JP2019083934A - Microsoft Kinect (登録商標)と圧力センサーによる経頭蓋磁気刺激用頭部固定補助装置 - Google Patents

Microsoft Kinect (登録商標)と圧力センサーによる経頭蓋磁気刺激用頭部固定補助装置 Download PDF

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勝也 緒方
Katsuya Ogata
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Abstract

【課題】熟練した医師、技師、あるいは頭皮への光学マーカーなしに磁気刺激コイルが頭皮上で一定であることを確認することを可能とする。【解決手段】MicrosoftKinect(登録商標)で被験者頭部を撮影し頭部の位置、方向を評価する。同時に光学マーカーボールを磁気刺激コイルにとりつけ、マーカーの位置から磁気刺激コイルの位置、方向を評価し、被験者頭部に対する磁気刺激コイルの位置、方向をほぼリアルタイムで評価することができる。また頭皮上に磁気刺激コイル中心が密着していることを評価するため圧力センサーを磁気刺激コイル中心より等距離に4つ以上貼り付ける。圧力値の分布よりコイル中心が密着していることを評価することが可能となる。【選択図】図1

Description

本発明は、経頭蓋磁気刺激法による運動誘発電位を計測する経頭蓋磁気刺激装置に関する。
MicrosoftKinect(登録商標)により、頭部の位置と頭皮上に置いた経頭蓋磁気刺激コイルの位置を同時に評価し、コイル位置が頭皮上で一定になっていることをモニタする方法は存在しない。またコイルが頭皮上に密着していることを光学的に評価することは困難である。
経頭蓋磁気刺激は非侵襲的に大脳皮質を刺激することが可能である。したがってヒト脳科学分野で非常に重要な手技となっている。刺激中は正確に同じ部位を刺激をることが非常に重要である(図1参照)。刺激は2-30分に渡るが、さらにこれが日を変えて同じ部位を刺激する場合もある。更にコイルの位置は水平方向へは3-5ミリメートルの誤差が許容されるが、頭皮上からコイルが離れると距離の二乗で刺激が減衰するため1ミリメートル以内の誤差で頭皮に密着する必要がある。このために一般には熟練した医師や検査技師などが刺激位置を同定し、用手的に磁気刺激コイルを頭皮上で固定している。しかし、近年技術の進歩に伴い3次元カメラを用いた位置評価の商品が販売されている。
しかしこれらの商品は頭部、および刺激コイルの両方にマーカーをとりつけるものである。主に頭部にとりつけたマーカーは皮膚上にあるため、誤って触れると数ミリメートル程度の誤差は容易に生じる。また刺激前に頭皮上のマーカーと頭部のポイント(典型的にはこめかみ、鼻根部など)との位置関係を登録する必要があり、これもまた誤差の要因となり、煩雑な作業である。
また光学的な計測では1ミリメートル以下の量で頭皮上から浮いていることは評価が難しく、これを実現するには非常に高精度な機器とコンピュータ・ソフトウェアが必要となる。
特開2006ー320425号公報 磁気刺激における刺激部位の特定およびターゲッティングを行うための装置この特許では磁気刺激コイルは支持手段(いわゆるロボットアーム)の関節角度により位置を特定し、頭皮の計測は三次元スキャナで行うとされている。頭皮の位置計測を三次元スキャナで行う点で現在市販の装置に対する改善がある。しかしこの装置はコイル位置の評価と位置固定のための支持装置と、頭皮の位置計測のための三次元スキャナを用いており、非常に複雑かつ高価である。
従来の装置では磁気刺激コイル、頭皮両方にマーカーをとりつけ、その位置を読み取る方法であり、主に頭皮上のマーカーがずれる可能性がある。また特許文献に示された方法は支持装置の回転角度からコイル位置を計算するが、正確な位置計算には非常に精度の高い支持装置が必要であり、複雑、高価となる。磁気刺激コイルは頭皮上に密着していることを確認することが重要だが、光学的あるいは支持装置の位置角度のみで1ミリメートル以下で密着していることを実現するのは非常に困難である。
本発明では、Microsoft Kinect(登録商標)を用いて被験者頭部、および磁気刺激コイルに取り付けたマーカーを撮影する。マーカーは磁気刺激コイルにのみとりつけ、頭皮上のマーカーを不要とする。更に1台のカメラで頭皮、磁気刺激コイルの位置を計測することができるため、簡便な装置構成が可能である。また頭皮上の目や鼻などの位置はMicrosoftKinect(登録商標)の付属ソフトにより自動的に検出、同定されるため安価、簡便にコンピュータ・ソフトウェア制作が可能である。マーカー3つかそれ以上を用いたとき、それぞれのマーカーを区別して位置情報を計測する必要があるが、Microsoft Kinect(登録商標)はカラーカメラも統合されており、マーカーを黄色、棟色、緑色などで色をつけることで、色で区別することができる。
上記光学的計測のみでは頭皮上に刺激コイルが密着しているか1ミリメートル以下の計測はしばしば困難であるが、この精度を補完するため、圧力センサーを磁気刺激コイルに接着し、コイル中心が頭皮に密着しているか評価することを実現する。
このように1台のカメラを用い磁気刺激コイルにのみマーカーをとりつけることで、頭皮上にマーカーをとりつける手間を省き、マーカーとこめかみなどの位置関係を登録に関わる手間、および誤差を除去することが可能となる。頭皮上にマーカーを不要とすることは、特に日を変えて同じ部位を刺激する際に誤差が入り込む危険性を大きく減らすことにつながる。Microsoft Kinect (登録商標)の3D情報はTime Of Flight方式を用いて高速な画像取得に適しており、毎秒30フレーム取得することができる。したがって、ほぼリアルタイムに位置情報とその誤差を評価することができる。さらに上記構成は光学計測部分をMicrosoftKinect(登録商標)および付属ソフトを用いることにより数万円で構成可能である。
磁気刺激コイルに接着した圧力センサーは光学的な計測だけに頼る従来の方法で不足している頭皮上への密着を保証することが可能となる。
これら一式のMicrosoftKinect(登録商標)や、接続するパソコン、圧力センサー、入力ボードを追加しても10〜20万円程度の非常に安価な構成が可能となる。現在市販されている磁気刺激コイル位置表示装置は1000万円を越えており、本発明の利用により劇的にコストを下げることが可能となる。
本発明によるシステムのうち光学測定部分、圧力センサー部分を含む全体の構成図である。 磁気刺激コイルの頭皮に接触する面と、そこに貼り付ける圧センサーの配置を示す図である。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
本発明はMicrosoftKinect(登録商標)でマーカーなしに被験者頭部の位置、方向を評価し、同時に磁気刺激コイルに支持棒で固定された3つ以上のマーカーの位置から磁気刺激コイルの位置、方向を評価する。並行して磁気刺激コイルが頭皮上に接する面に貼り付けた圧センサーの値を読み取り、磁気刺激コイルの中心が頭皮に密着していることを正確に評価することができる。
磁気刺激コイルを頭皮上に当てる際の目標点の同定は本発明に依存しない。しかし目標点は被験者頭部の位置、方向を基準とした位置として評価、記録することができる。
図1に、本発明の全体像を例示的に示す。MicrosoftKinect(登録商標)M1を用いて被験者頭部M2、および磁気刺激コイルM3に支持棒M5を介して取り付けた光学マーカーボールM4を撮影する。
マーカーボールは3つ以上からなり、各マーカーボールの位置から磁気刺激コイルの位置をリアルタイムに計算することができる。
顔画像よりコンピュータ・プログラムを用いてコンピュータ表示装置M6に示すような1300以上の特徴点の座標をリアルタイムで計算することができる。これらの位置情報から被験者頭部M2の位置、方向をリアルタイムで計算することができる。よって目標点に磁気刺激コイル位置が維持されているか、ずれた際に何ミリメートルずれが生じたかリアルタイムで確認することができる。撮影された画像及び位置情報はM6の表示装置に表示される。
上記磁気刺激コイル、頭部それぞれの位置情報より被験者頭部M2に対する磁気刺激コイルM3の位置、方向をリアルタイムで計算することができるが、誤差が1ミリメートル程度は残るため、磁気刺激コイルM2が頭皮上に密着していることを評価するには不十分である。これを補うため磁気刺激コイルにとりつけた圧センサーM7から圧力値を読み取りリアルタイムで表示コンピュータM8上に表示する。M6、M8のコンピュータ、および表示装置は説明のため2つに分けているが、実際には1台のコンピュータ、表示装置で実現可能である。
図2に磁気刺激コイルM3に貼り付けた4つの圧センサーM7を示す。コイル中心が頭皮に密着した時はコイル中心から等距離に配置した4つのセンサーは同等の圧力値を示すが、上下左右に傾いて密着し、コイル中心が頭皮から浮いた場合は不均等な圧力値となるため、正確にコイル中心が頭皮に密着していることを評価できる。
磁気刺激コイルにとりつけた3つ以上のマーカー位置を読み取ることで3次元でのコイル位置を特定することができる。同時にMicrosoftKinect(登録商標)は顔中に1300以上の点を定義し、各点の3次元座標を1秒間30フレ―ムで評価することができる。この多数の位置情報により顔の位置情報を詳細に計測することができる。この両者から顔、例えば鼻根部を基準とした磁気刺激コイルの位置を特定することができる。磁気刺激コイルには頭皮に接する面、コイルの中心を基準に4つ以上の圧センサーをとりつける。これらの圧センサーの値より中心から上下左右に傾いているか評価できる。
従来からある製品は煩雑な上非常に高価(1000万円以上)であり、有用でありながら導入が進んでいないのが現状である。本発明により大量生産されたMicrosoftKinect(登録商標)の3次元位置情報を用いることで、従来と同様な精度を維持しつつ、顔のマーカーを不要とした簡便な構成を可能とする。またこれは非常に安価に実現可能である。一方従来の装置を含め光学的な計測では困難であった頭皮上での磁気刺激コイルの密着を評価する圧センサーを組み合わせることで、安価かつ高精度の磁気刺激コイル位置評価を実現するものである。
M1 MicrosoftKinect(登録商標)
M2 被験者頭部
M3 磁気刺激コイル
M4 光学マーカーボール
M5 光学マーカーを磁気刺激コイルに支持する棒
M6 光学位置情報表示コンピュータ及び表示装置
M7 M3上の圧センサーおよび圧センサーからM8へ接続するケーブル
M8 圧情報表示コンピュータ及び表示装置

Claims (2)

  1. MicrosoftKinect(登録商標)を用いて頭部位置、方向をマーカーなしに評価し、同時に光学マーカーボールM4から磁気刺激コイルM3の位置、方向を評価することで、頭皮上のマーカーなしに磁気刺激コイルM3と被験者頭部M2の位置関係をほぼリアルタイムで評価する方法。
  2. 磁気刺激コイルM3の中心から等距離に圧力センサーM7を4つ以上貼り付け、圧力値の分布により磁気刺激コイルM3の中心が頭皮上に密着していることを評価する方法。
JP2017213308A 2017-11-02 2017-11-02 Microsoft Kinect (登録商標)と圧力センサーによる経頭蓋磁気刺激用頭部固定補助装置 Pending JP2019083934A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115154907A (zh) * 2022-07-19 2022-10-11 深圳英智科技有限公司 一种经颅磁刺激线圈定位控制方法、系统及电子设备

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