JP2019104995A - 発熱編地 - Google Patents
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Abstract
【課題】高価な導電性繊維糸の使用量を抑制しつつ発熱分布が大きく変化することのない発熱編地を提供する。【解決手段】地組織が絶縁性繊維糸5で構成される編地4に発熱体となる導電性繊維糸6が編成された発熱編地10であって、地組織がシングル編地で構成され、地組織のコース方向に導電性繊維糸が所定幅編成されるとともにウエール方向に少なくとも一部が隣接するように所定幅編成された第1電極部1と、第1電極部に対してコース方向に離隔するように編成され、地組織のコース方向に導電性繊維糸が所定幅編成されるとともにウエール方向に少なくとも一部が隣接するように所定幅編成された第2電極部2と、ウエール方向に間隔を隔てて編成され、第1電極部1と第2電極部2とを電気的に接続する複数本の発熱部3と、を備えている。【選択図】図1
Description
本発明は、発熱編地に関し、詳述すると地組織が絶縁性繊維糸で構成される編地に発熱体となる導電性繊維糸が編成された発熱編地に関する。
特許文献1には、電流を供給するための少なくとも2つの電極を有すると共に、被加熱基材表面の少なくとも一部を覆って前記電極間に配置され前記電極に電気的に接続された複数の加熱部を含む加熱要素であって、該加熱要素は加熱部のバンドルを少なくとも2本有し、前記少なくとも2本のバンドル間の電気接触を避けるために何れのバンドルにおいて、互いに所望距離を置いて配置されていることを特徴とする加熱要素で、例えば車両のシートを加熱するために用いられる加熱要素が開示されている。
当該加熱要素は、編地やフェルト材料のような繊維材料から製造される担体層に、一対の電極が配され、一対の電極間に断線対策のためにバンドル構成された加熱部が接着剤により取着され、或いは編み込まれ、縫い付けられ、織り込まれている。そして、当該加熱部は、銅、カーボン粒子、カーボン繊維、炭化合成フィラメント、銀、金、ポリアミド及び/またはそれらの組合せから形成されている。
特許文献1に記載された加熱要素は、車両のシートを加熱するような用途に用いられ、担体層が多少伸長しても加熱部の抵抗値がそれほど変化することがないため、発熱の程度が大きく変動するようなことがなかった。
特許文献1に開示されたような加熱要素を用いて人の身体などを保温する場合には、人の姿勢にかかわらず直接または間接的に体表面に加熱要素が接触するような状態で使用できることが望ましく、そのために担体層に伸縮性を持たせ、しかも肌触りを良くする必要がある。
そこで、地組織が絶縁性繊維糸で構成される編地を担体層として用い、当該編地に発熱体となる導電性繊維糸が編成された発熱編地により、人の身体などを直接または間接的に温める構成が想起される。
しかし、発熱体として機能する導電性繊維糸は比較的高価なため、発熱編地として大量に使用すると製品コストが上昇するという問題があった。
また、地組織に編成されてコース方向にループが形成された導電性繊維糸が隣接するループ間で接触した収縮状態から体表面にフィットした伸長状態に変化すると、隣接するループ間での接触状態が変化して編み込まれた導電性繊維糸の端部間の抵抗値が変動する場合があり、発熱温度が変化するという不都合な事態が生じる虞があった。
さらに、地組織に編成されることによりウエール方向にループが絡まった導電性繊維糸がウエール方向に伸長するとウエール方向に隣接するループ間の接触状態が変化して同様の不都合な事態が生じる虞があった。
本発明の目的は、上述した問題に鑑み、高価な導電性繊維糸の使用量を抑制しつつ発熱分布が大きく変化することのない発熱編地を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による発熱編地の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、地組織が絶縁性繊維糸で構成される編地に発熱体となる導電性繊維糸が編成された発熱編地であって、前記地組織がシングル編地で構成され、前記地組織のコース方向に前記導電性繊維糸が所定幅編成されるとともにウエール方向に少なくとも一部が隣接するように所定幅編成された第1電極部と、前記第1電極部に対してコース方向に離隔するように編成され、前記地組織のコース方向に前記導電性繊維糸が所定幅編成されるとともにウエール方向に少なくとも一部が隣接するように所定幅編成された第2電極部と、ウエール方向に間隔を隔てて編成され、前記第1電極部と前記第2電極部とを電気的に接続する複数本の発熱部と、を備えている点にある。
絶縁性繊維糸を用いたシングル編地で構成された地組織に、導電性繊維糸を用いて第1電極部と第2電極部が地組織のコース方向に距離を隔てて帯状に編成され、帯状の第1電極部と第2電極部との間を電気的に接続するようにコース方向に編成される導電性繊維糸により発熱部が構成される。第1電極部と第2電極部との間を電気的に接続する導電性繊維糸がウエール方向に間隔を隔てて配される複数の発熱部により面状に分布した発熱部が構成される。そして、第1電極部及び第2電極部は、地組織のコース方向に導電性繊維糸が所定幅編成されるとともにウエール方向に少なくとも一部が隣接するように所定幅編成されて構成されることにより、各電極形成領域がコース方向及びウエール方向の何れに伸長しても電気的な接続状態が維持され、従って第1電極部と第2電極部との間に編成される各発熱部への通電状態が維持される。地組織がシングル編地であるため、当該シングル編地に編成される導電性繊維糸の使用量もダブル編地に比べて十分に抑制でき、全体としてコストを抑制することができる。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、一対の電源端子の一方に接続される第1端子が前記第1電極部に設けられるとともに、前記一対の電源端子の他方に接続される第2端子が前記第2電極部に設けられ、前記発熱部のうち最も外側に位置する一対の発熱部と、前記第1電極部及び前記第2電極部とで区画される四辺形の対角位置に前記第1端子及び前記第2端子が設けられている点にある。
第1電極部に設けられる第1端子と第2電極部に設けられる第2端子に電源側の端子がそれぞれ接続されることにより、各発熱部を構成する導電性繊維糸に電流が流れて発熱する。例えば、一対の電源端子の一方から第1端子、第1電極部、複数の発熱部、第2電極部、第2端子を経て一対の電源端子の他方に電流が流れる。このとき、第1端子から第1電極部を経由して各発熱部に到る経路で電圧降下の程度がそれぞれ異なり、各発熱部から第2電極部を経由して第2端子に到る経路で電圧降下の程度がそれぞれ異なるので、各発熱部に流れる電流の値が大きく変動すると、面状に分布した発熱部の温度にばらつきが生じる虞がある。しかし、発熱部のうち最も外側に位置する一対の発熱部と、第1電極部及び第2電極部とで区画される四辺形の対角位置に第1端子及び第2端子が設けられていると、第1端子から第1電極部を経由して各発熱部に到る経路の電圧降下の程度と、各発熱部から第2電極部を経由して第2端子に到る経路の電圧降下の程度が対称となり、各発熱部に流れる電流の値がほぼ同じになり、面状に分布した発熱部の温度がほぼ均一になる。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第二の特徴構成に加えて、前記発熱部のうち最も外側に位置する一対の発熱部と、前記第1電極部及び前記第2電極部とで区画される四辺形が、90度とは異なる値の対角を備えた平行四辺形に形成され、90度より大きな値の対角位置に前記第1端子及び前記第2端子が設けられている点にある。
90度より大きな値の対角位置に第1端子及び第2端子を設けることにより、面状に分布した発熱部の温度をほぼ均一にしながら、第1端子及び第2端子の端子間距離を短くしながらも、発熱領域のコース方向長さを大きくすることができる。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、各発熱部は、前記第1電極部及び前記第2電極部との接続部を除いて、前記導電性繊維糸の編目が2目以上連続する連続編目領域の累積長さが、各発熱部の全長の50%長さ以下となるように編成されている点にある。
地組織がコース方向に伸長し、それに伴って導電性繊維糸の隣接するループ間での接触状態が変化して電極部間の電気抵抗値が変動するようなことがあっても、導電性繊維糸の編目が2目以上連続する連続編目領域の累積長さが、各発熱部の全長の50%長さ以下となるように編成されていれば、電気抵抗値の変化を抑制して、面状に分布した発熱部の温度ばらつきを小さくすることができるとともに、高価な導電性繊維糸の使用量をも抑制できるようになる。
以上説明した通り、本発明によれば、高価な導電性繊維糸の使用量を抑制しつつ発熱分布が大きく変化することのない発熱編地を提供することができるようになった。
以下、本発明による発熱編地の一例を図面に基づいて説明する。
図1(a),(b)には、基本的な発熱編地10の構成が示されている。
発熱編地10は、地組織が絶縁性繊維糸5で構成された編地4と、当該編地4に編成された一対の電極部1,2と、当該電極部1,2間を電気的に接続するように発熱体となる導電性繊維糸6で編成された複数本の発熱部3とを備えて構成されている。
図1(a),(b)には、基本的な発熱編地10の構成が示されている。
発熱編地10は、地組織が絶縁性繊維糸5で構成された編地4と、当該編地4に編成された一対の電極部1,2と、当該電極部1,2間を電気的に接続するように発熱体となる導電性繊維糸6で編成された複数本の発熱部3とを備えて構成されている。
地組織となる編地4は、例えばポリウレタン弾性糸(通称「スパンデックス」)を芯糸として、その周りに2本のナイロン糸をそれぞれ逆方向に巻き付けたダブルカバーリング糸(DCY糸)のような絶縁性繊維糸5を用いて編成したよこ編地であるシングル編地(天竺編)で構成されている。
ポリウレタン弾性糸によって編地4のコース方向及びウエール方向に伸縮性が発現して肌へのフィット性が確保され、ナイロン糸によって滑りと光沢が得られる。なお、ポリウレタン弾性糸の繊度は用途に合わせて適宜設定され、特に制限されることはない。また、ダブルカバーリング糸(DCY糸)に代えてシングルカバーリング糸(SCY)を用いてもよい。さらに鞘糸もナイロン糸に限らず絶縁糸であれば他の種類の糸を用いてもよい。例えば綿糸などの天然繊維、レーヨンやキュプラなどの再生セルロース繊維糸などを用いてもよい。
電極部1,2及び発熱部3を構成する導電性繊維糸6として、例えばナイロン糸のような合成繊維糸の表面に銀メッキなど金属が被覆された金属被覆糸や、カーボン粒子が混練されたナイロン糸のような合成繊維糸を好適に用いることができる。前者の例として日本新素材株式会社製のシルベルンZAG(登録商標)やミツフジ株式会社製のAGposs(登録商標)などが例示される。
第1電極部1は、地組織のコース方向に導電性繊維糸6が所定幅編成されるとともにウエール方向に少なくとも一部が隣接するように所定幅編成されている。また、第2電極部2は、第1電極部1に対してコース方向に離隔するように編成され、地組織のコース方向に導電性繊維糸6が所定幅編成されるとともにウエール方向に少なくとも一部が隣接するように所定幅編成されている。
図1(a),(b)に示す例では、第1電極部1及び第2電極部2が導電性繊維糸6によって地組織にコース方向に5目、ウエール方向に175コースの矩形形状にカットボス編みで添え糸編されている。カットボス編みは、編地4を編成する過程で添え糸編の開始位置で導電性繊維糸6の糸入れをしてコース方向への編み込みを開始し、また同一コース上における添え糸編の終了位置で導電性繊維糸6の糸抜けをして直ちに糸切りを行う編み方である。
発熱部3は、第1電極部1と第2電極部2とを電気的に接続するように編成されるとともに地組織のウエール方向に間隔を隔てて複数本配置されている。
図1(a)の例では、地組織のウエール方向に25コース置きに第1電極部1から第2電極部2までカットボス編みで1コース添え糸編編成され、ウエール方向に15本の発熱部3が編成されている。
この例では、編地4がコース方向に収縮した状態と伸長した状態とで、コース方向に編成された導電性繊維糸6の隣接ループでの接触状態が変化するため、発熱部3の発熱状態が変化する虞がある。収縮状態で隣接ループが互いに接触することで小さな抵抗値であった第1電極部1と第2電極部2間の電気抵抗値が、伸長状態で隣接ループの接触状態が弱くなり大きな抵抗値になるためである。
図1(b)の例では、地組織のウエール方向に25コース置きに第1電極部1から第2電極部2までカットボス編みで、1コース中で1目置きにニットとミスを繰り返すように浮き編み編成され、ウエール方向に15本の発熱部3が編成されている。図2には、絶縁性繊維糸5で構成された編地4に導電性繊維糸6がカットボスで添え糸編編成され、導電性繊維糸6は連続してニットされるコースに1目タックされた編地が示されている。
この例では、編地4が収縮した状態とコース方向に伸長した状態の何れでも、コース方向に編成された導電性繊維糸6の隣接ループで同士が非接触状態となるので抵抗値に変化が生じることなく、従って編地4がコース方向に収縮した状態と伸長した状態とで発熱部3の発熱状態が変化することが殆ど無い。
なお、何れの場合も第1電極部1及び第2電極部2のサイズや間隔、発熱部3のウエール方向の間隔は例示に過ぎず、本発明がこのような数値に制限されるものではない。
第1電極部1及び第2電極部2との接続部を除いて、導電性繊維糸6の編目が2目以上連続する連続編目領域の累積長さが、各発熱部3の全長の50%長さ以下に設定されているのが好ましく、25%長さ以下に設定されているのがさらに好ましい。
この様な構成が採用されると、地組織がコース方向に伸長し、それに伴って導電性繊維糸6の隣接するループ間での接触状態が変化して電極部1,2間の電気抵抗値が変動するようなことがあっても、電気抵抗値の変化を抑制して、面状に分布した発熱部3の温度ばらつきを小さくすることができるとともに、高価な導電性繊維糸6の使用量をも抑制できるようになる。
なお、第1電極部1と第2電極部2との間に一定の電圧が印加された状態では、発熱部3を構成する導電性繊維糸6の抵抗値が大きくなると電流値が低下するので、電気抵抗値が大きくなれば発熱温度が比例して高くなるものではない。理論上は電源となる電池Batの内部抵抗値と発熱部3の抵抗値が略等しい場合に最大発熱量が得られる。
この様な観点で、発熱編地10の伸長状態と収縮状態で発熱部3の抵抗値が変化する場合、発熱編地10が伸長状態で使用されるのが常態であれば、収縮状態より伸長状態で発熱部3の抵抗値が電池Batの内部抵抗値に近い値となることが好ましく、発熱編地10が収縮状態で使用されるのが常態であれば、伸長状態より収縮状態で発熱部3の抵抗値が電池Batの内部抵抗値に近い値となることが好ましい。
高い抵抗値に設定して発熱量を稼ぐ観点と、伸長収縮により抵抗値の大きな変化を抑制する観点で、各発熱部3は1コース編成されているのが好ましいが、断線の可能性を考慮すると少なくともウエール方向に連続して2コース編成されていてもよい。高価な導電性繊維糸6の使用量を制限しながらも信頼性が確保できるようになる。
第1電極部1に電池Batの一方の電源端子である陽極PEと電気的に接続する第1端子1Aが設けられ、第2電極部2に電池Batの他方の電源端子である負極NEと電気的に接続する第2端子2Aが設けられている。
詳述すると、発熱部3のうち最も外側に位置する一対の発熱部3a,3bと、第1電極部1及び第2電極部2とで区画される四辺形の対角位置に第1端子1A及び第2端子2Aが設けられている。
第1及び第2端子1A,2Aは、一対の凹凸金属製のスナップボタンのうち凸ボタンで構成され、第1電極部1及び第2電極部2にそれぞれ加締め固定され、電池Batの陽極PE及び陰極NEに接続された銅線の先端に固定された凹ボタン1B,2Bとの間で係合離脱可能に構成されている。なお、当該発熱編地10の一部に袋状の収容部が形成され、その収容部に電池Batが収容されるように構成されている。
第1端子1Aから第1電極部1を経由して各発熱部3に到る経路で電圧降下の程度がそれぞれ異なり、各発熱部3から第2電極部2を経由して第2端子2Aに到る経路で電圧降下の程度がそれぞれ異なる。そのため、各発熱部3に流れる電流の値が大きく変動すると、面状に分布した発熱部3の温度にばらつきが生じる虞がある。
しかし、上述したように、発熱部3のうち最も外側に位置する一対の発熱部3a,3bと、第1電極部1及び第2電極部2とで区画される四辺形の対角位置に第1端子1A及び第2端子2Aが設けられていると、第1端子1Aから第1電極部1を経由して各発熱部3に到る経路の電圧降下の程度と、各発熱部3から第2電極部2を経由して第2端子2Aに到る経路の電圧降下の程度が対称となり、各発熱部3に流れる電流の値がほぼ同じになり、面状に分布した発熱部3の温度がほぼ均一になる。
以上説明したように、本発明による発熱編地10は、絶縁性繊維糸5を用いたシングル編地4で構成された地組織に、導電性繊維糸6を用いて第1電極部1と第2電極部2が地組織のコース方向に距離を隔てて帯状に編成され、帯状の第1電極部1と第2電極部2との間を電気的に接続するようにコース方向に編成される導電性繊維糸6により発熱部3が構成されている。
第1電極部1と第2電極部2との間を電気的に接続する導電性繊維糸6がウエール方向に間隔を隔てて配される複数の発熱部3により面状に分布した発熱部3が構成される。
そして、第1電極部1及び第2電極部2は、地組織のコース方向に導電性繊維糸6が所定幅編成されるとともにウエール方向に少なくとも一部が隣接するように所定幅編成されて構成されることにより、各電極形成領域がコース方向及びウエール方向の何れに伸長しても電気的な接続状態が維持され、従って第1電極部1と第2電極部2との間に編成される各発熱部3への通電状態が維持される。地組織がシングル編地であるため、当該シングル編地に編成される導電性繊維糸6の使用量もダブル編地に比べて十分に抑制でき、全体としてコストを抑制することができる。
身体の各部を保護するサポータに組み込むことにより保温機能を備えたサポータを構成することができ、靴下、手袋、腹巻、ネックウォーマ、帽子などにこのような発熱編地10を組み込むことにより手足の末端や腹部を保温することができ、さらには各種の肌着にこのような発熱編地10を組み込むことにより、保温効果を備えた肌着を実現できるようになる。
以下、発熱編地10の別実施形態を説明する。
図3(a)は、図1(b)で説明した発熱編地10の裏面が示されている。カットボス編みされた第1電極部1及び第2電極部2の形成領域のコース方向左右に導電性繊維糸6の切断端部が表れている。
図3(a)は、図1(b)で説明した発熱編地10の裏面が示されている。カットボス編みされた第1電極部1及び第2電極部2の形成領域のコース方向左右に導電性繊維糸6の切断端部が表れている。
地組織がウエール方向に伸長した場合に、各電極部1,2を構成する導電性繊維糸6のウエール方向に形成されたループ同士の接触状態の変化にともなって各電極部1,2の長手方向に沿う方向の抵抗値が変動すると発熱部3の発熱特性が変動する虞がある。
そこで、図3(b)に示すように、発熱編地10の裏面で、各電極部1,2を覆うように導電性繊維糸6で編成された例えばダブル編地で構成される伸縮導電性テープ1C,2Cを接着剤で張り付けることにより、地組織がウエール方向に伸長した場合でも、各電極部1,2の長手方向に沿う方向の抵抗値の変動を防止して、発熱部3の発熱分布を均一に維持することができるようになる。
図4に示すように、発熱部3のうち最も外側に位置する一対の発熱部3a,3bと、第1電極部1及び第2電極部2とで区画される四辺形が、90度とは異なる値の対角を備えた平行四辺形に形成されていてもよい。この場合、90度より大きな値の対角位置に第1端子1A及び第2端子2Aが設けられていることが好ましい。
90度より大きな値の対角位置に第1端子1A及び第2端子2Aを設けることにより、面状に分布した発熱部3の温度をほぼ均一にしながら、第1端子1A及び第2端子2Aの端子間距離を短くしながらも、発熱領域のコース方向長さを大きくすることができる。
上述した実施形態では、発熱部3を構成する導電性繊維糸6は、第1電極部1と第2電極部2とをコース方向に沿って直線状に電気的に接続するように編成された例を説明したが、第1電極部1と第2電極部2との間を複数コースに渡って電気的に接続するように構成されていてもよい。この場合、ウエール方向に離隔して編成された導電性繊維糸6同士を接続するために、地組織のコース方向に導電性繊維糸6が所定幅編成されるとともにウエール方向に少なくとも一部が隣接するように所定幅編成された接続用の中間電極部を設けもよい。
図5(a)には、ウエール方向に間隔を隔てた3本の発熱部3と2か所の中間電極部7によって、第1電極部1と第2電極部2とをコース方向に沿って電気的に接続する態様が示されている。
図5(b)には、ウエール方向に間隔を隔てた2本の発熱部3と4か所の中間電極部7によって、第1電極部1と第2電極部2とをコース方向に沿って電気的に接続する態様が示されている。
何れの場合も、発熱部3のうち最も外側に位置する一対の発熱部3a,3b、より正確には発熱部3a,3bの延長線と、第1電極部1及び第2電極部2とで区画される四辺形の対角位置に第1端子1A及び第2端子2Aが設けられている。
以下、発熱部3のコース方向への伸縮により抵抗特性の評価実験の結果を説明する。
図6(a)左図に示すように、絶縁性繊維糸によるシングル編地に、導電性繊維糸を用いて第1電極部1と第2電極部2、さらに第1電極部1と第2電極部2の間を複数種類の導電性繊維糸を用いてカットボスで添え糸編みした試験編地片を作成した。第1電極部1と第2電極部2の間に形成される8本の発熱部3の長さは試験編地片が収縮した状態で10cmに設定されている。導電性繊維糸として、Xstatic30d(dはデニールの略)、Xstatic70d、シルベルンZAG40d、シルベルンZAG70dの4種類のフィラメント糸を用いた。
図6(a)左図に示すように、絶縁性繊維糸によるシングル編地に、導電性繊維糸を用いて第1電極部1と第2電極部2、さらに第1電極部1と第2電極部2の間を複数種類の導電性繊維糸を用いてカットボスで添え糸編みした試験編地片を作成した。第1電極部1と第2電極部2の間に形成される8本の発熱部3の長さは試験編地片が収縮した状態で10cmに設定されている。導電性繊維糸として、Xstatic30d(dはデニールの略)、Xstatic70d、シルベルンZAG40d、シルベルンZAG70dの4種類のフィラメント糸を用いた。
各発熱部3の全長を連続してニット編成した試験編地片A、75%長を連続してニット編成し25%長をニット/ミスを1目毎交互に編成(フロート編成)した試験編地片B、50%長を連続してニット編成し50%長をニット/ミスを1目毎交互に編成(フロート編成)した試験編地片C、25%長を連続してニット編成し75%長をニット/ミスを1目毎交互に編成(フロート編成)した試験編地片D、全長をニット/ミスを1目毎交互に編成(フロート編成)した試験編地片Eを作成した。試験編地片Aはコース方向に隣接する導電性繊維糸のループが接する割合100%、試験編地片Bは75%、試験編地片Cは50%、試験編地片Dは25%、試験編地片Eは0%となる。
図6(a)右図に示すように、収縮時の抵抗値に対して伸長試験機で発熱部3の長さを15cmに伸長した場合(50%伸長時)の抵抗変化率を測定した。図7にはその結果が示されて、図6(b)には特性図が示されている。なお、ニット編成した領域とフロート編成した領域の伸長時における伸長率に差はない。
試験の結果、50%伸長時(元の長さの1.5倍に引っ張ったとき)に抵抗値変化25%以内となる範囲であれば、発熱特性の差異を感得できない範囲として確認された。
なお、試験ではニット編成した領域とフロート編成した領域が連続的に形成された試験編地片を用いたが、最終的には、ニット編成した領域とフロート編成した領域が均等に分布するように編成されルことが好ましい。
本発明による発熱編地は、一般消費者用或いは医療用として、保温機能を備えたサポータ、靴下、手袋、腹巻、ネックウォーマ、帽子、肌着などに広く活用される。
1:第1電極部
1A:第1端子
2:第2電極部
2A:第2端子
3:発熱部
4:絶縁性の編地
5:絶縁性繊維糸
6:導電性繊維糸
10:発熱編地
1A:第1端子
2:第2電極部
2A:第2端子
3:発熱部
4:絶縁性の編地
5:絶縁性繊維糸
6:導電性繊維糸
10:発熱編地
Claims (4)
- 地組織が絶縁性繊維糸で構成される編地に発熱体となる導電性繊維糸が編成された発熱編地であって、
前記地組織がシングル編地で構成され、
前記地組織のコース方向に前記導電性繊維糸が所定幅編成されるとともにウエール方向に少なくとも一部が隣接するように所定幅編成された第1電極部と、
前記第1電極部に対してコース方向に離隔するように編成され、前記地組織のコース方向に前記導電性繊維糸が所定幅編成されるとともにウエール方向に少なくとも一部が隣接するように所定幅編成された第2電極部と、
ウエール方向に間隔を隔てて編成され、前記第1電極部と前記第2電極部とを電気的に接続する複数本の発熱部と、
を備えている発熱編地。 - 一対の電源端子の一方に接続される第1端子が前記第1電極部に設けられるとともに、前記一対の電源端子の他方に接続される第2端子が前記第2電極部に設けられ、
前記発熱部のうち最も外側に位置する一対の発熱部と、前記第1電極部及び前記第2電極部とで区画される四辺形の対角位置に前記第1端子及び前記第2端子が設けられている請求項1記載の発熱編地。 - 前記発熱部のうち最も外側に位置する一対の発熱部と、前記第1電極部及び前記第2電極部とで区画される四辺形が、90度とは異なる値の対角を備えた平行四辺形に形成され、90度より大きな値の対角位置に前記第1端子及び前記第2端子が設けられている請求項2記載の発熱編地。
- 各発熱部は、前記第1電極部及び前記第2電極部との接続部を除いて、前記導電性繊維糸の編目が2目以上連続する連続編目領域の累積長さが、各発熱部の全長の50%長さ以下となるように編成されている請求項1から3の何れかに記載の発熱編地。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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2017
- 2017-12-11 JP JP2017236987A patent/JP2019104995A/ja active Pending
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