次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。以下では、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、当該遊技球を遊技盤面に向けて発射することで遊技を進行させることが可能なパチンコ遊技機(弾球遊技機)に、本発明を適用した例を説明する。尚、以下の実施例に係るパチンコ遊技機は、始動口への遊技球の入球に基づいて特別図柄の変動表示を行い、当該特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば賞球)が付与され得る大当り遊技(特別遊技)が実行可能となる所謂「1種タイプ」のパチンコ遊技機である。
また、以下の説明において、単に前側(前方)とは、遊技機を正面視した場合の手前側(遊技時に遊技者が位置する側)のことであり、単に後側(後方)とは、遊技機を正面視した場合の裏面側(背面側)のことである。また、単に上側(上方)、下側(下方)、左側(左方)、右側(右方)とは、遊技機を正面視した場合の上・下・左・右の各方向のことであり、例えば、図1や図3における上側、下側、左側、右側を指す。
図1〜図3に示すように、本実施例のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。さらに、前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)や、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の枠ランプ66、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することが可能なスピーカ67等も設けられている。
演出ボタン63は、遊技者による入力が可能な入力手段として機能するもので、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。例えば、遊技演出の実行中に第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであれば足り、例えば、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。また、演出ボタンが、上方や手前側に突出したり振動したりする等の演出動作を行うもの(可動式の演出操作手段)であってもよい。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されており、レール部材4の先端には、球戻り防止片6が設けられている。球戻り防止片6は、一旦遊技領域へ誘導された遊技球を発射装置側へ戻るのを防止するためのものである。また、遊技盤2には、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の盤面ランプ5(図5を参照)も設けられている。
遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7(演出表示装置)が設けられている。画像表示装置7の表示画面7a(「演出表示部」や「画像表示部」ともいう)には、主に、演出画像(所定画像)の一種である演出図柄8L,8C,8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられている。演出図柄8L,8C,8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。変動表示の態様としては、例えば、表示画面7a上(演出図柄表示領域7b)で演出図柄が上下、左右、斜め方向等にスクロール表示(移動表示)する態様(スクロール態様)や、演出図柄表示領域7b内で演出図柄が回転や差し替え等により切替表示する態様(切替態様)等がある。尚、切替態様とは、演出図柄(識別情報)が移動表示(スクロール等)することなく、図柄(識別情報)の内容(例えば数字やキャラクタ等)が切り替わっていく態様のことをいう。
演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。尚、左・中・右の図柄表示エリアは夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の各演出図柄の表示エリアを一の図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また、演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)は、表示画面7a(演出表示部)の略全域にわたって設けることができ、演出図柄8の変動表示中に、その変動表示の態様によって、演出図柄表示領域7bの位置や大きさ等が変化するように構成することも可能である。
本実施例の演出図柄8L,8C,8R(識別情報)は、人物や動物等をモチーフとしたキャラクタに数字を付した演出図柄(キャラクタ演出図柄)となっている。具体的に、図45(a)の上欄に示すように、演出図柄8を構成するキャラクタには「A」〜「I」の9つのキャラクタが存在しており、キャラクタAには「1」、キャラクタBには「2」、キャラクタCには「3」といったように、「A」〜「I」のキャラクタと「1」〜「9」の数字の夫々を一対一の関係で対応付けることにより、演出図柄8L,8C,8Rが構成されている。
このように、本実施例の演出図柄8L,8C,8Rは、それぞれ「1」〜「9」までの数字(数字情報)を含んで構成されるもので、演出図柄8の変動表示により、これらの数字が順に表示されるものとなっている。本実施例の演出図柄8の変動表示は、原則、各演出図柄を「1」→「2」・・・「8」→「9」の順(昇順)で縦方向(本例では上から下)にスクロール表示させることによって行われるものとなっており(縦スクロール態様)、「9」まで到達したら「1」に戻って、スクロール表示を変動終了(停止表示)まで繰り返すものとなっている。また、本実施例では、縦スクロール態様(スクロール表示)の他に、前述の切替態様によっても演出図柄8の変動表示を行うことが可能となっており、演出図柄8の変動表示中に、その変動表示の態様(例えば縦スクロール態様)が他の態様(例えば切替態様)に変化し得るものとなっている。切替態様による演出図柄8の変動表示は、演出図柄表示領域7b内で、各演出図柄を「1」→「2」・・・「8」→「9」の順(昇順)で切り替えて表示するもので、「9」まで到達したら「1」に戻って、切替表示を変動終了(停止表示)まで繰り返すものとなっている。演出図柄8の変動表示の態様変化については後述する。
さらに、本実施例では、演出図柄8を構成する「1」〜「9」の数字のそれぞれに色の情報を含ませており、演出図柄8を色によって分類できるものとしている。具体的には、奇数の図柄である「3」と「7」を赤色の図柄(以下「赤図柄」ともいう。)とし、これ以外の奇数の図柄である「1」、「5」、「9」を緑色の図柄(以下「緑図柄」ともいう。)とし、偶数の図柄である「2」、「4」、「6」、「8」を青色の図柄(以下「青図柄」ともいう。)としている。
演出図柄表示領域7bに停止表示(確定表示)される左、中、右の演出図柄の組合せ(停止表示態様)によって、後述の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果や、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果、つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果を、遊技者が認識し易いように表示(導出表示)する。本実施例では、変動表示している3つの演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する順序(停止順序)を、原則、「左→右→中」としている。すなわち、停止順が1番目の停止図柄を左演出図柄8Lとし、停止順が2番目の停止図柄を右演出図柄8Rとし、停止順が3番目(最後)の停止図柄を中演出図柄8Cとしている。尚、停止順が1番目の停止図柄のことを「第1停止図柄」ともいい、停止順が2番目の停止図柄のことを「第2停止図柄」ともいい、停止順が3番目の停止図柄のことを「第3停止図柄」や「最終停止図柄」ともいう。
そして、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなり、その大当りの種別が16R大当りや6R大当り等になった場合には、「222」や「777」などの3桁同一のゾロ目(特定態様、特定表示結果)で演出図柄8を停止表示することが可能である。また、特別図柄当否判定の結果が外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目(非特定態様、非特定表示結果)で演出図柄8を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄8を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄8を見て把握する。
さらに、本実施例では、演出図柄8L,8C,8Rのうち、中演出図柄8C(第2停止図柄)として、「1」〜「9」の図柄(キャラクタ「A」〜「I」の図柄)に加え、後述の発展演出の実行(発生)を示唆する発展図柄(図45(a)を参照)を設けている。この発展図柄は、普段は表示されないものであり、演出図柄8が変動表示する状況下で、中演出図柄8Cが仮停止するタイミングになると、中演出図柄8Cの1つとして表示画面7a上に出現する場合があるものとなっている。本実施例では、発展図柄が仮停止されると、これに次いで表示画面上で発展演出が行われるものとなっている。この点については後述する。尚、発展図柄は、特別図柄の当否判定の結果を示すものではないことから、少なくとも数字の情報(数字図柄)を含んでおらず、本実施例では、図45(a)の下欄に示すように「チャンス」の文字を主として構成したものとなっている。
ここで、本実施例では、中演出図柄8C(最終停止図柄)として発展図柄を表示することのない状態(通常表示状態)では、図3に示すように、左演出図柄8Lおよび右演出図柄8Rに対して中演出図柄8Cを奥側(後方側)に表示するものとしている。これは、変動表示や停止表示される演出図柄の配置に奥行き感を持たせるためである。一方、中演出図柄8Cとして発展図柄を表示する状態(特殊表示状態)では、図47(b)に示すように、左演出図柄8Lおよび右演出図柄8Rに対して発展図柄(中演出図柄8C)を手前側(前方側)に表示するものとしている。これは、発展図柄の存在や停止表示(仮停止)を遊技者に強く印象付ける(アピールする)ためである。このことから、図45(a)の上欄に示す演出図柄のことを「通常図柄種の演出図柄」ともいい、また、通常図柄種のことを「通常画像種」ともいい、通常図柄種の演出図柄のことを「通常画像種の演出画像」ともいう。一方、図45(a)の下欄に示す発展図柄のことを「特殊図柄種の演出図柄」ともいい、また、特殊図柄種のことを「特殊画像種」ともいい、特殊図柄種の演出図柄のことを「特殊画像種の演出画像」ともいう。
尚、本実施例では中演出図柄8Cに発展図柄を設けているが、左演出図柄8Lまたは右演出図柄8Rに発展図柄を設けてもよく、また、3つの演出図柄8L,8C,8Rのすべてについて発展図柄を設けてもよい。さらに、発展図柄のデザインや文字等は図45(a)に示すものに限られず、発展演出の実行(発生)を遊技者に報知することができるものであれば、そのデザイン等は問わない。
また、画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出図柄表示領域7bとは別に、小演出図柄表示領域7cが設けられている。小演出図柄表示領域7cは、表示画面7aの左上に設けられるもので、演出図柄表示領域7bに比して領域サイズが小さいものとなっている。この小演出図柄表示領域7cには、演出画像の一種である小演出図柄18L,18C,18R(単に「小演出図柄18」ともいう)が表示される。小演出図柄18は、演出図柄8を構成するキャラクタと数字のうち「1」〜「9」の数字だけで構成されるもので、演出図柄8に比して図柄サイズ(表示サイズ)は小さいものとなっている。
小演出図柄18も、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。小演出図柄18の変動表示は、画面左上に設けられた小演出図柄表示領域7c内で、各小演出図柄を「1」→「2」・・・「8」→「9」の順(昇順)で縦方向(本例では上から下)にスクロール表示させることによって行われるものとなっており(縦スクロール態様)、「9」まで到達したら「1」に戻って、スクロール表示を変動終了(停止表示)まで繰り返すものとなっている。一方、小演出図柄18の停止表示に関しては、演出図柄8と違って、停止表示する際の停止順序を定めておらず、3つの小演出図柄18L,18C,18Rは略同時に停止表示するものとなっている。すなわち、小演出図柄18L,18C,18Rは、特別図柄の変動表示の開始に伴って一斉に変動表示を開始し、特別図柄の変動表示の終了(確定表示)に伴って一斉に変動表示を終了(確定表示)するものとなっている。これは、小演出図柄18は、原則、特別図柄が変動表示中であるか否や、変動表示の結果が大当りなのか外れなのかを示すものであり、後述のリーチが成立するか否かや、最終停止図柄の停止により大当りとなるか否か等の遊技者の期待感を煽る演出を行うものではないからである。
尚、小演出図柄18の停止表示態様(出目)は、演出図柄8の停止表示態様(数字の組合せ)と同様であり、例えば、演出図柄8が「637」のバラケ目(完全外れ)で停止表示(確定表示)する場合には、小演出図柄18もそれと同じ「637」で停止表示(確定表示)し、演出図柄8が「373」のバラケ目(リーチ外れ)で停止表示(確定表示)する場合には、小演出図柄18もそれと同じ「373」で停止表示(確定表示)し、演出図柄8が「777」のゾロ目(大当り)で停止表示(確定表示)する場合には、小演出図柄18もそれと同じ「777」で停止表示(確定表示)する。また、小演出図柄18(小演出図柄表示領域7c)は、実行中の演出図柄8の変動表示の状況によっては、途中で非表示となることもある。
ここで、特別図柄当否判定の結果のうち大当りのことを「特定結果」ともいい、外れのことを「非特定結果」ともいう。また、演出図柄8および小演出図柄18の停止表示態様(図柄組合せ)のうち、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に対応する停止表示態様(本実施例ではゾロ目)のことを「大当り態様」、「特定態様」または「特定表示結果」ともいい、特別図柄当否判定の結果が外れの場合に対応する停止表示態様(本実施例ではバラケ目)のことを「外れ態様」、「非特定態様」または「非特定表示結果」ともいう。また、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄、小演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ともいう。このうち演出図柄については、3つの演出図柄8L,8C,8Rの全部を指して「識別情報」ともいうこともあり、3つの演出図柄8L,8C,8Rの個々の図柄を指して「識別情報」ともいうこともある。同様に、小演出図柄についても、3つの小演出図柄18L,18C,18Rの全部を指して「識別情報」ともいうこともあり、3つの小演出図柄18L,18C,18Rの個々の図柄を指して「識別情報」ともいうこともある。また、小演出図柄18のことを「第4図柄」ともいう。さらに、普通図柄のことを「普図」や「普通識別情報」、特別図柄のことを「特図」、第1特別図柄のことを「特図1」や「第1特図」、第2特別図柄のことを「特図2」や「第2特図」ともいう。また、演出図柄8を表示する画像表示装置7や第1特別図柄を表示する後述の第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示器41bのことを「識別情報表示手段」ともいう。
画像表示装置7の表示画面7aでは、前述のような演出図柄(演出図柄8、小演出図柄18)を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、大当り遊技に伴って実行される大当り遊技演出(特別遊技演出)や、客待ち用のデモ演出などの他の遊技演出が表示される。演出図柄遊技演出や大当り遊技演出やデモ演出では、キャラクタや数字等の演出図柄のほか、背景画像や予告画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。尚、演出図柄遊技演出のことを「変動演出」ともいう。
また、画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とが設けられている(図3を参照)。第1演出保留や第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43aにて表示される第1特図保留の記憶数や第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。さらに、本実施例の画像表示装置7の表示画面7aには、現在変動している特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)に対応する演出保留、すなわち、消化された特図保留に対応する演出保留(第1演出保留9aまたは第2演出保留9b)を表示する変動保留表示領域9eが設けられている(図3を参照)。尚、表示画面7a上の保留表示領域に表示される演出保留も演出画像の一種である。
また、画像表示装置7の表示画面7aには、遊技状態に応じて、後述の左打ち指示画像70を表示する左打ち表示領域70c(左打ち指示画像表示部)、および、後述の右打ち指示画像71を表示する右打ち表示領域71c(右打ち指示画像表示部)が設けられている(図44を参照)。尚、左打ち指示画像70と右打ち指示画像71を総じて「発射指示画像」ともいう。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、表示画面7a(演出図柄表示領域7b)を取り囲むセンター装飾体10が設けられている。センター装飾体10は、プラスチック製(樹脂製)の成型物によって構成されるもので、中央が開口した枠状の部品(盤部品)として、遊技盤2の表面(前面)に取り付けられるものである。当該センター装飾体10の中央開口を介して画像表示装置7の表示画面7aが視認可能となる。
センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられており、センター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3(左遊技領域3A)を流下する遊技球をワープ入口から受け入れてワープ出口から排出することで、当該遊技球をステージ部11へ誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。また、センター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯・点滅等が可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
センター装飾体10の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14(可動役物)が設けられている。可動装飾部材14は、普段、センター装飾体10を構成する枠(フレーム)に隠れており、全体を視認できない状態となっているが、例えば、大当りの可能性が比較的高い遊技演出の実行に伴って表示画面7aの前面側に出現し、その大部分を視認することができるようになる。これにより、遊技者は大当りへの期待感を高めることとなる。
ここで、遊技状況に応じた種々の演出画像を表示することで表示演出を行うことが可能な画像表示装置7のことを「表示演出手段」ともいい、遊技演出に伴って動作することで可動演出を行うことが可能な可動装飾部材14のことを「可動演出手段」ともいう。尚、可動装飾部材14以外にも、例えば、演出ボタン63が遊技演出に伴って上下動や振動等する場合、演出ボタン63も「可動演出手段」といえる。また、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することで音演出を行うことが可能なスピーカ67のことを「音演出手段」ともいい、遊技の状況に応じて様々な光を発することで光演出を行うことが可能な盤面ランプ5、枠ランプ66および装飾部材13のことを「光演出手段」ともいう。尚、これら盤面ランプ5等以外にも、例えば、演出ボタン63や発射ハンドル60が、装飾部材13と同様にLED等の電飾部材を内蔵しており、電飾部材の作用により遊技の状況に応じて点灯・点滅等する場合、これら演出ボタン63や発射ハンドル60も「光演出手段」といえる。さらに、「表示演出手段」、「可動演出手段」、「音演出手段」および「光演出手段」を総じて「演出手段」ともいう。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21(「可変式始動口」ともいう)を備える可変入賞装置22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
尚、特別図柄当否判定の結果が「大当り」であることに基づいて行われる特別図柄の変動表示や演出図柄の変動表示のことを「大当り変動」や「特定変動」ともいい、特別図柄当否判定の結果が「外れ」であることに基づいて行われる特別図柄の変動表示や演出図柄の変動表示のことを「外れ変動」や「非特定変動」ともいう。
可変入賞装置22は可動部材23を備え、可動部材23の動作によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。つまり、可動部材23は、所定の動作(開閉動作)を行うことで、第2始動口21への遊技球の入球可能性を変化させるものである。この可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、大入賞口30(「可変入球口」ともいう)を備えた大入賞装置31が設けられている。大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、大入賞口30(大入賞装置31)は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。尚、大入賞口30または大入賞装置31のことを「アタッカー」ともいう。
遊技領域3のうち右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると、第2始動口21は開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。第1始動口20、第2始動口21、大入賞口30および一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(賞球)が払い出される。具体的には、第1始動口20の賞球数は「5」、第2始動口21の賞球数は「3」、大入賞口30の賞球数は「15」、一般入賞口27の賞球数は「10」としている。
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、大入賞口30、一般入賞口27及びゲート28)等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「左打ち」といい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「右打ち」という。ここで、複数の入球口のうち、第1始動口20および左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けてあり、第2始動口21、大入賞口30、右一般入賞口27およびゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けてある。このため、本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際には、原則、左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において大当りとなり遊技状態が特別遊技状態等に変化した際には、原則、右打ちにてゲート28、第2始動口21、大入賞口30への入球を狙うこととなる。
また、図3および図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)と、が含まれている。また、主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44と、が含まれている。さらに、主表示器40には、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48と、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が大当りになった場合に実行される大当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向、すなわち右打ちを行うべき状態(例えば後述の高ベース状態)か左打ちを行うべき状態(例えば後述の低ベース状態)かを示す発射方向表示器47と、が含まれている。主表示器40に含まれるこれらの各種表示器は、後述の主制御部によって表示制御される。
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球に基づいて行われる。尚、以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20または第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当り図柄(特定特別図柄、特定識別情報)である場合、すなわち、特別図柄の停止表示の態様(特別図柄の変動表示の表示結果)が大当りを示す特定態様(特定表示結果)である場合には、停止表示された大当り図柄の種類に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放させる大当り遊技(特別遊技)が行われる。大当り遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
特別図柄の停止表示(確定表示)は、所定の停止表示時間(確定表示時間)が経過するまで行われる。そして、停止表示された特別図柄が外れ図柄(外れ態様、非特定態様)であって、当該停止表示の際に特図保留が記憶されている場合には、停止表示時間が経過すると、記憶順の最も古い(最先の)特図保留が消化され、これにより次の特別図柄の変動表示が開始される。また、停止表示された特別図柄が外れ図柄であって、当該停止表示の際に特図保留が記憶されていない場合には、停止表示時間が経過した後も、特別図柄の停止表示状態が維持される。一方、停止表示された特別図柄が大当り図柄である場合には、停止表示時間が経過すると、後述する大当り遊技のオープニング期間に移行し、当該オープニング期間を経て大当り遊技の1ラウンド目が開始される。尚、特別図柄の停止表示時間は「0.5秒〜1.0秒」とされるのが一般的で、本実施例では「0.6秒」としている。
図4に示すように、第1特別図柄表示器41aは、「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果として「16R第1大当り」、「6R第2大当り」および「6R第3大当り」の3種類の大当りが設けられており(図8を参照)、第1特別図柄表示器41aのLEDは、それら3種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。具体的には、第1特別図柄当否判定の結果が16R第1大当りとなった場合には「ijn」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第1大当り図柄)、6R第2大当りとなった場合には「ino」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第2大当り図柄)、6R第3大当りとなった場合には「inp」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(6R第3大当り図柄)。また、外れとなった場合には「lo」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
また、第2特別図柄表示器41bは、「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第2特別図柄当否判定の結果として「16R第4大当り」および「16R第5大当り」の2種類の大当りが設けられており(図8を参照)、第2特別図柄表示器41bのLEDは、それら2種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。具体的には、第2特別図柄当否判定の結果が16R第4大当りとなった場合には「abd」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第4大当り図柄)、16R第5大当りとなった場合には「abg」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(16R第5大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「eh」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
尚、特別図柄の停止表示態様(停止図柄)や大当りの種類(ラウンド数の種類、大当りの数など)は、これらに限定されるものではなく、任意に設定することができる。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば、予め定められた順序で光が左から右へ繰り返し流れるように各LEDを点灯させる態様とすることができる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値はそれぞれ「4」となっている。これら第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定数(本実施例では4)を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものとなっている。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
また、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
図4に示す通り、普通図柄表示器42は「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値は「4」となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には、普図保留表示器44は「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7や演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(「画像制御部」ともいう)等を備えている。
また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケースにはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが重ねて設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板110を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(「遊技制御用マイコン」ともいう)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。また、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のRAM(主制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的には、遊技球を検知可能なセンサ類として、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、大入賞口センサ30aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。これら各種センサのことを「検知センサ」や「検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。大入賞口センサ30aは、大入賞口30内に設けられて大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。
また、ソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24および大入賞口ソレノイド33が接続されている。これら各種ソレノイドを「駆動手段」ともいう。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。大入賞口ソレノイド33は、大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。
さらに、主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また、主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1を参照)が含まれる。
払出制御基板110は、所定のプログラムに従って遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号やパチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。遊技者による発射装置112の発射ハンドル60の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。尚、本実施例では、発射モータ113の駆動により発射装置112が連続して発射可能な遊技球の数は1分間で約100個となっている。
また、主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、サブ制御基板90には、所定のプログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。尚、入出力回路95は演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよく、ROMは外付けであってもよい。また、サブ制御基板90(演出制御用マイコン91)のRAM(演出制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。尚、サブ制御基板90(サブ制御部)や画像制御基板100(画像制御部)、音声制御基板106(音声制御部)、ランプ制御基板107(ランプ制御部)は、遊技の状況に応じて表示演出や音演出、ランプ演出(光演出)等の各種演出を、対応する演出用の装置や部材等(演出手段)に実行させる演出実行手段として機能するものである。また、例えば、セリフ予告やタイトル予告、保留変化予告、ステップアップ予告等の各種予告演出を実行させる予告演出実行手段としても機能する。さらに、サブ制御基板90(サブ制御部)および画像制御基板100(画像制御部)は、画像表示装置7(表示画面7a)で行う表示演出(演出図柄の変動表示等)に係る種々の演出画像の表示制御を行う表示制御手段としても機能する。
サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」ともいう)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出し、その読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示および停止表示に合わせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数および第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、演出図柄や演出保留以外の演出画像を表示画面7a(演出表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)の略全体を被覆したりすることで、演出図柄8や第1演出保留9a、第2演出保留9b等、表示画面7aに表示される各種演出画像の一部または全部が視認できない状態になることがあるため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて又は加えて、VDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御用マイコン101に音声制御を実行させてもよい。この場合、画像制御基板100のROMに音データを格納してもよい。
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。前述したように、可動装飾部材14は、センター装飾体10の後方に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
また、サブ制御基板90には、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63b(図1を参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからの信号がサブ制御基板90に入力される。尚、第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御(判定手段)について説明する。本実施例では、特別図柄当否判定の結果として「大当り」と「外れ」がある。「大当り」のときには特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。特別図柄当否判定で大当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類(大当り種別)に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」ともいう。大当り遊技(特別遊技)は、大入賞口30への遊技球の入球によって多量の賞球を得ることが可能な遊技者とって有利な遊技であり、当該大当り遊技が行われる遊技状態を「特別遊技状態」ともいう。
本実施例の大当りには複数の種別がある。具体的には、図6に示すように、大当りとして「16R(ラウンド)第1大当り」、「6R第2大当り」、「6R第3大当り」、「16R第4大当り」および「16R第5大当り」の計5種類を設けている。これらの大当りのうち、「16R第1大当り」、「6R第2大当り」および「6R第3大当り」は第1特別図柄に係る大当りであり、「16R第4大当り」および「16R第5大当り」は第2特別図柄に係る大当りである。特別図柄表示部41には、これらの大当り種別に応じた大当り図柄が停止表示される。
具体的には、「16R第1大当り」、「16R第4大当り」および「16R第5大当り」は、何れも、ラウンド数が「16」、1ラウンドでの大入賞口30の開放回数が「1回」、1ラウンドでの大入賞口30の開放時間が「25秒」の大当りである。また、「6R第2大当り」および「6R第3大当り」は、何れも、ラウンド数が「6」、1ラウンドでの大入賞口30の開放回数が「1回」、1ラウンドでの大入賞口30の開放時間が「25秒」の大当りである。但し、大入賞口30が開放して、その開放時間が経過する前に、予め定められた数(以下「規定数」ともいう。)の遊技球が大入賞口30に入球した場合には、開放時間が経過していなくても、規定数の入球があった時点で、大入賞口30は閉鎖する。本実施例では、その規定数が「10個」となっている。
尚、大当り遊技を構成するラウンドのことを、単に「R」ともいい、「ラウンド遊技」ともいう。また、6R第2大当り及び6R第3大当りのことを総じて「6R大当り」ともいい、16R第1大当り、16R第4大当り及び16R第5大当りのことを総じて「16R大当り」ともいう。さらに、6R大当りに係る大当り遊技(6R大当り遊技)のことを「第1特別遊技」ともいい、16R大当りに係る大当り遊技(16R大当り遊技)のことを「第2特別遊技」ともいう。
本実施例のパチンコ遊技機1では、発生(当選)した大当りの種別に応じて、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態や時短状態、高ベース状態等に移行させる。すなわち、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の16R第1大当り、6R第2大当り及び16R第4大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。これに対して、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の6R第3大当り及び16R第5大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。このことから、16R第1大当り、6R第2大当り及び16R第4大当りは「確変大当り」として捉えることができ、6R第3大当り及び16R第5大当りは「非確変大当り」(「通常大当り」または「時短大当り」ともいう。)として捉えることができる。
第1特別図柄(特図1)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第1大当りが5%、6R第2大当りが50%、6R第3大当りが45%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第4大当りが55%、16R第5大当りが45%となっている。すなわち、第2始動口21への入球に基づく当否判定(特図2当否判定)により大当りとなった場合には、16R大当りの出現率(振分確率)が100%となっており、第1始動口20への入球に基づく当否判定(特図1当否判定)により大当りとなった場合に比べ、16R大当りの出現率(振分確率)が高くなっている。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(特図1当否判定)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(特図2当否判定)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このため、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる後述の開放延長機能の作動中(高ベース状態の発生中)においては顕著である。尚、特図1当否判定において大当りとなるよりも、特図2当否判定において大当りとなる方が遊技者にとって有利となる構成は、本実施例のような大当り遊技のラウンド数の相違によるものの他、例えば、確変大当りの振分確率(確変割合)の相違によるものや時短回数の相違によるもの等が挙げられる。
ここで、本パチンコ遊技機1では、大当りか外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0〜629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0〜99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数であり、「0〜198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、「0〜240」までの範囲で値をとる。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。本パチンコ遊技機1は、特別図柄および普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能および開放延長機能の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」や「確変状態」といい、作動していない状態を「低確率状態」や「通常状態」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)を参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。尚、確率変動機能の作動・非作動の制御は、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)によって行われる。したがって、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、特別図柄当否判定の当選確率(大当り確率)を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能な確率設定手段として機能するものである。
また、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」や「短縮変動状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」や「通常変動状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9を参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。尚、変動時間短縮機能の作動・非作動の制御は、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)によって行われる。したがって、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、特別図柄の変動時間が通常よりも短くなる短縮変動状態を設定可能な短縮変動状態設定手段として機能するものである。
特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しないものとなっている。このため、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなる。具体的に、時短状態では、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)を参照)。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)を参照)。さらに時短状態では、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放時間延長機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。加えて時短状態では、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。具体的には、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が0.2秒の開放動作を1回行い、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が2.0秒の開放動作を3回行うものとなっている。
普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球(持ち球)を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例のパチンコ遊技機1では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り及び16R第4大当りの何れかの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。この高確高ベース状態は、遊技者にとってはいわゆる「確変遊技状態」となる。以下、高確高ベース状態のことを単に「確変遊技状態」ともいう。
また、6R第3大当り及び16R第5大当りの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の通常状態(低確率状態)になるとともに、特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。この低確高ベース状態は、遊技者にとってはいわゆる「時短遊技状態」となる。以下、低確高ベース状態のことを単に「時短遊技状態」ともいう。
尚、本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技状態として「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確高ベース状態」の3つの遊技状態を設定可能としているが、これに加え、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態、すなわち「高確低ベース状態」を設定可能としてもよい。
低確高ベース状態や高確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより遊技球を右遊技領域3Bへ進入させた方が有利に遊技を進行できる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっている(第1始動口よりも第2始動口の方が遊技球の入球可能性が高くなる)からである。このため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより、左打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域3Bを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(右打ち指示報知)。
これに対して、低ベース状態(例えば低確低ベース状態)では、左打ちにより遊技球を左遊技領域3Aへ進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっている(第2始動口よりも第1始動口の方が遊技球の入球可能性が高くなる)からである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより、右打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域3Aを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(左打ち指示報知)。
ここで、発射方向表示器47は「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
また、本実施例では、遊技領域3のうち左遊技領域3Aと右遊技領域3Bの何れに向けて遊技球を発射するかを指示する発射指示報知を、発射方向表示器47におけるLEDの表示態様だけでなく、画像表示装置7(表示画面7a)における発射指示画像(左打ち指示画像70、右打ち指示画像71)の表示によっても行うこととしている。一般に、遊技者にしてみれば、発射方向表示器47に比べ画像表示装置7(表示画面7a)の方が、表示内容を視認しやすく把握(理解)しやすいといえる。したがって、遊技者は、一般的には、画像表示装置7(表示画面7a)に表示される発射指示画像を見て、「左打ち」と「右打ち」の何れを行うべきなのか、つまり、現在の遊技状態が左打ちを行う「左打ち遊技状態」なのか、右打ちを行う「右打ち遊技状態」なのかを把握する。
尚、本実施例では、前述のように、遊技状態が特別遊技状態(大当り遊技状態)や高ベース状態(高確高ベース状態、低確低ベース状態)にあるときに「右打ち」を行うことから、「右打ち遊技状態」は特別遊技状態や高ベース状態を指す。この「右打ち遊技状態」のことを「所定遊技状態」ともいい、「特別遊技状態」のことを「第1所定遊技状態」ともいい、「高ベース状態」のことを「第2所定遊技状態」ともいう。
[主制御メイン処理]
次に、図10〜図36に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部80による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示す主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、初期設定を行う(S101)。初期設定では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず、出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン、各種入球口(始動口、大入賞口等)への遊技球の入球、ラウンド遊技の進行等に関する種々の情報が含まれる。尚、コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、大入賞口センサ30a等、図5を参照)が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、大入賞口センサ30aが遊技球を検知した場合、大入賞口入球コマンドをRAMの出力バッファに記憶する。さらに、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサ(図示せず)からの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)、保留球数処理(S208)および電源断監視処理(S209)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S210)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10を参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)では、まず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305の処理に移行し、ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否か判定する(S302)。
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305の処理に移行する。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H、図7(B)を参照)を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)には、S309の処理に移行し、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S309の処理に移行し、特図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特図2保留球数に1を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部のうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで始動入球時処理(S205)を行う。図13に示すように、始動入球時処理(S205)では、まず、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。そして、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S315でYES)、S316の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S315でNO)、S319の処理に移行する。
S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S316)。次いで、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S317)。S317では、読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態(低確率状態か高確率状態か)に応じて大当りか外れかを判定し、当該判定の結果が大当りである場合には、さらに大当りの種別を判定する。このS317による判定は、特図2保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1304)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
尚、大当りか否かの事前判定は、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、例えば、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや大当り種別、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
次いでS318では、S317による事前判定の結果に係る遊技情報(事前判定情報)、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(当否情報)や、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報、変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報等を含むコマンドデータを、特図2始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S318)。尚、特図2始動入球コマンドとして、S316で読み出した特図2取得乱数の値の一部または全部を、そのままサブ制御基板に送信するようにしてもよいし、特図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
また、主制御部80から送信した特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるか、大当り種別は何れであるか、変動パターンは何れであるか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例では、これに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、受信した特図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
尚、不正防止の観点から、S316で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、これをセットすることが可能である。
次いでS319では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。そして、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S319でYES)、S320の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S319で、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S319でNO)、そのまま処理を終える。
S320では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S320)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S320でYES)、そのまま処理を終える。一方、S320で時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S320でNO)、S321以降の事前判定に係る処理に進む。ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(所謂特図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば、特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このように大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合には(S320でYES)、S321以降の特図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理(始動入球時処理)を終えることとしている。
S321〜S323の処理は、前述したS316〜S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値について事前判定を行う(S322)。そして、この事前判定に係る遊技情報を含むコマンドデータを特図1始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S323)。尚、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1604)に先立って行うものである。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S205)に次いで、図14に示す普図動作処理(S206)を行う。普図動作処理(S206)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401,S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401,S403,S405の全てでNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚、普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)では、まず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)、この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。普通図柄変動パターン選択処理(S503)を終えたら、後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行い、次いで、普通図柄変動開始処理(S505)を行い、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)では、まず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONであるか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、普図当否判定(S603,S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)では、まず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)では、まず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)、処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行って(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)では、まず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして、時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)では、まず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)、処理を終え、至っていれば(S1003でYES)、第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして、第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対して、S1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903またはS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFにするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFにし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図動作処理(S207)を行う。特図動作処理(S207)では、図21に示すように、特別図柄表示器41および大入賞装置31に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス「1」、「2」、「3」、「4」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101,S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101,S1103,S1105の全てでNO)、大当り遊技としての特別電動役物処理(S1107)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、まず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、待機画面とする処理中であれば(S1211でYES)、処理を終え、待機画面とする処理中でなければ(S1211でNO)、待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201において特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYES)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B)を参照)。
[特図2当否判定処理]
図23に示すように、特図2当否判定処理(S1202)では、まず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、図8(A)に示す大当り判定テーブルのうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブルのうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
大当り判定(S1303,S1304)の結果が「大当り」であると判定した場合(S1305でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、処理を終える。一方、大当り判定(S1303,S1304)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1306)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。ここで、大当り判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
ここで、ラウンド表示器45は、6R用ランプ及び16R用ランプの2個のLEDで構成されている(図4を参照)。そして、例えば6R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、6R用ランプが点灯表示される。具体的には、「6▲16△」の様な表示態様となる。また、16R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、16R用ランプが点灯表示される。具体的には、「6△16▲」の様な表示態様となる。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(図22)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図24及び図25に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)では、まず、遊技状態が時短状態であるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判定する(S1401)。S1401で、時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1402)。S1402で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。ここでは、変動パターンP1〜P3の何れかが選択される。尚、本実施例では、変動パターンが決まれば変動時間も決まるものとされている。次いで、S1404の処理に移行する。
一方、S1402で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」であるか否かを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」〜「4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、保留数が「1」又は「2」であると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1,2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。ここでは、変動パターンP4〜P7の何れかが選択される。
一方、S1405で、保留数が「1」又は「2」でない、すなわち「3」又は「4」であると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3,4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。ここでは、変動パターンP8〜P11の何れかが選択される。また、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。さらに、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
また、S1401で、時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1408)。S1408で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1408でYES)、時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。ここでは、変動パターンP12〜P14の何れかが選択される。
一方、S1408で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、次いで保留数が「1」であるか否かを判定する(S1410)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」〜「4」の何れかの値とされている。S1410で、保留数が「1」であると判定した場合(S1410でYES)、第3保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。ここでは、変動パターンP15〜P18の何れかが選択される。
また、S1410で、保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2」〜「4」の何れかであると判定した場合(S1410でNO)、第4保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2〜4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。ここでは、変動パターンP19〜P22の何れかが選択される。
尚、時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、変動時間の短い変動パターンが選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早める(時短中の遊技を迅速に進行させる)ためである。
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、図24に示すその他の処理を行い(S1404)、処理を終える。その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。また、この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
[特図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)では、まず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部がアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図22に示す特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図22の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、かつ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図27に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図23に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601〜S1609)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出して処理を行う。
[特図1変動パターン選択処理]
図28及び図29に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図24及び図25に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701〜S1712)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
[特図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)では、まず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図22に示す特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)では、まず、特別図柄の変動時間、すなわち、前述のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間(図9を参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONであるか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合と(S1903でNO)、確変カウンタが「0」でないと判定した場合には(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
ここで、S1906にて確変フラグをOFFにした場合、遊技状態が高確高ベース状態(確変遊技状態)から低確低ベース状態(通常遊技状態)に移行(変化)することを示す状態変化コマンド(遊技状態変化情報)を、次の特別図柄の変動表示の開始に係る変動開始コマンドに含めてRAMの出力バッファにセットする。但し、本実施例では、確変大当りに係る大当り遊技の終了に伴って後述のS2203の処理にて確変カウンタにセットする値(設定値)を「10,000」としているため、当該確変カウンタの値が特別図柄の変動停止(変動終了)に伴って「0」となることはまず無い。尚、状態変化コマンドを、変動開始コマンドと別コマンドとしてRAMの出力バッファにセットする(サブ制御基板に送信する)ことも可能である。
S1907では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」か否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合と(S1907でNO)、時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合には(S1909でNO)、S1911の処理に移行する。
ここで、S1910にて時短フラグをOFFにした場合、遊技状態が低確高ベース状態(時短遊技状態)から低確低ベース状態(通常遊技状態)に移行(変化)することを示す状態変化コマンド(遊技状態変化情報)を、次の特別図柄の変動表示の開始に係る変動開始コマンドに含めてRAMの出力バッファにセットする。本実施例では、非確変大当り(通常大当り)に係る大当り遊技の終了に伴って後述のS2207の処理にて時短カウンタにセットする値(設定値)を「100」としているため、非確変大当り(通常大当り)に係る大当り遊技の終了後、次の大当りが発生することなく特別図柄の変動表示が100回行われると、時短カウンタの値が「0」となる。尚、遊技状態が時短遊技状態から通常状態に移行する場合においても、前述したように、状態変化コマンドを変動開始コマンドと別コマンドとしてRAMの出力バッファにセットする(サブ制御基板に送信する)ことも可能である。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)では、まず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、次いで確定した大当りの種別が16R大当りであるか否かを判定し、16R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「16」をセットし(S2003)、S2009の処理に移行する。一方、S2002で、大当りの種別が16R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、確定した大当りの種別は6R大当りであるため、ラウンドカウンタの値に「6」をセットし(S2004)、S2009の処理に移行する。
S2009では、確定した大当りの種別(種類)に応じた大入賞口開放パターンをセットし(S2009)、S2010の処理に移行する。ここで、前述したように、大入賞口の開放パターンは、大当りの種別に応じて定められているので、今回確定した大当りに対応する大入賞口開放パターンをセットする(図6を参照)。そして、夫々の大当り遊技において、S2009でセットした大入賞口開放パターンに基づく大入賞口30の開放動作が実行される。
S2010では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2010)。本実施例では、オープニングコマンドとして、16R第1大当りに対応する第1オープニングコマンド、6R第2大当りに対応する第2オープニングコマンド、6R第3大当りに対応する第3オープニングコマンド、16R第4大当りに対応する第4オープニングコマンドおよび16R第5大当りに対応する第5オープニングコマンドの計5種類が設けられている。S2010では、今回確定した大当り(開始する大当り)の種別に応じたオープニングコマンドがセットされる。そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、セットしたオープニングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドに基づいて所定の遊技演出の実行処理を行う。
オープニングコマンドをセットしたら、大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2012)。また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2013)、処理を終える。尚、オープニング期間は、大当り遊技における大入賞口の最初の開放動作を開始する前であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行不能とした後に設定される期間であり、「開始期間」ともいう。また、この「開始期間」において実行する演出を「開始演出(オープニング演出)」ともいう。本実施例では、確定した大当りの種別と、その大当りが確定したとき(つまり、大当り図柄が停止表示されたとき)の遊技状態とによって、オープニング期間(オープニング時間)が決まるものとなっており、前述のオープニングコマンドによってオープニング期間が特定可能となっている。よって、オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドにより特定される大当り種別およびオープニング期間に基づいて、オープニング演出を行うことが可能となっている。尚、以上の特別図柄確定処理(S1106)において、遊技状態を特別遊技状態(大当り遊技を実行する状態)とするための処理(S2002〜S2012)を実行する遊技制御用マイコン81は「遊技状態制御手段」として機能するものである。
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理(S1107)ではまず、確変フラグがONであるか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFにし(S2102)、次いで、時短フラグがONであるか否かを判定する(S2103)。S2103で、時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFにし(S2104)、S2105の処理に移行する。尚、S2101で確変フラグがONでないと判定した場合(S2101でNO)、S2102の処理を行うことなくS2103の処理に移行し、S2103で時短フラグがONでないと判定した場合(S2103でNO)、S2104の処理を行うことなくS2105の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では、非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置31の動作処理(大入賞口30の開放処理)が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期であるか否かを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるか否かによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル期間が終了(インターバル時間が経過)している否かによって判定する。
S2106においてラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行う(S2108)。S2107では、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。また、S2108では、主に、大入賞口センサ30aによる遊技球の検知を有効化する処理と、前述のS2009でセットした大入賞口開放パターンに基づいて大入賞口30を開放させるべく、開閉部材32を開動作させる処理を行い、一のラウンド遊技を開始させる。
ここで、大入賞口センサ30aによる遊技球の検知に関し、「有効(有効化)」とは、大入賞口センサ30aによる遊技球の検知が発生した場合、その検知を、大入賞口30への正常な入球として扱う(処理する)ことを意味する。これに対し、「無効(無効化)」とは、大入賞口センサ30aによる遊技球の検知が発生した場合、その検知を、大入賞口30への異常入球(大入賞口エラー)として扱う(処理する)ことを意味する。本実施例では、大入賞口センサ30aによる遊技球の検知が有効とされるのは、原則、ラウンド遊技の開始から当該ラウンド遊技終了後、所定時間(本実施例では1秒)が経過するまでの期間であり、当該期間が、大入賞口センサ30aによる遊技球検知の有効期間として設定される。このような大入賞口センサ30aによる遊技球検知の有効期間を設定に係る処理を行う遊技制御用マイコン81は「有効期間設定手段」として機能するものである。尚、有効期間でないとき(無効期間)に、大入賞口センサ30aが遊技球を検知した場合、当該検知は無効となり、大入賞口30への異常入球(大入賞口エラー)が発生した旨を示すコマンド(大入賞口エラーコマンド)が主制御部80からサブ制御部90に送信される。これを受けて、サブ制御部90では、大入賞口30への異常入球(大入賞口エラー)の発生を外部に知らせるエラー報知の実行に係る処理が行われる。
一方、S2106で、ラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2112の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間中やラウンド遊技中、ラウンド遊技終了後のインターバル期間中(大入賞口閉鎖処理中)等を挙げることができる。
S2112では、大入賞口開放動作の実行中であるか否か、すなわち、S2108の処理によって開放された大入賞口が未だ開放中(ラウンド遊技中)であるか否かを判定する(S2112)。その結果、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)でないと判定した場合(S2112でNO)、S2116の処理に移行し、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)であると判定した場合(S2112でYES)、実行中のラウンド遊技の終了条件(ラウンド終了条件)が成立したか否かを判定する(S2113)。
ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンド遊技において定められた大入賞口の開放時間(例えば「25秒」)、つまりラウンド遊技の実行時間が経過したこと、(2)実行中のラウンド遊技において大入賞口に予め定められた規定数(例えば「10個」)の遊技球が入球したこと、の2つの条件が定められている。そして、何れか一方の条件が先に成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立したこととなる。尚、大当り遊技中(ラウンド遊技中)において、遊技球の発射が不能になるエラーやトラブル等が発生することなく、遊技球発射が滞りなく行われる限り、(2)の条件の成立によりラウンド終了条件が成立するのが通常である。
S2113にて、ラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2113でNO)、処理を終え、ラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2113でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2114)、大入賞口閉鎖処理を行う(S2115)。S2114では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。
次いで、S2116でインターバル時間が経過したか否かを判定し(S2116)、経過していない(インターバル期間中である)と判定した場合(S2116でNO)、処理を終える。一方、S2116でインターバル時間が経過したと判定した場合(S2116でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2117)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2118)。S2118で、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2118でNO)、処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2118でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットすると共に(S2119)、大当りのエンディング期間を開始し(S2120)、大当り終了フラグをONにし(S2121)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタの値は、実行する大当り遊技における全てのラウンド遊技を終了すると「0」になる。
S2119では、予め定められた複数のエンディングコマンドの中から、今回の大当り発生時の遊技状態や今回の大当りの種別、大当り遊技後の遊技状態等に応じたエンディングコマンドが選択され、当該選択されたコマンドがセットされる。こうしてセットされるエンディングコマンドの種類によって、実行される(設定される)エンディング期間(エンディング時間)が決まるものとなっている。エンディング期間は、大当り遊技における大入賞口30の全ての開放動作を終了した後であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行可能とする前に設定される期間であり、「終了期間」ともいう。エンディング期間(終了期間)では、大入賞口30は閉鎖状態とされている。この「終了期間」に実行する演出を「終了演出(エンディング演出)」ともいう。
そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、S2119でセットしたエンディングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該エンディングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該エンディングコマンドに基づいて所定のエンディング演出の実行処理を行う。
また、S2105において、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング時間が経過したか否か、すなわち、前述のS2120の処理で開始したエンディング期間の終了タイミングか否かを判定し(S2122)、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2122でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。次いで、大当りフラグをOFFにし(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図21)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。尚、以上の特別電動役物処理(S1107)を実行する遊技制御用マイコン81は「特別遊技実行手段」および「ラウンド遊技実行手段」として機能するものである。
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2124)ではまず、今回終了した大当り遊技が確変大当りに係るものであるか否かを判定する(S2201)。本実施例では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り及び16第4大当りの3種類を確変大当りとしていることから、S2201では、それら3種類のうちの何れかに該当するか否かを判定する。そして、今回終了したのが確変大当りであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONにするとともに(S2202)、確変カウンタに「10,000」をセットし(S2203)、さらに時短フラグをONにするとともに(S2204)、時短カウンタに「10,000」をセットして(S2205)、処理を終える。
ここで、確変カウンタにセットする値は、高確率における特別図柄当否判定を実行可能な回数である。本実施例においてセットする「10,000」という値(10,000回)は、高確率状態における大当り確率や遊技店の1日の営業時間、当該営業時間内に実行可能な特図当否判定の回数等を考慮すると、実質的には次回の大当りが発生するまで又は営業時間が終了するまで、高確率状態を保証しているのと同じことである。従って、遊技状態が高確率状態に設定された場合には、次回の大当りが発生するまで高確率状態が保証されるといってもよい(実質的に同義である)。また、確変フラグがONの場合には、時短カウンタにも同様に「10,000」がセットされるため、この高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)も共に設定されるといってよい。つまり、確変大当りに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が「高確高ベース状態」となる。尚、本実施例の様に、確変カウンタおよび時短カウンタに「10,000」の値を設定して、実質的に次回大当りまで高確高ベース状態を設定するようにしてもよいし、確変フラグおよび時短フラグがONの場合には、カウンタに値をセットすることなく、次回大当りが発生するまで高確高ベース状態を設定する様な制御を採用してもよい。
一方、S2201で、確変大当りでないと判定した場合(S2201でNO)、すなわち、今回終了したのが非確変大当り(通常大当り)に係る大当り遊技である場合、確変フラグをONにすることなく、時短フラグをONにするとともに(S2206)、時短カウンタに「100」をセットして(S2207)、処理を終える。本実施例では、前述したように、6R第3大当り及び16R第5大当りの2種類を非確変大当り(通常大当り)としているので、これら2種類のうちの何れかに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が「低確高ベース状態」となる。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(特別図柄当否判定が100回行われること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。尚、時短カウンタおよび確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。尚、以上の遊技状態設定処理(S2124)を実行する遊技制御用マイコン81は「遊技状態制御手段」または「遊技状態設定手段」として機能するものである。
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで、保留球数処理(S208)を行う。図35に示すように、保留球数処理(S208)では、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報をサブ制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。この保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)は、次回の割り込み処理(S105)での出力処理(S201)によって出力され、割り込み処理毎に、保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)の出力バッファへのセット(S2502)と、出力処理(S201)とが順次行われる。当該保留球数コマンドを受信したサブ制御部90は、受信した保留球数コマンドに基づいて特図保留球数に増減が生じたと判断した場合、これに応じて、画像表示装置7の表示画面7aにおける演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)の表示内容を更新する。具体的には、例えば、特図1保留球数が「3」から「4」に1増加した場合、その増加した分の特図1保留球数「4」に対応する第1演出保留9aを第1演出保留表示領域9cに追加表示する。また、特図1保留球数が「2」から「1」に1減少した場合(つまり、第1特図保留が消化された場合)、第1演出保留表示領域9cの左端(特図1保留球数「1」に対応する箇所、図3を参照)に表示されている第1演出保留9aを変動保留表示領域9e(図3を参照)に移動するとともに、これに伴って第1演出保留表示領域9cに表示されている第1演出保留9aを左側に1つ移動(シフト)する。
尚、特図保留球数が加算された際の特図保留球数のデータ、すなわち始動入球(始動入賞)の発生に伴う特図保留球数のデータについては、前述の始動入球コマンドに含めるか、加算後(始動入球後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを始動入球コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。また、特図保留球数が減算された際の保留球数のデータ、すなわち特別図柄の変動開始(特図保留の消化)に伴う特図保留球数のデータについては、前述の変動開始コマンドに含めるか、減算後(特図保留消化後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを変動開始コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S208)に次いで電源断監視処理(S209)を行う。図36に示すように、電源断監視処理(S209)では、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変か否か、当り遊技中か否か、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONにし(S2603)、その後は割り込み処理(図11)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、図37〜図43に基づいて、演出制御用マイコン91の動作(サブ制御部90による制御処理)について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから図37に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まず、CPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
続いて、S4002で、電源断信号がONでかつサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001〜S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本実施例では、演出制御用マイコン91においても、図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S209)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータがサブ制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、サブ制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、サブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。尚、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファ(以下「サブ出力バッファ」ともいう。)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(変動演出、大当り遊技に係る特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図38に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009,S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図39に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)では、まず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプを発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理(S4202)と、可動装飾部材14(電気的駆動源)を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理(S4203)とを行う。尚、ランプデータおよび駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図40に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
[受信コマンド解析処理]
図41に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)では、まず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4395)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4395でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4395でYES)、演出保留情報記憶処理(S4400)を行って、S4401の処理に移行する。演出保留情報記憶処理(S4400)は、S4395で受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式でサブ制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。サブ制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、サブ制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。
次に、S4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4403の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。S4403では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4403)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4403でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4404)。変動演出終了処理(S4404)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4403で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4403でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4405の処理に移行する。尚、変動演出とは、演出図柄8の変動表示やリーチ演出など、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
続いて、S4405では、主制御基板80から大当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4405)。ここで、大当り遊技関連コマンドとは、遊技制御用マイコン81(主制御部80)により制御される遊技状態が特別遊技状態となり、当該特別遊技状態における大当り遊技(ラウンド遊技)の実行にあたり、主制御基板80から送信されるコマンドのことである。具体的には、大当り遊技(特別遊技状態)の開始に際して送信されるオープニングコマンド(S2010を参照)、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド(S2107を参照)、ラウンドでの大入賞口30への入球に基づき送信される大入賞口入球コマンド、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド(S2114を参照)、大当り遊技(特別遊技状態)の終了に際して送信されるエンディングコマンド(S2119を参照)等が該当する。S4405では、これらの大当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し、受信していなければ(S4405でNO)、S4407の処理に移行し、受信していれば(S4405でYES)、当該受信したコマンドの種類に応じた種々の大当り遊技演出の実行に係る大当り遊技関連演出処理を行う(S4406)。
S4406では、例えば、受信した大当り遊技関連コマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドの開始に応じた演出(ラウンド開始対応演出)を指定するラウンド開始演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、大入賞口入球コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大入賞口30への遊技球の入球に応じた入球演出を指定する入球演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。また、受信した大当り遊技関連コマンドがラウンド終了コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドの終了に応じた演出(ラウンド終了対応演出)を指定するラウンド終了演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。
こうしてサブ出力バッファにセットした大当り遊技関連コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、大当り遊技(特別遊技状態)やラウンドの進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出等の大当り遊技に関連する演出(大当り遊技演出)を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
ここで、本実施例では、遊技状態が低確低ベース状態(通常遊技状態)にあるとき、すなわち「左打ち遊技状態」にあるときに、特別図柄当否判定の結果が大当りとなって(所謂「初当り」)、当該大当り(初当り)に係るオープニングコマンドをサブ制御基板90が受信すると、これに対応する初当りオープニング演出コマンドが画像制御基板100に送信される。これを受けて、画像表示装置7の表示画面7aでは、大入賞口30に遊技球を入球させるべく右打ちを行うことを遊技者に指示する右打ち指示報知を含むオープニング演出(「初当りオープニング演出」ともいう)が実行される。本実施例の初当りオープニング演出(図示せず)では、初当りに係る大当り遊技開始時の右打ち指示報知(「初当り用右打ち指示報知」ともいう)が実行される。本実施例の初当り用右打ち指示報知は、右遊技領域3Bの下部に位置する大入賞口30に遊技球が入球する様子を描いた動画像を表示画面7aの略中央に表示することにより行うものとしている。これにより、低ベース状態で左打ちを行って遊技(図柄変動遊技)を進めていた遊技者に対し、特別遊技状態(大当り遊技)では右打ちを行うこと(右遊技領域3Bに向けて遊技球を発射すること)を、積極的に促すことが可能となる。
また、初当りに係る大当り遊技の1ラウンド目の開始に際して、当該1ラウンド目のラウンド開始コマンド(1R開始コマンド)をサブ制御基板90が受信すると、これに対応する1R開始演出コマンドが画像制御基板100に送信される。これを受けて、画像表示装置7の表示画面7aでは、ラウンド数表示を含むラウンド演出表示が開始(実行)されるとともに、大当り遊技中(特別遊技状態中)の右打ち指示報知として右打ち指示画像71の表示が開始(実行)される(図44(a)を参照)。右打ち指示画像71は、初当りに係る大当り遊技が終了した後の高確高ベース状態や低確高ベース状態(つまり、右打ち遊技状態)においても継続して表示される(図44(b)を参照)。右打ち指示画像71の表示を開始する処理(右打ち指示画像表示処理)については後述する。尚、右打ち指示画像71の表示による右打ち指示報知のことを「所定指示報知」ともいう。
さらに、初当りに係る大当り遊技が終了した後の高確高ベース状態や低確高ベース状態(つまり、右打ち遊技状態)にて大当りが発生し(所謂「連チャン」)、当該大当り(連チャン)に係るオープニングコマンドをサブ制御基板90が受信すると、これに対応する連チャンオープニング演出コマンドが画像制御基板100に送信される。これを受けて、画像表示装置7の表示画面7aでは、前述の初当りオープニング演出とは異なる内容のオープニング演出(「連チャンオープニング演出」ともいう)が実行される。連チャンオープニング演出(図示せず)では、前述した初当りオープニング演出のような初当り用右打ち指示報知、すなわち、大入賞口30に遊技球が入球する様子を描いた動画像の表示が実行されず、高ベース状態での遊技中に表示する右打ち指示画像71(図44(b)を参照)が、そのまま継続して表示される。高ベース状態は「右打ち遊技状態」であり、連チャンに係る大当り遊技の実行に際して遊技球の発射方向を変更する必要はないからである。
最後にS4407の処理を行い、本処理(受信コマンド解析処理)を終える。S4407では、その他の処理として、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行う。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行される変動演出開始処理(S4402)について説明する。図42に示すように、変動演出開始処理(S4402)では、まず、変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理(S4501)を行う。本実施例では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングでS4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値(取得情報)に基づいて、実行する演出図柄遊技演出(変動演出)の態様や予告演出の態様、停止表示する演出図柄等を決定する。
次いで、S4502では、受信した変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、図9に示す変動パターン情報(P1〜P22)や現在の遊技状態を指定する遊技状態情報、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8を参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかを判別することが可能となる。尚、変動パターン情報や遊技状態情報、図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
また、受信した変動開始コマンドに前述の「状態変化コマンド」が含まれている場合、遊技状態が低ベース状態に移行(変化)したことを示す情報(遊技状態変化情報)が含まれていることとなる。ここで、状態変化コマンドは、前述したように、遊技状態が高ベース状態(高確高ベース状態、低確高ベース状態)から低ベース状態(本例では低確低ベース状態)に移行(変化)することを示すコマンドであり、高ベース状態の終了契機となる特別図柄の変動表示(例えば時短遊技状態での100回目の変動表示)に続く次の変動表示が開始されるタイミングで、主制御部80から送信されるものである。したがって、S4502による変動開始コマンドの解析の結果、当該変動開始コマンドに遊技状態変化情報が含まれているか否かによって、今回開始する特別図柄の変動表示(演出図柄の変動表示)が、高ベース状態から低ベース状態に移行した後の最初の変動表示に該当するか否かを判別することが可能となる。この結果、低ベース状態に移行後の最初の変動表示に該当する場合には、後述のS4507にて、左打ち指示画像の表示を指定するコマンド(左打ち指示画像表示コマンド)を変動演出開始コマンドに含めてサブ出力バッファにセットすべく、不図示の左打ち指示フラグをONにする。
次いで、S4503では、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」〜「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA〜Eに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応し、モードステータス「5」が演出モードEに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
ここで演出モードとは、主に、画像表示装置7における演出の態様を指すものであり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、演出図柄8の表示態様(例えば、図柄デザイン、数字デザインなど)が異なったり、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なったりする等、画像表示装置7に表示される演出画像が演出モードによって異なるものとされる。また、演出図柄遊技演出や大当り遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができ、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出、ラウンド演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能とすることができる。
本実施例では、演出モードAおよび演出モードBを遊技状態が低確低ベース状態である場合に実行可能な演出モードとし、演出モードCを遊技状態が低確高ベース状態である場合に実行可能な演出モードとし、演出モードDを遊技状態が高確高ベース状態である場合に実行可能な演出モードとし、演出モードEを遊技状態が低確高ベース状態と高確高ベース状態の何れの場合においても実行可能な演出モードとしている。従って、演出モードが「A〜D」の何れかである場合、遊技者は演出モードを確認することで、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握することができる。一方、演出モードが「E」である場合、遊技者は演出モードを確認しても、現在の遊技状態が低確高ベース状態(時短状態)であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握(判別)することは困難(不可能)である。その意味において演出モードEは「確率非報知モード」といえる。
次いで、S4504では、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等を用いて行う変動演出のパターン(変動演出パターン)を決めるための図示しない変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、演出モード(モードステータス)に対応する複数の変動演出パターン決定テーブル(図示せず)がサブ制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。
次いで、S4505では、S4501において取得した変動演出決定用乱数およびS4504においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、演出図柄8の変動表示時間やこの時間に応じた演出表示態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出(変動演出)において、リーチ演出を実行する場合や、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合等が決定される。尚、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3つの演出図柄8L,8C,8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3つの演出図柄8L,8C,8Rのうちの2つが大当り態様を構成する図柄で停止表示(仮停止)され、残り1つが変動表示を続けている状態(リーチ状態)で、残り1つの演出図柄が大当り態様を完成させる図柄で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。
ここで、リーチ演出のことを「特定演出」ともいう。また、リーチ演出を実行する演出図柄遊技演出(変動演出)のことを「リーチ変動」又は「リーチ変動演出」ともいい、キャラクタ演出を実行する演出図柄遊技演出(変動演出)のことを「キャラクタ変動」又は「キャラクタ変動演出」ともいい、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない演出図柄遊技演出(変動演出)のことを「ノーマル変動」又は「ノーマル変動演出」ともいう。
また、S4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数および図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。ここで、停止表示の種類には、仮停止表示と確定停止表示(確定表示)とがある。仮停止表示とは、例えば、演出図柄の変動表示(例えばスクロール表示)が一旦停止(一時停止)され、演出図柄が表示画面上の所定の停止位置(例えば演出図柄表示領域7b)にて、その数字やキャラクタ等を認識できる程度に僅かに動いた状態で表示されることを意味する。僅かに動いた状態のことを「揺れ変動」ともいう。一方、確定停止表示とは、例えば、演出図柄の変動表示(例えばスクロール表示)が終了して、演出図柄が表示画面上の所定の停止位置(例えば演出図柄表示領域7b)にて、その数字やキャラクタ等を認識できる状態で完全に停止して表示されることを意味する。演出図柄の確定停止表示により、演出図柄の変動表示の表示結果(変動演出の結果)が確定的に表示(導出表示)されることとなる。したがって、演出図柄の仮停止表示は、確定停止表示に至るまで1回または複数回行うことが可能である。尚、仮停止表示のことを単に「仮停止」ともいい、確定停止表示(確定表示)のことを単に「確定停止」ともいう。
S4505において決定(選択)する停止演出図柄は、演出図柄8の仮停止する図柄(以下「仮停止図柄」ともいう。)と、確定停止する図柄(以下「確定停止図柄」ともいう。)である。具体的に、演出図柄遊技演出(変動演出)の結果として停止表示(確定停止)される演出図柄8、すなわち確定停止図柄は、特別図柄当否判定の結果が外れであってリーチ有り外れの場合は、「787」等の3つの演出図柄8L,8C,8Rのうち1つの演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目(リーチ外れ目、外れ態様)とされ、リーチ無し外れの場合は、「635」等の3つの演出図柄8L,8C,8Rのうち少なくとも1つの演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目(完全外れ目、外れ態様)とされる。一方、特別図柄当否判定の結果が大当りであって16R第1大当り又は16R第4大当りの場合は、「777」のゾロ目(大当り態様)とされ、それ以外の大当りの場合は「777」以外のゾロ目(大当り態様)とされる。
また、確定停止に至る前の変動表示の途中で一旦仮停止される演出図柄8、すなわち仮停止図柄は、基本的には、前述のゾロ目(大当り態様)以外の出目(リーチ外れ目、完全外れ目等)とされるが、本実施例では、前述のように、中演出図柄8C(最終停止図柄)の1つとして発展図柄を設けてあることから(図45(a)を参照)、中演出図柄8C(最終停止図柄)の仮停止図柄については発展図柄とされる場合もある。但し、例えば、演出図柄8をゾロ目で停止した後に再度変動表示させる所謂「再抽選」を実行する変動演出パターンの場合には、仮停止図柄がゾロ目(大当り態様)とされる。この場合、仮停止図柄は、相対的に有利度合の低い大当り(例えば確変大当りよりも有利度合の低い通常大当り)に対応する出目とされる。さらに、演出図柄8は、変動表示が終了して確定停止する直前(間際)にも仮停止されることから、確定停止直前に仮停止する演出図柄8も仮停止図柄であるが、この場合の仮停止図柄は確定停止図柄と同じとなる。尚、本実施例で示す演出図柄8の停止表示態様(出目、図柄組合せ)はあくまでも一例であり、停止演出図柄(仮停止図柄、確定停止図柄)として何を停止表示するかは適宜設定可能である。
また、S4505では、演出図柄8の停止演出図柄に加え、確定停止表示する小演出図柄18(「停止小演出図柄」ともいう)も決定し、これを設定する。前述のように、本実施例では、小演出図柄18の停止表示態様を、演出図柄8の停止表示態様と同様としている。このため、S4505では、停止演出図柄(演出図柄8の図柄組合せ)と同じ態様(図柄組合せ)の停止小演出図柄(小演出図柄18の図柄組合せ)を決定するものとしている。尚、小演出図柄18の停止表示は確定停止だけであり、仮停止は行わないものとなっている。したがって、小演出図柄18の仮停止図柄を決定(設定)することはない。
本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動表示にて行う演出表示態様(変動演出パターン)として、リーチA、リーチB、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、スーパーリーチD等が設定されており、S4505では、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わないかが、変動演出パターン決定テーブルに基づいて決定される。そして、リーチ有演出図柄遊技演出(リーチ変動)が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。演出図柄遊技演出としてスーパーリーチ演出(SPリーチA〜D)が実行される場合には、ノーマルリーチ演出(リーチA,B)が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はノーマルリーチ演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。尚、スーパーリーチ演出のことを「特別特定演出」や「特別演出表示」ともいう。
本実施例では、リーチ演出のうち、ノーマルリーチ演出(リーチA,B)は、変動時間が30000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得るものとなっており、スーパーリーチ演出(SPリーチA〜D)は、変動時間が450000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得るものとなっている。尚、本実施例では、リーチ演出として、リーチA、リーチB、SPリーチA、SPリーチB、SPリーチCおよびSPリーチDの6種類を備えるものとしているが、これより多くのリーチ演出を設けることも可能であり、あるいは、リーチ演出の種類(数)を本実施例より減らす(少なくする)ことも可能である。
ここで、演出図柄8の変動表示は、基本的に次のようにして行われる。すなわち、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始した後、全演出図柄の変動速度が高速で略一定となり、その後、所定時間が経過したタイミングで、第1停止図柄(本例では左演出図柄8L)の変動速度が低下して第1停止図柄が停止(仮停止)する。これに次いで第2停止図柄(本例では右演出図柄8R)の変動速度が低下して第2停止図柄が停止(仮停止)し、最後に第3停止図柄(本例では中演出図柄8C)の変動速度が低下して第3停止図柄が停止(仮停止)する。この後、3つの演出図柄8L,8C,8Rが確定停止することで、変動表示の表示結果が導出表示され、これをもって1回の変動表示が終了する。このような変動表示の開始から終了までの流れをベースとして、ノーマル変動やリーチ演出等が行われる。
具体的に、例えば、特図保留球数や遊技状態に応じた特別図柄の変動時間短縮機能が作動していない場合(変動時間短縮機能非作動時)において、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始した場合、当該変動開始から所定時間(例えば9秒)が経過したタイミングで左演出図柄8L(第1停止図柄)が停止(仮停止)し、これに続いて右演出図柄8R(第2停止図柄)が停止(仮停止)する。このとき、左右の演出図柄8L,8Rが同じ数字の図柄で停止してリーチが成立すればリーチ演出に発展し、リーチが成立しなければ(つまり、ノーマル変動であれば)、右演出図柄8R(第2停止図柄)の停止(仮停止)に続いて中演出図柄8C(第3停止図柄)が停止(仮停止)する。本実施例では、ノーマル変動にて、演出図柄8の変動開始から第3停止図柄(本例では中演出図柄8C)が停止(仮停止)するまでにかかる時間は11秒となっている。尚、特別図柄の変動時間短縮機能が作動している場合のノーマル変動では、変動表示の開始から左演出図柄8L(第1停止図柄)が停止(仮停止)するまでにかかる時間が通常(変動時間短縮機能非作動時)よりも短くなり、これに伴って、右演出図柄8R(第2停止図柄)および中演出図柄8C(第3停止図柄)が停止(仮停止)するまでにかかる時間も短くなる。また、リーチ変動において、リーチ成立後、中演出図柄8C(第3停止図柄)が変動表示を終了して演出図柄8が確定停止するまでにかかる時間は、前述のノーマルリーチやSPリーチ等のリーチ種別によって異なるものとなっており、その時間は、ノーマルリーチに比べSPリーチの方が長いものとなっている。このようなリーチ成立から確定停止までの時間は、演出図柄8の総変動時間、すなわち、特別図柄の変動パターンにより特定される変動時間(図9を参照)に依存するものとなる。
次いで、S4506では、予告演出の設定に係る処理(予告演出設定処理)を行う(S4506)。本実施例では、S4400で記憶した演出保留情報(事前判定結果)に基づく予告演出(保留先読み予告)や、現在の特図変動表示(変動演出)に係る予告演出(当該変動予告)など、種々の予告演出が実行可能となっていることから、S4506では、各予告演出について、実行するか否か(実行有無)を判定したり、実行する予告演出の実行パターン(予告演出パターン)を設定したりする。具体的には、S4501において取得した予告演出決定用乱数と、サブ制御基板90のROMに記憶された予告演出決定テーブルとに基づいて、予告演出の実行有無や予告演出パターンを決定し、この決定結果に基づいて予告演出パターンを設定する。
尚、S4400で記憶される演出保留情報の記憶内容(演出保留情報記憶領域の記憶内容)や、S4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄当否判定の結果(今回の特図変動表示に係る当否判定の結果)、同じく変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄の変動パターン情報(今回の特図変動表示に係る変動パターンや停止図柄)、S4505で設定した変動演出パターン、更には現在の演出モード(背景)等によって、S4506で設定する予告演出パターン、すなわち、実行する予告演出の種類(予告種)や態様、予告演出の実行有無等が異なるものとなる。また、予告演出を実行する場合、複数の予告演出のうち、一の予告演出(一種類の予告演出)を行うこともあれば、二以上の予告演出(複数種の予告演出)を複合して行うこと、すなわち、一の変動表示中(変動演出中)に複数種の予告演出を各々の実行タイミングで行うこともある。
次いで、S4507では、S4505で設定した変動演出パターンおよびS4506で設定した予告演出パターンに基づいて演出図柄遊技演出(変動演出、予告演出等)を開始するための変動演出開始コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4507)、変動演出開始処理を終える。S4507でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の変動演出用画像データ(演出図柄8の変動表示や停止表示に係る画像データ、小演出図柄18の変動表示や停止表示に係る画像データ、リーチ演出に係る画像データ等)、変動演出開始コマンドに基づき特定される予告演出パターン、すなわちS4506で設定された予告演出パターンに対応する所定の予告演出用画像データ等を、画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出や予告演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。また、演出表示器102での2個のLEDによる変動表示(点滅表示)も実行する。
また、S4507では、左打ち指示フラグがONであるか否かを判定し、ONであれば、左打ち指示画像表示コマンドを変動演出開始コマンドに含めてサブ出力バッファにセットする。ここで、左打ち指示フラグは、前述のS4502にて変動開始コマンドを解析した結果、当該変動開始コマンドに遊技状態変化情報が含まれている場合、すなわち、遊技状態が高ベース状態(右打ち遊技状態)から低ベース状態(左打ち遊技状態)に移行(変化)する場合に、ONとなるフラグである。変動演出開始コマンドとともに左打ち指示画像表示コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、前述の変動演出用画像データや予告演出用画像データに加え、左打ち指示報知用画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出や予告演出、左打ち指示報知等を、画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。また、左打ち指示報知の実行(開始)に伴い、それまでの高ベース状態で表示していた右打ち指示画像71(図44(b)を参照)を、表示画面7a上から消去する。
尚、前述のS4502における変動開始コマンドの解析結果に基づきONとなった左打ち指示フラグは、左打ち指示画像表示コマンド(変動開始コマンド)をサブ出力バッファにセットすること、または、左打ち指示画像表示コマンド(変動開始コマンド)を画像制御基板100に送信することに基づいて、OFFとなる。また、これに伴い、演出制御用マイコン91は、後述する右打ち表示フラグをOFFにする。
ここで、本実施例の画像表示装置7(表示画面7a)で行われる左打ち指示報知は、図44(c)に示すように、表示画面7aに設けられる左打ち表示領域70cに、左遊技領域3Aに向けて遊技球を発射することを指示する左打ち指示画像70を表示することにより行われる。左打ち指示画像70は、「左打ちに戻してください」の文字を表す左打ち文字画像70aと、左打ち文字画像70aの上方に位置する3つの左矢印画像70bとからなる。本実施例では、この左打ち指示画像70を、遊技状態が高ベース状態から低ベース状態に移行して最初の演出図柄8の変動開始に伴って、表示画面7aの中央近傍(左打ち表示領域70c)に表示する。これにより、それまで高ベース状態にて右打ちを行って遊技(図柄変動遊技)を進めていた遊技者に対し、低ベース状態への移行に伴い左打ちを行う(左打ちに戻す)ことを積極的に促すものとなっている。尚、左打ち指示画像70は、表示画面7a(左打ち表示領域70c)に表示した後、所定時間(例えば5秒)が経過することで消去される(左打ち指示報知が終了する)。
[右打ち指示画像表示処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)における大当り遊技関連処理(S4406)のサブルーチンとして実行される右打ち指示画像表示処理(S4600)について説明する。図43に示すように、右打ち指示画像表示処理(S4600)では、まず、右打ち表示フラグがOFFであるか否かを判定する(S4601)。ここで、右打ち表示フラグとは、右打ち指示画像71を画像表示装置7の表示画面7a(右打ち表示領域71c)に表示中であるか否かを示す(判別する)ためのフラグであり、OFFの場合は表示していないことを示し、ONの場合は表示中であることを示す。S4601にて右打ち表示フラグがOFFでないと判定した場合(S4601でNO)、すなわち、右打ち表示フラグがONである場合には、右打ち指示画像71を表示中であるため、S4602以降の処理を行うことなく本処理を終える。
一方、S4601にて右打ち表示フラグがOFFであると判定した場合(S4601でYES)、先のS4405で受信した大当り遊技関連コマンドが1R開始コマンドであるか否かを判定する(S4602)。大当り遊技関連処理(S4406)は、前述のように大当り遊技関連コマンドの受信(S4405でYES)を契機として実行されるので、S4602では、そのS4406の処理の実行契機となった大当り遊技関連コマンドが1R開始コマンドであるか否かを判定する。その結果、1R開始コマンドでない場合は(S4602でNO)、S4603以降の処理を行うことなく本処理を終える。
一方、S4602にて1R開始コマンドであると判定した場合(S4602でYES)、右打ち指示画像表示開始コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4603)、右打ち表示フラグをONにして(S4604)、本処理を終える。S4603でセットした右打ち指示画像表示開始コマンドは、1R開始コマンドの受信に基づくS4406の処理でサブ出力バッファにセットされる1R開始演出コマンドとともに、コマンド送信処理(S4006)によって画像制御基板100に送信される。これにより、画像表示装置7の表示画面7aでは、図44(a)に示すように、画面略全体でラウンド演出表示が行われるとともに、画面左上に設けられるラウンド数表示領域72aに現在のラウンド数を示すラウンド数画像72(ここでは「1R」)が表示され、画面右上に設けられる右打ち表示領域71cに右打ち指示画像71が表示される。ここで、本実施例の右打ち指示画像71は、図44(a),(b)に示すように、「右打ち」の文字を表す右打ち文字画像71aと、右打ち文字画像71aの下方に位置する1つの右矢印画像71bとからなる。この右打ち指示画像71は、前述した初当り用右打ち指示報知の動画像表示や左打ち指示画像70に比して表示サイズが小さいものとなっている。
また、本実施例の右打ち指示画像71は、前述のS4602およびS4603の処理により、大当り遊技の1ラウンド目の開始に伴って表示が開始された後、S4604の処理でONとなった右打ち表示フラグがOFFになるまで、その表示が継続される。右打ち表示フラグは、前述したように、高ベース状態にて特別図柄の変動表示が行われるなか、当該高ベース状態が終了することとなる回数の特別図柄の変動表示(例えば時短遊技状態での100回の変動表示)が行われ、遊技状態が低ベース状態(低確低ベース状態)となって最初の特別図柄の変動表示が開始されるタイミングでOFFとなる。したがって、本実施例における右打ち指示画像71の表示(画像表示装置7による右打ち指示報知)は、初当りに係る大当り遊技の1ラウンド目の開始から、その後に高ベース状態が所定回数の特別図柄の変動表示の実行に基づき終了するまで、表示画面7a上の右打ち表示領域71cにて行われる。本実施例では、大当り遊技後の遊技状態は、その大当りが確変大当りであれば確変遊技状態となり、非確変大当り(通常大当り)であれば時短遊技状態となるので、結局のところ、大当り遊技後は必ず高ベース状態となる。よって、初当り後、高ベース状態にて大当りが発生することなく高ベース状態が終了するまでは、右打ち指示画像71の表示(画像表示装置7による右打ち指示報知)が右打ち表示領域71cにて継続的に行われる。
具体的には、初当りに係る大当り遊技の1ラウンド目の開始に伴って右打ち表示領域71cにて右打ち指示画像71の表示が開始されると(図44(a)を参照)、この右打ち指示画像71の表示は、大当り遊技後の高ベース状態(高確高ベース状態または低確高ベース状態)においても継続される(図44(b)を参照)。その後、例えば、高ベース状態で大当り(つまり「連チャン」)となった場合、初当りに係る1ラウンド目から継続中の右打ち指示画像71の表示は、連チャンに係る大当り遊技のファンファーレ演出、ラウンド演出およびエンディング演出が画像表示装置7(表示画面7a)で実行される間も継続され、その後の高ベース状態(高確高ベース状態または低確高ベース状態)においても継続される。また、高ベース状態で大当りが発生することなく、高ベース状態の終了条件が成立した場合、例えば、高ベース状態が時短遊技状態(低確高ベース状態)であって該時短遊技状態にて特別図柄の変動表示が100回行われた場合(図31のS1909,S1910を参照)、次の変動表示の開始に伴い右打ち指示画像71の表示が終了する(右打ち指示画像71が消去される)とともに、左打ち表示領域70cにて左打ち指示画像70の表示(画像表示装置7による左打ち指示報知)が行われる(図44(c)を参照)。
[リーチ演出]
次に、前述のS4505にて設定された変動演出パターンがリーチ変動に係るパターン(リーチ演出パターン)である場合に実行される本実施例のリーチ演出について説明する。本実施例では、前述のS4502にて変動開始コマンドを解析した結果、当該変動開始コマンドに含まれる変動パターン指定コマンドが、変動時間30000ms以上の変動パターン(P1〜P6,P8〜P10、P12〜P17、P19〜P21の何れか)を指定するものである場合に、当該特別図柄の変動表示にてリーチ演出が実行されるものとなっている。この場合、前述のS4504では、図45(b)に示すリーチ演出パターン決定テーブルがセットされ、当該テーブルと、前述のS4501において取得した変動演出決定用乱数とに基づいて、リーチ演出パターンが決定される。尚、本実施例では、変動演出決定用乱数を「0〜99」の範囲で値をとるものとしている。
本実施例では、前述したように、リーチA、リーチB、SPリーチA、SPリーチB、SPリーチCおよびSPリーチDの6種類のリーチ演出を備えるものとなっている。このことに対応して、図45(b)に示す本実施例のリーチ演出パターン決定テーブルでは、前述のS4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される今回の特別図柄の変動表示に係る変動パターンと、前述のS4501で取得される変動演出決定用乱数とに基づいて、リーチ演出パターンを、「リーチA」、「リーチB」、「SPリーチA」、「SPリーチB」、「SPリーチC」および「SPリーチD」の何れかに決定することが可能なデータ構造となっている。具体的には、特別図柄の変動パターン「P1,P12」、「P2,P13」、「P3,P14」、「P4,P8,P15,P19」、「P5,P9,P16,P20」、「P6,P10,P17,P21」(図9を参照)の各々について、変動演出決定用乱数値(0〜99)を、前述した6種類のリーチ演出のうちの何れかに割り当てたものとなっている。尚、図45(b)に示すリーチ演出パターン決定テーブルのうち「−」は乱数値を割り当てていないことを示しており、この部分は選択対象とならない(選択されない)。
ここで、本実施例に係る6種類のリーチ演出の内容について説明する。尚、各リーチ演出の演出内容(演出態様)には、ぞれぞれ、特別図柄当否判定の結果が大当り(つまり、特別図柄の変動パターンが大当り変動パターン)である場合に対応するものと、外れ(つまり、特別図柄の変動パターンが外れ変動パターン)である場合に対応するものとが含まれている。
まず、リーチAおよびリーチBは、ともに変動時間が30000msの変動パターン(図9を参照)に対応するノーマルリーチ演出である。具体的には、図46(a)に示すように、画像表示装置7の表示画面7aにて、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動開始してスクロール表示を行うなか、所定のタイミングで左演出図柄8L(第1停止図柄)と右演出図柄8R(第2停止図柄)が同じ図柄で停止(仮停止)してリーチが成立するまでは、リーチAとリーチBとで同様の態様となっている(a1、a2)。そして、リーチAでは、リーチ成立後、中演出図柄8C(最終停止図柄)がスクロール表示を変動終了まで継続して行い、該スクロール表示の終了により中演出図柄8C(最終停止図柄)が停止した後、演出図柄8がゾロ目(大当り態様)またはバラケ目(外れ態様)で確定停止する(a2→a3)。尚、図中「a3」では、演出図柄8がゾロ目(大当り態様)で確定停止した様子を示している。
一方、リーチBでは、リーチ成立後、中演出図柄8C(最終停止図柄)がスクロール表示をしばらく行ってから、当該中演出図柄8Cの変動表示の態様がスクロール態様(本例では縦スクロール態様)から切替態様に変化して、中演出図柄8Cが切替表示を行う(a2→a2’)。そして、切替表示の終了により中演出図柄8C(最終停止図柄)が停止した後、演出図柄8がゾロ目(大当り態様)またはバラケ目(外れ態様)で確定停止する(a2’→a3)。尚、本実施例の切替態様による変動表示(切替表示)は、演出図柄を横方向(本例では右から左)に回転させて図柄の裏表を入れ替えることで数字(およびキャラクタ)を昇順で切り替えていくものとしている(横切替態様)。また、リーチAおよびリーチBに係るリーチ演出が実行される際には、当該変動演出の開始から終了まで、小演出図柄18が表示画面7a上に表示され、特別図柄(および演出図柄8)と同期して変動表示および停止表示が行われる。
次に、SPリーチAは、変動時間が45000msの変動パターン(図9を参照)に対応するスーパーリーチ演出である。具体的には、図46(b)に示すように、画像表示装置7の表示画面7aにて、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動開始してスクロール表示を行うなか、所定のタイミングで左演出図柄8L(第1停止図柄)と右演出図柄8R(第2停止図柄)が同じ図柄で停止(仮停止)してリーチ成立となった後(b1、b2)、3つの演出図柄8L,8C,8Rを表示画面7a上から消去して、SPリーチA用の演出動画(ムービー)の表示を開始する(b3)。その後、当該演出動画の表示が、特別図柄当否判定の結果(つまり、特別図柄の変動パターン)に応じた態様(例えば、大当りの場合は成功、外れの場合は失敗)で終了し、これに伴って演出図柄8がゾロ目(大当り態様)またはバラケ目(外れ態様)で確定停止する(b3→b4)。尚、図中「b4」では、演出図柄8がゾロ目(大当り態様)で確定停止した様子を示している。また、SPリーチAに係るリーチ演出が実行される際には、当該変動演出の開始から終了まで、小演出図柄18が表示画面7a上に表示され、特別図柄(および演出図柄8)と同期して変動表示および停止表示が行われる。
また、SPリーチBは、変動時間が45000msの変動パターン(図9を参照)に対応するスーパーリーチ演出である。具体的には、図47(a)に示すように、画像表示装置7の表示画面7aにて、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動開始してスクロール表示を行うなか、所定のタイミングで左演出図柄8L(第1停止図柄)と右演出図柄8R(第2停止図柄)が同じ図柄で停止(仮停止)してリーチ成立となった後(c1、c2)、当該リーチ状態にある3つの演出図柄8L,8C,8Rが表示画面7aの右下に移動して縮小表示されるとともに、中演出図柄8Cの変動表示の態様がスクロール態様から切替態様に変化して、中演出図柄8Cが切替表示を行う(c2→c3)。
そして、演出図柄8の縮小表示および中演出図柄8Cの切替表示の開始に伴い、表示画面7aでSPリーチB用の演出動画の表示が開始される(c3)。この後、当該演出動画の表示が、特別図柄当否判定の結果に応じた態様で終了することに伴い、表示画面7aの右下に縮小表示されている演出図柄8が元の表示位置(画面略中央)に移動して元の大きさに拡大表示され、ゾロ目(大当り態様)またはバラケ目(外れ態様)で確定停止する(c3→c4)。尚、図中「c4」では、演出図柄8がゾロ目(大当り態様)で確定停止した様子を示している。また、SPリーチBに係るリーチ演出が実行される際、演出図柄8が表示画面7aの右下に縮小表示されて演出動画の表示が行われるときには、小演出図柄18が非表示となるが(図47(a)の「c3」を参照)、それ以外のときには、小演出図柄18が表示画面7a上に表示され、特別図柄(および演出図柄8)と同期して変動表示および停止表示が行われる。小演出図柄18を非表示とするのは、その際に演出図柄8が表示画面7aの右下に縮小表示されているからであり、表示サイズの小さい演出図柄の表示が重複するのを避けるためである。
また、SPリーチCは、変動時間が75000msの変動パターン(図9を参照)に対応するスーパーリーチ演出である。SPリーチCに係るリーチ演出は、図47(a)に示した前述のSPリーチBに係るリーチ演出と同様の流れ(c1〜c4)で行われるものであり、SPリーチBとは、変動時間(演出時間)、リーチ成立後に表示される演出動画の内容等が異なる他は、基本的に同様である。
尚、SPリーチA〜Cにて表示する演出動画は、各SPリーチ固有の内容された演出動画を設けたり、各SPリーチ共通の内容とされた演出動画を設けたりすることが可能であり、これら演出動画の中から、変動パターン(特別図柄当否判定の結果や変動時間等)に適した演出動画を選択して、SPリーチ演出を実行することが可能である。
次に、SPリーチDは、変動時間が75000msの変動パターン(図9を参照)に対応するスーパーリーチ演出である。具体的には、図47(b)に示すように、画像表示装置7の表示画面7aにて、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動開始してスクロール表示を行うなか、所定のタイミングで左演出図柄8L(第1停止図柄)と右演出図柄8R(第2停止図柄)が同じ図柄で停止(仮停止)してリーチ成立となった後(d1、d2)、中演出図柄8C(最終停止図柄)がしばらくスクロール表示を行い、その後、中演出図柄8Cの変動速度が減速するタイミング(仮停止動作に移るタイミング)で発展図柄(図45(a)を参照)が表示画面7a上に出現し、当該発展図柄が中演出図柄8C(最終停止図柄)として停止(仮停止)する(d3)。続いて、仮停止した3つの演出図柄8L,8C,8Rのうち中演出図柄8Cが変動表示を再開しつつ、これらの演出図柄8が表示画面7aの右下に移動して縮小表示され、これに伴い発展演出用の演出動画(ムービー)の表示(つまり、発展演出)が開始される(d3→d4)。このとき、中演出図柄8Cの変動表示の態様は、前述のSPリーチB,Cにおける演出図柄8の縮小表示の場合(図47(a)の「c3」を参照)と同様に、切替態様(切替表示)となる。尚、発展演出は、SPリーチ演出に比べ大当り信頼度(期待度)が高い位置付けの演出とされるものである。
そして、発展演出用の演出動画の表示(「特別演出表示」ともいう)が、特別図柄当否判定の結果(つまり、特別図柄の変動パターン)に応じた態様(例えば、大当りの場合は成功、外れの場合は失敗)で終了することに伴い、表示画面7aの右下に縮小表示されている演出図柄8が元の表示位置(画面略中央)に移動して元の大きさに拡大表示され、ゾロ目(大当り態様)またはバラケ目(外れ態様)で確定停止する(d4→d5)。尚、図中「d5」では、演出図柄8がゾロ目(大当り態様)で確定停止した様子を示している。また、SPリーチDに係るリーチ演出が実行される際、前述のSPリーチB,Cの場合と同様に、演出図柄8が表示画面7aの右下に縮小表示されて演出動画の表示が行われるときには、小演出図柄18が非表示となるが(図47(b)の「d4」を参照)、それ以外のときには、小演出図柄18が表示画面7a上に表示され、特別図柄(および演出図柄8)と同期して変動表示および停止表示が行われる。
ここで、リーチ成立後に発展図柄が出現して、中演出図柄8C(最終停止図柄)が仮停止するまでの演出表示(「所定演出表示」ともいう)の内容について説明する。本実施例では、リーチ成立後に発展図柄が出現する態様を、前述したSPリーチDの他、リーチAの外れパターン(外れリーチA)の一態様としても設けてある。そのうち、SPリーチDに係るリーチ演出の実行に際しては、図48の「2−1」〜「2−3」に示すように、リーチ成立後、中演出図柄8C(最終停止図柄)が表示画面7aの上から下に向かってスクロール表示するなか、そのスクロール速度(変動速度)が減速して、リーチ成立の図柄(リーチ図柄、ここでは「7」の図柄)の1つ手前の図柄(ここでは「6」の図柄)が停止位置を通過するタイミングで、これに続く停止演出図柄として発展図柄が出現する(図48の「2−1」、「2−2」を参照)。この後、発展図柄が停止位置までスクロールして、当該停止位置にて仮停止する(図48の「2−3」を参照)。一方、外れリーチAに係るリーチ演出の実行に際しては、リーチ成立後、発展図柄の出現まではSPリーチDと同様にして行われる(図48の「2−1」、「2−2」を参照)。そして、発展図柄が表示画面7aの下方に向かってスクロール表示して停止位置を通過し、これに続いて、リーチ図柄(ここでは「7」)を1つ超えた図柄(ここでは「8」の図柄)が最終停止図柄として停止位置に仮停止する(図48の「2−3’」を参照)。この後、演出図柄8がバラケ目(外れ態様)で確定停止する。
このように、SPリーチDだけでなく、外れリーチAにも発展図柄が出現する態様(いわゆる「ガセパターン」)を設けることで、発展図柄が出現しても発展演出の実行が確定するとは限らないようにすることが可能となり、発展図柄が停止して発展演出が行われるか否かに関し遊技者を煽ることが可能となる。
尚、外れリーチAにて発展図柄を出現させるか否かの決定(選択)は、別途、演出内容の詳細を決定するための乱数抽選により行うことができる。また、発展図柄が出現するガセパターンを、外れリーチAだけでなく、外れリーチBや外れSPリーチA〜Cの一態様として設けることも可能である。さらに、リーチA,BおよびSPリーチA〜Dのそれぞれについて、図46および図47に示した演出の流れを基本として、演出内容の詳細が異なる種々の演出パターンを設け、リーチA,BおよびSPリーチA〜Dの基本的なリーチ演出パターンを決定(選択)した上で、演出内容の詳細を乱数抽選により決定(選択)することも可能である。
以上のようなリーチA,BおよびSPリーチA〜Dのうちの何れかを、図45(b)に示すリーチ演出パターン決定テーブルを用いて選択することが可能となっている。このリーチ演出パターン決定テーブルでは、特別図柄の変動時間の長短や当否判定結果(つまり、特別図柄の変動パターン)を考慮して、変動演出決定用乱数値(0〜99)を夫々のリーチ演出に割り当てており、これにより、リーチ演出パターンの選択率(出現率、実行確率)や大当り信頼度等が定まっている。
具体的に、図45(b)に示すように、リーチAおよびリーチBは、特別図柄の変動パターンが「P3,P14」(大当り)、「P6,P10,P17,P21」(外れ)の何れかである場合に選択(実行)され得るものとなっており、それ以外の変動パターンの場合には選択されないものとなっている。そして、大当り変動パターン「P3,P14」の場合は、リーチAよりもリーチBの方が、選択率が高くなっており(リーチA:40%、リーチB:60%)、外れ変動パターン「P6,P10,P17,P21」の場合は、リーチBよりもリーチAの方が、選択率が高くなっている(リーチA:60%、リーチB:40%)。つまり、リーチAおよびリーチBに関し、大当りの場合はリーチAよりリーチBの方が選択されやすく、外れの場合はリーチBよりリーチAの方が選択されやすいものとなっている。
また、図45(b)に示すように、SPリーチAおよびSPリーチBは、特別図柄の変動パターンが「P2,P13」(大当り)、「P5,P9,P16,P20」(外れ)の何れかである場合に選択(実行)され得るものとなっており、それ以外の変動パターンの場合には選択されないものとなっている。そして、大当り変動パターン「P2,P13」の場合は、SPリーチAよりもSPリーチBの方が、選択率が高くなっており(SPリーチA:35%、SPリーチB:65%)、外れ変動パターン「P5,P9,P16,P20」の場合は、SPリーチBよりもSPリーチAの方が、選択率が高くなっている(SPリーチA:65%、SPリーチB:35%)。つまり、SPリーチAおよびSPリーチBに関し、大当りの場合はSPリーチAよりSPリーチBの方が選択されやすく、外れの場合はSPリーチBよりSPリーチAの方が選択されやすいものとなっている。
さらに、図45(b)に示すように、SPリーチCおよびSPリーチDは、特別図柄の変動パターンが「P1,P12」(大当り)、「P4,P8,P15,P19」(外れ)の何れかである場合に選択(実行)され得るものとなっており、それ以外の変動パターンの場合には選択されないものとなっている。そして、大当り変動パターン「P1,P12」の場合は、SPリーチCよりもSPリーチDの方が、選択率が高くなっており(SPリーチC:30%、SPリーチD:70%)、外れ変動パターン「P4,P8,P15,P19」の場合は、SPリーチDよりもSPリーチCの方が、選択率が高くなっている(SPリーチC:70%、SPリーチD:30%)。つまり、SPリーチCおよびSPリーチDに関し、大当りの場合はSPリーチCよりSPリーチDの方が選択されやすく、外れの場合はSPリーチDよりSPリーチCの方が選択されやすいものとなっている。
このようなリーチ演出パターン決定テーブルにより、本パチンコ遊技機1では、ノーマルリーチ演出であるリーチAとリーチBについては、リーチAよりもリーチBの方が大当り信頼度(期待度)の高いリーチ演出となっており、スーパーリーチ演出であるSPリーチAとSPリーチBについては、SPリーチAよりもSPリーチBの方が大当り信頼度(期待度)の高いリーチ演出となっており、SPリーチCとSPリーチDについては、SPリーチCよりもSPリーチDの方が大当り信頼度(期待度)の高いリーチ演出となっている。また、リーチ演出の演出内容としては、SPリーチDが最も期待度の高い演出内容となるように設定してあり、以下、SPリーチC、SPリーチB、SPリーチA、リーチB、リーチAの順で期待度が低くなるように設定してある。
[実施例1の作用効果]
以上に説明した本実施例のパチンコ遊技機1では、サブ制御基板90(サブ制御部)および画像制御基板100(画像制御部)による制御下で、主制御基板80(主制御部)からの変動開始コマンドの受信を契機として、画像表示装置7の表示画面7aにて演出図柄8(8L,8C,8R)の変動表示を行うものとなっている。この演出図柄8の変動表示は、原則、スクロール態様(スクロール表示)で行われるが、変動開始から変動終了までの所定時期(本例ではリーチ成立後の所定時期)に、3つの演出図柄8L,8C,8Rのうち中演出図柄8Cの変動表示の態様が、スクロール態様から切替態様に変化する場合があるものとなっている(図46(a)、図47(a),(b)等を参照)。これにより、演出図柄8の変動表示の態様を多様化して、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
特に、本実施例のパチンコ遊技機1では、演出図柄8の変動表示の態様として、演出図柄をスクロール表示させる「スクロール態様」と、演出図柄を切替表示させる「切替態様」とを備えており、スクロール態様では演出図柄を縦方向(本例では上から下)にスクロール表示させ(縦スクロール態様)、切替態様では演出図柄を横方向(本例では右から左)に回転表示(切替表示)させるもの(横切替態様)となっている。つまり、演出図柄8の変動表示の方向(変動方向)を、縦方向から、該縦方向に交差する横方向に変化させるものとなっている。これにより、変動表示の態様変化を、変動表示の仕方(種類、方法)の違いや変動表示の方向(変動方向)の違いによって示すことが可能となり、遊技者にとって分かり易くすることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、複数種(本例では6種類)のリーチ演出のうち、大当り信頼度(期待度)が相対的に高いリーチ演出(例えば、リーチAとリーチBではリーチB、SPリーチA〜DではSPリーチB,C,D)にて演出図柄8(本例では中演出図柄8C)の変動表示の態様変化を実行するものとなっており、特別図柄当否判定の結果が大当りである場合には、外れの場合に比べ、演出図柄8の変動表示の態様が変化する可能性が高いものとなっている。このため、演出図柄8の変動表示が開始された後、変動表示の態様の変化の有無によって、大当り遊技の実行(大当り)に対する期待度を示唆することが可能となる。これにより、演出図柄8の変動表示の態様変化に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、リーチ演出(特定演出)の実行に伴って、演出図柄8の変動表示の態様を変化させることが可能となっている。具体的には、リーチB(ノーマルリーチ演出)や、SPリーチB〜D(スーパーリーチ演出)によるリーチ演出パターンに基づく演出図柄8の変動表示に際して、リーチが成立した後、最終停止図柄である中演出図柄8Cがスクロール態様で変動表示(スクロール表示)している状況下で、その変動表示の態様が、スクロール態様から切替態様に変化するものとなっている。このため、リーチ成立の前後(つまり、リーチ演出の実行前後)で、演出図柄8の変動表示の態様が変化し得るものとなる。これにより、リーチ演出とともに変動表示の態様変化に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、演出図柄8(本例では中演出図柄8C)の変動表示の態様を変化させる場合、その演出図柄8の表示サイズを変化前に比して小さくして、表示画面7aの隅(本例では画面右下)に表示するものとなっている。このため、遊技者にしてみれば、表示サイズ(視認サイズ)が小さくなった演出図柄8の変動表示を注目することで、変動表示の態様が変化したこと、つまり、変化後の態様を認識することが可能となる。これにより、演出図柄8の変動表示の態様変化に遊技者の興味を一層惹きつけることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、画像表示装置7の表示画面7aに、少なくとも、演出図柄表示領域7bと小演出図柄表示領域7cが設けられており、演出図柄表示領域7bに演出図柄8を表示し、小演出図柄表示領域7cに演出図柄8よりも表示サイズの小さい小演出図柄18(第4図柄)を表示するものとなっている。そして、演出図柄8および小演出図柄18のうち、演出図柄8の変動表示の態様を変化させることが可能となっている。これにより、表示サイズが相対的に大きい演出図柄8の変動表示の態様が変化し得るものとなり、演出図柄8の変動表示の態様変化に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、所定のリーチ演出パターン(本例では、SPリーチDおよび外れリーチA)に基づく変動演出の実行に際し、リーチ成立後、表示画面7aに普段の変動表示(変動演出)では表示されることのない発展図柄(特殊画像種の所定画像)が出現する演出表示(所定演出表示)を実行することが可能となっている(図48を参照)。当該演出表示(所定演出表示)は、左演出図柄8Lと右演出図柄8Rが同じ図柄(数字)で仮停止した状態(リーチ状態)を表示画面7a上に表示しつつ、左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとの間に位置する中演出図柄8C(最終停止図柄)として、発展図柄を表示するものである。そして、発展図柄(所定画像)は、その左右に位置する左演出図柄8Lおよび右演出図柄8R(他の画像)に対して、画面手前側(前方側)に位置するように表示するものとなっている(図47(b)の「d3」、図48の「2−3」等を参照)。つまり、発展図柄(所定画像)を、左演出図柄8Lおよび右演出図柄8R(他の画像)との前後位置関係が異なるように表示するものとなっている。このように、リーチ成立後、中演出図柄8C(最終停止図柄)が仮停止するまでに発展図柄を出現させて、該発展図柄を左右演出図柄8L,8Rよりも手前側(前方側)に表示することで、発展図柄が停止(仮停止)するか否かの演出表示(所定演出表示)に遊技者の興味を惹きつけて、興趣を向上させることが可能となる。
特に、中演出図柄8C(最終停止図柄)として発展図柄が表示される(出現する)のは、他の通常図柄種の演出図柄(図45(a)の上欄を参照)が表示されているとき(本例ではリーチ演出中)であり、このとき、通常図柄種の中演出図柄8C(通常画像種の所定画像)は、左右演出図柄8L,8R(ともに通常図柄種)よりも奥側(後方側)に表示されるのに対し、特殊図柄種の中演出図柄8Cである発展図柄(特別画像種の所定画像)は、左右演出図柄8L,8Rよりも手前側(前方側)に表示されるものとなっている。このように、中演出図柄8C(最終停止図柄)として表示される図柄の種類(所定画像の種類)に応じて、発展図柄(所定画像)とそれ以外の演出図柄(他の画像)との前後位置関係に差異が生じることとなる。これにより、発展図柄が停止(仮停止)するか否かの演出表示(所定演出表示)に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、演出図柄8の変動表示(変動演出)の実行に際して、当該変動演出に係る演出パターン(変動演出パターン)を、特別図柄当否判定の結果、すなわち、特別図柄の変動パターンに基づいて選択するものとなっており、変動演出としてリーチ演出を実行する場合には、そのリーチ演出パターンを特別図柄の変動パターンに基づいて選択するものとなっている(S4505)。また、これに付随して、変動演出パターンに応じた演出図柄8の停止演出図柄(所定画像)も選択するものとなっている(S4505)。そして、特別図柄当否判定の結果が大当り(特定結果)である場合には、前述の発展図柄(特殊画像種の所定画像)が表示される(出現する)リーチ演出パターン(例えば前述のリーチBやSPリーチB,D)は、発展図柄が表示されない(出現しない)リーチ演出パターン(例えば前述のリーチAやSPリーチA)に比べ、選択率が高くなっている(図45(b)を参照)。
つまり、演出図柄8の変動表示の実行に際して、演出図柄8の停止演出図柄を選択するものとなっており、停止演出図柄として選択可能な演出図柄には、通常図柄種の演出図柄(通常画像種の所定画像)と、当該通常図柄種の演出図柄に比べ、特別図柄当否判定の結果が大当りである場合に選択される可能性の高い発展図柄(特殊画像種の所定画像)とが含まれている。そして、中演出図柄8Cとして発展図柄(特殊画像種の所定画像)が表示される場合、その発展図柄は、左右演出図柄8L,8R(他の画像)よりも手前側(前方側)に表示され、中演出図柄8Cとして通常図柄種の演出図柄(通常画像種の所定画像)が表示される場合、その通常図柄種の演出図柄は左右演出図柄8L,8R(他の画像)よりも奥側(後方側)に表示されるものとなっている。このため、リーチ演出中に発展図柄が停止(仮停止)するか否かの演出表示(所定演出表示)が行われる場合、中演出図柄8Cとして通常図柄種の演出図柄が左右演出図柄8L,8R(他の画像)より奥側(後方側)に仮停止して表示されるのと、中演出図柄8Cとして発展図柄が左右演出図柄8L,8R(他の画像)より手前側(前方側)に仮停止して表示されるのとでは、前者よりも後者の方が、大当りの期待度は高くなる。これにより、中演出図柄8Cと左右演出図柄8L,8Rとの前後位置関係によって期待度を示唆することが可能となり、中演出図柄8Cとして発展図柄が停止(仮停止)するか否かの演出表示に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、リーチ成立後、発展図柄が仮停止した場合には、これに続いて、発展演出用の演出動画の表示(特別演出表示)が実行されるものとなっている(図47の「d3」、「d4」を参照)。これにより、リーチ成立を経て発展図柄が仮停止した後の演出の展開に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
さらに、本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技領域3のうち右遊技領域3B(所定の領域)に向けて遊技球を発射(右打ち)して遊技を行う右打ち遊技状態(所定遊技状態)として、少なくとも、特別遊技状態(第1所定遊技状態)と高ベース状態(第2所定遊技状態)とを備えるものとなっている。また、右遊技領域3Bに向けて遊技球を発射することを指示する右打ち指示報知(所定指示報知)を、特別遊技状態(大当り遊技)と高ベース状態(確変遊技状態、時短遊技状態)とで、同様の態様で実行することが可能となっている。これにより、遊技者にとっては、特別遊技状態と高ベース状態とで遊技状態は異なるものの、右打ち指示報知が同様の態様で実行されるので、特別遊技状態と高ベース状態の何れの遊技状態であっても、右打ち指示報知を認識し易いものとなる。
特に、本実施例のパチンコ遊技機1では、大当り遊技の1ラウンド目開始に伴って、画像表示装置7(表示画面7a)の右打ち表示領域71cに右打ち指示画像71を表示し、右打ち指示報知を開始(実行)するものとなっている。そして、当該右打ち指示報知(右打ち表示領域71cでの右打ち指示画像71の表示)を、大当り遊技が終了するまで(本例ではエンディング演出が終了するまで)継続して実行するとともに、大当り遊技後に遊技状態が高ベース状態(高確高ベース状態または低確高ベース状態)に移行した後も、継続して実行するものとなっている。つまり、右打ち表示領域71cに右打ち指示画像71を表示する態様(所定の態様)の右打ち指示報知を、大当り遊技の開始(1ラウンド目)から高ベース状態中にかけて継続的に実行するものとなっている。これにより、遊技者にとっては、遊技状態が特別遊技状態から高ベース状態に移行したとしても、その移行前後で右打ち指示報知が同様の態様で実行されることとなるので、右打ち指示報知を認識し易いものとなる。特に、特別遊技状態と高ベース状態とで、同じ右打ち指示画像71が同じ表示位置(右打ち表示領域71c)に表示されるので、右打ち指示報知の認識のし易さは、より顕著なものとなる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、高ベース状態にて大当り(連チャン)となり、当該大当り(連チャン)に係る大当り遊技の実行に際し、高ベース状態中に行っていた右打ち指示報知(右打ち表示領域71cでの右打ち指示画像71の表示)を、その連チャンに係る大当り遊技においても継続して実行するものとなっている。つまり、右打ち表示領域71cに右打ち指示画像71を表示する態様(所定の態様)の右打ち指示報知を、高ベース状態から大当り遊技中にかけて継続的に実行するものとなっている。これにより、遊技者にとっては、遊技状態が高ベース状態から特別遊技状態に移行したとしても、その移行前後で右打ち指示報知が同様の態様で実行されることとなるので、右打ち指示報知を認識し易いものとなる。特に、高ベース状態と特別遊技状態とで、同じ右打ち指示画像71が同じ表示位置(右打ち表示領域71c)に表示されるので、右打ち指示報知の認識のし易さは、より顕著なものとなる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、低確低ベース状態にて大当り(初当り)となった場合のオープニング演出として、初当り用右打ち指示報知を含む初当りオープニング演出を行うものとなっている。初当り用右打ち指示報知は、右遊技領域3Bの下部に位置する大入賞口30に遊技球が入球する様子を描いた動画像を表示画面7aの略中央に表示するものであり、右打ち表示領域71cに右打ち指示画像71を表示する右打ち指示報知に比して目立つ態様となっている。このため、低ベース状態で左打ちを行って遊技を進めてきた遊技者に対しは、大当り遊技の開始に際して右打ちを行うことを、積極的に促すことが可能となる。
一方、高ベース状態にて大当り(連チャン)となった場合のオープニング演出(連チャンオープニング演出)では、初当りオープニング演出のような初当り用右打ち指示報知(画面略中央での右打ちを促す動画像表示)を行わず、高ベース状態中に行っていた右打ち指示報知(右打ち表示領域71cでの右打ち指示画像71の表示)をそのまま行うものとなっている。これにより、連チャンを繰り返すことで大袈裟な右打ち指示報知が何度も行われることを回避して、遊技者に煩わしさを感じさせないようにすることが可能となる。特に、高ベース状態中の右打ち指示報知は、その高ベース状態に移行する前の特別遊技状態(大当り遊技時)から同じ態様(同じ画像、同じ表示位置)で継続して実行されているものなので、遊技者にしてみれば、連チャンが発生した時点では、右打ちを行うことを十分に認識している状況にあるといえる。このことからも、連チャンオープニング演出にて、初当りオープニング演出と同様な右打ち指示報知を行うことなく、高ベース状態中の右打ち指示報知をそのまま行うことは、遊技者心理を考慮した有効な指示報知であるといえる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、初当りに係る大当り遊技の開始を契機として、その1ラウンド目の開始から、その後の高ベース状態が所定回数の特別図柄の変動表示の実行に基づき終了するまで、右打ち表示領域71cに右打ち指示画像71を表示し続けるものとなっている。つまり、初当りに係る大当り遊技の1ラウンド目開始から連チャン期間の終了まで一貫して、表示画面7aの隅の方(本例では画面右上)に右打ち指示画像を画面サイズに比して小さく表示して、右打ち指示報知を目立ち過ぎない態様で行うものとなっている。これにより、画像表示装置7の表示画面7aで実行される大当り遊技演出や高ベース状態中の演出図柄遊技演出等の妨げになることを回避しつつ、遊技者に右打ちを行う遊技状態であることを十分に認識させる(印象付ける)ことが可能となる。
尚、前述の実施例1では、3つの演出図柄8L,8C,8Rのうち、中演出図柄8Cの変動表示の態様をリーチ成立後にスクロール態様から切替態様に変化させるものとしていたが、例えば、3つの演出図柄8L,8C,8Rすべての変動表示の態様を、リーチ成立前であって第1停止図柄の停止前にスクロール態様から切替態様に変化させたり、3つの演出図柄8L,8C,8Rのうち右演出図柄8R(第2停止図柄)および中演出図柄8C(最終停止図柄)の2つの演出図柄に係る変動表示の態様を、リーチ成立前であって第1停止図柄の停止後(第2停止図柄の停止前)にスクロール態様から切替態様に変化させたりする等、変動表示の態様を変化させる演出図柄の数や時期は特に問わない。また、演出図柄の変動開始から終了までに変動表示の態様を変化させる回数は1回に限らず、例えば、縦スクロール態様から横切替態様に変化させた後、当該横切替態様から縦スクロール態様に変化させたり(戻したり)、縦スクロール態様から横切替態様に変化させた後、さらに別の態様(例えば、横スクロール態様や、縦方向の回転による縦切替態様等)に変化させたりする等、複数回変化させることも可能である。
また、前述の実施例1では、演出図柄8の変動表示の態様として、演出図柄を縦方向(本例では上から下)にスクロール表示させる縦スクロール態様と、演出図柄を横方向(本例では右から左)に回転表示(切替表示)させる横切替態様とを備えるものとしていたが、変動表示の態様はこれに限定されるものでない。例えば、演出図柄を横方向(例えば表示画面の右から左)にスクロール表示させる横スクロール態様や、演出図柄を縦方向に回転表示(切替表示)させる縦切替態様、あるいは、演出図柄を表示画面と水平(平行)に回転(時計回り又は反時計回り)させて1回転毎に数字を昇順または降順で切り替えていく回転態様等、様々な変動表示の態様を採ることが可能である。さらに、前述の実施例1では、演出図柄8の変動表示の態様が、原則、縦スクロール態様となっていたが、原則としての変動表示の態様(基本態様)は、縦スクロール態様以外の態様としてもよい。また、スクロール表示や切替表示の変動方向として縦方向や横方向を例示したが、変動方向はこれに限定されるものではない。例えば、縦方向のスクロール表示に対して該縦方向と交差する斜め方向の切替表示としたり、斜め方向のスクロール表示に対して該斜め方向と交差する縦切替表示または横切替表示としたりする等、種々の変動方向を採ることが可能である。
また、前述の実施例1では、リーチBおよびSPリーチB〜Dに係るリーチ演出にて、リーチ成立後に、演出図柄8(中演出図柄8C)の変動表示の態様を、縦スクロール態様から横切替態様に変化させるものとしていたが(図46(a)、図47(a),(b)等を参照)、例えば、リーチBの場合は縦スクロール態様から横スクロール態様に変化させ、SPリーチB,Cの場合は縦スクロール態様から縦切替態様に変化させ、SPリーチDの場合は縦スクロール態様から横切替態様に変化させる等、リーチ演出の種類(リーチ演出パターン)に応じて変動表示の態様を変化させるように構成することも可能である。してもよい。こうすれば、実行されるリーチ演出の種類と、演出図柄8の変動表示の態様変化とに関連性を持たせることが可能となり、これにより、リーチ演出と演出図柄8の変動表示の態様変化との関係に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
また、前述の実施例1では、複数種(本例では6種類)のリーチ演出のうち、ノーマルリーチ演出とスーパーリーチ演出の双方で、演出図柄8(中演出図柄8C)の変動表示の態様が変化し得るものとなっていたが、ノーマルリーチ演出では変動表示の態様変化を行わず、スーパーリーチ演出にて変動表示の態様変化を行うように構成することも可能である。こうすれば、スーパーリーチ演出(特別特定演出)が実行される場合には、演出図柄8の変動表示の態様が変化し得るものとなり、実行される、スーパーリーチ演出とともに演出図柄8の変動表示の態様変化にも遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
また、前述の実施例1では、画像表示装置7の表示画面7aに表示される演出図柄8と小演出図柄18(第4図柄)のうち、演出図柄8の変動表示の態様を変化させるものとしていたが、小演出図柄18についても変動表示の態様を変化させるようにしてもよい。この場合、例えば、演出図柄8の変動表示の態様変化と同期して、小演出図柄18の変動表示の態様を変化させたり、演出図柄8とは異なるタイミングで小演出図柄18の変動表示の態様を変化させたりすることが可能である。また、演出図柄8については変動表示の態様変化を行わず、小演出図柄18の変動表示の態様を変化させるようにすることも可能である。尚、小演出図柄18の変動表示の態様も、前述した演出図柄8と同様、縦スクロール態様をはじめとして、その他にも横スクロール態様や横切替態様、縦切替態様等、様々な態様を採ることが可能である。
次に、本発明の実施例2のパチンコ遊技機1について説明する。本実施例(実施例2)は、前述した実施例1のパチンコ遊技機1において、予告演出を実行する構成の一実施形態を示すものである。以下では、実施例1と異なる点(構成、作用効果等)を中心に説明し、実施例1と共通する点(構成、作用効果等)についての詳細な説明は省略する。
本実施例では、演出図柄8(演出図柄8L,8C,8R)が変動表示を開始してから、全演出図柄の変動速度が高速で略一定となった後に第1停止図柄(本例では左演出図柄8L)の変動速度が低下して停止(仮停止)の動作に入るまで(以下「第1時期」ともいう。)と、リーチが成立したとき(以下「第2時期」ともいう。)と、SPリーチ演出に係る演出動画の表示が開始される直前(つまり、SPリーチ演出の開始直前)から当該演出動画の表示が終了するまで(以下「第3時期」ともいう。)と、の3つのタイミングで、当該変動表示に関する示唆(変動パターン、特別図柄判定の結果等の示唆)を行う予告演出(当該変動予告)を実行することが可能となっている。これら第1時期から第3時期のうち、第1時期に実行する予告演出のことを「第1予告」ともいい、第2時期に実行する予告演出のことを「第2予告」もいい、第3時期に実行する予告演出のことを「第3予告」ともいう。
本実施例では、第1予告として図49(a)に示す「コメント予告」、第2予告として図49(b)に示す「リーチ成立時予告」、第3予告として図50(a)に示す「タイトル予告」および図50(b)に示す「セリフ予告」を、それぞれ画像表示装置7の表示画面7a上で実行することが可能となっている。
各予告演出の概要を説明すると、まず、コメント予告は、図49(a)に示すように、演出図柄8の変動表示が開始されてから間もなくして、所定の人物をモチーフとした複数のキャラクタ(例えば人物キャラクタA、人物キャラクタB等)の何れかが発するコメントに係る画像(以下「コメント画像」ともいう。)を表示画面7aの下部に表示するものである。本実施例では、図49(a)の「s1」に示すように、1人(例えば人物キャラクタA)のコメント画像KG1(予告画像)だけが表示されるパターンと、同図「s2」に示すように、1人目(例えば人物キャラクタA)のコメント画像KG1の表示に続いて(コメント画像KG1の表示後、約3秒が経過したタイミングで)、その下に2人目(例えば人物キャラクタB)のコメント画像KG2(予告画像)が表示されるパターンとの、2種類のパターンを設けてある。このうち、1人目のコメント画像KG1の表示を「第1コメント予告」ともいい、2人目のコメント画像KG2の表示を「第2コメント予告」ともいう。第1コメント予告だけが行われる場合、コメント画像KG1は、その表示後、所定時間(例えば3秒)が経過することで画面上から消去される。また、第1コメント予告と第2コメント予告が行われる場合、コメント画像KG1が先に表示された後、その表示中にコメント画像KG2が表示(追加表示)されるとともに、後のコメント画像KG2の表示後、所定時間(例えば3秒)が経過することで、両コメント画像KG1,KG2が画面上から消去される。
また、リーチ成立時予告は、図49(b)に示すように、演出図柄8の変動表示の開始後、左演出図柄8L(第1停止図柄)と右演出図柄8R(第2停止図柄)が同じ図柄で停止(仮停止)してリーチが成立したタイミング(r1)で、リーチ成立を示す「リーチ!」の文字を含むリーチ報知画像RG(予告画像)を、未だ変動表示(スクロール表示)している中演出図柄8Cの表示領域に表示(中演出図柄8Cに被せて表示)するものである(r2、r2’)。すなわち、リーチ状態を構成する左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとの間にリーチ報知画像RGを表示するものである。このリーチ報知画像RGは、その表示後、所定時間(例えば1秒)が経過することで画面上から消去される。
さらに、タイトル予告は、図50(a)に示すように、リーチ成立後、SPリーチ用の演出動画の表示が開始される前のタイミング、すなわち、SPリーチ演出に発展するタイミングにおいて、これから表示(再生)が開始される演出動画の内容に応じたタイトル(SPリーチ演出のタイトル)を示すタイトル画像TG(予告画像)を、表示画面7aの大部分に亘って表示するものである(t2)。このタイトル画像TGは、その表示後、所定時間(例えば3秒)が経過することで画面上から消去される。本実施例では、前述の実施例1で説明したSPリーチA〜Dのうち、SPリーチA〜Cに係るリーチ演出パターンに基づく変動演出にて、当該タイトル予告が実行されるものとなっている。尚、図50(a)中、「t1」は、図46(b)の「b1」や図47(a)の「c2」に置き換わるものであり、「t3」は、図46(b)の「b3」や図47(a)の「c3」に置き換わるものである。また、図50(a)の「t3」は、演出動画の表示の際、演出図柄8が画面右下に縮小表示されるSPリーチB又はCの場合を示しているが、SPリーチAの場合は、図46(b)の「b3」に示すように、小演出図柄18が画面左上で変動表示するものとなる。
また、セリフ予告は、図50(b)に示すように、SPリーチ用の演出動画の表示中(再生中)、その中で登場する所定の人物キャラクタ(図示せず)が喋る内容を示すセリフ画像SG(予告画像)を、表示画面7aの下部に表示するものである(x1、x1’)。セリフ画像SGは、演出動画の表示の進行に合わせて(演出動画パターンに基づいて)、その表示内容が切り替わる(変化する)ものとなっており、演出動画にて定められた所定のタイミングで、その表示は終了するものとなっている。本実施例では、前述の実施例1で説明したSPリーチA〜Dのうち、SPリーチBとSPリーチCに係る演出動画の表示中に、当該セリフ予告が実行されるものとなっている。
[予告演出設定処理]
次に、前述した「コメント予告」、「リーチ成立時予告」、「タイトル予告」および「セリフ予告」の各予告演出の実行パターン(予告演出パターン)の設定に係る予告演出設定処理(S4506)について、図51〜図53に基づいて説明する。尚、本実施例の予告演出設定処理(S4506)は、演出制御用マイコン91が行うものであり、前述の実施例1で説明した変動演出開始処理(S4402)におけるS4506の処理に相当するものである。
図51に示すように、予告演出設定処理(S4506)では、まず、図54(a)に示す第1コメント予告パターン決定テーブルをセットする(S5001)。当該テーブルは、第1コメント予告を実行するか否か及び実行する場合の第1コメント予告の内容(第1コメント予告パターン)を決定するために参照するテーブルである。また、当該テーブルは、前述のS4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄の変動パターンと、前述のS4501で取得される予告演出決定用乱数の一種である第1コメント予告決定乱数(0〜99のランダム値)とに基づいて、第1コメント予告パターンを、それぞれコメントの内容(種類)が異なる「コメントA〜D」または第1コメント予告を実行しないこととなる「なし」の何れかに決定することが可能なデータ構造となっている。
具体的に、特別図柄の変動パターン「P1,P12(大当り)」、「P2,P13(大当り)」、「P3,P14(大当り)」、「P4,P8,P15,P19(外れ)」、「P5,P9,P16,P20(外れ)」、「P6,P10,P17,P21(外れ)」、「P7,P18(外れ)」、「P11,P22(外れ)」(図9を参照)の各々について、第1コメント予告決定乱数値(0〜99)を、特別図柄当否判定の結果(大当り又は外れ)を考慮して、「なし」および「コメントA〜D」の夫々に割り当てたものとなっている。これにより、第1コメント予告パターンの選択率(出現率、実行確率)や大当り信頼度等が定められる。尚、「コメントA〜D」の各コメントの内容についての具体的な説明は省略するが、当該コメントの内容は、演出で登場するキャラクタや遊技性等を考慮して任意に定めることが可能である。
図54(a)に示すように、本実施例では、特別図柄の変動パターンが「P11,P22」(外れ)である場合、「0〜99」の第1コメント予告決定乱数値は全て「なし」に割り当てられており、第1コメント予告は選択(実行)されないものとなっている。また、特別図柄の変動パターンが大当り変動パターンである場合には、外れ変動パターンである場合に比べ、「なし」の選択率が低くなるように設定してあり、第1コメント予告が実行されやすくなっている。さらに、特別図柄の変動パターンが大当り変動パターンである場合には、「コメントD」の選択率が高く、以下、「コメントC」、「コメントB」、「コメントA」の順で選択率が低くなるように設定してある。一方、特別図柄の変動パターンが外れ変動パターンである場合には、大当りの場合とは逆に、「コメントA」の選択率が高く、以下、「コメントB」、「コメントC」、「コメントD」の順で選択率が低くなるように設定してある。このため、第1コメント予告の大当り信頼度は「コメントD」が最も高く、以下、「コメントC」、「コメントB」、「コメントA」の順で低くなる。
このような第1コメント予告パターン決定テーブルをセットしたら(S5001)、当該テーブルを参照して、今回の特別図柄の変動パターンと第1コメント予告決定乱数値とに基づいて、第1コメント予告パターンを選択する(S5002)。この結果、第1コメント予告を実行しない場合(S5003でNO)、すなわち、S5002での選択結果が「なし」である場合、S5004〜S5014の処理(コメント予告パターンの設定に係る処理)を行うことなく、図52に示すS5015の処理に移行する。つまり、第1コメント予告(1人目のコメント画像KG1の表示)が実行されない場合には、これに続いて実行され得る第2コメント予告(2人目のコメント画像KG2の表示)も必然的に実行されないこととなる。
これに対し、第1コメント予告を実行する場合(S5003でYES)、すなわち、S5002での選択結果が「コメントA〜D」の何れかである場合、図54(b)に示す第1コメント表示パターン決定テーブルをセットする(S5004)。当該テーブルは、第1コメント予告の実行に際して表示するコメント画像KG1(図49(a)を参照)に含まれるコメントの表示色(以下「コメント画像KG1の表示色」ともいう。)を決定するために参照するテーブルである。また、当該テーブルは、第1コメント予告の実行契機となる特別図柄の変動パターンと、前述のS4501で取得される予告演出決定用乱数の一種である第1コメント色決定乱数とに基づいて、コメント画像KG1の表示色(第1コメント表示パターン)を、それぞれ「通常色」、「特別色1」、「特別色2」、「特別色3」の何れかに決定することが可能なデータ構造となっている。
具体的に、大当り変動パターンおよび外れ変動パターンの各々について、第1コメント色決定乱数値(0〜99)を、特別図柄当否判定の結果(大当り又は外れ)を考慮して、「通常色」、「特別色1」、「特別色2」、「特別色3」の夫々に割り当てたものとなっている。これにより、第1コメント予告におけるコメント画像KG1の表示色についての大当り信頼度が定められる。尚、本実施例では、通常色を「白色」、特別色1を「赤色」、特別色2を「金色」、特別色3を「虹色(レインボー)」としている(以下同じ)。また、本実施例では、第1コメント表示パターンを、コメント画像KG1に含まれるコメントの表示色としているが、これに代えて又はこれに加えて、コメント画像KG1の周囲を飾る枠部分(コメント枠)の表示色としたり、コメントの背景部分の表示色としたりすることも可能である。
図54(b)示すように、本実施例では、第1コメント予告の実行契機となる特別図柄の変動パターンが大当り変動パターンである場合には、「特別色2」の選択率が高く、以下、「特別色1」、「通常色」の順で選択率が低くなるように設定してある。一方、外れ変動パターンである場合には、大当りの場合とは逆に、「通常色」の選択率が高く、以下、「特別色1」、「特別色2」の順で選択率が低くなるように設定してある。また、「特別色3」について、特別図柄の変動パターンが大当り変動パターンである場合には、選択率は低いものの(本例では1%)「特別色3」が選択され得るように設定してあり、外れ変動パターンである場合には「特別色3」が選択されないように設定してある。このため、コメント画像KG1の表示色についての大当り信頼度は、「特別色3(虹色)」が100%(大当り確定)となり、大当り確定パターン以外では、「特別色2(金色)」が最も高く、以下、「特別色1(赤色)」、「通常色(白色)」の順で低くなる。
このような第1コメント表示パターン決定テーブルをセットしたら(S5004)、当該テーブルを参照して、今回の特別図柄の変動パターン(大当り又は外れ)と第1コメント色決定乱数値とに基づいて、第1コメント表示パターンを選択する(S5005)。次いで、S5006では、前述のS5002で選択した第1コメント予告パターンとS5005で選択した第1コメント表示パターンとに基づいて、今回実行する第1コメント予告の態様(コメントの種類、色)を設定する(S5006)。
以上の第1コメント予告に係る処理(S5001〜S5006)を実行したら、次いで、第2コメント予告に係る処理であるS5007〜S5014の処理を行う。このS5007〜S5014の処理のうち、S5010およびS5013以外の処理については、使用するテーブルや予告演出決定用乱数を除いて、前述した第1コメント予告に係るS5001〜S5006の処理と同様である。
すなわち、S5007では、図10(c)に示す第2コメント予告パターン決定テーブルをセットし、S5008では、そのセットした第2コメント予告パターン決定テーブルを参照して、今回の特別図柄の変動パターンと、予告演出決定用乱数の一種である第2コメント予告決定乱数(0〜99のランダム値)とに基づいて、第2コメント予告の実行有無および実行する場合の第2コメント予告の内容(第2コメント予告パターン)を決定する。第2コメント予告は、図10(c)に示すように「コメントE〜H」の何れかに基づいて実行されるもので、第2コメント予告パターン決定テーブルのデータ構造は、第1コメント予告パターン決定テーブル(図10(a)を参照)と同じとなっている。また、「コメントE〜H」の各コメントの内容についての具体的な説明は省略するが、当該コメントの内容は、演出で登場するキャラクタや遊技性等を考慮して任意に定めることが可能である。
また、第2コメント予告を実行する場合(S5009でYES)、当該第2コメント予告の実行に際して表示するコメント画像KG2(図49(a)の「s2」を参照)に含まれるコメントの表示色(以下「コメント画像KG2の表示色」ともいう。)を選択(決定)するのであるが、これに際し、先のS5005にて、コメント画像KG1の表示色(第1コメント表示パターン)として「通常色」を選択したか否かを判定する(S5010)。換言すると、S5006で設定した第1コメント予告のコメント表示色が「通常色」であるか否かを判定する(S5010)。その結果、通常色でないと判定した場合(S5010でNO)、すなわち、コメント画像KG1の表示色が「特別色1」以上である場合には、そのコメント画像KG1の表示色と同じ表示色を、コメント画像KG2の表示色(第2コメント表示パターン)として選択する(S5013)。したがって、第1コメント予告に係るコメント画像KG1の表示色が「特別色1」であれば、当該第1コメント予告の後に行われる第2コメント予告に係るコメント画像KG2の表示色も「特別色1」となり、コメント画像KG1の表示色が「特別色2」であれば、コメント画像KG2の表示色も「特別色2」となり、コメント画像KG1の表示色が「特別色3」であれば、コメント画像KG2の表示色も「特別色3」となる。
一方、S5010にて、第1コメント予告に係るコメント画像KG1の表示色が通常色であると判定した場合には(S5010でYES)、図54(d)に示す第2コメント表示パターン決定テーブルをセットし(S5011)、該テーブルを参照して、コメント画像KG2の表示色(第2コメント表示パターン)を選択する(S5012)。コメント画像KG2の表示色(第2コメント表示パターン)も、コメント画像KG1の表示色(第1コメント表示パターン)と同様に、「通常色」、「特別色1」、「特別色2」、「特別色3」の何れかから選択されるもので、第2コメント表示パターン決定テーブルのデータ構造は、第1コメント表示パターン決定テーブル(図10(b)を参照)と同じとなっている。すなわち、第2コメント予告の実行契機となる特別図柄の変動パターンと、予告演出決定用乱数の一種である第2コメント色決定乱数(0〜99のランダム値)とに基づいて、コメント画像KG2の表示色(第2コメント表示パターン)を選択する(S5012)。したがって、コメント画像KG1の表示色が「通常色」である場合、コメント画像KG2の表示色は「通常色」、「特別色1」、「特別色2」、「特別色3」の何れかとなる。
次いで、S5014では、前述のS5008で選択した第2コメント予告パターンと、S5012またはS5013で選択した第2コメント表示パターンとに基づいて、今回実行する第2コメント予告の態様(コメントの種類、色)を設定する(S5014)。尚、S5009にて、第2コメント予告を実行しないと判定した場合(S5009でNO)、すなわち、S5008での選択結果が「なし」である場合、S5010〜S5014の処理を行うことなく、図52に示すS5015の処理に移行する。ここまでがコメント予告に係る処理であり、この後、リーチ成立時予告に係る処理(S5015〜S5020)を行う。
S5015では、今回の変動演出パターン、すなわち前述の4505の処理で設定した変動演出パターンが、リーチ演出パターンであるか否かを判定し(S5015)、リーチ演出パターンでなければ(S5015でNO)、処理を終える。一方、今回の変動演出パターンがリーチ演出パターンである場合(S5015でYES)、当該変動演出におけるコメント予告(第1コメント予告または第2コメント予告)に関し、前述のS5005、S5012またはS5013にて、コメント表示パターンとして「特別色3」を選択したか否かを判定する(S5016)。この結果、「特別色3」を選択してない場合(S5016でNO)、すなわち、「通常色」、「特別色1」および「特別色2」の何れかを選択した場合か、あるいは、コメント予告を実行しない場合(コメント予告を設定していない場合)には、図55(a)に示すリーチ表示パターン決定テーブルをセットする(S5017)。
リーチ表示パターン決定テーブルは、リーチ成立時予告の実行に際して表示するリーチ報知画像RGに含まれる「リーチ!」の文字色(リーチ報知画像RGの文字色)及びリーチ報知画像RGの表示位置(図49(b)の「r2」、「r2’」を参照)を定めたリーチ表示パターンを決定するために参照するテーブルである。また、当該テーブルは、リーチ成立時予告の実行契機となる特別図柄の変動パターンと、前述のS4501で取得される予告演出決定用乱数の一種であるリーチ表示決定乱数(0〜99のランダム値)とに基づいて、リーチ表示パターンを、「通常」、「特別1」、「特別2」、「特別3」の何れかに決定することが可能なデータ構造となっている。具体的に、大当り変動パターンおよび外れ変動パターンの各々について、リーチ表示決定乱数値(0〜99)を、特別図柄当否判定の結果(大当り又は外れ)を考慮して、「通常」、「特別1」、「特別2」、「特別3」の夫々に割り当てたものとなっている。これにより、リーチ成立時予告におけるリーチ報知画像RGの文字色および表示位置についての大当り信頼度が定められる。
ここで、「通常」は、「リーチ!」の文字色が白色で、リーチ報知画像RGの表示位置を、図49(b)の「r2」に示すように、リーチ状態を構成する左右演出図柄8L,8Rに対して奥側(後方側)とする表示パターンである。また、「特別1」は、「リーチ!」の文字色が赤色で、リーチ報知画像RGの表示位置を「通常」と同様に奥側(後方側)とする表示パターンである。さらに、「特別2」は、「リーチ!」の文字色が金色で、リーチ報知画像RGの表示位置を、図49(b)の「r2’」に示すように、リーチ状態を構成する左右演出図柄8L,8Rに対して手前側(前方側)とする表示パターンである。また、「特別3」は、「リーチ!」の文字色が虹色で、リーチ報知画像RGの表示位置を、「特別2」と同様に手前側(前方側)とする表示パターンである。
図55(a)に示すように、本実施例では、リーチ成立時予告の実行契機となる特別図柄の変動パターンが大当り変動パターン(当りリーチ)である場合には、「特別2」の選択率が高く、以下、「特別1」、「通常」の順で選択率が低くなるように設定してある。一方、外れ変動パターン(外れリーチ)である場合には、大当りの場合とは逆に、「通常」の選択率が高く、以下、「特別1」、「特別2」の順で選択率が低くなるように設定してある。また、「特別3」について、特別図柄の変動パターンが大当り変動パターン(当りリーチ)である場合には、選択率は低いものの(本例では1%)「特別3」が選択され得るように設定してあり、外れ変動パターン(外れリーチ)である場合には「特別3」が選択されないように設定してある。このため、リーチ報知画像RGの文字色および表示位置についての大当り信頼度は、「特別3(虹色:手前側)」が100%(大当り確定)となり、大当り確定パターン以外では、「特別2(金色:手前側)」が最も高く、以下、「特別1(赤色:奥側)」、「通常(白色:奥側)」の順で低くなる。
このようなリーチ表示パターン決定テーブルをセットしたら(S5017)、当該テーブルを参照して、今回の特別図柄の変動パターン(大当り又は外れ)とリーチ表示決定乱数値とに基づいて、リーチ表示パターンを選択する(S5018)。一方、前述のS5016にて、コメント表示パターンとして「特別色3」を選択したと判定した場合(S5016でYES)、そのコメント表示パターンに基づくコメント画像の表示色(虹色)と同じ文字色の「特別3」を、今回のリーチ表示パターンとして選択する(S5019)。つまり、コメント予告(第1コメント予告のみ又は第1コメント予告+第2コメント予告)でのコメント画像の表示色が「虹色」(大当り確定)である場合、当該コメント予告の後に行われるリーチ成立時予告におけるリーチ報知画像RGの文字色も「虹色」(大当り確定)となる。
次いで、S5020では、前述のS5018またはS5019で選択したリーチ表示パターンに基づいて、今回実行するリーチ成立時予告の表示態様(文字色、表示位置)を設定する(S5020)。ここまでがリーチ成立時予告に係る処理であり、この後、SPリーチ演出のタイトル予告に係る処理(S5021〜S5026)を行う。
S5021では、今回の変動演出パターン、すなわち前述の4505の処理で設定した変動演出パターンが、SPリーチA〜Cの何れかに係るリーチ演出パターンであるか否かを判定し(S5021)、そうでなければ(S5021でNO)、本処理を終える。一方、今回の変動演出パターンがSPリーチA〜Cの何れかに係るリーチ演出パターンである場合(S5021でYES)、当該変動演出におけるリーチ成立時予告に関し、前述のS5018またはS5019にて、リーチ表示パターンとして「特別3」を選択したか否かを判定する(S5022)。この結果、「特別3」を選択してない場合(S5022でNO)、すなわち、「通常」、「特別1」および「特別2」の何れかを選択した場合には、図55(b)に示すタイトル表示パターン決定テーブルをセットする(S5023)。
タイトル表示パターン決定テーブルは、タイトル予告の実行に際して表示するタイトル画像TG(図50(b)の「t2」を参照)に含まれるタイトルの文字色(タイトル画像TGの文字色)を定めたタイトル表示パターンを決定するために参照するテーブルである。また、当該テーブルは、タイトル予告の実行契機となる特別図柄の変動パターンと、前述のS4501で取得される予告演出決定用乱数の一種であるタイトル表示決定乱数(0〜99のランダム値)とに基づいて、タイトル表示パターンを、「通常色」、「特別色1」、「特別色2」、「特別色3」の何れかに決定することが可能なデータ構造となっている。具体的に、大当り変動パターンおよび外れ変動パターンの各々について、タイトル表示決定乱数値(0〜99)を、特別図柄当否判定の結果(大当り又は外れ)を考慮して、「通常色」、「特別色1」、「特別色2」、「特別色3」の夫々に割り当てたものとなっている。これにより、タイトル予告におけるタイトル画像TGの文字色についての大当り信頼度が定められる。
図55(b)に示すように、本実施例では、タイトル予告の実行契機となる特別図柄の変動パターンが大当り変動パターン(当りSPリーチA〜C)である場合には、「特別色2」の選択率が高く、以下、「特別色1」、「通常色」の順で選択率が低くなるように設定してある。一方、外れ変動パターン(外れSPリーチA〜C)である場合には、大当りの場合とは逆に、「通常色」の選択率が高く、以下、「特別色1」、「特別色2」の順で選択率が低くなるように設定してある。また、「特別色3」について、特別図柄の変動パターンが大当り変動パターン(当りSPリーチA〜C)である場合には、選択率は低いものの(本例では1%)「特別色3」が選択され得るように設定してあり、外れ変動パターン(外れSPリーチA〜C)である場合には「特別色3」が選択されないように設定してある。このため、タイトル画像TGの文字色についての大当り信頼度は、「特別色3(虹色)」が100%(大当り確定)となり、大当り確定パターン以外では、「特別色2(金色)」が最も高く、以下、「特別色1(赤色)」、「通常(白色)」の順で低くなる。
このようなタイトル表示パターン決定テーブルをセットしたら(S5023)、当該テーブルを参照して、今回の特別図柄の変動パターン(大当り又は外れ)とタイトル表示決定乱数値とに基づいて、タイトル表示パターンを選択する(S5024)。一方、前述のS5022にて、リーチ表示パターンとして「特別3」を選択したと判定した場合(S5022でYES)、そのリーチ表示パターンに基づくリーチ報知画像RGの文字色(虹色)と同じ文字色の「特別色3」を、今回のタイトル表示パターンとして選択する(S5025)。つまり、リーチ成立時予告でのリーチ報知画像RGの文字色が「虹色」(大当り確定)である場合、当該リーチ成立時予告の後に行われるタイトル予告におけるタイトル画像TGの文字色も「虹色」(大当り確定)となる。
次いで、図53に示すS5026では、前述のS5024またはS5025で選択したタイトル表示パターンに基づいて、今回実行するタイトル予告の表示態様(文字色)を設定する(S5026)。ここまでがタイトル予告に係る処理であり、この後、予告演出に係る最後の処理として、セリフ予告に係る処理(S5027〜S5032)を行う。
S5027では、今回の変動演出パターン、すなわち前述の4505の処理で設定した変動演出パターンが、SPリーチBまたはCに係るリーチ演出パターンであるか否かを判定し(S5027)、そうでなければ(S5027でNO)、本処理を終える。一方、今回の変動演出パターンがSPリーチBまたはCに係るリーチ演出パターンである場合(S5027でYES)、当該変動演出におけるタイトル予告に関し、前述のS5024またはS5025にて、タイトル表示パターンとして「特別色3」を選択したか否かを判定する(S5028)。この結果、「特別色3」を選択してない場合(S5028でNO)、すなわち、「通常色」、「特別色1」および「特別色2」の何れかを選択した場合には、図55(c)に示すセリフ表示パターン決定テーブルをセットする(S5029)。
セリフ表示パターン決定テーブルは、セリフ予告の実行に際して表示するセリフ画像SGの表示色(セリフの文字色)および表示位置(図50(b)の「x1」、「x1’」を参照)を定めたセリフ表示パターンを決定するために参照するテーブルである。また、当該テーブルは、リーチ成立時予告の実行契機となる特別図柄の変動パターンと、前述のS4501で取得される予告演出決定用乱数の一種であるセリフ表示決定乱数(0〜99のランダム値)とに基づいて、セリフ表示パターンを、「通常」、「特別1」、「特別2」、「特別3」の何れかに決定することが可能なデータ構造となっている。具体的に、大当り変動パターンおよび外れ変動パターンの各々について、セリフ表示決定乱数値(0〜99)を、特別図柄当否判定の結果(大当り又は外れ)を考慮して、「通常」、「特別1」、「特別2」、「特別3」の夫々に割り当てたものとなっている。これにより、セリフ予告におけるセリフ画像SGの表示色および表示位置についての大当り信頼度が定められる。
ここで、「通常」は、セリフ画像SGの表示色(文字色)が白色で、図50(b)の「x1」に示すように、セリフ画像SG(セリフ)の一部(本例では右端)が、表示画面7aの右下に縮小表示される演出図柄8の左演出図柄8Lに覆われる(隠れる)ように、セリフ画像SGの表示位置を演出図柄8(左演出図柄8L)に対して奥側(後方側)とする表示パターンである。尚、セリフ画像SG(セリフ)のうち左演出図柄8Lにより覆われる部分(範囲)は、遊技者によるセリフの理解(認識)を妨げない程度の範囲となっている。
また、「特別1」は、セリフ画像SGの表示色(文字色)が赤色で、図50(b)の「x1’」に示すように、セリフ画像SG(セリフ)の一部(本例では右端)が、表示画面7aの右下に縮小表示される演出図柄8の左演出図柄8Lに覆われない(隠れない)ように、セリフ画像SGの表示位置を演出図柄8(左演出図柄8L)に対して手前側(前方側)とする表示パターンである。さらに、「特別2」は、セリフ画像SGの表示色(文字色)が金色で、セリフ画像SG(セリフ)の表示位置を「特別1」と同様に手前側(前方側)とする表示パターンである。また、「特別3」は、セリフ画像SGの表示色(文字色)が虹色で、セリフ画像SG(セリフ)の表示位置を「特別2」および「特別3」と同様に手前側(前方側)とする表示パターンである。
図55(c)に示すように、本実施例では、セリフ予告の実行契機となる特別図柄の変動パターンが大当り変動パターン(当りSPリーチB,C)である場合には、「特別2」の選択率が高く、以下、「特別1」、「通常」の順で選択率が低くなるように設定してある。一方、外れ変動パターン(外れSPリーチB,C)である場合には、大当りの場合とは逆に、「通常」の選択率が高く、以下、「特別1」、「特別2」の順で選択率が低くなるように設定してある。また、「特別3」について、特別図柄の変動パターンが大当り変動パターン(当りSPリーチB,C)である場合には、選択率は低いものの(本例では1%)「特別3」が選択され得るように設定してあり、外れ変動パターン(外れSPリーチB,C)である場合には「特別3」が選択されないように設定してある。このため、セリフ画像SGの表示色および表示位置についての大当り信頼度は、「特別3(虹色:手前側)」が100%(大当り確定)となり、大当り確定パターン以外では、「特別2(金色:手前側)」が最も高く、以下、「特別1(赤色:手前側)」、「通常(白色:奥側)」の順で低くなる。
このようなセリフ表示パターン決定テーブルをセットしたら(S5029)、当該テーブルを参照して、特別図柄の変動パターン(大当り又は外れ)とセリフ表示決定乱数値とに基づいて、セリフ表示パターンを選択する(S5030)。一方、前述のS5028にて、タイトル表示パターンとして「特別色3」を選択したと判定した場合(S5028でYES)、そのタイトル表示パターンに基づくタイトル画像TGの表示色(虹色)と同じ文字色の「特別3」を、今回のセリフ表示パターンとして選択する(S5031)。つまり、タイトル予告でのタイトル画像TGの文字色が「虹色」(大当り確定)である場合、当該タイトル予告の後に行われるセリフ予告におけるセリフ画像SGの表示色も「虹色」(大当り確定)となる。
次いで、S5032では、前述のS5030またはS5031で選択したセリフ表示パターンに基づいて、今回実行するセリフ予告の表示態様(文字色)を設定し(S5032)、処理を終える。以上の予告演出設定処理により設定した予告演出パターン(コメント予告、リーチ成立時予告、タイトル予告、セリフ予告)を指定するコマンド(変動開始コマンド)が、前述のS4507によりサブ出力バッファにセットされ、画像制御基板100に送信されると、当該コマンドに基づく予告演出(コメント予告、リーチ成立時予告、タイトル予告およびセリフ予告の一部または全部)が、図49および図50に示すように、画像表示装置7の表示画面7a上で実行される。
ここで、「コメント予告」において、コメント画像KG1のことを「第1画像」ともいい、第1コメント予告のことを「第1演出」ともいい、コメント画像KG2のことを「第2画像」ともいい、第2コメント予告のことを「第2演出」ともいう。また、第1コメント予告だけ実行する場合のコメント画像KG1または第1コメント予告と第2コメント予告を実行する場合のコメント画像KG1,KG2のことを「第1画像」ともいい、第1コメント予告だけ実行する場合の当該第1コメント予告または第1コメント予告と第2コメント予告を実行する場合の当該第1コメント予告および第2コメント予告のことを「第1演出」ともいう。さらに、コメント表示パターン(図54(b)、(d)を参照)における「通常色」、「特別色1」、「特別色2」、「特別色3」のうち、「通常色」のことを「低期待度態様」ともいい、「特別色1」、「特別色2」および「特別色3」のことを「高期待度態様」ともいい、「特別色3」のことを「確定態様」ともいう。
また、「リーチ成立時予告」において、リーチ報知画像RGのことを「所定画像」ともいい、左右演出図柄8L,8Rのことを「他の画像」ともいい、リーチ報知画像RG(所定画像)を表示するリーチ成立時予告に係る予告演出表示のことを「所定演出表示」ともいう。さらに、前述のコメント予告におけるコメント画像KG1またはコメント画像KG1,KG2を「第1画像」とし、第1コメント予告または第1,第2コメント予告を「第1演出」とした場合、リーチ報知画像RGのことを「第2画像」ともいい、リーチ成立時予告のことを「第2演出」ともいう。また、リーチ表示パターン(図55(a)を参照)における「通常」、「特別1」、「特別2」、「特別3」のうち、「通常」および「特別1」のことを「通常画像種」ともいい、「特別2」および「特別3」のことを「特殊画像種」ともいう。さらに、「通常」のことを「低期待度態様」ともいい、「特別1」、「特別2」および「特別3」のことを「高期待度態様」ともいい、「特別3」のことを「確定態様」ともいう。
また、「タイトル予告」において、前述のコメント予告におけるコメント画像KG1またはコメント画像KG1,KG2を「第1画像」とし、第1コメント予告または第1,第2コメント予告を「第1演出」とした場合、または、前述のリーチ成立時予告におけるリーチ報知画像RGのことを「第1画像」とし、リーチ成立時予告のことを「第1演出」とした場合、タイトル画像TGのことを「第2画像」ともいい、タイトル予告のことを「第2演出」ともいう。さらに、タイトル表示パターン(図55(b)を参照)における「通常色」、「特別色1」、「特別色2」、「特別色3」のうち、「通常色」のことを「低期待度態様」ともいい、「特別色1」、「特別色2」および「特別色3」のことを「高期待度態様」ともいい、「特別色3」のことを「確定態様」ともいう。
また、「セリフ予告」において、セリフ画像SGのことを「所定画像」ともいい、演出図柄8(左演出画像8L)のことを「他の画像」ともいい、セリフ画像SG(所定画像)を表示するセリフ予告に係る予告演出表示のことを「所定演出表示」ともいう。さらに、前述のコメント予告におけるコメント画像KG1またはコメント画像KG1,KG2を「第1画像」とし、第1コメント予告または第1,第2コメント予告を「第1演出」とした場合、前述のリーチ成立時予告におけるリーチ報知画像RGのことを「第1画像」とし、リーチ成立時予告のことを「第1演出」とした場合、または、前述のタイトル予告におけるタイトル画像TGのことを「第1画像」とし、タイトル予告のことを「第1演出」とした場合、セリフ画像SGのことを「第2画像」ともいい、セリフ予告のことを「第2演出」ともいう。また、また、セリフ表示パターン(図55(c)を参照)における「通常」、「特別1」、「特別2」、「特別3」のうち、「通常」のことを「通常画像種」ともいい、「特別1」、「特別2」および「特別3」のことを「特殊画像種」ともいう。さらに、「通常」のことを「低期待度態様」ともいい、「特別1」、「特別2」および「特別3」のことを「高期待度態様」ともいい、「特別3」のことを「確定態様」ともいう。
[実施例2の作用効果]
以上に説明した本実施例(実施例2)のパチンコ遊技機1では、リーチ報知画像RGを表示するリーチ成立時予告に係る演出表示(所定演出表示)や、セリフ画像SGを表示するセリフ予告に係る演出表示(所定演出表示)を実行するものとなっており、リーチ報知画像RGやセリフ画像SGを、前述した実施例1における発展図柄の表示と同様に、演出図柄8との前後位置関係が異なるように表示するものとなっており、また、その前後位置関係によって、大当り信頼度(期待度)を示唆することが可能となっている。
すなわち、本実施例のパチンコ遊技機1では、リーチ成立時予告やセリフ予告の実行に際して、当該予告で表示するリーチ報知画像RGやセリフ画像SGといった予告画像(所定画像)の表示パターンを、特別図柄当否判定の結果、すなわち、特別図柄の変動パターン(大当り又は外れ)に基づいて選択するものとなっている(S5016〜S5019、S5028〜S5031)。そして、特別図柄当否判定の結果が大当り(特定結果)の場合には、予告画像が演出図柄8(他の画像)の手前側に表示されるパターン(特殊画像種の所定画像)の方が、奥側に表示されるパターン(通常画像種の所定画像)に比べ、選択率が高くなっており、外れの場合には、奥側に表示されるパターン(通常画像種の所定画像)の方が、手前側に表示されるパターン(特殊画像種の所定画像)に比べ、選択率が高くなっている(図55(a),(c)を参照)。
このため、本実施例においても、前述した実施例1と同様に、表示する画像の前後位置関係、すなわち、リーチ成立時予告でのリーチ報知画像RGと左右演出図柄8L,8Rとの前後位置関係や、セリフ予告でのセリフ画像SGと演出図柄8(左演出図柄8L)との前後位置関係によって、大当りの期待度を示唆することが可能となる。これにより、予告演出(リーチ成立時予告、セリフ予告)での予告画像の表示位置に遊技者の興味を惹きつけて、予告演出の興趣を高めることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、画像表示装置7の表示画面7aに所定の予告画像を表示する予告演出として、コメント画像KG1,KG2を表示するコメント予告、リーチ報知画像RGを表示するリーチ成立時予告、タイトル画像TGを表示するタイトル予告、および、セリフ画像SGを表示するセリフ予告を、演出図柄8の変動表示の開始から終了にかけて時系列的に実行することが可能となっており、各予告で表示可能な画像(予告画像)の表示態様には、それぞれ複数種の表示態様が存在するものとなっている。そして、各予告のうち、実行時期(実行順)が先の予告(第1演出)と後の予告(第2演出)とで、表示する予告画像の表示態様を同様の表示態様とすることが可能となっている。
具体的には、例えば、コメント予告において、第1コメント予告(第1演出)を行った後に第2コメント予告(第2演出)を行う場合、先の第1コメント予告でのコメント画像KG1の表示色(表示パターン)が「白色」以外(赤色、金色、虹色の何れか)であれば、後の第2コメント予告でのコメント画像KG2の表示色(表示パターン)を、先のコメント画像KG1の表示色と同じとすることが可能となっている(図51、図54等を参照)。また、例えば、タイトル予告(第1演出)を行った後にセリフ予告(第2演出)を行う場合、先のタイトル予告でのタイトル画像TGの表示色(表示パターン)が「虹色」であれば、後のセリフ予告でのセリフ画像SGの表示色(表示パターン)を、先のタイトル画像TGの表示色と同じ「虹色」とすることが可能となっている(図53、図55(b),(c)を参照)。
このため、先の予告(第1演出)で表示される予告画像(第1画像)の表示態様と、後の予告(第2演出)で表示される予告画像(第2画像)の表示態様とが同様の表示態様となることで、先の予告と後の予告とで共通する表示態様を強調して遊技者に印象付けることが可能となる。これにより、演出図柄8の変動表示が開始されてから終了するまでに実行され得る先の予告(第1演出)と後の予告(第2演出)に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
特に、本実施例では、コメント予告において、先の第1コメント予告(第1演出)で表示するコメント画像KG1(第1画像)の表示色が、白色よりも期待度の高い色(赤色、金色および虹色の何れか、つまり、高期待度態様)である場合に、後の第2コメント予告(第2演出)で表示するコメント画像KG2(第2画像)の表示色も、コメント画像KG1と同じ高期待度態様となる。また、例えば、コメント予告とタイトル予告や、タイトル予告とセリフ予告等、種類のことなる先後の予告において、先の予告(第1演出)で表示する予告画像(第1画像)の表示色が大当り確定の「虹色」(確定態様)である場合に、後の予告(第2演出)で表示する予告画像(第2画像)の表示色も、大当り確定の「虹色」(確定態様)となる。
このように、先の予告(第1演出)で表示される予告画像(第1画像)の表示態様と、後の予告(第2演出)で表示される予告画像(第2画像)の表示態様が、ともに大当り信頼度(期待度)が通常よりも高い旨を示唆する高期待度態様や、大当り確定を示唆する確定態様となることで、先の予告と後の予告とで共通する高期待度態様や確定態様を強調して遊技者に印象付けることが可能となる。これにより、演出図柄8の変動表示が開始されてから終了するまでに実行され得る先の予告(第1演出)と後の予告(第2演出)に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。また、先の予告にて予告画像を高期待度態様や確定態様で表示した場合、後の予告においても予告画像を同様の表示態様で表示するようにすることで、例えば、遊技者が先の予告を見逃したり、先の予告での予告画像の表示態様をはっきり覚えていなかったりすること等により、高期待度態様や確定態様による予告を見落とす虞があるとしても、先の予告と同様の高期待度態様や確定態様による後の予告の実行により、その見落としを補うことが可能となる。
さらに、コメント予告において、先の第1コメント予告(第1演出)で表示するコメント画像KG1(第1画像)の表示色が高期待度態様(赤色、金色、虹色の何れか)である場合、後の第2コメント予告(第2演出)で表示するコメント画像KG2(第2画像)の表示色も、コメント画像KG1と同じ高期待度態様(赤色、金色、虹色の何れか)となるため、例えば、先の第1コメント予告でコメント画像KG1が金色で表示されたにもかかわらず、後の第2コメント予告でコメント画像KG2が金色よりも信頼度の低い赤色や白色で表示されること、所謂「成り下がり」が生じないものとなっている。これにより、遊技者の興趣を低下させないようにすることが可能となる。尚、リーチ成立時予告とタイトル予告、タイトル予告とセリフ予告など、コメント予告以外で種類の異なる予告を前後して行う場合についても、前述の第1コメント予告と第2コメント予告におけるコメント画像の表示態様の関係と同様に、所謂「成り下がり」が生じないようにすることも可能である。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、コメント予告において、第1コメント予告(第1演出)とこれに続く第2コメント予告(第2演出)を実行する場合、先の第1コメント予告の実行期間、すなわちコメント画像KG1の表示期間と、後の第2コメント予告の実行期間、すなわちコメント画像KG2の表示期間とが、重複するものとなっている(図49の「s2」を参照)。このため、先の第1コメント予告(第1演出)におけるコメント画像KG1(第1画像)の表示と、後の第2コメント予告(第2演出)におけるコメント画像KG2(第2画像)の表示とが、並行して実行され得るものとなる。これにより、先の第1コメント予告(第1演出)におけるコメント画像KG1(第1画像)の表示態様と、後の第2コメント予告(第2演出)におけるコメント画像KG2(第2画像)の表示態様を、より強調して遊技者に印象付けることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、演出図柄8の変動表示の開始から終了までの期間のうち、第1停止図柄(本例では左演出図柄8L)が停止(仮停止)の動作に入るまでの第1時期と、リーチが成立したときの第2時期と、SPリーチ演出に係る演出動画の表示開始前から当該演出動画の表示が終了するまでの第3時期とにおいて、当該変動表示に関する示唆(変動パターン、特別図柄判定の結果等の示唆)を行う予告演出を実行することが可能となっている。そして、それら3つの時期(タイミング)のうち、リーチ演出(特定演出)実行前の第1時期ではコメント予告(第1コメント予告、第2コメント予告)が実行可能となっており、リーチ演出開始時(実行中)の第2時期ではリーチ成立時予告が実行可能となっており、リーチ演出開始後(実行中)の第3時期ではタイトル予告およびセリフ予告が実行可能となっている。これにより、演出図柄8の変動表示の開始から終了に亘っての期間、すなわち、リーチ演出の実行前や実行中における興趣を高めることが可能となる。
尚、前述の実施例2では、「コメント予告」、「リーチ成立時予告」、「タイトル予告」および「セリフ予告」の4種類の予告演出について説明したが、予告演出の種類(予告種)はこれに限定されるものではなく、例えば、「ステップアップ予告」や「保留変化予告」等、他の予告種を採ることも可能である。また、前述の実施例2では、それら4種類の予告演出を、実行中の変動表示に関する予告である所謂「当該変動予告」として行うものとしていたが、そのうち、少なくとも「コメント予告」については、所謂「保留先読み演出」として行うことも可能である。こうすれば、複数回の変動表示に跨って、予告画像の表示態様に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
また、前述の実施例2では、先の予告(第1演出)で表示される予告画像(第1画像)の表示態様と、後の予告(第2演出)で表示される予告画像(第2画像)の表示態様とが同様の表示態様になり得るものとして説明したが、予告演出に限らず、実行時期が先後に異なる2以上の演出において、先の演出に係る演出画像の表示態様と、後の演出に係る演出画像の表示態様とが同様の表示態様となり得るように構成することも可能である。例えば、画像表示装置(表示画面)に所定の背景画像を表示する演出や、所定のキャラクタ画像を表示したり所定のアイテム画像を表示したりする演出等、予告とは無関係の単なる賑やかしの演出を複数種設け、各演出の実行時期が前後するように構成する。そして、これらの演出のなかで、先に実行される演出に係る演出画像の表示態様(例えば背景画像の表示態様)と、後に実行される演出に係る演出画像の表示態様(例えば先の背景表示中に表示されるアイテム画像の表示態様)について、それぞれの表示態様が同様となる場合があるものとする。これによっても、異なるタイミングで実行される複数の演出における各々の演出画像の表示態様に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
また、前述の実施例2では、第1コメント予告および第2コメント予告に関し、図49(a)に示すように、コメント画像の形状やサイズ(大きさ)等を同様としたものを例示したが、各コメント予告で、コメント画像の形状やサイズ(大きさ)等を異ならせてもよい。この場合、先に実行するコメント予告(第1コメント予告)のコメント画像より、後に実行するコメント予告(第2コメント予告)のコメント画像の方が遊技者にとって目立つ態様(「強調表示態様」ともいう)となるようにするのが望ましい。具体的には、例えば、後に実行するコメント予告(第2コメント予告)のコメント画像のサイズをより大きくしたり(強調表示態様)、当該コメント画像で示すコメントのフォントや枠の線を太くしたりする(強調表示態様)。あるいは、先に実行するコメント予告(第1コメント予告)のコメント画像を静止画により構成し、後に実行するコメント予告(第2コメント予告)のコメント画像を動画(強調表示態様)により構成してもよい。こうすれば、後に行われる予告をより目立たせることが可能となるため、前述したような高期待度態様や確定態様による予告の見落としを補うことの確実性を増すことが可能となる。尚、このような画像の形状やサイズ(大きさ)、静止画、動画等の相違については、コメント予告だけでなく、リーチ成立時予告とタイトル予告や、タイトル予告とセリフ予告等、実行時期が前後する種類の異なる予告間においても採用することが可能である。
また、前述の実施例2では、コメント予告において、第1コメント予告(第1演出)とこれに続いく第2コメント予告(第2演出)を実行する場合、先の第1コメント予告の実行期間(コメント画像KG1の表示期間)と、後の第2コメント予告の実行期間(コメント画像KG2の表示期間)とが、重複するものとなっており、また、同じタイミングでコメント画像KG1とコメント画像KG2が画面上から消去されるものとしていた。つまり、第1コメント予告と第2コメント予告の開始時期に関しては第1コメント予告の方が先で、終了時期に関しては第1コメント予告と第2コメント予告とで同じとなっていた。これに対し、第1コメント予告と第2コメント予告とで開始時期(実行時期)を同じとしたり(同時発生)、第1コメント予告と第2コメント予告とで終了時期を異ならせたりすることも可能である。つまり、重複する複数の演出の実行時期に関し、開始時期を相違させたり一致させたり、また、終了時期を相違させたり一致させたりすることも可能であり、実行時期が異なるコメント予告の実行パターンを複数設けることも可能である。これにより、演出を多様化することが可能となる。
また、前述の実施例2では、各予告の表示パターンのうち大当り確定パターン(確定態様)として「特別色3」や「特別3」に係る「虹色」の一種類を備えるものとしていたが、大当り確定パターンを複数種も設けることも可能である。例えば、虹色以外の大当り確定色(例えば紅白)を設けたり、形状やサイズ等の色以外の要素で大当り確定パターンを設けたりすることも可能である。この場合、例えば、コメント予告でコメント画像の表示色を「虹色」とし、その後のーチ成立時予告やタイトル予告、あるいはセリフ予告において、予告画像の表示色を「紅白」としたり、予告画像の表示色とサイズを「虹色+巨大化」としたりすることが可能である。こうすることによっても、異なるタイミングで実行される複数の予告における各々の予告画像の表示態様に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
また、前述の実施例2では、コメント予告にて第1コメント予告の後に行われる第2コメント予告や、コメント予告よりも後に行われるリーチ成立時予告、タイトル予告、セリフ予告について、それぞれ一の表示パターンを実行するものとしていたが、一の種類の予告演出にて、複数の表示パターンを一つずつ段階的に実行可能としてもよい。例えば、タイトル予告にてSPリーチ演出の一のタイトルを複数回に分けて表示する表示態様(実行態様)を設けるものとし、当該表示態様として「1回目:赤色、2回目:金色、3回目:虹色」のパターンや「1回目:金赤色、2回目:虹色、3回目:虹色」のパターン、「1回目:赤色、2回目:金色、3回目金色、4回目:虹色、5回目:虹色」のパターン等、回が進むことで期待度が高まるパターン(チャンスアップパターン)を設けてもよい。あるいは、SPリーチ演出中のセリフ予告において、当該SPリーチ演出終了までに所定のキャラクタがセリフを複数回発することに伴い、そのセリフ画像の表示を複数回行う場合に、前述のようなチャンスアップパターンを設けてもよい。こうすることで、一の予告演出の過程で画像の表示態様が段階的に変化し得るものとなり、また、その中でより期待度の高い態様(高期待度態様)が複数回繰り返されることで、その高期待度態様をより強調して遊技者に印象付けることが可能となる。
また、前述の実施例2では、「コメント予告」、「リーチ成立時予告」、「タイトル予告」および「セリフ予告」の各予告演出について、コメント画像KG1,KG2やリーチ報知画像RG、タイトル画像TG、セリフ画像SGといった予告画像を、それぞれ予め定められた表示タイミングの到来により(演出パターンに基づき)自動的に表示するものとしていたが、遊技者による演出ボタン63の操作(入力手段からの入力)に基づいて予告画像を表示可能に構成してもよい。具体的に、例えば、コメント予告において第2コメント予告を実行するにあたり決定する第2コメント表示パターン(図54(d)を参照)のうち、高期待度態様である「特別色1(赤色)」、「特別色2(金色)」および「特別色3(虹色)」については、コメント画像KG2の表示に際して演出ボタン63の操作を遊技者に促す演出(操作促進演出)を行うこととし、当該演出の後に演出ボタン63が操作されたことを演出ボタン検知スイッチ(図5を参照)が検知したことに基づいてコメント画像KG2を表示するものとする。こうすれば、先の第1コメント予告に続いて実行され得る高期待度態様による第2コメント予告(コメント画像KG2の表示)については、遊技者による演出ボタン63の操作(入力手段からの入力)が契機となるので、コメント予告(第1コメント予告および第2コメント予告)を実行する場合の興趣を高めることが可能となる。また、演出ボタン63の操作を遊技者に促してその操作を契機に後の予告(ここでは第2コメント予告)を行うようにすることで、前述したような高期待度態様や確定態様による予告の見落としを補うことの確実性を一層増すことが可能となる。
尚、「第1コメント予告」や「リーチ成立時予告」、「タイトル予告」、「セリフ予告」についても、前述した第2コメント予告と同様に、例えば、高期待度態様の表示パターンによる予告画像の表示を演出ボタン63の操作に基づいて行うように構成することが可能である。これによっても、各予告を実行する場合の興趣を高めることが可能となり、また、前述したような予告の見落としを補うことが可能となる。さらに、高期待度態様に限らず、低期待度態様(通常色)についても、演出ボタン63の操作に基づいて予告画像を表示可能に構成してもよい。
次に、本発明の実施例3のパチンコ遊技機1について説明する。本実施例(実施例4)は、前述した実施例3(実施例1〜3)に対し、大当り遊技中に右打ち指示画像71の表示態様が変化し得る構成を付加したものである。以下では、実施例1〜3と異なる点(構成、作用効果等)を中心に説明し、実施例1,2と共通する点(構成、作用効果等)についての説明は省略する。
本実施例では、サブ制御基板90の演出制御用マイコン91が、図57に示す右打ち指示画像変更処理(S4800)を実行するものとなっている。この右打ち指示画像変更処理(S4800)は、図41に示した受信コマンド解析処理(S4302)における大当り遊技関連処理(S4406)のサブルーチンとして実行する処理である。
図57に示すように、本実施例の右打ち指示画像変更処理(S4800)では、まず、右打ち表示変更フラグがONであるか否かを判定し(S4801)、ONでない(OFFである)場合には(S4801でNO)、S4802以降の処理を行うことなく本処理を終える。本実施例では、前述の実施例2で説明したように、高ベース状態中に右打ち指示報知の態様(右打ち指示画像71の表示態様)を変更した場合に、その変更後の右打ち指示報知の態様を、同じ高ベース状態での大当り(連チャン)に係る大当り遊技中の所定時期に再度変更可能となっている。このことから、S4801では、前述のS4704でONされ得る右打ち表示変更フラグを参照し、右打ち表示変更フラグがONでない(OFFである)場合には、右打ち指示報知の態様(右打ち指示画像71の表示態様)が高ベース状態中に変更されてないこととなるため、S4802以降の処理を行うことなく本処理を終えるのである。
一方、右打ち表示変更フラグがONである場合(S4801でYES)、前述のS4405で受信した大当り遊技関連コマンドが2R開始コマンドであるか否かを判定し(S4802)、2R開始コマンドでない場合には(S4802でNO)、S4803以降の処理を行うことなく本処理を終える。これに対し、2R開始コマンドである場合には(S4802でYES)、右打ち文字画像表示コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4803)、右打ち表示変更フラグをOFFにして(S4804)、本処理を終える。
S4803でセットした右打ち文字画像表示コマンドは、2R開始コマンドの受信に基づくS4406の処理(図41を参照)でサブ出力バッファにセットされる2R開始演出コマンドとともに、コマンド送信処理(S4006)によって画像制御基板100に送信される。これにより、画像表示装置7の表示画面7aでは、2ラウンド目のラウンド演出表示が行われるとともに、右打ち表示領域71cに表示中の右矢印画像71bの上方に右打ち文字画像71aが追加して表示される。したがって、本実施例では、高ベース状態にて特別図柄の変動表示が所定回数(例えば50回)行われ、これを契機に右打ち文字画像71aが消去された後、当該高ベース状態にて大当り(連チャン)となった場合に、大当り遊技の2ラウンド目の開始に伴い、再度、右打ち文字画像71aが右打ち表示領域71cに表示されることとなる。つまり、「右矢印画像だけ」となった右打ち指示報知の態様が、もとの「右打ち文字画像と右矢印画像との組合せ」に変化(復帰)する。
[実施例4の作用効果]
以上に説明した本実施例(実施例4)のパチンコ遊技機1によれば、高ベース状態中の右打ち文字画像71aの消去により右矢印画像71aだけとなった右打ち指示報知の態様が、当該高ベース状態に続く特別遊技状態中の所定時期に変化し得るものとなっている。具体的には、高ベース状態にて、右打ち文字画像71aの消去により右矢印画像71bだけを右打ち表示領域71cに表示する状況となった後、当該高ベース状態にて大当り(連チャン)となった場合に、これに係る大当り遊技の2ラウンド目の開始に伴い、先に消去された右打ち文字画像71aが、右矢印画像71bだけを表示している右打ち表示領域71cの元の位置に表示されるものとなっている。これにより、高ベース状態から特別遊技状態に移行した後の当該特別遊技状態でのラウンド遊技の進行に応じて、右打ち指示報知の態様が変化し得る(復帰し得る)ものとなるので、遊技者を右打ち指示報知に注目させることが可能となる。
特に、本実施例では、表示画面7aの隅の方(本例では画面右上)に小さく表示される右打ち指示画像71に含まれる右打ち文字画像71aを高ベース状態中に消去した後、その右打ち文字画像71aを特別遊技状態中に元の位置に表示することが可能となっている。これにより、高ベース状態中に一度は変化した右打ち指示報知の態様の更なる変化(本例では復帰)に気付かせるといった興趣を付加することが可能となる。
尚、高ベース状態に続く特別遊技状態での右打ち指示報知の態様の変化(変更)は、本実施例で示した再度の右打ち文字画像71aの表示に限定されるものではない。例えば、右打ち文字画像71aの消去後も継続して表示している右矢印画像71bの表示サイズの変化(拡大または縮小)、色の変化、表示位置(表示箇所)の変化、デザインの変化等であってもよい。また、先の高ベース状態における右打ち指示報知の態様の変化とは無関係に、高ベース状態から継続して実行している右打ち指示報知の態様を、特別遊技状態中の所定時期に変化させる(変更する)ように構成してもよい。
さらに、特別遊技状態にて右打ち指示報知の態様を変更する時期(変化させる時期)は、本実施例で示した大当り遊技の2ラウンド目の開始タイミング(2R開始コマンド受信契機)に限定されるものではない。例えば、1ラウンド目もしくは3ラウンド目以降の所定ラウンドの開始タイミング、ラウンド遊技の実行中、所定ラウンドの終了タイミング(ラウンド終了コマンド受信契機)、オープニング演出の開始タイミング(オープニングコマンド受信契機)、オープニング演出の実行中、オープニング演出の終了タイミング(1R開始コマンド受信契機)、エンディング演出の開始タイミング(エンディングコマンド受信契機)、エンディング演出の実行中、エンディング演出の終了タイミング等、特別遊技状態の開始から終了までのあらゆる時期を、変更時期として定めることが可能である。また、特別遊技状態に移行してからの経過時間に基づき変更時期を定めることも可能である。
以上、本発明の実施形態として実施例1〜4を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することが可能である。
例えば、前述の実施例において、図45(b)や図54、図55に示した各テーブルにおける乱数値の振り分け態様(割り当て)はあくまでも一例であり、リーチ演出や予告演出の実行態様、出現率、大当り信頼度、遊技性等を考慮して、各乱数値を振り分けることが可能である。
また、前述の実施例では、右打ち指示画像71を、「右打ち」の文字を表す右打ち文字画像71aと、その上方に位置する1つの右矢印画像71bとからなるものとしていたが、右打ち指示画像71の態様はこれに限定されるものではなく、右打ち文字画像だけで構成したり、あるいは右矢印画像だけで構成したりすることも可能である。この場合、前述の実施例3,4における表示態様の変更(変化)は、右打ち指示報知を構成する一部画像の消去ではなく、表示中の画像そのものの態様(サイズ、色、形状、表示位置等)を変更する(変化させる)ものとすればよい。また、前述の実施例では、右打ち指示画像71の表示位置を表示画面7aの右上(右打ち表示領域71c)としていたが、右打ち指示画像71の表示位置はこれに限定されるものではなく、表示画面7a上の所定位置とすることが可能である。但し、演出図柄遊技演出や大当り遊技演出(ラウンド演出等)の妨げになるのを回避すべく、表示画面7aのうち外周寄り(画面周縁側)に表示するのが望ましい。さらに、液晶表示装置等の表示装置を複数備える場合には、演出図柄遊技演出や大当り遊技演出が行われる表示装置とは別の表示装置に、右打ち指示画像を表示するようにしてもよい。
また、前述の実施例では、左打ち指示画像70を、「左打ちに戻してください」の文字を表す左打ち文字画像70aと、その上方に位置する3つの左矢印画像70bとからなるものとしていたが、左打ち指示画像70の態様はこれに限定されるものではなく、前述の右打ち指示画像71と同様に、種々の態様を採ることが可能である。尚、左打ち指示画像70の表示(左打ち指示報知)は、高ベース状態(右打ち遊技状態)が終了して低ベース状態(左打ち遊技状態)に移行すること、すなわち、遊技球の発射を「右打ち」から「左打ち」に変更する(戻す)ことを、遊技者に分かり易く積極的に示す必要があることから、右打ち指示画像71の表示(右打ち指示報知)に比べ、表示サイズを大きくしたり表示位置を画面中央寄りにしたりする等、遊技者がより認識し易い態様(目立つ態様)で行うのが望ましい。
また、前述の実施例では、右打ち表示領域71cにおける右打ち指示画像71の表示を、初当りに係る大当り遊技の1ラウンド目の開始から、その後の高ベース状態の終了(大当り遊技の実行に伴う終了を除く)まで継続して実行するものとなっており、その間の連チャンに係る大当り遊技が行われる場合にも、ファンファーレ演出、ラウンド演出およびエンディング演出の各演出の実行中を含め、継続して実行するものとなっていた。これに対し、初当りに係る大当り遊技の1ラウンド目から継続する右打ち指示画像71の表示を、その後の連チャンに係る大当り遊技でのファンファーレ演出やエンディング演出が行われる時期、すなわち、遊技状態が特別遊技状態に移行する時期や特別遊技後の高ベース状態に移行する時期に中断(一時的に消去)し、ファンファーレ演出やエンディング演出が終了したら、右打ち指示画像71の表示を同じ表示位置で再開するようにしてもよい。このように右打ち指示画像71の表示を一時的に中断したとしても、連チャン期間中の右打ち指示報知が遊技者にとって認識し難いものとなる可能性は極めて低く(可能性は無く)、前述した実施例と同様の効果を奏することは可能である。
また、前述の実施例では、大当り遊技(特別遊技状態)において作動する大入賞装置(大入賞口)を1つ備えるパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、大入賞装置(大入賞口)を複数(例えば2つ)備えるパチンコ遊技機にも本発明を適用することが可能である。
また、前述の実施例では、始動入球に基づく事前判定について、特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出して、当該読み出した取得乱数値(取得情報)を判定(事前判定)するものとしていたが(「始動入球時処理(S205)」。図11、図13等を参照)、事前判定の手法はこれに限定されるものではない。例えば、特図保留記憶部に加え、事前判定の対象となる取得情報(つまり、始動入球に基づいて取得された取得情報)を記憶する領域(取得情報記憶手段)を主制御部やサブ制御部のRAMに設け、当該記憶領域(事前判定用記憶部)に記憶した取得情報を判定(事前判定)するものとしてもよい。この場合、事前判定の結果を主制御部やサブ制御部のRAMに記憶することで、事前判定に用いた取得情報(別の記憶領域に記憶した取得情報)を消去することも可能である。
また、前述の実施例では、第2特図保留を第1特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図2優先消化の制御処理としたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図1優先消化の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留と第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処理、所謂入球順(記憶順)消化の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とを並行して実行可能な制御処理としてもよい。
また、前述の実施例では、大当り図柄の種類に基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、大入賞口(Vアタッカー)に確変作動口としての特定領域(V領域)を備え、大当り遊技中に遊技球が特定領域を通過(V通過)したか否かに基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機(所謂「V確機」)にも本発明を適用することが可能である。あるいは、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることで入球可能となる大入賞口に特定領域(V領域)を備え、小当り遊技の際にその大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過(V通過)すると大当りとなり、当該V通過に基づき大当り遊技が実行される1種2種タイプのパチンコ遊技機にも本発明を適用することも可能である。
また、前述の実施例では、確率変動機能の非作動・作動により、大当り確率を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能としていたが、大当り確率の種類(数)はこれに限定されるものではなく、例えば、低確率(第1確率)よりも高く高確率(第2確率)よりも低い中確率(第3確率)等、3種類以上の確率を設定可能としてもよい。さらに、第1低確率と第1高確率(第1確率条件)、第2低確率と第2高確率(第2確率条件)、第3低確率と第3高確率(第3確率条件)など、低確率と高確率との関係を定めた複数種の確率条件を設け、当該複数種の確率条件のうちの何れかを、例えば、遊技機の電源投入時に任意に設定可能(選択可能)としてもよい。
[その他]
以下、本明細書で開示した実施形態(実施例)に関連する発明を参考発明として開示しておく。
(参考発明1)
従来、所定条件の成立に基づいて行われる判定の結果が特定結果となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機が広く知られている。この種の遊技機では、判定の実行を契機として識別情報を変動表示する表示手段を備え、当該識別情報の変動表示を通じて判定の結果に関する情報を示すように構成されたものが主流となっている(例えば、特開2008−370号公報を参照)。
前述した従来の表示手段を備えた遊技機では、遊技者は、特別遊技の実行に至るまで、表示手段における識別情報の変動表示に注目して遊技を進めることとなるが、識別情報の変動表示の態様は変化に乏しいという問題があった。本参考発明1は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、識別情報の変動表示の態様を多様化し、遊技興趣の向上を図ることにある。
前述の課題を解決するための参考発明1−1の遊技機は、
所定条件の成立に基づいて行われる判定の結果が特定結果となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
識別情報を表示可能な識別情報表示手段と、
前記判定の実行を契機として識別情報を変動表示させる表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、
識別情報を所定の態様で変動表示させるものであり、
識別情報の変動表示を開始してから終了するまでに、該識別情報の変動表示の態様を異なる態様に変化させることが可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、表示制御手段が識別情報を所定の態様で変動表示させるものとなっており、識別情報の変動表示の開始から終了までに、該識別情報の変動表示の態様を異なる態様に変化させることが可能となっている。このため、識別情報の変動表示が開始された後、当該識別情報の変動表示の態様が変化し得るものとなる。これにより、識別情報の変動表示の態様を多様化して、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
参考発明1−2の遊技機は、前述した参考発明1−1の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記判定の結果が特定結果である場合には、前記判定の結果が特定結果でない場合に比べ、前記変動表示の態様を変化させる可能性が高い
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、識別情報の変動表示の実行(開始)契機となる判定の結果が特定結果である場合には、特定結果でない場合に比べ、識別情報の変動表示の態様を変化させる可能性が高いものとなっている。このため、識別情報の変動表示が開始された後、変動表示の態様の変化の有無によって、特別遊技の実行(判定の結果が特定結果であること)に対する期待度を示唆することが可能となる。これにより、識別情報の変動表示の態様変化に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
参考発明1−3の遊技機は、前述した参考発明1−1または参考発明1−2の遊技機において、
前記変動表示の態様として、少なくとも、識別情報をスクロール表示させるスクロール態様と、識別情報を切替表示させる切替態様と、を有し、
前記表示制御手段は、識別情報を前記スクロール態様で変動表示させた後に前記切替態様で変動表示させることが可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、識別情報の変動表示の態様として、少なくとも、識別情報をスクロール表示させるスクロール態様と、識別情報を切替表示させる切替態様と、を有するものとなっている。そして、表示制御手段は、識別情報をスクロール態様で変動表示させた後に切替態様で変動表示させることが可能となっている。つまり、識別情報の変動表示の態様を変化させる場合、スクロール表示から切替表示に変化させることが可能となっている。これにより、変動表示の態様変化を、変動表示の仕方(種類)の違いによって示すことが可能となり、遊技者にとって分かり易くすることが可能となる。
参考発明1−4の遊技機は、前述した参考発明1−1から参考発明1−3の何れか一つの遊技機において、
前記変動表示の態様として、少なくとも、識別情報を第1方向に変動表示させる第1態様と、識別情報を前記第1方向と交差する第2方向に変動表示させる第2態様と、を有し、
前記表示制御手段は、識別情報を前記第1態様で変動表示させた後に前記第2態様で変動表示させることが可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、識別情報の変動表示の態様として、少なくとも、識別情報を第1方向に変動表示させる第1態様と、識別情報を第1方向と交差する第2方向に変動表示させる第2態様と、を有するものとなっている。そして、表示制御手段は、識別情報を第1態様で変動表示させた後に第2態様で変動表示させることが可能となっている。つまり、識別情報の変動表示の態様を変化させる場合、識別情報の変動表示の方向(変動方向)を、第1方向から、該第1方向に交差する第2方向に変化させることが可能となっている。これにより、変動表示の態様変化を、変動表示の方向(変動方向)の違いによって示すことが可能となり、遊技者にとって分かり易くすることが可能となる。
参考発明1−5の遊技機は、前述した参考発明1−1から参考発明1−4の何れか一つの遊技機において、
前記識別情報の変動表示に伴って演出を実行可能な演出実行手段を備え、
前記表示制御手段は、前記判定の結果が特定結果である場合、前記識別情報を変動表示させた後に特定態様で停止表示させることが可能であり、
前記演出実行手段は、前記識別情報が前記特定態様で停止表示されるか否かに係る特定演出を実行可能であり、
さらに前記表示制御手段は、前記特定演出の実行に伴って前記変動表示の態様を変化させることが可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、識別情報の変動表示に伴って演出を実行可能な演出実行手段を備えるものとなっている。また、識別情報の変動表示の実行(開始)契機となる判定の結果が特定結果である場合、識別情報を変動表示させた後に特定態様で停止表示させることが可能となっている。そして、演出実行手段は、識別情報が特定態様で停止表示されるか否かに係る特定演出を実行可能となっており、表示制御手段は、特定演出の実行に伴って識別情報の変動表示の態様を変化させることが可能となっている。このため、特定演出の実行前後で、識別情報の変動表示の態様が変化し得るものとなる。これにより、特定演出とともに変動表示の態様変化に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
参考発明1−6の遊技機は、前述した参考発明1−5の遊技機において、
前記特定演出として複数種の特定演出を有し、
前記表示制御手段は、前記特定演出の実行に伴って前記変動表示の態様を変化させる場合、実行される特定演出の種類に応じて変動表示の態様を変化させることが可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、特定演出として複数種の特定演出を有するものとなっており、表示制御手段は、特定演出の実行に伴って識別情報の変動表示の態様を変化させる場合、その実行される特定演出の種類に応じて変動表示の態様を変化させることが可能となっている。このため、実行される特定演出の種類と、識別情報の変動表示の態様変化とに関連性を持たせることが可能となる。これにより、特定演出と識別情報の変動表示の態様変化との関係に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
参考発明1−7の遊技機は、前述した参考発明1−5または参考発明1−6の遊技機において、
前記特定演出として、特別特定演出を含む複数種の特定演出を有し、
前記表示制御手段は、前記複数種の特定演出のうち、少なくとも前記特別特定演出の実行に伴って前記変動表示の態様を変化させることが可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、特定演出として特別特定演出を含む複数種の特定演出を有するものとなっており、表示制御手段は、少なくとも特別特定演出の実行に伴って識別情報の変動表示の態様を変化させることが可能となっている。このため、特別特定演出が実行される場合には、識別情報の変動表示の態様が変化し得るものとなる。これにより、実行される特別特定演出とともに識別情報の変動表示の態様変化にも遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
参考発明1−8の遊技機は、前述した参考発明1−1から参考発明1−7の何れか一つの遊技機において、
前記表示制御手段は、前記変動表示の態様を変化させる場合、識別情報の表示サイズを変化前に比して小さくする
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、識別情報の変動表示の態様を変化させる場合、その識別情報の表示サイズを、変化前に比して小さくするものとなっている。このため、遊技者にしてみれば、表示サイズ(視認サイズ)が小さくなった識別情報の変動表示に注目することで、変動表示の態様が変化したこと、つまり、変化後の態様を認識することが可能となる。これにより、識別情報の変動表示の態様変化に遊技者の興味を一層惹きつけることが可能となる。
参考発明1−9の遊技機は、前述した参考発明1−1から参考発明1−8の何れか一つの遊技機において、
前記識別情報表示手段は、前記識別情報として、少なくとも、演出図柄と、前記演出図柄よりも表示サイズが小さい小演出図柄と、を表示可能であり、
前記表示制御手段は、前記演出図柄と前記小演出図柄を変動表示させることが可能であるとともに、前記演出図柄と前記小演出図柄のうち、少なくとも前記演出図柄の変動表示の態様を変化させることが可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、識別情報表示手段が、識別情報として、少なくとも、演出図柄と、演出図柄よりも表示サイズが小さい小演出図柄と、を表示することが可能となっている。また、表示制御手段は、演出図柄と小演出図柄を変動表示させることが可能となっており、これら演出図柄と小演出図柄のうち、少なくとも演出図柄の変動表示の態様を変化させることが可能となっている。これにより、少なくとも、表示サイズが相対的に大きい演出図柄の変動表示の態様が変化し得るものとなり、演出図柄の変動表示の態様変化に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
以上の参考発明1によれば、識別情報の変動表示の態様を多様化し、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
(参考発明2)
従来、所定の判定の結果に基づいて識別情報の変動表示を行い、判定の結果が特定結果である場合に、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機が広く知られている。この種の遊技機では、識別情報の変動表示に伴ってリーチや予告等の演出を行うことにより、遊技興趣の向上が図られている(例えば、特開2009−95470号公報を参照)。
しかしながら、従来の遊技機で実行される演出は、機種によって演出内容(例えば、モチーフや登場するキャラクタ等)が異なるものの、演出手法(例えば、演出の展開やパターン等)は然程変わらないことから、画一的になりやすいという問題があった。本参考発明2は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技者の興味を惹きつけることが可能な演出を実現して、遊技興趣の向上を図ることにある。
前述の課題を解決するための参考発明2−1の遊技機は、
所定の判定の結果に基づいて識別情報の変動表示を行い、前記判定の結果が特定結果である場合に、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
画像を表示可能な画像表示部と、
前記識別情報の変動表示に伴って演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記演出実行手段は、前記演出として、少なくとも、前記画像表示部に所定画像を表示する所定演出表示を実行可能であり、
前記所定演出表示の実行に際して、前記画像表示部に前記所定画像以外の他の画像が表示される場合、前記所定画像を、前記他の画像との前後位置関係が異なるように表示することが可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、演出実行手段が、識別情報の変動表示に伴う演出として、少なくとも、画像表示部に所定画像を表示する所定演出表示を実行することが可能となっており、所定演出表示の実行に際し、画像表示部に所定画像以外の他の画像が表示される場合、所定画像を、他の画像との前後位置関係が異なるように表示することが可能となっている。このため、所定演出表示の実行により、画像表示部に所定画像と他の画像とが表示される場合には、両画像の前後位置関係に差異が生じることとなる。これにより、所定演出表示に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
参考発明2−2の遊技機は、前述した参考発明2−1の遊技機において、
前記所定画像として複数種の所定画像を有し、
前記演出実行手段は、前記所定演出表示の実行に際して、前記複数種の所定画像のうち何れかの所定画像を表示可能であり、当該表示する所定画像の種類によって、前記他の画像との前後位置関係を異ならせる
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、所定演出表示における所定画像として複数種の所定画像を備えるものとなっており、所定演出表示の実行に際して、その複数種の所定画像のうち何れかの画像を画像表示部に表示することが可能となっている。そして、所定画像とともに他の画像が表示される場合、その所定画像の種類によって、所定画像と他の画像との前後位置関係を異ならせるものとなっている。このため、所定演出表示の実行により、画像表示部に所定画像と他の画像とが表示される場合、その表示される所定画像の種類に応じて、両画像の前後位置関係に差異が生じることとなる。これにより、所定演出表示に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
参考発明2−3の遊技機は、前述した参考発明2−2の遊技機において、
前記所定演出表示の実行に際して表示する所定画像を前記複数種の所定画像の中から選択する選択手段を備え、
前記選択手段は、前記判定の結果に基づいて所定画像を選択可能であり、
前記複数種の所定画像には、少なくとも、通常画像種の所定画像と、前記通常画像種に比べ前記判定の結果が特定結果である場合に選択される可能性の高い特殊画像種の所定画像と、が含まれており、
前記演出実行手段は、前記所定演出表示の実行に際して、前記選択手段により選択された所定画像を表示可能であり、
前記選択手段により前記通常画像種の所定画像が選択され、前記所定演出表示の実行に際して前記他の画像が表示される場合、前記通常画像種の所定画像を前記他の画像より後方側に表示し、
前記選択手段により前記特殊画像種の所定画像が選択され、前記所定演出表示の実行に際して前記他の画像が表示される場合、前記特殊画像種の所定画像を前記他の画像より前方側に表示する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、所定演出表示の実行に際して表示する所定画像を、複数種の所定画像の中から判定の結果に基づいて選択することが可能となっており、複数種の所定画像には、少なくとも、通常画像種の所定画像と、通常画像種に比べ判定の結果が特定結果である場合に選択される可能性の高い特殊画像種の所定画像と、が含まれている。そして、演出実行手段は、所定演出表示の実行に際して、選択手段により選択された所定画像を表示することが可能となっており、選択手段により通常画像種の所定画像が選択され、所定演出表示の実行に際して他の画像が表示される場合には、通常画像種の所定画像を他の画像より後方側(奥側)に表示し、選択手段により特殊画像種の所定画像が選択され、所定演出表示の実行に際して他の画像が表示される場合、特殊画像種の所定画像を他の画像より前方側(手前側)に表示するものとなっている。このため、所定演出表示の実行に際して、所定画像とともに他の画像が画像表示部に表示される場合において、所定画像が他の画像より後方側(奥側)に表示されるのと、所定画像が他の画像より前方側(手前側)に表示されるのとでは、前者よりも後者の方が、判定の結果が特定結果であること(特別遊技の実行)に対する期待度は高くなる。これにより、所定画像と他の画像との前後位置関係によって期待度を示唆することが可能となるため、所定演出表示に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
参考発明2−4の遊技機は、前述した参考発明2−2または参考発明2−3の遊技機において、
前記演出実行手段は、前記所定演出表示の実行後に、所定の特別演出表示を実行する場合がある
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、演出実行手段が、所定演出表示の実行後に、所定の特別演出表示を実行する場合があるものとなっている。これにより、所定演出表示が行われた後の演出の展開に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
参考発明2−5の遊技機は、前述した参考発明2−1から参考発明2−4の何れか一つの遊技機において、
前記識別情報は、前記画像表示部に表示可能な演出図柄により構成され、
前記所定画像は、前記判定の結果に関する示唆を行う予告画像であり、
前記他の画像は、前記演出図柄である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、所定演出表示の実行に際して表示される所定画像が、判定の結果に関する示唆を行う予告画像となっており、所定画像とは別に表示され得る他の画像が、識別情報を構成する演出図柄となっている。このため、所定演出表示の実行に際して、予告画像(所定画像)とともに演出図柄(他の画像)が表示される場合、予告画像と演出図柄との前後位置関係に差異を生じさせることが可能となる。これにより、所定演出表示に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
参考発明2−6の遊技機は、前述した参考発明2−1から参考発明2−4の何れか一つの遊技機において、
前記識別情報は、前記画像表示部に表示可能な複数の演出図柄により構成され、
前記複数の演出図柄は、変動表示が可能であるとともに変動表示を経て所定の停止順序による停止表示が可能であり、
前記所定画像は、前記複数の演出図柄のうち前記停止順序が最後となる最終停止図柄であり、
前記他の画像は、前記最終停止図柄以外の図柄である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、識別情報が複数の演出図柄により構成されるものとなっており、該複数の演出図柄が変動表示することが可能となっているとともに、変動表示を経て所定の停止順序で停止表示することが可能となっている。そして、所定演出表示の実行に際して表示される所定画像が、複数の演出図柄のうち停止順序が最後となる最終停止図柄となっており、所定画像とは別に表示され得る他の画像が、最終停止図柄以外の図柄となっている。このため、所定演出表示の実行により、最終停止図柄(所定画像)と、最終停止図柄以外の図柄(他の画像)との前後位置関係に差異を生じさせることが可能となる。これにより、所定演出表示に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
以上の参考発明2によれば、遊技者の興味を惹きつけることが可能な演出を実現して、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
(参考発明3)
また、前述した参考発明2に係る課題と同様の課題を解決するための参考発明3−1の遊技機は、
所定の判定の結果に基づいて識別情報の変動表示を行い、前記判定の結果が特定結果である場合に、遊技者にとって有利な特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
画像を表示可能な画像表示部と、
前記識別情報の変動表示に伴って演出を実行可能な演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、少なくとも、前記画像表示部に第1画像を表示する第1演出と、前記画像表示部に第2画像を表示する第2演出と、を実行可能であり、
前記第1画像の表示態様と前記第2画像の表示態様には、それぞれ複数種の表示態様があり、
前記識別情報の変動表示が開始されてから終了するまでに、前記第1演出を先に実行して前記第2演出を後に実行する場合、前記第2演出の実行に際して表示する第2画像の表示態様を、前記第1演出の実行に際して表示する第1画像の表示態様と同様の表示態様とすることが可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、演出実行手段が、識別情報の変動表示に伴う演出として、少なくとも、画像表示部に第1画像を表示する第1演出と、画像表示部に第2画像を表示する第2演出と、を実行することが可能となっており、第1画像の表示態様と第2画像の表示態様には、それぞれ複数種の表示態様が存在するものとなっている。そして、識別情報の変動表示が開始されてから終了するまでに、第1演出を先に実行して第2演出を後に実行する場合、第2演出の実行に際して表示する第2画像の表示態様を、第1演出の実行に際して表示する第1画像の表示態様と同様の表示態様とすることが可能となっている。このため、先の第1演出で表示される第1画像の表示態様と、後の第2演出で表示される第2画像の表示態様とが同様の表示態様となることで、第1演出と第2演出で共通する表示態様を強調して遊技者に印象付けることが可能となる。これにより、識別情報の変動表示が開始されてから終了するまでに実行され得る第1演出と第2演出に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
参考発明3−2の遊技機は、前述した参考発明3−1の遊技機において、
前記複数種の表示態様には、前記特別遊技の実行に対する期待度が高いことを示唆する高期待度態様が含まれており、
前記識別情報の変動表示が開始されてから終了するまでに、前記第1演出を先に実行して前記第2演出を後に実行する場合であって、前記第1演出の実行に際して表示する第1画像の表示態様が高期待度態様である場合、前記第2演出の実行に際して表示する第2画像の表示態様を高期待度態様とする
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、第1画像の表示態様と第2画像の表示態様(複数種の表示態様)には、特別遊技の実行に対する期待度が高いことを示唆する高期待度態様が含まれており、識別情報の変動表示が開始されてから終了するまでに、第1演出を先に実行して第2演出を後に実行する場合であって、第1演出の実行に際して表示する第1画像の表示態様が高期待度態様である場合に、第2演出の実行に際して表示する第2画像の表示態様を高期待度態様とするものとなっている。このため、先の第1演出で表示される第1画像の表示態様と、後の第2演出で表示される第2画像の表示態様が、ともに高期待度態様となることで、第1演出と第2演出で共通する高期待度態様を強調して遊技者に印象付けることが可能となる。これにより、識別情報の変動表示が開始されてから終了するまでに実行され得る第1演出と第2演出に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
参考発明3−3の遊技機は、前述した参考発明3−1または参考発明3−2の遊技機において、
前記複数種の表示態様には、前記特別遊技の実行確定を示唆する確定態様が含まれており、
前記識別情報の変動表示が開始されてから終了するまでに、前記第1演出を先に実行して前記第2演出を後に実行する場合であって、前記第1演出の実行に際して表示する第1画像の表示態様が確定態様である場合、前記第2演出の実行に際して表示する第2画像の表示態様を確定態様とする
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、第1画像の表示態様と第2画像の表示態様(複数種の表示態様)には、特別遊技の実行確定を示唆する確定態様が含まれており、識別情報の変動表示が開始されてから終了するまでに、第1演出を先に実行して第2演出を後に実行する場合であって、第1演出の実行に際して表示する第1画像の表示態様が確定態様である場合に、第2演出の実行に際して表示する第2画像の表示態様を確定態様とするものとなっている。このため、先の第1演出で表示される第1画像の表示態様と、後の第2演出で表示される第2画像の表示態様が、ともに確定態様となることで、第1演出と第2演出で共通する確定態様を強調して遊技者に印象付けることが可能となる。これにより、識別情報の変動表示が開始されてから終了するまでに実行され得る第1演出と第2演出に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
参考発明3−4の遊技機は、前述した参考発明3−1から参考発明3−3の何れか一つの遊技機において、
前記識別情報の変動表示が開始されてから終了するまでに、前記第1演出を先に実行して前記第2演出を後に実行する場合、前記第1演出の実行期間と前記第2演出の実行期間とが重複する場合がある
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、識別情報の変動表示が開始されてから終了するまでに、第1演出を先に実行して第2演出を後に実行する場合、先の第1演出の実行期間と、後の第2演出の実行期間とが、重複する場合があるものとなっている。このため、先の第1演出における第1画像の表示と、後の第2演出における第2画像の表示とが、並行して実行され得るものとなる。これにより、先の第1演出に係る第1画像の表示態様と後の第2演出に係る第2画像の表示態様をより強調して遊技者に印象付けることが可能となる。
参考発明3−5の遊技機は、前述した参考発明3−1から参考発明3−4の何れか一つの遊技機において、
遊技者による入力が可能な入力手段を備え、
前記演出実行手段は、前記識別情報の変動表示が開始されてから終了するまでに、前記第1演出を先に実行して前記第2演出を後に実行する場合、前記第1演出および前記第2演出のうち、少なくとも前記第2演出を前記入力手段からの入力に基づいて実行可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、遊技者による入力が可能な入力手段を備えるものとなっており、演出実行手段は、識別情報の変動表示が開始されてから終了するまでに、第1演出を先に実行して第2演出を後に実行する場合、第1演出および第2演出のうち、少なくとも第2演出を入力手段からの入力に基づいて実行することが可能となっている。このため、少なくとも第2演出については、遊技者による入力手段からの入力を契機として実行され得るものとなる。これにより、入力手段からの入力を遊技者に促して、第1演出と第2演出を実行する場合の興趣を高めることが可能となる。
参考発明3−6の遊技機は、前述した参考発明3−1から参考発明3−5の何れか一つの遊技機において、
前記判定の結果が特定結果である場合、前記識別情報の変動表示の表示結果として特定表示結果を導出表示するものであり、
前記演出実行手段は、前記識別情報の変動表示が開始されてから終了するまでに、前記特定表示結果が導出表示されるか否かに係る特定演出を実行可能であり、
前記第1演出および前記第2演出は、前記特定演出の実行前に実行可能な演出である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、判定の結果が特定結果である場合、識別情報の変動表示の表示結果として特定表示結果を導出表示するものとなっている。そして、演出実行手段は、識別情報の変動表示が開始されてから終了するまでに、特定表示結果が導出表示されるか否かに係る特定演出を実行することが可能となっており、第1演出および第2演出は、特定演出の実行前に実行可能な演出となっている。このため、識別情報の変動表示が開始された後、特定演出の実行前に、第1演出による第1画像の表示と、後の第2演出による第2画像の表示とが実行され得るものとなる。これにより、特定演出の実行前の興趣を高めることが可能となる。
参考発明3−7の遊技機は、前述した参考発明3−1から参考発明3−5の何れか一つの遊技機において、
前記判定の結果が特定結果である場合、前記識別情報の変動表示の表示結果として特定表示結果を導出表示するものであり、
前記演出実行手段は、前記識別情報の変動表示が開始されてから終了するまでに、前記特定表示結果が導出表示されるか否かに係る特定演出を実行可能であり、
前記第1演出および前記第2演出は、前記特定演出の実行中に実行可能な演出である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、判定の結果が特定結果である場合、識別情報の変動表示の表示結果として特定表示結果を導出表示するものとなっている。そして、演出実行手段は、識別情報の変動表示が開始されてから終了するまでに、特定表示結果が導出表示されるか否かに係る特定演出を実行することが可能となっており、第1演出および第2演出は、特定演出の実行中に実行可能な演出となっている。このため、識別情報の変動表示が開始された後、特定演出が実行される場合、その特定演出の実行中に、第1演出による第1画像の表示と、後の第2演出による第2画像の表示とが実行され得るものとなる。これにより、特定演出の実行中の興趣を高めることが可能となる。
以上の参考発明3によれば、遊技者の興味を惹きつけることが可能な演出を実現して、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
(参考発明4)
従来、遊技領域の略中央に液晶表示装置等を含むセンター役物(中央役物)を備え、通常の遊技状態では、センター役物より左側の遊技領域に向けて遊技球を発射(所謂「左打ち」)し、大当り遊技や確変遊技等の遊技者にとって有利な遊技が行われる遊技状態では、センター役物より右側の遊技領域に向けて遊技球を発射(所謂「右打ち」)するタイプの遊技機が知られている。この種の遊技機では、大当り遊技や確変遊技の実行に際し、遊技者に右打ちを促す指示報知を行うのが一般的である(例えば、特開2008−12185号公報を参照)。
近年の遊技機では、遊技興趣を向上させるべく、遊技中に行われる演出の派手さが増す傾向にある。このため、遊技中に行われる右打ちの指示報知が演出に紛れてしまい、遊技者にとって認識し難いものとなってしまう虞がある。本参考発明4は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技者にとって認識し易い発射の指示報知を実行可能な遊技機を提供することにある。
前述の課題を解決するための参考発明4−1の遊技機は、
遊技領域に向けて遊技球を発射して遊技を行う遊技機であって、
遊技状態を制御可能な遊技状態制御手段と、
前記遊技領域のうち何れの領域に向けて遊技球を発射するかを指示する指示報知を実行可能な指示報知実行手段と、を備え、
前記遊技状態には、少なくとも、前記遊技領域のうち所定の領域に向けて遊技球を発射して遊技を行う所定遊技状態があり、
前記所定遊技状態には、少なくとも、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とがあり、
前記指示報知には、前記所定の領域に向けて遊技球を発射することを指示する所定指示報知があり、
前記指示報知実行手段は、前記第1所定遊技状態と前記第2所定遊技状態とで、前記所定指示報知を同様の態様で実行可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、遊技領域のうち所定の領域に向けて遊技球を発射して遊技を行う所定遊技状態として、少なくとも、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とを備えるものとなっている。また、遊技領域のうち所定の領域に向けて遊技球を発射することを指示する所定指示報知を、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とで、同様の態様で実行することが可能となっている。これにより、遊技者にとっては、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とで遊技状態は異なるものの、所定指示報知が同様の態様で実行されることとなるので、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態の何れの遊技状態であっても、所定指示報知を認識し易いものとなる。
参考発明4−2の遊技機は、前述した参考発明4−1の遊技機において、
前記遊技状態制御手段は、遊技状態を前記第1所定遊技状態から前記第2所定遊技状態に制御可能であり、
前記指示報知実行手段は、前記第1所定遊技状態にて前記所定指示報知を所定の態様で実行するとともに、遊技状態が前記第1所定遊技状態から前記第2所定遊技状態に移行した後も前記第1所定遊技状態での前記所定指示報知を実行する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、第1所定遊技状態にて所定指示報知を所定の態様で実行するとともに、遊技状態が第1所定遊技状態から第2所定遊技状態に移行した場合には、当該移行後の第2所定遊技状態においても、移行前の第1所定遊技状態での所定指示報知を実行するものとなっている。これにより、遊技者にとっては、遊技状態が第1所定遊技状態から第2所定遊技状態に移行したとしても、その移行前後で所定指示報知が同様の態様で実行されることとなるので、所定指示報知を認識し易いものとなる。
参考発明4−3の遊技機は、前述した参考発明4−2の遊技機において、
前記指示報知実行手段は、遊技状態が前記第1所定遊技状態から前記第2所定遊技状態に移行した後の前記所定指示報知の態様を、前記第2所定遊技状態中の所定時期に変更可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、遊技状態が第1所定遊技状態から第2所定遊技状態に移行した後も第1所定遊技状態での所定指示報知を実行する場合の当該所定指示報知の態様を、第2所定遊技状態中の所定時期に変更することが可能となっている。これにより、第1所定遊技状態から第2所定遊技状態への移行後に所定指示報知の態様が変化し得るものとなるので、遊技者を所定指示報知に注目させることが可能となる。
参考発明4−4の遊技機は、前述した参考発明4−1から参考発明4−3の何れか一つの遊技機において、
前記遊技状態制御手段は、遊技状態を前記第2所定遊技状態から前記第1所定遊技状態に制御可能であり、
前記指示報知実行手段は、前記第2所定遊技状態にて前記所定指示報知を所定の態様で実行するとともに、遊技状態が前記第2所定遊技状態から前記第1所定遊技状態に移行した後も前記第2所定遊技状態での前記所定指示報知を実行する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、第2所定遊技状態にて所定指示報知を所定の態様で実行するとともに、遊技状態が第2所定遊技状態から第1所定遊技状態に移行した場合には、当該移行後の第1所定遊技状態においても、移行前の第1所定遊技状態での所定指示報知を実行するものとなっている。これにより、遊技者にとっては、遊技状態が第2所定遊技状態から第1所定遊技状態に移行したとしても、その移行前後で所定指示報知が同様の態様で実行されることとなるので、所定指示報知を認識し易いものとなる。
参考発明4−5の遊技機は、前述した参考発明4−4の遊技機において、
前記指示報知実行手段は、遊技状態が前記第2所定遊技状態から前記第1所定遊技状態に移行した後の前記所定指示報知の態様を、前記第1所定遊技状態中の所定時期に変更可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、遊技状態が第2所定遊技状態から第1所定遊技状態に移行した後も第2所定遊技状態での所定指示報知を実行する場合の当該所定指示報知の態様を、第1所定遊技状態中の所定時期に変更することが可能となっている。これにより、第2所定遊技状態から第1所定遊技状態への移行後に所定指示報知の態様が変化し得るものとなるので、遊技者を所定指示報知に注目させることが可能となる。
参考発明4−6の遊技機は、前述した参考発明4−1から参考発明4−5の何れか一つの遊技機において、
前記指示報知実行手段は、前記所定の領域に向けて遊技球を発射することを指示する所定指示画像を所定の表示手段に表示することにより前記所定指示報知を実行可能であり、
前記第1所定遊技状態と前記第2所定遊技状態とで、同一の前記所定指示画像を前記表示手段に表示可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、所定の表示手段に所定指示画像を表示することにより、所定指示報知を実行することが可能となっている。そして、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とで、同一の所定指示画像を表示することが可能となっている。これにより、遊技者にとっては、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とで遊技状態は異なるものの、所定指示画像は同一となるので、所定指示画像の表示(所定指示報知)を認識し易いものとなる。
参考発明4−7の遊技機は、前述した参考発明4−6の遊技機において、
前記指示報知実行手段は、前記第1所定遊技状態と前記第2所定遊技状態とで、同一の前記所定指示画像を前記表示手段の同一の表示部に表示可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とで、同一の所定指示画像を表示手段の同一の表示部に表示することが可能となっている。これにより、遊技者にとっては、第1所定遊技状態と第2所定遊技状態とで遊技状態は異なるものの、所定指示画像およびその表示位置は共に同一となるので、所定指示画像の表示(所定指示報知)を認識し易いものとなる。
以上の参考発明4によれば、遊技者にとって認識し易い発射の指示報知を実行することが可能となる。