより、MB3遊技状態において、MB中サウンドは、MB遊技状態中の単位遊技が開始されるのを待たずに出力が開始される。また、7揃い目が入賞したことを契機として作動するMB1遊技状態及びMB2遊技状態においても、MB中サウンドは、MB遊技状態中の単位遊技が開始されるのを待たずに出力が開始される。
<リール回転開始処理>
図262は、主制御回路において行われるリール回転開始処理を示すフローチャートである。
図262に示すリール回転開始処理は、主制御回路3060において図121(メイン制御処理)のステップS19で行われる処理である。
リール回転開始処理において、まず、メインCPU3031は、バラケ目フラグ(図261のステップS4013参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4021)。
バラケ目フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU3031は、7揃いリールアクションを実行する(ステップS4022)。7揃いリールアクションは、各リールRL,RC,RRにおいて7揃い目(図254Aに示す「C_MB1A」、「C_MB1D」、又は、「C_MB2A」に係るコンビネーション)を表示させるようなリールアクションである。
ステップS4022の処理は、バラケ目が入賞したことを契機としてMB1遊技状態又はMB2遊技状態が作動した場合に実行される処理であるところ、上述したように、バラケ目には、ボーナス図柄(「赤7」及び「紫7」)以外の図柄が含まれている。そのため、MB1又はMB2に対応する図柄組合せとしてバラケ目が入賞したとしても、遊技者は、当該バラケ目がMB遊技状態を作動させる契機となる図柄組合せ(MB作動図柄組合せ)であるということを認識し難くなっている。また、バラケ目が入賞した場合には、MB入賞時ロック及びMB入賞時演出も行われないこととされている(図261参照)。従って、バラケ目が入賞したことを契機としてMB1遊技状態又はMB2遊技状態が作動した場合には、MB作動図柄組合せが表示されたこと(MB遊技状態の作動条件が成立したこと)に気付かないまま、遊技者が次の遊技を行おうとしていることが想定される。7揃いリールアクションは、このような遊技者に対して、7揃い目を見せることを通じて、MB遊技状態が作動したことを明示するリール演出である。
具体的に、ステップS4022の処理において、メインCPU3031は、今回作動したMB遊技状態がMB1遊技状態である場合、各リールRL,RC,RRを回転させた後停止させることにより、「C_MB1A」又は「C_MB1D」を停止表示させる。「C_MB1A」と「C_MB1D」とのうち何れのコンビネーションを停止表示させるかは、抽籤により決定してもよいし、常に「C_MB1A」を停止表示させることとしてもよい。また、メインCPU3031は、今回作動したMB遊技状態がMB2遊技状態である場合、各リールRL,RC,RRを回転させた後停止させることにより、「C_MB2A」を停止表示させる。
なお、7揃いリールアクションが発生している間は、遊技ロックが発生し、遊技者による操作(例えば、ストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rの操作)が無効化される。この点、7揃いリールアクションが行われない場合(ステップS4028及びステップS4036参照)にも、各リールRL、RC、RRの回転が定速に達するまでの間は、ロックが発生するが、7揃いリールアクションが発生する場合には、7揃い目を停止表示するまでに要する時間分だけ、7揃いリールアクションが行われない場合よりも、ロック時間が長くなる。
ステップS4022の処理を実行した後、メインCPU3031は、MB入賞後次遊技ロックコマンドデータを生成し、生成したMB入賞後次遊技ロックコマンドデータをメインRAM3033の通信データ格納領域に格納する(ステップS4023)。通信データ格納領域に格納されたMB入賞後次遊技ロックコマンドデータは、コマンドデータ送信処理(図138参照)において主制御回路3060から副制御回路3070へ送信される。これにより、副制御回路3070では、リールのロックが開始されたことを認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
具体的に、MB入賞後次遊技ロックコマンドデータを受信したことを契機として、副制御回路3070では、7揃いリールアクションの終了後に行われる各種演出(MB入賞後次遊技演出)に対応する演出データがセットされる。これにより、MB入賞時演出(図261のステップS4004及びステップS4010)と同様の演出(例えば、ファンファーレの出力等)を行うことが可能であり、MB入賞時演出が行われた場合と同様に、遊技者の気分を高揚させることができる。また、MB入賞後次遊技演出が行われるとともに、MB中サウンドの出力も、このタイミングで開始される。
ステップS4023の処理を実行した後、メインCPU3031は、リール演出後加速処理を実行する(ステップS4024)。この処理において、メインCPU3031は、リールRL、RC、RRの回転の開始を要求する。リールRL、RC、RRの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1172msec)で実行される割込処理(図138参照)によってステッピングモータの駆動が制御され、各リールRL、RC、RRの回転が開始される。そして、各リールRL、RC、RRは、その回転が定速に達するまで加速が行われ、その後、定速が維持されるように制御される。
次に、メインCPU3031は、外部端子板を介して、MB1作動信号又はMB2作動信号を外部に出力する(ステップS4025)。MB1作動信号は、MB1遊技状態が作動したことを示す信号であり、MB2作動信号は、MB2遊技状態が作動したことを示す信号である。この処理において、メインCPU3031は、今回作動したMB遊技状態がMB1遊技状態である場合、外部端子板を介して、外部機器(ホールコンピュータや呼出装置等)にMB1作動信号を送信する。ホールコンピュータは、外部端子板を介してMB1作動信号を受信することにより、当該MB1作動信号の送信元の遊技機1においてMB1遊技状態が作動したことを認識することができる。また、メインCPU3031は、今回作動したMB遊技状態がMB2遊技状態である場合、外部端子板を介して、外部機器(ホールコンピュータや呼出装置等)にMB2作動信号を送信する。ホールコンピュータは、外部端子板を介してMB2作動信号を受信することにより、当該MB2作動信号の送信元の遊技機1においてMB2遊技状態が作動したことを認識することができる。
ステップS4025の処理を実行した後、メインCPU3031は、バラケ目フラグをオフにセットし(ステップS4026)、本サブルーチンを終了する。
ステップS4021においてバラケ目フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU3031は、7揃い目フラグ(図261のステップS4012参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4027)。
7揃い目フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU3031は、通常時加速処理を実行する(ステップS4028)。この処理において、メインCPU3031は、リールRL、RC、RRの回転の開始を要求する。リールRL、RC、RRの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1172msec)で実行される割込処理(図138参照)によってステッピングモータの駆動が制御され、各リールRL、RC、RRの回転が開始される。そして、各リールRL、RC、RRは、その回転が定速に達するまで加速が行われ、その後、定速が維持されるように制御される。通常時加速処理は、リール演出後加速処理(ステップS4024参照)と同様の処理である。
次に、メインCPU3031は、外部端子板を介して、MB1作動信号又はMB2作動信号を外部に出力する(ステップS4029)。MB1作動信号は、MB1遊技状態が作動したことを示す信号であり、MB2作動信号は、MB2遊技状態が作動したことを示す信号である。この処理において、メインCPU3031は、今回作動したMB遊技状態がMB1遊技状態である場合、外部端子板を介して、外部機器(ホールコンピュータや呼出装置等)にMB1作動信号を送信する。ホールコンピュータは、外部端子板を介してMB1作動信号を受信することにより、当該MB1作動信号の送信元の遊技機1においてMB1遊技状態が作動したことを認識することができる。また、メインCPU3031は、今回作動したMB遊技状態がMB2遊技状態である場合、外部端子板を介して、外部機器(ホールコンピュータや呼出装置等)にMB2作動信号を送信する。ホールコンピュータは、外部端子板を介してMB2作動信号を受信することにより、当該MB2作動信号の送信元の遊技機1においてMB2遊技状態が作動したことを認識することができる。
ステップS4029の処理を実行した後、メインCPU3031は、7揃い目フラグをオフにセットし(ステップS4030)、本サブルーチンを終了する。
ステップS4027において7揃い目フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU3031は、紫7リプ表示フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS4031)。図示しないが、紫7リプ表示フラグは、紫7リプ(図254Bに示す「C_CL紫7リプ_01」、「C_CL紫7リプ_02」、「C_XU紫7リプ_01」、「C_XU紫7リプ_02」、「C_BL紫7リプ」、又は、「C_TL紫7リプ」)が有効ラインに沿って停止表示された場合にオンにセットされる。
紫7リプが有効ラインに沿って停止表示されることが許容されるのは、紫7リプ(「F_紫7リプA」、「F_紫7リプB」、「F_紫7リプC」、又は、「F_紫7リプD」)が内部当籤役として決定された場合である(図254B参照)。紫7リプが内部当籤する場合としては、紫7リプとMB3(「F_MB3」)とのうち紫7リプのみが内部当籤する場合(図255及び図256の「No.21」〜「No.23」:紫7リプとMB1とが重複当籤する場合)と、紫7リプとMB3との双方が内部当籤する場合(図255及び図256の「No.45」〜「No.48」:紫7リプとMB3とが重複当籤する場合)とが設けられている。
本実施形態では、紫7リプとMB1とが重複当籤する場合及び紫7リプとMB3とが重複当籤する場合の双方の場合で、紫7リプが有効ラインに沿って停止表示され得るようになっている。
具体的に、紫7リプが有効ラインに沿って停止表示された場合には、左リールRLの上段領域、中段領域、及び、下段領域、中リールRCの上段領域、中段領域、及び、下段領域、並びに、右リールRRの上段領域、中段領域、及び、下段領域の9つの領域に停止表示されている9つの図柄のうちの少なくとも1つが「紫7」となっている。すなわち、「C_CL紫7リプ_01」が有効ラインに沿って停止表示された場合、及び、「C_CL紫7リプ_02」が有効ラインに沿って停止表示された場合には、センターライン上に少なくとも1つの「紫7」が停止表示されている(図254B参照)。
また、左リールRLにおいては「赤7」の1つ下に「紫7」が配置され、中リールRC及び右リールRRにおいては「赤7」の1つ上に「紫7」が配置されている点(図253(a)参照)に着目すると、以下のような停止態様となっていることが分かる。すなわち、「C_XU紫7リプ_01」が有効ラインに沿って停止表示された場合、及び、「C_XU紫7リプ_02」が有効ラインに沿って停止表示された場合には、クロスアップライン上に少なくとも1つの「紫7」が停止表示されている(図254B参照)。「C_BL紫7リプ」が有効ラインに沿って停止表示された場合には、ボトムライン上に少なくとも1つの「紫7」が停止表示されている(図254B参照)。「C_TL紫7リプ」が有効ラインに沿って停止表示された場合には、トップライン上に少なくとも1つの「紫7」が停止表示されている(図254B参照)。
ここで、第11実施形態で説明した装飾ユニット5050(図242参照)の備えるフロントガラスシート5060の前面側において、発光機構5150と対向する位置には、「紫7」という文字を象った立体形状の装飾が施されている。そして、紫7リプが内部当籤役として決定された場合(紫7リプとMB1とが重複当籤した場合及び紫7リプとMB3とが重複当籤した場合の双方の場合)に、発光機構5150の備えるLEDを数回点滅させるような制御が行われる。これにより、遊技者は、各リールRL,RC,RRに対する停止操作において、「紫7」を狙うように動機付けられる。その結果、紫7リプ(「F_紫7リプA」、「F_紫7リプB」、「F_紫7リプC」、又は、「F_紫7リプD」)が内部当籤役として決定された場合には、紫7リプ(図254Bに示す「C_CL紫7リプ_01」、「C_CL紫7リプ_02」、「C_XU紫7リプ_01」、「C_XU紫7リプ_02」、「C_BL紫7リプ」、又は、「C_TL紫7リプ」)が停止表示されやすくなっている。
ステップS4031において紫7リプ表示フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU3031は、紫7リプとともにMB3が内部当籤役として決定されたか否かを判断する(ステップS4032)。メインCPU3031は、メインRAM3033の持越役格納領域(図119(a)参照)を参照することにより、MB3が内部当籤役として決定されたか否かを認識することができる。
MB3が内部当籤役として決定されていないと判断した場合、メインCPU3031は、心臓リールアクションを実行する(ステップS4033)。心臓リールアクションは、各リールRL、RC、RRを心臓の鼓動のような態様で動かすリール演出である。ステップS4033の処理において、メインCPU3031は、リールRL、RC、RRの回転の開始を要求した後、即座にリールRL、RC、RRの回転の停止を要求することにより、心臓の鼓動のような態様を表現することができる。このようなリールRL、RC、RRの回転の開始及び停止の要求は、所定回数(1回のみ又は複数回繰り返して)行われる。
一方、MB3が内部当籤役として決定されていると判断した場合、メインCPU3031は、ステップS4033と同様の心臓リールアクションを実行した後、GOD揃いリールアクションを実行する(ステップS4034)。GOD揃いリールアクションは、図254Aに示す「C_MB3」(「GOD」−「GOD」−「GOD」)を表示させるようなリールアクションである。具体的に、ステップS4034の処理において、メインCPU3031は、リールRL、RC、RRの回転の開始及び停止の要求を所定回数行った後、各リールRL,RC,RRを一定時間逆向きに回転させて停止させることにより、センターラインに沿って「GOD」−「GOD」−「GOD」を停止表示させる。
なお、心臓リールアクション及びGOD揃いリールアクションが発生している間は、7揃いリールアクションが発生している間と同様に、遊技ロックが発生し、遊技者による操作(例えば、ストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rの操作)が無効化される。
ステップS4033又はステップS4034の処理を実行した後、メインCPU3031は、リール演出後加速処理を実行する(ステップS4035)。この処理において、メインCPU3031は、リールRL、RC、RRの回転の開始を要求する。リールRL、RC、RRの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1172msec)で実行される割込処理(図138参照)によってステッピングモータの駆動が制御され、各リールRL、RC、RRの回転が開始される。そして、各リールRL、RC、RRは、その回転が定速に達するまで加速が行われ、その後、定速が維持されるように制御される。
ステップS4035の処理を実行した後、メインCPU3031は、紫7リプ表示フラグをオフにセットし(図示せず)、本サブルーチンを終了する。
ステップS4031において紫7リプ表示フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU3031は、通常時加速処理を実行する(ステップS4036)。この処理において、メインCPU3031は、リールRL、RC、RRの回転の開始を要求する。リールRL、RC、RRの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1172msec)で実行される割込処理(図138参照)によってステッピングモータの駆動が制御され、各リールRL、RC、RRの回転が開始される。そして、各リールRL、RC、RRは、その回転が定速に達するまで加速が行われ、その後、定速が維持されるように制御される。
ステップS4036の処理を実行した後、メインCPU3031は、本サブルーチンを終了する。
以上、本発明の一実施形態として、第12実施形態に係る遊技機1について説明した。
<付記G1>
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、遊技メダルやコイン等(「メダル等」)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチおよびストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転およびその停止を行うリール制御部とを備え、スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(「内部当籤役」)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、いわゆるパチスロと称される遊技機が知られている。
このような従来の遊技機として、メダルの投入枚数(IN枚数)及び払出枚数(OUT枚数)に関する情報をホールコンピュータに送信するように構成された遊技機が知られている(例えば、特開2001−212286号公報参照)。このような構成によれば、ホールコンピュータにおいて各遊技機における出玉に関する情報を管理することができる。
しかしながら、従来の構成では、メダル等の遊技価値に関する情報を適切に管理することができない場合があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、遊技価値に関する情報を適切に管理することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第12実施形態に係る遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(G1−1) 複数の識別情報を変動表示することが可能な可変表示手段(リールRL,RC,RR)と、
所定の開始契機に基づいて当籤役を決定する役決定手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技者による停止操作を受け付けることが可能な停止操作手段(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R、及び、ストップスイッチ3007LS,3007CS,3007RS)と、
前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作とに基づいて前記可変表示手段における変動表示を停止させることで、表示結果を導出する停止制御手段(図121のステップS22の処理及び図138のステップS325の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記役決定手段により特定役(MB1又はMB2)が当籤役として決定された後、前記停止制御手段により所定の表示結果(図254Aに示す「C_MB1」又は「C_MB2」に係るコンビネーション)が導出された場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)を作動させる特定遊技状態作動手段(図137の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記停止制御手段により前記所定の表示結果が導出された場合に、前記特定遊技状態の作動に関する情報を外部に出力することが可能な外部出力手段(図262のステップS4025及びステップS4029の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記所定の開始契機が発生した後、遊技者による操作が所定時間無効化される特定のロックを実行することが可能なロック実行手段(図262のステップS4022の処理を実行するメインCPU3031)と、を備え、
前記所定の表示結果として、第1所定の表示結果(図254Aに示す「C_MB1A」、「C_MB1D」、及び、「C_MB2A」に係るコンビネーション)及び第2所定の表示結果(図254Aに示す「C_MB1」及び「C_MB2」のうち、「C_MB1A」、「C_MB1D」、及び、「C_MB2A」以外のコンビネーション)が設けられ、
前記停止制御手段は、
前記役決定手段により前記特定役が当籤役として決定された場合、前記第1所定の表示結果及び前記第2所定の表示結果のうちの何れかの表示結果を必ず導出するように停止制御を行うことが可能であり、
前記ロック実行手段は、
前記停止制御手段により前記第1所定の表示結果が導出された場合と、前記停止制御手段により前記第2所定の表示結果が導出された場合とのうち、前記停止制御手段により前記第2所定の表示結果が導出された場合にのみ、前記特定のロックを実行することが可能であり、
前記外部出力手段は、
前記停止制御手段により前記第1所定の表示結果が導出された場合及び前記停止制御手段により前記第2所定の表示結果が導出された場合の双方の場合において、前記所定の開始契機が発生した後に、前記特定遊技状態の作動に関する情報を外部に出力することが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第12実施形態に係る遊技機1によれば、所定の表示結果(図254Aに示す「C_MB1」又は「C_MB2」に係るコンビネーション)が導出された場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)が作動するところ、この場合には、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)の作動に関する情報(MB1作動信号又はMB2作動信号)が外部に出力される。これにより、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)に関して、外部装置(ホールコンピュータ)で管理することが可能となる。また、所定の表示結果(図254Aに示す「C_MB1」又は「C_MB2」に係るコンビネーション)が導出された場合には、所定の開始契機(スタートレバーDD6の操作)が発生した後(所定の表示結果(図254Aに示す「C_MB1」又は「C_MB2」に係るコンビネーション)が導出された単位遊技の次の単位遊技において)、遊技者による操作が所定時間無効化される特定のロック(7揃いリールアクション)が実行され得る。これにより、当該特定のロック(7揃いリールアクション)が実行されている間に、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)の作動に関する演出を行うことが可能となる。そして、このような演出が行われる場合、当該演出を遊技者に充分に楽しんでもらうためには、当該演出が行われるまで(所定の開始契機(スタートレバーDD6の操作)が発生するまで)、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)の作動に関する情報を外部に出力するのを待つことが望ましいと考えられる。仮に、所定の開始契機(スタートレバーDD6の操作)が発生する前に当該情報の出力を行うこととすると、そのことに起因して、演出が行われる前に遊技者に対して余計な情報が与えられ、その結果、当該演出の価値が相対的に低下してしまうことが想定されるからである。例えば、MB作動図柄組合せが表示されたこと(MB遊技状態の作動条件が成立したこと)に気付いていない遊技者がいたと仮定する。このような遊技者が、ホールコンピュータがMB1作動信号又はMB2作動信号を受信したことを契機としてデータ表示器における表示内容が変化したりランプが点灯したりすることを通じて、MB1遊技状態又はMB2遊技状態が作動したことを知ってしまうようなことになれば、当該遊技者としては、面白みを感じ難く、特定のロック(7揃いリールアクション)に対する関心も薄れてしまうことが懸念される。
ここで、第12実施形態に係る遊技機1によれば、所定の表示結果(図254Aに示す「C_MB1」又は「C_MB2」に係るコンビネーション)として、第1所定の表示結果(図254Aに示す「C_MB1A」、「C_MB1D」、及び、「C_MB2A」に係るコンビネーション)及び第2所定の表示結果(図254Aに示す「C_MB1」及び「C_MB2」のうち、「C_MB1A」、「C_MB1D」、及び、「C_MB2A」以外のコンビネーション)が設けられているが、特定のロック(7揃いリールアクション)が実行され得るのは、第2所定の表示結果(図254Aに示す「C_MB1」及び「C_MB2」のうち、「C_MB1A」、「C_MB1D」、及び、「C_MB2A」以外のコンビネーション)が導出された場合のみであり、第1所定の表示結果(図254Aに示す「C_MB1A」、「C_MB1D」、及び、「C_MB2A」に係るコンビネーション)が導出された場合、特定のロック(7揃いリールアクション)は実行されない。そうすると、第1所定の表示結果(図254Aに示す「C_MB1A」、「C_MB1D」、及び、「C_MB2A」に係るコンビネーション)が導出された場合には、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)の作動に関する情報(MB1作動信号又はMB2作動信号)を即座に(所定の開始契機(スタートレバーDD6の操作)が発生する前に)外部に出力してもよさそうにも思われる。しかしながら、第1所定の表示結果(図254Aに示す「C_MB1A」、「C_MB1D」、及び、「C_MB2A」に係るコンビネーション)が導出された場合には所定の開始契機(スタートレバーDD6の操作)が発生する前に当該情報を出力する一方、第2所定の表示結果(図254Aに示す「C_MB1」及び「C_MB2」のうち、「C_MB1A」、「C_MB1D」、及び、「C_MB2A」以外のコンビネーション)が導出された場合には所定の開始契機(スタートレバーDD6の操作)が発生した後に当該情報を出力するように構成してしまうと、導出された表示結果に応じて当該情報の出力タイミングが異なることになり、外部装置(ホールコンピュータ)が認識する特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)の作動タイミングにズレが生じてしまうことになる。その結果、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)中における遊技価値(メダル)の増減を厳密に管理することができなくなってしまうことが懸念される。
例えば、第1所定の表示結果(図254Aに示す「C_MB1A」、「C_MB1D」、及び、「C_MB2A」に係るコンビネーション)が導出された場合に、所定の開始契機(スタートレバーDD6の操作)が発生する前に当該情報を出力するように構成したとすると、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)における最初の単位遊技で投入された遊技価値(メダル)の数は、外部装置(ホールコンピュータ)によって管理される。これに対し、第2所定の表示結果(図254Aに示す「C_MB1」及び「C_MB2」のうち、「C_MB1A」、「C_MB1D」、及び、「C_MB2A」以外のコンビネーション)が導出された場合に、所定の開始契機(スタートレバーDD6の操作)が発生した後に当該情報を出力するように構成したとすると、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)における最初の単位遊技で投入された遊技価値(メダル)の数は、外部装置(ホールコンピュータ)によって管理されないことになる。従って、同じ特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)であるにもかかわらず、第1所定の表示結果(図254Aに示す「C_MB1A」、「C_MB1D」、及び、「C_MB2A」に係るコンビネーション)が導出された場合と、第2所定の表示結果(図254Aに示す「C_MB1」及び「C_MB2」のうち、「C_MB1A」、「C_MB1D」、及び、「C_MB2A」以外のコンビネーション)が導出された場合とで、遊技価値(メダル)の収支に差異が生じることになる。この点、第12実施形態に係る遊技機1によれば、第1所定の表示結果(図254Aに示す「C_MB1A」、「C_MB1D」、及び、「C_MB2A」に係るコンビネーション)が導出された場合及び第2所定の表示結果(図254Aに示す「C_MB1」及び「C_MB2」のうち、「C_MB1A」、「C_MB1D」、及び、「C_MB2A」以外のコンビネーション)が導出された場合の双方の場合において、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)の作動に関する情報(MB1作動信号又はMB2作動信号)を外部に出力するタイミングが、所定の開始契機(スタートレバーDD6の操作)が発生した後に統一されている。従って、上記のようなズレの発生を防止することが可能であり、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)中における遊技価値(メダル)の増減に関し、より適切な管理を行うことができる。
なお、第12実施形態では、各遊技機1におけるメダルの収支(メダルの投入枚数から払出枚数を減じて得られる差枚数)がホールコンピュータによって計数されていることとして説明した。本発明においては、ホールコンピュータにおいて行う計数と同じ計数を、遊技機1においても行うこととしてもよい。例えば、メインCPU3031(又はサブCPU3071)の構成として、図123(メダル受付・スタートチェック処理)のステップS62の処理を実行した後、当該単位遊技におけるメダルの投入枚数(本実施形態では、3枚)を差枚数カウンタの値から減算し、図121(メイン制御処理)のステップS25の処理を実行した後、当該単位遊技におけるメダルの払出枚数を差枚数カウンタの値に加算するような構成を採用することが可能である。差枚数カウンタの値は、遊技者が視認可能な態様で表示装置に表示させてもよい。また、例えば、一のMB遊技状態が作動してから当該MB遊技状態が終了するまでの期間における差枚数を、遊技機1が計数する場合、当該計数を開始するタイミングは、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)の作動に関する情報(MB1作動信号又はMB2作動信号)を外部に出力するタイミングと一致させるとよい。例えば、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)の作動に関する情報(MB1作動信号又はMB2作動信号)を外部に出力するタイミングが、所定の開始契機(スタートレバーDD6の操作)が発生する前であれば、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)における最初の単位遊技で投入された遊技価値(メダル)の数を当該計数の対象に含めることとしてもよい。これに対し、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)の作動に関する情報(MB1作動信号又はMB2作動信号)を外部に出力するタイミングが、所定の開始契機(スタートレバーDD6の操作)が発生した後であれば、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)における最初の単位遊技で投入された遊技価値(メダル)の数を当該計数の対象に含めないこととしてもよい。
(G1−2) 1回の単位遊技に対して遊技価値をベット可能なベット手段(BETボタン、及び、図121のステップS12の処理を実行するメインCPU3031)と、
図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能な複数の図柄表示手段(リールRL,RC,RR)と、
所定の開始契機に基づいて当籤役を決定する役決定手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技者による停止操作を受け付けることが可能な停止操作手段(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R、及び、ストップスイッチ3007LS,3007CS,3007RS)と、
前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作とに基づいて、前記図柄表示手段において変動表示が行われている図柄を停止表示させる停止制御手段(図121のステップS22の処理及び図138のステップS325の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記停止制御手段により第1の図柄組合せ(図254Aに示す「C_MB1A」、「C_MB1D」、又は、「C_MB2A」に係るコンビネーション)が停止表示された場合及び前記停止制御手段により第2の図柄組合せ(図254Aに示す「C_MB1」及び「C_MB2」のうち、「C_MB1A」、「C_MB1D」、又は、「C_MB2A」以外のコンビネーション)が停止表示された場合の双方の場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)を作動させることが可能な特定遊技状態作動手段(図137の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記停止制御手段により前記第1の図柄組合せ及び前記第2の図柄組合せのうちの何れかの図柄組合せが停止表示された場合に、前記特定遊技状態の作動に関する情報を外部に出力することが可能な外部出力手段(図262のステップS4025及びステップS4029の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記特定遊技状態の作動条件が成立したことに対応する特定演出(7揃いリールアクションやMB入賞後次遊技演出等)を実行することが可能な演出実行手段と、を備え、
前記第1の図柄組合せは、各前記図柄表示手段における図柄が全て特定の図柄(「赤7」又は「紫7」)であり、前記第2の図柄組合せは、各前記図柄表示手段における図柄のうちの少なくとも一の図柄が前記特定の図柄とは異なる図柄であり、
前記演出実行手段は、
前記停止制御手段により前記第1の図柄組合せが停止表示された場合と、前記停止制御手段により前記第2の図柄組合せが停止表示された場合とのうち、前記停止制御手段により前記第2の図柄組合せが停止表示された場合にのみ、該図柄組合せが停止表示された単位遊技の次の単位遊技に対して前記ベット手段により遊技価値がベットされた後に、前記特定演出を実行することが可能であり、
前記外部出力手段は、
前記停止制御手段により前記第1の図柄組合せが停止表示された場合及び前記停止制御手段により前記第2の図柄組合せが停止表示された場合の双方の場合において、前記ベット手段により遊技価値がベットされた後に、前記特定遊技状態の作動に関する情報を外部に出力することが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第12実施形態に係る遊技機1によれば、第1の図柄組合せ(図254Aに示す「C_MB1A」、「C_MB1D」、又は、「C_MB2A」に係るコンビネーション)又は第2の図柄組合せ(図254Aに示す「C_MB1」及び「C_MB2」のうち、「C_MB1A」、「C_MB1D」、又は、「C_MB2A」以外のコンビネーション)が停止表示された(特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)の作動条件が成立した)場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)が作動するところ、この場合には、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)の作動に関する情報(MB1作動信号又はMB2作動信号)が外部に出力される。これにより、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)に関して、外部装置(ホールコンピュータ)で管理することが可能となる。また、このような特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)の作動条件が成立した場合には、遊技価値(メダル)がベットされた後(当該作動条件が成立した単位遊技の次の単位遊技において)、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)の作動条件が成立したことに対応する特定演出(7揃いリールアクションやMB入賞後次遊技演出等)が実行され得る。このような特定演出(7揃いリールアクションやMB入賞後次遊技演出等)が行われる場合、当該特定演出(7揃いリールアクションやMB入賞後次遊技演出等)を遊技者に充分に楽しんでもらうためには、特定演出(7揃いリールアクションやMB入賞後次遊技演出等)が行われるまで(遊技価値(メダル)がベットされるまで)、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)の作動に関する情報(MB1作動信号又はMB2作動信号)を外部に出力するのを待つことが望ましいと考えられる。仮に、遊技価値(メダル)がベットされる前に当該情報の出力を行うこととすると、そのことに起因して、特定演出(7揃いリールアクションやMB入賞後次遊技演出等)が行われる前に遊技者に対して余計な情報が与えられ、その結果、特定演出(7揃いリールアクションやMB入賞後次遊技演出等)の価値が相対的に低下してしまうことが想定されるからである。
ここで、第12実施形態に係る遊技機1によれば、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)を作動させる契機となる図柄組合せとして、第1の図柄組合せ(図254Aに示す「C_MB1A」、「C_MB1D」、又は、「C_MB2A」に係るコンビネーション)及び第2の図柄組合せ(図254Aに示す「C_MB1」及び「C_MB2」のうち、「C_MB1A」、「C_MB1D」、又は、「C_MB2A」以外のコンビネーション)が設けられているが、特定演出(7揃いリールアクションやMB入賞後次遊技演出等)が実行され得るのは、第2の図柄組合せ(図254Aに示す「C_MB1」及び「C_MB2」のうち、「C_MB1A」、「C_MB1D」、又は、「C_MB2A」以外のコンビネーション)が停止表示された場合のみであり、第1の図柄組合せ(図254Aに示す「C_MB1A」、「C_MB1D」、又は、「C_MB2A」に係るコンビネーション)が停止表示された場合、特定演出(7揃いリールアクションやMB入賞後次遊技演出等)は実行されない。そうすると、第1の図柄組合せ(図254Aに示す「C_MB1A」、「C_MB1D」、又は、「C_MB2A」に係るコンビネーション)が停止表示された場合には、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)の作動に関する情報(MB1作動信号又はMB2作動信号)を即座に(遊技価値(メダル)がベットされる前に)外部に出力してもよさそうにも思われる。しかしながら、第1の図柄組合せ(図254Aに示す「C_MB1A」、「C_MB1D」、又は、「C_MB2A」に係るコンビネーション)が停止表示された場合には遊技価値(メダル)がベットされる前に当該情報を出力する一方、第2の図柄組合せ(図254Aに示す「C_MB1」及び「C_MB2」のうち、「C_MB1A」、「C_MB1D」、又は、「C_MB2A」以外のコンビネーション)が停止表示された場合には遊技価値(メダル)がベットされた後に当該情報を出力するように構成してしまうと、停止表示された図柄組合せに応じて当該情報の出力タイミングが異なることになり、外部装置(ホールコンピュータ)が認識する特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)の作動タイミングにズレが生じてしまうことになる。その結果、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)中における遊技価値(メダル)の増減を厳密に管理することができなくなってしまうことが懸念される。この点、第12実施形態に係る遊技機1によれば、第1の図柄組合せ(図254Aに示す「C_MB1A」、「C_MB1D」、又は、「C_MB2A」に係るコンビネーション)が停止表示された場合及び第2の図柄組合せ(図254Aに示す「C_MB1」及び「C_MB2」のうち、「C_MB1A」、「C_MB1D」、又は、「C_MB2A」以外のコンビネーション)が停止表示された場合の双方の場合において、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)の作動に関する情報(MB1作動信号又はMB2作動信号)を外部に出力するタイミングが、遊技価値(メダル)がベットされた後に統一されている。従って、上記のようなズレの発生を防止することが可能であり、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)中における遊技価値(メダル)の増減に関し、より適切な管理を行うことができる。
第12実施形態では、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)の作動に関する情報(MB1作動信号又はMB2作動信号)を外部に出力するタイミングが、特定演出(7揃いリールアクションやMB入賞後次遊技演出等)が行われた後、すなわち、所定の開始契機(スタートレバーDD6の操作)が発生した後であることとして説明した。本発明において、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)の作動に関する情報(MB1作動信号又はMB2作動信号)を外部に出力するタイミングは、遊技価値(メダル)がベットされてから所定の開始契機(スタートレバーDD6の操作)が発生するまでの間であってもよい。また、本発明における特定演出は、主制御回路によって制御される演出(7揃いリールアクション)であってもよいし、副制御回路によって制御される演出(MB入賞後次遊技演出等)であってもよい。例えば、第2の図柄組合せ(図254Aに示す「C_MB1」及び「C_MB2」のうち、「C_MB1A」、「C_MB1D」、又は、「C_MB2A」以外のコンビネーション)が停止表示されたことを契機として特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)が作動した場合、第2の図柄組合せ(図254Aに示す「C_MB1」及び「C_MB2」のうち、「C_MB1A」、「C_MB1D」、又は、「C_MB2A」以外のコンビネーション)が停止表示された単位遊技の次の単位遊技に対して遊技価値(メダル)がベットされてから所定の開始契機(スタートレバーDD6の操作)が発生するまでの間に特定演出(MB入賞後次遊技演出等)を行うこととし、当該特定演出(MB入賞後次遊技演出等)の実行中又は実行後に、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)の作動に関する情報(MB1作動信号又はMB2作動信号)を外部に出力することとしてもよい。また、第2の図柄組合せ(図254Aに示す「C_MB1」及び「C_MB2」のうち、「C_MB1A」、「C_MB1D」、又は、「C_MB2A」以外のコンビネーション)が停止表示された単位遊技の次の単位遊技ではなく、それ以降の単位遊技において、特定遊技状態(MB1遊技状態又はMB2遊技状態)の作動に関する情報(MB1作動信号又はMB2作動信号)を外部に出力することとしてもよい。なお、副制御回路によって制御される特定演出としては、音による演出(上述したファンファーレやMB中サウンドの出力)の他、映像による演出(例えば、7揃い目に対応する画像が表示される演出)等、任意の演出を採用することが可能である。
また、第12実施形態では、第1の図柄組合せとして、図254Aに示す「C_MB1A」、「C_MB1D」、又は、「C_MB2A」に係るコンビネーションを採用し、第2の図柄組合せとして、図254Aに示す「C_MB1」及び「C_MB2」のうち、「C_MB1A」、「C_MB1D」、又は、「C_MB2A」以外のコンビネーションを採用した例について説明した。すなわち、特定の図柄として、「赤7」及び「紫7」を採用した例について説明した。本発明における特定の図柄は、この例に限定されず、例えば、「赤7」及び「紫7」に加えて、「ブラ」、「ベル1」、「ベル2」、「リプ1」、及び、「リプ2」を特定の図柄に含めるように構成してもよい。「ブラ」、「ベル1」、「ベル2」、「リプ1」、及び、「リプ2」も特定の識別情報(「7」)を含んでいるところ、本発明においては、このような特定の識別情報(数字、文字、図形、記号、形状、色彩、又は、これらを結合したもの等)を含む図柄を、特定の図柄として採用することとしてもよい。
<付記G2>
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、遊技メダルやコイン等(「メダル等」)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチおよびストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転およびその停止を行うリール制御部とを備え、スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(「内部当籤役」)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、いわゆるパチスロと称される遊技機が知られている。
このような従来の遊技機として、ボーナス役が内部当籤役として決定されてから5ゲームが経過すると、ボーナス役の内部当籤を報知するように構成された遊技機が知られている(例えば、特開2001−120707号公報参照)。このような遊技機によれば、遊技者は、当該報知を契機として、ボーナス図柄を狙って停止操作を行うことでボーナス図柄を揃えることが可能であり、これにより、ボーナス状態を作動させることができる。
本発明者は、上述したようなボーナス役の内部当籤を報知することについて、鋭意検討を重ねる過程において、当該内部当籤に係る報知演出の態様に関して工夫を凝らすことにより、新たなエンターテインメント性を創出することができるのではないかという考えに至った。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、演出の態様に関し新たなエンターテインメント性を創出することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第12実施形態に係る遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(G2−1) 複数の識別情報を変動表示することが可能な可変表示手段(リールRL,RC,RR)と、
所定の開始契機に基づいて当籤役を決定する役決定手段(図121のステップS14の処理を実行するメインCPU3031)と、
遊技者による停止操作を受け付けることが可能な停止操作手段(ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R、及び、ストップスイッチ3007LS,3007CS,3007RS)と、
前記役決定手段により決定された当籤役と前記停止操作とに基づいて前記可変表示手段における変動表示を停止させることで、表示結果を導出する停止制御手段(図121のステップS22の処理及び図138のステップS325の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記役決定手段により特定役(MB3)が当籤役として決定された後、前記停止制御手段により特定の表示結果(図254Aに示す「C_MB3」に係るコンビネーション)が導出された場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(MB3遊技状態)を作動させる特定遊技状態作動手段(図137の処理を実行するメインCPU3031)と、
前記可変表示手段を用いた演出を実行することが可能な演出実行手段(図262のステップS4033及びステップS4034の処理を実行するメインCPU3031)と、を備え、
前記役決定手段は、
前記特定役及び所定役(紫7リプ)のうち前記所定役のみを当籤役として決定する第1の決定、並びに、前記特定役及び前記所定役の双方を当籤役として決定する第2の決定を行うことが可能であり、
前記停止制御手段は、
前記役決定手段により前記第1の決定が行われた場合に、所定の表示結果(図254Bに示す「C_CL紫7リプ_01」、「C_CL紫7リプ_02」、「C_XU紫7リプ_01」、「C_XU紫7リプ_02」、「C_BL紫7リプ」、又は、「C_TL紫7リプ」に係るコンビネーション)を導出するように停止制御を行うことが可能であるとともに、前記役決定手段により前記第2の決定が行われた場合にも、前記所定の表示結果を導出するように停止制御を行うことが可能であり、
前記演出実行手段は、
前記役決定手段により前記第1の決定が行われ前記停止制御手段により前記所定の表示結果が導出された場合と、前記役決定手段により前記第2の決定が行われ前記停止制御手段により前記所定の表示結果が導出された場合と、の双方の場合において、前記可変表示手段を用いた第1演出(心臓リールアクション)を実行することが可能である一方、
前記役決定手段により前記第1の決定が行われ前記停止制御手段により前記所定の表示結果が導出された場合と、前記役決定手段により前記第2の決定が行われ前記停止制御手段により前記所定の表示結果が導出された場合とのうち、前記役決定手段により前記第2の決定が行われ前記停止制御手段により前記所定の表示結果が導出された場合にのみ、前記第1演出の後に、前記特定役が当籤役として決定されたことに対応する第2演出(GOD揃いリールアクション)を実行することが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第12実施形態に係る遊技機1によれば、特定役(MB3)(遊技者にとって有利な特定遊技状態(MB3遊技状態)を作動させる契機となる役)及び所定役(紫7リプ)のうち所定役(紫7リプ)のみが当籤役として決定される場合と、特定役(MB3)及び所定役(紫7リプ)の双方が当籤役として決定される場合とがある。そして、何れの場合にも、所定の表示結果(図254Bに示す「C_CL紫7リプ_01」、「C_CL紫7リプ_02」、「C_XU紫7リプ_01」、「C_XU紫7リプ_02」、「C_BL紫7リプ」、又は、「C_TL紫7リプ」に係るコンビネーション)が導出され得るようになっている。従って、所定の表示結果(図254Bに示す「C_CL紫7リプ_01」、「C_CL紫7リプ_02」、「C_XU紫7リプ_01」、「C_XU紫7リプ_02」、「C_BL紫7リプ」、又は、「C_TL紫7リプ」に係るコンビネーション)が導出された場合には、特定役(MB3)が当籤役として決定された可能性があることになる。ここで、第12実施形態に係る遊技機1によれば、特定役(MB3)及び所定役(紫7リプ)のうち所定役(紫7リプ)のみが当籤役として決定されて所定の表示結果(図254Bに示す「C_CL紫7リプ_01」、「C_CL紫7リプ_02」、「C_XU紫7リプ_01」、「C_XU紫7リプ_02」、「C_BL紫7リプ」、又は、「C_TL紫7リプ」に係るコンビネーション)が導出された場合と、特定役(MB3)及び所定役(紫7リプ)の双方が当籤役として決定されて所定の表示結果(図254Bに示す「C_CL紫7リプ_01」、「C_CL紫7リプ_02」、「C_XU紫7リプ_01」、「C_XU紫7リプ_02」、「C_BL紫7リプ」、又は、「C_TL紫7リプ」に係るコンビネーション)が導出された場合と、の双方の場合において、可変表示手段(リールRL,RC,RR)を用いた第1演出(心臓リールアクション)が実行され得るように構成されている。これにより、第1演出(心臓リールアクション)が実行された場合に、特定役(MB3)が当籤役として決定されたことに対する遊技者の期待感を高めることができる。そして、特定役(MB3)が当籤役として決定された場合にのみ、第1演出(心臓リールアクション)の後に第2演出(GOD揃いリールアクション)が実行され得る。従って、第2演出(GOD揃いリールアクション)が実行されることは、特定役(MB3)が当籤役として決定されたことが確定するという意味を包含していることになる。そのため、第1演出(心臓リールアクション)が実行された場合、第2演出(GOD揃いリールアクション)が続けて実行されることを遊技者に大きく期待させるとともに、現に第2演出(GOD揃いリールアクション)が実行された場合には、その後特定遊技状態(MB3遊技状態)が作動するという事実に触れ、遊技者の気分を高揚させることができる。一方で、第1演出(心臓リールアクション)の後に第2演出(GOD揃いリールアクション)が実行されなかった場合には、遊技者を落胆させることになるが、このような遊技者の気持ちの浮き沈みを通じて、情緒に富んだ魅力的な遊技を実現することができる。
第12実施形態では、特定役(MB3)及び所定役(紫7リプ)のうち所定役(紫7リプ)のみが当籤役として決定される場合として、紫7リプとMB1とが重複当籤する例について説明した。本発明において、特定役(MB3)及び所定役(紫7リプ)のうち所定役(紫7リプ)のみが当籤役として決定される場合としては、このように、特定役(MB3)以外のボーナス役が所定役(紫7リプ)と重複当籤する場合を採用してもよいし、所定役(紫7リプ)が(ボーナス役と重複することなく)単独当籤する場合を採用してもよい。また、本発明における特定役としては、遊技者にとって有利な遊技状態を作動させる契機となる任意の役を適宜採用することが可能であり、MB3ではなく、MB1又はMB2を特定役として採用してもよいし、BBを特定役として採用してもよい。また、特定役は、ボーナス役(BBやMB等)に限定されず、ボーナス役以外の役(リプレイ役又は小役)であってもよい。本発明は、例えば、特定役(ボーナス役以外の役)が内部当籤したことを契機として行われる所定の抽籤に当籤した場合に遊技者にとって有利な遊技状態を作動させるような形態にも適用することができる。
なお、第12実施形態では、MB1が単独当籤した場合、7揃い目が停止表示されなかったとしても(7揃い目を取りこぼしたとしても)、バラケ目が必ず停止表示され、MB2が単独当籤した場合、7揃い目が停止表示されなかったとしても(7揃い目を取りこぼしたとしても)、バラケ目が必ず停止表示されることとして説明した。しかし、本発明においては、MB1又はMB2が単独当籤した場合に、停止操作のタイミングに応じて、7揃い目及びバラケ目が双方とも停止表示されない(7揃い目及びバラケ目の双方を取りこぼす)可能性があることとしてもよい。また、逆に、MB1又はMB2が単独当籤した場合だけでなく、MB1又はMB2が他の役(小役)と重複当籤した場合にも、MB1又はMB2が必ず入賞することとしてもよい。
また、第12実施形態では、紫7リプ(図254Bに示す「C_CL紫7リプ_01」、「C_CL紫7リプ_02」、「C_XU紫7リプ_01」、「C_XU紫7リプ_02」、「C_BL紫7リプ」、又は、「C_TL紫7リプ」)が有効ラインに沿って停止表示された場合、第1演出(心臓リールアクション)が必ず発生することとして説明した。しかし、本発明においては、紫7リプ(図254Bに示す「C_CL紫7リプ_01」、「C_CL紫7リプ_02」、「C_XU紫7リプ_01」、「C_XU紫7リプ_02」、「C_BL紫7リプ」、又は、「C_TL紫7リプ」)が有効ラインに沿って停止表示された場合であっても、所定の条件が成立した場合には、第1演出(心臓リールアクション)を発生させないこととしてもよい。そのような所定の条件としては、抽籤によって成否が決定されるものの他、例えば、「所定の図柄停止態様が出現すること」という条件を採用することができる。所定の図柄停止態様としては、一のリールにおいて「ウエミリ」及び「シタミリ」(図253参照)の双方が停止表示されるような図柄停止態様を挙げることができる。
上述したように、「ウエミリ」と「シタミリ」とは、上下対称なデザインの施された図柄となっており、双方の図柄を一体として見ることにより、1つの絵柄(所定の絵柄)として認識されるようになっている。本発明においては、このような「ウエミリ」及び「シタミリ」の停止態様によって、特定役(MB3)が内部当籤していることについての期待度を示唆することとしてもよい。例えば、少なくとも一のリールにおいて所定の絵柄が停止表示された場合には、何れのリールにおいても所定の絵柄が停止表示されなかった場合よりも、特定役(MB3)が内部当籤している確率が高くなるように構成してもよい。また、所定の絵柄が停止表示されたリールの数が多いほど、特定役(MB3)が内部当籤している確率が高くなるように構成してもよい。すなわち、1つのリールにおいて所定の絵柄が停止表示された場合よりも2つのリールにおいて所定の絵柄が停止表示された場合の方が、特定役(MB3)が内部当籤している確率が高く、2つのリールにおいて所定の絵柄が停止表示された場合よりも3つのリールにおいて所定の絵柄が停止表示された場合の方が、特定役(MB3)が内部当籤している確率が高くなるように構成してもよい。
また、複数のリールにおいて所定の絵柄が停止表示された場合、各リールにおいて停止表示された所定の絵柄の上下方向の位置(上段領域及び中段領域に跨って所定の絵柄が停止表示されるような態様及び中段領域及び下段領域に跨って所定の絵柄が停止表示されるような態様がある)が同じである場合には、当該上下方向の位置が異なる場合よりも、特定役(MB3)が内部当籤している確率が高くなるように構成してもよい。例えば、2つのリール(例えば、左リールRL及び中リールRC)において中段領域及び下段領域に跨って所定の絵柄が停止表示され、残りの1つのリール(例えば、右リールRR)において上段領域及び中段領域に跨って所定の絵柄が停止表示された場合よりも、全てのリールにおいて中段領域及び下段領域に跨って所定の絵柄が停止表示された場合の方が、特定役(MB3)が内部当籤している確率が高くなるように構成してもよい。このように、全てのリールにおいて所定の絵柄の上下方向の位置が一致するのは、特定役(MB3)が内部当籤している場合のみであることとしてもよい。このような構成を採用する場合には、全てのリールにおいて所定の絵柄の上下方向の位置が一致するような図柄停止態様が出現すれば、特定役(MB3)が内部当籤していることが確定したことになる。ここで、紫7リプ(「F_紫7リプA」、「F_紫7リプB」、「F_紫7リプC」、及び、「F_紫7リプD」)のうち、「F_紫7リプA」、「F_紫7リプB」、及び、「F_紫7リプC」については、MB1と重複当籤する場合及びMB3と重複当籤する場合の双方の場合が設定されているのに対し、「F_紫7リプD」については、MB3と重複当籤する場合のみが設定されており、MB1と重複当籤することはない(図255及び図256参照)。この点に鑑み、「F_紫7リプD」が内部当籤した場合にのみ、全てのリールにおいて所定の絵柄の上下方向の位置が一致するような図柄停止態様が出現し得るように構成してもよい。
また、第12実施形態では、紫7リプ(図254Bに示す「C_CL紫7リプ_01」、「C_CL紫7リプ_02」、「C_XU紫7リプ_01」、「C_XU紫7リプ_02」、「C_BL紫7リプ」、又は、「C_TL紫7リプ」)の種類に応じて、「紫7」図柄が何れのライン(センターライン、クロスアップライン、ボトムライン、又は、トップライン)上に停止表示されるのかが異なることとして説明した。本発明においては、「紫7」図柄が停止表示されたライン(又は、単なる位置)によって、特定役(MB3)が内部当籤していることについての期待度を示唆することとしてもよい。例えば、「紫7」図柄が所定のライン上に所定個(例えば、2つ)停止表示された場合には、「紫7」図柄が所定のラインとは異なるライン上に所定個(例えば、2つ)停止表示された場合よりも、特定役(MB3)が内部当籤している確率が高くなるように構成してもよい。
<付記(その他)>
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、遊技メダルやコイン等(「メダル等」)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチおよびストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転およびその停止を行うリール制御部とを備え、スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(「内部当籤役」)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、いわゆるパチスロと称される遊技機が知られている。
しかしながら、従来のパチスロでは、本発明のような遊技機としての構成や機能を有さないことから、興趣の向上を効果的に図ることができなかった。本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[その他の本実施形態に係る遊技機の拡張性]
本実施形態の遊技機1では、遊技者のメダルの投入操作(すなわち、手持ちのメダルをメダル投入口DD5に対して投入する操作、あるいは、クレジットされたメダルを最大BETボタンDD8、若しくは1−BETボタンを操作して投入する操作)により遊技が開始され、遊技が終了したときにメダルの払い出しがある場合には、ホッパ機構HPが駆動してメダル払出口DD14からメダルが払い出され、あるいは、クレジットされる形態について説明したが、これに限られるものではない。
例えば、遊技者によって遊技に必要な遊技媒体が投入され、それに基づいて遊技が行われ、その遊技の結果に基づいて特典が付与(例えば、メダルが払い出される)形態全てについて、本発明を適用することができる。すなわち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が投入され(掛けられ)、遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路3060(主制御基板MS)自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、メダルレスで遊技を可能とするものであってもよい。すなわち、本発明における遊技価値としては、物理的に存在する遊技媒体に限定されず、遊技を行うために使用され得る任意の有体物又は無体物を適宜採用することができる。そのような無体物は、メダル等の有体物(物理的に存在する遊技媒体)と等価な遊技媒体データ(例えば、メダルデータ)であってもよい。また、遊技価値を遊技者に付与する態様は、物理的に存在する遊技媒体が遊技者の占有下に現実に移動する態様に限定されず、有体物の移動を伴わない単なるデータ移動であってもよいし、遊技媒体データの記憶された有体物(カード等)を遊技者に付与するものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路3060(主制御基板MS)に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。
この場合、遊技媒体管理装置は、ROM及びRWM(あるいは、RAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱装置と所定のインターフェイスを介して双方向通信可能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技媒体の投入操作を行う上で、必要な遊技媒体を提供する動作)若しくは遊技媒体の払出に係る役に入賞(当該役が成立)した場合の、遊技媒体の払出動作(すなわち、遊技者に対して遊技媒体の払出を行う上で、必要な遊技媒体を獲得させる動作)、又は遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、遊技機1の前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることできる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合のほか、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられる場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際にはいずれかの返却操作手段を操作することにより遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンター等に持っていくか、又は他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
なお、上記例では全遊技媒体を遊技媒体取扱装置に対して送信したが、遊技機又は遊技媒体取扱装置側で遊技者が所望する遊技媒体数のみを送信し、遊技者が所持する遊技媒体を分割して処理することとしてもよい。また、記録媒体を排出するだけに限らず、現金又は現金等価物を排出するようにしてもよいし、携帯端末等に記憶させるようにしもよい。また、遊技媒体取扱装置は遊技場の会員記録媒体を挿入可能とし、会員記録媒体に貯留して後日再遊技可能とするようにしてもよい。
また、遊技機又は遊技媒体取扱装置において、図示しない所定の操作手段を操作することにより遊技媒体取扱装置又は遊技媒体管理装置に対し遊技媒体又は有価価値のデータ通信をロックするロック操作を実行可能としてもよい。その際にはワンタイムパスワード等遊技者にしか知りえない情報を設定することや遊技機又は遊技媒体取扱装置に設けられた撮像手段により遊技者を記憶するようにしてもよい。
なお、この遊技媒体管理装置は、上述のように、メダルレスでのみ遊技を可能とするものであってもよいし、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が投入され(掛けられ)、遊技媒体が払い出される形態、及びメダルレスで遊技を可能とする形態、双方の形態で遊技を可能とするものであってもよい。この場合には、遊技媒体管理装置が、上述のセレクタやホッパ機構HPを直接的に制御する方式を採用することもできるし、これらが主制御回路3060(主制御基板MS)によって制御され、その制御結果が送信されること基づいて、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示する制御を行い得る制御を可能とする方式を採用することもできる。
また、上記では、遊技媒体管理装置を、遊技機1に適用する場合について説明しているが、上述した遊技球を用いるスロットマシンや封入式遊技機においても同様に遊技媒体管理装置を設け、遊技者の遊技媒体が管理されるようにすることもできる。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部のセレクタやホッパ機構HP等を減らすことができ、遊技機の原価及び製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、装置を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
また、設定値は1段階のみとしてもよい。このとき、設定変更処理をのこしても良いし、無くしてしまってもよい。設定変更処理を残す場合には、同一設定への打ち直しのみが可能となるため、実質的にはRAMクリアするための処理となる。設定値を1段階のみとする場合であっても、有利状態(ART状態など)の抽籤(初当り及び/又は上乗せなど)に関するモードを設け、所定確率で当籤する所定役が当籤した回数を計数し、その回数が規定値に達したときに、このモードを切り替わるようにすることで、出玉に起伏を生じさせることができる。
この場合、所定確率の分母と規定値とを掛けた値が一つの出玉の波となる。その値を1日に相当する遊技回数で切り替わるように規定すれば、設定値が1段階であっても、複数設けた遊技機と遜色のないものとすることが出来る。例えば、1日の営業時間を11時間とした場合、11h=39600secであるため、1遊技にかかる最短時間を規則に則り4.1秒とすると、1日当たりの最大遊技回数は、39600/4.1=約9659回となる。なお、休憩(食事やトイレ)を一切挟まないというのは現実的ではないため、1日当たりの遊技回数を概ね8000回程度と考える。所定確率を1/32、規定値を256とすることで、32×256=8192となるため、概ね1日で出玉の波が切り替わるようにすることができる。
さらに、所定役が当籤した回数が規定値に達するたびに、遊技者に有利なモードと不利なモードとが交互に切り替わるようにすれば、二日間サイクルで収益が安定するようになるため、遊技店の営業に資することができる。なお、設定値を1段階にした場合の説明を行ったが、1段階には限られず転用が可能である。より具体的には、設定値の数を変えずに採用すれば、設定値の数を増やさずに、出玉の波をより複雑にすることが可能となる。また、設定値の数を減らせば、設定値が減って単調になるところを補うことができる。
また、設定値の数を減らすことができた場合、その分のデータ容量を削減することができる。仮に6段階の設定値を1段階の設定値にすることができれば、データを1/6にまで削減することができる。また、各段階で望む出玉率に設計するための開発コストも1/6となる。さらに言えば、遊技機は試験に適合したもののみが、営業に用いることが許可されるものであるところ、試験に要する時間も短縮することが可能となる。
以上、第1実施形態〜第8実施形態について説明した。上述した実施形態では、本発明をパチスロ遊技機に適用した場合について説明したが、本発明は、他の遊技機(例えば、パチンコ遊技機やスロットマシン等)に適用することも可能である。
以上、本発明の第1実施形態〜第8実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
また、上述した詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明した。本発明は、上述した詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は多様である。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされなければならない。また、要約書の目的は、特許庁及び一般的公共機関や、特許、法律用語又は専門用語に精通していない本技術分野に属する技術者等が本出願の技術的な内容及びその本質を簡易な調査で速やかに判定し得るようにするものである。従って、要約書は、請求の範囲の記載により評価されるべき発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、本発明の目的及び本発明の特有の効果を十分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌して解釈されることが望まれる。
上述した詳細な説明は、コンピュータで実行される処理を含むものである。以上での説明及び表現は、当業者が最も効率的に理解することを目的として記載している。本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各処理は、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各処理では、電気的又は磁気的な信号の送受信、記録等が行われる。各処理における処理では、このような信号を、ビット、値、シンボル、文字、用語、数字等で表現しているが、これらは単に説明上便利であるために用いたものであることに留意する必要がある。また、各処理における処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各処理を行うために要求されるその他の構成は、以上の説明から自明になるものである。