JP2019088579A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技機の防犯性を好適に向上させることが可能な遊技機を提供する。【解決手段】遊技領域に設けられた作動口への入賞が発生すると、主制御装置162に設けられた当たり乱数カウンタから乱数値が取得され、取得した乱数値とROM403に記憶されている当否抽選用のテーブルとを参照して開閉実行モードへの移行抽選が実行される。ROM403には上記当否抽選用のテーブルとして、移行抽選における当選確率が相違する複数のテーブルが設けられており、参照対象とする抽選テーブルを遊技ホールのホール管理者による変更操作に基づいて変更可能となっている。主制御装置162からの情報に基づいて作動口等への入球を監視する監視装置600には、ハード乱数回路651が設けられており、参照対象となっているテーブルが変更される場合には、ハード乱数回路651から取得された乱数値と同じ値となるように当たり乱数カウンタの値が変更される。【選択図】 図75

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた入球部への入賞を契機として当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が実行され、抽選に当選した場合には表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示され、遊技状態が特定遊技状態に移行する(例えば特許文献1参照)。
特開2005−074175号公報
近年では、遊技機の防犯性を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成においては防犯性の向上を実現する上では未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技機の防犯性を好適に向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
本発明は、
予め定められた周期で定期処理を繰り返し実行することにより遊技の進行を制御する定期処理実行手段を備えた遊技機において、
前記定期処理実行手段は、
前記定期処理にて第1数値情報を更新する第1更新手段と、
遊技領域に設けられた入球部への入球が発生した場合に、当該入球が発生したタイミングにおける前記第1数値情報を取得し、当該取得した第1数値情報を第1記憶手段に記憶させる数値情報取得手段と、
前記第1記憶手段に記憶されている第1数値情報と当選情報が定められた当選情報群とを用いて抽選を行う抽選手段と
を有し、
前記当選情報群として、前記抽選にて当選結果となる当選情報の数が異なるように構成された複数の当選情報群を有し、前記抽選手段はそれら複数の当選情報群のうち一の当選情報群を参照して前記抽選を行うものであり、
前記抽選手段にて参照対象となる当選情報群の変更と、前記抽選手段にて何れの当選情報群が参照対象となっているかの確認との何れかを行うべく操作される操作手段と、
前記第1更新手段による前記第1数値情報の更新とは非同期となる所定の周期にて前記第1数値情報とは別の第2数値情報を更新する第2更新手段と、
前記第2更新手段により更新された前記第2数値情報を記憶する第2記憶手段と、
前記操作手段によって前記参照対象が変更される場合又は前記参照対象が確認される場合に、前記第2記憶手段に記憶されている前記第2数値情報と同じ数値情報となるように前記第1数値情報を設定する数値情報設定手段と
を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、遊技機の防犯性を好適に向上させることができる。
第1の実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機を前方から見た斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 内枠の構成を示す正面図である。 遊技盤ユニットの構成を示す正面図である。 遊技盤ユニットを後方から見た斜視図である。 内枠の構成を示す背面図である。 パチンコ機の背面図である。 裏パックユニットを示す正面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための概略図である。 図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための概略図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 設定毎の当選確率を示す概略図である。 低確率モード用の当否テーブルを示す概略図である。 高確率モード用の当否テーブルを示す概略図である。 (a),(b)振分テーブルを示す概略図、(c)当たり種別とサポートモードとの関係を示す概略図である。 主制御装置のMPUによるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUによるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 作動口用の入賞処理を示すフローチャートである。 情報取得処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUによる通常処理を示すフローチャートである。 遊技回制御処理を示すフローチャートである。 データ設定処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 変動表示時間の設定処理を示すフローチャートである。 遊技状態移行処理を示すフローチャートである。 報知・演出制御装置及び表示制御装置に係る電気的構成を示すブロック図である。 報知・演出制御装置のMPUによる変動表示制御処理を示すフローチャートである。 変動用開始処理を示すフローチャートである。 (a)変動表示態様の種類を示す概略図、(b)各変動表示態様の概要を示す概略図である。 監視装置及びそれに関連する構成を示すブロック図である。 主制御装置及びそれに関連する構成を示すブロック図である。 主制御装置のMPUにて実行される設定変更用処理を示すフローチャートである。 設定変更の可否の切り替わりを示すタイミングチャートである。 (a)第2の実施の形態における初期コマンド出力処理を示すフローチャート、(b)設定変更処理を示すフローチャートである。 (a)初期コマンド及び設定変更コマンドに含まれるコードを示す概略図、(b)賞球コマンド設定処理を示すフローチャート、(c)賞球コマンドに含まれる情報を示す概略図である。 (a)払出制御装置のMPUにて実行されるコマンド対応処理を示すフローチャート、(b)第3の実施の形態における監視装置にて実行される設定値対比処理を示すフローチャートである。 (a)第4の実施の形態における報知・演出制御装置のMPUにて実行される異常報知用設定処理を示すフローチャート、(b)報知・演出制御装置のMPUにて実行される異常報知用処理を示すフローチャートである。 (a)一般入賞口への入賞確率を示す概略図、(b)入賞確率と設定との関係を示す概略図である。 設定毎の正常範囲の違いを示す概略図である。 (a)第5の実施の形態における監視装置を示す概略図、(b)監視装置の一時記憶領域に記憶される情報を示す概略図である。 報知・演出制御装置のMPUにて実行される異常報知用処理を示すフローチャートである。 設定と参照情報との関係を示す概略図である。 (a)第6の実施の形態における電気的構成を示す概略図、(b)設定値と補正係数との関係とを示す概略図である。 第7の実施の形態における報知・演出制御装置のMPUにて実行される異常報知用処理を示すフローチャートである。 異常報知の流れを示すタイミングチャートである。 報知・演出制御装置のMPUにて実行される異常報知解除用処理を示すフローチャートである。 監視装置を示す概略図である。 第8の実施の形態における主制御装置のMPUにて実行される異常報知解除用処理を示すフローチャートである。 設定変更用処理を示すフローチャートである。 メイン処理を示すフローチャートである。 (a)第9の実施の形態における設定値を示す情報の送受信に係る構成を示すブロック図、(b)報知・演出制御装置のMPUにて実行される外れリーチ発生用の演出設定処理を示すフローチャートである。 表示演出の流れを示す概略図である。 外れスーパーリーチCが実行される場合の設定値と図柄組合せとの関係を示す概略図である。 設定示唆可否決定テーブルを示す概略図である。 (a)第10の実施の形態における保留数と図柄組合せの停止表示時間との関係を示す概略図、(b)演出の流れを示す概略図である。 第11の実施の形態における報知・演出制御装置のMPUにて実行される外れリーチ発生用の演出設定処理を示すフローチャートである。 遊技回数と判定基準回数との関係を示す概略図である。 第12の実施の形態における主制御装置のMPUにて実行される変動表示時間の設定処理を示すフローチャートである。 変動表示時間と設定示唆との関係を示す概略図である。 外れリーチ発生用の演出設定処理を示すフローチャートである。 外れリーチ用の最終停止図柄組合せ決定テーブルを示す概略図である。 最終停止図柄組合せと設定示唆の内容との関係を示す概略図である。 (a)第13の実施の形態における電気的構成を示す概略図、(b)設定キー及び設定キースイッチを示す概略図である。 (a)設定値の変更手順を示す概略図、(b)設定値の確認手順を示す概略図である。 監視装置のMPUにて実行される起動処理を示すフローチャートである。 設定変更処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 (a)監視装置のMPUにて実行される通常処理を示すフローチャート、(b)設定確認処理を示すフローチャートである。 設定値の変更の流れを示すタイミングチャートである。 設定値の変更の流れを示すタイミングチャートである。 設定値の確認の流れを示すタイミングチャートである。 第14の実施の形態における電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置のMPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにて実行される設定変更処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにて実行される通常処理を示すフローチャートである。 設定確認処理を示すフローチャートである。 乱数値の設定における主制御装置と監視装置との関係を示す概略図である。
<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とにより構成されている。
図2に示すように、外枠11は長尺状のフレーム材を四辺に連結し構成されるものであって全体として矩形枠状をなすように形成されている。この外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備等に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図3及び図4参照)。
図3及び図4に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上に鑑みれば、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部にはエラー等の不具合が発生した場合に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音やBGM等などが出力されるスピーカ部29が各々設けられている(図3参照)。スピーカ部29においては、遊技状態に応じてBGM等の切り替えを行うことにより、遊技の単調化を抑制している。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている(図2参照)。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能及び遊技球発射機構によって発射された遊技球のうち遊技領域PE(図3参照)に到達しなかった遊技球が遊技者に戻された場合に当該排出された遊技球を貯留する受け皿としての機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。なお、遊技球の発射速度は、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)が大きくなるに従って速くなり、この操作量が遊技者により調整されて所定の量となった場合に遊技球が遊技領域PEへ到達することとなる。また、この操作量を遊技者が調整することで、後述する右ルートと左ルートへの遊技球の打ち分けが可能となる。
図3に示すように、前扉枠14の背面には、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有してなる。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。
次に、図5を参照して内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においても図3と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
(内枠13)
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす内枠ベース体50を主体に構成されている。内枠ベース体50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、内枠ベース体50は外枠11の上枠部に寄せて配置され、外枠11の下枠部と内枠ベース体50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、内枠ベース体50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では内枠ベース体50が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と内枠ベース体50との間に相互干渉の防止等を目的として若干のクリアランスを設けてもよい。
内枠ベース体50の前面における回動基端側(図5の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72は軸部を有しており、それら軸部に前扉枠14に設けられた軸受け部が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
内枠ベース体50の回動先端側(図5の右側)には、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が配設されている。施錠装置75は内枠ベース体50の右端部(後述する縦フレーム部材)に沿うようにして上下に延びており、その長手方向(上下方向)に散在して配置された前扉用鉤部材76を有している。内枠ベース体50には前扉枠14の背面に設けられた鉤受け部材49(図3参照)内枠13の正面側に突出させるためのスリットが各前扉用鉤部材76にそれぞれ対応するようにして形成されている。それらスリットを通じて突出した前扉用鉤部材76が、前扉枠14に各前扉用鉤部材76に1対1で対応させて設けられた鉤受け部材49に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方側に延出する内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11に固定された鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
内枠ベース体50(施錠装置75)には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75の主要部分を構成する施錠ユニット(各鉤部材76,77や連動杆等)とは別体で設けられており、当該施錠ユニットと隣接して配置されている。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右(時計回り)に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り)に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように構成されている。
内枠ベース体50の中央部分には遊技盤ユニット80を収容する収容凹部51が形成されている。収容凹部は遊技盤ユニット80の外形に合わせて遊技機後方に窪んでおり、遊技盤ユニット80はこの収容凹部51に遊技機前方から嵌まった状態で手動式のロック機構によって固定されている。収容凹部51の底部には、略矩形状の窓孔52が形成されており、この窓孔52を通じて遊技盤ユニット80の背面構成(後述する背面ブロック80b)が内枠13の後方に突出している。なお、この窓孔52については、内枠ベース体50に装着された遊技盤ユニット80によってそのほぼ全域が遊技機前方から覆われた状態となっている。
(遊技盤ユニット80)
遊技盤ユニット80は、前面に遊技球が流下する遊技領域PEが形成され遊技領域形成体80aと、遊技領域形成体80aの背面側に設けられ、後述する各種遊技部品(例えば可変表示ユニット、制御装置、可動式の演出機構、発光可能な装飾部材等)がベース体251に搭載されてなる背面ブロック80bとが一体化されてなる。遊技領域形成体80aは透明な合成樹脂材料からなり、背面ブロック80bの前面部分が当該遊技領域形成体80aを通じて視認可能となっている。
既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技領域形成体80aの前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。
以下、図6〜図8に基づき遊技盤ユニット80(特に遊技領域形成体80aの遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤ユニット80の正面図、図7は遊技盤ユニット80を後方から見た斜視図である。
遊技領域形成体80aには、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。図6に示すように、各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83b、スルーゲート84等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が各入球部に対応して設けられた検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球(遊技球の払い出し)等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技領域形成体80aの最下部にはアウト口89が設けられており、各種入球部等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83bへの遊技球の入球を「入賞」とも表現する。
また、遊技領域形成体80aには、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘部材93が植設されているとともに、風車94等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘部材93や風車94等の各種構成によって遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
遊技領域形成体80aの中央には中央開口85が形成されており、この中央開口85を遊技領域形成体80aの背面側から覆うようにして透明な開口カバー86が取り付けられている。この中央開口85の背後には、背面ブロック80bに属する可変表示ユニット252等が位置しており、遊技機前方から当該中央開口85(開口カバー86)を通じて可変表示ユニット252等を視認可能となっている。なお、図6においては説明の便宜上、開口カバー86を二点鎖線によって表示し、可変表示ユニット252が視認可能な状態を示している。
中央開口85の周辺に作動口83a,83bやスルーゲート84等が配設されている。作動口83a,83bは、可変表示ユニット252の下方に配設された上作動口83aと、上作動口83aの直下に配設された下作動口83bとによって構成されており、特に下作動口(抽選契機入球部)83bには、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が設けられている。電動役物91は、可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、可動片の位置が駆動部によって変更されることにより、下作動口83bへの入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
遊技領域PEにおいてこの下作動口83bよりも上流側(詳しくは可変表示ユニット252の側方)となる位置には上記スルーゲート84が配置されており、遊技球のスルーゲート84の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ閉状態から開状態に切り替えられることとなる。
なお、上作動口83aへの入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口83bへの入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、例えば上作動口83aに対する下作動口83bの有利性を高める上では、上作動口83aに係る払出個数よりも下作動口83bに係る払出個数を多く設定することが好ましい。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)82には、遊技領域形成体80aの背面側へと通じる大入賞口が形成されているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉が設けられている。開閉扉は、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉は、遊技領域形成体80aの背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉は閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に(大当たり:通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行結果となった場合に)開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば4,8,16ラウンド)を上限とした開閉扉の開放が繰り返されるように設定されている。
ここで、可変表示ユニット252について補足説明する。可変表示ユニット252は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置253を有している。図柄表示装置253は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御される。図柄表示装置253の表示画面253aにおいては、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置253については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
遊技領域形成体80aには、中央開口85を囲むようにしてセンターフレーム95が設けられている。センターフレーム95は、遊技領域形成体80a(詳しくは板体)に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技領域形成体80aの前面から起立した状態となることで当該センターフレーム95と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置253に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット252(詳しくはセンターフレーム95)を右側から迂回するルートと、左側から迂回するルートに大別されている。
センターフレーム95の下部を構成している枠部の上面には、遊技球が左右に転動可能なステージ部が形成されている。センターフレーム95の左右の左枠部に形成された流入口から流入した遊技球は、同じくセンターフレーム95に形成されたワープ通路を通じてステージ部上に排出される。ステージ部については、当該ステージ部に到達した遊技球が比較的上作動口83aへと流入しやすくなるように構成されており、このステージ部上での遊技球の動きに対する遊技者の注目度向上に貢献している。
ここで、本実施の形態においては上述したように透明な開口カバー86によって中央開口85を覆っており、ステージ部上に到達した遊技球が背面ブロック80b(可変表示ユニット252)側へ移動しないように規制されている。
またセンターフレーム95の下部を構成している枠部の前面には、第1保留ランプ部98a及び第2保留ランプ部98bが設けられている。左側の第1保留ランプ部98aは、上作動口83aに対応しており遊技球が上作動口83aを通過した回数は最大4回まで保留され第1保留ランプ部98aの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。右側の第2保留ランプ部98bは、下作動口83bに対応しており、遊技球が下作動口83bを通過した回数は最大4回まで保留され第2保留ランプ部98bの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
作動口83a,83bは、中央開口85(可変表示ユニット252)寄りとなる位置に配置されている。作動口83a,83bへの入賞をトリガとして特別遊技状態に移行し得るため、遊技者は作動口83a,83bに入賞するか否かに注目するとともに、特別遊技状態に移行するか否かを把握するため図柄表示装置253に注目するものと考えられる。作動口83a,83bを可変表示ユニット252寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット252周辺に集中させるための工夫である。
遊技領域形成体80aにおける右側の端部(後述する遊技盤ユニット80の回動先端部)には後述する誘導レール100とともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材99が配設されている。遊技領域区画部材99には、主表示ユニット87や誘導レール100に沿って飛翔した遊技球が衝突するストッパ部材が配設されている。ストッパ部材は誘導レール100の先端付近に配置された緩衝部材であり、当該ストッパ部材に衝突した遊技球はその勢いが弱められた後、遊技領域PEを流下することとなる。つまり、ストッパ部材には衝突した遊技球の勢いを弱める減勢機能が付与されている。
ここで、主表示ユニット87について補足説明する。主表示ユニット87は遊技領域区画部材99に埋設されており、その一部がガラスユニット22と対向するように配置されている。この対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部が設けられている。主表示ユニット87については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示部は、上作動口83aへの入賞に基づいた抽選結果を表示する上作動口用表示部と、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する下作動口用表示部とを有してなる。上作動口用表示部では、上作動口83aへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口83aへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上作動口83aへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、上作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下作動口用表示部では、下作動口83bへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口83bへの入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードへ移行される。
ここで、いずれかの作動口83a,83bへの入賞に基づいて、対応する作動口用表示部にて変動表示が開始され、抽選結果に対応する絵柄が停止表示された後、当該絵柄が停止表示されたまま所定の停止表示時間(停止表示期間又は確定表示期間)が経過するまで(確定表示が終了するまで)が遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口83a,83bへの入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止された後確定表示が終了するまでを遊技回の1回とすることも可能である。
また、主表示ユニット87の主表示部には上記両表示部以外に、スルーゲート84への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口83bに設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部にはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
以上詳述した主表示部については、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されているため、その視認性が担保されている。
再び図5を用いて内枠13の構成について説明すれば、内枠ベース体50における遊技盤ユニット80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。
(遊技球発射機構110)
遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が内枠ベース体50に固定されることで、同内枠ベース体50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技領域形成体80a側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112には断面略V字状の溝部が形成されており、その溝状部分に遊技球が嵌ることにより当該遊技球の前後位置が規定されるように構成されている。
発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技領域形成体80a側、詳しくは遊技領域形成体80aに装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域形成体80a(詳しくは板体の前面)に固定された遊技領域区画部材99とともに遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技領域形成体80aにおいて出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。つまり、遊技領域PEへと遊技球を届けるようにして遊技球を発射した場合には誘導通路103において外レール102に沿った領域が実質的に遊技球が通過する通過領域(通過経路)を構成し、内レール101に沿う領域については実質的に遊技球が通過しない領域となる。
同図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技領域形成体80aの下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技領域形成体80aの下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技領域形成体80aの下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
遊技領域形成体80aの左端部には外レール102を側方から覆うようにしてレールカバー107が設けられている。遊技盤ユニット80については、製造時やメンテナンス作業時に単体で取り扱われることが多く、この際に外レール102が遊技台等に衝突し得る。レールカバー107はこのような事情に鑑みて搭載された部材であり、外レール102が上記要因等によって変形することを防止する保護機能が付与されている。
内枠ベース体50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には内枠ベース体50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、内枠ベース体50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
内枠ベース体50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124は本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢されており、前扉枠14が開放された場合には、この付勢力によって各開閉部材124が閉状態となることで、各通路122,123からの遊技球の脱落が回避されることとなる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通する。
次に、図7及び図8に基づき内枠13(内枠ベース体50及び遊技盤ユニット80)の背面構成について説明する。図8は内枠13の背面図である。
図8に示すように内枠ベース体50の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、内枠ベース体50の背面には、裏パックユニット15を閉じた状態で同内枠ベース体50に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように内枠ベース体50における収容凹部(遊技盤収容部)51の底部分には内枠ベース体50の厚さ方向に貫通し同内枠ベース体50の背面側に開放された窓孔52が形成されており、その窓孔52が収容凹部51に収容された遊技盤ユニット80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤ユニット80(背面ブロック80b)の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は窓孔52を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤ユニット80の背面の構成について説明する。
既に説明したように遊技領域形成体80aの背面には、背面ブロック80bが取り付けられている。背面ブロック80bは、遊技領域形成体80a側に開放された略箱状のベース体251を有してなり、このベース体251が遊技領域形成体80aの背面に固定されることで、遊技領域形成体80aと背面ブロック80bとが一体化されている。
ベース体251の前面側は、可動式の演出機構や発光可能な装飾部材等の配置領域となっており、その背面側はそれら各種構成を制御する制御装置や上記可変表示ユニット252(図柄表示装置253)の配置領域となっている。
より具体的には、ベース体251の一部が内枠ベース体50の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置253(図6参照)と、その図柄表示装置253を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置253及び表示制御装置は前後方向(内枠ベース体50の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、ベース体251の背面部には、表示制御装置の後方に位置するようにして報知・演出制御装置140が搭載されている。
報知・演出制御装置140は、後述する主制御装置からの指示に従い音声の出力やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス141に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置140の下方には、ベース体96を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット80(詳しくは背面ブロック80b)の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
主制御装置162の正面部(遊技機後方を向いている部分)にて後述する裏パック201との重なりが回避されている部分には、設定変更キーが挿通されるキー穴が形成された設定キースイッチ167と、設定変更スイッチ166と、設定値表示部168とが設けられている。詳細については後述するが、本実施の形態におけるパチンコ機10においては、大当たり確率が複数段階(詳しくは3段階)設けられており、上記設定キースイッチ167に挿通された設定変更キーがON位置に配置された状態(ON状態)にて、設定変更スイッチ166が操作されることで設定値が変更される構成となっている。設定変更キーがON位置に配置されている間は、現在選択されている設定値が設定値表示部168に表示され、作業者が設定値を目視にて確認しながら設定変更を行うことが可能となっている。
ベース体251の前面部において遊技領域形成体80aの背面下部と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82、作動口83a,83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路(図示略)が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット80の下方に集合する構成となっている。つまり、ベース体251には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口89を介して排出通路内に導出される。
また、背面ブロック80bを構成するベース体251には、上述した各入球部用の検知センサとして、上記一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する一般入賞口用検知センサと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口用検知センサとが装着されており、それら各種検知センサによって入賞検知機構が構成されている。これら各種検知センサは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各検知センサから検知情報(検知信号)が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図9及び図10に基づき裏パックユニット15について説明する。図9はパチンコ機10の背面図、図10は裏パックユニット15の正面図である。
図9に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パックユニット15の本体部としての裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は、透明性を有する合成樹脂により成形されており、図10に示すように払出機構部202等が取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有してなる。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット252を囲むのに十分な大きさを有する(図9参照)。
ベース部211の上部には、外部出力端子板213が設けられている。外部出力端子板213には各種の出力端子が設けられており、それら出力端子に遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)とパチンコ機10とを繋ぐ配線WH1が接続されている。パチンコ機10の外部出力端子板213(出力端子)から出力された各種信号は、配線WH1を通じてホールコンピュータHCに伝わり、ホールコンピュータHCではこれら各種信号に基づいてパチンコ機10の状態や遊技状況等を把握する構成となっている。
また、図10に示すように、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部が形成されており、固定レバー134が挿通部に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の側方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されている。電源・発射制御基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。具体的には、遊技球発射機構110を構成しているソレノイド111の駆動制御や球送装置113の駆動制御が実行される。
また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。一方、主制御装置162に設けられたRAM消去スイッチ(図示略)を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
これら各種スイッチや上述した設定変更スイッチ166等については、遊技機主部12(内枠13)を開放して内枠13の背面部を露出させることで遊技機正面側から操作可能となる。一方で、上記施錠装置75によって遊技機主部12の開放が規制されている状態では、遊技機正面側からそれらスイッチ等を操作することができない。つまり、上記各種スイッチについては遊技機主部12を閉じた状態では操作されにくくなっており、施錠装置75用のキーを所有していないもの(例えば不正行為者)による遊技機正面側からの操作を困難なものとしている。
(パチンコ機10の電気的構成)
次に、図11のブロックを参照してパチンコ機10の電気的構成について説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板401には、MPU402が搭載されている。MPU402は、当該MPU402により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM403と、そのROM403内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM404と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU402が有する機能の一部、例えば、ROM403の機能やRAM404の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU402には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU402の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板405、払出制御装置242及び各種検知センサなどが接続されている。停電監視基板405には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU402には停電監視基板405を介して電力が供給される。
各種検知センサの一部として、一般入賞口81への入球(入賞)を検知する入賞検知センサ391a、可変入賞装置82への入球(入賞)を検知する入賞検知センサ391b、可変入賞装置82(大入賞口)への入球(入賞)を検知する入賞検知センサ391c、上作動口83aへの入球(入賞)を検知する入賞検知センサ391d、下作動口83bへの入球(入賞)を検知する入賞検知センサ391e、スルーゲート84への入球(入賞)を検知する入賞検知センサ391fが接続されており、主制御装置162のMPU402において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU402では、上作動口83a及び下作動口83bへの入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート84への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU402の出力側には、停電監視基板405、払出制御装置242及び報知・演出制御装置140が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上述した作動口83a,83b等の入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM403のコマンド情報記憶エリア425が参照される。そして、一般入賞口81への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置82への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口83aへの入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口83bへの入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置140には、主制御装置162から変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM403のコマンド情報記憶エリア425が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU402の出力側には、可変入賞装置82の開閉体(例えばシャッタ部材88)を開閉動作させる可変入賞駆動部、下作動口83bの電動役物91を開閉動作させる電動役物駆動部及び主表示ユニット87が接続されている。主制御基板401には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU402は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置82が開閉されるように、MPU402において可変入賞駆動部の駆動制御が実行される。また、電動役物91のサポート抽選に当選した場合には、電動役物91が開閉されるように、MPU402において電動役物駆動部の駆動制御が実行される。また、MPU402によって主表示ユニット87の主表示部の表示制御が実行される。
さらには、MPU402の出力側に外部出力端子板213が接続されており、この外部出力端子板213を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態や遊技状況等を把握することが可能となっている。
停電監視基板405は主制御基板401と電源・発射制御装置243とを中継しており、同停電監視基板405には電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する機能が付与されている。払出制御装置242は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板401や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
報知・演出制御装置140には、MPUが搭載された報知・演出制御基板が設けられている。MPUには、当該MPUにより実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROMと、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMと、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路等の各種回路等が内蔵されている。なお、MPUに対してROM及びRAMが1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。報知・演出制御装置140のMPUは、主制御装置162から入力された各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられたランプ部26〜28やスピーカ部29を駆動制御するとともに、表示制御装置410を制御するものである。
表示制御装置410では、報知・演出制御装置140から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置253の表示制御を実行する。この場合に、報知・演出制御装置140では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置253における図柄の変動表示態様(例えばリーチ発生の有無及びリーチ演出の内容等)や図柄の停止表示態様(変動表示の終了に伴い最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類)を決定する。
ここで、各遊技回の図柄の変動表示に係る構成及び同変動表示の内容について説明する。なお、以下の説明においては適宜図12及び図13を参照する。図12及び図13は図柄表示装置253の表示画面253aにおける表示内容を説明するための概略図である。
表示制御装置410には、キャラクタROMが設けられている。当該キャラクタROMには、「1」〜「9」の数字が付された9種類の主図柄のデータ(図12(a)〜(i)参照)と、数字が付されていない副図柄のデータ(図12(j)参照)とが予め記憶されている。
図13(a)に示すように、図柄表示装置253の表示画面253aには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。そして、表示画面253aでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向き(具体的には、右から左)にスクロールするように変動表示される。
上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
また、図13(b)に示すように、表示画面253aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面253aには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに所定の図柄の組み合わせ(例えば同一の数字が付された図柄の組み合わせ)が形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、通常大当たり結果又は確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
なお、上記のように各図柄列の変動表示が停止されることに鑑みれば、上図柄列Z1を第1図柄列(又は第1絵柄列)、下図柄列Z3を第2図柄列(又は第2絵柄列)、中図柄列Z2を第3図柄列(又は第3絵柄列)と称することができる。
上記各主図柄のうち、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、例えば同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、例えば同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置253における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。例えば、複数の図柄列を横並びとなるように設定し、図柄列における図柄の変動表示の方向を縦方向に設定してもよい。
(各種カウンタについて)
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU402は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、主表示ユニット87(主表示部)の表示の設定、図柄表示装置253の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図14に示すように、大当たり発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置253が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット87の作動口用表示部及び図柄表示装置253における変動表示時間(変動表示期間)を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口83bの電動役物91を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM404の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ431に適宜格納される。RAM404には、上作動口用保留エリアRaと、下作動口用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア432が設けられている。そして、この保留球格納エリア432に、上作動口83a又は下作動口83bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。より詳しくは、上作動口83aに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の上作動口用保留エリアRaに格納され、下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の下作動口用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM403における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア421に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。これら、低確率モード用の当否テーブル及び高確率モード用の当否テーブルは設定値毎に各々設けられており、設定値によって大当たり確率に差が設けられている(図15参照)。具体的には、設定1対応の低確率モード用当否テーブル及び高確率モード用当否テーブルと、設定2対応の低確率モード用当否テーブル及び高確率モード用当否テーブル、設定3対応の低確率モード用当否テーブル及び高確率モード用当否テーブルとが設けられている。
上記抽選に際して設定1対応の低確率モード用の当否テーブル(図16(a))が参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「107」,「207」,「307」,「407」,「507」の6個である。つまり、「0〜599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「107」,「207」,「307」,「407」,「507」が大当たり結果に対応しており、それらの乱数の値以外は外れ結果に対応している。これにより、大当たり確率が1/100となっている。
上記抽選に際して設定2対応の低確率モード用の当否テーブル(図16(b))が参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「107」,「307」,「407」,「507」の5個である。つまり、「0〜599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「107」,「307」,「407」,「507」が大当たり結果に対応しており、それらの乱数の値以外は外れ結果に対応している。これにより、大当たり確率が1/120となっている。
上記抽選に際して設定3対応の低確率モード用の当否テーブル(図16(a))が参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「107」,「307」,「507」の4個である。つまり、「0〜599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「107」,「307」,「507」が大当たり結果に対応しており、それらの乱数の値以外は外れ結果に対応している。これにより、大当たり確率が1/150となっている。
このように、設定3 < 設定2 < 設定1の順に遊技者に有利となるように差が設けられており、遊技を少しでも有利に進めたい遊技者は設定1であることに期待して遊技を行うものと想定される。
上記抽選に際して設定1対応の高確率モード用の当否テーブル(図17(a))が参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「36」,「107」,「207」,「307」・・・「407」,「507」.「598」の19個である。つまり、「0〜599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「36」,「107」,「207」,「307」・・・「407」,「507」.「598」が大当たり結果に対応しており、それらの乱数の値以外は外れ結果に対応している。これにより、大当たり確率が約1/32となっている。
上記抽選に際して設定2対応の高確率モード用の当否テーブル(図17(b))が参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「36」,「107」,「207」,「307」・・・「407」,「507」.「598」の20個である。つまり、「0〜599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「36」,「107」,「207」,「307」・・・「407」,「507」.「598」が大当たり結果に対応しており、それらの乱数の値以外は外れ結果に対応している。これにより、大当たり確率が1/30となっている。
上記抽選に際して設定3対応の高確率モード用の当否テーブル(図17(c))が参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「36」,「107」,「207」,「307」・・・「407」,「507」.「598」の21個である。つまり、「0〜599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「36」,「107」,「207」,「307」・・・「407」,「507」.「598」が大当たり結果に対応しており、それらの乱数の値以外は外れ結果に対応している。これにより、大当たり確率が約1/28となっている。
高確率モードにおける有利不利の関係が低確率モードと逆転しているのは、有利度合いの過度の偏りを抑える工夫である。高確率モードにおける差を考慮したとしても、主として遊技が進行することとなる低確率モードでの差が支配的であり、総じて設定3 < 設定2 < 設定1の順に遊技者に有利となっている。
なお、高確率モードにおける有利不利の関係を低確率モードにおける有利不利の関係に合わせることも可能である。すなわち、設定3 < 設定2 < 設定1の順に大当たり確率が高くなるように設定することも可能である。
因みに、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の電動役物91によるサポートモードという2つの条件に差異が設けられている。
下作動口83bの電動役物91におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口83bの電動役物91が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物91が開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口83bへの入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口83bよりも上作動口83aへの入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口83aよりも下作動口83bへの入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口83bへの入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、回数、開放時間及び当選確率のうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成としてもよい。
当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が、上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。より詳しくは、上作動口83aに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の上作動口用保留エリアRaに格納され、下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の下作動口用保留エリアRbに格納される。
当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM403における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア422に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図18の概略図を用いて説明する。振分テーブルとしては、図18(a)に示す上作動口用の振分テーブル(第1振分情報群)と、図18(b)に示す下作動口用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
上作動口用の振分テーブルでは、遊技結果の振分先として、8R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)、8R通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、4R確変大当たり結果(高確率対応遊技結果)、4R通常大当たり結果(低確率対応遊技結果)が設定されている。具体的には、上作動口用の振分テーブルでは、「0〜29」の当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜8」が8R確変大当たり結果に対応しており、「9〜14」が8R通常大当たり結果に対応しており、「15〜23」が4R確変大当たり結果に対応しており、「24〜29」が4R通常大当たり結果に対応している。
下作動口用の振分テーブルでは、遊技結果の振分先として、16R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)、8R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)、8R通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、4R確変大当たり結果(高確率対応遊技結果)、4R通常大当たり結果(低確率対応遊技結果)が設定されている。具体的には、下作動口用の振分テーブルでは、「0〜29」の当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜5」が16R確変大当たり結果に対応しており、「6〜11」が8R確変大当たり結果に対応しており、「12〜17」が8R通常大当たり結果に対応しており、「18〜23」が4R確変大当たり結果に対応しており、「24〜29」が4R通常大当たり結果に対応している。
16R確変大当たり結果、8R確変大当たり結果及び4R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に抽選モードが高確率モードとなり且つサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。図18(c)に示すように、この高頻度サポートモードは、次回大当たり結果となるまで継続され、開閉実行モードの開始に伴って低頻度サポートモードに移行する。
8R通常大当たり結果及び4R通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に抽選モードが低確率モードとなり且つサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、図18(c)に示すように、この高頻度サポートモードは、当該高頻度サポートモード中に実行された遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合又は当該終了基準回数到達前に大当たり結果となった場合(詳しくは開閉実行モードが開始された場合)に終了し、低頻度サポートモードに移行する。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。より詳しくは、上作動口83aに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の上作動口用保留エリアRaに格納され、下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の下作動口用保留エリアRbに格納される。そして、ROM403のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。
但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU402では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置253(表示画面253a)を備え、遊技結果が開閉実行モード対応の遊技結果となった遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となり得る遊技機において、図柄表示装置253における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置253の表示画面253aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置253の表示画面253a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
表示画面253aにおける表示内容について更に詳しく説明すると、最初に上図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中図柄列Z2にて図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、大当たり発生時には、リーチラインを形成している主図柄とともに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面253aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット87(主表示部)の上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示時間と、図柄表示装置253における図柄の変動表示時間とをMPU402において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示の開始時及び図柄表示装置253による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート84に遊技球が入賞したタイミングでRAM404の電役保留エリア433に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって下作動口83bの電動役物91を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜190であれば、電動役物91を開放状態に制御し、C4=191〜250であれば、電動役物91を開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU402では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM403の変動表示時間テーブル記憶エリア423が用いられる。また、MPU402では、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値及び当たり種別カウンタC2の値を用いて、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM403の停止結果テーブル記憶エリア424が用いられる。
(主制御装置162にて実行される各種処理について)
次に、主制御装置162のMPU402にて実行される各種処理について説明する。主制御装置162のMPU402にて実行される処理については、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とに大別される。以下、図19のフローチャートを参照して、メイン処理について説明する。
(メイン処理)
メイン処理においては先ず、ステップS101にて電源投入(電源ON操作)に伴う立ち上げ処理を実行する。具体的には、従側の各種制御基装置(払出制御装置242等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば500msec程度待機する。
続くステップS102では、ステップS101の立ち上げ処理後から許可禁止用期間である1secが経過したか否かを判定する。1sec経過していない場合にはステップS102の処理を再度実行する。この時間の測定は、ステップS102の処理回数をカウントすることにより行われる。例えば、ステップS102にて否定判定してから再度ステップS102の処理を実行するまでに要する時間が0.1msecである場合には、カウント値が10000回となることで、ステップS101の立ち上げ処理後から1sec経過したと判定する。なお、時間の測定の具体的な構成は任意であり、例えばリアルタイムクロックを用いて時間の測定を行うようにしてもよい。ステップS102にて1sec経過したと判定した場合には、ステップS103に進む。
ステップS103では、RAM404へのアクセスを許可する。その後、ステップS104では、電源・発射制御装置243に設けられたRAM消去スイッチがオンとなっているか否かを判定し、続くステップS105ではRAM404の停電フラグ格納エリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS106ではRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。RAM判定値は、例えばRAM404の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM404の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合には主制御装置に設けられたRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS108〜S109の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108〜S109の処理に移行する。
ステップS108では、RAM404の使用領域を0にクリアし、ステップS109ではRAM404の初期化処理を実行する。その後、ステップS110にて払出制御装置242に初期コマンドを出力すべく初期コマンド設定処理を実行し、ステップS111にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。払出制御装置242のMPUでは主制御装置162から初期コマンドを入力することで、主制御装置162との通信が正常に行われていることを認識する。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグが格納されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、ステップS112にて停電フラグ格納エリアに格納されている停電フラグをクリアする。その後、ステップS110にて初期コマンドを出力するとともにステップS111にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰する。
(タイマ割込み処理)
次に、図20のフローチャートを参照し、タイマ割込み処理について説明する。本処理はMPU402により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS201では、各種入賞検知センサ(例えば上記検知センサ391a〜391f)の読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種入賞検知センサの状態を読み込み、当該入賞検知センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS202では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際に0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS204では、スルーゲート84への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM404の各種フラグ格納エリア435にスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には電役保留エリア433に記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS203にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。そして、各種フラグ格納エリア435にスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
ステップS204のスルーゲート用の入賞処理を実行した後はステップS205に進み、当該ステップS205にて作動口83a,83bへの入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行する。その後は、ステップS206にて大入賞口用の入賞処理、ステップS207にて一般入賞口用の入賞処理を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
大入賞口用の入賞処理においては、払出制御装置242及び報知・演出制御装置140に大入賞口用の賞球コマンドを送信する。払出制御装置242では大入賞口用の賞球コマンドを受信したことに基づいて大入賞口への入賞に対応した数(15個)の賞球を払い出す処理を行う。本実施の形態においては、開閉実行モード中は当該開閉実行モード中に獲得した賞球の総数を図柄表示装置253に表示する構成となっており、報知・演出制御装置140では大入賞口用の賞球コマンドを受信したことに基づいて払出総数等の表示処理を行う。
一般入賞口用の入賞処理においては、払出制御装置242及び報知・演出制御装置140に一般入賞口用の賞球コマンドを送信する。払出制御装置242では一般入賞口用の賞球コマンドを受信したことに基づいて一般入賞口81への入賞に対応した数(10個)の賞球を払い出す処理を行う。本実施の形態においては、開閉実行モード中は当該開閉実行モード中に獲得した賞球の総数を図柄表示装置253に表示する構成となっており、報知・演出制御装置140では一般入賞口用の賞球コマンドを受信したことに基づいて払出総数等の表示処理を行う。
なお、詳細については後述するが、各種賞球コマンドについては、払出制御装置242及び報知・演出制御装置140だけでなく監視装置にも出力され、監視装置においては賞球コマンドに基づいて各入球部への入賞数を記憶する構成となっている。
(作動口用の入賞処理)
ここで、図21及び図22のフローチャートを参照して作動口用の入賞処理について説明する。
ステップS301では、遊技球が上作動口83aに入球(入賞)したか否かを判定する。遊技球が上作動口83aに入球したと判定した場合には、ステップS302に進み、払出制御装置242に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンド(上作動口用の賞球コマンド)をセットする。
続くステップS303では、上作動口83aに遊技球が入球した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、上作動口83aへの入球が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。その後、ステップS304では、当たり乱数カウンタC1や当たり種別カウンタC2等の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS301にて遊技球が上作動口83aに入賞していないと判定した場合にはステップS305に進む。ステップS305では、遊技球が下作動口83bに入球(入賞)したか否かを判定する。遊技球が下作動口83bに入球したと判定した場合には、ステップS306に進み、払出制御装置242に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンド(下作動口用の賞球コマンド)をセットする。なお、ステップS302,S306にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S401にて払出制御装置242に対して送信される。
続くステップS307では、下作動口83bに遊技球が入球した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、下作動口83bへの入球が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。その後、ステップS304にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
なお、ステップS301,S305の両処理にてそれぞれ否定判定をした場合、すなわち上作動口83a及び下作動口83bのいずれにも入球がなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
ここで、図22を参照して、ステップS304の情報取得処理について説明する。
(情報取得処理)
情報取得処理においては先ずステップS401にて、保留球格納エリア432の保留数記憶領域に格納された作動保留記憶数N、詳しくは上作動口83a及び下作動口83bのうち当該情報取得処理の契機となった入球部に係る作動保留記憶数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。作動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS402にて対応する作動口の作動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS403にて保留数記憶領域に格納された総保留数(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS404では、上記ステップS203にて更新した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、作動口用の保留エリアREの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS402にて1インクリメントした共通保留数CRNと対応する記憶エリアに格納する。格納処理を実行した後は、ステップS405に進む。
ステップS405では、保留数表示部としての第1保留ランプ部98a及び第2保留ランプ部98bの表示更新処理を実行する。表示更新処理では、今回の入球先(入賞先)が上作動口83aの場合には第1保留ランプ部98aの表示を更新し、今回の入球先(入賞先)が下作動口83bの場合には第2保留ランプ部98bの表示を更新する。
第1保留ランプ部98aは4つのLEDによって構成されており、点灯しているLEDの数と上作動口83aに係る保留数とが一致する構成となっている。今回の入賞によって上作動口83aに係る保留数が増加した場合にはそれに応じて点灯しているLEDの数を増やす処理を行う。第2保留ランプ部98bについても同様に4つのLEDによって構成されており、点灯しているLEDの数と下作動口83bに係る保留数とが一致する構成となっている。今回の入賞によって下作動口83bに係る保留数が増加した場合にはそれに応じて点灯しているLEDの数を増やす処理を行う。
続くステップS406では、作動口83a,83bへの入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である報知・演出制御装置140及び表示制御装置410に認識させるための処理である保留コマンドの設定処理を実行し、本情報取得処理を終了する。なお、保留コマンドには上作動口83a及び下作動口83bのうちいずれの入球部への入賞に基づくものであるかの情報が含まれる。
ステップS407の保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは後述する通常処理の外部出力処理(ステップS501)にて報知・演出制御装置140及び表示制御装置410に送信されることとなる。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図23のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は上記メイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S507の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS509,S510のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS501にて外部信号出力処理を実行する。ステップS501の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置及びホールコンピュータHCに送信する。
具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242及び報知・演出制御装置140に対して送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドや保留コマンドや後述するシフトコマンド等の各種コマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置140に対して送信する。また、例えば主表示部の作動口用表示部にて図柄の変動表示が終了する毎にホールコンピュータHCに図柄確定を示す外部信号を出力し、開閉実行モード中は開閉実行モード中であることを示す外部信号をホールコンピュータHCに出力し、高頻度サポートモード中である場合には高頻度サポートモード中であることを示す外部信号をホールコンピュータHCに出力する。
次に、ステップS502では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS503では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置253による図柄の変動表示の設定、主表示ユニット87の表示制御などを行う。
ステップS503の遊技回制御処理を実行した後は、ステップS504に進み、遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。なお、ステップS503の遊技回制御処理及びステップS504の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
続くステップS505では、下作動口83bに併設された電動役物91を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM404の電役保留エリア433に格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物91を開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物91の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、主表示部におけるスルーゲート用表示部の表示制御などを行う。
既に説明したとおり、電動役物91によるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この処理を経てRAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物91が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
続くステップS506では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置243から発射許可信号を入力していることを条件として、所定のインターバル期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
その後は、ステップS507にて設定変更用処理を実行する。設定変更用処理ではホール管理者等により選択された設定値に対応した抽選テーブルが参照されるように、参照対象とする抽選テーブルの切り替えを行う。この設定変更用処理についての詳細は後述する。
続くステップS508にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から1周期(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS509では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM404の該当するエリアに格納する。また、ステップS510では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際に0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM404の該当するエリアに格納する。
ステップS501〜S507の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
(遊技回制御処理)
次に、ステップS503の遊技回制御処理を図24〜図27のフローチャート等を参照して説明する。
遊技回制御処理においては先ず、図24のフローチャートに示すように、ステップS601にて開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中である場合には、ステップS602以降の処理、すなわちステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理及びステップS606〜ステップS609の遊技回進行処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS602にて遊技回中であるか否かを判定する。具体的には、主表示ユニット87の作動口用表示部が変動表示中又は確定表示中であるか否かを判定する。遊技回中ではない場合には、ステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS603にて、始動保留球の総数(共通保留数CRN)が「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、保留球格納エリア432に保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
一方、共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS604にて保留球格納エリア432の保留エリアREに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS605にて主表示ユニット87における作動口用表示部の変動表示及び図柄表示装置253の変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS604のデータ設定処理及びステップS605の変動開始処理について詳細に説明する。先ず、ステップS604のデータ設定処理について、図25のフローチャートを参照して説明する。
(データ設定処理)
データ設定処理では、先ずステップS701にて、保留数記憶領域FEに記憶されている作動保留記憶数Nのうち今回の設定処理の対象となっているもの及び共通保留数CRNを1ディクリメントする。そして、下作動口用保留エリアRb(図14参照)に保留記憶されている保留情報の数、すなわち作動保留記憶数N(下作動口用保留記憶数RbN)が「0」か否かを判定する。下作動口用保留記憶数RbNが「0」である場合には上作動口用表示部に係るデータ設定処理を実行し、下作動口用保留記憶数RbNが「0」でない場合には下作動口用表示部に係るデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数が1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、下作動口用保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち下作動口用表示部について変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、上作動口用保留エリアRa(図14参照)に保留記憶されている保留情報の数、すなわち作動保留記憶数N(上作動口用保留記憶数RaN)が1以上であるか否かに関係なく、下作動口用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として実行エリアAEへ移動させる。すなわち、ステップS702においては、上作動口用保留エリアRa及び下作動口用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口83bに対応した保留情報が優先されることとなる。
続くステップS703では、上作動口用保留エリアRa及び下作動口用保留エリアRbのうち実行エリアAEへの移動させたデータが記憶されていた一方について、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる。これにより、例えば第1エリアのデータの実行エリアAEへの移動に伴って、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS704では、保留エリアREのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置140に認識させるための情報であるシフトコマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。ステップS704にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図23)におけるステップS501にて、報知・演出制御装置140に送信される。そして、このシフトコマンドについては報知・演出制御装置140を経由して表示制御装置410に送信されることとなる。
(変動開始処理)
次に、ステップS605の変動開始処理について、図26のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS801にて、今回の変動開始処理にて参照した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。具体的には、実行エリアAEに格納された情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1から取得した乱数値を把握する。そして、現在の設定値及び抽選モードに対応した抽選テーブルを参照して上記取得した情報が大当たり当選に対応した情報に含まれているかを特定する。例えば、設定値が「1」且つ当否抽選モードが低確率モードである場合には、ROM403の当否テーブル記憶エリア421に記憶された設定1対応の低確率モード用の当否テーブルを参照して、上記取得した情報が大当たり当選に対応した情報に含まれているかを特定し、設定値が「1」且つ当否抽選モードが高確率モードである場合には、ROM403の当否テーブル記憶エリア421に記憶された設定1対応の高確率モード用の当否テーブルを参照して、上記取得した情報が大当たり当選に対応した情報に含まれているかを特定する。
続くステップS802では、ステップS801における当否判定処理の結果が大当たり当選に対応した結果であるか否かを判定する。大当たり当選に対応した結果である場合には、ステップS803にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち当たり種別カウンタC2から取得した乱数値を把握する。また、ROM403の振分テーブル記憶エリア422に記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した種別判定用の情報が確変大当たり結果に対応した情報に含まれているかを特定する。詳しくは、当該保留情報が上作動口83aへの入球に対応している場合には上作動口83a用の振分テーブルを参照し、当該保留情報が下作動口83bへの入球に対応している場合には下作動口83b用の振分テーブルを参照して種別判定を行う。
続くステップS804では、ステップS803における種別判定処理において特定した情報に基づいて今回の大当たり当選の種別が確変大当たり結果(16R確変大当たり結果,8R確変大当たり結果,4R確変大当たり結果)であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS805にて確変大当たり用の停止結果設定処理を実行し、確変大当たり結果でない場合には、ステップS806にて通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS802にて大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS807にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
上述したように、確変大当たり結果は、16R確変大当たり結果,8R確変大当たり結果,4R確変大当たり結果に大別される。ステップS805の処理では、16R確変大当たり結果の場合には16R確変大当たり結果に対応する停止結果の設定処理を行い、8R確変大当たり結果の場合には8R確変大当たり結果に対応する停止結果の設定処理を行い、4R確変大当たり結果の場合には4R確変大当たり結果に対応する停止結果の設定処理を行う。また、通常大当たり結果は、8R通常大当たり結果及び4R通常大当たり結果に大別される。ステップS806の処理では、8R通常大当たり結果の場合には8R通常大当たり結果に対応する停止結果の設定処理を行い、4R通常大当たり結果の場合には4R通常大当たり結果に対応する停止結果の設定処理を行う。
ステップS805〜ステップS807の各停止結果設定処理では、主表示ユニット87に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM403の停止結果テーブル記憶エリア424に記憶されている停止結果テーブルを参照して特定し、その特定した情報をRAM404に記憶する。また、ステップS805及びステップS806では、今回の遊技回の当否判定結果が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果であることをMPU402にて特定するための情報をRAM404の各種フラグ格納エリア435に格納する。具体的には、ステップS805では16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、4R確変大当たりフラグのいずれかを格納し、ステップS806では8R通常大当たりフラグ及び4R通常大当たりフラグの何れかを格納する。
ステップS805〜ステップS807のいずれかの処理を実行した後は、ステップS808にて、変動表示時間の設定処理を実行する。
(変動表示時間の設定処理)
変動表示時間の設定処理では、図27のフローチャートに示すように、先ずステップS901にて、上記当否抽選に当選しているか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、4R確変大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグ、4R通常大当たりフラグの何れかが格納されているか否かを判定する。
ステップS901にて否定判定をした場合、すなわち上記当否抽選の結果が外れ結果である場合には、ステップS902に進む。ステップS902では、今回の遊技回において図柄表示装置253にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS802にて肯定判定をする。リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチ発生の有無の特定に際しては、ROM403のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS901及びステップS902の何れか一方にて肯定判定をした場合にはステップS903に進み、ROM403の変動表示時間テーブル記憶エリア423に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値等に対応した変動表示時間情報を取得し、続くステップS904にてその変動表示時間情報をRAM404の各種カウンタエリア434に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
つまり、本実施の形態においては、当否抽選の結果が大当たり当選結果である場合又は同当否抽選の結果が外れ結果となり且つリーチ発生用の抽選に当選した場合に、リーチ表示を実行する構成となっている。
ここで、リーチ表示には、変動表示態様が互いに異なるノーマルリーチ表示(詳しくはノーマルリーチA〜B)とスーパーリーチ表示(詳しくはスーパーリーチA〜C)とが設けられている。リーチ発生用変動表示時間テーブルには、ノーマルリーチ表示及びスーパーリーチ表示それぞれに対応した変動表示時間情報が設定されており、当該テーブルを参照することによって、それぞれのリーチ表示に対応した変動表示時間情報が取得される。なお、リーチ表示の種類の決定に関しては、リーチ表示の種類と変動種別カウンタCSの値とが対応したテーブルが設けられており、当該テーブルを参照することで、今回の変動種別カウンタCSの値に対応したリーチ表示が決定される。
なお、より詳細には、リーチ発生用変動表示時間テーブルは、大当たりの種別に対応している。具体的には、確変大当たり結果の場合に、特定図柄の組み合わせを停止表示できるように、変動表示時間が設定されているとともに、通常大当たり結果の場合に、非特定図柄の組み合わせを停止表示できるように、変動表示時間が設定されている。
一方、ステップS902にて否定判定をした場合には、ステップS905にて変動表示時間テーブル記憶エリア423に記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS906にてその変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
リーチ非発生時における変動表示時間情報は、共通保留数CRNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、共通保留数CRNの数に依存しない構成としてもよく、共通保留数CRNの数が少ないほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されているが、これに限定されることはなく、選択される変動表示時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動表示時間と選択され難い変動表示時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動表示時間テーブル、通常大当たり用の変動表示時間テーブル、外れリーチ用の変動表示時間テーブル及び完全外れ用の変動表示時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、リーチ表示の種類、保留情報の数及び変動種別カウンタCSの値等をパラメータとして決定される。
変動開始処理(図26)の説明に戻り、ステップS808にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS809にて、変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、16R確変大当たり結果の情報、8R確変大当たり結果の情報、4R確変大当たり結果の情報、8R通常大当たり結果の情報、4R通常大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS809にて設定された変動開始コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図23)におけるステップS501にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、受信した変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回におけるランプ部26の発光パターンやスピーカ部29からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるようにランプ部26及びスピーカ部29を制御する。また、報知・演出制御装置140は、上記変動開始コマンド及び種別コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置410に送信する。
表示制御装置410では、受信した変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における図柄表示装置253での変動表示パターンを決定し、その決定した変動表示パターンが実行されるように図柄表示装置253を表示制御する。その後、ステップS810にて主表示ユニット87の上作動口用表示部及び下作動口用表示部のうち該当する一方にて絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図24)の説明に戻り、主表示ユニット87の作動口用表示部が変動表示中である場合には、ステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS606にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM404の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図27)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図20)が起動される度に、1ディクリメント(減算)される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS607にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、主表示ユニット87の入上作動口用表示部及び下作動口用表示部のうち該当する一方における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS608にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS805〜ステップS807のいずれかの処理にてRAM404に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄が上作動口用表示部及び下作動口用表示部のうち該当する一方にて停止表示されるように当該作動口用表示部を制御する。
続くステップS609では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS609にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図23)におけるステップS501にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置410に送信する。表示制御装置410では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
(遊技状態移行処理)
次に、ステップS504の遊技状態移行処理を図28のフローチャートを参照して説明する。
遊技状態移行処理においては先ず、ステップS1001にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS902に進み、1の遊技回の上作動口用表示部又は下作動口用表示部における絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了している場合には、より詳しくは変動表示が終了してから予め設定された停止表示時間(インターバル時間:確定表示時間)が経過している場合には、ステップS1003に進み、今回の遊技回の遊技結果(上記当否抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に、16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、4R確変大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグ、4R通常大当たりフラグの何れかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS1004にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理により、ロック装置による可変入賞装置82の動作規制が解除され、開閉実行モードが終了するまで当該可変入賞装置82の開閉動作が許容されることとなる。また、ステップS1004の開始処理においてはRAM404の各種フラグ格納エリア435に開閉実行モード開始フラグをセットする。詳細については後述するが、これにより、ホールコンピュータHCへ開閉実行モードへ移行したことを示す外部信号の出力が開始されることとなる。
続くステップS1005ではRAM404の各種カウンタエリア434に設けられた開放数カウンタOCに「4」,「8」,「16」の何れかをセットする。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に16R確変大当たりフラグが格納されている場合には開放数カウンタOCに「16」をセットし、RAM404の各種フラグ格納エリア435に8R確変大当たりフラグ又は8R通常大当たりフラグが格納されている場合には開放数カウンタOCに「8」をセットし、RAM404の各種フラグ格納エリア435に4R確変大当たりフラグ又は4R通常大当たりフラグが格納されている場合には開放数カウンタOCに「4」をセットする。開放数カウンタOCは、可変入賞装置82が開放された回数を把握する手段として機能する。ステップS1005の処理を実行した後はステップS1006に進み、オープニングコマンドを設定する。
この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図23)におけるステップS501にて、報知・演出制御装置140及び表示制御装置410に送信される。報知・演出制御装置140では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置253における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は報知・演出制御装置140から表示制御装置410に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置410では、主制御装置162から受信したオープニングコマンドや報知・演出制御装置140から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示、例えば大当たりに対応する表示内容としてのキャラクタ等の動画表示、背景画像等の切り替えがなされるように図柄表示装置253の表示制御を実行する。ステップS1006の処理を実行した後は、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS1001の説明に戻り、当該ステップS1001にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS1007に進む。ステップS1007では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS1008にて大入賞口開閉処理を実行する。
大入賞口開閉処理においては先ず、可変入賞装置82の大入賞口が開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞装置82の可変入賞駆動部の駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口が開放中でない場合には、開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」である場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には、開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCは、大入賞口の開放期間及び閉鎖期間(インターバル期間)を把握する際に参照されるカウンタであり、タイマ割込み処理(図20)が実行される度にその値が「1」づつ減算される。開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合には本大入賞口開閉処理を終了する。
開放数カウンタOCの値が「0」ではなく且つ開放タイマカウンタTCの値が「0」である場合には、大入賞口の開放処理を実行する。具体的には、大入賞口を開放すべく可変入賞駆動部を駆動状態とする。その後、可変入賞装置82(大入賞口)対応の閉鎖条件の設定処理(開放時用設定処理)を行う。具体的には、開放タイマカウンタTCに「15000」(30secに相当)をセットし、入賞カウンタPCに「10」をセットする。この設定処理を実行した後は、可変入賞装置82(大入賞口)が開放されたことを示す開放コマンド設定して、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図23)におけるステップS501にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140においては、開放コマンドを受信したことに基づいて、開放に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
一方、可変入賞装置82の大入賞口が開放中であると判定した場合には、開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合には、大入賞口に遊技球が入賞したか否かを可変入賞装置82に対応した入賞検知センサ391cからの検知信号に基づいて(詳しくは上記ステップS206の結果に基づいて)判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
なお、大入賞口への入賞が発生している場合には、上記賞球コマンドが払出制御装置242及び報知・演出制御装置140に出力される。払出制御装置242では当該賞球コマンドを受信したことに基づいて予め設定された数の遊技球を払い出す処理を行う。報知・演出制御装置140では、開閉実行モード中に賞球コマンドした場合には入賞発生を教示すべく例えば図柄表示装置253の表示画面253aにて実行される開閉実行モード中の演出を変化させる処理を行う。
大入賞口への入賞が発生した場合には、入賞カウンタPCの値を1ディクリメントした後に、入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。入賞カウンタPCの値が「0」である場合、又は開放タイマカウンタTCの値が「0」であると判定した場合には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。この場合には、大入賞口を閉鎖すべく可変入賞駆動部を非駆動状態とする。
続いて開放数カウンタOCの更新処理を実行する。具体的には、開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には同開放数カウンタOCを1ディクリメントするとともに開放数カウンタOCの値が「0」である場合には同開放数カウンタOCの値を「0」のまま維持する。その後、更新された開放数カウンタOCの値が「0」であるか否かを判定する。
開放数カウンタOCの値が「0」でないと判定した場合には、開放タイマカウンタTCに「1000」(2.0secに相当)をセットし、閉鎖コマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図23)におけるステップS501にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、閉鎖コマンドを受信した場合に、当該閉鎖コマンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
一方、開放数カウンタの値が「0」であると判定した場合には、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM404の各種カウンタエリア434に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM403に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
その後、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図23)におけるステップS501にて、報知・演出制御装置140に送信される。
遊技状態移行処理(図28)の説明に戻り、ステップS1008にて大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップS1009にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定し、ステップS1010にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、開放数カウンタOCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS1011にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
開閉実行モード終了時の移行処理においては先ず、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が16R確変大当たり結果、8R確変大当たり結果、4R確変大当たり結果の何れかであるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に16R確変大当たりフラグ、8R確変大当たりフラグ、4R確変大当たりフラグが格納されているか否かを判定する。
今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が16R確変大当たり結果、8R確変大当たり結果、4R確変大当たり結果である場合には、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。消去処理を実行した後は遊技状態の設定処理を実行する。具体的には、先ずRAM404の各種フラグ格納エリア435に高確率モードフラグをセットする。このようにしてセットされた高確率モードフラグに基づいて、その後の遊技回における当否抽選においては高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる。
その後、RAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度サポートモードフラグをセットする。このようにしてセットされた高頻度サポートモードフラグに基づいて、その後の電役サポート処理においてはサポート抽選にて高頻度サポートモード用の当否テーブルが参照され、サポート抽選時の絵柄の変動表示時間が短縮され(詳しくは2.0secに設定され)、更には1度の開放により開放状態となる期間が延長される(詳しくは5.0secに設定される)。
一方、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が8R通常大当たり結果または4R通常大当たり結果である場合、すなわちRAM404の各種フラグ格納エリア435に8R通常大当たりフラグ又は4R通常大当たりフラグが格納されている場合には、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。消去処理を実行した後は遊技状態の設定処理を実行する。具体的には、先ずRAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度サポートモードフラグをセットする。このようにしてセットされた高頻度サポートモードフラグに基づいて、その後の電役サポート処理においてはサポート抽選にて高頻度サポートモード用の当否テーブルが参照され、サポート抽選時の絵柄の変動表示時間が短縮され(詳しくは2.0secに設定され)、更には1度の開放により開放状態となる期間が延長される(詳しくは5.0secに設定される)。
上述した確変大当たり結果の場合とは異なり、通常大当たり結果後に移行する高頻度サポートモードについてはサポート回数に上限が設定される。具体的には、RAM404の各種カウンタエリア434に格納されている遊技回数カウンタに「100」をセットする。これにより、開閉実行モード終了後に遊技回が100回行われるまで高頻度サポートモードが維持され、「100」に達したことを契機として高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行されることとなる。
遊技状態の設定処理を行った後は、ステップS1012にて開閉実行モードの終了処理を行う。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に格納されている開閉実行モードフラグや大当たりフラグ等を消去し、大当たりに対応した外部信号の出力を停止する。
(報知・演出制御装置140及び表示制御装置410に係る電気的構成について)
次に、図29のブロック図を参照して、報知・演出制御装置140及び表示制御装置410に係る電気的構成について補足説明する。
報知・演出制御装置140に設けられた報知・演出制御基板441には、MPU442が搭載されている。MPU442には、当該MPU442により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM443と、そのROM443内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM444と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路等の各種回路等が内蔵されている。なお、MPU442に対してROM443及びRAM444が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のMPUにおいても同様である。
MPU442には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU442の入力側には主制御装置162が接続されており、当該主制御装置162から上述した変動開始コマンド、種別コマンド及び変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、シフトコマンドや保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)、更には、オープニングコマンドやエンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)等を受信する。
MPU442の出力側には、既に説明したように、前扉枠14に設けられたランプ部26〜28及びスピーカ部29、表示制御装置410が接続されている。主制御装置162から報知・演出制御装置140に入力された各種コマンドの一部は、情報形態をそのまま維持した状態で表示制御装置410に送信される。
表示制御装置410は、プログラムROM473及びワークRAM474が複合的にチップ化された素子であるMPU472と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)475と、キャラクタROM476と、ビデオRAM477とがそれぞれ搭載された表示制御基板471を備えている。なお、MPU472に対してプログラムROM473及びワークRAM474が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
表示制御装置410のMPU472は、報知・演出制御装置140を経由して主制御装置162から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP475の制御(具体的にはVDP475に対する内部コマンドの生成)を実施する。より具体的には、MPU472では、報知・演出制御装置140から送信されたコマンドに基づいて図柄表示装置253における各遊技回の変動表示パターンを特定する処理を実行するとともに後述する保留予告に係る処理を実行し、その処理結果に対応してVDP475に対する描画処理を実行する。これにより、図柄表示装置253の表示画面253aにて各種画像が表示されることとなる。
プログラムROM473は、MPU472により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。ワークRAM474は、MPU472による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM474の各エリアに記憶される。
VDP475は、図柄表示装置253に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP475はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP475は、MPU472、ビデオRAM477等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM477に記憶させる画像データを、キャラクタROM476から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置253に表示させる。
キャラクタROM476は、図柄表示装置253に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM476には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM476を複数設け、各キャラクタROM476に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM473に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM476に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM477は、図柄表示装置253に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM477の内容を書き替えることにより図柄表示装置253の表示内容が変更される。
既に説明したように本実施の形態では、表示画面253aにおける図柄の変動表示態様の概要が主制御装置162からのコマンドを参照して報知・演出制御装置140により特定され、その特定結果に基づいて変動表示態様の詳細が表示制御装置410によって決定される構成となっている。具体的には、報知・演出制御装置140のMPU442では、所定の周期(例えば2msec)で起動される定期処理の一環として変動表示制御処理が実行され、この変動表示制御処理にて図柄の変動表示態様の概要等が特定される。ここで、図30のフローチャートを参照して変動表示制御処理について説明する。
(変動表示制御処理)
変動表示制御処理においては、先ずステップS1101にて遊技回中であるか否か、すなわち図柄表示装置253にて1遊技回分の図柄の変動表示又は確定表示が実行されているか否かを判定する。遊技回中でないと判定した場合にはステップS1102に進み、主制御装置162から送信された変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する。
ステップS1102にて否定判定をした場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。一方、ステップS1102にて肯定判定をした場合には、ステップS1103にて後述の変動開始用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
ステップS1101の説明に戻り、当該ステップS1101にて肯定判定をした場合、すなわち遊技回中であると判定した場合には、ステップS1104に進む。ステップS1104では主制御装置162から送信された変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1104にて否定判定をした場合には、ステップS1105にて変動中用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動中用処理は、変動開始用処理によって開始された遊技回において各種演出の実行や決定された演出の変更を行う処理である。
ステップS1104にて肯定判定をした場合にはステップS1106に進み、当該ステップS1106にて変動終了用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動終了用処理では、図柄の変動表示や実行されている演出を当該遊技回に係る保留情報に対応するようにして終了させる(確定停止させる)。かかる処理では、スピーカ部29やランプ部26を駆動制御することで確定停止に対応する演出を行う。そして、確定コマンドを表示制御装置410に出力してから、本変動終了用処理を終了する。表示制御装置410のMPU472では、受信した確定コマンドに基づき図柄表示装置253にて図柄を確定停止させるよう制御する。
(変動開始用処理)
ここで、図31のフローチャートを参照して、ステップS1103の変動開始用処理について補足説明する。変動開始用処理は、主制御装置162から送信された変動開始コマンドを受信したことに基づき、遊技回用の演出を開始させるための処理である。変動開始用処理では、遊技回用の演出としてリーチ表示等の設定を行う。
変動開始処理においては、先ずステップS1201にて今回受信した変動開始コマンドを読み出し、当該コマンドからリーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報を特定する。また、既に説明したように主制御装置162から変動開始コマンドが送信される場合には種別コマンドも併せて送信される。ステップS1101では、今回受信した変動開始コマンドとともに受信している種別コマンドを読み出し、当該コマンドから、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報又は外れ結果の情報といった遊技結果の情報を特定する。そして、ステップS1201では、上記特定した情報から、大当たり当選の有無の情報、大当たり当選である場合には大当たり種別の情報、大当たり非当選である場合にはリーチ発生の有無の情報、及び変動表示時間の情報を把握し、その把握した情報をMPU442のレジスタに記憶する。
続くステップS1202では、ステップS1201にて把握した情報に基づいて、今回開始する遊技回の遊技結果が大当たり結果に対応する遊技結果であるか否かを判定する。大当たり結果である場合、すなわち確変大当たり結果又は通常大当たり結果である場合には、続くステップS1203にて、大当たり用の演出設定処理を実行する。
大当たり用の演出設定処理では大当たり用の図柄の停止結果を決定する(停止結果決定処理を行う)。停止結果決定処理においては、確変大当たり結果である場合に、一の有効ラインL1〜L5上に同一の特定図柄(奇数が付された主図柄)の組合せが成立する停止結果を、本遊技回の停止結果として決定する。また、通常大当たり結果である場合には、一の有効ラインL1〜L5上に同一の非特定図柄(偶数が付された主図柄)の組合せが成立する停止結果を、本遊技回の停止結果として決定する。
大当たり結果となった場合に停止表示される主図柄の種類や有効ラインL1〜L5は抽選等によってランダムに決定される。ROM443の各種テーブルエリアに記憶された最終停止ラインテーブルには、各有効ラインL1〜L5とアドレス情報とが記憶されており、上記処理にて決定された最終停止ラインはRAM444に設けられた最終停止ラインアドレス記憶エリアにアドレス情報として記憶される。またこの際、決定した停止結果の情報を停止結果アドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。なお、以下の説明でも各種停止結果決定処理にて決定した停止結果のアドレス情報がRAM444の停止結果アドレス記憶エリアに記憶される。
また、大当たり用の演出設定処理では大当たり用の図柄の変動表示態様を決定する(変動表示態様決定処理(演出パターン決定処理)を行う)。既に説明したとおり、大当たり結果となった場合、その結果はリーチ表示を経て報知される構成となっている。リーチ表示用の変動表示態様決定処理では、ROM443の各種テーブルエリアに記憶されているリーチ表示用の変動表示パターンテーブルを取得し、今回受信している変動開始コマンドの変動表示時間及び種別コマンドにおける遊技結果に対応したノーマルリーチ表示又はスーパーリーチ表示の演出パターンを決定する。また、決定した変動表示態様のアドレス情報をRAM444のパターンアドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。なお、以下に示す変動表示態様決定処理においてもROM443の変動表示パターンテーブル記憶エリアから対応する変動表示パターンテーブルを取得して変動表示時間及び遊技結果に対応した演出パターンを決定する。そして、演出パターン決定処理にて決定した演出パターンのアドレス情報をRAM444のパターンアドレス記憶エリアに記憶する。
ステップS1202にて大当たり結果ではないと判定した場合にはステップS1204に進む。ステップS1204では、今回の遊技回にてリーチが発生するか否かを把握する。リーチが発生する場合にはステップS1205に進み、リーチ発生用の演出設定処理を実行する。リーチ発生用の演出設定処理では演出の概要と最終停止させる図柄の組み合わせ等を決定する。前者については、上記ステップS1203の処理と同様であるため説明を援用する。本処理は外れリーチに対応するものなので、大当たり結果に対応する図柄組合せとならないように停止図柄を決定する。すなわち、一の有効ラインL1〜L5上に外れリーチ図柄の組合せが成立する停止結果を、今回の停止結果として決定する。この場合、外れリーチ図柄の組み合わせの種類や有効ラインL1〜L5は抽選などによってランダムに決定される。また、この決定に際しては、いずれの有効ラインL1〜L5上にも同一の図柄の組合せが成立することなく、且つ、リーチラインを形成する図柄と同じ中図柄列Z2の図柄をリーチラインに対して前又は後にずれた停止位置で最終停止させるように有効ライン上の停止結果を決定する。その後、決定した停止結果の情報を停止結果アドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。
ステップS1204にてリーチ発生ではないと判定した場合は、ステップS1206に進む。ステップS1206では、完全外れ用の演出の概要と最終停止させる図柄の組み合わせ等を決定する。本処理は完全外れに対応するものなので、大当たり結果に対応する図柄組合せが形成されないようにして停止図柄を決定する。
ステップS1203、ステップS1205、ステップS1206のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1207に進む。ステップS1207では、ステップS1203、ステップS1205、ステップS1206にて決定した停止結果及び演出パターンの情報を含むコマンドを、それぞれ停止結果コマンド、パターンコマンドとして表示制御装置410へ出力する処理を実行する。表示制御装置410のMPU472では、その受信した停止結果コマンド及びパターンコマンドに基づき、今回の遊技回における演出を実行するべく図柄表示装置253の表示制御を行う。
ステップS1207の処理を実行した後は、続くステップS1208にて、遊技回用の演出を開始する処理を実行した後、本変動開始用処理を終了する。具体的には、上記ステップS1203、ステップS1205、ステップS1206にて決定した演出パターンに基づいてスピーカ部29やランプ部26の駆動制御を開始して、遊技回用の演出を開始する。
ここで、図32に基づき図柄表示装置253(表示画面253a)にて表示される図柄の変動表示態様について補足説明する。図32(a)は変動表示態様の種類を示す概略図、図32(b)群は各変動表示態様の概要を示す概略図である。
(変動表示態様)
図32(a)に示すように、表示画面253aにて実行される図柄の変動表示態様は、完全外れ,ノーマルリーチA,ノーマルリーチB,スーパーリーチA,スーパーリーチB,スーパーリーチCの5つに大別される。これら各変動表示態様については、変動表示時間が異なるように設定されており、主制御装置162からのコマンドに付与され変動表示時間に係る情報に基づいて遊技回毎の変動表示態様の概要を把握可能となっている。
具体的には、完全外れの変動表示時間については「3sec〜8sec」(保留数に応じて差が設定されている)、ノーマルリーチAの変動表示時間については「10sec」、ノーマルリーチBの変動表示時間についてはノーマルリーチAの変動表示時間よりも長い「15sec」、スーパーリーチAの変動表示時間についてはノーマルリーチA,Bの変動表示時間よりも長い「16sec」、スーパーリーチBの変動表示時間についてはスーパーリーチAの変動表示時間よりも長い「17sec」、スーパーリーチCの変動表示時間については他のスーパーリーチA,Bの変動表示時間よりも長い「18sec」となっている。例えば、主制御装置162からのコマンドに付与された変動表示時間に関する情報が「15sec」である場合には、報知・演出制御装置140にてノーマルリーチBを実行すべき旨が把握されることとなる。
なお、大当たり結果に対応する遊技回では、スーパーリーチC > スーパーリーチB > スーパーリーチA > ノーマルリーチB > ノーマルリーチA の順に選択されやすくなるようになっており、外れ結果に対応する遊技回では、完全外れ > ノーマルリーチA > ノーマルリーチB > スーパーリーチA > スーパーリーチB > スーパーリーチC の順に選択されやすい構成となっている。つまり、変動表示時間が長くなるにつれて大当たりの当選期待度が高くなる設定となっている。
ここで、図32(b1)を参照してノーマルリーチA,Bの変動表示態様について説明する。ノーマルリーチA,Bが選択された場合には、先ず停止表示されている全ての図柄列の変動表示(スクロール表示)を開始し、その後、上段の図柄列(上図柄列Z1)において図柄の変動表示を終了し(停止表示させ)、さらに下段の図柄列(下図柄列Z3)において図柄の変動表示を終了する(停止表示させる)。このようにして上下の図柄列Z1,Z3を停止表示した状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5(図13(a)参照)に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、当該リーチラインが形成されている状況下において中段の図柄列(中図柄列Z2)の変動表示が行われることでリーチ表示(リーチ変動表示)となる。リーチ表示となった後、中図柄列Z2を停止表示することにより、変動表示が終了する。そして、リーチライン上に当該リーチ表示を構成している図柄と同一の図柄が停止することで大当たりに当選した旨が報知され、同リーチライン上にそれ以外の図柄が停止することで大当たりに当選していない旨が報知されることとなる。このようにして、最終停止表示された図柄の組み合わせについては所定期間に亘ってそのまま維持される。つまり、停止表示期間が経過するまでは今回の遊技回が続いており、当該停止表示期間が経過することにより次の遊技回への移行が許容されることとなる。
本実施の形態においてはリーチラインが形成された後の中図柄列Z2の変動表示時間に差を設定することにより、ノーマルリーチAとノーマルリーチBとの変動表示時間の差が確保されているが、両者の差の設定の仕方については任意である。例えば、変動表示が開始されてからリーチラインが形成されるまでの時間に差を設定することにより、上記変動表示時間の差を確保することも可能である。
次に、上述したノーマルリーチA,Bの変動表示態様を踏まえてスーパーリーチA,B,Cの変動表示態様について説明する。図32(b2)〜(b4)に示すように、スーパーリーチA,B,Cについては、ノーマルリーチA,Bと同様の過程を経て上述したリーチラインを形成する。そして、リーチラインを形成した後、中図柄列Z2の変動表示に併せて、所定のキャラクタを動画として表示することによりリーチ演出を行う構成となっている。具体的には、スーパーリーチAにおいてはリーチラインが形成された後、中図柄列Z2の変動表示領域の中央(変動表示領域MEの中央)に妖精を模したキャラクタが表示され、スーパーリーチBにおいてはリーチラインが形成された後、中図柄列Z2の変動表示領域の中央(変動表示領域MEの中央)に男の子を模したキャラクタが表示され、スーパーリーチCにおいてはリーチラインが形成された後、中図柄列Z2の変動表示領域の中央(変動表示領域MEの中央)に女の子を模したキャラクタが表示されることとなる。
(監視装置600)
本実施の形態に示すパチンコ機10には、主制御装置162の動きを監視する監視装置600が設けられている。図33に示すように、監視装置600の入力ポートには主制御装置162、払出制御装置242及び報知・演出制御装置140が接続されている。既に説明したように、主制御装置162には上作動口83a、下作動口83b、一般入賞口81、可変入賞装置82(大入賞口)用の各種入賞検知センサ391a〜391dが接続されており、主制御装置162にて上作動口83a、下作動口83b、一般入賞口81、可変入賞装置82(大入賞口)への入賞を確認した場合には当該主制御装置162からその旨を示す情報(信号)として賞球コマンドが監視装置600に出力される構成となっている。
監視装置600のMPU602には主制御装置162から入力された情報を記憶する記憶部604が設けられている。記憶部604は、主として入賞数や大当たり回数等の遊技情報を記憶する第1記憶領域605と、主として遊技機における異常等の発生回数等を記憶する第2記憶領域606とで構成されている。
例えば主制御装置162から入賞を示す賞球コマンドを受信した場合には第1記憶領域605に配設された各種入賞数カウンタ621〜624のうち受信した信号に対応するものを更新(加算)する。つまり、監視装置600により、作動口83a,83b、一般入賞口81、可変入賞装置82(大入賞口)への入賞数が監視されている。
また、主制御装置162にて遊技回が実行された場合は、上述した確定表示のタイミング(変動表示の終了タイミング)にて確定用の情報(信号)当該主制御装置162から監視装置600に出力される。監視装置600においてはこの信号を受信した場合には、第1記憶領域605に配設された遊技回数カウンタ625を更新(加算)する。つまり、監視装置600により、遊技回数が監視されている。
更には、遊技回にて大当たり結果となり開閉実行モードへ移行する場合は、開閉実行モードの開始タイミングにて大当たり用の情報(信号)が主制御装置162から監視装置600に出力される。監視装置600においてはこの信号を受信した場合には、第1記憶領域605に配設された当たり回数カウンタ626を更新(加算)する。つまり、監視装置600により、当たり回数が監視されている。
また、遊技球の払出しが行われた場合には、その旨を示す信号として払出コマンドが払出制御装置242から監視装置600に出力される。監視装置600においては、この信号を受信した場合には、第1記憶領域605に配設された賞球数カウンタ627を更新(加算)する。つまり、監視装置600により、賞球数(遊技球の払出数)が監視されている。
第1記憶領域605及び第2記憶領域606に記憶される各種情報については、設定値に対応付けられた状態で記憶されている。例えば、設定1にて作動口83a,83bへの入賞が発生し、その入賞情報を記憶する場合には、入賞発生時の設定1を示す情報を付加した状態で入賞情報が記憶されることとなる。これにより、入賞状況等を事後的に確認する場合には、各入賞がどの設定値にて発生したものであるかを識別可能となっている。
監視装置600の出力ポートには、報知・演出制御装置140が接続されており、報知・演出制御装置140については、監視装置600に記憶されている情報を適宜取得可能となっている。また、報知・演出制御装置140については、ホール管理者等による所定の要求操作に基づいて監視装置600に記憶されている情報を図柄表示装置253の表示画面253aに表示する機能を有している。
(設定変更機能)
上述したように、本実施の形態に示すパチンコ機10においては設定値が複数段階設けられており、設定値の変更(設定変更)によって大当たりの発生確率を変化させることができる構成となっている。設定値については常時変更可能となっているわけではなく、状況に応じて許可/禁止が切り替わる。本実施の形態においては、設定変更の許可/禁止の切り替えに関する構成が特徴的なものとなっている。以下、図5及び図34を参照して設定変更に係る構成について補足説明する。
図5に示したように、パチンコ機10においては、遊技球発射機構110から発射された遊技球は誘導レール100によって遊技領域PEに案内される。遊技領域PEを流下した遊技球は一般入賞口81等の各種入球部又はアウト口89を通じて遊技領域PEから排出され、遊技領域形成体80aの背面部に設けられた回収通路を通じて遊技ホールの島設備へ返却される。また、遊技球発射機構110から発射された遊技球のうち遊技領域PEに到達できなかったものについては、誘導通路103→前扉枠14(通路形成ユニット45)に形成されたファール通路を通じて遊技者に返却される。
図34に示すように、主制御装置162には、遊技球発射機構110に設けられた発射用検知センサ701と、通路形成ユニット45のファール球通路に設けられたファール用検知センサ702と、遊技盤ユニット80の背面側の回収通路に設けられた回収用検知センサ703とが接続されている。
発射用検知センサ701はソレノイド111によって発射された遊技球を検知するものであり、主制御装置162では発射用検知センサ701からの情報(検知信号)に基づいて遊技球が発射されたことを特定可能となっている。ファール用検知センサ702はファール球通路を通過する遊技球を検知するものであり、主制御装置162ではファール用検知センサ702からの情報(検知信号)に基づいてファール球通路を遊技球が通過したことを特定可能となっている。回収用検知センサ703は回収通路を通過する遊技球を検知するものであり、主制御装置162では回収用検知センサ703からの情報(検知信号)に基づいて回収通路を遊技球が通過したことを特定可能となっている。主制御装置162では、これら各検知センサ701〜703からの情報に基づいて遊技領域PEに遊技球が残存しているか否かを特定可能となっている。
また、払出制御装置242にて遊技球の払出しが行われた場合には払出しを実行した旨を示す情報(払出コマンド)が主制御装置162に出力される構成となっており、主制御装置162では払出制御装置242に送信した賞球指令と払出制御装置242から取得した払出情報とに基づいて、遊技球の払出しを完了しているか否かを特定可能となっている。
パチンコ機10には内枠13の開放を検知する開放検知センサ706が接続されており、主制御装置162では開放検知センサ706からの情報(検知信号)に基づいて内枠13が開放されているか否かを特定可能となっている。
ここで、図35のフローチャートを参照して、主制御装置162のMPU402にて通常処理の一環として実行される上記設定変更用処理(ステップS507)について説明する。
(設定変更用処理)
設定変更用処理においては先ず、ステップS1301にて設定変更モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に設定変更モードが格納されているか否かを判定する。ステップS1301にて否定判定をした場合には、ステップS1302に進む。ステップS1302では設定変更キーが上記設定キースイッチ167に挿通されON状態に切り替えられているか否かを判定する。ステップS1302にて否定判定をした場合にはそのまま本設定変更用処理を終了する。
ステップS1302にて肯定判定をした場合には、ステップS1303に進む。ステップS1303では上記検知センサ701〜703からの情報に基づいて、遊技領域PEに遊技球が残存しているか否かを判定する。ステップS1302にて否定判定をした場合にはそのまま本設定変更用処理を終了する。ステップS1302にて肯定判定をした場合には、ステップS1304に進む。
ステップS1304では、払出制御装置242からの払出情報に基づいて、払出し待ちの賞球が存在しているか否かを判定する。ステップS1304にて否定判定をした場合には、そのまま本設定変更用処理を終了する。ステップS1304にて肯定判定をした場合には、ステップS1305に進む。ステップS1305では払出しを完了してから所定の待機時間を経過したタイミングであるか否かを判定する。
払出装置224から払い出された遊技球は払出通路を通過して上皿33又は下皿34に向かう。この際、遊技球が遊技者の手元に届くまでにはある程度の時間(本実施の形態においてはおよそ2sec)を要する。上記待機時間は、この所要時間よりも僅かに長くなるようにして決定された時間であり、ステップS1305では払い出された遊技球が遊技者の手元に届いているか否かを推定している。
ステップS1305にて否定判定をした場合にはそのまま本設定変更用処理を終了する。ステップS1305にて肯定判定をした場合には、ステップS1306に進む。ステップS1306では遊技回中であるか否かを判定する。すなわち、作動口表示部にて絵柄の可変表示又は確定表示が実行されている最中であるか否かを判定する。ステップS1306にて肯定判定をした場合には、そのまま本設定変更用処理を終了する。ステップS1306にて否定判定をした場合には、ステップS1307に進む。
ステップS1307では保留情報が記憶されているか否か、すなわち次の遊技回が控えているか否かを判定する。ステップS1307にて否定判定をした場合、すなわち次の遊技回が控えている場合には、そのまま本設定変更用処理を終了する。ステップS1307にて肯定判定をした場合にはステップS1308に進む。
ステップS1308では開放検知センサ706からの検知情報に基づいて、内枠13が開放されているか否かを判定する。ステップS1308にて否定判定をした場合には、そのまま本設定変更用処理を終了する。ステップS1308にて肯定判定をした場合には、ステップS1309に進む。
ステップS1309では、設定変更モード開始処理を実行する。つまり、本実施の形態では、(1)遊技領域PEに遊技球が残存していないこと、(2)払出し待ちの遊技球が存在していないこと、(3)払出終了後の待機時間を経過していること、(4)遊技回中でないこと、(5)後続の保留情報が存在していないこと、(6)内枠13が開放されていること、(7)設定変更キーがON状態となっていることを条件として、設定変更が許可される構成となっている。
設定変更モード開始処理では、現在選択されている設定値を設定値表示部168に表示するとともに、設定変更操作の受付けを許可する。そして、遊技進行に係る各種処理(例えば通常処理における遊技回制御処理、遊技状態移行処理、電役サポート用処理、遊技球発射制御処理等の処理)を禁止し、RAM404の各種フラグ格納エリア435に設定変更モードフラグを格納する。設定変更モード用フラグが格納されることで、以降はステップS1301にて肯定判定されることとなる。なお、設定変更モード用フラグが消去されることで、上記遊技進行に係る各種処理が再開される。
ステップS1301の説明に戻り、当該ステップS1301にて肯定判定をした場合、すなわち設定変更モード中である場合には、ステップS1310に進む。ステップS1310では設定変更スイッチ166の操作(設定変更操作)が行われたか否かを判定する。ステップS1310にて肯定判定をした場合には、ステップS1311に進み、変更操作対応処理を実行する。具体的には、設定変更操作によって新たに選択された設定値を記憶するとともに、その記憶した設定値が設定値表示部168に表示されるように表示内容を更新する。
ステップS1310にて否定判定をした場合、すなわち設定変更操作が行われていない場合には、ステップS1312に進む。ステップS1312では、設定変更キーがOFF状態となるように切り替えられたか否かを判定する。ステップS1312にて否定判定をした場合には、そのまま本設定変更用処理を終了する。ステップS1312にて肯定判定をした場合には、ステップS1313に進む。ステップS1313では設定変更処理を実行する。具体的には、設定変更キーがOFF状態となるように切り替えられた時点で選択されていた設定値に対応したフラグをRAM404の各種フラグ格納エリア435に格納する。具体的には、設定1が選択されている場合には設定1対応フラグを格納し、設定2が選択されている場合には設定2対応フラグを格納し、設定3が選択されている場合には設定3対応フラグを格納する。以降の処理では、例えば設定1対応フラグが格納されている場合には設定1対応の当否抽選テーブルが参照され、設定2対応フラグが格納されている場合には設定2対応の当否抽選テーブルが参照され、設定3対応フラグが格納されている場合には設定3対応の当否抽選テーブルが参照されることとなる。
続くステップS1314にて設定変更モード終了処理を実行した後、本設定変更用処理を終了する。設定変更モード終了処理においては、RAM404の各種フラグ格納エリア435に格納されている設定変更モードフラグを消去し、上述した設定値表示部168の表示を終了し、禁止されていた上記各種処理を再開させる。
ここで、図36のタイミングチャートを参照して、設定変更までの流れについて説明する。
図36(a)に示すように、ta1のタイミングにて一般入賞口用の入賞検知センサ391aにより一般入賞口81への入賞が検知された場合には、その後のta2のタイミングにて遊技球の払出しが実行される。一般入賞口81への入賞に基づいて払い出される賞球は10個であり払出しが完了するまである程度の時間を要する。賞球の払出しが完了したta3のタイミングから上記待機時間を経過したta4のタイミングにて設定変更の実行条件(2),(3)が成立する。これに併せて他の実行条件(1),(4)〜(7)が成立することにより、設定変更が許可されることとなる。
既に説明したように、本実施の形態に示すパチンコ機10においては、払出制御装置242から遊技球の払出情報が監視装置600に送信され、払出情報が蓄積される構成となっている。そして、払出情報に基づいてパチンコ機10が正常に動作しているか否かが監視される。このような監視を行う場合には、遊技球が何れの設定値となっている状況下にて払い出されたものかが重要となる。例えば、ta1〜ta2の間のtaXのタイミングにて設定値が変更された場合には、主制御装置162から監視装置600に送信された入賞情報が対応する設定値と、払出制御装置242から監視装置600に送信された払出情報が対応する設定値とにずれが生じる。このようなずれは監視の確からしさの向上させる上で妨げになり得る。この点、本実施の形態に示す構成によれば、少なくとも払出しが完了するまで設定変更が禁止さる。このため、上述したような情報のずれを好適に回避し、監視機能の強化に貢献できる。
次に、図36(b)を参照して、保留情報の有無と設定変更との関係について説明する。
tb1のタイミングにて作動口用の入賞検知センサ391b〜391cにより作動口83a,83bへの入賞が検知されたことに基づいて作動口用表示部における絵柄の可変表示と図柄表示装置253における図柄の変動表示が開始される。この際、後続の保留情報の数は0であるため、変動表示時間は比較的長いものが設定される。変動表示中のtb2,tb3の各タイミングにて作動口83a,83bへの入賞が発生すると、それら入賞に基づいて取得された保留情報は記憶されたまま保持され、実行中の遊技回が終了するまで待機した状態となる。今回の遊技回が終了した後は、tb4,tb5のタイミングにて後続の保留情報に対応した遊技回が順に実行され、全ての保留情報が消化されたtb7のタイミングにて設定変更の実行条件(4),(5)が成立する。これに併せて他の実行条件(1)〜(3),(6)〜(7)が成立することにより、設定変更が許可されることとなる。
本実施の形態においては、保留機能によって遊技進行の円滑化が図られているものの、このような構成では入賞のタイミングと抽選のタイミングにずれが生じる。このため、仮に後続の保留情報が控えている状況下にて当該保留情報の取得タイミングと遊技回の開始タイミング(抽選タイミング)との間(例えばtbXのタイミング参照)で設定が変更された場合には、本来であれば大当たり結果となるはずの遊技回にて外れ結果となったり、本来であれば外れ結果となるはずの遊技回にて大当たり結果となったりすると懸念される。これは、遊技機の挙動に対する信頼性を低下させる要因になるため好ましくない。この点、本実施の形態においては、遊技回中だけでなく後続の保留情報が控えている場合にも設定変更が禁止される構成とすることでそのような不都合の発生を抑制している。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技中に突如として遊技に関する情報が消去された場合には、遊技機の挙動が突然変化すると想定される。例えば、本来であれば遊技者に払い出されるはずの遊技球が払い出されなくなったり、取得されていた特別情報に係る遊技回が実行されなくなったりした場合には、遊技者を困惑させて遊技機への信頼性を低下させる要因になると懸念される。この点、本実施の形態に示す構成においては、設定変更に適した状況でない場合には設定値の変更(設定変更)が規制されるため、遊技中に遊技機の挙動が変化することを抑制できる。これにより、遊技機への信頼性の向上に寄与できる。
詳しくは、遊技領域PEに遊技球が残っている状況下においては、設定変更が規制されることとなる。これにより、ある設定値の元で発射されたはずの遊技球がそれとは異なる設定値の元で一般入賞口81等の入球部に入賞することを回避できる。特に、検知センサを用いて残存球を監視しているため、残存球の排出後は速やかに規制が解除されるため、無駄な待機時間が発生しない。これは、設定変更を行う際の遊技機の利便性の向上を図る上で有利である。
入賞発生によって払出要求が発生した場合には、入球から払い出しまでにある程度のタイムラグが生じる。この間に設定値が変更されてしまうと、今回の払い出しが何れの設定値に対応しているかが不明確になる。そこで、本実施の形態に示したように払出動作が終了した後も待機時間が経過するまで変更規制を継続することにより、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
遊技機においては、遊技球の不足等の要因によって直ちに遊技球の払出しを行うことが困難になる場合がある。このような状況では一時的に払出動作が中断され得るものの、払い出しが可能な状況となることで払出動作が再開される。このような場合には、少なくとも払い出しが完了するまで設定値の変更を規制することにより、払い出された遊技球が何れの設定値に対応するものかがわかりづらくなることを抑制できる。
保留情報が記憶されている場合には設定変更が規制されることとなる。これにより、例えば本来であれば所定の判定情報(例えば当選情報)と対応している特別情報について所定の判定情報に対応しない判定結果となったり、所定の判定情報と対応していない特別情報について所定の判定情報に対応する判定結果となったりすることを好適に抑制できる。
設定変更の実行条件を成立させるには扉体である内枠13の開放が必要となる。このような行為は目立つため、設定値を不正に変更する行為を抑制し、遊技機の防犯機能の向上に寄与できる。
監視装置600によって入賞等を監視している構成では、入賞が発生したことを確認してから監視装置600に情報が送信されるまでに若干のタイムラグが生じ得る。このような時間の隙間にて設定変更が行われてしまうと、情報に不整合が生じる可能性がある。この点、本実施の形態に示したように、遊技が進行している最中は設定変更を規制する構成とすれば、そのような情報の不整合を好適に抑制できる。
なお、上述した第1実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に第1の実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて第1の実施の形態に対して適用してもよい。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
<変形例1>
上記第1の実施の形態では、発射用検知センサ701、ファール用検知センサ702、回収用検知センサ703からの各情報に基づいて遊技領域PEにおける残存球の有無を特定し、遊技領域PEに遊技球が残存している状況下にて設定変更が行われることを回避する構成としたが、遊技球が遊技領域PEに残存している状況下にて設定変更が行われることを回避する上では、以下の構成とすることも可能である。すなわち、遊技球が発射されてから遊技領域PEから排出されるまでの所要時間に基づいて待機時間を設定し、遊技球の発射終了時から当該待機時間を経過するまで設定変更を禁止し、当該待機時間の経過に基づいて上記実行条件(1)が成立する構成とすることも可能である。また、遊技球の発射が遊技者の発射操作に基づいて実行される点に鑑みれば、遊技球の発射操作の終了から上記待機時間が経過した場合に上記実行条件(1)が成立する構成とすることも可能である。これらの変形例に示すように、待機時間の経過によって残存球が存在しないとみなす構成においては、センサ等の追加構成を極力少なくすることができるため、パチンコ機10の構造の簡素化を図る上で有利である。
<変形例2>
上記第1の実施の形態では、払出制御装置242からの情報に基づいて遊技球の払出しが後に控えているか否かを判定し、遊技球の払出しが控えていないことを条件として設定変更が許可される構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、入賞発生から遊技球の払出しが完了するまでの実質的な時間がある程度決まっている場合には、この時間に基づいて待機時間を設定し、一般入賞口81等の賞球対応の入球部について入賞が発生した場合に当該入賞から当該待機時間が経過していることを設定変更に係る実行条件の1つとしてもよい。
<変形例3>
払出装置224が動作中であるか否かを特定する構成とし、払出装置224が動作中でないことを上記実行条件の1つに加える構成としてもよい。
<変形例4>
監視装置600に記憶されている情報を用いて異常の発生を監視する構成とし、異常が発生している場合には、設定変更が禁止される構成としてもよい。また、異常発生時にそれを報知する構成においては、異常報知が解除されていることを設定変更に係る実行条件の1つとすることも可能である。
<変形例5>
設定変更が行われた場合には、RAM消去スイッチが操作された場合と同様に、RAM404に記憶されている保留情報や払出情報等の各種遊技情報が消去される構成とすることも可能である。このような構成であっても、遊技が行われている状況下においては設定変更が規制されるため、遊技中の設定変更によって本来得られるはずの特典等が失われる等することを好適に抑制できる。
<変形例6>
主制御装置162のMPU402にて実行される変動開始処理にて当否抽選や振分抽選がなされる前(すなわち該当遊技回が開始される前)に保留情報の内容を先特定し、当該先特定の結果に対応する予告演出(例えば保留予告演出)を該当遊技回の前(例えば先行して実行されている遊技回)に実行する構成とすることも可能である。予告演出によって該当遊技回における抽選結果を示唆する構成においては、途中で設定変更が実行されることで、本来であれば大当たり結果に対応していたはずの予告演出が途中で打ち切られたり、実際の遊技結果が予告演出の内容と矛盾したりすると想定される。この点、保留情報が記憶されている場合には、設定変更が規制される構成とすることにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態においては主制御装置162と払出制御装置242との連携によって遊技機の防犯機能を向上させる工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、この工夫に係る構成について第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。なお、第1の実施の形態と共通となっている各種構成については説明を省略する。
主制御装置162においては、選択中の設定値を示す情報をパチンコ機10の電源ON時(起動時)及び設定変更時に払出制御装置242に送信する。払出制御装置242ではこれらの情報に基づいて選択中の設定値を特定することが可能となっている。先ず、図37及び図38(a)を参照して、主制御装置162のMPU402にて実行される設定値の送信に係る処理について説明する。図37(a)はメイン処理(図19参照)の一環として実行される初期コマンド出力処理(S110)を示すフローチャート、図37(b)は通常処理(図23参照)の一環として実行される設定変更処理(S1313)を示すフローチャート、図38(a)は設定値と初期コマンドとの関係を示す概略図である。
(初期コマンド出力処理)
図37(a)に示すように、初期コマンド出力処理においては先ず、ステップS1401にて現在の設定値を確認する。すなわちパチンコ機10の電源がONとなった際の設定値を確認する。続くステップS1402では払出制御装置242に出力する初期コマンドに付与するコード(設定値の識別情報)を決定する。
主制御装置162のROM403には設定値識別情報群として以下の情報が記憶されている。詳しくは、図38(a)に示すように、設定1に対応するコードとして「BAAA」,「ABAA」,「AABA」,「AAAB」の4つのコードが設けられており、設定2に対応するコードとして「BBAA」,「BABA」,「BAAB」,「ABAB」の4つのコードが設けられており、設定3に対応するコードとして「BBBA」,「BBAB」,「BABB」,「ABBB」の4つコードが設けられている。ステップS1402の処理では現在の設定値に対応する複数のコードの中から何れか1つのコードをランダムに決定する。
ステップS1403では、ステップS1402にて決定したコードをRAM404のコード格納エリアに記憶する。以降は、設定変更がなされるまで後述する賞球コマンド設定処理にて当該コードが参照されることとなる。続くステップS1404では初期コマンドを払出制御装置242等のサブ側の制御装置へ出力し、本初期コマンド出力処理を終了する。
初期コマンド出力処理にて設定されたコードについては、設定変更が行わた際に再設定されることとなる。ここで、図37(b)を参照して、設定変更処理について説明する。
(設定変更処理)
設定変更処理においては先ず、ステップS1501にて今回の設定変更操作により選択された設定を特定する。続くステップS1502では、参照テーブルの切替用処理を行う。これにより、今回の設定値に対応していない他の抽選テーブルへのアクセスが禁止される。続くステップS1503ではコード(設定値の識別情報)を決定する。コード決定についての詳細は上記ステップS1402と同様であるため説明を省略する。
続くステップS1504ではステップS1503にて決定したコードをRAM404のコード格納エリアに記憶する(上書きする)。その後は、ステップS1505にて設定変更コマンドを設定し、本設定変更処理を終了する。ステップS1505にて設定された設定変更コマンドについては、通常処理の外部出力処理(ステップS501)にて払出制御装置242に送信される。
払出制御装置242のMPUでは、初期コマンド及び設定変更コマンドを受信した場合に、それらのコマンドに含まれるコードから設定値を特定して当該払出制御装置242のRAMに記憶する。
次に、図38(b)を参照して、賞球コマンド設定処理について説明する。賞球コマンド設定処理は、ステップS205〜S207の各入賞処理にて払出制御装置242に賞球の払出しを指示すべく実行される処理である。
(賞球コマンド設定処理)
賞球コマンド設定処理においては先ず、ステップS1601にて入賞先を特定する。次にステップS1602にてRAM404のコード格納エリアに記憶されているコードの読込処理を行う。そして、続くステップS1603では、読み込んだコードを含むようにして賞球コマンドを生成する。このようにして生成された賞球コマンドは、賞球数を示す情報、入賞先を示す情報、コードの各種情報を含み(図38(c)参照)、通常処理の外部出力処理(ステップS501)にて払出制御装置242に送信される。
ここで、図39(a)を参照して、払出制御装置242のMPUにて定期処理の一環として実行されるコマンド対応処理について説明する。
(コマンド対応処理)
コマンド対応処理においては先ず、ステップS1701にて、今回受信したコマンドが、初期コマンド又は設定変更コマンドであるか否かを判定する。ステップS1701にて肯定判定をした場合には、ステップS1702に進む。ステップS1702では、それらコマンドに含まれるコードから設定値を特定し、払出制御装置242のRAMに設けられた設定値格納エリアに記憶する。払出制御装置242のROMには、主制御装置162と同様に、コードと設定値との関係を示す変換テーブル(図38の概略図参照)が予め記憶されており、この変換テーブルを参照して設定値が特定される。
ステップS1701にて否定判定をした場合にはステップS1703に進む。ステップS1703では今回受信したコマンドが賞球コマンドであるか否かを判定する。ステップS1703にて否定判定をした場合には、そのまま本コマンド対応処理を終了する。ステップS1703にて肯定判定をした場合には、ステップS1704に進む。
ステップS1704では、上記変換テーブルを参照し、今回受信した賞球コマンドに含まれているコードから設定値を特定→記憶する処理を行う。
続くステップS1705ではステップS1704にて特定した設定値がRAMのコード格納エリアに記憶されている設定値と一致しているか否かを確認する。ステップS1705にて否定判定をした場合には、ステップS1709に進む。ステップS1709ではRAMの各種カウンタエリアに設けられた留保カウンタの値を今回受信した賞球コマンドの賞球数に応じて加算する処理を行う。留保カウンタの値については後述する払出カウンタへのコンバートが実行されることで0クリアされる。
上述したステップS1705の処理においては基本的に各設定値が一致することとなる。これに対して、設定値が一致しない場合には主制御装置162及び払出制御装置242の何れかにて異常が発生している可能性がある。このような場合には、直ちに賞球の払出しを行うのではなく、少なくとも上記異常が解消されるまで賞球の払出しを留保(遅延)する。
続くステップS1710にて異常報知用処理を実行した後、本コマンド対応処理を終了する。異常報知用処理においては、報知・演出制御装置140に異常報知コマンドを送信する。報知・演出制御装置140では、この異常報知コマンドを受信したことに基づいて、図柄表示装置253の表示画面253a等にて異常報知を実行する。
ステップS1705の説明に戻り、当該ステップS1705にて肯定判定をした場合、すなわち各設定値が一致している場合には、ステップS1706に進む。ステップS1706ではRAMの各種カウンタエリアに設けられた払出カウンタの値を今回受信した賞球コマンドの賞球数に応じて加算する処理を行う。払出カウンタの値については賞球の払出しが実行される度に減算され、当該払出カウンタの値が0になることで、払出待ちの賞球数が0となる。
ステップS1706の処理を実行した後は、ステップS1707に進む。ステップS1707ではRAMの各種カウンタエリアに設けられた留保カウンタの値を参照し、払出しが留保されている賞球が存在するか否かを判定する。ステップS1707にて否定判定をした場合にはそのまま本コマンド対応処理を終了する。ステップS1707にて肯定判定をした場合にはステップS1708に進み、留保カウンタの値を払出カウンタの値として加算する。これにより、それまで払出しが留保されていた賞球についても払出しが実行されることとなる。
以上詳述した第2の実施の形態よれば、以下の優れた効果を奏する。
主制御装置162から出力される賞球コマンド(「払出指令情報」に相当)には、設定値に対応する情報が含まれている。払出制御装置242においては、主制御装置162にて設定されている設定値を賞球コマンドから特定することができる。このようにして、設定値を主制御装置162と払出制御装置242とで共有することにより両制御装置162,242の連携を強化できる。賞球コマンドについては、遊技進行に伴ってある程度頻繁に払出制御装置242に出力される情報であるため、このような既存のコマンドに設定値を示す情報を付与することで、設定値の確認の機会を増やすことができる。これは、遊技機に対する信頼性の向上を図る上で好ましい構成である。
設定変更が行われた場合には、主制御装置162にて決定された設定値の情報が払出制御装置242に入力され、払出制御装置242ではこの設定値の情報を記憶する。その後、主制御装置162から賞球コマンドを受信した場合には、この賞球コマンドから特定した設定値と、設定変更時に記憶した設定値とが一致しているか否かが判定される。これにより、例えば主制御装置162を不正なものに入れ替えるといった不正行為が行われた場合であっても、それを見抜くことが可能となる。
事前に記憶されていた設定値と今回特定した設定値とが不一致になる等した場合には、異常発生として遊技球の払い出しが回避されることとなる。これにより、遊技球を不正に獲得するといった行為を難しくし、遊技機の防犯機能を強化できる。
設定値の対比結果に基づいて遊技球の払い出し行うか否かが決まる構成においては、設定値情報をクリアするといった不正行為が行われる可能性がある。このように設定値情報がクリアされている場合には、入賞コマンドが入力されたとしても遊技球の払い出しが規制される構成とすることにより、防犯機能を強化できる。
払出制御装置242に賞球コマンドが入力されてから、実際に払い出しが行われるまでにはある程度のタイムラグが生じる。このようなタイムラグは、賞球コマンドが連続して入力される等して遊技球の払い出しが追い付いていない場合に大きくなる。ここで、設定値に基づいて異常が発生していることが確認された場合には、既に払い出しが決まっているものについては払い出しを継続する一方で、異常と判定された新たな賞球コマンドについの払い出しが規制される。このような構成とすれば、防犯機能等の強化に起因して、遊技者が本来得られるはずの払い出しすら受けられないといった不都合の発生を好適に回避できる。
設定値が不一致となっている場合には賞球コマンドに基づく遊技球の払い出しが留保され、後続の賞球コマンドにて設定値が一致していることが確認されることで留保が解除されることとなる。例えば、上記異常についてはノイズ等の混入によって偶発的に発生する可能性が否定できないため、上述の如く後続の賞球コマンドにて異常がないことが確認された場合に、留保中の払い出しを行うことにより、防犯機能等の強化に起因して遊技者が不利益を被ることを好適に抑制できる。
なお、上述した第2実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に第2の実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて第2の実施の形態に対して適用してもよい。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
<変形例1>
上記第2の実施の形態においては、初期コマンド、設定変更コマンド、賞球コマンドに含まれる設定値の識別情報を暗号化する構成とした。少なくとも主制御装置162と払出制御装置242とで設定値を共有し、賞球コマンドを受信する都度、設定値が相違していないかを確認することができる構成となっていれば足り、設定値の識別情報を暗号化する必要は必ずしもない。
<変形例2>
上記第2の実施の形態においては、賞球コマンドが設定値の識別情報を含む構成としたが、これに限定されるものではない。主制御装置162と払出制御装置242とで設定値の照合を適宜行うことができるのであれば足り、設定値の識別情報を含む確認コマンドを賞球コマンドとは別に主制御装置162から払出制御装置242に送信する構成としてもよい。例えば、上記確認コマンドを定期的に送信する構成としてもよいし、ある程度の期間に亘って遊技が行われていない状態(非稼働状態)が続いた場合には、遊技が再開されたタイミングにて上記確認コマンドを送信する構成としてもよい。
但し、主制御装置162から払出制御装置242に送信されるコマンドとして、賞球コマンドとは別の確認コマンドを設けた場合には、両コマンドの出力タイミングが重なることは好ましくない。賞球コマンド及び確認コマンドの両方を払出制御装置242に送信する場合には、後者よりも前者が優先される構成とすることが好ましい。このような構成とすれば、使用されるコマンドが多様となった場合であっても賞球の払出しの応答性が低下することを好適に抑制できる。
<変形例3>
上記第2の実施の形態においては、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83bの全ての入球について賞球コマンドに設定値の識別情報を含める構成としたが、これに限定されるものではない。入球頻度の偏りが可変入賞装置82 > 一般入賞口81 > 下作動口83b > 上作動口83aの順に小さくなるように差が設けらている場合には、少なくとも最も入球頻度の偏りが最も小さい入球部について賞球コマンドに設定値の識別情報が付与されていればよい。また、可変式の入球部については入球頻度の偏りが大きくなる点に鑑みれば、可変式ではない入球部について賞球コマンドに設定値の識別情報を付与する構成としてもよい。
<変形例4>
上記第2の実施の形態においては、設定値を対比する構成としたが、これに代えて又は加えてコードを直接対比する構成としてもよい。
<第3の実施の形態>
上記第2の実施の形態においては、主制御装置162と払出制御装置242との連携を強化することで防犯機能の向上を図ったが、本実施の形態においては主制御装置162及び払出制御装置242に監視装置600を加えた3者での連携を強化することで防犯機能の更なる向上を実現していることを特徴の1つとしている。なお、本実施の形態においては、主たる構成が第2の実施の形態と共通であるため、上記連携に係る構成を中心に説明し、第2の実施の形態と共通の構成については説明を省略する。
上述したように、主制御装置162から払出制御装置242に送信される賞球コマンドには設定値の識別情報である上記コードが含まれている。このコードについては、払出制御装置242から監視装置600に送信される払出コマンドに転用される。つまり、払出制御装置242から監視装置600に送信される情報にも設定値の識別情報であるコードが含まれる構成となっている。
監視装置600には、主制御装置162及び払出制御装置242と同様に、コードと設定値との関係を示す変換テーブル(図38の概略図参照)が予め記憶されており、この変換テーブルを参照して設定値が特定される。また、監視装置600の第2記憶領域606には、主制御装置162から取得したコードから特定した設定値を記憶する主制御装置対応の設定値記憶領域と、払出制御装置242から取得したコードから特定した設定値を記憶する払出制御装置対応の設定値記憶領域とが設けられている。監視装置600では、それら設定値記憶領域に記憶されている設定値を対比することで、主制御装置162と払出制御装置242が正常に連携しているかを特定することが可能となっている。以下、図39(b)のフローチャートを参照して、監視装置600にて実行される設定値対比処理について説明する。設定値対比処理は、監視装置600の制御部にて定期的に実行される処理である。
設定値対比処理においては先ず、ステップS1721にて主制御装置162からの賞球コマンド又は払出制御装置242からの払出コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS1721にて否定判定をした場合にはそのまま本設定値対比処理を終了する。ステップS1721にて肯定判定をした場合には、ステップS1722に進む。ステップS1722では今回受信したコマンドからコードを読み取り、当該コードから特定した設定値を上記各設定値記憶領域のうち対応するものに上書きする(更新する)。
その後、ステップS1723では、今回受信したコマンドが払出制御装置242からの払出コマンドであるか否かを判定する。ステップS1723にて否定判定をした場合には、そのまま本設定値対比処理を終了する。ステップS1723にて肯定判定をした場合には、ステップS1724に進む。ステップS1724では主制御装置対応の設定値記憶領域に記憶されている設定値と、払出制御装置対応の設定値記憶領域に記憶されている設定値とを対比する。ステップS1724にて肯定判定をした場合、すなわち両設定値が一致している場合には、そのまま本設定値対比処理を終了する。主制御装置162及び払出制御装置242の両方が正常に動作している場合には、基本的にステップS1724では肯定判定がなされる。
ステップS1724にて否定判定をした場合、すなわち受信したコマンドにコードが含まれていない場合又はコードが含まれている場合であっても設定値が異なる場合には、ステップS1725に進む。例えば、払出制御装置242が不正なものに入れ替えられる等して設定値が不一致となった場合には、ステップS1724にて否定判定がなされる。
ステップS1725では異常発生用処理を実行する。具体的には、第2記憶領域606に異常発生を記憶するとともに、報知・演出制御装置140に異常報知の指令を出力する。報知・演出制御装置140では当該指令に基づいて前扉枠14のスピーカ部29やエラー表示ランプ部27を駆動させて異常報知を実行する。
設定変更機能を有する遊技機においては、特典の不正取得を目的として設定値が不正に変更される場合がある。この際、監視装置600に入力される情報を改ざんすることで不正の事実が隠蔽される可能性を否定できない。ここで、本実施の形態に示したように、設定値を示す情報は、主制御装置162から監視装置600に直接入力されるだけでなく、払出制御装置242を経由して監視装置600に入力される。監視装置600ではこれらの情報を対比することにより、情報が改ざん等されていないかを見抜くことが可能となる。これにより、遊技機の防犯機能を向上できる。
設定値を示す情報を対比する場合には、そのタイミングが大きくずれてしまうと、正規に設定変更が行われた場合に誤判定となる可能性が生じる。そこで、本実施の形態に示したように、入賞発生→払出しの一連の動きに合わせて設定値を示す情報を入出力する構成とすることにより、上記タイミングのずれを抑制し、判定結果の確からしさを好適に向上させることができる。
例えば一般入賞口81への入賞が発生した場合には、当該入賞に係る賞球コマンドが直ちに払出制御装置242に出力され、払出制御装置242ではこの賞球コマンドを受信したことに基づいて賞球の払出しを行う。つまり、監視装置600に払出コマンドが入力されるタイミングは賞球コマンドの入力タイミングよりも後になる。第1の実施の形態に示したように遊技球の払出しが控えている状況では設定値の変更が不可となっているため、このため監視装置600に入力された賞球コマンドと払出コマンドとでは基本的には設定値が一致することとなる。このような構成とすることで、設定変更操作の割り込み等によって遊技機が正常に稼働しているにも関わらず設定値に違いが発生することを回避している。これは、監視機能に対する信頼性を向上させる上で好ましい構成である。
なお、上述した第3実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第3の実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて第3の実施の形態に対して適用してもよい。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
<変形例1>
上記第3の実施の形態では、払出制御装置242から払出コマンドを受信した場合に上記対比を行う構成としたが、これに代えて又はこれに加えて、主制御装置162から賞球コマンドを受信した場合に上記対比を行う構成とすることも可能である。このような構成においても、払出コマンドについては主制御装置162からの賞球コマンドに含まれていたコードを引き継ぐ構成となっているため、異常判定が上手く行われなくなることを回避できる。また、主制御装置162が不正に入れ替えられる等した場合には、これを特定することが可能となり、防犯機能の更なる強化に寄与できる。
<変形例2>
上記第3の実施の形態では、払出制御装置242から監視装置600に送信される払出コマンドに設定値の識別情報(コード)を付与する構成としたが、主制御装置162、監視装置600、払出制御装置242の3者の連携を強化する上では、監視装置600にて主制御装置162及び払出制御装置242からの各情報を対比することが可能となっていれば足りる。例えば、払出コマンド以外に払出制御装置242から監視装置600に送信されるコマンドに上記設定値の識別情報を付与する構成としてもよい。
<変形例3>
上記第3の実施の形態では、払出制御装置242にて生成される払出コマンドは、当該払出コマンドの契機となった賞球コマンドのコードを引き継ぐ構成としたが、これに限定されるものではない。払出制御装置242のRAMの設定値記憶エリアに格納されている設定値を払出コマンドに付与する構成とすることも可能である。
<第4の実施の形態>
本実施の形態においては、監視装置600に記憶されている入賞情報(監視情報)を報知・演出制御装置140にて取得し、それら取得した入賞情報に基づいて異常報知が実行される構成となっている。この際、異常発生の判定に際して設定値が考慮される構成となっていることを特徴の1つとしている。以下、図40を参照して、報知・演出制御装置140のMPU442にて実行される異常報知に係る各種処理(異常報知用設定処理及び異常保知用処理)について説明する。図40(a)は異常報知用設定処理を示すフローチャート、図40(b)は異常報知用処理を示すフローチャートである。
(異常報知用設定処理)
異常報知用設定処理は、報知・演出制御装置140のMPU442にて定期処理の一環として実行される処理である。図40(a)に示すように、異常報知用設定処理においては先ず、ステップS1801にて主制御装置162から初期コマンド又は設定変更コマンドを受信したかを判定する。ステップS1801にて否定判定をした場合には、そのまま本異常報知用設定処理を終了する。ステップS1801にて肯定判定をした場合には、ステップS1802に進む。
ステップS1802では、初期コマンド又は設定変更コマンドに含まれる設定値の情報に基づいて設定値が変更されたか否かを判定する。ステップS1802にて否定判定をした場合、すなわち設定値が変更されることなく据え置きとなっている場合には、そのまま本異常報知用設定処理を終了する。ステップS1802にて肯定判定をした場合には、ステップS1803に進む。
ステップS1803では、累積データ(入賞情報)の消去処理を実行する。本実施の形態においては、設定値が変更された時点から監視装置600からの情報取得→記憶が実行され、設定変更が実行された場合にそれまで記憶されていた累積データを消去して新たに情報取得→記憶を開始する。
続くステップS1804では、異常判定に用いられる閾値の設定処理を実行する。本実施の形態においては、閾値が設定値毎に設けられており、以降の異常判定においては現在の設定値に対応した閾値が用いられることとなる。閾値は、所定数の遊技球が発射された場合の入賞数を設計誤差や遊技状況等に配慮して規定されたものであり、ある程度の幅が設けられている。実際の入賞がこの閾値に収まるようにして発生している場合には遊技機が正常に稼働していると判定(推定)し、実際の入賞が繰り返し閾値を外れている場合には遊技機に異常が発生していると判定(推定)する。
入賞情報に基づいて実行される異常判定については、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83bの各々を対象としているものの、その概要については同様である。そこで、以下の説明では一般入賞口81を例にとって異常判定の概要を説明し、他の入球部に係る異常判定の概要については説明を省略する。先ず、図6及び図41を参照して設定値毎に閾値が個別に設けられている理由について補足説明する。図41(a)はルート毎の一般入賞口81への入賞確率を示す概略図、図41(b)は設定値と閾値との関係を示す概略図である。
図6に示したように、遊技領域PEについては当該遊技領域PEの中央に配設されたセンターフレーム95によって図柄表示装置253の表示画面253aを左側から迂回する左ルートと右側から迂回する右ルートとに大別される。左ルートには、上作動口83aが配設されており、低頻度サポートモード対応の通常遊技状態においては、右ルートと比較して左ルートへ遊技球を発射した方が遊技者にとって有利に遊技が進行する。つまり、低頻度サポートモード対応の通常遊技状態では、主として左ルートへ遊技球が発射されることで遊技が進められることとなる。これに対して、右ルートには、電動役物91が付随する下作動口83b、可変入賞装置82、スルーゲート84が配設されており、高頻度サポートモード対応の通常遊技状態及び開閉実行モードにおいては、左ルートと比較して右ルートへ遊技球を発射した方が遊技者にとって有利に遊技が進行する。つまり、高頻度サポートモード対応の通常遊技状態及び開閉実行モードでは、主として右ルートへ遊技球が発射されることで遊技が進められることとなる。
ここで、左ルートに配設された3つの一般入賞口81a〜81cについては、左ルートに向けて遊技球が発射されている場合には遊技状態に関係なく入賞確率が各々1/300となっている。つまり、3つの一般入賞口81a〜81cを総合した場合の入賞確率は1/100となっている(図41(a)参照)。この確率については遊技状態の影響を受けることなく一定である。
右ルートに配設された1つの一般入賞口81dについては、右ルートに向けて遊技球が発射されている際の遊技状態に応じて入賞確率が異なる構成となっている。
具体的には、一般入賞口81dは右ルートの最下流部分に配設されており、右ルートにて一般入賞口81dの上流となる位置に可変入賞装置82が配設されている。このため、開閉実行モード中は、一般入賞口81dに向かう遊技球の一部が可変入賞装置82へと流入し、当該一般入賞口81dへの入賞が回避されるといった事象が発生する。このような事情から、通常遊技状態においては入賞確率が1/100となっているのに対して、開閉実行モード中は入賞確率が1/500まで低下することとなる。
故に、通常遊技状態においては、右ルート及び左ルートの何れに向けて遊技球を発射している場合であっても一般入賞口81全体で見た場合の入賞確率は1/100で同一となるのに対して、開閉実行モードにおいては右ルートに向けて遊技球を発射している場合と、左ルートに向けて遊技球を発射している場合とでは一般入賞口81全体で見た場合の入賞確率が相違することとなる。
そして、既に説明したように設定1〜設定3では、大当たり結果となる確率が、設定3 < 設定2 < 設定1の順に高くなるように差別化されている。開閉実行モードへの移行機会の差によって、一般入賞口81全体で見た場合の入賞確率は、設定1 < 設定2 < 設定3の順に高くなる。このような事情に鑑みて、設定1に対応する閾値と、設定2に対応する閾値と、設定3に対応する閾値とでは段階的に差が設けられている。具体的にいは、図41(b)に示すように、設定3に対応する閾値が最も高く、設定2に対応する閾値は設定3に対応する閾値よりも低く、設定1に対応する閾値は設定2に対応する閾値よりも低くなっている。なお、各閾値の上限については主として低頻度サポートモード対応の通常遊技状態が続いている場合の入賞確率に基づいて設定されており、下限については主として高頻度サポートモード対応の通常遊技状態と開閉実行モードとが繰り返されている場合(所謂連チャン時)の入賞確率に基づいて設定されている。
報知・演出制御装置140においては、現在の設定値に基づいて選択された閾値を参照して入賞確率が正常であるか否かを判定する構成となっている。ここで、図40(b)に基づいて報知・演出制御装置140のMPU442にて実行される異常報知用処理について説明する。
(異常報知用処理)
異常報知用処理においては先ず、ステップS1901にて異常報知中であるか否かを判定する。ステップS1901にて否定判定をした場合にはステップS1902に進み情報取得処理を実行する。情報取得処理では、監視装置600から一般入賞口81への入賞数に関する情報と、遊技球の発射数に関する情報とを取得する。
続くステップS1903では、異常判定の判定条件が成立したか否かを判定する。具体的には、ステップS1903にて肯定判定をした先の異常判定後、又は設定変更後に発射された遊技球の数が規定数に達したか否かを判定する。なお、本実施の形態においては規定数が3万となっており、遊技球の発射周期が0.6secである点に鑑みれば、遊技球を連続して発射している場合にはおよそ6時間を経過することで規定数に達する。
ステップS1903にて否定判定をした場合、すなわち十分なデータが確保できていない場合には、そのまま本異常報知用処理を終了する。ステップS1903にて肯定判定をした場合には、ステップS1904に進む。ステップS1904では、現在の設定に変更された後の一般入賞口81への入賞数と遊技球の発射数とから一般入賞口81の入賞確率を算出し、その確率が上記閾値の範囲内に収まっているか否かを判定する。
閾値の範囲内に収まっている場合には、ステップS1905にて否定判定をし、そのまま本異常報知用処理を終了する。閾値の範囲から外れている場合には、ステップS1905にて肯定判定をし、ステップS1906に進む。ステップS1906では報知・演出制御装置140のRAM444の各種カウンタエリア465に設けられた異常報知用カウンタの値を更新(1加算)する。
続くステップS1907では異常報知用カウンタの値が最大(本実施の形態においては5回)となったか否かを判定する。ステップS1907にて否定判定をした場合には、そのまま本異常報知用処理を終了する。ステップS1907にて肯定判定をした場合には、ステップS1908に進み、異常報知開始処理を実行する。異常報知開始処理を実行することにより、前扉枠14のスピーカ部29とエラー表示ランプ部27にて異常報知が実行されることとなる。
ステップS1901の説明に戻り、当該ステップS1901にて肯定判定をした場合、すなわち異常報知中である場合には、ステップS1909に進む。ステップS1909では異常報知の解除操作が行われたか否かを判定する。ステップS1909にて否定判定をした場合にはそのまま本異常報知用処理を終了する。ステップS1909にて肯定判定をした場合にはステップS1910に進む。ステップS1910では、異常報知解除処理を実行する。これにより、スピーカ部29やエラー表示ランプ部27にて実行中の異常報知が解除され、異常報知用カウンタの値を「0」クリアする。
閾値を用いて異常判定を行う場合には、本実施の形態に示したように設定値毎に閾値を設ける構成とすることにより、以下の効果が期待できる。例えば、算出した入賞確率が図42の入賞確率Y1に示すように何れの設定1〜設定3の何れの閾値の範囲にも収まる場合や、入賞確率Y4に示すように何れの閾値の範囲からも外れる場合には、判定の確からしさに影響はない。しかしながら、入賞確率Y2や入賞確率Y3に示すように閾値によって判定結果が異なる構成においては、異常判定の確からしさに影響が及ぶ可能性がある。この点、本実施の形態に示すように、設定値毎に閾値の切り替えを行う構成とすれば、本来であれば閾値の範囲から外れているものが閾値の範囲内であると判定されたり、閾値の範囲に収まっているものが閾値の範囲から外れていると判定されたりすることを抑制できる。これにより、異常監視の確からしさを向上し、監視機能に対する信頼性の向上に寄与できる。
設定変更機能を有する遊技機においてはその特性上、設定値毎に遊技球の挙動に違いが生じ、入球部への入球確率に設定値による差が生じ得る。このため、遊技状況を監視しその監視結果(判定結果)に基づいて所定の処理(例えば異常報知)を行う構成においては、何れの設定値についても一義的に判定を行おうとした場合に、判定結果の確からしさを向上することが困難となる。例えば、すべての設定値に対応するようにして基準情報を設定する場合には、当該基準情報の範囲が大きくなり、確からしさの向上を図ることが困難になると想定される。この点、本特徴に示すように、設定値毎に基準情報を設ける構成とすれば、判定結果の確からしさを向上させて、遊技機(特に監視装置)に対する信頼性を好適に向上させることができる。
遊技機に付与されている全ての設定値(設定1〜設定3)について判定を行うのではなく、現在の設定値に限定して判定を行う構成とすることにより判定処理の簡素化を実現することができる。これは、監視機能の追加に伴う制御負荷を軽減する上で好ましい構成である。
異常判定に用いる閾値については、全ての設定値にて共用となるように統一することも可能である。しかしながら、このような構成では、異常判定が過度に厳しくなって異常報知が頻発したり、異常判定が過度に緩くなって異常が見逃されやすくなったりすると想定される。この点、本実施の形態に示したように、閾値を設定値によって使い分ける構成とすることにより、それらの不都合の発生を好適に抑制できる。
なお、上述した第4実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第4の実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第4の実施の形態に対して適用してもよい。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
<変形例1>
上記第4の実施の形態においては、一般入賞口81へ向かう流路上に可変入賞装置82が配置されている場合について例示したが、例えば一般入賞口81へ向かう流路上に電動役物91が付随する作動口83bが配置されている構成においても、設定値によって一般入賞口81への入賞確率に差が生じ得る。つまり、電動役物91によるサポートモードについては大当たり結果となった場合に低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに切り替わる。サポートモードの切替契機となる大当たり結果については、設定値によって発生率が異なる。故に、設定値によって一般入賞口81への入賞確率にも差が生じる。このような構成についても、本実施の形態に示した構成と同様に、閾値に設定値に応じた差を設けることにより、異常判定の確からしさを好適に向上させることができる。
<変形例2>
上記第4の実施の形態においては、設定値が遊技者に有利なほど一般入賞口81への入賞率が下がる構成について説明した。例えば、左ルートの一般入賞口81よりも右ルートの一般入賞口81ほど入賞確率が高くなるように構成される等して設定値が遊技者に有利なほど一般入賞口81への入賞確率が上がる構成となっている場合には、そのような入賞確率の差に応じて閾値を設定し、設定3用の閾値 < 設定2用の閾値 < 設定1用の閾値とすることで、異常判定の確からしさを好適に向上させることができる。
<変形例3>
報知・演出制御装置140にて遊技状態を把握できる構成においては、遊技状態によって閾値を変更する構成としてもよい。例えば、低頻度サポートモード対応の通常遊技状態における閾値、高頻度サポートモード対応の通常遊技状態における閾値、開閉実行モード対応の閾値を設定1〜3の各々について個別に設けてもよい。
<第5の実施の形態>
上記第4の実施の形態に示したように、入賞確率を監視する構成においては、そのサンプルを多く確保することにより、異常監視の確からしさの更なる向上が期待できる。本実施の形態においては、主たる構成は第4の実施の形態と同様であるが、サンプル数を稼いで更なる確からしさの向上が実現されている点で、第4の実施の形態と構成が相違している。以下、図43及び図44を参照して、本実施の形態における特徴的な構成について説明する。図43(a)は監視装置600を示すブロック図、図43(b)は監視装置600に記憶されている情報を示す概略図、図44は報知・演出制御装置140のMPU442にて実行される異常報知用処理を示すフローチャートである。
図43(a)に示すように、監視装置600の記憶部604には、上記第1記憶領域605及び第2記憶領域606の他に一時記憶領域607が設けられている。一時記憶領域607には、上作動口83a、下作動口83b、一般入賞口81、可変入賞装置82の各々に対して100個のアドレスが設けられており、各アドレスには対象となっている入球部への入賞数が規定数(本実施の形態においては1万)分の遊技球が発射される毎に記憶されている。これら入賞数については、その時の設定値に対応付けて記憶されている。全てのアドレスが埋まっている状況下にて新たに情報が取得された場合には、古い情報から順に情報が上書きされることとなる。
図43(b)には一般入賞口用の情報群を例示している。各アドレスには、所定の発射数毎の入賞数と、設定値の情報と、設定変更の有無の情報とが記憶されている。例えば、9番のアドレスには途中で設定値が「1」から「2」に切り替わった旨の情報が記憶されている。
次に、図44を参照して、異常報知用処理について説明する。なお、異常報知用処理は、設定値によって入賞確率に差が生じ得る各種入球部について各々実行される構成となっているが、以下の説明においては、一般入賞口81への入賞監視に係る異常報知用処理について説明し、他の入球部への入賞に係る異常報知用処理についてはそれと同様であるため説明を省略している。
(異常報知用処理)
本実施の形態における異常報知用処理においては先ず、ステップS2001にて異常報知中であるか否かを判定する。ステップS2001にて否定判定をした場合にはステップS2002に進み情報取得処理を実行する。情報取得処理では、監視装置600から遊技球の発射数に関する情報を取得する。
続くステップS2003では、異常判定の判定条件が成立したか否かを判定する。具体的には、つまり、発射数が規定数に達して一時記憶領域607の情報が更新されたか否かを判定する。なお、本実施の形態においては規定数が1万となっており、遊技球の発射周期が0.6secである点に鑑みれば、およそ100分に相当する。
ステップS2003にて否定判定をした場合、すなわちデータが更新されていない場合には、そのまま本異常報知用処理を終了する。ステップS2003にて肯定判定をした場合には、ステップS2004に進む。ステップS2004では、一時記憶領域607の各アドレスに記憶されている情報から現在の設定値と同じ設定値に対応する情報を新しいものから順に所定数だけ読み込む処理を行う。例えば、図45に示すように、今回の設定値が「1」の場合には、若いアドレス(新しい情報)から順に同一の設定値に対応する情報を5つ読み込む。この場合、途中で設定値が変更されているもの(例えば第5アドレスに記憶されている情報)については読み込み対象から除外される。
ステップS2004の処理を実行した後はステップS2005に進む。ステップS2005では読み込んだ情報から入賞確率を算出する。このようにして入賞確率を算出するためのサンプルを多く確保することで、ステップS2006の判定処理における判定結果の確からしさを向上させている。一般入賞口81への入賞確率が上記閾値の範囲内に収まっている場合には、ステップS2007にて否定判定をし、そのまま本異常報知用処理を終了する。閾値の範囲から外れている場合には、ステップS2007にて肯定判定をし、ステップS2008に進む。ステップS2008では報知・演出制御装置140のRAM444の各種カウンタエリア465に設けられた異常報知用カウンタの値を更新(1加算)する。
続くステップS2009では異常報知用カウンタの値が最大(本実施の形態においては5回)となったか否かを判定する。ステップS2009にて否定判定をした場合には、そのまま本異常報知用処理を終了する。ステップS2009にて肯定判定をした場合には、ステップS2010に進み、異常報知開始処理を実行する。異常報知開始処理を実行することにより、前扉枠14のスピーカ部29とエラー表示ランプ部27にて異常報知が実行されることとなる。
ステップS2001の説明に戻り、当該ステップS2001にて肯定判定をした場合、すなわち異常報知中である場合には、ステップS2011に進む。ステップS2011では異常報知の解除操作が行われたか否かを判定する。ステップS2011にて否定判定をした場合にはそのまま本異常報知用処理を終了する。ステップS2011にて肯定判定をした場合にはステップS2012に進む。ステップS2012では、異常報知解除処理を実行する。これにより、スピーカ部29やエラー表示ランプ部27にて実行中の異常報知が解除され、異常報知用カウンタの値を「0」クリアする。
監視装置600にて記憶される入賞数の情報には設定値が関連付けられている。このため、過去に記憶された情報(実績)から現在の設定値と同じ設定値に対応する情報を読み込んで流用することができる。これにより、偶発的に閾値の範囲を外れるような入賞態様となった場合であっても、そのような偶発的な事象が異常として判定されることを抑制できる。ここで、過去の情報を用いる場合に他の設定値での情報を読み込んでしまうと、異常判定の確からしさが低下する。これに対して、過去の情報を一切無視して今回の情報に絞って異常判定を実行しようとすれば、上述したような偶発的な事情によるばらつきを異常と判定する可能性が高くなる。この点、本実施の形態に示す構成では、過去の情報を流用する場合にも設定値が同一のものに絞り込むことが可能であるため、上記各種不都合の発生を抑制できる。故に、異常判定の確からしさを好適に向上させることができる。
監視装置600によって入球状況を監視する構成とすれば、例えば遊技釘等の変形等によって入球頻度が設計値から大きく乖離するような事象が発生した場合に、それを早期に発見することができる。これは、遊技ホールや遊技者の不利益を抑え、遊技機への信頼性の向上を図る上で好ましい。ここで、設定変更機能を有する遊技機においては、設定値によって遊技球の挙動に差が生じ、一般入賞口81等の各種入球部への入賞確率に差が生じる可能性がある。本実施の形態に示す監視装置600においては、入賞情報が設定値に対応付けられた状態で記憶される。このような構成においては入球情報を設定値に応じて仕分けできるため、上述した閾値から外れていないかを判定する際の判定精度を向上させることができる。これは、入賞監視における監視結果の確からしさを高めて、遊技機に対する信頼性の向上に貢献できる。
入賞状況の監視を行う上では一時的な入賞頻度のばらつきの取り扱いが重要である。例えば、入賞の偏りが一時的に大きくなった場合には、それを偶発的要因によるものか否かを特定することが困難であるが、過去の情報を流用して平均等を算出することによりばらつきを軽減することができる。つまり、判定を行う上では参照するデータ(サンプル)をある程度多く確保することが好ましい。但し、上述したように記憶されているデータには対応する設定値が異なるものが混在するため、それらをまとめ参照した場合にはデータの確からしさは低下する。この点、本実施の形態に示したように、過去に記憶された入賞情報の中から現在の設定値と同じ設定値に対応する入賞情報を選択して判定に用いる構成とすれば、上述した効果を好適に発揮させることができる。
なお、上述した第5実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第5の実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第5の実施の形態に対して適用してもよい。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
<変形例1>
上記第5の実施の形態では、途中で設定値が変更されたものについても一時記憶領域607に情報を記憶する構成としたが、途中で設定値が変更されたものについては設定値が変更された際に情報を消去する構成とすることも可能である。実質的に使用されない情報によってアドレスが埋まることを回避することにより、参照できる情報の数が不足するといった不都合の発生を抑制できる。
<変形例2>
遊技球の発射数が規定数に達するまでの間に設定値が変更された場合には、設定値が変更された時点から新たに情報の蓄積を開始する構成としてもよい。これにより、複数の設定値に対応する情報(実質的に利用が難しい情報)となることを回避できる。
<変形例3>
一時記憶領域607に記憶される入賞数情報について設定値毎に記憶上限数を設定することも可能である。設定変更機能を有している遊技機であっても頻繁に設定変更が行われるとは限らず、ある程度の期間に亘って同一の設定値に維持される場合もあり得る。このような場合、記憶される入賞数情報に設定値による偏りが生じては、異常判定の確からしさを向上させる効果を上手く発揮できなくなると懸念される。例えば、設定値として設定1〜設定3が設けられているにもかかわらず、設定1での情報が過度に少ない場合には、当該状況下にて設定1での判定が実行される際には参照可能なサンプル(データ)が不足し、異常判定の確からしさが低下すると想定される。この点、本変形例に示すように設定値毎に記憶可能な入賞数情報に上限数を規定する構成とすれば、サンプルの不足によって判定の確からしさが低下することを好適に抑制できる。
<変形例4>
一時記憶領域607におけるアドレスを設定値毎に分けてもよい。例えば、99個のアドレスによって一時記憶領域が構成されている場合には、設定1用のアドレスが33個、設定2用のアドレスが33個、設定3用のアドレスが33個となるように割り当てるとよい。
<変形例5>
上記第5の実施の形態においては、一時記憶領域607を構成する全てのアドレスに入賞数情報が記憶されている状況下にて新たに入賞情報を記憶する場合には、最も古い入賞数情報が記憶されているアドレス(上記第5の実施の形態では#100アドレス)に情報が上書きされる構成としたが、これに限定されるものではない。新たに入賞数情報を記憶する場合には、設定値毎に記憶されている入賞数情報の数を特定し、入賞数情報が相対的に少なくなっている設定値について当該設定値に対応する入賞数情報のうち最も古い情報を上書き対象とすることも可能である。これにより、記憶されている入賞数情報について設定値毎に数の偏りが大きくなることを抑制できる。
<第6の実施の形態>
上記第5の実施の形態では、設定値に関連付けた状態で入賞数を記憶し、現在の設定値と同一の設定値に対応している過去の情報を流用することで異常判定の確からしさを向上させる構成とした。本実施の形態においては、異常判定の確からしさを向上させる点では第5の実施の形態と同様であるものの、そのような効果を発揮させるための具体的な構成が第5の実施の形態と相違している。以下、図46を参照して、本実施の形態における特徴的な構成を第5の実施の形態との相違点を中心に説明する。図46(a)は監視装置600における情報処理の流れを示す概略図、図46(b)は設定値と補正係数との関係を示す概略図である。
主制御装置162から監視装置600に入力される賞球コマンドについては、図46(a)に示すように、入賞発生を示す情報と当該入賞が発生した時点での設定値の情報とが含まれている。賞球コマンドを受信した監視装置600の情報取得部603ではこれらの情報から入賞判定情報を作成する。具体的には、入賞数に補正係数を乗じて入賞判定情報を作成する。作成された入賞判定情報は上記アドレスのうち最も若いもの(#1アドレス)に累積記憶される。発射数が規定数に達した場合は、記憶されている情報が各々シフトして、新たに取得される情報が#1アドレスに記憶されることとなる。
ここで、図46(b)を参照して、補正係数について説明する。補正係数は設定値毎に設けられており、本実施の形態においては、設定1用の補正係数は「1.02」、設定2用の補正係数は「1」、設定3用の補正係数は「0.97」となっている。
例えば、設定1と設定2とを比較した場合には、遊技進行に応じて左右の各ルートへ遊技球を発射することを考慮した場合の一般入賞口81への実質的な入賞確率に若干のずれが生じる。詳しくは、設定1においては設定2と比較して一般入賞口81への入賞確率が僅かに低くなる。設定1用の補正係数は、設定2における上記入賞確率を設定1における上記入賞確率によって除した値である。設定1にて入賞が発生している場合には、入賞数に設定1用の補正係数「1.02」を乗じることにより、現在の設定が設定2であると仮定した場合の入賞数を推定する。つまり、実際には設定1にて発生した入賞を設定2で発生した入賞に転換している。
設定2と設定3とを比較した場合にも、遊技進行に応じて左右の各ルートへ遊技球を発射することを考慮した場合の一般入賞口81への実質的な入賞確率に若干のずれが生じる。詳しくは、設定3においては設定2と比較して一般入賞口81への入賞確率が僅かに高くなる。そこで、設定3用の補正係数は、設定2における上記実質的な入賞確率を設定3における上記実質的な入賞確率で除した値である。設定3にて入賞が発生している場合には、入賞数に設定3用の補正係数「0.97」を乗じることにより、現在の設定が設定2であると仮定した場合の入賞数を推定する。つまり、実際には設定3にて発生した入賞を設定2で発生した入賞に転換している。
そして、本実施の形態においては、閾値は設定値毎に設けられているのではなく、各設定1〜3で共通となっている。詳しくは、上記第4の実施の形態に示した設定2用の閾値が設定1〜3で共通の閾値となっている。
異常判定用処理にて、入賞確率が当該閾値の範囲に収まっているか否かを判定する場合には、監視装置600の一時記憶領域607の各アドレスに記憶されている情報が取得されることとなる。本実施の形態においては、設定値による情報の取捨選択が不要である。このような事情から、アドレスの数についても第5の実施の形態よりも少なくなっている。
設定変更機能を有する遊技機においては、設定値の選択については様々となり、必ずしも異常判定を行う際の設定値と過去に記憶された入賞情報の設定値とが一致するとは限らない。ここで、本実施の形態に示した構成によれば、記憶されているサンプルについて現在の設定値とは異なる設定値が対応付けられているものに関しても、補正によって現在の設定値に合わせて変換される。このため、設定値の違いを超えて異常判定のサンプルとして利用できる入賞情報を確保することができる。これにより、判定結果の確からしさの向上に寄与できる。
一般入賞口81dの上流位置に可変入賞装置82が配設されている構成においては、可変入賞装置82の動きによって一般入賞口81dへの入賞頻度に差が生じ得る。そこで、一般入賞口81dに係る入賞状況を監視する上では、本実施の形態に示したように、一般入賞口81dへの入賞頻度に応じて補正値を定めることにより、記憶されている入賞情報を補正値を用いて現在の設定値に対応する情報に変換する際の変換精度を好適に向上させることができる。
なお、上述した第6実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第6の実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第6の実施の形態に対して適用してもよい。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
<変形例1>
上記第6の実施の形態では、入賞数に補正係数を乗じた値をアドレスに記憶する構成としたが、補正を行うタイミングについては任意である。例えば、遊技球の発射数が規定数に達したタイミング又は設定変更が発生したタイミングにて補正を行う構成としてもよいし、閾値を用いた判定を行う直前のタイミングにて補正を行う構成としてもよい。因みに、判定直前に補正を行う場合には、当該補正を行う主体は必ずしも監視装置600である必要はなく、報知・演出制御装置140にて補正を行う構成としてもよい。但し、判定直前に補正を行う場合には、監視装置600に入賞数を示す情報とともに設定値を記憶する必要がある。このため、記憶される情報の量が嵩みやすい。このような事情に鑑みた場合には、補正された情報を監視装置600に記憶させる構成とすることには技術的意義がある。
<変形例2>
上記第6の実施の形態では、設定2を基準に設定1用の補正係数及び設定3用の補正係数を定めたが、これに限定されるものではない。例えば、設定1を基準に設定2用の補正係数及び設定3用の補正係数を定めてもよいし、設定3を基準に設定1用の補正係数及び設定2用の補正係数を定めてもよい。
<第7の実施の形態>
上記各実施の形態に示したように監視装置600を用いて主制御装置162等の監視を行う構成とすることは、パチンコ機10の信頼性の向上や防犯機能の強化を実現する上で好ましい。本実施の形態においては、それら各種効果を一層好適に発揮させる工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図47〜50を参照して、上記工夫に係る構成を第4の実施の形態との相違点を中心に説明する。図47は異常報知用処理を示すフローチャート、図48は異常報知解除の流れを示すタイミングチャート、図49は異常報知解除処理を示すフローチャート、図50は監視装置600の構成を示す概略図である。なお、本実施の形態においては主たる構成が第4の実施の形態と共通となっているため、これら共通の構成については説明を省略する。
先ず、図47を参照して本実施の形態における報知・演出制御装置140のMPU442にて定期処理の一環として実行される異常報知用処理について説明する。
(異常報知用処理)
異常報知用処理においては先ず、ステップS2101にて情報取得処理を実行する。情報取得処理では、監視装置600から一般入賞口81への入賞数に関する情報と、遊技球の発射数に関する情報とを取得する。
続くステップS2102では、異常判定の判定条件が成立したか否かを判定する。具体的には、先の異常判定後に遊技領域PEへ発射された遊技球の数又は設定変更後に遊技領域PEへ発射された遊技球の数が規定数に達したか否かを判定する。なお、本実施の形態においては規定数が3万となっている。上述したように遊技球の発射周期は0.6secであるため、遊技球の発射がおよそ6時間継続されることにより、発射数が規定数に達する構成となっている。
ステップS2102にて否定判定をした場合、すなわち十分なデータが確保できていない場合には、そのまま本異常報知用処理を終了する。ステップS2102にて肯定判定をした場合には、ステップS2103に進む。ステップS2103では、現在の設定値に変更された後の一般入賞口81への入賞数と遊技球の発射数とから一般入賞口81の入賞確率を算出し、その確率が上記閾値の範囲から外れているか否かを判定する。
閾値の範囲から外れている場合には、ステップS2104にて肯定判定をし、ステップS2105に進む。ステップS2105ではRAM444の各種カウンタエリア465に設けられた異常報知用カウンタを「1」加算する。閾値の範囲内に収まっている場合には、ステップS2104にて否定判定をし、ステップS2106に進む。ステップS2106ではRAM444の各種カウンタエリア465に設けられた異常報知用カウンタを「1」減算する。
ステップS2105又はステップS2106の処理を実行した後は、ステップS2107に進む。ステップS2107では、異常報知用カウンタの値が基準値に達しているか否かを判定する。ステップS2107にて肯定判定をした場合には、ステップS2108に進む。ステップS2108では異常報知中であるか否かを判定する。ステップS2108にて否定判定をした場合には、ステップS2109にて異常報知開始処理を実行した後、本異常報知用処理を終了する。異常報知開始処理を実行することにより、前扉枠14のスピーカ部29とエラー表示ランプ部27にて異常報知(具体的には異常が発生している可能性がある旨の警告)が実行される。
ステップS2108にて肯定判定をした場合には、ステップS2110にて異常報知継続処理を実行した後、本異常報知用処理を終了する。異常報知継続処理が実行される場合には、異常報知レベルが1段階引き上げられることとなる。具体的には、スピーカ部29から出力される警告音の音量及びエラー表示ランプ部27の光量が上がる。
ステップS2107の説明に戻り、当該ステップS2107にて否定判定をした場合、すなわち異常報知用カウンタの値が基準値を下回っている場合には、ステップS2111に進む。ステップS2111では異常報知中であるか否かを判定する。異常報知中でない場合には、そのまま本異常報知用処理を終了する。異常報知中である場合にはステップS2112に進み、異常報知終了処理を実行する。これにより、それまで実行されていた異常報知が解除されることとなる。
ここで、図48を参照して、異常報知の解除の流れについて説明する。本実施の形態においては、(1)異常報知用カウンタの値が基準値を下回ること、(2)異常報知の解除操作が実行されたことが異常報知の解除の契機となっている。
入賞確率が閾値を外れることによりに異常報知用カウンタの値が加算され、入賞確率が閾値に収まることにより異常報知用カウンタの値が減算される。異常報知用カウンタの値が加算され異常報知の開始の目安である基準値に達したtc1のタイミングでは、スピーカ部29やエラー表示ランプ部27にて異常報知が開始される。その後も異常報知用カウンタの値が基準値を超えたままの状態が続くことにより、異常報知のレベルが引き上げられることとなる。異常報知のレベルの引き上げによって、スピーカ部29から出力される音量が大きくなるとともにエラー表示ランプ部27の光量が増える。これにより、遊技者等の注意が異常報知へ向きやすくなる。
tc2のタイミングにて、ホール管理者により異常報知の解除操作が行われた場合には、異常報知が一時的に解除される。しかしながら、この時点では異常報知用カウンタの値は未だ基準値を上回っており、続くtc3のタイミングにて異常報知用カウンタの値が基準値を上回る範囲で増加したことに基づいて再び異常報知が開始されることとなる。つまり、本実施の形態に示す構成では、異常報知の解除操作だけでは一時的に異常報知を停止させることはできるものの、異常報知を完全に終了させるには入賞確率の異常の原因を解消する必要がある。
異常報知の原因が解消された後は、入賞確率が閾値の範囲内に収まりやすくなり、入賞確率の確認される度に異常報知用カウンタの値が減算されると想定される。異常報知用カウンタの値が基準値を下回ったtc4のタイミングでは、継続されていた異常報知が解除されることとなる。
異常報知が実行されていることは、遊技者に当該遊技機での遊技を躊躇させる要因になる。そこで、遊技ホールとしては、根本的な原因の解消を図っているか否かに関わらず、異常報知の解除操作による暫定的な対応を行うことで、異常報知が遊技者の目にとまる機会を減らすものと想定される。ここで、入賞確率の判定においては設定値毎に異なる閾値が用いられる。例えば、算出された入賞確率が閾値を下回るように推移している場合には、設定値を遊技者に有利となる側に一時的に切り替えることで、閾値を引き下げることができる。
例えば、入賞確率が図42の概略図に示した入賞確率Y2であると想定すると、設定値を設定3としていたとすれば当該入賞確率Y2は閾値から外れるものの、設定値を設定2又は設定1とすれば当該入賞確率Y2は閾値の範囲内に収まることとなる。つまり、仮に設定3にて異常報知カウンタの値が大きくなって上記基準値を上回った場合には、設定値を設定2又は設定1に変更することで異常報知カウンタの値を引き下げることができる。つまり、異常報知の原因を解消していない場合であっても、異常報知の発生を抑えることができる。
このような構成においては、意図的に上述した設定値の切替えを行うことで、異常報知の原因が隠蔽されることが懸念される。本実施の形態においては、このような行為を見抜く工夫を施すことにより、監視機能への信頼性の向上が図られている点を特徴の1つとしている。以下、図49及び図50を参照して、当該工夫について説明する。図49は報知・演出制御装置140のMPU442にて定期処理の一環として実行される異常報知解除用処理を示すフローチャート、図50は監視装置600の構成を示す概略図である。
(異常報知解除用処理)
異常報知解除用処理においては先ず、ステップS2201にて設定変更操作が行われたか否かを判定する。ステップS2201にて否定判定をした場合には、そのまま本異常報知解除用処理を終了する。ステップS2201にて肯定判定をした場合には、ステップS2202に進む。
ステップS2202では、異常報知中であるか否かを判定する。ステップS2202にて肯定判定をした場合には、ステップS2203にて異常報知解除処理を実行する。これにより、スピーカ部29やエラー表示ランプ部27における異常報知が解除されることとなる。続くステップS2204では、今回の設定変更操作によって、入賞確率のずれと同じ側へ閾値が変化するようにして設定変更が行われるか否かを判定する。
例えば、設定2となっている状況下にて入賞確率が設定2に対応した閾値の下限を下回るようにして当該閾値の範囲を外れている場合には、設定変更によって設定3に変更された際にステップS2204にて否定判定をする。以下の説明では、このような設定変更操作を第1種解除操作と称する。
これに対して、例えば設定2となっている状況下にて入賞確率が設定2に対応した閾値の下限を下回るようにして当該閾値の範囲を外れている場合には、設定変更によって設定1に変更された際にステップS2204にて肯定判定をする。同様に、例えば設定3となっている状況下にて入賞確率が設定3に対応した閾値の下限を下回るようにして当該閾値の範囲を外れている場合には、設定変更によって設定2又は設定1に変更された際にステップS2204にて肯定判定をする。以下の説明では、このような設定変更操作を第2種解除操作と称する。
ステップS2204にて否定判定をした場合には、ステップS2205に進む。ステップS2205では第1種解除操作情報送信処理を実行し、その後、本異常報知解除用処理を終了する。第1種解除操作情報送信処理では、報知・演出制御装置140から監視装置600に第1種解除操作が行われた旨を示す情報が送信される。監視装置600の第2記憶領域606には第1種解除操作が行われた回数を記憶する第1種解除操作回数記憶領域635が設けられており(図50参照)、上記情報に基づいて第1種解除操作回数記憶領域635の情報が更新される。詳しくは、第1種解除操作回数記憶領域635に設けられた第1種解除操作回数カウンタの値が「1」加算される。
ステップS2204にて肯定判定をした場合には、ステップS2206に進む。ステップS2206では第2種解除操作情報送信処理を実行し、その後、本異常報知解除用処理を終了する。第2種解除操作情報送信処理では、報知・演出制御装置140から監視装置600に第2種解除操作が行われた旨を示す情報が送信される。監視装置600の第2記憶領域606には第2種解除操作が行われた回数を記憶する第2種解除操作回数記憶領域636が設けられており(図50参照)、上記情報に基づいて第2種解除操作回数記憶領域636の情報が更新される。詳しくは、第2種解除操作回数記憶領域636に設けられた第2種解除操作回数カウンタの値が「1」加算される。
監視装置600では、解除回数の情報の公開要求操作が行われた場合に、第1種解除操作の実行回数と、第2種解除操作の実行回数とを報知する報知用処理を行う。これにより、例えば図柄表示装置253の表示画面253aに各解除操作の実行回数が表示されることとなる。
監視情報に基づいて異常が発生したと判定された場合には異常報知が実行される。これにより、異常への処置を速やかに行うことが可能とし、遊技者や遊技ホール等が不利益を被ることを抑制できる。但し、異常への対処を行ったとしてもその原因が解消されていない場合には、異常報知が繰り返されることとなる。遊技者やホール管理者等の入れ替わりに配慮した場合には、異常がどのくらい繰り返されているかを特定することは困難になる。この点、本実施の形態に示した構成においては、異常報知が解除操作に基づいて解除され、解除操作が実行された回数が記憶される。このため、解除操作がどの程度行われているかを事後的に把握することができる。これにより、異常が繰り返されていることの見逃しを抑制し、遊技機の信頼性の向上に寄与できる。
なお、不正行為者が異常報知を意図的に解除することで不正を隠蔽するといった行為が行われた場合であってもその解除回数が記憶される。これにより、記憶されている解除回数から意図的に不正を隠蔽しようとした可能性があることを推定することができる。因みに、例えば異常の発生回数又は報知回数を記憶する構成では、異常発生の事実を特定することはできてもそれが偶発的要因によるものであるか人為的要因によるものかを特定することが難しくなる。このような事情に鑑みた場合には、解除回数を記憶することには明確な技術的意義がある。
解除回数を記憶する上で遊技機の状態を考慮する構成とすれば、解除操作に不正に係るものであるか否かの推定精度を向上させることができる。例えば、本来であれば解除操作が困難又は不可となっている状況下にて解除操作が行われている場合には、当該解除操作が不正なものである可能性が高いことを見抜くことができる。
例えば設定値によって異常判定の閾値が異なる構成を想定した場合、このような違いを利用して異常発生をごまかすといった不正が行われる可能性を否定できない。この点、本実施の形態に示した構成によれば、解除操作に伴って設定値が変更されている場合には解除回数が記憶される。これにより、不正の疑いのある解除操作が他の解除操作に紛れることを抑制できる。これは、遊技機の防犯機能の向上を図る上で好ましい構成である。
設定値によって一般入賞口81d等の入球部への入賞頻度が相違する構成では、設定値毎に閾値を切り替える構成とすることで判定結果の確からしさを向上させることができる。但し、このような構成では、実際には異常が発生していると判定されるべき状況であるにも関わらず閾値の切替機能を悪用することで、その事実をごまかすといった行為がなされる可能性を否定できない。この点、本実施の形態に示したように、異常報知の解除に併せて設定値(閾値)を切り替えられた場合には、このような解除操作を他の解除操作とは分けて記憶することにより、不正を目的とした解除操作の見逃しを抑制できる。
なお、上述した第7実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第7の実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第7の実施の形態に対して適用してもよい。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
<変形例1>
上記第7の実施の形態では、閾値に対して入賞確率が外れている側と同じ側へ閾値を変更させるような設定変更操作を第2種解除操作として記憶する構成としたが、同じ側への変更であって且つ先に判定対象となった入賞確率が新たな設定値に対応した閾値の範囲内となる場合に、当該設定変更操作を第2種解除操作として記憶する構成としてもよい。
<変形例2>
上記第7の実施の形態では、設定変更操作によって異常報知が解除される構成、すなわち設定変更操作が異常報知の解除操作を兼ねる構成とした。これを変更し、異常報知用の解除操作を設定変更操作と分ける構成とすることも可能である。
<変形例3>
異常報知の具体的態様については任意である。異常が発生している場合には、異常報知の一環として後述する設定示唆が発生しやすい構成とすることも可能である。なお、この構成については第1〜第6の実施の形態に適用することも可能である。
<第8の実施の形態>
本実施の形態においては、異常報知の解除に係る構成が上記各実施の形態と相違している。具体的には、異常報知中であるか否かを主制御装置162側にて特定する構成となっており、異常報知の解除の可否についても主制御装置162のMPU402にて判断される構成となっている。以下、図51〜図53を参照して、本実施の形態における異常報知の解除に係る構成について説明し、他の実施の形態と共通の構成については説明を省略する。
先ず、図51のフローチャートを参照して、主制御装置162のMPU402にて実行される異常報知解除用処理について説明する。異常報知解除用処理は、通常処理の一環として実行される処理である。
(異常報知解除用処理)
異常報知解除用処理においては先ず、ステップS2301にて異常報知中であるか否かを判定する。異常報知中ではないと判定した場合には、そのまま本異常報知解除用処理を終了する。ステップS2301にて異常報知中であると判定した場合には、ステップS2301にて肯定判定をし、ステップS2302に進む。ステップS2302では設定変更キーがON状態に切り替えられたか否かを判定する。ステップS2302にて否定判定をした場合には、そのまま本異常報知解除用処理を終了する。ステップS2302にて肯定判定をした場合には、ステップS2303に進む。
ステップS2303では、RAM404の各種フラグ格納エリア435に異常報知中に設定変更キーがON状態に切り替えられたことを示す特殊操作フラグをセットする。その後、ステップS2304にて異常報知解除処理を実行する。異常報知解除処理では、報知・演出制御装置140に異常報知を解除させるための異常報知解除コマンドをセットする。この異常報知解除コマンドは、通常処理の外部出力処理(ステップS501)にて報知・演出制御装置140に出力される。報知・演出制御装置140においては、この異常報知解除コマンドを受信したことに基づいて、異常報知を解除する。
主制御装置162のMPU402は、異常報知中に設定変更キーがON状態に切り替えられた場合にその後の設定変更操作時の初期設定値を所定の設定値となるように強制変更する機能を有している。以下、図52のフローチャートを参照して、主制御装置162にMPU402にて通常処理の一環として実行される設定変更用処理について説明する。
(設定変更用処理)
設定変更用処理においては先ず、ステップS2401にて設定変更モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリアに設定変更モードフラグが格納されているか否かを判定する。ステップS2401にて否定判定をした場合には、ステップS2402に進み、設定変更キーがON状態となっている否かを判定する。ステップS2402にて否定判定をした場合にはそのまま本設定変更用処理を終了する。ステップS2402にて肯定判定をした場合には、ステップS2403に進む。ステップS2403では設定変更モードへの移行条件が成立しているか否かを判定する。設定変更モードへの移行条件については図35に示した設定変更処理と同様の条件に加え設定変更スイッチ166が操作されたことが条件として設定されている。つまり、図35に示した各種条件が成立している状況下にて設定変更スイッチ166が一度操作されることにより設定変更モードへと移行する。
ステップS2403にて否定判定をした場合には、そのまま本設定変更処理を終了する。ステップS2403にて肯定判定をした場合には、ステップS2404に進む。ステップS2404ではRAM404の各種フラグ格納エリア435に特殊操作フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS2404にて否定判定をした場合には、ステップS2405に進む。
ステップS2405では設定変更モードへ移行する前の設定値を特定し、設定変更モード移行時の設定値として当該特定した設定値を設定する。つまり、特殊操作フラグが格納されていない状況下にて設定変更モードへ移行する場合には、当該設定変更モードにおける初期の設定値として当該設定変更モードへ移行する前の設定値が引き継がれることとなる。
ステップS2404の説明に戻り、当該ステップS2404にて肯定判定をした場合には、ステップS2406に進む。ステップS2406では設定変更モードへ移行時の設定値として当該設定変更モードへの移行前の設定値に関係なく、遊技者に最も有利な設定1を設定する。続くステップS2407ではRAM404の各種フラグ格納エリア435に格納されている特殊操作フラグを消去する。
ステップS2407又はステップS2405の処理を実行した後は、ステップS2408に進む。ステップS2408では設定変更モード移行処理を実行する。設定変更モード移行処理においては、RAM404の各種フラグ格納エリア435に設定変更モードフラグを格納し、設定値表示部168に現在の設定値を表示させるように表示制御を行い、且つ設定変更スイッチ166の操作受付を開始する。
ステップS2401の説明に戻り、当該ステップS2401にて肯定判定をした場合、すなわちRAM404の各種フラグ格納エリア435に設定変更モードフラグが格納されている場合には、ステップS2409に進む。ステップS2409では設定変更操作が行われたか否かを判定する。ステップS2409にて肯定判定をした場合には、ステップS2410に進む。ステップS2410では設定変更操作対応処理を実行する。設定変更操作対応処理では、設定変更操作によって現在選択されている設定値を上記設定値表示部168に表示させるように当該設定値表示部168の表示制御を行う。
ステップS2409の説明に戻り、当該ステップS2409にて否定判定をした場合には、ステップS2411に進む。ステップS2411では、設定変更キーがOFF状態となったか否かを判定する。ステップS2411にて否定判定をした場合には、そのまま本設定変更用処理を終了する。ステップS2411にて肯定判定をした場合には、ステップS2412に進む。ステップS2412では設定変更処理を実行する。設定変更処理では、選択されている設定値を特定し、以降の遊技における設定値として当該設定値を設定する。例えば、設定1が選択されている場合には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に設定1フラグを格納し、設定2が選択されている場合には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に設定2フラグを格納し、設定3が選択されている場合には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に設定3フラグを格納する。これにより、以降の抽選処理にて参照される当否抽選テーブルが切り替わることとなる。
ステップS2412の処理を実行した後は、ステップS2413にて設定変更モード終了処理を実行した後、本設定変更用処理を終了する。設定変更モード終了処理では、RAM404の各種フラグ格納エリア435に格納されている設定変更モードフラグを消去し、設定値表示部168が非表示となるように表示制御を行う。
次に、図53のフローチャートを参照して、本実施の形態におけるメイン処理について説明する。
(メイン処理)
メイン処理においては先ず、ステップS2501にて電源投入に伴う立ち上げ処理を実行する。具体的には、従側の制御基板(払出制御装置242等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば500msec程度待機する。
続くステップS2502では、ステップS2501の立ち上げ処理後から許可禁止用期間である1secが経過したか否かを判定する。1sec経過していない場合にはステップS2502の処理を再度実行する。この時間の測定は、ステップS2502の処理回数をカウントすることにより行われる。例えば、ステップS2502にて否定判定してから再度ステップS2502の処理を実行するまでに要する時間が0.1msecである場合には、カウント値が10000回となることで、ステップS2501の立ち上げ処理後から1sec経過したと判定する。なお、時間の測定の具体的な構成は任意であり、例えばリアルタイムクロックを用いて時間の測定を行うようにしてもよい。ステップS2502にて1sec経過したと判定した場合には、ステップS2503に進む。
ステップS2503では、RAM404のアクセスを許可する。その後、ステップS2504では、電源・発射制御装置243に設けられたRAM消去スイッチがオンとなっているか否かを判定し、続くステップS2505ではRAM404の停電フラグ格納エリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS2506ではRAM判定値を算出し、続くステップS2507では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。RAM判定値は、例えばRAM404の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM404の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS2508〜S2509の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS2508〜S2509の処理に移行する。ステップS2508では、RAM404の使用領域を0にクリアし、ステップS2509ではRAM404の初期化処理を実行する。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグが格納されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、ステップS2515にて停電フラグ格納エリアに格納されている停電フラグをクリアする。
ステップS2515又はステップS2509の処理を実行した後は、ステップS2510に進む。ステップS2510では、RAM404の各種フラグ格納エリア435に特殊操作フラグが格納されているか否か、RAM消去スイッチが操作されたか否かを判定する。特殊操作フラグが格納されている場合又はRAM消去スイッチが操作された場合には、ステップS2510にて肯定判定をしてステップS2511に進む。ステップS2511では電源ON時の設定値として、遊技者に最も有利な設定1を設定する。RAM404の各種フラグ格納エリア435に特殊操作フラグが格納されておらず、且つRAM消去スイッチが操作されていない場合には、ステップS2512に進む。ステップS2512では、電源ON時の設定値として電源OFF時の設定値と同じ設定値を設定する。例えば、電源OFF時に設定2であった場合には設定2とする。
ステップS2511又はステップS2512の処理を実行した後は、ステップS2513に進む。ステップS2513では払出制御装置242に初期コマンドを出力すべく初期コマンド設定処理を実行する。その後、ステップS2514にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。払出制御装置242のMPUでは主制御装置162から初期コマンドを入力することで、主制御装置162との通信が正常に行われていることを認識する。
監視結果に基づいて異常が発生したと判定された場合にはその旨が報知される。これにより、例えば遊技ホールの管理者等に異常への処置を促すことができる。異常の原因を解消しなくても解除操作が可能であることは遊技ホールにおける利便性の向上を図る上で好ましい。但し、このような構成では、異常発生の原因を解消することなく報知が解除されたまま再び遊技が行われることで、遊技者や遊技ホールが不利益を被る可能性がある。これは、遊技機に対する信頼性を低下させる要因になるため好ましくない。設定値は遊技ホールにて管理されており、利益に直結する構成であるため、ホール管理者が注視しやすい。そこで、本実施の形態に示したように、解除操作を行った場合には、設定変更時の初期の設定値が強制的に所定の設定値とするとよい。これにより、遊技機に何らかの異常が発生した旨をホール管理者へ示唆することができる。故に、異常発生の原因がそのまま放置されることを抑制し、遊技機への信頼性の向上に寄与できる。
初期設定値を強制変更させる場合には、当該設定値が遊技ホールにて多用される設定値であった場合には、強制変更が発生しているか否かを識別する上で混同が生じやくなると懸念される。ここで、遊技ホールにおいては遊技者に有利な設定値が使用される機会は遊技者に不利な設定値が使用される機会よりも少ない。本特徴に示す構成においては、このような事情に配慮して、遊技者に最も有利な設定1を初期設定値としている。これにより、上述した混同を抑制できる。
設定変更については必ずしも毎日行われるとは限らず、一度決定された設定値がある程度の日数に亘って維持される場合がある。このような事情に配慮した場合には、本実施の形態に示した電源ON時の設定値の決定にて設定値の引継ぎ/強制変更を実行することにより、そのような実情に好適に対応できる。
遊技領域PEを遊技球が流下するタイプの遊技機においては、清掃やメンテナンス等の際に遊技領域に配設された遊技釘等に接触することで当該遊技釘が変形等する可能性がある。このような変形によって遊技球の流路が変化すると本来の設計値よりも高い頻度で入球が発生したり、本来の設計値よりも低い頻度で入球が発生したりする。これは、遊技ホールや遊技者が不利益を被る要因になる。そこで、監視装置600によって入賞情報を記憶する構成とすることで、上述したような不都合(異常)が発生していることを特定することができる。しかしながら、入賞については常に一定の頻度で発生するとは限らず監視期間が短い場合にはある程度のばらつきが生じる。これに対して、監視期間を長く設定した場合には、ばらつきを抑えることはできるものの、上記不都合が発生していることを特定するまでに時間がかかる。このような事情から、異常判定の結果に基づく報知を任意に解除できる構成とすることは、判定結果の確からしさと応答性の向上とに配慮できるという利点がある。但し、このような構成では、異常そのものが目視では特定困難であるため、報知解除からある程度の時間が経過することで、その事実が忘れられてしまう可能性がある。この点、本実施の形態に示した構成によれば、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
なお、上述した第8実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第8の実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第8の実施の形態に対して適用してもよい。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
<変形例1>
上記第8の実施の形態では、異常報知の解除が行われた場合には、設定変更モード移行時の初期の設定値が遊技者に最も有利な設定1となるように構成したが、当該設定変更モード移行前又は上記異常報知の解除時の設定値と比べて遊技者に有利な設定値に切り替わる構成となっていればよい。例えば、設定3の場合には設定2となり、設定2の場合には設定1となり、設定1の場合には設定1が維持される構成とすることも可能である。
また、異常報知の解除が行われた場合には、設定変更モード移行時の初期の設定値が設定変更前の設定値とは異なる設定値となるように構成してもよい。
<変形例2>
メイン処理にて設定値の再設定を行う場合に異常報知の解除操作を考慮するか否かは任意である。つまり、設定変更操作が行われる場合の初期値を所定の設定値(例えば設定1)に変更する一方で、メイン処理では解除操作が行われている場合であっても設定値が維持される構成とすることも可能である。このような構成においては、特殊操作フラグをRAM消去スイッチによる消去の対象から外す構成とするとよい。
<変形例3>
上記第8の実施の形態では、設定キーをON状態にすることで異常報知が解除される構成について説明したが、これに限定されるものではない。設定キーをON状態にした後に設定変更スイッチ166を操作することで異常報知が解除される構成とすることも可能である。この場合、設定変更スイッチ166の操作によってそのまま設定変更モードへ移行する構成としてもよいし、設定変更スイッチ166が長押しされる等の別の操作が行われることで設定変更モードへ移行する構成としてもよい。また、設定変更に係る各種操作部とは別に異常報知の解除操作用の操作部を設けてもよい。
<第9の実施の形態>
本実施の形態においては、遊技進行中に伴い所定の示唆条件が成立した場合に遊技者に設定値を示唆する構成となっていることを特徴の1つとしている。具体的には外れ結果対応のリーチ演出が発生する遊技回の一部にて設定値の示唆(以下、設定示唆という)が実行される構成となっている点で第1の実施の形態と構成が相違している。以下、当該設定示唆に係る構成を第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。なお、第1の実施の形態と共通の構成については説明を省略する。
図54(a)のブロック図に示すように、電源ON時及び設定変更時には、設定値を示す情報が主制御装置162から報知・演出制御装置140に出力される。報知・演出制御装置140のRAM444には設定値を記憶する設定値記憶エリア468が設けられており、この情報を参照することにより報知・演出制御装置140では主制御装置162における設定値を特定可能となっている。
報知・演出制御装置140のMPU442では設定値に基づいて設定示唆の可否を決定する。ここで、図54(b)のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置140のMPU442にて実行される設定示唆用の処理、具体的には変動開始処理(図31参照)の一部を構成する外れリーチ発生用の演出設定処理について説明する。
(外れリーチ発生用の演出設定処理)
外れリーチ発生用の演出設定処理においては先ず、ステップS2601にて変動表示態様の決定処理を実行する。具体的には、主制御装置162から受信した変動開始コマンドに含まれる変動表示時間情報に基づいて今回の変動表示態様を決定する。例えば、変動表示時間が「10sec」である場合にはノーマルリーチA、変動表示時間が「15sec」である場合にはノーマルリーチB、変動表示時間が「16sec」である場合にはスーパーリーチA、変動表示時間が「17sec」である場合にはスーパーリーチB、変動表示時間が「18sec」である場合にはスーパーリーチCを実行する旨の決定を行う(図32参照)。
続くステップS2602では最終停止図柄組合せ決定処理を実行する。詳しくは、図柄表示装置253の表示画面253aにて有効ライン上に最終停止表示(確定表示)させる図柄組合せを決定する。本演出設定処理については外れリーチに対応しているため、上図柄列Z1と下図柄列Z3とに同一の図柄が停止表示され、それら図柄が停止表示されている有効ライン上にはそれら図柄とは異なる中図柄が停止表示される。
ステップS2602の処理を実行した後は、ステップS2603に進む。ステップS2603では今回の遊技回の変動表示態様がスーパーリーチCに対応しているか否かを判定する。ステップS2602にて否定判定をした場合には、そのまま本演出設定用処理を終了する。ステップS2602にて肯定判定をした場合には、ステップS2604に進む。
ステップS2604では有効ライン上に停止表示されるリーチ図柄が「7」図柄であるか否かを判定する。すなわち、上図柄列Z1を構成する「7」図柄及び下図柄列Z3を構成する「7」図柄によってリーチラインが形成されるか否かを判定する。ステップS2604にて否定判定をした場合には、そのまま本演出設定処理を終了する。
ステップS2604にて肯定判定をした場合には、ステップS2605に進む。ステップS2605では設定示唆可否決定処理を行う。具体的には、抽選によって設定示唆を行うか否かを決定する。ステップS2605にて設定示唆を行わない旨の決定をした場合には、ステップS2606にて否定判定をし、そのまま本演出設定処理を終了する。ステップS2605にて設定示唆を行う旨の決定をした場合には、ステップS2606にて肯定判定をし、ステップS2607に進む。
ステップS2607では最終停止図柄組合せの書替処理を実行する。具体的には、中図柄列Z2について有効ライン上に停止表示される図柄を設定示唆に非対応の図柄から設定示唆に対応の図柄に書き替える処理を行う。本実施の形態においては、上図柄:「7」図柄、中図柄:「1」図柄、下図柄:「7」図柄の図柄組合せ、上図柄:「7」図柄、中図柄:「2」図柄、下図柄:「7」図柄の図柄組合せ、上図柄:「7」図柄、中図柄:「4」図柄、下図柄:「7」図柄の図柄組合せが設定示唆に対応している。
例えば、図55(a)に示すように、設定示唆非対応の外れスーパーリーチCにおいては、「7」図柄によって形成されたリーチライン上には設定示唆非対応の図柄である「5」図柄が停止表示される。このため、最終停止図柄組合せを見たとしても、その内容から設定値を推測することは困難となる。これに対して、設定示唆対応の外れスーパーリーチCにおいては、「7」図柄によって形成されたリーチライン上に設定示唆対応の図柄である「1」図柄て停止表示される。つまり、最終的に外れ結果となったとしても、それにより設定値が示唆されることとなり、遊技者はその示唆内容から設定値を推測することが可能となる。このように外れ結果となった場合であっても設定値の推測に役立つ情報を得る機会が与えられる構成とすることにより、遊技への期待感が外れ結果の報知によって急速に低下することを抑制している。
ここで、図56を参照して、設定示唆の発生パターンについて補足説明する。図56は外れスーパーリーチCが発生する場合に停止表示される中図柄とその確率との関係を示す概略図である。
図56(a)に示すように、低頻度サポートモード中に「7」図柄によるシングルラインの外れスーパーリーチCが発生する場合には、設定1では中図柄列Z2に「1」図柄が停止する確率が0.1%となっており、設定2及び設定3では中図柄列Z2に「1」図柄が停止する確率が0%となっている。つまり、中図柄列Z2に「1」図柄が停止表示された場合には、設定値が遊技者に最も有利な設定1であることが確定する。
中図柄列Z2に設定示唆対応の「2」図柄が停止表示される確率は、設定1では3.4%、設定2では3%、設定3では4%となっており、僅かながら差が設けられている。中図柄列Z2に「2」図柄が停止表示された場合には設定1及び設定3と比べて設定2である可能性が僅かながら低くなる。
中図柄列Z2に設定示唆非対応の「3」図柄が停止表示される確率は、設定1〜設定3のいずれにおいても2%となっており、設定間で差が生じない構成となっている。
中図柄列Z2に設定示唆対応の「4」図柄が停止表示される確率は、設定1では0.5%、設定2では1%、設定3では0%となっている。つまり、中図柄列Z2に「4」図柄が停止表示された場合には、設定値が遊技者に最も不利な設定3ではないこと、すなわち設定1及び設定2のいずれかであることが確定する。
中図柄列Z2に設定示唆非対応の「5」図柄が停止表示される確率は設定1〜設定3のいずれにおいても2%となっている。中図柄列Z2に設定示唆非対応の「6」図柄が停止表示される確率は設定1〜設定3のいずれにおいても40%となっている。中図柄列Z2に設定示唆非対応の「8」図柄が停止表示される確率は設定1〜設定3のいずれにおいても50%となっている。中図柄列Z2に設定示唆非対応の「9」図柄が停止表示される確率は設定1〜設定3のいずれにおいても2%となっている。つまり、中図柄列Z2に「5」図柄、「6」図柄、「8」図柄、「9」図柄の何れが停止表示されたとしても、それから設定値を推測することはできない構成となっている。
本実施の形態に示す遊技機においては、リーチラインの数によって大当たり結果となる期待度に差が設けられている。具体的には、シングルライン(リーチライン×1)のスーパーリーチCよりもダブルライン(リーチライン×2)のスーパーリーチCの方が大当たり結果となる期待度が高くなるように設定されている。そして、設定示唆の確率についてもシングルラインよりもダブルラインの方が若干高くなるように差が設けられている。
図56(b)に示すように、低頻度サポートモード中に「7」図柄及び「8」図柄によるダブルラインの外れスーパーリーチCが発生する場合には、設定1では中図柄列Z2に「1」図柄が停止する確率が1.1%となっており、設定2及び設定3では中図柄列Z2に「1」図柄が停止する確率が0%となっている。つまり、中図柄列Z2に「1」図柄が停止表示された場合には、設定値が遊技者に最も有利な設定1であることが確定する。
中図柄列Z2に設定示唆対応の「2」図柄が停止表示される確率は、設定1では1.4%、設定2では1%、設定3では4%となっている。中図柄列Z2に「2」図柄が停止表示された場合には設定1及び設定3と比べて設定2である可能性が僅かながら低くなる。
中図柄列Z2に設定示唆非対応の「3」図柄が停止表示される確率は、設定1〜設定3のいずれにおいても2%となっており、設定間で差が生じない構成となっている。
中図柄列Z2に設定示唆対応の「4」図柄が停止表示される確率は、設定1では1.5%、設定2では3%、設定3では0%となっている。つまり、中図柄列Z2に「4」図柄が停止表示された場合には、設定値が遊技者に最も不利な設定3ではないこと、すなわち設定1及び設定2のいずれかであることが確定する。
中図柄列Z2に設定示唆非対応の「5」図柄が停止表示される確率は設定1〜設定3のいずれにおいても3%となっている。中図柄列Z2に設定示唆非対応の「6」図柄が停止表示される確率は設定1〜設定3のいずれにおいても40%となっている。中図柄列Z2に設定示唆非対応の「9」図柄が停止表示される確率は設定1〜設定3のいずれにおいても50%となっている。つまり、中図柄列Z2に「5」図柄、「6」図柄、「9」図柄の何れが停止表示されたとしても、それから設定値を推測することはできない構成となっている。
図56(c)に示すように、低頻度サポートモード中に「6」図柄及び「7」図柄によるダブルラインの外れスーパーリーチCが発生する場合には、設定1では中図柄列Z2に「1」図柄が停止する確率が1.1%となっており、設定2及び設定3では中図柄列Z2に「1」図柄が停止する確率が0%となっている。つまり、中図柄列Z2に「1」図柄が停止表示された場合には、設定値が遊技者に最も有利な設定1であることが確定する。
中図柄列Z2に設定示唆対応の「2」図柄が停止表示される確率は、設定1では1.4%、設定2では1%、設定3では4%となっている。中図柄列Z2に「2」図柄が停止表示された場合には設定1及び設定3と比べて設定2である可能性が僅かながら低くなる。
中図柄列Z2に設定示唆非対応の「3」図柄が停止表示される確率は、設定1〜設定3のいずれにおいても2%となっており、設定間で差が生じない構成となっている。
中図柄列Z2に設定示唆対応の「4」図柄が停止表示される確率は、設定1では1.5%、設定2では3%、設定3では0%となっている。つまり、中図柄列Z2に「4」図柄が停止表示された場合には、設定値が遊技者に最も不利な設定3ではないこと、すなわち設定1及び設定2のいずれかであることが確定する。
中図柄列Z2に設定示唆非対応の「5」図柄が停止表示される確率は設定1〜設定3のいずれにおいても40%となっている。中図柄列Z2に設定示唆非対応の「8」図柄が停止表示される確率は設定1〜設定3のいずれにおいても50%となっている。中図柄列Z2に設定示唆非対応の「9」図柄が停止表示される確率は設定1〜設定3のいずれにおいても30%となっている。つまり、中図柄列Z2に「5」図柄、「8」図柄、「9」図柄の何れが停止表示されたとしても、それから設定値を推測することはできない構成となっている。
なお、本実施の形態においては、低頻度サポートモード中と比較して高頻度サポートモードの方が外れスーパーリーチCの発生頻度及び設定示唆の発生確率が高くなっており、高頻度サポートモード中の設定示唆が優遇されている。つまり、高頻度サポートモード中は設定示唆のチャンスとなっている。
以上詳述した第9の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
設定変更機能を有する遊技機においては設定値によって有利度合いが変化するため、設定値を推測しながら遊技を行うことが楽しみの1つとなる。ここで、リーチ表示が実行される場合には、遊技に対する遊技者の注目が高くなりやすい。遊技者の注目が高くなっている場合に設定値の示唆(設定示唆)を行う構成とすることにより、当該設定示唆が見逃される機会を減らすことができる。
また、リーチ表示が実行される場合には、当該リーチ表示を経て当選結果が報知される可能性があるため、演出に対する注目度が高くなる。但し、このようにして注目度が高くなっている状態から外れ結果である旨が報知されると、期待感の低下に伴って遊技への注目度が大きく低下する可能性がある。この点、本実施の形態に示したようにリーチ表示に併せて設定示唆を行う構成とすることにより、外れ結果時に注目度が大きく低下することを抑制できる。
表示画面253aに停止表示される図柄組み合わせによって抽選結果が明示される構成においては、リーチ表示が実行される場合に遊技者の注目が遊技領域PE(詳しくは遊技領域PEを流下する遊技球)から表示画面253aに移りやすい。そこで、上述した設定示唆を表示画面253aにて実行する構成とすれば、設定示唆を行ったにも関わらずそれが見逃されるといった不都合を抑制することができる。
リーチ表示を経由して当たり結果が報知される構成においては、リーチ表示へ移行することで図柄の変動表示に対する注目度が高くなる。このようにして、注目度が高くなっている状況下にて設定示唆を行う構成とすれば上述した見逃しの機会を好適に減らすことができる。
外れ結果用の図柄組合せを利用して設定示唆が実行される構成とすれば、外れ結果が明示される場合に設定示唆の情報が含まれる場合があることで、遊技者が当該図柄組合せに注目するものと想定される。この構成によれば、上述した注目度向上効果を好適に発揮させることができる。
遊技者の期待が膨らめば膨らむほど、外れ結果である旨の報知がなされた場合の落胆が大きくなる。これは、遊技意欲の低下を招く要因になるため好ましくない。このような事情に鑑みれば、本実施の形態に示したように、確変大当たり結果に対応した図柄組合せが成立する可能性があるリーチ表示にて設定示唆を実行する構成とすることは、外れ結果となった場合の遊技意欲の低下を緩和する上で好ましい。
当たり結果となる期待度の高いリーチ表示ほど、外れ結果である旨の報知がなされた場合の落胆が大きくなる(所謂、激熱外し)。これは、遊技意欲の低下を招く要因になるため好ましくない。このような事情に鑑みれば、本実施の形態に示したように、期待度が高いスーパーリーチ(スーパーリーチC)にて設定示唆を実行する構成とすることは、外れ結果となった場合の遊技意欲の低下を緩和する上で好ましい。
なお、上述した第9実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第9の実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて第9の実施の形態に対して適用してもよい。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
<変形例1>
上記第9の実施の形態では、最終停止図柄組合せによって設定示唆を行う構成としたが、設定示唆の具体的態様については任意である。例えば、設定示唆非対応の背景画像と設定示唆対応の背景画像とを併用することで設定示唆を行う構成としてもよしい、設定示唆非対応の効果音又はBGMと設定示唆対応の効果音又はBGMとを併用することで設定示唆を行う構成としてもよい。また、ランプ部26の発光態様として設定示唆非対応の発光態様と設定示唆対応の発光態様とを設け、これらを併用することで設定示唆を行う構成とすることも可能である。
<変形例2>
上記第9の実施の形態では、確定表示中に設定示唆を行う構成としたが、どのタイミングにて設定示唆を行うかは任意である。例えば、リーチ表示が開始されることで遊技者の注目度が高まる構成においては、リーチ表示後に設定示唆を行う構成とすることで設定示唆の見落としを抑制できる。また、リーチ表示への移行後に複数種のリーチ表示への分岐が発生する場合には、この分岐にて遊技者の注目度が高くなると想定される。そこで、分岐発生後に設定示唆を行う構成とすることで設定示唆の見落としを一層好適に抑制できる。
<変形例3>
上記第9の実施の形態では、低頻度サポートモード中と比較して高頻度サポートモード中の方が設定示唆が実行される可能性が高くなる構成としたが、このような優遇については必須ではない。低頻度サポートモード中と高頻度サポートモード中とで設定示唆の発生確率を同一とすることも可能である。また、高頻度サポートモード中と比較して低頻度サポートモード中の方が設定示唆が実行される可能性が高くなる構成を否定するものでもない。
<変形例4>
高頻度サポートモード且つ高確率モード対応の通常遊技状態と、高頻度サポートモード且つ低確率モード対応の通常遊技状態とで設定示唆の発生確率に差を設けてもよい。前者とは異なり後者については高頻度サポートモードに維持される遊技回数に制限が設けられている。制限無し高頻度サポートモード中と比較して制限有りの高頻度サポートモード中に設定示唆の発生確率が高くなるように差別化することも可能である。
<変形例5>
設定示唆が発生しやすい遊技回数と、設定示唆が発生しにくい遊技回数とを設けてもよい。また、設定示唆が発生しやすい遊技回数と設定示唆が発生しにくい遊技回数とを設定値に応じて個別に設定することも可能である。例えば、図57の概略図に示すように、大当たり後に実行される遊技回数が0〜100の範囲においては、何れの設定値でも設定示唆の発生確率を共通とし、大当たり後に実行される遊技回数が101〜150の範囲においては、設定2と比べて設定1及び設定3での設定示唆の発生確率が高い構成とし、大当たり後に実行される遊技回数が151〜200の範囲においては、設定1及び設定3と比べて設定2での設定示唆の発生確率が高い構成とすることも可能である。
<変形例6>
大当たり後に実行された遊技回数が予め設定された回数に達することで、設定示唆の発生確率が上昇する構成とすることも可能である。
<変形例7>
上記第9の実施の形態では、外れスーパーリーチC時に設定示唆が実行され得る構成としたが、これに限定されるものではない。これに代えて又は加えて、スーパーリーチCよりも期待度の低くなるように設定された他のスーパーリーチやノーマルリーチにて設定示唆が実行される構成とすることも可能である。因みに、た複数種のリーチにて設定示唆が実行される構成としてもよい。
<第10の実施の形態>
本実施の形態では、設定示唆の実行時間を後続の保留情報の数(保留数)によって相違させる構成となっている点で上記第9の実施の形態と構成が相違している。以下、図58を参照して、設定示唆の実行時間の変化に係る構成を説明する。図58(a)は高頻度サポートモードにおける図柄の確定表示時間(最終停止時間)と保留数との関係を示す概略図である。なお、第9の実施の形態と共通の構成については説明を省略する。
確定表示時間については、低頻度サポートモードにおいては1.5secであり、高頻度サポートモードにおいては1secとなるように短縮される。つまり、高頻度サポートモードにおいては、低頻度サポートモード中と比較して確定表示時間が短くなるため、設定示唆が見逃される可能性が高くなる。本実施の形態においては、低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードの何れにおいても、設定示唆が実行される場合に記憶されている後続の保留情報の数によって設定示唆の実行時間が延長される構成となっている。以下の説明では、高頻度サポートモードにおける延長態様について説明するが、低頻度サポートモードにおいても同様の延長が実行される。
図58(a)の概略図に示すように、設定示唆が実行されない場合の図柄の停止表示時間を1secである。これに対して、後続の保留情報の数が0個の場合には設定示唆が実行されない場合の停止表示時間と同一となっており、後続の保留情報の数が1個の場合には0個の場合よりも長い時間(例えば1.5sec)となっており、後続の保留情報の数が2個の場合には1個の場合よりも長い時間(例えば2.0sec)となっており、後続の保留情報の数が3個の場合には2個の場合よりも長い時間(例えば2.5sec)となっており、後続の保留情報の数が4個の場合には3個の場合よりも長い時間(例えば3.0sec)となっている。つまり、後続の保留情報の数が多くなるほど、設定示唆の実行時間が延長される構成となっている。これにより、設定示唆の見逃しが発生する機会を少なくすることが可能となる。
ここで、遊技結果に対応する図柄組合せを停止表示することで設定示唆を行う構成においては、設定示唆の実行時間を確定表示タイミングよりも前に延長すること、すなわち設定示唆の開始タイミングを早めることは好ましくない。そこで、本実施の形態においては、設定示唆の終了タイミングを遅らせる構成としている。以下、図58(b)を参照して、設定示唆の実行時間の延長を実現する構成について説明する。
図58(b1)に示すように、設定示唆が実行されない遊技回においては、遊技結果に対応する図柄組合せが最終停止表示されてから確定表示時間が経過したタイミングにて後続の保留情報に係る遊技回へ移行する。これにより、停止表示されていた全ての図柄列Z1〜Z3の変動表示が再開されることとなる。
これに対して、設定示唆が実行される場合には、確定表示時間が経過した後も設定示唆が続く場合がある。この場合、図58(b2)に示すように、有効ライン上に停留している図柄は確定表示時間が経過したタイミングにて有効ライン上に留まりつつもスクロール方向と同じ方向への揺動(次の遊技回開始の予兆動作)を開始する。そして、設定示唆時間が経過したタイミングにて当該揺動を終了し、変動表示が再開されることとなる。
このような構成とすれば、設定示唆の時間が確定表示時間を超えて延長される場合であっても、図柄表示の見栄えの低下を抑制できる。
設定示唆の実行時間が短ければ見落とし等が発生する可能性が高くなる。このような見落としを嫌う遊技者が遊技回間のインターバル時間を稼ぐようにして遊技を行ってしまうと、遊技機の稼働率が著しく低下すると懸念される。この点、本変形例に示すように、保留情報の数によって設定示唆の時間が長くなうように構成すれば、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
なお、上述した第10実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第10の実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて第10の実施の形態に対して適用してもよい。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
<変形例1>
上記第10の実施の形態においては、高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードの両方にて設定示唆の実行時間を後続の保留情報の数に応じて延長する構成としたが、これに限定されるものではない。低頻度サポートモードにおいては高頻度サポートモードと比べて確定表示時間が長くなっている点に鑑みれば、少なくとも高頻度サポートモードにて上記延長が実行されるのであれば足り、低頻度サポートモードにおける延長機能については省略することも可能である。
<変形例2>
上記第10の実施の形態においては、後続の保留情報の数の増加と設定示唆の延長度合いとを一定としたが、これに限定されるものではない。後続の保留情報の数が多くなるほど延長の度合いを大きくしてもよいし、後続の保留情報の数が多くなるほど延長の度合いを小さくしてもよい。
<変形例3>
上記第10の実施の形態では、図柄を揺動させることで、設定示唆に対応する図柄組合せを目視で確認できる時間を稼ぐ構成としたが、設定示唆に対応する図柄組合せを目視で確認できる時間を稼ぐための具体的構成については任意である。例えば、有効ライン上に停止表示されている各図柄を僅かに拡大/縮小を繰り返すように変化させてスクロール表示開始までの時間を稼ぐ構成としてもよい。
<第11の実施の形態>
本実施の形態においては、外れスーパーリーチA〜外れスーパーリーチCの何れについても設定示唆が実行され得る構成となっており、大当たり結果となることなく外れスーパーリーチが実行された回数(連続回数)によって設定示唆の発生確率が変化する構成となっていることを特徴の1つとしている。以下、本実施の形態における特徴的な構成を上記第9の実施の形態との相違点を中心に説明する。なお、第9の実施の形態と共通の構成については説明を省略する。先ず、図59のフロアーチャートを参照して、本実施の形態における外れリーチ発生用の演出設定処理について説明する。
(外れリーチ発生用の演出設定処理)
外れリーチ発生用の演出設定処理においては先ず、ステップS2701にて変動表示態様の決定処理を実行する。具体的には、主制御装置162から受信した変動開始コマンドに含まれる変動表示時間情報に基づいて今回の変動表示態様を決定する。例えば、変動表示時間が「10sec」である場合にはノーマルリーチA、変動表示時間が「15sec」である場合にはノーマルリーチB、変動表示時間が「16sec」である場合にはスーパーリーチA、変動表示時間が「17sec」である場合にはスーパーリーチB、変動表示時間が「18sec」である場合にはスーパーリーチCを実行する旨の決定を行う(図32参照)。
続くステップS2702では、ステップS2701にて決定した今回の変動表示態様が外れスーパーリーチA〜外れスーパーリーチCの何れかであるか否かを判定する。ステップS2702にて否定判定をした場合にはそのまま本外れリーチ発生用の演出設定処理を終了する。ステップS2702にて肯定判定をした場合には、ステップS2703に進む。
ステップS2703では、開閉実行モード終了後に実行された遊技回数を特定する。本実施の形態においては、監視装置600にて遊技回数が記憶されており、この遊技回数に基づいて開閉実行モード終了後の遊技回数を特定する。
続くステップS2704では設定示唆用の判定基準回数を決定する。本実施の形態においては、設定示唆を行う場合の基準回数が開閉実行モード終了後の遊技回数によって変化する構成となっている。具体的には、図60の概略図に示すように、遊技回数が0〜99回の場合の判定基準回数は20回、遊技回数が100〜199回の場合の判定基準回数は19回、遊技回数が200〜299の場合の判定基準回数は18回、遊技回数が300〜399の場合の判定基準回数は17回、遊技回数が400〜499回の場合の判定基準回数は16回、遊技回数が500〜599回の場合の判定基準回数は15回、遊技回数が600〜699回の場合の判定基準回数は14回、遊技回数が700〜799回の場合の判定基準回数は13回、遊技回数が800回以上の場合の判定基準回数は12回となるように、遊技回数が多くなるほど判定基準回数が少なくなるように構成されている。
続くステップS2705では、設定示唆可否判定処理を実行する。具体的には、今回の外れスーパーリーチを含み開閉実行モード終了後に実行された外れスーパーリーチA〜外れスーパーリーチCの総実行回数(連続回数)と判定基準回数とを比較する。
外れスーパーリーチA〜外れスーパーリーチCの総実行回数(連続回数)が判定基準回数に達していない場合にはステップS2706にて否定判定をし、ステップS2707に進む。ステップS2707では設定示唆非対応の最終停止図柄組合せの決定処理を行う。これにより、当該遊技回においては設定示唆非対応の最終停止図柄組合せが最終停止表示されることとなる。なお、設定示唆非対応の最終停止図柄組合せについては上記第9の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
外れスーパーリーチA〜外れスーパーリーチCの総実行回数(連続回数)が判定基準回数に達している場合にはステップS2706にて肯定判定をし、ステップS2708に進む。ステップS2708では設定示唆対応の最終停止図柄組合せの決定処理を行う。これにより、当該遊技回においては設定示唆対応の最終停止図柄組合せが最終停止表示されることとなる。なお、設定示唆対応の最終停止図柄組合せについては上記第9の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
なお、外れスーパーリーチA〜外れスーパーリーチCの発生確率については、およそ1/45となっている。このため、多くの場合には、開閉実行モード終了後の遊技回数が600回を超える程度となることで基準判定回数と外れスーパーリーチA〜外れスーパーリーチCの総実行回数(連続回数)とが一致して、設定示唆が実行される。
リーチ表示が実行されることで当たり結果への期待が高まる。しかしながら、リーチ表示が実行されたとしても必ずしも当たり結果となるわけではなく、外れ結果となる場合もある。このような事象(リーチ表示→外れ結果)が続くことは、遊技者の遊技意欲を低下させる要因になる。この点、本実施の形態に示す構成においては、リーチ表示を経て外れ結果が報知された回数に基づいて設定値の示唆(設定示唆)が実行されるか否かが決定される。このため、リーチ表示が不発になったとしても遊技者に設定示唆が近づいたとの印象を与えることができ、遊技意欲の低下を抑制できる。これは、遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。
リーチ表示→外れ結果となった場合にはその数が多くなるほど、設定示唆が実行されやすくなる。このような構成とすれば、通常遊技状態が続いている場合であっても、遊技者の遊技意欲の低下を抑制できる。
リーチ表示→外れ結果となることで設定示唆の期待が高まる構成においては、リーチ表示が実行されることなく遊技が進むことで、遊技者の遊技意欲が低下する可能性がある。そこで、本実施の形態に示したように、開閉実行モード後に実行された遊技回数が多くなるほど、設定示唆の敷居が低くなる構成とすれば、リーチ表示が発生しない場合の遊技意欲の低下を緩和できる。
なお、上述した第11実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第11の実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第11の実施の形態に対して適用してもよい。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
<変形例1>
上記第11の実施の形態においては、開閉実行モード後の遊技回数が多くなるほど設定示唆が実行される可能性が高くなるように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、高頻度サポートモード終了後に所定回数の遊技回に亘って設定示唆の発生確率が高くなる設定示唆高確率ゾーンを設けてもよい。
<変形例2>
上記第11の実施の形態においては、開閉実行モードへ移行することで外れスーパーリーチA〜外れスーパーリーチCの累積回数がリセットされる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、電源ON後又は設定変更に実行された外れスーパーリーチA〜外れスーパーリーチCの累積回数に基づいて設定示唆の可否を判定する構成とするこもと可能である。この場合、判定基準回数についても電源ON時又は設定変更時にリセットされる構成とすることが好ましい。
<変形例3>
上記第11の実施の形態においては、外れスーパーリーチA〜外れスーパーリーチCの総実行回数(連続回数)に基づいて設定示唆の可否を判定する構成としたが、これを変更し、外れノーマルリーチA〜外れノーマルリーチB及び外れスーパーリーチA〜外れスーパーリーチCの総実行回数に基づいて設定示唆の可否を判定する構成とすることも可能である。
<変形例4>
設定値によって外れスーパーリーチA〜外れスーパーリーチCの発生確率が異なる構成とすることも可能である。例えば、外れスーパーリーチA〜外れスーパーリーチCの発生確率が、設定3 < 設定2 <設定1の順に高くなるように構成してもよい。
<変形例5>
上記第11の実施の形態においては、設定1〜設定3の各設定値について設定示唆の実行の可否を決定する判定基準回数テーブル(図60)を共通としたが、これに限定されるものではない。設定1用の判定基準回数テーブルと、設定2用の判定基準回数テーブルと、設定3用の判定基準回数テーブルとを個別に設けてもよい。この場合、例えば、設定1 < 設定2 < 設定3の順に判定基準回数が少なくなるように構成し、遊技者に有利な設定値ほど設定示唆の発生確率が低くなるように差を設けるとよい。
<第12の実施の形態>
設定変更機能を有するパチンコ機10においては、設定値を見抜くことができれば有利に立ち回ることができる。例えば、設定値が遊技者に不利な場合には早期の他の遊技機へ移動し、設定値が遊技者に有利な場合には当該遊技機にて極力長く遊技を行うことで遊技を有利に進めることができる。このような構成においては、設定示唆を行うことにより遊技への注目度の向上効果が期待できるものの、仮に設定値が主制御装置162以外の他の制御装置にて記憶されている場合には主制御装置162よりも防犯機能が低いそれら他の制御装置が設定値の不正取得の対象として狙われやすくなると懸念される。本実施の形態においては、このような事情に鑑みて、サブ側の制御装置では設定情報を常時は把握しない構成とし、主制御装置162にて設定示唆の可否をコントロールすることにより、遊技機の防犯機能を強化している。以下、先ず図61を参照して、主制御装置162のMPU402にて実行される変動表示時間の設定処理について説明する。変動表示時間の設定処理は、変動開始処理(図26参照)の一環として実行される処理である。
(変動表示時間の設定処理)
変動表示時間の設定処理においては先ず、ステップS2801にて今回の遊技回が大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS2801にて肯定判定をした場合にはステップS2802に進み、ROM403の変動表示時間テーブル記憶エリア423に記憶されている大当たり用変動表示時間テーブルを参照して変動表示時間を決定する。ステップS2802の決定処理を実行した後はステップS2803に進み、RAM404の各種カウンタエリア434に設けられた変動表示時間カウンタに今回の遊技回の変動表示時間をセットして本変動表示時間の設定処理を終了する。
ステップS2801の説明に戻り、当該ステップS2801にて否定判定をした場合には、ステップS2804に進む。ステップS2804では今回の遊技回がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。ステップS2804にて肯定判定をした場合には、ステップS2805に進む。ステップS2805では、今回の遊技回がスーパーリーチに対応しているか否かを判定する。ステップS2805にて肯定判定をした場合には、ステップS2806に進む。
ステップS2806では、ROM403の変動表示時間テーブル記憶エリア423に記憶されている外れスーパーリーチ用変動表示時間テーブルを参照して変動表示時間を決定する。ステップS2806の決定処理を実行した後はステップS2803に進み、RAM404の各種カウンタエリア434に設けられた変動表示時間カウンタに今回の遊技回の変動表示時間をセットして本変動表示時間の設定処理を終了する。
ステップS2805の説明に戻り、当該ステップS2805にて否定判定をした場合、すなわち今回の遊技回がスーパーリーチに対応していない場合には、ステップS2807に進む。ステップS2807では、ROM403の変動表示時間テーブル記憶エリア423に記憶されている外れノーマルリーチ用変動表示時間テーブルを参照して変動表示時間を決定する。ステップS2807の決定処理を実行した後はステップS2803に進み、RAM404の各種カウンタエリア434に設けられた変動表示時間カウンタに今回の遊技回の変動表示時間をセットして本変動表示時間の設定処理を終了する。
ステップS2804の説明に戻り、当該ステップS2804にて否定判定をした場合、すなわち今回の遊技回が完全外れに対応している場合には、ステップS2808に進む。ステップS2808では、ROM403の変動表示時間テーブル記憶エリア423に記憶されている完全外れ用変動表示時間テーブルを参照して変動表示時間を決定する。ステップS2808の決定処理を実行した後はステップS2803に進み、RAM404の各種カウンタエリア434に設けられた変動表示時間カウンタに今回の遊技回の変動表示時間をセットして本変動表示時間の設定処理を終了する。
ステップS2802,S2806,S2807,S2808にて決定された変動表示時間を示す情報については、報知・演出制御装置140に出力される変動開始コマンドに含まれる。報知・演出制御装置140ではこの変動開始コマンドから変動表示時間を特定する構成となっている。
本実施の形態においては、外れスーパーリーチの一部について設定値毎に変動表示時間が相違する場合がある。ここで、図62の概略図を参照して、設定値と変動表示時間との関係について説明する。
今回の遊技回が完全外れに対応している場合には、主制御装置162により設定される変動表示時間は、何れの設定値においても3sec,4sec,6sec,8secの何れかとなる。報知・演出制御装置140においては、主制御装置162により指定された変動表示時間が3sec,4sec,6sec,8secの何れかである場合には、変動表示態様として完全外れを設定する。変動表示時間の詳細については、後続の保留情報の数に左右されるものの、その選択確率についても設定値による差は設けられていない。故に、報知・演出制御装置140においては、完全外れに対応する遊技回にて指定された変動表示時間から何れの設定値であるかを特定することは不可となっている。
今回の遊技回がノーマルリーチAに対応している場合には、設定される変動表示時間は、何れの設定値においても10secとなる。報知・演出制御装置140においては、主制御装置162により指定された変動表示時間が10secである場合には、変動表示態様としてノーマルリーチAを設定する。変動表示時間には設定値による差が設けられていないため、報知・演出制御装置140においてはノーマルリーチAに対応する遊技回にて指定された変動表示時間から何れの設定値であるかを特定することは不可となっている。
今回の遊技回がノーマルリーチBに対応している場合には、設定される変動表示時間は、何れの設定値においても15secとなる。報知・演出制御装置140においては、主制御装置162により指定された変動表示時間が15secである場合には、変動表示態様としてノーマルリーチBを設定する。変動表示時間には設定値による差が設けられていないため、報知・演出制御装置140においてはノーマルリーチBに対応する遊技回にて指定された変動表示時間から何れの設定値であるかを特定することは不可となっている。
今回の遊技回が当たりスーパーリーチAに対応している場合には、設定される変動表示時間は、何れの設定値においても16secとなる。報知・演出制御装置140においては、主制御装置162により指定された変動表示時間が15secである場合には、変動表示態様としてスーパーリーチAを設定する。変動表示時間には設定値による差が設けられていないため、報知・演出制御装置140においては当たりスーパーリーチAに対応する遊技回にて指定された変動表示時間から何れの設定値であるかを特定することは不可となっている。
今回の遊技回が外れスーパーリーチAに対応している場合には、設定される変動表示時間は、何れの設定値においても16sec又は16.2secとなる。報知・演出制御装置140においては、主制御装置162により指定された変動表示時間が16sec又は16.2secである場合には、変動表示態様としてスーパーリーチAを設定する。但し、変動表示時間が16secである場合には設定示唆を実行せず、変動表示時間が16.2secである場合に設定示唆を実行する。本実施の形態における設定示唆についても最終停止図柄組合せが利用される。詳細については後述するが、設定示唆対応の外れスーパーリーチAにおいては、それに対応した特殊図柄組合せが最終停止表示されることとなる。
これら変動表示時間については、設定値毎に振分確率に差が設けられている。具体的には、設定1の場合には、16secの振分確率が99.8%、16.2secの振分確率が0.2%となっている。設定2の場合には、16secの振分確率が99.8%、16.2secの振分確率が0.2%となっている。設定3の場合には、16secの振分確率が99.9%、16.2secの振分確率が0.1%となっている。このため、設定示唆に対応した上記特殊図柄組合せが表示される確率に設定値による差が生じる。つまり、特殊図柄組合せが表示される機会が多い程、設定1又は設定2である期待が高まる構成となっている。
今回の遊技回が当たりスーパーリーチBに対応している場合には、設定される変動表示時間は、何れの設定値においても17secとなる。報知・演出制御装置140においては、主制御装置162により指定された変動表示時間が17secである場合には、変動表示態様としてスーパーリーチBを設定する。変動表示時間には設定値による差が設けられていないため、報知・演出制御装置140においては当たりスーパーリーチBに対応する遊技回にて指定された変動表示時間から何れの設定値であるかを特定することは不可となっている。
今回の遊技回が外れスーパーリーチBに対応している場合には、設定される変動表示時間は、設定1及び設定2においては17sec又は17.2secとなり、設定3においては17secとなる。報知・演出制御装置140においては、主制御装置162により指定された変動表示時間が17sec又は17.2secである場合には、変動表示態様としてスーパーリーチBを設定する。但し、変動表示時間が17secである場合には設定示唆を実行せず、変動表示時間が17.2secである場合に設定示唆を実行する。本実施の形態における設定示唆についても最終停止図柄組合せが利用される。詳細については後述するが、設定示唆対応の外れスーパーリーチBにおいては、それに対応した特殊図柄組合せが最終停止表示されることとなる。
これら変動表示時間については、設定値毎に振分確率に差が設けられている。具体的には、設定1の場合には、17secの振分確率が99.8%、17.2secの振分確率が0.2%となっている。設定2の場合には、17secの振分確率が99.8%、17.2secの振分確率が0.2%となっている。設定3の場合には、17secの振分確率が100%、17.2secの振分確率が0%となっている。このため、設定示唆に対応した上記特殊図柄組合せが表示される確率に設定値による差が生じる。つまり、特殊図柄組合せが表示された場合には、設定3であることが否定され、設定1及び設定2の何れかであることが確定する構成となっている。
今回の遊技回が当たりスーパーリーチCに対応している場合には、設定される変動表示時間は、何れの設定値においても18secとなる。報知・演出制御装置140においては、主制御装置162により指定された変動表示時間が18secである場合には、変動表示態様としてスーパーリーチCを設定する。変動表示時間には設定値による差が設けられていないため、報知・演出制御装置140においては当たりスーパーリーチCに対応する遊技回にて指定された変動表示時間から何れの設定値であるかを特定することは不可となっている。
今回の遊技回が外れスーパーリーチCに対応している場合には、設定される変動表示時間は、設定1及び設定2においては18sec又は18.2secとなり、設定3においては18secとなる。報知・演出制御装置140においては、主制御装置162により指定された変動表示時間が18sec又は18.2secである場合には、変動表示態様としてスーパーリーチCを設定する。但し、変動表示時間が18secである場合には設定示唆を実行せず、変動表示時間が18.2secである場合に設定示唆を実行する。本実施の形態における設定示唆についても最終停止図柄組合せが利用される。詳細については後述するが、設定示唆対応の外れスーパーリーチCにおいては、それに対応した特殊図柄組合せが最終停止表示されることとなる。
これら変動表示時間については、設定値毎に振分確率に差が設けられている。具体的には、設定1の場合には、18secの振分確率が99.6%、18.2secの振分確率が0.4%となっている。設定2の場合には、18secの振分確率が99.9%、18.2secの振分確率が0.1%となっている。設定3の場合には、18secの振分確率が100%、18.2secの振分確率が0%となっている。このため、設定示唆に対応した上記特殊図柄組合せが表示される確率に設定値による差が生じる。つまり、特殊図柄組合せが表示された場合には、設定3であることが否定され、設定1及び設定2の何れかであることが確定する構成となっている。また、特殊図柄組合せが停止表示された場合には、遊技者に最も有利な設定1である期待が高くなる。
以下の説明では、設定示唆に対応する各種変動表示時間(16.2sec,17.2sec,18.2sec)を特殊変動表示時間と称する。
ここで、図63のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置140のMPU442にて実行される外れリーチ発生用の演出設定処理(図31のステップS1205)について説明する。外れリーチ発生用の演出設定処理は、報知・演出制御装置140のMPU442にて定期処理の一環として実行される処理である。
(外れリーチ発生用の演出設定処理)
外れリーチ発生用の演出設定処理においては先ず、ステップS2901にて変動表示態様の決定処理を実行する。具体的には、主制御装置162により指定された変動表示時間に基づいて演出態様の概要を特定し、当該演出態様の詳細(例えば、エフェクトやカットイン等の発生の有無)を決定する。変動表示態様を決定した後は、ステップS2902〜S2905にて最終停止図柄を決定する。
具体的には、先ずステップS2902にて、今回の遊技回の変動表示態様が外れスーパーリーチに対応しているか否かを判定する。ステップS2902にて肯定判定をした場合には、ステップS2903に進む。ステップS2903では今回の遊技回が上述した特殊変動表示時間に対応しているか否かを判定する。
ステップS2902,S2903の何れかにて否定判定をした場合には、ステップS2904に進む。ステップS2904では設定示唆非対応の最終停止図柄組合せ決定処理を実行する。ステップS2903にて肯定判定をした場合には、ステップS2905に進む。ステップS2905では設定示唆対応の最終停止図柄組合せ決定処理を実行する。
ここで、図64の概略図を参照して外れ結果対応の最終停止図柄組合せについて補足説明する。
外れ結果に対応する遊技回にて変動表示時間として16secが指定された場合には、外れスーパーリーチAが実行される。この場合、最終停止図柄組合せとしては大当たり結果対応の図柄組合せ及び上記特殊図柄組合せ以外の図柄組合せが最終停止図柄組合せとして設定される。これに対して、変動表示時間として16.2secが指定された場合には、同じくスーパーリーチAが実行される。この場合、最終停止図柄組合せとしては有効ライン上に上図柄列Z1を構成する「7」図柄、中図柄列Z2を構成する「3」図柄、下図柄列Z3を構成する「7」図柄が設定される(第1特殊図柄組合せ)。上述したように、変動表示時間として16.2secが設定される確率は、設定3と設定1及び設定2とを比較した場合、後者が前者の2倍となるように差が設けられている。このため、第1特殊図柄組合せが最終停止表示された場合には、設定1又は設定2であることが濃厚となる(図65参照)。
外れ結果に対応する遊技回にて変動表示時間として17secが指定された場合には、外れスーパーリーチBが実行される。この場合、最終停止図柄組合せとしては大当たり結果対応の図柄組合せ及び上記特殊図柄組合せ以外の図柄組合せが最終停止図柄組合せとして設定される。これに対して、変動表示時間として17.2secが指定された場合には、同じくスーパーリーチBが実行される。この場合、最終停止図柄組合せとしては有効ライン上に上図柄列Z1を構成する「7」図柄、中図柄列Z2を構成する「4」図柄、下図柄列Z3を構成する「7」図柄が設定される(第2特殊図柄組合せ)。上述したように、変動表示時間として17.2secが設定される確率は、設定3では0%となっている。このため、第2特殊図柄組合せが最終停止表示された場合には、設定3が否定され、設定1又は設定2であることが確定する(図65参照)。
外れ結果に対応する遊技回にて変動表示時間として18secが指定された場合には、外れスーパーリーチCが実行される。この場合、最終停止図柄組合せとしては大当たり結果対応の図柄組合せ及び上記特殊図柄組合せ以外の図柄組合せが最終停止図柄組合せとして設定される。変動表示時間として18.2secが指定された場合には、同じくスーパーリーチCが実行される。この場合、最終停止図柄組合せとしては、有効ライン上に上図柄列Z1を構成する「7」図柄、中図柄列Z2を構成する「2」図柄、下図柄列Z3を構成する「7」図柄(第3特殊図柄組合せ)が設定される。上述したように、変動表示時間として18.2secが設定される確率は、設定3では0%となっている。このため、第2特殊図柄組合せが最終停止表示された場合には、設定3が否定され、設定1又は設定2であることが確定する(図65参照)。変動表示時間として18.1secが指定された場合には、同じくスーパーリーチCが実行される。この場合、最終停止図柄組合せとしては、有効ライン上に上図柄列Z1を構成する「7」図柄、中図柄列Z2を構成する「1」図柄、下図柄列Z3を構成する「7」図柄(第4特殊図柄組合せ)が設定される。上述したように、変動表示時間として18.1secが設定される確率は、設定2及び設定3では0%となっている。このため、第4特殊図柄組合せが最終停止表示された場合には、設定1であることが確定する(図65参照)。
外れリーチ発生用の演出設定処理にてステップS2904,S2905の処理を実行した後は、主制御装置162から受信した変動表示時間情報を消去する。そして、当該遊技回が終了するタイミングにて現在の設定値を示す情報等が消去されることとなる。
以上詳述した第12の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技回開始に伴って主制御装置162から送信される変動表示時間情報が設定値を示す情報を含んでいる。この構成によれば、設定値の示唆(設定示唆)の可否を主制御装置162にて指示することができ、主制御装置162と比べて防御機能が低い報知・演出制御装置140が不正に操作される等して設定示唆が不正に実行されることを抑制できる。
また、主制御装置162から送信される変動表示時間情報が設定示唆のベースとなるため、設定値を示す情報を報知・演出制御装置140側にて記憶保持する必要がない。防御機能の低い報知・演出制御装置140にて設定値を記憶する必要がない構成とすることは、設定値を示す情報の流出を抑制する上で有利である。
更には、主制御装置162からある程度定期的に送信されることが期待できる変動表示時間情報が設定値を示す情報を兼ねているため、設定値を示す情報を別途送信する構成と比較して、当該情報に狙いを定めて情報を不正に取得するといった行為を難しくすることができる。
主制御装置162から特殊変動表示時間を示す変動表示時間情報を受信した場合に、当該特殊変動表示時間にて実行される遊技回にて示唆が実行される。このような構成においては、示唆を後の遊技回に持ち越す構成と比較して報知・演出制御装置140から設定値を不正に読み取るといった行為を難しくすることができる。
通常の変動表示時間に係る変動表示態様と上記特殊変動表示時間に係る変動表示態様とが共通となることで、変動表示態様の見た目等の違いから設定値を特定することは困難となる。
また、特殊変動表示時間の方が僅かに長くなるように差が設けられているため、設定示唆が該当遊技回に限って実行される構成にて設定示唆の実行期間を稼ぎやすくなる。
スーパーリーチA〜Cが実行される場合に僅かな期間の違いから設定値が推定されることは好ましくない。そこで、本実施の形態に示したように、通常の変動表示時間と特殊変動表示時間とが同一であると認識される程度の差にとどめる構成とすれば、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
図柄表示装置253における図柄の変動表示時間をカウントすれば、設定示唆の有無等を特定することが可能である。しかしながら、本実施の形態に示したように、変動表示の冒頭を共通化すれば、設定示唆が発生し得る遊技回を狙って実行期間をカウントするといった行為を難しくすることができる。
設定示唆のベースとなるスーパーリーチについてはノーマルリーチと比べて変動表示時間が長い。相対的に長い変動表示時間が長いスーパーリーチをベースに特殊変動表示時間を設定することにより、通常の変動表示時間と特殊変動表示時間との差を目視等にて特定することを難しくすることができる。
リーチ表示が実行される場合には当たり結果への期待が高まるため、遊技者の注目がリーチ表示に向きやすい。遊技者の注目度が高くなっている状況下にて設定示唆が実行されることにより、当該設定示唆が見逃される機会を減らすことができる。
なお、上述した第12実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第12の実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第12の実施の形態に対して適用してもよい。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
<変形例1>
上記第12の実施の形態においては、主制御装置162から特殊変動表示時間が指定された場合には、該当遊技回にて設定示唆を実行する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、特殊変動表示時間を受信した場合に後続の保留情報が存在している場合には、それら後続の保留情報に係る遊技回の何れかにて設定示唆を実行する構成とすることも可能である。例えば、後続の保留情報の全てを設定示唆の対象とすれば、記憶されている保留情報が多いほど設定示唆の実行機会(実行時間)を増える。このような構成とすれば、設定示唆を期待する遊技者に対して遊技への積極的な参加を促すことができる。
<変形例2>
上記第12の実施の形態では、設定示唆の有無を主制御装置162が決定する構成としたが、最終決定権を報知・演出制御装置140に委ねる構成としてもよい。例えば、所定の規制条件が成立した場合には、特殊変動表示時間が指定されている場合であっても設定示唆に対応した上記特殊図柄組合せの停止を規制する構成とすることも可能である。
上記タイプの遊技機においては、最終遊技回にて停止表示された図柄組合せについては省電力モード等で表示画面が消灯されたりデモ画面等が表示されたりする場合を除き、次の遊技回の開始まで維持される。このような構成においては、上記特殊変動表示時間が指定された場合であっても後続の保留情報が記憶されていない場合には、特殊図柄組合せの停止を規制し、当該特殊図柄組合せに代えて通常の外れ図柄組合せを停止させる構成とすることも可能である。
<第13の実施の形態>
本実施の形態においては、設定値の変更(設定変更)に係る構成が上述した各実施の形態と相違している。以下、図66を参照して、第1の実施の形態との相違点を中心に本実施の形態における設定変更に係る構成について説明する。図66(a)は設定変更に係る電気的構成を示すブロック図、図66(b)は設定キースイッチを示す概略図である。
上記第1の実施の形態においては、設定変更スイッチ166、設定キースイッチ167、設定値表示部168が主制御装置162の主制御基板401に配設されていた(図8等参照)。これに対して、本実施の形態においては、設定キースイッチ608、設定変更スイッチ609、設定値表示部610が監視装置600の監視基板601に配設されている(図66(a)参照)。
ここで、図66(b)を参照して、設定キーK及び設定キースイッチ608について補足説明する。設定キースイッチ608には設定キーKが挿通されるキー穴が形成されており、設定キーKをキー穴に差し込んだ状態で時計回り方向に回してON位置に配置することにより、設定キースイッチ608がON状態に切り替わる。設定キースイッチ608は、設定キーKがON位置に配置された状態では、設定キーKから手(指)を離しても当該設定キーKがON位置に留まるように構成されている。
設定キーKがON位置に配置された状態では、当該設定キーKの取外しが不可となり、設定キーKを反時計回り方向に回してON位置からOFF位置に配置させることにより(設定キースイッチ608がOFF状態となることにより)、設定キーKの取外しが可能となる。なお、ON位置と同様に、設定キースイッチ608がOFF位置に配置された状態では、設定キーKから手(指)を離しても当該設定キーKがOFF位置に留まるように構成されている。
設定キースイッチ608については、設定キーKをON位置/OFF位置に移動させた際に、設定キースイッチ608の状態が短時間にON状態/OFF状態を繰り返すといった事象(所謂チャタリング)が発生する可能性がある。このような事象は、遊技機の動作の安定化や信頼性の向上を実現する上で妨げになる。本実施の形態においては、このような不都合の発生を抑える工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、先ず、図67を参照して、設定値の変更(設定変更)の手順及び設定値の確認(設定確認)の手順について説明し、その後、上記チャタリングの影響を抑える工夫について説明する。図67(a)は設定変更の手順を示す概略図、図67(b)は設定確認の手順を示す概略図である。
設定値の変更を行う場合には、図67(a)に示すように、先ず電源・発射制御装置243に設けられた電源スイッチ247(図66参照)をOFFにする。電源がOFFになっている状況下にて、設定キースイッチ608のキー穴に設定キーKを挿入し当該設定キーKを時計回り方向に回すことで、設定キースイッチ608をON状態に切り替える。設定キースイッチ608をON状態に維持したまま電源スイッチ247をONにすることで、監視装置600の制御状態が設定変更可能な状態(以下、設定変更モードという)に切り替わる。設定変更モードへの移行後は、設定変更スイッチ609を押すことにより、設定値が所定の順序で切り替わる。この際、現在選択中の設定値が設定値表示部610に点滅表示され、作業者は選択中の設定値を目視で確認できる構成となっている。設定変更スイッチ609の操作によって所望とする設定値とした後は、設定キーKを反時計回り方向に回して設定キースイッチ608をOFF状態に切り替える。これにより、選択中の設定値が移行の遊技にて参照する新たな設定値として確定し、設定変更モードが終了する。
上述したように設定変更はパチンコ機10の起動時(立ち上げ時)に限定されている。つまり、設定変更には電源スイッチ247の操作が不可欠となっている。これに対して、設定値の確認はパチンコ機10の起動が完了している状況下にて実行可能となっている。具体的には、図67(b)に示すように、電源スイッチ247がONとなっている状況下にて、設定キースイッチ608のキー穴に設定キーKを挿入し当該設定キーKを時計回り方向に回すことで、設定キースイッチ608をON状態に切り替える。これにより、設定値表示部610に設定値が点灯表示された状態(設定確認モード)となる。設定値の確認を終えた後は、設定キーKを反時計回り方向に回すことで、設定キースイッチ608をOFF状態に切り替える。これにより、設定確認モードが終了する。
次に、監視装置600や主制御装置162にて実行される上記設定変更及び設定確認に係る具体的な制御処理について説明する。先ず、図68のフローチャートを参照して、電源投入時(電源スイッチ247のON時)に監視装置600のMPU602にて実行される起動処理(立ち上げ用の処理)について説明する。
(起動処理)
起動処理においては先ず、ステップS3001にて記憶部604へのアクセスを許可する。これにより、記憶部604に記憶されている情報の更新(変更)が可能となる。ステップS3001の処理を実行した後はステップS3002に進む。ステップS3002では、設定キースイッチ608からの信号を読み込んで当該設定キースイッチ608がON状態となっているか否かを判定する。ステップS3002にて否定判定をした場合には、ステップS3003に進む。
記憶部604は不揮発性メモリを有してなり、電力供給が遮断されている状況下においてもデータを保持可能な構成となっている。保持されるデータには、第3記憶領域607の第3記憶領域607(詳しくは設定値記憶領域641)に記憶されている設定値の情報が含まれる。ステップS3003では、電源ON時の設定値として電源OFF時の設定値と同じ設定値、すなわち設定値記憶領域641に記憶されている設定値を設定する。例えば、電源OFF時の設定値が設定2であった場合には電源ON時の設定値を設定2とする。
ステップS3002の説明に戻り、当該ステップS3002にて肯定判定をした場合、すなわち、設定キースイッチ608がON状態となっている場合には、ステップS3004に進む。ステップS3004では設定変更モード移行処理を実行する。具体的には、記憶部604の第3記憶領域607に設定変更モードフラグを格納し、設定値表示部610に電源OFF前の設定値を表示する。設定変更モードへ移行した場合には、設定変更が終了するまで、起動処理から通常処理への移行が回避されることとなる。
続くステップS3005では無効期間を設定する。具体的には、第3記憶領域607に設けられている無効期間用のタイマカウンタに当該無効期間に対応する値をセットする。このタイマカウンタの値については後述する設定変更処理が実行される度に更新(減算)され、当該タイマカウンタの値が「0」となることで無効期間が終了する。このようにして無効期間が設定された場合には、当該無効期間が終了(経過)するまで設定キースイッチ608からの信号の読み込みが禁止され、仮に無効期間中に設定キースイッチ608がOFF状態に切り替わった場合であっても当該無効期間が経過するまでは設定変更モードが継続される。
ステップS3005の処理を実行した後は、ステップS3006に進み、設定変更処理を実行する。ここで、図69のフローチャートを参照してステップS3006の設定変更処理について説明する。
(設定変更処理)
設定変更処理においては先ず、ステップS3101にて設定変更モード中であるか否かを判定する。ステップS3101にて否定判定をした場合には、そのまま本設定変更処理を終了する。ステップS3101にて肯定判定をした場合にはステップS3102に進む。ステップS3102では、設定変更スイッチ609からの信号に基づいて設定変更操作が行われたか否かを判定する。ステップS3102にて肯定判定をした場合には、ステップS3103に進む。ステップS3103では変更操作対応処理を実行する。
変更操作対応処理においては、設定値記憶領域641に記憶されている設定値を今回の操作に対応したものに書き替えるとともに、設定値表示部610の表示を現在の設定値に対応するものに更新(変更)する。これにより、現在選択されている設定値が作業者に明示されることとなる。なお、本実施の形態に示す設定値表示部610は所謂セグメント表示器であり、選択変更モードにおいては現在選択されている設定値が点滅表示され、確定された設定値が点灯表示される構成となっている。
ステップS3102の説明に戻り、当該ステップS3102にて否定判定をした場合には、ステップS3104に進む。ステップS3104では無効期間中であるか否かを判定する。ステップS3104にて肯定判定をした場合には、すなわち無効期間中である場合には、そのまま本変更処理を終了する。ステップS3104にて否定判定をした場合には、ステップS3105に進む。ステップS3105では設定確定待機中であるか否かを判定する。具体的には、設定キースイッチ608がOFF状態となってから所定の待機期間が経過したか否かを判定する。ステップS3015にて否定判定をした場合には、ステップS3106に進む。
ステップS3106では設定キースイッチ608がOFF状態となっているか否かを判定する。ステップS3106にて否定判定をした場合には、そのまま本設定変更処理を終了する。ステップS3106にて肯定判定をした場合には、ステップS3107に進む。ステップS3107では待機期間を設定する。具体的には、第3記憶領域607に設けられている待機期間用のタイマカウンタに当該待機期間に対応する値をセットする。このタイマカウンタの値については設定変更処理(詳しくはステップS3101の判定処理)が実行される度に更新(減算)され、当該タイマカウンタの値が「0」になることで待機期間が終了する。このようにして待機期間が設定された場合には、当該待機期間が終了(経過)するまで設定キースイッチ608からの信号の読み込みが禁止され、仮に当該待機期間中に設定キースイッチ608が切り替わったとしても設定変更モードが継続される。
ステップS3106にて待機期間を設定した後は、ステップS3107にて設定値の確定処理を実行した後、本設定変更処理を終了する。設定値の確定処理においては、設定値記憶領域641の書き替えを禁止するとともに設定値表示部610における表示態様を確定結果に対応したものに切り替える。詳しくは、設定値表示部610における表示態様を点滅表示から点灯表示に切り替える。これにより、設定値が確定した旨が作業者に明示されることとなる。
ステップS3105の説明に戻り、当該ステップS3105にて肯定判定をした場合には、ステップS3109に進む。ステップS3109では、待機期間用のタイマカウンタを参照して、待機期間が終了するタイミングであるか否かを判定する。ステップS3019にて否定判定をした場合には、そのまま本設定変更処理を終了する。ステップS3109にて肯定判定をした場合にはステップS3110に進む。ステップS3110では設定キースイッチ608がOFF状態となっているか否かを判定する。
ステップS3110にて肯定判定をした場合には、ステップS3111に進む。ステップS3111では設定変更モード終了処理を実行する。設定変更モード終了処理では、第3記憶領域607に格納している設定変更モードフラグを消去し、設定値表示部610に表示されている設定値を非表示とする。設定変更モードフラグが消去されることにより、以降の設定変更処理におけるステップS3101では否定判定となり、起動処理→通常処理へと移行することとなる。
ここで、設定キースイッチ608にてチャタリングが発生した場合には、その程度が大きくなることでステップS3109にて否定判定され得る。このような場合には、ステップS3112に進み、延長処理を実行する。延長処理では、待機期間用のタイマカウンタの値を加算(再設定)し、待機期間を延長させる。詳細については後述するが、通常処理に移行した後に設定キースイッチ608がON状態となることは設定確認モードへの移行契機となる。このため、チャタリングの影響が残っている状況下にて、起動処理→通常処理へ移行することは好ましくない。そこで、チャタリングの影響が残っていると想定される場合には、待機期間を延長して、設定変更モードを継続させることにより、上記不都合の発生を抑制している。
本実施の形態に示すパチンコ機10においては、電力供給開始時に主制御装置162のMPU402にて実行されるメイン処理にて監視装置600から設定値の読み込みがなされる。以下、図70のフローチャートを参照して、MPU402にて実行されるメイン処理について説明する。
(メイン処理)
メイン処理におけるステップS3210〜S3209,S3214の各処理については、第1の実施の形態にて説明したメイン処理のステップS101〜S109,S112の各処理と同様であるため説明を省略する。
ステップS3209又はステップS3214の処理を実行した後は、ステップS3210に進む。ステップS3210では、監視装置600の起動が完了したか否かを判定する。具体的には、監視装置600から起動完了の通知を受信しているか否かを判定する。ステップS3210にて否定判定をした場合には、当該通知を受信するまで待機する。
ステップS3210にて肯定判定をした場合には、ステップS3211に進む。ステップS3211では監視装置600から設定値の読み込みを行う。具体的には、上記ステップS3003又はS3006にて設定された設定値を読み込む。その後は、ステップS3212にて初期コマンド出力処理を実行し、ステップS3213にて割り込みを許可する。なお、これらステップS3212,S3213の各処理についても上記ステップS110,S111の処理と同様である。ステップS3213の処理を実行した後は、メイン処理を終了して通常処理へ移行する。
次に、監視装置600の起動後に当該監視装置600のMPU602にて定期的に実行される通常処理について説明する。通常処理の実行周期については10msecとなっており、主制御装置162のMPU402にて実行される定期処理(タイマ割込み処理や通常処理)の周期よりも長くなっている。
図71(a)に示すように、通常処理は、ステップS3301の監視処理と、ステップS3302の設定確認処理とを有してなる。ステップS3301の監視処理においては、主制御装置162等からの情報に基づいて遊技回数、入賞数、大当たり回数等を記憶する。この監視内容についての詳細は、第1の実施の形態等と同様であるため説明を省略する(図33等参照)。ここで、図71(b)のフローチャートを参照し、ステップS3302の設定確認処理について説明する。
(設定確認処理)
設定確認処理においては先ず、ステップS3401にて設定確認モード中であるか否かを判定する。具体的には、第3記憶領域607に後述する設定確認モードフラグが格納されているか否かを判定する。ステップS3401にて否定判定をした場合には、ステップS3402に進む。ステップS3402では設定キースイッチ608からの信号を読み込み、設定キースイッチ608がON状態となっているか否かを判定する。ステップS3402にて否定判定をした場合には、そのまま本設定確認処理を終了する。ステップS3402にて肯定判定をした場合には、ステップS3403〜S3406の設定確認開始処理を実行する。
具体的には、先ずステップS3403にて設定表示開始処理を実行する。これにより、設定値表示部610に現在の設定値が表示されることとなる。なお、設定値確認モードにおいては確定前の設定値を点滅表示させる一方、確定された設定値を点灯表示させることで、両者を区別可能としている。
続くステップS3404では、設定確認モード移行処理を実行する。設定確認モード移行処理では、第3記憶領域607に設定確認モードフラグを格納する。これにより、以降の設定確認処理においては、当該設定確認モードフラグが消去されるまで、ステップS3401にて肯定判定されることとなる。
ステップS3405では、設定キースイッチ608を無効(詳しくは、信号の読み込みを不可)とする無効期間を設定する。具体的には、第3記憶領域607に設けられた無効期間用のタイマカウンタに無効期間に対応する値をセットする。この値は、通常処理(図71(a)参照)が実行される度に減算される。本実施の形態においては、無効期間が通常処理の実行周期の複数倍(詳しくは20msec)となるように規定されている。
そして、ステップS3406にて遊技進行規制処理を実行した後、本設定確認処理を終了する。遊技進行規制処理においては、監視装置600から主制御装置162に遊技進行を規制させる情報を出力する。主制御装置162では、この情報を受信した場合には、監視装置600から規制解除の情報を受信するまで遊技進行に係る各種処理が回避されることとなる。
ステップS3401の説明に戻り、当該ステップS3401にて肯定判定をした場合には、ステップS3407に進む。ステップS3407では、無効期間中であるか否かを判定する。ステップS3407にて否定判定をした場合には、ステップS3408に進む。ステップS3408では、待機期間中であるか否かを判定する。具体的には、第3記憶領域607に待機フラグが格納されているか否かを判定する。待機期間についての詳細は後述する。
ステップS3408にて否定判定をした場合には、ステップS3409に進む。ステップS3409では設定キースイッチ608からの信号を読み込み、当該設定キースイッチ608がOFF状態となっているか否かを判定する。ステップS3409にて否定判定をした場合には、そのまま本設定確認処理を終了する。ステップS3409にて肯定判定をした場合には、ステップS3410に進む。ステップS3410では、待機期間を設定する。具体的には、第3記憶領域607に設けられた待機期間用のタイマカウンタに待機期間に対応する値をセットし、当該第3記憶領域607に待機フラグを格納する。このタイマカウンタについては、通常処理(図71(a)参照)が実行される度に更新(減算)される。
本実施の形態においては、設定キースイッチ608がOFF状態となった場合には直ちに設定変更モードが終了するのではなく、OFF状態となってから所定の待機期間を経過したタイミングにてOFF状態が維持されていることを確認した場合に、設定変更モードを終了させる構成となっている。
ステップS3408の説明に戻り、当該ステップS3408にて肯定判定をした場合、すなわち待機期間中である場合にはステップS3411に進む。具体的には、第3記憶領域607に待機フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS3411では、待機期間が終了するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、第3記憶領域607に設けられた待機期間用のタイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS3411にて否定判定をした場合には、そのまま本設定確認処理を終了する。ステップS3411にて肯定判定をした場合には、ステップS3412に進む。
ステップS3412では設定キースイッチ608からの信号を読み込み当該設定キースイッチ608がOFF状態となっているか否かを判定する。ステップS3412にて肯定判定をした場合には、ステップS3413〜S3415の設定確認モード終了用処理を実行する。
具体的には、先ずステップS3413にて設定値表示部610の表示を終了させる処理を実行する。これにより、設定値表示部610にて表示されていた設定値が非表示となる。続くステップS3414では第3記憶領域607に格納されている設定確認モードフラグを消去する。そして、ステップS3415にて遊技進行規制解除処理を実行した後、本設定確認処理を終了する。遊技進行規制解除処理においては、監視装置600から主制御装置162に遊技進行の規制を解除させる情報を出力する。主制御装置162では、この信号を受信したことに基づいて、遊技進行に係る各種処理の規制を解除する。
ステップS3412の説明に戻り、当該ステップS3412にて否定判定をした場合には、ステップS3416に進む。ステップS3416では延長処理を実行する。つまり、待機終了タイミングになったにも関わらず、設定キースイッチ608がON状態となっている場合には、待機期間を延長する処理を行う。具体的には、第3記憶領域607の待機期間用のタイマカウンタに上記値を再セットする。これにより、待機期間が延長されることとなる。
次に、図72〜図73のタイミングチャートを参照して設定変更の流れについて説明し、その後、図74のタイミングチャートを参照して設定確認の流れについて説明する。
既に説明したように、設定変更を行う場合には、電源スイッチ247をONにする前に、設定キースイッチ608をON状態に切り替えておく必要がある。つまり、設定キースイッチ608の操作が電源スイッチ247の操作に先行されることとなる。特に、設定キースイッチ608が主制御装置162に併設の監視装置600に配設され、電源スイッチ247は電源・発射制御装置243に配設されている。図9等に示したように、主制御装置162及び電源・発射制御装置243は上下に並べて配設されており、本実施の形態に示す監視装置600についてはそれら制御装置のうち主制御装置162寄りとなるように配されている。これにより、設定キースイッチ608と電源スイッチ247とが大きく離れている。両スイッチ247,608が大きく離されている点に鑑みれば、設定キースイッチ608の操作から電源スイッチ247の操作までに要するタイムラグは大きくなりやすい。このため、図72(a)に例示しているように、仮に設定キースイッチ608をON状態に切り替えた際にチャタリングが発生したとしても、チャタリング発生中に電源スイッチ247が操作される可能性は低くなる。
但し、電源スイッチ247及び設定キースイッチ608がともに片手で操作できる簡易な構成となっている場合には、各スイッチ247,608を別の手で操作され得る。このため、例えば図72(b)に示しているように、設定キースイッチ608の操作タイミングと、電源スイッチ247の操作タイミングとが極めて近くなる可能性を否定できない。この場合、チャタリングによる一時的なOFF状態を契機として、設定変更モードが終了したり、更には設定確認モードへ移行したりすることで、操作のやり直しが必要になる。これは、作業の円滑化や効率化を図る上で妨げになると懸念される。
ここで、監視装置600のMPU602の起動処理においては設定変更モードへ移行することで、設定変更処理(ステップS3006)が所定の周期で繰り返されることとなる。この周期については、10msecとなっており、主制御装置162のMPU402にて処理が実行される周期(2msec又は4msec)よりも長くなっている。監視装置600については、遊技進行に係る制御を行っているわけではないため、周期が長く設定されており、MPU602に生じる制御負荷の軽減が図られている。このように、周期に差が設けられた2つの装置のうち、周期の長い監視装置600に設定キースイッチ608等を配設することにより、チャタリングが発生した際にそれに過剰に反応することを抑制することができる。
チャタリングについては都度発生時間が異なる可能性があり、当該チャタリングが過度に長く続いた場合には上記周期にてチャタリングの影響を吸収しきれなくなる可能性がある。この点、本実施の形態においては、図72(b)に示すように、電源スイッチ247がONになったte2のタイミングにて設定キースイッチ608がON状態となっていることを確認した後は、設定キースイッチ608からの信号の読み込みを無効とする無効期間が設定される。無効期間が経過したte3のタイミンでは、設定キースイッチ608からの信号の読み込みが許可され、以降は設定キースイッチ608をOFF状態に切り替えることで、設定値を確定し、設定変更モードを終了させることができる。これにより、過度に長くチャタリングが続いた場合であっても、その影響を抑制することができる。
設定変更スイッチ609を操作して設定値を変更した後は、設定キースイッチ608をOFF状態に切り替えることで設定値が確定し、設定変更モードが終了する。ここで、図73に示すように、設定キースイッチ608をOFF状態に切り替えた場合であっても、直ちに、設定変更モードが終了するわけではない。先ず設定キースイッチ608がOFF状態に切り替えられたtf1のタイミングにて、設定値が確定した旨を遊技者に明示すべく設定値表示部610の表示態様が点滅から点灯に切り替えられ、その後、tf1のタイミングから所定の待機期間を経過したtf2のタイミングにて設定値表示部610が消灯するとともに設定変更モードが終了する。
この待機期間についても起動処理(設定変更処理)が実行される周期よりも長くなるように設定されており、tf1のタイミングにて設定キースイッチ608に発生したチャタリングがこの周期を超えて継続した場合、すなわち周期にてチャタリングを吸収しきれなかった場合には、待機期間によってその影響が抑制される構成となっている。
次に、図74のタイミングチャートを参照して、設定確認の流れについて説明する。
既に説明したように、電源スイッチ247がONとなっている状況下にて設定キースイッチ608をON状態に切り替えることにより設定確認を行うことができる。図74(a)の例では、tg1のタイミングにて設定キースイッチ608がON状態に切り替わることで、設定値表示部610にて設定値の表示(点滅表示)が開始される。
ここで、監視装置600のMPU602においては、設定確認処理(ステップS3302)が所定の周期で繰り返されることとなる。この周期については、10msecとなっており、主制御装置162のMPU402にて処理が実行される周期(2msec又は4msec)よりも長くなっている。監視装置600については、遊技進行に係る制御を行っているわけではないため、周期が長く設定されており、MPU602に生じる制御負荷の軽減が図られている。このように、周期に差が設けられた2つの装置のうち、周期の長い監視装置600に設定キースイッチ608等を配設することにより、チャタリングが発生した際にそれに過剰に反応することを抑制することができる。
チャタリングについては都度発生時間が異なる可能性があり、当該チャタリングが過度に長く続いた場合には上記周期にてチャタリングの影響を吸収しきれなくなる可能性がある。この点、本実施の形態においては、図74(a)に示すように、設定キースイッチ608がON状態に切り替わったtg1のタイミングにて、設定キースイッチ608の信号の読み込みを無効とする無効期間が設定される。無効期間が経過したtg2のタイミンでは、設定キースイッチ608からの信号の読み込みが許可され、以降は設定キースイッチ608をOFF状態に切り替えることで、設定確認モードを終了させることができる。これにより、過度に長くチャタリングが続いた場合であっても、その影響を抑制することができる。
チャタリングによって設定キースイッチ608がON状態/OFF状態に細かく切り替わった場合に、それに追従して設定確認モードがON/OFFを繰り返すことは、作業者を困惑させる要因になるだけでなく、遊技機の挙動の安定化の妨げになると懸念される。この点、本実施の形態に示す構成によれば、チャタリングの影響を抑えて、設定確認モードがON/OFFを繰り替えすことを好適に抑制できる。
設定値の変更機能を有する遊技機においては、遊技機の挙動の多様化によって遊技への注目度の向上に寄与できる。しかしながら、この種の遊技機においては、設定キースイッチ608のがたつき等によって操作時にON状態/OFF状態へ細かく切り替わるといった事象(チャタリング)が発生し得る。このような事象は遊技機の動作安定性を低下させて、遊技機への信頼性を低下させる要因になると懸念される。この点、本実施の形態に示す構成においては、設定キースイッチ608がOFF状態/ON状態に切り替わった場合には、当該切り替えから所定の期間(待機期間や無効期間)が経過するまで設定キースイッチ608の読み込みが回避される。このような構成とすることで、遊技機の誤作動を抑制し、遊技機への信頼性の向上に寄与できる。
設定値の変更(設定変更)及び設定値の確認(設定確認)の2つの機能を有する遊技機においては、操作系統を設定キースイッチ608に統一することにより、遊技機の構成の複雑化を抑制できる。しかしながら、このような構成では、設定キースイッチ608に上述したチャタリングが発生することにより、設定変更モードへの切り替えを行うはずが、作業者の意図に反して設定確認モードに切り替わるといった不都合が発生し得る。このような誤作動の発生は作業者を困惑させる要因になるため好ましくない。この点、本実施の形態に示す構成によれば、OFF状態からON状態への切り替え時には、少なくとも無効期間が経過するまで設定キースイッチ608の読み込みが回避され、仮に上記チャタリングが発生して設定キースイッチ608が一時的にON/OFFを繰り返したとしても、それに起因して設定変更モードが終了したり、設定確認モードへ移行したりすることを抑制できる。同様に、設定キースイッチ608がON状態からOFF状態へ切り替えられた場合には、待機期間を経過するまで設定変更モードが維持される。この待機期間中に設定キースイッチ608がON/OFFを繰り返したとしても、設定確認モードへ移行することが回避される。このような構成とすることにより、チャタリングに起因した誤作動の発生を好適に抑制できる。
なお、本実施の形態に示す構成においては、設定キースイッチ608がOFF状態に切り替えられることで設定値が確定される構成となっているが、設定キースイッチ608がOFF状態に切り替わった際には、直ちに設定値が確定された旨が報知される。これにより、設定キースイッチ608をOFF状態に切り替えたにも関わらずそれが正常に受け付けられていなかのような誤解を遊技者に与えることを抑制できる。
設定値の変更機能を有する遊技機においては、遊技機の挙動の多様化によって遊技への注目度の向上に寄与できる。しかしながら、この種の遊技機においては、変更操作手段のがたつき等によって操作時に操作状態/非操作状態へ細かく切り替わるといった事象(所謂チャタリング)が発生し得る。このような事象は遊技機の動作安定性を低下させて、遊技機への信頼性を低下させる要因になると懸念される。特に、遊技の円滑な進行や応答性の向上等を実現させる上では各種遊技処理の実行周期を短くすることが効果的ではあるものの、実行周期が短い定期処理にて操作判定を行う構成ではチャタリングを拾いやすくなる。つまり、実行周期が長い場合にはそれほど問題にならなった事象が誤作動の要因になると懸念される。この点、本実施の形態に示す構成においては、定期処理の実行周期が主制御装置162よりも長くなるように設定された監視装置600に設定変更に係る各種構成が配設されている。このため、チャタリングの影響による誤作動の発生を好適に減らすことができる。これにより、遊技機への信頼性の向上に寄与できる。
設定変更に係る主たる構成を監視装置600に配設している場合には、遊技進行中に監視装置600にて設定値が変更されることで、それが主制御装置162に反映されるまでにタイムラグが生じる。そこで、設定キースイッチ608が操作されている場合には、主制御装置162における遊技進行用の処理を規制することにより、そのようなタイミングのずれの影響を回避できる。
なお、上述した第13実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第13の実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第13の実施の形態に対して適用してもよい。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
<変形例1>
上記第13の実施の形態では、設定変更モード中に設定キースイッチ608がOFF状態に切り替わったタイミングにて設定値を確定させる構成としたが、これに限定されるものではない。設定キースイッチ608かOFF状態に切り替わってから上記待機期間が経過し設定変更モードが終了するタイミングにて設定値を確定させる構成とすることも可能である。
<変形例2>
上記第13の実施の形態では、設定キースイッチ608のOFF状態に切り替え(設定キーKのOFF位置への配置)により、設定値を確定させる構成としたが、設定値を確定させるための確定操作部を設定キースイッチ608とは別に設け、設定キーKがON位置に配置されている状況下にて確定操作部が操作されることにより、設定値が確定する構成としてもよい。なお、リセットスイッチ等の設定キースイッチ608以外の操作部が確定操作部としての機能を兼ねる構成とすることも可能である。
<変形例3>
監視装置600のMPU602にて設定キースイッチ608のON/OFF判定を行う周期が主制御装置162のMPU402における定期処理の周期よりも長くなるように構成したが、これに限定されるものではない。無効期間や待機期間を設定してチャタリングの影響を抑える場合には、各周期を同一としてもよいし、後者の周期の方が短くなるように構成してもよい。
<変形例4>
上記第13の実施の形態では、設定値の変更に係る各種構成(設定キースイッチ、設定変更スイッチ、設定表示部)を監視装置600に配設したが、それら各種構成を主制御装置162に配設してもよい。また、電源・発射制御装置243等の他の制御装置に配設してもよい。
<変形例5>
上記第13の実施の形態では、設定キースイッチ608がOFF状態に切り替わってから所定の待機期間を経過したタイミングにて当該設定キースイッチ608がON状態となっていると判定した場合には、設定変更モードを延長させる構成とした。このような事象が発生する場合には、その原因が設定キースイッチ608に発生したチャタリングである可能性がある。そこで、上記延長に加えて又は代えて設定キースイッチ608にてチャタリングが発生している可能性がある旨を報知する構成としてもよい。
<変形例6>
上記第13の実施の形態では、監視装置600を主制御装置162とは別に設けたが、主制御装置162を構成する基板ボックス163内に主制御基板401と監視装置600(詳しくは監視基板601)とを同封してもよい。
<変形例7>
遊技ホールの島設備に固定された外枠11によって遊技機主部12が回動可能に支持されている構成においては、遊技機主部12にてがたつきが生じる可能性があり、このようながたつきが設定キースイッチ608におけるチャタリングの発生要因になり得る。
ここで、パチンコ機(例えば遊技機主部12)に防犯用の振動検知センサが配設されている場合には、この振動検知センサからの検知情報を参照してチャタリングが発生しやすい状況であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて設定キースイッチ608の読み込みの可否等を決定する構成としてもよい。具体的には、振動検知センサにて振動が検知されている状況下にて設定キースイッチ608がON/OFFに切り替えられた場合にはその操作結果が保持され、以降は振動が収まるまで新たに設定キースイッチ608の読み込みを行わない構成とすることも可能である。このような構成とすれば、チャタリングへの対応による待ち時間の増加を抑制し、設定変更時や設定確認時の応答性の向上に寄与できる。
<変形例8>
設定キースイッチ608の配設対象である機器を取り付ける取付部に緩衝部材を用いて揺れ等を抑える構成としてもよい。このような構成とすれば、チャタリングの発生を減らすことができる。
<変形例9>
電源・発射制御装置243に設けられた電源スイッチ247及び設定キースイッチ608の少なくとも何れかを片手での操作が困難又は不可となるように構成すれば、設定変更を行う際に設定キースイッチ608を操作してから電源スイッチ247が操作されるまでの期間(タイムラグ)を大きくすることができる。例えば、設定キースイッチ608に可動式(開閉式)のカバーを設けるとよい。設定キースイッチ608を操作する際には、当該カバーをカバー位置から非カバー位置へ移動させた状態に移動させた後に当該非カバー位置に保持したまま操作を行う構成とすることにより、電源スイッチ247と設定キースイッチ608とが同時に操作されることを好適に抑制できる。
<第14の実施の形態>
本実施の形態では、設定値の変更(設定変更)及び設定値の確認(設定確認)が実行された場合の乱数値の設定に係る構成が特徴的なものとなっている。以下、図75を参照して、第1の実施の形態との相違点を中心に、本実施の形態における特徴的な構成について説明する。図75は乱数値の設定に係る電気的構成を示すブロック図である。
監視装置600の監視基板601には、MPU602から独立して動作するハード乱数回路650が設けられている。ハード乱数回路650は、当否判定等に用いられる数値情報(乱数情報)を更新及び取得するためのものである。ハード乱数回路650は、MPU602の定期処理(通常処理)とは非同期のタイミングで数値情報を更新するとともに、MPU602からの指示に基づいてその数値情報を取得し、取得した数値情報をMPU602を通じて主制御装置162へ伝送する。
ハード乱数回路650は、乱数発生手段として、当否判定に用いられる当たり乱数カウンタCXを更新するための更新回路651を備えている。更新回路651は、所定の周波数(例えば16MHz)のクロック信号を出力するクロック回路652と、当たり乱数カウンタCXが格納される更新用バッファ653とを備えている。更新用バッファ653は、2バイトの記憶領域を有しており、当たり乱数カウンタCXの数値範囲は「0〜65535」に設定されている。更新回路651は、クロック回路652のクロック信号の立ち上がり又は立ち下がりに同期して、更新用バッファ653に格納されている当たり乱数カウンタCXを1加算する。そして、当たり乱数カウンタCXが最大値に達した後は「0」にリセットする。これにより、当たり乱数カウンタCXは、MPU602の定期処理(通常処理)とは非同期に更新されることとなる。
当たり乱数カウンタCXの更新間隔は、クロック回路652のクロック信号の周期となり、詳細には62.5nsecである。既に説明したとおり、MPU602にて実行される定期処理(通常処理)の実行周期は10msecであるため、当たり乱数カウンタCXの更新間隔は、当該定期処理の実行周期よりも十分に短いものとなっている。
ハード乱数回路650は、更新回路651にて更新されている当たり乱数カウンタCXをラッチするための当たり乱数レジスタ654を備えている。当たり乱数レジスタ654は、更新用バッファ653と同一記憶領域を有しており、詳細には2バイトの記憶領域を有している。当たり乱数レジスタ654は更新用バッファ653に接続されており、詳細には更新用バッファ653の各記憶領域と当たり乱数レジスタ654の各記憶領域とが1対1で接続されている。
ハード乱数回路650は、ラッチ信号を制御するコントロール回路655を備えている。コントロール回路655は、MPU602が接続されている入力端子と、当たり乱数レジスタ654が接続されている出力端子とを有している。コントロール回路655にはMPU602からラッチ信号が入力され、コントロール回路655は、ラッチ信号の立ち上がりに同期して、ラッチ信号を当たり乱数レジスタ654に出力する。当たり乱数レジスタ654は、ラッチ信号が入力されたことに同期して、その時点における更新用バッファ653の各記憶領域に記憶されているデータを自身の記憶領域に書き込む。これにより、ラッチ信号の入力タイミングの当たり乱数カウンタCXの値が取得されることとなる。
本実施の形態に示すパチンコ機10においては、上記当たり乱数カウンタCXの値を用いて電力供給開始時に主制御装置162のMPU402にて実行されるメイン処理にて当たり乱数カウンタC1の初期値及び乱数初期値カウンタCINIの初期値が設定される構成となっていることを特徴の1つとしている。以下、図76のフローチャートを参照して、MPU402にて実行されるメイン処理について説明する。
(メイン処理)
メイン処理におけるステップS3501〜S3509,S3517の各処理については、第1の実施の形態にて説明したメイン処理のステップS101〜S109,S112の各処理と同様であるため説明を省略する。
ステップS3509又はステップS3517の処理を実行した後は、ステップS3510に進む。主制御装置162の主制御基板401にては設定キースイッチ451が配設されており、ステップS3510では設定キースイッチ451がON状態となっているか否かを判定する。ステップS3510にて否定判定をした場合には、ステップS3511に進む。ステップS3511では電源OFF時の設定値を今回の設定値として設定する。続くステップS3512では、乱数カウンタの初期値設定処理を実行する。具体的には、ROM403の各種テーブル記憶エリアに記憶された初期値設定テーブルを参照して当たり乱数カウンタC1等の各種カウンタの初期値を決定し、当該初期値を当たり乱数カウンタC1等にセットする。
ステップS3510の説明に戻り、当該ステップS3510にて肯定判定をした場合には、ステップS3513に進む。ステップS3513では、設定変更モードへの移行処理を実行する。設定変更モード移行処理では、RAM404の各種フラグ格納エリアに設定変更モードフラグを格納し、設定値表示部168にて初期設定値である設定1に対応する表示(詳しくは「1」)を表示する。なお、本実施の形態に示す設定値表示部610は所謂セグメント表示器であり、選択変更モードにおいては現在選択されている設定値が点滅表示され、確定された設定値が点灯表示される構成となっている。
ステップS3513にて設定変更モード移行処理を実行した後は、ステップS3514では設定変更処理を実行する。ステップS3512,S3514の処理を実行した後は、ステップS3515にて初期コマンド出力処理を実行し、ステップS3516にて割り込みを許可する。なお、これらステップS3515,S3516の各処理についてもステップS110,S111の処理と同様である。ステップS3516の処理を実行した後は、メイン処理を終了して通常処理へ移行する。
ここで、図77のフローチャートを参照してステップS3514の設定変更処理について説明する。
(設定変更処理)
設定変更処理においては先ず、ステップS3601にて設定変更モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に上述した設定変更モードフラグが格納されているか否かを判定する。ステップS3601にて否定判定をした場合には、そのまま本設定変更処理を終了する。ステップS3601にて肯定判定をした場合にはステップS3602に進む。
ステップS3602では、設定変更スイッチ166からの信号に基づいて設定変更操作が行われたか否かを判定する。ステップS3602にて肯定判定をした場合には、ステップS3603に進む。ステップS3603では変更操作対応処理を実行する。
変更操作対応処理においては、RAM404の設定値記憶エリア436(図75参照)に記憶されている設定値を今回の操作に対応したものに書き替えるとともに、設定値表示部168の表示を現在の設定値に対応するものに更新(変更)する。これにより、現在選択されている設定値が作業者に明示されることとなる。
ステップS3602の説明に戻り、当該ステップS3602にて否定判定をした場合には、ステップS3604に進む。ステップS3604では設定キースイッチ167がOFF状態であるか否かを判定する。ステップS3604にて否定判定をした場合には、そのまま本設定変更処理を終了する。ステップS3604にて肯定判定をした場合には、ステップS3605に進む。
ステップS3605では設定値の確定処理(設定確定処理)を実行する。設定確定処理においては、設定値記憶エリア436の書き替えを禁止するとともに設定値表示部168における表示態様を確定結果に対応したものに切り替える。詳しくは、設定値表示部168における表示態様を点滅表示から点灯表示に切り替える。これにより、設定値が確定した旨が作業者に明示されることとなる。
続くステップS3606では、設定変更モード終了処理を実行する。設定変更モード終了処理では、RAM404の各種フラグ格納エリア435に格納されている設定変更モードフラグを消去し、設定値表示部610に表示されている設定値を非表示とするタイミングを規定するタイマカウンタをセットする。このタイマカウンタについては、設定変更モード(メイン処理)終了後に移行する通常処理が実行される度に減算され、当該設定変更モード終了後に所定期間(本実施の形態では2sec)が経過したタイミングで「0」となる。そして、タイマカウンタが「0」になることで設定値表示部168が消灯し、設定値が非表示となる。
ステップS3606の設定変更モード終了処理を実行した後は、ステップS3607に進む。ステップS3607では監視装置600のハード乱数回路650(詳しくは当たり乱数レジスタ654)からハード乱数(乱数値)を取得する。そして、続くステップS3608では当たり乱数カウンタC1及び乱数初期値カウンタCINIの初期値としてステップS3607にて取得した乱数値をセットする。例えば、取得したハード乱数が「120」であった場合には、当たり乱数カウンタC1の初期値を「120」とし、乱数初期値カウンタCINIの初期値を「120」とする。なお、当たり乱数カウンタC1と乱数初期値カウンタCINIとは最大値が同一となっているものの、更新のタイミングが相違している。このため、遊技の進行に伴って当たり乱数カウンタC1の値と乱数初期値カウンタCINIの値とがずれることとなり、乱数初期値カウンタCINIを用いた更新パターンの多様化を実現する機能は担保される。
ステップS3608の初期値設定処理を実行した後は、本設定変更処理を終了する。これにより、メイン処理から通常処理へ移行することとなる。ここで、図78のフローチャートを参照して、本実施の形態における主制御装置162のMPU402により実行される通常処理について第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
(通常処理)
通常処理においては先ず、ステップS3701にて外部信号出力処理を実行する。外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置及びホールコンピュータHCに送信する。ステップS3701にて外部信号出力処理を実行した後は、ステップS3702にて変動種別カウンタCSの更新を実行する。続くステップS3703では各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行し、ステップS3704にて遊技状態移行処理を実行する。その後は、ステップS3705にて電役サポート用処理を実行し、ステップS3706にて遊技球発射制御処理を実行する。
これらステップS3701〜S3706の各処理については、上記ステップS501〜S506の各処理(図23参照)と同様であるため、詳細な説明を省略する。
ステップS3706の処理を実行した後はステップS3707に進み、設定確認処理を実行する。ここで、図79のフローチャートを参照して、設定確認処理について説明する。
(設定確認処理)
設定確認処理においては先ず、ステップS3801にて設定確認モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に設定確認モードフラグが格納されているか否かを判定する。ステップS3801にて否定判定をした場合には、ステップS3802に進む。
ステップS3802では、設定キースイッチ167からの信号に基づいて当該設定キースイッチ167がON状態となっているか否かを判定する。ステップS3802にて否定判定をした場合には、そのまま本設定確認処理を終了する。ステップS3802にて肯定判定をした場合には、ステップS3803〜S3805の設定確認開始処理を実行する。
具体的には、先ずステップS3803にて設定表示開始処理を実行する。これにより、設定値表示部168に現在の設定値が表示(詳しくは点灯表示)されることとなる。続くステップS3804では、設定確認モード移行処理を実行する。設定確認モード移行処理では、RAM404の各種フラグ格納エリア435に設定確認モードフラグを格納する。これにより、以降の設定確認処理においては、当該設定確認モードフラグが消去されまで、ステップS3801にて肯定判定されることとなる。ステップS3804の移行処理を実行した後は、ステップS3805に進み、乱数カウンタの更新停止処理を実行する。具体的には、もう1つの定期処理であるタイマ割込み処理の割り込みを禁止する。これにより、当たり乱数カウンタC1等の更新が一時停止されることとなる。ステップS3805の処理を実行した後は、ステップS3801に戻る。つまり、設定表示開始処理が実行された場合には、通常処理にて次のステップへの移行が一時停止され、設定確認モードの解除操作が行われるまで設定確認処理が繰り返されることとなる。
ステップS3801の説明に戻り、当該ステップS3801にて肯定判定をした場合には、ステップS3806に進む。ステップS3806では、設定キースイッチ167からの信号に基づいて当該設定キースイッチ167がOFF状態となっているか否かを判定する。ステップS3806にて否定判定をした場合には、ステップS3801に戻る。ステップS3806にて肯定判定をした場合には、ステップS3807〜S3811の設定確認終了処理を実行する。
具体的には、先ずステップS3807にて設定表示終了処理を実行する。これにより、設定値表示部168が消灯し、設定値が非表示となる。続くステップS3808では、設定確認モード終了処理を実行する。設定確認モード終了処理では、RAM404の各種フラグ格納エリア435に格納されている設定確認モードフラグを消去する。ステップS3808の移行処理を実行した後は、ステップS3809に進む。
ステップS3809では監視装置600のハード乱数回路650(詳しくは当たり乱数レジスタ654)からハード乱数(乱数値)を取得する。そして、続くステップS3810では当たり乱数カウンタC1及び乱数初期値カウンタCINIの初期値としてステップS3809にて取得した乱数値をセットする。例えば、取得したハード乱数が「120」であった場合には、当たり乱数カウンタC1の初期値を「120」とし、乱数初期値カウンタCINIの初期値を「120」とする。なお、当たり乱数カウンタC1と乱数初期値カウンタCINIとは最大値が同一となっているものの、更新のタイミングが相違している。このため、遊技の進行に伴って当たり乱数カウンタC1の値と乱数初期値カウンタCINIの値とがずれることとなり、乱数初期値カウンタCINIを用いた更新パターンの多様化を実現する機能は担保される。
ステップS3810の初期値設定処理を実行した後は、ステップS3811にて乱数カウンタ更新再開処理を実行した後、本設定確認処理を終了する。乱数カウンタ更新再開処理においては、ステップS3805にて禁止したタイマ割込み処理の割り込みを許可する。これにより、当たり乱数カウンタC1等の更新が再開されることとなる。
図78の説明に戻り、ステップS3707の設定確認処理を終了した後は、ステップS3708に進み、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から1周期(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。ステップS3708にて肯定判定をした場合にはステップS3701に戻り、ステップS3708にて否定判定をした場合には次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
ここで、図80の概略図を参照して、当たり乱数カウンタC1及び乱数初期値カウンタCINIの値の設定について説明する。
設定キースイッチ167がOFF状態のままパチンコ機10の電源がONになった場合には、ROM401の各種テーブル記憶エリアに記憶されている初期値決定用のテーブルを参照して、当たり乱数カウンタC1及び乱数初期値カウンタCINIの値が決定される。
これに対して、設定キースイッチ167がON状態となっている状況下にてパチンコ機10の電源がONになった場合には、設定変更モードへ移行する。設定変更モードへ移行した場合には、設定変更が完了したタイミングにて監視装置600のハード乱数回路650(当たり乱数カウンタCX)から乱数値が取得され、この取得した乱数値と同じ値となるように当たり乱数カウンタC1及び乱数初期値カウンタCINIの値が決定される。
パチンコ機10の電源がONになっている状況下にて設定キースイッチ167がON状態となった場合には、設定確認モードへ移行する。設定確認モードへ移行した場合には、設定確認が完了したタイミングにて監視装置600のハード乱数回路650(当たり乱数カウンタCX)から乱数値が取得され、この取得した乱数値と同じ値となるように当たり乱数カウンタC1及び乱数初期値カウンタCINIの値が決定される。
以上詳述した第14の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技ホールの管理者等によって参照対象となる数値情報群の変更(設定変更)や参照対象となる数値情報群の確認(設定確認)が行われた場合には、主制御装置162にて実行される遊技進行用の処理(例えばメイン処理、通常処理、タイマ割込み処理)を一時停止することにより遊技機の誤作動等を抑制することができる。しかしながら、遊技進行用の処理にて当たり乱数カウンタC1等の値が更新される点に鑑みれば、設定変更中や設定確認中は第1数値情報の更新が止まることになる。これでは、設定変更操作や設定確認操作のタイミングから当たり乱数カウンタC1の更新パターンが予測されやすくなると懸念される。つまり、遊技進行用の処理に当たり乱数カウンタC1の更新機能を組み込んだ場合には、当該処理が通常通り進行している場合には更新パターンを多様化できるものの、当該処理の進行が止まった場合には上記不都合が発生し得る。このように、数値情報の更新に係る構成には遊技機の防犯機能の向上を図る上で未だ改善の余地がある。特に、本実施の形態に示したように定期処理の一環として乱数カウンタC1が更新される構成では、定期処理が止まることにより当たり乱数カウンタC1の更新も中断され、設定変更や設定確認の終了に基づいて再開される。このような構成では、変更操作の終了タイミングから乱数値の更新周期等の予測が行われやすくなると懸念される。これは、所定の乱数値を狙って遊技を行うといった不正行為を抑制する上で好ましくない。
ここで、本実施の形態に示した構成によれば、設定変更操作や設定確認操作が行われた場合には、監視装置600の当たり乱数カウンタCXに基づいて主制御装置162の当たり乱数カウンタC1の値が設定される。このように、当たり乱数カウンタC1とは別に設けられた当たり乱数カウンタCXを用いることにより、当たり乱数カウンタC1の更新パターンを分かりづらくし、遊技の防犯機能の低下を好適に抑制できる。
なお、当たり乱数カウンタC1と当たり乱数カウンタCXとは、カウント数(カウンタ値の上限及び下限)が一致しており、当たり乱数カウンタCXから取得された値がそのまま当たり乱数カウンタC1に入力される構成となっている。このような構成とすることで、防犯機能の強化に起因した制御負荷の増大を抑制している。
監視装置600に設けられた当たり乱数カウンタCXは、監視装置600に電力が供給されている場合に所定周期にてオンオフが切り替わるパルス信号を出力可能なクロック回路652を有し、電力供給中であればMPU602の起動が完了する前から当たり乱数カウンタCXの値を更新可能となっている。つまり、変更作業時には電力供給が開始されることで速やかに当たり乱数カウンタCXの値が更新され、設定変更や設定確認の作業が行われている最中もMPUにて実行される定期処理から独立して当たり乱数カウンタCXの値を更新可能となっている。これにより、当たり乱数カウンタC1へ当たり乱数カウンタCXの値を適用する場合に、その適用される値の特定や予測を難しくすることができる。
なお、電力供給開始時に設定変更が行われる場合であっても、立ち上げ等の各種処理を経ることなく当たり乱数カウンタCXの値を更新させることができるため、当たり乱数カウンタC1への適用に当たり乱数カウンタCXの更新が間に合わなくなるといった不都合の発生を抑制できる。
変更作業や確認作業を行う場合には、作業時間にある程度ばらつきが生じる。本実施の形態に示す構成では、その期間を利用して当たり乱数カウンタCXの値が更新されるため、当たり乱数カウンタCXから取得される乱数値の予測を難しくすることができる。
上述したように、変更作業や確認作業の最中に当たり乱数カウンタCXを更新することには技術的意義がある。そして、この当たり乱数カウンタCXの更新を短い周期で行うことで、上記予測が一層困難となる。そこで、主制御装置162における定期処理とは別に当たり乱数カウンタCXの更新が行われる構成では、当該定期処理の周期よりも短い周期で更新を行うことにより防犯機能の更なる向上に寄与できる。なお、遊技進行に係る定期処理にて更新周期の短縮を図ることは、定期処理の処理負荷を増大させる要因となるが、本実施の形態に示すように当たり乱数カウンタCXの更新を上記定期処理から切り離すことにより、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
設定変更又は設定確認が行われる場合には、当たり乱数カウンタC1だけではなく乱数初期値カウンタCINIについても当たり乱数カウンタCXの値に合せて変更される。これにより、乱数初期値カウンタCINIの値の予測も困難とし、更なる防犯機能の向上に寄与できる。
主制御装置162とは別に設けられた監視装置600によって各種入球部への入球状況を監視している構成においては、当該監視装置600にハード乱数回路650を設け、当該監視装置600から当たり乱数カウンタC1の値を決定するための情報を主制御装置162に送信する構成とすることにより、主制御装置162に係る制御負荷の増大を抑制できる。これは、遊技進行の円滑化等を図る上で好ましい構成である。なお、監視装置600については、遊技進行に係る処理を実行しているわけではない。このため、仮に処理負荷が大きくなる等しても、それが遊技進行を妨げる要因になることがない。
監視装置600は、所定の周期で主制御装置162からの要求を確認する手段を有し、当該所定の周期よりもハード乱数回路650における当たり乱数カウンタCXの更新周期の方が短くなっている。このような構成とすれば、主制御装置162からの実際の要求タイミングと、当たり乱数カウンタCXの取得タイミングとがずれることとなる。故に、当たり乱数カウンタCXが特定の値となるタイミングを狙って操作タイミング(要求発生タイミング)を調整するといった行為を難しくすることができる。
なお、上述した第14実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第14の実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第14の実施の形態に対して適用してもよい。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
<変形例1>
上記第14の実施の形態では、監視装置600のハード乱数回路650から取得した値を用いて当たり乱数カウンタC1及び乱数初期値カウンタCINIの初期設定等を行う構成としたが、これに限定されるものではない、同様の技術的思想を他の抽選用カウンタ(例えば当たり種別カウンタC2等)に適用することも可能である。
<変形例2>
上記第14の実施の形態では、設定変更中及び設定確認中は当たり乱数カウンタC1等の更新が行われない構成としたが、設定変更中及び設定確認中であっても当たり乱数カウンタC1等の更新が行われる構成を否定するものではない。
<変形例3>
上記第14の実施の形態では、設定変更及び設定確認の完了タイミングにて監視装置600から乱数値を読み込む構成としたが、設定変更及び設定確認が行われる場合にどのタイミングで乱数値を読み込むかは任意である。例えば、設定変更及び設定確認の開始タイミングにて乱数値を読み込む構成としてもよいし、設定変更及び設定確認の途中にて乱数値を読み込む構成としてもよい。
<変形例4>
上記第14の実施の形態では、主制御装置162のMPU402にて監視装置600を参照して乱数値を設定する場合に、監視装置600のMPU602を経由して当たり乱数レジスタ654に記憶されている乱数値を取得する構成としたが、これに限定されるものではない。主制御装置162が監視装置600のMPU602を非経由で当たり乱数レジスタ654から乱数値を取得する構成とすることも可能である。
<変形例5>
上記第14の実施の形態では、設定変更及び設定確認が行われた場合に、ハード乱数回路650の乱数値を参照して、当たり乱数カウンタC1及び乱数初期値カウンタCINIの初期値を設定する構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、ROM403の各種テーブル記憶エリアに記憶されている初期値設定テーブルから取得した値と、ハード乱数回路650から取得した値との両方を用いて初期値を設定する構成としてもよい。例えば、2つの値を合算した値(カウント上限を超えている場合には上限を差し引いた値)を初期値として設定してもよい。
<変形例6>
上記第14の実施の形態では、監視装置600のMPU602にてハード乱数回路650の動作を監視する構成としたが、この監視機能を省略することも可能である。
また、ハード乱数回路650が正常に動作していない場合には、主制御装置162のMPU402にて代わりとなる値を決定する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、代わりとなる値を監視装置600から主制御装置162に提供する構成とすることも可能である。
<変形例7>
上記第14の実施の形態では、主制御装置162のMPU402における定期処理の実行周期と、監視装置600のハード乱数回路650における当たり乱数カウンタCXの更新周期とが不一致となるように構成したが、各周期を一致させる構成としてもよい。
<変形例8>
上記第13の実施の形態では、監視装置600を主制御装置162とは別に設けたが、主制御装置162を構成する基板ボックス163内に主制御基板401と監視装置600(詳しくは監視基板601)とを同封してもよい。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記各実施の形態では、遊技領域PEにおける右ルートへ発射された遊技球については上作動口83aへの入球が回避される構成としたが、これに限定されるものではない。右ルートに発射された遊技球についても上作動口83aへの入球が許容される構成とすることも可能である。
(2)上作動口83aへの入球に基づく遊技回と、下作動口83bへの入球に基づく遊技回とを並行して行う構成としてもよい。例えば、上作動口83aへの入球に基づく保留情報と下作動口83bへの入球に基づく保留情報とが併存している場合には、上作動口83aにかかる保留情報に対応した図柄の変動表示領域と、下作動口83bにかかる保留情報に対応した図柄の変動表示領域とを表示画面253a中にそれぞれ形成し、それら各変動表示領域にて両変動表示を並行して行う構成としてもよい。
(3)上記各実施の形態では、上作動口83a(「入球部」に相当)に係る保留情報と下作動口83b(「入球部」に相当)に係る保留情報とを順番に(交互に)消化する構成とした、詳しくは入球が発生した順番で消化する構成とした。これを以下のように変更することも可能である。すなわち、上作動口83aに係る保留情報と下作動口83bに係る保留情報とのうち何れかを優先的に消化する構成とすることも可能である。例えば、上作動口83a(保留情報)に係る抽選と下作動口83bに係る抽選とに有利度の差が設定されている場合には、遊技者にとって有利となるように設定された作動口に係る保留情報を優先的に消化する構成とすることも可能である。
また、上記各実施の形態では、「入球部」として上作動口83a及び下作動口83bを有する構成としたが、作動口の数については必ずしも複数である必要はなく、1つであってもよい。
(4)上記各実施の形態では、報知・演出制御装置140と表示制御装置410とを別々に設けたが、これら各制御装置140,410の機能を統合した1の制御装置を設けてもよい。
(5)上記各実施の形態では、監視装置600を主制御装置162とは別に設けたが、監視装置600の機能を主制御装置162が有する構成としてもよい。
(6)設定変更操作によって主制御装置162のRAM404等に記憶されている情報が消去(リセット)される構成とするかそれとも消去されない構成とするかについては任意である。
(7)遊技機が待機状態(非稼働状態)となっている状況下にて遊技球発射ハンドル41に遊技者が触れたことを契機として設定示唆を実行する構成としてもよい。なお、設定示唆を実行するための条件として、待機状態となっている状況下にて経過した時間(非稼働時間)が所定時間を超えている場合には、所定時間を超えていない場合と比較して設定示唆の発生確率が高くなる構成としてもよい。
(8)遊技機が待機状態(非稼働状態)となっている場合には、予め設定された時間が経過するごとに設定示唆を行う構成としてもよい。例えば、設定示唆に対応する図柄組合せが停止表示されたまま待機状態に移行した場合には、上記時間が経過することで一時的にデモ画面から遊技画面(図柄組合せを確認できる画面)に移行する構成とするとよい。
(9)大当たりのエンディングにて表示される画像によって設定示唆を実行する構成としてもよい。
(10)上記実施の形態においては、外れ結果に対応して最終停止表示される図柄組合せによって設定示唆を行う構成としたが、これに限定されるものではなく、大当たり結果に対応して最終停止表示される図柄組合せによって設定示唆を行う構成としてもよい。
(11)作動口83aに係る保留数が上限に達している状況下にて更に作動口83aへの入賞が発生した場合に、実行中の遊技回に対応した最終停止図柄組合せを設定示唆に対応するものに書き替える構成としてもよい。
(12)リアルタイムクロック等の時間特定手段を有する構成とし、時間帯によって設定示唆の発生確率を変化させる構成としてもよい。
(13)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口への入賞を契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が特定遊技状態に移行する(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「近年では、遊技機の動作の信頼性を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成においては信頼性の向上を実現する上では未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴A1.遊技に関する情報を記憶する記憶手段(主制御装置162のRAM404)と、
遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動口83a,83b)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を取得する機能)と
を備え、
前記記憶手段は、前記情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を記憶する機能)を有し、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置162のMPU402にて当否判定処理等を実行する機能)を備えている遊技機であって、
遊技球の獲得期待値に対応した設定値を複数段階(設定1〜設定3)備え、それら設定値の中から一の設定値を決定する設定値決定手段(主制御装置162のMPU402にて抽選テーブルの切り替えを行う機能)と、
前記設定値決定手段により決定される設定値を変更すべく操作される設定値変更手段(主制御装置162に付属の設定変更スイッチ166)と、
前記設定値変更手段により前記設定値が変更された場合に、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段と、
遊技状況に応じて前記設定値変更手段の操作に基づく前記変更を規制する変更規制手段(主制御装置162のMPU402における設定変更規制機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技中に突如として遊技に関する情報が消去された場合には、遊技機の挙動が突然変化すると想定される。例えば、本来であれば遊技者に払い出されるはずの遊技球が払い出されなくなったり、取得されていた特別情報に係る遊技回が実行されなくなったりした場合には、遊技者を困惑させて遊技機への信頼性を低下させる要因になると懸念される。この点、本特徴に示す構成においては、遊技状況に応じて設定値の変更(設定変更)が規制されるため、遊技中に遊技機の挙動が変化することを抑制できる。これにより、遊技機への信頼性の向上に寄与できる。
特徴A2.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動口83a,83b)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を記憶する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置162のMPU402にて当否判定処理等を実行する機能)と
を備えている遊技機であって、
遊技球の獲得期待値に対応した設定値を複数段階(設定1〜設定3)備え、それら設定値の中から一の設定値を決定する設定値決定手段(主制御装置162のMPU402にて抽選テーブルの切り替えを行う機能)と、
前記設定値決定手段により決定される設定値を変更すべく操作される設定値変更手段(主制御装置162に付属の設定変更スイッチ166)と、
遊技状況に応じて前記設定値変更手段の操作に基づく前記変更を規制する変更規制手段(主制御装置162のMPU402における設定変更規制機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技中に設定値が変更された場合には遊技機の挙動が突然変化する等して遊技者を困惑させる要因になる。この点、本特徴に示すように遊技状況に基づいて設定値の変更(設定変更)を規制する構成とすれば、そのような不都合の発生を抑制できる。これは、遊技機への信頼性の向上を図る上で好ましい。
特徴A3.遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)を備え、
前記変更規制手段は、前記遊技球発射手段による遊技球の発射動作が行われている場合に前記変更を規制し、当該規制を前記発射動作が終了してから第1所定期間が経過するまで継続させる手段を有していることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
遊技球の発射操作を終了してから遊技球が遊技領域から排出されるまでにある程度の期間を要する。そこで、遊技球の発射動作が終了した場合に直ちに規制を解除するのではなく、第1所定期間が経過するまで規制を継続することにより、遊技球が遊技領域に残存している状況下にて設定値が変更されることを抑制できる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)を備え、前記変更規制手段は、前記遊技球発射手段による遊技球の発射動作が終了してから第1所定期間が経過するまで前記変更を規制する手段を有していることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴A4.前記第1所定期間は、前記遊技球発射手段により発射された遊技球が前記遊技領域へ到達し、当該遊技領域から排出されるまでに要する所要期間よりも長くなるように設定されていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4に示すように、第1所定期間を遊技球の排出に要する所要期間よりも長くすることにより、遊技球が遊技領域を流下している最中に設定値が変更されることを好適に抑制できる。
特徴A5.遊技機前面部(前扉枠14)に設けられ、遊技球を貯留可能な貯留部(例えば上皿33や下皿34)と、
払出要求に基づいて前記貯留部へ遊技球を払い出す払出手段(払出装置224)と
を備え、
前記変更規制手段は、前記払出手段による遊技球の払出動作が行われている場合に前記変更を規制し、当該規制を前記払出動作が終了してから第2所定期間が経過するまで継続させる手段を有していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
入球部への入球等によって払出要求が発生した場合には、入球から払い出しまでにある程度のタイムラグが生じる。この間に設定値が変更されてしまうと、今回の払い出しが何れの設定値に対応しているかが不明確になる。そこで、本特徴に示すように払出動作が終了した後も第2所定期間が経過するまで規制を継続することにより、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技機前面部(前扉枠14)に設けられ、遊技球を貯留可能な貯留部(例えば上皿33や下皿34)と、払出要求に基づいて前記貯留部へ遊技球を払い出す払出手段(払出装置224)とを備え、前記変更規制手段は、前記払出手段による遊技球の払出動作が終了してから第2所定期間が経過するまで前記変更を規制する手段を有していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A6.前記払出手段により払い出された遊技球を前記貯留部へ案内する案内通路を備え、
前記第2所定期間は、遊技球が前記案内通路を通じて前記払出手段から前記貯留部に到達するのに要する所要期間よりも長くなるように設定されていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6に示すように、第2所定期間を遊技球が遊技者の手元に到達するまでの所要期間よりも長くすることにより、払出途中で設定値が変更されることを好適に抑制できる。
特徴A7.遊技機前面部(前扉枠14)に設けられ、遊技球を貯留可能な貯留部(例えば上皿33や下皿34)と、
払出要求に基づいて前記貯留部へ遊技球を順次払い出す払出手段(払出装置224)と
を備え、
前記変更規制手段は、前記払出手段による払い出しを控えている遊技球が存在している場合には、少なくとも当該遊技球の払い出しが完了するまで前記変更を規制する手段を有していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技機においては、遊技球の不足等の要因によって直ちに遊技球の払出しを行うことが困難になる場合がある。このような状況では一時的に払出動作が中断され得るものの、払い出しが可能な状況となることで払出動作が再開される。このような場合には、少なくとも払い出しが完了するまで設定値の変更を規制することにより、払い出された遊技球が何れの設定値に対応するものかがわかりづらくなることを抑制できる。
特徴A8.前記遊技領域に設けられた入球部への入球を検知する検知手段を備え、
前記変更規制手段は、前記検知手段によって入球が検知された場合には、当該検知から第3所定期間が経過するまで前記変更を規制する手段を有していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A8によれば、入球部への入球が発生した場合には、それに基づいて遊技回演出や遊技球の払い出し等が実行される。そこで、入球部への入球が発生した場合には、入球を検知してから第3所定期間が経過するまで設定値の変更を規制することにより、遊技回演出や遊技球の払い出しがどの設定値に対応したものであるかが不明確になることを好適に抑制できる。
なお、本特徴に示す「入球部」については特徴A1に示した「始動入球部」と同一のものであってもよいし、別のものであってもよい。
特徴A9.前記変更規制手段は、前記取得情報記憶手段に前記特別情報が記憶されている場合に前記変更を規制する手段を有していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A9によれば、特別情報が記憶されている場合には設定変更が規制されることとなる。これにより、例えば本来であれば所定の判定情報(例えば当選情報)と対応している特別情報について所定の判定情報に対応しない判定結果となったり、所定の判定情報と対応していない特別情報について所定の判定情報に対応する判定結果となったりすることを好適に抑制できる。
特徴A10.前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記判定手段による判定対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段と、
前記所定の特別情報が前記判定の対象となるよりも前のタイミングにて、前記先特定手段による先特定の結果を示唆する示唆手段と
を備えていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
例えば、所定の判定情報に対応する判定結果となる特別情報が控えている状況下にて、それを示唆している最中に設定変更が発生し、当該特別情報が所定の判定情報に対応しない判定結果になると示唆の内容と特別情報に係る判定結果とが矛盾し得る。特別情報に係る判定結果を事前に示唆する構成においては、示唆の内容と実際の判定結果とが矛盾することで遊技者に不信感を与える可能性がある。この点、特徴A9に示したように特別情報が記憶されている場合に設定変更が規制される構成との組み合わせによれば、上述した矛盾等が生じることを回避できる。これにより、遊技機への信頼性の低下を好適に抑制できる。
特徴A11.前記遊技領域へ供給された遊技球の数及び前記遊技領域から排出された遊技球の数を特定する特定手段を備え、
前記変更規制手段は、前記特定手段によって特定された遊技球の数が前記遊技領域に遊技球が残存していることに対応する数となっている場合に前記変更を規制する手段を有していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A11によれば、遊技領域に遊技球が残っている状況下においては、設定変更が規制されることとなる。これにより、ある設定値の元で発射されたはずの遊技球がそれとは異なる設定値の元で入球部等に入球することを回避できる。
特徴A12.開閉可能な扉体(内枠13)と、
前記扉体が開放されることにより操作可能となる位置に配置され、前記設定値決定手段により決定される設定値を変更すべく操作される操作部(設定変更スイッチ166)と、
前記扉体の開放を検知する位置検知手段(開放検知センサ706)と
を備え、
前記変更規制手段は、前記位置検知手段によって前記扉体が閉位置に配置されていることが検知されている場合に前記変更を規制する手段を有していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A12によれば、設定変更を行う際には扉体の開放が必要となる。このような行為は目立つため、設定値を不正に変更する行為を抑制し、遊技機の防犯機能の向上に寄与できる。
特徴A13.前記情報取得手段、前記取得情報記憶手段及び前記判定手段を有してなる主制御手段(主制御装置162)とは別に設けられ、当該主制御手段から入力される遊技情報に基づいて遊技状況を監視する遊技状況監視手段(監視装置600)を備え、
前記遊技状況監視手段は、前記主制御手段からの遊技情報を前記主制御手段にて設定されている前記設定値に対応付けて記憶する遊技情報記憶手段(記憶部604)を有していることを特徴とする特徴A1乃至特徴A12のいずれか1つに記載の遊技機。
例えば特別情報を取得したタイミングと遊技情報記憶手段に記憶されるタイミングとにタイムラグが発生し得る場合には、設定変更によって対応する設定に違いが生じる可能性がある。この点、本特徴に示す構成に特徴A1等に示した技術的思想を適用することにより、そのようなタイミングのずれの影響を好適に抑制できる。
<特徴B群>
以下の特徴B群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口への入賞を契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が特定遊技状態に移行する(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「近年では、遊技機の動作の信頼性を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成においては信頼性の向上を実現する上では未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴B1.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた入球部(例えば一般入賞口81)への入球に基づいて払出指令情報(賞球コマンド)を出力する主制御手段(主制御装置162)と、
前記払出指令情報が入力されたことに基づいて遊技球が払い出されるように払出手段(払出装置224)を制御する払出制御手段(払出制御装置242)と
を備えた遊技機において、
前記主制御手段は、
遊技球の獲得期待値に対応した設定値を複数段階(設定1〜設定3)備え、それら設定値の中から一の設定値を決定する設定値決定手段(主制御装置162のMPU402にて設定変更処理を実行する機能)と、
前記設定値決定手段により決定される設定値を変更すべく操作される設定値変更手段(主制御装置162に付属の設定変更スイッチ166)と
を有し、
前記主制御手段から出力される前記払出指令情報には前記設定値決定手段により決定された設定値を示す特定情報(コード)が含まれていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、主制御手段から出力される払出指令情報には、当該主制御手段にて決定された設定値を示す情報が含まれている。払出制御手段においては、主制御手段にて設定されている設定値を払出指令情報(詳しくは特定情報)から特定することができる。このようにして、設定値を主制御手段と払出制御手段とで共有することにより両制御手段の連携を強化できる。払出指令情報については、遊技進行に伴って頻繁に払出制御手段に出力される情報であるため、このような既存の払出指令情報に設定値を示す情報を付与することで、設定値の確認の機会を増やすことができる。これは、遊技機に対する信頼性の向上を図る上で好ましい構成である。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)に設けられた入球部(例えば一般入賞口81)への入球に基づいて払出指令情報(賞球コマンド)を出力する主制御手段(主制御装置162)と、前記払出指令情報が入力されたことに基づいて遊技球が払い出されるように払出手段(払出装置224)を制御する払出制御手段(払出制御装置242)とを備えた遊技機において、遊技球の獲得期待値に対応した設定値を複数段階(設定1〜設定3)備え、それら設定値の中から一の設定値を決定する設定値決定手段(主制御装置162のMPU402にて設定変更処理を実行する機能)と、前記設定値決定手段により決定される設定値を変更すべく操作される設定値変更手段(主制御装置162に付属の設定変更スイッチ166)とを備え、前記主制御手段から出力される前記払出指令情報には前記設定値決定手段により決定された設定値に対応する情報が含まれていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴B2.前記主制御手段は、前記設定値変更手段により前記設定値が変更された場合に、前記設定値決定手段により決定された設定値を示す設定値情報(設定変更コマンドに含まれるコード)を前記払出制御手段へ出力する手段を有し、
前記払出制御手段は、
前記設定値の変更に伴って入力された前記設定値情報を記憶する設定値情報記憶手段と、
前記払出指令情報が入力された場合に当該払出指令情報が正常であるか否かを当該払出指令情報に含まれる特定情報と前記設定値情報記憶手段に記憶されている設定値情報とに基づいて判定する情報判定手段(払出制御装置242のMPUにて対比処理を実行する機能)と
を有していることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2に示す構成によれば、設定変更が行われた場合には、設定値決定手段により決定された設定値に対応する設定値情報が払出制御手段に入力され、払出制御手段はこの設定値情報を記憶する。その後、主制御手段から払出指令情報が入力された場合には、この払出指令情報(特定情報)から特定した設定値と、設定変更時に記憶した設定値とが対応関係にあるか(例えば一致しているか)否かが判定される。これにより、例えば主制御手段を不正なものに入れ替えるといった不正行為が行われた場合であっても、それを見抜くことが可能となる。
特徴B3.前記払出制御手段は、前記情報判定手段による判定結果が正常であるとする判定結果である場合には前記払出指令情報に基づく遊技球の払い出しを行い、前記情報判定手段による判定結果が正常でないとする判定結果である場合には前記払出指令情報に基づく遊技球の払い出しを規制する手段を有していることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
事前に記憶されていた設定値と今回特定した設定値とが不一致になる等した場合には、異常発生として遊技球の払い出しが回避されることとなる。これにより、遊技球を不正に獲得するといった行為を難しくし、遊技機の防犯機能を強化できる。
特徴B4.前記払出制御手段は、前記設定値情報記憶手段に前記設定値情報が記憶されていない状況下にて前記払出指令情報が入力された場合には、当該払出指令情報に基づいた遊技球の払い出しを規制する手段を有していることを特徴とする特徴B2又は特徴B3に記載の遊技機。
設定値の対比結果に基づいて遊技球の払い出し行うか否かが決まる構成においては、設定値情報をクリアするといった不正行為が行われる可能性がある。このような場合には、払出指令情報が入力されたとしても遊技球の払い出しが規制される構成とすることにより、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B5.前記主制御手段は、前記払出指令情報の出力よりも前記設定値情報の出力を優先するように構成されていることを特徴とする特徴B2乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
設定値の対比によって払い出しの可否を決定する構成においては、設定変更時に設定値情報を優先して出力することにより、払出指令情報が正常であるにも関わらず異常であると判定されることを回避できる。これにより、遊技機の信頼性を好適に向上させることができる。
特徴B6.前記払出制御手段は、
前記情報判定手段により前記払出指令情報が正常なものであると判定された場合に、当該払出指令情報に対応した遊技球の払出数の情報を払出数情報として記憶する第1記憶手段と、
前記第1記憶手段に記憶されている前記払出数情報に対応した遊技媒体数の払い出しを行うべく前記払出手段を駆動制御する払出駆動制御手段と、
を有し、
前記情報判定手段により正常でないと判定された場合には、それまでに前記第1記憶手段に記憶されていたものについては遊技球の払い出しを行い、当該判定の対象となった払出指令情報については払い出しを規制する構成となっていることを特徴とする特徴B2乃至特徴B5のいずれか1つに記載の遊技機。
払出制御手段に払出指令情報が入力されてから、実際に払い出しが行われるまでにはある程度のタイムラグが生じる。このようなタイムラグは、払出指令情報が連続して入力される等して遊技球の払い出しが追い付いていない場合に大きくなる。ここで、設定値に基づいて異常が発生していることが確認された場合には、既に払い出しが決定されていたものについては払い出しを継続する一方で、異常と判定された新たな払出指令情報については払い出しが規制される。このような構成とすれば、防犯機能等の強化に起因して、遊技者が本来得られるはずの払い出しすら受けられないといった不都合の発生を好適に回避できる。
特徴B7.前記払出制御手段は、
前記情報判定手段により前記払出指令情報が正常なものであると判定された場合に、当該払出指令情報に対応した遊技球の払出数の情報を払出数情報として記憶する第1記憶手段と、
前記第1記憶手段に記憶されている前記払出数情報に対応した遊技媒体数の払い出しを行うべく前記払出手段を駆動制御する払出駆動制御手段と、
前記情報判定手段により前記払出指令情報が異常であると判定された場合に、当該払出指令情報に対応した遊技球の払出数の情報を記憶する第2記憶手段と、
前記第2記憶手段に遊技球の払出数の情報が記憶されている状況下にて、前記情報判定手段により払出指令情報が正常なものであると判定された場合に、前記第2記憶手段に記憶されている払出数の情報を前記第1記憶手段に移行させる情報移行手段と
を有していることを特徴とする特徴B2乃至特徴B6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B7によれば、払出指令情報が異常であると判定された場合には当該払出指令情報に基づく遊技球の払い出しが留保され、後続の払出指令情報が正常であると判定された場合に留保が解除されることとなる。例えば、上記異常についてはノイズ等の混入によって偶発的に発生する可能性が否定できないため、本特徴に示すように後続の払出指令情報にて異常がないことが確認された場合に、留保中の払い出しを行うことにより、防犯機能等の強化に起因して遊技者が不利益を被ることを好適に抑制できる。
特徴B8.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた入球部(例えば一般入賞口81)への入球に基づいて払出指令情報(賞球コマンド)を出力する主制御手段(主制御装置162)と、
前記払出指令情報が入力されたことに基づいて遊技球が払い出されるように払出手段(払出装置224)を制御する払出制御手段(払出制御装置242)と
を備えている遊技機において、
前記主制御手段は、
遊技球の獲得期待値に対応した設定値を複数段階(設定1〜設定3)備え、それら設定値の中から一の設定値を決定する設定値決定手段(主制御装置162のMPU402にて設定変更処理を実行する機能)と、
前記設定値決定手段により決定される設定値を変更すべく操作される設定値変更手段(主制御装置162に付属の設定変更スイッチ166)と、
前記設定値変更手段により前記設定値が変更された場合に、前記設定値決定手段により決定された設定値を示す設定値情報を前記払出制御手段へ出力する第1出力手段と、
予め設定された周期にて前記設定値決定手段により決定されている設定値を示す設定値情報を前記払出制御手段へ出力する第2出力手段と
を有し、
前記払出制御手段は、
前記第1出力手段により出力された設定値情報を記憶する設定値情報記憶手段と、
前記第2出力手段により出力された設定値情報が前記設定値情報記憶手段に記憶されている設定値情報と一致しているか否かを判定する情報判定手段と、
前記情報判定手段により前記第2出力手段により出力された設定値情報が前記設定値情報記憶手段に記憶されている設定値情報と一致していないと判定された場合に、遊技球の払い出しを規制する払出規制手段と
を有していることを特徴とする遊技機。
特徴B8によれば、設定変更操作等に伴って主制御手段にて決定された設定値については払出制御手段に送信され、当該払出制御手段の設定値情報記憶部に記憶される。その後は、周期的に主制御手段から払出制御手段に設定値情報が出力され、設定変更時に記憶した設定値と新たに取得した設定値とが一致しているか否かが判定される。設定値情報が不一致となった場合には、遊技球の払い出しが規制されることとなる。このような構成とすれば、主制御手段と払出制御手段との連携を強化し、遊技機の防犯機能の向上や信頼性の向上に寄与できる。
特徴B9.前記払出規制手段は、前記第2出力手段により出力されるはずの設定値情報が前記周期の経過後も入力されていない場合には、少なくとも当該第2出力手段から設定値情報を受信するまで遊技球の払い出しを規制する構成となっていることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、予め設定された周期を経過したにも関わらず主制御手段から設定値情報が入力されていない場合には、設定値情報を受信するまで遊技球の払い出しが規制されることとなる。このような構成とすれば、特徴B8に示した防犯機能を好適に強化できる。
特徴B10.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた入球部(例えば一般入賞口81)への入球に基づいて入球情報(賞球コマンド)を出力する第1制御手段(主制御装置162)と、
前記第1制御手段から出力された前記入球情報に基づいて所定の制御処理を実行する第2制御手段(払出制御装置242)と、
前記第1制御手段及び前記第2制御手段からの情報に基づいて遊技状況を監視する遊技状況監視手段(監視装置600)と
を備え、
前記第1制御手段は、
遊技球の獲得期待値に対応した設定値を複数段階(設定1〜設定3)備え、それら設定値の中から一の設定値を決定する設定値決定手段(主制御装置162のMPU402にて設定変更処理を実行する機能)と、
前記設定値決定手段により決定される設定値を変更すべく操作される設定値変更手段(主制御装置162に付属の設定変更スイッチ166)と
を有し、
前記第1制御手段は、
前記設定値決定手段により決定された設定値を示す特定情報を前記第2制御手段へ出力する第1出力手段と、
前記設定値決定手段により決定された設定値を示す特定情報を前記遊技状況監視手段へ出力する第2出力手段と
を有し、
前記第2制御手段は、
前記第1制御手段から入力された前記特定情報を記憶する特定情報記憶手段と、
前記特定情報記憶手段に記憶されている特定情報を前記遊技状況監視手段へ出力する第3出力手段と
を有し、
前記遊技状況監視手段は、前記第2出力手段により入力された特定情報と、前記第3出力手段により入力された特定情報とを対比する対比手段を有していることを特徴とする遊技機。
設定変更機能を有する遊技機においては、特典の不正取得を目的として設定値が不正に変更される場合がある。この際、仮に監視装置に入力される情報が改ざん等されると、不正の事実が隠蔽されその発見が難しくなると懸念される。ここで、本特徴に示す構成においては、設定値を示す特定情報は、第1制御手段から遊技状況監視手段に直接入力されるだけでなく、第2制御手段を経由して遊技状況監視手段に入力される。遊技状況監視手段ではこれらの特定情報を対比することにより、特定情報が改ざん等されていないかを見抜くことが可能となる。これにより、上述した不正行為に対する防御機能を強化し、遊技機の防犯機能を向上できる。
特徴B11.前記第1制御手段は、前記入球情報として遊技球の払出指令情報を出力する構成となっており、
前記第2制御手段は、前記払出指令情報が入力されたことに基づいて遊技球が払い出されるように払出手段(払出装置224)を制御する構成となっており、
前記第1制御手段は、前記払出指令情報を出力する場合に前記第2制御手段及び前記遊技状況監視手段へ特定情報を出力し、
前記第2制御手段は、前記払出指令情報に基づく遊技球の払い出しを実行した場合に前記遊技状況監視手段へ特定情報を出力することを特徴とする特徴B10に記載の遊技機。
特定情報を対比する場合には、そのタイミングが大きくずれてしまうと、正規に設定変更が行われた場合に誤判定となる可能性が生じる。そこで、本特徴に示すように、入球発生→払出しの一連の動きに合わせて特定情報を入出力する構成とすることにより、上記タイミングのずれを抑制し、判定結果の確からしさを好適に向上させることができる。
なお、以上詳述した特徴B群に特徴A群に示した各技術的思想を適用することも可能である。
<特徴C群>
以下の特徴C群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口への入賞を契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が特定遊技状態に移行する(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「近年では、遊技機の動作の信頼性を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成においては信頼性の向上を実現する上では未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴C1.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた入球部(例えば一般入賞口81)への入球に基づいて払出指令情報(賞球コマンド)を出力する主制御手段(主制御装置162)と、
前記払出指令情報が入力されたことに基づいて遊技球が払い出されるように払出手段(払出装置224)を制御する払出制御手段(払出制御装置242)と
を備えている遊技機において、
前記主制御手段は、
遊技球の獲得期待値に対応した設定値を複数段階(設定1〜設定3)備え、それら設定値の中から一の設定値を決定する設定値決定手段(主制御装置162のMPU402にて設定変更用処理を実行する機能)と、
前記設定値決定手段により決定される設定値を変更すべく操作される設定値変更手段(主制御装置162に付属の設定変更スイッチ166)と
を有し、
遊技状況を監視する監視手段(報知・演出制御装置140及び監視装置600)を備え、
前記監視手段は、
遊技情報(入賞数や入賞確率)を記憶する遊技情報記憶手段(記憶部604)と、
前記遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報が予め設定されている基準情報(例えば閾値)に対応しているか否かを判定する判定手段(報知・演出制御装置140にてステップS1904等の判定処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果に基づいて所定の処理(例えば異常報知用の処理)を実行する所定処理実行手段(報知・演出制御装置140にてステップS1908の異常報知開始処理を実行する機能)と
を有し、
前記基準情報は、前記設定値毎に設けられていることを特徴とする遊技機。
設定変更機能を有する遊技機においてはその特性上、設定値毎に挙動が異なる可能性がある。このため、遊技状況を監視しその監視結果(判定結果)に基づいて所定の処理(例えば異常報知)を行う構成においては、何れの設定値についても一義的に判定を行おうとした場合に、判定結果の確からしさを向上することが困難となる。例えば、全ての設定値に対応した共通の基準情報を設定する場合には、当該基準情報の範囲が大きくなり、判定結果の確からしさの向上を図ることが困難になると想定される。この点、本特徴に示すように、設定値毎に基準情報を設ける構成とすれば、判定結果の確からしさを向上させて、遊技機(特に監視装置)に対する信頼性を好適に向上させることができる。
なお、本特徴に示す「前記判定手段による判定結果に基づいて所定の処理(例えば異常報知用の処理)を実行する所定処理実行手段(報知・演出制御装置140にてステップS1908の異常報知開始処理を実行する機能)」については「前記判定手段による判定結果に基づいて所定の報知が実行されるように報知手段(例えばエラー表示ランプ部27やスピーカ部29)を制御する報知制御手段(報知・演出制御装置140にてステップS1908の異常報知開始処理を実行する機能)」とすることも可能である。
特徴C2.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた入球部(例えば一般入賞口81)への入球に基づいて払出指令情報(賞球コマンド)を出力する主制御手段(主制御装置162)と、
前記払出指令情報が入力されたことに基づいて遊技球が払い出されるように払出手段(払出装置224)を制御する払出制御手段(払出制御装置242)と
を備えている遊技機において、
前記主制御手段は、
遊技球の獲得期待値に対応した設定値を複数段階(設定1〜設定3)備え、それら設定値の中から一の設定値を決定する設定値決定手段(主制御装置162のMPU402にて設定変更用処理を実行する機能)と、
前記設定値決定手段により決定される設定値を変更すべく操作される設定値変更手段(主制御装置162に付属の設定変更スイッチ166)と
を有し、
前記入球部への入球状況を監視する監視手段(報知・演出制御装置140及び監視装置600)を備え、
前記監視手段は、
前記入球部への入球数に対応する入球情報(入賞数)を記憶する入球情報記憶手段(記憶部604)と、
前記入球情報記憶手段に記憶されている入球情報が予め設定されている基準情報(例えば閾値)に対応しているか否かを判定する判定手段(報知・演出制御装置140のMPU442にてステップS1904の判定処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果に基づいて所定の処理(例えば異常報知用の処理)を実行する所定処理実行手段(報知・演出制御装置140にてステップS1908の異常報知開始処理を実行する機能)と
を有し、
前記基準情報は、前記設定値毎に設けられていることを特徴とする遊技機。
設定変更機能を有する遊技機においてはその特性上、設定値毎に遊技球の挙動に違いが生じ、入球部への入球確率に設定値による差が生じ得る。このため、遊技状況を監視しその監視結果(判定結果)に基づいて所定の処理(例えば異常報知)を行う構成においては、何れの設定値についても一義的に判定を行おうとした場合に、判定結果の確からしさを向上することが困難となる。例えば、全ての設定値に対応した共通の基準情報を設定する場合には、当該基準情報の範囲が大きくなり、判定結果の確からしさの向上を図ることが困難になると想定される。この点、本特徴に示すように、設定値毎に基準情報を設ける構成とすれば、判定結果の確からしさを向上させて、遊技機(特に監視装置)に対する信頼性を好適に向上させることができる。
なお、本特徴に示す「前記判定手段による判定結果に基づいて所定の処理(例えば異常報知用の処理)を実行する所定処理実行手段(報知・演出制御装置140にてステップS1908の異常報知開始処理を実行する機能)」については「前記判定手段による判定結果に基づいて所定の報知が実行されるように報知手段(例えばエラー表示ランプ部27やスピーカ部29)を制御する報知制御手段(報知・演出制御装置140にてステップS1908の異常報知開始処理を実行する機能)」とすることも可能である。
特徴C3.前記監視手段は、
前記設定値決定手段により決定された前記設定値を特定する設定値特定手段(例えば報知・演出制御装置140のMPU442にて設定値を特定する機能)と、
前記設定値特定手段により特定された設定値に応じて、参照する基準情報の切り替えを行う基準情報切替手段(報知・演出制御装置140のMPU442にてステップS1804の閾値設定処理を実行する機能)と
を有していることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
遊技機に付与された全ての設定値について判定を行うのではなく、現在の設定値に限定して判定を行う構成とすることにより判定処理の簡素化を実現することができる。これは、監視機能の追加に伴う制御負荷を軽減する上で好ましい構成である。
特徴C4.前記遊技領域には、前記入球部として、遊技球が入球可能な受入状態及び入球が不可となる非受入状態に切替可能な第1入球部(例えば可変入賞装置82)が設けられており、
前記設定値によって前記第1入球部が前記受入状態に切り替わる頻度に差が設けられており、
前記基準情報は、前記頻度に応じて設けられていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C4に示すように、設定値によって受入状態に切り替わる頻度に差が設けられた可変式の入球部が配設されている場合には、この入球部の動きによって当該入球部への入球頻度や他の入球部への入球頻度に差が生じる。そこで、本特徴に示すように、可変入球部の動きに配慮して基準情報を設定することにより、特徴C1等に示した技術的思想を好適に具現化できる。
特徴C5.前記入球部として、前記第1入球部及び当該第1入球部とは異なる第2入球部(例えば一般入賞口81d)を有し、
前記第1入球部は、前記第2入球部へ向けて遊技球が流下する所定の経路(右ルート)上に配設されており、
前記監視手段は、前記第2入球部への入球数に対応する入球情報(入賞数)を記憶する記憶部を有し、
前記判定手段は、前記記憶部に記憶されている入球情報が前記基準情報に対応しているか否かを判定する手段を有し、
前記基準情報は、前記設定値毎に異なる前記第2入球部への入球頻度に応じて定められていることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C5に示すように、第2入球部の上流位置に可変式の第1入球部が配設されている構成においては、第1入球部の動きによって第2入球部への入球頻度に差が生じ得る。そこで、第2入球部への入球状況を監視する上では、本特徴に示すように、第2入球部への入球頻度に応じて基準情報を定めることにより、入球監視→判定の確からしさを好適に向上させることができる。
特徴C6.遊技状態として、第1遊技状態と当該第1遊技状態よりも前記第1入球部の前記受入状態への切り替わりが発生しやすい第2遊技状態とが設けられており、
前記基準情報は、前記入球頻度の範囲を示す閾値であり、
前記閾値の下限については前記第1遊技状態での前記第2入球部への入球頻度に応じて定められており、前記閾値の上限については前記第2遊技状態における前記第2入球部への入球頻度に応じて定められていることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
特徴C6に示すように、相対的に第1入球部が受入状態になりにくい第1遊技状態と、相対的に第1入球部が受入状態になりやすい第2遊技状態とが設けられている場合には、これら各遊技状態における第2入球部への入球頻度に応じて閾値の上限/下限を設定することにより、判定結果の確からしさを向上させることができる。
特徴C7.前記設定値として、第1設定値と、当該第1設定値よりも前記第1入球部が前記受入状態に切り替わりやすい第2設定値とを有し、
前記基準情報は、前記第1入球部への入球頻度に対応する情報であり、当該基準情報として、前記第1設定値に対応する第1基準情報と前記第2設定値に対応する第2基準情報とが設けられており、
前記第2基準情報が対応付けられている入球頻度よりも前記第1基準情報が対応付けられている入球頻度の方が高くなるように設定されていることを特徴とする特徴C5又は特徴C6に記載の遊技機。
特徴C7に示すように、設定値によって第1入球部への入球頻度に差が生じる場合には、入球頻度が低い第1設定値に対応させて第1基準情報を設定し、入球頻度が高い第2設定値に対応させて第2基準情報を設定することにより、実用上好ましい構成を実現できる。
なお、以上詳述した特徴C群に特徴A群〜特徴B群に示した各技術的思想を適用することも可能である。
<特徴D群>
以下の特徴D群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口への入賞を契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が特定遊技状態に移行する(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「近年では、遊技機の動作の信頼性を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成においては信頼性の向上を実現する上では未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴D1.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた入球部(例えば一般入賞口81)への入球に基づいて払出指令情報(賞球コマンド)を出力する主制御手段(主制御装置162)と、
前記払出指令情報が入力されたことに基づいて遊技球が払い出されるように払出手段(払出装置224)を制御する払出制御手段(払出制御装置242)と
を備えている遊技機において、
前記主制御手段は、
遊技球の獲得期待値に対応した設定値を複数段階(設定1〜設定3)備え、それら設定値の中から一の設定値を決定する設定値決定手段(主制御装置162のMPU402にてステップS1313の設定変更処理を実行する機能)と、
前記設定値決定手段により決定される設定値を変更すべく操作される設定値変更手段(主制御装置162に付属の設定変更スイッチ166)と
を有し、
前記入球部への入球状況を監視する入球状況監視手段(報知・演出制御装置140及び監視装置600)を備え、
前記入球状況監視手段は、
前記入球部への入球数に対応する入球情報(入賞数)を記憶する入球情報記憶手段(記憶部604)と、
前記入球情報記憶手段に記憶されている入球情報が予め設定されている基準情報(閾値)に対応しているか否かを判定する判定手段(報知・演出制御装置140のMPU442にてステップS2006の判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果に基づいて所定の処理(例えば異常報知用の処理)を実行する所定処理実行手段(報知・演出制御装置140のMPU442にてステップS2010の異常報知開始処理等を実行する機能)と、
前記設定値決定手段により決定された前記設定値を記憶する設定値記憶手段(報知・演出制御装置140にて設定値を記憶する機能)と
を有し、
前記入球情報記憶手段は、前記入球情報を前記設定値記憶手段に記憶されている設定値に対応付けられた状態で記憶することを特徴とする遊技機。
入球状況監視手段によって入球状況を監視する構成とすれば、例えば遊技釘等の変形等によって入球頻度が設計値から大きく乖離するような事象が発生した場合に、それを早期に発見することができる。これは、遊技ホールや遊技者の不利益を抑え、遊技機への信頼性の向上を図る上で好ましい。ここで、設定変更機能を有する遊技機においては、設定値によって遊技球の挙動に差が生じ、入球部への入球確率に差が生じる可能性がある。本特徴に示す構成においては、入球情報が設定値に対応付けられた状態で記憶される。このような構成においては入球情報を設定値に応じて仕分けできるため、基準情報に対応しているか否かの判定を行う際の判定精度を向上させることができる。故に、入球監視における監視結果の確からしさを高めて、遊技機に対する信頼性の向上に貢献できる。
特徴D2.前記判定手段は、前記入球情報記憶手段に記憶されている入球情報の中から前記設定値記憶手段に記憶されている設定値に対応付けられた入球情報を選択する選択手段を有し、それら選択した入球情報に基づいて前記判定を行うことを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
入球状況の監視を行う上では一時的な入球ばらつきの取り扱いが重要である。例えば、入球の偏りが一時的に大きくなった場合には、それを偶発的要因によるものか否かを特定することが困難であるが、過去の情報を流用して平均等を算出することで、ばらつきを軽減することができる。つまり、判定を行う上では参照するデータをある程度多く確保することが好ましい。但し、特徴D1に示したように記憶されているデータには対応する設定値が異なるものが混在するため、それらをまとめ参照した場合にはデータの確からしさは低下する。この点、本特徴に示すように、過去に記憶された入球情報の中から現在の設定値と同じ設定値に対応する入球情報を選択して判定に用いる構成とすれば、特徴D1に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴D3.前記入球情報記憶手段は、前記遊技領域へ所定数の遊技球が供給された場合に前記入球部へ入球した遊技球の数を前記入球情報として記憶するものであり、
前記所定数に達する前に前記設定値が変更された場合に入球情報の記憶を規制する手段を備えていることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
設定変更機能を有する遊技機においては、設定変更が行われるタイミングについては様々となる。このため、情報を蓄積している過程(所定数に達する前のタイミング)にて設定変更がなされる可能性を否定できない。設定値に対応付けて入球情報を記憶する構成においては、データが不完全なまま記憶したとしても当該データの有用性は低く記憶容量が圧迫されといった不都合が生じる。そこで、本特徴に示すように、途中で設定変更が行われた場合には入球情報の記憶を規制することにより実情上好ましい構成を実現できる。
特徴D4.前記入球情報記憶手段は、前記設定値毎に記憶可能な入球情報の上限数が規定されていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D3のいずれか1つに記載の遊技機。
設定変更機能を有している遊技機であっても頻繁に設定変更が行われるとは限らず、ある程度の期間に亘って同一の設定値に維持される場合もあり得る。このような場合、記憶される入球情報に設定値による偏りが生じては、特徴D1等に示した効果を上手く発揮できなくなると懸念される。例えば、設定値として設定1〜設定3が設けられているにもかかわらず、設定1での情報が過度に少ない場合には、当該状況下にて設定1での判定が実行される際には参照可能なデータが不足し、判定結果の確からしさが低下すると想定される。この点、本特徴に示すように設定値毎に記憶可能な入球情報に上限数を規定する構成とすれば、データの不足によって判定の確からしさが低下することを好適に抑制できる。
特徴D5.前記入球情報記憶手段は、前記入球情報を記憶可能な記憶領域を複数有し、記憶されている入球情報の数が上限数に達している場合には何れかの記憶領域に新たに取得した入球情報を上書きする構成となっており、
前記入球情報記憶手段に記憶されている各入球情報について対応付けられた設定値毎の数に応じて上書き対象となる記憶領域を決定する手段を有していることを特徴とする特徴D1乃至特徴D3のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、例えばある設定値にて入球情報が不足し且つ他の設定値にて入球情報が過多となっている場合には、上書きの対象を入球情報が過多となっているものとすることができる。これにより、記憶されている入球情報について設定値毎に数の偏りが大きくなることを抑制できる。
特徴D6.前記基準情報は、前記設定値毎に設けられていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D5のいずれか1つに記載の遊技機。
設定変更機能を有する遊技機においてはその特性上、設定値毎に挙動が異なる可能性がある。このため、遊技状況を監視しその監視結果(判定結果)に基づいて所定の処理(例えば異常報知用の処理)を行う構成においては、何れの設定値についても一義的に判定を行おうとした場合に、判定結果の確からしさを向上することが困難となる。すべての設定値に対応するようにして基準情報を設定する場合には、当該基準情報の範囲が大きくなり、確からしさの向上を図ることが困難になると想定される。この点、本特徴に示すように、設定値毎に基準情報を設ける構成とすれば、判定結果の確からしさを向上させて、遊技機(特に監視装置)に対する信頼性を好適に向上させることができる。
特徴D7.前記判定手段は、前記入球情報記憶手段に記憶されている入球情報に対応する設定値が現在の設定値と異なっている場合に、記憶されている入球情報を補正値を用いて現在の設定値に対応する情報に変換する情報変換手段と、現在の設定値に対応する入球情報と前記情報変換手段によって変換された入球情報とに基づいて前記判定を行う手段とを有していることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
設定変更機能を有する遊技機においては、設定値の選択については様々となり、必ずしも上記判定を行う際の設定値と過去に記憶された入球情報の設定値とが一致するとは限らない。ここで、本特徴に示す構成によれば、記憶されているサンプルについて現在の設定値とは異なる設定値が対応付けられているものに関しても、補正によって現在の設定値に合わせて変換される。このため、設定値の違いを超えて判定のサンプルとして利用できる入賞情報を確保することができる。これにより、判定結果の確からしさの向上に寄与できる。
特徴D8.前記遊技領域には、前記入球部として、遊技球が入球可能な受入状態及び入球が不可となる非受入状態に切替可能な第1入球部(例えば可変入賞装置82)と当該第1入球部とは異なる第2入球部(例えば一般入賞口81d)とが設けられており、
前記第1入球部は、前記第2入球部へ向けて遊技球が流下する所定の経路(右ルート)上に配設されており、
前記入球情報記憶手段は、前記第2入球部への入球数に対応する入球情報(入賞数)を記憶する記憶部を有し、
前記判定手段は、前記記憶部に記憶されている入球情報が前記基準情報に対応しているか否かを判定する手段を有し、
前記補正値は、前記設定値毎に異なる前記第2入球部への入球頻度に応じて定められていることを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
特徴D8に示すように、第2入球部の上流位置に可変式の第1入球部が配設されている構成においては、第1入球部の動きによって第2入球部への入球頻度に差が生じ得る。そこで、第2入球部への入球状況を監視する上では、本特徴に示すように、第2入球部への入球頻度に応じて補正値を定めることにより、記憶されている入球情報を補正値を用いて現在の設定値に対応する情報に変換する際の変換精度を好適に向上させることができる。
なお、以上詳述した特徴D群に特徴A群〜特徴C群に示した各技術的思想を適用することも可能である。
<特徴E群>
以下の特徴E群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口への入賞を契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が特定遊技状態に移行する(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「近年では、遊技機の動作の信頼性を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成においては信頼性の向上を実現する上では未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴E1.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動口83a,83b)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を記憶する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に基づいて通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162のMPU402にて当否判定処理等を実行する機能)と
を備えている遊技機であって、
遊技球の獲得期待値に対応した設定値を複数段階備え、それら設定値の中から一の設定値を決定する設定値決定手段(主制御装置162のMPU402にて設定変更処理を実行する機能)と、
前記設定値決定手段により決定される設定値を変更すべく操作される設定値変更手段(主制御装置162に付属の設定変更スイッチ166)と、
遊技に関する監視情報を記憶する監視情報記憶手段(監視装置600の記憶部604における第1記憶領域605)と、
前記監視情報記憶手段により記憶されている監視情報及び予め定められている判定基準情報(閾値)に基づいて特定事象である異常の発生の有無を判定する判定手段(報知・演出制御装置140のMPU442にて判定処理を実行する機能)と、
前記判定手段により異常が発生したと判定された場合に、所定の報知(例えば異常報知)を行う報知手段(報知・演出制御装置140のMPU442にて異常報知開始処理を実行する機能)と、
解除操作に基づいて前記報知手段による前記所定の報知を解除する解除手段(報知・演出制御装置140のMPU442にて異常報知終了処理を実行する機能)と、
前記解除手段による前記所定の報知の解除回数を記憶する解除回数記憶手段(監視装置600の記憶部604における第2記憶領域606)と
を有していることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、監視情報に基づいて異常が発生したと判定された場合には異常発生に対応して所定の報知が実行される。これにより、異常への処置を速やかに行い、遊技者や遊技ホール等が不利益を被ることを抑制可能となる。ここで、異常の原因が解消されていない場合には、所定の報知が繰り返されることとなる。遊技者やホール管理者等の入れ替わりに配慮した場合には、異常がどのくらい繰り返されているかを特定することは困難になる。この点、本特徴に示す構成においては、所定の報知が解除操作に基づいて解除され、解除操作が実行された回数が記憶される。このため、解除操作がどの程度行われているかを事後的に把握することができる。これにより、例えば異常が繰り返されていること(例えば異常への対処が的確でないこと)が見落とされること抑制し、遊技機の信頼性の向上に寄与できる。
なお、不正行為者が異常報知を意図的に解除することで不正を隠蔽するといった行為が行われた場合であってもその解除回数が記憶される。これにより、記憶されている解除回数から、意図的に不正を隠蔽しようとした可能性があることを推定することができる。因みに、例えば異常の発生回数又は報知回数を記憶する構成では、異常発生の事実を特定することはできてもそれが偶発的要因によるものであるか人為的要因によるものかを特定することが難しくなる。このような事情に鑑みた場合には、解除回数を記憶することには明確な技術的意義がある。
特徴E2.前記解除操作が行われた場合の遊技機の状態を特定する状態特定手段と、
前記状態特定手段により特定された遊技機の状態が所定状態であるか否かを判定する状態判定手段と
を備え、
前記解除回数記憶手段は、少なくとも前記解除操作が前記所定状態にて行われている場合に解除回数を記憶する手段を有していることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
解除回数を記憶する上で遊技機の状態を考慮する構成とすれば、解除操作に不正に係るものであるか否かの推定精度を向上させることができる。例えば、本来であれば解除操作が困難又は不可となっている状況下にて解除操作が行われている場合には、当該解除操作が不正なものである可能性が高いことを見抜くことができる。
特徴E3.前記解除操作が行われる前の設定値及び当該解除操作が行われた後の設定値を特定する設定値特定手段を備え、
前記解除回数記憶手段は、少なくとも前記解除操作の前後にて設定値が変更されている場合に前記解除回数を記憶する手段を有していることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
例えば設定値によって異常の判定基準等が異なる構成を想定した場合、このような違いを利用して異常発生をごまかすといった不正が行われる可能性を否定できない。この点、本特徴に示す構成によれば、解除操作に伴って設定値が変更されている場合には解除回数が記憶される。これにより、不正の疑いのある解除操作が他の解除操作に紛れることを抑制できる。これは、遊技機の防犯機能の向上を図る上で好ましい構成である。
特徴E4.前記解除操作である所定の解除に基づいて前記判定手段にて参照される前記判定基準情報の切り替えを行う基準情報切替手段を備え、
前記解除回数記憶手段は、前記所定の解除操作に伴って前記判定基準情報が変更された場合に解除回数を記憶する手段を有していることを特徴とする特徴E1乃至特徴E3のいずれか1つに記載の遊技機。
所定の解除操作によって判定基準情報が変更される構成においては、異常発生に伴う報知によって不正が目立つことを抑制すべく所定の解除操作が実行される可能性がある。そこで、このような解除操作の回数を記憶する構成とすれば、不正の疑いのある解除操作が他の解除操作に紛れることを抑制できる。これは、遊技機の防犯機能の向上を図る上で好ましい構成である。
特徴E5.前記設定値決定手段により決定された設定値に応じて、前記判定基準情報の切り替えを行う基準情報切替手段(報知・演出制御装置140のMPU442にてステップS1804の閾値設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定値によって前記入球部への入球頻度が相違する構成となっており、
前記監視情報記憶手段は、前記遊技領域に設けられた入球部への入球数を示す入球情報を前記監視情報として記憶する構成となっており、
前記解除回数記憶手段は、所定の解除操作に伴って設定値が変更された場合に解除回数を記憶する手段を有していることを特徴とする特徴E1乃至特徴E3のいずれか1つに記載の遊技機。
設定値によって入球部への入球頻度が相違する構成では、設定値毎に判定基準情報を切り替える構成とすることで判定結果の確からしさを向上させることができる。但し、このような構成では、実際には異常が発生していると判定されるべき状況であるにも関わらず判定基準情報の切替機能を悪用することで、その事実をごまかすといった行為がなされる可能性を否定できない。そこで、本特徴に示す構成に特徴E1等に示した技術的思想を適用し、報知の解除に併せて設定値(判定基準情報)を切り替えられた場合には、それが見逃されることを好適に抑制できる。
特徴E6.前記設定値として第1設定値及び第2設定値を有し、
前記判定基準情報として、前記第1設定値に対応した判定基準範囲を規定する第1判定基準情報と、前記1判定基準情報によって規定された基準範囲に対してずれた範囲となるようにして前記第2設定値に対応した判定基準範囲を規定する第2判定基準情報とを有し、
前記解除回数記憶手段は、前記第1設定値となっている状況下にて入球情報が前記第1判定基準情報に対して第2判定基準情報側に外れることで前記判定手段により異常が発生したと判定されている状況下にて、前記所定の解除操作に基づいた前記所定の報知の解除に伴って判定基準情報が前記第1判定基準情報から前記第2判定基準情報に切り替わった場合に、解除回数を記憶する構成となっていることを特徴とする特徴E4又は特徴E5に記載の遊技機。
第1設定値にて報知がなされている場合に、単に解除操作を行っても遊技の再開によってすぐさま異常判定→報知が実行される。仮に、このような事情を考慮した不正行為者が判定基準範囲を異常と判定されにくい側へシフトさせるべく設定値を併せて変更することで異常報知を免れようとするケースを想定した場合、当該解除操作が他の解除操作に紛れることは好ましくない。この点、本特徴に示す構成においては、このようなケースにて解除回数を記憶する構成とすることにより、不正を目的した可能性が高い解除操作の見逃しを抑制し、防犯機能の更なる向上に貢献できる。
なお、以上詳述した特徴E群に特徴A群〜特徴D群に示した各技術的思想を適用することも可能である。
<特徴F群>
以下の特徴F群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口への入賞を契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が特定遊技状態に移行する(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「近年では、遊技機の動作の信頼性を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成においては信頼性の向上を実現する上では未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴F1.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動口83a,83b)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を記憶する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に基づいて通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162のMPU402にて当否判定処理等を実行する機能)と
を備えている遊技機であって、
遊技球の獲得期待値に対応した設定値を複数段階(設定1〜設定3)備え、それら設定値の中から一の設定値を決定する設定値決定手段(主制御装置162のMPU402にて設定変更処理を実行する機能)と、
前記設定値決定手段により決定される設定値を変更すべく操作される設定値変更手段(主制御装置162に付属の設定変更スイッチ166)と、
遊技に関する監視情報を記憶する監視情報記憶手段(監視装置600の記憶部604)と、
前記監視情報記憶手段により記憶されている監視情報及び予め定められている判定基準情報(閾値)に基づいて特定事象である異常の発生の有無を判定する判定手段(報知・演出制御装置140のMPU442にて判定処理を実行する機能)と、
前記判定手段により異常が発生したと判定された場合に、所定の報知(例えば異常報知)を行う報知手段(報知・演出制御装置140のMPU442にて異常報知開始処理を実行する機能)と、
所定の解除操作に基づいて前記報知手段による前記所定の報知を解除する解除手段(主制御装置162のMPU402にて異常報知解除用処理を実行する機能)と、
前記解除手段によって前記所定の報知が解除された場合に、前記設定値変更手段により前記設定値が変更される場合の初期設定値として所定の設定値を設定する初期設定手段(主制御装置162のMPU402にて設定変更処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
監視情報の監視結果に基づいて異常が発生したと判定された場合にはその旨が報知される。これにより、例えば遊技ホールの管理者等に異常への処置を促すことができる。異常の原因を解消しなくても解除操作が可能であることは遊技ホールにおける利便性の向上を図る上で好ましい。但し、このような構成では、異常発生の原因を解消することなく報知が解除されたまま再び遊技が行われることで、遊技者や遊技ホールが不測の不利益を被る可能性がある。これは、遊技機に対する信頼性を低下させる要因になるため好ましくない。設定値は遊技ホールにて管理されており、利益に直結する構成であるため、ホール管理者が注視しやすい。そこで、本特徴に示す構成においては、解除操作を行った場合には、設定変更時の初期の設定値が強制的に所定の設定値とされる。これにより、遊技機に何らかの異常が発生した旨をホール管理者へ示唆することができる。故に、異常発生の原因がそのまま放置されることを抑制し、遊技機への信頼性の向上に寄与できる。
特徴F2.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動口83a,83b)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を記憶する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に基づいて通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162のMPU402にて当否判定処理等を実行する機能)と
を備えている遊技機であって、
遊技球の獲得期待値に対応した設定値を複数段階(設定1〜設定3)備え、それら設定値の中から一の設定値を決定する設定値決定手段(主制御装置162のMPU402にて設定変更処理を実行する機能)と、
前記設定値決定手段により決定される設定値を変更すべく操作される設定値変更手段(主制御装置162に付属の設定変更スイッチ166)と、
遊技に関する監視情報を記憶する監視情報記憶手段(監視装置600の記憶部604)と、
前記監視情報記憶手段により記憶されている監視情報及び予め定められている判定基準情報(閾値)に基づいて特定事象である異常の発生の有無を判定する判定手段(報知・演出制御装置140のMPU442にて判定処理を実行する機能)と、
前記判定手段により異常が発生したと判定された場合に、所定の報知(例えば異常報知)を行う報知手段(報知・演出制御装置140のMPU442にて異常報知開始処理を実行する機能)と、
所定の解除操作に基づいて前記報知手段による前記所定の報知を解除する解除手段(主制御装置162のMPU402にて異常報知解除用処理を実行する機能)と、
前記設定値変更手段により前記設定値が変更される場合の初期設定値を設定する初期設定手段(主制御装置162のMPU402にて設定変更処理を実行する機能)と
を備え、
前記初期設定手段は、前記所定の解除操作が行われていない場合には、前記初期設定値として変更操作が行われる前の設定値を前記初期設定値として設定し、前記所定の解除操作がおこなれている場合には、前記初期設定値として所定の設定値を設定する手段を有していることを特徴とする遊技機。
監視情報の監視結果に基づいて異常が発生したと判定された場合にはその旨が報知される。これにより、例えば遊技ホールの管理者等に異常への処置を促すことができる。異常の原因を解消しなくても解除操作が可能であることは遊技ホールにおける利便性の向上を図る上で好ましい。但し、このような構成では、異常発生の原因を解消することなく報知が解除されたまま再び遊技が行われることで、遊技者や遊技ホールが不測の不利益を被る可能性がある。これは、遊技機に対する信頼性を低下させる要因になるため好ましくない。設定値は利益に直結する構成であり遊技ホールにて管理されている。このため、ホール管理者が注視しやすい。そこで、本特徴に示す構成においては、解除操作が行われていない場合に変更操作前の設定値が初期設定値として引き継がれる一方、解除操作を行った場合には、設定変更時の初期の設定値が強制的に所定の設定値とされる。これにより、遊技機に何らかの異常が発生した旨をホール管理者へ示唆することができる。故に、異常発生の原因がそのまま放置されることを抑制し、遊技機への信頼性の向上に寄与できる。
特徴F3.前記設定値として第1設定値と当該第1設定値よりも前記獲得期待値が大きい第2設定値とを有し、
前記初期設定手段は、前記第2設定値を前記所定の設定値として設定するように構成されていることを特徴とする特徴F1又は特徴F2に記載の遊技機。
強制変更を行った場合の所定の設定値が遊技ホールにて多用される設定値であった場合には、強制変更が発生しているか否かを識別する上で混同が生じやくなると懸念される。ここで、遊技ホールにおいては遊技者に有利な設定値が使用される機会は遊技者に不利な設定値が使用される機会よりも少ない。本特徴に示す構成においては、このような事情に配慮して、比較的有利な第2設定値を所定の設定値として設定している。これにより、上述した混同を抑制できる。
特徴F4.前記設定値として遊技ホールに有利な第1設定値と遊技者に有利な第2設定値とを有し、
前記初期設定手段は、前記第2設定値を前記所定の設定値として設定するように構成されていることを特徴とする特徴F1又は特徴F2に記載の遊技機。
強制変更を行った場合の所定の設定値が遊技ホールにて多用される設定値であった場合には、強制変更が発生しているか否かを識別する上で混同が生じやくなると懸念される。ここで、遊技ホールにおいては遊技者に有利な設定値が使用される機会は遊技者に不利な設定値が使用される機会よりも少ない。本特徴に示す構成においては、このような事情に配慮して、遊技者に有利な第2設定値を所定の設定値として設定している。これにより、上述した混同を抑制できる。
特徴F5.前記初期設定手段は、前記所定の設定値として、複数の設定値のうち最も獲得期待値の大きい設定を設定するように構成されていることを特徴とする特徴F1又は特徴F2に記載の遊技機。
強制変更を行った場合の所定の設定値が遊技ホールにて多用される設定値であった場合には、強制変更が発生しているか否かを識別する上で混同が生じやくなると懸念される。ここで、遊技ホールにおいては遊技者に有利な設定値が使用される機会は遊技者に不利な設定値が使用される機会よりも少ない。本特徴に示す構成においては、このような事情に配慮して、遊技者にとって最も有利な第2設定値を所定の設定値として設定している。これにより、上述した混同を抑制できる。
特徴F6.前記設定値決定手段により決定された設定値に応じて、前記判定基準情報の切り替えを行う基準情報切替手段(報知・演出制御装置140のMPU442にてステップS1804の閾値設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定値によって前記入球部への入球頻度が相違する構成となっており、
前記監視情報記憶手段は、前記遊技領域に設けられた入球部への入球数を示す入球情報を前記監視情報として記憶する構成となっていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F5のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技領域を遊技球が流下するタイプの遊技機においては、清掃やメンテナンス等の際に遊技領域に配設された遊技釘等に接触することで当該遊技釘が変形等する可能性がある。このような変形によって遊技球の流路が変化すると本来の設計値よりも高い頻度で入球が発生したり、本来の設計値よりも低い頻度で入球が発生したりする。これは、遊技ホールや遊技者が不利益を被る要因になる。そこで、監視情報記憶手段によって入球情報を記憶する構成とすることで、上述したような不都合(異常)が発生していることを特定することができる。しかしながら、入球については常に一定の頻度で発生するとは限らず監視期間が短い場合にはある程度のばらつきが生じる。これに対して、監視期間を長く設定した場合には、ばらつきを抑えることはできるものの、上記不都合が発生していることを特定するまでに時間がかかる。このような事情から、異常判定の結果に基づく報知を任意に解除できる構成とすることは、判定結果の確からしさと応答性の向上とに配慮できるという利点がある。但し、このような構成では、異常そのものが目視では特定困難であるため、報知解除からある程度の時間が経過することで、その事実が忘れられてしまう可能性がある。このような構成に対して、特徴F1に示した技術的思想を適用することにより、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴F7.前記設定値として第1設定値及び第2設定値を有し、
前記判定基準情報として、前記第1設定値に対応した判定基準範囲を規定する第1判定基準情報と、前記1判定基準情報によって規定された基準範囲に対してずれた範囲となるようにして前記第2設定値に対応した判定基準範囲を規定する第2判定基準情報とを有し、
前記所定の解除操作は、前記設定値変更手段による設定変更操作であり、
前記初期設定手段は、前記第1設定値となっている状況下にて入球情報が前記第1判定基準情報に対して第2判定基準情報側に外れることで前記判定手段により異常が発生したと判定されている状況下にて、前記所定の解除操作に基づいた前記所定の報知の解除に伴って判定基準情報が前記第1判定基準情報から前記第2判定基準情報に切り替わった場合に、前記初期設定値として前記所定の設定値を設定するように構成されていることを特徴とする特徴F6に記載の遊技機。
第1設定値にて報知がなされている場合に、単に解除操作を行ってもすぐさま異常判定→報知が実行される。このような事情を考慮した不正行為者が判定基準範囲を異常と判定されにくい側へシフトさせるべく設定値を併せて変更することで異常報知を免れようとした場合には、初期設定値として所定の設定値が設定される。これにより、不正を目的した可能性が高い解除操作の見逃しを抑制し、防犯機能の更なる向上に貢献できる。
特徴F8.前記設定値決定手段は、遊技機の電源投入に基づいて前記設定値を決定する起動時決定手段を有し、
前記起動時決定手段は、前記所定の解除操作が行われていない場合には、電源遮断前の設定値を新たな設定値として決定し、前記所定の解除操作が行われている場合には、前記所定の設定値を新たな設定値として決定する手段を有していることを特徴とする特徴F1乃至特徴F7のいずれか1つに記載の遊技機。
設定変更については必ずしも毎日行われるとは限らず、一度決定された設定値がある程度の日数に亘って維持される場合がある。このような事情に配慮した場合には、本特徴に示すように電源投入時の設定値の決定にて設定値の引継ぎ/強制変更を実行することにより、そのような実情に好適に対応できる。
特徴F9.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動口83a,83b)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を記憶する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に基づいて通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162のMPU402にて当否判定処理等を実行する機能)と
を備えている遊技機であって、
遊技球の獲得期待値に対応した設定値を複数段階(設定1〜設定3)備え、それら設定値の中から一の設定値を決定する設定値決定手段(主制御装置162のMPU402にて設定変更処理を実行する機能)と、
前記設定値決定手段により決定される設定値を変更すべく操作される設定値変更手段(主制御装置162に付属の設定変更スイッチ166)と、
遊技に関する監視情報を記憶する監視情報記憶手段(監視装置600の記憶部604)と、
前記監視情報記憶手段により記憶されている監視情報に基づいて特定事象である異常の発生の有無を判定する判定手段(報知・演出制御装置140のMPU442にて判定処理を実行する機能)と、
前記判定手段により異常が発生したと判定された場合に、所定の報知(例えば異常報知)を行う報知手段(報知・演出制御装置140のMPU442にて異常報知開始処理を実行する機能)と、
所定の解除操作に基づいて前記報知手段による前記所定の報知を解除する解除手段(主制御装置162のMPU402にて異常報知解除用処理を実行する機能)と、
前記設定値変更手段により前記設定値が変更される場合の初期設定値を設定する初期設定手段(主制御装置162のMPU402にて設定変更処理を実行する機能)と
を備え、
前記初期設定手段は、前記所定の解除操作が行われていない場合には、前記初期設定値として変更操作が行われる前の設定値を前記初期設定値として設定し、前記所定の解除操作がおこなれている場合には、前記初期設定値として変更操作が行われる前の設定値とは異なる設定値を前記初期設定値として設定する手段を有していることを特徴とする遊技機。
監視情報の監視結果に基づいて異常が発生したと判定された場合にはその旨が報知される。これにより、例えば遊技ホールの管理者等に異常への処置を促すことができる。異常の原因を解消しなくても解除操作が可能であることは遊技ホールにおける利便性の向上を図る上で好ましい。但し、このような構成では、異常発生の原因を解消することなく報知が解除されたまま再び遊技が行われることで、遊技者や遊技ホールが不測の不利益を被る可能性がある。これは、遊技機に対する信頼性を低下させる要因になるため好ましくない。設定値は利益に直結する構成であり遊技ホールにて管理されている。このため、ホール管理者が注視しやすい。そこで、本特徴に示す構成においては、解除操作が行われていない場合に変更操作前の設定値が初期設定値として引き継がれる一方、解除操作を行った場合には、設定変更時の初期の設定値が強制的に所定の設定値とされる。これにより、遊技機に何らかの異常が発生した旨をホール管理者へ示唆することができる。故に、異常発生の原因がそのまま放置されることを抑制し、遊技機への信頼性の向上に寄与できる。
なお、以上詳述した特徴F群に特徴A群〜特徴E群に示した各技術的思想を適用することも可能である。
<特徴G群>
以下の特徴G群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口への入賞を契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が遊技者に有利な特別遊技状態に移行する(例えば特許文献1)。」という背景技術について、「近年では、遊技への注目度を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成においては遊技への注目度の向上を実現する上では未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴G1.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動口83a,83b)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を記憶する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に基づいて通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162のMPU402にて当否判定処理等を実行する機能)と、
表示画面(表示画面253a)を有し、当該表示画面にて複数の絵柄(図柄列Z1〜Z3)を表示可能な絵柄表示装置(図柄表示装置253)と、
前記絵柄を変動表示させた後、前記抽選手段による抽選結果に対応した絵柄組合せとなるようにして前記絵柄を停止表示させる表示制御手段(報知・演出制御装置140及び表示制御装置410)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別遊技状態への移行に対応する当選結果となった場合に、前記表示制御手段によって前記絵柄が停止表示された後に遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU402にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
遊技球の獲得期待値に対応した設定値を複数段階(設定1〜設定3)備え、それら設定値の中から一の設定値を決定する設定値決定手段(主制御装置162のMPU402にて設定変更処理を実行する機能)と、
前記設定値決定手段により決定される設定値を変更すべく操作される設定値変更手段(主制御装置162に付属の設定変更スイッチ166)と
を備え、
前記表示制御手段は、
前記抽選手段による抽選にて前記当選結果となっている場合に、絵柄の変動表示を開始した後に、当該当選結果に対応した第1絵柄組合せが成立する可能性のある各絵柄のうち最終停止絵柄を除く他の絵柄を停止表示させている状況下にて同最終停止絵柄を変動表示させるリーチ変動表示を経て当該第1絵柄組合せを停止表示させることにより前記特別遊技状態へ移行することを報知する第1報知手段(報知・演出制御装置140のMPU442にて当たりリーチを実行する機能)と、
前記抽選による抽選にて前記特別遊技状態への移行に対応しない非当選結果となっている場合に、絵柄の変動表示を開始した後に、前記リーチ変動表示を経て当該非当選結果に対応した第2絵柄組合せを停止表示させることにより前記特別遊技状態へ移行しないことを報知する第2報知手段(報知・演出制御装置140のMPU442にて外れリーチを実行する機能)と
を有し、
前記第2報知手段によって前記報知が実行される場合に、前記設定値決定手段により決定されている前記設定値を示唆する示唆手段(報知・演出制御装置140にて設定示唆を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
設定変更機能を有する遊技機においては設定値によって有利度合いが変化するため、設定値を推測しながら遊技を行うことが楽しみの1つとなる。ここで、リーチ変動表示が実行される場合には、遊技に対する遊技者の注目が高くなりやすい。遊技者の注目が高くなっている場合に設定値の示唆(設定示唆)を行う構成とすることにより、当該設定示唆が見逃される機会を減らすことができる。
また、リーチ変動表示が実行される場合には、当該リーチ変動表示を経て当選結果が報知される可能性があるため、演出に対する注目度が高くなる。但し、このようにして注目度が高くなっている状態から非当選結果である旨が報知されると、期待感の低下に伴って遊技への注目度が大きく低下する可能性がある。この点、本特徴に示すようにリーチ変動表示に併せて設定示唆を行う構成とすることにより、非当選結果時に注目度が大きく低下することを抑制できる。
特徴G2.前記示唆手段は、前記絵柄表示装置の前記表示画面にて前記示唆を行うことを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
特徴G2に示すように表示画面に停止表示される絵柄組合せによって抽選結果が明示される構成においては、リーチ変動表示が実行される場合に遊技者の注目が遊技領域(詳しくは遊技領域を流下する遊技球)から表示画面に移りやすい。そこで、上述した設定示唆を表示画面にて実行する構成とすれば、設定示唆を行ったにも関わらずそれが見逃されるといった不都合を抑制することができる。これにより、特徴G1に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴G3.前記示唆手段は、前記リーチ変動表示になった後に前記示唆を行うことを特徴とする特徴G1又は特徴G2に記載の遊技機。
リーチ変動表示を経由して当選結果が報知される構成においては、リーチ変動表示へ移行することで絵柄の変動表示に対する注目度が高くなる。このようにして、注目度が高くなっている状況下にて設定示唆を行う構成とすれば上述した見逃しの機会を好適に減らすことができる。
特徴G4.前記示唆手段は、抽選結果に対応した絵柄組合せの停止表示に伴って前記示唆を行うことを特徴とする特徴G1乃至特徴G3のいずれか1つに記載の遊技機。
表示画面に停止表示される絵柄組合せによって抽選結果が明示される構成においては、非当選結果であることが明らかになることで注目度が一気に低下する可能性がある。そこで、このようなタイミングにて設定示唆が発生し得る構成とすることにより、そのような注目度の低下を好適に抑制できる。
特徴G5.前記表示制御手段は、抽選結果に対応した絵柄組合せを停止表示させた後、当該絵柄組合せを所定の期間(確定表示期間)に亘って停止表示させたまま維持する確定表示(最終停止表示)を実行する構成となっており、
前記示唆手段は、前記所定の期間中に前記示唆を行うことを特徴とする特徴G1乃至特徴G4のいずれか1つに記載の遊技機。
表示画面に停止表示される絵柄組合せによって抽選結果が明示される構成においては、非当選結果であることが明らかになることで注目度が一気に低下する可能性がある。そこで、このようなタイミングにて設定示唆が発生し得る構成とすることにより、そのような注目度の低下を好適に抑制できる。
特徴G6.前記示唆手段は、先の遊技回にて開始した前記示唆を次の遊技回に跨るようにして継続させる継続手段を有していることを特徴とする特徴G1乃至特徴G5のいずれか1つに記載の遊技機。
上述した設定示唆についてはその実行期間が短くなることで見逃しの可能性が高くなると懸念される。この点、本特徴に示す構成においては、先の遊技回にて開始された設定示唆が次の遊技回に跨るようにして継続され得るため、そのような見逃しの機会を減らすことができる。例えば、遊技回が次々と進んでいく構成を想定した場合には、遊技機の稼働率の向上を図る上では好ましい。しかしながら、遊技者が任意のタイミングにて遊技回を途中停止させることができないことが、設定示唆を見逃す要因になり得る。この点、本特徴に示す構成によれば、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴G7.前記取得情報記憶手段は、前記特別情報を複数記憶可能となっており、
前記抽選手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報について前記抽選を順次行う構成となっており、
前記継続手段は、前記先の遊技回が終了するまでに次の遊技回に対応する特別情報が記憶されている場合に当該次の遊技回に跨るようにして前記示唆を継続させるように構成されていることを特徴とする特徴G6に記載の遊技機。
特徴G7によれば、特別情報が溜まっていることで設定示唆の期間が延びるため、遊技球の発射を促し、遊技機の稼働率の向上に寄与できる。
特徴G8.前記取得情報記憶手段は、前記特別情報を複数記憶可能となっており、
前記抽選手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報について前記抽選を順次行う構成となっており、
前記示唆手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数に基づいて前記示唆の実行期間を決定する実行期間決定手段を有していることを特徴とする特徴G1乃至特徴G7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴G8によれば、設定示唆を確認したい遊技者はできるだけ長く設定示唆が行われるように期待して遊技を行うものと想定される。ここで、記憶されている特別情報の数によって設定示唆の実行期間が決定される構成とすれば、設定示唆が長く続くように記憶されている特別情報の数を極力自身に有利な数となるように狙って遊技が行われることとなり、遊技の単調化の抑制に寄与できる。
特徴G9.前記示唆手段は、前記第2報知手段により前記リーチ変動表示を経て前記非当選結果に対応する絵柄組合せが停止表示される場合に、当該絵柄組合せを前記示唆に対応した絵柄組合せとすることにより前記設定値を示唆する手段を有していることを特徴とする特徴G1乃至特徴G8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴G9に示すように非当選結果用の絵柄組合せを利用して設定示唆が実行される構成とすれば、非当選結果が明示される場合に設定示唆の情報が含まれる場合があることで、遊技者が当該絵柄組合せに注目するものと想定される。この構成によれば、上述した注目度向上効果を好適に発揮させることができる。
なお、本特徴に示す構成を「前記示唆手段は、前記第2報知手段により前記リーチ変動表示を経て前記非当選結果に対応する絵柄組合せが停止表示される場合に、当該絵柄組合せを当該非当選結果且つ前記示唆に対応した絵柄組合せとする手段を有していることを特徴とする特徴G1乃至特徴G8のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴G10.前記取得情報記憶手段は、前記特別情報を複数記憶可能となっており、
前記抽選手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報について前記抽選を順次行う構成となっており、
前記表示制御手段は、抽選結果に対応した絵柄組合せを停止表示させた後、当該絵柄組合せを所定の期間(確定表示期間)に亘って停止表示させたまま維持する確定表示(最終停止表示)を実行する構成となっており、
前記示唆手段は、前記第2報知手段により前記リーチ変動表示を経て前記非当選結果に対応する絵柄組合せが停止表示される場合に、当該絵柄組合せを前記示唆に対応した絵柄組合せとすることにより前記設定値を示唆する手段を有しており、
前記示唆手段は、前記所定の期間が経過したことに基づいて前記示唆を終了することを特徴とする特徴G1乃至特徴G5のいずれか1つに記載の遊技機。
停止表示される絵柄組合せによって設定示唆を行う構成とした場合には、設定示唆の見逃しを嫌う遊技者によって遊技回が1回ずつ進行するような変則打ちが行われる可能性がある。これは遊技進行の円滑化や遊技機の稼働率の向上を図る上で妨げになると想定される。この点、本特徴に示す構成においては、確定期間の経過によって設定示唆が終了する。このような構成とすれば、見逃しを懸念して無暗に遊技が遅延されるといった不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴G11.前記通常遊技状態として、第1通常遊技状態(低頻度サポートモード対応の通常遊技状態)と、当該第1通常遊技状態よりも前記始動入球部への入球頻度が高くなるように設定された第2通常遊技状態(高頻度サポートモード対応の通常遊技状態)とが設けられており、
前記示唆手段は、前記第1通常遊技状態にて前記示唆を行う構成となっていることを特徴とする特徴G1乃至特徴G10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴G11に示す構成では、第2通常遊技状態においては第1通常遊技状態と比較して遊技が円滑に進行することとなる。第2通常遊技状態となって遊技が速やかに進行している状況では、非当選結果となった場合に遊技者の注目が直ぐに次の遊技回へと向きやすくなると想定される。このような状況にて設定示唆を行ったとしてもそれが見逃される機会が増えると懸念される。このような事情に鑑みれば、本特徴に示すように比較的遊技が緩やかに進行する第1通常遊技状態にて設定示唆を行う構成とすることには、そのような不都合の発生を抑制できるという技術的意義がある。
特徴G12.前記抽選手段による抽選結果として、第1当選結果(例えば通常大当たり結果)と当該第1当選結果よりも遊技者に有利な第2当選結果(例えば確変大当たり結果)とが設けられており、
前記表示制御手段は、前記第1当選結果である場合に当該第1当選結果に対応した絵柄組合せを停止表示させ、前記第2当選結果である場合に当該第2当選結果に対応した絵柄組合せを停止表示させる手段を有し、
前記示唆手段は、前記第2当選結果に対応した絵柄組合せが成立する可能性があるリーチ変動表示が実行される場合に前記示唆を実行する手段を有していることを特徴とする特徴G1乃至特徴G11のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技者の期待が膨らめば膨らむほど、非当選結果である旨の報知がなされた場合の落胆が大きくなる。これは、遊技意欲の低下を招く要因になるため好ましくない。このような事情に鑑みれば、本特徴に示すように、第2当選結果に対応した絵柄組合せが成立する可能性があるリーチ変動表示にて設定示唆を実行する構成とすることは、非当選結果となった場合の遊技意欲の低下を緩和する上で好ましい。
特徴G13.前記リーチ変動表示として、第1リーチ変動表示と、当該第1リーチ変動表示よりも当選結果となる期待度が高い第2リーチ変動表示とが設けられており、
前記示唆手段は、前記第2リーチ変動表示にて前記示唆を行う手段を有していることを特徴とする特徴G1乃至特徴G12のいずれか1つに記載の遊技機。
当選結果となる期待度の高いリーチ変動表示ほど、非当選結果である旨の報知がなされた場合の落胆が大きくなる(所謂、激熱外し)。これは、遊技意欲の低下を招く要因になるため好ましくない。このような事情に鑑みれば、本特徴に示すように、第2リーチ変動表示にて設定示唆を実行する構成とすることは、非当選結果となった場合の遊技意欲の低下を緩和する上で好ましい。
なお、以上詳述した特徴G群に特徴A群〜特徴F群に示した各技術的思想を適用することも可能である。
<特徴H群>
以下の特徴H群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口への入賞を契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が遊技者に有利な特別遊技状態に移行する(例えば特許文献1)。」という背景技術について、「近年では、遊技への注目度を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成においては遊技への注目度の向上を実現する上では未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴H1.遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動口83a,83b)と、
前記始動入球部への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を記憶する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に基づいて通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162のMPU402にて当否判定処理等を実行する機能)と、
表示画面(表示画面253a)を有し、当該表示画面にて複数の絵柄を表示可能な絵柄表示装置(図柄表示装置253)と、
前記絵柄を変動表示させた後、前記抽選手段による抽選結果に対応した絵柄組合せとなるようにして前記絵柄を停止表示させる表示制御手段(報知・演出制御装置140及び表示制御装置410)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別遊技状態への移行に対応する当選結果となった場合に、前記表示制御手段によって前記絵柄が停止表示された後に遊技状態を前記特別遊技状態へ移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU402にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
遊技球の獲得期待値に対応した設定値を複数段階(設定1〜設定3)備え、それら設定値の中から一の設定値を決定する設定値決定手段(主制御装置162のMPU402にて設定変更処理を実行する機能)と、
前記設定値決定手段により決定される設定値を変更すべく操作される設定値変更手段(主制御装置162に付属の設定変更スイッチ166)と
を備え、
前記表示制御手段は、
前記抽選手段による抽選にて前記当選結果となっている場合に、絵柄の変動表示を開始した後に、当該当選結果に対応した第1絵柄組合せが成立する可能性のある各絵柄のうち最終停止絵柄を除く他の絵柄を停止表示させている状況下にて同最終停止絵柄を変動表示させるリーチ変動表示を経て当該第1絵柄組合せを停止表示させることにより前記特別遊技状態へ移行することを示す第1報知を実行する第1報知手段と、
前記抽選による抽選にて前記特別遊技状態への移行に対応しない非当選結果となっている場合に、絵柄の変動表示を開始した後に、前記リーチ変動表示を経て当該非当選結果に対応した第2絵柄組合せを停止表示させることにより前記特別遊技状態へ移行しないことを示す第2報知を実行する第2報知手段と
を有し、
前記設定値決定手段により決定されている前記設定値を示唆する示唆手段(報知・演出制御装置140にて設定示唆を実行する機能)を備え、
前記示唆手段は、
前記第2報知手段によって前記第2報知が実行された実行回数を記憶する実行回数記憶手段(報知・演出制御装置140にて外れリーチの実行回数を記憶する機能)と、
前記実行回数記憶手段によって記憶されている実行回数に基づいて前記示唆の実行の可否を決定する可否決定手段(報知・演出制御装置140のMPU442にて設定示唆可否判定処理を実行する機能)と
を有していることを特徴とする遊技機。
上述したタイプの遊技機においてはリーチ変動表示が実行されることで特別遊技状態への期待が高まる。しかしながら、リーチ変動表示が実行されたとしても必ずしも特別遊技状態へ移行するわけではなく、特別遊技状態へ移行しない場合もある。このような事象が続くことは、遊技者の遊技意欲を低下させる要因になる。この点、本特徴に示す構成においては、リーチ変動表示を経て非当選結果が報知された回数(第2報知の実行回数)に基づいて設定値の示唆(設定示唆)が実行されるか否かが決定される。このため、リーチ変動表示が不発になったとしても遊技者に設定示唆が近づいたとの印象を与えることができ、遊技意欲の低下を抑制できる。これは、遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。
特徴H2.前記抽選手段によって前記抽選が実行された抽選回数を記憶する抽選回数記憶手段を備え、
前記可否決定手段は、前記抽選手段による抽選回数が所定回数となっている場合に、当該抽選回数が前記所定回数よりも少ない場合と比較して前記示唆を実行する旨の決定を行う可能性が高くなるように構成されていることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
特徴H2によれば、リーチ変動表示に外れた場合にはその数が多くなるほど、設定示唆が実行されやすくなる。このような構成とすれば、通常遊技状態が続いている場合であっても、遊技者の遊技意欲の低下を抑制できる。
特徴H3.前記可否決定手段は、前記抽選回数が多くなるほど前記所定回数が少なくなるように構成されていることを特徴とする特徴H2に記載の遊技機。
リーチ変動表示→非当選結果となることで設定示唆の期待が高まる構成においては、リーチ変動表示が実行されることなく遊技が進むことで、遊技者の遊技意欲が低下する可能性がある。そこで、本特徴に示すように、抽選→非当選結果となった回数が多くなるほど、設定示唆の敷居が低くなる構成とすれば、リーチ変動表示が発生しない場合の遊技意欲の低下を緩和できる。
特徴H4.前記示唆手段は、前記第1報知手段によって前記第1報知が実行された場合に、前記実行回数記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段を有していることを特徴とする特徴H3に記載の遊技機。
特徴H4によれば、第1報知が実行されることで(すなわち当選結果となることで)、実行回数がリセットされることとなる。これにより、設定示唆が多発することを抑制できる。
特徴H5.前記所定回数は、前記設定値毎に設けられており、
遊技球の獲得期待値が高い設定値ほど前記所定回数が多くなるように差が設けられていることを特徴とする特徴H2乃至特徴H4のいずれか1つに記載の遊技機。
設定示唆がいつまでたっても実行されないことは遊技者の遊技意欲を低下させる要因になり得る。そこで、本特徴に示すように、遊技者に有利な設定値ほど設定示唆の基準となる所定回数が多くなるように差を設ける構成とすれば、設定示唆が発生しない場合に遊技者に有利な設定値であることへの期待を高めることができ、遊技への注目度の向上に寄与できる。
特徴H6.前記リーチ変動表示として、第1リーチ変動表示と、当該第1リーチ変動表示よりも前記第1報知となる可能性が高い第2リーチ変動表示とが設けられており、
前記実行回数記憶手段は、前記第2報知手段によって前記第2リーチ変動表示に対応した第2報知が実行された回数を記憶する構成となっていることを特徴とする特徴H1乃至特徴H5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴H6によれば、期待度の高いリーチ変動表示に外れた場合の損失感を好適に緩和できる。
特徴H7.前記可否決定手段によって前記示唆を実行する旨の決定がなされる確率が相対的に低い第1状態と、前記示唆を実行する旨の決定がなされる確率が相対的に高い第2状態とが設けられており、
前記抽選手段によって前記抽選が実行された抽選回数を記憶する抽選回数記憶手段と、
前記抽選回数記憶手段によって記憶されている抽選回数に基づいて前記第1状態及び前記第2状態を切り替える切替手段と
を備えていることを特徴とする特徴H1乃至特徴H6のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば抽選回数によって設定示唆が発生しやすい区間と、発生しにくい区間とが生じる。これにより、設定示唆を期待して遊技が行われている場合のメリハリを強化できる。
なお、以上詳述した特徴H群に特徴A群〜特徴G群に示した各技術的思想を適用することも可能である。
<特徴I群>
以下の特徴I群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口への入賞を契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が特定遊技状態に移行する(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「近年では、遊技機の防犯性を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成においては防犯性の向上を実現する上では未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴I1.遊技に関する主たる制御を実行する主制御装置(主制御装置162)と、
表示画面(表示画面253a)を有し、当該表示画面にて絵柄を変動表示可能な絵柄表示装置(図柄表示装置253)と、
前記主制御装置の配下で前記絵柄表示装置を表示制御する表示制御装置(報知・演出制御装置140及び表示制御装置410)と
を備え、
前記主制御装置は、
遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動口83a,83b)への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を記憶する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が移行情報に対応しているか否かの移行判定を行う移行判定手段(主制御装置162のMPU402にて当否判定処理等を実行する機能)と、
前記移行判定手段による判定の結果が前記移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU402にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
遊技回用動作が開始されてから前記移行判定手段の判定結果に対応した報知結果となることで前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(主表示ユニット87の作動口用表示部)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162のMPU402にて表示制御を実行する機能)と、
前記移行判定手段の判定結果に基づいて、前記遊技回用動作の実行期間を決定する実行期間設定手段(主制御装置162のMPU402にて変動表示時間を決定する機能)と、
前記実行期間設定手段により設定された実行期間に対応した実行期間情報を前記表示制御装置へ送信する送信手段(主制御装置162のMPU402にて変動開始コマンドを出力する機能)と
を有し、
前記表示制御装置は、前記主制御装置から受信した前記実行期間情報に基づいて前記絵柄表示装置における前記絵柄の変動表示期間を設定する変動表示期間設定手段(報知・演出制御装置140のMPU442にて変動表示時間を設定する機能)を有し、
遊技球の獲得期待値に対応した設定値を複数段階(設定1〜設定3)備え、それら設定値の中から一の設定値を決定する設定値決定手段(主制御装置162のMPU402にて設定変動処理を実行する機能)と、
前記設定値決定手段により決定される設定値を変更すべく操作される設定値変更手段(主制御装置162に付属の設定変更スイッチ166)と
を備え、
前記実行期間として、前記設定値毎に共通となる共通実行期間と前記設定値毎に固有となる固有実行期間とが設けられており、
前記表示制御装置は、前記固有実行期間を示す実行期間情報を受信した場合に前記設定値の示唆を行う示唆手段(報知・演出制御装置140にて設定示唆を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴I1によれば、遊技回動作の開始に伴って主制御装置から送信される実行期間情報が設定値を示す情報を含んでいる。この構成によれば、設定値の示唆(設定示唆)の可否を主制御装置にて指示することができ、主制御装置と比べて防御機能が低い表示制御装置が不正に操作される等して設定示唆が不正に実行されることを抑制できる。
また、主制御装置から送信される実行期間情報が設定示唆のベースとなるため、設定値を示す情報を表示制御装置側にて記憶保持する必要がない。防御機能の低い表示制御装置にて設定値を記憶する必要がない構成とすることは、設定値を示す情報の流出を抑制する上で有利である。
更には、主制御装置から定期的に送信される実行期間情報が設定値を示す情報を兼ねているため、設定値を示す情報を別途送信する構成と比較して、当該情報に狙いを定めて情報を不正に取得するといった行為を難しくすることができる。
特徴I2.前記示唆手段は、前記実行期間として前記固有実行期間が設定された場合に、当該固有実行期間にて実行される遊技回にて前記示唆を実行するように構成されていることを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
特徴I2によれば、主制御装置から固有実行期間を示す実行期間情報を受信した場合に、当該固有実行期間にて実行される遊技回にて示唆が実行される。このような構成においては、示唆を後の遊技回に持ち越す構成と比較して表示制御装置から設定値を不正に読み取るといった行為を難しくすることができる。
特徴I3.前記表示制御装置は、前記固有実行期間を示す実行期間情報を受信した場合には、該当する遊技回が終了するまでに前記実行期間情報及び当該実行期間情報に基づいた現在の設定値を示す情報を消去する手段を有していることを特徴とする特徴I1又は特徴I2に記載の遊技機。
特徴I3によれば、主制御装置から固有実行期間を示す実行期間情報を受信した場合には、次の遊技回までに実行期間情報やそれから特定された現在の設定値を示す情報が消去されることとなる。つまり、設定値を示す情報は他の遊技回に持ち越されない。このように設定値を示す情報の取り扱い期間を制限することにより、表示制御装置から設定値を不正に読み取るといった行為を難しくすることができる。
特徴I4.前記共通実行期間及び前記固有実行期間は、前記絵柄表示装置にて実行される所定の変動表示に対応するものを各々有しており、
前記固有実行期間のうち前記所定の変動表示に対応する期間は、前記共通実行期間のうち前記所定の変動表示に対応する期間よりも長くなるように設定されていることを特徴とする特徴I1乃至特徴I3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴I4によれば、共通実行期間に係る変動表示と、固有実行期間に係る変動表示とが共通となることで、変動表示の見た目等の違いから設定値を特定することは困難となる。
また、特徴I3との組み合わせにおいては特に、固有実行期間の方が長くなるように差が設けられているため、設定示唆が該当遊技回に限って実行される構成にて設定示唆の実行期間を稼ぎやすくなる。
特徴I5.前記表示制御装置は、所定の規制条件が成立した場合に前記示唆手段による示唆を規制する規制手段を有していることを特徴とする特徴I1乃至特徴I4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴I5によれば、例えば遊技状況等によっては表示制御装置側の判断にて示唆を規制することができる。これにより、過度に示唆が行われることを抑制できる。
特徴I6.前記共通実行期間及び前記固有実行期間は、前記絵柄表示装置にて実行される所定の変動表示に対応するものを各々有しており、
前記共通実行期間のうち前記所定の変動表示に対応する期間は、遊技者によって前記固有実行期間のうち前記所定の変動表示に対応する期間と同一であると認識される期間となるように構成されていることを特徴とする特徴I5に記載の遊技機。
特徴I5に示したように固有実行期間を受信した場合であって示唆が回避され得る構成においては、所定の変動表示が実行される場合に僅かな期間の違いから設定値が推定されることは好ましくない。そこで、本特徴に示すように、共通実行期間と固有実行期間とが同一であると認識される程度の差にとどめる構成とすれば、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴I7.前記共通実行期間に対応した変動表示の冒頭部分と、前記固有実行期間に対応した変動表示の冒頭部分とは、変動表示の概要が共通となるように構成されていることを特徴とする特徴I5又は特徴I6に記載の遊技機。
特徴I5等にした構成においては、絵柄表示装置における変動表示時間をカウントすれば、設定示唆の有無等を特定することが可能である。しかしながら、本特徴に示すように、変動表示の冒頭を共通化すれば、設定示唆が発生し得る遊技回を狙って実行期間をカウントするといった行為を難しくすることができる。これにより、表示制御装置側にて設定示唆を一部規制する構成とした場合であっても、設定示唆の有無が特定されることを抑制できる。
特徴I8.前記共通実行期間として、第1実行期間と当該第1実行期間よりも長い第2実行期間とが設けられており、
前記固有実行期間は、前記第2実行期間に対応した変動表示が実行される場合と同一であると遊技者に認識される期間となるように構成されていることを特徴とする特徴I5乃至特徴I7のいずれか1つに記載の遊技機。
共通実行期間に第1実行期間及び第2実行期間が存在する場合には、相対的に長い第2実行期間をベースに固有実行期間を設定することにより、共通実行期間と固有実行期間との差を目視等にて特定することを難しくすることができる。
特徴I9.前記取得情報記憶手段は、前記特別情報を複数記憶可能となっており、
前記移行判定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が移行情報に対応しているか否かの移行判定を順次行う構成となっており、
前記表示制御装置は、前記移行判定手段による判定結果に対応した絵柄組合せを停止表示させることで当該判定結果を報知し、次の遊技回の開始まで当該絵柄組合せを維持する手段を有し、
前記示唆手段は、前記固有実行期間を示す実行期間情報を受信した場合に、停止表示される絵柄組合せが前記固有実行期間に対応するものとするこにより前記示唆を実行するものであり、
前記規制手段は、前記主制御装置から前記固有実行期間を示す実行期間情報を受信した場合であっても、後続の特別情報が記憶されていない場合には、前記所定の規制条件成立として前記示唆を規制するように構成されていることを特徴とする特徴I5乃至特徴I8のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、固有実行期間が指定された場合であっても後続の特別情報が記憶されていない場合には設定示唆に対応した絵柄組合せが停止表示の対象から外れることとなる。これにより、設定示唆に期待する遊技者に遊技を無駄に遅延させる行為(例えば変則打ち)を控えるように促すことができ、遊技機の稼働率の向上に寄与できる。また、例えば設定示唆に対応した絵柄組合せが停止表示されたまま放置されることが回避されることで、設定示唆への過度の依存を抑制して遊技の健全化に貢献できる。
特徴I10.前記変動表示の1として、リーチ変動表示が設けられており、
前記固有実行期間は、当該リーチ変動表示に対応した期間であり、
前記示唆手段は、前記表示画面にて前記示唆を実行する手段を有していることを特徴とする特徴I1乃至特徴I9のいずれか1つに記載の遊技機。
リーチ変動表示が実行される場合には特別遊技状態への移行の期待が高まるため、遊技者の注目がリーチ変動表示に向きやすい。遊技者の注目度が高くなっている状況下にて示唆が実行されることにより、当該示唆が見逃される機会を減らすことができる。
特徴I11.前記取得情報記憶手段は、前記特別情報を複数記憶可能となっており、
前記移行判定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が移行情報に対応しているか否かの移行判定を順次行う構成となっており、
前記取得情報記憶手段に記憶されている保留情報の数が多くなることで前記固有実行期間が設定される可能性が高くなるように構成されていることを特徴とする特徴I1乃至特徴I10のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、設定示唆を期待して遊技を行っている遊技者は、記憶されている特別情報の数が極力多くなるようにして遊技を行うものと想定される。これにより、遊技機の稼働率の向上に寄与できる。
また、特徴I1に示したように、実行期間が設定示唆の情報を含む構成においては、実行期間をカウントすることにより設定示唆の見極めが可能となる。この場合、遊技回が連続して進行する場合にはカウントが難しくなるため、遊技回が連続して進行しないように遅延行為が行われると懸念される。これは、遊技機の稼働率の向上を図る上で妨げになる。この点、本特徴に示すように、保留情報の数が多くなる場合(すなわち遊技回が連続して進行する場合)に固有実行期間が設定される確率を高くすることにより、遅延行為の回避を促し、遊技機の稼働率の低下を抑制できる。
特徴I12.遊技に関する主たる制御を実行する主制御装置(主制御装置162)と、
表示画面(表示画面253a)を有し、当該表示画面にて絵柄を変動表示可能な絵柄表示装置(図柄表示装置253)と、
前記主制御装置の配下で前記絵柄表示装置を表示制御する表示制御装置(報知・演出制御装置140及び表示制御装置410)と
を備え、
前記主制御装置は、
遊技領域(遊技領域PE)に設けられた始動入球部(作動口83a,83b)への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を取得する機能)と、
前記情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU402にて保留情報を記憶する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が移行情報に対応しているか否かの移行判定を行う移行判定手段(主制御装置162のMPU402にて当否判定処理等を実行する機能)と、
前記移行判定手段による判定の結果が前記移行情報に対応しているとする移行対応結果となったことに基づいて、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU402にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
遊技回用動作が開始されてから前記移行判定手段の判定結果に対応した報知結果となることで前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(主表示ユニット87の作動口用表示部)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162のMPU402にて表示制御を実行する機能)と、
前記移行判定手段の判定結果に基づいて、前記遊技回用動作の実行期間を決定する実行期間設定手段(主制御装置162のMPU402にて変動表示時間を決定する機能)と、
前記実行期間設定手段により設定された実行期間に対応した実行期間情報を前記表示制御装置へ送信する送信手段(主制御装置162のMPU402にて変動開始コマンドを出力する機能)と
を有し、
前記表示制御装置は、前記主制御装置から受信した前記実行期間情報に基づいて前記絵柄表示装置における前記絵柄の変動表示期間を設定する変動表示期間設定手段(報知・演出制御装置140のMPU442にて変動表示時間を設定する機能)を有し、
遊技球の獲得期待値に対応した設定値を複数段階(設定1〜設定3)備え、それら設定値の中から一の設定値を決定する設定値決定手段(主制御装置162のMPU402にて設定変動処理を実行する機能)と、
前記設定値決定手段により決定される設定値を変更すべく操作される設定値変更手段(主制御装置162に付属の設定変更スイッチ166)と
を備え、
前記設定値として第1設定値と当該第1設定値よりも前記獲得期待値が小さい第2設定値とを含み、
前記実行期間として、前記設定値毎に共通となる共通実行期間と前記設定値毎に固有となる固有実行期間とが設けられており、
前記設定値として前記第1設定値が設定されている場合に前記実行期間として第1実行期間を設定し、前記設定値として前記第2設定値が設定されている場合に前記実行期間として前記第1実行期間又は第2実行期間を設定する手段と、
前記表示制御装置は、前記第2実行期間を示す実行期間情報を受信した場合に前記設定値の示唆を行う示唆手段(報知・演出制御装置140にて設定示唆を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴I12によれば、遊技回動作の開始に伴って主制御装置から送信される実行期間情報が設定値を示す情報を含んでいる。この構成によれば、設定値の示唆(設定示唆)の可否を主制御装置にて指示することができ、主制御装置と比べて防御機能が低い表示制御装置が不正に操作される等して設定示唆が不正に実行されることを抑制できる。
また、主制御装置から送信される実行期間情報が設定示唆のベースとなるため、設定値を示す情報を表示制御装置側にて記憶保持する必要がない。防御機能の低い表示制御装置にて設定値を記憶する必要がない構成とすることは、設定値を示す情報の流出を抑制する上で有利である。
更には、主制御装置から定期的に送信される実行期間情報が設定値を示す情報を兼ねているため、設定値を示す情報を別途送信する構成と比較して、当該情報に狙いを定めて情報を不正に取得するといった行為を難しくすることができる。
なお、以上詳述した特徴I群に特徴A群〜特徴H群に示した各技術的思想を適用することも可能である。
<特徴J群>
以下の特徴J群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた入球部への入賞を契機として当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が実行され、抽選に当選した場合には表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示され、遊技状態が特定遊技状態に移行する(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「近年では、遊技機への信頼性を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成においては信頼性の向上を図る上では未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴J1.遊技媒体(例えば遊技球)の獲得期待値に対応した設定値を複数段階(設定1〜設定3)備え、それら設定値の中から一の設定値を設定する設定値設定手段(主制御装置162や監視装置600にて設定変更用の各種処理を実行する機能)と、
前記設定値設定手段により設定される設定値を変更すべく操作される変更操作手段(例えば監視装置600に付属の設定キースイッチ608や設定変更スイッチ609等)と
を備え、
前記変更操作手段は、非操作状態及び操作状態に切替可能な第1操作部(設定キースイッチ608)と第2操作部(設定変更スイッチ609)とを有し、
前記設定値設定手段は、
前記第1操作部が前記操作状態である場合に、遊技機の制御状態を前記設定値の変更を禁止する禁止状態から前記設定値の変更を許可する許可状態(設定変更モード)に切り替える手段と、
前記許可状態となっている状況下にて前記第2操作部が操作されたことに基づいて前記設定値を変更する手段と、
前記第1操作部が前記操作状態及び前記非操作状態の一方である第1状態から前記操作状態及び前記非操作状態の他方である第2状態に切り替わった場合に、当該第2状態への切り替えから所定期間を経過したタイミングにおける状態が当該第2状態であるかを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記第2状態であると判定された場合に、前記第1操作部の操作に対応した所定の処理を許可し、前記判定手段により前記第2状態でないと判定された場合に、前記所定の処理を禁止とする手段と
を有していることを特徴とする遊技機。
設定値の変更機能を有する遊技機においては、遊技機の挙動の多様化によって遊技への注目度の向上に寄与できる。しかしながら、この種の遊技機においては、変更操作手段のがたつき等によって操作時に操作状態/非操作状態へ細かく切り替わるといった事象(所謂チャタリング)が発生し得る。このような事象は遊技機の動作安定性を低下させて、遊技機への信頼性を低下させる要因になると懸念される。この点、本特徴に示す構成においては、第1操作部が第1状態→第2状態に切り替わった場合には、当該第2状態への切り替えから所定期間が経過したタイミングにて第1操作部の状態が確認される。本来であれば所定期間が経過した時点では第2状態と判定されて所定の処理が許可されるところ、第2状態となっていない場合には所定の処理が禁止される。このような構成とすることで、遊技機の誤作動を抑制し、遊技機への信頼性の向上に寄与できる。
特徴J2.前記第1操作部が操作されてから前記判定手段により前記判定がなされるまで前記所定の処理が禁止される構成となっていることを特徴とする特徴J1に記載の遊技機。
本特徴に示すように第2状態への切り替えから所定期間を経過するまで(判定手段による判定がなされるまで)は所定の処理を禁止する構成とすることにより、誤作動の発生を好適に抑制できる。
特徴J3.前記第1状態は前記操作状態、前記第2状態は前記非操作状態であり、
前記判定手段は、前記第1操作部が前記操作状態から前記非操作状態に切り替わった場合に、当該非操作状態への切り替えから前記所定期間を経過したタイミングにおける状態が当該非操作状態であるかを判定する手段を有し、
前記判定手段により前記非操作状態であると判定された場合に、前記所定の処理が許可され、前記判定手段により前記非操作状態でないと判定された場合に、前記所定の処理が禁止される構成となっていることを特徴とする特徴J1又は特徴J2に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、許可状態から禁止状態への切り替え時には、少なくとも非操作状態への切り替え後に所定期間を経過するまで第1操作部の状態に関係なく所定の処理が回避される。このため、第1操作部を非操作状態に切り替えた際に上述したチャタリングが発生したとしても、当該チャタリングが発生している状況下にて所定の処理が実行されることを回避できる。これにより、非操作状態への切り替え時に発生したチャタリングが誤作動の要因になることを抑制できる。
特徴J4.電源装置(電源・発射制御装置243)と、当該電源装置から電力供給を開始すべく操作される電源操作部(電源スイッチ247)とを備え、
前記設定値設定手段は、前記第1操作部が前記操作状態となっている状況下にて前記電源操作部がON状態となった場合に遊技機の制御状態を前記許可状態(設定変更モード)に切り替える構成となっており、
前記電源操作部が前記ON状態であり且つ前記制御状態が前記禁止状態となっている状況下にて前記第1操作部が前記非操作状態から前記操作状態に切り替わることにより遊技機の制御状態を前記設定値設定手段により設定された前記設定値を報知する報知制御状態(例えば設定確認モード)に切り替える手段(例えば設定確認処理を実行する機能)を備え、
前記第1状態は前記操作状態、前記第2状態は前記非操作状態であり、
前記判定手段は、前記第1操作部が前記操作状態から前記非操作状態に切り替わった場合に、当該非操作状態への切り替えから前記所定期間を経過したタイミングにおける状態が当該非操作状態であるかを判定する手段を有し、
前記判定手段により前記非操作状態であると判定された場合に、前記所定の処理である前記報知制御状態への移行処理が許可され、前記判定手段により前記非操作状態でないと判定された場合に、前記所定の処理である前記報知制御状態への移行処理が禁止される構成となっていることを特徴とする特徴J1又は特徴J2に記載の遊技機。
設定値の変更(設定変更)及び設定値の確認(設定確認)の2つの機能を有する遊技機においては、操作系統を変更操作手段(特に第1操作部)に統一することにより、遊技機の構成の複雑化を抑制できる。しかしながら、このような構成では、第1操作部に上述したチャタリングが発生することにより、許可状態→禁止状態への切り替えを行うはずが、作業者の意図に反して報知制御状態に切り替わるといった不都合が発生し得る。このような誤作動の発生は作業者を困惑させる要因になるため好ましくない。この点、許可状態にて第1操作部が非操作状態に切り替えられた場合であっても、直ちに禁止状態に移行するのではなく、所定期間が経過するまで禁止状態が維持される構成とすることにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴J5.前記第1操作部が前記操作状態から前記非操作状態に切り替わった場合に、前記設定値設定手段により設定された前記設定値を報知する報知手段を備えていることを特徴とする特徴J4に記載の遊技機。
非操作状態への切替操作を行った場合には、それに応じて設定値が報知される。これにより、切替操作を行ったにも関わらずそれが正常に受け付けられていなかのような誤解を遊技者に与えることを抑制できる。
特徴J6.前記第1状態は前記非操作状態、前記第2状態は前記操作状態であり、
前記判定手段は、前記第1操作部が前記非操作状態から前記操作状態に切り替わった場合に、当該操作状態への切り替えから前記所定期間を経過したタイミングにおける状態が当該操作状態であるかを判定する手段を有し、
前記判定手段により前記操作状態であると判定された場合に、前記所定の処理が許可され、前記判定手段により前記操作状態でないと判定された場合に、前記所定の処理が禁止される構成となっていることを特徴とする特徴J1又は特徴J2に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、禁止状態から許可状態への切り替え時には、少なくとも操作状態への切り替え後に所定期間を経過するまで第1操作部の状態に関係なく所定の処理(例えば禁止状態への復帰処理)が回避される。このため、第1操作部を操作状態に切り替えた際に上述したチャタリングが発生したとしても、当該チャタリングによって許可状態が終了することを回避できる。これにより、操作状態への切り替え時に発生したチャタリングが誤作動の要因になることを抑制できる。
特徴J7.電源装置(電源・発射制御装置243)と、当該電源装置から電力供給を開始すべく操作される電源操作部(電源スイッチ247)とを備え、
前記設定値設定手段は、前記第1操作部が前記操作状態となっている状況下にて前記電源操作部がON状態となった場合に遊技機の制御状態を前記許可状態(設定変更モード)に切り替える構成となっており、
前記電源操作部が前記ON状態であり且つ前記制御状態が前記禁止状態となっている状況下にて前記第1操作部が前記非操作状態から前記操作状態に切り替わることにより遊技機の制御状態を前記設定値設定手段により決定された前記設定値を報知する報知制御状態(例えば設定確認モード)に切り替える手段(例えば設定確認処理を実行する機能)を備え、
前記第1状態は前記非操作状態、前記第2状態は前記操作状態であり、
前記判定手段は、前記第1操作部が前記非操作状態から前記操作状態に切り替わった場合に、当該操作状態への切り替えから前記所定期間を経過したタイミングにおける状態が当該操作状態であるかを判定する手段を有し、
前記判定手段により前記操作状態であると判定された場合に、前記所定の処理である前記禁止状態への切替処理が許可され、前記判定手段により前記操作状態でないと判定された場合に、前記所定の処理である前記禁止状態への切替処理が禁止される構成となっていることを特徴とする特徴J1又は特徴J2に記載の遊技機。
設定値の変更(設定変更)及び設定値の確認(設定確認)の2つの機能を有する遊技機においては、操作系統を変更操作手段(特に第1操作部)に統一することにより、遊技機の構成の複雑化を抑制できる。しかしながら、このような構成では、第1操作部に上述したチャタリングが発生することにより、禁止状態→許可状態への切り替えを行うはずが、作業者の意図に反して許可状態が終了する(報知制御状態に切り替わる)といった不都合が発生し得る。このような誤作動の発生は作業者を困惑させる要因になるため好ましくない。この点、禁止状態にて第1操作部が操作状態に切り替えられた場合であっても、直ちに禁止状態に復帰するのではなく、所定期間が経過するまで許可状態が維持される構成とすることにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴J8.予め設定された第1の周期にて第1定期処理(例えば主制御装置162におけるタイマ割込み処理や通常処理)を繰り返し実行し、当該第1定期処理にて遊技領域(遊技領域PE)に設けられた入球部(例えば作動口83a,83b)への入球に基づいた払出指令情報の出力処理を実行する主制御手段(主制御装置162)と、
前記払出指令情報が入力されたことに基づいて遊技球が払い出されるように払出手段(払出装置224)を制御する払出制御手段(払出制御装置242)と
を備えている遊技機において、
予め設定された第2の周期にて第2定期処理を繰り返し実行することにより、前記入球部への入球状況を監視する入球状況監視手段(監視装置600)を備え、
前記入球状況監視手段は、
遊技球の獲得期待値に対応した設定値を複数段階(設定1〜設定3)備え、それら設定値の中から一の設定値を設定する設定値設定手段(主制御装置162のMPU402にて抽選テーブルの切り替えを行う機能)と、
前記設定値設定手段により設定される設定値を変更すべく操作される変更操作手段(例えば監視装置600に付属の設定キースイッチ608や設定変更スイッチ609)と、
前記第2定期処理にて前記変更操作手段の操作を判定する判定手段(監視装置600のMPU602における判定機能)と
を有し、
前記主制御手段は、前記設定値設定手段により決定された設定値に基づいて前記第1定期処理を実行する構成となっており、
前記第2定期処理が実行される前記第2の周期は、前記第1定期処理が実行される前記第1の周期よりも長くなっていることを特徴とする遊技機。
設定値の変更機能を有する遊技機においては、遊技機の挙動の多様化によって遊技への注目度の向上に寄与できる。しかしながら、この種の遊技機においては、変更操作手段のがたつき等によって操作時に操作状態/非操作状態へ細かく切り替わるといった事象(所謂チャタリング)が発生し得る。このような事象は遊技機の動作安定性を低下させて、遊技機への信頼性を低下させる要因になると懸念される。特に、遊技の円滑な進行や応答性の向上等を実現させる上では第1定期処理の周期を短くすることが効果的ではあるものの、実行周期が短い定期処理にて操作判定を行う構成ではチャタリングを拾いやすくなる。つまり、実行周期が長い場合にはそれほど問題にならなった事象が誤作動の要因になると懸念される。この点、本特徴に示す構成においては、定期処理の実行周期が主制御手段よりも長くなるように設定された入球状況監視手段に設定変更に係る各種構成が配設されている。このため、チャタリングの影響による誤作動の発生を好適に減らすことができる。これにより、遊技機への信頼性の向上に寄与できる。
なお、本特徴に示す「予め設定された第1の周期にて第1定期処理(例えば主制御装置162におけるタイマ割込み処理や通常処理)を繰り返し実行し、当該第1定期処理にて遊技領域(遊技領域PE)に設けられた入球部(例えば作動口83a,83b)への入球に基づいた払出指令情報の出力処理を実行する主制御手段」、「予め設定された第2の周期にて第2定期処理を繰り返し実行することにより、前記入球部への入球状況を監視する入球状況監視手段」との記載を、「所定の周期にて第1定期処理(例えば主制御装置162におけるタイマ割込み処理や通常処理)を繰り返し実行し、当該第1定期処理にて遊技領域(遊技領域PE)に設けられた入球部(例えば作動口83a,83b)への入球に基づいた払出指令情報の出力処理を実行する主制御手段」、「前記所定の周期とは異なる周期にて第2定期処理を繰り返し実行することにより、前記入球部への入球状況を監視する入球状況監視手段」とすることも可能である。
特徴J9.前記第1定期処理は、遊技の進行を制御する処理であり、
前記入球状況監視手段にて前記変更操作手段が操作されている場合に、前記主制御手段における第1定期処理を規制する手段を備えていることを特徴とする特徴J8に記載の遊技機。
設定変更に係る主たる構成を入球状況監視手段に配設している場合には、遊技進行中に入球監視手段にて設定値が変更されることで、それが主制御手段に反映されるまでにタイムラグが生じる。そこで、変更操作手段が操作されている場合には、第1定期処理を規制することにより、そのようなタイミングのずれの影響を回避できる。
なお、以上詳述した特徴J群に特徴A群〜特徴I群に示した各技術的思想を適用することも可能である。
<特徴K群>
以下の特徴K群は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた入球部への入賞を契機として当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が実行され、抽選に当選した場合には表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示され、遊技状態が特定遊技状態に移行する(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「近年では、遊技機の防犯性を高めるべく様々な工夫がなされている。しかしながら、遊技機の構成においては防犯性の向上を実現する上では未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴K1.予め定められた周期で定期処理(例えば通常処理やタイマ割込み処理)を繰り返し実行することにより遊技の進行を制御する定期処理実行手段(主制御装置162のMPU402にて定期処理を実行する機能)を備えた遊技機において、
前記定期処理実行手段は、
前記定期処理にて第1数値情報(例えば当たり乱数カウンタC1)を更新する第1更新手段(主制御装置162のMPU402におけるカウンタの更新機能)と、
遊技領域(遊技領域PE)に設けられた入球部(例えば作動口83a,83b)への入球が発生した場合に、当該入球が発生したタイミングにおける前記第1数値情報を取得し、当該取得した第1数値情報を第1記憶手段(RAM404の保留球格納エリア432)に記憶させる数値情報取得手段(主制御装置162のMPU402にて当たり乱数カウンタC1の値を取得し記憶する機能)と、
前記第1記憶手段に記憶されている第1数値情報と当選情報が定められた当選情報群(当否テーブル)とを用いて抽選(例えば当否抽選)を行う抽選手段(主制御装置162のMPU402にて当否抽選を行う機能)と
を有し、
前記当選情報群として、前記抽選にて当選結果となる当選情報の数が異なるように構成された複数の当選情報群(例えば設定1〜設定3に対応する当否テーブル)を有し、前記抽選手段はそれら複数の当選情報群のうち一の当選情報群を参照して前記抽選を行うものであり、
前記抽選手段にて参照対象となる当選情報群の変更と、前記抽選手段にて何れの当選情報群が参照対象となっているかの確認との何れかを行うべく操作される操作手段(主制御装置162に付属の設定キースイッチ167や設定変更スイッチ166等)と、
前記第1更新手段による前記第1数値情報の更新とは非同期となる所定の周期にて前記第1数値情報とは別の第2数値情報(例えば当たり乱数カウンタCX)を更新する第2更新手段(更新回路651)と、
前記第2更新手段により更新された前記第2数値情報を記憶する第2記憶手段(当たり乱数レジスタ654)と、
前記操作手段によって前記参照対象が変更される場合又は前記参照対象が確認される場合に、前記第2記憶手段に記憶されている前記第2数値情報に基づいて前記第1数値情報を設定する数値情報設定手段(主制御装置162のMPU402にて初期値設定処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技ホールの管理者等によって参照対象となる数値情報群の変更(設定変更)や参照対象となる数値情報群の確認(設定確認)が行われた場合には、例えば定期処理を一時停止することにより遊技機の誤作動等を抑制することができる。しかしながら、定期処理にて第1数値情報が更新される点に鑑みれば、設定変更中や設定確認中は第1数値情報の更新が止まることになる。これでは、設定変更操作や設定確認操作のタイミングから第1数値情報の更新パターンが予測されやすくなると懸念される。つまり、更新処理に第1数値情報の更新機能を組み込んだ場合には、定期処理が通常通り進行している場合には更新パターンを多様化できるものの、定期処理の進行が止まった場合には上記不都合が発生し得る。このように、数値情報の更新に係る構成には遊技機の防犯機能の向上を図る上で未だ改善の余地がある。
ここで、本特徴に示す構成によれば、設定変更操作や設定確認操作が行われた場合には、第2数値情報に基づいて(例えばと同じ数値情報となるようにして)第1数値情報が設定される。つまり、第1数値情報とは別に設けられた第2数値情報を用いることにより、第1数値情報の更新パターンをわかりづらくすることができる。故に、仮に上述の如く定期処理が止まって第1数値情報の更新が停止されたとしても、それに起因した防犯機能の低下を好適に抑制することができる。
なお、本特徴に示す構成を「予め定められた周期で定期処理(例えば通常処理やタイマ割込み処理)を繰り返し実行することにより遊技の進行を制御する定期処理実行手段(主制御装置162のMPU402にて定期処理を実行する機能)を備えた遊技機において、前記定期処理実行手段は、前記定期処理にて第1数値情報(例えば当たり乱数カウンタC1)を更新する第1更新手段(主制御装置162のMPU402におけるカウンタの更新機能)と、遊技領域(遊技領域PE)に設けられた入球部(例えば作動口83a,83b)への入球が発生した場合に、当該入球が発生したタイミングにおける前記第1数値情報を取得し、当該取得した第1数値情報を第1記憶手段(RAM404の保留球格納エリア432)に記憶させる数値情報取得手段(主制御装置162のMPU402にて当たり乱数カウンタC1の値を取得し記憶する機能)と、前記第1記憶手段に記憶されている第1数値情報と当選情報が定められた当選情報群(当否テーブル)とを用いて抽選(例えば当否抽選)を行う抽選手段(主制御装置162のMPU402にて当否抽選を行う機能)とを有し、前記当選情報群として、前記抽選にて当選結果となる当選情報の数が異なるように構成された複数の当選情報群(例えば設定1〜設定3に対応する当否テーブル)を有し、前記抽選手段はそれら複数の当選情報群のうち一の当選情報群を参照して前記抽選を行うものであり、前記抽選手段にて参照対象となる当選情報群の変更と、前記抽選手段にて何れの当選情報群が参照対象となっているかの確認との何れかを行うべく操作される操作手段(主制御装置162に付属の設定キースイッチ167や設定変更スイッチ166等)と、前記第1更新手段による前記第1数値情報の更新とは非同期となる所定の周期にて前記第1数値情報とは別の第2数値情報(例えば当たり乱数カウンタCX)を更新する第2更新手段(更新回路651)と、前記第2更新手段により更新された前記第2数値情報を記憶する第2記憶手段(当たり乱数レジスタ654)と、前記操作手段によって前記参照対象が変更される場合又は前記参照対象が確認される場合に、前記第2記憶手段に記憶されている前記第2数値情報と同じ数値情報となるように前記第1数値情報を設定する数値情報設定手段(主制御装置162のMPU402にて初期値設定処理を実行する機能)とを備えていることを特徴とする遊技機。」としてもよいし、「予め定められた周期で定期処理(例えば通常処理やタイマ割込み処理)を繰り返し実行することにより遊技の進行を制御する定期処理実行手段(主制御装置162のMPU402にて定期処理を実行する機能)を備えた遊技機において、前記定期処理実行手段は、前記定期処理にて第1数値情報(例えば当たり乱数カウンタC1)を更新する第1更新手段(主制御装置162のMPU402におけるカウンタの更新機能)と、遊技領域(遊技領域PE)に設けられた入球部(例えば作動口83a,83b)への入球が発生した場合に、当該入球が発生したタイミングにおける前記第1数値情報を取得し、当該取得した第1数値情報を第1記憶手段(RAM404の保留球格納エリア432)に記憶させる数値情報取得手段(主制御装置162のMPU402にて当たり乱数カウンタC1の値を取得し記憶する機能)と、前記第1記憶手段に記憶されている第1数値情報と当選情報が定められた当選情報群(当否テーブル)とを用いて抽選(例えば当否抽選)を行う抽選手段(主制御装置162のMPU402にて当否抽選を行う機能)とを有し、前記当選情報群として、前記抽選にて当選結果となる当選情報の数が異なるように構成された複数の当選情報群を有し、前記抽選手段はそれら複数の当選情報群のうち一の当選情報群を参照して前記抽選を行うものであり、前記抽選手段にて参照対象となる当選情報群の変更と、前記抽選手段にて何れの当選情報群が参照対象となっているかの確認との何れかを行うべく操作される操作手段(主制御装置162に付属の設定キースイッチ167や設定変更スイッチ166等)と、前記第1更新手段による前記第1数値情報の更新とは非同期となる所定の周期にて前記第1数値情報とは別の第2数値情報(例えば当たり乱数カウンタCX)を更新する第2更新手段(更新回路651)と、前記操作手段によって前記参照対象が変更される場合又は前記参照対象が確認される場合に、前記第2数値情報を取得し、取得した第2数値情報と同じ数値情報となるように前記第1数値情報を設定する数値情報設定手段(主制御装置162のMPU402にて初期値設定処理を実行する機能)とを備えていることを特徴とする遊技機。」としてもよい。
特徴K2.前記操作手段の操作によって前記参照対象が変更される場合又は前記参照対象が確認される場合に、前記定期処理実行手段による前記定期処理の進行を規制する手段を備えていることを特徴とする特徴K1に記載の遊技機。
定期処理の一環として第1数値情報が更新される構成では、定期処理が止まることにより、第1数値情報の更新も中断される。第1数値情報の更新は、例えば上記設定変更や設定確認の終了に基づいて再開される。このような構成では、変更操作の終了タイミングから乱数値の更新周期等の予測が行われやすくなると懸念される。これは、所定の乱数値を狙って遊技を行うといった不正行為を抑制する上で好ましくない。このような構成に対して、特徴K1等に示した技術的思想を適用することにより、乱数値の予測を難しくし、遊技の防犯機能を好適に向上させることができる。
特徴K3.前記第2更新手段は、電力が供給されている場合に所定周期にてオンオフが切り替わるパルス信号を出力可能な発振手段を有し、当該発振手段からのパルス信号に基づいて前記第2数値情報を更新する構成となっていることを特徴とする特徴K1又は特徴K2に記載の遊技機。
特徴K3に示す構成によれば、電力供給中であれば第2数値情報を更新可能となる。つまり、変更作業や確認作業が行われている最中も定期処理から独立した第2更新手段によって第2数値情報を更新することができる。これにより、例えば変更作業や確認作業の最中又は終了時等に第1数値情報へ第2数値情報を適用する場合に、適用される第2数値情報の特定や予測を難しくすることができる。
また、電力供給開始時に設定変更が行われる場合であっても、立ち上げ等の各種処理を経ることなく第2数値情報を更新させることができるため、第1数値情報への適用に第2数値情報の更新が間に合わなくなるといった不都合の発生を抑制できる。
特徴K4.前記数値情報設定手段は、前記参照対象の変更又は前記参照対象の確認が終了した場合に、前記第2記憶手段に記憶されている前記第2数値情報を取得する構成となっており、
前記第2更新手段は、前記参照対象の変更又は前記参照対象の確認が行われる間も前記第2数値情報を更新する構成となっていることを特徴とする特徴K1乃至特徴K3のいずれか1つに記載の遊技機。
変更作業や確認作業を行う場合には、作業時間にある程度ばらつきが生じる。本特徴に示す構成では、その期間を利用して第2数値情報が更新されるため、取得される第2数値情報の予測を難しくすることができる。
特徴K5.前記第2更新手段による前記第2数値情報の更新周期は、前記第1更新手段による前記第1数値情報の更新周期よりも短くなっていることを特徴とする特徴K4に記載の遊技機。
特徴K4に示したように、変更作業や確認作業の最中に第2数値情報を更新することには技術的意義がある。そして、この第2数値情報の更新を短い周期で行うことで、第2数値情報の予測が一層困難となる。そこで、特徴K1等に示したように定期処理とは別に第2数値情報の更新が行われる構成では、定期処理の周期よりも短い周期で更新を行うことにより防犯機能の更なる向上に寄与できる。なお、遊技進行に係る定期処理にて更新周期の短縮を図ることは、定期処理の処理負荷を増大させる要因となる。本特徴に示す構成では、このような不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴K6.前記定期処理実行手段は、
前記定期処理にて第3数値情報(例えば当たり乱数カウンタC1)を更新する第3更新手段(主制御装置162のMPU402におけるカウンタの更新機能)と、
前記第1更新手段により前記第1数値情報が更新されて当該第1数値情報が所定の数値情報となった場合に、前記第3数値情報と同じ数値情報となるように当該第1数値情報を設定する手段と
を有し、
前記数値情報設定手段は、前記操作手段によって前記参照対象が変更される場合又は前記参照対象が確認される場合に、前記第2記憶手段に記憶されている第2数値情報と同じ数値情報となるように前記第3数値情報を設定する手段を有していることを特徴とする特徴K1乃至特徴K5のいずれか1つに記載の遊技機。
第1数値情報が所定の数値情報となった場合に第3数値情報を用いて第1数値情報を再設定(初期値の設定)することは、第1数値情報の更新パターンを多様化して当該第1数値情報の予測を難しくする上で有利である。ここで、上述した設定変更又は設定確認が行われる場合には、第1数値情報だけではなく第3数値情報についても第2数値情報に合せて変更される。これにより、第3数値情報の予測自体も困難とし、更なる防犯機能の向上に寄与できる。
特徴K7.前記定期処理実行手段を有する主制御手段(主制御装置162)と、
前記主制御手段からの情報に基づいて、前記入球部への入球状況を監視する入球状況監視手段(監視装置600)と
を備え、
前記入球状況監視手段は、前記第2更新手段及び前記第2記憶手段と、前記主制御手段からの要求に基づいて当該主制御手段へ前記第2記憶手段に記憶されている第2数値情報を送信する送信手段とを有していることを特徴とする特徴K1乃至特徴K6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴K7に示すように主制御手段とは別に設けられた入球状況監視手段によって入球部への入球状況を監視している構成においては、当該入球状況監視手段に第2更新手段や第2記憶手段を設け、当該入球状況監視手段から第2数値情報を主制御手段に送信する構成とすることにより、主制御手段に係る制御負荷の増大を抑制できる。これは、遊技進行の円滑化等を図る上で好ましい構成である。なお、入球監視手段については、遊技進行に係る処理を実行しているわけではないため、処理負荷が大きくなる等してもそれが遊技進行を妨げる要因になることがない。
特徴K8.予め定められた周期で定期処理(例えば通常処理やタイマ割込み処理)を繰り返し実行することにより遊技の進行を制御する主制御手段(主制御装置162)を備え、
前記主制御手段は、
前記定期処理にて第1数値情報(例えば当たり乱数カウンタC1)を更新する第1更新手段(主制御装置162のMPU402におけるカウンタの更新機能)と、
遊技領域(遊技領域PE)に設けられた入球部(例えば作動口83a,83b)への入球が発生した場合に、当該入球が発生したタイミングにおける前記第1数値情報を取得し、当該取得した第1数値情報を第1記憶手段(RAM404の保留球格納エリア432)に記憶させる数値情報取得手段(主制御装置162のMPU402にて当たり乱数カウンタC1の値を取得し記憶する機能)と、
前記第1記憶手段に記憶されている第1数値情報と当選情報が定められた当選情報群(当否テーブル)とを用いて抽選(例えば当否抽選)を行う抽選手段(主制御装置162のMPU402にて当否抽選を行う機能)と
を有し、
前記当選情報群として、前記抽選にて当選結果となる当選情報の数が異なるように構成された複数の当選情報群を有し、前記抽選手段はそれら複数の当選情報群のうち一の当選情報群を参照して前記抽選を行うものであり、
前記抽選手段にて参照対象となる当選情報群の変更と、前記抽選手段にて何れの当選情報群が参照対象となっているかの確認との何れかを行うべく操作される操作手段(主制御装置162に付属の設定キースイッチ167や設定変更スイッチ166等)と、
前記主制御手段からの情報に基づいて、前記入球部への入球状況を監視する入球状況監視手段(監視装置600)と
を備え、
前記入球状況監視手段は、前記第1更新手段による前記第1数値情報の更新とは非同期となる所定の周期にて前記第1数値情報とは別の第2数値情報(例えば当たり乱数カウンタCX)を更新する第2更新手段(更新回路651)と、前記第2更新手段により更新された前記第2数値情報を記憶する第2記憶手段(当たり乱数レジスタ654)とを有し、
前記主制御手段は、前記操作手段によって前記参照対象が変更される場合又は前記参照対象が確認される場合に、前記第2記憶手段に記憶されている第2数値情報を取得し、当該第2数値情報と同じ数値情報となるように前記第1数値情報を設定する数値情報設定手段(主制御装置162のMPU402にて初期値設定処理を実行する機能)を有していることを特徴とする遊技機。
遊技ホールの管理者等によって参照対象となる数値情報群の変更(設定変更)や参照対象となる数値情報群の確認(設定確認)が行われた場合には、例えば定期処理を一時停止することにより遊技機の誤作動等を抑制することができる。しかしながら、定期処理にて第1数値情報が更新される点に鑑みれば、設定変更中や設定確認中は第1数値情報の更新が止まることになる。これでは、設定変更操作や設定確認操作のタイミングにより、第1数値情報の更新パターンが予測されやすくなることが懸念される。つまり、更新処理に第1数値情報の更新機能を組み込んだ場合には、定期処理が通常通り進行している場合には更新パターンを多様化できるものの、定期処理の進行が止まった場合には上記不都合が発生し得る。このように、数値情報の更新に係る構成には遊技機の防犯機能の向上を図る上で未だ改善の余地がある。
ここで、本特徴に示す構成によれば、設定変更操作や設定確認操作が行われた場合には、第2数値情報と同じ数値情報となるようにして第1数値情報が設定される。つまり、第1数値情報とは別に設けられた第2数値情報を用いることにより、第1数値情報の更新パターンをわかりづらくすることができる。故に、仮に上述の如く定期処理が止まって第1数値情報の更新が停止されたとしても、それに起因した防犯機能の低下を好適に抑制することができる。
また、主制御手段とは別に設けられた入球状況監視手段によって入球部への入球状況を監視している構成においては、当該入球状況監視手段に第2更新手段や第2記憶手段を設け、当該入球状況監視手段から第2数値情報を主制御手段に送信する構成とすることにより、主制御手段に係る制御負荷の増大を抑制できる。これは、遊技進行の円滑化等を図る上で好ましい構成である。なお、入球監視手段については、遊技進行に係る処理を実行しているわけではないため、処理負荷が大きくなる等してもそれが遊技進行を妨げる要因になることがない。
特徴K9.前記入球状況監視手段は、所定の周期で前記主制御手段からの要求を確認する手段を有し、当該所定の周期よりも前記第2更新手段による前記第2数値情報の更新周期の方が短くなっていることを特徴とする特徴K7又は特徴K8に記載の遊技機。
本特徴によれば、主制御手段からの実際の要求タイミングと、第2数値情報の取得タイミングとがずれることとなる。これにより、所望とする第2数値情報を狙うことを難しくすることができる。
特徴K10.前記主制御手段及び前記入球状況監視手段に電力を各々供給する電源装置(電源・発射制御装置243)と、
前記電源装置から前記主制御手段及び前記入球状況監視手段への電力の供給が開始された場合に、当該主制御手段における処理の進行を遅らせる手段と
を備えていることを特徴とする特徴K7乃至特徴K9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴K10によれば、電力供給開始時に主制御手段から入球状況監視手段へ第2数値情報の要求が発生する場合に、入球状況監視手段にて第2数値情報を更新する機会を確保することができる。これにより、特定の第2数値情報を狙うようにして上記設定変更や設定確認等を行うことを難しくすることができる。
特徴K11.前記入球状況監視手段は、前記第2更新手段による前記第2数値情報の更新が正常に行われているか否かを監視する手段を有していることを特徴とする特徴K7乃至特徴K10のいずれか1つに記載の遊技機。
例えば特定の第2数値情報を狙うといった行為を難しくする上では、第2数値情報の更新周期を短くすることに技術的意義がある。しかしながら、更新周期を短くする上では、数値情報の更新が正常に行われているいか否かを確認する場合の制御負荷も大きくなる。制御負荷が増大することは円滑な遊技の進行の妨げになるため好ましくない。そこで、特徴K8等に示したように入球状況監視手段にて第2数値情報を更新する構成においては、当該更新が正常に行われているか否かを入球状況監視手段にて監視することにより、防犯機能の向上に起因して遊技進行の円滑さが損なわれることを好適に回避できる。
特徴K12.予め定められた周期で定期処理(例えば通常処理やタイマ割込み処理)を繰り返し実行することにより遊技の進行を制御する定期処理実行手段(主制御装置162のMPU402にて定期処理を実行する機能)を備えた遊技機において、
前記定期処理実行手段は、
前記定期処理にて第1数値情報(例えば当たり乱数カウンタC1)を更新する第1更新手段(主制御装置162のMPU402におけるカウンタの更新機能)と、
遊技領域(遊技領域PE)に設けられた入球部(例えば作動口83a,83b)への入球が発生した場合に、当該入球が発生したタイミングにおける前記第1数値情報を取得し、当該取得した第1数値情報を第1記憶手段(RAM404の保留球格納エリア432)に記憶させる数値情報取得手段(主制御装置162のMPU402にて当たり乱数カウンタC1の値を取得し記憶する機能)と、
前記第1記憶手段に記憶されている第1数値情報と当選情報が定められた当選情報群(当否テーブル)とを用いて抽選(例えば当否抽選)を行う抽選手段(主制御装置162のMPU402にて当否抽選を行う機能)と
を有し、
前記当選情報群として、前記抽選にて当選結果となる当選情報の数が異なるように構成された複数の当選情報群を有し、前記抽選手段はそれら複数の当選情報群のうち一の当選情報群を参照して前記抽選を行うものであり、
前記抽選手段にて参照対象となる当選情報群を変更すべく操作される操作手段(主制御装置162に付属の設定キースイッチ167や設定変更スイッチ166等)と、
前記第1更新手段による前記第1数値情報の更新とは非同期となる所定の周期にて前記第1数値情報とは別の第2数値情報(例えば当たり乱数カウンタCX)を更新する第2更新手段(更新回路651)と、
前記第2更新手段により更新された前記第2数値情報を記憶する第2記憶手段(当たり乱数レジスタ654)と、
前記操作手段によって前記参照対象が変更される場合に、前記第2記憶手段に記憶されている前記第2数値情報と同じ数値情報となるように前記第1数値情報を設定する数値情報設定手段(主制御装置162のMPU402にて初期値設定処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技ホールの管理者等によって参照対象となる数値情報群の変更(設定変更)が行われた場合には、例えば定期処理を一時停止することにより遊技機の誤作動等を抑制することができる。しかしながら、定期処理にて第1数値情報が更新される点に鑑みれば、設定変更中は第1数値情報の更新が止まることになる。これでは、設定変更操作のタイミングにより、第1数値情報の更新パターンが予測されやすくなることが懸念される。つまり、更新処理に第1数値情報の更新機能を組み込んだ場合には、定期処理が通常通り進行している場合には更新パターンを多様化できるものの、定期処理の進行が止まった場合には上記不都合が発生し得る。このように、数値情報の更新に係る構成には遊技機の防犯機能の向上を図る上で未だ改善の余地がある。
ここで、本特徴に示す構成によれば、設定変更操作や設定確認操作が行われた場合には、第2数値情報と同じ数値情報となるようにして第1数値情報が設定される。つまり、第1数値情報とは別に設けられた第2数値情報を用いることにより、第1数値情報の更新パターンをわかりづらくすることができる。故に、仮に上述の如く定期処理が止まって第1数値情報の更新が停止されたとしても、それに起因した防犯機能の低下を好適に抑制することができる。
特徴K13.予め定められた周期で定期処理(例えば通常処理やタイマ割込み処理)を繰り返し実行することにより遊技の進行を制御する定期処理実行手段(主制御装置162のMPU402にて定期処理を実行する機能)を備えた遊技機において、
前記定期処理実行手段は、
前記定期処理にて第1数値情報(例えば当たり乱数カウンタC1)を更新する第1更新手段(主制御装置162のMPU402におけるカウンタの更新機能)と、
所定事象(例えば作動口83a,83bへの入球)が発生した場合に、当該所定事象が発生したタイミングにおける前記第1数値情報を取得し、当該取得した第1数値情報を第1記憶手段(RAM404の保留球格納エリア432)に記憶させる数値情報取得手段(主制御装置162のMPU402にて当たり乱数カウンタC1の値を取得し記憶する機能)と、
前記第1記憶手段に記憶されている第1数値情報と当選情報が定められた当選情報群(当否テーブル)とを用いて抽選(例えば当否抽選)を行う抽選手段(主制御装置162のMPU402にて当否抽選を行う機能)と
を有し、
前記当選情報群として、前記抽選にて当選結果となる当選情報の数が異なるように構成された複数の当選情報群を有し、前記抽選手段はそれら複数の当選情報群のうち一の当選情報群を参照して前記抽選を行うものであり、
前記抽選手段にて参照対象となる当選情報群の変更と、前記抽選手段にて何れの当選情報群が参照対象となっているかの確認との何れかを行うべく操作される操作手段(主制御装置162に付属の設定キースイッチ167や設定変更スイッチ166等)と、
前記第1更新手段による前記第1数値情報の更新とは非同期となる所定の周期にて前記第1数値情報とは別の第2数値情報(例えば当たり乱数カウンタCX)を更新する第2更新手段(更新回路651)と、
前記第2更新手段により更新された前記第2数値情報を記憶する第2記憶手段(当たり乱数レジスタ654)と、
前記操作手段によって前記参照対象が変更される場合又は前記参照対象が確認される場合に、前記第2記憶手段に記憶されている前記第2数値情報と同じ数値情報となるように前記第1数値情報を設定する数値情報設定手段(主制御装置162のMPU402にて初期値設定処理を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技ホールの管理者等によって参照対象となる数値情報群の変更(設定変更)や参照対象となる数値情報群の確認(設定確認)が行われた場合には、例えば定期処理を一時停止することにより遊技機の誤作動等を抑制することができる。しかしながら、定期処理にて第1数値情報が更新される点に鑑みれば、設定変更中や設定確認中は第1数値情報の更新が止まることになる。これでは、設定変更操作や設定確認操作のタイミングにより、第1数値情報の更新パターンが予測されやすくなることが懸念される。つまり、更新処理に第1数値情報の更新機能を組み込んだ場合には、定期処理が通常通り進行している場合には更新パターンを多様化できるものの、定期処理の進行が止まった場合には上記不都合が発生し得る。このように、数値情報の更新に係る構成には遊技機の防犯機能の向上を図る上で未だ改善の余地がある。
ここで、本特徴に示す構成によれば、設定変更操作や設定確認操作が行われた場合には、第2数値情報と同じ数値情報となるようにして第1数値情報が設定される。つまり、第1数値情報とは別に設けられた第2数値情報を用いることにより、第1数値情報の更新パターンをわかりづらくすることができる。故に、仮に上述の如く定期処理が止まって第1数値情報の更新が停止されたとしても、それに起因した防犯機能の低下を好適に抑制することができる。
なお、以上詳述した特徴K群に特徴A群〜特徴J群に示した各技術的思想を適用することも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導通路103)と、遊技領域(遊技領域PE)内に配置された各遊技部品(遊技釘38等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…遊技機としてのパチンコ機、14…前扉枠、29…スピーカ部、80…遊技盤ユニット、80a…遊技領域形成体、81…一般入賞口、82…可変入賞装置、83a…上作動口、83b…下作動口、91…電動役物、140…報知・演出制御装置、162…主制御装置、167…設定キースイッチ、168…設定変更スイッチ、169…設定値表示部、243…電源・発射制御装置、247…電源スイッチ、253…図柄表示装置、391a〜391f…検知センサ、401…MPU、403…ROM、404…RAM、410…表示制御装置、442…MPU、500…遊技情報表示装置、600…監視装置、601…監視基板、602…MPU、603…情報取得部、604…記憶部、607…第3記憶領域、608…設定キースイッチ、609…設定変更スイッチ、610…設定値表示部、650…ハード乱数回路、651…更新回路、652…クロック回路、653…更新用バッファ、654…当たり乱数レジスタ、PE…遊技領域。

Claims (6)

  1. 予め定められた周期で定期処理を繰り返し実行することにより遊技の進行を制御する定期処理実行手段を備えた遊技機において、
    前記定期処理実行手段は、
    前記定期処理にて第1数値情報を更新する第1更新手段と、
    遊技領域に設けられた入球部への入球が発生した場合に、当該入球が発生したタイミングにおける前記第1数値情報を取得し、当該取得した第1数値情報を第1記憶手段に記憶させる数値情報取得手段と、
    前記第1記憶手段に記憶されている第1数値情報と当選情報が定められた当選情報群とを用いて抽選を行う抽選手段と
    を有し、
    前記当選情報群として、前記抽選にて当選結果となる当選情報の数が異なるように構成された複数の当選情報群を有し、前記抽選手段はそれら複数の当選情報群のうち一の当選情報群を参照して前記抽選を行うものであり、
    前記抽選手段にて参照対象となる当選情報群の変更と、前記抽選手段にて何れの当選情報群が参照対象となっているかの確認との何れかを行うべく操作される操作手段と、
    前記第1更新手段による前記第1数値情報の更新とは非同期となる所定の周期にて前記第1数値情報とは別の第2数値情報を更新する第2更新手段と、
    前記第2更新手段により更新された前記第2数値情報を記憶する第2記憶手段と、
    前記操作手段によって前記参照対象が変更される場合又は前記参照対象が確認される場合に、前記第2記憶手段に記憶されている前記第2数値情報と同じ数値情報となるように前記第1数値情報を設定する数値情報設定手段と
    を備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記操作手段の操作によって前記参照対象が変更される場合又は前記参照対象が確認される場合に、前記定期処理実行手段による前記定期処理の進行を規制する手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記第2更新手段は、電力が供給されている場合に所定周期にてオンオフが切り替わるパルス信号を出力可能な発振手段を有し、当該発振手段からのパルス信号に基づいて前記第2数値情報を更新する構成となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記数値情報設定手段は、前記参照対象の変更又は前記参照対象の確認が終了した場合に、前記第2記憶手段に記憶されている前記第2数値情報を取得する構成となっており、
    前記第2更新手段は、前記参照対象の変更又は前記参照対象の確認が行われる間も前記第2数値情報を更新する構成となっていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の遊技機。
  5. 前記第2更新手段による前記第2数値情報の更新周期は、前記第1更新手段による前記第1数値情報の更新周期よりも短くなっていることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
  6. 前記定期処理実行手段は、
    前記定期処理にて第3数値情報を更新する第3更新手段と、
    前記第1更新手段により前記第1数値情報が更新されて当該第1数値情報が所定の数値情報となった場合に、前記第3数値情報と同じ数値情報となるように当該第1数値情報を設定する手段と
    を有し、
    前記数値情報設定手段は、前記操作手段によって前記参照対象が変更される場合又は前記参照対象が確認される場合に、前記第2記憶手段に記憶されている第2数値情報と同じ数値情報となるように前記第3数値情報を設定する手段を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の遊技機。
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