JP2019084415A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】入賞口への球の流下の良好な遊技機を提供すること。【解決手段】第1流下経路O81から排出された球は一の入賞口に向かう態様とされ、第1流下経路O81および第2流下経路B81が、第1流下経路O81を流下する球および第2流下経路B81を流下する球の衝突を抑制する態様で構成されるので、方向変化部8826上を流下する球が、他の球に衝突されることで流下経路が変化することを抑制することができ、無駄球を低減することができる。【選択図】図76

Description

本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機において、遊技領域に入賞口を備え、その入賞口に多方向から球が到達でき、入賞可能な遊技機がある(特許文献1)。
特開2014−144218号公報
しかしながら、上述した従来の遊技機では、入賞口への球の流下について改良の余地があるという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、入賞口への球の流下の良好な遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技球が流下する遊技領域に配設されると共に遊技球を第1流路または第2流路の2の流路に振り分ける振分手段と、その振分手段で前記第2流路に振り分けられた遊技球が通過可能とされると共に遊技球が通過することにより遊技者に利益を与える第1利益手段と、前記振分手段の下流を通過する遊技球が通過可能とされ、遊技球が通過することにより遊技者に利益を与える第2利益手段と、を備える遊技機であって、前記第2流路に振り分けられた遊技球よりも、前記第1流路に振り分けられた遊技球の方が、前記第2利益手段へ向かう割合が大きくされる。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを形成可能とされ、前記第2利益手段は、遊技球が通過可能な開放状態と、遊技球が通過不能な閉鎖状態とで状態が切り替わるものであり、前記第1利益手段を遊技球が通過することにより遊技者に与えられる利益は、前記第1遊技状態において、前記第2利益手段を開放状態へと切り替えることを含むものであって、前記第2遊技状態において、前記第2利益手段は、前記第1利益手段を遊技球が通過したか否かに関わらず開放状態へと切り替わる。
請求項3記載の遊技機は、請求項1又は2に記載の遊技機において、前記第2利益手段の前記第1流路における上流側に配設される変化手段を備え、その変化手段は、前記第1流路を流下する遊技球の流下方向を第2利益手段へ向けた方向へ変化させる態様で形成される。
請求項1記載の遊技機によれば、入賞口への球の流下を良好にすることができる。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、球の流下態様と遊技状態とを関連づけることができる。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、球の流下を更に改良することができる。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 遊技盤及び動作ユニットの分解正面斜視図である。 動作ユニットの分解正面斜視図である。 動作ユニットの分解正面斜視図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 盤面と盤面下部ユニットとの正面分解斜視図である。 盤面下部ユニットの正面分解斜視図である。 (a)は、ベース部材、第1アウト口、第2アウト口、左下板部材及び右下板部材の正面図であり、(b)は、図15(a)のXVb−XVb線におけるベース部材及び左下板部材の断面図である。 上下動作ユニットの正面斜視図である。 上下動作ユニットの背面斜視図である。 上下動作ユニットの正面分解斜視図である。 上下動作ユニットの背面分解斜視図である。 上下動作ユニットの正面図である。 上下動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面斜視図である。 複合動作ユニットの背面斜視図である。 複合動作ユニットの正面分解斜視図である。 複合動作ユニットの背面分解斜視図である。 伸縮演出装置の正面分解斜視図である。 伸縮演出装置の背面分解斜視図である。 (a)及び(b)は、回動アーム部材及び回動クランク部材の正面図である。 (a)及び(b)は、回動アーム部材及び回動クランク部材の正面図である。 (a)及び(b)は、回動アーム部材及び回動クランク部材の正面図である。 回動アーム部材及び回動クランク部材の正面図である。 (a)及び(b)は、回動アーム部材及び回動クランク部材の正面図である。 (a)及び(b)は、回動アーム部材及び回動クランク部材の正面図である。 (a)及び(b)は、回動アーム部材及び回動クランク部材の正面図である。 (a)及び(b)は、回動アーム部材及び回動クランク部材の正面図である。 突起部の基準水平線からの距離を表すグラフである。 複合動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面図である。 傾倒動作ユニット及びスライド動作ユニットの正面斜視図である。 傾倒動作ユニット及びスライド動作ユニットの背面斜視図である。 スライド動作ユニットの正面分解斜視図である。 スライド動作ユニットの背面分解斜視図である。 傾倒動作ユニットの正面分解斜視図である。 傾倒動作ユニットの背面分解斜視図である。 演出部材及び第2駆動装置の正面分解斜視図である。 (a)及び(b)は、伝達部材及びねじりバネの正面図である。 (a)及び(b)は、伝達部材及びねじりバネの正面図である。 伝達部材の揺動角度に対する演出部材の揺動角度を模式的に示す模式図である。 傾倒動作ユニット及びスライド動作ユニットの正面図である。 傾倒動作ユニット及びスライド動作ユニットの正面図である。 (a)及び(b)は、第2実施形態における伝達部材及びねじりバネの正面図である。 伝達部材及びねじりバネの正面図である。 (a)及び(b)は、第3実施形態における伝達部材及びねじりバネの正面図である。 (a)は、第4実施形態における伝達部材の背面斜視図であり、(b)は、移動当接部材の背面斜視図である。 (a)及び(b)は、伝達部材の背面斜視図であり、(c)及び(d)は、伝達部材の上面図である。 演出部材の本体部材を模式的に図示した正面模式図である。 伝達部材及びねじりバネの正面図である。 第5実施形態における複合動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面図である。 (a)は、第6実施形態における回動アーム部材の部分正面図であり、(b)は、図69(a)の矢印LXIXb方向視における回動アーム部材の部分上面図であり、(c)は、回動アーム部材の部分正面図である。 (a)及び(b)は、切替装置の正面斜視図である。 (a)及び(b)は、複合動作ユニットの正面図である。 (a)及び(b)は、第7実施形態における傾倒動作ユニットの正面図である。 第8実施形態における流路形成ユニットの分解斜視図である。 (a)は、方向変化部の正面図であり、(b)は、図74(a)の矢印LXXIVb方向視における方向変化部の上面図であり、(c)は、図74(a)の矢印LXXIVc方向視における方向変化部の側面図であり、(d)は、図74(a)の矢印LXXIVd方向視における方向変化部の側面図である。 (a)は、凹設部の正面図であり、(b)は、図75(a)のLXXVb−LXXVb線における凹設部の断面図であり、(c)は、図75(a)のLXXVc−LXXVc線における凹設部の断面図である。 流路形成ユニットの部分正面図である。 (a)及び(b)は、流路形成ユニットの部分正面図である。 (a)は、流路形成ユニットの部分正面図であり、(b)は、図78(a)のLXXVIIIb−LXXVIIIb線における流路形成ユニットの部分断面図であり、(c)は、流路形成ユニットの部分正面図であり、(d)は、図78(c)のLXXVIIId−LXXVIIId線における流路形成ユニットの部分断面図である。 図78(a)のLXXIX−LXXIX線における流路形成ユニットの部分断面図である。 (a)から(c)は、遊技盤の部分正面図である。 流路形成ユニットの部分正面図である。 流路形成ユニットの部分正面図である。 流路形成ユニットの部分正面図である。 流路形成ユニットの部分正面図である。 第9実施形態における流路形成ユニットの部分正面図である。 (a)は、第10実施形態における流路形成ユニットの部分正面図であり、(b)は、図86(a)のLXXXVIb−LXXXVIb線における流路形成ユニットの部分断面図であり、(c)は、流路形成ユニットの部分正面図であり、(d)は、図86(c)のLXXXVId−LXXXVId線における流路形成ユニットの部分断面図である。 第11実施形態における流路形成ユニットの部分正面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図57を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の後面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(以下、遊技球とも称す)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640b、第一可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640b、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。また、第1可変入賞装置65は、ルータ加工によって盤面下部ユニット300のベース部材310に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640bへ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640bへ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640bへ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640bへ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640bへ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640bに付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640bへ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640bへ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640bに付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640bに付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640bに付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640bへの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640bに付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640bの電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640bへ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640bへ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の下側の領域における右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視右方には、球が入賞し得る第2入賞口640bが配設されている。この第2入賞口640bへ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口640bは、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640bへ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640bへ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640bへ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640bには電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640bへ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640bへ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640bへ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640bへ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640bへ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640bにあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640bに付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640bに入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640bに付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640bに入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640bへ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口640bへの入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の下方右側には第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に第1特定入賞口65aが設けられている。また、可変表示装置80の左側には第2可変入賞装置650が配設されており、その略中央部分に他の入賞口63,64,640と同程度の大きさの円形形状からなる第2特定入賞口650aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640bへの入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65a,650aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65a,650aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65a,650aが所定時間開放される。この特定入賞口65a,650aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
第1可変入賞装置65は、具体的には、第1特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として右側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド65b(図15参照、外形のみが図示される)とを備えている。第1特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイド65bを駆動して開閉板を正面側に傾倒し、球が第1特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
第2可変入賞装置650は、具体的には、第2特定入賞口650aの左方に配設される正面視三角形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として左側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。第2特定入賞口650aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には小開放口ソレノイドを駆動して開閉板を左方に傾倒し、球が第2特定入賞口650aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
本実施形態では、左打ちを行うことで第2可変入賞装置650に球を入賞させることが可能であるので、遊技状態が変化するごとに左打ちと、右打ちと、を切り替える煩わしさを解消することができる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65a,650aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65a,650aが所定時間開放され、その特定入賞口65a,650aの開放中に、球が特定入賞口65a,650a内へ入賞することを契機として特定入賞口65a,650aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65a,650aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、可変表示装置80の左側に限らず、例えば、第1入賞口64の下方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口314及び第2アウト口315が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640,650aにも入賞しなかった球は、第1アウト口314又は第2アウト口315を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口314は、第1入賞口64の左側下方に配設される一方、第2アウト口315は、第1入賞口64の右側下方に配設される。即ち、第2アウト口315は、第1入賞口64を挟んで第1アウト口314の反対側に配設される。
よって、遊技領域を流下する球であって、第1入賞口64よりも正面視右側(図2右側)において遊技領域の下端(内レール61又は外縁部材73)に達した球は、内レール61又は外縁部材73の傾斜に沿って流下され、第2アウト口315を通って球排出路へ案内される一方、第1入賞口64よりも正面視左側において遊技領域の下端(内レール61)に達した球は、内レール61の傾斜(湾曲)に沿って流下され、第1アウト口314を通って球排出路へ案内される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の後面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には駆動モータ431,466,531,561,631,661,751が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた後面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた後面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、後面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の後面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5から図12を参照して、遊技盤13及び動作ユニット200について説明する。まず、図5から図7を参照して、背面ケース210への各ユニット300〜700の収容構造について説明する。
図5は、遊技盤13及び動作ユニット200の分解正面斜視図であり、図6及び図7は、分解した動作ユニット200を正面視した動作ユニット200の分解正面斜視図である。なお、図7では、複合動作ユニット500が背面ケース210に装着された状態が図示される。
図5から図7に示すように、動作ユニット200は、底壁部211と、その底壁部211の外縁から立設される外壁部212とから一面側(図6紙面手前側)が開放された箱状に形成される背面ケース210を備える。背面ケース210は、その底壁部211の中央に矩形状の開口211aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口211aは、第3図柄表示装置81(図2参照)の外形に対応した(即ち、第3図柄表示装置81を配設可能な)大きさに形成される。
動作ユニット200は、背面ケース210の内部空間に、上下動作ユニット400、複合動作ユニット500、傾倒動作ユニット600及びスライド動作ユニット700がそれぞれ収容され、これを1ユニットとして構成される。
具体的には、複合動作ユニット500は、背面ケース210の外壁部212の内側面が形成する領域の右上部に配設される(図7参照)。この図7に示す状態に対し、傾倒動作ユニット600及びスライド動作ユニット700が背面ケース210の外壁部212の内側面が形成する領域の下部に配設される。また、この図7に示す状態に対し、上下動作ユニット400は複合動作ユニット500の正面側に、重ね合わされた積層状態で配設され、背面ケース210に収容される(図5参照)。
このように、本実施形態では、所定の動作ユニット(例えば、複合動作ユニット500)に対し、他の動作ユニット(例えば、上下動作ユニット400)が正面側に重ね合わされた積層状態で配設されるので、正面視において、所定の動作ユニットを、他の動作ユニットによって遮蔽することができる。
言い換えれば、遊技盤13(図2参照)が光透過性材料から形成され、その遊技盤13の背面側に配設される動作ユニットを遊技者が視認可能とされる場合に、所定の動作ユニットの必要な部分のみを遊技者に視認させ、他の部分を他の動作ユニットにより遊技者から遮蔽することができる。これにより、他の動作ユニットによって遮蔽される所定の演出部材については、その全体が遊技者から視認されることを前提として設計する必要がないので、その設計の自由度の向上を図ることができる。
次いで、図8から図10を参照して、上下動作ユニット400、複合動作ユニット500、傾倒動作ユニット600及びスライド動作ユニット700の動作態様の概略について説明する。なお、図8から図10の説明においては、図5から図7を適宜参照する。
図8から図10は、動作ユニット200の正面図である。なお、図8では上下動作ユニット400のアーム部材440(図18参照)が張出位置に配置された状態が、図9では複合動作ユニット500の伸縮演出装置540(図26参照)が伸張状態を形成された状態が、図10では傾倒動作ユニット600が幅方向略中央に配置された状態が、それぞれ図示される。
図8に示すように、上下動作ユニット400は、アーム部材440(図18参照)を、図5に示す退避位置と図8に示す張出位置との間で動作させる。図5に示す退避位置では、アーム部材440は、背面ケース210の開口211aの上方に退避され、遊技者から視認不能とされる(図2参照)。一方、図8に示す張出位置では、アーム部材440が下降され、レンズ部材460(図18参照)が背面ケース210の開口211aの中央(即ち、第3図柄表示装置81の正面、図2参照)に配置される。
図9に示すように、複合動作ユニット500は、回動アーム部材550(図22参照)が下方へ張り出す張出位置へ配置され前板部材546が背面ケース210の開口211aの中央(即ち、第3図柄表示装置81の正面、図2参照)に配設される伸張状態と、回動アーム部材550が上方へ退避される退避位置へ配置され前板部材546が背面ケース210の開口211aの上方に退避される縮小状態(図5参照)と、を形成可能とされる。図5に示す縮小状態では、前板部材546は、背面ケース210の開口211aの上方に退避され、遊技者から視認不能とされる(図2参照)。
図10に示すように、傾倒動作ユニット600は、スライド動作ユニット700の支柱部材720(図47参照)が左右にスライド移動されることで、図5に示す退避位置と、図10に示す張出位置との間で移動可能とされる。図5に示す退避位置では、傾倒動作ユニット600は、背面ケース210の開口211aの右外方に退避され、センターフレーム86の内側において遊技者から視認される(図2参照)。一方、図10に示す張出位置では、傾倒動作ユニット600が背面ケース210の開口211aの中央(即ち、第3図柄表示装置81の正面、図2参照)に配置される。
なお、図10では、第1カーテン部材624及び第2カーテン部材625(図46参照)が開放され、内部の液晶装置が視認される状態が図示される。即ち、図10の状態に傾倒動作ユニット600が配置されると、開口211aを通して視認される第3図柄表示装置81(図2参照)に表示される演出と、傾倒動作ユニット600の内部の液晶装置に表示される演出との両方を遊技者に視認させることができる。
これら各動作ユニット400〜700は、それぞれ独立して動作可能に形成されると共に、上述したように、重ね合わされた(積層された)状態で配設されるので、各動作ユニット400〜700のうちの層を違えて配設されるものについては、例え動作部材が背面ケース210の開口211aの内方に張り出す態様のものであっても同時に動作させることができる。即ち、図8から図10で例示したように、各動作ユニット400〜700をそれぞれ単体で動作させるだけでなく、これらの動作を組み合わせることができるので、その演出効果を高めることができる。
図11は、動作ユニット200の正面図である。なお、図11では、複合動作ユニット500の伸縮演出装置540(図22参照)が伸張状態とされ、上下動作ユニット400のアーム部材440及びレンズ部材460が張出位置に配置されると共に扉部材470が開放状態を形成される。
図11に示すように、上下動作ユニット400のレンズ部材460を通して、複合動作ユニット500の前板部材546が視認される。レンズ部材460には、後述するように、拡大レンズ加工が形成されるので、前板部材546が拡大視される。
即ち、図11に示す状態から、複合動作ユニット500の回転板520(図24参照)が第1軸部512(図24参照)を中心に揺動動作され、前板部材546が上下動作ユニット400のレンズ部材470から正面視で離間する位置(図39参照)まで移動されると、前板部材546は通常の大きさで視認される。これにより、前板部材546が通常の大きさで視認される状態と、拡大視される状態(図11参照)とを切り替えることができ、演出効果を向上させることができる。
図12は、動作ユニット200の正面図である。なお、図12では、複合動作ユニット500の伸縮演出装置540(図22参照)が伸張状態とされ、傾倒動作ユニット600が退避位置に配置され傾倒状態とされ、傾倒動作ユニット600と前板部材546とが当接する直前の状態が図示される。傾倒動作ユニット600が更に傾倒されることで、傾倒動作ユニット600と前板部材546とは当接される。この場合に、複合動作ユニット500を正面視時計回りに揺動させることで(図39参照)、あたかも、傾倒動作ユニット600から複合動作ユニット500に力が加えられるように見せる演出を行うことができる(ユニット同士の動作を関連付け、より複雑な演出を行うことができる)。これにより、演出効果を向上させることができる。
次いで、図13から図15を参照して、盤面下部ユニット300について説明する。図13は、盤面13と盤面下部ユニット300との正面分解斜視図である。図13に示すように、遊技盤13の下部には、内レール61の下縁に沿って開口され盤面下部ユニット300が挿通される受け入れ開口13aが形成される。
図14は、盤面下部ユニット300の正面分解斜視図である。図14に示すように、盤面下部ユニット300は、遊技盤13の受け入れ開口13aに内嵌固定されるベース部材310と、そのベース部材310の正面視左下方に配設され球を第1アウト口314へ案内する左下板部材320と、ベース部材310の正面視右下方に配設され球を第2アウト口315へ案内する右下板部材330と、正面からベース部材310に締結固定され左下板部材320及び右下板部材330が挿通軸343で軸支される前蓋部材340と、を主に備える。
ベース部材310は、遊技盤13の受け入れ開口13aの形状と略同等の形状であり受け入れ開口13aよりも若干小さな断面形状に形成される板状の本体部311と、その本体部311の正面側を覆う態様で薄板状に形成される装飾前板部312と、その装飾前板部312の幅方向略中央部に取り付けられる可動演出部材313と、その可動演出部材313の正面視左方に形成される矩形状孔である第1アウト口314と、可動演出部材313の正面視右方に形成される矩形状孔である第2アウト口315と、を主に備える。
可動演出部材313は、遊技盤13の幅方向中心下縁に配設され、図示しない駆動装置により回転される回転演出部材313aを備える。ここで、遊技盤13の幅方向中心下縁にアウト口が配設される場合、可動演出部材313を遊技盤13の幅方向中心下縁に配置することはできない。本実施形態では、遊技盤13の幅方向中心下縁にアウト口を配設せず、遊技盤13の中心から左右に離間した位置に第1アウト口314及び第2アウト口315を配設することで、可動演出部材313を遊技盤13の幅方向中心下縁に配設するスペースを確保することができる。
図15を参照して、第1アウト口314、第2アウト口315、左下板部材320及び右下板部材330の形状について説明する。図15(a)は、ベース部材310、第1アウト口314、第2アウト口315、左下板部材320及び右下板部材330の正面図であり、図15(b)は、図15(a)のXVb−XVb線におけるベース部材310及び左下板部材320の断面図である。なお、図15(a)では、ベース部材310に締結固定される前蓋部材340の外形と、第1アウト口314及び第2アウト口315の上方に形成される釘とが図示される。
第1アウト口314及び第2アウト口315は、遊技領域から球が排出される開口である。第1アウト口314に比較して第2アウト口315は幅方向の形成長さが短くされる。その理由については後述する。また、第2アウト口315の上内側面に前後方向へ延設される案内リブ315aが形成される。その案内リブ315aにより、第2アウト口315へ流入する球が高くはね、第2アウト口315の上底面に衝突する場合に球に加えられる抵抗を抑制することができる。また、第2アウト口315から排出される球の流れを前後方向に整えることができ、排出される球の方向のばらつきを抑制することができる。
また、後述する左下板部材320の緩衝リブ322は、遊技盤13(図13参照)の幅方向中央へ向かうほど高く形成される(図15(a)参照)。これにより、遊技盤13の幅方向中央へ向かうほど遊技領域の上下幅が大きくなる本実施形態においても、左下板部材320に落下する球の跳ね返りを抑制する効果を損ねることがない。即ち、遊技盤13の幅方向中央に近いほど、球の落下高さは高くなるので、落下した球が左下板部材320に衝突した場合の衝撃が大きくなる恐れがある。これに対し、緩衝リブ322は遊技盤13の幅方向中央へ向かうほど高く形成されるので、遊技盤13の幅方向中央に近いほど緩衝リブ322が撓むことで落下の衝撃を和らげるクッション効果の度合いを大きくすることができる。
ここで、緩衝リブ322,332の縦横比と、落下する球の着地頻度との関係について説明する。例えば、緩衝リブ322,332に着地する球の落下高さは高いが、その位置に球が到達する頻度が極端に低い場合、わざわざ球の跳ね返りを抑制せずとも、他の球の排出の障害にならない場合がある。この場合にまで緩衝リブ322,332の縦横比を大きく形成すると、遊技領域のスペースを不必要に抑制することになる。従って、緩衝リブ322,332の縦横比は、球の落下高さのみでなく、落下高さと、その位置に球が着地する頻度との関係で設定されることが好ましい。
図15に示すように、緩衝リブ322,332の上方を流下する球は経路c1,c2で流下開始され、その後複数の分岐b1〜b10を経て、着地領域z0〜z4に到達する。なお、以下の説明では、球が流下する確率が経路c1とc2とで等しく(1/2)、分岐b1〜b10での左右への分岐の確率がそれぞれ左右均等(1/2)である場合を説明する。なお、右上方から球が流下されることは無いものと仮定する。
着地領域z0に球が到達する確率について説明する。着地領域z0に到達するためには、分岐b5で左側を流下して経路c11に到達する必要がある。分岐b5までは、経路c1から分岐b1を経て到達する場合と、経路c2から到達する場合とが考えられる。そのため、球が経路c11に到達して、着地領域z0に球が到達する確率は、経路c1から流下される球の確率1/8(=1/2×(1/2)^2)と、経路c2から流下される球の確率1/4(=1/2×1/2)との総和で表されるので、3/8である(「^」はべき乗を意味する)。即ち、それぞれの確率は、経路c1,c2を球が流下する確率1/2と、着地領域z0に到達するまでに球が通る分岐b1〜b10の数だけ1/2を累乗した数との積で表される。
着地領域z1に球が到達する確率について説明する。着地領域z1に到達するためには、分岐b3で左側を流下して経路c15に到達するか、分岐b4で左側を流下して経路c16に到達するか、分岐b6で右側を流下して経路c14に到達するか、分岐b7で右側を流下して経路c13に到達する必要がある。
分岐b3までは、経路c1から球が流下される場合のみが考えられ、球が経路c15に到達するまでに分岐が3つ存在するので、球が経路c15に到達する確率は1/16(=1/2×(1×2)^3)である。また、分岐b4までは、経路c1から球が流下される場合のみが考えられ、球が経路c16に到達するまでに分岐が4つ存在するので、球が経路c16に到達する確率は1/32(=1/2×(1×2)^4)である。また、分岐b6までは、経路c1から球が流下される場合のみが考えられ、球が経路c14に到達するまでに分岐が3つ存在するので、球が経路c14に到達する確率は1/16(=1/2×(1×2)^3)である。
分岐b7までは、経路c1及び経路c2から球が流下される場合の両方が考えられ、経路c1から流下した球が経路c13に到達するまでに分岐が4つ存在する場合と、分岐が3つ存在する場合がある。経路c2から流下した球が経路c13に到達するまでに分岐が2つ存在する。そのため、球が経路c13に到達する確率は、経路c1から流下される球の確率3/32(=1/2×(1/2)^4+1/2×(1/2)^3)と、経路c2から流下される球の確率1/8(=1/2×(1/2)^2)との総和で表されるので、7/32である。
ここで、着地領域z1に球が到達する確率は、上述した経路c13〜c16に球が到達する確率の総和であるので、12/32である。
着地領域z2に球が到達する確率について説明する。着地領域z2に球が到達する確率は、経路c12に球が到達する確率で表せ、これは、分岐b7に到達した球が経路c13に到達する確率と等しくなる。そのため、着地領域z2に球が到達する確率は7/32である。
着地領域z3に球が到達する確率について説明する。着地領域z3に到達するためには、分岐b9で左側を流下して経路c17に到達するか、分岐b10で左側を流下して経路c18に到達する必要がある。
分岐b9までは、経路c1から球が流下される場合のみが考えられ、球が経路c17に到達するまでに分岐が6つ存在するので、球が経路c17に到達する確率は1/128(=1/2×(1×2)^6)である。また、分岐b10までは、経路c1から球が流下される場合のみが考えられ、球が経路c18に到達するまでに分岐が7つ存在するので、球が経路c18に到達する確率は1/256(=1/2×(1×2)^7)である。
着地領域z3に球が到達する確率は、上述した経路c17及びc18に球が到達する確率の総和であるので、3/256である。
着地領域z4に球が到達する確率について説明する。着地領域z4に到達するためには、分岐b10で右側を流下して経路c19に到達する必要がある。なお、分岐b10の右側を流下した球は全て経路c19で流下するものとする。経路c19に球が到達する確率は、分岐b10に到達した球が経路c18に到達する確率と等しくなる。そのため、着地領域z4に球が到達する確率は1/256(=1/2×(1×2)^7)である。
これらのことから、各着地領域z0〜z4へ球が到達する割合は、(z0:z1:z2:z3:z4)=(96:96:56:3:1)となる。この割合は、緩衝リブ322,332と相関関係を有する。
例えば、着地領域z1と着地領域z3とを比較すると、各着地領域z1,z3に落下する球の高さは同等であるのに緩衝リブ322,332の縦横比は着地領域z3の方が着地領域z1より小さい。これは、着地領域z3に球が到達する割合が、着地領域z1に球が到達する割合の1/32であるためである。即ち、落下する球のバウンドを着地領域z1ほどに抑制せずとも、着地領域z3においては球の排出が滞るおそれが小さい。そこで、着地領域z3においては、着地領域z1に比較して緩衝リブ332の縦横比を小さくすることで、第2アウト口315の配設位置を下方へ下げることができる。
例えば、着地領域z2と着地領域z4とを比較すると、着地領域z2への球の落下距離よりも着地領域z4への球の落下距離の方が長いのに、緩衝リブ322,332の縦横比は着地領域z2の方が着地領域z4より大きい。これは、着地領域z4に球が到達する割合が、着地領域z2に球が到達する割合の1/56であるためである。即ち、落下する球のバウンドを着地領域z2ほどに抑制せずとも、着地領域z4においては球の排出が滞るおそれが小さい。そこで、着地領域z4においては、着地領域z2に比較して緩衝リブ332の縦横比を小さくすることで、第2アウト口315の配設位置を下方へ下げることができる。
なお、上述した説明では、分岐b1〜b10の球の分岐の確率は、左右均等(1/2)である場合を説明したが、釘の幅を変化させることで、分岐b1〜b10で球が分岐する確率を調整することが可能である。例えば、分岐b1の左側の矢印が通る流路の釘の間隔を球の直径と同程度に小さくすることで、分岐b1で球が右側の矢印に沿って流下する確率を1/2よりも大きくすることができる。他の分岐b2〜b10においても、同様に球の分岐の確率を調整することができる。
これにより、経路c11〜c19に球が到達する頻度を調整することができ、緩衝リブ322の縦横比の設計自由度を向上させることができる。
また、緩衝リブ322は上面が後方へ向かうにつれて下降傾斜して形成される(図15(b)参照)。これにより、第1アウト口314への球流れを速くすることができる。
図14に戻って説明する。左下板部材320は、長尺板状の本体部321と、その本体部321の上面において左右方向に連設される薄厚の板がそれぞれ前後方向に延設される緩衝リブ322と、その緩衝リブ322の前面を連結する態様で形成される連結前板323と、本体部321の正面視左端において上方へ隆起して形成される段部324と、その段部324から正面視左方へ延設される球流れレール部325と、本体部321の正面視右端部において前後方向に穿設される軸支孔326と、を主に備える。
緩衝リブ322は、第1アウト口314へ向かう球が通過する部分であり、上下方向に落下する球の上下方向への跳ね返りを抑制する。即ち、緩衝リブ322は左右方向に連設される薄厚の板から形成されるので、落下する球に衝突される際に、厚み方向に撓むことで、その衝突の衝撃を和らげることができる。また、球が緩衝リブ322の上面を左右方向に移動する際には、球が緩衝リブ322の間にはまり込むことで、球が制動される。また、緩衝リブ322は、正面視右方(遊技盤13(図2参照)の幅方向内側へ向かうほど、形成高さ及び縦横比が大きくされる。
連結前板323は、緩衝リブ322を連結することで、緩衝リブ322の強度を向上させる。
段部324は、球流れレール部325から流下された球を上下方向に落下させるための嵩上げ部である。これにより、球流れレール部325を流下する球から緩衝リブ322へ左右方向の荷重が負荷されることを抑制することができる。これにより、緩衝リブ322が左右方向の荷重を受けて左右方向に折れることを防止することができる。
即ち、緩衝リブ322は前後方向に延設される薄厚の壁部から形成されるので、左右方向の荷重が負荷されることで折れる恐れがある。一方、本実施形態では、左右方向の速度を備え、左右方向の荷重を緩衝リブ322に負荷する恐れのある球流れレール325の上面を転動する球が、段部324から緩衝リブ322へ上下方向に落下する態様で形成される。これにより、球が緩衝リブ322へ着地する位置を、球の左右方向の速度が速いほど、幅方向右方へ寄せることができる。
従って、球が緩衝リブ322に着地する際に緩衝リブ322に左右方向で与えられる負荷を、幅方向左方(外側)へ向かうほど小さくすることができる。そのため、緩衝リブ322の幅方向左方へいくほど球の左右方向の荷重による折れが発生するおそれが低くなり、幅方向右方に比較して緩衝リブ322の縦横比を小さく形成することができる。この場合、遊技盤13の下面に形成される曲面に沿って緩衝リブ322の下面を形成できるので、緩衝リブ322が幅方向で同じ長さである場合に比較して緩衝リブ322を配設する位置を下方に下げることができる。
ここで、緩衝リブ322の縦横比を幅方向左右の位置で一定に保ったまま(緩衝リブ322の上面が緩衝リブ322の下面と同一の曲線で形成される状態で)、遊技盤13の下面に形成される曲面に沿って緩衝リブ322の下面を形成することも考えられる。しかし、この場合、段部324の配設位置が高くなり、その段部324に向けて下降傾斜して形成される球流れレール部325の配設位置も高くなる。この場合、球流れレール部325と内レール61(図13参照)との間のデッドスペースが大きくなり、遊技領域が抑制される。
一方で、緩衝リブ322の縦横比は大きい方が、球の勢いを落とす作用(減速作用)は大きくなる。従って、緩衝リブ322は、段部324付近から遊技領域の中央へ向けて縦横比を大きくする態様で形成される。
なお、段部324の形成高さに影響しないように段部324の手前まで緩衝リブ322の上面を緩衝リブ322の下面の曲線と同一の曲線で形成する(緩衝リブ322の左右方向の途中で高さが最大に形成される)ことも考えられる。しかし、この場合、着地領域z1に到達した球が左方に転動することが妨げられる。そのため、着地領域z1に球が滞留し易くなり、球の排出をスムーズに行いにくくなる。
これに対し、本実施形態では、緩衝リブ322の幅方向における緩衝リブ322の上面の高さの変動が少ないので、着地領域z1に到達した球が左方(着地領域z2側)に容易に転動する。従って、着地領域z1に球が滞留する前に球を着地領域z2に流すことができるので、球の排出をスムーズにすることができる。
また、段部324は、緩衝リブ322の上方を流下し左方へ流れる球をせき止める機能を有する。これにより、球が前蓋部材340(図13参照)に衝突した後で第1アウト口314の横幅以上に跳ね返ることを防止することができる。
軸支孔326は、前蓋部材340の挿通軸343が挿通され、軸支される部分である。
右下板部材330は、長尺板状の本体部331と、その本体部331の上面において左右方向に連設される薄厚の壁部がそれぞれ前後方向に延設される緩衝リブ332と、その緩衝リブ332の前面を連結する態様で形成される連結前板333と、本体部331の正面視右端において下方へ窪んで形成される凹設部324と、その凹設部324から正面視右方へ延設される球流れレール部335と、本体部331の正面視左端部において前後方向に穿設される軸支孔336と、を主に備える。
なお、右下板部材330の構成と左下板部材320の構成とは多くの部分で共通する。即ち、本体部331は本体部321と、緩衝リブ332は緩衝リブ322と、連結前板333は連結前板323と、球流れレール部335は球流れレール部325と、軸支孔336は軸支孔326と、それぞれ技術的思想が共通するので、共通部分については説明を省略する。
緩衝リブ332は、緩衝リブ322に比較して左右の形成幅が短く形成される。これにより、第2アウト口315の左右の形成幅を短くでき、第2アウト口315の配設位置を第1アウト口314に比較して下方へ下げることができるので、その分、第1可変入賞装置65の大開放口ソレノイド65bの配設スペースを確保することができる(第1可変入賞装置65の配設位置を下方へ下げることができる)。
ここで、緩衝リブ332の形成幅を緩衝リブ322に比較して短くできるのは、第2アウト口315への球の流下経路を規制していることによる。即ち、図14に示すように、第2アウト口315の正面視右上に第1可変入賞装置65が配設されることで、開閉板の開放時には球は第1特定入賞口65aへ流入され、開閉板の閉鎖時には球は第1可変入賞装置65の正面側を鉛直下方へ落下される。これにより、第2アウト口315に正面視右上から球が流下することを防止することができる。換言すると、第2アウト口315の右上部に球の流下が規制される非流下領域が形成される。
そのため、右下板部材330への球の流下方向は、鉛直方向の落下と幅方向から(球流れレール部335から)の流下のみに限定される(斜め右上方からの流下が規制される)。従って、斜め右上方からの球の流入が無いので球が跳ねる方向を制限でき、緩衝リブ332の形成幅を狭めることができると共に第2アウト口315の形成幅を狭めることができる。結果として第1可変入賞装置65の配設スペースを確保することができる。
凹設部334は、球流れレール部335を流下した球を跳ねさせるための窪みである。そのため、凹設部334の形成幅は、隣接する緩衝リブ332に当接されずに球を載置可能な幅とされる。
球流れレール部335を流下した球は凹設部334に落下され、凹設部334の上面に当接されることで跳ね返り、緩衝リブ332に落下する。これにより、緩衝リブ332に幅方向から荷重が負荷されることが防止され、緩衝リブ332が折れることを防止することができる。
なお、凹設部334は、ベース部材310を遊技盤13に締結固定する締結ネジが挿通される締結孔Bの正面に形成される。これにより、盤面下部ユニット300を遊技盤13に締結固定するために締結孔Bに締結ネジをねじ込む際にドライバー等の締結工具を使用しやすくすることができる。即ち、凹設部334は、緩衝リブ332が折れることを防止する効果と、ベース部材310の締結固定を容易にする効果との両方を備える。
前蓋部材340は、最上部に第1入賞口64が形成される板状の本体部341と、その本体部341の中心に開口形成され回転演出部材313aを視認可能とする開口部342と、軸支孔326,336に挿通される一対の挿通軸343と、を主に備える。
本体部341は遊技領域の下縁に当接して形成され、側壁部により球の流下方向が限定される。即ち、右方から本体部341に衝突した球は左方へ貫通することはできず、一方で左方から本体部341に衝突した球は右方へ貫通することはできない。
挿通軸343は、軸支孔326,336に挿通される部分である。そのため、挿通軸343の直径は軸支孔326,336よりも若干小さく形成される。
次いで、図16から図21を参照して、上下動作ユニット400について説明する。図16は、上下動作ユニット400の正面斜視図であり、図17は、上下動作ユニット400の背面斜視図である。なお、図16及び図17では、上下動作ユニット400のアーム部材440が退避位置に配置された状態が図示される。
図18は、上下動作ユニット400の正面分解斜視図であり、図19は、上下動作ユニット400の背面分解斜視図である。図18及び図19に示すように、上下動作ユニット400は、背面視右側に背面側から正面側へ向けて窪むと共にその窪みが上下方向に延設される上下溝部414を備えるベース部材410と、そのベース部材410の連結孔413を中心に回転される回転クランク部材420と、その回転クランク部材420の駆動力を発生させる駆動装置430と、回転クランク部材420から駆動力が伝達されベース部材410の軸部412を中心に揺動されるアーム部材440と、ベース部材410の上下溝部414の反対側に配設されアーム部材440の揺動に連動して上下方向にスライド移動可能に形成されるスライド部材450と、アーム部材440の先端に形成される摺動孔443に吊り下げられアーム部材440の揺動に連動して上下方向にスライド移動可能に形成されるレンズ部材460と、そのレンズ部材460にそれぞれ軸支される一対の扉部材470と、を主に備える。
ベース部材410は、左右に長尺の板状に形成される本体部411と、その本体部411の右端部から正面側へ向けて円柱状に突設されアーム部材440の軸支孔442が軸支される軸部412と、前後方向に円形に穿設され回転クランク部材420と伝達ギア432が連結される連結孔413と、本体部411の背面視右側で背面側から正面側へ向けて形成される窪みが上下方向に延設される上下溝部414と、その上下溝部414の左右両外側において正面から背面側へ向けて窪む凹設部415と、を主に備える。
上下溝部414は、組立状態(図2参照)において、背面側に複合動作ユニット500の伸縮演出装置540が収容される部分である。複合動作ユニット500は、後述するように、伸縮演出装置540が縮小状態へ向かうほど伸縮演出装置540の揺動角度が抑制されるため、伸縮演出装置540が揺動されることで上下溝部414の左右内側面に衝突することが防止される。凹設部415は、スライド部材450のスライド案内部452が案内される部分である。
回転クランク部材420は、板状の本体部421と、その本体部421の一方の端部から正面側に円柱状に突設されアーム部材440の挿通部444に挿通される摺動突起部422と、伝達ギア432の嵌合部432aに係合され伝達ギア432と回転クランク部材420との相対回転を不能とする係合部423と、を主に備える。
摺動突起部422がアーム部材440の挿通部444に挿通され回転されることで、アーム部材440に駆動装置430の駆動力が伝達され、アーム部材440が軸部412を中心に揺動される。
駆動装置430は、ベース部材410に締結固定される駆動モータ431と、その駆動モータ431により回転駆動される駆動ギア431aと、その駆動ギア431aと歯合される伝達ギア432と、その伝達ギア432の正面側に連結孔413の内径より若干小さな外径で形成されると共に内側側面が回転クランク部材420の係合部423に嵌合される嵌合部432aと、を主に備える。
嵌合部432aは、三角形の各頂点に円形状が配置された断面形状からなる窪みを備える部分であって、ベース部材410の連結孔413に挿通されると共に、その先端側で回転クランク部材420の係合部423が相対回転不能に嵌合される。これにより、ベース部材410の本体部411を伝達ギア432と回転クランク部材420とで板挟みする態様で形成され、上述したように、伝達ギア432と回転クランク部材420の相対回転が不能とされるので、伝達ギア432と回転クランク部材420とは同期して回転する。即ち、駆動モータ431の駆動力が伝達ギア432を介して回転クランク部材420へ伝達される。
アーム部材440は、長尺棒状に形成される本体部441と、基端側(正面視右側)に穿設され軸部412に揺動可能に軸支される軸支孔442と、基端側の反対側の端部である揺動端側に長孔として穿設されレンズ部材460の摺動突起部463が挿通される摺動孔443と、回転クランク部材420の摺動突起部422が挿通される有底孔状の挿通部444と、を主に備える。
なお、摺動突起部422を挿通部444に挿通させた状態で回転クランク部材420が一回転可能な形状に挿通部444の形状が設定される。そのため、回転クランク部材420の回転方向によらず、アーム部材440は揺動動作を行うことができる。
スライド部材450は、矩形板状の本体部451と、その本体部451の左右両端部から後方へ延設されると共に凹設部415に上下スライド可能に案内されるスライド案内部452と、本体部451の幅方向中心部において正面に形成される上下方向に延設される窪みであると共にレンズ部材460の摺動突起部463が挿通される中央案内凹設部453と、本体部451の左右両端部において正面に形成され上下方向に延設される窪みであると共にレンズ部材460の安定スライド部464が案内される両端案内凹設部454と、を主に備える。
レンズ部材460は、中央に円形の開口が形成される板状の本体部461と、その本体部461の開口に嵌め込まれる拡大レンズ加工が形成された拡大レンズ462と、本体部461の幅方向中央上端部において背面側へ突設されると共にアーム部材440の摺動孔443に上下スライド可能に挿通される摺動突起部463と、本体部461の幅方向両端部において背面側へ突設されスライド部材450の両端案内凹設部454に上下スライド可能に挿通される安定スライド部464と、本体部461の正面視左下方に軸回転可能に配設され扉部材470の下側軸部473及び上側軸部474が挿通される一対の回転筒465と、その一対の回転筒465を図示しない伝達機構により互いに逆方向に回転させる駆動モータ466と、を主に備える。
図20を参照して、上下動作ユニット400の移動動作について説明する。図20は、上下動作ユニット400の正面図である。なお、図20では、上下動作ユニット400のアーム部材440が張出位置へ配置された場合の扉部材470の閉鎖状態が図示される。
アーム部材440が退避位置(図16参照)から張出位置(図20参照)へ揺動されると、アーム部材440の揺動端側の摺動孔443に軸支されるレンズ部材460の摺動突起部463(図18参照)が、スライド部材450の中央案内凹設部453をスライド移動される。レンズ部材460はスライド部材450の両端案内凹設部454に上下方向に案内され、スライド部材450はベース部材410の凹設部415に上下方向に案内されるので、アーム部材440の揺動によりレンズ部材460は上下方向にスライド移動される。
図18及び図19に戻って説明する。扉部材470は、円形状板を上下2分割して構成され、下側に形成される下側本体部471と、その下側本体部471の上側に形成される上側本体部472と、下側本体部471の下端部において背面側に円柱状に突設されレンズ部材460の回転筒465に相対回転不能に挿通される下側軸部473と、上側本体部472の下端部において背面側に円柱状に突設されレンズ部材460の回転筒465に相対回転不能に挿通される上側軸部474と、を主に備える。
下側本体部471は、上側本体部472と当接される側の側面に突設される案内突起部471aを備え、上側本体部472は、下側本体部471と当接される側の側面に凹設される受け入れ凹設部472aを備える。これらの案内突起部471a及び受け入れ凹設部472aが嵌合されることで、閉鎖状態における下側本体部471と上側本体部472との相対的な位置合わせを行うことができる。なお、本実施形態では、案内突起部471aが先細り形状で突設されるので、案内突起部471aを受け入れ凹設部472aに確実に嵌合させることができる。
図21を参照して、扉部材470の動作について説明する。図21は、上下動作ユニット400の正面図である。なお、図21では、上下動作ユニット400のアーム部材440が張出位置へ配置された場合の扉部材470の開放状態が図示される。
下側軸部473及び上側軸部474(図19参照)は、レンズ部材460の回転筒465(図18参照)の回転により回転される。一対の回転筒465は、駆動モータ466(図19参照)の駆動力により互いに逆方向に回転されるので、扉部材470を、閉鎖状態(図20参照)から開放状態(図21参照)にする場合に、下側本体部471と上側本体部472とを互いに外側(反対方向)に揺動させることができる。また、扉部材470を、開放状態(図21参照)から閉鎖状態(図20参照)にする場合に、下側本体部471と上側本体部472とを互いに内側に揺動させることができる。
これにより、レンズ部材460の正面側を単一のカバー部材を揺動させて覆う場合に比較して、下側本体部471及び上側本体部472を揺動させる時間を半分とすることができる。
次いで、図22から図45を参照して、複合動作ユニット500について説明する。複合動作ユニット500は回動アーム部材550を退避位置(図22参照)から張出位置(図9参照)へ揺動させることで伸縮演出装置540を第3図柄表示装置81の正面側へ配置させるユニットである。また、伸縮演出装置540は、ベース部材510の第1軸部512(図24参照)を中心に揺動可能に形成される。
図22は、複合動作ユニット500の正面斜視図であり、図23は、複合動作ユニット500の背面斜視図である。なお、図22及び図23では、回動アーム部材550が第3図柄表示装置81(図2参照)の外側に形成される終端位置である退避位置に配置される状態が図示される。
図24は、複合動作ユニット500の正面分解斜視図であり、図25は、複合動作ユニット500の背面分解斜視図である。
図24及び図25に示すように、複合動作ユニット500は、伸縮演出装置540をスライド動作および揺動動作させることで演出を行うユニットであり、骨格を形成するベース部材510と、そのベース部材510の第1軸部512を中心に回転可能に形成される回転板520と、ベース部材510に締結固定され回転板520の駆動力を発生させる第1駆動装置530と、回転板520の正面に締結固定され回転板520の径方向へ伸縮可能に形成される伸縮演出装置540と、その伸縮演出装置540に一方の端部が連結され反対側の他方の端部がベース部材510に軸支されると共に揺動動作により伸縮演出装置540の伸縮動作を形成する回動アーム部材550と、ベース部材510に締結固定され回動アーム部材550の駆動力を発生させる第2駆動装置560と、その第2駆動装置560の駆動力を回動アーム部材550へ伝達する回転クランク部材570と、ベース部材510の前方から締結固定され回動アーム部材550や回動クランク部材570等の回転軸側の機構部分を目隠しする前カバー580と、を主に備える。
ベース部材510は、矩形板形状の本体部511と、その本体部511の幅方向略中央下部から前方へ向けて突設される円柱状の第1軸部512と、その第1軸部512を中心とした円弧に沿って穿設される3列の円弧状孔513と、その3列の円弧状孔513の内の第2円弧状孔513bに隣接して穿設される第1貫通孔514と、軸部512と本体部511の右端部との略中間位置で本体部511から前方へ向けて突設される円柱状の第2軸部515と、その第2軸部515に隣接して穿設される第2貫通孔516と、本体部511の正面視右下端部から前方へ向けて突設される円柱状の第3軸部517と、本体部511の縁から前方へ折曲形成される折曲壁部518と、を主に備えて構成される。
第1軸部512は、回転板520の軸支孔522に挿通され、回転板520の回転軸となる部分である。そのため、第1軸部512の直径は回転板520の軸支孔522の内径よりも若干小さく形成される。
円弧状孔513は、第1軸部512に近い側から、第1円弧状孔513a、第2円弧状孔513b及び第3円弧状孔513cを備える。
第1円弧状孔513a及び第3円弧状孔513cは、回転板520の挿通軸525が挿通され、回転板520の回転を案内する長孔である。これにより、回転板520が回転される際に第1軸部512が受ける負荷を軽減することができ、回転板520の耐久性の向上を図ることができる。なお、図24及び図25には、挿通軸525の先端にカラーが締結された状態が図示されるが、第1円弧状孔513a及び第3円弧状孔513cは、カラーと本体部521との間に配置される(カラーの締結前に挿通される)。
第2円弧状孔513bは、回転板520の円弧状ラック526が配置され移動される長孔である。略中央部の上側が開放され、その開放された部分に第1駆動装置530の駆動ギア532が配置される。これにより、本体部511の板厚部分に、第1駆動装置530の駆動モータ531と回転板520の円弧状ラック526との歯合部分を配設することができるので、複合動作ユニット500の厚さ方向の寸法(図22前後方向の寸法)を抑制することができる。
第1貫通孔514及び第2貫通孔516は、それぞれ第1駆動装置530の駆動ギア532及び第2駆動装置560の駆動ギア562が挿通される貫通孔である。
第2軸部515は、正面側に回動クランク部材570の蓋部575が締結固定され、本体部571の回転の中心軸となる円柱状部である。そのため、第2軸部515の直径は回動クランク部材570の本体部571の内周径よりも若干小さな寸法で形成される。
第3軸部517は、回動アーム部材550の軸支孔552に挿通され、回動アーム部材550の回動の中心軸となる部分である。そのため、第3軸部517の直径は、回動アーム部材550の軸支孔552の内径よりも若干小さな寸法で形成される。第3軸部517の周囲には回動アーム部材550を退避位置へ向けて移動させる付勢力を発生させるねじりバネ517aが巻き付けられる。
ねじりバネ517aは、第3軸部517に巻き付けられるコイル部分の両端から腕部がそれぞれ延設される態様で形成される。一方の腕部は、折曲壁部518の正面視右下部(第1ストッパ部518a付近)に固定され、その一方の腕部の反対側の他方の腕部は、回動アーム部材550の係止部555に係止される。
折曲壁部518は、第3軸部517に隣接される第1ストッパ部518aと、第1軸部512の右方に形成される第2ストッパ部518bと、第1軸部512の左方に形成される第3ストッパ部518cと、を主に備える。
第1ストッパ部518aは、回動アーム部材550の回動を規制する部分である。即ち、回動アーム部材550は張出位置(図9参照)まで下降されると第1ストッパ部518aに当接され、下降が停止される。
図24に示すように、第2ストッパ部518bの方が第3ストッパ部518cよりも下方に配設される。回転板520の下面は軸支孔522を基準に左右対称に形成されるので(図37参照)、回転板520は、第2ストッパ部512bへ向かう回転方向の方が大きな回転角度で回転することができる。即ち、後述する伸縮演出装置540は、正面視反時計回りの揺動よりも、正面視時計回りの揺動の最大角度が大きく形成される。
回転板520は、扇形板状の本体部521と、その本体部521の根本部分で厚み方向に円形に穿設される軸支孔522と、その軸支孔522の内径より若干大きな幅で本体部521の前面において直線的に凹設されるレール受け溝523と、そのレール受け溝523の下端部両側において前方へ張り出して形成される一対の伸縮ストッパ524と、本体部521の背面から突設される複数(本実施形態では3本)の挿通軸525と、本体部521の背面から軸支孔522を中心とする円弧状に突設され外周部にギア歯が刻設される円弧状ラック526と、を主に備える。
軸支孔522は、ベース部材510の第1軸部512が挿通される。そのため、回転板520は第1軸部512を中心に揺動される。
レール受け溝523は、伸縮演出装置540のスライドレール545が締結固定される部分であり、伸縮演出装置540はレール受け溝523の延設方向に沿って伸縮動作をする。そのため、回転板520の姿勢により、伸縮演出装置540の移動方向が変化される。
伸縮ストッパ524は、伸縮演出装置540のスライド板544の内側面に上下方向で当接され、スライド板544の移動幅を規制する部分である。レール受け溝523の両側に形成され、その両側においてスライド板544の内側面と当接されることで、スライドレール545が伸縮方向と直交する方向に負荷を受けることを抑制し、耐久性の向上を図ることができる。
挿通軸525は、ベース部材510の第1円弧状孔513a及び第3円弧状孔513cに挿通され回転板520の回転を案内する部分であって、直径が第1円弧状孔513a及び第3円弧状孔513cの幅寸法よりも若干小さく形成される。また、先端に第1円弧状孔513a及び第3円弧状孔513cの幅寸法よりも大径のカラー部材が締結固定されることで、回転板520がベース部材510に引き抜き不能に連結される。
円弧状ラック526は、ベース部材510の第2円弧状孔513bに挿通され、第1駆動装置530の駆動ギア532と歯合される。円弧状ラック526と第1駆動装置530との歯合部分がベース部材510の厚み部分を含んだ領域で形成されるので、複合動作ユニット500の厚み方向の寸法を抑制することができる。
第1駆動装置530は、ベース部材510に締結固定される駆動モータ531と、ベース部材510の第1貫通孔514に挿通され駆動モータ531により軸回転される駆動ギア532と、を主に備える。
次いで、図26及び図27を参照して伸縮演出装置540について説明する。図26は、伸縮演出装置540の正面分解斜視図であり、図27は、伸縮演出装置540の背面分解斜視図である。
図26及び図27に示すように、伸縮演出装置540は、骨格を成す本体部材541と、その本体部材541の背面に一対が締結固定され本体部材541との間に回動アーム部材550の本体部551が挿通される第1案内部材542及び第2案内部材543と、その第1案内部材542及び第2案内部材543の挿通孔542d,543dの延設方向に沿って軸スライド可能に配設されるスライド板544と、そのスライド板544及び回転板520とを連結し一方の端部がレール受け溝523に内嵌され締結固定されるスライドレール545と、本体部材541の正面側に嵩上げされて締結固定される前板部材546と、その前板部材546の軸支部546cに摺動可能に軸支される連結摺動部材547と、その連結摺動部材547に締結固定されると共に前垂れ部548bが本体部材541の前方で移動可能に形成される装飾部材548と、を主に備える。
本体部材541は、骨格を形成する板状の本体部541aと、その本体部541aの幅方向中央部において背面側へ向けて突設される円柱状の突起部541bと、その突起部541bの背面視左側に上下一対で突設される第1嵩上げ締結部541cと、突起部541bの背面視右側に上下一対で突設される第2嵩上げ締結部541dと、本体部541aの背面視左上部に突設される案内締結部541eと、本体部541aの正面側に複数(本実施形態では3箇所)形成され前板部材546が締結固定される締結孔541fと、を主に備える。
突起部541bは、回動アーム部材550の円弧状孔554に挿通される部分である。そのため、突起部541bの直径は、円弧状孔554の内周面の幅寸法より若干小さく形成される。また、突起部541bが円弧状孔554に挿通されるので、回動アーム部材550を揺動させると、本体部材541を連動させることができる。
第1嵩上げ締結部541cは、第1案内部材542を締結固定する部分であり、第2嵩上げ締結部541dは、第2案内部材543を締結固定する部分である。第1嵩上げ締結部541cよりも第2嵩上げ締結部541dの方が縦方向に離れる距離が長いのは、回動アーム部材550に干渉しない位置を選択して配設されるためである。ここで、本実施形態において、回動アーム部材は、その回動軌跡において、本体部材541の正面視左下方を通過しない(図37、図40及び図44参照)。そのため、一対の第2嵩上げ締結部541dの配設間隔を第1嵩上げ締結部541cに比較して広げることが可能となり、第2嵩上げ締結部541dの剛性を向上させることができる。
案内締結部541eは、第1案内部材542の補助締結部542eが締結固定される部分であり、伸縮演出装置540の伸張状態において、回動アーム部材550の上面が案内される部分である。即ち、突起部541bが回動アーム部材550の円弧状孔554に案内されていなくとも、回動アーム部材550の上方への回動には案内締結部541eが回動アーム部材550の上面に案内されるので、回動アーム部材550と伸縮演出部材540とが連動して動作される。
締結孔541fは、前板部材546の締結部546bが締結固定される貫通孔である。
第1案内部材542は、第1嵩上げ締結部541cに締結固定される締結板部542aと、その締結板部542aの上面に背面側へ一段乗り上げた位置から上方向へ延設される背面規制部542bと、その背面規制部542bの左右両側から背面へ壁状に突設される案内レール部542cと、背面規制部542bの上端部において背面側へ突設された部分に上下方向へ貫通形成される挿通孔542dと、背面規制部542bから延設され案内締結部541eに締結固定される補助締結部542eと、を主に備える。
背面規制部542bは、回動アーム部材550の背面に配設される部分であって、回動アーム部材550が背面へ移動し円弧状孔554から突起部541bが脱落することを防止する部分である。
案内レール部542cは、伸縮演出装置540が伸縮動作する場合にスライド板544のレール受け部544dの移動を案内し、スライド板544の第1案内部材542に対する姿勢のずれを抑制する部分である。
挿通孔542dは、スライド板544のスライド棒544eが挿通される孔である。挿通孔542dの内径はスライド棒544eの直径より若干大きく形成されるので、スライド板544は第1案内部材542に対してスライド移動可能に形成される。
第2案内部材543は、第2嵩上げ締結部541dに締結固定される締結板部543aと、その締結板部543aの上面に背面側へ一段乗り上げた位置から上方向へ延設される背面規制部543bと、その背面規制部543bの左右両側から背面へ壁状に突設される案内レール部543cと、背面規制部543bの上端部において背面側へ突設された部分に上下方向へ貫通形成される挿通孔543dと、を主に備える。
背面規制部543bは、回動アーム部材550の背面に配設される部分であって、回動アーム部材550が背面へ移動し円弧状孔554から突起部541bが脱落することを防止する部分である。
案内レール部543cは、伸縮演出装置540が伸縮動作する場合にスライド板544のレール受け部544dの移動を案内し、スライド板544の第1案内部材543に対する姿勢のずれを抑制する部分である。
挿通孔543dは、スライド板544のスライド棒544eが挿通される孔である。挿通孔543dの内径はスライド棒544eの直径より若干大きく形成されるので、スライド板544は第1案内部材543に対してスライド移動可能に形成される。
スライド板544は、矩形板状に形成される本体部544aと、その本体部544aの背面において上下方向へ延設される幅広の窪みが形成される凹設部544bと、その凹設部544bの左右両側の正面において上下方向へ延設される窪みが形成される両端凹設部544cと、その両端凹設部544cの上下端部において正面側へ向けて半円状に突設されるレール受け部544dと、両端凹設部544cの内側で上下方向に延設される円柱状のスライド棒544eと、本体部544aの上下方向略中央に正面へ向けて突設される演出補助壁544fと、凹設部544bの上下端において左右両端で背面へ向けて突設されるストッパ部544gと、を主に備える。
凹設部544bは、回転板520の伸縮ストッパ524に対してスライド板544を案内する部分である。そのため、凹設部544bの内側面の幅は、伸縮ストッパ524の幅寸法よりも若干大きく形成される。
両端凹設部544cは、案内部材542,543の挿通孔542d,543dが穿設される突起部を収容する部分である。これにより、案内部材542,543の挿通孔542d,543dが穿設される突起部を外側から案内することができる。
レール受け部544dは、案内部材542,543の案内レール部542c,543cに収容される部分である。これにより、案内部材542,543のスライド板544に対するぐらつきを抑制することができる。
スライド棒544eは、案内部材542,543の挿通孔542d,543dに挿通される円柱状の棒である。これにより、案内部材542,543はスライド棒544eの延設方向(図26上下方向)にスライド移動可能に形成される。
演出補助部544fは、伸縮演出装置540が伸張状態の時に装飾部材548の後ろ垂れ部548cに当接され、装飾部材548を移動させる部分である。これにより、伸縮演出装置540の外観を変化させることができる。
ストッパ部544gは、回転板520の伸縮ストッパ524に当接され、スライド板544の上下移動端を規定する部分である。
スライドレール545は、市販のミニレール部材である。一方の端部が回転板520のレール受け溝523に沿って締結固定され、その一方の端部の反対側の他方の端部がスライド板544の凹設部544bに締結固定される。
前板部材546は、遊技者から視認可能な演出部分であって、本体部材541と正面視において略同形状に形成される板状の本体部546aと、その本体部546aから背面側へ向けて締結孔541fの形成位置に合わせて突設される締結部546bと、本体部546aの上端部から背面側へ向けて突設される一対の軸支部546cと、を主に備える。
締結部546bは、本体部材541に前板部材546を固定する部分であって、締結孔541fを通してネジ止めすることで締結部546bが締結固定される。
軸支部546cは、連結摺動部材547を摺動可能に軸支する部分である。そのため、軸支部546cの直径は連結摺動部材547の摺動長孔547bの内周面の幅よりも若干小さく形成される。
連結摺動部材547は、板状に形成される本体部547aと、上下に延びる長孔状に形成され前後方向に穿設される一対の摺動長孔547bと、上下方向に穿設される一対の挿通孔547cと、を主に備える。
摺動長孔547bは、前板部材546の軸支部546cが挿通される部分である。そのため、摺動長孔547bの内周面の幅は軸支部546cより若干大きく形成される。摺動長孔547bの内周面の幅より外形の大きいカラー部材が軸支部546cの先端部に締結固定されることで、連結摺動部材547は、前板部材546に引き抜き不能に軸支される。挿通孔547cは、装飾部材548を締結固定する締結ネジが挿通される円形孔である。
装飾部材548は、板状に形成され連結摺動部材547が下方から締結固定される本体部548aと、その本体部548aの前側で下方へ垂下して形成される前垂れ部548bと、本体部548aの後ろ側で下方へ垂下して形成される後ろ垂れ部548cと、を主に備える。
前垂れ部548bは、連結摺動部材547が前板部材546に対して移動すると、前板部材546に被さる状態(図43参照)と、前板部材546とは離間して視認される状態(図37参照)とを形成可能である。これにより、伸縮演出部材540の外観を変化させることができ、演出効果を向上させることができる。
後ろ垂れ部548cは、伸縮演出装置540の伸縮動作によりスライド板544の演出補助壁544fに当接される部分であり、後ろ垂れ部548cが演出補助壁544fに当接されることで装飾部材548が前板部材546に対して移動される。
図24及び図25に戻って説明する。回動アーム部材550は、長尺に棒状に形成される本体部551と、その本体部551の一方の端部に前後方向に穿設される軸支孔552と、その軸支孔552に近接して本体部551の背面側に形成される特殊形状の有底長孔である異形長孔553と、一方の端部の反対側の端部である他方の端部の正面側に形成される円弧状の有底長孔である円弧状孔554と、本体部551の軸支孔552付近において背面側へ突設され先端が鉤状に折り曲げられると共にねじりバネ517aの他方の腕部が係止される係止部555と、を主に備える。
軸支孔552は、ベース部材510の第3軸部517が挿通される円形孔である。そのため、軸支孔552の内径は、第3軸部517の直径より若干大きく形成され、それにより回動アーム部材550が第3軸部517を中心に回動可能に形成される。
異形長孔553は、回動クランク部材570の摺動突起部574が挿通される部分である。異形長孔553の形状については後述する。
円弧状孔554は、伸縮演出装置540の突起部541bが挿通される長孔である。そのため、円弧状孔554の幅寸法は突起部541bの直径より若干大きく形成される。また、円弧状孔554の形成する円弧は、伸縮演出装置540が伸張状態で第1軸部512を中心に揺動された場合に突起部541bが形成する円弧と一致する(図37から図39まで参照)。
また、円弧状孔554は、回転アーム部材550の他方の端部の先端部に開放され、先端部において幅が広がる口先部554aを備える。
第2駆動装置560は、回動クランク部材570を回転させる駆動力を発生させる装置であって、ベース部材510に締結固定される駆動モータ561と、ベース部材510の第2貫通孔516に挿通され駆動モータ561により軸回転される駆動ギア562と、を主に備える。
駆動ギア562は、回動クランク部材570の伝達ギア歯572に歯合される。これにより、駆動ギア562が回転されると、それに伴い回動クランク部材570が回転される。
回動クランク部材570は、回動アーム部材550に駆動力を伝達する部材であって、第2軸部515に軸支されるリング状の本体部571と、その本体部571の外周面に刻設される伝達ギア歯572と、その伝達ギア歯572の正面側に被さる態様で形成される規制傘部573と、本体部571の中心とは偏心した位置で正面側に突設される摺動突起部574と、本体部571の内周径よりも大きな直径で形成され第2軸部515の正面側に締結固定される蓋部575と、を主に備える。
伝達ギア歯572は、第2駆動装置560の駆動ギア562と歯合される。これにより、駆動モータ561の駆動力が回動クランク部材570に伝達される。
規制傘部573は、駆動ギア532が伝達ギア歯572の正面側に位置ずれすることを抑制する。これにより、駆動ギア532と伝達ギア歯572との歯合関係を適正化することができる。
摺動突起部574は、回動アーム部材550の異形長孔553に挿通される部分である。即ち、摺動突起部574と回動アーム部材550の形状との関係により、駆動力の伝達が形成されるか否かが決定される。
蓋部575は、本体部571をベース部材510に引き抜き不能に配設するための部分である。
図28から図31を参照して、回動アーム部材550の揺動と回動クランク部材570の回転との関係について説明する。まず、図28(a)及び図29(a)を参照して、回動アーム部材550の異形長孔553の形状について説明する。
図28(a)及び図29(a)は、回動アーム部材550及び回動クランク部材570の正面図である。なお、図28(a)では、回動アーム部材550が退避位置に配置された状態が図示され、図29(a)では、回動アーム部材550が張出位置に配置された状態が図示され、図28(a)及び図29(a)において、異形長孔553と摺動突起部574とが隠れ線で図示されると共に伸縮演出装置540の前板部材546及び突起部541bが想像線で図示される。
図28(a)に示すように、回動アーム部材550が退避位置に配置された状態において、回動クランク部材570の回転軸および摺動突起部574を結ぶ直線と、回動クランク部材570の回転軸および軸支孔552を結ぶ直線と、が直交される上向き直交状態が形成される。
図29(a)に示すように、回動アーム部材550が張出位置に配置された状態において、回動クランク部材570の回転軸および摺動突起部574を結ぶ直線と、回動クランク部材570の回転軸および軸支孔552を結ぶ直線と、が直交される下向き直交状態を形成可能とされる。なお、図29(a)では、上述した下向き直交状態から回動クランク部材570が正面視反時計回りに所定角度回転された状態が図示される。
異形長孔553は、摺動突起部574が移動することで駆動力が回動アーム部材550に伝達される伝達溝部553aと、その伝達溝部553aの上端部から連結される第1非伝達壁部553bと伝達溝部553aの下端部から連結される第2非伝達壁部553cと、それら第1非伝達壁部553bと第2非伝達壁部553cとを連結する選択壁部553dと、を主に備える。
伝達溝部553aは、図28(a)に示すように、上向き直交状態において回動クランク部材570の摺動突起部574を起点として、左方に直線的に延設される凹設溝である。伝達溝部553aは、回転クランク部材570の摺動突起部574が上向き直交状態から下向き直交状態へ移動可能な長さで形成され、その内周面の形成幅は摺動突起部574の直径より若干大きく形成される。そのため、摺動突起部574が伝達溝部553aを移動する間、回動クランク部材570から駆動力が回動アーム部材550へ伝達される。
第1非伝達壁部553bは、図28(a)に示すように、上向き直交状態において、伝達溝部553aの右端部の上側壁面から、回動クランク部材570の回転軸を中心とした摺動突起部574の外接円に沿って形成される壁部である。即ち、上向き直交状態から回転クランク部材570が正面視時計回りに回転される場合、回動クランク部材570が回動アーム部材550に対して空回りし、回動クランク部材570から駆動力は回動アーム部材550へ伝達されない。
なお、回動アーム部材550が退避位置に配置された状態(図28(a)参照)から回動アーム部材550が正面視反時計回りに回転されるとき、第1非伝達壁部553bの移動方向は回動クランク部材570の回転軸へ向けられる。そのため、摺動突起部574が第1非伝達壁部553bと対向配置される場合、回動アーム部材550が回転されることで摺動突起部574へ与えられる負荷は回動クランク部材570の回転軸へ向けられる。そのため、摺動突起部574が第1非伝達壁部553bに対向配置される場合、回動アーム部材550の回転が防止される。
第2非伝達壁部553cは、図29(a)に示すように、回動アーム部材550が張出位置に配置された状態において、伝達溝部553aの右端部の下側壁面から、回動クランク部材570の回転軸を中心とした摺動突起部574の外接円に沿って形成される壁部である。即ち、下向き直交状態(図29(a)の状態から回動クランク部材570が正面視時計回りに所定量回転された状態)から回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転される場合、回動クランク部材570が回動アーム部材550に対して空回りし、回動クランク部材570から駆動力は回動アーム部材550へ伝達されない。
なお、図29(a)に図示される状態から回動アーム部材550が正面視時計回りに回転されるとき、第2非伝達壁部553bの移動方向は回動クランク部材570の回転軸へ向けられる。そのため、摺動突起部574が第2非伝達壁部553cと対向配置される場合(図29(b)参照)、回動アーム部材550が回転されることで摺動突起部574へ与えられる負荷は回動クランク部材570の回転軸へ向けられる。そのため、摺動突起部574が第2非伝達壁部553cに対向配置される場合、回動アーム部材550の回転が防止される。
選択壁部553dは、第1非伝達壁部553bの正面視右端部と、第2非伝達壁部553cの正面視右端部とを結ぶ滑らかな曲面から形成される壁部であり、第1非伝達壁部553bを延長させた曲線よりも上側に形成される。
選択壁部553dは、第2非伝達壁部553cの右側部分と対向配置され、選択壁部553dの左端部へ向かうほど第2非伝達壁部553cとの距離が離される態様で形成される。そのため、例えば上向き直交状態(図28(a)参照)から、回動クランク部材570を正面視時計回りに回転させる場合、摺動突起部574が第1非伝達壁部553bを越え第2非伝達壁部553cに到達するまでの間の余裕部D(図32(b)参照)では、回動アーム部材550には駆動力が伝達されず、かつ回転の規制も生じない。即ち、回動クランク部材570から回動アーム部材550へ駆動力が伝達されず、かつ摺動突起部574による回動アーム部材550の回転の規制も生じない。
第2非伝達壁部553cの右端部は、軸支孔552を中心とした円弧S1に沿って形成される(円弧S1との形成角度が小さい)一方で、選択壁部553dの右端部は、第2非伝達壁部553cの右端部と円弧S1との形成角度よりも大きな角度で軸支孔552を中心とした円弧S2と交差する態様で形成される。
この場合、摺動突起部574と軸支孔552との距離が変化する場合に、その変化量に対応するため必要となる回動アーム部材550の揺動量が変化する。即ち、摺動突起部574と選択壁部553dの右端部が当接した状態で摺動突起部574と軸支孔552との間隔が所定量変化する場合の回動アーム部材550の揺動量は、摺動突起部574と第2非伝達壁部553cの右端部が当接した状態で所定量変化する場合の回動アーム部材550の揺動量に比較して小さくなる。従って、摺動突起部574が第2非伝達壁部553cに沿って回転するか、選択壁部553dに沿って回転するかで、回動クランク部材570の速度に対する回動アーム部材550の揺動速度を変化させることができる。
図28から図31に戻って説明する。図28から図31は、回動アーム部材550の揺動および回動クランク部材570の回転を時系列で図示した回動アーム部材550及び回動クランク部材570の正面図である。なお、図28(a)では、上述した上向き直交状態が形成され(回動アーム部材550が退避位置に配置され)、図28から図31では、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転される状態が順に図示され、異形長孔553と回動クランク部材570の一部とが隠れ線で図示されると共に伸縮演出装置540の前板部材546及び突起部541bが想像線で図示される。
なお、図28から図31までにおいて、伸縮演出装置540は上下方向に伸縮する姿勢を位置検出センサ(図示せず)で検出され、その姿勢で揺動を停止される。即ち、図28から図31までにおいて、突起部541bは上下方向にのみ移動する。この場合、伸縮演出装置540の揺動は第1駆動装置530(図25参照)の駆動ギア532との間の抵抗により防止される。
図28(a)の状態では、回動クランク部材570が上向き直交状態とされる。この場合において、突起部541bから鉛直下方に距離h1だけ下がった位置に基準水平線Oを設定する。即ち、回動クランク部材570が上向き直交状態とされる場合、突起部541bは基準水平線Oから鉛直上方に距離h1だけ離間した位置に配置される。
図28(a)の状態から、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転される(上向き直交状態(図28(a)参照)から反時計回りに角度T1だけ回転される)と、摺動突起部574が異形長孔553の伝達溝部553aを移動され、突起部541が基準水平線Oから鉛直上方に距離h2(h2<h1)だけ離間した位置に配置される状態(図28(b)参照)に到達する。この間、摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が配置され互いに当接されるので、摺動突起部574から回動アーム部材550へ駆動力が伝達される(伝達領域)。即ち、回動アーム部材550が揺動される。
図28(b)の状態から、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転される(上向き直交状態(図28(a)参照)から反時計回りに角度T2(T2≒180度>T1)だけ回転される)と、摺動突起部574が異形長孔553の伝達溝部553aを移動され(伝達領域)、第2非伝達壁部553cに対面する領域に侵入し、突起部541が基準水平線Oから鉛直上方に距離h3(h3<h2)だけ離間した位置に配置される状態(図29(a)参照)の状態に到達する。即ち、回動アーム部材550が揺動される。
図28(c)の状態から、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転される(上向き直交状態(図28(a)参照)から反時計回りに角度T3(T3>T2)だけ回転される)と、摺動突起部574が異形長孔553の第2非伝達壁部553cに摺動され、図29(b)の状態に到達する。この間、摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が配置されないので、摺動突起部574は回動アーム部材550に対して空転され、摺動突起部574から回動アーム部材550へ駆動力が伝達されず(非伝達領域)、突起部541は基準水平線Oから鉛直上方へ距離h3だけ離間した位置に維持される。
なお、図29(a)及び図29(b)の状態から回動アーム部材550を正面視時計回りに回転させる場合、摺動突起部574が回動クランク部材570の回転軸へ向けて第2非伝達壁部553cにより押される。この場合、摺動突起部574は移動を規制され、それにより、回動アーム部材550の揺動が規制される。そのため、回動アーム部材550は、図29(a)及び図29(b)の状態からの正面視時計回りの回転を防止される。
ここで、回動アーム部材550の回転を図29(a)の状態で停止させる方法としては、回動クランク部材570を停止させることが考えられる。しかし、回動アーム部材550の演出速度を張出位置へ到達する直前まで高速とし回動クランク部材570を急停止させると第2駆動装置560に負荷がかかり、回動クランク部材570の速度低下を緩やかにすると演出効果を向上させることができなくなる。
一方、本実施形態では、図28及び図29に示すように、回動クランク部材570を図29(a)の状態で停止させず図29(b)の状態まで回転させることで、回動アーム部材550の回転を図29(a)の状態で停止させることができる(突起部541を基準水平線Oから鉛直上方へ距離h3だけ離間した位置に停止させることができる)。これにより、回動アーム部材550を張出位置に到達させるまで回動クランク部材570の速度を維持し、その後、図29(a)の状態から図29(b)の状態までに回動クランク部材570を減速させることができる。そのため、回動クランク部材570を急停止させる必要がない。従って、回動アーム部材550の演出効果の向上と、第2駆動装置560の耐久性の向上との両立を図ることができる。
図29(b)の状態から、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転される(上向き直交状態(図28(a)参照)から反時計回りに角度T4(T4≒270度>T3)だけ回転される)と、摺動突起部574が異形長孔553の第2非伝達壁部553cに摺動され、図30(a)の状態に到達する。この間、摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が配置されないので、摺動突起部574は回動アーム部材550に対して空転され、摺動突起部574から回動アーム部材550へ駆動力が伝達されず(非伝達領域)、突起部541は基準水平線Oから鉛直上方へ距離h3だけ離間した位置に維持される。
即ち、回動クランク部材570が図29(a)に示す状態から、反時計回りに1/4周回転される間、回動アーム部材550が同じ姿勢に維持され、突起部541bが同じ位置に維持される。なお、回動アーム部材550が同じ姿勢に維持され、突起部541bが同じ位置に維持される長さは本実施形態では回動クランク部材570が1/4周回転される間とされたが、それに限定される必要はない。前板部材546が下方位置に配置され続ける長さは、異形長孔553の第2非伝達壁部553c(図28(a)参照)の長さを変えることで変化させることができる。例えば、第2非伝達壁部553cを本実施形態より長くすることで、前板部材546が下方位置に配置され続ける長さを本実施形態より長くすることができる。
図30(a)の状態から、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転される(上向き直交状態(図28(a)参照)から反時計回りに角度T5(T5>T4)だけ回転される)と、摺動突起部574が異形長孔553の選択壁部553dを押し上げ、突起部541が基準水平線Oから鉛直上方に距離h2(h2>h3)だけ離間した位置に配置される状態(図30(b)参照)に到達する。この間、摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が配置され互いに当接されるので、摺動突起部574から回動アーム部材550へ駆動力が伝達される(伝達領域)。
即ち、回動アーム部材550及び回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転される場合には、選択壁部553dと摺動突起部574とが当接されることで、回動アーム部材550へ駆動力が伝達される(伝達領域)。
図30(b)の状態から、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転される(上向き直交状態(図28(a)参照)から反時計回りに角度T6(T6>T5)だけ回転される)と、摺動突起部574が異形長孔553の第1非伝達壁部553bに対面する領域に侵入し、突起部541が基準水平線Oから鉛直上方に距離h1(h1>h2)だけ離間した位置に配置される状態(図31参照)に到達する。この間、摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が配置され互いに当接されるので、摺動突起部574から回動アーム部材550へ駆動力が伝達される(伝達領域)。
図31の状態から、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転されると、摺動突起部574が異形長孔553の第1非伝達壁部553bに対面する領域を移動され、図28(a)の状態に到達する。この間、摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が配置されないので、摺動突起部574は回動アーム部材550に対して空転され、摺動突起部574から回動アーム部材550へ駆動力が伝達されない(非伝達領域)。
なお、図31の状態から回動アーム部材550を正面視反時計回りに回転させる場合、摺動突起部574が回動クランク部材570の回転軸へ向けて第2非伝達壁部553cにより押される。この場合、摺動突起部574は移動を規制され、それにより、回動アーム部材550の揺動が規制される。そのため、回動アーム部材550は、図31の状態からの正面視反時計回りの回転を防止される。
ここで、回動アーム部材550の回転を図31の状態で停止させる方法としては、回動クランク部材570を停止させることが考えられる。しかし、回動アーム部材550の演出速度を退避位置へ到達する直前まで高速とし回動クランク部材570を急停止させると第2駆動装置560に負荷がかかり、回動クランク部材570の速度低下を緩やかにすると演出効果を向上させることができなくなる。
一方、本実施形態では、回動クランク部材570を図31の状態で停止させず図28(a)の状態まで回転させることで、回動アーム部材550の回転を図31の状態で停止させることができる。これにより、回動アーム部材550を張出位置に到達させるまで回動クランク部材570の速度を維持し、その後、図31の状態から図28(a)の状態までに回動クランク部材570を減速させることができる。そのため、回動クランク部材570を急停止させる必要がない。従って、回動アーム部材550に連動される伸縮演出装置540の演出効果の向上と、第2駆動装置560の耐久性の向上との両立を図ることができる。
図28から図31に示すように、回動クランク部材570を同じ方向へ1回転させることで、回動アーム部材550を退避位置から張出位置の間を往復で揺動させることができる。
これらのことから、図28から図31に示すように回動クランク部材570を反時計回りに等速で回転させる場合、回動クランク部材570の回転周期の半分の期間で突起部541bが基準水平線Oから鉛直上方に距離h1だけ離間した位置から、距離h3(h3<h1)だけ離間した位置まで下降移動される。それに続く回転周期の1/4の期間で突起部541bが基準水平線Oから鉛直上方に距離h3だけ離間した位置に維持され、それに続く回転周期の1/4の期間で突起部541bが基準水平線Oから鉛直上方に距離h3だけ離間した位置から、距離h1(h1>h3)だけ離間した位置まで上昇移動される。これにより、回動クランク部材570が等速で移動される場合であっても突起部541bの移動速度(伸縮演出装置540の伸縮方向への移動速度)を2倍に変化させることができる。
ここで、回動アーム部材550の退避位置において、回動アーム部材550及び回動クランク部材570は上向き直交状態を形成可能とされ(図28(a)参照)、回動アーム部材550の張出位置において、回動アーム部材550及び回動クランク部材570は下向き直交状態を形成可能とされる(図29(a)参照)。なお、図29(a)の状態から、回動クランク部材570を正面視時計回りに所定量回転させることで下向き直交状態を形成可能である。
そのため、本実施形態において、回動アーム部材550を退避位置から張出位置に揺動させるために、回動クランク部材570が半周(180度)回転される。そのため、回動クランク部材570が等速で回転される場合、回動アーム部材550が退避位置から張出位置まで揺動されるのに要する時間(図28(a)から図29(a)まで参照)と、張出位置から退避位置まで揺動されるのに要する時間(図29(a)から図31を経て図28(a)まで参照)とを同等にすることができる。
図32から図35を参照して、回動アーム部材550の揺動と回動クランク部材570の回転との関係について説明する。図32から図35は、回動アーム部材550の揺動および回動クランク部材570の回転を時系列で図示した回動アーム部材550及び回動クランク部材570の正面図である。なお、図32から図35では、回動クランク部材570が正面視時計回りに回転される状態が図示され、異形長孔553と回動クランク部材570の一部とが隠れ線で図示されると共に伸縮演出装置540の前板部材546及び突起部541bが想像線で図示される。
なお、図32(a)では、上述した上向き直交状態が形成され(回動アーム部材550が退避位置に配置され)、図32(b)から図35では、図32(a)から回動アーム部材550及び回動クランク部材570が所定量回転された状態が時系列に沿って順に図示される。
図32(a)の状態では、回動クランク部材570が上向き直交状態とされる。この場合において、突起部541bは基準水平線Oから鉛直上方に距離h1だけ離間した位置に配置される。
図32(a)の状態から、回動クランク部材570が正面視時計回りに回転される(上向き直交状態(図32(a)参照)から時計回りに角度T11だけ回転される)と、摺動突起部574が異形長孔553の第1非伝達壁部553bに対面する領域を移動され、図32(b)の状態に到達する。この間、摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が配置されないので、摺動突起部574は回動アーム部材550に対して空転され、摺動突起部574から回動アーム部材550へ駆動力が伝達されず(非伝達領域)、突起部541は基準水平線Oから鉛直上方へ距離h1だけ離間した位置に維持される。
なお、図32(b)の状態から回動アーム部材550を正面視反時計回りに回転させる場合、摺動突起部574は移動を規制されるので、回動アーム部材550の揺動が規制される。そのため、回動アーム部材550は、図32(b)の状態からの正面視反時計回りの回転を防止される。
図32(b)の状態から、回動クランク部材570が正面視時計回りに回転される(上向き直交状態(図32(a)参照)から時計回りに角度T12(T12>T11)だけ回転される)と、図33(a)に示すように、摺動突起部574が異形長孔553の内周面と若干離間され、回動アーム部材550は重力の作用により下方へ揺動される。この場合、図32(b)の状態から摺動突起部574が第1非伝達壁部553bを越え第2非伝達壁部553cに到達するまでの間の余裕部Dでは、回動アーム部材550には駆動力が伝達されず(非伝達領域)、突起部541は基準水平線Oから鉛直上方へ距離h4(h4<h1)だけ離間した位置に配置される。
図33(a)の状態から、回動クランク部材570が正面視時計回りに回転される(上向き直交状態(図32(a)参照)から時計回りに角度T13(T13>T12)だけ回転される)と、図33(b)に示すように、重力の作用で下方へ揺動する回動アーム部材550の異形長孔553の第2非伝達壁部553cに摺動突起部574が当接される。即ち、図33(b)の状態から、図34(a)の状態までは、回動アーム部材550に駆動力が伝達される(伝達領域)。図33(b)の状態では、突起部541は基準水平線Oから鉛直上方へ距離h5(h5<h4)だけ離間した位置に配置される。
図33(b)の状態から、回動クランク部材570が正面視時計回りに回転される(上向き直交状態(図32(a)参照)から時計回りに角度T14(T14≒90度>T13)だけ回転される)と、摺動突起部574が異形長孔553の第2非伝達壁部553cの右端部に収容され、突起部541が基準水平線Oから鉛直上方に距離h3だけ離間した位置に配置される状態(図34(a)参照)に到達する。この間、摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が当接され、回動アーム部材550へ駆動力が伝達される(伝達領域)。
ここで、図32(b)から図34(a)までに示される回動クランク部材570の回転と、図30(a)から図31までに示される回動クランク部材570の回転とは、回動クランク部材570の回転方向が異なるが、回動クランク部材570の回転領域(位相)は同じである。
この場合に、図32(b)から図34(a)までに示される回動クランク部材570の回転では、回動クランク部材570の摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が当接されない間は回動アーム部材550に駆動力が伝達されず(非伝達領域)、一方で、図30(a)から図31までに示される回動クランク部材570の回転では、常時、回動アーム部材550に駆動力が伝達される(伝達領域)。
従って、回動クランク部材570の回転方向により、回動アーム部材550への駆動力の伝達の態様を変化させることができる。これにより、回動クランク部材570の回転方向を反転させることで、回動アーム部材550の演出態様を2通り形成することができる。
即ち、本実施形態では、回動クランク部材570の摺動突起部574が図32(a)と図34(a)との間を回転する場合に、回動クランク部材570が正面視時計回りに回転されると、回動アーム部材550は、摺動突起部574が異形長孔553の内周面と当接するまでは、重力加速度に依存した自由落下で揺動される(非伝達領域)。一方で、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転されると、回動アーム部材550は回転クランク部材570の回転速度に依存した速度で揺動される(伝達領域)。
これにより、回動クランク部材570の回転速度が等速とされる場合でも、回動クランク部材570の回転方向を反転させることで、回動クランク部材570が同一位相に配置される場合の回動アーム部材550の揺動速度のバリエーションを増やすことができる。
また、回動アーム部材550の揺動速度のバリエーションの増加は、異形長孔553の形状(余裕部Dの形成)により達成されるので、回動アーム部材550への駆動力の伝達の態様を変化させるための切換スイッチなど他の部材を不要とでき、部材コストを低減することができる。
本実施形態では、余裕部Dが回動アーム部材550の軸支孔552側に形成される。そのため、余裕部Dが回動クランク部材570の回転軸に対して軸支孔552の反対側に形成される場合に比較して、摺動突起部574が余裕部Dを所定距離通過する間に突起部541bが下方へ移動する距離を長くすることができる。そのため、回動クランク部材570の余裕部Dの形成範囲を抑制しつつ、回動クランク部材570の回転方向を異ならせた場合の回動アーム部材550の動作の変化を顕著にすることができる。
図34(a)の状態から、回動クランク部材570が正面視時計回りに回転される(上向き直交状態(図32(a)参照)から時計回りに角度T15(T15>T14)だけ回転される)と、摺動突起部574が異形長孔553の第2非伝達壁部553cに摺動され、図34(b)の状態に到達する。この間、摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が配置されないので、摺動突起部574は回動アーム部材550に対して空転され、摺動突起部574から回動アーム部材550へ駆動力が伝達されず(非伝達領域)、突起部541は基準水平線Oから鉛直上方へ距離h3だけ離間した位置に維持される。
なお、図34(b)の状態から回動アーム部材550を正面視時計回りに回転させる場合、摺動突起部574が回動クランク部材570の回転軸へ向けて第2非伝達壁部553cにより押される。この場合、摺動突起部574は移動を規制されるので、回動アーム部材550の揺動が規制される。そのため、回動アーム部材550は、図34(b)の状態からの正面視時計回りの回転を防止される。
図34(b)の状態から、回動クランク部材570が正面視時計回りに回転される(上向き直交状態(図32(a)参照)から時計回りに角度T16(T16≒180度>T15)だけ回転される)と、摺動突起部574が異形長孔553の第2非伝達壁部553cに摺動され、図35(a)の状態に到達する。この間、摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が配置されないので、摺動突起部574は回動アーム部材550に対して空転され、摺動突起部574から回動アーム部材550へ駆動力が伝達されず(非伝達領域)、突起部541は基準水平線Oから鉛直上方へ距離h3だけ離間した位置に維持される。
図35(a)の状態から、回動クランク部材570が正面視時計回りに回転される(上向き直交状態(図32(a)参照)から時計回りに角度T17(T17>T16)だけ回転される)と、摺動突起部574が伝達溝部553aを移動され(伝達領域)、突起部541が基準水平線Oから鉛直上方に距離h2(h2>h3)だけ離間した位置に配置される状態(図35(b)参照)に到達する。即ち、回動アーム部材550が揺動される。
ここで、回動クランク部材570の回転と回動アーム部材550の揺動とが常時連動する場合、回動クランク部材570と回動アーム部材550との始動のタイミングをずらすことが困難であった。そのため、回動クランク部材570と回動アーム部材550とを始動させる際には、各部材の慣性に打ち勝つ力の剛性分の大きな力を発生させることが必要となる。そのため、駆動力の大きな駆動装置が必要となり、駆動装置が大型化する恐れがあった。
一方、本実施形態では、回動クランク部材570と回動アーム部材550との始動のタイミングをずらすことができる。即ち、例えば、図34(b)の状態から図35(a)の状態までは回動クランク部材570のみを回転させ、図35(a)の状態から図35(b)の状態に到達するまでに回動クランク部材570に連動させることで回動アーム部材550を始動させることができる。
これにより、回動アーム部材550の始動には回動クランク部材570の勢いを利用することができるので、第2駆動装置560に必要な駆動力を抑制することができる。従って、第2駆動装置560を小型化することができる。
図35(b)の状態から、回動クランク部材570が正面視時計回りに回転されると、摺動突起部574が伝達溝部553aを移動され、図32(a)の状態に到達する。この間、摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が配置され互いに当接されるので、摺動突起部574から回動アーム部材550へ駆動力が伝達される(伝達領域)。即ち、回動アーム部材550が揺動される。
これらのことから、図32から図35に示すように回動クランク部材570を時計回りに等速で回転させる場合、回動クランク部材570の回転周期の1/4の期間で突起部541bが基準水平線Oから鉛直上方に距離h1だけ離間した位置から、距離h3(h3<h1)だけ離間した位置まで下降移動される。それに続く回転周期の1/4の期間で突起部541bが基準水平線Oから鉛直上方に距離h3だけ離間した位置に維持され、それに続く回転周期の半分の期間で突起部541bが基準水平線Oから鉛直上方に距離h3だけ離間した位置から、距離h1(h1>h3)だけ離間した位置まで上昇移動される。これにより、回動クランク部材570が等速で移動される場合であっても突起部541bの移動速度(伸縮演出装置540の伸縮方向への移動速度)を2倍に変化させることができる。
また、回動アーム部材550の移動速度は、下降移動する場合は部分的に重力加速度で増速され、その一方で、上昇移動する場合は常時回動クランク部材570の回転速度に沿った速度とされる。これにより、突起部541b(伸縮演出装置540)の速度変化の態様を突起部541b(伸縮演出装置540)の移動の向きにより変化させることができる。
図36を参照して、回動クランク部材570が時計回り又は反時計回りに回転される場合の突起部541b(伸縮演出装置540)の基準水平線Oからの距離の変化について説明する。
図36は、突起部541b(図28(a)参照)の基準水平線Oからの距離を表すグラフである。図36に示すグラフは、横軸に、回動クランク部材570の上側直交状態(図28(a)参照)を左端として、そこから右方へ増大する態様で揺動角度が示され、縦軸に、突起部541bの基準水平線Oからの距離が示される。
図36では、回動クランク部材570が反時計周りに回転される場合の突起部541bの基準水平線Oからの距離が曲線CC1で示され、回動クランク部材570が時計周りに回転される場合の突起部541bの基準水平線Oからの距離が曲線CW1で示される。なお、曲線CC1,CW1は、それぞれ図28から図35までの突起部541bの状態と対応しており、各曲線の、回動クランク部材570が同一位相に配置される場合の比較のために、曲線CC1を左右反転させた曲線が曲線CC2として想像線で図示される。曲線CC1,CW1の比較により、上述したように、回動クランク部材570の回転方向が反転することで、回動アーム部材550により上下移動される突起部541bの上昇速度および下降速度を変化させることができる。
なお、曲線CW1の比較対象として、回動クランク部材570が時計回りに回転する場合に摺動突起部574が第2非伝達壁部553c(図28(a)参照)に当接するまでは回動アーム部材550(図28(a)参照)が退避位置に配置される場合を曲線CW2として破線で図示する。なお、これは、ねじりバネ517a(図23参照)が回動アーム部材550を上向きに揺動させる付勢力が大きく設定される場合に対応する。この場合、回動アーム部材550が退避位置に配置される期間をより長くすることができる。
曲線CC1,CW1において、突起部541b(図28(a)参照)の水平基準線Oからの距離が変化されずに維持される角度範囲N1において、回動クランク部材570と回動アーム部材550(図28(a)参照)との間で駆動力が伝達されない非伝達領域が形成される。なお、この角度範囲N1の幅は、第2非伝達壁部553c(図28(a)参照)の形成幅により調整することができる。
また、曲線CW1において、回動クランク部材570(図28(a)参照)の摺動突起部574が回動アーム部材550の異形長孔553(図28(a)参照)に当接するまでの角度範囲N2では、回動クランク部材570と回動アーム部材550との間で駆動力が伝達されない非伝達領域が形成される。なお、この角度範囲N2の幅は、第1非伝達壁部553b(図28(a)参照)の形成幅により調整することができる。
図36に示すように、回動クランク部材570(図28(a)参照)が同一位相に配置される場合である角度T11から角度T14までと、角度T4から角度T6までとの間において、曲線CW1と曲線CC1との形状が異なっている(曲線CW1と曲線CC1を左右反転させた曲線CC2とが重ならない)。
即ち、角度T4から角度T6までの間を回動クランク部材570(図28(a)参照)が回動アーム部材550(図28(a)参照)を持ち上げる態様で回転する場合の方が、角度11から角度T14までの間を回動クランク部材570が回動アーム部材550を押し下げる態様で回転する場合に比較して緩やかな曲線となる。
これは、曲線CW1では摺動突起部574(図28(a)参照)が異形長孔553の第2非伝達壁部553c(図28(a)参照)に当接して回動アーム部材550(図28(a)参照)が回転され、曲線CC1では、摺動突起部574が異形長孔553の選択壁部553d(図28(a)参照)に当接して回動アーム部材550が回転されることによる。
図28(a)に戻って説明する。上述したように、異形長孔553において、第2非伝達壁部553cの右端部は、軸支孔552を中心とした円弧S1に沿って形成される(円弧S1との形成角度が小さい)一方で、選択壁部553dの右端部は、第2非伝達壁部553cの右端部と円弧S1との形成角度よりも大きな角度で軸支孔552を中心とした円弧S2と交差する態様で形成される。
この場合、摺動突起部574と軸支孔552との距離が変化する場合に、その変化量に対応するため必要となる回動アーム部材550の揺動量が変化する。即ち、摺動突起部574と選択壁部553dの右端部が当接した状態で摺動突起部574と軸支孔552との間隔が所定量変化する場合の回動アーム部材550の揺動量は、摺動突起部574と第2非伝達壁部553cの右端部が当接した状態で所定量変化する場合の回動アーム部材550の揺動量に比較して小さくなる。
従って、図36に示すように、回動クランク部材570を等速で回転させる場合であっても、回動クランク部材570の回転方向によって、回動クランク部材570が同一位相に配置される場合の突起部541bの移動速度を変化させることができる。
図28から図35では、回動クランク部材570が一方向に回転される場合を説明したが、回動クランク部材570の回転方向を途中で反転させることも可能である。回動クランク部材570の回転方向を反転させるタイミングとしては、摺動突起部574が第1非伝達壁部553bに対向配置される状態(例えば図28(a)、図31、図32(a)及び図32(b)参照、回動アーム部材550は退避位置に配置される)や、摺動突起部574が第2非伝達壁部553cに対向配置される状態(例えば図29(a)、図29(b)、図34(b)及び図35(a)参照、回動アーム部材550は張出位置に配置される)が好ましい。
この場合、回動クランク部材570の回転方向に回動アーム部材550が当接されないので、回動クランク部材570の回転方向反転時に回動アーム部材550から回動クランク部材570に負荷される抵抗を抑制することができる。また、本実施形態では、回動アーム部材550が退避位置に配置される状態と、張出位置に配置される状態とを検出する位置検出センサ(図示せず)が配設されるので、回動アーム部材550が退避位置または張出位置に配置された状態で回動クランク部材570の回転方向を反転する制御を容易とすることができる。
回転クランク部材570の回転方向を反転させることで、伸縮演出装置540の上下方向への往復動作のバリエーションを増やすことができる。
例えば、回動アーム部材550が退避位置に配置される状態(図28(a)参照)から、回動クランク部材570が反時計回りに半周回転され(図29(a)参照)、次いで、回動クランク部材570の回転の向きが反転され、時計回りに半周回転されることで、回動アーム部材550が退避位置に配置される場合が例示される(図28(a)参照)。即ち、摺動突起部574が軸支孔552の反対側を移動される場合である。
この場合、伸縮演出装置540の突起部541bは、回転クランク部材570の回転周期の半分の期間で基準水平線Oから鉛直上方に距離h1だけ離間した位置から、基準水平線Oから距離h3(h3<h1)だけ離間した位置まで下降移動する。この場合、突起部541bは、横軸が0度から180度までの曲線CC1(図36参照)にそって下降移動する。次いで、突起部541bは、回転クランク部材570の回転周期の半分の期間で基準水平線Oから鉛直上方に距離h3だけ離間した位置から、基準水平線Oから距離h1(h1>h3)だけ離間した位置まで上昇移動する。この場合、突起部541bは、横軸が180度から360度までの曲線CW1(図36参照)にそって上昇移動する。
これにより、回動クランク部材570が等速で回転する場合、伸縮演出装置540の突起部541bが所定距離(h1−h3)だけ下降移動する期間と、所定距離(h1−h3)だけ上昇移動される期間とを同じにすることができる。
また、例えば、回動アーム部材550が退避位置に配置される状態(図32(a)参照)から、回動クランク部材570が時計回りに1/4周回転され(図34(a)参照)、次いで、回動クランク部材570の回転の向きが反転され、反時計回りに1/4周回転されることで、回動アーム部材550が退避位置に配置される場合が例示される(図32(a)参照)。即ち、摺動突起部574が軸支孔552に近接される側を移動する場合である。
この場合、伸縮演出装置540の突起部541bは、回転クランク部材570の回転周期の1/4の期間で基準水平線Oから鉛直上方に距離h1だけ離間した位置から、基準水平線Oから距離h3(h3<h1)だけ離間した位置まで下降移動する。この場合、突起部541bは、横軸が0度から90度までの曲線CW1(図36参照)にそって下降移動する。次いで、突起部541bは、回転クランク部材570の回転周期の1/4の期間で基準水平線Oから鉛直上方に距離h3だけ離間した位置から、基準水平線Oから距離h1(h1>h3)だけ離間した位置まで上昇移動する。この場合、突起部541bは、横軸が270度から360度までの曲線CC1(図36参照)にそって上昇移動する。
これにより、回動クランク部材570が等速で回転される場合、伸縮演出装置540の突起部541bが所定距離(h1−h3)だけ下降移動される期間と、所定距離(h1−h3)だけ上昇移動される期間とを同じにすることができると共に、その所定期間を摺動突起部574が軸支孔552の反対側を移動される場合に比較して短くすることができる。
また、伸縮演出装置540の突起部541bが下降移動する場合は部分的に(角度T11から角度T13まで)自由落下とすることができ、その一方で、伸縮演出装置540の突起部541bが上昇移動する場合は常時回動クランク部材570の回転速度に沿った速度で移動される。そのため、回動クランク部材570の回転速度が同じ場合でも、伸縮演出装置540の突起部541bの移動方向によって、回動クランク部材570が同一位相に配置される場合の伸縮演出装置540の移動態様(速度変化の度合い)を変化させることができる。換言すれば、図36の角度T11から角度T13までの範囲における曲線CW1と曲線CC2とを異ならせることができる。
次いで、伸縮演出装置540の伸縮状態の違いによる揺動角度の違いについて説明する。まず、伸縮演出装置540が伸張状態を形成する場合の揺動角度について説明する。
図37から図39は、複合動作ユニット500の正面図である。なお、図37から図39では、伸縮演出装置540が伸張状態を形成する場合(回動アーム部材550が張出位置に配置される場合)が図示される。また、図37では、ベース部材510の第1軸部512の鉛直線上に伸縮演出装置540の突起部541bが配置される状態が図示され、図38では、図37の状態から突起部541が正面視反時計回りに移動される状態が図示され、図39では、図37の状態から突起部541が正面視時計回りに移動される状態が図示される。なお、図37から図39に図示される回動アーム部材550の姿勢は、図29(a)に図示される回動アーム部材550の姿勢と同じである。そのため、図37から図39において、前板部材546は、基準水平線Oから上方に距離h3だけ離間した位置に配置される。
図37から図39に図示されるように、伸縮演出装置540が伸張状態を形成する場合の突起部541bの揺動軌跡は、第1軸部512を中心とした円弧状に形成され、回動アーム部材550の円弧状孔554の延設方向に沿う。換言すれば、突起部541bの揺動軌跡に沿って円弧状孔554が延設される。そのため、突起部541bの揺動方向に対面して円弧状孔554の内側面が配置されることはなく、円弧状孔554が突起部541bの揺動を停止させるストッパとして働くことは無い。従って、突起部541bの揺動角度は、回転板520の揺動の規制の仕方に依存する。即ち、回転板520が第3ストッパ部518cに当接されるまで揺動可能であり、突起部541bは正面視反時計回りに揺動角度θ1まで揺動可能とされ、回転板520が第2ストッパ部518bに当接されるまで揺動可能であり、突起部541bは正面視時計回りに揺動角度θ2まで揺動可能とされる。
ここで、図39に示すように、突起部541bが正面視左側に揺動角度θ2で揺動されると、突起部541bが回動アーム部材550の円弧状孔554から離間する。この場合、伸縮演出装置540は回動アーム部材550から独立して伸縮方向へ移動され、突起部541bが円弧状孔554へ復帰できなくなり、動作不良をおこす恐れがある。
これに対し、本実施形態では、突起部541bが回動アーム部材550の円弧状孔554から離間した状態でも、伸縮演出装置540の第1嵩上げ締結部541c及び案内締結部541eが回動アーム部材550と係合可能に配設されることで、突起部541bと円弧状孔554との位置合わせを行うことができる。即ち、伸縮演出装置540が回動アーム部材550と独立して伸縮方向へ移動されることを防止することができる。
これにより、突起部541bが円弧状孔554へ復帰できなくなる不良を解消しながら、回動アーム部材550の長さを短くすることができる。これにより、回動アーム部材550の配設領域を抑制し、その分、他の可動部材の配設領域を確保することができる。また、回動アーム部材550の材料コストを削減することができる。
また、突起部541bが円弧状孔554から離間した状態(図39参照)で回動アーム部材550が揺動すると、突起部541bと円弧状孔554との位置関係がずれ、突起部541bが円弧状孔554へ復帰することが困難となり、動作不良を起こす恐れがある。これに対し、本実施形態では、摺動突起部574が異形長孔553に当接することで、回動アーム部材550の揺動が防止される(図39参照)。
それに加えて、摺動突起部574の回転軸から遠い側の点(回転軸から最も遠い点)の移動軌跡が、摺動突起部574と当接される異形長孔553の側面に沿って形成される(図39参照)ので、回動アーム部材550の姿勢を維持したまま、回動クランク部材570を図39の状態から反時計回りに回転させることができる。
ここで、例えば、図28から図31までに示すように、回動クランク部材570が反時計回りに回転する場合において、回動アーム部材550が張出位置に配置された直後(図29(a)参照)に突起部541bが円弧状孔554から離間され、次いで、回動クランク部材570が図30(a)に示す状態に配置されるまでに突起部541bが円弧状孔554に復帰する場合を考える。突起部541bが円弧状孔554に復帰した後であれば、回動クランク部材570が更に回転され、図30(b)に示す状態まで回動アーム部材550が揺動しても、突起部541bが円弧状孔554に復帰できなくなるという動作不良が起きることはない。
この場合、回動アーム部材550と伸縮演出装置540とをそれぞれ揺動動作させる場合に、突起部541bと円弧状孔554との位置関係に合わせて回動クランク部材570を停止制御または始動制御する必要は無く、回動クランク部材570の回転を継続できる。換言すれば、制御する必要があるのは伸縮演出装置540の揺動のタイミングのみで、回動クランク部材570は制御の必要はなく、回転を継続させたままとしておけば良い。そのため、伸縮演出装置540と回動アーム部材550とを異なったタイミングでそれぞれ揺動させる複雑な動作の制御負担を抑制することができる。
なお、本実施形態では、円弧状孔554の開口端部(図39左端部)へ向かうほど、円弧状孔554の幅を広げられる口先部554aが形成される。これにより、突起部541bが円弧状孔554へ復帰する場合の位置ずれ(伸縮演出装置540の伸縮方向の位置ずれ)を大きく許容することができ、第1嵩上げ締結部541c及び案内締結部541eの回動アーム部材550とのクリアランスを大きく確保することができる。
次いで、伸縮演出装置540が伸張状態と縮小状態との間の状態である中間状態を形成する場合の揺動角度について説明する。伸縮演出装置540が伸張状態とされる状態(図37参照)から、回動アーム部材550を時計回りに揺動させることで、突起部541bが円弧状孔554に対応して移動し、伸縮演出装置540が中間状態を形成する。
図40から図42は、複合動作ユニット500の正面図である。なお、図40から図42では、伸縮演出装置540が中間状態を形成する場合(回動アーム部材550が張出位置と退避位置との中間に配置される場合)が図示される。この場合、突起部541bの揺動軌跡が形成する半径は、伸縮演出装置540が伸張状態を形成する場合(図37から図39参照)より短い。即ち、突起部541bの揺動軌跡が伸縮演出装置540の伸縮方向の状態により変化される。
また、図40では、ベース部材510の第1軸部512の鉛直線上に伸縮演出装置540の突起部541bが配置される状態が図示され、図41では、図40の状態から突起部541が正面視反時計回りに移動される状態が図示され、図42では、図40の状態から突起部541が正面視時計回りに移動される状態が図示される。
なお、図40から図42に図示される回動アーム部材550の姿勢は、図28(b)に図示される回動アーム部材550の姿勢と同じである。そのため、図40から図42において、前板部材546は、基準水平線Oから上方に距離h2だけ離間した位置に配置される。
このとき、前板部材546は、回動アーム部材550が揺動することで円弧状孔554が上方に移動するのに連動して従動する。そのため、円弧状孔554には、後述するように突起部541bの揺動角度を変化させる機能と、回動アーム部材550及び前板部材546を連動させる機能とを合わせ持つ。これにより、機能の集約化を図ることができる。
図40から図42に図示されるように、伸縮演出装置540が中間状態を形成する場合の突起部541bの揺動軌跡と、回動アーム部材550の円弧状孔554の形状とは、曲率半径の中心軸は共に上側で一致するものの、曲率半径や姿勢が互いに異なる。突起部541bの揺動軌跡と円弧状孔554とは、形成角度α1(図42参照)で交差するので、円弧状孔554が突起部541bの揺動を停止させるストッパとして働く(図42参照)。
図41に示すように、回転板520が正面視反時計回りに回転される場合、突起部541bは円弧状孔554とは当接されない。即ち、回転板520が第3ストッパ部518cに当接されるまで揺動可能とされるので、突起部541bは正面視反時計回りに揺動角度θ3まで揺動可能とされる(角度θ3=角度θ1)。
図42に示すように、回転板520が正面視時計回りに回転される場合、突起部541bは円弧状孔554の第1ストッパ面554bで当接される。この状態において、案内締結部541eが回動アーム部材550の上側面に当接され、伸縮演出装置540の伸縮方向への状態変化が防止されるので、図42の状態において伸縮演出装置540の揺動が停止される。
即ち、回転板520は第3ストッパ部518cに当接されるまでは揺動されず、突起部541bは正面視時計回りに揺動角度θ4まで揺動可能とされる(角度θ4<角度θ2)。従って、伸縮演出装置540の伸縮方向の状態により、突起部541bの揺動角度を変化させることができる。これにより、伸縮演出装置540の伸縮状態を異ならせることで、伸縮演出装置540の揺動角度のバリエーションを増やすことができる。なお、図42の状態において、案内締結部541eが回動アーム部材550の本体部551に当接される。
次いで、伸縮演出装置540が縮小状態を形成する場合の揺動角度について説明する。伸縮演出装置540が中間状態とされる状態(図40参照)から、回動アーム部材550を時計回りに揺動させることで、突起部541bが円弧状孔554に対応して移動し、伸縮演出装置540が縮小状態を形成する。
図43から図45は、複合動作ユニット500の正面図である。なお、図43から図45では、伸縮演出装置540が縮小状態を形成する場合(回動アーム部材550が退避位置に配置される場合)が図示される。この場合、突起部541bの揺動軌跡が形成する半径は、伸縮演出装置540が中間状態を形成する場合(図40から図42参照)より短い。即ち、突起部541bの揺動軌跡が伸縮演出装置540の伸縮方向の状態により変化される。
また、図43では、ベース部材510の第1軸部512の鉛直線上に伸縮演出装置540の突起部541bが配置される状態が図示され、図44では、図43の状態から突起部541が正面視反時計回りに移動される状態が図示され、図45では、図43の状態から突起部541が正面視時計回りに移動される状態が図示される。なお、図43から図45に図示される回動アーム部材550の姿勢は、図28(a)に図示される回動アーム部材550の姿勢と同じである。そのため、図43から図45において、前板部材546は、基準水平線Oから上方に距離h1だけ離間した位置に配置される。
このとき、前板部材546は、回動アーム部材550が揺動することで円弧状孔554が上方に移動するのに連動して従動する。そのため、円弧状孔554には、突起部541bの揺動角度を変化させる機能と、回動アーム部材550及び前板部材546を連動させる機能とを合わせ持つ。これにより、機能の集約化を図ることができる。
図43から図45に図示されるように、伸縮演出装置540が縮小状態を形成する場合の突起部541bの揺動軌跡と、回動アーム部材550の円弧状孔554の形状とが互いに異なり、曲率半径の中心軸は反転する。即ち、突起部541bの揺動軌跡の曲率半径の中心軸は突起部541bの下方にあり、円弧状孔554の曲率半径の中心軸は円弧状孔554の上方に配置される。この場合、突起部541bの揺動軌跡と円弧状孔554とが、形成角度α2(角度α2>角度α1)で交差し、円弧状孔554が突起部541bの揺動を停止させるストッパとして働く(図44及び図45参照)。
図44に示すように、回転板520が正面視反時計回りに回転される場合、突起部541bが円弧状孔554の第2ストッパ面554cで当接される。この場合、回転板520は第3ストッパ部518c(図41参照)に当接されるまでは揺動されず、突起部541bは正面視反時計回りに揺動角度θ5まで揺動可能とされる(角度θ5<角度θ1=角度θ3)。
図45に示すように、回転板520が正面視時計回りに回転される場合、突起部541bが円弧状孔554の第3ストッパ面554dで当接される。この場合、回転板520は第3ストッパ部518cに当接されるまでは揺動されず、突起部541bは正面視時計回りに揺動角度θ6まで揺動可能とされる(角度θ6<角度θ4<角度θ2)。従って、伸縮演出装置540の伸縮方向の状態により、突起部541bの揺動角度を変化させることができる。これにより、伸縮演出装置540の揺動幅のバリエーションを増やすことができる。
ここで、中間状態における突起部541bの移動軌跡と円弧状孔554との形成角度α1よりも、縮小状態における突起部541bの移動軌跡と円弧状孔554との形成角度α2の方が大きく形成される。
突起部541bの揺動軌跡と円弧状孔554との関係において、形成角度が90度であれば、突起部541bが円弧状孔554を横断する態様で揺動されることになり、突起部541bの揺動角度は最小とされる。一方、突起部541bの揺動軌跡と円弧状孔554との関係において、形成角度が0度(図37から図39参照)であれば、突起部541bが円弧状孔554の延設方向に沿って揺動されることになり、突起部541bの揺動角度は最大とされる。そのため、縮小状態(形成角度α2)における突起部541bの揺動角度を中間状態(形成角度α1)における突起部541bの揺動角度に比較して小さくすることができる(形成角度α1<形成角度α2)。
上述したように、伸縮演出装置540の伸縮状態が変化されることで、突起部541bの揺動角度が変化され、その際、円弧状孔554の内周面(第1ストッパ面554b、第2ストッパ面554c及び第3ストッパ面554d)が、伸縮演出装置540の揺動角度を規制するストッパとして機能する。これにより、円弧状孔554の内周面を、伸縮演出装置540の伸縮状態が異なる各場合において、突起部541bの揺動角度を規制する部分として兼用することができる。そのため、突起部541bの揺動角度を規制するストッパを配設するスペースを抑制することができる。
また、伸縮演出装置540の揺動角度を規制するストッパは、回動アーム部材550が退避位置に配置されることで第3図柄表示装置81の正面側からは退避される。従って、第3図柄表示装置81の正面側に固定のストッパを配設する場合と異なり、回動アーム部材550が退避位置に配置されてもストッパが第3図柄表示装置81の前面に残留することを防止することができる。これにより、回動アーム部材550が退避位置に配置される場合には、他の部材を第3図柄表示装置81の前面に配置させることができるので、他の可動部材(例えば、スライド動作ユニット700の支柱部材720)の張出スペースを確保することができる。
また、回動アーム部材550の円弧状孔554は、伸縮演出装置540の揺動角度を規制するストッパとしての機能と、回動アーム部材550を揺動させることで伸縮演出装置540に第2駆動装置560の駆動力を伝達し、伸縮演出装置540に伸縮動作をさせる伝達装置としての機能と、を備える。これにより、機能の集約化を図ることができ、部品点数を減少させることができる。
図46から図57を参照して、傾倒動作ユニット600及びスライド動作ユニット700について説明する。傾倒動作ユニット600は演出部材620を首振り動作(傾倒動作)させるユニットであり(図12参照)、スライド動作ユニット700は傾倒動作ユニット600を左右方向へスライド移動させるユニットである。図46は、傾倒動作ユニット600及びスライド動作ユニット700の正面斜視図であり、図47は、傾倒動作ユニット600及びスライド動作ユニット700の背面斜視図である。なお、図46及び図47では、傾倒動作ユニット600及びスライド動作ユニット700の支柱部材720(図47参照)が退避位置に配置された状態が図示される。
図48は、スライド動作ユニット700の正面分解斜視図であり、図49は、スライド動作ユニット700の背面分解斜視図である。なお、図48及び図49では、理解を容易とするために傾倒動作ユニット600が分解されずに図示される。
スライド動作ユニット700は、左右方向に長尺の板状に形成されるベース部材710と、そのベース部材710のスライド板711に一方の端部が締結固定され左右方向にスライド移動可能に形成される支柱部材720と、その支柱部材720に一方の端部が締結固定され傾倒動作ユニット600のベース部材610が締結固定される他方の端部が上下方向に伸縮可能に形成されるスライドレール730と、本体部710の背面レール部716を摺動可能に形成され傾倒動作ユニット600の軸支突部612に軸支される連結部材740と、支柱部材720の左右方向への移動の駆動力を発生させる駆動装置750と、その駆動装置750の背面側に形成されベース部材710に締結固定される背面カバー部材760と、を主に備える。
ベース部材710は、スライド動作ユニット700の骨格を形成する部材であって、左右方向にスライド移動可能に形成され背面側から支柱部材720が締結固定されるスライド板711と、ベース部材710の背面視左下部に断面円形で凹設され固定軸部753aが軸支される軸支孔712と、ベース部材710の背面視右下部に左右方向へ延設される長孔状に凹設され軸支孔712と上下位置が一致されると共に移動軸部754aがスライド可能に軸支されるスライド軸支孔713と、ソレノイドにより上下に揺動可能に形成され支柱部材720の係止部725の左右方向への移動を規制するレバー部材714と、ベース部材710の上端部において正面側へ断面下向き円弧状に突設され連結部材740の上側転動部材742が転動される正面レール部715と、その正面レール部715に背面側から断面円弧状に凹設され連結部材740の挿通板部741bが挿通される背面レール部716と、を主に備える。
レバー部材714がスライド板711に締結固定される支柱部材720の左右方向へのスライド移動を規制するので、傾倒動作ユニット600を退避位置に維持する場合の駆動装置750の駆動力を不要とすることができる。
ここで、本実施形態では、傾倒動作ユニット600が正面レール部715及び背面レール部716の形成方向(円弧軌道)に沿って移動されるので、傾倒動作ユニット600に連結される支柱部材720の左右方向へのスライド移動が傾倒動作ユニット600に負荷される重力の作用で生じ得る。例えば、傾倒動作ユニット600が退避位置に配置される場合(図46参照)、傾倒動作ユニット600の移動方向は、正面レール部715の形状に沿って斜め下方向へ向けられる。そのため、傾倒動作ユニット600に連結される支柱部材720の移動方向がスライド板711の移動方向に沿った左右方向であっても、支柱部材720が重力により移動される恐れがある。本実施形態では、レバー部材714が下方へ揺動されることで支柱部材720の係止部725とかみ合わせられ、左右方向への支柱部材720の移動が規制されるので、駆動装置750の駆動力を不要としても、支柱部材720を退避位置に維持することができる。従って、駆動装置750の耐久性向上を図ることができる。
支柱部材720は、上下方向に長尺の板状に形成される本体部721と、その本体部721の下端部に左右方向に連設して前後方向に穿設されベース部材710のスライド板711に締結固定されるネジが挿通される第1締結部722と、本体部721の正面視左端部に上下方向に連設して前後方向に穿設されスライドレール730が締結固定される第2締結部723と、その第2締結部723の連設方向と平行な方向に延設される長孔であって本体部721の正面視右側部に形成されるスライド孔724と、本体部721の右下端部から上向きに突設されレバー部材714とかみ合う鉤状の係止部725と、本体部721の下面に締結固定され本体部721との間に駆動装置750のベルト755が挟み込まれる下蓋部726と、本体部721の下端部背面側から突設され背面カバー部材760のスライド凹設部764の内周面を転動可能に形成される転動部727と、本体部721の上端部から下前方へ吊り下げられ下方の端部においてベース部材610の鉤状部617に連結されるコイルスプリング728と、を主に備える。
スライドレール730は、第2締結部723の連設方向に伸縮可能な姿勢で支柱部材720に締結固定される。
スライド孔724は、第2締結部723の連設方向と平行な方向に延設される長孔であって、傾倒動作ユニット600の補助部材615が挿通される長孔である。そのため、スライド孔724により、上下移動する傾倒動作ユニット600の左右方向への姿勢のずれ(傾倒動作ユニット600の支柱部材720に対する相対回転)を抑制することができる。
下蓋部726は、上面側に前後方向に延設される歯形が形成される。この歯形は、駆動装置750のベルト755の内周面に形成される歯形と歯合される形状とされる。これにより、支柱部材720が駆動装置750のベルト755に対して滑ることを抑制することができる。
転動部727は、背面カバー760のスライド凹設部764に転動可能に挿通されることで摩擦抵抗を抑制しつつ、支柱部材720の下端部を軸とした前後方向への傾きを抑制することができる。
コイルスプリング728は、傾倒動作ユニット600を上方へ移動させる付勢力である。傾倒動作ユニット600にはコイルスプリング728からの付勢力が常時負荷されるので、傾倒動作ユニット600が重力により下方へ落下されることが抑制される。
連結部材740は、傾倒動作ユニット600の軸支突部612に回転可能に軸支される三角形板状の本体部材741と、その本体部材741から突設される転動軸741cに軸支されベース部材710の正面レール部715の上面を転動される一対の筒状の上側転動部材742と、本体部材741の転動軸741cに正面側から締結固定され正面レール部715の正面側を覆う態様で配設される前カバー部材743と、その前カバー部材743の背面側下部に配設され下半部を前カバー部材743に外嵌保持され上半部が正面レール部715の下面を転動される筒状の下側転動部材744と、を主に備える。
本体部材741は、三角形板状に形成される部材であって、上端部に背面から凹設される円形の窪みであり傾倒動作ユニット600の軸支突部612に回転可能に軸支される軸支部741aと、下端部に正面側へ突設される板状の部材であってベース部材710の背面レール部716にスライド移動可能に挿通される挿通板部741bと、軸支部741aから挿通板部741bへ引かれた垂線に対し線対称な位置から正面側へ円柱状に突設され上側転動部材742が回転可能に軸支される一対の転動軸741cと、を主に備える。
挿通板部741bは、ベース部材710の背面レール部716に挿通されるので、連結部材740が背面レール部716に沿って移動可能に形成される。そのため、軸支部741aで軸支される傾倒動作ユニット600も、背面レール部716に沿って移動可能に形成される。
転動軸741cは、軸支部741aから挿通板部741bへ引かれた垂線に対して線対称な位置に一対で形成される。そのため、一対の転動軸741cが上側転動部742を介して円弧状に形成される正面レール部715に当接される場合に、正面レール部715の上面から連結部材740へかけられる負荷(円弧の法線方向の力)は、軸支部741aを通る。従って、連結部材740により傾倒動作ユニット600の軸支突部612を安定して保持することができる。
上側転動部材742は、軸支部741aに回転可能に軸支され、正面レール部715の上面に当接される。即ち、連結部材740が正面レール部715に沿ってスライド移動されると、上側転動部742は正面レール部715の上面を転動される。これにより、連結部材740のスライド移動時に生じる摩擦抵抗を減らし、スライド移動に必要な駆動力を抑制することができる。
下側転動部材744は、前カバ−部材743の下部に下半部が回転可能に外嵌され正面レール部715の下面に上端部が当接される。即ち、連結部材740が正面レール部715に沿ってスライド移動されると、下側転動部744は正面レール部715の下面を転動される。これにより、連結部材740のスライド移動時に正面レール部715との間で生じる摩擦抵抗を減らし、スライド移動に必要な駆動力を抑制することができる。
このように、本実施形態では、正面レール部715の上面とは上側転動部材742が転動し、正面レール部715の下面とは下側転動部材744が転動する。これにより、摩擦抵抗を抑制しながら、連結部材740の上側転動部材742と下側転動部材744とにより正面レール部715の上下面を挟んだ状態を維持することができる。
ここで、傾倒動作ユニット600は、後述するように重心が上方に形成されるため、前後方向へ傾く恐れがある。この場合に、連結部材740は、上側転動部材742と下側転動部材744とにより正面レール部715の上下面を挟んでいるので、傾倒動作ユニット600の前後の両方向への傾きに対して、抵抗力を発生させることができる。これにより、傾倒動作ユニット600の姿勢維持をしやすくすることができる。
前カバー部材743は、連結部材740の転動軸741cの正面側から軸支されることで上側転動部材742を引き抜き不能に軸支する。
駆動装置750は、ベース部材710に締結固定されると共に支柱部材720をスライド移動させる駆動力を発生させる駆動モータ751と、その駆動モータ751に軸支される駆動ギア752と、その駆動ギア752に歯合されると共にベルト755が巻き付けられる軸固定ギア753と、その軸固定ギア753と離間して配設されベルト755が巻き付けられると共に回転軸754aがスライド移動可能に形成される軸移動ギア754と、軸固定ギア753と軸移動ギア754とに巻き付けられ軸固定ギア753の回転により移動されるベルト755と、軸移動ギア754を軸固定ギア753から離反する方向へ移動させる付勢力を発生させるコイルスプリング756と、を主に備える。
軸固定ギア753は、回転軸としての円柱部材であってベース部材710の軸支孔712に挿通される固定軸部753aを備える。また、軸移動ギア754は、回転軸としての円柱部材であってベース部材710のスライド軸支孔713に挿通される移動軸部754aを備える。
軸固定ギア753及び軸移動ギア754は、同形状のギアとして形成される。ベルト755の内周面には軸固定ギア753及び軸移動ギア754のギア歯と噛み合う歯形が形成される。これにより、ベルト755と軸固定ギア753及び軸移動ギア754との間の滑りを抑制し、軸固定ギア753の回転量を確実にベルト755に伝達することができる。
コイルスプリング756は、一方の端部がベース部材710のスライド軸支孔713n背面視右方に形成される鉤状部に固定され、他方の端部が軸移動ギア754を覆うケースに固定される。これにより、軸移動ギア754を軸支孔712の反対側に移動させる付勢力を発生させることができ、ベルト755に適切な張力を与えることができるので、ベルト755が軸固定ギア753及び軸移動ギア754から脱落することを防止することができる。
背面カバー部材760は、ベース部材710の背面において駆動装置750を覆う部材であって、正面側が開かれた箱状に形成される本体部761と、その本体部761の底面において固定軸部753aを受け入れる窪みである凹設部762と、スライド軸支孔713と同形状に延設され移動軸部754aを受け入れる窪みである移動凹設部763と、左右方向に延設され転動部727を受け入れる窪みであるスライド凹設部764と、を主に備える。
スライド凹設部764は、その上下内側面を転動部727が転動される窪みである。支柱部材720のスライド移動の摩擦抵抗を抑制すると共に、支柱部材720が前後方向に傾くことを抑制する。即ち、支柱部材720が前後方向に傾くと、転動部727がスライド凹設部764の上内側面か下内側面のどちらか一方に当接される。これにより、支柱部材720の前後方向への傾きを抑制することができる。
次いで、図50及び図51を参照して、傾倒動作ユニット600について説明する。図50は、傾倒動作ユニット600の正面分解斜視図であり、図51は、傾倒動作ユニット600の背面分解斜視図である。
傾倒動作ユニット600は、スライドレール730の他方の端部に締結固定される板状のベース部材610と、下端部がベース部材610に揺動可能に軸支される箱状の演出部材620と、その演出部材620の揺動の駆動力を発生させる第1駆動装置630と、その第1駆動装置630の駆動力を演出部材620へ伝達する伝達部材640と、その伝達部材640に当接され伝達部材640を移動させる付勢力を生じさせるねじりバネ650と、演出部材620の第1カーテン部材624及び第2カーテン部材625を開閉動作させる駆動力を発生させる第2駆動装置660と、を主に備える。
ベース部材610は、スライドレール730が締結固定されると共に縦に長尺の板状に形成される本体部611と、その本体部611の正面側から円柱状に突設され連結部材740の軸支部741aが軸支される軸支突部612と、その軸支突部612の鉛直上方で前後方向に穿設される円形孔であり演出部材620の揺動軸部626が揺動可能に軸支される第1軸支孔613と、その第1軸支孔613の鉛直上方で前後方向に穿設される円形孔であり伝達部材640の筒状部642が揺動可能に軸支される第2軸支孔614と、本体部611の背面に形成され支柱部材720のスライド孔724に上下スライド移動可能に挿通される補助部材615と、第1駆動装置630の駆動軸が挿通される挿通孔616と、本体部611の下端部から背面側へ向けて延設される鉤形状の鉤状部617と、を主に備える。
第2軸支孔614は、その下縁から正面側へ断面円弧状で突設される下受け板部614aを備える。下受け板部614aにより、伝達部材640の筒状部642の回転が案内される。なお、下受け板部614aは、筒状部642の外径と略同等の長さの左右幅で形成される(図53(a)参照)。
補助部材615がスライド孔724に挿通されることで、ベース部材610の左右方向の傾きを抑制できるので、ベース部材610を上下方向にスムーズにスライド移動させることができる。
鉤状部617は、コイルスプリング728の一端が掛けられ、付勢力が負荷される部分である。
図52を参照して、演出部材620及び第2駆動装置660について説明する。図52は、演出部材620及び第2駆動装置660の正面分解斜視図である。なお演出部材620の内部に配設される液晶装置が想像線で図示され、演出部材620及び第2駆動装置660の説明には図50及び図51を適宜参照する。
演出部材620は、液晶装置が内部に配設される箱状の部材であって、矩形板状の本体部材621と、その本体部材621の上下から前方へ延設され本体部材621に被さる態様で曲げられる上下カバー部材622と、その上下カバー部材622の両側面から取り付けられる板状部材であって上下カバー部材622と共に前方が開口された矩形の箱形状を形成する左右カバー部材623と、前方の開口を開閉する部材であって第2駆動装置660の嵌合孔665aに連結され移動される第1カーテン部材624と、その第1カーテン部材624と共に前方の開口を開閉する部材であって第1カーテン部材624に引かれることで移動される第2カーテン部材625と、本体部材621の背面下部から突設される円柱形状の揺動軸部626と、を主に備え、重心位置G(図53参照)が揺動軸部626よりも上方(高い位置)に形成される。なお、その重心位置Gは、倒立状態(図53参照)において摺動軸部621a及び揺動軸部626(図53参照)を通る直線上に形成される。
本体部材621は、揺動軸部626の鉛直上方で背面側に突設される円柱状の摺動軸部621a(図51参照)を備える。摺動軸部621aは、伝達部材640(図51参照)の摺動孔643に摺動可能に挿通される。
上下カバー部材622は、第1カーテン部材624及び第2カーテン部材625が駆動装置660の駆動力により開放された状態において、第1カーテン部材624及び第2カーテン部材625を内側に収容する部材である。
左右カバー部材623は、内側面に溝状に形成され第2カーテン部材625のスライド突部625cが摺動可能とされるスライド溝623aを備える。
スライド溝623aは、上下に延設される直線状の溝の上下端に円弧状に形成させる曲線状の溝が連結される。これにより、第2カーテン部材625は、スライド溝623aの形状に沿って直線移動と曲線移動とが順に生じる態様でスライド移動される。
第1カーテン部材624は、第2駆動装置660の開閉軸664を軸に上下方向へ揺動される部材であり、断面C字に板材が折曲された形状の本体部624aと、その本体部624aの端部から左右方向に突設され第2駆動装置660の嵌合孔665aに相対回転不能に嵌合される嵌合部624bと、その嵌合部624b付近で一方の端部が本体部624に揺動可能に軸支され他方の端部が第2カーテン部材625の連結突部625bに連結される連結部材624cと、を主に備える。
第2カーテン部材625は、第1カーテン部材624に引かれて上下方向へ移動される部材であり、断面C字の板状に形成される本体部625aと、その本体部624aの断面C字の端部から左右方向に突設され連結部材624cの他方の端部と連結される連結突部625bと、本体部625aの折曲部付近から左右方向外側へ突設され左右カバー部材623のスライド溝623aに挿通されるスライド突部625cと、を主に備える。
第2駆動装置660は、演出部材620の背面側に締結固定される駆動モータ661と、その駆動モータ661に軸支される駆動ギア662と、その駆動ギア662に一方のギアが歯合され互いに反対方向に回転される一対の伝達ギア663と、その伝達ギア663に相対回転不能に挿通され図示しない軸支機構により演出部材620の本体部材621の正面側に回転可能に軸支される開閉軸664と、その一対の開閉軸664の両端に相対回転不能に固定される伝達部材665と、を主に備える。
伝達部材665は、第1カーテン部材624の嵌合部624bが相対回転不能に嵌合される嵌合孔665aを備える。これにより、第1カーテン部材624は、開閉軸664を軸として上下に揺動される。
図50及び図51に戻って説明する。第1駆動装置630は、ベース部材610の挿通孔616に駆動軸が挿通されベース部材に締結固定される駆動モータ631と、その駆動モータ631の駆動軸に固定されるネジ歯車形状のウォーム632と、そのウォーム632と噛み合うはす歯歯車形状のウォームホイール633と、を主に備える。
ウォーム632は、2条ねじで形成される。本実施形態では、ウォーム632と噛み合うウォームホイール633の歯数が約20とされるので、ウォーム632が10回転する間にウォームホイール633は1回転する。これにより、駆動モータ631が制御の分解能の最小単位で動作される場合の、ウォームホイール633及び伝達部材640の回転角度を大幅に低減することができる。
ウォームホイール633は、回転軸中心から突設されベース部材610の第2軸支孔614に挿通されると共に伝達部材640の筒状部643に相対回転不能に係止される係止突部633aを備える。なお、ウォーム632とウォームホイール633との間の駆動力の伝達は、構造上、ウォーム632からウォームホイール633への一方向に限定される(ウォームホイール633が能動的に回転すると、その力はウォーム632の軸方向にかかる)。これにより、ウォームホイール633を停止させる際に駆動モータ631が受ける負荷を低減することができる。また、駆動モータ631の動力を断った状態においてウォームホイール633及び伝達部材640を停止させておくことができ、駆動モータ631の電力消費量を抑制することができる。
図53を参照して、伝達部材640及びねじりバネ650について説明する。図53(a)及び図53(b)は、伝達部材640及びねじりバネ650の正面図である。なお、図53(a)及び図53(b)では、ベース部材610及び演出部材620の外形が想像線で図示され、伝達部材640及びねじりバネ650の説明には図50及び図51を適宜参照する。また、図53(a)では、伝達部材640の摺動孔643が筒状部642の鉛直上方に配置される倒立状態が図示され、この状態において、ねじりバネ650の付勢力は伝達部材640の揺動方向で釣り合っている。図53(b)では、図53(a)の倒立状態から伝達部材640が正面視反時計回りに所定量揺動され演出部材620が所定量揺動された状態が図示される。
伝達部材640は、ウォームホイール633(図50参照)の回転により揺動される部材であって、長尺矩形の棒状に形成される本体部641と、その本体部641の一方の端部において前後方向に延設され第1駆動装置630の係止突部633aが係止される筒状部642と、本体部641の他方の端部に筒状部642の軸径方向に延設される長孔として穿設される摺動孔643と、本体部641の揺動方向両側に離間して配設される当接部644と、その当接部644と本体部641の正面側側面とを連結する幅のある円弧形状の正面円弧板部645と、当接部644と本体部641の背面側側面とを連結する幅のある円弧形状の背面円弧板部646と、を主に備える。
図53に示すように、当接部644、正面円弧板部645及び背面円弧板部646は、ねじりバネ650の付勢腕部652を取り囲む態様で配設される。これにより、ねじりバネ650が伝達部材640から脱落する(外れる)ことを防止することができる。
筒状部642は、ベース部材610の第2軸支孔614(図50参照)に軸支され、第1駆動装置630の係止突部633a(図50参照)に相対回転不能に係止される。
摺動孔643は、演出部材620の摺動軸部621aが挿通される。これにより、伝達部材640が第1駆動装置630(図50参照)の駆動力により第2軸支孔614(図50参照)を中心に揺動されると、演出部材620の摺動軸部621aが摺動孔643を摺動され(軸径方向にスライド移動され)ながら、演出部材620が第1軸支孔613を中心に揺動される。
このように演出部材620を揺動させることで、駆動装置の制御の分解能の最小単位で駆動モータ631を回転させる場合の演出部材620の揺動角度を抑制することができる。例えば、演出部材620を揺動させる方法として、演出部材620の揺動軸部626にギアを直結して、そのギアに駆動モータの駆動力を伝達する方法も考えられる。しかし、この場合、駆動モータを制御の分解能の最小単位の角度P0(図53(a)参照、なお、理解を容易にするために、実際の角度P0に対して角度を数倍に大きく図示している)で回転させる場合に演出部材620の重心が倒立状態から左右方向にずれる移動量X1は、演出部材620の重心が揺動軸部626から離間するほど大きくなる。そのため、演出部材620の重心が揺動軸部626から離間するほど、演出部材620の重心の位置調整が困難になり、演出部材620の重心が揺動軸部626の真上に配置される倒立状態に演出部材620を静止させることが困難となる。
これに対し、本実施形態では、駆動モータ631の駆動力を演出部材620に伝達する伝達部材640が演出部材620の摺動軸部621aに連結される。この摺動軸部621aから伝達部材640の揺動軸である筒状部642までの長さが、摺動軸部621aから演出部材620の揺動軸である揺動軸部626までの長さに比較して短く形成される。
そのため、演出部材620が揺動軸部626の径方向に長尺な場合であっても、駆動装置の制御の分解能の最小単位の角度P0(図53(a)参照、なお、理解を容易にするために、実際の角度P0に対して角度を数倍に大きく図示している)で駆動装置を動作させる場合の演出部材620の重心の移動量X2を抑制することができる。そのため、可動部材の重心が第1軸の真上に配置される倒立状態に可動部材を静止させることを容易とすることができる。
また、演出部材620を揺動させる方法として、演出部材620に揺動軸部626を中心とした円弧上にギア歯を形成し、そのギア歯に歯合するギアを駆動モータで回転させることで演出部材620を揺動させる方法が考えられる。しかし、この場合、演出部材620の揺動範囲が大きくなるほど、円弧上のギア歯を形成する範囲が演出部材620の左右方向に大きく必要となる。そのため、演出部材620を揺動方向に細い形状で形成する場合には、円弧上のギア歯が演出部材620からはみ出ししてしまうため、演出効果の妨げとなる。そのため、演出部材620の設計自由度が低くなる。
一方で、本実施形態では、演出部材620に駆動モータ631の駆動力を伝達する伝達部材640は、揺動軸である筒状部642が演出部材620の揺動軸である揺動軸部626の鉛直上方に配置されると共に、演出部材620の左右方向中心で揺動軸部621aと連結される。伝達部材640に追従して演出部材620は揺動するので、演出部材620の揺動範囲に対する伝達部材640の形成範囲を演出部材620の左右方向中央付近に抑えることができる。これにより、演出部材620を左右方向に細いものとしても、演出部材620から伝達部材640がはみ出すことを抑制することができ、演出部材620の設計自由度を向上させることができる。
演出部材620の摺動軸部621aの下面は伝達部材640の摺動孔643の内周面に当接される。これにより、演出部材620の重さが揺動軸部626だけでなく、伝達部材640へも負荷される。即ち、演出部材620の重さに対向する力を、揺動軸部626だけでなく伝達部材640の筒状部642からも生じさせることができる。そのため、演出部材640を揺動軸部626及び筒状部642の2点で支持することができ、揺動軸部626及び筒状部642に負荷される径方向の力を抑制することができる。
ここで、演出部材620は、図53(a)に示す倒立状態が平常状態とされるので、伝達部材640が揺動され倒立状態から所定量揺動された後で、素早く倒立状態に復帰できることが望ましい。
本実施形態では、図53(b)に示すように、伝達部材640が図53(a)に図示される状態から正面視反時計回りに揺動角度φ1で揺動されると、演出部材620は揺動角度φ2で揺動される(φ2<φ1)。
即ち、第1駆動装置630(図50参照)の駆動力で揺動される伝達部材640の揺動角度に比較して演出部材620の揺動角度の方が小さくされる。そのため、演出部材620を倒立状態(図53(a)参照)に復帰しやすくすることができる。
また、本実施形態では、伝達部材640の軸径方向に長孔状の摺動孔643が形成され、その摺動孔643に演出部材620の摺動軸部621aが挿通される。そして、伝達部材640と演出部材620の揺動軸が異なり、伝達部材640の摺動孔643の方が演出部材620の摺動軸部621aに比較して揺動半径が短いため、伝達部材640が揺動されるほど、摺動軸部621aが伝達部材640の揺動軸から遠ざかる。そのため、倒立状態(図53(a)参照)における演出部材620の摺動軸部621aから伝達部材640の筒状部642までの腕長さR1が、倒立状態から所定量揺動された状態(図54(b)参照)における演出部材620の摺動軸部621aから伝達部材640の筒状部642までの腕長さR2に比較して短くされる。
即ち、倒立状態に近づくほど伝達部材640の腕長さが短くされることになり、伝達部材640が所定角度揺動される場合の演出部材620の揺動角度を伝達部材640の腕長さが一定の場合に比較して、倒立状態に近づくほど小さくすることができる。そのため、駆動モータ631の回転速度を変化させずとも、所定の停止位置付近では演出部材620の動作速度を増加させる一方、倒立状態付近では演出部材620の動作速度を減少させ、演出部材620を倒立状態で静止しやすくすることができる(演出部材620の重心が第1軸支孔613の鉛直上方に配置された状態で演出部材620を停止制御することを容易にすることができる)。
図55を参照して、演出部材620の摺動軸部621aから伝達部材640の筒状部642までの腕長さを変化させることによる、伝達部材640の揺動角度に対する演出部材620の揺動角度の変化について説明する。
図55は、伝達部材640(図53(a)参照)の揺動角度に対する演出部材620(図53(a)参照)の揺動角度を模式的に示す模式図である。図55において、回転軸M1が演出部材620の回転軸である揺動軸部626(図53(a)参照)に対応し、回転軸M2が伝達部材640の揺動軸である筒状部642(図53(a)参照)に対応する。直線a1〜a4は、伝達部材640の配置を模式化したものであり、回転軸M2から放射状に描かれる直線であって、直線a1は回転軸M1を通り、直線a2〜a4は、直線a1との形成角度を順に15度ずつ加算する態様で形成される。即ち、直線a1〜a4の隣り合う直線どうしの形成する角度は15度ずつとされる。
回転軸M2を中心として腕長さR1(図53(a)参照)と等しい半径で描かれる円弧が円弧SR1で図示され、回転軸M2を中心として腕長さR2(図54(b)参照)と等しい半径で描かれる円弧が円弧SR2で図示される。なお、円弧SR0は、回転軸M1を中心として描かれる円弧であり、腕長さR1に回転軸M1及び回転軸M2の間の距離を加えた長さの半径の円弧である。
これらの円弧は、演出部材620と伝達部材640(図53(a)参照)との連結位置の軌跡を仮定するものである。本実施形態では、連結位置としての摺動軸部621a(図53(a)参照)が演出部材620から突設され、演出部材620と伝達部材640との連結位置は円弧SR0に沿って移動する。なお、演出部材620と伝達部材640との連結位置が円弧SR1や円弧SR2に沿って移動する場合としては、演出部材620に軸径方向に長尺の長孔が形成され、伝達部材640からその長孔に挿通される軸が突設される場合が想定される。
また、図55に示すように、直線a1と円弧SR0との交点が交点P10で図示され、直線a1と円弧SR1との交点が交点P11で図示され、直線a1と円弧SR2との交点が交点P12で図示される。
同様に、直線a2と円弧SR0との交点が交点P20で図示され、直線a2と円弧SR1との交点が交点P21で図示され、直線a2と円弧SR2との交点が交点P22で図示される。直線a3と円弧SR0との交点が交点P30で図示され、直線a3と円弧SR1との交点が交点P31で図示され、直線a3と円弧SR2との交点が交点P32で図示される。直線a4と円弧SR0との交点が交点P40で図示され、直線a4と円弧SR1との交点が交点P41で図示され、直線a4と円弧SR2との交点が交点P42で図示される。なお、交点P10及び交点P11は同じ位置に配置され、交点P40及び交点P42は同じ位置に配置される。
また、図55に示すように、回転軸M1及び交点P10を通る直線と回転軸M1及び交点P20を通る直線とが形成する角度が角度A10で図示され、回転軸M1及び交点P11を通る直線と回転軸M1及び交点P21を通る直線とが形成する角度が角度A11で図示され、回転軸M1及び交点P12を通る直線と回転軸M1及び交点P22を通る直線とが形成する角度が角度A12で図示される。
同様に、回転軸M1及び交点P20を通る直線と回転軸M1及び交点P30を通る直線とが形成する角度が角度A20で図示され、回転軸M1及び交点P21を通る直線と回転軸M1及び交点P31を通る直線とが形成する角度が角度A21で図示され、回転軸M1及び交点P22を通る直線と回転軸M1及び交点P32を通る直線とが形成する角度が角度A22で図示される。回転軸M1及び交点P30を通る直線と回転軸M1及び交点P40を通る直線とが形成する角度が角度A30で図示され、回転軸M1及び交点P31を通る直線と回転軸M1及び交点P41を通る直線とが形成する角度が角度A31で図示され、回転軸M1及び交点P32を通る直線と回転軸M1及び交点P42を通る直線とが形成する角度が角度A32で図示される。なお、これらの角度は、演出部材620の揺動角度に対応する。
ここで、(回転軸M1及び回転軸M2の距離:腕長さR1:腕長さR2)の比率は、本実施形態では、(1:2.32:2.54)とされる。角度を実測すると、角度A32は11.07度であり、角度A31は10.77度であり、角度A30は11.37度である。即ち、直線a4から直線a3までの間を伝達部材640を揺動させる場合において、円弧SR0に沿って伝達部材640と演出部材620とが連結される場合が最も演出部材640の揺動角度が大きく、円弧SR2に沿って伝達部材640と演出部材620とが連結される場合以上で形成される(角度A30は角度A31よりも角度A32に近い)。
角度A22は10.87度であり、角度A21は10.59度であり、角度A20は10.82度である。即ち、直線a3から直線a2までの間を伝達部材640を揺動させる場合において、円弧SR0に沿って伝達部材640と演出部材620とが連結される場合の揺動角度は、円弧SR2に沿って伝達部材640と演出部材620とが連結される場合を下回る。この場合には、角度A22と角度A20との差は、角度A20と角度A21との差よりも小さい(角度A20は角度A21よりも角度A22に近い)。
角度A12は10.78度であり、角度A11は10.50度であり、角度A10は10.53度である。即ち、直線a2から直線a1までの間を伝達部材640を揺動させる場合において、円弧SR0に沿って伝達部材640と演出部材620とが連結される場合の揺動角度は、円弧SR1に沿って伝達部材640と演出部材620とが連結される場合を上回る。この場合には、角度A12と角度A10との差は、角度A10と角度A11との差よりも大きい(角度A10は角度A12よりも角度A11に近い)。
これらから、伝達部材640と演出部材620(図53(a)参照)との連結位置の軌跡を円弧SR0とすることで、例えば、伝達部材640が等速で揺動される場合に、演出部材620の角速度の調整自由度を向上させることができることがわかる。即ち、直線a4に伝達部材640が配置される時の角速度は伝達部材640と演出部材620との連結位置の軌跡が円弧SR2の場合の角速度(高速側)に寄せ、直線a1に伝達部材640が配置される時の角速度は伝達部材640と演出部材620との連結位置の軌跡が円弧SR1の場合の角速度(低速側)に寄せることができる。
また、それぞれの角度の比を計算すると、角度A22/角度A32は、0.98であり、角度A12/角度A22は、0.99である。角度A21/角度A31は、0.98であり、角度A11/角度A21は、0.99である。即ち、伝達部材640と演出部材620(図53(a)参照)との連結位置の軌跡が円弧SR1,SR2である場合には、伝達部材640が等速で倒立状態へ向けて揺動される場合の演出部材620の角速度の減速比率は1〜2%と小さい。
一方、角度A20/角度A30は、0.95であり、角度A10/角度A20は、0.97である。即ち、伝達部材640と演出部材620(図53(a)参照)との連結位置の軌跡が円弧SR0(回転軸M1を中心とした円弧)である場合には、伝達部材640が等速で倒立状態へ向けて揺動される場合の演出部材620の角速度の減速比率を3〜5%とすることができる。即ち、連結位置の軌跡が円弧SR1,SR2(回転軸M2を中心とした円弧)である場合に比較して、演出部材620の角速度の減速比率を大きくすることができる。
図53(a)に示すように、倒立状態において演出部材620の摺動軸部621aは伝達部材640の摺動孔643の下端部に当接される。倒立状態において、演出部材620の重心Gは演出部材620の揺動軸部626及び伝達部材640の筒状部642の鉛直上方に形成されるので、演出部材620の重力Gによる力が揺動軸部626及び筒状部642に対し鉛直下方へかけられる。そのため、演出部材620の重力により演出部材620を揺動される方向の成分の力が発生しないので、第1駆動装置630の動力を遮断しても演出部材620の姿勢を倒立状態で維持することができる。これにより、第1駆動装置630の耐久性向上を図ることができる。
また、演出部材620の重力Gによる力が揺動軸部626及び筒状部642に対し鉛直下方へかけられることから、揺動軸部626及び筒状部642の回転抵抗を上昇させることができ、演出部材620の倒立状態での姿勢維持をしやすくすることができる。
ねじりバネ650は、伝達部材640の揺動に伴いコイル部651を巻き戻す方向(伝達部材640を押し戻す方向)に付勢力が発生される弾性バネであり、演出部材620の揺動軸部626の周囲に巻かれるコイル部651と、伝達部材640の本体部641の揺動方向両側面に沿って延設される付勢腕部652と、コイル部651の端部および付勢腕部652の端部を筒状部642及び揺動軸部626の間を通って連結する連結腕部653と、を主に備える。
コイル部651は、演出部材620の揺動軸部626の直径の約3倍の内径で形成される。そのため、付勢腕部652が揺動されコイル部651を縮径変形させる負荷が生じる場合に、コイル部651の変形量を確保することができ、付勢腕部652や連結腕部653に変形が集中することを抑制することができる。
付勢腕部652は、伝達部材640の本体部641、当接部644、正面円弧板部645及び背面円弧板部646により囲われる。これにより、付勢腕部652が伝達部材640から脱落する(外れる)ことを防止することができる。
また、付勢腕部652は伝達部材640の揺動する平面上で下受け板部614aと当接可能に形成される。そのため、伝達部材640の揺動方向に配置される付勢腕部652からは、伝達部材640を押し戻す付勢力が発生され、伝達部材640の揺動方向の反対側に配置される付勢腕部652は、下受け板部614aに移動を防止される。これにより、ねじりバネ650は、伝達部材640の揺動方向によらず伝達部材640を押し戻す方向への付勢力を発生可能に形成される。
付勢腕部652及び連結腕部653の連結部分において、伝達部材640の反対側に屈曲される屈曲部653aが形成される。この場合、後述するように伝達部材640の当接部644が、ねじりバネ650の屈曲部653aに押し付けられることで、屈曲部653aが伸張される(図54(b)参照)。これにより、ねじりバネ650の付勢腕部652と伝達部材640の本体部641との当接位置が筒状部642から遠くなり、伝達部材640にねじりバネ650から負荷されるモーメントを増大させることができる。
図54を参照して、ねじりバネ650から発生され伝達部材640を押し戻す付勢力の変化について説明する。図54(a)及び図54(b)は、伝達部材640及びねじりバネ650の正面図である。なお、図54(a)及び図54(b)では、ベース部材610及び演出部材620の外形が想像線で図示され、ねじりバネ650から発生される付勢力の変化の説明には図53を適宜参照する。
また、図54(a)では、図53(b)の状態から、更に伝達部材640が正面視反時計回りに回転され正面視左側の付勢腕部652が伝達部材640の当接部644の内側面に押し付けられ始める状態が図示され、図54(b)では、図54(a)の状態から、更に伝達部材640が正面視反時計回りに回転され、ねじりバネ650の屈曲部653aが引き延ばされた状態が図示される。
図54(a)の状態では、ねじりバネ650の正面視左側の付勢腕部652には、伝達部材640を押し返す付勢力が生じる。この付勢力は、コイル部651を起点として生じる付勢力と、屈曲部653aを起点として生じる付勢力との総和となる。
即ち、図53(b)の状態では、一対の屈曲部653aの内、正面視左側に配置される屈曲部653aに伝達部材640が押し付けられないため、ねじりバネ650の正面視左側の付勢腕部652には、伝達部材640を押し返す付勢力として、コイル部651を起点とした付勢力のみが生じる。
一方、図54(a)の状態では、コイル部651を起点とした付勢力に加え、屈曲部653aを起点とした付勢腕部652の変形により付勢力が生じる。そのため、付勢腕部652のバネ定数を増大させることができる。なお、屈曲部653aを起点とした付勢腕部652の変形は、コイル部651を起点とした変形に比較して、変形を受ける部分の長さが短くなるので、伝達部材640の単位変形量当たりで生じる付勢力をより大きくすることができる。
図54(b)の状態では、ねじりバネ650の屈曲部653aが伝達部材640の当接部644により押されることで、付勢腕部652及び連結腕部653の成す角度が広げられる。これにより、図54(a)の状態における伝達部材640の本体部641及びねじりバネ650の付勢腕部652の当接位置と筒状部642との間の距離である当接位置長さL1に比較して、図54(b)の状態における同様の当接位置長さL2が伝達部材640の筒状部642から離反される。即ち、当接位置長さが伸張される。これにより、伝達部材640を押し戻すねじりバネ650の腕長さが長くされるので、ねじりバネ650から伝達部材640へ負荷されるモーメントを増大させることができる。
従って、例えば、図54(a)の状態と図54(b)の状態とで、ねじりバネ650が発生させる付勢力が略同等である場合、図54(b)において、より伝達部材640へ負荷されるモーメントを大きくすることができる。そのため、伝達部材640及び演出部材620をより押し戻し易くすることができる。
図53及び図54に示すように、伝達部材640を押し戻すねじりバネ650の付勢力は、伝達部材640(演出部材620)の退避位置からの揺動角度が小さい内は小さく、揺動角度が大きくなるほど弾性的に増加され、図54(a)の状態を境に弾性的な増加分以上に増加される。そのため、演出部材620が最大揺動角度(図54(b)参照)とされた場合に必要なねじりバネ650の付勢力が決定されている場合に、ねじりバネが弾性的な増加のみを行う場合に比較して、揺動角度が小さい場合の付勢力をより小さく設定することができる(柔らかいバネを使用することができる)。
これにより、演出部材620の揺動開始時の動作速度がねじりバネ650の付勢力に減速される度合いを低減することができ、演出部材620の動作開始時の動作速度を高速化することができる。
また、図54(a)の状態を境に付勢力が弾性的な増加分以上に増加されることから、演出部材620の揺動角度が図54(a)の状態以上とされる場合の、演出部材620の減速加速度を上げることができる。これにより、演出部材620の揺動動作の間で、演出部材620を減速させ始めるタイミングを遅らせることができる。従って、演出部材620を高速状態で揺動させられる揺動角度を拡大することができ、傾倒動作ユニット600の演出効果を向上させることができる。
次いで、図56を参照して、傾倒動作ユニット600及びスライド動作ユニット700のスライド動作について説明する。図56は、傾倒動作ユニット600及びスライド動作ユニット700の正面図である。なお、図56では、傾倒動作ユニット600が退避位置に配置された状態が想像線で図示され、傾倒動作ユニット600が退避位置から所定量スライド移動された状態が実線で図示される。
図56に示すように、上下方向にスライド移動可能に形成される傾倒動作ユニット600とスライド動作ユニット700とを連結する連結部材740は、正面レール部715の延設方向に移動可能に形成される。ここで、傾倒動作ユニット600の重さは連結部材740に負荷されるので、傾倒動作ユニット600が退避位置に配置されると、傾倒動作ユニット600が重力により正面レール部715に沿って正面視左方に付勢される。そのため、傾倒動作ユニット600を退避位置に維持するために、駆動装置750を固定することが考えられる。
これに対し本実施形態では、レバー部材714が上下に揺動可能に形成され、レバー部材714が下方へ揺動されると、支柱部材720の係止部725と噛み合わされ、支柱部材720の左右方向へのスライド移動が規制される。
これにより、傾倒動作ユニット600を退避位置に機械的に維持することが可能となるので、傾倒動作ユニット600が退避位置に配置される場合に駆動装置750を停止させた状態で傾倒動作ユニット600を退避位置に維持できる。従って、駆動装置750の耐久性を向上させることができる。
なお、傾倒動作ユニット600が退避位置に配置された状態から、レバー部材714を上方へ揺動させ、駆動装置750を動作させることで、支柱部材720を移動可能となり、傾倒動作ユニット600を左右方向にスライド移動させることができる。
図56に示すように、傾倒動作ユニット600が倒立状態で退避位置に配置されると、傾倒動作ユニット600の重心Gの鉛直下方に連結部材740の軸支部741aが配置される。
ここで、傾倒動作ユニット600のスライド移動の方向は正面レール部715に沿うため、図56において、退避位置(図56の想像線参照)から所定量スライド移動される間において傾倒動作ユニット600の移動は、常時、上下方向成分を備える。
そのため、傾倒動作ユニット600の重心Gと連結部材740の軸支部741aとが鉛直方向でずれていると、連結部材740から傾倒動作ユニット600を回転させる方向に負荷がかけられる恐れがある。これは、逆方向へ傾倒動作ユニット600がスライド移動される場合も同様である。
これに対し、本実施形態では、重心Gの鉛直下方に連結部材740の軸支部741aが配置されるので、連結部材740から傾倒動作ユニット600に負荷される力の上下方向成分と重心Gとが同一線上に形成される。これにより、連結部材740から傾倒動作ユニット600を回転させる方向に負荷がかけられることを抑制することができ、傾倒動作ユニット600の姿勢を安定させることができる。
次いで、図57を参照して、傾倒動作ユニット600の傾倒動作(首振り動作)が、スライド動作ユニット700のスライド動作に与える影響について説明する。図57は、傾倒動作ユニット600及びスライド動作ユニット700の正面図である。なお、図57では、傾倒動作ユニット600の演出部材620が図54(b)の状態まで揺動された状態が図示される。
図57に示すように、演出部材620が正面視反時計回りに揺動された状態において、演出部材620の重心Gは、連結部材740よりも正面視左側に配置される。そのため、連結部材740に負荷される正面視左向きの加速度が増大される。
この場合、傾倒動作ユニット600を退避位置からスライド動作させるために必要な駆動力を抑制することができるので、駆動装置750の駆動モータ751を小型化することができる。
次いで、図58及び図59を参照して、第2実施形態における傾倒動作ユニット2600について説明する。
第1実施形態では、伝達部材640の本体部641のねじりバネ650との当接面が平坦面である場合を説明したが、第2実施形態における傾倒動作ユニット2600は、伝達部材2640の本体部2641が、ねじりバネ650の付勢腕部652の先端部に当接される突き当て部2641aを備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図58(a)、図58(b)及び図59は、第2実施形態における伝達部材2640及びねじりバネ650の正面図である。なお、図58(a)、図58(b)及び図59では、ベース部材610及び演出部材620の外形が想像線で図示される。また、図58(a)では、伝達部材2640の摺動孔643が筒状部642の鉛直上方に配置される倒立状態が図示され、図58(b)では、図58(a)の倒立状態から伝達部材2640が正面視反時計回りに所定量揺動され、ねじりバネ650の付勢腕部652の先端部に突き当て部2641aの下面が当接された状態が図示され、図59では、図58(b)の状態から更に伝達部材2640が正面視反時計回りに揺動された状態が図示される。
図58に示すように、伝達部材2640が倒立状態(図58(a)参照)から揺動されると、本体部2641がねじりバネ650の付勢腕部652に押し当てられ、本体部2641を倒立状態に復帰させる方向へ揺動させる付勢力を、ねじりバネ650が発生させる。伝達部材2640が揺動され付勢腕部652が変形されると、コイル部651は、変形を受けた側の付勢腕部652に連結される連結腕部653により縮径変形される。即ち、コイル部651が縮径される程、伝達部材2640を倒立状態に復帰させる方向へ揺動させる付勢力が増大される。
また、図58に示すように、ねじりバネ650の付勢腕部652と伝達部材2640との揺動角度の違いから、伝達部材2640の本体部2641と付勢腕部652との当接位置(付勢腕部652の先端位置)は、伝達部材2640の揺動により変化される。即ち、伝達部材2640が揺動される程、付勢腕部652の先端部は本体部2641の先端側(摺動孔643へ近接する側)へ移動される。
従って、図58(b)に示すように、突き当て部2641aの下面が付勢腕部642の先端部に当接される状態において、さらに伝達部材2640が正面視反時計回りに回転されると、付勢腕部642は付き当て部2641aに本体部2641の先端側への移動を規制される。
図59に示すように、付移腕部642が付き当て部2641aに移動を規制される状態で伝達部材2640が揺動されると、ねじりバネ650が全体として変形される。即ち、付勢腕部642が本体部2641の先端側への移動を規制される分、付勢腕部642の根本側(屈曲部653a側)が、下方へ移動される。これにより、コイル部651を縮径させる方向(ねじりバネ650の付勢力が増大する方向)へ連結腕部653が移動される。
即ち、付き当て部2641aの無い場合に比較して、伝達部材2640を図59の状態まで揺動させた場合のねじりバネ650の付勢力を増大させることができる。これにより、ねじりバネ650が発生させる付勢力の変化の度合い(伝達部材2640の揺動角度に対する付勢力の増加割合)を、図59に示す状態において図58に示す状態に比較して増大させることができる。従って、伝達部材2640の揺動角度が小さい場合には、ねじりバネ650の付勢力を抑制し、伝達部材2640の始動速度を高速化しながら、揺動角度が大きい場合(図59参照)には、ねじりバネ650の付勢力を非線形(弾性的な変化以上)に増大させ、伝達部材2640を倒立状態に復帰させるのに十分な付勢力を得ることができる。
次いで、図60を参照して、第3実施形態における傾倒動作ユニット3600について説明する。
第1実施形態では、伝達部材640の本体部641のねじりバネ650との当接面が一定幅である場合を説明したが、第3実施形態における傾倒動作ユニット3600は、伝達部材3640の本体部3641が、ねじりバネ650の先端部と当接される側面に、先端側へ近づくほど幅広となる態様で傾斜される傾斜側面3641aを備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図60(a)及び図60(b)は、第3実施形態における伝達部材3640及びねじりバネ650の正面図である。なお、図60(a)及び図60(b)では、ベース部材610及び演出部材620の外形が想像線で図示される。また、図60(a)では、伝達部材3640の摺動孔643が筒状部642の鉛直上方に配置される倒立状態が図示され、図60(b)では、図60(a)の倒立状態から伝達部材3640が正面視反時計回りに所定量揺動された状態が図示される。
図60に示すように、伝達部材3640が倒立状態(図60(a)参照)から揺動されると、本体部3641がねじりバネ650の付勢腕部652に押し当てられ、本体部3641を倒立状態に復帰させる方向へ揺動させる付勢力を、ねじりバネ650が発生させる。
図60(a)に示す状態から、図60(b)に示す状態に伝達部材3640が揺動されると、ねじりバネ650の付勢腕部652と伝達部材3640との揺動角度の違いから、伝達部材3640の本体部3641と付勢腕部652との当接位置(付勢腕部652の先端位置)は、伝達部材3640の揺動により変化される。即ち、伝達部材3640の倒立状態(図60(a)参照)からの揺動角度が大きくなる程、付勢腕部652の先端部は本体部3641の先端側(摺動孔643へ近接する側)へ移動される。
そのため、付勢腕部652の先端部は、本体部3641の傾斜側面3641aに沿って摺動する。即ち、ねじりバネ650には、伝達部材3640が揺動されると、その伝達部材3640の揺動角度により生じる変形に加え、傾斜側面3641aにより伝達部材3640の幅が拡大されることによる変形が生じる。この場合、伝達部材3640の先端部へ向かうほど伝達部材3640の幅はより拡大されるので、伝達部材3640の倒立状態(図60(a)参照)からの揺動角度が大きくなるほど、傾斜側面3641aにより伝達部材3640の幅が拡大されることによるねじりバネ650の変形が大きくなる。そのため、伝達部材3640の揺動角度が大きくなるに従って、ねじりバネ650が発生させる付勢力の増大割合(伝達部材3640の揺動角度に対するねじりバネ650の付勢力の変化)を大きくすることができる。
次いで、図61から図64を参照して、第4実施形態における傾倒動作ユニット4600について説明する。
第1実施形態では、伝達部材640の当接部644が固定される場合を説明したが、第4実施形態における傾倒動作ユニット4600は、伝達部材4640が、当接部644に加え、その当接部644よりも幅の短い移動当接部材4647を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図61(a)は、第4実施形態における伝達部材4640の背面斜視図であり、図61(b)は、移動当接部材4647の背面斜視図である。なお、図61(a)では、移動当接部材4647の図示が省略される。
図61(a)に示すように、伝達部材4640の正面円弧板部4645は、当接部644の配設間隔よりも短い間隔で左右対称に配置され前後方向に穿設される案内孔4645aを備える。案内孔4645aは、移動当接部材4647の一対の背面突起部4647bを前後方向に移動可能に案内する貫通孔である。
図61(b)に示すように、移動当接部材4647は、長尺の板状に形成される本体部4647aと、その本体部4647aの両端部から背面側に突設される一対の背面突起部4647bと、本体部4647の略中央から正面側に先端半球状に突設される正面突起部4647cと、を主に備える。
なお、本体部4647aの正面突起部4647cの反対側にコイルスプリング4648の一方の端部が固着され、そのコイルスプリング4648の他方の端部が本体部641bに固着される(図62(c)及び図62(d)参照)。また、理解を容易とするため、図61(a)、図61(b)、図62(a)及び図62(b)ではコイルスプリング4648の図示を省略する。
背面突起部4647bは、伝達部材4640の案内孔4645aに正面側から挿通される部分であり、その挿通時に正面円弧板部4645から十分な長さ(ねじりバネ650の付勢腕部652と当接可能な長さ)が突き出される態様で形成される。なお、背面突起部4647bは、ねじりバネ650の付勢腕部652と面(線)で当接(図64(b)参照)する角度に傾斜して形成される。これにより、付勢腕部652と背面突起部4647bが点で当接される場合に比較して付勢腕部652に加えられる負荷が軽減され(応力集中が抑制され)、付勢腕部652の耐久性を向上させることができる。
正面突起部4647cは、演出部材4620の本体部材4621(図63参照)に当接される部分であって、本体部材4621に形成される逃げ開口部4621aとの関係から、移動当接部材4647が正面円弧板部4645から離反されたり(図62(c)参照)、移動当接部材4647が正面円弧板部4645に近接されたりする(図62(d)参照)。なお、正面突起部4647cの先端が半球状に形成されるため、逃げ開口部4621aから本体部材4621の表面上に正面突起部4647cを乗り上げさせやすくすることができる。
図62(a)及び図62(b)は、伝達部材4640の背面斜視図であり、図62(c)及び図62(d)は、伝達部材4640の上面図である。なお、図62(a)及び図62(c)では、移動当接部材4647が正面円弧板部4645から離反された状態が、図62(b)及び図62(d)では、移動当接部材4647が正面円弧板部4645に近接された状態が、それぞれ図示される。
図63は、演出部材4620の本体部材4621を模式的に図示した正面模式図である。なお、本体部材4621に対して倒立状態を形成する伝達部材4640が中心状態4640Cとして、伝達部材4640が正面視反時計回りに揺動された状態が反時計揺動状態4640Lとして、伝達部材4640が正面視時計回りに揺動された状態が時計揺動状態4640Rとして、それぞれ想像線で図示される。また、中心状態4640C、反時計揺動状態4640L及び時計揺動状態4640Rにおいて、理解を容易とするために、当接部644、正面円弧板部4645及び背面円弧板部646の図示が省略される。
本体部材4621は、前後方向に穿設される逃げ開口部4621aを備える。図63に示すように、逃げ開口部4621aは、伝達部材4640が正面視反時計回りに揺動される場合に正面突起部4647c(図62参照)が移動する領域(中心状態4640Cと反時計揺動状態4640Lとの間)で形成される。
伝達部材4640の正面突起部4647cが逃げ開口部4621aと正面視で重なる場合は、正面突起部4647cが逃げ開口部4621aに挿通され、移動当接部材4647がコイルスプリング4648の弾性力により伝達部材4640の本体部641から離反される(図62(c)参照)。一方、正面突起部4647cが逃げ開口部4621aと重ならない(本体部材4621と重なる)場合は、正面突起部4647cが演出部材4620の本体部材4621の背面側の側面に当接され、移動当接部材4647が伝達部材4640の本体部641に近接される(図62(d)参照)。
即ち、移動当接部材4647の背面突起部4647bは、伝達部材4640が倒立状態から正面視時計回りに揺動される場合にねじりバネ650の付勢腕部652と当接可能な位置まで張り出される。よって、伝達部材4640が倒立状態から正面視時計回りに揺動される場合の方が、正面視反時計回りに揺動される場合に比較して、ねじりバネ650の付勢腕部652が発生する付勢力の増大割合(揺動角度に対する付勢力の上昇の度合い)を上昇させることができる。
図64(a)及び図64(b)は、伝達部材4640及びねじりバネ650の正面図である。なお、図64(a)及び図64(b)では、ベース部材610及び演出部材4620の外形が想像線で図示されると共に、理解を容易とするために移動当接部材4647の本体部4647aの図示が省略される。また、図64(a)では、伝達部材4640の摺動孔643が筒状部642の鉛直上方に配置される倒立状態が図示され、図64(b)では、図64(a)の倒立状態から伝達部材4640が正面視時計回りに所定量揺動され正面視左側の付勢腕部652が背面突起部4647bに当接された状態が図示される。
図64(b)に示すように、伝達部材4640の揺動角度が小さいうちに、付勢腕部652に伝達部材4640の本体部641の反対側(当接部644側)から当接可能とすることで、伝達部材4640が正面視時計回りに回転される場合にねじりバネ650が生じる付勢力を増大させることができる。
これにより、伝達部材4640が正面視反時計回りに揺動される場合の始動速度を高速化させたまま、伝達部材4640が正面視時計回りに揺動される場合の付勢力の向上を図ることができる。従って、演出部材4620が、背面ケース210の内側面に衝突することを抑制することができる。
即ち、傾倒動作ユニット4600が退避位置に配置される状態において、演出部材4620が倒立状態とされると、背面ケース210の内側面は演出部材620と近接される(図5参照)。ここで、演出部材4620が、正面視反時計回りに揺動された状態(図57参照)から、倒立状態へむけて勢いよく揺動されると、演出部材4620を減速しきれず、背面ケース210の内側面に演出部材4620が衝突される恐れがある。
これに対し、本実施形態では、演出部材4620が倒立状態から正面視時計回りに揺動されるタイミングで背面突起部4647bが突き出され(図62(d)参照)、ねじりバネ650の付勢力を増大させることができる。これにより、演出部材4620が倒立状態から正面視反時計回りに傾倒する場合の動作速度を高速に維持したまま、演出部材4620が倒立状態から正面視時計回りに傾倒する場合に演出部材4620を十分に減速させることができる。
また、伝達部材4640の揺動方向の反対側に配設される背面突起部4647bと付勢腕部652との当接点で背面突起部4647bを押し戻す方向(図64(b)正面視反時計回り)に付勢力が生じる。これにより、伝達部材4640に近接される側(図64(b)右側)に配置される付勢腕部652のみで伝達部材4640を押し戻す場合に比較して、より大きな付勢力で伝達部材4640を押し戻すことができる。一方で、伝達部材4640に近接される側に配置される付勢腕部652が発生させる付勢力の向上も図ることができる。
即ち、図64に示すように、伝達部材4640に近接される側の反対側に配置される当接部644と付勢腕部652とが当接される位置から下受け板部614aまでの距離に比較して、その下受け板部614aから屈曲部653aまでの距離は短い。この場合、下受け板部614を支点として、当接部644からの力で屈曲部653aを移動させることは容易であるが、その逆は困難である(支点から作用点までの距離に差があるため)。
そのため、当接部644と付勢腕部652とが当接されることで生じる正面視左側の付勢腕部652の変形によって生じる付勢力は、ねじりバネ650全体の変形で生じる。即ち、正面視左側の付勢腕部652と背面突起部4647bとが当接されることで下受け板部641aを支点に正面視左側の屈曲部653aが正面視左方(コイル部651の内径を狭める方向)に移動される変形は、連結腕部653、コイル部651及び正面視右方の付勢腕部652の変形を生じさせる。この場合、コイル部651が内径を縮小される変形を受けるため、コイル部651及び連結腕部653にはコイル部651の内径を大きくする側への付勢力が生じ、正面視右方(伝達部材4640の揺動方向側)の付勢腕部652が伝達部材640を押し返す付勢力を向上させることができる。
次いで、図65から図68を参照して、第5実施形態における複合動作ユニット5500について説明する。
第1実施形態では、回動アーム部材550が張出位置に配置された場合に、第2非伝達壁部553cが回動クランク部材570の回転軸を中心とした円に沿った形状となる場合を説明したが、第5実施形態における回動アーム部材5550は、非伝達壁部5553cが、回動クランク部材570から離反する方向へ凹設される凹設部5556を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図65から図68は、第5実施形態における複合動作ユニット5500の正面図である。なお、図65では、回動アーム部材5550が張出位置に配置され回動クランク部材570の摺動突起部574が第2非伝達壁部5553cの左端部付近に配置された状態が、図66では、図65の状態から回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転され摺動突起部574が第2非伝達壁部5553cの左端から一つ目の凹設部5556に収容された状態が、図67では、図66の状態から摺動突起部574が凹設部5556から外れる位置まで回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転された状態が、図68では、図67の状態から回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転され摺動突起部574が第2非伝達壁部5553cの左端から二つ面の凹設部5556に収容された状態が、それぞれ図示される。
図65から図68に示すように、複合動作ユニット5550の第2非伝達壁部5553cは、回動クランク部材570から離反する方向へ凹設される凹設部5556を備える。
凹設部5556は、正面視左側に形成される円弧形状(円形状の約1/4)の第1壁部5556aと、正面視右側に形成される円弧形状(円形状の約1/4)の第2壁部5556bと、を主に備え、回動クランク部材570の摺動突起部574の摺動を可能にする形状とされる。即ち、凹設部5556の第2非伝達壁部5553cからの凹設深さは摺動突起部574の半径以下とされ、凹設部5556及び第2非伝達壁部5553cの連結部は滑らかな曲面から形成される。
図65に示す状態から回動クランク部材570が図66に示す状態まで正面視反時計回りに回転されると、摺動突起部574と第2非伝達壁部5553cとの間に隙間が生じ、回動アーム部材5550が、ねじりバネ517aの生じる付勢力により摺動突起部574と当接されるまで揺動される。この場合、回動クランク部材570が回転されるに従って、第2非伝達壁部5553cの左端から一つ目の凹設部5556の第1壁部5556aが摺動突起部574に摺動されながら回動アーム部材5550が揺動される。
即ち、図65に示す状態から図66に示す状態までの間は、回動アーム部材5550がねじりバネ517aの付勢力により揺動されているに過ぎず、第2駆動装置560の駆動力で回動アーム部材5550が揺動されるわけではない。そのため、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転され、回動クランク部材570の摺動突起部574が第1壁部5556aと対向配置される場合において、回動アーム部材5550及び回動クランク部材570は非伝達状態を形成する。
図66に示す状態から回動クランク部材570が図67に示す状態まで正面視反時計回りに回転されると、摺動突起部574が第2非伝達壁部5553cの左端から一つ目の凹設部5556の第2壁部5556bに押し当てられ、回動アーム部材5550が再び張出位置まで揺動される(押し下げられる)。即ち、図66に示す状態から図67に示す状態までの間は、第2壁部5556bが摺動突起部574に押進され移動されることにより回動アーム部材5550が揺動されるので、回動クランク部材570を介して第2駆動装置560の駆動力が回動アーム部材5550に伝達される。
そのため、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転され、回動クランク部材570の摺動突起部574が第2壁部5556bと対向配置される場合において、回動アーム部材5550及び回動クランク部材570は伝達状態を形成する。
図67に示す状態から回動クランク部材570が図68に示す状態まで正面視反時計回りに回転されると、摺動突起部574と第2非伝達壁部5553cとの間に隙間が生じ、回動アーム部材5550が、ねじりバネ517aの生じる付勢力により摺動突起部574と当接されるまで揺動される。この場合、回動クランク部材570が回転されるに従って、第2非伝達壁部5553cの左端から二つ目の凹設部5556の第1壁部5556aが摺動突起部574に摺動されながら回動アーム部材5550が揺動される。
即ち、図67に示す状態から図68に示す状態までの間は、回動アーム部材5550がねじりバネ517aの付勢力により揺動されているに過ぎず、第2駆動装置560の駆動力で回動アーム部材5550が揺動されるわけではない。そのため、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転され、回動クランク部材570の摺動突起部574が第1壁部5556aと対向配置される場合において、回動アーム部材5550及び回動クランク部材570は非伝達状態を形成する。
図65から図68に図示されるように、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転される状態において、摺動突起部574が第1壁部5556aと対向配置される場合には回動クランク部材570と回動アーム部材5550との間で非伝達状態が形成され、摺動突起部574が第2壁部5556bと対向配置される場合には回動クランク部材570と回動アーム部材5550との間で伝達状態が形成される。
なお、回動クランク部材570の回転方向が逆転すれば、第1壁部5556aと第2壁部5556bとの関係は逆転する。即ち、回動クランク部材570が正面視時計回りに回転される場合には、摺動突起部574が第1壁部5556aと対向配置される場合には回動クランク部材570と回動アーム部材5550との間で伝達状態が形成され、摺動突起部574が第2壁部5556bと対向配置される場合には回動クランク部材570と回動アーム部材5550との間で非伝達状態が形成される。
図65から図68に図示されるように、本実施形態では、回動クランク部材570の揺動方向を切り替えることなく、回動アーム部材5550が退避位置(図22参照)と張出位置との間を揺動される揺動動作に加え、回動アーム部材5550が張出位置付近で幅の小さな態様(前板部材546の下端が位置U1と位置U2との間で移動される態様)で揺動される揺動動作を形成することができる。
これにより、駆動装置560の駆動方向を切り替えることでは形成困難な揺動動作を回動アーム部材5550に生じさせることができる。すなわち、回動アーム部材5550に張出位置付近で幅の小さな揺動動作を行わせることは、駆動装置560の駆動方向を短い間隔で繰り返し切り替えることでも形成可能である。しかし、この場合、揺動動作の幅は、駆動装置560の駆動方向の切り替え速度に依存する。また、回動アーム部材5550の揺動動作の速度が大きな状態で駆動装置560の駆動方向を切り替えたとしても、駆動装置560及び回動アーム部材5550の慣性が大きく瞬時に駆動方向を切り替えられず、駆動方向の切り替えに要する時間が長くなる恐れがあった。
これに対し、本実施形態における回動アーム部材5550の張出位置付近での揺動動作では、回動クランク部材570の回転方向を切り替える必要がないので、駆動方向の切り替えに要する時間を不要とすることができる。
また、回動アーム部材5550が正面視時計回りに揺動される動作(上向きの揺動動作)の動作速度は、ねじりバネ517aが生じる付勢力に依存し、回動アーム部材5550が正面視反時計回りに揺動される動作(下向きの揺動動作)の動作速度は、回動クランク部材570の回転速度に依存する。そのため、ねじりバネ517aの付勢力を増大させ、回動クランク部材570の回転速度を高速化することにより、回動アーム部材5550の張出位置付近での揺動速度を高速化することができる。
これにより、回動アーム部材5550の張出位置付近での揺動動作の高速化と、揺動方向の切り替え時間の短縮と、を両立させることができる。
次いで、図69から図71を参照して、第6実施形態における複合動作ユニット6500について説明する。
第1実施形態では、複合動作ユニット500の回動アーム部材550が一体成型される場合を説明したが、第6実施形態における回動アーム部材6550は、二部材が連結されることで形成される。その二部材が相対的に揺動されることで、他方の端部に形成される円弧状孔554の姿勢が変化される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図69(a)及び図69(c)は、第6実施形態における回動アーム部材6550の部分正面図であり、図69(b)は、図69(a)の矢印LXIXb方向視における回動アーム部材6550の部分上面図である。なお、図69(a)では、先端揺動部材6556の先端が上方へ向けられる第1姿勢が形成される状態が図示され、図69(b)では、先端揺動部材6556の先端が下方へ向けられる第2姿勢が形成される状態が図示される。
図69(a)に示すように、回動アーム部材6550は、第3軸部517(図71参照)に軸支される本体部6551と、その本体部6551の他方の端部に連結される先端揺動部材6556と、本体部6551の他方の端部の上面に固定され先端揺動部材6556の姿勢を切り替える切替装置6590と、を主に備える。なお、先端揺動部材6556に円弧状孔6554が形成される。
本体部6551は、他方の端部に前後方向に穿設され先端揺動部材6556の揺動中心となる軸支孔6551aを備える。
先端揺動部材6556は、本体部6551と連結される側の端部が本体部6551を前後で挟む態様で形成され、先端揺動部材6556の揺動中心として穿設される軸支孔6556aと、その軸支孔6556a及び先端揺動部材6556の軸支孔6551aに挿通される棒材である軸支棒6556bと、軸支孔6556aから円弧状孔6554の反対側へ延設される延設部の端部から前後方向に突設され切替装置6590の案内長孔6591dに連結される摺動軸6556cと、を主に備える。
円弧状孔6554は、上側の内側面に突設される返し部6554aを備える。返し部6554aは、伸縮演出部材6540の突起部541bに摺動される部分であって、円弧状孔6554の先端側から摺動される場合には抵抗が抑制される一方で、反対方向で摺動される場合には摺動抵抗が増大される左右非対称形状の突部である。
図70(a)及び図70(b)は、切替装置6590の正面斜視図である。なお、図70(a)では、C字状部材6591がスイッチ部材6592から押し上げられる押し上げ状態が図示され、図70(b)では、C字状部材6591がスイッチ部材6592に対して押し下げられる押し下げ状態が図示される。また、押し上げ状態が、図69(c)の状態に対応し、押し下げ状態が、図69(a)の状態に対応する。
C字状部材6591は、中央に移動円柱部6592aが挿通可能な内径の孔が穿設される長尺板状の本体部6591aと、その本体部6591aに穿設される孔の内径と同じ内径の筒状に突設され内周面に溝加工が形成される筒状案内部6591bと、本体部6591aの長尺方向の両端部から下方へ延設され本体部6551の前後方向に対向配置される一対の腕部6591cと、その腕部6591cの先端側に穿設され先端揺動部材6556の摺動軸6556cが案内される長孔である案内長孔6591dと、を主に備える。
筒状案内部6591bの内周面に形成される溝加工は、スイッチ部材6592の移動円柱部6592aとの関係でノック機構を形成するための溝加工である。C字状部材6591は、この溝加工により、スイッチ部材6592に押し付けられる方向に押進されるたびに押し上げ状態と押し下げ状態とが切り替えられる。なお、ノック機構を形成するために必要な付勢力を形成するバネ部材等の他の部材の図示は省略され、本実施形態では、筒状案内部6591bが伸縮演出装置6540の押し込み部6541a(図71参照)に押進される。
スイッチ部材6592は、筒状案内部6591aに挿通され筒状案内部6591aの内周面の溝を移動可能な突起が外周面から突設される移動円柱部6592aと、その移動円柱部6592aが軸回転可能に連結され回動アーム部材6550の本体部6551の上面に固定される固定板部6592bと、を主に備える。
ここで、ノック機構では、筒状部材と、その筒状部材の内周側を案内される円柱部材とが相対回転しながら、軸方向の互いの相対位置が切り替えられる。即ち、筒状部材と円柱部材とが相対回転しない場合、軸方向の相対位置を切り替えることが困難となる。
これに対し、スイッチ部材6592の移動円柱部6592aは、固定板部6592bに対して軸回転可能に連結される。そのため、C字状部材6591がスイッチ部材6592に近接する方向へ移動されるとき(図70(a)下方へ押し下げられるとき)、筒状案内部6591bに対して移動円柱部6592aが相対回転可能とされ、ノック機構が機能する。
そのため、回動アーム部材6550の本体部6551に固定される固定板部6592bと、C字状部材6591とを相対回転させることなく押し上げ状態と押し下げ状態とを切り替えることができる。従って、先端揺動部材6556の摺動軸6556cがC字状部材6591の案内長穴6591dに挿通された状態を維持したまま、切替装置6590の状態を、押し上げ状態と押し下げ状態とで切り替えることができる。
図71(a)及び図71(b)は、複合動作ユニット6500の正面図である。図71(a)では、回動アーム部材6550が張出位置に配置され切替装置6590が押し上げ状態とされる状態が図示され、図K4では、回動アーム部材6550が張出位置に配置され切替装置6590が押し下げ状態とされる状態が図示される。なお、図71(a)及び図71(b)において、伸縮演出装置6540は、揺動可能範囲の左端まで揺動された位置に配置される。
図71(a)及び図71(b)に示すように、回動アーム部材6550が張出位置に配置された状態において、切替装置6590の状態を切り替えることで、伸縮演出装置540の正面視時計回りの最大揺動角度を切り替えることができる。
即ち、切替装置6590が押し上げ状態を形成する場合(図71(a)参照)は、円弧状孔6554の上側の内側面に伸縮演出部材6540の突起部541bが当接され、伸縮演出装置6540の揺動角度が制限される。
この位置において円弧状孔6554の内側面および返し部6554aがストッパとして機能し、伸縮演出装置6540の揺動速度が高速な場合でも、図71(a)に図示される配置で伸縮演出装置6540を急停止させることができる(突起部541bの移動軌跡RIが返し部6554aに当接される)。
これに対し、切替装置6590が押し下げ状態を形成する場合(図71(b)参照)は、伸縮演出装置6540の突起部541bは円弧状孔6554及び返し部6554aには衝突されない(突起部541bの移動軌跡RIが返し部6554aに当接されない)。そのため、円弧状孔6554に沿って伸縮演出装置6540の突起部541bが移動され、その突起部541bは円弧状孔6554の口先部554aから外側へ放出される。
そのため、回転板520が第2ストッパ部518bに当接されるまで伸縮演出装置6540は正面視時計回りに揺動される(図71(b)参照)。この位置において第2ストッパ部518bがストッパとして機能し、伸縮演出装置6540の揺動速度が高速な場合でも、伸縮演出装置540を急停止させることができる。
これにより、伸縮演出装置6540を正面視時計回りに揺動させ、伸縮演出装置6540を急停止させる演出をさせる場合の揺動角度を複数(本実施形態では2種類)形成することができ、演出のバリエーションを増加させることができる。なお、切替装置6590の状態の切り替えは、伸縮演出部材6540が正面視反時計回りに揺動されることで、切替装置6590の筒状案内部6591bが、本体部材6541aの正面視右上部から右方へ延設される押し込み部6541aによって押進されることで生じる。そのため、先端揺動部材6556を揺動させる駆動装置として、伸縮演出部材6540の揺動を生じさせる第2駆動装置560が兼用されるので、駆動装置の配設個数を削減することができる。
また、図71(a)及び図71(b)では、先端揺動部材6556が僅かに揺動されることで伸縮演出装置6540の揺動範囲を変化させることができる。この場合、揺動角度が僅かなので、遊技者にとってその変化を気付きにくくさせることができる。
ここで、回動アーム部材6550を遊技者が視認可能な状態である場合に(図71参照)、回動アーム部材6550の状態の変化から伸縮演出装置6540の揺動角度が把握できるとすると、伸縮演出装置6540の動作への期待感が薄れ、伸縮演出装置6540の注目度が低下される。
これに対し、本実施形態では、伸縮演出装置6540の揺動角度を変化させるために先端揺動部材6556が揺動される角度が小さく、その変化に遊技者が気付くことを困難とすることができる。これにより、伸縮演出装置6540の動作への期待感を高めることができ、伸縮演出装置6540の注目度を向上させることができる。
次いで、図72を参照して、第7実施形態における傾倒動作ユニット7600について説明する。
第1実施形態では、伝達部材640の端部に長孔形状の摺動孔643が形成され、その摺動孔643に演出部材620が案内可能に支持される場合を説明したが、第7実施形態における傾倒動作ユニット7600は、伝達部材7600の端部に軸支孔7643が形成され、その軸支孔7643に演出部材620が軸支される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図72(a)及び図72(b)は、第7実施形態における傾倒動作ユニット7600の正面図である。図72(a)では、伝達部材7640の軸支孔7643が筒状部642の鉛直上方に配置される倒立状態が図示され、図72(b)では、図72(b)では、倒立状態から伝達部材7640が反時計回りに所定角度揺動された状態が図示される。なお、図72(a)及び図72(b)では、理解を容易にするために、演出部材620の外形が想像線で図示され、その背面側の伝達部材7640及びベース部材7610が視認可能とされると共にねじりバネ650及び軸支突部612の図示が省略される。
図72(a)に図示されるように、ベース部材7610は、本体部611の第2軸支孔614の鉛直下方に、前後方向に穿設される摺動孔7613を備える。摺動孔7613は、演出部材620の揺動軸部626が挿通される長孔であって、その長孔の長手方向が上下方向に沿って形成される。揺動軸部626は摺動孔7613にスライド移動可能に支持される。
伝達部材7640は、本体部641の筒状部642が形成される端部の反対側の端部に軸支孔7643が穿設される。軸支孔7643は、演出部材620の摺動軸部621aを揺動可能に軸支する部分であり、摺動軸部621aの直径より若干大きな内径で穿設される。
演出部材620の揺動動作は、第1駆動装置630(図51参照)の駆動モータ631の回転により伝達部材7640が第2軸支孔614を中心に揺動することにより生じる。
本実施形態では、摺動軸部621aは軸支孔7643に軸支されるので、伝達部材7640が揺動すると、演出部材620の摺動軸部621aが、伝達部材7640の揺動軌跡に沿って移動する(摺動軸部621aが本体部641の長手方向に移動することは無い)。一方で、揺動軸部626は摺動孔7613に挿通されているので、伝達部材7640が揺動すると、揺動軸部626はベース部材7610に対して相対的にスライド移動する。
ここで、伝達部材7640の揺動角度と、演出部材620の揺動角度の違いについて説明する。図72(b)に示すように、伝達部材7640が倒立状態から伝達揺動角度φ71だけ揺動する場合、演出部材620が演出揺動角度φ72だけ揺動する(演出揺動角度φ72<伝達揺動角度φ71)。そのため、駆動モータ631の分解能の最小単位で伝達部材7640を揺動させる場合に演出部材620の揺動角度を伝達部材7640の揺動角度よりも小さくすることができる。これにより、演出部材620の揺動角度の調整の精度を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、伝達部材7640が倒立状態から伝達揺動角度φ71だけ揺動する場合の演出部材620の揺動角度を、第1実施形態の場合に比較して小さくすることができることを説明する。
図72(b)に図示される連結線J1は、摺動軸部621aから揺動軸部626まで引かれた線である。仮想連結線J2は、連結線J1と等しい長さとされ、筒状部642を通り本体部641の長手方向に引かれた線から摺動孔7613の上部に揺動軸部626が配置された場合(図72(a)参照)の揺動軸部626の中心まで引かれた線である。なお、仮想連結線J2の揺動角度である仮想角度φ73は、第1実施形態の第1軸支孔613が、摺動孔7613の上部に形成されるとした場合に、第1実施形態の伝達部材640が伝達揺動角度φ71だけ揺動することに伴い揺動される演出部材620の揺動角度に対応する。
図72(b)に示すように、演出揺動角度φ72は、仮想角度φ73よりも小さくされ、第7実施形態の傾倒動作ユニット7600によれば、伝達部材7640を所定角度揺動させる場合の演出部材620の揺動角度を、第1実施形態の場合に比較して小さくすることができる。従って、駆動モータ631(図51参照)の分解能の最小単位で伝達部材7640を揺動させる場合に演出部材620の揺動量をそれよりも小さくすることができ、演出部材620の揺動角度の調整の精度を向上させることができる。
次いで、図73から図80を参照して、第8実施形態について説明する。上述した各実施形態では、スルーゲート67の真下に電動役物640a及び第2入賞口640bが配設され球が滑らかに流れる場合を説明したが、第8実施形態における流路形成ユニット8800は、スルーゲート67と電動役物640aとの間に球の流下し易い方向を意図的に作る方向変化部8826を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。また、本実施形態の説明において、図2を適宜参照する。
図73は、第8実施形態における流路形成ユニット8800の分解斜視図である。なお、図73では、左側に覆設板部材8820が背面を手前側に向ける姿勢で図示され、右側に基礎板部材8810が正面を手前側に向ける姿勢で図示される。
図73に示すように、流路形成ユニット8800は、遊技領域の右下部分(縦壁部73b及び傾斜壁部73cが交差する領域、図2参照)に配設されるユニットであって、遊技盤13(図2参照)に締結固定される板状の基礎板部材8810と、その基礎板部材8810の正面側に所定距離離間して配設される板部材であって背面側に嵩上げされる部分で基礎板部材8810と締結固定される覆設板部材8820と、を備える。
基礎板部材8810は、上端部にスルーゲート67が配設されると共にその下方に電動役物640a及び第2入賞口640bが順に配設される板状の本体部材8811と、スルーゲート67及び電動役物640aの間に本体部材8811の正面側壁面から背面側へ向けて凹設される凹設部8812と、を備える。
覆設板部材8820は、組立状態(図2参照)において本体部材8811の正面側に所定距離空けて配設される板状の本体部材8821と、その本体部材8821から背面側に嵩上げ形成される複数の嵩上げ部8822,8823,8824,8825と、組立状態(図3参照)において基礎板部材8810の凹設部8812の正面側に配設される複数の突起から構成される方向変化部8826と、を備える。
複数の嵩上げ部は、第1嵩上げ部8822と、第2嵩上げ部8823と、第3嵩上げ部8824と、第4嵩上げ部8825と、から構成され、それぞれが同じ長さ(遊技球の直径以上の長さ)だけ嵩上げされることにより、組立状態(図2参照)において各嵩上げ部8822,8823,8824,8825及び本体部材8811,8821で囲う部分に球が流下可能な流路が形成される。
第1嵩上げ部8822は、スルーゲート67を収容する部分である収容部8822aと、その収容部8822aの正面視右側面(図73左側面)から正面視右方(図73左方)に下降傾斜して形成される傾斜面部8822bと、収容部8822aの下端部において正面視左側(図73右側)から下方へ湾曲して延設される湾曲壁部8822cと、を備える。
このような構成から、第1嵩上げ部8822の上流側を流下する遊技球は、スルーゲート67を通過するか、傾斜面部8822bを転動するかで、流下経路を振り分けられる(図76参照)。
第2嵩上げ部8823は、スルーゲート67及び電動役物640aの上下方向の中間位置から、正面視右方(図73左方)に所定距離移動した位置であって傾斜面部8822bを転動する球が落下する位置に配置され、上側面が正面視左方(図73右方)に向かうほど下降傾斜して形成されると共に、係止部8825cを正面視左方(背面視右方)へ越える位置まで延設される。
第3嵩上げ部8824は、収容部8822aの正面視左側面(図73右側面)の鉛直下方に所定距離空けて、少なくとも湾曲壁部8822cの下端との隙間が球の直径以上とされる位置に配置される。
第4嵩上げ部8825は、上側面が正面視左方(図73右方)に向けて下降傾斜する態様で構成され、電動役物640aが張り出した際にその下側に当接する位置に配置される当接壁面8825aと、その当接壁面8825aから電動役物640aの正面視右側端部(図73右側端部)から若干隙間を空けて上方へオフセットされる転動壁面8825bと、その転動壁面8825bの正面視右側端部(図73左側端部)から上方へ延設される係止部8825cと、当接壁面8825aの中間部から下方へ延設される一対の流路壁面8825dと、を備える。
係止部8825cは、転動壁面8825bを転動する球が、球を第2アウト口315(図2参照)へ案内する排出口8825c1に流入することを防止するための部分であって、球の直径の概略1/3程度の延設長さで延設される。
電動役物640aは、第1実施形態で上述したように、普段は閉鎖状態(前方へ張り出した状態、図73参照)とされるが、スルーゲート67を球が通過することを契機として開放状態(後方へ退避した状態)とされ得る態様で構成される。そのため、スルーゲート67を通過しない流下経路(例えば、傾斜面部8822bを転動する流下経路)に比較して、スルーゲート67を通過する流下経路の方が遊技者にとって有利である(有利度が高い)。
従来、スルーゲート67の下方の領域に電動役物640a及び第2入賞口640bが配設される場合、スルーゲート67の下方に釘を植設することにより球の経路を変化させ、いくつかの球は電動役物640a及び第2入賞口640bに流下され、それ以外の球は電動役物640a及び第2入賞口640bを避けて流下するように調整していた。そのため、スルーゲート67、電動役物640a及び第2入賞口640bを配置するスペースが大型化するという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、スルーゲート67、電動役物640a及び第2入賞口640bをユニットで構成する(基礎板部材8810に一体で構成する)ことにより全体の構成を小型化している。これにより、遊技盤13の他の遊技領域の設計自由度を向上させることができる。
また、1ユニットとして構成されることで、スルーゲート67と、電動役物640aと、方向変化部8826との相対位置関係が変化することを抑制できる。これにより、スルーゲート67と、電動役物640aと、方向変化部8826との相対位置関係が変化することで設計意図と異なる経路で球が流下することを防止することができる。
ここで、小型化する程(スルーゲート67と電動役物640aとの間の距離を短くする程)スルーゲート67を通過した球が電動役物640aに流下されやすくなるし、釘を植設することができないため、遊技者に付与される利益が大きくなりすぎる恐れがあるという問題点が新たに生じた。これに対し、本実施形態では、覆設板部材8820に方向変化部8826が配設され、その方向変化部8826に衝突した球の流下方向を複数種類に分岐させることで、電動役物640aへ向けて流下する球の割合を予め小さくする構成としている。
図74(a)から図74(d)を参照して、方向変化部8826の構成について説明する。図74(a)は、方向変化部8826の正面図であり、図74(b)は、図74(a)の矢印LXXIVb方向視における方向変化部8826の上面図であり、図74(c)は、図74(a)の矢印LXXIVc方向視における方向変化部8826の側面図であり、図74(d)は、図74(a)の矢印LXXIVd方向視における方向変化部8826の側面図である。なお、図74(a)では、覆設板部材8820の本体部材8821の図示が省略され、図74(b)から図74(d)では、本体部材8821が部分的に断面視される。また、図74(a)から図74(d)では、基礎板部材8810の凹設部8812の外形が想像線で図示される。
図74(a)から図74(d)に示すように、方向変化部8826は、覆設板部材8820の本体部材8821から背面側(図74(a)奥側)に隆起され上下方向に延設される複数(本実施形態では4本)の凸設部8826a,8826b,8826c,8826dを備える。
凸設部は、左右方向視(図74(c)又は図74(d)参照)において上底が下底に比較して短い台形形状の部分であって、正面視(図74(a)参照)において、上側辺は正面視右方へ向かうほど下降傾斜する態様で並び、下側辺は第4嵩上げ部8825(図73参照)の傾斜に沿う形状に構成され、正面視左側から順に第1凸設部8826aと、第2凸設部8826bと、第3凸設部8826cと、第4凸設部8826dと、を備える。
第1凸設部8826aは、隣設される第2凸設部8826bに比較して凸設高さが短く(約半分と)され、正面視左側面として形成される傾斜側面8826a1が、約45度の角度で傾斜する(図74(b)参照)と共に下方へ向かうにつれて正面視左方に若干湾曲して形成される。そのため、第1凸設部8826aの正面視左側から流下してくる球の左右方向の速度を前後方向(図74(a)紙面垂直方向)に向き変える(左右方向の速度を減少させる)ことができると共に下方への球の流下を第1凸設部8826aの湾曲する方向に向け易くすることができる。
第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cは、第1凸設部8826aの凸設高さの約2倍の凸設高さとされ、互いに面が相手側を向く態様で傾斜される対面傾斜側面8826b1,8826c1を備え、下方へ向かうほど互いの離間間隔が拡大する態様で配設される。そのため、第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cの上半部に流下した球を対面傾斜側面8826b1,8826c1に衝突させることで、第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cの間に球を維持し易くすることができ、また第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cの下半部まで流下した球が第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cと当接している間に左右方向(図74(a)左右方向)に排出されることを抑制することができる。
図74(b)に示すように、第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cの間を流下する球は、第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cの対向配置される側面の端部に引っ掛けられることにより、左右方向(図74(b)左右方向)への移動が抑制される。即ち、第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cは、球を引っ掛けられる程度に離間して配設される。
第4凸設部8826dは、第1凸設部8826aと同等の凸設高さとされ、正面視右側面として形成される傾斜側面8826d1が、約45度の角度で傾斜する(図74(b)参照)。そのため、第1凸設部8826aの正面視右側から流下してくる球の左右方向の速度を前後方向(図74(a)紙面垂直方向)に向き変えることができる。
図75を参照して、基礎板部材8810の凹設部8812について説明する。図75(a)は、基礎板部材8810の内の凹設部8812のみを図示した凹設部8812の正面図であり、図75(b)は、図75(a)のLXXVb−LXXVb線における凹設部8812の断面図であり、図75(c)は、図75(a)のLXXVc−LXXVc線における凹設部8812の断面図である。なお、図75(b)及び図75(c)では、基礎板部材8810の本体部材8811が部分的に図示され、図75(b)では、方向変化部8826の外形線が想像線で図示される。
図75に示すように、凹設部8812は、その外周が凹設方向(図75(a)紙面奥方向)に向かうにつれて凹設断面の断面積が縮小する態様で傾斜され、外周形状は、正面視において方向変化部8826の外周形状に沿って方向変化部8826を囲う態様で配設される。即ち、方向変化部8826(図73参照)の外周部分に衝突して前後方向に跳ね返った球は、凹設部8812の内側に衝突する。
凹設部8812は、縦方向に延びる平面で断面視した形状(図75(b)参照)と、横方向に延びる平面で断面視した形状(図75(c)参照)とが異なる形状で構成される。
図75(b)に示すように、凹設部8812を縦方向に延びる平面で断面視した形状は、上側と下側とが異なった曲率半径の円弧で形成される湾曲形状から構成される。即ち、方向変化部8826の上側の傾斜面と対向配置される上側円弧部8812aは、第1曲率半径8812rの円弧形状から構成され、その上側円弧部8812aの下端部から下方へ延設される下側円弧部8812bは、第2曲率半径8812Rの円弧形状から構成される。ここで、第1曲率半径8812rの方が第2曲率半径8812Rに比較して短い(8812r<8812R)。また、第1曲率半径8812rは、凹設部8812の最深部の凹設深さと同等の長さとされる。
そのため、凹設部8812の前後方向における球の衝突位置ごとの、球の跳ね返る方向を有利な方向に向けることができる。即ち、上側円弧部8812aは、中心角度90度にわたって形成される円弧であるので、凹設部8812の正面側寄り(図75(b)右側)で凹設部8812に衝突した球の速度を下方寄りに向き変えし、凹設部8812の奥側寄り(図75(b)左側)で凹設部8812に衝突した球の速度を前後方向の速度を大きく維持する状態で向き変えすることができる。
これにより、上側円弧部8812aに衝突した球が、跳ね返って再度方向変化部8826の上側の傾斜部分に衝突することを抑制すると共に、方向変化部8826に再衝突する恐れの少ない位置(凹設部8812の下よりの位置)で上側円弧部8812aに衝突した球は正面寄りに跳ね返らせることにより、球の流れが停滞することを防止することができる(球の流れをスムーズにすることができる)。
即ち、ワープ流路のように1本道の流路であれば、球を減速させながら、球が連なって流下する場合にも互いに干渉させずに流下させることは容易に実現できる。一方で、本実施形態のように、一本道ではなく、球が自由に流下できる領域において球を減速させると、球同士が互いに干渉し易くなり、スムーズな球の流れが阻害されやすくなる。そのため、球が方向変化部8826にまとまって到達するか、1球ずつ到達するかで、球の流下態様が変わるため、球の発射間隔を遊技者が調整しなければならなくなる恐れが生じ、遊技者の技術次第で、遊技者が得られる利益が変化することになるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態では、上述したように、球を遊技盤13(図2参照)の厚さ方向に変位させることで球の下降速度(下方への速度成分)を小さくできると共に、球の跳ね返る向きを後から来る球から離反する向きにできるので球同士が衝突して球の流れが悪くなることを抑制することができる。
また、下側円弧部8812bは第1曲率半径8812rよりも大きな曲率半径の円弧で構成され、その法線の向きが配置に寄らず正面向きとされるので、下側円弧部8812bで衝突した球を正面寄りに跳ね返すことができる。これによっても、球の流れが停滞することを防止することができる(球の流れをスムーズにすることができる)。
図75(c)に示すように、凹設部8812を横方向に延びる平面で断面視した形状は、左右方向に沿った形状とされる。そのため、衝突する位置によらず、衝突して跳ね返る球を同様の条件で跳ね返すので、凹設部8812の正面側を左右方向に流れる球の流れを均一化することができる。
このように、凹設部8812は、縦方向に延びる平面で断面視した形状(図75(b)参照)と、横方向に延びる平面で断面視した形状(図75(c)参照)とが異なる形状で構成されることにより、球と凹設部8812とが衝突する際に球に与える影響を、球の流れる方向によって異ならせることができる。
図76を参照して、球の流下経路について説明する。図76は、組立状態における流路形成ユニット8800の部分正面図である。なお、図76では、覆設板部材8820の本体部材8821の図示が省略されると共に、理解を容易とするために縦壁部73bが部分的に図示される(図2参照)。また、第1可変入賞装置65が部分的に図示され、その第1可変入賞装置65と第4嵩上げ部8825との間の図示を省略線で省略する(第4嵩上げ部8825の左端から落下した球は、第1可変入賞装置65へ流下する(図2参照))。
図76に示すように、方向変化部8826を経由して流下する球が通る流路は主に4つに分けられる。即ち、第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cの中心位置を通って鉛直方向に延びる経路である第1流下経路O81と、第2凸設部8826bの正面視左側の側面に沿って斜め下方へ延設される経路である第2流下経路B81と、第3凸設部8826cの正面視右側の側面に沿って斜め下方へ延設される経路である第3流下経路B82と、方向変化部8826の上側面を伝って正面視右方へ向かう経路である第4流下経路B83と、に分けられる。
これら4つの流路の内、第1流下経路O81及び第3流下経路B82を通る球は、電動役物640aが開放される状態の時に流路壁面8825dの間を通り第2入賞口640bに入賞する可能性がある。また、第2流下経路B81を通る球は、流路壁面8825dよりも正面視左側で第4嵩上げ部8825に到達するので第2入賞口640bに入賞することが防止される。また、第4流下経路B83を通る球は、係止部8825cを飛び越えて排出口8825c1へ入球する恐れがある。
第2流下経路B81は、第2凸設部8826bの左側面に沿った経路である。ここで、図76に図示されるように、第2凸設部8826bは、上端部から下端部へ向かうにつれて、左側面の接線の方向が一対の流路壁面8825dにより形成される開口の中心軸から遠ざかる形状で構成される。
これにより、球が第2凸設部8826bに沿って流下する際に、上端部から下端部へ向かうにつれて球の速度が一対の流路壁面8825dにより形成される開口から遠ざかる方向(逸れる方向)に向けられる。そのため、第2凸設部8826bの左側側面に沿って流下する球を第2入賞口640bに入賞させ難くすることができる。
また、第2凸設部8826bは、上端部から下端部へ向かうにつれて、流路壁面8825dにより形成される開口の中心軸から遠ざかる(逸れる)形状で構成される。これにより、球が第2凸設部8826bに沿って流下する際に、上端部から下端部へ向かうにつれて球を流路壁面8825dにより形成される開口から遠ざかる方向(逸れる方向)に移動させることができる。そのため、第2凸設部8826bに沿って流下する球を第2入賞口640bに入賞させ難くすることができる。
スルーゲート67を通過して方向変化部8826に到達する球の経路X81,X82について説明する。図76に示すように、スルーゲート67の開口の中心線O82は、第1流下経路81を基準として、正面視左方に所定距離D81だけ平行移動した位置に配置される。
中心線O82と第1流下経路O81との中心位置に第2凸設部8826bが配設されているので、スルーゲート67を通過する球の流下経路は、湾曲壁部8822cにより左右方向の速度を与えられた後において、第2凸設部8826bの右側を通過する第1経路X81と、第2凸設部8826bの左側を通過する第2経路X82と、第1経路X81よりも右側へ向き方向変化部8826の上側面に沿って通過する第4流下経路B83と、に分岐される。
なお、分岐の割合は種々の方法により設定が可能であり、例えば、スルーゲート67を通過する球の速度を変化させることにより、割合を変化させることができる。即ち、例えば、球の速度が遅いほど、球の流下中に所定距離D81だけ左右方向に球が移動する余裕を持つことができる。
また、上述したように、方向変化部8826は、球が通過する際に球を遊技盤13の厚さ方向に変位させ、上下方向の速度成分を小さくする作用を有しているので、方向変化部8826により、スルーゲート67を通過した球のうち右方へ向けて流下する球と、第2入賞口640bへ向けて流下(降下)する球とを作ることができ、更に、第2入賞口640bへ向けて流下(降下)する球を減速させることができる。
これにより、本実施形態のように、スルーゲート67と電動役物640aとをユニット化して間隔を狭めた場合においても、スルーゲート67を通過した球の作用により電動役物640aが開放するまでの間、球をスルーゲート67と電動役物640aとの間に留めることができる。従って、従来のように、スルーゲート67と電動役物640aとの間隔を狭めた結果、スルーゲート67を通過した球の作用により電動役物640aが開放するまでの間に、電動役物640aの開放の契機となった球が電動役物640aを通り過ぎてしまう遊技機と比較して、遊技者が得られる利益を増加させることができる。
このような遊技機では、スルーゲート67を通過した球がそのまま電動役物640aを通過して第2入賞口640bを通過することで抽選の機会を得ることができるので、抽選を高頻度で得ることができる。
例えば、抽選の消化を高速で行う仕様にしたとしても、先の抽選に係る変動演出と後の抽選に係る変動演出との間が長く空く場合には、遊技者が飽きてしまう(興趣が低下する)。これに対し、本実施形態では、スルーゲート67を通過した球がそのまま第2入賞口640bを通過して抽選を受けられるようにすることで抽選の頻度を増やすことができるので、空き期間が生じることを極力減らすことができ、抽選を高速(高頻度)で消化することにより確率変動遊技において大当たりとなるまでの期間を短くすることを実現しながら、遊技者の興趣の低下を防止することができる。
スルーゲート67を通らず、第2嵩上げ部8823の上側面を転動する球の流下経路Y81について説明する。流下経路Y81を流下する球は、方向変化部8826に到達する高さまで跳ねると、方向変化部8826に到達する。この場合、方向変化部8826との衝突により左右方向の速度が減速されることにより、球は第3凸設部8826cの右側側面に沿って流下し易くなる(第3流下経路B82に沿って流下し易くなる)。これにより、第2入賞口640bの上方を飛び越える経路で流下する球の流下経路を、第2入賞口640bに流入する流下経路に変化させることができる。従って、スルーゲート67を通る球に比較して、スルーゲート67を通らずに流下する球の方が、第2入賞口640bに入賞しやすい構成とされる。
換言すれば、スルーゲート67を通過する経路(有利度の高い経路)を流下した球は、その後有利度の低い経路で流下する割合が高くなり、スルーゲート67を回避して流下した球は、その後の有利度が高くされる(第2入賞口640bに入賞し易くなる)。これにより、スルーゲート67を通過しやすくする釘調整による不正が行われた場合でも、出玉が出過ぎる状態となる等の極端に有利度が高くされることを防止することができる。
また、流下経路Y81に沿って流下する球の左右方向の速度を方向変化部8826により小さくすることにより、スルーゲート67を通過する球と、流下経路Y81に沿って流下する球とが衝突しそうになっても、その衝突により球が左右方向に移動する移動量を小さくすることができる。これにより、スルーゲート67を通過した球が、流下経路Y81に沿って流下する球に衝突されることにより流路壁面8825dの左方(第2入賞口640bから離反する方向に転動し始める位置)において第4嵩上げ部8825又は電動役物640aに到達することを抑制することができる。従って、スルーゲート67を通過した球が第2入賞口640bに流入する可能性を高めることができる。
ここで、方向変化部8826が配設される位置に釘を植設して遊技球の流下方向を変化させようとする場合、遊技球が流下可能なスペースが釘により狭められるので、例えば、スルーゲート67の下方において多方向から球が集まった場合に、球詰まりが起き易いという問題点が生じる。これに対して、本実施形態では、方向変化部8826を含む領域であって、スルーゲート67を通過した球と、スルーゲート67から逸れた球とが合流する合流領域S81の全範囲を球の流下経路として利用することができる。従って、球詰まりの発生を抑制し、球をスムーズに流下させることができる。
即ち、本実施形態では、合流領域S81には、遊技球の流下経路を狭める釘が植設されていない。そのため、釘で跳ね変える時のように、合流領域S81に流入した球が、来た方向へ向けて跳ね返ることを防止できる。これにより、例えば、流下経路Y81で流下して合流領域S81に流入した球が、他の球と衝突すること無く、跳ね返って排出口8825c1に入球するという事態を回避することができる。
また、方向変化部8826は、釘と違い、容易に調整できるものでは無いことから、方向変化部8826の状態を維持することができる。これにより、球の流下のし易い方向を不正に調整するゴト行為により不正に利益を得ようとする遊技者によるゴト行為を抑止することができる。
次いで図77を参照して、方向変化部8826の上下方向に球が複数配設された場合について説明する。図77(a)及び図77(b)は、流路形成ユニット8800の部分正面図である。なお、図77(a)及び図77(b)では、電動役物640aが閉鎖状態とされ、電動役物640aの上方に滞留される球が2個想像線で図示されると共に、覆設板部材8820の本体部材8821の図示が省略される。
図77(a)に示すように、電動役物640a及び転動壁面8825bを転動する球の軌跡L81から方向変化部8826の下端までの距離が球の直径以下とされるので、電動役物640aの上方に球が2個滞留する場合に上側の球を第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cの間に配設することができ、球が第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cの対向配置される面の先端部に引っかかることにより、球が左右方向に位置ずれすることを抑制することができる。
即ち、方向変化部8826が配置される位置に何も形成されず、基礎板部材8810の平坦部分と覆設板部材8820の平坦部分とで囲われる場合、球が電動役物640aの上で上下方向に並び衝突すれば、上側の球はランダムに飛んでいってしまうので、上側の球を第2入賞口640bに入賞させることは困難である。そのため、無駄球が多くなる。
一方、本実施形態によれば、上側の球が跳ね返る方向が第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cの間の範囲に抑制され、上側の球を第1流下経路O81上に留めることができる。従って、下側の球が通り過ぎるまでは上側の球を第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cの間に維持しておくことができ、電動役物640aが開放された後に上側の球が第2入賞口640bに入賞される可能性が生まれる。従って、例えば、流下経路Y81に沿って流下した球(跳ねた球)と、第2嵩上げ部8823から落下した後に転動壁面8825bで余り跳ねずに流下する(流下経路Y81に比較して跳ねが小さい球)とが、流路壁面8825dの形成する開口付近で衝突する場合にも、両方の球を第2入賞口640bに入賞しやすくすることができ、無駄球を低減することができる。
なお、方向変化部8826及び凹設部8812が配設されることで、球が前後方向に速度を有するようになり、自由落下に比較して球の落下速度が遅くなるので、電動役物640aが開放されるまでの時間を稼ぐことが容易となり、無駄球を低減できるという効果を奏する。
図78を参照して、方向変化部8826へ流下経路Y81(図76参照)を通って到達した球の跳ね返りかたの一例について説明する。
図78(a)は、流路形成ユニット8800の部分正面図であり、図78(b)は、図78(a)のLXXVIIIb−LXXVIIIb線における流路形成ユニット8800の部分断面図であり、図78(c)は、流路形成ユニット8800の部分正面図であり、図78(d)は、図78(c)のLXXVIIId−LXXVIIId線における流路形成ユニット8800の部分断面図である。なお、図78(a)及び図78(c)では、覆設板部材8820の本体部材8821の図示が省略され、図78(a)及び図78(b)では、球が方向変化部8826に到達する前の状態が図示されると共に、図78(c)及び図78(d)では、球が方向変化部8826で跳ね返った後の状態が図示される。
図78(a)及び図78(b)に示すように、球が流下経路Y81を通って方向変化部8826に到達する場合、球は方向変化部8826の正面視右方から到達する。そのため、球は第4凸設部8826dの傾斜側面8826d1に衝突する。ここで、傾斜側面8826d1は覆設板部材8820の本体部材8821に対して45度傾斜して構成されるので、衝突して跳ね返った球の速度方向V81は、前後方向に向け変えられる。従って、球が左右方向に移動することを抑制することができる。
図78(c)及び図78(d)では、第4凸設部8826dで跳ね返った球の配置の例として、異なった位置に配置される球が想像線で図示される。右側の球は、第3凸設部8826cの右側で凹設部8812に跳ね返る例として図示される。この場合、速度方向V82に沿って球が移動すると、球と第3凸設部8826cの右側の側面とが衝突し、球の左方向へ向けた速度が低減される。これにより、球がこれ以上左方向に移動することが抑制され、球は第3流下経路B82に沿って流下される。
また、左側の球は、第2凸設部8826bの右側で凹設部8812に跳ね返る例として図示される。この場合、速度方向V83に沿って球が移動すると、球と第2凸設部8826bの対面傾斜側面8826b1とが衝突し、球の左方向へ向けた速度が低減されると共に、第2凸設部8826bが図78(c)左方に行くほど下降傾斜して形成されるため衝突後の球の速度が下向き寄りに変化される。これにより、球がこれ以上左方向に移動することが抑制され、球は第1流下経路O81に沿って流下される。従って、球が方向変化部8826の左方に通過することを抑制し、第2入賞口640bへ入賞する球の個数を増加させることができる。
また、球の左右方向の速度を前後方向に向き変えることにより、例えば、第1流下経路O81上を球が流下している時に方向変化部8826の右方から球が到達し、それらの球が衝突した場合に、第1流下経路O81を流下する球に与えられる左右方向の負荷を低減でき、第1流下経路O81を流下する球が左右方向に弾き出されることを抑制することができる。
図79を参照して、上下方向に流下する球が、凹設部8812に衝突して跳ね返る際の跳ね返り方について説明する。図79は、図78(a)のLXXIX−LXXIX線における流路形成ユニット8800の部分断面図である。なお、図79では、凹設部8812の上端部および下端部が拡大して図示される。また、図79において、球が跳ね返る移動経路が矢印C81,C82,C83で図示される。
図79に示すように、方向変化部8826の上側面で跳ね返った球は、凹設部8812の上側円弧部8812aに衝突して跳ね返る。このとき、矢印C81に沿って球が移動し上側円弧部8812aの正面側(図79左側)寄りの部分に衝突して跳ね返る場合、跳ね返った後の速度方向が跳ね返る前に比べて上下方向寄りに向き変えられる。一方、矢印C82に沿って球が移動し上側円弧部8812aの背面側(図79左側)寄りの部分に衝突して跳ね返る場合、矢印C81で跳ね返った球に比較して前後方向の速度成分が大きく維持される。
これにより、上側円弧部8812aに衝突した球が、跳ね返って再度方向変化部8826の上側の傾斜部分に衝突することを抑制すると共に、方向変化部8826に再衝突する恐れの少ない位置(凹設部8812の下よりの位置)で上側円弧部8812aに衝突した球は正面寄りに跳ね返らせることにより、球の流れが停滞することを防止することができる(球の流れをスムーズにすることができる)。
また、下側円弧部8812bは第1曲率半径8812rよりも大きな曲率半径の円弧で構成され、その法線の向きが配置に寄らず正面向きとされるので、下側円弧部8812bで衝突した球を正面寄りに跳ね返すことができる。これによっても、球の流れが停滞することを防止することができる(球の流れをスムーズにすることができる)。
図80を参照して、スルーゲート67に到達する球の速度の変化について説明する。図80(a)から図80(c)は、遊技盤13の部分正面図である。なお、図80(a)及び図80(b)では、釘P81,P82が遊技盤13から垂直に植設さえた状態が図示され、図80(c)では、釘P81,P82の先端部分が正面視右下方へ移動する態様で折れ曲げられた状態が図示される。
図80(a)及び図80(b)に図示されるように、球はスルーゲート67に到達するまでに、流下経路Z81,Z82に例示されるように、流路形成ユニット8800の上方に配置される釘P81,P82,P83,P84に複数回衝突し、球の向きを変えながら流下するので、その速度が低減される。
一方で、図80(c)に図示されるように、球の流下経路E81の下方に配置される釘P81,P82の先端が正面視右下方へ移動する態様で折れ曲げられる場合、想像線で図示される球のように、釘P81,P82と球とを擦れる態様で当接させる事ができ、釘P83,P84に球が衝突することなくスルーゲート67へ球を入球しやすくすることができるので、球の流下速度を大きく維持した状態で、球をスルーゲート67に到達させることができる。
この場合、球が釘P81,P82の右方へ流下する割合が低下するので、スルーゲート67を通過した球がそのまま第2入賞口640b(図76参照)に入賞可能とすると、不正に出玉を増加させる事が可能となり、平等な遊技性を提供できなくなり問題である。
これに対し、本実施形態では、図76に示すように、スルーゲート67を通過した球を第1経路X81又は第2経路X82で分岐させることで、スルーゲート67を通った球の内、所定の割合の球を第2入賞口640bに入賞不能とすることができる。例えば、スルーゲート67を通過する球の速度の所定値を基準として、球の流下経路を分岐させることができ、この場合、流下経路E81に沿って流下する球(速度大)は第2経路X82で流下させ、流下経路Z81,Z82に沿って流下する球(速度小)は第1経路X81で流下させることができる(鉛直方向の速度小により、所定距離D81だけ図76正面視右方に湾曲壁部8822cの向きに沿って球を流すことができる)。
従って、不正に釘P81,P82を折れ曲げられ、スルーゲート67に球が集まりやすい状態とされたとしても、その状態でスルーゲート67に到達した球が第2入賞口640b(図76参照)に入賞することを抑制することができ、出玉が不正に増加する調整を防止することができる。
また、本実施形態の構成によれば、遊技状態の変化に伴って、遊技者に付与される利益の有利不利を反転させることができる。例えば、時短状態では有利である一方で、特別遊技状態では不利となる遊技機を構成することができる。以下、これについて詳述する。
パチンコ機10(図1参照)では、上述したように、遊技状態として、時短状態と、特別遊技状態とを構成する。
図81及び図82は、流路形成ユニット8800の部分正面図である。なお、図81及び図82では、パチンコ機10(図1参照)が時短状態である場合が図示され、図81では、釘81,83の上流から流下した球がスルーゲート67を通過する割合Xpの方が、傾斜面部8822bの上方を右方へ流下する割合Ypに比較して大きい場合が図示され、図82では、釘81,83の上流から流下した球がスルーゲート67を通過する割合Xpの方が、傾斜面部8822bの上方を右方へ流下する割合Ypに比較して小さい場合が図示される。
また、図81及び図82では、電動役物640aが開放された状態を表すために、電動役物640aが想像線で図示され、理解を容易とするために、方向変化部8826の符号が一部省略される。また、第1可変入賞装置65が部分的に図示され、その第1可変入賞装置65と第4嵩上げ部8825との間の図示を省略線で省略する(第4嵩上げ部8825の左端から落下した球は、第1可変入賞装置65へ流下する(図2参照))。なお、釘81,83の上流から球が流下する場合、スルーゲート67を通過するか、傾斜面部8822bの上方を右方へ流下するかのどちらかの流下経路を必ず通過する態様で構成される。
図81及び図82に示す時短状態では、本実施形態において、電動役物640aの開閉が、スルーゲート67を球が通過することを契機に実行される。そのため、遊技領域の構成が、スルーゲート67を球が通過し易い構成になっている場合(図81参照)、電動役物640aが開放される状態を維持し易くなり、第2入賞口640bへ球を入球させ易くすることができる。従って、時短状態において抽選の機会を高頻度で得られると共に、第2入賞口640bに球が入球することにより賞球を得られるという有利さを、遊技者が得ることができる。
一方で、スルーゲート67を通過した球の何割かは第4流下経路B83に沿って排出口8825c1に入球する。スルーゲート67を通過せず流下経路Y81を流下した球は、排出口8825c1の開口部から離反する方向に沿って流下するので、排出口8825c1へは流入しづらい。即ち、スルーゲート67を通過する球が多いほど、排出口8825c1へ流入する死に球が多くなるという不利さが顕著に現れる。
これに対し、遊技領域の構成が、傾斜面部8822bの上方を球が流下し易い構成となっている場合(図82参照)、電動役物640aが開放される状態の維持は難しくなるが、排出口8825c1に流入する死に球を減らすことができる。
図83及び図84は、流路形成ユニット8800の部分正面図である。なお、図83及び図84では、パチンコ機10(図1参照)が特別遊技状態である場合が図示され、図83では、釘81,83の上流から流下した球がスルーゲート67を通過する割合Xpの方が、傾斜面部8822bの上方を右方へ流下する割合Ypに比較して大きい場合が図示され、図84では、釘81,83の上流から流下した球がスルーゲート67を通過する割合Xpの方が、傾斜面部8822bの上方を右方へ流下する割合Ypに比較して小さい場合が図示される。
また、図83及び図84では、第1可変入賞装置65が開放した状態が図示され、理解を容易とするために、方向変化部8826の符号が一部省略される。また、第1可変入賞装置65が部分的に図示され、その第1可変入賞装置65と第4嵩上げ部8825との間の図示を省略線で省略する(第4嵩上げ部8825の左端から落下した球は、第1可変入賞装置65へ流下する(図2参照))。なお、釘81,83の上流から球が流下する場合、スルーゲート67を通過するか、傾斜面部8822bの上方を右方へ流下するかのどちらかの流下経路を必ず通過する態様で構成される。
特別遊技状態では、本実施形態において、第1可変入賞装置65が、スルーゲート67を球が通過するか否かによらず開閉動作する。本実施形態では、第1可変入賞装置65は、第4嵩上げ部8825を転動した球が第4嵩上げ部8825の左端から落下することで入球可能な位置に配置される。
そのため、第4嵩上げ部8825の左端以外から流下する球の個数を減少させる方が、遊技者にとって有利となる。ここで、上述したように、スルーゲート67を通過した球は、方向変化部8826により流下方向を分岐させられて、排出口8825c1へ何球かの球が流入して、死に球(賞球に絡まない球)となる。特別遊技状態においては、スルーゲート67を通過することは遊技者に利益を与えるものではないので、この死に球は、特段、遊技者に何ら利益を与えずに排出される球となる。
従って、遊技領域の構成が、スルーゲート67を球が通過し易い構成になっている場合、時短状態(図81参照)においては抽選を高頻度で得られるという有利さを得られる反面、特別遊技状態(図83参照)においては死に球が多く発生するという不利さが顕著に現れる。
一方で、遊技領域の構成が、スルーゲート67を球が通過し難く、傾斜面部8822bの上方を流下し易い構成になっている場合、時短状態(図82参照)においては、電動役物640aの開放を維持し難くなり、抽選の頻度が少なくなるという不利さが現れる反面、特別遊技状態(図84参照)においては、死に球をほとんど発生させず、遊技者が快適に遊技を行うことができるという有利さを得ることができる。
このように、本実施形態において、遊技領域の構成が、スルーゲート67を球が通過し易い構成になっているか、スルーゲート67を球が通過しにくい構成になっているかに関わらず、遊技状態が時短状態と特別遊技状態とで変化することで、遊技者にとって有利となるか、不利となるかを反転させることができる。これにより、遊技領域の構成がスルーゲート67に通過し易いか否かを調整されること(例えば、スルーゲート67の上流側に配設される釘P81〜P84を不正に曲げられることで球の流下態様を調整されること)により、遊技者に付与される利益が激しく変化することを抑制することができる。
次いで、図85を参照して、第9実施形態について説明する。上述した各実施形態では、スルーゲート67の真下に配設される湾曲壁部8822cがスルーゲート67の開口幅の端部から若干スルーゲート67の開口側に張り出す場合を説明したが、第9実施形態における流路形成ユニット9800は、湾曲壁部9822cが、スルーゲート67の開口の中心軸まで張り出される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図85は、第9実施形態における流路形成ユニット9800の部分正面図である。なお、図85では、覆設板部材9820の本体部材8821の図示が省略されると共に縦壁部73bが部分的に図示される。また、第1可変入賞装置65が部分的に図示され、その第1可変入賞装置65と第4嵩上げ部8825との間の図示を省略線で省略する(第4嵩上げ部8825の左端から落下した球は、第1可変入賞装置65へ流下する(図2参照))。
図85に示すように、第1嵩上げ部9822が、収容部8822aの正面視左下端部から右下方へ湾曲して延設される湾曲壁部9822cを備える。湾曲壁部9822cは、中心をスルーゲート67の開口側に備える円弧形状に延設され、延設端部がスルーゲート67の中心軸上に配置される。
スルーゲート67を通過して流下する球の経路X91が図示される。経路X91は、第8実施形態における第4流下経路B83(図76参照)と同等の経路である。経路X91に示すように、スルーゲート67を通過した球は、湾曲壁部9822cで方向を左右方向に変えられ右方に排出されることで、転動壁部8825bで跳ね返り、係止部8825cを飛び越えて、排出口8825c1へと導かれる。なお、排出口8825c1は、係止部8825cと第2嵩上げ部8823との間に形成され左方へ向いた開口である。
これにより、スルーゲート67を通過した球を、その速度によらず第2アウト口315へ向かわせることができるので、不正にスルーゲート67へ球が通りやすい状態に遊技領域がなった場合であっても、直接的には所定の発射球数で抽選を多く受けられることにはつながらないし、排出口8825c1に頻繁に球が流入することになるので、遊技者に付与される利益が過度に大きくなることを防止することができる。
ここで、排出口8825c1の向きについて説明する。図85に示すように、排出口8825c1は、経路X91で流下する球(図85右方向の速度成分を有する)を受け入れ易い向きに開口されると共に、スルーゲート67を通過せず第2嵩上げ部8823の上面に衝突して流下する球(例えば流下経路Y81(図76参照)で流下する球(図76左方向の速度成分を有する))を受け入れ難い向きに開口される。これにより、スルーゲート67を通過して流下する球を排出口8825c1に入球し易くできると共に、スルーゲート67の右側を通過する球(例えば、傾斜面部8822bを転動する球)を排出口8825c1に入球し難くすることができる。
従って、スルーゲート67を通過することで有利度が高まった球が、続けて第2入賞口640bに入賞することを抑制できる一方で、スルーゲート67を通過しないことで有利度が低い球が、第2入賞口640b又は第1可変入賞装置65に入賞する可能性を高めることができる。
なお、経路X91に沿って跳ねる球は第2アウト口315(図2参照)に向けられるが、違う経路(例えば、流下経路Y81(図76参照))で転動壁部8825bまで到達し、他の球との衝突により転動壁部8825b上を正面視右方に向けて転動する球が排出口8825c1に入り、縦壁部73bに沿って第2アウト口315へ向かうことを、係止部8825cによって防止することができる。従って、係止部8825cにより、有利度の低い経路(例えば、流下経路Y81(図76参照))で転動壁部8825b上に到達した球まで排出口8825c1に入ることを防止することができる。
次いで、図86を参照して、第10実施形態について説明する。上述した各実施形態では、方向変化部8826が固定される場合を説明したが、第10実施形態における流路形成ユニット10800は、方向変化部材10830が変位可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図86(a)は、第10実施形態における流路形成ユニット10800の部分正面図であり、図86(b)は、図86(a)のLXXXVIb−LXXXVIb線における流路形成ユニット10800の部分断面図であり、図86(c)は、流路形成ユニット10800の部分正面図であり、図86(d)は、図86(c)のLXXXVId−LXXXVId線における流路形成ユニット10800の部分断面図である。なお、図86(a)及び図86(b)では、方向変化部材10830が図86(b)時計回りに回転された状態が図示され、図86(c)及び図86(d)では、方向変化部材10830が図86(d)反時時計回りに回転された状態が図示される。また、図86(a)及び図86(c)では、覆設板10820の図示が省略される。
図86(a)から図86(d)に示すように、流路形成ユニット10800は、基礎板部材10810と、その基礎板部材10810に対向配置される覆設板部材10820と、球の流下方向を変化させる方向変化部材10830と、を備える。
基礎板部材10810は、板状の本体部材10811と、その本体部材10811に配設されるスルーゲート67の下方において背面側(図86(a)紙面奥側)に横長矩形に凹設される矩形凹設部10812と、その矩形凹設部10812の両端部に配設され、方向変化部材10830を軸支する内周が円弧形状の爪部分である軸支部10813と、を主に備える。
矩形凹設部10812は、方向変化部材10830の筒状部10832,10833の円筒部分を収容する凹部である。
方向変化部材10830は、基礎板部材10810に軸支される部材であって、基礎板部材10810に軸支される円柱状の軸部材10831と、その軸部材10831が挿通される筒形状に形成される一対の筒状部10832,10833と、それら筒状部10832,10833を上方に復帰させる(図86(b)時計回りに回転させる)付勢力を発生するねじりバネ10834と、を主に備える。なお、筒状部10832,10833の当接部分で、第1流下経路O81が形成される。
筒状部10832は、接線方向であって、それぞれ異なった方向(本実施形態では135度の角度を成す方向)で筒状部10832から延設される第1延設爪部10832aと、第2延設爪部10832bと、を備える。
ここで、第1延設爪部10832a及び第2延設爪部10832bは、組立状態(図86(a)参照)において、筒状部10833に近接する側の端部に配設される。なお、第1延設爪部10832aは、長手方向の下端部から長手方向に沿って伸ばした延長線上に第3嵩上げ部材8824が配設される形状で構成される。
筒状部10833は、接線方向であって、それぞれ異なった方向(本実施形態では135度の角度を成す方向)で筒状部10833の両端部から延設される第3延設爪部10833aと、第4延設爪部10833bと、を備える。
ここで、第3延設爪部10833aは、組立状態(図86(a)参照)において、筒状部10832に近接する側の端部に配設されると共に、第2延設爪部10832bの沿う接線と同一の接線に沿って延設され、第4延設爪部10833bが筒状部10832の反対側の端部に配設されると共に、第1延設爪部10832aの沿う接線と同一の接線に沿って延設される。
第3延設爪部10833aは、第2延設爪部10832b側に凸設されると共にねじりバネ10834が係止される凸設部10833a1を備える。
ねじりバネ10834は、筒状部10832,10833の当接部分に配置され(巻き付けられ)、凸設部10833a1を介して筒状部10832,10833を上向き方向(図86(b)時計回り)に回転させる付勢力を発生する。
図86(b)に示す状態は、球が第1延設爪部10832aと第4延設爪部10833bとの間に配置されていない状態に対応する。この場合、第4延設爪部10833bと覆設板部材10820との間の間隔が球の直径以上とされ、方向変化部材10830の正面視右方から方向変化部材10830に到達した球は、第4延設爪部10833bを通過して第3延設爪部10833aに到達できるので、第1流下経路O81(又は、第3延設爪部10833aの正面視右側の側面)に沿って流下可能とされる。
一方、図86(d)に示す状態は、球が第1延設爪部10832aと第4延設爪部10833bとの間に配置される状態に対応する。即ち、球の重みにより、第2延設爪部10832b及び第3延設爪部10833aが本体部材10811に近接され、第1延設爪部10832a及び第4延設爪部10833bが本体部材10811から離反された状態に対応する。
この場合、第1延設爪部10832a及び第4延設爪部10833bと覆設板部材10820との間の間隔は、球の直径以下とされ、方向変化部材10830の正面視右方から方向変化部材10830に到達した(例えば、流下経路Y81に沿って流下した)球が、第4延設爪部10833bを乗り越え不能とされる。
これにより、球が第2延設爪部10832bと第3延設爪部10833aの正面側に配置された状態において、正面視右方から(例えば、流下経路Y81に沿って流下して)来た球が方向変化部材10830に侵入することを防止できるので、流下経路Y81に沿って流下した球が第2延設爪部10832bと第3延設爪部10833aの正面側に配置された場合に、その球を追って流下経路Y81に沿って流下した他の球に衝突することで、先に第2延設爪部10832bと第3延設爪部10833aの正面側に到達した球の流下経路が第1流下経路O81から外れる(図86(a)左方にずれる)ことを防止することができる。これにより、流下経路Y81に沿って流下する球を第2入賞口(図76参照)に入賞し易くすることができる。
また、方向変化部材10830は、図86(c)及び図86(d)に示す状態において、第1延設爪部10832aが覆設板部材10820に近接する姿勢とされることで、スルーゲート67を通過した球を第1延設爪部10832aの長手方向に流れ易くさせる。これにより、スルーゲート67を通過した球が第2入賞口640b(図76参照)に入賞しづらくすることができる。
例えば、スルーゲート67を球が数珠つなぎで流下した場合に、1球目の球は第1流下経路O81に沿って流下することを許容しながら、1球目の球により方向変化部材10830の姿勢が図86(d)の状態に変化している間は、2球目以降の球を第1延設爪部10832aの長手方向に沿って流下させ易くでき、第1流下経路O81に沿って球が流下することを抑制できる。これにより、スルーゲート67を球が数珠つなぎで通過した場合に第2入賞口640b(図76参照)に数珠つなぎで入賞することを防止することができる。
これらから、例えば、遊技領域の構成が、スルーゲート67を球が通り易い態様となっている場合(例えば、スルーゲート67の上流を通過する球の60%が通過する場合)には、電動役物640a(図73参照)を開放状態にし易い一方でスルーゲート67を連なって通過する球の一部を第2入賞口640b(図73参照)に入球できないようにし、第2入賞口640bへはスルーゲート67を通らなかった球(スルーゲート67の上流を通過する球の40%の球)が主に入球するようにすることで、遊技者に付与される利益が過度に大きくなることを抑える事ができる。
一方で、例えば、遊技領域の構成が、スルーゲート67を球が通り難い態様となっている場合(例えば、スルーゲート67の上流を流下する球の10%しか通過しない場合)には、スルーゲート67を通らず流下経路Y81に沿って流下する球が互いに衝突したとしても、球が左方へ弾き出され第2入賞口640bを外れることを抑制し、電動役物640aの開放時に多数の球(スルーゲート67の上流を通過する球の90%の球)が第2入賞口640bに入賞可能とすることで、遊技者に付与される利益を確保することができる(電動役物640aは開きにくいし、開いたとしても球が通過しないといった状況が起きることを防止できる)。
従って、遊技領域のスルーゲート67の上流側における状態(スルーゲートへの球の通過のし易さ)によらず、遊技者に付与される利益が過度に増減することを防止することができる。
なお、方向変化部材10830の製造方法としては、ねじりバネ10834の中間部分(輪状になっている部分)に軸部材10831を挿通して、その後で軸部材10831の両端から筒状部10832,10833をそれぞれ嵌め込み、筒状部10832,10833同士の近接配置される側の側面を互いに接着する方法が例示される。
これにより、ねじりバネ10834の中間部分(輪状になっている部分)の内径よりも、各延設爪部10832a,10832b,10833a,10833bの形状が大きい場合でも、本実施形態のように、方向変化部材10830の中間部分にねじりバネ10834を配置することができる。なお、図86(b)に示すように、ねじりバネ10834の一方の端部は、基礎板部材10810に配設される凹部(矩形凹設部10813の中間部分から下方に延設される凹部)に埋まる態様で配設される。
次いで、図87を参照して、第11実施形態について説明する。上述した第8実施形態では、スルーゲート67を通過した遊技球の流下経路(例えば、第1経路X81)と、スルーゲート67の右方に外れ傾斜面部8822bの上面を流下した遊技球の流下経路Y81とが、合流領域S81において、第1可変入賞装置65に到達する前に合流する場合を説明したが、第11実施形態における流路形成ユニット11800は、スルーゲート67を通過した遊技球の流下経路X111と、流下経路Y81,Y111とが、別々の独立した流路で第1可変入賞装置65に到達するように形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図87は、第11実施形態における流路形成ユニット11800の部分正面図である。なお、図87では、覆設板部材11820の本体部材8821の図示が省略されると共に縦壁部73bが部分的に図示される。
覆設板部材11820は、組立状態(図2参照)において本体部材8811の正面側に所定距離空けて配設される板状の本体部材8821(図73参照)と、その本体部材8821から背面側に嵩上げ形成される複数の嵩上げ部11822,8823,11824,8825と、組立状態(図3参照)において基礎板部材8810の凹設部8812の正面側に対向配置されると共に本体部材8821の背面側に凸設される方向変化部11826と、を備える。
複数の嵩上げ部は、第1嵩上げ部11822と、第2嵩上げ部8823と、第3嵩上げ部11824と、第4嵩上げ部8825と、から構成され、それぞれが同じ長さ(遊技球の直径以上の長さ)だけ嵩上げされることにより、組立状態(図2参照)において各嵩上げ部11822,8823,11824,8825及び本体部材8811,8821で囲う部分に球が流下可能な流路が形成される。
第1嵩上げ部11822は、第8実施形態で上述した収容部8822aと、傾斜面部8822bと、収容部8822aの下端部において正面視右側(図87右側)から下方へ湾曲して延設される湾曲壁部11822cと、を備える。
湾曲壁部11822cは、その延設先端が第3嵩上げ部11824の右端部を通る鉛直線と左右方向で同等の位置まで延設される。そのため、湾曲壁部11822cの上側を転動する遊技球は、第3嵩上げ部11824の上側を転動して流下する。
第3嵩上げ部11824は、収容部8822aの正面視左側面(図73右側面)の鉛直下方に所定距離空けて配置される左下方に下降傾斜する板状部である。また、第3嵩上げ部11824は湾曲壁部11822cの延設先端の下方に配置され、左側端部が本体部材8811の外枠付近まで延設される。これにより、湾曲壁部11822cの上側を転動する遊技球は第3嵩上げ部11824の上側に落下することになり、続いて第3嵩上げ部11824を転動した遊技球は、本体部材8811の外枠の外側において遊技盤13から植設される複数の釘P111の上方を流下する。
本実施形態では、盤面下部ユニット300の外枠の右上部分付近から、左方へ向けて下降傾斜する態様で延設されると共に本体部311と一体成形される転動板Iaが、本体部311から正面側へ向けて凸設される。
転動板Iaは、第3嵩上げ部材11824と同様に、上方から到達した遊技球を転動させる部分であって、遊技盤13と対向配置されるガラス板との間の隙間が遊技球の直径以下となる位置まで凸設される。転動板Iaの右端部は、複数の釘P111の内の左端に配置される釘よりも下方に配置され、転動板Iaの左端部は、その左端部を通る鉛直線が、第1特定入賞口65aの左右方向の中心位置よりも左側を通る位置に配置される。
複数の釘P111は、左方へ向けて下降傾斜する態様で配置され、各釘P111同士の間の隙間に遊技球が落下しない間隔(例えば、遊技球の半径以下の間隔)で配設され、複数の釘P111の内の左端に配置される釘と転動板Iaとの間の間隔は、遊技球が落下しない間隔(例えば、遊技球の半径以下の間隔)とされ、複数の釘P111の内の右端に配置される釘と第3嵩上げ部11824の延設端部との間の間隔は、遊技球が落下しない間隔(例えば、遊技球の半径以下の間隔)とされる。
このように構成することにより、スルーゲート67を通過して、流下経路X111で流下する遊技球の内、湾曲壁部11822cを転動して、その後、第3嵩上げ部11824、複数の釘P111、転動板Iaの上側を順に通って流下する遊技球の割合を多くすることができる。そのため、スルーゲート67を通過した遊技球が、続いて第2入賞口640bに入賞する事態が生じる確率を、低減することができる。
一方で、流下経路Y81で流下する遊技球は、基本的には、第2入賞口640bへ向かって流下する。この流下経路Y81を流下する遊技球は、転動壁面8825bで大きく跳ね返った場合には、方向変化部11826の背面側を通過する。
図87に示すように、方向変化部11826は、左方へ向かうほど下降傾斜する板状の部分であって、左側端部が一対の流路壁面8825dにより形成される開口の中心軸よりも右方に配置される。
方向変化部11826は、第8実施形態における方向変化部8826と同様に、到達した遊技球を前後方向や上下左右方向に跳ね返す部分であるので、凹設部8812との間で遊技球が通過可能な隙間を空けて背面側へ向けて凸設される。
本実施形態では、方向変化部11826が左方へ向かうほど下降傾斜するので、流下経路Y81で流下し、転動壁面8825bで跳ねて方向変化部11826の背面側に到達した遊技球を、多くの場合、正面視右下方向または正面視下方に跳ね返す。これにより、流下経路Y81で流下する遊技球が流路壁面8825dで形成される流路の上方を飛び越えることにより、第2入賞口640bへ向かわなくなる事態を避けることができる。
当接壁面8825aの左端部の鉛直方向下方において、流下経路Y111に沿って流下した遊技球の内、約20%の遊技球が入賞する一般入賞口63が配設される。この一般入賞口63の賞球により、例えば、遊技球が流下経路X111に過度に向かいやすくされた(半分以上向かうようにされた)場合に、流下経路Y81を通過する数少ない遊技球が、不運にも電動役物640aが閉鎖している時に電動役物640aの上側を転動し流下する遊技球(第2アウト口315へ向かう遊技球)が一般入賞口63に入賞する可能正を持たせることで、遊技球の注目力を向上させることができると共に、右打ち中の球持ちを良くすることができる。
一般入賞口63に入賞せず、左方へ流下する遊技球は、第1特定入賞口65aの正面側を流下する態様で形成されるので、第1可変入賞装置65が開放している場合には、遊技球が第1特定入賞口65aに入賞する。
このように構成することにより、スルーゲート67を通過せず、傾斜面部8822bの上面を右方へ転動して流下経路Y81で流下する遊技球が、遊技状態に対応して、第2入賞口640b(主に時短状態)、第1特定入賞口65a(主に特別遊技状態)または一般入賞口63のいずれかに、高頻度で入賞させることができる。そのため、スルーゲート67を通過せずに、遊技者に利益を未だ与えていない遊技球の内、そのまま第2アウト口315へ向かう遊技球の個数の割合を低減することができる。
本実施形態では、特別遊技状態において、スルーゲート67を通過して流下経路X111で流下する遊技球も、スルーゲート67を通過せず流下経路Y81で流下する遊技球も、第1特定入賞口65aに入賞することが可能とされる。しかし、遊技球が流下した経路により、その入賞の期待度(確率)が異なる。
即ち、流下経路X111で流下する遊技球も、流下経路Y81,Y111で流下する遊技球も、正面左向きの速度を有して流下することになるが、転動板Iaの左端部が第1特定入賞口65aの左右方向中心位置を通る鉛直線よりも左側に配置されることから、流下経路X111で流下して、開放状態の第1特定入賞口65aの正面側を流下した遊技球が第1特定入賞口65aに素直に入賞せず、左方へ逸れてしまう状況が多く生じる。
これに対し、流下経路Y81,Y111で流下する遊技球は、第1特定入賞口65aの右端部付近において第1特定入賞口65aの正面側を通過するので、開放された第1可変入賞装置65の転動面(下端を軸として正面側へ回転する態様で開く扉の上側面(内側面))の右端部に着地した後、第1特定入賞口65aに案内されるまでに遊技球が左右に転動する距離を十分に確保することができる。従って、流下経路Y81で流下した遊技球の内、開放状態の第1特定入賞口65aの正面側に到達した遊技球が第1特定入賞口65aに入賞する確率を高くすることができる。
これにより、本実施形態では、スルーゲート67を通過した遊技球に比較して、スルーゲート67を外れた遊技球の方が、第1特定入賞口65aに入賞し易い態様で構成することができる。
換言すれば、スルーゲート67を通過する経路(有利度の高い経路)を流下した球は、その後有利度の低い経路で流下する割合が高くなり、スルーゲート67を回避して流下した球は、その後の有利度が高くされる(第1特定入賞口65aに入賞し易くなる)。これにより、例えば、スルーゲート67を通過しやすくする釘調整による不正が行われた場合には、特別遊技状態における球増えを減らす(流下経路X111を流下する無駄球を多くする)ことができる。一方で、例えば、スルーゲート67を通過し難い釘調整が行われた場合には、特別遊技状態において多くの球が流下経路Y81を流下することになるので、無駄球がほとんど無い状態で大当たり遊技を楽しむことができる。
即ち、釘調整などにより、極端に有利度が高くされたり、低くされたりすることを防止することができる。そして、このような前提から、本実施形態では、第8から第10実施形態と同様に、例えば、ホール側が出球重視のゲーム性にするか、回転率重視のゲーム性にするかを選び、調整する際に、調整の僅かな違いで誤って極端なゲーム性となってしまうことを防止することができる。これにより、その調整の容易さを向上させることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記各実施形態では、正面レール部715が単一の円弧形状から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面レール部715が複数の円弧から形成され、隣り合う円弧の向きが反転される態様(波形状)でも良い。この場合、演出部材620のスライド移動速度が断続的に変化され、演出部材620の姿勢が不安定とされるので、演出部材620をがたつかせる演出を行わせることができる。
上記各実施形態では、演出部材620が倒立状態を形成する場合に、演出部材620の重心が第1軸支部613の鉛直上方である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、重心が第1軸支部613の斜め上方に配置されても良い。
上記各実施形態では、左下板部材320の緩衝リブ322の上面が左右方向に水平となる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、緩衝リブ322の上面が幅方向外側に近づくにつれ下降傾斜されても良い。この場合、盤面幅方向外側から左下板部材320の上面に流入される球の速度を重力方向の加速度で減速させることができ、球の減速時間を短縮化することができる。
上記各実施形態では、伝達部材640の摺動孔643が長孔で形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、摺動孔643が円形状に形成され、摺動孔643と摺動軸部621aとの位置ずれ分を伝達部材640が伸縮することで調整する態様でも良い。この場合、伝達部材640の配置範囲を抑制することができる。
上記第4実施形態では、当接部644の位置を2位置で切り替えられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、当接部644の位置を連続的に可変する(可動とする)ものとしても良い。この場合、ねじりバネ650の付勢力の変化割合を連続的に増加させることができる。
上記第6実施形態では、先端揺動部材6556の姿勢が2位置で変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、先端揺動部材6556の姿勢変化を複数段階で生じさせても良い。この場合、伸縮演出装置6540の揺動量を複数種類で形成することができ、演出のバリエーションを増加させることができる。
上記第8実施形態では、凹設部8812の鉛直方向に平行な平面での断面形状を円弧形状とする場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、台形に凹設されても良い。この場合には、台形形状の傾斜した面が凹設部8812の上下の側面を構成することにより、上側側面に衝突した球の速度を下向きに変えることができる。また、凹設部8812の形状を適当な形状とし、凹設部8812の側面にウレタンやゴム等の緩衝部材を配設しても良い。この場合には、緩衝部材の緩衝作用により、凹設部8812に衝突した球の速度を減速させやすくできる。
上記第8実施形態では、スルーゲート67が流路壁面8825dにより形成される開口の略鉛直上方に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スルーゲート67が流路壁面8825dにより形成される開口を基準として左方、即ち、当接壁面8825aの下流側に配設されても良い。この場合、スルーゲート67を通過した球が、第2入賞口640bに入賞することを部材の配置から抑制することができる。
上記第8実施形態では、特別遊技状態において電動役物640aが開閉しない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特別遊技状態においても、球がスルーゲート67を通過することを契機に電動役物640aを開放状態にしても良い。この場合、特別遊技状態において遊技者が得られる利益の底上げを図ることができる。
上記第8実施形態では、スルーゲート67を通過するか否かの振り分けが行われ、スルーゲート67を通過しなかった球の方が第2入賞口640bを通過し易くすることにより、遊技者に付与される利益のバランスを保つ場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、振り分けられた2の流路の双方に別々のスルーゲートが配置され、スルーゲートごとに遊技者に付与される利益に差(例えば、球の通過により電動役物640bを開放させる確率の差)が設けられても良い。また、例えば、振り分けられた2の流路の双方に別々の入賞口が配設され、それら別々の入賞口ごとに賞球数を異ならせることで、遊技者に付与される利益に差を持たせても良い。
上記第8実施形態では、スルーゲート67を通過した球が入賞可能な位置に第1可変入賞装置65が配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スルーゲート67と第1可変入賞装置65との配置が左右方向に大きく離されて、スルーゲート67を通過した球が第1可変入賞装置65へ入賞不可能な配置としても良い。この場合、遊技領域の構成がスルーゲート67を球が過度に通り易い構成に改変されると、第1可変入賞装置65に球が入賞し難くなることから、大当たり遊技時の入賞に関して、遊技者にとって耐え難い支障が生じる(改変に気づき易くすることができる)。これは遊技者からの不満の原因となり、継続して遊技させることができなくなるおそれが生じることから、遊技領域の構成を変化させて不正に利益を得ようとする者が、遊技領域の構成を改変することを抑制することができる。
上記第8実施形態では、複数の方向変化部8826が覆設板部材8820から凸設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、4個の方向変化部8826の内、左側の2個は覆設板部材8820から背面側へ向けて凸設し、右側の2個は基礎板部材8810から正面側へ向けて凸設するように、前後方向の逆向きで凸設される部分を混ぜても良い。この場合、左側の2個の方向変化部8826(第1凸設部8826a、第2凸設部8826b)に当接し背面側へ向けて押進された遊技球が右方へ流れそうになった場合に、右側の2個の方向変化部8826に左右方向で当接し易くすることができるので、遊技球を第1流下経路O81に沿って流下させ易くすることができる。
上記第11実施形態では、スルーゲート67を通過した遊技球が方向変化部11826へ向けて流下することが湾曲壁部11822cにより防止される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第8実施形態で説明したように、スルーゲート67を通過した遊技球が電動役物640aへ向けて流下する構成の遊技機において、方向変化部11826を配置しても良い。この場合、単独の突起として方向変化部11826を構成することで設計を容易とできると共に、スルーゲート67を通過した遊技球は方向変化部11826の上側の面に当接し、スルーゲート67を通過せずに傾斜面部8822bの上面を流下した遊技球は方向変化部11826の下側の面に当接する態様で構成できるので、方向変化部11826の形状を工夫することで、遊技球を迎え入れる方向ごとに、遊技球に与える影響を変化させることができる。
例えば、方向変化部11826の下側の側面を平面で構成する一方で、上側の側面を上に凸の曲面形状で構成するようにしても良い。この場合、スルーゲート67から逸れて流下した遊技球と当たる方向変化部11826の側面の角度は遊技球の跳ね返る高さによらず同じなので、遊技球を一様に(機械的に)下方へ跳ね返す態様とすることができる。また、スルーゲート67を通過して方向変化部11826に到達した遊技球は流下経路の僅かな違いが方向変化部11826との当接位置の違い(当接位置における方向変化部11826の上面から出される法線方向の違い)につながり、遊技球の跳ね返り方を複数種類形成することができる。
これにより、転動壁面8825bで跳ね返った遊技球を一様の角度で(機械的に)下方へ跳ね返し、その跳ね返る高さによらず遊技球が第2入賞口640bへ到達するまでの期間を短くできる一方で、スルーゲート67を通過した遊技球の動き(球はね)が一様になることを防止できることから、遊技球の動きで遊技者を楽しませることができる。
また、スルーゲート67を通過し方向変化部11826に衝突した後で跳ね返る遊技球の流下経路として、遊技球が流路壁面8825dの上側開口の左方に逸れた位置で第4嵩上げ部8825に着地する流下経路と、遊技球が流路壁面8825dの上側開口に入球可能な位置(例えば電動役物640aの左右方向中心位置の真上の位置)に着地する流下経路とを形成することにより、スルーゲート67を通過した後に遊技球が第2入賞口640bへ向かう機会を作ることができ、遊技球への遊技者の注目力を向上させることができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<回動アーム部材550の異形長孔553で駆動力伝達を変化させる技術思想の一例>
第1軸を中心に回転されその第1軸と偏心した位置に突起部が突設されるクランク部材と、前記突起部が挿通される挿通部を備え第1位置とその第1位置から離間した第2位置との間で移動可能に形成されるアーム部材と、前記クランク部材を前記第1軸を中心に回転させる駆動力を発生させる駆動装置と、を備え、前記挿通部は、挿通された前記突起部の移動方向に対面する前記挿通部の内周面に前記突起部が当接されることで前記アーム部材に前記駆動力が伝達され、前記アーム部材を前記第1位置と前記第2位置との間で移動可能に形成される伝達領域と、その伝達領域に連結される領域であって、前記駆動力の伝達が遮断される非伝達領域と、を備えることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、回転軸から偏心した位置に突設される突起部を備えるクランク部材と、そのクランク部材の突起部が挿通される挿通部を備えるアーム部材と、を備え、クランク部材の回転に連動してアーム部材が動作する遊技機がある(例えば特開2009−000306号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、クランク部材とアーム部材とは常時連動する。そのため、アーム部材をクランク部材の始動時から駆動させることになり、クランク部材の始動のタイミングとアーム部材を駆動させるタイミングとをずらすことができなかった。この場合、クランク部材の始動時に、クランク部材およびアーム部材の慣性に打ち勝つ大きな力が必要となり、駆動装置が大型化するという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、アーム部材の挿通部は、伝達領域と、その伝達領域に連結される非伝達領域と、を備えるため、突起部を非伝達領域に挿通した状態でクランク部材を始動させることで、アーム部材を駆動させるタイミングとクランク部材の始動のタイミングとをずらすことができる。即ち、クランク部材が始動されても、突起部が非伝達領域から伝達領域へ侵入するまで、アーム部材に駆動力は伝達されない。これにより、クランク部材の始動時に必要な駆動力を抑制することができ、駆動装置の小型化を図ることができる。
なお、突起部が非伝達領域を移動する間、アーム部材は、停止されても、移動されても良い。例えば、アーム部材が移動される場合には、重力や補助用の弾性バネが生じる弾性力等により移動される場合が例示される。
なお、挿通部としては、有底凹部状の窪みや、貫通された長孔等が例示される。
遊技機A1において、前記クランク部材は一回転以上の回転を可能に形成され、前記挿通部は、前記クランク部材が一の回転方向に回転されることにより前記伝達領域となる一方、前記クランク部材が前記一の回転方向の反対方向である他の回転方向に回転されることにより前記非伝達領域となる選択領域を備えることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、クランク部材の回転方向によりアーム部材への駆動力の伝達の態様を変化させることができる。これにより、クランク部材の回転速度を変化させずとも、駆動装置の駆動力の方向を反転させることで、クランク部材が同位相に配置される場合のアーム部材の速度態様を2通り形成することができ、アーム部材の速度のバリエーションを増加させることができる。
遊技機A2において、前記挿通部が、前記突起部と、前記クランク部材が前記一の回転方向に回転される場合に前記突起部の移動方向に対面する前記挿通部の内周面と、が離間される余裕部を備えることで、前記選択領域が形成されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3は、遊技機A2の奏する効果に加え、前記選択領域が、挿通部が余裕部を備えることで形成されるので、アーム部材への駆動力の伝達の態様を変化させるための他の部材を不要とでき、材料コストを低減することができる。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記第1位置または前記第2位置の少なくとも一方が、前記アーム部材の移動範囲の終端位置として形成され、その終端位置として形成される前記第1位置または前記第2位置のどちらか一方に前記アーム部材が配置された場合に、前記終端位置として形成される前記第1位置または前記第2位置のどちらか一方の反対側の他方へ向けた前記アーム部材の移動を抑制するバウンド抑制機構が形成されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、アーム部材がアーム部材の可動範囲の終端位置として形成される第1位置または第2位置のどちらか一方に配置された場合に、その反対側の他方へ向けたアーム部材の移動を抑制するために駆動装置が発生させる必要がある駆動力を抑制することができる。そのため、駆動装置の耐久性を向上させることができる。
なお、バウンド抑制機構としては、磁石の吸着力を利用する場合、鉤爪形状の部材で動きを抑制する場合およびクランク部材の突起部がアーム部材から受ける荷重がクランク部材の軸方向へ向かう態様でアーム部材の挿通部が形成される場合等が例示される。
磁石で吸着する場合には、磁石が別部材として必要であるが、磁石の内部組成により大小様々な吸着力を生じさせることができ、設計自由度を向上させることができる。
鉤爪形状の部材で動きを抑制する場合には、鉤爪形状の部材を動作させる駆動装置が必要であるが、鉤爪形状の部材でアーム部材の移動を機械的にせき止めることができる。
クランク部材の突起部がアーム部材から受ける荷重がクランク部材の軸へ向かう態様でアーム部材の挿通部が形成される場合には、アーム部材の移動抑制のための別部材が配設不要であり、アーム部材のバウンドを機械的に抑制することができる。
遊技機A4において、前記アーム部材が前記第1位置または前記第2位置の少なくとも一方に配置された場合に、前記挿通部の前記非伝達領域の前記伝達領域との連結位置付近の外形が、前記クランク部材の回転軸を中心とした前記突起部の外接円と略同一とされることで前記バウンド抑制機構が形成されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、アーム部材が第1位置または第2位置に配置された後、クランク部材の回転を継続することにより、バウンド抑制機構が形成される。これにより、アーム部材の移動状態から停止状態への変化を滑らかに形成することができる。
また、バウンド抑制機構において、挿通部から突起部へかけられる負荷は、クランク部材の回転軸へ向けられるので、クランク部材の回転方向に負荷がかけられることを抑制でき、駆動装置にかけられる負担を抑制することができる。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記アーム部材が前記第1位置に配置された場合に、前記挿通部の前記非伝達領域の前記伝達領域との連結位置付近の外形が、前記クランク部材の回転軸を中心とした前記突起部の外接円と略同一とされ、前記第1位置から前記第2位置へ向けてアーム部材を移動させる付勢力が負荷され、前記挿通部の前記非伝達領域の前記第1位置側の側面に前記挿通部の内側に突設される内側窪み部または前記突起部を収容可能な大きさで前記挿通部の外側に突設される外側窪み部の少なくとも一方が形成されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかの奏する効果に加え、アーム部材が第1位置に配置された場合に、挿通部の非伝達領域の伝達領域との連結位置付近の外形が、クランク部材の回転軸を中心とした突起部の外接円と略同一とされ、第1位置から第2位置へ向けてアーム部材を移動させる付勢力がアーム部材に負荷される。この場合、クランク部材の突起部が挿通部の非伝達領域に配置されることで、アーム部材の移動が突起部に防止され、アーム部材は停止される。クランク部材が回転され、突起部が非伝達領域を移動されることで、突起部と内側窪み部または外側窪み部とが対向配置されると、アーム部材が移動される。即ち、突起部が内側窪み部と対向配置される場合、突起部に内側窪み部が押し出され、アーム部材はクランク部材の反対側へ移動される。また、突起部が外側窪み部と対向配置される場合、突起部が外側窪み部に収容され、アーム部材はクランク部材側へ移動される。
これにより、クランク部材の突起部が非伝達領域を移動することで、クランク部材が回転されることにより突起部が伝達領域を移動する場合に生じるアーム部材の移動動作とは移動幅の異なる移動動作を生じさせることができる。したがって、駆動装置の耐久性の向上と、アーム部材の移動幅の変化との両立を図ることができる。
即ち、アーム部材の移動幅を変化させるためには、駆動装置の駆動力の方向をアーム部材の移動幅に応じて反転させる必要がある。この場合、駆動装置の制御負担が大きくなるし、振動など移動幅の小さな動作を行うことは困難である。
一方、遊技機A6によれば、クランク部材の突起部が非伝達領域を移動され突起部と内側窪み部または外側窪み部とが対向配置されることで移動幅の異なるアーム部材の動きが形成される。そのため、駆動装置の駆動力の方向を反転させることなく、アーム部材の移動の移動幅を変化させることができる。また、隣り合った内側窪み部または外側窪み部の形成間隔を狭めることで、振動など移動幅の小さな動作をアーム部材に行わせることができる。
なお、突起部を収容可能な態様とは、凹設部に突起部の全体が含まれる態様でも良いし、突起部の一部が凹設部に含まれる態様でも良い。
<伸縮演出装置540の揺動幅を円弧状孔554で制限する技術思想の一例>
所定の移動軌跡に沿って移動可能であって、互いに異なる第1位置と第2位置とに配置可能な可動部材と、その可動部材に対応して移動し、可動部材に当接することで前記可動部材の前記所定の移動軌跡の移動幅を制限すると共に、前記可動部材が前記第1位置に配置されるか前記第2位置に配置されるかによって前記可動部材の移動幅を変化させるストッパ部材と、を備えることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、移動可能に形成される可動部材と、その可動部材の移動幅を制限するストッパ部材と、を備える遊技機がある(例えば特開2012−016623号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、ストッパ部材は移動不能に固定されるので、可動部材が第1位置に配置される場合と、第2位置に配置される場合とでストッパ部材を別々に用意する必要があり、ストッパ部材を配設するスペースが広範囲になるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、ストッパ部材が可動部材に対応して移動するので、可動部材が第1位置に配置される場合のストッパ部材を、可動部材が第2位置に配置される場合のストッパ部材と兼用できる。これにより、ストッパ部材を配設するスペースを抑制することができる。
また、ストッパ部材は、可動部材が第1位置に配置されるか、可動部材が第2位置に配置されるかによって、可動部材の移動幅を変化させるので、可動部材の移動幅のバリエーションを増やすことができる。
なお、ストッパ部材としては、伝達部材から突設され可動部材に当接される突起部や、伝達部材に凹設され可動部材の一部を収容する窪みの内壁部等が例示される。
なお、移動の態様としては、直線移動、曲線移動、蛇行移動、振動、揺動および回転移動等が例示される。また、各移動の態様における移動幅とは、例えば、直線移動、曲線移動、蛇行移動および振動等の場合には実際の移動距離や2点間の直線距離等を意味し、揺動および回転移動等の場合には、実際の移動距離や移動角度等を意味する。
遊技機B1において、前記可動部材は、第1軸に揺動可能に軸支されると共に前記第1軸の径方向に伸縮動作する中間部材を備え、前記第1位置と前記第2位置とでは、前記中間部材の伸縮長さが異なり、前記所定の移動軌跡は、前記第1軸を中心とした円弧状に形成され、前記ストッパ部材は、前記中間部材が所定の伸縮状態とされる場合における前記可動部材の前記所定の移動軌跡に沿って延設されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、可動部材が、第1軸を中心として揺動可能に軸支されると共に第1軸の径方向に伸縮動作可能に形成される中間部材を備える。そのため、中間部材の伸縮方向の長さによって、第1軸を中心とした可動部材の所定の移動軌跡の曲率半径を変化させることができる。
ここで、ストッパ部材は、中間部材が所定の伸縮状態とされる場合における可動部材の所定の移動軌跡に沿って延設される(ストッパ部材の延設方向の曲率と中間部材が所定の伸縮状態とされる場合における可動部材の所定の移動軌跡の曲率とが同一とされる)。この場合、中間部材が所定の伸縮状態とされる場合に、可動部材はストッパ部材に沿って移動され、可動部材をストッパ部材の延設方向に亘って移動させることができる。そのため、可動部材の移動幅(揺動角度)を最大とすることができる。
一方で、中間部材を所定の伸縮状態と異なる伸縮状態とすると、可動部材の所定の移動軌跡の曲率と、ストッパ部材の延設方向の曲率とを異ならせることができ、可動部材の所定の移動軌跡とストッパ部材の延設方向とを交差させることができる。そのため、可動部材の移動幅を短縮することができる。従って、中間部材の伸縮状態を変化させることで、可動部材の移動幅を変化させることができる。
遊技機B2において、前記可動部材は、前記ストッパ部材へ向けて突設される突起部を備え、前記ストッパ部材は、前記突起部が挿通される挿通部を備え、前記突起部が前記挿通部に挿通された状態において前記可動部材と前記ストッパ部材とが前記中間部材の伸縮方向に連動し、前記可動部材は、前記挿通部に当接されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、可動部材の突起部がストッパ部材の挿通部に挿通されることで、可動部材とストッパ部材とが中間部材の伸縮方向に連動するので、可動部材を伸縮させる駆動装置とストッパ部材を移動させる駆動装置とを兼用することができる。また、挿通部は、可動部材に当接されることで可動部材の移動を規制する。即ち、ストッパ部材の挿通部が、可動部材の移動を規制するストッパとしての機能と、可動部材およびストッパ部材を連動させる機能と、を備える。これにより、機能の集約化を図ることができる。
遊技機B3において、前記中間部材が伸縮動作することにより、前記挿通部に対する前記第1軸の配置が、内周側と外周側とで反転することを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、中間部材が伸縮動作されることにより、挿通部に対する第1軸の配置が内周側と外周側とで反転する。これにより、第1軸が挿通部の内周側に配置される場合と、第1軸が挿通部の外周側に配置される場合とで、可動部材の移動幅を変化させることができる。
即ち、挿通部の内周側に第1軸が配置される場合(可動部材が所定の移動軌跡で移動される場合の突起部の移動軌跡が挿通部の形状に沿う場合)は、突起部の移動軌跡と挿通部の形状とが近似され、可動部材の所定の移動軌跡の移動幅を広くできる。一方、挿通部の外周側に第1軸が配置される場合(可動部材が所定の移動軌跡で移動される場合の突起部の移動軌跡が挿通部の形状と略反転する場合)は、突起部の移動軌跡と挿通部の内側壁面とが形成する角度が大きくなり、可動部材の所定の移動軌跡の移動幅を狭くできる。
遊技機B3又はB4において、前記挿通部は、前記中間部材の伸縮状態を維持したまま姿勢変化可能に形成され、前記挿通部が姿勢変化することで前記可動部材と前記挿通部との当接位置が変化され、前記可動部材の所定の移動軌跡の移動幅が変化することを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B3又はB4の奏する効果に加え、中間部材の伸縮状態を維持したまま挿通部の姿勢を変化させることで可動部材と挿通部との当接位置が変化する。この場合、中間部材の伸縮状態を維持したまま、可動部材の所定の移動軌跡の移動幅を変化させることができる。
遊技機B3からB5のいずれかにおいて、前記挿通部は、前記突起部を前記移動軌跡に沿って出入り可能とする溝部を備え、その溝部を介して前記突起部が前記挿通部から離間される離間状態を形成可能とされ、前記可動部材は、前記離間状態において前記ストッパ部材と係合される位置決め補助部を備えることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B3からB5のいずれかの奏する効果に加え、突起部が溝部を介して挿通部から離間される離間状態を形成可能であると共に、可動部材が、離間状態においてストッパ部材と係合される位置決め補助部を備える。そのため、可動部材の動作範囲に比較して、ストッパ部材の形成範囲を小さくすることができ、ストッパ部材の材料コストを削減することができると共に、離間状態における可動部材とストッパ部材との位置ずれを防止することができる。即ち、突起部がストッパ部材の挿通部から離間されたとしても、位置決め補助部により可動部材のストッパ部材に対する相対移動が抑制されるので、突起部を再び挿通部へ戻すことができる。
<倒立支持される演出部材620を2点支持する技術思想の一例>
ベース部材と、そのベース部材に形成される支持部に変位可能に支持され所定の位置から上昇移動する可動部材と、その可動部材を変位させる駆動力を発生する駆動装置と、前記可動部材に連結され、前記駆動装置から発生した駆動力を前記可動部材へ伝達する伝達部材と、を備える遊技機において、前記伝達部材は、前記ベース部材に形成される軸支部に揺動可能に軸支され、前記支持部から前記可動部材および前記伝達部材の連結位置までの長さに比較して、前記軸支部から可動部材および前記伝達部材の連結位置までの長さが短いことを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、ベース部材に形成される支持部に変位可能に支持され所定の位置から上昇移動する可動部材をギアによる駆動力の伝達で駆動させる遊技機がある(例えば特開2011−120640号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、駆動装置の制御の分解能の最小単位(例えば、ステッピングモータでは1ステップ)で駆動装置を動作させる場合の可動部材の重心の移動量は、可動部材の支持部から可動部材の重心までの長さに比例する。そのため、可動部材の重心が支持部から径方向に離れるほど、可動部材の重心の位置調整が困難になる。
また、可動部材の重心が支持部の真上に配置される倒立状態から、可動部材の重心が一方にずれた場合に、その逆方向に可動部材を変位させる駆動力を発生させ可動部材を倒立状態に維持しようとしても、その駆動力により重心が他方にずれると、駆動力の方向と重力の方向とが一致し、可動部材は大幅に変位することになる。
そのため、可動部材が支持部の径方向に長尺になるほど、可動部材の重心が支持部の真上に配置される倒立状態に可動部材を静止させることが困難となるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、可動部材に駆動装置の駆動力を伝達させて可動部材を上昇移動させる伝達部材が、ベース部材の軸支部に軸支されると共に可動部材に連結され、可動部材および連結部材の連結位置から軸支部までの長さが、可動部材および連結部材の連結位置から支持部までの長さに比較して短く形成される。そのため、可動部材が支持部の径方向に長尺な場合であっても、駆動装置の制御の分解能の最小単位で駆動装置を動作させる場合の可動部材の重心の移動量を、抑制することができる。従って、可動部材の重心が支持部の真上に配置される倒立状態に可動部材を静止させることを容易とすることができる。
なお、可動部材がベース部材に支持される態様としては、ベース部材に可動部材が揺動可能に軸支される態様や、ベース部材に可動部材がスライド移動可能に支持される態様や、それらが複合された態様等が例示される。
遊技機C1において、前記伝達部材は、前記可動部材が前記所定の位置から上昇移動するほど、前記軸支部から前記可動部材との連結位置までの腕長さが短縮されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、支持部を中心に変位される可動部材が所定の位置から上昇移動するほど、軸支部から可動部材との連結位置までの伝達部材の腕長さが短縮される。そのため、伝達部材の腕長さが一定の場合に比較して、可動部材の速度の設計自由度を向上させることができる。
例えば、伝達部材を回転させる駆動装置の回転数が一定で動作する場合に、伝達部材の腕長さが所定の第1の長さで固定される場合と、伝達部材の腕長さが第1の長さより短い第2の長さで固定される場合とを仮定して説明する。駆動装置の回転数が一定の場合、伝達部材が第1の長さで固定される場合の方が、伝達部材の腕長さが第2の長さで固定される場合に比較して、伝達部材が所定の位相に配置される際の可動部材の重心の移動速度は速くなる。
ここで、所定の位置付近では伝達部材を第1の腕長さとした場合に発生する速度で可動部材を素早く動作させ、倒立状態付近では伝達部材を第2の腕長さとした場合に発生する速度でゆっくりと可動部材を動作させたい場合を考える。そのための方法としては、駆動装置の回転数を途中で変化させる方法が考えられるが、駆動装置の回転数を変化させることが困難な場合には採用できない。また、駆動装置の回転数を変化させることができる場合であっても回転数を途中で変化させるには、その変化のタイミングを検出するための検出センサが必要となるので、コストが嵩むという問題点があった。
一方、遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、伝達部材の軸支される軸支部から伝達部材と可動部材との連結位置までの腕長さが、伝達部材が所定の位置から上昇移動するほど短縮される態様で形成される。そのため、所定の位置付近では伝達部材を第1の腕長さとし、倒立状態付近では伝達部材を第2の腕長さとすることができるので、可動部材の速度の設計自由度を向上させることができる。
なお、軸支部から伝達部材と可動部材との連結位置までの腕長さが固定される構成としては、伝達部材から突設される突部が可動部材に挿通され連結される場合等が例示される。また、腕長さが変化可能とされる構成としては、伝達部材に長孔が形成され、可動部材から突設される突部が伝達部材の長孔にスライド可能に挿通される場合や、可動部材が支持部に支持される部分に長孔を備え、ベース部材からその長孔に挿通される挿通軸棒が形成される場合等が例示される。
遊技機C1又はC2において、前記可動部材は、前記支持部と平行な方向に突設される突起部を備え、前記伝達部材は、前記軸支部の径方向に延設される長孔であって前記突起部が挿通される挿通部を備えることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3では、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、挿通部が軸支部の径方向へ延設され、その挿通部に伝達部材の突起部が挿通されることで伝達部材と可動部材とが連結されるので、連結位置の移動方向が軸支部の径方向に制限される。そのため、伝達アームの揺動に伴い、軸支部から伝達部材の可動部材との連結位置までの長さを機械的に変化させることができる。
なお、挿通部としては、貫通形成される長孔や、有底の窪みとして形成される凹設部等が例示される。
遊技機C3において、前記軸支部は前記支持部の鉛直上方に配置され、前記支持部および前記突起部を結ぶ直線上に前記可動部材の重心が配置されることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、可動部材が支持部の鉛直上方に突起部を配置させる姿勢をとる場合に、支持部、軸支部、突起部および可動部材の重心が鉛直線上に形成される。この場合、可動部材の重心にかけられる重力が支持部および軸支部に対し鉛直下方へ負荷される。そのため、可動部材に回転方向の力が負荷されないので、駆動装置の動力を遮断しても可動部材の姿勢を維持することができる。これにより、駆動装置の負担を低減することができる。
遊技機C1からC4において、前記伝達部材と前記駆動装置との間にウォームギアが介設され、駆動装置の回転が前記ウォームギアにより減速されることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C1からC4の奏する効果に加え、伝達部材と駆動装置との間にウォームギアが介設され、そのウォームギアにより駆動装置の回転が減速されるので、駆動装置が制御の分解能の最小単位で動作する場合の、可動部材の移動幅を大幅に低減することができる。また、ウォームギアを介した力の伝達方向は、駆動装置側から伝達部材側への一方向に限定されるので、伝達部材側からの荷重でウォームギアが回転することを防止することができ、駆動装置の停止時に駆動装置に掛けられる負担を低減することができる。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、前記支持部の上方に前記可動部材の重心を移動させる付勢力が前記可動部材の変位方向の双方向で発生する付勢装置を備え、前記付勢力は、前記可動部材の重心が前記支持部の鉛直上方に配置される倒立状態において変位方向で釣り合い、前記可動部材が前記倒立状態から変位するほど大きくなることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1からC5のいずれかにおいて、付勢装置が、支持部の上方に可動部材の重心を移動させる付勢力を発生し、その付勢力は、可動部材の重心が支持部の鉛直上方に配置される状態(倒立状態)から可動部材が変位するほど大きくなる。即ち、倒立状態において付勢力を最小とすることができる。
そのため、所定の位置からの可動部材の上昇移動時には付勢力を大きくすることで可動部材が所定の位置に配置される状態から可動部材を上昇移動させる駆動装置の負担を低減することができる。
また、付勢力は、可動部材の変位方向の双方向で発生し、倒立状態において変位方向で釣り合う。そのため、可動部材が所定の位置から上昇移動され、駆動装置を停止制御した場合に、可動部材が倒立状態に至らない場合でも、倒立状態を通り過ぎる場合でも、付勢力により可動部材の姿勢を倒立状態に向かわせることができる。これにより、可動部材を倒立状態で停止させることを容易にすることができる。
遊技機C6において、前記可動部材は、重心が前記支持部の鉛直上方から所定量変位するまでの第1状態と、前記所定量以上に変位する第2状態とを形成可能であって、前記第1状態に比較して、前記第2状態の方が、変位が同一の場合の付勢力の変化の割合が大きくなることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、可動部材の重心が支持部の鉛直上方に配置される倒立状態側の第1状態よりも、倒立状態から可動部材が所定量より大きく変位される第2状態の方が、変位が同一の場合の付勢力の変化の割合が大きくなる。この場合、第2状態に可動部材が配置される状態から可動部材を始動させる場合に、駆動装置の始動時の負担を抑制できる。また、倒立状態付近に可動部材が配置される場合の可動部材の加速度を低減することができるので、可動部材を倒立状態で停止させることを容易とすることができる。
<ねじりバネ650のバネ定数が揺動の途中で変化する技術思想の一例>
第1位置と第2位置との間を移動可能に形成される可動部材と、その可動部材を移動させる駆動力を発生させる駆動装置と、前記可動部材を前記第1位置へ復帰させる付勢力を発生させる付勢装置と、を備える遊技機において、前記可動部材が、前記第1位置から所定位置までの第1付勢領域に配置される場合に生じる付勢力の変化割合に対して、前記可動部材が、前記第1付勢領域に連結される領域であって前記第1位置から離反して形成される第2付勢領域に配置される場合に生じる付勢力の変化割合が大きく形成されることを特徴とする遊技機D1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、可動部材を駆動装置が発生させる駆動力で移動させる際の補助力として弾性バネ等の付勢装置による付勢力を用いる遊技機がある(例えば特開2011−120640号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、付勢装置の付勢力は、可動部材の変位量により比例的に増加されるものであり、可動部材の配置により付勢装置の目的を変化させることは困難であるという問題点があった。即ち、ある領域では付勢力を抑えることで可動部材の動きをしなやかにし、別のある領域では付勢力を向上させ可動部材の動きを急激にするということが困難であった。
一方、遊技機D1によれば、第1位置へ向けて付勢される付勢力の変化割合が、可動部材が第1付勢領域に配置される場合に比較して、可動部材が第2付勢領域に配置される場合の方が大きくされる。即ち、例えば、第2位置に停止された可動部材を第1位置へ向けて始動させる際(第2付勢領域)には付勢装置により十分な付勢力を得られる一方、可動部材が第1付勢領域に配置された場合には付勢力の変化が抑制され可動部材の動作をしなやかに(緩やかに)させることができる。
なお、付勢装置の付勢力の変化割合が可動部材の配置により変化される態様としては、可動部材に付勢量を発生させる付勢装置の個数が途中で増加する場合や、付勢装置が弾性バネから形成され弾性バネのバネ定数が可動部材の配置により変化される場合等が例示される。
遊技機D1において、前記付勢装置は、前記可動部材の移動方向と交差すると共に前記可動部材を移動方向で挟む一対の面上にそれぞれ配置される一対の長尺部材であって、一方の端部が前記可動部材の両側面にそれぞれ対向配置されると共に前記一方の端部の反対側の端部である他方の端部が移動を抑制される弾性バネから形成され、前記可動部材は、前記一対の長尺部材に挟まれる本体部と、前記一対の長尺部材に対して前記本体部の反対側に形成されると共に前記本体部の移動方向において前記一対の長尺部材の少なくとも一方と当接可能に形成される当接部と、を備え、その当接部は前記可動部材に連結固定され、前記可動部材が前記第1付勢領域に配置されると、前記可動部材は、前記一対の長尺部材の内、前記可動部材の移動によりその可動部材との距離が近くなる側の一方の長尺部材に当接され付勢力を与えられ、前記可動部材は、他方の長尺部材と前記当接部とが当接され付勢力を与えられることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、付勢装置による付勢力の変化割合の変化を、可動部材と一対の長尺部材との当接タイミングを、長尺部材ごとにずらすことで形成することができる。そのため、制御により付勢装置の付勢力を変化させたり、付勢力を向上させる別部材を用意したりすることを不要とできる。
即ち、一対の長尺部材は他方の端部が移動を規制されるので、可動部材の移動により可動部材との距離が近くなる側の一方の長尺部材は可動部材に押し付けられ移動するが、反対側の他方の長尺部材は、可動部材から力を受けない。そのため、第1付勢領域では、可動部材の移動に際して、可動部材の移動方向の反対側に配設される他方の長尺部材は、その場に留まる。
一方、第2付勢領域では、可動部材が移動されることで、他方の長尺部材が当接部に当接される。これにより、他方の長尺部材からも付勢力が発生される。従って、第2付勢領域において可動部材に与えられる付勢力を増大させることができる。
なお、弾性バネとしては、コイルスプリング、ねじりバネ及び板バネ等が例示される。
遊技機D1又はD2において、前記付勢装置は、前記可動部材の移動方向と交差すると共に前記可動部材を移動方向で挟む一対の面上にそれぞれ配置される一対の長尺部材であって、一方の端部が前記可動部材の両側面にそれぞれ対向配置されると共に前記一方の端部の反対側の端部である他方の端部が移動を抑制される弾性バネから形成され、前記可動部材は、前記一対の長尺部材に挟まれる本体部と、前記一対の長尺部材に対して前記本体部の反対側に形成されると共に前記本体部の移動方向において前記一対の長尺部材の少なくとも一方と当接可能に形成される当接部と、を備え、その当接部は前記可動部材に連結固定され、前記可動部材が前記第1付勢領域に配置されると、前記可動部材は、前記一対の長尺部材の内、前記可動部材の移動によりその可動部材との距離が近くなる側の一方の長尺部材に当接され付勢力を与えられ、前記可動部材が前記第2付勢領域に配置されると、前記一方の長尺部材の中間部が、前記本体部に対して一方の長尺部材側に配置される当接部に押し付けられることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、付勢力の変化割合の変化は、一方の長尺部材の中間部が、当接部に押し付けられることにより形成される。即ち、可動部材の移動により既に変形されている一方の長尺部材が、当接部に押し付けられる中間部を起点に更に変形されることで付勢力の変化割合の変化が生じる。ここで、中間部を起点とする変形は、他方の端部を起点とする変形に比較して変形を受ける部分の長さが短くなるので、可動部材の移動量に対する付勢力の変化の割合が増大する。これにより、第2付勢領域において、可動部材の移動量に対する付勢力の変化を増大させることができる。よって、付勢力の変化割合を大きくすることができる。
遊技機D3において、前記一方の長尺部材は、対向配置される前記当接部側へ向けて折り曲げられる第1折曲点を備え、その第1折曲点において前記一方の長尺部材が前記当接部に押し付けされることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、一方の長尺部材が第1折曲点で対向配置される当接部と当接されるので、一方の長尺部材が当接部との当接により引き延ばされる。そのため、可動部材に付勢力を与える付勢装置の先端部分を、付勢力の起点となる長尺部材の他方の端部や第1折曲点から離反させることができる。従って、第2付勢領域において可動部材が付勢装置から負荷されるモーメントをより大きくすることができる。
遊技機D4において、前記可動部材は、前記長尺部材の他方の端部から離反するほど移動方向へ拡大される先端拡大領域を備え、その先端拡大領域において前記可動部材と前記長尺部材の一方の端部とが当接されることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、可動部材が先端拡大領域を備え、その先端拡大領域において可動部材と長尺部材の一方の端部とが当接される。そのため、一方の長尺部材が当接部に押し付けられることにより一方の長尺部材が引き延ばされると、可動部材と長尺部材との当接位置が長尺部材の他方の端部から離反する方向へ移動され、長尺部材の変形量が増大される。そのため、付勢装置から可動部材へ負荷される付勢力を増加させることができる。
遊技機D2からD5のいずれかにおいて、前記当接部と前記本体部との配置間隔を変化可能とされることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D2からD5のいずれかの奏する効果に加え、長尺部材の生じる付勢力の変化のバリエーションを増やすことができる。即ち、例えば、当接部と本体部との配置間隔が狭められる場合、長尺部材の付勢力の変化の割合が増大するタイミングをより早期に設定することができる。
<アウト口が複数配設され下板320に緩衝リブ322が形成される技術思想の一例>
球が流下可能に形成される遊技領域の内部で、その遊技領域の下縁に当接して配置される盤内役物と、その盤内役物の幅方向一側に形成され球を前記遊技領域から排出する開口である第1アウト口と、前記幅方向一側の反対側である前記盤内役物の幅方向他側に形成され球を遊技領域から排出する開口である第2アウト口と、を備える遊技機において、前記第1アウト口および前記第2アウト口は、開口の下側面から正面に延設され上面に案内面を有する下板部を備え、その下板部の前記案内面は、前記第1アウト口または前記第2アウト口の内で対応する側の開口方向へリブ状に延設される緩衝リブを備えると共に、幅方向外側において前記案内面から盛り上げられて形成される段部を備え、前記緩衝リブの縦横比が幅方向外側へ向かうほど小さく形成されることを特徴とする遊技機E1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、アウト口が複数配設される遊技機がある(例えば特開平9−192301号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、アウト口の個数が増える分、各アウト口の大きさを抑える方がアタッカー等の配設スペースを確保できて好ましい一方で、アウト口を小さくしすぎると、遊技球の排出が滞るおそれがあるという問題点があった。
例えば、アウト口手前側において球が上下にバウンドする高さがアウト口の縦幅以上になると球はアウト口の前方に滞留する。また、例えば、アウト口の幅方向の側面に役物に側面が配設され壁となる場合、幅方向からアウト口手前側へ流入した球は役物の側面に衝突して幅方向へ跳ね返る。このとき、幅方向に跳ね返る量がアウト口の横幅以上になると、球はアウト口の前方に滞留する。
一方、遊技機E1によれば、下板部に形成される案内面に緩衝リブが形成されるので、球の跳ね返りを抑制したり、球を減速させたりすることができる。即ち、上下方向から球が衝突する場合には緩衝リブが撓み変形することで緩衝リブがクッションとなり球の跳ね返りを抑制することができる。また、左右方向から球が衝突する場合には、球が緩衝リブにはまり込むことで制動される。
ここで、開口方向へ延設される緩衝リブは、左右方向からの負荷に弱く、左右方向からの球の衝突により破損するおそれがある。
これに対し、遊技機E1によれば、案内面が、幅方向外側において段部を備えるため、左右方向から緩衝リブへ向けて流下する球が段部の上から緩衝リブへ落下することになる。この場合、球の緩衝リブへの衝突の向きの上下方向成分を大きくすることができ、緩衝リブの破損を抑制することができる。
なお、段部は案内面上を左右方向に移動する球をせき止める機能を備えるので、案内面上を移動する球がアウト口の横幅以上に跳ね返ることを防止することができる。
遊技領域の幅方向中央に向かうほど緩衝リブが高く形成されるので、流下する球が集中しやすい遊技領域の幅方向中央付近において大きな跳ね返り抑制効果を得ることができる。これにより、アウト口から球をスムーズに排出することができる。また、遊技領域の下辺の曲線と緩衝リブの下面とを合わせることで、アウト口の配設位置を下方修正することができる。
ここで、緩衝リブの形成高さが高いほど球の跳ね返り抑制効果が大きくなるのは、緩衝リブの撓み量が大きくなるためである。即ち、緩衝リブの撓み量が大きいほどクッション効果が十分に働き、跳ね返りを抑制し易くできる。そのため、緩衝リブの縦横比を左右方向で一定にする(縦方向の長さを一定にする)方が、跳ね返り抑制効果のためには好ましい。
一方で、緩衝リブの縦横比を一定にする(縦方向の長さを一定にする)と、段部の形成高さを高くする必要があり、その段部に至るまでの球の経路も上方に配置させる必要があるので、結果的に遊技領域を狭めることになり、スペース効率上好ましくない。
一方、遊技機E1では、流下する球が集中しにくい遊技領域の幅方向外側では緩衝リブの縦横比(縦方向の長さ)を小さくし、流下する球が集中しやすい遊技領域の幅方向中央では緩衝リブの縦横比(縦方向の長さ)を大きくしている。これにより、球の排出効率の向上と、遊技領域の確保との両立を図ることができる。
なお、開口方向へ延設されるとは、特に限定されるものではなく、直線形、波形、山形等の形状で開口方向へ沿って延設されることを意味する。
遊技機E1において、前記案内面は、前記遊技領域の幅方向外側へ下降傾斜する外傾斜部を備えることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、案内面が外傾斜部を備えるので、幅方向外側から案内面に流入する球の速度を重力加速度で減速させることができ、球の減速時間を短縮化することができる。
遊技機E1又はE2において、前記第1アウト口または前記第2アウト口の少なくとも一方の斜め上方に、球が流下不能とされる非流下領域が形成されることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1又はE2の奏する効果に加え、非流下領域から案内面へ向けて斜め下方向へ流れる球の流下が制限されるので、案内面へ至るまでの球の流下経路の数を低減することができる。そのため、流下した球の跳ね返る方向を狭めることができる。これにより、第1アウト口または第2アウト口の少なくとも一方の外形を狭めることができる。
遊技機E3において、前記非流下領域は、前記遊技領域に配設され正面側へ開閉可能とされる開閉装置が、前記第1アウト口または前記第2アウト口の少なくとも一方の上方に配設され、前記開閉装置の正面側に形成されることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、非流下領域が開閉装置により形成される。これにより、第1アウト口または第2アウト口の非流下領域側へ望む方向の開口寸法を抑制することにより生じるスペースを、開閉装置の配設スペースとして利用することができる。
また、開閉装置は、閉状態の場合には、開閉装置の前方を流下する球を遊技領域下方に流下させ、開状態の場合には、開閉装置の前方を流下する球を遊技領域の後方へ流下させる機能を有する。そのため、釘などと衝突することにより球が不規則に流下する場合に比較して、非流下領域の形成を確実に行うことができる。
遊技機E1からE4のいずれかにおいて、前記第1アウト口または前記第2アウト口の上底面に、開口方向へリブ状に延設される方向調整リブを備えることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E1からE4のいずれかの奏する効果に加え、第1アウト口または第2アウト口の上底面に開口方向へリブ状に延設される方向調整リブを備えるため、第1アウト口または第2アウト口の上底面に衝突しながら流下する球に対する抵抗を抑制することができる。
<流路ごとの有利度の調整を行う技術思想の一例>
遊技球が流下する遊技領域に配設されると共に遊技球を第1流路または第2流路の2の流路に振り分ける振分手段と、その振分手段で前記第2流路に振り分けられた遊技球が通過可能とされると共に遊技球が通過することにより遊技者に利益を与える第1利益手段と、前記振分手段の下流を通過する遊技球が通過可能とされ、遊技球が通過することにより遊技者に利益を与える第2利益手段と、を備える遊技機において、前記第2流路に振り分けられた遊技球よりも、前記第1流路に振り分けられた遊技球の方が、前記第2利益手段へ向かう割合が大きくされることを特徴とする遊技機F1。
パチンコ機等の遊技機において、スルーゲートを通過した遊技球が始動入賞口へ誘導される誘導路を備え、その誘導路から始動入賞口へ入賞する割合を調整可能な遊技機がある(例えば特開2001−70526号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、スルーゲートを通った球は有利度が高く(始動入賞口を開放すると共に始動入賞口に入賞する可能性が高い)、スルーゲートを通らなかった球は有利度が低く(始動入賞口が閉鎖状態を維持するので始動入賞口に入賞する可能性が低い)され、スルーゲートを通過し易いか否かが直に遊技者の利益につながるので、スルーゲートに球がどの程度案内されるかにより、遊技者の利益が大きく増減するという問題点があった。
即ち、スルーゲートに球が行き難い場合には、遊技者に不快感を与えるほどに遊技者が利益を得られず、逆に、スルーゲートに球が行き易い場合には、賞球が極端に多くなってしまい遊技店の利益を損ねる結果となる恐れが有る。そのため、例えば、釘を曲げるゴト行為等によりスルーゲートに球が行き易く球の流路が調整された場合、遊技者の利益と遊技店の利益とのバランスを保つことが困難となるという問題点があった。
これに対し、遊技機F1によれば、第1利益手段を通過する可能性のある第2流路を通過する遊技球よりも、第1流路を通過する遊技球の方が第2利益手段へ向かう割合が大きくされるので、第2流路に遊技球が寄せられた場合と、第1流路に遊技球が寄せられた場合との利益の調整が自然と行われ、遊技球が第2流路に行きやすい場合と第1流路に行きやすい場合とで遊技者と遊技店との利益バランスが極端に崩れることを防止できる。
なお、遊技者に与えられる利益としては、特に限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、賞球が得られることや、始動口を閉鎖する電動役物を一定の確率で開放すること等が、遊技者に与えられる利益として例示される。
遊技機F1において、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを形成可能とされ、前記第2利益手段は、遊技球が通過可能な開放状態と、遊技球が通過不能な閉鎖状態とで状態が切り替わるものであり、前記第1利益手段を遊技球が通過することにより遊技者に与えられる利益は、前記第1遊技状態において、前記第2利益手段を開放状態へと切り替えることを含むものであって、前記第2遊技状態において、前記第2利益手段は、前記第1利益手段を遊技球が通過したか否かに関わらず開放状態へと切り替わることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、第2流路に遊技球が多く振り分けられる場合には、第1遊技状態において第1利益手段を通過する遊技球を多くでき第2利益手段を開放し易くなる分だけ有利な一方で、第2遊技状態において第2流路を通過して第2利益手段を通過しない無駄球が多くなる分だけ不利というゲーム性を形成でき、第1流路に遊技球が多く振り分けられる場合には、第1遊技状態において第1利益手段を通過する遊技球が少なくなり第2利益手段が開放し難くなる分だけ不利な一方で、第2遊技状態において第1流路に多く振り分けられる遊技球を無駄なく第2利益手段に通過させることができる分だけ有利というゲーム性を形成することができる。
即ち、振分手段の振り分けに偏りが生じても、遊技状態が変化することで有利さと不利さとを転換させることができるので、一方の遊技状態における遊技者の利益が減じたとしても、他方の遊技状態における遊技者の利益が増えることで、遊技者が得られる利益のバランスをとることができる。これにより、振分手段の調整の偏りにより遊技者の利益が大きく増減することを抑制することができる。
遊技機F1又はF2において、前記第2利益手段の前記第1流路における上流側に配設される変化手段を備え、その変化手段は、前記第1流路を流下する遊技球の流下方向を第2利益手段へ向けた方向へ変化させる態様で形成されることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、変化手段が、第1流路を流下する遊技球の流下方向を第2利益手段へ向けた方向へ変化させるので、変化手段の上流側では第2利益手段から逸れて遊技球が流下する場合であっても、その遊技球の流下方向を、変化手段の下流側では第2利益手段へ向いた流下方向に変化させることができる。これにより、第1流路を流下した遊技球(第1利益手段を通過しなかった遊技球)が第2利益手段を通過する割合を増加させることができる。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、前記第1利益手段を通過した遊技球が前記第2利益手段へ向かう間に通過する位置に配設される変化手段を備え、前記第2利益手段は、遊技球が通過可能な開放状態と、遊技球が通過不能な閉鎖状態とで状態が切り替わるものであり、前記第1利益手段を遊技球が通過することにより遊技者に与えられる利益は、前記第1遊技状態において、前記第2利益手段を開放状態へと切り替えることを含むものであって、前記変化手段は、前記第1利益手段を通過した遊技球が、その通過を契機として前記第2利益手段が開放状態となってから前記第2利益手段に到達する態様で流下するように遊技球の流下態様を変化させることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかの奏する効果に加え、変化手段が、第1利益手段から第2利益手段へ到達する前に第2利益手段が開放状態となるように、遊技球の流下態様を変化(例えば、減速)させるので、第1利益手段と第2利益手段との配置間隔を狭くしながら、第1利益手段を通過した遊技球を、そのまま第2利益手段に通過させることができる。これにより、第1利益手段を通過する遊技球の価値を高め無駄球を減らすことができると共に、第1利益手段および第2利益手段の配設間隔を短縮化し、配設スペースの抑制を図ることができる。
例えば、第2利益手段を遊技球が通過することにより遊技者に与えられる利益が、特別図柄の抽選である場合、第1利益手段と第2利益手段との間隔を狭めることで、第1利益手段を通過した遊技球が第2利益手段を通過するまでの期間を短縮化できるので、次々に第2利益手段に遊技球を通過させることができる。この構成によれば、特別図柄の抽選に係る変動を極めて短くすることで抽選の頻度を高くすることを狙いながら、変動間に生じる空き時間の内に球が第2利益手段を通過せず、遊技者が飽きてしまう事態を避けることができる。
遊技機F3又はF4において、前記変化手段は、前記第2流路へ振り分けられた遊技球を前記第2利益手段から離反する方向へ流下させる第1変化経路と、前記第2流路へ振り分けられた遊技球を前記第2利益手段へ向かう方向へ流下させる第2変化経路と、を形成し、その第2変化経路を遊技球が通過する場合に遊技球を減速させることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F3又はF4の奏する効果に加え、変位手段が、第2流路へ振り分けられた遊技球の一部を第2利益手段から逸れる方向へ流下させる第1変化経路と、第2利益手段へ向かう遊技球を減速させる第2変化経路とを併せて形成できるので、第1変化経路で流下させる球で積極的に死に球を作りながら、第2変化経路で流下する球が第2利益手段を通過し易くすることができる。これにより、遊技者に一定の利益は付与しながら、最低限の球を積極的に死に球とすることができる。なお、死に球とは、賞球に絡まずにアウト口へ入球し排出される球を意味する。
遊技機F3からF5のいずれかにおいて、前記変化手段は、遊技盤の厚み方向に沿って遊技領域の内方へ向けて張り出す張出部分から形成され、その厚み方向に沿って張り出された領域において遊技球が通過可能とされることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F3からF5のいずれかの奏する効果に加え、変化手段の内、遊技盤の厚み方向へ張り出して形成される領域において遊技球が通過可能とされるので、遊技球が通過可能な領域を狭めて減速させる場合(例えば、釘を植設する場合)に比較して、遊技球が通過可能な流路の幅を大きく維持することができる。これにより、変化手段の配設スペースを抑制しつつ、多方向から遊技球が変化手段に流入したとしても、減速された遊技球が滞留して球詰まりが生じることを抑制することができる。
また、釘とは異なり容易に変形させることができない部材を用いる(例えば、遊技盤を形成するプラスチック部材と同様の部材を用いる)ことで、釘を変形させるゴト行為などと同様の行為によりゲーム性が変化することを防止することができる。
遊技機F1から遊技機F6のいずれかにおいて、前記振分流路により振り分けられた遊技球が再度合流する合流領域と、その合流領域に流入した遊技球をアウト口へ向けて排出する排出口と、を備え、前記第1流路から前記合流領域へ流入する遊技球の流入方向が、前記排出口から離反する方向とされることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F1からF6のいずれかの奏する効果に加え、第1流路から合流領域へ流入する遊技球の流入方向が排出口から離反する方向とされるので、第1流路から合流領域へ流入した遊技球が排出口から排出されることを抑制することができる。これにより、第1流路を流下する遊技球が排出口へ排出される割合を減少させることができ、結果として、第1流路を流下した遊技球が第2利益手段を通過する割合を増大させることができる。
遊技機F1からF7のいずれかにおいて、前記第2利益手段の上流側に配置されると共に、前記第1利益手段を通過した遊技球が通過可能に配設される変化手段を備え、前記第1利益手段と、第2利益手段と、前記変化手段とが1ユニットとして構成されることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F1からF7のいずれかの奏する効果に加え、第1利益手段と、第2利益手段と、変化手段とが1ユニットとして構成されるので、第1利益手段と第2利益手段との間に釘などを配置して球の流路を形成する場合に比較して、第1利益手段と第2利益手段との配設スペースを抑制することができる。これにより、遊技領域の他の部分の設計自由度を向上させることができる。
また、1ユニットとして構成されることで、第1利益手段と、第2利益手段と、変化手段との相対位置関係が変化することを抑制できる。これにより、第1利益手段と、第2利益手段と、変化手段との相対位置関係が変化することで設計意図と異なる経路で球が流下することを防止することができる。
遊技機A1からA6,B1からB6,C1からC7,D1からD6,E1からE5,F1からF8のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA6,B1からB6,C1からC7,D1からD6,E1からE5,F1からF8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA6,B1からB6,C1からC7,D1からD6,E1からE5,F1からF8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
13 遊技盤
65 第1可変入賞装置(開閉装置、第2利益手段の一部)
67 スルーゲート(第1利益手段)
640a 電動役物
640b 第2入賞口(入賞口、第2利益手段の一部)
313 可動演出部材(盤内役物)
314 第1アウト口
315 第2アウト口
315a 案内リブ(方向調整リブ)
320 左下板部材(下板部)
322 緩衝リブ
324 段部
330 右下板部材(下板部)
332 緩衝リブ
512 第1軸部(第1軸)
540、6540 伸縮演出装置(可動部材)
541 本体部材(中間部材の一部)
544 スライド板(中間部材の一部)
545 スライドレール(中間部材の一部)
541b 突起部
541e 案内締結部(位置決め補助部)
550、5550、6550 回動アーム部材(アーム部材、ストッパ部材)
553 異形長孔(挿通部)
553d 選択壁部(選択領域)
554 円弧状孔(挿通部)
554a 口先部(溝部)
554b 第1ストッパ面(挿通部の一部)
554c 第2ストッパ面(挿通部の一部)
560 第2駆動装置(駆動装置)
570 回動クランク部材(クランク部材)
574 摺動突起部(突起部)
610、7610 ベース部材
613 第1軸支孔(支持部)
614 第2軸支孔(軸支部)
620、4620 演出部材(可動部材)
621a 摺動軸部(突起部)
630 第1駆動装置(駆動装置)
640、2640、3640、4640、7640 伝達部材(伝達部材、可動部材)
641、2641、3641 本体部
643 摺動孔(挿通部)
644 当接部
650 ねじりバネ(付勢装置、弾性バネ)
652 付勢腕部(長尺部材)
653a 屈曲部(第1折曲点)
3641a 傾斜側面(先端拡大領域)
5556 凹設部(外側窪み部)
7613 摺動孔(支持部)
7643 軸支孔(挿通部)
8812 凹設部(変化手段の一部)
8825c1 排出口
8826 方向変化部(変化手段の一部)
8826a 第1凸設部(変化手段の一部)
8826b 第2凸設部(変化手段の一部)
8826c 第3凸設部(変化手段の一部)
8826d 第4凸設部(変化手段の一部)
10832a 第1延設爪部(変化手段の一部)
10832b 第2延設爪部(変化手段の一部)
10833b 第4延設爪部(変化手段の一部)
B83 第4流下経路(第1変化経路の一部)
D 余裕部
L81 軌跡(第1流路の一部)
O81 第1流下経路(第2流路の一部)
X81 第1経路(第2流路の一部、第2変化経路の一部)
X82 第2経路(第2流路の一部)
Y81 流下経路(第1流路の一部)
P81,P82,P83,P84 釘(振分手段の一部)
X91 流下経路(第2流路の一部)
S81 合流領域
本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機において、遊技領域に入賞口等の遊技球が通過することにより遊技者に利益を与える利益手段を備え、その利益手段に多方向から球が到達可能な遊技機がある(特許文献1)。
特開2014−144218号公報
しかしながら、上述した従来の遊技機では、利益手段への球の流下について改良の余地があるという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、利益手段への球の流下の良好な遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技球が流下する遊技領域に配設されると共に遊技球を第1流路または第2流路の2の流路に振り分ける振分手段と、その振分手段で前記第2流路に振り分けられた遊技球が通過可能とされると共に遊技球が通過することにより遊技者に利益を与える第1利益手段と、前記振分手段の下流を通過する遊技球が通過可能とされ、遊技球が通過することにより遊技者に利益を与える第2利益手段と、を備える遊技機であって、前記第2利益手段の前記第1流路における上流側に配設される所定手段を備え、その所定手段は、前記第1流路を流下する遊技球の流下方向を前記第2利益手段へ向けた方向へ変化可能な態様で形成され、前記第2流路を流下する遊技球の流下経路を、前記第2利益手段へ向く第1経路と、前記第2利益手段から逸れる第2経路とで分岐可能に構成され、前記第流路に振り分けられた遊技球は、前記第2流路に振り分けられた遊技球よりも、前記第2利益手段へ向かう割合が大きくされる。
請求項1記載の遊技機によれば、利益手段への球の流下を良好にすることができる。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 遊技盤及び動作ユニットの分解正面斜視図である。 動作ユニットの分解正面斜視図である。 動作ユニットの分解正面斜視図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 盤面と盤面下部ユニットとの正面分解斜視図である。 盤面下部ユニットの正面分解斜視図である。 (a)は、ベース部材、第1アウト口、第2アウト口、左下板部材及び右下板部材の正面図であり、(b)は、図15(a)のXVb−XVb線におけるベース部材及び左下板部材の断面図である。 上下動作ユニットの正面斜視図である。 上下動作ユニットの背面斜視図である。 上下動作ユニットの正面分解斜視図である。 上下動作ユニットの背面分解斜視図である。 上下動作ユニットの正面図である。 上下動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面斜視図である。 複合動作ユニットの背面斜視図である。 複合動作ユニットの正面分解斜視図である。 複合動作ユニットの背面分解斜視図である。 伸縮演出装置の正面分解斜視図である。 伸縮演出装置の背面分解斜視図である。 (a)及び(b)は、回動アーム部材及び回動クランク部材の正面図である。 (a)及び(b)は、回動アーム部材及び回動クランク部材の正面図である。 (a)及び(b)は、回動アーム部材及び回動クランク部材の正面図である。 回動アーム部材及び回動クランク部材の正面図である。 (a)及び(b)は、回動アーム部材及び回動クランク部材の正面図である。 (a)及び(b)は、回動アーム部材及び回動クランク部材の正面図である。 (a)及び(b)は、回動アーム部材及び回動クランク部材の正面図である。 (a)及び(b)は、回動アーム部材及び回動クランク部材の正面図である。 突起部の基準水平線からの距離を表すグラフである。 複合動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面図である。 傾倒動作ユニット及びスライド動作ユニットの正面斜視図である。 傾倒動作ユニット及びスライド動作ユニットの背面斜視図である。 スライド動作ユニットの正面分解斜視図である。 スライド動作ユニットの背面分解斜視図である。 傾倒動作ユニットの正面分解斜視図である。 傾倒動作ユニットの背面分解斜視図である。 演出部材及び第2駆動装置の正面分解斜視図である。 (a)及び(b)は、伝達部材及びねじりバネの正面図である。 (a)及び(b)は、伝達部材及びねじりバネの正面図である。 伝達部材の揺動角度に対する演出部材の揺動角度を模式的に示す模式図である。 傾倒動作ユニット及びスライド動作ユニットの正面図である。 傾倒動作ユニット及びスライド動作ユニットの正面図である。 (a)及び(b)は、第2実施形態における伝達部材及びねじりバネの正面図である。 伝達部材及びねじりバネの正面図である。 (a)及び(b)は、第3実施形態における伝達部材及びねじりバネの正面図である。 (a)は、第4実施形態における伝達部材の背面斜視図であり、(b)は、移動当接部材の背面斜視図である。 (a)及び(b)は、伝達部材の背面斜視図であり、(c)及び(d)は、伝達部材の上面図である。 演出部材の本体部材を模式的に図示した正面模式図である。 伝達部材及びねじりバネの正面図である。 第5実施形態における複合動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面図である。 複合動作ユニットの正面図である。 (a)は、第6実施形態における回動アーム部材の部分正面図であり、(b)は、図69(a)の矢印LXIXb方向視における回動アーム部材の部分上面図であり、(c)は、回動アーム部材の部分正面図である。 (a)及び(b)は、切替装置の正面斜視図である。 (a)及び(b)は、複合動作ユニットの正面図である。 (a)及び(b)は、第7実施形態における傾倒動作ユニットの正面図である。 第8実施形態における流路形成ユニットの分解斜視図である。 (a)は、方向変化部の正面図であり、(b)は、図74(a)の矢印LXXIVb方向視における方向変化部の上面図であり、(c)は、図74(a)の矢印LXXIVc方向視における方向変化部の側面図であり、(d)は、図74(a)の矢印LXXIVd方向視における方向変化部の側面図である。 (a)は、凹設部の正面図であり、(b)は、図75(a)のLXXVb−LXXVb線における凹設部の断面図であり、(c)は、図75(a)のLXXVc−LXXVc線における凹設部の断面図である。 流路形成ユニットの部分正面図である。 (a)及び(b)は、流路形成ユニットの部分正面図である。 (a)は、流路形成ユニットの部分正面図であり、(b)は、図78(a)のLXXVIIIb−LXXVIIIb線における流路形成ユニットの部分断面図であり、(c)は、流路形成ユニットの部分正面図であり、(d)は、図78(c)のLXXVIIId−LXXVIIId線における流路形成ユニットの部分断面図である。 図78(a)のLXXIX−LXXIX線における流路形成ユニットの部分断面図である。 (a)から(c)は、遊技盤の部分正面図である。 流路形成ユニットの部分正面図である。 流路形成ユニットの部分正面図である。 流路形成ユニットの部分正面図である。 流路形成ユニットの部分正面図である。 第9実施形態における流路形成ユニットの部分正面図である。 (a)は、第10実施形態における流路形成ユニットの部分正面図であり、(b)は、図86(a)のLXXXVIb−LXXXVIb線における流路形成ユニットの部分断面図であり、(c)は、流路形成ユニットの部分正面図であり、(d)は、図86(c)のLXXXVId−LXXXVId線における流路形成ユニットの部分断面図である。 第11実施形態における流路形成ユニットの部分正面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図57を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の後面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(以下、遊技球とも称す)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640b、第一可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640b、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。また、第1可変入賞装置65は、ルータ加工によって盤面下部ユニット300のベース部材310に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640bへ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640bへ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640bへ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640bへ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640bへ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640bに付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640bへ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640bへ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640bに付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640bに付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640bに付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640bへの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640bに付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640bの電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640bへ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640bへ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の下側の領域における右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視右方には、球が入賞し得る第2入賞口640bが配設されている。この第2入賞口640bへ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口640bは、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640bへ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640bへ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640bへ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640bには電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640bへ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640bへ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640bへ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640bへ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640bへ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640bにあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640bに付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640bに入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640bに付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640bに入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640bへ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口640bへの入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の下方右側には第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に第1特定入賞口65aが設けられている。また、可変表示装置80の左側には第2可変入賞装置650が配設されており、その略中央部分に他の入賞口63,64,640と同程度の大きさの円形形状からなる第2特定入賞口650aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640bへの入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65a,650aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65a,650aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65a,650aが所定時間開放される。この特定入賞口65a,650aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
第1可変入賞装置65は、具体的には、第1特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として右側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド65b(図15参照、外形のみが図示される)とを備えている。第1特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイド65bを駆動して開閉板を正面側に傾倒し、球が第1特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
第2可変入賞装置650は、具体的には、第2特定入賞口650aの左方に配設される正面視三角形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として左側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。第2特定入賞口650aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には小開放口ソレノイドを駆動して開閉板を左方に傾倒し、球が第2特定入賞口650aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
本実施形態では、左打ちを行うことで第2可変入賞装置650に球を入賞させることが可能であるので、遊技状態が変化するごとに左打ちと、右打ちと、を切り替える煩わしさを解消することができる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65a,650aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65a,650aが所定時間開放され、その特定入賞口65a,650aの開放中に、球が特定入賞口65a,650a内へ入賞することを契機として特定入賞口65a,650aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65a,650aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、可変表示装置80の左側に限らず、例えば、第1入賞口64の下方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口314及び第2アウト口315が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640,650aにも入賞しなかった球は、第1アウト口314又は第2アウト口315を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口314は、第1入賞口64の左側下方に配設される一方、第2アウト口315は、第1入賞口64の右側下方に配設される。即ち、第2アウト口315は、第1入賞口64を挟んで第1アウト口314の反対側に配設される。
よって、遊技領域を流下する球であって、第1入賞口64よりも正面視右側(図2右側)において遊技領域の下端(内レール61又は外縁部材73)に達した球は、内レール61又は外縁部材73の傾斜に沿って流下され、第2アウト口315を通って球排出路へ案内される一方、第1入賞口64よりも正面視左側において遊技領域の下端(内レール61)に達した球は、内レール61の傾斜(湾曲)に沿って流下され、第1アウト口314を通って球排出路へ案内される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の後面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には駆動モータ431,466,531,561,631,661,751が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた後面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた後面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、後面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の後面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5から図12を参照して、遊技盤13及び動作ユニット200について説明する。まず、図5から図7を参照して、背面ケース210への各ユニット300〜700の収容構造について説明する。
図5は、遊技盤13及び動作ユニット200の分解正面斜視図であり、図6及び図7は、分解した動作ユニット200を正面視した動作ユニット200の分解正面斜視図である。なお、図7では、複合動作ユニット500が背面ケース210に装着された状態が図示される。
図5から図7に示すように、動作ユニット200は、底壁部211と、その底壁部211の外縁から立設される外壁部212とから一面側(図6紙面手前側)が開放された箱状に形成される背面ケース210を備える。背面ケース210は、その底壁部211の中央に矩形状の開口211aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口211aは、第3図柄表示装置81(図2参照)の外形に対応した(即ち、第3図柄表示装置81を配設可能な)大きさに形成される。
動作ユニット200は、背面ケース210の内部空間に、上下動作ユニット400、複合動作ユニット500、傾倒動作ユニット600及びスライド動作ユニット700がそれぞれ収容され、これを1ユニットとして構成される。
具体的には、複合動作ユニット500は、背面ケース210の外壁部212の内側面が形成する領域の右上部に配設される(図7参照)。この図7に示す状態に対し、傾倒動作ユニット600及びスライド動作ユニット700が背面ケース210の外壁部212の内側面が形成する領域の下部に配設される。また、この図7に示す状態に対し、上下動作ユニット400は複合動作ユニット500の正面側に、重ね合わされた積層状態で配設され、背面ケース210に収容される(図5参照)。
このように、本実施形態では、所定の動作ユニット(例えば、複合動作ユニット500)に対し、他の動作ユニット(例えば、上下動作ユニット400)が正面側に重ね合わされた積層状態で配設されるので、正面視において、所定の動作ユニットを、他の動作ユニットによって遮蔽することができる。
言い換えれば、遊技盤13(図2参照)が光透過性材料から形成され、その遊技盤13の背面側に配設される動作ユニットを遊技者が視認可能とされる場合に、所定の動作ユニットの必要な部分のみを遊技者に視認させ、他の部分を他の動作ユニットにより遊技者から遮蔽することができる。これにより、他の動作ユニットによって遮蔽される所定の演出部材については、その全体が遊技者から視認されることを前提として設計する必要がないので、その設計の自由度の向上を図ることができる。
次いで、図8から図10を参照して、上下動作ユニット400、複合動作ユニット500、傾倒動作ユニット600及びスライド動作ユニット700の動作態様の概略について説明する。なお、図8から図10の説明においては、図5から図7を適宜参照する。
図8から図10は、動作ユニット200の正面図である。なお、図8では上下動作ユニット400のアーム部材440(図18参照)が張出位置に配置された状態が、図9では複合動作ユニット500の伸縮演出装置540(図26参照)が伸張状態を形成された状態が、図10では傾倒動作ユニット600が幅方向略中央に配置された状態が、それぞれ図示される。
図8に示すように、上下動作ユニット400は、アーム部材440(図18参照)を、図5に示す退避位置と図8に示す張出位置との間で動作させる。図5に示す退避位置では、アーム部材440は、背面ケース210の開口211aの上方に退避され、遊技者から視認不能とされる(図2参照)。一方、図8に示す張出位置では、アーム部材440が下降され、レンズ部材460(図18参照)が背面ケース210の開口211aの中央(即ち、第3図柄表示装置81の正面、図2参照)に配置される。
図9に示すように、複合動作ユニット500は、回動アーム部材550(図22参照)が下方へ張り出す張出位置へ配置され前板部材546が背面ケース210の開口211aの中央(即ち、第3図柄表示装置81の正面、図2参照)に配設される伸張状態と、回動アーム部材550が上方へ退避される退避位置へ配置され前板部材546が背面ケース210の開口211aの上方に退避される縮小状態(図5参照)と、を形成可能とされる。図5に示す縮小状態では、前板部材546は、背面ケース210の開口211aの上方に退避され、遊技者から視認不能とされる(図2参照)。
図10に示すように、傾倒動作ユニット600は、スライド動作ユニット700の支柱部材720(図47参照)が左右にスライド移動されることで、図5に示す退避位置と、図10に示す張出位置との間で移動可能とされる。図5に示す退避位置では、傾倒動作ユニット600は、背面ケース210の開口211aの右外方に退避され、センターフレーム86の内側において遊技者から視認される(図2参照)。一方、図10に示す張出位置では、傾倒動作ユニット600が背面ケース210の開口211aの中央(即ち、第3図柄表示装置81の正面、図2参照)に配置される。
なお、図10では、第1カーテン部材624及び第2カーテン部材625(図46参照)が開放され、内部の液晶装置が視認される状態が図示される。即ち、図10の状態に傾倒動作ユニット600が配置されると、開口211aを通して視認される第3図柄表示装置81(図2参照)に表示される演出と、傾倒動作ユニット600の内部の液晶装置に表示される演出との両方を遊技者に視認させることができる。
これら各動作ユニット400〜700は、それぞれ独立して動作可能に形成されると共に、上述したように、重ね合わされた(積層された)状態で配設されるので、各動作ユニット400〜700のうちの層を違えて配設されるものについては、例え動作部材が背面ケース210の開口211aの内方に張り出す態様のものであっても同時に動作させることができる。即ち、図8から図10で例示したように、各動作ユニット400〜700をそれぞれ単体で動作させるだけでなく、これらの動作を組み合わせることができるので、その演出効果を高めることができる。
図11は、動作ユニット200の正面図である。なお、図11では、複合動作ユニット500の伸縮演出装置540(図22参照)が伸張状態とされ、上下動作ユニット400のアーム部材440及びレンズ部材460が張出位置に配置されると共に扉部材470が開放状態を形成される。
図11に示すように、上下動作ユニット400のレンズ部材460を通して、複合動作ユニット500の前板部材546が視認される。レンズ部材460には、後述するように、拡大レンズ加工が形成されるので、前板部材546が拡大視される。
即ち、図11に示す状態から、複合動作ユニット500の回転板520(図24参照)が第1軸部512(図24参照)を中心に揺動動作され、前板部材546が上下動作ユニット400のレンズ部材470から正面視で離間する位置(図39参照)まで移動されると、前板部材546は通常の大きさで視認される。これにより、前板部材546が通常の大きさで視認される状態と、拡大視される状態(図11参照)とを切り替えることができ、演出効果を向上させることができる。
図12は、動作ユニット200の正面図である。なお、図12では、複合動作ユニット500の伸縮演出装置540(図22参照)が伸張状態とされ、傾倒動作ユニット600が退避位置に配置され傾倒状態とされ、傾倒動作ユニット600と前板部材546とが当接する直前の状態が図示される。傾倒動作ユニット600が更に傾倒されることで、傾倒動作ユニット600と前板部材546とは当接される。この場合に、複合動作ユニット500を正面視時計回りに揺動させることで(図39参照)、あたかも、傾倒動作ユニット600から複合動作ユニット500に力が加えられるように見せる演出を行うことができる(ユニット同士の動作を関連付け、より複雑な演出を行うことができる)。これにより、演出効果を向上させることができる。
次いで、図13から図15を参照して、盤面下部ユニット300について説明する。図13は、盤面13と盤面下部ユニット300との正面分解斜視図である。図13に示すように、遊技盤13の下部には、内レール61の下縁に沿って開口され盤面下部ユニット300が挿通される受け入れ開口13aが形成される。
図14は、盤面下部ユニット300の正面分解斜視図である。図14に示すように、盤面下部ユニット300は、遊技盤13の受け入れ開口13aに内嵌固定されるベース部材310と、そのベース部材310の正面視左下方に配設され球を第1アウト口314へ案内する左下板部材320と、ベース部材310の正面視右下方に配設され球を第2アウト口315へ案内する右下板部材330と、正面からベース部材310に締結固定され左下板部材320及び右下板部材330が挿通軸343で軸支される前蓋部材340と、を主に備える。
ベース部材310は、遊技盤13の受け入れ開口13aの形状と略同等の形状であり受け入れ開口13aよりも若干小さな断面形状に形成される板状の本体部311と、その本体部311の正面側を覆う態様で薄板状に形成される装飾前板部312と、その装飾前板部312の幅方向略中央部に取り付けられる可動演出部材313と、その可動演出部材313の正面視左方に形成される矩形状孔である第1アウト口314と、可動演出部材313の正面視右方に形成される矩形状孔である第2アウト口315と、を主に備える。
可動演出部材313は、遊技盤13の幅方向中心下縁に配設され、図示しない駆動装置により回転される回転演出部材313aを備える。ここで、遊技盤13の幅方向中心下縁にアウト口が配設される場合、可動演出部材313を遊技盤13の幅方向中心下縁に配置することはできない。本実施形態では、遊技盤13の幅方向中心下縁にアウト口を配設せず、遊技盤13の中心から左右に離間した位置に第1アウト口314及び第2アウト口315を配設することで、可動演出部材313を遊技盤13の幅方向中心下縁に配設するスペースを確保することができる。
図15を参照して、第1アウト口314、第2アウト口315、左下板部材320及び右下板部材330の形状について説明する。図15(a)は、ベース部材310、第1アウト口314、第2アウト口315、左下板部材320及び右下板部材330の正面図であり、図15(b)は、図15(a)のXVb−XVb線におけるベース部材310及び左下板部材320の断面図である。なお、図15(a)では、ベース部材310に締結固定される前蓋部材340の外形と、第1アウト口314及び第2アウト口315の上方に形成される釘とが図示される。
第1アウト口314及び第2アウト口315は、遊技領域から球が排出される開口である。第1アウト口314に比較して第2アウト口315は幅方向の形成長さが短くされる。その理由については後述する。また、第2アウト口315の上内側面に前後方向へ延設される案内リブ315aが形成される。その案内リブ315aにより、第2アウト口315へ流入する球が高くはね、第2アウト口315の上底面に衝突する場合に球に加えられる抵抗を抑制することができる。また、第2アウト口315から排出される球の流れを前後方向に整えることができ、排出される球の方向のばらつきを抑制することができる。
また、後述する左下板部材320の緩衝リブ322は、遊技盤13(図13参照)の幅方向中央へ向かうほど高く形成される(図15(a)参照)。これにより、遊技盤13の幅方向中央へ向かうほど遊技領域の上下幅が大きくなる本実施形態においても、左下板部材320に落下する球の跳ね返りを抑制する効果を損ねることがない。即ち、遊技盤13の幅方向中央に近いほど、球の落下高さは高くなるので、落下した球が左下板部材320に衝突した場合の衝撃が大きくなる恐れがある。これに対し、緩衝リブ322は遊技盤13の幅方向中央へ向かうほど高く形成されるので、遊技盤13の幅方向中央に近いほど緩衝リブ322が撓むことで落下の衝撃を和らげるクッション効果の度合いを大きくすることができる。
ここで、緩衝リブ322,332の縦横比と、落下する球の着地頻度との関係について説明する。例えば、緩衝リブ322,332に着地する球の落下高さは高いが、その位置に球が到達する頻度が極端に低い場合、わざわざ球の跳ね返りを抑制せずとも、他の球の排出の障害にならない場合がある。この場合にまで緩衝リブ322,332の縦横比を大きく形成すると、遊技領域のスペースを不必要に抑制することになる。従って、緩衝リブ322,332の縦横比は、球の落下高さのみでなく、落下高さと、その位置に球が着地する頻度との関係で設定されることが好ましい。
図15に示すように、緩衝リブ322,332の上方を流下する球は経路c1,c2で流下開始され、その後複数の分岐b1〜b10を経て、着地領域z0〜z4に到達する。なお、以下の説明では、球が流下する確率が経路c1とc2とで等しく(1/2)、分岐b1〜b10での左右への分岐の確率がそれぞれ左右均等(1/2)である場合を説明する。なお、右上方から球が流下されることは無いものと仮定する。
着地領域z0に球が到達する確率について説明する。着地領域z0に到達するためには、分岐b5で左側を流下して経路c11に到達する必要がある。分岐b5までは、経路c1から分岐b1を経て到達する場合と、経路c2から到達する場合とが考えられる。そのため、球が経路c11に到達して、着地領域z0に球が到達する確率は、経路c1から流下される球の確率1/8(=1/2×(1/2)^2)と、経路c2から流下される球の確率1/4(=1/2×1/2)との総和で表されるので、3/8である(「^」はべき乗を意味する)。即ち、それぞれの確率は、経路c1,c2を球が流下する確率1/2と、着地領域z0に到達するまでに球が通る分岐b1〜b10の数だけ1/2を累乗した数との積で表される。
着地領域z1に球が到達する確率について説明する。着地領域z1に到達するためには、分岐b3で左側を流下して経路c15に到達するか、分岐b4で左側を流下して経路c16に到達するか、分岐b6で右側を流下して経路c14に到達するか、分岐b7で右側を流下して経路c13に到達する必要がある。
分岐b3までは、経路c1から球が流下される場合のみが考えられ、球が経路c15に到達するまでに分岐が3つ存在するので、球が経路c15に到達する確率は1/16(=1/2×(1×2)^3)である。また、分岐b4までは、経路c1から球が流下される場合のみが考えられ、球が経路c16に到達するまでに分岐が4つ存在するので、球が経路c16に到達する確率は1/32(=1/2×(1×2)^4)である。また、分岐b6までは、経路c1から球が流下される場合のみが考えられ、球が経路c14に到達するまでに分岐が3つ存在するので、球が経路c14に到達する確率は1/16(=1/2×(1×2)^3)である。
分岐b7までは、経路c1及び経路c2から球が流下される場合の両方が考えられ、経路c1から流下した球が経路c13に到達するまでに分岐が4つ存在する場合と、分岐が3つ存在する場合がある。経路c2から流下した球が経路c13に到達するまでに分岐が2つ存在する。そのため、球が経路c13に到達する確率は、経路c1から流下される球の確率3/32(=1/2×(1/2)^4+1/2×(1/2)^3)と、経路c2から流下される球の確率1/8(=1/2×(1/2)^2)との総和で表されるので、7/32である。
ここで、着地領域z1に球が到達する確率は、上述した経路c13〜c16に球が到達する確率の総和であるので、12/32である。
着地領域z2に球が到達する確率について説明する。着地領域z2に球が到達する確率は、経路c12に球が到達する確率で表せ、これは、分岐b7に到達した球が経路c13に到達する確率と等しくなる。そのため、着地領域z2に球が到達する確率は7/32である。
着地領域z3に球が到達する確率について説明する。着地領域z3に到達するためには、分岐b9で左側を流下して経路c17に到達するか、分岐b10で左側を流下して経路c18に到達する必要がある。
分岐b9までは、経路c1から球が流下される場合のみが考えられ、球が経路c17に到達するまでに分岐が6つ存在するので、球が経路c17に到達する確率は1/128(=1/2×(1×2)^6)である。また、分岐b10までは、経路c1から球が流下される場合のみが考えられ、球が経路c18に到達するまでに分岐が7つ存在するので、球が経路c18に到達する確率は1/256(=1/2×(1×2)^7)である。
着地領域z3に球が到達する確率は、上述した経路c17及びc18に球が到達する確率の総和であるので、3/256である。
着地領域z4に球が到達する確率について説明する。着地領域z4に到達するためには、分岐b10で右側を流下して経路c19に到達する必要がある。なお、分岐b10の右側を流下した球は全て経路c19で流下するものとする。経路c19に球が到達する確率は、分岐b10に到達した球が経路c18に到達する確率と等しくなる。そのため、着地領域z4に球が到達する確率は1/256(=1/2×(1×2)^7)である。
これらのことから、各着地領域z0〜z4へ球が到達する割合は、(z0:z1:z2:z3:z4)=(96:96:56:3:1)となる。この割合は、緩衝リブ322,332と相関関係を有する。
例えば、着地領域z1と着地領域z3とを比較すると、各着地領域z1,z3に落下する球の高さは同等であるのに緩衝リブ322,332の縦横比は着地領域z3の方が着地領域z1より小さい。これは、着地領域z3に球が到達する割合が、着地領域z1に球が到達する割合の1/32であるためである。即ち、落下する球のバウンドを着地領域z1ほどに抑制せずとも、着地領域z3においては球の排出が滞るおそれが小さい。そこで、着地領域z3においては、着地領域z1に比較して緩衝リブ332の縦横比を小さくすることで、第2アウト口315の配設位置を下方へ下げることができる。
例えば、着地領域z2と着地領域z4とを比較すると、着地領域z2への球の落下距離よりも着地領域z4への球の落下距離の方が長いのに、緩衝リブ322,332の縦横比は着地領域z2の方が着地領域z4より大きい。これは、着地領域z4に球が到達する割合が、着地領域z2に球が到達する割合の1/56であるためである。即ち、落下する球のバウンドを着地領域z2ほどに抑制せずとも、着地領域z4においては球の排出が滞るおそれが小さい。そこで、着地領域z4においては、着地領域z2に比較して緩衝リブ332の縦横比を小さくすることで、第2アウト口315の配設位置を下方へ下げることができる。
なお、上述した説明では、分岐b1〜b10の球の分岐の確率は、左右均等(1/2)である場合を説明したが、釘の幅を変化させることで、分岐b1〜b10で球が分岐する確率を調整することが可能である。例えば、分岐b1の左側の矢印が通る流路の釘の間隔を球の直径と同程度に小さくすることで、分岐b1で球が右側の矢印に沿って流下する確率を1/2よりも大きくすることができる。他の分岐b2〜b10においても、同様に球の分岐の確率を調整することができる。
これにより、経路c11〜c19に球が到達する頻度を調整することができ、緩衝リブ322の縦横比の設計自由度を向上させることができる。
また、緩衝リブ322は上面が後方へ向かうにつれて下降傾斜して形成される(図15(b)参照)。これにより、第1アウト口314への球流れを速くすることができる。
図14に戻って説明する。左下板部材320は、長尺板状の本体部321と、その本体部321の上面において左右方向に連設される薄厚の板がそれぞれ前後方向に延設される緩衝リブ322と、その緩衝リブ322の前面を連結する態様で形成される連結前板323と、本体部321の正面視左端において上方へ隆起して形成される段部324と、その段部324から正面視左方へ延設される球流れレール部325と、本体部321の正面視右端部において前後方向に穿設される軸支孔326と、を主に備える。
緩衝リブ322は、第1アウト口314へ向かう球が通過する部分であり、上下方向に落下する球の上下方向への跳ね返りを抑制する。即ち、緩衝リブ322は左右方向に連設される薄厚の板から形成されるので、落下する球に衝突される際に、厚み方向に撓むことで、その衝突の衝撃を和らげることができる。また、球が緩衝リブ322の上面を左右方向に移動する際には、球が緩衝リブ322の間にはまり込むことで、球が制動される。また、緩衝リブ322は、正面視右方(遊技盤13(図2参照)の幅方向内側へ向かうほど、形成高さ及び縦横比が大きくされる。
連結前板323は、緩衝リブ322を連結することで、緩衝リブ322の強度を向上させる。
段部324は、球流れレール部325から流下された球を上下方向に落下させるための嵩上げ部である。これにより、球流れレール部325を流下する球から緩衝リブ322へ左右方向の荷重が負荷されることを抑制することができる。これにより、緩衝リブ322が左右方向の荷重を受けて左右方向に折れることを防止することができる。
即ち、緩衝リブ322は前後方向に延設される薄厚の壁部から形成されるので、左右方向の荷重が負荷されることで折れる恐れがある。一方、本実施形態では、左右方向の速度を備え、左右方向の荷重を緩衝リブ322に負荷する恐れのある球流れレール325の上面を転動する球が、段部324から緩衝リブ322へ上下方向に落下する態様で形成される。これにより、球が緩衝リブ322へ着地する位置を、球の左右方向の速度が速いほど、幅方向右方へ寄せることができる。
従って、球が緩衝リブ322に着地する際に緩衝リブ322に左右方向で与えられる負荷を、幅方向左方(外側)へ向かうほど小さくすることができる。そのため、緩衝リブ322の幅方向左方へいくほど球の左右方向の荷重による折れが発生するおそれが低くなり、幅方向右方に比較して緩衝リブ322の縦横比を小さく形成することができる。この場合、遊技盤13の下面に形成される曲面に沿って緩衝リブ322の下面を形成できるので、緩衝リブ322が幅方向で同じ長さである場合に比較して緩衝リブ322を配設する位置を下方に下げることができる。
ここで、緩衝リブ322の縦横比を幅方向左右の位置で一定に保ったまま(緩衝リブ322の上面が緩衝リブ322の下面と同一の曲線で形成される状態で)、遊技盤13の下面に形成される曲面に沿って緩衝リブ322の下面を形成することも考えられる。しかし、この場合、段部324の配設位置が高くなり、その段部324に向けて下降傾斜して形成される球流れレール部325の配設位置も高くなる。この場合、球流れレール部325と内レール61(図13参照)との間のデッドスペースが大きくなり、遊技領域が抑制される。
一方で、緩衝リブ322の縦横比は大きい方が、球の勢いを落とす作用(減速作用)は大きくなる。従って、緩衝リブ322は、段部324付近から遊技領域の中央へ向けて縦横比を大きくする態様で形成される。
なお、段部324の形成高さに影響しないように段部324の手前まで緩衝リブ322の上面を緩衝リブ322の下面の曲線と同一の曲線で形成する(緩衝リブ322の左右方向の途中で高さが最大に形成される)ことも考えられる。しかし、この場合、着地領域z1に到達した球が左方に転動することが妨げられる。そのため、着地領域z1に球が滞留し易くなり、球の排出をスムーズに行いにくくなる。
これに対し、本実施形態では、緩衝リブ322の幅方向における緩衝リブ322の上面の高さの変動が少ないので、着地領域z1に到達した球が左方(着地領域z2側)に容易に転動する。従って、着地領域z1に球が滞留する前に球を着地領域z2に流すことができるので、球の排出をスムーズにすることができる。
また、段部324は、緩衝リブ322の上方を流下し左方へ流れる球をせき止める機能を有する。これにより、球が前蓋部材340(図13参照)に衝突した後で第1アウト口314の横幅以上に跳ね返ることを防止することができる。
軸支孔326は、前蓋部材340の挿通軸343が挿通され、軸支される部分である。
右下板部材330は、長尺板状の本体部331と、その本体部331の上面において左右方向に連設される薄厚の壁部がそれぞれ前後方向に延設される緩衝リブ332と、その緩衝リブ332の前面を連結する態様で形成される連結前板333と、本体部331の正面視右端において下方へ窪んで形成される凹設部324と、その凹設部324から正面視右方へ延設される球流れレール部335と、本体部331の正面視左端部において前後方向に穿設される軸支孔336と、を主に備える。
なお、右下板部材330の構成と左下板部材320の構成とは多くの部分で共通する。即ち、本体部331は本体部321と、緩衝リブ332は緩衝リブ322と、連結前板333は連結前板323と、球流れレール部335は球流れレール部325と、軸支孔336は軸支孔326と、それぞれ技術的思想が共通するので、共通部分については説明を省略する。
緩衝リブ332は、緩衝リブ322に比較して左右の形成幅が短く形成される。これにより、第2アウト口315の左右の形成幅を短くでき、第2アウト口315の配設位置を第1アウト口314に比較して下方へ下げることができるので、その分、第1可変入賞装置65の大開放口ソレノイド65bの配設スペースを確保することができる(第1可変入賞装置65の配設位置を下方へ下げることができる)。
ここで、緩衝リブ332の形成幅を緩衝リブ322に比較して短くできるのは、第2アウト口315への球の流下経路を規制していることによる。即ち、図14に示すように、第2アウト口315の正面視右上に第1可変入賞装置65が配設されることで、開閉板の開放時には球は第1特定入賞口65aへ流入され、開閉板の閉鎖時には球は第1可変入賞装置65の正面側を鉛直下方へ落下される。これにより、第2アウト口315に正面視右上から球が流下することを防止することができる。換言すると、第2アウト口315の右上部に球の流下が規制される非流下領域が形成される。
そのため、右下板部材330への球の流下方向は、鉛直方向の落下と幅方向から(球流れレール部335から)の流下のみに限定される(斜め右上方からの流下が規制される)。従って、斜め右上方からの球の流入が無いので球が跳ねる方向を制限でき、緩衝リブ332の形成幅を狭めることができると共に第2アウト口315の形成幅を狭めることができる。結果として第1可変入賞装置65の配設スペースを確保することができる。
凹設部334は、球流れレール部335を流下した球を跳ねさせるための窪みである。そのため、凹設部334の形成幅は、隣接する緩衝リブ332に当接されずに球を載置可能な幅とされる。
球流れレール部335を流下した球は凹設部334に落下され、凹設部334の上面に当接されることで跳ね返り、緩衝リブ332に落下する。これにより、緩衝リブ332に幅方向から荷重が負荷されることが防止され、緩衝リブ332が折れることを防止することができる。
なお、凹設部334は、ベース部材310を遊技盤13に締結固定する締結ネジが挿通される締結孔Bの正面に形成される。これにより、盤面下部ユニット300を遊技盤13に締結固定するために締結孔Bに締結ネジをねじ込む際にドライバー等の締結工具を使用しやすくすることができる。即ち、凹設部334は、緩衝リブ332が折れることを防止する効果と、ベース部材310の締結固定を容易にする効果との両方を備える。
前蓋部材340は、最上部に第1入賞口64が形成される板状の本体部341と、その本体部341の中心に開口形成され回転演出部材313aを視認可能とする開口部342と、軸支孔326,336に挿通される一対の挿通軸343と、を主に備える。
本体部341は遊技領域の下縁に当接して形成され、側壁部により球の流下方向が限定される。即ち、右方から本体部341に衝突した球は左方へ貫通することはできず、一方で左方から本体部341に衝突した球は右方へ貫通することはできない。
挿通軸343は、軸支孔326,336に挿通される部分である。そのため、挿通軸343の直径は軸支孔326,336よりも若干小さく形成される。
次いで、図16から図21を参照して、上下動作ユニット400について説明する。図16は、上下動作ユニット400の正面斜視図であり、図17は、上下動作ユニット400の背面斜視図である。なお、図16及び図17では、上下動作ユニット400のアーム部材440が退避位置に配置された状態が図示される。
図18は、上下動作ユニット400の正面分解斜視図であり、図19は、上下動作ユニット400の背面分解斜視図である。図18及び図19に示すように、上下動作ユニット400は、背面視右側に背面側から正面側へ向けて窪むと共にその窪みが上下方向に延設される上下溝部414を備えるベース部材410と、そのベース部材410の連結孔413を中心に回転される回転クランク部材420と、その回転クランク部材420の駆動力を発生させる駆動装置430と、回転クランク部材420から駆動力が伝達されベース部材410の軸部412を中心に揺動されるアーム部材440と、ベース部材410の上下溝部414の反対側に配設されアーム部材440の揺動に連動して上下方向にスライド移動可能に形成されるスライド部材450と、アーム部材440の先端に形成される摺動孔443に吊り下げられアーム部材440の揺動に連動して上下方向にスライド移動可能に形成されるレンズ部材460と、そのレンズ部材460にそれぞれ軸支される一対の扉部材470と、を主に備える。
ベース部材410は、左右に長尺の板状に形成される本体部411と、その本体部411の右端部から正面側へ向けて円柱状に突設されアーム部材440の軸支孔442が軸支される軸部412と、前後方向に円形に穿設され回転クランク部材420と伝達ギア432が連結される連結孔413と、本体部411の背面視右側で背面側から正面側へ向けて形成される窪みが上下方向に延設される上下溝部414と、その上下溝部414の左右両外側において正面から背面側へ向けて窪む凹設部415と、を主に備える。
上下溝部414は、組立状態(図2参照)において、背面側に複合動作ユニット500の伸縮演出装置540が収容される部分である。複合動作ユニット500は、後述するように、伸縮演出装置540が縮小状態へ向かうほど伸縮演出装置540の揺動角度が抑制されるため、伸縮演出装置540が揺動されることで上下溝部414の左右内側面に衝突することが防止される。凹設部415は、スライド部材450のスライド案内部452が案内される部分である。
回転クランク部材420は、板状の本体部421と、その本体部421の一方の端部から正面側に円柱状に突設されアーム部材440の挿通部444に挿通される摺動突起部422と、伝達ギア432の嵌合部432aに係合され伝達ギア432と回転クランク部材420との相対回転を不能とする係合部423と、を主に備える。
摺動突起部422がアーム部材440の挿通部444に挿通され回転されることで、アーム部材440に駆動装置430の駆動力が伝達され、アーム部材440が軸部412を中心に揺動される。
駆動装置430は、ベース部材410に締結固定される駆動モータ431と、その駆動モータ431により回転駆動される駆動ギア431aと、その駆動ギア431aと歯合される伝達ギア432と、その伝達ギア432の正面側に連結孔413の内径より若干小さな外径で形成されると共に内側側面が回転クランク部材420の係合部423に嵌合される嵌合部432aと、を主に備える。
嵌合部432aは、三角形の各頂点に円形状が配置された断面形状からなる窪みを備える部分であって、ベース部材410の連結孔413に挿通されると共に、その先端側で回転クランク部材420の係合部423が相対回転不能に嵌合される。これにより、ベース部材410の本体部411を伝達ギア432と回転クランク部材420とで板挟みする態様で形成され、上述したように、伝達ギア432と回転クランク部材420の相対回転が不能とされるので、伝達ギア432と回転クランク部材420とは同期して回転する。即ち、駆動モータ431の駆動力が伝達ギア432を介して回転クランク部材420へ伝達される。
アーム部材440は、長尺棒状に形成される本体部441と、基端側(正面視右側)に穿設され軸部412に揺動可能に軸支される軸支孔442と、基端側の反対側の端部である揺動端側に長孔として穿設されレンズ部材460の摺動突起部463が挿通される摺動孔443と、回転クランク部材420の摺動突起部422が挿通される有底孔状の挿通部444と、を主に備える。
なお、摺動突起部422を挿通部444に挿通させた状態で回転クランク部材420が一回転可能な形状に挿通部444の形状が設定される。そのため、回転クランク部材420の回転方向によらず、アーム部材440は揺動動作を行うことができる。
スライド部材450は、矩形板状の本体部451と、その本体部451の左右両端部から後方へ延設されると共に凹設部415に上下スライド可能に案内されるスライド案内部452と、本体部451の幅方向中心部において正面に形成される上下方向に延設される窪みであると共にレンズ部材460の摺動突起部463が挿通される中央案内凹設部453と、本体部451の左右両端部において正面に形成され上下方向に延設される窪みであると共にレンズ部材460の安定スライド部464が案内される両端案内凹設部454と、を主に備える。
レンズ部材460は、中央に円形の開口が形成される板状の本体部461と、その本体部461の開口に嵌め込まれる拡大レンズ加工が形成された拡大レンズ462と、本体部461の幅方向中央上端部において背面側へ突設されると共にアーム部材440の摺動孔443に上下スライド可能に挿通される摺動突起部463と、本体部461の幅方向両端部において背面側へ突設されスライド部材450の両端案内凹設部454に上下スライド可能に挿通される安定スライド部464と、本体部461の正面視左下方に軸回転可能に配設され扉部材470の下側軸部473及び上側軸部474が挿通される一対の回転筒465と、その一対の回転筒465を図示しない伝達機構により互いに逆方向に回転させる駆動モータ466と、を主に備える。
図20を参照して、上下動作ユニット400の移動動作について説明する。図20は、上下動作ユニット400の正面図である。なお、図20では、上下動作ユニット400のアーム部材440が張出位置へ配置された場合の扉部材470の閉鎖状態が図示される。
アーム部材440が退避位置(図16参照)から張出位置(図20参照)へ揺動されると、アーム部材440の揺動端側の摺動孔443に軸支されるレンズ部材460の摺動突起部463(図18参照)が、スライド部材450の中央案内凹設部453をスライド移動される。レンズ部材460はスライド部材450の両端案内凹設部454に上下方向に案内され、スライド部材450はベース部材410の凹設部415に上下方向に案内されるので、アーム部材440の揺動によりレンズ部材460は上下方向にスライド移動される。
図18及び図19に戻って説明する。扉部材470は、円形状板を上下2分割して構成され、下側に形成される下側本体部471と、その下側本体部471の上側に形成される上側本体部472と、下側本体部471の下端部において背面側に円柱状に突設されレンズ部材460の回転筒465に相対回転不能に挿通される下側軸部473と、上側本体部472の下端部において背面側に円柱状に突設されレンズ部材460の回転筒465に相対回転不能に挿通される上側軸部474と、を主に備える。
下側本体部471は、上側本体部472と当接される側の側面に突設される案内突起部471aを備え、上側本体部472は、下側本体部471と当接される側の側面に凹設される受け入れ凹設部472aを備える。これらの案内突起部471a及び受け入れ凹設部472aが嵌合されることで、閉鎖状態における下側本体部471と上側本体部472との相対的な位置合わせを行うことができる。なお、本実施形態では、案内突起部471aが先細り形状で突設されるので、案内突起部471aを受け入れ凹設部472aに確実に嵌合させることができる。
図21を参照して、扉部材470の動作について説明する。図21は、上下動作ユニット400の正面図である。なお、図21では、上下動作ユニット400のアーム部材440が張出位置へ配置された場合の扉部材470の開放状態が図示される。
下側軸部473及び上側軸部474(図19参照)は、レンズ部材460の回転筒465(図18参照)の回転により回転される。一対の回転筒465は、駆動モータ466(図19参照)の駆動力により互いに逆方向に回転されるので、扉部材470を、閉鎖状態(図20参照)から開放状態(図21参照)にする場合に、下側本体部471と上側本体部472とを互いに外側(反対方向)に揺動させることができる。また、扉部材470を、開放状態(図21参照)から閉鎖状態(図20参照)にする場合に、下側本体部471と上側本体部472とを互いに内側に揺動させることができる。
これにより、レンズ部材460の正面側を単一のカバー部材を揺動させて覆う場合に比較して、下側本体部471及び上側本体部472を揺動させる時間を半分とすることができる。
次いで、図22から図45を参照して、複合動作ユニット500について説明する。複合動作ユニット500は回動アーム部材550を退避位置(図22参照)から張出位置(図9参照)へ揺動させることで伸縮演出装置540を第3図柄表示装置81の正面側へ配置させるユニットである。また、伸縮演出装置540は、ベース部材510の第1軸部512(図24参照)を中心に揺動可能に形成される。
図22は、複合動作ユニット500の正面斜視図であり、図23は、複合動作ユニット500の背面斜視図である。なお、図22及び図23では、回動アーム部材550が第3図柄表示装置81(図2参照)の外側に形成される終端位置である退避位置に配置される状態が図示される。
図24は、複合動作ユニット500の正面分解斜視図であり、図25は、複合動作ユニット500の背面分解斜視図である。
図24及び図25に示すように、複合動作ユニット500は、伸縮演出装置540をスライド動作および揺動動作させることで演出を行うユニットであり、骨格を形成するベース部材510と、そのベース部材510の第1軸部512を中心に回転可能に形成される回転板520と、ベース部材510に締結固定され回転板520の駆動力を発生させる第1駆動装置530と、回転板520の正面に締結固定され回転板520の径方向へ伸縮可能に形成される伸縮演出装置540と、その伸縮演出装置540に一方の端部が連結され反対側の他方の端部がベース部材510に軸支されると共に揺動動作により伸縮演出装置540の伸縮動作を形成する回動アーム部材550と、ベース部材510に締結固定され回動アーム部材550の駆動力を発生させる第2駆動装置560と、その第2駆動装置560の駆動力を回動アーム部材550へ伝達する回転クランク部材570と、ベース部材510の前方から締結固定され回動アーム部材550や回動クランク部材570等の回転軸側の機構部分を目隠しする前カバー580と、を主に備える。
ベース部材510は、矩形板形状の本体部511と、その本体部511の幅方向略中央下部から前方へ向けて突設される円柱状の第1軸部512と、その第1軸部512を中心とした円弧に沿って穿設される3列の円弧状孔513と、その3列の円弧状孔513の内の第2円弧状孔513bに隣接して穿設される第1貫通孔514と、軸部512と本体部511の右端部との略中間位置で本体部511から前方へ向けて突設される円柱状の第2軸部515と、その第2軸部515に隣接して穿設される第2貫通孔516と、本体部511の正面視右下端部から前方へ向けて突設される円柱状の第3軸部517と、本体部511の縁から前方へ折曲形成される折曲壁部518と、を主に備えて構成される。
第1軸部512は、回転板520の軸支孔522に挿通され、回転板520の回転軸となる部分である。そのため、第1軸部512の直径は回転板520の軸支孔522の内径よりも若干小さく形成される。
円弧状孔513は、第1軸部512に近い側から、第1円弧状孔513a、第2円弧状孔513b及び第3円弧状孔513cを備える。
第1円弧状孔513a及び第3円弧状孔513cは、回転板520の挿通軸525が挿通され、回転板520の回転を案内する長孔である。これにより、回転板520が回転される際に第1軸部512が受ける負荷を軽減することができ、回転板520の耐久性の向上を図ることができる。なお、図24及び図25には、挿通軸525の先端にカラーが締結された状態が図示されるが、第1円弧状孔513a及び第3円弧状孔513cは、カラーと本体部521との間に配置される(カラーの締結前に挿通される)。
第2円弧状孔513bは、回転板520の円弧状ラック526が配置され移動される長孔である。略中央部の上側が開放され、その開放された部分に第1駆動装置530の駆動ギア532が配置される。これにより、本体部511の板厚部分に、第1駆動装置530の駆動モータ531と回転板520の円弧状ラック526との歯合部分を配設することができるので、複合動作ユニット500の厚さ方向の寸法(図22前後方向の寸法)を抑制することができる。
第1貫通孔514及び第2貫通孔516は、それぞれ第1駆動装置530の駆動ギア532及び第2駆動装置560の駆動ギア562が挿通される貫通孔である。
第2軸部515は、正面側に回動クランク部材570の蓋部575が締結固定され、本体部571の回転の中心軸となる円柱状部である。そのため、第2軸部515の直径は回動クランク部材570の本体部571の内周径よりも若干小さな寸法で形成される。
第3軸部517は、回動アーム部材550の軸支孔552に挿通され、回動アーム部材550の回動の中心軸となる部分である。そのため、第3軸部517の直径は、回動アーム部材550の軸支孔552の内径よりも若干小さな寸法で形成される。第3軸部517の周囲には回動アーム部材550を退避位置へ向けて移動させる付勢力を発生させるねじりバネ517aが巻き付けられる。
ねじりバネ517aは、第3軸部517に巻き付けられるコイル部分の両端から腕部がそれぞれ延設される態様で形成される。一方の腕部は、折曲壁部518の正面視右下部(第1ストッパ部518a付近)に固定され、その一方の腕部の反対側の他方の腕部は、回動アーム部材550の係止部555に係止される。
折曲壁部518は、第3軸部517に隣接される第1ストッパ部518aと、第1軸部512の右方に形成される第2ストッパ部518bと、第1軸部512の左方に形成される第3ストッパ部518cと、を主に備える。
第1ストッパ部518aは、回動アーム部材550の回動を規制する部分である。即ち、回動アーム部材550は張出位置(図9参照)まで下降されると第1ストッパ部518aに当接され、下降が停止される。
図24に示すように、第2ストッパ部518bの方が第3ストッパ部518cよりも下方に配設される。回転板520の下面は軸支孔522を基準に左右対称に形成されるので(図37参照)、回転板520は、第2ストッパ部512bへ向かう回転方向の方が大きな回転角度で回転することができる。即ち、後述する伸縮演出装置540は、正面視反時計回りの揺動よりも、正面視時計回りの揺動の最大角度が大きく形成される。
回転板520は、扇形板状の本体部521と、その本体部521の根本部分で厚み方向に円形に穿設される軸支孔522と、その軸支孔522の内径より若干大きな幅で本体部521の前面において直線的に凹設されるレール受け溝523と、そのレール受け溝523の下端部両側において前方へ張り出して形成される一対の伸縮ストッパ524と、本体部521の背面から突設される複数(本実施形態では3本)の挿通軸525と、本体部521の背面から軸支孔522を中心とする円弧状に突設され外周部にギア歯が刻設される円弧状ラック526と、を主に備える。
軸支孔522は、ベース部材510の第1軸部512が挿通される。そのため、回転板520は第1軸部512を中心に揺動される。
レール受け溝523は、伸縮演出装置540のスライドレール545が締結固定される部分であり、伸縮演出装置540はレール受け溝523の延設方向に沿って伸縮動作をする。そのため、回転板520の姿勢により、伸縮演出装置540の移動方向が変化される。
伸縮ストッパ524は、伸縮演出装置540のスライド板544の内側面に上下方向で当接され、スライド板544の移動幅を規制する部分である。レール受け溝523の両側に形成され、その両側においてスライド板544の内側面と当接されることで、スライドレール545が伸縮方向と直交する方向に負荷を受けることを抑制し、耐久性の向上を図ることができる。
挿通軸525は、ベース部材510の第1円弧状孔513a及び第3円弧状孔513cに挿通され回転板520の回転を案内する部分であって、直径が第1円弧状孔513a及び第3円弧状孔513cの幅寸法よりも若干小さく形成される。また、先端に第1円弧状孔513a及び第3円弧状孔513cの幅寸法よりも大径のカラー部材が締結固定されることで、回転板520がベース部材510に引き抜き不能に連結される。
円弧状ラック526は、ベース部材510の第2円弧状孔513bに挿通され、第1駆動装置530の駆動ギア532と歯合される。円弧状ラック526と第1駆動装置530との歯合部分がベース部材510の厚み部分を含んだ領域で形成されるので、複合動作ユニット500の厚み方向の寸法を抑制することができる。
第1駆動装置530は、ベース部材510に締結固定される駆動モータ531と、ベース部材510の第1貫通孔514に挿通され駆動モータ531により軸回転される駆動ギア532と、を主に備える。
次いで、図26及び図27を参照して伸縮演出装置540について説明する。図26は、伸縮演出装置540の正面分解斜視図であり、図27は、伸縮演出装置540の背面分解斜視図である。
図26及び図27に示すように、伸縮演出装置540は、骨格を成す本体部材541と、その本体部材541の背面に一対が締結固定され本体部材541との間に回動アーム部材550の本体部551が挿通される第1案内部材542及び第2案内部材543と、その第1案内部材542及び第2案内部材543の挿通孔542d,543dの延設方向に沿って軸スライド可能に配設されるスライド板544と、そのスライド板544及び回転板520とを連結し一方の端部がレール受け溝523に内嵌され締結固定されるスライドレール545と、本体部材541の正面側に嵩上げされて締結固定される前板部材546と、その前板部材546の軸支部546cに摺動可能に軸支される連結摺動部材547と、その連結摺動部材547に締結固定されると共に前垂れ部548bが本体部材541の前方で移動可能に形成される装飾部材548と、を主に備える。
本体部材541は、骨格を形成する板状の本体部541aと、その本体部541aの幅方向中央部において背面側へ向けて突設される円柱状の突起部541bと、その突起部541bの背面視左側に上下一対で突設される第1嵩上げ締結部541cと、突起部541bの背面視右側に上下一対で突設される第2嵩上げ締結部541dと、本体部541aの背面視左上部に突設される案内締結部541eと、本体部541aの正面側に複数(本実施形態では3箇所)形成され前板部材546が締結固定される締結孔541fと、を主に備える。
突起部541bは、回動アーム部材550の円弧状孔554に挿通される部分である。そのため、突起部541bの直径は、円弧状孔554の内周面の幅寸法より若干小さく形成される。また、突起部541bが円弧状孔554に挿通されるので、回動アーム部材550を揺動させると、本体部材541を連動させることができる。
第1嵩上げ締結部541cは、第1案内部材542を締結固定する部分であり、第2嵩上げ締結部541dは、第2案内部材543を締結固定する部分である。第1嵩上げ締結部541cよりも第2嵩上げ締結部541dの方が縦方向に離れる距離が長いのは、回動アーム部材550に干渉しない位置を選択して配設されるためである。ここで、本実施形態において、回動アーム部材は、その回動軌跡において、本体部材541の正面視左下方を通過しない(図37、図40及び図44参照)。そのため、一対の第2嵩上げ締結部541dの配設間隔を第1嵩上げ締結部541cに比較して広げることが可能となり、第2嵩上げ締結部541dの剛性を向上させることができる。
案内締結部541eは、第1案内部材542の補助締結部542eが締結固定される部分であり、伸縮演出装置540の伸張状態において、回動アーム部材550の上面が案内される部分である。即ち、突起部541bが回動アーム部材550の円弧状孔554に案内されていなくとも、回動アーム部材550の上方への回動には案内締結部541eが回動アーム部材550の上面に案内されるので、回動アーム部材550と伸縮演出部材540とが連動して動作される。
締結孔541fは、前板部材546の締結部546bが締結固定される貫通孔である。
第1案内部材542は、第1嵩上げ締結部541cに締結固定される締結板部542aと、その締結板部542aの上面に背面側へ一段乗り上げた位置から上方向へ延設される背面規制部542bと、その背面規制部542bの左右両側から背面へ壁状に突設される案内レール部542cと、背面規制部542bの上端部において背面側へ突設された部分に上下方向へ貫通形成される挿通孔542dと、背面規制部542bから延設され案内締結部541eに締結固定される補助締結部542eと、を主に備える。
背面規制部542bは、回動アーム部材550の背面に配設される部分であって、回動アーム部材550が背面へ移動し円弧状孔554から突起部541bが脱落することを防止する部分である。
案内レール部542cは、伸縮演出装置540が伸縮動作する場合にスライド板544のレール受け部544dの移動を案内し、スライド板544の第1案内部材542に対する姿勢のずれを抑制する部分である。
挿通孔542dは、スライド板544のスライド棒544eが挿通される孔である。挿通孔542dの内径はスライド棒544eの直径より若干大きく形成されるので、スライド板544は第1案内部材542に対してスライド移動可能に形成される。
第2案内部材543は、第2嵩上げ締結部541dに締結固定される締結板部543aと、その締結板部543aの上面に背面側へ一段乗り上げた位置から上方向へ延設される背面規制部543bと、その背面規制部543bの左右両側から背面へ壁状に突設される案内レール部543cと、背面規制部543bの上端部において背面側へ突設された部分に上下方向へ貫通形成される挿通孔543dと、を主に備える。
背面規制部543bは、回動アーム部材550の背面に配設される部分であって、回動アーム部材550が背面へ移動し円弧状孔554から突起部541bが脱落することを防止する部分である。
案内レール部543cは、伸縮演出装置540が伸縮動作する場合にスライド板544のレール受け部544dの移動を案内し、スライド板544の第1案内部材543に対する姿勢のずれを抑制する部分である。
挿通孔543dは、スライド板544のスライド棒544eが挿通される孔である。挿通孔543dの内径はスライド棒544eの直径より若干大きく形成されるので、スライド板544は第1案内部材543に対してスライド移動可能に形成される。
スライド板544は、矩形板状に形成される本体部544aと、その本体部544aの背面において上下方向へ延設される幅広の窪みが形成される凹設部544bと、その凹設部544bの左右両側の正面において上下方向へ延設される窪みが形成される両端凹設部544cと、その両端凹設部544cの上下端部において正面側へ向けて半円状に突設されるレール受け部544dと、両端凹設部544cの内側で上下方向に延設される円柱状のスライド棒544eと、本体部544aの上下方向略中央に正面へ向けて突設される演出補助壁544fと、凹設部544bの上下端において左右両端で背面へ向けて突設されるストッパ部544gと、を主に備える。
凹設部544bは、回転板520の伸縮ストッパ524に対してスライド板544を案内する部分である。そのため、凹設部544bの内側面の幅は、伸縮ストッパ524の幅寸法よりも若干大きく形成される。
両端凹設部544cは、案内部材542,543の挿通孔542d,543dが穿設される突起部を収容する部分である。これにより、案内部材542,543の挿通孔542d,543dが穿設される突起部を外側から案内することができる。
レール受け部544dは、案内部材542,543の案内レール部542c,543cに収容される部分である。これにより、案内部材542,543のスライド板544に対するぐらつきを抑制することができる。
スライド棒544eは、案内部材542,543の挿通孔542d,543dに挿通される円柱状の棒である。これにより、案内部材542,543はスライド棒544eの延設方向(図26上下方向)にスライド移動可能に形成される。
演出補助部544fは、伸縮演出装置540が伸張状態の時に装飾部材548の後ろ垂れ部548cに当接され、装飾部材548を移動させる部分である。これにより、伸縮演出装置540の外観を変化させることができる。
ストッパ部544gは、回転板520の伸縮ストッパ524に当接され、スライド板544の上下移動端を規定する部分である。
スライドレール545は、市販のミニレール部材である。一方の端部が回転板520のレール受け溝523に沿って締結固定され、その一方の端部の反対側の他方の端部がスライド板544の凹設部544bに締結固定される。
前板部材546は、遊技者から視認可能な演出部分であって、本体部材541と正面視において略同形状に形成される板状の本体部546aと、その本体部546aから背面側へ向けて締結孔541fの形成位置に合わせて突設される締結部546bと、本体部546aの上端部から背面側へ向けて突設される一対の軸支部546cと、を主に備える。
締結部546bは、本体部材541に前板部材546を固定する部分であって、締結孔541fを通してネジ止めすることで締結部546bが締結固定される。
軸支部546cは、連結摺動部材547を摺動可能に軸支する部分である。そのため、軸支部546cの直径は連結摺動部材547の摺動長孔547bの内周面の幅よりも若干小さく形成される。
連結摺動部材547は、板状に形成される本体部547aと、上下に延びる長孔状に形成され前後方向に穿設される一対の摺動長孔547bと、上下方向に穿設される一対の挿通孔547cと、を主に備える。
摺動長孔547bは、前板部材546の軸支部546cが挿通される部分である。そのため、摺動長孔547bの内周面の幅は軸支部546cより若干大きく形成される。摺動長孔547bの内周面の幅より外形の大きいカラー部材が軸支部546cの先端部に締結固定されることで、連結摺動部材547は、前板部材546に引き抜き不能に軸支される。挿通孔547cは、装飾部材548を締結固定する締結ネジが挿通される円形孔である。
装飾部材548は、板状に形成され連結摺動部材547が下方から締結固定される本体部548aと、その本体部548aの前側で下方へ垂下して形成される前垂れ部548bと、本体部548aの後ろ側で下方へ垂下して形成される後ろ垂れ部548cと、を主に備える。
前垂れ部548bは、連結摺動部材547が前板部材546に対して移動すると、前板部材546に被さる状態(図43参照)と、前板部材546とは離間して視認される状態(図37参照)とを形成可能である。これにより、伸縮演出部材540の外観を変化させることができ、演出効果を向上させることができる。
後ろ垂れ部548cは、伸縮演出装置540の伸縮動作によりスライド板544の演出補助壁544fに当接される部分であり、後ろ垂れ部548cが演出補助壁544fに当接されることで装飾部材548が前板部材546に対して移動される。
図24及び図25に戻って説明する。回動アーム部材550は、長尺に棒状に形成される本体部551と、その本体部551の一方の端部に前後方向に穿設される軸支孔552と、その軸支孔552に近接して本体部551の背面側に形成される特殊形状の有底長孔である異形長孔553と、一方の端部の反対側の端部である他方の端部の正面側に形成される円弧状の有底長孔である円弧状孔554と、本体部551の軸支孔552付近において背面側へ突設され先端が鉤状に折り曲げられると共にねじりバネ517aの他方の腕部が係止される係止部555と、を主に備える。
軸支孔552は、ベース部材510の第3軸部517が挿通される円形孔である。そのため、軸支孔552の内径は、第3軸部517の直径より若干大きく形成され、それにより回動アーム部材550が第3軸部517を中心に回動可能に形成される。
異形長孔553は、回動クランク部材570の摺動突起部574が挿通される部分である。異形長孔553の形状については後述する。
円弧状孔554は、伸縮演出装置540の突起部541bが挿通される長孔である。そのため、円弧状孔554の幅寸法は突起部541bの直径より若干大きく形成される。また、円弧状孔554の形成する円弧は、伸縮演出装置540が伸張状態で第1軸部512を中心に揺動された場合に突起部541bが形成する円弧と一致する(図37から図39まで参照)。
また、円弧状孔554は、回転アーム部材550の他方の端部の先端部に開放され、先端部において幅が広がる口先部554aを備える。
第2駆動装置560は、回動クランク部材570を回転させる駆動力を発生させる装置であって、ベース部材510に締結固定される駆動モータ561と、ベース部材510の第2貫通孔516に挿通され駆動モータ561により軸回転される駆動ギア562と、を主に備える。
駆動ギア562は、回動クランク部材570の伝達ギア歯572に歯合される。これにより、駆動ギア562が回転されると、それに伴い回動クランク部材570が回転される。
回動クランク部材570は、回動アーム部材550に駆動力を伝達する部材であって、第2軸部515に軸支されるリング状の本体部571と、その本体部571の外周面に刻設される伝達ギア歯572と、その伝達ギア歯572の正面側に被さる態様で形成される規制傘部573と、本体部571の中心とは偏心した位置で正面側に突設される摺動突起部574と、本体部571の内周径よりも大きな直径で形成され第2軸部515の正面側に締結固定される蓋部575と、を主に備える。
伝達ギア歯572は、第2駆動装置560の駆動ギア562と歯合される。これにより、駆動モータ561の駆動力が回動クランク部材570に伝達される。
規制傘部573は、駆動ギア532が伝達ギア歯572の正面側に位置ずれすることを抑制する。これにより、駆動ギア532と伝達ギア歯572との歯合関係を適正化することができる。
摺動突起部574は、回動アーム部材550の異形長孔553に挿通される部分である。即ち、摺動突起部574と回動アーム部材550の形状との関係により、駆動力の伝達が形成されるか否かが決定される。
蓋部575は、本体部571をベース部材510に引き抜き不能に配設するための部分である。
図28から図31を参照して、回動アーム部材550の揺動と回動クランク部材570の回転との関係について説明する。まず、図28(a)及び図29(a)を参照して、回動アーム部材550の異形長孔553の形状について説明する。
図28(a)及び図29(a)は、回動アーム部材550及び回動クランク部材570の正面図である。なお、図28(a)では、回動アーム部材550が退避位置に配置された状態が図示され、図29(a)では、回動アーム部材550が張出位置に配置された状態が図示され、図28(a)及び図29(a)において、異形長孔553と摺動突起部574とが隠れ線で図示されると共に伸縮演出装置540の前板部材546及び突起部541bが想像線で図示される。
図28(a)に示すように、回動アーム部材550が退避位置に配置された状態において、回動クランク部材570の回転軸および摺動突起部574を結ぶ直線と、回動クランク部材570の回転軸および軸支孔552を結ぶ直線と、が直交される上向き直交状態が形成される。
図29(a)に示すように、回動アーム部材550が張出位置に配置された状態において、回動クランク部材570の回転軸および摺動突起部574を結ぶ直線と、回動クランク部材570の回転軸および軸支孔552を結ぶ直線と、が直交される下向き直交状態を形成可能とされる。なお、図29(a)では、上述した下向き直交状態から回動クランク部材570が正面視反時計回りに所定角度回転された状態が図示される。
異形長孔553は、摺動突起部574が移動することで駆動力が回動アーム部材550に伝達される伝達溝部553aと、その伝達溝部553aの上端部から連結される第1非伝達壁部553bと伝達溝部553aの下端部から連結される第2非伝達壁部553cと、それら第1非伝達壁部553bと第2非伝達壁部553cとを連結する選択壁部553dと、を主に備える。
伝達溝部553aは、図28(a)に示すように、上向き直交状態において回動クランク部材570の摺動突起部574を起点として、左方に直線的に延設される凹設溝である。伝達溝部553aは、回転クランク部材570の摺動突起部574が上向き直交状態から下向き直交状態へ移動可能な長さで形成され、その内周面の形成幅は摺動突起部574の直径より若干大きく形成される。そのため、摺動突起部574が伝達溝部553aを移動する間、回動クランク部材570から駆動力が回動アーム部材550へ伝達される。
第1非伝達壁部553bは、図28(a)に示すように、上向き直交状態において、伝達溝部553aの右端部の上側壁面から、回動クランク部材570の回転軸を中心とした摺動突起部574の外接円に沿って形成される壁部である。即ち、上向き直交状態から回転クランク部材570が正面視時計回りに回転される場合、回動クランク部材570が回動アーム部材550に対して空回りし、回動クランク部材570から駆動力は回動アーム部材550へ伝達されない。
なお、回動アーム部材550が退避位置に配置された状態(図28(a)参照)から回動アーム部材550が正面視反時計回りに回転されるとき、第1非伝達壁部553bの移動方向は回動クランク部材570の回転軸へ向けられる。そのため、摺動突起部574が第1非伝達壁部553bと対向配置される場合、回動アーム部材550が回転されることで摺動突起部574へ与えられる負荷は回動クランク部材570の回転軸へ向けられる。そのため、摺動突起部574が第1非伝達壁部553bに対向配置される場合、回動アーム部材550の回転が防止される。
第2非伝達壁部553cは、図29(a)に示すように、回動アーム部材550が張出位置に配置された状態において、伝達溝部553aの右端部の下側壁面から、回動クランク部材570の回転軸を中心とした摺動突起部574の外接円に沿って形成される壁部である。即ち、下向き直交状態(図29(a)の状態から回動クランク部材570が正面視時計回りに所定量回転された状態)から回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転される場合、回動クランク部材570が回動アーム部材550に対して空回りし、回動クランク部材570から駆動力は回動アーム部材550へ伝達されない。
なお、図29(a)に図示される状態から回動アーム部材550が正面視時計回りに回転されるとき、第2非伝達壁部553bの移動方向は回動クランク部材570の回転軸へ向けられる。そのため、摺動突起部574が第2非伝達壁部553cと対向配置される場合(図29(b)参照)、回動アーム部材550が回転されることで摺動突起部574へ与えられる負荷は回動クランク部材570の回転軸へ向けられる。そのため、摺動突起部574が第2非伝達壁部553cに対向配置される場合、回動アーム部材550の回転が防止される。
選択壁部553dは、第1非伝達壁部553bの正面視右端部と、第2非伝達壁部553cの正面視右端部とを結ぶ滑らかな曲面から形成される壁部であり、第1非伝達壁部553bを延長させた曲線よりも上側に形成される。
選択壁部553dは、第2非伝達壁部553cの右側部分と対向配置され、選択壁部553dの左端部へ向かうほど第2非伝達壁部553cとの距離が離される態様で形成される。そのため、例えば上向き直交状態(図28(a)参照)から、回動クランク部材570を正面視時計回りに回転させる場合、摺動突起部574が第1非伝達壁部553bを越え第2非伝達壁部553cに到達するまでの間の余裕部D(図32(b)参照)では、回動アーム部材550には駆動力が伝達されず、かつ回転の規制も生じない。即ち、回動クランク部材570から回動アーム部材550へ駆動力が伝達されず、かつ摺動突起部574による回動アーム部材550の回転の規制も生じない。
第2非伝達壁部553cの右端部は、軸支孔552を中心とした円弧S1に沿って形成される(円弧S1との形成角度が小さい)一方で、選択壁部553dの右端部は、第2非伝達壁部553cの右端部と円弧S1との形成角度よりも大きな角度で軸支孔552を中心とした円弧S2と交差する態様で形成される。
この場合、摺動突起部574と軸支孔552との距離が変化する場合に、その変化量に対応するため必要となる回動アーム部材550の揺動量が変化する。即ち、摺動突起部574と選択壁部553dの右端部が当接した状態で摺動突起部574と軸支孔552との間隔が所定量変化する場合の回動アーム部材550の揺動量は、摺動突起部574と第2非伝達壁部553cの右端部が当接した状態で所定量変化する場合の回動アーム部材550の揺動量に比較して小さくなる。従って、摺動突起部574が第2非伝達壁部553cに沿って回転するか、選択壁部553dに沿って回転するかで、回動クランク部材570の速度に対する回動アーム部材550の揺動速度を変化させることができる。
図28から図31に戻って説明する。図28から図31は、回動アーム部材550の揺動および回動クランク部材570の回転を時系列で図示した回動アーム部材550及び回動クランク部材570の正面図である。なお、図28(a)では、上述した上向き直交状態が形成され(回動アーム部材550が退避位置に配置され)、図28から図31では、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転される状態が順に図示され、異形長孔553と回動クランク部材570の一部とが隠れ線で図示されると共に伸縮演出装置540の前板部材546及び突起部541bが想像線で図示される。
なお、図28から図31までにおいて、伸縮演出装置540は上下方向に伸縮する姿勢を位置検出センサ(図示せず)で検出され、その姿勢で揺動を停止される。即ち、図28から図31までにおいて、突起部541bは上下方向にのみ移動する。この場合、伸縮演出装置540の揺動は第1駆動装置530(図25参照)の駆動ギア532との間の抵抗により防止される。
図28(a)の状態では、回動クランク部材570が上向き直交状態とされる。この場合において、突起部541bから鉛直下方に距離h1だけ下がった位置に基準水平線Oを設定する。即ち、回動クランク部材570が上向き直交状態とされる場合、突起部541bは基準水平線Oから鉛直上方に距離h1だけ離間した位置に配置される。
図28(a)の状態から、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転される(上向き直交状態(図28(a)参照)から反時計回りに角度T1だけ回転される)と、摺動突起部574が異形長孔553の伝達溝部553aを移動され、突起部541が基準水平線Oから鉛直上方に距離h2(h2<h1)だけ離間した位置に配置される状態(図28(b)参照)に到達する。この間、摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が配置され互いに当接されるので、摺動突起部574から回動アーム部材550へ駆動力が伝達される(伝達領域)。即ち、回動アーム部材550が揺動される。
図28(b)の状態から、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転される(上向き直交状態(図28(a)参照)から反時計回りに角度T2(T2≒180度>T1)だけ回転される)と、摺動突起部574が異形長孔553の伝達溝部553aを移動され(伝達領域)、第2非伝達壁部553cに対面する領域に侵入し、突起部541が基準水平線Oから鉛直上方に距離h3(h3<h2)だけ離間した位置に配置される状態(図29(a)参照)の状態に到達する。即ち、回動アーム部材550が揺動される。
図28(c)の状態から、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転される(上向き直交状態(図28(a)参照)から反時計回りに角度T3(T3>T2)だけ回転される)と、摺動突起部574が異形長孔553の第2非伝達壁部553cに摺動され、図29(b)の状態に到達する。この間、摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が配置されないので、摺動突起部574は回動アーム部材550に対して空転され、摺動突起部574から回動アーム部材550へ駆動力が伝達されず(非伝達領域)、突起部541は基準水平線Oから鉛直上方へ距離h3だけ離間した位置に維持される。
なお、図29(a)及び図29(b)の状態から回動アーム部材550を正面視時計回りに回転させる場合、摺動突起部574が回動クランク部材570の回転軸へ向けて第2非伝達壁部553cにより押される。この場合、摺動突起部574は移動を規制され、それにより、回動アーム部材550の揺動が規制される。そのため、回動アーム部材550は、図29(a)及び図29(b)の状態からの正面視時計回りの回転を防止される。
ここで、回動アーム部材550の回転を図29(a)の状態で停止させる方法としては、回動クランク部材570を停止させることが考えられる。しかし、回動アーム部材550の演出速度を張出位置へ到達する直前まで高速とし回動クランク部材570を急停止させると第2駆動装置560に負荷がかかり、回動クランク部材570の速度低下を緩やかにすると演出効果を向上させることができなくなる。
一方、本実施形態では、図28及び図29に示すように、回動クランク部材570を図29(a)の状態で停止させず図29(b)の状態まで回転させることで、回動アーム部材550の回転を図29(a)の状態で停止させることができる(突起部541を基準水平線Oから鉛直上方へ距離h3だけ離間した位置に停止させることができる)。これにより、回動アーム部材550を張出位置に到達させるまで回動クランク部材570の速度を維持し、その後、図29(a)の状態から図29(b)の状態までに回動クランク部材570を減速させることができる。そのため、回動クランク部材570を急停止させる必要がない。従って、回動アーム部材550の演出効果の向上と、第2駆動装置560の耐久性の向上との両立を図ることができる。
図29(b)の状態から、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転される(上向き直交状態(図28(a)参照)から反時計回りに角度T4(T4≒270度>T3)だけ回転される)と、摺動突起部574が異形長孔553の第2非伝達壁部553cに摺動され、図30(a)の状態に到達する。この間、摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が配置されないので、摺動突起部574は回動アーム部材550に対して空転され、摺動突起部574から回動アーム部材550へ駆動力が伝達されず(非伝達領域)、突起部541は基準水平線Oから鉛直上方へ距離h3だけ離間した位置に維持される。
即ち、回動クランク部材570が図29(a)に示す状態から、反時計回りに1/4周回転される間、回動アーム部材550が同じ姿勢に維持され、突起部541bが同じ位置に維持される。なお、回動アーム部材550が同じ姿勢に維持され、突起部541bが同じ位置に維持される長さは本実施形態では回動クランク部材570が1/4周回転される間とされたが、それに限定される必要はない。前板部材546が下方位置に配置され続ける長さは、異形長孔553の第2非伝達壁部553c(図28(a)参照)の長さを変えることで変化させることができる。例えば、第2非伝達壁部553cを本実施形態より長くすることで、前板部材546が下方位置に配置され続ける長さを本実施形態より長くすることができる。
図30(a)の状態から、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転される(上向き直交状態(図28(a)参照)から反時計回りに角度T5(T5>T4)だけ回転される)と、摺動突起部574が異形長孔553の選択壁部553dを押し上げ、突起部541が基準水平線Oから鉛直上方に距離h2(h2>h3)だけ離間した位置に配置される状態(図30(b)参照)に到達する。この間、摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が配置され互いに当接されるので、摺動突起部574から回動アーム部材550へ駆動力が伝達される(伝達領域)。
即ち、回動アーム部材550及び回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転される場合には、選択壁部553dと摺動突起部574とが当接されることで、回動アーム部材550へ駆動力が伝達される(伝達領域)。
図30(b)の状態から、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転される(上向き直交状態(図28(a)参照)から反時計回りに角度T6(T6>T5)だけ回転される)と、摺動突起部574が異形長孔553の第1非伝達壁部553bに対面する領域に侵入し、突起部541が基準水平線Oから鉛直上方に距離h1(h1>h2)だけ離間した位置に配置される状態(図31参照)に到達する。この間、摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が配置され互いに当接されるので、摺動突起部574から回動アーム部材550へ駆動力が伝達される(伝達領域)。
図31の状態から、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転されると、摺動突起部574が異形長孔553の第1非伝達壁部553bに対面する領域を移動され、図28(a)の状態に到達する。この間、摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が配置されないので、摺動突起部574は回動アーム部材550に対して空転され、摺動突起部574から回動アーム部材550へ駆動力が伝達されない(非伝達領域)。
なお、図31の状態から回動アーム部材550を正面視反時計回りに回転させる場合、摺動突起部574が回動クランク部材570の回転軸へ向けて第2非伝達壁部553cにより押される。この場合、摺動突起部574は移動を規制され、それにより、回動アーム部材550の揺動が規制される。そのため、回動アーム部材550は、図31の状態からの正面視反時計回りの回転を防止される。
ここで、回動アーム部材550の回転を図31の状態で停止させる方法としては、回動クランク部材570を停止させることが考えられる。しかし、回動アーム部材550の演出速度を退避位置へ到達する直前まで高速とし回動クランク部材570を急停止させると第2駆動装置560に負荷がかかり、回動クランク部材570の速度低下を緩やかにすると演出効果を向上させることができなくなる。
一方、本実施形態では、回動クランク部材570を図31の状態で停止させず図28(a)の状態まで回転させることで、回動アーム部材550の回転を図31の状態で停止させることができる。これにより、回動アーム部材550を張出位置に到達させるまで回動クランク部材570の速度を維持し、その後、図31の状態から図28(a)の状態までに回動クランク部材570を減速させることができる。そのため、回動クランク部材570を急停止させる必要がない。従って、回動アーム部材550に連動される伸縮演出装置540の演出効果の向上と、第2駆動装置560の耐久性の向上との両立を図ることができる。
図28から図31に示すように、回動クランク部材570を同じ方向へ1回転させることで、回動アーム部材550を退避位置から張出位置の間を往復で揺動させることができる。
これらのことから、図28から図31に示すように回動クランク部材570を反時計回りに等速で回転させる場合、回動クランク部材570の回転周期の半分の期間で突起部541bが基準水平線Oから鉛直上方に距離h1だけ離間した位置から、距離h3(h3<h1)だけ離間した位置まで下降移動される。それに続く回転周期の1/4の期間で突起部541bが基準水平線Oから鉛直上方に距離h3だけ離間した位置に維持され、それに続く回転周期の1/4の期間で突起部541bが基準水平線Oから鉛直上方に距離h3だけ離間した位置から、距離h1(h1>h3)だけ離間した位置まで上昇移動される。これにより、回動クランク部材570が等速で移動される場合であっても突起部541bの移動速度(伸縮演出装置540の伸縮方向への移動速度)を2倍に変化させることができる。
ここで、回動アーム部材550の退避位置において、回動アーム部材550及び回動クランク部材570は上向き直交状態を形成可能とされ(図28(a)参照)、回動アーム部材550の張出位置において、回動アーム部材550及び回動クランク部材570は下向き直交状態を形成可能とされる(図29(a)参照)。なお、図29(a)の状態から、回動クランク部材570を正面視時計回りに所定量回転させることで下向き直交状態を形成可能である。
そのため、本実施形態において、回動アーム部材550を退避位置から張出位置に揺動させるために、回動クランク部材570が半周(180度)回転される。そのため、回動クランク部材570が等速で回転される場合、回動アーム部材550が退避位置から張出位置まで揺動されるのに要する時間(図28(a)から図29(a)まで参照)と、張出位置から退避位置まで揺動されるのに要する時間(図29(a)から図31を経て図28(a)まで参照)とを同等にすることができる。
図32から図35を参照して、回動アーム部材550の揺動と回動クランク部材570の回転との関係について説明する。図32から図35は、回動アーム部材550の揺動および回動クランク部材570の回転を時系列で図示した回動アーム部材550及び回動クランク部材570の正面図である。なお、図32から図35では、回動クランク部材570が正面視時計回りに回転される状態が図示され、異形長孔553と回動クランク部材570の一部とが隠れ線で図示されると共に伸縮演出装置540の前板部材546及び突起部541bが想像線で図示される。
なお、図32(a)では、上述した上向き直交状態が形成され(回動アーム部材550が退避位置に配置され)、図32(b)から図35では、図32(a)から回動アーム部材550及び回動クランク部材570が所定量回転された状態が時系列に沿って順に図示される。
図32(a)の状態では、回動クランク部材570が上向き直交状態とされる。この場合において、突起部541bは基準水平線Oから鉛直上方に距離h1だけ離間した位置に配置される。
図32(a)の状態から、回動クランク部材570が正面視時計回りに回転される(上向き直交状態(図32(a)参照)から時計回りに角度T11だけ回転される)と、摺動突起部574が異形長孔553の第1非伝達壁部553bに対面する領域を移動され、図32(b)の状態に到達する。この間、摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が配置されないので、摺動突起部574は回動アーム部材550に対して空転され、摺動突起部574から回動アーム部材550へ駆動力が伝達されず(非伝達領域)、突起部541は基準水平線Oから鉛直上方へ距離h1だけ離間した位置に維持される。
なお、図32(b)の状態から回動アーム部材550を正面視反時計回りに回転させる場合、摺動突起部574は移動を規制されるので、回動アーム部材550の揺動が規制される。そのため、回動アーム部材550は、図32(b)の状態からの正面視反時計回りの回転を防止される。
図32(b)の状態から、回動クランク部材570が正面視時計回りに回転される(上向き直交状態(図32(a)参照)から時計回りに角度T12(T12>T11)だけ回転される)と、図33(a)に示すように、摺動突起部574が異形長孔553の内周面と若干離間され、回動アーム部材550は重力の作用により下方へ揺動される。この場合、図32(b)の状態から摺動突起部574が第1非伝達壁部553bを越え第2非伝達壁部553cに到達するまでの間の余裕部Dでは、回動アーム部材550には駆動力が伝達されず(非伝達領域)、突起部541は基準水平線Oから鉛直上方へ距離h4(h4<h1)だけ離間した位置に配置される。
図33(a)の状態から、回動クランク部材570が正面視時計回りに回転される(上向き直交状態(図32(a)参照)から時計回りに角度T13(T13>T12)だけ回転される)と、図33(b)に示すように、重力の作用で下方へ揺動する回動アーム部材550の異形長孔553の第2非伝達壁部553cに摺動突起部574が当接される。即ち、図33(b)の状態から、図34(a)の状態までは、回動アーム部材550に駆動力が伝達される(伝達領域)。図33(b)の状態では、突起部541は基準水平線Oから鉛直上方へ距離h5(h5<h4)だけ離間した位置に配置される。
図33(b)の状態から、回動クランク部材570が正面視時計回りに回転される(上向き直交状態(図32(a)参照)から時計回りに角度T14(T14≒90度>T13)だけ回転される)と、摺動突起部574が異形長孔553の第2非伝達壁部553cの右端部に収容され、突起部541が基準水平線Oから鉛直上方に距離h3だけ離間した位置に配置される状態(図34(a)参照)に到達する。この間、摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が当接され、回動アーム部材550へ駆動力が伝達される(伝達領域)。
ここで、図32(b)から図34(a)までに示される回動クランク部材570の回転と、図30(a)から図31までに示される回動クランク部材570の回転とは、回動クランク部材570の回転方向が異なるが、回動クランク部材570の回転領域(位相)は同じである。
この場合に、図32(b)から図34(a)までに示される回動クランク部材570の回転では、回動クランク部材570の摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が当接されない間は回動アーム部材550に駆動力が伝達されず(非伝達領域)、一方で、図30(a)から図31までに示される回動クランク部材570の回転では、常時、回動アーム部材550に駆動力が伝達される(伝達領域)。
従って、回動クランク部材570の回転方向により、回動アーム部材550への駆動力の伝達の態様を変化させることができる。これにより、回動クランク部材570の回転方向を反転させることで、回動アーム部材550の演出態様を2通り形成することができる。
即ち、本実施形態では、回動クランク部材570の摺動突起部574が図32(a)と図34(a)との間を回転する場合に、回動クランク部材570が正面視時計回りに回転されると、回動アーム部材550は、摺動突起部574が異形長孔553の内周面と当接するまでは、重力加速度に依存した自由落下で揺動される(非伝達領域)。一方で、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転されると、回動アーム部材550は回転クランク部材570の回転速度に依存した速度で揺動される(伝達領域)。
これにより、回動クランク部材570の回転速度が等速とされる場合でも、回動クランク部材570の回転方向を反転させることで、回動クランク部材570が同一位相に配置される場合の回動アーム部材550の揺動速度のバリエーションを増やすことができる。
また、回動アーム部材550の揺動速度のバリエーションの増加は、異形長孔553の形状(余裕部Dの形成)により達成されるので、回動アーム部材550への駆動力の伝達の態様を変化させるための切換スイッチなど他の部材を不要とでき、部材コストを低減することができる。
本実施形態では、余裕部Dが回動アーム部材550の軸支孔552側に形成される。そのため、余裕部Dが回動クランク部材570の回転軸に対して軸支孔552の反対側に形成される場合に比較して、摺動突起部574が余裕部Dを所定距離通過する間に突起部541bが下方へ移動する距離を長くすることができる。そのため、回動クランク部材570の余裕部Dの形成範囲を抑制しつつ、回動クランク部材570の回転方向を異ならせた場合の回動アーム部材550の動作の変化を顕著にすることができる。
図34(a)の状態から、回動クランク部材570が正面視時計回りに回転される(上向き直交状態(図32(a)参照)から時計回りに角度T15(T15>T14)だけ回転される)と、摺動突起部574が異形長孔553の第2非伝達壁部553cに摺動され、図34(b)の状態に到達する。この間、摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が配置されないので、摺動突起部574は回動アーム部材550に対して空転され、摺動突起部574から回動アーム部材550へ駆動力が伝達されず(非伝達領域)、突起部541は基準水平線Oから鉛直上方へ距離h3だけ離間した位置に維持される。
なお、図34(b)の状態から回動アーム部材550を正面視時計回りに回転させる場合、摺動突起部574が回動クランク部材570の回転軸へ向けて第2非伝達壁部553cにより押される。この場合、摺動突起部574は移動を規制されるので、回動アーム部材550の揺動が規制される。そのため、回動アーム部材550は、図34(b)の状態からの正面視時計回りの回転を防止される。
図34(b)の状態から、回動クランク部材570が正面視時計回りに回転される(上向き直交状態(図32(a)参照)から時計回りに角度T16(T16≒180度>T15)だけ回転される)と、摺動突起部574が異形長孔553の第2非伝達壁部553cに摺動され、図35(a)の状態に到達する。この間、摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が配置されないので、摺動突起部574は回動アーム部材550に対して空転され、摺動突起部574から回動アーム部材550へ駆動力が伝達されず(非伝達領域)、突起部541は基準水平線Oから鉛直上方へ距離h3だけ離間した位置に維持される。
図35(a)の状態から、回動クランク部材570が正面視時計回りに回転される(上向き直交状態(図32(a)参照)から時計回りに角度T17(T17>T16)だけ回転される)と、摺動突起部574が伝達溝部553aを移動され(伝達領域)、突起部541が基準水平線Oから鉛直上方に距離h2(h2>h3)だけ離間した位置に配置される状態(図35(b)参照)に到達する。即ち、回動アーム部材550が揺動される。
ここで、回動クランク部材570の回転と回動アーム部材550の揺動とが常時連動する場合、回動クランク部材570と回動アーム部材550との始動のタイミングをずらすことが困難であった。そのため、回動クランク部材570と回動アーム部材550とを始動させる際には、各部材の慣性に打ち勝つ力の剛性分の大きな力を発生させることが必要となる。そのため、駆動力の大きな駆動装置が必要となり、駆動装置が大型化する恐れがあった。
一方、本実施形態では、回動クランク部材570と回動アーム部材550との始動のタイミングをずらすことができる。即ち、例えば、図34(b)の状態から図35(a)の状態までは回動クランク部材570のみを回転させ、図35(a)の状態から図35(b)の状態に到達するまでに回動クランク部材570に連動させることで回動アーム部材550を始動させることができる。
これにより、回動アーム部材550の始動には回動クランク部材570の勢いを利用することができるので、第2駆動装置560に必要な駆動力を抑制することができる。従って、第2駆動装置560を小型化することができる。
図35(b)の状態から、回動クランク部材570が正面視時計回りに回転されると、摺動突起部574が伝達溝部553aを移動され、図32(a)の状態に到達する。この間、摺動突起部574の移動方向に異形長孔553の内周面が配置され互いに当接されるので、摺動突起部574から回動アーム部材550へ駆動力が伝達される(伝達領域)。即ち、回動アーム部材550が揺動される。
これらのことから、図32から図35に示すように回動クランク部材570を時計回りに等速で回転させる場合、回動クランク部材570の回転周期の1/4の期間で突起部541bが基準水平線Oから鉛直上方に距離h1だけ離間した位置から、距離h3(h3<h1)だけ離間した位置まで下降移動される。それに続く回転周期の1/4の期間で突起部541bが基準水平線Oから鉛直上方に距離h3だけ離間した位置に維持され、それに続く回転周期の半分の期間で突起部541bが基準水平線Oから鉛直上方に距離h3だけ離間した位置から、距離h1(h1>h3)だけ離間した位置まで上昇移動される。これにより、回動クランク部材570が等速で移動される場合であっても突起部541bの移動速度(伸縮演出装置540の伸縮方向への移動速度)を2倍に変化させることができる。
また、回動アーム部材550の移動速度は、下降移動する場合は部分的に重力加速度で増速され、その一方で、上昇移動する場合は常時回動クランク部材570の回転速度に沿った速度とされる。これにより、突起部541b(伸縮演出装置540)の速度変化の態様を突起部541b(伸縮演出装置540)の移動の向きにより変化させることができる。
図36を参照して、回動クランク部材570が時計回り又は反時計回りに回転される場合の突起部541b(伸縮演出装置540)の基準水平線Oからの距離の変化について説明する。
図36は、突起部541b(図28(a)参照)の基準水平線Oからの距離を表すグラフである。図36に示すグラフは、横軸に、回動クランク部材570の上側直交状態(図28(a)参照)を左端として、そこから右方へ増大する態様で揺動角度が示され、縦軸に、突起部541bの基準水平線Oからの距離が示される。
図36では、回動クランク部材570が反時計周りに回転される場合の突起部541bの基準水平線Oからの距離が曲線CC1で示され、回動クランク部材570が時計周りに回転される場合の突起部541bの基準水平線Oからの距離が曲線CW1で示される。なお、曲線CC1,CW1は、それぞれ図28から図35までの突起部541bの状態と対応しており、各曲線の、回動クランク部材570が同一位相に配置される場合の比較のために、曲線CC1を左右反転させた曲線が曲線CC2として想像線で図示される。曲線CC1,CW1の比較により、上述したように、回動クランク部材570の回転方向が反転することで、回動アーム部材550により上下移動される突起部541bの上昇速度および下降速度を変化させることができる。
なお、曲線CW1の比較対象として、回動クランク部材570が時計回りに回転する場合に摺動突起部574が第2非伝達壁部553c(図28(a)参照)に当接するまでは回動アーム部材550(図28(a)参照)が退避位置に配置される場合を曲線CW2として破線で図示する。なお、これは、ねじりバネ517a(図23参照)が回動アーム部材550を上向きに揺動させる付勢力が大きく設定される場合に対応する。この場合、回動アーム部材550が退避位置に配置される期間をより長くすることができる。
曲線CC1,CW1において、突起部541b(図28(a)参照)の水平基準線Oからの距離が変化されずに維持される角度範囲N1において、回動クランク部材570と回動アーム部材550(図28(a)参照)との間で駆動力が伝達されない非伝達領域が形成される。なお、この角度範囲N1の幅は、第2非伝達壁部553c(図28(a)参照)の形成幅により調整することができる。
また、曲線CW1において、回動クランク部材570(図28(a)参照)の摺動突起部574が回動アーム部材550の異形長孔553(図28(a)参照)に当接するまでの角度範囲N2では、回動クランク部材570と回動アーム部材550との間で駆動力が伝達されない非伝達領域が形成される。なお、この角度範囲N2の幅は、第1非伝達壁部553b(図28(a)参照)の形成幅により調整することができる。
図36に示すように、回動クランク部材570(図28(a)参照)が同一位相に配置される場合である角度T11から角度T14までと、角度T4から角度T6までとの間において、曲線CW1と曲線CC1との形状が異なっている(曲線CW1と曲線CC1を左右反転させた曲線CC2とが重ならない)。
即ち、角度T4から角度T6までの間を回動クランク部材570(図28(a)参照)が回動アーム部材550(図28(a)参照)を持ち上げる態様で回転する場合の方が、角度11から角度T14までの間を回動クランク部材570が回動アーム部材550を押し下げる態様で回転する場合に比較して緩やかな曲線となる。
これは、曲線CW1では摺動突起部574(図28(a)参照)が異形長孔553の第2非伝達壁部553c(図28(a)参照)に当接して回動アーム部材550(図28(a)参照)が回転され、曲線CC1では、摺動突起部574が異形長孔553の選択壁部553d(図28(a)参照)に当接して回動アーム部材550が回転されることによる。
図28(a)に戻って説明する。上述したように、異形長孔553において、第2非伝達壁部553cの右端部は、軸支孔552を中心とした円弧S1に沿って形成される(円弧S1との形成角度が小さい)一方で、選択壁部553dの右端部は、第2非伝達壁部553cの右端部と円弧S1との形成角度よりも大きな角度で軸支孔552を中心とした円弧S2と交差する態様で形成される。
この場合、摺動突起部574と軸支孔552との距離が変化する場合に、その変化量に対応するため必要となる回動アーム部材550の揺動量が変化する。即ち、摺動突起部574と選択壁部553dの右端部が当接した状態で摺動突起部574と軸支孔552との間隔が所定量変化する場合の回動アーム部材550の揺動量は、摺動突起部574と第2非伝達壁部553cの右端部が当接した状態で所定量変化する場合の回動アーム部材550の揺動量に比較して小さくなる。
従って、図36に示すように、回動クランク部材570を等速で回転させる場合であっても、回動クランク部材570の回転方向によって、回動クランク部材570が同一位相に配置される場合の突起部541bの移動速度を変化させることができる。
図28から図35では、回動クランク部材570が一方向に回転される場合を説明したが、回動クランク部材570の回転方向を途中で反転させることも可能である。回動クランク部材570の回転方向を反転させるタイミングとしては、摺動突起部574が第1非伝達壁部553bに対向配置される状態(例えば図28(a)、図31、図32(a)及び図32(b)参照、回動アーム部材550は退避位置に配置される)や、摺動突起部574が第2非伝達壁部553cに対向配置される状態(例えば図29(a)、図29(b)、図34(b)及び図35(a)参照、回動アーム部材550は張出位置に配置される)が好ましい。
この場合、回動クランク部材570の回転方向に回動アーム部材550が当接されないので、回動クランク部材570の回転方向反転時に回動アーム部材550から回動クランク部材570に負荷される抵抗を抑制することができる。また、本実施形態では、回動アーム部材550が退避位置に配置される状態と、張出位置に配置される状態とを検出する位置検出センサ(図示せず)が配設されるので、回動アーム部材550が退避位置または張出位置に配置された状態で回動クランク部材570の回転方向を反転する制御を容易とすることができる。
回転クランク部材570の回転方向を反転させることで、伸縮演出装置540の上下方向への往復動作のバリエーションを増やすことができる。
例えば、回動アーム部材550が退避位置に配置される状態(図28(a)参照)から、回動クランク部材570が反時計回りに半周回転され(図29(a)参照)、次いで、回動クランク部材570の回転の向きが反転され、時計回りに半周回転されることで、回動アーム部材550が退避位置に配置される場合が例示される(図28(a)参照)。即ち、摺動突起部574が軸支孔552の反対側を移動される場合である。
この場合、伸縮演出装置540の突起部541bは、回転クランク部材570の回転周期の半分の期間で基準水平線Oから鉛直上方に距離h1だけ離間した位置から、基準水平線Oから距離h3(h3<h1)だけ離間した位置まで下降移動する。この場合、突起部541bは、横軸が0度から180度までの曲線CC1(図36参照)にそって下降移動する。次いで、突起部541bは、回転クランク部材570の回転周期の半分の期間で基準水平線Oから鉛直上方に距離h3だけ離間した位置から、基準水平線Oから距離h1(h1>h3)だけ離間した位置まで上昇移動する。この場合、突起部541bは、横軸が180度から360度までの曲線CW1(図36参照)にそって上昇移動する。
これにより、回動クランク部材570が等速で回転する場合、伸縮演出装置540の突起部541bが所定距離(h1−h3)だけ下降移動する期間と、所定距離(h1−h3)だけ上昇移動される期間とを同じにすることができる。
また、例えば、回動アーム部材550が退避位置に配置される状態(図32(a)参照)から、回動クランク部材570が時計回りに1/4周回転され(図34(a)参照)、次いで、回動クランク部材570の回転の向きが反転され、反時計回りに1/4周回転されることで、回動アーム部材550が退避位置に配置される場合が例示される(図32(a)参照)。即ち、摺動突起部574が軸支孔552に近接される側を移動する場合である。
この場合、伸縮演出装置540の突起部541bは、回転クランク部材570の回転周期の1/4の期間で基準水平線Oから鉛直上方に距離h1だけ離間した位置から、基準水平線Oから距離h3(h3<h1)だけ離間した位置まで下降移動する。この場合、突起部541bは、横軸が0度から90度までの曲線CW1(図36参照)にそって下降移動する。次いで、突起部541bは、回転クランク部材570の回転周期の1/4の期間で基準水平線Oから鉛直上方に距離h3だけ離間した位置から、基準水平線Oから距離h1(h1>h3)だけ離間した位置まで上昇移動する。この場合、突起部541bは、横軸が270度から360度までの曲線CC1(図36参照)にそって上昇移動する。
これにより、回動クランク部材570が等速で回転される場合、伸縮演出装置540の突起部541bが所定距離(h1−h3)だけ下降移動される期間と、所定距離(h1−h3)だけ上昇移動される期間とを同じにすることができると共に、その所定期間を摺動突起部574が軸支孔552の反対側を移動される場合に比較して短くすることができる。
また、伸縮演出装置540の突起部541bが下降移動する場合は部分的に(角度T11から角度T13まで)自由落下とすることができ、その一方で、伸縮演出装置540の突起部541bが上昇移動する場合は常時回動クランク部材570の回転速度に沿った速度で移動される。そのため、回動クランク部材570の回転速度が同じ場合でも、伸縮演出装置540の突起部541bの移動方向によって、回動クランク部材570が同一位相に配置される場合の伸縮演出装置540の移動態様(速度変化の度合い)を変化させることができる。換言すれば、図36の角度T11から角度T13までの範囲における曲線CW1と曲線CC2とを異ならせることができる。
次いで、伸縮演出装置540の伸縮状態の違いによる揺動角度の違いについて説明する。まず、伸縮演出装置540が伸張状態を形成する場合の揺動角度について説明する。
図37から図39は、複合動作ユニット500の正面図である。なお、図37から図39では、伸縮演出装置540が伸張状態を形成する場合(回動アーム部材550が張出位置に配置される場合)が図示される。また、図37では、ベース部材510の第1軸部512の鉛直線上に伸縮演出装置540の突起部541bが配置される状態が図示され、図38では、図37の状態から突起部541が正面視反時計回りに移動される状態が図示され、図39では、図37の状態から突起部541が正面視時計回りに移動される状態が図示される。なお、図37から図39に図示される回動アーム部材550の姿勢は、図29(a)に図示される回動アーム部材550の姿勢と同じである。そのため、図37から図39において、前板部材546は、基準水平線Oから上方に距離h3だけ離間した位置に配置される。
図37から図39に図示されるように、伸縮演出装置540が伸張状態を形成する場合の突起部541bの揺動軌跡は、第1軸部512を中心とした円弧状に形成され、回動アーム部材550の円弧状孔554の延設方向に沿う。換言すれば、突起部541bの揺動軌跡に沿って円弧状孔554が延設される。そのため、突起部541bの揺動方向に対面して円弧状孔554の内側面が配置されることはなく、円弧状孔554が突起部541bの揺動を停止させるストッパとして働くことは無い。従って、突起部541bの揺動角度は、回転板520の揺動の規制の仕方に依存する。即ち、回転板520が第3ストッパ部518cに当接されるまで揺動可能であり、突起部541bは正面視反時計回りに揺動角度θ1まで揺動可能とされ、回転板520が第2ストッパ部518bに当接されるまで揺動可能であり、突起部541bは正面視時計回りに揺動角度θ2まで揺動可能とされる。
ここで、図39に示すように、突起部541bが正面視左側に揺動角度θ2で揺動されると、突起部541bが回動アーム部材550の円弧状孔554から離間する。この場合、伸縮演出装置540は回動アーム部材550から独立して伸縮方向へ移動され、突起部541bが円弧状孔554へ復帰できなくなり、動作不良をおこす恐れがある。
これに対し、本実施形態では、突起部541bが回動アーム部材550の円弧状孔554から離間した状態でも、伸縮演出装置540の第1嵩上げ締結部541c及び案内締結部541eが回動アーム部材550と係合可能に配設されることで、突起部541bと円弧状孔554との位置合わせを行うことができる。即ち、伸縮演出装置540が回動アーム部材550と独立して伸縮方向へ移動されることを防止することができる。
これにより、突起部541bが円弧状孔554へ復帰できなくなる不良を解消しながら、回動アーム部材550の長さを短くすることができる。これにより、回動アーム部材550の配設領域を抑制し、その分、他の可動部材の配設領域を確保することができる。また、回動アーム部材550の材料コストを削減することができる。
また、突起部541bが円弧状孔554から離間した状態(図39参照)で回動アーム部材550が揺動すると、突起部541bと円弧状孔554との位置関係がずれ、突起部541bが円弧状孔554へ復帰することが困難となり、動作不良を起こす恐れがある。これに対し、本実施形態では、摺動突起部574が異形長孔553に当接することで、回動アーム部材550の揺動が防止される(図39参照)。
それに加えて、摺動突起部574の回転軸から遠い側の点(回転軸から最も遠い点)の移動軌跡が、摺動突起部574と当接される異形長孔553の側面に沿って形成される(図39参照)ので、回動アーム部材550の姿勢を維持したまま、回動クランク部材570を図39の状態から反時計回りに回転させることができる。
ここで、例えば、図28から図31までに示すように、回動クランク部材570が反時計回りに回転する場合において、回動アーム部材550が張出位置に配置された直後(図29(a)参照)に突起部541bが円弧状孔554から離間され、次いで、回動クランク部材570が図30(a)に示す状態に配置されるまでに突起部541bが円弧状孔554に復帰する場合を考える。突起部541bが円弧状孔554に復帰した後であれば、回動クランク部材570が更に回転され、図30(b)に示す状態まで回動アーム部材550が揺動しても、突起部541bが円弧状孔554に復帰できなくなるという動作不良が起きることはない。
この場合、回動アーム部材550と伸縮演出装置540とをそれぞれ揺動動作させる場合に、突起部541bと円弧状孔554との位置関係に合わせて回動クランク部材570を停止制御または始動制御する必要は無く、回動クランク部材570の回転を継続できる。換言すれば、制御する必要があるのは伸縮演出装置540の揺動のタイミングのみで、回動クランク部材570は制御の必要はなく、回転を継続させたままとしておけば良い。そのため、伸縮演出装置540と回動アーム部材550とを異なったタイミングでそれぞれ揺動させる複雑な動作の制御負担を抑制することができる。
なお、本実施形態では、円弧状孔554の開口端部(図39左端部)へ向かうほど、円弧状孔554の幅を広げられる口先部554aが形成される。これにより、突起部541bが円弧状孔554へ復帰する場合の位置ずれ(伸縮演出装置540の伸縮方向の位置ずれ)を大きく許容することができ、第1嵩上げ締結部541c及び案内締結部541eの回動アーム部材550とのクリアランスを大きく確保することができる。
次いで、伸縮演出装置540が伸張状態と縮小状態との間の状態である中間状態を形成する場合の揺動角度について説明する。伸縮演出装置540が伸張状態とされる状態(図37参照)から、回動アーム部材550を時計回りに揺動させることで、突起部541bが円弧状孔554に対応して移動し、伸縮演出装置540が中間状態を形成する。
図40から図42は、複合動作ユニット500の正面図である。なお、図40から図42では、伸縮演出装置540が中間状態を形成する場合(回動アーム部材550が張出位置と退避位置との中間に配置される場合)が図示される。この場合、突起部541bの揺動軌跡が形成する半径は、伸縮演出装置540が伸張状態を形成する場合(図37から図39参照)より短い。即ち、突起部541bの揺動軌跡が伸縮演出装置540の伸縮方向の状態により変化される。
また、図40では、ベース部材510の第1軸部512の鉛直線上に伸縮演出装置540の突起部541bが配置される状態が図示され、図41では、図40の状態から突起部541が正面視反時計回りに移動される状態が図示され、図42では、図40の状態から突起部541が正面視時計回りに移動される状態が図示される。
なお、図40から図42に図示される回動アーム部材550の姿勢は、図28(b)に図示される回動アーム部材550の姿勢と同じである。そのため、図40から図42において、前板部材546は、基準水平線Oから上方に距離h2だけ離間した位置に配置される。
このとき、前板部材546は、回動アーム部材550が揺動することで円弧状孔554が上方に移動するのに連動して従動する。そのため、円弧状孔554には、後述するように突起部541bの揺動角度を変化させる機能と、回動アーム部材550及び前板部材546を連動させる機能とを合わせ持つ。これにより、機能の集約化を図ることができる。
図40から図42に図示されるように、伸縮演出装置540が中間状態を形成する場合の突起部541bの揺動軌跡と、回動アーム部材550の円弧状孔554の形状とは、曲率半径の中心軸は共に上側で一致するものの、曲率半径や姿勢が互いに異なる。突起部541bの揺動軌跡と円弧状孔554とは、形成角度α1(図42参照)で交差するので、円弧状孔554が突起部541bの揺動を停止させるストッパとして働く(図42参照)。
図41に示すように、回転板520が正面視反時計回りに回転される場合、突起部541bは円弧状孔554とは当接されない。即ち、回転板520が第3ストッパ部518cに当接されるまで揺動可能とされるので、突起部541bは正面視反時計回りに揺動角度θ3まで揺動可能とされる(角度θ3=角度θ1)。
図42に示すように、回転板520が正面視時計回りに回転される場合、突起部541bは円弧状孔554の第1ストッパ面554bで当接される。この状態において、案内締結部541eが回動アーム部材550の上側面に当接され、伸縮演出装置540の伸縮方向への状態変化が防止されるので、図42の状態において伸縮演出装置540の揺動が停止される。
即ち、回転板520は第3ストッパ部518cに当接されるまでは揺動されず、突起部541bは正面視時計回りに揺動角度θ4まで揺動可能とされる(角度θ4<角度θ2)。従って、伸縮演出装置540の伸縮方向の状態により、突起部541bの揺動角度を変化させることができる。これにより、伸縮演出装置540の伸縮状態を異ならせることで、伸縮演出装置540の揺動角度のバリエーションを増やすことができる。なお、図42の状態において、案内締結部541eが回動アーム部材550の本体部551に当接される。
次いで、伸縮演出装置540が縮小状態を形成する場合の揺動角度について説明する。伸縮演出装置540が中間状態とされる状態(図40参照)から、回動アーム部材550を時計回りに揺動させることで、突起部541bが円弧状孔554に対応して移動し、伸縮演出装置540が縮小状態を形成する。
図43から図45は、複合動作ユニット500の正面図である。なお、図43から図45では、伸縮演出装置540が縮小状態を形成する場合(回動アーム部材550が退避位置に配置される場合)が図示される。この場合、突起部541bの揺動軌跡が形成する半径は、伸縮演出装置540が中間状態を形成する場合(図40から図42参照)より短い。即ち、突起部541bの揺動軌跡が伸縮演出装置540の伸縮方向の状態により変化される。
また、図43では、ベース部材510の第1軸部512の鉛直線上に伸縮演出装置540の突起部541bが配置される状態が図示され、図44では、図43の状態から突起部541が正面視反時計回りに移動される状態が図示され、図45では、図43の状態から突起部541が正面視時計回りに移動される状態が図示される。なお、図43から図45に図示される回動アーム部材550の姿勢は、図28(a)に図示される回動アーム部材550の姿勢と同じである。そのため、図43から図45において、前板部材546は、基準水平線Oから上方に距離h1だけ離間した位置に配置される。
このとき、前板部材546は、回動アーム部材550が揺動することで円弧状孔554が上方に移動するのに連動して従動する。そのため、円弧状孔554には、突起部541bの揺動角度を変化させる機能と、回動アーム部材550及び前板部材546を連動させる機能とを合わせ持つ。これにより、機能の集約化を図ることができる。
図43から図45に図示されるように、伸縮演出装置540が縮小状態を形成する場合の突起部541bの揺動軌跡と、回動アーム部材550の円弧状孔554の形状とが互いに異なり、曲率半径の中心軸は反転する。即ち、突起部541bの揺動軌跡の曲率半径の中心軸は突起部541bの下方にあり、円弧状孔554の曲率半径の中心軸は円弧状孔554の上方に配置される。この場合、突起部541bの揺動軌跡と円弧状孔554とが、形成角度α2(角度α2>角度α1)で交差し、円弧状孔554が突起部541bの揺動を停止させるストッパとして働く(図44及び図45参照)。
図44に示すように、回転板520が正面視反時計回りに回転される場合、突起部541bが円弧状孔554の第2ストッパ面554cで当接される。この場合、回転板520は第3ストッパ部518c(図41参照)に当接されるまでは揺動されず、突起部541bは正面視反時計回りに揺動角度θ5まで揺動可能とされる(角度θ5<角度θ1=角度θ3)。
図45に示すように、回転板520が正面視時計回りに回転される場合、突起部541bが円弧状孔554の第3ストッパ面554dで当接される。この場合、回転板520は第3ストッパ部518cに当接されるまでは揺動されず、突起部541bは正面視時計回りに揺動角度θ6まで揺動可能とされる(角度θ6<角度θ4<角度θ2)。従って、伸縮演出装置540の伸縮方向の状態により、突起部541bの揺動角度を変化させることができる。これにより、伸縮演出装置540の揺動幅のバリエーションを増やすことができる。
ここで、中間状態における突起部541bの移動軌跡と円弧状孔554との形成角度α1よりも、縮小状態における突起部541bの移動軌跡と円弧状孔554との形成角度α2の方が大きく形成される。
突起部541bの揺動軌跡と円弧状孔554との関係において、形成角度が90度であれば、突起部541bが円弧状孔554を横断する態様で揺動されることになり、突起部541bの揺動角度は最小とされる。一方、突起部541bの揺動軌跡と円弧状孔554との関係において、形成角度が0度(図37から図39参照)であれば、突起部541bが円弧状孔554の延設方向に沿って揺動されることになり、突起部541bの揺動角度は最大とされる。そのため、縮小状態(形成角度α2)における突起部541bの揺動角度を中間状態(形成角度α1)における突起部541bの揺動角度に比較して小さくすることができる(形成角度α1<形成角度α2)。
上述したように、伸縮演出装置540の伸縮状態が変化されることで、突起部541bの揺動角度が変化され、その際、円弧状孔554の内周面(第1ストッパ面554b、第2ストッパ面554c及び第3ストッパ面554d)が、伸縮演出装置540の揺動角度を規制するストッパとして機能する。これにより、円弧状孔554の内周面を、伸縮演出装置540の伸縮状態が異なる各場合において、突起部541bの揺動角度を規制する部分として兼用することができる。そのため、突起部541bの揺動角度を規制するストッパを配設するスペースを抑制することができる。
また、伸縮演出装置540の揺動角度を規制するストッパは、回動アーム部材550が退避位置に配置されることで第3図柄表示装置81の正面側からは退避される。従って、第3図柄表示装置81の正面側に固定のストッパを配設する場合と異なり、回動アーム部材550が退避位置に配置されてもストッパが第3図柄表示装置81の前面に残留することを防止することができる。これにより、回動アーム部材550が退避位置に配置される場合には、他の部材を第3図柄表示装置81の前面に配置させることができるので、他の可動部材(例えば、スライド動作ユニット700の支柱部材720)の張出スペースを確保することができる。
また、回動アーム部材550の円弧状孔554は、伸縮演出装置540の揺動角度を規制するストッパとしての機能と、回動アーム部材550を揺動させることで伸縮演出装置540に第2駆動装置560の駆動力を伝達し、伸縮演出装置540に伸縮動作をさせる伝達装置としての機能と、を備える。これにより、機能の集約化を図ることができ、部品点数を減少させることができる。
図46から図57を参照して、傾倒動作ユニット600及びスライド動作ユニット700について説明する。傾倒動作ユニット600は演出部材620を首振り動作(傾倒動作)させるユニットであり(図12参照)、スライド動作ユニット700は傾倒動作ユニット600を左右方向へスライド移動させるユニットである。図46は、傾倒動作ユニット600及びスライド動作ユニット700の正面斜視図であり、図47は、傾倒動作ユニット600及びスライド動作ユニット700の背面斜視図である。なお、図46及び図47では、傾倒動作ユニット600及びスライド動作ユニット700の支柱部材720(図47参照)が退避位置に配置された状態が図示される。
図48は、スライド動作ユニット700の正面分解斜視図であり、図49は、スライド動作ユニット700の背面分解斜視図である。なお、図48及び図49では、理解を容易とするために傾倒動作ユニット600が分解されずに図示される。
スライド動作ユニット700は、左右方向に長尺の板状に形成されるベース部材710と、そのベース部材710のスライド板711に一方の端部が締結固定され左右方向にスライド移動可能に形成される支柱部材720と、その支柱部材720に一方の端部が締結固定され傾倒動作ユニット600のベース部材610が締結固定される他方の端部が上下方向に伸縮可能に形成されるスライドレール730と、本体部710の背面レール部716を摺動可能に形成され傾倒動作ユニット600の軸支突部612に軸支される連結部材740と、支柱部材720の左右方向への移動の駆動力を発生させる駆動装置750と、その駆動装置750の背面側に形成されベース部材710に締結固定される背面カバー部材760と、を主に備える。
ベース部材710は、スライド動作ユニット700の骨格を形成する部材であって、左右方向にスライド移動可能に形成され背面側から支柱部材720が締結固定されるスライド板711と、ベース部材710の背面視左下部に断面円形で凹設され固定軸部753aが軸支される軸支孔712と、ベース部材710の背面視右下部に左右方向へ延設される長孔状に凹設され軸支孔712と上下位置が一致されると共に移動軸部754aがスライド可能に軸支されるスライド軸支孔713と、ソレノイドにより上下に揺動可能に形成され支柱部材720の係止部725の左右方向への移動を規制するレバー部材714と、ベース部材710の上端部において正面側へ断面下向き円弧状に突設され連結部材740の上側転動部材742が転動される正面レール部715と、その正面レール部715に背面側から断面円弧状に凹設され連結部材740の挿通板部741bが挿通される背面レール部716と、を主に備える。
レバー部材714がスライド板711に締結固定される支柱部材720の左右方向へのスライド移動を規制するので、傾倒動作ユニット600を退避位置に維持する場合の駆動装置750の駆動力を不要とすることができる。
ここで、本実施形態では、傾倒動作ユニット600が正面レール部715及び背面レール部716の形成方向(円弧軌道)に沿って移動されるので、傾倒動作ユニット600に連結される支柱部材720の左右方向へのスライド移動が傾倒動作ユニット600に負荷される重力の作用で生じ得る。例えば、傾倒動作ユニット600が退避位置に配置される場合(図46参照)、傾倒動作ユニット600の移動方向は、正面レール部715の形状に沿って斜め下方向へ向けられる。そのため、傾倒動作ユニット600に連結される支柱部材720の移動方向がスライド板711の移動方向に沿った左右方向であっても、支柱部材720が重力により移動される恐れがある。本実施形態では、レバー部材714が下方へ揺動されることで支柱部材720の係止部725とかみ合わせられ、左右方向への支柱部材720の移動が規制されるので、駆動装置750の駆動力を不要としても、支柱部材720を退避位置に維持することができる。従って、駆動装置750の耐久性向上を図ることができる。
支柱部材720は、上下方向に長尺の板状に形成される本体部721と、その本体部721の下端部に左右方向に連設して前後方向に穿設されベース部材710のスライド板711に締結固定されるネジが挿通される第1締結部722と、本体部721の正面視左端部に上下方向に連設して前後方向に穿設されスライドレール730が締結固定される第2締結部723と、その第2締結部723の連設方向と平行な方向に延設される長孔であって本体部721の正面視右側部に形成されるスライド孔724と、本体部721の右下端部から上向きに突設されレバー部材714とかみ合う鉤状の係止部725と、本体部721の下面に締結固定され本体部721との間に駆動装置750のベルト755が挟み込まれる下蓋部726と、本体部721の下端部背面側から突設され背面カバー部材760のスライド凹設部764の内周面を転動可能に形成される転動部727と、本体部721の上端部から下前方へ吊り下げられ下方の端部においてベース部材610の鉤状部617に連結されるコイルスプリング728と、を主に備える。
スライドレール730は、第2締結部723の連設方向に伸縮可能な姿勢で支柱部材720に締結固定される。
スライド孔724は、第2締結部723の連設方向と平行な方向に延設される長孔であって、傾倒動作ユニット600の補助部材615が挿通される長孔である。そのため、スライド孔724により、上下移動する傾倒動作ユニット600の左右方向への姿勢のずれ(傾倒動作ユニット600の支柱部材720に対する相対回転)を抑制することができる。
下蓋部726は、上面側に前後方向に延設される歯形が形成される。この歯形は、駆動装置750のベルト755の内周面に形成される歯形と歯合される形状とされる。これにより、支柱部材720が駆動装置750のベルト755に対して滑ることを抑制することができる。
転動部727は、背面カバー760のスライド凹設部764に転動可能に挿通されることで摩擦抵抗を抑制しつつ、支柱部材720の下端部を軸とした前後方向への傾きを抑制することができる。
コイルスプリング728は、傾倒動作ユニット600を上方へ移動させる付勢力である。傾倒動作ユニット600にはコイルスプリング728からの付勢力が常時負荷されるので、傾倒動作ユニット600が重力により下方へ落下されることが抑制される。
連結部材740は、傾倒動作ユニット600の軸支突部612に回転可能に軸支される三角形板状の本体部材741と、その本体部材741から突設される転動軸741cに軸支されベース部材710の正面レール部715の上面を転動される一対の筒状の上側転動部材742と、本体部材741の転動軸741cに正面側から締結固定され正面レール部715の正面側を覆う態様で配設される前カバー部材743と、その前カバー部材743の背面側下部に配設され下半部を前カバー部材743に外嵌保持され上半部が正面レール部715の下面を転動される筒状の下側転動部材744と、を主に備える。
本体部材741は、三角形板状に形成される部材であって、上端部に背面から凹設される円形の窪みであり傾倒動作ユニット600の軸支突部612に回転可能に軸支される軸支部741aと、下端部に正面側へ突設される板状の部材であってベース部材710の背面レール部716にスライド移動可能に挿通される挿通板部741bと、軸支部741aから挿通板部741bへ引かれた垂線に対し線対称な位置から正面側へ円柱状に突設され上側転動部材742が回転可能に軸支される一対の転動軸741cと、を主に備える。
挿通板部741bは、ベース部材710の背面レール部716に挿通されるので、連結部材740が背面レール部716に沿って移動可能に形成される。そのため、軸支部741aで軸支される傾倒動作ユニット600も、背面レール部716に沿って移動可能に形成される。
転動軸741cは、軸支部741aから挿通板部741bへ引かれた垂線に対して線対称な位置に一対で形成される。そのため、一対の転動軸741cが上側転動部742を介して円弧状に形成される正面レール部715に当接される場合に、正面レール部715の上面から連結部材740へかけられる負荷(円弧の法線方向の力)は、軸支部741aを通る。従って、連結部材740により傾倒動作ユニット600の軸支突部612を安定して保持することができる。
上側転動部材742は、軸支部741aに回転可能に軸支され、正面レール部715の上面に当接される。即ち、連結部材740が正面レール部715に沿ってスライド移動されると、上側転動部742は正面レール部715の上面を転動される。これにより、連結部材740のスライド移動時に生じる摩擦抵抗を減らし、スライド移動に必要な駆動力を抑制することができる。
下側転動部材744は、前カバ−部材743の下部に下半部が回転可能に外嵌され正面レール部715の下面に上端部が当接される。即ち、連結部材740が正面レール部715に沿ってスライド移動されると、下側転動部744は正面レール部715の下面を転動される。これにより、連結部材740のスライド移動時に正面レール部715との間で生じる摩擦抵抗を減らし、スライド移動に必要な駆動力を抑制することができる。
このように、本実施形態では、正面レール部715の上面とは上側転動部材742が転動し、正面レール部715の下面とは下側転動部材744が転動する。これにより、摩擦抵抗を抑制しながら、連結部材740の上側転動部材742と下側転動部材744とにより正面レール部715の上下面を挟んだ状態を維持することができる。
ここで、傾倒動作ユニット600は、後述するように重心が上方に形成されるため、前後方向へ傾く恐れがある。この場合に、連結部材740は、上側転動部材742と下側転動部材744とにより正面レール部715の上下面を挟んでいるので、傾倒動作ユニット600の前後の両方向への傾きに対して、抵抗力を発生させることができる。これにより、傾倒動作ユニット600の姿勢維持をしやすくすることができる。
前カバー部材743は、連結部材740の転動軸741cの正面側から軸支されることで上側転動部材742を引き抜き不能に軸支する。
駆動装置750は、ベース部材710に締結固定されると共に支柱部材720をスライド移動させる駆動力を発生させる駆動モータ751と、その駆動モータ751に軸支される駆動ギア752と、その駆動ギア752に歯合されると共にベルト755が巻き付けられる軸固定ギア753と、その軸固定ギア753と離間して配設されベルト755が巻き付けられると共に回転軸754aがスライド移動可能に形成される軸移動ギア754と、軸固定ギア753と軸移動ギア754とに巻き付けられ軸固定ギア753の回転により移動されるベルト755と、軸移動ギア754を軸固定ギア753から離反する方向へ移動させる付勢力を発生させるコイルスプリング756と、を主に備える。
軸固定ギア753は、回転軸としての円柱部材であってベース部材710の軸支孔712に挿通される固定軸部753aを備える。また、軸移動ギア754は、回転軸としての円柱部材であってベース部材710のスライド軸支孔713に挿通される移動軸部754aを備える。
軸固定ギア753及び軸移動ギア754は、同形状のギアとして形成される。ベルト755の内周面には軸固定ギア753及び軸移動ギア754のギア歯と噛み合う歯形が形成される。これにより、ベルト755と軸固定ギア753及び軸移動ギア754との間の滑りを抑制し、軸固定ギア753の回転量を確実にベルト755に伝達することができる。
コイルスプリング756は、一方の端部がベース部材710のスライド軸支孔713n背面視右方に形成される鉤状部に固定され、他方の端部が軸移動ギア754を覆うケースに固定される。これにより、軸移動ギア754を軸支孔712の反対側に移動させる付勢力を発生させることができ、ベルト755に適切な張力を与えることができるので、ベルト755が軸固定ギア753及び軸移動ギア754から脱落することを防止することができる。
背面カバー部材760は、ベース部材710の背面において駆動装置750を覆う部材であって、正面側が開かれた箱状に形成される本体部761と、その本体部761の底面において固定軸部753aを受け入れる窪みである凹設部762と、スライド軸支孔713と同形状に延設され移動軸部754aを受け入れる窪みである移動凹設部763と、左右方向に延設され転動部727を受け入れる窪みであるスライド凹設部764と、を主に備える。
スライド凹設部764は、その上下内側面を転動部727が転動される窪みである。支柱部材720のスライド移動の摩擦抵抗を抑制すると共に、支柱部材720が前後方向に傾くことを抑制する。即ち、支柱部材720が前後方向に傾くと、転動部727がスライド凹設部764の上内側面か下内側面のどちらか一方に当接される。これにより、支柱部材720の前後方向への傾きを抑制することができる。
次いで、図50及び図51を参照して、傾倒動作ユニット600について説明する。図50は、傾倒動作ユニット600の正面分解斜視図であり、図51は、傾倒動作ユニット600の背面分解斜視図である。
傾倒動作ユニット600は、スライドレール730の他方の端部に締結固定される板状のベース部材610と、下端部がベース部材610に揺動可能に軸支される箱状の演出部材620と、その演出部材620の揺動の駆動力を発生させる第1駆動装置630と、その第1駆動装置630の駆動力を演出部材620へ伝達する伝達部材640と、その伝達部材640に当接され伝達部材640を移動させる付勢力を生じさせるねじりバネ650と、演出部材620の第1カーテン部材624及び第2カーテン部材625を開閉動作させる駆動力を発生させる第2駆動装置660と、を主に備える。
ベース部材610は、スライドレール730が締結固定されると共に縦に長尺の板状に形成される本体部611と、その本体部611の正面側から円柱状に突設され連結部材740の軸支部741aが軸支される軸支突部612と、その軸支突部612の鉛直上方で前後方向に穿設される円形孔であり演出部材620の揺動軸部626が揺動可能に軸支される第1軸支孔613と、その第1軸支孔613の鉛直上方で前後方向に穿設される円形孔であり伝達部材640の筒状部642が揺動可能に軸支される第2軸支孔614と、本体部611の背面に形成され支柱部材720のスライド孔724に上下スライド移動可能に挿通される補助部材615と、第1駆動装置630の駆動軸が挿通される挿通孔616と、本体部611の下端部から背面側へ向けて延設される鉤形状の鉤状部617と、を主に備える。
第2軸支孔614は、その下縁から正面側へ断面円弧状で突設される下受け板部614aを備える。下受け板部614aにより、伝達部材640の筒状部642の回転が案内される。なお、下受け板部614aは、筒状部642の外径と略同等の長さの左右幅で形成される(図53(a)参照)。
補助部材615がスライド孔724に挿通されることで、ベース部材610の左右方向の傾きを抑制できるので、ベース部材610を上下方向にスムーズにスライド移動させることができる。
鉤状部617は、コイルスプリング728の一端が掛けられ、付勢力が負荷される部分である。
図52を参照して、演出部材620及び第2駆動装置660について説明する。図52は、演出部材620及び第2駆動装置660の正面分解斜視図である。なお演出部材620の内部に配設される液晶装置が想像線で図示され、演出部材620及び第2駆動装置660の説明には図50及び図51を適宜参照する。
演出部材620は、液晶装置が内部に配設される箱状の部材であって、矩形板状の本体部材621と、その本体部材621の上下から前方へ延設され本体部材621に被さる態様で曲げられる上下カバー部材622と、その上下カバー部材622の両側面から取り付けられる板状部材であって上下カバー部材622と共に前方が開口された矩形の箱形状を形成する左右カバー部材623と、前方の開口を開閉する部材であって第2駆動装置660の嵌合孔665aに連結され移動される第1カーテン部材624と、その第1カーテン部材624と共に前方の開口を開閉する部材であって第1カーテン部材624に引かれることで移動される第2カーテン部材625と、本体部材621の背面下部から突設される円柱形状の揺動軸部626と、を主に備え、重心位置G(図53参照)が揺動軸部626よりも上方(高い位置)に形成される。なお、その重心位置Gは、倒立状態(図53参照)において摺動軸部621a及び揺動軸部626(図53参照)を通る直線上に形成される。
本体部材621は、揺動軸部626の鉛直上方で背面側に突設される円柱状の摺動軸部621a(図51参照)を備える。摺動軸部621aは、伝達部材640(図51参照)の摺動孔643に摺動可能に挿通される。
上下カバー部材622は、第1カーテン部材624及び第2カーテン部材625が駆動装置660の駆動力により開放された状態において、第1カーテン部材624及び第2カーテン部材625を内側に収容する部材である。
左右カバー部材623は、内側面に溝状に形成され第2カーテン部材625のスライド突部625cが摺動可能とされるスライド溝623aを備える。
スライド溝623aは、上下に延設される直線状の溝の上下端に円弧状に形成させる曲線状の溝が連結される。これにより、第2カーテン部材625は、スライド溝623aの形状に沿って直線移動と曲線移動とが順に生じる態様でスライド移動される。
第1カーテン部材624は、第2駆動装置660の開閉軸664を軸に上下方向へ揺動される部材であり、断面C字に板材が折曲された形状の本体部624aと、その本体部624aの端部から左右方向に突設され第2駆動装置660の嵌合孔665aに相対回転不能に嵌合される嵌合部624bと、その嵌合部624b付近で一方の端部が本体部624に揺動可能に軸支され他方の端部が第2カーテン部材625の連結突部625bに連結される連結部材624cと、を主に備える。
第2カーテン部材625は、第1カーテン部材624に引かれて上下方向へ移動される部材であり、断面C字の板状に形成される本体部625aと、その本体部624aの断面C字の端部から左右方向に突設され連結部材624cの他方の端部と連結される連結突部625bと、本体部625aの折曲部付近から左右方向外側へ突設され左右カバー部材623のスライド溝623aに挿通されるスライド突部625cと、を主に備える。
第2駆動装置660は、演出部材620の背面側に締結固定される駆動モータ661と、その駆動モータ661に軸支される駆動ギア662と、その駆動ギア662に一方のギアが歯合され互いに反対方向に回転される一対の伝達ギア663と、その伝達ギア663に相対回転不能に挿通され図示しない軸支機構により演出部材620の本体部材621の正面側に回転可能に軸支される開閉軸664と、その一対の開閉軸664の両端に相対回転不能に固定される伝達部材665と、を主に備える。
伝達部材665は、第1カーテン部材624の嵌合部624bが相対回転不能に嵌合される嵌合孔665aを備える。これにより、第1カーテン部材624は、開閉軸664を軸として上下に揺動される。
図50及び図51に戻って説明する。第1駆動装置630は、ベース部材610の挿通孔616に駆動軸が挿通されベース部材に締結固定される駆動モータ631と、その駆動モータ631の駆動軸に固定されるネジ歯車形状のウォーム632と、そのウォーム632と噛み合うはす歯歯車形状のウォームホイール633と、を主に備える。
ウォーム632は、2条ねじで形成される。本実施形態では、ウォーム632と噛み合うウォームホイール633の歯数が約20とされるので、ウォーム632が10回転する間にウォームホイール633は1回転する。これにより、駆動モータ631が制御の分解能の最小単位で動作される場合の、ウォームホイール633及び伝達部材640の回転角度を大幅に低減することができる。
ウォームホイール633は、回転軸中心から突設されベース部材610の第2軸支孔614に挿通されると共に伝達部材640の筒状部643に相対回転不能に係止される係止突部633aを備える。なお、ウォーム632とウォームホイール633との間の駆動力の伝達は、構造上、ウォーム632からウォームホイール633への一方向に限定される(ウォームホイール633が能動的に回転すると、その力はウォーム632の軸方向にかかる)。これにより、ウォームホイール633を停止させる際に駆動モータ631が受ける負荷を低減することができる。また、駆動モータ631の動力を断った状態においてウォームホイール633及び伝達部材640を停止させておくことができ、駆動モータ631の電力消費量を抑制することができる。
図53を参照して、伝達部材640及びねじりバネ650について説明する。図53(a)及び図53(b)は、伝達部材640及びねじりバネ650の正面図である。なお、図53(a)及び図53(b)では、ベース部材610及び演出部材620の外形が想像線で図示され、伝達部材640及びねじりバネ650の説明には図50及び図51を適宜参照する。また、図53(a)では、伝達部材640の摺動孔643が筒状部642の鉛直上方に配置される倒立状態が図示され、この状態において、ねじりバネ650の付勢力は伝達部材640の揺動方向で釣り合っている。図53(b)では、図53(a)の倒立状態から伝達部材640が正面視反時計回りに所定量揺動され演出部材620が所定量揺動された状態が図示される。
伝達部材640は、ウォームホイール633(図50参照)の回転により揺動される部材であって、長尺矩形の棒状に形成される本体部641と、その本体部641の一方の端部において前後方向に延設され第1駆動装置630の係止突部633aが係止される筒状部642と、本体部641の他方の端部に筒状部642の軸径方向に延設される長孔として穿設される摺動孔643と、本体部641の揺動方向両側に離間して配設される当接部644と、その当接部644と本体部641の正面側側面とを連結する幅のある円弧形状の正面円弧板部645と、当接部644と本体部641の背面側側面とを連結する幅のある円弧形状の背面円弧板部646と、を主に備える。
図53に示すように、当接部644、正面円弧板部645及び背面円弧板部646は、ねじりバネ650の付勢腕部652を取り囲む態様で配設される。これにより、ねじりバネ650が伝達部材640から脱落する(外れる)ことを防止することができる。
筒状部642は、ベース部材610の第2軸支孔614(図50参照)に軸支され、第1駆動装置630の係止突部633a(図50参照)に相対回転不能に係止される。
摺動孔643は、演出部材620の摺動軸部621aが挿通される。これにより、伝達部材640が第1駆動装置630(図50参照)の駆動力により第2軸支孔614(図50参照)を中心に揺動されると、演出部材620の摺動軸部621aが摺動孔643を摺動され(軸径方向にスライド移動され)ながら、演出部材620が第1軸支孔613を中心に揺動される。
このように演出部材620を揺動させることで、駆動装置の制御の分解能の最小単位で駆動モータ631を回転させる場合の演出部材620の揺動角度を抑制することができる。例えば、演出部材620を揺動させる方法として、演出部材620の揺動軸部626にギアを直結して、そのギアに駆動モータの駆動力を伝達する方法も考えられる。しかし、この場合、駆動モータを制御の分解能の最小単位の角度P0(図53(a)参照、なお、理解を容易にするために、実際の角度P0に対して角度を数倍に大きく図示している)で回転させる場合に演出部材620の重心が倒立状態から左右方向にずれる移動量X1は、演出部材620の重心が揺動軸部626から離間するほど大きくなる。そのため、演出部材620の重心が揺動軸部626から離間するほど、演出部材620の重心の位置調整が困難になり、演出部材620の重心が揺動軸部626の真上に配置される倒立状態に演出部材620を静止させることが困難となる。
これに対し、本実施形態では、駆動モータ631の駆動力を演出部材620に伝達する伝達部材640が演出部材620の摺動軸部621aに連結される。この摺動軸部621aから伝達部材640の揺動軸である筒状部642までの長さが、摺動軸部621aから演出部材620の揺動軸である揺動軸部626までの長さに比較して短く形成される。
そのため、演出部材620が揺動軸部626の径方向に長尺な場合であっても、駆動装置の制御の分解能の最小単位の角度P0(図53(a)参照、なお、理解を容易にするために、実際の角度P0に対して角度を数倍に大きく図示している)で駆動装置を動作させる場合の演出部材620の重心の移動量X2を抑制することができる。そのため、可動部材の重心が第1軸の真上に配置される倒立状態に可動部材を静止させることを容易とすることができる。
また、演出部材620を揺動させる方法として、演出部材620に揺動軸部626を中心とした円弧上にギア歯を形成し、そのギア歯に歯合するギアを駆動モータで回転させることで演出部材620を揺動させる方法が考えられる。しかし、この場合、演出部材620の揺動範囲が大きくなるほど、円弧上のギア歯を形成する範囲が演出部材620の左右方向に大きく必要となる。そのため、演出部材620を揺動方向に細い形状で形成する場合には、円弧上のギア歯が演出部材620からはみ出ししてしまうため、演出効果の妨げとなる。そのため、演出部材620の設計自由度が低くなる。
一方で、本実施形態では、演出部材620に駆動モータ631の駆動力を伝達する伝達部材640は、揺動軸である筒状部642が演出部材620の揺動軸である揺動軸部626の鉛直上方に配置されると共に、演出部材620の左右方向中心で揺動軸部621aと連結される。伝達部材640に追従して演出部材620は揺動するので、演出部材620の揺動範囲に対する伝達部材640の形成範囲を演出部材620の左右方向中央付近に抑えることができる。これにより、演出部材620を左右方向に細いものとしても、演出部材620から伝達部材640がはみ出すことを抑制することができ、演出部材620の設計自由度を向上させることができる。
演出部材620の摺動軸部621aの下面は伝達部材640の摺動孔643の内周面に当接される。これにより、演出部材620の重さが揺動軸部626だけでなく、伝達部材640へも負荷される。即ち、演出部材620の重さに対向する力を、揺動軸部626だけでなく伝達部材640の筒状部642からも生じさせることができる。そのため、演出部材640を揺動軸部626及び筒状部642の2点で支持することができ、揺動軸部626及び筒状部642に負荷される径方向の力を抑制することができる。
ここで、演出部材620は、図53(a)に示す倒立状態が平常状態とされるので、伝達部材640が揺動され倒立状態から所定量揺動された後で、素早く倒立状態に復帰できることが望ましい。
本実施形態では、図53(b)に示すように、伝達部材640が図53(a)に図示される状態から正面視反時計回りに揺動角度φ1で揺動されると、演出部材620は揺動角度φ2で揺動される(φ2<φ1)。
即ち、第1駆動装置630(図50参照)の駆動力で揺動される伝達部材640の揺動角度に比較して演出部材620の揺動角度の方が小さくされる。そのため、演出部材620を倒立状態(図53(a)参照)に復帰しやすくすることができる。
また、本実施形態では、伝達部材640の軸径方向に長孔状の摺動孔643が形成され、その摺動孔643に演出部材620の摺動軸部621aが挿通される。そして、伝達部材640と演出部材620の揺動軸が異なり、伝達部材640の摺動孔643の方が演出部材620の摺動軸部621aに比較して揺動半径が短いため、伝達部材640が揺動されるほど、摺動軸部621aが伝達部材640の揺動軸から遠ざかる。そのため、倒立状態(図53(a)参照)における演出部材620の摺動軸部621aから伝達部材640の筒状部642までの腕長さR1が、倒立状態から所定量揺動された状態(図54(b)参照)における演出部材620の摺動軸部621aから伝達部材640の筒状部642までの腕長さR2に比較して短くされる。
即ち、倒立状態に近づくほど伝達部材640の腕長さが短くされることになり、伝達部材640が所定角度揺動される場合の演出部材620の揺動角度を伝達部材640の腕長さが一定の場合に比較して、倒立状態に近づくほど小さくすることができる。そのため、駆動モータ631の回転速度を変化させずとも、所定の停止位置付近では演出部材620の動作速度を増加させる一方、倒立状態付近では演出部材620の動作速度を減少させ、演出部材620を倒立状態で静止しやすくすることができる(演出部材620の重心が第1軸支孔613の鉛直上方に配置された状態で演出部材620を停止制御することを容易にすることができる)。
図55を参照して、演出部材620の摺動軸部621aから伝達部材640の筒状部642までの腕長さを変化させることによる、伝達部材640の揺動角度に対する演出部材620の揺動角度の変化について説明する。
図55は、伝達部材640(図53(a)参照)の揺動角度に対する演出部材620(図53(a)参照)の揺動角度を模式的に示す模式図である。図55において、回転軸M1が演出部材620の回転軸である揺動軸部626(図53(a)参照)に対応し、回転軸M2が伝達部材640の揺動軸である筒状部642(図53(a)参照)に対応する。直線a1〜a4は、伝達部材640の配置を模式化したものであり、回転軸M2から放射状に描かれる直線であって、直線a1は回転軸M1を通り、直線a2〜a4は、直線a1との形成角度を順に15度ずつ加算する態様で形成される。即ち、直線a1〜a4の隣り合う直線どうしの形成する角度は15度ずつとされる。
回転軸M2を中心として腕長さR1(図53(a)参照)と等しい半径で描かれる円弧が円弧SR1で図示され、回転軸M2を中心として腕長さR2(図54(b)参照)と等しい半径で描かれる円弧が円弧SR2で図示される。なお、円弧SR0は、回転軸M1を中心として描かれる円弧であり、腕長さR1に回転軸M1及び回転軸M2の間の距離を加えた長さの半径の円弧である。
これらの円弧は、演出部材620と伝達部材640(図53(a)参照)との連結位置の軌跡を仮定するものである。本実施形態では、連結位置としての摺動軸部621a(図53(a)参照)が演出部材620から突設され、演出部材620と伝達部材640との連結位置は円弧SR0に沿って移動する。なお、演出部材620と伝達部材640との連結位置が円弧SR1や円弧SR2に沿って移動する場合としては、演出部材620に軸径方向に長尺の長孔が形成され、伝達部材640からその長孔に挿通される軸が突設される場合が想定される。
また、図55に示すように、直線a1と円弧SR0との交点が交点P10で図示され、直線a1と円弧SR1との交点が交点P11で図示され、直線a1と円弧SR2との交点が交点P12で図示される。
同様に、直線a2と円弧SR0との交点が交点P20で図示され、直線a2と円弧SR1との交点が交点P21で図示され、直線a2と円弧SR2との交点が交点P22で図示される。直線a3と円弧SR0との交点が交点P30で図示され、直線a3と円弧SR1との交点が交点P31で図示され、直線a3と円弧SR2との交点が交点P32で図示される。直線a4と円弧SR0との交点が交点P40で図示され、直線a4と円弧SR1との交点が交点P41で図示され、直線a4と円弧SR2との交点が交点P42で図示される。なお、交点P10及び交点P11は同じ位置に配置され、交点P40及び交点P42は同じ位置に配置される。
また、図55に示すように、回転軸M1及び交点P10を通る直線と回転軸M1及び交点P20を通る直線とが形成する角度が角度A10で図示され、回転軸M1及び交点P11を通る直線と回転軸M1及び交点P21を通る直線とが形成する角度が角度A11で図示され、回転軸M1及び交点P12を通る直線と回転軸M1及び交点P22を通る直線とが形成する角度が角度A12で図示される。
同様に、回転軸M1及び交点P20を通る直線と回転軸M1及び交点P30を通る直線とが形成する角度が角度A20で図示され、回転軸M1及び交点P21を通る直線と回転軸M1及び交点P31を通る直線とが形成する角度が角度A21で図示され、回転軸M1及び交点P22を通る直線と回転軸M1及び交点P32を通る直線とが形成する角度が角度A22で図示される。回転軸M1及び交点P30を通る直線と回転軸M1及び交点P40を通る直線とが形成する角度が角度A30で図示され、回転軸M1及び交点P31を通る直線と回転軸M1及び交点P41を通る直線とが形成する角度が角度A31で図示され、回転軸M1及び交点P32を通る直線と回転軸M1及び交点P42を通る直線とが形成する角度が角度A32で図示される。なお、これらの角度は、演出部材620の揺動角度に対応する。
ここで、(回転軸M1及び回転軸M2の距離:腕長さR1:腕長さR2)の比率は、本実施形態では、(1:2.32:2.54)とされる。角度を実測すると、角度A32は11.07度であり、角度A31は10.77度であり、角度A30は11.37度である。即ち、直線a4から直線a3までの間を伝達部材640を揺動させる場合において、円弧SR0に沿って伝達部材640と演出部材620とが連結される場合が最も演出部材640の揺動角度が大きく、円弧SR2に沿って伝達部材640と演出部材620とが連結される場合以上で形成される(角度A30は角度A31よりも角度A32に近い)。
角度A22は10.87度であり、角度A21は10.59度であり、角度A20は10.82度である。即ち、直線a3から直線a2までの間を伝達部材640を揺動させる場合において、円弧SR0に沿って伝達部材640と演出部材620とが連結される場合の揺動角度は、円弧SR2に沿って伝達部材640と演出部材620とが連結される場合を下回る。この場合には、角度A22と角度A20との差は、角度A20と角度A21との差よりも小さい(角度A20は角度A21よりも角度A22に近い)。
角度A12は10.78度であり、角度A11は10.50度であり、角度A10は10.53度である。即ち、直線a2から直線a1までの間を伝達部材640を揺動させる場合において、円弧SR0に沿って伝達部材640と演出部材620とが連結される場合の揺動角度は、円弧SR1に沿って伝達部材640と演出部材620とが連結される場合を上回る。この場合には、角度A12と角度A10との差は、角度A10と角度A11との差よりも大きい(角度A10は角度A12よりも角度A11に近い)。
これらから、伝達部材640と演出部材620(図53(a)参照)との連結位置の軌跡を円弧SR0とすることで、例えば、伝達部材640が等速で揺動される場合に、演出部材620の角速度の調整自由度を向上させることができることがわかる。即ち、直線a4に伝達部材640が配置される時の角速度は伝達部材640と演出部材620との連結位置の軌跡が円弧SR2の場合の角速度(高速側)に寄せ、直線a1に伝達部材640が配置される時の角速度は伝達部材640と演出部材620との連結位置の軌跡が円弧SR1の場合の角速度(低速側)に寄せることができる。
また、それぞれの角度の比を計算すると、角度A22/角度A32は、0.98であり、角度A12/角度A22は、0.99である。角度A21/角度A31は、0.98であり、角度A11/角度A21は、0.99である。即ち、伝達部材640と演出部材620(図53(a)参照)との連結位置の軌跡が円弧SR1,SR2である場合には、伝達部材640が等速で倒立状態へ向けて揺動される場合の演出部材620の角速度の減速比率は1〜2%と小さい。
一方、角度A20/角度A30は、0.95であり、角度A10/角度A20は、0.97である。即ち、伝達部材640と演出部材620(図53(a)参照)との連結位置の軌跡が円弧SR0(回転軸M1を中心とした円弧)である場合には、伝達部材640が等速で倒立状態へ向けて揺動される場合の演出部材620の角速度の減速比率を3〜5%とすることができる。即ち、連結位置の軌跡が円弧SR1,SR2(回転軸M2を中心とした円弧)である場合に比較して、演出部材620の角速度の減速比率を大きくすることができる。
図53(a)に示すように、倒立状態において演出部材620の摺動軸部621aは伝達部材640の摺動孔643の下端部に当接される。倒立状態において、演出部材620の重心Gは演出部材620の揺動軸部626及び伝達部材640の筒状部642の鉛直上方に形成されるので、演出部材620の重力Gによる力が揺動軸部626及び筒状部642に対し鉛直下方へかけられる。そのため、演出部材620の重力により演出部材620を揺動される方向の成分の力が発生しないので、第1駆動装置630の動力を遮断しても演出部材620の姿勢を倒立状態で維持することができる。これにより、第1駆動装置630の耐久性向上を図ることができる。
また、演出部材620の重力Gによる力が揺動軸部626及び筒状部642に対し鉛直下方へかけられることから、揺動軸部626及び筒状部642の回転抵抗を上昇させることができ、演出部材620の倒立状態での姿勢維持をしやすくすることができる。
ねじりバネ650は、伝達部材640の揺動に伴いコイル部651を巻き戻す方向(伝達部材640を押し戻す方向)に付勢力が発生される弾性バネであり、演出部材620の揺動軸部626の周囲に巻かれるコイル部651と、伝達部材640の本体部641の揺動方向両側面に沿って延設される付勢腕部652と、コイル部651の端部および付勢腕部652の端部を筒状部642及び揺動軸部626の間を通って連結する連結腕部653と、を主に備える。
コイル部651は、演出部材620の揺動軸部626の直径の約3倍の内径で形成される。そのため、付勢腕部652が揺動されコイル部651を縮径変形させる負荷が生じる場合に、コイル部651の変形量を確保することができ、付勢腕部652や連結腕部653に変形が集中することを抑制することができる。
付勢腕部652は、伝達部材640の本体部641、当接部644、正面円弧板部645及び背面円弧板部646により囲われる。これにより、付勢腕部652が伝達部材640から脱落する(外れる)ことを防止することができる。
また、付勢腕部652は伝達部材640の揺動する平面上で下受け板部614aと当接可能に形成される。そのため、伝達部材640の揺動方向に配置される付勢腕部652からは、伝達部材640を押し戻す付勢力が発生され、伝達部材640の揺動方向の反対側に配置される付勢腕部652は、下受け板部614aに移動を防止される。これにより、ねじりバネ650は、伝達部材640の揺動方向によらず伝達部材640を押し戻す方向への付勢力を発生可能に形成される。
付勢腕部652及び連結腕部653の連結部分において、伝達部材640の反対側に屈曲される屈曲部653aが形成される。この場合、後述するように伝達部材640の当接部644が、ねじりバネ650の屈曲部653aに押し付けられることで、屈曲部653aが伸張される(図54(b)参照)。これにより、ねじりバネ650の付勢腕部652と伝達部材640の本体部641との当接位置が筒状部642から遠くなり、伝達部材640にねじりバネ650から負荷されるモーメントを増大させることができる。
図54を参照して、ねじりバネ650から発生され伝達部材640を押し戻す付勢力の変化について説明する。図54(a)及び図54(b)は、伝達部材640及びねじりバネ650の正面図である。なお、図54(a)及び図54(b)では、ベース部材610及び演出部材620の外形が想像線で図示され、ねじりバネ650から発生される付勢力の変化の説明には図53を適宜参照する。
また、図54(a)では、図53(b)の状態から、更に伝達部材640が正面視反時計回りに回転され正面視左側の付勢腕部652が伝達部材640の当接部644の内側面に押し付けられ始める状態が図示され、図54(b)では、図54(a)の状態から、更に伝達部材640が正面視反時計回りに回転され、ねじりバネ650の屈曲部653aが引き延ばされた状態が図示される。
図54(a)の状態では、ねじりバネ650の正面視左側の付勢腕部652には、伝達部材640を押し返す付勢力が生じる。この付勢力は、コイル部651を起点として生じる付勢力と、屈曲部653aを起点として生じる付勢力との総和となる。
即ち、図53(b)の状態では、一対の屈曲部653aの内、正面視左側に配置される屈曲部653aに伝達部材640が押し付けられないため、ねじりバネ650の正面視左側の付勢腕部652には、伝達部材640を押し返す付勢力として、コイル部651を起点とした付勢力のみが生じる。
一方、図54(a)の状態では、コイル部651を起点とした付勢力に加え、屈曲部653aを起点とした付勢腕部652の変形により付勢力が生じる。そのため、付勢腕部652のバネ定数を増大させることができる。なお、屈曲部653aを起点とした付勢腕部652の変形は、コイル部651を起点とした変形に比較して、変形を受ける部分の長さが短くなるので、伝達部材640の単位変形量当たりで生じる付勢力をより大きくすることができる。
図54(b)の状態では、ねじりバネ650の屈曲部653aが伝達部材640の当接部644により押されることで、付勢腕部652及び連結腕部653の成す角度が広げられる。これにより、図54(a)の状態における伝達部材640の本体部641及びねじりバネ650の付勢腕部652の当接位置と筒状部642との間の距離である当接位置長さL1に比較して、図54(b)の状態における同様の当接位置長さL2が伝達部材640の筒状部642から離反される。即ち、当接位置長さが伸張される。これにより、伝達部材640を押し戻すねじりバネ650の腕長さが長くされるので、ねじりバネ650から伝達部材640へ負荷されるモーメントを増大させることができる。
従って、例えば、図54(a)の状態と図54(b)の状態とで、ねじりバネ650が発生させる付勢力が略同等である場合、図54(b)において、より伝達部材640へ負荷されるモーメントを大きくすることができる。そのため、伝達部材640及び演出部材620をより押し戻し易くすることができる。
図53及び図54に示すように、伝達部材640を押し戻すねじりバネ650の付勢力は、伝達部材640(演出部材620)の退避位置からの揺動角度が小さい内は小さく、揺動角度が大きくなるほど弾性的に増加され、図54(a)の状態を境に弾性的な増加分以上に増加される。そのため、演出部材620が最大揺動角度(図54(b)参照)とされた場合に必要なねじりバネ650の付勢力が決定されている場合に、ねじりバネが弾性的な増加のみを行う場合に比較して、揺動角度が小さい場合の付勢力をより小さく設定することができる(柔らかいバネを使用することができる)。
これにより、演出部材620の揺動開始時の動作速度がねじりバネ650の付勢力に減速される度合いを低減することができ、演出部材620の動作開始時の動作速度を高速化することができる。
また、図54(a)の状態を境に付勢力が弾性的な増加分以上に増加されることから、演出部材620の揺動角度が図54(a)の状態以上とされる場合の、演出部材620の減速加速度を上げることができる。これにより、演出部材620の揺動動作の間で、演出部材620を減速させ始めるタイミングを遅らせることができる。従って、演出部材620を高速状態で揺動させられる揺動角度を拡大することができ、傾倒動作ユニット600の演出効果を向上させることができる。
次いで、図56を参照して、傾倒動作ユニット600及びスライド動作ユニット700のスライド動作について説明する。図56は、傾倒動作ユニット600及びスライド動作ユニット700の正面図である。なお、図56では、傾倒動作ユニット600が退避位置に配置された状態が想像線で図示され、傾倒動作ユニット600が退避位置から所定量スライド移動された状態が実線で図示される。
図56に示すように、上下方向にスライド移動可能に形成される傾倒動作ユニット600とスライド動作ユニット700とを連結する連結部材740は、正面レール部715の延設方向に移動可能に形成される。ここで、傾倒動作ユニット600の重さは連結部材740に負荷されるので、傾倒動作ユニット600が退避位置に配置されると、傾倒動作ユニット600が重力により正面レール部715に沿って正面視左方に付勢される。そのため、傾倒動作ユニット600を退避位置に維持するために、駆動装置750を固定することが考えられる。
これに対し本実施形態では、レバー部材714が上下に揺動可能に形成され、レバー部材714が下方へ揺動されると、支柱部材720の係止部725と噛み合わされ、支柱部材720の左右方向へのスライド移動が規制される。
これにより、傾倒動作ユニット600を退避位置に機械的に維持することが可能となるので、傾倒動作ユニット600が退避位置に配置される場合に駆動装置750を停止させた状態で傾倒動作ユニット600を退避位置に維持できる。従って、駆動装置750の耐久性を向上させることができる。
なお、傾倒動作ユニット600が退避位置に配置された状態から、レバー部材714を上方へ揺動させ、駆動装置750を動作させることで、支柱部材720を移動可能となり、傾倒動作ユニット600を左右方向にスライド移動させることができる。
図56に示すように、傾倒動作ユニット600が倒立状態で退避位置に配置されると、傾倒動作ユニット600の重心Gの鉛直下方に連結部材740の軸支部741aが配置される。
ここで、傾倒動作ユニット600のスライド移動の方向は正面レール部715に沿うため、図56において、退避位置(図56の想像線参照)から所定量スライド移動される間において傾倒動作ユニット600の移動は、常時、上下方向成分を備える。
そのため、傾倒動作ユニット600の重心Gと連結部材740の軸支部741aとが鉛直方向でずれていると、連結部材740から傾倒動作ユニット600を回転させる方向に負荷がかけられる恐れがある。これは、逆方向へ傾倒動作ユニット600がスライド移動される場合も同様である。
これに対し、本実施形態では、重心Gの鉛直下方に連結部材740の軸支部741aが配置されるので、連結部材740から傾倒動作ユニット600に負荷される力の上下方向成分と重心Gとが同一線上に形成される。これにより、連結部材740から傾倒動作ユニット600を回転させる方向に負荷がかけられることを抑制することができ、傾倒動作ユニット600の姿勢を安定させることができる。
次いで、図57を参照して、傾倒動作ユニット600の傾倒動作(首振り動作)が、スライド動作ユニット700のスライド動作に与える影響について説明する。図57は、傾倒動作ユニット600及びスライド動作ユニット700の正面図である。なお、図57では、傾倒動作ユニット600の演出部材620が図54(b)の状態まで揺動された状態が図示される。
図57に示すように、演出部材620が正面視反時計回りに揺動された状態において、演出部材620の重心Gは、連結部材740よりも正面視左側に配置される。そのため、連結部材740に負荷される正面視左向きの加速度が増大される。
この場合、傾倒動作ユニット600を退避位置からスライド動作させるために必要な駆動力を抑制することができるので、駆動装置750の駆動モータ751を小型化することができる。
次いで、図58及び図59を参照して、第2実施形態における傾倒動作ユニット2600について説明する。
第1実施形態では、伝達部材640の本体部641のねじりバネ650との当接面が平坦面である場合を説明したが、第2実施形態における傾倒動作ユニット2600は、伝達部材2640の本体部2641が、ねじりバネ650の付勢腕部652の先端部に当接される突き当て部2641aを備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図58(a)、図58(b)及び図59は、第2実施形態における伝達部材2640及びねじりバネ650の正面図である。なお、図58(a)、図58(b)及び図59では、ベース部材610及び演出部材620の外形が想像線で図示される。また、図58(a)では、伝達部材2640の摺動孔643が筒状部642の鉛直上方に配置される倒立状態が図示され、図58(b)では、図58(a)の倒立状態から伝達部材2640が正面視反時計回りに所定量揺動され、ねじりバネ650の付勢腕部652の先端部に突き当て部2641aの下面が当接された状態が図示され、図59では、図58(b)の状態から更に伝達部材2640が正面視反時計回りに揺動された状態が図示される。
図58に示すように、伝達部材2640が倒立状態(図58(a)参照)から揺動されると、本体部2641がねじりバネ650の付勢腕部652に押し当てられ、本体部2641を倒立状態に復帰させる方向へ揺動させる付勢力を、ねじりバネ650が発生させる。伝達部材2640が揺動され付勢腕部652が変形されると、コイル部651は、変形を受けた側の付勢腕部652に連結される連結腕部653により縮径変形される。即ち、コイル部651が縮径される程、伝達部材2640を倒立状態に復帰させる方向へ揺動させる付勢力が増大される。
また、図58に示すように、ねじりバネ650の付勢腕部652と伝達部材2640との揺動角度の違いから、伝達部材2640の本体部2641と付勢腕部652との当接位置(付勢腕部652の先端位置)は、伝達部材2640の揺動により変化される。即ち、伝達部材2640が揺動される程、付勢腕部652の先端部は本体部2641の先端側(摺動孔643へ近接する側)へ移動される。
従って、図58(b)に示すように、突き当て部2641aの下面が付勢腕部642の先端部に当接される状態において、さらに伝達部材2640が正面視反時計回りに回転されると、付勢腕部642は付き当て部2641aに本体部2641の先端側への移動を規制される。
図59に示すように、付移腕部642が付き当て部2641aに移動を規制される状態で伝達部材2640が揺動されると、ねじりバネ650が全体として変形される。即ち、付勢腕部642が本体部2641の先端側への移動を規制される分、付勢腕部642の根本側(屈曲部653a側)が、下方へ移動される。これにより、コイル部651を縮径させる方向(ねじりバネ650の付勢力が増大する方向)へ連結腕部653が移動される。
即ち、付き当て部2641aの無い場合に比較して、伝達部材2640を図59の状態まで揺動させた場合のねじりバネ650の付勢力を増大させることができる。これにより、ねじりバネ650が発生させる付勢力の変化の度合い(伝達部材2640の揺動角度に対する付勢力の増加割合)を、図59に示す状態において図58に示す状態に比較して増大させることができる。従って、伝達部材2640の揺動角度が小さい場合には、ねじりバネ650の付勢力を抑制し、伝達部材2640の始動速度を高速化しながら、揺動角度が大きい場合(図59参照)には、ねじりバネ650の付勢力を非線形(弾性的な変化以上)に増大させ、伝達部材2640を倒立状態に復帰させるのに十分な付勢力を得ることができる。
次いで、図60を参照して、第3実施形態における傾倒動作ユニット3600について説明する。
第1実施形態では、伝達部材640の本体部641のねじりバネ650との当接面が一定幅である場合を説明したが、第3実施形態における傾倒動作ユニット3600は、伝達部材3640の本体部3641が、ねじりバネ650の先端部と当接される側面に、先端側へ近づくほど幅広となる態様で傾斜される傾斜側面3641aを備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図60(a)及び図60(b)は、第3実施形態における伝達部材3640及びねじりバネ650の正面図である。なお、図60(a)及び図60(b)では、ベース部材610及び演出部材620の外形が想像線で図示される。また、図60(a)では、伝達部材3640の摺動孔643が筒状部642の鉛直上方に配置される倒立状態が図示され、図60(b)では、図60(a)の倒立状態から伝達部材3640が正面視反時計回りに所定量揺動された状態が図示される。
図60に示すように、伝達部材3640が倒立状態(図60(a)参照)から揺動されると、本体部3641がねじりバネ650の付勢腕部652に押し当てられ、本体部3641を倒立状態に復帰させる方向へ揺動させる付勢力を、ねじりバネ650が発生させる。
図60(a)に示す状態から、図60(b)に示す状態に伝達部材3640が揺動されると、ねじりバネ650の付勢腕部652と伝達部材3640との揺動角度の違いから、伝達部材3640の本体部3641と付勢腕部652との当接位置(付勢腕部652の先端位置)は、伝達部材3640の揺動により変化される。即ち、伝達部材3640の倒立状態(図60(a)参照)からの揺動角度が大きくなる程、付勢腕部652の先端部は本体部3641の先端側(摺動孔643へ近接する側)へ移動される。
そのため、付勢腕部652の先端部は、本体部3641の傾斜側面3641aに沿って摺動する。即ち、ねじりバネ650には、伝達部材3640が揺動されると、その伝達部材3640の揺動角度により生じる変形に加え、傾斜側面3641aにより伝達部材3640の幅が拡大されることによる変形が生じる。この場合、伝達部材3640の先端部へ向かうほど伝達部材3640の幅はより拡大されるので、伝達部材3640の倒立状態(図60(a)参照)からの揺動角度が大きくなるほど、傾斜側面3641aにより伝達部材3640の幅が拡大されることによるねじりバネ650の変形が大きくなる。そのため、伝達部材3640の揺動角度が大きくなるに従って、ねじりバネ650が発生させる付勢力の増大割合(伝達部材3640の揺動角度に対するねじりバネ650の付勢力の変化)を大きくすることができる。
次いで、図61から図64を参照して、第4実施形態における傾倒動作ユニット4600について説明する。
第1実施形態では、伝達部材640の当接部644が固定される場合を説明したが、第4実施形態における傾倒動作ユニット4600は、伝達部材4640が、当接部644に加え、その当接部644よりも幅の短い移動当接部材4647を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図61(a)は、第4実施形態における伝達部材4640の背面斜視図であり、図61(b)は、移動当接部材4647の背面斜視図である。なお、図61(a)では、移動当接部材4647の図示が省略される。
図61(a)に示すように、伝達部材4640の正面円弧板部4645は、当接部644の配設間隔よりも短い間隔で左右対称に配置され前後方向に穿設される案内孔4645aを備える。案内孔4645aは、移動当接部材4647の一対の背面突起部4647bを前後方向に移動可能に案内する貫通孔である。
図61(b)に示すように、移動当接部材4647は、長尺の板状に形成される本体部4647aと、その本体部4647aの両端部から背面側に突設される一対の背面突起部4647bと、本体部4647の略中央から正面側に先端半球状に突設される正面突起部4647cと、を主に備える。
なお、本体部4647aの正面突起部4647cの反対側にコイルスプリング4648の一方の端部が固着され、そのコイルスプリング4648の他方の端部が本体部641bに固着される(図62(c)及び図62(d)参照)。また、理解を容易とするため、図61(a)、図61(b)、図62(a)及び図62(b)ではコイルスプリング4648の図示を省略する。
背面突起部4647bは、伝達部材4640の案内孔4645aに正面側から挿通される部分であり、その挿通時に正面円弧板部4645から十分な長さ(ねじりバネ650の付勢腕部652と当接可能な長さ)が突き出される態様で形成される。なお、背面突起部4647bは、ねじりバネ650の付勢腕部652と面(線)で当接(図64(b)参照)する角度に傾斜して形成される。これにより、付勢腕部652と背面突起部4647bが点で当接される場合に比較して付勢腕部652に加えられる負荷が軽減され(応力集中が抑制され)、付勢腕部652の耐久性を向上させることができる。
正面突起部4647cは、演出部材4620の本体部材4621(図63参照)に当接される部分であって、本体部材4621に形成される逃げ開口部4621aとの関係から、移動当接部材4647が正面円弧板部4645から離反されたり(図62(c)参照)、移動当接部材4647が正面円弧板部4645に近接されたりする(図62(d)参照)。なお、正面突起部4647cの先端が半球状に形成されるため、逃げ開口部4621aから本体部材4621の表面上に正面突起部4647cを乗り上げさせやすくすることができる。
図62(a)及び図62(b)は、伝達部材4640の背面斜視図であり、図62(c)及び図62(d)は、伝達部材4640の上面図である。なお、図62(a)及び図62(c)では、移動当接部材4647が正面円弧板部4645から離反された状態が、図62(b)及び図62(d)では、移動当接部材4647が正面円弧板部4645に近接された状態が、それぞれ図示される。
図63は、演出部材4620の本体部材4621を模式的に図示した正面模式図である。なお、本体部材4621に対して倒立状態を形成する伝達部材4640が中心状態4640Cとして、伝達部材4640が正面視反時計回りに揺動された状態が反時計揺動状態4640Lとして、伝達部材4640が正面視時計回りに揺動された状態が時計揺動状態4640Rとして、それぞれ想像線で図示される。また、中心状態4640C、反時計揺動状態4640L及び時計揺動状態4640Rにおいて、理解を容易とするために、当接部644、正面円弧板部4645及び背面円弧板部646の図示が省略される。
本体部材4621は、前後方向に穿設される逃げ開口部4621aを備える。図63に示すように、逃げ開口部4621aは、伝達部材4640が正面視反時計回りに揺動される場合に正面突起部4647c(図62参照)が移動する領域(中心状態4640Cと反時計揺動状態4640Lとの間)で形成される。
伝達部材4640の正面突起部4647cが逃げ開口部4621aと正面視で重なる場合は、正面突起部4647cが逃げ開口部4621aに挿通され、移動当接部材4647がコイルスプリング4648の弾性力により伝達部材4640の本体部641から離反される(図62(c)参照)。一方、正面突起部4647cが逃げ開口部4621aと重ならない(本体部材4621と重なる)場合は、正面突起部4647cが演出部材4620の本体部材4621の背面側の側面に当接され、移動当接部材4647が伝達部材4640の本体部641に近接される(図62(d)参照)。
即ち、移動当接部材4647の背面突起部4647bは、伝達部材4640が倒立状態から正面視時計回りに揺動される場合にねじりバネ650の付勢腕部652と当接可能な位置まで張り出される。よって、伝達部材4640が倒立状態から正面視時計回りに揺動される場合の方が、正面視反時計回りに揺動される場合に比較して、ねじりバネ650の付勢腕部652が発生する付勢力の増大割合(揺動角度に対する付勢力の上昇の度合い)を上昇させることができる。
図64(a)及び図64(b)は、伝達部材4640及びねじりバネ650の正面図である。なお、図64(a)及び図64(b)では、ベース部材610及び演出部材4620の外形が想像線で図示されると共に、理解を容易とするために移動当接部材4647の本体部4647aの図示が省略される。また、図64(a)では、伝達部材4640の摺動孔643が筒状部642の鉛直上方に配置される倒立状態が図示され、図64(b)では、図64(a)の倒立状態から伝達部材4640が正面視時計回りに所定量揺動され正面視左側の付勢腕部652が背面突起部4647bに当接された状態が図示される。
図64(b)に示すように、伝達部材4640の揺動角度が小さいうちに、付勢腕部652に伝達部材4640の本体部641の反対側(当接部644側)から当接可能とすることで、伝達部材4640が正面視時計回りに回転される場合にねじりバネ650が生じる付勢力を増大させることができる。
これにより、伝達部材4640が正面視反時計回りに揺動される場合の始動速度を高速化させたまま、伝達部材4640が正面視時計回りに揺動される場合の付勢力の向上を図ることができる。従って、演出部材4620が、背面ケース210の内側面に衝突することを抑制することができる。
即ち、傾倒動作ユニット4600が退避位置に配置される状態において、演出部材4620が倒立状態とされると、背面ケース210の内側面は演出部材620と近接される(図5参照)。ここで、演出部材4620が、正面視反時計回りに揺動された状態(図57参照)から、倒立状態へむけて勢いよく揺動されると、演出部材4620を減速しきれず、背面ケース210の内側面に演出部材4620が衝突される恐れがある。
これに対し、本実施形態では、演出部材4620が倒立状態から正面視時計回りに揺動されるタイミングで背面突起部4647bが突き出され(図62(d)参照)、ねじりバネ650の付勢力を増大させることができる。これにより、演出部材4620が倒立状態から正面視反時計回りに傾倒する場合の動作速度を高速に維持したまま、演出部材4620が倒立状態から正面視時計回りに傾倒する場合に演出部材4620を十分に減速させることができる。
また、伝達部材4640の揺動方向の反対側に配設される背面突起部4647bと付勢腕部652との当接点で背面突起部4647bを押し戻す方向(図64(b)正面視反時計回り)に付勢力が生じる。これにより、伝達部材4640に近接される側(図64(b)右側)に配置される付勢腕部652のみで伝達部材4640を押し戻す場合に比較して、より大きな付勢力で伝達部材4640を押し戻すことができる。一方で、伝達部材4640に近接される側に配置される付勢腕部652が発生させる付勢力の向上も図ることができる。
即ち、図64に示すように、伝達部材4640に近接される側の反対側に配置される当接部644と付勢腕部652とが当接される位置から下受け板部614aまでの距離に比較して、その下受け板部614aから屈曲部653aまでの距離は短い。この場合、下受け板部614を支点として、当接部644からの力で屈曲部653aを移動させることは容易であるが、その逆は困難である(支点から作用点までの距離に差があるため)。
そのため、当接部644と付勢腕部652とが当接されることで生じる正面視左側の付勢腕部652の変形によって生じる付勢力は、ねじりバネ650全体の変形で生じる。即ち、正面視左側の付勢腕部652と背面突起部4647bとが当接されることで下受け板部641aを支点に正面視左側の屈曲部653aが正面視左方(コイル部651の内径を狭める方向)に移動される変形は、連結腕部653、コイル部651及び正面視右方の付勢腕部652の変形を生じさせる。この場合、コイル部651が内径を縮小される変形を受けるため、コイル部651及び連結腕部653にはコイル部651の内径を大きくする側への付勢力が生じ、正面視右方(伝達部材4640の揺動方向側)の付勢腕部652が伝達部材640を押し返す付勢力を向上させることができる。
次いで、図65から図68を参照して、第5実施形態における複合動作ユニット5500について説明する。
第1実施形態では、回動アーム部材550が張出位置に配置された場合に、第2非伝達壁部553cが回動クランク部材570の回転軸を中心とした円に沿った形状となる場合を説明したが、第5実施形態における回動アーム部材5550は、非伝達壁部5553cが、回動クランク部材570から離反する方向へ凹設される凹設部5556を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図65から図68は、第5実施形態における複合動作ユニット5500の正面図である。なお、図65では、回動アーム部材5550が張出位置に配置され回動クランク部材570の摺動突起部574が第2非伝達壁部5553cの左端部付近に配置された状態が、図66では、図65の状態から回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転され摺動突起部574が第2非伝達壁部5553cの左端から一つ目の凹設部5556に収容された状態が、図67では、図66の状態から摺動突起部574が凹設部5556から外れる位置まで回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転された状態が、図68では、図67の状態から回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転され摺動突起部574が第2非伝達壁部5553cの左端から二つ面の凹設部5556に収容された状態が、それぞれ図示される。
図65から図68に示すように、複合動作ユニット5550の第2非伝達壁部5553cは、回動クランク部材570から離反する方向へ凹設される凹設部5556を備える。
凹設部5556は、正面視左側に形成される円弧形状(円形状の約1/4)の第1壁部5556aと、正面視右側に形成される円弧形状(円形状の約1/4)の第2壁部5556bと、を主に備え、回動クランク部材570の摺動突起部574の摺動を可能にする形状とされる。即ち、凹設部5556の第2非伝達壁部5553cからの凹設深さは摺動突起部574の半径以下とされ、凹設部5556及び第2非伝達壁部5553cの連結部は滑らかな曲面から形成される。
図65に示す状態から回動クランク部材570が図66に示す状態まで正面視反時計回りに回転されると、摺動突起部574と第2非伝達壁部5553cとの間に隙間が生じ、回動アーム部材5550が、ねじりバネ517aの生じる付勢力により摺動突起部574と当接されるまで揺動される。この場合、回動クランク部材570が回転されるに従って、第2非伝達壁部5553cの左端から一つ目の凹設部5556の第1壁部5556aが摺動突起部574に摺動されながら回動アーム部材5550が揺動される。
即ち、図65に示す状態から図66に示す状態までの間は、回動アーム部材5550がねじりバネ517aの付勢力により揺動されているに過ぎず、第2駆動装置560の駆動力で回動アーム部材5550が揺動されるわけではない。そのため、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転され、回動クランク部材570の摺動突起部574が第1壁部5556aと対向配置される場合において、回動アーム部材5550及び回動クランク部材570は非伝達状態を形成する。
図66に示す状態から回動クランク部材570が図67に示す状態まで正面視反時計回りに回転されると、摺動突起部574が第2非伝達壁部5553cの左端から一つ目の凹設部5556の第2壁部5556bに押し当てられ、回動アーム部材5550が再び張出位置まで揺動される(押し下げられる)。即ち、図66に示す状態から図67に示す状態までの間は、第2壁部5556bが摺動突起部574に押進され移動されることにより回動アーム部材5550が揺動されるので、回動クランク部材570を介して第2駆動装置560の駆動力が回動アーム部材5550に伝達される。
そのため、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転され、回動クランク部材570の摺動突起部574が第2壁部5556bと対向配置される場合において、回動アーム部材5550及び回動クランク部材570は伝達状態を形成する。
図67に示す状態から回動クランク部材570が図68に示す状態まで正面視反時計回りに回転されると、摺動突起部574と第2非伝達壁部5553cとの間に隙間が生じ、回動アーム部材5550が、ねじりバネ517aの生じる付勢力により摺動突起部574と当接されるまで揺動される。この場合、回動クランク部材570が回転されるに従って、第2非伝達壁部5553cの左端から二つ目の凹設部5556の第1壁部5556aが摺動突起部574に摺動されながら回動アーム部材5550が揺動される。
即ち、図67に示す状態から図68に示す状態までの間は、回動アーム部材5550がねじりバネ517aの付勢力により揺動されているに過ぎず、第2駆動装置560の駆動力で回動アーム部材5550が揺動されるわけではない。そのため、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転され、回動クランク部材570の摺動突起部574が第1壁部5556aと対向配置される場合において、回動アーム部材5550及び回動クランク部材570は非伝達状態を形成する。
図65から図68に図示されるように、回動クランク部材570が正面視反時計回りに回転される状態において、摺動突起部574が第1壁部5556aと対向配置される場合には回動クランク部材570と回動アーム部材5550との間で非伝達状態が形成され、摺動突起部574が第2壁部5556bと対向配置される場合には回動クランク部材570と回動アーム部材5550との間で伝達状態が形成される。
なお、回動クランク部材570の回転方向が逆転すれば、第1壁部5556aと第2壁部5556bとの関係は逆転する。即ち、回動クランク部材570が正面視時計回りに回転される場合には、摺動突起部574が第1壁部5556aと対向配置される場合には回動クランク部材570と回動アーム部材5550との間で伝達状態が形成され、摺動突起部574が第2壁部5556bと対向配置される場合には回動クランク部材570と回動アーム部材5550との間で非伝達状態が形成される。
図65から図68に図示されるように、本実施形態では、回動クランク部材570の揺動方向を切り替えることなく、回動アーム部材5550が退避位置(図22参照)と張出位置との間を揺動される揺動動作に加え、回動アーム部材5550が張出位置付近で幅の小さな態様(前板部材546の下端が位置U1と位置U2との間で移動される態様)で揺動される揺動動作を形成することができる。
これにより、駆動装置560の駆動方向を切り替えることでは形成困難な揺動動作を回動アーム部材5550に生じさせることができる。すなわち、回動アーム部材5550に張出位置付近で幅の小さな揺動動作を行わせることは、駆動装置560の駆動方向を短い間隔で繰り返し切り替えることでも形成可能である。しかし、この場合、揺動動作の幅は、駆動装置560の駆動方向の切り替え速度に依存する。また、回動アーム部材5550の揺動動作の速度が大きな状態で駆動装置560の駆動方向を切り替えたとしても、駆動装置560及び回動アーム部材5550の慣性が大きく瞬時に駆動方向を切り替えられず、駆動方向の切り替えに要する時間が長くなる恐れがあった。
これに対し、本実施形態における回動アーム部材5550の張出位置付近での揺動動作では、回動クランク部材570の回転方向を切り替える必要がないので、駆動方向の切り替えに要する時間を不要とすることができる。
また、回動アーム部材5550が正面視時計回りに揺動される動作(上向きの揺動動作)の動作速度は、ねじりバネ517aが生じる付勢力に依存し、回動アーム部材5550が正面視反時計回りに揺動される動作(下向きの揺動動作)の動作速度は、回動クランク部材570の回転速度に依存する。そのため、ねじりバネ517aの付勢力を増大させ、回動クランク部材570の回転速度を高速化することにより、回動アーム部材5550の張出位置付近での揺動速度を高速化することができる。
これにより、回動アーム部材5550の張出位置付近での揺動動作の高速化と、揺動方向の切り替え時間の短縮と、を両立させることができる。
次いで、図69から図71を参照して、第6実施形態における複合動作ユニット6500について説明する。
第1実施形態では、複合動作ユニット500の回動アーム部材550が一体成型される場合を説明したが、第6実施形態における回動アーム部材6550は、二部材が連結されることで形成される。その二部材が相対的に揺動されることで、他方の端部に形成される円弧状孔554の姿勢が変化される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図69(a)及び図69(c)は、第6実施形態における回動アーム部材6550の部分正面図であり、図69(b)は、図69(a)の矢印LXIXb方向視における回動アーム部材6550の部分上面図である。なお、図69(a)では、先端揺動部材6556の先端が上方へ向けられる第1姿勢が形成される状態が図示され、図69(b)では、先端揺動部材6556の先端が下方へ向けられる第2姿勢が形成される状態が図示される。
図69(a)に示すように、回動アーム部材6550は、第3軸部517(図71参照)に軸支される本体部6551と、その本体部6551の他方の端部に連結される先端揺動部材6556と、本体部6551の他方の端部の上面に固定され先端揺動部材6556の姿勢を切り替える切替装置6590と、を主に備える。なお、先端揺動部材6556に円弧状孔6554が形成される。
本体部6551は、他方の端部に前後方向に穿設され先端揺動部材6556の揺動中心となる軸支孔6551aを備える。
先端揺動部材6556は、本体部6551と連結される側の端部が本体部6551を前後で挟む態様で形成され、先端揺動部材6556の揺動中心として穿設される軸支孔6556aと、その軸支孔6556a及び先端揺動部材6556の軸支孔6551aに挿通される棒材である軸支棒6556bと、軸支孔6556aから円弧状孔6554の反対側へ延設される延設部の端部から前後方向に突設され切替装置6590の案内長孔6591dに連結される摺動軸6556cと、を主に備える。
円弧状孔6554は、上側の内側面に突設される返し部6554aを備える。返し部6554aは、伸縮演出部材6540の突起部541bに摺動される部分であって、円弧状孔6554の先端側から摺動される場合には抵抗が抑制される一方で、反対方向で摺動される場合には摺動抵抗が増大される左右非対称形状の突部である。
図70(a)及び図70(b)は、切替装置6590の正面斜視図である。なお、図70(a)では、C字状部材6591がスイッチ部材6592から押し上げられる押し上げ状態が図示され、図70(b)では、C字状部材6591がスイッチ部材6592に対して押し下げられる押し下げ状態が図示される。また、押し上げ状態が、図69(c)の状態に対応し、押し下げ状態が、図69(a)の状態に対応する。
C字状部材6591は、中央に移動円柱部6592aが挿通可能な内径の孔が穿設される長尺板状の本体部6591aと、その本体部6591aに穿設される孔の内径と同じ内径の筒状に突設され内周面に溝加工が形成される筒状案内部6591bと、本体部6591aの長尺方向の両端部から下方へ延設され本体部6551の前後方向に対向配置される一対の腕部6591cと、その腕部6591cの先端側に穿設され先端揺動部材6556の摺動軸6556cが案内される長孔である案内長孔6591dと、を主に備える。
筒状案内部6591bの内周面に形成される溝加工は、スイッチ部材6592の移動円柱部6592aとの関係でノック機構を形成するための溝加工である。C字状部材6591は、この溝加工により、スイッチ部材6592に押し付けられる方向に押進されるたびに押し上げ状態と押し下げ状態とが切り替えられる。なお、ノック機構を形成するために必要な付勢力を形成するバネ部材等の他の部材の図示は省略され、本実施形態では、筒状案内部6591bが伸縮演出装置6540の押し込み部6541a(図71参照)に押進される。
スイッチ部材6592は、筒状案内部6591aに挿通され筒状案内部6591aの内周面の溝を移動可能な突起が外周面から突設される移動円柱部6592aと、その移動円柱部6592aが軸回転可能に連結され回動アーム部材6550の本体部6551の上面に固定される固定板部6592bと、を主に備える。
ここで、ノック機構では、筒状部材と、その筒状部材の内周側を案内される円柱部材とが相対回転しながら、軸方向の互いの相対位置が切り替えられる。即ち、筒状部材と円柱部材とが相対回転しない場合、軸方向の相対位置を切り替えることが困難となる。
これに対し、スイッチ部材6592の移動円柱部6592aは、固定板部6592bに対して軸回転可能に連結される。そのため、C字状部材6591がスイッチ部材6592に近接する方向へ移動されるとき(図70(a)下方へ押し下げられるとき)、筒状案内部6591bに対して移動円柱部6592aが相対回転可能とされ、ノック機構が機能する。
そのため、回動アーム部材6550の本体部6551に固定される固定板部6592bと、C字状部材6591とを相対回転させることなく押し上げ状態と押し下げ状態とを切り替えることができる。従って、先端揺動部材6556の摺動軸6556cがC字状部材6591の案内長穴6591dに挿通された状態を維持したまま、切替装置6590の状態を、押し上げ状態と押し下げ状態とで切り替えることができる。
図71(a)及び図71(b)は、複合動作ユニット6500の正面図である。図71(a)では、回動アーム部材6550が張出位置に配置され切替装置6590が押し上げ状態とされる状態が図示され、図K4では、回動アーム部材6550が張出位置に配置され切替装置6590が押し下げ状態とされる状態が図示される。なお、図71(a)及び図71(b)において、伸縮演出装置6540は、揺動可能範囲の左端まで揺動された位置に配置される。
図71(a)及び図71(b)に示すように、回動アーム部材6550が張出位置に配置された状態において、切替装置6590の状態を切り替えることで、伸縮演出装置540の正面視時計回りの最大揺動角度を切り替えることができる。
即ち、切替装置6590が押し上げ状態を形成する場合(図71(a)参照)は、円弧状孔6554の上側の内側面に伸縮演出部材6540の突起部541bが当接され、伸縮演出装置6540の揺動角度が制限される。
この位置において円弧状孔6554の内側面および返し部6554aがストッパとして機能し、伸縮演出装置6540の揺動速度が高速な場合でも、図71(a)に図示される配置で伸縮演出装置6540を急停止させることができる(突起部541bの移動軌跡RIが返し部6554aに当接される)。
これに対し、切替装置6590が押し下げ状態を形成する場合(図71(b)参照)は、伸縮演出装置6540の突起部541bは円弧状孔6554及び返し部6554aには衝突されない(突起部541bの移動軌跡RIが返し部6554aに当接されない)。そのため、円弧状孔6554に沿って伸縮演出装置6540の突起部541bが移動され、その突起部541bは円弧状孔6554の口先部554aから外側へ放出される。
そのため、回転板520が第2ストッパ部518bに当接されるまで伸縮演出装置6540は正面視時計回りに揺動される(図71(b)参照)。この位置において第2ストッパ部518bがストッパとして機能し、伸縮演出装置6540の揺動速度が高速な場合でも、伸縮演出装置540を急停止させることができる。
これにより、伸縮演出装置6540を正面視時計回りに揺動させ、伸縮演出装置6540を急停止させる演出をさせる場合の揺動角度を複数(本実施形態では2種類)形成することができ、演出のバリエーションを増加させることができる。なお、切替装置6590の状態の切り替えは、伸縮演出部材6540が正面視反時計回りに揺動されることで、切替装置6590の筒状案内部6591bが、本体部材6541aの正面視右上部から右方へ延設される押し込み部6541aによって押進されることで生じる。そのため、先端揺動部材6556を揺動させる駆動装置として、伸縮演出部材6540の揺動を生じさせる第2駆動装置560が兼用されるので、駆動装置の配設個数を削減することができる。
また、図71(a)及び図71(b)では、先端揺動部材6556が僅かに揺動されることで伸縮演出装置6540の揺動範囲を変化させることができる。この場合、揺動角度が僅かなので、遊技者にとってその変化を気付きにくくさせることができる。
ここで、回動アーム部材6550を遊技者が視認可能な状態である場合に(図71参照)、回動アーム部材6550の状態の変化から伸縮演出装置6540の揺動角度が把握できるとすると、伸縮演出装置6540の動作への期待感が薄れ、伸縮演出装置6540の注目度が低下される。
これに対し、本実施形態では、伸縮演出装置6540の揺動角度を変化させるために先端揺動部材6556が揺動される角度が小さく、その変化に遊技者が気付くことを困難とすることができる。これにより、伸縮演出装置6540の動作への期待感を高めることができ、伸縮演出装置6540の注目度を向上させることができる。
次いで、図72を参照して、第7実施形態における傾倒動作ユニット7600について説明する。
第1実施形態では、伝達部材640の端部に長孔形状の摺動孔643が形成され、その摺動孔643に演出部材620が案内可能に支持される場合を説明したが、第7実施形態における傾倒動作ユニット7600は、伝達部材7600の端部に軸支孔7643が形成され、その軸支孔7643に演出部材620が軸支される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図72(a)及び図72(b)は、第7実施形態における傾倒動作ユニット7600の正面図である。図72(a)では、伝達部材7640の軸支孔7643が筒状部642の鉛直上方に配置される倒立状態が図示され、図72(b)では、図72(b)では、倒立状態から伝達部材7640が反時計回りに所定角度揺動された状態が図示される。なお、図72(a)及び図72(b)では、理解を容易にするために、演出部材620の外形が想像線で図示され、その背面側の伝達部材7640及びベース部材7610が視認可能とされると共にねじりバネ650及び軸支突部612の図示が省略される。
図72(a)に図示されるように、ベース部材7610は、本体部611の第2軸支孔614の鉛直下方に、前後方向に穿設される摺動孔7613を備える。摺動孔7613は、演出部材620の揺動軸部626が挿通される長孔であって、その長孔の長手方向が上下方向に沿って形成される。揺動軸部626は摺動孔7613にスライド移動可能に支持される。
伝達部材7640は、本体部641の筒状部642が形成される端部の反対側の端部に軸支孔7643が穿設される。軸支孔7643は、演出部材620の摺動軸部621aを揺動可能に軸支する部分であり、摺動軸部621aの直径より若干大きな内径で穿設される。
演出部材620の揺動動作は、第1駆動装置630(図51参照)の駆動モータ631の回転により伝達部材7640が第2軸支孔614を中心に揺動することにより生じる。
本実施形態では、摺動軸部621aは軸支孔7643に軸支されるので、伝達部材7640が揺動すると、演出部材620の摺動軸部621aが、伝達部材7640の揺動軌跡に沿って移動する(摺動軸部621aが本体部641の長手方向に移動することは無い)。一方で、揺動軸部626は摺動孔7613に挿通されているので、伝達部材7640が揺動すると、揺動軸部626はベース部材7610に対して相対的にスライド移動する。
ここで、伝達部材7640の揺動角度と、演出部材620の揺動角度の違いについて説明する。図72(b)に示すように、伝達部材7640が倒立状態から伝達揺動角度φ71だけ揺動する場合、演出部材620が演出揺動角度φ72だけ揺動する(演出揺動角度φ72<伝達揺動角度φ71)。そのため、駆動モータ631の分解能の最小単位で伝達部材7640を揺動させる場合に演出部材620の揺動角度を伝達部材7640の揺動角度よりも小さくすることができる。これにより、演出部材620の揺動角度の調整の精度を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、伝達部材7640が倒立状態から伝達揺動角度φ71だけ揺動する場合の演出部材620の揺動角度を、第1実施形態の場合に比較して小さくすることができることを説明する。
図72(b)に図示される連結線J1は、摺動軸部621aから揺動軸部626まで引かれた線である。仮想連結線J2は、連結線J1と等しい長さとされ、筒状部642を通り本体部641の長手方向に引かれた線から摺動孔7613の上部に揺動軸部626が配置された場合(図72(a)参照)の揺動軸部626の中心まで引かれた線である。なお、仮想連結線J2の揺動角度である仮想角度φ73は、第1実施形態の第1軸支孔613が、摺動孔7613の上部に形成されるとした場合に、第1実施形態の伝達部材640が伝達揺動角度φ71だけ揺動することに伴い揺動される演出部材620の揺動角度に対応する。
図72(b)に示すように、演出揺動角度φ72は、仮想角度φ73よりも小さくされ、第7実施形態の傾倒動作ユニット7600によれば、伝達部材7640を所定角度揺動させる場合の演出部材620の揺動角度を、第1実施形態の場合に比較して小さくすることができる。従って、駆動モータ631(図51参照)の分解能の最小単位で伝達部材7640を揺動させる場合に演出部材620の揺動量をそれよりも小さくすることができ、演出部材620の揺動角度の調整の精度を向上させることができる。
次いで、図73から図80を参照して、第8実施形態について説明する。上述した各実施形態では、スルーゲート67の真下に電動役物640a及び第2入賞口640bが配設され球が滑らかに流れる場合を説明したが、第8実施形態における流路形成ユニット8800は、スルーゲート67と電動役物640aとの間に球の流下し易い方向を意図的に作る方向変化部8826を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。また、本実施形態の説明において、図2を適宜参照する。
図73は、第8実施形態における流路形成ユニット8800の分解斜視図である。なお、図73では、左側に覆設板部材8820が背面を手前側に向ける姿勢で図示され、右側に基礎板部材8810が正面を手前側に向ける姿勢で図示される。
図73に示すように、流路形成ユニット8800は、遊技領域の右下部分(縦壁部73b及び傾斜壁部73cが交差する領域、図2参照)に配設されるユニットであって、遊技盤13(図2参照)に締結固定される板状の基礎板部材8810と、その基礎板部材8810の正面側に所定距離離間して配設される板部材であって背面側に嵩上げされる部分で基礎板部材8810と締結固定される覆設板部材8820と、を備える。
基礎板部材8810は、上端部にスルーゲート67が配設されると共にその下方に電動役物640a及び第2入賞口640bが順に配設される板状の本体部材8811と、スルーゲート67及び電動役物640aの間に本体部材8811の正面側壁面から背面側へ向けて凹設される凹設部8812と、を備える。
覆設板部材8820は、組立状態(図2参照)において本体部材8811の正面側に所定距離空けて配設される板状の本体部材8821と、その本体部材8821から背面側に嵩上げ形成される複数の嵩上げ部8822,8823,8824,8825と、組立状態(図3参照)において基礎板部材8810の凹設部8812の正面側に配設される複数の突起から構成される方向変化部8826と、を備える。
複数の嵩上げ部は、第1嵩上げ部8822と、第2嵩上げ部8823と、第3嵩上げ部8824と、第4嵩上げ部8825と、から構成され、それぞれが同じ長さ(遊技球の直径以上の長さ)だけ嵩上げされることにより、組立状態(図2参照)において各嵩上げ部8822,8823,8824,8825及び本体部材8811,8821で囲う部分に球が流下可能な流路が形成される。
第1嵩上げ部8822は、スルーゲート67を収容する部分である収容部8822aと、その収容部8822aの正面視右側面(図73左側面)から正面視右方(図73左方)に下降傾斜して形成される傾斜面部8822bと、収容部8822aの下端部において正面視左側(図73右側)から下方へ湾曲して延設される湾曲壁部8822cと、を備える。
このような構成から、第1嵩上げ部8822の上流側を流下する遊技球は、スルーゲート67を通過するか、傾斜面部8822bを転動するかで、流下経路を振り分けられる(図76参照)。
第2嵩上げ部8823は、スルーゲート67及び電動役物640aの上下方向の中間位置から、正面視右方(図73左方)に所定距離移動した位置であって傾斜面部8822bを転動する球が落下する位置に配置され、上側面が正面視左方(図73右方)に向かうほど下降傾斜して形成されると共に、係止部8825cを正面視左方(背面視右方)へ越える位置まで延設される。
第3嵩上げ部8824は、収容部8822aの正面視左側面(図73右側面)の鉛直下方に所定距離空けて、少なくとも湾曲壁部8822cの下端との隙間が球の直径以上とされる位置に配置される。
第4嵩上げ部8825は、上側面が正面視左方(図73右方)に向けて下降傾斜する態様で構成され、電動役物640aが張り出した際にその下側に当接する位置に配置される当接壁面8825aと、その当接壁面8825aから電動役物640aの正面視右側端部(図73右側端部)から若干隙間を空けて上方へオフセットされる転動壁面8825bと、その転動壁面8825bの正面視右側端部(図73左側端部)から上方へ延設される係止部8825cと、当接壁面8825aの中間部から下方へ延設される一対の流路壁面8825dと、を備える。
係止部8825cは、転動壁面8825bを転動する球が、球を第2アウト口315(図2参照)へ案内する排出口8825c1に流入することを防止するための部分であって、球の直径の概略1/3程度の延設長さで延設される。
電動役物640aは、第1実施形態で上述したように、普段は閉鎖状態(前方へ張り出した状態、図73参照)とされるが、スルーゲート67を球が通過することを契機として開放状態(後方へ退避した状態)とされ得る態様で構成される。そのため、スルーゲート67を通過しない流下経路(例えば、傾斜面部8822bを転動する流下経路)に比較して、スルーゲート67を通過する流下経路の方が遊技者にとって有利である(有利度が高い)。
従来、スルーゲート67の下方の領域に電動役物640a及び第2入賞口640bが配設される場合、スルーゲート67の下方に釘を植設することにより球の経路を変化させ、いくつかの球は電動役物640a及び第2入賞口640bに流下され、それ以外の球は電動役物640a及び第2入賞口640bを避けて流下するように調整していた。そのため、スルーゲート67、電動役物640a及び第2入賞口640bを配置するスペースが大型化するという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、スルーゲート67、電動役物640a及び第2入賞口640bをユニットで構成する(基礎板部材8810に一体で構成する)ことにより全体の構成を小型化している。これにより、遊技盤13の他の遊技領域の設計自由度を向上させることができる。
また、1ユニットとして構成されることで、スルーゲート67と、電動役物640aと、方向変化部8826との相対位置関係が変化することを抑制できる。これにより、スルーゲート67と、電動役物640aと、方向変化部8826との相対位置関係が変化することで設計意図と異なる経路で球が流下することを防止することができる。
ここで、小型化する程(スルーゲート67と電動役物640aとの間の距離を短くする程)スルーゲート67を通過した球が電動役物640aに流下されやすくなるし、釘を植設することができないため、遊技者に付与される利益が大きくなりすぎる恐れがあるという問題点が新たに生じた。これに対し、本実施形態では、覆設板部材8820に方向変化部8826が配設され、その方向変化部8826に衝突した球の流下方向を複数種類に分岐させることで、電動役物640aへ向けて流下する球の割合を予め小さくする構成としている。
図74(a)から図74(d)を参照して、方向変化部8826の構成について説明する。図74(a)は、方向変化部8826の正面図であり、図74(b)は、図74(a)の矢印LXXIVb方向視における方向変化部8826の上面図であり、図74(c)は、図74(a)の矢印LXXIVc方向視における方向変化部8826の側面図であり、図74(d)は、図74(a)の矢印LXXIVd方向視における方向変化部8826の側面図である。なお、図74(a)では、覆設板部材8820の本体部材8821の図示が省略され、図74(b)から図74(d)では、本体部材8821が部分的に断面視される。また、図74(a)から図74(d)では、基礎板部材8810の凹設部8812の外形が想像線で図示される。
図74(a)から図74(d)に示すように、方向変化部8826は、覆設板部材8820の本体部材8821から背面側(図74(a)奥側)に隆起され上下方向に延設される複数(本実施形態では4本)の凸設部8826a,8826b,8826c,8826dを備える。
凸設部は、左右方向視(図74(c)又は図74(d)参照)において上底が下底に比較して短い台形形状の部分であって、正面視(図74(a)参照)において、上側辺は正面視右方へ向かうほど下降傾斜する態様で並び、下側辺は第4嵩上げ部8825(図73参照)の傾斜に沿う形状に構成され、正面視左側から順に第1凸設部8826aと、第2凸設部8826bと、第3凸設部8826cと、第4凸設部8826dと、を備える。
第1凸設部8826aは、隣設される第2凸設部8826bに比較して凸設高さが短く(約半分と)され、正面視左側面として形成される傾斜側面8826a1が、約45度の角度で傾斜する(図74(b)参照)と共に下方へ向かうにつれて正面視左方に若干湾曲して形成される。そのため、第1凸設部8826aの正面視左側から流下してくる球の左右方向の速度を前後方向(図74(a)紙面垂直方向)に向き変える(左右方向の速度を減少させる)ことができると共に下方への球の流下を第1凸設部8826aの湾曲する方向に向け易くすることができる。
第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cは、第1凸設部8826aの凸設高さの約2倍の凸設高さとされ、互いに面が相手側を向く態様で傾斜される対面傾斜側面8826b1,8826c1を備え、下方へ向かうほど互いの離間間隔が拡大する態様で配設される。そのため、第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cの上半部に流下した球を対面傾斜側面8826b1,8826c1に衝突させることで、第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cの間に球を維持し易くすることができ、また第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cの下半部まで流下した球が第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cと当接している間に左右方向(図74(a)左右方向)に排出されることを抑制することができる。
図74(b)に示すように、第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cの間を流下する球は、第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cの対向配置される側面の端部に引っ掛けられることにより、左右方向(図74(b)左右方向)への移動が抑制される。即ち、第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cは、球を引っ掛けられる程度に離間して配設される。
第4凸設部8826dは、第1凸設部8826aと同等の凸設高さとされ、正面視右側面として形成される傾斜側面8826d1が、約45度の角度で傾斜する(図74(b)参照)。そのため、第1凸設部8826aの正面視右側から流下してくる球の左右方向の速度を前後方向(図74(a)紙面垂直方向)に向き変えることができる。
図75を参照して、基礎板部材8810の凹設部8812について説明する。図75(a)は、基礎板部材8810の内の凹設部8812のみを図示した凹設部8812の正面図であり、図75(b)は、図75(a)のLXXVb−LXXVb線における凹設部8812の断面図であり、図75(c)は、図75(a)のLXXVc−LXXVc線における凹設部8812の断面図である。なお、図75(b)及び図75(c)では、基礎板部材8810の本体部材8811が部分的に図示され、図75(b)では、方向変化部8826の外形線が想像線で図示される。
図75に示すように、凹設部8812は、その外周が凹設方向(図75(a)紙面奥方向)に向かうにつれて凹設断面の断面積が縮小する態様で傾斜され、外周形状は、正面視において方向変化部8826の外周形状に沿って方向変化部8826を囲う態様で配設される。即ち、方向変化部8826(図73参照)の外周部分に衝突して前後方向に跳ね返った球は、凹設部8812の内側に衝突する。
凹設部8812は、縦方向に延びる平面で断面視した形状(図75(b)参照)と、横方向に延びる平面で断面視した形状(図75(c)参照)とが異なる形状で構成される。
図75(b)に示すように、凹設部8812を縦方向に延びる平面で断面視した形状は、上側と下側とが異なった曲率半径の円弧で形成される湾曲形状から構成される。即ち、方向変化部8826の上側の傾斜面と対向配置される上側円弧部8812aは、第1曲率半径8812rの円弧形状から構成され、その上側円弧部8812aの下端部から下方へ延設される下側円弧部8812bは、第2曲率半径8812Rの円弧形状から構成される。ここで、第1曲率半径8812rの方が第2曲率半径8812Rに比較して短い(8812r<8812R)。また、第1曲率半径8812rは、凹設部8812の最深部の凹設深さと同等の長さとされる。
そのため、凹設部8812の前後方向における球の衝突位置ごとの、球の跳ね返る方向を有利な方向に向けることができる。即ち、上側円弧部8812aは、中心角度90度にわたって形成される円弧であるので、凹設部8812の正面側寄り(図75(b)右側)で凹設部8812に衝突した球の速度を下方寄りに向き変えし、凹設部8812の奥側寄り(図75(b)左側)で凹設部8812に衝突した球の速度を前後方向の速度を大きく維持する状態で向き変えすることができる。
これにより、上側円弧部8812aに衝突した球が、跳ね返って再度方向変化部8826の上側の傾斜部分に衝突することを抑制すると共に、方向変化部8826に再衝突する恐れの少ない位置(凹設部8812の下よりの位置)で上側円弧部8812aに衝突した球は正面寄りに跳ね返らせることにより、球の流れが停滞することを防止することができる(球の流れをスムーズにすることができる)。
即ち、ワープ流路のように1本道の流路であれば、球を減速させながら、球が連なって流下する場合にも互いに干渉させずに流下させることは容易に実現できる。一方で、本実施形態のように、一本道ではなく、球が自由に流下できる領域において球を減速させると、球同士が互いに干渉し易くなり、スムーズな球の流れが阻害されやすくなる。そのため、球が方向変化部8826にまとまって到達するか、1球ずつ到達するかで、球の流下態様が変わるため、球の発射間隔を遊技者が調整しなければならなくなる恐れが生じ、遊技者の技術次第で、遊技者が得られる利益が変化することになるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態では、上述したように、球を遊技盤13(図2参照)の厚さ方向に変位させることで球の下降速度(下方への速度成分)を小さくできると共に、球の跳ね返る向きを後から来る球から離反する向きにできるので球同士が衝突して球の流れが悪くなることを抑制することができる。
また、下側円弧部8812bは第1曲率半径8812rよりも大きな曲率半径の円弧で構成され、その法線の向きが配置に寄らず正面向きとされるので、下側円弧部8812bで衝突した球を正面寄りに跳ね返すことができる。これによっても、球の流れが停滞することを防止することができる(球の流れをスムーズにすることができる)。
図75(c)に示すように、凹設部8812を横方向に延びる平面で断面視した形状は、左右方向に沿った形状とされる。そのため、衝突する位置によらず、衝突して跳ね返る球を同様の条件で跳ね返すので、凹設部8812の正面側を左右方向に流れる球の流れを均一化することができる。
このように、凹設部8812は、縦方向に延びる平面で断面視した形状(図75(b)参照)と、横方向に延びる平面で断面視した形状(図75(c)参照)とが異なる形状で構成されることにより、球と凹設部8812とが衝突する際に球に与える影響を、球の流れる方向によって異ならせることができる。
図76を参照して、球の流下経路について説明する。図76は、組立状態における流路形成ユニット8800の部分正面図である。なお、図76では、覆設板部材8820の本体部材8821の図示が省略されると共に、理解を容易とするために縦壁部73bが部分的に図示される(図2参照)。また、第1可変入賞装置65が部分的に図示され、その第1可変入賞装置65と第4嵩上げ部8825との間の図示を省略線で省略する(第4嵩上げ部8825の左端から落下した球は、第1可変入賞装置65へ流下する(図2参照))。
図76に示すように、方向変化部8826を経由して流下する球が通る流路は主に4つに分けられる。即ち、第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cの中心位置を通って鉛直方向に延びる経路である第1流下経路O81と、第2凸設部8826bの正面視左側の側面に沿って斜め下方へ延設される経路である第2流下経路B81と、第3凸設部8826cの正面視右側の側面に沿って斜め下方へ延設される経路である第3流下経路B82と、方向変化部8826の上側面を伝って正面視右方へ向かう経路である第4流下経路B83と、に分けられる。
これら4つの流路の内、第1流下経路O81及び第3流下経路B82を通る球は、電動役物640aが開放される状態の時に流路壁面8825dの間を通り第2入賞口640bに入賞する可能性がある。また、第2流下経路B81を通る球は、流路壁面8825dよりも正面視左側で第4嵩上げ部8825に到達するので第2入賞口640bに入賞することが防止される。また、第4流下経路B83を通る球は、係止部8825cを飛び越えて排出口8825c1へ入球する恐れがある。
第2流下経路B81は、第2凸設部8826bの左側面に沿った経路である。ここで、図76に図示されるように、第2凸設部8826bは、上端部から下端部へ向かうにつれて、左側面の接線の方向が一対の流路壁面8825dにより形成される開口の中心軸から遠ざかる形状で構成される。
これにより、球が第2凸設部8826bに沿って流下する際に、上端部から下端部へ向かうにつれて球の速度が一対の流路壁面8825dにより形成される開口から遠ざかる方向(逸れる方向)に向けられる。そのため、第2凸設部8826bの左側側面に沿って流下する球を第2入賞口640bに入賞させ難くすることができる。
また、第2凸設部8826bは、上端部から下端部へ向かうにつれて、流路壁面8825dにより形成される開口の中心軸から遠ざかる(逸れる)形状で構成される。これにより、球が第2凸設部8826bに沿って流下する際に、上端部から下端部へ向かうにつれて球を流路壁面8825dにより形成される開口から遠ざかる方向(逸れる方向)に移動させることができる。そのため、第2凸設部8826bに沿って流下する球を第2入賞口640bに入賞させ難くすることができる。
スルーゲート67を通過して方向変化部8826に到達する球の経路X81,X82について説明する。図76に示すように、スルーゲート67の開口の中心線O82は、第1流下経路81を基準として、正面視左方に所定距離D81だけ平行移動した位置に配置される。
中心線O82と第1流下経路O81との中心位置に第2凸設部8826bが配設されているので、スルーゲート67を通過する球の流下経路は、湾曲壁部8822cにより左右方向の速度を与えられた後において、第2凸設部8826bの右側を通過する第1経路X81と、第2凸設部8826bの左側を通過する第2経路X82と、第1経路X81よりも右側へ向き方向変化部8826の上側面に沿って通過する第4流下経路B83と、に分岐される。
なお、分岐の割合は種々の方法により設定が可能であり、例えば、スルーゲート67を通過する球の速度を変化させることにより、割合を変化させることができる。即ち、例えば、球の速度が遅いほど、球の流下中に所定距離D81だけ左右方向に球が移動する余裕を持つことができる。
また、上述したように、方向変化部8826は、球が通過する際に球を遊技盤13の厚さ方向に変位させ、上下方向の速度成分を小さくする作用を有しているので、方向変化部8826により、スルーゲート67を通過した球のうち右方へ向けて流下する球と、第2入賞口640bへ向けて流下(降下)する球とを作ることができ、更に、第2入賞口640bへ向けて流下(降下)する球を減速させることができる。
これにより、本実施形態のように、スルーゲート67と電動役物640aとをユニット化して間隔を狭めた場合においても、スルーゲート67を通過した球の作用により電動役物640aが開放するまでの間、球をスルーゲート67と電動役物640aとの間に留めることができる。従って、従来のように、スルーゲート67と電動役物640aとの間隔を狭めた結果、スルーゲート67を通過した球の作用により電動役物640aが開放するまでの間に、電動役物640aの開放の契機となった球が電動役物640aを通り過ぎてしまう遊技機と比較して、遊技者が得られる利益を増加させることができる。
このような遊技機では、スルーゲート67を通過した球がそのまま電動役物640aを通過して第2入賞口640bを通過することで抽選の機会を得ることができるので、抽選を高頻度で得ることができる。
例えば、抽選の消化を高速で行う仕様にしたとしても、先の抽選に係る変動演出と後の抽選に係る変動演出との間が長く空く場合には、遊技者が飽きてしまう(興趣が低下する)。これに対し、本実施形態では、スルーゲート67を通過した球がそのまま第2入賞口640bを通過して抽選を受けられるようにすることで抽選の頻度を増やすことができるので、空き期間が生じることを極力減らすことができ、抽選を高速(高頻度)で消化することにより確率変動遊技において大当たりとなるまでの期間を短くすることを実現しながら、遊技者の興趣の低下を防止することができる。
スルーゲート67を通らず、第2嵩上げ部8823の上側面を転動する球の流下経路Y81について説明する。流下経路Y81を流下する球は、方向変化部8826に到達する高さまで跳ねると、方向変化部8826に到達する。この場合、方向変化部8826との衝突により左右方向の速度が減速されることにより、球は第3凸設部8826cの右側側面に沿って流下し易くなる(第3流下経路B82に沿って流下し易くなる)。これにより、第2入賞口640bの上方を飛び越える経路で流下する球の流下経路を、第2入賞口640bに流入する流下経路に変化させることができる。従って、スルーゲート67を通る球に比較して、スルーゲート67を通らずに流下する球の方が、第2入賞口640bに入賞しやすい構成とされる。
換言すれば、スルーゲート67を通過する経路(有利度の高い経路)を流下した球は、その後有利度の低い経路で流下する割合が高くなり、スルーゲート67を回避して流下した球は、その後の有利度が高くされる(第2入賞口640bに入賞し易くなる)。これにより、スルーゲート67を通過しやすくする釘調整による不正が行われた場合でも、出玉が出過ぎる状態となる等の極端に有利度が高くされることを防止することができる。
また、流下経路Y81に沿って流下する球の左右方向の速度を方向変化部8826により小さくすることにより、スルーゲート67を通過する球と、流下経路Y81に沿って流下する球とが衝突しそうになっても、その衝突により球が左右方向に移動する移動量を小さくすることができる。これにより、スルーゲート67を通過した球が、流下経路Y81に沿って流下する球に衝突されることにより流路壁面8825dの左方(第2入賞口640bから離反する方向に転動し始める位置)において第4嵩上げ部8825又は電動役物640aに到達することを抑制することができる。従って、スルーゲート67を通過した球が第2入賞口640bに流入する可能性を高めることができる。
ここで、方向変化部8826が配設される位置に釘を植設して遊技球の流下方向を変化させようとする場合、遊技球が流下可能なスペースが釘により狭められるので、例えば、スルーゲート67の下方において多方向から球が集まった場合に、球詰まりが起き易いという問題点が生じる。これに対して、本実施形態では、方向変化部8826を含む領域であって、スルーゲート67を通過した球と、スルーゲート67から逸れた球とが合流する合流領域S81の全範囲を球の流下経路として利用することができる。従って、球詰まりの発生を抑制し、球をスムーズに流下させることができる。
即ち、本実施形態では、合流領域S81には、遊技球の流下経路を狭める釘が植設されていない。そのため、釘で跳ね変える時のように、合流領域S81に流入した球が、来た方向へ向けて跳ね返ることを防止できる。これにより、例えば、流下経路Y81で流下して合流領域S81に流入した球が、他の球と衝突すること無く、跳ね返って排出口8825c1に入球するという事態を回避することができる。
また、方向変化部8826は、釘と違い、容易に調整できるものでは無いことから、方向変化部8826の状態を維持することができる。これにより、球の流下のし易い方向を不正に調整するゴト行為により不正に利益を得ようとする遊技者によるゴト行為を抑止することができる。
次いで図77を参照して、方向変化部8826の上下方向に球が複数配設された場合について説明する。図77(a)及び図77(b)は、流路形成ユニット8800の部分正面図である。なお、図77(a)及び図77(b)では、電動役物640aが閉鎖状態とされ、電動役物640aの上方に滞留される球が2個想像線で図示されると共に、覆設板部材8820の本体部材8821の図示が省略される。
図77(a)に示すように、電動役物640a及び転動壁面8825bを転動する球の軌跡L81から方向変化部8826の下端までの距離が球の直径以下とされるので、電動役物640aの上方に球が2個滞留する場合に上側の球を第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cの間に配設することができ、球が第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cの対向配置される面の先端部に引っかかることにより、球が左右方向に位置ずれすることを抑制することができる。
即ち、方向変化部8826が配置される位置に何も形成されず、基礎板部材8810の平坦部分と覆設板部材8820の平坦部分とで囲われる場合、球が電動役物640aの上で上下方向に並び衝突すれば、上側の球はランダムに飛んでいってしまうので、上側の球を第2入賞口640bに入賞させることは困難である。そのため、無駄球が多くなる。
一方、本実施形態によれば、上側の球が跳ね返る方向が第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cの間の範囲に抑制され、上側の球を第1流下経路O81上に留めることができる。従って、下側の球が通り過ぎるまでは上側の球を第2凸設部8826b及び第3凸設部8826cの間に維持しておくことができ、電動役物640aが開放された後に上側の球が第2入賞口640bに入賞される可能性が生まれる。従って、例えば、流下経路Y81に沿って流下した球(跳ねた球)と、第2嵩上げ部8823から落下した後に転動壁面8825bで余り跳ねずに流下する(流下経路Y81に比較して跳ねが小さい球)とが、流路壁面8825dの形成する開口付近で衝突する場合にも、両方の球を第2入賞口640bに入賞しやすくすることができ、無駄球を低減することができる。
なお、方向変化部8826及び凹設部8812が配設されることで、球が前後方向に速度を有するようになり、自由落下に比較して球の落下速度が遅くなるので、電動役物640aが開放されるまでの時間を稼ぐことが容易となり、無駄球を低減できるという効果を奏する。
図78を参照して、方向変化部8826へ流下経路Y81(図76参照)を通って到達した球の跳ね返りかたの一例について説明する。
図78(a)は、流路形成ユニット8800の部分正面図であり、図78(b)は、図78(a)のLXXVIIIb−LXXVIIIb線における流路形成ユニット8800の部分断面図であり、図78(c)は、流路形成ユニット8800の部分正面図であり、図78(d)は、図78(c)のLXXVIIId−LXXVIIId線における流路形成ユニット8800の部分断面図である。なお、図78(a)及び図78(c)では、覆設板部材8820の本体部材8821の図示が省略され、図78(a)及び図78(b)では、球が方向変化部8826に到達する前の状態が図示されると共に、図78(c)及び図78(d)では、球が方向変化部8826で跳ね返った後の状態が図示される。
図78(a)及び図78(b)に示すように、球が流下経路Y81を通って方向変化部8826に到達する場合、球は方向変化部8826の正面視右方から到達する。そのため、球は第4凸設部8826dの傾斜側面8826d1に衝突する。ここで、傾斜側面8826d1は覆設板部材8820の本体部材8821に対して45度傾斜して構成されるので、衝突して跳ね返った球の速度方向V81は、前後方向に向け変えられる。従って、球が左右方向に移動することを抑制することができる。
図78(c)及び図78(d)では、第4凸設部8826dで跳ね返った球の配置の例として、異なった位置に配置される球が想像線で図示される。右側の球は、第3凸設部8826cの右側で凹設部8812に跳ね返る例として図示される。この場合、速度方向V82に沿って球が移動すると、球と第3凸設部8826cの右側の側面とが衝突し、球の左方向へ向けた速度が低減される。これにより、球がこれ以上左方向に移動することが抑制され、球は第3流下経路B82に沿って流下される。
また、左側の球は、第2凸設部8826bの右側で凹設部8812に跳ね返る例として図示される。この場合、速度方向V83に沿って球が移動すると、球と第2凸設部8826bの対面傾斜側面8826b1とが衝突し、球の左方向へ向けた速度が低減されると共に、第2凸設部8826bが図78(c)左方に行くほど下降傾斜して形成されるため衝突後の球の速度が下向き寄りに変化される。これにより、球がこれ以上左方向に移動することが抑制され、球は第1流下経路O81に沿って流下される。従って、球が方向変化部8826の左方に通過することを抑制し、第2入賞口640bへ入賞する球の個数を増加させることができる。
また、球の左右方向の速度を前後方向に向き変えることにより、例えば、第1流下経路O81上を球が流下している時に方向変化部8826の右方から球が到達し、それらの球が衝突した場合に、第1流下経路O81を流下する球に与えられる左右方向の負荷を低減でき、第1流下経路O81を流下する球が左右方向に弾き出されることを抑制することができる。
図79を参照して、上下方向に流下する球が、凹設部8812に衝突して跳ね返る際の跳ね返り方について説明する。図79は、図78(a)のLXXIX−LXXIX線における流路形成ユニット8800の部分断面図である。なお、図79では、凹設部8812の上端部および下端部が拡大して図示される。また、図79において、球が跳ね返る移動経路が矢印C81,C82,C83で図示される。
図79に示すように、方向変化部8826の上側面で跳ね返った球は、凹設部8812の上側円弧部8812aに衝突して跳ね返る。このとき、矢印C81に沿って球が移動し上側円弧部8812aの正面側(図79左側)寄りの部分に衝突して跳ね返る場合、跳ね返った後の速度方向が跳ね返る前に比べて上下方向寄りに向き変えられる。一方、矢印C82に沿って球が移動し上側円弧部8812aの背面側(図79左側)寄りの部分に衝突して跳ね返る場合、矢印C81で跳ね返った球に比較して前後方向の速度成分が大きく維持される。
これにより、上側円弧部8812aに衝突した球が、跳ね返って再度方向変化部8826の上側の傾斜部分に衝突することを抑制すると共に、方向変化部8826に再衝突する恐れの少ない位置(凹設部8812の下よりの位置)で上側円弧部8812aに衝突した球は正面寄りに跳ね返らせることにより、球の流れが停滞することを防止することができる(球の流れをスムーズにすることができる)。
また、下側円弧部8812bは第1曲率半径8812rよりも大きな曲率半径の円弧で構成され、その法線の向きが配置に寄らず正面向きとされるので、下側円弧部8812bで衝突した球を正面寄りに跳ね返すことができる。これによっても、球の流れが停滞することを防止することができる(球の流れをスムーズにすることができる)。
図80を参照して、スルーゲート67に到達する球の速度の変化について説明する。図80(a)から図80(c)は、遊技盤13の部分正面図である。なお、図80(a)及び図80(b)では、釘P81,P82が遊技盤13から垂直に植設さえた状態が図示され、図80(c)では、釘P81,P82の先端部分が正面視右下方へ移動する態様で折れ曲げられた状態が図示される。
図80(a)及び図80(b)に図示されるように、球はスルーゲート67に到達するまでに、流下経路Z81,Z82に例示されるように、流路形成ユニット8800の上方に配置される釘P81,P82,P83,P84に複数回衝突し、球の向きを変えながら流下するので、その速度が低減される。
一方で、図80(c)に図示されるように、球の流下経路E81の下方に配置される釘P81,P82の先端が正面視右下方へ移動する態様で折れ曲げられる場合、想像線で図示される球のように、釘P81,P82と球とを擦れる態様で当接させる事ができ、釘P83,P84に球が衝突することなくスルーゲート67へ球を入球しやすくすることができるので、球の流下速度を大きく維持した状態で、球をスルーゲート67に到達させることができる。
この場合、球が釘P81,P82の右方へ流下する割合が低下するので、スルーゲート67を通過した球がそのまま第2入賞口640b(図76参照)に入賞可能とすると、不正に出玉を増加させる事が可能となり、平等な遊技性を提供できなくなり問題である。
これに対し、本実施形態では、図76に示すように、スルーゲート67を通過した球を第1経路X81又は第2経路X82で分岐させることで、スルーゲート67を通った球の内、所定の割合の球を第2入賞口640bに入賞不能とすることができる。例えば、スルーゲート67を通過する球の速度の所定値を基準として、球の流下経路を分岐させることができ、この場合、流下経路E81に沿って流下する球(速度大)は第2経路X82で流下させ、流下経路Z81,Z82に沿って流下する球(速度小)は第1経路X81で流下させることができる(鉛直方向の速度小により、所定距離D81だけ図76正面視右方に湾曲壁部8822cの向きに沿って球を流すことができる)。
従って、不正に釘P81,P82を折れ曲げられ、スルーゲート67に球が集まりやすい状態とされたとしても、その状態でスルーゲート67に到達した球が第2入賞口640b(図76参照)に入賞することを抑制することができ、出玉が不正に増加する調整を防止することができる。
また、本実施形態の構成によれば、遊技状態の変化に伴って、遊技者に付与される利益の有利不利を反転させることができる。例えば、時短状態では有利である一方で、特別遊技状態では不利となる遊技機を構成することができる。以下、これについて詳述する。
パチンコ機10(図1参照)では、上述したように、遊技状態として、時短状態と、特別遊技状態とを構成する。
図81及び図82は、流路形成ユニット8800の部分正面図である。なお、図81及び図82では、パチンコ機10(図1参照)が時短状態である場合が図示され、図81では、釘81,83の上流から流下した球がスルーゲート67を通過する割合Xpの方が、傾斜面部8822bの上方を右方へ流下する割合Ypに比較して大きい場合が図示され、図82では、釘81,83の上流から流下した球がスルーゲート67を通過する割合Xpの方が、傾斜面部8822bの上方を右方へ流下する割合Ypに比較して小さい場合が図示される。
また、図81及び図82では、電動役物640aが開放された状態を表すために、電動役物640aが想像線で図示され、理解を容易とするために、方向変化部8826の符号が一部省略される。また、第1可変入賞装置65が部分的に図示され、その第1可変入賞装置65と第4嵩上げ部8825との間の図示を省略線で省略する(第4嵩上げ部8825の左端から落下した球は、第1可変入賞装置65へ流下する(図2参照))。なお、釘81,83の上流から球が流下する場合、スルーゲート67を通過するか、傾斜面部8822bの上方を右方へ流下するかのどちらかの流下経路を必ず通過する態様で構成される。
図81及び図82に示す時短状態では、本実施形態において、電動役物640aの開閉が、スルーゲート67を球が通過することを契機に実行される。そのため、遊技領域の構成が、スルーゲート67を球が通過し易い構成になっている場合(図81参照)、電動役物640aが開放される状態を維持し易くなり、第2入賞口640bへ球を入球させ易くすることができる。従って、時短状態において抽選の機会を高頻度で得られると共に、第2入賞口640bに球が入球することにより賞球を得られるという有利さを、遊技者が得ることができる。
一方で、スルーゲート67を通過した球の何割かは第4流下経路B83に沿って排出口8825c1に入球する。スルーゲート67を通過せず流下経路Y81を流下した球は、排出口8825c1の開口部から離反する方向に沿って流下するので、排出口8825c1へは流入しづらい。即ち、スルーゲート67を通過する球が多いほど、排出口8825c1へ流入する死に球が多くなるという不利さが顕著に現れる。
これに対し、遊技領域の構成が、傾斜面部8822bの上方を球が流下し易い構成となっている場合(図82参照)、電動役物640aが開放される状態の維持は難しくなるが、排出口8825c1に流入する死に球を減らすことができる。
図83及び図84は、流路形成ユニット8800の部分正面図である。なお、図83及び図84では、パチンコ機10(図1参照)が特別遊技状態である場合が図示され、図83では、釘81,83の上流から流下した球がスルーゲート67を通過する割合Xpの方が、傾斜面部8822bの上方を右方へ流下する割合Ypに比較して大きい場合が図示され、図84では、釘81,83の上流から流下した球がスルーゲート67を通過する割合Xpの方が、傾斜面部8822bの上方を右方へ流下する割合Ypに比較して小さい場合が図示される。
また、図83及び図84では、第1可変入賞装置65が開放した状態が図示され、理解を容易とするために、方向変化部8826の符号が一部省略される。また、第1可変入賞装置65が部分的に図示され、その第1可変入賞装置65と第4嵩上げ部8825との間の図示を省略線で省略する(第4嵩上げ部8825の左端から落下した球は、第1可変入賞装置65へ流下する(図2参照))。なお、釘81,83の上流から球が流下する場合、スルーゲート67を通過するか、傾斜面部8822bの上方を右方へ流下するかのどちらかの流下経路を必ず通過する態様で構成される。
特別遊技状態では、本実施形態において、第1可変入賞装置65が、スルーゲート67を球が通過するか否かによらず開閉動作する。本実施形態では、第1可変入賞装置65は、第4嵩上げ部8825を転動した球が第4嵩上げ部8825の左端から落下することで入球可能な位置に配置される。
そのため、第4嵩上げ部8825の左端以外から流下する球の個数を減少させる方が、遊技者にとって有利となる。ここで、上述したように、スルーゲート67を通過した球は、方向変化部8826により流下方向を分岐させられて、排出口8825c1へ何球かの球が流入して、死に球(賞球に絡まない球)となる。特別遊技状態においては、スルーゲート67を通過することは遊技者に利益を与えるものではないので、この死に球は、特段、遊技者に何ら利益を与えずに排出される球となる。
従って、遊技領域の構成が、スルーゲート67を球が通過し易い構成になっている場合、時短状態(図81参照)においては抽選を高頻度で得られるという有利さを得られる反面、特別遊技状態(図83参照)においては死に球が多く発生するという不利さが顕著に現れる。
一方で、遊技領域の構成が、スルーゲート67を球が通過し難く、傾斜面部8822bの上方を流下し易い構成になっている場合、時短状態(図82参照)においては、電動役物640aの開放を維持し難くなり、抽選の頻度が少なくなるという不利さが現れる反面、特別遊技状態(図84参照)においては、死に球をほとんど発生させず、遊技者が快適に遊技を行うことができるという有利さを得ることができる。
このように、本実施形態において、遊技領域の構成が、スルーゲート67を球が通過し易い構成になっているか、スルーゲート67を球が通過しにくい構成になっているかに関わらず、遊技状態が時短状態と特別遊技状態とで変化することで、遊技者にとって有利となるか、不利となるかを反転させることができる。これにより、遊技領域の構成がスルーゲート67に通過し易いか否かを調整されること(例えば、スルーゲート67の上流側に配設される釘P81〜P84を不正に曲げられることで球の流下態様を調整されること)により、遊技者に付与される利益が激しく変化することを抑制することができる。
次いで、図85を参照して、第9実施形態について説明する。上述した各実施形態では、スルーゲート67の真下に配設される湾曲壁部8822cがスルーゲート67の開口幅の端部から若干スルーゲート67の開口側に張り出す場合を説明したが、第9実施形態における流路形成ユニット9800は、湾曲壁部9822cが、スルーゲート67の開口の中心軸まで張り出される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図85は、第9実施形態における流路形成ユニット9800の部分正面図である。なお、図85では、覆設板部材9820の本体部材8821の図示が省略されると共に縦壁部73bが部分的に図示される。また、第1可変入賞装置65が部分的に図示され、その第1可変入賞装置65と第4嵩上げ部8825との間の図示を省略線で省略する(第4嵩上げ部8825の左端から落下した球は、第1可変入賞装置65へ流下する(図2参照))。
図85に示すように、第1嵩上げ部9822が、収容部8822aの正面視左下端部から右下方へ湾曲して延設される湾曲壁部9822cを備える。湾曲壁部9822cは、中心をスルーゲート67の開口側に備える円弧形状に延設され、延設端部がスルーゲート67の中心軸上に配置される。
スルーゲート67を通過して流下する球の経路X91が図示される。経路X91は、第8実施形態における第4流下経路B83(図76参照)と同等の経路である。経路X91に示すように、スルーゲート67を通過した球は、湾曲壁部9822cで方向を左右方向に変えられ右方に排出されることで、転動壁部8825bで跳ね返り、係止部8825cを飛び越えて、排出口8825c1へと導かれる。なお、排出口8825c1は、係止部8825cと第2嵩上げ部8823との間に形成され左方へ向いた開口である。
これにより、スルーゲート67を通過した球を、その速度によらず第2アウト口315へ向かわせることができるので、不正にスルーゲート67へ球が通りやすい状態に遊技領域がなった場合であっても、直接的には所定の発射球数で抽選を多く受けられることにはつながらないし、排出口8825c1に頻繁に球が流入することになるので、遊技者に付与される利益が過度に大きくなることを防止することができる。
ここで、排出口8825c1の向きについて説明する。図85に示すように、排出口8825c1は、経路X91で流下する球(図85右方向の速度成分を有する)を受け入れ易い向きに開口されると共に、スルーゲート67を通過せず第2嵩上げ部8823の上面に衝突して流下する球(例えば流下経路Y81(図76参照)で流下する球(図76左方向の速度成分を有する))を受け入れ難い向きに開口される。これにより、スルーゲート67を通過して流下する球を排出口8825c1に入球し易くできると共に、スルーゲート67の右側を通過する球(例えば、傾斜面部8822bを転動する球)を排出口8825c1に入球し難くすることができる。
従って、スルーゲート67を通過することで有利度が高まった球が、続けて第2入賞口640bに入賞することを抑制できる一方で、スルーゲート67を通過しないことで有利度が低い球が、第2入賞口640b又は第1可変入賞装置65に入賞する可能性を高めることができる。
なお、経路X91に沿って跳ねる球は第2アウト口315(図2参照)に向けられるが、違う経路(例えば、流下経路Y81(図76参照))で転動壁部8825bまで到達し、他の球との衝突により転動壁部8825b上を正面視右方に向けて転動する球が排出口8825c1に入り、縦壁部73bに沿って第2アウト口315へ向かうことを、係止部8825cによって防止することができる。従って、係止部8825cにより、有利度の低い経路(例えば、流下経路Y81(図76参照))で転動壁部8825b上に到達した球まで排出口8825c1に入ることを防止することができる。
次いで、図86を参照して、第10実施形態について説明する。上述した各実施形態では、方向変化部8826が固定される場合を説明したが、第10実施形態における流路形成ユニット10800は、方向変化部材10830が変位可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図86(a)は、第10実施形態における流路形成ユニット10800の部分正面図であり、図86(b)は、図86(a)のLXXXVIb−LXXXVIb線における流路形成ユニット10800の部分断面図であり、図86(c)は、流路形成ユニット10800の部分正面図であり、図86(d)は、図86(c)のLXXXVId−LXXXVId線における流路形成ユニット10800の部分断面図である。なお、図86(a)及び図86(b)では、方向変化部材10830が図86(b)時計回りに回転された状態が図示され、図86(c)及び図86(d)では、方向変化部材10830が図86(d)反時時計回りに回転された状態が図示される。また、図86(a)及び図86(c)では、覆設板10820の図示が省略される。
図86(a)から図86(d)に示すように、流路形成ユニット10800は、基礎板部材10810と、その基礎板部材10810に対向配置される覆設板部材10820と、球の流下方向を変化させる方向変化部材10830と、を備える。
基礎板部材10810は、板状の本体部材10811と、その本体部材10811に配設されるスルーゲート67の下方において背面側(図86(a)紙面奥側)に横長矩形に凹設される矩形凹設部10812と、その矩形凹設部10812の両端部に配設され、方向変化部材10830を軸支する内周が円弧形状の爪部分である軸支部10813と、を主に備える。
矩形凹設部10812は、方向変化部材10830の筒状部10832,10833の円筒部分を収容する凹部である。
方向変化部材10830は、基礎板部材10810に軸支される部材であって、基礎板部材10810に軸支される円柱状の軸部材10831と、その軸部材10831が挿通される筒形状に形成される一対の筒状部10832,10833と、それら筒状部10832,10833を上方に復帰させる(図86(b)時計回りに回転させる)付勢力を発生するねじりバネ10834と、を主に備える。なお、筒状部10832,10833の当接部分で、第1流下経路O81が形成される。
筒状部10832は、接線方向であって、それぞれ異なった方向(本実施形態では135度の角度を成す方向)で筒状部10832から延設される第1延設爪部10832aと、第2延設爪部10832bと、を備える。
ここで、第1延設爪部10832a及び第2延設爪部10832bは、組立状態(図86(a)参照)において、筒状部10833に近接する側の端部に配設される。なお、第1延設爪部10832aは、長手方向の下端部から長手方向に沿って伸ばした延長線上に第3嵩上げ部材8824が配設される形状で構成される。
筒状部10833は、接線方向であって、それぞれ異なった方向(本実施形態では135度の角度を成す方向)で筒状部10833の両端部から延設される第3延設爪部10833aと、第4延設爪部10833bと、を備える。
ここで、第3延設爪部10833aは、組立状態(図86(a)参照)において、筒状部10832に近接する側の端部に配設されると共に、第2延設爪部10832bの沿う接線と同一の接線に沿って延設され、第4延設爪部10833bが筒状部10832の反対側の端部に配設されると共に、第1延設爪部10832aの沿う接線と同一の接線に沿って延設される。
第3延設爪部10833aは、第2延設爪部10832b側に凸設されると共にねじりバネ10834が係止される凸設部10833a1を備える。
ねじりバネ10834は、筒状部10832,10833の当接部分に配置され(巻き付けられ)、凸設部10833a1を介して筒状部10832,10833を上向き方向(図86(b)時計回り)に回転させる付勢力を発生する。
図86(b)に示す状態は、球が第1延設爪部10832aと第4延設爪部10833bとの間に配置されていない状態に対応する。この場合、第4延設爪部10833bと覆設板部材10820との間の間隔が球の直径以上とされ、方向変化部材10830の正面視右方から方向変化部材10830に到達した球は、第4延設爪部10833bを通過して第3延設爪部10833aに到達できるので、第1流下経路O81(又は、第3延設爪部10833aの正面視右側の側面)に沿って流下可能とされる。
一方、図86(d)に示す状態は、球が第1延設爪部10832aと第4延設爪部10833bとの間に配置される状態に対応する。即ち、球の重みにより、第2延設爪部10832b及び第3延設爪部10833aが本体部材10811に近接され、第1延設爪部10832a及び第4延設爪部10833bが本体部材10811から離反された状態に対応する。
この場合、第1延設爪部10832a及び第4延設爪部10833bと覆設板部材10820との間の間隔は、球の直径以下とされ、方向変化部材10830の正面視右方から方向変化部材10830に到達した(例えば、流下経路Y81に沿って流下した)球が、第4延設爪部10833bを乗り越え不能とされる。
これにより、球が第2延設爪部10832bと第3延設爪部10833aの正面側に配置された状態において、正面視右方から(例えば、流下経路Y81に沿って流下して)来た球が方向変化部材10830に侵入することを防止できるので、流下経路Y81に沿って流下した球が第2延設爪部10832bと第3延設爪部10833aの正面側に配置された場合に、その球を追って流下経路Y81に沿って流下した他の球に衝突することで、先に第2延設爪部10832bと第3延設爪部10833aの正面側に到達した球の流下経路が第1流下経路O81から外れる(図86(a)左方にずれる)ことを防止することができる。これにより、流下経路Y81に沿って流下する球を第2入賞口(図76参照)に入賞し易くすることができる。
また、方向変化部材10830は、図86(c)及び図86(d)に示す状態において、第1延設爪部10832aが覆設板部材10820に近接する姿勢とされることで、スルーゲート67を通過した球を第1延設爪部10832aの長手方向に流れ易くさせる。これにより、スルーゲート67を通過した球が第2入賞口640b(図76参照)に入賞しづらくすることができる。
例えば、スルーゲート67を球が数珠つなぎで流下した場合に、1球目の球は第1流下経路O81に沿って流下することを許容しながら、1球目の球により方向変化部材10830の姿勢が図86(d)の状態に変化している間は、2球目以降の球を第1延設爪部10832aの長手方向に沿って流下させ易くでき、第1流下経路O81に沿って球が流下することを抑制できる。これにより、スルーゲート67を球が数珠つなぎで通過した場合に第2入賞口640b(図76参照)に数珠つなぎで入賞することを防止することができる。
これらから、例えば、遊技領域の構成が、スルーゲート67を球が通り易い態様となっている場合(例えば、スルーゲート67の上流を通過する球の60%が通過する場合)には、電動役物640a(図73参照)を開放状態にし易い一方でスルーゲート67を連なって通過する球の一部を第2入賞口640b(図73参照)に入球できないようにし、第2入賞口640bへはスルーゲート67を通らなかった球(スルーゲート67の上流を通過する球の40%の球)が主に入球するようにすることで、遊技者に付与される利益が過度に大きくなることを抑える事ができる。
一方で、例えば、遊技領域の構成が、スルーゲート67を球が通り難い態様となっている場合(例えば、スルーゲート67の上流を流下する球の10%しか通過しない場合)には、スルーゲート67を通らず流下経路Y81に沿って流下する球が互いに衝突したとしても、球が左方へ弾き出され第2入賞口640bを外れることを抑制し、電動役物640aの開放時に多数の球(スルーゲート67の上流を通過する球の90%の球)が第2入賞口640bに入賞可能とすることで、遊技者に付与される利益を確保することができる(電動役物640aは開きにくいし、開いたとしても球が通過しないといった状況が起きることを防止できる)。
従って、遊技領域のスルーゲート67の上流側における状態(スルーゲートへの球の通過のし易さ)によらず、遊技者に付与される利益が過度に増減することを防止することができる。
なお、方向変化部材10830の製造方法としては、ねじりバネ10834の中間部分(輪状になっている部分)に軸部材10831を挿通して、その後で軸部材10831の両端から筒状部10832,10833をそれぞれ嵌め込み、筒状部10832,10833同士の近接配置される側の側面を互いに接着する方法が例示される。
これにより、ねじりバネ10834の中間部分(輪状になっている部分)の内径よりも、各延設爪部10832a,10832b,10833a,10833bの形状が大きい場合でも、本実施形態のように、方向変化部材10830の中間部分にねじりバネ10834を配置することができる。なお、図86(b)に示すように、ねじりバネ10834の一方の端部は、基礎板部材10810に配設される凹部(矩形凹設部10813の中間部分から下方に延設される凹部)に埋まる態様で配設される。
次いで、図87を参照して、第11実施形態について説明する。上述した第8実施形態では、スルーゲート67を通過した遊技球の流下経路(例えば、第1経路X81)と、スルーゲート67の右方に外れ傾斜面部8822bの上面を流下した遊技球の流下経路Y81とが、合流領域S81において、第1可変入賞装置65に到達する前に合流する場合を説明したが、第11実施形態における流路形成ユニット11800は、スルーゲート67を通過した遊技球の流下経路X111と、流下経路Y81,Y111とが、別々の独立した流路で第1可変入賞装置65に到達するように形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図87は、第11実施形態における流路形成ユニット11800の部分正面図である。なお、図87では、覆設板部材11820の本体部材8821の図示が省略されると共に縦壁部73bが部分的に図示される。
覆設板部材11820は、組立状態(図2参照)において本体部材8811の正面側に所定距離空けて配設される板状の本体部材8821(図73参照)と、その本体部材8821から背面側に嵩上げ形成される複数の嵩上げ部11822,8823,11824,8825と、組立状態(図3参照)において基礎板部材8810の凹設部8812の正面側に対向配置されると共に本体部材8821の背面側に凸設される方向変化部11826と、を備える。
複数の嵩上げ部は、第1嵩上げ部11822と、第2嵩上げ部8823と、第3嵩上げ部11824と、第4嵩上げ部8825と、から構成され、それぞれが同じ長さ(遊技球の直径以上の長さ)だけ嵩上げされることにより、組立状態(図2参照)において各嵩上げ部11822,8823,11824,8825及び本体部材8811,8821で囲う部分に球が流下可能な流路が形成される。
第1嵩上げ部11822は、第8実施形態で上述した収容部8822aと、傾斜面部8822bと、収容部8822aの下端部において正面視右側(図87右側)から下方へ湾曲して延設される湾曲壁部11822cと、を備える。
湾曲壁部11822cは、その延設先端が第3嵩上げ部11824の右端部を通る鉛直線と左右方向で同等の位置まで延設される。そのため、湾曲壁部11822cの上側を転動する遊技球は、第3嵩上げ部11824の上側を転動して流下する。
第3嵩上げ部11824は、収容部8822aの正面視左側面(図73右側面)の鉛直下方に所定距離空けて配置される左下方に下降傾斜する板状部である。また、第3嵩上げ部11824は湾曲壁部11822cの延設先端の下方に配置され、左側端部が本体部材8811の外枠付近まで延設される。これにより、湾曲壁部11822cの上側を転動する遊技球は第3嵩上げ部11824の上側に落下することになり、続いて第3嵩上げ部11824を転動した遊技球は、本体部材8811の外枠の外側において遊技盤13から植設される複数の釘P111の上方を流下する。
本実施形態では、盤面下部ユニット300の外枠の右上部分付近から、左方へ向けて下降傾斜する態様で延設されると共に本体部311と一体成形される転動板Iaが、本体部311から正面側へ向けて凸設される。
転動板Iaは、第3嵩上げ部材11824と同様に、上方から到達した遊技球を転動させる部分であって、遊技盤13と対向配置されるガラス板との間の隙間が遊技球の直径以下となる位置まで凸設される。転動板Iaの右端部は、複数の釘P111の内の左端に配置される釘よりも下方に配置され、転動板Iaの左端部は、その左端部を通る鉛直線が、第1特定入賞口65aの左右方向の中心位置よりも左側を通る位置に配置される。
複数の釘P111は、左方へ向けて下降傾斜する態様で配置され、各釘P111同士の間の隙間に遊技球が落下しない間隔(例えば、遊技球の半径以下の間隔)で配設され、複数の釘P111の内の左端に配置される釘と転動板Iaとの間の間隔は、遊技球が落下しない間隔(例えば、遊技球の半径以下の間隔)とされ、複数の釘P111の内の右端に配置される釘と第3嵩上げ部11824の延設端部との間の間隔は、遊技球が落下しない間隔(例えば、遊技球の半径以下の間隔)とされる。
このように構成することにより、スルーゲート67を通過して、流下経路X111で流下する遊技球の内、湾曲壁部11822cを転動して、その後、第3嵩上げ部11824、複数の釘P111、転動板Iaの上側を順に通って流下する遊技球の割合を多くすることができる。そのため、スルーゲート67を通過した遊技球が、続いて第2入賞口640bに入賞する事態が生じる確率を、低減することができる。
一方で、流下経路Y81で流下する遊技球は、基本的には、第2入賞口640bへ向かって流下する。この流下経路Y81を流下する遊技球は、転動壁面8825bで大きく跳ね返った場合には、方向変化部11826の背面側を通過する。
図87に示すように、方向変化部11826は、左方へ向かうほど下降傾斜する板状の部分であって、左側端部が一対の流路壁面8825dにより形成される開口の中心軸よりも右方に配置される。
方向変化部11826は、第8実施形態における方向変化部8826と同様に、到達した遊技球を前後方向や上下左右方向に跳ね返す部分であるので、凹設部8812との間で遊技球が通過可能な隙間を空けて背面側へ向けて凸設される。
本実施形態では、方向変化部11826が左方へ向かうほど下降傾斜するので、流下経路Y81で流下し、転動壁面8825bで跳ねて方向変化部11826の背面側に到達した遊技球を、多くの場合、正面視右下方向または正面視下方に跳ね返す。これにより、流下経路Y81で流下する遊技球が流路壁面8825dで形成される流路の上方を飛び越えることにより、第2入賞口640bへ向かわなくなる事態を避けることができる。
当接壁面8825aの左端部の鉛直方向下方において、流下経路Y111に沿って流下した遊技球の内、約20%の遊技球が入賞する一般入賞口63が配設される。この一般入賞口63の賞球により、例えば、遊技球が流下経路X111に過度に向かいやすくされた(半分以上向かうようにされた)場合に、流下経路Y81を通過する数少ない遊技球が、不運にも電動役物640aが閉鎖している時に電動役物640aの上側を転動し流下する遊技球(第2アウト口315へ向かう遊技球)が一般入賞口63に入賞する可能正を持たせることで、遊技球の注目力を向上させることができると共に、右打ち中の球持ちを良くすることができる。
一般入賞口63に入賞せず、左方へ流下する遊技球は、第1特定入賞口65aの正面側を流下する態様で形成されるので、第1可変入賞装置65が開放している場合には、遊技球が第1特定入賞口65aに入賞する。
このように構成することにより、スルーゲート67を通過せず、傾斜面部8822bの上面を右方へ転動して流下経路Y81で流下する遊技球が、遊技状態に対応して、第2入賞口640b(主に時短状態)、第1特定入賞口65a(主に特別遊技状態)または一般入賞口63のいずれかに、高頻度で入賞させることができる。そのため、スルーゲート67を通過せずに、遊技者に利益を未だ与えていない遊技球の内、そのまま第2アウト口315へ向かう遊技球の個数の割合を低減することができる。
本実施形態では、特別遊技状態において、スルーゲート67を通過して流下経路X111で流下する遊技球も、スルーゲート67を通過せず流下経路Y81で流下する遊技球も、第1特定入賞口65aに入賞することが可能とされる。しかし、遊技球が流下した経路により、その入賞の期待度(確率)が異なる。
即ち、流下経路X111で流下する遊技球も、流下経路Y81,Y111で流下する遊技球も、正面左向きの速度を有して流下することになるが、転動板Iaの左端部が第1特定入賞口65aの左右方向中心位置を通る鉛直線よりも左側に配置されることから、流下経路X111で流下して、開放状態の第1特定入賞口65aの正面側を流下した遊技球が第1特定入賞口65aに素直に入賞せず、左方へ逸れてしまう状況が多く生じる。
これに対し、流下経路Y81,Y111で流下する遊技球は、第1特定入賞口65aの右端部付近において第1特定入賞口65aの正面側を通過するので、開放された第1可変入賞装置65の転動面(下端を軸として正面側へ回転する態様で開く扉の上側面(内側面))の右端部に着地した後、第1特定入賞口65aに案内されるまでに遊技球が左右に転動する距離を十分に確保することができる。従って、流下経路Y81で流下した遊技球の内、開放状態の第1特定入賞口65aの正面側に到達した遊技球が第1特定入賞口65aに入賞する確率を高くすることができる。
これにより、本実施形態では、スルーゲート67を通過した遊技球に比較して、スルーゲート67を外れた遊技球の方が、第1特定入賞口65aに入賞し易い態様で構成することができる。
換言すれば、スルーゲート67を通過する経路(有利度の高い経路)を流下した球は、その後有利度の低い経路で流下する割合が高くなり、スルーゲート67を回避して流下した球は、その後の有利度が高くされる(第1特定入賞口65aに入賞し易くなる)。これにより、例えば、スルーゲート67を通過しやすくする釘調整による不正が行われた場合には、特別遊技状態における球増えを減らす(流下経路X111を流下する無駄球を多くする)ことができる。一方で、例えば、スルーゲート67を通過し難い釘調整が行われた場合には、特別遊技状態において多くの球が流下経路Y81を流下することになるので、無駄球がほとんど無い状態で大当たり遊技を楽しむことができる。
即ち、釘調整などにより、極端に有利度が高くされたり、低くされたりすることを防止することができる。そして、このような前提から、本実施形態では、第8から第10実施形態と同様に、例えば、ホール側が出球重視のゲーム性にするか、回転率重視のゲーム性にするかを選び、調整する際に、調整の僅かな違いで誤って極端なゲーム性となってしまうことを防止することができる。これにより、その調整の容易さを向上させることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記各実施形態では、正面レール部715が単一の円弧形状から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面レール部715が複数の円弧から形成され、隣り合う円弧の向きが反転される態様(波形状)でも良い。この場合、演出部材620のスライド移動速度が断続的に変化され、演出部材620の姿勢が不安定とされるので、演出部材620をがたつかせる演出を行わせることができる。
上記各実施形態では、演出部材620が倒立状態を形成する場合に、演出部材620の重心が第1軸支部613の鉛直上方である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、重心が第1軸支部613の斜め上方に配置されても良い。
上記各実施形態では、左下板部材320の緩衝リブ322の上面が左右方向に水平となる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、緩衝リブ322の上面が幅方向外側に近づくにつれ下降傾斜されても良い。この場合、盤面幅方向外側から左下板部材320の上面に流入される球の速度を重力方向の加速度で減速させることができ、球の減速時間を短縮化することができる。
上記各実施形態では、伝達部材640の摺動孔643が長孔で形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、摺動孔643が円形状に形成され、摺動孔643と摺動軸部621aとの位置ずれ分を伝達部材640が伸縮することで調整する態様でも良い。この場合、伝達部材640の配置範囲を抑制することができる。
上記第4実施形態では、当接部644の位置を2位置で切り替えられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、当接部644の位置を連続的に可変する(可動とする)ものとしても良い。この場合、ねじりバネ650の付勢力の変化割合を連続的に増加させることができる。
上記第6実施形態では、先端揺動部材6556の姿勢が2位置で変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、先端揺動部材6556の姿勢変化を複数段階で生じさせても良い。この場合、伸縮演出装置6540の揺動量を複数種類で形成することができ、演出のバリエーションを増加させることができる。
上記第8実施形態では、凹設部8812の鉛直方向に平行な平面での断面形状を円弧形状とする場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、台形に凹設されても良い。この場合には、台形形状の傾斜した面が凹設部8812の上下の側面を構成することにより、上側側面に衝突した球の速度を下向きに変えることができる。また、凹設部8812の形状を適当な形状とし、凹設部8812の側面にウレタンやゴム等の緩衝部材を配設しても良い。この場合には、緩衝部材の緩衝作用により、凹設部8812に衝突した球の速度を減速させやすくできる。
上記第8実施形態では、スルーゲート67が流路壁面8825dにより形成される開口の略鉛直上方に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スルーゲート67が流路壁面8825dにより形成される開口を基準として左方、即ち、当接壁面8825aの下流側に配設されても良い。この場合、スルーゲート67を通過した球が、第2入賞口640bに入賞することを部材の配置から抑制することができる。
上記第8実施形態では、特別遊技状態において電動役物640aが開閉しない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特別遊技状態においても、球がスルーゲート67を通過することを契機に電動役物640aを開放状態にしても良い。この場合、特別遊技状態において遊技者が得られる利益の底上げを図ることができる。
上記第8実施形態では、スルーゲート67を通過するか否かの振り分けが行われ、スルーゲート67を通過しなかった球の方が第2入賞口640bを通過し易くすることにより、遊技者に付与される利益のバランスを保つ場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、振り分けられた2の流路の双方に別々のスルーゲートが配置され、スルーゲートごとに遊技者に付与される利益に差(例えば、球の通過により電動役物640bを開放させる確率の差)が設けられても良い。また、例えば、振り分けられた2の流路の双方に別々の入賞口が配設され、それら別々の入賞口ごとに賞球数を異ならせることで、遊技者に付与される利益に差を持たせても良い。
上記第8実施形態では、スルーゲート67を通過した球が入賞可能な位置に第1可変入賞装置65が配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スルーゲート67と第1可変入賞装置65との配置が左右方向に大きく離されて、スルーゲート67を通過した球が第1可変入賞装置65へ入賞不可能な配置としても良い。この場合、遊技領域の構成がスルーゲート67を球が過度に通り易い構成に改変されると、第1可変入賞装置65に球が入賞し難くなることから、大当たり遊技時の入賞に関して、遊技者にとって耐え難い支障が生じる(改変に気づき易くすることができる)。これは遊技者からの不満の原因となり、継続して遊技させることができなくなるおそれが生じることから、遊技領域の構成を変化させて不正に利益を得ようとする者が、遊技領域の構成を改変することを抑制することができる。
上記第8実施形態では、複数の方向変化部8826が覆設板部材8820から凸設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、4個の方向変化部8826の内、左側の2個は覆設板部材8820から背面側へ向けて凸設し、右側の2個は基礎板部材8810から正面側へ向けて凸設するように、前後方向の逆向きで凸設される部分を混ぜても良い。この場合、左側の2個の方向変化部8826(第1凸設部8826a、第2凸設部8826b)に当接し背面側へ向けて押進された遊技球が右方へ流れそうになった場合に、右側の2個の方向変化部8826に左右方向で当接し易くすることができるので、遊技球を第1流下経路O81に沿って流下させ易くすることができる。
上記第11実施形態では、スルーゲート67を通過した遊技球が方向変化部11826へ向けて流下することが湾曲壁部11822cにより防止される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第8実施形態で説明したように、スルーゲート67を通過した遊技球が電動役物640aへ向けて流下する構成の遊技機において、方向変化部11826を配置しても良い。この場合、単独の突起として方向変化部11826を構成することで設計を容易とできると共に、スルーゲート67を通過した遊技球は方向変化部11826の上側の面に当接し、スルーゲート67を通過せずに傾斜面部8822bの上面を流下した遊技球は方向変化部11826の下側の面に当接する態様で構成できるので、方向変化部11826の形状を工夫することで、遊技球を迎え入れる方向ごとに、遊技球に与える影響を変化させることができる。
例えば、方向変化部11826の下側の側面を平面で構成する一方で、上側の側面を上に凸の曲面形状で構成するようにしても良い。この場合、スルーゲート67から逸れて流下した遊技球と当たる方向変化部11826の側面の角度は遊技球の跳ね返る高さによらず同じなので、遊技球を一様に(機械的に)下方へ跳ね返す態様とすることができる。また、スルーゲート67を通過して方向変化部11826に到達した遊技球は流下経路の僅かな違いが方向変化部11826との当接位置の違い(当接位置における方向変化部11826の上面から出される法線方向の違い)につながり、遊技球の跳ね返り方を複数種類形成することができる。
これにより、転動壁面8825bで跳ね返った遊技球を一様の角度で(機械的に)下方へ跳ね返し、その跳ね返る高さによらず遊技球が第2入賞口640bへ到達するまでの期間を短くできる一方で、スルーゲート67を通過した遊技球の動き(球はね)が一様になることを防止できることから、遊技球の動きで遊技者を楽しませることができる。
また、スルーゲート67を通過し方向変化部11826に衝突した後で跳ね返る遊技球の流下経路として、遊技球が流路壁面8825dの上側開口の左方に逸れた位置で第4嵩上げ部8825に着地する流下経路と、遊技球が流路壁面8825dの上側開口に入球可能な位置(例えば電動役物640aの左右方向中心位置の真上の位置)に着地する流下経路とを形成することにより、スルーゲート67を通過した後に遊技球が第2入賞口640bへ向かう機会を作ることができ、遊技球への遊技者の注目力を向上させることができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<回動アーム部材550の異形長孔553で駆動力伝達を変化させる技術思想の一例>
第1軸を中心に回転されその第1軸と偏心した位置に突起部が突設されるクランク部材と、前記突起部が挿通される挿通部を備え第1位置とその第1位置から離間した第2位置との間で移動可能に形成されるアーム部材と、前記クランク部材を前記第1軸を中心に回転させる駆動力を発生させる駆動装置と、を備え、前記挿通部は、挿通された前記突起部の移動方向に対面する前記挿通部の内周面に前記突起部が当接されることで前記アーム部材に前記駆動力が伝達され、前記アーム部材を前記第1位置と前記第2位置との間で移動可能に形成される伝達領域と、その伝達領域に連結される領域であって、前記駆動力の伝達が遮断される非伝達領域と、を備えることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、回転軸から偏心した位置に突設される突起部を備えるクランク部材と、そのクランク部材の突起部が挿通される挿通部を備えるアーム部材と、を備え、クランク部材の回転に連動してアーム部材が動作する遊技機がある(例えば特開2009−000306号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、クランク部材とアーム部材とは常時連動する。そのため、アーム部材をクランク部材の始動時から駆動させることになり、クランク部材の始動のタイミングとアーム部材を駆動させるタイミングとをずらすことができなかった。この場合、クランク部材の始動時に、クランク部材およびアーム部材の慣性に打ち勝つ大きな力が必要となり、駆動装置が大型化するという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、アーム部材の挿通部は、伝達領域と、その伝達領域に連結される非伝達領域と、を備えるため、突起部を非伝達領域に挿通した状態でクランク部材を始動させることで、アーム部材を駆動させるタイミングとクランク部材の始動のタイミングとをずらすことができる。即ち、クランク部材が始動されても、突起部が非伝達領域から伝達領域へ侵入するまで、アーム部材に駆動力は伝達されない。これにより、クランク部材の始動時に必要な駆動力を抑制することができ、駆動装置の小型化を図ることができる。
なお、突起部が非伝達領域を移動する間、アーム部材は、停止されても、移動されても良い。例えば、アーム部材が移動される場合には、重力や補助用の弾性バネが生じる弾性力等により移動される場合が例示される。
なお、挿通部としては、有底凹部状の窪みや、貫通された長孔等が例示される。
遊技機A1において、前記クランク部材は一回転以上の回転を可能に形成され、前記挿通部は、前記クランク部材が一の回転方向に回転されることにより前記伝達領域となる一方、前記クランク部材が前記一の回転方向の反対方向である他の回転方向に回転されることにより前記非伝達領域となる選択領域を備えることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、クランク部材の回転方向によりアーム部材への駆動力の伝達の態様を変化させることができる。これにより、クランク部材の回転速度を変化させずとも、駆動装置の駆動力の方向を反転させることで、クランク部材が同位相に配置される場合のアーム部材の速度態様を2通り形成することができ、アーム部材の速度のバリエーションを増加させることができる。
遊技機A2において、前記挿通部が、前記突起部と、前記クランク部材が前記一の回転方向に回転される場合に前記突起部の移動方向に対面する前記挿通部の内周面と、が離間される余裕部を備えることで、前記選択領域が形成されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3は、遊技機A2の奏する効果に加え、前記選択領域が、挿通部が余裕部を備えることで形成されるので、アーム部材への駆動力の伝達の態様を変化させるための他の部材を不要とでき、材料コストを低減することができる。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記第1位置または前記第2位置の少なくとも一方が、前記アーム部材の移動範囲の終端位置として形成され、その終端位置として形成される前記第1位置または前記第2位置のどちらか一方に前記アーム部材が配置された場合に、前記終端位置として形成される前記第1位置または前記第2位置のどちらか一方の反対側の他方へ向けた前記アーム部材の移動を抑制するバウンド抑制機構が形成されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、アーム部材がアーム部材の可動範囲の終端位置として形成される第1位置または第2位置のどちらか一方に配置された場合に、その反対側の他方へ向けたアーム部材の移動を抑制するために駆動装置が発生させる必要がある駆動力を抑制することができる。そのため、駆動装置の耐久性を向上させることができる。
なお、バウンド抑制機構としては、磁石の吸着力を利用する場合、鉤爪形状の部材で動きを抑制する場合およびクランク部材の突起部がアーム部材から受ける荷重がクランク部材の軸方向へ向かう態様でアーム部材の挿通部が形成される場合等が例示される。
磁石で吸着する場合には、磁石が別部材として必要であるが、磁石の内部組成により大小様々な吸着力を生じさせることができ、設計自由度を向上させることができる。
鉤爪形状の部材で動きを抑制する場合には、鉤爪形状の部材を動作させる駆動装置が必要であるが、鉤爪形状の部材でアーム部材の移動を機械的にせき止めることができる。
クランク部材の突起部がアーム部材から受ける荷重がクランク部材の軸へ向かう態様でアーム部材の挿通部が形成される場合には、アーム部材の移動抑制のための別部材が配設不要であり、アーム部材のバウンドを機械的に抑制することができる。
遊技機A4において、前記アーム部材が前記第1位置または前記第2位置の少なくとも一方に配置された場合に、前記挿通部の前記非伝達領域の前記伝達領域との連結位置付近の外形が、前記クランク部材の回転軸を中心とした前記突起部の外接円と略同一とされることで前記バウンド抑制機構が形成されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、アーム部材が第1位置または第2位置に配置された後、クランク部材の回転を継続することにより、バウンド抑制機構が形成される。これにより、アーム部材の移動状態から停止状態への変化を滑らかに形成することができる。
また、バウンド抑制機構において、挿通部から突起部へかけられる負荷は、クランク部材の回転軸へ向けられるので、クランク部材の回転方向に負荷がかけられることを抑制でき、駆動装置にかけられる負担を抑制することができる。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記アーム部材が前記第1位置に配置された場合に、前記挿通部の前記非伝達領域の前記伝達領域との連結位置付近の外形が、前記クランク部材の回転軸を中心とした前記突起部の外接円と略同一とされ、前記第1位置から前記第2位置へ向けてアーム部材を移動させる付勢力が負荷され、前記挿通部の前記非伝達領域の前記第1位置側の側面に前記挿通部の内側に突設される内側窪み部または前記突起部を収容可能な大きさで前記挿通部の外側に突設される外側窪み部の少なくとも一方が形成されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかの奏する効果に加え、アーム部材が第1位置に配置された場合に、挿通部の非伝達領域の伝達領域との連結位置付近の外形が、クランク部材の回転軸を中心とした突起部の外接円と略同一とされ、第1位置から第2位置へ向けてアーム部材を移動させる付勢力がアーム部材に負荷される。この場合、クランク部材の突起部が挿通部の非伝達領域に配置されることで、アーム部材の移動が突起部に防止され、アーム部材は停止される。クランク部材が回転され、突起部が非伝達領域を移動されることで、突起部と内側窪み部または外側窪み部とが対向配置されると、アーム部材が移動される。即ち、突起部が内側窪み部と対向配置される場合、突起部に内側窪み部が押し出され、アーム部材はクランク部材の反対側へ移動される。また、突起部が外側窪み部と対向配置される場合、突起部が外側窪み部に収容され、アーム部材はクランク部材側へ移動される。
これにより、クランク部材の突起部が非伝達領域を移動することで、クランク部材が回転されることにより突起部が伝達領域を移動する場合に生じるアーム部材の移動動作とは移動幅の異なる移動動作を生じさせることができる。したがって、駆動装置の耐久性の向上と、アーム部材の移動幅の変化との両立を図ることができる。
即ち、アーム部材の移動幅を変化させるためには、駆動装置の駆動力の方向をアーム部材の移動幅に応じて反転させる必要がある。この場合、駆動装置の制御負担が大きくなるし、振動など移動幅の小さな動作を行うことは困難である。
一方、遊技機A6によれば、クランク部材の突起部が非伝達領域を移動され突起部と内側窪み部または外側窪み部とが対向配置されることで移動幅の異なるアーム部材の動きが形成される。そのため、駆動装置の駆動力の方向を反転させることなく、アーム部材の移動の移動幅を変化させることができる。また、隣り合った内側窪み部または外側窪み部の形成間隔を狭めることで、振動など移動幅の小さな動作をアーム部材に行わせることができる。
なお、突起部を収容可能な態様とは、凹設部に突起部の全体が含まれる態様でも良いし、突起部の一部が凹設部に含まれる態様でも良い。
<伸縮演出装置540の揺動幅を円弧状孔554で制限する技術思想の一例>
所定の移動軌跡に沿って移動可能であって、互いに異なる第1位置と第2位置とに配置可能な可動部材と、その可動部材に対応して移動し、可動部材に当接することで前記可動部材の前記所定の移動軌跡の移動幅を制限すると共に、前記可動部材が前記第1位置に配置されるか前記第2位置に配置されるかによって前記可動部材の移動幅を変化させるストッパ部材と、を備えることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、移動可能に形成される可動部材と、その可動部材の移動幅を制限するストッパ部材と、を備える遊技機がある(例えば特開2012−016623号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、ストッパ部材は移動不能に固定されるので、可動部材が第1位置に配置される場合と、第2位置に配置される場合とでストッパ部材を別々に用意する必要があり、ストッパ部材を配設するスペースが広範囲になるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、ストッパ部材が可動部材に対応して移動するので、可動部材が第1位置に配置される場合のストッパ部材を、可動部材が第2位置に配置される場合のストッパ部材と兼用できる。これにより、ストッパ部材を配設するスペースを抑制することができる。
また、ストッパ部材は、可動部材が第1位置に配置されるか、可動部材が第2位置に配置されるかによって、可動部材の移動幅を変化させるので、可動部材の移動幅のバリエーションを増やすことができる。
なお、ストッパ部材としては、伝達部材から突設され可動部材に当接される突起部や、伝達部材に凹設され可動部材の一部を収容する窪みの内壁部等が例示される。
なお、移動の態様としては、直線移動、曲線移動、蛇行移動、振動、揺動および回転移動等が例示される。また、各移動の態様における移動幅とは、例えば、直線移動、曲線移動、蛇行移動および振動等の場合には実際の移動距離や2点間の直線距離等を意味し、揺動および回転移動等の場合には、実際の移動距離や移動角度等を意味する。
遊技機B1において、前記可動部材は、第1軸に揺動可能に軸支されると共に前記第1軸の径方向に伸縮動作する中間部材を備え、前記第1位置と前記第2位置とでは、前記中間部材の伸縮長さが異なり、前記所定の移動軌跡は、前記第1軸を中心とした円弧状に形成され、前記ストッパ部材は、前記中間部材が所定の伸縮状態とされる場合における前記可動部材の前記所定の移動軌跡に沿って延設されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、可動部材が、第1軸を中心として揺動可能に軸支されると共に第1軸の径方向に伸縮動作可能に形成される中間部材を備える。そのため、中間部材の伸縮方向の長さによって、第1軸を中心とした可動部材の所定の移動軌跡の曲率半径を変化させることができる。
ここで、ストッパ部材は、中間部材が所定の伸縮状態とされる場合における可動部材の所定の移動軌跡に沿って延設される(ストッパ部材の延設方向の曲率と中間部材が所定の伸縮状態とされる場合における可動部材の所定の移動軌跡の曲率とが同一とされる)。この場合、中間部材が所定の伸縮状態とされる場合に、可動部材はストッパ部材に沿って移動され、可動部材をストッパ部材の延設方向に亘って移動させることができる。そのため、可動部材の移動幅(揺動角度)を最大とすることができる。
一方で、中間部材を所定の伸縮状態と異なる伸縮状態とすると、可動部材の所定の移動軌跡の曲率と、ストッパ部材の延設方向の曲率とを異ならせることができ、可動部材の所定の移動軌跡とストッパ部材の延設方向とを交差させることができる。そのため、可動部材の移動幅を短縮することができる。従って、中間部材の伸縮状態を変化させることで、可動部材の移動幅を変化させることができる。
遊技機B2において、前記可動部材は、前記ストッパ部材へ向けて突設される突起部を備え、前記ストッパ部材は、前記突起部が挿通される挿通部を備え、前記突起部が前記挿通部に挿通された状態において前記可動部材と前記ストッパ部材とが前記中間部材の伸縮方向に連動し、前記可動部材は、前記挿通部に当接されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、可動部材の突起部がストッパ部材の挿通部に挿通されることで、可動部材とストッパ部材とが中間部材の伸縮方向に連動するので、可動部材を伸縮させる駆動装置とストッパ部材を移動させる駆動装置とを兼用することができる。また、挿通部は、可動部材に当接されることで可動部材の移動を規制する。即ち、ストッパ部材の挿通部が、可動部材の移動を規制するストッパとしての機能と、可動部材およびストッパ部材を連動させる機能と、を備える。これにより、機能の集約化を図ることができる。
遊技機B3において、前記中間部材が伸縮動作することにより、前記挿通部に対する前記第1軸の配置が、内周側と外周側とで反転することを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、中間部材が伸縮動作されることにより、挿通部に対する第1軸の配置が内周側と外周側とで反転する。これにより、第1軸が挿通部の内周側に配置される場合と、第1軸が挿通部の外周側に配置される場合とで、可動部材の移動幅を変化させることができる。
即ち、挿通部の内周側に第1軸が配置される場合(可動部材が所定の移動軌跡で移動される場合の突起部の移動軌跡が挿通部の形状に沿う場合)は、突起部の移動軌跡と挿通部の形状とが近似され、可動部材の所定の移動軌跡の移動幅を広くできる。一方、挿通部の外周側に第1軸が配置される場合(可動部材が所定の移動軌跡で移動される場合の突起部の移動軌跡が挿通部の形状と略反転する場合)は、突起部の移動軌跡と挿通部の内側壁面とが形成する角度が大きくなり、可動部材の所定の移動軌跡の移動幅を狭くできる。
遊技機B3又はB4において、前記挿通部は、前記中間部材の伸縮状態を維持したまま姿勢変化可能に形成され、前記挿通部が姿勢変化することで前記可動部材と前記挿通部との当接位置が変化され、前記可動部材の所定の移動軌跡の移動幅が変化することを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B3又はB4の奏する効果に加え、中間部材の伸縮状態を維持したまま挿通部の姿勢を変化させることで可動部材と挿通部との当接位置が変化する。この場合、中間部材の伸縮状態を維持したまま、可動部材の所定の移動軌跡の移動幅を変化させることができる。
遊技機B3からB5のいずれかにおいて、前記挿通部は、前記突起部を前記移動軌跡に沿って出入り可能とする溝部を備え、その溝部を介して前記突起部が前記挿通部から離間される離間状態を形成可能とされ、前記可動部材は、前記離間状態において前記ストッパ部材と係合される位置決め補助部を備えることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B3からB5のいずれかの奏する効果に加え、突起部が溝部を介して挿通部から離間される離間状態を形成可能であると共に、可動部材が、離間状態においてストッパ部材と係合される位置決め補助部を備える。そのため、可動部材の動作範囲に比較して、ストッパ部材の形成範囲を小さくすることができ、ストッパ部材の材料コストを削減することができると共に、離間状態における可動部材とストッパ部材との位置ずれを防止することができる。即ち、突起部がストッパ部材の挿通部から離間されたとしても、位置決め補助部により可動部材のストッパ部材に対する相対移動が抑制されるので、突起部を再び挿通部へ戻すことができる。
<倒立支持される演出部材620を2点支持する技術思想の一例>
ベース部材と、そのベース部材に形成される支持部に変位可能に支持され所定の位置から上昇移動する可動部材と、その可動部材を変位させる駆動力を発生する駆動装置と、前記可動部材に連結され、前記駆動装置から発生した駆動力を前記可動部材へ伝達する伝達部材と、を備える遊技機において、前記伝達部材は、前記ベース部材に形成される軸支部に揺動可能に軸支され、前記支持部から前記可動部材および前記伝達部材の連結位置までの長さに比較して、前記軸支部から可動部材および前記伝達部材の連結位置までの長さが短いことを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、ベース部材に形成される支持部に変位可能に支持され所定の位置から上昇移動する可動部材をギアによる駆動力の伝達で駆動させる遊技機がある(例えば特開2011−120640号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、駆動装置の制御の分解能の最小単位(例えば、ステッピングモータでは1ステップ)で駆動装置を動作させる場合の可動部材の重心の移動量は、可動部材の支持部から可動部材の重心までの長さに比例する。そのため、可動部材の重心が支持部から径方向に離れるほど、可動部材の重心の位置調整が困難になる。
また、可動部材の重心が支持部の真上に配置される倒立状態から、可動部材の重心が一方にずれた場合に、その逆方向に可動部材を変位させる駆動力を発生させ可動部材を倒立状態に維持しようとしても、その駆動力により重心が他方にずれると、駆動力の方向と重力の方向とが一致し、可動部材は大幅に変位することになる。
そのため、可動部材が支持部の径方向に長尺になるほど、可動部材の重心が支持部の真上に配置される倒立状態に可動部材を静止させることが困難となるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、可動部材に駆動装置の駆動力を伝達させて可動部材を上昇移動させる伝達部材が、ベース部材の軸支部に軸支されると共に可動部材に連結され、可動部材および連結部材の連結位置から軸支部までの長さが、可動部材および連結部材の連結位置から支持部までの長さに比較して短く形成される。そのため、可動部材が支持部の径方向に長尺な場合であっても、駆動装置の制御の分解能の最小単位で駆動装置を動作させる場合の可動部材の重心の移動量を、抑制することができる。従って、可動部材の重心が支持部の真上に配置される倒立状態に可動部材を静止させることを容易とすることができる。
なお、可動部材がベース部材に支持される態様としては、ベース部材に可動部材が揺動可能に軸支される態様や、ベース部材に可動部材がスライド移動可能に支持される態様や、それらが複合された態様等が例示される。
遊技機C1において、前記伝達部材は、前記可動部材が前記所定の位置から上昇移動するほど、前記軸支部から前記可動部材との連結位置までの腕長さが短縮されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、支持部を中心に変位される可動部材が所定の位置から上昇移動するほど、軸支部から可動部材との連結位置までの伝達部材の腕長さが短縮される。そのため、伝達部材の腕長さが一定の場合に比較して、可動部材の速度の設計自由度を向上させることができる。
例えば、伝達部材を回転させる駆動装置の回転数が一定で動作する場合に、伝達部材の腕長さが所定の第1の長さで固定される場合と、伝達部材の腕長さが第1の長さより短い第2の長さで固定される場合とを仮定して説明する。駆動装置の回転数が一定の場合、伝達部材が第1の長さで固定される場合の方が、伝達部材の腕長さが第2の長さで固定される場合に比較して、伝達部材が所定の位相に配置される際の可動部材の重心の移動速度は速くなる。
ここで、所定の位置付近では伝達部材を第1の腕長さとした場合に発生する速度で可動部材を素早く動作させ、倒立状態付近では伝達部材を第2の腕長さとした場合に発生する速度でゆっくりと可動部材を動作させたい場合を考える。そのための方法としては、駆動装置の回転数を途中で変化させる方法が考えられるが、駆動装置の回転数を変化させることが困難な場合には採用できない。また、駆動装置の回転数を変化させることができる場合であっても回転数を途中で変化させるには、その変化のタイミングを検出するための検出センサが必要となるので、コストが嵩むという問題点があった。
一方、遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、伝達部材の軸支される軸支部から伝達部材と可動部材との連結位置までの腕長さが、伝達部材が所定の位置から上昇移動するほど短縮される態様で形成される。そのため、所定の位置付近では伝達部材を第1の腕長さとし、倒立状態付近では伝達部材を第2の腕長さとすることができるので、可動部材の速度の設計自由度を向上させることができる。
なお、軸支部から伝達部材と可動部材との連結位置までの腕長さが固定される構成としては、伝達部材から突設される突部が可動部材に挿通され連結される場合等が例示される。また、腕長さが変化可能とされる構成としては、伝達部材に長孔が形成され、可動部材から突設される突部が伝達部材の長孔にスライド可能に挿通される場合や、可動部材が支持部に支持される部分に長孔を備え、ベース部材からその長孔に挿通される挿通軸棒が形成される場合等が例示される。
遊技機C1又はC2において、前記可動部材は、前記支持部と平行な方向に突設される突起部を備え、前記伝達部材は、前記軸支部の径方向に延設される長孔であって前記突起部が挿通される挿通部を備えることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3では、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、挿通部が軸支部の径方向へ延設され、その挿通部に伝達部材の突起部が挿通されることで伝達部材と可動部材とが連結されるので、連結位置の移動方向が軸支部の径方向に制限される。そのため、伝達アームの揺動に伴い、軸支部から伝達部材の可動部材との連結位置までの長さを機械的に変化させることができる。
なお、挿通部としては、貫通形成される長孔や、有底の窪みとして形成される凹設部等が例示される。
遊技機C3において、前記軸支部は前記支持部の鉛直上方に配置され、前記支持部および前記突起部を結ぶ直線上に前記可動部材の重心が配置されることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、可動部材が支持部の鉛直上方に突起部を配置させる姿勢をとる場合に、支持部、軸支部、突起部および可動部材の重心が鉛直線上に形成される。この場合、可動部材の重心にかけられる重力が支持部および軸支部に対し鉛直下方へ負荷される。そのため、可動部材に回転方向の力が負荷されないので、駆動装置の動力を遮断しても可動部材の姿勢を維持することができる。これにより、駆動装置の負担を低減することができる。
遊技機C1からC4において、前記伝達部材と前記駆動装置との間にウォームギアが介設され、駆動装置の回転が前記ウォームギアにより減速されることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C1からC4の奏する効果に加え、伝達部材と駆動装置との間にウォームギアが介設され、そのウォームギアにより駆動装置の回転が減速されるので、駆動装置が制御の分解能の最小単位で動作する場合の、可動部材の移動幅を大幅に低減することができる。また、ウォームギアを介した力の伝達方向は、駆動装置側から伝達部材側への一方向に限定されるので、伝達部材側からの荷重でウォームギアが回転することを防止することができ、駆動装置の停止時に駆動装置に掛けられる負担を低減することができる。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、前記支持部の上方に前記可動部材の重心を移動させる付勢力が前記可動部材の変位方向の双方向で発生する付勢装置を備え、前記付勢力は、前記可動部材の重心が前記支持部の鉛直上方に配置される倒立状態において変位方向で釣り合い、前記可動部材が前記倒立状態から変位するほど大きくなることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1からC5のいずれかにおいて、付勢装置が、支持部の上方に可動部材の重心を移動させる付勢力を発生し、その付勢力は、可動部材の重心が支持部の鉛直上方に配置される状態(倒立状態)から可動部材が変位するほど大きくなる。即ち、倒立状態において付勢力を最小とすることができる。
そのため、所定の位置からの可動部材の上昇移動時には付勢力を大きくすることで可動部材が所定の位置に配置される状態から可動部材を上昇移動させる駆動装置の負担を低減することができる。
また、付勢力は、可動部材の変位方向の双方向で発生し、倒立状態において変位方向で釣り合う。そのため、可動部材が所定の位置から上昇移動され、駆動装置を停止制御した場合に、可動部材が倒立状態に至らない場合でも、倒立状態を通り過ぎる場合でも、付勢力により可動部材の姿勢を倒立状態に向かわせることができる。これにより、可動部材を倒立状態で停止させることを容易にすることができる。
遊技機C6において、前記可動部材は、重心が前記支持部の鉛直上方から所定量変位するまでの第1状態と、前記所定量以上に変位する第2状態とを形成可能であって、前記第1状態に比較して、前記第2状態の方が、変位が同一の場合の付勢力の変化の割合が大きくなることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、可動部材の重心が支持部の鉛直上方に配置される倒立状態側の第1状態よりも、倒立状態から可動部材が所定量より大きく変位される第2状態の方が、変位が同一の場合の付勢力の変化の割合が大きくなる。この場合、第2状態に可動部材が配置される状態から可動部材を始動させる場合に、駆動装置の始動時の負担を抑制できる。また、倒立状態付近に可動部材が配置される場合の可動部材の加速度を低減することができるので、可動部材を倒立状態で停止させることを容易とすることができる。
<ねじりバネ650のバネ定数が揺動の途中で変化する技術思想の一例>
第1位置と第2位置との間を移動可能に形成される可動部材と、その可動部材を移動させる駆動力を発生させる駆動装置と、前記可動部材を前記第1位置へ復帰させる付勢力を発生させる付勢装置と、を備える遊技機において、前記可動部材が、前記第1位置から所定位置までの第1付勢領域に配置される場合に生じる付勢力の変化割合に対して、前記可動部材が、前記第1付勢領域に連結される領域であって前記第1位置から離反して形成される第2付勢領域に配置される場合に生じる付勢力の変化割合が大きく形成されることを特徴とする遊技機D1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、可動部材を駆動装置が発生させる駆動力で移動させる際の補助力として弾性バネ等の付勢装置による付勢力を用いる遊技機がある(例えば特開2011−120640号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、付勢装置の付勢力は、可動部材の変位量により比例的に増加されるものであり、可動部材の配置により付勢装置の目的を変化させることは困難であるという問題点があった。即ち、ある領域では付勢力を抑えることで可動部材の動きをしなやかにし、別のある領域では付勢力を向上させ可動部材の動きを急激にするということが困難であった。
一方、遊技機D1によれば、第1位置へ向けて付勢される付勢力の変化割合が、可動部材が第1付勢領域に配置される場合に比較して、可動部材が第2付勢領域に配置される場合の方が大きくされる。即ち、例えば、第2位置に停止された可動部材を第1位置へ向けて始動させる際(第2付勢領域)には付勢装置により十分な付勢力を得られる一方、可動部材が第1付勢領域に配置された場合には付勢力の変化が抑制され可動部材の動作をしなやかに(緩やかに)させることができる。
なお、付勢装置の付勢力の変化割合が可動部材の配置により変化される態様としては、可動部材に付勢量を発生させる付勢装置の個数が途中で増加する場合や、付勢装置が弾性バネから形成され弾性バネのバネ定数が可動部材の配置により変化される場合等が例示される。
遊技機D1において、前記付勢装置は、前記可動部材の移動方向と交差すると共に前記可動部材を移動方向で挟む一対の面上にそれぞれ配置される一対の長尺部材であって、一方の端部が前記可動部材の両側面にそれぞれ対向配置されると共に前記一方の端部の反対側の端部である他方の端部が移動を抑制される弾性バネから形成され、前記可動部材は、前記一対の長尺部材に挟まれる本体部と、前記一対の長尺部材に対して前記本体部の反対側に形成されると共に前記本体部の移動方向において前記一対の長尺部材の少なくとも一方と当接可能に形成される当接部と、を備え、その当接部は前記可動部材に連結固定され、前記可動部材が前記第1付勢領域に配置されると、前記可動部材は、前記一対の長尺部材の内、前記可動部材の移動によりその可動部材との距離が近くなる側の一方の長尺部材に当接され付勢力を与えられ、前記可動部材は、他方の長尺部材と前記当接部とが当接され付勢力を与えられることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、付勢装置による付勢力の変化割合の変化を、可動部材と一対の長尺部材との当接タイミングを、長尺部材ごとにずらすことで形成することができる。そのため、制御により付勢装置の付勢力を変化させたり、付勢力を向上させる別部材を用意したりすることを不要とできる。
即ち、一対の長尺部材は他方の端部が移動を規制されるので、可動部材の移動により可動部材との距離が近くなる側の一方の長尺部材は可動部材に押し付けられ移動するが、反対側の他方の長尺部材は、可動部材から力を受けない。そのため、第1付勢領域では、可動部材の移動に際して、可動部材の移動方向の反対側に配設される他方の長尺部材は、その場に留まる。
一方、第2付勢領域では、可動部材が移動されることで、他方の長尺部材が当接部に当接される。これにより、他方の長尺部材からも付勢力が発生される。従って、第2付勢領域において可動部材に与えられる付勢力を増大させることができる。
なお、弾性バネとしては、コイルスプリング、ねじりバネ及び板バネ等が例示される。
遊技機D1又はD2において、前記付勢装置は、前記可動部材の移動方向と交差すると共に前記可動部材を移動方向で挟む一対の面上にそれぞれ配置される一対の長尺部材であって、一方の端部が前記可動部材の両側面にそれぞれ対向配置されると共に前記一方の端部の反対側の端部である他方の端部が移動を抑制される弾性バネから形成され、前記可動部材は、前記一対の長尺部材に挟まれる本体部と、前記一対の長尺部材に対して前記本体部の反対側に形成されると共に前記本体部の移動方向において前記一対の長尺部材の少なくとも一方と当接可能に形成される当接部と、を備え、その当接部は前記可動部材に連結固定され、前記可動部材が前記第1付勢領域に配置されると、前記可動部材は、前記一対の長尺部材の内、前記可動部材の移動によりその可動部材との距離が近くなる側の一方の長尺部材に当接され付勢力を与えられ、前記可動部材が前記第2付勢領域に配置されると、前記一方の長尺部材の中間部が、前記本体部に対して一方の長尺部材側に配置される当接部に押し付けられることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、付勢力の変化割合の変化は、一方の長尺部材の中間部が、当接部に押し付けられることにより形成される。即ち、可動部材の移動により既に変形されている一方の長尺部材が、当接部に押し付けられる中間部を起点に更に変形されることで付勢力の変化割合の変化が生じる。ここで、中間部を起点とする変形は、他方の端部を起点とする変形に比較して変形を受ける部分の長さが短くなるので、可動部材の移動量に対する付勢力の変化の割合が増大する。これにより、第2付勢領域において、可動部材の移動量に対する付勢力の変化を増大させることができる。よって、付勢力の変化割合を大きくすることができる。
遊技機D3において、前記一方の長尺部材は、対向配置される前記当接部側へ向けて折り曲げられる第1折曲点を備え、その第1折曲点において前記一方の長尺部材が前記当接部に押し付けされることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、一方の長尺部材が第1折曲点で対向配置される当接部と当接されるので、一方の長尺部材が当接部との当接により引き延ばされる。そのため、可動部材に付勢力を与える付勢装置の先端部分を、付勢力の起点となる長尺部材の他方の端部や第1折曲点から離反させることができる。従って、第2付勢領域において可動部材が付勢装置から負荷されるモーメントをより大きくすることができる。
遊技機D4において、前記可動部材は、前記長尺部材の他方の端部から離反するほど移動方向へ拡大される先端拡大領域を備え、その先端拡大領域において前記可動部材と前記長尺部材の一方の端部とが当接されることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、可動部材が先端拡大領域を備え、その先端拡大領域において可動部材と長尺部材の一方の端部とが当接される。そのため、一方の長尺部材が当接部に押し付けられることにより一方の長尺部材が引き延ばされると、可動部材と長尺部材との当接位置が長尺部材の他方の端部から離反する方向へ移動され、長尺部材の変形量が増大される。そのため、付勢装置から可動部材へ負荷される付勢力を増加させることができる。
遊技機D2からD5のいずれかにおいて、前記当接部と前記本体部との配置間隔を変化可能とされることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D2からD5のいずれかの奏する効果に加え、長尺部材の生じる付勢力の変化のバリエーションを増やすことができる。即ち、例えば、当接部と本体部との配置間隔が狭められる場合、長尺部材の付勢力の変化の割合が増大するタイミングをより早期に設定することができる。
<アウト口が複数配設され下板320に緩衝リブ322が形成される技術思想の一例>
球が流下可能に形成される遊技領域の内部で、その遊技領域の下縁に当接して配置される盤内役物と、その盤内役物の幅方向一側に形成され球を前記遊技領域から排出する開口である第1アウト口と、前記幅方向一側の反対側である前記盤内役物の幅方向他側に形成され球を遊技領域から排出する開口である第2アウト口と、を備える遊技機において、前記第1アウト口および前記第2アウト口は、開口の下側面から正面に延設され上面に案内面を有する下板部を備え、その下板部の前記案内面は、前記第1アウト口または前記第2アウト口の内で対応する側の開口方向へリブ状に延設される緩衝リブを備えると共に、幅方向外側において前記案内面から盛り上げられて形成される段部を備え、前記緩衝リブの縦横比が幅方向外側へ向かうほど小さく形成されることを特徴とする遊技機E1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、アウト口が複数配設される遊技機がある(例えば特開平9−192301号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、アウト口の個数が増える分、各アウト口の大きさを抑える方がアタッカー等の配設スペースを確保できて好ましい一方で、アウト口を小さくしすぎると、遊技球の排出が滞るおそれがあるという問題点があった。
例えば、アウト口手前側において球が上下にバウンドする高さがアウト口の縦幅以上になると球はアウト口の前方に滞留する。また、例えば、アウト口の幅方向の側面に役物に側面が配設され壁となる場合、幅方向からアウト口手前側へ流入した球は役物の側面に衝突して幅方向へ跳ね返る。このとき、幅方向に跳ね返る量がアウト口の横幅以上になると、球はアウト口の前方に滞留する。
一方、遊技機E1によれば、下板部に形成される案内面に緩衝リブが形成されるので、球の跳ね返りを抑制したり、球を減速させたりすることができる。即ち、上下方向から球が衝突する場合には緩衝リブが撓み変形することで緩衝リブがクッションとなり球の跳ね返りを抑制することができる。また、左右方向から球が衝突する場合には、球が緩衝リブにはまり込むことで制動される。
ここで、開口方向へ延設される緩衝リブは、左右方向からの負荷に弱く、左右方向からの球の衝突により破損するおそれがある。
これに対し、遊技機E1によれば、案内面が、幅方向外側において段部を備えるため、左右方向から緩衝リブへ向けて流下する球が段部の上から緩衝リブへ落下することになる。この場合、球の緩衝リブへの衝突の向きの上下方向成分を大きくすることができ、緩衝リブの破損を抑制することができる。
なお、段部は案内面上を左右方向に移動する球をせき止める機能を備えるので、案内面上を移動する球がアウト口の横幅以上に跳ね返ることを防止することができる。
遊技領域の幅方向中央に向かうほど緩衝リブが高く形成されるので、流下する球が集中しやすい遊技領域の幅方向中央付近において大きな跳ね返り抑制効果を得ることができる。これにより、アウト口から球をスムーズに排出することができる。また、遊技領域の下辺の曲線と緩衝リブの下面とを合わせることで、アウト口の配設位置を下方修正することができる。
ここで、緩衝リブの形成高さが高いほど球の跳ね返り抑制効果が大きくなるのは、緩衝リブの撓み量が大きくなるためである。即ち、緩衝リブの撓み量が大きいほどクッション効果が十分に働き、跳ね返りを抑制し易くできる。そのため、緩衝リブの縦横比を左右方向で一定にする(縦方向の長さを一定にする)方が、跳ね返り抑制効果のためには好ましい。
一方で、緩衝リブの縦横比を一定にする(縦方向の長さを一定にする)と、段部の形成高さを高くする必要があり、その段部に至るまでの球の経路も上方に配置させる必要があるので、結果的に遊技領域を狭めることになり、スペース効率上好ましくない。
一方、遊技機E1では、流下する球が集中しにくい遊技領域の幅方向外側では緩衝リブの縦横比(縦方向の長さ)を小さくし、流下する球が集中しやすい遊技領域の幅方向中央では緩衝リブの縦横比(縦方向の長さ)を大きくしている。これにより、球の排出効率の向上と、遊技領域の確保との両立を図ることができる。
なお、開口方向へ延設されるとは、特に限定されるものではなく、直線形、波形、山形等の形状で開口方向へ沿って延設されることを意味する。
遊技機E1において、前記案内面は、前記遊技領域の幅方向外側へ下降傾斜する外傾斜部を備えることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、案内面が外傾斜部を備えるので、幅方向外側から案内面に流入する球の速度を重力加速度で減速させることができ、球の減速時間を短縮化することができる。
遊技機E1又はE2において、前記第1アウト口または前記第2アウト口の少なくとも一方の斜め上方に、球が流下不能とされる非流下領域が形成されることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1又はE2の奏する効果に加え、非流下領域から案内面へ向けて斜め下方向へ流れる球の流下が制限されるので、案内面へ至るまでの球の流下経路の数を低減することができる。そのため、流下した球の跳ね返る方向を狭めることができる。これにより、第1アウト口または第2アウト口の少なくとも一方の外形を狭めることができる。
遊技機E3において、前記非流下領域は、前記遊技領域に配設され正面側へ開閉可能とされる開閉装置が、前記第1アウト口または前記第2アウト口の少なくとも一方の上方に配設され、前記開閉装置の正面側に形成されることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、非流下領域が開閉装置により形成される。これにより、第1アウト口または第2アウト口の非流下領域側へ望む方向の開口寸法を抑制することにより生じるスペースを、開閉装置の配設スペースとして利用することができる。
また、開閉装置は、閉状態の場合には、開閉装置の前方を流下する球を遊技領域下方に流下させ、開状態の場合には、開閉装置の前方を流下する球を遊技領域の後方へ流下させる機能を有する。そのため、釘などと衝突することにより球が不規則に流下する場合に比較して、非流下領域の形成を確実に行うことができる。
遊技機E1からE4のいずれかにおいて、前記第1アウト口または前記第2アウト口の上底面に、開口方向へリブ状に延設される方向調整リブを備えることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E1からE4のいずれかの奏する効果に加え、第1アウト口または第2アウト口の上底面に開口方向へリブ状に延設される方向調整リブを備えるため、第1アウト口または第2アウト口の上底面に衝突しながら流下する球に対する抵抗を抑制することができる。
<流路ごとの有利度の調整を行う技術思想の一例>
遊技球が流下する遊技領域に配設されると共に遊技球を第1流路または第2流路の2の流路に振り分ける振分手段と、その振分手段で前記第2流路に振り分けられた遊技球が通過可能とされると共に遊技球が通過することにより遊技者に利益を与える第1利益手段と、前記振分手段の下流を通過する遊技球が通過可能とされ、遊技球が通過することにより遊技者に利益を与える第2利益手段と、を備える遊技機において、前記第2流路に振り分けられた遊技球よりも、前記第1流路に振り分けられた遊技球の方が、前記第2利益手段へ向かう割合が大きくされることを特徴とする遊技機F1。
パチンコ機等の遊技機において、スルーゲートを通過した遊技球が始動入賞口へ誘導される誘導路を備え、その誘導路から始動入賞口へ入賞する割合を調整可能な遊技機がある(例えば特開2001−70526号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、スルーゲートを通った球は有利度が高く(始動入賞口を開放すると共に始動入賞口に入賞する可能性が高い)、スルーゲートを通らなかった球は有利度が低く(始動入賞口が閉鎖状態を維持するので始動入賞口に入賞する可能性が低い)され、スルーゲートを通過し易いか否かが直に遊技者の利益につながるので、スルーゲートに球がどの程度案内されるかにより、遊技者の利益が大きく増減するという問題点があった。
即ち、スルーゲートに球が行き難い場合には、遊技者に不快感を与えるほどに遊技者が利益を得られず、逆に、スルーゲートに球が行き易い場合には、賞球が極端に多くなってしまい遊技店の利益を損ねる結果となる恐れが有る。そのため、例えば、釘を曲げるゴト行為等によりスルーゲートに球が行き易く球の流路が調整された場合、遊技者の利益と遊技店の利益とのバランスを保つことが困難となるという問題点があった。
これに対し、遊技機F1によれば、第1利益手段を通過する可能性のある第2流路を通過する遊技球よりも、第1流路を通過する遊技球の方が第2利益手段へ向かう割合が大きくされるので、第2流路に遊技球が寄せられた場合と、第1流路に遊技球が寄せられた場合との利益の調整が自然と行われ、遊技球が第2流路に行きやすい場合と第1流路に行きやすい場合とで遊技者と遊技店との利益バランスが極端に崩れることを防止できる。
なお、遊技者に与えられる利益としては、特に限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、賞球が得られることや、始動口を閉鎖する電動役物を一定の確率で開放すること等が、遊技者に与えられる利益として例示される。
遊技機F1において、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを形成可能とされ、前記第2利益手段は、遊技球が通過可能な開放状態と、遊技球が通過不能な閉鎖状態とで状態が切り替わるものであり、前記第1利益手段を遊技球が通過することにより遊技者に与えられる利益は、前記第1遊技状態において、前記第2利益手段を開放状態へと切り替えることを含むものであって、前記第2遊技状態において、前記第2利益手段は、前記第1利益手段を遊技球が通過したか否かに関わらず開放状態へと切り替わることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、第2流路に遊技球が多く振り分けられる場合には、第1遊技状態において第1利益手段を通過する遊技球を多くでき第2利益手段を開放し易くなる分だけ有利な一方で、第2遊技状態において第2流路を通過して第2利益手段を通過しない無駄球が多くなる分だけ不利というゲーム性を形成でき、第1流路に遊技球が多く振り分けられる場合には、第1遊技状態において第1利益手段を通過する遊技球が少なくなり第2利益手段が開放し難くなる分だけ不利な一方で、第2遊技状態において第1流路に多く振り分けられる遊技球を無駄なく第2利益手段に通過させることができる分だけ有利というゲーム性を形成することができる。
即ち、振分手段の振り分けに偏りが生じても、遊技状態が変化することで有利さと不利さとを転換させることができるので、一方の遊技状態における遊技者の利益が減じたとしても、他方の遊技状態における遊技者の利益が増えることで、遊技者が得られる利益のバランスをとることができる。これにより、振分手段の調整の偏りにより遊技者の利益が大きく増減することを抑制することができる。
遊技機F1又はF2において、前記第2利益手段の前記第1流路における上流側に配設される変化手段を備え、その変化手段は、前記第1流路を流下する遊技球の流下方向を第2利益手段へ向けた方向へ変化させる態様で形成されることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、変化手段が、第1流路を流下する遊技球の流下方向を第2利益手段へ向けた方向へ変化させるので、変化手段の上流側では第2利益手段から逸れて遊技球が流下する場合であっても、その遊技球の流下方向を、変化手段の下流側では第2利益手段へ向いた流下方向に変化させることができる。これにより、第1流路を流下した遊技球(第1利益手段を通過しなかった遊技球)が第2利益手段を通過する割合を増加させることができる。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、前記第1利益手段を通過した遊技球が前記第2利益手段へ向かう間に通過する位置に配設される変化手段を備え、前記第2利益手段は、遊技球が通過可能な開放状態と、遊技球が通過不能な閉鎖状態とで状態が切り替わるものであり、前記第1利益手段を遊技球が通過することにより遊技者に与えられる利益は、前記第1遊技状態において、前記第2利益手段を開放状態へと切り替えることを含むものであって、前記変化手段は、前記第1利益手段を通過した遊技球が、その通過を契機として前記第2利益手段が開放状態となってから前記第2利益手段に到達する態様で流下するように遊技球の流下態様を変化させることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかの奏する効果に加え、変化手段が、第1利益手段から第2利益手段へ到達する前に第2利益手段が開放状態となるように、遊技球の流下態様を変化(例えば、減速)させるので、第1利益手段と第2利益手段との配置間隔を狭くしながら、第1利益手段を通過した遊技球を、そのまま第2利益手段に通過させることができる。これにより、第1利益手段を通過する遊技球の価値を高め無駄球を減らすことができると共に、第1利益手段および第2利益手段の配設間隔を短縮化し、配設スペースの抑制を図ることができる。
例えば、第2利益手段を遊技球が通過することにより遊技者に与えられる利益が、特別図柄の抽選である場合、第1利益手段と第2利益手段との間隔を狭めることで、第1利益手段を通過した遊技球が第2利益手段を通過するまでの期間を短縮化できるので、次々に第2利益手段に遊技球を通過させることができる。この構成によれば、特別図柄の抽選に係る変動を極めて短くすることで抽選の頻度を高くすることを狙いながら、変動間に生じる空き時間の内に球が第2利益手段を通過せず、遊技者が飽きてしまう事態を避けることができる。
遊技機F3又はF4において、前記変化手段は、前記第2流路へ振り分けられた遊技球を前記第2利益手段から離反する方向へ流下させる第1変化経路と、前記第2流路へ振り分けられた遊技球を前記第2利益手段へ向かう方向へ流下させる第2変化経路と、を形成し、その第2変化経路を遊技球が通過する場合に遊技球を減速させることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F3又はF4の奏する効果に加え、変位手段が、第2流路へ振り分けられた遊技球の一部を第2利益手段から逸れる方向へ流下させる第1変化経路と、第2利益手段へ向かう遊技球を減速させる第2変化経路とを併せて形成できるので、第1変化経路で流下させる球で積極的に死に球を作りながら、第2変化経路で流下する球が第2利益手段を通過し易くすることができる。これにより、遊技者に一定の利益は付与しながら、最低限の球を積極的に死に球とすることができる。なお、死に球とは、賞球に絡まずにアウト口へ入球し排出される球を意味する。
遊技機F3からF5のいずれかにおいて、前記変化手段は、遊技盤の厚み方向に沿って遊技領域の内方へ向けて張り出す張出部分から形成され、その厚み方向に沿って張り出された領域において遊技球が通過可能とされることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F3からF5のいずれかの奏する効果に加え、変化手段の内、遊技盤の厚み方向へ張り出して形成される領域において遊技球が通過可能とされるので、遊技球が通過可能な領域を狭めて減速させる場合(例えば、釘を植設する場合)に比較して、遊技球が通過可能な流路の幅を大きく維持することができる。これにより、変化手段の配設スペースを抑制しつつ、多方向から遊技球が変化手段に流入したとしても、減速された遊技球が滞留して球詰まりが生じることを抑制することができる。
また、釘とは異なり容易に変形させることができない部材を用いる(例えば、遊技盤を形成するプラスチック部材と同様の部材を用いる)ことで、釘を変形させるゴト行為などと同様の行為によりゲーム性が変化することを防止することができる。
遊技機F1から遊技機F6のいずれかにおいて、前記振分流路により振り分けられた遊技球が再度合流する合流領域と、その合流領域に流入した遊技球をアウト口へ向けて排出する排出口と、を備え、前記第1流路から前記合流領域へ流入する遊技球の流入方向が、前記排出口から離反する方向とされることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F1からF6のいずれかの奏する効果に加え、第1流路から合流領域へ流入する遊技球の流入方向が排出口から離反する方向とされるので、第1流路から合流領域へ流入した遊技球が排出口から排出されることを抑制することができる。これにより、第1流路を流下する遊技球が排出口へ排出される割合を減少させることができ、結果として、第1流路を流下した遊技球が第2利益手段を通過する割合を増大させることができる。
遊技機F1からF7のいずれかにおいて、前記第2利益手段の上流側に配置されると共に、前記第1利益手段を通過した遊技球が通過可能に配設される変化手段を備え、前記第1利益手段と、第2利益手段と、前記変化手段とが1ユニットとして構成されることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F1からF7のいずれかの奏する効果に加え、第1利益手段と、第2利益手段と、変化手段とが1ユニットとして構成されるので、第1利益手段と第2利益手段との間に釘などを配置して球の流路を形成する場合に比較して、第1利益手段と第2利益手段との配設スペースを抑制することができる。これにより、遊技領域の他の部分の設計自由度を向上させることができる。
また、1ユニットとして構成されることで、第1利益手段と、第2利益手段と、変化手段との相対位置関係が変化することを抑制できる。これにより、第1利益手段と、第2利益手段と、変化手段との相対位置関係が変化することで設計意図と異なる経路で球が流下することを防止することができる。
遊技機A1からA6,B1からB6,C1からC7,D1からD6,E1からE5,F1からF8のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA6,B1からB6,C1からC7,D1からD6,E1からE5,F1からF8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA6,B1からB6,C1からC7,D1からD6,E1からE5,F1からF8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機において、遊技領域に入賞口を備え、その入賞口に多方向から球が到達でき、入賞可能な遊技機がある(例えば、特許文献1:特開2014−144218号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、入賞口への球の流下について改良の余地があるという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、入賞口への球の流下の良好な遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、遊技球が流下する遊技領域に配設されると共に遊技球を第1流路または第2流路の2の流路に振り分ける振分手段と、その振分手段で前記第2流路に振り分けられた遊技球が通過可能とされると共に遊技球が通過することにより遊技者に利益を与える第1利益手段と、前記振分手段の下流を通過する遊技球が通過可能とされ、遊技球が通過することにより遊技者に利益を与える第2利益手段と、を備える遊技機であって、前記第2流路に振り分けられた遊技球よりも、前記第1流路に振り分けられた遊技球の方が、前記第2利益手段へ向かう割合が大きくされる。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを形成可能とされ、前記第2利益手段は、遊技球が通過可能な開放状態と、遊技球が通過不能な閉鎖状態とで状態が切り替わるものであり、前記第1利益手段を遊技球が通過することにより遊技者に与えられる利益は、前記第1遊技状態において、前記第2利益手段を開放状態へと切り替えることを含むものであって、前記第2遊技状態において、前記第2利益手段は、前記第1利益手段を遊技球が通過したか否かに関わらず開放状態へと切り替わる。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想1又は2に記載の遊技機において、前記第2利益手段の前記第1流路における上流側に配設される変化手段を備え、その変化手段は、前記第1流路を流下する遊技球の流下方向を第2利益手段へ向けた方向へ変化させる態様で形成される。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、入賞口への球の流下を良好にすることができる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、球の流下態様と遊技状態とを関連づけることができる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、球の流下を更に改良することができる。
10 パチンコ機(遊技機)
13 遊技盤
65 第1可変入賞装置(開閉装置、第2利益手段の一部)
67 スルーゲート(第1利益手段)
640a 電動役物
640b 第2入賞口(入賞口、第2利益手段の一部)
313 可動演出部材(盤内役物)
314 第1アウト口
315 第2アウト口
315a 案内リブ(方向調整リブ)
320 左下板部材(下板部)
322 緩衝リブ
324 段部
330 右下板部材(下板部)
332 緩衝リブ
512 第1軸部(第1軸)
540、6540 伸縮演出装置(可動部材)
541 本体部材(中間部材の一部)
544 スライド板(中間部材の一部)
545 スライドレール(中間部材の一部)
541b 突起部
541e 案内締結部(位置決め補助部)
550、5550、6550 回動アーム部材(アーム部材、ストッパ部材)
553 異形長孔(挿通部)
553d 選択壁部(選択領域)
554 円弧状孔(挿通部)
554a 口先部(溝部)
554b 第1ストッパ面(挿通部の一部)
554c 第2ストッパ面(挿通部の一部)
560 第2駆動装置(駆動装置)
570 回動クランク部材(クランク部材)
574 摺動突起部(突起部)
610、7610 ベース部材
613 第1軸支孔(支持部)
614 第2軸支孔(軸支部)
620、4620 演出部材(可動部材)
621a 摺動軸部(突起部)
630 第1駆動装置(駆動装置)
640、2640、3640、4640、7640 伝達部材(伝達部材、可動部材)
641、2641、3641 本体部
643 摺動孔(挿通部)
644 当接部
650 ねじりバネ(付勢装置、弾性バネ)
652 付勢腕部(長尺部材)
653a 屈曲部(第1折曲点)
3641a 傾斜側面(先端拡大領域)
5556 凹設部(外側窪み部)
7613 摺動孔(支持部)
7643 軸支孔(挿通部)
8812 凹設部(変化手段の一部)
8825c1 排出口
8826 方向変化部(変化手段の一部)
8826a 第1凸設部(変化手段の一部)
8826b 第2凸設部(変化手段の一部)
8826c 第3凸設部(変化手段の一部)
8826d 第4凸設部(変化手段の一部)
10832a 第1延設爪部(変化手段の一部)
10832b 第2延設爪部(変化手段の一部)
10833b 第4延設爪部(変化手段の一部)
B83 第4流下経路(第1変化経路の一部)
D 余裕部
L81 軌跡(第1流路の一部)
O81 第1流下経路(第2流路の一部)
X81 第1経路(第2流路の一部、第2変化経路の一部)
X82 第2経路(第2流路の一部)
Y81 流下経路(第1流路の一部)
P81,P82,P83,P84 釘(振分手段の一部)
X91 流下経路(第2流路の一部)
S81 合流領域

Claims (3)

  1. 遊技球が流下する遊技領域に配設されると共に遊技球を第1流路または第2流路の2の流路に振り分ける振分手段と、
    その振分手段で前記第2流路に振り分けられた遊技球が通過可能とされると共に遊技球が通過することにより遊技者に利益を与える第1利益手段と、
    前記振分手段の下流を通過する遊技球が通過可能とされ、遊技球が通過することにより遊技者に利益を与える第2利益手段と、を備える遊技機において、
    前記第2流路に振り分けられた遊技球よりも、前記第1流路に振り分けられた遊技球の方が、前記第2利益手段へ向かう割合が大きくされることを特徴とする遊技機。
  2. 第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを形成可能とされ、
    前記第2利益手段は、遊技球が通過可能な開放状態と、遊技球が通過不能な閉鎖状態とで状態が切り替わるものであり、
    前記第1利益手段を遊技球が通過することにより遊技者に与えられる利益は、前記第1遊技状態において、前記第2利益手段を開放状態へと切り替えることを含むものであって、
    前記第2遊技状態において、前記第2利益手段は、前記第1利益手段を遊技球が通過したか否かに関わらず開放状態へと切り替わることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記第2利益手段の前記第1流路における上流側に配設される変化手段を備え、その変化手段は、前記第1流路を流下する遊技球の流下方向を第2利益手段へ向けた方向へ変化させる態様で形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
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