JP2019103325A - Motor controller - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、電動機制御装置に関する。 The present invention relates to a motor control device.
特許文献1に記載の電動圧縮機は、圧縮機構の駆動回転数に応じて搬送波周波数(キャリア周波数)を変更する。具体的には、特許文献1に記載の電動圧縮機は、圧縮機構の駆動回転数が大きいときほど搬送波周波数(キャリア周波数)が低くなるように、圧縮機構の駆動回転数もしくは駆動回転数の関連物理量に応じて搬送波周波数(キャリア周波数)を変更する。これにより、特許文献1に記載の電動圧縮機は、インバータのスイッチング損失を低減しようとしている。
The electric compressor described in
特許文献2に記載のインバータの制御装置は、モータ回転数到達判定手段およびキャリア周波数変更手段を備えている。モータ回転数到達判定手段は、モータ回転数が変化して、インバータ出力における第1のキャリア周波数の側帯波成分が、モータの構造共振周波数に合致する際のモータ回転数である共振モータ回転数に対して、所定範囲内に近付いたか否かを判定する。キャリア周波数変更手段は、モータ回転数到達判定手段により実際のモータ回転数が所定範囲内にまで近付いたと判定されたときに、インバータのキャリア周波数を変更して、第1のキャリア周波数とは異なる第2のキャリア周波数に設定する。これにより、特許文献2に記載のインバータの制御装置は、モータ回転数が共振モータ回転数に合致する前にキャリア周波数を変更して、キャリア側帯波成分がモータの構造共振周波数(ステータの共振周波数)に合致するのを回避しようとしている。
The control device for an inverter described in
しかしながら、特許文献1に記載の電動圧縮機および特許文献2に記載のインバータの制御装置のいずれにおいても、直流電力を出力する電源に起因する電気的な共振については、考慮されていない。特に、特許文献1に記載の電動圧縮機のように、キャリア周波数を低く設定すると、電動機の駆動電流のリップルが大きくなる。電気的な共振が発生した際に電動機の駆動電流のリップルが大きい程、電源などが発熱し易くなる。また、電気的な共振が発生した際に電動機の駆動電流のリップルが大きい程、電源などに悪影響が生じ易くなる。さらに、電気的な共振が発生した際に電動機の駆動電流のリップルが大きい程、電動機の騒音(異音)が生じ易くなる。
However, in any of the motor-driven compressor described in
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、直流電力を出力する電源に起因する電気的な共振が発生する前に、電動機の駆動電流のリップルを低減して共振レベルを低減可能な電動機制御装置を提供することを課題とする。 The present invention has been made in view of such circumstances, and reduces the ripple of the drive current of the motor to reduce the resonance level before the occurrence of electrical resonance caused by the power supply outputting DC power. An object of the present invention is to provide a motor control device that can be reduced.
本発明に係る電動機制御装置は、直流電力を出力する電源と、前記電源から出力された前記直流電力を交流電力に変換して電動機に出力する複数のスイッチング素子を備える電力変換器と、前記電力変換器の前記複数のスイッチング素子をパルス幅変調制御によって開閉制御する制御装置と、を具備する。前記制御装置は、前記電源の電気的な共振周波数と前記電動機の駆動電流の周波数とが一致して電気的な共振が発生する際の前記電動機の回転数である共振回転数を含む所定の回転数範囲に前記電動機の駆動回転数が含まれるときに、前記駆動回転数が前記回転数範囲に含まれないときと比べて、前記パルス幅変調制御のキャリア周波数を高く設定するキャリア周波数制御部を備える。 A motor control device according to the present invention includes: a power supply that outputs DC power; and a power converter including a plurality of switching elements that convert the DC power output from the power supply into AC power and outputs the AC power to the motor. And a controller configured to control opening and closing of the plurality of switching elements of the converter by pulse width modulation control. The control device is configured to perform predetermined rotation including a resonant rotational speed which is a rotational speed of the motor when an electrical resonance frequency of the power source matches a frequency of a drive current of the motor and an electrical resonance occurs. A carrier frequency control unit which sets the carrier frequency of the pulse width modulation control higher than when the drive rotational speed is not included in the rotational speed range when the drive rotational speed of the motor is included in several ranges. Prepare.
上記の電動機制御装置によれば、制御装置は、キャリア周波数制御部を備える。よって、上記の電動機制御装置は、直流電力を出力する電源に起因する電気的な共振が発生する前に、電動機の駆動電流のリップルを低減して共振レベルを低減することができる。 According to the above-described motor control device, the control device includes the carrier frequency control unit. Therefore, the above-mentioned motor control device can reduce the ripple of the drive current of a motor, and can reduce a resonance level, before the electric resonance resulting from the power supply which outputs direct-current power occurs.
本明細書では、実施形態が図面に基づいて説明されている。図面は、共通する箇所には共通の符号が付されており、本明細書では、重複する説明が省略されている。なお、図面は、概念図であり、細部構造の寸法まで規定するものではない。 Embodiments are described herein based on the drawings. In the drawings, common parts are denoted by common reference numerals, and redundant description is omitted in the present specification. The drawings are conceptual diagrams and do not specify the dimensions of the detailed structure.
<電動機制御装置10の概略構成>
図1に示すように、本実施形態の電動機制御装置10は、電源20と、平滑コンデンサ30と、電力変換器40と、制御装置60とを備えている。また、電力変換器40には、電動機50が電気的に接続されている。
<Schematic Configuration of
As shown in FIG. 1, the
電源20は、直流電力を出力する。電源20は、直流電力を出力することができれば良く、種類は限定されない。電源20は、例えば、鉛蓄電池(バッテリ)、リチウムイオン電池、発電装置(例えば、燃料電池)などを用いることができる。また、電源20は、例えば、公知の昇圧コンバータなどを用いて、低電圧の直流電力を昇圧することもできる。この場合、電源20は、例えば、公知の昇圧型チョッパコンバータなどを備えることができる。
The power supply 20 outputs DC power. The
平滑コンデンサ30は、電源20から出力された直流電力を平滑する。電源20の正極側20pは、平滑コンデンサ30の正極側30pと接続されている。電源20の負極側20nは、平滑コンデンサ30の負極側30nと接続されており、パワーグランド(電源20を含む高電圧側の回路の基準電位)と接続されている。平滑コンデンサ30は、例えば、電解コンデンサを用いることができる。電源20から供給された直流電力は、平滑コンデンサ30によって平滑されてリップルが低減される。
The
電力変換器40は、電源20から出力された直流電力(本実施形態では、平滑コンデンサ30によって平滑された直流電力)を交流電力に変換して、変換された交流電力を電動機50に出力する。図1に示すように、電力変換器40は、複数のスイッチング素子(本実施形態では、三組の一対のスイッチング素子41)を備えており、これらは、フルブリッジ接続されている。三組の一対のスイッチング素子41の各々は、電源20の正極側20pに接続される正極側スイッチング素子4xpと、電源20の負極側20nに接続される負極側スイッチング素子4xnとが直列接続されている。なお、本実施形態の電力変換器40は、三相の電力変換器であり、xは、u、v、wのうちのいずれかである。例えば、正極側スイッチング素子4upは、U相の正極側スイッチング素子を示しており、負極側スイッチング素子4unは、U相の負極側スイッチング素子を示している。
The
正極側スイッチング素子4xpおよび負極側スイッチング素子4xnは、公知の電力用スイッチング素子を用いることができる。正極側スイッチング素子4xpおよび負極側スイッチング素子4xnは、例えば、公知の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)などを用いることができる。 A well-known power switching element can be used for the positive electrode side switching element 4xp and the negative electrode side switching element 4xn. For example, a well-known insulated gate bipolar transistor (IGBT: Insulated Gate Bipolar Transistor), a field effect transistor (FET: Field Effect Transistor), etc. can be used for the positive electrode side switching element 4xp and the negative electrode side switching element 4xn.
図1に示すように、複数(3つ)の正極側スイッチング素子4xpの各々は、制御端子4gと、入力端子4cと、出力端子4eと、還流ダイオード4dとを備えている。例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)では、制御端子4gは、ゲート端子に相当し、入力端子4cは、コレクタ端子に相当し、出力端子4eは、エミッタ端子に相当する。電界効果トランジスタ(FET)では、制御端子4gは、ゲート端子に相当し、入力端子4cは、ドレイン端子に相当し、出力端子4eは、ソース端子に相当する。制御端子4gは、駆動回路61bを介して、制御装置60と接続されている。複数(3つ)の正極側スイッチング素子4xpの各々は、制御装置60から出力される駆動信号に基づいて開閉制御される。
As shown in FIG. 1, each of the plurality of (three) positive electrode side switching elements 4xp includes a
制御端子4gと出力端子4eとの間の電圧を制御電圧Vgeとする。例えば、制御電圧Vgeがローレベル(所定電圧値以下の状態)のときには、入力端子4cと出力端子4eとの間が電気的に遮断された開状態に制御される。一方、制御電圧Vgeがハイレベル(所定電圧値を超えている状態)のときには、入力端子4cと出力端子4eとの間が電気的に導通された閉状態に制御される。
A voltage between the
還流ダイオード4dは、例えば、スイッチング素子のボディダイオード(寄生ダイオード)を用いることができる。また、ボディダイオードの代わりに、還流ダイオードを別途設けて、入力端子4cと出力端子4eとの間に並列接続することもできる。還流ダイオード4dは、スイッチング素子が開状態のときに、出力端子4e側から入力端子4c側に向かう電流経路を形成する。これにより、スイッチング素子の開閉に伴って生じる逆電流から当該スイッチング素子を保護することができる。
For example, a body diode (parasitic diode) of a switching element can be used as the
複数(3つ)の正極側スイッチング素子4xpについて上述したことは、複数(3つ)の負極側スイッチング素子4xnについても同様に言える。制御装置60は、電力変換器40の複数のスイッチング素子(三組の一対のスイッチング素子41を構成する正極側スイッチング素子4xpおよび負極側スイッチング素子4xn)を開閉制御して、電力変換器40を制御する。
The above description of the plurality (three) of the positive electrode side switching elements 4xp can be similarly applied to the plurality of (three) negative electrode side switching elements 4xn. The
例えば、電力変換器40は、制御装置60の指令に基づいて、複数(3つ)の正極側スイッチング素子4xpのうちの一の正極側スイッチング素子4xpと、複数(3つ)の負極側スイッチング素子4xnのうちの一の負極側スイッチング素子4xnとが閉状態にされ、他のスイッチング素子が開状態にされる。閉状態にされる一の正極側スイッチング素子4xpおよび一の負極側スイッチング素子4xnの相(U相、V相、W相)は、異なる。制御装置60が閉状態にするスイッチング素子の組み合わせを順に変更することにより、電力変換器40は、電源20から出力された直流電力(平滑コンデンサ30によって平滑された直流電力)を交流電力に変換することができる。
For example, based on a command from the
図1に示すように、正極側スイッチング素子4xpと負極側スイッチング素子4xnとの間には、出力端子42xが設けられている。出力端子42xと、電動機50の相端子43xとの間は、電力ケーブル44xによって電気的に接続されている。電力ケーブル44xは、電力変換器40によって変換された交流電力を電動機50に給電する。なお、xは、u、v、wのうちのいずれかである。
As shown in FIG. 1, an output terminal 42x is provided between the positive electrode side switching element 4xp and the negative electrode side switching element 4xn. The output terminal 42x and the phase terminal 43x of the
電動機50は、固定子51と回転子52とを備えている。本実施形態の電動機50は、固定子51および回転子52が同軸に配設されるラジアル空隙型の円筒状電動機である。なお、電動機50は、アキシャル空隙型の円筒状電動機であっても良い。また、電動機50は、回転子52が固定子51の内方(電動機50の軸心側)に設けられるインナー型の円筒状電動機であっても良く、回転子52が固定子51の外方に設けられるアウター型の円筒状電動機であっても良い。
The
固定子51は、複数のスロットが形成されている固定子鉄心(図示略)と、電機子巻線(U相コイル51u、V相コイル51v、W相コイル51w)とを備えている。固定子鉄心は、薄板状の電磁鋼板(例えば、ケイ素鋼板)が軸線方向に複数積層されて形成されている。複数のスロットには、電機子巻線が巻装されている。電機子巻線は、銅などの導体(コイル)が巻き回されて形成されており、導体表面がエナメルなどの絶縁層で被覆されている。電機子巻線の断面形状は、任意の断面形状とすることができる。例えば、電機子巻線は、断面円形状の丸線、断面多角形状の角線などの種々の断面形状の導体(コイル)を用いることができる。また、電機子巻線は、複数のより細いコイル素線を組み合わせた並列細線を用いることもできる。並列細線を用いる場合、単線の場合と比べて電機子巻線に発生する渦電流損が低減され、電動機50の効率が向上する。また、コイル成形に要する力を低減することができるので、コイルの成形性が向上してコイル製作が容易になる。
The
電機子巻線は、分布巻(例えば、同心巻、波巻、重ね巻など)または集中巻などの公知の方法で巻装することができる。また、図1に示すように、電機子巻線(U相コイル51u、V相コイル51v、W相コイル51w)は、Y結線で接続することができる。同図では、中性点を中性点51nで示している。なお、電機子巻線(U相コイル51u、V相コイル51v、W相コイル51w)は、Δ結線で接続することもできる。
The armature winding can be wound by known methods such as distributed winding (eg, concentric winding, wave winding, lap winding, etc.) or concentrated winding. Further, as shown in FIG. 1, the armature winding (
図2に示すように、回転子52は、回転子鉄心52aと、所定磁極対分(本実施形態では四磁極対分であり、8つ)の永久磁石52bと、シャフト52cとを備えている。同図は、回転子52の軸線方向(同図の紙面垂直方向)視の模式図であり、これらの配置が模式的に示されている。回転子鉄心52aは、薄板状の電磁鋼板(例えば、ケイ素鋼板)が軸線方向(同図の紙面垂直方向)に複数積層されて円柱状に形成されている。回転子鉄心52aには、シャフト52cが設けられており、シャフト52cは、回転子鉄心52aの軸心を軸線方向に沿って貫通している。シャフト52cの軸線方向両端部は、ベアリングなどの軸受部材(図示略)によって、回転可能に支持されている。
As shown in FIG. 2, the
回転子鉄心52aには、複数(8つ)の永久磁石52bが埋設されている。具体的には、回転子鉄心52aには、周方向に等間隔で、複数の磁石収容部(図示略)が設けられている。複数の磁石収容部には、所定磁極対分(本実施形態では四磁極対分であり、8つ)の永久磁石52bが埋設されている。永久磁石52bは、例えば、公知のフェライト系磁石や希土類系磁石を用いることができる。永久磁石52bの製法は、限定されない。永久磁石52bは、例えば、樹脂ボンド磁石や焼結磁石を用いることができる。樹脂ボンド磁石は、例えば、フェライト系の原料磁石粉末と樹脂などを混合して、射出成形などによって回転子鉄心52aに鋳込み形成することができる。焼結磁石は、例えば、希土類系の原料磁石粉末を磁界中で加圧成形して、高温で焼き固めて形成することができる。なお、固定子51のスロット数および回転子52の磁極数は、限定されない。
A plurality (eight) of
制御装置60は、電力変換器40を含む電力変換システムを制御する。また、制御装置60は、電力変換器40の複数のスイッチング素子(正極側スイッチング素子4xpおよび負極側スイッチング素子4xn)をパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)制御によって開閉制御する。図3に示すように、制御装置60は、公知の中央演算装置60a、記憶装置60bおよび入出力インターフェース60cを備えており、これらは、バス60dを介して接続されている。
中央演算装置60aは、CPU:Central Processing Unitであり、種々の演算処理を行うことができる。記憶装置60bは、第一記憶装置60b1および第二記憶装置60b2を備えている。第一記憶装置60b1は、揮発性の記憶装置(RAM:Random Access Memory)であり、第二記憶装置60b2は、不揮発性の記憶装置(ROM:Read Only Memory)である。
The
また、図1に示すように、制御装置60は、直流電圧検出器61aと、駆動回路61bと、電流検出器61cと、位置検出器61dとを備えている。直流電圧検出器61aは、平滑コンデンサ30によって平滑された直流電力の直流電圧を検出する。具体的には、直流電圧検出器61aは、例えば、抵抗値が既知の複数の抵抗器によって当該直流電圧を分圧して、分圧された直流電圧を制御装置60に出力する。制御装置60は、公知のA/D変換器(図示略)などによって分圧された直流電圧値を知得し、平滑コンデンサ30によって平滑された直流電力の直流電圧(電力変換器40に入力される直流電圧)を知得することができる。
Further, as shown in FIG. 1, the
駆動回路61bは、制御装置60から出力される駆動信号を増幅する駆動回路であり、例えば、公知のドライバ回路を用いることができる。なお、図1では、電力変換器40の各スイッチング素子の制御端子4gと、駆動回路61bとの間の接続は、記載が省略されている。
The
電流検出器61cは、電力変換器40から出力される出力電流を検出する。本実施形態では、電流検出器61cは、電力ケーブル44uおよび電力ケーブル44vに設けられており、U相電流IuおよびV相電流Ivを検出する。本明細書では、電流検出器61cによって検出されたU相電流IuをU相電流検出値Iu_fbといい、電流検出器61cによって検出されたV相電流IvをV相電流検出値Iv_fbという。なお、W相電流Iwは、ゼロからU相電流検出値Iu_fbおよびV相電流検出値Iv_fbをそれぞれ減じて算出することができる。電流検出器61cは、公知の電流検出器(例えば、カレントトランスを使用した電流検出器、シャント抵抗器を使用した電流検出器など)を用いることができる。
The
位置検出器61dは、固定子51に対する回転子52の位置を検出する。位置検出器61dは、公知の位置検出器(例えば、レゾルバ、エンコーダ、ホールセンサなど)を用いることができる。なお、制御装置60は、上述した検出器以外にも種々の検出器を設けることができる。
The
図3に示す中央演算装置60aは、第二記憶装置60b2に記憶されている電力変換器40の制御プログラムを第一記憶装置60b1に読み出して、制御プログラムを実行する。また、上述した検出値などは、絶縁部(図示略)および入出力インターフェース60cを介して、制御装置60に入力される。中央演算装置60aは、入出力インターフェース60c、絶縁部(図示略)および図1に示す駆動回路61bを介して、電力変換器40の各スイッチング素子に開閉信号を出力して、電力変換器40を開閉制御する。なお、絶縁部は、制御装置60を含む低電圧側の回路と、電源20を含む高電圧側の回路とを電気的に絶縁する。絶縁部は、例えば、公知のフォトカプラなどを用いることができる。
The
<制御装置60による制御>
図4に示すように、本実施形態の制御装置60は、制御ブロックとして捉えると、三相/二相変換部71と、回転数算出部72と、電流指令値設定部73と、電流制御部74と、二相/三相変換部75と、キャリア周波数制御部76と、パルス幅変調信号生成部77とを備えている。
<Control by
As shown in FIG. 4, when considered as a control block, the
図2に示すように、永久磁石52bの主磁束方向をd軸方向とし、d軸方向と電気的に直交する方向をq軸方向とする。電動機50のdq座標系における電圧方程式は、下記数1で表すことができる。
As shown in FIG. 2, the main magnetic flux direction of the
但し、d軸方向の電圧をd軸電圧Vdで表し、q軸方向の電圧をq軸電圧Vqで表す。また、電機子巻線(U相コイル51u、V相コイル51v、W相コイル51w)の各巻線抵抗を巻線抵抗Rで表す。さらに、d軸方向のインダクタンスであるd軸インダクタンスをd軸インダクタンスLdで表し、q軸方向のインダクタンスであるq軸インダクタンスをq軸インダクタンスLqで表す。また、d軸方向の電流をd軸電流Idで表し、q軸方向の電流をq軸電流Iqで表す。さらに、回転子52の角速度を角速度ωで表し、誘起電圧定数を誘起電圧定数Φで表す。また、微分演算子は、微分演算子p(=d/dt)で表す。
However, the voltage in the d-axis direction is represented by the d-axis voltage Vd, and the voltage in the q-axis direction is represented by the q-axis voltage Vq. Further, each winding resistance of the armature winding (
制御装置60は、d軸電流指令値Id_refおよびq軸電流指令値Iq_refをそれぞれ設定して、電力変換器40を制御する。具体的には、制御装置60は、d軸電流指令値Id_refおよびq軸電流指令値Iq_refに基づいてd軸電圧指令値Vd_refおよびq軸電圧指令値Vq_refを設定して、電力変換器40を制御する。但し、d軸電流指令値Id_refは、d軸方向の電流指令値をいい、q軸電流指令値Iq_refは、q軸方向の電流指令値をいう。また、d軸電圧指令値Vd_refは、d軸方向の電圧指令値をいい、q軸電圧指令値Vq_refは、q軸方向の電圧指令値をいう。
The
(三相/二相変換部71)
三相/二相変換部71は、d軸電流算出値Id_fbおよびq軸電流算出値Iq_fbを算出する。d軸電流算出値Id_fbは、d軸方向の電流算出値をいい、q軸電流算出値Iq_fbは、q軸方向の電流算出値をいう。図4に示すように、三相/二相変換部71には、電流検出器61cによって検出されたU相電流検出値Iu_fbおよびV相電流検出値Iv_fbが入力される。既述したように、W相電流Iwは、ゼロからU相電流検出値Iu_fbおよびV相電流検出値Iv_fbをそれぞれ減じて算出することができる。W相電流Iwの検出値(算出値)をW相電流検出値Iw_fbとする。また、三相/二相変換部71には、位置検出器61dによって検出された回転子52の回転角(回転位置θ)が入力される。
(Three-phase / two-phase converter 71)
The three-phase / two-
三相/二相変換部71は、U相電流検出値Iu_fb、V相電流検出値Iv_fbおよびW相電流検出値Iw_fb、並びに、回転位置θを用いて、下記数2に基づいてd軸電流算出値Id_fbおよびq軸電流算出値Iq_fbを算出する。なお、回転位置θは、例えば、U相電流検出値Iu_fb、V相電流検出値Iv_fbおよびW相電流検出値Iw_fbの経時変化から推定することもできる。また、回転位置θは、例えば、各相の誘起電圧の経時変化から推定することもできる。
The three-phase / two-
(回転数算出部72)
回転数算出部72は、回転子52の回転数(電動機50の駆動回転数)を算出する。図4に示すように、回転数算出部72には、位置検出器61dによって検出された回転子52の回転角(回転位置θ)が入力される。回転数算出部72は、例えば、回転位置θを時間微分して回転子52の回転数を算出することができる。なお、制御装置60は、公知の回転数検出器を用いて、回転子52の回転数を測定することもできる。回転数算出部72によって算出された回転子52の回転数を回転数算出値Nm_fbで表す。回転数算出部72によって算出された回転数算出値Nm_fbは、後述するキャリア周波数制御部76に対して出力される。
(Rotation speed calculation unit 72)
The rotation
(電流指令値設定部73)
電流指令値設定部73は、d軸電流指令値Id_refおよびq軸電流指令値Iq_refを算出する。d軸電流指令値Id_refおよびq軸電流指令値Iq_refの算出方法は、限定されない。電流指令値設定部73は、所要トルクに対して電機子電流が最小になるように、d軸電流指令値Id_refおよびq軸電流指令値Iq_refを設定すると好適である。
(Current command value setting unit 73)
Current command
図5は、トルクと電機子電流との間の関係の一例を示している。曲線L11は、所要トルク(トルク指令値Trq_ref)が一定のときのd軸電流指令値Id_refとq軸電流指令値Iq_refとの関係(電機子電流の電流ベクトルの関係)の一例を示している。電機子電流の電流ベクトルが曲線L11上に設定されることにより、所要トルクが得られる。矢印L12は、曲線L11で示す所要トルクを得るときに電機子電流が最小になる電流ベクトルを示している。直線L13は、曲線L11の極値における接線を示している。つまり、電機子電流の電流ベクトルが直線L13で示す接線と直交するときに、所要トルクを得る際の電機子電流が最小になる。 FIG. 5 shows an example of the relationship between torque and armature current. A curve L11 shows an example of the relationship between the d-axis current command value Id_ref and the q-axis current command value Iq_ref (the relationship between the current vectors of the armature current) when the required torque (torque command value Trq_ref) is constant. The required torque is obtained by setting the current vector of the armature current on the curve L11. An arrow L12 indicates a current vector at which the armature current is minimized when obtaining the required torque indicated by the curve L11. A straight line L13 indicates a tangent at the extreme value of the curve L11. That is, when the current vector of the armature current is orthogonal to the tangent line indicated by the straight line L13, the armature current at the time of obtaining the required torque is minimized.
所要トルクが増加するとトルク指令値Trq_refが増大され、曲線L11は、曲線L11aに移動する。矢印L12aは、このときに電機子電流が最小になる電流ベクトルを示している。一方、所要トルクが減少するとトルク指令値Trq_refが低減され、曲線L11は、曲線L11bに移動する。矢印L12bは、このときに電機子電流が最小になる電流ベクトルを示している。なお、同図の横軸は、d軸を示し、縦軸は、q軸を示している。 When the required torque increases, the torque command value Trq_ref is increased, and the curve L11 moves to the curve L11a. Arrow L12a indicates a current vector at which the armature current is minimized at this time. On the other hand, when the required torque decreases, the torque command value Trq_ref is reduced, and the curve L11 moves to the curve L11 b. Arrow L12 b indicates a current vector at which the armature current is minimized at this time. The horizontal axis in the figure indicates the d axis, and the vertical axis indicates the q axis.
制御装置60は、所要トルクに応じて、トルク指令値Trq_refを設定する。図4に示すように、電流指令値設定部73には、トルク指令値Trq_refが入力される。電流指令値設定部73は、トルク指令値Trq_refに対して電機子電流が最小になるように、d軸電流指令値Id_refおよびq軸電流指令値Iq_refを設定する。所要トルク(トルク指令値Trq_ref)に対応するd軸電流指令値Id_refおよびq軸電流指令値Iq_refは、予め算出され、例えば、マップ、テーブル、関係式(多項式)などに変換されて、図3に示す第二記憶装置60b2に記憶される。電流指令値設定部73は、電力変換器40の制御プログラムとともに、起動時に第二記憶装置60b2から第一記憶装置60b1にマップ等を読み出す。これにより、電流指令値設定部73は、所要トルク(トルク指令値Trq_ref)に対応するd軸電流指令値Id_refおよびq軸電流指令値Iq_refを容易に設定することができる。
(電流制御部74)
電流制御部74は、d軸電流指令値Id_refに基づいて、d軸電圧指令値Vd_refを算出する。また、電流制御部74は、q軸電流指令値Iq_refに基づいて、q軸電圧指令値Vq_refを算出する。具体的には、d軸電圧指令値Vd_refは、d軸電流算出値Id_fbがd軸電流指令値Id_refと一致するように算出される。また、q軸電圧指令値Vq_refは、q軸電流算出値Iq_fbがq軸電流指令値Iq_refと一致するように算出される。電流制御部74は、d軸電圧指令値Vd_refおよびq軸電圧指令値Vq_refを算出することができれば良く、その構成は限定されない。
(Current control unit 74)
The
図4に示すように、本実施形態では、電流制御部74は、減算器74aと、PI制御部74bと、減算器74cと、PI制御部74dとを備えている。減算器74aには、d軸電流指令値Id_refと、d軸電流算出値Id_fbとが入力される。減算器74aは、d軸電流指令値Id_refからd軸電流算出値Id_fbを減じて偏差ΔIdを算出する。減算器74aによって算出された偏差ΔIdは、PI制御部74bに対して出力される。本実施形態では、PI制御部74bは、d軸電流算出値Id_fbがd軸電流指令値Id_refと一致するように、比例制御および積分制御を行う。
As shown in FIG. 4, in the present embodiment, the
PI制御部74bは、比例演算器74b1と、積分演算器74b2と、加算器74b3とを備えている。比例演算器74b1は、偏差ΔIdに比例ゲインKpdを乗じた演算結果を出力する。積分演算器74b2は、偏差ΔIdを積分した積分値に積分ゲインKidを乗じた演算結果を出力する。加算器74b3は、比例演算器74b1の演算結果と、積分演算器74b2の演算結果とを加算する。そして、PI制御部74bは、加算器74b3の演算結果をd軸電圧指令値Vd_refとして出力する。なお、PI制御部74bは、偏差ΔIdを微分した微分値に微分ゲインを乗じた演算結果を出力する微分演算器を備えることもできる。つまり、PI制御部74bは、比例制御、積分制御および微分制御を行うPID制御部とすることができる。この場合、加算器74b3は、比例演算器74b1の演算結果と、積分演算器74b2の演算結果と、微分演算器の演算結果とを加算する。
The
一方、減算器74cには、q軸電流指令値Iq_refと、q軸電流算出値Iq_fbとが入力される。減算器74cは、q軸電流指令値Iq_refからq軸電流算出値Iq_fbを減じて偏差ΔIqを算出する。減算器74cによって算出された偏差ΔIqは、PI制御部74dに対して出力される。本実施形態では、PI制御部74dは、q軸電流算出値Iq_fbがq軸電流指令値Iq_refと一致するように、比例制御および積分制御を行う。
On the other hand, the q-axis current command value Iq_ref and the q-axis current calculation value Iq_fb are input to the
PI制御部74dは、比例演算器74d1と、積分演算器74d2と、加算器74d3とを備えている。比例演算器74d1は、偏差ΔIqに比例ゲインKpqを乗じた演算結果を出力する。積分演算器74d2は、偏差ΔIqを積分した積分値に積分ゲインKiqを乗じた演算結果を出力する。加算器74d3は、比例演算器74d1の演算結果と、積分演算器74d2の演算結果とを加算する。そして、PI制御部74dは、加算器74d3の演算結果をq軸電圧指令値Vq_refとして出力する。なお、PI制御部74dは、PI制御部74bと同様に、偏差ΔIqを微分した微分値に微分ゲインを乗じた演算結果を出力する微分演算器を備えることもできる。
The
このように、電流制御部74は、例えば、比例制御(P制御)、積分制御(I制御)および微分制御(D制御)のうちの少なくとも比例制御(P制御)および積分制御(I制御)によって、d軸電圧指令値Vd_refおよびq軸電圧指令値Vq_refを算出することができる。なお、比例ゲインKpdおよび積分ゲインKid、並びに、比例ゲインKpqおよび積分ゲインKiqは、図3に示す第二記憶装置60b2に記憶されている。これらの制御ゲインは、電力変換器40の制御プログラムとともに、起動時に第二記憶装置60b2から第一記憶装置60b1に読み出される。
Thus, for example, the
比例ゲインKpdを大きくする程、偏差ΔIdを短時間に低減することができる。また、積分ゲインKidを大きくする程、偏差ΔIdによるオフセット(定常偏差)を短時間に解消することができる。さらに、微分ゲインを大きくする程、偏差ΔIdの振動を短時間に収束させることができる。これらの制御ゲインは、例えば、シミュレーション、実機による検証などによって予め取得しておくと良い。以上のことは、q軸電圧指令値Vq_refを算出する制御ゲイン(比例ゲインKpq、積分ゲインKiqおよび微分ゲイン)についても同様に言える。 As the proportional gain Kpd is increased, the deviation ΔId can be reduced in a short time. Further, as the integral gain Kid is increased, the offset (steady state deviation) due to the deviation ΔId can be eliminated in a short time. Furthermore, the vibration of the deviation ΔId can be converged in a short time as the differential gain is increased. These control gains may be obtained in advance, for example, by simulation, verification by a real machine, or the like. The same applies to the control gains (proportional gain Kpq, integral gain Kiq and differential gain) for calculating the q-axis voltage command value Vq_ref.
なお、d軸電圧指令値Vd_refは、比例ゲインKpdおよび積分ゲインKidを用いて、下記数3で表すことができる。また、q軸電圧指令値Vq_refは、比例ゲインKpqおよび積分ゲインKiqを用いて、下記数4で表すことができる。いずれもラプラス演算子をラプラス演算子sで表す。
The d-axis voltage command value Vd_ref can be expressed by the
(二相/三相変換部75)
二相/三相変換部75は、二相の電圧指令値(d軸電圧指令値Vd_refおよびq軸電圧指令値Vq_ref)から三相の電圧指令値(U相電圧指令値Vu_ref、V相電圧指令値Vv_refおよびW相電圧指令値Vw_ref)を算出する。図4に示すように、二相/三相変換部75には、電流制御部74によって算出されたd軸電圧指令値Vd_refおよびq軸電圧指令値Vq_refが入力される。また、二相/三相変換部75には、位置検出器61dによって検出された回転子52の回転角(回転位置θ)が入力される。二相/三相変換部75は、d軸電圧指令値Vd_refおよびq軸電圧指令値Vq_ref並びに回転位置θを用いて、dq座標軸の逆変換を行い、U相電圧指令値Vu_ref、V相電圧指令値Vv_refおよびW相電圧指令値Vw_refを算出する。
(Two-phase / three-phase converter 75)
The two-phase / three-
(キャリア周波数制御部76)
図6は、電源20のインピーダンス(内部抵抗)を測定した測定結果の一例を示している。同図は、電気化学インピーダンス法によって、電源20の一形態であるリチウムイオン電池のインピーダンス(内部抵抗)を測定し、測定結果を複素平面上に図示したものである。電気化学インピーダンス法は、電源20に対して、周波数を可変しながら一定振幅の交流電圧を印加し、応答電流からインピーダンス(内部抵抗)を測定する。同図の横軸は、実軸Reを示し、縦軸は、虚軸Imを示している。また、曲線L21は、測定結果の一例を示している。なお、電源20のインピーダンス(内部抵抗)の測定方法は、電気化学インピーダンス法に限定されず、公知の種々の方法で電源20のインピーダンス(内部抵抗)を取得することができる。また、電源20の出力電圧、出力電流などから、電源20のインピーダンス(内部抵抗)を推定することもできる。
(Carrier frequency control unit 76)
FIG. 6 shows an example of the measurement result of measuring the impedance (internal resistance) of the
リチウムイオン電池の等価回路は、抵抗器およびコンデンサの直並列回路によって表すことができる。よって、印加する交流電圧の周波数が、等価回路によって決まる電気的な共振周波数Fb0に一致すると、電気的な共振が発生する可能性がある。図6に示す共振点P10は、このときのインピーダンス(内部抵抗)を示しており、曲線L21が極大になる点に相当する。なお、上述したことは、リチウムイオン電池に限定されない。上述したことは、電源20が、例えば、鉛蓄電池(バッテリ)、発電装置(例えば、燃料電池)などの場合も、特性および等価回路が異なる点を除いて、同様に言える。
The equivalent circuit of a lithium ion battery can be represented by a series-parallel circuit of a resistor and a capacitor. Therefore, when the frequency of the applied alternating voltage matches the electrical resonance frequency Fb0 determined by the equivalent circuit, electrical resonance may occur. The resonance point P10 shown in FIG. 6 indicates the impedance (internal resistance) at this time, and corresponds to a point at which the curve L21 is maximized. In addition, what was mentioned above is not limited to a lithium ion battery. What has been described above is the same as in the case where the
本実施形態の制御装置60は、電力変換器40の複数のスイッチング素子(正極側スイッチング素子4xpおよび負極側スイッチング素子4xn)を開閉制御することにより、電動機50の駆動電流(既述した電機子巻線(U相コイル51u、V相コイル51v、W相コイル51w)の各電機子電流)を正弦波状に制御する。よって、上述した説明と同様に、電動機50の駆動電流(電機子電流)の周波数Fm0が、電源20の等価回路によって決まる電気的な共振周波数Fb0に一致すると、電気的な共振が発生する可能性がある。
The
電気的な共振が発生した際に電動機50の駆動電流(電機子電流)のリップルが大きい程、電源20が発熱し易くなる。また、電気的な共振が発生した際に電動機50の駆動電流(電機子電流)のリップルが大きい程、電源20に悪影響が生じ易くなる。さらに、電気的な共振が発生した際に電動機50の駆動電流(電機子電流)のリップルが大きい程、電動機50の騒音(異音)が生じ易くなる。
As the ripples of the drive current (armature current) of the
一方、パルス幅変調(PWM)制御のキャリア周波数Fcを高く設定する程、電動機50の駆動電流(電機子電流)のリップルを低減することができる。そこで、電気的な共振が発生する前に、電気的な共振が発生しないときと比べて、キャリア周波数Fcを高く設定することにより、共振レベルを低減する。その結果、電源20に起因する電気的な共振が発生しても、電源20における発熱が抑制される。また、電源20に起因する電気的な共振が発生しても、電源20における悪影響が抑制される。さらに、電源20に起因する電気的な共振が発生しても、電動機50の騒音(異音)が抑制される。電源20について上述したことは、平滑コンデンサ30についても同様に言える。
On the other hand, the ripple of the drive current (armature current) of the
本実施形態の制御装置60は、キャリア周波数制御部76を備える。キャリア周波数制御部76は、所定の回転数範囲Rrに電動機50の駆動回転数が含まれるときに、駆動回転数が回転数範囲Rrに含まれないときと比べて、パルス幅変調(PWM)制御のキャリア周波数Fcを高く設定する。回転数範囲Rrは、電源20の電気的な共振周波数Fb0と電動機50の駆動電流の周波数Fm0とが一致して電気的な共振が発生する際の電動機50の回転数である共振回転数Rsを含む。
The
具体的には、キャリア周波数制御部76は、電動機50の駆動回転数を取得する(図7に示すステップS11)。既述したように、本実施形態の制御装置60では、電動機50の駆動回転数(回転子52の回転数)は、図4に示す回転数算出部72によって算出される。よって、キャリア周波数制御部76は、回転数算出部72から電動機50の駆動回転数(回転数算出値Nm_fb)を取得する。
Specifically, the carrier
次に、キャリア周波数制御部76は、電動機50の駆動回転数(回転数算出値Nm_fb)が回転数範囲Rrに含まれるか否かを判断する(図7に示すステップS12)。電動機50の駆動回転数(回転数算出値Nm_fb)が回転数範囲Rrに含まれる場合(ステップS12で「Yes」の場合)、キャリア周波数制御部76は、キャリア周波数Fcを第二キャリア周波数Fc2に設定する(ステップS13)。そして、制御は、一旦、終了する。一方、電動機50の駆動回転数(回転数算出値Nm_fb)が回転数範囲Rrに含まれない場合(ステップS12で「No」の場合)、キャリア周波数制御部76は、キャリア周波数Fcを第一キャリア周波数Fc1に設定する(ステップS14)。そして、制御は、一旦、終了する。なお、図7に示す制御は、所定時間が経過する毎に、繰り返し実行される。
Next, carrier
第一キャリア周波数Fc1は、電動機50の駆動回転数が回転数範囲Rrに含まれないときのキャリア周波数Fcであり、電気的な共振が発生しないときのキャリア周波数Fcに相当する。第二キャリア周波数Fc2は、第一キャリア周波数Fc1と比べて高いものとする。第二キャリア周波数Fc2は、例えば、第一キャリア周波数Fc1の数倍(例えば、二倍)に設定することができる。例えば、第一キャリア周波数Fc1が5kHzのときに、第二キャリア周波数Fc2は、10kHzに設定することができる。
The first carrier frequency Fc1 is the carrier frequency Fc when the drive rotational speed of the
また、キャリア周波数Fcを高く設定する程、電動機50の駆動電流(電機子電流)のリップルは低減する。そのため、駆動電流(電機子電流)のリップルを低減するという観点からは、第二キャリア周波数Fc2は、可能な限り高く設定すると良い。一方、キャリア周波数Fcを高く設定する程、電力変換器40の複数のスイッチング素子(正極側スイッチング素子4xpおよび負極側スイッチング素子4xn)におけるスイッチング損失は増大する。そのため、予め、シミュレーション、実機による検証などによって、駆動電流(電機子電流)のリップルの低減度と、スイッチング損失の増加量との関係を把握しておき、第二キャリア周波数Fc2を決定すると良い。
Further, as the carrier frequency Fc is set higher, the ripple of the drive current (armature current) of the
具体的には、キャリア周波数制御部76は、電動機50の駆動回転数が回転数範囲Rrに含まれるときに、駆動電流(電機子電流)のリップルの必要な低減度および複数のスイッチング素子(正極側スイッチング素子4xpおよび負極側スイッチング素子4xn)の許容されるスイッチング損失の両方を満たすように、キャリア周波数Fcを設定すると好適である。これにより、電動機制御装置10は、複数のスイッチング素子(正極側スイッチング素子4xpおよび負極側スイッチング素子4xn)におけるスイッチング損失の増大を抑制しつつ、共振レベルを低減することができる。
Specifically, when the drive rotational speed of
電動機50の共振回転数Rsは、電源20の共振周波数Fb0を、電動機50の極対数Ppで除して算出される第一共振回転数Rs1を含むと好適である。この場合、第一共振回転数Rs1は、下記数5で表すことができる。これにより、電動機50の駆動電流に含まれる基本波成分(後述する電気角次数nが1の場合)による共振の共振レベルが低減される。
The resonant rotational speed Rs of the
既述したように、電源20の共振周波数Fb0は、電源20のインピーダンス(内部抵抗)を予め測定しておき、測定結果から導出することができる。具体的には、測定結果から図6に示す共振点P10に相当する点を求める。このときに印加される交流電圧の周波数が電源20の共振周波数Fb0に相当する。電源20の共振周波数Fb0は、電気角であり、第一共振回転数Rs1は、電源20の共振周波数Fb0を、電動機50の極対数Ppで除して算出される。極対数Ppは、電動機50の仕様によって決まる。例えば、本実施形態の電動機50は、回転子52の磁極数が8である8極の電動機50であり、本実施形態の極対数Ppは、4になる。
As described above, the resonance frequency Fb0 of the
なお、本明細書では、説明の簡略化のため、電源20単体のインピーダンス(内部抵抗)を例に共振周波数Fb0が説明されているが、これに限定されない。例えば、電源20と平滑コンデンサ30とが並列接続された並列回路を電源20とみなして、電源20単体の場合と同様にして、インピーダンス(内部抵抗)を測定し、測定結果から共振周波数Fb0を導出することもできる。また、電源20が昇圧コンバータを備える場合、昇圧コンバータを含む電源20のインピーダンス(内部抵抗)を測定し、測定結果から共振周波数Fb0を導出することもできる。
In the present specification, the resonance frequency Fb0 is described using the impedance (internal resistance) of the
図8は、電動機50の駆動電流に含まれる基本波成分および高調波成分の振幅の一例を示している。同図は、電動機50の駆動電流を高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)して、駆動電流に含まれる基本波成分および高調波成分の各振幅を棒グラフで図示したものである。高速フーリエ変換(FFT)は、離散フーリエ変換を計算機上で高速に演算するアルゴリズムであり、駆動電流から基本波成分および高調波成分を抽出する演算処理を高速化することができる。同図の横軸は、次数(電気角次数n)を示し、縦軸は、振幅を示している。駆動電流の基本波成分は、電気角次数nが1であり、駆動電流の高調波成分は、電気角次数nが2以上である。
FIG. 8 shows an example of the amplitudes of the fundamental wave component and the harmonic component included in the drive current of the
電動機50の駆動電流に含まれる高調波成分の電気角次数nのうち、電気的な共振の要因になる電気角次数を対象電気角次数Tgt_nとする。例えば、電動機50の仕様から、図8に示す次数(電気角次数n)が5の高調波成分(五次の高調波成分)の振幅が、比較対象の仕様が異なる電動機と比べて大きく、電源20が発熱し易いと仮定する。この場合、対象電気角次数Tgt_nを5とすることができる。
Among the electrical angle orders n of the harmonic components included in the drive current of the
なお、電源20における悪影響(例えば、劣化など)を考慮して、対象電気角次数Tgt_nを選定することもできる。また、電動機50の騒音(異音)を考慮して、対象電気角次数Tgt_nを選定することもできる。つまり、共振による電源20の発熱および劣化、並びに、共振による電動機50の騒音(異音)のうちの少なくとも一つを考慮して、対象電気角次数Tgt_nを選定することができる。また、対象電気角次数Tgt_nの選定に際して、平滑コンデンサ30を含めることもできる。さらに、図8に示すように、電動機50の駆動電流に含まれる高調波成分は、電気角次数nが奇数の場合、電気角次数nが偶数の場合と比べて、振幅の大きさが顕著になる。そこで、奇数の電気角次数nのうち、振幅の大きさが顕著な電気角次数nを対象電気角次数Tgt_nとすることもできる。
The target electrical angle order Tgt_n can also be selected in consideration of an adverse effect (for example, deterioration or the like) in the
対象電気角次数Tgt_nが存在する場合、電動機50の共振回転数Rsは、電源20の共振周波数Fb0を、対象電気角次数Tgt_nおよび電動機50の極対数Ppの両方で除して算出される第二共振回転数Rs2を含むと好適である。この場合、第二共振回転数Rs2は、下記数6で表すことができる。これにより、電動機50の駆動電流に含まれる高調波成分(電気角次数nが2以上の場合)による共振の共振レベルが低減される。なお、第二共振回転数Rs2の数は、対象電気角次数Tgt_nの数に対応し、一つであっても良く、複数であっても良い。
When the target electrical angle order Tgt_n is present, the resonance rotational speed Rs of the
電源20の共振周波数Fb0および電動機50の極対数Ppは、既述したとおりである。上述した例では、第二共振回転数Rs2は、電源20の共振周波数Fb0を、対象電気角次数Tgt_nである5および電動機50の極対数Ppである4の両方で除して(つまり、共振周波数Fb0を20で除して)算出する。これにより、電気角次数nが5の高調波成分(五次の高調波成分)による共振の共振レベルが低減される。
The resonant frequency Fb0 of the
回転数範囲Rrは、電動機50の共振回転数Rsを含む。回転数範囲Rrは、第一共振回転数Rs1を含むと好適である。この場合、回転数範囲Rrの上限回転数と下限回転数との中間の回転数が第一共振回転数Rs1になるように、回転数範囲Rrを設定すると好適である。さらに、対象電気角次数Tgt_nが存在する場合、回転数範囲Rrは、第一共振回転数Rs1および第二共振回転数Rs2の両方を含むと好適である。また、回転数範囲Rrは、共振による電源20の発熱および劣化、並びに、共振による電動機50の騒音(異音)のうちの少なくとも一つを抑制可能に設定されると好適である。なお、回転数範囲Rrの設定に際して、平滑コンデンサ30を含めることもできる。
The rotation speed range Rr includes the resonance rotation speed Rs of the
回転数範囲Rrは、予め、シミュレーション、実機による検証などによって、設定しておくことができる。また、回転数範囲Rrが広範囲になる程、キャリア周波数Fcが第二キャリア周波数Fc2に設定される駆動範囲が広くなり、スイッチング損失が増大する。そのため、予め、シミュレーション、実機による検証などによって、必要最小限の回転数範囲を把握しておき、回転数範囲Rrを決定すると良い。 The rotational speed range Rr can be set in advance by simulation, verification by a real machine, or the like. Further, as the rotation speed range Rr becomes wider, the drive range in which the carrier frequency Fc is set to the second carrier frequency Fc2 becomes wider, and the switching loss increases. Therefore, it is preferable to determine in advance the rotational speed range Rr by grasping the minimum necessary rotational speed range by simulation, verification by a real machine or the like.
なお、対象電気角次数Tgt_nの存否に関わらず、電動機50の共振回転数Rsは、電動機50が駆動する前に事前に算出しておくことができる。この場合、電動機50の共振回転数Rsに基づいて、事前に回転数範囲Rrを設定しておくことができる。電動機50の共振回転数Rsおよび回転数範囲Rrのうちの少なくとも一方は、図3に示す第二記憶装置60b2に記憶しておくと良い。
Note that regardless of the presence or absence of the target electrical angle order Tgt_n, the resonance rotational speed Rs of the
また、電動機50の共振回転数Rsは、電動機50の駆動中に逐次算出することもできる。例えば、図9に示すように、キャリア周波数制御部76は、電源20の共振周波数Fb0を取得する(ステップS21)。また、キャリア周波数制御部76は、対象電気角次数Tgt_nを取得する(ステップS22)。さらに、キャリア周波数制御部76は、電動機50の極対数Ppを取得する(ステップS23)。そして、キャリア周波数制御部76は、電源20の共振周波数Fb0を、対象電気角次数Tgt_nおよび電動機50の極対数Ppの両方で除して、電動機50の第二共振回転数Rs2を算出する(ステップS24)。
In addition, the resonance rotational speed Rs of the
ステップS21〜ステップS23の順序は、限定されない。また、ステップS21〜ステップS23のうち、変更されないパラメータについては、省略することもできる。さらに、図9に示す制御は、所定時間(図8に示す制御の繰り返し時間と同じであっても、異なっていても良い)が経過する毎に、繰り返し実行することができる。また、キャリア周波数制御部76は、同様にして、電動機50の第一共振回転数Rs1を算出することもできる。
The order of steps S21 to S23 is not limited. Moreover, about the parameter which is not changed among step S21-step S23, it can also be abbreviate | omitted. Furthermore, the control shown in FIG. 9 can be repeatedly executed each time a predetermined time (which may be the same as or different from the repetition time of the control shown in FIG. 8) elapses. The carrier
図10は、電源20の共振周波数Fb0と電動機50の回転数との関係の一例を示している。横軸は、周波数を示し、縦軸は、回転数(電動機50の回転数)を示している。また、曲線L31は、電動機50の構造共振周波数の一例を示し、直線L32は、電源20の共振周波数Fb0の一例を示している。本実施形態の制御装置60は、キャリア周波数制御部76を備えるので、共振レベルを低減することができる。よって、同図に示すように、曲線L31と直線L32とが重なって共振が発生しても、電動機50の騒音(異音)が抑制される。
FIG. 10 shows an example of the relationship between the resonance frequency Fb0 of the
図11Aは、参考形態に係り、キャリア周波数を変更する前のキャリア周波数と電動機50の回転数との関係の一例を示している。図11Bは、参考形態に係り、キャリア周波数を変更した後のキャリア周波数と電動機50の回転数との関係の一例を示している。図11Aおよび図11Bの横軸は、周波数を示し、縦軸は、回転数(電動機50の回転数)を示している。また、直線L41および直線L44は、キャリア周波数の一例を示し、曲線L42および曲線L45は、キャリア周波数の側帯波(高調波成分)の一例を示している。曲線L43および曲線L46は、同一の曲線であり、電動機50の構造共振周波数の一例を示している。
FIG. 11A relates to the reference embodiment, and shows an example of the relationship between the carrier frequency before changing the carrier frequency and the rotational speed of the
図11Aおよび図11Bは、特許文献2に記載の発明を説明するための参考形態に係る図である。図11Aに示すように、曲線L42と曲線L43とが重なる(側帯波(高調波成分)の周波数と電動機50の構造共振周波数とが合致する)と、共振して電動機50の騒音(異音)が発生する可能性がある。そこで、図11Bに示すように、参考形態は、電動機50の駆動回転数が側帯波(高調波成分)の周波数に近づくと、キャリア周波数を変更して、曲線L45と曲線L46とが重ならない(側帯波(高調波成分)の周波数と電動機50の構造共振周波数とが合致しない)ようにする。このように、本実施形態および参考形態は、技術的思想が全く異なる。
11A and 11B are diagrams according to a reference embodiment for describing the invention described in
(パルス幅変調信号生成部77)
パルス幅変調信号生成部77は、キャリア周波数制御部76から出力されたキャリア周波数Fcを用いて、電力変換器40の複数のスイッチング素子(正極側スイッチング素子4xpおよび負極側スイッチング素子4xn)の開閉信号を生成する。キャリア周波数制御部76から出力されたキャリア周波数Fc(本実施形態では、第一キャリア周波数Fc1または第二キャリア周波数Fc2)を出力キャリア周波数Fc_outとする。図4に示すように、パルス幅変調信号生成部77には、二相/三相変換部75によって算出された三相の電圧指令値(U相電圧指令値Vu_ref、V相電圧指令値Vv_refおよびW相電圧指令値Vw_ref)と、直流電圧検出器61aによって検出された直流電圧検出値Vdc_fbと、キャリア周波数制御部76から出力されたキャリア周波数Fc(出力キャリア周波数Fc_out)とが入力される。
(Pulse width modulation signal generation unit 77)
The pulse width modulation
パルス幅変調信号生成部77は、パルス幅変調(PWM)制御における搬送波(三角波)の周波数として、出力キャリア周波数Fc_outを用いる。また、パルス幅変調信号生成部77は、三相の電圧指令値を直流電圧検出値Vdc_fbで除して変調率を算出する。パルス幅変調信号生成部77は、算出された変調率と、出力キャリア周波数Fc_outの搬送波(三角波)とに基づいて、パルス幅変調(PWM)制御によるパルス信号(開閉信号)を生成する。具体的には、電圧指令値が搬送波と比べて大きいときに、スイッチング素子が閉状態に設定される信号(例えば、ハイレベル(所定電圧値を超えている状態)の信号)が生成される。また、電圧指令値が搬送波と比べて小さいときに、スイッチング素子が開状態に設定される信号(例えば、ローレベル(所定電圧値以下の状態)の信号)が生成される。生成されたパルス信号(開閉信号)は、図1に示す駆動回路61bを介して、電力変換器40の各スイッチング素子の制御端子4gに付与される。
The pulse width modulation
<効果の一例>
様相1に係る電動機制御装置10によれば、制御装置60は、キャリア周波数制御部76を備える。キャリア周波数制御部76は、電源20の電気的な共振周波数Fb0と電動機50の駆動電流の周波数Fm0とが一致して電気的な共振が発生する際の電動機50の回転数である共振回転数Rsを含む所定の回転数範囲Rrに電動機50の駆動回転数が含まれるときに、駆動回転数が回転数範囲Rrに含まれないときと比べて、パルス幅変調(PWM)制御のキャリア周波数Fcを高く設定する。
これにより、様相1に係る電動機制御装置10は、直流電力を出力する電源20に起因する電気的な共振が発生する前に、電動機50の駆動電流のリップルを低減して共振レベルを低減することができる。
<One example of effect>
According to the
Thereby, the
様相2に係る電動機制御装置10によれば、様相1に係る電動機制御装置10において、キャリア周波数制御部76は、電動機50の駆動回転数が回転数範囲Rrに含まれるときに、駆動電流のリップルの必要な低減度および複数のスイッチング素子(正極側スイッチング素子4xpおよび負極側スイッチング素子4xn)の許容されるスイッチング損失の両方を満たすように、キャリア周波数Fcを設定する。
これにより、様相2に係る電動機制御装置10は、複数のスイッチング素子(正極側スイッチング素子4xpおよび負極側スイッチング素子4xn)におけるスイッチング損失の増大を抑制しつつ、共振レベルを低減することができる。
According to the
Thereby, the
様相3に係る電動機制御装置10によれば、様相1または様相2に係る電動機制御装置10において、電動機50の共振回転数Rsは、電源20の共振周波数Fb0を、電動機50の極対数Ppで除して算出される第一共振回転数Rs1を含む。
これにより、様相3に係る電動機制御装置10は、電動機50の駆動電流に含まれる基本波成分による共振の共振レベルを低減することができる。
According to
Thereby, the
様相4に係る電動機制御装置10によれば、様相3に係る電動機制御装置10において、電動機50の共振回転数Rsは、電源20の共振周波数Fb0を、対象電気角次数Tgt_nおよび電動機50の極対数Ppの両方で除して算出される第二共振回転数Rs2を含む。対象電気角次数Tgt_nは、電動機50の駆動電流に含まれる高調波成分の電気角次数nのうち、共振の要因になる電気角次数をいう。
これにより、様相4に係る電動機制御装置10は、電動機50の駆動電流に含まれる高調波成分による共振の共振レベルを低減することができる。
According to the
Thereby, the
<その他>
実施形態は、上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更することができる。例えば、電動機50の制御は、ベクトル制御に限定されない。制御装置60は、公知の駆動制御(例えば、矩形波駆動など)を行うことができる。また、電動機制御装置10は、例えば、ハイブリッド自動車、電気自動車などの車両の駆動用電動機を含む電力変換システムに用いると好適である。
<Others>
The embodiments are not limited to the embodiments described above and shown in the drawings, and can be appropriately modified without departing from the scope of the invention. For example, control of the
<付記項>
本発明は、電動機制御装置10の制御方法として、捉えることもできる。キャリア周波数制御工程は、既述したキャリア周波数制御部76が行う制御に対応する。電動機制御装置10の制御方法においても、電動機制御装置10について既述した作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
<Additional clause>
The present invention can also be grasped as a control method of the
(付記項1)
直流電力を出力する電源と、
前記電源から出力された前記直流電力を交流電力に変換して電動機に出力する複数のスイッチング素子を備える電力変換器と、
前記電力変換器の前記複数のスイッチング素子をパルス幅変調制御によって開閉制御する制御装置と、
を具備する電動機制御装置の制御方法であって、
前記電源の電気的な共振周波数と前記電動機の駆動電流の周波数とが一致して電気的な共振が発生する際の前記電動機の回転数である共振回転数を含む所定の回転数範囲に前記電動機の駆動回転数が含まれるときに、前記駆動回転数が前記回転数範囲に含まれないときと比べて、前記パルス幅変調制御のキャリア周波数を高く設定するキャリア周波数制御工程を備える電動機制御装置の制御方法。
(Appendix 1)
A power supply that outputs DC power,
A power converter including a plurality of switching elements that convert the DC power output from the power source into AC power and output the AC power to the motor;
A control device which performs switching control of the plurality of switching elements of the power converter by pulse width modulation control;
A control method of a motor control device comprising the
The motor has a predetermined rotational speed range including the resonant rotational speed which is the rotational speed of the motor when the electrical resonance frequency of the power source matches the frequency of the drive current of the motor and the electrical resonance occurs. An electric motor control device comprising a carrier frequency control step of setting the carrier frequency of the pulse width modulation control higher when the driving rotational speed is included, compared to when the driving rotational speed is not included in the rotational speed range. Control method.
(付記項2)
前記キャリア周波数制御工程は、前記電動機の前記駆動回転数が前記回転数範囲に含まれるときに、前記駆動電流のリップルの必要な低減度および前記複数のスイッチング素子の許容されるスイッチング損失の両方を満たすように、前記キャリア周波数を設定する付記項1に記載の電動機制御装置の制御方法。
(Appendix 2)
In the carrier frequency control step, when the drive rotational speed of the motor is included in the rotational speed range, both of the required reduction of the ripple of the drive current and the allowable switching loss of the plurality of switching elements The control method of the motor control device according to
10:電動機制御装置、
20:電源、
40:電力変換器、
4xp:正極側スイッチング素子、4xn:負極側スイッチング素子、
50:電動機、
60:制御装置、76:キャリア周波数制御部、
Fb0:共振周波数、Fm0:駆動電流の周波数、Fc:キャリア周波数、
Pp:極対数、Tgt_n:対象電気角次数、
Rs:共振回転数、Rs1:第一共振回転数、Rs2:第二共振回転数。
但し、xは、u、v、wのうちのいずれかである。
10: Motor controller,
20: Power supply,
40: Power converter,
4 xp: positive electrode side switching element, 4 x n: negative electrode side switching element,
50: Electric motor,
60: controller, 76: carrier frequency controller,
Fb0: resonant frequency, Fm0: frequency of driving current, Fc: carrier frequency,
Pp: pole-pair number, Tgt_n: target electrical angle order,
Rs: resonant rotational speed, Rs1: first resonant rotational speed, Rs2: second resonant rotational speed.
However, x is any one of u, v and w.
Claims (4)
前記電源から出力された前記直流電力を交流電力に変換して電動機に出力する複数のスイッチング素子を備える電力変換器と、
前記電力変換器の前記複数のスイッチング素子をパルス幅変調制御によって開閉制御する制御装置と、
を具備し、
前記制御装置は、前記電源の電気的な共振周波数と前記電動機の駆動電流の周波数とが一致して電気的な共振が発生する際の前記電動機の回転数である共振回転数を含む所定の回転数範囲に前記電動機の駆動回転数が含まれるときに、前記駆動回転数が前記回転数範囲に含まれないときと比べて、前記パルス幅変調制御のキャリア周波数を高く設定するキャリア周波数制御部を備える電動機制御装置。 A power supply that outputs DC power,
A power converter including a plurality of switching elements that convert the DC power output from the power source into AC power and output the AC power to the motor;
A control device which performs switching control of the plurality of switching elements of the power converter by pulse width modulation control;
Equipped with
The control device is configured to perform predetermined rotation including a resonant rotational speed which is a rotational speed of the motor when an electrical resonance frequency of the power source matches a frequency of a drive current of the motor and an electrical resonance occurs. A carrier frequency control unit which sets the carrier frequency of the pulse width modulation control higher than when the drive rotational speed is not included in the rotational speed range when the drive rotational speed of the motor is included in several ranges. The motor control apparatus provided.
前記電動機の前記共振回転数は、前記電源の前記共振周波数を、前記対象電気角次数および前記電動機の極対数の両方で除して算出される第二共振回転数を含む請求項3に記載の電動機制御装置。 Among the electrical angle orders of the harmonic components included in the drive current of the motor, when the electrical angle order causing the resonance is the target electrical angle order,
The said resonant rotation speed of the said motor contains the 2nd resonant rotation speed calculated by dividing the said resonant frequency of the said power supply by both the said object electrical angle order and the pole pair number of the said motor. Motor controller.
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